令和6年02月22日中野区議会予算特別委員会の会議録 1.令和6年(2024年)2月22日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。 1.出席委員(40名) 1番 山 内 あきひろ 2番 武 井 まさき 3番 斉 藤 けいた 4番 井 関 源 二 6番 大 沢 ひろゆき 7番 武 田 やよい 8番 いのつめ 正 太 9番 間 ひとみ 10番 市 川 しんたろう 11番 加 藤 たくま 12番 日 野 たかし 13番 木 村 広 一 14番 吉 田 康一郎 15番 立 石 り お 16番 内 野 大三郎 17番 広 川 まさのり 18番 河 合 り な 19番 細 野 かよこ 20番 斉 藤 ゆ り 21番 高 橋 かずちか 22番 大 内 しんご 23番 甲 田 ゆり子 24番 小 林 ぜんいち 25番 白 井 ひでふみ 26番 小宮山 たかし 27番 羽 鳥 だいすけ 28番 い さ 哲 郎 29番 杉 山 司 30番 ひやま 隆 31番 山 本 たかし 32番 伊 藤 正 信 33番 高 橋 ちあき 34番 平 山 英 明 35番 南 かつひこ 36番 久 保 り か 37番 石 坂 わたる 38番 むとう 有 子 39番 浦 野 さとみ 41番 森 たかゆき 42番 酒 井 たくや 1.欠席委員 5番 黒 沢 ゆ か 40番 中 村 延 子 1.出席説明員 中野区長 酒井 直人 副区長 青山 敬一郎 副区長 栗田 泰正 教育長 入野 貴美子 企画部長 岩浅 英樹 企画課長(企画部参事事務取扱) 森 克久 資産管理活用課長瀬谷 泰祐 財政課長 竹内 賢三 広聴・広報課長、秘書担当課長 矢澤 岳 総務部長 濵口 求 防災危機管理担当部長、防災危機管理課長事務取扱 杉本 兼太郎 DX推進室長 滝瀬 裕之 総務課長 浅川 靖 特別定額給付金担当課長、基幹システム標準化担当課長 保積 武範 職員課長 吉沢 健一 契約課長 原 太洋 防災担当課長 福嶋 和明 情報システム課長伊東 知秀 区民部長、新区役所窓口サービス担当部長 高橋 昭彦 文化・産業振興担当部長、シティプロモーション担当課長事務取扱 高村 和哉 区民サービス課長、新区役所窓口サービス担当課長 小堺 充 税務課長 滝浪 亜未 保険医療課長 宮脇 正治 産業振興課長 松丸 晃大 文化振興・多文化共生推進課長 冨士縄 篤 子ども教育部長、教育委員会事務局次長 石崎 公一 子ども家庭支援担当部長、子ども・若者支援センター所長、 教育委員会事務局参事(子ども家庭支援担当) 小田 史子 子ども教育施設課長 藤永 益次 子育て支援課長 原 拓也 育成活動推進課長細野 修一 指導室長 齊藤 光司 学務課長 佐藤 貴之 地域支えあい推進部長、地域包括ケア推進担当部長 石井 大輔 地域活動推進課長、すこやか福祉センター調整担当課長 高橋 英昭 区民活動推進担当課長 池内 明日香 介護・高齢者支援課長、高齢者支援担当課長 古本 正士 健康福祉部長、保健所次長 鳥井 文哉 保健所長、地域医療連携担当課長事務取扱 佐藤 壽志子 福祉推進課長 中谷 博 スポーツ振興課長鈴木 康平 生活援護課長 葉山 義彦 保健企画課長、新型コロナウイルスワクチン接種担当課長 中村 誠 環境部長 松前 友香子 環境課長 永見 英光 ごみゼロ推進課長、清掃事務所長 阿部 正宏 都市基盤部長 豊川 士朗 都市計画課長 塚本 剛史 建築課長 石原 千鶴 住宅課長 落合 麻理子 まちづくり推進部長 角 秀行 中野駅周辺まちづくり担当部長 千田 真史 まちづくり計画課長 安田 道孝 会計室長 志賀 聡 1.本会の書記は下記のとおりである。 事務局長 堀越 恵美子 事務局次長 林 健 議事調査担当係長 鈴木 均 書 記 立川 衛 書 記 若見 元彦 書 記 鎌形 聡美 書 記 髙田 英明 書 記 田村 優 書 記 細井 翔太 書 記 早尾 尚也 書 記 堀井 翔平 書 記 金木 崇太 書 記 髙橋 万里 書 記 川辺 翔斗 1.委員長署名
午前10時00分開議 ○杉山委員長 定足数に達しましたので、ただいまから予算特別委員会を開会します。 第6号議案から第10号議案までの計5件を一括して議題に供します。 初めに、委員会の運営について御確認したいことがありますので、委員会を一旦休憩し、理事会を開きたいと思います。 委員会を休憩します。 午前10時00分休憩
午前10時05分開議 ○杉山委員長 委員会を再開します。 先ほど開かれました理事会の報告をいたします。 総括質疑通告の取下げについてですが、黒沢ゆか委員から質疑を取りやめたいとの申出があり、理事会としてこれを了承しました。また、総括質疑4日間の割り振りについては変更しないこと、質疑の順番については黒沢委員以下の順番が一つずつ繰り上がること、黒沢委員の質疑予定時間は同会派の大沢ひろゆき委員の持ち時間で調整することを確認しました。 以上が理事会の報告ですが、質疑はございませんか。 ○杉山委員長 なければ、ただいまの報告どおり委員会を運営することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○杉山委員長 御異議ありませんので、そのように運営します。 次に、要求資料についてですが、前回の委員会で要求した資料232件全ての資料が提出され、タブレット型携帯端末等で閲覧できるようになっております。資料作成に当たられた職員の皆様方、ありがとうございました。 また、総括質疑一覧がタブレット型携帯端末等で閲覧できますので、参考に御覧ください。
令和6年(2024年)2月22日 予算特別委員会
総 括 質 疑 一 覧
○杉山委員長 本日は総括質疑の1日目となります。1番目に山本たかし委員、2番目に加藤たくま委員、3番目に日野たかし委員、4番目に広川まさのり委員、5番目に大沢ひろゆき委員の順に5名の総括質疑を行います。 ただいまから総括質疑を行いますが、答弁される理事者は答弁前に大きな声で職名を述べるようお願いします。 それでは、質疑に入ります。 山本たかし委員、質疑をどうぞ。 冒頭に当たりまして、元日に発生いたしました能登半島地震でお亡くなりになられた方の御冥福をお祈りするとともに、被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。被災地の早期の復旧・復興をお祈り申し上げます。 まず1番、令和6年度予算案についてお伺いいたします。 歳入は一般財源・特定財源を合わせて総額2,004億円で、前年比2.5%増と過去最高で、好調のように見えますが、日経平均が3万8,000円に到達し、早くにも市場は4万円を意識している状況です。これは中国経済崩壊の懸念の高まりから、外国資本が日本になだれ込んできているためと言われておりますが、中東での紛争や中国経済など資源・人材の地政学的リスクもあり、物価高騰、インフレ傾向はまだまだ続くと考えている識者は多く、私もそう考えます。為替も150円を突破しましたが、日銀は必要があれば適切に対応するといった、いわゆる口先介入では市場は動かない状況で、この3年間で103円が150円近辺で落ち着き、1万円をドルに換算すると97ドルに換金できたものが67ドルになってしまっている。実質賃金も下落の一途をたどり、名目GDPはドイツに抜かれ4位となりました。業界によって二極化も進んでおります。そうした世界と日本の置かれた状況を確認した上で質問に入ります。 まず、歳入について伺います。 特別区税が14億円減の3.8%減となりました。この理由は何でしょうか。 ○滝浪税務課長 令和6年度の特別区税は、特別区民税における納税義務者数の増や1人当たりの総所得金額の増により約3億円の増を見込むものの、定額減税の影響などによる減を見込み、特別区税全体としては14億円、3.8%の減となってございます。 ○山本委員 定額減税の影響ということも今おっしゃられました。国の施策決定による所得税3万円、住民税1万円の計4万円の定額減税で16億円の区民税減との答弁が森議員の一般質問でもありましたが、地方特例交付金により全額後で戻ってくるため、実質は約2億の増ということです。この戻ってくるお金の話は後ほど触れますが、まずこの4万円の定額減税ですが、低所得世帯には既に10万円の給付が終わっており、課税世帯の中で4万円減税し切れないと見込まれる方に対しては、どういう対応をお考えでしょうか伺います。 ○保積特別定額給付金担当課長 定額減税を十分に受けられない方々へは給付金にて対応を行うことを考えてございます。 ○山本委員 給付金という形を取られるということですけれども、そのスケジュールが分かれば教えてください。 ○保積特別定額給付金担当課長 令和6年度の税情報が分かり次第、できる限り早期の給付開始に向けて準備を進めてまいります。 ○山本委員 それでは、次年度予算の区民税収入の積算において、区民の収入をどのような見込みでおられますか伺います。 ○滝浪税務課長 令和6年度の特別区民税収入の積算におきましては、納税義務者1人当たりの令和5年度中の給与収入対前年伸び率を1.9%増として見込んでございます。 ○山本委員 税収入1.9%増ということで御答弁がありましたけれども、当初予算を見れば、特別区税、特別区交付金が増となり続けているにもかかわらず、実質所得が下がってしまっているという現象も起きております。生活が苦しい状況という認識ですが、このギャップがあることを理解して、区政の力を必要としている方はまだまだおられますので、職員の皆さんにつきましては前もっての取組をお願いしたいと思います。 そして、特別区交付金の増加と普通交付金が20億円増の見込みの要因についてお伺いいたします。 ○竹内財政課長 特別区交付金の原資である調整税等の伸びが増要因と考えてございます。固定資産税が前年度比3.6%、市町村民税法人分が前年度比4%の伸びとなってございます。また、普通交付金については、都から示される都区財政調整のフレームを参考に、過去の区の普通交付金シェアにより算出したものでございます。普通交付金については前年度比1.8%増加してございまして、普通交付金の原資である調整税等の伸びが原因と考えてございます。 ○山本委員 特別区税と特別区交付金について伺いましたけれども、令和3年9月の試算では、令和11年に新しいサンプラザの再開発後時点では、昼間人口1万7,500人、夜間人口は1万250人増となる見込みです。昼間人口増となれば特別区交付金が増えます。そして、夜間人口増となると特別区民税が増となりますので、その見込みをもって全ての計画に今後反映していただくことをお願いいたします。 そして、特別区財政調整交付金協議、なかなか整いませんでした。令和6年度特別区財政調整交付金協議の経過と次年度の自治に対する区の今後の決意についてお伺いいたします。 ○竹内財政課長 児童相談所の設置に伴う配分割合の見直しについては、都区のプロジェクトチームでの検討結果を踏まえた上で協議を行うほか、大規模な税制改正や都区の役割分担の変更等が行われる場合は、その影響額を見極めた上で、特別区に必要な需要額が担保されるよう配分割合の見直しを行うことを求めてございます。今後、特別区一丸となって、各区の需要に応じた適切な区民サービスを提供していくための財源確保に向けて、強い姿勢で主張していきたいと考えてございます。 ○山本委員 強い姿勢でぜひよろしくお願いをいたします。 ふるさと納税の影響が24億円減見込みと答弁がありましたが、現行の取組について、まずお伺いいたします。 ○高村シティプロモーション担当課長 ふるさと納税の寄附額の増加に向けた取組という趣旨の御質問かと思います。新規寄附者を増やすために、コト消費を中心として返礼品の開発に努めるとともに、ユーザーの嗜好が異なることを踏まえ、納税サイトを増やすことに取り組んでおります。現在、五つのサイトで寄附いただけるところでございます。 ○山本委員 歳入のほうで、23区のうち中野区を含む4区が取り組んでいるPayPay商品券というものがありますけれども、これについての実績について教えていただけますか。 ○高村シティプロモーション担当課長 中野区内の加盟店のみで利用できるPayPay商品券は、今年度の返礼品として人気第1位であり、1月31日現在で寄附額は5,300万円を超えてございます。 ○山本委員 5,300万円ということで、なかなか歳入としては大きいのかなと思っております。私もPayPay商品券、これは知らなかったんですけれども、より積極的なアピールというか、PRをお願いしたいなと思っております。 一方、歳入として次年度の対策を打っていただいても、歳出対策でできるものが若干少な過ぎて、焼け石に水感を否めません。特別区交付金に影響のある法人住民税一部国税化の影響は幾らになりますでしょうか伺います。 ○竹内財政課長 ふるさと納税法人住民税の一部国税化、地方消費税交付金の精算基準の見直しによりまして、中野区全体で合計101億円程度の影響があると考えてございます。 ○山本委員 合計で101億円のマイナス見込みと答弁がありましたけれども、影響額が年々増加の一途で、100億円の大台に乗っている状況です。これまで特別区長会一丸となってこの問題について訴え続けておりますが、総務委員会での森委員とのやり取りで、国からの返答状況がこれまでにないという状況でありましたけれども、今後、改善・解決に向けて、どうされておられるのか伺います。 ○竹内財政課長 国の責任により地方税財源総体を拡充し、自治体が責任を持って役割を果たすことこそが地方分権の本来の姿であり、特別区長会は地方財源の充実・確保及び自治体間に不要な対立を生む不合理な税制を是正するように国に求めてございます。しかしながら、国において現在のところ対応は取られていないのが現状でございまして、今後とも特別区一丸となって主張していきたいと考えてございます。 ○山本委員 返答がないというのは、やっぱり失礼なことだなと思っておりますので、ぜひ改めて求めていただきたいなと思っております。 それでは、国民健康保険の収納率確保対策についても伺います。 コロナ禍における国民健康保険の軽減措置の延長について、令和5年の総括質疑で求め、延長していただき、令和5年9月29日に申請受付を終了しました。いわゆるこのコロナ減免を開始してからの件数や減免となった合計金額など、結果はどうだったのでしょうか伺います。 ○宮脇保険医療課長 中野区国民健康保険では、令和2年度から減免申請の受付を開始し、その実績は次のとおりであります。令和2年度は承認件数が4,725件、5億2,798万3,650円の減免、令和3年度は承認件数が1,226件、1億9,747万1,861円の減免、令和4年度は承認件数700件、1億2,632万2,866円の減免、令和5年度は、議会からの御意見を踏まえて受付期間を延長いたしまして、承認件数が219件、3,906万5,288円の減免でございました。総件数では6,870件、総額では8億9,084万3,665円でございました。 ○山本委員 ありがとうございます。4年間で総額8億9,000万円余、延長分に限っては3,900万円余という大変大きな額となりました。減免制度活用によって多くの区民が救われるとともに、区はその金額について国から交付されておりまして、マイナスにはなっておりません。令和5年度末までの減免の申請受付期間を延長したのは、中野区以外では3区でした。延長については、大田区と荒川区が2か月の延長、中野区と文京区のみ6か月延長ということで、区民に寄り添う中野区の姿勢がまた特徴的に見られたと思います。対応に当たっていただいた職員の皆様、本当にありがとうございました。大変お疲れさまでございました。 そして、国民健康保険の滞納整理、23区における収入率の順番、この間どのように推移しておられますでしょうか伺います。 ○宮脇保険医療課長 令和2年度は収入率70.0%で21位、令和3年度は70.9%で21位、令和4年度は収入率74.7%で20位でございました。 ○山本委員 令和4年度は20位となったようですけれども、コロナ減免も一部寄与していると考えられますが、まだまだ低いと考えます。今後のアプローチとして、昨年6月に収入率向上に向けた取組の報告がありましたが、令和5年度の主な取組として七つ挙げておられます。複合的に貢献し合うものだとは思いますが、その中でどの取組が収入率の向上に寄与していると考えておられますか伺います。 ○宮脇保険医療課長 主なものとしまして、催告センターによる新規未納者に対する早めの催告、未納の解消、それから預貯金調査電子化サービスの導入による財産調査の効率化、このほか、ネパール語、ベトナム語での制度の説明、納付相談が挙げられます。 ○山本委員 やはり少額滞納者というボリューム層がありまして、一番多いかと思います。その少額滞納者への滞納一月後からの早期啓発をはじめとして、段階的なアプローチが大事だと思いますので、一連の取組の結果報告、この後期待しております。 次に、歳出について伺います。 物価高騰による区民負担について、年額いかほどか、お分かりでしょうか伺います。 ○竹内財政課長 物価高騰に伴う区民1人当たりの負担増については、精緻に分析できていないところでございますが、仮に光熱水費、一般の消耗品費、委託料や使用料などの物件費の増加に言及いたしますと、前年度比でおよそ31億円の増となっておりまして、区民1人当たりではおよそ9,000円の増となると考えてございます。 ○山本委員 物件費の総体で31億円増という数字で、なかなか細かに出すのは難しいということでございましたけれども、やっぱり区民の生活に一番近い基礎自治体の行政としては、区民負担度を測る指標というのを一定行政として持っていないというのはいかがなものかと思っておりまして、今後そういう指標を精緻に把握するよう求めたいのですが、いかがですか。 ○竹内財政課長 決算時においては区民1人当たりの貸借対照表などの指標を示しているところでございます。各会計の増減や各事業費の増減といった予算額の規模だけで示す以外に、区民負担を表すのにどのような手法が分かりやすいのか、見せ方や数値の取り方など、今後研究していきたいと考えてございます。 ○山本委員 ぜひお願いいたします。 それで、令和6年度の新規事業の総額とその内訳、また、新たな経常経費の合計と内訳についてお伺いいたします。 ○竹内財政課長 令和6年度当初予算における新規事業総額は26億3,400万円余でございます。金額が大きい事業としましては、区立学校の学校給食の保護者負担軽減及び区立学校在籍以外の学齢期児童・生徒保護者支援が10億1,200万円余、デジタル地域通貨事業が6億1,600万円余でございます。また、新たな経常経費の計は、一般財源ベースで17億6,200万円余でございます。金額が大きい事業としましては、先ほど申し上げた区立学校の学校給食保護者負担軽減及び区立学校在籍以外の学齢期児童・生徒保護者支援が10億1,200万円余、デジタル地域通貨事業が3億7,600万円余となってございます。 ○山本委員 それでは、過去5年の経過はいかがですか。 ○竹内財政課長 過去5年の新規事業総額は、まず令和元年度当初予算が11億9,800万円余、令和2年度が9億1,100万円余、令和3年度が4億1,400万円余、令和4年度が17億3,200万円余、令和5年度が14億8,100万円余と増加しているところでございます。 ○山本委員 新規事業の総額、年々上がっているところもあろうかと思います。酒井区政の前はかなり絞ってこられたと思いますので、一定やむを得ないとは思っておりますが、ただ、先の不透明なこの社会情勢とVUCA時代でもあります。扶助費の歳出も毎年増ともなっている中で、一定の区別と削減などの見直しも必要と考えますが、いかがですか。 ○竹内財政課長 経常経費の増につきましては、こちらのほうでも把握しているところでございまして、こちらの削減に向けて、全庁を挙げて取り組んでいきたいと考えてございます。 ○山本委員 しっかり見直しも図っていただきたいと思っております。 今回の予算では、義務教育施設整備基金と社会福祉施設整備基金には積めておりません。まずこの要因を伺います。 ○竹内財政課長 こちら歳入にあっては、特別区税において国が実施予定の住民税定額減税影響額により予算編成開始時の想定よりも下振れたことが挙げられます。歳出では、物価高騰に伴う経費の増や一時的な財政負担として新区役所移転経費などがあったことが大きな要因であると考えてございます。 ○山本委員 新区役所移転経費ということですが、それでは新庁舎整備費用260億円は中野四丁目新北口駅前地区の市街地再開発事業の転出補償金を充当するとのことですが、令和6年度、令和7年度にそれぞれ幾らで、どのような形で区の歳入となりますか。 ○竹内財政課長 新庁舎整備費用の260億円は、中野四丁目新北口駅前地区第一種市街地再開発事業の区及び関連地権者の転出補償金で賄うこととしてございます。区の転出補償金として、令和6年度に約45億円受領する見込みでございます。株式会社まちづくり中野21の分の転出補償金につきましては、まちづくり中野21での必要経費を差し引いた上で、令和7年度に会社から区への株主配当として約215億円受領する見込みでございます。 ○山本委員 大きな額が戻ってくるということですけれども、新庁舎初年度経費として、イニシャルコスト36億円、そしてランニングコスト22億円の計58億円かかるとのことですが、これについては事前に、令和6年度に58億円かかると分かっていたのではないでしょうか。見込みの甘さを指摘せざるを得ませんが、どう受け止められるのか伺います。 ○竹内財政課長 財政的に大きな負担となる新庁舎経費に関しましては、計画段階から想定して財政フレームに計上していたところでございます。一方で、物価高騰の影響などにより当初想定よりも規模が増加していることも事実でございまして、今後は想定される経費をこれまで以上に精緻に予算化していきたいと考えてございます。 ○山本委員 今後よく注意して積算するように求めます。 それで、令和7年度に転出補償金ないし、まず定額減税分が歳入として戻ってきた際は財政調整基金に積むと概要に記載がありますが、その中で年度間調整分、施設整備基金に積むのではなく、義務教育施設整備基金と社会福祉施設整備基金に積むのが先決ではないでしょうか伺います。 ○竹内財政課長 義務教育施設整備基金及び社会福祉施設整備基金につきましては特定目的基金でございまして、その性質を踏まえると、本来積立財源は一般財源もしくは基金充当事業に寄与する歳入を財源とすることが望ましいことから、転出補償金につきましては従前からの計画どおり、財政調整基金に積み立てていきたいと考えてございます。定額減税の補填分につきましては、義務教育施設整備基金及び社会福祉施設整備基金についても検討し、今後の施設改修や区民サービスに支障がないように適切に積立て、財政運営を行っていきたいと考えてございます。 ○山本委員 本来であればという御答弁でありましたけれども、物価高騰で学校整備費が1校当たり56億円だったのが70億円の見込みとの答弁が前定例会であったばかりですよね。学校建て替えで今後どのようなことがあっても計画で区民に不安を与えない、こういった姿勢を示すということが最優先ではないかと思っております。優先順位をよく考えて、義務教育施設整備基金と社会福祉施設整備基金に積んでいただくことが筋ではないかと考えておりますので、よく考えていただきたいなと思っております。 公契約条例の労働報酬下限額が1,310円となりましたが、これによる区の委託分の影響額は示せますでしょうか。 ○原契約課長 区の委託料への限度額の影響についてでございますが、委託料は事業に関わる運営費や労務費、その他経費等を含んだ総額であるため、予算額から労働報酬下限額の引上げによる影響額のみを算出することは困難であるものでございます。 ○山本委員 これも難しいという答弁でございました。労働報酬下限額が上がること自体は歓迎しておりますが、区の財政への影響というのは当然あるものでございまして、影響を図るデータなり、指標なりがないと、執行部側も我々議員としても、なかなか判断がしづらいところもあるんだろうと思っております。やはり客観的にエビデンスを持って示せる指標などを区は整えるべきではないでしょうか伺います。 ○原契約課長 契約締結後に受託者から提出を受ける公契約条例の遵守状況報告書において、労働報酬下限額での支払い対象者数を確認の上、影響の規模感の把握に努めてまいります。 ○山本委員 お願いしたいと思います。 倒産件数はコロナ禍を経て増加傾向にあり、先月に人材不足での倒産件数が過去最大と報道がありました。これまでも会派として、中小企業に対する経営支援へのサポートなどを提案してまいりましたが、人材不足によって経営に打撃を受けている事業者に対する区の取組を伺います。 ○松丸産業振興課長 人材不足に関する区の取組ということでございますけれども、昨年度に実施しました区内事業所アンケート調査でも、人手不足を経営課題とする事業者が多くございまして、その理由の内訳といたしまして、求める人材からの応募がないことが72%と最も多く、人材が定着しないことが続いておるところでございます。今後の雇用支援の方向性といたしまして、採用・定着・育成の三つの角度から取り組んでいくことを考えておりまして、令和6年度はインターンシップを活用した採用活動を行う事業者への補助、子育てをしながら働ける環境を充実させる事業者への支援など、サポート体制の充実を図ってまいりたいと考えておるところでございます。 ○山本委員 そのサポート体制なんですけれども、例えば飲食、美容、小売店など、小さな店舗を経営する事業主にとって後継人材を見つけることにも使えるようにするなど、事業承継まで意識して実施できるようにしてもらいたいと思っております。よろしくお願いいたします。 そしてまた、次年度から学校給食費無償化を行いますが、事業費と区立学校在籍以外の学齢期児童・生徒保護者支援への区内共通商品券に係る金額の内訳を伺います。 ○佐藤学務課長 区立学校在籍以外の学齢期児童・生徒保護者の支援として2億4,292万4,000円を予算計上しているところでございます。 ○山本委員 商品券分が約2億4,000万円ということでしたが、区内共通商品券となるその理由を伺います。 ○森企画課長 区立学校在籍以外の学齢期児童・生徒保護者への支援について、区内共通商品券により行う理由でございますが、対象となる方に申請という手間をかけることなく支援することができるとともに、区内商業活性化の効果も見込めるものとして、共通商品券により支援をするというふうにしたものでございます。 ○山本委員 区内共通商品券を活用することは、次年度から取り組むデジタル地域通貨事業につなげていくという、この流れをつくりたいということなのでしょうか伺います。 ○松丸産業振興課長 当事業の目的につきましては、子育て支援策ということでございまして、付随的に区内商業振興に資するものということでございます。一方で、中野区デジタル地域通貨事業の目的といたしましては、区内経済・産業の活性化と区の政策・施策の側面的促進ということでございます。中野区商店街振興組合連合会が発行しております区内共通商品券の電子化も一つの課題としてございまして、紙商品券の電子商品券化を含めまして、商店街のさらなる理解を深めながら、デジタル地域通貨事業を進めてまいりたいと考えております。 ○山本委員 デジタルのほうは区内経済の活性化、区の政策の側面的推進ということでありましたけれども、政策的に判断して、それぞれの事業目的があるということでしたけれども、デジタル地域通貨事業を開始する年度でありながら、一方で紙の商品券を活用した給付事業を実施するということは一貫性を欠いているのではないかなとも感じます。例えば、紙の商品券にQRコードを付与するとか、発行番号でひも付けするですとか、デジタル地域通貨との互換性があるように取り組んでいくことができるのであれば、一貫性が今後生み出されていくと思いますので、その点も検討してほしいと思います。 デジタル地域通貨を導入するに当たり、中野区内の利用可能店舗を増やし、商店街の活性化につなげることも目的としているという理解でいいのでしょうか伺います。 ○松丸産業振興課長 デジタル地域通貨の事業目的につきましては、先ほどお話しさせていただきました区内経済・産業の活性化と区の政策・施策の側面的推進でございますけれども、利用可能店舗につきましては、中野区商店街連合会加盟店に限定せずに、区内全域の店舗を対象とする考えでございます。一方で、商店街の活性化は課題であると認識しておりまして、デジタル地域通貨を活用した商店街活性化策といたしましては、商店街限定・地域限定のプロモーションや中野区商店街連合会加盟店におけます手数料負担の軽減など、インセンティブの付与を検討しているところでございます。 ○山本委員 区内共通商品券とデジタル地域通貨についての状況は分かりましたが、私立小・中学校給食費無償化相当分に区内共通商品券を活用する事業がデジタル地域通貨事業につながっていく一助となることを期待しまして、次の質問に移ります。 都の事業により歳出が半分になる見込みです。この給食ですね。世田谷区不登校特例校にも視察に参りました。詳細はこの後の斉藤委員から伺いますが、不登校関係は大きな課題でもあります。都補助分をただよかっただけではなく、当初、未来ある子どもたちのために使おうと考えておられたはずです。そちらに回してもらうなど、子ども対応にも充てることを想定すべきと考えますが、いかがでしょうか伺います。 ○竹内財政課長 今後、東京都から交付予定の補助金に関しましては、その事業に充当することを考えてございます。不登校対策につきましては、様々な取組を進めているところでございまして、今後も必要な対策を検討していきたいと考えてございます。 ○山本委員 必要な対策を検討していくということです。よろしくお願いいたします。 扶助費の伸びですけれども、毎年数億円を見込んでおります。介護費、生活保護費、障害福祉費の今後の伸びをどう見ておられるのか伺います。 ○竹内財政課長 扶助費の伸びでございますが、生活保護費につきましては令和8年度までは微増し、以降は横ばいで推移すると想定してございます。介護は繰出金でございますが、第一号被保険者に占める後期高齢者の割合の増や認定者数の増を見込んでいるところでございます。また、障害福祉費についても増加傾向にあると見込んでございまして、こちらに関しましても今後ニーズを把握し、適切に予算化をしていきたいと考えてございます。 ○山本委員 医療的ケアやひきこもり者などへの事業も増えて、障害福祉費はこれまでよりも伸びる想定かと思いますが、今障害を抱える子どもを持つ保護者の方々からは、親亡き後の子どもへの不安が多くありますので、ぜひそういった点も踏まえて寄り添っていってほしいと思います。 次に、2点、清掃関係について伺います。 清掃一部事務組合の組合債は年々上がり、令和5年度では787億円、財政調整基金の現在高が192億円となっており、いわゆる財政用語でワニの口となってしまっております。後に各区分担金の大幅増としなければ将来がもたないのではないかと見えてしまいます。大幅に上がることを今後の課題として財政は想定すべきではないでしょうか伺います。 ○阿部ごみゼロ推進課長 清掃一部事務組合における特別区分担金は年々増加しており、区の財政に与える影響など、その傾向は注視すべき課題であると捉えております。今後も清掃一部事務組合の財政状況について、財政課と情報共有を図り、安定した清掃事業の運営に努めていく所存でございます。 ○山本委員 よく一部事務組合と情報連携を取って、庁内で共有をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 もう1点、大きな事件だったので申し上げておきますが、令和5年11月18日に粗大ごみ破砕処理施設で火災が起きました。原因はリチウムイオンバッテリーなどの電池類の可能性が高いとのことですが、復旧までに4億円かかる見込みとのことです。リチウム電池の処理方法について、区報特集でも行っていただきましたが、実際に火災になって4億円という大きな財政支出の被害状況なども伝えなければ、なかなかリチウムイオン電池についての処理方法について、区民にとって認識の効果が薄いのではないかと思います。より実効的な、さらなる啓発を求めますがいかがですか。 ○阿部ごみゼロ推進課長 リチウム電池の誤排出による火災は、運搬車・処理施設の稼働に大きく影響いたします。そのため、安定した収集・運搬処理のためには、これまで以上に啓発が必要と認識しております。事故事例も含め周知することで、より有効な啓発に努める所存でございます。 ○山本委員 よろしくお願いをいたします。 インフレ傾向が続く可能性が高い現状において、より安定的な財政運営とするためには、いつの間にか目減りするといった状況に陥りがちな今のお金の価値にも、もっと着目する段階に入っているのではないかと考えます。今後、日銀の金利利上げの動向などもあり、利子の利率が上がる可能性を踏まえる一方、起債の繰上償還による財政負担を鑑みつつ早めるなど、先手の計画性が必要ではないでしょうか伺います。 ○竹内財政課長 公債費が区民生活に影響を及ぼさないよう、公債費負担比率はおおむね10%以内で運用することとしておりまして、適正な財政運営を進めているところでございます。