令和6年06月13日中野区議会本会議(第2回定例会)の会議録 1.令和6年(2024年)6月13日、中野区議会議事堂において開会された。 1.出席議員(41名) 1番 山 内 あきひろ 2番 武 井 まさき 3番 市 川 しんたろう 4番 日 野 たかし 5番 木 村 広 一 6番 斉 藤 けいた 7番 井 関 源 二 8番 黒 沢 ゆ か 9番 大 沢 ひろゆき 10番 武 田 やよい 11番 広 川 まさのり 12番 いのつめ 正 太 13番 間 ひとみ 14番 河 合 り な 15番 加 藤 たくま 16番 高 橋 かずちか 17番 甲 田 ゆり子 18番 小 林 ぜんいち 19番 白 井 ひでふみ 20番 吉 田 康一郎 21番 立 石 り お 22番 小宮山 たかし 23番 内 野 大三郎 24番 い さ 哲 郎 25番 細 野 かよこ 26番 斉 藤 ゆ り 27番 杉 山 司 28番 ひやま 隆 29番 大 内 しんご 30番 伊 藤 正 信 32番 平 山 英 明 33番 南 かつひこ 34番 久 保 り か 35番 石 坂 わたる 36番 むとう 有 子 37番 羽 鳥 だいすけ 38番 浦 野 さとみ 39番 山 本 たかし 40番 中 村 延 子 41番 森 たかゆき 42番 酒 井 たくや 1.欠席議員 31番 高 橋 ちあき 1.出席説明員 中 野 区 長 酒 井 直 人 副 区 長 青 山 敬一郎 副 区 長 栗 田 泰 正 教 育 長 田 代 雅 規 企 画 部 長 岩 浅 英 樹 総 務 部 長 濵 口 求 防災危機管理担当部長 吉 沢 健 一 区民部長、新区役所窓口サービス担当部長 高 橋 昭 彦 子ども教育部長、教育委員会事務局次長 石 崎 公 一 子ども家庭支援担当部長、教育委員会事務局参事(子ども家庭支援担当) 森 克 久 地域支えあい推進部長、地域包括ケア推進担当部長 石 井 大 輔 健康福祉部長 杉 本 兼太郎 環 境 部 長 浅 川 靖 都市基盤部長 松 前 友香子 まちづくり推進部長 角 秀 行 中野駅周辺まちづくり担当部長 千 田 真 史 企画部企画課長 中 谷 博 総務部総務課長 永 見 英 光 1.本会の書記は下記のとおりである。 事 務 局 長 堀 越 恵美子 事 務 局 次 長 林 健 議事調査担当係長 鈴 木 均 書 記 若 見 元 彦 書 記 田 村 優 書 記 細 井 翔 太 書 記 森 園 悠 書 記 梅 田 絵里子 書 記 川 辺 翔 斗 書 記 志 賀 優 一 書 記 早 尾 尚 也 書 記 堀 井 翔 平 書 記 金 木 崇 太 書 記 砂 橋 琉 斗
議事日程(令和6年(2024年)6月13日午後1時開議)
午後1時00分開議 ○議長(酒井たくや) ただいまから令和6年第2回中野区議会定例会を開会いたします。 本日の会議を開きます。 ただいまより議席の指定を行います。 区役所庁舎移転に伴う本会議場における議席は、お手元の議席表のとおり指定いたします。
中野区議会議席表
○議長(酒井たくや) 直ちにそれぞれの所定の議席にお着き願います。 会議録署名員は、会議規則第128条の規定に基づき議長から御指名申し上げます。 7番井関源二議員、35番石坂わたる議員にお願いいたします。 次に、会期についてお諮りいたします。 本定例会の会期は、本日から6月28日までの16日間といたしたいと思いますが、これに御異 議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。 この際申し上げます。本定例会の会期中、略装を許します。 本日の議事日程は、お手元の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。 この際、御紹介申し上げます。 3月31日付をもちまして本区教育委員会教育長を退任されました入野貴美子さんを御紹介申し上げます。 〔前教育長入野貴美子登壇〕 ○前教育長(入野貴美子) 入野貴美子でございます。去る3月31日に任期満了につきまして教育長を退任いたしました。本日、このように新しい議場での御挨拶をする機会を頂きましたことに心から感謝申し上げます。ありがとうございます。 私は平成15年からの6年間の指導室時代と教育長としての5年3か月、11年3か月中野区の学校教育に関わらせていただきました。指導室時代は地方分権改革が進み、教育においても自治体の自主性、自立性が求められており、教育長時代は2020年の大きな教育改革、新型コロナウイルス感染症拡大によるGIGAスクール構想の加速化など課題山積でございました。 在籍中は、教育行政だけでは子どもたちの教育を進められる時期ではなく、議会、保護者を含め地域の方々、学校、区役所の方々がそれぞれの立場でこれからを見据え、子どもたちの教育について考え、協力し合うことが大きな力になったと考えております。皆様に支えられた11年間でございました。感謝しかございません。 教員になりたい中学生が教員になってから大切にしてきたことは、教師や保護者、周囲の大人の思いや考えだけではなく、真に子どもたちの思いや可能性に寄り添えるよう努力し続けること、常に子どもたちのためになっているかを考えるようにしてまいりました。そして、公教育の意義、教員として、教師として、教育に携わる者としての品格を追求してまいったつもりでございます。 そのような50年間の最後に、中野区に再び御縁を頂き、教育長として子どもたちとともに進む学校を目指してこれましたことに深く感謝いたします。少しでも中野区の学校教育に、子どもたちのこれからにお役に立てたなら幸いでございます。これからも一人ひとりの子育ちを大切にした学校であり、地域であり、行政であり続けていただけることを願っております。 終わりになりますが、中野区と中野区議会のますますの御発展、そして子どもたちの幸せを心より祈念申し上げます。お世話になりました。ありがとうございました。 ○議長(酒井たくや) 以上で紹介を終わります。 次に、一般質問の時期の変更についてお諮りいたします。 一般質問は議事に先立って行うことになっておりますが、別な時期に変更し質問を許可いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう進行いたします。 これより日程に入ります。 ────────────────────────────── 議員提出議案第8号 前教育委員会教育長 入野貴美子さんに対する感謝状贈呈に関する決議
○議長(酒井たくや) お諮りいたします。 この際、本日の日程を追加し、日程第2、議員提出議案第8号、前教育委員会教育長 入野貴美子さんに対する感謝状贈呈に関する決議を先議するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう議事を進行いたします。 日程第2、議員提出議案第8号、前教育委員会教育長 入野貴美子さんに対する感謝状贈呈に関する決議を上程いたします。 提案者代表の説明を求めます。森たかゆき議員。 〔森たかゆき議員登壇〕 ○41番(森たかゆき) ただいま上程されました議員提出議案第8号、前教育委員会教育長 入野貴美子さんに対する感謝状贈呈に関する決議につきまして、提案者を代表して、提案理由の説明を申し上げます。 前教育長入野貴美子さんは、昭和50年に東京学芸大学を卒業後、東京都の公立小学校教諭となられ、平成3年には上越教育大学大学院を修了され、長年の小学校での勤務を経た後に、平成10年、江東区教育委員会の指導主事として勤務されました。そして平成15年には本区教育委員会の指導主事に着任され、統括指導主事を経て、平成18年から本区教育委員会の指導室長として勤務されました。その後、平成21年から江東区立越中島小学校校長、同区立豊洲北小学校校長、同区立明治小学校統括校長を歴任され、平成29年には江東区教育委員会非常勤相談員、日本女子大学非常勤講師を務められました。 このように教育の現場と行政の両方で活躍をされた後に、平成31年1月1日に中野区教育委員会教育長に就任されました。入野さんが教育長として中野区に在籍された2期5年3か月の間、豊富な知識と経験に基づく幅広い識見、卓越した手腕をもって中野区の教育行政に多大な貢献をされました。 とりわけ、第2次の中野区立小中学校学校再編計画の実施については、充実した学校教育のための望ましい規模の学校づくりや、新校舎整備、小中学校9年間を見通した教育活動を行うための通学区域の見直しに尽力されてまいりました。また、ICTを活用した学習指導の推進については、区立小中学校において児童、生徒向けに一人1台の情報端末の円滑な運用を進めるとともに、授業のオンライン配信環境や学習系ネットワークの高速大容量化を実現し、日常的に端末を活用した授業が進められる環境整備に尽力されました。 さらに、急激に増加している不登校傾向や不安感を持つ児童、生徒にきめ細かな支援を行うため、区立学校における教育相談員、スクールソーシャルワーカー、スクールロイヤー等による支援・相談体制の強化に尽力されました。さらにはコミュニティ・スクールについては、これまでの学校支援ボランティア制度を発展させ、学校支援体制を組織化した地域学校協働本部と、地域が主体的に学校教育の在り方を考える地域学校運営協議会の二つの組織を同時に設置する中野区コミュニティ・スクールの検討、導入に尽力されました。また、教員の人材育成にも力を注がれるなど、教育行政の様々な面での発展に貢献し、教育長としての職務を全うされました。 このたび、教育長を退任されましたが、ここに改めて入野さんの労苦をねぎらい、その功績に敬意を表するために本議案を提出する次第であります。 同僚議員におかれましては、何とぞ満場一致で御賛同賜りますようお願い申し上げまして、提案理由の説明といたします。 ○議長(酒井たくや) 本件については質疑、委員会付託、討論を省略し、直ちに採決いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、これより採決いたします。 上程中の議案を原案どおり可決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。 この際、お手元の一般質問一覧表のとおり、森たかゆき議員、加藤たくま議員、小林ぜんいち議員、羽鳥だいすけ議員、大沢ひろゆき議員、杉山司議員、山内あきひろ議員、平山英明議員、いさ哲郎議員、黒沢ゆか議員、細野かよこ議員、大内しんご議員、久保りか議員、河合りな議員、武井まさき議員、間ひとみ議員、伊藤正信議員、むとう有子議員、石坂わたる議員、小宮山たかし議員、吉田康一郎議員、立石りお議員、斉藤けいた議員、井関源二議員より、質問の通告がありますので、これを順次許します。
中野区議会議員 森 たかゆき 1 区役所新庁舎開庁後の状況と今後の改善について (1)区民サービスについて (2)職員の働き方について (3)環境性能について (4)その他 2 中野区の自治の発展について (2)地方自治法改正について (3)子育て支援施策の拡充について (4)その他 3 学校教育について (1)新教育長の抱負について (2)コミュニティ・スクールについて (3)学校予算について (4)その他 4 次期区有施設整備計画の策定について 5 中野駅周辺のまちづくりについて 6 その他
○議長(酒井たくや) 最初に、森たかゆき議員。 〔森たかゆき議員登壇〕 ○41番(森たかゆき) 令和6年第2回定例会におきまして、立憲・国民・ネット・無所属議員団の立場から一般質問を行います。 質問は通告のとおりですが、6、その他で海での体験事業について伺います。 新しい議場での初めての一般質問であります。新しい場所ではありますけれども、中野区議会の先人の皆さんが築き上げてきた歴史、伝統は引き継ぎながら、しかし未来志向の建設的な議論をこの場でこれから皆さんと一緒に積み重ねていきたいと思っております。 どうぞよろしくお願いいたします。 それでは質問に入ります。 1、区役所新庁舎開庁後の状況と今後の改善について、(1)区民サービスについてお伺いをいたします。 中野区役所新庁舎が5月7日に開庁しました。開庁後しばらく庁内を回るなどして様子を見させていただいておりましたけれども、まずは大きなトラブルはなくスタートできたように見受けられました。また私も招待を頂いたりあるいは主催側で参加したりしましたけれども、1階スペースの活用も早速行われているようです。開庁後の状況と区民からの反応についてお伺いをいたします。 新庁舎の窓口サービスはなかのスマート窓口として「迷わない、動かない、待たない、書かない」の四つの「ない」、プラスワン「行かない」をうたっています。この1か月で想定したとおりの活用がされているのか状況を伺います。私が2階窓口で住民票を発行した際には、申請書類を書き30分ほど待ちました。フロアマネージャーの方に伺ったところ、私が訪れた時間は、1日の中では来庁者の多い時間帯であったものの、他の日と比べて特別多いわけでもないというタイミングだったようです。マイナンバーや運転免許証を使って申請書等を簡易に作成できるという機器については、目立たない場所に置かれていた上、ユーザーインターフェースも分かりづらく、今のままでは利用が伸びないのではないかと思われました。4階の窓口では受付のタブレット端末に「生活保護受給中の方」という表記がされており、驚きました。表記についてはもう少し配慮が必要かと感じました。いずれにしましても、窓口サービスは開庁した今で完成形ではなく、改善を重ねていくものです。 改善に当たっては、中長期でエビデンスを取りそれに基づいて行う改善と、それ以前のエビデンスを待つまでもない日々の改善との両方が必要と考えますが、今後の取組についてのお考えを伺います。 来庁された方にストレスなく必要な手続、相談を行っていただくための改善も重要ですが、区民、職員双方の負担を軽減するという点では、やはりプラスワンの「行かない」の拡充、さらに言うと、「行かない」を主軸としていくことが必要ではないかと感じます。行かなくてもできる手続や申込みを拡充するとのことですが、具体的にどのようなことをお考えでしょうか。 「行かない」サービスは何がしか区に申請なり手続なりをしようとする方にとっては便利ですが、その手前にはそもそも自分が利用できるサービスがあることを知らない、情報が伝わっていないという区民も多くいます。例えば千葉市では、LINEを使ってその方が利用可能なサービスをお知らせする「ForYou」というサービスを導入しています。「行かない」の拡充と合わせて、こうしたリマインドサービスの導入も検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。様々な施策を打っても、必要とする人に届かなければ意味がありません。区報やホームページ、各種SNSを活用した周知にさらに取り込む必要がありますが、「行かない」窓口促進と広報は担当所管が分かれており、そのせいなのか、区民から見て必ずしも一覧性や利便性が高いとは言えない状況です。一体的な運用ができるような体制を検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。 新庁舎では新たに外国人相談窓口、おくやみ窓口が設置をされました。それぞれどの程度どのように活用されているか状況を伺います。エレベーターの案内表示を見ていたら、消費生活センターや男女共同参画センターの表記がないことが気になりました。1階の総合案内の表示を確認すると、消費生活センターはありましたが、男女共同参画センターはそちらにも記載がなく、所管の事業として「男女共同参画」が表記されているのみでした。こういったセンターは、区役所内にあっても区民が訪れる別機能の施設です。きちんと表示すべきと考えます。いかがでしょうか。 (2)職員の働き方について。 新庁舎の開庁は、区民サービスの拡充だけではなく、職員の働き方改革実現の契機となることも期待されてきました。動線の分離やセキュリティラインの設定、ユニバーサルレイアウト、デザイン性のある打合せスペースの確保、オンラインコミュニケーションツールの拡充など、機能的、効率的、創造的な働き方のできる庁舎となるよう準備をしてきたところと思いますが、現状についてお伺いをいたします。 部長級以上の職員についてはN-BASEと呼ばれるスペースも用意されました。以前にも申し上げたとおり、私は部長級以上の職員の皆さんには、区政全体を見渡して組織横断的に動いていただくことを期待しております。こうしたスペースの設置がその一助になることを期待しておりましたが、現在までの活用状況はいかがでしょうか。 先月、先進的な働き方改革、オフィス改革に取り組んでいる愛媛県西予市を会派で視察してまいりました。中野区に先駆けて取組を進めている西予市の皆さんの話を伺い、また実際のオフィスを見学させていただいて、クリアデスク、ペーパーレス、フリーアドレスなどを定着させていくためには、その前段にある理念を浸透させていくということと、現実的な働きやすさとの間でうまくバランスを取ることが必要なのだなと感じました。新しいオフィス環境でのルールの遵守と見直しについてどのように取り組むお考えか、お伺いをいたします。 (3)環境性能について。 新庁舎は都内自治体庁舎初の環境認証、ZEB Readyの認証取得を達成しました。まずはこのことを歓迎し、その上で幾つか伺います。 ZEB認証の基準は、平成28年の省令に基づくエネルギー消費性能を1.00としています。その結果、例えば現在では当然の取組に見える照明のLED化が大きく評価される一方、実効的な省エネ技術であるにもかかわらず、ZEB認証においては評価対象外となってしまうものもあるそうです。新庁舎にはこうした評価対象外ではあるが、導入されている省エネ技術はあるのでしょうか。あるとすれば、それは例えばどういったもので、どの程度効果があるものなのかお伺いをいたします。ZEB認証はあくまでも設計段階の評価です。新庁舎が開庁して今後どのようにエネルギーが使われ、あるいは生産されていくのか、きちんとモニタリングをした上で実際のエネルギー消費を抑えていく取組が必要と考えますが、いかがでしょうか。 中野区は2050年までの二酸化炭素排出量実質ゼロを掲げた中野区ゼロカーボンシティ宣言を行っています。この新庁舎は2050年にも使われていることと思います。現在の基準では高い環境性能を有していても、排出量実質ゼロという目標達成にはエネルギーの調達方法の検討などハード以外の部分も含めてさらなる取組が必要と考えますが、いかがでしょうか。 2番、中野区の自治の発展について、(1)国の定額減税施策への対応について伺います。 国の定額減税実施に伴い、自治体にも負担が押し寄せていると聞いています。補正予算などの対応も必要になると思われますが、現時点での影響の範囲や規模をどのように見込んでいるでしょうか。また支出を伴う対応が必要なものに対して、全て国から財源が来るのかお伺いをいたします。財源と同様、職員の皆さんの勤務時間も限りがある区政の貴重な資産です。定額減税実施に伴う職員の稼働はどういった業務でどの程度必要になるのか、またその人件費分もきちんと国から手当てがされるのかお伺いをします。自治体職員はただで働いているわけではありません。十分な対応がなされないようであれば国に必要な対応を求めるべきと考えますが、いかがでしょうか。 (2)地方自治法改正に関連して伺います。 前段として、国民健康保険被保険者へのマイナンバー下4桁通知について関連してお伺いをします。法改正により、現行の健康保険証の発行は令和6年12月2日に終了し、マイナ保険証を基本とする仕組みに移行することとなりました。国はマイナ保険証の普及促進を図っており、その一環として、保険者に対して把握している加入者情報、個人番号の下4桁を送付することを求めています。マイナンバーと各種情報のひも付け誤りが発生したことで高まった不信感への対応のようですが、これでどれだけ安心感が高まるのかは甚だ疑問です。それはともかく、この事業を実施する自治体に対して、国からは事務連絡での依頼、技術的助言が来ています。技術的助言に法的拘束力はありませんが、実際には自治体はその連絡内容に沿った対応を行うことがほとんどかと思います。そこでお伺いをします。国からの技術的助言が届いた際、その内容の妥当性や区としての対応の要否についてきちんと検討を行っているのでしょうか。一般的な対応と今回の個人番号下4桁通知のケースでの対応についてお伺いをします。 国と地方の関係は平成12年の地方分権一括法の施行以来、上下・主従の関係ではなく対等・協力の関係であるとされました。一方、令和6年3月1日、政府は地方自治法の一部を改正する法律案を閣議決定し、国会に提出、衆議院を通過し参議院で審査が行われているところです。この改正案には、国民の安全に重大な影響を及ぼし、個別法の規定で想定されていない事態においては、国が地方公共団体に対し補充的指示権を行使できることが盛り込まれています。しかし、その要件や定義が曖昧で、時の政権による恣意的な判断、乱用が懸念されます。憲法で保障されている地方自治の本旨を損ないかねない問題です。私には、こうした議論がまかり通ってしまうのは、地方分権改革一括法以降の国と地方の関係は対等だという理念が建前にとどまっていて、本来法的拘束力のない技術的助言などを自治体側がおとなしく受け入れ続けてきたことにも一因があると思えてなりません。憲法12条は、民主主義に欠かせない国民の自由や権利は「国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない」としていますが、地方自治体の自主性、自立性についても同様に私たちの不断の努力が求められているのかもしれません。こうした地方自治法改正案に対して、地方の立場から反対や懸念の声が上がっています。その中で目を引いたものの一例として、複数の首長が共同で公表した「地方自治法改正案に対する声明」の文書には、震災や感染症対応において、自治体の自主的、自律的な取組とそれに基づく自治体間の連携こそが住民のためになってきたのだという自分たちの取組、仕事への強烈な自負、プライドがにじんでいます。 振り返ってみると、現在の中野区基本構想策定の議論の中で、基本構想審議会の答申における自治が住民自治に限られていて、団体自治の観点が欠けているということを令和元年4月の第4回定例会で指摘をしました。区として策定した基本構想には、「自立した自治体として」との文言を入れていただきましたが、どうしても団体自治に対する認識の薄さを感じざるを得ない出来事として記憶をしています。区長は今回の地方自治法の改正案、特に自治体に対する補充的指示権の規定についてどのようにお考えでしょうか。私は地方の立場からは少なくとも国の地方への関与の原則の維持、自治体との事前協議、調整の義務化の2点を求めるべきと考えますが、併せて見解をお伺いします。 (3)子育て支援施策の拡充についてお伺いします。 2014年、日本創成会議なる団体が896自治体を消滅可能性都市として公表しました。豊島区が消滅可能性都市とされるなどのインパクトから大きな注目を集めました。それから10年がたった今年、人口戦略会議なる団体が744自治体を消滅可能性があるとし、また中野区を含む25の自治体を出生率が低くほかの地域からの人口流入に依存しているブラックホール型自治体として公表しました。23区中16区がこの類型とされ、この議論もまた注目を集めました。一見をすると、二つの民間団体がそれぞれの分析結果を独自に公表しているように見えますけれども、日本創成会議の座長と人口戦略会議の副議長は同一人物で、さらに言えば、東京一極集中の弊害を訴えながら東京都知事選挙に立候補したこともある人物です。 この10年は地方創生政策の10年です。消滅可能性都市の議論が東京から地方への財源移譲を正当化し、しかしそれでも都市部への人口流入抑制に失敗してきた10年でした。今週月曜日に地方創生政策の検証報告書を政府が公表しましたが、国も思うような成果を出せなかったということを認めています。