令和6年09月12日中野区議会本会議(第3回定例会)
令和6年09月12日中野区議会本会議(第3回定例会)の会議録

.令和6年(2024年)9月12日、中野区議会議事堂において開会された。

.出席議員(41名)

  1番  山  内  あきひろ        2番  武  井  まさき

  3番  市  川  しんたろう       4番  日  野  たかし

  5番  木  村  広  一        6番  斉  藤  けいた

  7番  井  関  源  二        8番  黒  沢  ゆ  か

  9番  大  沢  ひろゆき       10番  武  田  やよい

 11番  広  川  まさのり       12番  いのつめ  正  太

 13番  間     ひとみ        14番  河  合  り  な

 15番  加  藤  たくま        16番  高  橋  かずちか

 17番  甲  田  ゆり子        18番  小  林  ぜんいち

 19番  白  井  ひでふみ       20番  吉  田  康一郎

 21番  立  石  り  お       22番  小宮山   たかし

 23番  内  野  大三郎        24番  い  さ  哲  郎

 25番  細  野  かよこ        26番  斉  藤  ゆ  り

 27番  杉  山     司       28番  ひやま      隆

 29番  大  内  しんご        30番  伊  藤  正  信

 32番  平  山  英  明       33番  南     かつひこ

 34番  久  保  り  か       35番  石  坂  わたる

 36番  むとう   有  子       37番  羽  鳥  だいすけ

 38番  浦  野  さとみ        39番  山  本  たかし

 40番  中  村  延  子       41番  森     たかゆき

 42番  酒  井  たくや

.欠席議員(1名)

 31番  高  橋  ちあき

.出席説明員

 中 野 区 長  酒 井 直 人      副  区  長  青 山 敬一郎

 副  区  長  栗 田 泰 正      教  育  長  田 代 雅 規

 企 画 部 長  岩 浅 英 樹      総 務 部 長  濵 口   求

 防災危機管理担当部長 吉 沢 健 一    DX推進室長  滝 瀬 裕 之

 区民部長、新区役所窓口サービス担当部長 高 橋 昭 彦    文化・産業振興担当部長  高 村 和 哉

 子ども教育部長、教育委員会事務局次長 石 崎 公 一     子ども家庭支援担当部長、教育委員会事務局参事(子ども家庭支援担当) 森   克 久

 地域支えあい推進部長、地域包括ケア推進担当部長 石 井 大 輔   健康福祉部長  杉 本 兼太郎

 保 健 所 長  水 口 千 寿      環 境 部 長  浅 川   靖

 都市基盤部長  松 前 友香子      まちづくり推進部長  角   秀 行

 企画部企画課長  中 谷   博      総務部総務課長  永 見 英 光

.本会の書記は下記のとおりである。

 事 務 局 長  堀 越 恵美子      事 務 局 次 長  林     健

 議事調査担当係長 鈴 木   均      書     記  若 見 元 彦

 書     記  田 村   優      書     記  細 井 翔 太

 書     記  森 園   悠      書     記  梅 田 絵里子

 書     記  川 辺 翔 斗      書     記  志 賀 優 一

 書     記  早 尾 尚 也      書     記  堀 井 翔 平

 書     記  金 木 崇 太      書     記  砂 橋 琉 斗

 

 議事日程(令和6年(2024年)9月12日午後1時開議)

日程第1 第63号議案 令和6年度中野区一般会計補正予算

     第72号議案 谷戸小学校普通教室棟増築等工事請負契約に係る契約金額の変更について

     第87号議案 大和公園再整備工事請負契約

日程第2 認定第1号 令和5年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について

     認定第2号 令和5年度中野区用地特別会計歳入歳出決算の認定について

     認定第3号 令和5年度中野区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について

     認定第4号 令和5年度中野区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算の認定について

     認定第5号 令和5年度中野区介護保険特別会計歳入歳出決算の認定について

日程第3 中野区の財政の健全化判断比率について

 

午後1時00分開議

○議長(酒井たくや) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。

 本日の議事日程は、お手元の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。

 昨日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 山 内 あきひろ

 1 子ども教育について

  (1)保幼小中連携について

  (2)教育環境について

  (3)その他

 2 歯の健康施策について

  (1)歯科健診について

  (2)口腔機能発達不全症について

  (3)その他

 3 その他

 

○議長(酒井たくや) 最初に、山内あきひろ議員。

〔山内あきひろ議員登壇〕

○1番(山内あきひろ) 令和6年第3回定例会におきまして、自由民主党議員団の立場から一般質問を行います。質問は通告のとおりで、3番、その他で、訪問理美容サービスについて伺います。

 1、子ども教育について。

 まずは、保幼小中連携について伺います。

 全国的にいじめ、不登校の件数が増えており、社会問題になっております。中野区も例外ではなく、不登校の件数に関しましては今年度も増加傾向にあるとのことです。小1プロブレムや中1ギャップは、新しい環境への適応ができない状態で、いじめ、不登校の原因とも言われており、解決のためには保幼小中相互の連携が必要であり、そのため文部科学省は、5歳児から小学校1年生までをかけ橋期として、令和4年度から幼保小の架け橋プログラムを推進しております。中野区では、歴史的に私立幼稚園が中心となって保幼小連携を進めてきました。いじめ、不登校が増加している中、中野区は保幼小中連携の意義と目的をどのように考えているかお聞かせください。

 また、平成30年度から、就学前教育担当を子ども教育部から教育委員会へと組織改編をしておりますが、改編してからの主な成果や実例をお聞かせください。

 現場の先生からは、横のつながりが弱いとの御指摘もあります。小学校低学年から不登校児童が増える中、園児が安心して小学校生活を過ごすためにも、幼稚園や保育園、認定こども園などが今まで以上に連携を強化していくことが必要だと考えますが、区の考えをお聞かせください。

 また、連携には保護者や家庭との関わりも大切だと考えますが、保護者の立場から見ると、どのような取組をしているのか見えてきません。保幼小中接続期での不安な気持ちは、子どもたちだけではなく保護者も同じ気持ちだと思います。そのため、保幼小中連携の取組を区が積極的に情報発信していくべきだと考えますが、区の考えをお聞かせください。

 次に、教育環境について伺います。

 平成31年の厚生労働省の通知を踏まえ、学校保健安全法に基づく学校環境衛生基準が改正され、令和3年4月より施行されております。改正の概要としましては、キシレンの基準値をより厳しい数値に改定いたしました。キシレンとは、揮発性有機化合物の一つであり、シックハウス症候群の発生要因になるとも言われております。キシレンの基準値が改正されたことで、学校施設の新築、改築及び新たな学校備品を購入した際は適切に検査を行い、基準値を超えた場合は、学校薬剤師などの協力の下、適切な措置を講ずることとされました。既に他区ではキシレンの検査を行っております。中野区では現在検査を行っておりませんので、児童・生徒の健康を守り、快適な教育環境を維持するためにもキシレン検査を導入すべきと考えますが、区の考えをお聞かせください。

 2、歯の健康施策について。

 まずは歯科健診について伺います。

 健診は、健康状態を把握して、病気の予防、早期発見、早期治療につなげることが目的であり、それにより健康寿命の延伸、医療費の削減に寄与します。また、健診は継続性が非常に重要であり、定期的に受診することが大切です。そのため、様々な法律に基づき、幼少期から社会人まで、学校や会社などで健診を受けることができます。ですが、歯科健診に関しましては、義務化されているのは1歳半、3歳と小学生から高校生までの全学年であり、大学生や社会人は義務化されておりません。この時期は、進学や就職によるライフスタイルの変化で生活習慣が乱れやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まり、健康に影響を与える可能性があります。

 全身の健康にも影響を及ぼす歯周病の発症年齢は20代から30代が多いとされており、この時期の早期発見、早期治療が重要です。そういったことから、今年度健康増進法に基づく自治体の歯周疾患検診の対象年齢に20歳と30歳が追加されました。他区でも、既に今年度より20歳、30歳の歯科健診を追加して、継続的な健診をしております。現在中野区での歯科健診の範囲は35歳から75歳までとなっていますので、20歳、30歳の歯科健診を実施するべきと考えますが、区の考えをお聞かせください。

 また、人生100年時代において、健康寿命の壁とも言われる80歳は非常に重要な節目であります。厚生労働省と日本歯科医師会が推進している80歳で20本以上の自分の歯を保つことを目標とした8020運動では、約60%の方々が達成しております。ですが、高齢者が歯周病に罹患すると、心臓疾患や認知症のリスクを高める可能性がありますので、生涯にわたっての健診が必要と考えます。他区では、80歳以上を対象とした生涯にわたっての継続的な歯科健診を既に行っておりますので、中野区でも、まずは80歳の歯科健診を実施するべきと考えますが、区の考えをお聞かせください。

 歯科健診率は東京都全体ではいまだ低く、中野区においても、令和5年度は前年度と変わらず3.6%とのことです。伸び悩んでいる健診率を上げるためにも、ホームページやSNS活用だけではなく、例えば二十歳の集いのときにチラシを渡したり、区の窓口で渡している封筒に歯科健診に関することを記載したり、長寿健診の案内に同封するなど、若者世代や高齢者に対して健診などに関する様々な周知をしていくべきと考えますが、区の考えをお聞かせください。

 次に、口腔機能発達不全症について伺います。

 口腔機能発達不全症については第2回定例会でも質疑させていただきましたので、詳細は省略しますが、重要なことは、正しい知識を持っていれば、御家庭で予防、一部改善することができることです。そのためには正しい知識を早期に御家庭で共有することが大切ですので、対象の年代に口腔機能発達不全症に関する冊子を配布するなどの周知が必要だと考えますが、区の考えをお聞かせください。

 また、以前各小・中学校などで、歯科医師や歯科衛生士などが行っていた講話を復活させて、学校でもお口に関する正しい知識を学んでいただくことも大切だと考えますが、区の考えをお聞かせください。

 3、その他で、訪問理美容サービスについて伺います。

 訪問理美容サービスとは、自宅に理美容師が訪問し散髪などを行うサービスであり、23区を含む多くの自治体で行われております。中野区では、2か月に1枚の割合で、1年間に6枚まで利用券を発行し、調髪などを受けることができます。また、利用者負担は1回につき1,500円であり、対象者は、要介護3から5の在宅で寝たきり、または認知症により理美容店での調髪が困難な方、入院や施設に入所していない方とされています。多くの区民が利用しているサービスではありますが、現在の制度では、先ほど申し上げたとおり、要介護3以上でないとこのサービスを受けることができません。

 しかしながら、現実には要介護1、2でも認知症の方はいらっしゃいます。中央区では要介護2以上、杉並区では要介護1以上、目黒区では要支援1以上で同様のサービスを受けることができますので、中野区でも、認知症と診断されていれば、要介護1、2であっても訪問理美容サービスを受けられるようにするべきと考えますが、区の考えをお聞かせください。

 以上で、私の全ての質問を終えます。御静聴ありがとうございました。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 山内議員の御質問にお答えいたします。

 私からは、訪問理美容サービスについてお答えします。

 訪問理美容サービスにつきましては、介護保険制度の適正な運営と公正な負担の観点から、要介護1、2及び認知症を理由とした対象拡大は考えていないところでございます。認知症であっても、まちに出かけて店舗で調髪できるよう、認知症への理解の啓発やサポートを進めていく考えでございます。

〔教育長田代雅規登壇〕

○教育長(田代雅規) 子ども教育についての御質問にお答えいたします。

 まず最初に、保幼小中連携教育の意義と目的についてでございます。保幼小中連携教育の意義は、保幼小中の円滑な接続を保障することで、児童・生徒のつまずきを防ぎ、自尊感情や自己肯定感を育むことにあります。また目的は、15年間の学びの連続性を踏まえたカリキュラムの連携により、子どもたち一人ひとりが確実に生きる力を身につけることにあります。

 続きまして、就学前教育担当の組織改編による成果と実例についてでございます。主な成果は、令和元年度に中野区就学前教育プログラムの改定版を取りまとめ、保育園や幼稚園と小学校の連携が深まったことで、小学校進級時の不安が解消された実例があります。また、令和2年度から保幼小中連携教育の取組が始まり、小中連携教育協議会に保幼の教職員が参加することで、幼児期から中学校までの15年間を見通した学びを推進することができるようになりました。

 続きまして、幼稚園や保育園、認定こども園の連携強化についてでございます。中野区合同研究会や保幼小連絡協議会などを通して、幼稚園や保育園等の職員同士が連携することは大切であると考えております。今後、保幼小中連携協議会の中で各園同士が連携を強化し、小学校と共通理解を図ることで、小学校に入学した子どもたちが安心して学校生活を送ることができるようにしてまいります。

 続きまして、園や学校の取組の情報発信についてです。保幼小中連携の取組を推進するためにも、保護者や地域の方の理解と協力を得ることが必要であると考えております。今年の8月に開催した保幼小中連携サミットでは、教職員だけでなく、地域及び保護者の代表の方が集まり、各中学校区での連携教育の取組について協議や情報交換を行うことができました。今後とも、連携教育通信や区のホームページを活用して、保幼小中連携教育の取組を積極的に発信してまいります。

 次に、学校環境衛生基準に関する調査についてでございます。令和3年度から学校環境衛生基準が一部改正されたこともあり、来年度から各学校におけるキシレンの測定分析を行いたいと考えております。

 続きまして、口腔機能発達不全症の周知についてでございます。小児期の早い段階から周知のほか、小学校における周知等については、中野区学校保健会等で協議するとともに、中野区歯科医師会と連携しながら、口腔機能発達不全症の周知等について考えてまいります。

 次に、学校歯科医等による講話についてでございます。学校歯科医や歯科衛生士が児童・生徒への歯磨き指導や口腔ケアに関する知識を普及するために、各小・中学校で講話を通じて知識を広げることは有効であると認識しております。学校歯科医と連携を図りながら、実施方法について検討してまいります。

〔保健所長水口千寿登壇〕

○保健所長(水口千寿) 私からは、歯の健康施策についてお答えいたします。

 まず、20歳、30歳の成人歯科健診についてですが、自治体の歯周疾患検診の対象年齢に20歳と30歳が追加されたことは把握しており、20歳、30歳の歯科健診の実施について検討してまいります。

 次に、80歳の成人歯科健診についてですが、高齢者の口腔の状態は個人差が大きいことから、かかりつけ医での定期的な受診が必要であると考えております。歯科健診の対象年齢のさらなる拡大等については、国や都の政策動向や他自治体の取組などを注視し、有効性について研究してまいります。

 次に、口腔ケアに関する周知についてですが、歯科健診受診率を向上していくことは重要であると認識しており、全庁的な連携を図りながら健診の周知啓発を進めてまいります。

○議長(酒井たくや) 以上で山内あきひろ議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 細 野 かよこ

 1 資源循環の推進について

  (1)リユース食器などの利用促進について

  (2)羽毛のリサイクルについて

  (3)その他

 2 ベンチのあるまちづくりについて

 3 介護事業について

 4 動物との共生について

 5 マイナンバーカードと保険証の一体化について

 6 その他

 

○議長(酒井たくや) 次に、細野かよこ議員。

〔細野かよこ議員登壇〕

○25番(細野かよこ) 立憲・国民・ネット・無所属議員団の一員として、また、中野・生活者ネットワークの一員として質問します。質問は通告どおりで、その他として2点伺います。

 1、資源循環の推進について。

 (1)リユース食器などの利用促進について。

 今や私たちの生活の中で毎日利用されているプラスチック製品ですが、地球規模で環境汚染が進み、プラスチック削減は大命題となっています。世界では、2022年の国連環境総会での決議によるプラスチック汚染をなくすためのプラスチック条約制定に向けたプロセスが大詰めを迎えています。当区では、2020年7月に中野区プラスチック削減指針を策定しました。プラスチック削減指針の行動指針1には、「区が主催または共催するイベントや会議において、使い捨てプラスチック製品・容器包装の使用を可能な限り削減することとし、繰り返し使用できるもの又は紙製品や非木材パルプ製容器等の利用に努める」とあります。

 私は、今年4月に品川区の環境学習交流施設エコルとごしと、隣接する戸越公園で開催されたエコルフェスに参加しました。キッチンカーでのほとんどの食事がリユース食器で提供されており、食べ終わった容器は紙で拭いてエコステーションまで御返却ください、持ち帰り用のレジ袋はないので、マイバッグを持参してくださいとチラシにあらかじめ案内されていました。エコステーションに集められた食器はきれいに積み重ねられ、気持ちのよい光景で、資源を使い捨てにしない効果的な啓発になると感じました。

 新型コロナウイルス感染症が5類に移行してから、当区でもイベントの開催が活発になり、対面での会議も増えています。まずは行動指針にある区が主催または共催するイベントにおいて、使い捨てプラスチック製品・容器包装の使用を可能な限り削減するために、リユース食器や繰り返し利用できる製品での提供を推進するごみの出ないイベントを目指してはいかがでしょうか。区の見解を伺います。

 プラスチック削減指針の策定から4年が経過しました。この間、職員の方へのアンケート調査が2回実施されています。マイボトル、マイバッグの使用についてはかなり進んでいるようですが、昨年10月に行われた2回目のアンケートでは、削減指針について、内容まで理解しているのは約3割、名前だけは知っているが約3割、知らないが約3割となっています。プラスチック削減指針の職員の方々への周知をいま一度徹底し、区全体で行動指針の実効性をさらに高めていただきたいと考えます。見解を伺います。

 (2)羽毛のリサイクルについて。

 まだまだ厳しい残暑が続いていますが、これからしばらくすると、軽くて暖かい天然素材のダウンジャケットや羽毛布団を使う季節になります。羽毛は水鳥1羽から約10グラムしか採取できない貴重な資源で、ダウンジャケットで10羽、羽毛布団では100羽以上の水鳥が必要とされます。羽毛は食肉の副産物としてしか使用ができず、近年では、食肉生産のコストダウンのために飼育日数を短くしていて、品質の低下が進んでいます。また、鳥インフルエンザなどの影響もあり、良質な羽毛は量が減っています。