償還時期に当たっては、金利の動向を注視し、適切な時期を見定めていきたいと考えてございます。 ○山本委員 よろしくお願いいたします。 世界経済情勢に先見的・機動的に対応するには、皆さんはよく「国の動向を注視し」という言葉をお使いになられますけれども、そういった姿勢では間に合わないのではないかと思っております。職員の皆さんは金融のプロ、運用のプロ、地政学的リスクを考えるプロではありませんので、区の職員だけの力ではなく、VUCAという予測不透明なこの時代における財政運用について、その道の専門家に意見を聞ける機会を組織として設けるべきではないかと思うんですがいかがですか、お伺いします。 ○竹内財政課長 決算においては、財務分析等会計専門員を活用しているところでございますが、予算においても、職員のスキルアップや人材育成を進める一方で、適切な財政運営を進めるために、外部の人材活用について今後研究していきたいと考えてございます。 ○山本委員 研究ということでしたが、どういったことかというと、今回の質問で、職員の皆さんが本来持つべきである指標となるべきものがまだない点もあるということを指摘させていただいて、早々に持っていただくようにお願いをさせていただきました。専門家に伺うとなっても、区側から適切なデータを出してもらえなければ、正しい判断も専門家も出せませんので、今日申し上げた指標については準備をなるべくお願いしたいと思っております。私は何も、以前中野区にあったシンクタンクのようなものをつくってほしいと言っているわけではございません。当区は財政規模約2,000億円、職員2,000名以上、顧客33万人、民間で言えば超大企業です。官房系の皆さんがしっかりデータと理屈から後押しをしてもらえるような仕組みが、私は今の当区だけではなく基礎自治体には必要だと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。 そして、この項の最後に伺いますが、今回の予算の編成段階では、能登半島地震は起きておりませんでした。各自治体では、その後、意欲的な取組も多く出てきております。今定例会において、防災に関する議員質問での提案も踏まえ、補正予算を機動的に組み、区民の不安にさらに前へ寄り添うべきではないかと考えますが、区長の見解を伺います。 ○酒井区長 能登半島地震を踏まえた区の防災対策については検討しているところでございまして、災害対策において、必要があれば補正予算の調整も含め、適切な対応をしてまいりたいと考えております。 ○山本委員 よろしくお願いいたします。災害に対する不安に寄り添う、備えることに早過ぎるということはありませんので、時期は今だと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。 次に、中野区新庁舎の運営についてお伺いいたします。 いよいよ来週には事業者からの引渡しがあり、5月7日から新庁舎が開庁となります。窓口サービスのDX化により、スムーズな手続など、利便性を図る窓口となってほしいと思いますが、開庁に向けて幾つかお伺いをしてまいります。 1、外国人相談窓口について、まずお伺いいたします。窓口開設に向けて人員体制、研修、内容周知などのスケジュール全般については、どのように設定をしておられるのか、また、進捗はどのようになっているのか、お伺いいたします。 ○小堺新区役所窓口サービス担当課長 窓口の人員体制につきましては、会計年度専門職の外国人相談員として、英語話者2名、中国語話者1名の計3名の相談員の採用選考を行ったところでございます。現在、令和6年5月7日の開設に向け、業務フロー、マニュアル等の作成準備を進めているところでございます。相談員採用後の4月からは、庁内窓口における対応事例の収集や外部関係機関との情報交換などをはじめ、相談業務に向けた研修を行う予定でございます。また、窓口開設の周知につきましては、2月28日発行の区報新庁舎特集号のほか、区ホームページによる広報や多言語でのチラシ等も作成しまして、日本語学校や国際交流協会など関係機関に配布することを考えてございます。 ○山本委員 様々おっしゃっていただきましたけれども、転入者の方に御案内も一緒に併せてしていただければいいのかなとも思っておりますので、お願いいたします。 外国人相談窓口に来る方々がそもそもどのような不安と相談があると想定しておられるでしょうか。また、その対応、所掌範囲はどこまでなのか伺います。 ○小堺新区役所窓口サービス担当課長 区に居住する外国人の方は留学生の割合が多いという特徴もあることから、初めて日本で暮らすことで、行政手続をはじめ、生活全般に不安を抱えて相談窓口に来庁される方が多いと想定してございます。相談の所掌範囲を限定する考えはなく、寄り添う姿勢で臨み、まずは受け止める考えでございます。 ○山本委員 まずは受け止めるということで、ぜひお願いをします。相談内容を類型化したり、連携内容や解決に至ったアプローチなどの統計データを取得して検証したりすることで、相談業務内容の改善を図り、サービスの質が高まると考えます。また、このような対応について、業務システムを導入して処理できれば効果的と考えますが、区の見解を伺います。 ○小堺新区役所窓口サービス担当課長 サービスの質の向上に向けては、相談記録の作成や相談業務の統計データの取得・分析は必須だと考えてございます。業務システムの導入に向けては、東京都が外国人相談に関わる相談支援システムの構築を進めてございまして、当区でも導入希望を申入れしているところでございます。 ○山本委員 申入れしているということですね。初めての取組というか、窓口ですので、一連の相談業務については、開設後の運用を通じて、皆さんチームで運営されるんだと思いますが、暫時チームミーティングなどをして改善をしていっていただくように、改めてお願いをいたします。 次に、おくやみ窓口についてもお伺いいたします。窓口開設に向けて、人員体制、企画内容、研修、内容周知などのスケジュール全般についてはどのように設定しておられるのか、また、進捗はどのようになっているのか伺います。 ○小堺新区役所窓口サービス担当課長 おくやみ窓口の職員体制といたしましては、会計年度補助職を配置しまして、予約受付や各手続に関する関係所管との連絡調整等の対応をすることを考えてございます。現在、令和6年5月7日の開設に向けて、業務フロー、業務マニュアル作成などの諸準備を進めているところでございます。職員研修につきましては、取り扱う手続内容等に関する研修のほかにも、おくやみ窓口に必要なホスピタリティを学ぶ研修を行う予定でございます。周知につきましては、2月28日発行の区報新庁舎特集号のほか、区ホームページでの周知を考えてございます。 ○山本委員 それでは、窓口で想定する手続内容及び対応見込みの件数はいかがでしょうか。 ○小堺新区役所窓口サービス担当課長 おくやみ窓口では、戸籍・住民登録に関係する手続をはじめとして、約30業務をワンストップ対応する準備を進めてございます。おくやみ窓口の対応見込み件数は、他の先行自治体の業務実績等を参考に、年間の死亡者数の2割程度、約3,000件を想定してございます。 ○山本委員 2割の3,000件ということでございました。それでは、相続など区の手続以外の業務についても相談できるようにすべきと考えていますが、いかがですか。 ○小堺新区役所窓口サービス担当課長 区民相談係で実施している専門相談では、現在も相続に関する内容が多く、相続に関する専門士業への相談ニーズは高いと認識してございます。今後、関与する士業団体とも連携の在り方を協議し、検討していきたいと考えてございます。 ○山本委員 先ほどの御答弁の中で、約30サービスを扱えるようにするということですけれども、予約の状況というのは、手続として必要なのでしょうか、伺います。 ○小堺新区役所窓口サービス担当課長 予約という手続に関しましては、当該手続が必要な関係所管に確認を取ってサービスを確定する必要があり、あらかじめ5日程度の時間を所要することから、来庁される5日前に予約を取っていただくということを想定してございます。 ○山本委員 約5日前ということでもございましたけれども、事前に予約を要するときに、その聞き取り対応のための1回当たりの電話時間というのは、どのぐらい要すると見積もっておられるのか伺います。 ○小堺新区役所窓口サービス担当課長 おくやみ窓口の利用に際しまして、予約受付時に個人に関する情報や窓口に来庁する予約者に関する情報をお聞きするとともに、予約日に向けた準備内容などをお伝えするため、およそ5分から10分程度の時間を要すると見込んでございます。 ○山本委員 本当に5分から10分で終わるんでしょうかね。ちょっと私、そうではないんじゃないのかなとも、私の感覚だと思うんですけれども、それで、5日かかるというところが気になっておりまして、先行自治体の取組を参考にしてと課長申し上げられましたけれども、私の存じている先行自治体の取組だと、その場でいきなり来た方も対応できるということなんですよね。それからまた、新区役所窓口サービスのワンストップという考え方の在り方としても、想定とはいささか違うのではないかなと思うんですが、予約から来庁しての手続のために、おおむね5日も時間を要するというのはなぜなのか、お伺いいたします。 ○小堺新区役所窓口サービス担当課長 要する所要時間に関しましては、個人に関する手続等全てを洗い出しまして、各担当所管と連絡を取り合いながら準備をするために、一定程度の時間を要するという前提でございます。その時間がおおむね5日程度、御遺族の負担を最小限にするために、今後は実施状況を見ながら合理的な所要時間を見定めていきたいというふうに考えてございます。 ○山本委員 やってみないとなかなかというところはあるのかもしれませんけれども、予約なしで窓口に来庁された方についても、どう対応されるのか、確認でお伺いいたします。 ○小堺新区役所窓口サービス担当課長 予約なしの方についても、担当職員が対面で対応して、来庁者からお話をお伺いし、おくやみガイドブックも活用しながら説明することを想定してございます。その方の状況に応じて、手続が可能なものがあった場合には窓口案内などの対応もしていく考えでございます。 ○山本委員 おくやみガイドブックの御答弁もありましたけれども、もっと改善できるのではないかなとも思っておりますので、時機を捉えて、新庁舎にも行きますし、新しくおくやみ窓口も開設されますので、そういった中身のところも改めて見直していただきたいなと思っておりますので、要望にしておきますが、当初このおくやみ窓口、システムによる対応を想定していたと伺っているんですが、エクセルやワードを使って、システムによらず対応しようとされております。そもそもの目的は何であったのか、目指すべき新庁舎で展開する窓口サービスの方針からいささか違うようにも見えます。もっとスマートにできるように思えてなりません。運用して走りながら不断の改善をお願いしたいと思いますが、改めて区の見解を伺います。 ○小堺新区役所窓口サービス担当課長 おくやみ窓口設置の目的は、死亡に関わる数多くの手続を一度に行わなければならない負担や、何をしたらよいか分からないなどの不安を軽減させることを第一として、区で行う手続を集約し、御遺族に提供することでございます。おくやみ窓口の運営においては、さらなる事務効率化や窓口利用者の満足度向上に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 ○山本委員 やっぱりこれも初めての取組ですので、大変なこともあろうかと思いますけれども、日々改善というんですかね。もっと区民の方に利便性が上がるように考えていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 最後に、外国人や障害をお持ちの方と窓口で対応する際に、互いのコミュニケーションが、うまく通じることが大事ですが、最近では窓口に設置して利用できる便利な透明なディスプレイ型の翻訳機能付きコミュニケーションツールが開発され、西武新宿駅や東京都をはじめ、導入あるいは導入予定の民間企業や自治体が増えてきております。新庁舎においても、そのようなユニバーサルデザインの考え方に根ざした窓口にユニバーサルコミュニケーションサービスが効果的ではないかと考えます。まずは機器の性能、機能特性を踏まえて、窓口サービスへの適性を考慮して、実証的な導入を具体的に検討してみてはいかがでしょうか、伺います。 ○小堺新区役所窓口サービス担当課長 外国人や障害をお持ちの方と窓口で対応する際に、互いのコミュニケーションがうまく行えることが大事であると認識してございます。お話のありました翻訳機能付きディスプレイにつきましては、駅窓口などで活用されていることは承知しております。新庁舎移転後の窓口状況を踏まえ、研究してまいりたいと考えております。 ○山本委員 ここまでるる伺いましたが、繁忙期に新庁舎にも人が分かれることで、抜けて、現庁舎の窓口の人が手薄になります。2月29日竣工後、3、4月で什器を入れてテストをしますが、改めて区民サービスに影響がないよう、適切な進行管理を求めますが、最後に御担当の決意をお願いいたします。 ○小堺新区役所窓口サービス担当課長 5月の庁舎移転に伴いまして、各種窓口サービスの繁忙期と移転業務のほか、機器テストなど、新たな業務オペレーションの研修などが重なることになりますが、窓口業務などの区民サービスの継続・安定的な確保は極めて重要なことと認識してございます。特に来庁者数の多い窓口を所管する業務所管につきましては、区民サービスや業務に支障が生じないよう、窓口間の連携体制の確認も含めて万全の体制を整え、新庁舎窓口総体のサービス向上を目指していく所存でございます。 ○山本委員 よろしくお願いいたします。 最後に、新庁舎1階の広場について伺います。株式会社まちづくり中野21から中野サンプラザのピアノ5台の寄附を受け、新庁舎1階に1台、なかのZEROに2台、野方区民ホールに1台、桃園区民活動センターに1台設置するとのことですが、区内イベントなどで登場の出番は多く予想されます。サンプラザから譲り受けたピアノをより区民に愛されるものにするために、ミューラルプロジェクトの壁画制作のように、区民や子どもたちが参加するワークショップを行い、ピアノのペインティングを行ってはいかがでしょうか、伺います。 ○高村シティプロモーション担当課長 中野サンプラザのレガシーを受け継ぐという意味もあり、まずは譲り受けたままの状態でピアノを利用したいというふうに考えてございます。その上で、新庁舎1階のイベントスペースやなかのZEROでピアノを利用された方や文化・芸術のイベントに参加した方の意向も伺いながら、ピアノのペイントについては考えてまいります。 ○山本委員 伺いながら、順次進めていけるようであれば進めてほしいなと思っております。 それから、新庁舎1階は文化・芸術を中心として区民の皆さんが活動し、活気のある空間になると思います。情報発信スペースのナカノのナカニワ、イベントスペースのナカノバ、多目的スペースのシェアノマなど、新庁舎1階スペースを活用して、区民が音楽・踊りをはじめ、様々な文化・芸術に触れられる機会を設けてほしいと考えますがいかがですか、伺います。 ○高村シティプロモーション担当課長 情報発信スペースのナカノのナカニワでは、パーゴラを利用した常設展示のほか、月1回程度、企画展示を行いたいと考えてございます。また、新庁舎1階のミーティングルームや6階の会議室ではアールブリュットなどを、3階のキッズスペースでは彩色豊かな絵をそれぞれ御覧いただけるようにいたします。また、主に区民の方が利用する場となるイベントスペースのナカノバや多目的スペースのシェアノマでは、5月11日、12日に開催予定のオープニングイベントを皮切りに、音楽やダンス、伝統芸能をはじめ、幅広いジャンルの文化・芸術のイベントや企画が様々な方によって実施されるよう運営に努めてまいります。 ○山本委員 なかなか子どもたちや区民の皆さん、子どもだけに限りませんけれども、様々な体験の機会というのは、コロナ禍もあって失ってきたところもあるかと思いますので、お願いをしたいなと思っております。年代にもよりますけれども、多くの区民は転入・転出時とか住民票申請のときなどしか、なかなか役所に来る機会がないのが現状でありましたけれども、より身近な区役所となるように期待をして、次の項目に移ります。ありがとうございました。 次に、学校教育についてお伺いします。 4月から新年度を迎えます。うちの子も小学校に上がることになり、既に当事者としても改めて思い至った課題を感じましたので、質問をさせていただきます。 まず、キッズ・プラザ未整備校についてお伺いいたします。区はキッズ・プラザの整備を校舎建て替えや新設に合わせて進めてまいりました。令和6年4月からは鷺の杜小学校にキッズ・プラザが開設されますが、依然未整備である学校は何校で、どの学校でしょうか、お伺いいたします。 ○細野育成活動推進課長 令和6年4月時点でキッズ・プラザが整備されていない小学校は6校、平和の森小学校、中野本郷小学校、上鷺宮小学校、北原小学校、桃園第二小学校、そして啓明小学校でございます。 ○山本委員 キッズ・プラザがいまだない六つの既存小学校については、仕事などで預け時間が18時までの利用で構わない家庭についても、キッズ・プラザが未整備のため、19時まで預けられる学童への申込みへと流れており、望まれない競争が発生し続けています。また、キッズ・プラザは無料ですが、学童を利用することで月5,600円の利用料負担も各家庭に発生しております。また、令和3年に就学援助の基準を1.15から1.3に引き上げてもらいましたが、基準には満たない少し上の方々にとっても、月5,600円で、年6万7,200円の学童利用料負担となっております。しかし、キッズ・プラザが併設されていない学童利用者に例えば利用料補助をするとしても、潜在ニーズを掘り起こすことになり、整備状況が整っていない状況では望まれない競争により拍車がかかるおそれもあるため、難しいとも感じております。区としては、こうした状況をよくよく受け止めていただきたいと思います。 その上で伺いますが、キッズ・プラザ未整備の北原小学校では、学校の会議室を活用した放課後の居場所事業を行っていると聞きますが、どのような事業を行っているのでしょうか。 ○細野育成活動推進課長 北原小学校における放課後居場所事業でございますが、こちらは北原小学校の会議室・校庭・体育館を活動場所として、北原児童館と学校が連携して行う居場所事業を実施しているところでございます。北原ランドという名称でやらせていただいていて、北原小学校の児童は放課後、家に帰ることなく、学校の会議室にランドセルを置かせていただいて、校庭や体育館を利用して遊ぶということができてございます。 ○山本委員 すばらしい居場所となっているんだと思いますが、北原ランドは誰が何時まで利用することができるんでしょうか。 ○細野育成活動推進課長 北原小学校の児童と、あと、近隣の小学校の児童も利用することができます。事前の利用の登録は頂いているところでございますが、定員は設けておらず、17時まで利用することができます。 ○山本委員 17時までなんですね。なぜ北原小学校でこのような事業を開始したのでしょうか。経緯も伺います。 ○細野育成活動推進課長 北原小学校につきましては、キッズ・プラザ設置まで時間を要するということがございます。そういったこともあり、校庭等を活用し、職員が見守る環境もつくることで、安心・安全な放課後の居場所をつくる目的で事業を開始したところでございます。 ○山本委員 大変いい取組だと思いますし、啓明小学校でもその方策を取れないものかと考えておりまして、北原小学校は令和12年度に新校舎の供用が開始される計画ですが、啓明小学校の改築整備等は令和13年度以降の着手となるとされております。完成までに10年以上はかかる見込みのため、放課後の居場所について特に大きな課題だと考えております。啓明小学校の放課後の居場所づくりをどのように進めていく考えでしょうか、お伺いします。 ○細野育成活動推進課長 区では、キッズ・プラザ設置までの間の放課後の居場所事業を拡充していくという考えでございまして、啓明小学校におきましても、学校と協議の上、放課後の空きスペース等を活用し、安心・安全な居場所づくりを進めてまいりたいというふうに考えてございます。 ○山本委員 ありがとうございます。できる限り早急に子どもたちの放課後の居場所に係る環境改善をお願いしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 次に、春休み期間と入学早々のお弁当についてお伺いします。また、令和4年度から学校の夏季休業期間中において、学童クラブの希望家庭に対して有償で弁当の提供を行っております。保育園から入学したばかりの子の親は、春休み期間と新学期の給食が始まるまでの間、長期間にわたる昼食の用意が負担となります。実際、私も小学校に上がったばかりの保護者から、子どもも保護者も新生活にまだ慣れない中、始まる2週間の弁当用意が大変だったとの声を聞いております。夏季休業期間だけではなく、この期間においても、委託により有償で弁当の提供機会を設けるべきではないでしょうか。区の考えをお伺いいたします。 ○細野育成活動推進課長 春休みの学童のお弁当の提供についてでございますが、新年度が始まったばかりの時期については、お子さんも大変不安を抱えている時期でもあり、お子さんが少しでも安心できるものをということで、家から持ってきていただくようにお願いしているところでございます。市販のお弁当ということになりますと、食物アレルギー対応や、あと、好き嫌い等の問題も、また、そういった課題も多く、新年度当初については、より慎重な対応だというふうに考えてございます。子どもにとって最もよい方法について考えていきたいというふうに考えております。 ○山本委員 新年度当初はアレルギーが課題、慎重にならざるを得ないということでございましたけれども、慎重になりつつ、検討というか、研究ですかね、進めていっていただきたいなと思っておりますので、状況について、またお伺いすると思いますので、よろしくお願いいたします。 それから、保護者負担軽減についても1点お伺いします。家庭での保護者の学用品や子どもたちが学校で必要となるために各家庭で御負担いただくものなど、いわゆる隠れ教育費についての実態把握については、これまでも会派としても取り上げてまいりました。海老名市の保護者負担経費検討委員会を紹介いたしましたが、松本市も子どもの多様性を認め、入学時の購入品の保護者負担軽減に向けた支援をテーマにした研究会を今年度に立ち上げ、学校が保護者に対して統一規格での購入を求めている物品の調査や保護者・中学生・学校関係者との意見交換を行い、年度内に提言を取りまとめ、学校に対して見直しを促していくとのことでした。 学校長の裁量とはいえ、公教育である中野区の区立学校間において、各家庭への徴収金に過度な差はあってはならず、実質賃金が下がり続けている今、各家庭の負担度を自由記述欄などの抽象的なアンケートではなく、具体的な品目で問うてみるべきです。教育委員会が旗を振って、各学校において学校関係者で検討委員会を立ち上げて、学校・家庭での教育に係る実際の負担感覚を把握するため、保護者にアンケートを取って、卒業アルバム、学校指定品など、保護者負担軽減の方策を探るべきと考えますがいかがでしょうか、お伺いします。 ○佐藤学務課長 保護者負担軽減についてでございますが、学校間で私費の徴収額に差があることは認識しており、その対応として、既に各学校で情報共有の場を設ける等、協議をするよう助言しているところでございます。保護者負担の軽減については、他自治体における事例を参考にして、区としてどのような取組が行えるのかについて研究してまいりたいと考えてございます。 ○山本委員 研究ということでしたけれども、協議するよう助言しておられるということで、一歩進んでいるなというのが今感覚として持っておりますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。 次に、区民活動センターの今後の在り方についてお伺いいたします。 平成23年から地域住民の自主的かつ主体的な取組を促進することを目的とし、地域センターから区民活動センターへと変わりました。令和6年2月となり、現在13年ほど経過しましたが、区としてどのように総括しておられるのでしょうか、お伺いします。 ○池内区民活動推進担当課長 この13年で、区民活動センターを拠点とし、地域の課題の解決に向けた地域住民による自主的・主体的な取組が定着してきております。背景には、区民活動センター運営委員会が区と地域団体と連携しながら、地域の自治活動や公益活動の推進に携わってきた成果があると考えてございます。 ○山本委員 そういった成果の裏には、運営委員会の委員や事務局の存在も大きいと思っております。運営委員会の委託料ですが、事務局員への人件費がおおむねを占めております。人件費が管轄の地域人口などによる積算では限界が来ているのではないかと感じておりますがいかがですか、お伺いします。 ○池内区民活動推進担当課長 人件費については、事務局員1人頭で原則一律の額を示しまして、そこに圏域ごとの人口と地域団体数などを考慮し、加算をしているところでございます。人口比率にかかわらず、運営委員会事務局の業務量が増えている認識はあるものの、区としても積算方法に苦慮していますが、運営委員会ごとの業務内容など実態を把握し、積算方法についても整理しなくてはならないと考えております。 ○山本委員 課題として認識しておられるということでございました。私も大和区民活動センター運営委員会で役員をしておりますが、現場状況を目の当たりにしております。事務局員で辞められる方がおられますと、次の雇用を探さなくてはなりません。そうした際に地域コーディネーター研修修了者から選んで面接をするんですけれども、なかなか採用に結びつかない場合も当然ございます。地域コーディネーター研修で学ばれた後、地域の活性化をお手伝いしたいと思って、思いを持って皆さん登録されるのですが、採用されても様々な理由から定着が難しく、また、人材発掘から始めるといった、定期的なループというべき状況が起こっております。当初の自主的かつ主体的な取組を促進するという目的がうまくいったセンターもある中で、地域特性もあり、現状の事業の維持で手一杯で、地域にどんどんつながっていくという理想達成には厳しいセンターもあるという現状も感じております。 運営委員会は、事務局員の雇用や人件費の工面に四苦八苦しながら苦慮して対応しており、本来は地域活動の支援や運営委員会事業を通して地域住民間のつながり、人材の発掘などへ注力することが担うべき役割と考えておりますがいかがですか、お伺いします。 ○池内区民活動推進担当課長 運営委員会の事務局には様々な地域事業を通し、地域住民間のつながりや地域人材の発掘など、地域活動の活性化を支援する地域活動コーディネーターとしての役割が重要であると考えてございます。その役割に注力していただくためにも、区は事務局が担う多種多様な事務などについても洗い出しまして、委託内容を整理するなど、事務局の業務改善も図っていきたいと考えております。そういった課題も解消すべく、区民活動センターの在り方につきましては、区民活動センター運営指針も含め、現状課題を整理し、運営委員会と調整しながら、よりよい地域拠点となるよう、方向性を示してまいりたいと考えております。 ○山本委員 ぜひよろしくお願いをいたします。 また、飲食の運営ルールについてですけれども、標準化を目指した試行を始めると聞いておりますが、子育て団体なども茶菓子などを持ち込んで、新たなコミュニケーションや事業展開ができるようになるということでいいんでしょうか、伺います。 ○池内区民活動推進担当課長 新型コロナウイルス感染症の5類移行後、区民活動センターを拠点としました多種多様な地域活動が活発になり、区民活動センターを利用する健全育成活動の団体等から活動に付随した飲食を求める声も上がってきてございます。各団体の活動の趣旨、発展性などを考慮いたしまして、飲食は原則禁止と定めていた利用ルールにつきましては見直しを図るところでございます。運営委員会とともに、住民活動の拠点として開かれた区民活動センターを目指してまいりたいと考えてございます。 ○山本委員 ありがとうございました。センターによってルールの基準が違うことによって、区民からの声も受けて、こうした一つのルールの標準化に動かれたんだと思いますけれども、図らずも区が一定主導を握ることとなりました。今後のインターネットでの施設予約システムの各センター運営委員会の取りまとめなども苦慮されているのではないかと思いますが、区による区民活動センターへの関わり方として岐路を迎えていると思いますので、これまで抱えてきた、積み残しもしてきた課題をクリアにしていただくチャンスかと思います。大変だと思いますが、地域の核となるものでございますので、担当部長・課長をはじめ、頑張ってほしいと強く要望しておきます。 それでは、最後の項で、災害対策についてお伺いいたします。 地域防災計画が年度内の修正に向けて動かれております。これまで、富士山噴火などの活火山噴火による降灰の影響と対応について改善と反映を求めてまいりました。今回、一定盛り込まれたことを歓迎いたします。火山灰対策として、除去は地域ぐるみの降灰除去の推進と書かれており、自治会等の自主防災組織の活用を図ると記載がありますが、事前に自主防災組織として降灰除去の訓練というのは現実的ではありません。いざというときのために、やはり各防災組織や職員向けにゴーグル、スコップ、土のう袋など、まず装備を備えていくことが必要かと思います。予算化して配備すべきではないでしょうか、伺います。 ○杉本防災危機管理課長 今年度、火山噴火による被害を想定した装備を区民の皆さんに備えていただくため、区ホームページによる広報を開始したところでございます。また、自主防災組織や職員に対する自治体が備えるべき火山災害時の装備品や資機材等につきましては、引き続き情報収集に努め、対応を検討してまいります。 ○山本委員 よろしくお願いします。火山灰は自然物のため、廃棄物処理法が定める廃棄物に該当しないなど、分別の課題もありましたが、令和5年12月に東京都大規模噴火降灰対応指針が出されまして、国の指針が出るまでは自然物として処理するとの取扱いの方向性は示されました。その中で、火山灰の収集・運搬は区市町村が行う旨も示されましたが、当区として具体的な仮置き場所や処理計画が定まるのはいつになりそうでしょうか、お伺いします。 ○杉本防災危機管理課長 現在、都は国に対しまして、富士山等の大規模噴火による大量の降灰に備え、火山灰の除去・処分方法の明確な指針を示すことや広域的な処分方法の具体化及び具体的な対策の検討を行うことについて要望していくこととしております。区としましては、今後、国や都から示される火山灰の除去・処分の方法の動向を注視するとともに、仮置場について検討を進めてまいります。 ○山本委員 仮置場について検討をぜひよろしくお願いいたします。 また、大規模噴火計画には、普及啓発に当たっては、中野区においては降灰による災害が身近ではないことを考慮し、方法や内容等を工夫し、分かりやすく実践的なものとするよう努めるとあります。内容はこれからだと思いますが、予定しておられる普及啓発媒体は何で、いつ頃を考えておられるのでしょうか。ホームページには記載していただいたようですが、地域防災を担っているのは実質町会・自治会の皆さんで、高齢者も多く、回覧やまちの掲示板でも見れるように紙媒体でもお願いをしたいと思っておりますがいかがでしょうか、お伺いをいたします。 ○杉本防災危機管理課長 降灰等に関する普及啓発といたしましては、区ホームページにおきまして、火山災害の備えとして、火山噴火に関する気象情報、火山灰による健康や日常生活への影響、日頃からの備え、噴火した際に取るべき行動や火山灰の収集について掲載しております。また、紙媒体では、令和6年度発行の中野区民防災ハンドブックに富士山の噴火による影響などを記載し、普及啓発を推進する予定でございます。 ○山本委員 様々な媒体があるかと思いますので、この先も常に考えて、効果的なことをしていっていただきたいなと思っております。 また、地域防災計画改訂版では、提案してまいりました外国人住民への対応・対策についても記載が盛り込まれており、評価をします。記載だけでなく、地域の安心・安全に資するよう、実効的な取組を求めます。その中でも外国人防災リーダー、これについては人材確保をどのように進めていくお考えでしょうか、お伺いをいたします。 ○福嶋防災担当課長 外国人防災リーダーの人材確保についてでございますが、1月には区内日本語学校の授業の一環として、消防署及び警察署と合同で防災訓練を実施した際に、外国人防災リーダーの募集広報についても実施したところでございます。引き続き中野区国際交流協会や防災関係機関と連携し、外国人防災リーダーの人材確保を進めてまいります。 ○山本委員 国際交流協会とも連携を取られているんだろうと思いますので、協会に地域の各国の世話人の方、いろいろ知っていらっしゃるんだと思いますので、そういった方々にもアプローチしながら、広げていっていただければなと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。 また、磁気嵐を生む太陽フレアについても以前質問させていただきました。地域防災計画では記載がありませんでしたが、国立研究開発法人情報通信研究機構が宇宙天気予報というホームページを公開しております。現在、太陽活動は極大期にあり、巨大太陽フレアが発生すると、大規模通信障害だけではなく、送電線が止まってしまうことも懸念されており、その際、2週間は影響が続く危険性もあるとの調査も発表されております。これだけ情報通信社会になってからは巨大太陽フレアをまだ経験しておりません。国も動いておりますが、行政としては想定外を想定するといった対策も必要ではないかと考えます。区全域のコントロールタワーである新庁舎の電気が枯渇し、業務が停止するわけにはいきません。停電の対応については、新庁舎では5日間もつ体制を整えているとのことですが、2週間程度電源を確保し、災害対応活動を継続して実施するためなど、燃料補給策についてはどのように考えておられるのでしょうか、お伺いします。 ○杉本防災危機管理課長 新庁舎での停電対応が5日間を超える場合には、東京都石油商業組合杉並中野支部との災害時における燃料等の優先供給等に関する協定書に基づきまして、軽油の提供を受け、電源の確保に努めることとしております。 ○山本委員 新庁舎がもつ5日間の電気量というのは、100%の力で使ったときの5日間だと思いますので、その割合を下げて、より延ばしていくということもできるのではないかと思いますし、当然、発災時にはそうされるのではないかと思いますので、なるべくもたせられるような数字の実感を皆さんのほうでお持ちいただければなと思っております。 それでは、最後の質問です。地域防災計画の別冊86ページに、区内の生活用水としての井戸水提供の家一覧として各地域別件数の掲載がありますが、消防団の発災時の支援活動にも資するのではないかと考えます。情報提供を許可する方がいれば、共有してもらうよう改善してもらいたいと考えますがいかがでしょうか、お伺いします。 ○杉本防災危機管理課長 区内の井戸水につきましては、生活用水としての活用を前提としていることから、避難所等に設置している防災用井戸の所在地のみを公開しております。一方で、民有井戸につきましては、所有者との協定締結におきまして公開の了承を得ていないことから、現時点では消防署や消防団を含めて詳細な情報を公開しておりません。消防団に対する井戸の場所の共有につきましては、まずは消防署の意向を確認してまいりたいと考えてございます。 ○山本委員 個人の方の情報でもございますので、一旦署について確認していただいて、よければ共有していただければなと思っております。度重なる災害から区民をしっかり守る、より強靭な行政機能を持っていただくことを強く要望しまして、質問を終わらせていただきます。予定より早く終わることになりましたが、皆さんの機敏な動きと迅速な簡潔な御答弁のおかげだと思っております。ありがとうございました。 ○杉山委員長 以上で山本たかし委員の質疑を終了します。 次に、加藤たくま委員、質疑をどうぞ。 ○加藤委員 おはようございます。自民党の立場から総括質疑をさせていただきます。 まず冒頭に、改めまして能登半島地震におかれまして被災に遭われた方々に哀悼の意を示させていただきます。一刻も早く復興することを祈念いたします。 それでは、令和6年度の予算について質疑をさせていただきます。 先ほど山本委員の質疑の中で、特別区税とか、その辺の話がありましたけど、ちょっとおさらいすると、特別区民税で減税の措置などはありますけれども、実質2億円の増だということですけれども、これは物価高などのインフレ率を考慮すると、結局2億円増で300億円ぐらいなので、1%も伸びていないわけですね。それに対して物価高は、もうそれ以上になっているということで、僕は実質下がっているのではないかなと分析いたします。あと、固定資産税とか法人住民税の伸び、3、4%ということですけれども、全体の物価上昇の中ではトントンなのかなというところで評価します。そうした細かいところというよりは、今後10年間どういうふうに考えるかというところで、財政フレームを中心に質問をさせていただきたいと思います。 当初予算(案)の概要26ページの一般財源ベースの財政フレームを御覧いただきたいと思います。恐縮ですけど、新人議員の方々のレクチャーにもなると思いますので、見ていただきたいなと思います。 今年度より、この表の歳出の新規・拡充等事業の内数として施設経費というのを掲載していただきました。私が再三お願いをさせていただいていた項目が加わったわけであります。財政課には感謝申し上げます。なぜこの数値を知りたかったかというと、新規・拡充等事業というのはソフト事業、ハード事業、いろいろ混ざっていて、それぞれどれどのぐらい伸びたとかというのが分からなかったために、この施設経費を示してもらうことによって、その差を出せばハードとソフトのそれぞれの事業費が出てくると考えたからです。でも、この施設経費というのは私が求めていた真の値ということではなかったようですので、その辺も説明します。 皆さんには、当初予算(案)の概要の63ページを見ていただきたいんですけれども、ここに「基金・起債を活用する事業の一覧」というものがあります。財政フレームに掲載された施設経費という、先ほど言った施設経費というのは、この表における区有施設とか学校のみ、下にありますよね、枠が、区有施設と学校、このところの金額が載っていたということです。区有施設と学校というのは基本的に一般財源でつくられるものです。上のまちづくりと道路・公園等整備というのは補助金が入る事業ですので、一般財源以外のものも入るということで、その分けがあったということです。ということで、僕が知りたかったのは、上のまちづくりと道路・公園等の整備費も入ったハード事業費を知りたかったということで、取材の中でハード事業費の総額を伺うことができましたので、その数値を酒井区政の本格予算が始まった令和2年度から教えてください。 ○竹内財政課長 令和2年度に関しましては236億8,800万円、令和3年度は213億3,500万円、令和4年度は167億3,300万円、令和5年度は464億4,100万円、令和6年度は345億9,600万円となってございます。 ○加藤委員 その金額を新規・拡充等事業から差し引いたら幾らぐらいになるんですか。 ○竹内財政課長 新規・拡充等事業から、例えば令和6年度ですと405億円が新規・拡充等事業ですので、そちらのほうを346億円から引きますと、大体59億円程度になるというものでございます。 ○加藤委員 今の計算でいくと、新規・拡充等のソフト事業費が令和2年度で49億円、令和3年度が32億円、令和4年度が53億円、令和5年度が46億円、令和6年度が59億円というふうになります。その他事業というところですけど、新規事業の、私、ソフト事業と言っていますけども、逆に言うとハード事業を引いて残ったのをソフト事業と今呼んでいますけど、そういうのは何が含まれるかというのを言ってもらってもいいですかね。つまり一般事業費もソフト事業なわけですけど、一般事業費というのは何を示しているのかというのを、概要を教えてもらっていいですか。 ○竹内財政課長 こちらの一般事業費の中身でございますが、ソフト事業費と、あと、老朽化に伴います施設の改修等にかかる経費、こういったものも一部含まれてございます。 ○加藤委員 ハード事業は物をつくるもので、ソフト事業はそのほか全部という認識でいいですよね。 ○竹内財政課長 そのとおりでございます。 ○加藤委員 例えば、今回給食費が無償化しますとかといっても、これもソフト事業費でいいわけですよね。 ○竹内財政課長 来年度、経常経費するということであれば、この一般事業費に入ってくるというものでございます。 ○加藤委員 ということで、一般事業費と先ほど言ったソフト事業費というものを出してもらったんですけども、それを図面化したのが、委員長の許可を得てフリップをつくりましたけど、こういった図です。横軸が令和2年度から令和6年度の時系列を示しておりまして、縦軸をソフト事業費とさせていただきました。一般事業費というのは、その年のソフト事業費の経常経費ということで、先ほど言ってもらった数字というのは新規予算のソフト事業費ということで、上のオレンジのところで示させてもらっています。だから、経常経費と新規・拡充等事業におけるソフト事業費を足し合わせると、その年のソフト事業費の総計となるということでやらせてもらいましたけど、そういった認識でよろしいですよね。 ○竹内財政課長 そのとおりでございます。 ○加藤委員 これを見ますと、令和2年度は一般事業費、前年度から150億円、経常経費としてソフト事業が必要だというのが150億円で、その年度、新規事業で49億円、新しくソフト事業費が必要になったということで、総額199億円となりましたので、その翌年度も経常経費と新規予算ということで、令和3年度は245億円、令和4年度は267億円、令和5年度は291億円、令和6年度は341億円となりました。歳出抑制に努めると言われながらも、見直し・廃止された事業はこれまでほとんどありませんので、新規・拡充等事業がほとんど翌年度の経常経費化されて、翌年の一般事業費として計上されているという現状があります。毎年この新規・拡充等事業が一般事業化することが分かっているものの、財政フレーム上で一般事業費を10年間横ばいに設定します。 何を言っているかというと、財政フレーム、当初予算(案)の概要26ページの一般事業費というのが歳出の真ん中辺にありますけれども、ここで令和6年度は282億円、令和7年度は284億円と書いてあります。過去に遡ると、令和2年度のとき、予算を立てたときに、令和3年度、その翌年の一般事業費は150億円に設定すると書いてあるんです。なのに結局、新規予算が全て経常経費化されて、150億円にするどころか、213億円に増えています。さらに、翌年もどんどん経常経費が増えていっているというところで、毎年毎年、令和3年度になったら、150億円と設定していたのが63億円プラスの213億円が経常経費、翌年が、令和4年度、昨年度211億円と設定していましたけど3億円プラス、令和5年度は、その前年度、214億円と設定していましたけども31億円プラスで245億円、令和5年度のときに、令和6年度一般事業費251億円に設定すると言っていましたけども、プラス31億円で282億円となっております。これまで、過年度の財政フレームで設定した一般事業費に収められていないということはお認めになりますか。 ○竹内財政課長 一般事業費が伸びていることは認識してございます。 ○加藤委員 これまでに財政フレームに掲げる一般事業の金額内に収められるのかと、過去3年間、この予算の総括質疑の中で再三やらせてもらいました。そのときの答弁が、ビルド・アンド・スクラップ、PDCAサイクルをしっかり回し、既存事業の経費削減・抑制が必要であると考えており、今後もそういう形で進めていきたいというような趣旨の答弁を毎回されるわけですけども、全くできていませんけれども、何で約束を守れないんですか。 ○竹内財政課長 今まで、この基本計画で掲げた重点プロジェクトや区有施設整備計画に基づく施設整備、社会情勢を踏まえた区民生活を基軸とした取組等、行政需要に的確に対応するため予算編成を進めてきたところでございます。ただ、一方で、物価高騰や人件費の高騰などの影響によりましてソフト事業費が伸びてございまして、そういったところから厳しい財政状況になっているという認識はございます。 ○加藤委員 でも、これ、ソフト事業費でもともと199億円だったものが5年間で142億円増えて、70%も増えている。人件費の高騰とか物価高騰だけで説明がつきますか。 ○竹内財政課長 様々ソフト事業、経常経費といったところの中身は、年度ごとの区民サービスに対応するようなところもございますので、だからこそPDCAサイクルをしっかり機能させて、ビルド・アンド・スクラップといった展開をしていかなければいけないと考えてございます。 ○加藤委員 だから、PDCAサイクルが回っていないからこれだけ太っているわけじゃないですか、どんどん。自分で無理な答弁をしているなと感じませんか。それを聞きます。 ○竹内財政課長 持続可能な区政運営を進めていくために、そういった取組を行っていかなければいけないと強く認識しているところでございます。 ○加藤委員 過去そういうことがありました。来年度予算が今度どうなるのかというところで、新規・拡充予算、ソフト事業のところで59億円が足されますけれども、要求資料総務46で「次年度予算で計上した新規・拡充・推進事業に係る経常経費の見込み(一般財源ベース)」というものをつくっていただいておりますけれども、令和6年度の新規・拡充・推進事業の合計額は73億円、多分基金が入ったりとか、補助金も入った金額なので、この59億円と合わないんですけれども、その金額が後年度どうなるかというところで見ますと、令和7年度において73億円だったのが68億円ぐらいですね、大体。ということで、5億円ぐらいしか下がらないわけですよね。そのままやるとですね。何もやらないと。そうすると、これまでの実績を見ると、再来年度の一般事業費、計上経費というのはここから5億円引いたぐらいしか今のところ見えないわけですね。241億円だったのが、336億円程度が一般事業費化すると考えられてしまうんですけれども、一方、こっちの財政フレームでは284億円に一般事業費をしますと言っていますけれども、ここで50億円ぐらいの乖離が出ますけれども、どうやってビルド・アンド・スクラップ、PDCAサイクルを回して50億円を生み出そうとしているのか、お考えを伺います。 ○竹内財政課長 新規事業と既存事業の見直しといったことを、経常経費の削減を努めてまいりまして、こちらの事業費のほうの削減に努めてまいりたいと考えてございます。 ○加藤委員 1回もできなかったのに、できるんですか、いきなり。再来年度は。来年度において、そういう計画をして。全く信用がならないんですけれども。これを言っても、その答弁しか出てこないでしょうから、これはこのままにしておきますけれども、結局この142億円が増えてしまって、これがまた経常経費化するんじゃないかなという危惧があるということで、ここは、この図面ではそういうことを言います。 また、歳入も増えているというところも一つ見ていこうということで、ある意味そちらには好意的な見方をした図面が、次に用意させていただいたこれになりますけれども。これは先ほどと同様、令和2年から令和6年度の時系列で、左縦軸がソフト事業費と呼んでいるものと一般財源歳入になります。一般財源の歳入というのは、ここでは特別区民税と特別区交付金、あと、その他会計と財政フレーム上に書いてある合計値のものです。この数字というのは、当初予算(案)の概要の21ページにも書いてある棒グラフ、921億円とここがリンクするものです。財政フレーム上で、歳入の上の三つを足した数字ということで、基金・起債が入っていないということなので、ある意味、中野区の基礎体力的な歳入の総計ということが言えます。これに対してソフト事業費がどのぐらい増えたかというのを見るために、この図面をつくりました。 黄色のほうは今言った歳入ですけれども、青のほうは先ほどのソフト事業費、一般事業費と新規を足したもののソフト事業費の総計です。これは先ほど言いましたとおり、5年間で142億円増えました。歳入においては805億円から、翌年下がりましたけれども、これは新型コロナによって減収になってしまうんじゃないかという危惧のもと下がったということで、結果的に決算のときに戻っていましたので、ここが下がったのはそのときの見込みの話であります。ここから上がっていって、最終的に来年度予算で921億円、一般財源歳入で5年間で116億円が増額しました。ソフト事業費が142億円なのに対して、歳入は116億円、26億円ソフト事業費だけでもショートしちゃうという、増やすといったらですね。まちづくりのほうでも相当お金が増えているのに、こんなに上がっちゃっていいのかなということで、それで割合を見ますと、全体の歳入からソフト事業費を見ると、令和2年が24.7%だったのが、右肩上がりではないですけど、ここは横ばいですけども、最終的に来年度37%、ちょうど5年間で1.5倍にソフト事業費が全体に対して上がったということになります。これはすごい上がっているなといいますけど、一応この図面、僕がつくったので、こういった事実であるというのは認められるというか、という認識でいいですよね。 ○竹内財政課長 この5年間、歳入は116億円の伸びに対して、ソフト事業費は142億円の伸びと、歳入の伸びとソフト事業費の伸びがこちらのほう合っていないという、勘定が合わないということは認識してございます。 ○加藤委員 改めて伺いますけれども、このソフト事業費が本当に歳入よりも増えていっちゃっているというのが、本当に大変なことになっているなと思うんですけども、どうやってこれ、このままでいいという認識なんですか。 ○竹内財政課長 経常経費が伸びているということは認識しておりますけれども、こちらはそのままでいいとは考えておりませんので、だからこそ、削減に向けて取り組んでいかなければいけないと考えてございます。 ○加藤委員 削減よりも前に新しく新規事業を、やめるのは本当に難しいと思うので、新規事業をもう少し慎重に検討して、やるべきかどうかって、もう少し慎重に考えていくべきだと思うんですけど、まずそこからだと思うんですよね。やっている事業をやめるよりも、新しい事業を本当にやれるだけの財政的体力があるかという、そういう検討をされてきているのか本当に疑問なんですけど、その辺を伺います。 ○竹内財政課長 今年度の予算編成に関しましては、基本計画で掲げた重点プロジェクトや区有施設整備計画に基づく施設整備、社会情勢を踏まえた区民生活を基軸とした取組に重点的に資源を配分していくというふうに編成をしたものでございます。なので、事業の中身というのはこちらのほうで1件1件算定させていただきまして、それに基づいて、これは必要であると区として考えまして、それを編成しているものでございます。ただ、削減を今後していかなければいけないと考えてございますので、そういったことは全庁を挙げて取り組んでいきたいと考えてございます。 ○加藤委員 基本計画に書いてあれば何をやったって、どんな金額がかかろうといいんだという感覚でやっているようにしか聞こえないんですけど、そういったことなんですか。 ○竹内財政課長 基本計画で掲げたプロジェクトに関しましても、こちらのほうで査定等を行いまして、そちらの規模感であるとか目的、そういったものを把握した上で、適切であるという形で予算編成を進めてきているところでございます。 ○加藤委員 ここでまた、どうやって減らすかという議論をしてもなかなか進まないので、次に行きます。 一般事業費が年々増加して、業務量が増えれば職員の数が足らないなって、ここにあるのかなと思うので、逆に言うと、職員の数に対して業務量を設定すべきなのかなという考えも出てきました。こんなに、1.7倍も業務量がソフト事業で増えているなんて認識していなかったので、今回びっくりしているんですけども、1.5倍か、1.5倍に増えているという、そしたら職員は足りないわなってなるわけですよね。だから、全体的なところで、これをやりたい、あれをやりたいってやっていて、お金も人も足りないといっていたら、どこまで膨らんでいくのかなって。何で歯止めをかけていくのかなというのが本当に検討しないといけないんだと思うんですけども、その答えを持ち合わせてなさそうなので、次に行きますけれども、次にハード事業、つまりまちづくり、道路・公園整備、区有施設整備、学校などについて伺いますけれども、先ほど見てもらいました63ページの「基金・起債を活用する事業一覧」、見ていただきたいんですけども、この一覧は中野区区有施設整備計画にのっとり策定されたということでよろしいですか。 ○竹内財政課長 こちらに関しましては、中野区区有施設整備計画にのっとって積算した施設を掲載してございまして、また、その他のまちづくりや公園整備についても併せて掲載してございます。 ○加藤委員 前提として、当初予算のところで、財政フレームの歳入においては実質GDP成長率を加味した内閣府の経済財政諮問会議、中長期の経済財政に関する試算とかから算出されていますけれども、逆に、歳出に関するところにインフレ率とかGDPを加味したものがない、されていないと思うんですけれども、それでよろしいですか。 ○竹内財政課長 一般事業費につきましては物価上昇の伸びを加味してございます。ただ、施設経費を含む新規・拡充等事業につきましては、工事費の上昇分のインフレ率等は見込んでございません。 ○加藤委員 一般事業費、さっき言っていますけど、一般事業費の設定よりも新規・拡充等事業が経常経費化するので、そこで加味したところで本当に雀の涙ぐらいの上昇で、これにおいては282億円が、確かに10年間で300億円になるので入れてはいますけれども、でも、50億円ぐらいが新しく、新規・拡充等事業が経常経費化するから、そんなのはのみ込んじゃいますよねという話なんですけれども、いずれにせよ、歳出において一般事業費はこれしか入れていないので、まちづくり関連費のところのこういったところにインフレが全く考慮されていないということが問題なんじゃないかなと。デフレマインドから変えていかないといけないというのは、令和4年度の決算辺りから自民党会派としても言い続けているわけですけれども、そういったところを入れないといけないのかなというので、それを入れないと、ハード面の見積りの危うさというのがあると思いますので、そこら辺、質疑をさせてもらいます。 施設整備の費用を大ざっぱに計算するとき、延べ床面積と平米単価を掛け合わせて大体予算が出ます。しかし、中野区は両方とも見積りが甘いのかなというふうに思います。まずは延べ床面積の見積りの甘さについて伺いますけれども、区有施設整備計画では施設更新費の試算条件として、建物の更新は現在と同じ延べ床面積で更新すると仮定しております。一方、そうでいない施設もあるわけで、鍋横区民活動センターの再整備では延べ床面積は従前の何倍になりますか。 ○高橋地域活動推進課長 現在の鍋横区民活動センターの延べ床面積は1,374.52平米、一方、再整備後の鍋横区民活動センターの延べ床面積は、基本計画の段階でございますが、約2,700平米を予定しております。このことから、おおむね2倍となってございます。 ○加藤委員 財政フレーム上にこの面積というのが反映されているのか伺います。 ○竹内財政課長 財政フレーム上は、鍋横区民活動センターの面積については基本方針時点の1,780平米で積算してございます。 ○加藤委員 この63ページのところでは入っていると言っているんですか。 ○竹内財政課長 2倍になったという変更の数値ではなく、基本方針時点の面積で積算してございます。計上してございます。 ○加藤委員 そうすると、結局、延べ床面積掛ける平米単価、それだけじゃないですけど、それが分かりやすい試算方法なわけですけども、そうすると2倍の誤差が出るわけじゃないですか、その時点で。これが反映されていないということいいですか。もう一度確認します。 ○竹内財政課長 財政フレーム上では、その2倍後の数字は反映されておりませんで、今後こういったことは適宜更新はしていきたいと考えてございます。 ○加藤委員 かなり問題ですよね、入っていないということで。全然数字が変わってきちゃうわけですから。これは一例にしかすぎないですけど、延べ床面積や費用の上限を設定しないで、基本計画をつくるときですね、そういったのを設定しないで関係各社、地元の方々の思い思いのアイデアなどを入れて基本計画が完成するわけですけれども、ある程度できちゃったときに、このぐらいのボリュームになりますといって、財政当局のほうで、いや、これは金がかかり過ぎだから面積を減らしてくださいねって、その段階で言えるもんじゃないと思うんですよね。なので、基本計画を策定する前に、そういった前提として面積とか金額の上限を設定する必要があると考えるんですけど、いかがでしょうか。 ○瀬谷資産管理活用課長 施設や地域の状況などがそれぞれ異なるため、一律に面積や金額等の上限値を定めることは現時点では難しいと考えております。区有施設の整備に当たりましては、集約化・複合化などによって、延べ床面積や維持管理コストの縮減に向けて取り組んでいく必要があると考えております。 ○加藤委員 また、基本計画と基本設計・実施設計を分けて発注することが多いですけれども、基本計画があまりに、実現に難しいのか、基本設計・実施設計の公示をしても手挙げがなされないんじゃないかって危惧があるときが何回かあったと聞いています。基本計画がいい加減であると、最悪どの事業者も手を挙げない可能性というのも今後あるのかなというのを気にしています。基本計画の実現に責任を持たせるためにも、今後の施設整備においては基本計画から実施設計まで全てを担う発注方法も検討すべきと考えますけど、いかがでしょうか。 ○原契約課長 基本計画や設計業務においては、同一事業者が担うことによる効果も認識しております。今後の施設整備については、業務の目的や性質等を踏まえ、最適な業務範囲で発注していくよう、施設ごとに検討してまいります。 ○加藤委員 一体、一気通貫で計画から設計までやれば、3年かかっていたものが2年に抑えられる可能性もありますし、その間インフレでどんどん工事費が上がってしまうのを1年前倒しするだけで、それだけで財政効果が出る可能性もあるのかなと思いますので、その辺は検討をお願いいたします。 次に、平米単価の上昇について伺います。工事についてはインフレスライドを適用するなどの話が出てきて、物価高騰が無視できない状況になっているのは皆さん御存じのとおりだと思いますけれども、どの程度工事費が高騰しているのか、比較しやすい学校建設で伺います。現在、学校建設1校72億円としていますけど、その根拠について教えてください。 ○瀬谷資産管理活用課長 学校1校当たりの更新経費につきまして、区有施設整備計画策定時の52億円に国土交通省の建設工事費デフレーターの伸び率とZEB化にかかるコスト増を踏まえまして、1校当たり72億円と試算し、財政フレームに反映しております。 ○加藤委員 ちょっと話がずれますけど、70億円という数字も聞いた記憶があるんですけど、72でいいんですよね。 ○瀬谷資産管理活用課長 72億円で大丈夫です。 ○加藤委員 工事費の上昇を比較するために、学校再編の第1校目となりました中野中学校、あと、新型コロナ前に1校建設の費用の52億円の目安となりました中野第一小学校の平米単価について伺います。 ○藤永子ども教育施設課長 学校施設整備の平米単価でございます。おおむねの建築工事の平米単価につきましては、平成24年度契約の中野中学校が平米約32万円、平成30年度契約の中野第一小学校が平米約51万円でございます。 ○加藤委員 新型コロナ、ウクライナ侵攻前よりも既に工事費が上がっていて、平米単価32万円から51万円、これはたしか6年間の間ですけど、中野中学校から中野第一小学校の6年間の期間で平米単価の上昇の平均年率、どのぐらいになるか、教えてください。 ○藤永子ども教育施設課長 学校施設整備の平米単価の増加についてでございます。中野中学校から中野第一小学校建築までの約6年間におきまして、平米単価は先ほど申しましたとおり約19万円増加してございまして、平均年率増加率は約8.2%でございます。 ○加藤委員 8.2%、だから物価高騰、物価高騰と言っていましたけども、実は新型コロナが始まる、そういった物価高騰とかが騒がれる前から、既に8.2%も年率でインフレしていたということが分かりました。時点が1校同士だから、それは横暴な計算かもしれませんけど、少なからずそれだけ上がっていたという過去の実績があるということが分かります。先ほど聞いたからあれですけど、こういうのが財政フレーム上入っていないということが問題だと思います。となりますと、63ページの「基金・起債を活用する事業の一覧」というのは、このままの値を使っていいのかなというのが不安になるところです。先ほども72億円、試算で使っていたという国土交通省の建設工事費のデフレーターで、直近のデフレーターについて伺います。インフレ率のことですね。お願いします。 ○竹内財政課長 建設工事費のデフレーターということで、近年ですと大体5%から7%程度と考えてございます。 ○加藤委員 私のほうでも調べましたけど、2020年から2021年が4.8%、21年から22年が6.2%ぐらい上がっているということで、63ページの一般財源を必要とする事業費を全て足し合わせると、ハード事業費総計、10年間で2,104億円になります。先ほど学校の建設費上昇率8.2%と言っていましたし、今のデフレーターの話で5%から7%とかという数字がありましたけども、仮に年率5%上がるというふうに仮定して複利計算を行いますと、10年間で2,489億円となりまして、インフレを考慮しなかった場合に比べて385億円増額となります。10年間で割れば、年間約39億円程度が不足する試算となります。資産管理活用課としては、この結果に対してどう思うか伺います。 ○瀬谷資産管理活用課長 将来のインフレを見込むことは難しいところもありますが、施設整備費用の縮減に向けては、引き続き複合化や長寿命化など取り組んでいく必要があるというふうに考えてございます。 ○加藤委員 こういったインフレというのを考慮すべきだという考えはありますか。 ○瀬谷資産管理活用課長 そういったところも踏まえて、引き続き縮減に向けて取り組んでいく必要があるというふうに考えてございます。 ○加藤委員 縮減じゃなくて、そういうのを見積もっていかないといけないという認識はありますかと聞いています。 ○瀬谷資産管理活用課長 将来推計につきましては、そういった御意見も踏まえながら研究していきたいというふうに考えてございます。 ○加藤委員 だから、結局踏まえないといけないよねとは思っているわけですよね。同じく財政のほうはどう思いますか。 ○竹内財政課長 こちらに関しましては、財政運営の考え方に基づきまして、起債を適切に活用しながら、公債費が区民生活へ影響を及ぼさないように、基金の積立ても着実に実行していきたいと考えております。 ○加藤委員 歳入はGDPとかインフレを考慮しているのに、何で歳出は考慮していないのという話になるわけですよね。だから、やっぱり含めないといけないですよね、考え方として。その辺伺います。 ○竹内財政課長 整備費用に関しましては、直近の事業計画の金額を足し上げて積み上げているものなので、一般事業費のほうにはインフレ率を加味してございますが、事業費のほうは直近のデータをこちらのほう積み上げているものでございます。ただ、委員の御指摘もございますので、今後こういった大きな影響がフレームに影響を及ぼさないように、こちらのほう、積算の仕方等も研究してまいりたいと考えてございます。 ○加藤委員 ちなみに、さっき学校建設で8.2%とか言っていましたけど、こっちで複利計算でやると、10年後なので9回、1.08、8%を掛け合わせると大体ちょうど2倍になるんですね。10年後は2倍必要になるかもしれない。これはちょっとやり過ぎなのかもしれないですけれども、そういった危機感が財政フレーム上入れる、まずこういった箱物事業のところの基金・起債というのは先に決まってくるものだと思うので、財政フレームの一番最初のところだと思っているんですね、組立て方として。そういう認識でいいですか。最初に箱物の事業費から財政フレームって組んでいきますか。 ○竹内財政課長 財政フレームを作成するときは、歳入の部分と、あと、歳出の部分というところを総合的に捉えながらやっていますので、施設整備だけを優先的にという形で積み上げているものではございません。 ○加藤委員 もちろんそうですけど、大体10年後にこのぐらい箱物でかかると分かっているから、頭に入れないわけにはいかないのかなというので、かなり重要視しないといけないところだと思いますので、そこら辺の認識をしっかりやっていただきたいと思います。 ○杉山委員長 加藤委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。 午後1時まで委員会を休憩します。 午前11時58分休憩
