令和6年02月28日中野区議会予算特別委員会
令和6年02月28日中野区議会予算特別委員会の会議録
25.02.21 中野区議会予算特別委員会(第1日)

.令和6年(2024年)2月28日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。

.出席委員(40名)

  1番  山  内  あきひろ        2番  武  井  まさき

  3番  斉  藤  けいた         4番  井  関  源  二

  5番  黒  沢  ゆ  か        6番  大  沢  ひろゆき

  7番  武  田  やよい         8番  いのつめ  正  太

  9番  間     ひとみ        10番  市  川  しんたろう

 11番  加  藤  たくま        12番  日  野  たかし

 13番  木  村  広  一       14番  吉  田  康一郎

 15番  立  石  り  お       16番  内  野  大三郎

 18番  河  合  り  な       19番  細  野  かよこ

 20番  斉  藤  ゆ  り       21番  高  橋  かずちか

 22番  大  内  しんご        23番  甲  田  ゆり子

 24番  小  林  ぜんいち       25番  白  井  ひでふみ

 26番  小宮山   たかし        27番  羽  鳥  だいすけ

 28番  い  さ  哲  郎       29番  杉  山    司

 30番  ひやま      隆       31番  山  本  たかし

 32番  伊  藤  正  信       33番  高  橋  ちあき

 34番  平  山  英  明       35番  南     かつひこ

 36番  久  保  り  か       37番  石  坂  わたる

 38番  むとう   有  子       39番  浦  野  さとみ

 41番  森     たかゆき       42番  酒  井  たくや

.欠席議員(2名)

 17番  広  川  まさのり       40番  中  村  延  子

.出席説明員

 中野区長    酒井 直人

 副区長     青山 敬一郎

 副区長     栗田 泰正

 教育長     入野 貴美子

 企画部長    岩浅 英樹

 企画課長(企画部参事事務取扱)     森 克久

 ユニバーサルデザイン推進担当課長    国分 雄樹

 資産管理活用課長瀬谷 泰祐

 財政課長    竹内 賢三

 広聴・広報課長、秘書担当課長      矢澤 岳

 総務部長    濵口 求

 防災危機管理担当部長、防災危機管理課長事務取扱 杉本 兼太郎

 DX推進室長  滝瀬 裕之

 総務課長    浅川 靖

 職員課長    吉沢 健一

 施設課長    大須賀 亮

 契約課長    原 太洋

 防災担当課長  福嶋 和明

 情報システム課長伊東 知秀

 新区役所整備課長中村 洋

 区民部長、新区役所窓口サービス担当部長 高橋 昭彦

 文化・産業振興担当部長、シティプロモーション担当課長事務取扱 高村 和哉

 区民サービス課長、新区役所窓口サービス担当課長 小堺 充

 戸籍住民課長、マイナンバーカード活用推進担当課長 白井 亮

 保険医療課長  宮脇 正治

 産業振興課長  松丸 晃大

 文化振興・多文化共生推進課長      冨士縄 篤

 子ども教育部長、教育委員会事務局次長  石崎 公一

 子ども家庭支援担当部長、子ども・若者支援センター所長、

 教育委員会事務局参事(子ども家庭支援担当) 小田 史子

 子ども政策担当課長           青木 大

 保育園・幼稚園課長           半田 浩之

 子育て支援課長 原 拓也

 育成活動推進課長細野 修一

 子ども・若者相談課長          菅野 多身子

 児童相談所副所長、児童相談所一時保護所長 神谷 万美

 指導室長    齊藤 光司

 学務課長    佐藤 貴之

 地域支えあい推進部長、地域包括ケア推進担当部長 石井 大輔

 地域活動推進課長、すこやか福祉センター調整担当課長 高橋 英昭

 区民活動推進担当課長          池内 明日香

 中部すこやか福祉センター担当課長、中部すこやか福祉センター所長 鈴木 宣広

 健康福祉部長、保健所次長        鳥井 文哉

 保健所長、地域医療連携担当課長事務取扱 佐藤 壽志子

 スポーツ振興課長鈴木 康平

 障害福祉サービス担当課長        大場 大輔

 生活保護担当課長只野 孝子

 生活衛生課長  秦 友洋

 環境部長    松前 友香子

 都市基盤部長  豊川 士朗

 道路管理課長、道路建設課長       髙田 班

 まちづくり推進部長           角 秀行

 中野駅周辺まちづくり担当部長      千田 真史

 中野駅周辺まちづくり課長、中野駅新北口駅前エリア担当課長 小幡 一隆

.本会の書記は下記のとおりである。

 事務局長     堀越 恵美子

 事務局次長    林 健

 議事調査担当係長 鈴木 均

 書  記     立川 衛

 書  記     若見 元彦

 書  記     鎌形 聡美

 書  記     髙田 英明

 書  記     田村 優

 書  記     細井 翔太

 書  記     早尾 尚也

 書  記     堀井 翔平

 書  記     金木 崇太

 書  記     髙橋 万里

 書  記     川辺 翔斗

.委員長署名

 


午前10時00分開議

○杉山委員長 定足数に達しましたので、ただいまから予算特別委員会を開会します。

 第6号議案から第10号議案までの計5件を一括して議題に供します。

 前回、2月27日(火曜日)の理事会の報告をします。

 初めに、本日の委員会運営についてですが、総括質疑4日目は、1番目に河合りな委員、2番目に高橋かずちか委員、3番目に高橋ちあき委員、4番目にむとう有子委員、5番目に石坂わたる委員、6番目に小宮山たかし委員、7番目に吉田康一郎委員、8番目に立石りお委員、9番目に斉藤けいた委員、10番目に井関源二委員の順で10名の総括質疑を行うことを確認しました。

 また、本日は総括質疑最終日でもあり、午後5時を過ぎる場合でも質疑を続行し、委員長判断で適宜休憩を入れることを確認しました。

 以上が理事会の報告ですが、質疑はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○杉山委員長 なければ、ただいまの報告のとおり委員会を運営することに御異議ございませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○杉山委員長 御異議ありませんので、そのように運営します。

 ただいまから総括質疑を行いますが、答弁される理事者は答弁前に大きな声で職名を述べるようお願いします。

 それでは、質疑に入ります。

 河合りな委員、引き続き質疑をどうぞ。

○河合委員 おはようございます。昨日に引き続きまして、2番、避難をためらわせない避難所運営についてお話しさせていただきます。昨日は、避難所において7日間命を救うことが喫緊の課題という中でも、被災時に避難所をしっかりと備えておくことで、危険な家にとどまる方や災害関連死を防ぐ仕組みをつくったほうがいいのではないかという御提案をさせていただきました。それでは、今日はその続きをさせていただきます。

 今定例会での会派の細野議員の一般質問、「災害対応力を強化する女性の視点~男女共同参画の視点からの防災・復興ガイドライン~」の質疑にて、ガイドラインをマニュアルに盛り込むと。また、間議員の乳幼児を守る取組についての質疑については、意識共有と先進事例の情報収集に努め、避難所運営に反映をすると答弁がございました。このガイドラインには、授乳アセスメントシートとともに、災害時には、より一層母親の意思を尊重し、不安や悩みを吐き出しやすい環境をつくっていくことで母親の回復につながり、最も脆弱である乳児の支援につなげていくことが重要と記載されております。

 液体ミルクや備蓄のミルクがあることから勘違いされがちですが、母乳中の免疫物質は、災害時、医療体制が脆弱になって、すぐに病院に行けない可能性も高くなる場合や、避難所等で密になることで心配になる感染症から赤ちゃんを守ってくれるものとなるため、災害時の乳幼児栄養の国際的なガイドラインであるОG-IFEで、母乳はあげたいと思っている方が母乳育児を続けられるように支援することが重視されております。また、母乳の方は備蓄ミルクを消費しないために、より必要な方に行き渡るようになります。このガイドラインの授乳アセスメントシートやパンフレットなどの活用を御検討いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○杉本防災危機管理課長 避難所におきます乳児と母親に対するケアの充実に向けまして、内閣府男女共同参画局が発行しております「災害対応力を強化する女性の視点」で示されております授乳アセスメントシートや、「災害時の赤ちゃんの栄養」などのリーフレットを各避難所へ配備することについて、検討してまいりたいと考えてございます。

○河合委員 ありがとうございます。実際に避難所運営をする方って一般の方々が多い中で、こういう知識を事前に備えておくことも重要なんですけれども、実際に活用していく中にこういう情報が入っていくということが、当日いざというときに役に立つと思っておりますので、どうぞよろしくお願いします。

 最後、中長期的に多角的に区の復興をどう取り組むかは重要です。地域防災計画の中には復興計画が記載されていますが、生活復興のための具体的な記載は、職員資料である職員のための中野区震災復興マニュアルと伺っております。しかし、渋谷区、墨田区など複数の区では、地域防災計画とは別に震災復興マニュアルを準備し、中長期的な生活再建、教育、心のケア、文化財などの項目を定めているそうです。まず、新しい情報も様々増えておりますが、職員のための復興マニュアルの更新はしていますか。

○杉本防災危機管理課長 職員のための復興マニュアルにつきましては、平成16年3月に作成した後、更新しておりません。熊本地震など、マニュアル作成後に発生した大規模災害における事例も鑑みながら、随時更新してまいりたいと考えてございます。

○河合委員 よかった、聞いてと思いました。区として関係部署や区民、関係者と協議しながら、職員向けだけではない区独自の復興マニュアルの作成や、復興計画の充実も必要と考えますが、いかがでしょうか。

○杉本防災危機管理課長 区民を対象とした復興に関するパンフレットにつきましては、平成22年3月に作成しております。しかしながら、現行のパンフレットの内容が簡易なものであることから、防災関係団体等と協議しながら、復興計画の内容充実を含め、新たな復興マニュアルの作成についても研究してまいりたいと考えてございます。

○河合委員 例えば、私、今、質問の中でこの後、子どもの心の復興の話をしようと思っているんですけれども、豊島区などでは学校現場を巻き込んで、こういう復興マニュアルをしっかりと取り組んでいるんです。震災関係者だけではなくて、やはり一般の区民の方であったり、学校現場の方であったり、そういう方を巻き込んで作っていくことが重要かと思います。答弁は結構ですので、しっかりとこういうところには注視して、注力していただきたいと考えます。

 避難の長期化、避難所になる学校への影響も懸念しております。子どもの対応は避難所でも後回しにされがちです。平成23年東日本大震災以降、子どもの心のケアが後年にわたって現れることが注目され、平成28年熊本地震で被災した熊本県教育委員会は、「大規模災害発生時における学校再開と心のケアハンドブック」を作成、今回被災の富山・石川県教育委員会へ送ったことが報道にありました。子どもの心のケアの視点で、このような熊本県のハンドブックの活用なども検討してはいかがでしょうか。

○杉本防災危機管理課長 災害時におきます子どもの保護並びに心のケアにつきましては、重要な課題であるというふうに認識してございます。過去の震災などの経験から作成された子どもの保護やケアに資するハンドブック等につきまして情報収集に努め、区の防災対策における活用を検討してまいります。

○河合委員 近年の災害では、避難所や復興時に新しい形の支援が増えてきた印象があります。例えばキャッシュフォーワークという被災地における復旧などの資金を支払い、被災者の一時的雇用の仕組みがあったり、NPOによる子どもの居場所づくりなど、通常の支援ボランティアとは違う動きが見えてきました。今後、事前協定がなくても、このような新しい支援の形を受け入れていくことが必要となります。区では、協定外NPO等を受援計画でどのように記載しますか。

○杉本防災危機管理課長 災害時の協定締結団体以外のNPO等の活動には、通常のボランティアとは違う形や新たな項目の支援も増えているというふうに認識してございます。他自治体の事例も参考にしながら、受援計画への反映について検討してまいります。

○河合委員 熊本県では、「災害時等におけるNPO等のボランティア団体との連携・協力に関する協定」を全国初の取組として行っています。こういうものも参考にされてはいかがかと思いますが、いかがでしょう。

○杉本防災危機管理課長 「災害時等におけるNPO等のボランティア団体との連携・協力に関する協定」につきましては情報収集に努めまして、区の防災対策への参考にしてまいります。

○河合委員 熊本県が被災後には、「熊本地震の発災4か月以降の復旧・復興の取組に関する検証報告書」(平成30年3月27日公表)を作成し、発災直後からフェーズに分けて記載されております。常に新しい災害や知識、検証を得て、区の防災に生かすべきと考えます。かなり詳細な検証内容となっております。これの活用もぜひ検討していただきたいんですが、いかがでしょうか。

○杉本防災危機管理課長 社会環境が変化する中で、新たに顕在化した課題や検証を区の防災対策に生かしていくことは重要であると考えてございます。このため、過去の大規模災害における報告書等につきまして、情報収集に努めてまいります。

○河合委員 ありがとうございます。私は、今回の地震も受けて、まだまだ避難所を含めてできること、中野区で防災でできることはあるんだろうなと思っております。引き続き、避難所も含めて、私も防災に取り組んでまいりたいと思います。

 消防団についてお伺いします。消防団は、被災初期の消火・救助活動が地域防災計画にも位置付けられています。大規模災害となれば、広域で活動する消防署員はすぐに駆けつけられない懸念がある中で、地域の中で活動する消防団は大変重要な役割を担っています。また、平時においては、防火指導や訓練、広報の活動を行っています。私も、消防団の一員として応急手当普及員の資格を持ち、AEDの使い方などの指導をしております。なるべく早い心肺蘇生が1か月後生存率及び社会復帰率を上昇させることが分かっている中で、今予算の区内コンビニエンスストアへのAED配置、公共施設と違い、24時間AEDが使えることになる。これにおいて評価をいたします。

 しかし、今も残念ながら消防団では欠員が続き、担い手不足です。区でも積極的に協力できる部分は協力すべきと考えます。過去には、令和2年12月5日のなかの区報で、表紙は消防署員でしたが、防災の特集の中に消防団員の募集を掲載されていました。今、機運が高まっている中で区報の特集号を作るなど、消防団募集の広報の強化を区もできる限り協力していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。

○福嶋防災担当課長 中野区内消防団の充足率につきましては、令和6年2月1日現在79.8%となってございます。区といたしましても、災害活動を担う消防団員の確保は重要であると認識しておりまして、これまでも消防署と連携して募集、広報を実施してきたところでございます。引き続き、区報への掲載や防災訓練でのチラシの配布など、工夫してまいります。

○河合委員 ありがとうございました。ぜひとも御協力よろしくお願いします。

 4番の動物との共生社会について伺います。

 これまで動物行政は、動物の愛護的側面から飼う人のための政策であり、私も猫を飼っている身として、逆に強く言いにくいなと思っている部分がありました。しかし、昨今、人命や地球環境に大きく影響を与えることが明らかになっています。能登半島地震では同行避難が浸透しておらず、NPO法人日本レスキュー協会の本地震調査によると、ペットを飼育している方の約半数が車中泊や在宅避難を選択したそうです。中には、ペットがいるから避難所に行けないと、全壊した自宅横の納屋で生活を選択した方が火災で全焼した痛ましい報道もありました。2月には、狂犬病予防接種を受けずに、かみついた犬の報道を覚えている方も多いと思います。日本における狂犬病ワクチンの接種率は年々低下。登録頭数の7割ほどです。また、前回定例会の一般質問で取り上げた多頭飼育崩壊は社会課題となっております。困っているのは動物を飼育している本人だけではなく、その地域に住んでいる方々、ヘルパーさんや家を訪れる方々だったりします。私は、この区の動物行政はあまり進んでいないと感じています。もっと力を入れるべきではないかと思っております。予算説明書補助資料248ページ、今予算、ペットの適正飼養普及啓発事業の内容を教えてください。

○秦生活衛生課長 動物愛護管理法や東京都動物愛護管理条例に基づき、動物愛護の適正飼養に関する相談や苦情への対応、犬猫の飼い方教室の開催、ペット相談会、9月の動物愛護週間に動物の愛護と適正飼養に関するパネル展示を行い、ペットの適正飼養の普及啓発に努めてまいります。

○河合委員 今の話だと、あまり例年と変わっていないのかなと思っております。飼い主のいない猫対策事業の地域猫推進員の状況と今後の展開を教えてください。

○秦生活衛生課長 令和5年度から、「中野区飼い主のいない猫対策ガイドライン」を守り、飼い主のいない猫を地域猫(地域住民の認知や理解の下、ルールを設けたり、えさをやり、ふん尿の始末、不妊去勢手術などにより、適正管理された地域住民と共生する猫)として適正管理に努め、地域の環境改善に向けた活動ができる方を地域猫共生推進員として15人認定し、地域猫共生推進員制度を開始いたしました。今後も、動物愛護推進員等の意見を踏まえ、推進員がさらに活動しやすい事業になるよう努めてまいります。

○河合委員 ありがとうございます。この飼い主のいない猫対策事業の地域猫推進員は始めてから大体1年で、先日2月にやっと推進員の意見を聞いたと伺っております。予算に反映できるタイミングで意見を聞かなければ、今予算には反映できないと思っております。要望で結構ですが、次回はぜひとも予算に間に合うタイミングでのヒアリングをしっかりしていただいて、今後の政策に生かしていただきたいと思っております。愛護動物の取組として、区としての今後の対策を教えてください。

○秦生活衛生課長 人と愛護動物が共生する社会の実現を図るため、引き続き狂犬病予防、畜犬登録管理、ペットの適正飼養の普及啓発、飼い主のいない猫対策事業を行ってまいります。今後も関係部署、関係機関と連携を深め、他自治体の事例を参考にしながら取組を進めてまいります。

○河合委員 ありがとうございます。すみません。質問を追加します。関係機関というのはどのようなことを指しますか教えてください。

○秦生活衛生課長 東京都動物愛護推進員、東京都獣医師会中野支部等というふうに考えております。

○河合委員 ありがとうございます。このように区民の方も参加して、対策を進めてくれるということは非常にいいことだなと思っております。ぜひともしっかりと進めていただきたいと考えます。

 愛護動物の取組として、新宿区では人と猫との調和のとれたまちづくり連絡協議会、世田谷区では「人と動物との調和のとれた共生推進プラン」が作成されており、どちらにおいても、多頭飼育崩壊の対応ではボランティア団体の負荷が高いことが課題とされています。この世田谷区の共生推進プランは、課題整理から始まり、よく取りまとめられております。ちなみに、この世田谷区の課題、どのように書かれているかと申しますと、区民と動物が安心できるコミュニティを形成したり、共生推進事業を推進したりということが書かれています。その中で特に気をつけるべきところとしては、飼い主と区民が安心して暮らせる環境であったり、地域猫の活動の推進・普及であったり、狂犬病定期予防接種、動物由来感染症の普及など様々課題が整理されて、こちらのほうには作られております。区でも個別部分的事業展開ではなく、人と命と地球環境、地域の環境を守る視点で、動物行政について大きな考え方、課題整理が必要と考えます。区の見解を教えてください。

○秦生活衛生課長 現在、区の基本計画における目標を達成するため、各年度重点取組事項を定め、事業を展開しております。今後も関係部署、関係機関と連携し、他自治体の事例などを参考にして課題を整理し、効果的な事業展開を行ってまいります。

○河合委員 課題の整理は必要だと思いますが、関係者内の共通認識や議論や課題整理ができる会議体を持つべきではと考えております。令和7年度予算までに1年あります。ぜひ1年かけて検討すべきと考えますが、いかがですか。

○秦生活衛生課長 現在、人と動物との共生社会の実現のため地域猫共生推進員制度を立ち上げ、その活動のため、区共生推進員、東京都獣医師会中野支部、動物愛護推進員が意見交換を行っております。また、愛護動物の適正飼養、終生飼養の普及啓発に関し、区関係部署や関係機関とは各種会議で情報共有をしております。今後は、関係者が共通認識の下に議論できる効果的、効率的な方法について関係部署、関係機関から情報収集し、検討してまいります。

○河合委員 酒井区政は、中野区人材育成方針にて、前例にとらわれず、自ら主体的・自律的にスピード重視で取り組む、地域に飛び出して、多様な人々と積極的に関わり、信頼関係を築く、多様な地域の人材をコーディネートして、地域の課題を解決するなど、目指すべき職員の姿を示しました。ぜひ保健所にも、動物行政においては積極的に区民との協働を強く要望いたします。

 これにて私の全ての総括質疑を終わりにいたします。ありがとうございました。

○杉山委員長 河合りな委員の総括質疑を終了します。

 次に、高橋かずちか委員、質疑をどうぞ。

○高橋(か)委員 おはようございます。令和6年第1回定例会予算特別委員会総括質疑、自民党の立場から質疑を申し上げます。冒頭に、能登半島地震で亡くなられた方の御冥福をお祈りするとともに、全ての被災された方々にお見舞いを申し上げ、議員としてもそうですけれども、一個人としても寄り添っていきたいと思っております。

 質問内容ですけれども、通告と変えまして、2番目の産業振興における事業者支援の一部、そして、その他でユニバーサルデザインの推進状況、新庁舎整備における検証ということについての質疑にさせていただきます。

 まず、産業振興における事業者支援についてお聞きします。

 経済の状況が上向いている。株価も連日最高値を更新ということではありますけれども、中野区内におきましては、やはり中小企業への今後の経済状況、経営状況が危惧されるところでもあります。そこで、まず事業者支援全般についてお聞きします。令和6年度予算案における産業振興費を見ますと、5億6,600万円余増額しております。中野区のデジタル地域通貨事業以外の部分というものが、産業振興に資する事業者支援と考えておりますけれども、この区内中小企業に対する経済対策の考え方についてお聞きします。

○松丸産業振興課長 区内中小企業に対する経済対策の考え方でございます。区内中小企業が抱える経営課題は様々であることは、区内事業者アンケート調査ですとか、経済団体等の意見交換などにより把握しているところでございます。令和6年度は、既存のメニューに加えまして、中小企業の経営力強化を支援する事業ですとか、人材確保・定着を促進する事業、資金繰りに対応するための融資制度の拡充など、包括的な経済支援策を実施してまいりたいと考えております。

○高橋(か)委員 事業者支援について、いろいろ切り口があると思うんですけども、今回の予算説明書補助資料によりますと、人材確保・創業支援事業、新規として600万円とあります。そこで、今回は、このポイントを中小企業人材確保支援に絞ってお聞きしたいと思います。賃上げ対策、政府の新年度予算にも盛り込んでいるようですけれども、企業が求める労働者は長期的に雇用するということが一番ベストということでありますけれども、大企業に比べて中小企業は人材確保に苦戦している状況もあると聞いております。この中小企業が求める人材のマッチング、うまくいくように区としても後押しをしていくべきと考えますけれども、区のお考えをお示しください。

○松丸産業振興課長 区としても、区内中小企業が経営課題に人手不足を掲げていることは認識しておりまして、その内訳としましては、求める人材からの応募がないことが最も多く、人材が定着しないことが続いております。さらに、中小企業が雇用したい職種につきましても、技術者、営業、IT系人材と、事業者によって求める人材は異なっております。雇用支援の方向性といたしまして、採用、定着、育成の三つの角度から取り組んでいくことを考えておりまして、令和6年度はインターンシップを活用した採用活動を行う事業者への補助、子育てをしながら働ける環境を充実させる事業者への支援など、サポート体制の充実を図ることにより、人材のマッチングを支援してまいりたいと考えております。

○高橋(か)委員 よろしくお願いいたします。また一方、社会的な課題にも対応していかなければいけないと考えておりまして、昨年12月、区長に対しまして我が会派から、物流の2024年問題に関して、中小企業の人材不足をさらに引き起こす深刻な懸案である。そのための対応ということで緊急要望書を出させていただきました。4月1日以降、働き方改革改正によって、トラックドライバーの時間外労働時間の上限が960時間ということで、業界は大きな打撃を受けるということになっております。これについてお聞きいたします。いわゆるこの2024年問題、業界の喫緊の課題となっているドライバー確保やその育成について、早急に対応すべきと考えますけれども、区の考えを教えてください。

○松丸産業振興課長 2024年問題につきましては、単に物流に係る問題だけではなく、関連する産業を含む経済全体の課題というふうに捉えておりまして、ドライバー不足ですとか、バスやタクシーといった社会インフラへの影響も含まれていると認識しているところでございます。令和6年度は、ドライバー不足解消を目的といたしました資格取得費用の助成、専門性ある従業員を育成するリスキリングの支援などによりまして、区内事業者支援を拡充してまいりたいと考えております。

○高橋(か)委員 報道によりますと、政府はこの物流問題改善のために、トラックの最高制限時速を80から90㎞に上げるとか、そういう形も政令で定めるような話もあるんですけども、要は待ったなしで進めていかなきゃいけないということの中で、スケジュール感はどんな感じなんですか。

○松丸産業振興課長 現時点で具体的な実施時期につきましては調整中ではございますけれども、2024年問題につきましては区内経済の影響も大きいと認識しておりまして、希望する事業者が活用できるように早期に支援を実施してまいりたいと考えております。

○高橋(か)委員 ぜひ、いわゆる区民生活に関わる問題もありますし、大災害が起きたときに、一次避難所から二次避難所とか、そういう形のときにも災害協定先としてトラックの方々もいるわけですので、その早急という言葉、ぜひよろしくお願いいたします。

 それでは次に、ユニバーサルデザイン推進状況について、新庁舎版についてお聞きをしたいと思います。先日、心のバリアフリー計画というところで、地域商店街の活性化に資する研修ですか、を行われたということで、これは私も質疑しておりましたけども、非常に前向きに受け止めたいと思っております。また一方において、まさに竣工を迎えようとしている新庁舎について、UDの成果がどうかということでお聞きをしたいと思います。

 竣工間際に今さらというお考えもあるかもしれないんですけど、結局、区がきちっと掲げているUD施策の具体的展開の実態、あるいはこれから50年、70年、もっと長い期間、今後も検証し続けなきゃいけないというところがありますので、あえて今、竣工間際にUDについてお聞きをさせていただきたいと思っています。

 2月16日に、新庁舎の竣工を月末に控えまして、竣工というか引渡しを控えまして、新庁舎有識者、そのUDの有識者委員による検証が初めて開催されたと聞いておりますけれども、この目的、メンバー、その辺り概要等はどのようになっているのか。また、その結果については区長に報告をしていただいたのかお聞きします。

○国分ユニバーサルデザイン推進担当課長 今回、試行実施という形で実施をいたしまして、ユニバーサルデザイン推進計画(第2次)の案に記載いたしました有識者等による評価点検の仕組み、それから、区有施設整備・改修のガイドラインの検討、こうしたものに生かしていくために実施したものでございます。ユニバーサルデザイン推進審議会の委員に御協力を頂き、学識経験者2名、障害者団体が推薦する者として1名、公募による区民委員の1名の計4名で行いました。試行実施のため、委員の意見の取りまとめ等は行っておりませんが、その場で頂いた御意見の概要等については、区長に報告を行ったところでございます。

○高橋(か)委員 新庁舎整備担当として、この件について自己評価、どんな感じでしょうか。

○中村新区役所整備課長 新庁舎については、バリアフリー法や都条例、「都立建築物のユニバーサルデザイン導入ガイドライン」等に照らし合わせ、必要な対応、安全性は確保できているものと考えてございまして、また、障害者団体等からの御意見を踏まえ、適切に対応を図ってきた認識でございます。

