1.令和6年(2024年)9月19日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。
1.出席委員(41名)
1番 山 内 あきひろ 2番 武 井 まさき
3番 市 川 しんたろう 4番 日 野 たかし
5番 木 村 広 一 6番 斉 藤 けいた
7番 井 関 源 二 8番 黒 沢 ゆ か
9番 大 沢 ひろゆき 10番 武 田 やよい
11番 広 川 まさのり 12番 いのつめ 正 太
13番 間 ひとみ 14番 河 合 り な
15番 加 藤 たくま 16番 高 橋 かずちか
17番 甲 田 ゆり子 18番 小 林 ぜんいち
19番 白 井 ひでふみ 20番 吉 田 康一郎
21番 立 石 り お 22番 小宮山 たかし
23番 内 野 大三郎 24番 い さ 哲 郎
25番 細 野 かよこ 26番 斉 藤 ゆ り
27番 杉 山 司 28番 ひやま 隆
29番 大 内 しんご 30番 伊 藤 正 信
32番 平 山 英 明 33番 南 かつひこ
34番 久 保 り か 35番 石 坂 わたる
36番 むとう 有 子 37番 羽 鳥 だいすけ
38番 浦 野 さとみ 39番 山 本 たかし
40番 中 村 延 子 41番 森 たかゆき
42番 酒 井 たくや
1.欠席委員(1名)
31番 高 橋 ちあき
1.出席説明員
中野区長 酒井 直人
副区長 青山 敬一郎
副区長 栗田 泰正
教育長 田代 雅規
企画部長 岩浅 英樹
企画課長 中谷 博
ユニバーサルデザイン推進担当課長 国分 雄樹
資産管理活用課長半田 浩之
財政課長 竹内 賢三
広聴・広報課長 矢澤 岳
総務部長 濵口 求
防災危機管理担当部長 吉沢 健一
DX推進室長 滝瀬 裕之
総務課長 永見 英光
職員課長 中村 洋
人事政策・育成担当課長 松丸 晃大
施設課長 大須賀 亮
契約課長 原 太洋
デジタル政策課長、新区役所整備課長 瀬谷 泰祐
デジタル基盤整備担当課長 保積 武範
庁舎管理担当課長増子 英宏
区民部長、新区役所窓口サービス担当部長 高橋 昭彦
文化・産業振興担当部長 高村 和哉
税務課長 滝浪 亜未
保険医療課長 宮脇 正治
子ども教育部長、教育委員会事務局次長 石崎 公一
子ども家庭支援担当部長、教育委員会事務局参事(子ども家庭支援担当) 森 克久
子ども・教育政策課長、学校再編・地域連携担当課長 渡邊 健治
子ども政策担当課長 青木 大
保育園・幼稚園課長 藤嶋 正彦
子ども教育施設課長 藤永 益次
子育て支援課長 分藤 憲
育成活動推進課長鈴木 康平
指導室長 井元 章二
学務課長 佐藤 貴之
地域支えあい推進部長、地域包括ケア推進担当部長 石井 大輔
区民活動推進担当課長 池内 明日香
地域包括ケア推進課長 河村 陽子
医療・介護連携推進担当課長 高橋 かほる
すこやか福祉センター調整担当課長 河田 達彦
介護保険課長 落合 麻理子
健康福祉部長 杉本 兼太郎
保健所長 水口 千寿
障害福祉課長 鳥井 文哉
障害福祉サービス担当課長 大場 大輔
生活援護課長 葉山 義彦
生活保護担当課長村田 佳生
保健企画課長 中村 志保合
保健予防課長 宮下 奈緒
環境部長 浅川 靖
環境課長 伊東 知秀
ごみゼロ推進課長鈴木 康正
都市基盤部長 松前 友香子
都市計画課長 塚本 剛史
道路建設課長 髙田 班
公園課長 村田 賢佑
交通政策課長 宮澤 晋史
まちづくり推進部長 角 秀行
中野駅周辺まちづくり担当部長 千田 真史
まちづくり計画課長 近江 淳一
野方以西担当課長桑原 大輔
中野駅周辺まちづくり課長、中野駅新北口駅前エリア担当課長 小幡 一隆
会計室長 古本 正士
1.本会の書記は下記のとおりである。
事務局長 堀越 恵美子
事務局次長 林 健
議事調査担当係長 鈴木 均
書 記 若見 元彦
書 記 田村 優
書 記 細井 翔太
書 記 森園 悠
書 記 梅田 絵里子
書 記 川辺 翔斗
書 記 志賀 優一
書 記 早尾 尚也
書 記 堀井 翔平
書 記 金木 崇太
書 記 砂橋 琉斗
1.委員長署名
午前10時00分開会
○杉山委員長 定足数に達しましたので、ただいまから決算特別委員会を開会します。
認定第1号から認定第5号までの計5件を一括して議題に供します。
総括質疑一覧が、SideBооksで閲覧できますので、参考に御覧ください。
総 括 質 疑 一 覧
順
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氏名・会派等
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質 疑 項 目
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1
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河合 りな
(立国ネ無)
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1 令和5年度決算について
(1)決算の特徴について
(2)歳入について
(3)歳出について
(4)財政指標について
(5)その他
2 公園について
3 その他
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2
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加藤 たくま
(自 民)
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1 令和5年度決算について
2 契約について
3 スマートウェルネスシティについて
4 その他
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3
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小林 ぜんいち
(公 明)
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1 令和5年度中野区決算について
(1)令和5年度の特別区債と基金について
(2)中野区歳入歳出決算額について
(3)財政指標と分析について
(4)中野駅新北口駅前エリアのまちづくりについて
(5)区のDX政策について
(6)その他
2 小中学校の保護者負担軽減について
(1)中野区立小中学校の給食費相当分について
(2)小学生の保護者負担軽減について
(3)中学生の保護者負担軽減について
(4)その他
3 その他
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4
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浦野 さとみ
(共 産)
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1 2023年度決算と今後の施策について
(1)決算年度の特徴について
(2)各財政指標と歳入について
(3)国民健康保険事業について
(4)生活再建型の債権管理について
(5)子育て先進区の実現について
(ア)子どもの貧困対策について
(イ)子どもの意見表明・参加の取り組みをすすめることについて
(ウ)その他
(6)地域包括ケア体制の実現について
(ア)ひきこもり支援について
(イ)高齢者の補聴器購入費用の助成について
(ウ)その他
(7)脱炭素社会の実現に向けた取り組みの推進について
(8)感染症対策について
(9)その他
2 生活保護行政の拡充について
3 まちなかでのベンチの設置について
4 その他
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5
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大沢 ひろゆき
(都ファ)
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1 令和5年度決算について
(1)決算への評価について
(2)決算数値からみる予算制度と予算性質毎の精度向上への取組について
(3)まちづくり推進費の予算額と執行額の乖離について
(4)その他
2 中野区の区立中学校の通学距離と指定校変更について
(1)指定校変更基準に通学距離を追加することについて
(2)その他
3 中野区の気候変動対策及び脱炭素化の推進について
(1)省エネルギー設備等の設置に係る補助について
(2)水素ステーションの誘致戦略について
(3)Tokyoクールシェアスポット登録及びクーリングシェルターの指定について
(4)その他
4 その他
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6
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斉藤 ゆり
(立国ネ無)
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1 令和5年度決算について
(1)基金と起債について
(2)教育費について
(3)その他
2 公教育について
(1)中野区コミュニティ・スクールについて
(2)通学路の安全対策について
(3)その他
3 鷺宮地区のまちづくりについて
4 その他
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7
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市川 しんたろう
(自 民)
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1 令和5年度決算について
2 学校施設の建て替え計画について
3 中野駅周辺のまちづくりについて
4 新区役所の貸しスペースでのイベント開催について
5 その他
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8
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甲田 ゆり子
(公 明)
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1 令和5年度決算について
(1)物価高騰対策について
(2)その他
2 防災対策について
(1)災害時個別避難支援計画書と避難行動要支援者名簿について
(2)在宅避難者支援拠点の設置について
(3)その他
3 子ども・子育て支援について
(1)妊娠期からの切れ目ない支援について
(2)中高生年代向け施設の考え方について
(3)その他
4 健康施策について
(1)認知症施策について
(2)病気予防について
(3)その他
5 不法投棄対策について
6 その他
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9
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いさ 哲郎
(共 産)
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1 公園整備について
(1)小規模公園について
(2)公園トイレの整備・改修について
(3)桃園川緑道について
(4)その他
2 ヒートアイランド対策について
3 清掃事業について
4 文化芸術支援について
5 動物との共生について
6 中野駅前のあり方について
7 その他
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10
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黒沢 ゆか
(都ファ)
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1 子育て支援について
(1)こども家庭センターについて
(2)病児・病後児保育及び産後ケアについて
(3)障がい児支援について
(4)その他
2 介護・障害福祉の人材確保について
(1)処遇改善について
(2)介護未経験者のマッチングについて
(3)その他
3 中野区の障がい者雇用について
4 その他
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11
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いのつめ 正太
(立国ネ無)
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1 令和5年度決算について
(1)財政収支について
(2)人件費について
(3)その他
2 請負契約・委託契約について
(1)請負工事契約について
(2)業務委託契約について
(3)その他
3 デジタル政策について
(1)システム標準化・共通化について
(2)区ホームページについて
(3)DXによる業務効率化について
(4)その他
4 その他
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12
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伊藤 正信
(自 民)
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1 鍋横区民活動センター等整備基本計画について
2 中野本郷小学校改築と移転について
(1)校舎解体工事について
(2)代替校舎への児童の通学について
3 地域活動の推進について
4 交通安全対策について
5 物価高騰対策について
6 その他
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13
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南 かつひこ
(公 明)
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1 令和5年度決算について
(1)財政調整交付金について
(2)財政調整基金について
(3)ふるさと納税について
(4)国民健康保険事業特別会計について
(5)その他
2 新庁舎の課題について
(1)新庁舎整備費等について
(2)バックアップデータの管理について
(3)民間への貸付け状況について
(4)携帯電話の不感地帯の解消について
(5)日本赤十字社献血会の場所の確保について
(6)中野区福祉団体連合会の課題について
(7)その他
3 西武新宿線連続立体交差事業について
(1)新井薬師前駅及び沼袋駅の整備について
(2)ホームドアの整備について
(3)鉄道上部空間の活用について
(4)沼袋第4号踏切について
(5)その他
4 教育環境の課題について
(1)令和小学校への通学課題について
(2)中野区立第七中学校の建替えについて
(3)小1の壁の解消について
(4)学校図書館での新聞図書配布の課題について
(5)その他
5 資源回収及び粗大ごみ収集の委託事業について
6 その他
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14
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中村 延子
(立国ネ無)
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1 令和5年度決算について
(1)行政評価と予算編成について
(2)新型コロナウイルス感染症の5類移行と感染症対策について
(3)その他
2 子宮頸がん等HPV疾患対策について
(1)HPVワクチンについて
(2)子宮頸がん検診について
(3)その他
3 産前産後の支援について
4 その他
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15
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大内 しんご
(自 民)
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1 教育委員会における流用について
2 新庁舎について
(1)執行機関エリア立ち入り規制について
(2)職員と議員の連絡の取り方について
3 その他
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16
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森 たかゆき
(立国ネ無)
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1 令和5年度決算について
2 気候変動対策について
3 学校教育について
4 公正で透明性のある区政運営について
5 その他
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17
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武井 まさき
(自 民)
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1 防災について
2 里親への支援について
3 その他
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18
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むとう 有子
(無所属)
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1 敬老事業について
2 生活援護業務について
3 公園の環境改善について
4 清掃事業について
5 区長車について
6 その他
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19
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石坂 わたる
(無所属)
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1 多様性に富むすべての区民が安心して生活できる中野区について
(1)職場のダイバーシティ&インクルージョンについて
(2)配慮が必要な多様な住民を支える区政について
(3)その他
2 2040年問題(各論)について
(1)労働力不足と経済の縮小が進む中での就労について
(ア)高齢者の就労支援について
(イ)子ども・若者の就労に向けた支援について
(ウ)その他
(2)持続可能な福祉・介護と、社会福祉連携推進法人につい
て
(3)公務員の不足による公共機能の低下について
(4)持続可能な社会保険と医療について
(5)その他
3 その他
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20
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小宮山 たかし
(無所属)
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1 いじめ・不登校について
2 文化芸術について
3 その他
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21
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吉田 康一郎
(無所属)
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1 令和5年度決算について
2 育児支援・少子化対策について
3 環境政策について
4 まちづくり政策について
5 社会保障政策について
6 国民保護政策について
7 人権政策について
8 その他
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22
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立石 りお
(無所属)
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1 令和5年度決算について
2 持続可能な財政運営について
3 公金運用について
4 自治体DXについて
5 民泊の利用状況について
6 その他
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23
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斉藤 けいた
(無所属)
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1 令和5年度決算について
2 歯に関する施策について
3 町会活動支援について
4 その他
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24
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井関 源二
(無所属)
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1 令和5年度決算について
2 西武新宿線地下化について
3 防災対策について
4 路上喫煙対策について
5 その他
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○杉山委員長 本日は総括質疑の1日目となります。1番目に河合りな委員、2番目に加藤たくま委員、3番目に小林ぜんいち委員、4番目に浦野さとみ委員、5番目に大沢ひろゆき委員の順で5名の総括質疑を行います。
次に、要求資料についてですが、前回の委員会で要求した資料320件、全ての資料が提出され、SideBооks上で閲覧できるようになっております。資料作成に当たられた職員の皆様、ありがとうございました。
ただいまから総括質疑を行いますが、答弁される理事者は答弁前に大きな声で職名を述べるようお願いします。
それでは、質疑に入ります。
河合りな委員、質疑をどうぞ。
○河合委員 おはようございます。令和6年第3回定例会決算特別委員会において、立憲・国民・ネット・無所属議員団の立場から総括質疑をさせていただきます。質問は通告どおり、その他はありません。新庁舎総括質疑1番目、栄えある1番目を務めさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
令和5年度決算について伺います。
まず、決算の特徴について伺います。令和5年度は新型コロナウイルス感染症が5類に変わったことにより、経済活動が日常を取り戻すことに希望にあふれ、どこのお祭りに行っても人が混雑していて、日常の復活を楽しんでいたような記憶があります。しかし、経済が回り始めたことで、数字上では景気もよくなったように見えましたが、ロシアによるウクライナ侵攻等の影響等もあり、多くの方はスーパー等の日常の買物で急激な物価高騰を実感されたでしょう。日に日に食料品の値上がりをしていくさまに苦労されている方も多く、様々な給付金が実施された年でした。中野区の令和5年度決算に大きく影響を与えたのは、私としては予算時から想定されていた区役所新庁舎と平和の森小学校用地購入、加えて急激な物価高騰、それに伴う各種給付金の三つと考えます。これらが決算数字を読み取りにくくしているので、まず最初に確認していきます。
振り返ると、令和5年度当初予算案13ページにて、当初の一般会計予算総額は、令和4年度と比べ、令和5年度は23.9%の増という数字が出ており、この増減率は当時全国5位となるほどでした。特に投資的経費のうち、学校建設やまちづくりなどもありましたが、区役所新庁舎は179億円と平和の森小学校用地購入87億円、短期的には決算へと大きな影響を与えたため、この二つについて詳細をお伺いします。
新庁舎について、当初予算の概要64ページの令和5年度新庁舎整備及び業務改善等への取組というページがまとめられていましたが、総額に対しての執行率と全ての業務が執行できたのかの詳細を教えてください。
○竹内財政課長 お答えいたします。新庁舎整備及び業務改善等への取組の総額は約189億円でございまして、執行率は99.8%でございます。全ての業務について執行できているものでございます。
○河合委員 平和の森小学校用地は87億円を用地特別会計から繰上償還、特別区債を当初予算どおりに78億円発行しました。新庁舎、平和の森小学校用地、それぞれ財政白書の3、4ページ、歳入歳出のどこに影響を与えているのか教えてください。
○竹内財政課長 歳入につきましては特別区債、歳出につきましては普通建設事業費に影響を与えているものでございます。
○河合委員 こちらお二つとも、予算から大きく変わるような影響はありましたか。
○竹内財政課長 新区役所整備及び平和の森小学校用地の起債につきましては、当初予算から想定したものでございまして、特に大きな変更はございませんでした。特別交付金につきまして、新庁舎整備費用について差が算定され増加しているというものがございます。
○河合委員 今、新庁舎整備のほうが増額しているとのことですが、その額を教えてください。
○竹内財政課長 特別交付金につきまして、おおよそ13億円、こちらのほうが増額になってございます。
○河合委員 今言われました13億円、新庁舎にかかる額、こちらの歳入、当初見込んでいなかったものになりますが、どのように活用しますか。
○竹内財政課長 今回の歳入につきましては一般財源でございますので、新庁舎の整備に活用しているというふうな形になってございます。
○河合委員 新庁舎についてですけど、今後、令和6年度以降に予定されている歳入と金額を教えてください。
○竹内財政課長 新庁舎整備に係る令和6年度以降の歳入に関しましては、転出補償金、おおよそ260億円が見込まれているものでございます。
○河合委員 転出補償金、今後、令和6年度、令和7年度に入ってくるんだったと思うんですけど、総額で幾らになりますか。
○竹内財政課長 こちらは、おおよそ260億円を見込んでいるところでございます。
○河合委員 6月19日の総務委員会では、中野新北口駅前エリアの市街地再開発事業の進捗についてで、施行予定者はヒューリック株式会社を除いた4社に変更となる報告がありました。完成するまでには何が起きるか分かりません。例えば事業進捗が遅れた場合はどうなりますか。
○竹内財政課長 歳入につきましては、転出補償金の遅れにより収入が見込めないことが想定されます。歳出におきましては、区債の金利、まちづくり事業の執行など影響があると見込んでございます。ほかの事業につきましても影響があると想定されまして、今後の事業進捗を注視していく考えでございます。
○河合委員 監査意見書の49ページには特別区債の発行状況というところが載っていまして、新庁舎整備事業の償還の期間は1年となっていますが、償還方法が満期一括となっています。今、転出補償金に関しては、令和6年度、令和7年度に入ってくるということですけれども、これは、時期がずれた場合はどのように対応していきますか。
○竹内財政課長 こちらに関しましては、様々な選択肢を用意しまして、区民サービスに影響が出ないように対応していきたいと考えてございます。
○河合委員 すみません、もう一度確認させてください。1年満期になっているということは、1年ごとに借り換えていくということですか。
○竹内財政課長 委員御指摘のとおりでございます。
○河合委員 そうすると1年借りると1年利子を多く払うということで、毎年毎年この延びが、遅れが出てくると1年借り換えというのが増えるということは、利子もどんどん増えていくということでよろしいですか。
○竹内財政課長 委員御指摘のとおり、金利に関しましては、こちらの負担のほうが増えていくと考えてございます。
○河合委員 今後の事業進捗が読めない中で、今回は想定以上の歳入が確保できたわけですが、今後このような想定以上の歳入は、区債の繰上償還に充てていくべきと考えますが、いかがでしょうか。
○竹内財政課長 想定以上の歳入が確保できた場合は、基金繰入金の減額や区債発行を取りやめる運用を行っておりますが、金利上昇のこの局面におきましては、繰上償還も一つの選択として今後検討していきたいと考えてございます。
○河合委員 今、繰上償還の話をしていますが、こちらのほうは想定どおりに令和7年度に入ってくるんでしょうか。
○竹内財政課長 様々ございますので、そういったことも想定しながら、今後こういった対応をしていきたいと考えてございます。
○河合委員 ありがとうございました。
次、物価高騰について伺います。令和5年度は区民の方や事業者へ、たくさんの国や都、区独自の物価高騰対策がありました。今もまだ生活や事業が苦しい方もいらっしゃり、今年9月にも区の補正予算で事業者へ物価高騰対策がありました。令和5年度の物価高騰の影響を振り返って、今後の区財政運営へと生かせるか確認していきます。
山本議員の一般質問にて物価高騰の影響下、新型コロナ感染症対策委託事業を除いた令和5年度の委託料総額は、前年度費7.6%増の199億円と答弁されました。年度の途中の補正予算で事業者へ給付した委託費用の総額と財源を教えてください。
○中谷企画課長 令和5年度の物価高騰対策に関する事業のうち、事業者への補助金に係る事業費の決算額は約1億8,000万円で、この財源は都補助金が約5,000万円、一般財源が約1億3,000万円でございます。
○河合委員 今の額は財政白書の3、4ページ、歳入歳出のどこに影響を与えていますか、教えてください。
○竹内財政課長 令和5年度の物価高騰の影響は、歳入につきましては都支出金、歳出につきましては扶助費に大きく影響を与えているものでございます。
○河合委員 令和4年度の物価高騰は令和5年度の当初予算に反映されているのでしょうか、教えてください。
○竹内財政課長 こちらに関しましては、具体的な数値でお示しすることは難しいのですが、直近の物価高騰の状況を十分に踏まえて、こちらのほうを見込んでいるというものでございます。
○河合委員 物価高騰の状況というのは何か数字が出てきていて、それが今の書いてある予算書のどこかに反映されるような形になっているんですか。そこももう一度教えてください。
○竹内財政課長 物価高騰に関しましては、事業者からの見積りを、直近のものを徴取しまして、最近の物価の状況を踏まえて当初予算のほうに変更してございます。また、予算のところには、様々物価高騰の対策、商店街の街路灯の見直しなどそういったところもあります。そういったところには反映されておりますが、何か一覧で開示をしているというものはございません。
○河合委員 じゃあ、経年の計画を立てている財政フレームのほうには反映されていますか。
○竹内財政課長 こちら、各部の予算要求におきまして直近の物価高騰の状況を十分に踏まえてフレームの要求をしてございますので、こちらのほうは見込んでいるというものでございます。
○河合委員 では、どれくらいの物価上昇を見込んでいたのか教えてください。
○竹内財政課長 こちら具体的な数値のほうをお示しすることはちょっと難しいものでございまして、繰り返しになりますが、各部の予算要求において、直近の状況を十分に踏まえて、こちら予算要求のほうに生かしているというものでございます。
○河合委員 そうすると、直近の事業だけで、こういう物価高騰を示す、国とか東京都からは来年度幾らぐらい上がるんじゃないかという予測されているような指標みたいなものというのはないんでしょうか。
○竹内財政課長 具体的な数値というものはございませんで、総務省によりますと、令和5年度の平均消費者物価指数というものがあって、そういったものが物価高騰の指標のほうを示しているのかなと考えてございます。
○河合委員 ありがとうございました。年度当初には様々な数字から、令和4年度の物価高騰を見込みながら様々予算を組んでいるのかと思いますけれども、令和5年度の途中には、事業者や区民向けの物価高騰対策が国や東京都からたくさん出てきました。物価上昇はそれほど急激だったのか、新型コロナウイルス感染症が始まった頃や令和4年度と比べての物価の上がり幅を教えてください。
