平成25年09月24日中野区議会決算特別委員会の会議録 1.出席委員(42名) 1番 若 林 しげお 2番 高 橋 かずちか 3番 木 村 広 一 4番 甲 田 ゆり子 5番 小 林 ぜんいち 6番 中 村 延 子 7番 石 坂 わたる 8番 後 藤 英 之 9番 石 川 直 行 10番 伊 東 しんじ 11番 内 川 和 久 12番 ひぐち 和 正 13番 白 井 ひでふみ 14番 平 山 英 明 15番 南 かつひこ 16番 森 たかゆき 17番 いながき じゅん子 18番 林 まさみ 19番 小宮山 たかし 20番 浦 野 さとみ 21番 佐 野 れいじ 22番 北 原 ともあき 23番 吉 原 宏 24番 いでい 良 輔 25番 小 林 秀 明 26番 久 保 り か 27番 酒 井 たくや 28番 奥 田 けんじ 29番 近 藤 さえ子 30番 金 子 洋 31番 長 沢 和 彦 32番 大 内 しんご 33番 伊 藤 正 信 34番 高 橋 ちあき 35番 市 川 みのる 36番 篠 国 昭 37番 やながわ 妙 子 38番 佐 伯 利 昭 39番 むとう 有 子 40番 か せ 次 郎 41番 来 住 和 行 42番 岩 永 しほ子 1.欠席委員 な し 1.出席説明員 中野区長 田中 大輔 副区長 金野 晃 副区長 英 直彦 教育長 田辺 裕子 政策室長 竹内 沖司 政策室副参事(企画担当) 海老沢 憲一 政策室副参事(予算担当) 奈良 浩二 政策室副参事(広報担当) 酒井 直人 政策室副参事(情報・改善担当) 中谷 博 経営室長 川崎 亨 危機管理担当部長荒牧 正伸 経営室副参事(経営担当) 戸辺 眞 経営室副参事(人事担当) 角 秀行 経営室副参事(行政監理担当、債権管理担当) 岩浅 英樹 経営室副参事(経理担当) 伊藤 廣昭 都市政策推進室長長田 久雄 都市政策推進室副参事(産業・都市振興担当) 横山 俊 地域支えあい推進室長 瀬田 敏幸 地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 朝井 めぐみ 地域支えあい推進室副参事(区民活動センター調整担当)、 中部すこやか福祉センター所長 遠藤 由紀夫 中部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 松原 弘宜 中部すこやか福祉センター副参事(地域支援担当) 波多江 貴代美 北部すこやか福祉センター所長 田中 政之 北部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 大橋 雄治 北部すこやか福祉センター副参事(地域支援担当) 天野 秀幸 南部すこやか福祉センター所長、 南部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 相澤 明郎 南部すこやか福祉センター副参事(地域支援担当) 宇田川 直子 鷺宮すこやか福祉センター所長 小田 史子 鷺宮すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 松本 麻子 鷺宮すこやか福祉センター副参事(地域支援担当) 高橋 昭彦 区民サービス管理部長 白土 純 区民サービス管理部副参事(区民サービス担当) 上村 晃一 子ども教育部長、教育委員会事務局次長 髙橋 信一 子ども教育部副参事(子ども教育経営担当)、 教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当、知的資産担当) 辻本 将紀 子ども教育部副参事(学校・地域連携担当)、 教育委員会事務局副参事(学校・地域連携担当) 濵口 求 子ども教育部副参事(子育て支援担当)、子ども家庭支援センター所長、 教育委員会事務局副参事(特別支援教育等連携担当) 黒田 玲子 子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当)、幼児研究センター所長、 教育委員会事務局副参事(就学前教育連携担当) 古川 康司 健康福祉部長 野村 建樹 保健所長 寺西 新 健康福祉部副参事(福祉推進担当) 藤井 康弘 健康福祉部副参事(健康推進担当) 石濱 照子 健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 浅川 靖 環境部長 小谷松 弘市 環境部副参事(地球温暖化対策担当) 鳥井 文哉 環境部副参事(ごみゼロ推進担当) 高橋 均 清掃事務所長 杉本 兼太郎 都市基盤部長 尾﨑 孝 都市基盤部参事(都市計画担当) 豊川 士朗 都市基盤部副参事(生活安全担当、交通対策担当) 中井 豊 会計室長 浅野 昭 教育委員会事務局副参事(学校再編担当) 石濱 良行 教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 伊東 知秀 教育委員会事務局指導室長 川島 隆宏 1.本会の書記は下記のとおりである。 事務局長 篠原 文彦 事務局次長 青山 敬一郎 議事調査担当係長 佐藤 肇 書 記 関村 英希 書 記 東 利司雄 書 記 土屋 佳代子 書 記 細川 道明 書 記 江口 誠人 書 記 永見 英光 書 記 鈴木 均 書 記 井田 裕之 書 記 竹内 賢三 書 記 遠藤 良太 書 記 香月 俊介 午前10時00分開会 ○内川委員長 定足数に達しましたので、ただいまから決算特別委員会を開会します。 認定第1号から認定第5号までの計5件を一括して議題に供します。 9月20日(金曜日)の理事会の報告を行います。本日の運営についてですが、総括質疑の順番は、1番目に高橋ちあき委員、2番目にむとう有子委員、3番目に近藤さえ子委員、4番目にいながきじゅん子委員、5番目に林まさみ委員、6番目に石坂わたる委員、7番目に小宮山たかし委員の順で7名の総括質疑を行います。 なお、本日は総括質疑最終日であり、午後5時を過ぎることも想定されるため、午後5時を過ぎる場合でも質疑を続行し、委員長判断で適宜休憩を入れることを確認しました。 次に、資料要求についてですが、お手元に配付の資料要求一覧追加分のとおり、新たに2件の資料要求について整理をしました。 平成25年(2013年)9月24日 決算特別委員会 決算特別委員会資料要求一覧(追加分) 追加分 ◆総務分科会関係 95 施設別、業種別業務委託一覧(部長等に委任する契約を除く)(前年度、現年度)<自> 96 各情報システムの運用に係る経費(賃借料及び保守委託料の合計額)一覧(前年度)<自> ○内川委員長 以上が理事会の報告ですが、質疑ありませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○内川委員長 ただいまの報告のとおり委員会を運営することに異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○内川委員長 御異議ありませんので、そのように決定します。 続いて、資料要求についてお諮りします。お手元の資料要求一覧追加分のとおり資料を要求することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○内川委員長 御異議ありませんので、そのように決定します。 資料は昼休みに配付いたします。 ただいまから総括質疑を行いますが、答弁される理事者は答弁前に大きな声ではっきりと職名を述べるようお願いします。 それでは、質疑に入ります。高橋ちあき委員、質疑をどうぞ。 ○高橋(ち)委員 おはようございます。時間の掲示板を見ていただくと107分となっておりますので、もう早朝からうんざりしている方もいらっしゃるかと思いますけれども、本日が決算特別委員会の最終日ということでございまして、私はチーム自民党の最終バッターとして質問させていただきたいと思います。連休明けで気持ちも何かそのまま引きずっている可能性が私もありますけれども、「半沢直樹」症候群といいましょうか、「何でこれで終わっちゃうの?」という何か悶々した気持ちでずっとおりまして、皆さんに当たらないように質問をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。(「何が悶々するの」と呼ぶ者あり)終わり方がちょっとねという感じで。 それで、いつも時間が足りなくて質問を省いたりしておりますけれども、今日は十分に時間をいただいておりますので、その他からやろうと思いましたけど、質問通告どおりに行わさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 それでは、まず1番目のごみ減量と清掃事業についてをお伺いいたします。 近年、地球規模での洪水や干ばつなどの気象状況が発生する中、日本においてもことしの夏は異常な暑さに見舞われました。この東京でも日中の最高気温が40度近くに迫るなど、うだるような猛暑が連日続いて多くの方が体調管理には大変苦労されたと思います。さらには、暑さだけではなくて、観測史上初めてと報道されるような集中豪雨も日本各地で発生いたしまして、先週も京都の嵐山などが大変な被害を受けていることが報道されておりました。また、最近、栃木県や埼玉県などでも竜巻が発生したり、大勢の方が負傷されるとともに多数の住居が被害を受けておりました。私たちの日常生活環境が突然、異常気象という形で大自然の猛威に見舞われた経験は、改めて地球温暖化対策など環境の取り組みの重要性を再認識させたのではないでしょうかと思っております。環境への取り組みは、現在の私たちの生活環境をより快適で充実したものにするだけではなくて、子どもたちや未来の子孫により快適で豊かな生活環境を残していくために欠かせない取り組みだと思っております。この環境というテーマが大切であることは、中野区においても全く変わりありません。環境への取り組みの一環としてごみの排出量を抑制するとともに資源化の取り組みを充実していくことで、ごみの減量を積極的に推進していかなければなりません。また、排出されたごみを適切かつ有効的に収集運搬することも清掃事業を担う自治体としての大切な責務であると私は思っております。 では、質問に入ります。清掃事業に関する負担のあり方についてをお伺いしたいと思います。中野区を含めた特別区の清掃事業は、御承知のとおり、中間処理については共同で処理を行っています。その経費としては、平成24年度の決算説明書によりますと約13億円をお支払いしています。特別区には清掃工場がある区が17区、ない区が中野区を含めて6区あります。こうした条件の異なる中、各区の分担金はどのように算定をされているのか。負担の公平を図るためにどのような調整が行われているのか、教えてください。 ○高橋環境部副参事(ごみゼロ推進担当) お答えいたします。最初に経緯から申し上げますと、平成12年の清掃事業の特別区への移管以降、当初は各区の人口割に基づき清掃一部事務組合の分担金を算定しておりましたが、平成20年の区長会におきましてごみ量割に基づく算定へ変更しております。あわせまして、各区の負担を公平化するため、金銭による調整措置を導入する旨を取り決めております。基本的には清掃工場がある区に対して分担金の負担を軽減する措置を行っております。 なお、分担金の具体的な算定に当たりましては、まず、自区内で発生しましたごみの量をもとに各区のシェア割りによる金額を計算した後、さらに各区の清掃工場の有無や各工場の処理能力、他区からのごみの受け入れ量などをもとに、一定の計算によりまして各区が負担すべき分担の算定を行っております。 ○高橋(ち)委員 そうすると、ごみの量にもよるということだと思うんですけれども、この13億円という分担金による負担を少しでも軽減していくために、区はどのような取り組みを行っているのか、具体的に教えてください。 ○高橋環境部副参事(ごみゼロ推進担当) 分担金の負担軽減につきましては、分担金算定の基準となりますごみ量そのものを減らすよう努力しているところです。具体的には、ごみを出さない生活スタイルの定着に向け、さまざまな行事やイベント等も活用した啓発活動に取り組むとともに、ごみから資源化への転換を促進するため、資源化ルールの周知徹底、集団回収の取り組みの推進等、資源化の促進に向けた取り組みにも力を注いでおります。 ○高橋(ち)委員 さまざまなことを行っていらっしゃるんだと思いますけれども、今後新たな取り組みとしてどのような資源回収が可能なのか。練馬区など他区のことをちょっと聞いたんですけども、資源回収リサイクル事業の拡大について区はどのように取り組んでいくお考えなのか、教えてください。 ○高橋環境部副参事(ごみゼロ推進担当) ごみの中にはまだ多くの資源化が可能なものが含まれております。そこでまず、現在の施策を充実させる内容としては、雑紙、古着、古布、プラスチック製の容器包装については、区民の皆さんへの働きかけやPRにしっかりと取り組み、ごみから資源への移行をさらに進めます。具体的には、古着や古布の回収については、集団回収の実施団体数をさらに増やすべく取り組んでまいります。PRや啓発活動につきましては、10月5日号の区報ではプラスチック製容器包装の特集を組み、また10月の3R推進月間の展示におきましても、プラスチック製容器包装と雑紙のリサイクルをテーマといたします。また、今後に向けた新たな取り組みとしましては、不燃系の粗大ごみから小型家電も含めた金属類を回収し資源化することを検討しております。 ○高橋(ち)委員 そのようにできるといいと思いますね。練馬では、やっぱり小型家電製品とか、それから廃食用油を回収して、それを燃料にしているというようなことも聞いておりますので、ぜひさらに取り組んでいっていただきたいと思います。 ごみの排出量を減らすためには、資源化の取り組みを本当に充実すべきだということは、それは大きな課題だと思うんですけれども、資源化の取り組みの一つとしてレアメタルの問題を取り上げたいと思います。これは、御承知のとおり、産業のさまざまな分野で先進的な技術のために不可欠な材料でありながら、その流通量とか使用量とかが少ないことから希少な金属という意味でレアメタルというふうに呼ばれているそうですけれども、日本も含めた世界経済の発展に欠かせない原材料であるというふうには思っております。いろいろるる申し上げたいんですけれども、このレアメタルの抱えるこうしたいろんなリスクがあるんですけれども、このリスクの中に、日本もいろんなさまざまな対応に追われているところなんですけれども、こうした対策のほかにも有効な対策として、都市鉱山という話を聞いたことがあると思いますけれども、携帯電話とかIT製品や家電製品の中に貴金属やレアメタルが含まれているそうで、その廃棄物を積極的に採掘可能な資源にしていくことが必要かなというふうに思っております。具体的には、不要物とか排出された電気電子機器の廃棄物をリサイクルして、そこから再利用するということが必要じゃないかなというふうに思います。これは非常に有意義な取り組みではないかなと思います。そこで伺いますけれども、この再資源につなげていく取り組みはどのように考えていらっしゃいますか。御意見をお聞かせください。 ○高橋環境部副参事(ごみゼロ推進担当) レアメタルが含まれるようなIT機器類には個人情報等が含まれていることが多く、回収には一定の設備を整えるとともに、場合によりましては人員の配置も想定されるところです。こうした条件をクリアし、事業化が可能かどうか。他自治体の先行事例等も参考にしまして今後の研究課題とさせていただきたいと存じます。 なお、先ほど申し上げましたとおり、レアメタルに限定はしておりませんが、粗大ごみから小型家電も含めた金属類を回収するという方法で、低廉なコストで事業化ができないか、現在検討を行っているところでございます。 ○高橋(ち)委員 ぜひ、ごみ減量に欠かせないことだと思いますので、早速取り組んでいただきたいなというふうには思います。よろしくお願いいたします。 ほかに、最近、資源回収の中でペットボトルの排出量が大変多くなってきているというふうに伺っています。地域でのペットボトル回収事業の実態とともに、区が力を入れている破砕回収機の増設に向けて、今、区の取り組みの状況はどうなっているのかを教えてください。また、地域によっては新たな大規模住宅がふえている中、当然想定されるペットボトルの排出量の増大には区はどう対応していくのか、あわせてお伺いいたします。 ○高橋環境部副参事(ごみゼロ推進担当) ペットボトルにつきましては、集積所や協力店舗での回収に加えまして破砕回収機による回収にも取り組んでおります。特に破砕回収機につきましては、今年度からペットボトル回収の際にお買い物に利用できるポイントを付与する制度を導入するなど、破砕回収機の普及、浸透に向けて積極的に取り組んでいるところでございます。先日の区民委員会にて御報告を申し上げましたが、環境基本計画の第2次アクションプログラムにおきましても、破砕回収機を積極的に増設することで回収量を大幅にふやしていく計画をお示しさせていただいております。区内のさまざまな場所に破砕回収機を設置できるよう、今後さらに努力してまいります。 また、御指摘のように、ペットボトルの排出量が今後さらに増えることが想定される地域につきましては、破砕回収機の設置に向け、重点的に取り組むとともに、集積所での回収につきましても地域ごとの回収量の差や季節に応じまして回収に当たる車両数を増減するなど、回収量の増に対応できるよう、しっかりと工夫していきたいと存じます。 ○高橋(ち)委員 破砕回収機の増設ももちろんのことでありますけれども、これがどこに置いてあるか、また、ふやすに当たってはどのようなところに置くかというのは大事なことだと思いますので、よく検討されて、徐々に増やしていってほしいなというふうに思います。 これに関連することですけれども、「資源とごみの分け方・出し方」のリーフレットについてまた今回も触れさせていただきます。今回は答弁は、あまりいい答弁がもらえないとショックなので、いいですけれども、とりあえず、いわゆる破砕回収機があるにしても、ペットボトルの回収を増やすにしても、みんなが知らなくちゃだめなわけですよ。区民全体が破砕回収機がどこにあるのか、ペットボトルはどういうふうに出すんだとか、分別ごみはどうするんだとかいうことをちゃんとPR、啓発していかないと、幾ら増やしたって、宝の持ち腐れじゃないですけれども、どうやって使ったらいいかというのがわからないと本当に何の役にも立たないと思います。ですので、前回は、予特で聞いたときは、全戸配布は現在考えていないという話でしたけれども、このリーフレットの取り組みは、全戸配布に取り組んでいただきたいということは、今日は答弁はいいですけど、強く要望しておきますので頭の中に入れておいていただきたいと思います。よろしいですね。よろしくお願いします。 区民に向けた啓発やPR活動が大切なのは、今も申し上げましたけれども、子どもたちに向けた環境学習も積極的に取り組んでいくべきと考えております。子どもたちに向けた環境学習の一環として、他区がやっている環境学習があるんですけれども、透明な車体によって清掃車の内部構造が見えるようにしてあるスケルトン車というのがあるそうなんです。子どもたちの関心を高めて啓発に役立てるために、中野区もぜひともスケルトン車を導入したらいいんじゃないかなというふうに思います。他区では既に導入されてこのスケルトン車で環境学習をしているというふうに聞いておりますので、現在、中野区はどのようにお考えになっているか、お伺いいたします。 ○杉本清掃事務所長 小中学生に向けた啓発は重要と考えてございます。清掃事務所といたしましても、環境学習の実施に当たりまして積極的に協力してございます。委員御提案のスケルトン車につきましては近隣区においても導入してございまして、好評を得ているというふうに聞いてございます。今年度、耐用年数を超えた清掃車を改装する方法など、新車購入に比べて比較的低廉な価格で改装できるということを確認いたしました。費用対効果を検証しまして研究、検討してまいりたいと思います。 ○高橋(ち)委員 所長のいい答弁を伺ったので、子どもたち、小さいうちからこういうことで学習していると、それが忘れることなく、大人になっても継続して環境またはごみに関心を持つと思いますので、ぜひともお願いしたいと思います。(「新車で」と呼ぶ者あり)新車でということですので、中古または新車も考えていただければなというふうには思います。 次に、ごみの収集について伺いますけれども、環境学習が大事だということは本当にそのとおりでありまして、収集も、この学習をしていれば勝手なことを言う人はいないとは思いますけれども、中野区では戸別収集を行っているところもあります。なぜそのようなことが必要なのか。もし全ての区民が戸別収集を望んだら対応できるのかがとても心配です。今後も戸別収集が増えていくのか。そして、その見通しと対応をお伺いいたします。 ○杉本清掃事務所長 戸別収集は、清掃車の通行路に面していることを前提にしまして、区民の高齢化や転出入等によりまして集積所の管理が困難な場合などに対応してございます。全ての世帯を対象に戸別収集を行う場合、車両体制や収集ルートの大幅な見直しが必要になりますので、現行体制での対応は困難でございます。集積所収集には、住民相互の協力によって成り立ってございますので、地域コミュニティの形成の場としてのメリットもあるというふうに考えてございます。今後も戸別収集の増加が見込まれますが、区民の皆様へ丁寧な説明を行いまして、集積所収集について御理解、御協力をいただくよう取り組んでまいります。 ○高橋(ち)委員 コミュニティが本当に大事だと思いますね。戸別収集しなくてはならない人たちもいらっしゃるのは十分承知しています。しかし、徹底して集積所、ここでお願いしますという理解をいただきながら、地域の皆さんがごみの出し方とかそれぞれが勉強できるような指導をしていただければと思います。 では最後に、事業系ごみに関する区の収集と有料券貼付の実態や対応策についてお伺いいたします。これも以前伺ったことでございますけれども、再度確認させていただきたいと思います。有料ごみ処理券を貼付せずにごみを排出している事業者はどの程度いるのかを把握しているのか。もし把握していないとしたら、なぜ把握できないのかをお伺いします。 ○杉本清掃事務所長 事業系ごみは事業者がみずからの責任において処理しなければならないものでございますので、区では対応可能な範囲において収集をしてございます。このため、有料ごみ処理券を貼付されずに排出されている事業系ごみにつきましては、事業者数、排出量ともに正確な数は把握してございません。 ○高橋(ち)委員 正確な数が把握できていないというお答えでしたけれども、たしかこれは清掃一部事務組合がつくっている冊子には載っていると思うんですよ。ですので、把握しないのか、していないのかよくわからないんですけど。また、ごみ処理券を添付せずに排出されることで失われている歳入というのがあると私は思うんですけれども、どの程度だと想定しているのか、教えてください。 ○杉本清掃事務所長 あくまでも参考数値でございますが、東京23区清掃一部事務組合がごみ排出原単位等実態調査というものを実施してございます。この調査におきます23年度版のデータから算出した中野区で収集した事業系ごみの総量の推計量は1万2,400トンとなります。この推計量から算出する事業系ごみの処理手数料4億円と平成24年度の事業系有料ごみ処理券による歳入1億2,000万円との差額は2億8,000万円となります。清掃事務所では、商店街等の事業所が集中しているエリアの事業系ごみの排出状況調査や収集現場における排出指導を行ってございます。今後も引き続きごみの適正排出に向け取り組んでまいります。 ○高橋(ち)委員 ぜひお願いしたいと思います。いろいろ検討して努力されていることは十分わかっているんですけれども、言葉は悪いですけれども、野放し状態になっちゃっているんじゃないかなというふうに私は感じます。ですので、今後さらに対応策を考えて進めていっていただきたいと思いますが、これは部長から御答弁をいただきたいと思います。 ○小谷松環境部長 事業ごみの処理手数料についてでございますけれども、推計値とはいえ、本来想定される手数料収入と実際の歳入金額に乖離があるという御指摘でございました。区といたしましても、ごみ排出量に要する経費を公平に御負担いただき、歳入を適正に確保するということが大切だという認識に基づきまして、先ほど清掃事務所長からも御答弁申し上げたとおり、日々の収集現場におきまして排出指導等に根気強く取り組んでまいりたいと考えてございます。また併せまして、事業者の皆さんにごみの適正排出の重要性を御理解いただくための啓発活動やPRにもさらに積極的に取り組んでまいりたいと思ってございます。 ○高橋(ち)委員 10か年計画の中にもいろいろとうたっておりまして、区内事業者の9割以上を占める小規模事業者に対して廃棄物処理業者への委託方法とか、ごみの排出抑制、それから資源化促進の指導啓発を行いますというふうに書いてあるわけですね。ですから、これは本当に取り組んでいってもらいたいなというふうに思います。この取り組みによって、この間も皆さんが喜んだ2020年の東京オリンピックの開催が決まって、多くの人たちが日本に、東京に来るわけですよ。そうすると、東京の街にはごみがない。そして、日本はきれいな国だ、そういう評価をいただけるわけですから、中野区からまずは大きな取り組みをしていって皆さんに発信することが大事だと思いますけれども、部長、いかがですか。 ○小谷松環境部長 事業者には、自らの責任でごみを処理するという原則を踏まえつつ、ごみの減量と適正な排出に取り組んでいただく。このことを前提にいたしまして、区といたしましても、先ほど御説明申しましたとおり、ごみの適正排出の指導やそのための啓発PRに取り組んでまいりたいと考えてございます。さらに、事業者が共同で新たなごみ排出や資源化の取り組みを構築し移行していけるような取り組みを支援してまいりたいと、あるいは、そうした取り組みの前提となります環境づくりにも区として支援をしていくなど、今後、区が積極的に取り組んでいくべき課題であると、そのように考えてございます。 ○高橋(ち)委員 ぜひとも、検討していくというお答えですので、検討された結果をまた教えていただくときが来ると思いますので、本当に真剣に取り組んでいっていただきたいと思います。ありがとうございます。 それでは、財産管理と利用についての質問をさせていただきます。まず、財産の中に常葉少年自然の家というのがあると思うんですけれども、この常葉少年自然の家が使えなくなったという報告は伺ったんですけれども、この使えなくなるという判断は、誰がどのような調査をして判断を下したのか、まず教えてください。 ○濵口子ども教育部、教育委員会事務局副参事(学校・地域連携担当) 平成23年3月に東日本大震災が発生いたしましたが、当時、常葉少年自然の家には現地職員が常時勤務しておりまして、震災による被害状況を調査し報告を受けております。少年自然の家は一般の方も常時利用できる施設でございまして、余震も続いていることから緊急に対応する必要がありまして、3月16日に教育長判断で利用を休止してございます。 ○高橋(ち)委員 教育長判断ということですね。はい、わかりました。そういうのもそういうときにちゃんと伝えてくだされば、こんなところで聞く必要もないのに。報告するに当たっても何か抜けていることが最近大変多いような気がいたします。こうした判断によって学校が使うことができなくなったわけなんですけれども、この間、今までの間この施設はどういう状況にあったんですか。 ○濵口子ども教育部、教育委員会事務局副参事(学校・地域連携担当) 施設の状況でございますが、施設壁面の落下、ガラスの破損、レクリエーションホールの天井落下、外構部の地盤沈下、厨房調理器具の破損、浴室設備の破損等がございます。また、当該施設はプロパンガスを使用してございますが、ガス保管庫の多数のプロパンガスボンベが倒れましてガスが使えない状況となっておりました。