令和5年09月26日中野区議会決算特別委員会
令和5年09月26日中野区議会決算特別委員会の会議録
23.09.30 中野区議会決算特別委員会(第1日)

.令和5年(2023年)9月26日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。

1.出席議員(37名)

  3番  斉  藤  けいた         4番  井  関  源  二

  5番  黒  沢  ゆ  か        6番  大  沢  ひろゆき

  7番  武  田  やよい         8番  いのつめ  正  太

  9番  間     ひとみ        10番  市  川  しんたろう

 11番  加  藤  たくま        12番  日  野  たかし

 13番  木  村  広  一       15番  立  石  り  お

 16番  内  野  大三郎        18番  河  合  り  な

 19番  細  野  かよこ        20番  斉  藤  ゆ  り

 21番  高  橋  かずちか       22番  大  内  しんご

 23番  甲  田  ゆり子        24番  小  林  ぜんいち

 25番  白  井  ひでふみ       27番  羽  鳥  だいすけ

 28番  い  さ  哲  郎       29番  杉  山     司

 30番  ひやま      隆       31番  山  本  たかし

 32番  伊  藤  正  信       33番  高  橋  ちあき

 34番  平  山  英  明       35番  南     かつひこ

 36番  久  保  り  か       37番  石  坂  わたる

 38番  むとう   有  子       39番  浦  野  さとみ

 40番  中  村  延  子       41番  森     たかゆき

 42番  酒  井  たくや

1.欠席議員(5名)

  1番  山  内  あきひろ        2番  武  井  まさき

 14番  吉  田  康一郎        17番  広  川  まさのり

 26番  小宮山   たかし

.出席説明員

 中野区長    酒井 直人

 副区長     青山 敬一郎

 副区長     栗田 泰正

 教育長     入野 貴美子

 企画部長    岩浅 英樹

 企画課長    森 克久

 財政課長    竹内 賢三

 広聴・広報課長 矢澤 岳

 総務部長    濵口 求

 防災危機管理担当部長          杉本 兼太郎

 DX推進室長  滝瀬 裕之

 総務課長    浅川 靖

 特別定額給付金担当課長         保積 武範

 職員課長    吉沢 健一

 人事政策・育成担当課長         石橋 一彦

 契約課長    原 太洋

 情報システム課長 伊東 知秀

 区民部長、新区役所窓口サービス担当部長 髙橋 昭彦

 文化・産業振興担当部長、シティプロモーション担当課長事務取扱 高村 和哉

 区民サービス課長 小堺 充

 保険医療課長  宮脇 正治

 産業振興課長  松丸 晃大

 子ども教育部長、教育委員会事務局次長  石崎 公一

 子ども家庭支援担当部長、教育委員会事務局参事(子ども家庭支援担当) 小田 史子

 子ども・教育政策課長          渡邊 健治

 保育園・幼稚園課長           半田 浩之

 保育施設利用調整担当課長、幼児施設整備担当課長 藤嶋 正彦

 子ども教育施設課長           藤永 益次

 子育て支援課長 原 拓也

 育成活動推進課長 細野 修一

 指導室長    齊藤 光司

 学務課長    佐藤 貴之

 地域支えあい推進部長、地域包括ケア推進担当部長 石井 大輔

 区民活動推進担当課長          池内 明日香

 健康福祉部長  鳥井 文哉

 保健所長    佐藤 壽志子

 福祉推進課長  中谷  博

 保健予防課長  鹿島 剛

 環境部長    松前 友香子

 環境課長    永見 英光

 清掃事務所長  阿部 正宏

 都市基盤部長  豊川 士朗

 都市計画課長  塚本 剛史

 公園課長    村田 賢佑

 建築課長    石原 千鶴

 交通政策課長  宮澤 晋史

 まちづくり推進部長           角 秀行

 中野駅周辺まちづくり担当部長      千田 真史

 まちづくり計画課長           安田 道孝

 野方以西担当課長 桑原 大輔

 街路用地担当課長 石井 修

 中野駅新北口駅前エリア担当課長     小幡 一隆

 中野駅周辺地区担当課長         山本 光男

 会計室長    志賀 聡

.本会の書記は下記のとおりである。

 事務局長     堀越 恵美子

 事務局次長    林 健

 議事調査担当係長 鈴木 均

 書  記     立川 衛

 書  記     若見 元彦

 書  記     鎌形 聡美

 書  記     髙田 英明

 書  記     田村 優

 書  記     細井 翔太

 書  記     早尾 尚也

 書  記     堀井 翔平

 書  記     金木 崇太

 書  記     髙橋 万里

 書  記     川辺 翔斗

1.委員長署名


午前10時00分開会

○杉山委員長 定足数に達しましたので、ただいまから決算特別委員会を開会します。

 認定第1号から認定第5号までの計5件を一括して議題に供します。

 初めに、委員会の運営について御確認したいことがありますので、委員会を一旦休憩し、理事会を開きたいと思います。

 委員会を休憩します。

午前10時00分休憩

 

午前10時21分開議

○杉山委員長 委員会を再開します。

 ただいま開かれました理事会の報告をします。現在、委員のほうが3人休んでいらっしゃるということで、さらに本日2人の委員が休んでいるということで、今後の決算特別委員会を間引きして、過去、コロナ禍のときの運営と同じような委員会をしたほうがいいんじゃないかということを議論させていただいて、方向的にはその方向になりました。

 委員会を休憩します。

午前10時22分休憩

 

午前10時24分開議

○杉山委員長 委員会を再開します。

 今、休憩中にお諮りいたしましたとおり、本委員会に関しましては、協議しました結果、運営方法を変えて、また再度運営する方向として検討を進めてまいりたいということをお伝えして、皆さんには控室に帰っていただきたいと思います。

 委員会を休憩します。

午前10時25分休憩

 

午後1時09分開議

○杉山委員長 委員会を再開します。

 先ほど委員、理事者の皆様には、大変お待たせしてしまいまして申し訳ございませんでした。この場をお借りしておわび申し上げます。

 先ほど開かれました理事会の報告をします。お手元の資料、決算特別委員会の運営について(修正案)のとおり、委員席の絞り込みを残りの総括質疑3日間行います。また、常時出席理事者席の間を空けておりますので、御確認ください。手指アルコール消毒液を質疑者席、そして答弁者席に設置します。

 次に、9月25日(月曜日)の理事会の報告を行います。委員会運営についてです。本日の総括質疑の順番は、1番目に羽鳥だいすけ委員、2番目に大沢ひろゆき委員、3番目に森たかゆき委員、4番目に高橋ちあき委員、5番目に久保りか委員、6番目にいさ哲郎委員の順で、6名の総括質疑を行うことを確認しました。

 次に、総括質疑通告の取下げについてですが、山内あきひろ委員から質疑を取りやめたいとの申出があり、理事会としてこれを了承しました。また、総括質疑4日間の割り振りについては変更しないこと、質疑の順番については、山内委員以下の順番が一つずつ繰り上がること、山内委員の質疑予定時間は、同会派の次の質疑者の高橋ちあき委員の持ち時間で調整することを確認しました。

 以上が理事会の報告ですが、質疑はございませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○杉山委員長 なければ、ただいまの報告のとおり委員会を運営することに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○杉山委員長 御異議ありませんので、そのように運営します。

 委員会を休憩します。

午後1時11分休憩

 

午後1時12分開議

○杉山委員長 委員会を再開します。

 ただいまから総括質疑を行いますが、答弁される理事者は、答弁前に大きな声で職名を述べるようお願いします。

 それでは質疑に入ります。昨日に引き続き、羽鳥だいすけ委員、質疑をどうぞ。

○羽鳥委員 皆さん、お待たせしました。様々なトラブルがありまして午後からとなりますが、私の総括質疑を始めさせていただきます。5類化後、ちょっと忘れられがちだった基本的な感染対策であるマスクを着用するという、本当に基本的な感染対策を理事会の協議の中でやるということになって、そういう新型コロナの第9波が蔓延している中で非常によい対応かなと思います。引き続きこうした対応は大事かと思いますので、皆さんで肝に銘じていきたい、私自身も肝に銘じていきたいなと思います。

 昨日の2番の気候危機についてから質疑させていただきます。

 脱炭素社会に向けての、改めて事業者としての区の責任は非常に大きいものがあるということをやっぱり私としては指摘をし、そして対策を求めていきたいと思います。区は先日、脱炭素社会の実現に向けた区有施設整備方針を策定いたしました。運用について見てみますと、企画段階の協議(基本計画策定前)及び設計完了後の報告を環境部長に対して行うものとなっていますが、環境部はどのような役割になるのでしょうか。

○永見環境課長 脱炭素社会の実現に向けた区有施設整備方針におきましては、新築・改築建築物におけるエネルギー消費性能といたしまして、1万平米未満の建物はZEB Ready相当以上、1万平米以上の建物はZEB Oriented相当以上という目指す水準を定めました。環境部の役割は、各所管の施設整備において、この水準の達成を担保するために管理を行うことでございまして、運用の中で基本計画策定前の協議と設計完了後の報告を定めたものでございます。

○羽鳥委員 今、御答弁を受けた限りだと、各所管から出される計画について、協議とはいいますけども、事前に知らされるということと事後報告を受けるだけで、環境部として助言をするといった、こうした役割を想定されていないように感じます。そうした中で、環境部の人材だけで例えば無理ならば、外部の専門家を招聘するとかして、専門的な助言を受けられる体制を構築して、各所管でZEB Ready、ZEB Orientedをしっかり達成するような、こうしたことを行っていく取組が必要ではないでしょうか。

○永見環境課長 各所管は、施設の整備に当たりまして、ZEB化を前提とした方向性を定めた上で、専門の事業者に基本計画の策定や設計の委託を行うものでございまして、その中でZEB化の達成に向けて必要な助言や検証は行われるものと考えております。

○羽鳥委員 大事な方針が立ったわけですから、その方針が広く区に行き渡るようにする責任が環境部にあるわけですから、その積極性を見せていただきたいと思います。区有施設全体では、この施設というのは何施設になるのか。この方針で対象となる施設というのがどの程度になるのかということで、10年後、20年後、30年後ということでやっていくと、どう対象となるような施設が出てくるのか数をお答えください。

○永見環境課長 区有施設整備計画によりますと、機能別の施設総数が245施設、そのうち10年後までに更新期を迎える機能別の施設数は約50施設となります。20年後まででは累計で約100施設、30年後までとなると約170施設となる見込みでございます。

○羽鳥委員 そうしますと、現状の方針では、この環境基本計画の目標年度である2030年度までに新築・改築によるZEB化が進むのは、施設全体の5分の1程度の施設になってしまうのではありませんか見解をお答えください。

○永見環境課長 脱炭素社会の実現に向けた区有施設整備方針を策定したことにより、新築・改築・改修時に合わせて中長期的に再エネ・省エネ設備の導入が進み、エネルギー消費性能の向上が図られていくものと考えております。

○羽鳥委員 私が区民委員長であったときに、委員会で学習講師としてお招きした産業技術総合研究所の歌川学さんは、自治体施設の率先対策として省エネ設備導入をするとともに、新築・改修時に断熱建築にしていく設備投資計画を策定すべきじゃないか。こうした提言をされておりました。計画的にこの区施設からの二酸化炭素排出量を削減する、こうした計画を環境部が主導して策定していくべきではないでしょうか。

○永見環境課長 区有施設におけるエネルギー消費性能の向上につきましては、財政負担を鑑みても施設の更新が求められる時期である新築・改築・改修時に実施することが基本であると考えてございまして、その旨、方針において定めたところでございます。

○羽鳥委員 新築・改修時は、それは施設更新のときということになると思うんですけれども、省エネのためのいろんな設備を導入するだとか、様々な手法もあります。こうしたところから考えても、計画を立てて、区のエネルギー消費量そのものを減らしていくということが非常に重要なんではないかなと思います。これまでの答弁を聞いていても、区は2030年度までの目標を達成するつもりがあるのかということが本当に心配になります。私も、例えば水素だとかペロブスカイト型太陽電池だとか、こうした新技術には期待するところですが、こうした技術は2030年度には間に合わないんです。我が党は2030年を見越して、地球温暖化、気候危機を打開するための2030戦略というものを出して、現状の技術の下でも消費エネルギーの抜本的な削減と再エネルギー化を進めることで、二酸化炭素排出量を大幅に削減するという、こうした計画も出しています。また、専門家の中からもこうした様々な提言が出されております。ぜひとも現行の技術でできる限りの対策を区としてやっぱり取っていただきたいと思います。それは、岸田政権が先進国で唯一の石炭火力発電所の撤退期限も設けない。将来世代に背負い切れない負担を押しつけることになる原発にも固執するという、こうした中で、自治体は先進的な目標を立てる、計画を立てるということは非常に重要になってくる。こうした思いからです。ぜひとも中野区には積極的な取組を期待いたします。

 続いて、よりよい働く環境について質問をいたします。

 私がここで念頭に置いているのは、ILO(国際労働機関)が提唱しているディーセントワークというものです。ディーセントワークとは、権利が保障され、十分な収入を生み出し、適切な社会的保護が与えられる生産的仕事を意味します。それは人を物のように使い捨てる働かせ方とは対極にある、人間としての尊厳を保てる生産的な仕事のことです。区がこうした仕事を用意するために果たすべき役割は非常に大きなものがあります。

 まず清掃職員について伺います。区は昨年10月、中野区職員定数管理計画を策定しました。その中で清掃業務については、これまでの退職不補充をしていき、やがて全て民間委託になるという方針から、災害時対応もあり、一定数の職員は直営で確保するとしました。現在の清掃事業所の技能職の職員数と今後の見通しについて伺います。

○阿部清掃事務所長 現在の技能職員数は122名です。今後は、最終的に80名程度を想定した職員の採用としております。

○羽鳥委員 現場職員からは、技能職の長年の不補充による職場の年齢構成のゆがみを指摘する声が上がっています。技能職の年齢構成は現在どうなっているのでしょうか。

○阿部清掃事務所長 現時点の年齢構成です。20歳代が1名、30歳代が2名、40歳代が11名、50歳代が74名、60歳代が34名でございます。

○羽鳥委員 この現状の年齢構成を改めて聞くと、衝撃的な年齢構成です。近い将来、職員の大半が定年退職を迎えることになってしまいます。また今後、技能長となり得る30代、40代の職員が少ないという状況も非常に懸念をするところです。区はこの状態をどのように認識しているのでしょうか。

○阿部清掃事務所長 安定した清掃事業を継続するには、30代や40代をはじめ、今後の清掃事業を中心的に担う世代の構成比を高めていく必要があると認識してございます。

○羽鳥委員 この構成比を高めていくためには、やっぱりそうした年代の採用を進めていくしかないと思うんですよね。現状では、区の採用試験では、この清掃事務所、34歳までの受験資格となっています。私はこの問題を解決するためにも、また就職氷河期対策としても、年代を30代後半から40代の雇用を進めていくような、こうしたことが必要ではないかなと思うのですけれども、いかがでしょうか。

○阿部清掃事務所長 清掃職員採用に当たりましては、採用時年齢の制約もあり、30代後半から40代と世代を絞った雇用は難しい状況となっております。

○羽鳥委員 難しいというお答えでした。私もこの問題で特別区人事委員会に問合せをしてみますと、なぜ技能職の採用試験が34歳までしか受けられないかというと昇任試験の関わりがあって、技能職の最高位である統括技能長への昇任試験の受験資格が34歳までに入区しているという、こうしたことがあるためだそうです。しかし、実際に統括技能長まで昇任するという方は僅かとも聞いています。現状で清掃事務所に統括技能長は何人いらっしゃるんでしょうか。

○阿部清掃事務所長 統括技能長は2人でございます。

○羽鳥委員 一定の年齢になればほぼ全員が昇任するものと異なり、統括技能長は限られており、採用条件にそこまでの昇任ができないというようなことを加えれば、30代後半の技能職の正規雇用の道が開かれるのではないかなというふうに思います。清掃現場では、何年も働いて経験も豊かな労働者が非正規の状態に置かれているとも聞いています。こうした方にその職能にふさわしい賃金を支払い、安定した身分を保障するためにも区は力を尽くしていただきたいと思います。

 続いて、中野区が発注する公契約及び中野区が雇用する非正規雇用の方々など、公契約に関わることについて伺います。中野区は昨年、公契約条例を制定し、それに基づいた公契約審議会の下、労働報酬下限額が定められ、本年度から適用となりました。まず公契約条例の目的について伺います。

○原契約課長 公契約条例は、公契約に関わる労働者の適正な労働条件の確保並びに公契約の品質の確保を図ることを目的に、令和4年3月に制定したものでございます。

○羽鳥委員 昨年度、公契約審議会が行われたわけですけども、どのような審議によってこの労働報酬下限額を定められていったのでしょうか。

○原契約課長 公契約審議会は、学識経験者のほか、労働者団体の関係者、事業者団体の関係者による合計6名の委員で構成されております。同審議会では、諮問事項である労働報酬下限額について、中野区会計年度任用職員の報酬や東京都の最低賃金、国が定める公共工事設計労務単価等を基に調査・審議し、審議結果を区長に答申いただいているものでございます。

○羽鳥委員 そうした公契約条例の目的があり、そして6名の審議会の委員の皆さんに御審議いただき、答申も受け、この間、区は会計年度任用職員の賃金というものをどれほど上げてきたのでしょうか。2022年度と公契約条例が適用となった2023年度について、区が募集している最低額をお答えください。

○吉沢職員課長 会計年度任用職員の昨年、令和4年4月1日時点におけます一番低い報酬単価は1,041円でございました。今年度、令和5年4月1日は、1,173円が一番低い報酬単価となってございます。

○羽鳥委員 昨年度から比べると、時給換算で132円という大幅な引上げを実現しています。公契約審議会の答申を区としても受け止め、賃金の改善に区が取り組んだものとして評価をいたします。御答弁から、改めてこの公契約条例を制定したことの意義を感じることができました。同時に、やはり最低額が時給1,200円にも満たない状態は改善をしていってもらいたいと思います。区としては、この募集額は十分だと考えていらっしゃるのでしょうかお答えください。

○吉沢職員課長 区は公契約条例を制定し、その運用開始となる令和5年4月に向けまして、会計年度任用職員の報酬単価の大幅な引上げを実施してまいりました。今後は、特別区人事委員会における給与勧告に応じました改定を実施することというふうに考えてございます。

○羽鳥委員 公契約条例の効果もあり、また、審議会の答申を踏まえて大幅に募集額を引き上げたことは重要です。また、人事院勧告に沿って引上げを図るということで、今後の一定の賃上げも期待をできます。同時に、全労連(全国労働組合総連合)は、都内で一人暮らしをするのに時給1,600円が必要だという、こうした調査結果も示しています。中野区が発注する仕事をまともな賃金にするためにも、区として区内で暮らすためにはどの程度の金額が必要かを調査することが必要ではないでしょうか。会計年度任用職員の賃金を定めるために、区として最低生計費の調査を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。

○吉沢職員課長 委員御案内の区民の最低生計費の調査につきましては、現在想定してございませんが、他区における報酬単価の動向等を注視してまいりたいというふうに考えてございます。

○羽鳥委員 先日、最低賃金を、時給1,500円の実現を目指すという団体の方から要望書を受け取りました。その中には、約100人から聞き取った今の賃金に対する労働者の思いがつづられていました。あなたにとって健康で文化的な最低限度の生活とは何か。こうした設問には、外食時に1,000円以上のメニューに、うっとならない。3食きちんと食べられて、たまに外食できる。ぜいたくしない範囲で服や物を買える。たまに旅行に行けるなど、率直な思いが寄せられていました。また、お金が足りないときに何から削るかという設問では、食費という回答が最も多く、多くの人の苦しい生活がうかがえました。質問の中でも私は、どの程度の最低賃金が必要だと思うかという設問が重要だと感じました。その中では様々な額が寄せられていましたが、時給1,200円未満と回答した方は一人もいませんでした。この金額では暮らせないというのが区民の率直な思いです。日本では、時給1,500円を実現しようという運動が大きく広がっています。岸田首相は、2030年代半ばまでに時給1,500円をと言っていますが、これでは遅過ぎます。今すぐ時給1,500円をという声に区はぜひ向き合っていただきたいと要望し、この項の質疑を終えます。