○竹内財政課長 こちら物価の指数でございますが、総務省の令和5年度の平均消費者物価指数につきましては、前年度比3.3%の上昇となってございます。令和2年度と比較しますと、6.3%上昇しているものでございます。
○河合委員 そうなると、やはり令和5年度は急激な物価上昇があったのかなと受け取りました。
年度内の急激な物価高騰というのは、当初予算からはやはり予想しにくいものなんでしょうか。
○竹内財政課長 なかなか物価の予測というのはしづらいものでございまして、消費者物価指数などは前年に対しての比較になりますので、過去ものに対して比較をしているものなので、物価高騰を予測するのはちょっと難しいと考えてございます。
○河合委員 当時は急激な物価高騰のために、いち早く区独自で補正予算をという声もありましたが、たしか区が補正予算を組んでからすぐ後に都が補正予算を出して混乱があったことを記憶しています。振り返って、過去の国や都の物価高騰対策についての区の見解を教えてください。
○中谷企画課長 令和5年度の国の物価高騰対策につきましては、低所得者世帯への給付金のほか、各地方公共団体が地域の実情に応じて必要な事業を実施するための支援のため、地方創生臨時交付金の拡充が複数回行われてきました。東京都におきましては、6月の補正予算で物価高騰の影響を受ける事業者支援などを行い、さらに12月の補正予算にその追加的な支援を行う形で対策が講じられてきたと認識してございます。こうした国や都の動きにつきましては事前に把握できる情報が限られていたことから、区として実施すべき対策の判断を行うことが難しかったというふうに感じてございます。
○河合委員 確かに中野区内だけで区独自の補正予算を繰り返しても、中野区内だけが状況がよくなるということはやっぱりあり得なくて、国全体、東京都全体で様々な対策を打っていく必要がやはりあったのかなと思っています。二度手間、三度手間や混乱や無駄を省いていくためには、やはり区独自の物価高騰対策というのをあまり早く先手を取るというのは必要がないのかもしれません。やはり国や都に声を届けて広域で取り込んでもらうという必要があるということでしょうか。
○中谷企画課長 物価高騰対策の実施に当たりましては、国や都の動向や社会経済の状況を見極めて取り組んでいく必要があると考えてございます。また、国や都の担うべき役割を踏まえ、より広域的に取り組むべきものにつきましては国や都に対して要望していくなど働きかけていきたいと考えてございます。
○河合委員 今回は、そういう東京都や国の動きに上乗せして様々区が独自でやれた事業もあったのかなと記憶しています。そういう形で丁寧に、まずは広域でやってくれるのを見極めて、そしてそれから区がきちんとそこに不足している分を上乗せしていくのが大事なのかなということを考えます。
区財政の物価高騰の影響を過剰に心配する声もありますが、実際に物価が上がると、例えば歳入歳出にどのような影響があるのか教えてください。
○竹内財政課長 実際に物価が上がることになりますと、歳出が増加する一方で、人件費の上昇については特別区民税、固定資産税、法人住民税などの財政調整交付金の原資である調整税等も増加いたしまして、歳入も増加することが予測されるというものでございます。
○河合委員 ここまでを踏まえて、区として、今後急激な物価上昇のときは、じっくり腰を据えて国や都の動きを見計らって着実に対応をしていくべきではないかと考えますが、見解を教えてください。
○中谷企画課長 物価高騰対策につきましては、支援が必要な方に対して適切な時期に必要な支援を届けることができるように、国や都の動向を慎重に見極めて対応してまいります。
○河合委員 急な物価高騰のために実施された給付金について伺います。影響を受けやすい世帯に対して国の支給とさらに上乗せ分を区独自で補填した話は先ほどしました。補正予算で実施された給付金の総額と財源を教えてください。
○中谷企画課長 令和5年度の物価高騰対策に関する事業のうち、各種給付金の決算額は約52億円で、この財源は地方創生臨時交付金が約41億円、その他の補助金などが約2億円、一般財源が約10億円でございます。
○河合委員 財政白書の3、4ページ、歳入歳出の主にどの部分に影響を与えているのか教えてください。
○竹内財政課長 物価高騰給付金につきましては、歳入につきましては都支出金、歳出につきましては扶助費に大きく影響を与えているものでございます。
○河合委員 令和2年度からこれまで国や都の物価高騰対策が続いています。今後も急な物価高騰や国の政策にひもづいた物価上昇など、対策のために国や都から給付金が出ることは想定されていますか。
○中谷企画課長 国による経済対策の一環として、年金生活世帯や低所得者世帯を対象とした追加の給付金による支援について現在検討がされているところでございます。今後も急な物価高騰や社会経済の状況を踏まえて、必要な対策について国や都も検討するものと考えてございます。
○河合委員 給付金は当初予算にない多額の事業となりますが、令和5年度、令和6年度は、当初予算から給付金を想定した人員配置になっていたのか教えてください。
○中村職員課長 令和5年度、令和6年度につきましては、年度当初から総務部に給付金担当を設置しまして、担当職員を配置してございます。
○河合委員 今後も、毎年この物価高騰を見越した、物価高騰など給付金が続くことを見越した体制整備が必要と考えますが、いかがでしょうか。
○中村職員課長 臨時的な給付金等の事業の実施に当たっては、あらかじめ人員を見込むことは難しいところでございますが、今後とも臨時的な事業にも対応できるよう、国等の状況を注視しながら必要な体制について検討してまいります。
○河合委員 難しいとのことなんですけれども、やっぱり少しそういうところは人員配置に余裕がないとなかなか難しいのではないかなと考えておりますので、引き続きの検討を求めます。
区独自で行った給付金の中には、年度の途中で、食品の物価高騰の影響を受ける子育て支援世帯への給付として給食費相当分を支給しました。価格高騰支援給付金の学齢児童生徒世帯支援がありました。年度当初から各会派の給食費の無償化の要望があった中、なかなか決断が遅かった印象はありますが、私立学校や特別支援学校を含めた全ての区内の児童・生徒に等しく支給できたことは評価いたします。
決算説明書の240ページには、実際の執行率が83.2%となっていますが、給付金の残と業務委託費の残が大きいようです。この補助金などを活用できたのか、まずは財源を教えてください。
○中谷企画課長 学齢期の児童や生徒の保護者に対する物価高騰対策に関わる事業費の決算額は約6億円で、この財源は、地方創生臨時交付金が約3億7,000万円、一般財源が約2億4,000万円でございます。
○河合委員 執行率の話をしましたが、対象世帯に対して支給できた割合を教えてください。
○渡邊子ども・教育政策課長 対象世帯1万2,977世帯に対しまして、1万2,640世帯に支給いたしましたので、支給割合は97.4%でございます。
○河合委員 制度の都合上どうしても給付型ということで申請制になったため、抜けや欠けがないよう丁寧に集中して支給することを要望してきました。今97.4という数字が、高いのか低いのかちょっとこちらでは判断がつかないんですけど、給付金残についての周知を工夫されたのか教えてください。
○渡邊子ども・教育政策課長 ホームページ等で周知するとともに、対象世帯には申請書を送付いたしました。また、申請のない世帯につきましては勧奨通知も送付したところでございます。
○河合委員 今回のこの学齢期児童・生徒支援に関しては、財政白書の3、4ページ、歳入歳出のどこに影響を与えているか教えてください。
○竹内財政課長 学齢児童・生徒世帯支援の価格高騰支援給付金につきましては、歳入に関しましては都支出金、歳出につきましては補助費に大きく影響を与えているものでございます。
○河合委員 給食費無償化ができていればこの様々な事務費がやはり不要だったのかなと、今振り返っても考えるところです。やはり年度当初の早い決断が必要ではなかったかなと思っております。
続いて、歳入について伺います。
冒頭の三つの影響を勘案しても、令和5年度は好決算となりました。監査委員の意見書でも大きな指摘はありません。国が地方公共団体の健全性をチェックするための指標も問題がありませんでした。主要施策の成果5ページを御覧ください。補正予算が追加された予算現額と決算額の差引額、前年度増減額などが一覧となっていて、細かな数字を追っていくと、歳入歳出でも予算から変わっている部分が見受けられました。今後の予算積算の精度を上げていくためにも、この各区分について確認していきます。
まずは特別区税についてお伺いします。当初予算は377億円、決算値が384億円、大きくは変わっていないかなと思っています。特別区民税は、令和4年度の区民所得に対して課税され、少し前の区内景気を反映しているとも取れます。予算時には特別区民税の納税義務者数が増えるとの想定でしたが、決算時には減って、納税額は増えました。財政白書6、7ページを見ると、徴収率もここ数年は区の努力が見られ、令和5年度には23区平均と同率になりましたことを評価いたします。特別区税が増えた要因、特別区民税の詳細を教えてください。
○滝浪税務課長 特別区税の令和5年度決算額は、令和4年度決算額と比べまして約2億9,300万円の増加となっております。主な要因といたしましては特別区民税の増であり、約2億4,700万円の増となってございます。特別区民税の主な増要因といたしましては、一人当たりの総所得金額等の増でございます。課税標準段階別に見ますと、令和4年度と比べまして200万円以下の層の納税義務者数の割合が減少いたしまして、一方で200万円を超える層が増加してございます。
○河合委員 8月28日の区民委員会では、令和6年度、2024年度の特別区税の当初課税状況(6月末現在)についてが報告されています。令和5年度との差、読み取れる今後の想定を教えてください。
○滝浪税務課長 令和6年度当初課税における特別区税の調定額は、令和5年度当初課税と比べまして約2億3,600万円減少してございます。一人当たりの所得額や納税義務者数が増加したものの、定額減税の実施や寄附金税額控除額の増加などにより、決算額といたしましても今後減少が想定されます。ただし、定額減税による減税分につきましては、全額地方特例交付金が交付されることになってございます。
○河合委員 国の政策として定額減税が令和6年はあるので様々減少というのが今数字には出ているんですけど、この定額減税がなかったと想定した場合の令和6年度の見込みについて教えてください。
○滝浪税務課長 令和6年度会計年度ベースの定額減税の推計額は約13億円としております。定額減税がなかったとした場合の令和6年度の区民税現年課税分の現時点での決算見込額は369億円程度でございまして、令和5年度の決算額と比べると、約10億円から11億円の増となる見込みでございます。
○河合委員 ありがとうございました。
財政白書の8ページ、特別区交付金について伺います。こちらは当初434億円ほど、決算額が473億円と、こちらは景気動向に影響されていますが、予算よりかなり大きく上振れしています。要因の詳細を教えてください。
○竹内財政課長 特別区交付金の増要因でございますが、固定資産税及び市町村民税法人分をはじめとした調整税等が前年度比3.2%、653億円伸びたことが要因でございます。具体的には当初予算と比較して、普通交付金約19億円、特別区交付金約20億円の増加となってございます。
○河合委員 23区全体も上がっているんでしょうか、教えてください。
○竹内財政課長 特別区交付金や普通交付金のうちの財産費相当分及び各種補正係数によって若干の状況は異なることはございますが、基本的には各区とも調整税等の伸びが反映されているので、同様の状況であると考えてございます。
○河合委員 そういう中で、中野区の伸びは23区の中で比べるとどの程度でしたか。
○竹内財政課長 こちらのほうは、中野区は23区平均よりも伸びているというものでございます。
○河合委員 23区平均より伸びた理由がもしあるんだったら教えてください。
○竹内財政課長 こちらに関しましては財産費の前倒し算定というものがございまして、こちらのほうが大きく影響しているものと考えてございます。
○河合委員 8月30日の総務委員会では、令和6年度都区財政調整の当初算定についてが報告されていますが、こちらに関しては、令和5年度との差、読み取れる今後の想定を教えてください。
○竹内財政課長 こちら令和5年度の普通交付金決算額が438億円余でございまして、令和6年度の当初算定額は403億円余となってございます。この当初算定の比較に関しましては78億円余の増となってございまして、令和6年度は財産費の前倒し算定分、先ほど申し上げましたが、こちらが除かれたために減となってございますが、令和5年度の決算額として縮小はしてございますが、調整税、先ほど申し上げたとおり伸びてございますので、昨年度と同程度見込まれると考えてございます。
○河合委員 財産費の前倒し算定の話があったんですけれども、そもそも財政調整交付金について、その年に必要なものを毎年算定されるものじゃないんですか。
○竹内財政課長 こちらに関しましては都区の財政協議の中で行われているものでございまして、その中で東京都と23区の区長会のほうで話合いが行われまして、それに関して、その時々の算定される、算定されないといったことが協議されますので、その中で決まってくるというものでございます。
○河合委員 そうすると、令和5年度の前倒し算定というのはなぜ起きたのか教えてください。
○竹内財政課長 こちらに関しましては、東京都との需要のところに考え方に大きな差がございまして、こちら交付金の算定残というものがかなり大きく増えているという中で、必ず決められている財産費に関しまして前倒しというのが令和5年度協議に関しましては行われまして、こちらのほうが令和5年度の算定に組み込まれたというものでございます。
○河合委員 そうすると、この前倒し算定をされたことで、この後の予算決算にどのような影響を与えていくのか教えてください。
○竹内財政課長 特別区交付金の差によって変わってくるというものがございますので、基準財政需要額に中野区として大きくこちらのほうが見込まれれば、特別区交付金は増となりますが、こちらのほうが低くなった場合にはマイナスになるというものでございます。なので、こういったことも都区財政協議を注視しながら、時々のその特別区交付金の交付額というのも見込みながらしっかりと財政運営を図っていきたいと考えてございます。
○河合委員 そうすると、今回の前倒し算定の影響はこの後の協議によってまた変わってきてしまうということで、今後の影響は見えにくくなってくるということになるんでしょうか。
○竹内財政課長 算定の結果に関しましては、こちらは東京都からも報告がございますので、そういったところをしっかりと見込みながら、その財政調整交付金の内容ですね、内訳、そういったものが分かりやすくなるように、こちらのほうもしっかりと分析をして皆様にお伝えできるようにしていきたいと考えてございます。
○河合委員 分かりました。上振れの精度を上げて──上振れを今回大きくしたわけですが、やはり予算積算の精度を上げていかないと、今のその分、納税をしてくださる方に還元していくことはできないと思いますので、これからのこの二つに関しては、特に基幹収入ということで大きな予算でございます。しっかりと積算されるよう要望いたしています。
国からの補助金となる国庫支出金について確認していきます。予算より減っていますが、決算書を見ると、国庫負担金の、決算書38ページ、生活保護が5億円の減、中野駅周辺整備が8億5,000万円と減が大きいようです。それぞれの理由を教えてください。
○竹内財政課長 生活保護費国庫負担金につきましては、生活保護費に6億8,000万円程度見込み差が生じたことから、国庫負担金につきましても5億円の減となったものでございます。中野駅周辺整備につきましては、社会資本整備総合交付金の交付が区の要望額を下回ったために減少しているものでございます。
○河合委員 これは何で要望額を下回ったんですか、そこを教えてください。
○竹内財政課長 社会資本整備総合交付金でございますので、国のほうのこちらは補助金でございます。そちらのほうの枠もございますので、そういったところでこちらの要望額を下回ったと考えてございます。
○河合委員 そうなると、これは補助金を取りはぐれたということになるんですか。そこの確認をさせてほしいんですけれど。お願いします。
○竹内財政課長 予算額に関しましては当初予算の見込みというものがございますので、それに対して結果的に決算額としてはそれが下回っている。そのために8億5,000万円の減となっているものでございますので、取りはぐれたというよりは、こちらの交付がこの結果だったというふうに考えてございます。
○河合委員 時間がないので続けます。都からの補助金の都支出金は当初予算から大きく増加となりました。決算説明書の64ページには、確認した給付金全般が国から都を通じて地方創生臨時交付金として支給されているのが大きな影響となっています。この給付金の影響を除いた場合の都支出金の増減はどうなるか教えてください。
○竹内財政課長 令和5年度の地方創生臨時交付金は約47億円でございます。令和4年度につきましては約12億円となってございます。また、令和5年度の都支出金は約190億円、令和4年度は約152億円となってございまして、この臨時交付金を除いた都支出金の増減では、率は1.4%、1億9,000万円余の増となってございます。
○河合委員 ありがとうございました。
寄付金では、前年度比の658.6%の当初予算比の139.5%増、ふるさと納税寄付金の増が影響しましたが、返礼品を拡充するなど区の努力を評価いたします。しかし、毎年区民が区外にふるさと納税をしたために流出した額はどんどん増えておりました。予算時は27億円と想定されましたが、決算時はどうなったか教えてください。
○滝浪税務課長 ふるさと納税がほとんどを占める寄付金税額控除の金額ですが、令和5年7月1日時点の金額といたしまして、約24億1,000万円でございました。
○河合委員 想定よりは伸びなかったけれども、24億円ということで、かなりの額がやはり区外に流出しているのかなと思います。やはりここは毎年御指摘されていただいておりますが、本来区民が享受するはずの行政サービス分ということで、引き続きの抜本的な見直し、また我々中野区としても、ふるさと納税にさらに集められるような努力が必要かと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。
さて、基金の取崩しを指す繰入れは51億円、特別区債の発行は20億円を抑制できています。それぞれ理由を教えてください。
○竹内財政課長 基金繰入金及び特別区債の予算現額と収入額との差につきましては、歳入歳出の決算状況等を総合的に判断いたしまして、必要最小限の額で基金繰入れ、区債発行を行っているような形で抑制をしているものでございます。
○河合委員 要するに歳入が多かったから、その分を繰入れと区債の発行というのを抑制できたかと思うんですけれども、予算書の21ページの特別区債に予定起債一覧がありまして、監査意見書の49ページには特別区債の発行状況というのが決算時の結果となって、この差が起債しているかしていないかの結果ということでよろしいでしょうか。
○竹内財政課長 委員御認識のとおり、令和5年度につきましては222億円の区債の発行を行っているものでございます。
○河合委員 どの起債を残すのか選ばれる基準は、令和4年度の決算特別委員会で森議員が質疑した際には、補正予算編成時点及び出納整理期間のそれぞれにおいての歳出状況、執行状況、歳入の収入状況などを踏まえて総合的に判断とありましたが、やはり基準は設けずにやっているんでしょうか。
○竹内財政課長 こちらは、歳入歳出の決算状況等を踏まえまして総合的に判断しているものでございます。
○河合委員 23区の中では、令和5年度は起債をしていない区というのが複数区出てきていました。将来的には区も起債ゼロを目指すという考え方はあるのか、今後の動向が読めない中で区債を使う理由も含めて教えてください。
○竹内財政課長 学校施設の建て替えや公共施設の更新など多額の費用が発生することから、世代間負担の公平化を図るため必要であると考えてございます。一方、今後は金利上昇による利息の増加が見込まれることから、起債の発行につきましては、財政状況を鑑みながら慎重に検討していく必要があると考えてございます。
○河合委員 実際に財政白書の115ページの地方公会計による決算の比較分析、有形固定資産減価償却率を見ますと、この数字は公共施設の老朽化を示しており、中野区は23区平均よりも低い水準で、更新が進んでいるということが書かれていると思っています。令和元年の財政白書を確認してみたところ、当時の中野区は23区平均よりも非常に高く、区民一人当たりの有形固定資産も少ない状態でした。そういう意味では、数字上の建て替えは進んでいるのかなと思っていますが、まだ古い施設は残っています。
今回、第2部の財務書類にみる中野区の財政の4、施設別財務書類というところで、各施設の有形固定資産減価償却率の全体の経年推移と個別の情報を出してくださったことを評価しています。今後の施設更新を考えたり、人の配置であったり、これはやはりせっかく作っているので、こういう分析は生かしていただきたいと考えていますが、区の見解を教えてください。
○竹内財政課長 決算分析を踏まえまして、財務諸表を様々な視点から区の政策、施策に活用できるように検討していきたいと考えてございます。
○河合委員 公共施設の更新については、中野区はここ数年で積極的に行っていると言えます。それは基金と起債を活用しているからこそ積極的な更新ができていると捉えてもよいのでしょうか。
○竹内財政課長 公共施設の更新につきましては、計画的な基金の積立て及び区債発行によって実施できているものと考えてございます。
○河合委員 区債活用は低金利時代ではやっぱり有効だったのかなと思うんですけれども、今、現時点で持っている区債の金利が1%上がっていったら幾らになるのか教えてください。
○竹内財政課長 仮に借りている区債の金利が全て1%上昇した際の影響額としてシミュレーションを行った場合、年間3.5億円の増加が見込まれるものでございます。
○河合委員 今、日銀が政策金利をマイナス金利の解除を0.2ポイント上げたところで、日本経済は金利のある世界が戻りつつあると言われていますが、この局面において、今まで以上に起債を抑えていく考え方が必要ともなるとも思われるのですけれども、区の見解を教えてください。
○竹内財政課長 世代間の負担の公平化を図る観点から起債は必要だと考えてございますが、抑制することは重要だと考えてございます。基金と起債のバランスを取りながら財政運営を行っていく考えてございます。
○河合委員 区の財政白書、新地方公会計による財政書類が掲載され、公会計制度に基づく財務書類を、決算情報を活用していて、分かりやすい決算の情報提供に努めていることは評価いたします。主要施策の成果61ページには、特別区長会調査研究機構の調査研究に参加し、区政経営に効果的に活用できる方策を研究したとありました。せっかくなので少し触れたいと思います。この研究でどのようなことをしてきましたか。また、公会計は庁内にどのような影響をもたらしますか、教えてください。
○竹内財政課長 調査研究では、文献調査及び先行事例調査、23区に対するアンケート分析、活用方法のケーススタディの三つの調査研究を行ってまいりました。研究の結果、予算編成における参考情報としての活用、公共団体全体における財政運営方針の見直し等、公共施設マネジメントに係る検討資料としての活用などの活用策を提案する形で研究をまとめることができました。その一方で、財務諸表の活用で得られる情報は、あくまで意思決定の判断材料であり、公会計は区政経営改善に当たっての一助にすることが重要であるということも確認いたしました。
庁内に対する効果としましては、公会計制度に基づく財務書類や施設別のセグメント分析により費用対効果の明確化や職員コストの意識の醸成を図っているものでございます。
○河合委員 ちなみに中野区以外で、この公会計をすごく生かしている、23区内で生かしている自治体というのはあるんでしょうか。
○竹内財政課長 共同研究を行いました目黒区は、こちらを様々な施策のほうに生かしているということは聞き及んでございます。
○河合委員 なかなか公会計、そこまで生かしている自治体は実はなかったのかなと思っています。そういうところで、中野区がこういうふうなものをきちんと活用してきているということは非常によいことだなと思っています。この数値、公会計の今、現時点の数字から読み取れるところで、今後改善したいところなどがあったら教えてください。
○竹内財政課長 特別区長会調査研究機構の研究におきましては、財務書類の活用で得られる情報はあくまで意思決定の判断材料であり、公会計や区政経営に当たっての一助とすることが重要であるということは確認してきたところでございます。使用料の算定や基金の積立てについて公会計を活用してございまして、今後もほかの自治体の事例を参考にしながらさらなる活用に努めていきたいという考えでございます。
○河合委員 せっかく数字を作っているので、こういうのをまた生かしていってください。よろしくお願いします。
歳出について伺います。
財政白書の4ページ、歳出の状況により、まずは義務的経費中、人件費について伺います。予算時から定年の引上げが理由で減る予定でしたが、その影響を除いた場合の額と理由、昨年度に比べて、教えてください。
○中村職員課長 退職手当の執行額を除いた場合の決算額は約194億円でございまして、前年比6億7,000万円の増となってございます。増となった要因でございますが、給与の増改定及び会計年度任用職員の配置数の増などでございます。
○河合委員 この年は人事院勧告にて給料表の改定などがあったなという記憶がありますので、そういう意味では人数が減っても給料自体は上がったのかなと思っています。人件費科目である関係人件費などについては、予算総額と比較して決算額と差はあったのか、あった場合はその額と理由を教えてください。
○中村職員課長 関係人件費等の各会計を合わせた予算額は約209億円、決算額は約201億円でございまして、約8億円の執行残でございます。執行残の主な理由といたしましては、予算積算時の見込み差でございまして、内訳としましては、任期付短時間勤務職員の積算数と実績数の差、育児休業取得者など休業・休職者の見込み差、共済費事業主負担金の見込み差のほか、会計年度任用職員執行額の見込み差等でございます。
○河合委員 東京都の最低賃金が10月に上がった影響はありましたか。
○中村職員課長 特に最低賃金で比較されます会計年度任用職員の時間単価につきましては、東京都の最低賃金を上回るように設定してございました。改定後の最低賃金は会計年度任用職員の時間単価を下回る水準であったことから、直接的な影響はなかったものと認識してございます。
○河合委員 令和5年度には直接的な影響はなかったと思います。じゃあ、令和6年度にはつながっているのか教えてください。
○中村職員課長 令和6年度につきましても直接的な影響はなかったものと認識してございます。
○河合委員 ありがとうございます。令和5年12月5日の総務委員会では、中野区職員定数管理計画に係る進捗状況についてが出されているんですけれども、それに比較したときに、定数条例職員、定数条例除外職員、それぞれの決算時の人数と計画との差、理由を教えてください。
○松丸人事政策・育成担当課長 定数管理計画との差でございますけれども、令和6年4月1日時点の定数条例職員は2,033人、定数条例除外職員は169人でございました。令和5年12月時点における推計値との差につきましては、育児休業取得者の増加が主な理由として考えられるところでございます。
○河合委員 今後の人件費は予算概要29ページの将来想定をしている財政フレーム上で横ばいとなっています。冒頭で申し上げたとおり、例えば物価高騰の影響が続く中の給付金など、これからも考えられます。突発的な事業に対応する人材をさらに充実させる余力はあるのではないかと考えるんですけれども、区の見解をお願いします。
○松丸人事政策・育成担当課長 人材を充実させる余力ということでございますけれども、毎年の定数査定の段階で、各所属の業務状況を適切に把握するほか、年度内に生じた突発的な事業につきましては、必要に応じて兼務発令などによる全庁的な応援体制を組むことによって対応してまいりたいというふうに考えてございます。
○河合委員 私としては、今の定数の数に比べての実績数が余力があるのではないかというのを考えているというところでございますので、また引き続きの御検討をよろしくお願いします。
人件費に関しては、この続きの詳細はいのつめ委員より質疑を行う予定です。
財政白書の4ページに戻って、歳出の状況より、社会保障の一環や社会福祉の増進の経費となる扶助費が、予算のときよりも41億円増えている理由を教えてください。
○竹内財政課長 扶助費が予算時より増加した要因につきましては、補正予算で計上した価格高騰給付金や教育・保育給付費の増が大きく影響しているものでございます。
○河合委員 給付金について、まず先に確認します。今年度に限られた支給なので、この影響を除いた場合の額は、扶助費は伸びるのか教えてください。
○竹内財政課長 給付金の影響を除いた扶助費でございますが、こちらは令和4年度と比較して約3.1%の増となっているものでございます。
○河合委員 もともと予算のときから教育・保育施設の給付金というのは伸びていたかと思うんですけれども、その影響、理由を教えてください。
○藤嶋保育園・幼稚園課長 給付金が伸びた理由でございますけれども、保育園の運営経費でございます公定価格の算定単価が5.4%伸びていること、保育園が3園増加したこと、また、区独自加算といたしまして、認可保育所等で障害者を受け入れるための障害児標準時間保育加算を創設したことが理由でございます。
○河合委員 今おっしゃられた障害児の保育園の加算というのは、会派から要望してきた中で、大きく数字に影響はありましたが必要な政策であったことは改めて評価いたします。こちらについては、ちなみに執行率はどのような感じだったのか教えてください。
○藤嶋保育園・幼稚園課長 障害児標準時間保育加算に係る経費でございますけれども、こちらは決算書で申しますと242ページ、事業メニューで申しますと3、私立施設給付の保育所保育経費及び教育施設経費の中に含まれてございます。執行率は93.6%でした。
○河合委員 ありがとうございました。財政白書の12ページに生活保護費が横ばいとありますが、対象者数の増減などがなかったのか、もう一度詳細を教えてください。
○村田生活保護担当課長 令和5年度の生活保護受給世帯は、月平均6,881世帯で、前年度比10世帯減、受給者数は月平均7,569人で、前年度比52人減でございます。生活保護受給世帯は微減でございますが、医療扶助が前年度比で8,600万円余増加したため、生活保護費全体としては、前年度比で1,600万円余増加の159億4,000万円余でございます。
○河合委員 生活保護費の今後の見込みも教えてください。
○村田生活保護担当課長 今後の生活保護の見通しとしましては、受給者数や被保護世帯の世帯類型など現状と大きな変化なく推移していくものと考えてございます。しかしながら、生活保護費は国による制度変更や社会経済情勢の影響を大きく受けることから、今後の動向を注視しながら適正な制度運営に努めてまいりたいと考えております。
○河合委員 今回様々扶助費には給付費が入っておりましたが、それを除いた場合に、ここが増大していくと経常経費に大きく影響を及ぼしていくのか確認させてください。
○竹内財政課長 給付費を除く扶助費が増加した場合、こちらも経常経費に大きく影響がすると想定されるものでございます。
○河合委員 当然に扶助費の伸びはこれからも注視していく必要があると思うんですけれども、ここでパネルを用意したので御覧ください。これは、監査意見書の5ページ、経常一般財源及び経常経費充当一般財源等の推移を経年比較したグラフを作りました。歳入の伸びから、区で使い道を決められる経常一般財源の水色が伸びていますが、比べると扶助費の赤は伸びが緩やかです。誰一人取り残さない区政の実現に向けて必要な政策であれば住民福祉に寄与する扶助費の増は必要であり、区の現状の財政状況の中ではもう少し余力があると考えます。区の見解をお聞かせください。