ガス配管等が破損いたしましてガス漏れの危険があったという報告を受けております。 ○高橋(ち)委員 報告を受けておりますというふうな感じで終わっちゃっているんですけれども、現在まで、施設を管理する部署の担当の方は現地に足を運んで様子をきちんと把握されているんでしょうかね。私は、7月に、個人的ですけど、この施設を見てまいりました。そのときに、どこがどういうふうに壊れているのかなというふうな感じだったんですけれど、やはり今副参事がおっしゃったように、ホールの天井が落下していたり、それから見た目はそんなにひどいふうに、えっ、壊れているわけではないというふうに私は感じました。どうですか。 ○濵口子ども教育部、教育委員会事務局副参事(学校・地域連携担当) 平成23年5月に教育長と担当職員が現地を確認いたしまして、同月下旬に技術職員も現地調査を行ってございます。復旧に向けた必要な工事とそれに伴う概算費用の見積もりを行っております。その後、平成24年10月から環境省のほうへ貸し出しを行いますが、それまでの間、担当職員は2カ月に1回程度現地確認を行っておりました。また、最近では本年9月上旬に技術職員と担当職員が現地確認を行ってございます。 ○高橋(ち)委員 9月上旬ということは今月ですよね、行っていらしたんですね。じゃ、今その常葉少年自然の家はどのようになっているんですか。 ○伊藤経営室副参事(経理担当) 現在は、教育委員会から財産の所管替えを受けて、経理担当で管理をしてございます。環境省に平成24年10月17日から平成25年3月31日まで東日本大震災の復興事業の除染作業員の宿舎として貸し付けておりました。平成25年6月1日から26年3月31日まで田村市に除染作業員のための宿舎として貸し付けをしてございます。 ○高橋(ち)委員 そうすると、除染作業者が一時的に利用されているわけですけれども、利用するに当たってはどういう条件をつけて許可とかしたんでしょうか。 ○伊藤経営室副参事(経理担当) 田村市と使用貸借契約を締結いたしまして、無償で貸し付けを行ってございます。契約の中で、東日本大震災の復興事業以外には使用しないこと、東日本大震災の影響により損傷を受けているが、使用に当たっては借り受け人の責任において十分な安全点検または修繕を行い使用することなどを条件としてございます。 ○高橋(ち)委員 そうすると、直したのはそちら側で、貸しているのは、中野区ではなくて、田村市という理解でいいんですか。 ○伊藤経営室副参事(経理担当) そのとおりでございます。田村市に貸してございまして、その除染作業員のための宿舎ということで今使用してございます。 ○高橋(ち)委員 そうすると、現在かなりの方たちがここを使っているんですけれども、利用するに当たっては別に不都合がないというふうには聞いておりますけれども、今答弁があったように、修繕や補修は、区ではなくて、この寮を借りているところ、または田村市が直したという理解でいいんでしょうか。 ○伊藤経営室副参事(経理担当) 先ほど申し上げた条件に沿って借り受け人において必要な修理を行った上、施設を使用してございます。区の負担額はございません。 ○高橋(ち)委員 わかりました。では、地震や原発事故の影響で学校が使うことができなくなったというふうなことで判断をされ、しかし、状況は少しずつですけれども、さま変わりをしてきているんではないかなというふうに思います。学校の校外施設ということだけではなくて、田村市との姉妹都市関係などがあると思うんです。これは交流を始めたきっかけを忘れちゃって、何か施設を放ったらかしているんじゃないかなというふうに思っちゃうんですけど、今後はどうされていくんでしょうか。 ○戸辺経営室副参事(経営担当) 今御質問にもございました田村市との交流につきましては、中野区が少年自然の家を常葉町に開設したことを契機として始まってございます。中野まつりやスポーツ交流を通じて交流を深めてきているところでございます。平成23年の東日本大震災以降、子どもたちが田村市に行くという事業についてはストップしておりますが、市民交流は継続してございまして、今年も8月24日、田村市でスポーツ交流が開かれたと聞いてございます。また、11月9日、10日開催される東北復興大祭典の際にも田村市から観光PR、物産販売のブースが設置される予定ということでございます。こうした交流を区としては継続させていきたい、さように考えているところでございます。 ○高橋(ち)委員 大事なことだと思うんですね。ですので、この交流は、どんな理由があれ、継続していくことが大切だと思いますので、さらに進めていってほしいなというふうには思います。交流はわかりました。 震災を理由に、その施設のことを何も考えないで、放ったらかしているとさっきも言いましたけれども、そんなふうに私は受けとってならないんですけれども、財産管理の目的に合致していないような気がしてなりません。施設の有効活用の観点からこれをどのように考えていらっしゃるんですか。 ○海老沢政策室副参事(企画担当) 廃止後の常葉少年自然の家の施設の今後の活用につきましては、田村市のほうとよく相談し、田村市にとってよい方策はないか考えてまいりたいと考えてございます。しかし、除染作業についていまだ終わりが見えている状況ではないということでございますので、直ちに活用策を決めることができる状況にはないというふうに考えてございます。 ○高橋(ち)委員 直ちに活用しろと言っているわけではないんです。それで、何か今の答弁だと、田村市、田村市と言っていますけど、中野区の財産ですよね。中野区の財産なのに、何で田村市を含んで検討していかなくちゃいけないのかというのが不思議なんですけど、何でですか。 ○海老沢政策室副参事(企画担当) 田村市との友好関係等もございますので、これまでの経緯も踏まえまして、田村市とよく相談しながらそれについて決めていくというふうに考えてございます。 ○高橋(ち)委員 副参事は苦しいお答えをしているみたいですけれども、いわゆる田村市の場所にあって、少年自然の家があって、でも、現状まだ使えるような状況ではない。だけど、今後どうしていこうかというのは田村市との関係も重要だから両方で考えるんですよという理解でいいんですか。だから、財産は中野区のものなんだというふうに考えていていいんですか。 ○海老沢政策室副参事(企画担当) そのとおりでございます。そのような形で、田村市の意向も踏まえながら、相談しながら進めていくということになろうかというふうに考えてございます。 ○高橋(ち)委員 友好している田村市、姉妹都市みたいなものだから、それは丁寧に対応していかなきゃいけないと思いますけれども、まず財産を所有しているのは中野区なんだから、中野区が主体的にどうしたい、こうしたいというのをリードして持っていかなければ、田村市だって困っちゃうなというときだってあるかもしれないわけですよ。ですので、そこのところはしっかりと現状を踏まえながら、今、周りには除染された土とかを置かれているわけですよ。そこに、「はい、行きなさいよ」と言ったって、きっと誰も行きませんよ。だけど、状況がこれからさらに変わってきて、やっぱり使えるようになってくるかなというときには中野がリードしないでどうするのというふうに私は思います。ぜひそのようにしていただきたいと思いますが、どうですか。 ○海老沢政策室副参事(企画担当) 今後の除染作業の動向等を十分把握しながら、当然中野区の財産でございますから主体的に検討してまいりたいというふうに考えてございます。 ○高橋(ち)委員 期待をしておりますので、よろしくお願いしたいと思います。 そして、10か年計画においては売却予定されている用地がどのようになっているか。報告があったりとかしておりますけれども、携わっていない委員会だと全然わからなかったりとかしているような気がします。北原議員も質問いたしましたけれども、各所管の委員にはやっぱり報告はされていると思いますけれども、全て私たちがわかるような報告を常に行うべきだと思います。決算書の299ページの財産に関する調書を見ても、どれがどうなっているんだろうなというのがすごく読み取れないというふうに感じております。財産については、利用状況も含め、もっとわかりやすくすることが必要と考えますけれども、いかがお考えですか。 ○伊藤経営室副参事(経理担当) 財産調書につきましては、地方自治法施行規則で様式が決まっているために、委員の御指摘のとおり、わかりやすいものにはなっていないといったようなことは重々承知してございます。したがいまして、区の財産について、売却予定や利用状況もわかるような資料のあり方について今後十分検討したいと考えてございます。 ○高橋(ち)委員 早急に検討して出していただきたいと思います。私たちも区民から責任を持って選ばれているわけですから、「中野区の財産がどうなっているの」と聞かれたときに「どうなっているんだっけな」なんていうことは決して言えないわけですよね。ですので、一目瞭然、それを見れば全てがわかるというようなものを期待して、これは要望にしておきますのでよろしくお願いしたいと思います。 では、すこやか福祉センターについてお伺いをいたします。これは、大勢の議員の皆様方が質問をされていらっしゃいますので重複するかもしれませんけれども、お許しをいただきたいと思います。 新しい中野をつくる10か年計画、それから中野区保健福祉総合推進計画並びに介護保険事業計画における中で、地域包括ケアの考え方と中野区行政、いわゆるすこやか福祉センターとの役割や連携はどうなっているのかをまず教えていただきたい。 それから、包括支援センターが現在8カ所あると思いますけれども、これは地域の人たちから大変評判がいいというふうに聞いているんですけど、やはりすこやか福祉センターがあまり理解できていないというか、よくわからないというような声を伺いますが、いかがですか。 ○朝井地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 新しい中野をつくる10か年計画などにおきまして、区は支援を必要とする高齢者や障害者の身近な相談支援をはじめ、関係の専門機関や区民の自主活動等を含む包括的な地域ケア体制を確立することとしています。すこやか福祉センターは、医療系、福祉系の専門職員を配置した区の総合窓口となっているほか、地域包括支援センターや障害者相談支援事業所を包含し、ワンストップの保健福祉、子育て総合相談を行うとともに、民生委員や地域の活動団体、関係機関と連携を図りながら、地域の支えあいネットワークづくりを進めています。すこやか福祉センターは、保健福祉の総合相談と地域自治推進の双方を担うことによりまして、全ての区民が地域でさまざまな支援や見守りを受けながら安心して暮らしていける仕組みづくりを進め、地域包括ケア体制をつくっているところでございます。すこやか福祉センターは、保健福祉、子育ての総合窓口であり、御相談の内容によって地域包括支援センター等と連携をとっているところでございます。 ○高橋(ち)委員 何度も朝井副参事は答弁されていて、体調もちょっと崩されたと、きょうは大丈夫でしょうかと心配なんですけれども、まさしくそれを目指していらっしゃるとは思うんですよ。だけど、いまいちというようなところがあると思うんです。じゃ、区と民間、いわゆる専門機関との位置づけというのがどうなっているんでしょうかね。これも役割が期待、または必要とされているのか、目に見えてはっきりわからないんですけど、どうですか。 ○朝井地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) すこやか福祉センターは、保健福祉、子育て支援の総合相談窓口としてまずすこやか福祉センターで御相談をお受けします。御相談の内容によりましては、高齢者の方の介護保険サービスなど必要であれば地域包括支援センターを御案内し、そこと連携をして支援を継続していきます。また、障害者の方のサービスが必要な場合などは障害者相談支援事業所を御案内し、その事業所とすこやか福祉センターが連携をする形で対応をしている、そういった状況でございます。 ○高橋(ち)委員 それぞれが持ち分を発揮しているというふうな御答弁のような気がいたしますが、さらに皆さんがそれぞれ質問されていらっしゃるのは、それでもわからないよというようなところを疑問に思っていらっしゃるんではないかなというふうに思います。さまざまな施策を検証しながら改めて直して、考え直すものもあったりすると思います。また、よいものは前進させていくことが大事なことだと思うんですけれども、そこで、すこやか福祉センターの現状を確認させていただきますが、まず、所長をトップとして、地域支援分野と地域ケア分野を統括する2人の副参事がいて、それぞれに担当係長と職員が配置されていて、地域の課題解決と組織の目標達成に向けた取り組みを進めているというふうな認識でいいんですか。 ○朝井地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) そのとおりでございます。地域支援分野は町会・自治会、民生・児童委員、地域の団体の活動を支援しつつ、地域自治の推進、地域における見守り、支え合いの推進を行うとともに、高齢者の介護予防の事業を実施しています。一方、地域ケア分野は、乳幼児から高齢者までの保健福祉に関する相談、支援を行っています。地域ケア分野の施設として児童館等も持っている、そういった状況でございます。 ○高橋(ち)委員 今そのように確認をいたしましたけれども、そうすると、地域支え合いの4つの機動部隊、発信基地の役割を担っているとは思いますが、そういう解釈でいいですか。 ○朝井地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) はい。すこやか福祉センターは地域の身近な相談窓口として設置をしたものでありまして、訪問、また他の地域施設への出張など積極的に地域に出向いて活動しています。区民活動センターの職員が高齢者を訪問したり、また、さまざまな会議に出席するなどにより地域の要望や実情を把握するように努めているところでございます。今後もこういったアウトリーチの機能につきましてはさらに強めていく考えでございます。 ○高橋(ち)委員 そうですね。施設で迎えるのではなくて、地域の中に出向いて、それで活動しているという理解だと思うんですけれども、では、地域の見守り、支え合いと地域活動支援のための職員が配置されているのは区民活動センターであるというふうに認識しておいていいですか。 ○朝井地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) はい。地域区民活動センターがすこやか福祉センターと連携をして、地域の見守りや支え合いに取り組んでいるところでございます。 ○高橋(ち)委員 地域で活動しているというこの二人も、質問の中にもいろいろありましたけれども、様子がわからないとか、いろいろ疑問視されているところもありますけれども、それはさておいて、そうすると、区全体で15カ所に職員が2名ずつ配置をされていて、これは基本的に地域センターだったときを踏襲しているものと私は思っています。区民活動センターに配置されている職員は、言ってみれば、四つのすこやか福祉センターのブランチとして活動をしていらっしゃって、これは区民活動センターのエリアこそが具体的な日常生活の圏域だと職員の人も地域の人もともに理解しているからできるんではないかなというふうに思います。学校連携、次世代育成、地区懇談会なども今この15のエリアで活動をしていると思うんですけれども、時代も環境も変わっていく中、区民の生活にもさまざまな変化と影響がもたらされてくると思うんです。中野区は学校再編の第2次を策定して、新たな学校教育の展開と小・中学校の学区域の基本的な整合性の確保といいましょうか、再編をもとに地域コミュニティの再生などがあるんではないかなというふうに思うんですけど、このように環境が変わっていく中において、中学校の学区域を一つの拠点として、地域コミュニティにおける日常生活においての顔の見える、手が届く、語り合える圏域、すなわち日常生活圏域を今後どのように考えるべきか。それは大事なことじゃないかなと思いますけれども、どう考えますか。 ○朝井地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 現在、地区町会連合会や地区の民生・児童委員協議会、青少年健全地区委員会など区民活動センターの圏域ごとに活動していまして、地域に定着をしている状況であるというふうに認識をしています。御指摘のとおり、今後、学校の再編が進むなどの中で区民の方の活動範囲に変化が生じた場合には、見直しについても検討しなければならないというふうには考えております。 ○高橋(ち)委員 まさしく副参事がおっしゃってくださいましたけれども、時代がもう地域センターの時代で長いこと過ごしてきているから、15あるのが当たり前の中野区民の考え方になっているわけですよ。だけど、どんどん学校再編または地域が変わってきて、それで「15でいいの?」というふうに疑問視されるときが絶対来るというふうに思うんです。ですので、(「もう来ているんだよ」と呼ぶ者あり)もう来ているかもしれませんけど、必ず、今までの15という数を頭に入れてこれから計画していくんではなくて、変わっていくというふうな考え方を頭に入れておいてくださらないと、すこやかがさらに進めていきたいと思ってもどこかでぶち当たるときが来ると思いますので、それは忘れないで考えてもらいたいと思います。 そして、この四つのすこやか福祉センターがこの先どう展開されていくのか、大変不安でなりません。毎年職員がかわっちゃって、地域も連携をとりたくても戸惑いが生じている。そして、施設というのは箱物なんでしょうけれども、まず中身がちゃんとしていないと追いついていかないと思うんですよね。10か年計画の中において、地域、行政一体の支え合いネットワークを目指しているというふうに10か年計画にうたっているんですから、地域とのコミュニケーションが本当に必要だと思います。これから先どのような展開を考えているのか、改めて確認をいたします。これは、副参事ではなくて、室長からお答えしていただきたいと思います。 ○瀬田地域支えあい推進室長 すこやか福祉センターや区民活動センターの職員でございますが、地域の支え合いのネットワークづくりを推進していく役割を担っております。地域の団体などとのコミュニケーションは本当に欠かせないものと考えております。地域での会議や行事をはじめとするさまざまな機会、そうした場を通じまして、地域の方々と交流し、信頼関係をしっかりと基礎として築きながらその役割を果たしていかなければならないというふうに考えてございます。私ども推進室は3年目を迎えておりますが、やはり地域の視点に立って、区民の側の視点に立って、しっかりと施策の総合性、地域での総合的なサービスの展開、ワンストップ化、そうしたことを総合的に捉えながら、また地域の方々と同じ目線におきまして協働の取り組みをさらに前へ進めていくために努力していきたいと考えております。 ○高橋(ち)委員 本当にそのようにしていっていただきたいなという期待を込めてお願いをしておきますので、よろしくお願いいたします。 それでは、残り56分でその他に入ります。 その他の(1)の職員の福利厚生についてお伺いいたします。この職員福利の中では職員互助会、現在、職員互助会というものは委託をされているというふうには伺っておりますけれども、詳細は職員それぞれの皆さんが把握されていると思いますけれども、今回は食堂について1件お伺いをしたいと思います。現在、庁舎内にある食堂は職員福利厚生の一つとして考えていいですか。 ○角経営室副参事(人事担当) 庁舎内の食堂につきましては、職員の福利厚生の増進を図るため、職員互助会が管理運営、委託を行ってきましたが、来庁される区民の方や事業者の方など職員以外の利用が多くなってきたことから、職員互助会で検討しました結果、職員の福利厚生事業としては現在廃止してございます。平成20年1月から食堂のスペースを民間事業者に貸し出し、自主営業となってございます。 ○高橋(ち)委員 福利厚生の一つではなくなってしまったということですね。現在の庁舎の食堂は以前より大変狭くなってしまいまして、職員よりも本当に一般の方々が多いんですよ。庁舎内の食堂の存在を区はどういうふうに考えていらっしゃるんですか。 ○角経営室副参事(人事担当) 食堂は、来庁された方や職員が手軽に食事をとれる場として利用されております。食堂が狭くなった理由につきましては、その一部を事務室に転用したという理由からでございます。現在、区民サービス向上の視点から全庁的に窓口等の再配置を検討している状況がございます。 ○高橋(ち)委員 区民サービスの向上といったら食堂も入っていいんじゃないかなと思いますよ。福利厚生がなくなっちゃっているんだからって、私は今感じました。ただ安くて食事ができる場所があればいいという、そんな安易なものではないと思うんですね。事務局で調べていただいたんですけれども、23区中に食堂があるのは中野区を含めて20区です。そして、板橋は今建てかえているから、ないみたいですけれども、その20区中に、職員に対して一般と違う対応、一般のお客様と違う対応をとっている区が11区あります。これは割引対象、要は食堂を使うと何か割引がありますよとかいって、プリペイドカードを発行したり、それから職員用の食券を発行したりとかしていらっしゃるそうです。職員にとって少しでも利用しやすいようにというふうに対応をされているそうです。中野区はその中に入っていないんですけれども、どうするんでしょうかね。 ○角経営室副参事(人事担当) 福利厚生事業の廃止を受けまして、食堂については職員各自の利用としていることから、現在そういった便宜は図っていない状況でございます。また、業者のほうに問い合わせをしましたところ、例えば現在導入されていませんけれども、プリペイドカードを導入する際には券売機等の改修が必要であり、費用などがかかるために、今のところ難しいというような情報も得ているところでございます。 ○高橋(ち)委員 業者さんがやるのは難しいから、じゃ、どうするのという感じですよ。じゃ、区側が考えればいいんじゃないというふうに私は思いますけれども、まず、福利厚生でなくても、職員の皆さんは、食堂の評判がどうだったかはここでは言えませんけれども、私たちにとってはあそこがないと死活問題といいましょうか、すごく大変だと思うんです。職員の方にも聞いたところ、そういう対応があれば使いたいという人もいます。やっぱりそうなんですよ。福利厚生の一環じゃないから何もしないぞじゃなくて、もっと考えたほうがいいと思いますね。区が、こうやってほしいんですけど、これはできますかという提案をしてもいいんじゃないかなというふうに思います。要は、よそに比べてうちの食堂は安いかもしれません。そして、職員の皆さんは毎日のことであるので、わずかな計らいであっても本当にありがたい対応じゃないかなというふうに思います。今この駅周辺は以前より昼間人口が2万人以上増えていて、ランチ難民とか居酒屋難民という声も聞きますけれども、たかが食堂、されど食堂だというふうに私は思うんですけれども、職員に感謝の気持ちを込めるということも大事じゃないかなと思います。さまざまな福利厚生サービスの中に検討するに値すると私は思いますけれども、どのようにお考えですか。また、福利厚生の対象にはならないとしても、食堂の存在をどう考えますか。 ○角経営室副参事(人事担当) 食堂については、先ほど御説明させていただきましたとおり、職員互助会での話し合いの結果、福利厚生事業としての位置付けをなくしたと。こういったことから、その当時の職員の理解は得られたものというふうに考えてございます。食堂につきましては、今申し上げさせていただきました経緯から、直ちに再度福利厚生事業としての位置付けについては難しいものと考えていますが、ただし、委員から今福利厚生事業の拡充についてお言葉をいただきましたので、今後、互助会などで職員の意見を聞くなど、よりよい職員にとっての福利厚生事業となるよう進めてまいりたいと思ってございます。 なお、食堂の扱いにつきましては、現時点で方針はないものでございます。 ○高橋(ち)委員 大事なことだと思うんですよね。きのうの新聞だったと思うんですけれども、読売新聞に、目黒庁舎が何かブライダルの事業を手がけて、格安で結婚式をできますよ。しかし、そこで飲食ができないから、関連付けて近隣の施設で披露宴をやってくださいとか、区がそういう提案をしているわけですよ。それは若手の職員が考え出して、歳入をどうやって引き入れるかという、いろいろ考えあぐねた上に、庁舎がきれいであって、らせん階段のところはブライダルに適しているだろうということで何かそういうふうに貸すそうですけれども、やはり中野区も今度新しい庁舎を考えていくわけですよね。そのときにいろんな庁舎、きれいになっている庁舎の中の食堂を、私も行きましたけれども、職員の福利厚生も兼ねながら一般のお客様がいつも大勢いらしている。そういう庁舎の中の一つの、「区役所の食堂はいいね」という、そういう中心的なものになってきているわけですよ。だから、これ、なくてもいいんだなんていう発想を持たれると困っちゃうんですけれども、検討は早急にしていただきたいというふうに考えます。いかがですか。 ○角経営室副参事(人事担当) 食堂については福利厚生事業ではないということで御説明をさせていただきましたが、ただ、今、委員からいろいろなお言葉をいただいてございますので、今後の福利厚生事業の見直しもしくは検討のときにはそういったことも考慮しながらさらなる充実に努めてまいりたいというふうに考えてございます。 あと、食堂の機能の扱いにつきましては、先ほどの答弁の繰り返しになってしまいますけれども、現時点では具体的な方針はないということで御承知おきいただければというふうに存じております。 ○高橋(ち)委員 承知だけしておきますけど、また何か事があればお伺いすることもあるかと思いますけれども、ぜひこれは要望しておきますので、食堂というもののカテゴリー、価値観を考え直してもらいたいなというふうに思います。よろしくお願いします。 では、その他の2番目に入ります。中野中学校の跡地利用についてお伺いいたします。これは、本会議の一般質問でうちの同僚の内川議員が質問しましたプール開放について改めてお伺いをいたします。 まず、中野中学校の跡地を堀越学園に貸すというふうに決まったのはいつのことなんでしょうか。 ○海老沢政策室副参事(企画担当) 学校法人堀越学園から昨年8月に、本校舎の耐震化に向けて全面改装をするということで、工事期間中の仮校舎として中野中学校跡地の借用の要請があったということでございます。庁内で検討し、条件等について協議してきたところでございますが、4月に入りまして使用期間等につきましても大枠の合意が得られたということで、区として貸し付けを行うことといたしまして、4月25日の子ども文教委員会で報告をしたというところでございます。 ○高橋(ち)委員 確かに4月25日の子ども文教委員会には報告がありました。この報告はあったんですけれども、プールの件はなかったと記憶しているんですけど、なぜ報告の中になかったのかということと、また、その後、「地域の皆様へ」という文書が配布をされているんですね。これも私たちには、地域に配りますよというような説明とか、配りますという案内というのがなかったように思うんですけれども、何でですか。 ○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 学校開放につきましては、学校教育法、社会教育法及びスポーツ基本法の規定に基づきまして、中野区立学校施設の開放に関する規則で定めた区民開放を行っているものでございます。中野中学校の温水プール開放も学校施設としてのプールを学校教育に支障のない曜日や時間帯におきまして可能な限り区民に利用してもらうという使用スキームで運営しているところでございます。したがいまして、学校が移転した場合につきましては区民開放も移転先で行うことになります。