令和5年12月12日中野区議会本会議(第4回定例会)
令和5年12月12日中野区議会本会議(第4回定例会)の会議録
23.05.24 中野区議会第2回臨時会(第1号)

1.令和5年(2023年)12月12日、中野区議会議事堂において開会された。

1.出席議員(42名)

  1番  山  内  あきひろ        2番  武  井  まさき

  3番  斉  藤  けいた         4番  井  関  源  二

  5番  黒  沢  ゆ  か        6番  大  沢  ひろゆき

  7番  武  田  やよい         8番  いのつめ  正  太

  9番  間     ひとみ        10番  市  川  しんたろう

 11番  加  藤  たくま        12番  日  野  たかし

 13番  木  村  広  一       14番  吉  田  康一郎

 15番  立  石  り  お       16番  内  野  大三郎

 17番  広  川  まさのり       18番  河  合  り  な

 19番  細  野  かよこ        20番  斉  藤  ゆ  り

 21番  高  橋  かずちか       22番  大  内  しんご

 23番  甲  田  ゆり子        24番  小  林  ぜんいち

 25番  白  井  ひでふみ       26番  小宮山   たかし

 27番  羽  鳥  だいすけ       28番  い  さ  哲  郎

 29番  杉  山     司       30番  ひやま      隆

 31番  山  本  たかし        32番  伊  藤  正  信

 33番  高  橋  ちあき        34番  平  山  英  明

 35番  南     かつひこ       36番  久  保  り  か

 37番  石  坂  わたる        38番  むとう   有  子

 39番  浦  野  さとみ        40番  中  村  延  子

 41番  森     たかゆき       42番  酒  井  たくや

.欠席議員

      な  し

.出席説明員

 中 野 区 長  酒 井 直 人      副  区  長  青 山 敬一郎

 副  区  長  栗 田 泰 正      教  育  長  入 野 貴美子

 企 画 部 長  岩 浅 英 樹      総 務 部 長  濵 口   求

 防災危機管理担当部長 杉 本 兼太郎    DX推進室長  滝 瀬 裕 之

 区民部長、新区役所窓口サービス担当部長 高 橋 昭 彦    文化・産業振興担当部長 高 村 和 哉

 子ども教育部長、教育委員会事務局次長 石 崎 公 一    子ども家庭支援担当部長、教育委員会事務局参事(子ども家庭支援担当) 小 田 史 子

 地域支えあい推進部長、地域包括ケア推進担当部長 石 井 大 輔   健康福祉部長  鳥 井 文 哉

 保 健 所 長  佐 藤 壽志子      環 境 部 長  松 前 友香子

 都市基盤部長  豊 川 士 朗      まちづくり推進部長 角   秀 行

 中野駅周辺まちづくり担当部長 千 田 真 史 企画部企画課長(企画部参事事務取扱) 森   克 久

 総務部総務課長  浅 川   靖

.本会の書記は下記のとおりである。

 事 務 局 長  堀 越 恵美子      事 務 局 次 長  林     健

 議事調査担当係長 鈴 木   均      書     記  立 川   衛

 書     記  若 見 元 彦      書     記  髙 田 英 明

 書     記  鎌 形 聡 美      書     記  田 村   優

 書     記  細 井 翔 太      書     記  早 尾 尚 也

 書     記  堀 井 翔 平      書     記  金 木 崇 太

 書     記  髙 橋 万 里      書     記  川 辺 翔 斗

 

 議事日程(令和5年(2023年)12月12日午後1時開議)

日程第1 第90号議案 令和5年度中野区一般会計補正予算

     第91号議案 令和5年度中野区介護保険特別会計補正予算

     第92号議案 中野区行政財産使用料条例の一部を改正する条例

     第93号議案 中野区職員の高齢者部分休業に関する条例

     第94号議案 訴えの提起について

     第95号議案 中野区新庁舎執務スペース用備品等の買入れに係る議決事項の変更について

     第96号議案 中野区消費生活センター条例の一部を改正する条例

     第97号議案 中野区産業振興センター条例の一部を改正する条例

     第98号議案 中野区もみじ山文化の森施設条例の一部を改正する条例

     第99号議案 中野区区民ホール及び芸能小劇場条例の一部を改正する条例

     第100号議案 中野区区民活動センター条例の一部を改正する条例

     第101号議案 中野区立高齢者会館条例の一部を改正する条例

     第102号議案 中野区地域包括支援センターの職員及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例

     第103号議案 中野区の福祉に関する事務所設置条例の一部を改正する条例

     第104号議案 中野区スポーツ・コミュニティプラザ条例の一部を改正する条例

     第105号議案 中野区立総合体育館の管理及び運営に関する条例の一部を改正する条例

     第106号議案 指定管理者の指定について

     第107号議案 指定管理者の指定について

     第108号議案 指定管理者の指定について

     第109号議案 指定管理者の指定について

     第110号議案 中野区立公園条例の一部を改正する条例

     第111号議案 中野区自転車駐車場条例の一部を改正する条例

     第112号議案 指定管理者の指定について

     第113号議案 中野区立少年自然の家条例の一部を改正する条例

     第118号議案 中野区国民健康保険条例の一部を改正する条例

日程第2 議員提出議案第24号 学校給食費無償化を推進するための財源措置を求める意見書

日程第3 第7号陳情 中野区議会傍聴に関する運営ルールの変更と必要な情報開示を求める陳情

日程第4 第16号陳情 最低賃金1500円の早期実現を求める意見書を政府に提出することについて

日程第5 第17号陳情 中野区の小・中学生の給食費無償化の充実・継続を求める陳情(1項及び2項)

日程第6 令和5年度中野区教育委員会の権限に属する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価(令和4年度分)の結果に関する報告書の提出について

追加議事日程

日程第7 議員提出議案第25号 医療・介護・障害福祉分野における処遇改善等を求める意見書

日程第8 議員提出議案第26号 認知症との共生社会の実現を求める意見書

日程第9 議員提出議案第27号 パレスチナ自治区ガザ地区でのイスラエルとパレスチナの即時停戦を働きかける外交努力を求める意見書

日程第10 第119号議案 令和5年度中野区一般会計補正予算

日程第11 第119号議案 令和5年度中野区一般会計補正予算

 

午後1時00分開議

○議長(酒井たくや) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。

 本日の議事日程は、お手元の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。

 これより日程に入ります。

──────────────────────────────

 第90号議案 令和5年度中野区一般会計補正予算

 第91号議案 令和5年度中野区介護保険特別会計補正予算

 第92号議案 中野区行政財産使用料条例の一部を改正する条例

 第93号議案 中野区職員の高齢者部分休業に関する条例

 第94号議案 訴えの提起について

 第95号議案 中野区新庁舎執務スペース用備品等の買入れに係る議決事項の変更について

 第96号議案 中野区消費生活センター条例の一部を改正する条例

 第97号議案 中野区産業振興センター条例の一部を改正する条例

 第98号議案 中野区もみじ山文化の森施設条例の一部を改正する条例

 第99号議案 中野区区民ホール及び芸能小劇場条例の一部を改正する条例

 第100号議案 中野区区民活動センター条例の一部を改正する条例

 第101号議案 中野区立高齢者会館条例の一部を改正する条例

 第102号議案 中野区地域包括支援センターの職員及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例

 第103号議案 中野区の福祉に関する事務所設置条例の一部を改正する条例

 第104号議案 中野区スポーツ・コミュニティプラザ条例の一部を改正する条例

 第105号議案 中野区立総合体育館の管理及び運営に関する条例の一部を改正する条例

 第106号議案 指定管理者の指定について

 第107号議案 指定管理者の指定について

 第108号議案 指定管理者の指定について

 第109号議案 指定管理者の指定について

 第110号議案 中野区立公園条例の一部を改正する条例

 第111号議案 中野区自転車駐車場条例の一部を改正する条例

 第112号議案 指定管理者の指定について

 第113号議案 中野区立少年自然の家条例の一部を改正する条例

 第118号議案 中野区国民健康保険条例の一部を改正する条例

(委員会報告)

 

○議長(酒井たくや) 日程第1、第90号議案から第113号議案まで及び第118号議案の計25件を一括議題に供します。

 

令和5年(2023年)12月1日

 

中野区議会議長 殿

 

総務委員長 杉山 司

(公印省略)

 

議案の審査結果について

 

本委員会に付託された下記議案は、審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので、中野区議会会議規則第78条の規定により報告します。

 

 

議案番号

件    名

決定月日

90

令和5年度中野区一般会計補正予算

121

91

令和5年度中野区介護保険特別会計補正予算

121

92

中野区行政財産使用料条例の一部を改正する条例

121

93

中野区職員の高齢者部分休業に関する条例

121

94

訴えの提起について

121

95

中野区新庁舎執務スペース用備品等の買入れに係る議決事項の変更について

121

 

令和5年(2023年)12月1日

 

中野区議会議長 殿

 

区民委員長 市川 しんたろう

(公印省略)

議案の審査結果について

 

本委員会に付託された下記議案は、審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので、中野区議会会議規則第78条の規定により報告します。

 

 

議案番号

件    名

決定月日

96

中野区消費生活センター条例の一部を改正する条例

121

97

中野区産業振興センター条例の一部を改正する条例

121

98

中野区もみじ山文化の森施設条例の一部を改正する条例

121

99

中野区区民ホール及び芸能小劇場条例の一部を改正する条例

121

118

中野区国民健康保険条例の一部を改正する条例

121

 

令和5年(2023年)12月1日

 

中野区議会議長 殿

 

厚生委員長 日野 たかし

(公印省略)

議案の審査結果について

 

本委員会に付託された下記議案は、審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので、中野区議会会議規則第78条の規定により報告します。

 

 

議案番号

件    名

決定月日

100

中野区区民活動センター条例の一部を改正する条例

121

101

中野区立高齢者会館条例の一部を改正する条例

121

102

中野区地域包括支援センターの職員及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例

121

103

中野区の福祉に関する事務所設置条例の一部を改正する条例

121

104

中野区スポーツ・コミュニティプラザ条例の一部を改正する条例

121

105

中野区立総合体育館の管理及び運営に関する条例の一部を改正する条例

121

106

指定管理者の指定について

121

107

指定管理者の指定について

121

108

指定管理者の指定について

121

109

指定管理者の指定について

121

 

令和5年(2023年)12月1日

 

中野区議会議長 殿

 

建設委員長 南 かつひこ

(公印省略)

議案の審査結果について

 

本委員会に付託された下記議案は、審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので、中野区議会会議規則第78条の規定により報告します。

 

 

議案番号

件    名

決定月日

110

中野区立公園条例の一部を改正する条例

121

111

中野区自転車駐車場条例の一部を改正する条例

121

112

指定管理者の指定について

121

 