 続いて、保育施策について伺います。

 保育園待機児童については、民間保育園の誘致が進む中で減少していき、2022年度に初めて国基準での待機児童ゼロを達成しました。まだ特定園希望などで除外されている方がいることを差し引いても重要なことだと思います。まず保育需要数の今後の見通しについて伺います。

○藤嶋幼児施設整備担当課長 区内の0歳から5歳の人口につきましては減少傾向にございますけれども、女性の就業率及び保育需要率の上昇が見込まれることから、今後10年間はほぼ横ばいで推移するというふうに推測しているところでございます。

○羽鳥委員 待機児童問題が解消に向かっていく中で、今度は定員の空きが深刻な問題になってきています。今年度の私立認可保育園の定員の空きはどの程度あるのでしょうか年齢ごとにお答えください。

○藤嶋保育施設利用調整担当課長 令和5年4月時点の空きの状況でございますけれども、0歳児クラス141名、1歳児クラス25名、2歳児クラス67名、3歳児クラス223名、4歳児クラス239名、5歳児クラス277名、合計いたしますと972名でございます。

○羽鳥委員 どの年代でも空きがありますが、特に単価が高い0歳の空きが大きいというのが非常に心配なところです。私立保育園園長会からこの間、定員の空きによる減収の補填を訴える声が寄せられています。現在の減収補填制度は、なぜ認証保育所と小規模保育事業と家庭的保育事業だけなのでしょうか。

○半田保育園・幼稚園課長 認証保育所、小規模保育事業、家庭的保育事業につきましては、特に年度の前半に多くの空き定員が生じておりますけれども、定員規模が小さいことから、空き定員が経営に与える影響が大きいというふうに考えてございます。一方で、年度後半に増加する入園希望者のための保育定員を確保する必要があるため、6か月を上限として定員未充足による減収に対する加算を行っているものでございます。

○羽鳥委員 23区では、この減収補填制度を認可保育園も対象としている区もあると聞きます。認可保育園を対象とした減収補填制度は何区で実施されているのでしょうか。区は他区の状況について把握をされているでしょうかお答えください。

○半田保育園・幼稚園課長 令和4年度は15区で実施していることを確認してございます。

○羽鳥委員 先ほど御答弁があったように、認証保育所などは収入に占める補助金の割合が大きいということになるということだと思うんですけども、人数の多い認可保育園においては、割合は低くとも減収の額そのものが大きく、経営にも深刻な影響が出ています。例えば0歳児の定員に空きがあるとして、1か月でどの程度の減収になるのでしょうか。

○半田保育園・幼稚園課長 公定価格や補助金につきましては様々な加算制度がございまして、実際の減収額は園ごとに大きく異なるものでございますけれども、0歳児の場合、1人当たりおおむね25万円から35万円程度になると試算してございます。

○羽鳥委員 1か月空きがあると、1人分の給与に匹敵するような金額が失われてしまいます。定員の空きは本当に深刻な問題です。2022年度の定員の空きは、最終的にどの程度まで埋まったのでしょうか。

○藤嶋保育施設利用調整担当課長 令和5年3月時点の空きの状況でございますけれども、0歳児クラスが4名、1歳児クラスが8名、2歳児クラスが64名、3歳児クラスが203名、4歳児クラスが258名、5歳児クラスが273名の合計810名でありまして、入所率としましては87.3%定員が埋まったという状況でございます。

○羽鳥委員 昔は、この4月入園に合わせて出産の時期などを考えているという、こうしたことまで強いられていたところから、待機児童問題が解消しつつある中で育休を使い切ることや、1歳前に入園させることを見越して、秋に入園を希望している御家庭も増えていると聞きます。子育て環境の一定の前進の成果かと思いますが、一方で、保育園側からすると半年間ぐらいの定員の空きが生じやすくなっているということでもあります。こうした状況を鑑みる必要があるのではないでしょうか。改めて、認可保育園にも減収補填を行うべきだと考えますが、いかがでしょうか。

○半田保育園・幼稚園課長 私立の認可保育所の令和5年4月の入所率は約85%でございます。また例年、年度末までには入所率が上がっている傾向にございますため、現時点で減収補填を行うことは予定してございません。また、認可保育所につきましては、施設の利用状況や地域の保育需要を踏まえた適正な定員とすることが必要だと考えてございまして、利用定員を柔軟に変更できるよう検討を進めているところでございます。

○羽鳥委員 現実には多数派の区が減収補填をされているわけですから、この問題でも遅れを取っているわけですよ。ぜひとも検討していただきたいと思います。認可保育園の支援については、2020年度まで宿舎借上げ補助の事業主負担分である8分の1の額を区が負担していたものがありました。2022年度にこの事業者負担分を区が負担する措置を実施していた場合、どの程度の支出となるのでしょうか。

○半田保育園・幼稚園課長 保育従事職員宿舎借上げ支援事業の負担割合は、国と都が合わせて8分の6、区が8分の1、事業者が8分の1でございます。保育従事職員宿舎借上げ支援事業補助金の令和4年度決算額でございますけれども、7億2,204万6,000円となってございます。補助額には上限枠がございますため、事業者負担額の正確な試算はできませんけれども、少なくとも1億円余は事業者が負担しているという計算になります。

○羽鳥委員 この措置については、財政的な非常事態にあるという理由から削減をされました。財政は健全とまで評価される状態になったわけですから、削減した理由はなくなったわけですから復活すべきと考えますが、いかがでしょうか。

○半田保育園・幼稚園課長 保育従事職員宿舎借上げ支援事業につきましては、国及び都の制度にのっとり、運営事業者に応分の負担を求めているものでございます。現時点で負担割合の見直しは予定してございません。

○羽鳥委員 保育園園長会の皆さんと懇談したときに園長のある方がおっしゃっていたのは、子育て先進区と言いながら、区で独自にこれをやっているよと言えるのはこれぐらいだというふうな声もありました。本則では事業者負担があるからということなのかもしれませんが、保育園を取り巻く厳しい情勢下で保育士の賃金底上げにもつながりますし、区が実施するに当たって無理な金額ではないと思います。改めて復活を求めます。

 区立保育園における調理・用務業務委託についてお尋ねいたします。現在、区は職員定数管理計画に基づいて、技能系の職種は清掃事業を除いて退職不補充として業務委託を推進するとしています。それに基づいて区立保育園における調理・用務業務も業務委託化が進められています。この調理・用務業務委託について、現在の直営委託はどのような状況になっているでしょうか。

○半田保育園・幼稚園課長 令和5年度、区立保育園10園のうち5園で調理・用務業務を民間事業者に委託してございます。また、そのほかに1園、調理業務のみを委託してございます。調理・用務業務とも直営で行っている園は4園でございます。

○羽鳥委員 今後どのようにこの調理・用務業務の委託を進めようとしているのでしょうか。

○半田保育園・幼稚園課長 区では、調理職及び用務職につきましては、今後新たに採用する予定はございません。職員の年齢構成なども鑑みまして、順次、区立保育園の調理・用務業務を委託化していく計画でございます。

○羽鳥委員 これから委託を行おうとしている丸山保育園については、手狭で専用の休憩室がないことなど、施設的な条件が整っていないのではないでしょうか。

○半田保育園・幼稚園課長 丸山保育園の調理業務委託につきましては、保健所の指導も受けながら委託化のほうを進めているところでございまして、委託に関わる設備的な問題はないというふうに考えてございます。

○羽鳥委員 相談しながらやっているということなので、問題ないということなんですが、こうした手狭な条件の中であれば、偽装請負など運営に支障が出るのではないでしょうか。

○半田保育園・幼稚園課長 丸山保育園の調理業務委託につきましては、契約書の仕様に基づき業務を委託するものでございます。区から事業者に対する業務命令は、あくまで委託契約書に基づいて行ってまいります。

○羽鳥委員 仕様書できちんと業務を定めれば大丈夫ということですが、やはりこうした偽装請負になってしまう疑念は拭えません。区立保育園におけるこれ以上の調理・用務業務委託について見直すべきではないでしょうか。

○半田保育園・幼稚園課長 区では、既に6園で調理・用務業務を委託化するところでございますけれども、直営の園と同様に業務のほうを行っておりまして、委託化による問題等は生じてございません。今後も計画的に調理・用務業務の委託化を進めていきたいというふうに考えてございます。

○羽鳥委員 問題はないとおっしゃいますが、この業務に限りませんが、技能職、また本庁舎では窓口とかもそうですけども、こうしたところをどんどん委託してしまえば、その部門での知見が区になくなってしまい、私立保育園に対する指導にも影響が出てくるのではないでしょうか。区には公共の役割をよく鑑みて、安易な委託を推し進めないよう求め、この項の質問を終えます。

 最後に、鷺宮地域の課題についてお尋ねいたします。

 鷺宮地域では、西武新宿線の連続立体交差事業を中心としたまちづくりが控えており、今後まちの姿が大きく変わります。まちづくりの中でも大きな位置を占めるのが、東京都住宅供給公社鷺宮西住宅の建て替えの問題です。まだ建て替えの年度は決まっていませんが、定期借家による契約という建て替えを見越した動きが住民の生活設計に影響を与えています。中野区は昨年度、鷺宮地域のまちづくりに関して覚書を結んでいますが、どのような中身なのでしょうか。

○桑原野方以西担当課長 本年3月、中野区と東京都住宅供給公社では覚書を締結してございます。覚書の主な内容としましては、鷺ノ宮駅周辺のまちづくりと公社鷺宮西住宅の建て替えを連携して検討すること、まちづくりの推進についての情報を共有し、協力関係を構築することとしてございます。

○羽鳥委員 この覚書に基づく協議などは公社と行っているのでしょうか。

○桑原野方以西担当課長 公社鷺宮西住宅の建て替えに当たりましては、当該地が広域避難場所に指定されていることを踏まえまして、地域の防災性の向上に資する取組などが必要であると考えてございます。現在、それに必要な当該地の施設配置などについて、東京都住宅供給公社と検討を進めているところでございます。

○羽鳥委員 鷺宮西住宅について言えば、先ほど言いましたように定期借家の問題があります。契約年度が定められてしまっているために、公社が契約更新の意思を示さなければ、住民は出ていかざるを得ません。住民の側からすれば、高齢者などは特に住み替えに大きなハードルもあります。そうした中で建て替えを円滑に進めていこうと区が考える、公社とともに行おうと考えているならば、公社と区の協力は不可欠です。区はどのような取組を行っていくつもりなのでしょうか。

○桑原野方以西担当課長 現在、当該地には適切な居住機能の確保などを目的とします一団地の住宅施設の都市計画が定められてございます。このため、公社鷺宮西住宅の建て替えに当たりましては、新たに地区計画を策定するなどの取組が必要となると考えてございます。今後も引き続き、東京都住宅供給公社と協力しながら必要な検討を進めまして、公社鷺宮西住宅の早期建て替えに向けて取り組んでまいります。

○羽鳥委員 私の言う協力というのは、そうした地区計画の策定についての協力だけじゃなくて、まちづくりに当たって住民の意見が反映される住民参画をしっかりと行うことや、住みたいまち、住み続けたいまち鷺宮という、こういう理念があるわけです。こうした理念が生かされるような取組をぜひとも求めたいと思います。

 第2回定例会において、西中野小学校、鷺宮小学校を廃止し、鷺の杜小学校を設置する条例が可決されました。この議案に我が会派は反対の立場を取りましたが、条例が可決された段階に当たり、児童の安全対策について伺います。この問題では、西中野小学校地域から鷺の杜小学校に通う児童の通学路、特に鷺ノ宮2号踏切の安全対策が課題となっています。区はこれまで安全対策として、西武新宿線をまたぐ跨線橋などについて、どのような検討を行ってきたのでしょうか。

○渡邊子ども・教育政策課長 区は、鷺宮小学校と西中野小学校の統合に伴い、児童が西武新宿線を横断する必要があることから、令和4年2月に西武新宿線横断策の検証を行いました。具体的には平面交差のほか、跨線橋や地下横断歩道などの立体横断施設についても、工期や概算事業費の比較検討を行ったものでございます。

○羽鳥委員 現在、区は、踏切横断の安全対策として警備員の配置を行おうとしていますが、対策としてこれで終わりなのでしょうか。統合するという計画は、区の側からすれば何年もかけて進んでいたにもかかわらず、なぜこんな状況になってしまっているのかと思います。その間、通学路の安全対策の検討は進んでこなかったのに、この先検討は本当に進むんでしょうか。今後、何を検討するのでしょうかお答えください。

○渡邊子ども・教育政策課長 今後は、跨線橋や地下横断歩道を整備する場合の構造や設置場所、施工方法などを調査し、具体的な可否について関係部署間で検討を進めていく予定でございます。

○羽鳥委員 早急な検討を求めます。

 9月19日から地域公共交通の実証運行が再開されました。昨年度の実施の際には、シルバーパスの適用や料金の値下げを求めてきましたが、今年度は高齢者割引証が発行されることになりました。地域の皆さんの声を聞いていますと、この高齢者割引証も非常に好評とのことです。また、割引証については、近くの若宮高齢者会館で常時発行できたらもっと便利なのにという、こうした声も伺っています。ぜひとも検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○宮澤交通政策課長 高齢者割引証につきましては、発行時に年齢確認のための証明書の確認と、申請書への氏名及び連絡先等の記入を要件としておりまして、個人情報の収集の事務が含まれることから、直接区職員が対応することとしております。このため、区職員が常駐していない若宮高齢者会館におきましては、高齢者割引証を常時発行することは難しいと考えてございます。

○羽鳥委員 常時は難しいということだったんですけれども、そうした中でも、例えば何らかの高齢者会館で行われる講座の際に区の職員が出向いて、発行をそのときだけやるだとか、いろんな発行できるような取組なんかも検討していただけたらなと思います。

 最後に、区民活動センターでの映像機器などの配備について伺います。この間、鷺宮地域で高齢者の介護予防の運動に取り組んでいる方から、映像を見ながら運動を行おうと思ったら映像機器がなかった。こうした訴えもお聞きしました。その団体の方に尋ねてみますと、講座をやるたびにテレビや映像機器、DVDプレーヤーなどを運んで、大変負担というふうな声を伺っています。区にこの状況を聞いてみますと、施設によってはこうした映像機器を配備されていないところもあるようです。区民活動センターなどでのこの配備を充実させていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。

○池内区民活動推進担当課長 集会室の利用率や利便性の向上のため、現在15か所の区民活動センターの集会室、分室における貸出し物品や集会室設備に関しまして現状調査を行い、把握をし、計画的に備品配備をするところでございます。

○羽鳥委員 ぜひとも進めていっていただきたいと思います。

 以上で私の全ての質問を終わります。ありがとうございました。

○杉山委員長 以上で羽鳥だいすけ委員の質疑を終了します。

 次に、大沢ひろゆき委員、質疑をどうぞ。

○大沢委員 まずは本日の急な変更に際して、速やかに御対応いただきました事務局の皆様に心から感謝を申し上げます。今回、初当選の新人議員の中で第1号の総括質疑となります。朝からのもろもろの諸変更等を含めて、非常に思い出に残るデビュー戦となるかと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 令和5年第3回定例会決算特別委員会におきまして、都民ファーストの会中野区議団の立場から総括質疑を行います。質問は通告どおりで、その他はありませんが、1の(5)都支出金の活用については、時間の都合で取り下げさせていただきます。

 まず令和4年度決算について、冒頭私どもの見解を申し上げます。

 令和4年度は、保育園待機児童ゼロを初めて達成、介護・障害福祉サービス事業所職員への宿舎借上げを実施、中野区としての児童相談所の開設など、子育て・介護系を中心に東京都とも連携しつつ、成果を上げた年であったと評価します。

 地方公共団体の財政の健全化に関する法律に基づく四つの指標については、政令で定められた早期健全化基準を下回っており、いずれも健全性を維持しているということでございます。しかし、課題もあると考えております。特に歳出面において執行率が92.7%にとどまり、115億円が不用額として計上されました。一口に115億円といいますけれども、これは一つの自治体、そう、千葉県勝浦市というのがありますが、こちらは令和4年度の一般会計の年間予算額は102億円です。これを上回るような大きな額です。このような額が不用額として計上されたということ、これは反省すべきことであると思っています。より精度の高い予算策定を実施することにより、同じ額の予算の中でもさらに区民の皆様に寄り添う多くの施策を盛り込むことができるのではないかと考えております。

 中野区は、100年に一度の再開発の時期を迎えています。チルドレンファーストである子育て先進区のさらなる前進、ヘルスファーストである福祉系施策のさらなる充実に加え、フューチャーファーストであるまちづくり、そして産業振興にもしっかりと、そして多彩な予算を計上する必要があります。このような状況を踏まえ、予算の精度をしっかり上げ、同じ額の予算でもさらにいろいろなことができる中野区としていくべきであると考えます。

 この8月29日に、酒井区長から発出された令和6年度中野区予算編成方針においても、毎年度経常的に実施している事業についても、エビデンスを基にした分析により適切な需要推計を行い、適切な予算規模とし、決算時の見込み差残額、これは不用額のことを指すと考えますが、の縮減に努めると明記されております。

 そこで伺います。まず(1)決算数値から見る予算策定時の精度と予算の位置づけについて伺います。令和4年度一般会計全般において感じるのは、全体として歳入が予算比96.8%の収入率、これは調定額ベースの数字です。と、比較的精度が高い一方、歳出については執行率92.7%と精度が低いように感じます。115億円が先ほど申し上げたように不用額として計上されています。これは例年類似している傾向なのでしょうか、それとも令和4年度の特殊な状況なのでしょうか。

○竹内財政課長 歳出は予算額の範囲内でのみ支出が許されており、歳入は予算額に関わらず収入できることから、歳入の収入率と比べると低くなる傾向にあると考えてございます。歳出の執行率につきましては、令和4年度が92.7%、令和3年度が92.4%、令和2年度が94.8%、令和元年度が90.8%となっているところでありまして、こちらは特殊な状況と言えるものではないと考えてございます。

○大沢委員 そうですね。総務分科会資料の114番、今の数字がございますように2015年度の95.2%をピークとして、それ以降は低下をしていて、大体90%台前半で推移しているというところでございます。本来、中野区として目指している執行率はどれくらいなのでしょうかお答えください。また、令和5年度の歳出につきましては、どのような執行率を見込んでいらっしゃいますでしょうか。

○竹内財政課長 目標としている執行率についてでございますが、必要な経費を適切に計上していると認識してございまして、不用額は極力発生しないことが望ましいと考えてございます。一方で、特に予算規模の大きな投資的経費などは、事業進捗に遅れ等が生じ、想定した執行額に届かない場合もございまして、執行に当たって一定規模の不用額が発生することはあると認識してございます。令和5年度の歳出についても、投資的経費などの事業進捗や社会状況に左右されるものもございまして、適切に進捗管理を行い、必要により補正予算による対応なども図っていきたいと考えてございます。

○大沢委員 御回答いただき、ありがとうございます。なぜこんなことを聞くのかというところでございます。私は36年間、アメーバ経営で有名な企業に勤めておりました。経営であったりとか事業運営、予算管理にもそれぞれ従事をしたことがございます。予算は大きめに取っておきたいというのは、行政であっても民間であっても、これはなかなか変わらない。これをどこまで絞るのか。例えば給付金を実施する。そのような場合に、過去における同様の給付金が例えば90%程度の支給率でずっと推移していた。このような場合に、じゃ、それを予算にするのか、それとも全員が受取りに来ちゃったときに足りなくなるから、100%を予算にするのか。ここは考え方の大きな分かれ目になってくるんだと思います。その考え方を是とするのか非とするのかによって、予算の執行というのは大きく変わってくると考えています。実績ベースでの予算立て、足りない場合には補正で対処。このような考え方をもし一貫するのであれば、100%に近い執行率になる。私の経験上も98%から100%の中に大体収まるようになる。このようなことだと思っています。一方、100%での受給を前提とする。このような予算計上の考え方を全体として認めていくと、今の中野区のようにやはり執行率は90%程度ということになっていくことになります。このどちらの考え方に立って予算をつくっていくのかというところ、これは現場ではなくて、区長であったり、教育長であったり、そしてこれを受けた管理部門の皆様のポリシーによることになると考えています。

