令和5年09月27日中野区議会決算特別委員会
令和5年09月27日中野区議会決算特別委員会の会議録

.令和5年(2023年)9月27日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。

.出席委員(39名)

  1番  山  内  あきひろ        3番  斉  藤  けいた

  4番  井  関  源  二        5番  黒  沢  ゆ  か

  6番  大  沢  ひろゆき        7番  武  田  やよい

  8番  いのつめ  正  太        9番  間     ひとみ

 10番  市  川  しんたろう      11番  加  藤  たくま

 12番  日  野  たかし        13番  木  村  広  一

 14番  吉  田  康一郎        15番  立  石  り  お

 16番  内  野  大三郎        18番  河  合  り  な

 19番  細  野  かよこ        20番  斉  藤  ゆ  り

 21番  高  橋  かずちか       22番  大  内  しんご

 23番  甲  田  ゆり子        24番  小  林  ぜんいち

 25番  白  井  ひでふみ       27番  羽  鳥  だいすけ

 28番  い  さ  哲  郎       29番  杉  山     司

 30番  ひやま      隆       31番  山  本  たかし

 32番  伊  藤  正  信       33番  高  橋  ちあき

 34番  平  山  英  明       35番  南     かつひこ

 36番  久  保  り  か       37番  石  坂  わたる

 38番  むとう   有  子       39番  浦  野  さとみ

 40番  中  村  延  子       41番  森     たかゆき

 42番  酒  井  たくや

.欠席委員(3名)

  2番  武  井  まさき        17番  広  川  まさのり

 26番  小宮山   たかし

.出席説明員

 中野区長    酒井 直人

 副区長     青山 敬一郎

 副区長     栗田 泰正

 教育長     入野 貴美子

 企画部長    岩浅 英樹

 企画課長    森 克久

 ユニバーサルデザイン推進担当課長    国分 雄樹

 資産管理活用課長 瀬谷 泰祐

 財政課長    竹内 賢三

 広聴・広報課長、秘書担当課長      矢澤 岳

 総務部長    濵口 求

 防災危機管理担当部長、防災危機管理課長事務取扱 杉本 兼太郎

 DX推進室長  滝瀬 裕之

 総務課長    浅川 靖

 特別定額給付金担当課長         保積 武範

 職員課長    吉沢 健一

 人事政策・育成担当課長         石橋 一彦

 防災担当課長  福嶋 和明

 新区役所整備課長 中村 洋

 区民部長、新区役所窓口サービス担当部長 高橋 昭彦

 文化・産業振興担当部長         高村 和哉

 税務課長    滝浪 亜未

 保険医療課長  宮脇 正治

 産業振興課長  松丸 晃大

 子ども教育部長、教育委員会事務局次長  石崎 公一   

 子ども家庭支援担当部長、

 教育委員会事務局参事(子ども家庭支援担当) 小田 史子

 保育園・幼稚園課長           半田 浩之

 保育施設利用調整担当課長        藤嶋 正彦

 子育て支援課長 原 拓也

 育成活動推進課長 細野 修一

 指導室長    齊藤 光司

 地域支えあい推進部長、地域包括ケア推進担当部長 石井 大輔

 地域活動推進課長、すこやか福祉センター調整担当課長 高橋 英昭

 区民活動推進担当課長          池内 明日香

 地域包括ケア推進課長          河村 陽子

 介護・高齢者支援課長、高齢者支援担当課長 古本 正士

 健康福祉部長  鳥井 文哉

 保健所長    佐藤 壽志子

 スポーツ振興課長 鈴木 康平

 障害福祉課長  辻本 将紀

 障害福祉サービス担当課長        大場 大輔

 環境部長    松前 友香子

 環境課長    永見 英光

 ごみゼロ推進課長、清掃事務所長     阿部 正宏

 都市基盤部長  豊川 士朗

 公園課長    村田 賢佑

 建築課長    石原 千鶴

 まちづくり推進部長           角 秀行

 中野駅周辺まちづくり担当部長      千田 真史

 まちづくり計画課長           安田 道孝

 野方以西担当課長 桑原 大輔

 まちづくり事業課長           小倉 芳則

 街路用地担当課長 石井 修

 新井薬師前・沼袋駅周辺まちづくり担当課長 近江 淳一

 中野駅新北口駅駅前エリア担当課長    小幡 一隆

 中野駅地区・周辺基盤整備担当課長、中野駅周辺エリアマネジメント担当課長 井上 雄城

 会計室長    志賀 聡

.本会の書記は下記のとおりである。

 事務局長     堀越 恵美子

 事務局次長    林 健

 議事調査担当係長 鈴木 均

 書  記     立川 衛

 書  記     若見 元彦

 書  記     鎌形 聡美

 書  記     髙田 英明

 書  記     田村 優

 書  記     細井 翔太

 書  記     早尾 尚也

 書  記     堀井 翔平

 書  記     金木 崇太

 書  記     髙橋 万里

 書  記     川辺 翔斗

1.委員長署名


午前10時00分開会

○杉山委員長 定足数に達しましたので、ただいまから決算特別委員会を開会します。

 認定第1号から認定第5号までの計5件を一括して議題に供します。

 9月26日(火曜日)の理事会の報告を行います。

 初めに、総括質疑通告の取下げについてですが、小宮山たかし委員から質疑を取りやめたいとの申出があり、理事会としてこれを了承しました。

 次に、本日の委員会運営についてです。本日の総括質疑の順番は、1番目に高橋ちあき委員、2番目に久保りか委員、3番目にいさ哲郎委員、4番目に黒沢ゆか委員、5番目に間ひとみ委員、6番目に南かつひこ委員、7番目に細野かよこ委員、8番目に高橋かずちか委員の順で8名の総括質疑を行うことを確認しました。

 以上が理事会の報告ですが、質疑はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○杉山委員長 なければ、ただいまの報告のとおり委員会を運営することに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○杉山委員長 御異議ありませんので、そのように運営します。

 ただいまから総括質疑を行いますが、答弁される理事者は答弁前に大きな声で職名を述べるようお願いします。

 それでは、質疑に入ります。昨日に引き続き高橋ちあき委員、質疑をどうぞ。

高橋(ち)委員 おはようございます。皆さんお元気で何よりでございます。昨日に続きまして残った部分を質問させていただきますので、手早く行いますのでよろしくお願いいたします。

 では、質疑に入らせていただきます。

 中野区の実施計画(骨子)についてお伺いさせていただきます。中野区基本計画の計画期間、令和3年度から令和7年度の後期、要は令和5年度から令和7年度の取組を具体化した中野区実施計画を策定し、検討するという報告が第2回定例会の総務委員会であったように伺っています。

 閉会中の各委員会にも骨子となるものの報告がありましたが、なぜ最初のときから5年間の計画の事業展開をつくらなかったのか、まずお伺いいたします。

○森企画課長 基本計画における事業展開についてでございますが、基本計画はもともと策定時、2021年度から2025年度までの計画期間における区の取組につきまして、事業の展開も含めて定めているものでございまして、基本計画で5年間の事業展開をつくらなかったということではございません。

 現在検討を進めております実施計画につきましては、基本計画における取組を着実に推進するため、2023年度から2025年度における事業の展開を具体化する趣旨で策定をするということにしているものでございます。

○高橋(ち)委員 つくっていなかったわけではないという話ですけど、その中で着実な推進のため取組を具体化する内容であることから、基本計画の一部に位置付けるとも言っています。だったら私は、最初の計画時点でそのような対応を取ればよかったのにって同じようなことを言いますけれども、そのように考えますが、今一度お示しください。

○森企画課長 基本計画策定以後、新型コロナウイルス感染症の対応の変化、また、ウクライナ危機を発端としました物価上昇といった社会経済状況の変化がございまして、基本計画を着実に推進していくため、後期の取組を具体化する実施計画を必要としたという判断をしたところでございます。基本計画策定時におきましては、このような実施計画を策定するということは、当初は想定しておりませんでした。

○高橋(ち)委員 そういうことですよね。ですので、いろいろな事情が重なって、しっかりと進めていくためには、この骨子並びに実施計画をつくらねばならないというふうに考えたんじゃないかなって私は理解をしています。

 また、構造改革実行プログラムのうち、引き続き取り組むべき内容についても盛り込むとありますけれども、令和5年度で終わるプログラムではなかったかなって思うんですけど、この中で引き続き取り組んでいくものがあるんですか。では、構造改革って一体何だったんですか。

○森企画課長 構造改革実行プログラムは、令和3年度から今年度、令和5年度までの3か年で集中的に取り組むということで進めてきたものでございますが、各個別プログラムの項目のうち、令和5年度までに取組が完了しないもの、そういう見込みのものにつきましては、引き続き取り組むものとして、実施計画等々で整理をするという考えでございます。

○高橋(ち)委員 終わらなかった、完了しなかったというのは、完了できなかったんでしょう、要は。構造改革ってそのために3年間頑張りますってやっていたんじゃないかなって思うんですけど、言い訳にしか聞こえないのは残念です。

 重点プロジェクトにおける取組については今後の展開を年度ごとに示すともなっていますけど、2025年度までのこんな短い期間で、きちんと示せるものがあるんですか。

○森企画課長 重点プロジェクトに係る取組につきましても、実施計画の計画期間中における展開を年度ごとにお示しするという考えでございまして、2025年度までの3年間の動きを具体的にお示しできるよう検討しているところでございます。

○高橋(ち)委員 さらにその先の5年間の計画は、どのように考えていくんですか。今回の実施計画が確実に成果と目標値を達することができる計画となるかということも心配なんですけれども、しっかりと達成状況を考えた上でつくられたほうがいいというふうに思います。一般質問でも、うちの市川議員がこのことについては質疑しましたし、総括質疑においては、幹事長が様々な成果指標を見ながら質問していたと思うんですけれども、このことについてこの項の最後にお伺いいたします。

○森企画課長 まず、次期基本計画につきましては令和8年度からになるわけですが、その検討につきましては来年度以降進めていくことを想定しておりまして、その内容につきましては適時適切に議会に報告を行っていきたいと考えております。

 今回策定を検討しております実施計画につきましては、基本計画の着実な推進を目的として策定をするものでありますので、そのことを踏まえまして、基本構想の実現に向けて着実に成果につなげていくよう取り組んで、次期基本計画につなげていきたいと考えております。

○高橋(ち)委員 成果と目標が乖離のないような計画を必ずしていくということをお願いしたいと思います。

 では最後に、その他の項で1件だけ質問させていただきます。公立学校の部活動の地域移行についてお伺いしたいと思います。我が会派の幹事長の加藤委員が、おとといになりますね、質問いたしましたけれども、今後の子どもたちを取り巻く環境が変化するかもしれない重要なテーマですので、改めて私からも質問をさせていただきます。

 新型コロナウイルス感染状況は現在、再度上昇傾向にありますけれども、本年5月の感染法上の5類への移行によって、区内の子どもたちも制限なく部活動を楽しめる環境になりつつあり、今後子どもたちの健全な体づくりにも、部活動は大きな役割を果たしていくものと考えています。部活動については、当然子どもたちだけで行うわけではなく、教員の皆さん、先生方の協力によって成り立っていくものでありますが、部活動に関わる先生は、通常業務だけではなく、放課後の部活指導、大会ともなれば土日出勤も当たり前、教員の先生の皆さんの業務負担の増加が大変大きく、今後の先生方皆さんの職場環境の改善の観点からも議論をしていかなければならないと考えております。

 また、部活動に参加しない子どもたちも、最近増加傾向となっているように伺っています。

 では、まず初めに伺いますが、部活動に関係する教員の職場環境改善の観点や子どもたちを取り巻く環境に鑑みると、部活動における問題点、課題はどこにあるのか、見解を教えてください。

○齊藤指導室長 運動部活動の約80%が土日いずれかに活動を行っており、教員が指導、引率を行っております。加えて、約40%の部活動で、競技経験のない、専門的な技術指導ができない教員が担当している現状がございます。さらに現在、部員数減少により、他校と合同で活動している運動部活動が増えております。また、将来にわたりスポーツや文化芸術に継続して親しむことができる機会の確保、環境の整備を進めるため、今までの部活動に対する教員、保護者、地域の意識を変えていくことが必要であると考えます。

○高橋(ち)委員 課題がたくさんあるわけですけれども、その課題、問題点について教育委員会としての対応はどうなっているのか、現状の取組などを教えてください。

○齊藤指導室長 教員の部活動での負担を軽減するため、教員に代わって部活動の顧問として指導や大会引率を担うことができる部活動指導員を各中学校に2名まで、年間で延べ192日配置できるようになってございます。また、教員とともに専門的な技術指導を行う区費の外部指導員も活用できるようにしております。

 今年度、中野区としての部活動の地域移行に向けて、学識経験者、学校の教職員、スポーツ振興課や文化振興・多文化共生推進課の職員、指導主事をメンバーとした部活動検討委員会を立ち上げ、検討を開始したところです。

○高橋(ち)委員 いろいろ検討されていらっしゃるという状況がよく分かりましたけれども、アンケートを取って今後の取組について考えていくということもこれからあるかとは思いますけれども、子どもたちがやりたいスポーツや文化活動も多様なものになっていて、既存の部活動以外にも挑戦できる分野を広げていくことも、今後重要となっていくと思います。先生方の皆さんだけでは対応ができないという課題も浮き彫りになっている。今お話を聞いて、そういうふうに思いました。子どもたちの選択肢をどう広げ、与えていくのかも検討していかなくてはならないと思います。

 教員が教えられないものに関しては、その学校のある地域にいる地域人材を、先生、教員に代わって指導できる外部指導員、今もお話がありましたけれども、外部指導員として活用することが解決策になるんじゃないかと思います。これについても答弁を頂きたいんですけど、既存の部活動にも活用できると思います。この外部指導員の活用について、どうお考えですか。

○齊藤指導室長 現在、部活動指導員が運動部7名、文化部2名、外部指導員が運動部28名、文化部33名配置されており、生徒が専門的な指導を受けたり、様々なスポーツや文化芸術に親しんだりする機会の確保につながっております。

 今後もコミュニティスクールの地域学校協働本部にも協力を依頼し、地域人材の活用を進め、専門的な指導が行える教員がいない種目の指導者確保や、希望しない教員が部活動指導に関わる必要がない環境の構築に努めてまいります。

○高橋(ち)委員 今取り組んでいらっしゃるコミュニティスクールというものが、これから先、重要な役割を示していくのかなとは思うんですけれども、部活動が完全に地域移行できるまでの期間というのは、先生方の負担の軽減を図るためには、やっぱり部活動に外部指導員が積極的に関わることが大切かなというのは思います。既存の部活動の数に近い人数の外部指導員やその指導員の質も確保することが、今後大きな課題となっていくと思うんですけど、教育委員会の見解をお尋ねします。

○齊藤指導室長 地域人材の活用については、指導者の量の確保と質の保証が重要であります。専門性が高く、生徒への適切な指導力を備えた人材をいかに確保していくかが、大きな課題であると認識しております。

○高橋(ち)委員 そうですよね、誰でもいいですよというわけにはいかないと思います。今後確保していくためには、多様なスポーツ団体が加盟している中野区体育協会というものが存在していることは御存じだと思いますけれども、ここに依頼していくのが円滑な外部指導員の量の確保に資すると考えられるんですけれど、このことについてどうお考えですか。

○鈴木スポーツ振興課長 中野区体育協会には、様々なスポーツ、運動を行う36団体が加盟しております。長年その種目の指導や競技者として取り組んでいる加盟団体は、外部指導員として大きく期待できる地域人材と考えております。体育協会からも、指導者の派遣等で協力したいとの要望も頂いておりまして、外部指導員を確保する際の候補先として、積極的に活用を検討してまいります。

○高橋(ち)委員 それは大切なことだと思うんですね。体育協会の加盟団体からも外部指導員を募ることによって、その学校の周辺地域から地域の人材を集めるということは、今課長がおっしゃったように可能になるというふうには思います。それによって地域住民間の交流の活性化にもつながるというふうに思うんですけど、このことについてはどう思いますか。

○鈴木スポーツ振興課長 区内の各地域で活動している体育協会加盟団体に外部指導員を担っていただくことで、地域において子どもたちや保護者との関わりができ、学校との連携もでき、そういった連携によりまして地域内での交流が活性化できると考えております。

○高橋(ち)委員 そう思いますね。今先生方が必死に、いろんな方の関係を頼って探していらっしゃるという話も伺います。

 それでは、外部指導員の質の確保ということは、さらに重要なものだと考えます。外部指導員に当たって、指導方針とかガイドラインもつくらないといけないなと思います。子どもたちを指導する立場の方が備えていくものというのは、どんなものがあるのか見解をお願いいたします。

○鈴木スポーツ振興課長 外部指導員として子どもたちの指導に当たります場合、指導の在り方や安全管理、事故、けが時の対応など、外部指導員に求められる質は高いものであると認識しております。外部指導員の質を確保し、スポーツや文化芸術活動の場として新たな地域クラブ活動へ移行していくことが重要であると思っております。子どもたちの安全を確保し、安心して子どもたちが望む新たな地域クラブ活動が行えるよう、質の確保、質の向上のため、教育委員会と連携して指導方針やガイドラインについて検討してまいりたいと思っております。

○高橋(ち)委員 そうすると、教育委員会と連携するということで、このガイドラインをつくるのは、どこが主体となって考えていくんでしょうか。

○鈴木スポーツ振興課長 学校にはこれまで多くの教員が培ってきたノウハウがあり、子どもたちや保護者、教員の意見も集約できる環境にあると考えております。また、外部指導員を担っていただく方も、これまで競技に携わってきた指導者、競技者としての蓄積された経験がございます。指導方針、ガイドラインの作成に当たっては、それぞれの強みを生かしながら、健康福祉部と教育委員会が連携して取り組んでまいりたいと考えております。

○高橋(ち)委員 ぜひ連携を強くしていただきたいと思います。また、地域移行に当たっては、検討する中にあっては、スポーツをする環境も大事なことだと思うんです。今後部活動の地域移行の検討が進んでも、学校のグラウンドや体育館が使えないという環境になってしまうのは、これは全く相反することだと思うんですけれども、この辺りのことは、スポーツ振興課と教育委員会とで調整を行うということを思っていてよろしいでしょうか。

○鈴木スポーツ振興課長 やはり地域のスポーツ施設のみでは、子どもたちや地域の方々が望む多くの種目を行うことは困難であると考えております。これまでも学校の協力を頂いて、地域のスポーツ団体が活動する場として学校開放事業を行ってきたように、今後もスポーツが行える場所として、学校グラウンドや体育館の活用について、教育委員会と調整を図ってまいります。子どもたちや地域の方々が、身近な地域で気軽にスポーツ運動ができる環境を整備してまいりたいと思っております。

○高橋(ち)委員 ぜひそうしていただきたいと思います。中野の学校、まして部活動は最高なんだというふうに、子どもたちが誇りを持てるような部活動指導が地域とともにできることを期待いたします。

 いずれにしても、部活動に外部指導員を活用することによって、学校サイドにも地域サイドにも、両面にメリットが生まれてくることと考えます。今後さらなる検討が進んでいって、地域の皆さんまたは学校サイドと、期待に応えられるようにお願いしたいと思います。これは要望ですので結構です。ありがとうございました。

 私の質問は、以上で全て終了いたします。御清聴、2日間にわたりありがとうございました。

○杉山委員長 以上で高橋ちあき委員の質疑を終了します。

 次に、久保りか委員、質疑をどうぞ。

○久保委員 おはようございます。令和4年度の決算特別委員会におきまして、公明党議員団の2番手として質問をさせていただきます、久保りかでございます。よろしくお願いいたします。

 初日には、我が会派の小林幹事長に、全体感に立った質問をきっちりと行っていただきました。また、この後、3番手としては南委員がしっかり構えていてくれておりますので、私は安心して質問をさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 初めに、令和4年度決算についてお伺いをいたします。ここは順番を入れ替えまして、物価高騰対策についてお聞きをいたします。令和4年度は、コロナ対策から引き続き区民生活を守るため物価高騰対策を進め、歳出規模の拡大が生じているのですが、そもそもこのコロナ対策のほうが主であったというような状況があるのではないかと思っております。コロナ対策から物価高騰対策への取組がどのように変化をしているのか。まず、令和4年度決算で、新型コロナウイルス感染症対策関連の総事業費と充当された財源、また、主な事業についてお聞きをいたします。

○森企画課長 令和4年度におけます新型コロナウイルス感染症対策関連の予算のまず計上額でございますが、87億5,000万円余でございまして、決算額は68億9,000万円余でございます。一般財源と国等の補助金等を活用して実施しております。

 事業でございますが、新型コロナウイルスワクチンの接種体制確保事業や区立施設等における感染症対策事業、また、保健所体制強化のための人材派遣、新型コロナウイルス感染症の生活困窮者の自立支援金などを実施しているところでございます。

○久保委員 次に、令和4年度で物価高騰対策関連の総事業費、また、その財源構成、また、主な事業についてお伺いをいたします。

○森企画課長 令和4年度におけます物価高騰対策の関連事業でございますが、まず予算計上額は75億1,000万円余、決算額は57億3,000万円余でございます。財源構成ですが、その決算額57億3,000万円余の財源構成としまして、一般財源が1億8,000万円余、地方創生臨時交付金で11億8,000万円余、地方創生臨時交付金以外の国・都補助金で44億9,000万円余でございます。なお、この国・都の補助金については、今後精算を行い、返還が発生するものも含まれております。

 主な事業でございますが、価格高騰支援給付金などの各種給付金や介護サービス事業所物価高騰対策等の事業者支援、産業経済融資における利率優遇措置や生活応援事業等を実施したところでございます。

○久保委員 この物価高騰対策緊急事業の中には、我が会派が要望してまいりました区立小・中学校学校給食費の負担軽減策、また、キャッシュレス決済によるポイント還元事業なども盛り込まれております。区民の皆さんから好評であったキャッシュレス決済ポイント還元事業の執行率は74.5%と、思ったより低い状況にありますが、これについてお聞きします。

○松丸産業振興課長 令和4年度に中野区生活応援事業として実施しましたキャッシュレス決済ポイント還元事業の執行率は74.5%、委員御案内のとおりでございます。キャッシュレス決済事業者から日々利用状況等に基づくシミュレーションの提供を受けまして、総決済額等を予測しながら予算額を超過しないように管理しまして、終了時期等を決定してきたところでございますけれども、結果として、区の予測ほど最終的に利用が伸びなかったということでございます。

○久保委員 昨日も他の委員からこの点は御指摘があったところでございます。令和5年度も物価高騰対策としてのキャッシュレス決済ポイント還元事業を進めることになっております。これから当該事業も実施をされるわけですが、今年度は事業予測の精度を高めて取り組んでいただきたいと考えますが、いかがでしょうか。お伺いいたします

○松丸産業振興課長 予測精度を高めることにつきましては簡単ではございませんけれども、不用額が少なければ、区民等の利用者ですとか店舗等に還元できるということでございます。本年12月に実施予定の中野区キャッシュレス決済ポイント還元事業におきましては、複数のキャッシュレス決済事業者を取りまとめるノウハウを有する事業者に還元予算の管理を含めて委託しまして、執行率の向上を図ってまいりたいというふうに考えております。

○久保委員 事業のほうをスムーズに行って、区民に還元できるように努めていただきたいと思っております。

 最も執行率の低い事業は、中野区産業経済融資における利率優遇措置の拡充5.8%とのことです。この事業の執行率が低いのはなぜなのか、伺います。

○松丸産業振興課長 こちらは5.8%の執行率ということでございますけれども、産業経済融資のうち、セーフティネット保証5号、業況の悪化している業種に属する中小企業を支援するための措置による経営安定支援資金を活用した事業者が結果的に少なかったということでございます。

 同時期にセーフティネット保証4号、新型コロナウイルス感染症を含む突発的災害により影響を受けた中小企業を支援するための措置もございましたけれども、こちらのほうが積極的に利用されたということもありまして、結果的に低い執行率にとどまったということでございました。

○久保委員 まさに新型コロナ対策として活用されたセーフティネット融資4号と物価高騰対策としての5号があり、引き続き4号を利用された方が多かったということだと思います。見込み違いがあったということなんでしょうか。

○松丸産業振興課長 こちらの執行残につきましては見込み差の部分もあるかと思いますけれども、しかしながら、4号優遇と5号優遇はそれぞれ対象となる業種が異なる部分もございます。それぞれの制度を用意させていただいて、利用したい方がどちらか選べるような体制を整えるということが産業振興課としてのミッションだと思いますので、そちらは丁寧に御案内させていただいたということでございます。

○久保委員 本当に利用したい方が利用できるような、そういう形で今までも進めてきたということだと思いますけれども、この辺のところもなかなか、もしかしたら利用したい方にアナウンスが届いていないという可能性もありますので、しっかり分析をしながら今後も進めていただきたいと思っております。

 次に、住民税非課税世帯等給付金76%、低所得のひとり親世帯等生活支援特別給付金79.8%の執行率で、プッシュ型支給であった事業の割には執行率が低いと思われますが、なぜなのでしょうか。お伺いいたします。

○保積特別定額給付金担当課長 当該給付金のプッシュ型支給とは、区が管理しております税情報を基に抽出した対象者に対して、こちらから必要書類を発送し、対象者の方から申請を頂くといった方法で行ったものとなります。執行率が低くなった主な原因としましては、それまで当該対象者への給付事業の実績がなかったこと、それから予算積算時の家計急変世帯数等の予測が困難であったためというふうに考えております。

○原子育て支援課長 2点目に御指摘のありました低所得のひとり親世帯等生活支援特別給付金につきましては、国の補助を受けて先行して実施した低所得の子育て世帯に対する生活支援特別給付金の受給者で、基準日の時点で中野区に住民登録のある方を対象として、プッシュ型でのみ実施したものでございます。予算積算の時点では、先行して実施した給付金が家計急変者を含む申請を要する方の申請を受けて支給をしている最中でございまして、基準日時点での支給数や受給後の転出などの数を予算に反映し切れなかったことが、執行率が上がらなかった原因と考えているところでございます。

○久保委員 手続の煩雑さということもさることながら、ここも見込み違いがあったんではないかなと思われます。今定例会では、我が会派の要望で、非課税ではない低所得世帯への給付金が可決をされております。給付事業の実績にないものと考えておりますので、対象者にきちんと給付がされるように取り組んでいただきたいと思います。

 一昨日、岸田首相は、年収の壁の解消策を含め、物価高などに対応するための新たな経済対策の柱を表明いたしました。今こそ、この成長の成果であるこの税収増等を国民に適切に還元するべく、経済対策を実施したいと考えているとのことで、新たな経済対策は成長の成果の適切な還元とコストカット型経済からの歴史的転換が目的だとして、物価高対策、賃上げ、国内投資の促進、人口減少対策、国民の安全安心の五つの柱を掲げられています。その上で経済対策を取りまとめた後、速やかに補正予算の編成に入りたいとのことですので、国の動きを注視し、今後の物価高対策も迅速にかつ正確に実施できるように取り組んでいただきたいと思います。ありがとうございます。

 次に、補正予算についてお聞きをいたします。過去5年間における補正予算を先議案件とした回数と主な事業についてお聞きをいたします。

○竹内財政課長 補正予算における先議の回数でございますけれども、令和元年度から令和5年度まで合計41回の補正予算を編成しており、15回の先議案件をお願いしているところでございます。主な事業といたしましては、プレミアム付商品券事業や新型コロナウイルスワクチン接種体制確保事業などが挙げられるものでございます。

○久保委員 補正予算の議案を先議で行う必要性のある場合と、先議で行う必要性があるのかと疑問に思われる場合もあります。今御紹介をしていただいたものにつきましては、これは本当にスピーディーに行わなければいけなかったというような事情もあると思います。先議とすることで、議会での議論を狭めてしまい、正しく審査ができなくなる、そういったおそれはないのか懸念がありますけれども、いかがでしょうか。伺います。

○竹内財政課長 先議の取扱いにつきましては、これまで先議でお願いする補正予算案、先議対象事業と先議でなくとも対応可能な事業を併せて一括して提案をし、審議をお願いしてきたところでございます。

○久保委員 自治法には、補正予算について「普通地方公共団体の長は、予算の調製後に生じた事由に基づいて、既定の予算に追加その他の変更を加える必要が生じたときは、補正予算を調製し、これを議会に提出することができる。」とあります。しかし、補正予算のこの先議についてまでは明文化されたルールはなく、慣例にのっとり、同一定例会で行う予定の補正については、一括して補正予算に計上される場合が多いと考えております。

 そもそも補正予算自体が、災害の発生や法制度の改正、経済状況の変動や国、東京都の補助事業の確定などの事由により行う予算でありまして、それを先議で行うというのは、本来また異例なことではないかなと考えるんですけれども、その点はいかがでしょうか。お聞きします。

○竹内財政課長 こちらは繰り返しになりますが、これまで先議でお願いした補正予算案については一括して提案し、審議をお願いしてきたところでございます。ただ、補正予算案の提案時期につきましては、議会の御意見も踏まえまして対応していきたいと考えてございます。

○久保委員 よろしくお願いいたします。本当に一括してというところのほうがスピーディーにできるという場合と、今定例会においては補正予算が2回行われるわけですけれども、そういったときもあるかと思うんです。いろいろな状況に鑑みながら、議会にも相談をしながら進めていただきたいと思っております。

 次に、歳出抑制と効果についてお聞きをいたします。新人議員の方も多いので、この質問については経緯を少し述べさせていただきます。私は過去の決算総括質疑におきまして、職員人件費の流用、執行残の縮減などについて提案も含め質問をいたしました。職員人件費の予算執行の在り方を見直すことをこれまで求めてきました。そのことを踏まえまして、令和4年度から人件費や事業の統合による歳出予算の縮減及び事務手続の簡素化を図るため、予算科目が見直されていることになっております。

 令和4年度予算特別委員会総括質疑では、令和4年度の予算編成において予算科目の見直しを行ったことにより、予算をよりタイトに計上できるようになったことから、約1億円程度予算額を抑えて計上をしている。予算をタイトに計上したことによる効果などで、決算の段階になれば、執行残の減少や執行率の向上、また、流用件数の減少など実際の効果を検証できると考えるというふうに、予算のときにはお答えになられております。決算段階での執行残、執行率、流用数はどうなっているのかお聞きします。

○竹内財政課長 令和4年度の人件費等の執行残、不用額でございますけれども、こちら10億7,500万円余、執行率は95.1%、流用件数は36件となってございます。

○久保委員 予算執行の在り方を見直した効果が得られたと評価をされているのでしょうか、お聞きします。

○竹内財政課長 不用額及び執行率につきましては令和3年度との単純な比較は難しいと考えてございますが、流用件数につきましては令和3年度の87件から大幅に減少しておりまして、事務の効率化につながったと評価しているところでございます。

