令和5年09月28日中野区議会決算特別委員会の会議録 1.令和5年(2023年)9月28日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。 1.出席委員(41名) 1番 山 内 あきひろ 2番 武 井 まさき 3番 斉 藤 けいた 4番 井 関 源 二 5番 黒 沢 ゆ か 6番 大 沢 ひろゆき 7番 武 田 やよい 8番 いのつめ 正 太 9番 間 ひとみ 10番 市 川 しんたろう 11番 加 藤 たくま 12番 日 野 たかし 13番 木 村 広 一 14番 吉 田 康一郎 15番 立 石 り お 16番 内 野 大三郎 17番 広 川 まさのり 18番 河 合 り な 19番 細 野 かよこ 20番 斉 藤 ゆ り 21番 高 橋 かずちか 22番 大 内 しんご 23番 甲 田 ゆり子 24番 小 林 ぜんいち 25番 白 井 ひでふみ 27番 羽 鳥 だいすけ 28番 い さ 哲 郎 29番 杉 山 司 30番 ひやま 隆 31番 山 本 たかし 32番 伊 藤 正 信 33番 高 橋 ちあき 34番 平 山 英 明 35番 南 かつひこ 36番 久 保 り か 37番 石 坂 わたる 38番 むとう 有 子 39番 浦 野 さとみ 40番 中 村 延 子 41番 森 たかゆき 42番 酒 井 たくや 1.欠席委員(1名) 26番 小宮山 たかし 1.出席説明員 中野区長 酒井 直人 副区長 青山 敬一郎 副区長 栗田 泰正 教育長 入野 貴美子 企画部長 岩浅 英樹 企画課長 森 克久 ユニバーサルデザイン推進担当課長 国分 雄樹 資産管理活用課長 瀬谷 泰祐 財政課長 竹内 賢三 広聴・広報課長、秘書担当課長 矢澤 岳 総務部長 濵口 求 防災危機管理担当部長、防災危機管理課長 杉本 兼太郎 DX推進室長 滝瀬 裕之 総務課長 浅川 靖 職員課長 吉沢 健一 人事政策・育成担当課長 石橋 一彦 防災担当課長 福嶋 和明 生活・交通安全担当課長 阿部 靖 情報システム課長 伊東 知秀 新区役所整備課長 中村 洋 区民部長、新区役所窓口サービス担当部長 高橋 昭彦 文化・産業振興担当部長、シティプロモーション担当課長 高村 和哉 区民サービス課長 小堺 充 戸籍住民課長 白井 亮 税務課長 滝浪 亜未 保険医療課長 宮脇 正治 産業振興課長 松丸 晃大 文化振興・多文化共生推進課長 冨士縄 篤 子ども教育部長、教育委員会事務局次長 石崎 公一 子ども家庭支援担当部長、教育委員会事務局参事(子ども家庭支援担当) 小田 史子 子ども・教育政策課長 渡邊 健治 子ども政策担当課長 青木 大 保育園・幼稚園課長 半田 浩之 幼児施設整備担当課長 藤嶋 正彦 子育て支援課長 原 拓也 育成活動推進課長 細野 修一 子ども・若者相談課長 菅野 多身子 児童相談所副所長 神谷 万美 指導室長 齊藤 光司 学務課長 佐藤 貴之 地域支えあい推進部長、地域包括ケア推進担当部長 石井 大輔 すこやか福祉センター調整担当課長 高橋 英昭 地域包括ケア推進課長 河村 陽子 中部すこやか福祉センター担当課長 鈴木 宣広 介護・高齢者支援課長、高齢者支援担当課長 古本 正士 健康福祉部長 鳥井 文哉 保健所長 佐藤 壽志子 福祉推進課長 中谷 博 障害福祉課長 辻本 将紀 障害福祉サービス担当課長 大場 大輔 保健予防課長 鹿島 剛 生活衛生課長 秦 友洋 環境部長 松前 友香子 清掃事務所長 阿部 正宏 都市基盤部長 豊川 士朗 都市計画課長 塚本 剛史 道路管理課長 髙田 班 まちづくり推進部長 角 秀行 中野駅周辺まちづくり担当部長 千田 真史 まちづくり計画課長 安田 道孝 野方以西担当課長 桑原 大輔 まちづくり事業課長 小倉 芳則 新井薬師前・沼袋駅周辺まちづくり担当課長 近江 淳一 中野駅新北口駅前エリア担当課長 小幡 一隆 中野駅周辺地区担当課長 山本 光男 会計室長 志賀 聡 1.本会の書記は下記のとおりである。 事務局長 堀越 恵美子 事務局次長 林 健 議事調査担当係長 鈴木 均 書 記 立川 衛 書 記 若見 元彦 書 記 鎌形 聡美 書 記 髙田 英明 書 記 田村 優 書 記 細井 翔太 書 記 早尾 尚也 書 記 堀井 翔平 書 記 金木 崇太 書 記 髙橋 万里 書 記 川辺 翔斗 1.委員長署名
午前10時00分開会 ○杉山委員長 定足数に達しましたので、ただいまから決算特別委員会を開会します。 認定第1号から認定第5号までの計5件を一括して議題に供します。 9月27日(水曜日)の理事会の報告を行います。 初めに、本日の委員会運営についてです。本日の総括質疑の順番は、1番目に細野かよこ委員、2番目に高橋かずちか委員、3番目に河合りな委員、4番目にむとう有子委員、5番目に石坂わたる委員、6番目に吉田康一郎委員、7番目に立石りお委員、8番目に斉藤けいた委員、9番目に井関源二委員の順で9名の総括質疑を行うことを確認しました。 また、本日は総括質疑最終日であり、午後5時を過ぎる場合も質疑を続行し、委員長判断で休憩を入れることを確認しました。 次に、要求資料の配付について、お手元の資料要求一覧(追加分)のとおり、新たに1件の資料要求について整理しました。資料につきましては後ほどアップロードされますので、御覧ください。 分科会を含め、決算特別委員会中はマスク着用での出席をお願いします。 以上が理事会の報告ですが、質疑はありませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○杉山委員長 なければ、ただいまの報告のとおり委員会を運営することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○杉山委員長 御異議ありませんので、そのように運営します。
令和5年(2023年)9月28日 決算特別委員会
決算特別委員会資料要求一覧(追加分)
追加分 ◆総務分科会関係 115 「中野区基本計画」における施策の成果指標(低下したもの以外)及び関連する主な事業一覧 <自>
○杉山委員長 ただいまから総括質疑を行いますが、答弁される理事者は答弁前に大きな声で職名を述べるようお願いします。 それでは、質疑に入ります。 細野かよこ委員、質疑をどうぞ。 ○細野委員 おはようございます。復活しました細野です。総括質疑最終日ということで、そして、4年半ぶりの質疑になりますので、大変緊張しておりますけれども、皆様、どうぞよろしくお願いいたします。 2023年第3回定例会決算特別委員会におきまして、立憲・国民・ネット・無所属議員団の一員として、また、中野・生活者ネットワークの一員として総括質疑をいたします。 質問は通告どおりですが、2の(3)その他として、ケアラー支援について伺います。よろしくお願いいたします。 初めに、2022年度決算から、中野区介護保険特別会計について伺います。実質収支額は、過去最高だった2021年度の5億4,500万円から2.3%減の5億3,300万円となっていますが、3年連続で5億円を超えています。この要因は何でしょうか。 ○古本介護・高齢者支援課長 お答えします。令和2年度から令和4年度におきましては、当初予算で見込んでおりましたよりも国庫支出金や都支出金の実績が多かったことが主な要因であるというふうに考えてございます。 ○細野委員 実質収支額が連続で5億円を超えた2020年度、2021年度、2022年度はコロナ禍でもあった年度でした。この3年間の介護サービスの利用状況で、新型コロナ感染症拡大の影響によると思われる特徴はありますか。 ○古本介護・高齢者支援課長 令和2年度から令和4年度にかけまして、特別養護老人ホームなどの施設サービスにつきましては約1.1%の伸びであったことに対しまして、訪問介護などの居宅サービスにつきましては約7.1%の伸びとなってございます。これは、新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、一時的に低下をしておりました居宅サービスの利用が徐々に回復してきているものというふうに考えてございます。 ○細野委員 ありがとうございます。居宅介護サービスは徐々に回復してきているという御報告でした。 不納欠損額について伺います。2020年度が3,124万円、2021年度が5,761万円、2022年度が6,068万円で、2020年度と比較すると、2021年度が1.8倍、2022年度が1.9倍になっています。2020年度から2021年度にかけて決算額が増えた理由、この間の収納率アップに向けての区の取組について伺います。 ○古本介護・高齢者支援課長 不納欠損額は、それまでの滞納繰越額の影響を受けまして、この間の不納欠損額が多かった理由といたしましては、令和元年10月の消費税率の引上げや、その後の新型コロナウイルス感染症の蔓延等の影響があろうかと考えてございます。一方で、介護保険料の収納率向上対策といたしましては、令和3年3月よりキャッシュレス決済を導入いたしましたほか、令和4年9月からは、Web口座振替受付サービスと申しまして、インターネットのサイト上で口座振替の手続を行うことができる仕組みを導入してございます。 ○細野委員 国民健康保険料なんかに比べると、介護保険の収納率はかなりいいとは思うんですけれども、やっぱり不納欠損額6,000万円というのは大きな金額だと思います。引き続き収納率の向上に向けての工夫、また、何らか支援が必要な方には支援につなぐ対応をしていただきたいと思います。 次に、地域支援事業費について伺います。2022年度決算額は前年度比17.5%の減となっています。この要因は何でしょうか。 ○古本介護・高齢者支援課長 社会福祉法の改正に伴いまして、新たに重層的な支援体制の整備が求められまして、それまで介護保険特別会計で実施をしておりました地域包括支援センター運営委託が令和4年度から一般会計に移行したことが主な理由でございます。 ○細野委員 社会福祉法の改正によって、地域支援事業費に係る地域包括支援センター運営委託費が一般会計へ移行したということですね。 それでは、この項の最後に、介護給付費準備基金について伺います。介護保険の事業実績などをまとめた報告は、例年、10月頃に中野区介護保険運営状況として公表されます。今あるものは昨年度(2022年度)に出されたものですが、これによると、介護給付費準備基金は、介護保険財政の安定的な運営を支えるため、介護保険制度開始とともに設置されたとあります。これまでの基金の活用状況について伺います。 ○古本介護・高齢者支援課長 これまで、第2期、第4期、第7期及び第8期におきまして、保険給付や地域支援事業に要する費用を補いますために、介護給付費準備基金を取り崩し、保険料の上昇を抑えてきたところでございます。 ○細野委員 先ほどの報告を見ますと、確かに、制度開始から昨年度(2022年度)までの間に、介護保険料の上昇幅を抑えるために、合計8回基金を活用しています。しかしですけれども、保険料基準額は、制度開始の第1期が3万6,300円であったのに対し、今期の第8期では6万8,710円と1.9倍に増えています。一方、基金残高は、第1期の最終年度(2002年度)には9億9,660万円だったものが、2022年度決算では28億294万円、2.8倍になっています。介護給付費準備基金の積立金額ですが、何か基準はありますか。また、基金の活用についての基準についても教えてください。 ○古本介護・高齢者支援課長 介護給付費準備基金の積立金額自体の基準はございませんが、基金条例の第2条におきまして、各会計年度に生じました歳計余剰金相当額を積み立てるということとされておりまして、この額は介護保険特別会計予算で定めることとしております。一方で、基金の処分につきましては、同条例第6条によりまして、保険給付及び地域支援事業に要する経費の不足に充てるものとしてございます。 ○細野委員 ありがとうございます。中野区介護給付費準備基金条例で、余剰金を積み立てること、そして、基金は保険給付及び地域支援事業費に不足が生じた場合に不足分の財源に充てると規定されているという御説明でした。 それで、基金残高の推移を見ますと、年度によって増減はありつつも、全体としては増加傾向にあります。介護保険料は3年間の給付費用などの推計を基に算出されることから、歳出決算額に占める基金残高の割合について、制度開始の2000年度から2022年度まで計算してみました。一つの指標ではありますが、その結果が今からお示しするグラフです。 これがそのグラフです。青い棒グラフが基金積立残高です。そして、赤い折れ線グラフが歳出決算額に占める基金残高の割合です。そして、見えますか。黄色い棒グラフが基金取崩額です。基金取崩額は、最も少ないのが2019年度の1億3,000万円、そして、最も多いのが2022年度(昨年度)の4億2,000万円です。そして、制度開始時は、歳出決算額に占める基金残高の割合は9%前後でしたが、2016年度以降は10%を超えて、2020年度は過去最高の12.59%でした。これまで最も低かったのは2005年度で、4.66%、ここですね。5%を下回っていました。2017年度以降は12%前後で推移しています。このグラフを作ってみまして、基金を活用したら、保険料というのはもしかしたらもっと抑制できるのではないか、あるいは下げられるのではないか。そもそも、基金は一体どれぐらい必要なのか。基金の積立額を抑えて、介護予防などの事業に使えるのではないかなど、様々疑問が湧いてきました。持続可能な制度運営のためにも、区として一定の考え方を持って基金を積み立てていくべきではないかと考えます。区の見解を伺います。 ○古本介護・高齢者支援課長 介護給付費等の推計を正確に行いまして適切な保険料額を設定いたしまして、介護保険制度を安定的・継続的に運営していく必要があろうかと考えております。介護給付費準備基金の活用も今後行っていきたいというふうに考えてございます。 ○細野委員 お尋ねしたことと御回答がとちょっとかみ合っていなかったかなという感じはするのですけれども、基金というものが介護保険財政の安定的な運営を図るために大切な役割を果たしているということは私も認識しております。しかし、このまま基金残高を積み上げていくことは、保険給付のためにお預かりした保険料の使途目的として果たして適切でしょうか。介護保険制度はこれからますます必要なサービスです。基金をこれぐらい取り崩したら保険料はこれぐらい抑制される、あるいは下げることができる、取り崩さない場合はこうなる、様々なシミュレーションで、適正な基金積立額の考え方、活用の在り方について、区の考えを持ってこれから基金の積立て、運用をしていただきたいと思います。 すみません、改めてもう一度お聞きします。基金の積立額、活用について、区として、私は、やはり一定の何らかの考え方を持って、これから制度運営に当たるべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。 ○古本介護・高齢者支援課長 介護給付費準備基金の活用につきましては、先ほども申し上げましたとおり、介護保険制度の安定的・継続的運営のために積立て、または活用が必要であろうというふうに考えてございます。 ○細野委員 介護を必要とする方はこれからしばらく増えていきますね。介護人材の不足やヘルパーの高齢化など、介護保険制度の課題は山積しています。介護の社会化をうたった介護保険制度、制度はあってサービスなしという事態にならないよう、適正な基金の運用、事業の運営をお願いしまして、この項の質疑を終わります。 次に、2、介護が必要になっても安心して住み続けられる中野についてから、(1)認知症支援について伺います。この項目は他の委員の質疑と重なるところがありますが、私からも質疑をさせていただきます。 認知症の家族介護を描いた小説、有吉佐和子さんの「恍惚の人」が出版された1970年代から認知症が社会的課題になり、半世紀がたちました。この50年の間に、多くの方々の努力と試行錯誤により、認知症に対する考え方の変化、施策が進んできました。認知症に詳しい認知症介護研究・研修東京センターの永田久美子さんによれば、認知症は、問題を重視する考え方から可能性を重視する考え方に、絶望から希望へと大きな転換を図る時代になっています。2018年11月には、日本認知症本人ワーキンググループが、「一足先に認知症になった私たちからすべての人たちへ」と題された、認知症と共に生きる希望宣言を表明しました。最近では、認知症本人の方が様々発信もされています。今年6月には共生社会の実現を推進するための認知症基本法が成立しました。認知症と共に希望を持って生きる社会を中野区から推進するために、認知症支援について伺います。 昨年度(2022年度)から、区の推進事業として、認知症地域支援推進事業が区内4か所で実施されています。平仮名で「なかののなかま」と書かれたチラシには、どなたでも気軽に立ち寄れて、自由に相談ができて、ゆったり過ごせる場所と案内されています。認知症の方や家族の方などが集まる場所というとオレンジカフェがありますが、オレンジカフェと認知症地域支援推進事業の違いについて伺います。 ○河村地域包括ケア推進課長 オレンジカフェは、認知症の人やその御家族がお気軽に参加できる居場所でございます。一方、認知症地域支援推進事業は、医療職や福祉職等、認知症ケアの経験がある専門員を配置し、適切に医療やサービスにつなげられるほか、居場所の利用が難しい人でも、支援者の声かけにより気軽に参加することができるものとなってございます。オレンジカフェは地域住民、NPO法人、介護事業所、福祉施設、医療機関等の様々な主体が運営しており、区は登録したオレンジカフェに対し運営方法等の支援を行ってございます。一方、認知症地域支援推進事業は東京都高齢社会対策区市町村包括補助事業を活用して運営してございます。 ○細野委員 ありがとうございます。 認知症地域支援推進事業は、たしか中野区の委託事業ということでよろしかったですか。 ○河村地域包括ケア推進課長 委託事業でございます。 ○細野委員 ありがとうございます。 認知症地域支援推進事業は社会福祉士などの専門職が常駐して開催される事業ということで、そして、オレンジカフェは、区から運営に対する支援はありますが、経済的な支援はないということだと思います。この違いを確認した上で、それぞれについてお聞きします。 まず、オレンジカフェについてです。中野区オレンジカフェ連絡会からは、サポーターがいれば認知症の方でも働くことは可能であり、掃除や準備、片付けなど、働く機会を確保して収入を得る支援の仕組みを構築してほしいという御要望を頂いております。私も、認知症の方が持っている力を発揮できる場所や機会、それに対するインセンティブがあれば、生きがいややりがいにつながると考えます。認知症の方が働く仕組みづくりをオレンジカフェなどから始めてはいかがでしょうか。 ○河村地域包括ケア推進課長 認知症があっても生きがい、やりがい、社会参加の機会を持つことは、御本人の自己実現や認知症の進行を遅らせる上で重要なことであると認識してございます。既にオレンジカフェでは認知症の人に役割をお願いしているところもあると聞いてございます。対価を得られる仕組みづくりについても今後検討してまいりたいと考えてございます。 ○細野委員 ありがとうございます。様々恐らくクリアしなければならない課題はあるかと思いますが、前向きな御答弁を頂きましたので、ぜひよろしくお願いいたします。 次に、認知症地域支援推進事業について伺います。この事業は東京都の認知症とともに暮らす地域あんしん事業を活用して実施されています。都の補助金額や補助率、区の支出額について教えてください。 ○河村地域包括ケア推進課長 認知症地域支援推進事業の令和4年度の区の補助基本額は479万6,000円で、239万8,000円の補助、2分の1の補助を受けているところでございます。 ○細野委員 ありがとうございます。 2022年度から始まった事業ですが、昨年度の事業実績について伺います。 ○河村地域包括ケア推進課長 令和4年度の本事業の回数につきましては、4か所で合わせて178回、延べ利用人数が1,341人、相談数が76件、うち35件を地域包括支援センター等へ引き継いでございます。 ○細野委員 延べ人数で参加者が1,000人を超えて、相談から地域包括支援センターへつながった方もいらっしゃるということですね。認知症サポーターやサポートリーダーの活動の場にもなっていると私はお聞きしています。 現在、4か所で実施されていますが、設置箇所数、設置場所についての区の考え方を伺います。 ○河村地域包括ケア推進課長 認知症地域支援推進事業はすこやか福祉センター圏域ごとに1か所ずつ設置しております。2か所は社会福祉法人の施設内で、2か所は商店街の一角に設置してございます。商店街は誰でも入りやすく、通りかかって立ち寄った方もいらっしゃると聞いております。施設内につきましては、施設利用者だけでなく、地域の方にも御利用いただいているところでございます。 ○細野委員 すこやか福祉センター圏域というのは基本の考え方だと思いますが、こうした場所は、もっと身近なところにあることで、より多くの方が利用しやすくなるのではないかと思います。区内の介護事業所の方からはこうした事業に参加したいという要望を頂いております。今後、設置箇所をもっと増やしてはいかがでしょうか。 ○河村地域包括ケア推進課長 認知症地域支援推進事業は、専門職等が配置されていることで適切に医療やサービスにつなげられるほか、居場所の利用が難しい人でも支援者の声かけにより参加することができると認識してございます。認知症支援を展開している事業者の御協力により拡充することも検討してまいりたいと考えてございます。 ○細野委員 拡充ということで、本当にぜひどうぞよろしくお願いします。 時間の関係で、最後の質問を飛ばせていただきます。 移動が困難な方も参加しやすい拠点にするためにも、移動支援の構築とともに、身近な場所での居場所など、拠点整備の推進をお願いいたします。ありがとうございました。 次に、(2)地域密着型サービスについて伺います。 介護保険事業計画は、現在、第8期の最終年度で、来年度(2024年度)から第9期に入ります。当区においても次期計画の策定作業が進められていますが、7月に国が公表した第9期介護保険事業計画基本指針には幾つかの見直しのポイントが示されています。その中の一つに、在宅サービスの充実として、居宅要介護者の在宅生活を支えるための地域密着型サービスのさらなる普及があります。また、2024年度の介護報酬改定におきましても最重点サービスとして位置付けられています。在宅での生活を支えるために地域密着型サービスを普及させることは、国の方針とも合致するということです。そこで、地域密着型サービスの一つである小規模多機能型居宅介護の普及について伺います。まず、小規模多機能型居宅介護について、簡潔で分かりやすい説明と、区内の事業所数を教えてください。 ○古本介護・高齢者支援課長 小規模多機能型居宅介護と申しますのは、施設への通所を基本といたしまして、居宅への訪問や施設への宿泊を組み合わせまして、入浴、排泄、食事等の介護、調理、掃除などの家事等のほか、機能訓練のサービスを提供するものでございまして、区内には6事業所がございます。 ○細野委員 ありがとうございます。 中野区介護サービス事業所連絡会からは、登録率が振るわず、各施設が赤字運営であるとお聞きしています。そこで伺いますが、区は、区内の小規模多機能型居宅介護の登録率を把握していますか。また、運営状況についてはどのような認識でしょうか。 ○古本介護・高齢者支援課長 区内の小規模多機能型居宅介護の定員数に対する登録者数の平均でございますが、直近で64.5%というふうに把握をしてございます。区内の事業所からは、安定的な事業運営のためには登録率を引き上げる必要があるというふうに聞いてございます。 ○細野委員 登録率が伸びない要因については区としてどのようにお考えでしょうか。 ○古本介護・高齢者支援課長 区内の事業所からは、小規模多機能型居宅介護のサービスの内容やそのメリット等が十分に利用者やケアマネジャー等に浸透していないのではないかという意見を頂いているところでございます。 ○細野委員 小規模多機能型居宅介護サービスは、利用者、家族はもちろん、居宅介護支援事業所の介護支援員の方にもまだまだ十分に理解されていない現状があるのではないかと事業者の方からお聞きしています。小規模多機能型居宅介護事業所の広報に対し、区としてこれまでどのような支援をされてきたのでしょうか。 ○古本介護・高齢者支援課長 小規模多機能型居宅介護サービスの周知につきましては、令和元年度までは区役所1階のロビーでのパネル展示、令和2年度には介護サービス事業所への集団指導の際にチラシ配布を行っております。また、本年8月には中野駅ガード下ギャラリー「夢通り」へのポスター展示を行いましたほか、来月には、このとき使用いたしましたポスターを区役所1階に展示する準備を進めております。 ○細野委員 以前に比べれば認知度は上がっているそうなんですけれども、まだまだ知らない方も多いということです。病院や老人保健施設からの退院の支援に適していることなど、このサービスの利点を分かりやすく周知するなど、いろいろ考えられるかと思います。今後、サービスの周知についてどのような支援を行う必要があると考えていらっしゃいますか。 ○古本介護・高齢者支援課長 小規模多機能型居宅介護サービスにつきましては、制度としましては、サービスが月額制であることから、料金を気にすることなく安心して利用できることや、通いや訪問、宿泊といったサービスを一つの事業所でまとめて利用できるという利点がございます。今後も介護サービス事業所連絡会等と連携をいたしまして、サービスのメリット等の周知に努めたいと考えてございます。 ○細野委員 在宅での生活を支えるための大事なサービスですので、区としても利用者にとって分かりやすい周知、広報をお願いいたします。ありがとうございました。 (3)ケアラー支援について伺います。 私は2018年第1回定例会で、支える人の健康と生活を守るケアラー支援について一般質問をしました。このとき、当時はまだほとんど知られていなかったヤングケアラーについても取り上げ、全てのケアラーへの支援を求めました。その後、ケアラー支援条例を制定する自治体が増え、ヤングケアラーにおいては国の調査も実施され、支援に取り組む自治体も増えています。当区でも来月(10月)からは、ヤングケアラーの支援に向けて、小学生・中学生・高校生世代を対象とする調査が実施される予定です。ケアラーという言葉も少しずつ定着し、支援の必要性については理解が徐々に進んでいると感じております。一方で、ケアラーへの具体的な支援についてはこれからの領域です。厚生労働省は、第9期介護保険の運営方針に関する基本方針に、認知症高齢者の家族、ヤングケアラーなど、家族介護者支援に取り組むことが重要と明記しました。ケアラー支援についてもこれから推進していくことを期待しますけれども、まずは、ケアラーを支援の入り口につなぐための提案について伺います。初めに、当区におけるケアラー支援には、現在、どのようなものがありますか。 ○河村地域包括ケア推進課長 現在区で行っているケアラー支援には、家族介護教室、家族介護支援、オレンジカフェ、認知症地域支援推進事業、すこやか福祉センターや地域包括支援センターにおける相談、もの忘れ相談会がございます。また、ヤングケアラー支援につきましては、今年度からコーディネーターを配置し、スクールソーシャルワーカー等と連携して、適切な相談支援やネットワークづくりに取り組んでいるところでございます。 ○細野委員 地域包括支援センターやすこやか福祉センターなど、随分知られてきたのではないかなと感じる一方で、介護が必要になったばかりの方からは、どこに相談に行ったらいいかが分からないという声を、実は今もお聞きすることが何度かあるんですね。今お答えいただいた支援内容や相談窓口、地域資源をまとめたケアラー支援マップを作成して、公共施設や医療機関などで配布してはいかがでしょうか。ケアラーになりそうな人、なったばかりの人などには、介護の入り口を案内することで情報を得られ、今後の見通しが立ち、安心感が得られるなど、ケアラーの負担を軽減することができると考えます。また、既にケアラーの人にとっても、知らなかった新たな居場所やサービスを知ることができるのではないでしょうか。名称にはこだわっていないのですけれども、ケアラー支援マップの作成を検討していただきたいと思います。いかがでしょうか。 ○河村地域包括ケア推進課長 ケアラーには相談しやすい環境が必要であると認識してございます。ケアラーを孤立させないために、ケアラー支援マップのような、見える化したツールを今後検討していきたいと考えてございます。 ○細野委員 ありがとうございます。ぜひなるべく早めによろしくお願いいたします。 今ある相談窓口は、仕事をしている方、時間に余裕がない方などにとっては、窓口に行けないなど、相談にたどりつけない人もいると思われます。SNSを利用した相談窓口など、いつでもどこでも安心して相談できる窓口も検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○河村地域包括ケア推進課長 24時間いつでも相談できるツールとして、SNSを活用したオンライン相談は有効であると認識してございます。SNSを活用した相談しやすい窓口につきましては、今後検討してまいりたいと思ってございます。 ○細野委員 区としても前向きに考えていただいているようで、ありがとうございます。こうした相談活動を生かして、ケアラー支援の具体的な政策につながるような、そうした取組もぜひよろしくお願いいたします。ありがとうございました。 続きまして、3番目の「香害」(化学物質過敏症)について伺います。 柔軟剤などに含まれる化学物質による香り成分で体調不良を起こす香害については、独自に作成したポスターなどで啓発する自治体があったり、日本医師会のニュースでも取り上げられたり、この夏には朝の情報番組でも特集されたりして、啓発が活発になっています。昨年8月には香害をなくす議員の会が発足し、今年6月時点で92人が参加しています。今後、成分表示の義務化などに向けての活動が進んでいくとも思われます。一方で、香り付き賞品のコマーシャルは毎日繰り返されています。こうした中になって、香害はより深刻になりつつあるとも感じています。一人でも多くの人にこの問題を知ってもらい、香害を減らしたいとの思いで伺います。香害について、最近、区にどのような相談や意見などが届いていますか。また、区民の方からの相談や意見に対しどのような対応をしていらっしゃいますか。 ○秦生活衛生課長 御質問にお答えいたします。区民から香害に関するものと思われる相談は2件ございました。1、まちなかから柔軟剤の香りがし、困っている。2、保育園でプールを利用した子どもが帰ってくると柔軟剤の香りがする。プールを利用した方の水着に付着した柔軟剤がプールに溶けて、水質が汚染されているのではないかという相談が区に寄せられました。また、香りの感じ方には個人差があり、科学的に明らかになっていないことが多いため、相談者からお話を伺った上で、健康被害が疑われる場合は医療機関を受診するよう伝えてございます。また、保健所では、区民の方が利用するプールの水質等の衛生管理について監視、指導を行っています。香害について意見があった日は関係部署に情報提供をいたしました。 ○細野委員 今、御答弁を聞かれた方は、2件だけかともしかしたら思われた方がいるかもしれませんけれども、私が調べましたところ、2019年12月の中野区環境審議会の議事録には、このときの審議会は中野区環境基本計画の検討のテーマについて審議していたときなんですが、ある委員から香害を盛り込んでいただきたいという発言があります。また、2020年1月に公表された環境に関する区民事業所アンケートの自由意見にも、今、一番困っているのは近所の香害です。洗濯洗剤の強い香料で頭痛、吐き気が起こりますという意見があります。私は、区内にお住まいの症状が本当にかなり重い方からお話を伺ったことがあります。また、地域を回っていますと、実は、私の夫が電車に最後の目的地まで乗っていられなくて、途中で降りたのですとか、娘が職場で大変困っていますといったような御家族の香害による体調不良のお話や相談をお聞きします。メールを頂いたこともあります。相談にはつながっていませんけれども、困っている方は区に来ている件数以上にいる可能性があると私は思っています。香害に対する区の取組について伺います。 ○秦生活衛生課長 お答えいたします。国や都等の提供する情報を基に、ホームページや保健所でのポスター掲示によって周知を行ってございます。 ○細野委員 2021年夏に、消費者庁、文部科学省、厚生労働省、経済産業省、環境省の5省庁連名で啓発ポスターが作成されました。キャッチコピーは「その香り 困っている人がいるかも」というもので、これがそのポスターです。見えますでしょうか。こういうポスターが5省庁連名で作成されて、自治体への情報提供などもされていたはずです。ただ、このポスターなんですけれども、実は大変不評でした。「困っている人がいるかも」では、実際に困っている人の実態が伝わらないということで、本年度ようやく、多くの人の意見を踏まえて、新しいポスターが作られました。それがこのポスターです。「その香り 困っている人もいます」というふうにキャッチコピーが修正されています。しかし、私自身はこれでもまだ十分ではないと思っています。下のほうを見ますと、香りの強さの感じ方には個人差がありますということで、使用量の目安などを参考にという一文があるのですが、こうした香害という化学物質過敏症というのは、適量を使っていたら発症しないということではなくて、少量でも繰り返し体内に取り込んでしまうことで、こうした体調不良を起こしてしまいます。ですので、まだまだこのポスターももうちょっと何とかならないかなという思いはありますけれども、それでも一歩前進だと感じます。5省庁連名のこのポスターですけれども、区内では、残念ながら保健所に掲示されたものしか見かけることができませんでした。改訂されたポスターの活用など、香害の啓発、広報について、今後どのように取り組んでいかれますか。 ○秦生活衛生課長 今後は改訂されたポスターを活用し、香り付き製品については周囲の方に可能な限り御配慮して使用していただけるよう、関係部署とも情報を共有し、ポスターの掲示場所などをはじめ、より効果的な広報について検討していきたいと考えております。 ○細野委員 ありがとうございます。区内の様々な公共施設などでこうした啓発ポスターを見られるように、よろしくお願いいたします。 次に、消費生活センターについて伺います。 すみません、一つ目の質問は時間の関係で飛ばせていただきます。 消費生活センターでは毎月「消費生活センター情報特急便」を発行しています。香害の特集を組んで広報していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。 ○小堺区民サービス課長 消費生活センターが発行しております情報紙等に関連記事を掲載するなど、啓発の取組を行っていきたいと考えております。 ○細野委員 ありがとうございます。消費生活センターでもポスターの掲示などを併せてよろしくお願いいたします。 香害については子どもたちへの影響も心配です。9月8日、小・中学校の給食エプロンの共用を廃止した愛知県豊橋市の取組がニュースになりました。コロナ禍ということではありましたが、柔軟剤の臭いで一部の子どもが体調不良になるという保護者からの声が上がっていたことも理由です。ニュースでは、給食エプロンの共用を廃止する動きが全国で徐々に出ていると報じています。私も区民の方から相談を受けたことがあるのですが、当区の学校で給食の白衣に関する相談があった場合、どのような対応ができるでしょうか。また、白衣だけでなく、手洗いの石けんなども香料などが入っていないものが望ましいと考えますが、どのような対応が可能でしょうか。 ○齊藤指導室長 化学物質に過敏で、心身に影響を受けるおそれのある児童・生徒がいることは認識をしておりますが、給食着に残る柔軟剤等の臭いへの苦情は、今のところ、学校から教育委員会への報告は上がっておりません。給食着に残る臭いについて相談があった場合は、予備の給食着などで代用をしております。 ○細野委員 石けんなど、そちらについてはいかがでしょうか。 ○齊藤指導室長 各学校で石けん等は購入をしてございます。臭いに関しては、ポスター等も配布されていますので、学校のほうにも引き続き呼びかけをしていきたいと考えております。 ○細野委員 香りというのは本当にデリケートな問題で、一人ひとり感じ方とかも違うということは重々私も承知しているのですけれども、実際に保護者の方から相談を受けたこともありまして、学校にもお伝えしたと、当時はそのようなこともおっしゃっておりました。なかなかそれが伝わっていない面もあろうかと思われます。実際にそういう方がいるということは事実といいますか、いらっしゃいますので、こうした子どもがいるということを前提としていろいろ学校での対応をお考えいただきたいと思います。 教職員や保護者や子どもたちに向けて、学校だよりなどで香害について掲載して啓発も行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○齊藤指導室長 化学物質過敏症について、保健だよりや給食だより、学校だより等を通して啓発を行っている事例や、消費者庁が作成したポスターが配布されたことを機に児童・生徒や保護者に周知している学校もあることを確認しております。教育委員会といたしましては、これらの事例を共有することで各学校への啓発を強化してまいります。 ○細野委員 この学校はやっている、この学校はやっていないということでなくて、区内の学校ではこうした啓発をやっていただけるように、どうぞよろしくお願いいたします。様々な化学物質から子どもたちを守るには、まずは、大人も子どもも香害について知ることが大切です。自分の周りに健康被害を受けている人がいるかもしれないと想像力を働かせられるような広報をお願いいたします。ありがとうございました。 次に、4番目、中野区子どもの権利に関する条例について伺います。 2022年3月、中野区子どもの権利に関する条例が策定されました。私ども生活者ネットワークが長年求めてきた条例であり、大変感慨深いものがあります。私は条例制定に向けた審議会を全て傍聴しましたが、毎回委員の方から活発な意見、提案が出され、どうしたら子どものための条例になるのかが真剣に議論されていて、傍聴するのが楽しみな審議会でした。審議会の設置は2020年12月から2021年5月でコロナ禍でしたけれども、子どもの権利条例なのだから、子どもたちの意見もしっかり聞こうと、その方法や場所など、様々な工夫の下で子どもたちの意見も聞いてつくられた条例です。内容もとても誇らしいものだと思っています。条例の精神が地域の中で生かされ、日々の生活の中で子どもも大人も子どもの権利を実感できる、そんな中野区にするために幾つか伺います。 条例が制定・施行された2022年度は、まずは条例を周知するための年度であったと思います。子どもの権利条例推進に向けて2022年度に取り組んだ内容について伺います。 ○青木子ども政策担当課長 条例の推進に向けて取り組んだ内容でございますが、令和4年度につきましては、子どもの権利の普及啓発としまして、子どもの年齢に合わせた条例周知リーフレットの作成・配布、中野区子どもの権利の日、こちらは11月20日と条例で定めておりますが、それに合わせた講演会を実施しました。さらに、子どもの権利の侵害からの救済を図るため、子どもオンブズマン子ども相談室を開設するとともに、条例の推進計画を含む子ども総合計画の策定などに取り組み、条例の推進を図ったところでございます。 ○細野委員 条例の制定からこの間、条例ができたことでの効果だと思われる変化は何かありますか。 ○青木子ども政策担当課長 条例の制定を契機としまして、区の計画や方針の策定過程をはじめとして、児童館、図書館などの子どもが利用する施設の運営などにおいて、子どもの意見を聞き、反映する取組が進みました。また、地域団体の会合等において子どもの権利をテーマとした学習会やワークショップが開催されるなど、地域の取組も進んできているところであると認識してございます。 ○細野委員 私も、8月に開催された西武新宿線踏切渋滞解消促進期成同盟決起大会では、区内の児童・生徒に実施した開かずの踏切についてのアンケート結果がそこで配付されましたけれども、まさにこれなんかは子どものまちづくりのパートナーを体現する試みだったと本当に感じております。区内のあちこちで図書館とかに行きますと、子どもの意見を聞こうというような企画があったりと、こうした効果かなということを私自身も感じているところです。 子どもたちが条例の効果を実感するには、子どもと接する周りの大人が子どもの権利について理解していることが不可欠です。学校、家庭、地域の中で大人にはどのような広報を行ったのか、伺います。また、研修などを繰り返し実施することで、地域の中に子どもの権利に関する条例の精神が浸透していくと思います。出前講座などを積極的に広報して、大人が子どもの権利について学ぶ機会をつくってはいかがでしょうか。併せて伺います。 ○青木子ども政策担当課長 学校、家庭、地域などの大人が子どもの権利を理解することは重要であると認識してございまして、子どもの権利の日の講演会や、職員、教職員に対する研修への講師派遣、また、地域団体の会合への出前講座などを実施しているところでございます。出前講座の拡充も含めまして、大人が子どもの権利を学ぶ機会について、今後さらに広げていきたいと考えております。 ○細野委員 子どもの権利というとちょっと漠然としているかなというふうにも思うんですが、中野区の条例にある、例えば、失敗をしてもやり直せるんだよとか、性自認や性的志向により差別をされない、あるいは、子どもの貧困に取り組む、こうした条文の一つひとつに触れることで、抽象的な権利ではなく、日々の生活に生かせる条例になっていくのではないかと思います。大人が学ぶ機会、考える機会を積極的につくっていただきたいと思います。 大人と共に、当事者である子どもたち自身が子どもの権利を実感できることも大切です。子どもに対してはどのような普及啓発に取り組んでいらっしゃいますか。 ○青木子ども政策担当課長 子どもへの普及啓発としまして、条例を周知するリーフレットを作成し、区内の小・中・高等学校の全児童・生徒に配付しました。また、子ども相談室の機関誌を児童・生徒の学習用端末に配信するとともに、子ども相談室の愛称、マスコットキャラクターの選定過程において条例や子ども相談室に関心を持ってもらう取組を実施しているところでございます。 ○細野委員 当区より少し先の2018年に条例を制定した西東京市では、子どもの権利について全員学習を行っています。子どもの権利擁護委員が作成した副読本を使用して、市立小学校の6年生が授業で子どもの権利を学んでいます。これはとてもいい試みだなと思っているのですが、現在、区内の学校ではどのように子どもの権利について学ぶ機会を持っているでしょうか。また、当区でも、ある学年に達した子どもたち全員を対象に子どもの権利を学ぶ授業に取り組んでいただきたいと考えますが、いかがでしょうか。 ○齊藤指導室長 昨年度から区立小・中学校では、中野区子どもの権利に関する条例を柱の一つに置いて教育課程全般の大幅な見直しを図り、11月20日の中野区子どもの権利の日についても教育課程に位置付けるとともに、条例を生かした取組を行うこととしております。現在、中学校では、主に3年生の社会科公民的分野において、個人の尊厳と人権の尊重の意義と子どもの権利を関連付けた授業を行っております。また、小学校では、主に5・6年生の道徳科や学級活動で子どもの権利の考えを生かした授業を行っております。これらの実践につきましては、区の人権教育推進資料に掲載し、教員が誰でも活用できるようにしております。 ○細野委員 ありがとうございます。区内の学校でも取り組んでいただいているという御答弁でしたけれども、先ほど申し上げましたように、例えば、学校によってやっているところがある、やっていないところがあるといったようなばらつきが生じないよう、中野区の子どもたちは、例えば小学校5年生、6年生になれば、みんなが子どもの権利を学んでいるんだよ、そんなふうな中野区になるよう、ぜひ全ての学校で取組が進められるようにお願いしたいと思います。ありがとうございます。 すみません、時間の関係で一つ飛ばします。 3月に策定された中野区子ども総合計画は、中野区子どもの権利に関する条例に基づく推進計画としても位置付けられており、条例に書かれた内容の実現に向けて細やかな計画が立てられていると受け止めました。条例の推進に当たっては、今後はこうした計画の検証が必要ですけれども、その際実施された計画、あるいは実施できなかった計画などに対して、子どもたち自身がどう受け止めているかの視点が欠かせないと考えます。先の話にはなるのですが、計画の検証を行うに当たっては、子どもの視点を盛り込んだ中野区子ども白書として行ってはいかがでしょうか。 ○青木子ども政策担当課長 子ども総合計画の各事業の取組内容につきまして、中野区子どもの権利委員会において子どもの権利の視点に基づいた検証を行うほか、子どもに関わる取組について子ども自身がどのように感じているか、定性的な評価を行う必要があると考えてございます。子どもの視点による評価の具体的な手法につきましては、今後、子どもの権利委員会での議論を踏まえて検討してまいります。 ○細野委員 ありがとうございます。大事な視点だと思いますので、よろしくお願いいたします。 2022年9月、当区には条例に基づくオンブズマン制度の子ども相談室が開設されました。子どもが相談につながりやすくなるよう、例えば、区立小・中学校に配付している1人1台タブレットのホーム画面から子ども相談室にダイレクトに相談ができるようにするなど、相談しやすい方法を検討されてはいかがでしょうか。 ○青木子ども政策担当課長 今年度は、電子申請サービスであるLoGoフォームを活用した相談や、切手不要の手紙による相談などの相談手法の拡充に取り組んでいるところです。今後、児童・生徒用の学習用端末の活用も含め、子どもが相談しやすい相談手法を検討してまいります。 ○細野委員 せっかくいい条例ができましたので、これが絵に描いた餅にならないよう、条例の推進をお願いいたします。ありがとうございました。 最後の項目です。全ての職員が働きやすい職場についてから、(1)中野区職員のワーク・ライフ・バランスと女性活躍推進計画について伺います。 第2回定例会の総務委員会で中野区職員のワーク・ライフ・バランスと女性活躍推進計画の実績状況が報告されました。この報告を見たとき、私は本年5月の初顔合わせ会での驚きを思い出しました。中野区の女性の管理職の方というのはこんなに少なかったかなと感じたことです。総務委員会の議事録を読みますと、森委員、浦野委員が同様の発言をされておりました。果たして中野区の女性管理職の状況はどうなっているのでしょうか。最近10年の女性管理職の割合をこれまで公表されている実績から見てみますと、2014年度から2020年度までは堅調に伸びているのですけれども、2020年度をピークに、以降は減少傾向が続いています。この変化の要因は何だとお考えでしょうか。 ○吉沢職員課長 割合低下の理由につきましては、女性管理職が定年等の退職により減った一方、女性の管理職昇任者が令和3年度から令和5年度にかけての3か年においてゼロであったことが要因となってございます。 ○細野委員 退職者に比べて昇任者が追い付いていないというのでしょうか、そういうことだという御報告でした。 部長、課長に比べ、係長はおおむね50%でこの間も推移しています。ということは、係長までは女性が半数を占めているものの、係長以上の役職については伸びていないということです。潜在的な女性管理職候補者はいるということですので、課長、部長を増やすためには職員の方々の声を聞くことが必要だと考えますが、いかがでしょうか。また、これまでの区の取組についても伺います。 ○吉沢職員課長 各所属長には、管理職選考の受験対象者に対して、申込みの際、受験勧奨等の声かけなどをお願いしているところでございます。管理職昇任に当たりまして、不安等を聞く機会も必要だというふうに認識してございます。また、令和4年度(昨年度)までの取組としましては、女性職員のキャリア形成支援研修などや、採用4年目を対象にしましたキャリア形成に関する研修を実施してきたところでございます。 ○細野委員 管理職に占める女性職員の割合は、第4期計画における2025年度の目標値が30%であるのに対し、2022年度は22.7%です。このままだと目標達成がかなり厳しいのではないかと思いますが、区としてはどのような見通しを持っておられるでしょうか。 ○吉沢職員課長 令和5年度(今年度)から、管理職選考、種別2類につきましては指名制が導入されたこともありまして、所属部課長が指名対象者に対しましてヒアリング等を行い、その後、副区長等による面接を実施したところでございます。その面接の中では、副区長と総務部長のほうからその対象者に、管理職の昇任に当たり不安なこと、例えば、子育てや介護の両立など、丁寧に話を聞きまして、助言等を行いました。結果としまして、6名を指名したもののうち、3名が女性でございます。また、来年度に向けましては、管理職1類合格者の昇任予定者を含めますと、女性4名が課長に昇任する予定でございます。 ○細野委員 指名制などの導入によって、来年度からはもう少し増えるというお話だったと思います。システムというか、制度の改善も必要かと思いますが、何よりも、職場環境が変わらないと、やはり働き続けることは難しいかと思います。そして、目標値は女性管理職の割合が30%なんですが、仮にこの目標を達成したとしても喜ぶということではなく、50%という目標を目指して、本当に達成を目指していただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 続きまして、(2)会計年度任用職員について伺います。 2020年4月の地方公務員法の改正により、会計年度任用職員制度が導入されました。非常勤の地方公務員のことで、従来の臨時職員や嘱託職員と呼ばれる非常勤職員に代わって設置されました。職種としては、保育士や相談員など、専門性があり、区民生活、区民サービスに直結しているものが多くあります。一方、任期1年の不安定雇用で、民間であれば、労働契約法で、通算契約期間が5年を超える場合、正規職員への転換の道が担保されていますが、この5年ルールは公務員には適用されないため、正規登用への道がありません。制度が始まって3年がたちました。現状の確認と、会計年度任用職員の方も働きやすい職場環境づくりについて質疑します。 当区の会計年度任用職員数、性別について教えてください。 ○吉沢職員課長 令和5年9月1日現在におきます会計年度任用職員につきましては、女性が557名、男性が193名の、合計750名でございます。 ○細野委員 2020年4月1日時点の総務省の調査では、地方公務員の会計年度任用職員のうち、4分の3が女性となっています。当区においても性別の割合はこの統計と同じように当てはまることになり、女性が多いことが分かりました。 次に、常勤職員と会計年度任用職員の職務の違いについて教えてください。 ○吉沢職員課長 会計年度任用職員につきましては、任期を1会計年度以内として任用されます一般職の非常勤職員でございます。勤務時間につきましては、中野区におきましては週31時間以内としておりまして、フルタイムにおける勤務の会計年度任用職員はおりません。なお、会計年度任用職員は専門職と補助職に分かれております。専門職につきましては、専門的な資格や知識、経験等を要する通年の職、それから、補助職は事務補助としまして臨時の職に充てる職でございまして、欠員や繁忙期の対応、事業執行における補助などでございます。 ○細野委員 すみません、専門職と補助職の人数を私はお聞きするのを忘れましたでしょうか。 ○吉沢職員課長 専門職、補助職の男女別人数でございます。専門職につきましては、女性が216名、男性が148名の、合計364名でございます。補助職につきましては、女性が341名、男性が45名、合計286名でございます。 ○細野委員 ありがとうございます。750人の会計年度任用職員のうち、専門職、補助職の割合はほぼ半々と、専門職の方がかなりいるということが分かります。この状況を確認した上でお聞きします。 任用の更新について、国は、公募によらない再度の任用ができるのは原則2回までとしています。当区の公募によらない再度の任用の上限回数、その職種の数について教えてください。 ○吉沢職員課長 上限の最大回数は4回、それから、その職の数としましては七つでございます。 ○細野委員 最大4回ということですので、上限4回の職種については5年間継続して働けることになります。ただ、その後も続いて働きたい場合は公募のふるいにかけられることになります。公募によらない職種には虐待対応専門員の方などが入っています。こうした高い専門性などが求められる職種については上限を撤廃するなど、専門性、経験性が評価されるよう検討していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。 ○吉沢職員課長 雇用の安定により安心して職務に専念できることは重要だというふうに考えてございます。ただ、平等取扱いの原則及び成績主義を踏まえ、募集は公募を原則としてございます。専門的かつ高度な資格、経験を必要とする職につきましては公募によらない再度の任用を認めていますけれども、より能力の高い会計年度任用職員を任用しまして、雇用機会を広く平等に与え公募を行うことが望ましいというふうにも考えてございます。そういったことも考慮した上で、今後は他区の状況、動向も注視しながら研究してまいりたいというふうに考えてございます。 ○細野委員 やっぱり、こうした高い専門性を持った方々が不安定な雇用で働くということは区民福祉の向上という視点からもどうなのかなという疑問がありますので、検討いただきたいと思います。 会計年度任用職員など非正規公務員で構成される民間団体、非正規公務員voicesが今年、職場でのハラスメントの状況を調査し、8月に中間報告をまとめました。68.9%がハラスメントや差別を受けていたという結果が出ています。こうした住民サービスの最前線で働く人も少なくない会計年度任用職員が安心して働ける職場環境は住民福祉の向上にもつながります。会計年度任用職員の要望を聞いたりする機会はありますか。 また、すみません、一つ飛ばします。民間団体が行ったようなハラスメント調査を当区でも実施してはいかがでしょうか。 ○吉沢職員課長 会計年度任用職員に対しまして、まず、各所管におきまして、更新の際には要望等を聞いているというふうに認識してございます。ただ、所管において相談しづらいこともあろうかと思いますので、相談窓口としましては職員課でも受け付けてございます。 それから、ハラスメントの調査のことにつきましては、本年6月から7月にかけまして常勤職員等に対しましてハラスメントに関するアンケートを実施したところでございます。今回、そのアンケートには会計年度任用職員は含めてございませんが、次回、アンケートの際には含めて実施をしてまいりたいというふうに考えてございます。 それから、会計年度任用職員の方にもそうなんですけれども、外部相談窓口等の案内も今後していきたいというふうに考えてございまして、電話やウェブによる相談の利用も可能だというふうになってございます。 ○細野委員 ありがとうございます。庁内の相談先だけではやはり相談しにくいといったことも立場上あろうかと思いますので、第三者機関など、相談しやすい相談先についてもしっかりと周知をお願いいたします。 これで私の総括質疑を終わります。どうもありがとうございました。 ○杉山委員長 以上で細野かよこ委員の質疑を終了します。 次に、高橋かずちか委員、質疑をどうぞ。 ○高橋(か)委員 令和5年第3回定例会決算特別委員会におきまして、自由民主党議員団の立場から総括質疑をさせていただきます。なお、質問項目ですけれども、その他のところで医療政策に係ることを何点かお聞きします。また、1番に掲げている文化芸術振興については、その他の後、最後にさせていただきます。時間に限りがありますので、スピーディーな対応をどうぞよろしくお願いいたします。 まず初めに、2番目としております、誰にとっても安心して訪れたくなるまちづくりについて伺います。 UDについて。 高齢者、障害をお持ちの方が、誰でもいつでも自由に自分自身で安全にできる、この実現がユニバーサルデザインの理念ということで、実効性あるものにするポイントとしては、企画段階から取り組み、具体的整備の前にちゃんと検証を受ける、そして計画に反映させる、また、事後の検証によってさらに次に生かすスパイラルアップの仕組みの構築ということを再三質疑で私は申し上げてまいりました。そこでお伺いします。総務委員会での実施計画での説明など、UDに関する記述がなく、我が会派として改善すべきという発言をしましたところですけれども、今般の基本計画、あるいは実施計画についてのUDの位置付けについて、区の見解をお示しください。 ○国分ユニバーサルデザイン推進担当課長 実施計画におけるUDの位置付けについてでございますが、総務委員会で頂いた御意見を踏まえ、本定例会で報告予定である実施計画の素案において重点プロジェクトに位置付けることとしております。 ○高橋(か)委員 UDについては、各部門、いわゆる区の政策の最上位理念として各事業部にも展開していただきたい。これは要望として申し上げておきます。 また、UD審議会については、基本的な考え方として、ココロのバリアフリーはUDの全ての取組の根底にあるといった答申が先ほど出たということであります。ココロのバリアフリーというのは、様々な心身の特性や考え方を持つ全ての人が相互に理解を深め合ってコミュニケーションを取っていくと。一人ひとりが具体的な行動を起こして支え合うということでありまして、期が変わりましたので、第1回定例会でも私はこの件にちょっと触れたのですけれども、事例として、NPO法人が実施しているココロのバリアフリー計画、これは理事長さんに御記憶あるかは分かりませんが、2007年に渋谷の温泉施設の爆発事故で脊椎を損傷されて被害に遭われた池田君江さんという方が主催をしている。当時、打ちひしがれてどこの店にも行けないというバリアをある一つの発想、着眼点から解決していくということで、私も講演に何度か参加させていただいておりますけれども、民間の商業レベルで賛同する店同士がスロープなど資器材を融通し合ってユニバーサルデザインを実践している活動でありまして、中野区でもココロのバリアフリー計画を推進して、サポートを実践する店舗が増えると。障害をお持ちの方も、高齢の方も、また、健常者やベビーカーをお持ちの親子連れも気軽に使えるという、地域商店街の活性化につながる考えだと思っています。中野駅周辺開発も今後一層進んでいく中で、東京で一番ウエルカムな、アクセプタブルな、リピータブルまちに、誰にとっても安心して訪れたくなるまち、こういうふうに変貌していくことを区民、来街者にも発信するということが中野のブランドイメージにもつながっていくと思っています。ココロのバリアフリー計画について、中野区としてどのように捉えているのか、また、ココロのバリアフリー計画の展開によってどのような効果が期待できるのかをお聞きします。 ○国分ユニバーサルデザイン推進担当課長 委員御案内のUD審議会において、ココロのバリアフリーはユニバーサルデザインに関する全ての取組の根底にあると答申を受けたところであり、現在改定を行っているユニバーサルデザイン推進計画において、その考え方を盛り込む予定でございます。委員御提案のココロのバリアフリー計画は、安心して外出でき、お互いに支え合う社会の実現を目指したものと認識しており、誰もが参加・実行できることから、ユニバーサルデザイン推進条例が目的とする全員参加型社会及び地域活性化の実現につながるものと考えております。 ○高橋(か)委員 中野駅周辺商店街への経済波及効果が期待できると考えているのですけれども、周知啓発のために商店街関係者向けの講座フォーラムなどを開催するということについてはどうお考えでしょうか。 ○松丸産業振興課長 これまでも、中野区商店街連合会主催におきまして認知症サポーター養成講座を開催した実績がございます。商店街におけるココロのバリアフリー計画を推進していくための第一歩といたしまして、商店街向けのココロのバリアフリー講座の開催を検討してまいりたいと考えております。 ○高橋(か)委員 その延長線で、ココロのバリアフリー計画というものに賛同する商店街、あるいは、UDやバリアフリーによって商業活性化に資する取組を行う商店街に対してサポート体制をつくり上げていくということについては、区はどのようにお考えでしょうか。 ○松丸産業振興課長 商店街支援のメニューといたしまして、商店街の利用者に向けた案内板の設置ですとか、商店街マップの作成などについて、現在も補助制度がございます。また、障害のある方ですとか、御高齢の方が利用しやすくなるための施設整備については、さらに補助率の高い支援制度もあるということでございまして、これらの制度を商店街のほうにも丁寧に案内してまいりたいというふうに考えております。 ○高橋(か)委員 車椅子の方でも安心して中野を訪れることができるように商店街側も協力してもらいたいということですけれども、具体的な支援策として、例えば商店街における車椅子用のスロープなど、バリアフリー解消に資する資器材を購入して、個店同士が共有できるような、そういう助成制度を検討してはどうかと思いますが、この辺についてはいかがでしょうか。 ○松丸産業振興課長 現在、商店街チャレンジ戦略支援事業におきまして、委員御提案のような器材を購入するような経費については補助対象となっていないという状況でございます。ココロのバリアフリー計画を各商店街に浸透していくための支援策につきましては今後検討してまいりたいというふうに考えております。 ○高橋(か)委員 ぜひ積極的に取り組んでいただいて、中野がすばらしいこれからのまちづくりを展開していく中で、とにかく、東京で一番ウエルカムなまちということで進めていただくようにお願いいたします。 次に、治安の悪化への対応について伺います。 中野駅周辺商店街、この開発の進捗に合わせるようににぎわいがどんどん進んでいる中で、もちろん、皆さんよく御存じのとおり、多くの飲食店が繁盛して、来街者、区民を呼び込むというすばらしい展開になっていくし、そうならなければいけないと思うんですけど、一方で、幾つかの懸念事項があります。ごみ不法投棄問題であったり、あるいは、客引きというんですかね。風営法上は異性による接待を伴う店舗という感じになるのでしょうか。客引き対応について、皆さんは体験をされているのではないかと思います。まず、こうした現状を区は把握しているのでしょうか。また、こうした客引きを区として直接指導、あるいは強制力のある規制の方法で取り締まる、これはちょっと難しいことであると思うんですけども、まずは、そういう仕組みがあるのかどうか、併せてお聞きします。 ○阿部生活・交通安全担当課長 お答えいたします。中野駅周辺の繁華街におけるごみの不法投棄や客引きなどの問題は区民からの要望意見などで把握しており、その都度所管で対応しているほか、事案に応じて警察に連絡して、対応を依頼しているところでございます。 ○高橋(か)委員 商店街には隣接して住宅街もあります。そこには古くから住んでいらっしゃる方々もいらっしゃる中で、平穏な生活を望む住民の生活が脅かされているという状況も見られるようでございます。直接相対したらトラブル、あるいは事件につながりかねないということで、警察との連携が必須だと思うんですが、コロナ禍前には一部商店街が定期的に行っていたと伺っていますパトロールですけれども、中野区が警察と連携して地域商店街と協働した取組、パトロールを継続的に行う。犯罪抑止、安心して過ごせる、そういう空間の創出に努めるべきと考えますが、いかがお考えでしょうか。 ○阿部生活・交通安全担当課長 区では、中野駅周辺の商店街が中心となった防犯パトロールに警察や消防などの関係機関と共に参加しており、新型コロナウイルス感染症の感染拡大等の影響により一時中断していたものを9月21日に再開したところでございます。今後も定期的な防犯パトロールの実施により中野駅周辺における犯罪抑止に努めていきたいと考えております。 ○高橋(か)委員 やはり、定例的にやっていくパトロールというのは非常に重要で、課長も出られたということでしょうし。ただ、担当が定例的に地域でやっていくという中で、大きなインパクトとして、区長とか、警察関係もちゃんと警察署長が、歌舞伎町とか、渋谷とか、ああいう繁華街のところでよく報道で目にしていますけども、首長と警察の所管のトップがきちんとそろってそういうパトロールをやって、それを継続的につなげていくという、抑止力につなげる形をぜひやっていただきたいと、これは要望しておきます。 次に、都内で、同じように繁華街を抱える自治体の中で、こうした治安の悪化につながる事案に対処するために条例を設定している自治体があると聞いていますけども、その辺は把握しているでしょうか。また、客引き、ごみ、不法投棄など、地域の治安の悪化や環境、風紀を乱して、区民、来街者が集ってにぎわいを創出する、そうした地域活性化の道を阻むような事案を撲滅するために、店舗経営者サイドがアクションを起こせる条例というものを制定して、駅周辺の開発が完了して、まち全体が安全・安心で魅力的なにぎわい例となるような、そうした形を今から準備すべきと思いますけども、条例化について併せてお聞きします。 ○阿部生活・交通安全担当課長 まず、現在、都内では、新宿区、渋谷区、豊島区をはじめ、13の区において客引き行為等の規制に関する条例を制定していることを把握しております。また、区民や来街者が安心できるまちづくりを進めることは重要であると認識をしております。区独自の客引き行為等の規制に関する条例の制定について、他区の制定状況などを調査研究していくとともに、引き続き商店街や警察、消防など、関係機関との連携強化により安全で安心なまちづくりに努めてまいりたいと考えております。 ○高橋(か)委員 客引きをやっている当事者の方を幾ら注意して取り締まってもいたちごっこみたいになるわけで、先ほどの警察等のパトロールも含めて、そういうきちんとした抑止の姿勢を打ち出すという意味で、ぜひ条例化を前向きに進めていただきたいと思います。よろしくお願いします。要望しておきます。 次に、(3)として、歩行者利便増進道路、いわゆる通称ほこみち制度の展開についてお聞きします。 ほこみち制度とはどのような制度か、確認のためにお示しください。 ○塚本都市計画課長 通称ほこみち制度でございますが、にぎわいのある道路空間を構築するために、道路管理者が道路指定をすることができる制度でございます。具体的に申し上げますと、ほこみちとして指定をした道路につきましては、歩道などに歩行者通行空間、こちらをしっかり確保した上で、テーブルや椅子の設置、イベントの開催など、多様な道路空間の活用が可能となるものでございます。 ○高橋(か)委員 これは、来街者が多く中野を訪れてくるという中で、先ほどのウエルカムだ、リピータブルだといったときに、やっぱり、商業店舗、飲食店の対応を考えたときに、非常に有効だと思うんですね。できれば中野五丁目のエリアにできたらいいけども、ちょっと物理的に通行問題とかがあって、今おっしゃった道路の歩行者空間を確保した上でという前提というとなかなか難しいと思うんですが、そうすると、中野区内でほこみち制度を具体的に活用するという場合、どういうところがあるのかということは、その辺は可能性はあるのでしょうか。 ○塚本都市計画課長 原則としまして、ほこみち道路の指定に当たりましては、歩道等について、歩行者の安全、そして円滑な通行、こちらを確保するために十分な有効幅員が必要でございます。区内におきましては、そうした要件を満たせるような広い歩道を有する道路、例えば山手通りですとか、中野四季の森公園前面にある区画街路第1号線、こういったところが考えられるところでございます。 ○高橋(か)委員 F字道路にテーブルと椅子を出してもね。あるいは、山手通りも、東中野ゾーンは割とそういう軒先で営業をしているお店なんかもありますけど、商業店舗とうまく営業的な形でというとなかなか難しいと思うんですが。例えば、区が自ら整備している区画街路第4号線、バス通りですけれども、ああいうところへの展開というもの、その辺はどうなんでしょうか。せっかく道路が広がってというところで、これから新たな商業サポートというんですかね。商店街のサポートも支援もしなければいけないという区の立場として、この辺についてはどうお考えでしょうか。 ○小倉まちづくり事業課長 区画街路第4号線における用地の活用等についての見解でございますが、まず、区画街路第4号線につきましては、取得後の事業予定地について商店街関係者と意見交換を重ね、現状、仮舗装を行い、部分的に通行可能な空間として開放しているところでございます。将来的なにぎわい創出に向けて、関係部署と連携し、沿道利用者の安全性も考慮した上で、事業期間中の事業予定地の有効活用や将来的な歩行者利便性増進制度適用の可能性も含め、できる方策について検討を進めていきたいと考えております。 ○高橋(か)委員 ぜひ積極的に検討してください。区は、区画街路第4号線の設計作業についても、にぎわいであったり、回遊性があるような形の工夫を随分されていますし、収用された土地は、本来ならフェンスを張ってしまうのでしょうけども、それも商店街と連携して、地域の商業活性化につながるような形をどんどん進めているわけなので、新しいスタイルを、まちづくり、あるいはにぎわいづくりということで、駅周辺だけではなくて、中野はやっているんだぞということを、ぜひ沼袋地域、区画街路第4号線でもぜひ出していただきたいと思います。よろしくお願いします。 次に、西武新宿線連続立体交差事業の推進について伺います。 昨日の南委員の総括質疑でも、現状の進捗状況の情報をもっとしっかり分かりやすくしてほしいとか、そういう要望がございました。本当に期間内に終わるのかという地域の声が多く聞こえてきます。そこでちょっと視点を変えて、今後について、いわゆるシールド工事等も行われるというふうに思いますけども、今後の工事の段取りとか予定について、どのようになっているのか、教えてください。 ○近江新井薬師前・沼袋駅周辺まちづくり担当課長 現在は、連続立体交差事業につきましては、駅部や地下の接続部について掘削工事を主に行っているところでございますが、今後につきましては、駅部等の掘削工事の施工後、順次シールド工事の施工、新たな地下駅の構築、また、線路や電気通信施設の施工を行っていくというふうに聞いてございます。 ○高橋(か)委員 工事についてもまだまだこれから、シールドもこれから入れてやっていかなければいけないという中で、本当に期間内に終わるのかという先ほどの話ですけれども、シールドをこれから入れるということは、開削したところから入れて、シールドを掘っていくということになると思うんですね。圏央道みたいな大深度であれば勝手にシールドがどんどん進んでいくのでしょうけど、ここは営業線の下を行くとか、浅いところ、あるいは妙正寺川の下をくぐるとか、非常に難しいと思うんですが、連続立体交差事業の全体工程とかスケジュールについて、事業完了は令和9年3月という話があります。これについて、本当にできるのか。東京都の事業なので、あなたに聞いてもなかなか答えようがないということは分かっているのですけども、こうした諸問題の中で、クリティカルデートの令和9年3月ということについて、どのようにお考えなんですか。 ○近江新井薬師前・沼袋駅周辺まちづくり担当課長 西武新宿線中井駅・野方駅間の連続立体交差事業の事業主体であります東京都さんによりますと、当連立事業につきましては、事業期間である令和9年3月までの完了を目指して、現在、取り組んでいるといったことでございます。 ○高橋(か)委員 6年延伸のときもいきなり都から言われて、それの被害報告をされて、みんなはびっくりして、地域の人は本当にショックを受けたわけですけども、これはとにかく東京都としっかり連携を取って、本当にオンスケジュールなのかということをきちんとまた議会にお示しいただきたいと思います。 今申し上げた6年の事業延伸ということですけど、その延伸理由は、令和2年の段階では用地取得の遅れということがありましたが、現在の用地取得の状況はどうなっているのか、教えてください。 ○近江新井薬師前・沼袋駅周辺まちづくり担当課長 当連立事業につきましては、委員御指摘のとおり、事業期間が6年延伸されまして、令和9年3月までとなってございます。当時の変更理由としましては、連立事業に必要な用地の取得の遅れであり、事業認可を延伸した当時の用地取得率は約9割ということでございましたが、現在は約98%の用地取得率となっていると聞いてございます。 ○高橋(か)委員 先ほどの事業は間違いなく終わるのかというところですけれども、これまで東京都とか西武鉄道とかとどのような場面で協議して、情報収集を行ってきたのか。また、改めて聞きますけど、事業期間についての区の認識はどうなっているのか、教えてください。 ○近江新井薬師前・沼袋駅周辺まちづくり担当課長 事業者であります東京都や鉄道事業者とは、連立事業の実施に当たって、周辺まちづくり事業との調整を含め、事業の円滑かつ効果的な実施を図ることを目的とした連続立体交差事業協議会をはじめといたしまして、進行管理会議を年に複数回行うなど、3者の間で情報共有等に努めているところでございます。先ほども申し上げましたけども、事業完了年度としましては、現在、東京都からは、事業完了年次を目指し、現在取り組んでいると聞いておりまして、区としてもその認識でございます。引き続き、工事などの進捗状況につきましても、東京都、あるいは鉄道事業者から情報を把握するように努めてまいりたいと考えてございます。 ○高橋(か)委員 では次に、上部空間活用についてお聞きします。上部空間活用について、自治体が使える面積、委員会でも報告がありましたけれども、それに駅前広場を含めていいのかどうか。また、中井駅・野方駅間の総延長で何キロメートルか、総面積はどのぐらいかということを教えてください。 ○安田まちづくり計画課長 お答えいたします。上部空間として活用できる面積は、東京都と中野区で合わせて15%の範囲であり、駅前広場については含まれないとのことでございます。また、中井駅から野方駅間の総延長は約2.4キロメートルで、施工協議の中で示されております鉄道跡地利用可能区域の面積は約2万4,000平米と把握してございます。 ○高橋(か)委員 上部空間利用の協議については、膠着していたところを、私の認識では、中野区が具体的にアクションを起こして、3者による協議会の体制が具体的に立ち上がって、そこにちゃんとスケジュール感もあるような形ができたと。ここは評価したいと思うんですけども、事業完了までに活用方針が具体化できるように、中野区が地元自治体としてやっぱり強いリーダーシップを持つ必要があるし、率先して東京都や西武鉄道に働きかけていくべきと考えますが、その辺についてのコメントをお願いします。 ○安田まちづくり計画課長 3者による協議を進めるに当たりましては、まずは、区としての上部空間活用に関します方針をまとめまして、東京都や西武鉄道に積極的に働きかけていくことが重要と考えてございます。その際に、区が目標とすべきまちづくりの実現に向けましてしっかり役割を果たしていきたいと考えてございます。 ○高橋(か)委員 上部空間活用に関する都とか西武鉄道さんの窓口ですよね。これは連立事業とまた違う部署になっていくのかなと。その辺のことはどうなのかということ。また、上部空間のまちづくりを進めるためには、下北沢とか、あるいは調布、国領とかの先行事例。特別委員会で久保委員長のときに下北沢を視察させていただきましたけども、こうしたところを参考にするということ。また、それ以上に、中野にふさわしい新井薬師前駅や沼袋駅の周辺のまちの機能というものを、鉄道上部空間のゾーニングの考えをしっかりと整理して取りまとめる必要があると思いますけども、その辺についてはいかがお考えですか。 ○安田まちづくり計画課長 現段階で、上部活用空間に関する都や西武鉄道の担当部署につきましては、東京都は建設局の鉄道関連事業部門、西武鉄道は同じく鉄道本部の建設部門でございます。また、先行事例ですね。他区における先行事例につきましては調査し参考とすることや、これに加えまして、新井薬師前駅や沼袋駅周辺のにぎわいの形成、駅と駅を結ぶ鉄道上部空間に求められる中野区としての機能やゾーニングなども検討し、区として地域特性を十分踏まえた活用方針を取りまとめていきたいと考えてございます。 ○高橋(か)委員 15%の権利については協議体制の中で進んでいくということなんでしょうけど、決着を見た形の中でアクションを起こしても、もう既に遅いと思うんですよね。やっぱり、一刻も早く上部空間活用を利用した地域住民を巻き込んだ形でのまちづくり提案を積極的に何度でも東京都や西武鉄道にぶつけていくということで、いわゆる最良の果実を得るといいますか、それを交渉材料にしながらやっていくべきだと私は考えております。地域住民の意見を聞いて、また、アンケートとか、そういう対応をしながら、こうして区の上部空間としての考え方をアピールしていくということについて、どのようにお考えでしょうか。 ○安田まちづくり計画課長 区として上部空間活用の方針を取りまとめるに当たりましては、沿線の住民等へのアンケートや、各地区のまちづくり団体等との意見交換など、地域の意見を聞きながら進めてまいりたいと考えてございます。また、区民意見等を踏まえ方針を取りまとめるに当たりましては、ホームページやニュース等で地域に公表するとともに、これを基に東京都や西武鉄道と交渉を進めていくことを考えてございます。 ○高橋(か)委員 次に、野方駅以西の連続立体交差事業について伺います。現在進めている事業に続いて、野方駅以西、これも切れ目なく事業化を目指していくということですけれども、現在、都内において準備計画をしている、こうした競合路線というんですかね。こうしたものは何路線あるのでしょうか。 ○桑原野方以西担当課長 いわゆる準備中の路線というところで、今、事業に係る総合的な評価を国が行いまして、準備計画を実施している路線ということで、いわゆる着工準備採択路線というところでございますが、連続立体交差事業の事業主体は東京都でございますが、現在着工準備採択を受けている路線につきましては、野方以西の区間を含め、4路線、5か所と聞いてございます。 ○高橋(か)委員 準備採択を受けている路線の中で、野方以西連続立体交差の位置付けというのはどのようになっているのか。また、採択を受けた時点でのスケジュールと現在のスケジュールに差異があるのかどうか、その辺についてお聞きします。 ○桑原野方以西担当課長 着工準備採択を受けている路線は4路線、5か所ございますが、スケジュールなどに関しまして、野方以西に特段の位置付けはなく、また、スケジュールについては、各路線において計画の熟度が高まったものから順次事業化に向けた都市計画手続などを進めていくものと認識してございまして、現在、野方以西につきましては、計画の具体化に向けて検討、調整を進めていると認識してございます。 ○高橋(か)委員 次に、野方1号踏切の解消に向けて、現在、関係機関との交渉状況はどのようになっているのか、お聞きします。 ○桑原野方以西担当課長 現在、区は野方駅周辺のまちづくりを考える上で、ホーム、踏切の解消は重要な課題であるため、区が主体となりまして、ホーム、踏切の除却に向けて、鉄道立体化の実現性、踏切除却の必要性、駅前広場の配置などについて検討をしてございます。また、区は、まちづくりの進捗状況、野方1号踏切に係る検討状況などにつきまして、都や西武鉄道株式会社などに説明し、引き続き意見交換を進めてまいります。 ○高橋(か)委員 いわゆる交差事業で、事業化している交差事業と、また、野方以西の採択を受けている事業、そうした中のスキームと、また、これはオプションという形になってくると思うんですよね。そうすると、区としての立ち位置というか、まさに東京都と、あるいは西武鉄道と交渉するという政治力が試されるというか、そういうことに尽きるのではないかなと。構造的な、技術的な問題、あるいは地域住民との了解とか、非常に多くの問題があると思いますので、その辺はつまびらかに議会にもお示しいただき、意見を吸い上げていただきたいと思います。以上です。 区の要請活動についてお聞きします。今言いました令和9年3月にちゃんと竣工するのかというのは、なかなかこれは技術的な問題ということがあったり、立ち入ることが難しいところであると思うんですけども、今申し上げた1号踏切であったりとか、あるいは、これからの野方以西の採択の問題、これはまさに政治力を使うしかないかなと思っております。要請活動として、国や都、西武鉄道に過去にどのようなことを行ったのか。本会議質問で我が会派の大内議員も質問されていましたけども、改めて伺います。要請先についてはどこに行ったのでしょうか。教えてください。 ○安田まちづくり計画課長 現在の区長が就任してからでございますけれども、それ以降は、国や東京都及び西武鉄道への要請活動はそれぞれ5回行ってございます。区長が直接訪問した回数は、国へは平成30年度、令和元年度、令和2年度の3回、東京都へは令和元年度、令和4年度の2回でございます。西武鉄道へは令和元年度の1回でございます。要請先は、国は国土交通省や財務省、東京都は建設局や都市整備局、また、西武鉄道本社でございます。 ○高橋(か)委員 いろんな事業を進める中での担当部局との調整はそれぞれあるのでしょうけども、区長を含めて行く、そういう形については、年1回というか、期成同盟の後の訪問ということが多分メインだと思うんですが、それはそれでもちろん大切なんですけども、やっぱりセレモニー的になってはいけないなというふうにすごく危惧しているところです。やっぱり、区の意思と決意を知らしめるためには、フェース・ツー・フェースで政治的な活動を、区長も政治家ですので、ぜひやっていただきたいなと思うんですよ。私は議員になる前、国土交通省の大臣官房にしばらくいたことがあるのですけど、毎日全国のいろんな首長が日参をして、それがおびただしい数で、そこで、いろんな事業の内容はありますが、結局は「あの人」という顔なんですよね。ですから、それが、中身ではなくて、結局、優秀な部長、課長が幾ら動いても、そこには限界があって、やはりトップが動くということの重要性が非常に大事だと思っていて、最後に、こっちとこっちの2路線のどっちにするかといったときに、決めるのは、やっぱり内容ではなくて、変な話、何回来たかの首長の顔です。それをきちんと。大臣官房にいると、大臣も副大臣も官房長も、どこの誰かと、首長の名前というのは覚えるわけですよ。やっぱり強いリーダーシップを。あるいは、国土交通省へのアプローチもそうですし、東京都であったりとか、あるいは政権与党へのアプローチ、そうした政治的な活動をぜひしていただきたいと思うんですけども、そうしたことについて区長の決意をお聞きしたいのですが、よろしいでしょうか。 ○酒井区長 議員と同じく、私も中井駅・野方駅間、そして、野方以西の連続立体交差の一日も早い実現をしたいと思っております。そのために、これまでも西武新宿線沿線踏切渋滞解消促進期成同盟の議決を頂いて、それを国、東京都、そして西武鉄道に要請活動に参ったわけでございますけども、今後も、具体的には、東京都には知事との直接要請の場も設けておりますし、機会を捉えて要請をしていきたいと思います。 ○高橋(か)委員 私も特別委員長ですから、区長に押し付けるわけではなく、区長が言えば、いつでも何時でも何回でもお付き合いしますし、議長もいらっしゃるわけですから。区長がやれとかいう話ではなくて、オール中野で対応していきたいと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。 次に、順番はその他で、順番を変えまして、HPVワクチンの接種率の向上について、まず取り上げたいと思います。 まず、時間がないので、いろいろ言いたいことはあるのですけど、質問をさせていただきます。区内における女性のHPVワクチン接種の状況について教えてください。 ○鹿島保健予防課長 お答えします。現在、女子は令和4年度から、小学6年から高校1年相当の者に定期予防接種が行われております。また、令和4年度から3年間に限り、積極的な勧奨の差し控えに基づくキャッチアップ接種が実施されております。令和4年度のHPVワクチンの1回目の接種率は、対象者を標準接種年齢の中学1年女子として算定した場合、47.9%でございます。同じ方法で算定した令和5年4月から7月までの接種率は41.4%となっております。 ○高橋(か)委員 また、中野区は全国に先駆けて男性への接種費用の助成を始めたということですけれども、これはどのような効果を期待していたのでしょうか。教えてください。 ○鹿島保健予防課長 HPV感染によって起こる中咽頭がん、肛門がん、陰茎がんや、尖圭コンジローマなどの性感染症の発症予防及び性交渉を通じてのパートナーへの感染予防効果を期待しております。また、男子への接種を促進することで女子の接種率の向上を図る相乗効果も期待しております。 ○高橋(か)委員 男子への費用助成事業開始から現在までの接種助成の申請数、状況を教えていただきたいと思います。また、この結果を受けて区はどのように捉えているのか、教えてください。 ○鹿島保健予防課長 男子は8月より費用助成が開始され、8月の申請件数は、確定ではまだありませんが、速報値として70件でございました。令和5年度当初予算では月100件程度の申請を想定しておりましたので、当事業に関する広報は一定程度効果があったと捉えております。 ○高橋(か)委員 こちらは全国に先駆けてということで、やはり全国の医療関係者が大きく注目をしているというところで、始めて、それに倣って追随をしていったところから先にどんどん接種率が上がっていくという中で、中野区が取り残されていくということは非常に残念でならないので、そうならないように、ぜひ積極的な普及の覚悟、そうしたものをお示しいただきたいと思います。 次に、キャッチアップ接種について、接種の状況についてお聞きします。 ○鹿島保健予防課長 令和4年度の1回目接種の接種率は4.1%でございます。令和5年4月から7月の同接種率は2.5%でございました。 ○高橋(か)委員 キャッチアップ接種については、2025年3月、年度末までの特例措置というふうになっていますし、有効期限を明記した形で、案内についても工夫すべきですし、接種率が上がらないのであれば、その期間の延長についても、国の定期予防接種というものがありますけれども、関係先との調整を進めていただきたいというふうに要望しておきます。 次に、HPVワクチンの接種率向上について、WHOは子宮頸がん根絶のための目標として、2030年までに15歳までの女子のHPVワクチン接種率90%を掲げています。日本では2013年、積極的接種差し控えによって、接種率は70~80%が一気に1%に低下したと。この間の接種、あるいは、子宮頸がんに関する現状について教えてください。 ○鹿島保健予防課長 2013年にHPVワクチン接種は積極的勧奨が差し控えられ、接種率は急落し、その後も低水準が続いていたため、子宮頸がんの予備軍に相当する女性が子宮頸がんの発症リスクを抱えながら増えていたことになっております。オーストラリア、北欧、北米の諸国では、早くから検診が機能していたことに加え、HPVワクチンに関して男女とも高い接種率となっていたことから、既に子宮頸がんの罹患率、死亡率は減少傾向となっております。一方、日本においては、罹患率、死亡率が共にいまだ上昇傾向であり、検診の受診勧奨とともに、キャッチアップ対象者も含めたHPVワクチン接種の積極的勧奨が重要と考えられております。 ○高橋(か)委員 接種率向上のための啓発についてはどのようにお考えですか。 ○鹿島保健予防課長 女性の定期接種年度の初めに、予防接種法に基づいた個別勧奨として予診票を送付しております。今後はキャッチアップ接種の対象者も含めて接種状況を逐次確認しながら、接種期間の後半に、その期間を明示したはがきの送付や、対象世代が多く集まる行事等においての啓発、またはSNSの活用など、単に予診票を送付するだけではなく、ターゲットに必要な情報を着実に届けるという観点から、啓発につながる広報を総合的に検討し、実施していくつもりでございます。 ○高橋(か)委員 HPVワクチンの接種、子宮頸がんの根絶ということがうたわれていますけれども、女性向けワクチンというイメージが生まれないように、男子も対象であるという接種の目的と役割や、男子、女子の役割、性教育も含めた視点での分かりやすい啓発が必要であると考えます。また、あわせて、学校医によるがん教育機会、また、小・中学校、保護者、PTAの積極的アプローチによって、児童・生徒、保護者への周知啓発が必要でないかと考えますけれども、小・中学校の中で、まずはどこか1校でモデル事業をやってみるとか、そういう具体的な教育現場への展開も望んでいるところですが、いかがでしょうか。 ○鹿島保健予防課長 HPVは性交渉が主な感染経路でして、感染拡大が懸念される感染症であります。予防効果に最も効果的であるとされる接種最適対象年齢は中学1年前後であることから、健康教育による啓発に加えて、精神的及び性的な発達に沿った適切なワクチン接種啓発が必要と考えられます。さらに、12歳から16歳の学生は未成年であることから、ワクチン接種の決定には保護者の影響が大きいということが分かっております。ワクチン接種の重要性について、保護者世代の方々に伝わるような啓発の仕方を検討させていただいております。 ○齊藤指導室長 区内の全小・中学校でがん教育を実施しており、学校医等の外部講師を呼び授業を行っている学校もございます。子宮頸がんとHPVワクチンについてのがん教育の実施につきましては、モデル事業を含めて、中学校長会と連携して検討を進めているところです。 ○高橋(か)委員 ぜひ積極的に周知啓発に努めていただきたいと思います。よろしくお願いします。 次に、帯状疱疹ワクチンの接種率向上についてお聞きいたします。時間もないので、ダイレクトに。帯状疱疹ワクチンの接種率の向上についてですけども、より多くの対象者が帯状疱疹ワクチンを接種することができるように、個別通知を行って、その向上に向け工夫する必要があると考えますが、中野区の見解をお示しください。 ○鹿島保健予防課長 お答えします。令和5年度の接種率は5%程度と見込んでおりましたが、現在、月平均750件の申請があります。この接種率が続くと、最終的に7.5%程度となる見込みでございます。そのため、区報、ホームページ、SNS等による周知の効果は一定程度あったと認識しております。このワクチン接種は任意予防接種であり、接種対象年齢は50歳以上と幅広く、接種については、接種時期も含めて、主治医に相談の上、個々に判断していただいてございます。今のところ個別通知は考えておりませんが、今後の接種率の動向を見極めながら、周知についての工夫を検討してまいります。 ○高橋(か)委員 ありがとうございました。ぜひ積極的な対応をお願いいたします。 すみません、がん検診については、時間がないので、次回にさせていただきます。 次に、中野区における文化芸術振興の中で一つ取り上げたいと思います。 東京都指定無形民俗文化財「江古田獅子舞」について、これは、起源は800年前、鎌倉時代から延々と続くもの。3代将軍家光公の獅子舞として破格の扱いを受け、今日に至っていますけども、そこでの文化財の維持というものが大きな問題になっているという中で、保存会の人たちが、それを打開するために、補助金だけではなくて、文化財の価値を維持するためにクラウドファンディングを確保していくという話になっています。この取組に対して中野区ができることは何でしょうか。また、事務的な手続であったり、あるいは、そうしたものへのほかのいろんなことへのサポートについていかがお考えか、お示しください。 ○冨士縄文化振興・多文化共生推進課長 お答えいたします。クラウドファンディングに対する区の協力についてですが、区としましては、保存会に取組に対して、特に広報について支援していく考えでございます。また、既に保存会がクラウドファンディングを実施するに向けて、区が保有する江古田獅子舞の写真のデータの提供を行っており、今後は区長により江古田獅子舞を紹介する動画作成や、10月の祭礼当日の区による広報、また、J:COM東京による祭礼当日の取材や、クラウドファンディングの協力を含めた公演などを企画しているところでございます。続いて、保存会の事務処理等に対する区のサポートでございますが、区はこれまでも保存会に対しまして、補助金の交付に関する事務ですとか、東京都の連絡調整に係る事務などのサポートを行ってきているところでございます。今後もそのようなサポートを継続していくとともに、保存会の状況を踏まえたサポートに努めていきたいと、そういうふうに考えてございます。 ○高橋(か)委員 ありがとうございます。ぜひ広報、SNSのそういうものも中野区から積極的に展開していただきたい。また、来月の8日には獅子舞がございますので、区長、お待ちしておりますので、ぜひ一緒に獅子舞になって、すばらしさを体験していただきたいと思います。 そして、問題のもう一つは、次世代の育成という中で、人の踊り手というもの、こうしたことを考えたときに、ほかの自治体の事例でもあるような、小学校で体験をさせたりする、そうした体験についてどうお考えかを、時間があったらお願いいたします。 ○齊藤指導室長 新型コロナウイルス感染症対策で交流が途絶えておりましたが、地域の小学校では、今年10月に江古田獅子舞の体験を再開すると聞いております。学校の授業等で地域の伝統や文化に触れることで地域に関心や愛着を持たせることは重要であり、そのことが将来地域を支える人材を育むことにつながると考えております。 ○高橋(か)委員 ごめんなさい。時間がない。私の段取りが申し訳なかったので、この件についてはまた、ほかの文化財も含めて、本会議でもまた質問させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 ○杉山委員長 以上で高橋かずちか委員の質疑を終了します。 次に、河合りな委員、質疑をどうぞ。 ○河合委員 令和5年第3回定例会決算特別委員会において、立憲・国民・ネット・無所属議員団の立場から総括質疑をさせていただきます。質問は、時間の都合上、順番を入れ替えて、(2)児童相談所の関連事業についてを先にいたします。そのほかは、男女共同参画についてお伺いします。話の流れは多少影響すると思いますが、そこは皆様の想像力でカバーしていただきたいと考えます。御挨拶で終わってしまいそうなので、急いで行きます。 1、令和4年度決算についてお伺いします。 (2)児童相談所の関連事業についてお伺いします。 令和4年度で、私が中野区に一番大きな影響を与えたと考える政策は、児童相談所の設置です。歳入歳出への影響は会派の森委員から確認させていただき、人件費を含めて15億円程度でございました。この影響は歳出決算額の性質別にどれだけの影響があったか、教えてください。 ○竹内財政課長 私からは、人件費を除いた経費についてお答えをさせていただきます。こちらは、主なものとして、扶助費が約6億円、物件費が約1億円の歳出増となっているものでございます。 ○河合委員 今後の歳出に与える影響の見込みを教えてください。 ○竹内財政課長 令和4年度当初予算と令和5年度当初予算を比較いたしますと、約2億円の増となってございますが、決算額は実際の措置件数等の状況によって左右されるものと考えられます。 ○河合委員 ただ、増加はしていく。増加というか、その金額が毎年載っかってくるということだと思います。 今、人件費のことが入っていなかったと思うんですけど、こちらについてお聞かせください。 ○吉沢職員課長 子ども関係人件費のうち、会計年度任用職員を含めました児童福祉課の人件費は6億8,700万円余となってございます。 ○河合委員 こちらのほうも、今後の歳出に与える影響の見込みなどがありましたら教えてください。 ○吉沢職員課長 来年度以降も児童相談所におけます虐待相談対応件数の増加が見込まれることを踏まえまして、職員数は増員することを見込んでいるため、増員分の人件費は増えていくというふうに想定してございます。 ○杉山委員長 河合委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。13時まで委員会を休憩します。 午前11時57分休憩
午後1時00分再開 ○杉山委員長 委員会を再開します。 休憩前に引き続き総括質疑を行います。 河合委員、質疑をどうぞ。 ○河合委員 児童相談所に関して、引き続き質疑をいたします。 直ちに子どもの命や安全に関わる現場だからこそ、会派からは開設前からの十分な人員配置を求めてまいりました。しかし、総務委員会の「中野区職員のワーク・ライフ・バランスと女性活躍推進計画(第4期中野区特定事業主行動計画)」の実施状況等についての質疑報告の中で、児童相談所を抱える児童福祉課の令和3・4年度の超過勤務が明らかとなりました。超過勤務の理由と改善についてお聞かせください。 ○神谷児童相談所副所長 令和3年度の児童福祉課の業務は、子ども家庭支援センター運営及び児童相談所設置準備でございました。令和4年度は児童相談所開設の初年度に当たっております。業務が異なる中で、超過勤務の年度間の差について単純に比較することは難しいところですけれども、一時保護や措置等の権限を持つことで、緊急に対応する案件を多く取り扱うようになったことや、開設初年度に当たりまして、児童相談所運営関連の新たな事務への対応に時間を要したことなどが増加の理由の一つと認識しているところでございます。計画的な人員の確保、育成、ICT機器の導入による事務の効率化などによりまして職員負担の軽減を図ったところでございます。 ○河合委員 負担の軽減を図ったということですが、令和5年度の現状はどうなっていますか。 ○神谷児童相談所副所長 令和5年度の超過勤務につきましては前年度と比較して減少傾向となっているところでございます。 ○河合委員 令和4年度に定めた中野区職員定数管理計画には今後の虐待対応件数の実績増を踏まえた配置数増を見込んでおりましたが、開設から現在までの業務量は見込みどおりか、教えてください。 ○神谷児童相談所副所長 令和4年度の虐待通告受付の件数につきましては想定の範囲内でございました。虐待通告受付を児童相談所に一本化した令和4年度以降の推移を引き続き把握し、業務量を見極めてまいります。 ○河合委員 開設後の業務量、内容、今までのところを鑑みた場合に、中野区職員定数管理計画の想定内の人員配置で十分かどうか、お聞かせください。 ○神谷児童相談所副所長 児童相談所は、今後も複雑かつ多様化する児童虐待相談等への対応を確実に実施するとともに、児童福祉法改正を踏まえた新たな展開を見据えた機能強化が求められているところでございます。人員については、計画想定による配置を確実に行うことに加えまして、人材育成、専門対応を支える体制基盤の整備、業務効率化推進、児童相談に係る職員のカウンセリング機会の確保など、職員が安心して質の高い業務を行うことができる環境整備を行うことが併せて必要であると認識しているところでございます。 ○河合委員 区には、児童相談所については、責任を持って、今言われたように、確実に人員確保に努めていただきたいと考えておりますが、いかがでしょうか。 ○吉沢職員課長 区は、今後も児童相談所における虐待相談対応件数の増加が見込まれることを踏まえまして、児童福祉司や児童心理司などの配置に不足が生じないよう、必要な人員の確保に努めてまいります。 ○河合委員 児童相談所の設置はほかの関連する課にも影響を与えたと考えます。そして、その機能を十分に発揮させるには一層の事業の浸透と連携が必要です。特に、保護者、子どもたちが区と関わる最前線拠点の機能向上が必須と考えます。児童館、区役所3階の子ども総合相談窓口、すこやか福祉センター、学校、保育園、地域活動などが当たり、必要であれば子どもや保護者をすくい上げて支援や児童相談所につなげることが求められます。浸透と連携の取組強化について教えてください。 ○神谷児童相談所副所長 児童相談所は、個々の相談、支援の中で関係機関との情報共有や役割分担等を行うなど、ケースの進行管理や児童相談所の研修及び専門機能の活用、児童虐待防止マニュアルを用いた説明等により、顔と顔が見える関係の中できめ細かい連携を図っているところでございます。今後もこうした取組を進め、児童相談所と関係機関の連携により支援の隙間を埋め、継続的に子どもやその家庭へ対応してまいります。 ○河合委員 ありがとうございます。 では、気になる所管のところだけ、簡単にお伺いします。 児童館については、基幹型児童館でのソーシャルワーク機能の充実を目指すとしていますが、児相とどのように連携を取っていくのか、教えてください。 ○細野育成活動推進課長 現在検討している基幹型の児童館におきましては、ソーシャルワーク機能の強化によって、エリア内の虐待や貧困など、福祉的課題への対応を進めていく考えでございます。児童館においては、日常の遊びなどの身近な場面や、あと、エリア内の子ども施設における課題を把握いたしまして、速やかな解決につなげられるよう、児童相談所との連携を強化していくという考えでございます。 ○河合委員 ありがとうございます。きちんとした仕組みづくりが必要だと思います。そちらに関しては要望いたします。 総合相談窓口を含む子育て支援課の役割に変化があったか、教えてください。 ○原子育て支援課長 子ども相談窓口の基本的な機能は、各種手続をワンストップで行うとともに、それに関連してお話を伺い、適切なサービスや支援機関などにつないでいくことでございまして、児童相談所設置後も変わっていないところでございます。一方で、様々な面で困難に直面しやすいひとり親への支援を拡大するために、令和5年度より母子・父子自立支援員を増員するなど、相談支援に対しても力を入れているところでございます。今後も様々な課題を抱える方の来庁が見込まれることから、窓口での手続、案内を支援につなげるきっかけとしていけるよう努めてまいりたいと考えております。 ○河合委員 ちなみに、窓口から児童相談所につながったり、連携しているケースというのは今もあるのでしょうか。 ○原子育て支援課長 子ども相談窓口を含む子育て支援課には、ひとり親をはじめ、様々な課題を抱える方からの相談などが増加しておりまして、その中には児童相談所が支援しているケースも少なくないところでございます。児童相談所が支援を行う中で、支援を受ける方が子育て支援課が所管する事業を利用する場合だけでなく、継続的な支援が必要な方への対応をする場合には、双方協議の上、支援方針を検討しているところでございます。このように協力して、支援を行うケースなどによりまして連携を図っているところでございます。 ○河合委員 こちらの窓口は手続や事業案内が中心となっていないか、さらなる伴走支援を求めていきますが、いかがですか。 ○原子育て支援課長 様々な課題を抱える方に対して寄り添い、御案内を含めまして適切な支援につなげていける窓口を目指して、引き続き改善に取り組んでまいりたいと考えております。 ○河合委員 ありがとうございました。 では、すこやか福祉センターは、寄り添うだけではない事業のコーディネート力の強化が必要かと考えますが、いかがでしょうか。 ○高橋すこやか福祉センター調整担当課長 すこやか福祉センターは、地域における身近な相談窓口として、相談者に寄り添って課題を的確に把握し、解決を図るのみならず、複雑化・複合化したケースに関しましては、他の機関との連携、協働により適切な支援機関につないでいく役割が求められております。児童相談所等との関連部署や関係機関との調整や円滑な連携のためにはコーディネート力が必要であると認識しております。関連分野の知識の習得やコミュニケーション能力の向上を図ってまいります。 ○河合委員 ありがとうございました。 では、学校現場での区の福祉的事業への理解を深め、学校現場で子どもや保護者等への児童相談所などの周知を図るとともに、さらなる連携が必要かと考えますが、そちらはいかがでしょうか。 ○齊藤指導室長 児童・生徒の抱える課題が複雑化してきており、教育と福祉の両方の支援が求められるケースが増えております。現在、教育委員会では、福祉の専門家であるスクールソーシャルワーカーの体制強化を図っているところです。学校はスクールソーシャルワーカーと連携し、児童・生徒や保護者の状況に合わせて、区の関係機関や様々な支援につなげております。教員には、研修等の機会に区の関係機関や相談体制について伝えているところでございます。 ○河合委員 ありがとうございました。児童相談所ができたことで、関連する課にも様々求められる役割の充実や変化があったことなどを確認いたしました。 関連して、令和6年度こども家庭庁予算概算要求の概要が示されました。その中でも、社会的養護、里親支援の充実は、児童虐待防止対策と並んで拡充が求められています。さらに、社会的養護経験者(ケアリーバー)を支援していく方針が示されました。里親に関して、里親団体の方からは、中野区児童相談所の丁寧な対応を伺っており、大変評価しております。ケアリーバーに関しては、私も令和4年第2回定例会の一般質問にて支援の充実を求め、検討の答弁を頂きました。ケアリーバーへの支援として、世田谷区では、令和5年度から資格等取得支援、進学、就職の進路に関わらない家賃支援などの充実をしています。区の現在の検討状況を教えてください。 ○菅野子ども・若者相談課長 児童養護施設などの保護を離れたケアリーバーに対する支援策につきましては、現在、先行自治体や児童養護施設、また、ケアリーバー当事者の方などからヒアリングを行い、相談支援や経済的支援など、令和6年度の事業実施に向け検討を進めております。 ○河合委員 ありがとうございます。今後の相談体制や具体的な支援については期待しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 では、(1)歳出について伺います。 決算については、ここまでも我が会派からも、指標の上では健全な財政状況であるからこそ、見通しを持って区民のために使っていくことを御指摘させていただきました。私からは、決算値の変化により、今後の社会変化による行政需要の見通しを確認していきたいと思います。 財政白書の10ページ、図12、令和4年度性質別歳出構成比を御覧ください。歳出に占める割合は、扶助費、物件費、投資的経費、人件費の順で大きいものです。それぞれの指標の変化と要因については財政白書に書かれていますが、扶助費の変化に関して、根本の要因というのはどういうものなのでしょうか。教えてください。 ○竹内財政課長 お答えいたします。令和4年度の扶助費につきましては、令和3年度比で、電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金や、民間保育・教育給付、生活保護費が増となったものでございます。一方、子育て世帯への臨時特別給付金や住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金が減になりました。コロナ禍が収まる中、臨時的経費の給付金が減となる一方、目的別のうち、社会福祉費や児童福祉費などの民生費は増える傾向にあると考えてございます。 ○河合委員 これは、区の政策判断で扶助費というのは増減できたり調整できたりするものでしょうか。 ○竹内財政課長 一定程度、給付金のところが扶助費に影響するものはあるかもしれませんが、大体、社会的要因とか、そういったところの影響が大きいものと考えてございます。 ○河合委員 ありがとうございました。 では、物件費の変化の要因を教えてください。 ○竹内財政課長 物件費におきましては、委託料が大きなウエートを占めてございまして、主な増要因のうち、増減が大きいものとしては、国の制度変更により介護保険特別会計から一般会計に移行した地域包括支援センター事業運営委託、ペーパーレス化に対応した電子化委託や、住民税非課税世帯給付金に係る委託などがございます。行政需要が増え、職員に代わる民間活力の活用による委託が増える一方、人件費高騰や物価高騰に伴う委託費の増も相当数あると考えてございまして、今後も増加が見込まれると考えてございます。 ○河合委員 これに関しては、何を委託していくのかは一定区でも整理できるのかなと考えます。 では、投資的経費の変化の要因を教えてください。 ○竹内財政課長 令和4年度決算におきまして、投資的経費につきましては、小・中学校施設整備の減などにより、前年度比22.7%の減となりました。