○竹内財政課長 誰一人取り残さない区政の実現に向けて、住民福祉に寄与する政策は必要であると考えてございます。扶助費に限らず必要な経費を精緻に積算して、時代に必要な区民ニーズに沿った施策に反映させていきたいと考えてございます。
○河合委員 高度経済成長期は投資的経費が中心でしたが、成熟社会に変わってきていて、福祉分野の扶助費が増加、数値の変化が出てきています。経常経費が順調な中では扶助費が関係する分野には今後も十分な予算を振り分けていただきたいなと思っています。
借入れの返済等に使われる公債費については、冒頭で確認したとおり、平和の森小学校用地の繰上償還の影響で大きな数値となりました。これは予算から想定されていたものです。過去財政を確認していくと公債費が低く、平成17年度からの数値がある公債費負担比率を、5%を下回っているもの、これを確認したところ、令和2年度と令和4年度のみで、逆に言うとここ最近が好調過ぎたのではないかと言えます。国が定めた財政健全化法による健全化判断比率の指標のうち実質公債費比率を取っても、数字上では堅実な公債費の運用をしていると言えます。平和の森小学校の繰上償還の影響はこの年度に限られるため、この影響を除いた場合の公債費について教えてください。
○竹内財政課長 平和の森小学校用地の繰上償還を除いた場合の公債費につきましては、約15億円ほどでございます。
○河合委員 その公債費は、令和4年度と比べると増減がどうなっているのか、また、その詳細を教えてください。
○竹内財政課長 繰上償還を除いた公債費につきましては、令和4年度と比較すると1.5億円の増加となってございます。この要因でございますが、令和4年度に発行した中野二丁目地区第一種市街地再開発事業の区債償還が始まったことが主な要因と考えてございます。
○河合委員 予算と比較したときの増減や詳細などを教えてもらっていいですか。
○竹内財政課長 公債費につきまして、令和5年度の当初予算と比較いたしますと、総務債、土木債の一部の令和7年度の新規発行を取りやめたこと等によりまして1.5億円の減となってございます。
○河合委員 公債費については様々この後も質疑が続いていくかと思いますが、大きくは今問題がないことを確認させていただきました。
道路や施設づくりに使われる投資的経費については、新庁舎の影響で額面が大きくなっていますが、予算時よりは減っているので、理由を教えてください。
○竹内財政課長 予算時と比較した投資的経費の減要因でございますが、契約額との差額や事業の進捗状況による減が大きいと分析してございます。
○河合委員 監査意見書においても、翌年の繰越しが21件と、近年最多と指摘がありました。進捗の遅れというところはちょこちょこ出てきているのかなと思うんですけれども、監査意見書の25ページの翌年度繰越事業の区民費と健康福祉費の繰越しの多くが国の事業の影響で、それ以外がまちづくり推進費となっています。中野区は今100年に一度のまちづくりが進んでいると言われていて、財政白書29ページ、普通会計決算の比較分析、区民一人当たりの普通建設事業費というのが出ているんですけれども、これは23区内で比べると中野区はやや令和4年度も高い位置にありましたが、令和5年度はさらに特出しました。これは新庁舎の影響もありますが、まちづくりの進展がこういうところにも出ているのかと思っています。やはりそのためにも、工事の遅れや繰越しが重なってくると大きな額になってしまいます。進捗を含め予算精度を上げていく、工事費に関してすることはできないのでしょうか。
○竹内財政課長 国による政策の影響やまちづくり事業の増加によりまして繰越事業が増加していることは認識してございます。事業の進捗管理を強め的確なマネジメントを行い、事業の進捗に問題が生じた場合は速やかに報告を徹底するなど、予算の精度の向上に努めてまいりたいと考えてございます。
○河合委員 こちらは非常に大きく影響していくところなので、引き続きここに関しては、しっかりと様々精度を上げるということをやっていっていただきたいと思っています。
その他の経費では基金積立金の増により予算時より増えていますが、歳入の向上がこういうところからも読み取れるのかなと思います。基金詳細については斉藤委員より質疑を行う予定です。
個別の事業で、特に会派よりお願いしたところについてお伺いしていきます。
令和5年度は、子育て支援ハンドブック「おひるね」の発行がありました。中野区子どもの権利に関する条例について掲載され、編集部分も工夫されています。これですね、これを作りました。私たちの周りでも、情報の集約と一覧性から、これが戻ってきたことを喜ぶ声があり、御尽力いただいたことを感謝しております。財源と執行率について、その理由を教えてください。
○渡邊子ども・教育政策課長 子育て支援ハンドブック「おひるね」の特定財源は、東京都の補助金、子ども家庭支援包括補助金を活用いたしました。執行率は90.1%で、理由は作業業務委託料等の残額19万円が生じたことでございます。
○河合委員 これは何部発行して、どこで配られたか教えてください。
○渡邊子ども・教育政策課長 発行部数は1万部で、区民には区役所3階の子ども総合窓口、子ども・若者支援センター、すこやか福祉センター、児童館で配布してございます。
○河合委員 これは、過去には平成30年度版が発行されていたんですけれども、比較すると財源に関して決算額がどうなったのか教えてください。
○渡邊子ども・教育政策課長 前回発行いたしました平成30年度は、「おひるね」に掲載する広告収入により発行する事業者を募集して作成したため区の歳入歳出は発生してございません。令和5年度は広告を掲載せず、事業費173万1,000円で、東京都からの補助金83万円の歳入があったため一般財源は90万1,000円となり、補助率は対象経費の約2分の1でございます。
○河合委員 小額とはいえお金はかかったんですけれども、かなりの額が抑えられて作れたということは評価したいと思っております。区として、この「おひるね」に対してはどのような評価をしているのか教えてください。
○渡邊子ども・教育政策課長 今回の「おひるね」の発行に当たりましては、区民にとって見やすい冊子とするため、子育てカフェがウェブアンケートを実施したほか、子ども・教育政策課、子育て支援課、すこやか福祉センターの職員でPTを設置いたしまして、内容の充実に努めたところでございます。その結果、前回発行した「おひるね」に比べ子育て関連情報を充実し、ライフステージに応じた使いやすい情報を掲載することができたと評価してございます。区民からも、子育て情報がまとまっていて便利であるとの声も頂いているところでございます。
○河合委員 実際にこれは庁内で使われている方がいらっしゃるという話も伺っていて、そういう意味では、中野所管になってもやっていることというのをなかなか一括で把握していくのは難しいのを、こういうふうにまとめていくことで、情報の一元化というのができたのはすごくよかったなと思っております。
続いて、実質ひとり親家庭の子育て支援給付金が23区初の取組となって、令和5年度は話題となりました。これまでも様々ひとり親家庭への支援に取り組んでいただきありがとうございます。では、今の子育て支援給付金についての財源と執行率と、その理由を教えてください。
○分藤子育て支援課長 当該給付金につきましては全て一般財源で賄っております。令和5年度の執行率は約31.7%でございました。理由でございますが、予算積算時において児童手当受給者のうち、離婚前提別居により児童手当を受給している世帯を当該給付金の支給対象と想定をしておりましたが、実際には所得制限や親との同居等、支給要件に合致しない方が一定程度含まれていたことが執行率の低かった要因ではないかと考えております。
○河合委員 予算時に想定していた利用人数と実質利用人数を教えてください。
○分藤子育て支援課長 予算の積算時においては、離婚前提別居により児童手当を受給している世帯が50件強でございました。そのため支給件数は60件を想定して積算をしてございます。令和5年度の実績については、14世帯、対象児童19人の支給となってございます。
○河合委員 初年度というところで、なかなか数字は見えにくかったのかなとは思いますが、このように実際に利用された方がいるということは非常によかったなと思っています。こういう方々からの評価はどうですか、教えてください。
○分藤子育て支援課長 利用された方からは、中野区独自でこのような制度を設けてくれるのは経済的に助かるといった声がありました。
○河合委員 この実質ひとり親家庭への支援は当初ニュースになりましたが、これは相談窓口に来なくても知ってもらっておくためには、毎年繰り返しの周知をする必要があります。残念ながら、ホームページでこの給付金の情報が掲載されている場所はとても見つけにくく、やはりどこに載せれば必要な人に届くのかという目線が必要だと思います。そういうところで見直しをして、広報は改善いただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
○分藤子育て支援課長 より分かりやすい周知を目指して、ホームページやSNS等を活用した広報について工夫をしてまいります。
○河合委員 令和5年度は、加えて「中野区ひとり親家庭のしおり」というのも発行されました。これはよく中を見ると、イラストがいっぱい入っていたり、コラムなども入ったりしていてとても読みやすい内容になっていました。また、父子家庭や男性向けの悩み相談窓口も掲載されていて配慮されていることや、内容の充実度について大変評価しております。こちらの財源、執行率とその理由などを教えてください。
○分藤子育て支援課長 「ひとり親家庭のしおり」の作成経費は、一般財源及び国の補助金を財源としてございます。補助率は2分の1でございます。令和5年度の執行率については約86%であり、契約落差による執行残が生じております。
○河合委員 こちらは今、何部発行して、どこで配られているのか教えてください。
○分藤子育て支援課長 2,500部発行いたしまして、子ども総合窓口や戸籍住民課などの区役所本庁舎の窓口のほか、すこやか福祉センターなどで配布を行っております。
○河合委員 中身が大変充実しているんですけど、これの作成はどのようにされたのか教えてください。
○分藤子育て支援課長 「ひとり親家庭のしおり」は、冊子のデザインや印刷などは委託にて実施をしておりますけれども、全体の構成や記載項目などは職員が関係機関等と連携をして作成をいたしました。
○河合委員 とてもすばらしいなと思っております。本当にありがとうございました。
令和6年度はひとり親家庭住宅支援事業も実施されていますが、この事業については今のところの評判や利用があるのか教えてください。
○分藤子育て支援課長 ひとり親家庭住宅支援事業につきましては、令和6年5月より受付を開始しております。申請に至った方はまだおりませんが、8月末の時点で34件の問合せを頂いておりまして、申請の前提となる事前相談は9件受け付けている状況でございます。
○河合委員 それも含めて全てのひとり親家庭向けの政策に関しては、当然支援していくためという理由もあるのですけれども、やはり孤立を防いで役所へ接続されていくきっかけづくりの側面が大きいと考えています。相談件数はトータルで伸びているのかも教えてください。
○分藤子育て支援課長 令和5年度の相談件数でございますけれども、令和4年度と比較して2倍程度に増加をしております。支援が必要な家庭と区がつながる頻度を一定程度増やすことができていると考えております。
○河合委員 様々な事業の充実がそういうところに数字として現れているのを非常に評価したいと思います。また引き続き、困っている方をしっかりと拾えて接続されていくように要望します。
4番、財政指標について伺っていきます。財政白書に戻ります。22ページの財政指標にみる健全性・弾力性により、歳入総額より歳出総額と繰越金や基金を抜いた実質収支について確認します。繰上償還の影響で令和5年単年度収支は赤字になりましたが、実質収支比率は3から5%が望ましいと言われている中で3.8%と、その範囲に収まっています。この単年度収支は黒字になっていなくても大丈夫なものなのか教えてください。
○竹内財政課長 実質収支額が黒字であれば、単年度収支の赤字は前年度の実質収支額より減少していることとなります。歳入差出の決算額の状況にもよりますが、継続的に赤字が続かない限りにおいては、単年度収支は黒字でなくても差し支えはないと認識してございます。
○河合委員 これは、そういう意味では数字をコントロールできていることが重要かと思います。今回の落ち込みについては一時的なものと考えますが、今後の見通しを教えてください。
○竹内財政課長 マイナスが経常化することのないように、今後については、歳入にあっては財源の確保に努め、歳出にあっては経常経費の抑制に努め、選択と集中による無駄のない安定した財政運営を進めていきたいと考えてございます。
○河合委員 財政白書の23ページの経常収支比率の推移では、経常収支比率においては、23区平均が下がる中、中野区は上がっています。23区平均自体からは下回っていますが、令和5年度予算は酒井区政2期1年目ということで、様々きめ細やかな区民向けの政策が多く並んだ年であったと考えます。先ほど扶助費のところでも触れさせていただきました。経常収支比率については、歳入計上一般財源が多いため低く推移しているように見えますが、経常経費を増やすことが将来コストとして積み上がる懸念の声もあります。当然に不断の見直しを実行しながらも、やはり今、このまちに住んでいる中野区民の方へ住民サービスの向上として還元していくことは会派から求めてまいりました。詳細は中村委員より行う予定です。
しかし、9月6日の都政新報にて、令和5年度決算は23区平均の経常収支比率が3年連続で70%台との報道があり、都の好景気の影響により23区一強で地方の苦境と解離というふうな内容が書かれていました。このような状況が続くと、国からの交付金や税制など、また今後も変わってくるかもしれません。扶助費の質疑でも、成熟社会へ転換した現代において取り残される方はいないかということの話をしました。そして施策の充実を求めてまいりました。また、これまで会派から、いつまで経常収支比率が低いことがよいという状況にこだわる必要があるのかという話もしてまいりました。区の見解を教えてください。
○竹内財政課長 学校施設整備や中野駅周辺のまちづくりなど、区民生活に影響を及ぼさないように財政の弾力性を担保するための指標として経常収支比率に関しましては意識しているところでございます。経常収支比率につきまして無理に低く抑えるような取組は行ってございませんが、一般論として示される数値は数値として意識して財政運営に努めていきたいと考えてございます。
○河合委員 では、決算の最後に、予算書24ページの令和5年度新たな予算編成手法が取り入れられました。この指標としての成果を確認します。当初算定878億円とありましたが、決算の歳入一般財源と充当事業費を教えてください。
○竹内財政課長 歳入一般財源に関しましては960億円余、充当事業費は925億円余でございます。
○河合委員 実際の運用と照らし合わせてみてどうでしたか、区の見解を教えてください。
○竹内財政課長 歳入一般財源につきましては、予算編成フレームでは878億円に対しまして、決算額は960億円余でございまして、おおよそ86億円の上振れとなってございます。充当事業費につきましては925億円余となってございまして、おおよそ47億円の上振れとなってございます。歳入歳出予算に関しましては、補正予算を行っておりますため単純に当初数字のフレーム額と比較することは難しいところでございますが、今後も予算と決算の状況を踏まえまして財政運営に取り組んでいきたいと考えてございます。
○河合委員 一定基準値を設けたところで、上振れを両方していますけど、割かし歳入に見合った歳出というのが見えたのかなと思っています。令和5年度の予算特別委員会の中では、会派の森委員より、事業や基金への積立てが検討しやすくなったのかという質疑がありました。基金に関しては、減価償却相当の25%を積立てというふうに今、中野としてはしていますけれども、75%は起債を活用していくとも、逆を取ると考えられます。特別区債のところでも話しましたが、やはり金利ある世界というのは基金を重点に置いた運用を目指していくべきではないかと考えています。将来的に、目標割合の25%の目標に近づいたり到達した場合は、ここを30%へ見直していくなど、予算編成からでも積極的な基金活用の検討をして、こういうところの目標の中に、編成手法の中の目標にも入れていっていただきたいと考えますけど、いかがでしょうか。
○竹内財政課長 基金に関しましては、これまでも区民サービスに影響がないように活用してきたところでございます。また、起債につきましては公債費負担比率10%程度で運用してございますが、金利の上昇を踏まえますと、起債活用も抑制することを視野に入れて、基金残高を意識した財政運営、こちらのほうに取り組んでいきたいと考えてございます。
○河合委員 冒頭に確認したとおり、令和5年度は国や都の好景気に支えられた好歳入となり、酒井区政2期の1年目で新規拡充した施策も多く、人に寄り添う予算が着実に実行された財政運営となりました。しかし、経常収支比率のところでも話したとおり今後の見通しは相変わらず不明で、さらに厳しくなることも考えられます。
コロナ禍も物価高騰も国や都へ大きな影響を与えている事態では、当然国や都の政策が大きく動くことは令和2年度から令和5年度にかけて証明されました。やはりいざというときこそ、右往左往せず区民のほうをしっかりと向いて、腰を据えた区政運営をしていく必要があると考えます。今後、好決算に支えられなくとも、どのような社会状況でもぶれない、金利のある世界での堅実な財政運営を要望して、令和5年度決算についての質疑をまずは終わります。
公園について伺っていきます。
令和元年に弥生町六丁目にできた広町みらい公園は、指定管理業者が入って、体験学習室や売店など、高低差を生かした遊具も多く、多世代から評判がよく、近隣からも人が集まる人気公園になりました。令和5年度は指定管理の更新があり、当初から引き続きの事業者となりましたが、この来場者の当初予定と今現在利用されている方の人数を教えてください。
○村田公園課長 広町みらい公園の来場者数についてでございますが、開園当初の年間来場者数は約4万5,000人を想定しておりましたが、令和5年度における実績は約23万人となってございます。
○河合委員 指定管理料の開園当初の算定予算と今の比較をお教えください。
○村田公園課長 開園当初の指定管理料は年間で約4,600万円を予算計上してございましたが、令和6年度予算は約6,000万円となってございます。
○河合委員 私は、区内の指定管理の中では割と好事例になっているのではないかと捉えていますけど、今工夫されていること、どうやったらこういう指定管理が好事例になれたのかというところが、工夫しているところがあったら教えてください。
○村田公園課長 広町みらい公園での管理の工夫についてでございます。公園の価値、魅力を最大限発揮した様々な運営ができるよう体験学習室を設置しておりまして、公募の際に、民間の能力を発揮した多世代をターゲットとするサービスの向上や、地域貢献等に資するための積極的な企画事業を求めているところでございます。代表企業である日比谷花壇が植物に関する知識が豊富にあるため、ポタジェなどの植栽管理に力を入れた講座を設けるなど、得意分野を生かした管理が特徴であると指定管理者からも聞いているところでございます。
○河合委員 1問飛ばします。庁内でも広町みらい公園の指定管理は成功例として共有していただいたり、指定管理の改善を今後することに生かしていただきたいと考えるのですが、いかがでしょうか。
○中谷企画課長 指定管理の成功事例につきましては庁内で情報を共有し、他の指定管理においても参考にできる点がないか分析をしていきたいと考えてございます。
○河合委員 ありがとうございます。様々、今指定管理、例えば図書館とかは、指定管理業者が代わっていなくても非常に面白い取組ができたりしてよくなってきているなと思っているので、ぜひともそういうところのよさというのを、今後の指定管理の改善に生かせたらいいなと思っています。
しかし、この公園、日頃のにぎわいと変わりまして、この夏の酷暑には人がほとんどおらず、公園内は木陰があまりなく、ほかの公園ではまばらでも人はいましたが、広町みらい公園は中央部のメインの部分には日陰がありません。早期、長期間開設されている水遊び場も南向きで日陰がなく、暑い盛りには遊べません。残念ながら、公園が開園した当初からこの日陰のない課題を指摘してまいりましたが、来年以降の酷暑に向けた検討をお願いしたいんですが、いかがでしょうか。
○村田公園課長 広町みらい公園の公園の日陰対策についてでございます。現在、日陰対策といたしまして、テント設置可能エリアの設定やパーゴラへの日陰設置を指定管理者が実施しているところでございます。今後も他施設での効果的な事例等を参考にしながら、活用できそうな対策の導入について指定管理者とともに検討してまいりたいと考えてございます。
○河合委員 ぜひともお願いします。
こちらは高低差を活用した園内の高台には、近隣公園に珍しく築山があり、子どもにとって人気の場所でしたが、使われている間に土が出てしまったためか、今花壇で囲まれて閉鎖管理されています。一時的な対応かと思っていましたが、長期間撤去されず、次の展開を考えずに漫然と閉鎖管理状態を続けるのはもったいないと考えています。公園利用者の声を聞くなど、早期に使い方を検討してはいかがでしょうか。
○村田公園課長 公園北側にある築山は、自由に利用できる施設として開園いたしましたが、想定以上の利用頻度による芝生の消失と土ぼこりが頻発いたしまして、適切な維持管理が継続できないため、美観にも配慮しながら閉鎖管理をしているところでございます。
指定管理者が公園利用者へ定期的にアンケート実施をしているところでございますが、現時点では築山に関する意見はないところでございますが、アンケート内容の見直しも含めまして、利用者の意見を踏まえながら検討していきたいと考えてございます。
○河合委員 私は逆に、公園の利用者の方からそういう御意見を頂いているので、しっかりと取り組んでいただきたいと考えます。
同様に、本町二丁目の本二東郷やすらぎ公園にも、残念ながら長期間閉鎖されている芝そり斜面があります。これは平成30年開園当初でも珍しく高低差のある遊び場として人気でしたが、やはりすぐに土が出て早々に閉鎖管理、養生を繰り返していたようですが、結果使われていません。できれば、もともと芝そり斜面としての貴重な遊び場でしたので、これは高低差を使って遊べる遊具を設置するなど有効活用を再検討していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
○村田公園課長 本二東郷やすらぎ公園の芝そり斜面の活用についてでございます。芝そり斜面は、開園後より利用頻度が非常に多く、芝の消失、土の流出、ガラの露出のほか園路歩行者との交錯する状況もあったため、安全管理の都合上、閉鎖管理しているところでございます。現在、地元町会からも意見を聞きながら、斜面地を有効活用できる現実的な方策を検討しているところでございまして、対策を進めていく考えでございます。
○河合委員 ぜひとも様々な方の御意見を聞いて、有効活用の御検討をしていただきたいと思います。
最後にプレーパークについて伺います。議会からも長きにわたり開設が求められてきたプレーパークですが、令和4年度からプレーパークの普及啓発講演会の実施などの予算がついて、令和5年度は常設の設置に向けた検討が始まるなど、酒井区政となって着実に前進したことを評価しております。令和5年度の普及啓発事業などの実績について教えてください。
○鈴木育成活動推進課長 区は令和4年度から、プレーパークの普及啓発及びプレーパーク活動を担う人材の養成を目的といたしまして、プレーパーク活動普及啓発講演会及びプレーパーク人材育成助成を実施してきたところでございます。令和5年度におきましては、講演会については3回実施し、計71名の参加がございまして、人材育成助成につきましては9名に受講していただいております。
○河合委員 令和6年度の常設検討へとどのようにつながっていくか教えてください。
○鈴木育成活動推進課長 本事業の取組によりまして、プレーパークに対する関心や認知度の向上、活動を担う地域人材の養成が推進され、試行事業の利用やボランティアの参加につながり、試行事業の効果的な実施に寄与したものと認識しております。
○河合委員 先日、江古田の森公園での常設に向けた試行実施に行ってまいりました。これまで他区のプレーパークも多く見てまいりましたが、遜色のない盛り上がりで、遊びに巻き込むプレーリーダーの関わり方に我が家の子どもも大変楽しそうにしていました。関わった皆さん、本当にありがとうございます。せっかくなのでこの初の試行実施について伺います。参加者の数や年代を教えてください。
○青木子ども政策担当課長 常設プレーパーク設備に向けた試行事業につきましては、9月6日から11日までの6日間において、江古田の森公園内の草っぱら広場で実施したところでございます。参加者としましては、6日間合計で944名であり、内訳としましては、大人420名、未就学児334名、小学生190名でございました。
○河合委員 それは想定していたより多かったのかどうなのか、所管としてどのように評価、全体として評価しているのか、それを教えてください。
○青木子ども政策担当課長 今回の試行におきまして多くの方に御参加いただくことができ、プレーパークに関するニーズの高さを再確認することができました。また、常設プレーパーク設置に向けて、子どもや保護者など利用者の意見を聞くことができたほか、実施ゾーンの活用方法や課題なども検証することができ、有意義な試行を行うことができたと認識してございます。
○河合委員 次の公園内の別の里山の樹林へ移る予定ですが、これは同様の内容で実施されるのか。今回を振り返って改善、工夫される場所、ポイントなどありますか。
○青木子ども政策担当課長 10月の試行事業におきましては、江古田の森公園内の里山の樹林で実施することを予定してございます。実施時期や設備面の関係で水を使った遊びにつきましては限定的となりますが、実施ゾーンの特徴を生かした遊びなどの提供を行っていく予定です。
なお、今回の参加者アンケートなどの意見を踏まえまして必要な改善や工夫を行い、充実した試行事業としていきたいと考えてございます。
○河合委員 今回の初回実施では、場の雰囲気をつくる経験あるプレーリーダーの重要性を目の当たりにいたしました。プレーパークには有償で技術を持った人材配置の必要を感じたところですが、いかがでしょうか。
○青木子ども政策担当課長 プレーパークにおきまして、安全管理を行いつつ、子どもの興味や関心を引き出し、子どもが生き生きと遊ぶことのできる環境づくりを行うプレーリーダーの役割が重要になります。今後、常設プレーパークの運営委託の内容を検討していくに当たりましては、スキルや経験を備えたプレーリーダーが配置できるよう、相応の人件費相当額を盛り込んでいく考えでございます。
○河合委員 プレーリーダーの動きを見ていても、やはりプレーパークも今後ソーシャルワークの一翼を担う必要が出てくると考えますが、いかがですか。
○青木子ども政策担当課長 プレーパークは、子どもが主体の遊び場であるだけでなく、多様な交流や経験を得られる地域の居場所であり、日常的な子どもとの関わりの中で課題の発見などにつながることも期待できると区としても認識してございます。
○河合委員 ぜひともこちらで様々な子どもたちに接続されていく場になるのを要望いたします。
地域で区民の方が実施しているプレーパークでも、常設との連携や人事交流、資格を取って有償人材となって活躍してもらうなど様々次の発展させる方法が見えてきたのではないでしょうか、教えてください。
○青木子ども政策担当課長 今後、常設プレーパークが設置されることによりまして、専門性を備えた委託事業者を中心に据え、プレーパーク活動を行う地域団体との交流や人材育成などを継続的に実施していくことが期待できると考えております。中野区全体のプレーパーク活動がより発展、活性化していけるよう今後の施策展開を検討してまいりたいというふうに考えてございます。
○河合委員 今後のプレーパークの展開、非常に楽しみにしております。
以上で私の全ての総括質疑は終わらせていただきます。ありがとうございました。
○杉山委員長 以上で河合りな委員の質疑を終了します。
次に、加藤たくま委員、質疑をどうぞ。
○加藤委員 自民党の立場から総括質疑をさせていただきます。モニターを使いたかったのですけれども申請し忘れてしまったもので、お楽しみにしていた方もいらっしゃったと伺っているのですけど、ないということで失礼いたします。
それでは、1、令和5年度決算について。
令和5年度の普通会計決算歳入は、令和4年度から約345億円増の約2,039億円、歳出合計は、中野区政最大の伸び幅の363億円増の約1,986億円となり、結果、財政指標の数値がかなり悪化しております。ただ、経常収支比率だけ見ると何でかいい数字だなというので、そこら辺がなぜなのかというその理由について詰めていきたいと思っていますので、そういったストーリーの中で、河合委員と重複するところもあろうかと思いますけれども、質疑させていただきたいと思います。
まず、財政白書5ページの図3の歳入決算額の推移を御覧ください。あと、6ページの一般財源の推移ですね。一般財源は、特別区税、特別区交付金その他一般財源で構成されまして、この3年間で一般財源は155億円が増加しており、この増加が意味するもの、そしてその増加で中野区の財政の実力を勘違いしたのではないか、その辺りについてクローズアップしていきたいと思います。
それでは財政白書6ページ、特別区民税を読みますと、令和4年度359.46億円ですね。これはほかのところから引っ張った数字ですけれども──から2.48億円、おおよそ2.5億円の増で、361.94億円となりましたが、その理由について伺います。
○滝浪税務課長 増額となりました最大の要因といたしましては、納税義務者一人当たりの総所得金額等の増でございます。
○加藤委員 納税義務者数を見ると、7ページを見ますと、納税義務者数は、令和2年度より20.4万人、20.3万人、20.3万人、20.4万人と、ここ4年間横ばいの数字ですよね。その影響は今回の区税においてはないということですけども、この納税義務者数は今後どのように推移していくと想定されますか。
○滝浪税務課長 向こう数年間は、中野駅周辺のまちづくりの進展などにより、区民税の納税義務者数も増加するものと見込んでございます。
○加藤委員 納税義務者数一人当たりの所得額の推移は上昇しておりますが、その理由について伺います。
○滝浪税務課長 所得割納税義務者のうち大部分を給与所得者が占めてございます。令和5年度の一人当たりの給与収入額は、令和4年度と比べまして約2.3%増えておりまして、これが一人当たりの所得額が増えた大きな要因と考えてございます。
○加藤委員 令和4年度の所得が426.4万円から令和5年度は432.9万円で、伸び率にしますと1.4%です。一方2023年の、令和5年度の消費者物価指数は前年比で3.1%の上昇で、これは41年ぶりの大きな伸びではありますけれども、家計の負担が大きいことがここからもうかがえます。
また、特別区民税で見ますと、令和4年度359.46億円から361.9億円でありまして、上昇率にすると0.69%です。消費者物価指数と比較するべきではないですけれども、歳出の影響を考えて比較すると、特別区民税は、今言った名目の上昇で0.69%増加ですけども、実質の上昇に変換するとマイナス2.3%となります。区は、これまで数字が伸びれば堅調に伸びていると表現するわけですけれども、物価上昇等を考慮した場合、インフレを考えた場合、同じことが言えるのかということを伺います。
○竹内財政課長 特別区民税につきましては、ここ数年伸びが見られること、特別区交付金の原資である調整税等が伸びていること、また一般財源全体で伸びていることから堅調に伸びていると考えてございます。
○加藤委員 特別区民税だけを言ったときに伸びているかというのも伺います。
○竹内財政課長 ここ数年伸びが見られることから、こちらは堅調な伸びと表現していることもございます。
○加藤委員 いやだから、インフレを考慮した場合に実質は下がっていますけど、それでも上がっているというと、区は今後の物価高騰を配慮しないで予算編成すると言っているように聞こえるわけですけど、本当にそれでいいんですか。