○久保委員 流用件数について大幅にということで、その点について本当に気になっていたところだったので、見直しをしていただいてよかったと思っております。さらに本当にこの精度を上げていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 次に、業務改善についてお聞きをいたします。新庁舎移転に向けた各部課のペーパーレス化の進捗状況についてお聞きをいたします。

○中村新区役所整備課長 区では、新庁舎移転に向けまして、組織文書の量を60%削減することを目標として掲げ、紙文書削減のための取組を進めてまいりました。

 令和5年5月時点のペーパーレス化の進捗状況については、令和2年度末時点の紙文書量である約8,800ファイルメーターから約3,700ファイルメーターの紙文書を削減してございまして、約40%の紙文書を削減したところでございます。今後とも、目標達成に向けまして、文書削減の取組を進めてまいります。

○久保委員 ペーパーレス化の進捗状況は各課において開きがあるようですので、ここではお伺いをいたしませんけれども、引き続き取組を進めていただきたいと思います。また、ペーパーレス化も紙をデータ化して終了というわけではありませんので、新庁舎の移転に向けて進められた事業であるのでそうした側面もあるかと思いますけれども、やはりこのデジタル化の活用についてもさらに進めていただきたいと考えますけれども、いかがでしょうか。

○中村新区役所整備課長 ただいま久保委員に御案内いただきましたとおり、ペーパーレス自体は業務改善のための手段でございまして、それ自体が目的ではないというふうに考えてございます。現在全庁的に紙文書の削減のための取組を進めているところでございますが、引き続きペーパーレスの推進に続きまして、業務改善の取組も進めていきたいと思ってございます。

○久保委員 押印廃止やペーパーレス、新区役所窓口サービス委託などは、かつて業務改善課で行っていた事業であったものが、新区役所整備担当に引き継がれたのだと考えております。令和3年度から業務改善課がなくなり、取り扱っていた事務が他の組織に引き継がれております。どの事務がどの組織に引き継がれているのか、現在の執行状況はどうなっているのか、お聞きします。

○中村新区役所整備課長 新庁舎移転に向けましたペーパーレス化の推進や押印廃止につきましては、新区役所整備課にて所管してございます。また、新庁舎における窓口サービスの検討については区民サービス課が中心となりまして、新区役所整備課と連携しながら検討を進めているところでございます。このほか債権管理、行政評価、指定管理者制度運営については企画課が、改善運動については職員課がそれぞれ所管しているところでございます。

○久保委員 新区役所整備課というのは、新庁舎移転後、組織の見直しがされることがあるのではないかなと思っております。令和6年度は当然移行時期になるかと思いますが、新区役所窓口サービスについては課題も多く、進めながら改善を図らねばならないこともあると考えております。新庁舎移転後、新たな組織による業務改善が必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

○濵口総務部長 新庁舎移転後につきましても、安定的かつ確実な区民サービスの提供と適切な事務の執行体制確保が重要であると考えてございます。一方、御案内の新区役所整備課につきましては、移転後、その機能、人員等を見直す必要があると認識してございまして、令和7年度に向け、適切な組織、職員体制の在り方について検討してまいりたいと考えてございます。

○久保委員 適切な組織にということで、見直しを行っていただくということですね。だから、令和6年度はある意味で移行期、令和6年度は庁舎移転がありますので、なので移行しながら、令和7年度には新たな組織を構築すると、今の御答弁はそういうふうに受け止めてよろしいですか。

○濵口総務部長 移転いたします令和6年4月につきましては、移転を控えておりますので、そういった組織の見直しということについては慎重に対応していきたいと考えてございます。

 また、年度途中につきましても、新しい区役所での運営状況ですとか新たな住民の行政ニーズ等を見極めながら、必要な改善は必要と考えてございますけれども、大きな体制の変更というところは難しいと考えてございますので、必要なところを絞って改善をしていきたいと考えてございます。

○久保委員 ぜひ、本当に移転をしてみないとどのようになるのか分からないようなところも多々あるのかなということで、これまで窓口サービスについてなども、我が会派からは様々御指摘をしているところですけれども、しっかりと見極めながら、今後の組織の在り方というのも検討していただきたいと思っております。

 行政評価は区が実施をした事業の効果について、行政評価、業務改善なので、すみません、そこに飛びますけれども、区が実施した事業の効果について実績とコストを基に評価をし、改善につなげる仕組みであり、事業の継続、改善、統合などの判断を行い、次年度の予算編成につなげることを目指すとともに、行政サービスの提供を受ける顧客としての区民満足度の向上を図ることを目的として実施をされています。その目的が本当に果たせているのかという議会からの指摘も多く見受けられております。

 業務改善から構造改革のほうに所管が移りまして、構造改革のほうが廃止となり、現在の係に事務が引き継がれているのだと思いますが、本来の行政評価の趣旨からすれば、業務改善を主として行う組織に再編されるべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

○濵口総務部長 区政運営におきまして、行政評価を踏まえた業務改善を効果的に推進していくことが重要であると認識してございます。また、業務改善にとどまらず、中野区基本計画を着実に推進していく上で必要となる改善、改革を継続的に進めていく組織の在り方についても、検討してまいりたいと考えてございます。

○久保委員 ぜひともお願いいたします。ありがとうございます。

 そのほかのところで、区民に寄り添う徴収事務と債権管理についてお伺いをいたします。生活支援型の納税相談の充実をこれまで求めてまいりました。コロナ禍から物価高騰と区民生活が逼迫をしていると感じておりますが、令和4年度における納税相談の状況がどうであったのか、お聞きします。

○滝浪税務課長 納付困難な納税者に対しまして、生活状況について聞き取りを行い、生活再建が図れるよう関係機関、関係窓口などを案内しているところでございまして、令和4年度における案内件数は約260件でございました。

○久保委員 260件においてそういった相談があったということかと思います。区民生活が逼迫をしていると感じる一方で、特別区税は好調でありまして、担当としてこの点はどのように考えていらっしゃるのか、お聞きします。

○滝浪税務課長 物価高騰などが区民生活に影響を与えている一方で、賃金も呼応するように上昇傾向が続いております。給与所得を主な所得とする納税義務者が全体の8割を超える中野区におきましては、平均給与収入の増加が特別区税収入の増加につながっていると考えてございます。

○久保委員 なので、二極化とは言えないかもしれないですけれども、そういったところも側面としてあるのかなというふうに感じています。区民に寄り添う徴収事務につきまして、国民健康保険料を納めるのが困難な方は御相談くださいという姿勢に改めていただくことをかつて提案させていただきました。その後、「保険料は納期限までにお支払いください。お困りの方は滞納になる前にお早めに御相談ください。」と、ホームページを改善していただきました。現在、国民健康保険の窓口での相談体制はどうなっているのでしょうか、お聞きいたします。

○宮脇保険医療課長 ホームページでの御案内に加えまして、6月の当初賦課通知や同封の国保ガイド、督促状、催告書などの各通知に、一方的な請求だけではなく、納付困難な場合には相談してほしいという旨の記載をさせていただきまして、相談のあった方には個々の事情に寄り添った対応を心がけております。また、必要に応じて生活状況報告書という書類を入手いたしまして、どの職員が対応しても同一の聞き取りができるよう体制を整え、聞き取りを行っているところです。

○久保委員 丁寧に対応していただいているのかと思います。一方、令和4年度から、債権管理一元化のファーストステップとして、国民健康保険料と後期高齢者医療保険料の滞納整理一元化に取り組まれています。これからブラッシュアップをしながら事業を継続させていくのでしょうか。今後の取組についてお伺いいたします。

○宮脇保険医療課長 令和4年度には、国民健康保険と後期高齢者医療保険の滞納整理の一体化の取組としまして、滞納情報の共有化、財産調査、電話催告などの実施により、一定の成果を上げることができました。

 令和5年度におきましては、催告センターへ委託することにより、民間ならではのノウハウを活用し、取組をさらに拡充させていきたいと思います。また、令和5年度より、国民健康保険、後期高齢者医療保険、介護保険の3料の一元化のPTを内部で設置いたしまして、今後一元化の在り方について検討を進めているところでございます。

○久保委員 3料の一元化というところを進めてきているということです。

 税や国保については徴収担当が存在をしておりますけれども、私債権と非強制徴収公債権については徴収行為が行われていない場合が多く、そのまま債権が捨てられている場合が多いと考えます。こういった徴収し難い債権について、決算上は不納欠損としてどのように現れているのか、お聞きをいたします。

○森企画課長 私債権と非強制徴収公債権の不納欠損でございますが、まず私債権についてでございます。令和4年度の決算額においては8万円余、令和3年度の決算額としては1万5,000円でしたので、前年度より若干増加したというようなところでございます。なお、調定額で見ますと、令和4年度2億1,200万円余、収入額は1億6,300万円余で、収入率は約77%でございまして、こちらは上昇しているということでございます。

 一方、非強制徴収公債権の不納欠損額でございますが、令和4年度決算額では5,700万円余、令和3年度決算額では7,600万円余でございましたので、前年度より減少しております。また、調定額で見ますと、令和4年度9億2,000万円余、収入額3億1,300万円余で、収入率は約34%でございまして、こちらも前年度と比較すると上昇しているというような状況でございます。

○久保委員 上昇しているといっても、今34%という数字もありました。これら債権の徴収事務について区はどのように取り組んでいくのか、お聞きいたします。

○森企画課長 これまでと同様でございますが、債権の所管課におきましては、今後も納付相談などあらゆる納付勧奨の機会を捉えて、滞納者の生活状況の把握に努め、分割納付や減免など各債権の制度、性質に応じた案内措置を実施してまいりたいと考えております。

 全庁的な取組といたしましては、債権管理対策会議における徴収事務の改善等の議論ですとか、研修等を通じた職員の知識向上等にも努めてまいります。

○久保委員 所管課が徴収をするというようなことになっていくのかなと思いますけれども、構造改革実行プログラムは債権一元管理に取り組まれるということも示されておりましたけれども、債権一元管理については取り組むつもりはないのか、お聞きします。

○森企画課長 先ほど保健医療課長が答弁させていただいておりますが、保険料の一元化については、今取り組んでいるところでございます。それ以外の一元化の部分につきましては、今御指摘のとおり構造改革実行プログラムのところについても明記がされておりますが、こちらについては債権管理対策会議において引き続き検討しているということでございます。

○久保委員 引き続き検討していくということなんですけれども、今の御説明を伺っていると、3料の一元化も行ってきていて、それが順調に進んでいるということで、この債権一元管理のイメージがちょっと分からないんですよね。この次期基本計画の中でまた示していくのかどうか、要は構造改革実行プログラムって令和5年で一応終わることになってしまうので、引き続きそういった体制で検討していくということなんだけれども、その検討していくというのがどこを目指しているのかというところが分からなくて、その債権一元管理というのが本当に全庁的にやるということなのか、そうではなくて税は税、料は料、その他のところの徴収の在り方については、また今後全庁的に検討していく、そういうことを言っているのか、もしその辺のところの考え方が決定をしていたら教えてください。

○森企画課長 先ほど御答弁いたしましたが、債権管理対策会議において一元化をどうしていくのかということは検討しているところでございまして、全体的にどうしていくのかということで、一応構造改革実行プログラムは令和5年度末までの計画になっていますので、今年度中に債権管理一元化についてどうしていくのかということは、一定その会議においても整理はしたいなと考えております。

○久保委員 整理をしていくということなので、またその状況をお聞きをしたいと思いますし、実行プログラムに掲げたからといって、必ずしも取り組むという形がしっかり構築をされるかどうかというところはまた別なのかなと思いますので、検討した上で、また議会にも御報告をお願いしたいと思います。

 次に、西武新宿線の沿線まちづくりについてお伺いをいたします。先日の日野議員の一般質問では、野方以西について区長から力強い決意も伺えたところでございます。

 西武新宿線のまちづくりについては、東京都との交渉が非常に重要であり、第1回定例会では、鷺ノ宮駅周辺は、西武新宿線の連続立体交差事業、妙正寺川、中杉通り補助第133号線といった東京都所管の課題が多く、公社鷺宮西住宅の建て替えについても課題があることから、まちづくりを進める上で、東京都と連携を図ることが必須である。公社鷺宮西住宅の建て替えの課題も含め、鷺ノ宮駅周辺のまちづくりについて、東京都や関係機関と協議する場を改めて設け、その上で妙正寺川沿いの区有施設の利活用と、公社鷺宮西住宅一帯の再整備についても具体的な計画を示すべきとの私の質問に対し、区長は、鷺ノ宮駅周辺では様々な事業や計画があり、関係機関と緊密に連携を図っていくことが重要である。まずは関係機関との協力体制の構築に向けて調整をしていくとお答えになられました。

 そして、令和4年度中にはJKKとの覚書を交わされました。その後、具体的にはJKK公社鷺宮西住宅の建て替えを含めた一帯のまちづくりについてどのような協議が進められているのか、お聞きをいたします。

○桑原野方以西担当課長 現在、公社鷺宮西住宅周辺には、適切な居住機能の確保などを目的とします1団地の住宅施設の都市計画が定められております。このため、公社鷺宮西住宅の建て替えに当たりましては、新たに地区計画を策定するなどの取組が必要となると考えてございます。現在、それに必要な当該地及びその周辺の施設配置などについて、東京都住宅供給公社と検討を進めているところでございます。

○久保委員 地区計画ということになっていくのだと思います。その素材といいますか、公社一体の施設の在り方をトータルで見ていくのかなというふうに考えます。

 平成30年の第2回定例会におきまして「公社鷺宮西住宅建てかえの際には、水害対策のための調節池を整備し、上部をふたがけし、公園など中野区が地域資源として活用できるよう東京都に働きかけるべき」と質問をさせていただきました。現在のJKKとの協議の中で、調節池や公園整備など具体的な検討がされているのか、お聞きいたします。

○桑原野方以西担当課長 公社鷺宮西住宅の建て替えに当たりましては、当該地が広域避難場所に指定されていることを踏まえまして、地域の防災性の向上に資する取組などが必要であると考えてございます。現在、委員御指摘の調節池や公園整備などを含め、当該地の施設配置などについて検討を進めているところでございます。今後も引き続き東京都住宅供給公社と協力しながら、必要な検討を進めまして、地域全体の防災性向上とともに、公社鷺宮西住宅の早期建て替えに向けて取り組んでまいります。

○久保委員 公社の建て替えということ自体も大きなテーマではありますけれども、それに併せての周辺のまちづくりにもしっかり取り組んでいただきたいと思っております。

 令和4年度は野方以西まちづくりとして、野方駅・都立家政駅周辺地区まちづくり検討業務委託、鷺ノ宮駅周辺地区まちづくり検討業務委託、西武新宿線沿線交通結節機能改善検討業務委託が実施をされております。しかし、この内容につきましては議会への報告はありません。それぞれの委託内容についてお聞きをいたします。

○桑原野方以西担当課長 まず、野方駅・都立家政駅周辺地区まちづくり検討業務委託でございますが、野方駅及び都立家政駅周辺地区におけますまちづくりの方向性を示す地区計画や用途地域などの見直しに向けた検討業務を進めたものでございます。

 また、鷺ノ宮駅周辺地区まちづくり検討業務委託は、鷺ノ宮駅周辺地区において同様の検討を進めたものでございます。

 また、西武新宿線沿線交通結節機能改善検討業務委託は、野方駅、都立家政駅及び鷺ノ宮駅周辺の道路や駅前広場の配置などの基盤計画の検討を進めたものでございます。

○久保委員 どうしてもまちづくりって調査ですとか検討ですとか、そういったことで数年かかっていて、いろんな業務委託がされているんだけれども、その成果物というのは、議会ですとか地域に報告がないことが多いんですよね。だから、とても見えにくいなということを感じています。特にこの数年間がコロナ禍ということもありまして、まちづくりについて地域の声を聞くというような場面が極端に減っていたというふうにも感じております。野方以西のまちづくりについては、ほとんど動きがあるようには見えません。今後は地域に出向き、ボトムアップでまちづくりを推進していくべきと考えますけれども、現状と今後の取組についてお聞きをいたします。

○桑原野方以西担当課長 野方駅、都立家政駅及び鷺ノ宮駅周辺地区におきましては、これまで道路、交通や防災などのまちの課題を整理しまして、まちづくりの方向付けを示すまちづくり整備方針を作成してございます。こうした中、これまでの新型コロナウイルス感染症の流行や昨今のデジタル技術の進展などにより、社会状況は著しく変化してございます。今後こうした社会状況の変化を踏まえまして、まちの在り方を再検討していく必要があると考えてございまして、引き続き地域の皆様と意見交換を図りながらまちづくりの整備方針を改定するなど、まちづくりの具体化に向けて取り組んでまいりたいと思ってございます。

○久保委員 野方以西については、もういよいよこれからなんだというふうに地域の方たちが希望を持って取り組んでいただけるように、また積極的に頑張っていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 次に、地域共生社会の取組についてお伺いをいたします。令和3年、社会福祉法の改正により、これまでの福祉制度、政策と、人々の生活そのものや生活を送る中で直面する困難、生きづらさの多様性、複雑性から現れる支援ニーズとの間にギャップが生じてきたことを背景とし、重層的支援体制整備事業が創設をされました。

 中野区においては、令和元年度から当該事業について進められております。断らない相談窓口の構築ということで、区の重層的支援体制整備事業は、介護、障害、子ども・子育て、生活困窮分野の相談支援機関の連携をさらに推進していくというものであり、地域支えあい推進部、健康福祉部、子ども教育部などの関連部署との連携や調整を図りつつ、どのような体制で検討するか今後明確にしていくと、事業スタート時点では説明をされております。これは令和元年度でございました。

 令和4年12月、厚生委員会での報告では、重層的支援体制の強化に向け全庁的な推進を図るため、庁内各部との連携や関係機関を含めた包括的な連携が必要となることから、その点を踏まえさらに検討と説明をされております。庁内連携を図るのって本当に大変なんだなってこれを見ていると思っていて、令和元年度からずっとこの検討していて、令和4年度もまだ検討しているって言っていらっしゃるんですけれども、庁内連携を図るというのはこんなに年月を要するものなのでしょうか。

○河村地域包括ケア推進課長 重層的支援体制強化に向けた全庁的な推進について、お答えをさせていただきます。重層的支援体制整備事業における多機関協働事業は、自治体全体で包括的な相談支援体制の構築を目指すものであり、区としましては、全域を対象としました地域包括ケア推進会議や、すこやか圏域の地域ケア会議、地域ケア個別会議に取り組んでいるところでございます。いずれの会議も庁内関係部署や医療、介護などの関係機関の出席を求め、地域における支援の在り方から個別ケースカンファレンスまで様々な議論が交わされており、こうしたプロセスを経ることによって包括的な連携が実現すると考えてございます。

 現時点で一定の体制は構築されていると捉えてございますが、孤独・孤立対策など新たな課題にも対応するべく、さらなる連携強化を図っていきたいと考えてございます。

○久保委員 様々なところとやっているんですよというような話だと思うんですけれども、国や東京都のほうの重層的支援整備を進めていくための助成金というのも、区としては活用をしております。これはどのように活用されているのか教えてください。

○河村地域包括ケア推進課長 地域支えあい推進部所管の事業としましては、地域包括支援センターの運営や障害者相談支援事業所運営委託、すこやか福祉センターの子育て支援、母子保健事業、高齢者会館での健康づくり事業、高齢者生活支援サービス担い手養成講座などがございます。このほかにも、子ども教育部の地域子育て支援拠点事業などに活用しているところでございます。

○久保委員 重層的支援整備事業費というのは、既存の事業にも充当できることから、新たな事業実施の体制を構築しなくても活用ができるということになっています。なので、今説明を頂いたものというのは、特にこの重層的支援整備ということで銘打たなくても、既に進められていたものもあるのではないかなと思います。そのために、どのような体制で断らない相談窓口が構築されているのかというのが余計に分かりにくいというふうに私は感じています。移行期間も含め、事業開始から5年目となりますけれども、現在の重層的支援体制はどのようになっているのかお聞きします。

○河村地域包括ケア推進課長 現在の重層的支援体制につきましては、重層的支援体制整備事業における包括的相談支援事業は、属性や世代を問わず包括的に相談を受け止める、まさに断らない相談窓口を目指すものでございます。区ではまず、すこやか福祉センターなど各所で相談を受け止め、複雑化、複合化したケースに関しましては、多機関協働により適切な相談支援につなぐ対応を取っており、実質的に断らない対応となってございます。

○久保委員 断らない相談窓口がすこやか福祉センターに開設をされているということだと思うんですけれども、すこやか福祉センターを中心に関係部署への庁内調整というのが本当に図られているのかと私は疑問に思っておりますが、その点はいかがですか。

○河村地域包括ケア推進課長 すこやか福祉センターは、子どもから高齢者まで来た相談をまず受け止める、地域における相談窓口の最前線でございますが、より適切な相談支援機関につなぐよう個別に調整を行ってございます。また、地域の民生委員や医療機関、地域住民などが参加する地域ケア会議にも、必要に応じて関係部署の職員の出席を求めているところでございます。

○久保委員 今、より適切にというお言葉があったんですけれども、もっともっと精度を上げていかなければいけないんじゃないかなって。本当に相談をしたい方がつながっていないというケースを私は感じています。その点についてもさらに、この断らない相談窓口というふうに銘打っていくのであれば、充実していただいて、精度を上げていっていただきたいなと思うんですけれども、いかがですか。

○河村地域包括ケア推進課長 今年度に入りまして、すこやか福祉センターにアウトリーチ推進係を新設するなど体制強化を図っているところでございますので、ますます関係所管と連携をして、断らない支援というところを手厚く行っていきたいと考えているところでございます。

○久保委員 ぜひお願いいたします。国では孤独・孤立対策が進められておりまして、さきの定例会の一般質問では、孤独・孤立対策モデル調査事業につきまして手挙げをしたらどうなのかというようなことを提案をさせていただいたところです。区として本事業への申請が行われたのか、お聞きします。

○河村地域包括ケア推進課長 孤独・孤立対策モデル調査事業の2次募集のあった8月の時点では、協働で事業を実施する団体との具体的な協議にまでは至っておらず、応募を見送った経過がございます。本事業は、孤独・孤立対策官民連携プラットフォームの整備を進めるものでございまして、既存の会議体の整理や民間企業等との連携により進めてまいりたいと考えているところでございます。

○久保委員 今回は間に合わなかったということだと思いますけれども、しっかり進めていただきたいと思っております。

 地域共生社会の取組として、次に、認知症対策についてお伺いをいたします。東京都の認知症とともに暮らす地域安心事業、認知症検診事業を活用いたしまして、令和4年度からはもの忘れ検診の実施をしました。検診事業の実績についてお聞きいたします。

○河村地域包括ケア推進課長 令和4年度のもの忘れ検診の受診者総数は232名であり、認知症の疑いありは58名で、そのうち二次検診の受診を勧められた人は21名でございました。事業を開始するに当たりまして、区報、ホームページだけでなく各地域ニュースに掲載してもらうなど広報に力を入れたことで、75歳受診率は5%を超え、過去よりも高い水準となってございます。受診券に認知症あんしんガイドを同封し、認知症についての普及啓発も行っているところでございます。

○久保委員 これは年度当初からスタートした事業ではない割には、進み具合というか、今実績を伺うとよかったのかなと思っています。認知症検診を推進し、早期診断、対応を推進することが事業の目的でもあると思われますけれども、早期診断、対応についてはどのように進められてきたのか、お聞きします。

○河村地域包括ケア推進課長 もの忘れ検診受診者全員に、健診結果が区に届いた後を目途に架電し、困り事への相談対応や通いの場へつながったかの確認を行いました。一次検診で認知症の疑いがあり、御本人の同意による二次検診を紹介された21名に対しましては、二次検診の受診勧奨や二次検診の結果を把握し、必要に応じて地域包括支援センター等の紹介を行ってございます。認知症の疑いがあったにもかかわらず二次検診を希望しない方には、引き続き丁寧な受診等の勧奨を行ってございます。

○久保委員 当該事業は東京都の10分の10補助事業でありますけれども、期間が限定されておりまして、令和4年度から3か年の時限的な事業となっております。効果検証をどのように行い、継続事業とするなど次の事業につなげていくのか、お聞きをいたします。

○河村地域包括ケア推進課長 昨年度実施分の効果検証につきましては、認知症アドバイザーなどに委員を依頼しているもの忘れ検診検討会において、健診結果のデータ分析や受診者の声を参考にしながら検証を行っておりまして、今後令和6年度までの3か年は、同様に検証を行っていく考えでございます。本事業の効果はもとより、実施体制や経費の面からも検討を行い、今後の展開を見定めていきたいと考えてございます。

○久保委員 当該事業におきましては、ほかにも認知症とその家族を支える政策に活用できると考えています。東京都では毎年事業の拡充はされているようでありますが、今後の区における事業拡充については検討されているのか、お聞きします。

○河村地域包括ケア推進課長 もの忘れ検診は認知症に関する正しい知識の普及啓発や早期発見、早期対応等を目的として実施をして、一定の効果が得られている状況にございます。今後につきましては認知症とその家族を支える施策として、検診の継続やセルフチェックなど複数の手法を検討し、効果的な事業の展開を図ってまいりたいと考えてございます。

○久保委員 また、令和4年度からは東京都の包括補助を活用し、認知症地域支援推進事業が区内4か所で行われております。この事業をどのように評価しているのか、お伺いいたします。

○河村地域包括ケア推進課長 認知症地域支援推進事業は、軽度認知障害を含めた認知症の人やその家族等の身近な相談や交流の場づくり、活動支援のために、区内4か所に開設したものでございます。令和4年度の開催数は4か所合わせて178回、延べ利用人数1,341人となってございまして、身近な相談や交流の場として御利用いただけているものと認識してございます。

○久保委員 すこやか4圏域に1か所ずつという地域バランスになっておりますけれども、当該事業を拡充する予定はあるのでしょうか。ほかにも認知症支援を展開している事業者があるのではないかと考えております。認知症地域支援事業の拠点を拡充すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○河村地域包括ケア推進課長 認知症地域支援事業は、医療職や福祉職等の認知症ケアの経験がある専門員を配置することで、適切に医療やサービスにつなげられるほか、居場所の利用が難しい人でも、支援者の声かけにより気軽に参加することができるものでございます。認知症支援を展開している事業者の協力によりまして、拡充することも今後検討していきたいと考えてございます。

○久保委員 ありがとうございます。検討していただきたいと思っています。ただこれ、東京都のほうの事業の上限額が決まっているので、配分についてもなかなか難しいところがあるかと思いますので、検証しながら進めていただきたいと思っております。

 地域共生社会の取組の最後に、高次脳機能障害支援についてお聞きをいたします。高次脳機能障害とは、頭部外傷、脳血管障害などけがや病気により、脳の損傷の後遺症として記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などの認知障害が生じ、これに起因して日常生活、社会生活への適応が困難となる障害のことであります。

 今、高次脳機能障害支援として行われているのは、この「つむぎ」だけではないかと思っているんですけれども、つむぎの相談窓口拡充についてお聞きをしたいと思います。つむぎにおける年間相談件数と専門相談の件数をお聞きいたします。

○辻本障害福祉課長 つむぎにおきましては、相談事業といたしまして、ただいま委員御指摘の高次脳機能障害者の方のほか、身体障害者、知的障害者、発達障害者の方及びその家族の方を対象に、福祉サービスの利用、援助等に係る相談を行っているところでございます。

 また、このほか専門相談といたしまして、高次脳機能障害、発達障害の当事者及び家族の方に対しまして、専門性の高い相談支援事業を提供しているところでございます。このうち令和4年度の高次脳機能障害に係る相談件数につきましては414件で、専門相談件数につきましては53件でございました。

○久保委員 つむぎの専門相談は、月隔週2回、1回3枠まで、年間72件が上限です。専門相談数は53件とのことですけれども、実際には相談を受けたいが日程が取れない、予約を取ったがキャンセルせざるを得なかったなどの実態があるかと思います。全体の年間相談件数をお聞きすると、専門相談を受けることができていない可能性が高いと考えております。高次脳機能障害支援における専門相談の枠を増やす必要があるのではないかと考えておりますが、いかがでしょうか。聞きします。

○辻本障害福祉課長 高次脳機能障害に係る専門相談は、主に脳出血、脳梗塞や交通事故の治療後の方から困り事や不安なことにつきまして相談を受けるものでございまして、専任の専門相談員といたしまして、主に臨床心理士が対応しているところでございます。障害者団体からは、高次脳機能障害の専門相談をさらに進めるため、専用のスペースを確保するよう要望を受けているところでございます。現在、利用実績や今後の見込み等につきまして分析を行い、相談の在り方を含め検討しているところでございます。

○久保委員 私はせめて週に一度、専門相談を実施できる体制を構築するべきではないかなと考えております。しかし、現在のスマイルなかのの中では、スペースの確保が難しいという現状があります。スマイル周辺で相談できる場の確保が必要ではないでしょうか。新区役所開設に合わせ、専門相談窓口が実施できる場の確保にも取り組むべきと考えますがいかがでしょうか。御見解を伺います。

○辻本障害福祉課長 つむぎにおきましては、高次脳機能障害のほか、発達障害の専門相談、さらには身体障害者、知的障害者の相談事業、ピアカウンセリング事業など、様々な事業を実施しているところでございます。これらのことから、専門相談の在り方の検討に当たりましては、つむぎの事業全体の円滑な運営、さらには障害当事者の方の利便性等に配慮する必要があると考えてございまして、ただいま委員の御提案の趣旨も踏まえまして検討してまいりたいと存じます。

○久保委員 積極的に相談の場の確保に取り組んでいただきたいと思いますので、これは要望としておきます。

 重層的支援の体制につきましては、まだまだ課題が多いというふうに感じております。また、本当になぜこんなに連携がいろんなところで難しいのかなというところも、今回取材をしている中で感じたところでございますので、さらに取組を強化していただきたいと思います。ぜひよろしくお願いいたします。

 次に災害対策についてお伺いをいたします。今回はマンションなど大規模集合住宅への災害対策に絞ってお伺いをいたします。タワーマンションも含め、区内のマンションは増加傾向にあるというふうに感じております。さきの一般質問では、白井議員より「東京とどまるマンション」の質問がありました。本制度は、停電時でも水の供給やエレベーターの運転に必要な最小限の電源を確保することや、防災マニュアルを作成し運用することなどにより、災害時でも都民が自宅での生活継続をしやすくする共同住宅の情報について、住宅所有者からの申請により東京都住宅政策本部が登録、公開し、一般の閲覧に供するものです。東京都の事業でございますけれども、区の関与をどのように考えているのか、お聞きします。