今回の中野中学校の校舎移転に際しまして、区民開放が可能な新校舎の設計のもと、実際の一般開放範囲等につきまして現在学校と協議しているところでございます。具体的な開放のあり方が決まった段階で議会に御報告する予定でございます。 ○高橋(ち)委員 そうすると、学校のプールじゃなくなっちゃうから子ども文教委員会には報告がなかったという理解でいいのか、よくわからないんですけれども、プール開放は所管がそちらで、学校自体は子ども文教という、何かそういうちぐはぐなことをやっているからあれなんですけれども、今、副参事がおっしゃったことを聞いていると、質問がどんどんふえてきちゃいそうな気がするんです。まず、通告してあるように、改めて確認しますけど、賃貸するに当たって契約金というのはどのように決定したんですか。 ○海老沢政策室副参事(企画担当) まず、先ほどの質問に補足してお答えしたいと思いますが、地域への御説明につきましては、貸し出すに当たりまして、中野中学校は防災上、避難所に扱われているということでございますので、地域の方々にとりまして大切な避難所の中野中学校を貸し出した後の状況につきまして、地域の方々には御説明をするということで防災会等の御説明はさせていただたいところでございます。 また、契約等につきましての御質問でございましたが、今後、正式に堀越学園と文書を取り交わす予定になってございまして、校舎の運動場の清掃ですとか、あるいはこれまでどおりの避難所運営ですとか、選挙会場等の使用につきまして賃貸の条件として求めておりまして、堀越学園のほうから了承をいただいているところでございます。 ○高橋(ち)委員 今後正式に取り交わすということですね。そうすると、まだ取り交わしていないという理解でいいのか。そうすると、この堀越学園との契約内容もまだきちんとは決まっていないという理解でいいんですか。 ○海老沢政策室副参事(企画担当) 今後取り交わす予定になってございまして、賃貸料等につきましても、今後国税庁の発表する路線価をもとに使用料を算定して契約を交わすという形になります。 ○高橋(ち)委員 その今後というのはいつごろになるんですか。 ○海老沢政策室副参事(企画担当) 来年6月からの使用ということでございますので、それまでの間に契約を取り交わすという形になってございます。 ○高橋(ち)委員 そうすると、まだ中身が何も決まっていないという理解でいいように私は感じるんですけれども、一般質問での答弁では、プールは堀越学園は使用しませんとの答弁でした。では、なぜ開放することができないんですか。何か契約内容がはっきりしていない、これからなのに、プールは堀越も使わないと言っているのに、開放しない。答弁の中には、維持管理費がかかって大変だというような御答弁もありましたけれども、なぜなんですかね。なぜでしょう。 ○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) なぜ開放を行わないかということでございますが、一つは、先ほども申したことの繰り返しになってしまう部分もございますが、区立学校の開放事業につきましては、新校舎で継続して実施するものであるということでございます。それから、二つ目でございますけれども、現在のプールも引き続きあわせて利用するということとなりますと運営管理費が二重にかかってしまうほか、これまでは学校経費の中で賄っておりました下水道料等を単独で負担する必要も生じてくるといったことでございます。 ○高橋(ち)委員 理屈はね、副参事がおっしゃるとおり、学校が移転するから、今まで中野中学校は九中にあって、その中野中学校が新校舎に移るから全てがそちらですとおっしゃるのはわかります。開放もそちらでやります。それはわかります。だけど、九中自体は残っているわけですよ。それで、堀越学園さんが使っています。でも、プールは使っていません。そうしたら、区民の人たちは、「学校があるのになぜ開放してくれないんですか」になります。じゃ、「すみません、中野中学校は新しい中学校になりましたから、九中へ来ていた方はあっちへ行ってくださいよ」、「はい、わかりました」、そういうふうにすぐ理解できると思いますか。区民が納得できる理由がない限り、開放事業というのは今まで十分にあそこで使ってもらっていたわけですよ。「さあ、使ってください、使ってください」と浅川副参事たちは言っているのに、「はい、すみません、学校はもうここじゃないんです、あちらへ行ってください」、そんなに簡単にすみ分けできるような問題じゃないと私は理解していますが、いかがですか。 ○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 先ほど経費のことも申し上げましたけれども、新たに新しい中野中につけ加えましてこちらの現中野中のほうも開放いたしますと、現在例えばボイラー等も老朽化しておりまして、2年前にこれは使用不能になりまして応急的な処置をしているとかいうこともありますので、今後また使用するということになると改修または交換が必要な状態になっているとか、さらに多くの経費がかかるところでございます。確かに施設の移転を行った場合、現在大変活用していただいている、便利に体力づくりをされている方にとっては遠くなる方もいらっしゃると思いますし、また、近くなる方も出てくるところではございますけれども、同じ中学校区という中での移転ということで新しいプールをぜひ御利用いただきたいと思いまして、また、学校のほうと細かな具体的な開放のあり方等、新中野中の詳細が決まりましたときにホームページ等で丁寧な説明をしていきたいと思っております。 ○高橋(ち)委員 すごい苦しいんだなとわかりますけれども、何というかな、理由がね、ボイラーがとか、維持管理費がかかりますからやめますって、絶対、区民は納得できないと思いますよ。要は、姿勢が見えないんですよ。学習スポーツ担当が何をやりたいのかというのが全く見えてこない。それで、学校開放だから、はい、学校が移転したから学校開放でやるのが当然だから知りませんよというふうに受け取られても仕方がないような気がします。 話題はそれますけど、中部すこやか福祉センターの体育館、それから校庭もいまだにうまいぐあいに回ってないじゃないですか。その原因と言ったら失礼になっちゃうかもしれないけれども、要は、何を区民にしてあげたいのか、区民に何をしてもらいたいのかという意思の疎通が全くないんだよね、と私は思うんです。いよいよ2020年オリンピックが決まりました。中野も頑張ります、オリンピック選手出しますと言ったって、そんなことの中心的になる、浅川副参事を責めても本当に申しわけないんですけれども、そういう部署なのよ、今いらっしゃるところがね。だから、今度またかわっちゃうかもしれませんけれども、そこにいらっしゃる人は中野のスポーツというものをちゃんと根底から考えていかないとだめだと思うんです。だから、「中野中学校が、はい、九中は堀越に貸します、だから、貸し出しできません」じゃなくて、どうしてもできないのであれば、その「どうしても」を区民の人に理解してもらうような方法をちゃんと編み出してください。それでもなければ、それがない限りは、私は言い続けますよ。 すごく感じることは、中野区は本当に継続してきていた施策を簡単に、本当に何か簡単なんですよ。これ、もっと考えればできるのになと思うけど、簡単にやめます、廃止します、中止しますということがすごい最近多いように感じます。ですので、せっかくですよ、せっかく区民に根付いた健康づくり、それからスポーツの思いが、はい、なくなっちゃいました。そうしたら、皆さんはまた信頼がなくなっちゃうわけですよ、中野区に対して。というふうに私は思います。区民にとって何が必要か。何が大切か。ボイラーのお金なんて、考えれば出てくるかもしれないじゃないですか。どっちが大事なんですか、区民とボイラーとって思っちゃうんですよ。(「ボイラー、ボイラー」と呼ぶ者あり)本当にそういう理由だと、そういうふうに捉えられちゃうかなというふうに心配になっちゃいますよ。だから、まずそこを、区民のことを考えて政策を進めていってほしいと思います。ですので、この件についてはぜひとも再検討していただきたいと思いますが、いかがですか。 ○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 今、委員のおっしゃいましたとおり、区民の健康づくりは区政の重要な課題でございまして、そのために継続したスポーツ習慣が大切だということについては間違いないと思ってございます。また、プールでは身体、体に過度な負担を与えないで全身運動ができるという意味でも効果がございますので、平成28年度に開設予定の(仮称)南部地域スポーツ施設でもプールは配置する予定でございます。これに加えまして、鷺宮体育館でありますとか、第二中学校、そして新たな中野中学校という区内プールの全体配置を考えているところでございますので、何とぞ御理解いただければと思います。 ○高橋(ち)委員 何とぞ御理解と言われましたけれども、何とぞ御理解はできないという感じでお返しをしたいと思うんですけれども、副参事がおっしゃることは本当にわかりますよ。わかるんだけれども、私たちの思いもわかっていただきたいと思います。それで、南部すこやか福祉センターにプールができると言いますけど、それは来年、26年度でしょう。28年か。まだ先なんですよ。それもできます。鷺宮もあります。二中もありますといったって、今まで通ってきていた人は、「じゃ、鷺宮に行けっていうの」とか「じゃ、3年待ちなさいよとか言うの」って話になります。なので、何とか、答弁は要りませんけれども、ぜひとも学習スポーツという、それを念頭に置いてスポーツ開放がいかに大事かということを忘れないでいただきたいと思いますので、さらに再度、再検討をお願いしたいと思います。答弁は結構です。 それでは、その他の3番目、セキュリティの対策についてお伺いいたします。これも前回、防犯カメラで伺ったんですけど、きょうは防犯カメラがつくよということを踏まえて伺いたいと思います。 つい最近、宝塚市の事件、火炎びんによる放火という事件がありまして、中野区だけではなく、これまでの行政のセキュリティ対策、危機管理では本当に想定していない事態だったと思います。セキュリティ対策、危機管理に関しては、ハード、ソフトともに取り組む必要が改めて認識されたと思いますけれども、防犯カメラは庁舎のセキュリティの対策、危機管理にはなくてはならない。やっぱりそうなんだなというふうに思いました。第2回定例会の総務委員会において、本庁舎防犯カメラ設置についての報告があったようですが、現在はどのようになっていらっしゃるんでしょうか。 ○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 本庁舎の防犯カメラにつきましては、庁舎の出入り口を中心に15カ所設置するということで、既に契約も完了しております。12月の運用開始に向けまして工事を間もなく開始する予定でございます。平成26年度以降の対応につきましては、区有施設、庁外施設も含めまして現在検討を行っているというところでございます。 ○高橋(ち)委員 本当に着々と進んでいるなというふうに思いますので、前向きに進めていってもらいたいと思います。中野区は危機管理部長という方を配置していらっしゃるわけですけれども、現時点では行政の危機管理全般にかかわる職責というふうに理解をしているんですけれども、今回の防犯カメラの設置について、危機管理部長はどのような助言、アドバイスを行ったんですか。 ○荒牧危機管理担当部長 防犯カメラの関係でございますけれども、防犯カメラは、事件事故の未然防止と万一事件事故が発生した場合に映像によりその状況が確認できるという大きな利点があります。防犯カメラを設置することにより、有人警備に加えて、より一層の庁舎の安全が確保され、来庁者や職員の安全安心につながると考えて、防犯カメラの設置について検討するよう提案してきたものであります。今回の設置に当たっても、設置場所や運用方法について意見を述べてまいりました。 ○高橋(ち)委員 重要な職責だと思います。また、先日行われました行政への暴力に対する訓練は、中野区では初めてだというふうに聞いているんですけど、野方警察の方からも他の自治体でやったことのない訓練だというふうにも伺いました。意味のあったものだと思いますが、この訓練の実施に当たって部長のかかわりはどのようなものだったんですか。 ○荒牧危機管理担当部長 今回の宝塚市の事件を受けて中野区としての対策を考える中で、金融機関が実施する緊急対応訓練を行政向けに修正した訓練が有効であるということで行政監理担当に助言いたしました。また、私から野方警察署へ協力の働きかけも行いました。区と警察署との打ち合わせにも出席し、緊急通報や刺又をはじめとする防御制圧資機材を使った訓練の実施を提案いたしました。訓練終了後は、警察署の訓練評価について別途確認をし、所管の反省会において今後の対策等について協議したところであります。 ○高橋(ち)委員 危機管理意識の向上とか危機管理対応能力の向上というのは継続した取り組みがすごく必要だと思うんです。各所管での取り組みはもちろんですけれども、部長からの発言、アドバイスも大変重要と思います。危機管理部長として区の危機管理対策に対してどのような取り組み、発信を行ってきたのか、教えてください。 ○荒牧危機管理担当部長 私は、これまで危機管理対策会議や行政監理等の各会議で意見を述べたほか、各部で発生した事件事故ではさまざまな相談を受けております。また、事案発生時には現場に駆けつけ、所管にはこれまでの経験を生かした助言、関係機関との連携により方向性や解決の道筋などを示し対応に当たってまいりました。このほか中野区暴力団排除条例の制定、危機管理ガイドラインや中野区政BCPの改定、東日本大震災での応急対応や、これを契機とした震災対策における地域防災計画の改定などに当たって、盛り込むべきものなどについて意見を述べてまいりました。また、毎年行われている管理職と係長級を対象にした危機管理研修において、私が経験した国家的危機の事例から得た教訓などを交えながら、危機を察知、予見した行動、最悪の事態を想定した対応、被害を最小限にとどめるための危機管理対策の重要性を認識するよう、講義を行っているところであります。 ○高橋(ち)委員 部長は相当経験豊富でいらっしゃると思いますけれども、もちろん御自分の椅子に座っているだけじゃなくて、庁舎内も見回ってくださったりとかしているのだろうなというふうには思っておりますけれども、今後、中野区のセキュリティ対策と危機管理対策として取り組むべき課題をどのように認識しておりますか。 ○荒牧危機管理担当部長 三つございます。一つ目は、区の危機管理体制をより確かなものとすること。二つ目は、区の危機管理の枠組みをより明確にし、常に見直しを図り、必要な対策を講じること。三つ目は、職員個々の危機管理意識や資機材の配置も含めた危機対応能力を高め、実効性のある危機管理対策を推進することと捉えております。 ○高橋(ち)委員 この三つの課題をぜひとも職員または区の皆さん方にしっかりと教えていっていただきたいというふうに思います。これまでの経験を踏まえまして、今後の区の危機管理対策への発信、アドバイスを適切にしていっていただきたいと思っておりますけれども、その指導はどのような対応を考えているのか、教えてください。 ○荒牧危機管理担当部長 中野区は暴力行為や不当要求などには屈しないという断固たる姿勢を堅持するとともに、危機事案は常に発生し得るという認識を持ち、危機に対する備え、対策を怠らず、危機の未然防止もしくは被害を最小限にとどめられるよう努めることが重要であると考えております。全職員が危機管理対策の重要性を認識し、発生した場合のとるべき初動措置などを体得するよう、緊急対応マニュアルの見直しや定期的な訓練の重要性を機会あるごとに職員に訴えていきたいと考えております。 ○高橋(ち)委員 大切な役職でありますので、職員もそうなんですけれども、私たち議会サイドにもやはり危機管理というものはこういうものなんだということを、存在が大変、なかなか知らない方もいらっしゃるかなというようなもったいないところにいらっしゃるので、議会サイドにもこういうふうにしたほうがいい、ああいうふうにしたほうがいいという危機管理を指導していただく場があればいいなと思います。これは要望にしておきますので、今後お考えいただきたいと思います。ありがとうございます。 いよいよ最後になってまいりまして、その他のその他です。今回は焦らずじっくりと聞かせていただいておりますけれども、最後の質問になります。中野区歌についてしつこくお伺いをしたいと思いますけれども、先日、区長がプレス発表していただきまして、すごいたくさんの新聞に載っておりました。そして、中野区歌一新へとか、中野区歌60年ぶり一新とか、中野区が新区歌制定と、さまざまなこういう新聞記事になっておりました。私もツイッターでつぶやきましたところ、はるか昔の中野区歌を知っている方から、新しい区歌になるんだったらぜひとも口ずさめるような区歌にしてもらいたいねというような反応がございましたので、再度ここで確認のためにお伺いをさせていただきます。中野区歌に関する審議会をここの中で発足すると書いてあるんですけど、いつごろ発足させるんでしょうか。 ○酒井政策室副参事(広報担当) 条例の議決を得たことを条件に、公募の区民などで11月中に審議会を発足させたいと考えております。 ○高橋(ち)委員 そうしますと、今後、区歌に向けて審議会が立ち上がって、区歌に対してのいろいろ御意見をいただくんでしょうけれども、区歌作成に向けて何か、これは結構話題性があったんですけど、これだけで終わっちゃっていて、「区歌ってなんなの」という人もいたりして盛り上がりに欠けていると思うんです。区全体が盛り上がるような取り組みが私は必要だと思いますけれども、いかがですか。 ○酒井政策室副参事(広報担当) 審議会の発足した後、審議の参考資料とするために、区民に区歌に盛り込んでほしいフレーズや区歌のイメージなどのアンケートを実施することを考えております。その機会に、新しい区歌をつくることをいろいろな媒体を使いながら積極的にPRしていきたいと考えております。 ○高橋(ち)委員 せっかく新しい区歌をつくるんですからね、やっぱり本当に身近な歌になってほしいなと思います。ソチの五輪テーマ、NHKのテーマを担当するのがコブクロだそうです。そこまでというのは無理だろうと思いますけれども、何といいましょうかね、やっぱり子どもたちが口ずさめるような歌がいいかなと思うんですけれども、どのような区歌をつくることを目指していらっしゃいますか。 ○酒井政策室副参事(広報担当) 審議会の答申を踏まえてのことにはなりますけれども、幅広い年齢層に受け入れられ、儀式だけではなく、いろいろな機会に歌ってもらえるような歌をつくりたいと思います。 ○高橋(ち)委員 本当にそうだと思います。新聞の中にもありましたけど、どこの区だっけ、朝、朝礼とともに区歌が流れるという区役所があります。ですので、ラジオ体操のように思い浮かべば、ばあっと出てくるような感じの、爽やかな感じがいいかなと私は思いますけれども、できあがった区歌を末永く伝えていってもらうためにも、若い人の意見も反映することが必要だと思います。当然、審議会だから公募とかも考えていらっしゃるんでしょうけれども、とんでもない人が入ってくるととんでもない区歌になっちゃうから心配かなと思いますけど、若い方が参加できるような審議会にしてもらいたいと思いますが、何か考えていますか。 ○酒井政策室副参事(広報担当) 公募委員にできるだけ若い人の手が挙がるように、例えばフェイスブックページなどで募集するなど、それから、これも例えばなんですけど、成人のつどいの実行委員会など若い人が集まる機会に公募のPRをして、若い人も審議会の委員に委嘱できるように努力したいと思います。 ○高橋(ち)委員 ぜひとも努力していただきたいと思います。これも、たかが区歌、されど区歌でありまして、本当に中野区歌なんだ、これが私たちふるさとの歌なんだ。長野県の信濃の歌なんて、北原委員なんか、言えば、ひゅっと歌えちゃうというぐらいに、やっぱり中野の区歌なんだよと、区長が本当につくってくださるということで私は感謝しているんですけれども、区民にとって何が必要か。区歌なんか要らないと思っている人は誰もいないと思います。また、今回いろんなちまちました質問で申しわけなかったなと思いますけれども、いや、食堂もね、たかが食堂、されど食堂だなんて言っちゃっていますけど、食堂も大事なことだし、それからプールの一般開放、区民に開放することだって、たかが開放、されど開放なんですよ。それで、通えばいいじゃないと言っても、遠くに足を運んで、それも健康だと言われちゃえばそれまでですけれども、やはり私たち議員もそうですけれども、職員、区の行政の皆さんたちも、区民の目線で物事をまず進めていってもらいたいなというふうに思います。中野駅のこの辺を見れば、やっぱり区民の皆さんがこれだけ変わったんだと今すごい喜んでいるわけですよ。だから、見た目の喜びのほかにも中身、常に生活圏に入っている大事なものも同じ目線で考えてもらいたいなというふうに私は思います。毎回こんな、皆さんに大変失礼な質問をしているかもしれませんけれども、これも区民のためだと思って、再度検討していただきたい課題がたくさんございますので、最後にそれをお願いいたしまして、16分も残しちゃって本当に申しわけないんですけれども、私の全ての総括質疑を終えたいと思います。御清聴ありがとうございました。 ○内川委員長 以上で高橋ちあき委員の質疑を終了します。 次に、むとう有子委員、質疑をどうぞ。 ○むとう委員 持ち時間が30分です。簡潔明瞭な御答弁をお願いいたします。 中野区は現在も厳しい財政状況が続いています。区民にとっては身近な事業が廃止になったり、現場の職員にとっては進めるべき事業の予算がつかなかったりと、苦しい中で予算がつくられていると思います。そんな中で、予算化されながらも不用額が約43億円も出ているのは残念です。その多くが契約落差ですが、未執行事業があることが気になります。予算化する段階で厳しく精査し、綿密な予算編成をしていただきたいと願います。その意味からもPDCAの精度向上を願い、これまでも決算で質疑いたしました外部評価についてお尋ねいたします。 外部評価委員による外部評価を本格実施し、さまざまな試行錯誤を経て今年度で11回目となります。2012年度の外部評価委員会の総評の中で、今後は重点分野を毎年ローテーションで設定し、その分野を集中して審査することにし、他分野に関しては簡素化することも検討すべきとの課題提起がなされ、今回の大幅な変更がなされたものと思います。今回は主管部で自己評価をし、新たに他部による部間相互評価を経て、内部評価委員会において区の内部評価を決定しました。10月以降、外部評価委員会が内部評価結果をもとに全分野を3年間で評価し、3分の1の約15分野の外部評価結果が来年6月に議会に報告されるとのことです。つまり、今回示されている主要施策の成果別冊各分野の行政評価結果は内部評価結果であり、外部評価は全くなされていないものです。このことは3月の総務委員会に報告がなされたようですが、私はうかつにも行政評価結果の冊子を手にして初めて知りました。これまで中野区では内部評価と外部評価をあわせて行政評価としていきました。よって、この冊子名は正確に内部評価結果とするべきではないでしょうか、お答えください。 ○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 主要施策の成果(別冊)につきましては、各分野の行政評価結果と表示しておりますけれども、委員御指摘のとおり、内部評価の結果というものでございます。今年度は現時点で完了しております内部評価結果をまとめたものとなっておりまして、冊子の一番最初のページで内部評価結果に基づく評価結果ということは明記してございますので、大きな問題はないというふうに考えております。 ○むとう委員 別段大きな問題かと言われれば、大きな問題ではないんですけれども、やはり外のところに行政評価結果と書いてありますのでね。中をあけたら内部評価結果だったと書いてあるとはいえども、正確に表題は、これからもそういう方法を続けるのであれば、次回からきちんと内部評価結果というふうに改めていただきたいと私は思います。では、6月に報告される外部評価結果の名称は何とするんでしょうか。 ○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 外部評価結果につきましては改めて公表させていただきますけれども、まだ冊子の題名までは決めておりませんけれども、行政評価結果もしくは外部評価結果をつけるかだと思います。 ○むとう委員 きちんと内部評価結果、外部評価結果というふうに私はあらわしていただきたいというふうに思います。外部評価委員会の設置要綱第1条に、学識経験者等の意見、提案を取り入れることにより行政評価の客観性を確保するために設置するとの設置目的が規定されており、内部だけのお手盛り評価にならないためにも、これまでのように外部評価を加えた上で、私はきちんと行政評価という名称をつけて結果を示すべきだと考えますが、その点についてはどのようにお考えでしょうか。 ○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 内部評価、外部評価、いずれも充実を図るために、今回スケジュールを見直したところでございます。主要施策の成果としてこの時期に発表できるものは内部評価の結果だったというものでございます。外部評価結果につきましては、先ほど委員のお話がございましたけれども、改めて公表していきたいと思っています。 ○むとう委員 このたびの外部評価の変更メリットとしては、正確な決算に基づく評価となることと、年間15分野に減ることで審査時間が確保できることが挙げられています。これについてはやってみる価値はあるかとは思います。しかし、1ページに行政評価の目的に、評価した結果を事業の見直し、改善へつなげ、次年度の目標や予算編成に反映させる仕組みというふうに書かれています。その点において、外部評価の反映が次年度ではなくて次々年度になってしまい、目的とする次年度予算編成に反映させる仕組みを損ねてしまうことになります。外部評価結果の反映が次々年度では時を逸すると思います。次年度に反映できるよう工夫すべきと考えますが、いかがでしょうか。 ○岩浅経営室副参事(行政監理担当) まず、今回、内部評価、外部評価の充実に向けまして見直しを行った中でスケジュールについても変更させていただきました。決算書ですとか決算説明書を外部評価の資料として行うために、10月以降の開始ということで、次年度の予算編成に完了というスケジュールは難しいということでございます。内部評価の結果につきまして次年度の予算にしっかりと反映していきたいというふうに考えております。 ○むとう委員 客観性を保つという意味で外部評価委員会が設置されているわけですから、内部評価だけをもって行政評価とするのではなくて、外部評価の視点も入れてきちんと行政評価とすべきであるし、きちんと目的どおり次年度に反映できるように私は工夫すべきだというふうに思います。内部評価の変更メリットとして精度の向上が挙げられていますが、具体的に部間相互評価により主管部での自己評価が変更された件数を、そしてまた内部評価委員により部間評価が変更された件数をお答えください。 ○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 今回の行政の内部評価でございますけれども、全45分野におきまして成果指標の目標の達成度、事業実績、事業執行の効率性という三つの視点で点数による評価を行いました。部間評価におきましては、45分野中40分野で計71項目におきまして自己評価と異なる評価がされております。また、内部評価委員会におきましては、自己評価と比べ39分野71項目におきまして自己評価とは異なる評価がされたという結果でございます。 ○むとう委員 ただいまの御説明で内部評価が新たに2度のチェックを経たことで精度の向上が図れたと言えるかもしれませんけれども、まだまだ成果指標の目標値の設定に疑問を感じる箇所が残っていることが残念です。そもそもバブル経済の崩壊による1990年代後半の財政悪化の中、行政改革の新しい手法として三重県が1996年に開始した事務事業評価システムが注目され、全国的な行政評価ブームとなり、中野区でも2000年から試行が始まりました。10年以上が経過し、成果指標や目標値の設定の難しさや明確な成果があらわれにくく、予算と評価が連動せず、利用度が低く、その上評価にかかわる職員の作業負担が重いため、余分な仕事感が払拭できず、行政評価そのものの転換期を迎えているとの専門家の指摘があります。中野区でも試行から14年が経過しました。行政評価には多くの時間と人件費が費やされています。余分な仕事、やらされ感を払拭するためにも、行政評価結果が業務に役立っているのかなど、行政評価結果に対する職員の意識調査を実施してはいかがでしょうか。 ○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 行政評価におきましては、目標と成果による区政運営の根幹をなすものというふうに考えておりまして、これまでも区政運営において十分に活用してきているというものでございます。行政評価の結果につきまして、主要施策の成果として議会に提出をしているほか、区の成果、取り組みの実態を区民にお知らせをするという役割もございますので、刷新というより必須のものというふうに考えております。職員のアンケートにつきましては現在のところ実施する予定はございません。 ○むとう委員 結果を区民に公表することももちろん大切です。しかし、仕事をしている職員がやっぱりきちんとこの内容を把握する必要も、私はあるというふうに思っています。活用されてこその行政評価ですが、たった305部の印刷で、見たことも読んだこともない職員が少なからずいるんですよ。そこをやはりきちんと改善すべきと思います。その意味を込めて、やはり意識調査というのをしたほうがいいと思いますけれども、再度御答弁があればお願いします。 ○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 行政評価につきましては、職員個人個人の目標とも連携するものでございますので、各職員におきましても目標の設定とか結果については十分に活用しているというふうに考えております。意識調査は、先ほど申しましたけれども、現時点では実施する予定はございません。 ○むとう委員 活用されていると思っているということなんですけれども、本当に活用されているのかどうかというところはきちんと、私は一度実態調査をすべきではないかということを強く要求したいと思います。ありがとうございました。 続きまして、教育ビジョンと学校教育費についてお尋ねいたします。主要施策の成果34ページで、子ども教育部が教育ビジョン(第2次)と次世代育成支援行動計画後期に基づき取り組みましたと書かれていますので、教育ビジョン(第2次)を念頭に置きながら質問をいたします。 教育ビジョン(第2次)の65ページに教育予算の推移のグラフが載っています。一般会計予算額に占める教育費の割合は、1992年度の24%をピークに徐々に減少し、2004年度には10%となり、2010年度には8.6%とピーク時の3分の1となっています。2011年度からはこれまでの子ども家庭費が教育費と一緒になり、子ども教育費となったことで24.9%に見かけは増加しましたが、それでも2012年度は21.8%と減少しています。子どもの教育にはできるだけ手厚い予算をと願っていますので、一般会計予算額に占める教育費の割合が減少する中で、予算化されながらも執行額より不用額が上回ったり、事業未執行による不用額があることが大変気になります。区は、教育ビジョンの中で創意工夫を凝らした特色ある学校づくりを推進しています。決算説明書の246ページ、7、特色ある学校づくりの執行率が58.9%と低いことが残念です。中でも交通事故だけではなく、子どもへの不審者の声かけや痴漢、薬物乱用や出会い系サイトなどの青少年犯罪が横行する中、子ども自身が自分の身を守るための教育は重要ですが、安全教育推進校事業20万円が未執行ですが、未執行の原因を簡単にお答えください。 ○川島教育委員会事務局指導室長 安全教育推進校事業ですが、これは都の10分の10の委託事業であります。教育委員会としては、安全教育は、今、委員がおっしゃったように、生きる力を育む上で必要な事業というふうに考えまして、各校に事業実施を呼びかけたところなんですが、各校さまざまな事情がございまして、結果として希望する学校がなかったということでございます。 ○むとう委員 また、いじめや自殺を防ぎ、豊かな人間性や社会性を育てるためにも人権教育が大切です。区は教育ビジョンの中で、人権教育の充実を2014年度までの重点的に進める取り組みとしています。行政評価結果の147ページに、都の人権尊重教育推進校の指定を積極的に受けるようにしたと記載されていますが、成果が上がらず、決算説明書の248ページ、1、人権尊重、心の教育の執行率が13.7%と低く、人権尊重教育推進校事業が未執行により78万3,000円の不用額が出ています。未執行の原因を簡単にお答えください。 ○川島教育委員会事務局指導室長 人権尊重推進校事業につきましても、先ほどと同様、都の委託事業でありますが、実施運営上さまざまな制約がありまして、結果として希望する学校が上がらなかったということでございます。 ○むとう委員 区は教育ビジョンの中で、体力は集中力、忍耐力、持続力の基礎となる重要な要素であるとし、子どもたちの体力向上を2014年度までの重点的に進める取り組みとしています。しかし、残念ながら、決算説明書250ページ、体力向上プログラムの執行率は67.9%と低く、その中でも253ページ、「運動習慣等の定着」モデル事業が未執行により73万5,000円の不用額が出ています。この事業は2011年度も同額が予算化され、2年連続未執行です。この原因をお答えください。 ○川島教育委員会事務局指導室長 この運動習慣等の定着モデル事業ですが、同様に都の委託事業であります。この年度は他の体力向上研究の指定であるスポーツ教育推進校事業というのがあるんですが、そちらのほうを希望する学校が多かったために、結果として希望する学校がなかったということでございます。 ○むとう委員 以上、未執行となった3事業について質問いたしましたが、学校教育向上事業指定校講師謝礼、理科支援員等配置事業講師謝礼、スポーツ教育推進校などの不用額が高額であることも残念です。学校教育向上事業指定校講師謝礼は区の事業ですけれども、先ほど御答弁にありましたように、その他は東京都の事業です。申し込むためには申請書、研究計画書、予算計画書などの作成が必要で、成果については公開授業や研究発表会などの開催などを伴う事業があり、学校は日々のカリキュラムをこなすだけで手いっぱいの状況で手が挙げられないのではないかと推測します。また、生徒も保護者も、特別な授業よりも日々の授業の充実を望んでいます。東京都の補助金の活用は有効ですけれども、教育ビジョンで区が推進したいという事業なのに、区の施策がなくて、東京都のお仕着せ推進校事業任せというような状況はいかがなものかと私は思います。その点も踏まえ、次年度は学校現場の意見をお聞きし、事業内容を精査するべきではないでしょうか、お答えください。 ○川島教育委員会事務局指導室長 教育委員会としましては、いずれの事業も都の補助事業でありまして、早い段階で都に申請をせざるを得ないというような状況がございました。そのために学校との調整が図れず実施ができなかったということがございました。今後は学校と事前にきちんと協議をしまして意思疎通を図っていきたいというふうに考えております。 ○むとう委員 そうしていただきたいんですけれども、要するに、中野区がつくった教育ビジョンの中で進めていきたいと言っている事業内容なわけなんだけれども、これについて区がこういうことをというものがなくて、その多くが今おっしゃったように東京都の事業を当てにしていて、東京都の補助金頼りという中で進めているんですけれども、やはりそうすると使い勝手が悪いとか、各学校が手を挙げにくいとかという状況があるわけですから、区がやっぱりきちんと区の独自事業として教育ビジョンに挙げて進めていこうとしている教育内容であれば、きちんと区が行っていくということも考えていただきたいというふうに思います。それは要望しておきます。 子ども教育費全体では約6億8,000万円の不用額が、その中の学校教育費では約1億3,000万円の不用額が出ています。精査し、確実な予算を組めば、社会科見学の補助金の復活も、傷んだ黒板の買いかえも、学校図書購入も可能ではなかったのではないでしょうか。確実な予算編成を求めて、この項の質問を終わります。ありがとうございました。 続けて、景観計画についてお尋ねいたします。日本では、高度成長期以降、全国どこへ行っても、地域全体の調和、美観、伝統を軽視した住宅やビル、工場などが次々に建てられ、町並みや自然景観から調和や地域ごとの特色が失われていきました。良好な景観や環境を求めるよりも経済性が優先され、建築基準法や都市計画に違反しない限り、どのような形態の建築物でも建てることができる建築自由の国とやゆされる状況になっていきました。その結果、長い年月をかけて形成された伝統と風格と調和のある町並みが都市を含む各地に残っているヨーロッパなどの諸外国と比べて無秩序と言われる今日の状況に至っています。一部の地方自治体では景観条例を定めましたが、法律の委任に基づかない自主条例のため、強制力がなく、建築確認の際に必ずしも従う必要はありませんでした。そこで、やっと日本でも2005年に景観法が全面施行され、地方自治体の景観に関する計画や条例、それに基づいて地域住民が締結する景観協定に実効性、公的強制力が備わりました。景観行政ネットによれば、景観計画は2013年1月現在で360自治体が策定しています。23区内では13区が景観条例を、14区で景観計画を、そのうちの9区が条例と計画を策定しています。景観条例や景観計画の策定の意義についての区の御認識をお答えください。 ○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 中野区では10か年計画の中で魅力ある都市景観の形成を取り組みの一つとして示しております。具体的には、区の今後の景観政策のあり方を示した基本方針の策定、景観計画の策定や景観行政に取り組むことによりまして、景観上重要な地区において良好な景観形成を誘導するものとしてございます。 ○むとう委員 ごめんなさい。していますじゃなくて、景観条例や計画策定の意義についてどういう認識を持っているかと聞いているんですが、もう一度答弁ください。 ○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 今御指摘のものは景観行政を進める上で重要な手法の一つと考えております。 ○むとう委員 さきに御答弁ありましたように、中野区は新しい中野をつくる10か年計画(第2次)のステップ1で、景観形成の基本方針策定と景観計画の検討、ステップ2で、つまり今年度中に景観計画の策定と推進というふうになっています。職員の力で基本方針のもととなるすばらしい報告書案ができていますが、ステップ1の前半段階でストップしています。民間の勝手な開発に歯どめをかけるだけではなく、区が行う、特に駅周辺の大規模開発においても景観計画の策定は重要だと考えます。昨年完成した北口駅前広場については、確かにきれいになったとは思いますが、2010年度に策定した中野駅現北口駅前広場等の整備・景観形成等の方針で示された緑陰樹木による緑の陰の広場空間とは誰の目にもかけ離れた広場です。このように景観形成方針では拘束力がないため、区でさえもみずから決めた方針を簡単に反故にすることができます。よって、景観計画の策定が急がれます。景観計画策定が頓挫している原因と、策定に向けた今後の予定をお答えください。 ○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) まず、決して頓挫しているわけではございません。景観形成の基本方針策定に向けて、今、委員、御紹介がありましたが、作業に着手しておりましたが、その後、東日本大震災の発生等によりまして業務の基本的な方向性を整備する中で策定スケジュールを見直したものでございます。 ○むとう委員 どういうふうに見直したんでしょうか。じゃ、今後はどうなっていくんでしょうか。 ○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 例えば今後は景観上重要な地区における都市観光振興の視点、こういったものを加えながら、活力とにぎわいが持続するまちに資する景観行政に取り組んでいきたいと思っております。年数について、具体的にまだお示しはできておりませんが、これも順次やっていきたいと考えております。 ○むとう委員 今つくろうとしているものはきちんと法律にのっとった景観計画という位置付けでよろしいでしょうか。そこは変更ないですか。 ○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) はい、そのとおりでございます。 ○むとう委員 では、おくれてしまいましたけれども、しっかりやっていただきたいと思います。景観計画を、方針では区がつくったっていとも簡単に反故にできちゃうわけですから、そうならないためにも、景観計画を策定して美しい中野のまちづくりをしていただきたいと願います。ありがとうございました。 最後に、適正な出納管理についてお尋ねいたします。さまざまな部署で日々現金の出納がなされており、間違いがないよう注意を払っていることと思います。しかし、昨年の私の決算総括質疑で明らかになったように、2011年度の決算で、区民の財産である現金を管理する会計室において、出納管理窓口で1万円の紛失が生じました。その際、調査したけれども事実確認ができなかったため、不明金としたとのことでした。私は昨年初めて決算書で気づいたのですけれども、全庁的にこのようなことはこれまでに年度ごとに何件ぐらいあったのでしょうか。 ○浅野会計室長 今、議員御指摘の22節補償補てん及び賠償金による取り扱いでございますが、平成17年度に現在の財務会計システムが導入されて以降、先ほど御指摘のあった平成23年の会計費と平成24年の地域支えあい推進費でございました。 ○むとう委員 では、そんなにしょっちゅうあることではないということですよね。 ○浅野会計室長 はい、そのとおりでございます。 ○むとう委員 それで、続いちゃったことが不思議なんですけれども、2012年度の決算書でも気になる点がありました。今御答弁があったように、決算書の114ページ、3項地域支援費1目地域活動費の中の区分22補償補てん及び賠償金1万円が支出されています。これについて御説明ください。 ○天野北部すこやか福祉センター副参事(地域支援担当) 平成24年度に北部すこやか福祉センターで、つり銭用として保管している預かり金の一部1万円が不足しておりました。所を挙げて探しましたが、発見できませんでした。その後、関係職員数人に事実経過を確認するための聞き取りを行いまして、確定事実の把握と検証を行いましたが、不明金を発見することはできませんでした。このため、不明金として会計処理を行うこととしまして、22節補償補てん及び賠償金より補?を行ったものでございます。地域支えあい推進室としましては、再発防止と公金管理の徹底につき周知徹底をいたしました。具体的に再発防止策といたしましては、精算など出納管理については必ず複数の職員による二重チェックをすることとし、公金管理の徹底に努めているところでございます。 ○むとう委員 1万円ジャストということで私はちょっと不思議なんですけれども、北部すこやか福祉センターということですけれども、1万円以上の収納ってそんなにある金額ではないわけですから、1万円がないという、ジャスト1万円という紛失のあり方は、前年度もそうだったんですけれども、非常に不思議なんですね。前年度も「もしかしたら、つり銭詐欺なの」みたいなこともちょっと言ったんですけれども、いろいろ調べたけれどもわからなかったということなんですが、どんなことがその現場では想定できることなんでしょうか。 ○天野北部すこやか福祉センター副参事(地域支援担当) 一部答弁の繰り返しになってしまいますけれども、この件につきまして中で徹底した職員に対する聞き取りとか検証を行いました。ただ、この不明金の原因については、事実確認はできなかったということでございます。 ○むとう委員 去年の1万円の不明金も同じような答弁で、確認はできなくてやっぱりわからなかったんだということなんですけれども、部署は違えども2カ所で、去年とことしの決算で2カ所も同じようにジャスト1万円の不明金が出ているということがやっぱり私は不思議でなりません。1,124億円の中で1万円ぐらい紛失しても大したことではないとの感覚で区政運営をなされては困ります。区民の苦しい生活の中からいただく税金であることを強く認識して、出納管理や区政運営に努めていただきたいと思います。次年度の決算でこのような不明金が出ないことを本当にお願いをするとともに、再発防止策をしっかり考えられたということなので、実施をしていただきたいと思います。 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○内川委員長 以上でむとう有子委員の質疑を終了します。 ここで休憩にしたいと思います。1時まで委員会を休憩します。 午後0時02分休憩 午後1時00分開議 ○内川委員長 委員会を再開します。 休憩前に引き続き総括質疑を行います。 近藤さえ子委員、質疑をどうぞ。 ○近藤委員 無所属の近藤さえ子です。よろしくお願いいたします。 一番初めに、指定管理者制度と業務委託についてお尋ねいたします。指定管理者制度や業務委託は、経費の削減、区民サービスの向上を目的として、現在、区ではなくてはならない運営形態となっています。2,000人体制に向かう中野区では今後ますます民間の力を使い、区の区政目標に沿った事業をより効果的に、より効率的に進めていかなくてはなりません。指定管理者制度については、平成24年度の中野区監査委員会からも指摘を受けていますし、今回の総括質疑で久保委員からも指定管理者制度の適正な運用を図るためのガイドラインの策定についての質問がありました。そこで、私は具体的な施設の管理運営を例に挙げて質問させていただきます。 まず、鷺宮体育館のプールについて伺います。過去の決算説明書で、鷺宮体育館のプールの年間利用日数を見てみますと、指定管理者制度が始まる前、平成15年から17年の個人事業平均利用者数は9万4,205人です。指定管理者制度が導入された18年度は9万6,708人、19年度7万8,745人、20年度8万9,567人、21年度7万4,609人、22年度7万796人、23年度6万5,007人、24年度6万9,738人とだんだん減ってきています。22年度と23年度は節電のため休館日が20日以上あるなど震災の影響も受けていますが、21年度、24年度に休館はありませんでした。利用人数は指定管理者制度導入前に比べて74%になっています。指定管理者によってサービスが低下しているのでしょうか。利用実績が減少している理由や原因はどのようなことが考えられるでしょうか。 ○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 個々の年度におきましては、工事による休館がございましたり、東日本大震災後の節電休館があったりとそれぞれの理由があると思っておりますが、大きな減少を見せたのは、近隣の練馬区立中村南スポーツ交流センターが開設されたのとほぼ同じ時期であることから、その影響はあると思っております。いずれにいたしましても、指定管理導入直後はプールの利用者はふえており、またプール以外、体育館全体の利用者は指定管理導入以降目に見えてふえていることからも、指定管理者によるサービス低下があるとは思ってございません。 ○近藤委員 震災の影響や工事や節電などで休館になったことは仕方がないことですし、特に鷺宮体育館のプールのサービス自体に問題がないとしたら、プールを利用する人口が少なくなっているのかもしれません。平成20年度に練馬区中村南スポーツ交流センターがオープンして、野方、丸山、若宮、鷺宮、上鷺宮の私の友人、知人たちは、今まで鷺宮プールを利用していましたが、いつの間にか全て練馬区中村南のスポーツセンターのプールを利用するようになっていました。中村南スポーツ交流センターのプールの個人利用者数は、平成24年度、鷺宮体育館のプールのほぼ倍の13万4,569人です。中村南スポーツ交流センターのプールは新しくてきれいであるということもありますが、1時間の料金が75歳以上無料、65歳以上100円、一般200円、小中学生100円です。鷺宮体育館のプールは高校生以上1時間、一般300円、小中学生150円で、高齢者への配慮は特にありません。また、中村南プールは、プール内に高齢者対応のつえ置き場の設置、従業員の細かい対応などが評判がよいです。近隣に安くてきれいで配慮がある設備、優しく声をかけてくれるスタッフのいるプールがあれば、利用者たちはそちらを使うのは当然だとも思います。今後、富士見中学校跡地の地域スポーツクラブにもプールをつくる予定ですが、鷺宮体育館のプールの利用者減については検証すべきと考えます。指定管理者の工夫によって利用者はふえるのでしょうか。それともプール人口が減っているのでしょうか、お尋ねします。 ○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 近年はスポーツとしての水泳に加えまして健康づくりの一環としてプールを利用するという方もふえているため、利用人口の増減については一概には言えないと考えております。プール利用を含めまして、区民が身近な地域で体を動かすことは健康づくりの観点から望ましいことでございますので、区といたしましては指定管理者に対して利用者数向上の取り組みを一層求めていきたいと思っております。 ○近藤委員 それはお願いしたいと思います。 また、哲学堂公園、上高田運動場のテニスコートについても調べてみましたが、テニスコートの利用料金は他区より安く、中野2時間1,000円、新宿区1,500円、雨天時、積雪後のコートの整備もよくやってくれるなどと評判はよかったです。利用率も98%を超えています。なかなか予約がとれないほどの人気の施設です。しかし、哲学堂のテニスコートは改修されて使いやすくなりましたが、上高田のテニスコートは、老朽化のため、靴が滑って転倒して負傷してしまう方がいるというほど悪いコンディションであるとお聞きしました。上高田のテニスコートが改修を行うとしたら、中野区がするのでしょうか、指定管理者がするのでしょうか。 ○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 部分的な日常管理レベルの修繕は、協定により、指定管理者が行うことになってございますけれども、コートの全面張りかえのような大規模な工事は区が行うこととなってございます。 ○近藤委員 恐らく指定管理者は部分的にやっていらっしゃるので、そこの部分が継ぎはぎのような形になっているという利用者の声を多く聞きます。そして、利用者の方は、部分部分の改修ではなくて、全面の改修を希望していました。改修計画はどのようになっているのでしょうか。 ○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 新しい中野をつくる10か年計画(第2次)のステップ3に上高田運動施設の改修として計画としては位置付けているところでございます。 ○近藤委員 10か年計画に出ているということですけど、テニスコートのコンディションが悪くてけが人まで出ているということですから、早期の改修をお願いいたします。 また、ことしのような暑い夏、気温が35度以上になると新宿区のテニスコートは当日のキャンセルが可能でしたが、中野区は3日前でないとだめであるということでした。そして、利用者が「中野区では熱中症になってしまいますね」と言うと、指定管理者の方に「自己責任ですから」と冷たく言われたということです。確かに皆さんが暑いからといって当日ばたばたとキャンセルが発生することは、管理の面でも、他に利用したかったのにコートがとれなかった方のことを考えると、利用者のわがままでもあるかもしれません。しかし、そこを含めて新宿区では丁寧な対応がなされています。中野区ももう少し接遇を含めたサービスの質をどう向上させていくか、お考えを聞かせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 指定管理者の担当者にも当然におもてなしの心を持って区民に接し、十分に納得していただけるような説明をすべきだと考えております。利用者の方に対して不快な対応があったといたしましたら、改善を求めていきたいと思っております。区は毎月定例的に行っている指定管理者との連絡会議で運営内容について協議しているほか、区民の御意見、苦情などについても随時情報交換はしておりますが、このような取り組みを一層重視していきたいと思っております。 ○近藤委員 ほかにも上高田テニスコートは日陰がないのでベンチの上に日よけの屋根をつけていただきたいなど、利用者は要望や改善していただきたい思いがたくさんあるのですが、アンケートをとられた記憶はほとんどないとおっしゃっていました。調べていただいたところ、哲学堂公園と上高田運動場のテニスコートで、年に1度の聞き取り方式で23年度に116部回収と、窓口での用紙記入方式で206部のアンケートが回収されたことがわかりました。哲学堂5万6,728人、上高田2万9,938人の方が年間テニスコートの一般利用をされています。限りなくゼロに近い回収率であり、これで利用者の声を聞いたと言えるでしょうか、いかがでしょうか。 ○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) アンケートの合計322回収というお話でございましたけれども、この取り組みにつきましては、用紙の記入を待つだけではなく、利用者の方に声をかけて積極的な取り組みも行っており、一、二カ月の実施期間の中では積極的な取り組みだったと思っております。これだけではなく、御意見箱を設置し、住所、氏名を記入された方には返答する。また、利用者団体や町会、公園専門家を交えた運営協議会を年2回行うなど、積極的な意見聴取を行い、24年度は具体的な提案56件のうち38件、これは検討中も含めてでございますが、何らかの措置ができたものでございます。しかし、区民の声を聞くということにつきましてはこれで十分ということはございませんので、一層利用者の意見を聞き改善していく取り組みを区と指定管理者ともにしてまいりたいと思っております。 ○近藤委員 中野区は今後地域スポーツクラブを4カ所設置する計画を立てていますが、今あるスポーツ施設を指定管理者任せにするのではなくて、しっかりとしたチェック体制と検証が必要です。利用者の意見を施設運営に反映させて、より快適なサービスを提供してほしいと考えますが、いかがでしょうか。 ○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 今後一層区民の皆様の意見を聞きまして、それを実際の改善につなげていきたいと思っております。 ○近藤委員 今おっしゃられた、アンケートなどで声が反映されていなくはないという答えでいらっしゃいましたけれど、そのようなほんのわずかであっても実施されたアンケートの結果がどのように生かされてきたかも疑問です。また、予算的に限られた指定管理者の中でサービスを向上させていくことがどうしても難しい状況であるならば、利用料金の見直しを含めて検討を行う必要があるのかもしれません。