○竹内財政課長 特別区民税に関しましては、こちらの微増というところがあるかもしれませんが、繰り返しになりますが、特別区交付金の原資である調整税の伸びであったりとか、あと一般財源全体で伸びているので、収入は堅調に伸びていると考えてございます。
○加藤委員 その後、一般財源全体でもそれでいいのかという議論をするので、ここはそういうふうに話だけ聞いておきます。
そうすると、特別区民税は横ばい、実質減少というぐらいが実際の見方だろうとすると、一般財源全体がこの3年間で大きく上昇した理由は、特別区交付金とその他一般財源ということになります。そこで、財政白書8ページの図9の調整税等と特別区交付金(中野区分)の推移について伺います。調整税等に23区分の取り分であります55%ないしは55.1%を掛けて、各年度の中野区の取り分をその数字で割って、パーセンテージで割りますと、最低が3.52%、最大が4.02%で、平均が3.72%となります。つまり年度によって中野区の取り分が異なるわけですけれども、中野区は平均で3.7%、毎年もらっているということです。中野区の人口が23区全体で割ると3.53%、面積では2.48%で、中野区がそういう意味では割がいい配分となっているわけです。もしこの10年間の平均3.72%を基準とした場合、令和元年度はその基準よりもマイナス22.3億円となりまして、昨年度、令和5年度はプラスで34.8億円と、かなり割がいい年であったのが令和5年だったということですね。この差は、合わせると60億円程度で、財政需要額の算定次第によっては60億円ぐらいの差が生じるような、非常にある意味不安定なものが特別区交付金だということも言えるわけであります。特別区交付金が年度によってここまで異なる理由と、令和5年度が大きい理由について伺います。
○竹内財政課長 特別区交付金の年度額の差異は、普通交付金と特別区交付金の増減によるものでございます。具体的には、令和5年度は令和4年度と比較して普通交付金約18億円、特別区交付金約8億円の増加となってございます。
○加藤委員 その理由は。
○竹内財政課長 こちらは、令和5年度の普通交付金に関しましては都市計画交付金の地方債収入相当額の前倒し算定があったこと、また、特別区交付金に関しましては新庁舎整備のところが算定されて増額となったものでございます。
○加藤委員 新庁舎やまちづくりでそういったものがもらえたということですね。交付金の金額の変化に大きく与えるまちづくりというところでは、国、都の補助金事業で行われる中野駅周辺開発などの予算決算が重要となってきますので、新規要求資料の建設22、まちづくり事業に関する補助金の当初予算額・決算額一覧(現年度までの4年間、現年度の決算額を除く)を御覧いただきたいと思います。まず、当初予算より事業費が増減することが当たり前のようになっておりまして、年度末に財源更正をするまちづくり事業の補助金の事業の流れというのがちょっとよく分からないので、その辺について伺います。
○小幡中野駅周辺まちづくり課長 補助金事務の流れについてでございますが、前年度の5月頃に補助金の概算要望をいたしまして、12月頃に本要望、それから年度末頃に補助金の内示が示されるものでございます。また、その内示に基づきまして補助金の交付申請を行いまして、国から交付決定を受けまして、その後に補助事業を実施するものでございます。補助事業完了後には補助金の完了検査を受け、補助金の交付を受けるものでございます。
○加藤委員 事業費が減になって、当該年度で補助金が執行できなくなるということがありますけれども、その理由について伺います。
○小幡中野駅周辺まちづくり課長 補助金が執行できなくなるケースといたしましては、例えば工事等契約の入札の不調、または関係機関との協議が調わないことに伴う工事着工の遅れ、そういったことで補助金が未執行となる場合があります。また、掘削工事の施工に関しまして想定外の不詳物が発見され、その撤去が必要となるというところから予定された補助金の執行ができなくなる、こうした場合がございます。
○加藤委員 事業費が変わらないにもかかわらず、国、都の補助金が減って一般財源が増えてしまう、負担額が大きくなってしまうということもありますが、それはどういったケースなんでしょうか。
○小幡中野駅周辺まちづくり課長 一般財源が増となるケースでございますけれども、前年度に歳入予算としまして計上した補助金の額よりも補助金の内示として補助金の額が低くなってしまった場合などが想定されるものでございます。
○加藤委員 こういったまちづくりをした際にはそういった一般財源が増えてしまったり、元からそれを充てるところでも、まちづくりに使うというのであれば、そういったのを都区財政で財政需要額として申請するものという認識でよろしいですか。
○竹内財政課長 こちら国や都の補助金が減額された場合でございますが、普通交付金の基準財政需要額に算定されまして、また、そのような場合は特別な申請の手段は不要でございます。
○加藤委員 国と都の補助金を見込んでいて特定財源で予定したものが、結果的に特別区交付金としてもらったら、それは一般財源化されるということなんですか。考え方というか、金額がそのままというわけじゃないですけど、そういった考え方になってしまうということですか。
○竹内財政課長 都市計画事業に関しましては、当初予算におきまして国、都の補助金で見込んでいたものについて不足があった場合、当該額を基に調整されることになりまして、特別区交付金に反映される、そのような仕組みになってございます。
○加藤委員 まちづくりの進捗が特別区交付金に大きな影響を与えるということでよろしいですか。
○竹内財政課長 委員御指摘のとおりでございます。
○加藤委員 先ほど見ていただいた建設22のまちづくり事業の補助金関係なんですけれども、令和3年度におきましては、事業費が最初は76億円、令和4年が103億円、令和5年が148億円で、令和6年におきましては322億円と、かなり大きな金額になっております。例えばですけれども、令和6年の事業で、中野四丁目新北口地区市街地再開発計画、これだけで109億円で、国と区で半分ずつで55億円ぐらいずつになっていますけれども、もしこういったものが進捗が変わったといった場合に、まずはその金額で財調算定で需要額としてこういうものは申請したものが交付金として出ているということですか。
○竹内財政課長 こちらに関しましては事業費、要するに執行した額に基づいて行われるものでありますので、その執行状況によって変化してくるというものでございます。
○加藤委員 執行しなければ、それは算入されないということですか。
○竹内財政課長 委員御指摘のとおりでございます。
○加藤委員 ただ、事業化されるとそういったところで特別区交付金として入ってくる。もともと国、都の補助金で見込んでいたものが、そっちである意味フォローしてくれるということは、区がある意味立て替えたお金が交付金として入ってくるみたいな、こういう形に捉えることができると。
○竹内財政課長 国、都の補助金と、また特別区交付金というところで、また歳入の形が違いますけれども、大きな流れとしてはそのような形になってございます。
○加藤委員 財産費の扱いですけども、前は特別区交付金が入っていましたけど、今だとその他一般財源に入っているということでいいですか。予算も決算も一緒なんですか。
○竹内財政課長 財産費に関しましては、令和6年の当初予算の概要につきましては、その他一般財源のところに掲載してございます。
○加藤委員 そういう意味で、特別区交付金とその他一般財源は、そういった財源は財政調整交付金のところから来るというところで、そういったことになるということですね──ということが分かりました。
次に、歳出について伺います。
財政指標について、またこの辺のところは議論させてもらいたいと思います。
財政白書12ページで、扶助費で、社会福祉費が107億円から120億円に、13億円増加した理由について伺います。
○竹内財政課長 扶助費の社会福祉費の増に関しましては、価格高騰支援給付金が大きく影響しているものでございます。
○加藤委員 給付金関係というか、そこを差引くと幾らぐらいですか。
○竹内財政課長 すみません、答弁保留にさせてください。
○加藤委員 次にいきます。財政白書15ページで、物件費で、ここ数年上昇傾向だった委託料が減った理由は何でしょうか。
○竹内財政課長 令和5年度の委託料の減につきましては、新型コロナウイルスワクチン委託等の減が大きく影響しているものでございます。
○加藤委員 それも、じゃあ新型コロナの関係を引くと幾らになりますか。
○竹内財政課長 新型コロナ委託を除いた令和5年度の委託料の総額は約199億円となってございます。
○加藤委員 一般財源と特定財源を合わせた金額は。
○竹内財政課長 こちらに関しましては、委託料総額という形になってございます。
○加藤委員 じゃあ、15ページの図では比較できないので飛ばします。
財政白書16ページ、繰出金で、国民健康保険の特別会計が35億円から52億円に増加した理由について伺います。
○宮脇保険医療課長 一人当たりの医療費の増加によって東京都への納付金が12億5,000万円余り増加したことが主な要因でございます。また、令和5年度は保険料の負担を抑制したことで、納付金の財源となる保険料が不足したことも繰出金の増加の要因でございます。医療の高度化が被保険者の高齢化が進むと医療費が増加することになります。また、被保険者の減少などによる減少も考えられますので、今後の繰出金の増減を見通すことは難しいと考えてございます。
○加藤委員 ちょっと取材でやっていたところですけど、これだけ上がったのが、受診控えがあったから保険料の上昇を抑制して、それが、予想以上に受診控えがなくなってきたから結果的にお金が足りなくなったという話でしたか、そういう認識でいいですか。
○宮脇保険医療課長 令和2年度に受診控えがありまして、その反動で令和3年度医療費が急激に伸びた。そういったところで、その予測を令和5年度に立てたという形になります。その結果、納付金の額が大きく伸びる見込みを立てましたので、それに基づいて納付金の額が増えたと、そのような状況でございます。
○加藤委員 今後国保の加入者をできるだけ社会保険に変えていこうという中で、そういう中で、かなりある意味不公平感がさらに増してしまうと思うんですよね。その辺、みんなで集めた税金で国保加入者だけに繰出金を出すというと。それは国保を維持するためにはしようがないですけど、何かいきなりこんなに増えてしまうと何でというところになるので、その辺は都でやるところなんでしょうけども、この辺の増加のところをどういうふうに抑制しようと都のほうで考えているか、分かれば教えてください。
○宮脇保険医療課長 医療費の伸びというのは東京都のほうで推計をしてございます。これを抑制していくというところにおきましては、例えば医療の受診をできるだけ早い段階から控えるような形での予防医療、そういったところにも力を入れていかないとならないと、このような見立てをしてございます。
○加藤委員 先日、9月13日に政府は新たな高齢社会対策大綱を閣議決定して、75歳以上の後期高齢者医療に関して、年齢にかかわらず能力に応じて制度を支え合う観点から窓口負担が3割となる対象範囲の拡大を検討すると明記しましたが、この影響はどうなると考えていますか。
○宮脇保険医療課長 窓口負担が3割となる範囲が広がれば保険者が負担する医療費は減ることになりますが、拡大の範囲は具体的に示されておりません。このため、現時点で今後の影響を予測することは困難でございます。
○加藤委員 国保についてはありがとうございました。
次に、財政白書20ページ、特別区債残高で、令和4年度239億円から121億円増の360億になった理由を伺います。
○竹内財政課長 令和5年度の特別区債の残高の増理由につきましては、新庁舎整備に約116億円、平和の森小学校用地に約78億円の起債をしたためでございます。
○加藤委員 それで起債をしたけど、先ほどその辺の議論はあったので飛ばしますけれども、区役所整備の起債については、返還は旧庁舎とサンプラザの権利変換でやる予定だったと思いますけど、その内訳について伺います。
○竹内財政課長 転出補償金は約400億円でございまして、そのうち新区役所整備の起債償還に約116億円、まちづくり中野21の借入金返済費用額等として約140億円を充当する予定でございます。
○加藤委員 余った140億円ぐらいはどうするんですか。
○竹内財政課長 こちらに関しましては、財政調整基金への積立てを考えているところでございます。
○加藤委員 先ほどもたらればの話でしたけど、そういったものが時期がずれ込んだり難しくなった場合には、新庁舎のその借金というのをどうやって返すか。基金をいきなり全部入れてしまって返すみたいな考え方もあったりするんですか。
○竹内財政課長 様々な状況変化に関しまして、こちらのほうで財政フレーム等を鑑みて、また様々な検討をしてまいりたいと考えてございます。
○加藤委員 基金残高について、その下、図29ですけども、基金残高が増えておりますけれども、23区平均と比べて低い理由は、一概には言えないでしょうけど大体何が考えられますか。
○竹内財政課長 各区一般財源の伸びが堅調であると思われるため、中野区では、まちづくりや施設整備に基金を活用しているためと推測されるものでございます。
○加藤委員 ここの図28と29で貯金と借金の差を見ると、23区とどういう関係なのかなと思うのでやってみたんですけれども、23区平均は1,136億円引く221億円なので、実質の貯金が925億円。中野区は799億円引く360億円で437億円、2倍ぐらい差が出ているわけですけれども、その理由について伺います。
○竹内財政課長 こちら、各区一般財源の伸びが堅調であることから基金残高が伸びる一方で、まちづくりや施設整備に基金や起債を活用しているために、その差が開いたと推測されるものでございます。
○加藤委員 単年度収支とかは、先ほども議論あったので飛ばさせていただきます。
財政白書の23ページ、図34の経常収支比率の推移で、令和5年度中野区は71.2%と安定経営に見えます。しかし、図35の経常経費充当一般財源等と歳入経常一般財源等の推移によると歳入は941億円となっておりますが、先ほど考察させていただきましたけれども、特別区交付金の配分割合がよい近年はこの分母が大きいためになるというふうに考えられます。過去に使ったお金が返還されているだけ。それを新規拡充に使うのではなくて、基金積立て、区債返還に使っていかないといけないところだと考えますけど、いかがですか。
○竹内財政課長 委員御指摘のとおり、様々その経常収支比率に関しまして、それを何かコントロールするわけではございませんが、そういったところの様々な分析を行っていきながら持続可能な財政運営に努めてまいりたいと考えております。
○加藤委員 ちなみに取材の中で、この分子に当たる経常経費充当一般財源等に含まれてもよいのかなと思うのが幾つかありました。例えば木造住宅簡易及び一般耐震診断、車の定期車検代、東北復興大祭典関連経費などがありますが、これは経常経費充当一般財源とは一体何なのかなというのをちょっと伺います。
○竹内財政課長 こちら経常経費充当一般財源等とは、臨時的経費に充当された一般財源以外のものを指すものでございます。経常的経費と臨時的経費の区分につきましては、決算統計に係る調査票の作成要領に判断基準が例示されてございまして、例えば大規模な記念行事に係る経費に関しましては臨時的経費と示されているため、東北絆まつり関連経費につきましては臨時的経費としているというものでございます。その他の経費につきましても、作成要領にのっとりまして経費の科目や経費の性質によって個々で分類しているものでございます。
○加藤委員 午前中、最後の質問にしますけど、今後給食費の無償化とか高校生等医療費無償化とかがありますけれども、その取扱いは経常になるのか臨時になるのか教えてください。
○竹内財政課長 作成要領にのっとることになりますが、恐らく臨時的経費の取扱いになるというふうに考えてございます。
○杉山委員長 加藤委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。
午後0時00分休憩
午後1時00分開議
○杉山委員長 委員会を再開します。
休憩前に引き続き総括質疑を行います。
午前中の答弁保留について答弁できますでしょうか。
○竹内財政課長 先ほど加藤委員の質疑の中で、扶助費の社会福祉の増で価格高騰支援給付金が大きく影響しているというところがございました。それにつきまして、令和5年度の価格高騰支援給付金の決算額は約46億円でございまして、全体120億円から引くと約74億円となるものでございます。同じく令和4年度の給付金の決算額は約34億円でございまして、全体107億円から引くと約73億円となるものでございます。給付金を除いた額としては約1億円の伸びとなっているものでございます。
○加藤委員 ありがとうございました。答弁保留の件はそれで結構です。
先ほどの午前中の話を改めてまとめると、財政白書23ページにあります経常収支比率に出ております分母と分子、図35のほうだと、黒い四角で囲まれているのが分子で、分母が丸で示されているほうですけれども、分母に関しては特別区交付金とか財産費が、たまたまじゃないですけど、まちづくりを今やっているさなかなので、そういったものが前倒し算定されるとか、そういった中でかなり多くもらえているために分母が今大きくなっている時期なのではないかということを言いました。
その金額においては、例えば、先ほど10年間の平均が23区の中で中野区はどのくらいだったかというと3.72%でして、それの中でいうと、この経常収支比率で令和元年の収支比率が80.3%でかなり厳しい数字になっていますけれども、特別区交付金はその年はマイナス22億円だったんですね。平均というか、3.7%が。その10年間で一番交付金がもらえていない年がこの年に当たっているので、令和5年度におきましては、そういう計算をすると34億円くらい、10年間平均で多くもらっている。こういう年がかなり低く経常収支比率が出ているということが分かるので、特別区交付金とか財産費がもらえる年、その金額に応じて、この経常収支比率というのが大きく影響しているんじゃないかなということなので、何を言いたいかというと、この数字自体で経営が安定しているかどうかというのはなかなか言い難いのではないかなと。計算方法自体は国とか都が指定しているものでしょうけれども、この数字だけを見て安定だというのはとても言い難いものなんだろうなというふうに考えます。
分子のほうも、先ほど言いましたけれども、今後、給食費の無償化とか高校生の医療費の無償化というのは政策判断の中で行われるものなのか、これは経常経費化はされないで臨時的な扱いになるために、この経常収支比率の中の分子には入ってこないという話でよろしいんですね。
○竹内財政課長 作成要領にのっとり、そのような扱いになっているというものでございます。
○加藤委員 ということで、そういう経常収支比率とはそういうものだというのをちょっと皆様に御認識していただきたかったということです。
次に、ちょっと質問を飛ばしちゃいまして、先ほども質問がありましたけど、財政白書32ページで、図43の区民一人当たりの公債費と公債費負担比率について、区の所感について伺います。
○竹内財政課長 区民一人当たりの公債費と公債費負担比率についてでございますが、普通会計の令和5年度の公債費負担比率は8.1%でございまして、他区と比較すると高い数値になっていますが、これは用地特別会計における平和の森小学校用地の繰上償還を行ったものでございまして、こちらは計画的なものでございます。今後とも公債費、公債費負担比率を注視しながら適切な財政運用に努めていきたいと考えてございます。
○加藤委員 今年度においても、新区役所整備で使っていた区債を返還すれば同じようになるということですか。
○竹内財政課長 こちらのほうは、公債費の返還に当たったものは、それらのところがこちらのほうに計上されるというものになってございます。
○加藤委員 次に、33ページで、区民一人当たりの基金残高と区債残高ですけれども、中野区は23区で一番区民一人当たりの区債残高が一番大きいというふうになっていますけれども、この辺はどういう所感でしょうか。
○竹内財政課長 こちら区債に関しましては、新庁舎のものであったりそういったものが、計画的なものがこちらのほうに計上されておりますので、こちらのほうが高くなっていると考えてございます。また基金、またこちらの起債もそうですけれども、まちづくりや施設整備のためにこちらは活用しているために増加しているものと考えてございます。
○加藤委員 要求資料で、総務111というのを作ってもらって、予算編成時及び決算の一般事業費と新規・拡充等事業費というのを作ってもらいましたけれども、年々、新規・拡充等事業が出てきて一般事業費、ある切り口で言えば経常経費みたいなものですけれども、こういうのが増加しています。過去の大型事業の裏負担の財産費が入ることで、特別区交付金、そしてその他一般財源の増加が一般財源を押し上げましたが、中野区の歳入の実力として勘違いしてしまっているところがあるんじゃないかなというふうに思います。そういった新規事業とかに回すのではなくて、建設関連の費用、借金するのではなくてそのまま一般財源を投じるとか、あと基金を充てていれば、ここまで区債残高が膨らまなかったのではないかと考えますけど、区の見解をお伺いいたします。
○竹内財政課長 区債残高が増加した原因につきましては、新庁舎や学校用地の購入に伴う計画的なものでございまして、また、委員御指摘の財産費に関しましては、こちらは全額まちづくり基金に積み立てるなどしまして、基金につきましても過去最高の約800億の残高となっておりまして、一定の財政の健全化は保たれているかなと考えてございます。
○加藤委員 まちづくりをしなくなると特別区交付金の金額が、今までの議論の中で減ってくる可能性が非常に高い中で、今まちづくりをし続けていると、昔、民主党政権で道路特定財源をなくすみたいな話だったけど、結局各自治体は借金をして、特定財源を当てにして借金をして、これでぐるぐる回していたみたいなことになっていて、これも同じようなものなのかなと思っていて、それを当てにしながらやって、止めると入ってこなくなってくるし、こういったことを考えると、そういったまちづくりの将来的に入ってくるものとか負担のところ、こういったところをしっかりと見ながら予算を組んでいかないといけないかなと思いますけど、区の担当の見解を伺います。
○竹内財政課長 委員御指摘のとおり、財産費につきましては、こういったところで好調な場面で歳入が増えておりますけれども、そういったものは全額まちづくり基金に積み立てるような、将来に備えてこういった用意をしているものでございます。今後も区民満足度の高い行政を維持していくために、引き続き計画的な財政運営に努めてまいりたいと考えてございます。
○加藤委員 ありがとうございました。時間がないので2の契約についてお伺いします。
さきの一般質問で、インフレスライドはあらゆる項目が算定されることになったとの答弁でしたけれども、その計算の起点日がいつになるか確認させてください。
○原契約課長 スライド額の初回の算定に当たっては、当初契約時を起点として品目金額の変動額を計算していきます。また、2回目以降の請求に当たっては、前回実施したスライド基準日を起点とし計算することとなります。
○加藤委員 ちょっと説明があれですけど、最終的に一番最初の契約日を起点日として出すと、大まかに言えばそういうことでいいですか。
○原契約課長 初回はそのような仕組みになりますが、追ってのスライド額算定においても、その都度の基準日を設けて適切に見ていける、そういった制度でございます。
○加藤委員 次の質問です。補助金について先ほど触れてきましたけれども、まちづくりじゃなくて、学校建設補助金について伺います。建設工事における前払金が4億円から6億円に変更がありましたが、その影響について伺います。まず、影響が出る補助金は何かも伺います。
○藤永子ども教育施設課長 前払金の変更に影響のある補助金についてでございます。前払金の変更によって影響のある補助金は、公立学校施設整備費国庫負担金でございます。
○加藤委員 今の公立学校施設整備費国庫負担金は、負担金をもらえる年次が決まっているそうですけど、仕組みについて伺います。
○藤永子ども教育施設課長 公立学校施設整備費国庫負担金の仕組みについてでございます。学校施設整備について建設が複数年度にわたる場合、基本的には工事完了年度とその前年度の2か年度が負担金の対象となる仕組みでございます。
なお、法改正が行われまして、次年度より、工事完了年度から2か年だったところ、工事完了年度から3か年度まで負担金の対象となる予定でございます。
○加藤委員 今、中野区でやるものは大体3年以内なので、それはいいのかなと。今後においては、前払金を多めに出したとしてもその補助金の額に影響を与えないということになると思うんですけども、今後建てる予定の学校で3年以上かかるものというのはあるんですか。
○藤永子ども教育施設課長 今後の学校施設整備の建設期間でございます。現計画、中野区小中学校施設整備計画(改定版)においては3か年度以上の建設工事を予定している学校はありませんが、今後の設計作業の中で工事期間が3か年度を超える工事が出てくる場合はございます。
○加藤委員 議論として地下化みたいのもあれば当分、4年ぐらいかかっちゃうのかなと思いますけれども、そういったところで影響する、もし3か年以上になっちゃった場合は影響額というのはどのぐらいになるんですか。
○藤永子ども教育施設課長 公立学校施設整備費国庫負担金の影響額についてでございます。負担金の交付額については、建設する学校によってケース・バイ・ケースのところがございます。現在改築中の中野本郷小学校についてでございますが、今回の前払金変更の影響により約490万円が減額となる予定でございます。
○加藤委員 分かりました。
次に、道路工事の契約について伺います。同じような工事内容でも地域特性によって工事費が異なると思いますけれども、工事発注日、工料、そういったことを考慮されているのか伺います。
○髙田道路建設課長 中野区積算基準において施工地域区分、工種区分に基づく地域補正係数が定められており、工事費の算出に際しては適用しております。
○加藤委員 道路の整備工事においては、過去に、アスファルトである表層の下に、路盤って、アスファルトの下には砕石とかがあるわけですけども、その下に、砕石ではなくて、割栗石ってかなり粒形がでかい石が入っている場合でも表層だけを整備してしまったために、すぐにクラックが入ってしまうということがあったそうですけども、路盤からしっかり整備したほうが結果的に費用を抑えられると伺いますけれども、区の見解はどうでしょうか。
○髙田道路建設課長 道路舗装は、適切な路盤の上に表層を整備することにより歩行者や車両が安全に通行できるとともに、維持管理費の抑制につながると考えています。今後も舗装状況や大型車の通行状況に応じて適切な整備を行っていきます。
○加藤委員 次に、公契約について。1,000万円以上と以下、両方の委託事業を受けている会社があります。伺ったところ、1,000万円以下の従業員には1,000万円以上の勤務地に行かないようにしているそうです。行けば、公契約条例のポスターが貼ってあって、勤務地によって賃金が違うことが明確に分かるためです。公共事業で公平性がないこの制度に違和感しかないものであります。何かの刑事ドラマではないですけれども、事件に大きいも小さいもないというような感じで、1,000万円以上と以下で仕事の内容が違うのかみたいなところを考えると、この仕事の内容によって報酬が変わっていくのはいかがなものかと思いますけれども、何度も聞いているところですけど、改めて伺います。
○原契約課長 公契約条例は、委託経費のうち人件費が主となる業務で、かつ年間を通して委託される規模の業務への適用を想定していることから、金額として1,000万円以上の委託契約を対象としてございます。
なお、公契約条例の適用対象外となる1,000万円を下回る契約金額の業務に従事する労働者への報酬については、労働報酬下限額の設定はないものの、各労働者の経験や業務性質等を踏まえ受託者において適切に設定されているものと考えてございます。
○加藤委員 そもそもそういう公契約条例の最下限額だったり、東京都の最低賃金で設定されているようなお仕事というのはあると思いますけれども、そういったところは業務仕様書を作成する際に、時給の単価計算というのはどのようにされているのかというのが気にかかるところなんですけれどもどうなんですか。
○原契約課長 労働報酬の支払いにおいては、東京都の最低賃金の遵守が前提となる認識の下、人件費を含む委託料は、事業の内容や性質に応じて各所管においてそれぞれ積算しているものであります。
○加藤委員 1,000万円以下だと、時給計算は東京都の最賃で業務仕様書を作って、それで入札でさらに落ちてということになってくるということですね。そこに非常に違和感があるわけですけれども、そこを今後、予算もかなり厳しいところではありますけれども、公契約条例で、ちょっと上がり過ぎた時給を下げろとは言わないですけど、東京都の最賃とかなり近づけるような、上がってくるのを待ってくるぐらいのことを一回やらないと、この差がなかなか縮まらないのかなと。縮まった際に、性善説ではないですけれども、全ての時給を公契約条例にして、違反があった場合には通報するような形にすれば、いろいろな負担が減ってくるのかなと思いますけれども、伺います。
○原契約課長 公契約条例は令和5年度から適用を始めたものであり、導入の効果や改善事項等を確認しながら現在運用している段階であります。公契約条例の対象の考え方や運用方法については、公契約審議会でも議論の上、検討を続けてまいります。
○加藤委員 次は、今委託全般を聞きましたけれども、清掃事業について。一般質問で久保議員も取り上げておりましたけれども、ペットボトル、資源プラスチック、粗大ごみ処理の委託は、他区よりも算出する人件費単価が低いと伺いましたけれども、実態はどうでしょうか。
○鈴木ごみゼロ推進課長 中野区では、ペットボトルや資源プラスチックの回収委託、粗大ごみの収集分担業務は、東京都環境衛生事業協同組合と契約しています。他区でも同組合と契約しているところはありますが、その場合、人件費の単価の設定方法はまちまちであると聞いています。中野区などの場合、現年度のごみ収集の委託単価を参考にしていますが、翌年度の予定単価を参考にしている区もあります。その場合、直近の経済状況がより反映されていることになります。
○加藤委員 物価高騰に伴う人件費を実態に即することが重要だと考えています。また、人口が中野区はかなり増えてきているというところで、排出量が大きく契約してから増えてくるというのもあるということです。契約に当たっては、人口増減の予測を踏まえた排出量を算出することも重要と思いますけれども、そうした物価高騰と併せての適正な排出量を見込んではどうかと、区の見解を伺います。
○鈴木ごみゼロ推進課長 一般のごみ排出量は、社会経済の動向や人口そのものの増減によって変化します。また、中野区の場合、一人当たりのごみ量は23区中トップに準ずる少なさであり、こうした区民のごみ削減努力の成果も大きく反映されます。委託契約に当たっては、人件費や諸物価の高騰などの影響を契約単価に反映させるだけでなく、人口増減など排出されるごみ量の予測を盛り込むことを行っており、今後とも社会情勢を見極め適正に排出量を見込み、総合的に判断していきたいと考えてございます。
○加藤委員 ごみの収集作業は、夏季の暑い中、作業が大変だという声を聞きます。夏季は熱中症等の対策が必要であり、有効な手段として作業人員の増加などが考えられます。夏季期間だけ作業人員を増員するなどの夏季対策について検討をしてはいかがか伺います。
○鈴木ごみゼロ推進課長 長い期間猛暑が続くようになった昨今、作業員の熱中症対策など夏季の取組がこれまで以上に切実になっています。今年度もペットボトルの回収委託では、夏季の期間、1日当たりの車両台数を7台から8台に変更するなど、作業人一人当たりの作業軽減に取り組んできたところでございます。今後、事業者から聞き取りを行うなどの実態把握に努め、有効な夏季対策の在り方を含め必要な経費を精査していきたいと考えてございます。
○加藤委員 ありがとうございました。
それでは、3のスマートウェルネスシティについて伺います。