 区長が令和6年度中野区予算編成方針において、毎年度経常的に実施している事業についても、エビデンスを基にした分析により適切な需要推計を行い、適切な予算規模とし、決算時の見込み差残額、これは不用額のことを指していると推計いたしますけれども、この縮退に努めると記されていることの意味と度合い、そして運用をしっかりと明確に具体化して現場に浸透させること、これが非常に重要であると考えております。

 また、民間企業の場合には、予算よりも経費を削減することが企業の利益につながる側面もあります。しかし、区など自治体の場合には、住民に対してできる限り多くの有効な施策を実施したいところ、限られた財源、限られた職員数の中から、住民に最も有効な施策から優先順位をつけて、政策として実現していくことが重要であり、中野区の予算もこのような考え方に基づき策定されているものと思います。したがって、一旦予算として計上し、職員のリソースをも投入することと決した以上は、区民サービスの観点からも各政策を計画どおりに遂行し、歳出の予測精度も引き上げることが重要であると考えますが、いかがでしょうか。

○竹内財政課長 予算につきましては、合理的な根拠により最小の予算で最大の効果が得られるような経費を算定し、計上しているところでございます。執行に当たっては、予算積算時には想定しなかった事態も生じることから、必ずしも予定どおりに事業執行ができないこともございますけれども、区民サービスが低下することのないように工夫しながら取り組むことが重要と考えてございます。

○大沢委員 予算精度を上げるというお話を今しているんですけれども、予算精度を上げることによって、同じ額の予算であってもより多くの事業を計画することができる。そして実行することができるであろう。このように考えています。これまで区の職員の皆様とお話しする中でしばしば、ちょっとこれ、予算上難しいんだよねという話が出てくることがありました。でも、実際に年度を閉じると、やはり10%程度、今回の場合でいうと7.3%ぐらいですか、の不用額が出てくるということでございます。予算精度を上げることにより必要な事業をしっかりと検討し、さらに盛り込むことができるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。

○竹内財政課長 これまでもエビデンスに基づき予算積算に取り組んできたところでございますけれども、各事業を実施する段階で社会状況や外部的要因により見込み差が出ることはございますが、より精度の高い予算積算を行うことは、同じ予算額であれば、より多くの区民サービスを提供できることにつながると考えてございます。

○大沢委員 ちょっと先ほどと繰り返しになってしまうんですけども、考え方として先ほどのように過去においてそれでは9割ぐらいしか執行できなかったものが、やっぱり100人対象者がいるから100%という数字の上げ方をするのか、そうじゃなくて、それは90%なら90%という数字の上げ方をしておいて、そしてすごく出ていったような場合、すごくたくさん使われたような場合には補正をやるのか。この考え方が大きな分かれ目だと思いますので、その辺り、どちらで今回予算を運営していくのかということは、令和6年度予算特別委員会の中でもしっかりと議論をさせていただきたいと思っておりますが、一旦了解いたしました。

 令和6年度の当初予算については、より精度の高い、少なくとも歳入と同レベルの予算策定を行い、必要な事業をより多く盛り込むことができる中野区にすべきであると考えておりますが、いかがでしょうか。

○竹内財政課長 不用額となった要因を分析するなど、予算積算の精度向上を目指すとともに、事業の選択と集中を図りながら、区民ニーズに適切に応えることのできる区政運営を行っていきたいと考えてございます。

○大沢委員 御回答いただき、ありがとうございました。区としても、まだ予算精度改善の余地があるというふうに考えていらっしゃること、先ほどの区長からの方針ですね、予算編成方針の中でもあるように、さらに積算をより適切な予算規模とするということについての御意見もあるということは理解いたしましたので、令和6年度予算における総括質疑の場において、具体的にどのような改善を行ったのかについてまた改めて質問させていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

 続きまして、2点目です。人件費(一般会計)における予算額と決算額の乖離について伺います。各款において人件費について予算と大きな乖離が見られます。多額の不用額が生じています。この総額は10億6,500万円に上ります。企画費において3,800万円、総務費においては5億円、そして区民費においては3,700万円、子ども教育費においては2億100万円、そして地域支えあい推進費においては2,200万円、健康福祉費においては9,400万円、環境費において6,600万円、都市基盤費において5,300万円、まちづくり推進費において3,400万円、合わせて10億6,500万円となります。乱暴な計算ではありますけれども、中野区の職員の平均給与を700万円程度と考えた場合に、福利厚生等々ございますけれども、ざっくりで割ると150人分ぐらいの人件費に相当するものが不用額として令和4年度計上されているというようなことでございます。

 そこで伺います。人件費は、基本的には各年度の要員数、要員1人当たりの単価、退職金などの要素で構成されていて、比較的精度の高い見積りがしやすいものというふうに認識しているんですが、中野区全体として令和4年度予算策定段階において想定されていた要員数、1人当たり単価、実際の要員数、1人当たり単価、さらには退職金等々の出具合、この辺りについて一体どのような差があった結果として、この10億円の差を生んだのでしょうか。

○吉沢職員課長 予算積算時における想定職員数と実人数の乖離における影響額は少なかったものでございます。不用額の大きな要因につきましては、総務関係人件費における退職手当の約3億5,800万円となってございます。これは退職者数の見込み差ということになってございまして、令和3年11月の予算積算時における令和4年度の定年・勧奨・普通退職者数を136名と見込んでおりましたが、実際には125名の退職者数で、11名少なかったためでございます。令和5年度から定年延長が実施されることで、退職者数の見込みについては想定が難しかったというものでございます。また、普通退職者につきましては、どの年齢層が退職するか不明であるということもありまして、その単価を高く見積もっていたことも要因でございます。

 そのほか、任期付短時間勤務職員等や会計年度任用職員の必要数と実績数との乖離としまして、約2億4,500万円の不用額となってございます。こちらは、区立学校における介助業務等の任期付短時間や保育園等の会計年度任用職員等が必要人数を採用できなかったこと等が要因となってございます。

 次に、育児休業取得者等の無給者が増えたことによります見込み差が約1億8,000万円、共済費等の見込み差が約1億6,000万円、超過勤務等執行額の見込み差が約1億1,000万円ということになってございます。以上、合計額10億円余が人件費の不用額になった主な要因となってございます。

○大沢委員 御説明ありがとうございます。それでは、このような乖離をなくしていくためにどのようにすべきであるとお考えでしょうか。また、会計年度任用職員の必要数が採用できていないこと、これは区民サービスに実際に影響を与える大きな部分であるというふうに考えておりますけれども、このことについてはどのようにしていくつもりでしょうか。

○吉沢職員課長 令和6年度予算の積算に当たりましては、退職の見込み人数を想定するのは難しいというふうに考えてございますが、今までの普通退職者の実績が若い年代の職員であったことを考慮しまして、単価を下げること等で普通退職手当額の精査をしていきたいというふうに考えてございます。また、学校における介助業務等の任期付短時間や保育園等の会計年度任用職員等の募集につきまして、広報の仕方等を工夫しまして周知を図ることで人材確保に努めてまいります。

○大沢委員 御回答いただき、ありがとうございました。人件費の乖離については、まとめますと職員数はほぼ想定どおり。定年及び勧奨退職者数が想定より少なかった。一般退職者数はおおむね想定どおりであったが、若年層の退職が増えたことによる退職金単価が低かったこと。この単価の読み違いについては今後補正予算をしていただけるということ。実際に今回、総務分科会要求資料77を確認いたしましたところ、既に反映されていることを確認いたしました。どうもありがとうございました。

 そして保育士、あと要支援者介護員、学校介助員、この辺りの分野における会計年度任用職員が十分に採用できなかったというふうにお聞きいたしました。約17名程度不足しているということであったかと思います。こちらが採用できないことは区民サービスの低下につながる大きな問題であると考えています。総務分科会資料83番を見ますと、23区の中で必ずしも待遇面が高いというわけではないということもございます。今後とも採用拡大に向けた待遇面での検討、周知強化などの検討をよろしくお願いします。

 続きまして、款別決算における予算額と執行額の乖離について質問をさせていただきます。款別決算において予算額と執行額に大きな乖離があり、不用額が年間5億円を上回っている款について質問をさせていただきます。まず総務費です。総務費は執行率89.2%、不用額約20億円ということになっています。このような乖離が生じた主な理由をお示しください。また、乖離をなくしていくためにどのようにしていくべきであると考えるか伺います。

○浅川総務課長 総務費の主な不用額の中身でございますが、先ほど職員課長からも答弁にございましたけれども、総務関係人件費等における給料、職員手当等残、次に住民税非課税世帯等給付金事業の残、そして価格高騰緊急支援給付金事業の残でございまして、この三つで不用額約20億円のうちの約17億円を占めているものでございます。いずれも総額があらかじめ見通しにくく、給付金などを支払う場合は即時に対応すべき性質のものであるとともに、不足が生じることはあってはならないものだと考えてございます。給付金については、受給対象の方に確実に申請してもらえるよう、今後とも周知方法等の工夫を続けてまいりたいと思ってございます。

○大沢委員 お答えいただきまして、ありがとうございました。後ほどこの給付金の部分につきましては、個別にメニューごとの差異のところで、1の(4)のところでも改めて質疑をさせていただきます。

 そして、総務費においても、ただ、まだ予算の精度は後ほども御説明しますけれども、改善の余地は恐らくあると考えております。改善に取り組んでいただけるようよろしくお願いします。また、令和6年度の予算における総括質疑の場においては、どのような形で予算を組まれたかということにつきましても、質問をさせていただきたいと思いますので、ぜひよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。

 続きまして、区民費についてお伺いいたします。区民費は執行率90.5%、不用額として約11億円が計上されています。このような乖離が生じた主な理由をお示しください。また、乖離をなくしていくためにどのようにしていくべきであると考えるかについて伺います。

○小堺区民サービス課長 区民費の主な不用額のうち、保険医療費の国民健康保険事業特別会計繰出金の執行残が約48%、産業振興費の中野区生活応援事業、中野区プレミアム付商品券事業、産業経済融資等利子補給金の執行残が約32%を占めており、そのほか、通知書作成及び封入封緘委託費、通知類発送のための郵便料金等に執行残が生じております。これらは、保険料給付が見込みより少なく、保険料収納率が見込みより多かったことなど、予算積算時の見込みと実績の差により執行残が生じたものでございます。事業実施における予算編成については、実績並びに伸び率を考慮の上、過不足が生じないよう予測の精度を上げ、適正な規模を見込むとともに、適切な執行管理に努めたいと考えております。

○大沢委員 御回答いただき、ありがとうございました。こちらにつきましても、一部の項目につきまして、1の(4)事業メニューにおける予算額と執行額との乖離の部分で、健康保険、さらにPayPayキャンペーンの部分ですね。この辺りについてお伺いさせていただきます。ありがとうございました。

 続きまして、健康福祉費につきまして、このような乖離が生じた主な理由をお示しください。こちらは執行率91.6%で、不用額が32億円となっています。また、乖離をなくしていくためにどのようにしていくべきであると考えるか伺います。

○中谷福祉推進課長 健康福祉費の不用額のうち主なものは、生活保護の各種扶助費や住居確保給付金、障害者の自立支援給付費、新型コロナウイルスのワクチン接種体制確保事業費の執行残などでございますが、これらは予算積算時の見込みと実績の差により執行残が生じたものでございます。予算の執行段階における節減努力により不用額が生じることもございますが、今後、予算額と執行額の乖離をなくしていくためには、これまで以上に予算積算の精度を高め、翌年度の実績に近い金額を予測し、予算を積算できるように努めていきたいと考えてございます。

○大沢委員 ありがとうございます。予算精度の改善の余地がまだあるというふうにお答えいただいたと思いますので、ぜひ改善に取り組んでいただき、また令和6年度予算における総括質疑の場において、具体的にどのような改善を行ったかについて質問させていただければと思います。よろしくお願いします。ありがとうございました。

 続きまして、都市基盤費、こちらは執行率91.7%、不用額は6.3億円となっています。このような乖離が生じた主な理由をお示しください。また、乖離をなくしていくためにどのようにしていくべきであると考えるか伺います。

○塚本都市計画課長 都市基盤費の不用額のうち、額の大きな主なものといたしまして、道路補修工事費や狭隘道路拡幅工事費、都市基盤部全体の給料、職員手当等の執行残によるものが約7割ございます。その他、契約落差によるものが約3割となってございます。執行残の発生に関しましては、外的な要因を含めまして様々な理由によるものと認識してございます。予算編成時におきまして、社会情勢等を含めた執行時の状況、こちらを予想した上で精度を上げていくとともに、事業執行時においても引き続き適切な執行管理に努め、乖離をなくしていきたいと考えてございます。

○大沢委員 御回答いただき、どうもありがとうございました。都市基盤費においても、予算精度の改善の余地はあるという意味合いというふうに受け取らせていただきました。また、具体的な改善内容等につきましては、次の令和6年度予算における総括質疑等の場で確認をさせていただければと思います。よろしくお願いします。ありがとうございました。

 続きまして、まちづくり推進費です。まちづくり推進費については執行率86.4%、不用額が6.8億円となっています。このような乖離が生じた主な理由をお示しください。また、乖離をなくしていくためにどのようにしていくべきであるかを伺います。

○安田まちづくり計画課長 まちづくり推進部全体では、不用額が多い主な項目は、都が進める西武新宿線連続立体交差事業の区負担金1億7,000万円余のほか、区の中の区画道路第4号線や木密事業に伴う道路用地の取得や、これに伴う測量費や整備費でございます。連続立体交差に伴う負担金は、事業主体である東京都の工事出来高に対応する区負担額でございます。実際の工事実績が予算編成時と都から示された額より低かったことによるものでございます。また、用地取得に関しましては、権利者等、相手方との交渉による影響が大きいことが要因でございます。工事主体や用地折衝など、相手方の事情など様々な要因があるものの、予算編成時に執行状況を十分精査するなど、丁寧な事前調整及び予算積算を心がけてまいりたいと考えてございます。

○大沢委員 御説明いただき、ありがとうございました。後ほど個別に事業メニューにおける予算額と執行額の乖離についてのところで、特にまちづくりの用地の部分ですね。この辺りについても改めて聞かせていただきたいと思いますので、さらに予算精度を上げていただくように努力いただけるとのことですので、また次の予算の総括質疑のときにどのような工夫をされたかお聞かせください。ありがとうございました。

 続きまして、事業メニューにおける予算額と執行額の乖離、1の(4)のほうに入らせていただきます。今のお答えの中にも出てきた不用額が多い事業メニューについて、個別に確認をさせていただきます。住宅税非課税世帯給付金の執行率が85.9%にとどまっていて、4億9,800万円の不用額が生じています。また、価格高騰緊急対策給付金は74.3%の執行率にとどまっており、6億8,900万円の不用額となっています。これ、私が心配しているのは、本当に必要な人に全部行き届いているのかという、例えば74.3%というと4分の3しか使われていないから、そういう心配もあって今確認をさせていただいていると思ってください。予算積算時に想定された世帯数及び金額と実際に給付した世帯数、金額及び対象世帯への給付率をお示しの上、不用額が生じた理由及び予算どおりに執行されなかったことが区民に与える影響があれば、それをお聞かせください。また、その後も給付金事業というのは幾つか実施されていると思いますが、既に改善されたような内容があればお聞かせください。

○保積特別定額給付金担当課長 令和4年度の住民税非課税世帯給付金事業で想定した世帯数は1万9,608世帯、給付金額は19億6,080万円です。実際に給付した世帯数は1万4,739世帯、給付金額は14億7,390万円で、給付率は約75%でした。価格高騰緊急対策給付金事業で想定した世帯数は5万2,000世帯、金額は26億円です。実際に給付した給付世帯数は3万8,322世帯、給付金額は19億1,610万円で、給付率は約74%でした。この主な要因は、それまで当該対象者への給付事業の実績がなかったこと、それから予算積算時の家計急変世帯数等の予測が困難であったためと考えております。なお、区民への影響につきましては、区のホームページ等における広報や勧奨通知により十分な周知を行っており、必要な方へ迅速に給付は行われたと考えていることから、大きな影響はなかったと認識しております。今年度実施しております価格高騰支援給付金においては、過去の給付金の事業実績を基に予算を積算しておりまして、予算額と決算額の乖離を少なくするよう努めております。

○大沢委員 実際のところ、大体75%ぐらいの給付率になっているということで、今回特に家計急変世帯であるとか転入世帯、この辺りの読みが難しかったと聞いているんですけれども、それ以外のいわゆるもともとの対象世帯である非課税世帯であったりとか、そういうところに対する給付率というのはどのぐらいだったんでしょうか。

○保積特別定額給付金担当課長 必要書類を発送する時点で確実に非課税世帯と分かっていた世帯に関しましては、確認書のほうを送付させていただいておりますが、こちらのほうは約9割程度の給付率となっております。

○大沢委員 今の数字を伺いまして少し安心したというか、75%というのですごく漏れが多かったのかなと思ったんですけど、そこは読みでやった部分、例えば家計急変世帯であるとか転入世帯、ここの部分で過大に見積もったということの裏返しかなと考えますので、よく分かりました。そして、その後修正もこの分についてはされているということで御説明を頂きましたので、ぜひ今後ともよろしくお願いします。

 続きまして、国民健康保険事業特別会計繰出金の執行率が86.6%にとどまっており、5億3,400万円の不用額となっています。これはどのような理由なんでしょうかということを予算時の想定と対比の上、お示しください。そして、予算どおりに執行されなかったことが区民に与える影響についてのお考えをお聞かせください。

○宮脇保険医療課長 平成4年度の国民健康保険事業特別会計の決算におきましては、医療給付費の急増に備えるための費用も見込みましたが、実際には急増するようなことはなかったため、歳出が想定よりも少なかったということでございます。また、国民健康保険料の収納率、こちらが見込みよりも高く、その部分の歳入が想定よりも多かったというところです。このことにより、一般会計におきましては国民健康保険特別会計繰出金の不用額が発生したことになります。歳出が想定よりも少ないということです。それから、歳入が想定よりも多かったということになります。こちらについては不用額にはなりましたが、医療の給付に支障が生じなかったということからすれば、予算どおり執行されなかったことによる区民への影響はないと考えてございます。

○大沢委員 御回答いただき、ありがとうございました。医療費急増等の場合に備えて少しバッファを見て、大きめに見積もっているということがこのような執行率を生んでいるということがよく分かりました。この辺りは、だから、今後どうしていくのかというのが区の方針として、予算編成の方針の中で考えていくべきであるかなというふうに思います。どうもありがとうございました。

 続きまして、生活応援事業の執行率が74.5%にとどまり、1億6,100万円の不用額となっているのはどのような理由でしょうか。これはPayPayキャンペーン、私も記憶しているんですが、期間半ばで好評で打ち切られたという記憶がありますので、非常に74.5%という執行率は不可解に感じます。また、令和5年度に入ってまたキャンペーンやっていくことになりますけれども、既に改善されたような内容がありましたらお聞かせください。

○松丸産業振興課長 生活応援事業の執行額の関係でございます。区は還元総額6億円で事業を実施しまして、運営としましては、キャッシュレス決済事業者のほうから日々利用状況等に基づくシミュレーションの提供を受けまして、総決済額等を予測しながら予算額を超過しないよう管理しまして、終了時期を決定したものでございます。結果としまして、区の予測ほど最終的には利用が伸びていかなかったということがございまして、1億6,000万円余の不用額が生じたものでございます。予測精度を高めるということは簡単ではございませんけれども、不用額が少なければ、より区民と利用者や店舗に還元できたというところでございます。本年実施予定のキャッシュレス決済ポイント還元事業におきましては、複数のキャッシュレス決済事業者による事業ということになりますけれども、過去のノウハウを有する事業者に還元予算の管理を含めて委託しまして、執行率の向上というところにも改善を図りたいというふうに考えております。

○大沢委員 ありがとうございました。今のも結構典型的だと思うんですけど、予算はあるという状況においても、超えた場合に備えて早めにブレーキをかけざるを得なかった。それは確かに区民の皆さんに対して、1週間前、2週間前にやめますよということを、ここまでで打ち切りますよということを言わざるを得ないからというところはあるんですけれども、とはいえ積算した予算の4分の1が使われずに残ったと。あれだけ評判はよかったのにというところは本当にもったいないなという気はいたしますので、この部分、ぜひ運用の改善のほうをよろしくお願いします。ありがとうございました。