私は当初から行政が人の動きをコントロールしようとしても限界があり、若者を無理に地方に押し込めようとするよりも、東京都市部においても子育てしやすい環境を整えるほうが人口減少対策としても有効であると訴えてきました。今回のブラックホール型自治体の議論が都市部の出生率改善のために地方に回していた財源を東京に戻そうという議論につながるのであれば、それはそれで歓迎したいところですが、いずれにしても、この二つの民間団体の報告は客観的、科学的な分析というより一定の政治的意図に基づいたものである点には注意が必要です。10年前に消滅可能性都市とされた豊島区はそれを利用するような形で女性政策や子育て支援政策に予算を振り分ける契機としたようですが、今の中野区においてはこうしたセンセーショナルなレッテル貼りに振り回されることなく、これまで積み重ねてきた子育て支援施策を進めていくべきと考えますが、いかがでしょうか。 一方で、子育て支援施策の成果のはかり方については再検討が必要ではないかと考えます。一番分かりやすい指標が合計特殊出生率ですが、中野区において、合計特殊出生率を改善させるための恐らく一番有効な政策はワンルーム規制の強化であります。一人暮らしの若者の流入を抑制し、分母を減らすことで、分子である子どもが増えなくても率を上げることができます。しかし、これは本質的な課題解決にはなりません。現在の基本計画では子ども女性比という指標も用いられています。子ども女性比を令和元年から4年の推移で見ると、都内区部平均は共に0.01ポイント低下する中、中野区は0.003ポイントの減に踏みとどまっているようにも見えますが、ではそれが何を意味するのかと言われてもなかなかぴんと来ないというのが正直なところです。合計特殊出生率はじめ、人口や出生に関わる統計は15歳からを対象年齢としていますが、これはもはや実態との乖離が大きいのではないかとも思います。そうしたところを見直すなども一案かと思いますが、どのように区の施策の成果をはかり示していくのか、指標の在り方については次期基本計画の策定を見据え、今のうちから検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。 3番、学校教育について、(1)新教育長の抱負について伺います。 本年第1回定例会での区長からの提案と議会の同意を経て、4月1日付で田代雅規新教育長が就任をされました。まずは御就任お喜びを申し上げます。中野区の教育のよさや地域の方とのつながりを大切にしながら、中野区の子どもたちの未来のために教育行政の向上に全力で取り組んでいきたいとの決意を既にお聞かせいただいておりますが、教育長として学校教育において一番大切に考えていることや、就学前教育、保幼小中連携の充実に向けたお考え方などについて抱負をお聞かせいただければと思います。 (2)コミュニティ・スクールについて。 中野区は令和4年度からコミュニティ・スクールの取組を進めています。当初は明和中学校区を第1次モデル校、南中野中学校区、中野中学校区を第2次モデル校、北中野中学校区、中野東中学校区を第3次モデル校として取組を進めるとのことでしたが、モデル校のモデルとは一般的な意味でのモデルという意味ではないというような話が出たかと思ったら、昨年度末になってさらにはモデル校という表現も消え、第何次実施校という表現になるなど迷走している気配があります。3月まで対象校の校長先生でおられた教育長には釈迦に説法かと思いますが、このような状況ですから、関係者の理解が思うように広がっておりません。今後進め方から見直すべき状況であると考えておりますが、見解を伺います。 (3)学校予算について。 学校現場が独自の裁量で使える中野区独自の予算の仕組みとして校割予算がありますが、現場から使い勝手の改善を求める声を伺っています。例えば校割予算で買うものの対象の一つとしてパイプ椅子がありますが、このパイプ椅子一つとってみても、新しい学校とそうでない学校の間には格差があるようです。これも今の校割予算の仕組みだと、学校はパイプ椅子に予算を回すよりも、より直接的に子どものためになるところに予算を使っているのかなと想像がされます。それは悪いことではありませんが、後回しになるものはいつまでも後回しにされる仕組みのようにも感じます。校割予算という仕組みの中で改善をしていくのか、新しい別の仕組みを考えるのか、いずれにしても学校現場がより利用しやすい予算の仕組みを検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。 4番、次期区有施設整備計画の策定について伺います。 区役所が新しく立派になったことにより、区民活動センターや学校など、自分たちが日常的に使っている施設の更新に期待する区民の声を大きく聞くようになりました。期待に応えたいと思う反面、財政面を考えると、全ての要望に応えるのも難しいだろうと考えています。現行計画から現在までは、児童相談所や区役所新庁舎の整備によって延床面積は増加が見込まれる期間で、実際にもそうなっておりますが、令和7年度以降は減少のフェーズに入っていきます。学校再編が一段落し児童館も全館維持となった中で、それをどう実現していくのか、あるいは総務省の延床面積の考え方にも変化が見られる中で目指すべき方向性そのものを見直すのか、選択肢は様々にあります。また、この間の施設整備の状況を見ていると、施設類型ごとに標準規模のようなものが必要ではないかと考える部分もありますが、一方で複合化を原則とするならばそれも難しいのかもなと思ったりもしています。いずれにしましても、今示したような論点を含めて数多くの点について検討し、次期計画策定に当たっての基本的な考え方を整理していく必要があります。どのように取り組むか、お伺いをいたします。 現行の区有施設整備計画に位置づけられた旧商工会館、産業振興センター等の再編は、前提としていた土地利活用による民間整備誘導の実現のめどがつかず進展が見られません。産業振興機能もそうですが、区長公約である中高生の居場所づくりや会員数減少に悩むシルバー人材センターの活性化にも影響が出ています。現行計画のまま進められないのであれば、旧商工会館と産業振興センターの計画を入れ替える形など検討する必要があるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。 旧本町図書館の利活用について、我が会派としては貸付けに至るまでの手続や貸付金額の妥当性について疑問を呈してきました。事業者と結ばれている定期建物賃貸借契約書によると、貸付期間は1年が限度とされています。協議の上で再契約ができ最長で5年との規定もありますが、原則1年という以上、現在の事業者さんには申し訳ないのですが、早めに次に進むめどをつけるべきではないかと考えます。区として、最長5年の間にどうにかするという考え方ではなく、次期区有施設整備計画の策定スケジュールも踏まえて早々に次の活用について考えられるよう関係者との協議を進めるべきです。見解を伺います。また、この旧本町図書館の貸付けの問題を契機に、貸付金額については疑念を生まないためにも貸付料の設定方法について考え方を定めるべきと再三申し上げてきましたが、今に至るまで動きが見えません。本当に検討しているのでしょうか。これまでの検討状況についてお伺いをいたします。 5番、中野駅周辺のまちづくりについて。 まずは新北口駅前エリア市街地再開発事業についてお伺いをします。 閉会中の関連委員会に、施行予定者である民間企業の間で協議が整っておらず、スケジュールが変更になる旨の御報告がありました。その後の事業者間の協議の状況はどうなっているのか、この間区としてどのように関与してきたのか、都への認可申請に向けた動きができる状況になっているのかお伺いをいたします。本年第1回定例会での財産の処分についての議案の議決直後の3月27日付日経産業新聞に、野村不動産の松尾社長のインタビューが掲載されました。その中で中野サンプラザ跡地の大型複合ビルをどういった施設にするのかという問いに対して、ホールの話に触れた後、「同時に最上階に街を見渡せる展望スペースを設けるなど、地域住民も含めて楽しめるような施設づくりを目指す」と、展望フロアをさも自分たちでやるかのような御発言があり、大変に驚きました。事業者選定時の提案から現在の状況を踏まえると、この発言はいかがなものかなというふうに思いますが、しかし社長さんが展望フロアはそこまで重要な施設と考えているのであれば、やはり運営の中で相応の負担をしていただくべきと考えますが、いかがでしょうか。 区権利床の活用方法の検討も今後さらに具体化していきます。その検討に対して、何を大切に考えていくおつもりでしょうか。当初の想定と変更が生じている部分もありますが、行政サービスの財源確保を目的とした資産の有効活用を図るとしている現行の区有施設整備計画に示された考え方を継承し、歳入確保を主眼とした検討を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。 中野二丁目再開発権利床活用事業について伺います。 本件については所属の総務委員会で質疑をさせていただいて、課題は多岐にわたりますが、今回はその中でもどうしても見過ごせない点に絞ってお伺いをいたします。4月の閉会中の総務委員会の議論の中で、団体登録について区が選定した事業者が審査をして承認をするということが分かりました。民間企業が区民団体の活動の公共性、公益性を審査するということです。私はこの仕組みに大きな違和感を持ち、様々な質疑を行いましたが、公序良俗に反しないかを確認するぐらいだから心配ないとか、基本協定書に基づいてやるから大丈夫だといったような答弁があったかと思いきや、偏りのあるような活動は認められないという答弁が突然飛び出したり、区の説明は迷走するばかりでした。そこで改めてお伺いしますが、民間企業が区民団体の活動の公共性、公益性を審査するというこの仕組みに違和感を感じないのか、見解をお伺いします。 この事業は令和3年にサウンディング型市場調査を実施し、その際の提案に基づいて事業者募集と選定が行われ、今に至っています。サウンディング調査を全て否定するつもりはありませんけれども、ことこの事業については、サウンディング頼りで区としてよって立つ理念や哲学がなく、それが民間企業が区民の活動の公益性、公共性を審査するみたいなおかしな話につながっているのだと思っております。だからこそ、この事業の公共性、公益性は一体どこにあるのか区の考え方を確立し、明らかにすべきではないかと申し上げてきました。検討状況についてお伺いします。 この事業において、例えば区民の団体が子どもたちのために何かのサービスや体験を提供するような活動と、区民の団体が自分たちの趣味を楽しむような活動と、公共性という観点で差があるのでしょうか。場所を提供するという事業の性質から考えて、単に同じ趣味同士の区民同士がつながって楽しんでいる、このことにも一定公共性があると言っていいのではないかと個人的には思いますが、いかがでしょうか。 6番、その他で海での体験事業について伺います。 5月12日日曜日の午後1時から今年度の海での体験事業の申込みが始まりましたが、申込みフォームのトラブルにより予約のできない状況が発生しました。私のところにも多くの問合せが寄せられましたが、特に今年度は先着順だったことで焦ってしまった保護者が多かったように思います。申込みの方法もそうですが、LoGoフォームの運用方法や、休日に申込する際の体制の組み方など様々な反省点があるように思いますし、これだけニーズがあるのであれば受入枠を拡大できないものかとも思います。今後の改善に向けどのように取り組むのかお伺いをいたしまして、私の全ての質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 森議員の御質問にお答えいたします。 初めに、区役所新庁舎開庁後の状況と今後の改善についてで、移転後の区民からの反応についてでございます。 窓口サービスについては、これまでのところ機器動作、オペレーションも含め大きなトラブルなく運営できていると認識をしております。区民の方からはエレベーターを降りたらすぐに案内係の人がいるので助かる、戸籍住民課と保険医療課が同じフロアで行ったり来たりしなくてよいなどの声も頂いているところであります。1階各スペースは明るく開放的で利用しやすい、アート展示があってよい、カフェやコンビニがあり休日にも利用できるのがよいなど好意的な意見が多く寄せられております。ナカノバやミーティングルームの利用に関する問合せも増えておりまして、区民の皆さんが利用し活動する空間であることが浸透してきていると考えております。 次に、スマート窓口の成果についてでございます。フロア案内人と発券機の組合せによる来庁者の「迷わない」の実現、区民サービス窓口の2階、3階フロアへの集約や、7階から9階までの共用窓口導入による「動かない」を実現しました。また、窓口の順番待ちをせずに支払いのできる2階、3階のフルセルフレジや、9階のセルフサービスコーナーの設置による「待たない」を実現しました。「書かない」につきましては、申請書自動交付機に加えて、3階高齢者窓口に申請書作成支援システムを導入いたしました。さらにプラスワンの「行かない」窓口については、新区役所移転までの約1年間の間に対応可能な電子申請手続を約130件追加しまして、区民の利便性の向上を図ったところでありますが、引き続き効果等については注視してまいります。 次に、窓口サービスの改善に向けた検討についてです。 2階の証明書等の交付窓口付近に来庁者の集中が見られたため、来庁者の混雑状況や動線を踏まえたレイアウト変更を行うなどスムーズな対応ができるよう、実態を踏まえて適宜改善を図っているところであります。窓口サービスのさらなる向上に向けては、発券機から取得できる待ち時間などの蓄積データなどを活用しながら中長期的な視点での改善策も検討を進めていきたいと考えております。 次に、「行かない」窓口の推進についてです。法規制等によりオンライン化できない手続以外は基本的に全てオンライン化するなど取組をさらに強化していきたいと考えております。また、面談等の対面を必要としている手続につきましては、ウェブ会議方式で行えるようにするなど対応方法の改善に取り組んでまいります。 リマインドサービスの導入検討についてです。区民が自ら検索したり、区に問合せをしなくてもプッシュ配信をしてくれるといったサービスにつきましては、区民サービスの向上に資するものであって重要であると考えております。今後、「行かない」窓口に対応した手続の拡充を進めるなどデジタル窓口の推進を図りつつ、区民への個別のプッシュ配信サービスについて、先行自治体などの事例も含めて検討してまいります。 次に、区民周知の方法の一体的な運営についてです。「行かない」窓口などのデジタル窓口の推進を図りつつ、こうしたサービスの区民周知を強化していくことで区民が行かなくても済む区役所の実現に寄与できるものと認識をしております。今後区民にとってなるべく区役所に来なくても済み、手続も分かりやすく迅速に済ませられるといった運営形態やそれに関する周知、広報といった観点から効率的かつ効果的な運営方法などについて検討してまいります。 次に、外国人相談窓口、おくやみ窓口の利用状況についてであります。 外国人相談窓口の5月7日の窓口開設から6月10日までの25日間の利用状況は、相談件数としては窓口が63件、電話13件の計76件。1件当たりの相談時間はおおむね20分から30分程度でありました。御家族のことや在留カードに関することなど日常生活に係る様々な相談に対応しております。おくやみ窓口の利用状況は、5月7日から受付をし、20日から相談対応を開始したところであります。対応件数は29件で、利用率は約7割ということであります。予約外対応としては30件受け付けております。対応1件当たりの相談時間はおおむね30分程度であります。6月10日現在、相談予約として25件を受け付けておりまして、今後の利用拡大が予想されるところであります。アンケートでは、説明を聞きながら一度に手続が行えてよかったとの感想をお送りいただいております。 次に、新庁舎のサインの表示についてです。サインの表記につきましては、視認性及びデザイン性などの観点を踏まえて全庁で検討を進めて調整をしてまいりました。引き続き区民に分かりやすい表記になるように検討してまいります。 次に、職員の働き方についてで、新庁舎での働き方の取組状況についてでございます。エレベーター、エスカレーター等の来庁者専用の動線を整備することによって来庁者の利便性が向上したほか、セキュリティエリアを設定することで区民の情報を十分に管理した状態で業務が行えているものと考えております。また、ユニバーサルレイアウトやフリーアドレスの導入、多様な打合せスペースを整備することで、業務内容に合わせて適切な場所を選んで働けるようになりました。生産性や創造性の向上に寄与しているものと捉えております。さらに、MS365の導入に伴い、連絡手段の中心がチャットとなりました。多人数での情報共有など、職員間のコミュニケーションが円滑化され、効率的な働き方が促進されているものと考えております。 次に、N-BASEの活用状況についてです。N-BASEは特別職や部長同士が政策協議、コミュニケーションを取る機会として部を越えた連携、協力の強化が図れる環境を創出することを目的に設置をしておりまして、部長級の職員が日常的に同じ空間で業務を行うことによって部間の連携は密になっているものと考えております。また、原則として週2回コアタイムを設けておりまして、特別職及び部長同士によって新庁舎移転による環境変化をはじめとした様々な区の課題について議論を行い、効果的、効率的な区政運営に生かしております。今後より幅広い課題についての議論を行うことでさらに効果を高めていきたいと考えております。 続きまして、新庁舎における働き方の定着に向けた取組です。新庁舎では、職員の創造性、生産性の向上を働き方のコンセプトとして掲げ、クリアデスクの実施、ペーパーレスの推進、課内フリーアドレスを実施しているところであります。今後は新庁舎での新しい働き方が定着するよう、全庁の職員に対して働き方のルールを周知するなど必要な働きかけを行っていくとともに、職員の意見を踏まえ必要な改善を図ってまいります。また、職員の働き方について現場の実態調査を行い、さらなる改善につなげてまいります。 次に、環境性能についてで、新庁舎のZEBについてでございます。新庁舎で取得したZEB Readyの認証において、評価対象外となるエネルギー削減技術は、執務室の二酸化炭素濃度を検知した外気導入の制御技術や、吹き抜けを活用した自然換気技術、再生可能エネルギーである地中熱を利用した空調技術などがあります。これらにつきましては、評価方法が確立されていないため、具体的なエネルギー削減効果を数値で表すことはできませんが、国も評価方法の速やかな整備に向け取組を進めていると聞いておりますから、区としてもその動向を注視してまいります。 次に、新庁舎のエネルギー管理についてであります。新庁舎にはエネルギーを総合的に管理することができるBELS、ビルエネルギー管理システムを導入しております。このシステムによって、電気やガスなどのエネルギー使用状況の見える化や分析、自動制御などを行うことができます。今後のエネルギー使用状況を把握し効率よく制御することによって、運用段階でのさらなるエネルギーの削減を図ってまいります。運用段階のZEB認証取得につきましては、一定期間運用してから状況を見極めて判断してまいります。 新庁舎のエネルギーの削減に対する取組についてです。エネルギーの使用状況を詳細に把握し、機器の運転を最適化することによって、運用においてさらなるエネルギーの削減を図ってまいります。新庁舎における効果的な取組について引き続き検討してまいります。 次に2番、中野区の自治の発展についてで、まずは定額減税実施に伴う影響についてでございます。令和6年度予算におきまして、国の定額減税の実施によって特別区税約15億円の減少を見込んだところであります。定額減税に係るシステム改修や区民税所得割額を基準にした歳入の減少につきましては、現時点において把握していないところでありますが、区の財政に一定程度影響が生じると考えております。特別区税や給付費の支給に係る経費以外の費用や収入減に関する対応については不透明な状況でありますが、財源獲得に向けて対応してまいります。 次に、定額減税事務に係る人件費です。定額減税に関連する職員の事務量につきましてはその正確な時間の算定は難しいところでありますが、超過勤務手当につきましてはその業務を含め各所属長が適切に判断、対応しているものと考えております。この事務量の増加に伴って発生した人件費につきましては、現時点において国から補償されることは予定されておりませんが、特別区長会等を通じて国に要望していくことを検討してまいります。 次に、地方自治法改正についてで、国の技術的助言に対する対応についてでございます。国の技術的助言に対しては、地方公共団体としてその内容が妥当なものであるかどうかを判断した上で必要な対応を行っているところであります。今回の国民健康保険被保険者への通知についても、全ての保険者が実施するものであり、マインナンバーカードを保険証として安心して御利用いただくため実施すべきと判断したものであります。個人番号下4桁の通知に当たっては、区民がより理解しやすいよう、国の示す様式だけではなく、そこに説明内容をさらに追加する予定であります。 次に、地方自治法の改正内容に対する区の見解でございます。地方自治法の改正によって、大規模災害や感染症の蔓延など国民の安全に重大な影響を及ぼす事態の特例として、国民の生命等の保護を的確かつ迅速に実施するために講ずべき措置に関して、国は地方公共団体に対して必要な指示ができるようになるということであります。また、そうした事態への対処の基本方針の検討等のため、国は地方公共団体に対し資料や意見の提出を求めることができるようになります。今回の地方自治法の改正内容につきましては、その運用に当たって地方自治の本旨が損なわれることのないように、地方公共団体への意見を十分に踏まえた対応がなされるべきと考えているところであります。 次に、地方自治法の改正に対する国への要望についてでございます。今回の地方自治法の改正につきましては現在参議院で審議を行っているところでありますが、その状況を踏まえ必要な対応を検討したいと考えております。 〔教育長田代雅規登壇〕 ○教育長(田代雅規) それでは、学校教育についての御質問について回答させていただきます。 まず最初に、教育長の抱負についてです。 学校教育においては、学力や体力の向上はもとより、子どもたちが様々な学校行事や部活動、ボランティア活動などを通して多くの人とつながり、協力する楽しさや地域の中で自分が役立つ喜びを味わいながら思いやりのある心を育んでいくことが大切だと考えております。就学前教育についても、豊かな遊びや学びなどの体験活動を通して生きる力の基礎となる基本的な生活習慣や社会性を身につけることができるよう、教育や保育を推進していく考えであります。 また、保幼小中連携については、就学前の児童から中学生まで、多世代の子どもやそこに関わる大人たちとの交流を一層推進させ、取組をさらに充実させていきたいと考えております。 次に、コミュニティ・スクールについてでございます。中野区コミュニティ・スクールは、地域の方の思いを受け止めながら、地域とともにある学校を目指しています。今後、コミュニティ・スクールの進め方については、関係者の理解を広げるための取組を進めるとともに、学校や地域の特性に合った方法を検討していきたいと考えております。 次に、学校予算についてでございます。校割予算は、学校、学級、児童、生徒数を基準に積み上げた金額を学校運営経費として枠配分を行い、各学校で予算編成を行っているものであります。現在も年度途中でも学校からの要望に応じて調整しているところでありますが、今後、学校現場の意見も聞きながら柔軟な執行方法について検討していきたいと考えております。 最後に、その他の質問で、海での体験授業の申込み時のトラブルについての御質問を頂きました。