令和6年09月10日中野区議会本会議(第3回定例会)の会議録 1.令和6年(2024年)9月10日、中野区議会議事堂において開会された。 1.出席議員(41名) 1番 山 内 あきひろ 2番 武 井 まさき 3番 市 川 しんたろう 4番 日 野 たかし 5番 木 村 広 一 6番 斉 藤 けいた 7番 井 関 源 二 8番 黒 沢 ゆ か 9番 大 沢 ひろゆき 10番 武 田 やよい 11番 広 川 まさのり 12番 いのつめ 正 太 13番 間 ひとみ 14番 河 合 り な 15番 加 藤 たくま 16番 高 橋 かずちか 17番 甲 田 ゆり子 18番 小 林 ぜんいち 19番 白 井 ひでふみ 20番 吉 田 康一郎 21番 立 石 り お 22番 小宮山 たかし 23番 内 野 大三郎 24番 い さ 哲 郎 25番 細 野 かよこ 26番 斉 藤 ゆ り 27番 杉 山 司 28番 ひやま 隆 29番 大 内 しんご 30番 伊 藤 正 信 32番 平 山 英 明 33番 南 かつひこ 34番 久 保 り か 35番 石 坂 わたる 36番 むとう 有 子 37番 羽 鳥 だいすけ 38番 浦 野 さとみ 39番 山 本 たかし 40番 中 村 延 子 41番 森 たかゆき 42番 酒 井 たくや 1.欠席議員 31番 高 橋 ちあき 1.出席説明員 中 野 区 長 酒 井 直 人 副 区 長 青 山 敬一郎 副 区 長 栗 田 泰 正 教 育 長 田 代 雅 規 企 画 部 長 岩 浅 英 樹 総 務 部 長 濵 口 求 防災危機管理担当部長 吉 沢 健 一 区民部長、新区役所窓口サービス担当部長 高 橋 昭 彦 文化・産業振興担当部長 高 橋 和 哉 子ども教育部長、教育委員会事務局次長 石 崎 公 一 地域支えあい推進部長、地域包括ケア推進担当部長 石 井 大 輔 健康福祉部長 杉 本 兼太郎 保 健 所 長 水 口 千 寿 環 境 部 長 浅 川 靖 都市基盤部長 松 前 友香子 まちづくり推進部長 角 秀 行 企画部企画課長 中 谷 博 総務部総務課長 永 見 英 光 1.本会の書記は下記のとおりである。 事 務 局 長 堀 越 恵美子 事 務 局 次 長 林 健 議事調査担当係長 鈴 木 均 書 記 若 見 元 彦 書 記 田 村 優 書 記 細 井 翔 太 書 記 森 園 悠 書 記 梅 田 絵里子 書 記 川 辺 翔 斗 書 記 志 賀 優 一 書 記 早 尾 尚 也 書 記 堀 井 翔 平 書 記 金 木 崇 太 書 記 砂 橋 琉 斗
議事日程(令和6年(2024年)9月10日午後1時開議) 第72号議案 谷戸小学校普通教室棟増築等工事請負契約に係る契約金額の変更について 第87号議案 大和公園再整備工事請負契約 日程第2 認定第1号 令和5年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について 追加議事日程 日程第3 常任委員の所属変更について 日程第4 議会運営委員の辞任許可について 日程第5 議会運営委員の補欠選任 日程第6 特別委員の辞任許可について 日程第7 特別委員の補欠選任
午後1時00分開議 ○議長(酒井たくや) ただいまから令和6年第3回中野区議会定例会を開会いたします。 本日の会議を開きます。 会議録署名員は、会議規則第128条の規定に基づき議長から御指名申し上げます。 8番黒沢ゆか議員、34番久保りか議員にお願いいたします。 次に、会期についてお諮りいたします。 本定例会の会期は、本日から10月21日までの42日間といたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。 この際、申し上げます。本定例会の会期中略装を許します。 本日の議事日程は、お手元の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。 この際、申し上げます。令和6年7月7日付、7月8日付をもちまして、お手元の文書のとおり、委員会参与に人事異動がありましたので、念のため御報告いたします。
○議長(酒井たくや) 次に、6月13日に開催されました本会議における一般質問での羽鳥だいすけ議員の発言につきましては、発言の取消しをいたしましたので、念のため御報告をいたします。 次に、一般質問の時期の変更についてお諮りいたします。 一般質問は議事に先立って行うことになっておりますが、別な時期に変更し質問を許可いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう進行いたします。 これより日程に入ります。 お諮りいたします。 この際、本日の日程を追加し、日程第3、常任委員の所属変更についてを先議するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう議事を進行いたします。 ────────────────────────────── 常任委員の所属変更について
○議長(酒井たくや) 日程第3、常任委員の所属変更についてを議題に供します。 お諮りいたします。 総務委員の高橋かずちか議員から厚生委員に、厚生委員の高橋ちあき議員から総務委員に、それぞれ委員会の所属を変更したい旨の申出がありましたので、これを申出どおり変更するに御異議ありませんか。 ○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう変更するに決定いたします。 お諮りいたします。 この際、本日の日程をさらに追加し、日程第4、議会運営委員の辞任許可についてを先議するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう議事を進行いたします。 ────────────────────────────── 議会運営委員の辞任許可について
○議長(酒井たくや) 日程第4、議会運営委員の辞任許可についてを議題に供します。 お諮りいたします。 杉山司議員及び久保りか議員から、議会運営委員を辞任したい旨の申出がありますので、これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。 さらに、お諮りいたします。 ただいま議会運営委員の辞任が許可されましたことに伴い、議会運営委員会に欠員が生じましたので、この際、本日の日程をさらに追加し、日程第5、議会運営委員の補欠選任を先議するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう議事を進行いたします。 ────────────────────────────── 議会運営委員の補欠選任
○議長(酒井たくや) 日程第5、議会運営委員の補欠選任を行います。 お諮りいたします。 議会運営委員の補欠選任については、委員会条例第5条第1項の規定により、議長から甲田ゆり子議員及び中村延子議員を指名いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。 お諮りいたします。 この際、本日の日程をさらに追加し、日程第6、特別委員の辞任許可についてを先議するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう議事を進行いたします。 ────────────────────────────── 特別委員の辞任許可について
○議長(酒井たくや) 日程第6、特別委員の辞任許可についてを議題に供します。 お諮りいたします。 大内しんご議員から危機管理対策等調査特別委員を、高橋ちあき議員から少子化対策・地域包括ケア調査特別委員を、それぞれ辞任したい旨の申出がありますので、これを許可するに御異議ありませんか。 ○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。 さらに、お諮りいたします。 ただいま特別委員の辞任が許可されたことに伴い、それぞれの特別委員会に欠員が生じましたので、この際、本日の日程をさらに追加し、日程第7、特別委員の補欠選任を先議するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう議事を進行いたします。 ────────────────────────────── 特別委員の補欠選任
○議長(酒井たくや) 日程第7、特別委員の補欠選任を行います。 お諮りいたします。 特別委員の補欠選任については、委員会条例第5条第1項の規定により、議長から危機管理対策等調査特別委員に高橋ちあき議員を、少子化対策・地域包括ケア調査特別委員に大内しんご議員をそれぞれ指名いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。 ────────────────────────────── 第63号議案 令和6年度中野区一般会計補正予算 第72号議案 谷戸小学校普通教室棟増築等工事請負契約に係る契約金額の変更について 第87号議案 大和公園再整備工事請負契約
○議長(酒井たくや) 日程第1、第63号議案、第72号議案及び第87号議案の計3件を一括上程いたします。 理事者の説明を求めます。 〔副区長青山敬一郎登壇〕 ○副区長(青山敬一郎) ただいま上程されました第63号議案、第72号議案及び第87号議案の3議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。 第63号議案、令和6年度中野区一般会計補正予算は、歳入歳出にそれぞれ7億6,190万円を追加計上するものです。これにより既定予算との合計額は2,046億5,233万6,000円となります。 初めに、この補正の歳出予算の内容を説明いたします。 まず、文化振興・多文化共生推進費ですが、もみじ山文化センター本館改修工事費の増額分1億7,280万円を追加計上するものです。 次に教育費ですが、中野本郷小学校新校舎整備に係る工事費の増額分3億8,910万円及び旧中野中学校内装改修工事費の増額分2億円を追加計上するものです。この補正の歳入予算といたしましては、繰入金7億6,190万円を追加計上するものです。 続きまして、債務負担行為の補正について説明いたします。 もみじ山文化センター本館改修工事について、年度別支出予定額の変更に伴い、限度額を14億9,867万7,000円から13億2,587万7,000円に変更し、中野本郷小学校校舎等建設工事について、年度別支出予定額の変更に伴い、限度額を68億2,718万7,000円から64億3,808万7,000円に変更し、及び旧中野中学校内装改修工事について、年度別支出予定額の変更に伴い、限度額を29億300万6,000円から27億300万6,000円に変更するものです。 第72号議案、谷戸小学校普通教室棟増築等工事請負契約に係る契約金額の変更については、令和5年第2回中野区議会定例会において議決をいただき締結しました谷戸小学校普通教室棟増築等工事に係る請負契約について、令和6年第1回中野区議会定例会において議決をいただき変更しました契約金額を変更するに当たり、議会の議決をお願いするものです。変更の内容は、労務単価等の上昇に伴い当該契約金額を6億6,093万3,200円から6億8,682万7,200円に変更するものです。 第87号議案、大和公園再整備工事請負契約は、大和公園再整備工事に係る請負契約を締結するに当たり、議会の議決をお願いするものです。契約の方法は一般競争入札、契約の金額は3億2,561万1,000円、契約の相手方は飛鳥・日本体育建設共同企業体です。 なお、この工事の完了予定は、令和7年7月です。 以上、3議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。 ○議長(酒井たくや) 本件について、御質疑ありませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(酒井たくや) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。 上程中の議案は、会議規則に従い、総務委員会に付託いたします。 この際、お手元の一般質問一覧表のとおり、杉山司議員、加藤たくま議員、久保りか議員、武田やよい議員、内野大三郎議員、ひやま隆議員、高橋かずちか議員、日野たかし議員、羽鳥だいすけ議員、山本たかし議員、大内しんご議員、白井ひでふみ議員、間ひとみ議員、山内あきひろ議員、細野かよこ議員、武井まさき議員、むとう有子議員、石坂わたる議員、小宮山たかし議員、吉田康一郎議員、立石りお議員、斉藤けいた議員、井関源二議員より、質問の通告がありますので、これを順次許します。
中野区議会議員 杉 山 司 1 区有施設整備計画の改定について 2 物価高騰対策について 3 スマートウエルネスシティ中野の推進について 4 産業振興・商店街支援などの経済対策について 5 ウェリントンとの交流について 6 多様性のある社会の実現について (1)多文化共生について (2)パートナーシップ宣誓制度について (3)その他 7 その他
○議長(酒井たくや) 最初に、杉山司議員。 〔杉山司議員登壇〕 ○27番(杉山司) 令和6年第3回定例会におきまして、立憲・国民・ネット・無所属議員団の立場から一般質問を行います。 7のその他で、2点伺います。どうぞよろしくお願いいたします。 区有施設整備計画の改定について伺います。 中野区区有施設整備計画とは、基本計画における施策展開に当たり、区有施設整備を財産経営の観点から取りまとめた総合的な行政計画で、計画的に財源を確保しながら、区民のニーズに応じたサービス提供のための適正配置と安全・安心な施設利用のための更新・保全を行うことを目的としています。そして令和3年度から令和12年度までの10年間を計画期間とし、社会経済情勢の動向を見定めながら、基本計画と整合を図り、見直しを行います。機能に応じた施設の再編については、区有施設の再編に当たっては、より適切なサービス提供や効率的な整備手法を検討していく必要があるとあり、区有施設に関する機能や需給バランス、配置や活用の考え方などが明確に記載されています。 まずは、長引く物価高騰と区有施設整備計画の改定の関係性について質問をいたします。 物価高騰の変化に行政が対応するためには、これまで職員が学んできた工事見積りの積算方法や考え方に新たな要素を加え、人件費についても新たな基準などを盛り込んでいく必要があります。さらに、物価高騰だけでなく、ZEBのような建築物に対するエネルギー対策や環境への配慮、区民ニーズの変化による施設の在り方も加味しなければなりません。区有施設の建て替えにつきましても、区有施設の建て替えはおおむね築60年を目安としていますが、児童館18館のうち9館が築40年を超えています。学校の建築費につきましても、おおよそ52億円という算定値はあるものの、既に70億円を超えているとの答弁もありました。 健全な財政運営の下、円安やエネルギー価格高騰、人件費、環境配慮への対策などが、このままデフォルトで積み上がっていくことを想定した上で、溶け込ませた区有施設整備計画の改定が必要と考えますが、いかがでしょうか。 次に、区保有の権利床や賃借床について伺います。 中野駅南口のロータリー東側にオフィス棟とレジデンス棟の大きなビル2棟がそびえ立つナカノサウステラが完成し、2月29日から稼働が始まっています。空地としては、丘の上のひろば、そして中野区の権利床に関しては、プロポーザルで地権者の一つである西松建設のグループ会社、西松地所が選定され、NAKANO HAKOというコワーキングスペースを運営しています。コンセプトや内装、サービスは万人受けしそうなのですが、いかんせん立地がナカノサウステラの最南端2階ということで、利用者も少なく、さらには区民に開放されているとは言い難いところもありますし、賃借料も55%引きとのことでした。権利床の場所などは、区として当然様々な交渉を経てこの場所になったとは思いますが、違う選択肢、交渉対象もあったのではとも思います。 中野セントラルパークの賃借床に関しても、経済発展に資する施設というようなファジーな考え方の中で、子ども図書館LOOPが誘致されました。中野サンプラザシティの権利床の問題も、ぎりぎりまで展望エレベーターを持つ持たないなどに時間を費やしてきたのは記憶に新しいですが、この部分に関しましても、区としてこの場所の権利床のユニークな在り方をぶれずに持っておけば、このような結末になっていなかったのではとも思います。 区有施設整備計画の権利床等の活用ページには、貸し出すための明確な決まり事がありません。権利床や賃借床は区民の財産でありますので、ナカノサウステラも中野セントラルパークもそうですが、納得感のある明確な賃借料が区に入ってこなければ、区民財産の損失につながると言っても過言ではありません。権利床や賃借床の賃料算出の考え方、例えば周辺の地価や平均賃料から割り出した適正賃料をベースに検討するなどを含め、これまでも我が会派としてこの辺りの考え方を示してほしいとの要望をしてまいりましたが、いまだにその考えが出てきていないのが実情です。土地利用の容積率や建ぺい率の計算式のような明確な賃料の考え方が必要だと考えますが、いかがでしょうか。伺います。 また、本町図書館については、2021年度閉館で民間施設誘致を検討すると明記されているのにもかかわらず、突然暫定活用を始められました。暫定活用の考え方も決まっていない中、格安賃料での契約となっています。本来は本町図書館の暫定活用の前に必要だったと思うのですが、今後、未使用施設の暫定活用において区としての方針を決めておかなければならないと考えます。区の見解を伺います。 旧商工会館につきましても伺っておきます。旧商工会館や現産業振興センターなどの再編が位置付けられています。特に旧商工会館は、かつて東京商工会議所中野支部や中野区商店街連合会などが入り、様々な経営セミナーや業界コミュニティ形成など、中野区内の経済の中心地として重要な場所でありました。しかしながら、今現在、その場所がどうなるのか、新たな商工会館になるのかならないのかすら決まっておりません。旧商工会館に新たな建物を建てて運営するのは誰なのか、整備運営はPFI方式なのか、民間運営なのかなどの方針も、種別が示された辺りで思考停止をしています。旧商工会館を中心とした経済圏域づくりもできず、現在の産業振興センターにじっくりと腰を落とすこともできず、経済団体や中小企業経営者らは宙ぶらりんの状態になっています。新たな商工会館は、PFI方式にて整備運営する、ほかの区有施設の再整備計画などを踏まえて再考するなど結論を出さねばならない時期と考えますが、いつ方針を御提示いただけますでしょうか。そして今現在、区としての意思や方針があればお示しください。そのことを伺いまして、次の質問に移ります。 物価高騰対策について伺います。円安が急激に進み、原油高を起因とした物価は高騰を続けています。一方で、一時金や補助金などの対策では物価高に追いつくわけでもなく、人々の暮らしは厳しさを増すばかりですし、中小企業の事業運営にも多大なダメージを与え続けています。我が会派からも、来年度予算案はさらなる物価高騰の影響が出るのか、出るとすれば今年度比でどの程度の影響額となるのかと質問しておりますが、区の回答は、新庁舎整備や学校再編等に伴う施設整備に対するインフレスライド条項の適用によって約3億円の影響が出ている、令和6年度予算案においても物価高騰については同様の影響があるとの答弁でした。また、原材料費や燃料費、人件費などは、為替の大幅な変動以外に大きく価格が下がる要素があると想定しづらく、基本的には経常経費化していくと想定しておくべきと考えるがという質問に対しては、人件費などは経常経費化するものの、燃料費や原材料費などについては円高などによって価格が上がる可能性もあると考えているとの回答でした。しかしながら、物価高騰の状況は一向に好転はしていません。現状をニュートラルと捉え、物価高騰状態にある様々な原価や人件費を基本的には経常経費化しておかなければならない状況まで来てしまっていると考えますが、区の見解を伺います。 現在の物価高騰の主な原因は複合的です。新型コロナウイルスの影響で世界中で流通やコンシューマー向けビジネスが混乱し、製品や原材料の供給が滞りました。需要に対して供給が追いつかず、価格が上昇したことが原因と考えられます。さらには、ウクライナ戦争がエネルギーや食料の供給に大きく影響を与え、特に石油や天然ガスの価格が大幅に上昇しました。経済対策として行った大規模な金融緩和政策も、過剰な資金供給によりインフレを助長したように感じますし、物流や人的リソース不足も物価上昇に関連しています。これらの要因が重なり合い、現代の物価高騰を引き起こしていると考えられます。 中野区で物価高騰がどのような影響を与えてしまっているのか、特にどの分野に影響が出ているか把握する必要があると考えます。区民目線でいえば、食料品や生活必需品、公共料金の値上がりなど、運輸業やクリーニング店などは燃料費の高騰など、残暑も厳しい中でスーパーや飲食店などは光熱費が跳ね上がっている状態です。