○高橋(か)委員 法令にのっとって適切に対応という話なんですけどね、残念ながら、改善されているところもあるんだけども、赤点とは言わないんですけど、私はヒアリングしたんですよ。そうしたら、落第点なんですよね。具体的に向こうがそう言ったわけじゃないけども、ヒアリングすると、及第点に至っていない。その件についてこれからお聞きします。視覚障害者の誘導の問題とか、トイレのUD化について、サイン計画、その他について不具合、改善点が多く指摘されていると聞いております。これは関連部署が展開をしていくというのと同時に、いわゆるUDを検証する識見のある方々の知見を生かして、事前事後きちっと検証して、反映させていくというのを再三訴えてきたところでございまして、それが具体的になっていないというところが非常に残念なところでございます。

 それは、まず一つ、視覚障害者の誘導に関する不具合としては、例えばエレベーター前、階段の手前の点字ブロックの点字びょう、これが灰色の床カーペットと同系色といいますか、鉄の色になっていて、弱視の方には認識ができない。非常に危険だという指摘を受けていたり、また、階段のエッジングも黒いエッジングになっていまして、グレーのカーペットだと、コントラストがはっきりせずに危険だという指摘。また、障害者スポーツセンターという東京都の施設で非常に評判のよい、いわゆる誘導マットというんですかね、そういうのをアドバイスを受けていたし、現場も見に行っているはずなんですけども、それがきちっと規格どおりの展開になっていなくて、薄くなっていたり、また3階の障害者関連フロアのところにそれがきちっと導入されていないというような実態がある。また、トイレについては、多機能トイレですけど、ボタン式の開閉ボタン、皆さん、ぼんとボタンが出ているのをお分かりだと思うんですけど、それがいわゆるセンサースイッチになっているものだから、視覚障害の方々だと位置が分からないということ。また、開閉したときの音とかのアナウンスがないものですから、閉まったのか、閉まっていないのかが分からない。また、日本語と英語の表記が両方出ているんですけど、聞き取りづらくて何を言っているか分からない。こんなような話があります。

 また、私、ちょうど1年前の本会議で質問していますけど、他者の利用によって本来使うべき人が使えない多機能トイレ、この集中を避けるために、一般のトイレをUD化すればいいんじゃないのというところで、便房の一つを広くしたり、引き戸にしたり、内開きを外開きにするということで、子育てバギーの世代の方や車椅子の方も使える。結果的に多機能トイレの利用がうまく進むという質問をしましたけども、もう既に発注しているからということで、あの当時、1年前ですか、ゼロ回答だったんですよね。

 あとは、トイレ問題に関しますと、オストメイトの流し台が、鏡が上のほうだけにしかないので、子どもや背の低い方や車椅子の方が、ストーマの確認ができないというような話。また、大人が使えない子どもの流し台の高さとか、おむつ台が邪魔になって通れないとか、そういうようなところがありました。サイン計画についてもありました。このようにいろいろ指摘を受けたんじゃないか。僕のヒアリングではそうなっているんですけども、駐車場とかイベントスペース、そうした外構回りとかもきちっと反映されているのかというのがとても疑問になっているところであります。こうした検証によって幾つも問題点が出てきたという中で、利用者の安全上、重大な欠陥もあるというふうに指摘があるんじゃないかと思うんですけど、こうした問題点についての是正、改修、これについての対応はどう考えるのか教えてください。

○中村新区役所整備課長 御指摘いただいた内容、点字ブロック、誘導ブロック、階段の端部に設ける滑り止め、駐車場や外構等につきましては、法令等に基づき視認性や安全性を確認し、適切な仕様、適切な製品を採用して整備してございます。また、トイレについては、法令で必要な機能や設備を備えた多機能トイレを各フロアに設置することで、ニーズに応えられると考えてございまして、サインについても全体のバランスを見ながら、多言語対応や分かりやすい案内表示に配慮した内容としてございます。御指摘いただいた箇所につきましては、新庁舎開設後の利用状況等を見極め、是正が必要と判断した際は適切な対応を図ってまいります。

○高橋(か)委員 法令にのっとっているというんだけど、じゃ、それ、いつの法令ですか。

○中村新区役所整備課長 新庁舎の実施設計、竣工、工事を進めてきたわけでございますけども、その時点で法令に合った内容となってございます。

○高橋(か)委員 法令って、今まさに中野区が世間に発信をして、新しい新庁舎ということでやっているわけですよ。世界のUD基準というのは、オリンピック・パラリンピックであったり、世界博や、いろんな世界の主要国が集まる会議の中で、そういうイベントの中で常に先取りをしているわけですよ。法令といったって、昭和だか平成の最初の頃にできたような20年前の法令にのっとって、10年前の成果物のレベルだという意見が評価委員の方から出ているわけですよ。まさに竣工しようとする施設、区の行政施設の庁舎が、20年前の法令のレベルの具現化された10年前の竣工に値するようなレベルだというコメントをもらっているような、これでは改善するしかないと思うんですよね。結局、駅周辺、今後いろいろなまちづくりが進んでいく中で、今これをやってくというのが、一丁目一番地の新庁舎をやっていくことが区の経営理念であったり、UDに対するしっかりとした発信になるんじゃないかと思うんですけど、設計者はデザインとかを考えるかもしれない。ゼネコンは工期とコストを考えるんですよ。それで、向こうはきちっと法令にのっとって、ぎりぎりの線でやってくるんですよ。それを区が、そうですかといってそのままやってどうするんですか。

 障害を持った方、バギーにお子さんを乗せた子育て世代、高齢の方、あるいはビジネスマンがキャスターバッグを提げて動く。こうした人たちが動く。そうした区民ユーザー、利用者の目線で先取りをしないで、何がUDですかという話を私は申し上げたいんですよ。事故が起きたら誰が責任を取るんですかという話。こうしたことを考えると、オリンピック・パラリンピックの成功例に倣って、実効性ある展開に関しては、専門家の事前の企画段階での検討、計画途上での反映、そして事後検証が、そしてその事後検証による改善が必要である。そして、この専門的知見の関与というのは、ちゃんと予算を組んで、正当な報酬をしっかりと予算に上げて、議会の審議を受けて、議会の検証もできるような、そうした形を進めるべきだと思いますけど、新区役所整備課、ユニバーサルデザイン推進担当、それぞれお考えをお示しください。

○中村新区役所整備課長 新庁舎につきましては、委員の御指摘を踏まえ、改修のタイミングでガイドラインに沿った内容とするとともに、利用状況等を確認しながら改善内容を検討してまいります。

○国分ユニバーサルデザイン推進担当課長 専門的知見による関与につきましては、令和6年度については引き続き試行実施を行う予算を計上しております。令和7年度以降の本格実施に向けましては、内容や委員の人数、実施回数や報酬等、スキームを構築した上で議会に御報告し、令和7年度予算につなげていきたいと考えております。新庁舎など既存施設の検証や改善についても、この仕組みの中でどう実施していくか今後検討してまいります。

○高橋(か)委員 UDの評価をする方々、いわゆる諮問を受けて答申を渡すときとか、区長も会っているわけですよ。区長にも、こうした新しい誘導システムであったり、あるいは新しいUDの先取りする考え方というのを説明して、区長も、ああ、いいねって賛同しているわけですよ。区長もそうした形に賛同している施策展開が具体的にできていない。それは、UD施策の展開に大きな欠陥があるんじゃないかというところを私は申し上げたいわけですよ。

 この間、連休中に区報がね、これは委員長の許可をもらいましたので、出しております。区報に、開くと区長はユニバーサルデザインに配慮、高齢の方、障害のある方、お子様連れの方、誰にでも利用しやすい庁舎ですって高らかに上げちゃって、しかも、区長はSNSを見ると、新庁舎オープンですよ。それは当然ですよね、区長として宣伝しますよ。皆さん、ぜひ来庁して見に来てください。お披露目会もあるわけでしょう。そんな中で、酒井たくや議長まで写真が出ちゃっているんですよ。だから、議会はどうするのか。恥をかいちゃうんじゃないかと思ったけど、議長のコメントは、ぜひ区議会新しくなったから傍聴してくださいよということなので、ちょっと一安心しているところなんですけど。後ろのほうは、都内自治体庁舎初というZEBの認証のことを高らかにうたっているわけ。何で先取りしないんですかって話。これをぜひね、何十年も使用する、未来を見据えたきちっとした展開にしなきゃいけないし、SDGsの観点からも障害対策という福祉施策じゃなくて、きちっとした区の政策理念、最上位理念を展開するという、そういうところで全ての人にとって使いやすいものを整備していかなきゃいけないと思うんですけど、最後に区長にちょっとお聞きしたいんですけど、このUDの展開というものが典型的な失敗例とならないように、未来を見据えた実効性のある展開になるように、新庁舎の再点検と改修も含めて、今後のUDの施策が目に見える形になるように、区長の理念、区の理念が発信できるようにしていただきたいと思うんですけど、区長の決意をお聞きしたいと思います。

○酒井区長 ユニバーサルデザイン推進計画に基づいて、今後も継続的に施策の評価点検を行って、御指摘のとおりスパイラルアップを図りながら、新庁舎も含めて全ての人にとって暮らしやすい社会づくりということで、施設の改善に取り組んでいく考えでございます。

○高橋(か)委員 ぜひ区長も目を光らせていただいて、お願いします。私は、UD担当を各部署に配置すべきだというほど大事なことだというふうに申し上げておりまして、これは単にまちづくりということじゃなくて、区のあらゆる施策の中に生きていく最上位な理念だと思っていますので、ぜひ積極的な展開、また、新庁舎の適宜早急な改善を、これは障害の方とか、ハンディをお持ちの方にとって、事故につながる危険な問題も含んでおりますので、早急に全ての人が利用しやすくて喜ばれるように、未来を先取りする新しい庁舎として発信できるように改善を強く求めて、私の全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

○杉山委員長 以上で、高橋かずちか委員の質疑を終了します。

 次に、高橋ちあき委員、質疑をどうぞ。

○高橋(ち)委員 おはようございます。自由民主党議員団の最後の総括質疑者として貴重な24分のお時間を頂いておりますので、全部質問していますと時間が足りなくなりますので、通告してあります最初の当初予算の概要については、分科会で行わせていただきたいと思います。そして、中野まつり・地区まつりについては、時間があれば行います。その他について先に始めたいと思います。

 今回の予算特別委員会におきましては、今日が4日目となりまして、私の後には無所属の皆さんがそろって質問をするわけでありますけれども、課題がたくさん出てきていらっしゃったかと思います。この課題について、大変私、この委員会室でも最後の予算特別委員会になるわけでありますけれども、私が1期生のときには、予算特別委員会とか決算特別委員会は、1期生なんかはなかなか質疑ができなかったわけです。1期生の4年目やっと質問を与えていただきまして、あの頃は時間制がなかったので、いつ終わるのか分からない予算特別委員会でありました。ですので、様々に無所属の方もいらっしゃいましたけど、全員ができるわけではなく、今開かれたオープンな議会になってきて、時代が流れているんだなというのを実感しているところでございます。

 では、その他の中で、るるいろんな質疑がございましたので、いま一度改めて予算編成に係ることを確認させていただきたいと思います。予算編成に係る期間と手順について教えてください。

○竹内財政課長 お答えいたします。9月初旬の予算編成方針の全庁通知を次年度予算編成の開始といたしまして、各部ごとに予算編成の考え方を明確にした上で部内調整を徹底し、予算要求書を提出し、企画部長査定、区長査定を経て、1月中旬をもって終了としております。政策的判断が必要な場合においては、政策調整会議などで庁内調整を行い、エビデンスベースでの計画作成を徹底しているところでございます。

○高橋(ち)委員 そのように時間をかけて予算編成をしているわけですよね。そうすると、1月に我々のところに主な取組とかいろいろ報告が来ますけれども、その報告にないものが結構今回は指摘事項に入っているんではないかなと思うんですね。その予算編成の期間中に、議会にこういうふうなことを行っていきたいんだとか、こういうのをどう思いますかという情報提供って一切なかったような気がするんですけど、そこの点はどうですか。

○竹内財政課長 予算編成、先ほども申し上げましたけど、9月初旬のほうから始まっておりまして、それが最終的な決定があるのは1月中旬となってまいります。その間に情報提供というのはしっかりと行いながら、そこから漏れてしまう場合もあるかもしれませんけども、それは1月中旬までにはしっかり行って、議会の皆様にしっかりとこちらのほうが届きますように努めているところでございます。

○高橋(ち)委員 しっかり情報提供されているというのは、決定してから情報提供してくれているんだと思うんですけれども、この4日間の質疑を聞いていると、いつ情報提供されていたのかなというのが結構私は感じ取れました。今までかつて、私たちが与党じゃないからというのもあるかもしれませんけれども、これは決してひがんで言っているわけじゃないんですよ。そんなにあったかなという記憶なんですよ。今までこうやって予算を審議するときに、知らなかったなんていうのがなかったような気がするんですね。だから、そこのところは注意されたほうがいいんじゃないかなというふうには思っております。それでは、どのような会議体で意思決定が行われるんですか。

○竹内財政課長 予算編成における区長査定の場を設けてございまして、こちらは区長をはじめ、副区長、教育長及び関係部長による会議体となってございまして、予算要求を行う各部長が事業内容及び予算額について説明し、区長の査定を受けることとなっておりまして、実質的な意思決定の場となってございます。

○高橋(ち)委員 そういう会議体で行われていて、その会議体で、大内委員の例を挙げちゃうといけませんけれども、大内委員が質疑の中で取り上げた一つの問題点で、教育委員会が全く関与しなかったこととかあるわけじゃないですか。そういう意思決定の下に予算をつくり上げて、その会議体が決めるって今おっしゃいましたよね。じゃ、知らない人はいないはずなのに、何でこう質疑がいっぱい出てくるか。どう思いますか。

○竹内財政課長 予算編成における場というのをしっかりと設けているところでございますが、こちらの全庁的な調整等も密に連絡等、報・連・相等を行いまして、行っているところでございますが、そちらのほうが伝わっていないような部分もあるのかもしれないんですけど、そういったところは分かりやすく工夫、しっかりと取り組んでまいりたいと考えてございます。

○高橋(ち)委員 伝わっていないような気もしますという答弁はよろしくないと思いますよ。私たちは取りあえず議会で聞いているわけですからね。伝わっていない、しゃべっていない、教えていないだろうと言われちゃうから、そこは気をつけたほうがいいと思います。最終決定はどのように決めていくんですか。

○竹内財政課長 こちらは各部の予算要求を基に全庁的な調整を行いまして、最終的に1月の区長査定の場において予算を決定しているものでございます。

○高橋(ち)委員 最終的に決定をするのは区長の査定、そして予算案を出すということですね。そのときに、決定するときに、やっぱりこれはちょっと調整したほうがいいんじゃないのかなとか、そういう議論はなきにしもあらずというか、必ず出てまいりますよね。ないんですか。

○竹内財政課長 予算編成方針のほうにも、庁内調整を踏まえ、エビデンスベースでの計画作成を徹底することと明記してございます。そういったことを踏まえて、事前に済ませまして、こちらの予算編成が組まれているというふうになってございます。

○高橋(ち)委員 そういうふうに言うしかないのかなと思いますけれども、昨年よりか大幅にアップしている令和6年度予算を自慢げにおっしゃっていらっしゃる方もいますけれども、このまま行くと、やっぱりいつかは経常経費が続かなくなっていく。そして、どこかで調整しなくちゃならない。でも、子どもたちのためにやっているんですというふうにおっしゃると、じゃ、どうするの、財政が厳しくなってからどうするのというふうな状況になりかねないということで、我が会派はいろんなことを御質問しているわけでありますけれども、この令和6年度予算案に対して、最高責任者である区長自身はどのような評価を持って、議会、私たちに提案していらっしゃるんですか。

○酒井区長 予算案については、各部からの予算要求を基に、長い予算編成作業を経て出来上がるものでありまして、地方自治法においても、「普通地方公共団体の長は、毎会計年度予算を調製し、年度開始前に、議会の議決を経なければならない。」と明記されておりまして、大変重いものだと認識をしているところであります。令和6年度予算案につきましては、区民生活に基軸を置いたサービスが提供できる予算案でございまして、最小の経費で最大の効果を上げることを前提に、エビデンスベースでの予算要求を徹底した上で編成し、今回議会に提案していると考えております。

○高橋(ち)委員 区長の思いは皆さん理解できたかどうか。私は、最小の経費で最大の効果を上げると今おっしゃいましたけれども、本当にそうなのかなというふうに感じております。今、わざわざ区長に御答弁を頂きましたので、これ以上質問は続けませんけれども、やっぱり最小の経費でというふうにお考えであれば、このような予算にはならなかったんじゃないかなというふうに思っておりますので、私の感想と思って聞いておいてください。

 では、時間内に終わるように、中野まつりと地区まつりについてお伺いをさせていただきます。

 多分、中野まつりって知っている人はもうそんなにいないかなと思うんですけれども、知りませんか。中野まつりがあって、地区まつりがあるわけですね。ですので、中野まつり、中央まつりと言われていたんですけど、中野まつりの現在の立ち位置と現在の在り方、これは私、平成27年第1回定例会のときも確認をしたんですけど、改めて区の見解をお伺いします。

○池内区民活動推進担当課長 中野まつりは、昭和51年、「ともにつくる人間のまち中野」をスローガンに立ち上げられまして、平成22年までに35回の開催がございました。平成23年度から、中野まつりの会場であった警察大学跡地等再開発や囲町公園の工事、それから東日本大震災の影響もございまして休止となりました。その後、「中野にぎわいフェスタ」や「なかの東北応援まつり」が開催されまして、中野駅周辺のにぎわい創出のための大きなイベントとして今、開催されてございます。区としましては、平成27年第1回定例会におきまして、中野まつりにつきましては今後開催する考えはないとお答えしてございまして、その後、その方向性に変更はございません。

○高橋(ち)委員 そうすると、開催はしないんですけれども、休止というその名の下、そのままほったらかしておくという理解でいいんでしょうか。

○池内区民活動推進担当課長 平成27年の定例会におきまして、今後開催することはないということで、休止というよりも、この後終了とみなしているところでございます。

○高橋(ち)委員 了解いたしました。では、この中央まつりがなくなったにもかかわらず、地区まつりが現在も各地域ごとでは行われていますけれども、その存在意義に対する区の認識はどうなんですか。

○池内区民活動推進担当課長 今おっしゃるとおり、中野まつりは中央まつりということで位置付けられまして、各地区では地区まつりということで、当時地域センターにおいて開催されてございました。現在も、地区まつりは各地区の実行委員会形式で開催されており、地域において区職員、住民、それから近隣小・中学校等、つくり上げた歴史もございます。現在継続して開催され、地域の活性化、それからコミュニティづくり等に寄与していると認識してございます。

○高橋(ち)委員 ありがとうございます。そういうふうに認識していただいているということは本当にありがたいと思いますけど、一とき私は、中央まつりがなくなったんだから地区まつりもやめればいいと地域の人に言ったら、ふざけるなと怒られちゃったんですけど、それほど地区まつりは本当に根付いているお祭りだと思っております。この根付いた地区まつりの支援体制についてお伺いしますけれども、休止となっても本当に頑張って皆さんやってくださっているんですよ。行政主導で始まった地区まつりが、歴史は深く公益性の高い地区まつり、なぜ政策助成を活用するイベントとして位置付けられてしまったのかが不思議でなりません。どうなんですか。

○池内区民活動推進担当課長 現在、中野区区民公益活動の推進に関する条例に基づきまして、平成19年度から公益活動の特徴を生かせる活動として政策助成制度を開始して、その発足から経済的な支援ということで行ってございます。令和7年度に向けてでございますけれども、中野区の公益活動推進の在り方全般を検討する中で、長年にわたり地域への貢献度も高く、また、行政主導で発足しました公益性の極めて高い活動につきましては、区として支援についても検討してまいりたいところでございます。

○高橋(ち)委員 やっぱりね、長い期間、行政と地域がつくり上げてきたものですので、いま一度考えてほしいなというふうには思います。この地区まつりの中心となっている実行委員会に対する区の認識はどうですか。

○池内区民活動推進担当課長 地区まつりは、町会・自治会、地域の公益活動団体、それから青少年育成委員等、多くの地域の方々によって構成されている実行委員会で開催されて、運営されてございます。地域の活性化やコミュニティづくり等に寄与しており、こちらも極めて公益性が高く、地域伝承の事業として認識してございます。

○高橋(ち)委員 ありがとうございます。地域センター時代と区民活動センターで、いわゆる運営委員会が出来上がったその歴史の中で、中身が大分変わってきてはいるんですけれど、実行委員会というのはずっとあるわけですよ。それで、そこにおいて皆さん、資金調達とか苦労されていて、しかし、どんどん祭りが大きくなってきて、やることも増えてきているという現状でありますけど、そのような認識をしてくださるということは大変ありがたいことだと思います。

 その中に、やっぱり青少年地区委員会というものがあります。この地区委員会も長い歴史のある団体として、地区まつりも協力しているし、地区まつり同様、地域の子どもたちの青少年健全育成を守ってきているというか、つくり上げてきている団体だと思うんです。でも、この地区委員会も歴史が古いのに、何で政策助成とかいうので申請しなくちゃならないのかなというのが、ちょっと理解ができないんですけど、どうお考えですか。

○池内区民活動推進担当課長 今、区は、新たな地域人材を発掘して、それを地域の活動の裾野を広げるためにということで、新たな団体の立ち上げの支援も行ってまいりました。長年にわたって地域への貢献度も高く、また行政主導で発足しました活動を担っている団体の支援の在り方についても、やはり事業の継続性を鑑み、令和7年度に向けて在り方全般を検討する中で、関係部署とともに助成の在り方、それから補助の在り方も検討していきたいと考えております。

○高橋(ち)委員 やっぱりね、いろいろな団体さんに支援をしていくというのは行政サイドの考え方だと思うんですけれども、行政とともに歴史を築いてきたこの地区まつりの実行委員会とか、さらに健全育成地区委員会とか、そういう団体さんてボランティアなんですよね、はっきり言って。そのボランティアさんが子どもたちのためとか地域のために一生懸命何度も何度も会合を重ねながら、つくり上げてきているわけですよ。そこのところは御理解してくださっていると思うんですけど、一般のこういう団体さんと一緒に考えてもらっていたというのが、私は不満でならないんですけど、もう一度聞きますけど、必ず制度は変更していくような努力をしてくださいますか。

○池内区民活動推進担当課長 やはり公益性の極めて高い、先ほどおっしゃられた区が主導で行ったというところもございます。そういったところに関しまして、それから、新たな団体の方への支援等も含めまして、支援の在り方だったりというところを必ず考えて、検討してまいりたいと考えております。

○高橋(ち)委員 ありがとうございます。大変貴重な時間を、まだ残っているんですけれども、ほかのことも聞きたかったんですけれども、児童館のこととか、それは18館、現在残していただきまして、児童館運営をしていくというところもあるんですけど、これは分科会で聞かせていただきます。しかし、その姿勢が曖昧でありまして、4年間もかけて児童館をどうする、こうするというような考えを議会と行政でやってきたわけなんですけど、最終的な集大成が18館残し、三つの種類の児童館にいたしますという、そういう方向性をつくり上げた。そのつくり上げて、今後どうするかということだけ質問通告していますから、今回教えていただきたいんですけど、その今後の持っていき方、進め方、どのようにお考えなのか改めて確かめさせてください。

○青木子ども政策担当課長 子どもと子育て家庭にとって身近な地域の居場所である児童館につきまして、区議会での御議論、子ども、保護者、地域の意見等を踏まえまして、児童福祉法及び児童館条例に基づく施設の位置付けを継続することといたしました。これによりまして、これまで児童館が果たしてきた機能と役割を基礎とした上で、社会情勢の変化に合わせた機能を強化し、多様な子どもの居場所づくりを進めることができると、区としては考えてございます。計画の具体化に当たりましては、区議会をはじめ、子ども、保護者、地域に十分に情報提供を行いまして、利用者のニーズを踏まえながら子どもと子育て家庭を支え、地域に親しまれる児童館運営を目指して取組を進めていきたいと考えてございます。

○高橋(ち)委員 その考えは分かりましたけれども、地域で使う人、乳幼児もそうでしょうけど、児童館を使う人だけじゃないんですよ。地域にいらっしゃる人たちが、この児童館はどうなっちゃったんだろうというふうに疑心暗鬼にならないような広報の仕方とか、進め方をしていってほしいと思います。せっかく4年もかけて、結論が18館残すということになったわけですから、そこのところはしっかりと受け止めていただきたいと思います。最終的に責任者である子ども家庭支援担当部長はどうお考えですか。

○小田子ども家庭支援担当部長 ただいま委員から御指摘がありまして、子ども政策担当課長のほうからも御答弁させていただきましたけれども、18館の児童館につきましては、これから3類型に分けた形で、地域で運営を継続させていただくということになりました。この児童館をより地域の施設として、皆さんの使い勝手のいい、また地域の子育て家庭や子どもたちにとっていい施設にするためには、議会をはじめまして地域の皆様の御意見を伺いながら、よりよい運営にしていきたいというふうに考えております。

○高橋(ち)委員 その考え方は忘れないでくださいね。私、きついことを言いますけど、最初、子ども家庭支援担当部長は9館でそれを進めようとしていた立場の方でありますから、18館をどう地域で理解していただけるかということは、しっかりと重く受け止めていただきたいと思います。よろしくお願いします。

 まだまだ質問したかったんですけれども、あと残り僅かでございます。これからの質問は無所属の皆様に委ねまして、厳しい御質疑をしていただければと思っております。この予算議会がいかに区長の思いも皆さん分かったでしょうけど、大事な令和6年の予算であります。どうかしっかりと行政も受け止めて、私たちがるる質問したことを頭の中に入れながら進めていっていただければと思います。よろしくお願いいたします。

 以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

○杉山委員長 以上で高橋ちあき委員の質疑を終了します。

 次に、むとう有子委員、質疑をどうぞ。

○むとう委員 区民の方からお寄せいただきました御意見を基に質疑をいたします。持ち時間は30分です。機敏な行動と簡潔明瞭かつ私のスピード感に合わせた御答弁の御協力をぜひぜひお願いいたします。

 2024年度の予算は、「暮らしの安心」と「まちの活力」動き始めた中野の未来のための予算だとし、一般会計は2,004億3,700万円となり、過去最高額だった昨年度を48億700万円上回り、連続で過去最高額を更新しました。23区の中で区民1人当たりの歳出額は、1位、千代田区101万円、2位、中央区74万円、3位、港区69万円に次ぐ4位の59万円です。高額所得者の多い区に次ぐ位置にいる状況は、未来のための予算とは言いがたく、未来に不安がよぎる予算だと私は思っています。そこで、ごみゼロ推進費についてお尋ねをいたします。