 高品質な羽毛を将来にわたって残していくためには、羽毛のリサイクルは必然となっています。西東京市では、2014年から羽毛布団を資源として回収しています。杉並区でも、昨年10月から羽毛布団を回収してリサイクルする取組を始めました。当区では、現在羽毛布団は粗大ごみとして回収し、焼却処分されています。直近2年の粗大ごみのうち、最も件数が多いのが布団で、2022年度が3万3,697件、2023年度が3万1,261件です。この中で羽毛布団の割合までは分からないということですが、一定数あることは想像できます。先行自治体の事例を参考にして、貴重な資源である羽毛布団を現在の焼却処分からリサイクルへと転換を図ってはいかがでしょうか。

 羽毛布団のリサイクルについては、民間の取組としてグリーンダウンプロジェクトがあります。回収拠点として協力している店舗に集まった不要になった羽毛布団をリサイクル工場に送って再生させるプロジェクトです。私は、今年1月、三重県にあるリサイクル工場を見学しました。羽毛は適切な処理をすれば100年以上繰り返し使えると言われているそうで、厳しい品質基準の下でリサイクルされた羽毛は新毛よりも品質がよく、アレルギーの心配もほとんどありません。リサイクルされたダウンも触らせていただきましたが、とてもきれいで、匂いは全くありませんでした。

 ほかにも、社会福祉協議会との連携で、募金活動や障害者の雇用促進につながるUMOUプロジェクトなど参考になる取組があります。まずは環境イベントなどで羽毛リサイクルの啓発、リサイクルに取り組む活動の紹介を行い、羽毛リサイクルへの関心を喚起していただきたいと考えます。区の見解を伺います。

 2、ベンチのあるまちづくりについて。

 中野・生活者ネットワークは、毎年、環境や福祉、食の安全に関わる区内の団体と共に、区民の方からの区政に対する様々な提案を受け、区への要望につなげています。その中に、まちにベンチが欲しいという要望がこれまで度々寄せられており、昨年4月から、区民の方と一緒にまち歩きをしながら、現在どんな場所にベンチがあるか、どんな場所にベンチがあったらいいのかを調べており、現在も進行中です。

 まち歩きの成果として、住宅の前にちょっと休める椅子やベンチのようなものを置いている場所が何か所かあることが確認できました。特にベンチがあったらいい場所として、病院付近のバス停、階段の踊り場や坂道を登ったところ、木陰にベンチがあったらいいねなど、様々意見が出ました。区議会でも、山本たかし議員ほか複数の議員の方がベンチの設置について質問されており、要望が多いことが分かります。

 7月22日の新聞に、まちにベンチを、声届くの見出しがありました。新聞社に声を届けたのは中野区在住の40代女性で、妊娠中や子どもの抱っこに疲れたときに座って休みたかったと、まちにベンチがなく困った経験を投稿されています。まちなかのベンチは、高齢者だけではなく子育て世代など全ての人が休める場所として、まちづくりの大切な要素の一つだと思います。新聞記事では、区の担当者のコメントとして、ベンチが欲しいとの声はあるが、歩道の幅が足りないと紹介されています。

 コメントにあるように、当区における既存の区道へのベンチ設置については、歩道が狭く、通行スペースの確保が難しいことが課題ですが、区が取り組んでいる社会参加を促すスマートウェルネスシティの歩きたくなるまちづくりと親和性が高いと考えます。また、中野区都市計画マスタープランには、都市整備の基本理念として、誰もが居心地よく歩ける、歩きたくなるようなウォーカブルなまちづくりを進めることが示されています。ウォーカブルなまちづくりにおいて、ベンチのようなちょっと一息つける、座れる場所の確保は欠かせないものだと考えます。区はベンチの設置についてどのように認識されているのか伺います。

 先述の新聞記事によると、23区中10区がベンチの設置事業に取り組んでいます。世田谷区、杉並区では、民有地へのベンチ設置に対する補助を行っています。歩道へのベンチ設置に課題がある当区においてウォーカブルなまちづくりを進めるには、区道への設置だけでなく、世田谷区や杉並区の取組のように、商店街や区民の方からの提案に応じて民有地にベンチを設置するなど、区道以外のベンチ設置の手法について検討を進めていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。伺って、次の質問に移ります。

 3、介護事業について。

 介護人材の不足については改めて申し上げるまでもなく、介護事業における深刻な課題となっています。喫緊の課題である介護人材の確保に関連して、中野区介護に関する入門的研修について2点伺います。

 入門的研修は、訪問型緩和基準サービスの担い手養成を目的とした旧中野区認定ヘルパー養成研修が、業種を問わない介護人材の裾野を広げるための研修として移行したものです。入門的研修は現在年2回開催されており、4日間の全日程を受講すると区から修了証が交付されます。最終日には、区内の介護事業所が参加するおしごと相談会が開催され、2023年度は62名が受講し、11名が就職につながったと聞いています。

 入門的研修の修了者ができる仕事は、訪問型の場合は緩和基準サービスに限られますが、そもそも緩和基準サービスを提供している事業所も事業実績も多くないのが現状です。就職先を通所型施設系の事業所に広げることで、就労につながる研修修了者が増えるのではないでしょうか。研修修了者と通所型施設系事業者のマッチングの強化に取り組んでいただくことを求めます。

 介護人材の確保は待ったなしの状態です。就職につながらなかった研修修了者へのフォローアップ、介護の仕事の魅力発信など、危機感を持って人材確保につながる施策に取り組んでいただきたいと考えます。区の見解を伺います。

 次に、介護保険と障害福祉サービスのケアプラン作成について伺います。障害福祉サービスを利用している方が65歳になると、障害福祉サービスに類似する介護保険サービスがある場合は、原則介護保険サービスが優先されます。共通のサービス部分を介護保険がカバーし、支給限度額を超える場合の上乗せや、障害福祉独自サービスの横出しで障害福祉サービスが提供されます。

 このように介護保険サービスと障害福祉サービスを併給する場合、ケアマネジャーがケアプランを作成しますが、専門的な障害福祉サービスのケアプラン作成は負担となっていると聞いています。ケアマネジャー不足も深刻な中で、業務量の多さや資格更新など、負担が増えているケアマネジャーの方々にかかる負荷を少しでも軽減し、利用者が安心して在宅生活を継続するためにも、障害福祉サービスについての研修の拡充が必要ではないでしょうか。伺って、次の質問に移ります。

 4、動物との共生について。

 地域における飼い主のいない猫対策活動を推進するために、個人ボランティアに助成を行う地域猫共生推進員制度の導入から1年が経過しました。初めに、昨年度と今年度現在の地域猫共生推進員数、昨年度の登録管理猫頭数、不妊去勢手術頭数について伺います。

 推進員の方からは、申請書、活動場所の地図や対象猫の一覧、写真、実施申請書、完了届、活動報告書など書類作成が煩雑と聞いています。特に飼い主のいない猫なので、近づいて写真を撮ろうとすると逃げてしまい、写真の添付が難しいそうです。推進員の方々の活動の継続のために、こうした手続や書類について簡素化できるものはありますか。また、メール等での報告が苦手な方などに対しての対応も必要だと考えますが、いかがでしょうか。

 不妊去勢手術の協力病院は現在区内に13か所あります。しかし、私も経験があるのですが、捕獲が予定どおりできるとは限らず、キャンセルする場合もあり、手術の日程には幅を持たせる必要があると考えます。健康状態がよくない猫もいます。通常の診療を行いながら、このようなケースに柔軟な対応をするのは病院にとっても容易ではないと想像します。また、場所によっては、区内の病院に行くより隣接区の病院のほうが利便性がよい場合もあり、推進員の方からは、現在の病院数では不妊去勢手術数などに対応できていないとの声があります。こうした声にどのように応えていくのか伺います。

 地域猫共生推進員制度の導入から2年目に入りました。スタートしたばかりではありますが、現在課題として捉えていること、課題に対してどのように取り組んでいくのか伺います。

 この項の最後に、飼育継続が困難な場合などの対応について伺います。地域包括支援センターには、独居高齢者の方が入院や施設入所などで飼っていた動物の世話ができなくなったという相談があり、預け先が確保できない場合には、日常のサービスを提供している介護支援員や近所の人などが対応する事例があると聞いています。一方で、動物の飼育を理由に、入院治療や施設入所が必要な状態であるにもかかわらずちゅうちょする事例もあるとのことです。私も同様な御相談を近隣区で保護猫活動をする方から中野区の事例として受けたことがあります。

 こうした飼育の継続が困難になった場合や多頭飼育崩壊については、これまで河合りな議員も何度か質問しており、問題を繰り返さないためにも、飼い主の責任の範疇にとどめるのではなく、地域の課題として捉え、福祉的視点を持った対応と関係機関の連携を求めてきました。今後独居高齢者が増加する予測の中、このような事例は増えていくと思われます。入院や入所が長引く場合には、介護支援者や近所の方などがボランティアで動物のお世話をすることには限界があります。飼育継続の困難事例や、多頭飼育崩壊の未然防止、早期発見の体制の強化が必要ではないでしょうか。

 東京都では、地域における動物の相談支援体制の整備事業助成が2020年から開始されています。健康上の理由などで飼い主が飼育を継続することが困難となった場合などに、身近な地域で相談や支援が受けられる体制づくりに取り組む区市町村を支援する事業です。厳しい補助要件がありますが、こうした事業助成も視野に入れながら、動物と人との共生社会の実現を目指していただくことを要望します。

 5、マイナンバーカードと保険証の一体化について。

 2023年6月にマイナンバー法等の一部改正法が成立し、マイナンバーカードと健康保険証の一体化の方針が決定しました。あわせて、健康保険証を廃止しマイナンバーカードでオンライン資格確認ができない人に対しては資格確認書を発行することになりました。5月から6月にかけて行われた健康保険証廃止に伴う省令改正へのパブリックコメントには5万件を超える意見が寄せられており、関心が高いことが分かります。

 一方で、健康保険証廃止の12月2日が迫っていますが、区民の方々とお話しすると、12月2日以降も現在の保険証が有効期限まで使用できること、マイナ保険証を持っていない人には保険証の有効期限が切れる前に保険者から自動的に資格確認書が送られてくることなど、制度の詳細についての周知が十分ではないと感じます。マイナ保険証を利用しなくても医療を受けられることの分かりやすい周知についての区の認識と、どのように周知するのか伺います。

 マイナンバーカードの保有枚数は、総務省によると7月31日現在で約9,308万件、マイナ保険証の有効登録数は、厚生労働省によると約7,451万件で、有効登録率は約8割です。しかし、マイナ保険証の利用率は11.13%となっています。理由は様々でしょうが、マイナ保険証の使用に何らかのちゅうちょがあるのだと思われます。10月からは利用登録解除手続が開始します。マイナ保険証の利用に不安がある人などには登録解除の選択肢があることの周知も大切です。区はいつ頃どのような方法で情報提供、手続を行うのか伺います。

 6、その他として、ストーマ装具への支援ともの忘れ相談会について伺います。

 当区では、現在人工肛門装具に月8,858円、人工膀胱用装具に月1万1,639円を限度額として給付がありますが、金額は10年以上据え置かれたままです。このところの物価高騰により、こうしたストーマ装具も値上がりするなど、給付額では足りない利用者の方もいらっしゃいます。23区では、15区ほどが給付額を上げている、もしくは今後上げる予定と聞いています。当区においても、ストーマ装具購入費の給付額について見直しを検討する時期ではないでしょうか。

 最後に、もの忘れ相談会について伺います。もの忘れが気になる方が気軽に専門家に相談できるもの忘れ相談会は、現在、月1回区役所で開催されています。認知症に対する正しい理解と地域包括支援センターや医療機関への早期の相談につながるもの忘れ相談会は、一人暮らしの高齢者や認知症の方が増えている中、介護関係者の中からニーズがあると伺っています。区民活動センターなど身近な場所でも相談できるよう開催場所を増やしてはいかがでしょうか。

 伺って、私の全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 細野議員の御質問にお答えします。

 まず、資源循環の推進についてでございます。

 ごみの発生抑制に向けた区の率先行動、中野区プラスチック削減指針では、区が主催または共催するイベントや会議では、使い捨てプラスチック製品・容器包装の使用を可能な限り削減することとしております。昨年度は、イベントや会議を主催、共催するほぼ全ての部署や施設において、ペットボトルも含め使い捨てプラスチック製品や容器包装を使用せず、繰り返し使用できるものなどを利用したところでございます。今後とも、この取組を継続していきたいと考えております。

 次に、中野区プラスチック削減指針の職員への周知徹底です。プラスチック削減については、行動指針に基づいた取組が各職場で着実に進んでいる一方、職員一人ひとりへの浸透は必ずしも十分でないことがアンケートで判明いたしました。ペットボトル等プラスチック使用削減については、先月実施した全庁管理職研修の素材としたほか、本庁舎各階へのウォーターサーバーの設置普及、またEMS環境マネジメントシステムにおける職員個人に着目した運用変更などによって、意識と行動の変容を迫っております。区内最大級の事業者、中野区役所の職員の働き方、過ごし方が環境配慮の面で他の模範となるよう徹底してまいります。

 次に、羽毛布団のリサイクルについてです。羽毛は貴重な資源でありまして、リサイクルする過程で洗浄することによって、さらに上質な羽毛に再生できるということで認識しております。収集した粗大ごみは可能な限り資源化しておりますが、羽毛布団を資源化するためには、再生処理工場に運搬するまでの間、保管するためのストックヤードが必要となるなどの課題もございます。これらの確保も含め、今後の羽毛布団のリサイクルについて引き続き検討してまいります。

 次に、羽毛のリサイクルの啓発についてです。羽毛布団やダウンジャケットなどの羽毛製品が、メーカーや販売店等の取組によってリサイクルが進むことが望ましいと考えております。区民が民間企業等のこのような取組に協力し羽毛のリサイクルが促進されることは、資源の有効活用やごみの減量につながります。今後、エコフェア等の環境イベント等の機会を活用し、民間企業等とも連携を図りつつ、羽毛も含めたリサイクルの促進について広く区民に周知してまいります。

 次に、ベンチのあるまちづくりについてで、ベンチ設置に対する区の認識です。

 歩行者が気軽に腰をかけられるベンチの設置は、ウォーカブルなまちづくりを推進していく上で効果的な取組の一つであると認識をしております。今後進められる区有施設整備やまちづくりの中で、ベンチや歩行者が気軽に座れる場所の確保についても検討してまいります。

 最後に、区道以外におけるベンチの設置についてです。

 区道以外においても、都道を所管する東京都にも働きかけを行うなど、歩行者空間におけるベンチの設置について取り組んでまいります。また、民有地へのベンチ設置につきましては、他自治体の取組等も参考にしながら検討を進めてまいります。

〔地域包括ケア推進担当部長石井大輔登壇〕

○地域包括ケア推進担当部長(石井大輔) 私からは、介護事業についての御質問にお答えいたします。

 まず、入門的研修修了者と事業者のマッチングについてでございます。介護に関する入門的研修修了者が訪問介護員として従事する場合はさらなる研修受講が必要でございますが、通所・居住施設系サービスの介護職員であれば従事は可能となっております。研修最終日には、通所・居住施設系を含む区内介護事業所が参加するおしごと相談会を開催しておりまして、就労に対する心理的なハードルを下げ、うまくマッチングできるよう適切に支援してまいります。

 次に、人材確保の取組についての御質問にお答えいたします。入門的研修修了者に対しましては、区内事業者との相談会後のフォローとして、東京都福祉人材センターへの登録勧奨などを行っており、介護未経験者の雇用につながるよう取り組んでおります。団塊世代全員が後期高齢者となる2025年を目前に、介護人材確保は喫緊の課題と捉えております。介護の仕事に触れる機会の創出や定着に向けた支援など、介護サービス事業所連絡会と協力しながら、人材確保に向けた取組を行ってまいります。

 次に、障害福祉サービスに関する研修についてでございます。障害福祉サービス、介護保険サービス間の移行や併給に当たりましては、介護支援専門員や障害者相談支援専門員の正しい知識と適切なマネジメントが必要でございまして、今後も支援関係者を対象とした研修の充実とともに、関係機関の連携を進めてまいります。

 次に、動物との共生についての御質問のうち、高齢者等の動物飼育についての御質問です。

 地域包括支援センターなどの高齢者相談窓口には、ペットの飼育継続困難に関する相談も寄せられておりまして、預け先や動物支援団体などの情報提供を行うとともに、関係機関との連携により対応しております。今後も、保健所などとの連携を密にし、当事者や支援関係者に対して、ペットの飼育が困難となる前の予防的な働きかけを行ってまいります。

 最後に、その他の質問のうち、地域でのもの忘れ相談会についてでございます。今週はアルツハイマー月間の催しの一つとして、区役所においてもの忘れ相談会を3日間、併せて聞こえの相談会と歯科の相談会、認知症に関するパネル展を行っております。認知症支援の啓発に努めているところでございます。鷺宮地域では、医療介護関係者によるネットワーク、オレンジラボが立ち上がり、大和区民活動センターなど3か所でもの忘れ相談会を予定しておりまして、区は区民への周知などの協力を行ってまいります。

〔保健所長水口千寿登壇〕

○保健所長(水口千寿) 私からは、動物との共生についてお答えいたします。

 まず、地域猫共生推進員制度の実績ですが、令和5年度の地域猫共生推進員数は15名、令和6年8月末現在の推進員数は18名です。

 また、令和5年度に登録管理した頭数は47頭、不妊去勢手術した頭数は3頭です。

 次に、書類手続の簡素化についてですが、地域猫共生推進員の新規登録や更新登録については、申請時に写真の添付を省くなど、手続を簡素化できるよう検討してまいります。書類作成やメールによる送付などについては、手続が円滑に進むよう推進員に対し個別支援を行ってまいります。