○福嶋防災担当課長 東京とどまるマンションは東京都の推進している事業でありますが、区の防災対策といたしましても非常に効果的な取組であると考えております。東京とどまるマンションの登録基準は非常用電源及び防災活動に関するものであり、区内にも登録基準を満たすマンションは多数あると考えております。まずは制度の周知や登録要件の一つであります防災マニュアルの策定や防災訓練の実施、災害時の連絡体制の整備などの支援を推進していきたいと考えております。

○久保委員 区が東京とどまるマンションの勧奨対象と考えるマンション数は、現在区内に幾つあると考えますか。また、マンションを選ぶ基準は何なのか、教えてください。

○福嶋防災担当課長 東京とどまるマンションの勧奨対象は、一定の規模を有し、在宅避難が有効である6階建て以上の共同住宅、約1,300棟を想定しております。

○久保委員 令和5年修正の東京都地域防災計画には、広報の展開として、リーフレットを防災ブックとともに全戸配布などと示されております。新たにマンション防災ハンドブックを作成し、全戸配布の必要性があるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。お聞きします。

○福嶋防災担当課長 昨年、東京都が公表した首都直下地震等における東京の被害想定を踏まえまして、今年度中に中野区マンション防災パンフレットの内容を拡充いたしまして、冊子を5,000部作成する予定でございます。マンション防災パンフレットは、既存のマンション防災会や不動産関連事業者、防災訓練や防災体験デーなど様々な機会を通じて配布する予定でございます。現時点では全戸配布は考えておりませんが、冊子の内容を区のホームページに掲載し、マンション防災について周知していきたいと考えております。

○久保委員 5,000部ということなので、なかなか限界がありますよね。一方、ペーパーレスということも先ほど質問させていただいたりしているところですので、本当に情報が欲しい方に的確に情報が伝わるようにという取組をさらに進めていただきたいと思っております。

 例えばとどまるマンションの三つ星マンションの場合は、地域の防災資源ともなり得ます。江東区では、水害時における町会と民間マンションとの一時避難協定締結のためのガイドラインを作成しています。今後、大規模マンションは災害時の避難先など、有益な防災資源になる可能性があるのではないかと考えますが、マンションとの協力体制についても検討すべきではないでしょうか、お聞きします。

○杉本防災危機管理課長 大規模マンションは、一時的な避難スペースを有する場合や水害時の垂直避難など防災資源として有効であると考えられるため、マンションの管理組合等との協力体制を含めて、他自治体の先進事例を参考に効果的な取組を検討してまいります。

○久保委員 今年度は地域防災計画を見直すということになっておりますが、見直しの際、マンション防災について明確に位置付けるべきではないかと考えますが、いかがですか。

○杉本防災危機管理課長 マンション防災は、東京都地域防災計画におきまして、減災目標の達成に向けた主な取組の一つとして掲げられておりまして、在宅避難などの都心部の特性を踏まえた防災対策として重要であるというふうに考えてございますので、中野区地域防災計画についても盛り込んでまいりたいと考えてございます。

○久保委員 お願いいたします。とどまる防災というのは、完結できている場合はいいんですけれども、災害時に避難を要する場合もあります。しかし、民生委員さんの一人暮らし調査など、オートロックマンションは連携が図りにくいという状況にあり、セキュリティが強固なマンションにお住まいの方への外部からのアプローチは難しく、地域における支援体制づくりにも課題があります。マンション単位での防災対策をより一層推進するとともに、地域の避難支援など関係者との連携を深める必要もあります。マンション自治会や管理組合に対し、区職員による(仮称)防災アドバイザーを派遣し、災害時の避難行動要支援者の対策を区と一緒に検討しませんかなどの呼びかけをしていくべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。

○杉本防災危機管理課長 災害発生時におきますマンション独自の課題につきましては、マンションの管理組合や管理会社等との課題共有ですとか、マンション住民に対する防災体制づくりの支援などについて、先進自治体の事例を研究し、区の防災対策にも反映してまいりたいと考えてございます。

○久保委員 現在、住宅課では、マンションの管理認定制度が進められております。マンション防災を進める上で、防災危機管理課、住宅課、地域活動推進課など関係部署と連携をして進めることが重要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。お聞きします。

○杉本防災危機管理課長 マンション防災を推進するためには、防災対策の推進や要配慮者の把握、支援など多岐にわたりますので、関係各課との連携を図ってまいりたいと考えてございます。

○久保委員 ぜひ、防災危機管理課が中心となりまして、しっかり進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 令和4年度には消防署による個人情報の漏えいにより、見守り対象者名簿の取扱いが難しくなっている現状があります。消防という災害時に最も信頼されるべき行政機関で事件が起きたことは憤りを感じておりますけれども、だからといって見守りが必要な方々への対策を止めるわけにはまいりません。区として、昨年度の事件を踏まえ、今後の対策をどのように検討されているのか、お聞きします。

○池内区民活動推進担当課長 昨年度の事件を機に、改めて見守り対象者名簿提供団体への管理者の文書及び口頭説明によりまして、個人情報の適正管理について依頼をいたしました。また、警察署、消防署に対しましては、名簿の管理状況等のヒアリングを行っているところでございます。見守りが必要な方への対策としましては、名簿の提供は有効であるものの、名簿そのものの管理方法や使い方については見直しが必要であると認識しており、名簿提供の在り方を検討していくところでございます。

○久保委員 名簿提供の在り方を検討していくということなので、そういった検討状況を踏まえ、これは議会にもまた改めて御報告がいただけるものでしょうか。

○池内区民活動推進担当課長 議会のほうに報告もしながら、御意見も伺いながら進めてまいりたいと思っております。

○久保委員 よろしくお願いいたします。

 実は、昨夜、鷺宮の一、二、三丁目で停電がございまして、我が家も停電になりまして、その際に我が家もオートロックキーなので家に入れないというようなことがあって、家族が家にいたので開けてはもらえたわけですけれども、最近この鷺宮では停電が非常に多いんですよね。先月も四、五、六丁目とかであって、羽鳥委員や斎藤委員のところも停電になったわけなんですけれども、東京電力との情報共有ですとか、そういった連携体制というのがどのようになっているのか、お聞きします。

○杉本防災危機管理課長 昨日の停電情報につきましては、今朝8時10分頃に東京電力パワーグリッド株式会社から連絡がございまして、昨日21時17分から22時52分まで上鷺宮の一から四丁目及び鷺宮一から五丁目地域において停電が発生したこと、また、停電件数は約3,130件であり、原因は調査中との連絡を受けたところでございます。区では、状況によっては災害体制を組む必要があり、また、防災行政無線情報連絡員が24時間体制で対応していることから、こうした場合には速やかな情報提供を行うよう申し入れたところでございます。

○久保委員 昨日の夜のことなのに、今朝8時10分だったんですよね、連絡が来たのが。本当にそういうときに、これがもっと大規模な災害が発生したときに区が情報を知らないというのは、これは大変なことだと思うので、今回そのように東京電力に求めていただいたことはよかったと思っておりますけれども、さらに連携を密にしていただきながら、また、この原因究明を今しているということだということなので、そのことについてもしっかり情報を得て、なぜこのような状況になっているのか、また、この地域において毎月のように今起きているような状況でございますので、そこはきちっと区としても的確に情報を得ることと、東京電力との連携を図りながら地域防災にも生かしていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

○杉本防災危機管理課長 委員御指摘のとおり、状況によりましては災害体制を組むというようなこともございますので、情報連携、警察、消防等も含めましてしっかりとした連携体制を組んでまいりたいというふうに考えてございます。

○久保委員 よろしくお願いいたします。

 それでは、最後の中野駅周辺まちづくりについてお伺いをいたします。中野駅新北口駅前エリア拠点施設整備について絞ってお伺いをいたします。

 民間事業者募集要項の提案条件には、「周辺地区とのデッキなどによる接続について」では「新北口駅前広場内の歩行者デッキに、同レベル・同幅員で歩行者デッキを接続するよう計画してください。整備費用については、敷地を越える部分を含め、本事業の負担としてください。また、中野四丁目新北口地区地区計画の方針附図に示す、敷地北側(中野四丁目新北口西エリア)街区に接続する歩行者動線及び再整備事業計画に示す敷地東側(中野五丁目側)街区に接続する歩行者動線については、歩行者デッキ等による歩行者動線整備を計画してください。なお、整備主体や費用負担は提案事項となります。」と示されておりました。

 現在、敷地北側街区に接続する歩行者デッキについては、北側街区の整備が進んでいないことから、事業者に対し整備を要求することができないと思われます。新北口エリア整備完了後に北側街区への接続デッキ整備を事業者側に求めることができるのか、お聞きします。

○小幡中野駅新北口駅駅前エリア担当課長 新北口駅前エリアから北側街区につながる歩行者デッキについては、中野四丁目西地区の市街地再開発事業の進捗と合わせて整備をするということにしておりまして、現時点の整備時期は未定でございます。当該デッキを含む新北口の歩行者デッキについては、民間事業者での整備、管理として調整をしておりまして、確実にデッキ整備が進むよう、区としては新北口駅前エリア、中野四丁目西地区双方の事業進捗により調整をしていきたいと考えてございます。

○久保委員 事業進捗によりということなんですけれども、こちらの新北口駅前エリアの拠点施設が整備完了後の話に、この話ってなっていくのではないかなというふうに私は思っているんです。なのでその後でも、このデッキを造っていくということを、こちらの施設を整備していく事業者に対して、それを求めることができるのか、今民間事業者に求めるというふうにおっしゃられていたわけですけれども、その点はどのようになっていくのか、教えてください。

○小幡中野駅新北口駅駅前エリア担当課長 民間事業者による整備、管理ということで調整をしておりますので、民間事業者に求めるよう調整をしていきたいと考えてございます。

○久保委員 その民間事業者というのは双方ということですかね。新北口駅前エリアと、また、中野四丁目西地区のほうの事業者がいれば、その双方のデッキということで求めていくということですか。

○小幡中野駅新北口駅駅前エリア担当課長 新北口駅前エリアの事業者提案ということで提案がございましたので、それを踏まえて調整をしていくということになりますけれども、今後、新北口駅前エリアの進捗、それから中野四丁目西地区の事業進捗というところがございますので、双方の進捗によって調整をしていきたいと考えてございます。

○久保委員 よろしくお願いいたします。事業が完了してしまうと、そこから先の責任というのが負えなくなってしまうのではないかなというふうに感じて、今お伺いをしたところでございます。

 新北口エリアから新庁舎への歩行者移動をスムーズにするために、現区役所西北のけやき通りの交差点について、新庁舎方向への斜め横断、スクランブル交差点ですかね、そういった変更について警察と協議をすべきではないかと考えますけれども、いかがでしょうか。

○小幡中野駅新北口駅駅前エリア担当課長 新北口駅前エリアから新庁舎へのスムーズな移動については、将来的には歩行者デッキによる接続が望ましいと考えてございます。一方で、歩行者デッキ整備が進まない場合の交差点を斜めに渡ることのできるスクランブル交差点の設置については、交通処理上の課題が多いというふうには聞いてはございますけれども、活用の可能性について警視庁に確認をしてみたいと考えてございます。

○久保委員 今度は敷地東側への歩行者デッキについて。都市計画手続の進捗と東側への歩行者デッキについて、デッキから五丁目側へ降りた際のたまり空間や一定のオープンスペースの確保が求められるのではないかと考えますけれども、計画はどのようになっているのか、どこまでを事業者負担とするのか、お聞きします。

○小幡中野駅新北口駅駅前エリア担当課長 新北口駅前エリアから中野五丁目への歩行者デッキについては、拠点施設整備と合わせて整備をする予定としてございます。区としては、五丁目側の接続箇所については一定の滞留空間を確保し、中野四丁目から五丁目へとつながる円滑な歩行者動線としたいというふうに考えてございます。接続箇所の在り方については、今後中野五丁目側のまちづくりの中でも検討することとしておりまして、引き続き地権者と協議調整を進めるとともに、事業者の負担についても整理をしていきたいと考えてございます。

○久保委員 相手先もあることなので、こちらの都合だけでは決められないということだと思いますので、事業者と協議をしながら、今後その先のまちづくりのこともございますので、慎重に議論をしていただきたいと思っております。歩行者デッキについては、提案条件の記述がこのようにありました。

 一方、展望施設については、事業者提案によるものです。展望施設の提案自体は否定をするものではありません。しかし、当初の事業者提案から大きく考え方が変わってきています。民間事業者による所有、運営では、投資利回りを考慮した最小限のものとなることや利用料金に影響するなど、区民や来街者のニーズに十分に応えられないことが懸念されることから、区の権利床として高層棟の最上階の1から2層程度に、展望ロビーやレストラン、バンケットなどの機能を有する展望施設を設け、民間事業者による運営を想定とのことであります。そもそも事業者側の提案であって、事業者が所有、運営できないものをなぜ区が所有、運営しなくてはならないのか、お聞きします。

○小幡中野駅新北口駅駅前エリア担当課長 施工予定者側からのこれまでの提案内容については、区として実現を求めるということを基本としてございまして、事業収支検討の影響とか施設計画の内容によって変わる場合があっても、当初提案の機能や考え方の継承は必要であるというふうに考えてございます。区の権利床については、区としては新北口駅前エリアに必要な機能を整理し、この機能の実現に向けて施工予定者と協議するとともに、区が求める展望施設機能を区民に提供するために、権利床の活用も視野に入れて検討を進める方針としてございます。

○久保委員 区が所有、運営するということについては、リスクはどのように考えているのか。展望施設を所有することになれば、直通のエレベーターですとかエレベーターホールも全て区が所有し、運営しなくてはならないのでしょうか。この所有をするリスクについてお聞きをいたします。

○瀬谷資産管理活用課長 区が床を所有する場合には、賃料などの収入が見込める一方で、管理上の経費として共益費や設備更新等の費用を負担することとなります。展望施設を所有する場合は、民間のノウハウの活用をするなど、効果的、効率的な運営手法について検討を進めていきたいと考えております。また、エレベーターやエレベーターホール等の所有も考えられますが、全体の共有部分としての維持管理を行うなど、事業者側と協議を進めていきたいと考えております。

○久保委員 事業者側との協議はまだこれからというところが大きいのかなというふうに思っています。事業者募集段階では提案条件になっていなかった施設であったものが、なぜそこまで区として必要性があると考えたのでしょうか。今回の展望施設については、再開発事業の事業収支の成立に向けた事業者側との交渉の象徴的なものであるというふうに感じております。区長は、どうしても展望施設が必要であり、所有、運営のリスクを承知で展望施設を所有すると決意をされているのか。この決断に対する区長の責任についてどのように考えているのか、お聞きします。

○酒井区長 拠点施設最上階は高さ260メートルでございます。中野ならではの眺望を有する新たなランドマークとして、区民の誇り、自慢となるものと確信をしております。拠点施設のさらなるにぎわいの創出や魅力の向上を実現するために、展望施設の機能は必要だと考えております。

○久保委員 区長は必要だと。区長が必要だというふうにお考えになられているので、そうなってしまうと、事業者がやりませんと言ったときには、区が所有をし、運営をするということになるのかと思います。その際の責任ということで、私は今区長に答弁を求めたところでございますけれども、その点についてはいかがお考えでしょうか。

○酒井区長 その場合にも、区民にとっては必要なものだと考えておりますので、区として必要であると判断すると思います。

○久保委員 区長は必要であるというふうに、今区長としての意思を確認させていただいたところでございます。展望施設の所有、運営につきましては、我が会派としても今後慎重にまた検討してまいりたいというふうに思っておりますし、先ほどの御答弁の中では全てを所有、運営ということではなく、部分部分でというような事業者負担の考え方もあるようにもお聞きをしているところでございますけれども、まだ全容が見えません。きちっと議会に報告をしていただきながら、本当に区民にとって公益性そのものがあるのかどうか、また、区が所有をし、運営するということに本当にリスクはその後ないのか。そういったところもしっかり検証しながら、慎重に進めていただきたいことを要望しておきます。

 以上で私の質問は全て終了をいたします。まだまだ質問をしたいことはたくさんございますので、子ども文教分科会にてしっかりお伺いをしてまいりたいと思っておりますので、理事者の皆様、どうぞよろしくお願いいたします。大変にありがとうございました。

○杉山委員長 以上で久保りか委員の質疑を終了します。

 次に、いさ哲郎、質疑をどうぞ。

○いさ委員 2023年第3回区議会定例会におきまして、日本共産党議員団の立場で総括質疑を行います。

 最初に、区内産業の支援についてお聞きをします。今、地域経済は危機的と言っていい状況です。長期的な経済の低迷の中、2019年10月の消費税10%増税、翌年からのコロナ禍と、この数年、地域経済は深刻なダメージを受けていました。今現在これに加えて、41年ぶりの物価高騰が暮らしとなりわいを脅かしています。区が区内産業をいかに守るのかが問われています。

 今年の区議会第2回定例会では、産業振興方針(骨子)が示されました。最初に、この骨子について何点かお聞きをいたします。この骨子には、区内事業所数について減少傾向と示されています。この数年でどれだけ減少しているか、この数字は分かりますか。

○松丸産業振興課長 区内事業所数の減少傾向ということでございます。経済センサスの活動調査によりますと、平成28年度と令和3年度を比較しまして、151事業所が減少しているということでございます。

○いさ委員 この事業所の減少の理由についてはどう考えますか。

○松丸産業振興課長 こちらは業種ごとの違いはございますけれども、他区とほぼ同様の傾向が見受けられておりまして、以前から課題でございました後継者不足により事業承継ができないことですとか、ICTやDXが進まずに生産性向上が図れていないことに加えまして、新型コロナウイルス感染症拡大によります休業や売上減少、これらによる廃業が新たに開業した事業所数を上回ったということが主な要因であると捉えております。

○いさ委員 そうですよね。プラスマイナスで見ているので、廃業の数はもっと多いということだと思うんですが、区はこの骨子の中で、個店支援の強化というものを明記しています。まずはこのことを評価をしたいと思います。これまで区の産業振興の方針の中には、個店支援という記載はありませんでした。区はなぜ個店支援を強化する必要があると判断したのでしょうか。

○松丸産業振興課長 これまで地域コミュニティ形成の場、地域の消費活動を充足する場としての商店街を対象といたしまして、組織力の強化ですとかイベント事業、環境整備事業等への支援を中心に行ってまいりました。しかし、商店街の活性化には、集客力のある魅力的な店舗が増えていくことが不可欠であるという認識もございます。個店の経営力や新規出店者等への支援を強化するということで考えたものでございます。

○いさ委員 これまで、会派として、区内産業の支援のためにも、商店街支援とともにこの個店の支援が必要であるということを訴えてきました。区の産業施策が個店支援を明確に方針化することは歓迎したいなと思います。

 この骨子の中には、気になる記載が幾つかございます。例えば11ページ、現状と課題の⑤、商業・商店街の現状というところで、中野区の商店の構成についての報告がまとまっています。中野駅北エリアの店舗数がプラス10.3%、中野駅南エリアの店舗数がプラス0.9%とあります。全体として店舗数の減少が続いているという中で、中野駅周辺、とりわけこの北側のところに人の流れが集中しているということが見てとれます。このことは、駅周辺の商店街とそれ以外のところで支援の仕方を変えていくという必要があるんじゃないかということだったり、また、駅周辺以外の商店街に対して特段の措置が必要だということを示しているんじゃないかと思うんです。

 また、ここには、事業所数は減少しているものの、従業員数や年間商品販売額は増加しているとの記述があります。私が気になるのは、特にこの従業員数のところなんですけれども、いわゆる飲食業界のようなところでは、もともとダブルワークというのが当たり前という側面があるかと思うんですが、昨今、区内事業者の中で、とりわけこの従業員のダブルワークが増えているやという情報も耳にしています。

 事業所の支援の上で、そこに働く事業者、従業員がどうなっているのか、働き方の問題だとか、そういうことを考えていくという視点も必要になってくるんじゃないかなと思うんです。こうした分析をどのように産業支援に生かしていくのかが、改めて問われることになるんじゃないかと思います。個店への支援では、具体的な方策はどのようなものがあるでしょうか。

○松丸産業振興課長 令和4年度から中野区商店街連合会の事業を支援する形で、個店を対象とした売上アップセミナーですとか伴走型の個店経営相談を実施しているところでございます。中野区産業経済融資制度のほか、東京都中小企業振興公社が実施しております各種個店経営支援事業ですとか、商店街での起業ですとか承継支援事業の活用を図りつつ、個店への支援を進めてまいりたいと考えております。

○いさ委員 いろいろと具体的なメニューがあっていいかなと思うんですが、今出てきたもの以外にも、できる努力はできるだけ取り組んでほしいなという思いがありまして、私のほうからも少し提案をさせていただきます。

 既に全国の自治体に、商店を直接に支援する制度というものがあります。一つには商店リニューアル助成。これは事業を継続するに当たり、業種や業態を変更する際に助成をするという制度です。お隣、練馬区にもあるんですが、練馬区の場合は、上限100万円、補助率2分の1の助成ということになっています。

 もう一つ紹介します。これも、これまで会派で求めてきたものですが、商店リフォーム助成。これは、事業継続のための店舗の改修に対する助成制度。これも全国で実施自治体がございます。例えば川口市の商店改修事業補助金では、上限50万円で、補助率30%となっています。

 中野区でも、こうした様々な自治体で実現している助成制度について検討すべきではないでしょうか。

○松丸産業振興課長 既存制度で今現在も活用可能なものが様々ございます。この中で、区単独の補助、上乗せ補助等は現在考えていない状況でございます。個店の改修、備品等への支援につきましては、産業経済融資制度のほか、国や都の支援メニューの周知、情報提供を図ってまいりたいと考えております。

○いさ委員 区の産業施策は、どっちかというと新規事業の支援には手厚いというイメージがちょっとあるんですけれども、事業継続については具体的な施策に乏しいかなと思っています。個店支援と銘打つからには、具体性のある目玉施策が必要じゃないかと私は思っています。

 もう一つ提案します。緊急的な物価高騰対策は事業者向けにも必要ではないでしょうか。お隣の新宿区では、事業者向け支援としてエネルギー価格高騰緊急対策支援を実施するということで、記者会見を行われています。区内中小事業者に対して、電気、都市ガス、ガソリン、軽油、灯油、重油、オートガス、LPガスについて、この11月から来年3月までの5か月分の使用料の5分の4を補助するというものです。上限20万円です。

 中野区でも、区内中小事業者向けに同様の制度は検討できないでしょうか。

○松丸産業振興課長 現在、物価高騰対策といたしまして、業況が悪化している業種の区内中小企業者を支援するために、経営安定支援資金に本人負担率を無利子にする優遇措置を行っているところでございます。電気、ガス、ガソリン等のエネルギー価格が高い水準で推移しているということでございますけれども、今後も社会情勢を捉えるとともに、業種によっても影響が異なることでございますので、区内中小企業の実態把握に努めながら、経営力の支援策を検討してまいりたいと考えております。

○いさ委員 今担当さんが実態把握とおっしゃったんですけれども、既にもう何年も、今大変な状況の中にあって、今すぐの支援を事業者の皆さんは求めていらっしゃると思うんです。区内の事業者さんが求めているのは、今私が紹介したような目に見える直接の支援であるということは指摘をさせてもらいます。

 それで、骨子のほうに戻るんですが、中野区産業の現状と課題④の中の中小企業の経営安定化支援のところに、とても大事なことが記載されています。「融資制度をはじめ、東京都や中野区、東京商工会議所などによる支援制度の利用実績は明らかになっているが、それらが経営の安定化にどの程度寄与したのかの後追い調査ができていない。」と。

 ここに関わって、私が御相談に乗った、とある飲食店の店主さんの事例を紹介します。このお店は、コロナで様々な飲食店向けの支援制度を利用したけれども、それらが後から収入扱いにされたため、翌年度の税と保険料が跳ね上がっている。売上げも戻らないという中で、支払いに苦慮されていました。こんなことなら給付を受けなければよかったという愚痴も聞きました。私はこの対応として税と保険料について分納の制度を御紹介して、道が開けて前向きになってもらえました。給付金や支援金が後から収入扱いになったという制度の仕組みが一番の問題ではありますけれども、困り事の中心が税と保険料の支払いであること、お話をお聞きする中でこれをつかんで、分納の相談につなげることができたということがとても大事だったというふうに思っています。私が関わったこの事例は、まさしく経営相談でした。

 区としての経営相談は、現在では産業振興センターで行っていて、相談に行けば同様にお困り事の解決をしてくれるかと思うんですが、骨子を見ると16ページには「経営相談の充実【コンシェルジュ】」という記載があります。これは現在の経営相談とどう違うのでしょうか。

○松丸産業振興課長 現在産業振興センターでは、融資の相談窓口のほか、中小企業診断士会や東京商工会議所と連携しました経営相談を行っているところでございます。経営支援を強化するため、相談者にとって障壁となっていることを的確に把握し、その上で現在実施している経営相談をはじめとした各種支援メニューにつなげる役割を担うコンシェルジュの配置を検討しているということでございます。

○いさ委員 私がその御相談対応をしたお店というのは、常連客も多くて、店主もまだまだ頑張るという気概がありました。お話をよく聞いて、お困り事の解決、その解決すべき点を明らかにしたことが重要だったというふうに思っています。今担当から説明のあったコンシェルジュのような仕組みが本当に大事になってくると思います。お店のお困り事を解決する実効的な取組となるように要望いたします。

 このまま融資制度についてもお伺いをいたします。中野区には、区が1.1%の利子補給を行う中野小口という融資制度があります。中野小口のここ数年の利用件数について伺います。

○松丸産業振興課長 中野小口の利用実績についてでございますが、令和2年度の実績でございますが710件、こちらは新型コロナウイルス感染症対策緊急応援優遇650件を含むものでございます。令和3年度の実績につきましては137件、令和4年度の実績は201件となっております。

○いさ委員 件数としては少なくないというふうに思いますが、中野小口は据置期間が1年ですので、コロナ禍の中でこの制度を利用した事業者は、既に返済を始めているということになります。しかし、少なくない区内事業者が、売上げが伸び悩み、経営が厳しい状況となっています。

 この数年にわたるコロナ禍の中で、事業者向けには無利子、無担保の民間融資、いわゆるゼロゼロ融資というものもできましたが、この民間融資制度の返済のピークが今年の7月ということで、ニュースにもなっています。東京商工リサーチの調査によると、今年5月の中小企業の倒産件数は704件、前年同月比で34.3%増、6月は770件で、前年同月比41.2%増です。返済開始がピークを迎えた7月は758件、前年同月比53.7%増です。融資の返済ができずに、めども立たずで、廃業せざるを得なかった事業者が多かったのではないかと想像いたします。

 事業資金の借換えについては、借りた先によりまちまちです。事業者によっては審査などの関係で、既存の制度の中での借換えが難しいということもあるかもしれません。これまで頑張ってきた区内事業者を守るために、条件と手続を緩和した区独自の新たな借換制度の創設は検討できないでしょうか。

○松丸産業振興課長 借換融資につきましては、政策金融公庫などの政府系金融機関をはじめ各金融機関がそれぞれメニュー化しておりまして、経営相談を受ける中でこういった情報を提供しているということでございます。今後融資制度の再構築を検討していく中で、効果的な支援策を探ってまいりたいと考えております。

○いさ委員 ぜひ公的な支援策の中で検討してほしいなというふうに思います。お店の方は、特に個店でやっている方というのは、経営のところが苦手な方というのは結構いらっしゃると思うんです。

料理を作るのは得意でも、帳簿をつけるのは苦手。こういう中で、今どんな資金を借りたかっていうのも正確に把握していなかったり、また、それの借換え自体が難しいという事業者さんがいらっしゃるんじゃないかと思うんです。

 先ほど紹介した例もそうなんですけれど、中小事業者の多くは、事業継続のために必死でできる手を打って、いろいろ借りたり、給付金を受けたり、頑張ってきているということだと思います。先が見えない中、諦める事業者さんも少なくありませんでした。こういう中で、中野区が少しだけ手助けするということで、もう少し頑張ってみようという気持ちを事業者さんが取り戻すことができるのではないかと思っています。先ほど来提案した内容を含め、実効性のある速やかな個店支援を求めて、次の質問に移ります。

○杉山委員長 いさ委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。休憩は13時まで。

 委員会を休憩します。

午前11時57分休憩

 

午後1時00分開議

○杉山委員長 委員会を再開します。

 休憩前に引き続き、総括質疑を行います。いさ哲郎委員、質疑をどうぞ。

○いさ委員 

 2番、ジェンダー平等の取組について伺います。困難な問題を抱える女性への支援に関する法律について、今議会の一般質問にて、我が会派の武田議員が質疑をしています。この質疑に対する答弁では、区は女性を相談支援につなげていくための環境整備について、男女共同参画基本計画に盛り込んでいると答弁しています。

 最初にお聞きします。困難な女性とは、どのような女性を指すのでしょうか。

○国分ユニバーサルデザイン推進担当課長 困難な問題を抱える女性への支援に関する法律において、困難な問題を抱える女性とは「性的な被害、家庭の状況、地域社会との関係性その他の様々な事情により日常生活又は社会生活を円滑に営む上で困難な問題を抱える女性(そのおそれのある女性を含む。)」と定義されております。

○いさ委員 この新法に基づく施策は、地方自治体においては努力義務となっています。中野区が困難を抱える女性支援に取り組むとしたのはなぜでしょうか。

○国分ユニバーサルデザイン推進担当課長 新法において努力義務とされております基本計画の策定、女性相談支援員の配置などは、相談支援事業を現場に担う区にとって必要なものであると考えております。女性一人ひとりに最適な支援を行うために、区として取り組んでまいります。

○いさ委員 今御説明いただいた困難な女性の定義から、女性の遭遇する困難が複合的なものであることが分かります。区がこの体制を整えていくに当たって、様々な部署が連携し、横断的であることが必要ではないでしょうか、伺います。

○国分ユニバーサルデザイン推進担当課長 国の基本方針においても、市区町村は支援に必要な制度を所管する庁内関係部署はもとより、幅広い部署がそれぞれに主体性を発揮し、相互に連携の上、支援対象者が必要とする支援を包括的に提供するよう配慮しなければならないとされております。こうしたことからも横断的な体制は一層必要であると認識しておりまして、関係所管と連携し、支援に当たってまいりたいと考えております。

○いさ委員 こうした体制をつくっていく上で、拠点となる施設がどうしても必要だと思います。ちょうど1年前の総括質疑で、私は、かつて中野区には女性センターがあった、これは復活させるべきではないかという質疑をしています。そのときは、中野区はこの分野で後れを取っているということから、他の自治体よりも進んだ施設としてジェンダー平等センターというのはどうだという提案をしてみたんですが、改めて今必要なのは、他区より進んだ施設ではなく、他区と同様の施設、男女共同参画センターではないかと考えを改めているところです。改めて、男女共同参画センターの必要性について、区の認識を伺います。