この辺り、区は区内事業者や幅広い区民に対しての現状把握などはどのように行っているのか伺います。 新庁舎整備や学校再編等に伴う施設整備に対するインフレスライドの条項の適用や、小規模事業者経営改善資金に対する利子補給、商店街の街路灯電気代補助、中小企業の人材確保補助などは引き続き注力いただいた上で、介護サービス事業者向けおむつ代などの補助、町会への助成額の引上げなど、幅広く物価高騰対策を御検討いただき、実施すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。また区が既に検討を進めている新たな物価高騰対策があれば、その内容と狙う効果や想定される課題について見解をお聞きします。 物価高騰のあおりを受け、人材不足に悩まれているとの相談を様々な分野から受けました。物価高騰と人材不足は、経済全体において互いに影響を与え合う相関現象と言えます。物価高騰は企業内コストの増加を引き起こし、利益率低下を招き、結果、企業は賃金の上昇を抑えるために雇用を縮小するという手法を取る場合もあります。これにより労働市場での人材確保が難しくなり、人材不足が深刻化していきます。一方、人材不足が長く続くと、生産性の低下や供給に制限がかかり供給が需要に追いついていかないために、さらなる物価上昇が引き起こされます。ですので、区内事業者を中心とした人材確保の支援が必要と考えます。以前、ぐっJOBなかのに代わる区内事業者と区内の労働者のマッチングが必要と伝えてきました。区としてあまり重要視していないとの回答でしたが、このような状況が続いていることを鑑み、区内事業者と区内在住者の仕事マッチングサービスを区独自に展開してみてはいかがでしょうか。伺います。 さらに、物価高騰の経常化が進む中で、区の財政調整基金の年度間調整分としての考え方にも影響が出てくるのではと考えます。現在、3年間行政サービスを持続させるという観点から、200億円をめどに積立てを行い、現状は244億円ほどの現金があるという状況ですが、財政調整基金の考え方について、区はこの情勢を鑑みつつ、改めてこの取扱いについて再考してみてはいかがでしょうか。見解を伺い、次の質問に移ります。 スマートウェルネシティ中野の実現について伺います。 区長は、第1回定例会の施政方針説明の中でも、地域包括ケア体制の構築を進めていくに当たっては、区も首長研究会に加盟しているスマートウエルネスシティの理念を踏まえていきたいと考えていると発言されていますが、具体的にどう進めていくのかは見えておりません。スマートウエルネスシティの理念は、ウエルネスをこれからのまちづくり政策の中核に捉え、健康に関心のある層だけが参加するこれまでの政策から脱却し、市民誰もが参加し、生活習慣病予防及び寝たきり予防を可能とするまちづくりを目指すとしています。こうした取組は積極的に進めていくべきと考えます。まずは体制を整え、考え方を整理していく必要があります。区としてスマートウエルネスシティを推進していくための取組の状況を伺います。具体的な今後の展開についても、検討状況を伺います。 健康施策を進めていく上ではエビデンスが重要であり、スマートウエルネスシティのステップ4にも、「エビデンスに基づいた健「幸」づくり」とあります。例えば、九州大学が行っているLIFE Studyは、地域住民の健康増進に貢献することもミッションに、自治体のデータを活用し、基盤整備、研究者との連携体制の構築、エビデンスに基づいた政策立案のためのエコシステムの開発を行っています。自治体連携は40まで拡大予定で、都内では江戸川区や世田谷区が参加しています。LIFE Studyからのフィードバックにより、地域別の健康状態の可視化やハイリスク者の検索機能などもあり、国民健康保険や健診のデータを基に介護予防につなげていくことも可能です。こうした官学連携は、スマートウエルネスシティ推進に非常に有効と考えますが、区の見解を伺います。 短期的なものでなく中長期的な分析ができるものについても、エビデンスに基づいた政策に活用ができると考えます。例えば、ワクチンの接種歴などを用いてワクチンの有用性や安全性の検証にもつながります。さらには、出生年別の接種状況モニタリングができることから、今後の接種勧奨等にも活用できることになります。こうした分野についても、スマートウエルネスシティ推進のためには検討していくべきと考えます。見解をお示しください。 区長は、第1回定例会の施政方針説明の中で、スマートウエルネスシティの考え方を実現するには、日々の生活の中に健康づくりの仕組みや仕掛けを取り込んでいく必要があり、デジタル地域通貨事業のプラットフォームを活用した健康ポイントの導入などの検討を進めていくことを発言されていました。コミュニティポイントとして健康ポイントは、スマートウエルネスシティが必要であり、スマートウエルネスシティの一助となるような活用が重要です。現在の検討状況をお伺いして、次の質問に移ります。 産業振興・商店街支援などの経済対策について伺います。 物価高騰の対策などで区民の生活の足しになり、区内経済の活性化もできる、さらには区民の健康促進にも関わってくる中野区のデジタル地域通貨ナカペイが始まります。我が会派としても、いち早くデジタル地域通貨の必要性を説き、機能などの提案もしてまいりました。必要性の一つに、住民税をはじめとした区民からお預かりした予算を、区民により多く還元したい、中野区で閉じたクローズドな仕組みにしたいと考えたからです。しかしながら、今年度実施する一発目のキャンペーンでは、お店に関しては区内限定で使えるのですばらしいのですが、利用者は区外の人もプレミアム付きのチャージができてしまいます。今回そのようにした理由をお聞かせください。 システム上、中野区が住所として登録されているナカペイユーザーだけがプレミアム付きチャージができる必要がありますよねと必要性を訴えてきたつもりです。お預かりしている税金を区民に有効に使うという観点から、次回以降プレミアム付きチャージは区民だけができるよう設定いただきたいと考えますが、いかがでしょうか。さらにはもっとエリアを細分化した形で、郵便番号や住所によって絞られたエリアでのみ使えるなど、データベースの持ち方で土地限定、商店街別、年齢別、業者別などを考慮した様々なイベント企画ができると思います。地域格差がある中、地域別の産業活性化企画などもこれから実施していくべきと考えますが、いかがでしょうか。 商店街において治安が悪いと感じられてしまう違法駐輪や私道でのテーブル出し営業で歩行がしづらい、客引きが煩わしいなど、健全ではない環境は死活問題となります。特に中野五丁目の繁華街、現在月1回の木曜日に派出所の警官と一緒にパトロールしていると聞いていますが、その日だけおとなしくしているとも伺っています。区としては、ふれあいロードや三番街などの区道については、違法駐輪自転車の撤去を行うなど手を打つことはできますが、私道についてはなかなか手を出せない状況です。区道については区が進んで御対応いただいておりますが、私道については各商店街の規約で守る以外にも、警察、消防に御尽力いただくほかありませんので、不定期での見回り、指導の強化など区からもっと働きかけしてほしいと思うのですが、いかがでしょうか。 商店街の代替わりも深刻です。かつて商店街の運営母体といえば、商店も運営してビルも持っている商店会長を中心に、家持ち飲食店や商店が商店街の理事を占めていて、我が街のにぎわいや資産価値を高めるために一生懸命商店街のにぎわいを生み出そうとしていました。現在、そのような方たちはお店も引退され、ビルは持っているがテナントとして貸しているという世代交代の時期に来ています。借主は若手の飲食店経営者が多いのですが、地域のことに深く関わる経営者は少ないです。また、商店会長や理事にはテナントを借りている経営者がほとんどいないのが現状です。これでは代替わりはできないばかりか、商店街そのものが運営できず、消滅、なくなってしまいます。お店は幾つもあるのに、運営母体がなくなり街路灯も撤去され夜の通行が真っ暗となってしまった地域もあるといいます。中野区商店街連合会と連携して、商店街の運営相談や商店街代替わり問題などの相談を受ける窓口を設置するなど、持続可能な商店街支援が必要と考えますが、いかがでしょうか。伺います。 次に、平日開催のイベント拡充について伺います。 中野サンプラザが閉館して、大体平均して5,000円×2,000席、1,000万円のイベントと、さらにグッズ販売や副次的需要で1日3,000万円程度が中野サンプラザ関連で動いていたとされます。現在中野区やエリアマネジメントのイベンターらが小型、中型の子どもやファミリー向けイベントを週1ペースでしたためておりますが、平日に中野サンプラザが行ってきた若者向けライブ、高齢者向け演歌イベントなどは、単純になくなっただけで新たに生まれておりません。場所がないのですから、当然です。演歌の大御所北島三郎さんが北海道から中野に降り立って、新井に北島音楽事務所を設立し、中野区に本社を構えていた株式会社第一興商の手によって商業用カラオケシステムが中野で生まれて、中野は演歌の街、カラオケの街としての側面も持っていますが、その側面がもう見られなくなってしまっています。2013年、中野区と株式会社第一興商は高齢者の交流促進や健康づくり、介護予防にカラオケを活用する事業で提携しておりますが、中野区をカラオケや演歌で盛り上げ、高齢者たちをターゲットとした新規事業の拡大までには至っておりません。区として、今後新しい中野サンプラザのホールができるまでのつなぎとしても、なかのZEROや中野区役所1階ナカノバなどを活用した若者向け、高齢者向けをターゲットとしたイベントの検討と実施、またはイベンターに対し若者、高齢者向けイベントの促進企画支援メニューなどが必要と考えますが、いかがでしょうか。 そのほかにも路上ライブなどの規制緩和、インバウンド政策やツーリズムについて、明治大学、帝京平成大学以外の東京工芸大学、こども教育宝仙大学、国際短期大学、早稲田大学などの各分野での連携について、商店街の防災力や発災時の町会と連携強化について、野方応援芸人などをまねた区内各地域のお笑い芸人応援団制度についてなどの経済対策もお話ししたかったのですが、またの機会にして次の質問に移ります。 ウェリントンとの交流について伺います。 7月下旬には酒井区長はウェリントン市への訪問をされました。子ども交流事業の視察はもちろん、マオリ出身の市長と対談することや市当局との協議など充実した訪問だったと聞いています。今回の訪問内容とその成果について伺います。 今回の成果を踏まえて、今後ウェリントン市との交流をどのように展開していくのでしょうか。市民交流を促していくためには、行政がコーディネーター役を担う必要があると考えます。現在想定している連携などについて、見解を伺います。 そもそもウェリントン市との交流は、子ども交流事業として開始から40年がたち、その充実も検討すべきと考えます。具体的には、現在はホームステイを提供できる家の子どもまたは自費で旅費を負担できる生徒のみが訪問できる仕組みとなっていますが、もっと幅広く体験ができる仕組みを検討していく必要があると考えますが、見解を伺いまして、次の質問に移ります。 多様性のある社会の実現について。まずは多文化共生について伺います。 9月15日、中野区役所1階ナカノバで明治大学国際日本学部山脇ゼミ主催でやさしみんワークショップというイベントが開催されます。日本人の住民と外国人の住民をつなぐ、やさしい日本語を分かりやすくゲーム形式で学べるというもので、各町会をターゲットに参加者を募集しておりました。我が会派の山本議員がかつて、外国人を早期に地域に取り込み、外国人も防災の観点を持たせるのが必要で、事前に訓練などにも取り込んでいくことが肝要という切り口で質問をしておりましたが、大事な観点だと思っています。中野区に1万3千世帯、2万人程度住んでいる外国人と町会との関係を深めるための取組を進めるには、行政主導で具体的な活動などを企画し、町会を巻き込んで共有し実施し続ける必要があると考えます。 地域課題、ゴミ処理、防災、生活相談、文化交流などのコミュニティを構築し、交流の場を企画・運営するために、今回の山脇ゼミのやさしみんのように事前に外国人住民との接し方や交流方法を学ぶ機会を全区的に展開していく必要があると考えますが、いかがでしょうか。町会や地域のイベントが町会掲示板に貼られていますが、事業主から要望があれば、多言語化ややさしい日本語化を行政で行ってあげる、または外国語のチラシはありませんかなども啓蒙して、情報を多言語で提供できるようにすべきと考えます。ホームページやSNS、ためまっぷなどでも、なるべく多くのやさしい日本語や多言語化した情報を掲載し、外国人住民が必要な情報を取得しやすい環境を整えるべきと考えますが、区の見解を伺います。行政主導まではいかなくとも、町会や地域の学校、企業などと協力して多文化交流イベントを企画・実施し、このようなイベントを通じて、町会と外国人住民が自然に交流できる場を今まで以上に提供することが必要と考えます。外国人とのさらなる共存、スムーズな共生をお願いして、次の質問に移ります。 パートナーシップ宣誓制度について伺います。 中野区は多様な生き方、個性及び価値観を受け入れることができる地域社会の実現を目指すことを目的として、平成30年よりパートナーシップ宣誓制度を導入し、本年8月末時点で152組がこの制度を活用しています。パートナーシップ宣誓制度の導入自治体は460を超え、人口カバー率も85%を超えたと言われています。パートナーシップ宣誓制度を利用している方が転出・転入する場合に生じる負担の軽減を図るため、転出先での宣誓を不要にするなどの自治体間連携を行っている自治体もあります。こうした制度や取組は歓迎されるものではありますが、そもそも同性パートナーは異性間の法律婚や事実婚と比較して、社会保障面等で不利益が生じています。同性パートナーや法律婚、事実婚などにかかわらず、誰もが等しくサービスを享受することができる社会の実現が望まれると考えますが、区長の見解をお示しください。 本年第1回定例会では、水防及び災害応急措置に従事した者の遺族補償の対象に同性パートナーも含める制度を新設すること、また職員向け家族用防災要員住宅の入居資格に同性パートナーも含めるよう規定変更するとの報告がありました。国に先駆けてこうした取組を行っていくことは重要と考えますが、いかがでしょうか。一部の自治体では同性パートナーの住民票の続柄について「夫(未届)」、「妻(未届)」と表記する動きがあります。このことについて、第2回定例会の石坂議員の質問に対し、中野区はパートナーシップ宣誓制度を導入していることから、その理念に沿った検討を直ちに行ってまいりたいと答弁がありました。その後の検討状況について伺いまして、最後の質問に移ります。 その他で、2件伺います。 長年その場で事業を営んできた建物なのに、用途地域の制限があるために建て替えられないという区内事業者からの相談を複数の方から受けております。先日行われました中野駅周辺整備・西武新宿線沿線まちづくり調査特別委員会の中野三丁目の土地区画整理事業の報告の際に、第一種中高層住居専用地域に新たな自転車駐車場を区として作れるかどうかという質問をしましたところ、そのままでは建てられないが、特例許可を使えば建てられるとの回答でした。特例許可とは、用途地域で制限された枠を超えたものが建てられる、ある意味特別な規制緩和が可能ということです。用途地域が住居専用地域や近隣商業地域であっても、特例許可で建て替えが可能にできる場合があると考えますが、いかがでしょうか。またその際の条件などもあれば伺います。 次に、中野四季の森公園の芝生エリアとイベントエリアを結ぶ横断歩道の増設について伺います。 この公園は、イベント時に道路を挟んで芝生広場とイベント広場が一体活用できず使いづらい、道路横断を止めるための警備をつける必要があり大変などの声が上がっております。令和4年第2回定例会で、我が会派の河合議員からも質問させていただいておりますが、そのときの答弁では、新たな使われ方が生まれた場合に再考するとのことでした。経済界の方たちも根気よく警察署に働きかけを行っています。新区役所もでき、新たなニーズも生まれておりますので、改めて新たな横断歩道の設置の進捗状況をお聞かせいただけますでしょうか。 伺いまして、以上で私の全ての質問を終わります。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 杉山議員の御質問にお答えいたします。 初めに、区有施設整備計画の改定についてで、次期区有施設整備計画における物価高騰の反映についての御質問です。 計画的に財源を確保し、適切に区有施設を更新・保全していくためには、適正な施設更新経費の推計を行う必要があると考えております。次期区有施設整備計画における施設更新経費につきましては、昨今の物価高騰や社会情勢等を踏まえた上で推計していく考えでございます。 続きまして、権利床等の貸付料に係るルールの策定についてです。 権利床等の活用について中野区区有施設整備計画では、中野駅周辺の利便性を生かした区民サービスの向上に資する活用方法のほか、民間活力の活用も視野に入れた検討を行うとしております。貸付料につきましては、活用方法や立地条件などを踏まえて個別に算定しているところでありますが、基本的な考え方を整理することについては検討してまいります。 次に、区有施設の暫定活用に係る基準についてです。中野区区有施設整備計画では、資産の有効活用として相当期間空くことが見込まれ、施設の安全性が確保できる場合、支障のない範囲で別用途として暫定貸付けをしていく考え方を示しております。今後も資産を有効活用するためには、区としての活用や民間貸付け、売却などの計画に支障のない範囲で暫定貸付けについて検討してまいります。 次に、旧商工会館跡地活用のスケジュールについてです。旧商工会館跡地の活用につきましては、現状と課題を改めて整理し、商工会館跡地及び産業振興センターに係る整備方針を検討しているところであります。産業振興に係る支援の強化や中高生の交流機能は早期に整備したいと考えておりまして、できるだけ早く整備方針を取りまとめ、議会にお示したいと考えております。 次に、物価高騰対策についてで、物価高騰を前提とした財政運営についての御質問です。人件費だけではなく、燃料費や原材料なども含め、物価高騰状態は当面続くものと認識をしております。令和6年度予算編成においても、工事や委託、物品購入の契約について事業者から最新の見積りを徴取して、直近の物価高騰の状況を十分に踏まえて予算積算を行ったところであります。今後の予算編成や財政フレームにおいても、現状の物価を踏まえ、将来も安定した区政運営が行えるよう財政運営に努めてまいります。 次に、区民や区内事業者の現状把握についてです。物価高騰の影響につきましては、区民や事業者、団体とのヒアリングを通じて、現状の把握に努めているところであります。 次に、物価高騰対策の検討についてです。 物価高騰対策につきましては、現在、国や東京都が検討を進めている状況であると認識をしております。区としては、国や東京都の動向も見極めつつ、社会状況を踏まえた上で、昨年度に実施した対策や新たな対策も含め、どのような対策を実施する必要があるか検討を進めます。 次に、中小企業の雇用支援としてのマッチングサービスの御質問です。売手市場の中、区内中小企業の人材確保・定着は一層困難になっておりまして、単なるマッチングサービスだけではそれらの改善は難しいと認識をしているところであります。区内中小企業及び経済団体と協議しながら、様々な機会を通じた求人案内の発信に努めるとともに、インターンシップの実施など、区が実施している中小企業の人材確保支援への補助対象の拡充を図ってまいりたいと考えております。さらに、ハローワークや東京しごと財団によるアウトリーチ型の相談・面接会を一層充実してまいります。 次に、財政調整基金積立の考え方の見直しについてです。財政調整基金の年度間調整分につきましては、過去の実績から年間50億円の一般財源の減収を見据え、3年で150億円を確保し、さらに様々な影響を踏まえて200億円を目標としております。基金の積立額につきましては、財政調整基金だけではなく、施設の改修費に用いる基金についても、物価高騰の影響を強く受けていると認識をしておりまして、長期的な財政フレームを考慮した上で基金全体の積立ての考え方の検討、こちらを進めていく必要があると考えております。 続きまして、スマートウエルネスシティ中野の推進についてです。 スマートウエルネスシティの取組状況と今後の展開についてです。スマートウエルネスシティの理念を踏まえた取組を進めるため、8月下旬に提唱者である筑波大学の久野教授を講師として招き、職員向けの研修を行ったところであります。スマートウエルネスシティは、区民の健康度と幸福度を高め、歩きたくなるまちづくりを目指す考え方でありまして、健康施策はもとより、文化、産業、まちづくりなど横断的に取り組んでまいります。こうした考え方や今後の取組につきましては、本定例会中の厚生委員会においてお示しする予定であります。 次に、エビデンスに基づいた施策の展開についてです。