午後1時00分開議 ○杉山委員長 委員会を再開します。 休憩前に引き続き、総括質疑を行います。 加藤たくま委員、質疑をどうぞ。 ○加藤委員 午前中から引き続き、財政フレームについて、先ほどは建設費に関するところで、建設費のデフレーターを5%で複利計算10年間行うと、当初予算(案)の概要に書いてあるものより385億円、10年間で不足するんじゃないかと、そのぐらい見たほうがいいんじゃないかというところで各所管に聞いて、必ずしもポジティブな言い方ではないですけど、やはり検討しないといけないというような回答を得たところで終わっていると思っております。なので、10年間で割れば年間39億円、今後ショートしていく、そういったお金を見ていかないといけないのではないかということです。 続きまして、工事費において、先日2月9日に委員会審査があった補正予算で、まちづくり関連予算、国庫・都支出金から一般財源に財源更正された金額が4.7億円ありました。国土交通省と東京都に内示額全部もらえればよかったんですけども、結果的にもらえないで、一般財源からもらえなかった分を補填するというような状態になりましたけれども、なぜこのようなことが起こったのかというのを伺います。 ○竹内財政課長 こちらのほうは、国や都のところから内示、補助金の交付が予算額どおり来なかった、このことによって内示額よりも下がっているということに関しまして財源更正を行ったというものでございます。 ○加藤委員 その理由を聞いているんです。 ○竹内財政課長 こちらのほうは、当初の算定から割り落としをされたというものでございます。 ○加藤委員 その精度をもう少し高くできないのかというのを聞いているんですけど、どうですか。 ○竹内財政課長 予算編成方針におきましては、国や都の政策動向を注視し、情報収集に努めること、特定財源より執行してきた事業のうち、補助金等の廃止や縮小があるものについては、代替となる新たな財源を調査し、財源確保に努めることとしてございます。令和6年度予算編成におきましても、過去の状況を踏まえ、確度の高い金額を計上しているところではございます。今後も継続して所管部署と情報共有を図りまして、国や都の動向を注視して、補助金の獲得に努めてまいりたいと考えてございます。 ○加藤委員 内示割れを起こしてしまうというのは想定内の話なんですか、想定外なんですか。でも、毎年のようにあるから、想定内にしないといけないとは思うんですけど。 ○竹内財政課長 予算計上の際には、こちらの予算額が想定しているところでございます。 ○加藤委員 表向きの話じゃなくて、内示割れしちゃうというのが薄々、必ず100%もらえるとは限らないよなというのは、財政当局のほうでそういう腹積もりなのかというのを聞いています。 ○竹内財政課長 予算編成時におきましては、この予算額で事業が執行されるものと考えてございますので、予算編成の際にはこちらの額が適当であると判断しまして計上しているものでございます。 ○加藤委員 100%もらえないというようなことが多々続いているのに、そういうことでいいんですか。 ○竹内財政課長 そういったところは所管部署とヒアリングをさせていただきまして、その中身、そういった内容を精査いたしまして、それが適当であると予算の段階では計上しているものでございます。 ○加藤委員 ちょっと考え方を変えて、一般財源じゃなくて、まちづくり基金で補充というか、充填するというのはできないんですか。 ○竹内財政課長 一般財源もございますし、あと、まちづくり基金の活用というところも考えてございます。 ○加藤委員 内示割れが続くようだったら、まちづくり基金を多めに積んで、そういったときのための保険というのをつくっていくという考え方もあろうかと思いますが、いかがですか。 ○竹内財政課長 まちづくり基金に関しましては、基本的に都区財政調整の財産費のところを積み上げているものが多くございます。基本的にはその中でやっていくことを考えてございます。ただ、今後そのような状況が変化しました場合は、適時適切に対応していきたいと考えてございます。 ○加藤委員 一部の話だと、能登の災害対応でそういったまちづくり関連費が内示割れしちゃう可能性もあるんじゃないかなんていう声も聞いていますので、その辺しっかりと考えていただきたいと思います。 ほかの基金について伺いますけれども、当初予算(案)の概要66ページの図表ですけれども、「基金積立額・取崩額・残高の推移(一般会計)」を御覧ください。66ページです。令和4年度から令和5年度にかけて基金が67億円減るわけですけど、その理由は。 ○竹内財政課長 こちらに関しましては、財政調整基金の残高が80億5,100万円余減少している、こちらのほうが主な要因でありまして、こちらは各補正予算の財源として繰入れを行ったところ、これが主な原因と考えてございます。 ○加藤委員 何に繰り入れたんですか。 ○竹内財政課長 こちらは各補正予算で、例えば給付金であるとか、そういったところのものを財政調整基金の繰入れから賄っているというものでございます。 ○加藤委員 低所得者向けの給付金とかがあると思いますが、国庫から戻ってくるんですよね。その金額はどのぐらいですか。 ○竹内財政課長 およそでございますが、大体45から46億円と考えてございます。 ○加藤委員 ほかに基金に戻せるようなお金ってあるんですか。なければ、ないで。 ○竹内財政課長 例えば、今考えているのは国の定額減税、こちらのほうは今後国から補填される予定でございますので、こういったものは基金へ繰り入れることにもなるかなと、そういうことは想定してございます。 ○加藤委員 いずれにせよというか、令和5年度においては67億円、ここで減っていて、国から戻ってくるのが45億円で、22億円ぐらいが結果的に決算で出てくる値なのかなと思いますけれども、マイナスになってしまっていますけど、歳入が堅調だって言っているにもかかわらず、これだけ減ってしまっている要因って何でしょうか。 ○竹内財政課長 令和5年度に関しましては、先ほども申し上げましたとおり、各補正予算の財源として繰入れを行ったことが大きいと考えてございます。令和6年度は定額減税の15億円というところがございますので、そういったところが主な要因と考えてございますので、そちらは収入がされ次第、こういったところの基金の積立て、そういったことができないかということは考えていかなければいけないかなと思っております。 ○加藤委員 今度、令和6年度もかなり下げているわけですけれども、多分新庁舎関連がかなり入っているのかと思うんですけど、それでよろしいですか。 ○竹内財政課長 一時的な財政負担であります新区役所の移転経費、また、物価高騰に伴う経費の増、そういったところが要因と考えてございます。 ○加藤委員 財政調整基金の年度間調整分というのは、大体200億円ぐらいを残しておくというのが基本だったと思いますけれども、当初予算(案)の概要の22ページを見ると、令和5年度、令和6年度で167億円、163億円、歳入が割と堅調だというときに、厳しめのときに使っちゃっているという状況になっているわけですけれども、本当にそんな厳しかったんですか。そんなに、区の歳出がというより、世の中の、リーマンショックとか、そういったときに耐えられるようなための予算だったわけですけど、それに耐えられないような事態になっていたと考えているんですか。 ○竹内財政課長 今回の、例えば給付金の国から来る部分というのが先ほど約46億円と申し上げましたけれども、これに関しても、要するに1年間で46億円必要になってくると。ですので、1年間で50億円ぐらいはやはりないと当該年度は財政運営が安定的にできないというふうに考えてございますので、これが例えばリーマンショックのときは、大体これが3年ほど続いたということもございますので、それが大体3年程度耐えられるぐらいの規模というのは、やはり財政として持っていなければいけないかなと考えてございます。 ○加藤委員 そこを言いたいんじゃなくて、新庁舎で50億円ぐらいかかるみたいな話で、それは来年度はしようがないんだと言っていたなら、50億円ぐらい事前にため込んでおく必要があったんじゃないかという意味も踏まえて言っているんですけれども、その準備をしていなかったですよね、はっきり言って、この年度間調整分を見ると。 ○竹内財政課長 新区役所移転経費で、総務委員会のほうで申し上げましたときには50億円程度かかるというふうなことを言ってございます。そのときは一般財源で対応するということを申し上げておりましたので、それに対する財源というのはどこから来るかというのは申し上げてございませんが、今回その財政調整基金の繰入れ、そうしたところで対応しているところでございます。これが今後また、令和6年度はございますが、令和7年度にはそういったイニシャルのところはございませんので、そういったところの一定的な余裕はあるかなと考えてございます。 ○加藤委員 来年度予算では、社会福祉施設整備基金と義務教育施設整備基金の積立てが0円となりますけれども、財政運営の考え方において、対象施設の当該年度に発生する見込みの減価償却費相当額の25%を当初予算編成時に積み立てるよう努めとありますけれども、努められなかった理由について教えてください。 ○竹内財政課長 こちらも先ほど申し上げたとおり、物価高騰に伴う経費の増であるとか、一時的な財政負担としての新区役所移転経費があったことが大きな要因であると考えてございます。 ○加藤委員 だから、新区役所整備のやつは事前に積み立てなかったのは何でかというところに戻りますよ、そうしたら。いかがですか。 ○竹内財政課長 こちらは積立てで賄うか、一般財源で賄うかというところがあると思いますけれども、そちらのほうは予算編成中におきまして、新区役所移転経費とか、精査で出てきたところでまた判断をして、今回は積立てを取りやめて、こちらのほうを対応するということを判断したものでございます。 ○加藤委員 給食費のお話とも関連してくると思うんですけど、総務委員会の議論で、積み立てられなかった理由の中で、給食費の無償化が入ったからと言っていますけど、そうしたら毎年積み立てられないことになりますけれども、どういう考え方なんですか。 ○竹内財政課長 今回行いました給食費無償化、令和6年度予算で約10億円ほどかかってございますが、こちらのほうに関しましては、東京都の補助というところも今回新しく出てきたりします。これが全く新しい経常経費になってくるということは考えてございませんので、令和7年度以降、令和6年度の補正もありますけれども、そうしたところで適時適切に判断しまして、経常経費のところを判断して、それを安定的な財政運営のところにつなげていきたいかなと考えてございます。 ○加藤委員 先ほど図表でも説明しましたけど、何も事業見直しとか、やめることができないから、全くその言葉が信用できないんですね、この4、5年間全くやってこなかった。なかのエコポイントぐらいじゃないですか、やめるのは。億単位のお金が生み出せるとは到底思えないので、その言葉は本当に信じられないんですけれども。結局、給食費を入れるという判断が多分12月ぐらいに行われたと思うんですけど、実施計画の中で出てきたわけです。時系列で言えば、そのぐらいになると思うんですけども、その時点で、やっぱりお金が足りないから義務教育施設整備基金と社会福祉施設整備基金のところを、お金ためないって判断したんだと思うんです。通常であれば、最初から給食費を入れるというのであれば、新規・拡充予算の中に入れておいて、ある幅の中に収めようと思えば、ほかの新規事業をやめようという判断もあったと思いますけれども、ぎりぎりになったからこそ、これも全部入れちゃえといって、積み立てるのをやめようという話になったと推測しますけど、いかがですか。 ○竹内財政課長 予算編成は、早ければ9月頃から予算編成方針を出しまして、そこから各部のほうで積算を頂きまして、これを12月下旬のところまで予算編成、大枠のフレームであるとか、財政の考えをまとめているところがございまして、一般財源充当事業費とか、あと、歳入一般財源規模というのがそこのところで出てきて、その時点で判断したというものでございます。 ○加藤委員 結局、給食費を入れようという時点で全然、当初見込んでいた歳出をかなり上回ってしまって、それがどんどん、ソフト事業費とかを押し上げている結果になっていると思うんですよね。結局、給食費を入れるかどうかというのが、判断が遅かったから教材費をつけますというのも一時期ありました。今回も給食費をやる判断が遅かったから、ほかの新規事業もやめられないようなタイミングで入れたから、こういうふうになった。給食費を入れる判断が遅過ぎて、毎回毎回、他区よりもかなり出ていくお金が増えていくという状況になっている。判断の遅さがこういうことを招いているんだと思いますけど、いかがですか。 ○竹内財政課長 各新規事業であるとか、あと、経常経費というのは12月の下旬のところで全て出そろって、それが各事業の規模感であるとか、内容であるとか、そういったものは最後まで分からないようなところもございます。それまで、ぎりぎりの予算編成のタイミングまで見極めながら最終的に判断してございますので、判断が遅かったとか、そういう問題ではなく、しっかりと精査をした上で、これが適切な予算であると判断して、今回予算の編成を行ってきたものでございます。 ○加藤委員 まとめに入りますけれども、ソフト事業費が59億円増えて、取材で聞いているところですけど、新庁舎で16億円、イニシャルというか、単年度限り……(「什器」と呼ぶ者あり)新庁舎の什器で16億円なので、これは単年度、新規・拡充予算に入っていると思いますので、あと、令和6年度から令和7年度で、ランニングコストの下がりが6億円なんです。つまり22億円は、さっきの59億円の中から差し引きですけど、でも、37億円の新規予算がそのまま入っているなというふうになります。そうすると、令和7年度予算においては、来年度の新規・拡充予算の35億円分ぐらいがまた一般事業費、経常経費化するなというふうに見込んでいるわけです。あと、まちづくりのほうにおきましては、インフレ率を加味すると390億円ぐらいで、年間39億円ぐらいを見ないといけないなと。合わせると70億円ぐらいが今後ショートしていくんじゃないかという危惧を持っておりますので、ここに書いてある基金の残高が今560億円ぐらいですから、今の70億円ぐらいで割っちゃったら、8年ともたないかなというような、大ざっぱ過ぎますけどね、そのぐらい財政を今食い始めている。歳入は堅調と言いながら実際はそうじゃない。それに気づかずにどんどんソフト事業費を増やしているので、まちづくりの金額が上がっていくことに気づいていない。こういった状況になっているわけですけれども、こういったことを考えて、今後財政運営をどうしていくのかというのを部長から答弁いただけますか。 ○岩浅企画部長 今様々委員から御指摘いただきましたけれども、後段ありました基金につきましては、課長も申しましたとおり、現在見込まれていない、予算に入れられていない国や都の助成金ですとか、あと、決算がこれからございますので、剰余金等も一定あるかなというふうに見込んでおります。それらも含めまして、財政調整基金、社会福祉施設整備基金等、適切に積んでいって、安定的な運営ができるようにしていきたいと思っております。また、施設整備の高騰につきましても、公債費負担比率、10%程度という目標を掲げておりますけれども、それにのっとりながら、起債も活用しながら対応していければなというふうに考えております。委員からの御指摘も踏まえまして、おっしゃるとおりインフレの状況ですとか、あと歳入、好調ではありますけれども、伸び率は少なくなってきているという状況はございますので、そういったものも踏まえて、リスクを想定しながら、今後財政運営を行っていきたいというふうに考えております。 ○加藤委員 そう言うしかないんでしょうけど、本当に新規予算を、さっき言った35億円というのは令和7年度以降、新規予算を立てない前提で言っている話であって、今までのペースだと30億円、40億円、毎年毎年経常経費化しているわけですよ。これを止めないと本当に破綻しますよ。破綻すると、昔、中野区の行財政5か年計画では区長の給料20%カットとかやっていたわけですよ。一般職員でも4%、議長10%、一般議員でも4%カットをやっていましたよ。そういう時代が来るんじゃないかなと危惧しております。本当に33万人の区民のために、財政破綻に向かっていくんじゃないか、その終わりの始まりとも言える予算編成、これを賛成するということが無責任になってしまうのかなということを非常に深く考えているところであります。そういったことで、この項の質問を終了いたします。 次に、地域力向上モデルについて提唱させていただきたいと思います。 まずこの図面を御覧ください。例えば町会活動などの活動において、いろいろ幼児、小・中学生、高校、大学、20代から50代、60代、80代みたいに、こういうふうに様々な世代のレイヤーがあるとします。活動しているのは、この辺の70、80代ぐらいがメインで活動していますというようなことで、それぞれ世代間ギャップがあるというのを縦の矢印で示しています。この縦の棒というのが、一つの縦のつながりということで、例えば同じ小学校、中学校である、同小・同中みたいなつながりがあるということで、地域である程度一体感があるわけです。一方、同中・同小じゃない、区外から来た人をよそ者として捉える方もいるということで、これが必ずしもいいように作用するばかりでもないというふうなことが考えられます。 この前、世代間ギャップ、合わない話として、ある会合で20代の若者が彼自身の知っている曲の中で最も古いものなのか、カラオケで尾崎豊を歌ったものの、参加者の主要世代には、まだ二、三十代分の世代間ギャップを埋めるまでに至らず、どの世代にも刺さらず、挙句の果てに大御所たちに何の曲を入れているんだと説教されてというふうな場面がありました。昔は、お茶の間で一つのテレビを家族団らんで見ていたという時代がありますけれども、世代を超えた国民的な曲が当時はあったわけです。しかし、ウォークマンの誕生やインターネットの普及によりまして、個人個人が好きな曲を聞くようになりまして、全員が知っているような曲というのはなかなか難しいわけです。曲だけじゃなくて、多様な価値観が醸成される世の中になりまして、世代間ギャップだけじゃなくて価値観のギャップもあるという中で、共通語がない中で、地域活動で仲間意識をつくろうというのは難しいわけであります。 そういう中で、地域には同じ小・中学校という絆がありますけど、それ以外にも、こういったほかの関係性をつくる必要があるのかなと思います。中野区は年間10%の人口が転入出するわけで、どれだけよそ者の方を仲間に入れていくか、こういったことが持続可能な活動を推進する上で重要であります。地域活動団体の組織体としての現状の課題について、区はどのように捉えているか伺います。 ○池内区民活動推進担当課長 町会・自治会だけではなく、地域で長年活動している子ども育成から高齢者の居場所づくりに至るまで、様々な団体において後継者がいないというような不安や課題を抱えているのが現状でございます。中野区の人口の特性は、若い世代の流動、それから単身世帯も多い状況が続いてございます。地域の課題を解決するためにも、そういった人口特性を生かしまして、若い世代の新しい風を取り込みながら、地域活動の活性化を目指す取組を進めてまいりたいと考えております。 ○加藤委員 それで今の問題、私も持っていますし、区も持っていますけれども、地域活動団体の組織、今後どうあればいいかというのを、理想図を私のほうで考えてみました。先ほど言いましたけど、縦軸が同じ小・中学校ぐらいしかないですけど、ほかの縦軸みたいのをつくることができるんじゃないかなというふうに考えます。世代を串刺しにするイメージができればいいというので、その中で、次の項目で挙げますけど、中学校部活動の地域移行がこれに資する非常に最大のチャンスだと考えております。スポーツ部活動の地域移行の最終形態は、地域スポーツクラブに中学生を所属させることにあります。しかし、いきなり中学生の面倒を見てくださいと学校側から地域の方々に任せる体制が取れるわけがないです。恐らく少年野球、サッカーなどの小学生を中心とした地域スポーツクラブに中学生の年代までも面倒を見てもらうというイメージが主流になると思います。全国中学体育連盟、中体連では、あらゆる中学生のスポーツ大会に対して、地域スポーツ団体の出場ができるように指導をしています。中学校じゃなくて地域で大会に出られるというわけです。高校においても検討が始まっております。そうなれば、中学生たちは地域スポーツを卒業する必要もなく、高校・大学生以上になってもプレーヤー、指導者として地域スポーツクラブに所属し続ける組織にすることも可能と考えます。となれば、地域スポーツは地域における世代間を超える、この縦軸に生まれ変わると思っています。 例えば、高校の同窓会組織を思い浮かべてもらえば分かりやすくて、私の経験で、この前、私の区政レポートをきっかけに高校の15期上の先輩と初めてお会いする機会がありました。初めましてでしたけれども、私が所属したアメフト部でその方の同期の方がいたために、共通の知り合いが見つかり、一気に関係を縮めることができました。私がアメフトの縦軸があって、その世代の人たち、ここで直接知らないけど、斜めの関係みたいなところでつながっていくということもできると思うので、横と縦をそれぞれしっかり太くすることによりまして、様々なつながりが出てくるんじゃないかなと思います。大学においても、体育会系、サークル、ゼミ、研究室などの縦軸をしっかりしているために、割と組織としては強さがあります。地域においても、スポーツ、趣味などの共通語があれば、区外からの転入者も地域に入りやすい。後々は地域スポーツクラブなどの縁が町会などの活動の一助になると期待します。区は地域活動の活性化の一つの手法として、部活動の地域移行等の連携を図るべきと考えますが、どのような御見解でしょうか、お伺いします。 ○池内区民活動推進担当課長 地域活動の活性化を推進するためにも、多世代に共通する趣味などを通し、地域で交流できることも効果的な手法と考えられます。部活動の地域移行と地域活動の接点は、指導者、コーチなどの地域からの輩出や世代を超えた交流にございます。部活動の地域移行が地域活動の活性化に寄与する可能性はございますけれども、円滑に進めるためにも、丁寧なコーディネート、それからマッチングが必要だと考えてございます。部活動の地域移行につきましては、地域に新たな風を吹き込む機会とも捉えてございます。地域団体や住民と連携が図れるよう、仕組みなども検討してまいりたいと考えてございます。 ○加藤委員 続いて、部活動の地域移行についてお伺いします。 先日、中学校の現場ではダンスのニーズが高いということで、地元のプロダンスチーム、DリーグのFULLCAST RAISERZ等も協力を惜しまないということでした。ダンスはスポーツかつ文化・芸術であり、部活動の地域移行を進めるにはまたとないモデルケースになると提案させていただきました。そして、来年度は部活の地域移行のモデルケースとして、ダンス部の活動について検討を進めているとのことですが、その詳細について伺います。 ○齊藤指導室長 ダンス部のモデル実施は、来年度の夏から秋頃にかけて導入できるように検討を進めております。合同部活動で活動することを考えており、土・日の活用や学校以外の幾つかの場所を会場とすることについて検討しているところでございます。 ○加藤委員 土・日にダンス部活動を実施するということですけれども、ダンスを本気でやりたい人がいれば、平日も地域のダンススクールに入会を導くこともできますし、SNS用のダンスを学びたいというライト層も楽しめるとか、あと、平日は野球をやっているけど土・日はダンスをやってみたい、兼部みたいな形、そういったいろいろな生徒がいると思いますけれども、あらゆるニーズに対応できるような体制づくりをしていただきたいと思います。 部活動の地域移行については、地域との連携や指導者の確保、体制の構築まで、重要な課題をクリアしていかなければなりませんが、教育委員会内に部活動地域移行のための専属の組織を設けるなど、組織的な対応が必要と考えますが、いかがでしょうか。 ○齊藤指導室長 地域移行を進めるためには、教育委員会だけではなく、関係する部署と連携・協力しながら、地域のスポーツクラブ、体育協会、民間事業者、大学、文化・芸術団体等の協力を得て進めてまいります。 ○加藤委員 幾つか、すみません、時間があれなので質問を飛ばさせていただきます。 次に、いわゆる文化系の部活動についてです。先日、中野サンプラザのピアノの寄附の話、先ほどもありましたけれども、こういったものを引き取ったみたいな話がありますけれども、今度できる子ども・若者文化芸術振興基金を活用した事業に関しては、単にお金だけじゃなくて、そういった楽器などの物の寄附を募ったり、人などの紹介など、そういったいろいろな仕組みづくりが必要と考えますけど、いかがでしょうか。 ○冨士縄文化振興・多文化共生推進課長 委員御提案の内容につきましては、新たに創設されます子ども・若者文化芸術振興基金を活用した事業を企画・実施していく中で、具体的にどういった楽器や資源が必要で、どのようにして寄附を募るのがよいか、また、活動促進に寄与するネットワークづくりにはどのような仕組みが有効かについて、事業に関わる人たちと意見交換を重ねながら考えてまいりたいというふうに考えてございます。また、今後、文化・芸術に関する情報発信の強化の一環としまして、アーティストバンクを創設し、アーティストや活動団体の情報を発信していくことで、子ども・若者を対象とした催しなどに活用してもらいたいというふうに考えてございます。これらによってもネットワークづくりを図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。 ○加藤委員 今、南中野の育成の地区委員会に入っていますけれども、小学校を対象としたスポーツクラブを紹介する記事というのを広報紙でつくっているんですけれども。非常にそういう掲載をすると喜んでもらっているというのがあって、小宮山議員が指摘をよくしていますけど、学び場ステーション、これをもう1回見直して、そういった団体に役立つようにやっていただきたいなと、これは要望だけにしておきます。 最後に、デジタル地域通貨の有効活用について伺います。 デジタル地域通貨の導入は、我が会派として、さきの統一地方選挙の大きな公約の一つでありましたので、検討がここまで進んだことを喜ばしく思っています。区内経済の活性化、地域力の向上、健康施策に結びつけるように、ポイントの付与をしていただきたいですけれども、それが結果的に区の政策課題の解決、区の財政を抑制するなど、目的を明確化しなければ、ただのばらまき政策になりかねません。区のデジタル地域通貨事業の考え方について伺います。 ○松丸産業振興課長 デジタル地域通貨事業におけるコミュニティポイント付与の目的の明確化ということでございますけれども、中野区デジタル地域通貨事業を活用したコミュニティポイント付与事業は、区の政策課題への対応とポイント付与・利用に適した事業や取組の双方に合致するものについて検討していくことにしておりまして、定量的な効果が図れるものが好ましいというふうに考えているところでございます。現時点の政策・施策案といたしましては、スマートウエルネスシティの推進、SDGsの推進などを掲げておりまして、区として政策的視点から協議し、目的を明確化した上で、副区長をトップとした関係部課長によるPTを設置して、さらに事業の検討を深めていきたいというふうに考えているところでございます。 ○加藤委員 いろいろとばらまきにならないように、スモールスタートみたいなことをしていくべきだと思うんですけれども。例えば、コミュニティポイントの話がありますけれども、町会にいきなり3万円分渡しますと言っても、いきなり20代、30代にポイントをあげますだと、その後なかなか、70代の人たちと交流を取れないみたいな感じで、次は来ないみたいな感じになりかねないなと思ったので、まずスモールスタートとして地区委員会とか、地区まつりとか、ある程度人が集まりそうなところからスタートしてほしいなと、これは要望で終わらせていただきます。 これで質問は終わりなんですけれども、やはり予算のところ、かなり問題があるということを最後改めて御指摘させていただきまして、私からの総括質疑を終了させていただきます。ありがとうございました。 ○杉山委員長 以上で加藤たくま委員の質疑を終了します。 次に、日野たかし委員、質疑をどうぞ。 ○日野委員 令和6年第1回定例会予算特別委員会におきまして、公明党議員団の立場で総括質疑を行います。質問は通告のとおりで、1番目に令和6年度予算案について、2番目に災害対策について、3番目に施設で不要になった物品の処理について、4番目に学校教育について、5番のその他はありません。さきの2人の質疑と若干かぶるところもありますが、改めてそこは質問させていただきます。 それでは、1番目に令和6年度予算案について伺います。 初めに、令和6年度予算の特徴について伺っていきます。区は予算の特徴として、令和6年度予算を暮らしの安心とまちの活力、動き始めた中野の未来のための予算として予算編成されたとあります。令和6年度予算の特徴の一つは、現在の社会情勢における国や都の緊急的な対応の影響により苦慮せざるを得ない予算編成だったことです。社会情勢における緊急対応として、令和6年度は定額減税分や学校給食費負担軽減分の施策が予定をされています。これらの影響とはどのようなものなのか、また、影響がなかった場合、計画どおりの財政運営ができていたのか、まずはその点を伺ってまいります。 歳入一般財源について、当初予算(案)の概要20ページの「今後の財政運営」の箇所には、「国が実施予定の住民税定額減税影響額を考慮し、令和5年度と比較して7億円増の921億円となりました」とあります。住民税定額減税の影響額は幾らと見込んでいるのでしょうか。 ○滝浪税務課長 令和6年度に実施が予定されている住民税定額減税による特別区民税分の減税額は約15億円と見込んでございます。 ○日野委員 予算編成開始時の歳入一般財源は、令和5年度から22億円増の936億円と見込んでおり、定額減税影響額と同程度の15億円を財政調整基金から繰り入れたということです。学校給食費負担軽減として、一般財源充当事業費は10億1,000万円を計上しています。もともとこの事業は区独自で行うとされていましたが、東京都の予算がつきました。都からはどの程度補助金が獲得できると見込んでいるでしょうか。 ○竹内財政課長 東京都は区市町村が学校給食費の保護者負担の軽減に取り組む場合に、その財政負担の2分の1を支援する予定であると伺ってございます。補助対象は区市町村の学校の児童・生徒となっておりますが、補助単価上限額が示されていないことから、現時点では具体的な歳入の見込額をお示しすることはできないと考えてございます。 ○日野委員 およそ2分の1を見込んでいるということですね。令和6年度予算では定額減税による影響を見込んでいることと、それから一般財源充当事業が増になったその要因の一つには、この学校給食費負担軽減があるとしています。これらを予算編成に反映することができていれば、当初予算の見え方も違っていたかもしれません。しかし、学校給食費無償化については、国による実施がされるまでの間は区が行うとの方針を予算編成時には決めており、むしろ都の支援は経費の削減につながるものです。定額減税による自治体の減収分は全額、国が補填する方針を示しています。予算編成には支障があったのでしょうが、今後の財政運営の影響があるとは思えません。さきに挙げた事業への国や都からの交付金、あるいは補助金は全て令和6年度中に交付される予定ですが、区は令和6年度の予算に対して、財政運営上、想定を下回る厳しい財政状況と言われています。想定を下回る厳しい財政状況とはどのような認識なのか、伺います。 ○竹内財政課長 歳入にあっては、特別区税は定額減税の影響を除いても、実質では2億円の増にとどまってございます。また、特別交付金についても、普通交付金総額の対前年度当初伸び率は、令和4年度が13.3%の増、令和5年度が7.7%の増、令和6年度が1.8%増と伸び率が鈍化している状況でございます。歳出に当たっては、物価高騰や人件費の高騰のほか、新区役所移転経費や施設整備、中野駅周辺のまちづくりなど課題が山積している状況でございます。基金の積立てが行えていない状況もございまして、厳しい財政状況と認識してございます。 ○日野委員 今歳出においては物価高騰だったり、人件費の増、それから新庁舎移転というふうにおっしゃられていました。令和6年度予算の特徴なんですが、二つ目は今おっしゃられた新庁舎移転費用58億円余を計上しているということです。財源は一般財源ですので、本来であれば新規・拡充等事業等を大きく圧迫することとなります。しかし、新庁舎移転は以前より分かっていたことですので、計画的な歳出の抑制がなされるべき費用であるはずです。新たな財政運営の考え方で示した財政フレームには、新庁舎移転費用は見込まれているのでしょうか、伺います。 ○竹内財政課長 財政的に大きな負担となる新庁舎経費に関しましては、計画段階から想定し、財政フレームに計上していたところでございまして、令和6年度予算においては新区役所移転費用を含む一般財源充当事業費の合計額を予算編成開始時における歳入一般財源の見込額の範囲内で収めることを目標に編成を行ってきたところでございます。 ○日野委員 財政フレームに新庁舎移転費用が見込まれたということであれば、想定を下回る厳しい状況の理由の中にこの新庁舎移転も入っていたということにはしてほしくなかったと思います。