令和6年03月21日中野区議会本会議(第1回定例会)
令和6年03月21日中野区議会本会議(第1回定例会)の会議録

.令和6年(2024年)3月21日、中野区議会議事堂において開会された。

.出席議員(41名)

  1番  山  内  あきひろ        2番  武  井  まさき

  3番  斉  藤  けいた         4番  井  関  源  二

  5番  黒  沢  ゆ  か        6番  大  沢  ひろゆき

  7番  武  田  やよい         8番  いのつめ  正  太

  9番  間     ひとみ        10番  市  川  しんたろう

 11番  加  藤  たくま        12番  日  野  たかし

 13番  木  村  広  一       14番  吉  田  康一郎

 15番  立  石  り  お       16番  内  野  大三郎

 17番  広  川  まさのり       18番  河  合  り  な

 19番  細  野  かよこ        20番  斉  藤  ゆ  り

 21番  高  橋  かずちか       22番  大  内  しんご

 23番  甲  田  ゆり子        24番  小  林  ぜんいち

 25番  白  井  ひでふみ       26番  小宮山   たかし

 27番  羽  鳥  だいすけ       28番  い  さ  哲  郎

 29番  杉  山     司       30番  ひやま      隆

 31番  山  本  たかし        32番  伊  藤  正  信

 33番  高  橋  ちあき        34番  平  山  英  明

 35番  南     かつひこ       36番  久  保  り  か

 37番  石  坂  わたる        38番  むとう   有  子

 39番  浦  野  さとみ        41番  森     たかゆき

 42番  酒  井  たくや

.欠席議員(1名)

 40番  中  村  延  子

.出席説明員

 中 野 区 長  酒 井 直 人      副  区  長  青 山 敬一郎

 副  区  長  栗 田 泰 正      教  育  長  入 野 貴美子

 企 画 部 長  岩 浅 英 樹      総 務 部 長  濵 口   求

 防災危機管理担当部長 杉 本 兼太郎    DX推進室長  滝 瀬 裕 之

 区民部長、新区役所窓口サービス担当部長 高 橋 昭 彦    文化・産業振興担当部長 高 村 和 哉

 子ども教育部長、教育委員会事務局次長 石 崎 公 一     子ども家庭支援担当部長、教育委員会事務局参事(子ども家庭支援担当) 小 田 史 子

 地域支えあい推進部長、地域包括ケア推進担当部長 石 井 大 輔   健康福祉部長  鳥 井 文 哉

 保 健 所 長  佐 藤 壽志子      環 境 部 長  松 前 友香子

 都市基盤部長  豊 川 士 朗      まちづくり推進部長 角   秀 行

 中野駅周辺まちづくり担当部長 千 田 真 史 企画部企画課長(企画部参事事務取扱) 森   克 久

 総務部総務課長  浅 川   靖

.本会の書記は下記のとおりである。

 事 務 局 長  堀 越 恵美子      事 務 局 次 長  林     健

 議事調査担当係長 鈴 木   均      書     記  立 川   衛

 書     記  若 見 元 彦      書     記  髙 田 英 明

 書     記  鎌 形 聡 美      書     記  田 村   優

 書     記  細 井 翔 太      書     記  早 尾 尚 也

 書     記  堀 井 翔 平      書     記  金 木 崇 太

 書     記  髙 橋 万 里      書     記  川 辺 翔 斗

 

 議事日程(令和6年(2024年)3月21日午後1時開議)

日程第1 第14号議案 中野区会計年度任用職員の給与及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例

     第15号議案 中野区行政手続等における情報通信の技術の利用に関する条例の一部を改正する条例

     第16号議案 中野区個人番号の利用及び特定個人情報の提供に関する条例の一部を改正する条例

     第17号議案 鷺宮小学校敷地内国有地の買入れについて

     第20号議案 南台小学校校舎新築工事等請負契約に係る契約金額の変更について

     第21号議案 谷戸小学校普通教室棟増築等工事請負契約に係る契約金額の変更について

     第23号議案 江原小学校環境改善改修工事請負契約

     第24号議案 第五中学校環境改善改修工事請負契約

     第25号議案 もみじ山文化センター本館発電設備改修工事請負契約

     第28号議案 机及び椅子の買入れについて

     第29号議案 中野区子ども・若者文化芸術振興基金条例

     第30号議案 指定管理者の指定について

     第31号議案 中野区自転車駐車場条例の一部を改正する条例

     第32号議案 中野区営住宅条例の一部を改正する条例

     第33号議案 特別区道路線の認定について

     第34号議案 中野区特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業並びに特定子ども・子育て支援施設等の運営の基準に関する条例の一部を改正する条例

     第35号議案 措置費共同経理課を共同設置する特別区の数の増加及び児童相談所を設置する特別区における措置費共同経理課の共同設置に関する規約の変更について

     第36号議案 東京都後期高齢者医療広域連合規約の変更について

     第37号議案 中野区指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例

     第38号議案 中野区指定地域密着型介護予防サービスの事業の人員、設備及び運営並びに指定地域密着型介護予防サービスに係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例

     第39号議案 中野区指定介護予防支援等の事業の人員及び運営並びに指定介護予防支援等に係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例

     第40号議案 中野区指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例

     第41号議案 中野区指定障害児通所支援の事業等の人員、設備及び運営の基準等に関する条例の一部を改正する条例

     第42号議案 中野区指定障害児入所施設等の人員、設備及び運営の基準等に関する条例の一部を改正する条例

     第43号議案 中野区児童福祉施設の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例

     [1]第44号議案  中野区特別区税条例の一部を改正する条例

     第46号議案 中野区介護保険条例の一部を改正する条例

日程第2 第18号議案 財産の処分について

日程第3 第19号議案 サンプラザ地区に係るまちづくり整備の方針の変更について

日程第4 第45号議案 中野区国民健康保険条例の一部を改正する条例

日程第5 (5)第12号陳情 続出するトラブルが解決にいたるまで健康保険証廃止の延期を求める陳情

日程第6 第1号陳情 区長公用車の廃止を求める陳情

日程第7 第2号陳情 インターネットの健全利用に関する条例の検討を求める陳情

追加議事日程

日程第8 同意第1号 中野区教育委員会教育長任命の同意について

日程第9 第47号議案 令和5年度中野区一般会計補正予算

     第48号議案 令和6年度中野区一般会計補正予算

日程第10 議員提出議案第1号 中野区議会会議規則の一部を改正する規則

日程第11 議員提出議案第2号 中野区議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例

日程第12 議員提出議案第3号 離婚後の共同親権制度の検討に際し、子どもの視点に立った熟議を求める意見書

日程第13 議員提出議案第4号 地方自治法施行令第167条の2第1項第1号に定める少額随意契約の限度額の見直しを求める意見書

日程第14 議員提出議案第5号 若者のオーバードーズ(薬物の過剰摂取)防止対策の強化を求める意見書

日程第15 議員提出議案第6号 被災者生活再建支援制度の改善を求める意見書

日程第16 議員提出議案第7号 金権腐敗政治の一掃を求める意見書

日程第17 第47号議案 令和5年度中野区一般会計補正予算

      第48号議案 令和6年度中野区一般会計補正予算

 

午後1時00分開議

○議長(酒井たくや) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。

 本日の議事日程は、お手元の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。

 これより日程に入ります。

 お諮りいたします。この際、本日の日程を追加し、日程第8、同意第1号、中野区教育委員会教育長任命の同意についてを先議するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう議事を進行いたします。

──────────────────────────────

 同意第1号 中野区教育委員会教育長任命の同意について

 

○議長(酒井たくや) 日程第8、同意第1号、中野区教育委員会教育長任命の同意についてを上程いたします。

 区長の説明を求めます。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) ただいま上程されました同意第1号、中野区教育委員会教育長任命の同意につきまして御説明申し上げます。

 この同意案は、本月31日をもって任期満了となります入野貴美子教育委員会教育長の後任者として田代雅規さんを任命いたしたく、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第4条第1項の規定により、議会の同意をお願いするものです。

 田代さんは、昭和57年に千葉大学教育学部を卒業後、都内区立中学校の教諭を経て、平成16年から東京都立桜修館中等教育学校主幹教諭、平成18年から中野区立南中野中学校副校長として勤務されました。その後、練馬区立上石神井中学校校長、中野区立緑野中学校校長、同区立中野東中学校校長を歴任され、令和4年から現在まで中野区立中野中学校校長を務められております。

 このように、教育現場における豊富な経験と教育行政に関する優れた識見を備えておられる田代さんは、本区教育委員会の教育長にふさわしい方であり、この際、教育長として本区における教育行政の進展に御尽力いただきたいと考えた次第であります。

 本件につきまして、何とぞ御同意くださいますようお願い申し上げます。

○議長(酒井たくや) 本件については、質疑、委員会付託、討論を省略し、直ちに採決いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、これより採決いたします。

 上程中の同意第1号に同意するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、同意第1号はこれに同意するに決しました。

──────────────────────────────

 第14号議案 中野区会計年度任用職員の給与及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例

 第15号議案 中野区行政手続等における情報通信の技術の利用に関する条例の一部を改正する条

        例

 第16号議案 中野区個人番号の利用及び特定個人情報の提供に関する条例の一部を改正する条例

 第17号議案 鷺宮小学校敷地内国有地の買入れについて

 第20号議案 南台小学校校舎新築工事等請負契約に係る契約金額の変更について

 第21号議案 谷戸小学校普通教室棟増築等工事請負契約に係る契約金額の変更について

 第23号議案 江原小学校環境改善改修工事請負契約

 第24号議案 第五中学校環境改善改修工事請負契約

 第25号議案 もみじ山文化センター本館発電設備改修工事請負契約

 第28号議案 机及び椅子の買入れについて

 第29号議案 中野区子ども・若者文化芸術振興基金条例

 第30号議案 指定管理者の指定について

 第31号議案 中野区自転車駐車場条例の一部を改正する条例

 第32号議案 中野区営住宅条例の一部を改正する条例

 第33号議案 特別区道路線の認定について

 第34号議案 中野区特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業並びに特定子ども・子育て支援施設等の運営の基準に関する条例の一部を改正する条例

 第35号議案 措置費共同経理課を共同設置する特別区の数の増加及び児童相談所を設置する特別区における措置費共同経理課の共同設置に関する規約の変更について

 第36号議案 東京都後期高齢者医療広域連合規約の変更について

 第37号議案 中野区指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例

 第38号議案 中野区指定地域密着型介護予防サービスの事業の人員、設備及び運営並びに指定地域密着型介護予防サービスに係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例

 第39号議案 中野区指定介護予防支援等の事業の人員及び運営並びに指定介護予防支援等に係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例

 第40号議案 中野区指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例

 第41号議案 中野区指定障害児通所支援の事業等の人員、設備及び運営の基準等に関する条例の一部を改正する条例

 第42号議案 中野区指定障害児入所施設等の人員、設備及び運営の基準等に関する条例の一部を改正する条例

 第43号議案 中野区児童福祉施設の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例

 [2]第44号議案  中野区特別区税条例の一部を改正する条例

 第46号議案 中野区介護保険条例の一部を改正する条例

(委員会報告)

 

○議長(酒井たくや) 日程第1、第14号議案から第17号議案まで、第20号議案、第21号議案、第23号議案から第25号議案まで、第28号議案から[3]第44号議案 まで及び第46号議案の計27件を一括議題に供します。

 

令和6年(2024年)3月11日

 

中野区議会議長 殿

 

総務委員長 杉山 司 

(公印省略)

 

議案の審査結果について

 

本委員会に付託された下記議案は、審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので、中野区議会会議規則第78条の規定により報告します。

 

 

議案番号

件    名

決定月日

14

中野区会計年度任用職員の給与及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例

311

15    

中野区行政手続等における情報通信の技術の利用に関する条例の一部を改正する条例

311

16

中野区個人番号の利用及び特定個人情報の提供に関する条例の一部を改正する条例

311

17

鷺宮小学校敷地内国有地の買入れについて

311

20

南台小学校校舎新築工事等請負契約に係る契約金額の変更について

311

21

谷戸小学校普通教室棟増築等工事請負契約に係る契約金額の変更について

311

23

江原小学校環境改善改修工事請負契約

311

24

第五中学校環境改善改修工事請負契約

311

25

もみじ山文化センター本館発電設備改修工事請負契約

311

28

机及び椅子の買入れについて

311

 

令和6年(2024年)3月11日

 

中野区議会議長 殿

 

区民委員長 市川 しんたろう

(公印省略)

議案の審査結果について

 

本委員会に付託された下記議案は、審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので、中野区議会会議規則第78条の規定により報告します。

 

 

議案番号

件    名

決定月日

29

中野区子ども・若者文化芸術振興基金条例

311

36

東京都後期高齢者医療広域連合規約の変更について

311

44

中野区特別区税条例の一部を改正する条例

311

 

令和6年(2024年)3月11日

 

中野区議会議長 殿

 

厚生委員長 日野 たかし

      (公印省略)

議案の審査結果について

 

本委員会に付託された下記議案は、審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので、中野区議会会議規則第78条の規定により報告します。

 

 

議案番号

件    名

決定月日

30

指定管理者の指定について

311

37

中野区指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例

311

38

中野区指定地域密着型介護予防サービスの事業の人員、設備及び運営並びに指定地域密着型介護予防サービスに係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例

311

39

中野区指定介護予防支援等の事業の人員及び運営並びに指定介護予防支援等に係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例

311

40

中野区指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例

311

41

中野区指定障害児通所支援の事業等の人員、設備及び運営の基準等に関する条例の一部を改正する条例

311

42

中野区指定障害児入所施設等の人員、設備及び運営の基準等に関する条例の一部を改正する条例

311

46

中野区介護保険条例の一部を改正する条例

311

 

令和6年(2024年)3月11日

 

中野区議会議長 殿

 

建設委員長 南 かつひこ

(公印省略)

議案の審査結果について

 

本委員会に付託された下記議案は、審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので、中野区議会会議規則第78条の規定により報告します。

 

 

議案番号

件    名

決定月日

31

中野区自転車駐車場条例の一部を改正する条例

311

32

中野区営住宅条例の一部を改正する条例

311

33

特別区道路線の認定について

311

 

令和6年(2024年)3月11日

 

中野区議会議長 殿

 

子ども文教委員長 斉藤 ゆり

      (公印省略)

 

議案の審査結果について

 

本委員会に付託された下記議案は、審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので、中野区議会会議規則第78条の規定により報告します。

 

 

議案番号

件    名

決定月日

34

中野区特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業並びに特定子ども・子育て支援施設等の運営の基準に関する条例の一部を改正する条例

311

35

措置費共同経理課を共同設置する特別区の数の増加及び児童相談所を設置する特別区における措置費共同経理課の共同設置に関する規約の変更について

311

43

中野区児童福祉施設の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例

311

 

○議長(酒井たくや) お諮りいたします。上程中の議案に関する委員長報告は、会議規則第40条第3項の規定により省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、委員長報告は省略いたします。

 本件については討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、これより採決いたします。

 上程中の議案を委員会報告どおり可決するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

──────────────────────────────

 第18号議案 財産の処分について

(委員長報告)

 

○議長(酒井たくや) 日程第2、第18号議案、財産の処分についてを議題に供します。

 

令和6年(2024年)3月19日

 

中野区議会議長 殿

 

総務委員長 杉山 司 

(公印省略)

 

議案の審査結果について

 

本委員会に付託された下記議案は、審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので、中野区議会会議規則第78条の規定により報告します。

 

 

議案番号

件    名

決定月日

18

財産の処分について

319

 

○議長(酒井たくや) 総務委員会の審査の報告を求めます。杉山司総務委員長。

〔杉山司議員登壇〕

○29番(杉山司) ただいま議題に供されました第18号議案、財産の処分についてに関しまして、総務委員会における審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。