スマートウエルネスシティの施策展開に当たって、医療・介護など様々なデータ分析が必要でありまして、大学等研究機関と連携しながら進めてまいります。 次に、研究事業の利活用についてです。九州大学によるLIFE Studyをはじめとした研究事業への参加につきましては、ワクチンの接種歴の確認やワクチンの有効性、安全性の検証等に資することができる可能性もありますので、検討してまいります。 健康ポイントの検討状況についてです。自らの生活習慣を見直すきっかけとして、日々の歩数や体重、食事、睡眠などを気軽に確認をし、自律的かつ継続的に健康づくりに取り組めるよう、スマートフォンの健康管理アプリやウェアラブル機器の導入を検討しています。活動に応じた健康ポイントをインセンティブとして付与し、ナカペイにおけるポイントに交換できる仕組みも想定をしているところであります。 次に、産業振興・商店街支援などの経済対策についてで、初めに区民以外もプレミアム付きデジタル地域通貨を購入可能とした理由についての御質問です。 中野区基本構想は、中野に住む人々のほか、中野の街で働き、学び、活動する人々の共通目標であるということで、在勤者、在学者、来街者にも中野区の地域通貨を利用いただきたいと考えているところであります。また、デジタル地域通貨の導入に当たっては、まずは利用者と加盟店舗を増やすことが不可欠であり、在勤者、在学者、来街者を対象に含めることでそれらが担保されること、さらに加盟店舗における売上げ向上が期待できると考えているためでございます。 次に、区民限定のプレミアム付きデジタル地域通貨の発行です。中野区が実施するデジタル地域通貨は、データ収集と分析が可能であります。今回実施するプレミアム付きデジタル地域通貨の販売実績と利用状況の分析結果を踏まえるとともに、利用者や加盟店舗の意見も伺いながら検討してまいります。 次に、デジタル地域通貨の地域別付与、利用でございます。中野区のデジタル地域通貨は、仕組み上、エリア別など限定した地域通貨の発行やその利用が可能でございます。今後、中野区商店街連合会などの経済団体や各商店街と意見交換しながら、次年度以降の実施に向けて特定商店街や商店街イベントにおけるポイント付与や還元について検討してまいります。 次に、区から警察、消防などへの働きかけについてでございます。区では、中野駅北口の商店街が中心となった夜間防犯パトロールに警察や消防などの関係機関とともに参加しておりまして、今後も継続して取り組んでまいります。このパトロールなどを通じて、不定期な見回りや指導の強化なども働きかけてまいります。 商店街の維持に向けた支援でございます。商店街活動の担い手不足や各店舗の後継者不足による商店街の解散意向に加え、街路灯の維持管理の負担をはじめ、各商店街が抱える課題が様々あると認識をしております。こうした状況を踏まえて、中野区商店街連合会と連携をし、各商店街の相談に応じるとともに、利子補給率を優遇した商店街出店者優遇支援や商店街が自己負担なく受けられる専門家派遣支援、またまちづくりを契機とした商店街の活性化策の実施に取り組んでいく考えでございます。 次に、ナカノバやなかのZEROでの若者・高齢者イベントの実施です。中野サンプラザシティの大ホールが整備されるまでの間、新たなイベントや企画を実施することは必要だと認識をしておりますが、中野サンプラザで実施されていた興行と同規模のイベントを区内で補完することは難しいと考えております。区役所1階ナカノバやなかのZEROで実施できる事業には、広さや音など様々制限がありますが、その中で若者や高齢者向けのイベントの実施について、なかのZEROの興行事業者や区内団体等に促してまいりたいと考えております。 続きまして、ウェリントンとの交流についてです。 ウェリントン市への訪問内容と成果です。今回の訪問では、ウェリントン市長への表敬訪問と意見交換をはじめ、ウェリントンカレッジの英語特別クラスで受講している中野区の子どもたちの視察、ニュージーランドの多文化共生を進める団体の会長との多文化共生についての意見交換など充実した訪問となりました。ニュージーランドやウェリントン市の現状を把握するとともに、ウェリントン市とは子どもの交流をはじめ、文化、産業、経済、教育など広い分野での交流に向けて、双方の自治体の情報交換や認識の共有が図れました。また、今後さらに意見交換等を行い、具体的な交流につなげていくことが確認できたと認識をしております。 次に、今後のウェリントン市との交流です。双方の住民同士の交流を促していくためには、中野区とウェリントン市がコーディネートすることが有効だと考えております。今後はオンライン会議などを活用し、より密に情報の共有や意見交換を行いながら、双方の自治体の特性の理解を深め、文化、産業、経済、教育のどの分野でどういった連携や交流を行っていくか具体的な検討、調整をしてまいります。 次に、友好子ども交流事業の充実です。現在の友好子ども交流は、ホームステイを前提としていることや、対象校が限られていることなど、参加が限られていることが課題だと認識をしております。より多くの中野区の子どもたちが当事業に参加できるよう、訪問や受入れの在り方について中野区国際交流協会やウェリントン中野教育協会などと協議し、工夫してまいります。さらに、子どもたちのオンラインでの定期的な交流も検討してまいります。 次に、多様性のある社会の実現についてで、外国人住民との交流方法等を学ぶ機会の全区展開についてでございます。 生活習慣や文化が異なる者同士が身近な生活に関することをテーマとした意見交換や交流は多文化共生に寄与するものであると認識をしております。現在日本人でも難しいごみの分別ルールを共通の課題として、日本人住民と外国人住民が交流を図るイベントの開催を自治会と協力して企画をしておりまして、この成果などを踏まえながら、関係団体と連携をして促進を図ってまいります。 やさしい日本語や、多言語でのイベント情報の発信です。町会や地域のイベントへの外国人住民の参加を促すために、やさしい日本語または多言語でのイベント情報の発信が重要です。一方で、多言語による併記などによって分かりづらい情報発信となってしまうこともあることから、その活用に当たっては、イベントの内容や対象などを見極め、効果的に行う必要があると考えております。以上のことを踏まえ、職員を対象としたやさしい日本語研修の場で、やさしい日本語を活用した情報発信を促していくことや、地域のイベント等の情報発信への助言など、外国人住民が必要な情報を取得できるよう、当事者の意見を伺いながら取組を進めてまいります。 次に、多様性のある社会の実現についてで、誰もが等しくサービス等を享受することができる社会の実現についての御質問です。 同性パートナーが法律婚や事実婚と比べて不利益を被ることがなく、同様の権利を得られる社会の実現を望んでおります。そうした社会の実現に向けて区としてできることを行っていくとともに、国に対しても社会保障制度の見直しなどについて検討を行うことなどを求めてまいります。 次に、国に先駆けて行う取組についてです。区の制度やサービスにおいて事実婚を対象としている場合に、パートナーシップ宣誓者も対象に含めるよう見直しをこれまで行ってきております。こうした取組を行っていくことは、社会全体における性的マイノリティに関する理解の増進にもつながるものと考えておりまして、今後も引き続き行ってまいります。 最後に、同性パートナーの住民票の続柄の検討状況についてです。パートナーシップ宣誓制度を利用する方に寄り添った形で続柄の記載が可能となるよう具体的な取扱内容について検討を進めているところでございます。 〔都市基盤部長松前友香子登壇〕 ○都市基盤部長(松前友香子) その他の御質問にお答えをいたします。 まず、用途規制の特例許可について。建築基準法では用途地域によって建築できる用途が定められており、その制限を超える用途の建築物を建てようとする場合、特定行政庁が各用途地域における市街地環境を害するおそれがないと認め、または公益上やむを得ないなどと認めるものについては建築が可能となる場合がございます。例えば、住居系用途地域であれば、その建築物がその用途地域における良好な住環境を害するおそれがないことなどを考慮して判断をすることとなります。 次に、中野四季の森公園前の横断歩道の増設についてです。中野四季の森公園の芝生エリアとイベントエリアを結ぶ横断歩道の設置につきましては、交通管理者に対して区として設置要望を実施してきたところでございます。交通管理者からは、横断歩道を令和7年の夏頃までに設置できるよう準備を進めていると聞いてございます。 ○議長(酒井たくや) 以上で、杉山司議員の質問は終わります。
中野区議会議員 加 藤 たくま 1 社会情勢を勘案した中野区区有施設整備計画の改定に向けての懸案事項について (1)物価高騰について (2)人件費上昇について (3)同計画の改定について 2 部活動の地域移行について 3 旧中野刑務所正門について 4 中野区デジタル地域通貨「ナカペイ」について 5 その他
○議長(酒井たくや) 次に、加藤たくま議員。 〔加藤たくま議員登壇〕 ○15番(加藤たくま) それでは自由民主党議員団の立場から、一般質問をさせていただきます。 本定例会よりモニターの使用が可能となりましたが、現状中継動画でモニターを撮影はしません。かつ、議事録はこれまでどおり作成されることから、画像をモニターに映し出すものの説明を十分にする時間はないことに御理解いただければと思います。 それでは、1、社会情勢を勘案した中野区区有施設整備計画の改定に向けての懸案事項についてから質問いたします。 中野区では、今後10年間の財政運営の収支計画を財政フレームとして適時更新しております。2021年9月、中野区基本計画(2021-2025年)が改定され、その5年間を前期2年間、後期3年間に分けて、次期基本計画の5年間をそれぞれ必要経費として合計値を示しており、次期基本計画の施設関連経費は407億円と示されました。そして中野区は、新型コロナや物価高騰等の社会情勢の変化により、この基本計画の一部変更をしたいということで、中野区基本計画の後期3年間を中野区実施計画ということで策定をしました。基本計画同様、次期基本計画の施設関連経費が示されまして、641億円となりまして、1.57倍に跳ね上がりました。このことについて、令和5年中野区議会第4回定例会総務委員会において伺ったところ、物価高騰による建設コスト増に20%増、ZEB化、要するに環境に配慮した建物にすることで10%上昇、整備費用は1.3倍増えると。先ほど1.57倍と言いましたけれども、その差の27%は、施設改修の遅れや区民ニーズにより廃止予定施設を残存し、施設改修の必要性が生じたためということであります。 建設費用をハード事業費として、その他区民サービスをソフト事業費としたとき、ソフト事業費は毎年平均30億円の必要経費が増加している現状を、以前の予算特別委員会で指摘させていただきました。それに建設コストの上昇を加味して試算すると、5年後の令和11年頃には今のペースでいけば区の財政が破綻する可能性を示唆しました。また、近年の学校などの建て替えによっては、延べ床面積がおよそ1.3倍になっております。鍋横区民活動センターの建て替え計画においては、延べ床面積が530平米から1.79倍の949平米と増床しております。区有施設整備計画において、更新年数経過後に現在と同じ延べ床面積で更新すると仮定し、延べ床面積を更新単価を乗じて更新経費と試算するとしているにもかかわらず、区民ニーズを反映のためか、面積を激増させています。ちなみに、先ほどの施設関連経費の上昇理由にこの延べ床面積の上昇は入っておらず、反映すればその分費用が上昇します。もちろん必要に応じて面積を増加すべきでありますが、区有施設整備計画における現在と同じ延べ床面積で更新という前提条件は破綻しております。予算には限りがあり、財政課、施設課などは、区有施設の建設において基本設計を手がける前に予算、延べ床面積等の規模感をそれぞれの施設に示し、持続可能な財政運営に努める必要があると考えます。工事に関わる費用を精査できなければ、新たな区有施設整備計画、それに関連して次期基本計画を策定することはできません。 そこで、今後の施設整備計画に大きな影響を与える物価と人件費等の高騰について、質問をいたします。 それでは物価高騰について。我が会派では、8月下旬から9月初旬において多くの団体様と政策懇談会を開催させていただきましたが、とりわけ物価高騰対策について多くの御意見を頂きました。事業者は契約期間中に上昇した物価上昇分の補填を求めており、決してわがままを言っているわけではありません。一般財団法人建設物価調査会によると、東京における建設資材の物価上昇は2015年1月を100とした場合、右肩上がりに上昇し、2024年7月は138.3、10年間で38%の上昇、うち2021年以降の3年間で33%の伸び率です。数か月で建設資材の値段は大きく変わるため、工事請負契約約款第26条第6項におけるインフレスライド条項の規定があります。事業者は賃金水準または物価上昇の変動により契約金額が不当となったことを区へ資料として示し、区と協議できるものです。都の工事単価を採用している品目以外のオーダーメイドの建設資材、例えばサッシや可動間仕切り壁、エレベーターなどの品目についてはインフレスライドの対象項目から反映されないということでした。対象項目をできるだけ細かく指定しなければ、事業者が物価高騰による収益悪化を丸々飲み込むことになると考えますが、現在の区の対応について伺います。 今取り上げたものは短期的な視点でありましたが、長期的な視点で言いますと、2021年6月に報告された中野区基本計画改定素案の時点で施設関連経費は407億円と先ほど示しました。その後、実施計画策定までの期間で建設資材の物価高騰は22%であり、先ほど20%上昇と言っておりましたが、既にもう22%の上昇になっていたわけで、現在においては30%以上の上昇ということであります。区有施設整備計画を検討する上で物価高騰の取扱いについては、十分に反映しなければ施設計画を破綻すると考えますが、区の見解をお伺いいたします。 続いて、人件費の上昇についてお伺いします。 公共事業の設計労務単価は、平成24年度に単価算出手法の大幅改定があり、必要な法定福利費相当の反映が実施され、12年間連続右肩上がりで増加し、プラス75.3%となりました。それに加えて、2019年に施行された働き方改革関連法案では、時間外労働の上限規制を罰則付きで定めました。ただし、建設業界や運送業界においては5年間の猶予期間が与えられ、2024年4月からの適用となりました。 長時間労働の是正により、時間外勤務の見直し、週休2日制が実質義務化し、建設業では工事現場への移動・準備時間なども勤務時間に含まれるようになってきました。以前であれば工事現場における労務管理は粗雑で、例えば、7時に会社に集合、車に道具と材料を積み込み、現場に向かい、8時に現地到着。道具と材料を下ろして8時半に作業開始としたとき、7時からの準備、移動時間は勤務時間に含まれないことが多かったそうです。今の事例でいえば、働き方改革前の実質作業時間を8時間としているのであれば、働き方改革後は、片道の移動等の時間で1時間かかっていれば、往復2時間分が勤務時間になるために、実質の作業時間は6時間になり、作業時間は25%減ったわけです。1日の作業時間減少に伴いまして、作業日数、人工が激増する上に、週休2日制度が義務化されました。 そのような制度上大きな変革がある中、様々な団体より現場の声を伺いました。まず、現場監督は現状土日に作業報告をまとめざるを得ず、働き方改革はまだまだ道半ばだそうです。また、例えば夏休み期間中の小学校給食室の工事案件では、休みが交代制の仕様になっており、休暇が取りにくい現場となっております。つまり、休みが1日もなかったということです。他にも、現場によっては休日に検査を行っているところもあるなどの声を聞いております。働き方改革を実現するためにも、区の体制、職員の対応を改善し、工期をしっかりと確保する、もしくはそれだけの人工が確保された仕様で契約発注が必要と考えますが、区の見解をお伺いいたします。 続きまして、同計画の改定について。 区有施設整備計画を改定するに当たり、中野区の財政事情に対して、身の丈に合った中野区に必要な施設数、配置、延べ床面積等などの目標値を定めるファシリティマネジメントを策定すべきだと考えます。そのためにも単体の施設のみで考えずに地域ごとに必要最低限の施設数、配置、面積などをいま一度改めて精査し計画を策定すべきと考えますが、区の見解はいかがでしょうか。 施設更新においては現地建て替え、跡地活用などもありますが、今後は民間活力を最大限に利活用を図るべきです。中野駅新北口駅前エリア、新中野サンプラザは、高度利用地区の指定により容積率600%だったものを、地域に対する公共貢献をするという条件の下、容積率を1,000%として計画いたしました。割増し容積のメニューとしては、空地等の緩和の項目として、空地の確保、公共的屋内空間、緑化施設、一時滞在施設、宿泊施設があり、空地等の緩和以外の項目として、住宅、質の高い住宅の確保というメニューを活用しております。今後、中野区がまちづくりに関与する際には、積極的に高度利用地区などを指定することで、区が負担することなしに公共施設、空間を作り出していくべきと考えますが、区の見解を伺います。 ナカノサウステラの中野区の保留床については、令和6年第1回定例会で長時間にわたる議論をさせていただきましたが、一等地であり、公共的な活用として良案がなければ、その資産の潜在的な価値を十分に引き出すために、条件なし、市場価格で貸し出すなどを検討すべきと考えますが、区の見解はいかがでしょうか。ちなみに、港区ではそういう考えがあるそうです。 区が所有すべき施設の精査ができましたら、施設整備費用に幾らかかるか試算します。さきにも取り上げましたが、物価高騰、人件費上昇が激増する中、施設を整備する時期によって価格が変動することを勘案した中長期の現実的な整備費用を試算する方法を検討すべきです。 最後に、財政状況と相談です。中野区が策定する財政フレームの歳入は、実質GDP成長率を加味した内閣府の経済財政諮問会議、中長期の経済財政に関する試算を引用するなど、インフレが反映されています。しかし、歳出においては物価高騰が反映されておらず、間違っていると断定できる財政フレームが編成され、財政的に余裕があると勘違いし、新規・拡充事業が乱発されることを恐れます。物価高騰、人件費上昇等により、建築後30年で大規模改修、建築後60年の建て替え方針では財政がもたないために、長寿命化することを念頭に区有施設整備計画を大幅に改定すべきと考えますが、いかがでしょうか。 また新たに整備する施設の延べ床面積の増加を前提とするのであれば、せめて上限値を設定する、複合施設を建設するなど、区全体で延べ床面積の上昇を抑制する必要があると考えます。また、整備の優先順位をつけるという考え方もあろうかと思いますが、区の見解はいかがでしょうか。 順番はこの限りではないですけれども、こういった一連の作業を思考実験で何周もすることになってくるのでしょう。このパズルは持っているピースでは絶対に完成することができません。削除するピース、統廃合するなど大きく形を変えるピース、ゼロから作るピースもあるかもしれません。しかし、そのピースはなぜ削除するのか、形を変えるのか、財政状況を軸にその理由を区民の皆様に丁寧に説明しながら進めることをお願いしまして、本項目の質問を終えます。 続きまして、部活動の地域移行について。 移行期間は令和5年度から令和7年度の3年間で、令和8年度以降、教員が土日に部活動の指導をしない体制の構築が進められています。そのため、土日における中学生の指導者を学校以外から招聘する必要があります。過渡期となる今、非常に困難である事業ですが、地域力向上のために大きなチャンスと捉えるべきと以前に説明させていただきました。 例えば、町会をイメージすると、役員を務める70、80歳代が活動の中心の世代となります。世代をつなぐ縦のつながりは同じ中学校、小学校の関係がありますけれども、関係としてはいまいち脆弱です。ここで、世代間を超えたスポーツや趣味、こういったものを、そのグループが地域に参画することで全世代的に結束力がある縦のつながりが形成できると考えます。部活動の地域移行はこのつながりを地域に育むことを期待いたします。 渋谷区の部活動の地域移行は参考になります。渋谷区体育協会は、2024年7月1日付で一般社団法人渋谷ユナイテッドと合併し、新たに一般財団法人渋谷区スポーツ協会として生まれ変わりました。部活動の地域移行をサポートする団体として合理的な形を求めた結果です。渋谷区は町全体でスポーツを推進するという大きな目標達成に向け、可能な限り区立学校の地域開放を推進しているそうです。その団体は企業スポンサーをつけて無償で合同部活動を運営しており、生徒に多様なスポーツに関わる機会を提供するよい取組ですが、中野区教育委員会も同様の手法を検討していただけないか伺います。 部活動の地域移行に向けて中野区体育協会から、例えば弓道、居合道などなかなか経験できないスポーツ体験を提供できると伺っております。様々な原体験は子どもたちの人生の糧になっていくでしょう。