海での体験授業の申込み当日にトラブルが発生してしまったため、来年度以降については申込み方法を改めて検討し、改善を図っていきたいと考えております。また、事業の拡大につきましては、宿舎の収容人数等もあり直ちに拡大を実施することは難しいと考えております。 〔企画部長岩浅英樹登壇〕 ○企画部長(岩浅英樹) 私からは、次期区有施設整備計画の策定についての御質問のうち、初めに延べ床面積の考え方についてお答えいたします。 区有施設の整備に当たりましては、多様な行政需要に対応する一方、将来の人口減や人口構成の変化を想定することが求められていると考えております。次期区有施設整備計画の策定に当たりましては、これらの状況を総合的に勘案しながら基本的な考え方を整理してまいりたいと考えております。 次に、商工会館跡地活用事業の検討状況についてでございます。商工会館跡地活用事業につきましては専門家への意見聴取を実施するとともに、整備情報を含め関連する施設及び機能について現状と課題を整理してきたところでございます。検討状況につきまして、本定例会でお示しした後、旧商工会館跡地活用事業と産業振興センターの整備方針につきまして改めて検討してまいりたいと考えております。 次に、旧本町図書館の今後の計画についてでございます。旧本町図書館につきましては、施設の状態や貸付条件等を勘案して参考貸付料を設定した上で事業者募集を行い、事業者と契約をしたものでございます。現行の契約期間は1年でございますが、通算して5か年に達するまでを限度としており、用途地域の制限の抵触等を行われない場合には、基本的には再契約をすることを予定しているものでございます。次年度から、区有施設整備計画の改定と併せまして、今後の活用方針について検討を進めていく考えでございます。 次に、貸付料の考え方についてでございます。資産の有効活用を推進するに当たり、貸付けに係る出資を取りまとめる必要があると認識しております。現在、他の自治体の状況の調査等も行っているところであり、今後貸付けを行う予定の案件を踏まえた上で、考え方を整理し、議会にもお示しをしたいと考えております。 中野駅周辺のまちづくりについてのうち、新北口駅前エリア再開発権利床の活用についてでございます。中野駅周辺は、区全体を持続的な活力のある町へ牽引する区の中心拠点、多様な都市機能が集積した新たな活力とにぎわいのシンボルとすることを目指し、先進的なまちづくりを進めているところでございます。中野駅新北口駅前エリア再開発権利床につきましては、新たな活力とにぎわいに資するスペースにするとともに、財源確保もできるよう管理方法などを検討し有効活用を図ってまいりたいと考えております。 次に、中野二丁目権利床団体登録に係る審査についてでございます。団体登録の在り方について先日の委員会等で御指摘を頂いており、事業者とも協議を行ってきたところでございます。協議の結果、登録につきましては、明らかに公序良俗に反することなどが確認されない限りは登録を認めるとともに、疑義がある場合には区と協議をするという運用を確認をしたところでございます。区民の方に分かりやすく適切な表現となるよう、ホームページの案内につきましても改善していくことを予定をしております。 次に、中野二丁目権利床、公共性、公益性に関する検討状況についてでございます。中野二丁目権利床活用事業につきましては、より多くの区民の方に様々な活動で利用していただくことが公共、公益に資するということになると考えております。よりよい事業の在り方につきましては、今後も事業者と協議を行いながら、適宜改善を図ってまいります。区民の方が構成する様々な趣味のサークル等の活動につきましても、公共、公益に資するものというふうに考えているところでございます。 〔子ども家庭支援担当部長森克久登壇〕 ○子ども家庭支援担当部長(森克久) 私からは、中野区の自治の発展についての御質問のうち、子育て支援施策の拡充につきましてお答えをいたします。 まず、子育て先進区の方向性についてでございます。区は、少子高齢化の進展や人口減少による地域活力の低下が区政運営の大きな課題となっていることを踏まえまして、子育て先進区の実現につきまして、中野区基本計画の重点プロジェクトの一つとして掲げ、取組を進めてきたところでございます。人口の流動性が高く出生率が低い都市部の自治体におきまして子育てしやすい環境を整備していくことは、大きな意義のあることと認識しておりまして、引き続き子育て先進区の実現に向けまして取組を進めてまいりたいと考えております。 続きまして、子育て支援施策の成果指標につきましてお答えをいたします。区の子ども施策の成果を指標で数量的に測っていくことは重要であると考えております。次期基本計画の検討を進める中で、子育て支援施策の成果指標の在り方について検討してまいりたいと考えております。 〔中野駅周辺まちづくり担当部長千田真史登壇〕 ○中野駅周辺まちづくり担当部長(千田真史) 私からは、中野四丁目新北口駅前地区第一種市街地再開発事業の一部についてお答えいたします。 まず検討状況についてですが、施行認可申請につきましては、施行予定者間での協議の結果、施行予定者5社を4社に変更して事業を推進したい旨、区への承諾依頼がございました。区といたしましては、地権者による合同会議において、施行予定者に対し、事業の着実な推進、スケジュールの遵守、新たな地権者負担が生じないように対処することなどを確認し承諾する予定としております。各地権者が施行予定者の変更に承諾の後、区として事業計画に同意し、6月下旬から7月上旬に施行予定者から東京都へ施行認可申請を行う予定でございます。 次に、展望施設における事業者側の負担についてですが、中野四丁目新北口駅前地区第一種市街地再開発事業において、区は権利床の一部として展望施設を取得いたしますが、展望施設を含む権利床の運用については、建物竣工時の社会情勢等を見定めながら検討を進めていくこととしております。その際、これまでの施行予定者側の当初提案、容積率1,000%活用変更時の提案等の経緯を踏まえながら、区の負担が少なくなるよう施設全体の権利床の合理的な運用管理について施行予定者と協議を進めていきたいと考えております。 ○議長(酒井たくや) 以上で、森たかゆき議員の質問は終わります。
中野区議会議員 加 藤 たくま 1 中野区役所新庁舎について 2 中野区の公教育の充実について 3 ギャンブル依存症対策について 4 デジタル庁が進めるデジタルマーケットプレイス(DMP)の活用について 5 区民の防災リテラシーの向上について 6 その他
○議長(酒井たくや) 次に、加藤たくま議員。 〔加藤たくま議員登壇〕 ○15番(加藤たくま) 中野区議会における長い議論を経て中野区役所は新庁舎に移転し、1か月余りが経過いたしました。新しい本会議場における初めての登壇です。心機一転、一議員として先人が積み重ねてきた伝統を重んじながらも、常に新しいチャレンジをつくり上げる議会をつくり上げ、区政前進のため全身全霊で尽力していくことをお誓い申し上げ、自由民主党議員団の立場から一般質問をさせていただきます。 1、中野区役所新庁舎について。 最新鋭のサービス機器を取りそろえたものの、使いこなすまでには相当の年月が必要となるでしょう。まずはフロア案内人について。大きな予算をかけ各フロアに案内人を設置し、訪問された方の御用件を伺う、いわゆる前さばきの作業がなくなり、職員は常時窓口の様子を意識する必要はなくなり、目の前の仕事に集中しやすい環境になったはずです。しかし5月17日、私の息子のマイナンバーの受け取りでは、50分かかりました。予約は30分刻みであるために30分以内に終わる作業だと思っていたために、耐え難い時間を過ごしました。いまだ混乱がありますけれども、正常化した際には、今後フロア案内人と職員との連携、フロア案内人の人数の過不足、前さばきがなくなったことによる財政効果などを示し妥当な体制を検証していくべきと考えますが、区の見解をお伺いいたします。 次に、MS365導入の効果と今後の課題について。 新庁舎においてMS365、フリーアドレスはフレキシブルな仕事のやり方を創造できる無限大の可能性を秘めておりますけれども、時代、状況に合わせた最適解を常に導き出す習慣が必要だと考えます。でなければ、新庁舎に導入した新システムは、宝の持ち腐れどころか税金の無駄遣いとなります。システムを使いこなし、常に業務の効率を改善しようというマインドを醸成するため、区は各所管にどのような指導をするのか伺います。また、MS365の機能を内政だけでなく外部とのやり取りに活用することで業務効率をさらに上げることが可能と考えますが、区の見解を伺います。現在AIの技術は未熟ですが、2、30年も経てば、AIが区民の御要望が状況によってはわがままであると判定し、それ以上のサービスを提供する必要がないだのと判断、そしてそれが世の中から認められる世の中が来るかもしれません。技術革新とともに区民サービスの提供方法を改良し続けることを全職員が意識しながら業務改善されることを願います。 次に、国の国民の保護に関する基本方針、東京都国民保護計画に基づいて改定された中野区国民保護計画においては、例えば弾道ミサイル等が飛来した際の対応として、「攻撃当初は爆心地周辺から直ちに離れ、近くの堅牢な建物・地下施設等に避難」すると、誘導するとあります。旧庁舎では現実的ではなかったですが、新庁舎においては有事の際に地下へ避難することもできるようになりました。そういったことを考えまして、今後、区がそういったところに対してどのような見解を持っているか伺います。 この項の最後として、新区役所1階にドコモ・バイクシェア、HELLO CYCLING、Luupの3社に無償で駐輪場ポートを貸し出したと伺っております。民間会社としては区役所にポートを設置できれば会社のブランド力を高められるため願ってもない話で、賃料を払ってでも借りたいはずです。板橋区では入札で貸し出したと聞きますが、なぜ中野区は無償で貸し出したのか伺います。 それでは2、中野区の公教育の充実について。 本年度4月1日付で、これまで中野区の教育行政に御尽力されてきた田代雅規さんが教育長になられ、中野区教育委員会は新たなステージを迎えます。教育長になられる以前に個人的にお話した際、区立小中学校は私立人気に押され入学率が低下していることを危惧されていることが印象的でした。私は中野区立小中学校の出身ですが、受験というフィルターが全くない区立の多様性は、人格形成に大きな影響を与え、大人になって地域との関係性構築に大きな役割があったと感じております。 そもそも私立に行ったほうがよいのか。興味深いデータを発見しましたので御紹介させていただきます。使用したデータは、東京都教育委員会の令和5年度公立学校統計調査報告書の私立、区立以外の国公立などへの中学校への進路先データ、東京都総務局の令和5年度学校基本統計の大学進学率、いずれも23区比較で同じ学年のトレースではありませんが、傾向が分かります。まず、区立以外の中学校への進学率、1位は54.3%で文京区、2位は53.6%の中央区で、3位は51%の港区で、中野区は29.4%で14位です。一方、中野区立以外の中学に進学する理由として、大学進学に有利と考える御家庭もあるでしょう。そこで大学進学率を比較すると、1位は82.1%の渋谷区、2位は81.8%の目黒区、3位は81.1%の文京区で、中野区は76.5%で9位でした。中野区は私立中学へなどの進学率が14位ですが、大学進学率は9位と5位順位を上げているという表現もできます。ここで、中野区立の教育は他区よりも優れているという仮説が成り立ちそうですが、その分析は後日行わせていただきます。 様々と中野区が置かれた状況を説明させていただきましたが、教育長は今後中野区立学校の魅力の再発見、向上、発信を含めて、中野区の公教育をどう進められたいか抱負を伺います。 区立の学校の魅力をさらに充実させる御提案をこの後させていただきますけれども、まず中野区は区立ならでの規模感を認識する必要があると考えます。昨年私が御提案させていただいた中野区立中学総合体育大会連合陸上競技大会、いわゆる総体陸上ですけれども、国立競技場での開催は中学生に大きな感動を与えました。特に、校長会の御提案の九つの中学校対抗リレーは、国立のトラックで全校生徒が走るというプレミアムな経験となりました。私立ではできない経験です。全ての学校が力を合わせれば実現する事業があるはずです。今、教育委員会が注力されている中野区の部活動の地域移行においても、スケールメリットを図っていくべきです。部活動の地域移行に関しましては、本年度よりダンスをモデルケースとして導入を検討、中学校の合同部活動として土日の活用や、学校以外を会場とすることを検討していると伺っております。予算特別委員会総括質疑でも取り上げましたが、中野区には様々なプロのダンス、踊りの団体、個人が存在しており、特別講師として招聘することで子どもたちに新たな経験を提供できます。ダンス以外におきましても、一般社団法人中野区体育協会の協力を得て、弓道や居合道など気軽に近寄れない競技に触れる機会も提供できます。また、総体陸上においては、中野区立中学校で陸上部は実は9校中2校しか陸上部がなく、陸上部がない中学校は学校全体からメンバーを選抜されますが、指導者がいない課題があり、こういった選手たちをまとめて指導するという場所を提供することも重要かと考えます。部活動の地域移行におきましては中野区全体で体制を整えて、子どもたちが様々な経験ができる、そのような視点で事業構築の検討を願いますが、教育委員会の御見解を伺います。 現在、野球、サッカーで試合の人数がそろわない中学校があると聞きます。部活動の地域移行は現在事業のスタート時点の表現であり、地域移行が完了した際には地域で部活動が展開される、そういったことになります。小学生を対象とした少年野球、サッカーなどの地域スポーツチームには、中学生になっても引き続き指導していただく、そういった形が望まれます。そして、高校、大学生になってもプレーヤー、コーチとして関われば、中学生の部活引退を機にスポーツ自体を卒業する傾向は減り、生涯スポーツとしての定着も望めます。そして、そのスポーツ、趣味を通じた人間関係の縦のつながりは地域力の向上につながります。コミュニティ・スクールの体制に対して様々な声がありますが、部活動の地域移行がスムーズに進むようコミュニティ・スクールが部活動の地域移行との連携強化に関わるべきだと考えますが、教育委員会の御見解を伺います。 3、ギャンブル依存症対策について。 大谷翔平選手の元通訳水原一平氏の違法賭博問題でギャンブル依存症に注目が集まっております。ギャンブル依存症回復を目的とした都内で唯一の施設、東京グレイス・ロードという団体が中野区にありまして、メディアでも取り上げられております。同団体から様々な御要望を伺えているので質問させていただきます。 まず、ギャンブル依存症の現状ですが、長期にわたるデータがありませんが、厚生労働省の調査事業によりますと、精神科病棟におけるギャンブル等依存症の外来患者数は2017年度2,246人、2018年度が2,839人、2019年度が3,527人と年々増加しております。グレイス・ロードは10年前に山梨県で設立され、ギャンブル依存症に対して多くのノウハウをお持ちですが、ここ近年若者の割合が急増し、施設利用者のメインが30代から40代であったのが、20代から30代に移行しているそうです。その主要因は、スマホで気軽に違法ギャンブルにアクセスできるためです。公営ギャンブル、パチンコは年齢制限が割と厳しくできておりますけれども、違法ギャンブルは年齢制限をかけておらず、中高生でもできるということです。掛け金がなくても電話番号さえ申告すれば借金することもできます。本来であれば親の許可が必要ですが、内緒で返済能力がない子どもがゲーム課金、洋服購入などのための後払いサービスができるような、そういった社会になっております。なぜお金を借りれるかといえば、親が代わりに返済する担保がある、そして中には児童ポルノや闇バイトなどあらゆる手段で借金のツケを払わされることもあります。子どもたちのみならず大人も簡単にギャンブル依存症に陥る環境がはびこる時代に生き抜ける教育、区民への理解、周知を促進する必要があると考えますが、区の見解を伺います。 続いて、ギャンブル依存症になった場合の対処について伺います。ギャンブル依存症が発覚するのは多額の借金ができて本人が家族、友人に相談するときです。このとき、家族、友人が借金の肩代わりをすることが最もやってはいけない行為だそうです。MLBでは借金の肩代わりがペナルティになるそうで、大谷選手が肩代わりしたかどうかが捜査、裁判で一つの焦点となりました。なぜかといえば、ギャンブルをしたいという根本的な症状に何も対処せずに借金の肩代わりだけすれば、あらゆる嘘をついてまで新たに借金をするためです。また、借金返済により信用が上がり、借りられる金額が増加、最終的には家族全員が借金漬けになるというケースが大変多いということです。唯一の解決方法が、本人がしっかりと返す、破産するなどけじめをつける以外にないそうです。依存症の方が、一人暮らしをすれば、借金返済のために実家に戻させて余力で借金を返させようとしても、必ずと言っていいほど浮いたお金をギャンブルにつぎ込むそうです。家族だけで解決しようとしても正解が分からず、家族全員が不幸になっていきます。ギャンブル依存症が発覚した時点で周りの方は支援にすぐつなげる必要があります。そこで伺いますが、ギャンブル依存症の患者やその家族に対して、区はどのような支援をされるのか、その方法について伺います。 4、デジタル庁が進めるデジタルマーケットプレイス(DMP)の活用について。 国は現在自治体情報システムの標準化、共通化を進めており、これにより全国のデータが統一されることで全国自治体共通のソフトウェアを実装できます。昨年度よりデジタル庁が構築するデジタルマーケットプレイス(DMP)という仕組みです。DMPとは、デジタル庁とあらかじめ基本契約を締結した事業者が、デジタルサービスを登録するカタログサイトを設け、そのサイトより各行政機関が最適なサービスを選択し個別契約を行う調達手法でございます。スマホで言う、そういったダウンロードできるようなサービスと似ているところです。イギリスでは2週間でソフトウェアを契約できる体制を構築したということです。完成すればベンダーロックインをなくし、常に状況に合わせたソフトウェアの利用が可能です。これまで高い経費や長い期間などを要したシステム構築を不要とする手法であると考えますが、区はこの仕組みをどう捉えているのか、契約の観点からお伺いします。しかし現実問題としては、職員のノウハウ不足でベンダーの言いなりとなり、DMPからソフトウェアを調達することがかなわない可能性が多分にあろうかと思います。DMPに限る必要はありませんが、各所管でソフトウェアの更新時に最適なソフトウェアを調達できるよう、区としてさらなるフォロー体制が必要と考えますが、区の見解を伺います。 5、区民の防災リテラシーの向上について。 現在、災害の研究では行動経済学が活用されます。私も10年前に行動経済学のプロスペクト理論を使った避難行動を研究しておりました。2002年にノーベル経済学賞を受賞した理論で、今例題を挙げさせていただきます。あなたが今、次の条件のときにどちらを選択するかお答えください。選択肢A、無条件で100万円がもらえる、選択肢B、コイントスで勝つと200万円もらえて、負ければ0円。期待値はどちらとも100万円ですけれども、皆さんはどちらを選ぶでしょうか。ほとんどの方は前者を選びます。条件を変えて、それではあなたは借金を200万円しているという前提条件が加わったらどう考えるでしょうか。この場合、Bの選択肢が増える、コイントスをしてしまうという割合が増えることが分かっております。人間は、損得感情において得する快楽よりも、負の状況を回避したいという気持ちが勝り、一発逆転を狙うためです。 行動経済学とは、人間の感情を数式化、理論化する学問です。ギャンブル依存症も数式で表現できるわけです。この理論などを使い、災害時、パニックが原因で通常ありえない行動を選ぶことが説明されます。例えば、映画館内で大地震が起こり急いで館外に出ようというとき、遠くのすいている出口より一発逆転の近くの混んでいる出口に向かい、さらに混乱、圧迫、ドミノ倒しなど引き起こす可能性を上げます。また、リスクが巧妙にぼかされている場合もあります。一昔前に、不動産価値が下がるからといって、洪水ハザードマップを公開しないでくれというのが不動産業界からクレームがありました。現在では説明は義務化されておりますけれども、現在では価値を下げないために、リバーサイド、ウォーターフロントなどと横文字を使い、その弱点を補う努力がなされております。人間は損することを嫌うことが分かっているわけですから、真実をしっかりと伝え、その知識、考え方では損をしますよと、また、ある意味脅してでも災害に対するそういった情報を教えることによりまして行動変容を促す必要があると考えますが、区の見解を伺います。 能登半島地震を契機に、区は防災倉庫に携帯トイレを備蓄することになっておりますが、災害の備えとして必要ですが、区民に携帯トイレの個人所有を推奨することなしに、まずこれを進めたというところには少し疑問がありました。行政の災害に対する備えには限界があり、自助の力を高めなければ有事に対応できません。中野区の避難所の最大収容人数はおよそ5万人で、中野区民34万人に対して15%であり、あなたは避難所に入れないかもしれない、では在宅避難してくださいとなって、食べ物、生活日用品などの備蓄はもちろんのこと、携帯トイレがなければ成り立たないということを脅してでも理解してもらう、そういった気概が必要だと思います。江戸川区では、洪水時に最悪ケースで江戸川区全域が水没するそういった海抜ゼロメートル地域でありますので、洪水ハザードマップには江戸川区にいてはいけないということで、ここにいては駄目ですというのが真ん中にどばっと書いてあります。区外に逃げなきゃいけないということを真っ先に伝えるメッセージとなっております。いま一度区民の防災リテラシーを向上させ、自助の力を強化する必要があると考えます。そのような基本的な知識を含めて区民に普及啓発をする必要があると考えますが、区の見解を伺います。 先日第20回地域の防火防災功労賞の優良賞に南台四丁目東町会の「世代を超えて未来へつなぐ~発災対応型「まちかど防災訓練」の取組~」が選考されました。この試みは、「訓練地震だ」との掛け声を合図に自宅を飛び出し、街路消火器や防災資材倉庫に配備されているスタンドパイプを実際に配備されている場所から運び出し、地震発災時の一連の流れを意識した訓練です。どこに消火器があるかを日頃から認識しなければ消火器を現場に運ぶことができません。その内容はテレビでも取り上げられました。自分の家が火事になった場合、自分がやらずに誰が真っ先に初期消火をするのか、自助、公助の基礎的な能力向上として消火器の場所の把握が必要だと考えます。 今年3月より中野区の公開型GIS、なかのデータマップでは、避難所、避難場所、消火器、スタンドパイプの場所など様々閲覧することが可能となりました。自分の家周辺に何があるかGISでチェックし、現地で自分の目で確認することを促す必要があると考えますが、区の見解を伺います。 それでは最後に、その他で一問、区長に質問させていただきます。5月28日、来月7月7日の投開票の東京都知事選挙において、都内の市区町村長62名のうち52名の連名で小池都知事への出馬要請をされ、その中に酒井直人中野区長の名前はないと報道されました。連名すべきとは申し上げるつもりは毛頭ございませんけれども、酒井区長の都知事選挙に対する政治スタンスについてお伺いいたしまして、私からの全ての質問を終了いたします。 清聴ありがとうございました。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 加藤議員の御質問にお答えいたします。 まず初めに、中野区役所新庁舎について、フロア案内人導入の検証についてでございます。