昨年、令和5年第4回定例会において自民党会派は、中野区で10年間塩漬けになったになったスマートウェルネスシティの推進の復活をすべきと提案し、区が迅速に対応されたことを評価します。以降はSWCと言います。なぜ塩漬けだったのか。邪推ですけれども、2013年に一般社団法人中野区産業振興推進機構ICTCOが誕生し、その事業の中にライフサポートというのがありまして、中野区がSWC首長研究会に加盟した時期と重なり、その連携がうまくいかなかったのかなというふうに考えております。しかし今回においては、社会情勢、情報基盤が大きく変わり、SWCを成功させる土壌があると考えます。また、これも我々の会派が提案させていただいたナカペイとSWCの親和性は高く、中野区の地域包括ケア、医療、介護、地域経済、まちづくりなどと様々な波及の効果の可能性があり、新たな自治体の在り方をつくり出せるすばらしい政策になると考えます。先日、8月22日、SWC提唱者である久野筑波大学教授の講演では、職員が目を輝かせながら話を聞いているように見えました。ということで、SWC戦略が持つ可能性について質問します。
スマートウェルネスシティ、SWCのスマートは、科学的根拠に基づいた、つまりEBPMの健康施策にあると思います。再三御説明させていただきましたけども、新潟県見附市では、プログラム導入後3年間で医療費が年間1人当たり10万円程度抑制されたという成果が出ております。あくまで歩くというところが主軸になっているものです。やみくもに政策を打ち出すのではなく、エビデンスに基づいた政策を行っていくべきです。
私は、平成29年第2回定例会一般質問で、平成28年12月に制定された官民データ活用推進基本法及び平成29年5月に全面施行された改正個人情報保護法により、官民が有する多様な大量データは個人を特定不能にすることで本人の同意なしに扱うことが可能になったことから、中野区では自治体ビッグデータとして活用するよう提案してきました。また、令和3年第2回定例会一般質問では、ビッグデータと自治体の情報システム標準化・共通化に関して、また、それを扱うデジタル人材の確保、育成について提案をしました。なかなか進展がない中SWCの検討が始まり、こういった話がやっと本格的に動き出したのかというのが感想です。
SWCの懸案事項として大きく二つ。一つは、区がビッグデータを構築できるのか、二つ目が、ビッグデータを分析できる人材をどう確保するかです。人材については、先日の杉山議員の一般質問で、九州大学のほうからの提案で、ライフスタディという研究プロジェクトに参画するという意向が示されました。同プロジェクトのホームページを拝見すると、科学研究基盤費A、これは間もなく研究成果が出ると期待されているランクで、約5,000万円の研究費がついており、30自治体が参画するよい提案と考えます。しかし、このプロジェクトは医療、福祉に特化したものになるでしょう。今後、多文化におけるビッグデータ分析が必要になった際に、研究機関とマッチングできるとは限りません。そこで改めて、中野区はSWCを推進するためにデータサイエンティストを採用すべきと要望しますが、区の見解を伺います。
○河村地域包括ケア推進課長 データサイエンティスト採用についてお答えいたします。区は、データサイエンティストを採用する考えはございませんが、スマートウェルネスシティに関するデータを分析し、施策化につながる提案のできる研究機関や大学との連携、共同を進めていきたいと考えております。
○加藤委員 スマートウェルネスシティはその九州大学のでいいんですけど、今質問したのは、ビッグデータ分析が多分野に及んだときにそういう人材が必要なのかなという質問でしたけれども、それは御検討を改めてしていただきたいと思います。
こういった手の研究の初手として、データベースづくりが最も重要です。これも改めての質問ですけれども、SWCを推進するにおいて中野区のビッグデータが必要不可欠と考えます。そこで、デジタル庁の進める自治体の情報システム標準化・共通化、及び今中野区がやっている統合型GIS等にも活用できる、中野区の全ての情報が入ったデータベースを構築し、個人情報をマスキングしながらも全てのデータが横串刺せるようなシステムをつくるべきと考えますが、いかがでしょうか。
○瀬谷デジタル政策課長 自治体情報システムの標準化・共通化対象のデータを含めまして、区の保有する様々なデータを業務横断的に利用できるデータベースの構築につきましては、他自治体の事例などを参考に研究していきたいというふうに考えてございます。
○加藤委員 細かいデータ等をひもづけることで、現在行っている政策の効果を数字として表せます。例えば、友愛クラブに加盟している人と医療費がそれによって抑制できるのか検証することは可能でしょうか。友愛クラブの加盟の有無だったり、年間の医療費など、割り出せますかというような質問です。
○池内区民活動推進担当課長 友愛クラブにおける検証についてでございます。友愛クラブで活動することが健康でいられるという仮説は立てることができますが、検証は、医療費データと友愛クラブ会員の活動データの相関関係を分析することとなるため、容易なことではないと考えてございます。
○加藤委員 医療費データについては出せるかどうか伺います。順番が変わっちゃうと困っちゃうんだったらあれですけど、取材の中でそういったデータも頂けるとは聞いていますので、後ほどそれを伺います。
そうしたら、次に介護予防生活支援サービス、なかの元気アップセミナーの講座を受けて介護費を抑制できているか検証ができるか伺います。
○高橋医療・介護連携推進担当課長 介護予防事業における介護給付費の抑制についてお答えいたします。なかの元気アップセミナーでは、実施後の体力測定で転倒予防の指標などに効果が出ていることや、通いの場に継続して参加できることの効果も確認しておりますが、介護給付費との相関関係を分析するには様々なデータの積み上げが必要であると考えてございます。
○加藤委員 そういった分析をするにはいろいろデータが必要ということですけど、その介護費用自体を出すことは可能ということですね。柔道整復師に委託しているマイナス5歳若返り体操では、これまでに体力測定をして、ビフォー・アフターを示して、その効果を受講者に示していたということですけれども、本年度はなくなったと聞きます。この事業だけじゃないですけど、あらゆる事業において効果検証は重要で、こういった検証結果をホームページなどで示すことによって、例えば10人しか参加できないそういった講習も、ホームページで、こういうのをやるとこういうふうによくなるんですよと、こういうのを示すことで、ある程度税金の使い方として公平性があるのかなと思うわけですけれども、せめてそういった効果検証などをする必要があると思いますし、そのサンプル数を増やすためにも回数を増やすなどの改善が必要と考えますけど、区の見解を伺います。
○高橋医療・介護連携推進担当課長 介護予防事業の効果検証につきましては、介護予防事業では、事業の目的や種別ごとの必要に応じて受講前後の体力測定を行い効果の検証を行っております。そうしたデータを示すことが、スマートウェルネスシティの目指すヘルスリテラシーの向上に寄与すると考えております。多くの高齢者に利用の機会を増やすために、事業の実施回数や場所、受講人数、新規利用者の呼び込みなど検討してまいりたいと考えております。
また、介護予防事業のデータは、介護給付費の抑制効果を分析するために必要なものだと認識しており、データの収集に積極的に努めてまいりたいと思います。
○加藤委員 いろいろやっていく中で、スマートウェルネスシティの最後のゴールというか、目的関数としては医療費を下げられるかどうかが重要となってくると考えるんですけれども、いろんな事業と医療費の関係性を見たいわけですけれども、医療費が抑制できているというふうに検証することが可能なのか改めて伺います。
○高橋医療・介護連携推進担当課長 介護予防事業の目的としましては、介護給付費を減少させる、減らす、抑制するということが一義の目的でございます。介護予防が進みまして、要介護状態が延伸し、健康寿命が延伸して、その結果、医療費が抑制するということはあるかと考えております。
○中村保健企画課長 医療費の抑制についてのお問いでございますので、それについて回答したいと思います。例えばですけれども、かかりつけ歯科医を持つ人のことについてでございますが、歯医者に年1回行っている人の医療費は、国保連合会が管理しているシステムによって確認することができますが、医療費の抑制につきましては、同一歯科により繰り返し受診しているとは限らないため検証することはできないと考えてございます。
○加藤委員 ちょっと質問と答弁が今順番が変わってしまったんですけども、歯医者に例えば年に1回以上行っていれば、かかりつけ歯医者と定義できるのかみたいなことを聞いたら、今の答弁の話を僕が言うと、毎月歯医者に行ったという金額が分かる、合計値だけ分かるというデータなので、年間で歯医者に行っているかどうかが分かる。ただ、どの歯医者に行ったかは分からないということなので、歯医者に行ったというカテゴリーの月一の総計金額は分かるということなので、歯医者によく行っている人が、その人は行っているかどうかというのは分かるということでいいですよね、一応お聞きするんですけど。
○中村保健企画課長 月ごとの歯医者に通っている人の医療費については確認ができます。
○加藤委員 医療費全体が抑制できているかというのも、金額が全部、国保に関しては分かるということ。個人個人の月ごとの総計金額が分かるということでいいんですね、医療費に関しては。
○中村保健企画課長 年額の総額も分かりますので、経年の比較はできるというふうに考えてございます。
○加藤委員 この医療費データを使うと、SWCをやった際にその政策のよさというのが、医療費を抑制できているという分析の根幹データになってくると思いますので、先ほど言いましたデータベースの中にこういった情報は必ず入れないと、その成果が測りづらいのかなというふうに思うわけです。こういったデータを全部突合すると、例えば新型コロナの給付のときも所得家庭状況の把握のために突合作業をしていたわけですけど、そういったものもなくなってきます。ビッグデータを使って様々な分析ができると思いますけれども、区民意識実態調査にある何々と感じる区民の割合などの抽象論ではなく、結論としては、あることをしているある事業を受けると医療費を抑制できるというような、こういったアウトプットがSWCには必要と思っていますけれども、区の見解はいかがでしょうか。
○河村地域包括ケア推進課長 アウトプットが可能となる事業の展開についてお答えいたします。80歳でも元気な方の生活習慣を統計的に分析するためには、ビッグデータが必要であると考えてございます。行政が保有するデータだけではなく、パーソナルヘルスデータも得られるよう、スマートフォンの健康管理アプリやウェアラブル機器などの導入を進めていきたいと考えております。
○加藤委員 また、分析の方向は、他の自治体が参考になってきますけれども、中野区ナイズする必要があります。自動車世帯所有率が全国自治体で一番少ない中野区は、そもそも公共交通機関に頼った移動が多く、先ほど挙げた見附市のように年間平均8,000歩で6,000ポイントでは、中野区民にはちょっと甘過ぎるかなというふうに考えます。区は健康ポイント事業の検証をどのようにやるか伺います。
○河村地域包括ケア推進課長 健康ポイント事業の検証についてお答えいたします。中野区民は公共交通機関を使って外出する機会が多く、地方都市からしても活動していると認識されておりますが、そのこと自体も地方との比較で検証する必要があると考えてございます。健康ポイント事業につきましては、他の自治体とも比較できるようなスキームを検討してまいります。
○加藤委員 SWCは、歩くことが今のところ一番大事ということで進められております。ということで、ちょっと事業を一つ提案ということで、現在一部スーパーでは店内で買ったものを自宅まで配送するサービスがあります。高齢者はスーパーで買物をしたいけど、体力的に買ったものを持ち帰ることが大変だと買物に行かなくなる、そういったフェーズがあるそうです。買物にはワクワクするものがありまして、若さを維持するために重要です。スーパーに行かなくなれば、歩かなくなった上に、そういったワクワクもなくなり一気に老け込みます。中野区は、例えばナカペイの健康ポイントなどの連携により、スーパーが配送サービスをしやすい環境を整えるべきと考えますが、いかがでしょうか。
○高橋医療・介護連携推進担当課長 買物と高齢者の健康づくり、介護予防につきましては、高齢者にとって買物に出かけることは、日常の中で外出や歩行の大切な機会となると認識してございます。高齢者の買物による外出を、健康づくり、介護予防を促す行動として捉え、店舗による健康ポイントの活用方法などを考えてまいりたいと考えております。
○加藤委員 あくまで医療費抑制という結果が出ればというところではありますけれども、そういった検討をしていただきたいと思います。
広範な範囲、部署において検証が必要なSWCですが、理学療法士の予防医学の知見を活用すべきと考えます。リハビリ、高齢者、障害者、介護についての知見をお持ちのイメージが強い仕事ですが、例えば中野区の少年野球連盟では年に1回、中野区医師会の事業の一つとして野球肘健診を行っており、理学療法士さんにはサポートメンバーとして多くの人が入っていただきまして、小・中学生のときから健康アドバイスをすることもあります。理学療法士さんにお話を伺ったところ、捻挫をよくする子がいたら、多くの場合は走り方に問題があるということです。様々な場面で理学療法士の予防医療の知見を生かすべきと考えますが、いかがでしょうか。
○井元指導室長 学校での運動に関する外部人材の活用は、アスリートなどを招聘して技能の向上を目標とすることが多いところでございます。一方、外部人材を招いて捻挫や骨折等のけがの防止の視点で子どもたちが指導を受ける機会は、これまであまりございませんでした。こうしたことから、理学療法士との連携した指導について、今後、学校での取組について検討していきたいと考えております。
○加藤委員 これまでSWCに関連したことを質問して、いろんな部署の方に答弁していただきましたけども、SWCというのは全庁的に推進しないといけないものだと考えておりまして、今度の次期基本計画においては、もう重点プロジェクトに入れないといけないものなのかなというぐらい大きく捉えております。そういったところをスタートしているところではありますけれども、区のSWCの今後の考え方について、部長から答弁いただければと思います。
○石井地域包括ケア推進担当部長 先ほど委員からも御紹介のありました、8月に実施した筑波大学の久野教授の講演会におきましても、健康無関心層へのアプローチは難しく、住んでいるだけで健康になるまちを目指すべきといった話が印象的でございました。ソフトもハードもインフラも整えていく必要がございまして、全庁的な推進体制を構築することが成功の鍵であると考えております。
スマートウェルネスシティの推進に当たりましては、様々な分野における施策を横断的、総合的に展開していくことが求められておりまして、全庁的な推進とともに、地域や大学、医療機関、金融機関、民間企業などとも協力関係を構築し、相互に連携、協同して施策を推進してまいります。
○加藤委員 このSWCですけど、そもそも国土交通省が旗を振っている事業でありまして、まちづくりの観点からも伺います。歩きたくなるまちをつくる必要がありますけれども、既に区にある散歩コースの活用、景観条例、バリアフリー、UDの概念が込められた道、新たにできる262メートルのシンボルタワーが見えるコースなど、魅力あふれるまちづくりをする必要があると考えますが、区の見解はいかがでしょうか。
○塚本都市計画課長 区では、都市計画マスタープランにおける都市整備の基本理念の一つとしまして、豊かな暮らしを育むことを掲げております。誰もが居心地よく歩きたくなるようなウォーカブルなまちづくりを進めていくこととしてございます。区が持つ資源の活用や計画的な都市基盤の整備などによりまして、区民が自然と歩きたくなるような、そういったまちづくりを推進してまいりたいと考えてございます。
○加藤委員 今、若宮と大和町でやっているバスの実証運行ですけれども、そういった観点から、より歩かなくさせるような政策なのかなとも考えたんですけども、関東バスの社長によると、バスがあることによって逆に外に出るという人が増えてきているということなので、これはそういったものだと思っています。ちょっと区はいろいろアンケートを取っているみたいですけど、住民の意見についてお伺いします。
○宮澤交通政策課長 若宮・大和町の実証運行において、令和5年10月に実施した地域住民アンケート調査の結果、実証運行による主な効果に関する設問に対し、買物など外出の機会の増加や体を動かす機会の増加などの回答が多いことを把握してございます。
○加藤委員 取材の中で、まずSWCの話がある前のときは、何でこの事業をやっているんですかといったら、交通利便性を上げるためと答えられていて、なぜ交通利便性を上げるんですかと言ったら答えられないみたいな状況があった。SWCが増えることによって、そういった政策の中に意味合いがもっと多様性が出てくるところでやっぱり重要なのかなと思います。住民のそういった意見が本当に重要なんだなと思います。
地域公共交通を導入することで、買物などに伴う外出機会が増加すると住民が思っているわけですけども、乗降客数だけにとらわれず、令和7年度以降は健康施策を所管する部署と連携し、外出率の変化等を検証すべきと考えますが、いかがでしょうか。
○宮澤交通政策課長 当該地域における実証運行を通じて地域公共交通による効果は、単に交通の利便性が向上するだけでなく、健康増進や地域活性などの効果が期待できると考えてございます。次年度以降、実証運行を継続していく場合は、交通以外の健康等に関する効果についての検証も、他の部署と連携し検討していきたいと考えてございます。
○加藤委員 最後に、まちづくりの観点からSWCをどのように推進されるのか、栗田副区長に伺いたいと思います。
○栗田副区長 区では、誰もが健康かつ生きがいを持ち、安心・安全で豊かな生活を送る地域社会をつくるというSWCの理念を踏まえて、区民の健康度と幸福度を高める施策を展開するとともに、居心地がよく、歩きたくなるまちなか、いわゆるウォーカブルシティを目指しているところでございます。
特に私のほうから、ウォーカブルシティの観点から申し上げれば、一般的にはウォーカブルシティ、四つのキーワードがございまして、「Walkable」、歩きたくなるということです。そして、「Eye Level」ですね。まちに開かれた低層棟といいますか、歩行者目線という趣旨になります。それと「Diversity」、これは言うまでもなく、多様の人や用途、使い方。そして「Open」、開かれた心地よい空間。この四つのキーワードの頭文字を取って、よく「WE DO!」と、これは頭文字なんですけれども、「WE DО!」というようなスローガンがございます。こういった考え方、理念に基づきまして、庁内はもとより都や国交省とも適切な連携を図りながら、居心地のよい人中心の空間を創出していく。そういった空間に転換していくというような観点からのまちづくりをしっかりと進めてまいりたいと考えております。
○加藤委員 今、声として、ユニバーサルデザインも含めてほしいという話もありましたけれども、もちろんやっていただけるものだと思いますけれども。SWC、健康施策だと思っていましたけれども、先ほども言いましたように、国交省も主導しているところで、まちづくりもやらないといけない。だから本当に中野区全体でやっていく事業だということを、各所管の人たちと、加藤は何を言っているんだみたいな取材がすごいあって、先ほども9時40分まで取材していたような状態で、ちょっと僕の考えが届かなかったところもあるとは思いますけれども、でも、全庁的に考えないといけない非常に重要な政策だと思いますので、職員一人ひとりが、どうやったら健康的なまちになるかというのを考えていただきたいな。そして、先ほども言いましたけれども、次期基本計画においての重点プロジェクトになり得るものだと思いますので、しっかりやっていただきたいと思います。いっても、あくまでEBPMで、ばらまきにならないように、データとしっかりと向き合うことを切にお願いしまして、全ての質問を終えます。ありがとうございました。
○杉山委員長 以上で加藤たくま委員の質疑を終了します。
次に、小林ぜんいち委員、質疑をどうぞ。
○小林委員 令和6年第3回定例会決算特別委員会において、公明党議員団の立場で総括質疑をさせていただきます。質疑は通告のとおりで、3番、その他で3問お聞きする予定です。また、質疑は、1、令和5年度中野区決算についての中で順番を入れ替え、初めに(4)中野駅新北口駅前エリアのまちづくりについてからお伺いしますので、理事者の皆様におかれましてはよろしくお願いいたします。
[1]初めに、1、令和5年度中野区決算について。
(4)中野駅新北口駅前エリアのまちづくりについて伺います。第2回定例会でも始終伺ってきたところですけれども、施行認可申請の状況から伺ってまいります。
まず、市街地再開業の施行認可申請のスケジュールについて、施行予定者の間で保留床処分金の負担に係る協議が調わないことから関係権利者の事業計画に関する同意依頼を行うことが困難な状況となっていました。本事業については、工事費の高騰などにより事業収支が折り合わず計画が遅れるのではないかとの話も聞きます。中野四丁目新北口駅前地区の市街地再開事業については、5社から4社に変更し、各地権者による事業計画同意後、施行予定者が7月初めに東京都に施行認可申請を行ったと聞きます。まず初めに、その後の進捗状況を伺います。
○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 中野四丁目新北口駅前地区第一種市街地再開発事業におきましては、7月の初めに施行認可申請を行ったところでございます。その後、9月初めには、施行予定者から、物価上昇等による工事費増が見込まれるため工事費等の精査及び事業遂行できるかの確認を行いたい旨の通知がございまして、事業認可申請手続を一時保留をしたいという旨の通知がございました。また、先週末には、施行予定者より今年度予定をしておりました事業の執行ができない旨の連絡があったものでございます。
○小林委員 今年度に執行ができない。これは今後の質問について全て大きく関わってくる話なのでしっかりとお聞きをしていきたいと思っています。計画では、本年度内の権利変換計画認可、転出補償金の入金の予定でしたけれども、現実に補償金が入金されるのでしょうか、伺います。
○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 物価上昇等による工事費増を踏まえまして、現在、施行予定者側で事業を遂行できるか等の確認作業を行っております。このため事業スケジュールは見直しとなる予定でございます。このため本年度内の権利変換計画認可及び転出補償契約は難しくなっておりまして、区及びまちづくり中野21の転出補償金の受領は来年度以降となる見込みでございます。
○小林委員 入金が遅れる、そして事業も遅れる。そうすると事業スケジュールは当然遅れるんですよね。遅れるのであれば、その分だけ様々な影響が生じると思います。どのような影響があるのでしょうか伺います。
○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 事業スケジュールの見直しの影響につきましては、今年度内に転出補償金が受領できなくなるとともに、本事業に関連する本年度予算約100億円が執行できないということになります。また、旧区役所高層棟及び中野サンプラザの解体工事着手が遅れるとともに、工事着手までの建物の維持管理経費もかかっていくということになります。新北口駅前エリア拠点施設の竣工が遅れることになるため、新北口駅前広場等の基盤整備への影響についても検証が必要となります。
○小林委員 これ、まだここから先聞いていくんですけども、これは総括質疑で聞くような話ではないんですよね。本来であればきちっと、特別委員会もありますし、常任委員会もありますし、そこで報告をしていただく。そしてきちっとした形で中野区の体制の下でどういうふうに行っていくかということをしっかりと本来聞きたいところなんです。
私は今回、その状況については、この質問をするのに当たって取材を受けながらこういったことの状況を改めて確認をさせていただきました。ちまたでは、建設業界や開発、デベロッパー業界でもいろんな話が飛び交っている。そうした中で中野はすごく注目もされている。そうした状況の中で、これって本当に大丈夫なのと。これまで多くの同僚議員の皆さん方が一般質問をはじめ、また各委員会でも質問してきましたけれども、ここに来て、こういった状況で、非常に今後の中野区の財政運営のことも心配になってきます。とどのつまり新区役所の返済計画にも影響を大きく及ぼすと考えます。そこで、事業収支が成立しないのであれば事業計画の見直しが必要となると思いますが、これまで示されている拠点施設の計画は変わるのか、変わらないのか伺います。
○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 工事費の高騰等によりまして事業計画の見直しが必要ということでございます。事業収支改善のためには、施設計画の変更についても検討が必要となるというふうに考えてございます。具体的な検討は今後となりますが、施設計画が変更となる場合でも、基本的には本地区で既に決定している都市計画、また、これまで御説明してきた拠点施設のコンセプト、歩行者ネットワーク構成等を踏まえて再検討を進めるということで考えてございます。
○小林委員 すごく大きな話で、区の権利床の面積は、これまでに示されているものから変わらないのか伺うとともに、変わるとすればどのように変わるのか伺います。
○半田資産管理活用課長 先ほど担当から御答弁しているとおり、施設計画の変更も含めて検討が必要な状況となってございます。仮に施設計画を変更する場合には、変更内容によっては権利床の面積が変更になる可能性もございます。施行予定者との協議がまとまり次第、改めて議会のほうにお示ししたいというふうに考えてございます。
○小林委員 絵に描いた餅じゃないんですけど、すばらしい中野の駅前にはまちができる、高層棟の絵もたくさん見せられて、まちの人たちはこんな施設が中野にできるんだと。私も当初の計画のときには、この計画については、いち早くいいものができるのであれば、正のスパイラルになる中野のまちができるのであればというふうに思っていたところです。しかし今のお話を聞くと、様々な課題が多過ぎて、大き過ぎて、中野のこれからの財政運営を含めてすごく不安になってきます。また議会についても不安になってきます。ちなみに、まちづくり中野21の貸入金は年間6,000万円程度かと思います。まちづくり中野21の借入金の金利負担は年間幾らになるのでしょうか。まちづくり中野21の権利変換が遅れると、まちづくり中野21の金利の支払いは続くことになるのか伺います。
○永見総務課長 まちづくり中野21は、西武信用金庫からの借入金の利息といたしまして、年間6,400万円程度支出してございます。権利変換計画認可が遅れれば転出補償金の受領も遅れることとなります。転出補償金を受領し、それを原資に借入金の元本を返済する予定でございますが、補償金の支払いが遅れるとなりますと、その分利息の支払いが続くことになると考えております。
○小林委員 利息の支払いがずっと続いていく。この事業が遅れ転出補償金が入ってこなければ借入金の金利は増大し、区の財政フレームは、区の他の事業も含めどのくらいの影響を及ぼすのか伺います。
○竹内財政課長 転出補償金の遅れにより、今年度見込んでいた45億円が収入されないことになってございます。来年度については、まちづくり中野21からの配当金の収入も見込めなくなります。その他区債の金利、まちづくり事業の執行など、ほかの事業にも大きく影響があると想定されまして、今後の事業進捗を注視していきたいという考えでございます。
○小林委員 この中野駅新北口駅前エリアの事業採算が、現時点で900億円から1,000億円合わない、足りないという話も聞こえてきています。もう既に破綻をしている。よって事業計画が大幅に遅れる。つまり白紙、ゼロベースからの見直しという声も聞こえてきます。よって権利変換も大幅に遅れ、新区役所の建設財源であるところの260億円、400億円にも当然のことながら大幅に遅れてくる、見込めないことになる。こんな大事な話が、なぜこの総括質疑で、私の質疑でされなければならないのか、本当にこれは憤りを覚えます。1,000億円ですよ。当初1,700億円から1,800億円とされていたものが、プラス900億円から1,000億円ということは1.5倍、3,000億円近い金額になってくる。それは、事業者さんから示された建設費かもしれませんけれども、この2か月間、7月には認可申請をするぞ、今回これで行けるということで行ってきたはずです。議会も、3月からこれを遅らせて議決をしたものを改めて議決をし直したところです。
しかし、その舌の根も乾かぬうちというか、この期間にこれだけの大きな損失というか、中野の今後の財政フレームにも大きく影響してくる、こうしたことが何で分からなかったの。第2回定例会や総務委員会でも言いましたけれども、中野区は行政であって、行政的なまちづくりの優秀な方々がたくさんいらっしゃいます。しかし開発をしたり、デベロッパーのように、また大規模なまちづくりをするようなことについての専門的な見地のある方が非常に少ない、もしかしたらいないのかもしれないと私は思っています。もしかしてというか、いないと思っています。いれば、こういったことについての嗅覚がきちっと利いて、何か危ないのではないのかな、これっていいのかな、俯瞰的にこの計画についてこれまで見てくることができたんだというふうに思います。
駅前に前代未聞の巨大な空き家、中野サンプラザは空き家になったままです。リスク管理も含め、これほど大きな問題について委員会も開かず、報告もなく、区政をつかさどる区長の御見解を伺います。
○酒井区長 新北口駅前エリアの市街地再開発事業における施行予定者との協議、調整状況については、現在事業の進捗が厳しい状況にあるということで認識をしているところであります。これは昨今の物価上昇、工事費の高騰に起因するものでありまして、区としても何とかこの状況を打開しなきゃいけないと思っております。新北口駅前エリアの拠点施設設備は、中野駅周辺まちづくりの中心となる事業でございます。中野サンプラザのDNAを継承するシンボル拠点をつくる、駅周辺の回遊性を高め、にぎわいと交流に満ちたまちをつくるといった事業のコンセプトには変わりはございません。事業推進における事業の状況の変化や協議、調整状況等を適宜区議会とも情報共有しながら着実に事業を推進していく考えでございます。
○小林委員 今となってというか、今日となってというかは幾らでもこれは言えるわけで、過去を振り返って、あのときこうしておけばよかったとか、これから今後こうしていきますというのは幾らでも言えるわけで、しっかりと対応のできる体制と、しっかりと対応を議会にも報告をしていただきながら、本当にさっき言ったように、白紙、ゼロベースからの、中野のど真ん中での、中野のメインの事業であったところの、また中野の財政的な、大きな、大きな、歳入含めてですけども、事業が、このような結果になっているというのは非常に憤りを感じますし、中野の駅前のまちづくり、中野区民のためになるのかならないのか、区民第一の心がそこにあるのかどうか、そこが非常に心配というよりも憤りを感じるというか、今そういった状況であります。しっかりと対応していただきたいと思います。
ではここから、改めて令和5年度中野区決算について伺ってまいります。
令和5年度歳入歳出決算額は2,039億円、歳出決算額は1,986億円でした。実質収支は35億円、実質収支比率は3.8%、経常収支比率は前年度比0.8ポイント増の71.2%、実質公債費率は0.6ポイント増のマイナス3.5%でした。一般財源は965億円で、特別区交付金の増などにより、前年度比3.6%増、特別区税と特別区交付金の合計金額は858億円で、歳入の全体の41%、特定財源は1,074億円で、地方債などの増などにより、前年度比40.8%の増でした。区は令和5年度決算を、普通会計による歳入歳出ともに健全であるとしています。中野区財政白書、令和5年度決算の状況を頂き、中を見ると一点新たな分析が入っています。それは82ページから、4、施設別財務所類の項に、新たに有形固定財産減価消却率、区民一人当たりの行政コスト、利用状況と費用の分析が記載され、客観的な指標が見やすくなったと思います。