 続きまして、子ども医療費助成について、こちらは執行率が93%ということで、1億2,300万円の不用額が発生しています。予算策定時の想定及び根拠、そして実績との差分、差分が生じた理由をお聞かせください。予算で想定していた助成数とその根拠、実績での助成数につきましてもお聞かせください。そして、予算どおりに執行されなかったことが子ども医療に与える影響がありましたらお答えください。

○原子育て支援課長 子ども医療費助成の執行状況についてお答えいたします。予算額と決算額の差の割合及び不用額が大きかった主なものといたしましては、妊婦健康診査、乳幼児健康診査に係る経費が挙げられるところでございます。例えば妊婦健康診査につきましては、妊娠届出数の想定を基に予算を積算してございまして、妊娠届出数をおおむね3,000件程度と想定していたところ、実際は2,631件にとどまるなど、対象となる妊婦や乳幼児の数が想定より少なく、延べ受診件数が見込みに届かなかったことが、不用額が大きくなった主な要因と考えているところでございます。それぞれの健康診査の受診率などについてはおおむね例年どおりという状況であるため、子ども医療に悪影響があったとは捉えておりませんけれども、今後も受診の勧奨や制度の周知に努めまして、妊産婦や子どもの健康の保持増進を図っていく考えでございます。

○大沢委員 ありがとうございました。いずれにせよ、少し多めに見ているというふうなところはあるのかなというふうに伺っております。ぜひその部分も、精度も含めて見直しながら組んでいただければと思います。

 続きまして、保健予防における執行率が72.1%にとどまり、予防接種委託費残が5.3億円と大きな額となっています。予防接種委託費残が発生した理由をお示しください。予算どおりに執行されなかったことが区民に与える影響についてもお答えください。また、令和5年度はどのように予算を見積もられましたでしょうか。

○鹿島保健予防課長 予防接種委託費残の大きな要因は、HPVワクチンの定期接種とそのキャッチアップ接種の見込み違いから来ております。令和5年度から定期予防接種化された、より効果の高いHPV9価ワクチンを期待しての接種控えや、新型コロナウイルスワクチン接種実施に伴う被接種者側の接種スケジュール調整の困難さがその要因と考えられております。区民への影響でありますが、引き続き今後も継続していく事業であるため、接種可能期間も確保されているということがあります。このため、区民に対する大きな影響はないと考えております。令和5年度予算は、令和4年度前半の実績を踏まえた上で、前述の接種控え等の事情が解消されることを鑑み、接種件数を約4割減で積算しております。

○大沢委員 お答えいただき、ありがとうございました。事前にちょっとお話を伺った際、HPVワクチンのお話を聞きました。接種率が予測で過去における最大値70%ぐらいで見ていたら10%を切ったと。そのようなことが大きかったかなというふうにお聞きしております。そして、かなり見直しはしていただいているということでございますけれども、やはり接種者が増加したときに備えて、大きめに見積もらざるを得ないというところもあるというふうな事情もお聞きしております。この辺りにつきましても、今後、予算積算の際どのようにするのかというところについて、十分御検討いただければと思います。ありがとうございました。

 続きまして、清掃事業における執行率が92.9%で、1億500万円の不用額が生じています。予算策定時の前提と実績との相違点、そしてこのような、特に清掃車雇上げ費、この残が大きくなっています。この影響ですね。予算策定時と一体何が違ってこうなっているのかというところ、そして予算どおりに執行できなかったことによって区民に何か与える影響がありましたら、そちらについてお答えいただければと思います。

○阿部清掃事務所長 清掃事業の主な不用額ですね、こちらは清掃車の雇上げ料でございます。こちらの清掃車の雇上げ料の予算につきましては、中野区内から中間処理を行う清掃工場までの距離に係る収集運搬料金に必要見込み台数、日数を掛けて積算しているものでございます。距離の算定につきまして、搬入する工場は作業の前の週に通知される東京二十三区清掃一部事務組合の搬入計画に従うため、必ずしも同じ工場ではございません。また、清掃工場は計画的なオーバーホールだけではなく、故障や事故により遠方の搬入先に変更されることもございます。このため、こうした事情を踏まえた予算積算をする必要がございます。搬入先の清掃工場が近隣である場合、こちらには距離による料金差額が生じます。そのような要因により、令和4年度は8,400万円余の不用額が生じたところでございます。そして、区民から排出されたごみについては全て収集しております。そのため、区民への影響はないと考えてございます。

○大沢委員 ありがとうございます。清掃工場への搬入距離によって委託費が変わるということ、そして、これまで比較的実績よりも遠方の運搬を前提とした予算としてきたということはよく分かりました。来年度は実態に即した搬送距離にしていくというような御説明を頂いたかと思いますけれども、精度の向上につきましてよろしくお願いします。

 続きまして、耐震化促進において執行率が94.5%となっていて、不用額が4,500万円となっています。こちらの理由ですね。計画と算定根拠をお答えください。また、予算どおりに執行されなかったことが区民に与える影響につきましてもお答えください。

○石原建築課長 予算編成における木造住宅関係の助成額の単価は助成限度額を採用し、件数は令和2年度と令和3年度の平均件数を見込んでおりましたが、実際の助成額の平均単価は150万円程度であったため、執行残が多かったものでございます。また、木造住宅補強助成についても、助成額の単価が実際の単価より高かったことや、予定件数より申請件数が少なかったため、執行残が多かったものでございます。耐震促進事業費のほとんどを占める緊急輸送道路沿道等の非木造建築物の事業は、令和4年度より執行がある程度確約された事業のみを予算化したため、令和3年度と比較し、執行率は上昇しております。予算どおりに執行されなかったことが直ちに区民に与える影響はないと考えてございます。

○大沢委員 ありがとうございます。積算の前提を見直していただき、これまでよりも大幅に執行率を向上したということをお聞きいたしました。どうもありがとうございます。

 続きまして、まちづくり用地に入ります。まちづくり用地において執行率が59.4%ということにとどまって、9,500万円の不用額が生じています。相手がある業務なので、なかなか計画どおりにいかないという事情はよく分かるんですが、街路整備予算の不用額2億7,400万円、執行率80.3%、こちらにもつながるような問題、肝の部分であるかとも思います。こちらに関して、今期に入ってどのような状況であるのか、解消してきているのか。また、予算どおりに執行されなかったことが区民に与える影響についてもお答えください。

○石井街路用地担当課長 区画街路第4号線事業における用地取得業務委託につきましては、4棟のマンションを含む大規模案件の物件調査や補償金算定等を予算計上しておりましたが、新型コロナウイルス感染拡大が進む中、関係権利者等との接触が難しく、調査等が進みませんでした。今年度に入り、これら大規模案件につきましても着手することができ、全路線における物件等調査進捗率も76%と、昨年同時期より10ポイント上昇しております。用地取得の遅れは事業全体に影響を及ぼすことから、引き続き精力的かつ誠意ある折衝を進めるとともに、これまでの執行状況を踏まえ、適切な予算計上を行ってまいります。

○大沢委員 どうもありがとうございます。相手のある業務なので、本当に大変なんだと。どうぞおかけください。ありがとうございます。というふうに思います。しかし、本当に肝になる業務だと思いますので、ぜひ引き続きよろしくお願いします。この項を終わらせていただきます。

 続きまして、中野区の脱炭素化の状況について2点ほど伺わせていただきます。

 中野区の今、状況として、まず脱炭素化に向けたまちづくりについて、先般、一般質問で質問をさせていただきました。しかし、この部分に関しては、まだ来年度早期に向けて作成中のロードマップで具体的な施策をつくるとともに、目標を数値化していく。このようなお答えを頂きました。とはいえ、2030年に向けてあまり日がないということもございますので、2点ほど確認をさせていただこうと思います。

 まず1点目、区有施設全体における、先ほど245施設という数字が出ましたけれども、このCO?排出量については全体としてどのような対策がなされ、結果2013年度と比較して、2030年度にはどのぐらいの削減となる予定でしょうか。

○永見環境課長 区有施設のCO?排出量は、2021年度時点で2013年度と比較して26.3%削減しておりまして、2030年に目標としている46%削減の過半を達成している状況となっております。今後は、現在未切替えとなっている施設の再生可能エネルギー電力への切替え促進や、施設の新設・改築・改修時におけるエネルギー消費性能の向上、また、職員のさらなる省エネ行動の推進等により46%削減、これを達成すべく取組を進めていく考えでございます。

○大沢委員 区有施設においては、全般として46%削減について順調に進んでいる。そして、この46%削減が実施できるようにやっていくんだというお答えというふうに承りました。

 続きまして、今、再開発が非常に中野駅近辺でも行われています。中野四丁目の新北口駅前の再開発で建築予定の構築物において、CO?の排出量はどのようにして抑制しているのか。その結果、当該再開発エリアにおけるCO?排出量はどのようになる見込みなのか。また、中野駅近辺のその他の再開発においては、CO?排出量はどのようにして抑制しているのか。その結果、当該再開発エリアにおけるCO?排出量はどのようになる見込みであるのかお答えください。

○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 私からは、新北口駅前エリアにつきましてお答えをいたします。新北口駅前エリアの再整備に係る拠点施設については、現在施設の検討を進めているところでございますが、CO?排出量の具体の数値などは算出していないというふうに聞いてございます。一方で、エネルギーの削減という視点で施工予定者の提案では、事務所についてはZEB Oriented、住宅についてはZEH Orientedの達成を目指すこととしており、エネルギーの効率的利用や熱負荷の低減を図り、環境負荷低減に向けて取り組むものと把握をしてございます。

○山本中野駅周辺地区担当課長 続きまして、中野駅周辺のその他の再開発におけるCO?排出量についてお答えいたします。新北口駅前エリアと同様に、CO?排出量については把握しておりませんが、建築計画におきまして省エネルギー性能の確保に向けた取組が行われております。具体的には、中野二丁目地区や囲町東地区では、建築物の熱負荷の低減として外壁や屋根に断熱材を設け、開口部には断熱性能に優れたLow-E複層ガラスを導入、また、設備機器の効率化としてLED照明や人感センサーなどの照明設備、全熱交換器など空調設備を導入、さらに再生可能エネルギーの利用として、太陽光発電設備を導入予定であると聞いております。

○大沢委員 分かりました。今のところ、このような個別の現象面というか、個別の事象面でしかなかなかお話が伺えないというところなんですけれども、来年度早期にしっかりと指標化がなされる。ロードマップの中でというふうにお聞きしておりますので、ぜひ今後とも、このCO?排出量の削減につきましても推進いただきますようよろしくお願い申し上げて、私からの今回の総括質疑全て終わりとさせていただきます。どうもありがとうございました。

○杉山委員長 以上で大沢ひろゆき委員の質疑を終了します。

 次に、森たかゆき委員、質疑をどうぞ。

○森委員 お疲れさまです。令和5年第3回定例会決算特別委員会におきまして、立憲・国民・ネット・無所属議員団の立場から総括質疑をさせていただきます。

 先ほど大沢委員の御挨拶を聞いて思い出しましたが、私が初めて総括質疑に立ったのは議員になって4年目でありました。前の2年間は総務委員会の副委員長をやっていたので、この後ろで皆さんの質疑を聞いて勉強させていただいていました。それを生かせるような質疑をしたいと思います。頑張りますと、フレッシュにこの場で申し上げたのを思い出しました。10年ぐらい前の話であります。これだけ時間がたつと、どうしてもここに立つのに慣れてしまう面もありますけれども、ここに立たせていただくありがたさと責任の重さ、そして自分の初心を忘れずに質疑に臨みたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、質問に入ります。質問項目の1番、令和4年度決算について、(1)決算状況と今後の財政運営についてからお伺いをしていきます。

 決算の概況につきましては、昨日、ひやま委員から伺いました。私からは少しポイントを絞って伺いたいと思います。まず起債についてです。令和4年度の起債充当事業は、中野二丁目地区市街地再開発事業の15億円のみでした。当初予算では7事業59億円超が予定をされておりました。中野区では毎年度、第1回定例会に提出される補正予算、我々は最終補正というような言い方を慣例的にしたりしますが、この予算でそれまでの予算の執行状況や歳入状況を見て、財源更正をする。起債を取りやめたりもここでするわけですね。それがここしばらくの通例となっています。

 そこでお伺いをしますが、最終補正後の予算でも起債予定だった。にもかかわらず最終的に起債しなかった事業、これがあるのかお伺いをいたします。

○竹内財政課長 最終補正段階で起債予定でしたが、最終的に起債しなかった事業につきましては、新庁舎整備19億4,800万円、西武新宿線連続立体交差事業2億2,600万円、こちらの事業がございます。

○森委員 2事業が該当するということであります。議決を経て財源更正するものと、その後にある意味では行政側で勝手に判断をして、起債を取りやめているものとあるわけであります。この違いは何なんでしょうか。

○竹内財政課長 補正予算編成時点及び出納整理期間それぞれにおいての歳出の執行状況、歳入の収入状況を踏まえた上で、総合的に判断させていただいてございます。

○森委員 そうすると、事業の性質がどうというよりも歳入歳出の状況を見て、どこまで取りやめられるかという判断なんだと思います。私も監査委員を一時期やらせていただきましたので、本当に年度末にならないと実際に入ってくるお金がどのくらいか分からないというような状況も、事情も分かりますけれども、財政民主主義的にはどうなのかな。片や議決を経てやめている、片や行政側の判断だけでやめられてしまう。こういうものが混在をしているということで、どうにかならないものかなというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

○竹内財政課長 投資的経費につきましては、年度末に工事の進捗に合わせて支払いや補助金の交付となるものが多く、出納整理期間に判断せざるを得ないところもございます。財源についても予算の議決を頂いているという重みは認識してございまして、補正予算編成時における収入支出状況等の積算の精度を高め、できる限り議会の議決を仰いでいきたいと考えてございます。

○森委員 できる限りそこは頑張っていただきたいとは思っています。議会の側としても、じゃあ、例えばこれが通年議会になっていたらどういう取扱いになるのかなとか、ちょっと今回いろいろ考えさせられました。我々としてもちょっと取扱いを考えていきたいなと思っています。今回これが気になったのは、最終補正の段階で私としては、先ほど御答弁の中にあった新庁舎分の起債、これが取りやめられないかということを考えていたので、それが補正予算の段階ではやめられなかったけれども、最終的にはやめられたということで、今回ここがちょっと気になったわけであります。ですけれども、令和4年度の起債予定は19.5億円と全体のごく一部でありました。新庁舎に充当する本格的な起債というのは本年度予定をされているわけです。その計画、起債の上限等も含めて御答弁ください。

○竹内財政課長 新庁舎整備事業においては本年度起債を予定してございまして、起債限度額は120億7,100万円でございます。

○森委員 この新庁舎の財源というのは、ずっと言っているとおり中野駅新北口付近の再開発事業で生み出すとされています。入ってくる時期も大体分かっているということだったんですが、一定の遅れが報告されるなど、本当にスケジュールどおり行くかな。少し心配もしているところであります。スケジュールどおり行くことを望んでいますけれども、これだけの大きな再開発ですから、利払いを気にして中身の議論がないがしろになる。こういうことは避けたいなというふうに思っているんです。場合によっては時間をかけて議論しないといけないこともあるかもしれない。ということを考えると、上限まで起債をするのではなくて、一定基金の活用なども含めて抑制を図ることも選択肢にしていいんじゃないかなと思うんですが、いかがでしょうか。

○竹内財政課長 世代間の公平性の観点から起債の活用は必要だと認識しているところでございます。一方で、新庁舎整備の起債額がかなり高額であることから、歳計現金の状況を踏まえつつ、基金の繰入額についても検討してまいりたいと考えてございます。

○森委員 ありがとうございます。これは多分いまいま判断が必要ということではなくて、もう少し歳入歳出の状況が見えてからの判断になるのかなと思うので、そのタイミングでよく考えて御判断いただければなというふうに思っています。

 それから、今度は起債を活用したほうの話です。7事業ある中で、なぜ中野二丁目再開発事業のみが残ったのでしょうか。

○竹内財政課長 こちらにつきましては、利率の低い公的資金を活用できることや償還財源が措置されていることを踏まえまして、中野二丁目地区市街地再開発については起債を活用することと判断いたしました。

○森委員 利払いの低さと償還財源が確保されているということで、その後半のほうの説明をもう少しお願いいたします。

○竹内財政課長 償還財源が措置されている起債についての御説明ですが、都市計画交付金の対象事業は、事業実施の翌年度から、事業費から特定財源と都市計画交付金を除いた事業費につきまして、財政調整基金が4分の1ずつ交付されることから、起債の活用を判断したところでございます。

○森委員 ということで起債を取りやめるときには、こういう財源があるものを優先的に残していくという判断をこれまでしてきているわけですね。そうすると、じゃあ、そういうものが積み上がっているということで、総務の29の資料に償還財源が措置されている未償還区債の一覧(現在)というものを出していただいているということで、一定ここに起債をしたものの財源の裏づけというのがあるわけですね。一方、将来負担という意味でいうと債務負担行為額も膨らんでいます。この点については昨日、ひやま委員から少し伺いましたが、そのときに複数年かかる事業が増えているという答弁がありました。これはある意味仕組みの説明の話であって、そうではなくて、どういう性質の事業が複数年かかる事業として積み上がってきているのか、この辺りを御説明ください。

○竹内財政課長 債務負担行為の増となっている理由につきまして、主な事業としましては学校施設整備やまちづくりなどの投資的経費、こちらのほうが主な要因となってございます。

○森委員 起債と同様、債務負担行為のほうも対応する財源があるものが含まれていると思ってよろしいでしょうか。

○竹内財政課長 債務負担行為に係る事業の予算につきましても原則、事業を実施する年度に歳入歳出予算を計上し、執行収入することになってございます。このことからも、債務負担行為についても、国や都の補助金、基金、起債等を財源として予算計上することになってございます。

○森委員 ということで、財政白書の33ページに基金残高と将来負担額のグラフというものを出していただいていますが、左に基金残高があって、右に将来負担額が載っています。ところが、今の御説明だと、この右の将来負担額を払うために基金残高を使うわけで、別のところから来る財源というのがちゃんとあるというのが一定あるわけですよね。逆に言うと、この基金残高の中には将来負担額を払うのに使ってはいけないような性質の財源も含まれているはずなんです。それは各基金の条例とかの性質からして、ここに使うものじゃないよねというのがあるはずなんです。と考えたときに、この33ページの基金残高と将来負担額のグラフが並べてありますけど、これが何を意味しているのかよく分からないわけです。基金の状況、起債の活用、それから都区財政調整制度の中でのいろんな仕組みとかも含めて、このお金のやりくりって非常に複雑なわけですよ。複雑なものをこうやってあまりに単純化すると、いろんな誤解が生じやすくなる。特に基金よりも将来払う金額のほうが多いから、危ないんじゃないかという誤解が生じかねないと思います。このお示しの頂き方というのは少し工夫が必要なんじゃないかなと思いますが、いかがでしょうか。

○竹内財政課長 御指摘のとおり、基金残高と将来負担額につきましては、基金残高で将来負担を支払うものではないと認識してございます。示し方につきましては、より分かりやすく検討していきたいと考えてございます。

○森委員 ぜひよろしくお願いします。それから、基金の状況です。区は昨年度、新しい財政運営の考え方を定めて、財政調整基金年度間調整分の年度末残高を200億円確保することに努めるとしました。この200億円が確保できる見込みというのは立っているんでしょうか。

○竹内財政課長 令和4年度末の年度間調整分の残高につきましては191億円余でございまして、達成率は95%を超えているところでございます。

○森委員 もう間もなく達成するんだろうなというふうなところが見えてきました。それから、財政運営の考え方では、各施設の当該年度に発生する見込みの減価償却費相当額の25%を積み立てるように努めるというふうにしています。来年度竣工の新庁舎もこの対象と考えますが、いかがでしょうか。

○竹内財政課長 新たな財政運営の考え方に基づきまして、将来の庁舎整備のため、現在建設中の新庁舎における当該年度に発生する見込みの減価償却費相当額25%の積立てを行っていくことになってございます。

○森委員 そうなると思うんです。それで、新庁舎というのは単独の区有施設としては当然最大のものになります。金額的には毎年どのくらい積んでいくことになるんでしょうか。