 本議案は、仮称中野四丁目新北口駅前地区第一種市街地再開発事業に関し、都市再開発法に基づき、区役所庁舎について権利変換を希望しない旨の申出を行い、補償金の支払いを受けるため、当該財産を処分するに当たり、議会の議決を要するものです。

 処分する建物及び所在地は、中野区役所庁舎、中野区中野四丁目8番1号、処分する床面積は3,038.61平方メートル、処分価格は、最低限度額で、4億5,299万3,000円です。

 本議案は、3月7日の本会議において当委員会に付託され、3月13日及び19日の計2回にわたり委員会を開会し、審査を行いました。

 審査の進め方として、本議案を議題に供した後、審査を一旦保留とし、関連する所管事項の報告を受けて質疑を行い、その後、改めて本議案を議題に供し、理事者から補足説明を受け、質疑を行いました。

 その主な質疑応答の内容を紹介します。

 初めに、事業認可と財産処分の関係はどうなっているのかとの質疑があり、事業認可後、施行予定者に対し、財産をどう取り扱うかを意思表示する必要があり、区は権利床を取得しない旨意思表示することになるとの答弁がありました。それに対し、事業認可を申請するに当たって、財産処分の議決が必要なのか。区の方針だけでは申請できないのかとの質疑があり、事業認可の際には、資金計画の中で、補助金、転出補償金などの収支を特定し、事業性を確保しなければならない。また、地権者の意思確認が問われることになるため、行政機関の方針のみで認可申請するのは難しいとの答弁がありました。

 次に、議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例の要件との関係で、なぜこのタイミングで議案を提案されたのかとの質疑があり、建物の処分価格が2,000万円以上となることが確定したため、このタイミングで提案することとなったとの答弁がありました。それに対し、今回、条例の要件に当てはまり、結果的に議決の対象となったが、議会の意思は大事な要素である。それについてどう考えているかとの質疑があり、これまでも議会に対して事業計画等の情報提供を行ってきたが、今後も適宜情報提供を行い、委員の意見も聞いた上で、区として適切な判断をしていきたいとの答弁がありました。

 次に、財産処分によって転出補償金を受ける目的を問われ、新区役所整備費用やまちづくり中野21の借入金返済等の経費の財源とするため、400億円を転出補償金として受け入れることを考えているとの答弁がありました。それに対し、財産の処分を含めた全体の再整備がどのような形で区民に資するのかとの質疑があり、転出補償金400億円、残りの資産263億円については、事務所床、展望施設、バンケット、子どもの屋内遊び場のほうに権利変換していくことになるとの答弁がありました。

 次に、転出補償金とする資産の評価額が大きく変わることはないのかとの質疑があり、基準日を設け、区と施行予定者で試算しているため、基本的には補償契約の段階で大きくずれることは考えていないとの答弁がありました。

 次に、仮に議決が1か月遅れた場合、処分価格への影響はあるのかとの質疑があり、権利変換の基準日がずれるため、処分価格も変動する可能性があるとの答弁がありました。これに関連して、他の委員から、仮に議決が1か月遅れた場合、資金計画や事業認可、それに先立つ権利調整など、スケジュールへの影響はどうかとの質疑があり、最低1か月以上は影響が出てくると認識しているとの答弁がありました。

 以上が主な質疑応答の内容です。

 その後、委員会を休憩して取扱いを協議した後、委員会を再開し、さらに質疑を求めましたが、質疑はなく、質疑を終結しました。

 次に、意見の開陳を求めたところ、1名の委員から意見がありましたので、御紹介します。

 中野区役所・サンプラザ跡施設である中野四丁目新北口駅前エリアの再整備は、事業手続の最終段階となり、第一種市街地再開発事業の手法を活用して、土地権利者としての中野区は、400億円の転出補償金と260億円相当の権利床を得る予定である。本議案は、それに関連しての現庁舎建物の財産処分に関するものである。

 議案に関連しての報告及び議案審査などにおいて、当該エリアの再整備に係る資産の活用が示され、その中で、懸念される点について3点述べる。一つ目は、この間、容積率の変更、総事業費の増加、区の権利床の中での事務所床面積の減少、当初は想定していなかった展望施設の在り方など、報告のたびに変更があり、事業者優位に進められているのではないかとの懸念である。二つ目は、この事業では、区役所新庁舎建設の費用を捻出するという大きな目的があるが、この財産処分や再整備がどこまで区民のためになるのかという点である。三つ目は、この事業で生み出される収益が、どう区民・住民の福祉向上のために還元されるかについてである。

 中野のまちにとって、この財産処分を含む再整備全体が将来の負担とならない事業となることを求め、本議案に対する意見とするとの意見がありました。

 さらに意見を求めましたが、意見はなく、意見の開陳を終結しました。

 次に、討論を求めましたが、討論はなく、討論を終結しました。

 そして、本議案について挙手による採決を行ったところ、賛成多数で可決すべきものと決した次第です。

 以上で、第18号議案に関する総務委員会における審査の経過並びに結果の報告を終了いたします。

○議長(酒井たくや) ただいまの報告について御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 これより討論に入ります。むとう有子議員、森たかゆき議員、吉田康一郎議員、市川しんたろう議員、井関源二議員、平山英明議員、羽鳥だいすけ議員、内野大三郎議員から討論の通告書が提出されていますので、順次、通告議員の討論を許します。

 最初に、むとう有子議員。

〔むとう有子議員登壇〕

○38番(むとう有子) ただいま上程されました第18号議案、財産の処分についてに反対の立場から討論をいたします。

 本議案は、仮称中野四丁目新北口駅前地区第一種市街地再開発事業に関し、中野区役所庁舎の建物について、都市再開発法第71条第1項の規定により権利の変換を希望しない旨の申出を行い、同法第91条第1項の規定により補償金の支払いを受けるため、床面積3,038.61平方メートルを価格4億5,299万3,000円で処分するものです。

 本議案は、議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例の第3条に規定されている予定価格2,000万円以上の不動産の売払いに該当するため、議会の議決に付されています。しかし、建物と同様に権利変換を希望しない旨の申出を行い、補償金の支払いを受ける土地については、1件5,000平方メートル以上のものに限ると規定されているため、区役所の宅地1,512.7平方メートルの処分については条例の対象外となるため、議会の議決には付されていません。

 現区役所は、1968年9月に竣工し、約55年が経過しています。歴史的建造物ではない築55年の建物の価値はないに等しいと推測される中、4億5,299万3,000円で処分されるのは驚きの価格です。しかし、問題なのは条例の対象外になるため、議会の議決に付されていない区役所の宅地の処分価格です。中野駅周辺整備・西武新宿線沿線まちづくり調査特別委員会資料によれば、区役所の宅地1,512.7平方メートルが40億9,309万7,000円で処分されるとのことです。割り算すると、1平方メートル当たり270万円となります。この価格については、中野区財産価格審議会を経ているので、区としては妥当な金額であるとの説明でした。

 公共事業の取得価格の基準や一般的な土地売買の際に指標となるよう適正な地価の形成に役立てるために、国土交通省が公表している公示地価があります。残念ながら、区役所現地の公示地価はありませんけれども、中野サンモールにある中野5-64-9の公示地価は、1平方メートル当たり563万円です。また、国税庁が相続税や贈与税の算出のために決めている土地の価格である路線価では、中野通り、サンプラザの前辺りでは、1平方メートル当たり289万円との答弁でした。路線価は、公示地価の8割程度だそうです。路線価289万円を基にした推定公示地価は、361万円になります。さらに、土地を売買する際に実際に取引が成立する価格である実勢価格は、公示価格の1.1倍から1.2倍が目安とされています。推定公示地価361万円掛ける1.2イコール433万円になります。とはいえ、民民による売買ではなく、市街地再開発事業ですから、これがそのまま当てはまらないことは理解できますが、270万円での処分は安すぎるのではないかとの疑問が払拭できません。地方財政法第8条には、地方公共団体の財産は、常に良好の状態においてこれを管理し、その所有の目的に応じて最も効率的に、これを運用しなければならないと規定されています。270万円での処分が最も効率的な運用とは思えません。

 本議案が可決されると、権利変換計画同意、許可申請、権利変換計画認可、転出補償金受領、施設建築物工事着工へと突き進んでいくことになります。示されている権利床の運用想定収支では、事業所床は95%、レストランなどの展望フロア、バンケット・コンベンションセンターや子どもの遊び場の床は97.5%から100%の賃貸、展望テラスの入場者数は年間30万人から40万人を見込み、年間想定収支が9億円との現実離れした楽観的な数字です。あくまで想定ですが、この想定を区に示している民間事業者に不信感が募ります。そして、この想定収支を真に受けている中野区に対しても不信感が募ります。

 これまでも主張してまいりましたが、区民の財産である駅前の一等地は手放すべきではないと考えます。市街地再開発事業による権利変換方式で進めるのではなく、70年の定期借地でも可能だとする議員有志による不動産調査結果を基に、定期借地権方式に改めることを求めても聞く耳を持たず、事業者募集をし、多額の国の補助金を前提とした資金計画であった事業者に決定しました。既に多額の国の補助金を前提とした資金計画は見直しを強いられ、容積率を1000%に増やし、分譲住宅戸数も1,250戸に増やし、事業費も当初の1,810億円から829億円も増加し、2,639億円に膨らみました。まだまだ膨らむ可能性があります。

 建設工事を主力とし、国内のオフィスビルを中心とした不動産の開発も行っている大手ゼネコン清水建設は、2月8日、2024年3月期の連結営業損益が330億円の赤字になる見通しであることを発表しました。従来予想の575億円の黒字から905億円の下振れで、営業赤字は株式上場以来初めてとなります。赤字の主な要因は、資材の高騰や労務費の上昇による建設コストの増加です。工事着工後にさらなる工事費が増加した場合に、区の負担は一体どうなるのでしょうか。不安が増大するばかりです。

 2023年11月21日放送のNHKクローズアップ現代「“駅前・高層"再開発の落とし穴」の中で、明治大学の都市政策専門の野澤教授は「高く大きくからの脱却」を提言されていました。100年後を見据えた再開発であると様々な場面で区は豪語していますが、100年後に老朽化した駅前の高層ビルが、1,000名を超える地権者の合意が得られず、建て替えができず、負の遺産とならないことを祈るばかりです。このサンプラザ・区役所跡地の再開発が100年後を見据えた再開発だというのであれば、たとえ1年遅れても、もう一度立ち止まり、冷静に考えるべきだと思います。

 総務委員会や中野駅周辺整備・西武新宿線沿線まちづくり調査特別委員会などの質疑の中で、様々な課題や問題点が浮き彫りとなりましたが、明快な回答は得られず、疑念を晴らすことはできていません。100年に一度の再開発であるにもかかわらず、事業者任せで、区の主体性が見えません。この再開発には、まちづくりの主役であるはずの区民はいません。まちは誰のためにあるのか、何のために巨大なビルを造るのかという最も大切な議論がどこかへ消え、途中からは事業を進めることが目的になって、区民に十分な説明がなされることなく進んでいます。100年に一度の再開発の場面に居合わせた一人の議員の責任として、疑念が払拭できないまま賛成することはできません。

 以上、雑駁ではありますが、第18号議案、財産の処分についてに対する私の反対の討論といたします。

○議長(酒井たくや) 次に、森たかゆき議員。

〔森たかゆき議員登壇〕

○41番(森たかゆき) ただいま上程されました第18号議案、財産の処分について、立憲・国民・ネット・無所属議員団の立場から賛成の討論を行います。

 本議案は、区役所現庁舎の一部について、都市再開発法第71条の権利変換を希望しない旨の申出等を行い、補償金等を得るものです。これは中野駅新北口駅前エリア再整備事業の一環として必要となるもので、我が会派としては当該事業計画全体を進めるべきか否かが問われる議案であると認識し、この間の議論に臨んでまいりました。

 中野駅新北口駅前エリア再整備事業は、現在中野駅周辺各地域で進んでいる100年に一度とも言われるまちづくりの中でも最大規模で、その中核をなすものです。区がホームページに掲載している中野駅新北口駅前エリア(区役所・サンプラザ地区)再整備についてのこれまでの検討の経過は、平成20年10月「サンプラザ地区に係るまちづくり整備の方針が区議会で議決」から始まっています。そこから数えても15年。平成14年に雇用・能力開発機構から中野サンプラザ譲渡の打診があった時点を議論の出発点と考えると、実に20年以上の議論があったことになります。その長年の議論の積み重ねが、今日の議決で一つの区切りを迎えます。本来であれば、区民が待望するまちづくりの進展の節目として、希望に満ちた討論を行いたいところですが、現状を考えると、これまでの反省点や今後の懸念点を指摘せざるを得ません。

 区が選定した本事業を推進するための第一種市街地再開発事業の施行予定者の代表事業者である野村不動産は、平成27年3月から事業構築パートナー、事業協力者として区の検討に無償で協力を頂いていた事業者です。施行予定者の選定は公平・公正な判断の結果と信じるほかありませんが、そう受け止められない区民も多くおられます。民間企業に無償で協力を求めれば、その分の見返りを期待されると考えるのは当然のことです。前区政の時期の話ではありますけれども、区民の不信を招いたこうしたやり方は大きな反省点であると考えています。

 施行予定者選定時の提案については、審査委員会から、建物壁面の圧迫感と資金計画の確実性に課題があると指摘がされました。その後、容積率の活用の上限を900%から1000%に変更することとなり、高さによる圧迫感がより増すことが懸念されます。資金計画についても、新型コロナウイルス感染症の感染拡大とそれを契機とした生活様式の変化、円安の進行や国際的な政情不安も含めた様々な要素による物価高騰等による環境の変化の影響を受け、事業収支を合わせることを優先せざるを得なくなり、アトリウムやデッキといった部分のグレードが見直されました。また、これもコストの面の課題から、昨年末時点では地下に予定されていた自転車駐車場が、商業フロアの2階部分に入ることとなりました。審査委員会が指摘した2点の懸念点いずれに対しても、十分な対応策が示されたとは言えません。

 事業収支を合わせることを優先せざるを得なくなった影響は、本議案により直接関係する資産の持ち方にさらに顕著に現れています。我が会派としては、床を取得して運用することには、市場環境の変化によるリスクがつきものであることから、区が権利変換により得る資産は土地のみで所有すべきと主張してまいりました。区も令和2年1月策定の中野駅新北口駅前エリア再整備事業計画の時点では、土地のみでの所有も視野に入れ検討していくとしていましたが、市場環境の変化によりそれを実現することが困難となり、再開発ビルに権利床を所有することとなりました。現時点の想定では、権利床の運用によって年間約7億円の収支のプラスが見込まれるとのことですが、その95%を占める事務所床のニーズが20年、30年先にどうなっているのか、懸念が残ります。

 また、当初は当然に民間が所有、運営することが想定されていた展望フロアやバンケットについても、区が床を取得することとされています。これらの床は利益を生むことが難しく、区が床を取得しなければ再開発ビルの中でこれらの機能を実現できないとのことですが、もともとは事業者の提案の中にあったものですし、提案の中では確実に事業を実現する旨もうたわれていました。事業者の提案内容の継承という点で問題があります。区としても、中野駅新北口駅前エリア再開発権利床は「民間事業者への貸付けなど行政サービスの財源確保を目的とした資産の有効活用を図ります」とした令和3年10月策定の区有施設整備計画の考え方に反することとなります。これも市場環境の変化により、そうせざるを得なかったということですが、床を持っていただくことは難しいにしても、バンケットの内装や展望フロアにつながるエレベーターに係る経費の負担など、提案内容の継承の観点から、事業者には引き続き財政面や運営面を含め積極的に関わっていただくべきと考えます。