初めに、令和5年度特別区債と基金の状況について伺います。令和5年度中野区の区債発行額が大きく伸びています。この起債の増は新区役所建設に係るものであります。区債発行額が多く、今後の金利負担及び学校建設など他の区債の償還もあり、今後義務的経費化となるため、財政上、運営上の制約となると考えます。そこで今後は、駅周辺のまちづくりを円滑に進めるため、償還を遺漏なく進め金利負担を極力抑える必要があると考えますが、見解を行います。
○竹内財政課長 新庁舎の財源として起債を発行した額は約116億円と多額でございまして、これに伴う利子も相当な規模となることから、速やかな償還が必要と考えてございます。
○小林委員 また、2年の定時償還を行わなければならないのか、普通の償還では駄目なのか伺います。
○竹内財政課長 定時償還も選択肢としてはあり得るところでございますが、利息負担を抑制するために短期の償還が望ましいと考えてございます。
○小林委員 今後の定時償還時期とその間の金利負担額を伺います。
○竹内財政課長 起債時の予定といたしましては、令和6年度に庁舎の特別区債の償還予定時期は令和7年3月、金利負担額は約7,600万円を想定してございました。令和7年度の償還予定時期は令和7年7月、金利負担額は約1,900万円を想定していたところでございます。
○小林委員 償還予定の財源は何で賄うのか伺います。
○竹内財政課長 こちらは、中野駅新北口駅前エリア再整備事業の事業仕組みに基づきまして区財産の処分による転出補償金を想定したところでございます。今後の償還につきましては検討していきたいと考えてございます。
○小林委員 (2)の中野区歳入歳出決算額について伺います。歳入決算額のうち依存財源、自主財源ともに増加しています。主な増要因は基金繰入金と地方債収入です。そこで、このような基金繰入れによる歳入確保はいかがなものかと考えます。基金繰入れは預金取崩しで、地方債歳入は区は世代間の負担公平化といいますが、これは単に借金と考えます。区の認識を行います。
○竹内財政課長 まず基金につきましては、将来に計画している事業の財源として、一時期の多額の支出に備えるために積立てを行ってきたものであり、必要なタイミングで基金を繰り入れたものと考えてございます。
また、起債は借金であり、相応の利子は発生することになりますが、令和5年度においても施設整備に一時期に多額の支出が発生するために、ほかの財源や後年度負担の俯瞰をした上で起債を発行したものでございます。今後も財政運営の考え方を踏まえ、適切な財政運営に努めてまいりたいと考えてございます。
○小林委員 将来負担の増加、基金取崩し、起債返還額の増加について留意する必要があると考え、区の見解を伺います。
○竹内財政課長 将来負担の増加や基金取崩し、起債返還額の増加が区財政に影響を与えることになるため留意すべきと考えてございます。様々なリスクを想定しながら、区民サービスに影響を及ぼさないよう適切な財政運営を進めてまいりたいと考えてございます。
○小林委員 例えば歳入減の時期が来たとき、学校建て替え計画がそのとおりに進められるのか伺います。
○竹内財政課長 一時期に多額の費用を必要とする学校などの施設建設につきましては、あらかじめ計画的に積み立てた基金、そして起債を活用することを想定してございます。持続可能な財政運営を行うため、基金や起債をバランスよく活用し事業の進捗を図っていく考えでございます。
○小林委員 また、区民のセーフティネットの支出を維持できるかどうか、財政運営上は持続可能なのか伺います。
○竹内財政課長 歳入が減となった場合においても、ニーズを的確に捉え、需要に応じた適切な区民サービスを提供していくことが求められております。PDCAサイクルをしっかりと機能させて経常経費の削減に努めるとともに、財政調整基金の適切な運用により持続可能な区政運営を進めていく考えでございます。
○小林委員 財政白書ですとか監査意見書などを見ますと、国保会計への繰出金が大幅に増加しています。これは一人当たりの医療費の増加によって東京都への納付金が12億5,000万円余り増加したことが主な要因と聞きます。そこで、医療費については新型コロナ禍の影響でリバウンドによって増加したものと思いますが、その後の推移について区の認識を伺います。
○宮脇保険医療課長 中野区国民健康保険の医療費は、令和2年度の新型コロナ感染症の流行による受診控えの反動で、令和3年度に大幅に増加したところでございます。令和4年度以降は被保険者数の減少により医療費の総額は減少しておりますが、被保険者の高齢化や医療の高度化を背景に、一人当たりの保険者の負担額は横ばいで推移しているところです。
○小林委員 コロナ禍ではやっぱり受診控えをされた方々が、今日になって受診を行うようになってきた。そうした中で、国民健康保険における医療のデータ分析と今後の実施計画が必要かと思います。区の見解を伺います。
○中村保健企画課長 医療費のデータ分析と実施計画についてお答えいたします。区では、中野区国民健康保険第2期データヘルス計画を策定しておりまして、医療費適正化事業等を実施してございます。今後とも医療情報、レセプトや健診結果の情報等のデータ分析の精度を高める工夫を行いながら、効率的、効果的な保健事業を実施してまいりたいと考えてございます。
○小林委員 国保会計、私はこれまでそんなに触ってはこなかったんですけれども、今回いろいろ見ていきますと、やはり国保会計自体にも厳しく目を向けていかないと、国保会計への持ち出し金額が増大し、一般会計にも大きな影響を及ぼすことになると思うので留意をすべきと考えます。
もう一点、決算審査意見書に弁償金の未収金が年々増えています。どのような対策が考えられるのか伺います。
○葉山生活援護課長 弁償金は、年金受給権等はあるものの裁定請求手続中で支給が始まっていない方や、不実の申請があった場合などに生じるものでございます。このため世帯状況を的確に把握し、債権を早期に回収するなどの対応を着実に行ってまいります。
○小林委員 対象となる方々、債権をどのように回収していくのかというのは非常に難しいことだと思いますけれども、しっかりとお願いをしたいと思います。
3番目に、財政指標と分析について伺います。全体的には健全で好調のようですが、区は財政白書に、子育て支援や高齢化による扶助費、繰出金等の増加も予想されることから、臨時的、投資的経費を一定程度見込む計画的な財政運営を確保するため事業見直しを行うなど、安定的な財政運営に努めるとしています。
そこで何点か伺ってまいります。初めに、経常経費充当一般財源の増加が著しい原因は何か伺います。
○竹内財政課長 経常経費充当一般財源が増加した要因でございますが、財政調整交付金が約26億円増加したことが主な要因と考えてございます。
○小林委員 物価高騰への対応について、経費増を把握し、これにはしっかりと対応するとともに、経常経費の削減についても見直し、改善を努めるべきと考えます。区の見解を行います。
○竹内財政課長 効果的な政策を打ち出していくために、最近の物価高騰の状況を十分に踏まえることが重要と考えてございます。経常経費について、削減を前提としながら、事業実施が目標等を大きく下回るものや執行率が一定の水準に達していない事業を中心に改善に努めていく考えでございます。
○小林委員 今後の経常経費削減を区はどのように考えているのか具体的に伺います。
○竹内財政課長 経常経費につきましては、削減を原則とし、デジタルシフトによる行政サービスの質、生産性の向上を念頭に置いた内部管理事務の効率化を進め内部管理コストの削減を図るなど、歳出抑制、節減に努めていくこととしてございます。さらに、毎年度経常的に実施している事業につきましても、エビデンスを基にした分析により適切な財政需要推計を行い、適切な予算規模とし、決算時の見込み差、残額の縮減に努めることを徹底していきたい考えでございます。
○小林委員 徹底していくというところが、常に一番最初の質問のところに返っていくんですけれども、私の頭の中では。できていくのかな。今日は決算議会ですから決算のことを聞いていますけれども、最後に言いますけど、決算議会は予算議会でもあると私は思っていますので、その辺を徹底して行っていっていただきたいと思います。
翌年度への繰越事業が例年になく多いと考えます。これは決算審査意見書にありました。まちづくり系が多く難しいと思いますが、繰越しが多い理由を伺うとともに、計画時の予測、管理の精度を上げてほしいと考え伺います。
○近江まちづくり計画課長 繰越事業が多いことについて御答弁申し上げます。繰越しにつきましては、下水道などの地下埋設物管理者といった関係企業者との調整や権利者との調整によって発生するもの、また、事業によりましては、着実な歳入確保のため翌年度着手予定であった工事の前倒しによるものなど様々な理由がございます。今後とも予算編成に当たりましては十分精査するとともに、事業実施時には事業工程の工夫等を行いながら歳入の確保に努めるなど、着実な事業推進を図ってまいります。
○小林委員 まちづくりというのは、なかなかほかの事業と違って一朝一夕というか、短期間のうちにはいきませんし、それから見えにくいということもあります。こうしたまちづくり事業は年間の進捗状況が見えにくくなっています。外部からも進捗状況が見えやすいように改善すべきと考えます。いかがでしょうか、伺います。
○近江まちづくり計画課長 事業や工事等を進めるに当たりましては、区が事業主体である場合は、事業の進捗や工事の実施状況などについて、まちづくりニュースの配布や説明会の実施など、地域への周知を丁寧に行ってまいりたいと考えてございます。
また、東京都や組合施行など区以外の事業者が事業主体である場合は、施行者と協議、連携の上、地域への分かりやすい情報提供が適宜行われるようにしてまいります。
○小林委員 ぜひお願いしたいと思います。中野区のホームページを見れば飛ぶようにできていますよ、リンクが貼られていますよということではなくて、皆さんがあっち行ったりこっち行ったり、あっち見たりこっち見たりではなくて、しっかりと、一本化というのは非常に難しいとは思いますけれども、見えやすく、また区民の皆さんに安心していただけるまちづくりを行っていただきたいと思います。
そこで、基金、起債は新しい財政運営の考え方に沿って適正に執行されたようですが、建設費の高騰により基金積立ての目標額が現状と合致していないと考えます。将来負担を考えると、基金積立てと起債活用のバランスについて再考の余地があると考えますが、いかがでしょうか、伺います。
○竹内財政課長 施設の改修費に用いる基金につきましては、物価高騰の影響を強く受けていることは認識してございます。長期的な財政フレームを考慮した上で、基金全体の積立ての考え方を再考することにつきましては検討していきたいと考えてございます。
○小林委員 金利上昇の局面において、金利負担を考えると、区債の現在高の推移も考慮した起債と基金のバランスを検討すべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
○竹内財政課長 金利の上昇局面におきましては、公債費が区民サービスに影響を及ぼすおそれが大きくなると考えてございます。起債の発行と基金の活用につきまして、区債現在高の推移も考慮しながら慎重に検討していく考えでございます。
○小林委員 区有施設の保全を進める上で、経費全体を考慮した上で区有施設整備計画を作成しないと、将来どのくらいの負担があるのか分かりづらいと思います。例えば施設維持管理、光熱費などを含めて説明しないと区民に分かりやすい説明にならないと考えます。見解を伺います。
○半田資産管理活用課長 区有施設整備計画におきましては、建物の改築、改修及び保全に係る施設更新経費の将来推計を試算しお示ししているところでございます。施設に係る維持管理費や光熱水費等の毎年度のコストにつきましては、施設別のものを財政白書に掲載しているところでございます。区民に分かりやすい試算の在り方につきましては、引き続き検討を進めてまいりたいというふうに考えてございます。
○小林委員 今、財政白書の中でも示されてはいるんですけれども、それは単にハードな面だけであって、もちろん施設が直営の場合か、指定管理になるかとか、それから施設の用途によっても変わってくるとは思うんですけれども、いろんな視点を持って分析をしながら進めていかなければいけないのではないかというふうに思っているところです。
また、将来の負担額も見えない中で、起債等の財政運営の判断が難しいと思います。中野区の会計は、起債も基金からの繰入れも両方当該年度の収入として扱いますが、将来活用できる財源をそれだけ減らしているという意味であると考えます。基金、起債については、単年度のみでなく、長期的な負担額、将来予測を分析すべきであると考え、伺います。
○竹内財政課長 施設の建設などの整備費用につきましては、発生主義による将来負担額の把握が有効と考えてございます。基金、起債については、財政フレームにおいて10年先の予測を行い、長期的な負担額や将来予測を分析しているところでございます。今後とも持続可能な財政運営が進められるよう、精緻な分析を行っていく考えでございます。
○小林委員 私は債務負担行為も負担額に相当すると考えています。起債は、単年度の負担額よりも現在高が膨らまないように、財政が縮小しても払っていけるよう、以前は基金を増やして起債を縮小していましたが、現在は基金積立ても起債も両方伸びています。金利負担を考えると起債を抑制する方向を明確にすべきではないかと考え、区の見解を伺います。
○竹内財政課長 金利上昇局面におきましては、公債費の上昇を抑制すべく起債額を縮小することが有効であると考えてございます。一方、起債の代わりに基金の取崩しを行うことは、基金残高を縮小し、将来に必要な施設整備に当たっての財政運営に影響を及ぼすことにつながるとも認識してございます。長期的な財政フレームを考慮した上で、基金、起債の全体の考え方について検討していきたいと考えてございます。
○小林委員 今後のまちづくり、学校の建て替えの増加を考えると起債残高が積み上がっていくことに一抹の不安を感じています。公債費負担比率は、現在の一般財源を前提とした数値で、中野区方式では10%以内となるように定めています。これが仮と言ってはなんですけど、仮に分子が同じで、予算が、分母が大きくなれば公債費負担比率は小さくなります。歳入が減少し、予算が、分母が小さくなれば、公債費負担比率は10%を超えていく、大きくなっていく、区の負担が大きくのしかかっていきます。例えば2008年には832億円のところが約50億円でした。それは6.0%。今回、令和5年は1,103億円に対して27億円で2.4%でした。仮に歳入、分母が、予算が小さくなって、2008年、平成26年の832億円になれば3.2%に跳ね上がってしまう。つまり分母が小さくなれば分子は大きくなる。となると公債費負担の比率はそれだけ大きくなってくる。一般財源が先細れば当然比率は上がります。一度起債すると20年間は払い続けることになり、特定財源の当て込みがない、将来的に特定財源を確実に確保できるかどうか分からないので、起債はできるだけ抑制することが必要と考えます。
インフレで、将来的に支払い負担は目減りするという考え方は右肩上がりの時代のことであり、区は住宅ローンのような、リーマンショックがあり借金返済に困っても不動産を手放すわけにはいかないので、20年間支払いに耐えなければならないと思います。今回は財源が上振れしたため予定していた起債を行わなかったようですが、区の今後の起債の考え方について伺います。
○竹内財政課長 一時期に多額の費用を必要とする施設建設等につきましては、財政負担の平準化と世代間負担の公平化を図る意味から起債を活用することとしてございます。補正予算編成時点及び出納整理期間において、歳出の執行状況、歳入状況を踏まえた上で、総合的に起債発行の最終判断をする考えでございます。
○小林委員 先ほども決算は予算という話をしましたけれども、令和5年度予算を編成するとき、今回もう決算ですけども、令和5年度予算編成に想定した具体的にどの事業でどのくらいの抑制ができたのか伺います。
○竹内財政課長 令和5年度におきましては、当初予算で総務債、土木債、教育債について275億円の起債を想定してございました。最終補正予算におきまして起債の取りやめ及び起債額を減額し、33億円の起債を抑制したところでございます。さらに、出納整理期間におきまして土木債の起債を取りやめ20億円の起債を抑制したところでございます。
○小林委員 令和5年度の決算を十分に精査した上で、実効性の高い規律ある予算編成を行っていくべきと考えます。
そこで、中野駅新北口駅前エリアのまちづくりについて、これは先ほど一番最初に取り上げましたけれども、区にとって今後の予算編成にも大きな変更を迫られるものであり、これまで様々指摘させていただきました。令和5年度決算状況を踏まえ、今後の財政状況をよしとせず、これまでがよかったから今後いいとは限らないということですね。その上で今後の財政運営を鑑み、令和7年度の予算編成方針について、決算結果をどのように生かすのか改めて伺います。
○竹内財政課長 令和7年度の予算編成方針におきまして、過去の決算の状況を十分に踏まえて予算積算を行うことと明記してございます。事業実績や目標を大きく下回るものや執行率が一定の水準に達していない事業などさらなる見直しが必要な事業につきましては、関連する既存事業等の廃止、統合、縮小についても検討や進捗状況を踏まえた予算要求を行うこととしてございまして、歳出の抑制を徹底していく考えでございます。
○小林委員 歳出の抑制って、今回の新北口駅前エリアの件に関わっては相当な負担を生じることになります。まして新庁舎、家を建てたものの、借金をして家を建てたものの、住宅ローンが払えないから、空いているあっちの空き地を売ってでも返しなさいよと言われてしまう。そして次に、旅行でも行こうかなと思っていたところが、旅行なんぞにとってもじゃないけど行ける余裕は残らない。そうした状況が中野区の今の状況、今日の状況にあります。そうした中で、財政見通しというのは非常に危ういところに今中野区は来ていると思います。これは財政運営だけではなくて、まちづくりもそうですし全てのことについて影響をしてくる。そこをきちっと認識しないと、ただ単に検討していきます、やっていきます、これからも徹底してまいりますだけではないということを深く申し上げておきたいと思います。
5番目に、区のDX政策について伺います。区は、共通発券機やコパイロットなどの様々なDXへの事業投資を行っています。これは経常経費化する事業となるため、相対する経費削減の目標を作成し示すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
○瀬谷デジタル政策課長 新庁舎整備を契機に行ってきたDXにつきましては、区民サービスの向上を目的としたものもあり、全てについて経費削減の目標を示すことは難しいと考えております。また、これまでに示してきました経費削減効果の試算につきましても、客観的な削減実績を把握することは難しいため、どのように評価、検証を行うか手法を検討しているところでございます。
○小林委員 区のDXへの多額な投資は、導入による効果について目標値をつくるなど、区民が分かりやすい評価を行うべきではないかと考えています。これはこれまでも言ってきています。DX全体を含めた評価、検証を示すべきと考え、見解を伺います。
○瀬谷デジタル政策課長 情報システムその他DXツールの導入に係る評価、検証に当たりましては、区民や職員のアンケートなど手法を検討しているところでございます。引き続き、ほかの自治体等の事例を調査研究も行っていきたいと考えております。
○小林委員 投資に見合う成果検証、システムの更新、新たな投資に対してエビデンスになるものと考えます。慌てて何でも飛びつくものではなく、中野区は民間企業ではありませんので、全国の自治体に先駆けてファーストペンギンになる必要はないと考えています。区民のためになる政策を一つでも多く行うことに傾注すべきであります。想定とは違った課題の多い新庁舎、例えばMS365、コパイロットなどのシステム管理、運用の改善すべき点をどのように考えているのかを伺います。
○瀬谷デジタル政策課長 MS365やコパイロットなどのシステムにつきましては、職員へのアンケートを行うなど改善点の把握に努めてきております。システムが効果的に活用されるよう改善すべき点は改善し、職員が利用しやすい環境の構築に努めていきたいと考えております。また、検討に当たりましては、区民サービスの向上と内部事務の改善の効果を、高いものから優先順位をつけて進めていく必要があると考えてございます。
○小林委員 区民のために導入されているものというふうに、前提がですね、職員のためとか、ただ単に仕事の効率だけということではなくて、区民にどれだけ還元できるかということが入れた目的の一つでも私はあると思っています。それは手書きよりワープロのほうがよかった。ワープロよりパソコンのほうがもっと仕事が効率的にできてくる。パソコンよりも、コパイロットやAIを入れていけばどんどんもっと効率化していく。ただ機械だけが先行していって、ハードだけが先行していって、そこに関わる人、関わる仕事、仕事の中身、そこがきちっとされていかなければいけないというふうに考えています。
また、経常経費化する分のうち、物価高騰分は幾らになるのか、おおむねの目安を示し、財政運営を行うべきではないか、伺います。
○竹内財政課長 物価高騰につきましては、下降線をたどるものではなく、その傾向が平準化されると考えてございます。今後の物価高騰も意識して財政フレームを作成するなど適切な財政運営に努めていく考えでございます。
○小林委員 もう一点、MS365ライセンスやパソコンモニターが無駄なく適正に配布され使われているのか、また、MS365のライセンス数は適切か、今後どのように使用していくのか伺います。
○保積デジタル基盤整備担当課長 昨年度からマイクロソフト365の運用を開始し、5月に新庁舎移転に合わせてパソコンモニターを調達いたしました。その後、8月までに庁外施設を含め配備が完了したところでございます。現在過不足なく配置が行われているものと認識しております。今後は、利用状況を鑑みながら数の精査に努め、適切な環境整備を行っていきたいと考えております。
○小林委員 しっかりと行っていっていただきたいと思います。無駄なくって簡単に言いますけれども、もちろん職員の皆さんの人数も変わるときがありますし、それから日進月歩の施設設備もありますし、そして業務の改善も新たにされていくと思いますけれども、その辺はしっかりやっていただきたいと思います。
1、令和5年度中野区決算について、最後にその他で新庁舎について伺います。初めに、新庁舎への移転に当たっては、週末や時間外などを使って4月から5月にかけて移転に向けた準備を行った窓口など、現場の職員の皆様方の労苦を労うとともに、この場で感謝をお伝えしたいと思います。移転後、今日まで大きな混乱なく区民サービスを継続できているのは、この職員の皆様方のおかげであると認識しています。引っ越しといってもこれだけ大きな所帯が引っ越しをしてくる。去年から相当な計画をつくって、年明けにその事務体制を整えて、4月、5月で引っ越しをされてきたのではないかというふうに思います。
一方で、これまでも指摘してまいりましたが、この場にいますマネジメントをする方々側への判断について何点か伺いたいと思います。新庁舎は委託業者が、ビル管理、防災管理、清掃業務、警備業務を民間業者へ一括委託されています。また、総合窓口や各階のフロア案内人も一社へ委託を行っています。旧庁舎と比較したランニングコスト、経費は、第2回定例会でも私の質問に対して、区は、設備管理費は旧庁舎で1億4,000万円でしたが、新庁舎では3億800万円と、2.1倍もの増、総合案内などの委託経費は、旧庁舎で約5,000万円でしたけれども、新庁舎では1億5,600万円、約3.1倍もの増となっていると第2回定例会で伺いました。区は昨年、一昨年の議会答弁で、固定電話での対応は時間がかかると、共通発券機を導入するための比較表を秒単位まで示し、新庁舎の窓口サービスは、区民のために使いやすい庁舎、窓口になると言い切ってきました。言い切られました。しかし説明とは異なり、1階で、入り口で迷い、電話がつながりにくく待たされる、時間がかかり、その上、職員の窓口での対応を遠く離れた席で上司も確認をすることができないなどと、課題もあまりにも多いと考えます。来客が少ない階、フロアもあります。来客が訪問担当を特定している場合は、都庁のようにフロア案内人を介さず直接内線電話をした方が早い、煩わしくない、よいというお声も聞きます。これは物すごく否定を私はされました、区側から、提案していたときに。そんなものは今どき時間がかかってしょうがありませんよというふうに言われてきました。議事録を見ていただければよく分かるとおりです。
各階に配置されたフロア案内人も、階によって大幅に削減するなど見直しが必要ではないかと考えます。共通発券機などのシステムを含め課題のある窓口サービスについて、今後の運用をどのように考えているのか伺います。
○高橋新区役所窓口サービス担当部長 新庁舎ではフロア案内人による対応と発券機を組み合わせて円滑に案内する体制を取っているところでございますが、移転から4か月経過をする中で、フロアごとに来客数や用件の聞き取りの困難度など業務負荷に違いがあることなど、課題を認識しているところでございます。今後、状況を踏まえた対応体制の最適化が必要だと捉えているところでございまして、一方でフロア案内ごとに繁忙期が異なるなどの事情もあることから、年間を通じた傾向を分析しまして見直し、改善を図っていきたい、そのように考えてございます。
○小林委員 中野区役所新庁舎は、都内の市区町村の本庁舎で初めてZEBready認証を取得しました。ZEBreadyとは建築物省エネルギー性能表示制度のことで、国土交通省が主導する建築物の省エネルギー性能に特化した第三者評価機関による認証制度です。最高ランクの五つ星と評価された上で、さらに省エネルギー性能に優れた建築物はZEBとして認証されます。新庁舎はZEBではなくてZEBreadyを取得しましたが、階によって暑いという意見から冷房の温度を低く設定したと聞きます。開庁から4か月が経過しましたが、エネルギー消費量は想定消費量と比較してどれくらいなのか、またエネルギー管理はどのように機能しているのか具体的に伺います。
○増子庁舎管理担当課長 開庁後のエネルギー消費量と管理方法についてお答えいたします。新庁舎は旧庁舎の1.7倍の床面積となることから、想定のエネルギーを旧庁舎の1.7倍を基準としております。ここまでのエネルギー消費量は想定エネルギーの使用量の範囲内に収まってございます。今年度は開庁初年度であるため、ベースとなるエネルギー消費量を把握した上でエネルギーを管理する方法を検討していきたいと考えております。
○小林委員 建物って1年間経たないと、春夏秋冬経たないと、その在りようというものがなかなか見えてこないという部分もあると思いますけれども、今4か月ということで、特に今年は暑い夏でもありました。エレベーターゾーンと中央部分で全く使い方も違っていたところもあったとも思います。開庁してから想定と違った設備、空調、警備について、庁舎管理の運用をどのように情報収集して何を改善していくのか、今後の庁舎管理運用をどのように考えていくのか伺います。
○増子庁舎管理担当課長 庁舎管理として必要な情報収集と改善についてお答えします。庁舎管理担当と警備、清掃、設備などの委託業者及びその統括責任者、管理者で毎月1回の定例会議を開き情報共有をしてございます。その会議において業務部門ごとに問題となっている事例や課題について協議し、必要な改善を行ってございます。例えば2階の空調の設定温度の改善やエレベーターやエスカレーターの運転時間の変更などがございます。日常的な問題に関しては、電話やメール、チャットを活用して委託業者の統括管理者への指示を出しております。
○小林委員 運用まで委託してしまっているので、職員の方々が直接その庁舎管理というところにどこまで入っているかということが非常に私としては気になるところでもあります。しっかりと見ていかないと、委託してしまっている管理者さんがどこまで気づくかということもあるので、委託の内容までは分かりませんけれども、このままいくと無駄な庁舎運営管理になってしまうのではないかということも危惧をしているので、その辺はしっかりと行っていただきたいと思います。
次に、空いているN-BASEなどの職務空間が多いようですが、机や椅子、特に一脚数万円という椅子の数は適正で、活用されているのか伺います。
○瀬谷新区役所整備課長 N-BASEにつきましては、特別職や部長間での緻密な連絡、協議を行うことを目的に整備をいたしました。座席数は特別職と部長級の職員数を基に算出しています。また、執務スペースにつきましては同一規格の什器を均一に配置しておりまして、人事異動や組織改正等の際にも人と物のみの移動で対応できるようにしております。職員等の増減に柔軟に対応できるよう一定程度の予備席を設けているところです。それぞれ現在の座席数につきましては適正であると考えています。
○小林委員 私は、N-BASEなどは民間企業でいうところの役員室のように見えています。つまり広く密度の低い部屋であるというふうに、それが果たして必要なのかどうかということも含めて検証が必要なのではないかと。その部分の面積というのはもっともっと活用ができるのではないかというふうに思っています。
その上で、10階にもありますけれども──この10階にもありますけれども、北側の職員の休憩スペース、コミュニティラウンジにある観葉植物は区民には一切関係のないものであります。この観葉植物に年間幾らかけているのでしょうか、伺います。
○増子庁舎管理担当課長 観葉植物についてお答えします。賃貸借契約で、契約額は88万円になります。
○小林委員 10階でいうと、ここをすぐ出た自販機の前にありますし、各階の自販機──自販機のない階もありますね。そこにもあります。それから1階の総合案内の両脇にも鉢があったりしています。本当にこれは区役所で必要なのかな。福利厚生で必要なのかな。これをもって中野区役所って、私は88万円かけてやることが区民にとって大事なことなのかということは、大きく、大きく疑問に思っています。88万円と聞いてちょっとびっくりをしたところです。
次に、大きな2番、小中学校の保護者負担軽減について。
(1)中野区立小中学校の給食費相当分について伺います。小・中学校の給食費全額補助については、今年度から、令和6年度から実施しているところでありますが、区は私立や国立へ通う児童・生徒に対しても給食費相当を支給することとし、当初区内共通商品券で支給することにしていましたが、二転三転あり現金で給付することになりました。そこで、当該事業について現時点での進捗状況はどのようになっているのか伺います。
○佐藤学務課長 中野区立学校在籍以外の学齢期児童生徒等世帯支援給付事業の実施に当たっては、今年度10月1日を基準日といたしまして対象者を抽出して、11月中旬より案内を送付する予定でございます。支給は12月下旬より開始し、その後は順次支給を行っていく予定です。
○小林委員 2番目に、小学生の保護者負担軽減について伺います。小学校においては、主に5年生で軽井沢、6年生で日光もしくはみなかみでの移動教室を実施しています。小学校の移動教室においては、バス代、宿泊代、見学料などの費用負担はどのようになっているのか伺います。
○佐藤学務課長 移動教室においては、バス代及び宿泊費等を公費負担しているため、主に保護者に負担していただいているものは食事代と体験料等でございます。保護者負担は、軽井沢移動教室については一人当たり約1万円、日光もしくはみなかみの選択制移動教室については約1万4,000円です。
○小林委員 軽井沢のほうが安いんですね。軽井沢が1人当たり1万円と今、言いましたね。みなかみのほうは1万4,000円でしたね。逆だと思っていましたけども。
それでは、中学生の保護者負担軽減について伺います。区立中学校の3年生、修学旅行を行っていると思いますけれども、保護者負担についてはどのような費用負担があるのか伺います。
○佐藤学務課長 中学校3年生修学旅行の保護者負担としては、新幹線、バス等の交通費や宿泊費、企画料、拝観、入場料等がありまして、1人当たり約6万9,000円の負担でございます。
○小林委員 これはお聞きしたいんですけれども、これは今年度ベースですか、それとも新型コロナ前のベースですかね。ちょっとそこを確認でお伺いしたいと思います。
○佐藤学務課長 先ほどの6万9,000円というのは今年度ベースでございまして、新型コロナウイルス感染症の流行前、平成29年度でありますと、平成29年度は1人当たり6万2,000円というところでございました。