教育委員会、関係団体が無償でスポーツを楽しみたいライト層に向けた練習、体験の場を提供すべきと考えますが、いかがでしょうか。 一方で、本気でスポーツに取り組みたい層もあり、そのような場合には指導者を通じて有料のクラブ、スクールを紹介するという考えもあります。これまでは移行期間中の土日の活動について提案させていただきましたけれども、移行の完成をイメージすれば、部活動の地域移行先として地域で活動するスポーツクラブ、スポーツスクールが考えられます。しかし現状、それらの団体は常に活動場所の予約に労力を取られており、この問題を解決することなしに地域移行は困難であります。現在、スポーツ・コミュニティプラザに公認クラブを認定しており、毎週決まった時間を利用することができます。部活動の地域移行に関わる地域で活動するスポーツクラブ、スポーツスクールの団体に対してグラウンド、小学校などにも同様の認定制度を策定し、優先的に利用できるようにすべきと考えますが、区の見解はいかがでしょうか。 ところで、中野区のスポーツ施設のうち、スポーツ振興課ではなく公園課が管理する白鷺せせらぎ公園、本五ふれあい公園、南台いちょう公園、平和の森公園にある多目的運動場、産業振興課が所管する産業振興センターの体育館があります。哲学堂公園のグラウンドのように、公園内のスポーツ施設にもかかわらず、スポーツ振興課が管理しているものがあります。また、産業振興センターの体育館は勤労福祉会館の時代からあった施設で、勤労者の福利厚生、時代的に、恐らく企業の運動会などをイメージして使われたと思いますが、現在はそのような利用はありません。よって、部活動の地域移行だけでなく、スマートウエルネスシティの推進のためにも、スポーツ施設は全てスポーツ振興課がまとめて一元管理したほうが政策を反映しやすいと考えますが、区の見解はいかがでしょうか。 令和8年3月の運用を目指す施設予約システムの改修が終われば、現金支払いなど窓口業務には影響はないと考えます。 関連して、産業振興センターの体育館、冷房がない件です。 調べていただいたところ、体育館で冷房がない施設は中野区において産業振興センターのみだそうです。産業振興センター体育館に冷房を設置すべきだと考えますが、いかがでしょうか。 次に、世界で活躍する子どもへの支援について。 先日、中野区立中学校の在学生で、あるスポーツのアジア大会で優勝してオリンピック選手になれる可能性があるような子がいるということです。部活動の地域移行がうまくいけばこのような子が多く輩出される可能性があります。しかし、その御家庭は試合のために渡航費が大変厳しかったと言っているそうです。現在国内では適用はされますけれども、海外では対象外となっている旅費の補助を検討いただけないか伺います。 この項の最後に、渋谷区ではスポーツをメインとした、学びとスポーツ部があります。スポーツ振興、パラスポーツの推進を行っております。中野区においては、文化振興のために文化・産業振興担当部長ができました。今後、部活動は文化部も地域移行するなど文化活動支援は重要となります。そこで、教育委員会と中野区の橋渡しをする文化・スポーツ部を創設すべきと考えますが、区の見解をお伺いしまして、この項の質問を終えます。 3番、旧中野刑務所正門について。 令和5年の第89号議案、令和5年度中野区一般会計補正予算で、旧中野刑務所正門の移築・修復に係る経費3億9,887万9,000円を増額しました。その議案の質疑において、我が会派は早期の平和の森小学校の新校舎整備を求める声が多いが、示されている工期は必ず守られるのかという趣旨の問いに、「工期が遅れるという認識はございません」と答弁されました。しかし、さきの8月28日の区民委員会の報告で、曳家に2か月以上の遅れが生じ学校建設に影響が出るということでした。想定外では納得がいきません。平和の森小学校、地域の皆様への対応をどうされるのか伺います。 また費用においては、移転の事業費約11億円、門の曳家、移転先の西側用地購入で約14億円、合計25億円、年間ランニングコストは100万円で、そして今回のトラブルで補正予算が組まれるという報告でした。用地購入費は、公園として認定されなければ補助金が受けられない可能性すらあります。少なからず既に25億円が計上され、納税義務者数20万人で割り返すと、区民1人1万2,000円以上の税金が使われております。既に門の拝観料1万2,000円を区民の皆様からお支払いしていただいているような状況となっております。それでもこの施設の保存が必要とあるならば、堂々とその事実を区報で報告し、寄附、クラウドファンディングで関連費用の半額、いや10分の1でも募るべきと考えますが、御見解をお伺いします。サンプラザのクライドファンディングでは、1億円が集まりました。あまりにも集まらないようであれば、保存を必要とする人はほとんどいないというエビデンスになります。 4,中野区デジタル地域通貨ナカペイについて伺います。 ナカペイは区民と中野区をつなぐDXツールです。令和7年度以降はイベントの参加、健康活動でコミュニティポイントを付与することを検討しております。スマートウエルネスシティとナカペイの融和性が高いことから大きな役割を果たすことを期待します。スマートウエルネスシティ況やコミュニティポイントの付与状況をデータとして蓄積することで、スマートウエルネスシティ中野の実現に向けたEBPMや全庁的なDXにも役立ってくれることを期待します。 しかし、中野区と区民のDX政策をまとめた現在の中野区地域情報化推進計画にはデジタル地域通貨に関するデータの活用やスマートウエルネスシティに関する取組について明記されていないために、改定時にその辺の辺りを明確に変えていく必要があると考えますが、区の見解を伺います。 次に、ナカペイのクレジットカード不正利用対策について長岡京市商工会が行ったプレミアム商品券事業では、販売総額1億円、発行総額1億2,000万円でありましたけれども、その中で200万円程度のクレジットカード不正の利用が発覚しました。八王子市の事業でも、同一人物が複数アカウント作成したプレミアムのポイントを重複取得、カードの不正利用が確認されております。不正を放置すると、カード会社は不正利用を許容しているサービスに対して、その警告としてオーソリ承認率というものを引き下げ、問題がないユーザーの取引にもランダムでそのカード決済ができないように阻害するシステムがあるそうです。つまり、ナカペイの信頼が下がれば、区民がカードを切れないという状況も起こりかねないということです。中野区はナカペイに対してクレジットカード不正利用への対策を講じるべきと考えますが、区の見解をお伺いいたします。 その他で、中野区政100周年記念事業について伺います。 中野区史・昭和編を読みますと、当時の新区役所の竣工記念で中野区史を編さんしております。その同書の編さん事業を終えてという編集後記を読みますと、当時の計画事業では2年間の予定だったものの、結果的に4年間かけて昭和編全3巻、昭和資料編全3巻の計6冊を刊行するという驚異的な事業になったと示されております。また、4年間かけたにもかかわらず、資料集めにバランスを欠き、内容もそれに準じたということもあり、4年間では時間が足りなかったと暗に語っております。竣工記念で作成するには時期を逸しておりますが、中野区政100周年に向けてであれば、今から8年後となるため間に合うと思います。中野区史を編さんするか否か、するのであればいつ頃から始めるべきなのか御検討すべきと伺いまして、全ての質問を終えます。 御清聴ありがとうございました。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 加藤議員の御質問にお答えいたします。 私からは、部活動の地域移行についてで、まずはスポーツ施設の優先利用についてです。 現在、スポーツ施設では主に中野区体育協会などの社会教育団体や公共的な団体等が行う広く区民を対象とした事業、行事を優先利用の対象としております。今後は部活動の地域移行も含め、変化していくスポーツニーズを的確に捉え、各施設の設置目的に沿った利活用が進むよう優先利用対象の見直しについても検討してまいります。 次に、スポーツ施設の一元管理についてです。各施設の設置目的や利用状況、利用者のニーズなどを十分に把握し、より効果的な運営が実施できるよう工夫してまいりたいと考えております。 次に、中野区産業振興センター体育室の冷暖房設備設置についてです。中野区産業振興センターは、小体育室は冷暖房設備がある一方で、大体育室には導入がされておりません。また、中野区産業振興センターは災害時の二次避難所でもありまして、近年の猛暑を鑑み、他の体育施設と同様、大体育室に冷暖房設備を設置することを検討してまいります。 次に、部活動の地域移行を見据えた文化・スポーツ部の創設でございます。文化部活動の地域移行に当たっては、教育委員会と区長部局の連携が不可欠であると考えております。さらに、地域における文化活動支援の重要性は一層高まるとともに、今後の文化活動の発展において重要な役割を果たすと考えております。他方で、区のスポーツ振興は、スポーツを通じた健康づくりの推進に関する施策を総合的かつ効果的に推進し、もって区民が健康で生き生きとした暮らしを持続できる地域社会の実現に寄与することを目的としております。新たな組織の創設については現行の体制やリソースも考慮する必要があると考えておりまして、最適な支援体制の在り方について今後検討してまいります。 次に、中野区デジタル地域通貨ナカペイについてで、地域情報化推進計画でのデジタル地域通貨等の取扱いについてでございます。 次期の中野区地域情報化推進計画は、令和7年度中に令和8年度以降の取組を定める策定作業を行う予定であります。改定に当たっては、区民から意見を求めることや、職員向けアンケート等によってDX政策に関するニーズやアイデアを募りたいと考えておりまして、ナカペイやスマートウェルネスシティも含め、区全体のDXを推進するアイデアが得られるよう検討してまいります。 最後に、ナカペイのクレジットカード不正利用対策についてです。 ナカペイについては、セキュリティ対策として、アプリケーション起動時の生体認証、メール認証、SMS認証機能を設けるとともに、3Dセキュアによるクレジットカードの不正利用防止策を講じているところであります。一方で、地域通貨以外がほとんどではありますが、クレジットカードを用いた不正が後を絶たず、またその手法が高度化していることから、民間専門事業者のサービスを利用した多層的なセキュリティ対策やリアルタイムでの不正検出の導入についても検討してまいりたいと考えております。 〔教育長田代雅規登壇〕 ○教育長(田代雅規) 私のほうから、部活動の地域移行についての御質問にお答えいたします。 最初に、無償で合同部活動を運営する団体との連携についてでございますが、現在、部活動の運営については、学校が主体となって進めており、直ちに企業等と連携するには様々な課題を整理する必要があると考えております。企業スポンサーをつけて無償で合同部活動を運営する団体との連携については、他地区の状況等を踏まえて今後慎重に研究してまいります。 二つ目のスポーツを楽しみたい生徒に向けた練習、体験の提供についてでございますが、これまでも本区ではスポーツの普及活動を目的として、企業団体や民間事業者などと連携し、区内の小中学校にプロ選手等を招聘して練習や体験のイベントを行ってきております。今後、中野区体育協会等関係団体と連携することで、スポーツを日常的に楽しみたい児童・生徒に機会を提供することを検討してまいります。 最後の御質問ですが、児童生徒への大会費用の補助についてです。現行の補助対象は国内の大会を想定しているところでありますが、今後世界大会等で活躍する生徒も想定でき得ることから、補助対象の取扱いについては改めて整理していきたいと考えております。 〔総務部長濵口求登壇〕 ○総務部長(濵口求) 私からは、社会情勢を勘案した中野区区有施設整備計画の改定に向けての懸案事項についての御質問にお答えいたします。 初めに、インフレスライドの対象品目についてでございます。インフレスライドの対象品目につきましては、都の工事単価以外のサッシなどの見積り単価を含め全ての品目を協議の対象とし、スライド額に反映しているところでございます。 次に、適切な工期、工事費の設定についてでございます。建設業の働き方改革を踏まえ、週休2日制を基本とするなど法定労働時間を遵守した工期を設定するとともに、適切な工事費の設定に努めてございます。工事発注に当たっては、今後も労働基準法等を踏まえ、適切に対応してまいります。 〔企画部長岩浅英樹登壇〕 ○企画部長(岩浅英樹) 私からは、社会情勢を勘案した中野区区有施設整備計画の改定に向けての懸案事項についての御質問にお答えをいたします。 初めに、次期区有施設整備計画における物価高騰への反映についてでございます。計画的に財源を確保し、適切に区有施設を更新・保全していくためには、適切な施設更新経費の推計を行う必要があると考えております。次期区有施設整備計画における施設更新経費につきましては、昨今の物価高騰や社会情勢等を踏まえた上で推計していく考えでございます。 次に、施設配置等の精査についてでございます。区有施設整備計画では、区有施設の再編及び更新に当たり、区民の日常生活圏域等を踏まえた適正配置を行うこととしております。次期区有施設整備計画におきましても、日常生活圏域等を踏まえた適正配置や集約化、複合化、長寿命化などのファシリティマネジメントの観点も含めた検討を進めてまいります。 次に、ナカノサウステラの権利床についてでございます。ナカノサウステラの権利床につきましては、最も効果的な活用を図るため、公募型プロポーザルにより活用策の提案を募集し、民間事業者を選定、貸付けを行ったものでございます。現在の契約期間は令和16年2月末となっておりまして、契約が満了後の活用につきましては、区民の意見や今後の事業実績などを参考に検討してまいります。 次に、長寿命化の考え方についてでございます。区有施設整備計画において、適切な改修・保全により長寿命化を図り、施設の更新時期を分散させることで財政負担の平準化を図ることとしております。次期の計画におきましても、耐久性調査等を行った上で、施設の状況によっては築60年以上活用することも視野に入れ、長寿命化の考え方について検討してまいりたいと考えております。 最後に、次期区有施設整備計画における延べ床面積の上限の設定等についてでございます。 区有施設の総延べ床面積は、現区有施設整備計画策定以降、子ども・若者支援センター等の整備により増加するとともに、今後も中野駅周辺まちづくりによる権利床等による増も見込まれるところでございます。新たな行政需要やユニバーサルデザインなどに適切に対応することは延べ床面積の増加にもつながることから、総延べ床面積に係る考え方については改めて検討してまいりたいと考えております。 〔都市基盤部長松前友香子登壇〕 ○都市基盤部長(松前友香子) 区有施設整備計画の改定についての御質問のうち、高度利用地区指定による民間活力の利活用についてお答えいたします。 高度利用地区は、都市開発諸制度の一つであり、地域特性に応じたまちづくりを推進する際に、土地の高度利用や都市機能の更新と充実を図ることができる有効な手段であると認識をしてございます。今後のまちづくりにおきましても、こうした制度を活用し、民間活力による公共的な施設や空間整備とともに、多様な都市機能の誘導も図ってまいりたいと考えております。 〔文化・産業振興担当部長高村和哉登壇〕 ○文化・産業振興担当部長(高村和哉) 私からは旧中野刑務所正門についてとその他の質問についてお答えいたします。 まず、正門の工事遅れに関する平和の森小学校や地域への対応についてでございます。現在、旧中野刑務所正門の移築・修復工事の工程、スケジュール等の見直しや再検討などの精査などを行っているところでございます。その後、これに伴って生じる平和の森小学校の建設工事への影響についても、スケジュールの見直しや再検討などを進めていく予定でございます。以上が明らかになった後、説明会を開催するなどにより、工事の遅れに伴う学校建設への影響などについて周知、説明してまいります。 次に、正門の移築等に要する経費の広報と寄附やクラウドファンディングの活用についてでございます。正門の移築・修復等工事、保存に要する経費を明らかにするとともに、文化財としての価値や歴史的背景を広く区民等に知ってもらうことが重要であると考えておりまして、区報その他の媒体を活用して周知していくことを検討していくことを考えてございます。正門の移築・修復等工事については、ガバメントクラウドファンディングを実施することは難しいと考えておりますが、正門の広報になるとともに保存と活用の機運が高まるよう、寄附や返礼品を含めたふるさと納税の活用について検討してまいります。 最後に、その他の御質問で、区政100周年に向けた区史編さんの検討についてでございます。 区史の編さんは、中野区の歴史を記録し、区のその時点の姿を後世に伝えるだけでなく、その編さん作業を通じて区民が郷土史を学び、区に愛着を持ってもらうことに資する事業と認識してございます。新たな中野区史の編さんの時期や方法、また区政100周年記念事業として行うかなどについては、今後検討し、明らかにしてまいります。 〔加藤たくま議員登壇〕 ○15番(加藤たくま) 区有施設整備計画において、延べ床面積を現行のまま更新する際には増やさないという前提条件は取っ払うというような趣旨の答弁だと思いましたけど、ちょっと具体的にもう少し教えていただければと思います。 〔企画部長岩浅英樹登壇〕 ○企画部長(岩浅英樹) 再質問にお答えいたします。 区有施設整備計画におけます延べ床面積の考え方でございますけれども、先ほども申しましたとおり、区民ニーズですとか、バリアフリー等を実施する場合には、必然的に延べ床面積が増えるということもございますので、これまで削減するというような計画になっておりましたけれども、それも踏まえまして、新しい計画では検討してまいりたいということでございます。 ○議長(酒井たくや) 以上で、加藤たくま議員の質問は終わります。
中野区議会議員 久 保 り か 1 西武新宿線沿線まちづくりについて 2 災害対策について 3 物価高騰対策について 4 終活支援について 5 新庁舎に寄せられている区民の声について 6 その他