 これら権利床の在り方は、区財政へも大きく影響するものです。議決の後も、区としての検討状況や事業者との協議状況など、随時議会に対して示していただくべきと考えます。特に、今後の予定の中でも、本年の第3回定例会頃が予定されている権利変換計画への同意は大きな判断となります。現在示されている権利床の想定収支も、昨年末に示された想定から比べて、事務所床の面積が1.1万平米から1万平米に減少、金額にして約9,000万円の減収となっています。想定収支のさらなる悪化も懸念される中、状況によっては区長による権利変換計画への不同意もあり得ることを総務委員会で確認をさせていただきましたが、いずれにしても状況の変化があれば速やかに議会に報告し、意見を聴取すべきです。

 大規模集客施設の規模についても大きな議論がありました。1万人規模のアリーナの構想は、酒井区長就任後の様々な議論を経て、着席5,000人、最大7,000人の規模のホールとして整備することとされました。個人的にはもう少し小規模でもよいのではと今でも思っていますが、この規模についても民間の提案によるものであり、長期にわたって安定した運営がなされることを期待するところです。これまで指摘した問題点と同じような構図で、将来この大規模集客施設についても、駅前の一等地の集客施設が成り立たなくなってしまってはまち全体の活力に影響があるといったような理屈で、公費を投入し維持していくようなことが万が一にも起きないように、各主体が責任を持って取り組むべきです。

 ゼロカーボンシティ宣言をしている中野区のシンボル的なビルとしてふさわしい環境負担軽減が実現されるかについても、不安があります。今年1月に示された資料によると、住宅はZEH-M Oriented、その他はZEB Orientedを環境性能の目標として掲げ、多様な取組のイメージも記載されていますが、まずは具体的な実現の道筋を明らかにするように求めます。また、高層ビルの中にもOrientedよりも上位のReadyの認証を取る事例も出てきており、さらなる高い目標を見据えた取組にも期待をしたいところです。

 このように、中野駅新北口駅前エリア再整備事業については、我が会派として問題があると考える過去の経緯や今後の事業展開への懸念などがありますが、それでも本事業は遅滞なく進める必要があると考えます。仮に事業の進展が遅れることとなれば、新庁舎整備に係る区債の利払いや現庁舎の閉鎖管理に係る費用などを支出せざるを得なくなります。これらの支出は利益や価値を生むことのない、ただ出ていくだけの金であり、そうした支出が生じる事態は避けるべきです。例えば施行予定者の選定や再整備事業計画の見直しなどから事業を組み立て直し、よりよい事業構築が可能であるならば、その支出にも意味が出るかもしれません。しかし、現在の市場環境を考えると、現在よりもよい再開発プランの提案が民間から出てくることを期待することには無理があります。そうであれば、たとえ全てを達成することが困難であったとしても、事業者選定時の夢のある提案の実現を目標として掲げ続け、区と事業者が協力し、力を尽くすべきと考えます。また、当事業の進捗が遅れると、中野駅西側南北通路・橋上駅舎等事業の整備にも遅れが生じ、デッキの整備など歩行者動線の改善も後ろ倒しとなります。

 さらに、本事業の前提となっている中野サンプラザの取得に区が要した費用は、平成16年のまちづくり中野21に対する出資2億円、平成20年の事業再編に必要となった11億7,000万円余、合計約14億円であり、本事業により区は多額の利益を得ることになるという見方もでき、その一部を区民にサービスとして還元することも一定理解ができるところです。

 以上のことから本議案には賛成するところではありますが、中野駅新北口駅前エリア再整備事業の進展に際しては、本討論や関連委員会で指摘をした懸念事項や要望について十分に対応していただくことを重ねて求めて、討論といたします。

○議長(酒井たくや) 次に、吉田康一郎議員。

〔吉田康一郎議員登壇〕

○14番(吉田康一郎) 育児支援と防災緑地と平らな歩道の中野を創る会、吉田康一郎です。ただいま上程をされております第18号議案に反対の立場で討論をいたします。

 この議案は、中野区、まちづくり中野21、中野区土地開発公社が所有する2ヘクタールを超える土地と建物を処分し、その一部を再開発事業の権利床に権利変換し、一部を施行予定者に売却しようとするに当たり、建物の売却処分の予定価格が区議会の議決を要する金額を超えていることから、議決に付されているものであります。

 この処分の評価額を見ますと、中野区本庁舎の土地については1平米270万円余り、最も高く評価されているまちづくり中野21の土地でも1平米299万円弱であります。これに対し、近傍の路線価について、3月19日の総務委員会で、私の質問に対し担当課は、令和5年に1平米289万円と答弁をいたしましたが、私が改めて調べたところ、中野通りに面したところで1平米当たり348万円という路線価でありました。

 周知のとおり路線価は地価公示価格の80%を価格水準の目安として設定されており、ここから積算される公示価格は1平米435万円であります。また、その前の総務委員会で指摘したとおり、中野通りから街なかに入った中野5-64-9の公示価格は公表されており、1平米563万円であります。さらに、公示価格と実勢価格とを比較すると、実勢価格は公示価格の1.1倍から1.5倍が目安とされており、2倍になることもあるとされています。地価の価格形成要因について、この場で自然的・社会的・経済的・行政的要因、地域要因、個別的要因について詳しく論じることはいたしませんが、土地の広さ、形状、接道、主要交通機関への近接性、規制など主要なすべての要因について最も好条件にある、あるいは好条件を整えてきた本件の土地について、上程されている評価額で処分することを認めることは、適切な判断であると考えることはできません。そもそも適正な価格で評価したとしても、売却するのではなく、従来から申し上げているとおり、他の区、渋谷区や豊島区のように定期借地制度などを活用し、区が区民の財産である土地を保有した形で再開発を行うべきであるということを改めて指摘したいと思います。

 これまでの間、様々な論点について指摘をしてまいりました。この様々な論点について、区の答弁はどれも問題を先送りする、本日の議決に当たってもまだ先送りを続けている、本質的な問題提起への回答がない状態のまま、この議決を議会に要求するものであります。このようなこれまでの区の検討の進め方、あるいは同意の要求の仕方、そして今回の評価額の不適切さ、様々な観点、もとより定期借地制度などを活用すれば起きなかった問題を今後にずっとはらみつつ、この土地の処分だけを進めるということについて大変遺憾に思います。

 今回の議案について見通しとしては、これは賛成多数で可決されるものであると、私はこのように捉えておりますけれども、今回の議決が後世大きな失敗であったと多くの区民から指摘されるようになるだろうということは、私は一目瞭然、火を見るより明らかであろうと、このように考えております。

 このような議決、ぜひぜひ止めなければいけないと改めて問題提起を申し上げ、反対の討論といたします。

 御静聴ありがとうございました。

○議長(酒井たくや) 次に、市川しんたろう議員。

〔市川しんたろう議員登壇〕

○10番(市川しんたろう) 上程中の第18号議案、財産の処分について、自由民主党議員団の立場から賛成討論を行います。

 中野区庁舎建物部分延べ3,000平米を超える財産処分の議決によって、中野駅新北口駅前エリアの再整備におけるスケジュールが、事業計画の同意を経て都市計画手続が進み、権利変換計画の同意によって、施設建築物の着工に向けて大きく進展することとなります。今後、関係権利者と施行予定者との間で権利変換計画の同意に向けて具体的な権利調整が本格化するこの機に、中野区の権利床が有効に活用され、将来に向けて区の財政計画、事業収支が成立するように、これから申し上げることについて留意され、進めていただきたいと考えます。

 まず、当プロジェクトは、中野区の所有する土地・建物の権原を、再開発制度にのっとって再開発ビルの権利床に変換し、開発による建物全体の価値向上からの果実によって、区の財政への貢献及び周辺地域の活性化、さらには東京における都市としてのプレゼンスを獲得し、結果、将来にわたって区民の利益と区政の発展に資するものであります。したがって、中野区の所有するオフィス床権利床を含めたオフィスエリアのテナント誘致の確実な遂行はもちろんのこと、現在区の権利床で行使する展望施設を含めた最上階エリアの展開においては、当該エリアだけではなく、建物低層部分の空間や中野駅及び駅前広場、また、周辺開発エリアとの相乗効果を生む工夫を進め、アリーナに訪れる来街者も含めた来場者の継続的確保に努める努力をすべきであります。

 この点において知見を有する施行予定者に対しては、商業施設及び低層階におけるテナント誘致に当たっては、展望エリアの利用客増とリピーター確保につながるよう施行予定者に強く求めるとともに、中野区もその誘致に関与し、適宜遅滞なく議会に報告をしていただきたいと考えます。さらに、国及び東京都が推進する東京における都市政策を当該開発で具体化させ、併せて補助金の獲得増に努められること。そして、展望エリアを利用する際に利用することとなる専用エレベーターについては、展望エリアのにぎわいがアリーナ及び低層階商業エリアとリンクし、同時にオフィス、住宅を含めた再開発ビル全体の価値を高めることとなることから、当該エレベーターの運営管理費については、今後の権利調整の中で、施行予定者にも応分の負担を求めます。

 以上留意点を申し上げましたが、中野区は、跡地・権利床の有効活用が不得手であり、これまで多くの失敗を重ねてきており、今定例会で報告があった中野二丁目再開発権利床活用事業においても、資産価値に見合い、そして区民が求める事業構築ができているとは言い難い状況です。よって、区の資産管理能力が疑わしいものであると指摘をせざるを得ません。新サンプラザの事業においても、同様の懸念がございます。

 区は、中野区職員倫理条例第3条、職員の職務の遂行に係る行動の原則に定める「効果及び効率並びに経済性を科学的に検証し、区民の利益を最大化することを目指して計画的に職務に当たること。」を改めて認識し、事業の遂行に努められるよう強く求め、賛成討論とさせていただきます。

 御清聴ありがとうございました。

○議長(酒井たくや) 次に、井関源二議員。

〔井関源二議員登壇〕

○4番(井関源二) ただいま上程されました第18号議案について、反対の立場で討論いたします。

 反対の理由は3点あります。私の実家は現在不動産管理会社を経営しておりまして、現在私はその法人の役員をしております。実は私自身も10億円、2億円、5,000万円程度の物件の売買に携わりました。今回の再開発と比べれば、何十分の一、何百分の一かもしれませんが、おおよそのスキームは変わらないと思われます。一般論として申し上げます。

 まず1点目、土地は売らない方が有利という点です。土地は持ち続けていれば利益を生み続けます。せっかく定期借地というスキームがあるのですから、使用しない手はないと考えます。豊島区や渋谷区という先行している自治体があるのに、なぜ中野区が処分に固執するのかよく分かりません。

 中野区議会のウェブサイトに、定期借地が適さないというPDFがアップされていますが、こちらは令和元年の数字であり、現在土地の価格は上がっております。事業者はとにかく土地は絶対売ったほうが得だと言います。あくまで一般論ですが、いかに不動産は処分したほうがいいか、持ち続けるとコストがかかるかということをあの手この手で並べます。そして、売却したお金でいい物件を購入すればいい、こちらで用意すると続けます。このスキームに乗ると、資産がどんどん目減りしていきます。今回に当てはめると、新庁舎の建築費や新サンプラザの権利床がそれに該当すると思われます。皆さんも不動産をお持ちの方がいらっしゃいましたら、お気をつけください。

 仮に、万が一ウェブサイトにアップされている定期借地権の金額そのままがマイナスになったとしても、収益物件を建ていればいいのです。一般財政調整基金を使用したり、銀行から融資を受けたりすればいいのです。土地を持っていればほぼ100%負けのない勝負です。これが土地を売却してしまうと、勝つか負けるか不確実な勝負になります。

 日本の不動産会社業界上位3位は三井不動産、三菱地所、住友不動産です。この3社は、いい不動産は絶対売却しません。自分で管理します。先日視察させていただいた南口の住友不動産ビルも、分譲せず、賃貸にしております。昔の悪口で「たわけ」という言葉があります。子孫が田を分けてしまう、処分してしまうのは最悪の行為だというところから転じた、頭の悪さを指摘した悪口になります。金の卵を産むガチョウは、腹をさばいてしまっては二度と金の卵を産まなくなるのです。

 2点目は、どうしても土地を売却しなくてはならない場合は、土地の何割かは区が保有するべく努力をするべきであり、また、できるだけ高値で売却するべきであり、今回の再開発ではそれを満たしていないという点です。委員会を傍聴しておりましたが、一般論では、路線価は公示価格の8割、公示価格は実勢価格の5割から9割です。売却予定価格はそれに達しておりません。区の土地は区民の財産であり、軽々に金額を決定するべきではないと考えます。

 2004年、目黒区では、やはり旧区役所本庁舎と公会堂をなぜか安い価格で売却し、議員が訴訟を起こしました。残念ながら、当時の区長は自殺されてしまったそうです。今回の件が可決され、現在の価格で売却されてしまったら、議員ではなくても、誰かが訴訟を起こすかもしれません。そういった禍根を残さないためにも、ここで採決せず、一旦本会議を休憩し、当議案について議論を継続するべきだと考えます。

 3点目は、建築予定の建物についてです。展望施設とエレベーターを区が保有すると伺いまして、事業者があまりにも露骨に採算が難しそうなところを押しつけてきたと思いました。事業者も経済活動をしているわけですから、企業の利益を最優先に考えるのは承知しておりますが、それにしてもです。来客数の見込みを拝見させていただきましたが、非常に楽観的な数字が記載されておりました。区の負担、ひいては区民の負担になるのではないかと危惧します。

 私自身は再開発に賛成しております。しかし、二元代表制としては、区の方針に疑問がある場合はブレーキを踏まざるを得ません。予算特別委員会でも質疑させていただきましたが、新サンブラザには夢を持っております。いろいろな提案をさせていただきました。恐らく区民の方々もそうでしょう。すばらしいものができると期待されているかと思います。しかし、区の床は少なく、事業者の床はもう用途が決まっていて、区が意見しても採用されるかは不明だそうです。当議案が可決されますと、区の発言権はどんどん減り、事業者の発言権がどんどん増していきます。

 また、展望フロアも最上階の南の一部分で、ほとんどが分譲マンションになってしまうとのことでした。地上330メートル、日本一の高さになる予定の麻布台ヒルズの最上階の分譲マンションは200億円だそうです。新サンブラザの最上階が幾らで売りに出されるかは分からないですが、恐らくここにいらっしゃる方で購入できる方はいらっしゃらないような価格帯なのではないでしょうか。これは区民感情としてどうなのでしょうか。

 この建築物について説明会はまだ実施されていないそうです。区民の同意を得てからのほうがいいのではないでしょうか。何ならこの計画でいいのか、住民投票で決めてもいいのではないでしょうか。やはり区民の公共の福祉を最大限追求するべきではないでしょうか。

 以上の3点に基づき、当議案に対する反対討論といたします。

○議長(酒井たくや) 次に、平山英明議員。

〔平山英明議員登壇〕

○34番(平山英明) 上程中の第18号議案、財産の処分についてについて、公明党議員団として賛成の立場で討論を行います。

 本議案は、仮称中野四丁目新北口駅前地区第一種市街地再開発事業に関し、都市再開発法に基づき、区役所庁舎について権利変換を希望しない旨の申出を行い、補償金の支払いを受けるため、当該財産を処分するに当たり、議決の必要があるというものです。処分価格は最低限度価格として4億5,299万3,000円で、処分先の相手は中野四丁目新北口駅前地区第一種市街地再開発事業施行予定者となります。

 中野駅周辺再開発に当たり、先輩方から引き継がれてきた中野サンプラザを取得し、更新を迎える区庁舎との一体的な開発を行うこと、そして保有する土地財産の一部の活用により、新たな負担がなく新庁舎を建設するという手法がいよいよ完結する、現庁舎の財産処分の局面を迎えました。50年、100年先の中野を見据えたときに必ずやり遂げなくてはならない事業であり、毎年のように不要不急の大規模開発との批判が繰り返され、あるいはホールの規模やサンプラザの存続か否かが区長選の争点とされるなど様々なことを経ながらも、我が会派は一貫して推進の姿勢を示してまいりました。