そうしたことを含めて利用者の声を聞き、指定管理者による施設の管理運営にフィードバックし、サービスの向上へつなげていく仕組みが必要であると考えますが、いかがでしょうか。 ○中谷政策室副参事(情報・改善担当) これまでにも指定管理者制度を導入している各施設ごとに利用者のアンケートや御意見箱の設置など、それぞれの手法によりまして利用者の声をお聞きし、業務改善につなげているというところでございます。また、業務の実績につきましては、それぞれの施設の特性に合わせまして第三者評価、また独自の手法による内部評価や事業実績報告書による把握や評価を行っているというところでございます。現在検討中のガイドラインの中におきましても、既にこれまでの検討の中で利用者アンケートなどのモニタリングや、その結果をもとに行う評価の仕組みなどにつきまして統一的な基準を盛り込むという予定でございます。これによりまして一層のサービス向上を図ってまいりたいと考えてございます。 ○近藤委員 ぜひサービスの向上をお願いいたします。誤解のないように申し上げますが、サービスの向上がない利用料の値上げでは、利用者は納得しません。そして、今後、区では区内4カ所に地域スポーツクラブをつくる計画を立てていますが、区の厳しい財政状況の中でスポーツをする環境がふえる反面、現在多くの区民が利用している哲学堂公園の運動施設、上高田運動場などの施設のサービスが低下していくことがないこと、危険を伴う上高田テニスコートの早期全面改修をお願いしまして、この項の質問は終わります。 次に、職員の人材育成について伺います。エキスパート職員について伺います。エキスパート職員の認定状況について、人数や配属先を教えてください。 ○角経営室副参事(人事担当) エキスパート職員は現在8名認定されております。情報・改善分野、子ども家庭支援センター、福祉推進分野、産業都市振興分野、保健医療分野にそれぞれ1名ずつ、それと生活援護分野に3名配属されております。 ○近藤委員 虐待などを扱う児童相談所機能の区への移管についてはまだ最終答申が出ていないということを伺いました。エキスパート職員が杉並区児童相談所で研修されているということもお聞きしたのですが、このような大切な役割を持つエキスパート職員の能力向上のための研修予算ですが、制度が始まった平成24年度予算とその実績、本年度の内容について教えてください。 ○角経営室副参事(人事担当) エキスパートの研修費につきまして、平成24年度予算では先進自治体の視察等の研修旅費として8万円、研修受講費の負担金として20万円計上してございます。このうち、平成24年度の実績につきましては資格取得にかかわる受験料として5,100円、それと研修受講費として3万3,500円支出してございます。なお、本年度平成25年度予算でも昨年と同様の額を計上しているものでございます。 ○近藤委員 先ほど申し上げたような業務の派遣、法改正を伴うかもしれないというような業務の派遣も区の予算から担っているとなると、昨年度の予算と今年度の予算が同じ、ほぼ同額ということでは、その研修の予算というのは人数もふえる中で足りているのでしょうか。あわせて他のエキスパート職員の派遣の状況も教えてください。 ○角経営室副参事(人事担当) 現在派遣を行っているのは、先ほど御案内がありました児童相談所への1名という状況になってございます。今後、エキスパート職員や、あとは所属の上司の要望などを踏まえまして派遣の機会を提供していきたいと考えております。 なお、派遣経費につきましては別途対応となるため、先ほど説明した研修予算には含まれてございません。派遣の経費については別途対応でございます。 ○近藤委員 先ほどエキスパート職員は現在8人とお答えがありましたけれども、当初の計画では50人を目標にすると伺っていましたけれども、ふえない理由は何なのでしょうか。 ○角経営室副参事(人事担当) 今の計画の50人というのは10か年計画での目標ということで掲げさせていただいております。制度を開始しまして2年目であるということと、組織の中でエキスパート職員をどのように配置して、どのような活躍が求められるかということが職員に浸透していないということが挙げられます。今後はエキスパート職員になるためのキャリアパスを明らかにすることで認定者がふえてくるものと考えてございます。 ○近藤委員 エキスパート職員は専門分野を発揮することが期待されていますが、毎年のように1年で副参事がかわってしまう状況で、はるかに知識が豊富なエキスパート職員と管理職との関係はどのようになるのでしょうか。エキスパート職員には何らかの権限が与えられているのでしょうか。 ○角経営室副参事(人事担当) エキスパート職員に認定されることによりまして、職務上の権限は特にエキスパート職員だからといって付与されていませんが、各部の主要課題への取り組みに対して専門性を持って参画し、解決へ導く役割を期待しているものです。また、人事異動により管理職がかわった場合でも組織としての取り組みが変わるものではございません。 ○近藤委員 現在講師を呼んで行っている区民向け講演会や庁内研修会等を今後エキスパート職員が担うようになっていけば研修費の削減にもなりますし、また、他の自治体等に講演に呼ばれるようなエキスパート職員が育ってくれば、区民も中野区に暮らすことが誇らしいと感じます。新人採用でも大きな志を持つ人材が集まるのではないでしょうか。 ○角経営室副参事(人事担当) エキスパート職員認定制度を導入したことにより、研修の担い手になるということはもちろん、組織外へ与える効果としまして、こういった制度が周知され、エキスパート職員を目指して優秀な職員が中野区を希望することはこの制度が期待しているものでございます。 ○近藤委員 こういう職員がいるから中野区にぜひ入って働きたいなどという新人さんが入ってくるということにも期待します。少数精鋭の職員体制を築いていくには、エキスパートな職員が育つことは大変よいことだと思います。しかし、一方ですこやか福祉センターの受け付け業務を保健師がこなしているところがあると聞きますが、地域包括支援センターへの取り次ぎや他部署との取り次ぎ作業などが多くなっていて、保健師としての専門分野を発揮する時間が取られている現実があるようにも見受けられます。エキスパートな職員を育てるには、現在いる専門職がもっと専門分野を発揮しやすい環境をつくることが大事であると思います。どうかよろしくお願いいたします。ありがとうございます。 次に、学校教育について伺います。私は、昨年の決算特別委員会で区立小・中学校で使われている予算、校内フレーム予算について質問しました。それは、校内フレーム予算は減り続けているので、中P連の会長さんたちや学校の校長先生方も同じ予算の中でもう少し改善の方法はないかという思いに、何とかできないかという思いでした。しかし、残念なことに、節間の移動、予備費の設立はできないというお答えでした。平成24年度決算説明書、中学校校割フレーム執行分一般事業費内、学習管理関係消耗品代は5,201万5,367円で337万2,838円の未執行分が出ています。中P連の会長の皆様と懇談でも図書費の増加を求めていましたが、学習管理関係消耗品代と図書費は同じ節にあるので、一概に割り算でないことは理解していますが、340万円を11校で割って中学校1校33万円もの残が出ているとすれば、これは学校側の見込み違いという考え方で理解してよろしいのでしょうか。 ○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 委員御指摘の中学校の校割予算の学習管理関係消耗品費についてでございますけれども、予算額5,538万円余のところ、その約5%に当たります249万円ほどでございます。1校当たりにいたしますと22万円ほどの不用額が生じた内容でございます。 ○近藤委員 これは学校側の見込み違いということでよろしいですか。 ○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) これは区の予算執行方針に基づきまして配当保留などを行った内容でございまして、各学校におきまして経費の節減等を図ったものでございます。 ○近藤委員 そうなんですね。一般事業費は、いつどんなことがあるかわからないので、その5%は初めから残す形をとっているそうです。初めに組み立てた予算のほぼ5%は配分されないという形だそうです。ですから、学校は学校校割が毎年減る厳しい状況の中で知恵を絞り、ほとんどパーフェクトな予算を執行されているのです。決算説明書に書かれている額は、学校は最善の努力をされた結果と見てよいと思いますが、いかがですか。 ○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 答弁が重なりまして恐縮でございますが、各学校におきまして効率的な運営、経費の節減を図った内容と認識しているところでございます。 ○近藤委員 パーフェクトという言い方はされないんですけど、本当に校長先生方、皆さん努力をされて、本当にもうぎりぎりのところで出した結果がこの決算という形になっているんだと思います。そして、保護者や地域の方といえば、この夏、北中野中学校でPTAOB、現役PTA、地域の方と生徒の一部が一緒になって、長年使用してきた東昇降口の玄関マットがはがれて危ない状況であるので、はがして、受け材という素材を使ってすのこづくりをされたそうです。地域の方が資金も労力も提供されて地域の学校を支えてくださいました。このように地域の方が区の財政難を補うかのようにさまざまな協力をされて、学校と児童・生徒たちを支えている地域はほかにもたくさんあります。北中野の玄関のすのこを地域の方がつくられたことは教育委員会事務局のほうでも御存じでしたか。 ○川島教育委員会事務局指導室長 今、委員おっしゃいましたように、北中野中学校でPTA、同窓会、それから学校の職員、生徒が一体となりまして、すのこを作製して生徒用の玄関に敷いたということは認識しております。 ○近藤委員 私は先日拝見させていただきましたが、手づくりとは思えない大変立派なすのこでした。中P連からも教育予算の増額が毎年要望されています。学校も地域の方も必死に子どもたちを支えています。しかし、先ほどむとう議員が例を挙げていらっしゃいましたが、学校関係の予算では未執行となった事業、執行率のかなり低い事業が何件も見受けられます。予算策定あるいは執行に当たり、もっと予算を有効的に使ってほしいと考えますが、いかがでしょうか。 ○川島教育委員会事務局指導室長 先ほどむとう議員のときにも御答弁申し上げましたが、都の委託事業などを活用して、本区の教育課題の解決、それから教育ビジョンに掲げる目標の達成に向けて必要な事業ということで準備をしてまいったところですが、結果として幾つか未執行の事業が出てしまったことは反省をしております。今後は予算の適切な、そして有効な執行に向けて努力していきたいと考えております。 ○近藤委員 ぜひ、申し上げましたけれども、学校も地域も必死に子どもたちを支えて、貴重な教育予算ですから、教育委員会事務局のほうも未執行というか、予算のときに未執行になってしまうような事業にならない組み立てをお願いいたします。小・中学校の連携や地域と学校の連携、さまざまな連携をおっしゃっていらっしゃる教育委員会こそ学校との連携を深めて、教育予算の有効活用に心がけていただきたいと思います。 これで全ての私の質問を終わります。ありがとうございます。 ○内川委員長 以上で近藤さえ子委員の質疑を終了します。 次に、いながきじゅん子委員、質疑をどうぞ。 ○いながき委員 無所属のいながきじゅん子でございます。 通告どおり組織と人事について伺います。中野区では、目標と成果の区政運営を効果的に着実に実現するためとして事業部制をしいています。ただ、民間では通常、製品や地域、顧客ごとに事業単位を区切ることが多いようですが、中野区ではそうではなく、目標に合わせて事業を編成し、予算もこれに合わせているというところに大きな特徴があります。目標体系が変わればその都度組織やそれに連動する人事も変える、予算区分も変えるという他にあまり類を見ない独自のやり方を貫いていらっしゃるわけですが、組織もそれに関連する人事も全て目標のためにある、目標を効果的に達成するためにあるという区の考え方に立てば、各部、各室、各分野、個人それぞれの設定する目標の中身や管理は区政において非常に重要となってくるのが当然であります。 そこでまず、この目標の内容について伺います。主要施策の成果(別冊)の中の項に掲げられています各分野各施策の目標についてです。平成23年度から25年度までの施策目標をチェックしましたところ、3年間一言一句全て同じか、多少言い回しの変化、文言の入れかえがあるものの毎年ほぼ変わらずといったものがほとんどを占めていました。平成24年度の目標とあるのに毎年中身が同じということで、中長期的な目標となってしまっています。さらに、その内容も非常に曖昧で、ほとんどが目標というより仕事として当たり前のこと、単なる業務紹介にとどまってしまっています。分野全体の目標は中長期的、抽象的になっても仕方ない面もあるかもしれませんが、各担当の施策の場合は、今年はこれをやるんだということで、本来もう少し具体的なものにしませんと年度の評価ができないのではないでしょうか。主要施策の成果(本冊)の中で各部、各分野の目玉施策として書かれているような内容を年度目標として掲げておくべきではないでしょうか。 ○海老沢政策室副参事(企画担当) 分野目標は、部の目標達成を図るために区分したものとなってございまして、施策の目標は、この分野の目標を区分して、分野の目標の達成に貢献する施策として達成すべき状態を記載したものとしているところでございます。区政目標達成に向けた、より具体的な方策となっていることから、施策の目標については毎年状況に即したより具体的なものを記載しているというところでございます。一方で、定例的、維持的な施策があるなど、毎年設定する目標に大きな違いが生じない施策もあり得るというふうに考えてございます。いずれにいたしましても、毎年その成果を評価いたしまして、毎年度目標の見直しを図っているところでございます。 ○いながき委員 施策目標が曖昧で抽象的なせいか、主要施策の成果(本冊)に書かれている目玉的施策も全体的に見て、掲げた目標に対する直接的な成果と言えるものなのか、単に思いつきで実施されたものなのかがよくわからない。つまり、目標と成果がきちんと連動しているのかがよくわかりません。別冊の中で実績や概要と書かれている内容も、単なる日常業務の紹介に終わっていたり、何も書かれていなかったりと、その1年でやるべきことをやったのかやらなかったのか、よくわからないものも散見されます。目標に対する成果を評価の対象とするのであれば、毎年発表されている環境目標とその達成度のように、目標とそれに対する成果や達成度合いをもっとわかりやすく整理して記載すべきではないでしょうか。この環境目標は非常に具体的で、目標達成したか否かも一目でわかるようになっています。このようにはできないのでしょうか。 ○海老沢政策室副参事(企画担当) 目標と実施事業の関連性がわかりにくいと御指摘でございますけれども、事業は目標達成のための手段でございまして、説明において関連が明確にできていないとすれば、さらにわかりやすくなるように記載方法の工夫をしたいと考えてございます。また、環境の成果指標のようにできないかという御質問でございますが、1年の成果を定量的にはかるということは難しい仕事もございます。その場合には定性的な目標設定や事業実績を指標にとるなど、補助的に工夫をしているところでございます。 ○いながき委員 次に、評価基準となっている成果指標ですが、これも目標達成度合いが高くなる内容、そして経年的に右肩上がりで数字が伸びてくるような都合のよい指標を探してきて無理やりこじつけたようなものがいまだ多いと感じます。また、目標数値を前年より下げることで、実績値が前年を下回っていても目標達成度合いが高くなるよう調整しているとしか思えないようなケースも散見されます。指標内容についてはきちんとチェックなさっているのでしょうか。 ○海老沢政策室副参事(企画担当) 成果指標につきましては、目標と成果を客観的に示すものを設定しておりまして、行政評価もこの成果指標によって評価をしているというところでございます。事業部等、わかりやすい数値目標を設定できる部署もございますが、例えば管理的な仕事など比較的数値目標を持ちにくい部署もあるということは認識してございます。目標値も、行政評価等におきまして妥当性について常に改善を繰り返しているところでございます。目標設定や指標の設定につきましてさらなる改善を図るために基準づくりを検討しているというところでございまして、これも踏まえまして適切な設定を図ってまいりたいというふうに考えてございます。 ○いながき委員 また、困難を伴う難しい施策については、早急にやらなければならない重要なものであっても先送りにし、達成しやすい、実施しやすいものばかりが目標とされていないでしょうか。例えば私も含め複数の同僚委員が進捗状況を幾度となくお尋ねしてきた区有施設の長期保全計画です。平成24年3月1日の予算特別委員会に、私の質疑に対し、当時の企画担当副参事が平成24年中にはつくると答弁していらっしゃいますが、平成25年9月現在になっても出てきておりません。調べてみますと、24年度の企画分野の目標にも25年度の目標にもこのことは一言も触れられていませんでした。困難なこと、面倒なことは目標にしないことで責任を回避する、こういうことではないでしょうか。あくまで目標重視の区政運営にこだわるのであれば、今より一段高い目標を設定し、積極的にチャレンジしたくなるような仕組みを整えなければ職員はどんどん守りの姿勢に入ってしまい、区政は停滞こそすれ、大きく発展することはなくなってしまうと考えます。職員の個人目標についても、目標を達成すること、そのこと自体が最大の目標になってしまい、無難なものしか掲げないという状況に陥ってはいないでしょうか。目標管理は適切に行われているかどうかについて伺います。 ○海老沢政策室副参事(企画担当) 事業の内容が、目標との関係がわかりやすくないのではないかということにつきましては、先ほど御説明したように、事業は目標達成の手段ということでございますので、説明について関連性が明確でないとすれば、さらにわかりやすいものにしていきたいというところでございます。また、目標値につきましては、数値の向上を目指すものばかりではなく、区の取り組みによって低下を防いでいくものが存在しているなど、内容についてはさまざまなものがございます。行政評価においては、設定した目標値自体の評価も行っているというところでございまして、目標値の妥当性はもとより、より高い目標値の設定を促すものとなってございます。いずれにしましても、目標値について適切に管理していくことは大切であるというふうに考えてございます。 ○いながき委員 目標に組織を連動させ評価するのであれば、各部、各室、各分野の目標はそれぞれに所属する個人目標と基本的には一致しているはずであり、各事業の成果、評価が個人の評価に直結するのが自然であると考えます。少なくとも部長、参事、副参事級の管理職の勤務評価は、行政評価の結果と一致していなければおかしいということになります。人事考課は、能力、態度、業績で見るそうですが、目標と成果の区政運営を標榜するのであれば、当然この業績分野の評価割合は高くなってしかるべきです。また、そうであるならば、主要施策の成果で24年度A判定をとった分野がないのに、5段階評価の最上位のA、その中でも最高ランクの8号給昇給している管理職がいるでありますとか、C判定だった分野の担当管理職が高評価を得ているということがあれば、それはおかしいのではないかと思います。現状、そのようなことはないでしょうか、伺います。 ○角経営室副参事(人事担当) 行政評価と管理職の勤務評定というのは評価の基準や目的が異なりまして、制度上連動するものではございません。 ○いながき委員 中野区は事業部制をしくことで組織をフラット化しています。このフラット化は、もともと職層を減らし、人件費を削減するために有効な手段とされてきました。しかし、人事給与制度は23区で統一されており、中野区だけ大幅に変えるわけにはいきません。実際区は課や係をなくし、それまでの課長を統括管理者、係長を執行責任者と言い方を変えてはいますが、23区の人事制度に合わせ、課長を総括係長、係長、主査に当たる職層をどれも廃止せずそのまま維持しています。組織はフラット型、人事は従来のピラミッド型と体制が一致していない中でひずみは生じていないでしょうか。例えば、以前、主査にはライン職としての係内主査と、スタッフ職としての課の担当主査がおり、それぞれの役割や仕事内容が明確で、その後のキャリアデザインも描きやすかったのではないかと思いますが、現在はどのようになっているのでしょうか。平成25年4月1日現在で一般係長130名に対し、同じ係長級の主査が247名います。主査も係長試験の合格者で給与も係長と同じです。部下はいなくても、処遇や職責に見合った、一般職員とは異なる仕事を与えられているのでしょうか。また、一般係長より職層が上の主査(総括)は他区にはいないようですが、どのような立場でどのような仕事をされているのでしょうか。 ○角経営室副参事(人事担当) 係長職につきましては、特別区の職務分類基準によりまして4級との位置付けがあります。係長とか主査がこれに相当してございます。中野区では、上司からの命を受けまして執行責任者の仕事の一部を担当するなど、職層に応じた仕事を担っているものでございます。総括係長級の主査につきましては、分野間の調整を行う業務や全庁的な調整事務に従事するなど、特に重要かつ困難な特定の事務を担当しているというふうに認識してございます。 ○いながき委員 係長(総括)しかいない分野、一般係長しかいない分野、両方いる分野とさまざまですが、これは何を基準に配置が決まっているのでしょうか。 ○角経営室副参事(人事担当) それぞれの事務の困難度に応じまして各部長が配置しているもので、一律の基準はございません。 ○いながき委員 人事分野は経営本部にあり、全体の調整を担っていると思いますが、例えば人数の調整は適正に行われているのでしょうか。職員定数が年々減る中で、現場の実態、つまり、どこに人が足りないかを逐次把握し、それぞれの部署に適切な人数が常に配置されている状態を保っていますでしょうか。休職中の職員の穴埋めはアルバイト採用で補うことになっているそうですが、アルバイトでできる仕事はかなり限られており、正規職員と同等の戦力として人数にカウントしてしまうのには無理があるのではないでしょうか。また、職員が適材適所に配置されているかどうか、人事のほうで全体を見ながらきちんとチェック、調整しているのでしょうか、お答えください。 ○角経営室副参事(人事担当) 毎年度、人事異動に当たりましては、各部の要望を聞いた上で必要な経営資源として各部に配置しております。なお、各分野への配置につきましては各部長の権限としており、組織目標の達成のために最善の人事配置を行っていると考えてございます。 ○いながき委員 人数、どこが足りないか足りているかというのは適切に調整されているということでよろしいですか。 ○角経営室副参事(人事担当) 先ほども言いましたけれども、人事異動に当たりまして各部の要望を聞いた上で配置しているという状況がございますので、各部への配置につきましては人事として全体調整の中で配置をしているというものでございます。 ○いながき委員 人事評価は、統括管理者が1次評価を行い、部長が2次評価を行うそうですが、所属人数が多い分野の統括管理者は大変なのではないでしょうか。角副参事も多いときは80名近い部下を一人で面接し評価なさっていたそうですが、公務員人事の本を読みましても10名から15名ぐらいが適正と書かれており、多過ぎるのではないかと思います。これだけの人数一人ひとりに日ごろから目を行き届かせるのも大変ですし、指導育成もままならなくなってしまうのではないでしょうか。例えば1次評価は執行責任者が行い、2次を統括管理者が行うというのはいかがなのでしょうか。 ○角経営室副参事(人事担当) 職員数が多い分野では全職員と面接するのに一定の日数を要しますが、統括管理者は各自工夫をしながら適切な評価に基づく人事管理を行っております。また、職員一人ひとりの目標設定や課題にともに向き合う中で人材育成や能力開発に関しても指導を行っているところであります。 ○いながき委員 次に、勤務評定ですが、最上位のAランクをもらえる職員の数は部全体の15%、上位Bランクの割合は10%と決まっています。しかし、各部署の所属人数は10名単位のところから100名単位のところまでかなりの差があります。その状況で単純に計算して割り当ててしまうと、端数をどうするかによって所属人数が多いところの職員が有利になり、不公平が生じてしまいませんでしょうか。また、業務内容や多忙さも部署間でかなりの差があると思いますが、所属する部によって有利不利が生じることなく、しかるべき成果を上げた人がきちんと評価されるように調整されているのでしょうか。 ○角経営室副参事(人事担当) 付与数による制限がある中では一定の割合で配分せざるを得ない状況です。2次評定者が行った相対評価の評定結果について、必要があるときは全庁的な立場から副区長が統合調整を行う制度としてございます。 ○いながき委員 逆に、下位成績者のことについても伺います。一般職員の場合、例年、5段階評価のうち最下位のEがゼロ、下から2番目のDが非常に少ないということですが、Eになるのは具体的にどのような勤務態度の場合でしょうか。 ○角経営室副参事(人事担当) 所属長によります指導、育成にもかかわらず勤務成績が不十分であったり、勤務態度が良好でないと認められる場合には勤務評定を2とします。 ○いながき委員 病気休職の方が多いというふうに聞いたんですが、そうではないということですか。 ○角経営室副参事(人事担当) 病気休職をとったからといって直ちに2になるというよりは、先ほども説明させていただきましたけれども、上司、所属長によります指導育成にもかかわらず勤務成績が不十分であったり、もしくはその態度が改められないという場合にこういった評定を下すものというふうに考えてございます。 ○いながき委員 次に、人事考課、特に昇任昇格は公平公正で職員全体の士気が上がるようなものにしなければならないと考えます。中でも管理職選考は重要です。プレーヤーとしてすぐれていることと、マネジメント能力があり、管理職としてリーダーとしてすぐれているかどうかは別物であり、しっかりとした見きわめが必要となります。より公平公正な制度にするためには、内部の人間による内部の基準に基づく評価とあわせて、一切の先入観なしに市場価値基準に基づき客観的に評価する内部アセスメントを組み合わせることで恣意性の入り込む余地をなくし、昇任昇格が職員にとってより公平で納得性ある制度になるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。 ○角経営室副参事(人事担当) 管理職選考につきましては、23区共同設置の人事機関であります特別区人事委員会が筆記考査や口頭試問を行っております。このことから十分に客観的で公正な選考となっているという状況でございます。 ○いながき委員 特別区人事委員会による選考だけですか。 ○角経営室副参事(人事担当) 管理職選考につきましては特別区人事委員会のほうで筆記選考と口頭試問を行っているということですので、特別区の人事委員会もしくは関係します23区の管理職によって選考を行っているという状況でございますが、必ずそういった選考に当たっては統一の基準、統一の方法をとっておりますので、そういった意味では十分に客観的で公正な選考というふうになってございます。 ○いながき委員 採用も重要だと考えます。区の普通退職率は過去3年間1%以下と、厚生労働省発表の平成24年度の離職率14.8%と比較すると極めて低いものとなっています。