○議長(酒井たくや) 次に、久保りか議員。 〔久保りか議員登壇〕 ○34番(久保りか) 令和6年第3回定例会に当たり、公明党議員団の立場で質問を行います。 質問は、通告のとおり、その他で同性カップルの事実婚、同性婚について伺います。 区長並びに理事者の皆様には前向きな御答弁をお願いいたします。 初めに、西武新宿線沿線まちづくりについて伺います。 8月26日に、野方区民ホールにて2024年西武新宿線踏切渋滞解消促進期成同盟の決起大会が開催されました。2004年に期成同盟が結成され、今年で20年。この間、私もずっと開かずの踏切解消のために期成同盟に関わってきました。期成同盟の決起大会を開催するに当たり、大野会長をはじめ多くの皆様の御尽力により、無事に成功したことに感謝をしています。長い活動の中で、一時コロナ禍では開催ができない時期もありましたが、工夫を重ね、地域の声を国、東京都、西武鉄道に届ける重要な役割を期成同盟は担っています。毎回工夫を重ねていることとは思いますが、今回の期成同盟の決起大会と決議文については特に力を入れられたことは何だったのか。これまでとの変更点についてお聞きします。 決起大会では、会場のスクリーンを使用して西武鉄道株式会社で作成された西武新宿線中井駅から野方駅間連続立体交差事業2023年度工事動画が上映されました。工事動画が上映されたことは、工事の進捗状況を分かりやすく伝えるために効果的であったと感じます。しかし一方で、工事の進捗状況がはかばかしくないようにも見受けられました。連続立体交差事業の遅れについては、令和5年第4回定例会中野駅周辺整備・西武新宿線沿線まちづくり調査特別委員会にて、事業における未取得地が原因で工事の遅延につながるということはないか、現在行われている鉄道シールドに支障となる中野通りの下の移設工事が遅れの原因になることはないのかなどの確認をさせていただいています。中野通りにおける下水管移設工事の完了予定時期はいつか、また現段階での地下化工事の遅れの原因は何なのか、現在2027年3月完了としている地下化工事がさらに遅れる心配はないのか伺います。 先日、公明党議員団の中野駅周辺整備・西武新宿線沿線まちづくり調査特別委員会メンバーで、西武新宿線地下化を求める連絡会の皆さんと懇談をさせていただきました。同会の連絡会ニュース号外の沼袋第4号踏切は通れなくなりますとの記述に、地域住民から不安の声が届いていることをお伝えすると、連絡会の皆さんも区からの正しい情報を求めていることが分かりました。車両の通行は難しいようですが、歩行者、自転車の通行は可能にすべきであります。また、車両においても、第3号踏切の位置などへの誘導により通行が可能であると考えます。沼袋第4号踏切の踏切除却と代替の通行計画について、踏切除却後の沿線のまちづくりを担う区が責任を持って住民に説明をすべきです。沼袋第4号踏切除却と代替の通行計画の在り方について説明を求めます。 また、同会のニュースでは、野方第1号踏切も含めた踏切除却を区は求めている。中野区の案では、踏切は除却されるが、北側にも南側にも多くの立ち退きが生じる、全ての踏切をなくすには立ち退きが最低限になる複線シールドの地下化が最適との記述があります。これまで、野方以西の連続立体交差事業の構造形式について度々質問を行っていますが、区は野方以西の連続立体交差事業は高架化が優位性があると繰り返し述べられています。高架化が優位であるとの理由を御説明ください。加えて、野方駅第1号踏切除却を含めた検討状況はどうなっているのかを伺い、この項の質問を終わります。 次に、災害対策について伺います。 国の中央防災会議は6月、国や自治体による災害対応の基礎となる防災基本計画の修正を決め、能登半島地震で高齢者などの要配慮者が数多く被災したことを踏まえ、災害応急対策に福祉的な支援の必要性を明記しました。指定避難所の保健衛生環境の整備が必要で、特に快適なトイレ環境の整備を求めています。また、指定避難所の保健衛生環境の整備については、仮設トイレなどの早期設置に加え、簡易トイレ、トイレカー、トイレトレーラーを明示し、より快適なトイレの設置に配慮するよう努めることを市町村に要請しています。 首都直下地震などの大規模災害が起きた場合にトイレが不足する事態に備えようと、品川区では公明党議員団の推進により、水洗トイレを備えたトラック、トイレカーを導入することを23区一早く決めました。トイレカーはタンクから給水できる水洗トイレと太陽光発電を備えたトラックで、今年1月の能登半島地震の被災地では断水や停電が続き、トイレ不足が問題となる中、各地から派遣されて活用されました。調布市でも個室の洋式トイレに加え、車椅子の人や人工の肛門や膀胱を付けたオストメイトの人のための設備も備えた大型のトイレカーを来年1月末に導入することを目指していて、災害時以外にもイベントなどで活用するということです。中野区でもトイレカーへの導入に向け早急に取り組むべきと考えます。区の見解を求めます。 近年、台風や豪雨など風水害による被害が増加傾向にあります。本年8月にも大型の台風が上陸するとの予報に、中野区でも被害を最小限にとどめるために準備を進めていました。とりわけ、子どもたちを預かる保育園などの子ども施設では登園を可能とするのか、閉園を決断しなくてはならないのか、判断するのも非常に難しく、慎重でなくてはなりません。現在、台風時の保育園、幼稚園など子ども施設への閉園基準や災害情報の提供については、どのようになっているのでしょうか。昨今の風水害の増加に備え、情報提供や連携の在り方を見直す必要はないのでしょうか。お聞きします。 保育園各園が作成するBCPについて、2020年11月に示された中野区私立保育園事業継続計画は、震災のみの対応であり、台風などの風水害への対応がされていません。また、エッセンシャルワーカーと呼ばれる仕事に従事する保護者も多く、保育園の職員自体もエッセンシャルワーカーでもあります。新たな課題に対応できるように、保育園におけるBCPの基準を見直すべきではないでしょうか、御見解を伺います。 先日、隣接する持ち主不明の空き家の屋根の瓦が敷地内に落下してきたという方から御相談がありました。既に住宅の敷地内に瓦が落下していることから、台風の際には窓ガラスなどが瓦で割られるのではないかと不安を抱えているとのことでした。実際には台風が中野区を直撃することはなく、被害には及びませんでしたが、対応策が必要であると改めて感じました。管理不全の空き家対策について、近隣住民からの相談が増加傾向と聞いています。今後は自治体の責任も問われる可能性があるのではないかと考えます。 令和5年12月に改定された空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律では、相続放棄、所有者不明・不在の空き家への対応を市区町村が裁判所に相続財産清算人の選任を請求し、修繕や処分を実施することができるとされています。管理不全空家について都市基盤部長を中心とした空き家等対策会議にて指定基準を明確にし、持ち主のいない管理不全空家に対する区の対応策を明確に示す必要があるのではないでしょうか、伺います。 さらに、市区町村長から勧告を受けた特定空家の敷地について固定資産税の住宅用地特例を解除することができることとなっています。特定空家の認定等を行うための専門家による協議体を設置し、対応策を検討するべきではないでしょうか、御見解を伺います。 この項の最後に、学校の猛暑対策について伺います。 この夏も昨年同様に記録的な猛暑となり、区では連日のように熱中症に御注意をと区民に猛暑対策を呼びかけています。7月には文部科学省から、学校における働き方改革に配慮した学校プールの管理の在り方についての通知があり、学校プールの管理が教職員の過度な負担になっていることが記されています。また、学校における熱中症対策ガイドライン作成の手引き、令和6年4月に追補版が発表されています。中野区のガイドラインは文部科学省の手引きに即したガイドラインに改められているのでしょうか、伺います。 暑い夏に涼を取れるはずの学校プールでは、水温が上がり利用のできない日が続いています。気温35度以上、暑さ指数31度以上は原則運動中止。屋外プールの目安として水温プラス気温が65度以上の時には適さないとのことですが、近年の屋外プールでの水泳指導の状況はどうなっているのでしょうか。暑さにより学校プールを利用できなかった状況はどうなっているのか、授業時間の確保はできているのでしょうか。 また夏季休暇中の学校プールの開設状況について、現状をお聞きします。既存の学校プールでは日よけの設置など猛暑対策が十分とは言えない状況です。学校プールの効果的な猛暑対策についてどのように検討されているのか伺います。 文部科学省が令和2年に示した、学校施設の集約化・共同利用に関する取組事例集では、1、学校プールの共同利用、2、公営プールの利用、3、民営プールの活用に分類した上で、それぞれ特徴的な事例が紹介されています。中野区でも区内の温水プールを活用した学校プール集約化について検討すべきではないでしょうか。お考えを伺い、この項の質問を終わります。 次に、物価高騰対策について伺います。消費者物価指数は上昇を続け、物価高騰による影響は区民生活や区内事業者などに深刻な影響を与え続けています。区は、これまでも国や都と連動した対策、あるいは独自に家計への影響が大きい世帯への支援や、原材料の高騰などから工事事業者を守るなどの物価高騰対策を行ってきました。今後も積極的な対策を講じることを求めるとともに、今般区内の事業者の皆様や区政を支える団体の皆様との懇談の中で、新たな対策が必要と痛感することがありましたので、お尋ねしていきます。 まず、産業融資制度について伺います。 区は産業融資制度を今年度再構築しましたが、区内経済団体の皆様からは、もう一歩踏み込んで、板橋区が行っている経営安定化特別融資のような、対象を広く、金利や信用保証料の負担もない融資制度を望む声が上がっています。区内事業者の多くは物価高騰の影響を販売価格へ転嫁することが難しいことに悩んでおり、同時に今後見込まれる金利上昇などへの懸念の声も聞きます。板橋区の制度を参考に、物価高騰対策として期間を限定した多くの区内事業者に活用いただける新たな融資制度の構築を行うべきと考えます。御見解を伺います。 次に、委託や補助、助成金についての対策について伺います。 区の契約において、工事については様々な物価高騰対策が講じられていますが、委託については十分とは言えません。また、区の事業に協力を頂く団体への補助金や助成金についても同様です。ここを早急に見直すべきであり、代表的なものを伺います。 ペットボトルの回収などについて東京都環境衛生事業協同組合と委託契約を結んでいますが、区契約における見積り単価は雇上単価の前年度をベースに行われていると聞きます。近隣区では現年度単価ベースでの委託契約が行われており、公契約条例を制定した区の姿勢とは思えません。来年度以降の予算については、物価高騰の状況も踏まえた適正な価格での契約とすべきです。いかがでしょうか、お聞きします。 地域を支える中野区町会連合会の存在は、区にとって欠くことができないものであり、区が目指す協働、協創の一番のパートナーと言っても過言ではありません。現在、町会・自治会に対し、地域自治活動及び区政協力活動に対する助成金が支給されていますが、物価高騰の中、現行の額では活動が難しいとの声があります。今年度180円から190円へと10円アップが行われたにもかかわらず、それでも増額の要望がある背景を調査し、今後の物価高騰の見込みも踏まえて250円を見据えた見直しを行うべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。 そのほかにも、様々な団体の皆様から物価高騰についての対策の声をお聞きしています。来年度予算編成に向け、区発注の委託や区の補助、助成制度について適切に物価高騰分が反映されているかの総点検を行うべきです。また、さきに伺ったペットボトルの回収など、今年度の契約についても物価高騰分の反映が十分とは言えないものについては補正予算を組むなど積極的な対応が必要と考えますが、いかがでしょうか。伺います。 この項の最後に、委託における最低制限価格について伺います。 中野区は工事、委託発注ともに最低制限価格は非公表ですが、品質確保やダンピング防止の観点から工事入札については2022年度より最低制限価格の引上げが行われました。しかし、委託については変わっていません。委託は発注内容の幅が広く受託事業者の工夫や努力により価格を抑制できるものもあれば、人件費比率が高い、工事発注に内容が近いなど、価格抑制が好ましくないあるいは困難なものもあります。委託を請け負う事業者からは、物価が高騰の中で低い最低制限価格での競争は苦しいとの声もあり、委託内容ごとに最低制限価格の考え方の再検討を行うべきではないでしょうか。伺って、この項の質問を終わります。 次に、終活支援について伺います。 これまで我が会派では成年後見制度、エンディングノートなど、終活に関する重要な施策の推進を求めてきました。しかし、終活相談については区の担当所管が明確にはなっておらず、区民が自身や家族の終活に関することを相談したい、情報を得たいと思っても、どこに尋ねればよいのか分からない状況にあります。 また、中野区においては、終活支援に関する事業はおおむね社会福祉協議会が担っています。住民が安心して最期を迎えられるよう、自治体としてどのような終活支援ができるのかを本気で進めるときが来ていると感じています。区民が迷わず終活に関する情報を得られ、相談が可能となる窓口を新庁舎内に開設するべきではないでしょうか、区の見解を伺います。 窓口を開設することを前提に、終活支援に関わる部署の連携、士業との連携が重要であると考えます。区では現在、地域支えあい推進部でACPについても推進が図られていますが、ACPは終活とも密接な関係がある施策であると考えます。司法書士会、税理士会、行政書士会などにも協力を頂き、地域包括ケアセンターなどの関連機関が一同に会したイベントの実施や会議体の設置等、効果的な支援策となるよう検討をするべきではないでしょうか。お考えを伺い、この項の質問を終わります。 次に、新庁舎に寄せられている区民の声について伺います。 区は令和3年にユニバーサルデザインに関するアンケートを実施し、中野区福祉団体連合会から新庁舎へ1台はストレッチャーでも利用可能なエレベーターの設置を望む声に対し、1台設置していますと回答しています。しかし、実態はセキュリティーゾーンの中にあり、声を上げた方々が利用できる状況にありません。どうしてこのようなことになっているのでしょうか。 平成30年3月、我が会派の度重なる求めに応じて、中野区ユニバーサルデザイン推進条例が制定されました。当時、幾度も条例設置を求めてきたのは、中野駅周辺再開発と新庁舎整備を見据えてのことでした。福祉団体連合会からだけでも改善を求める声はこれだけではなく、最も区の理念を体現すべき新庁舎が区のユニバーサルデザインに照らし十分とは言えないことは残念でなりません。さきに述べたエレベーターの活用も含め、いま一度ユニバーサルデザインの観点から見直し、可能な限りの対策を早急に講じるべきと考えますが、御見解を伺います。 次に、中野四季の森公園前道路への横断歩道設置について伺います。 昨年度より中野四季の森公園の指定管理事業がスタートし、以前にも増しイベント開催などの活用が行われており、新庁舎開庁は四季の都市一帯でのにぎわいをさらに加速させています。そのような中で、芝生エリアとイベントエリアの間のF字道路は約300メートルにわたり横断場所がなく、ガードレールを越えて横断するなど危険な行為も見られ課題となっており、我が会派の木村議員より高倉都議を通じ、都に中間位置への信号と横断歩道の設置を要望してまいりました。新庁舎開庁後、改めて利用者や区内団体からも同様の要望が上がっております。横断歩道と信号機の設置に関して時期や形式も含め区はどのような情報を得ているのか伺って、この項の質問を終わります。 最後に、その他で同性カップルの事実婚と同性婚について伺います。 性的マイノリティの人たちに寄り添うパートナーシップ制度ですが、あくまでその自治体の中で2人の関係を認めるという制度であり、法的な効力はありません。同性婚が認められていない日本の同性カップルは結婚できないことでお互いの配偶者になれず、遺産相続や健康保険の扶養家族など、法律婚なら当たり前に付与される様々な法的保護が受けられません。 本年5月、男性同士のカップルに対して男女間の事実婚と同様に続柄の欄が「夫(未届)」と記載した住民票を長崎県大村市が交付したというニュースが話題となりました。同性婚が認められていない日本では異例の措置とされています。 一方、総務省は、今回のような住民票記載は社会保障の窓口などで混乱するなど、実務上の問題が生じるおそれがあるとの見解を全国の自治体に展開しました。中野区では総務省の見解についてどのように受け止めているのか、実務上の問題が生じる懸念があるのか、御見解を伺います。 同性パートナーは異性間の法律婚や事実婚と比較して、社会保障面などで不利益が生じています。同性パートナーについて事実婚同様の取扱いがなされるよう方針を示すことを国に対して求めていくべきではないでしょうか、お考えを伺います。あわせて、同性婚を認める立法措置についても国に対して求めていくべきではないでしょうか。区の見解を求めます。 以上で、私の全ての質問を終わります。 御静聴ありがとうございました。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 久保議員の御質問にお答えいたします。 まず、西武新宿線沿線まちづくりについてで、決起大会等の変更点についてでございます。 本年の決起大会では、連続立体交差事業の工事動画や区のまちづくり事業をスライドで説明するなど、これまで以上に来場者に対して分かりやすい説明に努めたところであります。また、決議文につきましては、野方1号踏切の除却がまちづくりを進める上で重要な課題であると位置づけたところであります。なお、東京都への要請活動につきましても、決起大会の当日に行ったところでございます。 次に、地下化工事の遅延要因と今後の見通しについてです。中野通りにおける下水管移設工事の工事説明では、完了時期は2025年3月を予定していると聞いております。地下化工事につきましては、用地取得の遅れが要因となって新井薬師前駅部及び沼袋駅部における仮設工事などの進捗に遅れが生じたと聞いております。事業期間は2027年3月までとありますから、現在東京都が西武鉄道株式会社と事業工程の精査を実施しておりまして、精査結果を踏まえて、必要に応じて事業期間の変更について国と調整を行っていくと聞いております。 次に、沼袋4号踏切廃止に伴う代替施設についてです。連立事業の施行に伴い廃止となる沼袋第4号踏切につきましては、代替施設である横断歩道橋等の整備について東京都、中野区及び西武鉄道株式会社で検討を行っているところであります。代替施設の整備に関する住民への説明につきましては、東京都、中野区及び西武鉄道株式会社が相互に連携協力をして行います。 次に、野方以西の連立事業の構造形式についてなどの御質問です。過年度、中野区では野方以西の連立事業の構造形式について、沼袋駅から野方以西の区間を連続して地下構造とするなど構造形式に関する調査、検討を実施しております。その際に地下構造とした場合の課題として、中井駅から野方駅間の地下化後に、沼袋駅周辺において鉄道を併用しながら再度トンネル部の改築が必要となることや、改築に伴って新たな用地取得が生じることがあります。また、環状7号線をまたぐ地下化工事においては、環状7号線の道路構造物とその地下に整備されている地下広域調節池といった大規模な地下構造物との近接工事が必要となることなど、事業性についても課題が挙げられております。その結果、区としては西武新宿線の野方以西の連立事業の構造形式につきましては高架構造が優位であると考えているところであります。野方1号踏切除却も含めて連立事業について検討してまいります。 次に、災害対策についての項で、トイレカーの活用についてです。令和6年能登半島地震や、他自治体の事例等を参考にトイレカーの活用についても研究をしてまいります。 次に、風水害発生が懸念される際の休園基準等についてです。保育園につきましては、台風接近時など風水害の発生が懸念される場合の休園等について、区が作成した基準を通知として発出しております。一方で、幼稚園には国、都から通知等が発出されているところであります。近年は風水害の増加等によって新たな危険も懸念されていることから、現在の通知では対応に迷うとの声もありますので、今後は保育施設とも協議し、通知の改定について検討してまいります。 次に総合的なBCPについてです。私立保育園のBCPにつきましては、それぞれの人的リソース、設備、施設規模、立地条件等の要素を踏まえ各園で策定するものと認識をしております。区は、2020年11月に示したBCP作成基準について、震災以外の風水害等非常事態への対応や、エッセンシャルワーカーの子どもの受け入れ体制の構築なども含めた総合的なBCP作成基準として改定をし、私立保育園のBCP作成に対する支援を検討してまいりたいと考えております。 次に、管理不全空家対策についてです。空き家は社会問題であり、今後も増加が見込まれております。区では、空き家の発生予防対策として啓発チラシの区有施設への配付や、空き家対策として所有者への指導などを実施をしているところであります。現時点において、空家等対策の推進に関する特別措置法の改正に伴って管理不全空家の基準の制定や、自治体が相続財産清算人の選任申立てをして対応しているケースはまだ少ないと思われますが、国のガイドラインを参考に基準の策定等について検討してまいります。 次に、特定空家の認定等による係る体制についてでございます。東京都の区市町村が特定空家を認定、勧告した後に、東京都が固定資産税の住宅用地特例を解除した事例は把握をしているところであります。特定空家の認定に当たっては、所有者、管理者に大きく影響を与えることから、区のみの判断ではなく、専門家による意見を聴取した上で判断する必要があると考えております。既に実施している他自治体の例も参考に、特定空家の認定等に係る体制の構築に向け検討を進めてまいります。 次に、物価高騰対策についてで、来年度の物価高騰対策と今年度の補正予算対応についてです。 来年度予算の編成に当たっては、委託料や補助金等について最近の物価高騰等の状況を十分踏まえたものとすることによって、区民が安心して生活できる環境を充実させていきたいと考えております。また、今年度につきましては、国の閣議決定や都の補正予算によって国や都が物価高騰対策を実施する動きがあることから、その動向や社会経済の状況を見極め、区として必要な対策を検討してまいります。 その他のところで、まずは住民票記載に係る影響についての考えでございます。 住民票は、住民の居住関係を公証する唯一の公簿であることから、住民基本台帳法に基づいて全国的に統一的な基準の下で事務を行うべきであると認識をしているところであります。一方で、住民票における続柄につきましては、住民基本台帳事務処理要領において例示が示されているものと認識をしております。他の窓口での実務上の問題が生じる懸念につきましては、先行している自治体の報道なども注視をしておりますが、具体的な事例が起きたかどうかについて現時点においては承知はしているところでありません。 次に、同性パートナーの権利についてです。同性パートナーが法律婚や事実婚と比べて不利益を被ることがなく、同様の権利を得られる社会が望ましいと私も考えておりまして、区としてできることを行っていくとともに、国に対して社会保障制度の見直しなどについて検討を行うことなどを求めてまいります。 最後に、同性婚を認める立法措置についてでございます。同性パートナーが法律婚や事実婚と同様に各種社会保障を受けられるよう、また多様な家族の在り方が尊重されるよう、同性婚を認める立法措置は必要なものだと考えております。