 1月1日、マグニチュード7.6の地震が能登半島で発生しました。各所で道が分断され、避難するのも、救助に向かうのも、物資を届けるのも困難な現状を目の当たりにしました。人命救助のためにも、道路を塞ぐ災害廃棄物の撤去作業を同時に行わなければならないことと、さらに撤去作業に必要な天蓋車と仮置場の確保の重要性を誰もが認識したのではないでしょうか。直近で大地震が発生するとは思いもせずに、私は昨年の第4回定例会一般質問で災害時の廃棄物対策について質疑をいたしました。能登半島地震を踏まえ再考すべきだと考え、いま一度お尋ねをいたします。

 能登半島の映像を見ても、災害時に必要な清掃車の車種は小型プレス車ではなく、平ボディーのトラックや天蓋車ですが、区は保有をしていません。23区の連名で4団体と収集運搬の協定を締結していますが、発災時に中野区に何台配車されるのかは、そのときにならなければ分かりません。そこで、災害時に備えて天蓋車を保有し、平時は民間委託をしている粗大ごみの収集の半分を区の直営に戻して利用すればよいのではないかとの問いに、災害時の天蓋車の有効性は認識しているが、区が保有し、直営での粗大ごみの収集運搬に利用することは考えていないとの答弁でした。平時に使用しなくても、災害時に備えて保有する。もしくは一部直営に戻し、粗大ごみの収集運搬に利用することなども含めて、天蓋車の保有を再検討すべきだと思いますが、いかがでしょうかお答えください。

○松前環境部長 天蓋車などの災害時の有用性は認識をしているところでございます。通常時における活用方法や置き場所などの問題、また現在、民間に委託をしている粗大ごみ収集を直営で行う場合の職員配置など、検討すべき課題もございます。今後の清掃事業計画の整合性の中で考えてまいりたいと思います。

○むとう委員 前回は、考えていないという答弁でしたけれども、検討するということなので、一歩前進というふうに受け止めたいと思います。仮に災害廃棄物の運搬ができたとしても、仮置場を確保できなければ意味がありません。区有地だけでは設置が困難な状況であり、国や都に要望しているところとの答弁でしたが、悠長な姿勢だと思いました。仮置場の確保に向けた今後の取組を簡潔にお答えください。

○松前環境部長 災害廃棄物の仮置場は区だけの課題ではなくて、広域的な調整が必要な課題でございます。引き続き、国や都に対して早急な検討を求めていくよう強く働きかけてまいります。

○むとう委員 「早急」「強く」という言葉が入ったので、半歩前進かなと思います。プラスチック資源循環促進法の4月施行を踏まえて、自治体の努力義務ではありますが、中野区は容器包装プラスチックに加えて製品プラスチックの資源化を図るとして、6億7,309万円が予算化されています。今年度までの容器包装プラスチックの資源化は4億1,255万円ですから、製品プラスチックを加えたことで2億6,053万円も増額となりました。容器包装プラスチックの資源化については、容器包装リサイクル法で小規模事業者を除き、事業者が負担することになっていますが、製品プラスチックの資源化は全額自治体負担となります。製品プラスチックの量はどれぐらいと推計しているのでしょうか教えてください。

○松前環境部長 製品プラスチックの想定排出量でございますが、今年度行いましたごみ組成調査に基づき、505トンとしております。

○むとう委員 505トン。東京二十三区清掃一部事務組合分担金の基本は、焼却ごみ量に応じた負担ですが、2024年度は14億6,493万円と、今年度より457万円の増額です。製品プラスチックを清掃工場に搬入せず、2億円かけて資源化する505トン分の原料分の分担金は幾ら減るのか。それはいつから分担金に反映されるのかお答えください。

○松前環境部長 製品プラスチックの資源化量が直ちに清掃一部事務組合の特別区分担金に反映されるわけではございませんため、その換算は難しいところでございます。ただ、その処理経費といたしましては、現在の処理単価を用いた場合、1,248万円に想定をすると考えております。

○むとう委員 多分2年後ぐらいに分担金に反映されるのではないかと思いますけれども、断トツですね、焼却よりも資源化のほうが経費がかかりますが、サーマルリサイクルなどと言い、プラスチックを焼却することは世界の非常識でしたので、やめてよいと思います。気候変動問題や海洋プラスチック問題もあり、資源化せざるを得ませんが、製造者責任を追及し、プラスチック製品の削減を企業に求めていくことが重要だということを肝に銘じていただきたいと思います。

 中野区が自主的に製品プラを資源化することはよいことですが、新たな取組を行う前に、既に取り組んでいる資源化をまずはしっかりと実施することも大事です。資源回収をしているにもかかわらず、地域にもよりますけれども、古紙やペットボトルが可燃ごみに、びん・缶が不燃ごみに混入しています。古紙、びん・缶、ペットボトルの資源回収箇所数と、可燃・不燃ごみの集積所の箇所数を端的にお答えください。

○松前環境部長 びん・缶、ペットボトルの分別回収場所は令和6年2月現在で8,799か所、古紙回収集積所は同じく2月現在で8,029か所、ごみの集積所につきましては、複数世帯用箇所で令和4年度調査時点ではございますが、1万8,771か所でございます。

○むとう委員 この数字の差、倍以上違うんですね。可燃・不燃ごみへの資源の混入が多いのは、資源回収の箇所数が少ないことも要因だと私は思います。資源回収の箇所数を増やすことを検討してはいかがでしょうか。

○松前環境部長 びん・缶、ペットボトルの分別回収場所は、集合住宅の増加などにより毎月10か所程度増えている状況でございます。ごみ集積所とは異なりまして、回収コンテナや回収ネットの設置など、箇所数増に伴う課題もございます。資源回収所やごみ集積所につきましては、基本的には地域の方々の合意によって設置されるべきものでございまして、区の意向で積極的に増設という考えはございません。

○むとう委員 増設に向けて地域の理解を得る努力をしていただきたいというふうに思います。

 リサイクル展示室の在り方について、区民に喜ばれ、役立つ事業となるよう、これまで発展的な見直しを求めてきました。2月1日の区民委員会資料によれば、2023年度行政評価での古物商事業者との重複を理由に廃止との意見を踏まえて、見直しを行うと記載されています。議事録を読むと、この行政評価の公開ヒアリングを傍聴していた小宮山議員が、現場も知らない外部評価者がA4、1枚の紙だけを見て、あれこれ言っていたわけで、議論が非常に浅いと感じた。今まで現場をよく知っている議員が何を言っても全然変えようとしてくれなかったのに、あの行政評価で、素人の4人のメンバーがあれこれ言ったぐらいで、リサイクル展示事業に関してすぐに見直しをしようというのは納得がいかないと、大変すばらしい御意見を述べています。全く同感です。

 小宮山議員も私も含めて、議員からは廃止せよではなく、よりよい事業となるよう改善を求めてこれまで意見を述べてきました。リサイクル展示室は都から移管され、清掃職員だった方が再任用され、常駐していました。そこで、ごみに関わる環境問題について訪れた区民と会話がはずみ、その中から展示室でのフリーマーケットが生まれました。ところが、人件費削減で2009年度に委託してからは、ごみの分別方法も知らない方が座っているだけで、ごみ問題についての会話は全く交わされなくなりました。つまり、評判が悪くなったのは委託してからなんです。区は委託先を明らかに間違えました。それでも家具や古着を展示室で無料で調達でき、買わずに済んだとの感謝の声が届いています。示された見直しは、9月で委託を終了し、10月からは直営。しかし、職員の配置はなく無人。土日祝日は閉館。粗大ごみのリユースは継続ですが、古布の回収も継続はしますが、この場での無料提供はなく、イベントでの提供。フリーマーケットは終了等々です。この見直しは、区民に喜ばれ、役立つ事業となるよう発展的な見直しを求めていた議員の意見を全く考慮せず、外部評価者の意見に基づく廃止へと導く見直しなのでしょうかお答えください。

○松前環境部長 リサイクル展示室につきましては、やはり3R啓発、その拠点として今後も運営を続けてまいります。

○むとう委員 廃止ではないということはよかったんですけれどもね、でも、これは後退ですよ。民間の古物商とは違う練馬区立リサイクルセンターや板橋区立リサイクルプラザ、目黒区立エコプラザなど、学ぶべきところは多々あると思います。これまでの利用者や、ごみ・環境・消費者問題などに関わっている団体や個人、公募区民や専門家を含む検討会を設置し、積極的な見直しを再検討してはいかがでしょうか。

○松前環境部長 リサイクル展示室の在り方につきましては、区民、利用者のニーズを把握し、より広く利便性の高い施設として運営、検討を進めてまいりたいと考えております。ただ、現時点におきましては、検討会の場の設置といったところは考えてございません。

○むとう委員 職員の皆様だけで検討した結果がこれなんですよ。後退、発展的じゃないの、全然。これから区有施設整備計画の中で、2026年から清掃事務所とリサイクル展示室の建て替えが検討されることになっています。それに向けて、区民に喜ばれ、役立つ展示室の見直しを私は願っていたので、発展性がなく、今回の案はとても残念です。区の職員だけで考えていてもこれだけのアイデアしか出ないわけですから、新たな人たちと一緒に、もっと前向きな発展的な検討の場をぜひ設けていただきたいということを強く要望しておきます。ありがとうございます。

 次に、学習用端末の使用状況についてお尋ねをいたします。

 GIGAスクール構想で区立小・中学校の児童・生徒に1人1台の学習用端末が配備され、2021年3月から運用を開始し、3年が経過しました。学習用端末を活用し、学校での学習と家庭学習を効果的に関連付けて展開するため、AIを搭載した学習クラウドとデジタル百科事典を導入する予算が5,862万円計上されています。学習環境格差が発生しないよう、家庭や放課後を過ごす学童クラブにおいて学習用端末が使用できるよう、ネット環境が整備されていることが重要です。そのため、就学援助を支給している児童には、2021年度からオンライン学習通信費1人1万円を支給し、2024年度予算では1万2,000円となります。2022年度には、民間学童クラブに学習用インターネット環境整備費補助もなされています。しかし、しかしです。先日、家庭や学童クラブにネット環境がない児童のために、宿題を個別にペーパーで用意しなければならない状況があると伺いました。この状況を学務課長と育成活動推進課長は、1、知っていた、2、知らなかった。どちらでしょうか端的にお答えください。

○佐藤学務課長 学校が、自宅にWi-Fi環境がない児童・生徒に紙で宿題を出していることは認識しています。

○細野育成活動推進課長 学童クラブのWi-Fi環境の補助、整備について御指摘いただきました。民間学童クラブについて、令和4年度にWi-Fi環境の整備のための補助金を出したというところでございますが、補助金の申請のない民間学童クラブがあることについては把握をしておりました。一方で、学習用端末の使用状況については、把握はしておりませんでした。

○むとう委員 把握していなかったんだよね。2だよね。詳しくは分科会でお聞きしますが、ネット環境のない家庭や学童クラブには今後どのように対処していくつもりなのかお答えください。

○細野育成活動推進課長 今後の対応でございます。民間学童クラブについても、在籍児童が全員同時に学習用端末が使えて、学習できる環境を整える必要があるというふうに考えてございます。未整備のクラブの運営事業者とは今後協議を進めてまいります。

○むとう委員 進めていくということなんですけれども、補助金としては終わってしまっている。新たな補助金をつくるという理解でよろしいですか。

○細野育成活動推進課長 今後協議を進めていくということなので、新たな補助金を直ちにつくるということではございません。

○むとう委員 協議している間にどんどん日にちは過ぎちゃうの。さっさとやりましょうね。では、学務課長、お願いします。

○佐藤学務課長 学校を通じて、家庭に対してインターネット環境を整えていただくよう、機会を捉えて周知していきます。なお、就学援助にオンライン学習通信費を設けていますので、有効に活用してもらえるよう周知していきたいと考えてございます。

○むとう委員 分かりました。ぜひですね、補助金を出している以上は、その補助金が適切に使われるようにプッシュしていただきたいし、補助金を出していない家庭については、家庭の考え方もあるかとは思いますけれども、学習環境格差が生じないようにしっかりと丁寧な対応をお願いしたいと思います。ありがとうございます。

 では、次の質問に移ります。区長車についてでございます。

 前区長は、4期16年間、区長車を廃止して約1億4,000万円を削減しました。距離にして800から1,200メートル、時間にして10分から15分の徒歩圏内は徒歩で、時短で行ける場所は電車で、必要なときにはタクシーやハイヤーを利用したほうが合理的で経費削減になるので、区長車を廃止してはいかがかと何度となく提案しましたが、その都度却下され、2024年度予算にも区長公用車運行経費1,177万円が計上されています。では、1月までの平日の稼働率をお答えください。

○矢澤秘書担当課長 お答えいたします。令和5年4月から1月までの平日の区長車稼働率は54.4%でございます。

○むとう委員 54.4%です。つまり、平日稼働なしの日が45.6%、93日間、予定外の外出に備えて、運転者は一日中待機させていたことになります。区役所から社会通念上の徒歩圏内である目的地だけ、1、明治大学中野キャンパス、2、帝京平成大学中野キャンパス、3、芸能小劇場、4、東京アスレチッククラブ、5、産業振興センター、6、なかのZEROホール、電車のほうが時短になる、7、飯田橋にある区政会館には、それぞれ何度区長車で行かれたのかお答えください。

○矢澤秘書担当課長 委員御指摘の目的地につきまして、まず明治大学中野キャンパスは1件、帝京平成大学中野キャンパス1件、なかの芸能小劇場1件、東京アスレチッククラブ1件、産業振興センター5件、なかのZERO14件、そして東京区政会館24件でございます。

○むとう委員 徒歩圏内は徒歩で行ってほしいなと思うんですけれども、これらの日を除いた平日の稼働率となると幾つになりますか。

○矢澤秘書担当課長 これらを除いた稼働率につきましては、47.5%でございます。

○むとう委員 ねえ、この数字、皆さんどう思いますか。歩いて行くところは歩いて行く、電車のほうが早いところは電車で行くということにすればですよ、稼働率はたったの47.5%です。50%を切っているんですよ。この数字を区民の皆さんはどのように受け止めるでしょうか。区長車の廃止を求める陳情が議会に提出されています。さらに区民が情報公開開示請求で得た区長公用車運転日誌をネットで公開しています。区長車に厳しい目が注がれています。潔く廃止して、代わりに災害時に必要な天蓋車、約600万円ですよ。購入してはいかがかとの思いを強くして、次の質問に移ります。ありがとうございます。

 その他で、中部スポーツ・コミュニティプラザのテニスコートについてお尋ねをいたします。

 2015年にフットサルコートとして開設された中部スポーツ・コミュニティプラザの屋外運動広場については、2017年第1回定例会予算特別委員会で酒井委員が、稼働率が低いため、他の活用方法の検討を求められました。2021年度からは、テニス利用の希望を受けて、可動式ネットを指定管理者が年15万円でリースし、利用が始まりました。ただし、コートラインが全くありません。つまり、水のないプールで泳げと言っているのと同じだと、利用者から相談を受けた近藤前議員も呆れています。近藤さん、うまいことを言いましたよね。

 2023年6月にラインの要望があり、4か月後の10月、指定管理者が10万円でラインテープを購入し、配備しました。しかし、この運動広場はショートパイル砂入り人工芝であり、ラインテープは貼りつかないため、ぴろぴろと浮いてしまって、足が引っかかり危険で使えないことが判明しました。その上、ラインを引くポイントもなく、区民はその都度計測して、貼りつかないラインテープと何と利用料3,000円も払い、格闘することになりました。ちなみに、上高田とか哲学堂は2時間700円というふうに聞いています。購入から4か月後の今年2月16日の運営委員会で、ポイントのマーキングの敷設及びフットサルコートライン以外のラインを引いてよいかどうかを他の利用団体に指定管理者がヒアリングすることの了承を得たんです。ヒアリングすることだけの了承なんです。引いていいかではないんです。一つひとつの検討に4か月を要するのは、運営委員会が年に3回しか開催されていないためです。ラインを引く引かないに8か月を要しています。この間、12月27日に、区長は覚えていますか。区長宛てにラインの敷設を求める要望書が利用団体から提出されています。区の回答は、用具準備は利用者がやることになっているので、御理解くださいと書いてありますが、テニスコートのラインは設備であり、用具ではありません。

 私が今回の質疑に際して、スポーツ振興課長にラインを引く経費の見積りを取るようお願いしたところ、3社からの回答で、ショートパイル砂入り人工芝の上からラインは引けないということが今になって判明しました。つまり、落ちがここなんです。引けないという落ちなんですよ。つまり、人工芝の張り替えどきにしかラインは物理的に引けないんです。8か月間にわたるラインをめぐる議論、それから様々利用者の区民の活動などは本当に無駄になりました。6月にラインの要望があった時点で、専門業者にきちんと相談をするべきでした。行政の怠慢としか私は言いようがありません。ラインをめぐる区民団体とのやり取りの中で、課長は反省すべき点はありませんか。謙虚な答弁を求めます。

○鈴木スポーツ振興課長 時間がかかってしまっていることは反省すべき点であると思っております。ただ、要望を受けまして、簡易的なラインテープを購入し、利用の都度、準備、撤去していただいて、お使いいただいておりますが、安全性、競技性に問題がありました。改めてどんな手法が可能か、要望者や指定管理者と協議、検討しているところでございます。

○むとう委員 このラインテープだって10万円なのよ。10万円、普通の人が買うときどうしますか。検討するよね。本当にこのテープで行けるのかどうかぐらい、ちゃんと専門業者に確認してから買えば、10万円は無駄にならなかったんじゃないかと私は思います。この運動広場の人工芝の耐用年数は何年なのか、いつその時期を迎えるのか教えてください。

○鈴木スポーツ振興課長 人工芝の耐用年数につきましては、使用状況等でも異なりますが、おおむね10年程度とされております。こちらの人工芝につきましては平成24年に敷設されておりますので、平成34年で10年を経過しております。

○むとう委員 ごめんなさい。平成34年て西暦でいうと、いつ。全然ぴんとこないんだけど。

○鈴木スポーツ振興課長 失礼いたしました。平成34年ですと2022年でございます。

○むとう委員 ということは、もう耐用年数は過ぎているという状況でよろしいですか。

○鈴木スポーツ振興課長 耐用年数は過ぎてございますが、今のところ劣化状況等に問題はございません。

○むとう委員 それって、うれしい悲しいなんだけども、劣化状況は大丈夫だということは、つまり利用率が低いということでしょう。そういうことよね。利用されれば劣化は激しくなるわけだから、せっかく区民の財産なのに、つまり、フットサルのラインしかない。テニスはコートラインがない。テニスにならないですよ。だから、ほかのスポーツ等、何もないところでなかなか利用されないということで、利用率をちょっと聞いてもいいですか。質問の予定はなかったんだけど、利用率って分かりますか。分からなければいいんですけど、突然振ります。聞きたくなりました。

○鈴木スポーツ振興課長 令和4年度、団体利用のみの利用率でお答えさせていただきますと、59.5%でございます。

○むとう委員 じゃ、区長車よりかはいいんだね、半分を超えているからね。でも、やっぱり耐用年数が過ぎても劣化していないということは、そんなに使われていないというふうに普通は思いますよね。だから、もっともっと利用されるようになってほしいなと私は思います。実際に体育館というのは幾つもの種目のコートラインが敷設されていますよね。だから、この人工芝の張り替えの時期を、もう耐用年数が過ぎているんだったらなおのこと、いち早く区民の要望に応えて、テニスコートのラインにとどまらず、この際ですからね、利用者の意見を聞いて、ニーズがあるのであれば、この広場で可能な種目のラインの敷設を検討してはいかがでしょうかお答えください。

○鈴木スポーツ振興課長 人工芝の劣化状況等を見ながら、全面張り替えの時期については検討してまいりたいと考えております。全面張り替えのときには、どのような競技種目のラインが必要か、利用者のニーズを聞いて十分に検討させていただきます。

○むとう委員 その劣化状況って誰が見て決めるんだか分からないけれども、また自分たちで適当に判断するの。ちゃんと専門家に聞いてくださるの。

○鈴木スポーツ振興課長 劣化状況につきましては、補修の状況、指定管理者等も日常の管理の中で点検をしておりますので、そちらのほうを参考にしながら、劣化状況等を判断してまいりたいと考えております。

○むとう委員 そうすると結局、今だってそんなに劣化していないわけでしょう。劣化するまで駄目だよと言ったら、何年先になるか分からないわけですよ。その間、結局、テニスコートのラインはない。ぺらぺらのテープでやるのか、石灰を引くのか分かりませんけれども、毎回毎回引かなければ、引くなり貼るなりしなければ使えないということで、なおかつ、ここは広場という扱いだから、普通のテニスコートよりも先ほど言ったように使用料金が高いわけですよ。計算の仕方も違うので。これではほとんど利用されないじゃないですか。この現状があるんだから、この際、耐久年数が過ぎているんだから、劣化のいかんに関わらず、これでは区民ニーズに施設としては利用されにくいわけですから、区民の財産ですからね、有効利用を図るべきだと私は思うんですよ。ですから、きちんと、劣化の状況云々なんて言わないで、早急に検討して、幾らかかるのか、人工芝を張り替えるのは相当お金がかかることだと思いますけれども、しっかり区民のために早急に検討し、張り替えることを要求したいと思いますが、いかがですか。

○鈴木スポーツ振興課長 繰り返しになりますが、人工芝の劣化状況等、使用状況を見ながら、全面張り替えの時期については検討してまいります。

○むとう委員 何か繰り返しの答弁だとつまらないんですけどね、進展しないよね。やっぱり区民の財産です。有効利用を図るべきだと思います。ここの場所はあまり評判がよくないんです。指定管理者に任せきりにせず、区民の立場に立った管理業務ができるのか。区に監督責任を果たすことを要求して、全ての質問を終わります。ありがとうございました。

○杉山委員長 以上でむとう有子委員の質疑を終了します。

 次に、石坂わたる委員、質疑をどうぞ。

○石坂委員 質問いたします。まず1として、難民を含む外国人についてのNPOとの連携等について伺います。

 予算特別委員会資料総務の3、「中野区基本計画」における「主な取組事業」の予算反映状況によると、外国人住民等が暮らしやすい生活の支援及び環境の整備に2,350万円余、性別、性自認・性的指向、国籍・文化等の多様性を認め合う気運の醸成に40万円余の予算がついています。2012年の外国人登録制度廃止以前は、軍事政権から逃れるべく、在留資格のないミャンマー人が中野区内に相当数住んでいることが区でも把握をされていました。現在もウクライナやイスラエル、ミャンマーなどの紛争、内戦、クーデターによる難民が、中野区内に今は住んでいないとは考えにくい状況です。その上で、(1)として、「難民を支える自治体ネットワーク」について伺います。幾つか例を伺いますが、まず戸籍住民課では、難民のケースについて、在留資格がないままに住民登録の窓口に来てしまわれる方、特定活動などの在留資格を得た難民の方が窓口に来る例はありますでしょうかお答えください。

○白井戸籍住民課長 戸籍住民課の窓口におきまして、外国人の方で短期滞在資格のみなど、住民登録が可能な在留資格がない状況で戸籍住民課の窓口に住民登録のために来庁するような事例はございます。戸籍住民課の窓口では、その方が難民申請を行っているかどうかを確認する法的根拠がないため、難民申請の有無そのものについては把握をしてございませんが、本人から難民申請中である旨を申告された事例といったものはございます。

○石坂委員 次に、子育て支援課の支援では、難民を含む在留資格がない方に対しても、一部の行政サービスが行えるように国が示しています。難民のケースについてどのような対応実績がありますでしょうか。

○原子育て支援課長 子育て支援課が所管する区役所3階の子ども総合窓口では、妊娠前から子育てに至るまで様々な手続や相談、サービスの案内を行ってございます。難民の方につきましては、母子手帳の交付など、母子保健法などに基づく事業やサービスにつきましては、在留資格の有無に関わらず対象となることなどから、妊婦及び乳幼児期の母子を中心に対応している事例がございます。

○石坂委員 そして、子ども・若者相談課のほうでは、難民のケースについてどのような対応実績がありますでしょうか。

○菅野子ども・若者相談課長 令和5年度は、支援団体の方から相談を受け、出産を控えているが所持金がなく、経済的に困窮している難民申請中の方につきまして、入院助産の制度により対応したケースがございました。

○石坂委員 ありがとうございます。こうした様々な実例がある状況だということです。ほかにも民間レベルでは、区内に事務所を構え、生活困窮者支援を行っている、つくろい東京ファンドでは、2022年以降、区内や近隣地域での難民28世帯のサポート実績もあります。また、生活困窮などによる住まいを失ったLGBTのシェルターを運営しているLGBTハウジングファーストを考える会・東京でも、区内のシェルターにて複数名の難民申請中のLGBTの受入れ実績があります。難民申請をされる人の理由は様々ですが、紛争等によるほか、LGBTを理由とする場合もあります。海外には、LGBTが違法である国や地域、中には同性愛者を理由に死刑となる国があるためです。私も一歩立ち入った瞬間に、逮捕、処罰される可能性があります。また、こうした国からの難民の方は、同性愛者が町なかでリンチに遭うような母国出身者と顔を合わせるような場には、怖くて相談に行けないと言っている方もいます。

 当該自治体ネットワークの担当者としては、中野区内に難民支援中の方を含め難民の方が、人数の把握とまでいかなくても、現に住んでいるという認識はありますでしょうかお答えください。

○国分ユニバーサルデザイン推進担当課長 難民の方の実態でございますが、国の出入国在留管理庁に問い合わせたところ、自治体における難民の人数は把握していないという回答であり、区では難民の申請者、認定者ともに数の把握は困難と考えてございます。したがって、現に区に住んでいるかという実態についても把握してございません。

○石坂委員 現に相談に窓口に来ているわけですから、そこが共有されていないのはやはりまずいかなという状況というふうに感じております。さて、在留資格を失った外国籍の方が難民認定申請をしても、申請後の長期にわたり在留資格や就労資格をなかなか得ることができません。こうした中、生活に困窮していると判断された原則初回の難民申請者に限り、国の公的支援として保護費が支給されることがあります。外務省から委託をされたアジア福祉教育財団の難民事業本部RHQがその実務を担っています。ところが、手続から支給決定までに数か月から半年以上かかることも多く、民間団体が肩代わりをする例もあります。また、支給決定後も、難民の保護費は日本人の生活保護と比べ金額が少なく、住まいの敷金、礼金は支給されない。そもそも保護費の制度を当事者や自治体職員が知らない場合も多いという課題もあります。さらに住まい探しや契約、緊急連絡先や保証人の確保は自分でしなければならず、住まいの確保が難航します。また、住まわれた後も、ソーシャルワーク的な支援を受けづらい問題があります。

 こうした中、区外の民間団体である難民支援協会(JAR)は、限定的ながら、中野区内に居所を持つ方に関わってきた実例があります。先日、JARに訪問し、スタッフの方と話をした際にも、難民を含む外国人に対するソーシャルワークや、総合的な相談を行える場所がないという問題が話に上がりました。「難民を支える自治体ネットワーク」加入自治体として、区内で暮らす難民がどのような問題を抱え、支援組織がどのような点に腐心をしているのかについて、区内外の関係する団体などから情報を収集し、区でできることに何があるのかを探るべきであると考えますが、いかがでしょうか。