○国分ユニバーサルデザイン推進担当課長 男女共同参画センターは、平成25年に庁内に移転し、相談、保護及びその後の自立支援までの一貫した支援や、各所管や関係機関等との連携を行ってまいりました。今般、困難な問題を抱える女性への支援に関する法律の施行により、民間団体との協働といった新たな支援の枠組みなどが求められていることから、区民、団体等の活動を促進、支援するために、活動拠点としての男女共同参画センターの在り方について検討してまいりたいと考えております。

○いさ委員 今年の予算懇談の中で、清掃労働組合中野支部の皆さんから大変興味深い提案がされています。同じ質問を山本委員もしているんですが、私のほうからもさせていただこうと思います。この懇談の中で、人手不足は危機的な状況であると。その危機を乗り切るためにも、女性も含めた新規の採用と男女とも働きやすい職場づくりが必須になると、こういう提案を頂いていました。

 清掃の仕事というのは長らく典型的な男性職場であったと思います。しかし現実には、今女性の採用が少しずつ増えているそうです。しかし、着替えやシャワーだとか、女性が使える施設が整っていないことから、物理的に採用したくてもこれ以上はできないという状況もあるようです。現在の清掃事務所を改修する際には、ぜひこうした女性のスペースを整備する、やってほしい、そういう必要があると思うんですが、一定時間はかかるなと思います。杉並区では、職員に対して、着替えやシャワーの設備のある区役所への送迎をしていたそうです。当面の対策として、中野区でも、杉並区で実施したような直ちにできる支援策が必要ではないでしょうか、伺います。

○阿部清掃事務所長 女性の積極的な活用は、今後の人材を確保する上でも重要と考えます。清掃職場で女性が安心して働ける環境についても、今後検討してまいりたいと思います。

○いさ委員 ぜひ直ちにできる支援策ということで、また求めていきたいなと思います。

 それで、こうした支援を実際にやっていくには、やっていく中で男女共同参画の分野も関わっていく、加わっていくべきだと私は思います。具体的な事例をつくっていく、そして他の事業に生かすということを積極的に行うべきだと思いますが、この点はいかがでしょうか。

○国分ユニバーサルデザイン推進担当課長 区における男女共同参画の事例等を把握し、ほかの事業の実施や見直しに反映することで、誰もが働きやすい職場づくりにつなげてまいりたいと考えております。

○いさ委員 やはりこの男女共同参画の部門は、体制を強化しないといけないということだと思います。このテーマでは、関心の高い職員がいるはずだと思うんです。体制強化の際にはそうした意識の高い職員で固めることが大事ではないかと、そのことだけ指摘をしておきます。

 次の質問に行きます。3番のヒートアイランド対策についてお伺いをいたします。

 これまでも質疑で確認をしてきましたが、地球温暖化とヒートアイランド現象では、発生の仕組みもスケール感も異なります。地球温暖化対策は、地球全体の気温上昇を1.5度以内に抑えようというものです。他方、ヒートアイランド現象ですけれども、実は東京の気温は、この100年で年平均3.9度も上昇しています。これは気象庁のホームページに数字が出ているんですけれども、7月1か月だけ見ると、この100年で4.1度の上昇ということで、都市部で局所的に発生するヒートアイランド現象では、地球温暖化に比べて急激な変化が起きているということが分かります。したがって、区としても、地球温暖化対策とは別の構えが必要になるはずです。しかし、現在の中野区基本計画にも中野区環境基本計画にも中野区みどりの基本計画にも、ヒートアイランド対策についての記載がありません。

 ヒートアイランド現象を食い止めるには、第一には、都市部に熱をこもらせる原因をつくらないこと。具体的には、ビルや道路を増やさず、車の流入を抑制すること。第二には、都市を冷却させる効果の高い樹木や水場を造ること。大きくこの二つです。現在中野区は、中野駅周辺まちづくりによって、ヒートアイランド現象を促進させているということになるかと思います。これを前提としてお聞きをいたします。最初に、ヒートアイランド現象に対する区の認識を伺います。

○永見環境課長 ヒートアイランド現象は、人工的な構造物や廃熱等を要因として気温が上昇することにより、都市の気温が周囲よりも高くなる現象のことでございます。東京では過去100年の間に3度以上気温が上昇しているということからも、地球温暖化対策を進めながら、ヒートアイランド対策についても取り組む必要があると考えております。

○いさ委員 ありがとうございます。確認できました。

 今年8月1日のゲリラ豪雨では、皆さんも記憶に新しいと思うんですけれども、中野駅南口のところの解体中のビルの足場の崩落事故というのが発生しています。この夏、東京では少なくとも3回、ゲリラ豪雨と呼べる事象が発生しています。また、2018年には、ゲリラ豪雨により、中野駅ガード下を中心に雨水があふれて内水氾濫が発生しましたけども、この年も猛暑でした。夏の暑い時期の気温上昇は、ゲリラ豪雨を呼びます。

 こうした東京で発生するゲリラ豪雨について、筑波大学と東京都環境科学研究所の研究チームが、2011年段階で既に分析を行っているというのをこのたび知りました。この研究によると、都心では、中野区や練馬区など23区の西部でゲリラ豪雨になりやすい。江東区など沿岸部の2倍から4倍も発生するということが分かったそうです。中野区には、ヒートアイランド対策を進めるだけの理由があるということだと思います。

 また、ヒートアイランド現象を本気で抑制しようと思ったら、これは全都的に取り組まなければいけない課題ですから、区長会などを通じて他の自治体への呼びかけも進めることを求めておきたいと思います。他の自治体を見ると、23区でも千代田区や杉並区など、ヒートアイランド対策をきちんと位置付けているというところもあります。

 中野区では第4次環境基本計画、2021年9月からの10年の計画で、策定したばかりということで、次の改定の際にこれを入れるというのはちょっと待たないといけないのかなと思います。来年3月の策定に向けて中野区実施計画の骨子が示されていますが、ここにヒートアイランド現象とその対策についての記載をすべきではないでしょうか。

○永見環境課長 環境基本計画におきましては、ヒートアイランド対策という言葉は使用しておりませんが、基本目標の1として、脱炭素社会の推進と気候変動への適応ということで位置付けておりまして、気候変動への適応の取組として、気象災害対策の推進、また、熱中症、感染症対策の推進、こういったことを記載してございます。アクションプログラムにおきましても、取組の方向性として、気候変動の適応に係る事業の展開を記載しておりまして、今後も環境基本計画に基づきこれらの事業を推進していく考えでございます。

○いさ委員 ざっくり言って、中に入っていますというようなお答えだったと思うんですけれども、そういうことじゃなくて、きちんとこのヒートアイランド対策っていうのを明記していく、その中で対策をつくっていくということは、どうしても必要じゃないかと私は言ったつもりです。他の自治体で既にそうなっているということなので、それを明確にしてほしいなと改めて思います。

 加えてお聞きしておくんですけれども、環境庁が既に作成しているヒートアイランド対策大綱、これを区の施策に位置付ける必要があるんじゃないかと思うんですが、この点はいかがでしょうか。

○永見環境課長 ヒートアイランド対策大綱でございますが、こちらは国、地方公共団体、事業者、住民等の取組を適切に推進するため、国として基本方針を示すとともに、実施すべき具体の対策を体系的に取りまとめたものでございます。大綱において、ヒートアイランド対策の推進として定められた項目がございますが、省エネの推進等による人工排熱の低減、都市緑化等による地表面被覆の改善、水と緑のネットワーク形成等による都市形態の改善、そのほかライフスタイルの改善、人の健康への影響等を軽減する適応策の推進、これら5項目がございまして、現行の環境基本計画やみどりの基本計画において一定施策化が図られるものと考えております。

○いさ委員 というようなことが書いてある中身を、区の施策に位置付けるべきじゃないかと私は今聞いたつもりです。他の自治体はそうしています。ヒートアイランド対策をやらなきゃいけない理由、依拠する理由としてこれを掲げているということですから、これは中野区もぜひそうしてほしいなというふうに思います。

 それで、先ほども述べましたけれども、ヒートアイランド現象を抑制するには、樹木を増やす努力が必要になります。以前もこれは指摘をしているんですけれども、現在中野区が指標としているみどり率や緑被率では、例えば樹木を切って代わりに草を生やしても割合が変わらない。何らかの植物が覆っていたらよいというものです。そうした指標ではなくて、実効的に樹木を増やす目標の設定が必要です。世界の大都市では、樹冠被覆率という指標が使われています。これは樹木の枝葉に追われている割合を指します。世界中の大都市がヒートアイランド現象に悩まされる中、樹木を増やす努力のためにこの指標を用いています。中野区でも樹冠被覆率を区の計画に採用し、区内に樹木を増やす努力をすべきではないでしょうか。

○永見環境課長 区は現在みどりの基本計画における指標として、みどり率を採用しております。みどり率は、東京都が東京構想2000及び緑の東京計画における緑の指標として設定したものであり、他区においてもおおむねみどり率または緑被率を指標として設定しております。過去からの推移や広域的な実態を把握するという観点からも、現在の指標を継続して使用していく考えでございます。

○いさ委員 東京都が採用しているってそのとおりだと思うんですけど、今言ったように、せっかく生えている木をわざわざ切って、草を生やしても、この割合は変わらないという指標なので、これじゃ駄目じゃないですかというお話をしているつもりです。

 これは欧米だけじゃなくて、例えばオーストラリアの各市、メルボルンだとかいろんな大都市、それからアジアでは北京などでも、こういう樹冠被覆率という指標がもう使われています。これは単独で使われているんじゃなくて、ヒートアイランド対策を含む環境に対する総合政策であるアーバンフォレスト戦略の中で位置付けがされています。本気で対策を取ろうと思ったら、こうした総合戦略が必要になるということだと思います。やっぱり日本、東京は遅れているんだということだと思います。

 ネットを中心に話題になっている神宮外苑の樹木の伐採の問題では、ユネスコの諮問機関イコモスが、再開発の中止を求めて記者会見を開いたということでニュースになりました。都市部における樹木の価値、重要性が改めて関心を集めています。こうした中で、中野区が樹木を増やす積極的な方針を持つとなると、大きく注目されることになるんじゃないかと私は思います。

 それで、ヒートアイランド対策として樹木を増やす以外にもできることがあると思うので、それも提案させていただきます。遮熱塗装の助成について伺います。これは昨日の質疑で、羽鳥委員が気球温暖化対策として取り上げていた高反射塗装と基本的には同じものです。この遮熱塗装は、屋根や外壁に施すことで、屋内の温度上昇を緩和する効果があるとされています。屋内温度の上昇を緩和できれば、夏の暑い時期の冷房の使用を抑制することができるのではないでしょうか。23区では既に17区で助成を行い、遮熱塗装の利用を促していますが、中野区には助成制度がありません。中野区でも遮熱塗装の助成制度を創設してはいかがでしょうか、伺います。

○永見環境課長 区は現在省エネルギー設備の設置や生け垣等の設置に対する補助を実施しておりまして、今後も補助メニューを拡充していく考えでございます。補助メニューにつきましては、他区の事例も参考にしながら、地球温暖化対策を軸として選定をしていく考えでございます。

○いさ委員 23区では既に17区で助成を行っているということを、重ねて指摘させていただきます。

 それで、直近の建設委員会で報告されております中野駅南口駅前広場整備計画案では、広場の歩道の舗装について透水性コンクリート平板を採用すると報告されました。こうした透水性能を有するコンクリート平板やコンクリートブロックには、舗装の表面温度を下げる効果がある、ヒートアイランド対策として有効であるとメーカーサイトのほうに記載があります。透水性ブロックの場合だと最大15度、表面温度を下げるとも書いてありました。中野駅南口駅前広場以外のまちづくり地域では、歩道の整備に透水性コンクリート平板は使用しないのでしょうか、伺います。

○井上中野駅地区・周辺基盤整備担当課長 歩道舗装の透水性機能についてですが、透水性コンクリート平板を含む透水性舗装は、雨水浸透機能による浸水対策を目的として歩道を中心に採用しているものでございます。一方で、雨水が浸透する仕組みから、副次的な効果として蒸散によるヒートアイランド対策としての一定の効果は期待できると認識してございます。今後、中野駅桃園広場、新北口駅前広場の歩道を中心として、透水性舗装の採用を検討したいと考えてございます。

○いさ委員 今御説明いただいたように、副次的な効果であったとしても、ヒートアイランド対策として効果が期待できるものは積極的に活用を進めるべきだと私は思います。より効果の高い保水性平板、保水性ブロックという製品もあります。保水性をうたう製品にも、当然この雨水流出抑制の効果はあります。ヒートアイランド現象は地球温暖化とは違うとこれまで力説してまいりましたけれども、その対策については実態的に同じ施策で取り組んでいけるものばかりだということだと思います。地球温暖化対策とヒートアイランド対策、どちらの役にも立つものですから、やらない手はないんじゃないかと私は思っています。

 もう一つ、こうしたヒートアイランド対策を含めた環境対策に真剣に取り組もうと思ったら、その環境の方針を施策の上位に据えること、環境科学の施策をリードする体制をつくることが必要になってくるかと思います。環境施策の優先順位を上げる中で、例えば木を増やすといってもどこなんだという話。これ例えばですよ、中野駅周辺まちづくりだとか、西武新宿線地下化に伴う上部空間の利用などで、今の計画よりももっと増やすだとか、これから整備予定の公園や公共施設などでも樹木をさらに増やす具体的な努力ってできていくんじゃないでしょうか。

 最初のほうで述べましたけれども、既に中野区では内水氾濫や解体中ビル足場崩落など、ヒートアイランド現象に伴うゲリラ豪雨での実害が発生しています。しかし、本来の害は暑さそのものです。ここ数年の猛暑が、高齢者など社会的弱者の命を奪っていることを改めて指摘をしておきます。ヒートアイランド現象の放置は、区民の命と健康を脅かすことです。これは忘れないでいただきたいなと思います。

 次に、4番の質問に行きます。障害児・者施策について。まず最初に、中野区における精神障害者施策についてどういったものがあるか、お示しいただけますでしょうか。

○河村地域包括ケア推進課長 中野区内におけます障害者に対する子育て支援につきましては、障害福祉サービス等があると認識してございます。

○いさ委員 子育て施設というところは求めていなかったんですけれど、ちょっと今からお話しするところに入ってきてしまうので、ちょっと進もうと思います。実は1年前にこの質問をしようと思って用意していたんですけれど、時間切れでできなかった質問がありまして、そのことをちょっと聞いていきたいと思います。

 昨年なんですが、子育て中の精神障害者のピアサポートNPO「生きづらい子育てピアの会(ゆらいく東京)」の代表である水月琉凪さんとお話をする機会がありました。御自身も双極性障害を抱えながら、大変な苦労をして子育てをしてきた経験をお持ちの方です。病気が原因でママ友の輪にも入れず、子育てで孤立し、御自身の病状をさらに悪化させてしまった。でも、運良く理解のある学校の先生やママ友に出会うことができて、苦境を話して理解を得る中で病状が改善していった。そういう経験から、精神疾患があっても子どもを持って子育てしていい、そういう親の居場所をつくりたいという思いが強くなったということだそうです。たまたまメンタルを抱えた方の子育てというテーマを扱っている研究者の方と出会う中で、ゆらいく東京の設立に至り、今も活動を続けています。

 ここでお聞きをします。この中野区内に、メンタルを抱えた方の子育てに関する団体というのはあるでしょうか。

○河村地域包括ケア推進課長 区内に子育て中の障害者に特化した団体、居場所はないと認識してございます。

○いさ委員 私がお話を伺ったこの水月琉凪さんも、自分の周りにそういった団体がないから立ち上げたということをおっしゃっていました。いろいろな問い合わせが来る中には、東京だけじゃなくて近隣県からも参加したいということで連絡があるということだそうなので、やはり広い範囲でそういう団体は存在しない、今までなかったということなんじゃないかと思うんです。中野区では、こうした境遇の方の相談先というのはどうなるでしょうか。

○河村地域包括ケア推進課長 精神疾患のある方の子育て相談は、すこやか福祉センターを中心に対応してございます。関係する部署と連携をいたしまして、孤立せずに子育てができるようにサポートをしているところでございます。

○いさ委員 そうはいっても、あまりかっちりとかみ合わないんじゃないかなというふうに私は思うんです。子育てというふうに特化しているわけではないと。水月さんがおっしゃっていたようなニーズというのは、中野区にも潜在的にあるんじゃないかというふうに思っています。メンタルを持っていても子どもを持ちたい、育てたい、そうした相談が来たら、例えば「せせらぎ」だとか、そういう今言った地域包括支援センターなどのところで、このゆらいく東京という団体がある、相談できるということを知らせていくということが大事じゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

○河村地域包括ケア推進課長 精神疾患のある方の子育て相談は、孤立することなく子育てができるように支援することが重要であり、必要な支援や居場所等につきまして適切に周知してまいりたいと考えてございます。

○いさ委員 そういう中で、そのピアサポートというのもひとつ大事になってくるんじゃないかということで、今お話をさせていただいています。ぜひ相談窓口となる施設の職員のところでは、情報共有できるようにしていただきたいなと思います。こうした誰も取り残さない中野区を実現するためにも、いろいろな分野で民間のNPOとの連携ってこれからも大事になってくるんじゃないかなと思います。区側にはそのための体制づくりが求められているということも、指摘をしておきます。

 水月さんのように自らメンタルを抱えた中での子育てには、健常者には想像できない苦労があるものと思います。中野区では、そうした父母に対する支援策、具体的な支援策というのはあるんでしょうか。

○辻本障害福祉課長 精神障害を持つ保護者の方が十分に子どもの世話ができない場合につきましては、居宅介護サービスの中に家事援助というのがございまして、その中に育児支援がございます。その項目といたしまして、沐浴や授乳、保育園等への送迎、保育園、学校等への連絡援助等を行うことができるということになってございます。

○いさ委員 ありがとうございます。水月さんからは、自分がNPOで活動する上でも、生活面でのサポートや子育てのサポートなど、行政にもっと支援があったらというふうに要望されています。水月さんのお子さんには発達障害があり、家事一般は難しいそうです。自分のことだけでも大変な中、お子さんのこともあるわけですから、行政の支援が欲しいというのは当然のことかと思います。中野では、こうした親子とも精神障害や発達障害を持っているケースでは、どのような対応になるでしょうか。

○辻本障害福祉課長 お子様が発達障害などの障害により支援が必要な場合についてでございますけども、居宅介護、行動援護、短期入所、移動支援、児童通所支援など、障害児として利用できるサービスを提供することができるとされているということでございます。

○いさ委員 これという施策よりも、個別の対応になるのかなというふうに思うんですが、先ほどジェンダー平等の質疑の中で、困難な問題を抱える女性への支援に関する法律についてもお聞きをしました。水月さんのようなケースでは、この法律における支援の対象となるでしょうか。

○国分ユニバーサルデザイン推進担当課長 困難な問題を抱える女性への支援に関する法律は、性的な被害、家庭の状況、地域社会との関係性その他の様々な事情により、日常生活または社会生活を営む上で困難な女性に支援を行うことを定めたものであります。今回のケースについても法の対象になるものでございます。

○いさ委員 何もなくても個別対応はやってきたけれども、新たに後ろ支えになるような法律の根拠ができたということだと思います。それは歓迎すべきことかなと思います。

 ちょっと続けて精神障害の問題で、滞在型グループホームについてもお伺いをしておきます。精神障害者を対象とした滞在型グループホームの需要が大きくなっていないでしょうか。区の認識はいかがでしょうか。

○辻本障害福祉課長 精神障害の通過型のグループホームから単身生活に移行することが難しく、生活面への支援を継続して行う必要がある方につきまして、3年を超えてグループホームを利用しているという例があるということでございます。

 また、区内の精神障害のグループホーム、施設の5年間の推移を見ますと、通過型の施設は9か所から8か所、また、滞在型の施設数はゼロから8か所に増加しているということがございます。これらのことから、滞在型につきましては一定のニーズがあるものと認識しているところでございます。

 区におきましては、障害福祉計画におきまして、対象者数の状況を見ながらグループホームの必要数の見込みを立てているところでございます。

○いさ委員 そうなんですよ。通過型でも定められた3年を超えて滞在せざるを得ないという方が増えているというふうにも聞いていますので、やっぱり滞在型のほうがニーズが高まっているというのは、区も分かっていらっしゃるのかなと思います。この間予算懇談をした団体の方から、滞在型グループホームは本当に運営が大変なので支援を強化してほしいという要望が上がっています。具体的な要望事項があれこれ示されていますが、区としてはどんな支援ができるでしょうか。

○辻本障害福祉課長 区はグループホームの開設の相談に訪れました事業者さんから、運営資金等について丁寧に聞き取りを行い、助言することで、事業者の方の不安を取り除き、安心して利用できるサービス提供体制が整うよう支援を行っているところでございます。

 また、障害者自立支援協議会地域生活支援部会におきまして情報交換を行うなど、グループホーム従事者の専門性を向上させる取組を行っており、今後も事業者間の連携や研修の機会の提供など支援を強化する取組を推進していく考えでございます。

○いさ委員 続けて、就労継続支援B型についても伺います。この団体との懇談の中で、ここを利用されている利用者さんの賃上げをしてほしいという要望が出されています。就労継続支援B型という性質上なかなか難しい課題かと思いますが、例えばその作業で作っている商品の売上げについて区が支援することで、間接的にこの就労継続支援B型を利用される方の待遇面の向上を目指すということはできるのではないかなと思っています。区の産業振興や観光分野と連携して、中野区の観光資源などと結びついた商品開発など、売上げに貢献できる仕組みをつくっていくということはできないでしょうか。また、販路の拡大という点で、区内の就労支援事業者の商品を紹介するホームページの作成などで、言ってみれば協業のようなことできないのか、このことについて伺います。

○辻本障害福祉課長 区では中野区障害者福祉事業団に委託をいたしまして、工賃向上のために、民間企業等に対し受注作業の拡充や、自主生産品の販路拡大に係る働きかけなどを行っているところでございます。また、区内事業所の中には、例えば「ナカノさん」を自主生産品のパッケージに活用している例もございまして、引き続き新たな商品開発や区内事業者等との連携について推進していく考えでございます。

 また、区内事業所の自主生産品につきましては、現在区ホームページ及び中野区障害者福祉事業団のホームページに、福祉売店について掲載しておりまして、この中で紹介しているところでございます。今後、福祉売店で取扱いのない自主生産品につきましても、ホームページに就労継続支援B型事業を実施する事業所のホームページがリンクできるようにするなどいたしまして、周知の拡充を図ってまいりたいと存じます。

○いさ委員 ナカノさんとコラボをやっているというのは、この質問をつくるまで知らなかったんですけど、ほかにも観光資源ってあるんだと思うので、まだまだ工夫の余地はあるんじゃないかなというふうに思います。

 それとホームページについても、今現在も中野区のホームページもあるということなんですけれども、見てもらうためには検索性を向上したりとか、産業振興分野とひも付けて、ほかのところでも掲載するとか、それも工夫できること、支援できることはまだまだあるんじゃないかなというふうに思います。ぜひ検討いただきたいなと思います。

 次に、視覚障害者の支援について伺います。これも今年の懇談の中で出てきたお話ですけれども、「オーカムマイアイ」という製品を紹介されました。これは、視覚障害者の方の眼鏡の柄に装着して使うもので、カメラがついていて、目の前の文章を、内蔵したカメラで読み取って、音声で読み上げるという製品です。こうした新しい技術が、障害を持っている皆さんに役立つ製品を生み出しているということだと思うんですが、こうした新製品についても日常生活用具給付事業で扱えるのでしょうか、伺います。

○大場障害福祉サービス担当課長 区では、視覚障害者用活字読み上げ装置につきまして、日常生活用具給付事業といたしまして、視覚障害の程度が1級または2級の方を対象として給付を行っているものでございます。給付の対象としているものは製品の機能によってとしておりまして、委員御指摘の製品は対象となっているものでございます。

○いさ委員 続けて、聴覚障害者支援についても伺っておきます。聴覚障害者でも、中途失聴の場合は、文字によるコミュニケーションが可能です。これも懇談の中で出てきたお話なんですけれども、窓口に行った際に、外国人対応のAIタブレットを筆談のために応用させてもらったというお話を聞きました。その際に、タブレットが実際に窓口に出てくるまで結構時間がかかったということのようでした。外国人向けAIタブレットを聴覚障害者の方の筆談用として使うことは、そもそも運用としても認められていると担当さんから聞いています。だとすると、こうした運用について現場職員の方への周知を強めることが必要になってくるんじゃないかと思うんですが、この点はいかがでしょうか。

○辻本障害福祉課長 タブレット端末を利用したAI多言語通訳システムには、ただいま委員御指摘のとおり音声筆談機能があり、声で話す内容を即時に文字で表示することが可能となってございます。タブレットの利用を含めまして障害のある方への対応につきましては、チラシを作成いたしまして、庁内ネットワーク等を通じて周知を図ってきたところでございます。今後も職員に対し、再度周知を徹底する考えでございます。

○いさ委員 次の質問に移ります。5番、公園や道路の環境についてなんですが、質問時間の残りの関係で一部割愛して、ここでは桃園川緑道について伺おうと思います。地元課題として、これは何度も取り上げてきたテーマなんですけれども、今年の第1回定例会の本会議での質疑でもこのことを、全面リニューアルの検討ということをお聞きしているんですけれども、そのときの答弁はどうだったかというと「緑道の下部は暗渠の下水道施設となっており、下水道、緑道の一体的施設であることから、下水道施設を管理する東京都の動向を踏まえ、今後検討していきたい」、こういう御答弁を頂いているんです。この質問をした時点で、東京都の下水道局から改修の話があって、緑道のリニューアルはそれ次第ですよねという話なんだと思います。このたび私は、改めて下水道局のほうに確認をしました。工事内容はどうなっているのということで聞いたんですけれども、下水幹線の内側に樹脂のようなものを貼って補強するということで、どこかその立て坑から中に入って作業するというお話を聞きました。ということは、この緑道のリニューアルについては、下水道局が考えるような工事とは切り離して、中野区のペースで実施できるということではないでしょうか。

 改めて、桃園川緑道の全面改修を検討すべき時期に来ていると思います。過去の質疑でも、床面のタイルの剥がれ、植栽のれんが、それから鉢植えの割れ、欠け、手すりのさびなど、あらゆる箇所で傷みが生じていることを指摘してきました。つい最近も、新たに中園橋付近で広範囲な床面の剥がれ、割れが生じています。経年劣化は緑道全体に及んでいるということが想像されます。桃園川緑道の全面リニューアルの検討を進めることについて伺います。

○村田公園課長 桃園川緑道の全面リニューアルについてでございます。桃園川緑道の破損している施設につきましては、その都度維持補修工事を行い、安全管理に努めているところでございます。現時点では全面的なリニューアルを行うほどの老朽化があるとは考えておりませんが、引き続き適切な維持管理を行いながら、全体の状況の把握に努め、必要に応じてリニューアルのタイミング等について検討していきたいと考えてございます。

○いさ委員 これは前の質疑のときにも言っているんですけど、緑道は古いところでもう40年たっているわけなんです。それで、もう本当にあっちこっちで割れたり傷んだりが出てきているので、そっちのほうがコストがかかるんじゃないかと僕は思うんですよ。ですから、これは本当に全面的にやるということは考えてほしいなということをちょっと指摘をしておきます。それで、もしそれをするのであれば、住民参加を基礎とすべきだと思いますが、この点はいかがでしょうか。

○村田公園課長 桃園川緑道の全面改修のプランを検討する際には、オープンハウスやワークショップ等の手法を取り入れ、地域の意見を聞きながら進めていきたいと考えてございます。

○いさ委員 中野区公園整備計画の第1期整備公園として、大和公園についての報告は既にありましたけれど、ここでも同様にオープンハウスとかワークショップでやっているということですよね。この桃園川緑道の場合は、東西に長くて、隣接する地域住民も利用者もすごく多いということでは、検討する中での一定の時間って必要になってくるんだと思うんです。そういう意味でも、できるだけ早期の検討開始ということを重ねて要望しておきます。

 じゃあ、次の質問に移ります。6番、中野駅周辺地域の課題について。これもちょっと時間の関係で、エリアマネジメントについての質問に絞らせていただこうと思います。これまでもエリアマネジメントの問題、いろいろ聞いてまいりました。ちょっと基本的なところから確認をしていきますが、中野区はエリアマネジメントとはどういうものだというふうに考えていますか。

○井上中野駅周辺エリアマネジメント担当課長 エリアマネジメントの定義についてですが、エリアマネジメントとは、官民連携で行う地域の魅力と価値の向上であると考えてございます。

○いさ委員 今おっしゃった地域というのは、どこを指すのでしょうか。

○井上中野駅周辺エリアマネジメント担当課長 エリアマネジメントの対象区域についてですが、中野駅周辺エリアマネジメント協議会のエリアマネジメントビジョンにおける対象区域は、中野駅周辺まちづくりグランドデザインVer.3に定める区域を取組の対象エリアとして位置付けてございます。

○いさ委員 そうなると、例えば中野二丁目や中野五丁目というのは、丁目ごと丸々該当することになるということかと思います。となると、その地域に住んでいる住民の皆さんも、エリアマネジメントのプレーヤーということになるかと思います。その地域の住民がエリアマネジメントに意見を言ったり、参加するという具体的な方法というのはどう考えていらっしゃるのでしょうか。

○井上中野駅周辺エリアマネジメント担当課長 エリアマネジメントのプレーヤーについてですが、中野駅周辺のエリアマネジメントの体制については、エリアマネジメント協議会を中心に区民で構成された地域団体や商店街組織など多様な組織が、包括的、重層的に参画して運営していくことを想定してございます。今年度、エリアマネジメント協議会では、アクションプランの策定や実験的アクションの実施に向けた検討から進めていきますが、エリアマネジメント活動を行う広場のうち、地区施設の公開空地については民有地であることから、そのことを考慮して使い方を検討していく必要があると考えてございます。

○いさ委員 ここの部分が本当に何回聞いてもとても分かりにくくて、今も例えば区民によって構成されたという言葉が出てきたんですけれども、過去のやり取りの中でも、じゃあ、どうやってその区民がどんなふうに入ってきているのかというところがとても曖昧といいますか、自由に区民が参加する、住民が参加する仕組みになっているというふうには思えないなと私は思うんです。

 そのときにも指摘をしましたが、私はいろいろまた本にも当たっていて、エリアマネジメントの定義を見ている限り、どう考えてもこれは直接の地権者と再開発事業者だけではなくて、市民というのが出てくるんです。「エリアマネジメントケースメソッド 官民連携による地域経営の教科書」という本の中にこのエリアマネジメントの定義がどう書いてあるかというと、エリアマネジメントとは、地域の価値を維持向上させ、また、新たな地域価値を創造するための市民、事業者、地権者などによる絆を基に行う主体的な取組とその組織、官民連携の仕組みづくりのことであると。市民って入ってくるんです。区の説明では、そこのところが毎回ちょっと揺れ動いたり、曖昧に感じてしまいます。今も実際にグランドデザインVer.3の中では、その中野二丁目と中野五丁目が入ってくるとなっているにもかかわらず、どうもそこのところの説明を避けているように私は思えてしまうんです。