新庁舎において新たに導入したフロア案内人などの仕組みは、来庁者の迷わない、動かないを実現することを目的としておりますが、区民サービスの向上、業務効率化の視点から検証し、経費の最適化等を図っていく必要があると認識をしております。窓口における1年間の繁忙のサイクルなども踏まえながら検討を進めてまいります。 MS365が導入された効果と今後の課題についてです。チャットや電話がどこでも受け取れる状況になったことや、資料共有が以前より円滑になったことで、場所を選ばず効率よく仕事ができるようになりました。今後、MS365の活用等に関する職員アンケートを定期的に行っていくこととしておりまして、そこでの意見を改善につなげてまいります。また、昨年度からDXリーダー育成研修を行っておりまして、今後もDXリーダーを中心とした改善意識を持ちながら仕事を進められる環境整備を推進してまいります。 次に、MS365を活用した外部とのやり取りについてです。職員のパソコンからウェブ会議の開催や参加ができるようになったため、外部との連絡が以前より柔軟かつ円滑に行える環境となりました。外部とのチャット等に関しては、セキュリティ面での課題もありますが、現在検討しているところであります。 次に、国民の保護に関する基本指針についてで、有事の際の非難についてでございます。有事を想定し、区民と職員の安全を守ることや日頃からの備えが必要であり、今後適切に対応できるように研究をしてまいります。 次に、シェアサイクルの庁舎敷地使用についてでございます。区は、区民の移動利便性向上や鉄道、路線バス等の公共交通サービスの補完等を目的に、事業者と協力しながらシェアサイクルの普及促進を図っております。このため、目的、公共性、必要性等を総合的に判断し、新庁舎敷地の使用料を免除しているところであります。なお、有償で土地を貸し出した場合、これまで貸し出していたサイクルポートの設置事業者の変更による利便性低下やシェアサイクル利用料金の値上げといった区民への影響が生じる可能性があると考えているところであります。 次に、ギャンブル依存症対策についてでございます。まず、ギャンブル依存症の予防についてです。ギャンブルなどの依存症は、様々な要因によって誰もが罹患し得る病気でありまして、患者が病気であるとの認識を持つことが困難であることから、依存状態に至らないように予防することが重要であります。ギャンブル依存症予防に向けて、区ホームページやポスターなども活用した普及啓発を行ってまいります。次に、ギャンブル依存症患者等への支援についてです。ギャンブル依存症は精神的な疾病でありまして、症状の改善には専門的な支援が必要であります。すこやか福祉センターでは、保健師や精神科専門医師による本人や家族に対する相談を行ってまいりました。さらに、治療が必要なケースは医療機関の受診につなげるなど、依存状態からの回復に向けた取組を行っておりまして、今後も本人や家族に対する支援を継続してまいります。 次に、デジタル庁が進めるデジタルマーケットプレイスの活用についてでございます。DNPの活用については、各種行政手続に係るソフトウェアや利用支援サービスがパッケージ化され、自治体にとっては情報収集から調達までを迅速化でき、経費等削減も期待できる仕組みであると認識をしております。しかしながら、カタログサイトからのサービス選定による事業者の決定など、これまでの契約の手続とは異なっている点があることから、今後国の動向等を勘案しつつ研究を進めてまいりたいと思います。 次に、調達におけるフォロー体制についてです。これまでもデジタル政策課に所属するIT専門支援員が、各課情報システム担当者へ伴走型支援を行ってまいりました。今後はさらに庁内において緊密な連携を図るなど取組も強化してまいります。また、国等の取組状況を勘案しつつ、情報システムに関する調達ガイドラインの改訂も適宜行ってまいります。 最後に、都知事選挙に対する政治的スタンスの御質問です。都と基礎的な自治体の中野区はお互い中立的な立場にあります。都知事選挙に出馬するかどうかは候補者が自らの意思に基づいて判断すべきであって、現職の中野区長として現職の都知事に出馬要請する立場にはないと考えているところでございます。 〔教育長田代雅規登壇〕 ○教育長(田代雅規) 私のほうからは、中野区の教育の充実について御回答させていただきます。 まず1点目の区立学校の魅力向上についてですが、区立学校の魅力とは、様々な個性や可能性を持つ子どもたちが出会い、共に日々の授業や学校行事を通して互いを理解し、協力する気持ちや思いやりの心を育みながら成長できることだと思っております。また、地域の中にある学校として、地域の人々との交流や、地域との連携した多様な活動があり、人とのつながりを大切にすることの重要性を学べる教育活動を展開する。特に国立競技場での連合陸上大会のように、中野区に合った質の高い教育をこれからも実践していきたいと考えております。 次の部活動の地域移行についてですが、専門性や必要な資質、能力を有する指導者を確保するだけでなく、区内のスポーツ団体、民間事業者、大学などと連携して地域移行に向けて体制を整え、部活動の地域移行を進めていきたいと考えております。なお、部活動の地域移行に対するコミュニティ・スクールの関わりについては、今後研究してまいりたいと思っております。 〔防災危機管理担当部長吉沢健一登壇〕 ○防災危機管理担当部長(吉沢健一) 私からは、区民の防災リテラシーの向上について、そのうちのまず初めに、区民の行動変容を促すことについてお答えいたします。 区は、これまでも様々な防災訓練や地域防災会、住民組織連絡会議におきまして、区の備蓄量等を区民に伝えまして、自助の重要性を普及啓発してきたところでございます。今年度は、区民が自ら行動に移せるような普及啓発資料の作成につきまして、防災リーダーの協力を得て作成をし、全戸配布する予定でございまして、区民の行動変容を促せるようにしてまいりたいというふうに考えてございます。 次に、区民の防災リテラシーの向上についてでございます。区ではこれまでも、中野区ハザードマップなどの広報紙をホームページ上に公開するとともに、本庁舎総合窓口や各区民活動センター及びすこやか福祉センターにおきまして配布をするなど、防災情報につきまして普及啓発を行ってございます。本紙では、避難行動のタイミングを自らが考える、決める行動を促すため、区民の風水害タイムラインなどの内容を掲載しまして、防災リテラシーの向上を図っているところでございます。 続きまして、統合型GISの普及についてでございます。区は本年4月にホームページ上で統合型GISとしてなかのデータマップを公開したところでございます。掲載マップ一覧につきましては防災の項目がありまして、消火器等の初期消火機器の位置情報をはじめ、避難所マップや水害ハザードマップなどが公開されてございます。今後は様々な防災訓練などにおきまして周知を図りまして、区民自ら確認ができるよう行動を促してまいりたいというふうに考えてございます。 ○議長(酒井たくや) 以上で、加藤たくま議員の質問は終わります。
中野区議会議員 小 林 ぜんいち 1 新庁舎移転について 2 区有施設の整備について 3 区政の課題について 4 熱中症対策と防災対策について 5 その他
○議長(酒井たくや) 次に小林ぜんいち議員。 〔小林ぜんいち議員登壇〕 ○18番(小林ぜんいち) 令和6年第2回定例会に当たり、公明党議員団の立場から一般質問を行います。 質問は通告のとおりで、5番、その他で3問お伺いいたします。 今日はこの新庁舎本会議場で記念すべき一般質問の初日となりました。新しいこの議場は、明るくまぶしいばかりです。区長はじめ理事者の皆さんには、清新なお心で誠意ある御答弁をお願いいたします。区議会事務局の皆さんには、議場システムが新しくなり慣れない中、大変かと思いますけれども、どうかよろしくお願いいたします。 1、新庁舎移転について。 最初に新庁舎での新しい窓口業務について伺います。 中野区役所新庁舎が完成し、5月7日から新庁舎で業務が開始され、1か月が経過しました。私たち公明党議員団は、かねてより区民の皆様が使いやすく、ユニバーサルデザインのまちづくりにふさわしい新庁舎となるよう提案をしてまいりました。その結果、免震構造で耐震性能、防火性能の高い拠点となり、障害のある方もない方も使いやすい多目的トイレの設置もでき、多様な方々の利便性とニーズに対応したサービスの提供、おくやみ窓口、外国人の相談窓口も開設されました。また、1階は常に区民が利用できるスペースとなり、イベントスペースの西側には大きく設けられたガラス扉を開けることで内と外の境がなくなり、縁側のような役割を果たす開放的な集いの場ともなりました。新庁舎では窓口の混雑改善やサービスアップなどを目指し、新しいオペレーションを開始し、5階を除く9階までの各階に複数の案内役、フロアマネージャーと共通発券機が配置されました。新庁舎での初日、5月7日、私は開庁に合わせて業務の様子を見に各階を歩かさせていただきました。また、毎週各階の業務の様子を時間を変えて歩き、見させていただいています。私も各種手続のため利用をさせていただきました。 そこでお伺いいたします。 まず初めに、旧庁舎から窓口の移行は大きな混乱なくスムーズに図られたのか、一番多くの区民が利用する2階の窓口について、待ち時間の圧縮は図られたのか、来庁から窓口対応までの所要時間は当初示されたとおり大幅に削減されたのか、また改善点はあるのか伺います。2階、3階はまだしも上の階の案内役であるフロアマネージャーは手持ち無沙汰のように見えます。窓口があまり混雑しないフロアは過剰な配置ではないのか、職員が交代で対応できるのではないのか、検証の上、改善を図る必要があると考え、見解を伺います。区はセルフレジの導入を強行しましたが、現在までの利用状況はどうか。税務関係はこの6月以降が使用頻度が増すと思いますが、現状で改善点はないのか、伺います。 新たにおくやみ窓口、外国人相談窓口が始まったことや暮らしサポートの窓口の一本化について評判は良いようです。一方で、配置や表示などが分かりにくいという声もあります。外国人相談窓口はなぜ4階に置かなければならないのか、4階に行っても結局は用事のある部署への御案内になってしまうことが多いと聞きます。であるならば、外国人相談窓口は1階エントランスホール総合案内所の近くで受け入れ、まずは不安のないように改善すべきではないかと考え、見解を伺います。 先日区民から庁内で迷う、電話や窓口で待たされる、中野区また職員との意思疎通のソフト面の距離が遠くなった。さらには高い駐車料金についても苦情を頂きました。区役所窓口の利用のために来庁したにもかかわらず、駐車料金が高額になったとの厳しいお声ですが、区は高額な駐車料金の仕組みについて把握しているのでしょうか、改善してはどうか伺います。 公明党議員団の要望により、1階の総合案内所と3階障害福祉課前の共通発券機脇に設けられている、聞こえの環境を改善するための折りたたみ式携帯電話のような集音器を設置していただいたことは高く評価します。しかし、この機器では自分の声まで集音してしまうので聞き取りにくくなっています。そこで2004年、奈良県立医科大学の細井裕司学長が発見した軟骨伝導聴覚のメカニズムで、頬などに当てても耳に軽く入れても清潔で耳の病気などの心配のないイヤホン型の窓口用軟骨伝導イヤホンを設置してはどうか。また、福祉、医療関連など区民サービスを直接行う様々な窓口に老眼鏡と同じように軟骨伝導イヤホンを設置してはどうか、見解を伺います。 1階、総合案内所で乳幼児と一緒に来庁される方の利便性を図るため、ベビーカーの貸出しを行ってはどうか、伺います。 区役所庁舎は、区民が利用する施設です。そこで改めて新庁舎について区民、利用者にアンケートを取るなどし、改善点の調査を行ってはどうか伺います。 新庁舎での新たな取組について伺います。新庁舎で各課の連携やコミュニケーションの向上を目指し、職員のフリーアドレス制を導入しましたが、課の配置が目視できないばかりか、担当者の居場所がよく分からないなどデメリットも散見されます。また、区民と職員のスペースを明確に分け、セキュリティ上で大きく向上したと考えますが、少し行き過ぎではないか。ハード面でも、ソフト面でも区民から遠い存在の区役所になったとのお声もあります。また、議員から見ても遠くなった感じがしています。各階の業務スペースは部の縦割りをなくし、総合的な政策を進めるために、部長室を廃止し、部長室に変わる政策協議の場として、いわゆるN-BASEなる場を設けました。移転から1か月、私たち議員は区の管理エリアに伺うことができないため、N-BASEは現在どのように運用しているのか、またどのくらいの部長がN-BASEに集まり業務を行っているのか、N-BASEの使い方は庁議室とは同じではないのか。当初にもくろんだ各部の連携は増え密になっているのでしょうか。運用と使用頻度を伺います。新庁舎への移転に関し、新たな業務形態、サービスについて浮かび上がった課題について検証を重ね、新庁舎になったら、こんなにも便利になった、よくなったをさらに増やしていただきたいと考えます。 新庁舎移転に係る総合的な検証、総括について伺います。私は第1回定例会で、庁舎建設というタイミングであれもこれもと欲張り導入したことが、経費削減どころか、今後の経常経費の増加につながるのではないかと指摘しました。新庁舎建設が過剰投資になっていないか、経常経費の圧縮が必要ではないか、しっかりと成果と検証を行う必要があると考えます。区役所移転について通常の行政評価ではなく、きちんと別枠を設けて検証することの必要性について、区は総務部が中心となって検証を進めるとの答弁でした。別枠を設けた評価について、具体的にどのように進めるのか、伺います。新庁舎のランニングコスト、例えば光熱費や清掃、警備など設備管理費、各フロアの窓口案内の委託費などはどのくらいかかるのか見込みを伺います。また、旧庁舎との差はどのくらいになるのか、伺います。 MS365の導入により職員数はどのくらい削減でき、人件費節減効果の検証をどのように行うのか伺います。 また、新庁舎の運営のため肥大化した経常経費の圧縮や積立ての考え方、そして経常経費を削減していく事業等の見直しをどのように行っていくのか伺います。そもそも新庁舎は中野駅北口再開発の転出補償金によって建てられたようなものです。中野サンプラザは2004年当時区が設立した会社である株式会社まちづくり中野21が約53億円で買取りをしましたが、今日評価は約350億円の資産価値となっています。区は中野サンプラザに関してはこれまで約13億7,000万円程度しか出資しておらず、20年を経て会社の法人税の納付、借入金の返済を行っても単純計算でも200億円の株主配当が入ってくる見込みとなっています。一方、まちづくり中野21の金融機関からの借入れは約43億円です。新庁舎建設に当たって基金などの積立てがなく建設できたのは、この資産があったからと考えます。ちょっと早い話かと思いますが、この新庁舎もいずれ建て替える時期が来ます。その時に、このような資産や土地はなかなか存在しないと考えます。このような大規模かつ最新の庁舎では、将来に修繕、改修費も莫大になると考えます。そのためにも毎年一定の減価償却費の積立てが必要ではないか、見解を伺います。 2、区有施設の整備について。 区有施設整備計画の今後の方針について伺います。中野区基本計画と並んで、令和3年、2021年10月に策定された「中野区区有施設整備計画(2021~2030)」について、その後の整備検討はどのように進んでいるのでしょうか。商工会館は突然計画の中止が発表され、昨年第2回定例会で報告があった以降、今後の計画について方針が示されていません。保健所や商工会館などの未利用施設も含め、区有施設の移転、整備の実施予定、新たな方針の作成、改定についていつ示されるのでしょうか、伺います。 中野区シルバー人材センター本部移転について伺います。 シルバー人材センターの高齢者人口当たりのシルバー会員数は中野区が最も少なく、原因としてシルバー人材センターの場所の不便さ、老朽化などがあると考えます。現在、本部は東部福祉作業センターと共有しており、駅からも区役所からも遠く、狭い施設です。特に共有のロビーは日中自主的に東部福祉作業センターの作業場として使用されています。シルバー人材センター本部への来訪者にとっても、センター職員にとっても極めて利用しづらい状況が長年続いています。これまで再三移転について質疑をさせていただき、令和2年には現在の産業振興センターへの移転計画の答弁もありましたが、他の計画と重なり合っています。区のシルバー人材センター本部の移転及び改善は、中野区区有施設整備計画にはなかなか前進が見られません。早急に取り組む必要があると考え、区の見解を伺います。 3、区政の課題について。 義務教育基金の積立てと区財政について伺います。区有施設整備には、学校の改修や建設があります。学校の改修や建設に当たっては、施設整備計画に基づき基金への積立てを行ってきました。これまでは減価償却費を積み立てるとしていましたが、財政運営の考え方が守られず、この1年で変わり、減価償却費累計額相当額の25%の積立てができておりません。次の建設、建て替えなどへ向け、原資をどのように考えているのか伺います。区財政を長期的に鑑み、区財政の経費の削減をどのように考えているのか伺います。 区有施設の建設工事前払金について伺います。 中野区では毎年のように計画されている小中学校や区有施設の建設工事に区内事業者も多く担っていただいています。今日区の公共工事は金額も多くなり、学校建設においては数十億の工事費となっています。また、複数年にわたる工期の場合、契約時から見ると短期間のうちに物価高騰などで前払金の上限4億円などでは請負者の負担も大きく、資金繰りも厳しくなっています。公共施設工事は地方自治法施行規則や区の要綱により中野区では工事請負契約において300億円を超え、かつ60日を超える案件については契約金額の前払金については上限額を4億円かつ前払率を上限4割まで支払うことができるとしています。都内では前払金の引上げや上限額撤廃を行っている区もあります。区は区内事業者の支援のためにも建設工事費前払金の上限額撤廃を含め、見直しの検討を行ってはどうか、見解を伺います。 中野四丁目新北口駅前地区第1種市街地再開発事業の施行認可について伺います。4月25日の総務委員会で、旧区役所、サンプラザ跡地の市街地再開発事業の施行認可申請のスケジュール見直しについて報告がありました。当初、第1回定例会で議決した施行認可申請は施行予定者が全関係権利者の同意を得た後、東京都に令和6年3月施行認可申請を行う予定となっていました。しかし、施行予定者間での保留床処分金の負担の協議が整わず、権利者への同意依頼を行うことが困難な状況となり、事業計画への同意及び施行認可申請の時期が変更となりました。区は事業全体のスケジュールへの影響が最低限となるよう施行予定者と協議していくとし、施行認可申請の予定は6月以降になるとの見通しを明らかにしました。6月以降とされる施行認可申請はいつになるのか、また今回の権利返還の遅れによる中野区の支払うべき建物の管理料、新区役所整備に係る区債の金利負担など損失金額を伺います。 民間の視点を有したまちづくり専門人材の確保と人材育成について伺います。中野駅周辺では、旧区役所とサンプラザ跡施設をはじめ、多くの大規模なまちづくりが行われています。旧区役所とサンプラザ跡施設や中野二丁目の再開発に伴い、議会でも権利床の活用の在り方について議論となりました。私は民間事業者に有利な条件で交渉が進んでいることを懸念し、再三指摘し、その理由を区に営利を目的とした百戦錬磨の民間企業と対等に渡り合える知識や経験を有した人材がいない、機能もないことではないかと考えています。区のまちづくり分野の優秀な人材は、これまで専門性の高い都市計画や都市基盤に係る法整備やその手続が中心でした。これまではそれで十分であったと思います。しかし今日、土地や建物等の不動産価値、建物に入る、入居するテナントの事業性、地価や金融、経済のマーケット動向等、まちづくりに関連する総合的な視点や民間的な視点でのプロジェクトマネジメントの知識や経験を有する人材が必要と考えます。大規模プロジェクトの区としてのチェック機能を強化するとともに、民間の再開発事業者と渡り合えるまちづくりなど専門知識と経験豊かな人材の確保と人材育成について見解を伺います。 病児病後児保育の拡充について伺います。病児病後児保育のニーズは高く、2014年には中央地域にある当時の区立仲町保育園の病後児保育室に定員の拡充を提案し、拡充がなされました。現在民設民営になった現仲町保育園でも病後児保育室を行っており、そのニーズは高いと聞いています。現在、病後児保育は上鷺宮の聖オディリアホーム乳児院で行っており、また病児保育は江古田の総合東京病院で行われています。しかし場所は区内北部に偏っています。先日、保育園に通う保護者から、ニーズの高い病児病後児保育の拡充をしてほしいとの御要望を頂きました。区は病児病後児保育の拡充を図ってはどうか、見解を伺います。 4、熱中症対策と防災対策について伺います。 区は平成23年、2011年から高齢者会館や区民活動センターなどの区有の施設を活用し、熱中症対策として涼みどころを開設し、誰もが利用できる休憩場所と飲料水などの提供を行ってきました。今年は夏から秋にかけて猛烈な暑さが予想され、昨年の最も暑い夏より暑い夏とも言われています。東京都は今年の夏から熱中症対策の一つとして日本気象協会と連携し気象予報士の派遣を行うことになり、区市町村で行う講演会やイベントなどにも積極的に参加すると聞きます。区は区民の熱中症予防の啓発活動などを行うとともに、気象予報士の派遣を熱中症対策イベントに積極的に受け入れてはどうか、伺います。東京管区気象台は、地域防災支援として地域の防災対策を支援する「あなたの町の予報官」という区の防災部局との打合せや防災訓練、講習会などへの参加に取り組んでいます。中野区地域防災計画の作成、防災訓練や講習会、接近中の台風の影響、線状降水帯の状況など、東京管区気象台の気象予報官や気象予報士との連携、ホットラインなどを活用してはどうか伺います。 5、その他、中野中学校東側歩道空地について伺います。 早稲田通りから中野中学校の東側を通って南の四季の森公園へ抜ける通路があります。この通路は中野中学校の生徒はもちろん、乳幼児と一緒の親子や高齢者など一般区民も通り抜けができます。ところが、この通路には地面から高さ約2メートル、長さ約50メートルの隣地のブロック塀が面し、地震などを考えると危険な状況です。中野中学校を含む四季の都市一帯は中野の顔とも言うべき地区で、中野四丁目地区の地区計画の区域となっており、将来的にはこの通路は緑道として位置づけられています。このブロック塀に対し区はどのような指導をし、どのような対応を行うのか伺います。 区内南北交通政策について伺います。 中野区役所が新庁舎で業務が開始され、南北方面の区民の方から新庁舎へ中野駅南口でバスを降りて行ったが、区役所まで遠く、不便を感じたとの声を頂きました。これまで区役所が駅に近かったため、交通の不便さはあまり感じませんでした。税務署も5月に中野駅北口、旧中野区役所西側から、南口再開発ビルに仮移転しました。区内バス交通は、おおむね中野駅が南部方面と北部方面の発着点となっています。中野駅周辺のまちづくりに併せ、中野駅南口地区では駅前広場、バスロータリーの拡張整備も今後進みます。また、中野駅新北口駅前エリアでは再整備も予定されています。今年3月に作成された中野区地域公共交通計画には、路線バスネットワークの維持、拡充や、ダイヤの改正、運行本数、経路の整備、乗り継ぎ利便性の向上などの取組について記載されています。そこでバス交通の利便性向上のため中野駅北口と南口の相互乗り入れをまちづくりに併せて考えてはいかがでしょうか。例えば降車、バスから降りるだけでも南部路線は中野駅新北口か新区役所まで、北部路線は中野駅南口まで延長をバス会社に要請してはどうか伺います。 最後に、見守り支え合い活動について伺います。中野区地域支え合い活動の推進に関する条例を平成23年、2011年に策定し13年が経過しました。毎年更新される名簿の提供は現在区内107町会、自治会中、87町会、自治会となっています。