 次に、不妊去勢手術における課題についてですが、地域猫共生推進員の活動範囲の協力病院だけでなく、区内全域の協力動物病院を活用していただけるよう、不妊去勢手術の際の交通費など移送支援について検討してまいります。

 次に、地域猫共生推進員制度の課題についてですが、地域猫共生推進員と区との意見交換会を実施しており、その中では、制度導入からまだ日が浅いため、地域猫共生推進員同士のネットワークづくりが課題との意見が出されています。このため、現在推進員同士のネットワークづくりの支援に取り組み始めているところです。

〔区民部長高橋昭彦登壇〕

○区民部長(高橋昭彦) マイナンバーカードと保険証の一本化についての御質問2点にお答えいたします。

 マイナ保険証を持たない方への分かりやすい周知についてでございます。令和6年12月2日以降、マイナ保険証を持たない方には資格確認書で医療を受けられることなどについて、制度の変更点を丁寧に説明していく必要があると認識しているところでございます。これまで国民健康保険、後期高齢者医療保険の加入者に対しましては、保険証の更新や納入通知書等を送付する際に、マイナ保険証の一体化に関するチラシを同封するなどして、複数回の個別周知も行ってきたところです。今後も、区報への掲載のほか、区ホームページにより詳細な説明を、また、よくある質問を掲載するなど、より分かりやすい周知を図ってまいります。

 続きまして、マイナ保険証の利用登録解除の周知でございます。マイナ保険証の利用登録の解除を希望する場合には、加入する医療保険者に対して申請が必要となります。中野区国民健康保険では、10月28日から利用登録の解除を受け付ける予定でございます。その旨区報やホームページで周知してまいります。後期高齢者医療保険については、保険者である東京都後期高齢者医療広域連合から現時点では詳細が示されておらず不明でございます。

○議長(酒井たくや) 質問時間は終了しております。答弁は結構です。

 以上で細野かよこ議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 武 井 まさき

 1 商店街振興について

 2 鷺宮地域の区有施設跡地について

 3 中野区公式LINEの防災活用について

 4 その他

 

○議長(酒井たくや) 次に、武井まさき議員。

〔武井まさき議員登壇〕

○2番(武井まさき) 令和6年第3回定例会におきまして、自由民主党議員団の立場から質問させていただきます。質問は通告どおりで、その他の項目はありません。

 初めに、商店街振興について。

 いよいよ本年11月よりデジタル地域通貨事業ナカペイが本格的に導入、事業が展開されます。区内商店街の活性化を商店街内外から期待する声が大きい施策であります。多くの商店街が商店会への加入の減少という課題を長い期間抱えているのは皆様も御承知のとおりで、加盟店が減少すると商店街の運営費、イベントなどの運営スタッフなども併せて減少し、商店街の力が弱まってしまっているのが現状です。昨今の商店会では、商店街に設置してある街路灯を維持できない会もあり、老朽化の進んだ街路灯を撤去するにも多額の費用が必要となります。東京都の政策課題対応型商店街事業補助金を利用しても、商店会負担が重荷となり、商店会の持続可能性を失わせてしまうと考えます。

 そこで、初めに伺いますが、商店街が街路灯について維持管理に苦慮する中、街路灯撤去の際の費用負担の上乗せを検討すべきと考えますが、区の現状の認識と今後の方針についてお示しください。

 中野区は、平成17年に中野区商店街連合会から商店会加入促進条例の制定についての要望書を受けて、中野区商店街の活性化に係る事業者の相互協力等に関する条例が施行されています。この条例は、商店街において事業を営む者は、「所在する商店街の商店会への加入等により相互に協力するよう努めなければならない」と事業者の責務が定められています。しかし、強制力や罰則などはありません。

 制定された20年前よりも、企業がコンプライアンスを重視している現在のほうが、この条例が存在していることによって、大手チェーン店など商店会への加入が促されると考えます。実際にこの条例があることを伝えて、大手チェーン店に商店会に加入してもらったという話を伺ったこともございます。こういったことから条例の存在をさらに周知させ、区として商店会の加入促進に向けて取組を強化していくべきであると考えますが、区のお考えをお伺いいたします。

 さらに、商店会に加入することによって加入者が得られるインセンティブについても検討を進めていく必要があります。そこで、中野区地域通貨ナカペイが導入される本年度から来年度にかけての商店会加盟店へのインセンティブを生み出す大きな節目であり、チャンスであると考えます。そのためにはナカペイを普及させ、広く理解してもらう必要があります。QRコード決済で事業者側がデメリットと考えている一つは決済時の手数料で、今年度のナカペイは普及のために事業者の決済手数料を無料としています。では、ナカペイの手数料負担、来年度は発生するのでしょうか。

 また、商店会加盟店と非加盟店で決済手数料に差をつけることによって、商店会加入者の減少という課題に対しての解決策にもなり得ると考えますので、区におかれましてはぜひ検討していただきたいのですが、いかがでしょうか、お伺いします。

 10月からプレミアム率30%のデジタル地域通貨の申込抽選が始まり、11月1日から当選者への販売が始まります。アプリダウンロード特典の総額4,500万円と合わせて、最大18億円の地域通貨が中野区内に流通し、ナカペイで買物ができる11月はかなりの盛り上がりがあると予想しています。11月のスタートでナカペイを知る区民も多いと思います。しかし、今年度中はナカペイに通常のチャージができません。

 つまり、ナカペイを11月以降に知り、ダウンロードキャンペーンが終了した場合には、興味を持ってくれた区民がナカペイを利用するには令和7年4月まで待たなければなりません。もし、仮に今回の流通する18億円が年内に使い切られたとしたら、ナカペイは4月までどうする予定なのでしょうか。来期からのナカペイに期待してもらうためにも、本格運用は来期からともっと分かりやすく表記するべきではないでしょうか。お伺いして、次の項の質問に移ります。

 鷺宮地域の区有施設跡地についてです。

 旧鷺宮小学校は、令和8年度より、かみさぎ幼稚園の建て替え期間に、代替園舎として暫定貸付けするために仮園舎を整備するスケジュールが示されています。旧鷺宮小学校の貸付時には、校庭にプレハブを建てる、もしくは校舎をそのまま使うことが検討されています。旧鷺宮小学校跡地は、鷺宮小学校閉校後、校庭、体育館が多くの地域スポーツ団体、地域イベントに貸し出され、地域交流の大切な機会を生んできました。しかし、幼稚園の代替園舎を校庭に仮設で造ってしまうと、今までのようにスポーツ利用、イベント利用できるスペースが小さくなってしまいます。また、現行校舎に仮園舎を整備すれば、災害時に子どもが使用するなどの活用方法も考えられます。かみさぎ幼稚園の代替園舎で利用する際には、既存の校舎を改修して再利用すべきと考えますが、区の見解をお伺いします。

 旧鷺宮すこやか福祉センター跡地は平成29年に社会福祉事業者に1年間貸出しをされ、それ以降は現在も封鎖されています。駅から2分の好立地の土地が無駄になっている状況が続いています。現在の区有施設整備計画ではまちづくり用地として活用となっていますが、現時点では具体的な活用方法は決まっていません。地域の方から、今のままではもったいない、会議室として開放してほしいなどという意見を多く聞きます。建物が老朽化して使えないということであれば、建物を除却して更地にすれば、地区計画で運用するまでの間、例えば駐輪場や地区祭りなどのスペースなど、地域の方のために有効利用することができると思いますが、区のお考えをお伺いします。

 現在、西中野小学校は令和6年12月から宝仙学園に一時貸出しをする予定になっています。旧西中野小学校は現在避難所として指定されていますが、宝仙学園に貸付けしている間も避難所になるのか。また、現在の区有施設整備計画では、西中野小学校はまちづくりの進捗状況に合わせて活用検討となっていますが、宝仙学園の貸付け終了後に、同校の避難所機能がどうなっていくかについても検討を進めていくことが重要であります。宝仙学園の貸付け後、西中野小学校の避難所機能についての区のお考えをお伺いします。

 中野区公式LINEの防災活用について。

 神戸市の神戸災害DXの取組を危機管理対策等調査特別委員会で視察をいたしました。神戸市では、災害時に被害情報収集の手段の一つとして、各地の被害状況をLINEで集め、AIが災害情報を整理し、地図上に表示するように運用されています。中野区も、中野区公式LINE内に、不法投棄のごみ、公園設備の不備、道路の陥没などを報告する通報という機能があります。この中野区公式LINEを神戸市の取組のように災害時にリアルタイムで被害状況を集められるように運用すべきだと思いますが、お伺いいたします。

 中野区公式LINEの通報サービスの利便性、利用方法を区民へ周知するために、ウォークラリーなどのイベントを開いて、このサービスを広く区民に触れてもらう機会をつくるのはいかがでしょうか、お伺いいたします。

 以上で全ての質問を終わります。御静聴ありがとうございました。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 武井議員の御質問にお答えいたします。

 私からは、商店街振興について、初めに、商店街街路灯の撤去費用の助成です。

 商店街の街路灯につきましては、商店街を解散した場合に、区が商店街の街路灯を撤去するとともに、新たな街路灯を設置しているところであります。一方、商店街を解散する意向はないが、所有する街路灯の老朽化や維持管理の負担から撤去を望む商店街があります。撤去には東京都の助成制度が活用できるものの、商店街にとって5分の1の自己負担が重く、撤去が進んでいないと認識をしております。大雨や強風、地震などのおそれがある中、街路灯の老朽化が進んでいることから、解散意向のない商店街の街路灯について、災害危険度などを勘案した区としての撤去費用の助成を検討してまいります。

 次に、商店会の加入促進に向けた区の取組強化です。中野区商店街の活性化に係る事業者の相互協力等に関する条例に基づき、区として必要な支援を行っていく責務があると認識をしております。現在、利子補給率を優遇した商店街出店者優遇支援を実施しておりますが、今後は中野区商店街連合会と連携をし、商店街加入案内を作成して各個店に対してアプローチをする。さらに、中野区デジタル地域通貨ナカペイにおける商店街加盟店のインセンティブの付与についても検討してまいります。

 次に、ナカペイの手数料負担と商店会加盟による差異です。ナカペイの手数料負担ゼロにつきましては、中野区商店街連合会から次年度以降の継続を要望されているところであります。一方で、手数料負担を軽減するに当たっては財源の確保が不可欠であり、ふるさと納税や東京都の補助制度などを活用し、歳入の確保に努めていくことが必須であると考えております。次年度のナカペイの手数料負担につきましては、歳入見通しと財政負担を踏まえつつ、本年度の運用状況を見ながら検討してまいります。あわせて、商店会加盟店と非加盟店で決済手数料に差をつけることについては、商店会加入促進のインセンティブ付与の一環として検討してまいります。

〔教育長田代雅規登壇〕

○教育長(田代雅規) 私のほうからは、鷺宮地域の区有施設跡地についての御質問についてお答えいたします。

 仮園舎の整備方針についてですが、鷺宮小学校跡地については、地域で行われるイベント等で御利用いただいているところであります。かみさぎ幼稚園の仮園舎整備に当たっては、建て替え期間中であっても良好な教育環境を確保することと、跡地を活用した地域活動が両立できるよう検討を進めてまいります。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 申し訳ございません。先ほどの答弁に1問漏れておりました。

 商店街振興について。

 ナカペイの令和7年度運用の広報ということでございます。デジタル地域通貨の普及拡大に向けて、様々な機会を通じて機運醸成の取組を継続的に行っていくことが必要だと認識しております。令和7年4月から通常チャージが可能になることや、令和7年度からコミュニティポイントが開始されるなど、ナカペイが本格的に運用されることについて区報やホームページなどにより広報してまいります。さらに、区役所1階ナカノバでの普及イベントの実施や、高齢者会館などを巡回したナカペイの操作説明会の実施を検討しておりまして、これらにおいても周知を図ってまいります。

〔企画部長岩浅英樹登壇〕

○企画部長(岩浅英樹) 私からは、鷺宮地域の区有施設跡地についてのうち、旧鷺宮すこやか福祉センター跡地活用についてお答えいたします。

 旧鷺宮すこやか福祉センターにつきましては、現時点で具体的な施設整備やその他活用方法については決まっておりません。連続立体交差事業を契機としたまちづくり用地として有効活用できるよう、その方策につきまして地域の御意見も聞きながら検討してまいります。あわせて、自転車駐車場や地区まつりのスペースなど、暫定的な活用につきましても検討をしてまいります。

 次に、中野区公式LINEの防災活用についてでございます。

 初めに、通報サービスの災害時運用についてです。区では、今年4月から、アクティブユーザーが多くかつ拡張性の高いLINEを活用し、区公式LINEのトーク画面上で道路や公園の破損等に関する通報が可能なサービスを行っております。災害時におきましても、本通報サービスを活用し、区民が災害情報を投稿することが可能でございます。集まった被害情報を整理して災害時に運用、対応できるような仕組みについて検討をしてまいります。

 最後に、公式LINEを活用した通報サービスの周知でございます。本通報サービスの周知につきましては、区法やホームページ、区公式LINEを通じて引き続き実施をするとともに、区民が参加するイベント等と連携した周知の可能性につきましても検討してまいります。

〔防災危機管理担当部長吉沢健一登壇〕

○防災危機管理担当部長(吉沢健一) 最後に、私からは、鷺宮地域の区有施設跡地の御質問のうち、旧西中野小学校の避難所機能についてお答えいたします。

 宝仙学園に対する貸付期間におきましても、避難所として継続活用することとしてございます。このことにつきましては、宝仙学園から合意を得ているところでございます。宝仙学園への貸付終了後の避難所活用につきましては、まちづくりの進捗状況によりまして、避難所として活用可能な期間を示してまいる予定でございます。

○議長(酒井たくや) 以上で武井まさき議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 むとう 有 子

 1 新型コロナウイルス感染症予防接種に導入されるレプリコンワクチンについて

 2 火葬場について

 3 区役所1階の食堂カフェについて

 4 その他

 

○議長(酒井たくや) 次に、むとう有子議員。

〔むとう有子議員登壇〕

○36番(むとう有子) 区民の方からお寄せいただきました御意見を基に質疑をいたします。

 新型コロナウイルス感染症予防接種に導入されるレプリコンワクチンについてお尋ねをいたします。

 8月30日現在、厚生労働省の新型コロナウイルス感染症予防接種健康被害審査会における進達受理件数は1万1,863件、認定数は7,994件、死亡一時金または葬祭料の認定数は777件です。この死亡者の中には、コロナでの死亡リスクが極めて低い10代や20代の若者も含まれていることに胸が痛みます。中野区でも、死亡一時金または葬祭料が2件認定されています。ただし、医療機関からのコロナワクチン接種後の副反応疑い報告数はこれらの3倍以上の件数です。

 接種によって死亡する確率はインフルエンザワクチンの何と50倍との報告もあります。それでも厚生労働省は重大な懸念はないとして、10月1日から65歳以上の高齢者や基礎疾患を持つ60歳から64歳の人への定期接種や、それ以外の方への任意接種として、新タイプの自己増幅型mRNAレプリコンワクチン(MeijiSeikaファルマ社コスタイベ筋注用)を導入し、ワクチン接種を継続します。

 このレプリコンワクチンは、昨年11月に世界で唯一日本のみが認可しました。認可したレプリコンワクチンはアメリカのバイオ企業が開発したもので、製造と販売は日本のMeijiSeikaファルマ社です。レプリコンワクチンは、これまでのmRNAワクチンの抗原産生機能に加え自分自身を複製する機能があるため、少量の接種で長期間スパイクたんぱく質を産生します。日本が認可してから9か月が経過していますが、開発国であるアメリカや大規模治験を実施したベトナムをはじめとする世界各国ではいまだに認可されていません。なぜなのでしょうか。何らかの安全上の懸念があるのではないかと疑わざるを得ません。

 また、レプリコンワクチンを接種することにより産生されたmRNAやスパイクたんぱく質が細胞外小胞エクソソームによって他の細胞に伝播し、また、それが接種者の吐く息などを介して非接種者に拡散され、何らかの影響を与えるシェディングと呼ばれる現象が発生する可能性を指摘する有識者もいます。参議院議員川田龍平さんの質問趣意書に対して、厚生労働省は、当該事象についての調査は行われていないと答弁しています。つまり、接種者から他者への伝播の懸念は払拭されていません。

 そもそも遺伝子操作型mRNAワクチンは、人体の細胞内の遺伝機構を利用し、抗原たんぱく質を生み出す技術であることから、人間の遺伝情報や遺伝機構に及ぼす影響、特に後世への影響について強い懸念があります。mRNAベースのワクチンは、人のDNAを変化させないという根強い主張がありますが、それを裏付ける研究はなく、最近の研究では、ファイザー・ビオンテック製のmRNAワクチンの塩基配列が人の肝細胞のDNAに逆転写されたとの報告もあるそうで、人の遺伝情報に影響しないという言説は根拠を失いつつあるようです。

 レプリコンワクチンは、スパイクたんぱく質を自己増殖し続ける性質のため、これまで使われていたファイザー製やモデルナ製ワクチンよりも重篤な疾患を発生することと、接種者から他者へ伝播することを理由に、他の患者や従業員、その家族の生命を守るため、レプリコンワクチン接種者の来院をお断りする病院が全国で出てきています。さらに、全国有志医師の会や日本看護倫理学会などからも、自己増幅型mRNAレプリコンワクチンに対する反対や懸念の声明が出されています。このような懸念が解決できないのであれば、接種事業を中止するべきだと私は思いますが、定期接種を継続するのであれば、説明を受け納得した上での同意、いわゆるインフォームドコンセントがますます重要となります。