 本議案の議決は単に財産の処分のみならず、中野四丁目の市街地再開発事業により生じる予定である権利床の活用の在り方にも密接に関わっており、新たな区民の財産が、今の、そしてこれからの区民のために真に活用されるよう、丁寧な審査を行いました。建設委員会終了後の総務委員会3日目には、まちづくりの理事者を招いて審査を行い、また、議論を尽くすために総務委員会の日程を1日追加することともなりました。御協力いただいた総務委員会、議会運営委員会、議会運営協議会の皆様、また、理事者の皆様には、この場をもって御礼を申し上げます。

 物価高騰に起因する事業計画の見直しにより、特に最上層を区が取得し、レストランや展望フロア、展望デッキを区自らが行うことは、他に前例が見られず、また、ノウハウがあるとも思えず、何より本来民間に行わせるべきことであり、将来に大きなリスクを負うことになってはいけないと、これまでも慎重な姿勢を示してまいりました。今定例会の総務委員会でも指摘したとおり、今もその考えは変わりません。

 そのような中、総務委員会の審査で、驚くべきことが明らかになりました。それは、これからの中野四丁目での取組の先行事例とも言うべき中野二丁目再開発権利床活用事業です。区は、権利床部分の引渡しを受けたナカノサウステラレジデンス棟、延べ床面積683.27平方メートル部分の活用を権利床の有効活用として、令和6年3月1日から10年間、貸付料を月額166万1,240円で事業者との契約を締結いたしました。公有財産の貸付けに当たり、中野区公有財産規則第33条には、普通財産の貸付料は、適正な時価により評定した額をもって定めなければならないとあります。令和4年3月に示した中野二丁目再開発権利床活用方針では、賃借料は近隣相場や再開発建物内の他のテナント賃借料を水準に設定するとし、同じ月に出された事業者募集要項には、実際の貸付けまでには期間があることから、近隣相場などを水準とした提案額は参考価格とし、最終的な価格は定期建物賃貸借契約締結時に区と実施事業者との協議により決定すると示されていました。一連の区の報告から、我々は、事業者選定時には近隣相場をベースに参考価格を決め、おおむね2年後となる契約時には既に竣工済みの再開発建物内の他のテナント賃借料を水準に設定され、それであれば規則にある適正な時価での契約となると思っておりました。

 しかし、実態は、事業者募集に入る前の令和4年4月に一度だけ不動産鑑定を行ったのみで、契約前には最新の不動産鑑定や鑑定を受けての財産価格審議会も開かれておりません。しかも、選定された事業者の提案額は平米単価3,358円と、区が近隣相場水準と考える平米単価5,000円から6,000円とはほど遠いものであり、契約時に決まった額は令和4年4月の鑑定を基にした金額に等しい平米単価5,264円です。ただでさえ、全体の約55%の賃料が減額されるスキームでありながら、さらに適正な時価とはかけ離れた賃料での契約であれば、規則に則したとは言い難いものです。

 加えて驚くべきことは、運用面においても、区と事業者との協議により定められる地域開放スペースが、オープンまで1か月に迫った今も、料金などを含む具体的な運用方法が何も決まっておらず、地域や区民に対しての案内さえされていないことが明らかになったことです。サウンディングから募集、契約に至るまで、事業者側の要望をそのままうのみにしてきたと言っても過言ではなく、一体区民の財産を何だと思っているのかと憤りすら覚えます。

 何より、本件についてその金額はおろか、区民サービスに関わる部分においての重要なレイアウト変更がありながらも、事業者選定が決まった令和4年第2回定例会から今定例会まで、議会に対し一切の報告が行われていません。酒井区政が重要視する区民の声を聞くとの姿勢はどこに行ったのでしょうか。

 このままでは区役所・サンプラザ跡地に建つ中野の新たなシンボルであり、新たな東京の顔を目指す超高層のビルの最上層の活用を全て区が担い、本来の自治体の役割を超えた事業を行おうとすることに対し、不安を到底拭うことはできません。中野二丁目同様に事業者提案のまま進められ、区民のリスクより事業者のリスク回避が優先されることとなるのではと、強い懸念を抱きます。

 先に申し上げたとおり、本事業は後退も失敗も許されず、無責任に議案を否決あるいは先延ばしすることはできないと考えます。であるからこそ、本議決に際して、幾つかの条件を申し上げなくてはなりません。

 一つは、本来先行事例となり得るはずの中野二丁目権利床についてです。区の信頼の損失や不必要な財政支出があることは望ましくありません。しかし、規則にのっとったといえる状態であるためには、改めて財産価格審議会による適正な時価を算出し、その価格に見合った賃料とすべく交渉を続けていくべきと考えます。募集要項には、経済情勢等に鑑み将来に向かって賃借料の見直しを行うことができるものとするとあることから、毎年1回の賃借料の協議を行うべきです。

 二つには、中野二丁目権利床活用について、区政目標を改めて明確にすべきです。当初から区民の利益はどこにあるのかと議会からの疑問が示されていましたが、いまだ解決できておりません。区の考えを議会に明確に示し、区民理解を得る努力を行うべきです。

 三つには、今後すべての公有財産の賃貸等による活用に当たって、適時適切な議会への報告に努めるべきことです。区民財産の活用に当たって議会への報告を怠ったことは厳に反省をすべきであり、区民の声を聞くとの原点に立ち返るべきです。

 その上で、最重要となる中野四丁目区役所・サンプラザ跡地で得られる予定の権利床の活用については、適時適切な報告はもちろん、一層の議会の理解を得る努力を行うべきと考えます。賃借料減額による区政目標の推進は補助金など税金の投入に等しく、コスト面も含めた事業効果を議会や区民に明らかにする手法も検討すべきです。検討段階から可能な限りの資料を議会に示し、十分な議論の下、検討を進めるべきことを求めます。

 決して事業者の立場を優先することなく、長期的なビジョンと区民の利益とを明確に示し、丁寧な議論の上で事業を進められることを強く求め、また、同僚議員の皆様の御理解を望み、賛成の討論といたします。

○議長(酒井たくや) 次に、羽鳥だいすけ議員。

〔羽鳥だいすけ議員登壇〕

○27番(羽鳥だいすけ) ただいま上程されました第18号議案、財産の処分についてに対し、日本共産党議員団の立場で賛成討論を行います。

 本議案は、中野区が所有する中野区本庁舎の建物26億4,808万円のうち4億5,299万3,000円を、第一種市街地再開発事業における権利変換を行わず、転出補償金として受け取るものです。中野区役所・サンプラザ跡施設である中野四丁目新北口駅前地区の再開発の事業手続の最終段階となります。この金額とともに、区は中野区の土地として40億9,309万7,000円、まちづくり中野21の土地・建物として354億5,319万円を転出補償金として受け取るとともに、約260億円相当の権利床を得る予定です。

 我が会派は、酒井区長が区長選公約として掲げていた、中野駅前再開発について一旦立ち止まり、区民参加で再検討するという公約に従って検討を行ったこと、財産処分価格が不当な金額でないことから賛成をするものです。

 同時に、中野四丁目新北口駅前地区再開発事業について、懸念される点について3点述べます。

 第1は、この事業の検討の過程では、当初提案の容積率が900%から1000%へ変更されたことや、総事業費が約1,810億円から約2,639億円に増加したこと、そしてそれに伴い再開発ビルの中身の変更や、当初は想定していなかった展望施設の在り方など、報告のたびに変更があり、事業者優位に進められてきたのではないかという点です。中野区が、中野駅前にどういった施設を造りたいかという確固とした信念を終始持てていなかったのではないでしょうか。

 第2は、この財産処分や再整備がどこまで区民のためになるのかという点です。区は事務所部分に3階層分の権利床を所有し、マスターリースを行い、95%の床が借りられることを想定し、年間で約7億円の収入が入ってくることを想定しています。しかし、人口減少やコロナ禍以降の働き方全体の在り方について大きな変化があり、今後のオフィス需要は減り続けます。オフィス需要の減少によってこの新しいビルの空き室が増えた際、例えば民間が運営するホールや事務所部分の経営がうまくいかず、区から何らかの形で区費を投入することが起こらないよう求めます。本事業が中野のまちと将来の区民にとって負担とならないよう求めます。

 第3は、環境の側面です。当該地区の再開発事業の建物からは、中野区の民生業務部門の5%に相当する二酸化炭素が排出されると想定されています。中野区は2050年にゼロカーボンシティを達成するとの目標を掲げており、多量の二酸化炭素を排出する再開発事業のビルが中野区の目標達成の足を引っ張ることにもつながりかねません。今後、建物のエネルギー消費量の規制が厳しくなることは確実であり、先日発表された脱炭素ロードマップ(案)のまちづくりの全体方針の中でも、エネルギーマネジメントについて導入の検討に努めると示されたように、そうした規制にも柔軟に対応できる事業とするよう改めて求めます。

 最後に、この事業で生み出される収益をどう区民の福祉向上のために還元するかについて、例えばここでの収益を特定目的基金など、誰一人取り残さない中野区のために活用することなども検討していただきたいと思います。

 以上で本議案に対する討論といたします。

○議長(酒井たくや) 次に、内野大三郎議員。

〔内野大三郎議員登壇〕

○16番(内野大三郎) 第18号議案、財産処分についての議案につき、都民ファーストの会中野区議団として賛成の立場で討論をいたします。

 本件は、現区役所の建物部分の一部を4億5,299万3,000円で処分するものであり、これは新区役所の建て替え、現サンプラザの建て替え、新NAKANOサンプラザシティにおける区権利床の取得に係る一連の財産の処分の一環としてなされるものです。全体としては633億円の区の資産のうち、400億円を中野サンプラザ運営会社の清算及び新区役所の建設のために使い、残り263億円を新NAKANOサンプラザシティ内での権利床の確保のために使用することとなります。

 56年間にわたり親しまれてきた中野区役所、区議会棟が、本年5月7日に新庁舎へ移転します。新区役所は、区民の皆様も利用できるイベントスペース、会議室、カフェテリアなどを1階に配置、来庁時の四つの「ない」(迷わない、待たない、動かない、書かない)のキーワードにより、区民の皆様に寄り添った対応ができるようになります。区議会も、より親しみやすく、車椅子でも傍聴できるようになり、親子傍聴席も設けられます。

 2029年度に、中野サンプラザもNAKANOサンプラザシティとして生まれ変わります。中野サンプラザのDNAを承継し、新たな文化・芸術等発信拠点の形成のため、多くのアーティストに愛された歴史ある中野サンプラザを承継するホールの設置。そして、上層階は、都庁をも超える高さの展望施設。ここから見る、遮ることのない富士山の偉容、何物にも代え難い唯一無二の眺望は、すばらしいまちに住んでいるという誇り、シビックプライドの醸成につながることでしょう。

 さらに、酒井区長が就任以来目指し続けている子育て先進区の推進のため、子どもの遊び場、子育て支援施設なども予定されており、このように区民に資する多くの施設を、区が一連の財産の変換の結果保有することとなる権利床を活用しながら実現していく。この趣旨には賛同し、そのために必要な議決として、本件には賛同いたします。

 1点申し上げたいことがあります。それは、区権利床の活用に伴う収支目標と実績をしっかりと算定し、その結果を半期ごとに議会に報告し、共にPDCAサイクルを回していっていただきたいということです。今回、中野区が取り組もうとしていることは、民間企業と同等かそれ以上の採算管理が必要な事業であると考えています。特に利益の大半を上げる想定のオフィス賃貸事業は、まさしく民間との競合となる事業です。この事業から上げる利益により、区民の皆様に喜んでいただける事業をトータルで支える柱とする必要があります。例えば展望施設事業があります。もしこの事業を有料化するようであれば、中野区民のシビックプライド醸成のためにも、区民割などのサービスを考えていただきたいです。そして、子どもの遊び場、子育て支援施設などをトータルで支える事業運営が必要となります。そして、例えば50年後に想定される再々開発において、今と同等以上の事業を行うことができるように、一定の利益を蓄積していかなければなりません。

 今回の議決に際しては、運用モデルとして、オフィスの入居率が95%で、その他の施設の入居率が100%の場合、年間6億9,400万円の利益というラフな試算が示されたのみです。金利や地価の上昇・下落、土地の共有持ち分の価値を考慮せず、非常にラフな試算ではありますけれども、例えば50年後に再々開発をする場合、この試算と同じ額の利益が毎年続いたとするならば347億円となり、変換価格である263億円を上回るので、今回の再開発と同等の権利を取得し、事業運営を可能とする試算のようにも思えます。

 オフィスの入居率が95%ということは、入居者の入れ替わりを考慮すると常に満床、その他の施設の入居率が100%という超強気の試算であり、もう少し現実的な中長期の事業計画を策定し、少なくとも半年程度のサイクルで計画と実績を対比し、必要な対応を実行していくPDCAサイクルをしっかりと回し、区民の財産が毀損しないように対処していく必要があります。

 この点について強く要望した上で、賛成の討論とさせていただきます。

○議長(酒井たくや) 他に討論がなければ、討論を終結いたします。

 これより起立により採決いたします。

 上程中の議案を委員長報告どおり可決するに賛成の方は御起立願います。

〔賛成者起立〕

○議長(酒井たくや) 起立多数。よって、上程中の議案は可決するに決しました。

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 第19号議案 サンプラザ地区に係るまちづくり整備の方針の変更について

(委員長報告)

 

○議長(酒井たくや) 日程第3、第19号議案、サンプラザ地区に係るまちづくり整備の方針の変更についてを議題に供します。

 

令和6年(2024年)3月11日

 

中野区議会議長 殿

 

総務委員長 杉山 司 

(公印省略)

 

議案の審査結果について

 

本委員会に付託された下記議案は、審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので、中野区議会会議規則第78条の規定により報告します。

 

 

議案番号

件    名

決定月日

19

サンプラザ地区に係るまちづくり整備の方針の変更について

311

 

○議長(酒井たくや) 総務委員会の審査の報告を求めます。杉山司総務委員長。

〔杉山司議員登壇〕

○29番(杉山司) ただいま議題に供されました第19号議案、サンプラザ地区に係るまちづくり整備の方針の変更についてに関しまして、総務委員会における審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。

 本議案は、サンプラザ地区に係るまちづくり整備の方針を変更するに当たり、議会の議決を要するものです。

 変更の内容は、株式会社まちづくり中野21に、区役所・サンプラザエリア周辺一帯のまちづくりの中心として主体的に取り組ませる旨を定めた項目の3、及び同社に将来にわたってその所有地を保有させ、中野駅周辺のまちづくりを牽引させる旨を定めた項目の4を削除するものです。

 本議案は、3月7日の本会議において当委員会に付託され、3月11日に委員会を開会し、審査を行いました。

 審査の進め方として、本議案を議題に供したのち、理事者から補足説明を受け、質疑を行いました。

 その主な質疑応答の内容及び要望を紹介いたします。

 初めに、整備方針変更後、まちづくり中野21に代わり、どこが主体的にサンプラザ地区のまちづくりを進めていくのかとの質疑があり、野村不動産株式会社を代表とする市街地再開発事業施行予定者が取り組むことになるとの答弁がありました。これに対し、中野区の意向が反映されない可能性がある事業主体に土地の所有権を移すということかとの質疑があり、まちづくり中野21が市街地再開発事業の施行区域から全転出をして、土地を所有しないということであるとの答弁がありました。

 次に、サンプラザ地区に係るまちづくりについて、議会の議決が必要になった経緯を問われ、平成16年のまちづくり中野21設立当時、旧運営会社による不透明な運営がなされたため、平成20年にスキームの変更を行い、議会に透明性を持って説明するため、この方針を制定したという経緯があるとの答弁がありました。これに対し、民間に任せて多額の税を投入しなければならなくなってしまった過去がある。これを忘れずに、教訓としてほしいとの要望がありました。