コロナ禍を経て中断していた見守り支え合い活動の再開に当たり、見守る側の高齢化も進み、見守り訪問活動の減少も見られます。一方で、形を変えた見守り支え合い活動を行っている地域もあると聞きます。例えば桃園地域では7町会、1自治会が「みま~も桃園」として地区町連で協力し合い、サロンやシアターなどを共有化した上で各町会で取り組んでいます。条例から13年、町会、自治会の見守り支え合い活動のこれまでの検証と今後の取組について伺うとともに、今後の見守り支え合い活動を活発に行うためにも、コロナ禍後の事例集の作成や新たな町会間の連携を進めるためにも情報交換会などを設けたらどうか見解を伺い、私の質問の全てを終わります。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 小林議員の御質問にお答えいたします。 まず初めに、新庁舎移転についてで、円滑な窓口移行、改善点などについての御質問です。フロアごとに繰り返し窓口対応リハーサルを行ったことによって、旧庁舎からの移行は混乱なく実施できたと考えております。窓口における機器の利用や、動線、機器の機能を活用したオペレーションの見直しによって待ち時間の削減が図られております。なお、発券機の統計機能を活用した窓口対応の所要時間などの分析については、現在データを蓄積しているところでありまして、今後の改善に向けて検証を行いたいと考えております。2階の証明書等の交付窓口付近に来庁者の集中が見られたため、来庁者の混雑状況や動線を踏まえたレイアウト変更を行うなど、スムーズな対応ができるように実態を踏まえて適宜改善を図っているところであります。 次に、フロアマネージャーの配置についてです。各階へのフロアマネージャーの配置については現在は移転直後の臨時的体制として多く人員を配置しているところでありまして、7月以降は標準的な配置となり、現在より少なくなります。時期による来庁者数の変動もあることから、年間を通じた各階の来客状況を踏まえ、今後業務量に応じた適切な配置となるよう最適化を図ってまいります。 フルセルフレジの利用状況等についてです。新庁舎開設から5月末までの利用状況は、特別区民税、都民税、国民健康保険料、後期高齢者医療保険料、介護保険料の合計で、322件、570万円余となっております。フルセルフレジの導入によって窓口の順番待ちをすることなく支払うことができるようになりまして、区民の利便性向上に寄与しているものと考えております。現時点で大きく改善を要する事項はございませんが、利用実態を踏まえながら必要な調整を行ってまいります。 次に、外国人相談窓口の設置場所についての御質問です。庁舎内での手続、窓口への御案内につきましては、1階の総合案内において外国語対応できる者を配置するとともに、各窓口での翻訳タブレットの活用なども含め対応しているところであります。一方で、外国人相談窓口は、日常の困り事など地域生活における様々な悩み事をしっかりと相談員が受け止め、外国人が中野で安心して暮らせるようにするためのお手伝いをする窓口として設置したものであります。新庁舎ではフロアごとに機能を持たせ配置を行っておりまして、4階は区民相談窓口をはじめとした相談業務を集約して相互連携しやすい環境としたところでありまして、外国人相談窓口についても、4階に配置したところであります。 次に、新庁舎の駐車場料金についてであります。新庁舎の来庁者用駐車場は有料駐車場としております。開庁時間中の料金の設定及び窓口を利用された方の割引につきましては旧庁舎と同じでありまして、今後もこの運用で実施をしております。 次に、窓口用軟骨伝導イヤホンについてでございます。今回、耳の不自由な方のサポートをするため新庁舎移転を契機として集音器を導入したところでありまして、現在3階高齢者窓口等に配置をし、来庁者の状況を踏まえ活用しているところであります。御指摘の窓口用軟骨伝導イヤホンにつきましては、他自治体での導入事例があることは承知をしております。現在導入している機器の利用状況も踏まえながら、今後研究してまいります。 次に、ベビーカーの貸出しについてでございます。こちらについては、利用者の要望等を踏まえ、今後検討してまいります。 次に、利用者アンケートの実施についてです。新庁舎での窓口業務について利用者の御意見をお聞きし、改善に結びつけていくことが重要だと考えておりまして、アンケートについても実施をしたいと考えております。実施時期、実施内容については現在検討しております。 次に、N-BASEの運用や効果についてです。N-BASEは、特別職や部長同士が政策協議、コミュニケーションを取る機会として部を超えた連携、協力の強化が図れる環境を創出することを目的に設置をしておりまして、庁議の開催を主目的とした庁議室とは異なり、部長級の職員が日常的に同じ空間で業務を行うことによって部間の連携は密になっているものと考えております。また、原則として週2回コアタイムを設けておりまして、特別職及び部長同士によって新庁舎移転による環境変化をはじめとした様々な区の課題について議論を行い、効果的、効率的な区政運営に生かしております。今後より幅広い課題についての議論を行うことで、さらに効果を高めていきたいと考えております。 次に、新庁舎の取組に係る評価、検証についてです。区では、新庁舎整備に当たり一層の区民サービスの向上、業務効率化に資するよう様々な取組を検討し、導入を図ってきたところであります。新庁舎移転後一定期間が経過した後に導入した機器やシステムがどのように活用されているかを確認し、改善につなげていくことが大切な視点であると考えております。どのように評価、検証を行うかについて、区民へのアンケート調査など区の取組が評価できる手法を検討してまいります。 次に、新庁舎のランニングコストについての御質問です。清掃、警備などの設備管理費は旧庁舎と比較し、約2.1倍の増となっております。光熱費につきましては、開庁後1か月経過したばかりであって旧庁舎との比較は難しいところでありますが、節電、省エネの努力は継続して行っているところであります。総合案内、フロア案内に係る委託経費は、旧庁舎と比較し、各フロア配置数の増加及び対応業務の増加などによって約3.1倍の増となっております。 次に、MS365導入による人件費削減効果の検証についてです。MS365の導入によってチャットによる迅速な情報伝達、Teams電話等の活用やウェブ会議環境の充実などによって、場所を選ばない新しい働き方を実現できたことから、業務の効率化には相当寄与できているものと認識をしております。区政の課題は多くあり、今後人件費削減効果は見極めていく必要がありますが、効率化したことで職員が他の業務に使える時間が今後も多くなるものと考えております。定量的な評価につきましては、今後どのように数値化できるかなど研究をしてまいります。 次に、経常経費削減のための取組についてです。新庁舎においても効率的なエネルギー消費に努めるとともに、新たに導入した窓口サービスに係る機器類や窓口案内の提供体制など経常的に生じる経費につきましては、区民サービスの向上、業務効率化、窓口における1年間の繁忙のサイクルの視点から検証し、必要な改善を図っていく必要があると考えております。 新庁舎減価償却費の積立についてです。区では、財政運営の考え方に基づいて、施設整備に係る事業費の財源として、当初予算編成時には、当該年度に発生する見込みの減価償却費相当額の25%を基金へ積立て、また年度末残高は減価償却累計額相当額の25%を確保するように整理をしております。本庁舎についても、将来の整備に備え、財政運営の考え方にのっとって、基金の積立を行っていく予定であります。 次期区有施設整備計画の策定についての項でございます。次期区有施設整備計画については、現在、区有施設の現状及び課題について整理を進めるとともに、区有施設の再編及び更新、保全に係る考え方について検討を進めているところであります。次期区有施設整備計画の策定に係る基本方針について第3回定例会でお示ししたいと考えております。 次に、シルバー人材センター本部の移転等についてです。シルバー人材センターからは会員の利便性向上や経営効率化を図るため、本部機能の立地の中野駅周辺への移転要望を受けておりまして、現行の区有施設整備計画では産業振興センターに入居する計画となっております。区では、旧商工会館跡地活用事業と産業振興センターの整備方針について検討を進めるところでありまして、シルバー人材センターの移転についても併せて検討を進めてまいります。 次に、熱中症対策と防災対策についてでございます。熱中症予防の啓発については、6月5日号の区報に掲載したところでありまして、今後も区民活動センターや高齢者会館など涼みどころとしての利用促進や啓発を行ってまいります。また、熱中症予防の啓発に当たっては、都の事業の活用も視野に入れて充実を図ってまいります。 最後に、防災対策についてです。現在、大雨などの気象情報を基に適切な判断を行うため、区は気象予報官とのホットラインを通じて風水害に対応するなど、平時からの協力関係を構築しております。今後は中野区地域防災計画の作成や防災訓練での活用などにも気象予報官や気象予報士の知見を生かしていくことも検討してまいります。 〔企画部長岩浅英樹登壇〕 ○企画部長(岩浅英樹) 私からは、区政の課題について、義務教育基金の積立てと区財政について、初めに学校整備費用の原資についてお答えをいたします。学校を含めた施設整備につきましては、年々整備費用が高騰しており、財源確保も踏まえ計画的に進めていく必要があると考えております。整備費用につきましては、見込額の精度を高め、国や都の補助金を確保するとともに、財政運営の考え方を踏まえた基金残高を確保した上で、基金の繰入れや起債を活用し持続可能な財政運営を進めていくという考えでございます。 続いて、経費削減の考え方についてでございます。持続可能な区政運営を進めるため、事業見直しなどのPDCAサイクルをしっかりと機能させ、経常経費の削減に努めていく必要があると認識をしております。新規事業と既存事業の見直しを一体的に行うビルドアンドスクラップによる事業展開を徹底し、限られた財源を有効に配分していきたいと考えております。 〔総務部長濵口求登壇〕 ○総務部長(濵口求) 私からは、区政の課題のうち、まず工事前払金の上限額の見直しについてお答えいたします。今般の物価高騰下において請負業者が工事着工に必要な人員、資材等を円滑に確保できるよう、前金払を適切に実施することが重要であると認識してございます。請負業者の資金繰りを支援し、公共工事の受注機会を確実に確保していくため、工事前払金の上限額を現状の4億円から引き上げる方向で考えてございます。 次に、民間視点を有したまちづくり人材の確保、育成についてお答えいたします。市街地開発等のまちづくりにおいて、民間の視点を持ったプロジェクトマネジメントの能力や経験を有する区職員は、現時点では乏しく、またその育成においても短期間には困難であることから、UR等外部組織からの派遣職員の知見も一定活用して補完しているところでございます。この点のさらなる強化のため、民間経営の視点から求められる職員の能力や組織の機能を見極め、プロジェクトごとにその能力や機能の必要性、有効性が高いと判断した場合には、任期付職員や会計年度任用職員として外部から人材を獲得、あるいは業務委託を活用するなど、その最適な方向について検討を進めてまいります。 〔中野駅周辺まちづくり担当部長千田真史登壇〕 ○中野駅周辺まちづくり担当部長(千田真史) 私からは、区政の課題のうち中野四丁目新北口駅前地区市街地再開発事業の施行認可についてお答えいたします。施行認可申請は6月末から7月上旬に行われる予定でございますが、今回のスケジュールの見直しにより新たな区の負担が発生しないよう、年度内に転出補償金を得ること、区所有建物を早期に施行予定者に引き渡すことについて協議を進めてまいります。 〔子ども家庭支援担当部長森克久登壇〕 ○子ども家庭支援担当部長(森克久) 私からは、区政の課題についての御質問のうち、病児病後児保育の拡充につきましてお答えをいたします。施設型の病児病後児保育につきましては、実施施設の立地や医療定員が限られるなどの課題がありまして、サービスの拡充を望む声があることは区といたしましても認識しているところでございます。今後、実施施設の立地などを考慮しつつ、新たに病児病後児保育を開始する事業者を誘致するなどのサービス拡充に向けた検討を進めてまいりたいと考えております。 〔都市基盤部長松前友香子登壇〕 ○都市基盤部長(松前友香子) その他の御質問のうち2点お答えいたします。 危険なブロック塀に対する指導について。区は、危険度が高いと思われるブロック塀等の所有者に対して適正管理を行い、撤去新設等の安全対策を行うよう文書による指導を行っております。当該ブロック塀の所有者や管理者に対しても、ブロック塀の危険性について注意喚起を行うとともに、撤去新設等の安全対策を行うよう指導をしてまいります。 続いて、区内南北交通政策について。区は、令和4年7月に中野区交通政策推進協議会を条例設置し、当該協議会において協議した上で、令和6年3月に中野区地域公共交通計画を策定しております。本計画では、路線バスの乗り継ぎ利便性の向上に関する検討や、中野駅周辺のまちづくりに合わせた交通環境の整備として乗り継ぎ環境の検討を挙げてございます。まずは、これらの検討をバス事業者と協力して継続的に進めるため、中野駅周辺の交通環境に関する協議の場を設定するとともに、実現可能な対策について検討を進めてまいります。 〔地域支えあい推進部長石井大輔登壇〕 ○地域支えあい推進部長(石井大輔) 私からは、その他の質問のうち、見守り支え合い推進活動についての御質問にお答えいたします。毎年、全町会自治会に対して行っている区民活動センター職員による聞き取りアンケート調査では、約9割の町会自治会で日常的な活動に伴って安否確認を行っている一方、担い手の高齢化や不足の声も聞いているところでございます。地域での見守り活動を継続していくためにも、区民活動センター運営委員会とも連携し、町会自治会の事例に加え、様々な見守り活動事例の紹介や情報交換会の開催についても検討してまいります。 ○議長(酒井たくや) 以上で、小林ぜんいち議員の質問は終わります。 議事の都合により暫時休憩します。 午後3時15分休憩
午後3時35分開議 ○議長(酒井たくや) 会議を再開いたします。 この際、申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。 一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 羽 鳥 だいすけ 1 区長の政治姿勢について (1)暮らし・生業の困難に寄り添うことについて (2)地方自治法の改定について (3)その他 2 よりよい新庁舎のあり方について 3 保育施策について 4 西武新宿線野方以西連続立体交差事業について 5 気候危機対策について 6 学校再編の検証について 7 その他
○議長(酒井たくや) 羽鳥だいすけ議員。 〔羽鳥だいすけ議員登壇〕 ○[1]37番(羽鳥だいすけ) 2024年第2回定例会におきまして、日本共産党議員団を代表して一般質問を行います。 1、区長の政治姿勢について(1)暮らし・生業の困難に寄り添うことについて。 初めに暮らし・生業の困難に寄り添うことについて伺います。物価高騰が区民の暮らし、自営業の方々を直撃しています。最新の統計で、実質賃金は過去最長の25か月連続で前年度比減少。東京23区の5月の消費者物価指数は、生鮮食品を除いた指数で106.7となり、2023年5月と比べて1.9%上昇しました。そうした中、2023年度生活援護課で対応した相談件数は前年度比で500件以上増加、生活保護の開始件数も新型コロナウイルス感染症の流行が始まった2020年度に次ぐ件数となっています。第1回定例会でも指摘しましたが、経済格差が広がり、区民の暮らしの困難が増大しています。第1回定例会において、区長は、「経済的な不安や困窮を抱える方が増えつつあると認識しておりまして、今後も状況の把握に努め、必要な対策を講じていかなければならないと考えている」と述べていました。また、区独自の対象者の拡充やその他の対策については、「物価の状況等を鑑みて検討してまいります」とも答弁されました。改めて区民の暮らしの困難さについてどのように認識しているでしょうか、何らかの対応策を打つべきではないでしょうか、お答えください。 消費者物価指数の中でも電気代の伸びは顕著です。先ほど紹介した東京23区の5月の消費者物価指数においても、電気代は前年同月に比べて13.1%増加しています。しかも、電気代は今後政府の補助政策の終了もあり、大幅に値上げの見込みとなっています。中小企業の経営難を支える支援策が必要ではないでしょうか。我が会派はこの間、熱中症対策の一環としてエアコン購入費助成制度の実施を求めてきました。熱中症の4割以上は室内で発生しているとの報道もあります。室内で熱中症になった方のお部屋にはエアコンがなかったという事例も少なくありません。エアコン購入費助成を行う自治体は増加しています。今年度は足立区や江戸川区でも実施、練馬区は昨年度に引き続き、今年度も助成額を引き上げて制度を実施します。区民の命を守るため、エアコン購入費助成制度を中野区でも実施すべきではないでしょうか。お答えください。 今年度から第9期介護保険事業計画が始まりました。介護報酬も改定となりましたが、その際に大きな懸念として示されたのが、訪問介護の報酬単価の引下げです。厚生労働省は、処遇改善加算があるため事業全体の報酬は変わらないとしていますが、この加算をつけて報酬が引き上がる事業者が一部にとどまることは厚生労働省も認めています。訪問介護の基本単価の引下げについて、介護事業者の経営困難を増加させるとの認識を区は持っているでしょうか。お答えください。 第1回定例会の予算特別委員会総括質疑において、広川議員がこの問題で質疑を行っています。その際に、区内の介護サービス事業者からは、ケアマネージャーやホームヘルパーが不足している状況であると聞いていると答弁されていましたが、現状でも不足しているところに、今回の報酬改定はその不足を助長するのではないでしょうか。介護事業者の実態把握は行っているのでしょうか。お答えください。介護事業者への事業支援として、区は3度にわたる物価高騰対策支援を行ってきたと述べています。こうした支援は評価するものです。しかし、不足しているケアマネージャーやヘルパーなど介護従事者を確保するためにはさらなる支援策の充実が必要ではないでしょうか。主任ケアマネージャーの人材確保や賃上げにつながる支援など、介護人材確保のための介護事業所への支援を打ち出してはいかがでしょうか。お答えください。 続きまして、(2)地方自治法の改定について伺います。 現在、参議院では地方自治法の改定案が審議されています。今回の改定案により、政府は、国民の安全に重大な影響を及ぼす事態と判断すれば、国が地方自治体に指示を行えるようにします。総務省は、地方自治体への指示について、大規模災害、感染症の蔓延その他のときに、適切な要件、手続の下、国民の生命などの保護を的確、迅速に実施するため講ずべき措置がある際と言って、指示権の範囲は限定されているかのように説明していますが、その他の事態については具体例という形では示していない、特定の事態を限定したり排除したりしていないとして、指示を発動している具体的要件について説明できずにいます。そのため、法的には再現なく国の指示権の範囲が広がっていくことになります。これまで、地方自治体に対しては、地方自治法第245条に基づく技術的助言というものがありました。今回の指示権にはどのような違いがあるのか、見解を伺います。 これまで、自民・公明政権によって-(発言取り消し)-数々の悪法が成立させられてきましたが、今回の地方自治法改定案は、国と地方自治体の関係を根底から覆すものです。3月13日に日本弁護士連合会は今回の地方自治法改正は地方分権の趣旨や憲法の地方自治の本旨に照らし極めて問題があり、法改正に反対する旨の会長声明を発表しています。その中では、今回の法改正は、国と地方自治体は対等、平等であるという理念の下で規定された自治事務の趣旨を捨て去るものであり、憲法に定められた地方自治の本旨に照らして極めて問題があることを指摘しています。国による地方自治体に対する広範な指示権を認めた今回の改定は、憲法に定められた地方自治の本旨を侵害するものと考えますが、見解を伺います。 今回の地方自治法の改定案について、様々な首長から反対、懸念の声が上がっています。世田谷区の保坂区長は指示待ち自治体をつくり出してしまう、命を守る対策としては脆弱になるおそれがあると懸念を示し廃案を求めています。杉並区の岸本区長は、災害や感染症の蔓延時に重要なことは、自治体同士が連携し、住民の命と財産を守るために主体的に取り組むこと、いきなり国が自治体に直接指示を出すやり方は解決策にはならないし、分権と地域主権を深く傷つけるおそれがあると述べています。酒井区長も今回の地方自治法改定について反対の声を上げるべきではないでしょうか。伺ってこの項の質問を終えます。 続いて、2,よりよい新庁舎の在り方について伺います。 区役所が新庁舎に移って約1か月が経ちました。設備などの問題からこれまで解決できなかったことが様々解決できた一方、新たに生まれた問題もあると聞いています。区民の皆さんからも様々な要求が上がっているとも聞いています。現在、区民や各部署から、新庁舎に関してどのような意見が上がってきているのでしょうか、お答えください。意見の中には、運用上で改善を図るべきものもあれば、調整が必要なものもあるかと思います。実際に新庁舎で業務を始めてみると、当初の想定どおりに運用すると業務がやりづらいということも出ているのではないかと思います。こうしたとき現場の声を聞きながら必要な改善については進めていくべきと考えますが、いかがでしょうか。私も新庁舎を巡ってみましたが、2階では繁忙期を少し過ぎた時期にもかかわらず多くの区民が順番を待っていました。そして、その様子を見て、3、4月の繁忙期には人があふれ返ってしまうのではないかと心配をしています。混雑状況に合わせて待合スペースの柔軟な配置や、1階のスペースにも呼出し状況のモニターを置くなど、混雑を緩和する工夫を検討してはいかがでしょうか、お答えください。新庁舎になり以前よりも職員が奥に入ってしまって、旧庁舎のように窓口前でお困りの区民がいらっしゃる際に気づくことが構造的に難しくなったのではないかと感じます。また、全てが発券機対応となったことによって区民と接する機会も減少してしまっているのではないでしょうか。具合が悪そう、困っていそう、迷っていそうなど、用事というほどではなくても、執務スペースから見たときそこから見える区民の様子に違和感を覚える、そうした職員が区民のちょっとしたお困り事などに気づく能力が低下してしまうのではないかと懸念をしています。区は、こうした能力の向上のためにどのようなことを考えているのでしょうか。伺ってこの項の質問を終えます。 続いて、3,保育施策について伺います。 誰もが安心して子どもを産み育てられる社会にするためにも、子どもをきちんと預けられる体制を整えることは各自治体の責務です。中野区では、2022年度に4月1日時点の待機児童数がゼロとなり、この体制の第1歩を踏み出しました。こうした状態が維持できるよう、区は保育需要を見極め、適切に供給がなされるよう様々な対策を取ることを求めます。まず、認可保育園における今年4月1日時点での各年齢の定員空き人数について伺います。待機児童ゼロが達成できているということは、表裏の関係として各保育園には定員の空きがあるということでもあります。そうでなければ、子どもをいつでも預けられる状態はつくれません。しかしそのことが保育園の経営を圧迫しています。区は、毎年度3月になる頃には単価が高いゼロ歳児、1歳児について定員がほぼ埋まっていると述べています。しかし、そうした中でも、園によっては年間数百万円の減収になっていることを紹介してきました。既に23区の大半の区で定員空きに対する減収補填を行っていることも紹介してきました。