令和5年(2023年)12月1日

 

中野区議会議長 殿

 

子ども文教委員長 斉藤 ゆり

(公印省略)

 

議案の審査結果について

 

本委員会に付託された下記議案は、審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので、中野区議会会議規則第78条の規定により報告します。

 

 

議案番号

件    名

決定月日

113

中野区立少年自然の家条例の一部を改正する条例

121

 

○議長(酒井たくや) お諮りいたします。上程中の議案に関する委員長報告は、会議規則第40条第3項の規定により省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、委員長報告は省略いたします。

 これより討論に入ります。むとう有子議員、平山英明議員から討論の通告書が提出されていますので、順次通告議員の討論を許します。最初に、むとう有子議員。

〔むとう有子議員登壇〕

○38番(むとう有子) ただいま上程されました第96号議案、中野区消費生活センター条例の一部を改正する条例について、反対の立場から討論をいたします。

 本条例改正は、新庁舎移転に伴い、消費生活センターの位置を新庁舎に改めるものです。現在、消費生活センターは、区役所の1階コンビニの右手奥の目立たない場所に位置しており、窓口には1人分の椅子が置いてあるだけです。

 しかし、本日見てみたら、その椅子さえありませんでした。もしも相談者が重なった場合には、さらに奥にある相談室が使われていますが、消費者相談の大半は電話相談だと伺っています。

 そもそもセンターとは、総合的な機能を集めた中心的役割となる機関や施設を意味するものですが、現状はセンターとは名ばかりで、1人分のスペースの相談窓口となっています。新庁舎に移っても、この状況は変わらず、4階に位置するとのことです。

 消費生活センターは、消費者安全法に基づき、地方自治体が条例によって独自に設置しているので、その名称は、消費生活支援センターや消費者センターなど様々なものがあります。センターの業務は、消費者被害の相談、暮らしに役立つ情報提供、消費者の自主的な活動の支援、消費者教育の推進などが上げられます。

 なお、センターの業務は、独立行政法人国民生活センターと連携して行われています。中野区における消費生活センターは、51年前の1972年、区役所に消費者コーナーとして開設したのが始まりです。

 1981年、商工会館との複合施設として、名称を消費者センターに変更し、新井1丁目に移転。1998年、新設した環境リサイクルプラザとの複合施設として中野5丁目に移転。2011年3月、後戻りするように区役所1階に移転し、名称を消費生活センターに変更し、条例から消費者団体支援を削除し、現在に至っています。

 区役所の外に施設が存在していた消費者センターは、消費者相談だけではなく、自主的に消費者問題に取り組む区民団体の育成と支援に力を入れ、区民が自発的に学び、交流し、実践活動をする拠点施設であり、商品テスト室も備えた、まさしくセンターといえる施設でした。

 近隣区を調べてみると、杉並区、新宿区、練馬区、渋谷区は、区役所の外の施設として、かつての中野区消費者センターと同様の機能を備えています。豊島区は、区役所内にありますが、消費者団体活動支援が業務内容にあります。

 今年2月、一般社団法人・全国消費者団体連絡会が、消費者庁長官をはじめとする国の関係機関に、地方消費者行政の充実・強化のための意見を提出しました。その中の一つに、自治体に対して、消費者団体支援策の具体例の紹介と財政支援措置を講ずることを求めています。

 全国消費者団体連絡会の調査では、自治体の消費者団体の育成・支援の意義や位置づけの認識が希薄となっている状況がうかがえる。

 地域の消費者団体の衰退は、地方消費者行政の推進にも大きな影響が生じると考える。消費者、市民社会の形成のため、地域の消費者が自ら学び、啓発などを発信する活動を持続的に行うには、消費者グループ・団体としてともに学び、ともに行動することが不可欠である。行政は、地域の消費者団体を育成し、活動を支援することを通じて、地域連携による消費者被害の防止やSDGs推進の取組などを持続可能な活動にしていく必要がある。

 このように、地域の消費者団体の活動が活発化することで、消費者行政を推進する基盤となると考えられるため、消費者庁に消費者団体の役割を再認識し、自治体に対し、消費者団体支援策の具体例の紹介と財政支援措置を講ずることを求める。

 しかし、地域の消費者団体については、消費者庁が消費者団体基礎調査を数年ごとに実施していたが、2014年を最後に全く実施していないため、現在の消費者団体の実態が把握できていない状況にある。

 昨今のコロナの状況を踏まえると、各地の消費者団体の活動の衰退に拍車がかかっているとも懸念される。まずは、消費者庁において、各自治体における消費者団体の実態把握と育成・支援の実情にについて、全体的な調査を行う必要があるとの御意見です。この調査結果での消費者団体の育成・支援の意義や位置づけの認識が希薄との指摘は、まさに中野区の消費者行政そのものです。

 本年第3回定例会の一般質問で、私は消費生活センターを、かつての消費者センターのように、区民とともに課題を克服すべき目的を持った実践活動の場を備えた在り方の検討を求め、面積の取れない新庁舎に、相談窓口だけの名ばかりのセンターではなく、庁舎外に名実を伴うセンターの設置を求める質疑をいたしました。

 しかし、区は全く意に介さず、本条例改正は新庁舎4階に相談窓口のみを設置するためのものであり、消費者行政の衰退を招くものであると判断し、賛成することはできません。

 以上、第96号議案、中野区消費生活センター条例の一部を改正する条例についての反対討論といたします。

○議長(酒井たくや) 次に、平山英明議員。

〔平山英明議員登壇〕

○34番(平山英明) 上程中の第92号議案、中野区行政財産使用料の一部を改正する条例について、公明党議員団の立場で賛成討論を行います。

 本議案は、これまでの施設使用料の見直しの考え方を改め、新たに定めた見直し方針に基づき、使用料の一部を改正することと併せ、職員研修センターの廃止に伴う削除と区役所新庁舎施設の使用料を新たに定めるものです。

 現行の施設使用料は、平成19年に区が行った大幅な施設使用料の見直しによるものですが、フルコストによる使用料の算出は区民負担が大きく、議会として当初から修正案の提案可決や東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を契機としたスポーツ施設の半額措置導入提案など、急激な負担増の軽減の対策を講じてきたところです。

 区民に負担のかかる現在のフルコスト計算の使用料を改め、区民目線で、より利用しやすく、コストにより、変動しない施設使用料を設定とする。酒井区政により新たな見直し案が示されたのは令和2年ですが、その後に発生した新型コロナウイルス感染拡大の区財政への影響の懸念から、次の改定を令和6年度に延期としました。

 そのため、今回の条例改正が酒井区政にとって初めての使用料の見直しとなります。新たな見直し方針の主なポイントは二つ。現行の算出方法にある減価償却費の半減、性質別負担割合のうち、スポーツ施設についての利用者負担率の一部変更であり、そして方針とは別に、来年度終了予定の東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を契機としたスポーツ施設の半額措置を、新たな軽減策として当面の間、半額措置を継続し、次回の使用料見直しの際に改めて検討を行うというものです。

 区民の文化やスポーツ活動の促進のため、またコロナ禍、そして物価高騰下に苦しむ区民の負担軽減に取り組まれた姿勢は評価をし、結果として多くの施設で使用料の減額となる本条例改正案には賛成をいたします。

 しかし、現在までの算出方法はそのままで、減価償却費や性質別負担割合の係数のみを変更し、その上でスポーツ施設の半減策はそのまま継続との手法は、コストにより変動しない施設使用料の設定といえるのか疑問であり、具体的な課題を2点指摘させていただきます。

 一つには、これまでの算出方法を踏襲したことです。減価償却費について、特定財源の活用を理由に半減とし、一部スポーツ施設の性質別負担割合を70%から50%に減じたものの、今後多くの施設が更新時期を迎える中で、算出方法は変えないままの見直しでは、減価償却費も増加していくことが想定されます。全く新しい手法で見直し方針を定めるべきだったのではないでしょうか。

 もう一つは、スポーツ施設の半額措置の継続です。半額措置によるスポーツ施設の利用率増加や、区民意識調査の健康と感じる区民の割合が低下しているなどを理由としていますが、文化施設などで同様の検証や調査を行ったのでしょうか。文化はまさに心の健康につながるものであり、様々な活動の制限が続いた区民にとっては、スポーツ以外も同じ状況であり、執行機関は公平を旨とすべきです。

 今回の見直し方針は、ひとまず現状より料金を下げることが目的に見え、目指したコストにより変動しない施設使用料の設定には及ばず、課題を先送りしたと言わざるを得ません。

 中野区基本計画にある財政運営の考え方には、受益者負担、区民の間の税負担の適正化を図るため、使用料及び手数料について継続的な点検・見直しを行いますとあります。

 次の改定を前に、区の目指す施設使用料設定のための公平で適正な見直し方針の確立を検討し、検討経過も含めて適宜適切に議会へ報告されることを求めて、賛成の討論といたします。

○議長(酒井たくや) 他に討論がなければ、討論を終結いたします。

 これより第90号議案から第95号議案まで、第97号議案から第113号議案まで及び第118号議案の計24件と第96号議案とに分けて採決いたします。

 初めに、第90号議案から第95号議案まで、第97号議案から第113号議案まで及び第118号議案の計24件について採決いたします。

 ただいまの議案計24件を委員会報告どおり可決するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 次に、第96号議案について、起立により採決いたします。

 上程中の第96号議案を委員会報告どおり可決するに賛成の方は御起立願います。

〔賛成者起立〕

○議長(酒井たくや) 起立多数。よって、上程中の第96号議案は可決するに決しました。

 議事の都合により暫時休憩いたします。

午後1時16分休憩

 

午後1時35分開議

○議長(酒井たくや) 会議を再開いたします。

 この際、申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。

 お諮りいたします。この際、本日の日程を追加し、日程第10、第119号議案、令和5年度中野区一般会計補正予算を先議するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう議事を進行いたします。

──────────────────────────────

 第119号議案 令和5年度中野区一般会計補正予算

 

○議長(酒井たくや) 日程第10、第119号議案、令和5年度中野区一般会計補正予算を上程いたします。

 理事者の説明を求めます。

〔副区長青山敬一郎登壇〕

○副区長(青山敬一郎) ただいま上程されました第119号議案につきまして、提案理由の説明をいたします。

 第119号議案、令和5年度中野区一般会計補正予算は、歳入歳出にそれぞれ28億433万2,000円を追加計上するものです。これにより、既定予算との合計額は2,113億876万8,000円となります。

 この補正の歳出予算の内容は、総務費につきまして、令和5年度価格高騰支援給付金の追加給付に係る経費28億433万2,000円を追加計上するものです。この補正の歳入予算といたしましては、繰入金28億433万2,000円を追加計上するものです。