一方で、同性婚につきましては、国においていまだ十分な議論には至っておらず、今後議論を深めていくものと考えておりまして、区としても今後の議論を注視してまいりたいと考えております。 〔教育長田代雅規登壇〕 ○教育長(田代雅規) 災害対策についての御質問にお答えいたします。 まず最初に、文部科学省の改定を踏まえた区の熱中症ガイドラインについてです。文部科学省が学校における熱中症ガイドライン作成の手引き(令和6年4月追補版)の内容は、各園、各学校に通知しております。また、東京都から夏季休業中の熱中症特別警戒アラート発表時における学校の対応について(通知)についても、7月に各園、各校へ通知しております。 続きまして、水泳指導の実施についてです。昨年の水泳の授業については、一部熱中症予防や天候不良などによる未実施を除いては、年間計画どおりの指導時数を実施できております。今年度の夏季休業時の水泳教室については、計画した日数に対する執行率は小学校で65%、中学校で100%でした。 次に、学校プールの猛暑対策についてですが、学校プールの猛暑対策について、改築校についてはプール全体を覆う可動式のプール膜を設置してまいります。一方、既存校については、建築基準法上の規制などから同様の設備の設置は難しいことから、プールサイドにおける可動式のひさしの設置等について検討してまいります。 最後に、プールの集約化についてでございます。学校プールを集約化する上では、水深などの施設の安全性をはじめ、児童生徒の移動時の安全性の確保や輸送手段の手配、年間指導計画の見直し、教職員の負担、また区のプール施設との利用調整などの課題を整理する必要があると考えております。今後、これらの課題を整理するとともに、他自治体の取組を参考にしながら、学校プールの集約化について研究してまいります。 〔文化・産業振興担当部長高村和哉登壇〕 ○文化・産業振興担当部長(高村和哉) 私からは、物価高騰対策についての御質問のうち、新たな融資制度の構築についてお答えいたします。 エネルギー価格や原材料費の高騰などの状況は注視してございますが、これらに対応した新たな融資制度については、他自治体の事例等その成果を踏まえつつ、経済団体や金融機関と協議しながら実施の可否を検討してまいります。 〔環境部長浅川靖登壇〕 ○環境部長(浅川靖) 私からは、物価高騰対策についての御質問のうち、ペットボトル回収業務委託等の契約単価設定の在り方の見通しについてお答えさせていただきます。 燃やすごみと陶器、ガラス、金属ごみの収集業務委託は、23区が統一しました雇上単価を設定した上で各区が契約をしているものでございます。一方、ペットボトル回収業務等は各区が単価設定も含め独自に契約しておりまして、本区の場合、現年度の雇上単価を参考に翌年度の見積りを行っているものでございます。現状のように人件費や車両費などが高騰する場合などは、契約単価と実際に回収に必要な経費の差がリアルタイムで埋まらないという認識はございます。今後の社会情勢等を総合的に見極めまして、予算見積りの在り方について判断してまいります。 〔地域支えあい推進部長石井大輔登壇〕 ○地域支えあい推進部長(石井大輔) 私からは、物価高騰対策についての御質問のうち、町会・自治会助成金の再検討についての御質問にお答えいたします 町会・自治会公益活動推進助成につきましては、物価高騰の影響等に鑑み、一世帯当たりの単価や加入促進助成などの拡充を行うところでございます。今年度の活動状況等を踏まえ、必要とする支援策を見定めてまいります。 〔総務部長濵口求登壇〕 ○総務部長(濵口求) 私からは、物価高騰対策の御質問のうち、委託における最低制限価格についてお答えいたします。 最低制限価格は、工事や委託契約における品質を確保するために入札時にあらかじめ設定するものでございます。公共調達の原則である競争性を確保した上での委託内容に応じた最低制限価格の在り方につきましては、引き続き研究してまいります。 次に、新区役所に寄せられている区民の声についての御質問のうち、ユニバーサルデザインの観点での見直しについてでございます。ストレッチャーでも利用可能なエレベーターは1階北側の緊急車両スペースに近い位置に設置したため、セキュリティエリア内に整備することとなってございます。区民の方の利用に際しましては、防災センターまたは総合案内にお申し入れいただき、職員が付き添うことで利用される方が困らないよう配慮、対応してまいります。ユニバーサルデザインの考え方につきましては、今後の利用状況等を見極め、是正が必要と判断した場合は適切な対応を図ってまいります。 〔健康福祉部長杉本兼太郎登壇〕 ○健康福祉部長(杉本兼太郎) 私からは、終活支援についての御質問のうち、終活相談窓口の充実につきましてお答えいたします。 これまで中野区では、単身高齢者等の様々な困り事を解消できるよう、社会福祉協議会と連携しながら高齢者等のサポートを行ってまいりました。終活は遺言書作成や葬儀、墓、死後の部屋の片付けなど多岐にわたることから、区の関連する所管や社会福祉協議会と連携しながら、区民にとって利便性の高い相談窓口の開設に向けて検討してまいります。 〔地域包括ケア推進担当部長石井大輔登壇〕 ○地域包括ケア推進担当部長(石井大輔) 私からは、終活支援の御質問のうち、アドバンスケアプランニングの支援策についてお答えいたします。 区では、令和3年度からACP、アドバンスケアプランニングを普及啓発するため、パンフレットの配布や講演会などを開催してまいりました。今後、ACPの相談が増えていくと見込んでおりまして、医療、介護関係者のみならず、士業関係者なども加え、在宅療養推進に関わる協議体においてテーマの一つとして取り上げ、支援策の検討や連携を進めてまいります。 〔防災危機管理担当部長吉沢健一登壇〕 ○防災危機管理担当部長(吉沢健一) 私からは、新庁舎に寄せられている区民の声の御質問のうち、横断歩道の設置についてお答えいたします。 中野四季の森公園の芝生エリアとイベントエリアを結ぶ横断歩道の設置につきましては、交通管理者に対しまして、区として設置要望を実施してきたところでございます。交通管理者からは、横断歩道を令和7年の夏頃までに設置できるよう準備を進めていると聞いてございます。 ○議長(酒井たくや) 以上で、久保りか議員の質問は終わります。 議事の都合により、暫時休憩いたします。 午後3時17分休憩
午後3時40分開議 ○議長(酒井たくや) 会議を再開いたします。 この際、申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。 一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 武 田 やよい 1 区長の政治姿勢について (1)新庁舎における課題について (2)物価高騰対策について (3)平和事業について (4)働き方改革の実施に伴う契約について (5)介護報酬の改定について (6)その他 2 生活再建の視点に立った債権管理について 3 区営住宅・福祉住宅について 4 東中野駅東口のまちづくりについて 5 羽田新飛行ルートについて 6 その他
○議長(酒井たくや) 武田やよい議員。 〔武田やよい議員登壇〕 ○10番(武田やよい) 2024年第3回定例会に当たり、日本共産党議員団の立場で、一般質問を行います。 質問は通告とおりで、その他はありません。 1番、区長の政治姿勢について伺います。 新庁舎における課題について。1階のスペースは常時居場所として利用している方が多く、ワークショップや展示などでも活用されているなど、活気のある場となっていると感じます。また、窓口部署については、繁忙期を控えた状況からの移転は大変な苦労があったことと思いますが、大きな混乱や事故もなく業務をきちんとスタートさせたことはすばらしいことだと思います。改めて所管の職員の皆さんの取組に敬意を表します。一方で、第2回定例会で、我が会派の羽鳥議員の新庁舎への区民、職員からの声についての質疑に対しては、好意的な意見が答弁として紹介されましたが、移転から一定の時間が経過した中で新たな課題などが見えてきたと思います。 そこで伺います。これまでに寄せられた来庁者からの声で、見直しや改善を求める内容はどのようなものがあったでしょうか。またその中で実際に改善を行った内容はどのようなものかお答えください。 次に、庁舎へのアクセスについて伺います。 旧庁舎では正面玄関にタクシーをつけることができましたが、新庁舎ではタクシーが寄せられません。このため、車椅子や歩行器などを使用している方々がけやき通りに横付けし、正面玄関前の横断歩道まで車道を逆走してくる姿をしばしば見かけます。先日の雨天の際は傘を持つ方も含め複数で介助しながら区役所へ向かっている姿を見かけたり、別の日には横断歩道を半分ほど塞いで駐車し、降車している方もいました。バスも通る道路を危険な状態で歩いてこなければならない状況について認識されているでしょうか。どのような想定で現在の形としたのか、またこの状態は早急に改善すべきと考えますが、いかがでしょうか。お答えください。 続いて、視覚障害の方への配慮について伺います。 入り口の音声案内が特定のシステムを所持している方にしか反応しない、点字ブロックの色がコントラストが弱い、障害福祉課窓口がある3階で発券機や窓口まで点字ブロックが設置されていない、誰でもトイレの出入口の操作パネルが液晶のタッチパネルであるなど、配慮に欠けた設備となっていると感じます。点字ブロックについて第2回定例会で石坂議員が同趣旨の質問をしていますが、区の答弁は、法令にのっとっている、是正が必要になった場合は対応を図るとのことでした。ここは区役所です。区の意思として、法令にのっとっているだけではなく、バリアフリー、ユニバーサルデザインを推進する姿勢を見せるためにも、より配慮した設備とするべきであると考えますが、見解をお答えください。 エレベーターについて伺います。 来庁者が利用する南側のエレベーターについて、大型の電動車椅子がエレベーター内で回転できない、ストレッチャー型車椅子や救急隊のストレッチャーが乗ることができないなどの点が指摘されていると聞いています。電動車椅子については、鏡があるとはいえ、降りるときに背後の状況が十分に確認できないことから、障害者団体は広いエレベーターを要求したと聞いていますが、対応しなかった理由はなぜでしょうか。お答えください。またストレッチャー型車椅子で来庁した区民の移動、窓口対応や緊急時の救急隊の対応はどのように行う想定なのでしょうか。答弁を求めます。 続いて、2階窓口について伺います。 住民基本台帳、戸籍、国保、税といった基本的かつ重要な個人情報を扱う部門の端末画面が来庁者側から見えることは大変問題があると思います。本来、バックヤードでの処理、特に個人情報を扱っている状況が外部から見えることは、個人情報漏えいのリスクと直結するため、絶対にあってはならない状態であると考えます。近年のスマホなどは性能が高く、来庁者が意識せずにフロア内で撮影した画面の背景に写り込んだ端末画面を拡大した場合に、内容が読み取られる可能性も否定できません。このような状況でなぜ業務が行われているのでしょうか。現場の職員は危機感を持っていると思います。早急に改善を図るべきであると思いますが、いかがお考えでしょうか。お答えください。 また、動線の悪さなどから来庁者が滞留し非常に混雑している、もしくは手前で滞留するためにフロア全体が混雑しているように見える状況が続いていると感じます。所管の方々は様々な改善を行っていらっしゃいますが、2月頃から始まる転出入及び税申告の繁忙期が重なる時期には、現状では吸収し切れないと想定されます。待合スペースが手狭な反面、エレベーターとエスカレーターの間の空間、ナカノバが見下ろせるガラス張りの通路部分など、活用されていない空間も見受けられます。もともとの考え方に固執せず、来庁者にとってストレスのない空間を作るために活用すべきと考えますが、いかがでしょうか。 全庁的に委託事業者と業務を行っていることと思いますが、その際の執務スペースについて伺います。 旧庁舎では偽装請負の疑念がないよう、委託事業者による業務の完結、指揮命令の混在を起こさない対策として、執務スペース、休憩場所などを明確に分けて対応していました。執務スペースの混在が偽装請負に当たるわけではありませんが、フリーアドレス制を導入している中で、偽装請負とならないよう、どのような配慮、対応をしているのか伺います。 新庁舎に移り、職員が区民と接する機会が減少したと思います。実際に区民の方々から職員が遠くなった、発券機の手間が増えた、声をかけづらくなったなどの声が聞かれます。発券機を通しての対応、窓口と執務スペースの作りから、目の前の事務処理について専念できても、呼ばれるまで窓口の様子を見る必要がないなど区民の様子を見る機会は確実に減っていくと思われます。第2回定例会での羽鳥議員の質問には、接遇研修などを行っているとの答弁がありましたが、実践から身につける相手の様子に気づく力、対人支援の力は接遇研修などで補えるものではありません。数年後にはより顕著になると推測されますが、この点について区として危機感を持っていらっしゃるのでしょうか。また接遇研修以外の対策は検討しているのか伺います。 区長はかねてから地域に出て直接対話をしていく職員を目指すとしていますが、住民対話の手段は意見交換会やタウンミーティングだけではありません。庁舎の各窓口も住民生活を把握するための重要な窓口です。新庁舎のハード面についても、執務スペースの問題、先駆的なバリアフリーとなっていない点、案内表示が少ないことなど、新庁舎が大事にしている点と、基礎的自治体の業務を扱う場所として重要視すべき点に開きがあると感じます。区役所は何のためにあるのか、何をすべきところなのか、どのような状況の方々が来庁するのかといった基本を踏まえた上で改善に当たっていただきたいということを申し上げ、この項の質問を終わります。 次に、物価高騰対策について伺います。今年5月まで実質賃金は26か月連続でマイナス。厚生労働省が公表した毎月勤労統計調査の速報値で実質賃金は6月、7月とプラスに転じましたが、これはボーナス支給の結果も反映されたもので、物価高騰も続くと見込まれる中、今後の実質賃金の状況を見ていく必要があるとしています。総務省が2024年8月分の東京都区部の中旬速報値として公表した消費者物価指数は、総合指数で前年度同月比2.6%上昇、前月比0.6%の上昇となっており、物価高騰が続いていることを表しています。8月28日の区民委員会で報告された住民税賦課状況では、定額減税の影響を除けば、税収は好調で、納税義務者数も増加、給与所得者1人当たりの給与収入額も昨年度より増加しており、全体的に所得が上がっている傾向にあるとのことでした。一方で、同日報告された国民健康保険料賦課状況では、質疑の中で最も所得が低い層と所得が高い層が増加しており、二極化が進んでいると言えるとの答弁がありました。また、生活援護課で受けた相談件数は7月現在で1,559件、相談件数が増加した昨年同時期とほぼ同件数で、生活が大変になっている方が高止まりしている傾向にあると考えます。税収は好調である反面、生活困窮の相談をする方が高止まりしているという区民の暮らしの状況を区としてはどのように見ているのでしょうか、お答えください。 物価高騰が長引く中、今年度は低所得の方たちに対する生活支援策が実施されていません。直近の消費者物価指数も上昇しており、また国民健康保険料、後期高齢者医療保険料、介護保険料などの社会保険料も上昇している中で、より生活が困難になっていると思われます。区として、低所得層を対象とした独自の支援策を検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。お答えください。 この夏に行った区内団体との来年度予算へ向けた懇談会では、エネルギー価格の高騰、運転手不足などもあり、物価高騰の影響が深刻であることから、これまで同様の支援を求める声が寄せられました。区内事業者に対しても、物価高騰支援策を継続して実施すべきと考えますが、いかがでしょうか。答弁を求め、次の項の質問に移ります。 次に、平和事業について伺います。 昨年は28年ぶりに平和の旅が復活し、7月26日に開催された平和のつどいでの中学生の発表もとてもよい内容であったと思います。来年は戦後80年を迎える節目の年となります。平和についてより多くの方々に考えてもらうためにも、来年度の事業は拡大をして実施してはどうかと考えますが、いかがでしょうか。戦争体験を聞く機会が減少していく中で、子どもたちに平和の大切さを考えてもらうきっかけとして、平和の旅はとてもよい事業だと思います。より多くの子どもたちに体験してもらうため、事業を拡大していくべきであると考えます。その方策の一つとして、平和の旅の実施時期を夏休みにする、広島に加えて長崎、地上戦の舞台となった沖縄など訪問地を増やすなど考えてはどうかと思いますが、いかがでしょうか。答弁を求めます。 例年ZEROホールで行われている平和のつどいについて。ホールなどの会場では目的を持った方だけが参加する場となってしまうと感じます。広く区民に意識してもらうよう、他の目的でいらした方が足を止めやすい庁舎1階で、つどいと展示を一体化したり、8月末に行われたチルナイトピクニックのような子育て世代の参加者が多い他部署のイベントと連携して行うなどの取組を行ってはどうかと思いますが、いかがでしょうか。 平和の森公園、平和資料展示室について、展示室内があまり丁寧に運営されていないとの声が寄せられています。また、平和の森公園に植えてある被ばくの木の場所が分からないとの声もありました。公園入り口に平和に関する樹木や展示室などの場所が示された、分かりやすい案内板の設置、展示室内の充実などを行ってほしいと思いますが、いかがでしょうか。答弁を求め、次の項の質問に移ります。 働き方改革の実施に伴う契約について伺います。 建設業などでの働き方改革が実施され、これまで労働時間に含まれていなかった資材置場からの移動時間などを考慮することとなりました。区内事業者の資材置場は主に他県にあり往復に時間を要し、1日当たりの作業時間が短くなっているとの話を聞いています。工事契約の発注をするに当たって区内事業者のこうした状況を区は把握しているのか、お答えください。 前出の状況に加え、エネルギー価格の高騰、運転手不足など、従来の契約では対応できない状況も多々発生しているとのことです。働き方改革による、労働者の権利を保障すること、区内事業者の利益を守ることなどを考え、実作業時間を基にした工期の設定、事業者に過剰な負担を強いないための価格設定をすべきと考えますが、いかがでしょうか。近隣区の状況を把握し改善することを求め、次の項の質問に移ります。 介護報酬の改定について伺います。 訪問介護に関する報酬改定について、第2回定例会での羽鳥議員の質問に対し、今回の報酬改定は介護職員の処遇改善に係る加算が一本化され、加算率の引上げが図られている。また訪問介護サービスについては基本報酬が下がった一方、処遇改善加算は高い加算率が設定されている。新たな処遇改善加算によって介護職員の処遇改善が図られ、事業所の運営にも資するものと認識をしているとの答弁でした。 訪問介護に関する報酬のマイナス改定の結果、全国的に訪問介護事業者の倒産件数が増加しています。報酬改定の際に参照されたのは、一つの建物で効率よく訪問可能なサービス付き高齢者住宅での生活介護の例であり、一軒一軒離れた家を訪問し介護をしている事業者の状況は考慮されていません。また、加算が増えても加算を取るための条件が厳しいことや事務が煩雑になることなど、地域介護を支えている小規模な事業者にとってはよい面がほぼなく、事業継続が困難な事業所が区内でも出てくる可能性があります。中野区としても、介護を受けたいときにヘルパーさんがいないという状況を引き起こさないために、区長会などを通じて介護報酬引下げの取消しを求めるべきと考えます。答弁を求めます。 報酬引下げの取消しを求める取組と併せて、区内の介護保険事業所を守るため、区内事業所の実態を把握し、事業者の声を聞き、区として行える支援策を実施すべきと考えますが、いかがでしょうか。在宅介護の要であるホームヘルパーをはじめとした介護事業者を守ることは、区民が安心して介護を受けられることにつながります。区として区民の生活を守る視点を持って取り組むことを求め、この項の質問を終わります。 次に、生活再建の視点に立った債権管理について伺います。 第2回定例会で報告された債権管理体制の強化については、総務委員会、区民委員会において、生活困窮者支援の視点を持った対応の実施、事務改善の視点での一元化、構造改革で実施するとした内容の検討への不十分な点など、複数の議員から改善を求める意見があったと思います。これらの声を受けて、現時点で区としてどのような検討を行ってきたのか伺います。 続いて、納付相談窓口の一本化について伺います。 昨年、第3回定例会での納付相談窓口の一本化についての答弁では、「それぞれの債権の性格も異なることから、納付相談充実の視点での納付相談窓口の一本化については現時点では考えておりません」とのことでした。