 1、区民への予防接種健康被害救済認定数の周知徹底、2、従来のmRNAワクチンとレプリコンワクチンの違いの説明、3、心筋炎やアナフィラキシーなどの重篤な副作用に加え、接種者から他者へ伝播するシェディングの可能性など、レプリコンワクチンを含めたmRNAワクチンのリスクの周知徹底、4、病院ごとに接種するワクチン名の提示など、接種するしないの判断ができる情報を丁寧に提供するべきです。

 今述べた1から4の情報を接種の案内封筒に同封し、区報やホームページへ掲載するなど区民への情報提供を求めるとともに、接種医療機関にインフォームドコンセント徹底の依頼を求めます。区の見解をお答えください。薬害被害を生み出さないよう願い、次の質問に移ります。

 火葬場についてお尋ねをいたします。

 8月8日の東京新聞に、火葬場高騰、弔いままならず、異例の民間頼み23区という記事が掲載されました。厚生労働省の通知では、火葬事業は、原則として経営主体は地方自治体とするとし、全国の火葬場の99%が自治体などの公営で、料金は1万円から2万円とのことです。23区内には、江戸川区にある都内唯一の都営火葬場瑞江葬儀所は、都民で税込み5万9,600円、港区、品川区、目黒区、大田区、世田谷区の5区共同で設置し一部事務組合が運営する大田区にある臨海斎場は5区の区民で4万4,000円、それ以外には民間株式会社の火葬場が七つあります。

 その中の一つ、板橋区にある株式会社戸田葬斎場が経営する戸田葬斎場は、23区民で5万9,600円、それ以外の中野区民が多く利用する落合斎場や堀之内斎場を含む六つは株式会社東京博善が経営し、通常価格15万2,900円のところ、資料請求すれば5万円割引で9万7,900円とのチラシが先日新聞折り込みされていましたが、23区内で一番高い火葬料金です。

 人間は誰もが必ず死にます。火葬はまさに公共の福祉に値する事業であり、人口密度が高く、火葬場の新設が難しいとはいえ、ないがしろにしてきたツケが重くのしかかっています。中野区議会では、行政が運営主体となる新規火葬場建設を求める陳情を昨年の第3回定例会で趣旨採択しましたが、中野区墓地等の経営の許可等に関する条例で、設置場所は住宅からおおむね250メートル以上離れていなければならないと定めており、区内での設置はなかなか困難な状況です。このため、公益的な視点で設置の可能性について研究しているとの報告が今年第1回定例会総務委員会でありました。とはいえ、新自由主義的経営に委ねてよいはずはありません。

 8月26日、特別区長会が、火葬場の公共性を踏まえて民間事業者に収支の透明性を示すよう義務付ける法整備を厚生労働大臣に緊急要望したとのことです。引き続き複数区での公営火葬場の建設を模索しつつ、新たな設置が厳しいのであれば、相手次第ではありますが、複数区共同で既存の民間火葬場を買い取ることも模索してはいかがでしょうか、お答えください。

 心安らかにこの世とのお別れのときを迎えたいと願い、次の質問に移ります。

 区役所1階の食堂カフェについてお尋ねをいたします。

 SDGsに取り組む区役所にある食堂カフェで、使い捨て紙コップ、割り箸、プラスチック製のストロー、スプーン、フォークを使用していることがとても気になりました。区長の姿もお見かけしているのでお気づきのことと思います。なお、生ごみの資源化もしていないとのことです。運営基本条件仕様書には、ごみ、残飯等の処理の減量化、資源化に努めること、中野区プラスチック削減指針に基づき、廃棄プラスチックの削減、環境配慮が利用者に伝わるよう周知と記載されています。この点において仕様書が履行されていないと私には見えますが、仕様書は反故にしてもよい軽いものなのでしょうか。この点における仕様書の履行状況と今後の改善予定についてお答えください。

 環境に配慮した飲食店の見本となる食堂カフェとなることを願い、誠実な答弁を求め、質問を終わります。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) むとう議員の御質問で、火葬場の公営化についてお答えいたします。

 区が民営の火葬場を買収し公営化する手法についてはこれまで検討したことはございませんが、経営が成り立っている民営の火葬場が買収に応じる可能性は低いと思われます。他区の動きも見ながら検討してまいります。

 特別区長会から厚生労働大臣に対して、民営の火葬場であっても、経営の永続性と非営利性が確保されるような法整備を要望したところでありまして、民営の火葬場の適正な運営が確保できるよう注視していきたいと考えております。

〔保健所長水口千寿登壇〕

○保健所長(水口千寿) 私からは、新型コロナウイルス感染症予防接種に導入されるレプリコンワクチンについての4点の質問についてお答えいたします。

 まず、予防接種健康被害救済制度の認定者数ですが、東京都や厚生労働省においては認定者数の公表はなされていますが、区においては申請者数が少ないことから、数字等を公表することにより個人特定ができる可能性を踏まえ、現在のところ公表することは考えておりません。

 次に、レプリコンワクチンのリスクについてですが、新型コロナウイルスに対するワクチンについては複数の種類が認可される予定です。レプリコンワクチンと呼ばれる次世代のmRNAワクチンも含め、国及び販売事業者の動向を注視し、必要に応じて周知に努めてまいります。全てのワクチンについて一定のリスクがあることは承知しておりますが、お尋ねのシェディングと呼ばれる現象に関しては、厚生労働省によれば科学的知見とされていないため、現在のところ周知する予定はございません。

 取扱いワクチンの周知についてですが、各医療機関において使用するワクチンについては、以前と異なり、各医療機関が判断し調達することから区で把握することは困難であるため、区ホームページで公表することについては難しいと考えております。

 医療機関から被接種者への説明については、医療機関の負担が非常に重くなることから、現時点では考えていません。

〔総務部長濵口求登壇〕

○総務部長(濵口求) 私からは、区役所1階食堂カフェについての御質問にお答えいたします。

 仕様書に記載している内容についてでございます。ごみの減量化、資源化につきましては、日替わりの惣菜を導入していることで食材を無駄なく利用していると聞いてございます。また、廃棄プラスチックにおきましては、おしぼり、弁当の袋など、お客様のセルフとしておりまして、過剰提供にならないよう配慮しております。環境配慮の取組の周知については、ペットボトルの削減のための給水ポットの取組を店内の大型モニターに表示しているところでございます。箸やフォークなどにつきましては、利用者の要望に合わせて使い捨てを使用しておりますが、環境への配慮から、改善に向け引き続き事業者に要望してまいります。

○議長(酒井たくや) 以上でむとう有子議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 石 坂 わたる

 1 2040年問題(総論)について

  (1)高齢社会について

  (2)持続可能な区政と財政について

  (3)その他

 2 顔の見える職員について

  (1)「地域に飛び出す職員」の働き方や業務改善について

  (2)地域に出て活躍できる職員の人材育成について

  (3)その他

 3 その他

 

○議長(酒井たくや) 次に、石坂わたる議員。

〔石坂わたる議員登壇〕

○35番(石坂わたる) 質問いたします。

 1、2040年問題(総論)について伺います。

 社会保障費の負担が急速に重くなっていく、医療、介護の体制維持が困難になっていく、後継者不足による廃業が経済の縮小を加速させるといった社会の転換点となる2025年まで1年を切りました。そして、さらには第2次ベビーブーマーを中心とする高齢者人口がピークを迎えて高止まりをしつつも、年代別人口は安定化する時期を迎える2040年問題が徐々に近づきつつあります。

 中野区では、現在、子育て先進区という旗印を掲げています。子育て世帯や子どもの困り事を解消していくことは行政の責務であり、持続可能な社会を考える上でも重要です。一方で、2040年問題を考えたとき、今から子どもが増えても、2040年段階で担い手になってもらうのはもう間に合わない段階に至っています。そんな中、2040年以降も持続可能な社会を次世代に引き継がせることは我々大人の責務です。

 (1)高齢社会について。

 先般、2023年から2028年の間の中野区健康福祉総合推進計画がつくられましたが、2040年問題を考える上でも重要な5年間となります。様々な制度の改正や改革は効果が出るまで5年から10年かかると言われ、2040年問題の対応に向けた具体的な取組が遅くとも2030年までには始められるよう、持続可能な社会制度や福祉サービスの方向性を見定め、ソフトランディングができる改善を重ねることが必要です。

 今後5年間は、2040年に向け、高齢者人口の高止まりをした社会でも持続可能なものとすべく、現状のまま進んだ場合の福祉や介護などのサービス量の変化や、各種社会保険制度のシミュレーション、理想的な2040年の中野区の高齢者や高齢者を含む世帯の生活の姿や福祉のあるべき形の提案、そこに至るまでの長期目標やスモールステップでの短期的な目標を検討していくことが必要ではないでしょうか。

 (2)持続可能な区政と財政について伺います。

 2040年問題は、単なる福祉的な課題だけでなく、扶助費の増や社会保険に関する特別会計への一般会計からの繰出金を捻出する工夫も避けられません。そのため福祉以外の予算を含め何を圧縮するのかを考えることが必要です。その一方、中野区の場合は、固有の問題として更新期を迎える施設も数多くあります。そのため、企画課を中心に、現状のまま進んだ場合の2040年の人口動態や必要な行政サービスの量の変化のシミュレーション、理想的な2040年の中野区の姿や区行政のあるべき形の提案、そこに至るまでの長期目標やスモールステップでの短期的な目標設定が必要ではないですか。

 また、財政課を中心に、現状のまま進んだ場合の2040年の税収や歳出の見込みのシミュレーション、2040年を乗り越えられる財政の計画や、支出や基金の積立てを含めた長期的な目標やスモールステップでの短期的な目標設定が必要ではないでしょうか。

 (3)子どもたちに2040年以降も持続可能な社会を引き継がせるためには、16年後に管理職となる若手の職員を含む全庁的な行政職員はもちろん、世代を超えた区民全体で知恵を出し合い、負担を協力し合いながら2040年問題を乗り越えていくため、区長が先導したり、時に頭を下げてお願いしたりしながら旗振り役を果たす覚悟がおありかどうか。また各部署に目を配り、2040年を乗り越えられる目標設定や政策展開を考えていくマネジャーとしての力を発揮する意識をお持ちかを伺い、この項の質問を終えます。

 2、顔の見える職員について伺います。

 (1)「地域に飛び出す職員」の働き方や業務改善について。

 区長は、当選当初の平成30年(2018年)第2回定例会の施政方針説明で、地域に飛び出し活躍する職員の育成について取り上げ、令和2年(2020年)の第1回定例会での所信表明では、新区役所の整備も見据えた働き方の見直しや改善した行政評価の実施、AIやRPAといった新技術の活用による業務の効率化について述べました。そして、新区役所への移転も完了し、間もなく半年が過ぎます。しかし、いまだ区民委員会での報告では、各フロアの区民の待ち時間に課題が残るとともに、障害を持つ区民の方などから、区役所に来たついでに顔なじみの職員に声をかけたり、様子が目に見えたりということがなくなり、職員との距離感が遠くなってしまった、顔が見えなくなった感じがするという声を頂きます。

 働き方や構造的な課題もありますが、新庁舎におけるウィークポイントをカバーできるよう、全職員が日頃から地域に飛び出す職員という自覚と実践ができれば、区民からみた顔が見えない職員という印象も変えられます。一方、それができなければ、迷わない、動かない、待たない、書かない、プラス行かないを実現する電子申請や、利便性をもたらすシステムもディスコミュニケーションの一翼を担う悪手になりかねません。

 区民と向き合う時間が増えないままにセキュリティ強化や手続の機械化だけが進むと、職員の心の隙間に、区民と関わることが手間であると感じてしまったり、自分の仕事は区民と関わる必要がないという意識を芽生えさせてしまう心配があります。そうしたディスコミュニケーションというリスクに対する意識や危機感は持てていますか。

 職員と区民のコミュニケーションを生み出すべく職員が地域に飛び出し、区民と直接接する時間を捻出すべく、区民と直接関わりのないデスクワークの部分や、区民が見えないところでの作業の効率化と省時間化、省力化が必要です。当然ながら、情報システムの担当が旗振り役をしつつ、各部署で一定程度なされていると思いますが、現在の業務プロセスと業務量を洗い出し、RPA等の情報システムを導入する業務の選定、用いるツールの決定、業務の一部からRPA等を導入する、改善点を洗い出して本格導入する、導入の効果を測定するなど、あるいはこれは自動化せずとも業務手順や方法の見直しで改善するということがどの程度できているのか。業務量の削減が十分にできていない場合の改善や未導入の業務への導入の検討について、今後どう進めていくのかをお答えください。

 (2)地域に出て活躍できる職員の人材育成について。

 区職員は、住民と地域で共に過ごす時間の中で、区民の困り事や意見に真摯に耳を傾けたり、区民自らは言葉にしない声や潜在的な思いを引き出したり、黙っている事柄や言外の意図に関して気づく力を持つこと、諦めてしまっている人がこの人にならば話をしてみようと思ってもらえる安心感を与えたり、信頼関係を構築できるようにしていくこと、期待に応えられないときにも真摯な態度で関係が途切れないような断り方ができるなど、様々なスキルが求められます。こうしたスキルを研修や勤務時間内外の実地で身につけられるようにしていくことが大切ですが、どのようにしていきますか。

 また、働き方や業務改善が進んでも地域で活動する時間が増えない場合や、地域に出て活動、活躍をしたいという意識があっても活動、活躍ができていない場合、どんな点がネックなのかを調べて改善することも必要です。政策の評価として、実際に職員が地域に出て活動している時間を量的に評価すること、どのような活動ができているのかや、ネックになっている点を改善、解消していくとともに、どのような活躍ができているのかを質的に評価し、さらなる改善をしていくことの両方が求められますが、どうお考えでしょうか。

 私の質問は以上です。答弁をお願いいたします。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 石坂議員の御質問にお答えいたします。

 初めに、2040年問題に向けた政策の検討についてです。

 高齢化による高齢者人口の増加と少子化による労働人口の急減が同時に進行するいわゆる2040年問題は、都心部においても大きな影響が出るものと認識をしておりまして、今後の政策検討に当たっては、長期的な視点を持ちながら進めていく所存でございます。

 次に、この2040年の区のあるべき姿と長期的な目標等の設定についてです。次期基本計画の検討に当たっては、2075年までの人口推計を行い、これを踏まえた上で基本計画を策定することを予定しております。基本計画における人口推計は他の個別計画の検討においても活用されるため、区として2040年の人口の状況も踏まえた計画策定や事業実施を行うことになります。次期基本計画の目標設定は、現在の基本構想で定める2030年のまちの姿実現のための指標となることから、2030年における目標値を設定する予定でございます。

 次に、財政上の目標設定についてです。どのような状況においても、区民サービスを滞ることなく推進していくため、区では新たな財政運営の考え方を令和4年8月に策定し、令和5年度予算編成から開始したところであります。毎年の予算編成時においては、10年間の想定される歳入歳出の増減を踏まえた財源フレームを策定しているほか、次年度に策定を予定しております基本計画や区有施設整備計画を踏まえた長期間の基金起債計画を作成することになります。今後とも短期的、長期的な視点を持って、持続可能な財政運営を進めてまいります。

 続きまして、2040年問題を乗り越えていくための私の役割ということでございます。2040年問題に対応していくために、私は自治体の長として職員をリードし、経営者としての手腕を発揮して、様々な課題に対応しながら、持続可能な区政運営を行っていく所存でございます。

 次に、顔の見える職員についての御質問です。

 区民と向き合う職員の姿勢について、区民サービスを向上させていくためには、区民本位の感覚をさらに強化していくことが重要だと考えているところであります。迷わない、動かない、待たない、書かない、プラス行かない。これを実現することで、区民サービスの向上と業務の効率化を図るとともに、この生み出された時間で職員が積極的に地域や現場に出向き、現場志向力を強化してまいります。

 次に、RPA等による業務効率化についてでございます。これまで超過勤務の自動集計、勧奨業務や保育所等入園、支給認定業務等でRPAを活用しております。また、昨年度より各課にて業務フローの見直しや、RPA等のソフトウエアを活用できるDXリーダーの育成も行っております。今後も継続して取組を行うことによって業務の効率化を進め、さらなる区民サービスの向上に資するよう努めてまいります。

 続きまして、地域に出て活躍できる職員の育成についてです。

 目指すべき中野区職員の姿の一つに、地域に飛び出して多様な人々と積極的に関わり信頼関係を築くことというものがございまして、信頼関係が築ける職員像に近づけるために、勤務時間内外で地域に飛び出す職員認定制度を設計しているところであります。研修によって地域活動の知識の習得だけでなく、職員認定制度の活用によって現場志向の浸透を強化してまいります。

 続きまして、地域で活躍する職員の政策的評価についてでございます。現場志向の浸透度を数値化することは、政策の進捗確認としても有効だと考えております。人材育成計画では、定量的な指標として地域に飛び出す職員の認定数を、定性的な指標として職員アンケートの中で現場や地域の感覚を区政に取り組むことを意識している割合、これを組み合わせております。アンケートの中で、地域に出て活躍するために支障となっていることについても把握をし改善していくことで、積極的に地域で活躍する職員を育成してまいります。

〔石坂わたる議員登壇〕

○35番(石坂わたる) 再質問させていただきます。

 先ほど御答弁の中で、2030年を目標にというところが出てきましたけれども、それに関しましては、2040年を踏まえたスモールステップとしての目標であるという認識でいいかどうかの確認をさせていただきたいということ、あと、それと職員の認定制度の話が出ました。これは認定制度を受けて認定された職員だけがやっていればいいというものではなく、全職員が取り組んでいくということでよろしいのかどうかの御認識を伺います。お願いいたします。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 再質問にお答えいたします。

 まず、一つ目の2030年の目標というものについてでございます。これは当然2040年の姿を見据えた上でのその通過点としてのスモールステップとして捉えているところでございます。

 それからもう一つ、認定制度につきましては、これは、職員の目指すべき姿として、どういう職員がロールモデルになるかということを我々としても示して、全職員にそれを目指してほしいという思いを込めております。

○議長(酒井たくや) 以上で石坂わたる議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 小宮山 たかし