 続きまして、繰越明許費の補正について説明いたします。

 これは、今年度内にその支出が終わらない見込みである令和5年度価格高騰支援給付金の追加給付に係る経費2億9,484万5,000円について、翌年度に繰越しを行うため追加計上するものです。

 続きまして、債務負担行為の補正について説明いたします。

 令和5年度価格高騰支援給付金の追加給付に係るコールセンター等業務委託について、期間が2年度にわたるため、令和5年度及び令和6年度分経費4,000万円、令和5年度価格高騰支援給付金の追加給付に係るシステム開発及び運用保守業務委託について、期間が2年度にわたるため、令和5年度及び令和6年度分経費992万7,000円及び令和5年度価格高騰支援給付金の追加給付に係るパーティション賃借について、期間が2年度にわたるため、令和5年度及び令和6年度分経費40万円を追加計上するものです。

 以上、本議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。

○議長(酒井たくや) 本件について御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 上程中の議案は、会議規則に従い、総務委員会に付託いたします。

 議事の都合により暫時休憩いたします。

午後1時39分休憩

 

午後2時35分開議

○議長(酒井たくや) 会議を再開いたします。

 お諮りいたします。この際、本日の日程をさらに追加し、日程第11、第119号議案、令和5年度中野区一般会計補正予算を先議するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう議事を進行いたします。

──────────────────────────────

 第119号議案 令和5年度中野区一般会計補正予算

(委員会報告)

 

○議長(酒井たくや) 日程第11、第119号議案、令和5年度中野区一般会計補正予算を議題に供します。

 

令和5年(2023年)12月12日

 

中野区議会議長 殿

 

総務委員長 杉山 司

(公印省略)

 

議案の審査結果について

 

本委員会に付託された下記議案は、審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので、中野区議会会議規則第78条の規定により報告します。

 

 

議案番号

件    名

決定月日

119

令和5年度中野区一般会計補正予算

1212

 

○議長(酒井たくや) お諮りいたします。上程中の議案に関する委員長報告は、会議規則第40条第3項の規定により省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、委員長報告は省略いたします。

 これより討論に入ります。大沢ひろゆき議員から討論の通告書が提出されていますので、通告議員の討論を許します。大沢ひろゆき議員。

〔大沢ひろゆき議員登壇〕

○6番(大沢ひろゆき) 第119号議案、令和5年度中野区一般会計補正予算について、都民ファーストの会中野区議団として、賛成の立場にて討論をいたします。

 本議案は、歳入歳出予算にそれぞれ28億433万2,000円を追加し、繰越明許費として2億9,484万5,000円、債務負担行為に5,032万7,000円を追加するものです。

 今回の補正予算の用途は、その全てが価格高騰支援給付金として、住民税非課税世帯に対して世帯当たり7万円を追加給付するためのものです。本件、給付そのものについては異論はありませんが、予算計上のやり方について課題があると考えています。

 かねてより第3回定例会、令和4年度決算認定に係る特別委員会等にて度々指摘申し上げているように、令和4年度115億円に達した不用額の計上については、中野区の課題の一つであり、この点については、答弁において区長も認識されているところです。私からも、原則、実績に伴う予算計上をお願いしてきたところです。

 しかし、今回6月から10月にかけて実施した3万円の給付金のうち、今回対象となっている住民税非課税世帯への支給実績が90%程度であるところ、100%、4万2,000世帯への支給を前提として予算が計上されました。

 担当の方とのお話の中で、口座が分かる方への一括振込など、支給の迅速化に工夫をされていることはとてもよく分かりました。しかし、残念ながら現在リーチできていない約4,000の世帯に対してリーチするための新たな有効な追加施策はお聞きできませんでした。

 例えば現在、インバウンド専門、入庫時の対応を専門としているコールセンターにおいて、アウトバウンドを実施するなど方策も考えられると思います。

 そして、アウトバウンドで連絡がつかなかったり、連絡がついても対応が困難と思われるような方には、アウトリーチにつなげるなど、地域包括ケアへの入り口として有効に活用しながら、一人でも多くの必要な方に支援を行き届かせることにつなげるべきであると思います。

 今90%しか支給できていない給付金について、慣習的に100%計上を行うのではなく、例えば95%計上とし、残り5%は支給率を上げるための施策に使用するなどのほうが、実際にはより多くの必要な区民に有効な施策を行き届かせることにつながると考えます。

 100%計上し、10%が不用額となる現在の運用を改め、限られた財源をより有効に活用し、一人でも多くの必要な方にお届けする観点から、現在策定中の令和6年度予算を含め、今後の補助金・給付金の予算計上の在り方及び執行率向上のための具体的な施策の検討につき強く要望し、賛成の討論とさせていただきます。

 以上でございます。

○議長(酒井たくや) 他に討論がなければ、討論を終結いたします。

 これより採決いたします。

 上程中の議案を委員会報告どおり可決するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

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 議員提出議案第24号 学校給食費無償化を推進するための財源措置を求める意見書

 

○議長(酒井たくや) 日程第2、議員提出議案第24号、学校給食費無償化を推進するための財源措置を求める意見書を上程いたします。

 提案者代表の説明を求めます。斉藤ゆり議員。

〔斉藤ゆり議員登壇〕

○20番(斉藤ゆり) ただいま議題に供されました議員提出議案第24号、学校給食費無償化を推進するための財源措置を求める意見書につきまして、提案理由の説明を申し上げます。

 なお、提案理由、提案説明は案文の朗読をもって代えさせていただきたいと存じますので、御了承願います。

 学校給食費無償化を推進するための財源措置を求める意見書。

 近年は物価高騰が続き、家庭は教材費や被服費、学用品、修学旅行積み立て金など多くを負担しており、中でも給食費が大きな負担となっている。

 そのため学校給食費については、多くの自治体で無償化が実施されており、中野区でも給食費相当額を給付する、実質無償化を行ったところである。

 そもそも学校給食法第2条で定める学校給食の目標達成に向け、学校では給食を通じた食育が行われてきた。

 その意義は大きく、学校給食は教科学習とともに、学校教育の大きな柱となっている。

 教科書については義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律等により、無償化することが図られている。

 一方で、給食費は保護者負担であり、自治体独自で学校給食費無償化を実現するためには、財源確保が大きな課題となっている。少子化が進む中、子育て支援策としても給食費無償化は国の重要な施策であると考える。

 よって、中野区議会は国会、政府及び東京都に対し、学校給食費無償化を推進するため、財源措置を行うよう、強く要望する。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

 年月日。

 衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、財務大臣、文部科学大臣、東京都知事あて。

 中野区議会議長名。

 以上でございますが、同僚議員におかれましては、何とぞ満場一致で御賛同賜りますようお願い申し上げ、提案理由の説明といたします。

○議長(酒井たくや) 本件について御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 本件は、委員会付託を省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、委員会付託を省略いたします。

 本件については、討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、これより採決いたします。

 上程中の議案を原案どおり可決するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 ただいまの議決により、子ども文教委員会に付託した第17号陳情、中野区の小・中学生の給食費無償化の充実・継続を求める陳情(3項)は、みなし採択となりますので、さよう御了承願います。

 お諮りいたします。この際、本日の日程をさらに追加し、日程第7、議員提出議案第25号、医療・介護・障害福祉分野における処遇改善等を求める意見書を先議するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう議事を進行いたします。

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 議員提出議案第25号 医療・介護・障害福祉分野における処遇改善等を求める意見書

 

○議長(酒井たくや) 日程第7、議員提出議案第25号、医療・介護・障害福祉分野における処遇改善等を求める意見書を上程いたします。

 提案者代表の説明を求めます。森たかゆき議員。

〔森たかゆき議員登壇〕

○41番(森たかゆき) ただいま議題に供されました議員提出議案第25号、医療・介護・障害福祉分野における処遇改善等を求める意見書につきまして、提案理由の説明を申し上げます。

 なお、提案説明は、案文の朗読をもって代えさせていただきたいと存じますので、御了承願います。

 医療・介護・障害福祉分野における処遇改善等を求める意見書。

 介護事業所や障害福祉事業所では、人材の確保・定着が難しく、運営に支障をきたす事態が深刻になっている。また、募集しても応募がなく、公的に定められた人員配置基準は何とか満たしたとしても、現場で必要としている職員数に満たない欠員状態が続く事業所が多いのが現状である。

 厚生労働省の賃金構造基本統計調査(2022年6月)でも、福祉施設等の介護職員の超過勤務手当などを含む平均賃金は月額25万7,500円で、全産業平均の34万100円と比べて、8万円を超える格差がある。

 今日、最低賃金の引き上げや大手企業を中心にベースアップ(基本給の引き上げ)などによって賃上げが進む中で、介護職員などへの対策は打たれておらず、賃金格差がさらに拡大している。

 また、8月に出された人事院勧告は民間企業の賃上げをうけてプラス改定となり、私立保育園等の公定価格や児童養護施設の措置などは4月にさかのぼって増額される一方で、介護報酬や障害福祉サービス等報酬には反映されない状況である。

 介護や障害福祉を支える職員は、専門職として位置づけられているにも関わらず低賃金であり、人手不足による過酷な労働を強いられることが続けば職員の離職に歯止めがかからない状態に陥り、施設の運営も困難となり、必要な福祉サービスの提供ができなくなる恐れがある。

 よって中野区議会は、政府に対し、以下の通り、介護職員等の賃金水準を確保するための制度改革と同時に、職員の人権を尊重し生活を保障する取り組みを迅速に推進することを強く求める。

 記。

 1 医療・介護・障害福祉分野の賃上げについて、報酬引き上げなど経済対策での処遇改善支援事業を早期に実施すること。

 その上で、2024年度の同時改定においては、物価高騰・賃金上昇等を踏まえ処遇改善等を行うこと。

 2 新型コロナウイルス感染による緊急時のサービス提供に必要な介護人材確保のため、手当の支給など、地域医療介護総合確保基金における「新型コロナウイルス感染症流行下における介護サービス事業所等のサービス提供体制確保事業」の活用を推進すること。

 3 介護や障害福祉を支える職員は、専門職として位置づけられており、高齢化社会を支える必要不可欠な人材であることから、生活基盤を強化するため、公営住宅の空き家の「地域対応活用」や家賃助成支援を促進すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 年月日。

 財務大臣、厚生労働大臣、国土交通大臣あて。

 中野区議会議長名。

 以上でございますが、同僚議員におかれましては、何とぞ満場一致で御賛同賜りますようお願い申し上げ、提案理由の説明といたします。

○議長(酒井たくや) 本件について御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 本件については、委員会付託を省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、委員会付託を省略いたします。