○国分ユニバーサルデザイン推進担当課長 「難民を支える自治体ネットワーク」でございますが、こちらは世界の難民問題を知ることを通じて、世界の平和を考える機会の提供を行うといった難民支援に対する理解啓発のための情報発信等の取組を目的として加入したものでございます。UNHCRや、ほかの加盟自治体と情報交換をしながら、世界の難民問題を知るための普及啓発イベントを実施していく予定でおります。

○冨士縄文化振興・多文化共生推進課長 また、区といたしましては、難民の方を含め、区に在住する外国人の方が安心して暮らすことができるよう、環境の整備や支援を進めていく考えでございます。

○石坂委員 では、実際に(2)のところで伺いますけども、「難民を支える自治体ネットワーク」の先達である鎌倉市は、NPO法人アルペなんみんセンターを市内に抱えていて、「市内では市民による難民支援の輪が広がっています。」鎌倉市長が言及をこのようにしています。なお、中野区内に難民支援を専門とした支援組織は、公民を問わずに存在をしていません。また、「難民を支える自治体ネットワーク」について所管をしている企画課のユニバーサルデザイン推進担当は、直接的な相談や支援を担える人材やソーシャルワークが可能な専門職も置かれていないというのは、私も認識をしているところです。

 こうした中で、まず現状では、外国語対応が難しいながらも地域のソーシャルワークやつなぎ役を担う地域支えあい推進部、難民を含む外国人の人が最初に訪れる可能性が高い外国人相談窓口を担う区民部区民サービス課などといった区役所内の関連部署、次に、中野区内で難民や外国人を専門としていないながらも難民の受入れ実績のある区内団体、さらには中野区のケースを支援した経験もある区外で難民支援を専門とする団体などの難民支援のためのネットワークをつくっていくべきと考えますが、いかがお考えでしょうか。

○国分ユニバーサルデザイン推進担当課長 自治体の難民支援の形といたしましては、UNHCRのホームページでは多様性の推進、SDGsへの貢献、多文化共生などが例として示されております。今後はそうしたことを踏まえ、「難民を支える自治体ネットワーク」に加入している自治体やUNHCRと情報交換しながら、世界の難民問題を知る平和を考える機会の提供を行い、難民の方々のために自治体は何ができるかを考えてまいります。

○石坂委員 何ができるかを考えていきますということでありますけども、現に様々な窓口に難民の方が訪れているという実情は、先ほどの質問でも明らかとなっておりますので、早急に実際に形のあるものを考えていっていただければと思います。

 (3)では、区役所新庁舎になりますけども、そちらでの外国人の相談窓口について伺っていきます。5月に区役所が新庁舎に移転をし、外国人相談窓口が立ち上がると、その日から様々な外国人の方が相談に来ると思われます。その中に難民の人からの相談も来る可能性があります。そうした際に、中野区役所内で完結ができない生活に関する相談や手続について、民間を含む様々な支援の情報を相談者に提供したり、支援団体への同行などができる体制も整えていくべきであると考えますが、いかがお考えでしょうか。

○小堺新区役所窓口サービス担当課長 外国人相談窓口では、日頃より相談に必要な区や関係機関の手続や相談窓口及び民間支援団体等の情報収集などを行い、相談があった際に適切な情報提供などの対応を行うための準備をしていく考えでございます。さらに、他機関との連携も含め、相談者の状況に応じた的確な支援につながる体制を整備していく所存でございます。

○石坂委員 ぜひそのような形でしっかりと進めていっていただければと思います。一次的な、様々な方が来る窓口になりますので、今後の活動を期待しております。

 2点目としまして、更生支援とその相談等について質疑いたします。

 予算説明書補助資料の213ページに、再犯防止推進、保護司会等支援に52万円余の予算が、217ページに、こころのクリニック等精神保健相談として206万円余の予算がついています。(1)では、アディクション(依存症)と保健師との関わりについて伺います。これまでも依存症について質疑で取り上げてきましたが、中野区のホームページに、依存症は病気であるという社会的認知を広げるとの記載もされ、本当によかったです。しかし、こうした社会認識はまだまだ広がりに欠く状況です。

 昨年、中野区内にある日本大学アメリカンフットボール部の寮で違法薬物使用がニュースとなりました。まだ大学生である若者の犯罪は、万引、一気飲み強要による死亡事故など、起訴、有罪例は様々ありますが、本件のように個人名が大きく報道されるのは異例でした。中にはその後、不起訴となった学生もいます。報道やSNSによるデジタルタトゥーが広まることは、その学生の将来に暗い影を落とします。ましてや、疑わしきは罰せずとし、私刑も禁ずる法治国家において、不起訴の若者の将来が奪われることはあってはならないことです。

 依存症への対処は、予防、早期対応、回復支援の啓発や、大学と連携をした対策が必要です。区内にキャンパスや寮を持つ大学等や、その教職員、学生に対して、区の保健師等による依存症に関する啓発を行うとともに、すこやか福祉センターにおいて様々な依存症等の嗜癖に関する相談ができることを情報提供すべきではないでしょうか。

○鈴木中部すこやか福祉センター担当課長 お答えいたします。依存症は、若者世代が抱えやすい健康問題の一つでございまして、その対処のためには、正確な知識の普及と早期の支援機関につなげる必要がございます。これまで区は、区内在学者、在勤者を含む区民を対象としました精神保健福祉講座を開催するとともに、区ホームページ等を活用しまして、依存症に関する知識や専門医、医師ですね。また、保健師による嗜癖相談の情報を発信するなど、様々な取組を推進してきたところでございます。今後も適宜、大学などの関係機関と情報交換を行い、依存症の予防と依存状態からの回復に向けた支援を推進してまいります。

○石坂委員 その際には、寮があるという場合なんかも含めて考えていただけるという理解でよろしいでしょうか。

○鈴木中部すこやか福祉センター担当課長 対象としましては広く区民の方でございますから、当然区内に寮がある場合は区民でございますので、対象と想定をしております。

○石坂委員 ぜひお願いいたします。

 そして(2)として、再犯防止推進計画と触法精神障害者の更生支援等について伺います。現在の再犯防止推進計画は2024年度までの計画で、2024年度は改定作業に入るものと思われます。依存症は精神障害の一つであり、完治しない病気ではありますが、医療的な治療や自助グループなどにより回復し続けることはできるとされています。反省をしたり、刑務所に入れば治るというものではありません。依存症の背景にあるトラウマや、様々な精神疾患の治療が不可欠な場合もあり、しっかりとした更生支援が必要です。2025年度からの新たな再犯防止推進計画には、区内にキャンパスや寮を持つ大学などの依存症についての連携も盛り込むべきと考えますが、いかがお考えでしょうか。

○池内区民活動推進担当課長 中野区を管轄している中野、それから野方、戸塚警察署のデータでいいますと、令和4年に検挙された者のうち、薬物での検挙率は約10%となってございます。薬物で検挙された者の再犯率としましては約80%と高くなっており、これは令和3年よりも上昇している傾向です。また、令和4年の薬物での検挙者のうち、20代の方は約36%を占めてございました。新たに策定する計画の中には、薬物に関しての再犯防止について、具体的な相談支援体制、それから支援内容についても盛り込むとともに、若年層に向けた再発防止に関しまして、周知につきましては区内の小・中学校、それから大学との連携についても触れていきたいと考えてございます。

○石坂委員 しっかりと再犯防止につながる実効性のある計画にしていっていただければと思います。

 そして3点目として、中野区の文化財保護と活用について伺います。

 先ほど述べました予算特別委員会資料総務の3、こちらの中では、歴史・伝統文化の保存・継承・活用について、1億1,074万円余の予算が令和6年度についています。(1)として、文化財と災害について伺います。能登半島地震では、災害によって多くの文化財も被害を受けました。まず、文化財を含む様々な歴史や民俗に関する物品の展示や収蔵を行っている歴史民俗資料館について伺います。博物館における地震対策は、複数の手法を組み合わせた総合的な手法で取り組むことが肝心ですが、重心を下げる、固定方法や倒れた場合の破損防止をすることなどが大切であると言われています。とりわけ、展示品や収蔵品について、落下防止、収納用の引出しの滑り出し防止等の措置はとられていますでしょうか。また、特に壊れやすいものや重要性が高いものについて、展示品や収蔵品の免震台などが設置されているかどうか併せてお答えください。

○冨士縄文化振興・多文化共生推進課長 歴史民俗資料館の常設展示の展示品には、土器等を補助具やテグスで固定するなどの対策を取っているほか、収蔵品につきましては、収蔵庫の棚からの落下防止対策といたしまして、一部ひもでの固定を行っているところでございます。免震台の設置については現在行っていないところでございます。

○石坂委員 その収蔵品の希少性とかを考えながら、検討を今後もいただければと思うところではあります。また、特に重要な文化財を収納するための収蔵庫の構造を2時間耐火扉とするなどの対策や、その他建物全体の耐震、免震、耐火の状況はどのようになっていますでしょうか。

○冨士縄文化振興・多文化共生推進課長 まず、収蔵庫の構造体ですけども、こちらにつきましては鉄筋コンクリート造で2時間の耐火性能となっているほか、収蔵庫の扉につきましては、建築基準法に基づき、加熱開始後1時間加熱面以外の面に炎を出さない、こういうような構造となっております。歴史民俗資料館の建物につきましては、建築基準法に基づく耐火建築物にはなっておりますが、耐震・免震構造とはなっていない状況でございます。

○石坂委員 以上のようなことを踏まえて対策を考え、災害時初期活動実施要領などの災害発生時の初期活動に関するマニュアルなどは、整備が必要と考えますが、いかがお考えでしょうか。また、どのような状況でしょうか。

○冨士縄文化振興・多文化共生推進課長 歴史民俗資料館には危機管理対応マニュアルを整備しておりまして、この中に災害発生時の初期活動について盛り込んでいるところでございます。

○石坂委員 それについてはよかったです。

 次に、区全体における文化財等のことについて伺います。平成30年に文化財保護法が改正され、都道府県が文化財保護活用大綱を決定し、それを受けて市町村が文化財防犯防災を含む文化財保存活用地域計画を策定することができるようになっています。都の同大綱が未策定ながら、八王子市は先んじて同計画を作成し、市民や文化財所有者に対する文化財防災の意識啓発や、個々の文化財の災害対策を記載しています。国の法改正以前から独自のプログラムを作成していた西東京市では、現在は同計画の第2期の素案を公開し、災害時において文化財の現状を把握し、適切な保護を図ることが市民、文化財所有者、危機管理課、社会教育課の役割とし、災害時に生かせる庁内地図データシステム等の連携した文化財の記録保存のための収蔵システムの構築を検討するとしています。文化庁の文化財レスキュー事業や文化財ドクター事業と全く同じようにはいかなくとも、自治体レベルでの事業が必要です。こうした観点から、文化財保存活用計画を中野区もつくるべきであると考えますし、また少なくとも区に一定の考え方を整理し、喫緊で災害が発生した場合に活用できるようにすべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。

○冨士縄文化振興・多文化共生推進課長 災害発生時を想定いたしまして、被災した文化財をどのように保全し、普及していくかにつきましては、他の自治体の事例などを参考にしながら研究していく必要があるというふうに考えてございます。

○石坂委員 1問飛ばせていただきます。(2)として、VR等を生かした文化財等の保護・活用・復元について伺います。旧豊多摩監獄表門、旧中野刑務所正門について、移築後はVRも含めた再現を行うとのことですが、造られた当時の正門や、その門の開閉、当時の刑務所の様子、当時の付近のまちの雰囲気が伝わるものにすべきと考えますが、いかがお考えでしょうか。

○冨士縄文化振興・多文化共生推進課長 現在行われている記録保存業務で得られたデータ等を基に、VR等の技術を活用しまして、往時の中野刑務所の様子の再現などを予定しております。可能な範囲で付近の様子が伝わるものとなるよう努めていきたいというふうに考えてございます。

○石坂委員 ぜひ刑務所全体の状態が分かるものになればと思います。また、豊多摩監獄表門でのVR利活用の実績を踏まえて、今後様々な文化財について、ほかのものについても造られた当時の文化財の状態、周囲の環境はどのように使われていたのかという動的な情報、展示スペースや保存の観点から、ふだんは収蔵庫に入っているものの鑑賞、保存の観点でふだん立ち入れない建物の内部の状態の鑑賞などに活用できると考えますが、いかがでしょうか。

○冨士縄文化振興・多文化共生推進課長 VR技術につきましては、文化財の魅力をより身近に伝えていく上で、様々な文化財への活用が期待できる技術であると認識しているところでございます。まずは中野刑務所正門への利活用をしっかり行うことで実績を蓄積いたしまして、その上で他の文化財への活用については検討してまいりたいというふうに考えてございます。

○石坂委員 ぜひそのように進めて、考えていただければと思います。さらに災害や火災、逸失などによって失われた場合にも、VRで間近に触ることができたり、失われた文化財の再建の際に、VR作成時のデータを生かすこともできると考えますが、いかがでしょうか。

○冨士縄文化振興・多文化共生推進課長 委員御提案の視点も踏まえながら、文化財へのVR技術の利活用につきまして検討してまいりたいというふうに考えてございます。

○石坂委員 そして(3)として、旧豊多摩監獄表門について伺っていきます。建築家後藤慶二は短命で、活躍した期間は短く、現存する建築物はこの門しか残されていませんが、日本の近代建築史は後藤慶二を抜きにして語れないとも言われます。短命のため展示物は少ないと思われがちですが、彼が残した建築物のラフスケッチ、設計図、文書、写真などは様々残っています。後藤慶二を切り口に、日本や世界の建築史、近代の建築家、建築技術、中野の建築物、中野にゆかりのある偉人などについて取り扱う企画展を歴史民俗資料館で行ったり、ホームページで幅広く区民に知ってもらったりし、広くその学術的意義や重要性について周知をしていくべきと考えますが、いかがお考えでしょうか。

○冨士縄文化振興・多文化共生推進課長 中野刑務所正門の文化財としての価値や歴史的意義のほか、学術的意義や重要性についても広く区民等に周知していく必要があるものと考えてございます。それに関連する事項も含めた企画、周知の方法等につきましては、今後検討してまいりたいというふうに考えてございます。

○石坂委員 ありがとうございます。こうした様々な取組を進めていく中で、やはり災害と文化財という観点で学芸員が果たす役割も大きいと考えます。学芸員がこうした文化財の防災の分野に関わっていくことについての役割ですとか、スキルアップについてどのようにお考えでしょうか。

○冨士縄文化振興・多文化共生推進課長 災害発生時の学芸員の役割ということでございますけども、被災自治体の例などから、災害発生時の学芸員の役割や文化財の防災に関する知見の向上などについても努めてまいりたいというふうに考えてございます。

○杉山委員長 石坂委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。

 13時まで委員会を休憩します。

午後0時00分休憩

 

午後1時00分開議

○杉山委員長 委員会を再開します。

 休憩前に引き続き総括質疑を行います。石坂委員、質疑をどうぞ。

○石坂委員 4、その他で、障害児の福祉としての放課後等デイサービスについて伺います。

 令和6年度の予算では、特別支援学校に通学バスで通う医療的ケア児に対して、東京都の都合で看護師が確保できず、保護者の同乗が求められた際に区がガイドヘルパーを派遣できるようになることが、過去の私の質疑もありまして、進むようになったことを歓迎いたします。また、区立学童クラブにおける医療的ケア児の受入れなども令和6年度に進んでいきます。私が初当選をした頃の区内に在住している医療的ケア児の人数すら把握をされていなかった当時と比べて、着実に取組が進んできていることについて本当によかったと思っています。

 現状、区内には数十か所の放課後等デイサービスが展開されていますが、重度心身障害児の放課後等デイサービスが1か所もない自治体もある中で、中野区は区立、民間を合わせて複数の重度心身障害児の放課後等デイサービスが展開されている状況にあります。知的・発達障害児の放課後等デイサービスも含めて、今後もさらに取組が進むよう求めるところではあります。

 さて、放課後等デイサービスでは、これまでの施設の方向性について指定されることがなかったため、支援内容は事業者によって様々でした。今回の障害福祉サービスの報酬改定では、事業者は支援において5領域のつながりを明確化した事業所全体の支援内容を示す支援プログラムの作成、公表を求められることとなります。そして、未実施の場合はサービスの報酬等の減算がなされます。区では、放課後等デイサービスの状況を把握されていますでしょうかお答えください。

○大場障害福祉サービス担当課長 お答えいたします。区は、児童相談所設置市として障害児通所支援事業所の指定等の事務を行っております。また、実地指導や集団指導による指導検査を計画的に実施することで、事業所の状況把握や専門的な質の高いサービスを提供し、多様化するニーズに応えることができるよう支援を行っているところでございます。

○石坂委員 児童相談所設置市、設置自治体となったことで、やはりそのよさも、現場により近いところでできることのよさもあるのかなと感じるところですので、今後もしっかりと頑張っていっていただきたいと思うところです。

 また、報酬改定の見直し、その他の理由による運営の見直しによって、今後、放課後等デイサービスを提供している事業者が撤退するようなことも将来的には考えられるわけですけども、子どもたちやその保護者が行き場所を失わないようにすべきです。こうした場合に他の放課後等デイサービスにつないでいくことなどについても必要になるかと思われますが、いかがお考えでしょうかお答えください。

○大場障害福祉サービス担当課長 児童福祉法におきまして、放課後等デイサービスを含めた障害児通所支援事業所が閉所等の状況になった場合につきましては、事業者は利用者の意向を聞き、別の事業者の利用につなげるなどの対応をすることを義務付けております。しかし、状況によりましては、利用者の引継ぎなどが円滑に行われるよう、区は事業者に対して助言やその他の援助を行ってまいります。

○石坂委員 今のようなことを行っていくということについて、やはりまだ御存じない方なども多かったりですとか、特に少し前に、今年度から放課後等デイサービスが2類型化されるんじゃないかという情報で、不安に感じている親御さんなどもいましたし、今後のそうした制度が変わっていく中での不安も大きいと思いますので、その辺り、しっかりと保護者の方、また通われてお子さんが常に安心できる状態をつくること、そして、何があっても区は責任を持っていくということをしっかりとPRしていく。保護者とかお子さんに対して、あるいは区全体に伝えていっていただければと思います。これは要望としておきますけども、障害のあるお子さんが子育て先進区の中で取り残されてしまうことがないように、障害と子どもというところの両制度が重なるところですので、そのはざまに落ち込むことがないようにしっかりと施策展開をしていただく。この担当ももちろんですけども、制度全体、区の企画を立てていく、様々な計画を立てていく中で、障害児の存在が決して漏れることがないように展開していただくことを求めまして、私の総括質疑を終了させていただきます。ありがとうございました。

○杉山委員長 以上で石坂わたる委員の質疑を終了します。

 次に、小宮山たかし委員、質疑をどうぞ。

○小宮山委員 大変長らくお待たせをいたしました。小宮山たかしでございます。先日、議員ハラスメント研修を受けたものですから、公衆の面前で罵声を浴びせたり、声を荒げたりしないように気をつけながら質問させていただきたいと思います。

 今からお話しすることは、私がとある自治体で耳にしたうわさ話なものですから、話半分で聞いていただきたいんですけれども、その自治体には大変人気があって、なかなか予約の取れない芸能小劇場があったそうでございます。とある若手芸人さんがその劇場の予約を取ろうとしたんですが、希望の日時を取ることがなかなかできない。それを業界関係者にこぼしたところ、とあるプロダクションに相談してごらんと、そう言われまして、その芸能プロダクションに連絡を取ったところ、そのプロダクションが既に希望の日時を押さえていたそうで、その芸人さんは幾らかの手数料を上乗せして支払う形で希望の日時を譲っていただいたと、そう認識しているそうでございます。つまり、特定のプロダクションが人気劇場の土日とかの人気の時間帯をとにかく片っ端から押さえておいて、その枠を業界内のルートで転売をしていて、利益を上げていたということがあったそうでございます。これは私がその芸人さん本人から聞いた、とある自治体のうわさ話でございます。翻って、我が中野区ではまさかそんなことはないと思いますが、いかがでしょうか。

 こちらに取り出したのは、今年2月のなかの芸能小劇場、現地の公演チラシでございます。遠くの方は見えないと思いますが、見えなくても構いません。この劇場は、何月何日、何を上演しているかという情報がほとんどないんです。ないせすアカデミアのイベントカレンダー等にほんの少しだけ情報があるのと、あとは現地に貼ってある紙のチラシを確認するしか方法がない。ピアノ発表会とかのプライベートなイベントは別として、大抵のイベントは一人でも多くのお客さんに来ていただきたいと、そう思って開催されるはずなのに、その宣伝告知がほとんどされていない。ポテンシャルはあるのに本当にもったいない話です。

 ついでに言うと、この劇場は年末年始は休んでいる。民間のお笑い劇場とか寄席とかは、年末もそうですが、正月が書き入れどきなのに、ここはふだんお笑いライブとか落語ばかりやっているくせに、年末年始はちゃっかり休んでいる。こちらには全てのイベントチラシが載っているわけではありませんが、ここに2月に開催のチラシが全部で23枚貼ってあります。2月のイベント。その中で、あれ、おかしいな。特定のプロダクションの名前が入ったチラシが、ここと、ここと、ここと、ここと、ここと、ここと、ここと、ここと、ここと、ここと、ここ、全部で12枚あります。その中で、2月の土日祝日のチラシ、ここと、ここと、ここと、ここと、ここと、ここと、ここ、全部で8枚あります。特定の芸能プロダクションが人気のある劇場の人気のある時間帯を片っ端から押さえている。これは不思議ですね。何かおかしくないですか。なかの芸能小劇場には、区民文化・公共的団体、区内の学校、官公署を優先する仕組みがありまして、それに指定されると、ほかの単なる区内団体よりは1か月早く、11か月前からの優先予約が可能になります。文化芸術活動団体及び地域団体、福祉団体、教育団体等の公共的団体で、5人以上で構成され、かつ、その構成員の半数以上の方が区内在住・在勤・在学であることというのがその定義なのですが、このオフィス何とかという民間の芸能プロダクションは区民文化・公共的団体に該当するのかしないのか。区の見解を教えてください。

○冨士縄文化振興・多文化共生推進課長 ただいま紹介のありました当該団体につきましては、区民文化・公共的団体の区分に該当するものでございます。

○小宮山委員 たまたま区内に住所を置いている民間の芸能プロダクション、営利団体と、それとあと区内の学校とか教育団体が同じ条件で優先されているのはおかしくないですか。

○冨士縄文化振興・多文化共生推進課長 営利、非営利を問わず、文化芸術活動を行う団体が区内の文化施設におきまして、お笑いや落語などの芸能鑑賞の場を提供することは、地域の文化振興に資するものであるというふうに考えてございます。このことから、区内に住所を置く文化芸術活動を行う団体については、施設利用を促す観点から、地域団体、福祉教育団体等の公共的団体と同様の登録区分を設けているところでございます。

○小宮山委員 それを優先するあまり、一般区民がなかなか取れないという話も聞こえてきているんですよ。プロの落語の公演ばかりを手がけているこの芸能プロダクションが、区内の学校や教育団体や官公庁と同じレベルで優先されなければならないという意味が私にはよく分からない。そして、予約手配したのは確かにこの区内のプロダクションなのかもしれませんが、実際に劇場を使っている、実際に舞台に上がっているのは区民とは限らないプロの芸人さんです。恐らく、恐らくですが、このプロダクションは劇場を予約手配して公演を行うに当たり、プロデュース料金的なものを芸人さんか、あるいは入場料から受け取っているんでしょう。この劇場は本来、区民のための劇場じゃないんですか。だから、区民のために使用料が安くなっているんじゃないんですか。それなのに何で土曜、日曜になるとプロの落語公演ばかりやっているんですか。また、どんな性質の団体であっても、この劇場を使うのは最大7日間までとなっているんですが、このプロダクションはなぜかその枠を超えて、7日間以上利用している。別団体、ダミー団体をつくって予約しているのか、それとも指定管理者がポンコツなのか。一体どういうわけで規定日数以上の予約が可能になっているのか教えてください。

○冨士縄文化振興・多文化共生推進課長 規定日数以上の予約の理由でございますけども、当課において調査いたしました結果、別の一般団体で予約していた枠のものにつきまして、この区内の団体が主催する公演として周知を行っていたことが判明いたしました。こちらにつきまして、各団体における予約自体につきましては、不正は見られなかったものの、こうした利用については他の利用者に対して誤解を招くものであり、当該団体に対しましては改善の指示を行い、同団体の理解を得たところであります。また、指定管理者に対しましても、予約団体と利用団体のチェック方法について改善するよう具体的な指導を行ったところでございます。

○小宮山委員 やはりダミー団体をつくって、規定以上に多く予約していたそうです。これは明らかに不正利用、不正予約ですね。これは今月に限った話じゃなくて、これが常態になっている。今の指定管理者をハード面の管理をする野村不動産パートナーズ株式会社とともに構成するJTBコミュニケーションデザイン株式会社は、このように特定の芸能プロダクションが劇場を占有している現状に対して、問題意識を持っていなかったんでしょうか。あるいは意図的な癒着をしていた可能性もあるかもしれませんが、証拠もなしにそんなことを言ってはいけません。これだけ同じ団体が毎月毎月繰り返し劇場を使っていて、規定の日数を超えて、土日の大半を押さえて休日枠の多くを占有して、一般区民はここを使いたくても使えない。私は、この状態は随分前からおかしいと感じていた。管理者自身がもしこれに気づいていないとしたら、よっぽどポンコツの管理者ですよ。

 私はこの劇場に何度も行ったことがありますが、照明や音響の裏方スタッフはいるでしょうけれども、いつも窓口にいるのは、未経験者歓迎といううたい文句で採用された時給1,170円のアルバイト1人のように見えました。これまで長年にわたってアルバイト1人に劇場管理を任せ続けてきた、その結果がこれですよ。無法地帯ですよ。区民のために安い料金で運営している劇場が、特定の芸能プロダクションに乗っ取られてしまっている。土日のイベントの大半にはこのプロダクションが絡んでいる。そして、このプロダクションは劇場利用・プロデュースの権利を転売とか販売とかしているといううわさもある。区民からは、この劇場がなかなか予約できないと悲鳴が聞こえている。ここは一体誰のための劇場ですか。おかしくないですか。

 だから、私は2020年から予算・決算特別委員会の総括質疑において、ほぼ毎回のように中野区の文化芸術を何とかしろ、今の指定管理者はポンコツとは言いませんが、ちょっとあれなので、だから、この指定管理者は替えたほうがいい、替えるべきであると訴え続けてきたんですよ。それなのに、区はこの指定管理者と4度目の契約を更新して、その結果がこのざまですよ。区民劇場の乗っ取りですよ。これは指定管理者のみならず、中野区の文化担当職員の管理監督責任も問われると思いますよ。何でここはプロの芸人ばかり使っているんですか、おかしくないですかということを私は以前から公式、非公式に指摘してきたのに、こうしたからくりを暴くことができずにいた。指定管理者に任せきりにしないで、もっと現場に足を運んでください。アウトリーチしてください。野方のまちでお笑い芸人さんと、まちの人が交流している姿を見てきてください。この劇場が適正に運営されているかどうか、月に1度ぐらいは公費でお笑いライブを見てきたっていいと思いますよ。明日を夢見る若者や若くない者が、10人もいないお客さんを相手に舞台の上で頑張っている姿を、指定管理者の雇ったアルバイトが暇そうにスマホをいじっている姿を、その目で見てきてくださいよ。明日を夢見る若者や、井関委員みたいに若くない者を応援していくことも、「はじまりのまち」中野区の文化芸術担当職員の使命の一つだと思いますよ。中野区は、文化芸術基本方針を策定して、「遊び心あふれる文化芸術」の振興にこれからも、これからひょっとすると、もしかしたら、恐らく多分きっと、力を入れていこうとしているんじゃなかろうかと思われます。