所管ごとの債権の違いは当然ですが、滞納処分の観点から見れば3種類の分類であり、対応はどれもほぼ同じです。区は性質の異なる手続を一つの窓口で案内するおくやみ相談窓口、外国人総合相談窓口を開設した一方、納付相談は個別対応として取り組む姿勢が見られません。納付できないと相談に来る方に対して、世帯の背景にある困難を見つけ、伴走支援を行っていくことになぜ取り組まないのか。債権別に縦割りで対応するのではなく、一人の相談者の視点から相談窓口とその手法を見るべきであると考えますが、見解を伺います。 区の債権は税、国保だけではありませんし、債権管理業務は徴収だけではありません。支払えない状況の方に対する対応も法に定められています。債権管理を狭義に捉えず、区民生活を支えるための窓口であるとの認識を持ち、業務に当たっていただくことを求め、この項の質問を終わります。 次に、区営住宅、福祉住宅について伺います。 今年の第1回定例会総括質疑で質問をした公営住宅長寿命化計画を現在策定していない点について伺います。6月26日の少子化対策・地域包括ケア調査特別委員会の学習会で、講師の目黒区住宅課長より、区営住宅の長寿命化計画について建て替え年数については規定年数によらず、コア抜き調査を行い、建て替え目安を80年としたとの話がありました。70年目安、区有施設整備計画で示されてから計画するのではなく、区有施設建て替えをより実効的な計画とするため、公営住宅長寿命化計画を早急に策定すべきと考えますが、どのようにお考えでしょうか。 今夏も日本の平均気温は平年と比べて1.76度高く、気象庁が1898年に統計を取り始めてから、昨年と並んで最も暑い夏となったとの報道がありました。また、消防庁のまとめによると、全国で熱中症で病院に搬送された人は昨年のほぼ同じ時期と比べ5,200人余り多くなっており、東京都が最も多かったとのことです。同庁がまとめた昨年の熱中症による救急搬送の発生場所は住居が最も多く、39.9%でした。室内での暑さ対策として、窓の遮熱と断熱の重要性が注目されています。遮熱、断熱を行うことで冷房の効果も上がり、光熱費も抑える効果もあるとされています。第1回定例会では、施設課からも一般的に窓からの熱損失が大きいとの答弁がありました。 そこで伺います。区営住宅等の建て替えは、70年目安としても最も古いものであと15年ほどあります。区有施設の環境性能を上げること、光熱費削減効果を視野に入れた生活困窮者支援策の両面を考えた窓の遮熱、断熱改修の実施を改めて求めます。見解を伺い、次の項の質問に移ります。 東中野駅東口のまちづくりについて。 今年度、東中野駅東口周辺のまちづくりについて、4,000万円余の予算が計上されています。第1回定例会で、まちづくりの計画、バリアフリー化などについて予算化したとの報告がありました。新年度に入り5か月が経過していますが、地域からは現状どのようになっているのか、今年度に入り情報がないなどの声が上がっています。ニュースを配布するなどの方法で周知をしているとのことでしたが、現時点での進捗、今後の予定について伺います。また同定例会の総括質疑で、まちづくりの手法として東中野特有の文化など地区特性に合った手法を検証し、ハードとソフト両面で関係する部署が密に連携して地域の意向把握に十分努めながら、商店街の活性化に向けた取組を検討してまいりたいと答弁されています。どのような形で地域意向を把握されるのか、考えを伺います。 バリアフリー化への対応について伺います。まちづくりと合わせたバリアフリー化では時間がかかる、暫定的なエレベーターの設置や交番口など敷地が広い階段については早急な対応を求める声を地域から伺っています。長年にわたり不便を強いられている住民の声を受け止め、西口工事の際に暫定的に設置した工事用のエレベーター設置などの対応をJRに求めるべきであると考えますが、いかがでしょうか。伺い、この項の質問を終わります。 最後に、羽田新飛行ルートについて伺います。 7月2日、国会議員による羽田議連の意見交換会が行われ、国土交通省から示された資料から新飛行ルートの効果に疑問が生じています。また、我が党の宮本徹衆議院議員の国会での質問を通じ、この4年間での部品の欠落数は1,800件近くに上り、欠落部品の中には30キロ近いものもあることなど、都心ルートでのリスクの大きさが明らかになってきていると思います。この状況を区はどのように受け止めているのかお答えください。 2年ほど未開催である新ルート固定化回避検討会が年内に開かれる可能性が出てきています。昨年の第2回定例会での羽鳥議員の質問に対し、区は国の動向を注視するとの答弁でしたが、現在どのように把握されているのか伺います。 東中野、中野坂上周辺は、二つのルートが接近してくるエリアであり、2方向からの飛行により1分から2分おきに飛行機が頭上を通過していく状況から、直下にある住宅からは騒音の苦情が寄せられています。品川区では住民アンケートを行い状況把握に努めていますが、中野区としても国の対応を待つだけではなく、住民の立場に立ってルート下の住宅の騒音状況などを把握し、積極的に国の対応を求めるべきと考えますが、いかがでしょうか。答弁を求め、全ての質問を終わります。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 武田議員の御質問にお答えいたします。 まず区民からの改善要望とその対応について、新庁舎についての質問からです。 新庁舎開庁後、2階フロアが暑いという御意見や、庁舎内の案内サインに関する御要望、2階窓口でどの案内表示機で呼ばれるのか分からない、受付窓口の案内表示機が小さく見えにくいといった御要望を頂いております。これらの御要望に対して、2階フロアの冷房設定温度の変更や庁舎内案内のサイン表示の追加、呼出し番号の見落とし防止のための案内表示の貼付などの改善を行っているところでございます。 次に、タクシー用車寄せの設置についてです。車椅子や歩行器などを使用している方々には、新庁舎北側の緊急車両駐車スペースを活用していただくことを想定しております。こうした利用方法を区民の方々に広く知っていただくため、案内表示の設置やホームページなどの周知を図ってまいります。 次に、視覚障害者の方への配慮についてです。ユニバーサルデザインの考え方を踏まえた新庁舎の案内誘導や各設備につきましては、関連法令に照らし合わせて安全性を確保できているものと考えておりますけれども、今後の利用状況も見極め、是正が必要と判断した場合には適切な対応を講じていく考えでございます。 大型エレベーターについてです。ストレッチャーでも利用可能なエレベーターは、1階北側の緊急車両スペースに近い位置に設置をしたため、セキュリティエリア内に整備することとなりました。区民の方の利用に際しては、防災センターまたは総合案内に申し出ていただき、職員が付き添うことで利用される方が困らないように配慮し対応してまいります。 次に、本庁舎2階窓口のセキュリティ対策についてです。本庁舎の執務空間は全庁的に視線を遮る柱や壁、家具を極力排除するオフィスということでしておりまして、職員間のコミュニケーションを促す設計としております。2階においても、この考え方に基づいてオープンな執務空間としておりますが、パソコンの画面にはのぞき見防止フィルターを取り付けるなど、区民の個人情報を保護するためのセキュリティ対策を講じているところであります。今後ともセキュリティ対策の向上に努めてまいります。 次に、待合スペースの確保についてです。エレベーターとエスカレーターの間の空間につきましては、消防法上の考慮すべき制約はありますが、利用状況等を見極め、活用の可否については判断してまいります。あわせて、2階窓口フロアにおける混雑防止のために、呼出し確認用2次元バーコードの御案内などを現在行っているところでありまして、ソフト面及びハード面の両面から対応を考えてまいります。 本庁舎の偽装請負対策についてです。本庁舎の執務スペースでは、区の職員が課内または係内で自由に席を選んで働くグループアドレスの仕組みを導入し、職員間のコミュニケーション活性化を図っているところであります。この仕組みは区の職員のみに適用しておりまして、委託事業者はあらかじめ定められた執務スペースの範囲で業務を行っているところであります。偽装請負は、誰が指揮命令を行っているかが主な判断基準であるということから、各所管においては区職員が委託事業者に直接指揮命令を行わないことなどを徹底しているところであります。 次に、来庁した区民への対応力についてです。多様化する区民ニーズを捉え、的確に対応していくためには、職員一人ひとりのコミュニケーション能力、共感力、問題解決能力などを強化することによって、ホスピタリティマインドを高めていくことが重要だと考えております。接遇研修等で基本的な知識、技術、ノウハウ等を習得していくことに加えて、窓口、職場における具体的な対応方法や手順などの整備を進めるとともに、ジョブローテーションやOJTの活用など実践的な経験を積むことによって、総合的な対応力を担保してまいります。 次に、物価高騰対策についてで、区民の暮らしの状況についてです。賃金の上昇によって所得が増えている方がいる一方で、長引く物価高騰等の影響によって依然として苦しい生活を送っている方も数多くいるものと認識をしているところでございます。 低所得層を対象とした独自支援策の検討についてです。今年度は、低所得者に対する支援策として、住民税均等割の非課税世帯と均等割のみの課税世帯に対する給付金等を実施しているところであります。また、現在国や東京都が物価高騰対策について検討を進めている状況であることから、その動向を見極め、区としてもどのような対策を実施する必要があるかを検討してまいります。 区内事業者に対する物価高騰支援策の継続についてでございます。区内事業者の状況把握に努めるとともに、国や東京都による物価高騰対策の動向を見極めた上で、次年度においても必要な対策を実施してまいります。 次に、平和事業についてでございます。平和事業の拡大について。戦後80年を迎える節目の年である来年度の平和事業については、平和資料展示室において年4回行っている企画展示のほか、庁舎1階でも企画展示を行うことを検討しているところであります。 次に、平和の旅の実施時期や訪問地についてです。今後の平和の旅については、昨年度と今年度の実施状況や参加者の声、頂いた御意見等を踏まえ、時期や訪問地等実施方法については検討してまいります。 平和のつどいについてです。中野区憲法擁護・非核都市の宣言及び中野区における平和行政の基本に関する条例の趣旨を踏まえ、平和の大切さを広く区民に訴えるため、毎年平和のつどいを実施しています。多くの区民の方に訴えるためには、区役所を訪れた方の目にとどまり参加していただくことも必要と考えておりまして、今後実施場所や方法についても検討してまいります。 次に、平和資料展示室の充実についてです。平和資料展示室は、令和2年11月の開設以来、毎日100人以上の方には来室をいただいておりまして、戦争の実態や世界の紛争を伝える展示等、年4回の企画展示を実施しております。今後も様々な展示を行っていくとともに、分かりやすい案内についても工夫してまいります。 次に、働き方改革の実施に伴う契約についてで、移動時間の労働時間化に伴う事業者の影響についてです。資材積込みや現場移動の労働時間化に伴って、事業者によっては1日当たりの施工量が減少する可能性があることは認識をしているところでございます。 適切な工期予定価格の設定についてです。建設業の働き方改革を踏まえ、法定労働時間の遵守を前提とした工期を設定するとともに、最新の労務単価や資材価格を反映した予定価格を設定をしているところであります。工事発注に当たっては今後も労働基準法等を踏まえ、適切に対応してまいります。 次に、介護報酬の改定についてです。国に対しては、特別区長会から介護保険制度の円滑な運営を図るための財政措置及び介護人材の確保、定着及び育成に関する継続的な施策の実施について要望を行っているところであります。こうした制度、施策の充実が今求めるべきことであると考えているところであります。 最後に、介護事業者の支援についてです。処遇改善加算につきましては、区の指定事業所に対して個別に状況把握、情報提供を実施し、9月1日現在96.5%の事業所が取得している状況になっております。区としての支援策につきましては、今後、国や都との役割分担も踏まえながら検討してまいります。 〔企画部長岩浅英樹登壇〕 ○企画部長(岩浅英樹) 私からは、生活再建の視点に立った債権管理についてのうち、初めに、債権管理体制の強化の検討状況についてお答えいたします。 7月に未集金対策PT、8月に債権管理対策会議を開催いたしまして、納付相談時の各窓口での情報共有や、相談一覧表の活用、国民健康保険と介護保険における収入率向上に向けた取組について検討を行ったところでございます。 納付相談窓口の一本化についてでございます。生活困窮により住民税や国民健康保険料等の納付相談があった方に対しましては、中野くらしサポートを案内するなどし、それぞれの方の困難な状況を踏まえ、生活再建に向けた相談や必要な支援につなげているところでございます。各債権は、納付義務者の減免基準、個々の相談者の状況も異なることなどから、納付相談窓口の一本化については現時点で考えておりません。 〔都市基盤部長松前友香子登壇〕 ○都市基盤部長(松前友香子) 区営住宅、福祉住宅についての御質問にお答えいたします。 区営住宅長寿命化計画の策定について。区営住宅については、住宅の修繕、建て替え及び民間の賃貸住宅の利活用など、トータルとしてその在り方について検討していく必要があると考えてございます。区営住宅等の長寿命化計画は、老朽化した住宅の効率的な管理と更新を目的としており、これにより住民の生活の質を向上させ、持続可能な住宅供給を実現させることができるものと認識をしてございます。国土交通省が示している公営住宅等長寿命化計画策定指針を踏まえ、区有施設整備計画との整合を図りながら、区営住宅等の長寿命化計画の策定について検討してまいります。 次に、窓の断熱化についてです。ここ数年の著しい気温上昇を考えますと、暑さ対策としての遮熱及び断熱については課題であると考えております。対策として断熱サッシや二重窓の設置等が効果的と考えますが、サッシが古く、窓枠の構造上、窓改修工事は非常に困難な状況でございます。居住者自身でできる遮熱フィルムや断熱シート、遮熱カーテンの活用などの情報提供を行うとともに、区としてほかにどのような暑さ対策が取れるかについても検討してまいりたいと考えております。 〔まちづくり推進部長角秀行登壇〕 ○まちづくり推進部長(角秀行) 私からは東中野駅東口のまちづくりについて、お答えさせていただきます。 初めに、まちづくりの進捗、今後の予定についてでございます。東中野駅東口のまちづくりについて現在東中野駅周辺まちづくり基本方針の策定と東中野駅東口周辺の基盤整備に係る検討を進めており、今年度になってからも8月に東中野一丁目、四丁目、五丁目の全戸に「まちづくりニュース」を配布するなど情報提供に努めているところでございます。今後の予定につきましては、昨年度策定しました東中野駅周辺まちづくり基本方針骨子について内容の具体化を図り、東中野駅周辺まちづくり整備方針素案として取りまとめる予定でございます。あわせて、鉄道事業者や地元の地権者の方々と調整しながら、東中野駅東口のバリアフリー化を実現するための事業手法の具体化を進めてまいります。 次に、まちづくりにおける地域意向の把握についてでございます。東中野のまちづくりに係る地域の方々の意向につきましては、東中野駅周辺まちづくり整備方針を取りまとめる過程などで、地域の方々の意見聴取に努めてまいります。 最後に、バリアフリー化への対応についてでございます。東中野駅東口につきましては、既存駅舎の構造や、高圧ケーブル等の支障物の埋設などがあるため、仮設エレベーターの設置であっても困難な状況があります。引き続き、鉄道事業者とも調整しながら、東中野駅東口のバリアフリー化を実現するための方策を検討してまいります。 〔環境部長浅川靖登壇〕 ○環境部長(浅川靖) 最後に、私から羽田新飛行ルートについての御質問について、お答えをさせていただきます。 まず、航空機の部品欠落についての区の受け止め方についてでございます。国からは、羽田新飛行ルートにおける落下物事故は発生していないが、着陸した機体を調べた結果分かった部品欠落は約1,800件あったとのことでございました。国からは、部品欠落対策について様々な取組を行っているとの報告を受けてはおりますけれども、区といたしまして、今後とも様々な機会を通じて、部品欠落等リスク対策の徹底を国に要請してまいります。 続きまして新ルート固定化回避検討会の開催時期についてでございます。今年8月に開催されました羽田空港の機能強化に関する都及び関係区市連絡会分科会におきまして、国土交通省から現在羽田新経路の固定化回避に係る技術的方策検討会の開催について検討しているという旨の説明はございましたけれども、具体的な開催時期については聞いてございません。引き続き動向を注視してまいります。 最後に、区独自の騒音測定及び区民アンケートの実施についてでございます。騒音の測定は、国が実施しておりまして、この中で、中野区内においては、中央一丁目の小淀ホームが調査地点とされ、常設の測定器が設置されているところでございます。しかし、区の上空を通る新飛行ルートはもう一つあるため、区としましては、もう一方のルートの下にも測定地点を設けることについて具体的な設置地点も含め国と協議してまいります。区民へのアンケート調査等の実施は考えてございません。 ○議長(酒井たくや) 以上で、武田やよい議員の質問は終了します。
中野区議会議員 内 野 大三郎 1 中野区内の治安対策について 2 中野区内の災害対策について 3 熱中症対策について 4 台湾との交流事業について 5 その他
○議長(酒井たくや) 次に、内野大三郎議員。 〔内野大三郎議員登壇〕 ○23番(内野大三郎) 令和6年第3回定例会において、都民ファーストの会中野区議団の立場で一般質問をします。 質問に先立って、さきの台風10号におきまして被災された九州及び関東近県の皆様に心よりお見舞いを申し上げます。また残念ながらお亡くなりになった方々に心からお悔やみを申し上げますとともに、御遺族の皆様にお見舞いを申し上げます。 また先週も台風11号が発生し、中国、ベトナムに多大な被害をもたらしました。現在120万人以上が被災されたとの報道もあり、同じアジア諸国の一員としてお見舞い申し上げます。 しかし、8月26日午前11時29分から31分頃の約2分間にわたり、中国軍の情報収集機が長崎県の五島市男女群島沖において領空侵犯をしました。自衛隊機がスクランブル、緊急発進し、その中国軍機に通告及び警告を実施した後、我が国の領空周辺から離脱したという前代未聞の事件が発生しました。これは日本国の主権の侵害であり、断じて許されることではなく、強く抗議をします。 防衛白書によると、我が国上空の安全を頻繁に脅かす行為に対してのスクランブルは平成16年度では141回だったものが、令和元年ではその7倍以上の947回にまで増加しています。令和5年度に至っては中国機に対してだけでも575回もの緊急発進をしています。憲法9条を声高に叫んでいるだけで平和が訪れると思い込んでいる人々とは違い、24時間365日日本全土をレーダーで監視し、日本の安全保障を身を挺して守ってくださっている自衛官の皆様に心より感謝と敬意を表し、質問に入ります。 質問は通告のとおりで、その他はありません。 本年第1回定例会で、中野駅北口の治安対策について条例制定の提案をさせていただきましたが、区では平成16年に中野区安全で安心なまちづくりを推進する条例が制定され、犯罪抑止に努めている姿勢があるとのこと、今回はその時代背景などを調査させていただきました。平成11年に石原都政が誕生し、当時の歌舞伎町をはじめとする都内歓楽街は、外国人マフィアと日本の暴力団とが激しくしのぎを削っている状況でした。そんな中、東京都では、平成15年に東京都安全安心まちづくり条例が制定されました。実は、お隣の新宿区では、治安の悪化に伴い、新宿繁華街犯罪組織排除協議会という名称で平成14年から活動を始め、協議会として正式に発足したのは翌年の平成15年。この協議会は新宿警察署組織犯罪対策課の指導の下、所轄内の新宿駅周辺繁華街から大久保地区までの各商店街振興組合、町会、企業グループ、これには宅建業界、ホテル・旅館業界、遊技場組合、喫茶・飲食、麻雀、質屋などの同業組合や社交料理飲食業連合会などを巻き込み、防犯協会、交通安全協会を顧問や相談役に迎え、関係機関としては新宿区、暴力団追放運動推進都民センターが入り、新宿区長と新宿警察署長はそれぞれ顧問として、会長は歌舞伎町の商店街振興組合理事長が就任するという形にしたそうです。これは新宿区の事例でありますが、第1回定例会で質問したときの課題認識としては、新宿の反社会的勢力が徐々に西に移動しているという情報もあり、他人事とは思えないので、参考までに新宿の例を挙げさせていただきました。当然、繁華街には小さな犯罪があちこちに見受けられます。