 本件については、討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、これより採決いたします。

 上程中の議案を原案どおり可決するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 お諮りいたします。この際、本日の日程をさらに追加し、日程第8、議員提出議案第26号、認知症との共生社会の実現を求める意見書を先議するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう議事を進行いたします。

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 議員提出議案第26号 認知症との共生社会の実現を求める意見書

 

○議長(酒井たくや) 日程第8、議員提出議案第26号、認知症との共生社会の実現を求める意見書を上程いたします。

 提案者代表の説明を求めます。森たかゆき議員。

〔森たかゆき議員登壇〕

○41番(森たかゆき) ただいま議題に供されました議員提出議案第26号、認知症との共生社会の実現を求める意見書につきまして、提案理由の説明を申し上げます。

 なお、提案説明は案文の朗読をもって代えさせていただきたいと存じますので、御了承願います。

 認知症との共生社会の実現を求める意見書。

 認知症の高齢者が2025年には約700万人になると想定されている現実に対して、認知症の人が尊厳を保持しつつ希望を持って暮らすことができるよう、認知症施策を総合的かつ計画的に推進するための共生社会の実現を推進する認知症基本法が先の国会で成立した。

 現在、政府において、認知症と向き合う「幸齢社会」実現会議において、認知症の本人及びその家族をはじめ、認知症に関わる様々な方々から幅広い意見を聴きながら、認知症基本法の施行に先立っての方針を取りまとめている。

 今こそ、認知症の人を含めた国民一人一人がその個性と能力を十分に発揮し、相互に人格と個性を尊重しつつ支え合いながら共生する活力ある社会(=共生社会)の実現をという目的に向かって、認知症施策を国と地方が一体となって進めていくときである。

 私たちが目指す共生社会とは、誰もが認知症になる可能性がある中で、生活上の困難が生じた場合でも、重症化を予防しつつ持てる力を生かしながら、周囲や地域の理解と協力の下、本人は希望を持って地域の中で尊厳が守られ、自分らしく暮らし続けることができる社会である。

 よって中野区議会は、政府に対し、認知症との共生社会の実現に必要な予算措置も含め、行政の体制を一層強化させ、一刻も早い認知症との共生社会を、各地域で実現することを強く求める。

 記。

 1 政府は、立法の趣旨を踏まえ、認知症に対する偏見や差別を解消するため、古い常識の殻を破り、基本的人権に根差した希望ある新しい認知症観の確立のために、省庁横断的かつ総合的な取り組みの推進に総力を挙げること。

 2 地方自治体に対し、共生社会の実現に向けた総合的かつ連続的な計画の策定を可能にする専門人材の派遣など、適切な支援を行うこと。また、各自治体が主体的に実効性の高い施策を自在に展開するために、自由度の高い事業展開と予算措置のあり方を検討すること。

 3 若年性認知症の人等の就労や社会参画を支える体制整備を進めるとともに、働きたい認知症の人の相談体制を充実し、本人の状態に応じて、参画する事業者も含めた社会環境を整備すること。

 4 一つの事業所で相談から訪問介護、通所、ショートステイまで、状態の変化に応じて継続的に対応できるオール・イン・ワンの介護保険サービスを提供する小規模多機能型居宅介護サービス事業について、見守り体制の整備も含めて拡充すること。

 5 認知症になったとしても、その状態に応じて、安全に安心して生活が出来る社会環境の構築に向け、一人一人の意思を最大限に尊重した成年後見制度や身元保証等のあり方について現状の課題を整理し検討を進めること。また、住まいに課題を抱える方々に対する総合的な相談対応、一貫した支援を行う実施体制を整備すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 年月日。

 総務大臣、財務大臣、厚生労働大臣あて。

 中野区議会議長名。

 以上でございますが、同僚議員におかれましては、何とぞ満場一致で御賛同賜りますようお願い申し上げ、提案理由の説明といたします。

○議長(酒井たくや) 本件について、御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 本件については、委員会付託を省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、委員会付託を省略いたします。

 本件については、討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、これより採決いたします。

 上程中の議案を原案どおり可決するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 お諮りいたします。この際、本日の日程をさらに追加し、日程第9、議員提出議案第27号、パレスチナ自治区ガザ地区でのイスラエルとパレスチナの即時停戦を働きかける外交努力を求める意見書を先議するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう議事を進行いたします。

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 議員提出議案第27号 パレスチナ自治区ガザ地区でのイスラエルとパレスチナの即時停戦を働きかける外交努力を求める意見書

 

○議長(酒井たくや) 日程第9、議員提出議案第27号、パレスチナ自治区ガザ地区でのイスラエルとパレスチナの即時停戦を働きかける外交努力を求める意見書を上程いたします。

 提案者代表の説明を求めます。森たかゆき議員。

〔森たかゆき議員登壇〕

○41番(森たかゆき) ただいま議題に供されました議員提出議案第27号、パレスチナ自治区ガザ地区でのイスラエルとパレスチナの即時停戦を働きかける外交努力を求める意見書につきまして、提案理由の説明を申し上げます。

 なお、提案説明は案文の朗読をもって代えさせていただきたいと存じますので、御了承願います。

 パレスチナ自治区ガザ地区でのイスラエルとパレスチナの即時停戦を働きかける外交努力を求める意見書。

 今回のパレスチナ自治区ガザ地区の危機の直接の契機は、10月7日のハマスによる無差別攻撃にあります。民間人を無差別に殺傷することは国際法違反であり、それを強く非難するとともに、人質の即時解放を求めるものです。

 同時に、パレスチナ自治区ガザ地区へのイスラエル軍の侵攻では、病院や難民キャンプ、救急車の車列が攻撃され、多くの民間人が犠牲になっています。

 イスラエル側は1200人の死者が出るとともに、12月7日時点でパレスチナ人の死者は1万7000人を超え、この中には7000人以上の子どもが含まれています。

 また、負傷者は4万6000人を超え、いまなお、人道的危機の状況は広がりを見せています。

 この危機を一刻も早く止めるためには、各国政府、国際機関が、「即時停戦を」の一点で、緊急の行動をさらに強めることが必要です。

 よって中野区議会は、政府に対し、双方に即時停戦を働きかける外交努力を求めます。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。

 年月日。

 内閣総理大臣、外務大臣、内閣官房長官あて。

 中野区議会議長名。

 以上でございますが、同僚議員におかれましては、何とぞ満場一致で御賛同賜りますようお願い申し上げ、提案理由の説明といたします。

○議長(酒井たくや) 本件について御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 本件については、委員会付託を省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、委員会付託を省略いたします。

 本件については、討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、これより起立により採決いたします。

 上程中の議案を原案どおり可決するに賛成の方は御起立願います。

〔賛成者起立〕

○議長(酒井たくや) 起立多数。よって、上程中の議案は可決するに決しました。

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 第7号陳情 中野区議会傍聴に関する運営ルールの変更と必要な情報開示を求める陳情

(委員会報告)

 

○議長(酒井たくや) 日程第3、第7号陳情、中野区議会傍聴に関する運営ルールの変更と必要な情報開示を求める陳情を議題に供します。

 

令和5年(2023年)11月29日

 

中野区議会議長 殿

 

議会運営委員長 森 たかゆき

(公印省略)

陳情の審査結果について

 

本委員会に付託された陳情を審査の結果、下記のとおり決定したので、中野区議会会議規則第94条の規定により報告します。

 

 

受理番号

件  名

審査結果

決定月日

意見

措置

7

陳情

中野区議会傍聴に関する運営ルールの変更と必要な情報開示を求める陳情

採択

すべきもの

1129

 

 

 

○議長(酒井たくや) お諮りいたします。上程中の陳情に関する委員長報告は、会議規則第40条第3項の規定により、省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、委員長報告は省略いたします。

 これより討論に入ります。市川しんたろう議員、羽鳥だいすけ議員、吉田康一郎議員から討論の通告書が提出されていますので、順次通告議員の討論を許します。最初に、市川しんたろう議員。

〔市川しんたろう議員登壇〕

○10番(市川しんたろう) 自由民主党議員団の立場から第7号陳情、中野議会傍聴に関する運営ルールの変更と必要な情報開示を求める陳情に対して賛成の立場で討論いたします。

 本陳情は、令和5年6月26日付で議会運営委員会に付託され、我が会派は議会運営協議会で協議すべきという判断から継続審査とすることといたしました。

 また、本陳情は中野区議会の運営に関わることであり、陳情が可決された際には、実現をする責務が生じ、陳情の内容が実現可能か議論せずに可決することは非常に無責任であるという考えから、継続審査をこれまでしてきたところであります。

 結果として、9月7日、本陳情は議会運営協議会において、議会運営改善検討会で議論することが確認され、陳情の六つの項目をそれぞれ当てはまる改善検討会の検討事項に入れ込み、協議することが確認されました。

 陳情の1項目「区議会本会議での一般質問及び委員会の議題と審査順番を事前にホームページに掲示してください」及び陳情の2項目「議案及び報告資料を当日開会前にホームページに掲載してください」は、多くの方々に中野区議会を傍聴していただくために必要な情報公開であり、協議の結果、実現を妨げるハードルはさほどないとの認識であります。

 陳情の3項目「本会議及び予算・決算特別委員会のライブ中継を実施してください」及び陳情の4項目「区議会特別委員会及び常任委員会のインターネット中継を実施してください」は、中野区役所新庁舎の議会には、それぞれカメラが設置される予定です。しかし配信システム、運用方法などが決まっておらず、中継を実現するためには早急な検討が必要であります。

 陳情の5項目「区議会本会議及び各委員会の写真・動画の撮影、録音を当日傍聴受付時に届け出すれば、開会中に限って許可する運用にしてください」及び陳情の6項目「PC・タブレット・スマホを本会議各委員会室内に持ち込み使用することを、当日傍聴受付時に届けすれば、許可する運用にしてください」は、いわゆる「切り取り」といわれる人物の発言などを一部だけ切り取って誤解を与えるような恣意的な情報操作がされる懸念に対して、一定の対策が必要と考えます。ホームページにおけるインターネット中継動画のアーカイブ、目的外利用の禁止ルールなどの検討が急がれます。

 今後、数々の検討すべき項目がありますが、中野区議会に関する陳情を可決するからには、その内容を必ず実現しなければならないと決意を申し上げ、本陳情に対する賛成討論とさせていただきます。

○議長(酒井たくや) 次に、羽鳥だいすけ議員。

〔羽鳥だいすけ議員登壇〕

○27番(羽鳥だいすけ) ただいま上程されました第7号陳情、中野区議会傍聴に関する運営ルールの変更と必要な情報開示を求める陳情につきまして、日本共産党議員団の立場から賛成の討論を行います。