まちづくりや学校施設整備など、計画的に行うものがございまして、年度において増減があると考えてございます。 ○河合委員 こちらは、物価高騰の影響は受けるけど、計画的なものということでよろしいでしょうか。 ○竹内財政課長 委員おっしゃるとおり、こちらのほうは、物価高騰等の影響も受けますけども、計画的になっているものと考えてございます。 ○河合委員 人件費についても教えてください。 ○竹内財政課長 人件費につきましては、会計年度任用職員報酬の増や退職手当の増などにより、令和3年度比で2.2%の増となってございます。こちらは職員の年齢構成などにも左右されると想定されてございます。 ○河合委員 人件費の細かいことは後ほどお尋ねしたいと思います。 歳出全体における物価高騰などの影響は、会派のひやま委員の質疑により75億円程度と確認いたしました。物価高騰の影響を強く受けたのは、性質別で見るとどれでしょうか。教えてください。 ○竹内財政課長 物価高騰対策の中で、住民税非課税世帯等給付金事業や価格高騰緊急支援給付金事業を行ってございまして、性質別で最も物価高騰の影響を受けたのは扶助費でございます。 ○河合委員 特に、歳出決算額、性質別の扶助費は社会変化の影響を大きく受けることを確認いたしました。 それでは、扶助費について細かいことをお伺いします。 財政白書の12ページ、図16、扶助費の推移を御覧ください。令和2年度~令和4年度は、新型コロナ感染症への対応や各種給付金などの影響が含まれております。社会変化の確認がしやすいように、扶助費の中でも割合が大きい生活保護費と児童福祉費について取り出して伺います。令和4年度の生活保護費、3億円増の要因と詳細については、ひやま委員からの質疑により、生活保護申請数などはリーマンショック時に比較すれば微増にとどまり、コロナ禍での受診控えで令和4年度医療費扶助が増大しているためと確認いたしました。今後について、財政課は生活保護費をどう考えていますか。 ○竹内財政課長 生活保護費の財政的見通しでございますけれども、今後、2年程度は微増が続くと予想されますが、雇用や景気動向により生活保護受給者は増減すると想定されていまして、生活保護費の増減にも影響を及ぼすと考えてございます。 ○河合委員 生活保護費については2年程度多少の増減があるということを確認してきました。 では、児童福祉費の推移と、その要因についてお伺いします。 ○竹内財政課長 児童福祉費の推移につきまして、5年間の推移を読み上げさせていただきます。まず、平成30年度ですけども、292億8,249万6,000円、令和元年度は308億5,615万2,000円、令和2年度は292億1,118万1,000円、令和3年度は325億8,596万4,000円、令和4年度は318億7,123万3,000円でございます。当該数値のうち、経常経費は増加傾向でございまして、その増加傾向の主な要因としては、私立保育園の経費や児童相談所の経費が大きく影響していると考えてございます。 ○河合委員 保育行政が大きく関わるようなので、こちらで今から詳細について伺います。区は、子ども文教委員会、令和5年4月の保育施設利用状況についてにて、令和4年・令和5年4月時点で、2年続けて待機児童がゼロになったことを報告されました。実際に子育て支援新制度となった2015年と比較して、現状の私立園の数を教えてください。 ○藤嶋幼児施設整備担当課長 2015年4月の私立の認可保育所、認定こども園、地域型保育事業の施設数の合計は41施設、2023年4月の施設数の合計は108施設となっており、67施設増加しております。 ○河合委員 今後、その施設数はどのような推移予測になりますか。 ○藤嶋幼児施設整備担当課長 当面新規開設の予定はございませんので、横ばいで推移していくものと想定しております。 ○河合委員 これによれば、児童福祉費の急激な上昇は今後なくなり、扶助費に与える影響は少なくなると考えます。しかし、ここ数年で行政需要に大きな変化があったことを施設の数が増大したことから確認しました。 次は、実際にそれを管理する保育園・幼稚園課としてはどのような影響、変化があったのでしょうか。こちらも2015年との比較で教えてください。 ○吉沢職員課長 2015年4月1日現在は、保育園・幼稚園分野になりますが、職員数については37人でございました。その後、組織改正を行っておりまして、現在は保育園・幼稚園課で、令和5年4月1日現在の職員数は63人でございます。 ○河合委員 保育士さんを抜いて、職員が37人から63人と、ほぼ倍増しています。 AIの本格導入は令和4年度であったと記憶しておりますが、その効果などがありましたら教えてください。 ○藤嶋保育施設利用調整担当課長 年間で最も申込みが多い4月入園の利用調整につきまして、AI入所選考システム導入前は職員3名で約1週間かけて行っていた作業が、約3日に短縮されております。また、毎月の利用調整につきましても、職員3名が一日かけて行っていた作業が約45分に短縮されるなど、効果が出ていると認識しております。 ○河合委員 ありがとうございます。工夫はされつつも、業務量は増大となっていると思います。 区では待機児童ゼロを達成し、保育園は、どこでも入れればいい状況から、保育の質が問われています。実際に不適切保育の報道が大きく取り沙汰されるようになりました。保育の質を担保するために区で実施している事業を教えてください。 ○藤嶋幼児施設整備担当課長 区では、保育の質を担保していくため、子どもを中心とした保育を実践するための基本的な指針として「保育の質ガイドライン」を策定し、活用いただいているところでございます。また、保育園の適正な運営の確保や利用者への支援向上を図るため、指導検査を行っております。 ○河合委員 その指導検査は全保育園で実施できていますか。 ○藤嶋幼児施設整備担当課長 区では、定期的に実施する一般指導検査と、必要に応じ実施する特別指導検査を行っております。令和4年度の実地での一般指導検査の実施率は約53%で、今年度も同程度の実施率になると見込んでおります。なお、実地での一般指導検査を行えない保育園に対しましては、保育園から提出される調査書を基に書面での検査を行っております。 ○河合委員 実地検査は保育の質を担保するためにも強化すべきと考えますが、所管の見解をお聞かせください。 ○藤嶋幼児施設整備担当課長 区が児童相談所設置市となり、都から指導検査権限が委譲され、検査の対象施設が拡大したことに伴いまして、担当職員の増員や会計検査の強化のため、公認会計士の資格を持つ会計年度任用職員を配置するなど、質、量の両面におきまして検査体制の充実を図っているところでございます。今後も指導検査体制の強化に取り組んでまいります。 ○河合委員 今、充実されているとおっしゃいましたが、実施率は実際には52%とおっしゃっておりました。こちらの充実は保育の質の担保していくためには必須であり、取組の体制強化を要望いたします。 後の人件費にも関わるため、現場の保育士の数についてもお伺いします。令和5年度当初、区立の保育士不足があったと伺いました。区では、前区長の下、区立園の全民営化が進められていましたが、酒井区政となり、区立園10園を10年は存続させていく方針となり、中止されていた保育士採用も再開されています。そもそも保育士の確保は保育需要に合わせて計画的に行われるものと考えますが、今年度の保育士不足の要因を教えてください。 ○半田保育園・幼稚園課長 区立保育園では、園児の定員等に応じて、国基準以上の職員を配置しているところでございます。また、支援を要するお子さんにつきまして、お子さんの状況や人数に応じて職員の加配を行っているところでございますけれども、令和5年度は想定以上に支援を要するお子さんが多かったため、加配ができていない状況でございます。加配ができていない点につきましては、会計年度任用職員の採用や人材派遣により対応に努めているところでございます。 ○河合委員 1問飛ばします。今後の保育士の配置の予定を教えてください。 ○半田保育園・幼稚園課長 支援を要するお子さんにつきましては年々増加しているところでございます。当面この傾向は続くと考えておりまして、加配の全てを常勤保育士で対応するかどうかを含め、区立保育園の職員体制の在り方につきまして、今後検討を開始する予定でございます。 ○河合委員 要求資料、子ども文教30を御覧ください。認可保育施設等に在園している特別な支援が必要な児童の数と加配した職員の数(前年度までの3年間)を見ますと、年度ごとに増加変化が表れています。保育士さんが一旦減ってきていましたけども、また今後保育士さんが増えていく必要があるということは確認いたしました。 関連して、区では保育園の児童の預かり時間を、一般的には1日11時間を基本としていますが、支援を要する子どもについては原則8時半から5時までとなっています。就労保護者の割合が増える中で、選択肢はそれぞれの保護者が判断できるよう、区の環境を整えるべきだと考えます。区の現状と見解について教えてください。 ○半田保育園・幼稚園課長 障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律では、国及び地方公共団体の責務として、「法律の趣旨にのっとり、障害を理由とする差別の解消の推進に関して必要な施策を策定し、及びこれを実施しなければならない」とされてございます。支援を要するお子さんの保育時間につきましてはほかのお子さんと同様にすべきだというふうに考えてございます。現在、支援を要するお子さんの11時間保育の実施に向けて、私立保育施設と協議を進めているところでございまして、できるだけ早く11時間保育を実施したいというふうに考えてございます。 ○河合委員 配慮の必要な子は私立園でも当然増えていくと考えますが、不安を抱える保育士さんを支える体制の強化は必要ではないでしょうか。 ○半田保育園・幼稚園課長 令和3年度に開始した保育ソーシャルワーク事業では、保育施設からの発達相談及び養育相談に係る事業について相談支援を行っておりまして、令和6年度以降も継続して実施をする予定でございます。また、将来的には区立保育園の体制を充実し、民間保育施設に対する相談支援を行うことについても検討してございます。 ○河合委員 大いに期待します。よろしくお願いします。 これまでも会派から、待機児童ゼロ後の新たなフェーズに入ってきたことを指摘してまいりました。変化に伴い、現場や管理する側にも柔軟な対応が求められると考えます。区のゼロ歳児の4月入園需要減など、需要変化を感じているか、認識を教えてください。 ○藤嶋幼児施設整備担当課長 空き定員の増加や育児休業制度の浸透などの影響によりまして、ゼロ歳児の4月からの入園申込みについては減少傾向となっております。全体の需要につきましては、区は、今後、就学前人口は減少していくものの、女性の就業率の上昇などにより、横ばいで推移すると推計しているところでございますが、今年度の4月入園につきましては、ゼロ歳児のほか、全体でも申込みは減少するなど、需要の変化が現れており、今後もそういった動向について注視していきたいと考えているところでございます。 ○河合委員 年度途中入園や多様な環境の入園者など、丁寧な対応のためには体制の強化の検討が必要だと考えますが、いかがですか。 ○藤嶋保育施設利用調整担当課長 空き定員の増加などの影響によりまして、今後増加が見込まれます年度途中の入園や、就労以外、就学や育児、介護のダブルケアなど、多様な環境に置かれている方への対応が待機児童解消後の新たな課題と認識しております。このような課題に対応していくため、入園相談の充実や利用調整の在り方について検討してまいります。 ○河合委員 実際に保育行政が大きく変化していることを確認してきました。変化に合わせてさらなる経験の蓄積と丁寧な対応が必要となりますので、こちらの保育の体制の充実と対策を要望していきます。 区は今後、子ども文教委員会、区立保育園における定員調整の考え方にて、区立園の定員調整を実施することで、待機児童ゼロ後の区全体の定員調整を図ることを報告しました。会派からは、私立園とも調整した上で区全体の空き定員を減らし、真の保育事業を見極めることを求めてきました。あわせて、保護者の環境に合わせ、望んだタイミングで子どもを預かってもらえる環境も実現していただきたいと考えます。現在、既に調整を行っているのか、教えてください。 ○藤嶋幼児施設整備担当課長 私立保育園の定員調整につきましては、原則として従来は認めておりませんでしたが、空き定員の増加などの状況を鑑み、今年度より一定の要件を満たす場合においては利用定員の変更を認めることとしたところでございます。今後も、保育需要の動向や保育園の利用状況などを踏まえまして、定員調整について検討を進めてまいります。 ○河合委員 要求資料、子ども文教13の中で、保育園待機児数の推移(年齢別)は、ゼロ歳、4月の数は減っていますが、実は、ゼロ歳、年度末の待機児数はさほど落ちていません。年度途中入園を含めた需要数は落ちていないと考えます。ゼロ歳児クラスの年度途中入園ができる環境が必要と考えますが、いかがでしょうか。 ○藤嶋保育施設利用調整担当課長 ゼロ歳児クラスにつきましては、4月当初の空き定員は増えているものの、年度後半に向けて徐々に空きが解消していく傾向が見られます。ゼロ歳児の年度途中の入園につきましては、一定数を受け入れられる環境を整えておく必要があると認識しております。 ○河合委員 ぜひとも、必要があるならば、やはりゼロ歳児定員の空き補填がそろそろ必要になってくると考えますが、いかがでしょうか。 ○半田保育園・幼稚園課長 ゼロ歳児が入園できる環境を確保するため、認証保育所、小規模保育事業、家庭的保育事業につきましては、定員未充足による減収に対する加算を行っているところでございますけれども、現時点で認可保育所の空き定員に対する減収補填を行うことは予定してございません。ゼロ歳児の入園状況や傾向につきましては今後も注視してまいりたいというふうに考えてございます。 ○河合委員 ぜひともこちらは速やかに対応できるよう、様々御検討いただきたいと考えます。 様々関連して確認させていただきましたが、今後、私立保育園の急激な増はないことから、扶助費に関しての影響は少なくなり、人件費に関しては大きな影響が出てくると考えます。ここまで扶助費の生活保護費の増加傾向、保育の新たな行政需要があること、児童相談所が設置され、関連する課で業務内容に影響を受けることを確認いたしました。 人件費について伺います。財政白書11ページ、図14、人件費と職員数の推移を御覧ください。人件費については緩やかな右上がりとなりました。詳細は森委員からも質疑させていただきましたが、歳入歳出額が増加している割合に比べれば、人件費はほぼ横ばいであり、平成25年度と比較すると、職員数は増加していますが、人件費は減少しています。主な要因を教えてください。 ○吉沢職員課長 人件費が減少している要因につきましては、職員の年齢構成の変化によるものでございまして、新規採用数は、平成27年度が82名で、以降の令和4年度まで、8年間の採用数は平均で毎年約100名となってございます。令和5年度は前倒し採用者も含めますと159名の採用ということになってございまして、この10年間では約1,000名の新規採用を行ってきたということが大きな要因だというふうに認識してございます。 ○河合委員 令和4年度の人件費は予算よりも減少しておりますが、見込差は想定内でしょうか。 ○吉沢職員課長 人件費の不用額の主な要因につきましては、退職者数の見込差で、退職手当の不用額が多かったこと、それから、会計年度任用職員の必要数と実績数の乖離、それから、育児休業取得等の無給者が増えたこと、それから、共済費や超過勤務手当等の執行額の見込差といったものでございます。今回の決算を分析しまして、来年度予算の積算に当たりましては見直しをしていくことで、不用額ができるだけ生じないよう努めてまいりたいというふうに考えてございます。 ○河合委員 人件費には不確定要素があるからこそ、毎年度の決算額が想定内であるかを確認し、令和4年度に定めた定数管理計画の微調整が必要となってくるかと考えますが、いかがでしょうか。 ○吉沢職員課長 令和4年度に定数管理計画を策定しまして、10年間の退職者数や採用者数を見込んだところでございます。今年度以降につきましては、実数等を計画に落とし込みまして、毎年ローリングをしていく予定でございます。また、人件費につきましても、定数管理計画の職員数を基礎に、給与水準の社会的な状況や退職者数、会計年度任用職員の需要数の変化を考慮しまして、それぞれの指標を他の23区の数値と比較・分析しながら行財政運営への影響を見定めてまいりたいというふうに考えてございます。 ○河合委員 ありがとうございました。 先ほどより、所管では様々業務内容が変化している課などを確認しましたが、社会変化の影響を受けている課などの認識をしているでしょうか。 ○吉沢職員課長 職員の定数関係におきましては、各部とのヒアリングを行っただけでなく、委員御指摘の、例えば区立保育園や児童館を所管する課長等に対しましても個別に聞き取りを行いまして、業務内容の変化や社会変化の影響など、それぞれの実態を把握しまして、対応の方策を検討しているところでございます。今後も引き続き各課のマネジメントに当たる管理職との情報共有、連携を強化しながら、継続的に対応してまいりたいというふうに考えてございます。 ○河合委員 この計画をつくったときには、保育園を取り巻く社会変化や児童館存続の政策判断の変更などがあったかと思うんですけれども、計画をつくった後にあったかと思うんですが、これは人件費には影響しますか。 ○吉沢職員課長 例えば、区立保育園におきます保育士は、来年度に向けまして必要数を採用できるよう努め、また、児童館につきましては福祉職を充てていくことを考えているところでございます。人件費につきましては、短期的には職員の年齢構成や退職者数によりまして横ばいで推移するというふうに想定しているところでございますが、中長期的な人件費につきましては今後注視していく必要があるというふうに考えてございます。 ○河合委員 今後は社会的に大きな変化を受ける課へ人材を優先的に確保してはと考えますが、いかがでしょうか。 ○吉沢職員課長 今、まさに対応の方策を検討しているところでございます。今後、基本計画の実現に向けました人的資源の投資については、社会変化による新たな行政ニーズや課題に的確に対応していくとともに、DXを原動力としました業務変革によりまして、順次組織の合理化を図りながら、適切な職員数の確保、各施策への適切な配分、配置を進めていきたいというふうに考えてございます。 ○河合委員 当然、政策で計画的に業務が増大となる見込みの課には人をつけていくべきですが、給付金の対応などもしかり、事業などへの影響もしかり、柔軟に対応しつつも、行政需要の変化を受ける課に過重な負担がないように見極めていくことを要望いたします。決算について、私は、区の財政状況を鑑みると、財政的に余力がある分、行政基盤を整える時期と考えております。今こそ、今後の少子高齢化、人口減少に備え、社会変化の傾向を捉えて行政需要を見極め、将来にわたっての様々な整備をする必要があると思います。以前、区長は区の宝は人であるとおっしゃっておりました。いま一度行政が担うべき役割を再認識し、社会変化の見通しを持って、変化の大きい課への人の投資、区民を守る政策の充実を図っていただけるよう要望いたします。 (4)ベビーシッター利用支援事業について、ここからは個別事業をお伺いします。 令和4年度の途中から未就園家庭のベビーシッター利用支援事業が始まりましたが、東京都補助10分の10を活用しており、決算説明書の68ページ、歳入、都補助金、ベビーシッター利用支援事業(一時預かり利用支援)において、予算執行率208%、令和5年度の事業開始からすぐに補正を組んだと記憶しています。これまで一時保育が使いにくいという要望が多くあった中、日中の利用料の上限が2,500円の補助が使え、実質無償でベビーシッターが利用できるため、想定以上の需要を呼び起こしてしまったとも考えられます。執行率に対する担当所管の見解を教えてください。 ○原子育て支援課長 この事業を昨年10月に開始した後、想定していた規模を大幅に上回る申請がございまして、令和4年度決算額につきましては、予算で想定していた金額を3倍以上上回る結果となったところでございます。この助成金は四半期に一度申請を受け付けているところでございますが、令和4年度の助成金交付状況から、第一四半期の時点で令和5年度当初予算の年間見込みを超える申請が見込まれたために、第2回定例会で補正予算の審議、議決を頂いたところでございます。このように、事業規模は区の想定を大きく上回るペースで拡大していると捉えております。 ○河合委員 それは、事務事業量に関しては所管課の中では増大になっていないか、確認させてください。 ○原子育て支援課長 この事業の開始以降、対象者からの問合せの対応や申請書類の審査事務、助成金の支出事務の事務量は大幅に増加しているところでございまして、申請をお受けしてから助成金の支払いまでに相当な時間を要している状況にございます。 ○河合委員 ほかの業務の妨げになっていないのか、大変懸念するところです。 ほかの一時保育事業への影響はないか、教えてください。 ○原子育て支援課長 昨年10月のベビーシッター利用支援事業(一時預かり利用支援)の開始以降について、例えばですが、保育園での一時保育事業の延べ利用者数についても増加傾向が見られているところでございます。このことについては、新型コロナウイルス感染症の状況など、社会経済活動の状況の変化も大きく影響していると考えられますが、ベビーシッター利用支援事業の利用が増加していることによってほかの預かり事業の利用が減ったということはないというふうに捉えております。 ○河合委員 ありがとうございます。それだけ一時保育がやはり足りていない、不足しているのではないかと私は捉えております。 国は本年9月に今後5年程度を見据えたこども施策の基本的な方針と重要事項等~こども大綱の策定に向けて~(中間整理)(案)を発表し、全てのこどもと家庭を対象として、虐待予防の観点からも、地域のニーズに応じた様々な子育て支援を推進する、一時預かりファミリーサポート、ベビーシッターに関する取組を推進すると示しました。私からは、令和5年予算特別委員会の際も重点的に区の一時保育の課題について指摘いたしましたが、現在、区の一時保育事業の中では、就労を条件とした場合に、ボランティアベースでのファミリーサポート事業に頼るしかないケースがあり、多様化している働き方への支援が不足しています。公的な預かり機会は、社会全体で子育てをするため、区が責任を持って多様に用意すべきです。現在、就労を条件とした預かりの拡充の検討は進んでいるか、お聞かせください。 ○原子育て支援課長 今年度から令和6年度にかけまして、令和7年度からの5年間を期間として、一時保育事業を含む子ども預かり事業全般の見込量を定めていく子ども・子育て支援事業計画を改定していく予定でございます。この計画改定の検討やニーズ把握のため、今年度から調査などを行っておりまして、既存の事業の改善も含めまして、利用しやすい預かり事業を実現するための検討を進めているところでございます。 ○河合委員 例えば、保育園が実施されていない時間帯に限っての利用や、上限を設定してでも、就労をしている家庭、保育園に預けている方もベビーシッターを使えるようにしていただきたいと考えますが、いかがですか。 ○原子育て支援課長 現時点では、御指摘のベビーシッター利用支援事業の一時預かり利用支援について、具体的な条件の変更ということは考えていないところでございますけれども、今後の検討においては、預かり事業全体が最適となる形を目指していきたいと考えております。 ○河合委員 1問飛ばします。 都の事業の動きが見えない上に、事業規模も拡大しているということで、漫然と拡充するのは難しいことは理解いたしますが、預かり支援が不足している部分の検討をスピード感を持って進めることを要望いたします。 関連して、子育て家庭ホームヘルプサービスについてもお伺いします。主要施策の成果の79ページ、コロナ禍のために病院で実施されていた施設型病児保育が使えず、保護者から多くの声が上がっておりましたが、要望に応えた形で訪問型病児保育としてホームヘルプサービスが始まりました。しかし、利用実績はゼロとなっています。担当所管の見解を教えてください。 ○原子育て支援課長 子どもが病気の際の預かりのニーズは確実に存在していると考えておりますが、新型コロナウイルス感染症が拡大している状況においては、委託事業者も従事者を派遣することができない場合も多かったものと認識しております。また、この事業に関する歳出は利用者の利用に応じて発生するものであるため、利用がない場合には固定的な経費というものは発生していないところでございます。新型コロナウイルス感染症拡大前においては一定程度の利用はあったものでありますので、セーフティネット機能を果たすものとして必要な事業と考えてございます。 ○河合委員 こちらの改善はどのようにしていきますか。 ○原子育て支援課長 病気など急に発生する理由の場合、即日に従事者を派遣することは難しい場合もあると考えられます。しかし、今年度については昨年度を上回る世帯の登録があり、ひとり親世帯で、保護者が病気の場合や子どもが病気の場合に利用され始めていることから、新型コロナウイルス感染症の状況の変化などによりまして利用が可能になってきている場合も出てきているものと考えております。 ○河合委員 2問飛ばします。 施設型病児保育は令和4年10月に再始動していますが、今後の展開を教えてください。 ○原子育て支援課長 病児保育の拡充につきましては区としても重要な課題として認識しておりまして、ほかの自治体での実施状況を把握するとともに、区に関連する医療・保育関係者からの情報収集を行っているところでございます。病児保育の受皿を広げられるよう引き続き検討してまいりたいと考えております。 ○河合委員 すぐにできるものではないし、地域差もあると考えておりますので、訪問型病児保育の拡充は一般財源を持ち出ししてでも検討していただきたいと考えますが、いかがですか。 ○原子育て支援課長 御指摘の訪問型の病児保育の検討につきましては、ほかの自治体の実施事例も把握しながら検討を継続してまいりたいと考えております。 ○河合委員 十分な確保を要望いたします。一時保育に関しては会派からも強く要望してきたところです。これからも子育てを社会全体で取り組むことを求め、早期の問題課題解決に向けて、スピード感を持っての対応を要望いたします。 (5)の養育費に関する公正証書に関しては全て飛ばします。申し訳ございません。 2、障害児者への支援について伺います。 障害児の支援に係る所得制限について伺います。 団体の皆さんと懇談を重ねる中で、障害のある方の保護者が子どもの命を支えるために自らの健康と命を削るような生活をされているお話を聞き、まだまだ支援は行き届いていないことを痛感いたしました。社会状況の変化や医療の発展に伴い、将来の子どものためにと、障害のある子を育てる保護者の就労も増えてきています。しかし、様々な支援制度の中には、子どもが二十歳以下の場合、世帯主や世帯の所得制限で給付が減額されたり、もらえない場合があります。保護者の方からは、経済的自立が見込めない子どもたちのためにも、より多く備えるための就労である。それは死活問題につながりかねないとの声も聞きました。 その中で、私のもとに他自治体から引っ越してきた方が、障害があるお子さんの紙おむつ代はこれまでは無償だったのに、中野区に引っ越してきてからは所得制限で有償になったという陳情を頂きました。調べますと、こちらは、中野区重度障害者(児)等日常生活用具給付事業にて、3歳未満で発生した疾病には、常時失禁状態にある者は所得制限なく無償となりますが、3歳以上で診断となった場合は介護保険で取り扱われ、こちらは所得制限があります。3歳未満の診断で区切られ、所得制限が発生することは、果たして理にかなっていると言えるでしょうか。令和4年決算特別委員会、森委員の区独自の給付の質疑の中で、酒井区長は、「中野区としても子育て先進区を目指している上では、所得制限なく子どもや家庭の支援を行うことが望ましいと思う」と答弁されております。早急に対応をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○古本高齢者支援担当課長 お答えします。年齢が3歳以上で障害のある方に対する紙おむつサービスにつきましては、高齢者のサービスと同様に所得制限を設けてございます。障害者のサービスでございます中野区重度障害者(児)等日常生活用具給付事業との均衡も考慮いたしまして、所得制限の必要性について検討したいと考えてございます。 ○河合委員 これは、調べたら、子どもの所得制限はそのときも様々御指摘させていただいております。調べ切れてはいませんが、区独自で残っているものはないか、関連する課では全て洗い出して検討することをぜひとも要望いたします。 次に、障害者の医療費について伺います。令和5年度より子どもの医療費については、東京都が18歳、3月31日までを無償とし、所得制限に係る部分を区で補助することになりました。障害のある方は心身障害者医療費助成制度の対象で、所得制限については、20歳以上は本人所得、20歳未満は原則世帯主の所得となります。要するに、19歳年度以降から20歳未満は世帯主所得による所得制限のため無償扱いとならないケースがあり、保護者の経済状況によって、この期間だけは医療にかかれない、受診控えがあるという課題も含まれました。どちらも医療費は都事業の影響ですが、高校生等医療費は区で所得制限分の補填をしています。19歳年度以降から20歳未満の子の所得制限の補填もしてはいかがでしょうか。 ○大場障害福祉サービス担当課長 お答えいたします。心身障害者医療費助成は、東京都心身障害者の医療費の助成に関する条例によりまして、重度の障害のある人を対象に医療費の一部が助成されているものでございます。所得制限につきましては、本人が20歳以上の場合は本人の所得を審査し、20歳未満の場合は世帯主や被保険者等の所得を審査しているものでございます。20歳で線引きしている理由につきましては、20歳未満の場合には、本人の生活実態が扶養者に依存するのが一般的であるからと聞いてございます。しかしながら、障害者団体からも同様の要望を頂いております。区から東京都へ要望することも検討していきたいと考えております。 ○河合委員 ありがとうございました。ぜひよろしくお願いします。 障害児者の居場所支援について伺います。 飛ばして、飛ばして、飛ばします。 学校卒業後の主な居場所となる生活介護施設についてお伺いします。多世代向けとなっているために、高齢の方に交じっての活動となることがあるそうです。障害者の青年期のための新しい取組が必要と考えます。現状、生活介護事業所で青年向けプログラムの充実は可能か、様々、担当の見解をお聞かせください。 ○大場障害福祉サービス担当課長 各生活介護事業所におきましては、利用者のニーズや障害の特性等に応じたプログラムを行っているところでございますが、引き続き工夫をしながら充実を図っていただくよう促していく考えでおります。 ○河合委員 18時までの事業開設時間の延長は可能か、お伺いします。 ○大場障害福祉サービス担当課長 生活介護を実施している障害者福祉会館、かみさぎこぶし園、障害者支援施設江古田の森、コロニーもみじやま支援センターの4か所におきまして、生活介護事業がおおむね終了する15時半から17時、もしくは18時まで、見守り等の支援を行うタイムケア事業を行っております。就労系の事業所におきましては大半が9時から16時までの作業時間となっておりますが、作業終了後の見守り等の支援は行っていない状況でございます。開設時間の延長につきましては、職員体制等の課題もあるため、今後、ニーズや事業者の状況把握に努めた上で検討していきたいと考えております。 ○河合委員 将来的には青年版放課後等サービスなど、新しい取組を検討し、区が青年期の居場所、取組について整えるべきと考えますが、いかがでしょうか。 ○大場障害福祉サービス担当課長 18歳以降の障害者の余暇活動の充実は必要であると認識しているところでございます。障害の状況、年齢、生活の背景等、それぞれに合わせた多様な支援を提供するために、制度の拡充や財政支援につきましても国や東京都に求めていきたいと考えております。 ○河合委員 この項の最後に、予算特別委員会で質疑させていただきましたユニバーサルシートについての状況をお伺いいたします。 こちらは、縦割り行政の弊害をこれまで伝えてまいりました。要求資料総務87では、ユニバーサルシートは、項目を追加させていただきましたが、4%となっています。ユニバーサルシートの設置に係る検討状況、推進計画を含め、外出機会の確保についてお聞かせください。 ○国分ユニバーサルデザイン推進担当課長 現在改定を行っているユニバーサルデザイン推進計画には、有識者等による評価、点検の仕組みの構築について盛り込む予定でございます。施設改修の際に、有識者や障害当事者の方々などから御意見を頂き、それを反映させる仕組みを検討しているところでございます。ユニバーサルシートの設置についても、その仕組みを活用し、検討してまいります。 ○河合委員 様々、皆様には質疑のご対応を頂きありがとうございました。 できないことは分科会でやらせていただきます。 ○杉山委員長 質疑の時間が超過しておりますので、答弁は結構です。 以上で河合りな委員の総括質疑を終了します。 次に、むとう有子委員、質疑をどうぞ。 ○むとう委員 今回の決算特別委員会の私の席は、途中から間引かれましたので、今日は違いますけれども、7期目、25年目にして初めて向かって左から右へと変わりました。私の意思ではなく、指定されたものなので、私の考え方が変わったというわけではございません。これまでと変わらず、区民の方からお寄せいただきました御意見を基に質疑をさせていただきます。持ち時間は30分です。機敏な行動と簡潔明瞭な御答弁の御協力をお願いいたします。 さて、相変わらず契約落差や未執行、単なる残が多額にあり、不用額は115億5,751万円。毎回指摘していますが、予算段階での見積りの精度を上げて残額を減らすことはできないものなのでしょうか。115億円もあれば、区民の要望をかなえる事業を増やすことができるので、とても残念です。また、単年度の財政指標は、おおむね健全な数値としつつも、中野区の公共施設は23区平均より老朽化が進んでいる上に、借金額が23区平均よりも多い239億円となり、社会資本形成の世代間負担比率が高く、将来世代に負担が重くのしかかることになるのではないかと大変に気がかりです。中野区の未来は暗くて不安という状態が依然続いており、1円たりとも無駄にしないという信念を持った区政運営を行うべきです。 そこで、区長車についてお尋ねをいたします。 新人議員の方がいらっしゃるのであえて言いますが、前区長が2期16年間、区長車を廃止したことで約1億4,000万円を削減したことは御立派なことであったと評価しています。酒井区長もお元気そうにお見受けいたしますので、区長車を廃止し、徒歩圏内は徒歩で、時短で行ける場所は電車で、必要なときはタクシーやハイヤーを使用することで業務をこなせるのではないかと私は思っています。酒井区長の1期目の2018年度は前区長を踏襲し、区長車を廃止。ところが、2019年度と2020年度は区長車を復活。2021年度と2022年度はコロナ禍となり、議長車の廃止に歩調を合わせて区長車を廃止。2023年度はコロナ5類への移行に伴い区長車を復活し、区長公用車運行経費1,255万円が予算化されています。区長車は機動的で合理的なので活用するとの区長のお考えをぜひ改めていただきたいと願っています。 2022年度決算説明書141ページ、タクシー及びハイヤー使用料等は98万7,800円でしたが、その内訳をお答えください。 ○矢澤秘書担当課長 令和4年度の実績でございますが、タクシーは52件で9万1,100円、ハイヤーは40件で89万6,700円でございます。 ○むとう委員 分かりました。 区役所を起点にして、一般的に徒歩圏内と言われる、距離にして800メートルから1,200メートル、時間にして10分から15分のところは徒歩で、また、電車で行きやすく、車より所要時間が短い目的地は電車で移動するべきだと私は考えます。平日、徒歩圏内や電車利用のほうが時間短縮となる行き先はどこに何回あったのか、お答えください。 ○矢澤秘書担当課長 令和4年度でございますが、徒歩及び電車のどちらも、スケジュールの制約、それから、天候等を勘案することを前提としつつ、また、徒歩圏内を徒歩10分程度と仮定した場合、どちらもゼロ件でございました。 ○むとう委員 昨年度はまだ行事が少なく、区長車がなかったこともあり、推測するに、徒歩圏内は歩いて、時間短縮となる区政会館などは電車で行かれたのではないでしょうか。区長車がないことで、逆に合理的で健全な姿だったと言えます。 さて、2023年度予算の総括質疑で、区長車の運行実績を検証し、合理的な移動方法を常々検討していただくことを要望いたしましたので、お尋ねをいたします。今年度はまだ5か月間、4月から8月までの集計となるようですが、この時期に検証をして、次年度の予算に反映をしていただきたいと思うのでお尋ねをするのですけれども、区長車の平日の稼働率をお答えください。 ○矢澤秘書担当課長 4月から8月までの平日の区長公用車稼働率は62.5%でございます。なお、参考までに、土日を含めますと66.9%でございます。 ○むとう委員 平日の稼働率が62.5%ということは、逆に言えば、平日、稼働なしの日が37.5%。つまり、39日間、9時半に出勤して17時30分に退勤するまでの間、運転手さんは一日中待機をしていました。たった5か月間の中で39日間も待機させておくのは非合理的だと思いませんか。予定外の突発的な外出に備えて待機させているのですが、突発的な外出は何回あったのでしょうか。お答えください。 ○矢澤秘書担当課長 区長公用車の供給は車両と運転手が一体となった契約となっており、区長公用車が稼働しないときに運転手が待機しているのはやむを得ないものと考えてございます。また、区長の公務で急遽公用車を使うことになった件数でございますが、6件、そして、主な事由としましては、葬儀、視察、急な天候悪化による使用が挙げられます。 ○むとう委員 契約がそうなっているのは分かっているのですけれども、そういう仕事のさせ方というのはどうなのかということを、やっぱり今後は考えていく必要があると私は思います。 5か月間で、突発的な用事は6回ということです。ということは、1か月に1回程度ですから、急なときはタクシーでも補うことができるのではないでしょうか。先日、待機場所である区役所地下1階の駐車場に行ってみました。当然、駐車場には冷暖房がありません。薄暗くて、本も読めません。スマホの電波も届かない駐車場で、車の冷房をつけて一日中待機しています。時には1階ロビーや7階の職員休憩室に行ったりされているようですが、劣悪な労働環境です。すぐにでも改善するべきではないでしょうか。お答えください。 ○矢澤秘書担当課長 区長公用車運転手の待機場所として、仕様書上は運転手の待機場所まで明記されておりませんので、緊急の運行指示に備えることを原則としつつ、委員御案内のとおり、公用車以外にも、区役所1階のロビーや7階の職員休憩室などの場所を実際に利用してもらっていると聞いてございます。運転手の待遇改善のための工夫を今後考えてまいりたいと思いますし、一方で、新庁舎移転の際は、運転手の待機場所について、現在、検討していると伺っているところでございます。 ○むとう委員 これから寒くなるんですよね。これから新庁舎ができるときまで放置というのは、やはりあまりにもひどい待遇だと私は思います。気がついたところから改めていくという姿勢が欲しいと私は思います。 区長車運行管理簿を調べてみると、平日、1日に1か所だけ。それも、10分から15分で歩いて行ける一般的に徒歩圏内と言われている場所へ。例えば、4月17日、なかのZEROのみ。18日もなかのZEROのみ。20日もなかのZEROのみ。5月9日もなかのZEROのみ。12日も産業振興センターのみ。19日もなかのZEROのみ。6月6日もなかのZEROのみ。21日は、2か所ですけれども、なかのZEROから産業振興センターへ。7月5日は明治大学中野キャンパス。8月21日もなかのZEROのみです。また、電車のほうが車より所要時間がかからない、乗車時間14分で行ける飯田橋にある区政会館のみという日にちもあります。改めて、5か月間で、一般的に徒歩圏内と言われる場所や電車のほうが車よりも所要時間がかからない場所への行き先をお答えください。 ○矢澤秘書担当課長 先ほど述べました条件を前提とした場合でございますけれども、私どもとしましては、令和5年度の徒歩件数と目的地につきましては、明治大学中野キャンパスが1件、帝京平成大学中野キャンパスが1件、計2件でございます。どちらも、前の公務が長引き、やむなく使用したものでございます。 ○むとう委員 そこのお隣の場所ですよね。ちょっとびっくりなんですけれども。でも、私は今、ずらずらといろんな場所を言いましたけれども、何で2か所だけという発表なのか、ちょっとおかしいですよね。 ちょっと聞き方を変えてみます。5か月間で、平日、目的地、1、なかのZERO、2、産業振興センター、3、明治大学中野キャンパス、4、帝京平成大学中野キャンパス、5、なかの芸能小劇場、6、区政会館へは何回行かれたのでしょうか。それぞれお答えください。 ○矢澤秘書担当課長 なかのZEROが10件、産業振興センターが3件、明治大学中野キャンパスが1件、帝京平成大学中野キャンパスが1件、なかの芸能小劇場が1件、最後に、区政会館が13件でございます。 ○むとう委員 では、これに併せて、今答えてくださった行き先は全部の行き先の何%に当たりますか。 ○矢澤秘書担当課長 4月から8月までで、全体がおよそ90件と仮定しますと、3割程度というふうに捉えてございます。 ○むとう委員 どう思いますか。3割。私の感覚から言ったら歩けそうなところなんですが、今、私がずらずら挙げた場所というのは、一般的には徒歩圏内だと私は思うんだけれども、区は徒歩圏内だと思っていないから、今、私が挙げた箇所というのは、先ほどの御答弁の中に含まれてこなかったわけですが、区にとって徒歩圏内というのはどれだけなんですか。徒歩10分ということなんですか。 ○矢澤秘書担当課長 はい、委員御案内のとおりでございます。 ○むとう委員 一般的に、徒歩圏内といったら10分から15分ぐらいと言われていて、では、12分では徒歩圏内ではないのですかね。なかのZEROへ歩いてみました。私は12分で行けました。徒歩圏内について、区の常識というのは私は世間の非常識になるのではないかなというふうに思いましたけれども、区長が幾らお忙しいとはいえ、区役所から徒歩5分の帝京平成大学中野キャンパスとか、明治大学中野キャンパスとか、徒歩12分のなかのZEROに歩かないで区長車を使うということに区民の皆様は御納得するのでしょうか。物価高騰で区民の生活が苦しい中、ましてやガソリン代も高騰する中で、区民の皆様はどのように思われるでしょうか。その距離なら歩いていけばというふうに思うのではないですか。小学校の統廃合で1.5キロを25分かけて通学する小学生に一体何と説明するのでしょうか。 区長にお聞きします。区長、あなたにはなかのZEROまで歩くという選択はないのでしょうか。区長、あなたは、区役所から帝京平成大学中野キャンパスや明治大学中野キャンパスやなかのZEROまで、自分のお金でもタクシー代を払っていくのでしょうか。区長の答弁を求めます。 ○酒井区長 例えばなかのZEROで答えますと、徒歩で10分ちょっとかかりますけれども、夏の暑い日、そして、冬の寒い日、それで、移動した直後に私は挨拶がありまして、それで、まともにそこで体調を整えることも大変なわけです。それがあって、もともと新型コロナの前の公用車がなかったときに議会にお願いをして、公用車が必要だということでさせていただきました。ですから、時間を大切に使うということと体調管理も含めて、私にとっては合理的な利用だと思っております。 ○むとう委員 私がさっき読み上げたのを聞きましたか。さっき言ったんですよ。4月17日、なかのZEROとかと。18日もなかのZEROと。4月とか5月とか6月というのは気候のいいときなんですよね。真夏の暑い8月はこのデータの中には残念ながら──8月21日はなかのZEROのみがありましたけれども、気候のいいときもわざわざ車で行かれているんですよね。だから、今、御丁寧な御答弁を頂きましたけれども、私から見ると酒井区長は働き盛りのバリバリ元気マンというふうに見えるのですが、どうして歩いていかないのかなというのは本当に不思議です。区長の区長車に対するラブな気持ちは伝わりましたけれども、私にはへ理屈としか聞こえません。繰り返しますが、区長公用車運行経費の予算額は1,255万円ですよ。これは税金なんですよ。10分から15分で歩いて行ける。なかのZEROは12分ですから、徒歩圏内ですよ。所要時間が車よりも短い場所等は電車で、歩けるところは徒歩で、必要なときにタクシーやハイヤーを利用するほうが合理的であり、経費削減になることは明白ですよ。次年度の予算編成に当たり、今年度の区長車運行実績等を検証して、廃止を含めた区長車の在り方の検討を求めて、質問を終わります。 続きまして、中野区吸い殻、空き缶等の散乱及び歩行喫煙の防止等に関する条例についてお尋ねをいたします。 この条例は1999年に施行され、既に24年が経過しました。さすがに繁華街での歩行喫煙は条例制定時と比べて減っていると思いますが、中野駅北口広場の吸い殻、空き缶等の散乱は目に余ります。さらに、公園や住宅街の空き家周辺でも吸い殻、空き缶等の散乱がひどい場所があります。特に、空き家周辺での吸い殻は火災の心配があり、近隣の方が見かねてお掃除をしていますが、不安との声が届いています。また、何年にもわたり、毎日、早朝、平和の森公園で美化活動をしている1人の区民の方に、区から感謝状を出してほしいと、その活動をずっと見ている区民の方が公園課に電話をかけたそうですが、相手にされなかったとがっかりされていました。そこで、この条例を読んでみると、吸い殻、空き缶等の「等」は「チューインガムのかみかす、紙くずその他これらに類する物及び飲料、食料等を収納し、又は収納していた缶、びんその他の容器」と規定されており、まちなかで捨てられているほとんどのものが該当します。条例の目的はまちの美化推進ですが、まちとは道路だけではなく、「公園、広場その他の公共の用に供する場所」と規定されています。 さて、第7条の2項に「地域において美化活動を行い、又は行おうとする団体は、美化活動を推進することを宣言することができる」、3項に「区長は、前項の宣言を行った団体に対し、必要な支援を行うことができる」と規定されています。今の時代、団体だけではなくて、個人でも自発的に美化活動を行っていますので、個人にも支援をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。お答えください。 ○髙田道路管理課長 個人の方への支援についてはどのような方法があるか、今後検討をしていきたいと考えております。 ○むとう委員 ありがとうございます。 次に、第7条の4項に「区長は、美化活動の推進に貢献した者を公表することができる」と規定されていますが、公表の実績と方法をお答えください。あわせて、美化活動をしている個人に対しても、区民の方から要請があれば感謝状などを出していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。お答えください。 ○髙田道路管理課長 今まで公表の実績はありません。公表の方法としては区のホームページでの公表を考えております。個人の方については、公表がよいのか、感謝状も含め、他区の状況を踏まえて今後考えていきます。 ○むとう委員 ありがとうございます。ぜひ検討をしてください。 本条例の目的は「区民等の身体及び財産の安全を図り、もって区民の良好な生活環境を確保すること」と規定されています。よって、この壮大な目的を持った条例の所管が道路管理課だけでは、事業が道路に偏ってしまい、条例の目的が達成できないのではないでしょうか。区民へ広く周知するためにも、幅広く取り組むためにも、所管外も含めた検討が必要ではないでしょうか。見解をお答えください。 ○髙田道路管理課長 より条例の目的が達成できるよう、所管等を含め、他区の状況を踏まえて庁内で調整をしてまいります。 ○むとう委員 ありがとうございます。全部検討していただけるような御答弁を頂けて、とてもうれしいです。条例は定めて終わりではありません。区民の皆様に条例を知っていただき、実行していただかなければ、意味がありません。駅前の美化活動だけではなくて、まちの隅々までごみが落ちていないきれいなまちづくりを願って、次の質問に移ります。ありがとうございます。 児童館における一時預かり事業についてお尋ねをいたします。 2021年度に南中野児童館の1館で一時預かり事業を実施し、2022年8月からはみずの塔ふれあいの家でも始まり、2館で実施しています。 決算説明書261ページ、決算額916万4,804円。一時預かりは必要なこととは理解していますが、この実施方法は費用対効果の面で問題があることを再三指摘しています。事業の周知度が上がり、利用率も上がっていると思いますが、2022年度の、1、利用率、2、延べ利用者数、3、1人当たりの経費、4、1時間当たりの経費、5、当日利用者数をお答えください。 ○細野育成活動推進課長 令和4年度の利用率につきましては30.19%でした。利用人数につきましては延べ207人で、1人当たりの経費につきましては、総額を割った形で4万4,274円となります。それから、1時間当たりということですと1万903円、そして、当日の利用人数でございますが、こちらは延べ人数で17人、複数回利用された方を考えると11人ということでございました。 ○むとう委員 利用率が2021年度はたしか9.28%でしたから、30.19%に上がったということで多少は改善されましたが、1人当たりの経費4万4,274円は、最小の経費で最大の効果を上げなければならない自治体の本旨に反するものではないでしょうか。 では、2022年度の私立保育園での専用室型一時保育の1人当たりの経費は幾らでしょうか。お答えください。 ○原子育て支援課長 区では、私立の保育園などが一時保育事業を実施する場合に、その経費の一部を補助し、民間による一時保育の実施の促進をしているところでございますが、この補助金の令和4年度の決算額は約4,019万7,000円でございまして、対象の保育園などの利用実績は延べ人数で4,374人でございます。このことから、延べ利用人数1人当たりに対して区が支出している金額は約9,200円でございます。 ○むとう委員 ありがとうございました。繰り返しますが、児童館での一時預かり事業の1人当たりの経費が4万4,274円に対して、保育園では9,200円です。約4.8倍の経費をかけてまで児童館で実施する根拠と必要性を私は見いだせません。児童館と保育園での一時保育の違いは当日利用枠の有無ですが、増えたとはいえ、たったの11人です。次年度に向けては児童館での一時預かり事業の廃止を含めて検討することを求めます。それで、屋上屋を重ねるような事業はやめるべきだと指摘して、次の質問に移ります。 清掃事業についてお尋ねをいたします。 何度も繰り返し質疑をしていますが、清掃工場常時搬入物検査における不適正ごみの混入率は、2020年度は40%、23区でワースト4位でしたが、2021年度は18.5%に改善し、ベスト7位に好転しました。では、2022年度の混入率と順位を端的にお答えください。 ○阿部清掃事務所長 お答えします。令和4年度に搬入物検査を受けた中野区の清掃車両は全45台ございます。そのうち、一定量以上の不適物があると判定された車両は14台ございました。不適物搬入率は31.1%でございます。この割合は東京23区で4番目に高い搬入率でございます。 ○むとう委員 高いというのは、悪いということですね。ワースト4位ということですよね。よくなったと思ったら、また悪化しました。不適物がサンプルの体積の10%以上ある、搬入可能な寸法を超える不適物がある、プラントを損傷させるなど、処理施設の運営に支障を来すおそれのある不適物があるということなんです。清掃工場に搬入するのは燃やすごみです。きちんと分別しないで集積所に出す区民がいることが一番の原因ですけれども、不適切物を確認せずに収集する職員にも原因があります。不適正ごみの混入率の悪化について、清掃の全職員に知らしめているのでしょうか。お答えください。 ○阿部清掃事務所長 搬入率については随時周知をしております。それで、今後も適切な収集作業を徹底しまして、区民、事業者への不適物排出についても引き続き指導、啓発を行っていくところでございます。 ○むとう委員 収集していた方に聞きました。すみません、知っているかと聞いたら、知らないと言われていますよ。本当に職員の皆様に周知徹底をしているのでしょうか、そこからしっかりと教育をしてほしいと思います。 決算説明書431ページ、東京二十三区清掃一部事務組合分担金が、可燃ごみ量が減っているにもかかわらず年々増額となり、13億3,337万5,000円です。その要因は工場の建て替え工事ですが、それだけではなく、設備工事費も年々増加しています。燃やすごみ以外の不適物の混入がプラントを損傷させることになり、設備工事費の増加につながっています。ごみの適切な収集作業は清掃工場の安全運転につながり、分担金削減にもつながる重要な出発点です。清掃工場がない中野区は、分担金は払えば済むとどこか他人事のようですが、当事者意識をしっかりと持って、不適物は収集しないとの信念を持って収集すべきであり、職員教育の徹底を願いまして、次の質問に移ります。お願いいたします。 最後に、保育経費についてお尋ねをいたします。これも何度も繰り返し質疑をしていますが、保育の質と人件費は大いに関連しますので、今回もお尋ねをいたします。 決算説明書237ページから239ページ、私立保育所保育経費122億6,866万円を208の保育施設に給付しました。使途は人件費と事業費と管理費です。国は保育経費の7割を人件費と積算していますが、人件費を上限なしで他へ流用することや、同一法人が運営する他の福祉施設への資金流用や積立ても可能とする規制緩和を行ったため、狙いどおり民間の保育園が増え、待機児童対策には貢献しましたが、一方で、保育士の賃金が上がらず、他の業種よりも保育士の年収が低い原因となり、保育士不足を招き、保育の質の低下が問題となっています。私の毎年の質疑で、保育園・幼稚園課長は50%を目安に人件費に充当するよう働きかけるという答弁をしていますけれども、いまだに50%以下の保育園が存在しています。2022年度の区が把握できる株式会社認可園の、1、施設数、2、人件費比率の平均、3、50%未満の施設数、4、最低比率をお答えください。 ○半田保育園・幼稚園課長 株式会社が運営する認可保育所のうち、令和4年度の財務情報を公開している園は55園でございます。人件費比率の平均は55%でございまして、人件費比率が50%未満の園は17園でございます。人件費比率が最低の園は39%となってございます。 ○むとう委員 そうしますと、人件費比率の平均も、50%未満の施設数も、2021年度と比べて悪化していますよね。 認可保育園への区独自の加算額の総額と1園当たりの額をお答えください。 ○半田保育園・幼稚園課長 認可保育所81園に対する区独自の加算額の総額は37億6,536万円でございます。1園当たりの平均にいたしますと4,648万円余になります。 ○むとう委員 これはすごい金額で、いろんな項目があって加算しているのだと思うんですけれども、世田谷区では人件費が50%未満の施設には事業加算をしない策を講じて、50%未満の園はないということなんですよね。これも何回も何回も質問しているのですけれども、中野区でも1園当たり4,000万円を超えていますから相当なダメージになってしまうのですが、もういいかげん、全部でなくても、加算項目の一部でも加算しない策というものを講じるということを考えてはいかがですか。 ○半田保育園・幼稚園課長 国では適切な施設運営が確保されていることを前提といたしまして、私立保育所に対する委託費の弾力運用を認めてございます。人件費が50%未満の施設について区独自の加算を行わないことにつきましては、現時点では予定をしてございません。 ○むとう委員 予定していないから何回も質問をしているのね。検討をそろそろしたらどうですか。ちっとも改善されないじゃないですか。改善されないのを何かずっと放置するのですか。検査に行ったときには、50%になるようにと働きかけはしてくれているのですよね。でも、効果がないよね。効果がないなら、次の策を打つべきなのではないですか。もう一度答弁をお願いいたします。 ○半田保育園・幼稚園課長 先ほど申し上げましたとおり、委託費の弾力運用につきましては国も認めているところでございます。区といたしまして独自加算を行わないことにつきましては、現時点では予定のほうはございません。 ○むとう委員 繰り返しになっちゃうのだけど、予定をしていないから何回も聞いているのよ。そろそろ検討しましょうよ。予定して検討していただきたいというふうに思います。これからは本当に質が問われていきますからね。お給料の低さは保育の質に大いに影響します。人件費比率にしっかりと着眼した指導検査を要求して、この項の質問を終わります。 急いで質問をしたので、早口で聞き取れない部分もいっぱいあったかと思いますけれども、一応、30分の中に予定した質問を全部入れ込むことができました。区長においては、区長車をもう一度考えていただけたらすごくうれしいと思いますし、ここで区長車をやめたら区長の人気がさらに上がるのではないかと私は思っております。全ての質問は終わります。ありがとうございました。 ○杉山委員長 以上でむとう有子委員の質疑を終了します。 次に、石坂わたる委員、質疑をどうぞ。 ○石坂委員 質問をいたします。 1、平常時と災害時を問わぬユニバーサルデザインと合理的配慮について伺います。 まず、災害時について伺います。災害時にはコミュニケーションに支援、配慮が必要な人がいます。こうした中、年々様々な工夫がなされてもきました。先日、東京大学教育学部附属中等教育学校で避難所開設訓練に参加をした際に、外国人に対する分かりやすいイラスト付きのコミュニケーションボードを用意されていました。そのときに参加をされた聴覚障害者の方から御意見を頂いたことがあります。それは、聴覚障害者について、単純な筆談で対話が難しいケースがあるということです。生まれついての聾唖者の場合、知的な障害がなくても、聴者、いわゆる健聴者が八、九歳で獲得をする抽象的思考が獲得しづらく、9歳の壁ということがあり、筆談等でも支え方に工夫が必要です。また、知的障害者で、小学校高学年程度の知的能力で単身生活を送っている人もいます。この場合にも、伝え方や使う文字やイラスト表示などの工夫が求められます。そのため、抽象的な表現、例えば、厚みの薄さと濃度の薄さなどの多義的な言葉の使用、時間概念を含むやり取り、比喩を含む表現が苦手である場合があります。例えば、安全、困難、工夫する、切ない、規則正しいなどの単語や、しばらくどこかでゆっくりとしていてください、何か消化のよいものを食べてくださいというような文章表現が理解しづらい場合があります。聴覚障害者や知的障害者についても対応できるよう、漢字、振り仮名、イラストを併用したコミュニケーションボードを備蓄し、やり取りの工夫を図る必要があると思いますが、いかがでしょうか。 ○杉本防災危機管理課長 防災訓練の実施に当たりましては、コミュニケーションボードや簡易筆談器の活用、やさしい日本語でゆっくり伝えることなどの工夫を行ってございます。障害の状況に合わせたコミュニケーションボードを用いた意思疎通につきましても研究してまいります。 ○石坂委員 ぜひしっかりと学んでいただいて、よいものを考えていただければと思います。 そしてまた、災害時には排泄において配慮が必要な人がいます。過去の防災訓練で、人工肛門、人工膀胱保有者であるオストメイトの人も利用できる災害用仮設トイレが、事業者の協力を得て設置ができるようになっていたことがありました。オストメイトの方を含めた利用ができる災害時のトイレの確保や、あるいは、便袋などが洗える汚物流しや、装具交換のスペース等の確保が必要です。また、もしも確保が難しい場合でも、設備が整った2次避難所への移動案内などが必要だと思いますが、どのようにお考えでしょうか。 ○杉本防災危機管理課長 災害時におきますオストメイトのトイレ利用や衛生管理などについては、避難所に設置しますトイレの利用を想定しているところでございます。また、一般的な避難所で生活に支障を来す避難者の方につきましては2次避難所へ案内することとしておりまして、速やかに対応できるような体制づくりを進めてまいります。 ○石坂委員 また、オストメイトの方に関しまして、ストーマ装具の災害備蓄について、ひやま議員も先日の一般質問で質問されていましたけども、ストーマ装具には、ストーマ袋と面板が一体になっているワンピース装具、面板とストーマ袋が別々になっているツーピース装具、それに加えて、ごみ袋、水を使用しない皮膚洗浄剤を、面板を傷めることがないように、高温多湿でもなく、冷え過ぎることもない場所で保管をする必要があります。そのためにも、新区役所の地下の災害物資の保管倉庫など、温度が安定した場所において、こうしたストーマ装具と皮膚洗浄剤などの関連用品を保管して用意すべきだと思いますが、いかがお考えでしょうか。 ○杉本防災危機管理課長 ストーマ装具の災害備蓄につきましては、保管場所の温度管理などの課題はございますが、他自治体の導入事例などの情報を収集しながら検討を進めているところでございます。皮膚洗浄剤などの関連用品の備蓄につきましても併せて情報収集を行ってまいります。 ○石坂委員 では、続きまして、今、災害時を伺いましたが、次に、平常時について伺っていきます。新区役所の庁舎における表示やマップによる案内において、先ほど述べたような聴覚障害者や知的障害者への配慮をした、視認をしやすく、かつ理解をしやすく配慮したピクトグラムや、難しい漢字は使用を避けたり振り仮名をつける案内表示、また、白杖を使っている視覚障害者への触知案内板や音声案内、階段等の手すりへの点字の取付け、外国人への多言語表示や平易な日本語表示での案内板などが求められますし、総合案内やフロア案内人に、庁舎内に設置をされているピクトグラムの一覧を指さしで示せる一覧表を持たせることも必要かと思われます。こうした対応は新庁舎でしっかりとしていただける理解でよろしいでしょうか。 ○中村新区役所整備課長 新庁舎におきますサインについては、読みやすいフォントや、機能が図、記号で表現されているピクトグラム、音声案内、他言語表示などを取り入れまして、誰にでも分かりやすい案内表示になるよう整備を進めてございます。総合案内等においてもピクトグラムの案内を行うなど、来庁者に合わせた対応ができるよう検討を進めているところでございます。 ○石坂委員 ぜひしっかりそのような形で進めていただければと思います。 そして次に、トイレについて伺います。まず、トイレを利用する人は多様です。男女別トイレでも共用トイレでもどちらでもいい人、男女別でないと駄目な人、共用でないと駄目な人がいます。また、共用トイレが多目的トイレでなければならない人、多目的トイレでなくても構わない人がいます。また、多目的トイレでも、便器のすぐ右側の壁に固定された手すりを必要とする人、便器のすぐ左側の壁に固定された手すりを必要とする人、オストメイト用の汚物流しを必要とする人、大人用のおむつ交換のベッドが必要な人など様々です。トイレ整備の基本は、ストレスなく利用できる広さ、設備をどのように整備するかです。多くの利用者が自分の状況に合わせて選択できることが必要です。こうした中、新庁舎における男女共用の多目的トイレについて、属性として、高齢者や障害者の中で異性介助、あるいは異性同伴を伴う人、乳幼児連れの様々な人、トランスジェンダーで性別不問のトイレを利用したい人などがいます。こうした中、見た目で分かりづらいオストメイトやトランスジェンダーの方には、多目的トイレを使った際に、はた目ではそれが分からないために、障害者用のトイレを長く使ってけしからぬと怒られた経験を持つ人がいます。新庁舎の多目的トイレにおいて、十分な数の確保を前提に、見た目で分かり難い、誰でもトイレを必要とする人も利用していますという説明や、最寄りの他のフロア等の多目的トイレの位置の案内も掲示すべきと思いますが、いかがでしょうか。 ○中村新区役所整備課長 新庁舎では、ベビーチェアやベビーシートのほか、ベッドやオストメイト等の設備を備えた多機能トイレを地下1階から11階までの各階に設置する予定でございます。こうした機能は必要な方であればどなたでも使っていただけるものと認識してございまして、表示する内容については検討しているところでございます。また、利用階の多機能トイレが使用中の場合に、ほかの多機能トイレの位置が分かるよう、各階においてほかの階の多機能トイレの機能や位置について案内するよう検討してございます。 ○石坂委員 そのような形で、ぜひ摩擦が起こらないように考えていただければと思います。 さらに、トランスジェンダーの人の中には、出生時に女性で、現在も子宮の摘出はしていないために、戸籍上も女性で、ホルモン治療による男性ホルモンの投与を長く受けてきたことから、体格はがっちりとして、ひげを蓄えているという人もいます。こうした人がホルモン剤を飲み忘れたり、あるいは、生活困窮などによる治療の中断を強いられたりなどによって、月経が始まってしまうケースがあります。この場合、性自認や着衣での外見が男性であっても、戸籍が女性で女性器もあるのだから、女性トイレを使うべきだというわけにはいかないかと思われます。また、もちろん、車椅子利用者が生理用品を必要とする場合があります。現庁舎では女性用トイレのみ生理用品の配布を行っていますが、新庁舎では多目的トイレでも行うべきと思いますが、いかがでしょうか。 ○中村新区役所整備課長 新庁舎の多機能トイレでは、生理用品を配布する機器を設置する方向で関係所管と調整を進めてございます。 ○石坂委員 ぜひお願いいたします。 こうして今挙げました例は氷山の一角にすぎません。子どもに関しては、権利条例ができて以降、様々な工夫を重ねてきていますが、子どもに限らず、様々な当事者に関わりのある条例や計画をつくったり、取組を進めたり、また、施設内の案内、職員などによる声かけの仕方の工夫も含めた施設の整備をしたりするための意見聴取の機会に、外国人、知的、発達、視聴覚などの様々な障害者、子どもなどが単に読めるということだけではなく、正確に理解できるようにする配慮も、先ほど述べました点なども加味しつつ、工夫をして、当事者参加で決めることを当たり前にしていくことが必要です。また、そうした事例について、好事例をユニバーサルデザイン推進担当が集約をして共有していけるようにしていくことでさらなる改善を重ねることが必要と考えますが、いかがでしょうか。 ○国分ユニバーサルデザイン推進担当課長 ユニバーサルデザインに関して、職員が知っておくべき基本的な事項などを整理したユニバーサルデザイン職員のための手引書を策定しているほか、全ての人にとって読みやすく、分かりやすい情報が的確に伝わるように、中野区情報発信のユニバーサルデザインガイドラインに基づき情報を発信しているところでございます。こうしたことを職員研修等を通じて継続的に職員に周知することで、計画改定や施設整備に関し、当事者が意見を言いやすい環境整備を進めてまいりたいと考えております。また、ユニバーサルデザインに係る要望・相談状況調査を年に2回行っておりまして、好事例も含めて全庁で共有しているところであり、引き続き行ってまいります。 ○石坂委員 相談事例はもちろんですけど、それ以外の事例に関してもぜひまとめていっていただければと思います。これは要望としておきます。 そして次に、2、同性パートナーを家族として扱うことについて伺っていきます。 令和4年度当初に児童相談所が区に移管されましたが、子どもとその親と親のパートナーが共に暮らす世帯の場合、親のパートナーとその子どもとの関係も児童相談所では親子とみなし、子育ての相談、助言、その他の対応は可能なのでしょうか。教えてください。 ○神谷児童相談所副所長 児童相談所では、子ども及びその親と生活を共にし、子どもの養育を行っている方について、現に子どもを監護する方と捉えて、相談に応じたり、必要な助言を行っているところでございます。 ○石坂委員 家族全員が使えるということです。 また、児童相談所の養育家庭制度は、同性カップルも里親になれると過去の答弁で聞いております。一方で、区のホームページなどの広報内容を見ますと、同性カップルが排除されている印象はないものの、はっきりと明示をされていない形です。世田谷区では、SNS、ホームページ、区報などで、里親に関して、独身でも、共働きでも、同性カップルでも、事実婚でも、60代でも、あなたとの出会いを待っている子どもがいますなどと周知をされています。中野区でも同様に積極的な周知をすべきではないでしょうか。 ○神谷児童相談所副所長 里親制度は、様々な事情により親のもとで生活することが難しい子どもを里親の家庭において養育し、特定の大人との愛着関係の中で子どもの健全な育成を図るものでございます。こうした里親制度推進のために、分かりやすく制度を周知する工夫について検討してまいります。 ○石坂委員 しっかりとその辺りを検討いただければと思います。 さて、中野区において、パートナーシップに関して、備考欄に子どもを含めることができるようになりましたが、それ以前の同性カップル2人のみのパートナーシップ制度で解決できなかった課題の改善や、新たな制度から生まれたメリットを担当はどのように認識していますか。また、併せて伺いますが、この制度の周知をどうしていくのかもお答えください。 ○国分ユニバーサルデザイン推進担当課長 委員御案内のように、区では本年の4月に、子どもの名前もパートナーシップ宣誓書を受領書の特記事項に記載できるよう、制度の拡充をしたところでございます。これにより、パートナーシップの関係だけでなく、子どもも含めた家族の関係について、様々な場面で説明しやすくなるなどのメリットがあると認識してございます。また、様々な広報媒体を活用するほか、引き続き東京都とも連携して制度の周知を図ってまいります。 ○石坂委員 ありがとうございます。 児童相談所のほうでも、パートナーシップ制度の担当のほうでも、子どもを含めた家族だということが出てきたところでございますけれども、さて、同性カップルが世帯を一つにできても、住民票上の続柄記載は、家族と推測されにくい同居人となります。23区でも、海外で同性婚をしたカップルならば住民票上縁故者となる区があります。世田谷区では今年の4月から、海外での同性婚をしていない同性カップルも縁故者としての登録が可能となりました。23区外では、兵庫県明石市や埼玉県久喜市も縁故者を選べます。同居人と縁故者は、住民票上同一世帯というだけで、法律上、権利義務に差はなく、不利益もないと思います。もし同居人と縁故者とで権利義務関係に違いがあるならば、教えてください。 ○白井戸籍住民課長 住民票に世帯主との続柄がどのように記載されるかにより、何らかの法的根拠を有すると解する根拠が見当たらないため、法的な権利義務に差異が生じることはないと認識してございます。 ○石坂委員 では、東京都福祉局のホームページでは、子どもの養育と委託のページで、里親委託をされた場合、「住民票の続柄は「縁故者」となります」と表示されていますが、これは中野区でも同様でしょうか。 ○白井戸籍住民課長 中野区におきましても、原則、縁故者として記載することとしてございます。ただし、届出人からの申出により同居人として記載するケースはございます。 ○石坂委員 また、住民基本台帳法令関係実例に、養子縁組の届出がない養子については縁故者と記載すると記されていると思います。これは間違いないですか。また、中野区ではどう運用されていますか。加えて、縁故者と関係ない養育関係について、縁故者と書く不具合の有無がもしあれば教えてください。 ○白井戸籍住民課長 住民基本台帳事務処理要領におきまして、「縁故者には、親族で世帯主との続柄を具体的に記載することが困難な者、事実上の養子等がある」となってございます。区では、養子縁組の届出がない養育している子につきましては、原則、住民票上の続柄を縁故者と記載することとしてございます。住民票に縁故者と記載することにより不具合が生じているかは、区としては把握してございません。 ○石坂委員 では、住民票の続柄記載で同居人と書いても、縁故者と書いても、法令上の権利義務に差異はなく、不利益もない。一方で、同居人か縁故者かで世間の印象は大きく異なります。子どもにとって、一緒に暮らす親のパートナーが同居人なのか、縁故者なのかでは、大きく受け止め方が異なります。住民基本台帳は区が一定の裁量を持つ自治事務です。子育て先進区であり、子どもの権利を大切にする中野区において、区の判断で日本人同士の同性カップルや、その子どもに配慮をし、住民票の続柄記載では縁故者レベルにすべきではないでしょうか。 ○白井戸籍住民課長 東京都では、住民基本台帳事務処理要領の解釈としまして、「縁故者には、親族で世帯主との続柄を具体的に記載することが困難な者」としてございます。ここでいう親族は、日本人であれば戸籍上の関係を指すと解釈できることから、現在の法制度の中で、戸籍上の親族に当たらない同性パートナーの住民票上の続柄を縁故者として記載する取扱いは望ましくないと判断してございます。また、区としましては、住民票は住民に関する公的な住民記録として様々な手続に利用されていることから、各自治体においてできる限り統一的に記録が行われるべきと考えており、住民基本台帳事務処理要領において、明確な例示が示されている場合についてのみ縁故者として記載することとしてございます。なお、今後、住民票の記載を縁故者として記載する旨について、国から明確な例示の通知等が示される可能性を踏まえまして、引き続き国の動向等を注視していく考えでございます。 ○石坂委員 国の動向ということですけども、中野区は国に先駆けて、国が想定していないパートナーシップ制度を早々と始めた区でもあり、また、子育てについて先進区と言っている区ですので、その辺りをしっかりと、国の動向を待つだけではなくて、やはり国に対して働きかけをしていくですとか、あるいはパートナーシップ制度がある自治体間での情報共有などをしながら、まとまって国に働きかけをしていく、あるいは都に働きかけをしていくということが必要だと思うんですが、その辺についてはいかがお考えでしょうか。 ○白井戸籍住民課長 繰り返しになってございますが、住民票につきましては、住民に関する法的な住民記録として様々な手続に利用されているという現状がございます。こちらにつきましては、やはり一定国からの例示等を踏まえて判断をしていく必要があると考えてございます。 ○石坂委員 その辺りは、法定受託事務ではなく自治事務なので、そこはすごく残念ではありますが、今後はしっかりと、また、今後も議会の中で私のほうでも働きかけていきたいと思いますので、今後の検討を期待しつつ、進めます。 それから、同性カップルの一方、あるいは双方が公務に従事する場合について伺います。中野区職員の給与に関する条例の一部を改正する条例及び中野区立小学校及び中学校教育職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例が前定例会で可決をし、同性カップルは婚姻している夫婦とほぼ同じ扱いとなることになりました。しかし、公務に当たる人間は区の職員だけではありません。中野区立小学校及び中学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例における災害補償についても今後見直しが不可欠ではないかと考えますが、いかがでしょうか。 ○佐藤学務課長 中野区立小学校及び中学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例は、国政令の公立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償の基準を定める政令や、都条例の都立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の改定を受けて適宜改正しているものでございます。今後も国、都の動向に合わせ条例改正をしていきたいと考えてございます。 ○石坂委員 では、水防及び災害応急措置の業務に従事した者の損害補償に関する条例施行規則における遺族補償について、こちらも見直しが必要であると考えますが、いかがお考えでしょうか。 ○杉本防災危機管理課長 水防及び災害応急措置の業務に従事した方の損害補償につきましては、消防団員等公務災害補償等共済基金の支給対象にならないなどの課題はございますが、パートナーシップ関係の相手方を対象者として加え、配偶者と同様に取り扱うことを検討してまいります。 ○石坂委員 後者のほうだけでもすごく前向きな答弁が出てきました。やはり、国の動向を待つだけではなくて、区からしっかりと先陣を切って進めていく、あるいは、少なくとも国に働きかけをしっかりとしていただけたらと思います。 では、次の質問に移ります。3としまして、福祉・保育・看護・幼児教育を含む教育などの人材育成・確保について伺います。 決算特別委員会要求資料の区民28を見ますと、2016年から2021年にかけて医療、福祉の区内事業所数が増えているようです。しかし、今日、中野区内の福祉施設、保育所、幼稚園、小・中学校において、業務委託や指定管理を含む公立・私立の施設等で、職員を募集してもなかなか集まらない。今のところ欠員は生じていないが、倍率が下がってきていて、質の担保や将来の欠員の可能性がある。また、不誠実な人材紹介会社が高額な紹介料を取るにもかかわらず、数か月でその人が辞めてしまうケースが多い。利用者からの利用ニーズはあるが、担い手不足で潰れてしまいそうという声も聞きます。 そこで伺います。まず、民間部門でのマッチングについて伺いますが、区では以前、「ぐっJOBなかの」というものがありました。これが令和4年度末をもって廃止され、新たなものを検討するということですが、福祉・保育・看護・幼児教育を含む、こうした人材難となっている業界にも力を入れたマッチングができるような方法を構築すべきと考えますが、いかがお考えでしょうか。 ○松丸産業振興課長 現在、福祉や保育の分野におきまして、ハローワークですとか、近隣自治体と連携した事業でございますおしごと就職相談・面接会を実施しておりまして、専門人材のマッチング支援を行っているところでございます。産業振興方針策定に向けた関係団体とのヒアリングにおきましても、福祉に限らず、運輸業界、建設業界など、様々な業種から人材の確保・定着が困難であると聞いておりまして、単に「ぐっJOBなかの」を代替する仕組みでは、その改善は難しいと認識しているところでございます。各業種の状況を見極めつつ、区内教育機関と区内事業者とのマッチングなど、新たな雇用支援策を検討してまいりたいと思います。 ○石坂委員 新たなマッチングの仕組みの中で考えていただけたらと思います。 次に、公共部門のマッチングについて、現在、区の行政サービスに関して、指定管理や業務委託だけではなく、区の職員に関しても、保育の人材確保がぎりぎりである現状や、公立小・中学校の教員に欠員が生じていたりもしています。「ぐっJOBなかの」ではない新たな形のマッチングの仕組みをつくる際に、民間部門だけではなくて、正規、非正規を問わず、職員の募集に関しても情報の発信やマッチングができるようにしていくべきであると考えますが、いかがでしょうか。 ○石橋人事政策・育成担当課長 現在、保育士や看護師等の区独自の採用選考職種につきましては、区や特別区人事委員会のホームページ等のウェブ媒体のほか、各種学校への採用案内、選考案内の配布等によって受験対象者に周知を図っているところでございます。一方で、近年、保育士等の一部の職種で申込者数が採用予定数に満たないこともあるため、関連する大学、専門学校へのPR営業や、職種ごとの説明会等への参加など、直接受験対象者に対し職や区の魅力を伝える機会を増やすことで、確実な採用者数の確保を図っていきたいというふうに考えてございます。 ○石坂委員 通告していた質問を一つ飛ばしてしまいまして、すみません。 さらに、人材確保につきまして、23区で給付奨学金を始める自治体が出ています。港区や足立区がこれに当たります。また、品川区では、社会福祉協議会が社会福祉士の資格を取るための専門学校を立ち上げて、低額で社会福祉士資格を取ることが可能になっています。また、修学資金の貸与を受けた場合には、対象地域内の指定する施設などで社会福祉士として援助相談業務に5年間従事した場合は返還が免除となります。奨学金の趣旨や在り方は様々ありますが、私も学生時代に、教員になった場合に一部返還免除、あるいは全額免除を受けられる奨学金を受けていた経験もあります。中野区で、貸与奨学金ではあるものの、福祉・保育・看護・教育など、政策で誘導したい分野に就職した場合は返還免除となる奨学金を新設したり、既存の学生支援機構など、無利子・有利子の奨学金について、上記職業に就く人に一部助成をしたり、利子補給をしてはどうでしょうか。 ○青木子ども政策担当課長 奨学金制度についてでございますが、区は、令和5年1月に東京都立大学が区内の高校2年生年齢の子どもと保護者を対象に実施した生活実態調査に協力したところでございまして、現在、調査データについて詳細な分析を行っているところでございます。当該分析結果を踏まえた上で、奨学金制度を含め、義務教育終了後の若者への支援策を検討してまいりたいと考えてございます。 ○石坂委員 なお、文部科学省では、就職して教員になった人に対し、日本学生支援機構からの奨学金返済を免除・軽減する方針を固めて、2024年度の概算要求に新たに盛り込んだそうです。しかし、福祉や看護などに今のところこうした動きは見られません。子ども教育部と協力をして、健康福祉部でも福祉などの進路を目指す学生の支援などによる様々な人材の確保を考えていくべきと考えますが、いかがお考えでしょうか。 ○中谷福祉推進課長 福祉に関する人材不足を解消するためには、区としても積極的に取組を検討する必要があると認識をしてございます。健康福祉部としましては、これまで福祉の仕事のやりがいや魅力を伝え、イメージアップを図るような理解促進の取組や、関係機関との共同による就職面接会などを行ってきたところでございます。提案のございました貸与型の奨学金や奨学金の返還免除につきましては、直ちに設けるといったことは考えてございませんが、福祉に関する人材確保につながる有効な方策がないか、関係所管と検討したいと考えてございます。 ○石坂委員 ぜひ福祉の所管で連携しながら進めていただければと思います。 では次に、その他のところで伺おうと思いますが、取材いただいた順番を入れ替えていきますので、気を付けてお答えください。 まず、インボイスの影響と今後の対応について伺います。中野区議会では延長を求める意見書が1件可決はしているものの、国はインボイス制度のほうを進める予定で動いています。今後、インボイス制度によって、中野区の歳入にどのような影響が出ますでしょうか。 ○竹内財政課長 お答えいたします。インボイス制度は消費税に係るものでございまして、歳入一般財源である地方消費税交付金の収入状況に影響が出るものと考えてございます。現時点においては具体的な歳入への影響額は不明でございますが、国の推計においての影響額は2,400億円程度と聞いてございます。地方消費税全体と中野区の交付金の割合で推計いたしますと、9,000万円程度となる見込みでございます。 ○石坂委員 9,000万円程度の区の歳入が増えるという形ですけども、やはりそれは、影響が出てくる人にある程度還元する考え方が必要であると私は考えます。歳入が増える範囲の一部を使って、複合的な理由を含めて経営が苦しくなっている事業者に対する経営相談を丁寧に行い、そこでの情報をその場だけにとどめずに、全体的なニーズを分析し、今後の支援策にもつなげていくこと。そこにインボイスによる歳入増の一部を使った支援を行っていくことが、やはりインボイスの影響を受ける事業者にとってもメリットになると思うんですけども、その辺りのお考えをお聞かせください。 ○松丸産業振興課長 インボイス制度を導入された後も経過措置があること、その影響につきましては、東京商工会議所中野支部ですとか、中野区商店街連合会などを通じて的確に把握してまいりたいというふうに考えております。いずれにしましても、現在の物価高騰ですとか、今後想定されます金利上昇などの社会情勢の変化と、業種によっても異なる区内中小事業者の状況を見極めながら、具体的な経営支援策を検討してまいりたいと考えております。 ○石坂委員 ありがとうございます。 そして、その他の2項目めとして、処方薬依存について、取材していただいたものの一部について質問をいたします。 これまで依存症に関しては、薬物依存症を前提とした中学生のポスター描きが秋に行われてきましたが、一方で、若者においては、依存の中心が現在は処方薬・市販薬依存症となっています。市販薬・処方薬依存も含めた対策を今後どのように区は考えていますでしょうか。 ○鈴木中部すこやか福祉センター担当課長 お答えいたします。依存症につきましては、まずは、薬物等に手を染めないように、予防が重要でございまして、区は区ホームページによる注意喚起やリーフレットの配布などの啓発を行ってきたものでございます。また、依存症患者や家族などに対しましては、症状の把握や支援内容の検討など、保健師や依存症の精神科専門医師による相談を実施しているものでございます。さらに、治療が必要なケースは医療機関の受診につなげるなど、依存状態からの回復に向けた支援を行っております。 ○石坂委員 そうした中で、やはりしっかりと、違法のものだけではなくて、依存症というのは身近なところでも危険なんだ、市販薬や処方薬での依存症があるんだということを若者に知ってもらうような情報提供の仕方などを続けていっていただければと思います。 私の質問は以上です。どうもありがとうございました。 ○杉山委員長 以上で石坂わたる委員の質疑を終了します。 ここで委員会を休憩いたします。 午後2時58分休憩
午後3時19分再開 ○杉山委員長 委員会を再開します。 休憩前に引き続き総括質疑を行います。 次に、吉田康一郎委員、質疑をどうぞ。 ○吉田委員 育児支援と防災緑地と平らな歩道の中野を創る会、吉田康一郎です。よろしくお願いいたします。今回は定例会の会期中にインフルエンザにかかりまして、自宅療養をしておりました。区役所の皆様、同僚議員の皆様には御配慮を頂き誠にありがとうございました。 それでは、質問に入ります。 まず、令和4年度決算について伺います。 まず、歳入の状況について、主要3債権(税、国保、介護保険)についての収入率は前年度と比較してどうであったのか、伺います。 ○竹内財政課長 お答えいたします。令和4年度の主要3債権の収入率は、特別区税が0.3ポイント増の97.6%、国民健康保険料が3.9ポイント増の74.7%、介護保険料が0.2ポイント増の96.4%という状況になってございます。 ○吉田委員 今お聞きすると、中でも国保は特に収入率が伸び悩んでいるように感じます。要因とその対策について伺います。 ○宮脇保険医療課長 主な要因としまして、他の主要債権と比較しまして、特別徴収による保険料の徴収の割合が大変低いことが考えられます。対策といたしましては、安定的な収納につながる口座振替の勧奨に注力してまいりたいと、このように考えてございます。 ○吉田委員 妥当な御判断だと思います。 財政フレームについて伺います。2030年に人口減少が始まると言われる中、歳入状況の見通しをしっかりと立てていく必要があります。そこで、令和4年度と令和5年度の財政調整交付金の収入状況について、直近の財政調整交付金の協議も含めて伺います。 ○竹内財政課長 お答えいたします。令和4年度の決算額は447億円余でございまして、令和5年度については区配分が55.1%と、9月に入ってから財政調整交付金協議のほうの合意がされたために、当初予算額で計上しました434億円の交付はされると考えてございます。 ○吉田委員 また、令和4年度において、歳入について特筆すべき点があれば伺います。 ○竹内財政課長 区の基幹収入でございます特別区税、特別区交付金が増加しているとともに、地方消費税交付金が前年度比6.7%増の82億円余と増加してございまして、昨今の物価高騰による影響が反映されたものと考えてございます。 ○吉田委員 同様に、令和4年度の歳出について、特筆すべきことについて伺います。 ○竹内財政課長 令和4年度に関しましては、物価高騰対策を行ってございまして、各種給付金や事業者支援、プレミアム付商品券事業や産業経済融資における優遇措置など、全22事業を実施したところでございます。その予算計上額は75億1,000万円余、決算額は57億3,000万円余でございます。 ○吉田委員 本日は概括でお伺いしましたけれども、このように御答弁をお聞きしておりますと、中野区の令和4年度決算はある程度健全であり、また、今後も堅調に推移していく見通しだと私は感じます。 この中で、貴重な区有財産である土地については、いたずらに売却をして財源に充てるという必要はないのではないか。区民の貴重な財産を売却せず、土地を有効活用すべきと考えますが、見解を伺います。 ○瀬谷資産管理活用課長 未利用となる土地は、区の施策展開や将来的なまちづくり推進を見据えまして、立地条件や規模などを考慮しながら、まずは区有施設等の用地としての活用を検討しているところです。活用が見込めない場合につきましては、適切な施設更新・保全を行う財源を確保するため、民間への貸付けや売却を検討することとしております。 ○吉田委員 今日はここまでにしますが、方針は丁寧に考えていただきたいと思います。 次に、育児支援政策について伺います。 9月1日に子ども文教委員会に報告された中野区児童館運営・整備推進計画において、現在の18館の児童館、ふれあいの家は3類型に移行し、全て児童館として運営していく方針が示されています。私は、迷走したこの児童館行政が非常に妥当なところに落ち着いてきたと思って、歓迎をしています。今後は、さらなる施策の向上のために、23区の状況と中野区の状況を対比して考察したいと思います。 まず、他の23区の状況と、1館当たりの来館者数の比較をお願いします。 ○細野育成活動推進課長 23区と中野区の比較ということでございます。東京都福祉保健局少子社会対策部というところで取りまとめた令和3年度の東京の児童館実施状況という資料がございます。これによれば、1館当たりの来館者は、中野区は1日当たり78人、そして、23区の平均ということになりますと、こちらは71人でございました。 ○吉田委員 休館日を比較するとどうなるでしょうか。 ○細野育成活動推進課長 児童館の休館日については、中野区は、祝日や年末年始を除きまして、日曜日と月曜日が休館日でございます。23区の状況を見ると、休館日を週1日以下とする区は14区でございました。 ○吉田委員 開館時間の延長、これは中高生対応ですが、これについてはいかがでしょうか。 ○細野育成活動推進課長 中野区の児童館は、全館が18時までということでございます。23区の状況では、18時を超えた時間延長を実施する区は16区ございました。 ○吉田委員 ほかのものを捨象しての比較でありますが、来館者数は他区に引けを取らないけれども、休館日は他より多い。そして、開館時間も他より短いという状況が明らかです。こういう状況について、どのように引き上げる考えがあるか、伺います。 ○細野育成活動推進課長 今後につきまして、中野区児童館運営・整備推進計画を検討していく中におきまして、児童館の開館日の拡充、あと、中高生世代の利用しやすい開館日時の検討を進めていく考えでございます。 ○吉田委員 よろしくお願いします。 次に、まちづくりについて伺います。時間の関係もありますので、移動時間の短縮にはぜひ御協力ください。 統合型GISについて伺います。本年10月に統合型GISが本稼働となりますが、当初はどれぐらいの地図情報が公開されるのか。また、都との新たな連携を考えているのか、伺います。 ○伊東情報システム課長 お答えいたします。統合型GISの本稼動時は、約150の地図情報を公開する予定でございます。また、東京都との連携でございますが、東京都は官民のデータを集約して、双方のデータ活用を促進していく東京データプラットフォームを本年度中に運用することとしてございますので、区のオープンデータをこのサイトにも掲載するなど、都と連携しながら官民データ活用を推進していく考えでございます。 ○吉田委員 期待をしたいと思います。 しかし、このように本格稼働となっても、そのことを区民が知らなければ、利用されません。区民などへの周知はどのように行うのか。そして、本格稼働の効果として、これまで来庁していた方が来なくて済むようになるのですが、理論的には何%ぐらい方が来なくて済むようになるのか、伺います。 ○伊東情報システム課長 まず、区民や事業者への周知でございますが、区報、区ホームページのほか、ユーチューブによる周知を行う予定でございます。また、地図情報に関する窓口来訪件数でございますが、令和2年度の調査で年間約4万6,000件ございましたが、本年10月の本稼動後、令和7年度にはおおむね6割減少しまして、年間1万9,000件程度になるものと想定してございます。 ○吉田委員 非常に大きな削減というか、区民の利便性向上が理論的には見込まれるわけで、今後、実際にそのように推移するか、またフォローしてまいりたいと思います。 次に、まちづくり計画について伺います。時間の関係で、1を省略し、2、3を併せて質問いたします。 これまでずっと私は、中野区の緑と水を増やしていくということで、他区に比べて緑と水が少ない、中野区にとっては本当に課題だと申し上げ続けてまいりました。この中で、昨年、区内で初めて、中野区地区まちづくり条例に基づいて、住民提案をきっかけとした上高田四丁目17番~19番地区の地区計画が決定されたこととのことです。これについて伺います。この地区計画は緑地保全や緑化を考慮に入れた地区計画と聞いています。どのような特徴があるのか。また、区内にある未整備の公園は整備することになったと思いますが、これは住民からの提案だったのかどうか、伺います。 ○安田まちづくり計画課長 お答えいたします。本地区計画は、住民が地区計画の原案を策定し、区に申出を行い、都市計画決定を区に提案したことが特色でございます。また、住民原案を取りまとめるために、区と綿密に事前協議をし、地域の緑を生かすための緑道や緑地を配置しているほか、未整備の公園につきましては、事前の区との協議の中で、区からの地域の公共性や住環境の向上に向け、区から提案をし、これを原案に反映されたことになったものでございます。 ○吉田委員 私も近くにおりまして、建設委員もやっておりましたので、ここは時々見ておったのでございますが、本当に緑は多いと思います。公園、緑地、緑道を含めて、地区全体の面積のうち、緑はどれぐらいの面積を占めているのか、教えてください。 ○安田まちづくり計画課長 区内ではこうした地区や緑地を最大限生かした民間主導の地区計画はほかに見られないところでございますが、本地区の地区全体の2.5ヘクタールのうち、公園、緑地、緑道の面積は約0.7ヘクタールで、これは地区全体の約28%を占めてございます。 ○吉田委員 これは大きな数字だと思うんですね。 ちなみに、このような緑地、緑道、公園を積極的に取り入れた地区計画はほかにあるのでしょうか。例えば、中野駅新北口駅前エリアの緑地の面積はどれぐらいで、何%が緑地になるでしょうか。 ○安田まちづくり計画課長 区内では、こうした地区内の緑や緑地を最大限に生かした地区計画はほかに見られないと考えてございます。再開発事業が進む中野駅新北口駅前エリアでは、緑地面積はおおむね5,210平米を想定しておりまして、敷地面積の約22%の緑を最終的には占める予定と聞いております。 ○吉田委員 それに比べても高いということでございますね。 ちなみに、この地区計画を決定するに当たり、区はどれぐらい経費をかけたのか、教えてください。 ○安田まちづくり計画課長 本地区の地区計画は、地区計画原案の申出資料を申出者側の住民において作成しているところでございます。そのため、区としては都市計画審議会等の都市計画手続に要する事務費のみの支出でございます。 ○吉田委員 区の支出は事務費だけということで、これだけの大きな緑地が確保できる地区計画が住民の提案でなされたと。本当に非常にすばらしい先例、前例ができたと思っております。ぜひこのようなまちづくりがまた続くことを期待しております。 次に、社会保障政策、介護保険施設の整備について伺います。 介護が必要な高齢者にとって、生活の場の確保は大きな課題です。身近な地域における比較的小規模の施設の整備状況については、既に他の委員の方が質問をされたので、私からは、東京都全体にシェアを広げて質疑をさせていただきます。在宅生活が困難で、常時介護をしようとする高齢者のための大規模な施設として特別養護老人ホームがありますが、都内全体での整備計画と実績の状況について伺います。 ○古本介護・高齢者支援課長 お答えします。令和4年度現在で、都内全域での特別養護老人ホームの整備計画は、定員数5万6,227人のところ、実績は5万3,096人分の整備となっております。また、東京都によります3年に一度の調査では、前回の調査時と比較をいたしまして、都内の特別養護老人ホームの入所申込者数は2万9,126人から2万3,694人で、そのうち優先度の高い方の人数は3,820人から3,016人へと、それぞれ減少しております。 ○吉田委員 東京都全体で見ると、入所申込者数は減っていると、そういうことで、ある程度状況はそんなに厳し過ぎはしないなということが理解できました。 区内には12か所の特別養護老人ホームがあるということですが、新たな施設の整備に当たって、区としてはどのような課題があると考えていますか。 ○古本介護・高齢者支援課長 特別養護老人ホームといった大規模な入所施設を整備するに当たりましては、用地の確保が最も大きな課題であると考えてございます。 ○吉田委員 そうですね。 用地確保が困難ということですが、区としてできる対応策について伺います。 ○古本介護・高齢者支援課長 大規模な入所施設を整備するための用地につきましては、民間の用地だけではなく、公有地等の活用も検討しなければならないと考えてございます。また、地域で高齢者を支えるためには、施設の整備とともに、地域密着型サービス等の居宅サービスの充実も併せて進めていく必要があるというふうに考えてございます。 ○吉田委員 次に、障害者施策について伺います。区は現在、第6期障害者福祉計画、第2期障害児福祉計画に基づき、計画的に障害福祉の様々な施策に取り組んでいるとのことですが、今回の決算についての評価を伺います。 ○辻本障害福祉課長 お答えいたします。令和4年度につきましては、障害者福祉会館の改修、生活寮の法内化に向けた再整備に取り組んだほか、長年の懸案でございました江古田三丁目重度障害者グループホーム等の整備につきまして方向性を固めるなど、サービス基盤の充実を図ったところでございます。また、第6期障害者福祉計画、第2期障害児福祉計画に係るサービスの利用実績につきましても、個々のサービスによって見込量との差があるものの、おおむね計画どおりに執行することができたものと認識してございます。 ○吉田委員 江古田三丁目重度障害者グループホームの整備ができたことは本当によかったと思っております。 障害者福祉施策の課題の中で、障害者の自立につなげるための就労支援、これは非常に重要だと考えています。令和4年度の事業の取組について伺います。 ○辻本障害福祉課長 障害者就労支援事業につきましては、これを委託しております中野区障害者福祉事業団におきまして、就業相談及び就労の準備のための就業前訓練、就労の場の確保に向けました企業開拓、就労に向けました面接同行、職場実習支援等の就職支援、就労後の定着、生活支援などを実施しているところでございます。これらの取組によりまして、令和4年度につきましては59名の方が就職したところでございます。 ○吉田委員 現在、次の障害者福祉計画、障害児福祉計画の今年度末の策定に向けて検討を進めていらっしゃると考えますが、今後、障害者の就労支援施策をどのようにこれから進めていただくのか、お考えを伺います。 ○辻本障害福祉課長 障害者の就労支援につきましては、障害者計画の柱の一つといたしまして継続して取り組む考えでございます。現在、中野区健康福祉審議会障害部会を中心に、学識経験者、障害者団体、関係機関、公募の区民等から、計画に盛り込むべき基本的な考え方につきまして審議を頂いているところでございます。今後頂く予定の答申内容を十分に踏まえるとともに、昨年度に実施をいたしました障害福祉サービス意向調査のアンケート結果、さらには、これまでの事業の取組状況や今後の見通し等を総合的に勘案いたしまして、障害者の就労の進展に資する計画を策定したいと考えてございます。 ○吉田委員 介護も障害者福祉も大変困難を伴う大事な分野ですが、しっかりとまた取り組み続けていただきたいと思います。 次に、医療保険施策について伺います。5月25日に、ベトナム人の男が、双子が生まれたといううその申請で出産一時金80万円を詐取したと。同様の案件20件以上の犯罪があって、1,600万円以上を不正に受給したという事件がございました。かつては、3年前か4年前にボリビア人が2,000万円を詐取したという事件を取り上げて、私は国民健康保険の問題について伺いましたが、今回も伺ってまいります。厚生労働省は平成31年4月、海外出産に係る出産一時金の支給の適正化に向けた対策を講じるよう、自治体の国民健康保険の所管課に充てて通知をしていますが、区は対策を講じているのか、伺います。 ○宮脇保険医療課長 お答えいたします。パスポートや出生証明書等による事実確認の徹底などの対策を行っているところでございます。 ○吉田委員 実際に不正受給や疑いの事例は発見されましたか。 ○宮脇保険医療課長 出産育児一時金の不正受給の疑いの事例はこれまで発見されてございません。不正受給も発見されておりません。 ○吉田委員 外国籍の被保険者の海外出産の支給件数というのは最近減少しているはずですが、その理由は区はどのように捉えていますか。 ○宮脇保険医療課長 外国籍の被保険者の海外出産の支給件数は、平成30年度が21件、令和元年度が29件、令和2年度が11件、令和3年度が7件、令和4年度が3件であり、減少傾向にあると言えます。理由としましては、新型コロナ感染症の流行が拡大した令和2年度以降、出入国数が減少したことが影響していると考えております。 ○吉田委員 あわせて、海外療養費についても、国は不正受給対策を講じるように、平成23年度以降、3度にわたって通知を出しています。通知を出した後で、中野区の支給件数は減っているのか。また、これまでに不正受給は発見されたのか、伺います。 ○宮脇保険医療課長 2度目の通知が平成28年度末に出ておりますが、平成28年度の支給件数が166件であったのに対し、平成29年度には72件に減少しております。3度目の通知は平成29年8月に出ましたが、平成30年度には54件に減少しました。また、不正受給の事例ですが、これまでに発見はされてございません。 ○吉田委員 冒頭に御紹介した協会けんぽの件のように、不正受給事件は繰り返し起きています。中野区で発見されていないということは喜ばしいことですけれども、出産育児一時金、海外療養費は共に今後、対策を緩めることなく強化していく必要があると考えますが、区の認識を伺います。 ○宮脇保険医療課長 海外療養費は令和元年度、出産育児一時金につきましては令和3年度から委託により点検を行っているところでございます。今後も通知に記載された対策の着実な実施に努めてまいりたいです。また、こうした点検を実施していることにつきましてホームページ等で周知をすることで、不正請求の抑止にもつなげていきたいと考えてございます。 ○吉田委員 結構です。 それでは次に、国民保護政策について伺います。 国民保護の重要な柱でございます自衛隊に関して、中野区は、自衛隊の隊員募集事務について、法定受託事務として、その一部の事務を担うことになっています。中野区の対応を伺います。 ○浅川総務課長 地方公共団体は、自衛隊法に基づきまして、法定受託事務として自衛官候補生の募集事務を担っているところでございます。中野区では自衛隊と連携し、区報で自衛官募集情報を掲載するほか、区のお知らせ版へのポスター掲示を年2回、効果的なタイミングを見計らって行っております。これ以外にも、なかの東北応援まつり、今年からなかの東北絆まつりと名称変更をいたしますが、この中で、区が主催する震災復興祈念展におきまして、被災地での自衛隊の活動の紹介、装甲車の展示等を行いまして理解促進を図ってございます。また、募集に関連いたしまして、年1回、中野区から新たに自衛隊に入隊する方を励ます激励会を自衛隊や関連団体の募集相談員連絡協議会と共に開催しているほか、総務課の担当職員が防衛省を見学する研修に参加してございます。 ○吉田委員 区民の、自衛隊に対する理解が深まり、また、応募される方が増えることを願っておりますが、最近の国際情勢を踏まえて、区民の自衛隊への理解を深める取組はますます大切になっております。 隊員募集に向けた周知活動の一環として、例えば自衛隊のマスコット、全国でもかわいがられているものがありますが、これを例えば区役所1階の総合窓口のカウンターに置くなど、さらに取組をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○浅川総務課長 自衛官募集は区の事務の一部でありまして、今後も自衛隊と連携して行ってまいります。一方、本庁舎1階の総合窓口は区民や区への来訪者など様々な方をお迎えする表玄関であるため、マスコットキャラクターを置く場合、十分な説明が必要になってくると考えております。自衛官募集のための効果的なPRはどうあるべきか、自衛隊の意見も聞きながら検討してまいりたいと思ってございます。 ○吉田委員 検討をお願いします。 それでは、国民保護政策についてですが、区では、ミサイル事態の対処として、爆風から身を守るためのコンクリート造りの堅牢な施設を緊急一時避難場所として確保していると。これは一般質問でお答えいただきました。しかし、NBCミサイルへの対応ということが必要でありますが、空気を浄化する機能がある密閉された空間、こういうことが確保された緊急一時避難場所が必要だと思いますが、区の見解を伺います。 ○杉本防災危機管理課長 緊急一時避難施設は、ミサイル攻撃等の爆風などから直接の被害を軽減するための一時的な避難施設でございまして、既存のコンクリート造り等の堅牢な建築物や地下施設とする国の基準に基づきまして東京都が指定しております。NBCミサイルへの対応の可否については明らかにされておりません。区内の国民保護法に基づきます緊急一時避難施設の避難人口のカバー率は、一般質問でもお答えしましたように、高い水準であるものの、地域偏在がございますので、区としてはまずその解消に努めてまいりたいと考えてございます。 ○吉田委員 偏在の解消をぜひお願いします。そして、NBCへの対応というのは、我が国はよその国に比べて、国全体が遅れていることでありますが、引き続き取組を進めてまいりたいと思います。 核シェルターの設置については、ミサイルから身を守るため、世界中で有効とされております。民間の自発的な取組を防災フェアなどの機会を捉えて紹介することができるか、区の見解を伺います。 ○杉本防災危機管理課長 核シェルターについての区民への広報につきましては、実施方法や周知の機会について検討してまいりたいと考えてございます。 ○吉田委員 最後に、人権政策について伺います。 区内の難民の申請者、認定者は何人いるのか、伺います。 ○国分ユニバーサルデザイン推進担当課長 国の出入国在留管理庁に問い合わせたところ、自治体における難民の人数は把握していないという回答でございました。したがって、区では難民の申請者、認定者は共に把握してございません。 ○吉田委員 では、難民の数を把握するために、国に対して要望、要請をするなど、何か取組は行っていますか。 ○国分ユニバーサルデザイン推進担当課長 国に対して要望、要請などは行ってございません。 ○吉田委員 中野区は7月に、国連難民高等弁務官が行っている取組である難民を支える自治体ネットワークに加入しています。私は、2年前の令和3年9月14日に本会議で、ウイグル人の難民問題を取り上げて一般質問をいたしました。中野区は難民を把握できていない。中野区には難民を所管する担当の部署がない。