事業者の方からも強い求めがあります。減収補填制度について実施すべきではないでしょうか。伺います。 保育園の中には今後老朽化した園舎の建て替えが必要になってくるところも出てきます。そうしたとき、課題となるのが、建て替え中の仮園舎や代替地の確保です。中野区では、かつて区立保育園の民営化の際に、園舎を建て替えるために仮設園舎を使う私立事業者の使用料を一定減額していたと聞いています。これからの建て替えは、事情は異なりますが、中野区の保育を支えていることには違いはありません。代替地確保など私立保育園の園舎建て替えのための支援策を検討すべきではないでしょうか。 先日、子ども・子育て支援法が成立し、こども誰でも通園制度が2026年度から全国で実施されることになりました。この制度は文字どおり保育要件と関係なく誰でも利用できることが大きな目玉となっています。しかし、保育関係者などからは制度の実施について懸念の声が次々と上がっています。 こども誰でも通園制度では保育士は2分の1でよいとされました。また、直前の予約も可能とされるとともに、実施場所も保育園などのほかに駅周辺など利便性の高い場所とされ、企業の参入が狙われています。保育所における死亡事故の発生は0歳から2歳児、預け始めの時期が最も多いにもかかわらず、緩い基準での認可が可能となり、子どもの安全が保てるのか強く危惧される中身となっています。アレルギーや発達状況など必要な情報が把握されず、命に関わる事故が起きかねません。子どもが短時間日替わりで来るとなれば、現場の負担はさらに増えます。子どもが新しい環境や人に慣れるための慣らし保育の時間すら取れません。慣れない環境に置かれる子どものストレスも心配です。このように政府が実施しようとしているこども誰でも通園制度には多くの懸念がありますが、区の見解を伺います。こども誰でも通園というのであれば、親がどれだけ働いているかなどで対象を絞る保育の必要性の要件を見直して、希望する全ての子どもたちに質の確保された保育を保障できるようにすべきです。指摘をしてこの項の質問を終えます。 続いて、西武新宿線野方以西連続立体交差事業について伺います。 区は今年度予算として地域との意見交換を行いながら、各駅周辺のまちづくり及び基盤施設計画の検討を進めるとして、6,271万円を計上しています。第1回定例会において、各駅周辺地区のまちづくり検討会などと意見交換を行い、駅前広場の大きさや位置などを含めた駅周辺の基盤施設などの具体的な方向性を示せるよう検討を進めていくと述べていました。現段階での進捗状況と今後の見通しについてお答えください。5月23日に都議会では、「西武新宿線(野方駅から井荻駅付近)連続立体交差の複線シールド工法検討に関する陳情」が環境・建設委員会において全会一致で趣旨採択すべきものとされました。同陳情では、東京都が2016年に比較検討した施行形式3案に加え、複線シールド工法による地下化案も示すことを求めています。この陳情が趣旨採択すべきものとされた意味はとても大きなものがあると考えます。中野区は現在、東京都と野方1号踏切除却に関わって協議を行っていると聞いていますが、野方駅を高架にするのではなく地下にするなど踏切除却の方策にも関わってくるのではないでしょうか。陳情の都議会での趣旨採択を踏まえ、区として今後東京都とどのような協議を進めていく考えなのかお答えください。 中野区は今年度、まちづくり整備方針を改定するとしています。それに向け現在、野方駅、都立家政駅、鷺ノ宮駅の各駅周辺まちづくり検討会で、住民とともにまちづくりの在り方を検討しています。住民の意見が反映されることはまちづくりの必要条件です。しかし、中野区の姿勢には自らの考えに住民を従わせる狙いがあるのではないでしょうか。先日都立家政駅周辺まちづくり検討会において、中野区が「鉄道が地下化と高架化によって、まちづくりの考え方は大きく変わらない」と述べたと聞いています。しかし、西武新宿線が地下化するのか高架化するのかで、当然のことながら町の姿は大きく変わり、解決できる町の課題にも違いが出るはずです。区がこうした見解を述べたのは、中野区が示している高架化が優位という結論を誘導するためなのではないでしょうか、見解を求めます。酒井区長が述べている政策決定過程からの区民参加を本当に実現するためにも、区は区民の意見に真摯に向き合ってもらいたいと思います。この点を指摘し、この項の質問を終えます。 次に、気候危機対策について伺います。 気候危機は年々深刻さを増しています。昨年から世界の気温は毎月過去最高を記録し続けており、今後5年以内に気温上昇が産業革命以降1.5度を一時的にも超える確率がかなり高いとされています。昨年も猛暑でしたが、今後はこの猛暑が異常ではなく、通常になります。目標の達成に残された猶予はほとんどありません。日本における気候危機対策の一日も早い根本的な変革が求められています。中野区では、環境基本計画を達成するために、目標達成に向けた区の取組内容や削減効果の見込みを示すために脱炭素ロードマップを作成する方針を示し、第1回定例会に案を示しました。脱炭素ロードマップの作成方針自体は歓迎するものですが、第1回定例会で示された案とそれに対する区民委員会での議論では、ロードマップであるにもかかわらず、取組による二酸化炭素削減量を年次に落とし込んでいないことが多くの委員から指摘されたと聞いています。また、年次への落とし込みを次期環境基本計画に入れるつもりであると聞いていますが、気候危機の事態の深刻さに対して取組が遅過ぎるのではないでしょうか。策定する脱炭素ロードマップの二酸化炭素排出量の削減について、年次落としが必要ではないでしょうか、お答えください。施策の年次への落とし込みとともに、この取組を環境部がしっかりと進めていく、進行管理に責任を持つことが必要です。二酸化炭素の排出削減の取組について、進行管理をどのように行っていくつもりでしょうか、お答えください。 今年度から省エネ設備設置助成の対象機器拡充がなされました。省エネや再エネの導入は、二酸化炭素排出削減策として極めて重要です。省エネ、再エネの導入を進めるための施策をさらに進めることが必要です。特に中野区においては、民生家庭部門、民生業務部門で区内の二酸化炭素排出量の約8割を占めており、ここに焦点を当てた施策が求められます。区として、どのような施策展開を行おうと考えているのでしょうか、お答えください。伺ってこの項の質問を終えます。 次に、学校再編の検証について伺います。 鷺宮小学校と西中野小学校が鷺の杜小学校となり、中野区の学校再編は全て終わりました。我が会派は、学校再編はこれまでの再編の結果を検証してから検討すべきと求めてきましたが、区は再編計画終了後に検証すると述べてきました。第1回定例会の際、区は浦野議員の質問に対して、児童、生徒や学校職員等の声も聞きながら検証を行う予定と述べていました。先日の教育委員会において、学校再編の検証についての議論の際、教育委員の方々からは、統合前後の子どもたちの声を聞かなければならないとおっしゃっていました。しかし、区は統合前に子どもたちの声を聞いてはいなかったようです。これで、学校再編による子どもたちへの影響を把握できるのでしょうか。区は統合における子どもたちへの影響についてどのように把握するつもりなのでしょうか、お答えください。中野区立小中学校の再編の検証についての教育委員会の報告資料を見ると、検証事項について疑問があります。我が会派は、この間、学校再編によって1人当たりの校庭の面積基準を割り込んでしまうことや、再編の前提となる人口推計と実際の人口が乖離したまま再編を進めてきたことのおかしさを指摘してきました。しかし、調査項目として区が挙げているものを見ると、校舎の改修、改築状況、統合後の校舎の配置状況などで教育環境の確保、向上を図るための大規模改修工事または改築(建て替え工事)が実施されたかを検証するとしています。これでは統合して校舎も新しくなり、統合してよかったという結論だけしか導かれないのではないでしょうか。これでは統合によるデメリットや悪影響がきちんと評価できないかと懸念をしています。この間の人口推計との乖離や1人当たりの校庭面積といった設備基準など客観的な基準も調査項目に入れるべきではないでしょうか、お答えください。 検証結果を踏まえた今後の取組の方向性について区は、検証結果から明らかになった課題を踏まえ、学校規模や教育環境の維持、改善に必要な取組を検討し実施していくとしていますが、何に生かすつもりなのかが見えてきません。これまでの学校再編によって、例えば谷戸小学校では校庭が半分になり授業に大きな支障が出ています。小学校PTA連合会の要望書の中には小中学校の新設や閉校した小学校の復活に触れられたものもあり、良好な教育環境を求める区民の声は大きくあります。こうした学校の現状を今回の検証結果に含めて改善することが必要ではないでしょうか、お答えください。検証事項を見ると、今回の学校再編の検証は、再編の中身については検証するようですが、そもそもこの再編計画を立てたこと自体の是非がどうであったかの検証はないように見受けられます。今後区が様々な計画を立てる際の参考にするためにも、再編計画を立てたこと自体の是非を検証すべきではないでしょうか。伺って、この項の質問を終えます。 最後に、7、その他で1点、障害者手帳の交付を受ける際の診断書を発行してもらうための費用補助について伺います。障害者手帳の交付を受けるためには幾つかの書類が必要であり、その中の一つに障害に関する医師の診断書があります。身体障害と知的障害は有効期限というものはありませんが、精神障害者手帳は2年の期限があります。手帳のための診断書は1万円ほどの費用がかかりますが、この負担が重い方もいらっしゃいます。都内では練馬区や世田谷区、武蔵野市で診断書の取得費用補助を実施しており、中野区でも実施を検討してはいかがでしょうか。伺って私の全ての質問を終わります。 御静聴ありがとうございました。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 羽鳥議員の御質問にお答えいたします。 初めに、区長の政治姿勢について、物価高騰対策についてでございます。長引く物価高騰の影響によって区民の暮らしが厳しい状況にあることは認識をしております。そうした状況の中、国による定額減税が実施され、区としても低所得世帯を対象とした給付金の準備を進めるほか、児童、生徒への給食費の支援などを実施しているところであります。今後も引き続き物価の状況等を注視し、国や都の動向を見極め、状況に応じて必要な対策を検討してまいります。 光熱費の負担が増加している中小企業への支援策です。エネルギー価格とそれに伴う光熱費高騰の状況は注視しておりますが、区内中小企業の経営については、人材の確保、定着をはじめ様々対応すべき課題があると認識をしております。それらを踏まえ、借り換え融資の支援や、中小企業の人材確保、雇用支援、販路拡大、IT、DX化を盛り込んだ経営力強化事業の実施など包括的な支援に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、エアコン購入費の助成についてでございます。エアコンの購入費助成については現在のところ具体的な実施の予定はございませんが、引き続き他区の実施状況等を踏まえて検討してまいります。 次に、訪問介護に関する報酬改定についてです。今回の報酬改定におきましては、介護職員の処遇改善に係る加算が一本化され、加算率の引上げが図られております。また、訪問介護サービスについては基本報酬が下がった一方で、処遇改善加算については高い加算率が設定されております。新たな処遇改善加算によって、介護職員の処遇改善が図られ、事業所の運営にも資するものと認識をしているところでございます。 報酬改定と人材確保です。新加算による職員の処遇改善が人材確保にもつながると考えておりまして、事業所に対するきめ細かな周知、情報提供を継続するとともに、区指定事業所については個別の状況把握を行ってまいります。 人材確保のための支援です。介護人材の定着、確保の支援につきましては、介護サービス事業所の職員を対象とした研修や資格取得の補助、借り上げ住宅の補助などを行ってまいりましたが、昨今主任ケアマネージャーの確保が難しいとの声が聞こえております。今後、国や都との役割分担を踏まえながら区としての支援策も検討してまいります。 次に、地方自治法の改定についてで、国の技術的助言と指示の違いでございます。地方自治法に基づく国の地方公共団体に対する技術的助言に法的拘束力はございませんが、指示には法的拘束力があり、これに従うべき義務が生じるものと解されております。 次に、地方自治法の改正内容に関する区の見解でございます。地方自治法の改正によって国が地方公共団体に対して新たな指示ができるのは、大規模災害など国民の安全に重大な影響を及ぼす事態の特例として、国民の生命等の保護を的確かつ迅速に実施するために講ずべき措置に関するものであります。また、そうした事態への対処の基本方針の検討等のため、国は地方公共団体に対し資料や意見の提出を求めることができるようになります。今回の地方自治法の改正内容につきましては、その運用に当たって地方自治の本旨が侵害されることのないように地方公共団体への意見を十分に踏まえた対応がなされるべきと私も考えております。これについての意見表明でございます。今回の地方自治法の改正については、現在参議院での審議が行われているところでありまして、その状況も踏まえ、必要な対応を検討したいと思います。 次に、よりよい新庁舎の在り方についての項で、初めに区民、職員からの意見と今後の取組です。区民からは、新庁舎1階には食堂やイベントスペースが整備され休憩もできるなど、区民に開かれた場となっていることから気軽に立ち寄れる場所として利用したいとの声があります。また、エレベーターを降りたらすぐに案内係の人がいるので助かる、戸籍住民課と保険医療課が同じフロアで行ったり来たりしなくてよい等の声も頂いております。職員からは、新たな執務環境に慣れるまでに戸惑いもあったが、無線LAN環境の整備等で場所を選ばない働き方ができるようになり、旧庁舎よりも格段に働きやすくなったという声も聞いております。今後は、新庁舎での新しい働き方が定着するよう全庁の職員に対して働き方のルールを周知するなど必要な働き方を行っていくとともに、現場の実態調査などを通じて職員の意見を把握し、必要な改善を図ってまいります。 2階の混雑時における対応等についてです。2階の証明書等の交付窓口付近に来庁者の集中が見られたため、来庁者の混雑状況や動線を踏まえたレイアウト変更を行っているところであります。呼出しの確認につきましては、来庁者は庁舎内外の場所にかかわらず、導入の発券機で発券された手持ちの番号札の二次元バーコードを自身のスマートフォンで読み取ることによって順番を確認することができます。来庁者の動向などを踏まえスムーズな対応ができるように、実態を踏まえて適宜改善を図ってまいります。 最後に、感受性や対人スキル向上に向けた取組についてでございます。直接的に区民に接する部署では接遇研修等を行っておりまして、業務の特性を踏まえた適切な窓口対応が図れる体制を整えていると思っております。また各階に配置されているフロアマネジャーが第1義的に区民と接する機会が多くなるため、来庁者に対するホスピタリティスキル等を教育訓練や実務の中で浸透を図っているところであります。 〔教育長田代雅規登壇〕 ○教育長(田代雅規) 私のほうからは、学校再編の検証についての御質問に対する回答をしたいと思います。 まず、一つ目の統合前後の子どもの声の把握についてでございますが、統合後の学校について、統合の前後を経験した子どもの声を把握することは、再編の検証を行うに当たり貴重な意見になると認識しております。令和小学校と鷺の杜小学校の2校は統合前後を経験した児童が今も在籍しているため、アンケート調査により統合による影響を把握したいと考えております。明和中学校等は生徒が卒業していることもありますので、ウェブアンケートなどを利用して卒業生からの意見も幅広く声を聞いていきたいと考えております。 続きまして二つ目の人口推計と校庭面積の検証についてですが、児童数が推定値どおり推移していないことは認識しております。今回の再編の検証は、統合による教育活動や学校運営の効果を図ることを目的としており、教育環境も踏まえた上で検証していく考えであります。 続きまして三つ目の再編後の新たな課題への対応についてでございます。児童数が想定より増加している学校があることは認識しており、検証を行う中で明らかとなった新たな課題については、改善策を検討してまいります。 最後の御質問ですけれども、学校再編計画の検証についてでございます。再編計画に基づく区立学校の再編は、鷺の杜小学校の開校をもって終了しております。再編計画を作成したことについての検証は考えておりません。 〔子ども教育部長石崎公一登壇〕 ○子ども教育部長(石崎公一) 私からは保育施策についての御質問について、お答えいたします。 初めに、4月1日時点での各年齢の定員空き人数についてでございます。今年4月1日時点での認可保育園における各年齢の定員空き状況につきましては、0歳児196人、1歳児42人、2歳児44人、3歳児220人、4歳児302人、5歳児280人の合計1,084人でございます。 次に、認可保育園に対する減収補填についてでございます。区においても、家庭的保育事業所及び小規模保育事業所並びに認証保育所に対して減収補填を行っているところでございます。認可保育園の空き定員対策としては、利用定員の柔軟な変更を実施しております。その効果もあって、認可保育所の令和6年4月の入所率は85.4%で昨年より0.2%上昇してございます。また、例年年度末までには入所率が上昇してございます。運営への影響は大きくないと考えてございます。保育園の定員割れ対策につきましては、機会を捉えて、国や都に要望してございます。認可保育園に対する減収補填を行うことは現時点で予定してございません。 次に、老朽化した園舎建て替えのための支援策についてでございます。老朽化した保育園の園舎を建て替えるに当たって様々な課題があるということについては認識しているところであり、どのような支援が行えるか今後検討してまいりたいと考えてございます。 最後に、こども誰でも通園制度の本格実施に際しての懸念についてでございます。昨年度保育所等の空き定員を活用した未就学児の定期的な預かりモデル事業を実施し、今年度と来年度の2年間、こども誰でも通園制度の試行的実施をすることにしてございます。試行の中で、こども誰でも通園制度が区民にとって利用しやすい制度となるよう課題の検証を行うとともに、国に対して問題提起を行っていきたいと考えてございます。 〔まちづくり推進部長角秀行登壇〕 ○まちづくり推進部長(角秀行) 私からは、西武新宿線野方以西連続立体交差事業についてお答えさせていただきます。 初めに、まちづくりの進捗状況についてです。昨年度は西武新宿線野方駅、都立家政駅、鷺ノ宮駅の各駅まちづくり整備方針改定に向けて専門的な知見を有する学識経験者の参画も得ながら、各駅のまちづくり検討会と意見交換を行ってまいりました。現在、各駅周辺の基盤施設計画等を具体化するため、地元のまちづくり検討会との意見交換を行っており、今後、既存のまちづくり整備方針の改定に向けた具体的な検討を進めてまいります。 続きまして、東京都との協議の進め方についてでございます。区では、野方駅周辺のまちづくりや連続立体化の範囲に関する区の検討内容について東京都と意見交換を行っております。東京都は、今後鉄道立体化の範囲や事業スキーム等が固まった段階で改めて構造形式の検討を実施することとしていると聞いてございます。引き続き1日も早い連続立体交差化の早期実現に向け取り組んでまいります。 最後に、検討会でのやり取りについてでございます。まちづくり検討会では駅前広場や商業店舗など必要な機能について検討する上で、鉄道の構造形式によってまちづくりの考え方は大きく変わらないと説明したものでありまして、西武新宿線の連続立体交差事業の高架化を誘導したものではございません。引き続き区としては構造形式にとらわれることなく駅周辺のまちづくりについて検討を進めてまいります。 〔環境部長浅川靖登壇〕 ○環境部長(浅川靖) 私からは、気候危機対策について、脱炭素の取組についての御質問についてお答えいたします。 脱炭素ロードマップにおける年次落としについてでございます。区は2030年度までに2013年度比46%の二酸化炭素排出量削減及び2050年までにゼロカーボンシティの実現を目指しており、脱炭素ロードマップはそれらに向けた区の取組内容や削減効果の見込み、区民、事業者も含めた取組の方向性を示すものでございます。本年の区議会第1回定例会におきましてロードマップの案をお示ししたところでございます。頂いた御意見を踏まえまして完成版を作成し、今定例会において報告する予定でございます。ロードマップでは、区の取組における二酸化炭素排出量の削減見込みを示すとともに、可能な限り年度ごとの削減量の目標を定め、進捗状況を適切に管理していく予定でございます。 続きまして、二酸化炭素排出削減の進行管理体制についてでございます。区は、脱炭素社会実現に向けまして、現在、第4次中野区環境基本計画に定めた目標を達成すべくアクションプログラムに掲げる取組について、全庁を挙げて展開しているところでございます。アクションプログラムの進捗状況につきましては、環境部が主催し、関連施策を所管する管理職で構成します中野区環境関連施策調整会議において毎年度確認し、進捗を管理しているところでございます。脱炭素ロードマップに掲載する区の取組につきましても、この会議等において環境部が主体となり適切に進捗を管理し、2050年ゼロカーボンシティ実現を確実なものとさせていく考えでございます。 最後に、民生家庭部門、業務部門における二酸化炭素排出削減の具体的方策でございます。令和2年度の調査では、中野区内の二酸化炭素排出総量のうち、約54%が民生家庭部門、約26%が民生業務部門でございまして、民生部門が全体の約8割を占めていることから、これらの削減が特に重要となってございます。削減のためには、民生家庭部門、業務部門とも、建物の高断熱化や施設機器の高効率化等省エネ、再エネ設備等への切り替えが効果的でございまして、区としても補助を行っている部分もございますので、啓発を積極的に行ってまいります。このほか、食品ロスや廃棄物を減らす、移動は公共交通機関を利用するなど脱炭素に向けた行動変容をしていただくことが大切でございまして、区民、事業者により分かりやすい普及啓発を進めてまいります。 〔健康福祉部長杉本兼太郎登壇〕 ○健康福祉部長(杉本兼太郎) 私からはその他の障害者手帳交付申請時の診断書作成料の助成につきましてお答えいたします。身体障害者手帳及び精神障害者保健福祉手帳につきましては、交付申請の際に診断書の提出が必要となります。また、精神障害者保健福祉手帳につきましては、2年ごとに更新する際にも診断書の提出が必要となりますが、精神障害者保健福祉手帳と自立支援医療受給者証を同時申請する場合には手帳用診断書のみの提出とするなど、一定程度利用者の負担軽減が図られてきていることから、現時点では診断書作成料につきまして助成することは考えてございません。 〔羽鳥だいすけ議員登壇〕 ○[2]37番(羽鳥だいすけ) こども誰でも通園制度について1点再質問いたします。私としては、死亡事故の発生が0歳児から2歳児、預け始めの時期が多いにもかかわらず、緩い基準での認可が可能となって子どもの安全が保てるかなど強く危惧される中身となっていると、こうした危惧などを具体的に示して区の見解をお聞きしたつもりですが、区は、国に対して問題提起はしますというふうに言ったのですが、この懸念の質問に対して具体的な答弁がなかったと感じましたので、再答弁をお願いいたします。 〔子ども教育部長石崎公一登壇〕 ○子ども教育部長(石崎公一) 羽鳥議員の再質問についてお答えいたします。 こども誰でも通園制度につきましては、さきの答弁でも申し上げたとおり、今年度、来年度で試行を実施してまいります。議員懸念の点につきましても、しっかりと試行の中で検証をしてまいりたいというふうに考えてございます。 ○議長(酒井たくや) 以上で、羽鳥だいすけ議員の質問は終わります。