 中野区はこんなものじゃないと、酒井区長は当選するまではよく口にしていました。私は今でも思います。中野区はこんなものじゃない。区が秘めた文化芸術的なポテンシャルはこれから大きく花開こうとしている。そのための職員体制、教育委員会が所管する文化財担当は除いた文化芸術関連職員、部課長を除いて一体何人いるんですか。

○冨士縄文化振興・多文化共生推進課長 現在、文化芸術関連の職務を主に行っている職員は3名であります。また、来年度につきましては、文化財を含めた一体的な係編成とする予定でございます。さらにシティプロモーション担当との連携を深めていく。これらによりまして、文化芸術の推進体制の強化を図っていく考えであります。

○小宮山委員 たった3名しかいないじゃないですか。文化芸術基本方針の区民意見交換会に私が行ったら、課長をはじめ、たった3人で机と椅子を並べていた。そういう労働環境ではアウトリーチもなかなかできないし、指定管理者の不正がもし万が一あったとしても、気づくこともなかなかできない。「遊び心あふれる文化芸術」施策は、あまり出てこないと思うんですよ。あと2年余りで文化3施設の指定管理者の指定管理の更新がある。今の指定管理者、JTBコミュニケーションデザイン株式会社がポンコツとは言いませんよ。ポンコツとは言いませんが、機能が不完全で性能が低いということを私はこれまで幾度となく指摘してきました。野方WIZ主催の区民のためのガラコンサートの出演者は、マイクや音響設備も使えないのに6,000円の参加費を取られ、さらにお客さんから500円。見る人、出る人両方からお金を取っていた。区民参加型のオペラを共催して、小学生以下に1万円以上のチケットノルマを負わせていたこと。学び場ネットのリンク190件のうち、100件がリンク切れしていたこと。学び場ステーションのホームページを更新する、すると言って、1年以上しなかったこと。その件について担当者に直接電話したら、区と話し合わないと返事できません、言えません、言えませんと逃げられたこと。別件で簡単な問合せメールを送ったら、返信が届くまでに3日もかかって、しかも、こちらの質問にはまともに答えていなかったということもありました。指定管理者が悪いのか、設計者が悪いのか分かりませんが、なかのZEROの建物は表も裏もあちこち立入禁止ばかり。ここ数年は随分改善してきましたが、今までは区民対象の講座なども最低限のものしかありませんでしたし、なかのZEROの箱の中を飛び出して、中野区全体の文化芸術振興に資するようなこともありませんでした。

 私は、コロナ禍のときに、中野の子どもの笑顔の写真を100人以上の区民からオンラインで提供していただいて、中野駅のガード下ギャラリーで子どもの笑顔の写真展を開催したりしましたが、コロナ禍のときに、なかのZERO指定管理者は区民に一体何をしてくれましたか。2億6,000万円もの損失補填をただただ受け取っておきながら、動画もほとんど作らなかったし、コロナ禍ならではの企画はないも同然で、区民に何も提供しなかった。根拠もなくポンコツ呼ばわりしてしまうと問題がありますから、私は明確な根拠を持って、ポンコツとは言わないが、それに近い状態で機能が不完全で性能が低い状態にあったと指摘をさせていただきます。そんな事業者が契約満了時には20年間も中野区の文化芸術を一手に担ってきた。過去18年、JTBコミュニケーションデザイン株式会社が中野区の文化芸術を主導したことで、何かほかの自治体には見られないような、中野区ならではの画期的な成果、印象に残る出来事が一つでもあったかどうか。皆さん、言えますか。

 なかのZEROの館長、館長と呼ぶのか、センター長と呼ぶのか私は知りませんが、責任者の名前と顔を知っている区議会議員はほとんど誰もいない。違いますか。なかのZEROの責任者を誰も知らないじゃないですか。実は私もよく知らない。つまり、18年やっても区内にネットワークができていないんですよ。アウトリーチしていない。ここにいる人たちや区民の印象に残るような、ほかの自治体にはない中野区ならではの成果は何一つ出ていない。18年もやって、皆さんの印象に残っている成果が一つもないんですよ。2年後の文化3施設の契約更新に当たっては、今の仕様書要求水準を全面的に見直して、企画提案方式でポンコツでない事業者を選定すべきと思いますが、いかがでしょうか。

○冨士縄文化振興・多文化共生推進課長 これまでも必要な要求水準を盛り込んだ選定を行ってきたというふうに認識しているところであります。一方で、新たな中野区文化芸術基本方針を策定するとともに、次世代育成に資する文化芸術の鑑賞体験機会の充実策を策定したところであり、指定管理期間満了後の公募に当たっては、これらを踏まえ、各取組を実装できる仕様とする必要があるというふうに考えております。必要な要求水準の見直しを含めまして、よりよい選定となるよう検討してまいりたいというふうに考えてございます。

○小宮山委員 今までの指定管理者も、区の求めた要求水準ぎりぎりですけども、ぎりぎりですけども満たしていた。最低限のことはやっていた。しかし、そもそも区の要求水準が低かったと思うんですよ。ぜひ全面的に見直して、ちゃんとした事業者を選んでいただきたい。そう思います。

 では、次に行きます。今から12年前、中野区が箱根に所有していた宿泊施設、仙石原中野荘、シェモア仙石。2度公売にかけても誰にも見向きもされず、最終的にヤフーオークションで1億2,900万円で民間に売り払った、あの施設が今どうなっているか皆さん御存じでしょうか。恐らくですけども土地が転売をされて、そして建物を建て替えて、今ね、あの星野リゾートの五つ星ホテルが建っているんですよ、同じ場所に。立地はよかったんですよ、立地は。建物は違いますよ。立地はよかったんです。五つ星ホテルが建つほどのすてきな立地なのに、区はそれを生かし切れなかった。1億2,900万円で売っちゃった。今、中野区にある宿泊施設といえば、軽井沢少年自然の家だけでございます。小・中学生が体験学習やスキー教室に使っているほか、区民個人や団体が利用することができる。中野区から高速バスを使って、今の時期なら交通費は片道2,400円。最寄りの中軽井沢駅から歩いて二、三十分。歩いて歩けないことはない。無料送迎サービスがあるとかないとかといううわさもある。タクシーを使っても1,000円しかかからない。そして、あの星野リゾートの四つ星ホテルと直線距離でいえば二、三百メートルしか離れていない。軽井沢の観光名所である石の教会・内村鑑三記念堂とほぼ隣接している。立地はいいんですよ、立地は。軽井沢といえば、全国でも屈指のリゾート地、避暑地です。コロナも落ち着いた今年度の夏休み、8月はさぞかし多くのお客さんでにぎわったことと思います。今年度8月の軽井沢少年自然の家の利用率を教えてください。

○佐藤学務課長 今年度8月の利用率は22.4%でございます。

○小宮山委員 今まさに耳を疑うような声が出ましたけども、私は今年度の夏、練馬区の類似施設ベルデ軽井沢、新宿区の類似施設のグリーンヒル八ヶ岳の8月の予約状況をチェックしてみました。ですが、ほとんど満室で、稼働率は95%以上だったように私の目には見受けられました。中野区の軽井沢少年自然の家だけが、お盆の時期以外は満室にはなっていなかった。施設の老朽化は否めませんけれども、その分、素泊まりは2,300円。7月から値上げして、今年の7月からは2,900円になるようですが、料金は安いですし、立地もよい。料理も決して悪くない。羽毛布団は私よりいい羽毛布団を使っている。それなのにハイシーズン、夏休みの利用率が約20%そこそこで利用されていないというのでは、このまま廃止にして星野リゾートに買ってもらおうと。そういうことにもなりかねない。ぜひてこ入れをしていただきたいものであります。

 お笑い業界と同じく、旅行業界においても年末年始は書き入れどきです。軽井沢少年自然の家の年末年始の稼働率を教えてください。

○佐藤学務課長 軽井沢少年自然の家は、青少年の健全育成や区民の生涯学習に関する活動を支援するための施設でございまして、民間の宿泊施設とは性質が異なるというものでございます。なお、軽井沢少年自然の家は、中野区立少年自然の家条例により、12月29日から翌年1月3日まで休業日となっているため、年末年始は稼働してございません。

○小宮山委員 そもそも教育委員会がこの施設を所管しているから、そういう融通の利かないお役所答弁になるんじゃないんですか。中野区教育委員会にはいろんな問題がありますけれども、ここもその問題の一つです。「人の行く裏に道あり花の山」、年末年始に休むような宿泊施設は民間の宿泊業ではあり得ません。そもそもこの施設は、これまで電話予約しか受け付けていなかった。電話したら施設から自宅に書類が郵送されてくる。そこに必要事項を記入して施設に返送する。すると、施設から利用承認書がまた郵送されてくる。それを持ってチェックインするという、そういう仕組みでした。郵便で1往復半とか2往復ぐらいしなきゃいけない。今、郵便の発送から到着まで、下手すれば1週間かかってもおかしくない時代ですから、この予約方法はどうにかならないのかということを私は以前から公式、非公式に指摘をしていました。そして、ついに今年度、夏休み明けの9月にオンライン予約が可能になりました。どうせオンライン予約を可能にするならば、頑張って夏休み前にやればよかったのにと、そう思うんですが、それはさておきまして、オンライン予約が可能になったことによって、これまでは7日前までに予約をしてくださいということで、当日とか前日の直前予約ができなかった。この施設の事前予約期間、一体どれだけ短縮されたでしょうか。

○佐藤学務課長 予約期間はオンライン化後も変更はなく、7日前までの申込みとしてございます。軽井沢少年自然の家は民間の宿泊施設と異なり、常時利用者の受入れ体制が整っている施設ではございません。現状では、予約が入ってから宿直等の人員体制を組むため、7日前までに申し込んでもらう必要がございます。

○小宮山委員 オンライン予約にせっかくしても全然利便性が上がっていない。スタッフの手配をするのに時間がかかるそうなんですけども、これ、実は悪循環になっていると思うんです。お客さんが少ないからスタッフを常勤させられない。常勤者がいないから直前予約ができない。直前予約ができないからお客さんが減ってしまう。悪循環ですよ。新宿区や練馬区の類似施設のようにもっと予約制度をシンプルにして、自区民以外にも門戸を広げて稼働率を上げる工夫をしていけば、お客さんが増える。お客さんが増えればスタッフも増える。スタッフが増えれば直前予約も可能になる。契約次第ですけども、指定管理者ももうかる。そういう好循環が始まっていくと思うんです。その点についてもう一度答弁をお願いします。

○佐藤学務課長 スタッフを常駐させるためには、人材の確保や人件費の負担といった課題を解決していく必要があると認識しています。直前予約は難しいと考えてございますが、事前予約期間の短縮については今後、指定管理者と検討していきたいと考えてございます。

○小宮山委員 結局、オンライン予約では利便性が上がっていないじゃないですか。今回のオンライン予約、その仕様がちょっとひどいんですね。予約するにはいろんなことに回答しなければならない。まず代表者の住所、氏名、電話番号を書きます。それから、宿泊年を選択させるボックスがある。2か月先の予約しかできない施設に何で宿泊年を書くんですか。あとは、御利用目的を選択するのが必須項目になっている。研修会、観光旅行、クラブ活動、懇親会、合宿という選択肢がある。これを聞いて一体どうしたいのかよく分からない。あとは、交通機関を答えないと予約ができない。新幹線か、自家用車か、その他か。駐車場のスペースに限りがあるなら分からないでもないですけども、サッカーコートぐらいの広い駐車場があって、車は幾らでも止められる。何で交通機関まで答えなければ宿泊ができないのか訳が分からない。あとは、1人宿泊であっても、家族や恋人同士で男女1室に泊まる場合でも、男性の数と女性の数をそれぞれ答えなければならない。ここは学校利用の場合、男子棟と女子棟が分かれているので、そういう質問があるのかもしれませんが、家族が1室で泊まる場合にいちいち男何名、女何名とか答えなきゃいけないんですか。民間の宿泊施設で性別を聞かれたことなんかないですよ。あとは、宿泊者全員の年齢、性別、住所、電話番号を書く欄がありますね。最初に代表者の住所、氏名、電話番号を答えたのにまた答えなきゃいけない。今どき、仲のいい友達だって住所、電話番号を知らないことは珍しくないですよ。例えば私、無所属議員の住所、番地、調べれば分かるけども、誰も知らないですよ。年齢も特に興味はないので、正確には把握していないです。電話番号は、携帯に登録してある無所属議員も半分ぐらいしかいません。

 オンラインで自分の住所、氏名を2回書いて、現地にチェックインします。現地にチェックインする。まず最初に、ここに住所、氏名を書いてくださいといって紙を出されるんですよ。3度目ですよ。住所、氏名を3度書かないと、ここには泊まれない。そして、オンライン予約をすると利用承認書というのを折り返しメールで送ってきて、宿泊の際はこれを持参してくださいと書いてあるんです。現地に行って、両手に荷物を抱えながら、承認書を見せるんですかと聞いてみると、見せなくていいですよと。見せなくていいんだったら発行しなきゃいいじゃないですか。住所確認をすること、区内在住か、そうでないかというのは、ここを利用するに当たって重要なんでしょうけれども、夏休み中の稼働率が20%そこそこのこんなにがらがらの施設だったら、区民かどうかにはさほどこだわらず、区民は多少優先しつつ、ほかの利用者も受け入れて、もっと回転率を上げる、利益率を上げる工夫をしたほうがいいんじゃないかと思うんです。じゃないと、箱根にあったシェモア仙石のように、利用されないから処分しますということにもなりかねない。施設は多少古いですけども、料金は大人素泊まり2,300円と激安。冬場に団体で行くと料理が冷たいこともあるようですが、少人数なら揚げたての天ぷらとか、ゆでたての手打ちそばが出てきたりして、料理も案外悪くない。それなのに夏休みの稼働率は22.4%。年末年始は休んでいる。予約をオンライン化したのに利便性が全く上がっていない。民間ではあり得ないようなことがずっと何十年も放置されている。ここはちょっとてこ入れするだけでみるみる改善していくはずですから、それだけのポテンシャルを秘めている施設ですから、ぜひ御担当には頑張っていただきたい。直前予約を可能にするなどして利便性を向上していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

○佐藤学務課長 委員おっしゃった入力項目については、省略できるところは省略していきたいと考えてございますが、できない項目もございます。例えば性別についてはお風呂の準備のためですとか、交通手段については送迎の有無の確認などのため必要であるというふうに考えているところでございます。軽井沢少年自然の家は貴重な区の財産であり、有効活用を図る必要があることは認識しており、稼働率を上げるための取組について今後考えていきたいというふうに考えてございます。

○小宮山委員 先ほども言いましたけども、教育委員会がそこを仕切っていると、所管していると、どうしても青少年のためとか、そういう目的が優先されがちになってしまう。所管を変えることも検討していただければと要望をしておきます。

 あと、時間が余りましたので、その他の質問をさせていただきたいと思います。新区役所1階に新しく区民交流スペースができるようでして、文化芸術の振興をそこで図られるようなので、私も非常に楽しみにしておりますが、その業務委託先が先日決まったそうでございます。その会社名がJTBコミュニケーションデザイン株式会社という、どこかでおなじみの、中野区とは割とおなじみの管理者なんですが、その書類を見ると随意契約と書いてあったんですよね。随意契約でJTBコミュニケーションデザイン株式会社、何があったのかなというのはとても疑問に思ったんです。ぜひその辺りの説明を、時間はいっぱいありますので、ゆっくりとしていただきたいと思いますが、一体何をどうやっていくのか、契約がどうだったのか。そういった辺りを含めて、今後どうするのか具体的に教えてください。

○高村シティプロモーション担当課長事務取扱 新区役所1階の区民交流スペースの企画運営事業者については、企画提案を公募し、5社の応募があり、審査会の厳正な審査を経て、JTBコミュニケーションデザイン株式会社に決定したところでございます。本年5月からは、当事業者の企画に基づき、情報発信スペースではパーゴラを利用した常設展示のほか、月1度程度様々な企画展示が実施されます。また、新庁舎1階の二つのミーティングルームや6階の会議室ではアールブリュットなどを、3階のキッズスペースでは彩色豊かな絵をそれぞれ楽しんでいただけるようになります。さらにイベントスペースや多目的スペースでは、5月11日、12日に開催予定のオープニングイベントを皮切りに、音楽やダンス、伝統芸能をはじめ、幅広いジャンルの文化芸術のイベントや企画が実施される予定であります。以上の当運営事業者の企画等、これ以外の区民や団体の方による当該スペースの利用した活動と併せて、様々な発信がされる場としてまいります。

○小宮山委員 JTBコミュニケーションデザイン株式会社の中には優れた社員もいらっしゃると思うんですよ。ここ数年、私が議会で取り上げ始めたのは2020年ですけど、それ以降、JTBコミュニケーションデザイン株式会社じゃなくて、なかのZEROはみるみるいろんな文化芸術の発信とか、区民対象の講座とか、あるいは今度アウトリーチも若宮児童館でするそうですけども、今までやっていなかったことを急にし始めた。だから、やる気になればできるんだなというふうに私は思いました。ぜひですね、JTBコミュニケーションデザインさんには頑張っていただきたいと思います。

 中野区は、何千億円もかけてビルをいっぱい造っていますけども、その足元を見てください。足元を見ると、中野駅の南口の花壇なんかジャングルじゃないですか。そしてあと、クリスマスになっても、すてきなイルミネーションをやっているところはどこもないじゃないですか。セレブのためのマンションとか高層ビルばかり建てて、足元を見ると花一つ咲いていない。そういう貧しい区であってはならないと思うんです。ぜひですね、文化芸術的にも豊かに、誰でも親しめる文化芸術振興をしていっていただきたいと要望しておきます。

 以上で質問は終わりです。ありがとうございました。

○杉山委員長 以上で小宮山たかし委員の質疑を終了します。

 次に、吉田康一郎委員、質疑をどうぞ。

○吉田委員 「育児支援と防災緑地と平らな歩道の中野を創る会」吉田康一郎です。よろしくお願いいたします。冒頭、私からも能登の震災の犠牲者の方にお悔やみを申し上げ、そして、現在も被害に遭われている方々にお見舞い申し上げ、一日も早い復興を祈念し、少しでもお手伝いをしたいと考えております。

 まず最初に、通告では、令和6年度予算案についてという項目で財政運営の考え方、基金活用の考え方等について質疑をする予定でございましたけれども、昨日までの3日間の多くの委員の皆さんの質疑で、私が伺おうと考えていた事項の大層は指摘がなされましたので、質疑は取りやめ、意見だけを申し上げます。

 令和2年から、予算は一本調子で増え続け、自ら定めているルールからも外れ、後年度負担が懸念され、事業の内容を見ても、政策の優先順位づけ、事業の合目的性、費用対効果などの十分な検討に基づく事業の選択と打ち出し、スクラップ・アンド・ビルドのスクラップがほとんど行われていないことなど、堅実性も戦略性も乏しい散漫な予算案であると考えています。このような予算編成の在り方について見直しを要望いたします。

 次に、少子化対策・育児支援政策について伺います。

 2018年に、酒井区長が子育て先進区の実現を公約に掲げて、区長選挙に当選して5年半であります。しかし、残念ながら、区長の就任以来、我が区の合計特殊出生率は基本的に下がり続け、最新の令和4年の合計特殊出生率は、本会議での区長の答弁のとおり前年の0.96から0.92に落ち、23区の順位は最下位と小数点2桁まで変わらない単独22位に落ちました。この事実を踏まえて、令和6年度の予算をこういう事実を踏まえて編成しているのかまず伺います。

○青木子ども政策担当課長 子ども・子育て施策を充実することも少子化に歯止めをかけることにつながると考えておりまして、中野区基本計画において、子育て・子育ちの環境を整備する子育て先進区の実現を重点プロジェクトの一つとして設定し、これを進めていくための予算を計上しているところでございます。

○吉田委員 重点プロジェクトにも位置付けて予算編成をしておられるということですけれども、令和6年度予算のうち育児関連経費について、構成比率と予算額は前年度から増えているのか伺います。

○青木子ども政策担当課長 令和6年度の子ども教育費の予算額につきましては約624億6,500万円、一般会計に占める構成比は31.2%です。令和5年度に比べまして、予算額としては約17億1,600万円、構成比は0.1ポイント増加しているところでございます。

○吉田委員 予算額自体は増えているけれども、構成比率は0.1ポイントしか増えていないということであります。一般会計全体は、令和6年度当初予算は5年度と比べて2.5%増えているわけでありまして、予算全体の増加額に比べると0.1%しか増えていない。2.5%に対して0.1%、この比率は、育児支援について重点的に重視して予算編成を行っているというふうに数字では見られない。このように考えます。折しも新年度から、小・中学校の給食費の無償化という大きな予算を伴う事業が開始されたにもかかわらずであります。

 私は、区長が、育児支援、子育て支援がなぜ区にとって必要なのか、その目的意識の理解が政府や私と異なっているのではないかと考えております。本日、2023年度出生数が75万幾千人ということで史上最低、そして80万人を切った昨年よりもさらに減ったと、各紙全部がトップ、あるいはトップに準ずる扱いでこれを報じております。これはなぜか。各紙がいろいろ社説、解説などで言っているとおり、人口減というのが、社会が維持できなくなる、日本がそういう危機にあるからということであります。なので、世界ではどこでも合計特殊出生率の向上というのをこの育児支援の問題の重要な指標として取り上げているわけであります。ところが、酒井区長の本定例会、今月9日の区長施政方針説明には、子育て先進区の実現に向けてとの説明の中で、合計特殊出生率という言葉は全く入っていませんでした。今いる子どもたちにあれこれしてあげるということが区のやるべき全てではなくて、まだ見ぬ、これから生まれてくる可能性がある子どもたちが、今、中野区の区民も含めて希望子ども数どおりの子どもを産み育てることができない状況、これをきちんと希望どおりにお子さんを産み育てられるような環境づくり、これが私は区政にとって必要な育児支援、子育て先進区という名にふさわしい、そういう施策であろうと思います。

 こういう観点で、合計特殊出生率の向上に向けては区の育児環境全体の底上げ、こういうことに着目した事業を行うべきであり、私はこの中で最も足りない現金給付による支援の必要性をこれまで指摘してまいりました。一般質問も含めて、これまでの私の質疑の中で、就労家庭と在宅育児家庭では年間180万円の子ども1人当たりの支援の経費の格差が生じているということを繰り返し指摘させていただきまして、この格差を埋めるために在宅育児家庭に対して経済的な支援を別途行うべきではないか。このようにも伺ってまいりました。改めて伺います。

○青木子ども政策担当課長 就労家庭のみでなく、在宅育児家庭に対しても適切に支援していくという視点は重要であると認識してございまして、令和6年度予算において保育園の一時保育の拡充や、子ども誰でも通園制度、これは仮称ですが、の試行実施のための予算を計上するなど、サービスの充実に取り組んでいるところでございます。経済的支援につきましては、その効果や公平性、財政負担などを総合的に勘案していく必要があり、引き続き他自治体の取組等を研究してまいりたいと考えているところでございます。

○吉田委員 質問が一つ逆になってしまいましたけど、答弁ありがとうございます。本会議での区長の答弁では、私の質問に対して、幼稚園の給食費に対する補助を行うことは予定していないという答弁でありました。ここでお聞きしますが、仮に幼稚園の給食費に対して、小・中学校、小学校ですね、並みの補助を行った場合、現在区が行っている副食費補助を差し引いた追加の負担額は幾らになるか教えていただけますか。

○半田保育園・幼稚園課長 幼稚園における給食費につきましては園によって異なりますけれども、補助額を令和6年度の区立小学校の低学年の1食単価285円と同額と仮定いたしまして、年200食、幼児数を2,500人として試算いたしますと、区の負担額は1億3,400万円余となります。

○吉田委員 皆様御存じのとおり、保育園については、給食費に当たる金額というのは無償になっている。幼稚園については、給食に当たるものをやっているところ、やっていないところ、ありますけれども、これを押し並べて、小学校でも給食をやっているところ、あるいは私立学校などやっているところには同額を支給する。こういうことに倣って、幼稚園についても保育園で無償であるのと同様に無償化、こういうことに多分日本国中これから取り組んでいく。こういうトレンドになっていくと思います。私は、小・中学校の給食費のときに23区で後ろから2番目になって、慌てて10月に突然何か似たようなことを始めて、そして無駄な事務費がかかった。このような後追いのやり方ではなくて、先進区というのにふさわしい決断と取組を区長には求めたいと思います。

 今回は、令和6年度予算額とその内容中心の質疑にとどめて、ある別の議員の方からソフト事業という概念からも指摘がありましたけれども、この育児支援について、予算額が増えても職員数が増えていない。これについて本日は触れませんけれども、子育て先進区として子育てしやすいまちを目指すのであれば、例えば兵庫県明石市、度々いろんな方が例示されるように予算を10年で2倍、人員を3倍に増やすなど、大胆な育児支援政策を行って結果を出しました。このような区長の覚悟とリーダーシップが必要であると思います。令和6年度の予算及び施策の展開について、私は今回提案されている予算は不十分だと思っていますが、区長のお考えを伺います。

○酒井区長 令和6年度予算案及び施策展開についての御質問で、区は、今年度中野区基本計画の後期の取組を具体化した中野区実施計画を作成する予定でありまして、令和6年度予算については実施計画の検討と歩調を合わせて編成を進めてきたところであります。基本計画における重点プロジェクトの一つである子育て先進区の実現に向けて、子育て家庭に対するセーフティネット強化や子育て・子育ち環境整備など、実施計画に基づく事業を力強く推進していく考えであります。

○吉田委員 その決意のとおりの予算の割合になったり、あるいは事業の内容になることを求めて、これからも質疑を続けていきたいと思います。

 次に、廃棄物対策について伺います。

 本年4月から、我が区のごみ資源の出し方に関して、プラスチックの分別ルールが変わったことは他の委員の方も御指摘になっているとおりであります。製品プラスチックも回収することでプラスチックの再資源化が進むとともに、区民の分別の負担が減ることは大変よいことだと評価しております。しかし、他方、今回の変更により、区の廃棄物処理関係予算は年間3,000万円が増加することになります。この理由を聞きますと、別途のトラック輸送費が、その輸送する先が遠くなるので増えるんだというような御説明も受けました。こういう理念的にいいことをやろうとしても、実際に落とし込んでいくと、事によったら改善できるかもしれない費用が増えていく。こういう問題には不断に取り組んでいかなければいけないと思います。一般質問の際に申し上げましたけれども、さらに再資源化、ごみ減量と環境負荷の低減等、環境対策を進めるとともに、経済的にも効率化と費用の削減、区民の負担削減を進めていく必要があります。そのため、廃棄、回収、運搬、中間処理、再資源化という全ての工程において、より進んだシステム、技術、装置、設備、組織等の導入を不断に研究検討し、進めていく必要があると考えます。区は今後、国や都、関係企業や団体等関係者に、このような廃棄物処理、再資源化のスキームの改善に向け、働きかけをしていくべきと考えますが、見解を伺います。