 本陳情は、区議会に対して、区議会本会議及び各委員会の傍聴に関連して、現在の運用を6項目にわたって見直すことを求めるものです。陳情者が審査の際に持ってこられた補足説明資料には、中野区議会と他区議会での傍聴に関する運用ルールの比較一覧があります。

 また、同時に持ってこられた2023年6月5日付の東京新聞記事、「東京23区の区議会傍聴いちからガイド 質問は事前公表?撮影できる?「開かれた議会」進み具合は」では、各区の開かれた議会に関する取組状況が比較されており、中野区議会の取組はかなり遅れていると言わざるを得ません。今回の陳情で求められている必要な改革を行って、ようやく他区議会と肩を並べる水準に到達できます。

 中野区自治基本条例は、第1条目的において、区民の意思を反映させた区政運営及び区民の自治の活動を推進し、もって安心して生き生きと暮らせる地域社会を実現することを目的とすると述べています。

 そして、第4条区議会の役割及び責務において、区議会は、区議会の保有する情報を公開し、区民との情報共有を図るものとすると述べています。ここには、区議会が持つ情報を区民に広く共有することが、中野区の自治の発展にとって重要であるとの認識が込められています。

 しかし、現在の区議会の運用ルールは、そうした条文の認識が十分に反映されたものとなっているでしょうか。

 主旨の1項、2項にも述べられているとおり、現在の運用ルールでは、区民は当日議場あるいは委員会室に来るまで、一般質問の項目は何か、委員会の所管事項報告は何かといった情報を知ることができません。区議会で何が議論されているのかを事前に知ることができなければ、傍聴に来ようという気すら起きません。

 主旨の3項、4項では、区議会の審議状況をライブ中継もしくはインターネット中継で視聴できるようにすることを求めています。

 様々な事情により、議場に来られない区民もいるでしょうが、現在は、本会議と予・決算特別委員会の全日程が後日配信されているにすぎません。自宅からでも区議会の様子を時間的な差がなく見ることのできる体制が必要ではないでしょうか。

 また、主旨の5項、6項で述べられているように、現在の運用では、傍聴にいらした区民が審議の内容を記録するために必要なものを十分に持ち込むことが許可されていません。区議会の審議は区民のものです。傍聴にいらした区民が審議状況をメモし、広く区民に伝えるために必要なものの持ち込みは認められるべきではないでしょうか。

 区議会の改革の意思として、本陳情を採択することが必要不可欠であることを申し上げ、賛成の討論といたします。

○議長(酒井たくや) 次に、吉田康一郎議員。

〔吉田康一郎議員登壇〕

○14番(吉田康一郎) 第7号陳情について討論をいたします。

 陳情の1項から4項まで、議会が審議する議題等の事前の提示と、議会の審議の模様のインターネット中継を求める要望については、国会においても情報公開の一環として、衆参両院の審議の模様をインターネット生中継しており、必要であると考えます。

 5項と6項については、1項から4項までの項目が実施され、インターネット生中継が行われれば、別途個人が撮影、録音、録画を行わなくとも議会の審議の模様が基本的に提供されることになります。

 他方、議会の開会中にカメラ、スマートフォン等の持ち込みと使用を許可することには、問題を生じる懸念があります。議員自体にも議場へのスマートフォンの持ち込みと使用が禁じられているのは、着信があったときの着信音、着信メロディ、各種通知音、曲や音声が生じると審議が妨害され、中断されるからであります。また、カメラやスマホで撮影すると生じるシャッター音も同様であります。

 多くの議会において、傍聴者は議場における言論に対して、拍手、その他の方法により、公然と可否を表明しないこと、鉢巻き、腕章、たすき、ゼッケン、ヘルメットの類いを着用し、または垂れ幕、横断幕の類いを掲げることなど、恣意的行為をしないこと等が傍聴規則で定められています。

 これは、言論の府である議会において、選挙により正当に選出された議員が、言論以外の方法により威迫を受け、審議がゆがめられることを防ぐためであると解することができます。

 本年6月8日、参議院法務委員会において、傍聴席からの発言は認められていないにもかかわらず、東京新聞の望月衣塑子という者が、傍聴席から不規則発言を繰り返し、大問題となりました。

 世の中は、残念ながらルールや規則、法律を守る良識的な人間だけで構成されているわけではなく、悪意ある者の逸脱行為を事前に防止する方策も必要であります。

 本陳情者、区民の声を聞く中野区政を実現させる会は、本年4月の中野区議会議員選挙の直前に、私ともう一人の議員が、「国連人種差別撤廃条約が、国籍による区別は条約の対象とならないことを明確にしている。国籍による区別は差別ではない」という、我が国も批准している国際条約の考え方を無視した文言の条例案に反対したことについて、何と「国籍による差別は当然だと主張している」とすり替え、ねじ曲げ、捏造し、その誤った中傷ビラを新聞折り込みまでして、選挙に影響を与えようとしました。

 また、他のある議員については、生活保護の不正受給の防止対策に取り組んでいたことについて、生活保護を敵視する人とすり替え、ねじ曲げ、捏造し、区議に選んではいけないとし、事実に基づかない落選運動をしています。

 例示は2例にとどめますが、議会の情報公開は必要でありますが、それを悪用した画像や音声、動画の切り取りやすり替え、捏造による誹謗中傷、誤情報の拡散といった行為が認められるわけではなく、それらを防止する対策も当然に必要であります。

 中野区議会では、本陳情に関連する議会改革の検討が行われています。私としても、引き続き議会改革に取り組んでいくことを申し添え、本陳情についての討論を終わります。

○議長(酒井たくや) 他に討論がなければ、討論を終結いたします。

 これより採決いたします。

 上程中の陳情を採択するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、上程中の陳情は採択するに決しました。

──────────────────────────────

 第16号陳情 最低賃金1500円の早期実現を求める意見書を政府に提出することについて

(委員長報告)

 

○議長(酒井たくや) 日程第4、第16号陳情、最低賃金1500円の早期実現を求める意見書を政府に提出することについてを議題に供します。

 

令和5年(2023年)12月1日

 

中野区議会議長 殿

区民委員長 市川 しんたろう

(公印省略)

 

陳情の審査結果について

 

本委員会に付託された陳情を審査の結果、下記のとおり決定したので、中野区議会会議規則第94条の規定により報告します。

 

 

受理番号

件  名

審査結果

決定月日

意見

措置

16

陳情

最低賃金1500円の早期実現を求める意見書を政府に提出することについて

採択   すべきもの

121

 

 

 

○議長(酒井たくや) 区民委員会の審査の報告を求めます。市川しんたろう区民委員長。

〔市川しんたろう議員登壇〕

○10番(市川しんたろう) ただいま議題に供されました第16号陳情、最低賃金1500円の早期実現を求める意見書を政府に提出することについてに関しまして、区民委員会における審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。

 本陳情は、最低賃金1500円の早期実現を求める意見書を政府に提出することを求めるものです。

 本陳情は、令和5年11月14日に受理され、11月29日の本会議において当委員会に付託され、12月1日に審査を行いました。

 審査の進め方として、本陳情を議題に供した後、委員会を休憩して、陳情者から補足資料の提供と補足説明を受け、その後、委員会を再開し、質疑を行いました。

 その主な質疑応答の内容を紹介します。

 初めに、物価が高騰している中で、実質賃金を上げていくことは重要だが、一方で最低賃金が上がることで、中小零細企業や個人事業主の経営が厳しくなる可能性がある。中野区の有効求人倍率と完全失業率を把握しているのかとの質疑があり、完全失業率は、中野区単位のデータは直近が令和2年時点となるが4%となっている。また、有効求人倍率は令和5年9月末時点で、中野区、新宿区、杉並区のハローワーク新宿管内で2.5倍となっており、東京都の1.83倍、全国の1.29倍と比較すると高い傾向にあるとの答弁がございました。

 これに対し、中野区の事業者について、最低賃金が1,500円に上がった場合には経営が成り立たなくなり、倒産での失業や雇用が減らざるを得なくなる事態が想定されるのではないかとの質疑があり、急激に最低賃金が上昇すると、事業所の負担も急激に増加することが予想され、多くの事業者が影響を受け、経営が厳しくなることが想定されるとの答弁がありました。

 次に、最低賃金を上げるためには、中小企業への経営支援が必要であると考えるが、経営支援があれば、最低賃金を上げることを検討するという事業者の意向は把握しているのかとの質疑があり、直接的な意見を把握していないが、経営者にとっての課題は様々あり、課題に応じた支援を行う必要があると考えているとの答弁がございました。

 以上が、主な質疑応答の内容です。

 その後、委員会を休憩し、取扱いを協議した後、委員会を再開し、さらに質疑を求めましたが質疑はなく、質疑を終結しました。

 次に、意見の開陳を求めたところ、意見はなく、意見の開陳を終結しました。

 次に、討論を求めたところ、1名の委員が、本陳情に反対する立場から、物価が上がっている現在の状況の中で、実質賃金を上げていくことは重要であるが、一般的に賃金が上がると失業率が上がると言われている。実質賃金が上がるよう、物価や雇用の状況を見ながら、スモールステップで上げていくことについては賛成するところであるが、1,500円という数字を出し、引き上げていくことは、経済に与える影響や雇用を守るという観点からも心配である。中野区内の中小企業や個人事業主における費用や賃金支払いの状態、全国的な状況を抜きにしては考えられず、現在の段階で早期に1,500円に引き上げていくことは賛成できないため、本陳情について反対するとの討論を行いました。

 次に、1名の委員が、本陳情に賛成する立場から、日本の最低賃金は、この30年間ほぼ横ばいであり、OECD加盟国の中でも最も低い水準にある。最低賃金1,500円は、普通に暮らすために必要な金額として試算され、手取りで月収20万円である。家賃、光熱水費などを考えれば、決して高過ぎる賃金ではない。中野で暮らし続けたいと考える方々が普通に暮らせる賃金となることは、低賃金の中で支出を切り詰める生活から消費に回す余裕が生まれることにつながり、中野の地域経済活性化の観点からも重要な要素であると考えるため、本陳情に賛成するとの討論を行いました。

 さらに、討論を求めましたが、討論はなく、討論を終結しました。

 そして、本陳情について挙手による採決を行ったところ、賛成多数で採択すべきものと決した次第です。

 以上で、第16号陳情に関する区民委員会における審査の経過並びに結果の報告を終了いたします。

○議長(酒井たくや) ただいまの報告について御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 これより討論に入ります。内野大三郎議員、武田やよい議員、石坂わたる議員、井関源二議員から、討論の通告書が提出されていますので、順次通告議員の討論を許します。最初に、内野大三郎議員。