同じく厚生労働省が大学新卒者のうちの3割が3年以内に離職していると発表しています。特に後者の数字は雇用保険に加入している人が対象ということですので、フルタイムの正社員が主な対象となっていると考えられます。区の離職率を見る限り、一旦入ったら定年までやめない人がほとんどで人の入れかわりが少ないということで、新規採用は特に慎重に行う必要があると考えます。特別区の新規採用試験では、まず特別区人事委員会が行う試験で合格した人が高得点順に希望した区に推薦され、その後各区で行われる面接を受けるという流れになっています。そこで伺いますが、中野区の人気はどうなのでしょうか。中野区を第1希望とする成績優秀者を多数集められていますでしょうか。 また、平成24年1月にホームページに公開なさっている新人職員アンケートを見ますと、特別区のほかに国家公務員試験を受けた人が33%、都道府県が18%などとなっています。住民に近く現場仕事も多い地方自治体職員と霞が関の官僚とでは仕事内容も求められる資質もかなり異なってくると思います。試験の点数も重要ですが、国家公務員試験がだめだったから、都庁に入りたかったけれどもだめだったからという後ろ向きの理由ではなく、熱意と意欲を持って最初から中野区でぜひ働きたいと考えている志望者にできるだけ多く入っていただくことも大事だと思います。新入職員でそのような方の割合は多いのでしょうか。 ○角経営室副参事(人事担当) まず、職員採用に関しますPRとしましては、採用試験実施機関であります特別人事委員会が各区と協力して23区合同の説明会や採用フォーラムなどを実施してございます。中野区ではこういったことに参加しているということと、それに加えまして区ではホームページ上に試験情報や、先輩職員からのメッセージなどを盛り込みました職員採用サイトというものを開設したり、また、昨年度からは区の会議室におきまして中野区採用説明会といった区独自の説明会の開催など取り組みも行っている状況でございます。中野区の人気度ですけれども、職員採用に際しまして人事委員会から中野区に提示される採用候補者がおりますけれども、土木職を中心に中野駅周辺まちづくりへの関心度が高いことや、先ほど紹介しました人事担当のPRなどの効果がありまして、ここ数年は希望する候補者ほぼ全員が中野区を第1志望としてございます。なお、近年の新規採用で入区した職員の併願状況を、先ほど委員のほうから内容について紹介がありましたけれども、そういった職員に併願状況を聞きますと、例えば試験日程の関係から特別区、中野区が第1志望ですけれども、力試しのために受験をしただとか、もしくは国の公務員だとか、あとは中野区のような基礎的自治体の仕事というのがいまいち状況がわかりにくかったので、実際に受験をしてよく調べるまでやりたかったというような返答が返ってきてございます。決してほかの自治体を落ちたから中野に来たというよりは、逆に政令指定都市と中野区両方受かった職員でも中野区のほうに第1志望どおり来ていただいたというような職員もおりますので、先ほど言いましたとおり、中野区の人気もありますし、第1志望として入ってくる職員についてはあらかじめそういったモチベーションの高い職員が集まっているというふうに考えてございます。 ○いながき委員 るる述べてまいりましたが、私は行政のかなめは人であり、人事というのは区政において非常に重要な位置付けにあると思っています。区にはエキスパート職員制度というのがありますが、人事にこそ専門性の高いプロフェッショナルな人材を配置する必要があると思いますが、なぜ人事にエキスパート職員がいないのでしょうか。 ○角経営室副参事(人事担当) まずは現在のエキスパート職員に対してそういった類型がないということと、人事担当につきましては、今、委員のほうからエキスパート職員のレベルということでお話がありましたけれども、手前みそでございますが、人事担当を管理する副参事としてはそのような職員が多く集まっているというふうに考えてございます。 ○いながき委員 最後に、平成23年5月に策定された中野区人材ビジョンについて伺います。 まず、公募制人事異動とございますが、これは実際に行われているのでしょうか。 ○角経営室副参事(人事担当) 公募制人事異動につきましては毎年行ってございます。数年の実績につきましては、例えば生活援護分野について希望する職員と、あと受け入れ先のほうでマッチングを行いましてそういった公募による人事制度というのを実施してございます。 ○いながき委員 先日の質疑で自民党の市川委員が経営職についての見解を述べられていましたが、この人材育成ビジョンを拝読しますと、選抜された管理職職員による経営幹部養成のための経営幹部養成塾を開講するとあります。これ、第1期が既に終了されたそうですが、その内容と成果について御報告をお願いします。 ○角経営室副参事(人事担当) 経営幹部養成塾につきましては、おおむね年齢が50歳未満の管理職経験5年未満というような若手管理職について塾を開催してございます。昨年度からこういった塾をおおむね1回程度の定例会と、あとそれぞれクラスというか、チームに分かれて検討しているという状況がございます。外部の政策大学院の教授を外部講師としまして、政策研究するためのさまざまな手法とか課題を学んでいるという状況がございます。なお、昨年度1年間そういった取り組みをして一定程度の発表というものを行ってございますが、今年についてもほぼ同じメンバーで引き続きそういった政策能力を研鑽するための塾を続けているという状況でございます。 ○いながき委員 同じメンバーということは、この塾はスパンは何年ですか。 ○角経営室副参事(人事担当) 同じメンバーというか、ほぼ同じメンバーでございます。特にこの塾につきましては、1年とか2年とか、そういったスパンを定めているものというよりは、実際に参加する職員についてそういった能力とかスキルを身につけさせるというところを主眼に置いている状況でございます。 ○いながき委員 それで、皆さんこの塾を受けて能力とスキルは身についたということでよろしいんでしょうか。 ○角経営室副参事(人事担当) そのように自負してございます。 ○いながき委員 わかりました。以上で私の質問は終了します。 ○内川委員長 以上でいながきじゅん子委員の質疑を終了します。 次に、林まさみ委員、質疑をどうぞ。 ○林委員 総括質疑をいたします。 平成23年10月に区長は、財政運営上の非常事態であるとし、7億円規模の事業見直しを行い、24年度の予算に反映させました。総務22の資料にある見直された事業を見ると、ペットボトル破砕回収機の増設による回収経費の削減を図る事業のように、見直すことで経費削減の効果が上がるうえに、区民に対する利便性の向上につながるものもありましたが、多くは事業の廃止や補助の削減により区民サービスの低下につながったものとなっております。それらの事業を見ると、精神障害回復者社会生活適応訓練の実施場所の縮小やおむつサービスの所得の引き下げ、児童福祉法による保育所運営費の減額、障害者通所施設の利用者健康診断の事業者負担の導入、区民歯科相談の廃止、生活保護世帯への法外援護のうち修学旅行支度金等の廃止、そして常葉少年自然の家の廃止など、予算が削減され、事業が縮小されました。平成24年度中野区の決算状況を見ると、第5次補正では合計22億円余が減額補正の相殺として各基金への積み立てが行われた上に、各事業部による総不用額は43億円となっています。不用額の大きな要因は事業などの契約落差によることは承知していますが、その予算を組むために、事業見直しなどで、高齢者や障害者、子どもたちなど弱者と呼ばれる区民の方へのさまざまなサービスが着実に低下したように感じられます。区は、駅前開発をして産業振興は推進されると歳入がふえ、区民サービスに転嫁できるとしていましたが、駅前開発などの大型予算を組むために、行うべき区民サービスが低下しているような決算状況であり、その上、財政調整基金は2年連続で減少しているなど、区の財政状況が好転したとは言えず、現時点においても財政運営上の非常事態の撤回には至っていません。そのような区の財政状況下、事業執行による効果や収支内容に問題があると思われる中野区地域スポーツクラブ事業の今年度行われたモデル事業について伺います。 中野区地域スポーツクラブは、平成21年、中野区地域スポーツクラブ設立基本計画を策定し、区民の健康づくり、体力づくり等のために運営するとしています。その後のスケジュールは、平成22年2月に中部すこやかスポーツセンターとスポーツクラブを同時に立ち上げるとしましたが、施設の設計施工の遅延により7月に延期となりました。その後23年1月、23年5月、そして23年度内と延期に次ぐ延期となり、ついには、地域スポーツクラブのスキームを再度構築する必要があるため、任意団体地域スポーツクラブは事業を行うのではなく、区が26年度の本格実施に向けて24年、25年とモデル事業を行うことにしました。その地域スポーツクラブの24年度モデル事業を見ると、グラウンドや体育館などを貸し出す団体参加型モデル事業と健康スポーツ教室型モデル事業として、厚生41の資料にあるように、さまざまなスポーツ教室が行われました。その結果を稼働率と平均参加人数で見ると、グラウンド稼働率15.3%、体育館の稼働率は14.6%、スポーツ教室の平均参加人数は7.7人だったと聞いています。平成24年予算分科会で担当は、任意団体地域スポーツクラブと区が実施したモデル事業の実態を分析するとしていましたが、平成24年度モデル事業のこの稼働率、参加人数について分析した結果を伺います。 ○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 年度を平均いたしますと確かにこのような数値となってございますけれども、施設の周知に伴いまして徐々に稼働率は上昇し、昨年度末3月の実績では、グラウンドは全ての中での25%、体育館は49%となってございます。教室型事業も同様でございまして、キャンセル待ちが出てきたことも事実でございます。こうした中から人気時間帯や種目、それから教室内容等の分析を行ったものでございます。また、事業実施前の広報、周知のあり方についても参考となったものでございます。 ○林委員 では、次に、平成24年度のモデル事業の収支について伺います。まず、光熱水費、管理費用、スポーツ教室委託費用などの支出は幾らとなりましたでしょうか。 ○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) モデル事業全体といたしまして485万円余でございます。 ○林委員 収入について伺います。グラウンド等使用料、教室参加料などの総収入は幾らとなりましたでしょうか。 ○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 団体参加型モデル事業は102万円余、教室型は43万円余、合わせて146万余の収入がございました。 ○林委員 担当はよく、この事業は民間ではなく、行政ができるスポーツ支援を行うと説明しています。しかし、今回のモデル事業には設立計画にあった障害者向けの事業がありませんでした。このような事業こそ行政がモデル事業として行うべきだったのではないでしょうか。区の見解を伺います。 ○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 昨年度のモデル事業で全てのプログラムを取り扱ったというわけではございません。障害者の健康づくりは重要な課題と認識しておりまして、またパラリンピック種目の普及等にも力を入れていかなくてはならないところでございます。指導に当たる人材の確保、サポート体制等十分に調整研究していきたいと考えているところでございます。 ○林委員 では、学校運動部活動の支援の役割も民間ではできないと考えます。しかし、この点についても事業執行がされていません。各学校でどのような支援が必要とされているのか、調査などは行ったのでしょうか。 ○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 昨年度はオリンピック金メダリストによる直接指導を行いまして、中学校でバレーボール部に所属する子どもたちがこれに参加したところでございます。実際に金メダルに触れさせてもらう機会等も得まして、モチベーションの向上が図られたと思っております。今後の具体的支援策につきましては、さらに情報を収集するとともに関係者の意見も聴取いたしましてまとめていきたいと思っております。 ○林委員 今のお答えでは、さらにというお話でしたが、調査はされたのでしょうか。 ○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 今申し上げましたとおり、実際にオリンピック金メダリストによるバレーボール部の所属する子どもたちに参加してもらいまして、それの効果、それからそのモチベーションの向上というような印象を、感想を得たところでございまして、大変有効な事業だったというふうに検証してございます。 ○林委員 いいえ、聞いているのは、各学校でどのような支援が必要か調査をしたかと聞いております。お答えください。 ○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) この1年間の取り組みということで具体的に聞いたわけではございませんが、先ほどお話がありましたような計画段階では、例えば学校で外部指導を行う、または、学校のほうからふだんできないような部活をできないかというようなことで意見はいただいているところでございます。 ○林委員 具体的な調査はあまりされていないように聞こえました。地域スポーツクラブ設立基本計画に示されている経営戦略として、トレーニングルームを随時開放し、基本計画には朝7時から午後10時、いつでもスポーツができる環境をつくり、その利用者に会員になってもらい、会費を収入の柱にして自立運営を目指すとありました。しかし、今年度のモデル事業にはトレーニングルームの開放や専門的指導者の配置など行われていませんでした。地域スポーツクラブのスキームを再構築するモデル事業であれば、経営戦略の主軸であるトレーニングルーム事業を行い検証材料とするべきだったと考えます。なぜ今回行わなかったのか、理由を伺います。 ○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) トレーニングルームでのモデル事業は本年度実施する予定でございます。武藤芳照東大名誉教授のトレーニング理論によります助言を受けているところでございまして、これに基づくトレーニングマシンを今後導入し、事業を開始する予定でございます。 ○林委員 また、地域スポーツクラブの経営戦略をイメージどおり推進するには、地域でスポーツをしたいという対象者の調査こそが必要と感じます。例えば私が住んでいる東中野は中部すこやか圏域に含まれていますが、新宿にも出やすい環境であり、駅前に民間のスポーツジムがあることから、なじみのない地域スポーツクラブに行くという選択はほとんどないとも考えられますし、また、中野駅付近の在住者も、駅前に多くのスポーツジムがあるため、対象者から外すことになるとも思われます。そのように駅から遠い立地にある地域スポーツクラブに対して定期的に通う対象者を絞り込んでいき、利用者数を算定していく必要があると思います。そこで伺います。中部地域スポーツクラブを利用するであろう対象者を絞り込むための地域調査等は行ったのでしょうか。 ○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 平成21年の設立基本計画策定後、(仮称)中部地域スポーツ施設見学者を含めニーズアンケート調査を実施してきたところでございます。その結果といたしましては、利用したい、内容がよければ利用したいと回答した方は90%となってございます。地域スポーツクラブに抱くイメージといたしましては、健康づくりクラブといったものが29%、それから多世代が交流するコミュニティの場というのが17%などという結果も得られております。なお、昨年度の健康スポーツ教室型モデル事業の中で東中野からは行きにくいという話がございましたが、実際にお住まいの7.3%の方が東中野からもいらしていただいております。 ○林委員 すみません。ちょっと聞き取れなかったんですが、アンケート数というのは一体何人ぐらいのアンケートをされたんでしょうか。 ○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 300名以上の方に回答をいただいておるところでございます。 ○林委員 そのアンケートを書いた方々の住んでいる地域というのはどこでしょうか。やっぱり中部地域スポーツクラブに通えるようなところにいらっしゃっている方なんでしょうか。 ○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) このアンケートでは、(仮称)中部地域スポーツクラブの施設の見学者を含め、そこにいらした例えばすこやか福祉センターに来ていただいた方に対してのアンケートでございますので、当然そこの施設に来ていただいているということでございます。 ○林委員 ぜひともそのアンケートを見せていただきたいと思います。 また、生活習慣病などの改善に結びつけることもスポーツクラブ事業の趣旨としていました。そうであるならば、地域調査のほかに、健康推進分野と連携し、中部地域スポーツクラブ周辺に在住しているスポーツを積極的にするべき対象者の情報を得て、市場調査をモデル事業と並行して行うべきと考えますが、行ったのでしょうか。 ○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 区民の生活習慣病改善の取り組みにつきましては、健康推進分野等さまざまな部署との連携が重要でございまして、データの活用等もそのポイントになると思っております。現在こうしたデータの活用法についても検討しているところでございます。 ○林委員 現在検討しているということは、24年度は行わなかったということでよろしいんでしょうか。 ○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 24年度のモデル事業の中でこうしたデータをそのまま活用をしたということではございません。 ○林委員 はい、わかりました。今回のモデル事業を見ると、設立基本計画にある主軸のトレーニングルーム事業もなく、また当然行われるべきニーズ調査も行われていません。この2点がモデル事業として行われなければ、検証すべき収入も支出もわからず、また将来的に会員となってもらえる対象者もわからず、スキームの再構築の検証材料としては不十分と感じます。なぜスポーツ教室などのモデル事業だけとしたのでしょうか、伺います。 ○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) ニーズの調査というお話でございましたが、平成25年度中野区保健福祉に関する意識調査、その速報値によれば、継続的に運動を行っている成人区民の割合は約28.4%でございます。残る約7割の方にも地域の仲間とともに継続した運動習慣をつけていただくというのが地域スポーツクラブ事業の大きな役割でございます。現時点で運動したいと自覚して考えていらっしゃる方以外の多くの層を掘り起こしていく必要があると思っております。こうした運動の必要性や健康づくりの正しい認識を今のところ持つに至っていらっしゃらない方々へのアプローチによってクラブ参加者をふやしていくつもりでございます。 ○林委員 でも、それだととても大きな話だし、26年にはもう地域スポーツクラブは事業として進めなければいけない。それを今そういうふうにしたいというような言葉だけだと、あまりにも検証するデータがないと思うんですね。そこら辺については早急に調査等をしていただきたいと思います。そもそも地域スポーツクラブ設立基本計画策定時に地域調査やニーズ調査、市場調査をもっともっと徹底的に行うべきだったと考えます。施設ができて3年も経過した今ごろになってスポーツのニーズ調査のために教室事業等を行っていること自体が問題です。つまり、地域スポーツクラブ設立基本計画自体が綿密な検証も調査も行わずに立てられた計画であると考えられます。スキームの再構築というよりは早急に地域スポーツクラブ設立基本計画から見直すべきと考えます。区の見解を伺います。 ○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 設立基本計画の趣旨を生かしまして、区民の健康づくり、体力づくり、学校運動部活動の支援、それからスポーツの指導力、競技力向上を目指した地域スポーツクラブ事業の本格実施に向けて取り組んでいく所存でございます。基本計画自体の見直しは考えてございません。 ○林委員 今後すこやか福祉センターに併設する計画である地域スポーツクラブは多くの学校跡施設を活用して行われる計画であり、つまり、駅前などではない立地条件の悪い場所に設立することになります。そのような場所にスポーツクラブをつくっても設立基本計画のような収支計画になることは困難と考えられ、結果、赤字部分を長期的に区の補助金で埋め合わせることになり、利用率の低い、今後、区民の皆様の税金を投入することと予想され、そのかわりに、事業見直しでさまざま切り捨てられたように、本当に予算をつけなければならない事業につかないことになりかねません。もっと違う運営方法を考えるべきと申し述べて、次の質問に移ります。 2012年第4回定例会一般質問において、今から5年前の平成20年3月の総務委員会で示された中野区施設白書の報告書に、今のまま区有施設を保有していると1,053億円余かかるとあり、中野区の財政規模に見合った区有施設のあり方や長寿命化にかかる経費、施設保全の優先順位等を検証し取り組むとした区有施設の保全計画のあり方について、いまだに報告がないことを問題とし、早急に策定するべきとの問いに対して、政策室長より、「適切な区民へのサービスの提供のために施設の現状を踏まえ、今後も必要となる公共施設のあり方について、アセットマネジメント等の手法を取り入れて検討を行っているところでございます。」、「できるだけ早く計画について考え方をお示ししたいと考えております。」との答弁がありました。いまだに報告はなく、平成24年度の政策室の業務内容を見ると、施設分野による施設の保全計画などの検討は進められているようですが、今後も必要となる公共施設のあり方について、アセットマネジメントの手法などを取り入れて検討を行っている形跡が見られません。どうなっているのでしょうか。 ○海老沢政策室副参事(企画担当) 学校施設につきましては、今年度、施設の診断調査を実施するところでございますが、その他の区有施設も含めまして、今後10か年計画の改定を行うに当たっても取りまとめておくべき必要な考え方であると考えてございます。できるだけ早期にお示ししたいというふうに考えてございます。 ○林委員 財政白書52ページを見ると、区有資産の老朽化率が示されていました。それを見ると年々老朽化比率は上昇しており、24年度は前年度から1ポイント増の47.1%となっています。これは有形固定資産の更新投資よりも減価償却による経年劣化が相対的に高かったことと、償却資産が老朽化しつつあることを意味しています。今後も老朽化が進行することは避けられません。区としても老朽化対策と並行して公共施設のあり方の方針の策定は喫緊の課題であり、政策室が24年度も報告に至っていないのは問題と考えます。本会議で答弁したように、できるだけ早く計画を策定して報告することを要望して、最後にその他として一般質問でも行った人材育成と人事採用についての質問を行います。 義務的経費の抑制を進めている中野区は、職員2,000人体制を着実に推進しています。そして少数精鋭の職員体制の確立のために、職員の能力開発を行っています。しかしながら、区としてまちづくり事業等の経験が今まで少なかったため、人材育成等がおくれ、経験者採用を行い対応してきました。そして、24年度、駅周辺まちづくりの所管に任期なし管理職採用を23区で初めて行いました。まず、任期なし管理職について伺います。任期なし管理職とは、60歳定年まで勤めるということでしょうか、それとも事業が終了するまでの任期ということなのでしょうか。 ○角経営室副参事(人事担当) 任期の定めのない職員でありますので、定年まで勤務できるものです。 ○林委員 管理職採用とのことですが、公務員試験や管理職試験等を合格してきた他の管理職と同等の待遇なのでしょうか。 ○角経営室副参事(人事担当) 任期の定めのない職員ですので、一般の職員と同等と、処遇についても同じというものでございます。 ○林委員 今定例会一般質問において、まちづくり分野では4人中3人が外部採用の管理職となっている等、技術系管理職員の人材育成、特に技術系幹部の内部昇任が12年間で3人だけで少ないことについて問題ではないかと指摘したところ、現在は技術系幹部の内部昇任は少ないが、人材育成を計画的に行っているとの答弁でした。杉並区でも毎年必ず技術系幹部の内部昇任があるそうです。中野区でも計画的に人材育成を行っているのであれば、経験の少なかったまちづくり分野においても杉並区のように計画的に技術系幹部の内部昇任があるはずです。その環境が整ってきたと考えてよいのですね。 ○角経営室副参事(人事担当) 技術系職員はもともと人数が少なく、全般にも言えますけれども、管理職試験の受験率が低下する傾向の中で、管理職選考の受験者が少ない状況となっているというものです。こうした中にありましても、本年度管理職選考に技術系職員もチャレンジしており、こういった中から幹部昇任が出るものというふうに考えてございます。 ○林委員 まちづくり事業など10年以上の中長期に及ぶ行政課題があり、最長でも5年採用の任期つきでは対応が困難との理由で、区は任期なし管理職の採用をしました。しかし、他方で区は技術系職員の採用を行い、人材育成を計画的に行っていると答弁しています。つまり、技術系職員の幹部の内部昇任が行われる環境にあるということ、そうであれば、任期なし管理職の採用ではなく、任期つき管理職を再度採用し、最長5年のうちに内部昇任を育成し、任務を任せるように行うことが可能であったはずです。特別区人事委員会でも同じ部署での任期つき職員の再採用は認めています。その点、選択を行わなかった理由を伺います。 ○角経営室副参事(人事担当) さきの一般質問で答弁させていただきましたとおり、行政課題が中期にわたるなど、任期つき職員採用制度等による採用が困難であるとの理由でございます。 ○林委員 中期にわたっても、内部からの管理職がきちんと育成されているのであれば、そちらに任務を渡すようにすればよろしいと思うんですが、そのようなお答えでした。では、また以下の質問に対しても明確な回答ではなかったので、伺います。任期なし管理職の採用選考時における職務内容を見ると、主に中野駅周辺のまちづくり、中野駅地区等整備となっていますが、中野駅周辺のまちづくりのみを職務とする採用なのでしょうか。 ○角経営室副参事(人事担当) 同じくさきの一般質問で答弁させていただきましたとおり、中野駅周辺まちづくり、中野駅地区整備という中長期の課題を担わせるために採用を行ったものであり、この課題に取り組んでもらうものでございます。 ○林委員 そうであれば、内部からの昇任があっても、その新たな人材に駅周辺のまちづくりの職務を経験させる場を持たせないということでしょうか。 ○角経営室副参事(人事担当) 中野駅周辺まちづくりにつきましては、現在でも多くの職員がかかわってございます。ほかの職員が業務を経験できないということではありませんので、こういった配置は可能だというふうに考えてございます。 ○林委員 職員2,000人体制に向けての方策によると、さまざまな所管を経験する複線型人事を確立することで組織全体のスキルアップを図るとあります。しかし、今回の採用では計画を立てる部署に同一人物を定年時まで配置し続けることになります。