○竹内財政課長 将来の庁舎整備のための基金積立額でございますけれども、おおよそですけれども、1億2,500万円余と考えてございます。

○森委員 1.2億円を超えるということで、相応の規模だと思います。ちなみに、これは相当額ということで、今おっしゃった金額そのものが将来のさらに新しい庁舎の財源になるというわけではなくて、今後続く施設整備の財源として活用されて、次の新しい施設が建って、その新しい施設が建ったらまたその費用の減価償却分25%を積んでいく。こういうサイクルが回っていく仕組みだというふうに理解をしていますが、それでよろしいでしょうか。

○竹内財政課長 その認識のとおりでございます。

○森委員 ありがとうございます。こういうサイクルを回していくことで、長期の物価変動、インフレにも対応をしていくということになります。併せて、25%相当額というのも起債上限との関係で設定がされているということで、この仕組みというのは理屈としては筋が通っているんだと思います。ところが、理屈と実際はやっぱりずれるもので、施設整備が毎年度同じような量ずっとあるというならいいんですけれども、残念ながら、中野区はこれから施設更新がたくさん控えています。昨日、学校はもはや52億円では建たないということで、去年ははっきりお答えいただけませんでしたが、今年は明言がありました。要するに施設整備がたくさん控えているタイミングでインフレ局面を迎えているわけですね。そうすると、考え方の筋としては通っているんだけれども、実際問題これで足りるのかなというところはちょっと心配になるわけですが、この辺の課題感、お考えをお伺いします。

○竹内財政課長 財政運営の考え方において、例えば財政調整基金の施設改修分であれば、年度末残高は減価償却累計額相当額の25%の確保に努めるとするなど、各基金の考え方について示しているところでございます。一方で、工事費等に係る資材や人件費の高騰については、区としても留意しているところでございまして、仮に物価高騰が収まらない場合、減価償却累計額相当額の25%では足りないことも想定されます。そのため、財源確保についても課題と認識してございまして、社会情勢の変化に対して適切に対応していきたいと考えてございます。

○森委員 学校は52億円では建たないということで答弁いただきましたけど、じゃあ実際どのくらい必要なのかとか、あるいは児童館、幼稚園、保育園等の建て替えというものも今後出てくるわけで、それぞれどのくらいの規模感で、いつ必要になるのか等々を含めて、もうちょっと具体的にならないと、なかなか具体的な議論はしづらいなと思っているんですが、一応課題感としては共有できたのかなというふうに思っています。これから財政フレームをお示しいただくことになっていますが、財政フレームというのは、私が思うポイントですよ。歳入はあんまりコントロールできないというか、どうにもしようがない部分があって、社会経済状況、あるいは地政学的なリスクみたいなものをあらかじめ見込むというのはなかなか難しいわけですよ。一定の前提を置いて、単純に線を引くしかないのが歳入のほうだと思っています。大事なのは歳出のところで、一定規模の財源は入ってくるだろうという見込みの下で、どのタイミングでどのくらいの規模の事業をどれだけできるか。その財源を基金と起債をどうやって組み合わせていくか、一般財源をどう出していくか、特定財源をどう確保していくかというところが大事なんだというふうに思っているんです。この社会経済状況の先が見通せないのに比べれば、私は金融の動向というのはもうちょっと見やすいと思っているんです。新しい日銀総裁が誕生しました。これだけ円安の局面が続いていますけれども、大規模金融緩和は継続をするということで決定をしています。ところが、多分ソフトランディングを考え始めて、下手な打ち出しが出せないから今のような状況になっているわけで、恐らく何らかの形で軌道修正を図っていかざるを得ないんだと思うんです。これがいつどういうタイミングでどういう形になっていくかというのが、実は区の財政運営にも大きな影響があるんだろうというふうに思っています。

 ちなみに、気になったので、新庁舎の担当に、新庁舎を261億円で発注していますが、今同じものを発注したら幾らぐらいの金額になりますかってざっくり試算してもらったら、プラス30億円ぐらいになるそうであります。結構な金額なので、やっぱりタイミングというのは大事なんですよね。こういう金融政策の動向によっては施設整備、前倒しをしてやっていく。基金をためても目減りをしていってしまう。起債をしても、その分の負担感というのは年々減っていく。こういう局面に入るかもしれないわけです。そうすると、これまでと真逆の発想が必要になるわけで、そういう可能性も含めて、いろんな想定を持っておいていただかないといけないなと思っているんですが、いかがでしょうか。

○竹内財政課長 一般的にインフレ傾向が継続すると貨幣価値は目減りするため、早期に起債を行い、負担額を確定させたほうが、将来負担が下がるということもあるということは認識してございます。金利の動向によっては起債を発行し、事業を進めることが財政運営として効果的な状況も生じるということはあり得ると考えてございます。公債費負担の上昇という将来負担も考慮しながら、持続可能な財政運営を進めていきたいと考えてございます。

○森委員 ありがとうございます。ちなみに、今年度の施設の減価償却費相当分の25%、トータルすると幾らぐらいになるんでしょうか。

○竹内財政課長 一般会計ベースの令和4年度決算の減価償却費は60億8,408万円でございます。

○森委員 相当規模を積んでいかないといけないということで、今は財政調整基金の中に施設改修分ということで含まれているわけですが、今後も膨らんでいくということであれば、施設整備の基金は独立をさせる。こういう考え方もあっていいんじゃないかなと思うんですが、いかがでしょうか。

○竹内財政課長 新たな特定目的基金の設置につきましては、ライフサイクルコストを下げるための計画的な施設改修の着実な実施を担保するという効果はございますけれども、財政運営を硬直させてしまうという面もございますため、当面は財政調整基金の中に施設改修分を含める運用を継続する考えでございます。その中で施設保全のための基金残高等の見える化などを図りまして、工夫していきたいと考えてございます。

○森委員 学校はさすがにちょっと規模が違うので、独立していてもいいかなと思うんですが、そのほか、じゃあ、児童館、社会福祉のほうのままでいいのか、それとも施設基金をつくるならそっちに統合したほうがいいのかとか、ここもやるんならやるでいろんな課題が出ると思っています。それは我々もいろいろ調査をしながら、またこの後提案をしていければなというふうに思っております。

○杉山委員長 森委員の質疑の途中ですが、ここで委員会を休憩いたします。

午後3時00分休憩

 

午後3時20分開議

○杉山委員長 委員会を再開します。

 休憩前に引き続き総括質疑を行います。森たかゆき委員、質疑をどうぞ。

○森委員 休憩前に引き続き総括質疑を行います。少しペースを上げたいと思います。

 人件費についてです。8月に示された国の人事院勧告報告を見ると、相当な給与増が勧告をされています。国の資料の表現をそのまま使うと、過去5年の平均と比べ約10倍のベースアップとのことです。特別区人事委員会からの勧告はこれからです。必ずしも同じ動きをするわけではないんですが、大きな動きとしては共通することが多いかなというふうに思います。ということで参考にお伺いをしますが、今回の人事院勧告を令和5年度の区人件費に当てはめると、どの程度の増となるのか伺います。

○吉沢職員課長 特別区人事委員会の給与勧告につきましてはこれからのため、未定でございますが、国家公務員の人事院勧告どおりに給与改定が実施された場合の給料月額を1.1%引き上げ、かつ期末勤勉手当を0.1月引上げを仮定しまして算出しますと、区の影響額は2億4,000万円余になる見込みでございます。

○森委員 まあ、仮の数字ですけどね、無視できないぐらいの金額がやっぱり動くんだなということが見えてきます。人事に関しては、後で(3)で伺います。

 それから、物件費の上昇が続いています。特に委託料の増加が顕著なわけですが、その要因についてお伺いします。

○竹内財政課長 委託費の主な増要因のうち増減が大きいものといたしましては、国の制度変更により介護保険特別会計から一般会計に移行した地域包括支援センター事業運営委託、ペーパーレス化に対応した電子化委託や住民税非課税世帯給付金に係る委託などがございます。また、経常事業として実施している委託につきましては、個々の要因までは把握できておりませんが、人件費高騰や物価高騰に伴う委託費の増も相当数あると考えてございます。

○森委員 既に物価高騰等の影響は出ている部分もあろうかと思いますが、この夏は公官庁、学校などにサービスを提供している委託給食会社が突然業務を停止し、給食の提供が止まってしまったということが大きなニュースとなりました。公契約条例の対象であったり、あるいは国のほうで公定価格が定まっていたりというものも多いかもしれませんが、そこだけではなくて、全体としてそこで働く人の人件費を含む物価高騰分も見込んだ予算計上というのが来年度必要と考えますが、いかがでしょう。

○竹内財政課長 原材料費や資材価格の高騰、人件費の上昇等については、引き続き十分に注視していく必要があると考えてございます。今後の予算編成に当たっては、経済社会情勢の実態を踏まえまして、区民サービスが低下することのないよう、必要な予算を計上していく考えでございます。

○森委員 「低下することのないよう」もそうですけど、安定的にというところが委託業務は基本かなと思います。よろしくお願いします。

 それから、令和4年度は中野区立の児童相談所が開設した年です。詳細は後日、河合委員から伺うので、ここはお金の周りだけ確認をします。子ども文教の要求資料1を見ますと、児童相談所の運営経費は児童福祉のところに入っているということで、歳出が8.1億円余に対して特定財源等の収入が3億6,800万円弱とのことです。実際の歳出というのは、子ども関係人件費の中に児童相談所職員の人件費も入っているんだと思います。また、児童相談所で働く会計年度任用職員さんもいらっしゃるかと思います。初年度の児童相談所運営に係る人件費は総額幾らでしょうか。

○吉沢職員課長 子ども関係人件費のうち、会計年度任用職員を含めました児童福祉課の人件費につきましては6億8,700万円余となってございます。

○森委員 6億8,000万円余ということで、さっきの8.1億円を足すと15億円近い歳出があるわけです。それに対して特定財源は3.7億円に満たないということで、開設前から想定していたとおりですが、決算を見てもやはり区が独自で頑張っている部分が多いなというふうに思います。こうなることが分かっていたので、特別区としては都区財政調整制度の中で配分割合の見直しを求めていく、こういうことをしてきたわけです。昨日も他の委員から少し言及がありましたけれども、状況について御説明ください。

○竹内財政課長 令和5年度の区配分55.1%と9月に入ってから合意されまして、都議会第3回定例会において議会審議が行われることになりました。区児童相談所の需要額算定、配分につきましては引き続き協議を行っていくことになりますが、児童相談所に係る配分割合が0.1%の増加では、児童相談所に係る経費は賄えないと考えてございます。今後も議会の皆様の御支援を頂きながら、23区一丸となって必要な財源について都に主張していきたいと考えてございます。

○森委員 詳細はあんまり申し上げませんが、亡くなられた前の特別区長会の会長の山﨑前江東区長が考えていたように、この問題は多分政治家が動かないと本当の解決にはならないというふうに思っています。我々のほうでも努力していきたいというふうに思っていますし、今、特別区の議長会では、中野区議会の酒井議長がいろいろ問題提起もしているところであります。一緒になってどうにか動かしていきたいなというふうに思っています。

 それから、森林環境譲与税について、活用状況と積立ての状況を伺います。

○永見環境課長 過去3年間の森林環境譲与税の充当額は、令和2年度が217万8,000円、令和3年度が590万1,000円、令和4年度が540万9,000円でございまして、令和5年度は2,800万円程度を予定しております。令和5年度末現在の基金残高は9,300万円程度となる予定でございます。

○森委員 もう1億円近く基金がたまるような状況が見えてきていて、これでは区としてきちんと活用できているとは言えないと思います。制度開始当初から大分都市部に有利な配分になっていること、だからこそ国の示す制度の趣旨にのっとって、毎年度きちんと活用していかないと配分割合の見直しにつながってしまうという指摘をしてきました。結果、林野庁が来年度の税制改正で都市部有利な配分を是正する方向で調整をしているということであります。中野区では、令和2年度に森林環境譲与税活用の考え方を定めましたが、この議論をしていたときから、私はこの内容には納得がいっていません。考え方を見直し、より幅広く積極的に活用できるようにすべきと考えますが、いかがでしょうか。

○永見環境課長 区は現在、森林環境譲与税活用の考え方として、区の施設の新築・改築時における内装への木材活用や木製備品等の整備、または既存施設での備品の買替え時等の木製備品等の整備等に活用することとしてございます。今後は、より幅広く森林環境譲与税を活用するなど、考え方の見直しについても検討してまいります。

○森委員 ぜひよろしくお願いします。

 ちょっと東京都の関係で伺います。今定例会の補正予算で、私立幼稚園の学校100当番事業を区独自財源で実施することとなりました。都が実施する想定だったものがそうではなくなり、区で対応するということです。今年度予算の審査では、都のエデュケーション・アシスタント配置支援事業において1校当たり3人が補助対象と言われていたものが、年末の段階で1人に減らされたということもありました。今、東京都はトップダウンで大きな予算を伴う事業が実施されることが続いています。018サポートや感震ブレーカー配布など内容的には評価するものも多いのですが、都の財政担当は大変なんだろうなというふうに思います。そんな中で財政の健全性を東京都も考えていくと、少しずつ削っても大丈夫そうな事業というのを探して、減らしていく圧力がかかっているんだろうなというふうに思います。都がやめたからといって自治体はなかなかやめられないような事業、こういうものは都がやっているものが区に来たり、あるいは補助の割合、金額が減らされたり、こういうようなことも今後も起こるんじゃないかなというふうに想定をしています。都の実施事業や補助事業の継続を要望していく。このことの重要性がこれまで以上に増していくと考えますが、いかがでしょうか。

○竹内財政課長 東京都事業について補助が削減される事例があるということは認識してございます。情報収集を随時行いながら、補助継続の要望については今後も適切に行っていきたいと考えてございます。

○森委員 ぜひよろしくお願いします。決算の状況は良好ではありますが、今後注意すべき点を幾つか取り上げて伺ってまいりました。この後、実施計画の財政フレームをお示しいただくということになっておりますが、具体的にいつ示されるのか伺います。

○竹内財政課長 実施計画の財政フレームにつきましては、今定例会の常任委員会にてお示しする予定でございます。

○森委員 もう間もなくということですが、そこに給食費の無償化、あるいは今回やったようにその相当額補助、こういったものの経費は見込まれるんでしょうか。

○竹内財政課長 今定例会でお示しするフレームには見込んでございませんが、今後の区の方向性を踏まえ、必要に応じて適切に計上していきたいという考えでございます。

○森委員 この後判断をすることになるわけですね。この後といっても予算編成に入っていくわけですから、そう遠くないというか、2か月ぐらいのうちに多分判断をしないといけなくなるんだと思うんです。そうすると、今度第3回定例会で示された財政フレームというのは、実施するとなったら、示された途端に実態と乖離をする。こういうことになるんじゃないかなと思うんですが、いかがでしょうか。

○竹内財政課長 今回お示しいたします財政フレームにつきましては、現時点において想定している事業を基に算出しているところでございます。国や都の制度変更や区の新規に実施する事業については、予算化された際に適切に財政フレームに反映していきたいと考えてございます。

○森委員 決めた後に数字を動かすのは簡単なんです。当てはめるだけだから。だけど、財政フレームの役割って本当はそうじゃなくて、どのくらいの時期にどのくらいの財源が必要ですかというのを明らかにして、このくらいの経費がどうしてもかかるんだったら、この事業はこのくらいの規模でしかできないねとか、このくらい余裕があるんだったらこのくらいの事業はできるねとか、そういう判断も含めてつくるのが財政フレームだと思っているんです。なので、早々に御判断を頂きたいなということで、この給食費無償化、来年どうするというのは、別にうちの会派だけじゃなくて、いろんな議員が指摘をしてきたわけです。もう申し上げてしまいますが、来年度予算で何もやらないで済むという可能性は、私はゼロだと思っています。である以上、早々に判断をしてほしいなというふうに思っています。一般質問が終わったばかりで答弁を変えるわけにもいかないでしょうから、要望にしておきますけれども、よくよく考えていただきたいなというふうに思っています。

 それでは、(2)区の意思決定過程の見直しについて伺います。こういうことがあるので、問題意識を持って少し調べ始めたんですが、まずトップマネジメントの手法に関連してということで伺っていきたいと思います。これ、本当は(3)の質問に関連して調べていたんですが、構造改革推進アドバイザー会議の資料を見ていたら、区長のびっくりする発言を発見しました。縦割の弊害をどう解消していくか。こういう話をしている中での区長の御発言なんですが、そのまま読み上げます。区長になって、部長に区民からの要望等を伝えると、自分の所管ではないと言われることが多い。こういうことを区長が申し上げているわけですね。区長、多分なめられ過ぎなんだと思います。部長はなめ過ぎなんだと思います。一体区役所の中はどうなっているんだろうと思う御発言であります。こういうことを許していたら、組織のマネジメントというのは成り立たないと思います。こういうことが多いんだと区長はおっしゃっているんですが、一件もあってはいけないような話じゃないかなと私は思います。区長は就任以来、対話やボトムアップを掲げて区政運営に取り組んでまいりました。その成果もあると私は思っていますが、現場の職員の声を大切にして、ボトムアップの区政運営をするんだという話と、組織の上下関係の中できちんと締めるべきところは締めるという話は全く別の話で、本来当然に両立する話だと思っています。これは区長に伺うしかないというふうに思っているんですが、まず御自身のボトムアップの区政という方針の成果と、併せて弊害も出ているのではと思えるような、このような状況をどうお考えか。また、この会議の後、あるいはこれから先、改善の方向性、どのようにお考えか伺います。

○酒井区長 タウンミーティングなどを通した区民との対話、職員からの提案や改善運動の取組の結果などを政策決定に反映してきておりまして、現場の状況に沿った政策形成と職員のモチベーションの向上につながっているものと考えております。一方で、新型コロナウイルス感染症や物価高騰への対応をはじめ、複雑化・多様化する行政課題や地域課題に対し、組織の縦割を廃し、迅速に区としての意思決定をする必要がある場合には、ボトムアップだけではなく、私自ら各部長等に指示を行って対応していく必要があるということで、これまでの経験から学んでおります。今後もボトムアップによる区政運営を基本としつつ、区民に協力していただきながら区政課題の解決に取り組む、巻き込み型のリーダーシップということで考えております。

○森委員 分かったような分からないようななんですが、やっぱり締めるところは締めないといけないというのが組織のトップに立つ人の責任かなというふうに思います。これは指摘をさせていただきます。

 それから、会議の在り方についてお伺いをいたします。8月末に示されました来年度予算編成方針の中の1、新規拡充事業の(2)のところ、こういう手続を踏んで新規拡充事業を決めていってくださいねということが書いてある中に、「庁内調整を踏まえ」という一言が追加をされたようです。その理由について伺います。

○竹内財政課長 8月に示された来年度予算編成方針において、「庁内調整を踏まえ」との文言を追加したところでございます。これは、予算編成を行う上で重要な政策的位置付けや戦略的展開、事業効果や効率化、また事業実施に伴うリスクを全庁的に明確化し、政策的議論を効果的に進めることを目的としたものでございます。客観的なデータを基に区民ニーズを的確に捉え、必要な事業に選択と集中を図り、効果的・効率的に予算編成を行っていく考えでございます。

○森委員 まあ、これも横ぐしをどう刺していくかというところの一環の取組なのかなと思いますが、大きな話というのは当然区長を加えて意思決定をするわけですが、区としての意思決定の中で区長が出席する会議というのはどういうものがあるのか伺います。

○森企画課長 区長が出席する庁内の会議でございますが、政策企画会議、政策調整会議、重点プロジェクト推進会議、それから予算の査定、広報企画会議、庁議、危機管理等対策会議、新しい区役所整備調整会議などがございます。

○森委員 まあ、いろいろあるということなんですが、それぞれの位置付けは明確になっているのか、要綱や規則などはあるのでしょうか伺います。

○森企画課長 先ほど御答弁した会議のうち、政策調整会議と新しい区役所整備調整会議以外の会議につきましては、規則や要綱などで設置について規定をしているものでございます。

○森委員 おおむねあるということなんですが、じゃあ、区長と各所管の政策調整、実質の議論というのはどこで行っているんでしょうか。

○森企画課長 主に政策調整会議で行っております。

○森委員 実質の議論をしているところは規則、要綱等の定めがないということです。それから、庁議のホームページ等を見ると、大体そこに出ている資料はその後、議会報告の資料になるわけで、そういうことを考えると、我々からすると、庁議が区の最終的な意思決定の場だというふうに何となく思ってきたわけですが、それはそういう理解でいいですか。