〔内野大三郎議員登壇〕

○16番(内野大三郎) 第16号陳情、最低賃金1500円の早期実現を求める意見書を政府に提出することについてに、都民ファーストの会中野区議団の立場から反対討論をいたします。

 この陳情は、現在全国加重平均で1,004円である最低賃金を、一気に約1.5倍の1,500円へと引き上げることを要望しているものです。

 陳情理由にある生活者の切実な実態や声については、コロナ禍が明けながらも、物価高や燃料高により、可処分所得が圧迫される現状を反映しており、区民の目線として寄り添うべきものとも思います。

 一方で、現在中小企業・小規模事業者が置かれている状況として、2023年度版中小企業白書においては、令和4年度の中小企業・小規模事業者の動向として、感染症流行前の水準に戻りつつある一方で、宿泊や交通など、業種によっては引き続き厳しい状況が続いているとの認識です。

 また、中小企業・小規模事業者において、価格転嫁と賃上げには一定の関係があり、賃上げの原資を確保する上でも価格転嫁が重要であると分析。売上げ確保のための価格転嫁ができない場合には、賃上げに至らない場合にも言及しています。さらに、経営環境については、エネルギー価格高騰により、中小企業・小規模事業者は収益減少等の影響を受けているほか、人手不足も深刻な状況にあります。

 こうした中で、設備投資額は増加傾向にあり、中小企業・小規模事業者は今後の投資に向けて生産能力の拡大等を重視しているという分析もなされています。

 日本企業の99.7%が中小企業・小規模企業であり、企業従事者の3分の2が中小企業で働いています。本陳情においても、急速な賃上げが過大な負担となる企業も多くある旨、記載があります。陳情理由にも記載がある新しい資本主義実現会議でも、事業再構築補助金、ものづくり補助金、IT導入補助金及び業務改善補助金について、要件緩和を実施するなど、様々な新規施策が打ち出されています。

 その対策の有効性、実効性を注視しつつ、いきなり現時点で中小企業に過度の負担をかけ、一気呵成に1,500円まで引き上げるのではなく、まずは中小小規模企業が生き残りをかけて、労使協力しつつ努力をし、日本国政府がこれを全力でサポートすることが重要であると思料します。

 よって、現時点において第16号陳情、最低賃金1500円の早期実現を求める意見書を政府に提出することについてには反対をいたします。

○議長(酒井たくや) 次に、武田やよい議員。

〔武田やよい議員登壇〕

○7番(武田やよい) 上程中の第16号陳情、最低賃金1500円の早期実現を求める意見書を政府に提出することについてに対して、日本共産党議員団の立場で賛成討論を行います。

 日本の最低賃金は、この30年間ほぼ横ばいであり、OECD加盟国の中でも最も低い水準にあります。ヨーロッパでは物価高を背景に、政治主導で時給2,000円に近づいており、全国加重平均1,004円の日本と大きな差があります。

 陳情者が実施したアンケートの自由記述には、着るものを買っていない、物価高に賃金が追いついていない、値段を気にせず好きなものを買って食べたり、栄養を気にして食事をしたいといった切実な声が上げられています。

 また、内閣府が2023年8月に公表した令和5年度年次経済財政報告では、少子化の大きな原因の一つとして、非婚化を上げています。この中で、男性の年収と婚姻率の関係から、所得が高いほど未婚率が下がる傾向があり、経済的な理由が結婚行動に大きな影響を及ぼしていることが示唆されるとし、若年層の所得向上は、婚姻率を高める上で重要であるとしています。前出のアンケートにも、結婚、子どもを持つことを諦めたとの声もありました。

 陳情者が最低賃金として掲げている1,500円は、都内の労働組合の連合体が、2019年に普通に暮らすために必要な金額として試算した金額であり、手取りで月収20万円です。家賃、光熱水費などを考えれば、決して高過ぎる賃金ではありません。政府は、2030年代半ばまでに1,500円を目指すと発言していますが、10年間で500円の賃上げでは遅過ぎます。

 昨今の物価高を考えれば、早期実現を目指すべきです。労働者が普通に暮らせる賃金となることは、低賃金の中で支出を切り詰める生活から、消費に回す余裕が生まれることにつながり、経済低迷の解決や少子化対策の観点からも重要な要素です。

 中小零細企業を含む全ての企業が賃上げを行える支援策を実施することを併せて求め、陳情への賛成討論といたします。

○議長(酒井たくや) 次に、石坂わたる議員。

〔石坂わたる議員登壇〕

○37番(石坂わたる) 第16号陳情、最低賃金1500円の早期実現を求める意見書を政府に提出することについて、反対の立場で討論をいたします。

 労働市場が完全市場の場合、最低賃金の引上げは、労働市場において労働者がより多く働きたいと考えるため、労働者の供給を増やす方向に作用する反面、一方で、事業主等の側の労働者を雇用したいという考え方を低下するため、労働者に対する需要を減らす方向に作用するといわれています。

 さて、厚生労働省が発表した毎月勤労統計調査によりますと、10月に労働者が受け取った名目賃金は、2022年に比べ1.5倍に増えました。しかし、物価の変動を差し引いた実質賃金は2.3%減少し、これによって実質賃金は19か月連続で減少しています。

 こうした中で、厚生労働省の一般職業紹介状況によると、本年10月の有効求職者数に対する有効求人数の割合である有効求人倍率が、東京都で1.83倍、全国で1.29倍となっていて、1倍を上回っている。すなわち、求職者数よりも求人数が多くなっています。

 また、15歳以上で働く意欲のある労働力人口のうち、無職で求職活動をしている人が占める割合である完全失業率が、本年10月分の労働力調査では、東京都で2.6%、全国で2.7%となっています。

 働きたい人が全て働けている状態ではないものの、3%以下の状態は、失業者がほとんどいない完全雇用の状態といわれる中、東京都あるいは全国で完全雇用の状態を達している状況ではあります。

 労働力不足まで言われる現在において、これらの数値だけを見ると、賃上げがしやすい環境が整いつつあり、最低賃金の引上げも実現しやすい状況であるとはいえます。

 そのため、物価変動に対して耐える余裕がないことが多い最低賃金で働く人について、最低賃金は毎年インフレ率を上回る率で引き上げていく、あるいはインフレ率に近づけていくべきだということであったならば、一定の理解ができるところではあります。

 しかし、現実のデータを細かく見ていくと、有効求人倍率について、現在最低賃金が全国2位の県である神奈川県や全国6位の千葉県では1倍を下回っています。すなわち、最低賃金は高いものの、働きたいと思っても十分な求人がない状況です。ちなみに、最低賃金が高く、有効求人倍率が1を上回るのは、東京都、大阪府、愛知県、埼玉県など、その多くが近県からの労働者を受け入れる大企業、大工場などが多い地域などに限られています。

 また、25歳から34歳の女性の完全失業率が4.4%で3%を上回っています。そのため最低賃金の引上げは、有効求人倍率や完全失業率の変動を抽出しつつ、段階的な引上げを考えていくことが大切です。

 もちろん、企業が限界労働生産性よりも低い賃金を支払って、労働者の雇用をしているような場合では、企業は高い最低賃金が課されたからといって、必ずしも労働者数を減らすわけではありません。しかしこれは、大企業で働く正社員には当てはまる場合がありますが、ぎりぎりの経営をしている中小企業では、正規労働者の雇用を減らすことにかじを切らせる可能性を高め、こと非正規労働者は大小に関わらず、雇用を減らす動きが発生します。

 また、そうした方向にかじを切らない、あるいは切れない事業所の場合、事業撤退や倒産を迫られることになりかねず、市場における事業所退出率が上がります。すなわち、経営が苦しい状況下で最低賃金が上昇すると、人員削減をするか事業を辞めるかを事業主は迫られることになります。

 また、理論的なことにとどまらず、現実においても、本陳情の区民委員会での審査の際に担当者から、区内事業者からは最低賃金はこれ以上引き上げられると経営が苦しくなるという声があるとの答弁もありましたし、私自身も日頃の生活の中で、最低賃金が多く上がったら、人を減らざるを得ないという小規模の飲食店の経営の方の声を耳にしています。

 最低賃金の引上げは、中野区内において中小零細企業の人員削減や倒産を増やすおそれがあり、ひいては働く人の雇用を守ることができなくなる可能性があります。

 加えて、例えば最低賃金で働く人の多い例の一つとして、農繁期に雇われて働く農業労働者がいます。最低賃金は、農家のコストを引き上げることになり、それは価格に転嫁せざるを得ないといわれていたりもします。

 少し前の記事となりますが、2021年5月25日、日本経済新聞の「経済教室」のコーナーに掲載された記事では、最低賃金上昇のコストは、誰かが必ず負担することを考えると、特定のグループが過度の負担を負うことなく、企業、労働者、消費者が広く負担して分担していくことに合意することが最低賃金引上げの鍵になるだろうとしています。

 企業、労働者、消費者がお互いに譲り合いながら、どこまで耐えることができるのか、できないのかを見定めながら、スモールステップでの最低賃金の引上げを行っていくことが必要であると思います。

 なお、その際に、最低賃金を高くしているヨーロッパ諸国では、伝統的に若者の失業が大きな社会問題になっていることを踏まえ、日本においても、非正規雇用の失業や若者の就職難を増やしてしまうことがないように、最低賃金の水準を考えていくことが大切です。

 そのため、地域によって幅がある現在の最低賃金について、1.35倍から1.67倍に急速に引き上げて1,500円とすることは避けるべきです。

 よって、最低賃金はスモールステップで引き上げていくべきであると重ねて申し上げ、本陳情には賛成できかねるため、以上私の反対討論といたします。

○議長(酒井たくや) 次に、井関源二議員。

〔井関源二議員登壇〕

○4番(井関源二) ただいま上程されました第16号陳情について、賛成の立場で討論いたします。

 なお、れいわ新選組の中野区議会において、初めての討論となります。よろしくお願いいたします。

 陳情に書かれた理由が非常によく書かれておりまして、本来ならこれ以上でも、これ以下でもないのですが、さらに私の賛成の趣旨を述べさせていただきます。

 そもそも中野区議会において議席を保有する国政政党は、自由民主党、立憲民主党、日本共産党、れいわ新選組が最低賃金時給1,500円を公約にしております。

 公明党も、明確な目標金額は掲げておりませんが、オフィシャルサイトを拝見すると、賃上げの重要性と実績を記載しております。国民民主党は、全国一律最低賃金1,150円を掲げ、最低賃金を上げるという部分では一致しております。与野党を問わず大多数の政党が最低賃金の上昇が必要だとの認識を一致させております。