そうなると、これから育成される内部昇任の幹部職員が駅周辺まちづくりを担当したいと希望しても配属されることはなく、まちづくり経験の管理職としての貴重な経験を阻むことになり、また任期つき管理職も、異動しない人事配置であるため仕事の幅を持つことができず、どちらにとっても成長を妨げることになります。つまり、このような任期なし管理職の採用基準は区が行おうとしている組織全体のスキルアップを図るための複線型人事にも反することになります。その点について区の見解を伺います。 ○角経営室副参事(人事担当) 複線型人事の特にそういったエキスパート職員による認定制度ということで実施していくというものでございまして、エキスパート職員は特定の専門領域に関連する部署に継続して従事することにより、専門的な知識、経験を蓄積し、さらに高度な能力を伸ばし発揮するということで掲げられたプランでございます。そういったことからも、こういったまちづくりなど専門性を有する職場について一定の中長期の期間担わせるというところは、こういったエキスパート職員制度の趣旨でございます。なお、先ほども言いましたけれども、中野駅周辺のまちづくりに関しては現在でも多くの職員がかかわってございます。ほかの職員が、一人の管理職がいるからといって、そういったまちづくりの業務が経験できないものではございません。 ○林委員 私は、エキスパート職員のことを聞いたのではなく、複線型人事に反するのではないのかということについて伺いました。その点について再度答弁を求めます。 ○角経営室副参事(人事担当) ですから、複線型人事で、今のところ中野区としてはエキスパート職員認定制度というところと、あとはそれ以外の管理監督者を目指す道ということで、複線型ということで表記をさせていただいているというふうに考えてございます。職員はそれぞれの仕事を通していろいろと能力開発をしたり、もしくは人材育成が図れるものというところは原則として捉えてございます。ただ、先ほども言いましたとおり、まちづくりみたいに専門的な知識が要求されるというところでは、一定程度中長期の継続的な職員配置により人材育成とか能力開発を図るとともに、例えば地権者の方との関係性についても構築していく必要性があるということで、中長期の期間の担当を想定しているということでございます。そういったところから、今御案内のありました複線型人事制度には何ら反するものではないというふうに考えてございます。 ○林委員 最後に、本会議場において答弁漏れがあったので伺います。中野区は平成24年度一般任期つき職員の任用を行い、業務の縮小拡大に柔軟に対応できるようにしています。つまり、任期をつけて職員を採用することで長期的にかかる人件費の削減を行おうとしています。一方、一部の管理職採用には任期なしの特例を行っており、一貫性に欠けます。この点について区の説明を求めます。 ○角経営室副参事(人事担当) 任期の定めのない管理職につきましては、先ほど御答弁させていただいたとおり、中長期の課題を担わせるために採用しております。任期つきの管理職につきましては、外部における実務経験を直ちに活用する必要性があるため採用するなど、それぞれ目的を持って採用したものでございます。決して一貫性のないものとは考えてございません。 ○林委員 歳入の確保と歳出の削減を行い、健全な財政運営を目指すとしている中野区、その中で区民サービスの質を落とさず事業執行を行わなければなりません。しかしながら、多様化する社会において行政課題は複雑になる一方であり、職員2,000人体制は現場にとって大きな負担となっています。そのような状況下において、納得できる説明とはならない特例の人事採用が行われています。このような案件は区職員のモチベーションを下げることとなると考えられます。組織として一貫性のない人事を行うことは問題であると指摘し、人材配置について再度見直すことを求めて総括質疑を終わります。 ○内川委員長 以上で林まさみ委員の質疑を終了します。 次に、石坂わたる委員、質疑をどうぞ。 ○石坂委員 総括質疑をいたします。 1、障がい児の移動の支援に関する施策について。 (1)さまざまな障がいを持つお子さんの特別支援学校におけるスクールバスの乗車について伺います。学校教育法では、都道府県に特別支援学校の設置義務が定められています。障害児の特別支援学校への移動手段を確保する最終責任は、本来は都道府県の役割であり、区も区民である障害児の通学手段を確保すべく、都と連携、調整、働きかけをして、都が責務を果たすようかかわる役割があると思われますが、どのようにお考えでしょうか、お答えください。 ○伊東教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 区としましても、一人で通学することが困難な児童・生徒がスクールバスで通学することができるよう、これまでも必要に応じて都に働きかけを行ってきているというところでございます。 ○石坂委員 一例ではございますけれども、平成24年4月の練馬特別支援学校開校による通学区域変更で転校されたお子さんについて、スクールバスのルートや交通の便の関係でかえって中野特別支援学校に通っていた以前よりも通学に時間がかかるようになった、トイレをお子さんが我慢できなくて困っているという声を聞きました。他区の教育委員会では、都立の特別支援学校に行ったお子さんのことは知りませんというところもあるようですけれども、しかし、都立学校とはいえ、中野区在住で中野区の就学相談、就学指導の結果、特別支援学校に入学した以上は、やはり区が通学途中や通学先での状況について把握をしたり、何らかの困難を抱えた際には相談に応じ、都と連携をして、あるいは区でできる対応をする責務があると思われます。いかがお考えでしょうか。 ○伊東教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 特別支援学校に就学する前の児童については区のほうで状況を把握してございますが、通学するようになってからの状況を個別具体的に区のほうで把握するということは難しいと考えてございます。しかしながら、相談などがあった場合については、東京都教育委員会や特別支援学校に区として働きかけを行っていきたいというふうに考えてございます。 ○石坂委員 そうしますと、相談があれば受け付けてはもらえるということでよろしいですか。 ○伊東教育委員会事務局副参事(学校教育担当) そういった相談があれば、親身に相談に応じて必要な機関との連携を行っていきたいというふうに考えてございます。 ○石坂委員 次に、(2)の特別支援学校に通う医療的ケア、たんの吸引が必要なお子さんに関する通学支援について伺います。前回の定例会の一般質問で、いでい議員のほうで、医療的なケアが必要で特別支援学校永福学園のスクールバスに乗れないお子さんの件について質問をされていました。いでい議員の質問の後、状況が大幅に改善する方向へ進んだと聞いておりまして、とてもよかったと思っております。 ところで、特別支援学校の登下校のスクールバス利用時に何らかの配慮が必要な就学前のお子さんについては、どの部署が状況の把握をされているのでしょうか。また、来年度以降もそうした医療的ケアが必要なお子さんがいらっしゃる可能性についてはどのようになっていますでしょうか、教えてください。 ○伊東教育委員会事務局副参事(学校教育担当) まず、就学相談事業を所管してございます教育委員会事務局の学校教育分野で状況は把握してございます。また、現在、来年度の就学に向けた相談を実施しているところでございまして、その中で医療的ケアの必要なお子さんがいるということは把握してございます。 ○石坂委員 文部科学省の特別支援学校等における医療的ケアの実施に関する検討会議、ここが平成23年12月9日に出しました「特別支援学校等における医療的ケアへの今後の対応について」というものでは、都道府県教育委員会における体制整備とスクールバスの乗車中におけるたんの吸引が必要になる場合の慎重な対応についての記載があります。現在、東京都はどのような方針を持っていて、それに対して区はどのような働きかけを行っていますでしょうか、教えてください。 ○伊東教育委員会事務局副参事(学校教育担当) スクールバスの乗車中に医療的ケアが必要な児童・生徒さんの乗車については、基本的には難しいというふうに聞いてございます。しかしながら、区としましては、そのような児童・生徒さんも安全にスクールバスによる通学が可能となるよう、これまでも都に働きかけを行ってきたところでございます。 ○石坂委員 今後もしっかりと働きかけを引き続き行っていただきたいと思いますけれども、現在の中野区でできることとしまして、義務教育通学支援制度はありますけれども、都立特別支援学校に通われるお子さんの場合、スクールバスのバスポイントまでの送迎までしか対象になっていませんし、また、金額が限られたタクシー券を使って送迎を行う場合、この福祉タクシーでの送迎は保護者は多大な経済的負担を強いられることになります。どうしても区が発行するタクシー券、金額は限られています。同じ義務教育の児童・生徒について、東京都がスクールバスの利用を拒んだり限定するのであれば、東京都のスクールバスが利用できない部分を補うための通学支援の方策を区としても検討すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。 ○黒田教育委員会事務局副参事(特別支援教育等連携担当) スクールバスがやむを得ない事情により利用できないときのための通学手段の確保でございますが、保護者がタクシー等で通学させておりまして、経済的な負担があることについては認識をしているところでございます。こうした状況につきましては、何らかの支援ができるか検討してまいりたいというふうに考えております。 ○石坂委員 ぜひよろしくお願いいたします。 次に、(3)中野区の知的・発達等障害児通所支援施設と中野区立重度・重複障害児通所支援施設の通所のためのバス等について伺います。長い名称の施設名称ですが、新たにたんぽぽ学級の跡地にできる施設名称です。これまでは通学前の障害児の療育ではアポロ園が大きな役割を担ってきましたが、就学後の療育について、今後開設されるたんぽぽ学級の跡や南部にできる障害児施設について親御さんの期待もとても高くなっています。しかし、これらの施設と家の距離は必ずしも近いとは限らないということがあります。決算報告書の291ページ、障害児支援送迎バス運行委託について、現在のアポロ園の送迎バスの運行については、医療的ケアが必要なお子さんの乗車も含めてどのような状況になっていますでしょうか、教えてください。 ○黒田教育委員会事務局副参事(特別支援教育等連携担当) アポロ園の送迎バスでございますが、現在マイクロバス2台とリフトつき小型バス1台で運行しております。リフトつき小型バスにつきましては、医療的ケアの必要な子どもたちも基本的に乗車しておりまして、介助員などが同乗しております。 ○石坂委員 東京都の及び腰の状況と比べて区のほうは頑張っていただけていること、すごく感謝しております。評価しております。また、来年度からスタートしますたんぽぽ学級の跡につくられる施設についてはどのように行いますでしょうか。特に通学をしているお子さんの場合、放課後の学校から施設への移動、施設から家庭への移動が必要となります。学校の就業時間も学年、曜日、行事などの関係で運行が必要となる時間がまちまちとなる場合もあるかと思われます。また、発達障害児と重度・重複障害児についても必要な支援の内容や移動中に必要なケアの内容も異なると思われます。どのような対応をお考えでしょうか。 ○黒田教育委員会事務局副参事(特別支援教育等連携担当) たんぽぽ学級閉級後の障害児の通所施設でございますが、知的・発達障害の子どもたちの通所支援につきましては、現在区内で実施しております事業と同様に、迎えが必要な児童については職員がタクシーや路線バスに子どもと一緒に分乗して通所することを予定しております。また、重度・重複障害児の通所支援施設についてでございますが、自力で通所することができないために送迎バスの用意を検討しているところでございます。 ○石坂委員 区のほうで重度・重複障害児についてバスを用意する際には、もちろん医療的ケアの必要なお子さんも含まれるという認識で大丈夫でしょうか。区のほうで、要は新しい療育施設のほうにお子さんを移動させる際の重度・重複障害児向けバスの運行ですね。そこに関しては、たんの吸引が必要なお子さんについても乗車できるということでよろしいでしょうか。 ○黒田教育委員会事務局副参事(特別支援教育等連携担当) 医療的ケアのお子さんもバスで通学する予定でおります。 ○石坂委員 わかりました。全ての子どもが安心して自宅、学校、施設からの移動ができるように引き続き取り組みや検討のほど、よろしくお願いいたします。 そして、2番目に発達障がい児への教育委員会とすこやか福祉センターによる支援について伺います。 まず(1)としまして、特別支援教室と特別支援教育巡回指導員について伺います。まず、特別支援教育巡回指導員についてです。平成24年1月31日の子ども文教委員会で配付をされました中野区立小中学校における特別支援教育推進のための方針及びこの日と23年10月23日の子ども文教委員会の議事録から読み取りますと、この仕組みは以下のようなものであることがわかります。特別支援教育巡回指導員は、都が配置をする常勤の教員と区が採用する非常勤の教員免許所有者によって構成されます。そして、通常の学級に在籍をしている発達障害児などの特別な教育的支援や指導が必要な児童・生徒に対して、指導員の側が学校を訪問して直接子どもに指導するというものです。これは、従来の補助的な立場で子どもの介助を行う介助員や教員に口頭での指導方法のアドバイスを行う特別支援教育巡回相談員などとは異なり、専門的な指導方法の研究や指導、支援の経験を積み、学校を巡回して、特別な支援が必要な子どもに対して、教科あるいは教科に分類できないような学習活動について直接的な専門指導を行うというものです。また、巡回指導員が学校に行くことで、そこで担任の先生たちと一緒にお互いにスキルアップを図っていくということも想定されています。この巡回指導員にはこのように高い専門性が求められるため、特に区が採用する非常勤職員は教育委員会事務局に配置され、指導主事や巡回相談員の指導、助言を得たり、巡回相談の動向や通級指導学級での指導経験などを通しての指導方法を習得します。また、巡回指導員同士の情報交換や情報の共有化を図るとされています。これによって、特別支援教育巡回指導員は、中野区の各学校の状況や特別支援教育の状況を把握し、発達障害についての専門的なスキルや知識を持ち、巡回相談員などの他の区の採用の職員との連携やケースの引き継ぎも着実にできることになります。また、モデル事業のうち本格実施をする際には、この巡回指導員の人数はニーズに合わせて増員を図るとされています。なお、未就学児については、アポロ園が既に発達障害児等の支援を行っています。決特資料の子ども文教15のアポロ園巡回訪問事業実績を見ますと、巡回訪問対象児童数は就学前の5歳児が169名と書かれています。また、こうした巡回の結果、アポロ園での個別指導につながった5歳児は68名いたとのことです。このことからも小学校入学後の特別支援教育巡回指導員による指導、こういった指導を受けたいというお子さんのニーズの高さが考えられます。また、この特別支援教育巡回指導員の仕組みづくりとあわせて、特定の学校のみに設置されている特別支援学級だけでなく、全ての学校に特別支援教室を設置するとされています。この特別支援教室の設置の趣旨と今後の使われ方について教えてください。 ○伊東教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 特別支援教室の設置の趣旨でございますけれども、発達障害や情緒障害の程度に応じた個別、少人数などの多様な形態での指導を、教員免許を持った指導員が各学校を巡回して指導を行うというものでございます。東京都は、特別支援教育推進計画の第3次実施計画を策定しまして、その中で全ての公立の小・中学校に特別支援教室を設置していくということを示してございます。現在、東京都においてはモデル事業が実施されているというところでございます。これを踏まえまして、委員、先ほど御紹介がありましたように、区では区立小中学校における特別支援教育推進のための方針を策定しまして、現在、特別支援教室のあり方ですとか、巡回指導員の役割、そして児童への指導方法等について検討しているという状況でございます。 ○石坂委員 なお、この特別支援のための教室の設置、専門スタッフによる巡回など、既にこうした仕組みがスタートしている他区の状況もあります。巡回に関する仕組みの自治体ごとの差が大きいようです。幾つかの区、幾つかの自治体について確認したところ、そのような差があるようです。例えば心理、障害児教育、療育、福祉についての資格や経験や見識のある人を新規で雇用したり、新規雇用だけでなく、医療、福祉にかかわる区内の他部署の職員が兼務で一緒に巡回スタッフになっている区もあるようです。なお、心理の資格については、臨床心理士に限らず、学部卒以上の心理士としている自治体もありますし、また、臨床発達心理士や特別支援教育士などの資格も存在していることを一応申し添えておきます。 また、4年前のことではありますけれども、ある区では、元職員や特性の異なるメンバーで構成されるチーム型の組織となっていました。4人の特別支援教育巡回指導員のうち、1名は臨床発達心理士の資格を持つ特別支援学校の元主幹教諭、もう1名は心理学修士、もう1名は特別支援学校の臨時採用経験があり、正規での教員の正規採用を目指している者、もう1名は精神保健福祉士資格を持つ元特別支援学校教諭でした。そして、うち3名が知能検査を実施できる資格や経験を持ち、巡回指導員が所有する教員免許も幼稚園、小学校、中学校、高等学校、そして現在の特別支援学校に当たる養護学校の免許などさまざまでした。そうした結果、それぞれが専門性を生かし、教室での授業時にすぐ傍らで、あるいはチームティーチングのような形で指導したり、遊び、学級活動などのレクリエーション、行事あるいは体育などの校庭での活動のとき、そうした活動における体の使い方や友達とのかかわり方などについての指導、1対1での教科的な内容や発達を促す自立活動的な内容など、教育的なアプローチや心理的アプローチも可能になっていましたし、放課後に担任の先生との相談や助言もできるようになっていました。また、ケース会議ではそれぞれの経験やスキルを生かしたケース検討を行うことができ、時には役割を分担しながら保護者からの相談を受け、子どもの知能検査を実施し、学校にフィードバックをして、その後は子どもに対する学級担任の指導や巡回指導員自身の指導に検査結果を生かしている一連のことが巡回指導員のチームの力で行えていました。 中野区の場合にも採用要件の考え方として、特定のスキルを持つ均一集団での巡回指導員の採用ということも考えられるかと思いますが、教員免許に加えて他の資格や経験の有無を募集資格に設けたり、応募資格を一つの種類に限定しないようにするなど、チーム型組織を視野に入れた募集ということを検討されてもいかがかなと思われますが、いかがでしょうか。また、子どもとのかかわり方についても、学級集団内での指導や授業中や放課後を取り出しての1対1での指導など、中野区ではどのように行う予定でしょうか。また、通常学級での特別支援に関しては、現行の巡回相談員や、次の項で質問しますが、すこやか福祉センターの職員もかかわります。しかし、学校や保護者にとって、書類作成や助言だけでなく、実際に子どもに専門的なアプローチをしてくれる人が求められている状況にあると思われます。特別支援教育巡回指導員は、学校や特別支援教育巡回相談員やすこやか福祉センターの職員とどのように連携や仕事の分担をしながら、どのように子どもへの指導を行うのでしょうか。以上の採用、巡回指導のあり方、他職種との分担について、あわせて教えてください。 ○伊東教育委員会事務局副参事(学校教育担当) ただいま委員から3点について御質問があったというふうに認識してございます。 まず、1点目でございます。必要に応じて区で採用する職員の資格要件等につきましては、その役割ですとか、児童への指導方法などを検討する中で、区の実態に合わせて考えていきたいというふうに思ってございます。 2点目でございます。巡回指導員の子どもへのかかわり方でございますが、先ほども御答弁申し上げましたが、現在、東京都がモデル事業を行っているところでございまして、その状況を踏まえて検討していきたいというふうに考えてございます。 最後、巡回指導員のその他の職員等との連携ですとか役割ということでございますが、巡回指導員の役割、指導方法、そして連携の仕方等については、今後こちらについても詳細は検討していきたいというふうに考えてございます。 ○石坂委員 そして、子ども文教委員会におきまして24年度に具体的なことについて教育委員会事務局内に検討会を設けて検討していくという話が24年3月2日の委員会のほうであったかと思われますが、その進捗状況について改めて教えてください。 ○伊東教育委員会事務局副参事(学校教育担当) この特別支援教室でございますが、巡回指導とあわせまして平成28年度の実施を予定してございます。それに向けまして、平成24年度に特別支援教育検討会を設けたところでございます。昨年度、平成24年度は実施までのスケジュールですとか、巡回指導の基本的考え方など、検討会を4回開催しまして、実施に向けた方向性を検討してきました。引き続き今年度もこの検討会におきまして、対象児童の具体的な基準ですとか、巡回指導員の役割及び指導方法等について検討を行っているという状況でございます。 ○石坂委員 具体的なものはこれから出てくるところだと思いますけども、なお、平成23年10月23日の子ども文教委員会の報告、私、質問させていただきました際の御答弁の中でも、各児童・生徒の状況に応じた指導を行っていくと。そのときに、特別支援教室での指導はもちろんですけど、それ以外にも通常の授業において複数の教師が行うチームティーチングというような方式なども想定しておりますなどという答弁もありましたので、さまざまな角度で考えていただければな。後退しない方向で考えていただければなと思います。ありがとうございます。 次に、(2)です。個別の支援計画の作成とすこやか福祉センターのかかわりについて伺います。現在、子ども家庭支援センターが学校とすこやか福祉センターの間を調整しながら、すこやか福祉センターは子どもの個別発達支援計画をつくるという仕組みになっています。24年度の4所のすこやか福祉センターではどのくらいの件数の個別支援計画を作成していますでしょうか。また、こうした支援計画の作成にすこやか福祉センターがかかわることの意義について教えてください。 ○大橋北部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 区では、発達に課題を抱えるお子さんに対して、成長の状況や環境の変化に応じて、関係機関が集まり、支援方針を検討する個別支援計画会議を実施しております。そして、個別発達支援計画を作成しているところです。平成24年度につきましては主に小学1年生、4年生、6年生を対象として、4すこやか福祉センター合計で約220件作成いたしました。すこやか福祉センターは、発達に課題を抱えるお子さんの成長過程に応じた支援を継続する役割があり、学校、家庭等と支援内容を共有した個別発達支援計画を作成することで、その対象となるお子さんとその家庭が学校及び地域で安心した生活を送れる支援を行う、そのように考えております。 ○石坂委員 では、実際に支援計画を作成するために、事前に学校に足を運んだり、計画作成後にアフターフォローするために24年度はどの程度学校に足を運んでいますでしょうか、状況を教えてください。 ○大橋北部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 個別発達支援計画作成に当たりまして、学校と連絡をとり合うなどして、その作成対象となるお子さんの学校での様子を確認するために、約5割程度の訪問をいたしました。また、個別発達支援計画作成後につきましては、学校や家庭から対象のお子さんの様子や家庭の状況の変化等の情報を把握したときなど、支援内容の確認や調整の必要から約1割程度の訪問をいたしました。 ○石坂委員 他の自治体の状況を聞きますと、こうした個別支援計画の作成に子ども家庭支援センターなどがうまくかかわれていないところも多いようです。しかし、学校、家庭、地域のさまざまな資源をつなげる個別の支援計画を中野ではすこやか福祉センターが中心になってつくっている。この方式そのものは、子どもを教育や福祉の垣根を超えて総合的に捉えるという視点においては大変評価できるものと思っております。その上でもう少し具体的にお聞きしたいのですが、区内4カ所のすこやか福祉センターでは、マル1どのような職員体制で個別の支援計画を作成しているのか。マル2職員は計画作成のため、どの程度事前に学校に足を運び、授業中や休み時間の様子を実際に目で見て確認をしたり、計画作成後に気になるケースを中心に、自発的に、あるいは学校からの求めに応じて足を運んでいるのか。マル3学校の状況を知り、また、すこやか福祉センターの職員を受け入れてもらうための関係づくりをどのように進めていますでしょうか。この3点について4所の状況を教えてください。 ○大橋北部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 今3点の御質問でございます。まず、それぞれお答えをさせていただきます。 職員体制につきましては、各所とも福祉職と医療職が連携して作成をしております。職種によるチームの組み方や、また地域の分担の仕方についてなどは各所の事情に基づき対応させていただいているところです。 次に、学校への訪問についてですが、作成前については学校と連絡をとり、事前に様子を把握するなど必要があると考えた場合に訪問をしております。作成後の訪問につきましても、対象のお子さんや家庭の状況の変化を把握したい場合など、そういうときに訪問しまして必要な対応をしております。 次に、学校との関係づくりでございますが、学校との関係づくりにつきましては、各所とも学校とともに継続した支援に取り組みながら、各種行事に副参事や職員が参加したり、また学校関係者が参加する地域の会議等を利用して関係を深めるなど、そういう取り組みをしております。 ○石坂委員 4所のすこやか福祉センターの状況はさまざまな学校環境であるとか地域の環境があるかと思うんですけれども、実際に日ごろ足を運んだり、あるいはお子さんを見に行くケースの件数が、作成に当たりまして事前に5割程度のお子さんの訪問をし、事後に1割程度のお子さんの訪問ができているということですけど、これ、4所すこやか福祉センター間での差というのはありますでしょうか。 ○大橋北部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 対象となるお子さんについてはその地域にもよりまして若干の違いはございますけれども、訪問につきましてはできるだけ訪問に行く、必要に応じて学校と連絡をとりながら行くということで、そういう点では皆4所全て同じ訪問数にはならないところもあるかと思いますが、そういう考え方で進めさせていただいております。 ○石坂委員 その所のケースについていろいろなケースもありますし、先ほどお話がありましたように、4所のすこやかの職員の福祉と医療が連携しつつも、体制も違うという中で違いが出てくるところはあるのかなと思うところではあります。