○小林委員 そうすると、中学校の修学旅行というのは物価高騰も含めて今年は金額を上げていただいている、新型コロナ禍の前から比べるとですね。バス代や電車代、交通費も上がっているというようなことなんですね。新型コロナ前と比較をして増額になっているということであります。しかしながら親の負担というのは、小学生も中学生も数万、小学校は1万から1万4,000円ぐらい、中学校は6万から7万円ぐらいの個人負担を行っているということで、小学校の移動教室、中学校の移動教室や修学旅行には様々な保護者負担があるということが、今お聞きして確認ができました。
こうした中で、先日、葛飾区では移動教室や修学旅行の無償化を実施したところで、中野区においても保護者負担軽減のために保護者負担の全額補助の取組を実施すべきと考え、区の見解を伺います。
○佐藤学務課長 葛飾区において移動教室や修学旅行等の無償化の取組を実施することは承知しているところでございます。中野区で同様の補助を実施することを試算した場合、約1億5,700万円が追加で必要であると想定しています。財政的な負担も勘案し、保護者負担軽減の取組を検討していきたいと考えてございます。
○小林委員 楽しみにしている修学旅行、移動教室、また思い出も多くつくれる移動教室や修学旅行だというふうに思います。小学生、中学生の皆さんには今非常に教育費もかかったり、それから学ぶこともまた多かったり、ゆとり教育の時代とはまた違った教育環境もあるというふうにも思います。そして、家庭の事情によって行かれない方は少ないとは思うんですけれども、高額な費用負担について家庭の中で家計を圧迫してくる、そういったことが少なくなっていってもほしいと思いますし、中野区はそういったところにもしっかりと、保護者負担軽減のために、児童・生徒の皆さんの教育のため、学びのため、そして学校生活を有意義に送っていただける一つとして、修学旅行や移動教室の無償化も考えていただきたいと思います。
その他で、次に1番目、すこやか福祉センターの歯科診療ユニット、治療台の利活用について伺います。区内4か所のすこやか福祉センターには歯科診療ユニットが各1台設置されています。このユニットはすこやか福祉センターの改修時期などに合わせて交換もされてきています。最も古いユニットは中部すこやか福祉センターで14年、新しいユニットは南部と鷺宮で8年が経過しています。以前はこのユニットを用いて直営で歯科健診が行われていました。また、歯科衛生士による相談も実施されていました。現在の各すこやか福祉センターにおける歯科診療ユニット、治療台の利用、活用の状況を伺います。
○河田すこやか福祉センター調整担当課長 すこやか福祉センターにおける歯科診療ユニットの利活用についてでございますが、現在すこやか福祉センターの歯科診療ユニットについては、個別歯科相談において年に数回利用しているところでございます。
○小林委員 中野区区役所には、歯科衛生士が本庁の常勤職員をはじめ各すこやか福祉センターにも配置されていると聞いています。歯科衛生士の業務は、子育て専門相談、個別の歯科相談などがありますが、これらの事業の対象者、実施の状況はどのようになっているか伺います。
○河田すこやか福祉センター調整担当課長 子育て相談につきましては、母親のメンタルヘルス、子どもの発達に関わる相談等を受けているものでありまして、令和5年度の歯科関連の相談は154件でございました。個別の歯科相談につきましては、各種講習会等開催時に必要に応じて個別相談を実施しているほか、随時来所または電話による相談を受けているものであり、令和5年度の個別歯科相談は274件でございました。
○小林委員 すこやか福祉センターにおいて、歯科衛生士による高齢者の口腔フレイル予防講座などを新たに実施し、歯科診療ユニットを活用してはどうか。また、かかりつけの歯科医師がいない場合などについては中野区歯科医師会などにつなげてはどうかと考えますが、いかがでしょうか。
○河田すこやか福祉センター調整担当課長 高齢者の口腔フレイルにつきましては、高齢者会館などに出向いて行う出前講座において取り上げる機会が増えており、すこやか福祉センターが歯科診療ユニットを使うのは個別歯科相談に限られている状況でございます。
一方、スマイル歯科診療所では口と歯の健康支援センターも開設しており、口腔ケアに関する個別相談も受け付けていることから、連携を強化し、かかりつけ歯科医の紹介にも対応していきたいと考えております。
○小林委員 歯医者さんに行って分かるとおり、治療台のあの一式がすこやか福祉センターにあるわけですけれども、なかなかその活用の度合いが低い、頻度が低いということは、活用すべきという一点でもあると思いますので、しっかりと活用しながら、また乳幼児だけではなくて、高齢者もしっかりと使っていける、また相談にも応じていける事業にもなってくると思いますので、その辺は無駄なくというか、しっかりと使って、活用しながら区の事業にも生かしていただきたいと思います。これで歯科診療については終わります。
次に、2番目として各種工事施工監理等について伺います。中野区ではここ10年ほど数多くの新築工事をはじめ改修工事などを行ってきています。担当する職員の皆さんは、日夜にわたって図面に、現場に奮闘されている様子を聞いていますし、その様子は手に取って分かります。また、区の行う公共工事は民間の工事とも異なる点もあります。工事契約は、区が行う設計や積算に基づいて予定価格が定められ、入札によって落札額が決定されています。工事を請け負った施行者は、区が行った設計に基づいて工事を実施しなければならない。しかし改修工事などにおいて、設計図書と現場に不整合が生じ変更を求められるケースがあると聞いています。また、区担当者による現場確認の際に、担当と上司で指示が異なっているなど出戻り工事が生じている現場もあると聞いています。そこで、職員の世代交代が進んでいる中、技術職員の現場監理能力の底上げは急務と考えます。区の見解を伺います。
○大須賀施設課長 工事発注に当たっては、事前に現場の状況や過去の改修図面の確認など可能な範囲で調査を実施した上で設計図書を作成しております。また、担当者の現場指示については、設計図書や工事標準仕様書等の基準に基づき実施しておりますが、現場の施工状況を把握した上で速やかに上司に報告し、なるべく齟齬が起きないように配慮しているところです。技術職員の育成については、職場でのOJTのほか専門研修の受講など様々な機会を捉え、引き続き技術力の向上に努めてまいりたいと考えております。
○小林委員 ぜひ研修などを通じて、研修というか、もう日々の中で先輩から学ぶしかない、現場から学ぶしかない、現場と図面を見比べて学ぶしかないとは思いますけれども、ぜひ技術力の向上に努めていただきたいと思います。
新築工事や改修工事の際に、区側から追加要望があって変更や施工上の理由による変更、先ほどもありましたけれども資材の調達の事情などにより、現場を進める上で様々な変更が発生していると聞きます。こうした変更については、変更項目やその理由、変更金額の精査など、区から施工者へ多くの書類作成を求められるとのことです。施工者はこうした書類作成のために、現場業務が終わってから、技術的な業務が終わってから、時間を割いて事務的な書類の作成を行っているようです。建設業の働き方改革も進める中、区はこうした現状をどのように捉え今後改善していく考えがあるのか見解を伺います。
○大須賀施設課長 公共工事における書類の作成が施工者の多大な負担となっており、より一層の取組が求められていることは認識しております。工事関係書類の作成や提出については、これまで提出書類の一部見直しや押印廃止、またメール等での提出など負担軽減に取り組んでいるところでありますが、引き続き提出書類の簡素化に向け、国や都の動向も注視しながら進めてまいりたいと考えております。
○小林委員 ぜひお願いします。区のほうで最終的な出来合いの様式が決まっていて、このようにこういったものを作ってほしいというものを示せば、それで一度で済むところを、作ってくれ、どう作るんですか、ああですか、こうですかとやり取りをして、結局出したところが駄目で、こんなふうにしくれと、後出しじゃんけんみたいにされるのであれば最初から言ってくれという話もあります。そうしたことをもう極力少なくして、職員の皆さんもそんなことで行ったり来たりして勉強してもらう必要は全くないので、現場の方々の負担を減らす、もっといいものをつくっていただくというところに傾注をしていただけるような環境づくりというのも必要なのではないかというふうに思います。決して職員の皆さんが勉強しないということではなくて、するのであればきちっと部内でしていただくということです。
区では、小・中学校などの新築工事を発注する際、実際に工事を行う工事施工者のほかに、現場確認業務を行うための工事監理者、設計監理者の監理ですね──を配置していますが、区はさらに事業の円滑な遂行をするためにコンストラクションマネジメント、CMを配置しています。工事監理者とCMにおける役割分担と今後のCMの活用について伺います。
○大須賀施設課長 工事監理業務は、主に設計図どおりに工事が実施されているかを確認するものであります。この確認は法令に定められた建築士が実施することになっております。CM業務については、主に工事監理、コスト管理、品質管理などについて、発注者である区側に立って監理、支援するものであります。現在CMについては、主に新築工事の設計及び工事段階において配置しているところでありますが、今後の活用につきましては工事規模や発注件数など状況を見ながら判断していきたいと考えております。
○小林委員 ぜひ無駄というか、二重三重の指示というかそういうところのないように、せっかく区の職員がいらっしゃるので、しかも、これまでの技術を、また現場の図面の蓄積されてきた知識などを基にして対応ができるというふうに思いますので、私から言わせると不必要だと思うCMについては極力行わないで、工事監理者、施工者と区でしっかりと円滑に工事が進められるようにしていただきたいと思います。
○杉山委員長 委員会を休憩します。
午後3時00分休憩
午後3時00分開議
○杉山委員長 再開します。
○小林委員 すみません、5分以内で終わると思います。
最後に(3)として、江古田三丁目重度障害者グループホーム等整備について伺います。江古田三丁目重度障害者グループホーム等整備については、令和5年度に新たな事業者が選定されましたが、現時点までの進捗状況及び今後のスケジュールについて改めて伺います。
○大場障害福祉サービス担当課長 江古田三丁目重度障害者グループホーム等につきましては、令和5年度に運営事業者が決定した後、施設整備に関する基本計画を策定いたしました。今年度から令和7年度にかけまして基本設計及び実施設計を実施しており、その後、令和7年度から令和9年度にかけて施設整備工事を行い、令和9年10月の開設を目指しております。
○小林委員 この整備につきましては、令和4年度、重度障害者グループホーム建設の早期実現を願う会の皆さん方から陳情が出ました。そして陳情の中で、建設に向けた情報提供や懇談を継続してほしいという要望もありました。区はこれまでどのように取り組んできているのでしょうか、伺います。
○大場障害福祉サービス担当課長 昨年度、基本計画作成に当たりまして、重度障害者グループホーム建設の早期実現を願う会を含めました障害児者の団体や当事者の御家族に対しまして懇談も兼ねた説明会を実施しまして、計画に対する意見交換や情報共有を図ってまいりました。また、説明会には運営事業者も同席させまして、関係性づくりも行ってまいりました。今後も継続的に懇談の機会を設けてまいります。
○小林委員 この新しくできました新庁舎において、車椅子を使用している方から、床の絨毯がふわふわで沈み過ぎてしまって困るとか、障害者にとって利用しにくいという声も聞かれました。この整備に関して、今回の整備に関して、基本計画から現在の基本設計に至るまで、エレベーターやトイレの設備等について、早期実現を願う会やほかの当事者の方々、御家族の方々からのお声や意見をどのように聞き計画に反映されているのか伺います。
○大場障害福祉サービス担当課長 昨年、基本計画時に実施しました説明会におきまして、当事者の家族等からエレベーターやトイレについての御意見も頂きました。また運営事業者からも、日々の運営の工夫でできることも含め丁寧に説明をいたしまして理解を求めてまいりました。今後も丁寧に説明を行ってまいりたいと思います。
○小林委員 今後この施設を利用したいという方の保護者、入居したいという方の保護者は、課題があった看護師の配置はどうなるのか、自分の子どもは利用できるのかといったことが大きな問題、課題というふうに捉えています。区はこれらの問題に対して、具体的なスケジュールも含めどのように考えているのか、最後にお伺いをします。
○大場障害福祉サービス担当課長 医療的ケアの対応を含めた看護師の配置につきましては、入所者の状況によりまして職員配置等も変わるため、現時点においては確定はできませんが、今後事業者とも検討、調整を図ってまいります。
施設の利用方法につきましては、令和8年度中に予定している開設に向けた運営計画の作成時に検討することとしております。
また、施設利用等に関する説明会につきましては、令和8年度後半から令和9年度前半に実施する予定でございます。
○小林委員 三度、四度の不調があってやっと事業者さんが決まり、そして建設に向けて今、様々な基本計画、基本設計が行われ、声が反映されてきているところであります。そうした声をしっかりと、あと3年かかるわけですけれども、聞き入れていただきながら、出来上がって、新しいものができたじゃなくて、よいものができた、私たちが欲していたものができたと言っていただくような施設にしていただきたいですし、そうした人員配置もお願いをしたいと思います。
ここまで令和5年度の決算について様々お伺いをしながら、令和7年度に向けての区の考え方についても伺ってきたところです。一番最初に聞きました中野駅新北口駅前エリアの様々な問題については、来年度に向けて大きな大きな中野区の財政運営上の課題になってくるというふうに、問題になってくるというふうに考えています。そして来年度以降、長期的なスパンで見たときに、この計画の遅れ、それから計画の変更、そして区民に対する影響、一番大事な大事な区民がよそに置かれてしまうようなことがないように、令和5年度の決算を十二分に精査した上で、今回の問題点、大きな問題点も鑑みた上で、実効性の高い規律ある令和7年度予算に向けて編成を行っていただきたいと思います。
以上をもちまして私の決算総括質疑を終了いたします。
○杉山委員長 以上で小林ぜんいち委員の質疑を終了します。
ここで休憩にしたいと思います。
午後3時06分休憩
午後3時30分開議
○杉山委員長 委員会を再開します。
浦野さとみ委員、質疑をどうぞ。
○浦野委員 2024年第3回定例会におきまして、決算特別委員会で日本共産党議員団を代表し総括質疑を行います。質問は通告どおりで、その他はありません。よろしくお願いいたします。
初めに、2023年度決算と今後の施策について。
初めに、この決算年度の特徴についてお伺いいたします。この2023年度がどういう年だったか。他の委員からもありましたけれども、社会情勢としては新型コロナの4年目、前年から急速な物価高騰が襲いかかり、食品の値上げ、電気料金などの引上げが行われました。一方で、実質賃金の連続減少が続く下で、住民の暮らしと命、区内事業者を守るという公の役割が問われる1年だったというふうに思います。
区は、翌年度、今年度ですね、5月に新庁舎移転を控える中で、基本計画の後期、2023年度から2025年度のその初年度に当たる年でもありました。実施計画の策定、重点プロジェクトの具体化をする年でもあったというふうに思います。まず初めに、中野区として、この2023年度、どういう姿勢で行政運営に臨んだ年度だったのか伺います。
○竹内財政課長 お答えいたします。令和5年度は、急激な物価高騰への対策として様々な支援を行ったと考えてございます。また、子育て先進区の実現に向けて、子育て、子育ちに必要な環境の整備を進めるとともに学校教育の充実に取り組んだほか、まちづくりや地域の防災、安全の推進などに幅広く取り組んだものと認識してございます。
○浦野委員 そういう姿勢で臨んだ下で、その後物価高騰への対応が求められた年度でもあったと思います。物価高騰への対応として、この2023年度当初予算で計上していたものは何か伺います。
○竹内財政課長 当初予算に計上した経費でございますが、中野区産業経済融資における技術優遇措置につきまして約100万円余、商店街街路灯等の電気料助成基準の見直しに1,600万円余、学校給食特材の一部公費による調達8,700万円余や福祉タクシー・福祉ガソリン事業1,100万円余などが挙げられるものでございます。
○浦野委員 今、年度予算を組む段階では、ここまでのまだ物価高騰というのが来ていないときだったので、今の御説明いただいた中でトータルでも1億円ちょっとという形になるのかなというふうに思います。深刻なこの物価高騰への対策として、低所得者向けの給付金であったり、区内の保育園、幼稚園、介護事業所などへの食材費、光熱水費などへの補助や給食費の無償化など、当議員団として6月に区長に緊急要望を行いました。また議会質疑でも、臨時交付金の活用や、それにとどまらず区としての財政調整基金の活用や補正予算での対策も求めてきたところです。2023年度は第9次まで補正予算が組まれましたが、この中で物価高騰対策として補正予算で対応した主な事業や施策は何だったのか、これも中身と金額を合わせてどうだったのか伺いたいと思います。
○竹内財政課長 補正予算で対応した物価高騰対策でございますが、こちらは価格高騰支援給付金や子育て世帯生活応援給付金、区立小・中学校教材費補助、キャッシュレス決済ポイント還元事業でございまして、合計で経費はおおよそ64億円余となってございます。
○浦野委員 今64億円余ということでしたけれども、この64億円余の補正予算の中で、区としての独自施策というのは何だったのか、またその決算額について伺います。
○竹内財政課長 区の独自施策でございますが、こちらにつきましては、低所得世帯支援のための価格高騰支援給付金対象拡充、こちらに5億2,900万円余、商店街街路灯電気料金助成基準の見直しに1,600万円余、区立学校保護者への教材費補助、学齢期児童・生徒保護者に対する物価高騰対策として8,700万円余などで、決算額はおおよそ15億円ほどとなってございます。
○浦野委員 その中で、地方創生臨時交付金や都の補助金などを活用せずに、区の一般財源で対応したものの決算額について伺います。
○竹内財政課長 こちらに関しては、区の一般財源で物価高騰対策を行ったものに関して言いますと、民間学童クラブ物価高騰対策や介護サービス事業所物価高騰対策等でございまして、決算額はおおよそ2億4,000万円余でございます。
○浦野委員 実際振り返ってみてどうでしたか。補正予算などで対応してきたとは思うんですけれども、今の決算額も踏まえてどうだったのか伺います。
○中谷企画課長 令和5年度の物価高騰対策につきましては、物価高騰の長期化が区民や事業者に影響を与えている状況を踏まえ、生活者支援、事業者支援の観点から取り組んできたところでございます。具体的には、生活者支援として国の価格高騰支援給付金の対象範囲を区独自に拡大したほか、子育て世帯生活支援特別給付や学齢期の児童や生徒の保護者に対する給食費相当の給付、キャッシュレス決済ポイント事業などを実施いたしました。また、事業者支援として、私立の幼稚園や保育所等、民間学童クラブ、介護サービス事業所への補助や産業経済融資における自立優遇措置、商店街街路灯などの電気料金助成基準の見直しを行ったところでございます。これらの取組は、国や都の事業に加え、区独自の拡充を盛り込んで実施したものであり、区として必要と考える支援を着実に実施してきたものと認識してございます。
○浦野委員 今説明あったように、実質下半期からの学校給食の無償化であったりとか、事業者支援、区として独自に対象を拡大した低所得者の給付金などは、これは改めて評価をしたいと思います。また、区として独自に実施を決めた後に東京都が補助を決めたものもありましたけれども、先ほど決算額全体でどうだったのか、また一般財源でどうだったかということをお聞きしましたけれども、ここから、決算額から見ると、やはり区としてのもう少し独自施策は展開できたのではないかなというふうに思っています。
今年度、引き続きこの物価高騰が一層深刻さを増してきます。本会議で武田議員からも伺いましたが、今の状況について伺った際に、区長からは、長引く物価高騰の影響で依然として苦しい生活を送っている方も数多くいるという認識も示されたところです。ですから、やはりこの2023年度に実施したものも含めて、今年度、また新年度予算に向けても、区民、事業者を守る政策や展開を、重ねてこれは要望したいと思います。
次に、各財政指標と歳入について伺います。既に3人の委員から幾つかありましたので、私のほうからは少し割愛しながらと思いますけれども、まず初めに、この2023年度財政運営の考え方が改められ、基金の活用と積立て等について新たな基準を設けての予算編成を行った初めての年度でもあったというふうに思います。まず初めに、どのように考え方を改めたのか、その上でどういう予算編成を行ったのか伺います。
○竹内財政課長 これまでの考え方に加えまして、投資的経費の財源である基金の残高を意識しまして基金への積立て方の考え方を整理したほか、構造改革実行プラグロムの基本指標である、行政コスト対税収対比率及び経常収支比率の目標達成を意識した上で予算編成を行ったものでございます。
○浦野委員 その予算編成の結果、実際にどうなりましたか。
○竹内財政課長 一般財源充当事業費に関しましては803億円、一般財源による基金積立額が74億円、合計877億円で、目標の範囲に収まったものでございます。
歳入一般財源は、当初見込みを上回る914億円となり、差額37億円を財政調整基金の施設改修分や社会福祉施設整備基金、義務教育施設整備基金の積立ての財源といたしました。
○浦野委員 決算で実際にどうだったか、基金の積立ては当初の計画どおりとなったのか、併せて伺います。
○竹内財政課長 令和5年度の決算における基金の積立て状況は、令和5年度末残高で、合計で約799億円となってございます。各基金別では財政調整基金の359億円となりまして、当初予算の予定よりも積立てを増やすことができ、ほかの基金も当初計画どおり積立てを行うことができたものでございます。
○浦野委員 今回監査意見書の中で、施設整備に係る基金目標の残高について、将来的な活用を鑑みて目標額の妥当性が指摘をされていますが、この点についての受け止め、認識について伺います。
○竹内財政課長 財政運営の考え方において、減価消却費25%相当を積立てしていくという考え方については、施設整備に係る事業費の財源として、起債について、総事業費から国や都の補助金などを控除した額のおおむね75%に充当できるという想定の下、減価償却費の相当額の25%を毎年積立てをしていくということで整理してございます。基金積立て目標額の妥当性につきましては、施設整備に係る物価高騰の影響を考慮した上で、基金全体の積立額の検討を進めていく必要があると考えてございます。
○浦野委員 今、新たな考えの下での予算編成とそれがどうだったのか、また基金積立てがどうだったのかを伺いましたけれども、実質収支であったり、単年度収支であったり、経常収支比率であったり、各財政指標から見ると区の財政状況は健全であるというふうに判断できると思うんですけれども、確認の意味で伺います。
○竹内財政課長 委員御指摘のとおり、各指標につきましては、この比率を見る限りはおおむね健全であったと考えているところでございます。
○浦野委員 そうすると、予算編成どおりの積立て、各決算数値も健全な状態であるということを確認しました。
歳入について伺うんですけれども、2023年度一般会計における歳入決算総額は2,040億300万円余、前年比で344億6,700万円余、20.3%の増となりました。一般財源の歳入増の要因は特別区税や特別区交付金の伸びが主な理由となり、特別区交付金は調整税等の増により、前年度比26億3,500万円余、5.9%増の473億3,600万円余となりました。特別区民税について伺いますが、予算段階での納税義務者数の状況と決算で実際にどうであったのか伺います。
○滝浪税務課長 令和5年度当初予算では納税義務者数を20万4,657人と想定しておりましたが、決算時では20万3,775名となってございます。
○浦野委員 給与所得者一人当たりの給与収入と、その傾向、分析についても併せて伺います。
○滝浪税務課長 令和5年度区民税における給与収入段階別の人数を見ますと、令和4年度と比べまして、500万円以下の層がいずれも減少している一方、500万円を超える層につきましてはいずれも増加してございます。
○浦野委員 納税の相談件数についてはどのような推移というか、変化になっていますでしょうか。
○滝浪税務課長 令和4年度は3万3,533件でございましたが、令和5年度につきましては3万2,297件と減少してございます。
○浦野委員 全体として特別区民税のところは給与所得者のところが増、また一人当たりの給与収入も伸びているということでした。歳入、ここについては好調であるということです。
一方、相談件数は、今、前年度と比べて減っているということではあったんですけれども、その相談の中身がどういうものかというのは集計をしていないということでした。件数としては減っているけれども、それの中身で、例えば分納や滞納に関しての相談等も当然あると思いますので、そこについては一人ひとり丁寧な対応を、これは要望として求めたいと思います。
次に、(3)国民健康保険事業について伺います。税収が好調の中、国保の状況がどうかということですけれども、国民健康保険のそもそも加入者は、年金生活者や自営業者、またフリーランス、無職の方が多いことから、新型コロナ禍からのこの物価高騰の影響を真正面に受けているというふうに思います。国民健康保険事業特別会計で歳入決算総額338億6,500万円余、ここが前年度比12億4,000万円余、3.8%の増となり、歳出決算の総額も335億3,800万円余、前年度比で12億2,200万円余、3.8%の増になりました。決算年度の歳入として、国民健康保険料は87億4,000万円余で、保険料は過去最高の値上げとなりました。保険料はさらに今年度も値上げとなっています。一人当たりでどの程度の値上げになったのか、初めに伺います。
○宮脇保険医療課長 令和6年度の中野区国民健康保険料は1人当たり19万3,759円となり、令和5年度に比べて1万3,168円の値上げとなっています。
○浦野委員 前年度と比べても1万3,000円ちょっと値上げとなった。非常に重たい負担になっているというふうに思います。
一方で、国保の執行停止件数の推移を、過去5年間の推移とともに、またその推移をどのように分析されているのか併せて伺いたいと思います。
○宮脇保険医療課長 2019年度は4,034件、2020年度は9,910件、2021年度は6,497件、2022年度は1万2,582件、2023年度は8,306件でありました。令和2年度以降は新型コロナウイルス感染症の影響が大きいと分析しております。経営不振や失業等による所得の減少で納付困難となったケースが多いが、逆に、新型コロナ給付金受給による所得増で保険料が高額になったため納付困難となったケースもございました。
○浦野委員 実際新型コロナの給付金が翌年度の税や国保にも反映をして、かなりそれで大変だったという方もいました。今お聞きしたこの5年間の国保の執行停止件数を見ても、2022年度までは19年度と比べても3倍近く伸びています。この決算年度は少し減っていますけれども、今、御説明の中にあったような経営不振であったり、払えない方が増えているということの数字の一つの表れかなというふうに思います。
先ほど他の委員の質疑にもありましたけれども、国民健康保険事業特別会計の歳入で繰入金が51億2,100万円余、前年度比で16億6,900万円余の増となったことの質疑がありましたけれども、改めて私からもこの理由についてお伺いをいたします。
○宮脇保険医療課長 一人当たりの医療費の増加によりまして、東京都への納付金が12億5,000万円余り増加したことが主な要因でございます。また令和5年度は、保険料の負担を抑制したことで納付金の財源となる保険料が不足したことも繰出金の増加の要因でございます。
○浦野委員 今、最後にあったように、区としてはこの保険料を少しでも負担を抑えるために努力をしている、そのことの反映でもあるということでした。国は法定外繰入れの縮減を求めている中で、また23区も統一方式の中で、中野区が一般会計から法定外繰入れを行って保険料の上げ幅を少しでも抑える努力をしていることは重ねて評価をしたいというふうに思います。
さらに、低所得層への軽減措置として、医療分と介護分について所得割と均等割の賦課割合でも区として努力していることがあると思うんですけれども、どのような措置を取ったのか伺います。
○宮脇保険医療課長 特別区の国民健康保険料の賦課割合は、所得割58対均等割42を基準としておりますが、各区独自に設定することもできるようになっております。多くの区が基準どおりに設定しているところ、中野区では令和6年度においても、所得の低い方の負担が少しでも軽くなるよう、令和5年度と同様に賦課割合を所得割が60対均等割40ということにしてございます。
○浦野委員 これは伺ったときに、少しでも所得割に寄せることで低所得者のところの負担を抑えるということをされているというのは本当に大事なことだと思います。江戸川区や千代田区でも同じようにやっているというふうにも伺いました。この低所得者層への負担を少しでも軽減させるための措置として、これらを行っていることは物すごく大事だと思います。
そもそも、ただ冒頭で述べたとおり、やはり国保の加入者の状況として、その多くの方がやはり低所得者であり、加入者自身で支えるという、もうこの制度の構造そのものがやはり問題だというふうに思っています。こうした中野区の行っている独自の対策でももうカバーし切れないぐらい、先ほども確認しましたけど、保険料も上げざるを得ない、上げないともうこの国民健康保険事業特別会計自体が成り立たない、制度が成り立たないというふうになっています。ですから、やっぱり本来的には国や東京都がこの国民健康保険制度の財源保障にやはり責任を負うべきだというふうにも思っています。23区としてこの間、国や東京都に対して財政支援を求めてきていると思うんですけれども、どういう動きがあったのか、またそれについて今どのような状況なのか、併せて伺います。
○宮脇保険医療課長 令和5年11月16日になりますが、特別区長会として国に対し、国民健康保険制度の見直しに関する提言を行っております。また、今年度の8月にも特別区長会として、国及び東京都に対して令和7年度予算に対する要望を行っております。具体的な回答等についてはまだ得られていない状況です。
○浦野委員 区長会としても国等に対して、これまでも踏み込んだ要望をしていただいているというふうに思います。これに関しては、今現在何か動きがある、回答があるということではないということでしたけれども、引き続きこの制度そのものをやっぱりきちんと国で負担していく、そのために引き続き強くこれは求めていただきたいと思います。
併せて、来月から社保の適用拡大により国保加入から社保へ移行する方が増えるというふうにも推定されます。現在でどの程度見込んでいるのか伺います。
○宮脇保険医療課長 令和4年10月からの適用拡大では、従業員数501人以上から101人以上への拡大でございましたが、令和4年度の国保から社保への移行した被保健者の人数が、社保から国保へ移行した人数よりも1,400人余り上回りました。来月からの適用拡大による影響は予想はできないのですが、従業員数101人以上から51人以上への拡大であり、その影響は前回よりも少ないものと見込んでおります。
○浦野委員 従業員の数が前回よりは少ないので、この1,400人よりは少なくなるだろうという見立てだと思います。だたやっぱりこれも、実際国保から抜けていくという方がいることは間違いないですし、繰り返し述べているように、やはりこの国保の制度の構造上の問題が本当に限界であるというふうにも感じています。区としても、この間努力されている保険料の負担軽減のための対策はぜひ継続していただきたいと思いますし、そもそものこの構造上の問題を解決する手立てを国や都へも強く改めて求めていただくことを、最後重ねて要望したいと思います。
○宮脇保険医療課長 今後の保険料につきましては、今後都から示される納付金や標準保険料率、特別区全体の保険料の動向を踏まえて考えていきたいと考えております。