 加えて指摘をさせてほしいんですけれども、中野駅でやっているまちづくり、この中野駅の周辺というのは、中野区の中心部です。ですから、区役所もあってバスもそこに集まってくるということでは、広く区民がそこを使うということになると思います。また、地域住民は日常的にそこを生活の場として使っているわけです。エリアマネジメントを考えたときには、こういう人たちがいるんだと、

利用者、それから日常的にその空間を使っている人がたくさんいるじゃないか、こういうことを念頭に考えるべきだと私は思います。

 したがって、中野駅周辺の公共空間や公開空地の使い道を決めるエリアマネジメントには、広く区民が意見を言って、活動そのものに参加することを検討するべきで、そのための実効性のある仕組みを用意すべきだということを改めてこの場所で指摘をさせていただきます。これで結構です。

 じゃあ、最後になります。その他のところを一つだけ伺います。今年9月は関東大震災100年ということで、防災の備えについて様々な啓発活動なども日本全国で行われてきました。ここでお聞きしたいのは、その震災における朝鮮人虐殺についてです。公文書にも記録があるとおり、警察や内務省といった治安当局が流したデマによって、東京だけではなく、関東一円で虐殺が起きています。朝鮮人だけでなく、地方出身者や行商など日本人も虐殺に遭っています。今ちょうど「福田村事件」という映画が上映されていますが、震災100年という節目の年で、過去の虐殺についても注目が集まっていて、ネットなどでも話題になっているところです。

 それで23区の区ごとのこの虐殺の証言を集めた関東大震災朝鮮人虐殺という書籍があるんですが、この中には、中野区の記録も記されています。見る限り虐殺そのものの証言はこの本の中にはなかったんですけれど、大小様々なデマが飛び交っている様子や、号令の下に武装した兵士が集合しただとか、中野坂上で抜き身の刀や竹槍を持った軍人が警備をしていたなど、一触即発という状況だったことが記されています。作家の井伏鱒二や思想家の丸山眞男などの著名人も記録を残しています。

 また、ネットで公開されている公文書や民間資料の証言記録集というのもあるんですけれども、この中には、中野町で白刃を掲げたものが、白刃というのはやいばですね、朝鮮人2名を追っかけていたという記述もありました。こうした資料はほかにも山ほど書籍なんかもあるので、今紹介した以外にも中野での記録が存在するという可能性があるかと思います。

 世田谷区では、区内で実際に起きた虐殺事件に関する特別展示をこの9月いっぱい開催しています。中野区でも当時の証言なども用いて、100年前の虐殺に関する展示を行ってはいかがでしょうか、伺います。

○国分ユニバーサルデザイン推進担当課長 世田谷区では、関東大震災のときに区内で起きた殺傷事件について「災害と平和」と題して資料展示を行っていると聞いてございます。

 中野区では区内における実態を把握しておりませんので、まずは実態の調査をしてまいりたいと考えております。

○いさ委員 その実態の調査の点では、既に私の持っている書籍だとかに情報もありますから、情報提供はさせてもらおうというふうに思います。差別がデマを生む。デマに飲み込まれた民間人も虐殺に加わった。この歴史の上に私たちは生きています。たった100年前のことです。この時期に流布されたデマの一つに、朝鮮人が井戸に毒を投げ込んだというものがあります。このデマは、2011年の東北大震災でも、2016年の熊本地震でも既に使われてしまっています。これは教育の敗北というべき事態ではないでしょうか。多文化共生、人権と多様性のまちを掲げる中野区こそ、同じ歴史を繰り返さないという強い姿勢を示す必要があると思います。歴史民俗資料館との連携も視野に入れた特別展示を要望し、全ての質問を終えます。

○杉山委員長 以上でいさ哲郎委員の質疑を終了します。

 次に、黒沢ゆか委員、質疑をどうぞ。

○黒沢委員 令和5年第3回定例会決算特別委員会におきまして、都民ファーストの会中野区議団の立場から、総括質疑を行います。質問は通告どおりで、その他はありません。我が会派の大沢委員より決算全般に係る質問をさせていただきましたので、私のほうからはより特化した形の質問をさせていただきます。

 まず初めに、子育て支援について伺います。物価高騰に伴う子ども食堂の運営助成についてです。

 物価高騰により、食材費、光熱費及び燃料費が増加する中で、地域では工夫をされながら子ども食堂が継続されてきました。中野区としては、区内の子ども食堂の実施状況について直接把握に努められていますでしょうか。中野区では、子ども食堂運営助成金があり、交付事業数は、令和4年度が20か所、令和5年度が25か所と増加傾向です。半分以上の事業が満額支給を希望されておりますが、昨年からの物価高に対し、令和5年度は補助金の増額が必要ではなかったのかと思うところです。説明を求めます。

○原子育て支援課長 子ども食堂の助成金につきましては、直近の状況を踏まえました事業計画を提出いただくことによりまして、各団体の状況を把握した上で交付しておりまして、付随して運営などに関する相談をお受けしているところでございまして、助成金以外の面でも運営の支援を行っているところでございます。運営などに関して個別に相談を受ける中で、物価高騰の影響についての要望が多くはなかったことから、運営助成金の増額には至らなかったところでございます。

○黒沢委員 東京都では都助成事業の補助金額を増額し、子ども食堂の開催に当たり年間48万円が上限となりました。当補助事業を活用している他自治体でも増額をしている状況と伺っています。中野区は一つの子ども食堂につき、年間30万円です。区は区内の全域で食のセーフティネットを構築するという観点から、子ども食堂の数の充実とともに、全ての小学校区への整備を目標として取組を進めていくとしており、その方向性には賛同しているところです。

 しかし、幾つかの子ども食堂に私もヒアリングをさせていただきましたところ、開催回数の多いところは、調理の際に出る事業ごみ収集代金に苦慮しているなどのお声を頂き、継続する上での困難もうかがえます。また、来月10月からは事業系有料ごみ処理券の値上げも実施されるなど、思いだけでは乗り越えられない金銭面のハードルをできるだけ下げるべきと考えております。このような背景から、少なくとも来期に向けて補助金額の見直しをお願いしたいと考えているのですが、いかがでしょうか。

○原子育て支援課長 今年度につきましては、生活に困難を抱える子ども及び子育て家庭を必要な支援につないでいく専門員といたしまして子どもソーシャルワーカーを新たに配置いたしまして、子ども食堂運営団体をはじめとした地域関係団体の声を丁寧に聞き取っているところでございます。そのような取組の中で、子ども食堂を運営している団体の多くが、今年度の当初の想定を大きく上回るような経費が必要と判断される場合には、助成内容も含めまして支援を検討してまいりたいというふうに考えてございます。

○黒沢委員 ぜひ子育て先進区として、増額のことを頭に入れながら前向きに検討をお願いしたいと思います。

 続けて、ベビーシッター利用支援事業(一時預かり利用支援)について伺います。子育て中に、保護者が何らかの理由で身体的及び心理的に困難な状況に置かれたとき、十分な休息や対処ができる時間がないと、生活のバランスを崩してしまう、そのようなことも考えられます。ベビーシッター利用支援事業は、利用対象となっている区民の皆様からは喜ぶ声を頂きますが、中野区は、保育所、幼稚園、認定こども園に在籍している子どもは当事業を利用できないという利用条件が指定されており、多くの子育て中の保護者の方から、利用したくてもできないというお声も頂いております。なぜこのような制度設計になったのでしょうか。

○原子育て支援課長 ベビーシッター利用者支援事業(一時預かり利用支援)につきましては、区内の保育園などで実施しております一時保育事業などの預かり事業が一時的な預かりのニーズを十分に満たしていないという声があったことから、これを補うものとして昨年度10月より開始しているところでございます。この事業は、一時的な休息の必要などの日常生活上の突発的な事情により保育が必要となる場合とともに、ベビーシッターとの共同保育にも対応できることから、相談先の選択肢が少なくなりがちである子育てに不安を抱える家庭における支援の必要性に鑑みて制度設計をしたところでございます。

○黒沢委員 当初の設定については大変理解するところでございます。しかし一方で、保育所、幼稚園、認定こども園に在籍している子どもの保護者の方は日中も働いており、休日には所用があったり、リフレッシュが必要となったりすることもあります。中にはバランスが取れず仕事を継続することができなくなることで、経済的困難に陥る御家庭も出てきてしまうと危惧もしております。

 なお、参考までに、都のベビーシッター利用支援事業(一時預かり利用支援)を実施している他自治体状況を調査いたしました。当事業は、令和4年度に中野区を含め15自治体が実施しております。

加えて、令和5年度からは新宿区、港区が加わり、現在17自治体となっております。17自治体を確認したところ、利用条件を付しているのは中野区と狛江市の二つの自治体のみです。また、狛江市は小学生を対象とした事業としており、状況が異なります。結果、事実として、未就学児童を対象に都のベビーシッター利用支援事業(一時預かり利用支援)を行っている16自治体のうち、保育認定を受けた児童を対象としていないのは中野区だけであるということが分かりました。区として、区民のニーズに対して当事業を今後どのようにしていくのか、考えを伺いたいと思います。

○原子育て支援課長 今年度から令和6年度にかけまして、令和7年度からの5年間を期間として、一時保育事業を含む子どもの預かり事業全般の見込み量を定めていく子ども・子育て支援事業計画を改定していく予定でございます。計画改定の検討や調査を行うことで、ベビーシッター利用支援事業を含みます預かりサービスのニーズを図り、子どもを預けたいと考えている方がより利用しやすくなるよう、一時預かり事業全体が最適となる形を目指して進めていきたいと考えております。

○黒沢委員 ぜひ網羅的に考える必要がありますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 続けて重度の障害を持つお子さんと家族のウェルビーイングについての質問に移ります。今年の7月には、子どもの預かり関連サービスについて子育て家庭と区長のタウンミーティング、子育てカフェもございました。大人10名、子ども6名が参加されたと伺っており、区民の皆様から率直な御意見を頂く機会をつくっていることを高く評価しております。

 一方で私の下には、重度知的障害で小学生のお子さんを持つ保護者の方から次のような声も届いております。子どもの一時預かり関連というテーマを見て参加したいと考えたが、来年中学生になる子どもの一時預かりについて意見してよい場なのかを悩んだ。イベントの参加を募るチラシを見たところ、赤ちゃんとお母さんの写真があったため参加を控えたが、重度知的障害を持つ子どもたちにも一時預かりを使わせてほしいという声です。

 実際に、特別支援学校でも、小学生のうちからショートステイの体験を勧められることがあるそうです。空きがあれば受入れ可能なところがあるようですが、現実に重度の障害のあるお子さん目線で宿泊を受け入れてくれるところはありません。文京区、港区には子ども専門の施設がありますが、中野区民の利用にはつながりづらい状況です。昨今の高齢出産の増加に伴い、子どもが低年齢のうちから親の体調不良等のリスクが高まること、また、職場でもキャリアを積んで出張、単身赴任をするケースやシングルの家庭も想定すべきです。

 重度の障害のあるお子さんを安心して預けられるショートステイの整備を計画していただきたく、強く要望いたしたいと思います。答弁を求めます。

○大場障害福祉サービス担当課長 現在、区では、7か所におきましてショートステイを実施しているところでございますが、重度の障害児を受け入れているところはない状況でございます。今後も実施事業者に対しまして、重度の障害児の受入れについて引き続き働きかけをしていきたいと考えております。

 また、令和9年度の開設予定で、区が整備した建物を民間事業者に貸し付けて運営する江古田三丁目重度障害者グループホーム等におきまして、医療的ケアを必要とする方の短期入所を実施いたしますが、重度を含む障害児の受入れについても、運営事業者と調整を図ってまいりたいと考えております。

○黒沢委員 ありがとうございます。グループホームは大人も利用する施設であるため、子ども目線の環境づくりには留意いただき、ぜひご検討いただけたらと思います。

 また、当グループホームは12床となっていることから、グループホームも不十分と考えております。現在の区の考えと、これからの計画をお聞かせください。

○大場障害福祉サービス担当課長 重度障害者のグループホームにつきましては、江古田三丁目で施設整備を行い、民間事業者による運営の開始で終了ということではなく、今後も整備が必要と認識しております。今後もニーズを十分把握し、事業者への周知、誘導を行いながら、整備手法も含めて検討してまいりたいと考えております。

○黒沢委員 ぜひ進めていただけたらと思います。また、重度の知的障害のあるお子さんが利用できる放課後等の施設においては、放課後デイサービスセンターみずいろと療育センターゆめなりあ、学童となっておりますが、利用希望者数に対して応え切れていない状況に見えると、保護者の方から伺っております。中野区では中学生以上になると学童が使えなくなるため、共働き家庭のお子さんは早朝と夕方や学校のない春休みや夏休みなどの居場所は充足しておりません。現在は、移動支援と放課後デイサービスをつなぎ合わせてどうにかしのいでいる御家庭も多い状況ですが、お天気が悪い日などは、特に現行制度内では困難が生じている状態です。

 障害のあるお子さんについて地域で対象時間の居場所をつくっていただくことや、在宅訪問支援も含め、障害者計画や障害児福祉計画に盛り込んでいただき、子どもの権利条約の四つの観点を踏まえながら、計画を早急に進めていただけたらと考えますが、区のお考えをお聞かせください。

○大場障害福祉サービス担当課長 中学生以上の障害児の放課後の居場所につきましては、放課後等デイサービス事業者が現在区内に28か所ございまして、重症心身障害児を受け入れる放課後等デイサービス事業所は2か所でございます。十分に足りているとは言えない状況であることは認識しているところでございます。これらの課題につきましては、次期の中野区障害者計画や第3期障害児福祉計画に盛り込み、子どもの最善の利益を踏まえた視点で課題解決に取り組んでまいりたいと考えております。また、障害の状況、年齢、生活の背景等それぞれに合わせた多様な支援を提供するために、制度の拡充や財政支援につきましても、国や東京都のほうに求めていきたいと考えております。

○黒沢委員 ありがとうございます。ぜひ進めていただきたいと思います。また今後も、多様なライフスタイルの方がいらっしゃるということを前提に、相談窓口では今ある制度を紹介するだけでなく、必要な福祉サービスを中野区民一人ひとりに着目して生み出していくということも含め、区は責務として認識しなければならないと考えますが、いかがでしょうか。

○辻本障害福祉課長 障害福祉サービスにつきましては、基本的に法により全国共通の基準で行う事業と、地域の特性や利用者の状況に応じた柔軟な形態により実施する事業等により提供されているところでございます。区といたしましては、障害のある方が身近な地域において能力や適性に応じて自立した日常生活、社会生活を営むことができますよう、既存のサービスの在り方や新サービスの提供等について検討を進め、障害のある方が自らの選択によってサービスを利用していけるよう、相談窓口等を充実させてまいりたいと考えてございます。

○黒沢委員 御丁寧な回答ありがとうございます。そうですね、そのためには、区民の声を聞く相談窓口の担当者の方が、任務として今あるというサービス以外の可能性も含めて対応していくことが望まれます。また、働くことを望んでいる障害児の保護者に対し、働くことを諦めなくてよいというメッセージを発信し、相談につなげていっていただきますようお願いしたいと考えます。いかがでしょうか。

○辻本障害福祉課長 昨年度実施をいたしました、障害児を対象といたしました障害福祉サービス意向調査におきましても、利用できるサービスについての広報、周知を求める回答を数多くいただいているところでございます。これにつきましては重要な課題であると認識しているところでございます。

 区といたしましては、働きながら障害児の方を育てている保護者の方をはじめ、困難を抱えた方に寄り添い、安心して相談していただけるよう、御提案の趣旨も含め、広報、周知の在り方について検討してまいりたいと存じます。

○黒沢委員 ぜひ取組を進めてください。ありがとうございます。

 次に、妊娠・出産・子育てトータルケア事業について質問をいたしますが、現在中野区では途切れ目のない子育て支援を掲げ、全ての妊婦を対象としサービスを展開していると認識しております。妊娠・出産・子育てにおいて、妊婦のパートナーに対する事業の実施状況はいかがでしょうか、お答えください。

○高橋すこやか福祉センター調整担当課長 パートナーの方が参加可能な事業といたしましては、かんがるー面接、こんにちは赤ちゃん学級、オンライン両親学級、父親向け離乳食講習会、こんにちは赤ちゃん訪問がございます。

○黒沢委員 幾つかの事業があるということで、ありがとうございます。一方で、多様な働き方をする御家庭があって、区民の方からは、産後は夫にも積極的に育児に参加してもらう予定であるが、かんがるー面接の際に夫が子育てについて学ぶ講座の案内がなかった。そして、子育ては母親が中心で行うものという前提というふうに感じ、とても疑問を感じたというようなお声も頂いております。東京都のとうきょうママパパ応援事業では、全ての子育て家庭に対し、妊娠期から行政の専門職が関わることにより、出産、子育てに関する不安を軽減するとともに、各家庭のニーズに応じた支援を妊娠期から子育て期にわたって切れ目なく行う区市町村を支援するとしています。

 中野区においても、途切れ目のない子育て支援の観点から、妊婦のみならずパートナーに対しても断片的ではないサポートを届けていくことが必要ではないでしょうか。今後改善をしていただきたいなと思いますが、いかがでしょうか。

○高橋すこやか福祉センター調整担当課長 パートナーの方が、産前から産後にかけて変化する母親の心身の状態を理解し、気持ちに寄り添うことが、ともに子育てをすることにつながると考えております。切れ目のない子育て支援のためには、パートナーの方に向けた継続的な支援が重要と考えており、今後充実させていきたいと考えております。

○黒沢委員 ぜひよろしくお願いいたします。

 それでは次の質問ですが、病児保育についてです。第2回定例会において、他会派から質問が挙がっておりました。その際、総合東京病院は区内唯一の病児保育実施施設ですが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によって、令和2年5月から令和4年9月まで事業を中止している状態であったこと、そして再開した令和4年10月以降も小児科医の確保が困難であるなどの理由によって、病児の受入れを安定的に行うことができていない状況にあると答弁がありました。また、区としては、改善策を検討するとともに、引き続き安定的な運営のための体制確保を求めるため協議を継続していくと締めくくられていました。

 総合東京病院との協議は継続していただきながら、北部以外のエリアに新たな病児保育の環境整備を行えないか、早急に研究を進める必要があると考えましたが、いかがでしょうか。

○原子育て支援課長 病児保育の拡充につきましては、区としても重要な課題として認識しておりまして、既にほかの自治体での実施状況を把握するとともに、区に関連する医療、保育関係者からの情報収集を行っているところでございます。病児保育の受皿を広げていけるよう、引き続き検討してまいりたいというふうに考えております。

○黒沢委員 ありがとうございます。具体的にどのような動きをされているかというところが私たちもつかめていないところがあり、質問させていただきました。私はその答弁を頂きましたことを受けて、深刻に受け止めました。この数か月間、地域活動を通じて、病児保育の協力をしてくれる方がいないかなどの調査を行うようになりました。その中で、中野区の協力があれば病児保育ができる小児科をやってもよいかもしれないと考えている小児科医がいることも分かってきました。このような方がいる状況に対して、区はどのように対応していくのかなどをお聞かせください。また、可能性のある事業者や医療機関、小児科医などからの情報収集に努めることで、実現する可能性もどんどん高まっていくと考えています。このような方々と話をする機会を積極的に設ける必要があると考えますが、いかがでしょうか。

○原子育て支援課長 病児保育の実施のためには、専門職や実施場所の確保などの課題があるところでございまして、諸条件を整理した上でどのように実施体制を確保していくのか検討していく必要があると考えております。御指摘のような、今後病児保育を担うことができる可能性のある方々の御意見を伺いながら、検討を進めてまいりたいと考えております。

○黒沢委員 ぜひ早急に対策を進めていただけたらと思います。また、施設を要しない形では、ベビーシッター利用支援事業の拡大も含め充実を図っていただけますよう要望いたします。

 次に、福祉職の人材育成プラン及び評価について伺います。昨今、介護保険法、社会福祉法、障害者総合支援法、児童福祉法などにおいて、国や都による一律の仕組みでは対応できない、地域ごとのニーズに対応する独自のサービスや仕組みづくりができるようになり、区独自の福祉施策は重要になってきました。福祉職には、中野区の地域から必要な福祉施策をつくるための一端を担う視点も求められています。ほかにもスペシャリストとして、児童相談所の児童福祉司のように専門分野により特化する職種に就く場合もあれば、マネジメント職として若い職員を育てていく人材なども必要です。このように福祉職のキャリアは多岐にわたっており、人材育成、キャリアのビジョンを中野区として明確にし、福祉職が短期、中期、長期の目標設定を行うことが重要と考えています。

 まず現状を確認してまいりますが、2018年度に策定された福祉職人材育成プランの策定時において、区の福祉職の職員数は、中核の役割が期待される30歳、40歳代の職員が50歳代以降の世代と比較して極端に少ない状況にあるように見てとれました。現在、その年齢層のアンバランスは改善傾向にあるのでしょうか、伺います。

○石橋人事政策・育成担当課長 委員御案内の福祉職の人材育成プランをつくりました2018年度におきましては、福祉職は50歳代以上が6割から7割ぐらい、3分の2を占めていました。現在は、福祉職の安定的な採用とともに経験者採用の活用拡大により、50歳代以上が4割程度となり、年齢構成のバランスは一定程度改善をしてございます。

○黒沢委員 改善傾向にあることで安心いたしました。それでは、2018年度に福祉職の人材育成プランを策定後、児童相談所の開設や児童館のソーシャルワーク機能など、福祉職としての機能の役割が拡大していることから、新たな要素を加味した戦略的な育成プランの改定の時期にあると思いますが、いかがでしょうか。

○石橋人事政策・育成担当課長 人材育成基本方針でも技術専門職の人材マネジメントを重視しておりまして、取組事項として主要職種の人材育成プランの策定や改定を挙げてございます。福祉職につきましても、令和6年度の改定に向けて検討を進めているところでございます。

○黒沢委員 ありがとうございます。令和6年度にということで、今まさに取り組んでいるところということで幾つか申し上げておきたいと思います。福祉職の配置先は多様で、職場ごとに求められる能力、経験が異なることから、組織として求める能力等を明示することによって、職員のキャリア形成への寄与や自己研さんの動機付けになると考えます。いかがでしょうか。

○石橋人事政策・育成担当課長 福祉職に限ったことではございませんが、職に求められる能力や経験と個人の能力とをマッチングさせることは、組織としての適材適所や個人のキャリア形成におきまして、全ての職種において極めて有効であるというふうに考えてございます。職が求める能力等の明確化が課題ではございますが、福祉職の人材育成プラン改定の中でも検討したいというふうに考えてございます。

○黒沢委員 ありがとうございます。また、福祉職の人材育成等に関する職員向けアンケートにおいては、上司から自己研さんについて評価されることがほとんどないと感じているとの職員のコメントもあります。自己研さんの結果を人事評価に反映させたり、職場配置や職務分担において上司や組織から適切なフィードバックがもらえるような仕組みを構築することも、本人の動機付けに貢献していくと考えますが、いかがでしょうか。

○石橋人事政策・育成担当課長 自己研さんそのものだけをもって人事評価に直結させることについては、慎重な検討が必要というふうに考えてございます。一方、高めた能力を最適な場所や職務で発揮することは、組織、職員双方にとってメリットが多いというふうに考えてございます。導入した人材マネジメントシステムの活用の可能性とともに、適材適所を実現させる仕組みの構築を検討していきたいというふうに考えてございます。

○黒沢委員 ありがとうございます。とりわけ新たな形へと変化を遂げていく児童館については、これまでの児童指導としてのベテラン職員のノウハウはもちろん、新たにソーシャルワーク機能として必要なスキルも求められることになります。今後の児童館職員の育成の考え方について伺っておきます。

○細野育成活動推進課長 児童課の所管よりお答えいたします。児童館職員は、日常の遊びなど身近な場面から子どもや保護者の課題の把握、解決につなげ、エリア内の地域資源を活用したネットワーク支援を強化する役割を担っていくものと考えてございます。児童館には福祉職を配置していく考えでございまして、ジョブローテーションにおいてすこやか福祉センターや児童相談所等の様々な福祉職場の経験を蓄積させるとともに、研修等によってスキルの向上を図り、幅広い視点から子育て支援施策全体のさらなる質の確保、向上に資する役割を担える職員となるように育成してまいりたいと考えてございます。

○黒沢委員 ぜひ具体的に区が目指す方向性みたいなものをしっかりと職員の方に提示していただいて、その上で役割をしっかりとお伝えし、力を合わせて育んでいっていただけたらと思ったらと思います。

 なお、福祉職の人材育成等に関する職員向けアンケートにおいて、実際に福祉職として働いてとてもよかったと答えている職員、そして良かったと答えた職員、合わせると80%を超えております。多くの職員にとってよい職場環境であるということは分かる内容となっています。一方で、よくなかったとあまりよくなかったと答えている職員は、合わせて約18%でした。

 このアンケートで気になった点としては、専門職としての職場に配置されないケースが増えていることで、やる気をなくしてきている職員がいるということや、福祉職に特化された職場がない、そして事務職と同様の業務を行っているため、この職場で福祉職としてどのように専門性を発揮できるのか自分自身で分かっていないというようなものでした。こうした配置のミスマッチの状況について、区の現状認識と対応策についてお聞かせください。

○石橋人事政策・育成担当課長 近年福祉職と事務職の職域の拡大とともに、仕事の複雑化によって職種や業務の明確な境界がなくなって、場合によっては職務と職種のアンマッチが生じているところがあるという認識でございます。各職場とのヒアリングの中で、そのアンマッチが業務効率や職員のモチベーションの低下につながっていることが判明した場合は、その状況の解消を図るように、適切な職としての配置、採用を進めているところでございます。

○黒沢委員 改善に向けて動いているということが伝わってまいりましたので、引き続きお願いしたいと思います。福祉職員が能力を生かし、成長し続けながら、各方面のプロ集団としてさらに成長していくことで、区民サービスの向上に直結していくことを期待しております。ぜひよろしくお願いいたします。

 次に、中野区役所の障がい者雇用について伺います。令和4年、障害者雇用促進法改正では、事業主の責務として、障害者の週所定労働時間10時間以上20時間未満で働く重度の障害者や精神障害者の実雇用率への算定による、障害者の多様な就労ニーズを踏まえた働き方の推進が盛り込まれました。中野区役所の障害者雇用において、令和3年から法定雇用率を2年連続で下回る結果となっております。現在の雇用率と採用方法をお教えください。

○吉沢職員課長 令和5年6月1日現在におけます中野区の障害者雇用率につきましては2.36%でございます。

○黒沢委員 採用方法についてもお願いいたします。

○吉沢職員課長 採用につきましては、障害のある方を対象としまして、常勤職員を採用するために実施している特別区(東京23区)職員採用試験を受験していただくということになります。

○黒沢委員 ありがとうございます。2.36%ということは、3年連続で下回る結果となっており、現在も課題は残っている状況ということになります。なお、令和6年4月1日の施行分のところで制度改正もあります。そうしますと、重度の身体障害者、重度の知的障害者、精神障害者の方を雇用した場合、特例的な扱いとして実雇用率上1人をもって0.5人と算定することも可能になります。その改定にぜひお目通しいただきたいなというふうに思います。

 中野区には幾つかの就労移行支援事業所がありますが、就労フェーズにある利用者もいらっしゃるようです。来年度の制度改正施行に合わせて、まずはそのような機関と連携し、多様な就労ニーズを踏まえた区民枠の採用を進めていってほしいと考えておりますが、いかがでしょうか。

○吉沢職員課長 障害者の中には、その障害特性や体力などからフルタイムで働くことが難しく、短時間勤務の需要があることを認識してございます。委員御案内の令和6年4月1日施行分、改正障害者雇用促進法の趣旨を踏まえまして、関係機関と連携して会計年度任用職員等の採用を検討していきたいというふうに考えてございます。併せて、ジョブコーチのような役割を担う、支援をする者等の配置も検討いたしまして、障害がある方にとって働きやすい環境整備をしてまいりたいというふうに考えてございます。

○黒沢委員 ありがとうございます。とても前向きな御回答をいただけたと思います。私が申し上げたいのは、法定雇用率を満たすということは義務ですけれども、満たすことだけのために行動してほしいというふうなことではありません。雇用率にかかわらず、働きづらさを抱えている方が働く喜びを感じることができる中野区、このようなことを大義に掲げ、中野区役所から取組を広げていってほしいと願っています。その視点を持ってぜひ課題に取り組んでいただけたら、大変ありがたく思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 介護現場の人材確保について伺います。昨年私は、私自身も通所介護事業所で働いていました。ほかの事業所の方からは、ヘルパーが不足していて事業所を畳まなければならないかも知れない。入院した利用者さんが自宅に戻るためには訪問介護が必要になりそう。けれどもなかなかヘルパーさんが見つからない。家に帰ることができないかもしれないなど、失望したようなお声を伺ってきました。

国が介護報酬の改定を抜本的に見直さない状況が続き、介護現場から若い方がだんだんと離れていったり、全くこの異なる職種、業界へ転職していくという姿も見てきました。

 東京都では東京都介護職員宿舎借り上げ支援事業、いわゆる家賃補助支援の制度を実現し、また、中野区も同じように対象を広げ、そして介護職の方の所得を増やす施策となりました。中野区でも、介護事業所連絡会で当制度の情報提供してくださったことには、大変感謝しております。しかし、それだけでは課題は解決しておらず、危機感を持って区が対応すべき重要課題と考えております。現在の中野区の施策と実績をお教えください。

○古本介護・高齢者支援課長 令和4年度の介護従事者定着支援事業といたしましては、初任者研修と実務者研修におけます研修受講費用の助成を、それぞれ15件と33件行いましたほか、介護福祉士資格の受験手数料の助成を32件行ってございます。また、介護の魅力発信事業といたしまして、介護サービス事業所連絡会が行います広報事業への補助を行ったところでございます。

○黒沢委員 ありがとうございます。様々な施策を打ってくださっているということも、資格補助もとても大事な制度だと思います。ぜひ継続していただきたいと思っています。東京都では今後ますます必要となる福祉サービスを担う人材を確保するため、多様な人材の参入を促進するポータルサイト「ふくむすび」を開設しました。このふくむすびのパンフレットは、中野区内の区民活動センターなど全域に配置されているとのことですが、区で行っている研修関連情報をふくむすびに掲載してはいかがでしょうか。