 次に、このタイミングで議決が必要なのはなぜかとの質疑があり、事業計画同意前のこの時期は、各地権者の意向や事業の推進が確定し、まちづくり中野21が土地を持たないことが確実となる時期であるため、このタイミングで議案として提案したとの答弁がありました。これに対し、なぜサンプラザ地区のまちづくりがこの方針と違う方向に進み始めた時期に、議会の判断を求めなかったのかとの質疑があり、最近に至るまで、まちづくり中野21が権利床を持つべきではないかとの議論もあり、時期を模索する中でこの時期となったとの答弁がありました。

 次に、議案に警察大学校等移転跡地という現在使われていない言葉があるが、問題はないのかとの質疑があり、あくまでも例示であり、広い意味での中野駅周辺のまちづくりについて言及しているものと解釈しているとの答弁がありました。

 以上が主な質疑応答及び要望の内容です。

 その後、委員会を休憩して取扱いを協議した後、委員会を再開し、さらに質疑を求めましたが、質疑はなく、質疑を終結しました。

 次に、意見の開陳を求めましたが、意見はなく、意見の開陳を終結しました。

 次に、討論を求めましたが、討論はなく、討論を終結しました。

 そして、本議案について挙手による採決を行ったところ、賛成多数で可決すべきものと決した次第です。

 以上で、第19号議案に関する総務委員会における審査の経過並びに結果の報告を終了いたします。

○議長(酒井たくや) ただいまの報告について御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 本件については、討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、これより起立により採決いたします。

 上程中の議案を委員長報告どおり可決するに賛成の方は御起立願います。

〔賛成者起立〕

○議長(酒井たくや) 起立多数。よって、上程中の議案は可決するに決しました。

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 第45号議案 中野区国民健康保険条例の一部を改正する条例

(委員長報告)

 

○議長(酒井たくや) 日程第4、第45号議案、中野区国民健康保険条例の一部を改正する条例を議題に供します。

 

令和6年(2024年)3月11日

 

中野区議会議長 殿

 

区民委員長 市川 しんたろう

(公印省略)

議案の審査結果について

 

本委員会に付託された下記議案は、審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので、中野区議会会議規則第78条の規定により報告します。

 

 

議案番号

件    名

決定月日

45

中野区国民健康保険条例の一部を改正する条例

311

 

○議長(酒井たくや) 区民委員会の審査の報告を求めます。市川しんたろう区民委員長。

〔市川しんたろう議員登壇〕

○10番(市川しんたろう) ただいま議題に供されました第45号議案、中野区国民健康保険条例の一部を改正する条例に関しまして、区民委員会における審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。

 本議案は、保険料率等を改めるとともに、国民健康保険法等の改正に伴い規定を整備するものです。

 この条例の施行時期は令和6年4月1日です。

 本議案は、3月7日の本会議において当委員会に付託され、3月11日に審査を行いました。

 審査の進め方として、本議案を議題に供した後、審査を一旦保留とし、関連する所管事項の報告を受けて質疑を行い、その後、改めて本議案を議題に供し、理事者から補足説明を受け、質疑を行いました。

 その主な質疑応答の内容を紹介します。

 初めに、保険料の改定について、国民健康保険運営協議会の中ではどのような意見があったのかとの質疑があり、値上がり傾向が続いていく不安、近隣区との保険料の差額、健康づくりの取組による医療費抑制の状況などについて意見があったとの答弁がありました。これに対し、近隣区との保険料の差額を問われ、中野区が医療分、支援金分、介護分の合計2,260円低くなっている。近隣区は、特別区統一の保険料を適用しているとの答弁がありました。

 次に、昨年、特別区長会が厚生労働省に対して要望した内容を問われ、被保険者の低所得化や1人当たりの医療費の増加による保険料増額は自治体の努力だけでは解決できないため、財政基盤のさらなる強化、国庫負担割合の引上げの実施、低所得者層の負担軽減などを要望したとの答弁がありました。これに対し、要望に対する国の対応を問われ、厚生労働大臣から、抜本的な医療制度の改革の必要性について、今後検討していかなければならない旨の発言があったと聞いているとの答弁がありました。

 以上が主な質疑応答の内容です。

 その後、委員会を休憩して取扱いを協議した後、委員会を再開し、さらに質疑を求めましたが、質疑はなく、質疑を終結しました。

 次に、意見の開陳を求めましたが、意見はなく、意見の開陳を終結しました。

 次に、討論を求めたところ、1名の委員が本議案に反対する立場から、国民健康保険は、世帯全員に保険料が課されること、近年の社会保険適用拡大により、一定の給与収入がある世帯が被用者保険に移行し、国民健康保険の被保険者が、自営業等を除くと、年金生活者など収入が低い層が多くなっていることなどの構造上の問題が課題となっている。この状況下で国が一般会計からの繰入額縮小を掲げることは、さらなる保険料の高騰を招き、制度が破綻する事態につながるおそれがある。保険者である区が、同様の危機感から、特別区長会として厚生労働省に制度の抜本的な改善検討を申し入れたこと、特別区の基準保険料より引き下げる努力をしたことは評価する。しかし、物価高騰も収まらない中、年収300万円までの世帯が90%を占める被保険者にとって、年間13,168円の値上げは大きな痛手となる。近年の国の方針による国民健康保険制度の運営方法は、一保険者で対応できる範囲を超えており、抜本的な見直しが必要である。引き続き国に是正を求めていくことを求め、本議案への反対討論とするとの討論を行いました。

 さらに討論を求めましたが、討論はなく、討論を終結しました。

 そして、本議案について挙手による採決を行ったところ、賛成多数で可決すべきものと決した次第です。

 以上で、第45号議案に関する区民委員会における審査の経過並びに結果の報告を終了いたします。

○議長(酒井たくや) ただいまの報告について御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 本件については、討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、これより起立により採決いたします。

 上程中の議案を委員長報告どおり可決するに賛成の方は御起立願います。

〔賛成者起立〕

○議長(酒井たくや) 起立多数。よって、上程中の議案は可決するに決しました。

 お諮りいたします。この際、本日の日程をさらに追加し、日程第9、第47号議案及び第48号議案の計2件を一括先議するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう議事を進行いたします。

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 第47号議案 令和5年度中野区一般会計補正予算

 第48号議案 令和6年度中野区一般会計補正予算

 

○議長(酒井たくや) 日程第9、第47号議案及び第48号議案の計2件を一括上程いたします。

 理事者の説明を求めます。

〔副区長青山敬一郎登壇〕

○副区長(青山敬一郎) ただいま上程されました第47号議案及び第48号議案の2議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。

 第47号議案、令和5年度中野区一般会計補正予算は、歳入歳出にそれぞれ1,942万3,000円を追加計上するものです。これにより既定予算との合計額は2,085億1,502万7,000円となります。

 初めに、この補正の歳出予算の内容を説明いたします。

 まず、地域支えあい推進費ですが、すこやか障害者相談支援事業運営委託に係る経費の増額分895万5,000円及び精神障害回復者社会生活適応訓練事業に係る経費の増額分562万1,000円を追加計上するものです。

 次に、健康福祉費ですが、大和町三丁目障害者施設整備に係る経費の増額分484万7,000円を追加計上するものです。

 このほか、地方創生臨時交付金の計上による財源の変更に伴い、所要の財源更正を行います。

 この補正の歳入予算といたしましては、都支出金47億3,473万1,000円を追加計上する一方、繰入金47億1,530万8,000円を減額するものです。

 続きまして、繰越明許費の補正について説明いたします。これは、今年度内にその支出が終わらない見込みである旧生活寮の法内化に向けた施設の再整備に係る経費を6,356万4,000円から1億4,590万1,000円に変更するものです。

 第48号議案、令和6年度中野区一般会計補正予算は、歳入歳出にそれぞれ2億1,095万2,000円を追加計上するものです。これにより、既定予算との合計額は2,006億4,795万2,000円となります。

 初めに、この補正の歳出予算の内容を説明いたします。

 まず、総務費ですが、災害対策用備蓄物資の拡充に係る経費の増額分1億9,506万9,000円、個人住民税の定額減税に伴う住民情報連携基盤システムの改修に係る経費152万5,000円及び個人住民税の定額減税に伴う住民情報システムの改修に係る経費59万4,000円を追加計上するものです。

 次に、区民費ですが、個人住民税の定額減税に伴う税基幹システムの改修に係る経費389万4,000円を追加計上するものです。

 次に、教育費ですが、区立学校における医療的ケア児の受入れに係る経費の増額分764万5,000円を追加計上するものです。

 次に、地域支えあい推進費ですが、すこやか障害者相談支援事業運営委託に係る経費の増額分87万円及び精神障害回復者社会生活適応訓練事業に係る経費の増額分135万5,000円を追加計上するものです。

 この補正の歳入予算といたしましては、国庫支出金254万7,000円及び繰入金2億840万5,000円を追加計上するものです。

 以上2議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。

○議長(酒井たくや) 本件について御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 上程中の議案は、会議規則に従い、総務委員会に付託いたします。

 この際、申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。

 議事の都合により暫時休憩いたします。

午後2時26分休憩

 

午後3時40分開議

○議長(酒井たくや) 会議を再開いたします。

 お諮りいたします。この際、本日の日程をさらに追加し、日程第17、第47号議案及び第48号議案の計2件を一括先議するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう議事を進行いたします。

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 第47号議案 令和5年度中野区一般会計補正予算

 第48号議案 令和6年度中野区一般会計補正予算

(委員会報告)

 

○議長(酒井たくや) 日程第17、第47号議案及び第48号議案の計2件を一括議題に供します。

 

令和6年(2024年)3月21日

 

中野区議会議長 殿

 

総務委員長 杉山 司 

(公印省略)

 

議案の審査結果について

 

本委員会に付託された下記議案は、審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので、中野区議会会議規則第78条の規定により報告します。

 

 

議案番号

件    名

決定月日

47

令和5年度中野区一般会計補正予算

321

48

令和6年度中野区一般会計補正予算

321

 

○議長(酒井たくや) お諮りいたします。上程中の議案に関する委員長報告は、会議規則第40条第3項の規定により省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、委員長報告は省略いたします。

 これより討論に入ります。石坂わたる議員から討論の通告書が提出されていますので、通告議員の討論を許します。石坂わたる議員。

〔石坂わたる議員登壇〕

○37番(石坂わたる) 第48号議案、令和6年度中野区一般会計補正予算について、賛成の立場で討論いたします。

 本議案は、2024年度の予算に関する第1号補正予算となります。能登半島地震を踏まえて、災害時の避難所避難者や自宅避難者のために食料や生活用品の備蓄物資を拡大することはとても重要なことです。ただし、危機管理対策等調査特別委員会でも指摘をいたしましたが、避難所に避難をする盲導犬、聴導犬、介助犬を連れて避難をされる方のために、犬の食料等の備蓄も今後検討を求めるところです。なお、乳幼児や高齢者や障害児者のための備蓄が進むことは、とても歓迎をいたします。

 しかし、今回、令和5年10月4日付の国通知による障害者相談支援事業所等が消費税非課税の社会福祉事業に該当しないという扱いが後出しのように出され、税の追納に加え、延滞税等が国に取られるようになることについてはとても気がかりです。区としては、税務署に相談をして、国税庁の判断として非課税であると言われていたとのことですけども、それにもかかわらず、それを覆す通知を厚生労働省が発し、延滞税まで課す状況は納得がいくものでありませんし、今後同じようなことが繰り返されるようなことがあってはなりません。

 延滞税の支払いを拒否すべきだとまでは言いませんが、福祉分野の課税に関して、今後こうしたことが繰り返されることがないように、対策をどうするのかを考えることとともに、国に対して、中野区単独で、あるいは23区区長会から、自治体の視点での問題点を国に伝えていくべきです。そうした対応をしっかりとなすべく求めつつ、賛成の討論といたします。

○議長(酒井たくや) 他に討論がなければ、討論を終結いたします。

 これより採決いたします。

 上程中の議案を委員会報告どおり可決するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 お諮りいたします。この際、本日の日程をさらに追加し、日程第10、議員提出議案第1号、中野区議会会議規則の一部を改正する規則を先議するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう議事を進行いたします。

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 議員提出議案第1号 中野区議会会議規則の一部を改正する規則

 

○議長(酒井たくや) 日程第10、議員提出議案第1号、中野区議会会議規則の一部を改正する規則を上程いたします。

 提案者代表の説明を求めます。森たかゆき議員。

〔森たかゆき議員登壇〕

○41番(森たかゆき) ただいま議題に供されました議員提出議案第1号、中野区議会会議規則の一部を改正する規則につきまして、提案者を代表いたしまして提案理由の説明を申し上げます。

 本議案は、電子採決システムの導入に当たり、規定を整備するものです。

 本規則の施行時期は令和6年5月7日です。

 同僚議員におかれましては、何とぞ満場一致で御賛同賜りますようお願い申し上げ、提案理由の説明といたします。

○議長(酒井たくや) 本件について御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 本件については、委員会付託を省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、委員会付託を省略いたします。

 本件については、討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、これより採決いたします。

 上程中の議案を原案どおり可決するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 お諮りいたします。この際、本日の日程をさらに追加し、日程第11、議員提出議案第2号、中野区議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例を先議するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう議事を進行いたします。

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 議員提出議案第2号 中野区議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条

           例

 

○議長(酒井たくや) 日程第11、議員提出議案第2号、中野区議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例を上程いたします。

 提案者代表の説明を求めます。森たかゆき議員。

〔森たかゆき議員登壇〕

○41番(森たかゆき) ただいま議題に供されました議員提出議案第2号、中野区議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例につきまして、提案者を代表いたしまして提案理由の説明を申し上げます。

 本議案は、中野区議会議員の費用弁償の支給要件を改めるに当たり、規定を整備するものです。

 本条例の施行時期は令和6年4月1日です。

 同僚議員におかれましては、何とぞ満場一致で御賛同たまりますようお願い申し上げ、提案理由の説明といたします。

○議長(酒井たくや) 本件について御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 本件については、委員会付託を省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、委員会付託を省略いたします。

 本件については、討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、これより採決いたします。

 上程中の議案を原案どおり可決するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 お諮りいたします。この際、本日の日程をさらに追加し、日程第12、議員提出議案第3号、離婚後の共同親権制度の検討に際し、子どもの視点に立った熟議を求める意見書を先議するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう議事を進行いたします。

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 議員提出議案第3号 離婚後の共同親権制度の検討に際し、子どもの視点に立った熟議を求める意

           見書

 

○議長(酒井たくや) 日程第12、議員提出議案第3号、離婚後の共同親権制度の検討に際し、子どもの視点に立った熟議を求める意見書を上程いたします。

 提案者代表の説明を求めます。森たかゆき議員。

〔森たかゆき議員登壇〕

○41番(森たかゆき) ただいま議題に供されました議員提出議案第3号、離婚後の共同親権制度の検討に際し、子どもの視点に立った熟議を求める意見書につきまして、提案理由の説明を申し上げます。

 なお、提案説明は案文の朗読をもって代えさせていただきたいと存じますので、御了承願います。

 離婚後の共同親権制度の検討に際し、子どもの視点に立った熟議を求める意見書。

 法務大臣の諮問機関である法制審議会家族法制部会は2月15日、「離婚後共同親権」を可能にする「家族法制の見直しに関する要綱」を法務大臣に答申した。要綱は、父母どちらかの単独親権に限る現行制度を見直し、離婚後に両者が親権を持つ共同親権を可能にするもので、政府は3月8日に民法改正案について閣議決定を行った。単独親権以外の選択肢を増やすことは、家族や子育てのあり方などが多様化する中で、その必要性は理解するところである。そして最優先すべきは子どもの利益にほかならない。