○松前環境部長 ごみ減量資源化促進に係る技術革新や業務の効率化、これは回収、中間処理、再資源化のあらゆる段階で各主体が追求すべき課題であると捉えております。区としても、先進的な取組事例の研究や情報収集に努めるとともに、関係機関、団体との情報共有を図り、「ごみゼロ都市」中野の実現に向けて取り組んでまいります。

○吉田委員 ありがとうございます。これも本当に大規模な話で、一朝一夕にはできない粘り強い取組が必要なんですが、よろしくお願いします。その中で、比較的改善が短期間に成果が得られそうな案件と私が思うものを一つ取り上げて、質問します。粗大ごみの中には製品プラスチックももちろんあります。現在30センチ以上の廃棄物は粗大ごみとして排出することになっていますけれども、これについて一部素材に着目した基準、こういうものを導入して、これを資源プラスチックとして回収すれば、今、粗大ごみとなっているものについても資源プラスチックとして、より資源化が進むと考えますが、いかがでしょうか。

○松前環境部長 区で行う資源プラスチック回収の仕組みでは、規定したサイズを超えた製品プラスチックを回収するには様々課題がございます。粗大ごみからのプラスチック資源化には、他自治体の事例やリサイクル業界の動向にも注視し、より効果的な資源循環の在り方を研究してまいりたいと考えております。

○吉田委員 ぜひ不断の検討と改善をお願いします。

 次に、まちづくり・道路政策について伺います。

 中野駅新北口駅前エリアまちづくりについて伺います。この駅前の再開発エリアの高層棟の青写真というか、最近示されました。この高層棟の60階から62階に区の権利床を活用した展望施設が設けられ、そして同時に最上階、62階の北側に住宅が設けられる。こういう絵を見せていただいております。これ、いろんな配置の在り方ってあるんですけれども、この図を見ると、この高層棟ですね、下の5分の3は住宅がばーっと1,250戸ですか、あって、上の5分の2が賃貸事務所スペース。ところが、最上階だけ1階分だけ、ぽつんとまた住宅が展望施設の隣にある。上部に住宅があって、下部が事務スペースでと。そうしたら最上階まで住宅があるのはよく分かるんですけど、住宅は下にあって、上部は事務所なのに、最上階だけぽつんと陸の孤島みたいに住居スペースがあると。これも、いかにもですね、ここの最上階の一番おいしいところだけめちゃくちゃ高い値段で大金持ち、買ってくださいと。こういう事業者の意図をよくよく推察できるような配置なんですけれども、民間のビルなら何でもいいんですよ。区が関与して、区と区の関連の団体が土地を出して、そして中野駅前の区のにぎわいの一番の中核と区が今後とも位置付けていく、こういう複合施設の最上階にぽつんと大金持ちのための住居があって、その人が最上階からまちをへいげいする。こういうまちづくりを区は目指してきたんですか。

○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 拠点施設計画における最上階の住宅につきましては、工事費高騰の影響による対応のため、施行予定者より事業収支改善の提案の一つとして示されたものでございます。一方で、区としては、本拠点施設に必要な機能として、シビックプライドを育む展望機能を掲げておりまして、区民が利用できる60階から62階の展望施設、屋上階の展望テラスを確保することとしております。高層棟の上部に展望機能は確保できておりまして、現在の拠点施設計画案は区の進めるまちづくりを踏まえた計画となっていると考えてございます。

○吉田委員 これね、私は普通に考えて、誰が見ても違和感がある。何だ、これはというふうに思うと思いますよ。そして、この展望施設が最上階南側、最上階の一つ下のフロアの南側に配置されていると。しかし、南側、それから横に東側、西側は見られるけども、北側は見ることができない。こういう展望施設が2階層にわたって存在するわけですが、私は、高いところの展望施設というのは360度見渡せるというのが大きな魅力になるものなのではないかと思っているんですが、360度見渡せるものというのは考えなかったんでしょうか。

○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 新北口駅前エリアの拠点施設の展望機能としては、最上階の展望施設、屋上階の展望テラスということで検討してございます。こちらからは都心方向、富士山方向などの展望が得られ、また東側、西側を眺めると、北側もかなりの部分は見渡すことができると考えてございます。区としては、必要な展望機能は確保できていると考えております。一方で、今後、詳細の検討が進んでまいりますので、区としてはさらに眺望がよくなるよう、引き続き事業者と協議してまいります。

○吉田委員 これらの施設、他の委員の皆さんからも質疑がありましたけれども、ちょっと質問をはしょって、私からまとめて申し上げます。バンケットと展望施設、これ、もともとは、区からお聞きしていることを確認して、後でそうかどうか聞きますけど、令和2年2月に民間事業者の募集の条件として、バンケットは、中野サンプラザの交流の場として利用された会議場、宴会場について、DNAを継承した新たな文化・芸術等発信拠点を構成する施設として形成するという条件で募集をし、展望施設について条件づけをしなかった。これについて、約1年後ですね。令和3年1月に事業者側が提案してきたのが、バンケットについては350平米、事業者側が所有すると。しかし、これは中野サンプラザのコスモルームに匹敵する非常に狭い面積ですね。中野サンプラザはもともとバンケットと研修室と合わせて3,600平米という床面積ですから、それの10分の1ですよ。そして、事業者側から、展望広場について最上階の一部として提案があった。その約1年後、令和3年12月に容積率1,000%に変更の提案が来たときに、区がバンケットは350平米では少な過ぎると。倍の700平米、事業者でやってくれと要望した。そして区は、展望施設については、展望施設と交流施設、展望ロビーや店舗等を備えたものを事業者で持ってくれと、このように区は要望した。令和4年12月になって、いろいろと交渉していたら、結局は、バンケットは区の権利床でやる。展望施設も区の権利床でやる。それぞれバンケットが1,800平米、展望施設が3,900平米というふうに、区の経営とするように押し返されている。こういう経緯だと理解していいですか。

○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 展望施設、バンケットにつきましてのこれまでの経緯というところでは、委員お話しのとおりだというふうに考えてございます。

○吉田委員 これ、だから、令和2年2月に民間事業者を募集するときの条件に最初から条件づけして、コンペティションしてもらえばよかったんじゃないか。今のやり方は、何でも具体像や結論を先送り、先送りにして、その結果、経済情勢とかいろんなこともあって、事業者がもう選定は終わったし、要するに交渉の対象者として非常に強い立場になってから、民間ではやれない。区にやれ、区にやれと、こういうふうになってきた交渉の経緯、これが私は、定期借地制度を利用した制度だったら、最初に全部条件づけは決まるわけですから、こんなやり取りを区はしないで済んだ。このように理解をして、こういうやり方を進めてきた区は非常にまずいやり方を進めてきたなというふうに思います。

 また、今回質問しませんけれども、応募のときのコンペティターであったときの東京建物株式会社さんだったら、このような今の絵姿とちょっと違う条件で提案をしてくれたんじゃないかなと、このようにも思います。なぜなら、当時の従前の財産の見立てについて、80億円多く見積りを取ってくれた。そういう条件を出してくれた事業者だからであります。

 そして、この間視察で見てきたんですけれども、南口の中野二丁目地区第一種市街地再開発事業、住友不動産さんがやっているやつですね。ここでは、住宅も業務棟も全て賃貸、こういう計画であります。これは皆様御存じのとおりですね。この事業は高さ、二つの棟、117メートルと147メートル。そして、住宅の戸数は400戸弱と。つまり、北口の事業に比べて半分以下のスケールだけれども、賃貸できちんと採算を取って、底地をきちんと住友不動産は持ってやるという内容であります。という対照的な案件と比較して、今回の事業は市街地再開発事業で進められて、事業完了後は1棟の建物に複数の所有者がいる区分所有建物になるわけですね。今後の建て替えなどの際に課題が残ると考えているわけですけれども、事業者募集の際などに賃貸にすべきか、分譲にすべきかについて議論はしたんでしょうか。

○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 施設建築物につきましては、区の権利部分を含む区分所有建物となりますが、地権者の持分以外の民間の権利部分については民間の建築物でございまして、事業者の施設計画、資金計画を踏まえた事業者提案によるものとして進めてきたというところでございます。

○吉田委員 もう一度お聞きします。この建物、住宅部分などを分譲で行くべきか、賃貸で行くべきかについて、議論は区はしましたか。

○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 区として賃貸、分譲という議論というところはしておらず、そういった条件は付していないということでございます。

○吉田委員 議論していないということですか。

○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 特に議論はせず、条件としては示しておりません。

○吉田委員 これですね、皆さんもよくお分かりのとおり、分譲だと共有者が限りなく増えて、権利関係が複雑になっていくわけです。建て替えや大規模修繕の際の土地所有者の同意は、法定要件ではどのように定められていますか。

○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 区分所有法では、建て替えについては権利者の5分の4以上の同意、大規模修繕については、軽微なものであれば2分の1、そうでなければ4分の3の同意が必要であるというふうに認識してございます。

○吉田委員 その中で、管理組合の構成は今後だと思いますけれども、区の発言権は何%になるのか。それは面積に基づくのか、金額に基づくのかお示しください。

○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 議決権につきましては、事業進捗とともに検討されていくということでございまして、今後の管理規約等で定められるものと認識をしてございます。

○吉田委員 区の発言権は何%ぐらいになりそうですか。

○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 決め方の考え方としては、専有部分の床面積割合というものであるとか、また本建物複合用途ですので、その床の用途ですとか条件、例えば何階であるかとか、その位置ですとか、眺望がどうかとか、そういったところを考慮して議決権を決めるということになるというふうに考えているところでございまして、現時点では決まっていないところでございます。

○吉田委員 2割を超えることはないと思うんですね。1割以下、7%行ったらいいかなぐらいに私は思いますけれども、先ほどの議決権の割合で見ると、区の意思を完全に無視して、区が少数派になって議決が行われる。こういうことも可能性としてありますね。

○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 議決については、法令の要件に沿って決められるということになるので、可能性としてはあるということでございます。

○吉田委員 区と区の関連の団体が持っている土地でもって再開発をするのに、その後の議決で区の意思が全く通らないような議決が行われる可能性もある。こういう開発を進めているということであります。

 それで、この項の最後に、区の権利床の運用について、将来の建て替えを見据えた減価償却分をきちんと積み立てられるのか。そして、この建物がいずれの日にか機能が終わるときが来ます。区としては将来の建て替えをどのように考えているのか伺います。

○瀬谷資産管理活用課長 拠点施設の区権利床全体から得られる運用収支は、年間約6億9,000万円程度を想定しております。当該床に必要な支出に備えるほか、区有施設整備等の財源とするといった活用方法、また基金の創設も含めました管理方法等を検討しているところでございます。管理方法として、将来の区所有部分の建て替え経費として積み立てることも一案としてあり得るとは考えてございます。また、将来の建て替えに当たりましては、建て替え更新時期の社会情勢や関連法令等を踏まえて検討していくことになると捉えております。

○吉田委員 検討していくことになるということは、今は何も考えがない。そういう理解でいいですか。

○瀬谷資産管理活用課長 社会情勢や関連法令等を踏まえて検討していくことになると捉えております。

○吉田委員 この項の質問を終わります。私は今回の進め方ですね、ずっと反対してきましたが、今回の予算に関連する事項を聞いても、やっぱり賛成できないなという感想というか結論を得ております。

 たくさん聞きたいことはありましたけれども、時間が尽きましたので、ここで質問を終わります。ありがとうございました。

○杉山委員長 以上で吉田康一郎委員の質疑を終了します。

 次に、立石りお委員、質疑をどうぞ。

○立石委員 令和6年予算特別委員会において総括質疑を行います。令和6年度予算案に関しては、財政運営の考え方どおりに基金積立てができていない点、また、年度末残高の達成が難しいという点で、今回の予算案には問題があります。財政運営の考え方では、デフレから脱却できる千載一遇のチャンスを迎えており、実質賃金が物価に追いついていない状況であることから、区民生活を支える支援に絞った予算であれば理解できるんですが、そうでもない。特にDX施策についてはここ数年、アフターコロナによる新しい生活様式、新庁舎移転を契機とした新しい働き方を目的に多額の投資を行ってきました。まさに来年度はその果実を収穫するタイミングですが、これまでの施策が全庁的に浸透していない状況で、次の投資に手をつけている感が否めません。

 令和6年度当初予算(案)について伺ってまいります。当初予算概要の基金・起債を活用する事業一覧に記載されている義務教育施設整備基金における基金と起債の充当率を計算したところ、起債の比率が令和7年度までは50%以内ですが、令和8年度以降は70%になっており、起債への依存が高くなっております。中野区は独自の中野区公債費負担比率を設けており、10%以内に抑えるということで基金と起債を運用しております。近年、物価高騰の影響に伴い、金利が高騰しておりますので、基金と起債活用の考え方も検討が必要になります。来年度は普通債の利子が2億9,800万円計上されておりますが、ここ数年の金利の推移と今後の見通しについて伺います。

○竹内財政課長 お答えいたします。起債に係る利率につきましては、借入れ先や借入れ条件によって異なりますが、財政融資資金を一例として取り上げますと、令和3年及び令和4年2月においては0.2%、令和5年同月は0.6%、直近の令和6年同月は0.8%となり、大幅に上昇していると認識してございます。

○立石委員 令和6年度の見込みはいかがでしょうか。

○竹内財政課長 令和6年度の当初予算におきましては、1%で積算しているところでございます。

○立石委員 見込みを含めて4年間で5倍になっているということです。金利が上がれば利子も上がるわけですけども、令和6年度から令和9年度まで564億円の起債を予定されております。固定金利制なので、起債を発行した時点での金利が適用されるわけですけども、日本はデフレ脱却の局面にあること、また今後は日銀がマイナス金利を解除することが予測されるため、これまでの低金利という前提を疑って、財政課としても今後の動向を注視した上で基金と起債のバランスを検討いただきたいと思います。また、起債の償還年数についても金利の影響を考慮していただくようお願いいたします。

 次に、基金積立てについてです。要求資料総務92で、施設の取得価格と減価償却累計額を出していただきましたので、質問したいと思います。決算値の数値なので、資料には令和4年決算までしかありませんが、基金の対象となる施設全体の減価償却累計額は令和2年から令和3年で23億増加、令和3年から令和4年で31億円増加と、年々増加しております。増加率も上がっております。令和5年度分については決算値がないので参考値となりますが、減価償却累計額は幾らを見込んでいるのか伺います。

○竹内財政課長 令和5年度末の減価償却累計額の見込みでございますが、今年度行われる改修など全てが反映されているわけではございませんが、財政調整基金施設改修分が556億1,300万円余、義務教育施設整備基金が349億1,700万円余、社会福祉施設整備基金が129億7,500万円余と見込んでございまして、増加傾向を想定しているところでございます。

○立石委員 施設全体ですと減価償却累計額は1,035億円で、令和4年度から50億円増加しているという、年々増加率が上がっている状況です。施設整備基金に関しては、減価償却累計額25%を年度末の基金残高の目標値としておりますが、義務教育施設整備基金、社会福祉施設整備基金、財政調整基金の施設改修分、それぞれの令和6年度末残高に対する目標値との差額を教えてください。

○竹内財政課長 まず義務教育施設整備基金の年度末目標値との差額でございますが、29億8,000万円余の超過となってございます。社会福祉施設整備基金につきましては8億600万円余の不足、財政調整基金施設改修分につきましては54億1,100万円余の不足となってございます。

○立石委員 義務教育施設整備基金は超えているということですが、全部差し引くと整備基金は32億円不足、年度間調整分は200億に対して37億円不足のため、年度末残高は合計69億円の不足ということで、年度中に見込める一般財源の歳入は、給付金の立替金の46億、定額減税の影響で16億円、給食費5億円ということで、67億円で2億円足りないという状況です。過去の実績ベースで見ると、決算剰余金等も入ってきますけれども、当然補正予算による歳出も発生しますから、現時点で年度末の基金残高の達成は困難であると考えます。

 減価償却累計額という指標で、施設更新に合わせて取得原価が徐々に増えていく。そして、後年度の積立額は大きくなるという指標であるため、白井委員も指摘されておりましたが、この基金積立目標値として不適切な部分も多いかなと思っております。ただ、当分はこの財政運営の考え方について改める考えはないということなので、今後どのように減価償却累計額が増加していくのかシミュレーションして、議会に示していただきますよう要望いたします。また、以前にも提案しましたが、後年度の負担が大きくなるため、積立ての負担を平準化するため、25%の数値が妥当なのかも検証していただくことを要望いたします。

 これまで決算特別委員会などで、現状の基金積立目標額では今後のインフレや施設面積、平米単価の上昇分を賄えないため、積立目標率を引き上げるべきと質疑をしてまいりました。今回は目標値を引き上げるまでもなく、現状の目標も達成できていませんので、問題の所在が変わってきています。最終的には本気で基金を積み立てる、財政規律を守るというようなことが必要なんですが、仕組みについて詳しく聞いていきたいと思います。

 これまで常任委員会で、実施計画でかかる予算額、施設更新に必要な更新経費など質疑をして感じたこととしては、各部署における予算感覚が不足しているのではないかと感じました。新たな財源措置が必要な事業や多額の更新費がかかるものについて質疑をしても、財源の確保は財政課に任せているので、把握をしていないというふうに解釈できるような答弁もありました。予算編成の過程において部の総事業費を各部で抑えるよう、責任と権限を委譲していく必要があるのではないでしょうか。現状では、各部署が経常経費である一次的経費、新規事業である二次的経費の総額の要求限度額を把握して、予算査定に臨んでいるのか伺います。

○竹内財政課長 まず、一次経費につきましては各部にフレームを示してございまして、フレームの中で要求することを求めてございます。二次経費につきましては、基本構想に沿って基本計画を着実に進めるため、また区民が安全安心して生活できるよう、様々な状況を踏まえ、各部が必要な額を予算編成方針にのっとり予算要求をしているとの認識から、各部に総額は示していないところでございます。

○立石委員 新規事業については、各部にどれぐらいの額が当てはめられるか分かっていないということです。令和6年度に関して実施計画で事業内容が既に決まっていたということで、新規事業で使える予算額をオーバーして、基金の積立てができなかったというふうに認識をしております。ただ、本来であれば実施計画がまだ完成していないので、基金積立額を確保して、一般財源充当費が収まるよう事業の計画期間を調整すべきだったと考えます。令和7年度、令和8年度に関しては、幸いにも実施計画に既に事業が位置付けられておりますので、次年度の当初予算編成では基金残高を確保し、新規拡充事業の全体要求限度額を企画部が主導で事前に各部へシェアを割り振りし、一次経費、二次経費の合計限度額を各部へ示し、各部が予算内に収まる工夫を一層図るように、予算編成手法を見直してはどうでしょうか。

○竹内財政課長 二次経費につきましては合計要求限度額が超過し、予算規模が拡大していることは認識してございます。合計要求限度額を各部に示すことも含めて、歳出抑制の手法について検討してまいりたいと考えてございます。

○立石委員 足立区では包括予算制度といって、各部ごとの要求限度額も予算編成方針に示して、9月に公開をしております。各部が要求限度額に収める努力をするため、第4回定例会などで取組を議会に報告する際、各部の要求限度額を示してはどうでしょうか。

○竹内財政課長 年度ごとで各部の課題が異なり、各部ごとで要求限度額を設定することは難しいと考えてございます。限られた財源を有効に配分するため、必要な基金積立てを行いながら、歳入に見合った一般財源充当事業費となるよう、手法については検討してまいりたいと考えてございます。

○立石委員 先ほどの1個前の質問で、示すことはできるけども、設定は難しいということで、予算編成方針手法を大きく変更することは慎重にやらないといけないところもあると思うので、まずは示すところから、そして設定をしていくというふうに段階的に検討を進めていただきたいと思います。

 続いて、DX施策について伺ってまいります。

 MS365とBYODの活用に関してです。MS365には会議録システムやWeb会議システム、またグループウェア、AI、RPAの作成ツールなど様々な機能を備えているため、同種の機能を持つサービスを整理統合していくことが可能になります。これまで廃止したサービスと、これから廃止を検討していくサービスについての見解、現状を伺います。

○伊東情報システム課長 お答えいたします。まず、旧グループウェアを廃止したほか、Zoomのライセンス料につきましても、TeamsのWeb会議で大部分を代替できることから、最小限の調達といたしました。また。職員課が使用しておりますRPAにつきまして、MS365の機能を利用したものに置き換えました。なお、会議録システムにつきましては、廃止に向けてTeamsの会議録機能で代替できるかどうかを検証しているところでございます。

○立石委員 Web会議システムですと、今まで入れたZoomなども統合の対象になるのかな。職員の超過勤務の把握と休暇の勧奨メール、これはRPAで作成していたものを統合されたということで評価したいと思います。今後もそういった整理統合については積極的に進めて、報告をお願いいたします。

 中野区では、MS365を導入して、1アカウントで5台の端末まで活用できるような形になっておりまして、また、BYODといって職員のスマートフォンで私的な領域と仕事用の領域に分けて、しっかりセキュリティを担保したような形でモバイルワークができるIntuneというアプリを使っております。それを基に、BYODの試行をこの数か月行ってきたと認識をしております。来年度予算には、そういった庁外に様々な端末を持って働くことを想定したような予算もついておりますので、そちらに関して伺っていきます。

 施設保全に工事現場用のタブレット運用経費等538万円が計上されております。これらは工事現場に図面を持ち込むことなく、タブレットで閲覧できるペーパーレス化を想定しています。ほかには、道路支援業務システム用タブレット導入経費100万円が計上されておりまして、これは外からGISを閲覧して、場合によっては情報を更新することを想定されております。ほかには、児童相談所相談援助業務モバイルシステム約3,840万円が計上されております。これら相談業務に当たるワーカーが出先で相談業務を入力できるといったことを想定されています。このように様々な用途で端末が導入されていますが、各所管でモバイルワークを可能とするシステムの妥当性であったり、端末が二重投資になっていないかどうか、チェックを情報システム課がきちんと行っているのか伺います。

○伊東情報システム課長 各課でシステムや機器の調達を行うに当たりましては、中野区システム調達ガイドラインに基づきまして、仕様書や見積額の精査等を行っております。また、構想企画段階からシステムを導入する業務所管課を支援し、導入に当たってのシステム調達の妥当性の確保や、委員御案内のありました二重投資防止などの調達の適正化に努めているところでございます。

○立石委員 今三つ紹介したシステムは、それぞれ用途が違ったりとかしていて、必ずしもIntuneを活用できないのかなと。ただ、一つ目で紹介したものはIntuneですね。工事現場で図面を見るものに関しては入っているということだったと思うんですけれども、児童相談所のモバイルシステムに関しては、基本的に相談業務というのは施設の中でシステムが閉じた形で行っているけども、将来的にはそのシステムが外からつなげるようになったら、そちらで端末を持ち出せるようなことも想定しているというお話を伺っておりますので、今、先に導入した端末も将来的に統合していただきたいですし、そういう方針も併せて本来は示していただきたいと思っております。

 続いて、デジタル基盤整備、みらいステップなかのの庁内情報システム用無線ネットワーク環境の構築939万円が計上されています。庁外施設のインターネット環境は現在有線となっており、全体のネットワーク環境の在り方を示した上で無線化を進めると、過去、情報特でそういった議論があったと思います。こちらが先行している理由と検討過程、どのような過程を経て導入に至ったのか御説明お願いいたします。

○伊東情報システム課長 庁外施設の庁内情報ネットワークの無線LAN化につきましては、令和5年第1回定例会で報告しましたとおり、その需要ですとか施設の更新等を踏まえまして、段階的に整備を進めることとしてございます。今般のみらいステップなかのでは、Web会議用にインターネット系の無線LAN、これは職員用でございますが、そちらを所管課が独自に調達してございまして、当該契約は今年の令和6年11月末で終了することとなってございます。これに代わりまして庁内情報ネットワークの無線LAN化を行うことで、導入済みのMS365を用いたWeb会議が可能になるなど様々なメリットがあるため、当該施設の庁内情報ネットワークの無線化を行うというものでございます。なお、今後、他の庁外施設につきましても、ネットワーク機器のリース期限等を踏まえまして、一定の需要がある庁外施設に関しましては無線LAN化を行っていく予定でございまして、みらいステップなかのの無線LAN化で得た知見を生かして、効率よく整備を行っていきたいというふうに考えてございます。

○立石委員 今、リース期限というところで、このタイミングで検討に至ったということですけれども、様々な施設の端末やシステムが、リースが切れる期限というのは分かっているわけじゃないですか。そこに合わせて全体の方針を示していただきたいと思っています。時間の都合でたどり着くか分からないんですけど、教育の情報システムに関しても、リースの切れるタイミングで新しい考え方をしないと、短期間、5年間でリースを結んで2年で解約したりすると違約金が発生したりするので、その点は全庁的な情報システム課がサポートしていただくようお願いをいたします。

 続いて、デジタル基盤整備費に区が開催する会議のペーパーレス環境整備95万円が計上されております。中野区として既にルーターを89台所有しております。また、新庁舎において区民が活用する会議室においては、無線LANが整備されていると認識をしています。具体的に新庁舎においてどの会議室でどの程度の頻度の活用を見込んで計上しているのでしょうか。

○伊東情報システム課長 主に6階の会議室の利用を想定してございます。1階ですとか4階にある会議室には区民用のインターネット無線LAN環境が整備されてございますが、6階の会議室等には区民用のインターネット無線LAN環境がないため、今般ルーターを活用して通信環境を確保するというものでございます。対象の会議としましては、附属機関設置の約30の審議会、委員会で活用される想定でございまして、そのほか多数の会議が存在することから、相当数活用されるというふうに想定してございます。

○立石委員 6階、8階に関しては無線LANがないということで、そこで審議会を開催するための今回ルーターを調達すると。6階、8階に無線LANを整備しなかった理由はなぜですか。

○伊東情報システム課長 6階、8階の会議室は、一般の区民等が1階、2階とかみたいに自由に出入りするということではなくて、あくまでも会議のために区民の方とか関係機関の方が来るという想定でございますので、1階、2階等のように区民用のWi-Fiは必要ないということで、当初は設置をしていないということでございます。

○立石委員 6階、8階で審議会の利用をするに当たって、ペーパーレスを想定していなかったということですか。

○伊東情報システム課長 これまでのとおり、審議会等につきましては紙の資料で行うというようなことを考えてございましたが、今回、新庁舎移転に合わせまして、ペーパーレスをより一層推進していくという観点から、このルーターを導入して、審議会等でもペーパーレスを推進していくというような考えの下に、今回の事業を進めるというものでございます。