○古本介護・高齢者支援課長 東京都では、都民と福祉職場とをつなぎますポータルサイトふくむすびを開設しておりまして、このサイトの活用により、介護に関する研修やイベント情報等を広く周知していきたいというふうに考えてございます。

○黒沢委員 ありがとうございます。中野区ではRUN伴(ランとも)のイベントが行われるなど、介護や医療の方々と心強いネットワークが構築されています。今後、介護という仕事が身近なものになるよう、区が事業者の皆様と力を合わせて発信をしていってほしいと考えています。まずは今申し上げましたふくむすび、そして中野区独自で展開しているけあプロnaviの内容をもうちょっと広く充実させていっていただきまして、学校や地域に展開し、介護の現場を選択する機会をつくってはいかがでしょうか。

○古本介護・高齢者支援課長 委員御紹介のございました東京都のふくむすびにつきましては、令和6年4月に人材のマッチング機能を新たに追加するなどのリニューアルが予定されているというふうに聞いてございます。また一方で、区のポータルサイトでございますけあプロnaviにつきましては、区内の事業所への周知が進んでいることもございまして、先ほどの都のふくむすびと併せまして、効果的な介護人材の確保、誘導に活用していきたいというふうに考えてございます。

○黒沢委員 さらに福祉人材無料職業紹介所、東京都福祉人材センターに登録されている中野区内の職場体験受入れ施設及び事業所は16か所ありました。区としても積極的に広報することで、マッチングの件数も増えていくと考えますが、いかがでしょうか。

○古本介護・高齢者支援課長 区内の介護サービス事業所と連携をいたしまして、職場体験受入れ施設の拡大に努めますとともに、介護人材と職場とのマッチングについても取り組んでいきたいというふうに考えてございます。

○黒沢委員 ありがとうございます。人材確保には具体的な定量目標を持って介護人材対策事業を進めていただく必要があると考えています。東京都では2025年に約3万人の介護職が足りないと言われておりますが、中野区ではどれぐらいの介護人材が必要になるかを人口統計などから分析していますでしょうか。

○古本介護・高齢者支援課長 2025年時点での介護人材の不足数につきまして、東京都が公表している数値を基に東京都全体の人口に占める中野区の人口の割合によりまして、約750人というふうに推計することができるかと考えております。

○黒沢委員 2025年までに750人の人材確保は本当に大変な課題だと思います。都や国に働きかけることもしなければならないと思います。また、人材不足が顕著な事業種別や職種においては、事業者の人材紹介に係る費用を補助することも含め、検討を進めていただけたらと思います。要望いたします。

 最後になりますが、中野区として介護現場を守ることは、働きたい方の介護離職を防ぐことにもなり、多くの区民の皆様の生活を守ることにつながっていきます。改めて重要課題と認識いただき、新たな施策を生み出し、地域においてきめ細やかな展開を行っていただけたらと思います。

 以上で私からの質問を終わります。早口になりました。ありがとうございました。

○杉山委員長 以上で黒沢ゆか委員の質疑を終了します。

 次に、間ひとみ委員、質疑をどうぞ。

○間委員 令和5年第3回定例会決算特別委員会において、立憲・国民・ネット・無所属議員団の立場から総括質疑をさせていただきます。通告の中の5、若者政策については、またの機会に伺います。

 財政白書によれば、令和4年度決算の概要といたしましては、令和4年度の普通会計による歳入決算額は1,694億円、歳出決算額は1,623億円でした。翌年度に繰り越すべき財源7億円余を除いた実質収支は64億円、実質収支比率は7.4%、経常収支比率は前年度比2.3%減の70.4%、実質公債費比率はマイナス4.1%でした。健全化比率の四つの指標はいずれも健全性を示しており、中野区の財政が好調であることを示しています。

 決算の審査に当たっては、これまで先輩議員による鋭い指摘を見てきまして、あんなふうにしっかりと決算の数字が読めるようになり、財政に関する質疑ができるようにと思ってきましたので、財政の健全性とは何か、中野区の未来を考えたとき指標をどう読み解くのがよいのか、自分なりに考えました。そして取材をさせていただいているうちに、だんだんと沼にはまっていき、財政の奥深さを実感したところです。区民を代表して決算の審査をしていく立場ですので、その役割を果たせるよう、今後も自己研さんしてまいりたいと思います。それでは質疑に入ります。

 まず令和4年度決算について伺います。決算の説明書を見ている中で、気になる数字がありました。決算説明書の486ページ、諸支出金の積立金の中の財政調整基金積立金の予算現額は152億円余、支出済額143億円余、不用額として9億円余が計上されており、執行率は94.1%となっています。例年に比べ、これだけ低かった理由を伺います。

○竹内財政課長 諸支出金のうち財政調整基金積立金の執行額について未執行があり、約9億円という不用額が生じたものでございます。

○間委員 ちょっとゆっくり御答弁をお願いいたします。今、未執行ということでしたけれども、言葉を変えれば積み忘れだと思います。お金に色がついているわけではないんですけれども、9億円余という金額は、何を積み忘れたということなのか、具体的な内容について教えてください。

○竹内財政課長 内訳についてでございます。繰越金の一部と競馬組合配分金相当額等の積立てについて未執行があったものでございます。

○間委員 そうしますと競馬組合の配分金が5億円ですので、繰越金のほうは4億円ということだと思います。財政調整基金に積むものに関しては考え方があると思います。それでも積み忘れてしまうというのは、どうして起こってしまうんでしょうか。

○竹内財政課長 こちらのほうにつきましては、年度間の大きな額の歳入歳出予算の状況を相対的に見る必要がありまして、また、このような管理を短時間で処理するという事務でございまして、複雑な処理を短時間で行う、こういったことだと認識してございます。

○間委員 本当に短時間で決算に当たってしっかりとやっていただいている、それはこれまでも変わらない中で、いわゆる人的ミスだと思います。こういったことが発生していると思います。この486ページを見ただけで、ちょっとこの数字がおかしいかなということは私でも思ったりするわけで、こういったところの単純なミスかもしれないんですけれども、見落としかもしれないんですけれども、やっぱりこういったことがないようにしなければならないということは言わなければならないと思います。こういったものこそDXの推進というものの対象としていくべきだと考えるんですけれども、いかがお考えでしょうか。

○竹内財政課長 複雑な状況判断の処理などについて、なるべく単純な仕組みにして、不用額が生じないように適切に進めていきたいと考えてございます。

○間委員 本当に膨大な数字を見られているという中ですので、なかなかその一つの数字がちょっとおかしいなということを気付くのは難しいかと思います。そんな、ここおかしいよ、ぴこんって教えてくれるような何かシステムがあったりするかは分かりませんけれども、他の自治体でもこういったミスがないようにとされている中で、何か区でも取り入れられることがあれば、ぜひ取り入れていただきたいということは要望しておきます。

 この積み忘れによって余剰金となっても、タイムラグがあるものの、令和5年度決算時には財政調整基金に積まれているはずですので、そういった意味では問題がないと言えるのかもしれません。しかし、先ほども申し上げましたけれども、区民に現状をお示しするための数字にミスがあってはならないと思います。この積み忘れの9億円、例えばほかのどのような数字に影響があるのでしょうか。

○竹内財政課長 財政指標への影響についてでございます。令和4年度決算においては、実質収支比率は7.4%でございましたが、不用額分のおよそ9億円を執行したものと仮定した場合、実質収支比率は6.4%となります。このように、実質収支、実質収支比率、単年度収支及び実質単年度収支などの数値が異なってくるものでございます。

○間委員 ありがとうございます。一般会計と普通会計上の翌年度に繰り越すべき財源についても伺いたいんですけれども、経年で見ても基本的には同額が計上されているものと思います。違いを私が見つけたのは、令和2年度決算と令和3年度決算のみでした。何があったのか、その背景を教えてください。

○竹内財政課長 通常、繰越明許の翌年度に繰り越すべき財源というものは、既収入特定財源と一般財源を足したものになります。普通会計では、令和2年度及び令和3年度について、総務省からの指示により、当該年度中に交付されなかったコロナ関連事業費に係る財源を未収入特定財源として処理することになり、その額を翌年度に繰り越す財源から差し引いておりまして、一般会計上との違いが出たものでございます。

○間委員 経年で見ると数字が同じことから推測すると、こういったケースというのは、これまでになかった特別な事情なのかなというふうに考えるんですけれども、いかがでしょうか。

○竹内財政課長 特別な事情であると考えてございます。

○間委員 その特別な事情により、令和2年度は10億円、令和3年度は19億円が翌年度に繰り越されたものの、当該事業には交付決定後に国庫補助金が充てられた。10億円と19億円は、それぞれ使われることなく、剰余金として残すしかなかった。また、普通会計における翌年度に繰り越すべき財源としては除いているために、会計上は問題がないということでよろしいでしょうか。

○竹内財政課長 令和2年度は新型コロナウイルスワクチン接種体制確保事業の約10億円、令和3年度は住民税非課税世帯等給付金約19億円について、年度中に交付決定されていないため、事業の繰越しに当たり、財源を一般財源としたものでございます。執行年度においては、各事業とも国庫支出金として交付を受け、ほかの歳入予算と同様に、当該年度の歳入の一部として取り扱ってございます。会計上の問題は生じないものと考えてございます。

○間委員 そうしますと、会計上は問題はないとしても、とても大きな金額が2年にわたってただ繰り越されただけということになってしまっています。事情があるとはいえ、最初から未収入特定財源として処理をできていれば、繰り越す必要がなかったということですよね。それを加味したときに、実質収支や単年度収支に影響すると思います。どのように変わってきているのか、御回答をお願いいたします。

○竹内財政課長 こちらのほうは、例えば令和3年度に実施された事業に対しまして、何らかの事情により補助金が令和4年度に交付される場合、令和4年度において一般財源として取り扱うことになりますけれども、こういったことはまれなケースであると考えてございます。

○間委員 実質収支や単年度収支に実際に影響した額は、仮になんですけれども、幾らになるのか、お答えいただけますでしょうか。

○竹内財政課長 仮に令和3年度実質収支から約10億円を控除した場合、実質収支額は約31億円余、単年度収支はマイナス2億4,000万円余になります。また、仮に令和4年の実質収支額から約19億円を控除した場合、実質収支額は44億円余、単年度収支は約13億円余となると想定されてございます。

○間委員 ありがとうございます。そうすると、この財政白書22ページを見ていただければ分かりますけれども、令和3年度は61億円というところが、仮にそういった事情を考慮した場合は31億円、令和4年度実質収支64億円が、事情を加味すると44億円になるというところで、大きく数字が変わってきて、それに伴って実質収支比率も変わってくると思います。先ほどさらに指摘をしました財政調整基金に積み忘れた9億円というものも加味すると、どうなりますでしょうか。

○竹内財政課長 仮に、さらに令和4年の実質収支額から財政調整基金積立金の9億円を控除した場合、実質収支額は約35億円余、単年度収支は約4億円余となると想定されます。

○間委員 それを伺うと、こちらの財政白書に出されている実質収支、もちろん会計上はもうこれが正しいということですけれども、いろんな事情を加味したときには、実質収支比率はおおむね3%から5%が望ましいと言われている中で、中野区は4.1%で適正な範囲であると見ることができると思いますが、いかがですか。

○竹内財政課長 今御指摘いただきました計算によれば4.1%となるものでございまして、こちらは3%から5%に収まることとなると考えてございます。

○間委員 財政白書に示されている数字というのは、やっぱりどうしても決まった計算方式で出さなければならない数字ですので、これを変えるとかという話ではもちろんございません。ですけれども、やはり背景にあるものもしっかりと把握して、これだけかけ離れている数字というのが背景を加味すると出てくるということです。新型コロナ関連の事業が原因であるならば、全国で同じように現実とは異なる数字で財政状況を見なければならないということでもあると思います。

 区民が見たときには全く見えない数字とも言えますので、こうやって決算の審議の中で明らかにしておくこと、議事録に残しておくことが重要だと思っています。今後、誰が見ても分かりやすい資料を作成するということが、区民への説明責任を果たすことでもあると思いますが、見解を伺います。

○竹内財政課長 普通会計は国の統一した基準に基づき全国的に統計を行う概念上の会計であり、正しい統計手法と認識してございます。令和2年度や令和3年度のように処理により違いが生じる場合は、説明の工夫を行うなど検討してまいりたいと考えてございます。

○間委員 適切な財政処理を行い、分かりやすい資料を示していただくことを期待しまして、次に、経常収支比率について伺います。

 特別区税や特別区交付金などの増による影響で、令和4年度の経常収支比率は70.4%となりました。3年連続で比率を下げているということに加え、23区平均との差も3年にわたり広がり続けています。経常収支比率は75%が適当、80%を超えると硬直化という目安がありますが、それを言われ始めた昭和40年代と現在では、地方自治体が優先的に取り組む政策がそもそも異なるため、70.4%という数字をどう受け止めるべきか戸惑うところです。しかし、この数字が低いということは、臨時の財政需要が区民ニーズに対応した事業の実施が可能であるという側面からすれば、他区と比べると物価高騰の中で困っている区民に対しての支援が適切にできていたのかと考えることもできます。

 令和4年度の中野区の経常収支比率を23区平均と比べるとその差は6.3%です。仮に中野区が23区平均と同等であったとすれば、その差は幾ら分に相当いたしますか。

○竹内財政課長 仮に算出式の分子である経常経費充当一般財源の規模に約58億円を加算いたしますと、23区平均の76.7%になると推計してございます。

○間委員 中野区が経常収支比率を23区平均まで上げるとすれば、あと58億円、経常経費充当一般財源の大部分を占める人件費や物件費、扶助費などに使えるということになりますよね。それでも76.7%です。歳入の上振れが想像以上だったのは23区共通の現状だと思いますが、中野区と比べて他区は、令和2年度以降、経常的な事業を実施できていた、こういう見方もできると思います。見解を伺います。

○竹内財政課長 他区の具体的な事業につきましては、各区が置かれた状況において政策的な判断を行い、取り組んできたものと認識してございます。

 一方、中野区においても経常的な事業を行う一方で、まちづくりや施設整備など投資的事業を推進し、区政の発展に取り組んできたところでございます。各区、状況は様々であると考えますが、区民ニーズを的確に捉え、時期を逸することなく、必要な事業に取り組んでいきたいと考えてございます。

○間委員 強引な見方ではありますが、なぜに中野区は23区平均の経常収支比率との差を3年間広げ続けているのか、これに関してはしっかりと分析をし、来年度予算に生かしていただきたいと思います。

 経常収支比率が低いということは、予算編成の中でいろんな政策を打っていく自由度が高いということですけれども、区はその自由度の高さをもってどのような政策を打ち出し、財源運営をしていくのでしょうか。――すみません、ちょっと取材のやり取りがうまくいっていなかったということだと思います。失礼いたしました。財政課長も大変お忙しい中、様々な資料を出していただいておりますので、この質問に関しては飛ばしたいと思います。

 景気後退後に一気に数字が上がる指標であるため、経常経費の安易な増には後ろ向きになるのも分かります。しかし、過去と比べれば事業のボリュームが大きくなっていることや、職員の人手不足の状況に鑑みれば、職員体制が現状のままでいいとはとても思えません。例えばせっかくすこやか福祉センターの耐震整備を行ったにもかかわらず、政策立案や調整を任されるはずのすこやか福祉センター調整担当課長は兼任という形で任されており、体制が変わった4月から、既に3人目の兼任課長となっています。

 体制整備後の1年目の大事なときに、兼任でだましだましやっているようでは、本来の力量を発揮した政策立案が難しくなります。個人の力に頼るのではなく、体制の在り方を考えるべきと考えます。義務的経費が上がることに後ろ向きにならず、人材確保や育成といった面にさらなる予算付けをし、区職員が余裕とやりがいを持って働けるよう、職員体制についてさらなる見直しをすべきと考えますが、見解を伺います。

○吉沢職員課長 委員御指摘のとおり、特に今年度、令和5年度につきましては、管理職の不足によりまして課長心得や課長の兼務等が多くなりまして、負担がかかっている状況であります。今年度から管理職のⅡ類選考は指名制が導入されたこともありまして、来年度につきましては8名の課長昇任を予定してございます。できる限り兼務等の解消を図っていきたいというふうに考えてございます。

○間委員 人事について言えば、人材交流の活性化を求めてまいりました。現在は西武信用金庫さんとの相互の研修派遣を行っており、産業振興課で活躍してくださっていると聞いています。民間の視点を取り入れる効果は大きいと思います。ほかの分野でももっと交流を進めるべきと考えますが、現在の検討状況を伺います。

○吉沢職員課長 中野区は、これまでも区や他の自治体のほか、委員御案内の民間の西武信用金庫とは昨年の令和4年度から相互交流を、また、首都高速道路株式会社には令和3年度から技術職員を派遣するなど、人事交流等を進めてきたところでございます。今年度は民間企業への新たな派遣者はいませんが、新たに今年度からデジタル庁とこども家庭庁への派遣を行っておりまして、人材育成の観点からも様々な効果が期待できるため、今後も積極的に人事交流等を推進していきたいというふうに考えてございます。

○間委員 ありがとうございます。例えば先ほど指摘いたしましたすこやか福祉センターですけれども、重層的支援の中枢を担っており、その中で社会福祉協議会への委託、連携体制には大きく助けられているのが事実です。その連携が効果的なものになるよう、中野区社会福祉協議会との人事交流も検討してはいかがでしょうか。

○吉沢職員課長 委員御案内の中野区から社会福祉協議会へ職員を派遣することにつきましては、公益的法人等への中野区職員の派遣等に関する条例におきまして、社会福祉協議会の業務が区の事務事業と密接な関連を有して、施策推進を図るため人的援助が必要なものとしまして、条例に新たに規定していけば、職員を派遣することが可能となってございます。

 一方、社会福祉協議会から区への派遣受入れにつきましては、行政実務研修員としての受入れということになります。今後、社会福祉協議会と密接に関連しております地域支えあい推進部等との協議を行いまして、人事交流等を実施することの成果や課題等を見極めてまいりたいというふうに考えてございます。

○間委員 ぜひよろしくお願いいたします。

 次に、妊娠・出産・子育て支援について2点伺います。区はこれまで、この事業の拡充を続けてくださっており、ここ数年でもさらに前進をいたしました。オンラインを活用していただいたり、父親等向けの講座を検討していただいたり、本当にありがたいところです。事業の拡充に伴い、産前産後の家事育児支援を受けられる時間も拡充をしていただいていますが、現在は支援の担い手となる人材育成を進めることで、サービスを受けたくても受けられない状況の改善を図っていただいているところです。令和2年度から開始された人材育成事業の実績を伺います。

○高橋すこやか福祉センター調整担当課長 区では、産前産後ケアの担い手を着実に確保するため、家事育児支援サポーター養成講座の受講を修了し、区が委託する事業者に従事する方に対し、当該講座の受講に要した費用の一部助成を行っておりまして、令和4年度より助成の対象者人数の拡充を図っております。実績でございますが、令和2年度が10人、令和3年度が9人、令和4年度が15人でございます。また、家事育児サポーターのスキルアップなどを目的に、オンライン研修も実施しているところでございます。

○間委員 ありがとうございます。この人材育成事業により、支援の担い手を増やすことで、産後家事・育児支援の上限時間を第1子からでも、つまり全ての妊産婦が60時間の支援を受けられるよう目指していただきたいという要望を重ねてきたところです。多胎児支援を手厚くしていただいている中で、上限時間の底上げをしていくには、計画性を持った人材育成が必要と考えます。利用上限時間の引上げと併せて、区の見解を伺います。

○高橋すこやか福祉センター調整担当課長 産後家事育児支援事業の利用上限時間の変更は考えてございませんけれども、多胎児家庭支援事業につきましては、利用時間を30時間拡充する予定でございます。

○間委員 多胎児の支援のほうを拡充していただくことを大変ありがたいと思いますけれども、先ほども申し上げましたとおり、どなたでも、都の要綱では60時間まで支援が受けられるということになっております。そこを目指して計画的な人材育成をしていただく、この必要性を再度申し上げて、要望といたしますけれども、取り組んでいただきたいと考えます。いかがでしょうか。

○高橋すこやか福祉センター調整担当課長 事業者、担い手の不足というものがやはり根底にございますので、区といたしましては継続的に人材育成を進めてまいりたいと考えております。

○間委員 どのぐらい増やしたらいいかというところは、数と比例するわけではないですので、見極めが難しいかもしれませんけれども、5時間ずつでも利用できる時間を広げていただくなど、区のさらなる事業の拡充というところを望みます。

 もう1点、施設で産後ケアを受けるに当たり、きょうだいの預かり状況について改善していただきたいということも、これまで求め続けてまいりました。今年度はきょうだい預かりに係る人件費が増額となったものの、実際に人を雇うとなると予算の倍は人件費がかかると聞いており、実態に見合っていないと感じます。きょうだいがいることが理由で産後ケアを受けられない産婦をなくしていくためにも、一刻も早い対応が求められています。物理的にきょうだい預かりの実施が可能な施設において、人件費の見直しや予算の使い方の緩和を試験的に行うことを提案いたしますが、いかがでしょうか。

○高橋すこやか福祉センター調整担当課長 兄弟の預かりに関しての要望につきましては認識しておりまして、令和5年度は未就学兄弟加算を増額したところでございます。今後とも、経費的な側面における検討とともに、より事業を利用しやすくなるような工夫を行ってまいります。

○杉山委員長 間委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。15時20分まで。

 委員会を休憩します。

午後2時58分休憩

 

午後3時20分開議

○杉山委員長 委員会を再開します。

 休憩前に引き続き総括質疑を行います。間ひとみ委員、質疑をどうぞ。

○間委員 次に、子どもに寄り添う不登校支援について伺います。お子さんの不登校に関するお悩み、御相談を頂く機会が増えました。中には涙を流しながら御相談いただくケースもあります。正直なところどう支援したらいいか分からないという現場の教員もいて、苦しさが伴う不登校支援の現状がうかがえます。この現状を少しでも変えていくことで、子どもに寄り添う不登校支援を中野区として行っていただき、一人ひとりの児童・生徒がその子自身にとって必要な生きる力を身に付けられることを願いまして、前定例会に引き続き質疑させていただきます。

 現在区内の三つの中学校において、モデル事業として、支援員を配置した校内別室登校支援室を設置しています。これまで別室における個別指導として、校内の空き教室等を活用し、教員が交代で生徒の支援をする形で運営されてきたものですが、決まった支援員が配置されることで、安定した居場所の運営が行えることに期待をしています。

 その中のある中学校の支援室を見学させていただきましたが、生徒がそこでの時間の過ごし方について自ら計画をし、学習を強制されるわけでもなく、学校の中の居場所であることが最も大切にされて、丁寧な関わりがなされている様子がうかがえ、生徒が教室に戻りたいと思ったときには戻りやすいのではと感じました。この事業の全体的な取組の現状を伺います。

○齊藤指導室長 それぞれの学校で2名から4名程度の生徒が定期的に利用しており、支援員と学習に取り組んだり、オンラインで教室の授業を受けたりしております。校内別室登校支援室、いわゆる校内フリースクールがあることで、今まで登校できなかった生徒が登校できるようになったり、ほぼ毎日学校に通えるようになったり、支援員と一緒に教室で授業を受けられたりするなどの成果が出ております。

間委員 ありがとうございます。今後、支援員の配置は全中学校に展開していくということでよろしいでしょうか。

○齊藤指導室長 現在全中学校で、校内の別室における個別指導を行っておりますが、支援員が配置されていない学校は、教員が交代で指導や見守りを行っております。3校で試行している東京都の校内別室指導員支援事業の成果を踏まえて、今後全中学校に展開していきたいと考えております。

○間委員 これまでの別室における個別指導は全中学校で実施をしており、子ども文教委員会の資料によると、小学校における設置は61.9%とのことでした。学校により需要にばらつきがあること、教員不足が深刻な状況であることなどから、中学校よりも設置のハードルは高いのかもしれませんが、

不登校支援は適切な時期に、その児童・生徒に合った形でなされることが望まれます。全ての小学校への校内別室登校支援室の設置に向けて取り組んでいただきたいと考えますが、いかがでしょうか。

○齊藤指導室長 小学校におきましても不登校の児童数は増加しており、特徴として、低学年の段階から登校を渋るケースが増えております。中学校での成果等も踏まえて、小学校の不登校児童一人ひとりの状況に対応できる校内別室登校支援室、いわゆる校内フリースクールの設置について検討してまいります。

○間委員 ありがとうございます。校内別室登校支援室は、不登校の子どもの居場所の一つですが、学校には行けるということが前提です。学校の敷地に入ることができなかったり、入りたくない子にとっての居場所も、学校や教育センターとの連携の取れる範囲内で整備していく必要があると考えます。

 川崎市の常設プレーパークである子ども夢パーク内には、川崎市子ども権利条例を基に市とNPO法人の共同事業として設置している公設民営のフリースペース「えん」があり、子どもたちの居場所となっています。区が現在検討している常設プレーパークや児童館なども、不登校児童・生徒の居場所としていくことも考えられるのではないでしょうか。

○齊藤指導室長 学校に登校することが難しい子どもたちにとって、学校以外に居場所があることは重要なことであります。現在も居場所として児童館を利用している子どもがいると伺っております。プレーパークや児童館以外にも子どもたちが安心して過ごせる居場所について、様々な機関と連携して検討してまいります。

○間委員 様々な子どもたちの居場所、ぜひ拡充をお願いいたします。

 子どもたちにも保護者にも言えることですが、学校や教育センター、スクールカウンセラーなどとのつながりが希薄になっているケースもあり、リアルタイムに欲しい情報を得ることが難しいと感じている御家庭があります。必要な情報を自らも取りにいけるよう、一覧にまとめてはいかがでしょうか。調布市の不登校特例校分教室「調布市立第七中学校はしうち教室」の不登校支援一覧表を拝見しましたが、豊富な相談、アイデア、市の支援メニューを一目で見ることができるものでした。ぜひ区でも作成していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。

○齊藤指導室長 昨年度、不登校児童・生徒の一人ひとりの状況について各学校から聞き取り、学校への不登校支援について子ども文教委員会に報告したところであります。今後、総合的な不登校支援につきまして、実態を踏まえてまとめてまいります。

○間委員 必要な情報を分かりやすく見て知ることのできるよう、教育委員会のホームページも工夫されてはいかがでしょうか。区のホームページのリニューアルと合わせ、広聴・広報課の力を借りながら、御家庭が欲しい情報が得られ、教育委員会を身近に感じられるようなものにしていただける、新しい教育委員会のホームページの構築を求めますが、いかがでしょうか。

○齊藤指導室長 現在広聴・広報課と連携し、教育委員会のホームページのリニューアル作業を進めているところです。教育委員会の取組を積極的に発信していくとともに、区民の方にとって見やすく、必要な情報を得やすいホームページの作成を目指してまいります。

○間委員 保護者同士で情報交換がしたい、話がしたい、そういった御要望もあります。教育委員会としては、区内の不登校の親の会についてどのように認識をされていますでしょうか。

○齊藤指導室長 中野区内にも複数の親の会が存在し、それぞれの会が個別相談会や保護者の懇談会などを実施しており、保護者同士の交流の場となっていると認識をしております。

○間委員 同じ立場だから分かり合えること、協力し合えることがあります。区として、親の会との連携、周知もしていく必要があると考えます。見解を伺います。

○齊藤指導室長 親の会につきましては、チラシ等の提供があった場合は、教育センターの教育支援室で情報提供を行っております。また、教育支援室におきましても保護者会を実施しており、保護者の方が交流する場になっております。今年度は教育支援室の保護者会に通室していない不登校の保護者の方も参加できるように周知し、保護者同士の交流がさらに広がるようにしてまいります。また、保護者会の内容につきましても、充実したものとなるよう検討してまいります。

○間委員 そういった取組が、今後教育委員会のホームページを通しても広く情報として伝わっていくということを期待しています。様々伺いましたが、不登校支援は個別の伴走支援が必要であり、答えのない支援とも言えます。どう関わっていいか教員が悩むケースもあります。民間スクールや保護者等様々な立場の方が集まって意見交換をすることで、ニーズを捉えた支援につなげていただくことを提案いたしますが、いかがでしょうか。

○齊藤指導室長 昨年度、学校から聞き取りを行い、不登校の児童・生徒一人ひとりの状況を調査し、実態を把握いたしました。今年度は不登校の児童・生徒や保護者のニーズを捉え、学校内や学校外の不登校支援について見直しを図っております。今後、民間フリースクールなどの支援団体や保護者など、不登校児童・生徒に関わる人たちが意見交換できる機会についても検討してまいります。

○間委員 ぜひよろしくお願いいたします。中野区の不登校支援の発展を願っております。

 次に、環境施策について伺います。先日、我が会派の環境分野担当として、細野議員とともに渋谷区でコンポストの実証実験の見学に行ってきました。一般的なコンポストの課題として、増え続ける堆肥をどう処理、活用していくのかということがあり、中野区でもこの課題が解決できないために、コンポストへの取組が進んでいないものと認識しています。

 渋谷区と株式会社komhamによる実証実験では、堆肥がたった2%しか増えない上に、嫌な臭いが全くしないなど、すばらしい成果を出しておられました。区民への啓発としても非常に興味深い実験だと感じました。伺ったところによると、昨年度ごみゼロ推進課に事業の紹介をされたことがあると伺いましたが、区としてどのように受け止めているのでしょうか。ぜひ実証実験を行うべきと考えますが、見解を伺います。

○阿部ごみゼロ推進課長 渋谷区で実証実験を行っているコンポストは、サイズが大きく、複数の世帯やイベントなどにおける使用が想定されております。区として、ごみ減量啓発にどのように活用できるか、費用対効果も含めて検討していきたいと考えております。

○間委員 こうした実証実験に取り組むことなどが、区内の区民による環境に対しての取組というものを広げていく、そのための啓発につながると考えておりますので、ぜひ検討を進めていただきたいと思います。

 もう1か所、細野議員と伺ったのは、区のリサイクル展示室です。2人の共通の感想は、もったいないでした。その後、リサイクル展示室事業が外部評価の公開ヒアリングの対象となっていたので傍聴したところ、ほかの事業と比べると明らかに外部評価者の皆さんの興味関心が高い様子で、様々な御意見、御指摘がありました。実際に施設を訪れ、もったいないと感じられたというお話もありました。

 川崎市が株式会社ジモティーと協定を結び、民間のノウハウを活用していることなども御紹介がありました。リサイクル展示室はせっかく場所が存在し、不用品をごみとして捨てるのではなく、使ってくれる区民へと受け渡すことができるのですから、広く区民に活用していただくために、展示室の在り方や委託の在り方の見直しを提案しますが、いかがでしょうか。例えば女性目線を生かしたり、エコフェアで古着の出張展示を行うなど展示品のPRを進めたり、絵本や自動車のリサイクルを通じ、子どもや子育て世代にも魅力的な展示になるよう考えてはいかがでしょうか。伺います。