やはり発達障害を抱えたお子さん、かなりニーズも複雑化していますし、親御さんもあるいは家族も大変な状況を抱え込んでしまっているケースもありますので、そういう状況をある程度はいたし方ないかなと思うところはありますが、ただ、配置をされている職員の人数が違ったり、あと支援計画の作成について福祉職と――恐らくアポロ園の元職員が各すこやか福祉センターに入っていますので、そうした職員と保健師との役割分担、こうしたところの違いがあったりですとか、あるいは障害のある子どもの観察の仕方等も違いが出てくるとは思うんですけども、やはり障害のある子どもを観察して課題を明らかにしたり、障害を持つお子さんを抱えた親御さんの気持ちに寄り添ったり、あるいは的確な支援につないだり、そうした十分なスキルを持った人材の確保と育成というもの、やはりこれは4所すこやかともにしっかりとやっていただきたいと思います。特に各すこやか福祉センターがこれまでやってきたやり方でただよしとしてしまうだけではなく、4所の違いもあるようですので、よいものは他のセンターのまねをしたり、地域の実情に合う形で参考にしたりしつつ、新たな形でそれぞれの4所取り組んでいっていただきたいと思いますが、これについていかがお考えでしょうか。 ○大橋北部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 委員の提案を踏まえまして、すこやか福祉センター間で取り組み等の情報共有を今後も図りながら取り組んでいきたいと考えております。 ○石坂委員 どうぞよろしくお願いいたします。なお、いずれにしましても、会議の場所だけで話をして、個別の発達支援計画の書類を作成して保護者に提示するというだけになってしまいますと、学校や家庭やすこやか福祉センターの負担がふえるだけで、子どものための支援には生きてこないという心配もあります。すこやか福祉センターの職員がやはり個別の発達支援計画の作成やその後のアフターケアについてもっと足しげく学校に通い、状況を確認したり、必要な修正を加えたりして、家庭や子どもにアプローチをしていくことはとても重要だと思います。これについて今後どのように行っていきますでしょうか。 ○大橋北部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) これまでもすこやか福祉センターが学校でのお子さんの様子や家庭の状況等の把握に努めながら、学校とともに個別発達支援計画による支援をしてまいりました。今後も支援を継続していく中で、対象のお子さんや家庭の状況の変化等が生じた場合、すこやか福祉センターが中心となり、学校、家庭等の情報を収集し、家庭や学校、子ども家庭支援センター等関係機関と連携をして、個別発達支援計画の見直しも含めた調整を行ってまいりたいと考えております。 ○石坂委員 また、個別支援計画、これをつくることがただ単に目的になってしまうのではなく、やはりそれは手段として、子どもの発達の支援、教育の支援につながるような学校とすこやか福祉センターの関係づくり、これが必要と思われますので、しっかりとした連携を行うようにしていただきたいと思っております。学校とすこやか福祉センターとの連携についてはいかがお考えでしょうか。 ○大橋北部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 個別発達支援計画により継続して支援をしていくことで、対象のお子さんの発達支援、教育支援につながることが重要なことと考えております。今後ともすこやか福祉センターが対象のお子さんとその家庭について、学校と密な連絡を図りながら学校とともに支援を続けていきたい、そのように考えております。 ○石坂委員 ぜひ4所のすこやかと学校がそれぞれ門戸を閉じることなく開き合っていただければと思います。しっかりと体制を確立するためによろしくお願いいたします。 私からの質問は以上です。どうもありがとうございました。 ○内川委員長 以上で石坂わたる委員の質疑を終了します。 委員会を休憩します。 午後2時52分休憩 午後2時52分開議 ○内川委員長 委員会を再開します。 引き続き総括質疑を行います。小宮山委員、どうぞ。 ○小宮山委員 大変長らくお待たせをいたしました。休憩のお時間をいただきまして、ありがとうございます。ただいまより小宮山たかしの総括質疑、始めさせていただきます。 中野区では子育てがしにくい。だったら、俺が何とかしてやろうじゃないか、そんな思いを持ちまして私は区議会議員になりました。私が区議会議員になって真っ先に取り組みたかったことは、じゃぶじゃぶ池の期間延長もさることながら待機児童問題でありました。今30年ぶりの民間保育園開設や保育料見直しに伴う認証保育所保護者補助金の大幅増額など、このところの中野区の待機児童解消にかける意気込みとスピード感は非常に頼もしく、やっと中野区に私の声が届き始めたのかなと、やっと中野区も私の言うことを聞いてくれるようになったのかなと非常にうれしく思っております。 先日、9月20日の朝日新聞に保育士の人材不足についての特集記事が出ていました。東京都内で来年4月、定員100人規模の認可保育所がオープンする。だが、運営する社会福祉法人は必要な保育士22人のうち4人しか確保できていないとのことです。これはどうやら中野区のことではなさそうなんですが、中野区にとってもしゃれにならない、人ごととは言えない話です。中野区内でも来年4月のオープンに向けて複数の保育施設の事業者を募集しているところです。果たして本当に来年4月に間に合うのかどうか。そして、現在の保育士不足の中で良質な保育所を他区に先駆けて本当に確保できるのかどうかが非常に気になります。現在事業化されている待機児童対策が全て実現した場合、中野区の新規事業者は全て合計すると何人の保育士を新たに確保しなければならないのか、教えてください。 ○古川子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) この10月に開設いたします沼袋保育園分園をはじめといたしまして、賃貸型物件等を活用した認可保育園、それから(仮称)南台五丁目保育園、あと平成27年4月に開設予定しております松が丘保育園及び橋場保育園の建てかえ民営化により必要となる保育士でございますが、園長以下年齢別の保育士や延長保育、障害児保育などでおよそ100人程度の保育士が必要というふうに想定をされております。 ○小宮山委員 中野区の新規事業者は全て民間ですから、新規に採用する保育士100人はそれぞれの民間の事業者の責任において採用されるものと理解しております。森議員の質問とも重なりますので簡単に触れるだけにしておきますが、さきの朝日新聞の記事によりますと、待機児ゼロを掲げる横浜市では、長野、新潟、栃木、山形など地方の短大や専門学校に人材確保のためにわざわざ出かけているそうです。逆に言えば、そこまでしなければ保育士を集めることができないという現実に横浜市は既に直面をしている。そういった危機感を中野区がしっかりと持っているかどうか。求人を事業者任せにしてしまって本当に質が確保できるのか。質の確保以前に量そのものを本当に確保できるのか。ふたをあけてみたら、箱は準備できたけれども、保育士がいなくて保育園がオープンできませんでしたということにならないかどうかということを私は危惧しております。このように保育士が全国的に不足している中で中野区が良質な保育所を確保するためには、やはり待遇の改善こそが鍵になると思われます。保育士の年収の全国平均は300万円台前半であり、命を預かる重責に比べてその報酬は決して高いものではなく、保育士はワーキングプアであると言う人さえいるようです。都や国の待遇改善策の有効活用を図ることももちろん必要ですが、近隣全ての自治体がひとしくそれを有効活用したら中野区だけのアドバンテージは消えてしまいます。他の自治体を出し抜いて優秀な保育士を確保するためには、やはり中野区独自の保育士の待遇の改善策も考えていかなければいけないと思いますが、いかがでしょうか。 ○古川子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 私立保育園に関しましては各法人が保育士を採用するものでございまして、法人の給与規程もあることなどから、区独自での待遇改善は難しいというふうに考えているものでございます。しかしながら、保育士の確保が厳しくなっていることは認識してございまして、どのような支援ができるのか探ってまいりたいというふうに考えているところでございます。 ○小宮山委員 以上で待機児童に関する質問を終了します。 次に、中野区の妊婦支援について取り上げます。(3)その他として子育て支援ハンドブック「おひるね」についてを追加いたします。 第1子の妊娠、出産、子育ては孤独な行為になりがちです。孤独の孤と書いて「孤育て」と表現する人もいます。ここ中野区は人口の1割弱が1年で入れかわる、人口の流出入の激しい区であります。特に女性の場合、中野区に嫁いできたという女性も少なからずいらっしゃるのではないかと思われます。中野区に最近引っ越してきたとか中野区に嫁いできたという場合、地域の情報もなく、地域の知り合いもいないという孤立無援の中での妊娠及び子育てのスタートとなるわけです。第1子の妊娠、出産に当たっては、今までの友人関係はそれほど生きてこない。職場の人間関係も関係ない。核家族化が進む現在、頼れる経験者が身近なところにはいない。身近なところに親がいたとしても、抱き癖がつくから抱っこはするなとか、熱が出たらおでこを冷やすとか、30年も40年も前の育児知識は役に立たないどころか、むしろ邪魔なことさえあります。また、出産直後は10%の女性が産後鬱になり、30%の女性がマタニティーブルーになると言います。赤ちゃんが生まれてハッピーでしょうというのはほんの一面であり、実際は体はぼろぼろ、孤立無援の孤独な状況でありながら、一つ判断を間違うと我が子の生死にかかわるような未経験のハードルが24時間絶え間なく襲ってくる。そうした孤独な子育てをしている女性にとって、妊娠、出産は同じ地域で同じ立場の仲間が欲しくなる、初めての地域デビューのチャンスと言ってもいいと思うのです。 身近なところで同じような立場で同じ悩みを抱え、お互いに支え合える妊婦仲間や先輩ママがいれば、第1子の子育ても楽になる。行政がその最初のきっかけを与えてあげるだけで、あとは仲間同士、放っておいても自然と支え合っていくものです。そして、ここから始まる友人関係は子どもの成長とともにきずなを深め、うまくいけば一生のきずなとなることもあり得ます。ママさん同士がお互いに支え合い助け合う結果として子育て支援の行政コストも削減できる。行政とママさんがお互いウイン・ウインの関係を保つことも決して不可能ではありません。そのためにはまず行政が仲間づくりのきっかけをつくらなくてはなりません。中野区では産前から産後につながる仲間づくりの支援を現在どのように行っているでしょうか。 ○松原中部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 妊娠中における心身の健康管理や夫婦が協力して子育てできるよう理解を深めることを目的といたしまして、こんにちは赤ちゃん学級、両親学級を行っておりますが、これらは孤立しがちな母親同士の地域での仲間づくりにも力を入れて実施をしているところでございます。住所の近い親が知り合えるように、各すこやか福祉センター単位で実施をしてグループづくりの機会を設けているところでございます。 ○小宮山委員 こんにちは赤ちゃん学級と両親学級は母子保健法に基づく事業で、全国津々浦々、大抵どこの自治体でも行っています。ここで板橋区の例について御紹介させてください。板橋区でもこんにちは赤ちゃん学級と両親学級を行っておりますが、それとは別に児童館が主体となって妊婦支援のための講座を行っております。「児童館が妊婦支援を行うケースは珍しいですよ」と板橋区の担当者の方がみずからおっしゃっていました。具体的には「マタニティヨーガ」、「アロマセラピー&ハンドトリートメント」、「ファーストサイン」など、いかにも女性が喜びそうな魅力的な講座や生まれてくる赤ちゃんへのプレゼントとして先輩ママさんと一緒にオリジナルエコバッグをつくるという、これまた魅力的な講座を年間60回行っているそうです。妊婦支援活動を児童館が行うこと、活動場所として児童館を使うことで児童館デビューの敷居が下がること、パパに対しても開放されていること、講座内容がとても魅力的であること、同じメンバーで連続した講座を受講することで仲間づくりにもつながっていること、先輩ママをゲストに迎えることなどなど、中野区の児童館の講座ではなかなか見られないような特徴が幾つも幾つもあります。この児童館が主体的に行う妊婦支援の取り組みは中野区でも参考にするべきであると考えますが、いかがでしょうか。 ○松原中部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 各自治体で行っておりますさまざまな事業につきまして、効果的なものに関しましては十分参考にしていきたいと考えております。 ○小宮山委員 よろしくお願いします。 今回の決算を見ますと、こんにちは赤ちゃん学級は20回の講座で24万円で運営しているのに対し、両親学級は32回で約250万円で委託運営をしている。夫婦1組当たり約4,650円、1回開催当たり約8万円の経費に見合った価値はあるとお考えでしょうか。 ○松原中部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 両親学級は妊婦とその夫を対象にして、出産、育児への理解を深める講義や沐浴、おむつ交換の実習のほか、マッサージと呼吸法などの内容があって、参加者の満足度も高く、経費面においても適切であり、効果的な事業と考えております。 ○小宮山委員 夫婦1組当たり4,650円の経費がかかるのですからそれなりのリターンは欲しいところですが、私が実際のママさんたちの声を聞いてみたところ、「あれにそんなにかかっているんですか」という声が大半でありました。ここであまり突っ込み過ぎて妊婦支援の予算そのものが減らされてしまうのは私の本意ではありませんが、庶民感覚とコスト意識を忘れずに、費用対効果に見合った事業を展開していただきたいと要望をしておきます。ここまで産前から産後につながる仲間づくりの支援について伺いました。 この先、出産直後のフォロー体制について伺います。中野区では現在、こんにちは赤ちゃん訪問事業として出産直後の家庭を全戸訪問しているそうです。出産後に産後鬱になったり、マタニティーブルーになったりして引きこもりがちになる親子にとっては、非常に有効なアプローチであると私は考えております。しかし、これまで何度も申し上げているように、出産直後の数カ月は外出もままならず、精神的にも肉体的にも一番大変な時期であり、より親身で、より有効な支援が望まれることは言うまでもありません。例えばフィンランドでは一人の保健師が妊娠中から子どもが就学するまでのフォローを継続して行っているそうです。日本でも山梨市では妊娠期に2回、出産後に2回、保健師や助産師が家庭訪問して携帯番号を教えたりもしているそうです。フィンランドや山梨市のような手厚い妊娠及び子育て支援をここ中野区で行うことはあまり簡単ではないでしょう。しかし、日本の一部のNPOや江東区等の自治体では、講習を受けた地域の先輩ママが未就学児の自宅を継続的に訪問して相談事などを受けとめる傾聴や、育児や家庭を一緒に行い、ともに働く協働の活動をしているホームスタートというイギリス発祥のボランティア活動があり、児童館等に出かけられない引きこもりがちな親子に対する支援策として一定の実績を上げているそうです。こうした民間主導の公共のサービスはいわゆる新しい公共の一つの形であり、中野区としてもこうした妊娠や育児に関するボランティア活動を積極的に支援するべきであります。 現在、中野区内でもほぼボランティアで妊婦支援を行っている地域活動団体が複数あります。また、妊婦支援は現在行っていないが、積極的な子育て支援を行っており、その気になれば妊婦支援をできるだけの力を持った地域団体が多数あります。そうした地域の先輩ママさんたちに新米ママさんたちを妊娠中からサポートしてもらえるような新しい仕組みをどうにかしてつくれないものかなと私は考えています。地域の先輩ママさんは、どこでおむつを安く買えるのか、子連れで行きやすい店や児童館はどこか、保育園に入るのがどんなに大変かとか、どんな立派な外部講師も持っていないような役立つ生の地域情報をたくさん持っています。また、ほとんど全員が子育てのプロフェッショナルでもあるので、沐浴の方法を指導するぐらいでしたら朝飯前のはずです。地域の先輩ママさんや地域活動団体が新米ママさんたちとかかわれるような仕組みづくりを、区民公益活動による政策助成や基金助成とはまた別に、それらの補助金には含まれていないスタートアップの段階をも含めて積極的に推進、支援するべきだと考えますが、いかがでしょうか。 ○松原中部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 妊産婦に対しましては、すこやか福祉センターの保健師が直接訪問指導を行っているところでございますが、今後とも区の公益活動助成制度の中で団体への助成、それから積極的な相談、情報提供に努めてまいりたいと考えております。 ○小宮山委員 既存の枠を超えた支援をできればお願いしたいと思います。 また、そういった新しい活動をわざわざ立ち上げなかったとしても、現在行っているこんにちは赤ちゃん訪問事業に地域の先輩ママさんに同行してもらう程度のことでしたら比較的実現可能性が高いのかなと思います。その点についてはいかがでしょうか。 ○松原中部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) こんにちは赤ちゃん学級、母親学級でございますけれども、地域の先輩ママから体験談を紹介してもらう部分がございまして好評を頂戴しているところでございます。なお、こんにちは赤ちゃん訪問事業につきましては、専門的なケアが必要な時期にさまざまな不安や悩みを聞くとともに、健康状態や養育環境の把握と助言並びに支援を要する家庭を適切にサービスにつなげることを目的としておりまして、医療職の訪問により実施してまいりたいと考えております。 ○小宮山委員 そうですね。地域の先輩ママさんも相談に乗れるような体制を望みます。 また板橋区の例になってしまうのですけれども、板橋区では「いたばしまるごとガイド わたしの便利帳」という区民生活をサポートするための行政情報をまとめた冊子を発行しています。この冊子を見ると、この裏面もそうですが、広告がたくさん載っています。これは、行政ページは板橋区が責任編集し、そのほかのページは民間の株式会社が責任編集を行うことによって発行しているものです。中を見てみますと、子育てを楽しもうとか、または個人が運営するいたばし子育て応援サイトが掲載されていたりですとか、また親子でお出かけスポット集など、民間ならではの柔軟性を持った読み物としてもおもしろくてためになるような記事がたくさん載っています。 冊子の性格は微妙に違うものでありますが、この冊子を見た後でこの中野区の子育て支援ハンドブックの「おひるね」を見てしまうと、どうしても物足りない。そもそもこの「おひるね」というタイトル自体にやる気があまり感じられないと個人的には思っているんですけれども、それはさておきまして、現在、中野区では子育て支援活動のリーダー格のママさんたちを中心に、中野区の子育て支援情報を地図や冊子の形でまとめたいという機運が盛り上がっております。「おひるね」はつまらない、だったら自分たちでつくっちゃおうよというのがほとんど全てのママさんたちの共通認識です。改めて「おひるね」を見てみますと、微に入り細をうがったかゆくないところにまで手が届くほどの情報量がぎっしり詰められた、お役所らしく抜かりない仕事をしたよい本だと個人的には思っております。行政情報を詰め込んだものですから、本来おもしろいとかおもしろくないとかの視点で語るべきではないのかもしれません。しかし、つまらないものは手にとらないし、読まれないということもまた事実であり、一種の市場原理でもあります。今はこうした子育て支援情報や行政情報はネットでも簡単に手に入る。スマートフォンが普及したことによって、パソコンを立ち上げたりする手間や時間もかからなくなった。授乳しながら片手でインターネットにアクセスできるようになった今、改めてこうして紙に印刷して配布することの意味や意義をそろそろ問い直してもいいんじゃないかという気も個人的にはしています。むしろインターネットでもなかなか手に入らないような、もっともっとニッチな中野区ならではの子育て情報にママさんたちは飢えています。先ほどの板橋区の情報誌にはアンケートページが挟み込まれており、回答すれば抽せんで区内共通商品券が当たるという民間ならではの企業努力をしております。「おひるね」も創刊から間もなく10年を迎えようとしていますが、これまで効果の検証、活用状況の検証はしたことがあるのか。今後、アンケートページをつくるとか、区内のママさんたちに編集協力をお願いするとか、時代とママさんたちのニーズに応じた新しい「おひるね」をつくるつもりはないか、伺います。 ○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 「おひるね」につきましては、毎年度在庫が足りなくなるほどの要望を受けているところでございます。また、アンケート調査を実施しましたところ、小児科診療所でございますとか、子ども関連の施設、子育て関連の助成制度やサービスなどを調べるために利用する方が多く、体裁につきましても評価する意見を多数いただいたところでございます。担当といたしましては、今後も利用者の声を受けとめまして、使いやすく、広く利用される内容の充実に努めてまいりたいと考えているところでございます。 ○小宮山委員 そういった効果の検証でより具体的にアンケートなどの形でやっていただきたいと思います。 区内で子育て支援活動をしているママさんたちと会うと、今は育児のために家庭にいるけれども、社会の一線でもばりばり活躍できるような非常に高い能力を持っていたり、特殊な才能を持っていたり、地域貢献のための高い意識やボランティア精神を持っているという眠れる獅子とか、または獅子そのもののようなママさんたちがたくさんいるんです。そして、ほぼ全てのママさんは子育てのプロフェッショナルでもあるんです。こうした民間活力を中野区ではまだまだ活用できていないんじゃないか。そもそも中野区ではどこでどんな地域活動をしているママさんがいるのか、区内にごろごろしているダイヤモンドのような人材資源を活用するどころか把握すらしていない。そのことが返す返す残念であります。ママさんたちが行っている子育て支援活動を中野区が支援することで、もっともっと子育てしやすい中野区になっていくのになということを私はいつも考えております。より一層の子育て支援、子育て支援活動の支援を訴えまして、次の質問に移ります。 中野区では現在、外国人学校に通っている小中学生の保護者に対して月々8,000円、年間9万6,000円の補助金を交付しております。この補助金の根拠となる外国人学校に在籍する児童等の保護者に対する補助金交付の要綱は、もとをただせば昭和56年につくられたものです。今から30年以上前の昭和56年当時、中野区内の小・中学校においては外国人の受け入れに関してさまざまなハードルがあったものと推察されます。中野区の小・中学校で満足な受け入れ体制がとれない。そのため、やむを得ず外国人学校に通うことになってしまったという保護者の事情を行政が酌んでやる必要があった。行政としても義務教育に対する一定の責任を補助金という形で示す必要が昭和56年当時はあったのではないかと考えることができます。それから30年以上の時が過ぎた現在、中野区の小・中学校に日本語の不自由な外国人が入学をした場合、どのようなケアがされるのか、教えてください。 ○川島教育委員会事務局指導室長 外国籍の児童・生徒で日本語が十分に理解できないという場合には、学校長は保護者の意向をもとに、教育委員会に対しまして通訳など日本語指導員の派遣を申請することができることとなっています。教育委員会では、学校とのやりとりの後に、通訳または日本語指導員を学校に派遣をして、児童・生徒の日本語の習得の状況に応じた個別指導などを行っています。 ○小宮山委員 外国人子女一人につき一人の通訳がつくという個別指導、これ以上ないほどに理想的な教育環境が整えられているようです。また、民間においても、中野区の国際交流協会においてはボランティアによる日本語教育が行われ、一定の成果を上げているようです。このように中野区及び中野区立小・中学校における外国人の受け入れ体制は、過去30年の間に大きく改善されてきております。にもかかわらず私立の外国人学校への補助金を出すということは、中野区が外国人学校への進学をあたかも奨励しているかのような誤解を招きかねず、公教育の放棄にもつながりかねません。公立学校においてもそれなりに手厚い外国人子女の受け入れ体制が整っている今、公立学校を選ぶか私立の外国人学校を選ぶかということは、もはや親と子どもの自由意思、自由選択であると言えるのではないかと私は考えております。自由意思、自由選択で公立には進まず私立の学校に進学する人に対してどうして行政が年間9万6,000円もの補助金を出さなければならないのか。私立学校に進学する外国人に補助金が出るのならば、私立学校に進学する日本人にはどうして補助金が出ないのか。繰り返しますが、昭和56年当初とは違い、現在の中野区においては外国人学校に進むのも私立学校に進むのも公立学校に進むのも、全ては親と子の自由意思であります。その中であえて外国人学校に進学する子どもたちに対して補助金を出すのはいかがなものか。むしろ補助金は廃止して、先ほどの通訳者派遣の上限時間を延長するなどの形で公教育における外国人教育を強化すべきではないかと私は考えますが、区の見解をお聞かせください。 ○古川子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 本補助金は、外国人学校に通学する児童・生徒の保護者が負担する授業料を補助することにより、経済的負担の軽減を図ることを目的にしておるものでございます。したがいまして、公教育における外国人教育とは目的が異なるというふうに考えているものでございます。 ○小宮山委員 ありがとうございます。外国人学校もやはり私立学校ですので、私立学校に進学する日本人には補助金が出ないのに、私立学校に進学する外国人に補助金が出る。この形は私はおかしいのかなと思っております。 少し時間がありますので、その他として保育園に関する質問を1件させていただきます。現在の公設公営保育園の保育士の平均年齢、これ、何歳でしょうか。 ○古川子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 平成25年4月現在、公立、中野区の保育士の平均年齢は49.5歳でございます。 ○小宮山委員 今49.5歳、ほぼ50歳となると、この先10年ほどで保育士の大量退職が発生すると思われます。今後の民営化のペースと保育士の退職のペースの長期計画はできていますでしょうか。 ○古川子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 区立保育園の保育士の確保に関しましては、民営化の計画を進める中で一定の見通しを持っているところでございます。 ○小宮山委員 今過渡期に当たって高齢の先生方に面倒を見てもらっている子どもたちがたくさんいますが、そうした子どもたちへのフォローもできればお願いしたいと要望をしておきます。 以上をもちまして私の全ての質問を終了させていただきます。ありがとうございました。 ○内川委員長 以上で総括質疑は全て終了しました。大変お疲れさまでした。 明日、9月25日(水曜日)からは各分科会が予定されているため、本日の委員会終了後、会場設営などを行います。各委員がお持ちになった資料は、机の中を含め、全て持ち帰りください。 次回の委員会は、10月1日(火曜日)午後1時から当委員会室において開会することを口頭をもって通告します。 以上で本日の決算特別委員会を散会します。 午後3時20分散会 |