 一方、すべての親と子どもに対して重大な影響をもたらす可能性があるにもかかわらず、国民的議論もないまま拙速に議論が進んでいるとの懸念の声が上がっている。

 改正により離婚後共同親権が導入された場合、裁判所の決定により、関係の破綻した双方が共同で子どもの養育などに関与することを強いるような共同親権が強制されるようなことがあってはならない。離婚後共同親権が導入される際は、「共同親権が原則でない」ことを明文化し、強制が起きないように対策を行うこと、また、共同親権になっても、子ども及び一方の親に「不利益のおそれ」がある場合は速やかに共同親権を停止し、親権者を変更する規定を入れることも必要である。

 同要綱については「法制審議会家族法制部会における議論を踏まえ、その改正内容及びその解釈上、参考となる事項を適切に周知する必要がある。」「子の養育は、子の意見・意向等が適切な形で尊重されることも含めて子の利益の確保の観点から行われるものである。その上で、子の養育は、父母のみがその責任を負うものではなく、その子の養育をする父母及び子に対する社会的なサポートが必要かつ重要であり、また、ドメスティック・バイオレンス(DV)及び児童虐待を防ぎ、子の安全及び安心を確保するとともに、父母の別居や離婚に伴って子が不利益を受けることがないようにするためにも、法的支援を含め、行政や福祉等の各分野における各種支援についての充実した取組が行われる必要がある。」など、附帯決議とされていることは重視すべきである。

 また、子どもの利益を確保するため、養育環境の決定時に、子ども自らが意見や意向を安心して伝えられる、専門家による聞き取りなどの支援体制の構築や、ひとり親家庭の貧困を解消するため、法定養育費制度を速やかに創設するとともに、養育費の支払確保等の各種支援策を拡充するべきであると考える。

 よって、中野区議会は、離婚後共同親権制度の検討に際し、子どもの最善の利益を最優先に議論を尽くすことを強く求める。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 年月日。

 衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、法務大臣、厚生労働大臣、内閣府特命担当大臣(こども政策、男女共同参画)あて。

 中野区議会議長名。

 以上でございますが、同僚議員におかれましては、何とぞ満場一致で御賛同賜りますようお願い申し上げ、提案理由の説明といたします。

○議長(酒井たくや) 本件について御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 本件については、委員会付託を省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、委員会付託を省略いたします。

 本件については、討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、これより起立により採決いたします。

 上程中の議案を原案どおり可決するに賛成の方は御起立願います。

〔賛成者起立〕

○議長(酒井たくや) 起立多数。よって、上程中の議案は可決するに決しました。

 お諮りいたします。この際、本日の日程をさらに追加し、日程第13、議員提出議案第4号、地方自治法施行令第167条の2第1項第1号に定める少額随意契約の限度額の見直しを求める意見書を先議するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう議事を進行いたします。

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 議員提出議案第4号 地方自治法施行令第167条の2第1項第1号に定める少額随意契約の限度

           額の見直しを求める意見書

 

○議長(酒井たくや) 日程第13、議員提出議案第4号、地方自治法施行令第167条の2第1項第1号に定める少額随意契約の限度額の見直しを求める意見書を上程いたします。

 提案者代表の説明を求めます。森たかゆき議員。

〔森たかゆき議員登壇〕

○41番(森たかゆき) ただいま議題に供されました議員提出議案第4号、地方自治法施行令第167条の2第1項第1号に定める少額随意契約の限度額の見直しを求める意見書につきまして、提案理由の説明を申し上げます。

 なお、提案説明は案文の朗読をもって代えさせていただきたいと存じますので、御了承願います。

 地方自治法施行令第167条の2第1項第1号に定める少額随意契約の限度額の見直しを求める意見書。

 地方自治法施行例第167条の2第1項第1号に定める少額随意契約については、地方自治体における契約事務の能率的な行政運営を図るために定められたものである。本区においては平成26年度1万3,012件のうち約93.4%、令和4年度1万2,554件のうち約91.1%が少額随意契約である。

 しかしながら、規定されている契約の限度額は、昭和57年10月以降改正されず、特に工事又は製造の請負の限度額は、これまでの建設工事費の上昇や消費税の導入経過等を経ても改正されていない。また、委託契約においても、これまで30%を超える物価水準の上昇があるにもかかわらず、限度額が50万円に据え置かれている。そのため、契約の発注者・受注者双方とも、その範囲内での契約を締結せざるを得ない状況に強いられている。今後も物価水準や労務単価の上昇などにより、その範囲内に収まらない契約が増加することは必至である。事実、区においては少額随意契約よりも事務量が大きい競争入札件数は平成24年度861件に対し、令和4年度,122件と増大しており、働き方改革に逆行している。

 このような状況の中、内閣府が実施している「地方分権改革に関する提案募集」において上限額の引き上げが提案されたり、指定都市市長会が「少額随意契約の予定価格に関する指定都市市長会要請」を国に提出したりと、自治体から制度見直しを求める声が挙がっているものの、現時点において具体的な動きは見られない。

 契約の透明性を確保しつつ、物価・労務単価水準に見合った新たな随意契約の限度額を設定することで、入札に係る事務や経費等の負担軽減が図られるとともに、適正な金額設定での工事・委託の請負が可能となる。加えて、現状、都道府県と市町村では限度額に違いがあるが、自治体の規模や契約金額にかかわらず、競争入札に係る手間は同等かつ対象事業者も概ね同じであるため、その金額差の解消も急務である。仮に都道府県の限度額を区に適用した場合、140件程度が少額随意契約案件となり、年間1,000時間以上の事務削減効果が見込める。

 よって、中野区議会は、国会及び政府に対し、現状の物価・労務単価水準に見合った随意契約額となるよう、地方自治法施行令第167条の2第1項第1号に定める少額随意契約の限度額の見直しを強く求める。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

 年月日。

 衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣あて。

 中野区議会議長名。

 以上でございますが、同僚議員におかれましては、何とぞ満場一致で御賛同が賜りますようお願い申し上げ、提案理由の説明といたします。

○議長(酒井たくや) 本件について御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 本件については、委員会付託を省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、委員会付託を省略いたします。

 本件については、討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、これより採決いたします。

 上程中の議案を原案どおり可決するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 お諮りいたします。この際、本日の日程をさらに追加し、日程第14、議員提出議案第5号、若者のオーバードーズ(薬物の過剰摂取)防止対策の強化を求める意見書を先議するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう議事を進行いたします。

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 議員提出議案第5号 若者のオーバードーズ(薬物の過剰摂取)防止対策の強化を求める意見書

 

○議長(酒井たくや) 日程第14、議員提出議案第5号、若者のオーバードーズ(薬物の過剰摂取)防止対策の強化を求める意見書を上程いたします。

 提案者代表の説明を求めます。森たかゆき議員。

〔森たかゆき議員登壇〕

○41番(森たかゆき) ただいま議題に供されました議員提出議案第5号、若者のオーバードーズ(薬物の過剰摂取)防止対策の強化を求める意見書につきまして、提案理由の説明を申し上げます。

 なお、提案説明は案文の朗読をもって代えさせていただきたいと存じますので、御了承願います。

 若者のオーバードーズ(薬物の過剰摂取)防止対策の強化を求める意見書。

 近年、処方箋がなくても薬局やドラッグストアで購入できる市販薬の濫用・依存や急性中毒が重大な社会問題となりつつある。実際、市販薬の過剰服薬(オーバードーズ)による救急搬送が、2018年から2020年にかけて2.3倍に増加したという報告や、精神科医療施設を受診する患者において、市販薬を主たる薬物とする薬物依存患者が、2012年から2020年にかけて約6倍に増加したといった報告がある。

 国立精神・神経医療研究センターの2020年調査によると、全国の精神科医療施設で薬物依存症の治療を受けた10代の患者の主な薬物において、市販薬が全体の56.4%を占めているとのことである。また、過去1年以内に市販薬の濫用経験がある高校生の割合は「60人に1人」と深刻な状況にあることも明らかになった。

 不安や葛藤、憂鬱な気分を和らげたいなど、現実逃避や精神的苦痛の緩和のために、若者がオーバードーズに陥るケースが多く、実際、市販薬を過剰に摂取することで、疲労感や不快感が一時的に解消される場合があり、同じ効果を期待してより過剰な摂取を繰り返すことで、肝機能障害、重篤な意識障害や呼吸不全などを引き起こしたり、心肺停止で死亡する事例も発生している。

 市販薬は違法薬物とは違い、所持することで罪にはならないことから、濫用が発見されにくいという現実があると同時に、オーバードーズによる健康被害は、違法薬物よりも深刻になる場合もある。

 よって、中野区議会は、政府に対し、このような薬物依存による健康被害から一人でも多くの若者を守るために、以下の特段の取り組みを求める。

 記。

 1、現在、濫用等の恐れがある医薬品の6成分を含む市販薬を販売する際、購入者が子ども(高校生・中学生等)である場合は、その氏名や年齢、使用状況等を確認することになっているが、その際、副作用などの説明を必須とすること。

 2、若者への薬剤の販売において、その含有成分に応じて販売する容量を適切に制限すると同時に、対面かオンライン通話での販売を義務づけ、副作用などの説明と合わせて、必要に応じて適切な相談窓口等を紹介できる体制を整えること。

 3、濫用の恐れがある薬の指定を的確に進めると同時に、身分証による本人確認のほか、繰り返しの購入による過剰摂取を防止するために、販売記録等が確認できる環境の整備を検討すること。

 4、若者のオーバードーズには、社会的孤立や生きづらさが背景にあるため、オーバードーズを孤独・孤立の問題として位置づけ、若者の居場所づくり等の施策を推進すること。

 以上、地方自治法第99条に基づき意見書を提出する。

 年月日。

 厚生労働大臣、孤独・孤立対策担当大臣あて。

 中野区区議会議長名。

 以上でございますが、同僚議員におかれましては、何とぞ満場一致で御賛同賜りますようお願い申し上げ、提案理由の説明といたします。

○議長(酒井たくや) 本件について御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 本件については、委員会付託を省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、委員会付託を省略いたします。

 本件については、討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、これより採決いたします。

 上程中の議案を原案どおり可決するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 お諮りいたします。この際、本日の日程をさらに追加し、日程第15、議員提出議案第6号、被災者生活再建支援制度の改善を求める意見書を先議するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう議事を進行いたします。

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 議員提出議案第6号 被災者生活再建支援制度の改善を求める意見書

 

○議長(酒井たくや) 日程第15、議員提出議案第6号、被災者生活再建支援制度の改善を求める意見書を上程いたします。

 提案者代表の説明を求めます。森たかゆき議員。

〔森たかゆき議員登壇〕

○41番(森たかゆき) ただいま議題に供されました議員提出議案第6号、被災者生活再建支援制度の改善を求める意見書につきまして、提案理由の説明を申し上げます。

 なお、提案説明は案文の朗読をもって代えさせていただきたいと存じますので、御了承願います。

 被災者生活再建支援制度の改善を求める意見書。

 元日に発生した能登半島地震では、2月8日政府災害対策本部会議の発表で、家屋の全壊が5,691棟、半壊が5,957棟、一部損壊が29,806棟となっており、13,535人もの方が避難生活をしていることが示されました。

 こうした損壊家屋を再建する制度が被災者生活再建支援制度ですが、現状の支援対象は全壊家屋のみであり、半壊や一部損壊の場合は支援制度がありません。損壊家屋の86%、35,763棟が支援対象から外れているということです。

 また、支援金の上限が300万円と、全壊した家屋の再建には不十分です。2007年の法改正当時から、この金額では生活再建はできないと拡充を求める声が上がっていました。この震災では居住地域で地盤沈下や崖崩れなども発生しており、一律の支援金では賄えない被害も少なくありません。また、制度の手続に膨大な資料の提出を求められていることが大きな負担となっていることも指摘されています。

 支援金の対象を拡大すること、支援金の上限額を引き上げること、手続きの簡素化と給付までの期間の短縮を図ることなど、被災者の皆さんが1日も早く日常を取り戻すためにも、被災者生活再建支援制度の改善は急務です。

 よって、中野区議会は、国会及び政府に対し、被災者生活再建支援制度の改善を求めます。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。

 年月日。

 衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、国土交通大臣、内閣官房長官、内閣府特命担当大臣(防災)あて。

 中野区議会議長名。

 以上でございますが、同僚議員におかれましては、何とぞ満場一致で御賛同賜りますようお願い申し上げ、提案理由の説明といたします。

○議長(酒井たくや) 本件について御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 本件については、委員会付託を省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、委員会付託を省略いたします。

 本件については、討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、これより採決いたします。

 上程中の議案を原案どおり可決するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 お諮りいたします。この際、本日の日程をさらに追加し、日程第16、議員提出議案第7号、金権腐敗政治の一掃を求める意見書を先議するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう議事を進行いたします。

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 議員提出議案第7号 金権腐敗政治の一掃を求める意見書

 

○議長(酒井たくや) 日程第16、議員提出議案第7号、金権腐敗政治の一掃を求める意見書を上程いたします。

 提案者代表の説明を求めます。浦野さとみ議員。

野さとみ議員登壇〕

○39番(浦野さとみ) ただいま議題に供されました議員提出議案第7号、金権腐敗政治の一掃を求める意見書につきまして、提案理由の説明を申し上げます。

 なお、提案説明は案文の朗読をもって代えさせていただきたいと存じますので、御了承願います。

 金権腐敗政治の一掃を求める意見書。

 自民党主要5派閥などによる政治資金収支報告書への政治資金パーティーによる収入の不記載などが国政上の大きな問題となっています。

 パーティー券の購入者は大企業や大手業界団体等です。名目上はパーティー参加への対価となっていますが、実際にはほとんどがそのまま利益となっており、事実上の企業・団体献金です。金の力で政治を歪める行為として看過することはできません。政治への信頼が揺らいでおり、議会制民主主義の危機と捉えるべきです。

 よって、中野区議会は、国会及び政府に対し、政治資金の透明化・適正化を図るため、以下を実現するよう強く求めます。

 記。

 1、国政調査権を行使し、この事態の根本的解決を図ること。

 2、虚偽答弁に罰則のある証人喚問を行い事実の究明をすること。

 3、企業・団体献金を全面的に禁止すること。

 4、政治資金パーティーの収入を政治資金規正法上の寄付とみなし、公開基準については年間20万円という金額の規定を引き下げること。

 5、政治資金規正法違反の量刑を全体的に引き上げること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。

 年月日。

 衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣あて。

 中野区議会議長名。

 以上でございますが、同僚議員におかれましては、何とぞ満場一致で御賛同賜りますようお願い申し上げ、提案理由の説明といたします。

○議長(酒井たくや) 本件について御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 本件については、委員会付託を省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、委員会付託を省略いたします。

 これより討論に入ります。石坂わたる議員から討論の通告書が提出されていますので、通告議員の討論を許します。石坂わたる議員。

〔石坂わたる議員登壇〕

○37番(石坂わたる) 議員提出議案第7号、金権腐敗政治の一掃を求める意見書に賛成の立場で討論いたします。

 本意見書に関し、政治資金のしっかりとした収支報告を含む政治資金の透明化に賛成をいたします。

 しかし、記書きに関する内容につきまして、記載されている内容を否定するものではありませんし、こうした取組が進めば一歩前進と言えるかと思いますが、欲を言えば、この内容では不十分であろうと思う点もあるところです。

 例えば3点目のように、ただただ「企業・団体献金を全面的に禁止すること」をしても、企業・団体の代表者等の幹部が多額の献金をした場合にも同様の効果があることから、個人献金に関しても金額や内容についての何らかの制約を合わせて考えるべきであると私は考えます。

 また、5点目に「政治資金規正法違反の量刑を全体的に引き上げることと」ありますが、どのような内容かが漠然としており、もしその量刑の引上げが現行の罰金刑の引上げなどとなった場合、さほどの抑止力があるとは考えられないという点があります。