 1 庁有車の共同使用について

 2 交流連携について

 3 夏季の子どもの居場所について

 4 その他

 

○議長(酒井たくや) 次に、小宮山たかし議員。

〔小宮山たかし議員登壇〕

○22番(小宮山たかし) 小宮山たかしでございます。

 中野区は、自家用車所有率の低い区であります。身近なところで申し上げますと、我々区議会議員42人のうち、区役所地下駐車場の利用申請をしている議員は15人しかいません。中野区は自家用車所有率の低い区であります。去る9月1日、江古田区民活動センターで「ファミコンあつまる」というゲームを媒介とした居場所づくりのイベントがありました。主催者の森脇さんは、その前日、台風の迫る中、雨の晴れ間を縫って朝7時半から、2トントラック満載相当の量のイベント資材を人力で、歩いて自宅から区民活動センターまで徒歩15分の道のりを2人で5往復して運んだそうでございます。

 森脇さんはこういう活動を2016年からほぼ毎月続けている。その日は台風が迫っていましたので、イベントを中止にする選択肢もありました。しかし、イベント当日の9月1日(日曜日)は、例年であれば夏休み明けの登校日であり、青少年の自殺件数が年間で最も多い日なんです。だからこそ、森脇さんは、雨が降ろうとやりが降ろうと、9月1日のこのイベントを休むわけにはいかないと、2トントラック満載に匹敵する量の荷物をたった2人で人力で運んだそうでございます。また、撤収の際も、雨が降る中、少人数で撤収作業を行ったそうです。中野区は自家用車所有率の低い区であります。その中で、市民活動、公益活動をする人たちは、イベント用の荷物の運搬に苦労しているケースが少なからずあります。

 翻ってみれば、中野区は区役所地下駐車場などに庁用車、公用車を50台以上も所有しているじゃないですか。平日だって全ての車をフル活用しているわけじゃない。土日になればほとんど使っていない。この車全部とは言いません。保険関係などの条件が整えられた1台か2台でいいですから、区民や町会や公益活動等に貸し出してはくれませんか。区民のための公用車を区民に使わせてください。平日が難しければ土日だけでもいいです。ただではなくて、安価有料でも構いません。あるいは貸し出す相手は公益活動をちゃんとやっていると認められる区民や団体だけでもいいです。今どき島忠だって、大きな買物をすればただで車を貸してくれます。島忠にできることは中野区にだってできるはずです。

 この質問をするに当たり、区役所地下の駐車場を何度か調べてみましたが、平日昼間でも20台以上の車が常時駐車されている。稼働していない。普段使っていない各課専用車両が多過ぎるのではないかという印象を私は持ちました。現在、既に行われている区役所庁内でのカーシェアリングをもっと推進すれば、各課専用車両の数はもっと減らすことができる。ひいては、それがゼロカーボンシティなかの、脱炭素社会の実現にもつながっていく。区長車も含めて、庁有車、公用車の在り方を見直すべきではないでしょうか。

 次です。中野区は、過去2年連続して、1年に1都市というハイペースで、青森県黒石市、山形県山形市と交流連携を結んできました。過去2年全ての交流連携都市と東北絆まつりは除いて、交流連携協定にうたわれているような観光や産業の振興、学術や文化、芸術を通じての市民交流、いわゆる草の根の区が直接関わらず交通費等の費用負担もしない民間交流としては、私がインターネットやSNSを駆使して調べまくった結果では、黒石よされという盆踊りを通じての交流が僅かにあった程度ではないかと私は認識しています。

 区長、議長は、公費を使って相手方の都市を訪問する機会などもあるのでしょうが、下々の区民にはそういった機会がございません。私は区議会議員をして14年になりますが、交流連携都市との交流を持ったことが公私共に一度もございません。たとえ公の機会はなくても、私の立場で相手方の都市を訪問したい気持ちはあるのですが、日帰りで楽しめる距離ではない。かといって、プライベートで家族と行くと10万円は軽く飛んでしまう。なかなか気軽に交流できるお相手ではないなということをいつも感じております。

 交流連携は1度結んだら半永久的に続いていくものであります。例えば区長が代わったからといって白紙にするようなことはできない。その重みと責任を酒井区長にはしっかりと感じていただきたい。私も地方出身だからよく分かりますが、地方の人は東京に憧れを持っている場合がある。地方の首長としては、東京23区のどこかの都市と連携をしたい。そういう気持ちをお持ちの方もいらっしゃるんじゃないですか。かといって、例えば新宿区、練馬区、中央区など、国内姉妹都市、友好都市の相手をたった1都市しか持っていない義理堅い自治体もある。

 東京23区のどこかとペアリングを結ぶのは非常にハードルが高い中、ただ今の中野区だけは異様にハードルが低くなっていて、バーゲンセールをしている。東北地方の都市と毎年連携を結んでいるし、連携を結んだからといって、東北絆まつり以外には大した交流はしなくてもいい。私が東北地方の自治体の首長ならば、それ行け、今だと、酒井区長が現役のうちに何とかしてしまえと、そう考えると思います。市民区民レベルの交流実績がほとんどないまま、東北絆まつりで御縁ができたというだけの理由で、1年に1都市というハイペースで中野区は交流連携を結び続けている。東北絆まつりには税金と職員をじゃぶじゃぶ投入している。交通費も宿泊費も出た上で成り立つような絆は、金の切れ目が縁の切れ目になってしまう非常にもろいものであります。

 青森県に至っては、二つの都市と交流連携を結んで、1県に1都市というこれまでの姉妹都市、交流都市の原則も崩れてしまいました。このような原則もない、ルールもない、民間交流もない交流連携を乱発しているようでは、この先、東北地方のどこかの自治体から交流連携の申入れがあった場合、断りたくても断れなくなっちゃうじゃないですか。

 東北6県のうち、姉妹協定を結んでいる福島県田村市を含めると、残り3県との交流連携を中野区はまだ結んでおりません。過去2年連続して交流連携を結んできましたが、今年は一体どこの都市と交流連携を結ぶつもりなのか教えてください。

 私がこの問題をこうやって議会で度々取り上げることは、酒井区長への助け船でもあります。交流連携を結びたい気持ちはあるんですが、議会にうるさいやつがいるので、簡単には結べなくなっちゃったんですよと、これからは交流連携を断る口実として私を使ってください。また、有名無実な交流連携を実のあるものにするために、今後の交流連携においては、東北絆まつり以外に既に草の根レベルでの民間交流実績があることを大前提とすべきであります。

 東北絆まつりは1日100人もの職員が公務として動員をされている。お祭りの手伝いをするのが公務ならば、川島商店街の夜店市にも鷺宮の盆踊りにも、100人出せとは言いませんから、職員の1人や2人、公務として手伝いに来てくれたっていいじゃないですか。それがアウトリーチ、外に飛び出す職員じゃないですか。机と椅子をどれだけ運んだか、どれだけ餅をついてきたか、どれだけ地域のために汗を流してきたか、それによってアウトリーチの成否、どれだけ地域に溶け込めるかが決まってくるんじゃないですか。

 政治家と一緒です。ツイッター、Xをやれば票が伸びるわけじゃない。地域のために汗を流す。運んだ机の数だけ票が伸びる。それが4期連続して一度も票を減らすことなく得票を伸ばしてきた私の政治家としてのスタンスであります。

 話が少しそれましたが、民間交流実績のない自治体とは提携しないなど、交流連携の条件や定義をきちんと整え、東北絆まつりに参加している都市ならどことでも節操なく連携を結ぶことがないよう、交流連携は半永久的に続いていくものであるという自覚と責任を持っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 次の質問は都合により割愛し、その他の質問として、(仮称)上高田五丁目公園について伺います。

 かつて国家公務員宿舎であった2,700平米、丸山塚公園と同じ広さの国有地を区が取得したのは2018年春のことでありました。その後、建物の解体や整地がされて、2020年春には、それなりに整地された更地、公園予定地として四方をフェンスに囲まれた状態にありました。あれから何年がたったでしょう。2023年には現地でオープンハウスが開催されて、公園の整備に当たり、地元の皆さんからの貴重な御意見を伺ったそうです。

 かつて中野区の公園課は、遊具を新設するのでアンケートを取りますと言いながら、半径500メートル圏内の三つの公園に全く同一の滑り台を設置するというこの先20年取り返しのつかない大失敗をしたことがございます。新たな公園を造るに当たっては、地域の皆さんの意見を丁寧に聞いて、公園造りは単なる土木工事ではなく、公園造りはまちづくりであるという気概を持って取り組んでいただきたい。そういう質問を私は2期目の最後の質問としていたしましたが、それが今実りつつある。2023年に開催されたオープンハウスの成果が一体どのように出てくるのか楽しみにしていたところ、区は今年もまた1年ぶりにオープンハウスを開催して地域の声を聞いていました。

 もちろん地域の声を丁寧に聞いていただくことは私も大賛成なのですけれども、それにしても2018年の土地取得から時間がかかり過ぎじゃないですか。いつまでたっても意見ばかり聞いている。それは確かに私が望んできた姿ではありますけれども、それにしても、今にして思えば、2018年にこの土地を取得してから6年以上、取得価格約11億円もしたこの土地が、ただ更地のままフェンスに囲まれていたのは損失じゃないですか。

 今にして思えば、ここはドラえもんの空き地にあるような土管でも転がしておいて、最低限の設備でもいいから、空き地、原っぱとして暫定開放をすべきでありました。中野区は遊休地あるいは未利用施設の使い方があまり上手とは言えません。旧沼袋小学校は一部しか使われていませんし、旧西中野保育園はただの物置になってしまった。旧あさひ保育園や旧北部教育相談室に至っては一体何年空きっ放しなんですか。2年や3年ではないです。

 公園を整備するに当たっては、地域の皆さんの意見を聞くことはもちろん重要ですが、スピード感を伴っていただきたい。また、未利用施設もそうですが、公園予定地などの遊休地は、暫定開放などの手法で、今後あるものに関しては有効活用をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 以上で一般質問終了です。ありがとうございました。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 小宮山議員の御質問のうち、私から遊休地の有効活用についてお答えいたします。

 土地の取得から公園整備までに長期間経過すると見込まれる用地につきましては、地域からの要望や取得経緯、関係法令の検討を行った上で、必要に応じて有効活用を考えてまいります。

〔企画部長岩浅英樹登壇〕

○企画部長(岩浅英樹) 私からは、庁有車の共同使用について、初めに、庁有車の区民への貸出しについてでございます。

 区が保有する庁有車は、これまでの使用実績や、災害時に必要とされる台数などを考慮し、必要最低限の台数としております。また、区が区民に貸し出すことにつきましては、民業圧迫にもなることから、区民への貸出しは予定しておりませんが、公益活動の利用に限定するなど、その方法につきましては検討してまいりたいと考えております。

 次に、庁有車管理の在り方についてでございます。庁有車につきましては、日常的に車両を使用する課はそれぞれで保有管理し、その他の課につきましては、企画部が保有する車両を貸出しする運用となっております。令和5年度の企画部保有車両の利用率は約76%となっております。庁有車の管理につきましては、各課の使用実績等を踏まえ、適宜見直しを行ってまいります。

〔総務部長濵口求登壇〕

○総務部長(濵口求) 私からは、交流連携についての御質問についてお答えいたします。

 今後の連携の予定についてでございます。現在、絆まつりで交流が生まれた自治体と新たな交流連携協定の締結に向けて、時期や内容などについて調整を図っているところでございます。具体的な調整が整った段階で議会へも報告する予定でございます。

 次に、交流連携の考え方についてでございます。交流連携協定は、これまで交流の実績がある自治体との間で、その交流をさらに前進させ、観光や産業の振興、市民交流、災害時の相互応援など継続的な交流連携を行っていくものでございます。協定締結の際には、締結後の具体的な連携内容なども視野に入れながら、より有意義な協定となるよう相手先の自治体と調整を図ってまいります。

○議長(酒井たくや) 以上で小宮山たかし議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 吉 田 康一郎

 1 育児支援政策について

 2 区立小学校の校庭等について

 3 新庁舎の障害者対策について

 4 新庁舎の貸出しスペースの申込方法について

 5 区内の取得済みの公共用地等の暫定活用について

 6 その他

 

○議長(酒井たくや) 次に、吉田康一郎議員。

〔吉田康一郎議員登壇〕

○20番(吉田康一郎) 育児支援と防災緑地と平らな歩道の中野を創る会、吉田康一郎です。よろしくお願いいたします。

 まず、育児支援政策について伺います。

 2年前の令和4年3月の予算特別委員会で、我が区の育児関連予算を在宅育児支援と就労家庭支援に係る経費に振り分け比較をした場合、子ども1人当たりに換算するとそれぞれの区の支援の金額は幾らになるのかと伺ったところ、区から、保育サービスに係る経費を利用している子ども1人当たりで割り返すと、令和2年度決算額でおよそ年額約230万円、幼稚園については、東京都が幼稚園に直接交付をしている助成金を除き年額52万円、すなわち大まかに言って在宅育児家庭よりも就労育児家庭に対してのほうが毎年180万円区の支援金額は大きいという答弁を得ました。

 これを受け私から、在宅育児家庭にも就労育児家庭にも、公平に経済的な支援を区は実施すべきだと見解を伺ったところ、区は、就労家庭のみならず在宅育児家庭に対しても、子ども・子育て支援のサービスを提供し、適切に支援していくという視点が重要であると認識しております。経済的な支援につきましては、その効果や公平性、財政負担などを総合的に勘案していく必要がございまして、今後、他自治体の取組等を研究してまいりたいと答弁しました。

 令和5年2月の一般質問でも、より在宅育児の負担が軽減されるよう検討を進めてまいりたいと考えております。同年11月の一般質問に対しても、サービスの充実に取り組んでいる。令和6年2月の予算特別委員会でも、就労家庭のみではなく在宅育児家庭に対しても適切に支援していくという視点は重要であると認識してございまして、中略、サービスの充実に取り組んでいるところでございますと答弁しています。

 そこで、直近の状況では、令和4年に180万円、1年に1人当たり子どもが3人いれば540万円差が出てくるこの在宅育児支援が足りない、就労育児家庭ばかり支援をしている状況、この予算を比較すると、子ども1人当たりそれぞれ金額は幾らとなり、格差はどのように変化をしたのか伺います。

 次に、区立小学校の校庭等について伺います。

 令和元年、中野区は、今後改築を進める小・中学校の新校舎について、原則として一足制を導入することとしました。それから5年が経ち、本年一足制と共に導入された人工芝の校庭を持つ小学校が5校となりました。現在、土の校庭の小学校が12校、天然芝が3校、人工芝が5校となっており、それぞれの施設の実際の状況が把握でき、それぞれの長所と欠点が比較検証できる状況となってまいりました。

 今年の夏は記録的猛暑でした。このような状況も、校庭の施設のメリット、デメリットを比較する上で貴重な情報を提供するものとなるでありましょう。暑さにより校庭で運動ができなかった小学校があると思いますが、人工芝や天然芝、土舗装、それぞれ運動ができなかった日数と、これに大きな影響を与えるはずであるスプリンクラー等の有無について伺います。

 次に、新庁舎の障害者対策について伺います。

 本年5月7日に開庁し、我々も使い始めたこの中野区役所新庁舎は、長期間の検討を経て、56年ぶりに約279億円を投じて建設されました。現在、中野区のホームページには「中野区新庁舎のご案内」というページがあり、この中に「誰もが利用しやすい新庁舎」と題して、「キッズスペースやベビールームの設置のほか、議場傍聴席には親子傍聴席、車いすの方用の席を設けるなどユニバーサルデザインに配慮し、誰にでも安全でわかりやすく、利用しやすい庁舎とします」と記載されています。

 中野区は、平成30年3月に、中野区ユニバーサルデザイン推進条例を制定しており、「年齢、性別、個人の属性や考え方、行動の特性等にかかわらず、全ての人が利用しやすいようあらかじめ考慮して都市及び生活環境を設計する」という「ユニバーサルデザインの推進に関する施策を総合的かつ計画的に実施する」ことを区の自らの責務としています。また、区は現在、ユニバーサルデザインについて、区有施設の整備、改修における基本的な考え方を整理したガイドラインを策定するとしており、現在はこのガイドラインはまだ存在していませんが、中野区基本計画には、「バリアフリー・ユニバーサルデザインのまちづくり」として、「高齢者や障害者をはじめ、誰もが移動しやすく、利用しやすいまちの実現に向け、多くの人が利用する公共施設等のバリアフリー化を進めるため、「中野区バリアフリー基本構想」や「ユニバーサルデザイン推進計画」に基づく公共施設等の整備を推進します」と盛り込んでいます。

 ところが、先日、中野区福祉団体連合会の方々から御意見、御要望を伺ったところ、新庁舎の設計、整備に当たって、中野区福祉団体連合会からエレベーターについて、1台はストレッチャーでも利用可能なスペースがある機種の設置を求めるとともに、電動車椅子には大きな規格のものもあるので、箱の規格はその点も踏まえてほしいと区に対して要望していたけれども、区民が通常利用できるエレベーターについてそれらの要望がかなえられなかったとし、竣工後に受けた代替措置の説明もよく分からないものであるという意見、要望、言わば苦情が寄せられました。なぜ設計、整備の段階で、ユニバーサルデザインの考え方に基づいて、区民が自由に利用できる南側に障害者の方々の要望に見合う大型エレベーターを設置しなかったのか伺います。

 次に、新庁舎の貸出しスペースの申込方法について伺います。

 中野区自治基本条例には、第1章第5条第2項に、「執行機関は、行政運営における公平性及び公正性を確保し、区民の権利及び利益を保護しなければならない」。第2章第9条に「執行機関は、区民の権利及び利益の保護に資するため、行政手続に関し共通する事項を定め、行政運営における公平性及び公正性の確保並びに透明性の向上を図らなければならない」。第12条に「執行機関は、区民の権利及び利益の保護を図り、行政運営の過程で区民が違法又は不当に受ける不利益な扱いを簡易かつ迅速に解消するため、不利益救済の仕組み等を整備しなければならない」と定められています。