新たな財政運営の考え方には、決算分析や行政評価を基に費用対効果等を十分に検証し、事業の見直し・改善に取り組み、事業経費の縮減に努めるとされています。新たな財政運営の考え方を基に予算編成を行ってきた令和5年度と令和6年度の予算の中で、主な事業見直しが行われたのは何事業で、合わせて幾ら削減されたのでしょうか、伺います。 ○竹内財政課長 事業見直しの削減でございますが、令和5年度は10件で、およそ3,000万円でございます。令和6年度は3件で、およそ1,500万円でございます。合計すると13件で、およそ4,500万円でございます。 ○日野委員 以前から移転費用は50億円程度必要と見込まれていた中で、事業見直しが行われたのは今おっしゃられた13件で、4,500万円程度ということです。1割にも達していないのが現状です。新庁舎移転費用が一般財源で賄うことを考えれば、少なくとも移転費用を見越した歳出抑制はするべきだったと思います。 令和6年度予算について、二つの角度から特徴を示しましたが、それを踏まえ、最大の特徴は、見直した新たな財政運営の考え方に基づく予算編成であったのかどうか、疑念が残ることです。財政運営の考え方には、予算編成開始時における歳入一般財源の見込額を一般財源充当事業費の目標額とし、歳出削減に努める。なお、歳入一般財源が減少した場合でも、急激な行政サービスの低下を招くことがないように、基金積立額を除く一般財源充当事業費は都区財政調整制度における基準財政需要額の直近3年の平均額を下限に編成するとあります。今回の予算編成は、歳入一般財源額の見込額を一般財源充当事業費の目標額としたのか、それとも歳入一般財源が減少した場合で行われたのか、どちらでしょうか、伺います。 ○竹内財政課長 一般財源充当事業費の目標額は、予算編成方針を示した時点の歳入フレームを目標額としてございまして、具体的には937億円でございます。 ○日野委員 歳入一般財源の見込額を目標額として進めたのであれば、同時に歳出削減への努力が必要です。区は財政運営の考え方を改められた際に、基本的な考え方を3点挙げられました。1点目は、基準となる一般財源規模については令和4年度の予算編成をもって廃止をするということ、2点目は、持続可能な財政運営を確立するため、将来の財政需要を想定して基金残高の確保に努めるということ、3点目は、構造改革実行プログラムの基本指標で財政に関する指標を複数位置付けし、その指標を踏まえて考え方を整理するということでした。 ここで、財政運営の考え方についてのうち、2点目の持続可能な財政運営を確立するため、将来の財政需要を想定して基金残高の確保に努めるというところについて確認をします。基金運用の考え方には、財政調整基金について年度間調整分は年度末残高を200億円確保することに努めるとされております。一般財源による基金積立額は44億円とされていますが、どこに幾ら積み立てられるのか、内訳を教えてください。 ○竹内財政課長 基金積立金の44億円の内訳でございますが、道路・公園整備基金に13億円、まちづくり基金に31億円を積み立ててございます。 ○日野委員 当初予算(案)の概要24ページにある「主な基金の積立・繰入計画」には、財政調整基金に12億円積立てとあります。この財政調整基金に積み立てる財源と、どこに積み立てるのか、内訳を教えてください。 ○竹内財政課長 財政調整基金の積立てでございますが、まず年度間調整分につきまして、繰越金、基金利子、寄附金、セントラルパークサウス・イースト及び中野二丁目再開発権利床の貸付料などを財源としてございまして、こちらにおよそ10億9,000万円の積立てとなってございます。また、施設改修分につきましては、新庁舎都負担金精算分や本町四丁目用地貸付料及び旧本町図書館、中野東中学校貸付料などを財源としておりまして、およそ1億4,000万円の積立てとなってございます。 ○日野委員 財政調整基金の、まず施設改修分には1億4,000万円程度の積立て、年度間調整分の積立ては10億9,000万円程度ということです。年度間調整分の基金残高は、令和4年度に191億円だったのに対し、令和5年度見込みは167億円、令和6年度見込みは163億円と右肩下がりになっています。令和5年度は、当初予算時点の見込みでは193億円となっていましたが、現時点での令和5年度の見込みは当初より26億円少なくなっています。この減少した理由を伺います。 ○竹内財政課長 こちらは、令和5年度に実施しました各補正予算を財源として繰入れを行ったことから、26億円の減見込みとなっているものでございます。 ○日野委員 こちらは先ほど他の委員からの答弁でもありました。財政調整基金の施設改修分について、基金活用の考え方では、施設改修分は社会福祉施設整備基金及び義務教育施設整備基金の対象施設以外の施設の当該年度に発生する見込みの減価償却費相当額の25%を当初予算編成時に積み立てるよう努め、年度末残高は当該施設の減価償却費累計額相当額の25%の確保に努めるとされています。先ほど1億4,000万円分を施設改修分に積み立てるとのことでしたが、基金活用の考え方に基づくと、財政調整基金の施設改修分に令和6年度積み立てるべき基金は幾らなのでしょうか、伺います。 ○竹内財政課長 施設改修分への積立必要額は、およそ5億7,300万円でございます。 ○日野委員 社会福祉施設整備基金と義務教育施設整備基金についても同様の考え方で積み立てることになっていますが、こちらは令和6年度の積立額は共にゼロとなっています。社会福祉施設整備基金と義務教育施設整備基金に本来積み立てる額は幾らだったのか、伺います。 ○竹内財政課長 社会福祉施設整備基金への積立必要額はおよそ1億5,000万円、義務教育施設整備基金への積立必要額はおよそ5億4,500万円でございます。 ○日野委員 歳入一般財源は定額減税の影響により、当初より15億円下回ったとしながら、15億円を財政調整基金から繰り入れても予算編成時に積み立てるべき基金は積み立てられていません。つまり現状は、基金への積立て計画はあっても、歳入次第で計画的に積立てができないということです。しかしながら、今後の施設整備やまちづくりを確実に進めるためにも基金計画は重要であり、区が策定した基金活用の考え方は重要だと考えます。では、確実に基金を積み立てるためにはどうすればよいか、やはり必要な基金分を積み立てるのを優先すべきです。そうでなければ、見込み以上の歳入がなければ予算編成時に積立てをすることができません。今後はこのように先に積み立てるようにしていただきたいと思いますが、この考えはいかがでしょうか。 ○竹内財政課長 安定した財政運営を進めるに当たり、事業の財源となる基金残高の一定額の確保は重要であると考えてございます。一方で、区民が安全で安心な日常生活を送ることができるように、区民サービスに支障がないように区政運営を進める必要がございます。財政運営の考え方に沿って予算編成を進めることを原則としていますが、区民が安全で安心な生活ができるよう、様々な状況を踏まえ、適宜適切に財源配分を考え、持続可能な財政運営を進めていきたいと考えてございます。 ○日野委員 この新しい財政運営の考え方は令和5年度から適用して、区が決められてやったものです。基金の積立てもそうですし、歳出の削減についてもそうですので、しっかりと自分たちでつくられたこの財政運営の考え方に沿って行っていただきたいと思います。 それから、ここからは経常経費のうち、特にシステム関連について伺っていきたいと思います。 令和6年度予算編成方針にはこのように書いてあります。持続可能な区政運営の実現に寄与する政策を効果的に実現するためには、適切な効果測定と継続的な評価改善を行い、変化する状況に適応することが求められる。経常経費化した事業はもとより、これまでの計画に沿って進めてきた投資的事業等であっても、十分な検証を実施した上で、区民と対話等を丁寧に行い、見直しを行っていくというものです。この経常経費化した事業についても見直しの対象とするという一文は、以前より掲載されていたものではありますが、経常経費化した事業の見直しで効果的だったものはこれまでほとんどありません。 要求資料で総務89、「各情報システムにかかる経常経費一覧」を作成していただきました。本来はシステムごとにランニングコストを示していただきたかったのですが、提示できるものとできないものがあるということで、部ごとに経費を出していただきました。令和6年度では、情報システムにかかるランニングコストが21億6,000万円余ということです。21億6,000万円余の経費は、ほぼ一般財源充当費と見てよいのでしょうか。 ○伊東情報システム課長 一部、補助金の対象となっておりますシステムがあるということは承知してございますが、一般的にはこのシステムの経常経費に対する補助金は交付されないと認識してございますので、委員お見込みのとおり、ほぼ一般財源を充当しているというふうに考えてございます。 ○日野委員 令和6年度の一般事業費、新規・拡充等事業の合計は687億円程度ですので、そのうち21億6,000万円余をシステムの経常経費が占めているということになります。このうち、令和6年度で新たに増えた主なシステムにはどのようなものがあるのでしょうか。 ○伊東情報システム課長 令和6年度予算で経常経費が増えた主なシステムについてでございますが、まずユニファイド・コミュニケーションMS365、そしてデジタル地域通貨システム、そして新区役所に係る入退室管理システム、児童相談所相談援助業務モバイルシステム、全庁共通窓口発券機システム、そしてペーパーレス介護認定審査会システムなどでございます。 ○日野委員 新庁舎移転に伴って増えているものも見受けられます。表を見ると全体的に増加傾向にありますが、健康福祉部のシステム費用は令和5年度より令和6年度のほうが1,500万円弱減少しています。この減少額について御説明ください。 ○伊東情報システム課長 まず高齢・障害福祉業務管理システムと生活保護システムの経常経費の減が主な要因でございまして、こちら、どちらのシステムも来年度、令和6年度から端末を情報システム課の一括調達によりまして調達することとしたため、端末の賃借料及び保守委託費が減となったものでございます。 ○日野委員 この一括調達については、他の所管でも同様な手法で行うことで経費削減になるかと思いますが、今後は他の所管でも一括調達するような方針になっているんでしょうか。 ○伊東情報システム課長 区で調達するパソコンにつきましては、可能な限り調達仕様を統一するとともに、リース期間の調整等によりまして調達時期についても統一し、情報システム課による一括調達に集約していくこととしてございます。これによりまして、コストメリットの実現、調達作業の効率化、管理の一元化によるパソコン周辺機器等の台数の適正化及びセキュリティの強化を図っていく考えでございます。 ○日野委員 そのようにして減少になったものがあるというものの、全体的には情報システムにかかる費用が増えています。問題は、システムを導入したことで、どれだけほかの経費が削れているかということになるかと思います。このうち、電子申請にかかる経常経費はどの程度増えたのでしょうか、伺います。 ○伊東情報システム課長 電子申請に係るシステムについてでございますが、電子申請の機能に限定して経常経費を算定することは非常に困難でございますが、電子申請機能を含むシステム自体の経常経費を単純に集計した場合、約3,800万円余の増加となってございます。 ○日野委員 3,800万円、それ以外に関連するシステムも含めると、もう少しあるということですね。では、新庁舎窓口にかかる経常経費はどの程度増えたのでしょうか。こちらにはシステム以外にフロアマネージャーの経費等も含まれていると思いますので、その分も含めてお答えください。 ○小堺新区役所窓口サービス担当課長 新庁舎で展開する窓口サービスに要するランニングコストとしての経常経費につきましては、主に全庁共通発券機やセルフレジ、フロアマネージャーなど、事業費ベースで、令和5年度に比して令和6年度は約2億5,600万円増加しております。 ○日野委員 窓口では発券機やセルフレジなども含めて導入されて、電子申請の利用率が伸びれば、窓口業務の負荷は今後減っていくはずと考えます。システムにかけた費用イコール人件費の削減とはならないまでも、削減が見えてこなければシステム導入の効果が分かりません。今後、窓口における人件費等の削減についてはどのようにお考えでしょうか。 ○小堺新区役所窓口サービス担当課長 新庁舎移転を契機といたしまして、区は電子申請による申請書の作成支援など、窓口サービスのDX化を図ることにより、区民サービスの向上だけでなく、業務の効率化も促進できると考えております。業務効率化による労力削減効果を得ることができれば、超過勤務時間等の減少を期待できることから、結果として人件費等経費の削減につながる可能性もあるものと考えておりますが、さらなる区民サービス向上の可能性への視点も持ち、総合的に効果を検証してまいりたいと考えております。 ○日野委員 電子申請と、それから窓口の経費、合わせて3億円近く増えていくということになると思いますので、やっぱり何かしら効果が見えなければ、そこはちょっと、本当に正しい経費なのかどうかというところは出てくると思います。昨年の第4回定例会一般質問において、私は新庁舎移転を契機として新たに導入したシステムの運用についても、第三者によりシステムごとに検証していくことも必要だと提案をしました。答弁では、情報システム調達ガイドラインに基づく運用評価により、調達結果や今後のライフサイクル見通し、導入したシステムの評価、運用上の課題の整理などを行っているところでございます、ガイドラインの運用に当たりましては、民間企業でシステム開発などの経験のあるIT専門社員が複数名関わっており、ICTガバナンスの適切な管理に取り組んできているものと認識しているとのことでした。調達ガイドラインに基づく運用評価により、導入したシステムの評価、運用上の課題の整理などを行っているということですが、導入後の費用対効果などについても、ここでは評価されているのでしょうか、伺います。 ○伊東情報システム課長 システム導入後の費用対効果についてでございますが、こちらについては導入したそれぞれの業務所管課において、業務の効率化ですとか、区民サービスの向上等、そういった視点で効果等については評価を行っているというふうに認識してございます。 ○日野委員 昨年の一般質問の際にも申し上げましたが、業務効率化のためにシステムを導入することは、手法としては必要なことであるかとは思います。しかし、最少の費用で最大の効果を生み出すとの行政としての根本的な理念の下に遂行されなければならないはずです。改めて伺いますが、経常経費が今後も増え続けていくであろう情報システムにかかる経費について、新たな外部評価基準を設けながら見直しを行ってはいかがでしょうか、伺います。 ○伊東情報システム課長 外部評価基準の設定によります情報システムにかかる経費の見直しにつきましては、他自治体の事例につきまして引き続き研究してまいりたいと考えてございます。 ○日野委員 ここまでは情報システムの経常経費に絞って質疑をさせていただきました。基金の積立てもそうですし、歳出の削減についてもそうなんですが、区で決められたこと、それから歳出においても、今まで経常経費が増え続けている中で、どのような努力をされてきたのかというところがしっかり見えてこなければいけないと思っております。今後もしっかりとそこは取り組んでいただきたいと思います。以上で、この項の質問を終わります。 2番目に、災害対策について伺います。 今年の元旦に発生した石川県能登地方を震源とする地震では、多くの方が犠牲になられ、いまだに避難生活を余儀なくされている方が大勢いらっしゃいます。謹んで亡くなられた方々の御冥福をお祈りし、被災地の一日も早い復興を願います。 今月5日、私は同僚の木村議員とともに能登半島地震の災害支援ボランティアとして能登半島西部に位置する志賀町に行ってきました。志賀町は最大震度7の揺れを観測した地域で、いまだ断水しているエリアもあり、全域の復旧・復興にはまだ少し時間がかかるようです。この目で被災地の様子をうかがった感じでは、外見からの見た目では、大きな被害を受けた住宅と被害がなさそうに見える住宅が混在しているように見えました。地域全体での震災の影響は大きいとは思いますが、通常に近い日常生活を送られている方もいるように見受けられました。一方で、大きな被害を受けられた方は、個人の力だけでは自宅の復旧をすることは大変困難な状況に見られました。災害ボランティアによる被災者の要望に直接応える活動というのは、被災された方々の復旧に直結する大事な役割だと私は認識しております。そうしたことから、災害発生後、いかに迅速にボランティアを受け入れられる体制を整えられるかというのは大きな課題であると感じ、ボランティアの受入れについて、今回幾つか伺ってまいります。 中野区地域防災計画は現在第43次修正案の段階ですが、まずはこちらを基に基本的なところから伺っていきます。中野区が被災自治体になった場合、地域防災計画では社会福祉協議会が中野区災害ボランティアセンターを設置するとされていますが、立上げの判断も社会福祉協議会が行うのでしょうか、伺います。 ○杉本防災危機管理課長 中野区災害ボランティアセンターの立上げの判断につきましては、区が行いまして、社会福祉協議会へ支援要請することとしてございます。 ○日野委員 それでは、活動拠点は、この地域防災計画の中では中野四季の森公園となっていますが、活動拠点とはボランティアセンターのことを指していると理解してよいでしょうか。 ○杉本防災危機管理課長 中野区地域防災計画で示しておりますボランティア本部の活動拠点とは、中野区災害ボランティアセンターが活動する場所のことを指しているものでございます。 ○日野委員 ボランティアセンターでは、人の受入れだけではなく、活動用の備品の受入れやボランティア要請を受け付けるなど、ボランティアセンターで行う業務は多岐にわたります。季節によっては、真夏の猛暑日に外で作業を行うことは非常に危険な場合もあるかと思います。気温等による気候の影響が想定される場合、区の施設内にボランティアセンターを設置することも必要かと思いますが、現時点ではそのような想定はされているでしょうか。 ○杉本防災危機管理課長 ボランティアセンターの活動拠点につきましては、主に中野四季の森公園としてございますが、気候や被害状況等に応じまして区立施設等も活動拠点とすることとしてございますので、屋外での運営が難しい場合につきましては、使用可能な区有施設の活用を図っていく考えでございます。 ○日野委員 地域防災計画第43次修正案には、都から事務の委任を受け、共助のボランティア活動と区の実施する救助の調整事務において、ボランティア本部に委託する場合は当該事務に必要な人件費及び旅費を災害救助法の国庫負担の対象とすることができ、活用に努めるという記述が追加されました。これは、例えば東京都を通してボランティアに申し込んだ方が中野区でボランティア活動する場合などに該当するというような理解でよろしいでしょうか。 ○杉本防災危機管理課長 都、または都から事務の委任を受けた区市町村は、共助のボランティア活動と地方公共団体の実施する調整事務につきまして、社会福祉協議会等が設置・運営する災害ボランティアセンターに委託する場合、当該事務に必要な人件費及び旅費を災害救助法の国庫負担の対象とすることができるとされてございます。このため、東京都を通して区のボランティア本部の当該事務に関するボランティアを申し込み、その活動をした場合などが該当するものと考えてございます。 ○日野委員 今申し上げたのは国の費用負担の内容ですが、仮に中野区が被災自治体になった場合に、中野区が独自にボランティアを受け付ける場合というのと、東京都を通してボランティアを受け付ける場合があるということになるのかと思います。災害の規模や被災状況によって判断が変わるかと思いますが、現時点では、東京都がボランティアを受け付けるのか、区が直接受け付けるのか、どのような場合に都と区でその判断を分けるのかというような基準や想定はされているのでしょうか。あるいは、そうした対応は都が決めることになるのでしょうか、伺います。 ○杉本防災危機管理課長 震災対策における都区間の役割分担は、平成8年に合意した内容にのっとって実施するものと考えてございます。具体的には、東京都は災害時に東京都災害ボランティアセンターを設置し、区市町村と連携して、一般ボランティアが被災地のニーズに即した円滑な活動ができるように支援するとしております。区は中野区災害ボランティアセンターを設置しまして、社会福祉協議会と連携し、一般ボランティアの受入れを実施するものでございます。 ○日野委員 能登半島地震の被災地においては、石川県が受け付けるボランティア募集と基礎自治体が直接ボランティアを受け付けるケースとで分かれていました。基礎自治体がボランティアを受け入れる場合は、基本的には県内や近隣に住んでいる方のみが対象で、他の都道府県からの募集は県が受け付けるという、そういうケースがほとんどのようでした。当区では、区が直接ボランティアを受け付ける場合、受け入れる対象を例えば区内在住の方のみというような制限をする想定は今あるのでしょうか。 ○杉本防災危機管理課長 現時点でボランティアの受け入れる対象を制限するという想定はしてございません。 ○日野委員 私が災害ボランティア活動で訪れた志賀町では、ボランティアセンターが開設されたのは発災後1月9日でした。ところが、ボランティア募集を始めたのは1月26日になってからです。ここまで時間がかかった要因は様々あると思いますし、現時点では被災自治体に確認するわけにもいきませんので、あくまで推測ですが、一つには道路の復旧に時間がかかったためと考えられます。それと、ボランティアの移動手段の車や廃棄物を処理場まで運ぶための軽トラックの確保、こういったところにも時間を要したのではないかと考えます。実際に私が現地で貸与されて運転した車は、新潟県長岡市のナンバーのレンタカーでした。そこまで範囲を広げないと借りられなかったのかもしれません。さらには、仮設の廃棄物処理場の確保や、そこで動かす重機も確保する必要があります。こうした準備には一定程度の時間を要したのではないかと推察します。区は様々な団体との災害協定を締結しており、物資運搬のトラックの確保もしております。この協定内容で供給される想定のトラックには、災害廃棄物を運搬するためのボランティアで活用してよいという車両というのはあるんでしょうか、伺います。 ○杉本防災危機管理課長 区が緊急輸送に関する協定に基づいて供給を受ける車両は、物資の輸送に関するものでございまして、災害廃棄物を運搬するためのボランティア活動で使用可能な車両は含まれない状況でございます。 ○日野委員 私は過去の総括質疑において、ボランティア活動で使用できる軽トラックを既に災害協定を結んでいる自治体に協力を要請してはどうかというように伺いました。答弁では、必要な場合には要請したいということでしたが、改めて具体的に何台借りられるのか、確認されてはいかがでしょうか。 ○杉本防災危機管理課長 災害時には応急復旧に資機材が必要となることから、災害時における相互応援協定を締結している自治体に対しまして、保有する軽トラックの台数や災害時に借り受けられる軽トラック等の台数につきまして、確認してまいりたいと考えてございます。 ○日野委員 ぜひよろしくお願いします。災害発生後、区外からのボランティアを早い段階で受け付けられるように、事前に車両が確保できないかということで質問をさせていただきました。その一方で、被災地では1月初旬からボランティア募集をしている自治体もありました。その募集というのは、自治体に住んでいる方や近隣に住んでいる方限定としており、恐らく移動のための車両の確保が不要であること、それから現地に直接集合できる、そういったところの理由があるかと推察します。当区でも、仮に被災した場合、被災後の早い時期にすぐボランティア活動ができるように、区内限定でボランティア募集を行うなどの検討も具体的に行ってはいかがでしょうか。 ○杉本防災危機管理課長 発災直後の一般ボランティアの受入れにつきましては、中野区社会福祉協議会が設置するボランティア本部が行うこととなります。過去の震災におけるボランティアの受入れ状況等の情報を収集いたしまして、議員御提案の区内限定のボランティア募集の実施につきましても、中野区社会福祉協議会と協議しながら検討してまいりたいと考えてございます。 ○日野委員 実際に災害が起きてからでないと判断できないということも多々あるかとは思います。ただ、これまでの経験を基に、できる限り具体的な想定をしていくことは非常に重要なことだと思いまして、今回確認をさせていただきました。 今回、被災地にボランティア活動に行ったことで、どれだけ想定できているかということによって、災害が発生した際に迅速に行動できるかどうかの分かれ目になるのだろうということを実感いたしました。当区においても、災害発生時、発生後の想定はできるだけ細かく行っていただきたいと思います。ここまでボランティアセンター立ち上げやボランティア活動に係る質疑を行いました。 次に、火災発生時の備えについて何点か伺います。 能登半島地震では、輪島市で大規模な火災が発生し、焼けた建物は240棟、焼失面積はおよそ4万9,000平方メートルにもなったとのことです。火災が広まった原因は、古い木造建物が密集する地域であったことに加え、断水により消火栓が使えなかったことなどが挙げられます。想定外だったのは、断水時でも活用できる防火水槽の取水口が建物の倒壊により塞がれて使えなかったということもあったようです。 そこで伺います。現在、中野区に防火水槽は何か所設置されているのでしょうか伺います。 ○福嶋防災担当課長 区内に設置している防火水槽は、区所管の防火水槽が73か所、東京消防庁所管の防火水槽が279か所、存在しております。 ○日野委員 中野区地下貯水槽、区が管理するいわゆる防火水槽についての設置及び管理に関する要綱には、防災担当課長は最低6か月に1回以上、点検を実施する旨が明記されています。これは行われているのでしょうか。また、東京消防庁が管理する防火水槽については、東京消防庁が定期的に点検をしているということでしょうか、併せて伺います。 ○福嶋防災担当課長 区所管の防火水槽については、中野区地下貯水槽の設置及び管理に関する要綱に基づき点検を実施しております。なお、東京消防庁所管の防火水槽についても、管轄消防署により点検を実施しているところでございます。 ○日野委員 これまでに防火水槽の取水口などの見直しがされたことはあるのでしょうか。能登半島地震の教訓から、取水口が例えば公園の奥まった場所にあるところ、それから周りに遮蔽物になり得るものがないか、そういった箇所を点検して、取水口の見直しなどを行うことも必要だと考えますがいかがでしょうか、伺います。 ○福嶋防災担当課長 これまでに防火水槽の取水口の見直しを実施した事例はございませんが、今後とも遮蔽物や障害物等により消火活動に支障が出ないよう、適正な維持管理に努めてまいります。 ○日野委員 中野区も木造密集地域を抱えた自治体ですが、防災まちづくりなどの取組によって火災危険度は減少傾向にはあります。また、消火栓についても、地方と都市部とでは張り巡らされた水道管の整備状況も異なるため、同じような断水の状況にはならない可能性もあります。しかしながら、災害には万全の体制で臨んでいただきたいと思います。よろしくお願いします。 この項の最後に、住宅の耐震助成について、1問だけ伺います。 2月15日のNHKの報道によると、東京23区のうち12区が平成12年までに新耐震基準で建てられた木造住宅について、来年度から耐震診断や改修にかかる費用を助成することになるとのことです。新たに実施する方針を示しているのは、文京区、台東区、墨田区、目黒区、大田区、世田谷区、渋谷区、豊島区、北区、荒川区、板橋区、練馬区の12区です。既に、港区、新宿区、品川区、杉並区、足立区、葛飾区、江戸川区の7区は実施しているため、残りは千代田区、中央区、江東区、そして中野区を含めた4区のみであり、近隣で実施していないのは中野区だけとなります。これだけ他区が実施している、あるいは実施予定をしているという状況において、当区もしっかり検討しなければならないと考えます。昨今の震災の状況も踏まえ、現時点での区のお考えを伺います。 ○石原建築課長 平成12年までに建築された新耐震基準の建築物の耐震改修等助成については、都や他区においても耐震診断及び耐震改修等の助成を実施しており、区としても取り組む必要性があると考えていることから、検討を進めてまいります。 ○日野委員 ぜひよろしくお願いします。この項の質問は以上で最後になるんですが、防災という部分では、なかなか防げない災害というのもあると思います。災害後の対応・対策をしっかりと想定できる限り想定していただいて、災害に強いまちづくりを進めていただきたいと思います。 以上で、この項の質問を終わります。 3番目に、施設で不要になった物品の処理について伺います。 区役所新庁舎が間もなく竣工し、5月には区役所の移転を控えております。移転後は現庁舎とサンプラザの解体が始まります。予算説明書補助資料の135ページに、庁舎移転廃棄物等対策の実施として不要什器等廃棄業務委託費6,327万2,000円が計上されています。まず、この費用の内容について伺います。 ○浅川総務課長 現庁舎の廃棄物につきましては昨年6月から総務部と会計室で連携した体制を組みまして取り組んでおりますため、私のほうから回答をさせていただきます。新庁舎移転に伴いまして現庁舎に残置される什器及び紙資料等の処分費用を計上したものでございます。 ○日野委員 処分費用ということですね。昨年1月24日の総務委員会に新庁舎整備事業の検討状況についての報告が出されました。これまで、同じ案件で何度か委員会報告がそれまでにされてきましたが、このとき初めて什器等の廃棄についての項目が追加をされました。これは新庁舎への移転に伴い、現庁舎で不要となった什器等において、リサイクル可否の分別及び資源化可能部分と廃棄部分の分解作業を実施し、リサイクルできないもののみを廃棄することで廃棄物の削減と費用の抑制を行う計画とするというものです。当初はこの考えのもと、進められていたと認識しておりましたが、スキームを変更されたと伺いました。今おっしゃられましたが、どのようなものでしょうか。 ○浅川総務課長 令和5年度予算要求の時点では、廃棄予定の什器を分解することで排出量の削減を図るとともに、金属くずなどは資源として売却し、リサイクルを図ることを視野に入れ、検討していたものでございます。その後、検討を進めた結果、廃棄予定の什器について、区が自ら分解を行わないものの、産業廃棄物収集・運搬業及び処分業の許可業者に委託し、事業者の処理過程の中で着実にリサイクルを図るということとしたものでございます。 ○日野委員 もともと考えられていた資源分別のスキームでは、幾らの費用を見積もっていたのでしょうか、伺います。 ○浅川総務課長 什器の分解作業と廃棄物の収集・運搬処分費用で合わせて5,728万9,000円を見込んでいたものでございます。 ○日野委員 資源分別で行うとされていた、このスキームで行うことのメリットはどのようなものであるとお考えだったでしょうか。 ○浅川総務課長 令和5年度予算要求の時点では、廃棄予定の什器を分解することで排出量の削減を図ることが廃棄物の運搬費を抑制する効果があると考えてございました。また、分解して生じた金属くずなどは資源として扱うことで、リサイクルの推進が図れるものと考えていたものでございます。 ○日野委員 今御説明いただきましたとおり、全てを廃棄物として処分するよりも、廃棄するものと売却できるものとに分別した上で処理をするということによってコストも抑えられ、環境施策としても評価される手法であると私も思います。令和6年度予算では、資源分別処理とはせず、廃棄物処分とする考えに改められた理由について伺います。 ○浅川総務課長 当初、分解後の什器の資源化可能部分を有価物として売却し、リサイクルすることを視野に入れ、検討を進めていたと申し上げたところでございますが、逆有償となった場合は廃棄物処理法に抵触する可能性もあるということ、また、実施するには履行期間が短いといった課題が最終的に残ったものでございます。このため、今回は確実に実施できる方法といたしまして、他の区有施設へのあっせんを行い、再利用に努めるほか、適正処理や履行期間を考慮し、産業廃棄物収集・運搬許可業者にまとめて廃棄を委託するとしたものでございます。 ○日野委員 当初の考えから改められた時期というのは、いつ頃でしょうか。 ○浅川総務課長 検討を進めました結果、昨年8月に少しでも廃棄物処理法に抵触するという可能性を排除すべく、有価物の売却については行わないことといたしました。また、分解を行うことで廃棄物発生量の削減を図ることについても引き続き検討いたしましたが、期間内での履行が難しいことから、一括で廃棄することを10月に決定したものでございます。 ○日野委員 先ほど廃棄物処分にするという理由の中に、逆有償という言葉が出てきました。