 次に、前文冒頭部分について、「自民党主要5派閥など」という形で、対象となる政党を限定せずに広げるべく「など」が入る形になりましたが、全国紙や地方紙を含む新聞報道があったものだけでも、多くの党派の政治家に及ぶ事件が報じられています。例えばここ1年の間に、与党第一党の自民党だけではなく、野党第一党の立憲民主党の国会議員や他県の市議会議員についても、政治資金パーティー関連の政治資金収支報告書への不記載がありました。また、他府の市長選挙において、元市議会議員である候補者に関し架空パーティーが発覚し、日本維新の会と教育無償化を実現する会、国民民主党などが推薦を取り消したという騒動もありました。さらに、立憲民主党、共産党、れいわ新選組、社民党及び地域政党が推薦をした知事による寄附金の不記載も他県で生じています。

 これらをはじめとする問題は、金額の多寡、国か地方か、組織的な問題か個人の問題か、うっかりか確信犯かにかかわらず、様々な形で政治と金を巡る問題と国民の不信、疑心暗鬼を生じさせています。政治における資金のフローとストックの広範かつ厳格な公開と、政治家による説明責任を果たすことが強く求められます。

 なお、昨今の事件を巡る報道及びその後のSNS上において、違法である政治資金収支報告書への不記載にとどまらず、政治家が幅広く有権者から寄附を集めることへの、その総額に関する批判や、多くの政治家が個人的にぼろもうけをしているという偏見が広まってしまっていることについて危惧しています。

 国会議員の場合、歳費は月額129万4,000円と定められ、年額で1,552万8,000円になります。ここに期末手当として、年額635万円が加算され、総額2,187万8,000円が基本ベースです。確かに課税所得だけ見たら高所得者です。しかし、そこから公租公課を払って、さらに自腹で雇う私設秘書の資金、事務所によっては雇用保険や社会保険などもそこから支払います。しかも、寄附と議員報酬からしか給与を払えない私設秘書の多くは、身を粉にして働いても、月収は15万円から25万円程度の場合が多いと言われています。

 国会議員はよほど多額の献金を集められていない限り、仕事をすればするほど経費で消えていく歳費や期末手当。国会議員が身を切って美しいのは、自ら私的に使える多額の貯金を確保できていたような場合であり、私設秘書に無理をさせて人件費を切り詰めながら、あるいは足りない活動費を頭を下げて寄附をしてもらうことに奔走しながら、そこから身を切るのは本末転倒であると考えます。また、その結果、優秀な人材ほど民間で力を発揮して議員になりたがらず、心ある議員が政策や有権者の声に耳を傾けることよりも、金策に追われることになりかねません。

 もちろん、どのような社会集団にも悪い人がいるように、国会議員にも逮捕されるような人もいます。こうした状況に対して、議員のお金の出と入りをつまびらかにしていくことが、ひいては党派を問わず真面目に働く多くの議員にとっても、偏見が除かれ、現状の改善につながると思われます。

 そのためにも積極的に今回の意見書の言う政治資金の透明化・適正化を図ることが肝要であり、不十分ながらその一歩となるであろう内容となっている本意見書について賛成をいたします。

○議長(酒井たくや) 他に討論がなければ、討論を終結いたします。

 これより起立により採決いたします。

 上程中の議案を原案どおり可決するに賛成の方は御起立願います。

〔賛成者起立〕

○議長(酒井たくや) 確認をいたしますので、しばらく御起立願います。起立少数。よって、上程中の議案は否決するに決しました。

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 (5)第12号陳情 続出するトラブルが解決にいたるまで健康保険証廃止の延期を求める陳情

(委員長報告)

 

○議長(酒井たくや) 日程第5、令和5年第12号陳情、続出するトラブルが解決にいたるまで健康保険証廃止の延期を求める陳情を議題に供します。

 

令和6年(2024年)3月11日

 

中野区議会議長 殿

 

区民委員長 市川 しんたろう

(公印省略)

陳情の審査結果について

 

本委員会に付託された陳情を審査の結果、下記のとおり決定したので、中野区議会会議規則第94条の規定により報告します。

 

 

受理番号

件  名

審査結果

決定月日

意見

措置

(5)第12

陳情

続出するトラブルが解決にいたるまで健康保険証廃止の延期を求める陳情

不採択と

すべきもの

311

 

 

 

○議長(酒井たくや) 区民委員会の審査の報告を求めます。市川しんたろう区民委員長。

〔市川しんたろう議員登壇〕

○10番(市川しんたろう) ただいま議題に供されました令和5年第12号陳情、続出するトラブルが解決にいたるまで健康保険証廃止の延期を求める陳情に関しまして、区民委員会における審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。

 本陳情は、続出するトラブルが解決に至るまで、健康保険証の廃止を延期するよう国に意見書の提出を求めるものです。

 本陳情は、令和5年9月4日に受理され、10月6日の本会議において当委員会に付託され、10月11日、12月1日及び令和6年3月11日の計3回にわたり審査を行いました。

 審査の進め方として、本陳情を議題に供した後、委員会を休憩して、陳情者から補足資料の提供と補足説明を受け、その後、委員会を再開し、質疑を行いました。

 その主な質疑応答及び要望の内容を紹介いたします。

 初めに、国民健康保険証とマイナンバーのひもづけについて、中野区では誤登録はあったのかとの質疑があり、国民健康保険、後期高齢者医療保険の点検を行ったが、中野区ではひもづけ誤りはなかったとの答弁がありました。これに対し、他の委員から、国民健康保険だけではなく、社会保険などのひもづけ誤りの状況は分かっているのかとの質疑があり、社会保険などについてはひもづけ誤りがあったと聞いているとの答弁がありました。

 次に、全国的に国民健康保険とマイナンバーのひもづけ誤りが発生している中で、区民に安心してもらえるような取組は考えているのかとの質疑があり、中野区では誤登録が発生していないことを確認できているため、その結果を区民に案内し、不安を払拭することを考えているとの答弁がありました。

 次に、マイナンバー情報総点検の結果を問われ、令和5年11月までに1,571万件の点検をし、1,142件のひもづけ誤りが判明した。割合としては0.007%であるとの答弁がありました。これに対し、他の委員から、本陳情の審査が開始された第3回定例会からの状況の変化を問われ、マイナンバー情報総点検の結果、国が健康保険証を廃止しても支障はないとの判断をし、政令を定め、令和6年12月2日に廃止することを決定したとの答弁がありました。

 次に、医療機関に設置されているマイナ保険証を読み込むためのカードリーダーの普及率を問われ、普及率は約89%である。未設置の医療機関については、国の後押しで、可能な限り速やかに設置を進めていくと聞いているとの答弁がありました。

 次に、マイナ保険証について、高齢者から管理の不安の声が出ているが、何か対策を考えているのかとの質疑があり、分かりづらい部分があるので、特に高齢者に対しては分かりやすい周知に努めていくとの答弁がありました。これに対し、丁寧な説明だけではなく、何に混乱しているかということを聞き取り、理解が深まるように進めてほしいとの要望がありました。

 以上が主な質疑応答及び要望の内容です。

 その後、委員会を休憩して取扱いを協議した後、委員会を再開し、さらに質疑を求めましたが、質疑はなく、質疑を終結しました。

 次に、意見の開陳を求めたところ、意見はなく、意見の開陳を終結しました。

 次に、討論を求めたところ、2名の委員が本陳情に賛成の立場から討論を行いましたので、御紹介いたします。

 初めに、中野区のマイナンバーカードの所有率は70%未満で、30%の方たちは所有していない状況にある。さらに、国民健康保険の例では、マイナ保険証の所有率は約4割にすぎず、利用率は4%程度である。これほど利用率が低い状況であっても、マイナ保険証によるトラブルのアンケートで、全国約5,000か所でトラブルがあったと報告されている。昨年実施された総点検は、マイナンバーカードとその他の情報のひもづけの総点検であって、マイナ保険証の医療機関でのトラブル解消のための点検ではない。加えて医療機関の事務手続について、保険証廃止後も有効な保険証が存在し、5通りの手続が発生することとなり、窓口業務が煩雑になることは明らかである。トラブルが解消されていない中での健康保険証廃止は拙速であり、患者、医療機関、保険者の負担を軽減させるために、本陳情に賛成するとの討論を行いました。

 次に、トラブルが解決に至るまでという条件がついているところで、資格情報などが今後どうなっていくのかということが読めない中で、窓口トラブルへの不安が残る。こうした様々な課題が残っているのであれば延期をすべきであると考える。一方で、こうした状況が改善できるのであれば、速やかに健康保険証の廃止を進めるべきである。廃止日を延期しないのであれば、12月2日までの間にトラブルがない状況を国に求めていくことが重要であると考える。マイナ保険証に反対するものではないが、さらなる国の対応、トラブルの防止について求めていくべきであると考える中で、トラブルが解決に至るまで健康保険証の廃止を延期する、解決すれば可及的速やかに実施することを考え、本陳情について賛成するとの討論を行いました。

 さらに討論を求めましたが、討論はなく、討論を終結いたしました。

 そして、本陳情について挙手により採決を行ったところ、賛成少数で不採択とすべきものと決した次第です。

 以上で、令和5年第12号陳情に関する区民委員会における審査の経過並びに結果の報告を終了いたします。

○議長(酒井たくや) ただいまの報告について御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 本件については、討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、これより起立により採決いたします。

 上程中の陳情を採択するに賛成の方は御起立願います。

〔賛成者起立〕

○議長(酒井たくや) 起立少数。よって、上程中の陳情は不採択とするに決しました。

──────────────────────────────

 第1号陳情 区長公用車の廃止を求める陳情

(委員長報告)

 

○議長(酒井たくや) 日程第6、第1号陳情、区長公用車の廃止を求める陳情を議題に供します。

 

令和6年(2024年)3月12日

 

中野区議会議長 殿

 

総務委員長 杉山 司 

(公印省略)

陳情の審査結果について

 

本委員会に付託された陳情を審査の結果、下記のとおり決定したので、中野区議会会議規則第94条の規定により報告します。

 

 

受理番号

件  名

審査結果

決定月日

意見

措置

1

陳情

区長公用車の廃止を求める陳情

不採択と

すべきもの

312

 

 

 

○議長(酒井たくや) 総務委員会の審査の報告を求めます。杉山司総務委員長。

〔杉山司議員登壇〕

○29番(杉山司) ただいま議題に供されました令和6年第1号陳情、区長公用車の廃止を求める陳情に関しまして、総務委員会における審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。

 本陳情は、区長公用車の廃止を求めるものです。

 本陳情は、令和6年1月25日に受理され、3月7日の本会議において当委員会に付託されました。その後、令和6年3月12日に審査を行いました。

 審査の進め方として、本陳情を議題に供した後、委員会を休憩し、陳情者の補足説明を受け、その後委員会を再開して、質疑を行いました。

 その主な質疑応答の内容を紹介します。

 初めに、令和4年度と令和5年度で区長が公務で外出したのはどれくらいかとの質疑があり、令和4年度のタクシー、ハイヤー利用は92回、令和5年度の区長車の運行回数は約480回と、新型コロナが5類に移行してから公務での外出の数が徐々に戻ってきているとの答弁がありました。それに対して、令和4年度は区長車ではなくハイヤー、タクシーを使用しているが、効率性や危機管理上の観点で課題はあったかとの質疑があり、予約の必要性や安全面、情報漏洩など、セキュリティの確保に課題があったとの答弁がありました。

 次に、現在、区長の庁舎までの通勤手段は何か。また、どういった理由からそうしているのかとの質疑があり、現在、区長はバスで通勤している。区長車を導入した際は、自宅から送迎を含めて利用していたが、経費削減の観点から、現在は通勤に利用していないとの答弁がありました。これに関連して、他の委員から、区長車の車種を見直すことで、少しでも費用を抑えることができると思うが、仕様書の中で車種の定めはあるかとの質疑があり、車種については仕様書上の定めはないとの答弁がありました。

 以上が主な質疑応答の内容です。

 その後、委員会を休憩して取扱いを協議した後、委員会を再開し、質疑を求めましたが、質疑はなく、質疑を終結しました。

 次に、意見の開陳を求めたところ、意見はなく、意見の開陳を終結しました。

 次に、討論を求めたところ、1名の委員が本陳情に反対する立場から、酒井区政となり、これまで16年間廃止されていた区長車が復活をした。その理由として、一つは公務の時間効率の向上、もう一つは区長の安全面への配慮も含めた危機管理からである。現在23区で区長車を廃止しているのは足立区と杉並区の2区のみで、中野区を含む21区が利用しており、中野区だけが突出した状況であるとは思えない。全国においても公用車の廃止を行う自治体が見受けられるが、多くは区長や議会の政治判断の側面が強く、当区においても区長車を廃止するか否かの判断は区長自身が行うべきであり、議会が多数をもってその可否を判断するのはなじまないと考えることから、本陳情に反対する。しかし、効率的な行財政運営を行うとの観点から、公用車の在り方については検討が必要と考えるとの討論を行いました。

 さらに討論を求めましたが、討論はなく、討論を終結しました。

 そして、本陳情について挙手による採決を行ったところ、賛成少数で不採択とすべきものと決した次第です。

 以上で、令和6年第1号陳情に関する総務委員会における審査の経過並びに結果の報告を終了します。

○議長(酒井たくや) ただいまの報告について御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 これより討論に入ります。むとう有子議員、日野たかし議員、石坂わたる議員、吉田康一郎議員、井関源二議員から討論の通告書が提出されていますので、順次通告議員の討論を許します。

 初めに、むとう有子議員。

〔むとう有子議員登壇〕

○38番(むとう有子) ただいま上程されました第1号陳情、区長公用車の廃止を求める陳情に賛成の立場から討論をいたします。

 私は、2020年9月の決算特別委員会総括質疑、2021年3月の予算特別委員会総括質疑、2023年2月の予算特別委員会総括質疑、2023年9月の決算特別委員会総括質疑、そして先日の予算特別委員会総括質疑と、これまでに5回、区長車の廃止を求めて質疑をいたしました。私が5回も質疑をしたのは、多くの区民の方々からの賛同のお声があったからです。区民の方から提出された本陳情は、まさに多くの区民の方々の思いを届けていただいたものと受け止めています。

 御存じのように、前区長は、4期16年間、区長車を廃止し、約1億4,000万円を削減しました。酒井区長も1年目の2018年度はそれを踏襲され、予算化されていたにもかかわらず、区長車運行管理委託費は未執行でした。しかし、2年目の2019年度から区長車を復活させ、区長車雇上げ980万円を支出。2020年度は870万円を支出。2021年度と2022年度はコロナ禍で区長車を廃止。2023年度は新型コロナの5類移行に伴い区長車を復活し、運行経費1,255万円を予算化。そして2024年度も運行経費1,177万円を予算化しています。中野区の納税者1人当たりの所得額は426万円ですから、区長車は納税者2.7人分の年収額に相当します。

 前区長が区長車を廃止し、必要に応じてタクシー、ハイヤーを使用し公務を遂行することができた、ちなみにタクシー、ハイヤー代金は年間約50万円という実績が中野区にある以上、前区長にできて酒井区長にできないことはないと、区民の方々も私も思います。

 さらに区民の方が情報公開請求をし、区長公用車の運転日誌を見ています。さらにネットで公開しています。区民は区長車の運行状況をしっかり把握しています。区役所から社会通念上の徒歩圏内である目的地、明治大学中野キャンパスや帝京平成大学中野キャンパス、なかの芸能小劇場、東京アスレティッククラブ、産業振興センターやなかのZEROホールに行くのに区長車を使用していることを区民は知っています。これらを除くと区長車の稼働率は47.5%です。また、飯田橋にある区政会館も電車で行けば乗車時間15分のところを、区長車では、運転日誌を見ると、最大で55分も要しています。この使用状況を知った多くの区民の方々が、区長車の廃止を求めています。