 現在、区役所1階の貸出しスペースの利用に当たり、団体登録と利用予約の方法が中野区公式LINEでのみ受付が可能となっています。LINEでのみ申込みを受け付けるということは、スマートフォンを持っていない区民、LINEを利用しない区民は、そもそも団体登録も利用予約もできないということであります。個人情報漏えいを繰り返し外国企業に支配される1事業者、この資本関係については、本年3月、総務省が見直しを要請する行政指導を行いましたが、このような背景を含め、1民間事業者が提供するアプリでのみ区民サービスが利用可能となる、こういう状況は問題であります。職員にとって楽だから、管理しやすいからという一面的で安易な理由によって、このような問題ある事業を行うのでなく、LINE以外での申込方法も用意すべきであると考えますが、今後区は是正する予定はあるのか、見解を伺います。

 そして、その他を併せて同様の質問でありますので、併せて質問いたします。区立保育園の一時保育の登録及び予約方法について伺います。

 これまで電話と電子申請による申込みでありました区立保育園2園における一時保育の利用について、令和5年4月から、登録及び予約方法が中野区公式LINEでのみ受付が可能となっております。先ほどと同じく1事業者が提供するアプリでのみ区民サービスが利用可能となっている今の状況は問題であると考えます。LINE以外での申込方法も、かつては電話及び電子申請ができたわけですから、LINE以外の申込方法も並列的に用意すべきと考えますが、今後是正する予定はあるのか、区の見解を伺います。

 次に、区内の取得済みの公共用地の暫定活用について伺います。

 区は、都市基盤整備や施設整備、まちづくり等様々な目的で土地を取得していますが、取得した土地は、当然のことながら一定期間未利用地となります。これら未利用地の取扱いについては、中野区区有施設整備計画等で定められていますが、実際に日々区内のあちこちを歩き活動していて、例えば大和町や新井薬師前駅、沼袋駅近辺の道路用地やまちづくり用地をはじめ、様々な地域で区が取得後活用されていないままとなっている土地があります。先ほど小宮山議員も御指摘をされました。これらの土地は基本的に立入禁止となっていて、甚だ疑問に感じています。臨時の駐輪場や駐車場、あるいはベンチを置いて高齢者、障害をお持ちの方が休めるようにしたり、地域のお祭りや行事の際に一時的にでも使用できるようにする等、活用の方法、活用のニーズは幾らでもあります。

 私の母校であります桃園第二小学校においても、学校拡張用地として購入された土地が、例えば運動会の際に自転車を置かせてもらえれば地域の人たちも助かると思いますが、もう長いこと閉鎖管理されて活用されていません。区議会のホームページで過去の議事録を検索しても、フリーワードで暫定活用と検索をかけると、様々な議員が暫定活用について質疑をしており、現在の区の運用方針が必ずしも満足できるものではないことを示していると私は考えます。区が取得した土地について、本来の目的だけではなく暫定的な利用も含めた有効活用について、従来より一層柔軟かつ積極的に有効活用をするよう取り組んでいくべきと考えますが、見解を伺います。

 以上をもって一般質問を終えさせていただきます。ありがとうございました。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 吉田議員の御質問にお答えいたします。

 初めに、新庁舎の貸出しスペースの申込方法についてでございます。

 現在、新庁舎1階のナカノバやミーティングルームの予約や使用料の支払いについては、区民等の利便性を考慮し、試行的にオンラインで実施をし、その状況を踏まえて本格的なルールを定めていく考えに基づき、中野区公式LINEによる団体登録及び利用予約の受付を行っております。現況を踏まえ、令和7年度中に稼働予定の施設予約システムの対象施設に追加することを検討しているところでございます。

 次に、区立保育園における一時保育の受付方法についてでございます。区立保育園における一時保育の受付方法については、区民サービスの向上と事務効率化を図るため、令和5年7月から中野区公式LINEに一本化したところであります。LINEでの運用開始以降予約の利便性が向上したことから、受付開始時間直後にほぼ全ての利用枠は予約されている状況にあります。また、受付方法を一本化したことに対して、これまで苦情や変更の要望等も受けていないということから、引き続きLINEによる運用を推進していく考えでございます。

〔教育長田代雅規登壇〕

○教育長(田代雅規) 私のほうからは、区立小学校の校庭等についての御質問にお答えいたします。

 運動日数の把握についてでございますが、各学校では、気温や湿度、日射等を取り入れた熱中症指数31度を上回ると、原則校庭での運動を中止しております。今年7月に中止した平均日数は、土舗装が4.6日、人工芝が5.6日、天然芝が6.7日となっております。また、土舗装と天然芝の学校にはスプリンクラーを設置しており、人工芝の学校にはスプリンクラーではなく放水銃を設置しているところであります。

〔子ども教育部長石崎公一登壇〕

○子ども教育部長(石崎公一) 私からは、育児支援政策についての御質問にお答えいたします。

 在宅育児家庭支援と就労家庭支援との予算の比較についての御質問でございます。区は、在宅育児家庭も含め、子育て家庭に対する支援を広く行っているところでございます。様々な支援のうち、在宅育児家庭が利用している幼稚園と、就労家庭が利用している保育園に係る区の経費で比較いたしますと、令和4年度決算額で、幼稚園を利用する児童1人当たりの金額が約50万円、保育園を利用する児童1人当たりの金額が約250万円ということで、その差は約200万円でございます。

〔DX推進室長滝瀬裕之登壇〕

○DX推進室長(滝瀬裕之) 私からは、新庁舎の障害者対策について、新庁舎の大型エレベーターの設置についてお答え申し上げます。

 日常的にストレッチャーや大型電動車椅子を利用する方が来庁する場合には、1階防災センターに隣接する北側ピロティに介添人と共に車で来庁されることを想定していたところでございます。降車後はできるだけ移動距離が短くなるよう、職員が帯同する前提で北側動線の利用が望ましいと考え、大型エレベーターを北側に配置したところでございます。運用につきましては、防災センターにお申出いただきまして、職員が付き添うことで、利用される方が困らないよう配慮、対応してまいります。

〔企画部長岩浅英樹登壇〕

○企画部長(岩浅英樹) 区内の取得済みの公共用地の暫定活用についてお答えいたします。

 道路用地やまちづくり用地等区が取得した土地につきましては、原則として、その取得目的に応じた管理活用を行っていく必要がございます。一方、実際の用途として供されるまでの長期間未活用の空地となる用地が複数存在していることも事実でございます。現在は各所管で個別に活用方策を検討しているところでございますけれども、全庁的な暫定活用の基本的な考え方につきまして、今後検討してまいりたいと考えております。

○議長(酒井たくや) 以上で吉田康一郎議員の質問は終わります。

 議事の都合により、暫時休憩します。

午後3時01分休憩

 

午後3時25分開議

○議長(酒井たくや) 会議を再開いたします。

 この際、申し上げます。

 議事の都合上、会議時間を延長いたします。

 一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 立 石 り お

 1 持続可能な財政運営について

  (1)令和7年度予算編成について

  (2)公金運用計画の作成について

  (3)その他

 2 公有財産の使用及び貸付料の減額・免除の考え方について

 3 デフリンピックの啓発について

 4 その他

 

○議長(酒井たくや) 次に、立石りお議員。

〔立石りお議員登壇〕

○21番(立石りお) 令和6年第3回定例会において一般質問いたします。

 初めに、持続可能な財政運営について。

 令和7年度予算編成方針について伺ってまいります。

 財政運営の考え方では、財政調整基金の施設改修分、社会福祉施設整備基金及び義務教育施設整備基金の対象施設の当該年度に発生する見込みの減価償却費相当額の25%を積み立て、年度末残高は減価償却累計額相当額の25%の確保に努めるとあります。令和6年度の予算編成の際には、当初予算で積む基金積立て目標額、施設改修分5億7,300万円、社会福祉施設整備基金1億5,000万円、義務教育施設整備基金は5億4,500万円の合計約12億7,000万円に対し、一般財源で積み立てたのは0円でした。取得原価と更新費用の金額の乖離があり、基金積立て目標額は実際かかる更新費を大きく下回る金額にもかかわらず積立てができておりませんでした。これらは基準となる一般財源規模に代わる財政規律として区が設定したものでありますから、次年度は必ず守っていただきたいと思います。

 令和6年度当初予算において必要な基金積立てができなかった理由としては、実施計画に位置付けられている新規事業などの予算を積み上げたら各部の予算要求限度額を超過してしまい、基金積立て目標額を確保できなくなったのだと解釈をしております。中野区実施計画の財政フレームに記載されている新規・拡充事業は、令和5年度が574億円、令和6年度は405億円、令和7年度は339億円計上されております。令和7年度はこの3年間で最も金額が少ない状況であることから、基金積立て目標額の積立額を確保することは容易に思います。

 令和7年度の予算編成方針には、計画的に位置付けられていない新規・拡充事業を立案する際には既存事業の見直しを必須とし、その経費については既存事業の上限額を超えないように努めることとありますので、新たな取組を示す際には、実施計画に位置付けられている新規事業とそうでいない新規事業を分かりやすく明記していただきたいと思います。

 予算特別委員会において、各部が財政的な意識を持ち、予算を限度額に抑えるため、各部の予算要求限度額を第4回定例会の常任委員会で示すなど工夫すべきと提案しましたが、令和7年度予算編成方針のどの部分にその考え方が反映されているのか、区の見解を伺います。

 植田総裁は、7月31日の金融政策決定会合で、政策金利を従来の0.1%程度から0.25%に引き上げと、2025年度までの長期国債買入れの減額計画を同時に決定しました。国債購入の減額計画では、これまでの月間6兆円程度を原則とし、四半期ごとに4,000億円程度ずつ減額し、2026年の1月から3月に3兆円程度まで圧縮すると報道されています。日本銀行は、政策金利の引上げと長期国債買入れの減額計画による金融引締めにより物価上昇を抑制し、景気を安定させようとしています。その反面、投資と消費が抑制されることによる景気の冷え込みによる税収減、国庫支出金の割り落としなどのリスクも考えられます。

 中野区として、まちづくり等国庫支出金の金額が大きいことからも、そういった影響の見通しを持って財政運営を行うべきと考えます。区の認識を伺います。

 続いて、公金運用計画の作成についてです。

 9月5日の日本経済新聞では、日本銀行の審議委員が、物価が見通しに沿って推移する下で、堅調な設備投資や賃上げ、価格転換の継続など、前向きな企業行動の持続性が確認されれば、その都度もう一段ギアのシフトを上げると、今後も段階的に利上げをする可能性を報じています。日本銀行の金融政策転換により長期金利は今後上昇していく見込みです。こういった局面では、長期債券を保有するなど基金の債権運用率を高め、運用益を出していくことが必要ではないでしょうか。世田谷区では、基金における債権運用の割合が、令和4年度は30%だったのを令和5年度には46%に比率を増やし、その他工夫をしたことで、積立基金利子収入を2億5,200万円から2億8,900万円とし、令和6年度は4億5,000万円を見込んでいるとのことです。

 中野区においても債権の運用比率を上げていく必要があるのではないでしょうか。区の見解を伺います。

 また、債権運用の方針を明確にするため、年間の運用可能額と目標利子収入を定めた公金運用計画を作成してはどうか、区の見解を伺います。

 その他、運用益を高める施策については総括質疑で伺ってまいります。

 続いて、公有財産の使用及び貸付料の減額・免除の考え方についてです。

 中野区は、にぎわいの中心となる新庁舎を軸にしたパブリックスペースとして、屋内イベントスペースのナカノのナカニワと隣接する広場、ナカノのソトニワを整備しています。ナカノバ、ソトニワに加えて隣接する四季の森公園のイベントエリアを一体的に活用することで、シンポジウム、展示会、飲食店・物販ブースなどを出展できる魅力的なスペースになっています。私の周りの団体の方々も利用する機会が多く、区民の方からの需要も高いのだと思います。区役所や中野四季の森公園には多くの方が訪れるため、好立地でイベントを開催できることは地域団体の方々にとっても喜ばしいことだと思います。私も所属する団体で実際に使用させていただきましたが、とてもイベントの企画しがいのあるスペースだと感じました。

 ソトニワに関して、公有地の面積掛ける使用料の算出になっており、ほかの区有施設と比べて使用者負担が100%になっていることから使用料金が高くなってしまっています。また、ナカノバ、ソトニワには減額・免除の考え方がなく、現在は区が主催、共催するイベントのみが使用料減免になって免除になっております。

 ナカノバは、入場料を徴収しない場合、平日9時から21時まで使用した場合は2万4,200円、土日9時から21時まで使用した場合3万円、ソトニワは該当月の日数で値段が変わるのですが、4月の価格を基準とした場合、9時から21時までの使用料は8万2,800円で、ソトニワの使用料はほかの施設、公園よりも使用料が割高になってしまっています。実際、知り合いの団体からも、公益性の高い活動を行いたいが、使用料が高く開催が難しいという相談も受けました。

 中野区として誘導したいにぎわい、公益事業に関しては負担を軽減するべく廉価に使用できる使用料を設ける、または使用料の減額・免除の考え方を導入すべきと考えますが、見解を伺います。

 ソトニワは公開空地であることから、区役所内のナカノバなどと予約方法が異なります。また、ナカノバ、ソトニワ、中野四季の森公園のイベントエリアと隣接しておりますが、区の所管が異なることから管理会社なども別々になるので、問合せが複数に分かれてしまいます。利用者からすれば分かりにくく、不便な状況です。

 ナカノバ、ソトニワ、中野四季の森公園の管理に関し、イベントが運営しやすいよう区が間に入るなどして一体的に管理、運営できるよう連携してはどうでしょうか、区の見解を伺います。

 ソトニワの運用に関して、同じ思いを持つ議員の総括質疑に引き継ぎたいと思います。

 続いて、デフリンピックの啓発について。

 2025年11月に、耳の聞こえない人の国際大会、第25回夏季デフリンピック競技大会2025が日本で初めて開催されます。中野区では、中野区立総合体育館でテコンドー競技が行われる予定です。大会開催を機に、デフスポーツやろう者の文化への理解を促進し、障害のある人とない人とのコミュニケーションや、心、情報、まちのバリアフリーをさらに促進し、互いの違いを認め、尊重し合い、誰もが個性を生かし力を発揮できる共生社会づくりを推進する機会となります。また、大会を通じた手話言語の理解、普及、拡大など、従来の情報保障の推進強化に加え、デジタル技術を活用した新しいコミュニケーションツールなどの開発、社会への普及を促進する機会となります。

 デフリンピックには世界各国から選手や関係者が集まります。これにより地域が国際的な視点を持ち、多様性を尊重する文化の醸成につながります。地域住民が多様な文化や価値観に触れることで国際感覚が養われ、地域の魅力向上にも貢献します。特に子どもたちにとっては、障害者への理解や共感を育む教育の場となり、次世代のインクルーシブな社会づくりに寄与します。

 中野区内の小・中学校で、デフリンピックをテーマにした特別授業に当事者を招き、デフリンピックの歴史、意義、競技種目、基礎知識、基礎的な手話を学べるような機会を提供してはどうでしょうか。

 また、デフリンピックの競技種目を体験できるイベントを区役所などで開催し、聞こえない人と健常者が共に楽しめるような啓発イベントを実施してはどうでしょうか。

 大会期間中、多くのボランティアが活動し、大会運営を支えることになります。ボランティア活動を通じ地元の方々が参画できる機会をつくることで、地域住民の理解も深まります。開催地である中野区としても、ボランティアの募集を積極的に行ってはどうでしょうか。

 現在中野区の避難所には簡易筆談機が配備されておりますので、聞こえない人とのコミュニケーションが取れるようになっております。避難時における情報保障の推進、強化をしていくため、関係団体と防災協定を締結するなどして、2次避難所の障害者対象施設に対し手話通訳を派遣し、より細やかなコミュニケーションを取れるようにしてはどうでしょうか、区の見解を伺います。

 以上で全ての質問を終わります。御静聴ありがとうございました。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 立石議員の御質問にお答えいたします。

 私からは、デフリンピックの啓発について、初めに啓発の実施についてでございます。

 今年度は東京都等からの協力依頼に対応するとともに、作成された啓発物を活用した啓発に取り組む予定であります。今後はスポーツ振興、地域共生社会の実現に寄与するといった開催意義を踏まえ、区としての啓発や機運醸成事業の実施についても検討してまいります。

 次に、ボランティアについてです。東京都からは、東京2025デフリンピックのボランティアは、開催1年前となる今年の11月頃から募集を開始すると聞いております。中野区においても、会場所在自治体として、関係者と連携しながらスポーツボランティアの活動が広がるように努めてまいります。

 次に、災害時の聴覚障害者への支援強化についてです。聴覚障害のある方への災害時の情報提供は、視覚情報として、防災情報メールマガジン、エリアメールなどの携帯電話への情報発信をはじめ、区のホームページ、X、フェイスブック、LINEなどのSNSで情報提供を行っているところであります。今後、より細やかな情報伝達をする方法として、2次避難所の障害者対象施設に対する手話通訳の派遣についても検討してまいりたいと考えております。

〔教育長田代雅規登壇〕

○教育長(田代雅規) 私のほうからは、デフリンピックの啓発について、デフリンピックの体験啓発についての御質問にお答えいたします。

 デフリンピック大会を開催する東京都から、子どもたちのデフリンピックの競技観戦や競技者との触れ合いを通した障害者理解事業を検討していると聞いております。こうした取組に積極的に参加し、中野区の子どもたちに障害者理解を深めさせる貴重な経験となるように努めてまいります。