 今定例会の一般質問で、私はOECD(経済協力開発機構)加盟38か国の中で、日本は貧困率はワースト7位、G7(主要7か国)で最低だという話をしました。今回さらにOECDを例に出しますと、1997年を基準にすると、OECD加盟38か国の中で、日本は唯一、最低賃金の賃下げが起こっている国になります。日本だけが最低賃金が物価の上昇に追いついていないのです。

 この25年間で所得の中央値は131万円低下しました。陳情書にも記載があるとおり、日本の実質賃金は18か月連続下がっています。それなのに、岸田政権は2030年半ばの目標達成を掲げています。これでは遅過ぎます。

 東京での最低賃金は1,113円、月収にして約18万円、年収約216万円、手取り月約15万円、これじゃ生きていけないですよね。時給1,500円で、月収約24万円、年収約280万円、手取り約20万円、陳情書にも記載のとおり、都内では1,500円でも健康で文化的な生活は送れないんですよ。結婚して家庭を持って、子どもを育てるなんて夢のまた夢ですよね。

 陳情に記載されているこういった意見書を政府に提出して、1,500円はハードルが高い。では、段階的に最低賃金を上げましょう。1,500円は無理でも、これくらいなら、スキームはこうしましょう、中小企業に対する補償金はこういうふうにしましょうとロードマップができるんではないですか。

 岸田首相の下、新しい資本主義を実現する会のメンバーで、安倍元首相の下、開催された桜を見る会に酒類を無償提供したことで一躍有名になったサントリーの社長であり、経済同友会の新浪剛史代表幹事も、2022年7月の時点で、岸田政権に対し、早期の賃上げ、数年後の最低賃金1,500円の実現について提言をしています。

 最低賃金を1,500円早期に実現すると、中小企業の倒産が相次ぐという意見があるかもしれませんが、それは極論です。そんなことはないのです。企業が賃上げする分の人件費をちゃんと国が負担すればいいのです。それをやるのが政治でしょう。

 岸田首相自身も2023年8月31日に、賃上げに向けた中小・小規模企業の支援のため、直ちに事業再開構築補助金、ものづくり補助金、IT導入補助金及び業務改善助成金について、要件緩和を実施すると述べています。逆に、現在何もしていないからこそ、中小企業の倒産が相次いでいるのです。

 8月の時点で、企業の倒産は帝国データバンク調べで16か月連続、東京商工リサーチで17か月連続前年同月を上回っています。大型スーパーのコストコでは時給1,500円スタートで、さらに1,800円から2,000円まで昇給があるそうです。皆コストコで働き始め、コストコ周辺では、地元の中小企業の働き手がなかなかいないそうです。賃金を地域の最低価格周辺に設定しなくても、1,500円の人件費は外資系では十分安く、自国では時給2,000円、3,000円は当たり前です。低賃金でよく働く日本人と喜んでいることでしょう。

 アメリカでの飲食店従業員の年収は1,000万円だそうです。トラック運転手においては、年収1,200万円以上でも成り手がいないそうです。アメリカは物価が高いですが、カナダやオーストラリアへ出稼ぎに行くと相当稼げるそうです。

 このまま何もしないで自然に賃金が上がるのを任せるままにするなら、自国の中小企業は軒並み潰れ、若い労働力は皆海外に働きに行き、少子高齢化が予想よりさらに加速し、悪化しますよ。

 2ちゃんねるの創設者、ひろゆき氏が提唱する「無敵の人」という考えがあります。自らの人生がどうにもならなくなったと考え、一人で自殺するのではなく、周りの赤の他人を巻き込む犯罪を犯した方がコストがいいと考える人たちのことです。このまま11年何もしないで任せるままだと、ある程度の頻度でこういった無敵の人を生むことになります。それらを社会的なコストとして受け入れるのですか。それはそれで一つの見識かもしれませんが、私とは意見を異にします。

 自分らの子や孫や友人の大半が海外に働きに行き、行った先の飲食店やコンビニでこっちで働くなら英語くらいまともにしゃべれるようになってから来いよと舌打ちされ、自分らの子や孫や友人が無敵の人の暴発に巻き込まれるかもしれないんですよ。将来そういった日本になっていいのですか。自分は逃げ切ったからいいのですか。

 そもそも所得倍増は岸田政権の公約ですから、最低賃金のアップと中小企業への支援は、2022年に既に閣議決定され、2023年に再度閣議決定された国策ですから、これは一致団結して一生懸命やっていただかないと、反対する理由はないですよ。という原稿をここまで書いたところで、閣議決定に参加した安倍派の閣僚が更迭されるという「とほほ」なブラックジョークになるとは思っておりませんでしたが。

 最後に、陳情を出された方をはじめ、区民の方々は最高権力者であり、そして議会をチェックする責任があります。恐らく近いうちに議員報酬を上げる議案が提出されると思われます。早期に最低賃金1,500円にしてほしいという悲鳴に耳を貸さず反対し、自分らの給料を上げようとする議員が果たしているのかいないのか、今後しっかりとチェックしていただきますよう、くれぐれもお願いして、私の賛成の討論とさせていただきます。ありがとうございました。

○議長(酒井たくや) 他に討論がなければ、討論を終結いたします。

 これより起立により採決いたします。

 上程中の陳情を採択するに賛成の方は御起立願います。

〔賛成者起立〕

○議長(酒井たくや) 起立少数。よって、上程中の陳情は不採択とするに決しました。

──────────────────────────────

 第17号陳情 中野区の小・中学生の給食費無償化の充実・継続を求める陳情(1項及び2項)

(委員長報告)

 

○議長(酒井たくや) 日程第5、第17号陳情、中野区の小・中学生の給食費無償化の充実・継続を求める陳情(1項及び2項)を議題に供します。

 

令和5年(2023年)12月4日

 

中野区議会議長 殿

子ども文教委員長 斉藤 ゆり

(公印省略)

 

陳情の審査結果について

 

本委員会に付託された陳情を審査の結果、下記のとおり決定したので、中野区議会会議規則第94条の規定により報告します。

 

 

受理番号

件  名

審査結果

決定月日

意見

措置

17

陳情

中野区の小・中学生の給食費無償化の充実・継続を求める陳情(1項)

採択   すべきもの

124

 

 

17

陳情

中野区の小・中学生の給食費無償化の充実・継続を求める陳情(2項)

不採択と   すべきもの

124

 

 

 

○議長(酒井たくや) 子ども文教委員会の審査の報告を求めます。斉藤ゆり子ども文教委員長。

〔斉藤ゆり議員登壇〕

○20番(斉藤ゆり) ただいま議題に供されました第17号陳情、中野区の小・中学生の給食費無償化の充実・継続を求める陳情(1項、2項)に関しまして、子ども文教委員会における審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。

 本陳情は、今年度から開始した実質給食費無償化の継続、もしくは区内全ての小・中学生を対象とした給食費無償化を実施すること。継続に当たっては、申請をしなくても対象とされるようにすることを求めるものです。

 本陳情は、令和5年11月15日に受理され、11月29日の本会議において当委員会に付託されました。

 その後、12月1日、4日に審査を行いました。

 審査の進め方として、本陳情を議題に供した後、一旦保留とし、関連する所管事項の報告を受け、質疑を行いました。

 その後、改めて本陳情を議題に供し、委員会を休憩して、陳情者から補足説明を受け、その後、委員会を再開して質疑を行いました。

 その主な質疑応答の内容を紹介します。

 初めに、陳情の2項について、今後、マイナンバーが進展すれば、様々にひもづいて情報が取れる社会になってくると考えている。状況が変わってくれば申請をしないということも検討していくのかとの質疑があり、IT技術の発展により、できることがあればその都度検討していきたいとの答弁がありました。

 次に、区立小・中学校や都立特別支援学校小・中学部以外の給食費無償化について、区立学校や特別支援学校同様の子育て支援とするのか、物価高騰対策として行うのか検討しているということかとの質疑があり、どのような支援が適切なのか、現在検討中であるとの答弁がありました。

 次に、給食費を無償化するとなった場合、区立学校に関しては申請等は不要になるのかとの質疑があり、学校から区に対しての申請は必要だが、保護者からの申請は不要となるとの答弁がありました。

 以上が主な質疑応答の内容です。

 その後、委員会を休憩して取扱いを協議した後、委員会を再開し、質疑を求めましたが、質疑はなく、質疑を終結しました。

 次に、意見の開陳を求めたところ、1名の委員から意見がありましたので、御紹介します。

 1項について、現在の実質給食費無償化は、区立だけではなく私立と国立も対象としているため、今後も対象とすべきであり、速やかに検討し、全ての小・中学生の給食費無償化を実施してもらいたい。

 2項について、申請主義だと申請から漏れてしまう家庭があることが懸念される。申請漏れがないよう工夫するとともに、申請の在り方について、できる限り簡素化することを求め、意見とするとの意見がありました。

 さらに意見を求めましたが、意見はなく、意見の開陳を終結しました。

 次に、討論を求めたところ、1名の委員が、本陳情に賛成する立場から、区は10月から半年間の給食費相当額を支給する実質給食費無償化を始めた。本施策は、全ての小・中学生のいる世帯が恩恵を受けられる他区にはない特徴があるが、物価高騰対策としての暫定的な施策という性質を持つものである。1年間の給食費は、小学校中学年で5万5,322円、中学校で6万7,122円となり、その負担は決して軽いものではない。

 憲法第26条は、義務教育を無償化することをうたっており、その観点から、給食費無償化は当然求められることである。また、中野区子どもの権利に関する条例の区の方向性ともかみ合ったものであるため、1項に賛成する。

 また、1項を実現しようとすると、現段階で2項の実現は困難であるが、将来的なことや簡素化し、取りこぼしのない制度としてほしいという陳情者の思いを踏まえると、2項に賛成し、本陳情の賛成討論とするとの討論を行いました。

 さらに討論を求めましたが、討論はなく、討論を終結しました。

 そして、項別による採決を行ったところ、1項を全会一致で採択すべきもの、2項を賛成少数で不採択とすべきものと決した次第です。

 以上で、第17号陳情(1項、2項)に関する子ども文教委員会における審査の経過並びに結果の報告を終了します。

○議長(酒井たくや) ただいまの報告について、御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 これより討論に入ります。大沢ひろゆき議員、ひやま隆議員、広川まさのり議員から討論の通告書が提出されていますので、順次通告議員の討論を許します。最初に、大沢ひろゆき議員。

〔大沢ひろゆき議員登壇〕

○6番(大沢ひろゆき) 第17号陳情、中野区の小・中学校の給食費無償化の充実・継続を求める陳情について、都民ファーストの会中野区議団の立場から、1項に賛成、2項に反対の立場にて討論をいたします。