中野区は国に対して、自分の国に難民がいるのか、いないのか。難民申請者がいるのか、いないのか。担当の部局あるいは中野区に、難民の人が来たらどこの部署で取り上げるのか、検討してくださいというふうに申し上げて、区から検討するというふうにお答えを頂いています。私がこれを申し上げているのは、私自身が既に、ウイグルを応援する地方議員連盟というところで、同じ令和3年3月に国に対して、自治体に難民情報をきちんと提供してくださいと。自分の区に難民がいる。自治体がきちんと、自分の区の難民を支援できないじゃないですかと。そして、これを8月には、今は外務大臣を担っている上川法務大臣に我々の議連は要請に行っております。そして、同じこの年の6月には、同僚議員の皆様方の御協力、御支持を頂いて、中野区議会として中国人権抗議決議を全会一致で決議していただきました。あれから2年がたちました。そして、区長は国連の難民を支える自治体ネットワークというものに入っているわけです。しかし、中野区では難民がいるのか、いないのかも分からない。どうやって難民を支援するのか、教えてください。 ○国分ユニバーサルデザイン推進担当課長 難民を支える自治体ネットワークは、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)と世界各地の都市地域との連携強化を目指したものであり、国内における自治体においても世界の難民の写真展示等を通じた普及啓発活動を行っております。今後は、世界の難民問題を知るための写真展の実施や、毎年6月20日の世界難民デーに合わせた普及啓発イベント等を検討してまいりたいと考えてございます。 ○吉田委員 これは、担当はそういうふうに答えますよ。そうではなくて、全国で九つぐらいしか入っていない、国連難民高等弁務官事務所の言う自治体ネットワークに加入したと。ほかの並の意識の自治体ではなくて、難民について頑張りますと、区長のイニシアチブをやったのですよね。そうであれば、自分の区に難民がいるのか、いないのか、法務省の入国管理局にきちんと情報を教えてくださいと、この申請だけでもしないですか。担当者ではなく、区長がお答えください。 ○酒井区長 区は7月に、UNHCRが行っている取組である難民を支える自治体ネットワークに参加をいたしたところでございます。今後、難民の把握の手段、方法については、UNHCRや他の加盟自治体と情報交換をしながら検討してまいりたいと思います。 ○杉山委員長 総括質疑の途中ですが、質疑が超過しておりますので、答弁はこれで終わります。 ○吉田委員 ありがとうございました。 ○杉山委員長 以上で吉田康一郎委員の質疑を終了します。 次に、立石りお委員、質疑をどうぞ。 ○立石委員 令和5年第3回定例会決算特別委員会において、総括質疑を行います。 初めに、令和4年度決算について。 経常収支比率について1問伺います。毎年、予算編成の際に新たに発生する経常経費が増加していくことが、今後の財政運営の負担になるのではないかと懸念をしているわけですけども、中野区の数値は望ましいとされる75%よりも低い70.4%という数値になっております。この要因として考えられるのは、他区と比較しまちづくり事業が多く、財産費が算定されていることにあるのではないでしょうか。特別区交付金における中野区のシェアの推移と、シェアが通常並みに戻った場合は財産費の交付金が幾ら減るのか、伺います。 ○竹内財政課長 お答えいたします。中野区の23区中の特別区交付金のシェアは、令和元年度が3.42%、令和2年度が3.68%、令和3年度が3.67%、令和4年度が3.82%となってございます。財産費は、前倒し算定などもあり、一概に算出はできませんが、近年は10億円から50億円程度で推移しておりまして、まちづくり等の財産費の算定が少なくなると特別区交付金のシェアも下がると考えられます。 ○立石委員 令和元年度からシェアが増えているということで、令和元年度並みに3.42%にシェアが戻った場合、例えば、交付金額は令和4年度ベースで見るとどの程度減るのでしょうか。 ○竹内財政課長 令和4年度のシェアが3.42%であったと仮定した場合、中野区の交付金額は約376億円となり、約44億円の減となります。 ○立石委員 令和4年度の経常一般財源が916億円で、44億円を引くと872億円。これは、計算しますと、経常収支比率が73.8%というところで、74%程度ということになります。今後、分母のところに入ってくる財産費は分子のところにカウントされないので、こういった数字の変化というか、まちづくりはこれからも続くので、財産費の影響については注視をしていきたいと思います。 続いて、行政評価について伺います。 主要施策の成果の冊子を見て、令和3年度から行政コスト計算書の部分が簡素化され、令和4年度から事業の効果の欄も縮小されています。これまで指摘をさせていただいたとおり、行政評価を活用した事業の廃止、統合、縮小など、スクラップが不十分にもかかわらず観測されていることには疑問を感じます。来年度の予算編成から新たに加わった事業見直し方針によって事業のスクラップが行われるようになることを期待しております。令和6年度の予算編成方針には、事業計画を立てる際には事業期間と目標達成時期を見定め、エビデンスベースの計画作成を徹底するとあります。事業費の積算に当たっては、財源の裏付けを明示した具体的な積算を行うとしておりますが、令和4年度の行政評価を見ると、計画目標が定まっていない事業が多々見受けられます。その理由をお答えください。 ○森企画課長 行政評価表のところで、計画の欄のところに記載がない事業でございますが、計画等の策定自体を目標とした事業で数値を表し難いものや、区民等の必要に応じて実施する相談等の事業などが該当して、こちらについては記載しないということでございます。こういったものの予算ですが、積算をする際には、計画とまでは言えないものの、一定の想定をした上で、それを基に積算をして計上はしております。 ○立石委員 相談業務など特殊な理由で積算時に目標を立てていないということですが、私は、行政評価の対象とする以上は計画、目標を立てていただきたいなと思っております。選定に関しては前年度の段階で内定をしていて、当年度で決まるということだと思うんですけれども。行政評価の対象とする際に目標、計画を作成するようにしてはどうでしょうか。 ○森企画課長 行政評価の内部評価の対象事業ですが、まずは、事業実施の年度当初ですね。経営戦略の策定時に候補となる事業を一旦選定はしておりますが、最終的な行政評価の対象の決定ということについては、事業の実施状況も踏まえて評価を年度当初に行っているというようなことでございます。このため、最終的に対象事業とする決定の前に行政評価を想定した指標の検討というのはなかなか難しいかなと考えています。 ○立石委員 計画目標作成以外にも、令和4年度しか、単年度しか実施されていない事業が選定されているなど、行政評価の対象、選ぶ期間と選ぶ事業についても問題があると思うんですけど、選定する事業、そちらの改善については今後どのように考えていらっしゃいますか。 ○森企画課長 先ほども御答弁したとおり、行政評価における内部評価の対象事業につきましては、各部の経営戦略を基に、そこに掲載した重点事項を候補として選定しておりまして、重点的に取り組んだ事業に対する評価を行うという点においては一定の合理性はあるかなと考えております。しかしながら、重点項目として取り組む事業には、今お話があったように、新規事業ですとか、計画策定などの臨時的な事業も含まれておりまして、評価のための実績などが乏しいといったような状況も生じているといったことも課題として認識しているところでございます。ですので、事業選定方法につきましては、課題整理の上、より効果的な手法について検討してまいりたいと考えております。 ○立石委員 検討をよろしくお願いいたします。 主要施策の成果の60ページ、新たな財政運営の考え方について伺ってまいります。実施内容のところで、「持続可能な財政運営を確立させるため、将来の財政需要を想定した基金残高の目標値を定めた」とあります。私はこれまで一般質問などで、財政需要の想定に関しては、資産の取得原価と更新費用の差額が大きいことから、減価償却累計額25%では将来の行政需要を想定できているとは言えないと指摘をしてまいりました。行政評価の結果を見ると、次年度予算編成に向けた評価で、「新たな財政運営の考え方に基づき、一般財源充当事業費を目標内に収め、基金への積立ても目標どおり計上し、適切な予算編成ができた」とあります。基金残高を目標値としていることからも、予算編成ではなく、年間の財政運営を見て評価をすべきであり、課題も多いことから、この段階で廃止、終了という結論を出すのは早計ではないかと考えます。新たな財政運営の考え方に基づく財政運営が始まったのはいつの期間からなのか、確認をいたします。 ○竹内財政課長 お答えいたします。令和4年度に策定してございまして、こちらは令和4年度から適用してございます。 ○立石委員 令和5年度予算から新しい考え方、予算編成をされていますが、財政運営については令和4年度からされているという認識でいいかと思います。 令和4年度末の財政調整基金の年度間調整分の残高は幾らになっていますか。 ○竹内財政課長 令和4年度末残高は191億円余でございまして、達成率は95%を超えているものでございます。 ○立石委員 新たな財政運営の考え方は、年度末財政調整基金の年度間調整分の残高は200億円という形になっています。200億円に到達していない、これはどういう理由でしょうか。 ○竹内財政課長 後年度の財政状況を踏まえまして起債の発行を取りやめたことや、特定目的基金の繰入れの抑制により、財政調整基金年度間調整分を、予算額どおり95億円余の繰入れを行ったことが要因と考えてございます。 ○立石委員 これは、起債の取りやめよりも、残高を維持するという考え方があれば、財源更正で200億円を達成できたというふうに思いますけれども、200億円を達成できていない95%の段階で行政評価では終了となっている。これはどういう判断なんでしょうか。 ○竹内財政課長 行政評価におきます新たな財政運営の考え方の確立については、考え方を策定したことにより終了したものと考えてございます。しかしながら、財政運営の考え方については、今後も社会情勢の変化や区の財政状況の変化を的確に捉え、内容を検証しながら修正を加えることも今後は必要かと考えてございます。 ○立石委員 修正が必要という答弁を頂きましたので、まだこれから聞いてまいりますが、これは区政運営の根幹となる考え方ですから、考え方を示しても、実践がされなければ意味がないわけですから、そこについてはこれからも伺ってまいります。 財政調整基金の年度間調整分の残高200億円分については、補正予算などで年度中繰入れをして、年度末の財源更正を経て出納閉鎖までに積み立てた残高が年度末残高となります。令和4年度は200億円を割り込んでいるわけで、基金積立目標額が達成できているとは言えない状況です。令和4年度の残高不足に関しては未執行ということも他の委員の質問からありましたけども、最終補正における財源更正によって基金残高の調整が行えるわけです。過去数年を見ると、財源更正における積立ての考え方や記載の取りやめについては方針が異なっているように思います。例えば、令和3年度では年度末に財政調整基金に積み立てていますが、令和4年度ではまちづくり基金に積んでおります。20億円分の起債の取りやめを行っております。ここで財政調整基金に積み増すということもできたはずです。新たな財政運営の考え方では、公債費負担比率は10%以内が基準なので、起債の取りやめではなく、基金残高の維持が優先されるというふうな認識にもなると思いますが、今後の財源更正における考え方について見解を伺います。 ○竹内財政課長 最終補正で行われている財源更正につきましては、最終補正予算編成時点における歳入歳出予算の状況を踏まえた上で、基金や起債額の規模等により総合的に判断しているものでございます。 ○立石委員 総合的な判断と。今まで毎年判断が異なっているというふうに私は感じているのですけども、その判断の根拠となるのが新たな財政運営の考え方だと思うので、そこについてはしっかりそれに基づいてやりくりをしていただきたいなと思っております。 新たな財政運営の考え方における一般財源充当事業費は、予算編成段階での歳入見込額と当初歳入額の差分から基金積立目標額を差し引いた額とし、歳入の余った分を義務教育施設整備基金に積み増すとしています。基金積立目標額は将来需要の想定ができているとは言えませんし、一般財源充当事業費を抑制する財政規律の基準としても不十分です。適切な将来需要の積立てを行うことにより財政規律は維持されるものと考えます。現状の減価償却費累計額25%を基金に積み立てるという考え方には課題があります。耐用年数が50年を過ぎた償還が終わっている資産については減価償却費が発生しない。また、施設更新が進むたびに資産額が増加するので、後年度の積立額が雪だるま式に増加する仕組みになっています。物価高騰が続いている状況からも、後年度に負担を強いる積立方法には疑問が残ります。過去に一般質問で、減価償却累計額と、実際にこれから発生する建築費との差額を精査した上で、積立額は何%が妥当なのかを検証してはどうかという質問を行いました。それに対して区長からは、現在、特定目的基金の積立額は、対象施設の当該年度に発生する見込みの減価償却相当額の25%を積み立てるとしていることから、物価の高騰などにより実際の建築費と差額が生じていることは認識をしている。義務教育施設整備基金については、財政状況により一般財源の確保ができた場合は積立額を増額しており、今後の整備状況を踏まえた検証を行い、持続可能な財政運営を確立していくという答弁を頂いております。義務教育施設整備基金の減価償却費25%と実際の建築費の差額についての検証結果を伺います。 ○竹内財政課長 近年の物価高騰などの影響によりまして、現時点では検証できていないものでございます。 ○立石委員 今、物価高騰で様々、他の委員からも更新費であったり、改修費がこれから上がっていくのではないかと指摘をされておりますので、検証についてはこれから本格的に行っていただきたいと思いますが、検証もされていないのに行政評価で終了しているのも、私はどうかなというふうに思っております。 今後、約20校の学校整備を予定しておりまして、1校70億円として、財源が1,400億円必要になります。検証は継続して行っていくべきですし、区としては、義務教育整備基金の対象となる施設の取得原価と減価償却累計額を幾らで計算しているのでしょうか。伺います。 ○竹内財政課長 令和4年度末における義務教育施設整備基金の対象となる施設の取得原価は758億3,000万円、減価償却累計額は329億5,837万円でございます。 ○立石委員 小・中学校全部の取得原価は758億円とのことですが、恐らく、耐用年数50年を超えて償却を終えている施設には資産価値がゼロとか1円というふうになっていたと思います。その分、新しい学校が建つたびに資産額が増えていって、それが毎年、50年で割って、減価償却費として積み立てられていくと。今現在、減価償却累計額が約329億円で、そのうちの25%で計算すると、必要な積立金残高は82億円という結果になります。これは残高ベースですから、現在、義務教育施設整備基金に82億円積立てがあれば目標は達成されているという考えになりますから、現状では基金への積増しをしなくてもよいという判断になっておりますので、これは財政規律として機能しないのではないかというふうに個人的には考えます。近年の更新費は1校70億円程度となっており、物価高騰により更新費と大規模改修費の高騰が見込まれる中、基金積立目標額として妥当なのかどうか、見解を伺います。 ○竹内財政課長 近年の更新経費が以前の取得原価と乖離していることは認識しているところでございます。積立額の設定に当たっては、社会情勢の変化を見極めながら適切に対応していきたいと考えてございます。 ○立石委員 不足を認識されているということですね。この後もまた聞いていきますので。 続いて、区有施設再整備についてということで、項目は変わりますけど、質問の切り口はあまり変わりません。 区有設備再整備計画の更新費用の推計です。こちらは学校1校52億円で計算しております。ただ、現状、物価高騰で70億円程度に増えていると言われておりまして、そのほかの施設についても、1平米当たり更新単価が、市民文化系施設は40万円から43万円、スポーツ系施設は36万円から78万円、子育て支援施設は33万円から75万円と、平米当たりの施設更新単価は年々増加しております。市民文化系施設は恐らく区民活動センターで、スポーツ系は新総合体育館、子育て支援施設、こちらは中野東中学校。学校部分だけのところで算出をされておりまして、こちらについてはまだ物価高騰の影響を受ける前ですが、金額がこのように膨らんでいるという状況です。平米単価も上がっております。手元に詳細の数値はありませんが、施設更新に伴って公共施設の延べ床面積も増えているという現状にあります。施設白書では、大規模改修については、理論値でありますが、施設更新の6割程度の金額を推計しております。これは、1回の改修費というわけではなく、当該施設で発生する電気であったり、水回りの工事であったり、様々な工事費を累積した場合に更新費の6割程度の改修費が発生するということです。旧第九中学校跡地に関しては、休眠期間が長かったこと、改修内容が特殊ということがありますが、代替校舎として活用するに当たって、改修費が大体35億円ということで、更新費を70億円とした場合、ちょうど半分程度の金額がかかっています。今後の施設整備の課題として、老朽化によって施設の寿命が迫っており、建て替えるのか、大規模改修をするのか、検討を進めていかなくてはなりません。児童館については、方針が9館から18館に変更になり、保育園に関しては将来的に10園から7園程度に減らしていく方針ですが、閉園する保育園についてはまだ議論がされていないが、施設の寿命を考えると大規模改修などが必要になってくると想定されています。大規模改修が想定される施設数について、全庁的な把握はできているのでしょうか。 ○瀬谷資産管理活用課長 大規模改修が想定される施設数についてです。区有施設整備計画で示している更新経費の試算条件に基づきまして、建築後30年で大規模改修を行うと仮定すると、今後30年間に、245施設のうち、約4割について大規模改修が発生すると想定されております。 ○立石委員 机上の計算となりますが、245施設の4割ということで、大体98施設で、大規模改修費は6掛けとして、かなりの数の更新費がかかってくるということで、こちらは今、計算ができないので、今後改めて計算をしたいと思います。多額の大規模改修が発生することが予測されているということです。 財政白書の115ページに、老朽化している施設は修繕費が高くなる傾向にあると指摘されておりまして、分析のために固定資産投資計画を作成するとあります。老朽化に伴って施設の維持補修費は増加する傾向にあるのか、建築年数ごとの傾向について伺います。 ○竹内財政課長 建築年数ごとの維持補修費の傾向でございます。築10年ごとに区切った場合、1施設当たりの平均の年間維持補修費については、築11年から20年の施設については約33万円、築21年から30年の施設については約373万円、築31年から40年の施設については約409万円、築41年から50年の施設については約420万円、築50年以上の施設については約804万円となってございます。 ○立石委員 今の数字ですと、20年を過ぎたところと50年以降のところで維持補修費が上がってくると。ただ、金額を聞いている限りでは、早期建て替えを判断するような額までではないようにも感じます。 維持補修費について、20年が経過する前に改修、てこ入れをするなど、あるいは、今、施設は基本60年、学校については70年で見ていますので、その前にてこ入れをしてライフサイクルコストを抑えていくということが必要になってきます。今後、施設更新費、大規模改修などはどこが把握し、推計をされていくのでしょうか。伺います。 ○瀬谷資産管理活用課長 施設更新経費の将来推計についてです。施設更新経費等、大規模改修経費の将来推計につきましては資産管理活用課が推計しているところです。各施設の経費等が具体化した際には適宜推計に反映いたしまして、財政フレームの基礎資料として共有しております。 ○立石委員 今回は10年、20年単位で伺いましたので、数値としてはざっくりですけれども、50年以降の施設はたくさんあると思います。60年を超えた段階で、さらにまた維持補修費がかかってくることなども想定されますので、そちらについてはまた別の機会で伺ってまいりたいと思います。 施設整備計画や財政フレームには大規模改修費などは計上されているということでよろしかったですか。 ○竹内財政課長 資本的支出に該当する支出につきましては固定資産として貸借対照表に計上しておりまして、減価償却が発生しているところでございます。財政調整基金の施設改修分、社会福祉施設整備基金、義務教育施設整備基金の対象施設に係る減価償却費相当額の25%を当該基金に積み立てているものでございます。 ○立石委員 大規模改修をすることによって資産が増えるということと減価償却が発生するということで基金に積まれていくよという考え方だと思うんですけれども、今、取得原価と、これから必要になる更新費の差というところがやはり見えない以上、それで本当に十分なのかなというところは疑問が残るところであります。 3月に実施計画を策定していくと思うんですけれども、様々な委員からも指摘がありましたが、その際、財政フレームを更新しますと。その際、施設の更新費であったり、改修費であったり、更新単価を反映して算出されるはずなので、将来の更新費というものが一定見えてくるのではないかと。そのタイミングで財政運営の考え方というものを見直して、特に施設整備基金については、減価償却ベースではなく、将来の行政需要ベースで算定し、積立額を見直していくべきだと考えますが、いかがでしょうか。 ○竹内財政課長 工事費等に係る資材や人件費の高騰により、将来の更新経費が大きくなり、財源確保について課題があることは認識しているところでございますが、財政フレームの作成に当たっては、社会情勢の変化に対して適切に対応できるよう、作成時点のところにおいて精度の高い数値で算出しているところであり、現時点での新たな財政運営の考え方の見直し検討は行っていないところでございます。 ○立石委員 まさに今、社会情勢の変化が起きているところですし、フレームを変えても、基金の積み立て方の考え方を変えないと意味がないのではないかなと思っているのですけども。 更新費をベースとしての積立てが難しいということであれば、今後、資産の更新に伴って積立額が増えているということで、後年度の負担が過度にならないかどうか。推計して平準化するように、時限的にでも%を引き上げる、そういった暫定的な改善案などを検討していただけないでしょうか。 ○竹内財政課長 繰り返しになりますけども、財源確保について課題があると考えておりまして、検証のほうを行いながら、常々そういったところはまたしっかりと、健全な財政運営ができるようにこちらも取り組んでまいりたいと考えてございます。 ○立石委員 財政運営の考え方については柔軟に修正していく必要があるというふうな答弁を頂いていますから、今後もタイミングを見て質疑をしていきたいと思います。今後、確実に更新費、改修費は高くなってまいりますので、きちんとそちらについては備えをお願いいたします。 続きまして、自治体DXについて伺います。 最初はMS365です。MS365は今、200アカウントが先行導入されておりまして、11月から全職員の利用が始まるということで、多額の投資を行って導入をしておりますので、まずは、これらのツールをしっかり全職員が使いこなせるような研修体制を取っていただきたいと思います。Teamsによるウェブ会議や、会議予約などのスケジュール調整、チャットでの連絡、こういったものは全員使っていただいて、加えて、上級者にはパワーオートメイトやパワーアップスのようなアプリや、RPAを内接するような仕組みもございますので、そういったものも活用できるよう、人材育成と適切な配置を進めていただきたいと思います。 それと、MS365、パワーオートメイト、パワーアップスなどはローコードでRPAアプリの生成が可能になりますので、中野区でも今、ChatGPTの試行が進んでおりますので、これらを活用し業務改善に資するように、職員がアプリやRPAを作成できるように、プロンプトエンジニアリングのような研修を日本マイクロソフト株式会社の力を借りながら進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○伊東情報システム課長 マイクロソフト365のパワーオートメイト、パワーアップスなどの業務効率化ツールにつきましては、MS365の運用開始後に、日本マイクロソフト株式会社と共同で実践型のワークショップを実施する予定でございます。また、生成AIを活用しました業務改善に係る職員の研修につきましては、現在行っております検証の結果などを踏まえて検討してまいります。 ○立石委員 ありがとうございます。 MS365はマイクロソフトさんで、ChatGPTに対しても投資を行っているということで、非常に相性がいい。パワーアップスとパワーオートメイトについては、ChatGPTとのAPI連携ということで、アプリの連携ができると伺っておりまして、それによって利便性も上がるのではないかというふうに伺っております。こちらの活用についても検討いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○伊東情報システム課長 パワーオートメイトは、定例業務などの反復作業を自動化するツールでございまして、一方、ChatGPTなどの生成AIは、人工知能によります自然言語生成や問題解決が可能でございますので、これらの組合せによりましてさらなる業務効率化を図ることが期待できるというふうに考えてございます。そのため、まずは、MS365の様々なツールの活用に向けた研修等を行い、現在行ってございます生成AIの検証も踏まえるなどして、今後の活用について検討してまいります。 ○立石委員 検討をよろしくお願いいたします。 また、MS365に期待しているのは、今、中野区には、議事録作成システムであったり、例えば、ほかにも、RPAのソフトが所管に入っていたり、様々なシステムを統合整理していける可能性があるのがMS365だと思っています。やはり、重複するシステムを統合して内製化を図っていく、そういったことに期待をしているわけでありますが、そちらについてはどのように進めていくのか、伺いたいと思います。 ○伊東情報システム課長 MS365は多種多様なアプリケーションを備えてございますので、現在利用しておりますシステムやツールの一部をMS365で代替することが可能であると考えてございます。例えば、今、委員の御紹介にありました会議録システムと、MS365のTeamsの議事録作成機能等を比較検討しまして、MS365で代替可能である場合はこれに切り替えるなど、コスト削減、システムの全体最適化の視点を持って検討を進めていきたいというふうに考えてございます。 ○立石委員 ありがとうございます。そちらについても総務委員会等で御報告いただければというふうに思います。 新たな電子申請サービスについて伺います。東京都が利用している電子申請サービス、こちらについて、中野区においても新たな電子申請サービスを利用しようということで、今、検討されていると思うんですけれども、こちらの新しいサービスには、ちょっと説明が難しいのですが、例えば、ユーザーがIDを発行して、ログインをするたびに申請情報を更新したり、不備があれば職員とやり取りをして修正できるような、審査内容を保存したり、審査をするような機能があるのでしょうか。 ○伊東情報システム課長 新たな電子申請サービスには、区民等があらかじめアカウント登録を行うことで、申請後の審査及び修正申請を受け付ける機能がございます。 ○立石委員 ありがとうございます。 これがあれば、助成金や補助金の申請も、この新しい電子申請システムで受けられるというふうに思うんですね。そうなれば、今までの電子申請よりも対象範囲が拡大しますよね。対区民もそうですし、例えば、保育園や事業者さんも助成金申請業務が結構大変だというふうに伺っていたりしますので、区民だけではなく、事業者さん向けに対してもそういった補助金の申請手続をオンライン化していけるように、全庁的に進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○伊東情報システム課長 事業者向けの手続をはじめ、助成金等の申請手続など、申請書の修正や補記が必要な手続につきましては、先ほど言いましたように、審査機能が活用できることを各所属に周知しまして、手続のオンライン化をさらに進めていきたいというふうに考えてございます。 ○立石委員 ありがとうございます。これで質問を終了します。 ○杉山委員長 以上で立石りお委員の質疑を終了します。 次に、斉藤けいた委員、質疑をどうぞ。 ○斉藤委員 令和5年第3回定例会決算特別委員会、無所属、日本維新の会の立場から総括質疑をさせていただきます。 1、区立小中学校の学校給食費相当額の給付金について。 第2回定例会、第3回定例会の一般質問にて伺ってまいりました区立小中学校の給食費の無償化についてです。今回の令和5年度一般会計第4次補正予算にて、区立小中学校の学校給食費相当額の給付金が決まりました。補正予算の賛成討論でも、各会派の皆様から、物価高騰対策としても、なぜこのタイミングで学校給食費相当額の給付が行われたのか。早期決断を行うべきではなかったのではないかなどの御意見もございました。この賛成討論に関しても私は同様の考えを持っております。それも含めて、今回の総括質疑でも給食費の問題を質問させていただきます。 (1)事務費について。 今回の給付金の支給に当たっては事務費がかかるとのことですが、改めてその金額と内訳について教えていただけますでしょうか。その主たる金額は民間事業者に支払われる金額と捉えてよろしいでしょうか。 ○渡邊子ども・教育政策課長 事務費の内訳でございますけれども、給付金支給業務を外部委託するための経費といたしまして9,847万円、郵送料496万1,000円、振込手数料87万円、人件費、コピー代等で77万2,000円、合計1億507万3,000円でございます。また、民間事業者への委託料は事務費の約94%でございます。 ○斉藤委員 1億円余ですね。結構な事務費が今回、やはりかかりますね。 この1億円余の事務費に関しては、今回、給付金という名目だから生まれた事務費という認識でよろしいでしょうか。 ○渡邊子ども・教育政策課長 約1億円は、給付に係る事務経費として見込んだ額でございます。 ○斉藤委員 今回の給付金の区民の皆様への給付の仕方についても教えていただけますでしょうか。 ○渡邊子ども・教育政策課長 学齢児童・生徒世帯を支援する価格高騰支援給付金の支給方法につきましては、まず、区から各世帯に申請書(口座情報を記入する用紙)を送付いたしまして、申請者から返送していただき指定口座に給付金を振り込む予定でございます。 ○斉藤委員 つまり、その支給の仕方ですと、給食費相当額としての名目の今回の給付ですが、家庭によっては給食費以外に使用される可能性もあると思いますが、それについては、区はどうお考えでしょうか。 ○渡邊子ども・教育政策課長 今回の給付金は物価高騰対策として給食費相当額を給付するものであり、給付金の使途は限定しておりません。 ○斉藤委員 給食費相当額の給付金としての支払いですが、別にそれに使わなくてもいいということですね、物価高騰の対策ということなので。全て給食費ではなくても、教育費に使っていただきたいなと私としては思います。 本来、4月の年度当初に区として給食費の無償化の判断が行われていれば、このような事務費はかからなかったのではないかと認識いたしますが、こちらについては、区はどのような見解をお持ちでしょうか。 ○佐藤学務課長 学校給食費につきましては義務教育であることから、本来、国が負担すべきものとの認識の下、国に対して要望を行ってきたところであり、4月の時点で給食費無償化を行うことは考えていなかったところでございます。 ○斉藤委員 次の質問に行きますね。(2)小学生の給付金の差別化について。 こちらは一般質問でも私は質問いたしましたが、小学生低学年は半年間で2万8,122円、高学年は3万2,480円と、小学生では低学年と高学年で給食費の金額が異なります。しかし、今回の補正予算を見ると、小学生は低学年、高学年で金額が分かれることなく、給付金は一律3万円とされております。なぜ小学生の低学年と高学年で金額の差別化をされなかったのでしょうか。 ○渡邊子ども・教育政策課長 小学生の給食費の1食当たりの単価は、低学年が258円、中学年が278円、高学年が298円と差はございますが、今回、物価高騰対策として相当額を給付することから、小学生給付費の平均単価に半年間で給食を提供する回数を掛けまして、一律3万円としたものでございます。 ○斉藤委員 つまり、相当額との定義の下、平均を取って3万円にしたとのことですが、この説明で区民の方は御納得されると思いますか。例えば、小学生の低学年と高学年のお子様を持たれている御家族は疑問に感じるのではないでしょうか。少なくとも私はこれに関して疑問を感じましたが、区の見解はいかがでしょうか。 ○渡邊子ども・教育政策課長 今回の給付金は区立だけでなく、国立、都立、私立学校等の児童・生徒の保護者にも支給するものであり、統一の額といたしまして、小学生については一律3万円を支給するものにしたものでございます。 ○斉藤委員 では、今後の対策として、小学生の低学年と高学年の金額を今からでも分け、高学年の3万2,480円、例えば再補正を行い、高学年の金額を3万3,000円にする考えなど、現状の区としての対策などはございますでしょうか。 ○渡邊子ども・教育政策課長 今回の給付金は給食費相当額ということで、小学生は一律3万円を給付する考えに変わりはございません。 ○斉藤委員 次に、(3)来年度に向けた早期決断について。 ここが最大の重要になってくるかと思います。私としては、物価高騰対策に関係なく、区の子育て政策の一つとして、学校給食費の無償化に向けて来年度の早期決断が必要だと考えますが、いかがでしょうか。 ○佐藤学務課長 来年度当初からの区の給食費の全額負担につきましては、国の動向や物価高騰の状況を踏まえ検討を行ってまいりたいと考えてございます。 ○斉藤委員 出ましたね、国の動向。いつも出てくる国の動向。給食費の質問をするとその回答が来ますが。 すみません、これは事前に取材をしていなかったので、もし難しかったら回答がなくても大丈夫ですが、予算編成の流れは、私は新人なので、どういうスケジュール感で今後予算を組んでいくかは分からないのですが、ほかの委員の皆様の今回の総括質疑を聞いていると、もうそろそろ予算編成について考えていかなければいけない時期が来るのではないかと思っているのですが、その期間、例えばこの3か月、半年間で、国の動向として、国として、政府として給食費の無償化が行われるとお考えでしょうか。 ○佐藤学務課長 国の動向は今、見極めているところでございますけれども、来年度の給食費の全額負担につきましては、来年度の予算編成を進める中で検討していきたいというふうに考えているものでございます。 ○斉藤委員 ぜひ検討をよろしくお願いいたします。 続きまして、先ほど事務費のところでも触れましたが、事務費の削減のためにも、学校給食費無償化の早期決断、来年度4月からのスタートが必要だと考えますが、事務費の側面からの区の見解を教えてください。 ○佐藤学務課長 こちらにつきましても、繰り返しの答弁で恐縮でございますが、来年度の予算編成を進める中で事務費等々についても検討していきたいというふうに考えてございます。また、今後の学校給食に係る事務執行につきましては、最小の経費で最大の効果を上げるよう検討を行ってまいりたいというふうに考えてございます。 ○斉藤委員 もし、来年度、4月から区立小中学校の給食費の無償化が実施されると仮定した場合、国立、都立、私立に通う児童・生徒への支援はどのようにお考えでしょうか。 ○渡邊子ども・教育政策課長 来年度の児童・生徒の保護者への支援につきましては、物価高騰などの状況を見ながら判断したいと考えてございます。 ○斉藤委員 これも仮定ですが、年度初めから小中学生給食費の無償化を始めた場合に予想される1年間に給食費無償化に係る金額、法律のみの場合、国立、都立、私立に通う生徒を含めた場合の2パターンの事業費を教えてください。同様に、予想される事務費に関しても教えてください。 ○渡邊子ども・教育政策課長 年度当初から区立小中学校の給食費を全額区が負担した場合は、約8億3,000万円かかると想定してございます。同額の給食費を国立、私立、都立学校等の児童・生徒の保護者にも給付する場合は、さらに3億1,000万円程度かかると想定してございます。事務費につきましては、区立学校は区の職員が事務を行うことになりますが、私立学校等の保護者へ支給することにつきましては、現時点ではスキームが決まっていないことから、算定はできておりません。 ○斉藤委員 そういうことですね。いろんな委員からもありましたが、今回の私の総括質疑も含めて、来年度の給食費の無償化の早期決断を区に要望し、次の項へ移ります。ぜひよろしくお願いいたします。 2、中野区のふるさと納税について。 ふるさと納税とは、都市部に集まりがちな財源を地方に移すため2008年度から始まった制度です。応援したい自治体を選んで寄附をした場合、上限額を超えなければ、自己負担分2,000円を除いた額が住民税などから差し引かれます。自己負担が2,000円で済む、寄附額の目安は給与収入や家族構成、住所などによって異なります。総務省ウェブサイトによると、納税する本人の給与収入が年間450万円で、夫婦共働き、配偶者の給与収入が201万円超え、子どもが中学生以下の家族の場合、2,000円の自己負担で、寄附額の上限は5万2,000円となります。また、23区の各区長で構成する特別区長会は、これまで貴重な財源が一方的に奪われているとして、ふるさと納税制度の抜本的な見直しを国に要請してきました。具体的には、地方交付税の不交付団体にも流出分を地方特例交付金などで補填することや、ワンストップ特例制度を利用した寄附者の控除を全て住民税で負担する現在の仕組みを見直すように求めております。その中で、中野区において、現状のふるさと納税について質問いたします。 (1)ふるさと納税の財政の流れについて、中野区のふるさと納税の令和4年度の納税寄附金の件数、金額を教えてください。また、過去5年間における納税寄附金の流れについても教えてください。 ○高村シティプロモーション担当課長 令和4年度の寄附額は1,023万7,000円でございます。過去5年間の寄附額の推移ですが、平成30年度が2,522万3,000円、税制改正があり、地場産品基準などが示された令和元年度が996万5,000円、令和2年度が1,322万5,000円、令和3年度が950万7,000円、令和4年度は先ほどお示ししたとおりでございます。 ○斉藤委員 納税寄附金は1,000万円ですか、結構厳しい状況ですね。 次に、中野区のふるさと納税による令和4年度の特別区民税の流出額を教えてください。こちらも、過去5年間における流出額の流れも教えていただけますでしょうか。 ○滝浪税務課長 ふるさと納税がその大部分を占めます寄附金税額控除の金額といたしましては、令和4年度が21億3,029万5,000円となってございます。また、過去5年間につきましては、平成30年度が8億9,238万5,000円、令和元年度が11億9,045万7,000円、令和2年度が12億581万6,000円、令和3年度が15億6,812万7,000円と、年々増加し続けてございます。 ○斉藤委員 年々増加している流出額ですね。 令和4年度の中野区で流出してしまった特別区民税約21億円があれば、本来、区民に具体的にどのような活用ができましたでしょうか。また、しつこいかもしれませんが、給食費で例えれば、何年分が賄えますでしょうか。 ○竹内財政課長 お答えいたします。区立小中学校の給食費については年間おおむね8億3,000万円を見込んでおりますので、仮に21億円の財源があれば、約2年半分が賄えると考えております。 ○斉藤委員 今の質問の、具体的にどのような活用ができましたでしょうかというところに関してはいかがでしょうか。 ○竹内財政課長 様々な区民サービスのほうに活用できたと考えられます。 ○斉藤委員 失礼いたしました。 では、次に行きます。(2)中野区のふるさと納税の返礼品についての特徴を教えていただけますでしょうか。 中野区の寄附金額を増やすために、中野区独自の返礼品を考えていかなければなりません。中野区は、中野区内の事業者の中央一丁目にある株式会社ブシロードが製造・販売するトレーディングカードゲームのメジャータイトルである「カードファイト!! ヴァンガード」がふるさと納税の返礼品として人気があると伺いました。御当地カードを除いたトレーディングカードゲームのふるさと納税返礼品は全国初とのことです。そのほかにも中野区の返戻品の特徴があれば教えてください。 ○高村シティプロモーション担当課長 これという特徴があるわけではございませんが、区内の事業者や商品、サービスをアピールするという点で返礼品に開発に取り組んでおりまして、在勤者を意識した区内の飲食店などで利用できるクーポン券ですとか、あと、いわゆるコト消費に関する返礼品の開発として、時刻表のミュージアムの貸切り、生ビールのつぎ分け体験、あと、東京警察病院の人間ドック受診などが中野らしいものかというふうに考えてございます。 ○斉藤委員 そのまま続けて、(3)中野区の返礼品開発についてお伺いいたします。 返礼品の開発は、まず、どこの管轄が行っているのでしょうか。 ○高村シティプロモーション担当課長 文化振興・多文化共生推進課のシティプロモーション担当が所管してございます。 ○斉藤委員 文化振興・多文化共生推進課以外にも、返礼品の案について、何か区として取組を行っていますでしょうか。もし何か取組を行っていれば、具体的に内容を教えてください。 ○高村シティプロモーション担当課長 具体的な返礼品の開発の取組というふうな御質問かと思います。主に3点でして、ふるさと納税の一括代行業務を受託している事業者によるあっせん、それから、区が地元金融機関と連携して返礼品開発説明会を開催するとともに、シティプロモーション担当が直接区内の事業者へアプローチしていること、あと、ホームページなどを通じた広報でございます。 ○斉藤委員 中野区には様々な大学もございます。例えば、明治大学の国際日本学部や、国際短期大学、東京工芸大学など、学生との共同開発を行うのはいかがでしょうか。 ○高村シティプロモーション担当課長 これまでも、シティプロモーション担当と関わりのある明治大学ですとか、織田学園と一緒にふるさと納税についての意見交換などを行ってきたところです。また、今、委員がおっしゃったような類似の企画は着手しているところですが、数量が確保できないというところで、実現に至っていないところでございます。今後もそういった可能性については探ってまいります。 ○斉藤委員 次に、(4)プロモーション活動について。 現在、文化振興・多文化共生推進課としては、中野区の返礼品の宣伝としてどのような広報活動、プロモーション活動を行っていますでしょうか。先ほどの財政のところで1,000万円ほどという寄附額ですが、何かこれに対してプロモーション活動などを行っていますでしょうか。 ○高村シティプロモーション担当課長 広報の御質問かと思います。ふるさと納税一括代行業務を受託している事業者による広報、それから、三つのふるさと納税サイトによる広報、それから、不定期での中野大好きナカノさんを含めた区のSNSによる広報を行っているところでございます。 ○斉藤委員 今もお話がありましたが、現在、中野区では寄附の申込サイトとして、ふるさとチョイス、楽天ふるさと納税、さとふるの3サイトにて寄附をすることができますが、3サイトに絞っている理由はございますでしょうか。今後、ふるなび、auPAYふるさと納税、ANAのふるさと納税など、人気サイトにも広げてみてはいかがでしょうか。 ○高村シティプロモーション担当課長 会員数や売上げ、取扱返礼品数を見ながら毎年度ウェブサイトを増やしているところでございまして、今年度はさとふるでの寄附を開始し、さらに、今年度中にぐるなびのふるさと納税サイトの寄附を開始する予定でございます。御指摘のANAのふるさと納税については、人気はありますが、農水産物がメインであること、auPAYふるさと納税などは、auのキャリアが主たる利用者でもあり、また、納税サイトを増やしますと、その分事務負担が増えるという側面もございます。今後の寄附の状況などを見ながら、さらにサイトを増やすかどうかは考えてまいります。 ○斉藤委員 次に、(5)他の先行自治体の調査について。 現在、中野区では他の先行自治体の調査研究などは行っていますでしょうか、他区の例として、渋谷区ではふるさと納税と、ももいろクローバーZがコラボ。同じく、渋谷区ではふるさと納税とラブライブ!スーパースター!!がコラボ。新宿区では一日区長体験、世田谷区では、これは結構いいと思うんですが、下北沢の再開発のブロックに名入れをするなどがございます。他の先行自治体の調査について教えていただけますでしょうか。 ○高村シティプロモーション担当課長 他自治体の返礼品、特に、都市部の自治体の返礼品情報には常に注視しているところでございます。 ○斉藤委員 では、この項の最後に、僣越ながら、(6)その他として、私、斉藤けいたから返礼品の提案をさせていただきたいと思います。 人気アニメ「鬼滅の刃」で一、二を争う人気キャラクター、冨岡義勇の出身地は東京府豊多摩郡野方村、現在の中野区野方です。そして、野方の総鎮守、産土神が沼袋の氷川神社です。さらに、「東京卍リベンジャーズ」の中で登場した東京卍會を結成したシーンで登場し、大人気キャラクター、マイキーを含む東京卍會の全員で神社のお守りを買った場所も沼袋の氷川神社です。現在、沼袋の氷川神社は、聖地巡礼として、アニメファンの皆様で大人気の場所となっております。このような大人気の場所の活用、また、キャラクターを使った返礼品の開発などはいかがでしょうか。 ○高村シティプロモーション担当課長 御提案の「鬼滅の刃」については既にアプローチをしておりまして、制作者サイドの意向や権利関係などにより、返礼品とすることができなかったところでございます。アニメに関連した返礼品は、特に権利関係などの問題がございますが、御提案の氷川神社の件を含め、区内事業者や中野区のアピールにつながる可能性のあるものについてはできる限りアプローチしてまいりたいと考えてございます。 ○斉藤委員 ぜひよろしくお願いいたします。 この項の最後に、一つは、ぜひ中野区のふるさと納税の納税寄附金が増える施策を積極的に今後も行ってほしいと思います。また、二つ目としては、区長には引き続きふるさと納税制度の抜本的な見直しを国に要請していただきたいと思います。 それでは、次の項に移ります。3、なかのEYEについて。 区への御意見や御要望は区民の声として受け付け、対応していますが、区民の声の中でも特に多いのは、道路、公園、ごみ集積場などの施設の破損などに対する御意見や御要望です。これまで、区民の皆様がこれらの情報について区へ連絡する方法は電話やメールによるものが中心であり、区が現場の状況を正確に把握することが困難でした。このため、区民の皆様が現場の状況の写真や位置情報を区へ簡単に伝達でき、区もそれを受けて迅速に対応できるよう、区民の声スマートフォン向けアプリケーション「なかのEYE」を2018年8月に導入しました。このアプリを通じて簡潔に行うことができることから、区民の区政参加の促進にもつながっていると思います。このなかのEYEについて質問いたします。 (1)なかのEYEの令和4年度の費用と内訳について教えていただいてもよろしいでしょうか。その主たる金額は民間事業者に支払われている金額でしょうか。 ○矢澤広聴・広報課長 お答えいたします。令和4年度のなかのEYEの運用経費は39万6,000円でございまして、アプリの保守業務委託料として全て事業者に支出しているところでございます。 ○斉藤委員 次に、(2)登録者数について。 開始の2018年から2023年の5年間におけるなかのEYEの毎年の登録者数について教えてください。 ○矢澤広聴・広報課長 登録者数については、平成30年度は1,691件、令和元年度は446件、令和2年度は659件、令和3年度は433件、令和4年度は452件、そして、今年度は8月末時点で189件となってございます。 ○斉藤委員 なかなか登録者の数字が伸びていない状況ですね。 なかのEYEのアプリは、私はすごく内容がいいと思っています。その予算に対し、現在の登録者数を見ると、あまり区民の皆様に周知がされていないように感じます。区民の皆様への周知方法はどのようなことをされておりますでしょうか。また、具体的な成果などがあれば教えてください。 ○矢澤広聴・広報課長 周知方法につきましては、区のホームページに掲載するほか、年に数回区報記事に掲載しているところでございます。広報による利用者数の増加の成果は把握できないものと捉えておりますが、区民の声の総件数のうち、なかのEYEを活用した意見や問合せはメールについて多いことから、なかのEYEが区民に一定周知され、また、活用されているものと考えてございます。 ○斉藤委員 なかのEYEのアプリを見ると、その一方で、よくある質問、区からのお知らせの内容が2018年のアプリ立ち上げから一度も何も更新されていませんが、それはなぜでしょうか。 ○矢澤広聴・広報課長 アプリ導入前は、その使用や注意点等につきまして掲載することを想定しておりました。しかし、実際に運用を開始してみますと、アプリの使用が簡易で分かりやすく、区民からの問合せを受けることが少なかったものですから、内容の更新をしていないものでございます。 ○斉藤委員 次に、現在の中野区公式LINEの登録者数について教えてください。 ○矢澤広聴・広報課長 中野区公式LINE登録者数でございますが、令和5年8月末の時点での登録者数は1万661人でございます。 ○斉藤委員 ということは、なかのEYEよりも、やっぱり中野区公式LINEのほうが登録者数が多いという認識でよろしいでしょうか。東京23区では、目黒区が市区町村の公式LINEの中にてなかのEYEの機能を果たしています。なかのEYEも、今後、区の公式LINEと統合していくのはいかがでしょうか。 ○矢澤広聴・広報課長 区では、LINEを活用しました行政手続のオンライン化を今年の7月から開始しているところでございます。つきましては、アクティブユーザーが多く、かつ拡張性の高いLINEを使えば、区民にとってさらなる利便性の向上が期待できることから、来年度、なかのEYEの区公式LINEとの統合に向けて検討してまいりたいというふうに考えてございます。 ○斉藤委員 本当にそれを願っております。 ちなみに、もし、なかのEYEが中野区の公式LINEと統合したときの費用について、もし費用がかかるようでしたら教えてください。 ○矢澤広聴・広報課長 中野区の公式LINEに統合した場合、費用は現在と同等、または若干下がるものと見込んでございます。 ○斉藤委員 ぜひ中野区の公式LINEとなかのEYEが統合し、より区民の方々に周知され、区民の方々が行政に対する情報をスムーズに行うことのできるシステムの構築をお願いいたします。 時間が53秒余ってしまいましたが、これにて私の総括質疑を終了させていただきます。誠にありがとうございました。 ○杉山委員長 以上で斉藤けいた委員の質疑を終了します。 委員会を休憩します。 午後4時51分休憩
午後4時51分再開 ○杉山委員長 委員会再開します。 休憩中に確認いたしましたとおり、17時を超えても休憩を取らずに、最後まで質疑を行うこととします。 次に、井関源二委員、質疑をどうぞ。 ○井関委員 皆様、お疲れさまです。ラストバッターでございますれいわ新選組の井関源二です。よろしくお願いいたします。議員として初めての総括質疑になります。そして、れいわ新選組にとって中野区における初めての総括質疑になります。区民の皆さんのためにフレッシュに頑張りたいと思います。 1、少子化対策について。 区は、中野区基本構想において未来ある子どもの育ちを地域全体で支えるまちを描き、中野区基本計画において子育て先進区の実現を重点プロジェクトに掲げて、組織横断的かつ重点的に取組を進めており、子ども・子育て政策に力を入れていると認識しています。日本の人口は2008年の1億2,808万人をピークに迎え、2023年現在は1億2,570万人だそうです。我が国は、2022年の出生数は統計が取られて以来初めて80万人を割り込み、国立社会保障・人口問題研究所から、2070年には日本の総人口が8,700万人まで減るという将来推計が公表されました。これは、50年かけた4,000万人の緩やかな大虐殺だとする意見もあります。少子化は国全体の大きな課題であります。 初めに伺います。この少子化の状況について、区としてどのように捉えているのでしょうか。見解を伺います。 ○青木子ども政策担当課長 少子化の状況についてでございますが、少子化は国全体の経済成長や社会保障制度などへの影響を与えるだけではなく、区にとってもまちの活力の維持向上を図る上で重要な課題であると認識してございます。 ○井関委員 ありがとうございます。 区は現在、まちづくりの進展等に伴い、税収が増加傾向にあります。限界集落のような自治体では、対策をしたくてもできません。東京でも、西部、市部は中野区ほどの予算はありません。中野区は数少ない少子化にあらがうチャンスがある自治体です。今後しばらくの間は人口増、税収増の見込みだという認識です。このような状況を踏まえ、少子化に歯止めをかけるために、より一層子ども・子育てに対して予算を投じ、施策を充実してはいかがでしょうか。本来は国がやらなくてはいけない政策だということは重々承知しておりますが、政府は異次元の子育て政策と言いながら、何かをやる気配が全く見えません。残念ながら、中野区は特殊出生率が23区ワースト2位です。しかし、若い男女の区民が多いので、ある程度対策をすれば出生率が爆上がりする可能性もあります。将来予想される人口減、税収減を上方修正させ、中野区だけでも人口増、税収増の右肩上がりの自治体にしたいと切に願いますが、いかがでしょうか。区の見解を伺います。 ○青木子ども政策担当課長 子ども・子育て施策を充実することも少子化に歯止めをかけることにつながると考えておりまして、中野区基本計画において、子育て・子育ち環境を整備する子育て先進区の実現を重点プロジェクトの一つとして設定し、組織横断的かつ重点的に取組を進めているところでございます。 ○井関委員 出産には多額の自己負担が必要になります。港区、渋谷区、世田谷区などで出産費用の助成を行っています。また、海外では主流となっている無痛分娩を希望する場合は、出産費用がさらに高額なものになります。私は性自認は男性で、女性になったことはないですが、精一杯想像力を働かせてみて、女性が子どもを産みたがらない理由として、出産が大変だというのは少なくないと考えます。出産に伴う体力の消耗が少ない、将来の子育てに金銭的な憂慮が少ないとなれば、独身でも1人なら精子の提供を受けて産んでもいいかと。結婚後、2人目、3人目を産んでもいいと思う女性が増えると考えます。こうした出産に係る経費を助成してはどうでしょうか。 ○原子育て支援課長 近年におきましては出産の形も多様化しており、それに係る費用についても個人差があることは区としても認識しておるところでございます。区では、妊婦健康診査や乳幼児健康診査をはじめ、妊産婦及び乳幼児、子どもの健康保持増進のために様々な費用助成事業を行っているところでございます。今後も妊娠、出産に係る費用について把握に努め、子どもを産みたいと考えている方を支援できるよう検討してまいりたいと考えております。 ○井関委員 前向きな回答をありがとうございます。 中野区は子ども・子育て政策にかける歳出が多いと認識をしております。現在の区の子ども・子育て政策に対する区民の評価はどのようになっているのでしょうか。見解を伺います。 ○青木子ども政策担当課長 中野区区民意識実態調査において、区が特に力を入れていると評価する施策を設問としておりまして、令和4年度の調査結果によると、子育て支援施策については26施策の中で4番目と評価されておりまして、区民から一定程度の評価を得ていると認識しているところでございますが、さらなる充実を図ってまいりたいと考えてございます。 ○井関委員 ありがとうございます。 では、2、子育て政策について。 少子化を改善するには、やはり子育て政策と密接に関係していると考えられます。そこで、子育て政策について幾つかお伺いします。 東京都は、都内に在住する18歳以下の子どもに対し1人当たり月額5,000円、年額6万円を支給する018サポートの制度を新たに実施します。これに加え、区として所得制限なしの子ども手当制度を検討してはどうでしょうか。私は第2回定例会の一般質問で、子育て給付金3万円を所得制限なしで毎月給付したらどうかと質問しました。東京都が5,000円出しているので、中野区は2万5,000円出すのはいかがでしょうか。5,000円でも上乗せするのはいかがでしょうか。見解を伺います。 ○青木子ども政策担当課長 現金給付などの経済的支援策につきましては、その効果や公平性、財政負担などを総合的に勘案していく必要があると考えてございまして、今後、他自治体の取組等を研究してまいりたいと考えてございます。 ○井関委員 中野区はキッズ・プラザとして小学校を開放していますが、キッズ・プラザのない学校で放課後の時間に校庭や図書館を開放して、放課後の居場所づくりを進めているのは理解していますが、こちらを改めて周知していただきたいです。こちらは要望です。 そして、キッズ・プラザのない小学校の児童が、放課後、ランドセルを背負ったまま児童館に行けないでしょうか。 ○細野育成活動推進課長 放課後、ランドセルを背負ったまま、いわゆるランドセル来館というふうにも言っておりますが、区では、学童クラブの待機児童対策として、下校後、自宅に帰宅しないで直接児童館に来館できる事業を行っております。下校後の児童の安全管理や場所の確認、あと、児童館の受入体制等の課題があり、現時点では学童クラブの待機児童対策の一環としての実施ということで考えております。今後の児童館への直接の利用の拡大につきましては、様々な課題がございますので、慎重に検討を進めていきたいというふうに考えてございます。 ○井関委員 一部の児童館では携帯ゲーム機の利用が禁止されています。児童館内の遊びについては、子どもの意見を反映し、より自由な活動ができる場所とするべきだと考えますが、いかがでしょうか。 ○細野育成活動推進課長 児童館では、子どもたちの意見を反映し、日常の遊びや行事の企画を行っており、遊具や本も子どもの要望を踏まえて購入をしているところでございます。施設の利用のルールにつきましても、子どもたちが話し合って決めるなど、意見を反映した施設の運営を行っているところでございます。 ○井関委員 私立幼稚園についても、幼稚園型一時預かり事業を行っている園については住宅手当加算がありますが、保育従事職員宿舎借り上げ支援事業補助金に相当する制度はありません。幼稚園でも教諭が定着しないという問題に直面しているそうです。幼稚園教諭に対しても保育士と同様の助成制度があるべきだと考えます。区の見解を伺います。 ○半田保育園・幼稚園課長 区では、教員確保策の一環といたしまして、教育環境整備補助金におきまして就職祝い金等に対する補助を行っているところでございます。保育従事職員宿舎借り上げ支援事業補助金は国及び都の制度にのっとって行っているものでございまして、現時点で、区独自に私立幼稚園に対する宿舎借り上げ支援補助を行うことは予定してございません。 ○井関委員 先ほどのむとう委員への御答弁と同じような回答でちょっと残念でございますが、区では、一時預かり事業を実施している園では幼稚園一時預かり事業補助を行っていますが、今回、私立幼稚園で預かり保育をやるには条件が厳しい、緩和できないかと陳情が来ました。条件の緩和はできませんでしょうか。 ○半田保育園・幼稚園課長 私立幼稚園等預かり保育推進補助金につきまして、令和5年度は保育時間や日数等の補助条件を変更したところでございます。条件を変更したことによる効果を踏まえまして、さらなる条件変更の必要について研究してまいりたいと考えてございます。 ○井関委員 ありがとうございます。 では、3、防災対策について。 8月1日に発生した豪雨によって、中野区にも被害が発生しました。中野駅周辺等の市街地再開発事業においてビルの解体現場の足場が崩れる事故が発生しましたが、施工者に対してどのような事故防止に向けた対策を求めているのでしょうか。 ○山本中野駅周辺地区担当課長 足場崩落事故の再発防止に向けた対策についてお答えいたします。区では、当該再開発組合に対して、これまでも工事現場の内外における安全管理を徹底することを求めてきましたが、引き続き台風などの気象情報に気を配るとともに、足場の点検を行うよう、安全対策のさらなる強化を求めたところです。また、その他の再開発組合に対しましては、当該事故に至った原因とその対策について情報共有を図ったところであります。 ○井関委員 中野駅北口駅前エリアは、再整備によって風害の影響が大きくなると考えます。中野坂上は風が強いです。中野坂上は地下で移動できますが、中野駅北口周辺の地下化は難しいと伺っています。区は将来起こり得るであろう風害をどのように考えているでしょうか。 ○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 新北口駅前エリア再整備の拠点施設整備については東京都の環境影響評価制度の対象となっておりまして、手続の中で、都からの審査意見書では、風環境について環境保全のための措置を徹底するよう意見がついているところでございます。こうしたことから、区としては施工予定者に対し、施設建設後の周辺風環境がよりよくなるように対応を求めているところでございます。 ○井関委員 地球温暖化に伴う気候の変化により、風水害は深刻さを増すと考えられます。風速40メートルを超える超大型台風が来ることも予想されます。また、9月19日には東京駅八重洲口近くのビル建設現場で5人が転落する事故がありました。和歌山では、去年9月に工事が完成したトンネルの屋根が、設計では30センチ必要だったものが、実際は3センチしかなかったそうです。2020年10月には調布で崩落事故があったことは記憶に新しいかと思います。以前では考えられなかったような事故が頻発しています。表面化しているものがこれだけあるのですから、水面下で重大なインシデントが多数発生していると思われます。これは日本の技術力が落ちていると言わざるを得ません。そういった今までの想定範囲外の事態が起こった際、いろいろな対策が必要だと考えますが、どのような対策を考えているでしょうか。見解を伺います。 ○杉本防災危機管理課長 地球温暖化に伴います気象情報という観点で御答弁を申し上げます。気象情報につきましては、気象庁とのホットラインや独自に契約する民間の気象情報会社からの情報、大学が開発した洪水予測システムの検証など、夜間、休日を問わず積極的な情報収集に努めているところでございます。今後も最新の技術を取り入れた気象情報の収集や分析を行いまして、区の災害体制におきます情報共有や速やかな災害対応に生かしてまいりたいと考えてございます。 ○井関委員 中野区は首都直下地震時の火災の危険が指摘されています。地震による出火を防止し、他の住宅等への延焼を防ぐためには、感震ブレーカーが有効です。都は今年度から感震ブレーカーを配布する事業を実施すると聞いていますが、どのような進捗状況でしょうか。 ○福嶋防災担当課長 お答えいたします。都の出火防止対策促進事業では木造住宅密集地域の木造住宅が対象となっており、区内では26丁町目が該当しております。今後、東京都が11月中旬頃から順次、対象世帯にリーフレット等をポスティングし、申込みのあった方に対して感震ブレーカーを配布する予定と聞いております。 ○井関委員 ありがとうございます。 そして、4、その他。 中野区は文化芸術振興基本方針が策定され、文化芸術の振興を重要視していると認識しています。そこで、まちのにぎわいづくりと文化芸術振興に関連してお伺いします。皆さん、最近、新宿の思い出横丁には行かれましたでしょうか。コロナが5類になり、思い出横丁は、平日、週末問わず外国人観光客であふれ返っております。ものすごい混雑です。ゴールデン街も外国人観光客が多いです。私は西東京市議の長井秀和氏と懇意にしておりまして、長井市議は歌舞伎町の端のほうで焼肉屋を経営されておりまして、私も一度お邪魔しましたが、ハラール認証をしている焼肉屋で、某高級焼肉店ぐらいの価格設定にもかかわらず、インバウンド需要で調子がいいそうです。私は中野五丁目の商店街に思い出横丁以上の可能性を感じております。新橋とか、戸越銀座とか、十条とか、大阪の新世界とか、すすきのとか、いろいろ行きましたが、中野五丁目は日本一の飲食店街なのではないかと思っております。外国人観光客に知っていただいたら激はまりしていただけるのではないかと考えます。例えば、外国人観光客向けのバスツアーを企画したり、例えば、新宿のホテルに滞在する観光客向けのシャトルバスを運行させるなどはいかがでしょうか。先日、中野五丁目のおでん屋さんで飲んでおりましたら、玉袋筋太郎さんのユーチューブを見て大阪から来たという方がいらっしゃいました。杉山委員長も一般質問でおっしゃっていましたが、ナカノさんをブイチューバーにするのはとてもいいアイデアだと思います。そういったいろいろな形で、観光客、特にインバウンド需要にリーチすることはできないでしょうか。 ○高村シティプロモーション担当課長 中野五丁目の商店街は中野の魅力の一つだと認識してございます。実際に訪れた方による発信が最も効果的だと思いますが、その前段として、区民レポーターに外国人の方もおりますし、また、発信力のある方もおります。そういった方たちの情報発信など、様々工夫して発信していきたいと考えてございます。 ○井関委員 夏になると、各地で野外ロックフェスをやっております。一時期はコロナで休止していましたが、去年から今年にかけて、主なロックフェスは有観客で再開されました。中野区のイメージというと、アニメやお笑いなどのサブカルをイメージされる方は多いと思います。せっかくそういった土壌があるので、中野四季の森公園でお笑い野外フェスを開催するのはどうでしょうか。私は以前、エンタの神様ブームのときにコウメ太夫の営業について行ったことがあります。営業というのは学園祭のステージをイメージする方もいらっしゃるかもしれませんが、ここで言う営業とは、なかのZEROのような地方の会場で開催される高額なチケットのお笑いライブです。その地方にお住まいの方がこぞっていらっしゃいます。せっかく日本でお金を払ってお笑いを見に行く人口がいるのですから、先駆けとして中野でお笑いの野外フェスを開催すれば、にぎわいづくりの面でも、文化振興の面でも効果があると考えます。野外ロックフェスに行かれた方は御存じですが、フェス内では生ビールやペットボトルのソフトドリンクが1社独占で販売されています。中野にはキリンの本社があります。せっかくなので、キリンの協賛を得た上でこの企画を実施できたら、地域経済がより活性化すると考えます。ロックフェスの飲食ブース内などで御当地の地方自治体のアンテナショップ等を展開するイベントが多いです。もしお笑いフェスが開催された場合は、中野区でもブース内でアンテナショップを展開したり、御当地グルメが出店されたりするのはいかがでしょうか。ほかのロックフェスでは、発電を再生可能エネルギーで賄ったり、ごみの分別やリユースを厳格に実施したりしています。そのような趣旨も含めれば、環境対策の面もアピール可能です。そういったお笑いフェスを中野区で開催できませんでしょうか。 ○高村シティプロモーション担当課長 委員が御提案のフェスの開催については、民間主導で実際に企画されるのが、魅力という点でも自由度という点でもあるかというふうに思っております。こういった御提案の企画が区のほうに寄せられた際には、区内の飲食店による出店を促すなど、主催者と区内の事業者のマッチングなどを図りたいと考えてございます。 ○井関委員 ありがとうございます。 つけ麺についてです。最近、中野区ではつけ麺マップを配布し、つけ麺、ラーメンを食文化としてアピールしていると認識しております。札幌では、飲んだ後の締めのパフェという文化があるそうです。中野区はつけ麺発祥の地で、ラーメン激戦区なのですから、例えば、飲んだ後の締めのつけ麺を御当地文化として主張するのはいかがでしょうか。世田谷の駒沢公園では、ラーメンフェスタ、餃子フェス、新宿の大久保公園では、大つけ麺博、激辛グルメ祭りなどが開催されています。中野区でもそういったイベントを開催するのもいいのですが、一歩踏み込みまして、中野つけ麺フェスとして、中野区のつけ麺に特化したイベントを10店から20店舗程度で全国主要都市をツアーするのはいかがでしょうか。日本各地の皆さんに中野のつけ麺のおいしさを知っていただき、さらに、日本各地の皆さんに一度は本場のつけ麺を食べてみたいと思っていただき、いずれ中野に来ていただけるようなスキームを作成するのはいかがでしょうか。 ○高村シティプロモーション担当課長 中野区観光協会が発行したつけ麺MAPは好評であり、つけ麺学会が立ち上げられたと聞いてございます。区はこうした情報をフォローし、外国人などもいる区民レポーターなどに発信を今、行っているところですが、先ほどと同様、委員が御提案の企画、こういったものが区に寄せられた場合については、事業者とのマッチングですとか、そういった広報ですとか、そういった支援ができればというふうに考えてございます。 ○井関委員 ほかにも、中野区はアニメ等のサブカルチャーの土壌がありますので、例えば、コミックマーケットのような同人誌即売会、企業ブースのようなアニメグッズ販売、コスプレイベント、 eスポーツの大会などを開催・誘致してはいかがでしょうか。また、海外ではカンヌ、ベネチア、ベルリンなどの地名のついた映画祭がございます。日本でもマンガ大賞や本屋大賞など、独自の選考の賞があります。中野区でも地名をつけた独自の賞を贈呈するのはいかがでしょうか。例えば、中野アニメーション大賞や中野マンガ芸術賞、中野ゲームアワードなどはいかがでしょうか。金獅子賞、金熊賞ならぬ、中野にゆかりのある犬にちなんだ金の犬賞などを贈呈してはいかがでしょうか。大賞と犬賞は、漢字で書くと字面も似ています。区の見解を伺います。 ○高村シティプロモーション担当課長 eスポーツの大会については既に区内で実施されているところでございます。あと、コミックマーケットなどの大規模イベントについては、その受皿となる施設が現在のところは区内の施設に見当たらないので、NAKANOサンプラザシティができた際には、区内のコンテンツ関連会社と協議しながら、そういった大規模イベントの誘致実施なども考えていきたいと考えてございます。最後に、独自の賞のお話がありましたが、先日、加藤委員からの御質問でも、歴史をひも付けた企画とか情報発信についての御提案があったと思います。中野にゆかりのあるものや資源にひも付く企画というものは可能性があるものだと考えてございます。そういった企画があった場合には、先ほどと同様、事業者とのマッチングなどを区として後方支援していきたいと考えてございます。 ○井関委員 質疑は以上になります。 皆さん、あしたからの分科会も頑張ってまいりましょう。ありがとうございました。 ○杉山委員長 以上で井関源二委員の質疑を終了します。 以上で総括質疑を全て終了します。 9月29日(金曜日)からは各分科会が予定されています。本日の委員会終了後、会場設営を行いますので、持参された資料等は、机の中のものも含め、全てお持ち帰りいただくようお願いします。 次回の委員会は10月5日(木曜日)午後1時から当委員会室で開会することを口頭をもって通告します。なお、10月5日は絞り込みは行わず、全員出席となります。また、分科会を含め、決算特別委員会中はマスク着用での出席をお願いします。 以上で本日の決算特別委員会を散会します。 午後5時19分散会
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