〔企画部長岩浅英樹登壇〕

○企画部長(岩浅英樹) 私からは、持続可能な財政運営について、初めに、予算編成方針における考え方の反映についてでございます。

 通常1月の中旬まで予算編成を行っておりまして、各部の予算要求額を事前に常任委員会等でお示しすることは難しいと考えております。一方、令和7年度の予算編成方針におきましては、新規・拡充事業の精査、事業見直しを踏まえた歳出の抑制、効率的かつ生産性の高い体制構築に向けた対応などの事項につきまして、これまで以上に歳出抑制に踏み込んだ内容としております。令和7年度予算編成に当たりましては、全庁におきましてこの方針を徹底し、予算要求限度額の範囲内に収めることで、基金の積立てにつきましても確実に実施できるよう努めてまいります。

 次に、政策金利引上げによる財政への影響についてでございます。政策金利引上げにより国の政策変更による補助金縮小など、区財政への影響が生じる可能性もあるかと想定はしております。一方、国や都におきまして税収は伸びると予測をしておりまして、様々な社会情勢を踏まえて今後の財政見通しを見定めていく必要があると考えております。予算規模の大きいまちづくり事業におきましては、補助金の状況なども含めて国や都の動向を注視していく必要があり、区民サービスに支障がないよう、まちづくり事業に係る財源につきましては確実に取れるよう努力をしてまいります。

 次に、公金運用計画の作成について、初めに、債権による運用についてでございます。

 基金運用に当たっては、金融機関や証券会社との連絡を密に行い、経済や金融情勢、金利動向などの把握に努めてまいります。マイナス金利政策の解除に伴い、預金及び債権の金利が上昇していることを踏まえ、安全性を重視しつつ効率性の高い基金運用を検討してまいります。

 最後に、公金運用計画の策定でございます。

 区では、中野区公的資金の管理運用に関する基準に定める資金運用会議を毎年度実施しておりまして、資金の管理運用について年間計画を策定しております。利子収入は金利の変動に左右されることから、目標収入を定めることは予定しておりませんが、金利の状況を見極めながら効率的な基金運用を検討してまいります。

〔文化・産業振興担当部長高村和哉登壇〕

○文化・産業振興担当部長(高村和哉) 私からは、公有財産の使用及び貸付料の減額・免除の考え方についての御質問にお答えします。

 まず、ソトニワ等の使用料減免の導入についてでございます。ソトニワは公開空地であり、東京のしゃれた街並みづくり推進条例に基づくまちづくり団体登録制度を活用してにぎわい創出活動を実施しておりまして、利用に当たって一定の制約がある空間でございます。また、直近に中野セントラルパークのイベントスペースやホール、会議室があり、民間事業として貸付けが行われてございます。以上を踏まえつつ、ナカノバを含めた今年度の利用実績や利用者の声を伺いながら、より公益性の高い事業などの使用料の減免・免除について検討してまいります。

 最後に、ソトニワ等でのイベント運営の利便性向上についてでございます。イベント開催時に、ナカノバとソトニワ、中野四季の森イベントエリアを一体的に利用するに当たっては、イベント主催者の意向や利便性をできるだけ配慮すべきだと考えてございます。各スペースには管理主体が異なることから、区と管理会社等による定期的な情報共有の場や、大きなイベント開催前には連絡調整の機会を設けるなど一体的な管理につながるよう工夫してまいります。

○議長(酒井たくや) 以上で立石りお議員の質問は終了します。

 

 中野区議会議員 斉 藤 けいた

 1 主体性を育む教育について

  (1)アクティブラーニングについて

  (2)その他

 2 動物との共生について

  (1)ドッグラン設置について

  (2)犬を連れて入れる公園について

  (3)その他

 3 区有施設の自動販売機について

  (1)SDGsモデル自動販売機について

  (2)その他

 4 その他

 

○議長(酒井たくや) 次に、斉藤けいた議員。

〔斉藤けいた議員登壇〕

○6番(斉藤けいた) 令和6年第3回定例会、日本維新の会の立場から一般質問を行います。質問は、3、区有施設の自動販売機についてのその他で、ユニバーサルデザイン自動販売機についても伺います。

 1、主体性を育む教育について。

 世の中の変化が激しいVUCAの時代、子どもたち、若者が前向きに幸せに現代を生き抜くことができるよう、従来の知識伝達型の教育方針から、主体性、対話的で深い学びへの教育への転換が図られています。主体性、自己表現、積極的な行動、自己決定力を育む教育は、持続可能な社会の担い手を育てる観点から、また、個々人のウェルビーイングを向上させ、より豊かに生きる力を与えるためにも重要であります。

 内閣府による国際比較調査によると、日本の子どもたち、若者の主体性は他の先進国と比べても低く、自分の考えをはっきり相手に伝えることができる、うまくいくか分からないことにも意欲的に取り組む、決断力、意志力に誇りを持っている、全ての項目において、調査対象の7か国の中で最下位でした。主体性を育む教育を実践する上では、生徒の個性を重んじることで、自信を持って自己表現をさせること、対話やディスカッションを通じて生徒の自己理解を促進するとともに、民主主義的に他者との物事を解決する方法を習得させることで、机上での理論学習と社会での実践学習の双方を取り入れて、社会や他者との結びつきを生徒が感じられるようにすることが重要だと考えます。

 高度経済成長期まで、産業界では上質かつ均質な労働者の育成が求められ、それに準じて、学校教育においてもみんなと同じことができるようになるためのいわゆる金太郎飴的な教育が求められておりました。しかし、昨今は変化の厳しい予測困難な時代であります。持続可能な社会の構築には、答えのない問いに立ち向かい続け、主体的に課題を発見し解決していく胆力が求められます。

 企業も生き残りをかけてイノベーションの促進に力を入れている状況下で、失敗を恐れないチャレンジ意欲や優れた自己表現ができる人材、すなわち主体性を持った人材が求められています。実際、日本経済団体連合会が会員企業などを対象に実施した採用と大学改革への期待に関するアンケート、2022年1月公表によると、企業が大卒者に期待する資質として最も多かったのが主体性84%であり、次いでチームワーク、リーダーシップ、協調性76.9%や実行力48.1%となっております。

 このような中で、現在の中野区の教育システムにおける主体性を育む教育、主体性、対話的で深い学びへの教育の考え方について伺います。現在中野区で行っている取組、また今後行う予定の取組、具体的に行っている授業などがあれば教えてください。

 また、中野区では、国のGIGAスクール構想を受け、児童・生徒1人につき1台の学習用iPadを貸し出しております。タブレット端末を使用した問題解決学習、調査学習、教室内でのグループディスカッション、ディベート、グループワークなどの授業は現在行われているか伺います。

 2、動物との共生について。

 犬を飼われている区民の方々から、引き続き要望の多いリードを外して遊べることのできる犬の広場、ドッグランについて伺います。

 既存の公園の中にドッグランを設置することは、近隣住民からの理解を得ることや、犬の鳴き声やマナーの問題からもなかなか難しいと認識しております。しかし、その一方で、犬や猫などのペットは飼い主にとっても家族であり、かけがえのない存在です。中野区における畜犬登録件数も年々増加にあり、引き続き東京都内でもペットフレンドリーの意識が高まっております。私は中野坂上に住んでいることもあり、特に中野区の南側の犬を飼われている区民の方から、犬と自由に遊べる広場や公園、ドッグランについて話を伺います。現在中野区の南側では、旧第三中学校跡地、旧新山小学校跡地につきましては、具体的な活用方法の検討はこれからだと認識しております。また、両跡地の活用方法について地域の皆様からは様々な御意見がございますが、その中で防災拠点としての要望も多いと伺っております。

 今後の計画、活用方法の中で、旧第三中学校、旧新山小学校を防災拠点とした公園整備を行い、その中で犬の広場、ドッグランとしての活用を考えますが、区の見解を伺います。

 また、現在中野区では、11の公園で、園路を中心に犬が入ることができます。今後中野区公園再整備計画を含め、公園の再整備を行っていく中で、犬と一緒に入ることのできる公園を増やしてほしいと考えますが、いかがでしょうか。

 3、区有施設の自動販売機について、SDGsモデル自動販売機について。

 次に、SDGs自動販売機についてお伺いいたします。

 キリンビバレッジ株式会社、ダイドードリンコ株式会社、コカ・コーラボトラーズジャパン株式会社など様々な飲料メーカーにて、現在SDGs自動販売機の設置が行われています。SDGs自動販売機とは、1、フードロス対策商品の販売、賞味期限の近い飲料を通常価格より安い価格で販売することでフードロスの削減につなげています。具体的に大阪府堺市では、コーヒー、お茶、水、ジュースなど、通常価格130円から160円するドリンクを飲料価格30円で販売しております。賞味期限までの期間が短くても、買ってすぐに飲む自動販売機では、消費者にとっても安く買えるというメリットが大きいため、とても人気があると伺っております。1本30円で販売し、フードロスの削減と購入した方へのSDGsの啓発を図るものであります。

 2、カートカン使用商品の販売、カートカンは国産間伐材を使用した紙で作られた円柱型の容器です。カートカンを消費することは間伐材の有効活用にもつなげています。さらに脱ペットボトル、脱プラスチックの観点からも重要だと考えます。

 3、募金型自動販売機、自動販売機の売上げの一部が行政のSDGs推進事業に寄附される仕組みになっていて、飲物を購入するだけでSDGsに貢献することのできる自動販売機です。ダイドードリンコ株式会社では、SDGs分野だけにとどまらず、大阪府門真市と連携し、自動販売機の売上げの一部を市の課題である相対的貧困の解決を目指して、自動販売機の売上げの一部が子ども向けの貧困対策事業に寄附されているとのことです。

 現在、中野区の区有施設における自動販売機の設置、選定方法について伺います。

 このようなSDGs自動販売機は、現在中野区の区有施設に設置されておりますでしょうか。

 新庁舎を含め、今後区有施設における自動販売機を導入する上で、SDGs自動販売機の導入について区としての見解を伺います。

 ユニバーサルデザイン自動販売機について、車椅子ユーザーの区民の方から、背の高い自動販売機はボタンが届かず自動販売機の使用を諦めるとの声を頂きました。現在、車椅子ユーザーの方など上段のボタンに届かない方へ配慮したユニバーサルデザイン自動販売機を展開している会社もございます。ユニバーサルデザイン自動販売機は、上段の選択ボタンに連動したボタンを低い位置にも設けることにより、車椅子の方だけではなく、小さなお子さんも無理なく上段の商品を選ぶことができます。

 SDGs自動販売機同様、ユニバーサルデザイン自動販売機に関する区の見解、新庁舎での設置について伺います。

 今回の一般質問で、ハード面のユニバーサルデザインについての質疑が多かったと思いますが、ソフト面のユニバーサルデザインについてもぜひ積極的な検討をお願いいたします。

 以上で全ての私の質疑は終わります。御清聴ありがとうございました。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 斉藤議員の御質問にお答えいたします。

 私からは、まず動物との共生についてでございます。

 旧第三中学校跡地等の活用方法についてです。旧第三中学校、旧新山小学校跡地の活用方法については、今後区有施設整備計画の改定と併せて検討する予定であります。活用方法の検討においては、防災機能や公園整備の可能性も含めて検討してまいります。

 次に、公園再整備での犬を連れて入れる公園についてでございます。公園再整備に当たっては、整備内容と併せてルールについても利用者からの意見をもらい、検討しているところであります。現在、江古田の森公園で犬の同行入園ができる範囲を拡大する方向で地域と調整しているほか、大和公園の再整備では、舗装された園路部分について犬も一緒に入れる方向で進めておりまして、今後再整備する公園についても同様に進めていきたいと考えております。

 次に、区有施設の自動販売機についてでございます。

 自動販売機設置事業者の選定方法について、区有施設に設置する自動販売機については、設置場所や台数、契約期間、販売品目等を指定の上、一般競争入札により設置事業者を選定しております。

 続きまして、SDGs自動販売機の設置状況についてでございます。現時点で、区有施設にSDGs自動販売機は設置はされていないところでございます。

 そして、SDGs自動販売機等の導入についての御質問です。区有施設においてSDGs自動販売機を導入することによって、フードロスの削減や間伐材の有効活用など、SDGsの推進につながると認識をしております。

 また、ユニバーサルデザインの自動販売機は、車椅子の方や小さな子どもでも利用しやすく、ユニバーサルデザインの普及啓発につながるものと考えております。

 区の歳入や自動販売機の利用者に与える影響も総合的に勘案し、区有施設における自動販売機の選定を行う際の要件に、SDGsやユニバーサルデザインの自動販売機を加えることについて検討してまいりたいと考えております。

〔教育長田代雅規登壇〕

○教育長(田代雅規) 私のほうからは、主体性を育む教育についての御質問にお答えいたします。

 最初に、本区における主体的、対話的で深い学びについてでございます。中野区の全小・中学校において、子ども自身が課題を持ち、自ら調べ、他者と議論を交わしながら学びを広めたり深めたりする授業を行っております。今年11月に、代表して南台小学校が研究発表を行う予定になっております。

 続きまして、タブレット端末を活用した学習活動についてでございます。現在全ての教科で1人1台のタブレット端末を活用しており、問題解決学習や調べ学習、協働学習等を通して、主体的、対話的で深い学びの実現を果たしております。

〔斉藤けいた議員登壇〕

○6番(斉藤けいた) 教育長に再質問いたします。

 主体性を育む教育の中で、11月に研究発表があるとのことです。今いろいろ様々なことを行っているということですが、今まで過去、どのような内容、主体性を学ぶ教育、特に主体性、対話的で深い学びへの教育の中で行われていること、具体例がございましたら、ぜひ御教授いただければと思います。

〔教育長田代雅規登壇〕

○教育長(田代雅規) ただいまの御質問にお答えいたします。

 具体例ですが、昔の授業では教授的な授業が多く、グループ学習等はなかなか取り入れられる場面が少なかったと思います。現在の小・中学校の授業では、ほぼ4人ぐらいを基準としたグループ学習を各授業で積極的に取り入れております。

○議長(酒井たくや) 以上で斉藤けいた議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 井 関 源 二

 1 中野区のバスの南北利便性向上について

 2 公園へのスケートボード設備設置について

 3 東京中野文学賞について

 4 その他

 

○議長(酒井たくや) 次に、井関源二議員。

〔井関源二議員登壇〕

○7番(井関源二) れいわ新選組の井関源二です。よろしくお願いいたします。質問は通告どおり、その他の項目はございません。

 1、中野区のバスの南北利便性の向上について。

 ①昨年の第3回定例会で質問させていただきまして、令和4年度に学識経験者、交通事業者等で構成される中野区交通政策推進協議会を設置し、地域公共交通計画の策定、検討を進めておりまして、路線バスネットワークの維持、拡充に関する施策も盛り込むことを検討しております。区内の路線バスにつきましては、現状の問題点や路線バスの需要等を適切に把握した上で、本協議会において関係者と協議を進め、具体的な取組について検討してまいりますという前向きな御答弁を頂きまして、その後どうなったかと思い、再度質問させていただきます。

 中野区新庁舎がちょっと北側に移転したことにより、バス延伸の需要がいよいよ高まっております。中野区の南側にお住まいの皆さんから、新庁舎に行くのに不便になった、何とかしてほしいという御要望を頂きます。ここにいらっしゃる皆さんの中でも、中野区の南側にお住まいの方で影響を受けた方がいらっしゃるのではないかと思います。また、中野通りを中野区をちょっと越えて渋谷区の笹塚交差点、この周辺で渋谷笹塚パークタワーという複合施設が2028年に完成する予定だそうです。中野区の北側から南に行く需要がますます高まることが予想されます。その後の進捗をお伺いします。

 ②中野通りの地下を通る地下鉄の計画が反対に遭ったため中止になったと耳にしました。電車が走らない経路にバスは走らせられないでしょうか。中野駅を起点・終点としたバスの乗り継ぎだけではなく、練馬から新宿、渋谷に行く路線だけでなく、下北沢、三軒茶屋、学芸大前などまで行くバスの路線はできないでしょうか。ぜひ中野区が音頭を取って、練馬区や渋谷区、世田谷区、目黒区などと連携して、これらの区を縦断する路線があれば利便性が向上すると思われますが、いかがでしょうか。

 2、公園へのスケートボード設備設置について。

 ①こちらもまた、私のところに届いた声を基に質問させていただきます。中野区の公園ではスケートボード──以下スケボーと略します──をする設備がないです。スケボーができる設備をつくってほしいですと言われました。過去、何人かの議員が同じようにスケボーの質問をしたようですが、なかなかハードルが高いのでしょうか。いまだに実現されておりません。オリンピックでは、日本の選手が二つの金メダル、二つの銀メダルを獲得しました。この日本が盛り上がっているとき、スケボーに理解がある今、スケボー設備の設置ができないでしょうか。

 私がこの御要望を伺ったとき、まず中野区は公園が狭く、少なく、難しいかもしれないですとお答えしたのですが、廃校になった学校の用途が決まっていない跡地を公園にして、そこにスケボーの設備を設置することが可能かもしれないと思い直しました。中野区は公園が少ないです。西武新宿線地下化の跡地の使途アンケートでは公園という意見が多かったですし、恐らく住民の方の公園の要望は多いと思われます。例えば学校跡地など広い用地を公園として整備する際には、スケートボード設備も設置するべきだと考えますが、いかがでしょうか。

 ②ここまで質問を考えて、スケボーが練習できるのであれば、別に公園でなくてもいいのではないかと思い当たりました。例えばスポーツ・コミュニティプラザ、例えば工事が始まらないサンプラザの跡地、例えば線路沿いの駐輪場、どうしても音がうるさいという声が上がるかと思いますが、もともと音がうるさいような喧騒の中であれば、音に対するクレームは起こりません。例えば20時で受付終了、21時で完全クローズなどにすれば、また使用料を徴収するなどすれば、懸念は払拭されるのではないでしょうか。