中野区議会議員 大 沢 ひろゆき 1 区立中学校の通学距離の問題について (1)野方一丁目地区から明和中学校への通学について (2)江古田、江原町地区から旧上高田小学校の第七中学校代替校舎への通学について (3)その他 2 中野本郷小学校の桜の木の伐採について (1)伐採の理由について (2)伐採に先立っての周辺住民への説明や伐採理由の掲示について (3)その他 3 上高田四丁目地区における公共交通機関の整備について (1)上高田四丁目地区における高齢化と公共交通機関の現状への区の認識について (2)上高田四丁目地区における公共交通機整備の必要性にかかる区の認識について (3)上高田四丁目地区におけるマイクロバスの運行について (4)その他 4 中野区における官民連携による賑わいの創出について (1)今春の4つのイベントの官民連携に係る中野区としての評価について (2)今後の官民連携による賑わいの創出のためのイベントの推進についての区の見解について (3)平和の森公園に隣接する東京都下水道局中野水再生センターの壁へのプロジェクションマッピングの実施について (4)その他 5 2000年以前の新耐震基準での木造住宅の耐震診断、補強時の助成金制度の必要性について 6 罹災時の避難所の考え方等について (1)今の中野区における発災時の災害協定先との連絡体制について (2)今後の避難所整備に係る中野区の考え方について (3)罹災時の生活用水の確保状況について (4)その他 7 熱中症対策について 8 その他
○議長(酒井たくや) 次に大沢ひろゆき議員。 〔大沢ひろゆき議員登壇〕 ○9番(大沢ひろゆき) 2024年第2回定例会に当たりまして、この新しい議場で新人議員としては第1号の登壇の機会を得、大変光栄に思います。新議場におきましても、新鮮な気持ちを持って区民の一つひとつの思いを形にしていくために全力を尽くすことを誓いつつ、都民ファーストの会中野区議団の立場で一般質問を行わせていただきます。 質問は通告どおりの7点で、その他はありません。 まず1点目です。1点目は区立中学校の通学距離の問題です。 かねてより、中野中学校のすぐ近くの地域である野方一丁目のエリアの保護者の方から至近の距離にある中野中学校ではなく、明和中学校まで2キロ以上歩いて通わなければならない状況について改善の要望があり、区の担当部署の方と相談していました。本第2回定例会までに一定の改善検討を行いたいというふうなお話を頂いていました。町会等地域との整合性、これも確かに重要だと思っていますが、一定の通学時間以上の場合において指定校以外への進学希望に関して柔軟に対応することは生徒や保護者への過度の負担を防ぐことにつながるとも考えます。そこで伺います。本第2回定例会までの改善検討の状況や改善施策の実施時期がございましたら、お答えください。 また、2026年度開始予定の第七中学校の建て替えに伴い代替校舎となる旧上高田小学校については、第五中学校の学区内であり第五中学校に近接する場所にあります。第七中学校の学区である江古田、江原町の一部地域からは徒歩30分を超える通学距離と想定されます。代替校舎を学区外に設置するのは、中野区としても中学校としては初めての事例になります。過去において小学校において同様の事例となりスクールバス運行を行っている中野本郷小学校同様、スクールバスの運行を行うまたは路線バスの利用への補助制度を検討すべきであると考えます。本件につきましても、区の考えをお示しください。 続きまして、2点目です。2点目は、中野本郷小学校における桜の木の伐採に関連して伺います。 中野本郷小学校にあり、周辺地域や在校生、卒業生の思い出の詰まった桜の木が伐採されたと聞きました。樹木の伐採自体に必ずしも反対するものではありませんが、今回の経緯について伺いたいことがございます。当初移設を検討していたが、樹木医の診断結果を受けて移設を断念し伐採に至った、このような認識で正しいでしょうか。もしそうであれば、例えば中野通りから新青梅街道の桜並木の桜については、今年13本が伐採、植え替えされますけれども、毎年東京都の第三建設事務所から丁寧な告知が掲示されます。伐採が必要な樹木が生じた場合には、同様の告知を丁寧に行うことが重要であると考えます。このような地域住民への十分な事前説明、そして掲示等による告知が非常に重要であると考えますが、この点につき区の認識をお答えください。また今回の中野本郷小学校における伐採に当たって、どのような事前説明及び事前周知がなされたか、そしてそれが十分であったとお考えであるかについても、お答えください。また、もし不十分であったとお考えの場合には、今後どのように事前説明及び事前周知を行うべきであると考えているかについて、具体的にお答えください。 続きまして、3点目です。3点目は、上高田四丁目地区での公共交通機関の整備について伺います。 中野区では交通不便地域の解消を目的として東京都の支援を受けながら、鷺宮から若宮、そして大和町、高円寺、この区間においてマイクロバスの実証運行を行っており、区の担当部署を含めた関係各所の尽力もあって利用者も少しずつ増えている状況というふうに認識しております。上高田四丁目地域は高層住宅に同時期に入居した方が多いということもあり、居住者の高齢化が進んでいる一方、バス等の公共交通機関がなく、最寄りの新井薬師前駅への移動やスーパーマーケット等での日常の買物にも支障がある状況というふうにお聞きしています。そこで伺います。上高田四丁目地域において高齢化した世帯が日常生活を行うに当たり、現在の公共交通インフラにて充足しているとお考えか否かをお答えください。もし充足していないとお考えの場合には、この高齢化した住民に適した手段としてどのような補強手段を考えているのかについて具体的にお示しください。また当該地域におけるマイクロバスの運行の実施について区の考えをお示しください。 続きまして、4点目です。4点目は、中野区における官民連携によるにぎわいの創出について伺います。 今年春、初めて中野区が東京都の外郭団体の助成金を得て実施した旧中野サンプラザを利用してのプロジェクションマッピング。そして私が中野区観光協会の理事として担当し、荒木ちはる前都議とも連携をしながら、東京都の外郭団体の助成金を得て、さらには地元企業や地元町会等にも協賛、御協力いただき初めて実施した中野通り桜ライトアップ。中野駅南口サウステラ公開空地の使用実験として行われたカプセルポンイベント、そして地元町会の主催により34回目として新井薬師公園内で行われた中野通り桜祭り、これら四つの企画が広報活動等の面で官民連携しながら開催され、多くの中野区民に参加いただき、一定のにぎわいの創出につながったものと考えております。そこで伺います。中野区として今回実施したこの四つのイベントの広報活動等の官民連携の成果について、どのように評価されていますでしょうか。さらに、今後同様の官民連携によるにぎわいの創出のためのイベントを推進すべきか否かについてのお考えをお示しください。 また、サンプラザの建て替えが進む中、今回のプロジェクションマッピングに代わり、中野区として主催推進するイベントとしてどのようなものをお考えでしょうか。例えば平和の森公園に隣接する東京都下水道局中野水再生センターの壁面へのプロジェクションマッピングの実施などは考えられないでしょうか。そのほかにも新区役所の活用なども含め、中野駅近辺での区主催イベントなどについても具体的な案がございましたら、お示しください。 続きまして、5点目でございます。5点目として、2000年以前の新耐震基準での木造住宅の耐震診断、補強時の助成金の必要性について伺います。 罹災時の町の安全性向上という意味合いにおいて、先般の予算総括質疑の際、私のほうから今年度23区中、中野区を含む4区、このパネルで言いますと、千代田区、中央区、江東区という本当の都心部、そこで離れ島のように中野区、ここだけがこの助成制度が実はございませんということを御指摘申し上げました。そして、補正予算等を含んで速やかな対応をお願いしたいと、耐震診断そして補強時の助成金についての対応をお願いいたしましたけれども、その後の検討状況及び実施予定についてお聞かせください。 続きまして、6点目です。6点目として、罹災時の避難所の考え方等について伺います。 地域防災計画第43次修正、こちらにおきましては、中野区の区域並びに住民の生活及び財産を災害から守るという位置づけになっており、これ自体最低限の目的としては正しいと思いますが、あくまでも最低限すなわち災害時には不自由であっても最低限命が守れればよいという考え方になっているように思います。今春、台湾において地震が発生した際の避難所の対応について、ある種賞賛の意味合いにて4月6日付の朝日新聞をはじめ多くのメディアに取り上げられました。簡単に申し上げますと地震が発生するとすぐに自治体と災害支援協定を結んでいるボランティア団体であったり、協定企業、計2,200社あるそうです。こことの間ですぐにLINEグループが立ち上がり、避難所ごとの救援物資の過不足ない供給についての調整が開始される。発災の2時間後には避難所にテントが設置され、個別の住環境ができます。発災3時間後には被災者を受入れを開始します。避難所には充電であったり、Wi-Fiであったり、無料のクリーニング、子どもが遊ぶスペースも確保される。そして4日後には寺院等に設置された宿泊施設に避難する。そしてその後、仮設住宅の設置が行われる、このように言われております。台湾においても、実は2018年段階で災害が発生した際には仕切りなしの雑魚寝の状態で、ボランティア団体との需給も合わない、このような問題があったところを、目標を立てて6年間で今の形をつくり上げた、このように報道されております。そこで伺います。今の中野区において、地震等災害発生時の災害協定先との連絡体制はいつ、どのような手段で立ち上がるでしょうか。その際1対1または1対多、1人から何か所にも連絡しなければいけない、そんな状態なのか。それとも台湾のようにLINEグループなどによって即時に支援団体間の連携も含めて可能になっているのでしょうか。もしこのようなことがなっていないのであれば整備すべきではないでしょうか、お考えをお聞かせください。 避難所においてテント等による個別の住環境を整備することを目指す意思はありますでしょうか。そのために寺院などの施設を利用すること、活用することは考えられないでしょうか。台湾が6年間で成し遂げたように、中野区も今後避難所の在り方を、命を守るだけではなく、ストレスが少ない日常に近い生活を目指し整備すべきであると考えますが、区の考えをお示しください。避難所の環境整備を充実させることと併せて在宅避難を可能とする、これによって避難所に避難しなければいけない人の数を減らしていく、これ自体も非常に重要であり、そのための啓蒙を進める必要があるとも考えます。これをどのように進めますでしょうか、伺います。 また、仮設住宅が必要になった場合、罹災後、どの程度の期間で設置されますでしょうか。災害時に不足するものとして生活用水が挙げられます。現在の中野区において、災害により断水が生じた際の生活用水の確保について、どのように行う予定でしょうか、民間の井戸の活用等も含めてお答えください。 最後7点目として、熱中症対策について伺います。 地球温暖化ではなく、もはや地球沸騰化時代を迎えたと国連が危機感を示したように、年々気温が上昇し、熱中症のリスクも高まっています。気象庁によりますと、今年は平年より本当に非常に温度が高くなる、気温が高くなるよというようなことが予測されています。子どもは特に汗をかく能力が未発達で時間がかかる、身長が低いため照り返しの影響を受けやすい、このようなことから、子どもの気温は大人プラス7度というふうな説もあるような状況でございます。区内においても、これから子どもたちが参加する夏のイベント等が行われていく中で、熱中症対策は非常に重要な状況であるというふうに考えます。東京都では、熱中症対策ポータルサイトにより熱中症予防の基礎知識を、また東京都の教育委員会では熱中症対策ガイドライン、これを策定し、熱中症対策を講じた上での学校教育活動の充実を指導しています。そこで伺います。中野区において、例えば区が主催したり、共催したり、後援するイベントにおいて、これまで子どもたちが参加するイベントを主催する主体に対して熱中症対策に係る情報提供であったり、助言をどのような資料、ツールを用いてどのように行ってきたでしょうか。また今年の夏、さらに暑くなると言われています。今でももう既に暑いです。ここに向けて改善、強化の予定がありましたら、具体的に御説明をお願いいたします。 以上で、私からの全ての一般質問を終えます。 御静聴いただきありがとうございました。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 大沢議員の御質問にお答えいたします。 まず初めに、上高田四丁目地区における公共交通機関の整備について、まず現状についてでございます。上高田四丁目は、65歳以上の老年人口の割合が上高田一丁目から五丁目までの中で最も高く、鉄道駅、バス停といった施設がない地域ということで認識をしております。公共交通整備の必要性についてでございます。現時点で、上高田四丁目の高齢者に対する具体的な補強手段は考えておりませんが、現在実施をしております若宮、大和町の実証運行の実績等から公共交通がない地域に対する区の考え方を整理していきたいと考えております。マイクロバスの運行についてでございます。若宮、大和町と同様の実証運行を上高田四丁目でも実施する予定は現在のところはありませんが、当該地区周辺では新井薬師前駅の駅前広場が今後整備される計画となっております。このため、まちづくりの進捗と合わせて既存の路線バスネットワークの見直し等についてバス事業者と調整をしていき、当該地区の公共交通に関する検討も進めてまいります。 次に、官民連携によるにぎわいの創出についての御質問です。まず初めに、今春の官民が連携して実施したイベントの評価でございます。四つのイベントを連動し相互に広報を行ったこともありまして、中野サンプラザのプロジェクションマッピングには約6万9,000人の来場がございました。アンケートや人流データの分析結果から、ノベルティの配布、近隣商店街や他イベントとの告知などの回遊企画も功を奏したということが明らかとなっておりまして、にぎわいの創出と経済効果につながったと評価をしております。官民連携で複数の大きなイベントを連動して実施したのは初めてでありましたが、桜の開花が遅れた中でも各イベントはおおむね好評でございまして、一定の相乗効果があったものと考えております。今後のイベント企画におけるモデルケースとなったと評価をしているところであります。 次に、今後の官民連携によるにぎわい創出イベントの推進についてでございます。今春のイベントの成果を踏まえ、中野駅周辺を中心として官と民、さらに学が連携したにぎわいを創出する様々な取組を推進してまいります。 次に、中野駅近辺での区主催イベントの具体的な案でございます。プロジェクションマッピングを企画実施するに当たっては、区民等のニーズを踏まえながらコンテンツの質を担保するとともに、にぎわいの創出と経済効果に寄与すること、さらに特定財源の確保が必須であると考えております。今年度は区内アニメ産業のPRとナイトエコノミーの活性化を図り、中野セントラルパークにおいて夏休みにアニメによるプロジェクションマッピングを子どもの権利の啓発を絡めたイベントとして実施する予定であります。一方で、平和の森公園に隣接する下水道局の壁面につきましては、例えば、中野ミューラルプロジェクトの一環として、民間主導で壁画の制作や映画の上映ができないかなど検討してまいりたいと考えております。 次に、耐震基準の質問で、新耐震基準の木造住宅耐震改修等助成についてでございます。2000年までに建築された新耐震基準の木造住宅耐震改修等助成を進めることは区としても必要であると考えておりまして、耐震診断や耐震補強工事助成の実施に向けて具体的な内容や実施時期について検討を進めているところであります。 次に、区における罹災時の避難所の考え方等についてでございます。区における発災時の災害協定先との連絡体制です。現在、区では、災害時における人的物的支援についての協力を確保するため、様々な災害協定を締結しております。災害発生後、必要となる支援の内容に応じて、随時協力の要請をすることとなっております。今後、迅速かつ効率的な連絡体制についても、先進的な事例などを参考に研究をしてまいります。今後の避難所整備に係る区の考え方です。避難所生活におけるプライベート空間を確保するため、間仕切りを全避難所に配備をしております。震災直後は多くの避難者を収容することを優先しますが、その後の避難者数等を考慮した上で、間仕切りによる個人空間の確保が可能となると考えております。民間施設は、高齢者施設等を二次避難所として活用することとしておりますが、寺社等の活用についても他自治体の事例も参考に検討してまいります。今後も計画的な避難所の環境や運営上の利便性の改善を図ってまいります。 次に、在宅避難の啓発についてでございます。在宅避難の重要性を区民に理解してもらうため、区ホームページや防災訓練、避難所運営会議等を通じて広く啓発を行ってまいります。また、仮設住宅の設置につきましては、災害救助法に基づき、災害発生の日から20日以内に着工し、建築工事が完了次第被災者に提供することとなっております。 次に、罹災時の生活用水の確保状況でございます。現在、災害時における生活用水につきましては各避難所や防災広場、防災公園において防災用井戸を設置しているほか、井戸を所有する区民と協定を結んで井戸水の提供を受けることとしております。また、避難所には応急給水栓が配備されておりまして、水道本管から直接飲料水の給水が可能となっております。 最後に、熱中症対策について、予防や対策の周知改善についてでございます。熱中症に関する予防対策や子どもへの配慮、事業所への注意喚起、暑さをしのぐ区有施設の案内などの周知啓発については、中野区保健所において区報、ホームページ、区有施設へのポスター掲示などを実施しているところであります。近年熱中症による死亡者数が急増するなど、気候変動の問題は気候危機とも言うべき状況に至っていることから、熱中症対策における周知方法の改善、充実を図ってまいります。 〔教育長田代雅規登壇〕 ○教育長(田代雅規) ただいまの御質問について御回答させていただきます。 まず、最初に区立中学校の通学距離の問題についてでございます。1点目は野方一丁目地区から明和中学校への通学についてでございます。明和中学校に限らず、再編や校舎建て替えに伴う代替校舎通学については、指定校変更に当たり考慮しなければならないことがあると認識しております。今後、再編の検証を進める中で、通学環境等についても検討していきたいと考えております。 続きまして2点目の第七中学校代替校舎への通学についてでございます。第七中学校の代替校舎となる旧上高田小学校までは徒歩で30分程度であり、中野中学校や明和中学校でも同程度で通学している生徒もいることから、スクールバスの運行や路線バス利用、利用者への補助については考えておりません。 続きまして、二つ目の中野本郷小学校の桜の木の伐採についてでございます。1点目は、桜の木の伐採理由についてです。改築校の既存樹木については、移植等の方法を検討しできるだけ生かす方針としておりますが、樹木によっては樹齢等により痛みが激しいものがあります。区は改築に先立ち、樹木医へ樹木診断を依頼しており、診断の結果中野本郷小学校の桜の木については移植不可と判定されたため、伐採することとなりました。続きまして樹木の伐採に係る事前周知についてでございます。改築校の樹木の伐採については、周辺住民に対し特別な周知は行っておりませんでした。中野本郷小学校の樹木の伐採については、地域説明会において個別に質問に対しお答えし、その結果はホームページを通して周知しておりましたが、周辺住民の方々にはなかなか周知が行き届かなかったと認識しております。今後、学校改築に際し、樹木の伐採に係る地域住民への具体的な周知方法については掲示を含めて検討していきたいと考えております。 ○議長(酒井たくや) 以上で、大沢ひろゆき議員の質問は終わります。
中野区議会議員 杉 山 司 1 中野区の次世代DX戦略について (1)インフラ整備を終えたDX1.0の現状と課題について (2)産業活性化も見据えたDX2.0に向けた取り組みについて (3)他の自治体を牽引するDX3.0の戦略立案について (4)その他 2 中野三丁目地区の再開発事業について 3 その他