○阿部ごみゼロ推進課長 行政評価ヒアリングでは、リサイクルに出す人も、もらう人も、物を大切にする気持ちを尊重したリサイクルの在り方ですとか、区の役割、民間事業者の役割を整理した上での運営見直しなど、貴重な御意見を頂きました。これらの意見も踏まえ、展示室の在り方を検討していきたいと考えております。

○間委員 素敵なリサイクル展示室になることを期待しております。

 現在リサイクル展示室の利用に当たっては、登録などは不要なため、正確な利用者の分析をすることができません。主要政策の成果によれば、来館者数は2万人を超えているとのことですが、この中には小学生の環境学習による来館も含まれており、リサイクル品に関する利用者の詳細な分析はできないと思います。また、転売業者の仕入れ先となっていたとしても発見しづらく、状態のいいものが区民の手に行き渡らない可能性もあります。こういったことを改善するためにも利用者登録制度を検討することを提案いたしますが、いかがでしょうか。

○阿部ごみゼロ推進課長 利用者の属性把握分析について一定程度必要と考えておりますが、登録制度の導入につきましては、メリット、デメリットを含めて研究が必要と考えております。今後は、リサイクル品の扱いも含め、効果的な運営について検討していきたいと考えております。

○間委員 私の大好きな「ごみのん」を使ったごみのんカードなども作っていただけたらいいななんていうことを思っております。

 環境政策全体を推し進める意味でも、SDGsの推進には本腰を入れていただきたいところです。中野区基本計画ではSDGsとのひも付けがされていますが、区の事業においてSDGsのマークを目にすることはほとんどなく、この数年間は私が危惧していたSDGsウォッシュの状態になっていると感じます。区は現在、中野区実施計画の策定に向けて準備をされているところですが、また同じことにならぬよう、SDGsの推進に向けて具体的な取組を行うことを求めますが、いかがでしょうか。

○森企画課長 SDGsの推進に向けた取組でございますが、区では令和5年10月から、地域課題の解決やSDGsの推進に取り組む企業、団体等をなかのSDGsパートナーとして登録するパートナーシップ制度を開始する予定にしております。企業、団体等と連携を深め、区におけるSDGsの普及啓発や基本構想で描くまちの姿の実現に向けて、取組の拡大を図っていきたいと考えております。併せまして職員のSDGsの知識習得に向けまして、研修等も定期的に開催していく考えでございます。

○間委員 そちらの登録制度に関して会派を代表して質問させていただきましたので、実施していただくことを大変歓迎しております。しかしながら、それ以外にもSDGsをどう活用していきながら区の目指すべき方向を進めていくのかということが重要だと思いますので、今後のさらなるSDGs施策の展開というところを希望しております。

 次に、誰一人取り残さないための防災施策について伺います。主要施策の成果を見ると、令和4年度は防災普及啓発の推進事業として、総合防災訓練、防災体験デー、地域防災訓練、起震車訓練の実施や中野区防災YouTubeの作成をされたということです。こういった取組に参加されたり視聴された方をはじめ、防災への備えは自治体がしてくれると考える区民は減ってきているのかもしれませんが、それでも大規模震災時のための在宅避難を基本とした備えをしているという区民はまだ少ないのが現状ではないでしょうか。

 自治体が万事に備えることは当然のことですが、公助には限界があり、災害時に誰一人取り残さないためには、自助、共助の体制をどれだけ構築していけるかが重要です。区は、5か年にわたり防災リーダー養成事業を行い、令和4年度はその最終年度でした。区が養成した防災リーダーの男女別の構成や年代別の構成について伺います。

○福嶋防災担当課長 現在防災リーダーは226名の方が登録されており、そのうち男性は131名、女性は95名でございます。年代別の構成は、20代は女性のみで4名。30代は男性1名、女性5名の合計6名。40代は男性24名、女性12名の36名。50代は男性が23名、女性29名の合計52名。60代は男性24名、女性27名の51名。70代は男性47名、女性12名の59名。

80代は男性12名、女性6名の合計18名でございます。

○間委員 若い方で防災リーダーになられた方は女性が意外と多かったりとか、高齢の方は男性が多かったりとか、特徴があるかなというふうには思います。これまでの防災リーダーの活用にはどのようなものがありましたでしょうか。

○福嶋防災担当課長 防災リーダーには地域訓練等に当たっての訓練指導のほか、地域での防災講話の講師などを依頼してございます。また、令和5年度中野区総合防災訓練、今年の10月22日でございますが、明和中学校について、防災リーダーに実行委員長、実行副委員長を務めていただいております。

○間委員 区からの要請するものに対して御協力いただいたということがあったと思います。新型コロナの影響もあったと思いますけれども、区の防災リーダーの積極的な活動の促進という面においては、課題があったのではないでしょうか。先ほどお答えいただいたとおり、防災リーダーには多様な人材がいるわけですので、それぞれの立場を生かした防災リーダーとしての活動を促進すべきと考えます。

 以前2名の中野区防災リーダーによる、ママ目線を生かした防災講座が開催されました。私も参加いたしましたが、強く共感できることが多く、子どもを守るためにも避難行動の確認や避難グッズの用意など、実際に行動に移さないと後悔をするのではないかと思ったほどすばらしいものでした。同じ立場だから伝わりやすい、共感しやすいということを利用して、在宅避難への備えを促していくことが効果的であることは言うまでもありません。防災リーダーが自らの立場を生かし講座等を展開できるよう、動画や講座の共同作成などを行うことを提案しますが、いかがでしょうか。

○福嶋防災担当課長 区では、これまでに養成した防災リーダーのフォローアップを実施するとともに、訓練や会議への参加などについて、地域コーディネートを支援してまいりました。今後は防災リーダー個々の強みの把握に努めまして、それぞれの特性を生かした活躍の場を創出してまいりたいと考えております。

○間委員 よろしくお願いいたします。

 防災に関する情報発信の仕方もさらなる工夫が必要ではないでしょうか。23区中16区が防災アプリを使用していますが、その中にオフラインで見られる地図などがあり、避難所はもちろん、帰宅困難者用の避難所も簡単に検索できるなど、とても便利な情報をすぐに得られることができる様子を確認いたしました。区としての取組について伺います。

○杉本防災危機管理課長 現在、区ホームページにおきまして、避難所及び位置情報から避難経路等を確認できるサイトを公開してございます。また、中野区防災地図は、アプリでの活用やオフラインでの利用も可能としている状況でございます。

○間委員 そういった情報がスマホを通して簡単に得られるなど、アプリというものの特性を生かした展開の仕方というのは、他区も参考にしながら、中野区としても取り入れられるものかなというふうに私は感じました。防災アプリの導入でしたりとか、区のホームページのリニューアルにおいての情報提供の在り方を整理すべきと考えますけれども、伺います。

○杉本防災危機管理課長 防災情報は本年10月のホームページリニューアルにおきまして、利便性の向上や災害情報の充実などを予定しております。今後も先進自治体の事例など情報収集を行い、情報発信の在り方を研究してまいりたいと考えてございます。

○間委員 障害をお持ちの方への災害時の支援の在り方も、常にアップデートが必要であると考えます。重症心身障害者や医療的ケア児者は避難所に避難することが困難であるため、基本的には在宅避難となることが想定されています。その際、人工呼吸器や吸引器など医療的機器を使用されている方への支援が必要となりますが、現在は人工呼吸器をお使いの方に対してのみ、発電機や蓄電池等の購入助成や日常生活用具としての給付、災害時用にすこやか福祉センター4所に充電ステーションとして発電機を配備していると思います。重症心身障害児(者)を守る会さんから、これらを人工呼吸器以外の医療機器を必要とされている方も対象としていただきたい旨の御要望を受けましたが、区として対応可能なのか、現状を伺います。まずは充電ステーションについてお伺いします。

○高橋すこやか福祉センター調整担当課長 すこやか福祉センターの充電ステーションは、大規模な停電等の緊急時におきまして、ガスボンベ式の発電機により、対象者の人工呼吸器等のバッテリーに充電を行うものでございます。現在対象者は約40名で、震災時個別支援計画を作成し、災害時に備えております。ガスボンベ式の発電機による充電は時間がかかるとともに、供給できる発電量にも限りがあるため、対象を人工呼吸器使用者に限定した運用としてございます。

○間委員 調べてみたところ、5時間充電するものに対して、ガスボンベが10本必要だとかということもありましたので、非常に、ほかの方に対象を広げるというところが現状難しいのかなということを感じております。そのほかはいかがでしょうか。

○大場障害福祉サービス担当課長 常時人工呼吸器を使用している方に対しましては、東京都の在宅人工呼吸器使用難病患者非常用電源設備整備事業によりまして、発電機を貸与しているところでございます。区ではこのほか、人工呼吸器を使用しており呼吸器機能障害が3級以上である方等に対しまして、令和4年4月から重度障害者児等日常生活用具給付事業の対象品目に発電機や蓄電池等を追加し、給付しているところでございます。

 人工呼吸器に限らず、酸素吸入器やたんの吸引器等の電源を必要とする医療機器を使用している方も対象にしてほしいとの声があることは承知しておりまして、他区の状況を踏まえながら検討を進めてまいりたいと考えております。

○間委員 人工呼吸器以外の医療機器をお使いの方の在宅避難支援における課題ということですので、解決策の検討をぜひ行っていただきたいと思います。

 防災施策を考えていく際に、当事者でないと気付かない視点はたくさんあると思います。障害福祉課には機会を捉えたヒアリングを行っていただき、防災危機管理課と情報共有を行うことで、特性によって異なる障害者のニーズを生かした防災政策を展開していただくことを求めますが、いかがでしょうか。

○大場障害福祉サービス担当課長 当事者の家族等との情報交換の場など様々な機会を捉えまして、当事者視点での防災政策に対するニーズを聞き取りまして、防災危機管理課と情報共有をすることで、障害者にとって安心できる防災施策を推進していきたいと考えているところでございます。

○間委員 最後になりますけれども、災害発生時は、平時には支援を必要としない区民が、被災による精神的、経済的ダメージから、重層的な支援を要するケースが多数に上ることが起こり得ます。被災地の生活復興や重層的支援を充実させる上で、災害ケースマネジメントの考えを地域防災計画に盛り込む込むべきと考えますが、いかがでしょうか。

○杉本防災危機管理課長 災害発生後は、被災者一人ひとりが被災前の日常生活を一日も早く取り戻せるよう、住宅、福祉、医療など生活に関連した多面的な支援により、自立のための環境を整備することが非常に重要になると認識しております。このため新しい地域防災計画には、災害ケースマネジメントの考えを盛り込んでまいりたいと考えてございます。

○間委員 ありがとうございます。

 これで私の全ての総括質疑を終わりたいと思います。酒井区長におかれましては、我々の決算の審議を聞いていただいておりますけれども、こういったものを受け止めていただいて、来年も酒井区政らしい政策、新しい政策も打ち出していただいて、区民のサービスの向上、そして必要な方に支援が届く区政運営をぜひ今後も続けていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 御清聴ありがとうございました。

○杉山委員長 以上で間ひとみ委員の質疑を終了します。

 次に、南かつひこ委員、質疑をどうぞ。

○南委員 令和5年第3回定例会決算特別委員会において、公明党議員団の立場から総括質疑をさせていただきます。総括質疑も3日目となりまして、皆さんお疲れもあろうかと思いますが、今日最終になろうかと思いますので、最後までお付き合いを頂きたいと思います。

 それでは通告順に質疑をさせていただきます。

 1番目に、令和4年度決算について伺います。(1)として特別区民税について伺います。納税者1人当たりの所得額の増と株式や土地の譲渡所得等に係る税額の増によって、特別区民税は令和3年度比19億6,915万9,000円、5.8%増の359億4,691万5,000円となっております。そこで、初めに不納欠損額について伺いますが、不能欠損額の消滅事由には、時効、そして執行停止後3年経過、さらに執行停止後即時の3種類があります。

 最初の時効は、地方税法第18条第1項によると「地方団体の徴収金の徴収を目的とする地方団体の権利は、法定納期限の翌日から起算して5年間行使しないことによって、時効により消滅する。」とあります。令和4年度の時効の決算額が3,205万7,000円で、令和3年度比453万9,000円の減となっていますが、その具体的な例とその分析はどのようになっているのか伺います。

○滝浪税務課長 令和4年度中に5年間経過の時効消滅の対象となるのは、例えば平成29年度中に滞納者に対して督促状を発付した場合でございます。5年間経過の消滅時効の対象となる年度分の特別区民税の未納額が、その前の年度よりも減少していることに伴いまして、時効消滅による不納欠損額が減少しております。これについては、これまでの取組の成果が未納額の減少として現れているものと考えてございます。

○南委員 次に、執行停止後3年経過では、地方税法第15条の7第4項によると「第1項の規定により滞納処分の執行を停止した地方団体の徴収金を納付し、又は納入する義務は、その執行の停止が3年間継続したときは、消滅する。」とあります。令和4年度の執行停止後3年経過の決算額は829万5,000円で、令和3年度比75万6,000円の増となっていますが、同じくその具体例とその分析はどのようになっているか伺います。

○滝浪税務課長 令和4年度中に執行停止後3年間経過により消滅するものは、例えば令和元年度以前の年度分の特別区民税におきまして、滞納処分をすることができる財産がないなどの理由により、令和元年度中に滞納処分の執行停止を行ったものでございます。執行停止後3年経過することにより納付義務が消滅する案件の件数が増加したことに伴いまして、不納欠損額が増額となっているものと考えてございます。

○南委員 次に、執行停止後即時では、地方税法第15条の7の第5項によると「第1項第1号の規定により滞納処分の執行を停止した場合において、その地方団体の徴収金が限定承認に係るものであるとき、その他その地方団体の徴収金を徴収することができないことが明らかであるときは、地方団体の長は、前項の規定にかかわらず、その地方団体の徴収金を納付し、又は納入する義務を直ちに消滅させることができる。」とあります。令和4年度の執行停止後即時の決算額は5,381万6,000円で、令和3年度比185万7,000円の減となっていますが、同じくその具体例、その分析はどのようになっているか伺います。

○滝浪税務課長 具体的な事例といたしましては、死亡した納税者におきまして、財産が判明せず、相続人がいない、または相続人全員が相続放棄をしている場合に即時消滅をさせております。令和4年度につきましては、この死亡した場合の件数が減ったために即時消滅額が減額になったと考えてございます。

○南委員 次に、収入未済額について伺います。令和4年度の決算額は8億6,262万7,000円で、令和3年度比5,936万6,000円の減となっています。そのうち現年課税分は3億8,728万円で、3,280万3,000円の増となっています。令和3年度においては、令和年2年度比1億2,460万7,000円の減の状況でした。また、特別区民税徴収率現年課税分は令和3年度と横ばいの99%になっていますが、収入未済額についての分析はどのようになっているのか伺います。

○滝浪税務課長 特別区民税の現年課税分は、令和3年度に比べまして、令和4年度の調定額が増えてございます。しかし、令和4年度も令和3年度も収入率は99%と変わりませんでしたので、収納未済額が増額になっていると考えてございます。

○南委員 次に、不能欠損額及び収入未済額の収納対策について伺います。不納欠損額及び収入未済額の収入対策の現状と今後の対策、これはどのようになっているか伺います。

○滝浪税務課長 特に現年課税分につきましては、これまでも未納分に対する催告、滞納処分の早期着手を行い、滞納繰越にならないように努めてきたところでございます。今年度からは、さらに着手の時期を早めるなど、取組を強化しているところでございます。

○南委員 次に(2)として、国民健康保険料について伺います。令和4年度の不能欠損額の決算額は8億7,768万3,000円で、前年度比2億5,960万8,000円の減となっていますが、その要因はどのようなものなのか伺います。

○宮脇保険医療課長 令和4年度は滞納整理専門員を増員し、職員の滞納処分に係る能力の向上を図ったことで、より効率的かつ効果的に納付交渉や差押えを実施することができました。また、社会保険などの二重加入の解消に向けて、オンライン資格確認による資格喪失勧奨を行ったことで、未納となっていた二重加入者の滞納繰越分の保険料を減少させることができました。こうした取組などが不納欠損額の減少につながったと考えております。

○南委員 次に、収入未済額についてですが、令和4年度の収入未済額の決算額は22億1,123万3,000円で、前年度比1億8,918万2,000円の減となっておりますが、その要因をお伺いいたします。

○宮脇保険医療課長 口座振替の納付の勧奨により、新たに口座振替を納付方法とした世帯の数が増えました。そのほか、督促状の発送時期の1か月前倒しにより、現年度分の未納保険料の早期収納に結びつけることができました。また、債権管理アドバイザーの助言により、3か月ごとの一斉催告以外にも個別催告を行うなどして、現年度分の収納対策に注力をいたしました。若い世代にはメッセージ配信サービスの拡大、外国人には易しい日本語を使用した納付案内を催告文書に同封するなど、未納者の特性に合わせた納付勧奨を行いました。こうした取組などが、収入未済額の減少につながったと考えております。

○南委員 次に、不納欠損額及び収入未済額の収納対策について伺いますが、収納率についてはまだまだ特別区の中では20位ぐらいなんですかね。まだまだ低いということもありますけれども、ここではまず、その不納欠損額及び収入未済額の今後の収入確保対策をどのように考えているのか、区の見解を伺います。

○宮脇保険医療課長 今年8月に催告センターを設置しまして、催告業務の実績のある民間事業者に業務の委託をいたしました。今後民間のノウハウを生かし、債権管理を強化してまいるほか、ネパール語、ベトナム語による納付案内を開始してまいります。一方、職員のマンパワーを区民に寄り添ったよりきめ細やかな納付相談や、差押え、執行停止などの行政処分のほうに注力してまいりたいと思います。そのほか保険料の支払いの利便性を高めるため、インターネット経由でのクレジットカード納付サービスを8月に導入したところであり、この周知を図ってまいりたいと思います。

○南委員 (3)として、特別区債について伺います。令和4年度の特別区債の発行は、中野二丁目地区市街地再開発事業によるもので、15億3,100万円となっております。中野二丁目地区市街地再開発事業によるこの起債の利率、償還期間、償還方法はどのようになっているのか伺います。

○竹内財政課長 中野二丁目地区第一種市街地再開発事業に係る起債の利率は年0.07%、償還期間は令和10年3月までの5年間、償還方法は元利均等償還でございます。

○南委員 次に、この場合の中野二丁目地区第一種市街地再開発事業に係る起債の利子の総額は幾らぐらいになるのか伺います。

○竹内財政課長 中野二丁目地区第一種市街地再開発事業に係る起債についての利子の総額でございますが、こちらは277万1,000円でございます。

○南委員 次に、現在の起債残高は238億8,723万9,000円で、前年度比8,677万7,000円、0.4%の増となりました。この場合の利子、利息の総額というのは幾らになりますでしょうか。

○竹内財政課長 令和4年度末の特別区債現在高の償還に要する利子の総額は、現在のイニシャルで推計いたしますと約11億円の見込みでございます。

○南委員 次に、令和4年度の第8次補正予算で、特別区債額の59億3,500万円のうち20億6,400万円を財源更正して、その分を一般財源としました。その財源更正の内訳は、学校施設整備として、南台小学校が6億8,400万円、令和小学校が5億3,800万円、鷺宮小学校・西中野小学校統合新校が2億7,700万円、明和小学校が5億6,500万円となっております。学校施設整備以外の新庁舎整備には19億4,800万円、西武新宿線連続立体交差事業については2億2,600万円、市街地再開発事業、これは中野二丁目地区になりますけれども、16億9,700万円については起債をかけたままとなっております。これはどのような要因からなのか、区の見解を伺います。

○竹内財政課長 補正予算の編成時における歳入歳出予算の状況を踏まえた上で、起債額の規模、あとは措置財源の有無などにより、総合的に判断してございます。

○南委員 次に(4)として、基金と将来負担額について伺います。令和4年度末の現在高では、基金が概算で769億円、特別区債は239億円で、債務負担行為額が概算で566億円となっております。区債残高と債務負担行為額を合わせた将来負担額は概算で805億円となり、基金残高を上回る状況にあります。平成30年度では、基金残高が将来負担額を200億円以上も上回っておりましたが、令和元年度以降はその構図が逆転して、基金残高を将来負担額が上回っている状況です。今後の健全な財政運営を考えれば、基金残高と将来負担額との割合の是正、これも考えていかなくてはならないと思いますが、区の見解を伺います。

○竹内財政課長 新たな財政運営の考え方において、基金の積立ての考え方を示したところでございます。公債費負担比率については、これまでと同様10%の範囲内で運用することを目標としているところでございます。また、債務負担行為についても、起債と同じように後年度の負担も生じることから、慎重に設定しているところでございます。今後も財務規律をしっかりと守り、安定した持続可能な財政運営に努め、区民ニーズに的確に対応していきたいと考えてございます。

○南委員 起債は世代間負担の公平化を図るという意味では非常に有効ではあるんですけれども、それがあまりにも度を過ぎていくと、今度はまた将来的な負担増になりますし、債務負担行為も複数年において将来的に大きな財政負担にも関わってきますので、よくよくその辺は慎重な形で積算等をやっていっていただければと思います。

 次に(5)として、行政評価(内部評価)とそれに伴う事業の課題について伺います。初めに、構造改革の推進のところで伺います。中野区構造改革実行プログラムについて伺いますが、目的、効果には「財政的な非常事態に対処するとともに、新たな行政需要に応じた効率的かつ効果的なサービス展開を図るため、行財政の構造的な改革を集中的に進め、持続可能な区政運営を目指す」とあります。

新たな行政需要に応じた効率的かつ効果的なサービスを展開するためとは具体的にどのようなことなのか、区の見解を伺います。

○森企画課長 急速に進むデジタル化や多様化、複雑化する地域課題などの行政需要への対応に当たって、限られた経営資源を有効に活用するため、必要とするものには集中して投入し、それ以外のものは徹底的に効率化を図るというものでございます。

○南委員 また、行財政の構造的な改革を集中的に進め、持続可能な区政運営を目指すとは、区として具体的にどのように考えているのか。令和2年第3回定例会での区長の行政報告では「行財政の構造改革は、財政的な非常事態に鑑み、これからのおおむね3年間で集中的に取り組み、新しい区政を展開するための体力を養い、その後については、経済や財政の回復状況を見極めながら、刷新された持続可能な区政を推進していくことを想定しています。」と述べられていますが、中野区構造改革実行プログラムにおける持続可能な区政運営とはどのようなものか、区の見解を伺います。

○森企画課長 持続可能な区政運営でございますが、どのような状況下であっても区民サービスを低下させることなく、また、新たな行政需要への対応も図っていくことができる区政運営であると、そう認識しております。構造改革実行プログラムの策定時は、新型コロナウイルス感染症の拡大により、歳入一般財源が令和2年度当初予算額の水準に戻るまで相当の期間を要すると想定された財政非常事態の状況下でありまして、そのような厳しい財政状況に対処し、持続可能な区政を目指すということにしたものでございます。

○南委員 そして、中野区構造改革実行プログラムは令和5年度で廃止、終了するとのことですけれども、中野区構造改革実行プログラムは、もともと基本構想、基本計画の下支えになる重要な事業であるとしてきました。その進行管理も毎年度のPDCAサイクルを実施して、策定、実行、進捗確認、評価検証、更新のサイクルを行うこととしておりましたが、未だに評価検証もままならない状況であり、我が会派として再三求めてきた費用対効果についても全く示されておりません。検証の上、決算上においての費用対効果について示すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

○森企画課長 構造改革実行プログラムは、令和5年度、今年度までの期間において取り組む内容としているところでございまして、取組に係る評価検証につきましては、この期間終了後であります来年度において実施しまして、その結果につきましては議会にも報告を行っていく考えでございます。

○南委員 来年度に示すようなお話ですけれども、本来は毎年、1年ごとに評価検証していくということでありました。本来でしたら、毎年ごとに費用対効果を示すべきであったというふうに思います。そのことは指摘をさせていただきたいと思います。

 次に、アドバイザー会議から構造改革推進本部に助言を行う仕組みになっておりましたけれども、具体的な助言内容とはどのようなものであったのか、伺います。

○森企画課長 令和4年度の構造改革アドバイザーによる助言でございますが、こちらについては構造改革を推進するため必要となる職員の意識改革に対するものでございまして、組織横断的に取り組むことの重要性やそのための組織運営等に係ることが主なものでございました。

○南委員 専門職のアドバイザー、学識経験者、たしか5名この当時はいらっしゃったんだと思いますけれども、具体的なものというのは、結局職員の何か意識改革、また、人材育成というようなことで終わってしまっているというのは、何か本当にそれをやって意味があったのかなというふうに思えてしようがないんですけれども。

 次に、アドバイザー会議における助言で、行財政の構造改革の具体的な成果としてどのようなものがあったのかを伺います。

○森企画課長 令和4年度について申し上げますと、アドバイザー会議におきまして、構造改革実行プログラムに基づく取組に係る事例の報告というのを第3回目に行っております。この報告におきましては、LINEの運用支援ツールを活用したオンライン手続の拡充、重層的支援体制の構築検討、債権管理体制の強化、こういった事例につきまして、組織横断的な視点などによる取組の進め方の共有を図ったというようなことでございまして、これに対してもアドバイザーからのコメントを頂いたというようなことで、一定の成果があったものと認識をしております。

○南委員 本来でしたら、各所管にきちっとした形でアドバイザー会議からの助言が伝わって、そこでどれだけの効果があったのかというのを見るのが本来だったんだと思います。税務課などでは重複滞納対策とか、デジタル活用データ連携とかというようなことがあったようですけれども、それって本当にアドバイスを頂かないとできなかったことなのか非常に疑問でありますし、戸籍住民課のマイナンバーについては全く助言がなかったというふうに聞いております。そういったところをやはりもう一度総括すべきだというふうに思っておりますので、これも指摘しておきます。

 中野区構造改革実行プログラムが検証されることもなく中野区実施計画を策定することには、不備があるとしか言いようがありませんし、整合性がないというふうに思いますが、区の見解を伺います。

○森企画課長 構造改革実行プログラムの各個別プログラムにつきましては、随時その進捗を確認しておりまして、取組の状況や結果について議会に対して報告を行ったものもございます。また、3年間のプログラム期間終了後も引き続き取り組む必要があると判断したものは、実施計画に盛り込むこととしているということでございます。

 構造改革実行プログラムの全体の検証は期間終了後の来年度に行うことが適切であると考えておりまして、実施計画を策定することについて特段問題があるとは考えてございません。

○南委員 問題がないというふうにおっしゃっていますけれども、中野区構造改革実行プログラムに、この実施計画の中において引き続き盛り込む内容と、また、盛り込まない内容というのがあるわけですけれども、その線引きが全く明確に示されておりませんし、その線引きをきちっと引くには、やはり例えばもう今回の骨子の段階で、しっかりと費用対効果も明確にすべきであったと思います。ですので、全く見えない、そういう費用対効果の言葉すら全く出てきていないというのが、もう残念でならないというふうに思っているところですけれども。

 じゃあ、次に行きます。2番目に、区立保育園におけるICTのところで伺います。保育園業務支援システムの試験導入を令和5年2月から実施していますが、どのような事業なのか伺います。

○半田保育園・幼稚園課長 本事業は、保育園業務支援システムの導入によりまして事務の効率化を進め、保育士の事務負担軽減を図るとともに、保護者の利便性を高めるものでございます。具体的には、二次元コードによる登降園時間の管理ですとか、スマートフォンアプリによる保護者との連絡などを行うことができるようになったものでございます。

○南委員 次に、本事業に関わる経費について、事業費が1,277万7,000円となっています。決算説明書にはICT関連費として1,237万6,000円余が計上されて、若干のそごがあるんですけれども、これは事務経費か何かなんだろうなというふうに思うんですけれども、まずその1,277万7,000円の事業費の内訳について伺います。

○半田保育園・幼稚園課長 事業費の内訳でございますけれども、まずタブレット端末購入費のほうが605万6,000円、システムに係る委託料、使用料が362万8,000円、通信回線の使用料が211万7,000円、その他の消耗品費として97万6,000円でございます。

○南委員 次に、令和5年2月から試験導入が開始されておりますけれども、通信回線使用料が11月から3月までとなって、また、委託料、使用料が12月から3月となっている。これはどのような理由からなのかを伺います。

○半田保育園・幼稚園課長 本システムの導入に当たりまして、まずシステム開発に2か月程度を要しました。そのため、12月からシステムに係る委託料、使用料が発生しているものでございます。また、システム開発前にタブレット端末をインターネットに接続する必要がございました。そのため、11月から通信回線使用料のほうが発生してございます。

○南委員 次に、区立保育園に導入して今年度から本格実施しておりますけれども、イニシャルコスト、また、ランニングコストは当初予算で幾らになっているのか伺います。

○半田保育園・幼稚園課長 令和5年度予算でございますけれども、本システムの導入は令和4年度に終了してございまして、令和5年度はイニシャルコストにつきましては計上してございません。ランニングコストでございますけれども、インターネット回線の使用料として485万円、保育業務支援システム使用料といたしまして352万4,000円、合わせて837万4,000円を計上してございます。

○南委員 今回の保育支援業務支援システムは区立保育園10園で実施しているということですけれども、私立保育園での実施状況を伺うとともに、このシステムの私立保育園の補助は考えているのかどうか伺います。

○半田保育園・幼稚園課長 区では私立保育施設における保育園業務支援システムの実績につきましては、把握のほうはしてございません。新規開設の私立保育施設における保育園業務支援システムの導入につきましては、保育所等におけるICT化推進事業費補助金の対象となるものでございます。この補助金につきましては、基準額は200万円、補助上限額は175万円となってございます。なお、新規開設以外の私立保育施設につきましては補助対象外となるものでございます。

○南委員 次に、保育園の入園が決定したときに、区立保育園や私立保育園に通知をする内定通知書がありますけれども、私立保育園への内定通知書には記載の誤りが多々あるというふうに伺っております。特にアレルギー児のアレルギーの表記がなかったり、保護者の電話番号が間違っていたり、このような状況を区として把握しているのか、また、その原因をどのように分析しているのか伺います。

○藤嶋保育施設利用調整担当課長 内定通知書のほうには、保護者より入園申込み時などに御提供いただいた情報を記載しております。今後も、アレルギーの有無など保育上必要な情報の提供について周知を図っていくとともに、保育園に対しては正確な情報をお伝えするよう徹底してまいります。

○南委員 このように内定通知書に多々表記の誤りがあることを解消するには、根本的な手法として、入園手続に係るシステムの構築が何よりもまず必要ではないかと考えますが、区の見解を伺います。