 スケボーは、ルールが変わらない限り、日本人の小柄な体型、特に体が軽い若い方に合っていると思われます。今からスケボーを始める若い方が、4年後、8年後にメダリストになる可能性は十分あると思われます。そうすれば、中野区出身、中野区でスケボーに触れた、中野区でスケボーを練習したオリンピックメダリストが誕生するかもしれません。そうなった場合、この中野区役所にメダリストを御招待し、区民名誉賞などの賞を授与する未来が来るかもしれません。別にオリンピックでメダルを取ることが全てではないですが、公園に限らずスポーツ振興という観点からあらゆる可能性を探って、スケートボード設備の設置を求めますが、いかがでしょうか。

 3、東京中野文学賞について、こちらも区民の方から御相談がありまして御質問いたします。

 東京中野文学賞という賞があります。もしお手元でウェブサイトの表示が可能であれば御覧ください。こちらの文学賞は中野区が後援しております。先日の8月31日に第2回の応募が締め切られました。区民の方から、こちらのページの末尾にある著作権の部分が問題だと御指摘がありました。応募作品の著作権は応募者に帰属します。ただし、入賞作品の複製権(出版権を含む)、映像化権などの利用権(2次利用を含む)は、主催者に優先権がありますと記載があります。この文言を読むと、小説を書いた人の作品が入選した場合、どの出版社から出版するか、映画化、ドラマ化、アニメ化の話があったとき、どの配給会社、制作会社、監督にするか、著作者と主催者に意見の違いがあった場合、主催者が優先されることになると考えられます。

 法的には問題ないという回答があったそうですが、中野区後援等名義使用基準を参照しますと、第1条「この基準は、団体が行う公益的事業に対する中野区の後援名義又は協賛名義(以下「後援等名義」という。)の使用に関し、必要な事項を定めるものとする」。第2条2項「この基準において「公益的事業」とは、教育、福祉、文化、芸術、芸能若しくはスポーツに関する事業又はこれらに類する事業で、主に中野区民を対象として行う公益性のあるものをいう。ただし、次の各号に例示するものは含まない」。(2)「主として営利その他の私的な利益を目的としているもの」と記載があります。東京中野文学賞の現在の著作権の記載を見ると、中野区の後援はあまりなじまないのではないかと思われます。

 ほかの文学賞の募集要項で著作権がどのようになっているか御紹介します。私のパソコンで、文学賞というワードを検索すると、新潮社、集英社、講談社という順番で、その次が東京中野文学賞でした。新潮社、日本ファンタジーノベル大賞では、受賞者は、受賞作の映像化等の2次的使用の管理を新潮社に委託すると書いてあります。集英社、すばる文学賞は、受賞作の出版、電子書籍の配信及び映像化等に関する諸権利は弊社が管理するものとしますと記載があります。映像化のところで、東京中野文学賞と同じようなことが書いてあると思われるかもしれませんが、著作権と管理というのは全然違うんです。日本ファンタジーノベル大賞、すばる文学賞は、エージェントをやると書いてあり、権利はあくまで著作者にあります。講談社、群像は、受賞作の出版権は小社に帰属するだけです。ほかに言及はありません。

 そして、東京中野文学賞の次に検索候補で出てくる京都文学賞を見てみましょう。PDFファイルなのでちょっと見にくいんですが、受賞作品の出版に当たっては、著作権を持つ応募者が出版を希望する協力出版社からの提案を基に、実行委員会と協議の上出版を決定するものとします。これだけです。映像化に関しての言及はありません。東京中野文学賞でも、こういう協議で決定するというような、著作者に寄り添った要項にしていただきたいです。

 「セクシー田中さん」という漫画がありまして、ドラマ化された際、原作を改変するなという原作者の意向があったにもかかわらずそれが実行されず、最終2話を原作者自身が脚本を担当し、その騒動の果てに原作者の方が自死されるという大変残念な事件がありました。

 最近「地面師たち」というドラマが大変話題ですが、この「地面師たち」という原作に対してドラマ化の話が幾つも来ていたそうです。原作者と出版社でコンペをしたとき、各社いろいろな企画書が提出された中、今回「地面師たち」を撮った大根仁監督は手紙を書いて提出し、その手紙の中には「地面師たち」をいかに映像化したいか熱い思いがつづられていたそうです。満場一致で大根監督に決まったそうです。

 私はオタクですので、創作者を非常に崇敬していまして、可能な限り創作者に幸せになっていただきたいですし、創作者と映像化の幸せな出会いをしていただき、また、その結果を享受したいと願っております。誤解していただきたくないのは、私が、中野区が東京中野文学賞の後援を外せとか、東京中野文学賞はひどい賞だから燃やせと言っているわけではないのです。中野区が後援、バックアップしている賞であるなら、法的には問題ないからこの要項で不満があるなら応募しなくていいと言わず、京都文学賞のように広く公共に開かれた賞であっていただきたいですし、中野区は創作者を大事にする区だというメッセージになりますし、そのようにするのが本来の意味での後援、バックアップではないかと考えますが、いかがでしょうか。

 今後、第3回東京中野文学賞が開催されるのであれば、2次利用は協議や管理などの文言への変更や、例えば優先の年数を二、三年で区切るなど、中野区と東京中野文学賞で協議できないでしょうか。

 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 井関議員の御質問に、私からは、東京中野文学賞についてお答えいたします。

 この応募作品の著作権に関する支援についての御質問です。当文学賞の後援は、中野区後援等名義使用基準、これに基づいた適正なものであって、区は広報などの支援を行っているところであります。また、著作権に関しては法的には問題はなく、区として対応すべきことはないと認識をしております。2次利用は協議するという文言を応募要領に記載すべきだという御意見については、主催者にお伝えしたいと思います。

〔都市基盤部長松前友香子登壇〕

○都市基盤部長(松前友香子) 中野区のバスの南北利便性向上についての御質問にお答えいたします。

 区内路線バスの南北利便性向上につきまして、区は、中野区交通政策推進協議会における関係者協議を経て、令和6年3月に路線バスネットワークの維持、拡充などの施策を盛り込んだ中野区地域公共交通計画を策定いたしました。今年度は、本計画に位置付けた路線バスネットワークの維持、拡充に関しまして、具体的な取組内容の検討を進めるため、関係者間で改めて問題点や課題の共有を図っているところでございます。

 次に、広域的なバス路線の新設について、昨今は路線バスの業界を取り巻く状況が変化しており、各バス会社とも乗務員不足が喫緊の問題となっていることから、不採算路線の廃止や、採算が取れる路線であっても減便をしている状況と聞いてございます。このような中で、新たに区をまたぐ広域的な路線をつくることは難しいと考えております。

 続いて、公園へのスケートボード設備設置についてお答えいたします。

 公園の整備におきましては、オープンハウスやワークショップ等の手法を活用して、広く公園利用者の意見を聞いて、整備内容を検討しているところでございます。大規模公園の整備の際に、スケートボード設備設置についての意見がございましたらば、利用者と近隣の方が理解し合える公園のルールづくり、それと併せて検討してまいりたいと考えております。

〔健康福祉部長杉本兼太郎登壇〕

○健康福祉部長(杉本兼太郎) 私からは、公園へのスケートボード設備設置についての御質問のうち、公園以外への設備設置につきましてお答えいたします。

 スケートボードは、騒音や舗装面への影響などの課題から、現在のスポーツ施設での実施は難しいと考えてございます。スケートボードを実施できるスポーツ施設の整備等につきましては、他自治体の先進事例を研究してまいります。

○議長(酒井たくや) 以上で井関源二議員の質問は終わります。

 以上をもって質問は終了いたしました。

 これより日程に入ります。

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 第63号議案 令和6年度中野区一般会計補正予算

 第72号議案 谷戸小学校普通教室棟増築等工事請負契約に係る契約金額の変更について

 第87号議案 大和公園再整備工事請負契約

(委員会報告)

 

○議長(酒井たくや) 日程第1、第63号議案、第72号議案及び第87号議案の計3件を一括議題に供します。

 

令和6年(2024年)9月10日

 

中野区議会議長 殿

 

総務委員長 杉山 司 

(公印省略)

 

議案の審査結果について

 

本委員会に付託された下記議案は、審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので、中野区議会会議規則第78条の規定により報告します。

 

 

議案番号

件    名

決定月日

63

令和6年度中野区一般会計補正予算

910

72    

谷戸小学校普通教室棟増築等工事請負契約に係る契約金額の変更について

910

87

大和公園再整備工事請負契約

910

 

○議長(酒井たくや) お諮りいたします。上程中の議案に関する委員長報告は、会議規則第40条第3項の規定により省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、委員長報告は省略いたします。

 本件については、討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、これより採決いたします。

 上程中の議案を委員会報告どおり可決するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

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 認定第1号 令和5年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について

 認定第2号 令和5年度中野区用地特別会計歳入歳出決算の認定について

 認定第3号 令和5年度中野区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について

 認定第4号 令和5年度中野区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算の認定について

 認定第5号 令和5年度中野区介護保険特別会計歳入歳出決算の認定について

 

○議長(酒井たくや) 日程第2、認定第1号から認定第5号までの計5件を一括上程いたします。

 理事者の説明を求めます。

〔副区長青山敬一郎登壇〕

○副区長(青山敬一郎) ただいま上程されました認定第1号から認定第5号までの5件につきまして一括して説明いたします。

 初めに、中野区一般会計決算について説明いたします。

 令和5年度一般会計の歳入総額は2,040億324万3,143円、歳出総額は1,986億7,292万5,506円で、前年度と比較しますと、歳入で20.3%の増、歳出で22.4%の増となりました。歳入から歳出を差し引いた形式収支額は53億3,031万7,637円となり、翌年度へ繰り越すべき財源18億4,359万5,000円を差し引いた実質収支額は34億8,672万2,637円となりました。

 それでは、歳入につきまして主な款について説明いたします。

 第1款特別区税は384億4,600万円余で、前年度と比較して2億9,300万円余、0.8%の増となりました。

 第2款特別区交付金は473億3,600万円余で、前年度と比較して26億3,500万円余、5.9%の増となりました。

 第7款地方消費税交付金は81億4,600万円余で、前年度と比較して8,100万円余、1.0%の減となりました。

 第13款国庫支出金は、子育て世帯等臨時特別支援事業費補助金の減などにより、前年度と比較して31億6,700万円余、8.5%減の340億5,300万円余となりました。

 第14款都支出金は、物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金の増などにより、前年度と比較して37億5,900万円余、24.7%増の190億円余となりました。

 第17款繰入金は、特定目的基金からの繰入金の増により、前年度と比較して65億2,400万円余、62.5%増の169億5,500万円余となりました。

 第20款特別区債は、新庁舎整備などの財源として起債を発行したことから、前年度と比較して206億9,100万円、著しい増の222億2,200万円となりました。

 これらの結果、歳入決算額の予算現額に対する収入率は97.3%となり、前年度より0.5ポイント上がりました。

 次に、歳出につきまして主な款について説明いたします。

 第3款総務費は、新庁舎整備費の増などにより、前年度と比較して129億5,300万円余、77.0%増の297億8,600万円余となりました。

 第4款区民費は、国民健康保険事業特別会計への繰出金の増などにより、前年度と比較して27億4,500万円余、25.1%増の137億200万円余となりました。

 第5款子ども教育費は、小中学校施設整備費の増などにより、前年度と比較して157億9,600万円余、35.7%増の600億7,600万円余となりました。

 第7款健康福祉費は、新型コロナウイルスワクチン接種体制確保事業経費の減などにより、前年度と比較して4億600万円余、1.1%減の350億2,000万円余となりました。

 第10款まちづくり推進費は、中野二丁目地区都市再生土地区画整理事業に係る経費の増などにより、前年度と比較して35億900万円余、31.6%増の146億2,700万円余となりました。

 これらの結果、歳出決算額の予算現額に対する執行率は94.8%となり、前年度より2.1ポイント上がりました。

 この歳出決算額を性質別に見ますと、人件費、扶助費及び公債費を合わせた義務的経費は732億1,400万円余で、前年度と比較して1.7%の増となりました。また、投資的経費は576億9,900万円余で、前年度と比較して146.5%の増となりました。

 なお、令和5年度決算では、実質収支額が34億8,600万円余となり、前年度決算に比べ29億4,200万円余の減となりました。

 令和5年度は急激な物価高騰への支援を行いました。また、基本構想で描く10年後に目指すまちの姿の実現に向けて、中野区基本計画に基づき、全庁を挙げて重点プロジェクトの推進に取り組みました。子育て先進区の実現に向けて、子育て・子育ちに必要な環境の整備を進めるとともに、学校教育の充実に取り組んだほか、まちづくりや地域の防災・安全の推進などに幅広く取組を進めました。今後も子育てサービスの質の向上、超高齢社会への対策、老朽化した公共施設の建て替えや大規模改修など歳出の増加が見込まれます。財政運営の考え方を踏まえ、区民満足度の高い区政を維持するため、基金や起債をバランスよく活用し、将来を見据えた財政運営を行っていく必要があると考えています。

 以上が一般会計決算の説明です。

 続きまして、中野区用地特別会計決算について説明いたします。

 歳入歳出の決算額は同額で87億8,916万124円、前年度と比較しますと歳入歳出ともに著しい増となりました。

 歳入は、第1款財産収入が87億1,100万円余で、前年度と比較して84億8,500万円余の著しい増、第2款繰入金が7,700万円余で、前年度と比較して900万円余、14.5%の増となりました。

 歳出は、第1款公債費が87億8,900万円余で、前年度と比較して84億9,500万円余の著しい増となりました。

 歳入総額及び歳出総額が増となった要因は、一般会計での学校用地の引取りに伴い繰上げ償還を行ったことによるものです。

 次に、中野区国民健康保険事業特別会計決算について説明いたします。

 歳入総額は338億6,579万3,649円、歳出総額は335億3,828万6,914円で、前年度と比較しますと歳入歳出ともに3.8%の増となりました。

 歳入の主なものは、第1款国民健康保険料が87億4,000万円余で、前年度と比較して2億3,400万円余、2.6%の減、第4款都支出金が196億2,000万円余で、前年度と比較して1億1,400万円余、0.6%の減、第5款繰入金が51億2,100万円余で、前年度と比較して16億6,900万円余、48.4%の増となりました。

 歳出の主なものは、第2款国保給付費が193億900万円余で、前年度から微減、第3款国保事業費納付金が128億4,700万円余で、前年度と比較して12億5,500万円余、10.8%の増となりました。

 次に、中野区後期高齢者医療特別会計決算について説明いたします。

 歳入総額は77億3,643万7,719円、歳出総額は76億3,392万4,869円で、前年度と比較しますと歳入で1.1%の増、歳出で0.6%の増となりました。

 歳入の主なものは、第1款後期高齢者医療保険料が43億6,600万円余で、前年度と比較して3,800万円余、0.9%の増、第2款繰入金が31億6,100万円余で、前年度と比較して7,200万円余、2.3%の増となりました。

 歳出の主なものは、第1款広域連合納付金が75億1,800万円余で、前年度と比較して4,500万円余、0.6%の増となりました。

 最後に、中野区介護保険特別会計決算について説明いたします。

 歳入総額は250億4,181万5,985円、歳出総額は246億2,815万5,093円で、前年度と比較しますと歳入で3.2%の増、歳出で3.8%の増となりました。

 歳入の主なものは、第1款介護保険料が47億4,000万円余で、前年度と比較して2,400万円余、0.5%の減、第3款国庫支出金が56億3,900万円余で、前年度と比較して8,800万円余、1.6%の増、第4款支払基金交付金が62億3,400万円余で、前年度と比較して2億2,700万円余、3.8%の増、第5款都支出金が33億3,500万円余で、前年度と比較して3,900万円余、1.2%の増となりました。

 歳出の主なものは、第1款制度運営費が6億9,400万円余で、前年度と比較して1億1,200万円余、19.3%の増、第2款保険給付費が221億1,400万円余で、前年度と比較して6億9,700万円余、3.3%の増、第3款地域支援事業費が11億4,000万円余で、前年度と比較して1,700万円余、1.5%の増となりました。

 以上、令和5年度の各会計決算について説明いたしました。

 なお、詳細につきましては、あらかじめ送付いたしました中野区各会計歳入歳出決算書、各会計事項別明細書及び各調書、主要施策の成果並びに中野区各会計歳入歳出決算説明書によりまして御確認いただきたいと思います。

 また、監査委員におかれましては、本決算につきまして慎重に審査をいただき、別冊のとおり中野区各会計歳入歳出決算審査意見書の提出をいただきました。御指摘のあった点については十分に対処していく所存です。

 最後になりましたが、ここに令和5年度決算につきまして議会の認定をお願いする運びになりましたことは、区議会の適切な御指導と御協力によるものと深く感謝を申し上げる次第です。

 以上、認定第1号から認定第5号までにつきまして、よろしく御審議の上御認定くださいますようお願い申し上げ、令和5年度中野区各会計決算の説明とさせていただきます。

○議長(酒井たくや) 本件について御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 上程中の認定第1号から認定第5号までの計5件は、議員全員をもって構成する決算特別委員会を設置し、これに審査を付託いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう決定します。

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 中野区の財政の健全化判断比率について

 

○議長(酒井たくや) 日程第3、中野区の財政の健全化判断比率について報告いたします。

 本件については、地方公共団体の財政の健全化に関する法律第3条第1項の規定に基づき、区長から9月10日付のお手元の文書のとおり報告がありましたので、さよう御了承願います。

 

6中総総第1632号

令和6年(2024年)9月10日

 中野区議会議長

  酒 井 たくや 様

中野区長 酒 井 直 人

中野区の財政の健全化判断比率の報告について

 地方公共団体の財政の健全化に関する法律第3条第1項の規定により、別添のとおり報告します。

 

○議長(酒井たくや) 本日はこれをもって散会いたします。

午後4時27分散会

 

 

 

会議録署名員 議 長 酒井 たくや

       議 員 黒沢 ゆか

       議 員 久保 りか