○立石委員 新庁舎に移転するということで、新しい働き方ということで、審議会のところもコロナ禍でテレワークで審議会をやりましょうとか議論があったわけですから、そこは見据えて準備をしていただきたかったと思います。今回ルーターを個別に調達して運用するという手間も考えると、一概にすぐにそこに無線LAN環境を引いたらどうかとは言いづらいですけれども、どこかのタイミングでそういう判断も必要になると思います。

 質問を1個飛ばしまして、庁外施設のインターネット環境や新庁舎のインターネット環境について適切に需要を捉えて、全体として最適かつ効果的なインターネット環境の準備を行うため、インターネット環境の整備手法や、その実施時期について十分な検討を行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○伊東情報システム課長 庁舎外の施設におけますインターネット環境の需要調査を行うとともに、新庁舎の区民用Wi-Fiの利用実績ですとか運用手法等を踏まえて、適切な対応を図っていく考えでございます。

○立石委員 続いて、生成AIについて伺ってまいります。区では今年度、無料で利用ができるBing Chat Enterpriseを入れて、検証を行ってまいりました。来年度予算でデジタル整備基盤費、生成AIの導入、約3,700万円が計上されています。無料版の生成AIと新規で導入するMS365CopilotとのAIの性能の違いについて伺います。

○伊東情報システム課長 まず、Microsoft Copilotは、Webブラウザに組み込まれたChatbotでございまして、指示命令に基づいた文章生成ですとか、画像生成を行うものでございます。一方、Microsoft365Copilotは、MS365の各アプリですね、Word、Excel等でございますが、に生成AIが組み込まれたサービスでございますので、指示命令によりまして、Wordの仕様書や企画書を生成したり、Wordの資料を基にパワーポイントのプレゼンテーションを生成すると。そういった機能となってございます。委員御指摘のように、組み込まれている生成AI自体の性能には違いはございませんが、両ツールは目的も利用方法も異なるので、単純にツール同士を比較することは難しいのかなというふうに考えてございます。

○立石委員 乗っている生成AIの性能は同じということで、特定のサービスのことをここであまり詳細言うのも難しいんですけども、私も実際に使ってみました。最初にデモ動画で見たとき、すごくセンセーショナルな、これは導入したらすごいなと思ったんですけど、実際はまだそこまでではないのかなというのがちょっと感想です。ただ、まだそこはやっぱり性能としてはこれから伸びていくんだろうとは思うんですね。総務委員会で生成AIの無料版の試行の報告を頂いているじゃないですか。その中で事業の企画書であったり、報告書であったり、Excelの関数であったり、あるいは社会のトレンドの事例収集というものができたというような結果を報告いただいているんです。これに関して、今の無料版のEnterpriseでできるのであれば、そこで出力した内容をWordに貼る。あるいは、Excelに関しては、Copilot版は日本語対応していないということでまだ使えないんですけども、そういった関数の部分とか、そういったものは無料版でも十分に活用できると思っているんです。その上で、改めてこれを導入する理由をお伺いします。

○伊東情報システム課長 今回導入予定のMicrosoft365Copilotは、Microsoft365の各アプリを指示命令することによって直接実行できることや、区が利用するMS365の領域内に保存したデータ、こちらを参照できるということで、Copilotにはない機能が備わっておりますので、両製品を併用することで生成AIをより有効に活用できるというふうに考えてございます。

○立石委員 Wordについては、先ほど言ったようにコピー・アンド・ペーストでいいと思うんですよ。参照できるという話で、私もちょっと試しでやったところ、文字が、時系列がすごくめちゃくちゃになって、私のプロンプトスキルがなかったというのもあるかもしれないんですけれども、メールの下書きの利用とかを想定されていると思うんですけど、仮に間違った情報が出てきたときに、今後拡大するわけじゃないですか、対象を。職員の方が間違った情報の赤入れというか、間違いチェックがちゃんとできるのか。逆にそこに時間がかかってしまうんじゃないかというような感覚もあります。ですので、やるにしても、本当にごく少数のスモールでやる必要があると思いますし、実際操作をしてみて、どのぐらい使えるかというところももう少し検討されたほうがいいんじゃないかと思いますが、その点はいかがですか。

○伊東情報システム課長 導入は来年度を予定してございますが、今後、情報システム課において数アカウント調達して、本格導入前にテストを行うということを予定してございます。

○立石委員 ちなみに契約の時期はいつを想定されているのか。もともとは、組織は300アカウントからでしたけど、今、1アカウントからも利用できますよね。そういった形で本当にスモールな形での検討を頂きたいと思うんですが、契約の時期ですとか、その辺りのスケジュール感について確認をさせてください。

○伊東情報システム課長 来年度当初300ライセンスを4月から導入して、6月に600ライセンスを追加して、合計、6月から900ライセンスということを想定してございます。契約は4月1日に契約予定でございます。

○立石委員 4月に入れて6月って、新庁舎移転してすぐですよね。先ほど言ったようにインターネット施策を全庁的に普及させていくためには、まだまだ個別の課題がいろいろあると思っています。その中で導入して広げても、ちょっと混乱が起きてしまうんではないかなと思っておりますので、導入に当たっては本当に慎重に検討をしていただきたいと思います。

 続いて、電子契約についての質問に移りたいと思います。来年度予算ですね、新規事業で電子契約についての予算がついております。年間の契約件数と、今回、電子化の対象となる件数の見込みですとか、その点についてお伺いします。

○原契約課長 区では、年間1万3,000件程度の契約を行っておりますが、そのうち契約事務規則にのっとり、契約課で締結する区長契約は1,300件程度であります。この区長契約のうち、電子契約の対象となる契約は、導入当初は6割程度、令和7年度には全ての契約を対象とする見込みであります。

○立石委員 区長契約が対象で、1,300件のうち6割ということで900件ぐらいなのかな。その区長契約以外の全区役所が行っている契約件数は分かりますか。

○原契約課長 区長契約の1,300件を除いた数ですので、おおよそ1万2,000件前後、そういったものが区長契約以外の契約になります。

○立石委員 ありがとうございます。区長契約が10分の1ぐらいということですね。最初はそこから電子化をしていくと思うんですけども、実現した場合のペーパーレス化に資する、どの程度の紙の削減を想定されていますか。

○原契約課長 全ての区長契約を電子化した場合でございますが、契約書をはじめとした紙の書類が年間50ファイルメーター程度削減できると見込んでおります。

○立石委員 ありがとうございます。1ファイルメーターが一般的なA4のコピー用紙1万枚分ということなので、50ファイルメーターだと50万枚。それは区長契約が対象で、全庁は10倍あるわけですから、全部電子化できたら年間500万枚の紙の削減に資すると。単純に所管契約の場合、金額も小さいので、区長契約と同じような紙の量というのは想定できないですが、かなり大きな削減効果が期待できますので、全庁への浸透と区内事業者へのそういった活用の促進を進めていただくよう要望いたします。

 そして、教育DXについて伺います。

 令和5年第2回定例会において、学校現場での生成AIの活用について検討してはどうかと質問をしてまいりました。あれから中野区でも試行が進んでおり、ほかの自治体や学校現場での活用が進んでおります。教職員の働き方改革に資する形での検討をしていただきたいと思いますが、現状の検討状況について伺います。

○齊藤指導室長 生成AIの技術は発展途上にあり、多大な利便性が期待される一方で、個人情報の流出、著作権侵害のリスクなど、様々な懸念も指摘されております。生成AIの活用に関しましては、教育や校務の効率化などの可能性について、国や都の動向、先進的な事例等を教育委員会が学ぶことから始めております。

○立石委員 先ほども話したんですが、情報システム課のほうで生成AIの試行を行ってきて、ノウハウがあるということなので、導入に当たって情報システム課にノウハウの提供であるとか、サポートの提供を求めてはどうでしょうか。

○齊藤指導室長 今後、学校現場での生成AI活用の方向性が定まった際には、情報システム課にも相談をしながら導入を進めていきたいと考えております。

○立石委員 続きまして、学校現場の端末について伺ってまいります。教員は、校務系端末、指導者用端末2台使っておりまして、校長先生、あと事務員の方は庁内情報系端末なので、校長先生は3台の端末を使っている状況で、三つのシステムが分類されていることによって、システム費や端末費も別々で発生している状況です。今年度は11億円、来年度は14億円の費用がかかっております。こちらは更新費等も含まれているわけですが、これらシステムを統合することで億単位の経常経費の削減、大きな財政効果が見込めるのではないかと思っております。しかし、国も方向性を示している一方で、まだ具体的に実現できている自治体があまりないということで、今、先行自治体を募集しているという状況です。庁内情報系端末については情報システム課のほうで調達をかけて、MS365が既に入っている状況です。校務系端末に関してはリース期間が来年度の11月でしたか、たしか切れるという状況です。学習系端末については更新が迫っているというところで、教育情報化推進計画の改定も迫っているわけですが、今年度予算で今後のネットワーク環境の調査などを委託していると思います。そちらの進捗と今後の展望について伺います。

○佐藤学務課長 今年度から委託している学校情報化業務委託については、区の教育におけるICT環境の課題整理や国・都・区等の情報化の動向整理、知見、経験、能力等を活用したコンサルタント業務等を業務委託しているところでございます。今年度もネットワークが不安定になる等の事情が確認されている学校の調査を行い、課題把握をしてございます。来年度もシステム更改検討等の業務委託を進めてまいりたいと考えてございます。

○杉山委員長 質疑の途中ですが、質疑時間が超過しておりますので、以上で立石委員の総括質疑を終了します。

○立石委員 ありがとうございました。

○杉山委員長 次に、斉藤けいた委員、質疑をどうぞ。

○斉藤委員 令和6年第1回定例会予算特別委員会、日本維新の会の立場から総括質疑を行います。1(3)ベビーシッター利用支援事業については取りやめます。その他はございません。

 1、子育て支援について。

 児童手当をはじめとして、多くの子育て支援には所得制限があり、一定の収入を超える家庭には利用できないという問題が発生しております。さらに、引き続く物価高騰、エネルギー高騰により、子育て世帯の負担は重くのしかかってきております。今定例会における区長の施政方針においても、改めて子育て先進区、中野区への御説明がございました。

 昨年の第4回定例会の一般質問と同様に、中野区民の方々にアンケート調査を行いました。アンケート実施日は2023年10月19日(木曜日)お昼の12時から、2023年10月20日(金曜日)深夜11時59分までです。アンケート送付条件は、東京都中野区にお住まいの18歳以上の男女、アンケート送付数は、LINEを使用し、1万1,400通、LINE開封数は4,749名、アンケート回答者数は313名でした。

 もっと中野区がすてきなまちとなるよう、どんな取組が必要だと思いますかという問いに、自由記述式の回答をしていただきました。支持する政党はないという方が一番多く見られましたが、自由民主党、公明党、立憲民主党、日本共産党、日本維新の会、国民民主党、れいわ新選組といった特定の支持政党がある方からの御意見も多く寄せられました。それをワードクラウドにしたのがこの図になります。

 この図を見ても分かるように、今回のアンケート調査の結果として、中野区民が中野区に求める必要な取組として、「子ども支援」「子育て」「中野駅」というワードが非常に目立ちます。また、「喫煙」「若者」「公園」などという文字も非常に大きくなっております。能登半島地震前のアンケートですので、今行いますと「防災」なども入ってくるかとは思います。もちろん一部の区民の方の声ではありますが、今回の予算特別委員会においてはこちらも参考にさせていただきながら、主に子育て支援について伺ってまいります。

 まず1、学校給食費について。新規予算10億1,259万1,000円になります。昨年の第2回、第3回、第4回定例会の一般質問及び決算特別委員会にて伺ってまいりました、区立小・中学校の給食費の無償化についてです。令和5年度一般会計第4次補正予算にて、物価高騰対策として区立小・中学校の学校給食費相当額の給付金が決まりました。給食費の無償化は本来、国が行うべきだという認識は変わっておりません。東京都は、令和6年度の予算で都内市区町村の給食費の支援額の2分の1、半分を補助する方針を立てました。そして、当区は令和6年度予算にて、物価高騰対策から区の子育て支援として、区立小・中学校の給食費無償化を行う方針を示しました。しかし、その一方で、区立学校以外の学齢期児童・生徒がいる世帯に対しては、区内共通商品券での支援となっております。他の先輩委員の方々からも質問されておりますが、非常に重要な問題だと思いますので、私からも質問させていただきます。今回の区立学校以外の学齢期児童・生徒がいる世帯への支援金が現金給付ではなく、区内共通商品券での給付になった理由について教えてください。

○森企画課長(企画部参事事務取扱) 対象となる方に申請という手間をかけることなく支援することができるとともに、区内商業活性化の効果を見込めるものとして、区内共通商品券により支援をすることにしたものでございます。

○斉藤委員 今、手間の問題があるとのことですが、新1年生以外は、基本的には令和5年度の学校給食費相当額の給付金を実施したことで、各校は生徒の口座を把握しているのではないでしょうか。それらを活用することで、今所管がおっしゃっている手間を少しでも省くことはできないのでしょうか。

○佐藤学務課長 まず、来年度は区内共通商品券による支援を行うという予定でございます。もしということでございますけど、もし今年度と同様の給付金で行う場合、既に把握している口座情報については無条件で活用できるものではないというふうに認識してございます。

○斉藤委員 なるほど。無条件ではこの口座の使用は難しいとのことですね。では、次に事務費についても伺います。事務費は、区内共通商品券のほうが現金給付よりも予算を抑えることができると伺いました。商品券での給付と現金での給付との事務費の差額についても教えてください。

○佐藤学務課長 区内共通商品券の実施の場合の事務費は1,532万円です。現金給付の場合の事務費は約1,800万円程度と試算したところでございます。そのため、差額は約300万円程度でございます。

○斉藤委員 今の御回答ですと、事務費の差額が約300万円とのことですが、もちろん差額はありますが、この幅でしたら、保護者の利便性を一番に考えると、やはり現金での給付のほうが望ましいと私は考えますが、いかがでしょうか。

○森企画課長(企画部参事事務取扱) 先ほども御答弁いたしましたが、対象となる方に申請という手間をかけることなく支援することができるとともに、区内商業活性化の効果も見込めるものと考えておりまして、区内共通商品券による支援が望ましいと考えております。

○斉藤委員 区内共通商品券で支援した場合は、商品券のメリットとしては今、所管の方がおっしゃられたとおり、中野区の経済が回ることであったり、商店街活性化につながることが挙げられます。逆にデメリットとしては、他の委員もおっしゃられていましたが、商品券利用店舗に偏りがある。さらには、釣り銭が出ないため使いにくいなどもあるかと思います。補助金を使う保護者の利便性を一番に考えるのであれば、やはり区内共通商品券ではなく、現金給付のほうがよいかと思います。最後にしますが、改めて区はこの区内商品券での配布についてどのようにお考えでしょうか。

○森企画課長(企画部参事事務取扱) 区内共通商品券による支援が望ましいと区としては考えておりまして、この方法で実施したいと、そう考えているところでございます。

○斉藤委員 私としては、ただいまの所管の説明を聞いても、やはり商品券での給付はメリットよりもデメリットのほうが多いように感じます。こちらはあくまでも子育て支援策ですので、一番にはやはり児童、保護者の利便性を考え、支給方法に関しては改めて現金での給付を強く要望し、次の質問に入ります。

 2、教材費一部補助について。令和5年度一般会計第3次補正予算にて、物価高騰対策として8億7,867万円、区立小・中学校在籍の児童・生徒の保護者に対して負担軽減を目的に、教材費の一部補助を行いました。補助金額は、小学生が児童1人当たり5,000円、中学生が生徒1人当たり9,000円。教材費の補助は東京23区内初の試みでした。今回の令和6年度の予算では、この教材費の補助がなくなりました。今回の予算にて教材費の補助がなくなった理由について教えてください。

○佐藤学務課長 今年度は、保護者が学校に支払う教材費について、物価高騰の影響を受けているため、その一部を補助したものでございます。来年度については、区立小・中学校にAIドリルと区立小学校にデジタル百科事典を公費で購入する予定であり、一定の教材費の負担軽減を図られると考えてございます。

○斉藤委員 教材費の補助の予算が、令和6年度は、今の御回答ですとAI学習ドリルとデジタル百科事典に代わるとのことですね。AI学習ドリルに関しては、今までは私の認識では、各学校、各校長の判断にて導入されていたかと思います。区で統一のAI学習ドリルを導入することで、各学校の教員、生徒への混乱などは起きないのでしょうか。

○齊藤指導室長 来年度のAI学習ドリルの導入に向け、小・中学校の校長及び副校長をメンバーとする教育情報システム委員会や学校の意見を聞くとともに、他区の導入状況なども参考に効果を比較検証し、検討を進めてまいりました。また、区で統一したものを公費で導入することにつきましては、校長会やPTA連合会の意見もしっかりと聞いてきたところでございます。今後、教員や保護者に周知する資料を作成、配布し、児童・生徒にとって効果的な活用となるよう進めてまいります。

○斉藤委員 つまり、今の所管の御回答を伺いますと、今後はAI学習ドリルの導入に関しては、各学校の判断ではなく、区の教育委員会が決めていくという認識でよろしいのでしょうか。

○齊藤指導室長 来年度につきましては、導入したAI学習ドリルの活用状況などを聞き取り、効果について改めて検証をしてまいります。各校の効果的な活用事例を区全体で共有できるメリットもあるため、現時点では令和6年度以降は統一したものを公費で区内全校へ導入していく予定でおります。

○斉藤委員 もしも今後も区のほうで教育委員会のほうが決めていくということであれば、きちんと各学校へのヒアリングをしっかりと行って、より子どもたちの学びにとってベストなAI学習ドリルを選んでいただきたいかと思います。

 改めて、今定例会の区長の施政方針において、子育て先進区の実現に向けて、子育て支援についても述べられました。私は初めての予算特別委員会ですが、予算を組む際にはある程度のめり張りが必要だと考えます。もちろん何でもかんでも歳出の予算を組むべきではないかと思いますが、区として子育て先進区を語るのであれば、子育て支援には予算をかけていく必要があるのではないかと考えます。品川区では、区立小・中学校と義務教育の児童・生徒が使う学用品を令和6年度から全額無償化することが発表されました。品川区は既に給食費の無償化も令和5年4月から実施しております。今回の品川区の財源は、区役所の建て替え費用の軽減、賀詞交歓会の飲食提供の取りやめなど徹底的に無駄を削減し、約20億円を捻出。学用品の無償配布は、区民へのアンケートを実施し、それを反映したとのことです。品川区のように子育て先進区を打ち出している当区においても、改めて無駄を削減し、現在の物価高騰が続く現状を鑑みても、教材費の補助を引き続き継続すべきだと考えますが、区としての見解をお聞かせください。

○佐藤学務課長 先ほどの答弁の繰り返しにはなりますけれども、来年度については区立小・中学校にAIドリルと区立小学校にデジタル百科事典を公費で購入する予定であり、一定の教材費の負担軽減は図られると考えてございます。

○斉藤委員 2022年の参議院選挙においても、教材費に関しては多くの政党が負担軽減、無償化を唱えております。こちらも本来は国が主導すべきだとは考えますが、国が行わない現状も含め、時限的でも地方自治体が進めていく必要があるのではないかと思います。ぜひ子育て先進区を語る当区として、教材費の補助について改めて実行していただくことを要望し、次の質問に入ります。

 次に、里親支援について。予算136万4,000円になります。中野区基本計画では、家庭での養育が困難な児童が家庭と同様の環境において養育される環境を整えていくため、里親制度の普及啓発を進め、里親による養育を推進しますと示されております。その中で、令和6年度は里親養育包括支援(フォスタリング)の事業者選定・運用準備を行う、とても重要な年だと捉えております。事業者選定において、私は子どもの最善の利益、子どもの視点を何よりも重要に考えて選定を行っていただきたいと考えております。フォスタリングの事業者選定において、区は現在どのようにお考えでしょうか。

○神谷児童相談所副所長 フォスタリング事業の導入によりまして、子どもが安心して里親家庭で暮らし続けることができる、質の高い養育環境を確保していきたいと考えてございます。里親制度の普及啓発、研修、トレーニング、相談支援等が一貫して行える事業者選定を進めてまいります。

○斉藤委員 私は、ちょうど1か月前に静岡市の児童相談所の中にある里親支援センターに視察に行ってまいりました。そこで働いている方のお言葉で、子どもの視点という言葉が何度も繰り返し使われていたのがとても印象的でした。ぜひ当区においても、子どもの視点、これを一番に考えながら事業者選定を令和6年度行っていただきたいと考えます。また、現在、家族の形も多様化してきております。2017年、大阪で初めて同性カップルの里親が認定されました。さらに、2018年には東京都でも認定基準の改正がされました。パートナーシップ制度を結んでいる同性カップルの里親に関して、区は現在どのようにお考えでしょうか。

○神谷児童相談所副所長 里親制度は、様々な事情により親の下で生活することが難しい子どもを里親の家庭において養育し、特定の大人との愛着関係の中で子どもの健全な育成を図るものでございます。そうした里親認定に当たりましては、研修の受講や養育環境等の要件を満たす場合に行っていく考えでございます。

○斉藤委員 中野区は、中野区人権及び多様性を尊重するまちづくり条例も制定しております。当区において、まずは子どもの視点を一番に考えながらも、ぜひ幅広い視点から今回のフォスタリング事業者の選定、そして、今後の里親認定も行っていただくことを要望し、次の質問に移ります。

 2、スポーツ推進について。

 1、総合体育館について。今年はパリで夏のオリンピック・パラリンピックが開かれます。前回の東京大会は新型コロナウイルス感染症の影響により、原則無観客で実施されました。今回は2大会ぶりに以前の開催形態となります。私も現地にて陸上競技、閉会式などを観戦する予定です。そして、来年には第25回夏季デフリンピックが東京で開かれます。今大会は、東京及び日本での開催は、夏季、冬季を通じて初めての開催であり、また、1924年にパリで第1回デフリンピックが開催されてからちょうど100年の節目となる大会になります。当区においては、中野区立総合体育館がテコンドー競技の会場予定でございます。来年のデフリンピック開催に向けて、区は令和6年度どのような準備、活動を行う予定ですか。開催1年前において、他の区市町村などと連携しながら、様々な広報やイベントを展開すべきだと考えますが、いかがでしょうか。

○鈴木スポーツ振興課長 デフリンピックに向けては、テスト大会として昨年10月にパラテコンドーも含むテコンドーの全日本選手権を開催いたしました。今年の9月にも全日本選手権の開催を予定しております。また、大会主催者側と会場使用や選手輸送についての事前調整、準備を行っているところでございます。今後も大会主催者や他自治体、関係団体と協力しながら、気運醸成に努めてまいります。

○斉藤委員 ありがとうございます。来年は、東京で世界陸上、そしてデフリンピックが開催されます。北区では、デフリンピックのエンブレムのピンバッジが議員全員に配布されたとも聞いております。ぜひ中野区でも議会、行政ともに力を合わせて、このデフリンピックを盛り上げていきましょう。

 次に、総合体育館の利用施設についてです。総合体育館を利用する方から、総合体育館の使用ルールについて、担当の職員によって説明が異なるとの声を頂いております。細かな話にはなりますが、総合体育館のスリッパに関しても、メインアリーナ内で運動する人以外はスリッパの使用が可能、そもそもメインアリーナ自体にスリッパで入ることはできないなど、職員によって対応が異なるとのことです。総合体育館の指定管理者はアクティブなかのグループですが、区は現在このような区民の声、状況を把握しておりますでしょうか。

○鈴木スポーツ振興課長 使用ルールについてのお声は、区にも届いているものもございます。総合体育館は一部エリアを除き、土足禁止であるため、メインアリーナで運動する人は室内用シューズの着用をお願いしてございます。スリッパは運動する人以外で、忘れた場合の予備として用意しているものでございます。その場合には、スリッパでメインアリーナに入場することも認めております。今後は、利用者や大会主催者に室内用シューズの持参をいま一度周知徹底させていただくとともに、指定管理者にも案内を統一するよう伝えていきます。

○斉藤委員 本日も指定管理者について様々な御意見があったかと思いますが、今回のアクティブなかのグループさんにも、指定管理者にまずは周知徹底していただきたいかと思います。また、スリッパに関しては、行ったことがある方は分かるかと思うんですが、体育館の入口に置いてあり、スリッパは今の回答ですと、あくまで予備的なもので、基本は使用してはいけないとのことですが、あの現状のスリッパの置き方だと、ちょっと区民の皆様に理解していただくのは難しいのかなとも思います。再度こちらに関しても、スリッパの置き方も含め、改めて周知工夫を検討していただきたいかと思います。

 次に、中野区が主催するスポーツ大会についてです。中野区では現在、様々なスポーツ大会が開催されております。私も今月は第61回中野区民バスケットボール大会の観戦に行ってまいりました。健常者のスポーツ大会が盛んな一方、障害者スポーツに対してはあまり話を伺いません。総合体育館のサブアリーナは、クッション性の高いタラフレックス製のコートにもなっております。ぜひ障害者スポーツの大会に関しても、区として積極的に行っていただきたいと考えますが、見解はいかがでしょうか。

○鈴木スポーツ振興課長 総合体育館では、サブアリーナを含め、障害者スポーツとして障害者テニスや視覚障害の方が行うサウンドテーブルテニス、体を使ったレクリエーション教室、ボッチャなどのユニバーサルスポーツなどを開催してございます。そのほかにも、ロービジョンフットサル教室などでの利用の予定もございます。今後も障害者スポーツ、ユニバーサルスポーツの普及促進のため、多くの方が参加できる教室や大会等での利用を促進していきたいと考えてございます。

○斉藤委員 今年はパリでパラリンピック、そして来年は東京でデフリンピックが開催されます。皆さんも前回の東京オリンピック、現地での観戦は難しかったと思いますが、テレビなどで観戦された方も多いかと思います。私は車椅子バスケで男子日本代表が世界王者アメリカをあと一歩まで追い詰めて銀メダルの獲得、また車椅子テニスでは、国枝慎吾選手が2大会ぶり通算4個目の金メダルの獲得など、非常に感動いたしました。もちろん時限的な盛り上がりで終わってはいけないと思いますが、この機会もうまく活用しながら、ぜひ当区においても障害者スポーツ、ユニバーサルスポーツの普及促進を改めて行っていただきたいと思います。

○杉山委員長 あと5分ぐらいだと聞いておりますけども、皆さん、どうですか。休憩しましょうか。

 では、斎藤委員の質疑の途中ですけど、15時になりましたので休憩をいたします。

午後3時00分休憩

 

午後3時20分開議

○杉山委員長 委員会を再開します。

 休憩前に引き続き総括質疑を行います。斉藤けいた委員、質疑をどうぞ。

○斉藤委員 ありがとうございます。残り6分、フルに使わせていただきます。

 2、小・中学校施設開放について。今回は、主に小・中学校施設開放の体育館についてお伺いいたします。中野区は、区民のスポーツのさらなる推進を図るため、中野区学校施設の開放に関する規則が制定され、現在、小学校の体育館が18校、中学校の体育館が7校の計25校が体育施設開放を行っております。今回の新規予算で施設予約システムの再構築2,257万2,000円が示されております。この中には、開放体育館の予約も入ってはいるのでしょうか。