○浅川総務課長 庁議の位置付けについての御質問でございますけれども、執行機関として区が議会へ報告等を行う際には、その内容をあらかじめ庁内で合意しておく必要がございます。庁議は区長が主宰し、副区長、教育長、全ての部長で構成されていることから、庁内における重要事項の報告の場であるとともに、重要な施策のうち特に調整を要するものについて確認し、全庁合意を得る場であると認識してございます。

○森委員 それは規則にも書いてある部分も御答弁いただいたんですが、最終決定の場なのかという意味だと判然としないわけですね。こういうことを見ていくと、どうも区の各会議の位置付けや関係性、要するに意思決定過程が体系化されていないのではないかというふうに見えてきます。区長の意向も反映しながら意思決定のスピードと質を向上させていくために、それぞれの会議の位置付けと役割を明確化し、体系化すること、そしてそれによって各会議をその役割、位置付けにふさわしい議論のできる場にしていくということが必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。

○森企画課長 それぞれの会議の位置付け等をしっかり明確にしまして、質の高い政策議論と迅速な意思決定につながるよう取り組んでまいります。

○森委員 私は体系化というのが大事だと思っていますので、そこも踏まえて取り組んでいっていただければなと思います。

 それから、会議のICTツールの活用状況です。御答弁いただいたような様々なマネジメント層の会議で、ウェブ会議は活用されているのか伺います。

○伊東情報システム課長 ウェブ会議の活用についてでございますが、先ほどありましたように庁議ですとか、新しい区役所整備調整会議などでウェブ会議を活用してございます。

○森委員 テレワークの実施状況についても併せて伺います。

○伊東情報システム課長 テレワークの実施状況でございますが、新型コロナウイルスがこの5月上旬から感染症法上の位置付けとして5類に移行したこともございまして、昨年度と比べて件数としては若干減ってございますが、今年4月から8月まで延べ233名がテレワークシステムを利用した在宅勤務、テレワークを実施してございます。

○森委員 今、庁内の全体で御説明いただいたんですが、特に区長は外に出て区民の声を聞いたり、あるいは他自治体のトップと交流をしたり、トップマネジメント層にふさわしい研修を受けたり、いろいろと外に出ていく機会が多いんじゃないかなと思いますが、その区長のテレワークの環境、やや難があるというような話も聞いていますが、現状どのようになっているか伺います。

○伊東情報システム課長 従前、区長がテレワークを行う際は、所属ですね、広聴・広報課に配布してあります共用のテレワーク用端末を利用していたところでございますが、今般、緊急対応なども含めまして公務での必要性、それを踏まえまして、区長専用のテレワーク端末を用意したところでございます。

○森委員 ようやく専用の端末が一つ用意されたということで、質問通告をしたら早速対応していただいたということでありがたいなと思っていますが、区長だけではなくて地域に飛び出す公務員を応援していくという立場からは、一般職員の方も含めて使いやすい環境、これから新庁舎に移って、MS365のほうも入れてという状況ですから、ぜひ積極的に取り組んでいっていただきたいと思います。ありがとうございます。

 次に、(3)人事施策についてお伺いをいたします。今年度から定数条例を改正して、上限が2,100人になりましたが、定数管理計画上では2030年がピークで、2,085人、2,100人までは行く計画にはなっていません。この増員では、児童相談所職員の増員と圧倒的に足りていないケースワーカーの補充でいっぱいいっぱい、事務職を増やすのは難しいんじゃないかというような懸念もするわけですが、この点どのようにお考えか伺います。

○石橋人事政策・育成担当課長 職員定数管理計画においては、委員御案内のとおり児童相談所における虐待等の対応の加算、あるいは生活保護のケースワーカーの配置を適正に進めるということで、福祉職、心理職の増員を見込んでいるところでございます。一方で、調理・用務業務の民間委託推進や、直営清掃業務の規模縮小に伴う技能系職員の減、あるいは新区役所の完成や中野駅周辺まちづくり等のプロジェクトの進捗による一定規模の減も想定をしてございます。基本計画の実現に向けた人的資源の投資につきましては、新たな行政ニーズや課題に的確に対応するとともに、DXを原動力とした業務の変革によって人事、組織の合理化を図りながら、適切な職員数の確保及び各施策への適切な配分、配置を進めていくところでございます。

○森委員 もう一点、一緒に聞いちゃいます。新型コロナが財政にも大きな悪影響を与えそうだという見込みの下、構造改革を進めていた頃、区長は、区政を進める上でのムダ・ムリ・ムラの解消改善という表現を使ってきました。私は特に人事については、ムラの解消が肝要と考えてきました。この間の取組でのムラの解消改善はどの程度進んだか、またさらに改善できる余地があるのか伺います。

○石橋人事政策・育成担当課長 委員おっしゃるムラ、ばらつきとか偏りとかいう言葉なのかなと思いますが、業務量だとか、あるいは超過勤務時間等の職場や業務ごとのばらつき、偏り、ムラの現状につきましては、その解消が課題であるというふうに認識をしてございます。そのばらつきの解消に当たりましては、各部と人事とのヒアリングにおきまして、プロジェクトの視点では新規事業の開始や既存事業の終了によって業務が重複存続していないか、あるいは職員個々の視点では、特定の職員に業務が集中していないか、また、その状況を課内、部内の業務分担の見直しや配置調整で解決できないかなど、実態を把握しながら対応の方策を検討しているところでございます。今後も各課のマネジメントに当たる管理職との情報共有、連携を強化しながら、継続的にその解消に努めていきたいというふうに考えてございます。

○森委員 解消しましたかというふうに伺いましたが、やはり人が関わることですから、継続的に取り組んでいかないといけない終わりのない取組なのかなというふうに思います。私が議員になった直後に東日本大震災がありました。その前にはリーマンショックがあって、区の財政的にも非常に厳しい状況が一回ありました。それから今回の新型コロナということで、議員として2度の大きな危機を経験してきました。これの経験から見ると、社会が大変になったときというのは、やっぱり国とか東京都はそれぞれいろんな事業をするんです。でも、直接はできないですから、やっぱりその事業の実施に自治体の職員さんが実務を担うということになるわけです。今回の決算では、経常収支比率が70%を切りそうというほど、財政の弾力性という表現を受けて言えば、ぶよんぶよんの財政状況なわけですが、一方で人事のほうは大分かちかちになっているんじゃないかなというふうに思います。財政のほうに弾力性があるといっても、人事のほうにも一定の弾力性がないと、結局はこれが生かされないということになるんじゃないかなというのがこの間の経験から思うところです。

 他方、職員さんは一度採用すると、新卒の場合40年ぐらい働いていただくわけですから、皆さんが慎重になるという背景も理解はします。今回の答弁ですと、新庁舎、あるいはこの辺の再開発が一旦落ち着くと、少しというような話もありました。そういったときにどういう状況になるか、あるいは児童相談所の状況はどうなるか、ケースワーカーさんの状況はどうなるかを含めて、引き続き注視して、また議論していきたいなと思っています。ありがとうございます。

 それから、ちょっと話を変えて、採用について伺います。端的に伺いますが、特別区職員の採用の中で、中野区というのはどのくらい人気があるんでしょうか。

○吉沢職員課長 特別区人事委員会の採用試験につきましては、受験申込みの際、入りたいと思う区等を第1希望から第3希望まで記入できるようになってございます。昨年度及び今年度の最終合格された中で、特に事務職については中野区を第1希望にしている受験者がほとんどでございます。

○森委員 そういう仕組みなんですね。面接を受けたら、どこに行ってもあなたのところが第1志望ですと言っているわけじゃなくて、事前に届けているところで第1志望の方がほとんど入ってきていただいて、非常にいい傾向かなというふうに思うんですが、その志望理由というのは面接等で聞かれると思うんですが、主にどういったものが上がるんでしょうか。

○吉沢職員課長 昨年度及び今年度の中野区を受験した方の志望理由を思い返してみますと、100年に一度と言われる中野駅周辺の再開発や児童相談所の設置など、変革期にある中野区で働きたいといったものでございます。また、中野区、インターンシップや特別区合同説明会に参加してみて、若手職員が多く、職場に活気があり、主体的に働く職員が多いといった声もございました。なお、中野ブロードウェイをはじめ多様性のあるまちに魅力を感じ、様々な文化が集まる中野区で多文化共生の実現に貢献したいと思ったということなどの志望理由でございました。

○森委員 中野区に若手職員が多いなんていう話は、私が議員になった頃からすると信じられないんですけど、それだけ職員が入れ替わってきているという状況で、そういったところも一つ魅力を感じていただいているということなのかな。これは非常にいい話ですので、ぜひ人気を継続していけるように取り組んでいただければなと思っています。特別区職員の採用という中で見るとそういう状況なんですが、ただ、特別区職員の採用全体の状況を見ると、事務職の合格率は10年前7.7倍だったものが、合格倍率、令和5年度で2.5倍、土木や建築、機械などは2倍を切ってしまっています。この状況に対して特別区人事委員会がどの程度危機感を持っているのかなかなか見えてこないんですが、その点について伺います。

○吉沢職員課長 特別区採用試験におけます最終合格倍率が低下傾向にあり、特別区人事委員会におきましても、区政運営に支障が出る可能性があることを懸念しまして、早急に対応していく必要があるということを認識してございます。そこで、大学等へのヒアリングを行い、受験者の実態調査を実施し、受験者の志望意欲を高めるためのPR手段としまして、説明会の拡充やホームページコンテンツの拡充など、PR強化を実施しているところでございます。また、今年度はⅠ類技術区分試験内容の変更や、建築土木職に係る2回目の秋試験実施も行うことで、より多くの方が受験できるよう図っているところでございます。

○森委員 ありがとうございます。実態調査とか、ホームページの拡充とか、試験方法の見直しとか、いろいろ地道に取り組んでいただいているところかと思いますが、なかなか公務員の働き方というのは固定化しているというイメージも強いのかなと思いますが、その一方で、さっきも触れた8月の国の人事院勧告は、フレックスタイム制の活用により、勤務時間の総量を維持した上で、週1日を限度に勤務時間を割り振らない日、ゼロ割り振り日を設定可能にするとの勧告を出しています。これは、国家公務員が事実上の週休3日を導入するということで話題になりました。特別区はまだフレックスも導入していませんけれども、一つ柔軟な働き方の象徴みたいなことで、非常にインパクトがある話だなと思います。こういったことも今後検討していくべきと考えますが、いかがでしょうか。

○吉沢職員課長 委員御案内のとおり、人事院は令和7年4月までに勤務時間法を改正しまして、国家公務員がフレックスタイム制の活用により、週休3日で働くことができるよう勧告したところでございます。区としましても、引き続き国の検討状況等を注視しながら、柔軟な働き方、ライフスタイルの多様化に対応する諸制度の導入や、必要な規定整備について検討してまいりたいというふうに考えてございます。

○森委員 区として考えること、それから特別区人事委員会として取り組んでいくことはいろいろあると思いますので、ぜひ積極的な検討をお願いしたいと思います。

 次に、教育環境の改善について伺います。先生不足が起こっているという話を何度か議会でしてきました。もはや起こっているというより慢性化しているような状況であります。ある担任がいなくなっちゃったクラスのお子さんの保護者が自分の子どもに、年度が変わるときに、進級するときに、次どんな担任の先生がいいと聞いたら、いてくれれば誰でもいいと答えたそうです。子どもにこういうことを言わせる区政は早くやめたいなというふうに思っています。また、区内のあるケースでは、産休代替の教員が確保できない。こういうケースもあったそうであります。突発的な病気というようなら分かるんですが、産休というのは当然何か月も前から、この頃から勤務できなくなるというのは分かっているわけです。にもかかわらず代替が確保できない。なぜこのようなことが起こってしまうのかお伺いをします。

○齊藤指導室長 産休代替等の臨時的任用教員は、東京都教育委員会の選考を通った名簿登載者の中から、学校が面談を経て採用することとなっております。近年の教員不足から、臨時的任用教員名簿登載者が既に他校で働いている状況にあることや、産休育休等を取得する教員が増加しているため、代替の教員が見つからない状況になっております。

○森委員 もうそれだけ深刻化しているということなんだと思います。教員の正規採用というのは都教委の仕事なわけですが、区としてできることはないのかお伺いをします。

○齊藤指導室長 教員を確保するために、地域や大学等と連携をしながら、教員免許を取得している人材の情報の収集に努めております。また、区のホームページでも募集を呼びかけたり、教員養成系大学との連携を通じて得られた人材情報を学校に伝えたりするなど、人材確保に向けて、できる限りの取組を行ってまいります。

 長期的な視点といたしましては、教員志望者を増やすために、教育実習生や学生ボランティアを積極的に受け入れるとともに、教職の魅力を伝える取組や中野区で働きたいと思ってもらえるよう、中野区の学校のよさをアピールしてまいります。

○森委員 本体の採用の部分は、なかなか直接は難しいわけですから、その周辺でできることということでいろいろ取り組んでいっていただきたいなというふうに思います。それから、前回の一般質問でも触れましたが、近隣の学校の保護者さんに学校で働いてみませんかという働きかけをしている取組を今進めています。一定の成果も出ているというふうに聞いていますが、そうすると今度は、働いている人から要望とか苦情めいたものとかいろいろ話を聞くようになりました。この間、私が相談を受けたケースでは、社会保険に加入できると思っていたのに加入できないと言われたという話でした。調べてみると、短時間労働者の場合、週の所定労働時間が、まず20時間以上必要であるということに対して、今の規定ですと週18.46時間、ぎりぎり足りないわけです。また、この勤務形態だと1日5時間勤務で休憩も取れず、みんなが給食を食べている時間も働き続けて、給食が終わった頃に帰る。こんなような状況だそうです。残業が必要なような状況が見えて、自分もできるならしたいといってもさせてもらえない。こんなような状況もあるそうです。この方は、子どもたちのためにということで学校で働き始めたけれども、これだと来年はちょっと難しいかなというふうにおっしゃっていました。これは一つのケースです。働く方によっては扶養の範囲で働きたい。こんなような希望をお持ちの方もいらっしゃるのかなと思います。働く人のニーズというのは様々でありまして、来年度はその働きたいと思う人の様々な希望に応じた形で複数の勤務形態を用意するなど、改善を求めたいと思いますが、いかがでしょうか。

○齊藤指導室長 各職の勤務条件等は、国や都の示している職の採用条件等に基づき区として設定しているため、現在も複数の勤務形態がございます。学校で働きたいと思ってくださる方に対しては、希望する勤務形態に合った職を提案してまいります。

○森委員 ぜひマッチングというんですかね、うまくやっていっていただければなと思います。それから、教員の確保も、こういった補助の方もそうなんですが、採用事務が非常に学校の負担になっていると伺っています。改善策をどのようにお考えか伺います。

○齊藤指導室長 各校の特徴や実情に合った人材を採用するためには、学校にも採用に関わってもらう必要があると考えております。地域人材の紹介につきましては、今後、コミュニティスクールの地域学校協働本部にも協力を依頼し、学校での人材確保の負担軽減につなげていきたいと考えております。教員志望者を増やすためにも、学校運営を支援する様々な人材を配置することは重要であると考えており、引き続き人材確保に取り組んでまいります。

○森委員 ぜひよろしくお願いします。

 それから、斉藤議員の一般質問でも触れました子どもの荷物が重い問題、就学前に情報提供してくれているということですが、ランドセルというものの定着度合いや、みんなランドセルを背負っている中で自分だけほかのものというのはなかなか難しいという状況を考えると、ランドセルじゃなくてもいいんですよというだけでは現実は変わっていかないんだろうと思います。学校の様子を見ていると、5年生とか6年生になるともう何かものすごくきつい感じでランドセルを背負っているお子さんがいらっしゃるんです。まずそういう子にリュックでもいいんだよとか、お声がけしていただく。そうすると、学校の中にランドセル以外を使っている子が増えて、それを見た下の子の対応も変わってくる。こんなことも期待できるのかなと思います。このようなお声がけも考えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○齊藤指導室長 これまでも中高学年の児童については、学校は個別に対応してきております。就学時に限らず、各家庭が児童にとって最適な通学用かばんを選べることを実態に応じて周知するよう、校長会等を通して伝えてまいります。

○森委員 実態に応じてというところが大事です。教育委員会としては対応しているんですというだけじゃなくて、実態が変わるまで取組をしていただければなというふうに思います。

 それから、荷物の中身の話です。今、GIGA端末が配られまして、全部端末に集約できればいいんですが、現状は端末と教科書と両方を持って帰っています。宿題があるし、端末は毎日持ち帰りと言われるしという状況です。でも、学校で使うぐらいだったら、iPadだったら1日で電源は切れないわけです。本当に毎日持ち帰らないといけないのかなと思います。宿題で教科書を持って帰らないといけないというんですが、百何十ページある教科書のうち、1日の宿題で使うのなんて見開き三、四ページとかなんですよ。iPadでぱっと写真を撮って持って帰れば、端末だけ持ち帰って済むという話で、ちょっとまだやりようがいろいろあるんじゃないかなというふうに思うんですが、どうお考えでしょうか。

○齊藤指導室長 学校は、中野区が導入しているGoogle Classroomの連絡掲示板機能を使って、宿題や宿題に必要なプリント等を配信するなど、教科書を持ち帰る必要がなくなるような工夫をしております。そのことにより、家庭学習で活用することを前提として端末は原則持ち帰るようにしており、現在、学校では大量の端末を充電することができないため、持ち帰った際には家庭での充電をお願いしているところです。

○森委員 端末の充電の話を聞いたわけではなくてというか、これはこれで実は結構いろいろ問題があるわけですが、荷物の軽減策という意味でもう少し考えられることはないんですかというふうに伺っています。もう一度御答弁をお願いします。

○齊藤指導室長 先ほど委員おっしゃってくださったように、iPadを効果的に活用することで重い教科書を全て毎日持ち帰らなくても済むというような工夫は、それぞれの学校でも進めてきているところですので、そういった工夫を区内で共有しながら、子どもたちの負担を減らしていきたいというふうに考えております。

○森委員 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いします。

 それから、AIドリルについてです。いろいろなものがあって、「Qubena」以外にも、「navima」とか「Monoxer」とか、中学校だとスタサプを使っているようなところもあるというふうに伺っています。私は、こうやって学校ごとに使いたいものを選んでもらうというほうがいいのかなと思ったんですが、現場の声を聞くと、教育委員会で一定方向性を示していただいたほうが助かるような声も聞いています。保護者としても区内で差異なくというほうが納得感を得られやすいのかなと思いますし、優良事例の共有なんていうものもしやすくなるのかなと思います。AIドリルの来年度の導入についてどのように取り組んでいくお考えか伺います。

○齊藤指導室長 今年度は試験的にAIドリル「Qubena」を全校に導入するとともに、学校の希望により、その他の学習ドリルも使用できるようにし、比較検証を行っております。教職員からは、AI学習ドリルの有効性について意見が上がっております。また、自分のペースで進めやすいという児童・生徒からの意見もあると学校から聞いております。引き続き様々な意見をお聞きし、次年度の導入について検討を進めてまいります。

○森委員 ありがとうございます。今年度については、多くの学校ではお試し期間、事業者のほうのサービスというんですかね、のような形で無償で使っているそうですが、一部既に保護者負担が生じている学校もあると伺っています。私費負担の学校間格差がここにもという話でありますが、来年度以降、保護者負担なしで使えるようにすべきと考えますが、いかがでしょうか。

○齊藤指導室長 令和6年度のAI学習ドリルの導入の仕方については、公費で導入するか、紙のドリル同様に私費会計とするか、財政的な負担も含め総合的に判断していきたいと考えております。

○森委員 ありがとうございます。平等性の観点も含めて、ぜひ積極的な取組をお願いしたいと思います。それから、さっき人材確保のお話をしましたけれども、学校で働く人ですから誰でもいいわけではありません。質も大切です。という中で今、保護者の関心が高いのはやはりタブレット活用のスキル、これに格差があるんじゃないかという話です。今年度、GIGA支援員4名に加え、ICTスタッフ4名を増員いたしましたが、活用状況について伺います。