逆有償となった場合に廃棄物処理法、いわゆる廃掃法に抵触する可能性があるということですが、これは具体的にどのような場合に発生するのか、御説明願います。 ○浅川総務課長 逆有償とは、金属くずなどを有価物として売却する場合に、買い受けた事業者側の運搬費などのコストのほうが売却価格を上回るということを言うものでございます。逆有償となった場合でございますが、その金属くず等は有価物ではなく、産業廃棄物として取り扱われることになるということでございまして、そうなりますと金属くず等の収集・運搬には廃棄物処理法に基づく産業廃棄物収集・運搬業許可が必要となるため、買い受ける事業者が許可を持っていない場合には、その事業者及び排出者である区が廃棄物処理法に抵触するという可能性が生じるものでございます。 ○日野委員 排出事業者である区が有価物となった、要は鉄のスクラップ等を運搬業者にまず運搬を委託します。その委託費用よりも買い取り価格のほうが低い場合に逆有償になる、こういうことだと思います。いわゆる手元マイナスということになるんだと思います。その場合に廃棄物処理法に抵触してしまうということですね。什器等をリサイクルするという考えを区が示されたのは昨年1月でした。そこから見積りや事業者のリサーチなどは行ったのでしょうか。先ほど、考えを改めたのは10月とおっしゃっていましたが、このリサーチなどを行っているのであれば、スクラップの量とか、それから相場など、ある程度の積算はできたはずではないかと思うんですが、取り組まれてきた状況について伺います。 ○浅川総務課長 検討を進める中で、金属くずを有価物ではなく産業廃棄物として取り扱われる可能性があることが分かったことから、契約前に産業廃棄物に該当しないと言い切れるか、事業者に聞き取りを行ったものでございます。事業者からは、聞き取り時点の金属取引相場の価格からすると、運搬費が売却費を上回る可能性は低いとのことだったのでございますが、絶対に運搬費が上回らないと明確に答えた事業者がいなかったことから、今回、適正処理の面を最優先いたしまして産廃許可業者に委託としたものでございます。 ○日野委員 区では今後、区有施設整備計画で示されているように、学校の建て替え、施設の移転・廃止などが行われて、今後も同じような什器等の廃棄の課題が出てくると思われます。各施設における什器等の廃棄の判断は何に基づいて行われるのでしょうか。 ○志賀会計室長 各施設における什器等物品の廃棄の判断につきましては、中野区物品管理規則により各所管の判断をし、処分してございます。ただし、不要となりました物品につきましては、安易な廃棄をよしとせず、他の所属での有効活用を図ることを目的としておりまして、使用可能な場合には所属替えのあっせん、手続を経ることとなってございます。 ○日野委員 統一した廃棄の考えというよりは、各所管で判断するということなんだと思います。什器等のリサイクル処分を行っている自治体には川崎市があります。川崎市では当初、現庁舎の什器の多くを廃棄物処理にするとの方針を示し、処分費用に1億円ほどかかるという見込みだったようです。ところが、報道等で取り上げられ、批判を受けたことなどから、廃棄物処理の在り方を見直し、分別により廃棄物にするものとリサイクルできるものとに分ける手法で行うことにより、大きくコストを削減したとのことです。川崎市でのスクラップ買い取りの際には、買い取り業者が運搬コストも含めるようにして、運搬コストを上回ることがないようにしたために、逆有償のリスクを負うことなく実施できたと伺いました。現庁舎の什器等については、既に廃棄物処理として入札が終わっていると伺いましたが、今後、当区の区有施設でも同じような手法により実施することは検討できないのでしょうか、伺います。 ○瀬谷資産管理活用課長 物品の廃棄等の廃棄物の処理につきましては、他自治体の事例等も踏まえまして、縮減できる手法を研究してまいりたいと考えております。 ○日野委員 今後、多くの施設の建て替えや移転を控えている中で、区として共通の処理方針を定めていくべきだと考えますが、いかがでしょうか。廃棄物処理に関してのリサイクルの考え方が全庁的に行われれば、環境施策としても大きな効果があると考えます。区の見解を伺います。 ○永見環境課長 廃棄物の排出抑制につきましては、事業者として取り組むべき課題であると認識してございまして、環境マネジメントシステムにおきましても、職員に対してあっせん等によるリサイクルの促進を促すなど、注意喚起を行っているところでございます。今後の施設の建て替えや移転におきましても、当該施設の所管をはじめとして関連部署間で連携をしながら、可能な限り廃棄物の排出抑制を図るための対策を講じる必要があると考えております。 ○日野委員 このリサイクルの考えは、当初区のほうから昨年1月に示されたものでした。できないとなった理由が、一つには時間が足りなかったということ、それから法的な部分で引っかかるかもしれない、確実にできるかどうか分からないというようなものでした。ただし、逆有償になる可能性は低いという、そういうリサーチまで受けていたにもかかわらず、これが実現できなかったというのは非常に残念なことだと思います。今後、施設の計画が様々ある中で、この手法ができれば環境施策にも非常に有効であると考えておりますので、ぜひ全庁的に取り組んでいただきたいというふうに思います。以上で、この項の質問は終わります。 [1]それでは、最後の項、4番目に学校教育について伺います。 2019年よりGIGAスクール構想がスタートして、その後、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、加速度的にこのGIGAスクール構想の、取組が進みました。特に児童・生徒に1人1台のタブレット端末の配布を行ったことにより、教育現場でのICT教育を大きく推進する要因となりました。昨年の予算特別委員会の総括質疑においても、この件について私は質問をしました。iPadのリース料やキッティング費用、ネット環境維持費なども含めて、年間5億円程度かかっているということで、国からの補助金約4億円ほどを差し引いても、端末リース料だけで5年間で14億5,000万円ほど費用がかかりますとのことです。今はもう少し額が増えているかもしれませんが、大体15億円とか、それ以上にかかっているということです。子どもたちにとっても重要なツールであるからこそ、今後も持続していけるように、しっかり検証することが必要だと思っています。 そこで伺います。端末の更新は再来年度、令和7年度になるかと思いますが、来年度必要とする児童・生徒の学習用タブレット端末は全部で何台になるのでしょうか、伺います。 ○佐藤学務課長 現在リースしている児童・生徒用の学習用タブレット端末については、1万6,600台というところでございます。 ○日野委員 生徒数の増加、それから指導者用の端末もあるということから、リースする端末は増えているというふうに思います。また、昨今の物価高騰の影響も気になるところです。現在、学習用端末はアップル社のiPadをリースしていますが、再来年度、改めて仮に5年のリースをするとなった場合に、どの程度の費用で借りられると見込んでいるのでしょうか、伺います。 ○佐藤学務課長 学習用タブレット端末のリプレースの際には、物価高騰の影響を受ける可能性があるということは認識してございます。令和7年度の学習用タブレット端末のリプレースに向けて、令和6年度中にしっかりと予算精査していきたいというふうに考えてございます。 ○日野委員 現時点ではなかなか難しいと思いますが、やはり物価高騰が続いている中では、これまでと同額でというのはなかなか難しいのではないかなと考えます。令和6年度の文部科学省予算案では端末更新のための予算が組まれています。中野区の更新年となる令和7年度について、国の予算についてはどのような見込みをされているのでしょうか、伺います。 ○佐藤学務課長 令和7年度の国の予算につきましては、今後の動きをしっかりと注視していきたいと考えてございます。 ○日野委員 これもまだ分からないところだとは思いますが、学校教育で活用するタブレット端末は令和2年度から導入をされています。導入当初はGIGAスクール構想で全国一斉にスタートした、それからコロナ禍による学校休業という影響もありました。そのため、国が推奨する機器を参考にいち早く端末を整備しなければならない、こういった理由もあったと思います。今後は、学校教育の中で児童・生徒に本当に必要な機能やスペックを検証した上で、適切な機器を導入することが必要だと思います。その検証の結果として、引き続きiPadが望ましいということもあるかとは思います。これまでに学習用タブレット端末、指導用端末において必要な機能やスペックなどの検証、また、教職員などからのヒアリングは行われてきているのでしょうか、伺います。 ○佐藤学務課長 次期学習用タブレット及び周辺機器の調達等については、小・中学校の学校長及び副校長をメンバーとする教育委員会の情報システム委員会で検討を始めているところでございます。 ○日野委員 端末については機能やスペックだけではなく、搭載OSも判断基準になるかと思います。ICT市場調査コンサルティングのMM総研の調査によると、GIGAスクール端末の902万台を分母として、OS別シェアを見ると、GoogleのChromeOSが42%でトップ、2位のMicrosoft Windowsと3位のApple iPadOSとがほぼ同数の29%だったとのことです。ChromeOSがトップシェアとなった理由は、最もクラウド活用に適したOSと教育現場が評価したためとMM総研は分析しているようです。先ほど現場のヒアリングを行うべきということを申し上げましたが、全国での事例なども参考に、OSや端末機器など、どういうものが中野区の学校教育に適しているのか、よく検証していただきたいと思いますが、こちらもいかがでしょうか。 ○佐藤学務課長 全国の事例や教育ICT環境整備の動向を注視しつつ、教育委員会情報システム委員会におきまして、児童・生徒、ICT教育推進リーダー等の教職員の意見を集約し、現在の課題をどのように対処して次期学習用タブレット等を導入するかについて、検討・検証を重ねてまいりたいと考えてございます。 ○日野委員 子どもたちが使う機器なので、本当にいいものをというか、学校教育のためになるものを導入していただきたいとは思いますが、冒頭で費用のことも申し上げました。5年間で現状では15億円程度かかっていて、年間、今5億円程度かかる、そういったものが今後もずっと国から予算が下りてくるかどうかも分かっていない中でしっかり持続していけるように、そこも踏まえて検討・検証していただきたいというふうに思います。 それでは、次にエデュケーション・アシスタントについて伺います。区では今年度より、主に小学校3年生までの児童を対象として、各小学校に最大3名まで支援員を配置しました。今年度はほぼ全ての学校で人員を確保できていると伺ってきました。来年度の状況についてはいかがでしょうか。 ○齊藤指導室長 来年度、エデュケーション・アシスタントの人員確保につきましては、引き続き学校にお願いをしているところでございます。現在の方に継続してもらえるようお願いをしたり、保護者や地域の方々に新たに御協力いただいたり、学校間で紹介し合ったりするなどの方法で確保できる見込みでございます。 ○日野委員 今年度は都からの予算を獲得できなかったため、区の予算で対応されたとの認識です。令和6年度に向けて、東京都はこの予算を100校分から1,268校分に拡充するとのことです。令和6年度は都の予算を獲得できる見込みはあるのでしょうか、伺います。 ○齊藤指導室長 現在、東京都に申請をしているところでございます。 ○日野委員 都の予算で賄われる場合、業務内容や勤務条件など、これまでと変わるものはあるのでしょうか、伺います。 ○齊藤指導室長 業務内容や勤務条件等に変更はございません。 ○日野委員 都の予算が獲得できた場合でも、これまでどおりエデュケーション・アシスタントさんを活用できるということですね。現在は1年生から3年生まで、各学年に1名の配置となっていますが、都の予算が獲得できた場合、これを拡充する想定というのはあるのでしょうか。 ○齊藤指導室長 エデュケーション・アシスタントは、都の事業に合わせて区でも事業設計したものであるため、拡充する考えはございません。 ○日野委員 それでも、今は各校にほぼ定数でエデュケーション・アシスタントさんが入っている、そういうことで、学校側からも非常に助かっているという声を聞きます。今後も児童や教職員の支援に取り組んでいただきたいと思います。 令和6年度の東京都の予算には、このエデュケーション・アシスタント以外に、インクルーシブ教育支援員という配置の予算があります。これは特別支援学校への就学が適当と判断された児童・生徒がより身近な区市町村立小・中学校に就学した場合及び発達障害等のある児童・生徒が通常の学級で学ぶ場合に、支援員の配置を補助するとともに、特別支援教育コーディネーターを補助する人材等の配置について区市町村を支援するという制度のようです。補助率は都が2分の1、区市町村が2分の1とのことです。現在のエデュケーション・アシスタントは小学校3年生までの支援しかできませんが、この支援員など、中学生まで支援員をつけることが可能になるようです。 私の知る限りでも、こうした支援員を必要とされている方が区内にいらっしゃいます。都が予算をつけるのであれば、当区においても、ぜひこうした制度を活用していただきたいと思いますがいかがでしょうか、伺います。 ○佐藤学務課長 東京都が令和6年度新規予算事業において、インクルーシブ教育支援員の配置に対して補助事業を行うことは認識してございます。ただし、現状では実施要項等、発出されておらず、詳細が不明でございますため、詳細が分かり次第、中野区での活用方法等について検討したいと考えてございます。 ○日野委員 詳細が連絡あり次第、しっかり検討していただきたいと思います。 この項の最後に、小学校における不登校対策について伺います。 初めに、中野区立小・中学校の現時点の不登校児童・生徒数がどの程度いるのか、伺います。 ○齊藤指導室長 令和5年度12月末時点での不登校児童・生徒数は約400名であり、昨年度と同様の数となってございます。 ○日野委員 不登校の課題というのは全国における課題でもあって、中野区でも不登校児童・生徒が、引き続き400名程度とおっしゃっていましたけれども、これまでもずっと増加傾向にある状況から、区では不登校対策として教育センターでのフリーステップルームや教育支援室分室、巡回支援、教育相談室、スクールソーシャルワーカーの配置など、様々な施策を講じていただいております。また、中学校では校内別室を設置し、今年度は重点校の3校にそれぞれ支援員を配置する対応を行われております。令和6年度において、校内別室への支援も拡充されるとのことですが、今年度における中学校での校内別室に支援員を配置した効果というのはどのようなものだったのでしょうか、伺います。 ○齊藤指導室長 学校からは、支援員が毎日いることで定期的に別室に通えるようになった生徒がいる、支援員の関わりによって教室に戻れるようになった生徒がいる、学習に苦手意識を持つ生徒が自信を取り戻し教室に復帰することができたといった成果について報告を受けております。 ○日野委員 中学校では、小学校のときから不登校気味だった生徒というのも一定数、またやっぱり中学校でも不登校になっているという現状を伺っております。こうしたことから、小学校のときからの不登校対策も重要かと思います。今、中学校では様々対応を行っていただいておりますが、小学校で校内別室を設けて対応している学校というのは現状あるのでしょうか。あれば、その事例などをお伺いします。 ○齊藤指導室長 小学校で校内別室を設けている学校は数校にとどまっておりますが、保健室や相談室などの兼用スペースを活用した支援を行っております。兼用スペースにおきましても、中学校と同様に、児童が在籍学級の授業をオンラインで受けたり、自分の進度に合わせて学習に取り組んだりしております。現状では、養護教諭や、その時間内に担当授業のない教員、支援員などが交代で対応に当たっております。 ○日野委員 今後は小学校においても校内別室、それから支援員の配置というのが必要かと思いますが、区の見解を伺います。 ○齊藤指導室長 小学校の不登校の特徴といたしましては、低学年の段階から登校を渋るケースが増えており、校内で学級以外の居場所の確保や支援員の配置について必要性が高まっていることは認識しております。中学校での成果等も踏まえて、小学校の不登校児童一人ひとりの状況に対応できる方法について検討してまいります。 ○日野委員 小学校も、場所の確保であったりとかというのも非常に課題かとは思いますが、ぜひ進めていただきたいと思います。 以上で、私の全ての質問を終わりますが、取材していただいた理事者の皆様、大変にありがとうございました。大事なのは、ここから前に進めていただきたいことでありますので、時間が大分余ってしまいましたが、後に心強い先輩が2人控えておりますので、お二人に時間を割きました。 以上で、私の総括質疑を終了します。ありがとうございました。 ○杉山委員長 以上で日野たかし委員の質疑を終了します。 次に、広川まさのり委員、質疑をどうぞ。 ○広川委員 2024年第1回定例会予算特別委員会において、日本共産党議員団の立場から総括質疑を行います。 質問に入る前に、1月1日に発生した石川県能登半島を震源とする震災で犠牲になられた方々に心から哀悼の意を表します。また、被災された全ての皆様にお見舞いを申し上げます。 初めに、2024(令和6)年度予算案について、一般会計について伺います。 2024年度予算案は、一般会計が前年度比2.5%増の2,004億3,700万円となり、初めて2,000億円を突破しました。その要因について伺います。 ○竹内財政課長 区役所新庁舎移転関係経費や区立学校の学校給食の保護者負担軽減及び区立学校在籍以外の学齢期児童・生徒保護者支援経費、教育保育施設給付、デジタル地域通貨事業の経費や退職手当の人件費が増になったことによることが2,000億円を超えた要因と考えてございます。 ○広川委員 とりわけ中野駅周辺のまちづくりは275億円と突出しています。 歳入の状況についても伺います。特別区税の予算額と要因及び過去と比べた際の水準について伺います。 ○滝浪税務課長 令和6年度の特別区税の予算額は362億6,045万9,000円でございます。令和5年度当初予算と比べまして14億4,502万円の減となっております。令和6年度の特別区税の予算額は、過去10年間の当初予算額の中で令和5年度に次いで2番目の高さとなってございます。この予算額の高さの主な要因といたしましては、納税義務者数の増と1人当たりの所得金額の増と考えてございます。 ○広川委員 特別区交付金のほうはどうでしょうか。 ○竹内財政課長 令和6年度の特別区交付金につきましては、財源である固定資産税や市町村民税法人分が増となっていることから453億9,700万円を見込んでございまして、当初予算では過去最高額となってございます。 ○広川委員 特別区税については、国の住民税定額減税の影響を受けて、特別区民税の減額を見込んでも過去2番目の大きさです。特別区交付金については過去最大とのことです。この財政状況と今後の見通しについて、どのような見解でしょうか。 ○竹内財政課長 特別区税につきましては、納税義務者数や所得の増、特別区交付金は調整税等の増収をそれぞれ見込んでおり、一定の伸びは見せておりますが、伸び率は鈍化しているものでございます。一方で、一般財源充当事業費も増加している状況でございまして、歳入歳出の状況を鑑みると厳しい状況であると考えてございます。また、令和6年度からの10年間の予測につきましては、特別区税と特別区交付金を合わせて同程度の800億円台で推移すると見込んでございます。 ○広川委員 当初予算(案)の概要には、今後の財政運営について、予算編成開始時においては令和5年度から22億円の増を想定していましたが、結果、想定を下回る厳しい財政状況となっていますと述べています。ここで厳しいと評価しているのはどういう意味でしょうか。 ○竹内財政課長 特別区交付金につきましては、予算編成の想定よりも上振れた金額を見込めましたが、特別区税につきましては、国が実施予定の住民税定額減税の影響額により、予算編成開始時の想定よりも下振れた金額で計上してございます。結果、財政調整基金15億円の繰入れが必要となったことや義務教育施設整備基金など、施設関係基金へ財政運営の考え方を示した積立てができなかったことなどから、厳しい財政状況であると捉えているところでございます。 ○広川委員 つまり想定どおりの増ではなかったということだと思います。しかし、前年度と比較して4億円の増、これを厳しいと評価するには無理があると思います。 次に、基金の積立てについて伺います。2024年度末の財政調整基金の見込額はどうなっているでしょうか。 ○竹内財政課長 財政調整基金の残高は228億2,600万円余を見込んでございます。 ○広川委員 当初予算(案)の概要に載っている六つの主な基金のうち、義務教育施設整備基金、社会福祉施設整備基金、道路・公園整備基金、まちづくり基金、減債基金の2024年度末の見込額はどうなっているでしょうか。 ○竹内財政課長 義務教育施設整備基金につきましては126億円、社会福祉施設整備基金につきましては26億円、道路・公園整備基金は43億円、まちづくり基金は116億円、減債基金は15億円を見込んでございます。 ○広川委員 合わせて326億円、財政調整基金と合わせて554億円ということです。年度間調整分の財政調整基金の目標額について、どのように設定しているのでしょうか。 ○竹内財政課長 過去のリーマンショック時の当初予算の段階で、一般財源が前年度と比較して50億円程度減となったことから、その状況が3年度続いたと想定して、状況に耐えられるような形で、単年度を50億円、3年間で150億円、さらに余力を持たせて200億円という形で目標を設定しているものでございます。 ○広川委員 この六つの基金の合計額は今後どのように推移していくのでしょうか。 ○竹内財政課長 財政調整基金ほか特定目的基金につきましては、今後の施設整備等に対応するために増額させることとしてございます。 ○広川委員 当初予算(案)の概要の「主な基金の積立・繰入計画」によると、2033年度、令和15年度に997億円と増加していきます。今後、学校施設や児童館整備の計画を立てれば、目減りしていくことはあるでしょうけれども、そうであっても、基金を含めれば、全国でもトップクラスの豊かな財政力を持っていると言えるのではないでしょうか。 ここまで、中野区の財政は堅調に推移しているということを確認してきました。区は財政の今後の見通しについて、楽観視することなくと言っていますが、不必要に厳しさを強調することは必要な施策の展開を妨げることにもつながってしまうのではないでしょうか。 ここから区民一人ひとりの暮らしの実態を見ていきます。直近の納税義務者1人当たりの総所得金額について、給与所得者、営業所得者、その他所得者について伺います。 ○滝浪税務課長 納税義務者1人当たりの令和4年度中の総所得金額につきましては、土地等や株式等の分離課税分の所得を有する者を除きまして、給与所得を主な所得とする者は433万1,469円、事業所得を主な所得とする者は460万9,828円、その他の所得を主な所得とする者は324万763円となってございます。 ○広川委員 前年度と比べて、それぞれどの程度の増減でしたか。 ○滝浪税務課長 前年度と比べまして、給与所得を主な所得とする者につきましては11万6,893円、2.8%の増、事業所得を主な所得とする者は58万6,278円11.3%の減、その他の所得を主な所得とする者は6万3,808円、1.9%減となってございます。 ○広川委員 給与所得者については、金額こそ上がっているものの、区長の施政方針説明でも触れられているように、実質賃金は21か月連続で減少しています。低所得者層のみならず、中間所得者層と言われる世帯でも生活が苦しくなっているのではないでしょうか。自営業の方は所得そのものが減少するとともに、暮らしはさらに厳しくなっていると言えます。さらに、社会保障に関する支出は増え続けています。来年度の1人当たりの国民健康保険料と国民年金保険料は幾らでしょうか。 ○宮脇保険医療課長 令和6年度の当初予算案における1人当たりの国民健康保険料は、年間で19万4,862円でございます。また、国民年金保険料でございますが、1人当たり年間で20万3,760円でございます。 ○広川委員 1人当たりの国民健康保険料が年間19万4,862円ということで、来年度はかなり増えています。こちらは後ほど特別会計のところで伺いたいと思います。では、10年前の2014年度では、国民健康保険料と国民年金保険料はどうだったでしょうか。 ○宮脇保険医療課長 10年前の2014年度における1人当たりの国民健康保険料は、年間で13万3,964円でございます。また、国民年金保険料は、1人当たり年間で18万3,000円でございます。 ○広川委員 合計で見ると、この10年間で、10年前は年間31万6,964円であったものが、来年度は39万8,622円、負担は8万円以上増えています。また、この間に消費税の増税もあり、税・保険料の負担は比べ物になりません。さらに、物価の高騰が今追い打ちをかけています。働いて暮らしていても手元に残るお金が年々減っているという状況です。そうした実相を表すように、各地のフードバンクや食料支援は利用者が急増しています。都庁前でコロナ禍に始まった無料の食料配布会には、当初の6倍以上に当たる700人以上が並び、若者・女性も増えているといいます。生活困窮が年代・性別を超えて広がっているということです。生活援護課が窓口となった生活相談について、昨年度と今年度の件数を伺います。 ○葉山生活援護課長 生活相談件数につきましては、今年度1月までの数字で4,096件、昨年度の同月までの件数は3,586件です。 ○広川委員 前年度を大きく上回ることが分かります。新型コロナ感染症が流行し始めた2020年度はどうだったでしょうか。 ○葉山生活援護課長 2020年度同月までの相談件数は3,661件です。 ○広川委員 新型コロナ感染症の流行により発せられた緊急事態宣言やまん延防止等重点措置など、多くの職種、非正規労働者、学生などが影響を受けた時期よりもさらに生活に困り、相談窓口に助けを求める区民が増えているということではないでしょうか。区の見解を伺います。 ○葉山生活援護課長 生活相談件数が増えていることから、経済的な不安や困窮を抱える方が増えつつあると認識しています。 ○広川委員 その認識は一致するところです。だからこそ、この中野区の豊かな財政力を地方自治体本来の役割にふさわしく、福祉・暮らしを守り、地域経済を立て直し、広がる格差を是正するために使うのかが問われています。来年度、区は低所得者対策、物価高騰対策として、どのような施策を実施する予定でしょうか。 ○森企画課長(企画部参事事務取扱) 来年度の物価高騰対策でございますが、これまで経常的に行ってまいりました公衆浴場や商店街街路灯に係る光熱費の支援につきまして、物価の状況を踏まえ、当初予算において助成額を増額しております。また、区立学校の学校給食の保護者負担軽減や区立学校在籍以外の学齢期児童・生徒保護者支援につきましては、物価高騰の状況も踏まえつつ、子育て支援策として実施をしてまいるという考えでございます。それから、低所得世帯向けの支援につきましては、まずは国の給付金事業の対象者への速やかな給付に取り組みまして、区独自の対象者の拡充ですとか、その他の対策につきまして、物価の状況等を鑑みまして、今後検討してまいりたいと考えております。 ○広川委員 改めて、今生活に不安を感じているのは低所得層のみならず、中間所得層まで広がっています。あらゆる支援の対象を最低限の線引きでとどめずに、拡充していただくことを要望いたします。 ここまで、堅調な財政運営と国民生活の実態、それに対する区の取組について伺ってまいりました。施政方針説明において区長は、区民生活や事業者への支援のため、これまでも様々な対策を行ってきましたが、今後も状況の把握に努め、必要な対策を講じていかなければならないと考えていますと述べています。この思いについて区長に伺います。 ○酒井区長 区では、物価高騰の影響によって経済的に厳しい状況に置かれた区民や事業者を支援するため、これまで様々な対策を講じてきたところでありますが、物価上昇、実質賃金のマイナス等、依然として厳しい状況が続いているものと考えております。このような状況を踏まえ、令和6年度予算案においても、区民や事業者への支援のため、区として必要な対策を盛り込んだところであります。さらに、令和6年度中においても、区民や事業者の状況をよく把握した上で、物価や実質賃金の状況等を注視しながら、適時適切に対策を講じてまいりたいと考えております。 ○広川委員 誰一人取り残されることのない中野の真価が試されている時だと思います。区民が安心して生活できる環境を取り戻すため、あらゆる支援を機動的に行っていただくことを要望して、次の質問に移ります。 ○杉山委員長 広川委員の質疑の途中ですが、ここで休憩したいと思います。 3時25分まで委員会を休憩します。 午後3時02分休憩