○議長(酒井たくや) 次に、杉山司議員。 〔杉山司議員登壇〕 ○27番(杉山司) 令和6年第2回定例会におきまして、立憲・国民・ネット・無所属議員団の立場から一般質問を行います。 3のその他はございません。どうぞよろしくお願いいたします。 初めに、1、中野区の次世代DX戦略について伺います。 デジタルトランスフォーメーション、いわゆるDXは、とてつもない量のデータと、AIやIoTをはじめとするIT技術を有効活用して業務プロセスを改善する、ビジネスやサービスを拡張するなどにとどまらず、経済や経営のイノベーションを起こし、その時代の規範となる考え方や価値観などを大きく変えるパラダイムシフトを起こさせるものと捉えています。また、ウェブ2.0や自治体2.0と同じように、DXにも数字を当ててDX1.0やDX2.0などと使うことも一般的となってきました。中野区としてのDX1.0は、業務インフラや区民サービスの整備、学校教育の環境整備などを言い、DX2.0は特産品や保有サービスのデジタルプロモーションなどで自治体のファンを増やすことや、地場産業品を事業展開するなどを推進、DX3.0は様々な分野において各自治体のお手本となり、既に実現したDX関連の考え方やシステムなどを他の自治体に展開していくことと私は捉えています。 (1)インフラ整備を終えたDX1.0の現状と課題について伺います。 職員用の新マシンやMS365の導入、職員ITスキルチェック、区民窓口サービス環境、学校現場GIGAスクールなどのインフラは整って、これで中野区DX1.0をやり切るための環境は整ったと思いたいのですが、どんどん課題が見えてきています。スキルやリソースのギャップ、インフラ格差なども含めて、今のうちにしっかりと穴埋めしていかなければなりません。例えば作業が1分で終わる人と30分かかる人の差分、例えばMS365のBIツールが使いこなせている人とそうでいない人、例えばAI機能で効果的なプロンプトが打てる人とそうでいない人など、当区ではDX推進室が中心となって、DXに関する全庁的な職員のスキルやレベルのギャップ、使用頻度などを定常的に取得し、時系列で数値化することで初めて人的リソース戦略や人材育成などの検討ができるのではと考えておりますが、いかがでしょうか。 最新の免震設備が整っている新庁舎、ネットワークの二重化をしているIDC、庁内Wi-FiやBYOD環境の構築などシステム周りのハードやソフトは取りあえず整っている中で、運用面では部署ごとに、人ごとにシステムの利用頻度やスキルの差が出始めるのは当たり前のことです。その差が大きくなる前に手を打ち続けていくことが、すばらしい区民サービスを持続していくことにつながります。 区の電子申請導入は東京共同電子申請・届出サービスからLoGoフォームに移行されました。LoGoフォームとは、職員が電子申請や申込予約、アンケートなどのフォームを作成、集計して一元管理でき、職員が簡単に使える優れものです。しかしながら、5月12日の日曜日、海での体験事業の申込みでトラブルが発生しました。職員がLoGoフォームで申込フォームを作成したのですが、定員条件のセッティングの間違いが発生し、日曜日だったためクレームが受けられず、設定の修正もできませんでした。 また別件ですが、「迷わない、動かない、待たない、書かない、プラス行かない」窓口を売りにしている新庁舎での区民窓口サービスについて、特に「書かない」サービスについては、スマホなどから申請書類の作成ができるとともに、窓口でマイナンバーカードを読み取って申請書などが作成できることも売りとしています。かなり簡素化され、あらかじめスマホで指示とおり入力しておくと、区役所来庁時、何も書かずして目的を達成することができます。何もあらかじめ登録をしていないで来庁してしまった場合でも、マイナンバーカードによる書かないシステムが用意されています。しかしながら、そのシステムはほぼ使われていません。マシンが少ない、目につかない、そして使い勝手も悪い、自分も試しにやってみましたけれども、西暦と和暦が混在して使われている、パスワードがパスワードでないような番号であるなど、仕様とはいうものの気になるところです。 一番区民が利用するであろう2階の窓口サービスは、実はあまり待つこともなく業務が回っているように見えました。ただそのように見えるのは、数人のフロアコンシェルジュがフル稼働して対応し、窓口の数も増えているからと見てとれます。これはDXが一部機能せず、人的リソースで回しているのが現状ではないでしょうか。中野区DX1.0完成後の特に新庁舎での区民サービスのレスポンスタイム、人の動線を見える化する動線解析、窓口に導入した新システムを評価項目、RASISなどにより採点し、中間テスト的な評価を行って数値化し、あらゆるジャンルで問題点を広く洗い出しつつ対策を講じ、さらなる区民サービスの向上を進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。 合わせてDX1.0の内側である行かない区役所の実現も含め、区民が現状の窓口サービスはどのような認識を持っているのかを調査し、検討を進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。 さらに区では、令和7年度に基本計画や地域情報化推進計画の改定を控えておりますが、行かない区役所の実現も含め、区民サービス全体を向上させるためには、様々なデジタル関連の取組の一体的な運営体制を整備した上で臨むべきと考えますが、区の見解を伺います。 BIツール、MS365アプリ作成、生成AIプロンプトエンジニアリングなど、各分野でのスペシャリストには、そのような肩書きや、場合によっては一時金などを与えるなどしてエース化するとともに、潜在化しているICTリーダーを発掘しつつ、その人的リソースを多方面で有効活用していくことが必要であると考えますが、いかがでしょうか。 さらに新庁舎のIT環境は強いですが、地域包括支援センターや学校現場のインフラは弱いですし、職員のスキルアップも必要です。新庁舎の戦略に合わせた対策に、区民活動センターの区民サービスがついていけていないようにも感じます。地域活動拠点で働く職員の意見を吸い上げながら、環境格差の是正も必要だと思いますが、いかがでしょうか。 中野セントラルパークに誕生した子ども図書館LOOPに設置されている全方向型絵本読み聞かせプロジェクターシステムを体験しましたが、とても感動しました。部屋全面への投影をプロジェクター一つとある特別な装置で実現していました。子育て先進区をうたっている当区として、区立保育園などにこのような最先端のデジタルコンテンツ環境も必要ではないでしょうか、伺います。 次に、(2)産業活性化も見据えたDX2.0に向けた取組について伺います。 今年の2月28日、第2次中野区地域情報化推進計画改定が策定されました。庁舎内システムや区民サービス、国や都の動向などが書かれていて、生活様式などにも及んでいます。しかしながら、デジタルプロモーションやICTによる産業活性化などには触れられていません。庁内の組織では、DX周りは全て総務部DX推進室デジタル政策課が担っていますが、ICTやIoTを使ったビジネスメイキングは、はて、どの部署が所管なのかと疑問に思いました。 昨年8月、中野区はDX推進の取組を加速させ、行政事務の効率化や区民サービスの向上を図るために、日本マイクロソフト社と協定を締結しました。これは大変すばらしいことですし、DXを加速させるためのアドバイスや職員教育などにも協力いただきたいところです。しかしながらマイクロソフトはインフラ屋さんで、DX1.0の領域です。マイクロソフトと話していても、きっとDX2.0の領域は生まれづらいのではと感じております。先日会派で視察に行った愛媛県は、デジタルプロモーションが進み、インフラ系ではなく外向けの情報発信や県内産業のIoT化とその支援やプロモーションに長けていました。知事が、グーグルと話し、トップダウンで外向けのDX化が加速されましたとおっしゃっておられました。広い領域でビジネスを手がけるグローバル企業と話をすることがDX2.0を強く推進していくことにつながっていきます。愛媛県では、全庁的な推進部署としてデジタルシフト推進課が横串の役割、事業構築的な役割を担い、知事が全庁的に号令を出したから、約1年で自治体の中でDX2.0を牽引していくまでに成長しています。グーグルでも、アマゾンでもデロイトトーマツでもアクセンチュアでも構いません。DX2.0を推進するために一度、DX関連の職員とこれらの外資大手企業のビジネスクリエイターらと意見交換などを含む交流をされてみてはいかがでしょうか。 産業活性化もDXで直接企業を支援する手法もあれば、IT技術をあっせんして産業革新を図る手法もあります。また、前回も話しましたが、企業と企業を区のITプラットフォームで結び、新たなビジネスモデルやスキームが生まれるような支援を行うことも必要です。 今、当区も独自のデジタル地域通貨の実現に向けて動いていて、現在業者が基本設計などを行うステータスとなっていると聞きます。デジタル地域通貨は、キャッシュバックキャンペーンなどは税金を使いますので、区民限定でそれを使うことができる、地域活動などのポイントなどもデジタル通貨として利用でき、区民と中野区との間でポイントのやり取りが直接できるというメリットもあります。そして、何といっても、キャンペーンなどでお得なキャッシュバックや地域ポイントが絡んでいるので、高齢者もどんどん使えるようになると既に導入している自治体から伺っています。これにより、スマホ操作がおぼつかない高齢者の方々も結構操作ができるようになったり、情報をチェックしたりできます。つまり、区民のデジタルデバイド率を下げる特効役にもなり得るということです。区政情報はもとより、「ためまっぷ」のような情報や気象情報、特に発災時の避難所情報や事務連絡などもこのデジタル地域通貨のアプリで通知できるような仕掛けも検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。 ふるさと納税による減収対策もまだ不十分です。現に28億円もの減収で、それに対して区への寄付は約1億円です。この制度は制度自体に問題があることはさておき、対策としては魅力ある返礼品を生み出し続け、それが中野区にはあるという強烈なプロモーションをし続けていくことに尽きると思います。国の制度なので今はやるしかありません。今回はデジタル関連の質問に特化しているため、まずは返礼品としてNFT化した漫画やアニメのデジタルコンテンツ化の販売、例えばNFT化したナカノさんにユニークナンバーを付与して販売することをスタートとしてみてはいかがでしょうか。さらにはふるさと納税関連のデジタルプロモーションにもより注力すべきと考えますが、いかがでしょうか。 これからは稼ぐ自治体の一層の実現が必要です。広告などを様々な形で獲得し、自然と区内にお金が落ちる仕組みが必要です。前回、例えば新しい中野サンプラザ周辺の空間で来街者に情報を降らす代わりに広告料を頂くという空間広告のマネジメントの仕組みを考えるべきだという提案をさせていただきました。このことに関しては民間事業者が担うべきとの回答を頂きましたが、区有地では違うなと思っております。ホームページのバナー広告や区役所のサイネージなどでも広告料を徴収しておりますので、区有地では区が主体となって考えるべきです。中野区は非常に人口密度の高い自治体で、自由に使える土地はそうそうないです。ですから、ネット上に区有のバーチャル空間を作り区有地を配し、その場所を新たな区保有の財産と捉えると自由になる区有地が広がります。NFT化しておけば資産としても活用できます。以前の質問で、メタバース中野、バーチャル中野サンプラザを配したサイバー上の事業領域、新マーケットの構築に関しての質問をしましたが、区の答弁としては、サイバー上での興行も含め、新しい拠点施設やホールの機運醸成に資する取組を要請してまいりますと頂いております。つまり、メタバース中野は新しい中野サンプラザを作る事業者側で考え構築し実現すべき事業だという判断だと思いますが、それでは区有地の事業とはなりません。中野区が生み出すサイバー上に区有地を配すのであれば、運営は外部業者でも構いませんが、事業主体は中野区でなければなりません。そして既存施設以外の区有地を売る、貸す、広告看板を建てるなどして雑収入を獲得できれば、稼ぐ自治体として一歩リードできるのではと考えますが、いかがでしょうか。 バーチャル中野の人口、いわゆる利用者が増えればNFT化したバーチャル区有地の貸出しや広告収入など副次的な収入を見込めるので、前向きに取り組むべきだと考えます。前にも言いましたが、新しい中野サンプラザ完成までの経済対策としても必須と考えます。 るる申し上げてきましたが、外向けのDX2.0を推進していく中心部署を御検討いただき設置いただけますでしょうか。または産業振興課、企画課、文化芸術振興やシティプロモーションを担当する課などに置くのか、DX推進室に課を新設するなど、音頭を取れる中心部署を決めるべきと考えますが、いかがでしょうか。伺いまして、次の質問に移ります。 (3)他の自治体を牽引するDX3.0の戦略立案について伺います。 DX1.0と2.0を揺るぎないものにしつつ、これから中野区は実績的にもビジョン的にも全国の自治体を牽引していく立場になるべきです。インフラ全てが刷新された今がチャンスです。様々な分野で他の自治体のお手本となり、既に実現したDX関連の考え方やシステムなどを他の自治体に展開していくこと、これを中野区のDX3.0と呼ぶことにします。すばらしいと感じたITインフラ、完璧なまでの書かない区民窓口サービス、来街者がどんどん増える情報発信、バーチャル上の区有地などから固定資産税みたいなものが徴収できる雑収入環境、発災時に利用価値が高まる避難所運営や備蓄物資把握などの防災DXのほか、IDCには依存しないオンプレミス型ウェブサーバー運営など、庁舎やインフラが最先端ゆえに実施できるものがあります。区として、どの部分にスポットを当て取り組んでいるDXの事例として他の自治体に胸張ってアピールできるのかなど、中野区としての在り方、取り組み方を具体的かつ戦略的に考える必要があると思いますが、いかがでしょうか。 さらには全国の自治体が今、自分たちはDX1.0から3.0までの範囲の中、何を対応して何が対応できていないのかをチェックできる標準フォーマットとなるDX対応メニュー総合シートを作成してみてはいかがでしょうか。IT関連の人材の交流を広域で行う里まち連携都市や提携自治体など広域のDX関連ビジネスマッチングやリソースシェアサービスなども検討いただきたいところですが、次の質問に移ります。 2、中野三丁目の再開発事業について伺います。中野駅は、1889年の甲武鉄道開業と同時にできて、もともとは今工事をしている桃園広場辺りに駅舎がありましたが、1929年に今のところに移転してきています。そして2026年12月には中野駅西口改札ができ、橋上駅舎ができ、南北通路ができるというスケジュールとなっていて、近隣の人たちはにぎわいが戻ってくるかもと湧いています。桃丘小学校跡地は、UR都市機構へ売却し、その土地を含めた中野三丁目地区土地区画整理事業は中野区の発注でUR都市機構が請け負って行っています。2026年、令和8年6月には桃園広場が完成予定。同年12月には中野駅西口改札が完成し、土地区画整理事業もほぼ終わっていて、ある一画にはビルが建ち、病院や歯科医などの開業が続いています。しかしながら、最も地域住民が待ち望んでいる拠点施設が一向にその姿を見せません。6月9日、私も所属する桃園町会の総会が行われました。住民の方々の多くは、桃丘小学校跡地のところはどうなっているのか、何ができるか全く情報が入ってこないがなどの質問が飛び交い、拠点施設の次のステップが見えないことにいら立ちを覚えているようでした。まず今どんなステータスなのか伺います。 私も一般質問などでこの部分に関しては、拠点施設の空地に防災トイレやかまどベンチの設備の検討、地下自転車駐車場の整備、中野三郵便局の復活、備蓄倉庫の確保、1階から3階までは商業施設、1階部分の空地を囲わずに住民が普通に通り抜けできるなどを要望してまいりました。既に桃丘小学校の石碑はできる、土地のサイズ的には駐車場の設置が義務付けられているなどは確定事項となります。中野区とUR都市機構との間で締結された中野三丁目地区の整備に関する事業実施協定の桃丘小学校跡地活用事業の概要等項目第6条の三の(2)に記載されている「利便性の向上及びにぎわいの創出のための拠点施設整備」という文言があります。この条文を活用して、中野区は拠点施設に交渉するのは、UR都市機構ですか、それとも元々の地権者の1人でもあった近鉄不動産ですか、伺います。 昭和58年に国土交通省によって創設された総合設計制度では、500平方メートル以上の敷地で敷地内に一定割合以上の空地を有する建築物について、敷地内に歩行者が日常自由に通行または利用できる公開空地を設けるなどにより、市街地の環境の整備改善に資すると認められる場合に、特定行政庁の許可により容積率制限や斜線制限、絶対高さ制限が緩和されます。これは今回の拠点施設には適用されますでしょうか、伺います。この拠点施設の整備が遅れてしまうと、区民が利用できたり防災時に役立ったりするものができないだけでなく、中野区産業振興方針、中野駅周辺自転車駐車場整備計画、中野駅周辺まちづくりグランドデザインなど、あらゆる計画に影響が出てきます。中野区としてこの停滞している進捗状況を打開し、前に進めるためにどのように考えているのか伺います。 最後に、中野三丁目地区の再開発に関連して、桃園広場に面している桃園通りについて伺います。100年ぶりに駅前が戻り、平日の夕方は現在も車両通行禁止になっている、人通りも今後増えてきます。事故防止や注意喚起も含め、桃園広場に面した桃園通り部分を桃色のカラー舗装にしてほしいと地域から要望がありましたので、まずは御検討いただけませんでしょうか。そのことをお願いして私の全ての質問を終わります。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 杉山議員の御質問にお答えいたします。 初めに、中野区の次世代DX戦略についてで、DXに関連した人的戦略や人材育成についての御質問です。 DX推進に資する人材の育成につきましては、資格取得費用助成支援やDX推進の中核を担うDXリーダーの育成等を通じて、組織全体のDX化を戦略的に進めているところであります。職員のデジタルスキルの数値化については、他自治体や民間企業の事例等を参考に今後研究を行ってまいります。 区民サービス向上のための機能評価などについてでございます。窓口サービスの向上と業務効率化を図るためには、新たに導入したシステムの機能評価のほか、システムの機能を十分に生かすための職員のICT能力やスキル向上に向けた評価も必要であります。さらなるサービス向上のため、機能評価の手法などについても研究し、問題点を広く洗い出し、対策を講じてまいります。 窓口サービスに関する調査についてでございます。窓口案内の最適化や待ち時間の短縮など、課題を改善に結びつけていくためには、区民のニーズ、満足度を的確に捉えた上で改善策を講じていく必要があると考えております。エビデンスに基づく着実な業務改革を進めるため、専門的知見を持った事業者などによる調整、調査や分析の活用なども視野に入れながら、区民サービスの向上に向けた取組を進めてまいります。 次に、デジタル関連の一体的な運営体制の整備についてでございます。新庁舎移転を契機として、区民サービスの飛躍的向上を目指し、24時間いつでもどこでも手続ができる環境整備を進めてきたところであります。今後は、更なる区民負担の軽減や利便性確保のため、デジタル技術を活用した区民サービスの向上を図り、手続全体の合理化、効率化を進めていく必要があります。区民サービス全体の向上も含めて政策議論を進める中で、次期基本計画を実現するための効果的かつ機能的な組織運営体制を検討してまいります。 次に、人的リソースの有効活用についてでございます。区では、2023年3月に取りまとめたDX推進に資する人材の確保、育成等の考え方に基づいて、ICT行動専門人材の獲得や各部課DXリーダーの育成とともに、全職員のICTリテラシーの向上、そして管理職の意識、思考改革に取り組んでいるところであります。特にDXリーダーは今後のDX推進の中核を担う役割を期待しておりまして、その育成に関しては選択的かつ集中的な投資が必要であると考えております。DXリーダーの人材マネジメントに当たっては、特定の資格や技術の取得そのものを評価するのではなく、獲得した技術がいかに成果につながったのか、それを評価、配置、育成につなげる仕組みを構築することで、職員のデジタル技術習得のインセンティブとしていきたいと考えております。 次に、区民活動センターのデジタル化についてでございます。区民活動センターの区民サービスについて、集会室利用などは、紙での申請、現金での支払いとなっておりまして、本庁舎との差異があると認識をしております。現在進めている施設予約システムの再構築に合わせ、区民活動センターにおけるWi-Fi環境整備やオンライン決済の導入などの検討を行います。 次に、保育園、幼稚園のDX推進についてでございます。幼児教育においても、デジタル教材の活用やコンテンツ環境の整備など、ICTの活用によって様々な研究が行われておりまして、自治体での導入事例も報告されております。一方、区立保育園、幼稚園においてはICT環境が十分に整備されておらず、直ちにデジタル教材等を導入することは難しいですが、今後、施設の改修等に合わせた導入に向け研究を進めてまいります。なお、現在私立保育園、幼稚園に対しては、活用できる補助制度等を紹介しているところであります。 次に、民間企業のビジネスクリエイターとの情報共有についてでございます。区に関する情報発信や区内産業の活性化やその支援に際して、デジタル関連の専門的知見を有する民間企業などとの情報交換等は大変有意義なことだと認識をしております。令和4年7月に締結した日本マイクロソフト株式会社とのDX推進に関する協定においては、デジタル社会の推進に関することを定めておりまして、今後区の情報発信や産業活性化の可能性の観点においても協議を進めてまいります。また、現在区のDX推進に関して様々な企業等と密に情報交換や協議等を進めておりまして、引き続きこうした取組を強化してまいります。 デジタル地域通貨アプリを活用した情報発信の仕掛けについてです。中野区が導入するデジタル地域通貨のアプリケーションは誰もが簡単に使用できるシンプルなデザインであることを重視し、決済機能も直感的に操作できるものにする考えであります。来年度以降、コミュニティポイントや区の手続や支払いなど段階的にアプリケーションで利用できるサービスを拡充していくことを想定しておりますが、一方で、利用者の操作負担やコストを慎重に見極めていく必要があると考えておりまして、そういった中で区が有する他の情報との連動も検討してまいります。 次に、ふるさと納税の返礼品のNFT化等についてです。区は区内事業者の商品やサービスのアピールにつながる返礼品の開発を行っておりまして、NFTを活用したふるさと納税の返礼品が可能か区内事業者とも協議をしてまいります。ふるさと納税関連のデジタルプロモーションについては、現在のふるさと納税サイトや区SNSによる発信以外の方法についても検討してまいります。 次に、サイバー上の無限空間についてでございます。インターネット上の空間を区の財産として所有ができるかなど法的な根拠や事例が見当たらないことから、今後世界の事例なども含め情報収集をしてみたいと考えております。 次に、さらなるDX推進に向けた部署の設置の検討です。中小企業のDX化やビジネスシーンにおけるDXは、現在区の経営支援の中で必要に応じて相談を受けているところであります。産業活性化も見据えたさらなるDX推進に向けた部署については、次期基本計画を実現するための組織を検討していく中で判断してまいります。 次に区のDX事例についてでございます。新庁舎移転に伴い、MS365やLoGoフォーム、生成AIなど、様々なデジタルツールを導入したところであります。今後は、こうしたツールの利活用によって、各種資料の作成などの時間短縮、RPAなど定例業務の自動化に関するモデルを量産し、全庁に周知、共有するなどを通じて業務効率化を進めてまいります。区民サービスに関しましても、各種ツールや利活用を進め、行かない窓口、書かない窓口といったデジタル窓口の推進や窓口手続について業務の流れの根本的な、抜本的な見直しとデジタル化を同時に進めるなど、区民サービスのさらなる向上に努め、他自治体のモデルとなり得るよう取組を強化してまいります。 最後に、DXの標準フォーマットについてでございます。区のDXの推進に関して、他自治体との比較を通じた現在の立ち位置を確認することは重要だと認識をしているところであります。今後、区や都、先行自治体などの事例も調査をし、区のDXの推進度合いの見える化に資するような取組を研究してまいります。 〔中野駅周辺まちづくり担当部長千田真史登壇〕 ○中野駅周辺まちづくり担当部長(千田真史) 私からは、中野三丁目地区の再開発事業に関する御質問にお答えいたします。まず、拠点施設の状況についてです。拠点施設につきましてはUR都市機構が地権者と共同で基本設計を行っているところですが、その状況について、8月下旬以降に開催される区議会で報告させていただく予定です。そして、その後UR都市機構から地域住民に拠点施設の計画説明を行う予定でございます。 次に、拠点施設の要望先についてですが、拠点施設の整備につきましては、区とUR都市機構の協定の中で、区からUR都市機構へ意向を伝えることになっております。したがいまして、区はUR都市機構と協議、調整を行うことになります。 次に、総合設計制度の活用についてです。中野駅西口地区地区計画は、駅前の立地を生かした土地の合理的かつ健全な土地利用を誘導するため、総合設計制度の活用も想定しております。拠点施設につきましても、総合設計制度の活用を検討しているとUR都市機構より聞いております。 次に、拠点施設の整備の進捗についてですが、拠点施設は現在基本設計を行っているところであり、今後の予定が示せる状況が整いつつあります。区といたしましては、8月下旬以降に開催される区議会で今後の予定等の報告を行うとともに、引き続きUR都市機構と密接に協議してまいります。 最後に桃園通りの舗装についてです。中野駅西口地区地区計画の区域内では、現在中野三丁目土地区画整理事業が進行中ですが、本事業区域内にある桃園広場に面した区画道路6号部分の舗装については地域の意見を踏まえながら検討してまいります。 ○議長(酒井たくや) 以上で、杉山司議員の質問は終わります。 お諮りいたします。 議事の都合により、本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。 次の会議は、明日午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。 本日はこれをもって延会いたします。 午後5時10分延会
会議録署名員 議 長 酒井 たくや 議 員 井関 源二 議 員 石坂 わたる
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