○佐藤学務課長 区立小・中学校には、主に学習系機器の活用支援や授業支援を担うGIGA支援員と、主に校務機器の操作支援や活用支援を行うICTスタッフを配置しているところでございます。各学校においてGIGA端末に係る整備や学校ホームページの更新、ICT機器を利用した教材作成の提案、助言を行っているところでございます。

○森委員 今言っていただいたようなことをやっていただいているので、非常に何でも頼られているんだと思うんです。頼られている分だけもっといてほしいとか、常勤の要望なんていうものも聞いていますし、やっぱり話を総合すると、いてほしいときになかなかいてくれないというのが現状なんだと思います。今後の改善策についてどのようにお考えかお伺いをします。

○佐藤学務課長 GIGA支援員というのは令和7年度に一旦終了するところでございますが、令和8年度以降についてはICTスタッフがGIGA支援員の業務を引き継ぎ、統合する予定でございます。ICT支援体制の充実については、小・中学校の学校長及び副校長をメンバーとする教育情報システム委員会において、ICT教育推進リーダー等の教職員意見を集約し、現在の課題をどのように対処すべきかを検討し、次期支援員の契約方法等について考えてまいりたいと思ってございます。

○森委員 何か割と先の話まで御答弁いただいて、ちょっとびっくりしたんですけど、今だと、ある月に来てもらったら、そのタイミングで翌月の予定を確認して、次はこの日にみたいなことやっているみたいですけれども、それだけだとなかなか多分学校の突発的な状況と対応できない部分も出ているのかなと思います。人をどうするとか、契約の方法をどうするとかというのもあると思いますけれども、今の契約の中でもう少し使いやすくできる余地もあるのかなと思うので、そこも工夫していただければなと思います。

 それから、学校現場からは校務支援システム、今年度改善したんだけれども、システム対応した部分がほかの書類に反映できず、結局、手入力が発生してしまっているような話も伺っています。これは解決可能な問題なのかお伺いをします。

○佐藤学務課長 校務支援システムからの書類の出力方法等については、学校からの要望によりカスタマイズしたところでございます。カスタマイズの際には、小・中学校の要望をすり合わせいたしまして、事業者と詳細な確認を行いながら実施したところでございます。一部使いづらい箇所というのも現状あるため、今後の運用については引き続き学校と協議を行い、詳細な仕様を決定する予定でございます。

○森委員 事前の検討がどこまでできていたんだろうなと、ちょっと疑問に思うような事例でした。引き続き現場とコミュニケーションを取ったシステム開発というのに取り組んでいただければというふうに思います。

 それから、GIGA端末のさらなる活用ということでいろいろ御要望いただくと、学校はWi-Fiを設置したんだけど、ちょっと離れると入らないということで、あるいは校外学習とか修学旅行とかのタイミングでは、やっぱりモバイルのWi-Fiが欲しい、ネットワーク環境が欲しいというようなこともお話として聞いています。この配備を進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○佐藤学務課長 持ち出し用Wi-Fiにつきましては、各学校によって利用数、利用頻度、必要通信量が異なると考えられることから、各学校で必要なものを調達することが望ましいと考えているところでございます。また、各学校に対しては、持ち出し用Wi-Fiのレンタル方法等の情報を伝えることを検討しているところでございます。

○森委員 よろしくお願いします。どれだけ必要かって私もあんまりよく分からないんですけど、これも各現場どのくらい必要なのか、ヒアリングをしながら検討していっていただければと思います。

 それから、GIGA端末は更新を考えないといけない時期に入ってきました。国が少し費用負担の考え方を出したことを含めて、いろいろこれから検討していかないといけないことが出てくると思いますが、今回1点だけ、保護者が気になっているところということでお伺いをしたいんですが、GIGA端末というのはきちんと活用されている前提ですが、きちんと活用されているとすると、この端末の中に、あるいはその端末からアクセスするクラウド上に、子どもたちの思い出とか学校で頑張ってきたことの軌跡とかがデジタルデータとして蓄積されていくわけですね。これが端末を更新するときにきちんと引き継げるのか、あるいは卒業するときに何らかの形で子どもたちの手元に残せる、あるいはいつでもアクセスできるようになる。こういうことができるのかどうかお伺いをします。

○佐藤学務課長 端末の更新が円滑に進められるよう検討を開始しているところでございます。デジタルデータにつきましては、できる限り端末上にはデータを保管せず、クラウド上へのデータ保管を基本としているところでございます。これらのデータにつきましては、個人情報等々、様々な課題もあると認識してございますので、データの引継ぎについては学校とも協議し、検証を進めてまいりたいと考えてございます。

○森委員 ぜひ、かけがえのない思い出になるはずのデータですので、ちゃんと子どもの手に残るような形を考えていただきたいなと思います。ちゃんとやったら多分卒業アルバムに並ぶ記念品になると私は思っていますので、よろしくお願いします。

 それから、通学路の安全確保の要望も根強く頂いています。今年度シルバーさんに委託している交通安全指導員、増員をしていただいておりますが、配置の決め方なども含めて現状を御説明ください。

○佐藤学務課長 シルバー人材センターに委託している交通安全指導員については、昨年度の配置時間1校当たり675時間から1,350時間に増やしているところでございます。各学校は、その時間数の中で配置人数及び配置時間を決定しているところでございます。

○森委員 学校のほうで考えていただいている部分もあるということで、一定柔軟な対応はできるのかなと思うんですが、学校によって置かれた状況というのは様々です。めり張りのある配置が必要になっていくんだと思うんですが、いかがでしょうか。

○佐藤学務課長 他の学校で余剰とされた時間数については、学区域が広い学校等に対して振り分け、追加配置をしてございますが、引き続き各校の要望を聞きながら柔軟な対応を行うとともに、配置の在り方について研究してまいりたいと考えてございます。

○森委員 ぜひよろしくお願いをいたします。

 それから、施設整備についてです。小学校PTA連合会からの要望には、教室不足への対応から、道路標示の書き直し、横断幕の設置、ガードレールが破損している箇所、プールの日焼け等々、いろんな改善の要望が出ています。一つひとつ丁寧に対応していっていただきたいんですが、3点伺います。

 2年続けて同じような要望が出ていたりします。それから、こんなのはちょっと電話すれば、すぐ対応できるんじゃないのというようなものも含まれています。一件一件きちんと対応していただいているんだと思うんですが、なぜこうなっているのかお伺いをします。

○藤永子ども教育施設課長 改修要望対応についてお答えします。区では、改修の要望について技術職員が要望箇所を点検し、学校と調整を行い、改修経費を見積もり、優先順位をつけ、限られた予算において順次改修を行っているところであります。ただ、要望箇所によっては工事時期に配慮が必要な場合、改修経費が多額である場合、または例えばプールの日射対策など、建築基準法の規制などにより根本的解決が難しく、対応策の検討に時間を要する場合もございます。今後とも要望箇所の解決に向けて各学校と協議しながら、良好な教育環境が十分に確保できるよう計画的に改修を進めていきたいと考えてございます。

○森委員 根本的な解決が法規制等の関係で難しい。こういうケースもあるんだろうと思いますが、だったら、それはそれで情報提供してあげたほうがいいんだろうなと思います。ほかの方法を教育委員会のほうで考えていただくのも大事ですけど、それはちょっと難しいんですといったら、学校現場のほうでも考えられることは出てくるかもしれないので、そこはよくよくコミュニケーションを取っていただきたいなと思います。

 それから、細々した要望って古い校舎でいろいろ出るのは分かるんですが、新しく造った学校でもいろいろ出てくるというところが気になります。こういったところの改善、そしてそういった経験を次の校舎設計に生かす。こういった取組が必要じゃないかなと思うんですが、いかがでしょうか。

○藤永子ども教育施設課長 使いやすい新校舎改築についてでございます。各学校に対する要望につきましては、当該校の改修に取り組むだけでなく、使い勝手や不都合点を含め、新校舎設計に順次反映しているところでございます。

○森委員 ぜひそれも引き続きよろしくお願いします。

 最後に、教室不足対応なんですが、現実に不足をしてくると対応するわけですが、このままでいくと教室数が不足しそうだなという学校も幾つか見受けられます。目の前の状況の対応とともに、先を見据えた対応も必要と考えますが、いかがでしょうか。

○藤永子ども教育施設課長 将来を見据えた普通教室不足対応についてでございます。区では、毎年更新される最新の将来推計と全小・中学校の教室数を合わせて、今後の各学校の教室数確保について検討しているところでございます。また、小・中学校施設の改築については、当該校の現在の児童・生徒数に加え、将来推計に鑑み、一定程度の増加にも対応できるよう普通教室数を確保し、改築計画を進めてございます。児童・生徒数の増減については、学校周辺の住宅の更新など、まちの変化に大きく影響を受ける面がございます。庁内の各部署と連携しながら情報収集を行い、引き続き将来の普通教室確保について取り組んでいきたいと考えてございます。

○森委員 よろしくお願いします。特に将来推計をどう見るかで割と見誤っちゃっている部分もこれまであったかなと思うので、そこをぜひ精度高くやっていただければと思います。よろしくお願いします。

 最後、公園行政についてです。少し質問を飛ばせていただきます。中野区は、都市公園法の改正を受けて、国が取りまとめた遊具の安全確保に関する指針に基づき遊具の点検を行い、その結果として多くの公園で遊具が撤去されました。撤去後、新しい遊具に更新された箇所がほとんどなんですが、区内の公園を見ると、撤去後、何も遊具が置かれていないという箇所が幾つかあります。これはいろんな地域の意見を受けたりですとか、安全基準で法律上置けなくなったりとか、いろんな事情があるというふうに伺っていますが、うちの近所の桃園川緑道の中央一丁目の部分は何かすごく残念な状況になってしまっていて、割と大きな複合遊具があって、未就学児のお子さんとか、放課後の小学生とかが遊んでいた遊具なんですが、これが撤去されました。新しい安全基準だと小さい遊具も置けませんという状況で、ここまでは仕方がないんですが、その後どうなっているかというと、遊具を撤去して、継ぎはぎの舗装がされたままもう何年も放置をされています。地域の方からも、緑の少ない中野区なんだから、緑道の名前にふさわしい形でちゃんと整備をしてほしいという要望を頂いています。この質問は2か月ぐらい前からしようと思って決めていたんですが、質問の直前にここを東京都が工事をするという情報が入ってきました。この工事が終わった後に動線がこれまでと変わってくるというような説明も受けています。ということで、ちょっと工事後の姿が今なかなかイメージしづらいんですが、いずれにしても桃園川緑道の一部ですから、緑道の名前にふさわしい形でやはり整備をしていっていただきたいなと思います。いかがでしょうか。

○村田公園課長 桃園川緑道の整備についてでございます。桃園川緑道では、遊具の安全領域を守りながら適切な通行空間を確保することが困難であったため、設置することができなかったものでございます。一方で、遊具が置いてあった空間は空きスペースとなっていることから、緑道環境としてふさわしい施設の設置などについて検討してまいりたいと考えてございます。

○森委員 ぜひよろしくお願いします。それから、公園の利用ルールについてです。禁止事項が多過ぎるということで、様々問題意識を持って議論してきました。中野区は令和4年12月から半年程度、利用ルールの一部を試験的に緩和するということを行いました。既に半年経過しているので、どうなっているのかなと思ったら、当面の間ルール緩和を継続するということになっています。このルール緩和への反響はどういったものがあったのか。また、当面の間継続というのは結論の先送りのようにも見えますが、今後の展開についてお考えを伺います。

○村田公園課長 公園の利用ルールの緩和につきましては、2022年12月からゴムボール遊びや自転車に乗るための練習などを可能にするなどの緩和を実施したところでございます。これに対しましては、緩和に対する理解、感謝がある一方、サッカーやスケートボードが自由にできると勘違いされることによるトラブルや、騒音の増加への心配や嫌悪感があるなど、両面の意見が寄せられたところでございます。今後につきましては、利用者同士、また利用者と近隣住民が理解し合えるよう、分かりやすい掲示内容に改善していくことなども進めるとともに、その他のルールの緩和についても地域の意見や他区の状況などを踏まえた上で検討していきたいと考えてございます。

○森委員 ちょっと禁止事項が多過ぎるんじゃないかという中で、さらなる緩和ということも考えていただけるということは歓迎をしたいと思いますが、この利用ルールの緩和の前提として、他の利用者や近隣住民への迷惑とならないことを前提にと書いてあるんです。迷惑をかけてはいけないというのが大前提というところから、私はどうなのかなというふうに思っています。ボールで遊んでいる人がいて、ちょっと怖いから迷惑だという人と、ずっとベンチで座っている人がいるから迷惑だ。それはお互いそれぞれいろいろ思うわけですよ。思うわけですけど、そういう状況を見て、とにかく人に迷惑をかけちゃいけないと気を使いながら公園を使うのと、まあ、多少迷惑をかけられることもあるけれども、それはお互いさまだといって受け入れる公園の使い方と、はて、どっちがいいんだろうなと思うと、私は本当は後者のほうがいいんじゃないかなというふうに思っています。いろいろ相反する意見も来て、大変だというような状況も想像されますが、それは当然で、公共空間というのはそういうものがぶつかる空間なんだと思うんですよ。それを無理に、迷惑にならないというところを最優先に考えた結果が、この利用禁止ルールだらけの公園ということになっているんじゃないかなというふうに思うんです。これは結局、区の哲学というんですかね、公共空間はいかにあるべきかという区の哲学が問われるような問題だというふうに私は思っています。これを課長さんに聞いてもちょっと困っちゃうでしょうから、区長のお考えを最後伺いたいと思います。

○酒井区長 中野区立公園条例では、他人に迷惑を及ぼす行為をすることをしてはならないというふうに定めておりますが、区内の狭い公園で様々な利用者がいることなどから、何がしかの形で他人に迷惑がかかってしまうということは当然あり得るものと考えます。けがをさせる可能性のある行為や、隣接地を破損してしまうような大きな迷惑行為ですね。こういうものは制限する必要がありますが、公共の場である公園が子どもから大人まで様々な人が利用する中において、子どもが遊び、成長できる公共空間であるというふうに考えております。子育て先進区としては、ルールの見直しや再整備などの取組を進める中で、次世代の子どももより一層楽しめる公園を実現できるように努めてまいりたいと思います。

○森委員 ありがとうございます。今回は公園の切り口で聞きましたけれども、公共空間はいかにあるべきかという課題で言えば、この中野駅周辺の再開発で生み出される広場、ここの利用ルールをどうしていくとか、あるいは西武新宿線の連続立体交差化で生み出される土地、ここをどうしていくのかとか、いろんなところに波及する問題だと思っています。ぜひ区としての哲学を確立して、これからも利用ルールの検討を取り組んでいっていただければなというふうに思っています。この点をお願いいたしまして、私の全ての総括質疑を終了します。ありがとうございました。

○杉山委員長 以上で、森たかゆき委員の質疑を終了します。

 次に、[1]高橋ちあき委員、質疑をどうぞ

○高橋(ち)委員 お疲れさまでございます。今朝は、アクシデントみたいななかなか質問が進まない時間帯がありましたけど、前に質問された方が印象に残る時間だったとか、経験をしたことがないというようなお話がありましたけれども、私が若い新人の頃といったら皆さん笑っちゃうかもしれませんけど、その時代は今のように朝10時から5時で決算特別委員会や予算特別委員会が終わるという時代じゃありませんでした。ですので、午後1時から始まって、いつ終わるんだか分からない。一回休憩すると再開がいつだか分からない。そんなような議会でありました。ですので、今経験されている皆様方は、10時から5時でぴったりと終わる、このありがたい委員会を滞りなくスムーズに進められるように協力していければいいかなと思っておりますので、そういう時代を知るがために、皆さんにはぜひとも新しい方もそうですけど、中野区議会の50年史なんぞやを読んでいただきまして、以前、自分たちが入る前の議会はどうだったのかな、行政がどうだったのかなということを一度お勉強していただけたらありがたいかなという、老婆心ながら一言お伝えしたいと思います。

 では、質問に入ります。まず、質問は通告どおりでありまして、その他はスポーツクラブについてお伺いをさせていただければと思います。

 最初に、令和4年度の決算についてでありますけれども、この決算においては、中野区の監査委員会において監査の意見書の冊子が皆さんに配られていると思います。そこを基本にいたしまして、簡単に私は伺いたいと思います。

 まず、健全性を示す財政収支と財政指標では、おおむね健全な財政状況を示しているが、実質収支比率が特別区平均を上回るなど、指標の変化については要因分析が必要であるというふうに監査委員ではおっしゃっております。この要因とは何なのか、そして分析を早急に行い、予算に反映することが大変大事なことだと考えますけれども、このことについては昨日の質疑の中でも様々な皆さんが質問されていたと思います。どうお考えかお示しください。

○竹内財政課長 令和4年度決算に関して頂いた監査委員会の意見につきましては、指標の要因分析を実施するなど、今後の行財政運営にしっかりと生かしていきたいと考えてございます。

○高橋(ち)委員 簡単に言ってくれちゃいますけど、本当に生かしてもらわないと困っちゃうんですけど。そして、債務負担行為の額も増え続けておりまして、令和4年度には566億円となって、これから先も区立の小・中学校の建て替え、まちづくりなど、複数年にわたる大きな財政負担が予定されていると思います。特に慎重な判断をされたいとまで述べられておりますけれども、これに対してはどういうふうにお考えですか。

○竹内財政課長 債務負担行為につきましては、後年度の負担となることを踏まえまして、慎重に設定したところでございまして、将来の区民サービスに支障がないように適切に対応していきたいと考えてございます。

○高橋(ち)委員 適切に対応したいと考えていますということですけれども、先ほども質疑にあったように予算に向けては早々に考えていかないといけないと思いますので、よろしく頼みますね。期間収入の状況では、特別区税が、収入率は前年度比では増となっているんですけれども、23区の平均の収入率に達していなく、この収入対策の強化に努められたいというふうにも言われております。さらに、ふるさと納税が前年度より増加をして21億円余と、特別区税に占める割合が6.6%にもなっている。ここにも注視しています。これは特別区全体での問題ではあると思うんですけれども、このことに対してはどのように対応していきたいと思っていますか。

○竹内財政課長 ふるさと納税制度により区の貴重な財源は奪われ続けている状況にございます。ふるさと納税制度や不合理な税制改正により地方に負担転嫁されることがないように、引き続き都と区が一丸となって、議会の皆様とも連携いたしまして、国に対して改善を強く求めていきたいと考えてございます。

○高橋(ち)委員 しっかりと進めてもらいたいと思うんですけれども、ちょっとここで違うことを伺いますけれども、たばこ税についてもお伺いをします。令和4年度のたばこ税は、ふるさと納税と同じぐらいの額ですかね、21億円ほどの税収になると聞いています。この税収も、区にとってはなくてはならない税収だと思うんです。しかし、目に見えない一般財源に入ってしまうために、このたばこ税がどのような使い勝手がされているのかは、前からも言っているんですけど、全然見えません。そして、この税収に寄与してくださっているたばこ小売業者の皆さんは、本当に苦労しながら、この中野区のためにたばこ税をつくり上げてくださっているわけですけれども、2026年に自動販売機が「taspo」も使えなくなるし、紙幣が変わる。また、五百円玉が使えなくなるということで、必然的に自動販売機を変えなくてはならない。こういう大変な事情がやってくるということになるわけです。万が一、全額とは言いませんけれども、多額な自動販売機の購入に対しまして、区がどのようなサポートを考えていくのか。または何かできないかということを今から検討するということはできないんでしょうか。

○竹内財政課長 たばこ税が中野区の税収において大きく貢献していることは認識してございます。区内でたばこを買ってもらい、さらなる税収増になるように、まずは関係団体の方々と意見交換を行うなど、区としてできることを考えていきたいと思っております。

○高橋(ち)委員 ぜひですね、小売業者さんだから個人となっちゃうかもしれませんけど、でも、たばこ商業組合さんという大きな組合を持ちながらも、大変御苦労されて税収に寄与してくださっているところは理解して、サポートを考えていただきたいというふうに思います。

 次に、性質別ですけども、性質別歳出の状況と基金及び区債の計画的な活用では、様々な課題を進めていく中、「基金や区債の活用については、計画的に将来への明確な展望を持って判断されたい」とも指摘をされております。これも様々な委員の方が質問をしていらっしゃいました。そして、持続可能な行財政運営を行っていくためには、「積極的な行財政改革に努め、財源の適切な活用により、最小の経費で最大の効果を上げるという原点に立ち返って取り組まれたい」というふうに監査委員さんからの御意見があります。これはどのようにお考えですか。