 中野区において、2023年10月から物価高騰対策として開始した学校給食費相当額の給付金は、国立・私立を問わず、全ての小・中学生の保護者を対象としている点が特徴であり、東京都の小池百合子都知事が先日、所得制限撤廃の方向での調整を行う旨、表明をした高校の授業料無償化について、都立のみならず、国立・私立を問わず対象としていることと同様、居住する自治体の対象の方全てに子育て支援策として支援を行き渡らせるという考え方について、強く賛同するものです。来年度においても、学校給食費の無償化を実施することに賛同いたします。

 したがって、陳情第1項に賛成します。

 また、給食費無償化について、本来は国が行うべき施策であるとの考えについても同様に強く賛同するものです。

 しかし、第2項に書かれている継続に当たっては、申請をしなくとも無償化の対象にという部分につきましては、来年度の対応につき、現在区として検討中というふうに聞いている国・私立を含めた全ての小・中学校の保護者を対象とした場合、国・私立の小・中学校の保護者については、区が振込口座等を把握していないため、全ての無償化の対象者について申請をなくすことができないという観点から反対をいたします。

 なお、この場合においても、区立の小・中学校について、各校から対象人数等の申請を受け、その額を学校に入金することや、保護者からの申請を不要とするなど、手続を簡素化することについては、ぜひ推進していただきたいと考えております。

 以上、区立のみならず、国立・私立の保護者にも必要な支援を行うこと。その際、区立・国立・私立、おのおの最も合理的な事務手続で給付を行うことにつき、強く要望し、本陳情に対する討論とさせていただきます。

 以上でございます。

○議長(酒井たくや) 次に、ひやま隆議員。

〔ひやま隆議員登壇〕

○30番(ひやま隆) 第17号陳情、中野区の小・中学生の給食費無償化の充実・継続を求める陳情(1項及び2項)に対し、立憲・国民・ネット・無所属議員団として賛成の立場から討論を行います。

 本陳情の主旨は、中野区の全ての小・中学生の給食費無償化の充実・継続を求めるものであり、保護者を中心とした皆様により、2,316筆の署名とともに提出されました。

 学校給食法第2条に定める学校給食の目標達成に向け、学校では給食を通じた食育が行われており、教科学習とともに学校教育の大きな柱となっています。日本国憲法第26条第2項では、義務教育はこれを無償化すると定めていますが、学校給食費は有償となっています。

 この根拠となるのは、憲法における義務教育の無償化とは、授業料不徴収の意味と解するのが相当とした最高裁判決です。しかし、同判決は約60年前、昭和39年のもので、現在の社会経済状況とは大きく異なっています。

 我が会派は、学校給食費の無償化について、これらの現行法令に関わる解釈の問題を指摘するとともに、子育て支援対策と併せて、昨今の物価高騰対策の観点から、無償化の実現を繰り返し求めてまいりました。

 本陳情に関する子ども文教委員会における審査の中では、2項において賛否が分かれました。当該部分には継続に当たっては、申請をしなくても無償化の対象とされるようしてくださいとあります。

現状では、区立学校在籍者以外の児童生徒の申請手続は制度上省くことはできません。しかしながら、我が会派としては、来年度の対応が難しくても、今後のDX推進等により、願意が達成できる余地があると判断し、願意を了としたところです。

 今年度、中野区では、価格高騰支援給付金として、学校給食費の実質無償化を実施。区立学校に加え、私立・国立小・中学校児童生徒も対象としましたが、令和6年度予算で検討中の主な取組案では、区立学校及び都立特別支援学校小・中学部のみの保護者負担軽減が示されました。中野区子どもの権利に関する条例の前文では、誰一人取り残すことなく、全ての子どもが幸せに生きていけるよう、子どもの権利を保障しますとうたわれておりますが、中野の全ての子どもたちの健やかな成長を保障することは、子育て先進区を掲げる当区の重要な責務です。

 来年度における学校給食費に関わる区の政策については、陳情の主旨に沿うよう、来年度以降も義務教育年齢の全ての児童生徒を対象とすることを求めます。

 また併せて、今後の区立学校における学校給食費無償化を見据えた給食費の支出の適正性、透明性を担保するための公会計化を検討することを求めます。

 子育て世帯の負担軽減策として、学校給食費の無償化に取り組む自治体が増える中、東京都も学校給食費の負担軽減に乗り出す方針を打ち出しました。こうした各自治体間での取組が広がることは歓迎するものですが、給食費無償化は、本来的には国が責任を持って取り組むべきものであると考えます。

 公教育の機会均等の立場からも、自治体によって学校給食における保護者負担分に格差を生じさせることなく、国の責任による給食費の無償化を国に求めることを要望し、第17号陳情(1項及び2項)への賛成討論といたします。

○議長(酒井たくや) 次に、広川まさのり議員。

〔広川まさのり議員登壇〕

○17番(広川まさのり) ただいま上程中の第17号陳情、中野区の小・中学校の給食費無償化の充実・継続を求める陳情の1項及び2項に対して、日本共産党議員団の立場から賛成の討論を行います。

 この陳情の主旨は、来年度以降、区内の全ての小・中学生を対象とした給食費無償化の制度を創設するように区に求めるとともに、申請制ではなく、一律の無償化を求めるものです。

 陳情に賛同する署名には役2,300筆が寄せられました。中野区が10月から物価高騰対策として、区立小・中学校の下半期分の給食費相当額を支給するという、給食費の実質無償化に相当する施策を決めたことに、大きな喜びの声が広がっています。

 また、区立学校に通う生徒だけではなく、都立や国立、私立、また不登校の児童生徒のいる世帯など、区内全ての小・中学生のいる世帯が対象となったことも注目されています。

 憲法第26条は、義務教育を無償とすることをうたっており、その観点から、学校給食費は無償であるべきです。また、中野区子どもの権利に関する条例では、私たちは子どもの命と健康を守り、その成長を応援しますと述べており、引き続き区内全ての児童生徒を一律に無償の対象とすべきです。

 また、円滑で業務負担の少ない仕組みとして、申請によらない制度も検討すべきであると考えることから、第17号陳情の1項及び2項に対する賛成の討論といたします。

○議長(酒井たくや) 他に討論がなければ、討論を終結いたします。

 これより、項ごとに分けて採決いたします。

 初めに、第17号陳情(1項)について採決いたします。

 上程中の第17号陳情(1項)を採択するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、上程中の第17号陳情(1項)は採択するに決しました。

 次に、第17号陳情(2項)について、起立により採決いたします。

 上程中の第17号陳情(2項)を採択するに賛成の方は御起立願います。

〔賛成者起立〕

○議長(酒井たくや) 起立少数。よって、上程中の第17号陳情(2項)は不採択とするに決しました。

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 令和5年度中野教育委員会の権限に属する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価(令和4年度

 分)の結果に関する報告書の提出について

 

○議長(酒井たくや) 日程第6、令和5年度中野教育委員会の権限に属する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価(令和4年度分)の結果に関する報告書の提出について報告いたします。

 本件については、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第26条第1項の規定に基づき、教育委員会教育長から11月27日付の文書のとおり報告がありましたので、さよう御了承願います。

 次に、陳情の継続審査についてお諮りいたします。

 お手元の陳情継続審査件名表(Ⅰ)に記載の陳情については、付託委員会から継続審査の申出がありますので、継続審査の可否について、これより起立により採決いたします。

 第12号陳情、続出するトラブルが解決に至るまで健康保険証廃止の延期を求める陳情は、区民委員会の申出どおり継続審査に付したいと思いますが、これに賛成の方は御起立願います。

〔賛成者起立〕

○議長(酒井たくや) 起立多数。よって、第12号陳情は継続審査に付すことに決しました。

 

令和5年第4回定例会

陳情継続審査件名表(Ⅰ)

 

《区民委員会付託》

 第12号陳情 続出するトラブルが解決にいたるまで健康保険証廃止の延期を求める陳情

 

○議長(酒井たくや) さらに、陳情の継続審査についてお諮りいたします。

 お手元の陳情継続審査件名表(Ⅱ)に記載の陳情については、付託委員会から継続審査の申出がありますので、これを申出どおり継続審査に付したいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 

令和5年第4回定例会

陳情継続審査件名表(Ⅱ)

 

《子ども文教委員会付託》

 第10号陳情 中野区職員の管理上望ましくない不公平・不公正な対応の是正を求める陳情書

 

○議長(酒井たくや) 次に、常任委員会の所管事務継続調査についてお諮りいたします。

 お手元の常任委員会所管事務継続調査件名表に記載の調査事件については、それぞれ所管委員会からの継続調査の申出がありますので、これを申出どおりに継続調査に付すことに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 

常任委員会所管事務継続調査件名表

令和5年第4回定例会

総務委員会

 1 政策、計画及び財政について

 1 平和、人権及び男女共同参画について

 1 広聴及び広報について

 1 評価及び改善について

 1 情報政策及び情報システムについて

 1 人事及び組織について

 1 危機管理、防災及び都市安全について

 

区民委員会

 1 区民相談及び消費生活について

 1 戸籍及び住民基本台帳等について

 1 区税について

 1 国民健康保険及び後期高齢者医療等について

 1 産業振興について

 1 シティプロモーション及び観光について

 1 文化、生涯学習及び国際化について

 1 環境、地球温暖化対策及び緑化推進について

 1 清掃事業及びリサイクルについて

 

厚生委員会

 1 地域活動の推進について

 1 地域子育て支援及び地域保健福祉について

 1 介護保険及び高齢者支援について

 1 社会福祉について

 1 スポーツについて

 1 福祉事務所及び保健所について

 1 保健衛生について

 

建設委員会

 1 安全で快適に住めるまちづくりについて

 1 道路の整備について

 1 公園の整備について

 1 交通環境の整備について

 

子ども文教委員会

 1 学校教育の充実について

 1 学校と地域の連携について

 1 知的資産について

 1 子どもの育成及び若者支援について

 

○議長(酒井たくや) 次に、議会運営委員会の所管事項継続調査についてお諮りいたします。

 お手元の議会運営委員会所管事項継続調査件名表に記載の調査事件については、議会運営委員会から継続調査の申出がありますので、これを申出どおり継続調査に付すことに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 

議会運営委員会所管事項継続調査件名表

令和5年第4回定例会

 1 議会の運営について

 1 議会の会議規則、委員会に関する条例等について

 

○議長(酒井たくや) 以上で本日の日程を全て終了いたしましたので、散会いたします。

 令和5年第4回中野区議会定例会を閉じます。

午後3時54分閉会

 

 

 

会議録署名員 議 長 酒井 たくや

       議 員 井関 源二

       議 員 むとう 有子