午後3時25分開議 ○杉山委員長 委員会を再開します。 休憩前に引き続き、総括質疑を行います。 広川委員、質疑をどうぞ。 ○広川委員 来年度予算案では、学校給食の保護者負担の軽減や高齢者補聴器購入費助成、区立学校学童クラブにおける医療的ケア児の受入れ拡充など、当議員団が住民運動や区民要求とともに求めてきた取組が前進することを評価いたします。来年度の区の取組や課題について幾つか伺います。 まず、学校教育について伺います。 全国的に教育現場では教員不足が深刻になっています。東京都教育委員会によると、都内の公立小学校127校では、年度初めの4月7日時点では約80人の欠員だったが、病欠や退職などで欠員がさらに増え、夏休み明けの時点で約140人の欠員が生じていたことが報じられています。今年度、中野区の状況はどうであったか、また、現状を伺います。 ○齊藤指導室長 今年度4月7日時点で、東京都から中野区立小学校へ教員の配置がされなかった数は5人でございます。2月現在、産休・育休代替教員が見つけられないケースを含め、欠員は11名でございます。 ○広川委員 中野区でも問題になっているということです。欠員が生じた場合、学校ではどのような対応をしているのでしょうか。 ○齊藤指導室長 年度当初、欠員が生じた学校は少人数指導の加配教員や専科教員を担任に充てて、担任が不在とならないようにするとともに、時間講師を任用するなどの対応を行っております。 ○広川委員 では、欠員によって少人数指導ができていないといったケースはあるのでしょうか。 ○齊藤指導室長 担任に欠員が生じた場合は少人数指導の加配教員が担任になることがあり、少人数指導を実施できない場合がございます。 ○広川委員 年度途中に担任が変わるということもあるのでしょうか。 ○齊藤指導室長 年度途中に担任が妊娠出産休暇や病気休暇を取得した際に代替教員が見つからない場合は、少人数指導の加配教員、専科教員や副校長が担任に入るなどの対応をしております。 ○広川委員 そうした影響を一番に受けるのは子どもたちです。また、保護者からも不安の声が聞かれます。区立小・中学校の教員はあくまで都の職員なので、区としてできることは限られているのは理解しています。教職員配置を確保するよう東京都に要望していただきたい。区としてはどのような取組を行っているのでしょうか。 ○齊藤指導室長 東京都教育委員会には、必要な教員の配置や教員不足解消の対応などを教育長会からも強く要望しております。区といたしましても、ホームページに募集記事を掲載するといった従来の取組に加え、教員免許所有者の紹介をPTAに依頼したり、校内に教員や学校支援人材募集のポスターを掲示したりするなどして、教員確保に向けて取り組んでいるところでございます。 ○広川委員 引き続き適正な教員の配置や教員不足解消を強く求めていただきたいと思います。 教員の負担軽減は急務です。欠員が増えることによって、さらに残された教員の負担は増えてしまいます。そうしたことで、ゆとりがなくなってしまうことが懸念されます。今、不登校の児童・生徒が増えています。理由や原因は様々です。ストレスに慣れない小学生年代では、特に学校や家庭での小さな不満やストレスが積み重なり、不登校へ発展してしまうことが少なくないと言われています。民間団体の調査では、不登校のきっかけとして、先生との回答が最多でした。教員の過重労働、教員の欠員、また、それに伴う他の教員の負担増といったことが不登校の要因の一因となってはいないでしょうか。 ○齊藤指導室長 教員の負担増が不登校増加の一因とは必ずしも言い切れないと考えております。教育委員会では、教員の働き方改革推進プランを見直し、負担軽減に係る取組を推進するとともに、各学校の取組を支援していくことで、今後も教員が子どもたちと向き合う時間を確保してまいります。 ○広川委員 ぜひその辺りの実態も調べていただきたいと思います。普段の日常生活の中で、子どもたち一人ひとりがどのような気持ちで過ごしているのか、家庭生活や学校の居心地など、小さな不安や変化を捉える必要があります。今は1人1台のタブレットが配られており、その端末を活用して全児童・生徒の実態を聞き取り、調査することはできるのではないでしょうか。 ○齊藤指導室長 子どもたち一人ひとりの状況につきましては、日常的に教員が日頃の授業、休み時間や放課後の様子などから把握に努めております。子どもたちにとっては、多様な相談先があることが大切であります。その相談先の一つとして、中学校では1人1台端末を活用したSNS相談ができるようになっております。また、生徒の心の変化を把握できるアプリを導入している学校もあり、1人1台タブレットの活用につきましては今後も研究をしてまいります。 ○広川委員 子どもたちの小さなSOSを見逃さず、手を差し伸べることが大切です。より有効な調査について検討を進めていただくことを求め、次の質問に移ります。 高齢者補聴器購入費用助成について伺います。 高齢者補聴器購入費用助成に踏み出す自治体が今急速に増えてきた中で、ようやく中野区でも来年度から助成制度がスタートします。この間、署名活動や陳情など、住民運動が広がるもとで、その声を受け止め、施策が前進したことを評価します。 まず、来年度の高齢者補聴器購入費用助成について、改めて説明をお願いします。 ○古本高齢者支援担当課長 事業の対象者は、専門の医師によりまして補聴器使用の必要性が認められました区内65歳以上の高齢者とし、350万円未満という所得制限を設けた上で、補聴器1台当たり4万5,000円、両耳の場合は上限9万円を助成する予定でございます。 ○広川委員 所得制限を350万円未満と設定した根拠は何でしょうか。 ○古本高齢者支援担当課長 東京都の補助金を活用するに当たりましては、一定の所得制限を設ける必要がありますことから、既存の高齢者サービスの例に合わせまして、生計中心者の前年の合計所得金額が350万円未満の者とする予定でございます。 ○広川委員 おおよその高齢者が対象になるところであり、評価をいたします。 東京都の新年度予算案では、高齢者聞こえのコミュニケーション支援事業として、補聴器助成が個別の補助金とされました。その内容について伺います。 ○古本高齢者支援担当課長 こちらの事業は、高齢者のコミュニケーション機会の確保を推進し、介護予防につなげるため、加齢性難聴の早期発見・早期対応に係る区市町村の取組を支援するものとなってございます。今のところ、東京都による要綱が示されておりませんことから、詳細は把握できておりませんが、補聴器の助成については2分の1、普及啓発経費については10分の10という補助率であるというふうに聞いてございます。 ○広川委員 基準額は出ますか。 ○古本高齢者支援担当課長 基準額は示されてございません。 ○広川委員 現時点では基準額が決まっていないということですけれども、東京都の状況を見て、様々取り組んでいただきたいと思います。この都の補助では、所得制限は原則として住民税非課税になるものとしています。ただし、都の補助要件の原則から外れた要件設定で、区市町村から申請があり、都がその必要性を認める場合は、区市町村が設定した補助要件による事業実施が可能とされています。区の設定する所得制限は認められる見込みなのでしょうか、確認します。 ○古本高齢者支援担当課長 東京都へは区の事業の規模や概要については伝えてありまして、区の事業が都の補助の対象となりますように協議を進めているところでございます。 ○広川委員 ぜひ区の設定した350万円未満という所得制限が認められるように、都と協議をしていってもらいたいと思います。先ほど答弁にもございました都の支援事業では、早期発見・早期対応に係る経費として、加齢性難聴に係る普及啓発経費等に対して、補助率は10分の10となっています。中野区として積極的に普及啓発に取り組んでいくべきと考えます。認識を伺います。 ○古本高齢者支援担当課長 令和6年度には東京都の助成制度を活用いたしまして、高齢者関連の区有施設や区内の医療機関の中に掲示をいたしますポスターやチラシの作成等を行う予定でございます。 ○広川委員 大変期待の声が寄せられている制度であり、ぜひ周知に努めていただきたいと思います。 また、補聴器相談医や認定補聴器技能者を招いての講座や相談会なども検討していただきたいと思います。先日、目黒区の聴覚ケアセンターというところに伺いました。初めて補聴器の装用を希望する方には、まず耳鼻科、補聴器相談医を受診して、補聴器の適応診断を受けることを推奨しているということでした。難聴の種類によっては治療が優先されるものや補聴器が役に立たないというケースもあり、まずは専門医による診察が重要であり、補聴器購入の前提となっているということです。区として来年度から行う助成制度に、こうした一連の流れを位置付けているのでしょうか。 ○古本高齢者支援担当課長 費用助成の要件といたしまして、専門医が補聴器の必要性を認めたことが確認できる文書を事前に提出してもらう予定でございます。 ○広川委員 専門医、さらには認定補聴器技能者が関わって、安心して利用できる制度にしていただきたいと思います。 昨年の予算特別委員会において、我が会派の浦野委員が購入前後のトレーニングや調整、アフターフォローといったことについての分かりやすい周知を求め、検討していくとの答弁でした。どのようなものを考えているのか、教えてください。 ○古本高齢者支援担当課長 補聴器購入店舗におきまして機器の調整やトレーニング等を受け、適正に使用できるようになったことが確認できた上で費用助成を行うというような仕組みにしたいというふうに考えてございます。 ○広川委員 新たな制度ということで、細かく確認をさせていただきました。引き続き、必要とする人が利用しやすい制度となるよう取り組んでいただくことを要望し、この項の質問を終わります。 次に、特別会計について伺います。 まず国民健康保険について伺います。現在、来年度の国民健康保険料の算定作業が行われていると承知しています。毎年値上げが繰り返されるもとで、負担が重くなる一方となっています。先ほども伺ったが、この10年、2014年から年間7万円以上、保険料が上がっています。今年度、区はこれまでの激変緩和措置に加えて、東京都への納付金の医療費分の11%を保険料算定額から控除する措置を取りました。そうした中で特別区長会は、昨年11月に厚生労働省に対して国民健康保険制度の見直しに関する提言を提出しています。どういった提言だったのか伺います。 ○宮脇保険医療課長 提言では、負担能力のある被保険者が減り、保険料負担がさらに増えていく状況下では、国の責任において医療保険制度の一本化など抜本的な改革を求めております。また、抜本的改革の実現までの間、現行の国民健康保険制度を維持できるよう、国保財政基盤のさらなる強化や国庫負担割合の引上げ、低所得者層の負担軽減、子育て世帯の経済的負担のさらなる負担軽減などについても求めております。 ○広川委員 提言を行った際に、来年度の保険料について、急激な上昇が見込まれるとして、被保険者負担の抑制のために特別対応を口頭で申し入れたということも聞いています。その上で、区はどのような方針で来年度の保険料を設定していく考えでしょうか。被保険者の負担を鑑みて、据置きを検討すべきではないでしょうか。 ○宮脇保険医療課長 令和6年度の中野区国民健康保険料につきましては、特別区の基準保険料率の議論を踏まえまして、医療分、支援金分、介護分に一般財源を投入し、保険料を設定してまいります。医療の高度化や被保険者の高齢化により、1人当たりの医療費の増加が続く中で、保険料を据え置くことにつきましては後年度に課題を先送りすることにもつながりますので、据え置くことは難しいと考えております。 ○広川委員 先ほど答弁で、来年度の1人当たりの国民健康保険料は年間で19万4,862円との答弁がありました。来年度、1万4,000円という過去最高の値上げになっています。まさに今、物価高騰の影響で生活が追い詰められている方たちにとっては、あまりにも酷ではないでしょうか。今でも高くて払えない国民健康保険料、さらに大幅に引上げとなれば、負担能力の限界を超えて、国保制度を根底から崩しかねない大きな問題だと考えています。会派としては、これまでも社会保険と国民健康保険の被保険者の格差として、国民健康保険にだけ子どもの均等割保険料があることを指摘してきました。全国知事会や市町村長会は、子どもの均等割保険料の軽減対象年齢の拡大及び軽減割合の拡充を求めています。独自に率先して実施している自治体もあります。中野区においても、均等割保険料について、軽減対象の拡大及び軽減割合の拡充を検討すべきではないでしょうか。 ○宮脇保険医療課長 現在、中野区では国の考え方に基づき、子どもに係る国民健康保険料について、未就学児までの均等割保険料を半額にする軽減措置を行っております。軽減対象年齢の拡大及び軽減割合の拡充につきましては、中野区として独自に対応することは制度上困難であるため、国に対し、特別区の独自要望及び今年度特別区長会として行った国民健康保険制度の見直しに関する提言により求めているところでございます。 ○広川委員 提言で根本的な問題が解決していないということが問題です。国民健康保険料と教育費が日本の貧困、格差の固定化を生み出していると指摘する専門家もいます。政府は、異次元の少子化対策というのであれば、即座にこの均等割の制度を廃止すべきと考えます。被保険者の生活実態を鑑みて、法定外繰入れの適切な実施を行うよう求めて、次の質問に移ります。 次に、介護保険について伺います。 来年度から第9期介護保険事業計画が始まります。2024年度から2026年度の3か年計画であり、この中間年度に団塊の世代の全員が75歳以上の後期高齢者となる2025年を迎えます。今後、要介護認定率の高まりや認知症高齢者の一層の増加が見込まれています。第8期では、我が会派が求めてきた介護保険準備基金からの積極的な繰入れを行い、初めて保険料を据え置きました。第9期介護保険事業計画における介護保険料は、第8期と比較してどうなるのでしょうか。 ○古本介護・高齢者支援課長 第9期の介護保険事業計画期間中の介護保険料につきましては、月額6,266円となりまして、第8期と比較をいたしますと、月額で約540円の増加となってございます。 ○広川委員 月額540円の増ということで、年間で6,480円の増となります。保険料の値上げを抑制するためには、どのような努力を行うのでしょうか。 ○古本介護・高齢者支援課長 第9期の介護保険料につきましては、最も下位であります第1段階の保険料率を、これまでの0.30から0.285へ引き下げるとともに、全体を17段階から19段階とし、さらに、介護給付費準備基金を取り崩すことによりまして、被保険者の負担を軽減するという考えでございます。 ○広川委員 介護保険料を引き下げるために、準備基金の取崩額を当初の予定額から引き上げて14億円としたこと、加えて低所得者の保険料を引き下げるために、段階を増やして高所得の保険料率を上げたことは評価するものの、値上げとなることは残念です。第9期介護保険事業計画における介護施設の整備目標はどうなっているでしょうか。 ○古本介護・高齢者支援課長 第9期の介護保険事業計画では、看護小規模多機能型居宅介護を2か所、定期巡回随時対応型訪問介護看護を1か所、認知症高齢者グループホームを2か所、都市型軽費老人ホームを1か所整備するという目標を設定いたしまして、特別養護老人ホームにつきましては、第10期までの間に1か所整備するというふうにしてございます。 ○広川委員 特別養護老人ホームは、この2期の間に1か所ということです。現在、この特別養護老人ホームの待機者数はどうなっているでしょうか。 ○古本介護・高齢者支援課長 令和5年4月1日現在で451人となってございます。 ○広川委員 それに対して1か所というのは低過ぎるのではないでしょうか。どうして整備が進まないのか、要因を伺います。 ○古本介護・高齢者支援課長 特に特別養護老人ホームといった大規模な入所施設を整備するに当たりましては、用地の確保が最も大きな課題であるというふうに考えてございます。 ○広川委員 後期高齢者が増加し、高齢者のみ世帯、単身高齢者が多い中野区の状況を考えると、介護施設を必要とする方はますます増えていきます。特に、特別養護老人ホームと都市型軽費老人ホームの整備目標について引き上げるとともに、その際に公有地の活用も積極的に検討すべきではないでしょうか。 ○古本介護・高齢者支援課長 第9期の計画におきましては、施設のそれぞれの待機者数の推移や需要と供給とのバランスなどを考慮した適切な設定であるというふうに考えてございます。今後の施設の整備や誘導に当たりましては、区内の公有地の活用も積極的に検討していきたいというふうに考えてございます。 ○広川委員 適切な設定といいますが、特別養護老人ホームの待機者は451人、この間、若干減ったとはいえ、供給が足りているわけではありません。第8期は、特別養護老人ホームも都市型軽費老人ホームも、計画に対して実績はゼロでした。積極的に公有地を活用し、遅れている特別養護老人ホームと都市型軽費老人ホームの整備を進めるよう要望します。 次に、訪問介護が危機的な状況になっているということについて伺います。 ホームヘルパーの人手不足が深刻になっています。この原因は、2000年の介護保険創設以来の国の介護給付費抑制策であり、報酬が下がるもとで、ヘルパーの給与は常勤でも全産業平均と月6万円の差となっており、そうした中で倒産が相次いでいます。訪問介護事業所の数は、第7期から第8期の中でどう変わってきたんでしょうか。 ○古本介護・高齢者支援課長 第7期から第8期にかけまして、区内の訪問介護事業所数は約90か所から約80か所へと減少しております。 ○広川委員 第6期の最終年度には95か所あったということで、7年で15か所も減っています。この減少の要因をどう分析しているのでしょうか。 ○古本介護・高齢者支援課長 区内の訪問介護事業所数が減少しておりますのは、ホームヘルパーの不足やヘルパー自身の高齢化といったような要因があるのではないかというふうに考えてございます。 ○広川委員 その背景には賃金の低さがあると思います。さらに、政府が打ち出した来年度以降の介護報酬改定によって、さらに基本報酬を引き下げようとしています。今回の報酬改定は、訪問介護の減少に拍車をかけることになるのではないでしょうか、認識を伺います。 ○古本介護・高齢者支援課長 今回の介護報酬改定におきましては、訪問介護については基本報酬が下がった一方で、処遇改善加算が高く設定をされておりまして、訪問介護に従事する職員の処遇改善を図る目的での改定であるというふうに認識をしております。 ○広川委員 処遇改善加算が高く設定されたといいますが、多くのケースでこの加算後の報酬はマイナスになります。厚生労働省が記者クラブ向けに勉強会をやっているんですけれども、そこで唯一厚生労働省が示す具体例というのは、これまで加算を取得していなかった事業所が新たに取得する場合、11.8%の増収になるというものです。しかし、当該事務所は全体の1割にも達しません。実質のマイナス改定です。先日、直接区内のホームヘルパーさんから話を伺いました。職場のヘルパーの平均年齢は70歳を超えている、近隣の事業所がつぶれてしまうたびにそちらの利用者が流れてくる、何とかぎりぎり回している状況、できれば若い人に入ってもらいたいが、時給1,200円じゃ誰も来ない、この事業所もいつまでもつか心配という切実な声でした。こうした声は届いているのでしょうか。 ○古本介護・高齢者支援課長 区内の介護サービス事業所からは、介護職員のうち、特にケアマネージャーやホームヘルパーが不足している状況であるというふうに聞いてございます。 ○広川委員 聞いているのであれば、区としてどのような対策が求められているのか、認識を伺います。 ○古本介護・高齢者支援課長 区といたしましては、特別区長会を通じまして、介護保険制度を担う人材確保と定着につきまして、抜本的な解決策を講じるよう国へ要望しているところでございます。また、一方で、近年の物価高騰に対しましては、これまで区では令和4年度から令和5年度にかけまして3度にわたる介護サービス事業所への支援を行ってございます。 ○広川委員 物価高騰対策として3度の支援を行ったことは評価しますが、それで賃金が上がるわけではありません。在宅介護の要である訪問介護を存続するための施策の検討を求めます。東京都は新年度予算案で、高齢者介護施設の職員に月額1から2万円の居住支援手当を支給することを発表しましたが、都内全産業平均から比べ、収入が10万円から20万円低い介護職員の生活を守るため、さらなる賃上げが必要です。品川区は来年度予算で、都の手当に上乗せする独自の特別手当を創設するといいます。区としても、介護職員のさらなる賃上げに取り組む考えはあるのでしょうか。 ○古本介護・高齢者支援課長 令和6年度の東京都の予算案には、介護職員への支援を目的といたしまして、月1万円の居住支援特別手当に加えまして、勤続5年目までの職員にはさらに1万円を加算する経費が計上されるというふうに聞いております。今後、介護需要の増加が見込まれる中で、区といたしましても、介護人材の確保や定着を図るための対策は必要であるというふうに考えておりまして、東京都との役割分担も考慮しながら、支援策を検討していきたいというふうに考えてございます。 ○広川委員 対策は必要という認識があるのであれば、区としてできる支援策を打ち出してほしいと思います。高齢化社会の加速に介護人材不足は深刻な問題であり、後手後手の対応では事態は一層深刻化していきます。区民にとって、負担あって給付なしとならないよう、将来を見据えた計画と施策を求め、この項の質問を終わります。 次に、災害対策について伺います。 2024年能登半島地震の発生から1か月半がたちました。今回の地震を教訓として、中野区の災害対策に生かしていかなければなりません。浮き彫りになった課題があれば伺います。 ○杉本防災危機管理課長 令和6年能登半島地震では、連休期間中の防災体制の早期整備やトイレ問題、食料や水等の防災用備蓄物資など、様々な問題が生じたと認識してございます。このため、区におきましては、区の情報連絡体制や協定締結先自治体との連絡体制、災害対策用資機材の見直しを図るとともに、災害対策用備蓄物資の充実についても検討しているところでございます。 ○広川委員 震災から学び、様々な計画や訓練に生かしていってもらいたいと思います。 ここで中野区のことについて聞きます。首都直下地震等による東京の想定被害において、被害が一番大きいとされるケースの中野区内の出火件数と焼失棟数を教えてください。 ○杉本防災危機管理課長 首都直下地震等による東京の被害想定のうち、中野区において被害が最も大きく見込まれる多摩東部直下地震の出火件数は11件、倒壊建物を含む焼失棟数は1,328棟でございます。 ○広川委員 今回の地震で、輪島市の朝市通りで発生した火災、これは1か所から出た火が広がって、200棟以上が焼け、5万平米が焼失、多くの住民が犠牲になりました。こうした延焼が中野区でも危惧されています。2020年に公表された東京消防庁の地域別延焼危険度想定における区内での想定される延焼の状況と延焼危険度はどうなっているでしょうか。 ○杉本防災危機管理課長 東京消防庁が公表しました地域別延焼危険度測定の延焼危険度は、出火から6時間後の延焼面積の平均値を区市町村ごとに求め、ランクで評価したものでございます。中野区の平均延焼面積は2万1,399平方メートルでございまして、危険度ランクは5ということになってございます。 ○広川委員 都内トップクラスの危険度ということです。都市震災軽減工学の専門家、東京大学の目黒教授は、建物が倒壊しなければ大規模延焼の問題は大幅に改善される可能性が高いと述べ、耐震化率向上の重要性を訴えています。そこで、住宅の耐震化について伺ってまいります。まず一昨年に見直された首都直下地震等による東京の被害想定において、区内の建物全壊棟数はどうなっているでしょうか。 ○杉本防災危機管理課長 首都直下地震等による東京の被害想定のうち、中野区において被害が最も大きく見込まれる多摩東部直下地震の区内の建物全壊棟数は1,036棟でございます。 ○広川委員 地域防災計画第43次修正案において、建築物の耐震化及び安全対策の促進における到達目標として、令和8年度、この3年間で木造住宅、非木造住宅、共に100%と位置付けている。達成に向けて、どのような取組を行っていくのでしょうか。 ○石原建築課長 区では、令和8年度末の耐震化率の目標に向けて、耐震診断助成や木造住宅や緊急輸送道路等沿道建築物の耐震補強工事助成や建て替え、除却工事助成を実施しております。また、より耐震化を促進させるため、次年度から非木造住宅耐震改修等事業助成を実施いたします。 ○広川委員 今回の能登半島地震でも古い家屋の倒壊が目立ちました。倒壊した家屋が道路を塞ぎ、救助や避難、復旧を妨げる要因となっています。この地震をきっかけに、様々な自治体が耐震化を進めるため、大幅に助成を拡充するなど方針を打ち出しています。中野区としても思い切った対策を打ち出すべきと考えます。木造住宅耐震補強工事助成の過去3年間の実績を伺います。 ○石原建築課長 令和2年度より実施しています木造住宅耐震補強工事助成の実績は、令和2年度は0棟、令和3年度は1棟、令和4年度は2棟でございます。 ○広川委員 数を聞くと、なかなか進んでいないように思います。その進んでいない要因と、その課題解決については、どう認識しているでしょうか。 ○石原建築課長 木造住宅耐震補強工事助成は、耐震補強と併せて地域の不燃化の促進のため、外壁等の耐火性能の向上を行うことも要件として定めております。しかしながら、耐火性能の向上が所有者の金銭的負担が大きいとの意見もあることは認識しているところでございます。今後、助成制度の検証を行い、こうした実情も踏まえ、助成の在り方について検討してまいりたいと考えてございます。 ○広川委員 耐火性能の向上は本当に大切だと思いますけれども、それがネックになっているのなら見直しが必要だと思います。助成の拡充と要件の緩和が求められています。来年度、非木造住宅の耐震化に踏み出しますが、予算としては320万円で、対象は1件にとどまっています。主な施策として打ち出すには規模が少な過ぎるのではと感じます。いかがでしょうか。 ○石原建築課長 来年度の非木造住宅の耐震改修等助成の予算は、補強設計助成を1件見込んでおります。非木造住宅耐震改修等助成事業は、ある程度規模のある集合住宅の耐震化を主体として想定しており、合意形成や補強設計、補強工事等に時間がかかるものです。来年度は事業の周知、普及啓発を行い、今後の実績につなげていきたいと考えております。 ○広川委員 1件ということですけれども、もし複数の申込みが寄せられた場合はどう対応するのでしょうか。 ○石原建築課長 複数の補強設計助成の申込みがあった場合でも、耐震化促進事業の予算の範囲内で対応できるものと考えてございます。 ○広川委員 複数の申込みでも対応できるということなので、しっかりと周知のほう取り組んでいただきたいと思います。 東京都が2000年までに建築された新耐震基準の木造住宅を対象に、耐震診断及び耐震改修費用等の助成を決めたことにより、23区でもこの制度が広がっています。現在の状況を教えてください。 ○石原建築課長 23区内において、既に助成を実施している区は7区、令和6年度から実施する方針を示しているのは12区、未実施である区は4区でございます。 ○広川委員 東京23区の地震危険度で、安全度トップクラスの千代田区とか中央区とかがやらないのは百歩譲って分かるんですけれども、なぜこの危険度の高い中野区がやらないのかということは率直に感じます。2000年までに建てられた住宅について、日本木造住宅耐震補強事業者協同組合が18年間にわたって全国で耐震診断を行った結果、1万4,000棟余りのうち、およそ86%で耐震性が不足していたということが明らかになりました。しかし、実際に補強工事までつながるケースは30%程度、だからこそ行政による助成制度が求められています。区としても遅れを取ることなく、新耐震基準、2000年までに建築された木造住宅を対象に、耐震診断及び耐震改修費用等助成に踏み出すべきではないでしょうか。 ○石原建築課長 2000年までに建築された新耐震基準の建築物の耐震改修等助成については、都や他区においても耐震診断及び耐震改修等の助成を実施しており、区としても取り組む必要性があると考えていることから、検討を進めてまいります。 ○広川委員 ぜひ検討を早急に進めていただきたいと思います。 次に、空き家について伺います。 老朽化した空き家は、地震のときに揺れによる倒壊の可能性が高くなります。避難や応急救護の妨げになることが危惧されます。空き家の状況の把握をどのように行っているのか、また、区内の空き家の状況について伺います。 ○落合住宅課長 空き家につきましては、平成28年の実態調査以降、関係部署との連携や区民等からの情報提供を基に情報の把握・更新を進めており、専門家と連携して現地調査を行い、管理状況を把握しております。令和6年1月31日時点で区が把握する空き家の総数は594棟となっておりまして、その内訳は、管理状況のよいものから順に、ランクAが126棟、ランクBが199棟、ランクCが209棟、ランクDが60棟となっております。令和5年度に、これまでに把握した空き家の現況調査に集中的に取り組んでいるところでありまして、令和5年3月末時点と比較して、区の把握する空き家の総数が74棟減少いたしました。ランク別に見ますと、相談や苦情の多い雑草や樹木の繁茂・越境があった場合に該当となるランクBはやや増加したものの、適切に管理されている状態のランクAが36棟減少するとともに、建物自体に損傷が見受けられ、管理状況に課題があるランクC・Dのものにつきましても合わせて47棟減少いたしました。管理状態のよい空き家が不動産市場で流通が図られているとともに、建物自体に損傷が見受けられる空き家についても一定程度、除却や建て替えにつながっていると考えております。 ○広川委員 区の空き家に関する対応と取組について伺います。 ○落合住宅課長 区は民間団体と連携し、令和3年度に専門的な内容に相談可能な空き家電話相談窓口を設置し、所有者等の相談体制を整えるとともに、啓発チラシの高齢者会館や地域包括支援センター等での配布、民間事業者や居住支援協議会等と連携したセミナー等の開催などを行っておりまして、空き家の所有者等だけでなく、持家の所有者に対しても、空き家の管理不全の予防や適正管理、持家・空き家の有効活用の啓発を行っているところでございます。また、管理が不十分な空き家につきましては、土地や建物の登記簿等により所有者等を特定し、所有者等に対し、空き家電話相談窓口などへの誘導や情報提供、関係部署と連携して要請等を行うことによりまして、空き家の適正管理への誘導や不動産市場への流通促進を図っているところでございます。建物自体に損傷が見受けられ、管理状況に課題があるランクC・Dの空き家につきましては、建築課などと連携しまして、適正管理や除却等への誘導に向けて、所有者等の相談指導を行っております。 ○広川委員 昨年12月13日の法改正で管理不全空き家という区分が設けられました。管理が不十分な空き家について管理不全空き家に指定して、改善されない場合には空き家の固定資産税を減額する措置を解除するといったものです。空き家の解消に資するものなのか、区の認識を伺います。 ○落合住宅課長 法改正では、適切な管理が行われていないことにより、そのまま放置すれば建築的に危険、または衛生的に有害な空き家等になるおそれのある空き家等について、区が管理不全空き家等として、その所有者等に対して指導を勧告ができる制度が設けられました。勧告された場合には、当該空き家の固定資産税等の減額措置が解除されることとなります。管理不全空き家等としての措置を講ずるには、空き家等の状態だけではなく、周辺への悪影響の程度等の総合的な判断が必要でございまして、一定のプロセスが求められているところでございます。法改正によりまして、空き家等の所有者の責務が強化されたことや、管理指針を踏まえた適切な管理を行わない場合には固定資産税等の減額措置が解除される場合があることなどを併せて周知することによりまして、所有者等の管理意識の向上や空き家の適正管理と活用の啓発・誘導に役立ててまいりたいと考えてございます。 ○広川委員 法改正も踏まえて、管理不全空き家の所有者へのアプローチについて工夫していただくとともに、解体についての支援策の充実が求められております。ぜひ検討いただきたいと思います。 次に、避難所対策についても聞いていきます。 今回の能登半島地震では、いまだに多くの方が避難所に身を寄せています。地震発生当初開設した指定避難所の多くで、地域防災計画に定められた受入れ可能人数を一時超えていた、場所によっては想定の2倍以上の大幅超過となった施設もあると聞きます。首都直下地震等が発生した際、中野区の避難所でも同様のことが起こる可能性はないのでしょうか。 ○杉本防災危機管理課長 中野区地域防災計画では、東京都の被害想定を災害対策の上限として考えず、想定外の事態への備えについても適切な対応を講じることとしております。また、中野区における被害が最も大きく見込まれる地震を想定して避難所の受入れ可能人数を定めておりますが、地震の震源地や規模によって被害状況が変わることから、一時的に避難所の受入れ可能人数を超える場合も起こり得るというふうに考えてございます。このため、余震や火災の発生状況、各避難所施設の安全を確認した後に、定員に余裕のある避難所への避難者の移動等を想定しているところでございます。 ○広川委員 都心特有の特徴として、公共交通機関がストップした際に、徒歩で家を目指す方が多くなる、中野で言いますと中野以西に住む方々が都心で働いているときに、中野を通ってお家に徒歩で目指すというようなことになります。首都直下地震等の大規模災害が発生した場合に、中野区内での帰宅困難者及び屋外での滞留者数の想定はどうなっているでしょうか。 ○杉本防災危機管理課長 中野区における帰宅困難者数の想定人数は5万6,532人、屋外滞留者数は1万5,521人でございます。 ○広川委員 発生の時間にもよりますが、多くの帰宅困難者が生まれるということです。帰宅困難者の受入れは一時滞在施設となりますが、今その収容施設が足りていないことが懸念されています。区の実態はどうでしょうか。 ○杉本防災危機管理課長 帰宅困難者を受け入れる一時滞在施設につきましては、区が協定締結して確保している8施設と都が指定した5施設でございます。現在確保しております一時滞在施設における収容可能人数は約7,800人であることから、さらなる一時滞在施設の確保に努めてまいりたいと考えてございます。 ○広川委員 ぜひ取り組んでいただきたいと思います。中野区災害時帰宅困難者対策行動計画というものがありますが、これは2016年に策定をされました。今回、首都直下地震等による東京の被害想定の見直しもあったことから、今後のこの帰宅困難者のほうの計画の見直しや訓練の実施についても伺います。 ○杉本防災危機管理課長 中野区災害時帰宅困難者対策行動計画につきましては、現在見直しをしているところでございます。また、帰宅困難者対策訓練につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により令和元年以降実施できていないため、早期の訓練実施に向けて、実施方法や内容を検討してまいります。 ○広川委員 今回の地震では、断水や排水管の破裂により広範囲でトイレが使えなくなったことから、避難所でのトイレ不足の問題が発生していました。地震後、区内の方と話す中でも、災害時のトイレについて心配する声が多く寄せられています。避難所におけるトイレ問題は命に関わる緊急の課題だと言われています。不衛生なトイレを使うことで感染症のリスクが高まります。また、被災者が水分摂取を控えようとすることが脱水症やエコノミークラス症候群などを引き起こし、命の危険につながる。避難所におけるトイレの確保は今、十分にできているのでしょうか。 ○杉本防災危機管理課長 避難所におきますトイレ対策といたしましては、各避難所に仮設トイレを5台、簡易トイレを5台、マンホールトイレを4台以上、また、収容者数に合わせた便袋を用意し、活用することとしてございまして、充足しているというふうに考えてございます。しかしながら、今後、避難生活が長期化する場合に備えた対策を検討してまいりたいというふうに考えてございます。 ○広川委員 広域で断水、排水管の破裂が起これば、避難所に避難をしていない近隣の在宅避難の方や、また、帰宅困難者の方も避難所のトイレを利用するということが想像できる、そうしたことは想定されているのでしょうか。 ○杉本防災危機管理課長 在宅避難者や帰宅困難者が避難所トイレを利用することにつきましては想定してございます。このため、避難所運営会議等におきまして、避難所における在宅避難者や帰宅困難者のトイレ対応につきましても認識を共有しているところでございます。 ○広川委員 昨年、防災の日を前に行われた民間会社による防災への意識調査によると、家庭で防災対策をしていないという方が4割を超えました。特に一人暮らしの約7割が対策をしていないと回答しています。なので、トイレの利用で避難所に向かうという方はやはり少なくないと思います。近隣住民や帰宅困難者の利用もあることを考えると、改めて避難所トイレの確保について検証していただきたいと思います。特に、発災後の数日間のトイレ対策としては、携帯トイレは非常に有効と言われています。現在、区内の避難所の備蓄物資となっているのでしょうか。 ○杉本防災危機管理課長 現在、避難所のトイレ対策といたしましては、避難所の収容者の想定人数に合わせて2,000枚から4,000枚程度、各避難所に備蓄をしてございます。一方で、携帯トイレにつきましては備蓄をしていない状況でございます。 ○広川委員 簡易トイレと携帯トイレの違いなんですけれども、簡易トイレというのは一般的に便座がセットになっていて、組み立てて使うようなトイレです。携帯トイレというのは既存の便座にかけて使える袋のこと、携帯トイレは備蓄しやすいし、携帯性に優れています。中野区地域防災計画第43次修正案において、区民等の携帯トイレの準備が示されています。一方、先ほども紹介したように、家庭における防災対策は十分に進んでいないのが実態です。来年度、品川区は、能登半島地震で断水によるトイレ不足問題が起きたことを受けて、1人20個の携帯トイレを配布します。また、港区でも今年度、全区民への配布が行われました。区としても検討すべきではないでしょうか。 ○杉本防災危機管理課長 トイレ問題は、令和6年能登半島地震におきまして大きな課題の一つであったと認識してございまして、携帯トイレの配布につきましては、過去の震災における事例等も参考にしながら検討してまいりたいというふうに考えてございます。 ○広川委員 携帯トイレの配布というのは、トイレ対策のみならず、防災意識の向上に資する取組と考えますので、ぜひ前向きに検討いただければと思います。 今回の地震で、被災地においてトイレトレーラーが全国から駆けつけて活躍していることが話題になっています。保有する自治体が増えれば、その自治体での活用だけでなく、災害が起きた地域に全国各地から駆けつけることでトイレ不足を大きく軽減することができるといった相互支援の役割が期待できます。区としても保有を検討してみてはいかがでしょうか。 ○杉本防災危機管理課長 令和6年能登半島地震における活用事例を参考に、トイレトレーラーの取得や管理場所、活用方法、財源など、総合的に研究してまいりたいというふうに考えてございます。 ○広川委員 ぜひ導入に向けた調査・研究をしていただきたいと思います。 次に、災害時の情報提供について伺います。 これまでの議会質問等で繰り返し、災害時における正確で迅速、地域密着の情報を区民に提供する手段としてコミュニティFMの有効性について取り上げてまいりました。停電が続く被災地ではテレビやスマートフォンが使えず、情報源はラジオのみとなります。そうした場合、当然どれだけ行政がSNSやLINEなどで情報発信をしたところで、必要なところには届きません。また、広域なラジオでは情報も広範囲のものとなり、身近な情報を得ることは難しい。能登半島地震では、石川県志賀町長が1月15日の災害対策本部員会議で臨時災害FMの開局を求めるなど、ラジオによるきめ細かい情報提供の必要性が改めて浮き彫りになりました。災害時の避難中における一番の課題は何だとお考えでしょうか。 ○杉本防災危機管理課長 在宅避難における課題といたしましては、在宅避難されている世帯数や人数、被害状況や支援要望などについて把握が困難であること、また、在宅避難者にとっては生活支援等に関する情報が届きにくいことなどと認識してございます。このため、避難所運営会議等におきまして、地域内における在宅避難の情報収集や、避難所で実施される支援情報等の避難所外への広報・周知について課題を共有しているところでございます。 ○広川委員 様々な課題がありますが、やはり情報収集というものが本当に重要になってきます。総務省のほうもラジオを重要視しています。コミュニティFMについては、中野ならではの魅力を発信するラジオとして、シティプロモーションやにぎわいの創出という面でも期待できると思います。中野区には、ゆかりのある著名人、文化人、タレントが多数おり、サブカルの聖地、多文化共生、個性のある商店やイベントのあるまちでもあり、そうしたポテンシャルを生かすことができると考えます。区民に親しまれるラジオとなれば、いざというときに真っ先に選ぶ情報源となります。改めて中野区において、平時は中野の魅力を発信し、区民に親しまれるラジオとして、そして災害発生時には、行政の災害時防災ラジオへと切り替えることができるコミュニティFMの導入、早急に検討すべきではないでしょうか。 ○高村シティプロモーション担当課長 コミュニティFMだからこそ発信できるインフォメーションやリスナーに訴求する情報があると認識しておりまして、区民などの文化活動の発信とも親和性が高いものと考えてございます。また、災害時には、リアルタイムできめ細かく情報を発信できる点は有効であると認識しております。一方で、コミュニティFMの設置につきましては、場所や資金をはじめ、多くの課題があるため、様々に可能性を探りながら検討してまいります。 ○広川委員 ぜひ可能性を探っていってもらいたいと思います。 改めて、いつ起こるとも分からない地震への備えに当たって、過去の様々な災害での課題を教訓として最大限生かしていくことを求め、私の全ての質問を終わります。ありがとうございました。 ○杉山委員長 以上で広川まさのり委員の質疑を終了します。 次に、大沢ひろゆき委員、質疑をどうぞ。 ○大沢委員 都民ファーストの会中野区議団の立場から予算特別委員会総括質疑を行わせていただきます。区民の皆様に寄り添った誠実な御答弁をお願いします。 まず冒頭、能登半島地震で亡くなられた皆様に哀悼の意を表するとともに、被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。私自身、妻の実家が熊本の地震で被災した経験があり、とても他人事とは思えません。これからの復興に寄り添ってまいりたいと思います。本日も思いを込めまして、石川県産の能登半島柄のネクタイを締めて登壇させていただきます。 私にとって初めての予算特別委員会総括質疑となります。36年間の民間でのサラリーマン生活での経験を踏まえ、予算管理手法の改善に向けた提案もさせていただきますので、補正予算を含め、今後の予算策定、決算分析の際に取り入れていただければとも思っております。 質問は通告どおりですが、その他として、中野通りの桜関連のイベントであり、今年初めて行うこととなるライトアップ及び34回目を迎える桜まつりと中野サンプラザの最後のイベントとなるプロジェクションマッピングとのプロモーション連携について、そして2点目として物価高騰に伴う子ども食堂運営助成について、そしてベビーシッター利用支援事業について、以上3点を追加で質問させていただきます。途中でボードを掲げさせていただきます。こちら、あらかじめ委員長に御了解を頂いております。ここまでの他の委員の質問と数項目、重複がありますが、改めて確認させていただくということで御容赦いただければと思います。 それでは、質疑に入らせていただきます。 まず、令和6年度予算案一般会計について伺います。2,004億3,700万円と前年比2.5%、48億700万円の増、過去最大規模となっています。その内容を見ると、我が会派、都民ファーストの会がかねてより要望しているデジタル地域通貨事業の開始など産業振興分野、AI、人工知能ですね――教材の全区立小・中学校への導入、ベビーシッター利用支援事業の拡充、医療的ケア児関連施策の大幅な拡充などをはじめとし、基本構想を具現化するための取組が多数盛り込まれていることを確認し、この点について評価をいたします。 その上で、3点指摘をさせていただきたいと思っています。まず1点目は、東京都の予算項目案をしっかりと注視をして、中野区民のためによい施策については補正予算編成を含め、速やかに採用いただきたいということでございます。2点目は、私が毎定例会、さらに決算特別委員会総括質疑の都度申し上げている予算精度、そして執行率の問題、予算精度を向上し、区民にとって必要な施策を一つでも多く盛り込んでほしいということ、本日の質疑の中でも、急ぎ盛り込むべき施策や予算超過が想定されるが、それを理由に止めてはならない施策などについても示してまいります。そして3点目は、防災対策に他区と比較しての遅れがないかを再確認いただき、遅れを取っているものは補正予算での対応を含めて、速やかに対応いただきたいという点でございます。 まず1点目、東京都の予算項目をしっかり注視し、区民によい施策は漏れなく実施していただきたいという点についてお話をさせていただきます。 予算特別委員会資料、総務90番ですね、こちらに「新規に都支出金を使用する事業名と金額一覧」、こちらに示されているように今回多数を政策に取り入れていただいた、このことについては評価をいたします。一方、一般質問において、我が会派、都民ファーストの会中野区議団の内野議員から指摘があったスクールロイヤーやスクールソーシャルワーカーの活用、黒沢議員から指摘があった就活支援総合窓口事業、インクルーシブ教育支援員配置支援に加え、認知症高齢者支援ネットワーク事業、発達検査体制充実支援事業、そして、私の提案によって東京都予算案に最終的に採用されたTokyo Tokyo Pointという東京都の地域デジタル通貨とのタイアップによる、とうきょう健康応援事業など、都民ファーストの会都議団との連携から多くが生まれたこれらの施策についても、区での活用に向けて検討を進め、必要なものは速やかに補正予算を含めて対応をお願いしたいと考えております。さらに、都民ファーストの会の都議団と中野区議団との連携により、全国に先駆け、ケアマネージャーも対象となった介護職員・介護支援専門員居住支援特別手当事業やフリースクール等の利用者等支援事業については、区内対象者への浸透や、加えて区としての独自の取組支援策などもお願いできればと思います。 まずは、これら東京都の政策との連携をさらに進めることについて、区の見解を頂ければと思います。 ○森企画課長 今委員お話のありました東京都の来年度の予算案に計上された事業ですとか、それに係る区独自の取組、これらにつきましては、区の状況を踏まえて検討いたしまして、必要と判断した事業がありましたら、それについては実施に向けて必要な対応を取ってまいりたいと考えております。 ○大沢委員 どうもありがとうございます。 続きまして、2点目として、私が議員になって以来、毎定例会、そして決算特別委員会総括質疑の都度申し上げている予算精度向上、そして執行率向上に関する問題です。 令和4年度決算において、一般会計の歳出の執行率が92.7%にとどまり、一つの小規模自治体の年間予算に匹敵する115億円もの不用額が生じました。令和4年度の補正予算は、最終令和5年2月に補正されており、それから僅か1.5か月の間に115億円の予実差が生じたということになります。昨年8月29日に酒井区長から発出された令和6年度中野区予算編成方針においても、毎年度経常的に実施している事業についても、エビデンスを基にした分析により適切な需要推計を行い、適切な予算規模とし、決算時の見込差残額、これは不用額のことを指すと推定いたしますけれども、こちらの縮減に努めると明記されています。重ねて指摘していますが、民間企業での36年間の経験上、予算精度が悪いことを容認することは予算を多めに取る傾向、執行率の向上のための努力を怠る傾向を生み、最終的には組織風土の緩みにつながると考えています。このことにつき、決算特別委員会総括質疑の場においても指摘をし、これに対して、令和6年度予算においては不用額となった要因を分析するなど予算積算の精度向上を目指すとともに、事業の選択と集中を図りながら、区民ニーズに適切に応えることのできる区政運営を行っていきたいと考えてございますというお答えを頂いております。 そこで伺います。過去の決算において不用額となった要因の分析をされたかと思いますが、その分析結果の説明をお願いします。 ○竹内財政課長 令和4年度決算において不用額となった金額が大きかったものは、臨時的経費につきましては新型コロナの予防対策16億8,000万円や価格高騰緊急支援給付金約5億円などが挙げられるものでございます。また、経常的経費におきましては、生活保護事業約5億5,000万円や私立施設給付約3億2,000万円などが挙げられるものでございます。要因としましては、見込み差や事業進捗による不用額が多く発生したものと分析してございます。 ○大沢委員 中野区において、この不用額となった今要因分析を頂いたかと思うんですけど、その結果を受けて、従来と比較して予算積算の精度の向上をどのようにして行ったのか、そして、その結果が幾らぐらいの精度向上、そして財源確保につながったのか、ここを教えてください。 ○竹内財政課長 予算の精度向上につなげるため、決算の執行状況を踏まえ、客観的な論拠を見出し、庁内調整を踏まえ、エビデンスベースでの計画策定を徹底いたしました。令和6年度予算編成の過程において、事業見直しなどにより削減できた額は約4億3,000万円でございます。 ○大沢委員 確かに、今回資料要求の中にあります総務の39番、「次年度予算における経常経費削減に係る主な項目」、これに総務26番、「新規拡充等事業における一般財源額とそれに伴う事業の見直し、財政効果」、これの中の「主な統合・見直し・廃止項目」、これを加算すると4.3億円程度が経常経費削減額ということで、お答えいただいたということでございます。しかし、不用額は経常経費のみでなく、臨時的経費も含まれるので、平等なというか、アップルトゥアップルの比較にはなっていない、このように考えますけれども、この115億円、不用額を計上している中で、4億3,000万円が削減額であるというのは、あまりに桁が違う話ではないかなというふうに思うんですが、その結果として、不用額が今後は生じないような精度の高い予算に今年度、令和6年度についてはなったというふうにお考えになっているでしょうか。 ○竹内財政課長 115億円の不用額に対しまして、削減額が約4億3,000万円につきましては、削減割合は3.7%にとどまっているものと考えております。しかしながら、経常的な事業等につきましては、物価高騰を踏まえつつも予算フレームは据え置き、各部が工夫して経年の不用額を考慮し、削減することで精度が高まっていると考えてございます。今後も、過去の決算の状況や行政評価結果等を十分に踏まえ、関連する既存事業等の廃止、統合・縮小についても検討や進捗状況を踏まえた予算編成を徹底していきたいと考えてございます。 ○大沢委員 すみません、もう一度教えていただきたいんですけれども、不用額の削減に関して十分に取り組まれた結果であるというふうに考えているかということを質問しています。 ○竹内財政課長 こちらのほうは、削減割合のほうは低いですけれども、全庁で工夫して不用額を考慮して削減をしていっていると、削減を進めていると考えてございます。 ○大沢委員 削減余地はもうないぐらい、ちゃんとやりましたという、そういう自信がありますか。4.3億円という数字を非常に気にしています。 ○竹内財政課長 115億円不用額というのは令和4年度決算の数字でございまして、この4.3億円というのは令和6年度予算の数字なので、決して同じ状況ではないと思っていますけれども、これからも不断の努力というのは続けていきたいと思っています。 ○大沢委員 分かりました、ありがとうございます。例えば東京都の予算を例に取ると、マイナスシーリングという考え方が東京都の予算では導入されています。実績が目標を大きく下回るものなど、さらなる見直しが必要な予算を原則として総額でまず10%削減をして要求する仕組み、そういう取組を進めています。平成29年度以降の8年間の数字を見てみると約8,100億円、令和6年度で1,266円億円の既存事業からの財源確保ということを行っているということでございます。 中野区においても、このような考え方を導入したり、費用計上ルールを精査する、例えば経常費用についてはマイナスシーリング的な考え方を導入する、給付金等臨時的な費用、こちらに関しては、例えば対象者の人数分の費用を一旦計上する必要があるんだったらするんだけれども、期間終了後には速やかに補正予算で減額をするなどなど、費用の性質ごとに計上ルールを定めていく、これを行う必要があると考えています。そうしないと、どこまでいっても、1.5か月で7.3%、115億円の費用見積りを見誤るという、この状況が継続してしまい、執行率の向上のための努力を怠ってしまうような組織風土につながるというふうに私は考えています。 ちなみに、東京都がどうなっているかをちょっと試算してみたんですけど、同じ令和4年度の歳出の執行率は、最終補正予算ですね、やはり2月にやっているんですけど、そこと比較すると96.5%と、中野区の92.7%と比較しても相当に高いレベルでの執行率になっている、これを確認しました。中野区においても、このように執行率が高い予算を組んでいただけるよう、今後の予算、補正予算の際に取り組んでいただきたいのですが、いかがでしょうか。 ○竹内財政課長 限られた財源を優先的に配分するため、事業執行経費を精査することは必要だと認識してございます。東京都など、ほかの自治体の事例も参考にしながら、真に必要な予算の積算に努めていきたいと考えてございます。 ○大沢委員 続きまして、令和4年度決算特別委員会総括質疑の際にちょっとお約束したんですけれども、予算額と執行額との間で大きな乖離があって、不用額が年間5億円を上回っている事業ですね、こちらについて、どのように予算策定の精度の向上を行ったのか、今、区全体のことを先ほど財政課長から伺いましたけれども、今度は各款ですね、各部のほうでどのように取り組んできたかを教えていただきたいと思います。 先ほどの答弁にありました4.3億円の根拠になっている資料は、次年度の予算における経常経費の削減、これを中心としておりますので、不用額とアップルトゥアップルの比較ではないんですけれども、今のこの中野区において、後ほどこれ自体も少し問題かなと思っているんですけど、削減額を可視化した資料というのが実はこちらであるということであったので、こちらを引用するしかないので、各款での削減額としてこの数字を引用させていただきます。 まず総務費なんですが、令和4年度の執行率が89.2%の不用額約20億円ということに関して、経常経費の削減額というのが1,700万円程度というふうになっております。これで十分な予算精度向上となったという評価をされていますでしょうか、お聞かせください。 ○浅川総務課長 総務費でございますが、令和4年度決算における不用額のうち、多くは総務関係人件費等における給料・職員手当等残、並びに住民税非課税世帯等給付金事業及び価格高騰緊急支援給付金事業の残でございました。これらは即時に支払うことが求められ、かつ予算額の不足を理由に支払いができないということが許されない性格を持つというものでございまして、この旨は昨年の決算特別委員会総括質疑で御説明したところでございます。一方、令和6年度予算案の作成に当たって、見直しが可能な経費につきましては、実績を基にした経費の精査や執行方法の見直し等を行いまして、全体として予算の削減を図ったところでございます。引き続き、様々な角度から予算に対する検討を行いまして、毎年度、より精度の高い予算となるよう努めてまいりたいと思ってございます。 ○大沢委員 実際に、この1,700万円程度の今回削減というふうに数字としては見えているんですけれども、この数字自体はしっかりとその削減を、予算精度を上げた結果だというふうに評価されていますか。それとも、まだ余地はあるというふうに思われていますか。答えにくいかもしれないですけれども、ごめんなさい、思われていますか。 ○浅川総務課長 予算の精度を高めるために十分精査を行ったものと思ってございます。 ○大沢委員 続きまして、区民費について教えてください。区民費は令和4年度の執行率が90.5%、不用額は約11億円でした。こちらに関しては、先ほどの尺度で言う経常経費削減額は450万円と、このような数字となっています。これで十分な予算精度向上となったと評価しているかどうか、お聞かせください。 ○小堺区民サービス課長 区民費につきましては、新区役所開所による経費の増加に伴い、区民費は前年度と比較して14億9,000万円余の増額となってございます。しかしながら、予算積算におきましては、事業の組み直し、一部見直しによる集約化を図った上、経常経費においては実績不用額を勘案し、主たる対象項目以外も含めて1億4,000万円余の削減に努め、適正な予算編成に努めたところでございます。毎年度、事業執行体制や経費の精査を行うことで、精度の高い予算編成に努めてまいりたいと考えております。 ○大沢委員 すみません、今の答弁の中で1億4,000万円という数字が――の削減を経常経費でしましたというふうにあったんですが、資料上450万円しか出てきていないんですけど、これは何か理由がありますか。 ○小堺区民サービス課長 委員御案内の予特総務39につきましては、こちら経常経費のうちB経費というものが対象になっておりまして、今私が御説明したものにつきましては、その予特総務資料39で対象にしております経費以外の実際に削減した経費というところの、義務的経費のA経費も入っております。そのAとBを足し合わせた数字というふうな認識でございます。 ○大沢委員 今回いろいろ皆さんのお話を伺うに当たって、恐らく削減に関する開示というか、そこが非常に不十分なのかなという気が今のお話を聞いていて、さらにしてまいりましたので、要はここに出てこないような削減というのも実はありますということでよろしいんでしょうか。 ○小堺区民サービス課長 委員おっしゃるとおり、資料には表現されていない数字もございます。 ○大沢委員 同じ経常経費という言葉の中でも、この経常経費削減の中には出てこない項目がある、この理解で正しいですか。 ○小堺区民サービス課長 経常経費という中の内訳の部類の中に幾つか種類がございます。 ○大沢委員 同じく、今度は健康福祉費に関して伺います。令和4年度の執行率が健康福祉費については91.6%、不用額が32億円、こちらに対して経常経費の削減額が900万円程度ということになっておりますけれども、これで十分な予算精度向上となったと評価をされているかどうかをお聞かせください。 ○中谷福祉推進課長 令和6年度予算の健康福祉費の編成に当たりましては、令和4年度決算の執行率や不用額も勘案し、十分な精査を行ってきたというふうに考えてございます。具体的には、令和4年度決算の健康福祉費の不用額のうち、主なものは生活保護の各種扶助費や住居確保給付金、新型コロナウイルスのワクチン接種体制確保事業費の執行残などでありましたが、これらの経費などの見込みを精査した結果、前年度と比較して、健康福祉費の予算は約27億4,000万円余の減額となっているところでございます。 なお、先ほど御指摘のあった総務39の資料、「次年度予算における経常経費削減に係る主な項目」に記載された主な削減項目は、経常経費のうち義務的経費を除くものであったために、健康福祉費の削減額は約900万円となってございますが、健康福祉費につきましては、義務的経費である生活保護費の精査により約2億4,000万円余、住居確保給付金の精査で約2億円余、臨時的経費である新型コロナワクチン接種に係る経費の精査により約25億円を削減しておりまして、予算の精度を高めるとともに、予算額の大幅な削減を実現しているところでございます。今後も予算積算の精度を高めることにより、決算における執行率を高め、不用額を減らすようにしていきたいと考えてございます。 ○大沢委員 かなり努力をされて予算精度を向上させましたという、そういう理解でよろしいですね。分かりました。 続きまして、そうしましたら都市基盤費についても教えてください。こちらは令和4年度の執行率が91.7%、不用額6.3億円という数字になっています。こちらは経常経費削減額を確認しましたら4,000万円という数字になっています。これで十分に予算精度を向上して予算に計上したというふうに評価されているかどうかをお聞かせください。 ○塚本都市計画課長 都市基盤費の経常経費削減額、こちらにつきましては、それぞれの事業の必要性、効果、そういった様々な角度から検証及び精査した結果でございます。その上で適切なものであるというふうに考えてございます。また、経常経費以外の、いわゆる政策的経費、臨時的経費、それらにおきましても、決算時において不用額となった要因、それらを踏まえながら事業の内容や実施方法などを見直すなど、精度の高い予算積算を行ってございます。適切な事業執行と併せまして、執行率の向上を図ってまいりたいと考えてございます。 ○大沢委員 分かりました。十分な精度向上をしたという意味合いで受け止めましたので、承知いたしました。 続きまして、まちづくり推進費に関して、同じく令和4年度は執行率86.4%、不用額6.8億円となっています。こちらは経常経費の削減額が70万円ということになっておりますけれども、これで十分な予算精度向上のための取組をしたというふうに評価しているでしょうか、お聞かせください。 ○安田まちづくり計画課長 まちづくり推進部では、不用額が多い主な項目は、東京都が進める西武新宿線連続立体交差事業の区負担金1.7億円余のほか、区画街路第4号線や木造住宅密集地域の事業における道路用地買収等、これに伴う測量費や整備費などでございました。連立事業に伴う負担金は、事業主体である東京都の工事出来高に対応する区負担額であり、実際の工事実績や予算編成時に東京都から示された額より低かったことによるものでございます。また、用地取得に関しましては、権利者等、相手方との交渉による影響が大きいという要因でございます。工事主体や用地折衝等の相手方の事情など様々な要因がございますが、予算編成時に執行状況を精査し、丁寧な予算編成に心がけているものでございます。今後とも精査に努めていきます。 ○大沢委員 ただ、経常経費削減額が70万円という数字なんですけど、これについて十分に精度を高く評価されたというふうにお考えでしょうか。 ○安田まちづくり計画課長 予算精査は十分丁寧に心がけてございます。 ○大沢委員 分かりました。これで精度的に非常に自信があるということで受け止めましたので、今後、各部が次、また決算・予算、続いていきますから、その中でどのような形になっていくかを見ていきたいと思っております。 今後、さらに予算の精度を上げて、同じ額の予算でも区民にとって必要な施策を一つでも多く盛り込めるように、ワイズスペンディングを綱領に掲げる我が会派、都民ファーストの会としては本当に強く要望いたします。 本日のやり取りで皆様にもお分かりいただけたと思うんですが、今回質疑を行う中で、財務とその業務を執行している各課との間で、共通の尺度に基づく相互理解がちょっと不足しているんじゃないかなと私は感じました。先ほど皆さんから、これは総務とか財務に聞いたほうがいいんじゃないのというような声も聞こえてきたと思うんですが、一つの提案なんですが、例えば財政課長にお願いしたいのは、令和5年度決算においては不用額の分析をちゃんと行うときに、臨時的経費、経常経費、経常経費の中にどうやら、今回お話を伺いますと、さらに区分があるということのようでございますので、そうであれば、その適切な費用区分ごとの不用額の発生額を明確化した上で、その発生要因を各部では項目ごとに分析をする。財政課は予算策定に当たってはガイドラインを費用区分ごとにちゃんと示して、それを受けた各部がそのガイドラインに沿った改善内容を費用区分ごとに示す。このように分かりやすく課題と効果を可視化できるように取り組んでいただけるということを強く要望したいと思いますが、いかがでしょうか。 ○竹内財政課長 様々な指摘を頂きましたので、今後研究してまいりたいと考えてございます。 ○大沢委員 分かりました。 それでは、3点目に移らせていただきます。 3点目は、防災対策に他区と比較しての遅れがないかを再確認いただきたいという点でございます。首都圏直下型地震がいつ起きてもおかしくないということは常識的なことかと思います。その中で、中野区は木造住宅密集地域が多くというのは、他の委員の質疑の中でも先ほど出てきたところでございます。狭隘道路も多いので、火災発生時の危険が高いということは共通の認識であるかと思います。しかし、こちらも他の委員から出ているんですけど、最後、おさらいで、見やすくというところでボードを準備したんですけれども、東京都の12区が新たに東京都の補助を受けて、来年度から平成12年、2000年までの新耐震基準で建てられた木造住宅につき、耐震診断や改修費用を助成すること、こちらには隣接する練馬区、板橋区、豊島区、この辺りが今回含まれているというところでございます。こちらに従来から助成を行っている七つの区、これは青い区ですね、隣接する杉並区や新宿区が含まれます。このような形になります。それで、助成を行わないのは中野区と、あとはこちらの都心部にある千代田区、中央区、江東区というふうなところで、ちょっと事情が違うような、恐らく耐震性に関しても、建物の燃焼、火災に対する危険度に関しても、ちょっと違うようなエリアが三つ残っているだけで、中野区だけが何か陸の孤島みたいになってしまっているなというふうに感じております。 そこで伺いたいのですが、中野区が今回の予算で取り組まないというふうに判断した、そのような理由を教えていただけますでしょうか。 ○石原建築課長 区は令和8年度末の耐震化率の目標に向けて、まずは旧耐震基準の耐震性が不十分な住宅の耐震化の促進に取り組む必要性があると考えており、現在行っております耐震改修促進事業の拡充を優先的に行ったためでございます。 ○大沢委員 旧耐震基準の住宅について取り組んでいるというのはよく分かるんですけど、それも中野区だけではなくて、他区も同様であろうというふうに思います。先ほど他の委員からの質問に対して、区長から、必要に応じて防災関連については補正予算編成も含めて検討するという、そのような答弁もあったかと思います。本件、このような状況であれば、速やかに補正予算編成による対応が必要な状況なのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。 ○石原建築課長 都や他区の取組状況からも、区としても取り組む必要があると考えており、今後、実施時期や予算対応等を含め、検討を進めてまいります。 ○大沢委員 耐震化関連の対策として、本件のように他区に比べて遅れがある施策というのは、ほかにはないでしょうか。 ○石原建築課長 耐震化関連で他区と比べて実施していない施策は、現在ほかにはございません。 ○大沢委員 ありがとうございます。首都圏直下型地震がいつやってくるか分からない、このような状況の中、今回耐震化の関連のお話をしましたが、それだけではなくて、防災関連全般で、ほかに他区と比べて本件のような遅れがある項目はないのかについても、各所管において精査の上、必要な対応をお願いしたいというふうに強く要望いたします。 これは防災関連ではないんですけど、昨年8月29日付の朝日新聞では、障害がある子どもへの原則8時間の保育制限が要綱に記載されている23区内で三つしかない自治体として中野区が報道された、こんな事例もありました。こちらについては確認したところ、今年度しっかり対応して予算に計上されているので、これは非常によかったなと思っています。二度あることは三度あるという格言もありますけれども、このような後手の対応は決して繰り返さないように、むしろ新型コロナワクチンの接種券を都内全自治体で最も速く区民に送り届けたというようなことで、再度注目される自治体となれるように、他の部署の皆様も、他区、そして東京都の動向をもしっかりと把握しながら、施策を展開することを強く要望いたします。 ○杉山委員長 大沢委員の質疑の途中ですが、間もなく5時になりますので、今後の運営について協議するため、理事会を開催します。 委員会を暫時休憩します。 午後4時55分休憩
午後5時00分開議 ○杉山委員長 委員会を再開します。 ただいまの理事会の報告をします。 大沢委員の質疑の途中ですが、本日は終了し、次回、大沢委員から始めることを確認しました。 以上が理事会の報告ですが、質疑はございませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○杉山委員長 なければ、ただいまの報告のとおり委員会を運営することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○杉山委員長 御異議ありませんので、そのように決定し、本日の総括質疑を終了します。 次回の委員会は、2月26日(月曜日)午前10時から当委員会室で開会することを口頭をもって通告します。 以上で本日の予算特別委員会を散会します。 午後5時00分散会 |