この小さな犯罪の目を早いうちから摘む姿勢こそが、反社会的勢力に対する力強いメッセージになるのです。 また、現在アドバイスを受けている弁護士チームメンバーからの情報では、警察政策学会の部会と日本市民安全学会との共同研究所というのがあり、防犯カメラの効果について話題が盛り上がったといいます。中野の繁華街の防犯カメラ設置も相変わらず町会・商店街の自主的な設置に委ねており、消極的な印象を持たれてしまっているのではないでしょうか。もし警察署や中野区が自ら設置する防犯カメラが多数存在し、そのカメラに中野警察署や中野区とのステッカーを目立つように貼ることができるとしたら、町任せではない、本気の防犯対策の取組として、犯罪手段に対してのさらなる力強いメッセージを与えることになり、犯罪減少に寄与すると考えています。 こうした協議会は、他区でも、例えば豊島区では豊島区生活安全協議会というものが組織され、複数の警察署や関係行政機関、防犯関係団体と緊密な連携と情報の共有化を図っています。また、東京弁護士会の民事介入暴力対策特別委員会でも、今後盛り場での問題が多い自治体に暴力団排除協議会のようなものを設立、サポートする動きもあるようです。こうした地元中野での協議会の設立の地ならしを今からするべきであるのではないかと要望いたします。 中野駅北口では、行政と警察と民間の自主自衛組織や商店街の皆様方と防犯パトロールを実施していることは前回の定例会でも御紹介し、現場の皆様方の御苦労は高く評価されるべきであると考えています。そうしたことも大切であるものの、治安対策の一手段として不可欠ではありますが、全体としての治安対策のアピールをするために、例えばこのような協議会の設立は治安対策に大きく寄与するものだと思料いたします。 そこで中野区の動きをおさらいしてみますと、東京都が平成15年に、先ほど述べました東京都安全安心まちづくり条例を策定した後、呼応するように中野区でもできたのが、先ほど述べた中野区安全で安心なまちづくりを推進する条例です。その後、時代状況の変化にもかかわらず、一切の改定がなされていない状態です。都条例はその後の時代状況の変化に合わせ、改定がされ、平成27年には第9章、特殊詐欺の根絶に向けた取組の推進の項が追加されました。都は、昨今の犯罪事情に合わせた柔軟な条例改正がなされていると認識しています。中野区でも、こうした既存の条例を改正することで、安全・安心の実効性の確保になり、さらに治安対策のPRになるのであれば、費用をかけずに犯罪抑止になると考えますが、区の見解をお聞かせください。 次に、中野区内の災害対策についてです。 能登半島地震での災害現場の情報に触れ、中野区の現在の災害対策についてお聞きします。能登半島では長らく断水が続き、下水の復旧までの間はトイレの利用に不自由が生じました。ライフラインの寸断、上下水道の被害、それによりトイレの不使用状態の継続、外部からの支援として携帯トイレや仮設トイレなどが届くのも時間がかかり、配慮が必要な障害者や高齢者にとって過酷な状況が長らく続いたとの報告がありました。平常時からバリアフリー対策やインクルーシブ防災対策についての難しさや進捗が芳しくない状態も露呈したようです。一つとして、同じ災害現場はありません。地域の実情に応じたきめ細かな備えをすることの大切さを、能登半島地震だけでなく、今まで起こった直近の災害から学ぶべきものはしっかりと区の防災対策に反映していかなければならないと改めて強く思いました。 中野区地域防災計画では、震災対策計画、風水害対策計画、大規模事故対策計画と分かれておりますが、日常生活の復旧において、どの計画においても、発災直後から即座に必ず必要となるのが食料とトイレ問題だと認識しています。したがって、この対策を充実させることは、地域の安心・安全に直結する問題として、今後も重点的に取り組んでいただきたい課題です。非常食や非常用のトイレの新製品の技術などは日進月歩であるため、常に新しい情報をキャッチアップする姿勢を持ち続けていただきたく要望いたします。今回の質問では、冒頭の能登半島地震を強く意識して、トイレ問題に焦点を当てたいと思います。 非常用のトイレには、携帯トイレ、簡易トイレ、マンホールトイレ、仮設トイレ、トイレカー、トイレトレーラーなど様々な種類のものがあります。区では地域防災計画において様々な状況を想定して非常用トイレの準備を進めていることと思います。東京都では排水設備防災ハンドブックを作成し、排水設備についての啓発も行っております。大震災時においては使用制限の有無に応じて各家庭での使用について適切な判断ができるようなハンドブックであり、区の広報ネットワークなどを使ってお知らせをしているようですが、中野区ではあまり目にすることがないので、ぜひとも町会などへと展開していただけますよう要望いたします。 そこで、現在中野区での計画上、災害時にトイレで困るようなことはないという認識でよろしいでしょうか、お尋ねいたします。首都直下型の災害が起きた際には、都内では22%の被災者が災害時に排泄について支障を来すという試算があるようですが、災害時だからこそ22%ではなく、これを限りなくゼロに近くしないと備えにはならないと認識しています。発災から6時間以内に約7割の被災者がトイレに行きたくなるという統計もあります。発災したそのときからトイレが使えなくなるのならば、その当日から代わりの非常用トイレが使える状態にするべきであると考えます。災害用に準備してあるマンホールトイレ等は日頃から実践で使っていて、初めて災害時に機能するものであり、そのための備えとして準備されているものです。かつて中野四季の森公園で防災訓練か何かのイベントでデモンストレーションをしていただいたことがあります。その際に、実際に下水としての水が流れなかった不具合が生じたことを記憶しています。災害当日でなかったことが不幸中の幸いだったと思います。 そこで一つの提案ではありますが、このようなことが起きないように、1年に1度は実践としてマンホールトイレ等の災害用トイレを実際に使う運用をしてはいかがでしょうか。区の見解をお聞きします。 次に、防災用品の中で、明かりを灯す電池ほたるという防災灯についてお尋ねします。 防災用灯はライターと同様に点灯する仕様のもので、火も不要で風が吹いても消えないという優れものです。また、乾電池のように消費期限もありません。僅かな水のような液体があれば点灯するものです。また、連続点灯時間は160時間以上。世界最小の防災ライトとして日本で開発された日本製の商品です。昨年5月に発売されていますが、既に立川市で3万個、江東区で2万1,000個、民間では生協、パルシステムさんで2万5,000個の納入実績があるといいます。使い方と点灯時間は、製品の底面に1~2ミリリットルの少量の水を浸すだけですぐに点灯が始まり、連続で160時間以上、約1週間点灯します。国内外の特許実用新案取得済みで、使用後は通常の家庭の不燃ごみとして廃棄処分できます。LEDライトでの発光で、ライトの色もバリエーションに富んでいますので、小さな子どもたちにも分かりやすく楽しい防災グッズとしてローリングストックの対象にすれば防災意識の向上にも役立つのではないかと思い、備蓄品として試験導入することを提案したいと思います。また、試験導入した結果、防災備蓄品として適切でない点などがあるようなら、効果不足の点をメーカーと協議をし、さらなる製品の品質向上に御助言などできれば理想的かと思います。導入の可否について区の見解をお尋ねします。 この項の最後に、豪雨対策についてお聞きします。 桃園川と大久保通りとの交差している中野三丁目と中央五丁目の地点では、大久保通りのかさ上げをした影響により以前よりも冠水頻度が増している状態です。中には半地下の駐車場が水没してしまったという事案もあり、川沿いの保育園では防水ゲートを設置したところもあることは御認識されていると思います。機動的に排水ポンプを配備するなど、地域の皆様のために運用を柔軟にしてもらっているようで、大変ありがたいことではございますが、抜本的な対策が完了するにはまだ長い年月がかかると認識しています。ハードの排水対策は一朝一夕にはいかず、莫大な費用と時間がかかります。現在暗渠となっている桃園川は、かつては都心を流れる清流として諸先輩方の幼少期には親しまれていたと仄聞しています。その川は昭和60年から平成6年にかけて上部を緑道とし桃園川緑道として整備されましたが、今でも排水機能をもって流域の雨水などを排水し神田川へと流しています。そして、度々氾濫していたものの、環状七号線の調整池が整備されたことにより氾濫も落ち着いてきました。ところが、昨年のゲリラ豪雨で排水機能が限界を迎え、浸水被害が再び発生するようになりました。東京都はその対策として第二桃園川整備事業を進め、地下40から60メートルもの深さのところに排水設備を整備し始めました。これにより、1時間75ミリ程度の降雨に対して下水道施設として対応することができるようになります。この事業は計画よりも少し遅れていますが、やはりこの後5、6年ほど完成までに時間がかかるそうです。費用は東京都が持つとしても、災害の被害を受けるのは中野区民であるため、早急の整備が求められ、安全管理の下、着実に事業が進展することを願っております。 その間、中野駅のガード下ではやはり先日の台風10号の強い雨のときに中野通りが冠水しました。場所によっては車が通ると、L字溝から歩道に水があふれる状態でした。また、雨上がりの週末に現場を歩いてみたら、排水溝によっては全く排水できていないところもありました。そこは排水機能が全くなかったため落ち葉すらたまっていませんでした。また、落ち葉で覆われてしまった排水溝も少しずつしか排水しなかったため、雨量が排水を上回る場合には、常に冠水をしてしまいます。雨水のたまりやすい都道については、災害が予見できるようなときには、都と緊密な連携をすることにより、排水設備の性能を整えていくことが大切ではないかと考えておりますが、区の見解をお聞きします。 次に、熱中症対策についてです。 年々、夏の暑さが増してきている気がしています。都内の自治体では、暑さ対策のために今年は災害と位置付け、冷却パックを配布したり、独居高齢者への注意喚起をしたりと対策に乗り出したとの報道に接しました。一部には、「猛暑」という言い方では生ぬるく、暴風雨の暴をつけて「暴暑」と呼ぶべきだとの記事も目にしました。それほど暑さのレベルが我々の幼少期から変わってきてしまったのではないかと感じています。今年の熱中症対策について、事前に本年第2回定例会で会派の大沢議員からの質問に回答いただきました。今年の中野区の熱中症対策について、その評価をお尋ねいたします。 御承知のとおり、東京都では「今年の夏は沸とう京」というキャッチフレーズの下、熱中症対策の民間からの暮らしの知恵を募集しています。募集期間は今年6月から今月27日まで、まだ募集しておりますので、皆様のお知恵をお寄せいただければと思いますが、都は例年にも増して暑さが予測されていたために、このような事業が行われていたと思います。 日本気象協会のホームページによりますと、この暑さの原因は、春まで続いたエルニーニョ現象の名残の影響で梅雨入りが遅れ、太平洋高気圧の勢力の強まりや偏西風の蛇行で上空に暖かい空気が流れ込んでいるといった条件が重なったことなどが考えられるとのことでした。そして、短い梅雨であったにもかかわらず降水量が多くなりました。また、7月1か月の平均気温は観測史上最も高くなりました。日本の南の海上にある太平洋高気圧が張り出し、気温が上昇しやすくなり、この高気圧に沿って湿った空気が日本列島に流れやすく、雨や雷雨が頻発する原因となったそうです。このラニーニャ現象が発生すると残暑が長引くとも予想されており、暑さ対策はもう少し続けなければならないのではないでしょうか。統計的にラニーニャ現象が発生すると、日本では夏は暑さ厳しく、冬は寒さ厳しいというめり張りの利いた季節感が出ると言われておりますが、春秋の期間が短く、四季の移ろいを感じにくくなってしまう年となるそうです。 そんな折、区民の皆様方から、東京都の事業としてクーリングシェルターやクールシェアスポットなどがあるのに、中野区の登録がないとの御意見を頂いたことがあります。中野区では昨年より涼み処の提供を高齢者会館をはじめ区有施設で実施し、啓発のためののぼり旗などを準備していたので、一つの事例として、区民の皆様には御案内をしています。区のホームページを拝見すると涼み処がどこにあるのか、施設の一覧はありますが、マップ形式ですぐに分かる状態ではなく、現在地からリストの住所を探してその上でマップなどのアプリを使用して検索をしなければなりません。ホームページ上に一目で分かるように地図落としをしておいてはいかがでしょうか。また、こうした場所がお出かけ先で気軽にマップ上に図示されるようにしてはいかがでしょうか。またこの涼み処の事業は区の独自の施策として今後続けていかれると思いますが、こちらは区有施設が中心となっているため、今後も区有施設で気軽に通行人が入れる仕組みを構築されるものと思いますので、啓発に努めていただきたいと思います。 一方、東京都のクールシェアスポットやクーリングシェルター等の事業において、民間事業者や施設と連携していくおつもりはありますでしょうか。この尋常じゃない猛暑から区民の命を守るためには、まずこうした事業の目的を明確にすることが必要だと考えます。熱中症対策についての現在の所管は保健所とのことですが、例えば民間施設に協力をしてもらったりする場合には産業振興課にも一肌脱いでもらいたいし、打ち水などの事業で啓発をしてもらう場合には環境課にも協力を仰ぐ必要があります。熱中症対策の目的は、A地点からB地点まで移動する際に、体調を考慮して、ためらうことなく日陰に避難したり、涼しい環境に身を置いたりすることによって、当初の目的地まで安全に移動できることだという認識でございますが、区の見解としては、どのような目的と捉えておられるでしょうか。また、もし私の認識している目的と大差ないようでしたら、それぞれの課における役割を明確にし、得意分野での能力を発揮し、当初の目的を果たしていただきたいと考えますが、区の見解をお聞きします。また、来年度の対策について、今年の対策を糧にどのような展開を考えているのかお尋ねいたします。 最後に、台湾との交流事業についてです。 昨日台湾の大使館に相当する台北駐日経済文化代表処の新代表李逸洋氏が来日し、新代表として着任されました。李氏は、責任の重さを感じ、身の引き締まる思いである、台日関係の推進に全力を尽くすと日本語で話し、また、台日関係は数十年来で最良の時期にある、多くの分野で交流が史上最高レベルに達していると強調されました。そして、頼清徳総統の理念に基づき、民主主義の保護の傘を広げ、日本の平和と安定などに努めると述べられました。この日台友好の機運の高まりを逃してはいけないと思い、質問をいたします。 中野区議会には、平成27年に日華友好促進中野区議会議員連盟がありました。過去形なのは、今期はまだ議連が設立していないからです。当初の設立後、しばらくして日台友好促進中野区議会議員連盟と名称は変わりましたが、目的である平和5原則に基づいて日本と台湾との友好を促進し、両国の友好親善を図ることに変わりはありません。そして、議会側がこれまで積極的に交流を進めてきた経緯もあり、先人の諸先輩議員の思いをここで中途半端に終わらせてはいけないと思うと同時に、台湾と日本との強固な関係こそがアジアの平和と安定に資するものであると確信をしています。周知とは思いますが、平和5原則とは、領土保全及び主権の相互不干渉、相互不侵略、内政不干渉、平等互恵、平和的共存です。日本周辺国でこの原則を守っているのは、僅かに台湾ぐらいではないかと思うぐらい周辺諸国の不穏な軍拡や侵略的行為に恐ろしさを覚えます。議員側から始まったこの一連の流れはコロナ禍で一度は交流が途絶えましたが、今こそ復活させて行政同士での相互交流もするべきと考えています。これまでの中野区と台湾との交流の履歴をお尋ねします。 平成31年に区長、議長が台湾を訪問した後、コロナ禍とはいえ、交流が途絶えかけてしまっていないか心配をしています。行政のデジタル分野では世界一とも言われており、災害対策において東日本大震災でも日本とも交流が深い台湾との連携は中野区にとっても意義深いものであります。また、感染症対策において台湾はいち早く防疫体制を完全にした経緯もございます。こうしたことから台湾と中野区との交流促進の再開は近隣諸国の中でも優先順位が高いものと考えられます。今後の台北市中山区との交流についての区の方針はどのようになっているのか、途絶えかけた糸を、今後太く強くしていく必要があると考えますが、区の見解をお聞きして、私の全ての質問を終わります。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 内野議員の御質問にお答えいたします。 初めに、中野区内の治安対策についてで、犯罪情勢に応じた治安対策についてです。 区としても、その時々の犯罪情勢に対応した治安対策を講じることが重要であると認識をしておりまして、警察や関係機関、団体等と連携しながら取り組んでいるところであります。中野区安全で安心なまちづくり条例の改正につきましては、他区の状況などを調査、研究していくとともに、引き続き警察、消防など関係機関等との連携を強化して治安対策を進めてまいります。 次に、中野区内の災害対策についてで、まず中野区の災害用トイレについてでございます。避難所におけるトイレ対策として、各避難所に仮設トイレを5台、簡易トイレを5台、マンホールトイレ4台以上、収容者数に合わせた便袋を用意しておりまして、充足していると考えているところであります。また、在宅避難者用の便袋につきましては、令和6年度中に配備予定でありまして、必要数を確保してまいります。 次に、マンホールトイレ等の運用についてでございます。災害時において迅速にトイレ機能を確保するにはマンホールトイレの活用は有効であると考えております。災害時に不具合が起きないように防災訓練等を通じて確認してまいります。 次に、防災灯の御質問です。防災灯につきましては、先行自治体の活用事例等も参考に、活用方法などについて研究してまいります。 次に、中野区内の災害対策についてで、雨水がたまりやすい都道への対応についてでございます。台風の接近など災害が予見できる場合には、冠水のおそれがあるため、排水設備の性能を整えておくことが大切なことだと考えております。都道に関しましては、東京都と排水設備の状況について引き続き情報共有をし、お互いに連携しながら、適切に道路の管理も行ってまいります。 最後に、台湾との交流事業についての御質問です。今後の台北市中山区との交流に向けてでございます。2019年1月の中野区友好調査団による台湾訪問を機に、台北市中山区との友好交流都市関係締結に向けて協議を進めてきたと認識をしているところであります。その後、台湾総統選挙を控えているという事情や、その後の新型コロナウイルス感染症の影響などによって協議が進んでいない状況であります。今後の交流に向けては、双方が交流によるメリットを享受できることが不可欠でありまして、友好交流都市関係締結の必要性も考慮しながら交流の在り方を検討してまいります。 〔保健所長水口千寿登壇〕 ○保健所長(水口千寿) 私からは、熱中症対策についての御質問にお答えいたします。 まず、ホームページの改善と国や都事業との連携についてですが、区ホームページへの涼み処の地図情報や統合型GISへの掲載は、視覚的にも分かりやすいことから対応してまいります。また、クールシェアスポットやクーリングシェルターは涼み処と同じ目的の施設であることから、登録指定に向けて準備を進めているところです。 次に、熱中症対策の目的と全庁的な連携についてですが、熱中症は高温多湿な環境に長時間いることで体温調節機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもった状態を指すものであり、涼しい環境への避難や、こまめな休憩が大切です。このため、区では避暑施設や外出時の休憩場所として一部の区有施設を涼み処として開放しています。熱中症対策には日頃からの健康管理や啓発だけでなく、様々な対応が必要なことから、全庁的な連携を図りながら、より効果的な熱中症対策事業を進めてまいります。 次に、来年度の熱中症対策についてですが、熱中症対策は本格的な暑さを迎える前からの早期啓発が重要であると認識しています。区としては今年度から開始した熱中症警戒情報の周知、クーリングシェルター等の登録指定のほか、これまでに取り組んできた熱中症対策の充実を図るとともに、新たに締結した大塚製薬株式会社との包括連携協定による、より効果的な熱中症対策を展開してまいります。 ○議長(酒井たくや) 以上で、内野大三郎議員の質問は終わります。 お諮りいたします。 議事の都合により、本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。 次の会議は、明日午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。 本日はこれをもって延会いたします。 午後4時52分延会
会議録署名員 議 長 酒井 たくや 議 員 黒沢 ゆか 議 員 久保 りか |