○藤嶋保育施設利用調整担当課長 入園申込みにつきましては、ほとんどの手続書類が電子申請の対象となっております。また、紙でお申込みいただいた場合につきましても、AI-OCRによりまして、スキャナで書類を読み込み、システムに情報を登録できるようになってございます。今後もICTを活用したさらなる効率化、省力化につきまして検討してまいります。

○南委員 次に、転園した場合には、認証保育所や他区からの保育状況の記載がなく、適切な保育に支障を来しかねない、家庭保育なのか保育経験があるのかなどの情報提供をすべきですけれど、区の見解を伺います。

○藤嶋保育施設利用調整担当課長 転園に際しまして、保護者が園に対し直接入園の申込みをしております認証保育所ですとか、または他区の保育園に通っている児童の情報につきましては、改めて保護者の方から御提供いただく必要がございます。今後も正確な情報の把握に努めてまいります。

○南委員 次に、3番目に、粗大ごみ収集業務及び中継業務委託のところで伺います。令和2年度では、粗大ごみ収集期間が4週間以上かかっていたことがありました。それを委託契約の規定で定められている2週間以内に粗大ごみ収集期間を解消するため、どのような予算措置を取ったのか、伺います。

○阿部清掃事務所長 令和2年度第5号補正予算として1,517万8,000円を増額補正いたしました。そして、粗大ごみ収集車の委託を増強したところでございます。内訳については、平日は小型ダンプ車を174台、休日は6台の増としたところでございます。

○南委員 次に、収集期間短縮の対策を取ったことで、現在の収集期間はどの程度まで短縮できたのか伺うとともに、令和5年度の予算措置の内容を伺います。

○阿部清掃事務所長 粗大ごみにつきましては、現在申込みから約1週間から10日程度で収集可能でございます。令和5年度予算では、粗大ごみの受付サービス業務委託として5,187万6,000円、粗大ごみ収集業務委託として1億9,058万1,000円、合計2億4,245万7,000円を計上しているところでございます。

○南委員 次に、不用額について伺います。陶器・ガラス・金属ごみの資源化委託の残など、資源回収推進費1億1,053万8,000円、それから清掃車雇上げ料の残などの清掃事業費1億475万円となっておりますが、その要因をどのように分析しているのか伺います。

○阿部ごみゼロ推進課長 資源回収推進費の主な不用額につきましては、陶器・ガラス・金属ごみの再資源化委託費が3,591万6,000円、びん・缶回収運搬選別保管費が1,948万5,000円、金属系粗大ごみ再資源化処理委託費残が1,311万2,000円、プラスチック製容器包装選別・梱包・保管業務委託費等が1,252万6,000円となってございます。

 これらにつきましては、令和2年度、令和3年度に新型コロナ感染症対策による在宅生活者の増から、回収量、資源量が激増した実績を踏まえまして、令和4年度も令和2年度、令和3年度の数値を基に予算化したものでございます。しかし、新型コロナ感染症の終息とともに、資源回収量が大きく減少したため、委託費の残が大きくなったものでございます。

 清掃事業費につきまして、雇い上げ経費の残が8,400万円余となってございます。この予算につきましては、清掃工場への距離を基に積算を行ったところでございますが、近隣区の工場への搬入が多かったことによる残が主な要因となってございます。

○南委員 次に、委託契約における雇上契約単価、区契約単価については、ガソリン代の高騰対策費や熱中症対策費、飲料とか、一般質問でも他の議員も言われましたけれども、ファン付きベストなどを合わせた上乗せをしていくべきと考えますが、区の見解を伺います。

○阿部清掃事務所長 雇上契約単価は東京23区清掃協議会で決定している単価でございます。ペットボトル及びプラスチック回収の各委託車両単価についても、これを参考にしているところでございます。なお、ファン付きベストの導入につきましては、熱中症対策効果、作業への影響、安全性など、現場の声を十分参考にしながら検討したいと考えているところでございます。

○南委員 次に、夏場のペットボトルの回収は、可燃ごみの二、三倍になるというふうに聞いております。そのことで、作業員が1時間から2時間の残業になる状況にあります。それを補うには、臨時作業員を雇わなければならなくなってきます。もう一人分の人件費の増額など、予算立ての強化が必要となってきますが、区の見解を伺います。

○阿部ごみゼロ推進課長 夏場のペットボトルの回収につきましては、委託業者の要望を参考に、夏期対策車や臨時車両を配置し対応しているところでございます。今後もペットボトルの増加率を勘案しながら、適切な配車を行っていくものでございます。

○南委員 では次、4番目に、耐震化促進事業のところで伺います。令和4年度より、除却による耐震化について、整備地区以外にも助成制度が適用されることになりました。木造住宅建替え・除却助成件数の令和4年度の実績として57件となっていますが、その評価をどのように分析されているのか、見解を伺います。

○石原建築課長 令和4年度の木造住宅建替え・除却助成件数57件のうち、整備地域以外の助成件数は15件でした。令和3年度の実績は42件であり、助成対象を区内全域にしたことにより、実績は向上していると考えております。

○南委員 次に、耐震化の促進を考えれば、さらに実績件数を大幅に伸ばしていかなければなりませんが、今後の区としての対応策を伺います。

○石原建築課長 令和4年度の予算編成における木造住宅の建替え助成の助成額の単価は助成限度額を採用し、件数は令和2年度と令和3年度の平均件数を見込んでおり、実際の助成額の平均単価は150万円程度であったため、令和4年度につきましては、木造住宅等につきましては執行残が多かったものでございます。令和4年度の木造住宅の建替え等助成の実績は当初計画の件数より増えており、引き続き普及啓発や丁寧な相談対応に取り組むことで、実績件数を上げていきたいと考えてございます。

○南委員 次に、中野区では耐震化促進事業を行っておりますけれども、中野区耐震化促進事業のお知らせが、令和5年8月15日付発行で各戸配布されております。その掲載内容の主な事業、特に木造住宅耐震診断事業について伺います。

○石原建築課長 木造住宅の耐震診断は2段階あり、1段階目の簡易耐震診断では、区登録の耐震診断士が図面などを基に建物の内観と外観を確認し、2段階目の耐震診断では、床下や小屋裏まで詳しく調査を行った上で診断を行っております。簡易耐震診断は耐震性に不安のある在来木造住宅を対象としており、この簡易耐震診断の結果により、さらに精度の高い耐震診断を行うかどうか判断しております。

○南委員 木造住宅建替え・除却助成を受けるには、木造住宅の無料耐震診断を受けた建物であることが申込み要件になっています。各戸配布した中野区耐震化促進事業のお知らせにもそのことが明記されておりますが、その理由を伺います。

○石原建築課長 木造住宅建替え・除却助成は、耐震性の不十分な住宅に対して助成を行う制度であり、都の制度上も耐震性の不十分な住宅が助成対象となっております。耐震性が不十分かどうかは耐震診断を行うことで判断しているため、建替え・除却助成を受けるための申込み要件となっております。

○南委員 次に、最初の段階で所有者が木造住宅の建て替えや除却の意思がある場合には、無料診断、簡易診断後に一般診断で診断するというふうになっていますが、これを行わないほうが予算的に無駄がなくて済むのではないかと考えますけれども、区の見解を伺います。

○石原建築課長 耐震化促進事業の制度では、耐震性の不十分な住宅が助成対象となっており、区の補助事業の財源となる都の交付金を受ける条件として、耐震性が不十分な住宅であることを確認する必要がございます。また、木造住宅の建替え・除却助成額を算出する基礎額は、耐震補強費の相当額が原則であり、耐震診断の結果を基に耐震補強費を算出しているものでございます。

○南委員 簡易の耐震診断では、決算額では326万6,000円余り、事業実績が116棟、それから一般診断は2,426万6,000円というふうになっていますので、その理由は今お聞きしたことなんでしょうけれども、やっぱりその辺の工夫も必要なのではないかなというふうには思っておりますので、今後検討をお願いできればなというふうに思います。

 次に、大きな2番として、西武新宿線連続立体交差事業についてお伺いしいます。中井駅から野方駅間の西武新宿線連続立体交差事業については、平成25年4月に事業認可を取得し、翌年には事業着手、令和2年度には用地の収用などの課題により事業認可の変更が行われ、令和9年3月までの6年間の延伸となりました。このような状況の中では、沼袋商店街や沼袋駅周辺の地域の方々からは、中井駅・野方駅間の進捗状況がよく分からないといった声をよくお聞きします。もっともなことで、地下化工事のため進捗状況を知るすべがありません。そのため、いつ出来上がるのか、本当に完成するのかなど、不安感が増すばかりであります。その不安感を解消することが求められており、そのために工事内容の動画や画像などを使用して、工事区間の沿線地域の説明会の開催や小・中学校での公開授業などを実施すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

○近江新井薬師前・沼袋駅周辺まちづくり担当課長 西武新宿線中井駅・野方駅間の連続立体交差事業につきましては、東京都が事業主体となりまして、鉄道事業者及び区と連携しながら進めているところでございます。工事の状況につきましては、現在主に新井薬師前、沼袋の両駅部をはじめ、地下化の接続部や妙正寺川との交差部について、掘削工事や土留め工事、あるいは地盤改良工事等を行っているところでございます。

 連続立体交差事業の工事状況は、従来よりホームページや広報紙などを通じて広報を行っているところでございますが、今年度からは、鉄道事業者のホームページ上に工事動画を掲載することや工事進捗のお知らせを駅に掲示する等、さらなる情報発信に努めると聞いてございます。

 また、区としても、西武新宿線沿線のまちづくりに関する情報としてまちづくりニュースを発行しておりまして、区のホームページの掲載や地元への配布、そういったところを通じて情報提供を行っているところでございます。引き続き、事業主体である東京都や鉄道事業者と連携し、事業の進捗状況について情報提供に努めてまいります。

○南委員 新井薬師前駅周辺や沼袋駅周辺において、改札口の入口や駅ビルの計画などについてどこまで進んでいるのか、全く示されていない状況です。商店街や地域の方々への完成予想図のパースなど画像を使用した説明会を開催して情報提供すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

○近江新井薬師前・沼袋駅周辺まちづくり担当課長 新たな駅の出入口、あるいは改札の位置につきましては、現在鉄道事業者にて設計を進めている状況と、事業主体である東京都から聞いてございます。内容が決まり次第、地元に周知してもらうように要望してまいります。

南委員 次に、中野区と東京都、西武鉄道株式会社の3者による連続立体交差事業協議会が毎年5月に開かれていると聞いておりますけれども、どのような協議内容なのかを伺うとともに、年1回の協議で地域住民からの具体的な要望を伝えることができるのか、また、その回答を得ることができるのかと疑問を持たざるを得ませんが、この点について区の見解を伺います。

○安田まちづくり計画課長 協議事項は、西武新宿線中井駅から野方駅間の連続立体交差事業のための事業計画、工事等施工計画、広報活動が内容となってございます。本協議会は、東京都、区及び西武鉄道株式会社の情報共有や意見交換の場であるため、直接地域の要望を協議会へ伝えることや回答を得ることはできませんが、中野区を通じて地域からの要望等を協議会に伝えることは可能と考えてございます。

○南委員 次に、鉄道上部空間の活用・整備について、令和3年第3回定例会での中野駅周辺整備・西武新宿線沿線まちづくり調査特別委員会で報告がありました。その際、鉄道上部空間活用計画の策定スケジュールが示されましたが、その後の状況はどのようになっているのか伺います。また、令和4年度の決算額は計上されておりませんが、現在のところではどのような状況なのか伺います。

○安田まちづくり計画課長 令和4年度は、鉄道上部空間の活用に直接関係する委託費等は計上してございません。内容としましては、令和4年度は、東京都、西武鉄道株式会社、区の3者で、上部利用の検討の進め方等について打合せや情報交換等を行ったものでございます。

○南委員 上部空間については、やはり特に新井薬師前駅から沼袋駅間の上部活用というのは、商業系の地域としてのにぎわいの創出が非常に重要となってまいります。大きな店舗を整備するとなると、地区計画の策定とか用途地域の変更とかといったことが必要となり、これはかなり時間を要することになってくるわけですけれども、にぎわいの創出の観点から、キッチンカーでの活用であるとか、また、2階が住居で1階が店舗、それも小規模な、50平米以下なんですかね、であればカフェやバルでの活用も考えられると思いますので、そういったこともきっちりとした形で方向性をつけていっていただければと思います。

 次に、鉄道上部空間の方向性の整理をするに当たって、区民からの意見聴取、調整をすることになっていますが、沿線の地域の意見を反映する取組を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

○安田まちづくり計画課長 上部空間の活用につきましては、まずは区としての考え方や方針を取りまとめることが重要であると考えてございます。このために、今後、地域住民等の意見を反映できるよう、アンケートや各まちづくり団体との意見交換会を行っていくことを考えてございます。

○南委員 次に、鉄道上部空間活用方針の策定が、この間の令和3年の第3回定例会での中野駅周辺整備・西武新宿線沿線まちづくり特別委員会での報告の中では、この上部活用方針の策定というのは令和4年度から令和7年度の期間で行うことになっているというふうに報告があったわけですけれども、現時点でのその方針の検討状況、これはどのようになっているのか伺います。

○安田まちづくり計画課長 繰り返しになりますけれども、鉄道上部活用に関しましては、まずは区としての上部活用に向けたまちづくりの方針を取りまとめ、その上で、西武鉄道や都と意見交換、協議を進めていくことが重要であると考えてございます。現在、これに向けて沿線で進められている各まちづくり事業と、駅周辺や鉄道間のまちの機能や先行実施している他区の事例などの分析を行ってございます。また、各まちづくり団体等から出された意見や要望書の把握など、検討を進めているところでございます。

○南委員 次に、中井駅・野方駅間の連続立体交差事業は、令和8年度末の事業予定で工事が今進められているところでありますけれども、地下化の工事が完了してから上部空間の活用方法を決めるのではなく、やはり事業が完了したら早々に上部活用に向けたまちづくりの誘導が実施されて、具体的な整備が進むように、先ほども言いましたけれども、特に新井薬師前駅から沼袋駅間についてはそういう地区計画の大きなものではなくて、そうなると用途地域の変更をせざるを得ないようになっていくと非常に厳しい状況になってくるので、やはりその上部空間においてすぐににぎわいが創出できるような、やはりカフェであるとかバルであるとか、先ほどもキッチンカーも言いましたけれども、そういったもののにぎわいの創出を率先してやはりつくっていかなくてはならないので、やっぱりそういった具体的な整備が進むように、中野区がとにかく強いリーダーシップをもってこの課題に取り組まれることを強く要望して、この項の質問を終わりたいと思います。

 大きな3番として、沼袋駅周辺まちづくりについて伺います。最初に、区画街路第4号線の整備についてでありますけれども、この区画街路第4号線、沼袋商店街通りの拡幅については、各整備区間、第1期区間から第4期区間の物件等調査の進捗状況と併せて、また、現時点での契約件数の状況をお伺いいたします。

○石井街路用地担当課長 現時点における1期区間の権利者ベースでの契約件数は16件でございます。物件等調査の進捗率は約70%となってございます。以下、2期区間は5件で約77%、3期区間は27件で約81%、4期区間は30件で約71%となってございます。

○南委員 次に、整備が進んできている状況の中、土地の収用による事業用地の増加やセットバックによる建て替えによって、商店街の形成に現在凹凸ができている状況であります。このことで沼袋商店街として、商店街としての活気が失われているとの声を商店街の方々や買物客の方々から聞いているところでありますけれども、現在の商店街の活性化を図るために、事業用地や壁面後退を活用したマルシェやキッチンカー等の導入など、他にもいろんな方法があるかと思いますけれども、そういったことが必要と考えますが、まちづくり事業課の立場からの見解を伺いたいと思います。

○小倉まちづくり事業課長 商店街の活性化に向けて、まちづくり所管の見解についてお答えいたします。区画街路第4号線沿道の商店街の活性化につきましては、商店街の意向を踏まえた上で、事業の計画、進捗、沿道利用者の安全性を考慮し、検討を行うことが必要であると考えております。現在、事業期間中及び将来的なにぎわい創出について、ほかの自治体の事例収集を行いながら、事業用地の活用も視野に入れ当該地域でどのような支援が行えるか、関係部署と連携し検討を行っているところでございます。引き続き商店街等地域との意見交換を重ね、できる方策について検討を進めていきたいと考えております。

○南委員 ぜひ商店街の人たちの声をよく聞いていただきたいと思います。

 それから次に、同様についてなんですが、沼袋商店街の活気が薄れた、現在整備中であるというところから活気が薄れているというな現状を打開するためにどのようなことが必要なのか、今度は産業振興課の観点からお伺いをしたいと思います。

○松丸産業振興課長 区画街路第4号線整備完了後の将来のあるべき商店街の姿を見据える一方で、整備期間中の沼袋の商店街のにぎわいをいかに保持していくのか、こういったことが課題だというふうに認識しております。そのためには、商店街や町会などが現在の課題について共通認識を持つ必要があると考えておりまして、現在まちづくり部門と連携しながら、有識者を交えた地域の検討会で協議を進めておりまして、この場を核としまして、地域における当面の取組ですとか今後の対応策の検討を促してまいりたいというふうに考えております。

○南委員 ぜひ産業振興課の立場からも、今御答弁いただいたように、まちづくり事業課と連携を図りながらしっかり進めていっていただきたいのと同時に、産業振興担当の部長はかつて西武新宿線沿線のまちづくりのほうも担当されていたというような、そういったこともありますので、よくその辺の実情も分かっていただけているのであろうというふうに強く思っておりますので、ぜひともこの打開を進めていけるように努力をしていただければと思いますので、よろしくお願いします。

 次に、沼袋駅北側地区の駅前拠点空間整備について伺います。令和4年度の決算書では、沼袋駅前拠点空間創出検討業務委託として840万4,000円とありますけれども、その内容を伺います。

○近江新井薬師前・沼袋駅周辺まちづくり担当課長 沼袋駅北側の拠点空間整備につきましては、昨年度、地区内に土地、建物を所有している方を対象に勉強会等を実施しておりますが、その運営支援及び今後想定される事業のモデル案の検討業務を委託してございます。具体的には、地権者との勉強会及びオープンハウスの各3回の実施とそのための資料作成などを行ったものでございます。

○南委員 次に、駅前の拠点空間の創出の検討方法の手順として、拠点空間の創出が想定される地域の方々との勉強会や街区再編などのまちづくりに関心のあるかどうかの意向調査、さらには具体的な事業手法やまちづくりを行うエリアについての協議会の設置がありますが、現在の進捗状況と今後のスケジュールはどのようになっているか伺います。

○近江新井薬師前・沼袋駅周辺まちづくり担当課長 沼袋駅北側の拠点空間整備の地区につきましては、再開発協議会の前の段階であります勉強会を当面継続して実施していき、地区内権利者の機運がある程度高まった時期を見定めた上で、協議会へと移行していけるものと考えてございます。現時点では、協議会発足時期の確定はできないものと考えてございます。

○南委員 なかなか難しい問題ではあるというのは理解しているところでございますが、次に、沼袋駅北側地区の駅前拠点空間整備において、区画街路第4号線と重なる地区といいますか、地域がありますが、こういった重なる地域について、建物の共同化や再開発等による街区の再編において、今後どのような区画街路第4号線及び沼袋駅周辺まちづくりの整備を進めていく考えなのかを伺います。

○近江新井薬師前・沼袋駅周辺まちづくり担当課長 沼袋駅北側の拠点空間整備の想定区域には、区画街路第4号線の事業区域の一部が重複してございます。区画街路第4号線につきましては既に事業中であるため、区画街路第4号線の整備が優先されるものと考えてございます。一方、駅前拠点整備の検討に当たりましては、区画街路第4号線整備の進捗を注視しながら検討してまいりたいと考えてございます。

○南委員 次に、沼袋駅周辺まちづくりにおける防災まちづくりについて伺います。今年の第2回定例会の建設委員会で報告のあった「新たな防火規制区域の拡大について」の中で、沼袋駅北側の沼袋一丁目、沼袋二丁目、沼袋三丁目の一部、沼袋四丁目が新たな防火規制区域に指定されました。区画街路第4号線の整備と沿道の不燃化、新たな防火規制の指定で、地区全体の防災性向上が期待される一方で、沼袋のエリアは木造住宅密集地域であるため、以前から防災まちづくりに課題のある地域となっております。新たな防火地域の概要と期待される効果を伺うとともに、区の職員体制の強化などをはじめとして、沼袋地域全体の防災向上に向けて、区画街路第4号線周辺地区の防災まちづくりについて伺います。

○近江新井薬師前・沼袋駅周辺まちづくり担当課長 新たな防火規制につきましては、東京都の地震に関する地域危険度測定調査の指標に基づきまして、火災危険度ランク4の地域及び防災まちづくりの検討に取り組んでいる地域に指定するものでございます。新たな防火規制が指定されることで、建築の際は原則として準耐火建築物等、また、耐火建築物等の構造にする必要があるため、不燃領域率の改善や地域危険度の改善に寄与するものであると考えてございます。現在事業中の区画街路第4号線の整備では、沿道の不燃化建て替えを促進することで、延焼遮断帯が形成されていくものとなってございます。

 区画街路第4号線沿道の周辺地区の防災まちづくりにつきましては、区としては、まずは区画街路第4号線の整備と沿道の不燃化を重点的に行っているところでございまして、区画街路第4号線の整備の進捗に一定の成果が得られ、不燃領域率等の推移なども確認しながら、着手を検討してまいりたいと考えてございます。

○南委員 では、この項の最後に、沼袋駅周辺まちづくりにおける環境負荷軽減のまちづくりについてお伺いいたします。沼袋駅周辺まちづくりでは、環境施策が反映されているかどうかが全く見えてきておりません。現在沼袋駅周辺まちづくりが進行する状況において、CO?の排出抑制やZEH、ZEBなどのエネルギー収支をゼロ以下にする施策展開をしていかなくてはならないと考えますが、いかがでしょうか。また、環境負荷軽減のまちづくりを推進するためには、まちづくり事業課との連携は欠かせないと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

○永見環境課長 環境部は現在、脱炭素施策に全庁的に取り組んでいくために、脱炭素ロードマップの作成に向けて、まちづくり推進部を含めて関係部署との調整を行っているところでございます。沼袋駅周辺まちづくりにつきましても、今後の事業の進展においてCO?の排出抑制など環境負荷の低減が図られるよう、事業内容やスケジュール等の情報を共有しながら、実施可能な対策について調整を行ってまいります。

○杉山委員長 南委員の質疑の途中ですけれども、5時になりましたので、今後の運営について協議するため、理事会を開催します。

 委員会を休憩します。

午後5時00分休憩

 

午後5時06分開議

○杉山委員長 委員会を再開します。

 ただいまの理事会の報告をします。

 午後5時を過ぎましたが、南かつひこ委員の質疑時間はあと12分ほどとのことなので、南委員の質疑が終わるまで質疑を続行することを確認しました。

 以上が理事会の報告ですが、質疑はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○杉山委員長 それでは、ただいまの報告のとおり委員会を運営することに御異議ありません。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○杉山委員長 御異議ありませんので、そのように決定します。

 それでは休憩前に引き続き、総括質疑を行います。南かつひこ委員、質疑をどうぞ。

○南委員 5時過ぎたにもかかわらず質疑を続行させていただいて、皆さんの御協力ありがとうございます。

 それでは大きな4番目として、中野区区有施設整備計画について伺います。初めに、教育センター、保健所等の再編について伺います。現在の教育センター分室の位置にあった教育センターの機能の一部を、令和3年度に開設したみらいステップなかのに移転させました。これは中野区区有施設整備計画どおりになっております。中野区区有施設整備計画では、その後にこの旧教育センター跡地で保健所を主体とした合同庁舎を整備することになっていますが、スケジュールが明確になっておりません。その要因を伺います。

○瀬谷資産管理活用課長 保健所の建て替えスケジュールについてですが、区有施設整備計画においては、施設の更新期の到来に合わせて、建て替え、移転の検討をすることとしておりました。具体的になった段階で、スケジュールを含めて検討状況をお示ししていきたいと考えております。

○南委員 次に、現在の保健所が旧教育センターの跡地に移転した後に、保健所の跡地には障害者福祉会館と障害福祉施設の複合施設を整備するとあります。沼袋にある障害者福祉会館の機能を移転するとともに、障害者福祉施設等の機能も整備することになりますが、この障害者施設等とはどのような施設、機能のことなのかを伺います。

○瀬谷資産管理活用課長 障害者福祉会館の複合化検討につきましては、障害者福祉会館と親和性の高い施設、ショートステイなど障害児や障害者の施設整備を想定しておりました。具体的には障害者福祉会館の建て替え、移転と併せて検討することを考えております。

○南委員 次に、保健所の跡地には障害者福祉会館と障害者福祉施設等の複合施設を整備することになっておりますが、そのスケジュールを伺います。

○瀬谷資産管理活用課長 障害者福祉会館の建て替えスケジュールにつきましては、障害者福祉会館の建て替え、移転について、保健所が教育センター分室跡地へ移転した後ということになりますので、具体的なスケジュールは今後検討していくことになります。

○南委員 聞いてもなかなか、そういう答えになるというのは分かっていて聞いているんですけれども。

 じゃあ、次に、保健所の跡地に障害者福祉会館と障害者福祉施設の複合施設を整備した場合には、障害者福祉会館に残る機能としては、区民活動センター以外では何を想定されているのか、それを伺います。

○瀬谷資産管理活用課長 障害者福祉会館跡の活用についてですが、将来の行政需要を踏まえまして、区有施設等の複合化を検討するなど有効活用をしていきたいと考えております。

○南委員 複合化ということで、どういったものが複合化されるのかということは、まだ取材とか、そういったことをしておりませんので、ここではお聞きはしませんけれども、なかなかどういったものになるのかなと、さらに何か疑問が浮かんでくるような形なんですけれども。

 次に、北部すこやか福祉センターの建て替えは、旧沼袋小学校跡地で行う計画であります。まずこの現在の北部すこやか福祉センターの築年数と建て替え期を迎えるまでの年数を伺うとともに、旧沼袋小学校の校舎の築年数と建て替え期を迎えるまでの年数を伺います。

○瀬谷資産管理活用課長 北部すこやか福祉センターにつきましては1962年に建築されており築61年、旧沼袋小学校につきましては1969年に建築されておりまして築54年となっております。区有施設整備計画では、一般の施設は築60年、学校につきましては築70年を目安に建て替え更新を行う考えをお示しているところです。

○南委員 それぞれ、通常の建物は60年、学校は70年と。いわゆるそういう建て替え時期を想定しているというか、それに基づいて今後計画をしていくということになるんでしょうけれども。

 次に、これまで旧沼袋小学校を活用して行われてきた事業を伺うとともに、現在行われている事業についても伺います。

○瀬谷資産管理活用課長 旧沼袋小学校の活用の経過についてでございます。平成22年度に閉校となった後、旧校舎の一部を保育所ですとか学童クラブなどとして暫定活用してまいりました。現在は、旧校舎の学童クラブのほか、校庭、プールの地域への貸付けなどを引き続き行っているところです。

○南委員 保育園とか学童クラブ、そういったこと。それは、今も学童クラブは続いているということですよね。使わないとさらに建物というのはどんどんどんどん風化がひどくなっていきますので、使っていかないといけないなというふうに思いますけれども。

 次に、旧沼袋小学校での北部すこやか福祉センターの建て替えについては、用途地域の制限により延べ床面積が600平米以下に制限されているわけですけれども、現在の北部すこやか福祉センターの延べ床面積は1,000平米以上ありますが、それを考えれば機能をかなり縮小せざるを得なくなってくるわけですけれども、この点について区はどのようにお考えでしょうか。

○高橋地域活動推進課長 北部すこやか福祉センターの建て替えに当たり、現在の機能を確保するには一定規模の延べ床面積を要するため、沼袋小学校跡地における整備に当たっては、建築基準法上の特例許可を受ける必要がございます。

○南委員 特例許可ということなんですけれども、これもはっきりとしたことは言えないかも分からないんですが、聞いている話では、合わせて700平米ほどしか許可されない。ですから、それを考えれば、やはり北部すこやか福祉センターとしての機能というのはもう縮小せざるを得ないというふうに思うわけですし、また、特例許可を取るのは非常に難しい。特に近隣の方々の許可というか、理解、許可っていったものが必要になってくる。そういったことを思うと、特例自体も非常に難しいということになってくると。やっぱり600平米ということになってくるということも、やはりよくこのほうは考えていただきたいなというふうに思います。これは指摘をさせていただきます。

 この保健所機能と障害者福祉会館の機能を玉突き計画で建て替えを早急に進めて、現在の障害者福祉会館の位置での北部すこやか福祉センターの建て替えをすべきでありますけれども、これは何回も私は言っていますけれども、改めて区の見解を伺います。

○高橋地域活動推進課長 北部すこやか福祉センターは、建物の更新時期を迎えておりまして、計画的に建て替えを進める必要がございます。一方で、沼袋小学校跡地に整備するに当たりましては、建築基準法上の特例許可を受けるための手続を要すること、また、交通利便性の確保などの課題があることは認識しているところでございまして、これらを踏まえて最適な整備手法を検討しているところでございます。

○南委員 旧沼袋小学校の跡地は、まずは用途地域に制限があるということと、今課長のほうもおっしゃいましたけど、モビリティについても非常に課題があるというところから、我が会派としても、私としても、やはり北部すこやか福祉センターを沼袋小学校跡地に持っていくのは無理があるというふうにどうしても思えてならないわけです。

 ですので、その辺りを考えれば、全部玉突きでやった後、今の障害者福祉会館に、あそこは近隣商業地域ですから、高さの制限で施設も今以上に大きくなりますし、じゃあ、その仮設をどうするんだって言ったら、今の北部すこやか福祉センターも、あそこで建て替えてもやっぱり600平米しか、用途地域の制限がかかるわけですね。であれば、そこに仮設を造るなりして、障害者福祉会館をしっかりと、立派な複合施設として機能を充実させたもの、その機能もまだはっきり考えられていないようですけれども、しっかりとしたものを造るということが一番沼袋の、また、商店街、区画街路第4号線、今整備していますけれども、あそこにすばらしい複合施設としてすこやか福祉センターが出来上がれば、商店街の活性化にも大きな貢献ができるというふうに私は思っておりますので、ぜひとも検討、前へ進めていただきたいというふうに私から強く強く要望をさせていただいて、私の全ての質問を終わらせていただきます。お時間をいただきまして、ありがとうございました。

○杉山委員長 以上で南かつひこ委員の質疑を終了します。

 以上をもって本日の総括質疑を終了します。

 委員、理事者の皆様、本日は遅くまでお時間をいただきまして、ありがとうございます。

 次回の委員会は、9月28日(木曜日)午前10時から当委員会室で開会することを口頭をもって通告します。

 以上で本日の決算特別委員会を散会します。

午後5時20分散会