○鈴木スポーツ振興課長 中学校体育館は現行の施設予約システムに含まれており、新施設予約システムの再構築の中にも含まれてございます。

○斉藤委員 中学校の体育館は含まれているとのことですね。問題は、私は、小学校の体育館だと考えております。当区は、小学校の開校体育館を自主運営にしております。これは、小学校の体育館を利用した場合は、まず各学校に設置された運営委員会で団体登録を行い、3月、6月、9月、12月に開かれる運営委員会に代表者が参加し、3か月ごとの利用調整を行うという、なかなか区民の方々への気軽さに欠けた仕組みになっているかと思います。実際に区民の方々からも、この運営委員会に出るのがとても大変との声も頂いております。小学校の開放体育館も自主運営ではなく、中学校の体育館のようにこのシステムで予約できるようには今後ならないのでしょうか。

○鈴木スポーツ振興課長 委員おっしゃいますとおり、小学校の体育館につきましては自主運営委員会を設置し、利用団体の調整及び合意形成を行い、御利用いただいております。新施設予約システムの構築に向けましては、小学校や地域の団体等とも協議の上、この開放の形態につきまして検討してまいりたいと考えてございます。

○斉藤委員 ぜひ検討してください。小学校の体育館が自主運営をしている結果、新規の団体がなかなか入りにくい、既得権化しているケースも実際あるかと思います。区民の方々にとって平等で分かりやすい予約システムになることを改めて要望いたします。

 今回の総括質疑の質問は最後になりました。今の質問で終わります。最後に井関委員が残っておりますが、私は今回の予算特別委員会が初の予算特別委員会でした。先輩委員、そして同期の委員の質問をこの4日間伺うことができて、とても勉強になりました。特に財政に関しては厳しく見ていかなければならないということを実感いたしました。今回の予算が、より区民の方々にとってベストな予算になることを願い、私の全ての質問を終わらせていただきます。御清聴、誠にありがとうございました。

○杉山委員長 以上で斉藤けいた委員の質疑を終了します。

 次に、井関源二委員、質疑をどうぞ。

○井関委員 れいわ新選組の井関源二です。よろしくお願いいたします。歴史ある現在の中野区議会の議会棟で予算特別委員会での総括質疑ができる機会を頂いたことを感謝いたします。質疑は通告どおり、その他の項目はございません。

 1、予算について。

 (1)デジタル地域通貨事業について。中野区は、6億円の予算をつけて、デジタル地域通貨事業を実施します。東京都もデジタル地域通貨事業として、「Tokyo Tokyo Point(仮)」を実施すると発表がありました。東京都が都内の自治体の産業振興施策を潰すようなことはしないと思いますが、中野区と類似の施策を展開することを危惧しております。SuicaやPASMOなどの交通系電子マネーは、相互乗入れが可能です。白井委員の質疑と一部重なりますが、デジタル通貨事業を実施するならば、東京都のプラットフォームと中野区のプラットフォームとで互換性があるように構築したほうが、双方にとって効率がよいはずです。中野区も6億円の予算をつけてデジタル地域通貨事業を実施するのであれば、先行している世田谷区や渋谷区、板橋区と一緒に、一度東京都と調整する場を設けたほうがいいのではないでしょうか。

○松丸産業振興課長 東京都と互換性を持たせたプラットフォームの構築というところでございますけれども、現在のところ、東京都の事業内容の詳細が明らかになっていないため、情報収集等に努めながら、区としてデジタル地域通貨事業を進めてまいりたいというふうに考えておりまして、都が構築を検討している事業と、先行自治体を含む区市町村のデジタル地域通貨事業とが連動できる仕組みを構築することは、区と都、双方にとってよい事業になると考えております。先行してデジタル地域通貨事業を実施している区とも連携しまして、機会を捉えて東京都への要望などを行ってまいりたいというふうに考えております。

○井関委員 ありがとうございます。(2)旧中野刑務所正門移築・修復等事業について。旧中野刑務所正門、いわゆる平和の門の移築、曳家と呼ばれる手段で移築するそうですが、正門の移築・修復等事業に係る経費は約10億円、そして来年度予算にその一部として約2,500万円が計上されています。中野区有形文化財ということもあり、私も賛成いたしました。しかし、100%区の予算で執行しなくても、寄附を募って予算の圧縮はできないでしょうか。首里城や熊本城の修復には広く寄附を募っております。寄附を募ることによって、寄附していただいた方には重要文化財の保守に貢献した、区政にコミットしたという自負を持っていただけると考えます。また、寄附を募ること自体が平和の門への注目度が増し、今後、文化財、観光資源としてロングテールになると考えます。寄附が集まれば未執行の予算が増え、移築終了後の運営に寄与できると考えますが、いかがでしょうか。

○冨士縄文化振興・多文化共生推進課長 旧中野刑務所正門の移築・修復等工事につきましては、ガバメントクラウドファンディングを実施する予定はありませんが、旧中野刑務所の正門の広報になるとともに、広く文化財の保存活用を図る。このような観点から、ふるさと納税の充当先とすることについて検討してまいりたいというふうに考えてございます。

○井関委員 ちょっと今聞き取れなかったのですが、何を検討すると今おっしゃっていたんでしょうか。

○冨士縄文化振興・多文化共生推進課長 ガバメントクラウドファンディングについては実施する予定はありませんが、旧中野刑務所正門の広報になるとともに、広く文化財の保存活用を図るということ。このような観点から、ふるさと納税の充当先とすることについて検討してまいりたいというふうに考えております。

○井関委員 ありがとうございます。曳家をテレビでの密着取材を依頼するのはいかがでしょうか。注目も増し、寄附も集まりやすいと考えます。昨年、青森に視察に行った際、八甲田山雪中行軍記念館に行きました。ホールにモニターがあり、八甲田山雪中行軍の解説が上映されていました。曳家も区の資料として撮影して、平和の門移築完了後、収監された当時の思想犯の紹介とともに、曳家の模様を上映するのはいかがでしょうか。また、先ほどふるさと納税を検討していただくという話でしたが、寄附していただいた方のお名前を映像の最後にエンディングロールとして記載するのはいかがでしょうか。

○冨士縄文化振興・多文化共生推進課長 旧中野刑務所正門の移築・修復等事業につきましては、保存活用の機運が高まるよう、プレスリリースなどにより報道機関からの取材ですとか、番組制作を促していきたいというふうに考えてございます。曳家の映像の撮影につきましては、今現在行っております旧中野刑務所正門の記録保存業務の中で行っていくこととしておりまして、ホームページでの公開ですとか、正門内部の公開時における内部での上映のほか、歴史民俗資料館における企画展など、広く活用していきたいというふうに考えているものでございます。

 最後になりますが、ガバメントクラウドファンディングを実施する予定はないため、委員御提案の内容を実施することは難しいですが、いずれにしましても、周知と保存の機運が高まるよう工夫をしてまいりたいというふうに考えてございます。

○井関委員 ありがとうございます。

 では、(3)新区役所移転について。先日の一般質問で石坂委員、総括質疑で日野委員もおっしゃっていました区役所移転の什器の処分費ですが、予算説明書補助資料135ページ、産業廃棄物処理費が6,327万2,000円。これは庶民感覚で高過ぎます。また、中野区が推進する持続可能な社会、SDGsとは真逆の施策になります。中野区の予算は区民のお金です。庁舎の備品は区民の財産です。現在の区役所の備品、私の目には廃棄物には見えません。私も引っ越しのとき、リサイクルショップを利用したことがありますが、思ったより高額で買い取ってもらったものもありますし、値段がつかなくても無料で引き取ってもらったものもあります。安い中古パソコンを探していると、本当かどうか分からないですが、官公庁払下げ品というものが複数出てくることもあります。まず売却できるか、そして無料で引き取ってもらえるか。それから、希望者を募って、欲しいものがあれば譲渡するのが筋ではないでしょうか。リサイクル、リユース、リデュースの3Rを実施するべきです。半分処理が不要になれば、予算を3,000万円圧縮できます。3分の1でも2,000万円圧縮できます。中野区のリサイクルセンターが中野区の直接の所管になったのですから、利用できる限り利用すべきではないでしょうか。ジモティーなどの譲渡サービスも駆使すべきではないでしょうか。区民向け、もしくは全ての方に譲渡会を実施するべきではないでしょうか。区役所の明け渡しが迫っているのであれば、遅らせてでもやるべきではないでしょうか。もしくは、どこかに会場を借りてでも産業廃棄物を減らすべきではないでしょうか。コストのかからないほうを実施するべきです。プロジェクトチームを組んででも什器の処分費を圧縮するべきではないでしょうか。

○浅川総務課長 現庁舎におけます什器等については、まず什器本来の用途で再使用することを優先しまして、やむを得ず処分する場合でも、可能な限り資源として再利用する方針で臨んでいるところでございます。ただし、移転後、市街地再開発事業の施行予定者に庁舎を明け渡すまでに全て撤去する必要があるという時間的制約のある中で、区民等にこれらを譲渡するためには、透明、公平かつ簡便な申請手続や、配送を含めた引渡し方法、万一その什器等の使用により事故が起きた場合の責任の所在等、様々な課題をクリアした新たな仕組みを構築する必要が出てまいります。こうした課題があるため、他の区有施設で使用できるものは可能な限りあっせんを行った上で、その他のものについては廃棄物処理のプロセスの中でリサイクルし、素材として生かす方法を選択したものでございます。

○井関委員 ここはできないと言われても引き下がれません。次の質疑に移りますが、所管の委員には何とぞ分科会で活発な議論を期待いたします。

 (4)給食費無償化について。給食費が無償になるということでよかったです。私はまだ1年生議員なので、過去どんな議論があったのか詳しくは存じ上げませんが、皆様のお取組に感謝いたします。

 さて、議論になっているお子さんを公立、私立に通わせている御家庭への給食費相当額の商品券の配布ですが、私も現金で給付したほうがいいと思うのですが、地域経済活性化のために商品券にするというのも分からなくはないと思います。そこで私は、この議論を八方丸く収める施策を思いつきました。区長をはじめ、職員の皆さんの給料を、区立学校給食費相当額の金額を商品券で支払うというのはいかがでしょう。地域経済活性化のためにぜひ御協力していただきたいです。もしそれが嫌だと思われるのでしたら、それが区民感情です。御再考を何とぞよろしくお願いいたします。

○吉沢職員課長 中野区職員の給与に関する条例の第2条の2、現物給与では有価物を支給することができると規定されていることから、給与の一部を商品券で支払うことは可能であると認識してございます。ただし、商品券の支給範囲、種類、数量等、支給方法について、特別区人事委員会の承認を得て、別に条例を定める必要があります。また、職員によっては労働組合との労働協約の締結も必要でありまして、現実的には難しいというふうに判断してございます。

○井関委員 そうですね。先ほど皆様の声が上がりましたが、条例を改正してでもやったほうがいいんではないかと思いますが、時間がかかっても構わないとは思うんですが、嫌そうなので、次の質疑に移ります。

 今までの給食費無償は本来国がやるべきであり、引き続き国へ給食費無償化を求めるという答弁はごもっともだと思います。私も本来国がやるべきだと思います。そこで、中野区は過去どんな手段で国へどのくらいの期間、給食費無償化を訴えてきたのでしょうか。

○佐藤学務課長 令和6年度及び令和7年度の予算に対して、国の施策及び予算に関する区長会独自要望として国へ要望、令和7年度の予算に対し、全国市長会要望として国へ要望、特別区教育長会から都を通じて国へ要望、また、都知事と区長の意見交換会においても、国へ要望するよう求めてきているものでございます。

○井関委員 私は今後も引き続き、国へ給食費無償化を求めたほうがいいと思っております。今後の区の取組はいかがでしょうか。東京都が2分の1補助するという話がありますが、今までと同じように全額無償化を求めるのでしょうか、2分の1求めるのでしょうか。

○佐藤学務課長 学校給食費については義務教育であることから、本来、全額を国が負担すべきものとの認識の下、引き続き国に対して要望を行っていきます。

○井関委員 東京都が2分の1補助するという話もありますが、特に区立学校在籍の不登校児童への補助でございますね。中野区の商品券を2分の1、都の予算で購入するという見方もできますが、道義的に大丈夫なのでしょうか。

○佐藤学務課長 東京都が令和6年度予算において公立学校給食費負担軽減事業を実施していることは認識しております。その中で実質支出額の2分の1を補助するという予定と聞いてございます。対象経費は、区市町村が学校給食費の保護者負担軽減のために支出する食材費等と予定されてございます。一方、区立学校在籍以外の学齢期児童・生徒保護者支援については区の独自事業でございまして、東京都の補助を受けられるものではございません。

○井関委員 ありがとうございます。道義的に問題ないということでございますね。

 では、()少子化対策について。吉田委員と質疑が重なりますが、少子化が進んでおります。令和4年で中野区の合計特殊出生率は0.92、最低の板橋区と同じ0.92、小数点以下00の差でブービーでした。前年度23区最下位だった豊島区は0.93で、前年と横ばいで下から4番目、板橋区の急降下によって、中野区は合計特殊出生率最下位を免れております。これに歯止めをかけるために、より一層子ども・子育てに予算を投じ、施策を充実させる必要があると考えます。特に子ども手当を創設してほしいと考えておりますが、区の見解を伺います。

○青木子ども政策担当課長 子ども・子育て支援の施策を充実させることも、少子化に歯止めをかけることにつながると考えておりまして、中野区基本計画において、子育て・子育ちの環境を整備する子育て先進区の実現を重点プロジェクトの一つとして設定し、これを進めていくための予算を計上しているところでございます。なお、現金給付につきましては様々課題があると考えておりまして、他の自治体の動向等を注視していきたいというふうに考えてございます。

○井関委員 子ども手当に限らず、子ども・子育てに対して予算を増額するべきかと考えます。次年度の予算額は今年度に比べて増えておりますでしょうか。

○青木子ども政策担当課長 令和6年度の子ども教育費の予算額につきましては約624億6,500万円、一般会計に占める構成比は31.2%でございまして、令和5年度に比べまして、予算額として約17億1,600万円、構成比としましては0.1ポイント増加しているところでございます。

○井関委員 次年度の予算でどのような事業を検討されていますでしょうか。

○青木子ども政策担当課長 令和6年度予算編成に当たりましては、重点プロジェクトに位置付けられている子育て家庭に対するセーフティネット強化や、子育て・子育ち環境整備を着実に推進していくための予算を計上しているところでございます。具体的には、セーフティネット強化としまして、ひとり親家庭住宅支援、高校入学支援金、子育て・子育ち環境整備としましては、児童館の機能拡充や常設プレイパーク設置に向けた試行実施などを計上しているところでございます。

○井関委員 学校給食が抜けていないという声が上がっておりますが、次に移ります。

 2、NAKANOサンプラザシティについて。

 中野区には美術館がないと伺いました。展望施設について、区由来の芸術家の作品などを展示するような美術館を誘致するのはいかがでしょうか。私は機動戦士ガンダム展「THE ART OF GUNDAM」で六本木ヒルズ森タワー、庵野秀明展であべのハルカスに行ったことがあります。最近の高層ビルと美術館は、切っても切れないように見受けられます。こういった高層ビルの美術館は、美術館の常設展示よりも期間展示で集客しています。ガンダム展や庵野展のような展示は、どこよりも中野区と親和性が高いと思われます。しかし、常設展示のある美術館はハードルが高いと思われます。デパートの催事場のように、NAKANOサンプラザシティで展示場を運用するのはいかがでしょうか。そして一角に、中野区にゆかりがある芸術家、例えば棟方志功の版画や高村洸太郎の作品、さいとう・たかをの原画などを展示するのはいかがでしょうか。

○瀬谷資産管理活用課長 展望施設につきましては、中野サンプラザのDNAを継承するレストランや屋外テラスの設置を検討しているところです。施設を運営する中で、文化の発信という観点から壁面展示をすることなども考えられると考えています。

○井関委員 以前、麻生政権では国立漫画図書館を設置する動きがありました。再度、国に漫画図書館を誘致してはいかがでしょうか。床を国が借りてくれれば、安定した運用が可能です。中野区との親和性も高いと考えます。私は、旧中野サンプラザが営業を終了して、漫画喫茶がなくなったのが非常に残念でした。ソフトクリーム食べ放題で、たまに利用しておりました。もし国立漫画図書館の誘致に成功したら、新サンプラザのホールに並ぶ目玉になることでしょう。以前の中野サンプラザの漫画喫茶を利用されていた方も、当時を思って御利用いただけることでしょう。声をかけるだけならただですので、国に誘致の声をかけるのはいかがでしょうか。

○瀬谷資産管理活用課長 繰り返しになりますが、展望施設にはレストランや屋外テラスの設置を検討しているところであり、現時点で国への貸付けについては考えておりません。

○井関委員 子育て家庭のニーズに応えられるように、豊洲のキッザニアのような職業体験ができる人気の施設を誘致してはいかがでしょうか。東の豊洲、西の中野と人気となることでしょう。

○瀬谷資産管理活用課長 職業体験施設を誘致することは面積的に難しいと考えております。権利床の活用用途として、5階の屋上広場の脇に子どもの屋内遊び場を誘致することを検討しております。

○井関委員 中野にはベビー用品、子ども服を購入できる店がないと聞きます。商業施設にも赤ちゃん本舗のようなベビー用品や、イケア、ニトリのような子育てファミリー世帯向けの家具などを扱う店舗などを誘致してはどうでしょうか。

○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 拠点施設に必要な機能の一つとして子育て先進区の実現を掲げておりまして、高層棟低層部の商業施設内に将来のニーズやトレンドに応じたテナント誘致について、施行予定者に要望を行っているところでございます。具体的な店舗につきましては、今後の事業進捗の中で特定されてくるものでございます。

○井関委員 能登半島地震を見ると、倒壊はせずとも建物、床が傾斜してしまって、使用できなくなってしまっている建物もあると思われます。京都大学の鎌田浩毅名誉教授は、2035年プラスマイナス5年、2030年代に南海トラフ地震が来ると述べております。2011年3月11日の東日本大震災のとき、東京ではスカイツリーが建築中でした。東京スカイツリーの地震発生の瞬間の映像を見た方もいらっしゃるかもしれません。上部は4メートルから6メートルの揺れ幅だったそうです。作業されていた方は生きた心地がしなかったことでしょう。当時の東京スカイツリーは、コンクリート製のしん柱は築造途中であるため、本来の制振機能を発揮するはずの制震システムのオイルダンパーは1か所も取りつけられていない状態だったそうです。それでも事故や落下物がなかったので、どの段階で地震が発生しても耐えられるように建造されたのでしょう。しかし、東京では震度5強でしたが、震度5強でこれだけ揺れたのです。震度6強や震度7になったらどうだったでしょうか。拠点施設について建築途中で被災した場合、区民の負担になるようなことはありませんでしょうか。

○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 拠点施設は市街地再開発事業による民間の建設事業でありまして、工事中に建物が罹災した場合には、基本的には事業者が対応することになります。一方、被害が大きく、事業の推進が困難な場合などには、今後の対応について事業者と区を含む地権者で協議をするということになります。

○井関委員 先日、建築業の方と話していたときに伺ったのですが、能登半島地震で家屋の全壊や半壊が多いのは、耐震基準を満たしていても、能登半島のような地震が多い場所だと、地震のダメージが蓄積してしまうとおっしゃっていました。東日本大震災のような超周期地震、多発する余震によって構造物にダメージが蓄積し、柱が曲がってしまったり、床が水平でなくなってしまったりすることがあるのではないかと懸念いたします。拠点施設が完成して収益が発生しても、すぐ大地震に遭い、居住が困難になり、解体するようなことにはなりませんでしょうか。そのようなことになると、泣くに泣けません。大地震、その後の余震への構造的な対策、また、保険などの対策があれば教えてください。

○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 拠点施設の建物構造に関する工夫としましては、高層棟は免震層を有しておりまして、大地震時においても建物の主要機能を確保する耐震性を有するものと聞いております。また、大地震時の構造安全性の検証に当たっては、建物全体の地震時の挙動を把握するシミュレーション解析を行い、国内最高クラスの耐震性能を目指すと聞いております。また、竣工後の地震保険につきましてですが、一般的には専有部分は区分所有者、入居者などが個々に地震保険を契約し、共用部分、玄関ホール、廊下、外壁などですが、管理組合が一括して契約をするということになります。具体的には管理組合の組成時や、施設床の分譲時に検討されることになります。

○井関委員 ありがとうございます。

 では、3、鍋横区民活動センターについて。

 新しい鍋横区民活動センターですが、地下に多目的ホールができる予定だと伺いました。私は厚生委員会で説明を受けましたが、これは若手お笑い界に激震が走ると思いました。多分日本でお笑いの劇場で借りるのに一番人気がある劇場は、小宮山委員も質疑で取り上げたなかの芸能小劇場です。なかなか予約が取れません。なかの芸能小劇場の料金設定は細かく、一部を紹介すると、入場料1,000円以下で18時から22時が平日1万2,900円、土日祝で1万4,900円。入場料1,001円以上で18時から22時、平日1万8,100円、土日祝2万1,600円です。私も何度か出演したことがありますし、28年前に団体登録して借りて、ライブを主催したこともあります。その頃幾らで借りたかはっきりしていないですが、ほとんど値段が上がっていないと記憶しています。客席は110です。ちなみに、2番目に人気がある会場は恐らく新宿Fu-という劇場です。西武新宿駅の目の前で、価格は平日夜間が3万3,000円、客席は60から70。こちらは、人力舎やマセキ芸能社などの事務所が主催ライブを行っております。料金が安く、客席90以下の劇場に人気が集まっております。

 お笑いライブをやる劇場の条件として、PAと呼ばれる音響照明の設備、こちらは大した設備は必要ありません。CDプレーヤーと音声ファイルが出力できるアンプ、最低限のスピーカー、フェードアウトできる程度の照明。そして舞台袖、スタンドマイク、椅子、デスク、控え室と舞台までの動線、できれば舞台裏の動線、これらがあればできます。委員会でこれらの設備を導入する予定があるか伺ったところ、全くの未定だが、そういった設備を含め、今後検討という答弁でした。これらは高価な設備ではありません。ぜひこれらの設備を導入していただき、お笑いライブができる機能を持たせられないでしょうか。これらの設備があれば、もちろんお芝居や音楽の発表会でも利用可能です。そうすれば、予約が殺到すること間違いなしです。中野にはtwlというお笑いの劇場があり、中野区公式観光サイト「まるっと中野」でもお笑いの聖地と紹介され、オードリーがよくテレビやラジオでこの劇場の話をしております。もし鍋横区民活動センターの多目的ホールがお笑いのライブに使用可能になれば、次のオードリーのような次世代の若手芸人が羽ばたくことは間違いないです。せっかく新中野に多目的ホールができても、お笑いのライブばかりやるホールでは区民活動推進に資するのかという議論はあるかと思いますが、少なくとも多文化共生には資すると考えます。お笑いライブに貸し出すこと、設備の整備を御提案しますが、いかがでしょうか。

○高橋地域活動推進課長 区民活動センターの多目的ホールは、地域住民による自主的な活動に使っていただくものでございます。なかの芸能小劇場のような文化施設としてのホールとは位置付けが異なりまして、営利を目的とした事業には御利用いただけないものでございます。音響照明設備につきましては、地域住民によるイベントなどに活用できるように一定のものを整備することを想定しているところでございまして、詳細につきましては設計段階で決めてまいります。

○井関委員 消極的な御答弁が残念でございます。まあね、会費という形であれば開催できるんではないかとちょっと思いましたが、では、次の質問に移ります。

 4、中野区でのイベント開催について。

 昨年の決算特別委員会での総括質疑でもイベントについて提案させていただきましたが、一部で御好評を頂きまして、今回もない知恵を絞り、一つ御提案させていただきます。桃園は徳川八代目将軍吉宗が鷹狩りに訪れた囲町を気に入り、現在の高円寺周辺に植えられていた桃を移設させたそうです。私、ちょっと調べてみたのですが、正確な年数は分からなかったのですが、文春オンラインの記載によると、1730年代に徳川吉宗が桃を植樹させ、桃園と名づけたそうです。そして、以前あった地名、桃園町は1931年に設立されたそうです。

 一つ御提案ですが、2031年を桃園が開かれてから300周年、桃園町設立100周年として、イベントを開催するのはいかがでしょうか。そして、桃園開園300周年、桃園町設立100周年まであと6年、あと5年と、2031年に向けてカウントダウンするのはいかがでしょうか。桃園で鷹狩りをする吉宗を模して、パレードするのはいかがでしょうか。なお、桃園を開いた八代将軍吉宗といえば、そう、暴れん坊将軍です。暴れん坊将軍を演じた松平健さんにゲストに来ていただくのはいかがでしょうか。暴れん坊将軍のオープニングテーマに乗って登場していただければ、盛り上がること請け合いです。そして、吉宗にちなむトークをしていただき、最後に「マツケンサンバⅡ」を集まった皆さんと一緒に踊っていただければ、さらに盛り上がること請け合いです。松平健さんも御自身の主演舞台「暴れん坊将軍」の最後には、「マツケンサンバⅡ」を踊るそうです。もしそれが実現する際は、ぜひ区長をはじめ職員、そして委員の皆さんには桃の枝を模したものを持っていただき、バックダンサーをやっていただきたいと思います。何とぞ御協力よろしくお願いいたします。本日いらっしゃらない中村委員、酒井委員、広川委員にもくれぐれもよろしくお伝えいただきますようお願いいたします。

 JR中野駅の北側では、何かと多くのイベント、にぎわいづくりが実施されておりますが、この御提案はJR中野駅の南側から新中野駅北側をメインにするイベントになるかと思われます。JR中野駅南側のにぎわいづくりのために実施するのはいかがでしょうか。

○高村シティプロモーション担当課長 歴史にひもづく企画は中野の魅力発信につながると認識しておりますが、御提案の内容は民間主導で行うのが自由度や拡散性の点でもよく、加えて桃園地域の皆さんの御理解と御協力が不可欠であると考えてございます。一定の見込みが立った企画が区に寄せられた際は、後方支援してまいりたいと考えてございます。

○井関委員 ありがとうございます。

 以上で私の質疑を終わります。理事者の皆様には御回答しづらい質疑をしたと思われます。取材では苦い顔をされる方が結構多かったです。ある質疑においては、前日までは取材で検討するというような趣旨のお話でしたが、今朝になってゼロになりましたという御連絡を頂いたものもありました。全ては区民のためということで御容赦くださいますようお願いいたします。明日からの分科会も頑張りましょう。ありがとうございました。

○杉山委員長 以上で井関源二委員の質疑を終了します。

 以上で総括質疑を終了します。

 明日、2月29日(木曜日)からは各分科会が開会されます。本日の委員会終了後、会場設営を行いますので、持参された資料等につきましては、机の中のものを含め、全てお持ち帰りいただくようお願いいたします。

 次回の委員会は、3月6日(水曜日)午後1時から当委員会室において開会することを口頭をもって通告します。

 以上で本日の予算特別委員会を散会します。

午後3時53分散会