○竹内財政課長 山積する課題に向き合いまして、限られた財源の中で基本構想の目標を達成するためには、職員一人ひとりが知恵を出し、たゆまぬ努力を行い、効率的・効果的な事業執行を行うことが区民ニーズに応えることにつながると考えてございます。区の置かれた現状を認識した上で、財務規律にのっとり、実りある予算編成を進めていきたいと考えてございます。

○高橋(ち)委員 やっぱり監査委員の方々は、私もやったから言うわけじゃないんですけれども、8月の暑い中、毎週毎週この決算のために審査をしているわけですよ。その監査委員会からの大切な意見をしっかりと行政サイドも受け止めていただいて、確実に行財政改革に努めていかないといけないというふうに思っております。ぜひともきちんと進めていただきたいと思います。

 では、次の質問に移ります。主要施策の成果の冊子の中におきまして、全体的に一々一個一個質問をしていきたいんですけれども、そうもいかないので、令和4年度においてのこの主な取組の中において、多分成果の高かったものを載せているんだとは思うんですけれども、毎回気になることは、本当にこれが主要施策なのかというふうな思いがあります。全て聞けないので、何点か抜粋して私の勝手で伺うわけですけれども、子ども教育部、教育委員会事務局の成果で、まずは地域子ども施設の充実で、「子育てひろば事業や児童館の乳幼児おもちゃリニューアルにより、乳幼児親子の交流と気軽に子育て相談ができる環境を整えました」というふうにうたっているんですけども、そもそもその前に行うべきことがあったんじゃないんですかと考えるんですけど、いかがお考えですか。

○細野育成活動推進課長 主要施策の成果でございますが、この資料に掲げる事業につきましては、当初予算の概要などから新規・拡充・推進事業を中心に掲載をしているものでございます。そういったことから、委員が先ほどおっしゃったような児童館の施策について掲げたということでございます。

○高橋(ち)委員 それは分かっているんです。それを取り上げて、成果が出ましたよ。だけど、本来は児童館4館の廃止について見直すこととして、令和3年度と同じ16館の児童館と2館のふれあいの家を運営することとなったわけでしょう。それが本当は主要施策の成果として載せられるべきだったんじゃないんでしょうかねと思うんですけど、どうですか。

○細野育成活動推進課長 児童館、ふれあいの家の運営におきましては、令和4年度においても、その前の年と同様の18館での運営を続けておりまして、主要施策の成果に掲載する新規・拡充・推進事業には該当しないというふうに判断をしまして、そのような記載というふうになりました。

○高橋(ち)委員 まあ、多分そんなような答弁になっちゃうかなとは思っていましたけれども、次の質問に行きますけど、第2回定例会に児童館の運営・整備推進計画を策定していくという考え方が示されたと思います。区がこれまで目指してきた9館構想を転換するということになっているわけですけれども、どのような考えからこのような考え方に至ったのか、これまでの経緯も併せてお示しください。

○細野育成活動推進課長 区は、児童館条例の否決後、子どもと子育て家庭のニーズに応じた機能強化を図るため、児童館の一部について乳幼児親子事業を主とした施設などに転用を図り、機能を強化して運営することというふうにさせていただきました。一方で、これら児童館閉館後の子ども施設については、18歳未満の全ての子どもを対象とするなど、児童福祉法上の児童館の要件を満たすものとも考えてございます。このような考えを踏まえつつ、多様な居場所づくりの重要性に鑑みまして、児童館条例に基づく施設の位置付けを継続して、これまで児童館が果たしてきた機能と役割を基礎とした上で、ソーシャルワーク機能や乳幼児機能、中高生機能を強化していくというふうにさせていただいたものでございます。

○高橋(ち)委員 長い期間、4年以上もかけながら、このようになってきたんだと思うんですけれども、9月1日に子ども文教委員会に報告されました「中野区児童館運営・整備推進計画の考え方について」におきましては、基幹型9館のみを区職員による運営とし、乳幼児強化型、中高生機能強化型は委託で運営するというふうになっているんですけど、この考えは、要は基幹型を本当に区職員で運営するという考えで進んじゃうんですか。区の方針をはっきりとお示ししてほしいんですけど。

○細野育成活動推進課長 乳幼児機能強化型及び中高生機能強化型児童館については、運営にノウハウを持つ事業者への委託を考えてございます。基幹型の児童館につきましては、地域の子育て・子育ちの拠点として、エリア内の地域連携の促進や地域の子ども施設の巡回支援を行って、福祉的課題に対応するためのソーシャルワーク機能を強化した運営を行うことから、区職員により運営をするということを考えてございます。

○高橋(ち)委員 そういうふうにお答えされちゃうと、何か違うんじゃないのと思うことは、区は令和3年10月に中野区基本計画に基づく区有施設整備計画をつくったわけですね。ここには、児童館は現在の18館を10年後には10施設とすると明記されているわけです。そうすると、9館の直営でやるという話もそうですけど、全然現在の検討中の児童館運営の整備計画と整合性が取れないと私は考えるんですけど、どのように考えているんですか。

○細野育成活動推進課長 今後策定する児童館運営・整備推進計画につきましては、中野区基本計画の後期の取組を具体化した中野区実施計画と整合を図りながら策定をしていきたいというふうに考えてございます。今後、区有施設整備計画が改定される場合につきましては、本計画の内容を反映させていきたいというふうに考えてございます。

○高橋(ち)委員 実施計画に入れるということでありますけれども、そのときにも整合性が取れるような説明をしていただきたいと思います。児童館18館を全て活用していくということは、大変地域にとっては結果的にありがたいということになりますね。でも、廃止とうたわれていた児童館の地域の人たちは、ほっとするのと同時に戸惑っているところもあるわけですよ。えっ、廃止じゃないんですかというようなことを幾度となく私に問合せも来たりするんですけれども、この二転三転する区の考え方の変化は、本当に区民の皆さんが置き去りになっちゃっているような気がするんですよね。ですので、そのような方向性を示された場合には丁寧な説明をしていくことも大事だし、廃止しますよと区が宣言しちゃってきた地域に対しては、きちんと説明をしていくことが必要かと思うんですけど、いかがですか。

○細野育成活動推進課長 計画の策定過程や児童館に関する施策の展開に当たっては、意見交換会等を開催し、児童館の機能等について周知を図っていきたいと考えています。また、子どもも含む区民から広く意見を聴取して、子どもと子育て家庭のニーズを捉えた、より魅力的な施設となるような運営に反映していきたいと考えております。また、各館の利用される方や町会・地区委員会の地域の方々に対しましては、今後もさらに丁寧な説明をしていきたいと考えてございます。

○高橋(ち)委員 18館が残るという明言をされているわけですけれども、その中においても9館以外のところは、まだまだこれから議論がされていくわけでしょう。そこに対してもやっぱり理解を求めて、上手に運営ができるのか。そういうことも頭に入れながら進めていかないと、こういうふうにするんですよってそちらが勝手に報告だけということでは、議会だって理解ができないところがたくさん出てくる可能性もまだまだあるということだけは分かっておいてほしいと思います。よろしくお願いします。

児童館はまだまだ言いたいことがたくさんありますけど、今日はこのぐらいにしておきます。次に、教育委員会事務局が主要施策の成果で取り上げているのは、ICTを活用した学習指導と学校の環境改善に向けた計画的な改善であるというふうにうたっています。これも主要施策の成果に入れるのは当然のことだとは思いますけれども、教育委員会として本来取り組むものはですよ、幼児教育や体験学習の継続とか心の教育、体力向上などであるというふうに私は思うんです。子育て先進区の基本は教育だというふうに考えるんですけど、区の認識をお伺いいたします。

○渡邊子ども・教育政策課長 主要施策の成果には、予算規模から見た新たな取組や拡充した事業などを掲載してございます。教育委員会といたしましては、毎年、教育行政全般に係る施策や事業について、数値等で表しにくい目標や成果、効率性及び必要性など、中長期的な視点で外部評価委員による点検評価を受け、公表をしております。教育・学習環境の充実や幼児教育、子どもたちの生きる力を育む教育の充実など、教育内容の充実が重要であると認識しておりまして、第4次教育ビジョンにも掲載しているところでございます。

○高橋(ち)委員 冊子に掲載するということは、それはビジョンですから当然のことでしょうけれども、幼児教育に対しても全然この幼児教育に強い思いがあるということが伝わってこないというというふうに私は思うんです。教育要覧にも、就学前教育連携の中で保幼小中連携教育として記載はされているんですけれども、情報交換が中心のように感じて、実際は何を行っているのかは全然議会サイドにも分かってこないし、幼児教育を一体どういうふうに捉えているんだろうという心配があります。どうお考えですか。

○齊藤指導室長 幼児教育につきましては、教育ビジョンで人格形成の基礎となる幼児期の教育の充実について目標を掲げ、就学前教育の質の向上に取り組んでおります。一方、保幼小中連携教育として、保幼小中ごとに授業公開や保育公開を行っており、それぞれの教員が参観し合っております。また、本年度の保幼小連絡協議会では、自尊感情や自己肯定感を高めるというテーマで、保幼小中の教員が15年間を見通した話合いを行っており、連携の内容が確実に深まってきているところです。

○高橋(ち)委員 それは確かに先生方の連携ですよね。だけど、地域とか私たち普通の人にとってはですよ、中野区が幼児教育をどういうふうに捉えて、どのようにやろうかというのが目に見えていないというふうに感じ取っているだけ、私は言いたいわけですよ。だから、先生方が連携を取れて、幼児教育を力強く発信してくださって、貢献してくださっているということはもう分かっていることなんです。ただ、目に見えることは一体何ぞやということが伝わらないよということを言いたいがために、今質問をしました。この先はまた違うところで聞きますからいいんですけど、ほかに小・中学校の移動教室とか、海での体験授業とか、修学旅行など、様々な体験学習の成果も出ているかと思いますけど、教育委員会が全くどこで示しているのか。これは委員会で、子ども文教委員会で報告すれば終わりかとは思いますけれども、今年だって夏の体験事業だって、前年度よりか増えていらっしゃるわけでしょう。だから、もっともっと教育委員会としてこういう事業をやっていて、こういうのがとても子どもたちに影響を与えていいことなんですよということをどこかで示さないと、何をやっているのというふうに思われかねないかなというふうに感じて、お伺いをいたします。

○齊藤指導室長 移動教室、修学旅行等の宿泊体験だけでなく、様々な体験学習の成果を各校が学校だよりやホームページを通じて保護者等に伝えているところです。教育委員会といたしましても、海での体験事業や体験活動の充実事業、文化芸術体験事業などの成果について示し、その有効性について共有することで、体験学習が子どもたちにとってよりよい活動となるよう努めてまいります。

○高橋(ち)委員 ぜひとも目に見えるようなアピールというんですか、PRというんですか、それは大事なことだと思うんです。私たちが子育てをしているときは、実際自分の子どもが学校へ通っていたから、いろんな情報が入りますよ。しかし、卒業しちゃうと全く携わらない。議員でさえ全く情報が分からなくなるという状況がよろしくないかなというふうに思いますので、ぜひともそこの点は情報発信を上手にやっていただきたいと思います。

 では、次の質問に行きます。中野サンプラザのプロジェクションマッピングについてお伺いをさせていただきます。

 7月に中野サンプラザが閉館をいたしましたけれども、閉館前の2か月間は様々なアーティストによる音楽祭が行われ、さらに閉館後の7月の三連休には、区民の皆さんなどの有志による感謝祭が開催されておりました。盛況であったようで、また好評でもあったように伺っております。他方、区は閉館した中野サンプラザの外壁を活用して、プロジェクションマッピングを実施する予定であるというふうに聞いているんですけれども、その目的や内容、進捗状況などが全く私はよく分かりません。

 そこで何点か伺います。まず、プロジェクションマッピングの実施時期はいつなんですか。また、感謝祭と同時に開催すれば、より盛況であったのではないかと思うんですけど、なぜ感謝祭の開催と同時に実施しなかったのかを併せて教えてください。

○高村シティプロモーション担当課長 プロジェクションマッピングの実施時期でございますが、令和6年3月の第3週の金曜、土曜、日曜の夕方から夜にかけて実施する予定でございます。プロジェクションマッピングは、夏場よりも乾燥した時期のほうがきれいに投影できること、また、中野サンプラザの閉館後解体までの間をつなぐ、にぎわいを創出するイベントを実施したかったこと、さらに桜の開花時期と合わせて実施することで、より集客を図れると考えたことから、感謝祭と異なる時期に実施することとしたところでございます。

○高橋(ち)委員 じゃ、3月にやるということですけども、その方法は事業者への委託で行うのか、また現在の進捗状況というのはどうなっているんですか。

○高村シティプロモーション担当課長 委員の御説明のとおり、事業者へ委託して実施することを考えてございます。企画提案を公募して、審査委員会を経て、現在、契約優先交渉権者が決定したところでございまして、契約に向けて詳細を調整しているところでございます。

○高橋(ち)委員 そうすると、調整して、こういうふうにやりますということになるんでしょうけれども、多額の、予算額が5,000万円ぐらいかかるというふうに伺っているんですけど、それでは、この財源の中で特定財源というのは確保できるのか。また、その額はどの程度なのかというのは計算しているんですか。

○高村シティプロモーション担当課長 東京観光財団から2,000万円の助成が受けられる見込みでございます。また、ふるさと納税の寄附も一部充てたいというふうに考えてございます。

○高橋(ち)委員 なるほど。それぐらいは助成が入るということですね。プロジェクションマッピングの時間や回数、それから映像の内容というのは一体どういうものになるのか。また、その映像会社というのは事業者任せにするのか教えてください。

○高村シティプロモーション担当課長 令和6年3月の3週の金曜から日曜に実施しまして、金曜は19時30分頃から15分ごとぐらいに3回から4回の投影、土曜日、日曜日については、18時30分から同じく15分間隔ぐらいで5回から7回ぐらいの投影をしたいというふうに想定してございます。一回の投影は5分から10分で、可能であれば映像は2パターン制作したいと考えてございます。事業者に対しては、中野の歴史や資源、また未来の中野駅周辺を想起させるイメージ映像の制作を依頼しますが、コンテンツ制作の過程でワークショップを開催して、地域の方にも参加いただいて、映像制作を進めていければというふうに考えてございます。

○高橋(ち)委員 まあ、約5,000万円ぐらいかかる事業であるわけですからね、その予算に幾ら助成金が入るにしても、見合った効果をしっかりと担保してやっていかないといけないんじゃないかなと思うんですけれども、多くの区民の方々、区民以外の人も見てもらい、中野をより知ってもらうことが大事であるというふうに考えるんです。また、多くの方が見に来て、中野駅周辺の飲食店などを利用するとか、ただそれを見て帰っちゃうんじゃなくて、地元の商店街や関係団体と協力して、少しでも地域経済に貢献できるような工夫というのは考えているんですか。

○高村シティプロモーション担当課長 冒頭、委員から音楽祭の話ですとか、感謝祭のことがございましたが、そのときには地元の商店街の利用が増えたというふうに伺っております。より多くの方に見てもらうため、桜の時期と合わせた開催にしたところであり、詳細が決まり次第、段階的に周知していきたいと考えています。また、音楽祭の開催時と同様に地元商店街や関係団体、中野駅周辺の開発事業者等と協力しまして、地域を回遊し、商店街等を御利用いただくための工夫を一緒に考えて、実施していきたいと考えてございます。

○高橋(ち)委員 ぜひ巻き込んでいただきたいというふうに思います。そして、このことによって人があんまり集まり過ぎちゃうというのもあれなんですけれども、危険な状態にならないように、中野駅で実施するということは駅周辺、人がいっぱい集まるかどうか分からないですけれども、そういう安全対策等々も考えていらっしゃるわけですか。

○高村シティプロモーション担当課長 プロジェクションマッピング実施において、安全対策は最も重要なものの一つであると認識してございます。今、契約優先交渉事業者との協議も、この点を強く意識して進めているところであります。現在、野方、中野両警察署や関東バス、京王バス、JR中野駅、あと工事中のURと交通規制ですとか、それから観客の誘導動線の検討、バス停の一時移転とか運行ルートの変更など、安全対策についての具体的な協議を進めているところでございます。

○高橋(ち)委員 ぜひですね、その安全対策はしっかりと考えて行っていってほしいと思います。

 5時ちょっと前ですけども、この項だけは終わりたいと思います。プロジェクションマッピングのほかに、以前、加藤委員から、これの実施と活用を求めて、中野サンプラザの3Dマッピングが多分予算化されたのかなとか思うんですけど、その現在の進捗状況はどうなっているんでしょうか。

○高村シティプロモーション担当課長 中野サンプラザの内観と外観を撮影、測量して、3次元データを制作するものでして、予算額は1,100万円です。既に指名競争入札を経て、事業者により3Dモデルの作成に向けて、中野サンプラザの内観の撮影は終えております。今後は外観の撮影を行い、3Dモデル化を進め、令和6年3月までに完成させたいと考えてございます。

○高橋(ち)委員 取りあえずね、私がよく分からないから聞いているんですけど、プロジェクションマッピングと3Dマッピングは、何か知っている人は知っているんだけど、全く情報がない人は知らないよという感じなので、もっと上手に広報してほしいなというふうに思います。ぜひともそのようにしていただきたいと思います。

 このナカノミライプロジェクトワークショップという――ごめんね、何個か飛ばしちゃいますけど――ワークショップというのもあったような気がするんですけど、今年度の企画はどういったもので、また、その成果物というのはいつ公表して発表されるんですか。

○高村シティプロモーション担当課長 今、委員がおっしゃったナカノミライプロジェクトは、区内の企業さんと協働で中野を元気にする企画を進めているものでございまして、今年度は中野駅周辺の再整備が進む中で、新たに中野へ来たファミリー世帯を意識した情報発信、特に乳幼児親子をメインターゲットとした子育て・子育ちに関する情報の発信ですとか、冊子、動画の制作ということに企画を立てています。当然参加した企業さんの子育てとか子育ちサービスに関するような紹介、こういったものもしたいというふうに考えてございまして、来年3月までには成果物を出したいというふうに考えてございます。

○高橋(ち)委員 ぜひ工夫してほしいと思います。令和元年度までは、シティプロモーション事業は大手広告代理店へ委託しちゃって、多額の経費をかけて取り組んでいましたよね。それを区議会からの意見なども踏まえまして、現在のような状況になっているとは思うんですけれども、この取組は望ましいことだとは皆さん思っていると思いますし、いわゆる特定財源の確保を考えながら費用対効果を十分担保に入れて、何というんですかね、適時議会に報告しながら、多くの区民の皆さんにできる限り周知して、これがやれてよかったねというふうに持っていってもらいたいんですけど、どうお考えですか。

○高村シティプロモーション担当課長 委員が今おっしゃったとおり、なかなか特定の団体ですとか、関わった方たちには知られているものの、より広報していく必要があるかなというふうには考えております。できるだけ参加企業とかワークショップだけではなくて、発信の仕方も工夫して、かつ今おっしゃったようにできるだけ最小の経費で、できるだけ効果が上げられるような企画をみんなで知恵を出しながら進めていきたいというふうに考えてございます。

○高橋(ち)委員 ぜひですね、議会報告も怠らず、そして今おっしゃったように最小の金額というか費用で、予算でできるように努力をしていただきたいと思います。よろしくお願いします。

○杉山委員長 高橋(ち)委員の質疑の途中ですが、5時になりましたので、今後の運営について協議するため、理事会を再開します。

 委員会を休憩します。

午後5時00分休憩

 

午後5時04分開議

○杉山委員長 委員会を再開します。

 ただいまの理事会の報告をします。高橋ちあき委員の質疑の途中ですが、本日は終了し、次回、高橋ちあき委員から始めることを確認しました。

 以上が理事会の報告ですが、質疑はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○杉山委員長 なければ、ただいまの報告のとおり委員会を運営することに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○杉山委員長 御異議ありませんので、そのように決定し、本日の総括質疑を終了します。

 次回の委員会は、9月27日(水曜日)午前10時から当委員会室で開会することを口頭をもって通告します。

 以上で本日の決算特別委員会を散会します。

午後5時04分散会