 区長車の廃止を巡る私の質疑の中で、中野区にとって徒歩圏内とは、徒歩10分だということが分かりました。その一方で、既存の図書館7館は自宅からおおむね1キロメートル(徒歩15分)に設置され、利用しやすい配置となっているとし、徒歩15分は利用しやすいと区は評価しています。また、区の都合で行われた小学校の統廃合で、1.4キロを徒歩25分で通学する小学生や、中学校校舎建て替えに伴い、仮校舎へ2.3キロを徒歩37分で通学することになる中学生がいます。つまり区長にとって徒歩圏内とは徒歩10分ですが、区民には徒歩37分を強いることになります。

 さらに、区長車の廃止を巡る私の質疑の中で、暑い日、寒い日など移動直後に挨拶があり、体調管理を含め合理的な利用だと区長が答えています。暑い日、寒い日に37分歩いてすぐに授業を受け、試験を受ける生徒の体調管理は一体どうするのでしょうか。ましてや区が自ら答弁している徒歩圏内10分以内の場所であっても、暑いから寒いから体調を整えるのが大変だとして区長車を利用する区長では、自分に甘く区民には厳しい区政と言わざるを得ません。

 以上はこれまで何度も述べている私の主張ですが、もしも本陳情に賛成せず反対するのならば、そんな区長の姿勢を肯定し、自分に甘く区民には厳しい区政に加担することになるのではないでしょうか。区長車を使えば確かに便利かもしれませんが、経費節減を目指すのであれば、労を惜しまず、徒歩圏内は徒歩で、時短で行けるところには公共交通を使い、必要なときはタクシーやハイヤーを使用するという合理的な考え方に立つべきではないでしょうか。

 何とぞ同僚議員の皆様には、以上の趣旨を御理解いただき、御賛同いただけることを願い、第1号陳情、区長公用車の廃止を求める陳情に対する私の賛成討論といたします。

○議長(酒井たくや) 次に、日野たかし議員。

〔日野たかし議員登壇〕

○12番(日野たかし) 上程中の第1号陳情、区長公用車の廃止を求める陳情について、公明党議員団の立場で反対討論を行います。

 本陳情の趣旨は、2024年度からの区長公用車の廃止を求めるものです。

 前任の区長が16年間廃止していた区長公用車が、酒井区政となって復活しました。令和元年度に再開された区長公用車は、翌令和2年度までの2か年にわたり運行が行われました。しかし、令和2年に始まった新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、今後の財政見通しが不透明となったことから、区長は財政的な非常事態との認識を示され、大幅な歳出削減を図られました。議会もそれに呼応し、当面の間の議会車の廃止、費用弁償の半減等、経費の削減に努めたところです。この議会の判断を受け、区長公用車も令和3年度、令和4年度の2か年廃止をされました。議会と足並みを合わせられた区長の判断については高く評価しています。

 その後、令和4年度には区長は財政的な非常事態の認識を改められ、翌令和5年度から区長公用車の利用を再開しました。来年度についても同様の予算が提案され、可決したところです。

 現在23区で区長公用車を廃止しているのは足立区と杉並区の2区のみで、中野を含む21区が利用しており、中野区だけが特別な状況にあるとは思いません。また、全国においても、公用車の廃止を行う自治体が見受けられますが、多くは首長や議会の政治判断の側面が強く、当区においても区長公用車を廃止するか否かの判断は区長御自身が行われるべきであり、議会が多数をもってその可否を判断するのはなじまないと考えます。したがって、本陳情に賛意を示すことはできません。

 しかし、効率的な行財政運営を行うとの観点からは、我々は公用車の在り方についても検討が必要と考えています。首長選挙のたびに公用車廃止を公約とする候補者が散見されるのは、分かりやすさもさることながら、特権のように感じている住民が多くいるからではないでしょうか。

 総務委員会の審査では、区長公用車が必要な理由として、執務の効率化と情報、身体両面のセキュリティの確保が挙げられました。そして、令和5年度からは、経費削減のため、自宅からの登庁、退庁に際してはバスを利用されていることも明らかにされ、また、タクシーはつかまりづらく、ハイヤーは事前予約のため、公用車が効率的との答弁もありました。経費削減のためのバスの利用は感心する反面、セキュリティの確保はどうなったのかと疑念が湧きます。公用車のほうが便利なのは当然ですが、前区長の16年間と比較し、公務の効率性が図られている姿も見えません。委員会での議論を聞く限り、より効率的、より安全のレベルで、公用車がないことで区政運営に大きな影響が出るとも思えませんでした。

 令和5年度、区長が公用車の利用を再開された一方で、議会は議論の上で議会車の廃止を継続し、来年度も同様としています。公用車がないことにより多少の不便はあるかもしれませんが、議長の公務に大きく支障を来しているとの話も聞いておらず、今後においても、公明党としては、議会として運転手つきの公用車を持つことなく、ハイヤー等の利用による財政的な効率性を目指した運用を行うべきであると考えています。

 車の片輪である議会は決断をしました。もう一方の片輪である区長にも、今一度、公用車の在り方についての検証と検討を行っていただければと思います。中野区から全国の自治体へ改革の一石を投じることとなるよう期待し、討論といたします。

○議長(酒井たくや) 次に、石坂わたる議員。

〔石坂わたる議員登壇〕

○37番(石坂わたる) 第1号陳情、区長公用車の廃止を求める陳情について、賛成の立場で討論をいたします。

 区長車を巡っては、田中大輔前区長が区長となった際に、公約にのっとって公用車の見直しを行い、区長車を廃止したという経緯があります。23区の区長の中において先駆けて区長車を廃止し、区民と近い距離間で、自転車であちこち足を運ぶ田中さんの姿は印象的でしたし、私自身も田中大輔さんと一緒に何度か自転車で区内を移動したことがありましたが、狭い路地や一方通行の多い中野区において、小回りの利く自転車のおかげで、効率的に複数の目的地に足を運ぶことができたことを今でも覚えています。

 また、区民の方から「自転車に乗って、たまたまばったり区長と会ったときに、区長が私のことを覚えていてくれて、声をかけてくれた。近い距離感であれこれお話ができてよかった」という声を頂いたこともありました。

 なお、その田中大輔さん自身が、選挙のたびに、次に区長になるかもしれない人のためを考え、改選前の予算には区長車の予算づけをしていましたので、田中さん自身が区長車を活用する区長の在り方を全否定していたわけではないというところではあります。

 そのため、酒井区長において、移動しながら電話をしたい、仕事をしたい、危機管理のためなど、様々な理由から車を使うという判断が、全くもってあってはならないと言うつもりはありません。また、私自身も、赤いヘルプマークをかばんにつけて移動するようになった経験をしてみて、若者ぶって無理して体力を消耗する移動をするのも、常にいいわけではないのだなと思う経験もしました。しかし、庶民派の区長が黒塗りの区長車であちこち移動することについては、果たしてそれがよいのかどうかについては頭をかしげるところです。

 例えば区長車としてではなく、エコカーのモデルカーを区長も平の職員も乗車できる庁有車として導入し、中野区はエコカーを庁有車に積極的に導入していますと車体にラッピングをして用いるようにして、環境課などの職員や区長が乗車できるようにする。あるいは区内の移動であれば、既存の青色灯防犯パトロールカーを用いて、区内の安全監視をしながら目的地に向かう。それが難しい場合、タクシーで移動するなどが考えられるのではないでしょうか。

 トップが変われば政策や方針が変わる。移動に関する考え方も変わる。トップによりそれぞれのよしあしがあります。田中前区長がよかったところ、酒井区長がよいところがそれぞれあるわけですが、事、現在の区長車に関しては、区長にとってのイメージダウンにもなるように感じています。

 そうした観点から、現状の区長車の在り方には反対をすべく、私は本陳情に賛成をいたします。

○議長(酒井たくや) 次に、吉田康一郎議員。

〔吉田康一郎議員登壇〕

○14番(吉田康一郎) 育児支援と防災緑地と平らな歩道の中野を創る会、吉田康一郎です。第1号陳情、区長公用車の廃止を求める陳情に賛成の立場で討論をいたします。

 私は、一般論、原則論として、都道府県知事や区市町村長の公用の専用車の使用を一概に否定するものではありません。私自身、4年弱、衆議院議員の政策秘書を務めていたことがあり、その代議士は、元法務大臣、後に国家公安委員長を務めた人物でありましたが、私はその秘書としてスケジュール管理にも携わり、国会の閉会時、年の4分の1程度は代議士の地元、その議員の場合は三重県の選挙区でありましたが、地元入りをし、運転手も務めていました。

 地方は、公共交通機関も東京ほど網羅されておらず、移動先も距離が離れており、自動車の利用は本当に不可欠であり、首長であれば専用の公用車の使用は業務の効率性の観点だけで十分に説明力があります。しかし、我が中野区は、全国で最も公共交通機関が発達、充実している自治体の一つであり、それゆえ東京都区部における世帯当たりの自動車保有台数が最も少ない、自動車の必要性が低い自治体であります。そして、全国で最も道路が狭く、自動車の通行に適さない道路が、最も比率が高い自治体の一つでもあります。

 前区長が廃止し、酒井区長が復活させた区長専用車の使用目的と使用状況について議会への説明を聞いてまいりましたが、現在のような使用の実態であれば、近隣区と同様、専用車を廃止し、職員と共用の庁有車の利用に変えるか、ハイヤー、タクシー等の利用に戻しても業務に差し支えはなく、経費削減効果及び経費削減に区が取り組む姿勢のアナウンス効果も大きいと考えます。あるいは、むしろ、他の議員も指摘をされましたが、区長の移動には常に区の青色灯防犯パトロールカー(青パト)を活用し、地域の安全・安心巡回活動を兼ねるぐらいの柔軟性を持っていただきたいと思うものであります。この点も付言して、討論を終わります。

○議長(酒井たくや) 次に、井関源二議員。

〔井関源二議員登壇〕

○4番(井関源二) 第1号陳情、区長公用車の廃止を求める陳情に対して、賛成の立場で討論いたします。わざわざ陳情を提出していただいた区民の方の意を汲んで賛成いたします。

 費用はもう少し圧縮できるのではないかと考えます。一方、区長車を廃止しても、ハイヤーやタクシーを利用するのはガソリンを使います。そこで、こういう区長車であれば、区民の理解が得られるのではないかというのを2点御提案いたします。

 区長車はリースではなく、リセールバリューがある車を購入されてはいかがでしょうか。例えばテスラモーターズの車であれば、一部新車よりも中古車価格のほうが高い車種があるようです。もし方針が変わった場合でも、売却すればリースより費用をずっと圧縮でき、ひょっとするとリターンがあるかもしれません。また、公務での御利用に際しては、比較的長距離よりも近距離を乗る機会が多いのではないかとお察しします。電気自動車は長距離よりも近距離が得意だそうです。そして、区長が御利用されない週末などがあれば、区民のお子さんや御家族に開放するのはいかがでしょうか。区民の注目が増し、マスコミの取材があるかもしれません。区民の公益に供すると思われます。

 また、これは電気自動車ではないですが、アドトラックのような比較的大きな車を区長車にするのはいかがでしょうか。車のサイドに「定額給付金受付中」とか「地域ペイ開始予定」とか「振り込め詐欺多発中」などの記載のある車を利用すれば、区民に対して啓発が可能です。恐らく現区長室にある什器などは、新庁舎移転の際、処分してしまうかと思われます。しかし、アドトラックのような車の後部であればそういった什器類も置け、居住性が高く、走る執務室として機能的であると考えます。これまた、区長が御利用されない週末などにお子さんに開放すれば、区民の公益に供すると考えます。

 そういった御提案をさせていただき、そういう工夫が難しいということであれば、区長車は廃止もやむなしなのではないかと意見をさせていただき、賛成の討論といたします。

○議長(酒井たくや) 他に討論がなければ、討論を終結いたします。

 これより起立により採決いたします。

 上程中の陳情を採択するに賛成の方は御起立願います。

〔賛成者起立〕

○議長(酒井たくや) 起立少数。よって、上程中の陳情は不採択とするに決しました。

──────────────────────────────

 第2号陳情 インターネットの健全利用に関する条例の検討を求める陳情

(委員会報告)

 

○議長(酒井たくや) 日程第7、第2号陳情、インターネットの健全利用に関する条例の検討を求める陳情を議題に供します。

 

令和6年(2024年)3月12日

 

中野区議会議長 殿

 

総務委員長 杉山 司 

(公印省略)

陳情の審査結果について

 

本委員会に付託された陳情を審査の結果、下記のとおり決定したので、中野区議会会議規則第94条の規定により報告します。

 

 

受理番号

件  名

審査結果

決定月日

意見

措置

2

陳情

インターネットの健全利用に関する条例の検討を求める陳情

採択

すべきもの

312

 

 

 

○議長(酒井たくや) お諮りいたします。上程中の陳情に関する委員長報告は、会議規則第40条第3項の規定により省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、委員長報告は省略いたします。

 本件については、討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、これより採決いたします。

 上程中の陳情を採択するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、上程中の陳情は採択するに決しました。

 次に、陳情の継続審査についてお諮りいたします。

 お手元の陳情継続審査件名表に記載の陳情については、それぞれ付託委員会から継続審査の申出がありますので、これを申出どおり継続審査に付したいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 

令和6年第1回定例会

 

陳情継続審査件名表

《子ども文教委員会付託》

  (5)第10号陳情 中野区職員の管理上望ましくない不公平・不公正な対応の是正を求める陳

情書

 

《危機管理対策等調査特別委員会付託》

  第3号陳情 災害時における同伴避難所の設置を求める陳情

 

○議長(酒井たくや) 次に、常任委員会の所管事務継続調査についてお諮りいたします。

 お手元の常任委員会所管事務継続調査件名表に記載の調査事件については、それぞれ所管委員会から継続調査の申出がありますので、これを申出どおり継続調査に付すことに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 

常任委員会所管事務継続調査件名表

令和6年第1回定例会

総務委員会

 1 政策、計画及び財政について

 1 平和、人権及び男女共同参画について

 1 広聴及び広報について

 1 評価及び改善について

 1 情報政策及び情報システムについて

 1 人事及び組織について

 1 危機管理、防災及び都市安全について

 

区民委員会

 1 区民相談及び消費生活について

 1 戸籍及び住民基本台帳等について

 1 区税について

 1 国民健康保険及び後期高齢者医療等について

 1 産業振興について

 1 シティプロモーション及び観光について

 1 文化、生涯学習及び国際化について

 1 環境、地球温暖化対策及び緑化推進について

 1 清掃事業及びリサイクルについて

 

厚生委員会

 1 地域活動の推進について

 1 地域子育て支援及び地域保健福祉について

 1 介護保険及び高齢者支援について

 1 社会福祉について

 1 スポーツについて

 1 福祉事務所及び保健所について

 1 保健衛生について

 

建設委員会

 1 安全で快適に住めるまちづくりについて

 1 道路の整備について

 1 公園の整備について

 1 交通環境の整備について

 

子ども文教委員会

 1 学校教育の充実について

 1 学校と地域の連携について

 1 知的資産について

 1 子どもの育成及び若者支援について

 

○議長(酒井たくや) 次に、議会運営委員会の所管事項継続調査についてお諮りいたします。

 お手元の議会運営委員会所管事項継続調査件名表に記載の調査事件については、議会運営委員会から継続調査の申出がありますので、これを申出どおり継続調査に付すことに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 

議会運営委員会所管事項継続調査件名表

令和6年第1回定例会

 1 議会の運営について

 1 議会の会議規則、委員会に関する条例等について

 

○議長(酒井たくや) 以上で本日の日程を全て終了いたしましたので、散会いたします。

 令和6年第1回中野区議会定例会を閉じます。

午後4時50分閉会

 

 

 

会議録署名員 議 長 酒井 たくや

       議 員 黒沢 ゆか

       議 員 石坂 わたる