○浦野委員 すみません、要望のつもりでしたが、お答えいただいてありがとうございました。結構です。どうもありがとうございます。
次に、生活再建型の債権管理について伺います。会派としてこの間繰り返し求めてきました。2021年、令和3年からこの決算年度にかけての3年間の中で、中野区構造改革実行プログラムの中で、債権管理体制の強化が示されていました。当初どういうスケジュールが想定されていたのか、初めに伺います。
○中谷企画課長 構造改革実行プログラムにおきましては、2021年度に税と国保の一元化に向けた検討や、それ以外に一元化する債権の検討を行い、2022年度には税と国保の一元化体制を確立するとともに、新たに一元化する債権を検討し、2023年度には税と国保の一元化体制を強化し、一元化する債権の追加を行う予定でございました。
○浦野委員 検討、確立、強化ということで3年間組んでいたと思います。この3年間の結果、現状どうなっているのか伺います。
○中谷企画課長 これまでの3年間、税と国保の一元化に向けた検討などを行ってきた結果、税と国保の徴収につきましては、債権ごとの性質の違いや他区の状況等を踏まえ一元化を見送ることといたしました。一方で、滞納者の生活再建を図るための適切な支援につなげるための連携や、国民健康保険料、後期高齢者医療保険料、介護保険料の3料の債権管理一元化やその他の債権の一元化については引き続き検討を行っていくこととしてございます。
○浦野委員 構造改革で、3年間で検討、確立、強化という中で、先日の第2回定例会の中での三つの委員会に報告されましたけれども、これは納得できる中身ではないなというふうに思っています。そもそも2020年、令和2年度に1年かけて調査をして、特別区の研究調査の報告書としてもまとめていました。途中段階でも質疑も繰り返してきて、その都度遅れているスケジュールについても指摘をし、改善も求めてきました。その都度御答弁としては、引き続き検討していくであったり、スピード感を持ってやっていくという答弁を頂いていました。この決算年度の2023年度の予算編成方針の中でも、構造改革の視点を踏まえて債権管理体制の強化に向けた検討を行いと、これは歳入の確保の面からですけれども、記されています。これは1年前のことです。2023年度当初予算案の概要の中でも、債権管理体制の強化ということが示されていました。なぜこの3年間の検討でこのようになってきたのかということは、やっぱり納得いかないなと思います。
そもそも区がこれをやるに当たって、当初掲げていた債権ごとに調査を行うなど効率的な運用が十分行われていないということであったりとか、低所得者の方が増加をして、複数の債権、滞納者や外国人滞納者の方が増加しているので、滞納の情報が一元化されていないので、福祉的要素がある滞納者や外国人への統一的なアプローチが十分でないという、当時こういう課題があったからこそ3年間の中でやっていくということだったと思います。これが、じゃあ実際にこの課題が解決されていればまだいいと思うんですけれども、ここについての、当初区が掲げていた課題に対してもやはり解決できていないというふうに思っています。
ちょっと事例を基に伺いたいと思うんですけれども、区内に住むAさん夫妻の事例で伺います。70代後半の妻と80代前半の夫の2人暮らしで、主な収入は夫の国民年金、妻は無年金なので、清掃の仕事で約12万円、2人で約16万円の収入でした。夫は以前に脳出血を発症し、身体障害手帳1級でしたが、屋内であれば何とか身の回りのことができていました。しかし今年5月に転倒し、大腿骨を骨折。リハビリを行ってきましたが、80代前半、高齢であることや脳出血の既往があるために歩行の自立が難しく、介護サービスなしには退院できない状況との見込みが病院側から伝えられました。そのため妻は、その介護に比重を置くために、行っていた清掃の仕事の継続が困難と判断して、その場合収入が夫の数万円の年金のみとなるので、5月下旬に生活保護の申請でこちらに相談が寄せられました。
お話を伺う中で、税や国保、介護など複数の滞納があることが分かりました。またこの方は、新型コロナのときに社会福祉協議会での特例貸付け、総合支援資金も借りていたんですけれども、それも返済できていない状況であることが分かりました。加入していた民間の生命保険から、夫さんの入院保険が入る予定があったので、この5月下旬の段階にはすぐに生活保護の申請には至らない状態でしたが、それが入った後、一、二か月後には生活保護の申請が必要な状況であり、一旦5月末に生活援護課の相談に同行をしました。そのときに申請時期なども相談をし、その後複数回同行をして、最終的には7月末に申請をし、8月上旬に生活保護の決定となりました。
しかしこの方について、8月の中旬、生活保護の決定がした後に国保や介護保険料の督促状が届きました。5月末から生活援護課で相談を行っていて、生活援護課でのアドバイスの下、妻は国保や介護の窓口にも足を運んでいました。滞納分の支払いが難しいことや遠くないうちに生活保護の申請になる見込みであることも窓口で伝えていました。こうした状況の方にも督促状が届くのでしょうか。それぞれ介護と国保の担当に伺います。
○宮脇保険医療課長 地方自治法の第231条の3第1項に基づきまして、督促をしなければならないということになっておりまして、納期後20日を過ぎまして未納の保険料があれば督促状を送付しているところです。督促状の送付の前に、支払いが困難であるとの相談が国民健康保険にあった場合には、後日督促状が送付されることを御説明し、理解を得るということにさせていただいております。
○落合介護保険課長 介護保険料につきましても、地方自治法第231条の3第1項の規定に基づきまして、被保険者が未納の保険料があれば督促をしなければならないこととされておりまして、督促状を送付しております。
また、生活保護の受給者となった場合も介護保険料の納付義務が免除されることはなく、納付が困難な場合の低所得者に対する減額の対象は現年度に賦課された保険料となっております。
なお、納付相談や督促状の送付する文書におきまして、未納があれば督促状を送ること、また、分割納付中の方は分割納付用の納付書を郵送して納めていただくことを御案内しているところでございます。
○浦野委員 今二つの所管から、地方自治法第231条の3の第1項に基づいて督促をしなければいけないとありました。ただ、督促が法令で定めているのは承知しているんですけれども、その根拠となる地方税法の第15条の7には、滞納処分の停止の要件について記されています。ここには生活を著しく窮迫させるおそれがあるときは滞納処分の執行を停止できるというふうにも定められています。また、滞納処分の認定基準及び判定基準表では、具体的な停止基準として、生活保護受給中もしくはその適用基準に近い生活程度にある方はこの執行停止を行う。その結果、サービス給付の制限も解除することにもつながるというふうに示されています。
今それぞれの御説明を聞いても、相談があった場合にはということで、結局その方が実際に窓口に運ばなければ対応をしていないということになると思います。この間指摘してきたときに、その一覧リストを作って渡しているとか、各窓口を案内しているということはありましたけれども、結局はその方がそれぞれ窓口に行って、また同じ説明を繰り返していくということでは、全然相談者の側に立った対応ではないのではないかなというふうに思っています。なので3年間の検討が誰のための視点だったのか、本当に住民の側の目線だったのかということがやはり気になっています。
それで、区民委員会では区民部長が、生活困窮状態にある方を多角的に解きほぐした状態を区が受け止めて、生活再建できる形が必要だというふうに考えが述べられています。ここは債権管理の担当としても変わりがないのか改めて確認をしたいんですけれども、伺います。
○中谷企画課長 生活困窮者の生活再建につながるような支援が必要と考えておりまして、区民委員会で区民部長が答弁した内容と考えに変わりはございません。
○浦野委員 やはり区としてはこの調査研究の結果をまとめて、いろいろ委員会の質疑の中でも、債権のそれぞれの違いであったりとか課題があったんですけれども、そもそももうこの2020年度の段階でその課題はもう整理できていたと思います。だからこそ構造改革の中でも3年かけて体制をつくって、確立して、強化していくというプログラムだったと思うので、ぜひここは改めて、課題はもうはっきりしていると思うので、その組織の在り方も含めて、ここについては再検討を求めたいと思いますが、最後に伺います。
○中谷企画課長 次期基本計画の策定に向けた検討と合わせて、それを実行するための令和8年度以降の組織についても検討することを予定しておりますので、その中で債権管理の組織や体制についても併せて検討していきたいというふうに考えてございます。
○浦野委員 先ほど紹介した事例は本当お一人の方で、こういう相談が複数寄せられています。改めて、今検討していくという御答弁がありましたので、ここは重ねて求めたいと思います。
次に、(5)子育て先進区の実現について、初めに子どもの貧困対策について伺います。ここからは歳出について、また、この年度区が取り組んでいく重点プロジェクトを中心に確認していきたいと思います。
2023年度は、子育て先進区を進める上で大事な取組が多くあったと思います。主要施策の冒頭にも記されている子どもの貧困対策については、ここ数年区が力を入れてきた分野として評価をいたします。2023年度取り組んだ事業の主な中身について伺いたいと思います。
○分藤子育て支援課長 2023年度は子どもの貧困対策計画を内包する中野区子ども総合計画の計画期間の初年度であったことから、子どもの貧困対策をより一層推進するため、これまでの取組を充実させるとともに新たな取組も実施いたしました。具体的には、学習支援事業の対象学年の拡大や子ども食堂を新たに開設する場合の設備整備費の拡充など既存事業の拡充、子どもソーシャルワーカーを新たに配置し、地域の関係機関及び団体等との連携体制の構築を図ってまいりました。
○浦野委員 それぞれ今御説明いただいた中で、それぞれの成果についてはどのように捉えているのかお伺いします。
○分藤子育て支援課長 学習支援事業の参加者の増加や子ども食堂運営助成金の助成事業数の増加などにつながっております。学びや食事など生活に困難を抱える子どもと子育て家庭が、地域の中で安定的な生活を送るための支援が一定程度実現できたと考えております。
○浦野委員 非常に大事な取組、そして成果もあったというふうに思います。区がこの間、この子どもの貧困対策について施策を拡充していくに当たっては、その大元になっているのが、2019年度に実施した子どもと子育て家庭の実態調査です。これを基に、この2021年度には就学援助基準の引上げであったりとか、区有施設での学習スペースの確保、また2022年度には学習支援事業やひとり親支援の拡充も行ってきました。改めてこの点も評価したいと思います。
また、2022年度に、東京都立大学が令和4年度子どもの生活実態調査を都内の複数自治体で実施し、中野区では高校2年生年齢の子どもとその保護者に御協力を頂きました。中野区の子ども子育て会議や議会の中でも報告されましたが、改めてこの調査の結果の特徴について伺います。
○青木子ども政策担当課長 調査の分析におきましては、子どもの貧困対策に係る検討材料とするため、困窮層、周辺層、一般層の三つの生活困難度に分類して分析を行いました。生活困難度により高校卒業後の進学先に関する親の進学期待や子ども本人の進学希望などに差が生じていること、進学する予定のない子どものうち3割程度が経済的制約を理由として挙げていることなど、進学や就学に関する現状を把握することができました。
○浦野委員 この調査結果も非常に大事なものだったと思います。この調査結果を基に区が今年度から実施するものは何か伺います。
○分藤子育て支援課長 調査結果を踏まえ、今年度から高校入学支援金の支給を開始する予定でございます。
○浦野委員 その点も高く評価をしたいと思います。この支給時期、また予算ではどの程度の想定人数なのか、また今後の周知方法などについて伺います。
○分藤子育て支援課長 高校入学支援金の支給時期及び周知方法については現在検討中でございますが、今年度予算における支給人数は290人を想定してございます。
○浦野委員 ぜひ周知を広くしながら行っていただきたいと思います。この調査では、生活困難度により高校卒業後の進学先に関する親の進学期待や子ども本人の進学希望に差が生じていること、進学する予定のない子どものうち3割程度が経済的制約を理由として挙げていることも明らかになっています。だからこその今年度の高校入学支援金だと思うのですけれども、今後この調査結果を反映し、区独自の給付型奨学金についても検討を行っていただきたいと思いますが、見解を伺います。
○青木子ども政策担当課長 調査の分析結果も踏まえまして、給付型奨学金制度を含め、進学や就学に向けた支援の在り方について検討を進めてまいりたいと考えてございます。
○浦野委員 これについては、他の委員からの質疑でも取り上げられていると思います。ぜひこの調査結果を反映して、引き続き実施に向けての検討を要望したいと思います。
やはりこの子どもの貧困対策、区独自でのことももちろん大事だと思うのですけれども、そもそも社会保障制度の問題や、また働き方、労働問題や貧困を生み出す状況の根本的な部分の解決が必要だというふうに思っています。住宅問題などもそれに含まれてくると思います。区としては、この子どもの貧困対策のさらなる検討として、子どもと子育て家庭の実態調査の2回目が今年度、今行われていると思います。今後集計、分析を経て今年度末には結果が公表される予定です。ぜひ誰一人取り残さない中野区、子育て先進区を進めるために、この調査結果も反映しての積極的な施策展開を期待したいと思います。
続けて、子どもの意見表明・参加の取り組みをすすめることについて伺います。中野区子どもの権利に関する条例が制定、施行されてから2年半が経過しようとしています。条例制定に尽力いただいた全ての皆さんに改めて敬意を表したいと思います。この決算年度は子どもの権利に関する条例制定から1年が経過した年度でもあり、どうこの条例の基礎をつくっていくのか、具体化していくのかが併せて問われたと思います。区内のある学校では、子どもたちに意見を聞きながら校則を見直していったというところもあると聞いています。区としてこうした学校ごとの状況を把握して区内の各学校で共有していくことを過去の質疑で求めてきましたけれども、どのように進んだのか伺います。
○井元指導室長 これまでも全ての中学校で生徒に意見を聞きながら校則の見直しを行ってきているところでございます。今年度は生徒の意見を聞きながら、登下校時の帽子の着用や女子のネクタイの着用などの改定を行った学校もございます。こうした取組は今後も全小・中学校で共有してまいります。
○浦野委員 各学校で取組が広がっていることはよかったなと思いますし、またそれが共有が図られていくことで普及にもなっていくと思いますので、そこの共有のところをぜひ併せて要望したいと思います。
この決算年度では、まちづくり計画課で、西武新宿線沿線におけるまちづくりにおいても子どもから直接意見を聞く取組がされたと思います。どのように行い、どのような様子だったのか、所管としての印象や手応えなどがあれば併せて伺いたいと思います。
○桑原野方以西担当課長 令和5年11月、西部新宿線のまちづくり整備方針の対象地域内にある小学校3校へ出向きまして、小学校6年生の生徒を対象に出前授業を実施いたしました。子どもたちは各班に分かれまして、テーマ別に意見を出してもらいながらグループワークを行い、発表などを行いました。子どもたちからは、バス停と駅が遠い、踏切で待つ時間が長い、帰宅時に明るく安全な道が欲しい、のびのび遊べる公園が欲しい、誰もがまた来ようと思えるようなまちにしてほしいなど、自分たちの住んでいるまちへの思いや愛着が感じられる貴重な機会となりました。今後も引き続き、子どもたちをはじめ地域の多様な世代の方から意見を聞きながら、まちづくり整備方針などの計画へ反映させていきたいというふうに考えております。
○浦野委員 これも非常にまちづくりの中で大事だと思いますので、引き続きお願いしたいと思います。他の部署での事例について御紹介できるものがあれば伺いたいと思います。
○青木子ども政策担当課長 令和5年度におきましては、児童館運営整備推進計画や地域福祉計画、スポーツ健康づくり推進計画など、子どもに関連する区の計画の策定過程において子ども向けの意見交換会を実施し、計画への反映を行いました。また、子ども相談室の愛称、マスコットキャラクターの選定、公園再整備などの子どもに関連する取組においても子どもの意見を聴取するなど、全庁を挙げて取組を進めてきたところでございます。
○浦野委員 いろんな部署に広がっていっているなというふうに思います。
今年の3月に、この子どもの意見表明・参加に関する手引きが作成されたとのことでした。この手引を作成した意図について伺います。
○青木子ども政策担当課長 区政運営において子どもの意見表明・参加の取組を進めていくため、区職員が適切に子どもへの意見聴取を行えるよう、その考え方や子どもの意見の聞き方、手法などをまとめた手引を作成いたしました。また、区政に限らず、家庭・学校・地域など日常のあらゆる場面で子どもの意見表明・参加が保障されることを目指し、区ホームページでも公開しているところでございます。
○浦野委員 先ほど他の部署で広がっているということもありましたけど、この手引を作成した後の手応えや今後の課題について御見解があれば伺います。
○青木子ども政策担当課長 手引の作成などによりまして、子どもへの意見聴取の取組は徐々に浸透してきていると認識してございます。今後は意見聴取の取組の定着を進めるとともに、意見の反映や結果のフィードバックなど、適切な手法で意見聴取が行われているかどうかの点検と改善を進めていきたいと考えてございます。
○浦野委員 いろんな意見が出るというふうに思うんですね。その意見が大人にとって都合がいいものであったり、成功しそうなものであったり、無難なものであったり、大人が大人の目線で取捨選択しないということも大事かなというふうに思っています。いろんな意見が出る中で、それを実施する中で安全に実施するということも大前提だと思うんですけれども、その失敗から学ぶ、また学べることもたくさんあるというふうに思います。一見その意見が大胆でちょっとそれが難しいというような意見もあったとしても、それを大人側で無理とか判断するのではなく、子どもの意見を尊重する取組が子ども主体でさらに広がっていってほしいなと思いますので、この点を踏まえて引き続きお願いしたいと思います。
次に、地域包括ケア体制の重点プロジェクトの二つ目について伺います。
困っているひとにやさしいまち、誰もが住み慣れた地域で自分らしく暮らすことができるまちを、この地域包括ケア体制の中では目指しています。ひきこもりと補聴器助成のことで、ここでは伺いたいと思いますが、まず初めにひきこもり支援について伺います。区では2022年4月から中野区の社会福祉協議会に委託し、ひきこもり相談窓口を設置しました。社会福祉士が電話やメール、面接や訪問など御本人や御家族に応対しています。この決算年度、支援事業をここも拡充をし、新たな取組も行ってきたと思いますが、その内容について伺います。
○河村地域包括ケア推進課長 ひきこもり支援の取組についてお答えをいたします。ひきこもり支援に関心がある方が、ひきこもりに関する基本的な知識を習得の上、ひきこもりサポーターとして活動することができるよう、ひきこもりサポーター養成講座を推進しております。また、中野区社会福祉協議会と区内外の関係機関による合同相談会を実施しております。さらに広報、啓発の取組を強化しウェブ漫画の制作や番組制作を行ったところでございます。
○浦野委員 それぞれ成果についてはどうでしたでしょうか。
○河村地域包括ケア推進課長 ひきこもりサポーター養成講座を5回実施し、ひきこもりサポーターとして16名の方に登録をしていただいております。また、ひきこもり合同相談会では27件の御相談がございました。区の公式YouTubeで番組を配信しひきこもりへの区民の関心を高めるとともに、合同相談会等では漫画を配布し、当事者や家族への周知に取り組んだところでございます。
○浦野委員 相談窓口を設置した後の相談件数の状況について伺います。
○河村地域包括ケア推進課長 専門窓口への新規相談者数は、令和4年度が70件、令和5年度が62件でございました。
○浦野委員 窓口設置する前は主にすこやか福祉センターが対応していたと思います。このとき、令和2年度が46件、令和3年度が48件というふうに伺っているので、窓口を設置した後、今70件、62件ということで相談が増えてきているというふうに思います。相談のその傾向であったりとか、相談者の状況について伺います。
○河村地域包括ケア推進課長 相談の特徴についてお答えいたします。相談は家族関係者からの御相談が多く、当事者からの御相談は全体の2割程度でございました。支援対象者の年齢は16歳から39歳の若者が最も多く、40歳から64歳が次に多い状況でございました。ひきこもり期間が10年以上にわたるケースも存在してございます。相談内容は家族に関する相談が最も多く、次に経済的なことが多い状況となってございます。
○浦野委員 御家族からの相談が多いということであります。窓口開設して3年目で、今後より相談しやすくする上で、LINE相談なども選択肢になるかなと思います。神奈川県や大阪市では、ひきこもり支援の中でこのLINE相談も活用しています。この間求めてきましたけれども、現状について伺います。
○河村地域包括ケア推進課長 LINE相談についてお答えいたします。より相談しやすくするツールの一つとしてLINE相談は有効であると考えてございます。令和6年8月からケアラー、ヤングケアラーのためのLINE相談を開始したところでございますので、この事業の効果を検証するとともに、ひきこもり相談への活用等も検討していきたいと思っております。
○浦野委員 今ヤングケアラーのところで相談を始めたので、その様子を見てということで、ぜひ様子を見ながら、こちらでも検討していただきたいと思います。
ひきこもり支援部会が年3回から4回開催されており、区の支援に対する意見交換や情報共有もされているというふうに聞いています。それも踏まえて、現状の評価と今後の課題などについて伺います。
○河村地域包括ケア推進課長 現状の評価と今後の課題についてお答えいたします。ひきこもり相談の窓口の体制は一定程度の整備が図られてきたと考えてございます。一方、区の関係機関や民間企業等との意見交換会や情報共有の場は引き続き必要でございまして、孤独・孤立対策としてプラットフォームの構築を目指し、連携強化に取り組んでいるところでございます。昨年度までは地域包括ケア推進会議のひきこもり支援部会で情報共有や連携体制を構築してまいりましたが、今年度からは、第9期となる地域包括ケア推進会議の孤独・孤立対策部会の中でプラットフォームを構築していきたいと考えてございます。
○浦野委員 いずれも大事な取組だと思いますので、ぜひお願いしたいと思います。
その周知のチャンネルを増やすことと併せて、つながった方の支援の継続性がとても大事だというふうに考えます。支援する側の一人の方に過大な負担がかかってもいけないと思いますし、また、人事異動などで対応が途切れてもいけないというふうに思います。そのためチーム支援の重要性が一つあると思うんですけれども、その点を踏まえた今後の支援の在り方、また拡充、検討の必要性についての認識を伺います。
○河村地域包括ケア推進課長 今後の支援の在り方、拡充の必要性についてお答えいたします。伴走的な個人支援を継続するとともに、地域づくりを進めることで社会的孤立を未然に防ぐ予防的なアプローチを展開していく必要があると考えてございます。こうしたコミュニティソーシャルワークの考え方に基づく取組を導入し、アウトリーチチームの体制強化を図ってまいりたいと考えてございます。
○浦野委員 ひきこもり支援は、本当に短期的なものではなくて、中長期での分析が必要だというふうにも思います。また、本当に粘り強い取組も求められるというふうに思います。今、拡充の検討のところを述べていただきましたけれども、一人ひとりのその方の一歩一歩をサポートできるように、引き続き支援の拡充について要望したいと思います。ありがとうございます。
次に、高齢者の補聴器購入費用の助成について伺います。会派として2019年度の提案以降、認知症との関係での早期からの支援やアフターフォローの重要性も踏まえ、繰り返し提案、質疑をしてきました。当初区も後ろ向きではあり、また議会に出された陳情も賛成少数で一度は不採択になりました。その後、区民にとっての健康問題であることの認識共有もしながら、2020年度の第4回定例会の中で高齢者の社会参加を目的として導入の検討を始めたいとの考えが示され、この決算年度に助成に関わる検討会設置のための費用が予算化されました。今年度8月、先月から制度開始となりました。大いに歓迎したいと思います。同時に、署名や陳情や広域的な学習会など粘り強く取り組まれた住民の皆さんにも改めて敬意を表したいと思います。行政や議会の認識共有を図る上で、住民の皆さんの取組は私自身もたくさん学ぶことがありました。8月にスタートとなりましたが、現在の申請状況について伺います。
○高橋医療・介護連携推進担当課長 高齢者補聴器購入費用助成事業の状況についてお答えいたします。事業開始後の申請者数は、9月13日の時点で63人となってございます。
○浦野委員 63人ということでした。中野区では今、両耳を対象として、これは他区では行っていないことだと思います。今の63件の中で両耳が対象となった方は何人いらっしゃいますでしょうか。
○高橋医療・介護連携推進担当課長 63人の申請者のうち、両耳の申請者は43人となってございます。
○浦野委員 両耳が43人、片耳の方が20人ということですね。そうすると、現在のその申請の中で7割の方が両耳で申請されていると思います。予算としてはどういう積算だったのか伺います。
○高橋医療・介護連携推進担当課長 令和6年度は、他自治体の申請数を参考にしまして、両耳の申請を8割と見込み、おおよそ114人分の予算を組んでございます。
○浦野委員 そうすると、かなり今その積算に近づいてきている。それだけこの申込み状況から見ても、この制度が待たれていたんだなということがうかがえると思います。予算を組むに当たっては、他区での申請状況や中野区の高齢者人口を勘案して積算されたと思うんですけれども、今後も、現段階でもう既にこれだけの申込みがありますから、補正予算などでの対応や制度を必要とする方にきちんと使っていただくための検討をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○高橋医療・介護連携推進担当課長 対象となる方が事業の利用ができるように、今後の申請状況を注視しまして適切な予算確保を進めてまいります。
○浦野委員 今、予算確保を受けてということだったので、ぜひそれはお願いしたいと思います。
この助成制度とともにフォロー体制の必要性についても求めてきました。制度の中では購入後のアフターフォローも組み込まれて、この点も重ねて評価をいたします。必要書類をそろえて申請していただいて、交付決定の後に交付決定通知とアフターフォローの確認書が送られて、それを持参して購入店舗でアフターフォローを受けるという流れだというふうに思います。既に8月から始まりましたけれども、アフターフォローまで終わって助成を受けた方というのはいるのか。また、一連の流れの中での改善点や課題について、現在の段階でのものがあれば併せて伺いたいと思います。
○高橋医療・介護連携推進担当課長 補聴器購入店舗で、認定補聴器利用者のアフターフォローを終了し、中野区へ請求のあった方は6人となってございます。
課題につきましては、事業開始後1か月半となっているところでございますが、申請受付後、補聴器の利用が円滑に進むために、より効率的な審査、通知、支払事務の工夫をしていきたいと考えてございます。また、必要な人が利用につながるように周知に努めてまいりたいと考えてございます。
○浦野委員 ありがとうございます。ぜひその点を踏まえて対応をお願いしたいと思います。
次に、脱炭素社会の実現に向けた取り組みの推進について伺います。これまで会派として、気候危機問題、環境施策の改善、拡充を繰り返し求めてきました。区では2021年度から省エネルギー設備設置の補助を開始し、この決算年度はメニューをさらに拡大したと思います。事業開始から決算年度までのメニューの変遷について確認をいたします。
○伊東環境課長 まず2021年度は蓄電システム設置に係る補助を開始いたしました。翌2022年度には高断熱窓及び高断熱ドアを追加しまして、昨年度、2023年度には太陽光発電システムを追加したところでございます。
○浦野委員 この2023年度もメニューを増やしたと思うんですけれども、前年度の、このときの実績から執行率が35.9%だったので、予算額を減らしました。2022年度は当初予算は2,000万円でしたが、この決算年度の当初予算は幾らだったのか伺います。
○伊東環境課長 2023年度の当初予算額は1,575万円でございます。
○浦野委員 ただ、この年度は実績が途中で伸びて途中で補正予算を組まれたと思います。幾ら補正予算を組んで、結果決算値はどうだったのか伺います。
○伊東環境課長 2023年度は1,165万円の補正予算を組みまして、合計で2,740万円となりました。決算額は2,739万円でございます。
○浦野委員 結果的に、予算を減らして組んだけれども途中で補正予算を組んで、その補正予算で決算値になったということです。補正予算を組んで対応されたことはよかったと思うんですけれども、そもそもこの年度に予算を減らしたということは、姿勢としてどうだったのかなというところは指摘したいと思います。
今年度さらにメニューを増やしたと思いますが、何を増やしたのか、また当初予算額について伺います。
○伊東環境課長 今年度は家庭用燃料電池システム及び自然冷媒ヒートポンプ給湯器を補助メニューに追加いたしました。今年度の当初予算額は3,275万円となってございます。
○浦野委員 現時点での実績はどうなっていますか。
○伊東環境課長 今年度につきましては、既に8月の段階で予算の上限に達しまして、申請受付を現在終了してございます。
○浦野委員 半年経過する前に今年度予算に上限達したということで、今募集も停止しているということです。ただ、一方でそれだけ住民の意識も変化していると思います。この状況についての認識について伺います。
○伊東環境課長 六つある補助メニューのうち太陽光発電システム及び蓄電システムにつきましては、昨年度、2023年度の実績を上回りまして、特に太陽光発電システムにつきましては、前年度比で約6割多く補助を行うことができたものと認識してございます。
○浦野委員 ここは重点プロジェクトの一つでもありますし、この間の気候危機を受けての環境施策の推進では今募集停止しているということですけれども、補正予算などの対応も検討すべきではないでしょうか、伺います。
○伊東環境課長 本事業は、区民の方が省エネ設備を設置する際の機運醸成のために行っているものでございます。毎年度一定の予算を組んではございますが、予算には限度があるものと考えてございます。一方、省エネや再エネ利用の大切さを区民などに周知するとともに、具体的な省エネ設備設置のための機運を醸成するため、次年度以降も継続して補助事業を行っていきたいと考えてございますので、直ちに補正予算を組むことは考えてございません。
○浦野委員 ここは非常に区として大事な取組だと思いますし、これだけの執行状況の中で、ここは住民の方の協力なしには進んでいかない課題でもありますから、ぜひここは力を入れてほしいですし、現段階での状況を踏まえて、今年度必要な方が申請できるように、そこは改めて検討を求めたいと思います。これは要望しておきます。
次に、感染症対策について伺います。2023年度は、中野区予算編成方針の中でも、新型コロナウイルス感染症対策を徹底した上で様々な活動の活性化に向けた支援策を着実に進めていくとし、感染症対策と活動の活性化を同時に行っていくことが重点項目にもなっていました。新型コロナウイルス感染症に関しては、この決算年度の5月8日から5類へ移行となり、当初予算では計上したものの、かなりの割合で執行されなかったというふうに思います。保健予防費の中で、新型コロナウイルス感染症対策、予防対策で、当初予算では5億9,100万円が計上されていましたが、執行状況について伺います。
○宮下保健予防課長 当初予算の編成時には、新型コロナウイルス感染症が2類相当でございました。このことから入院医療費やPCR検査センター運営事業費、積極的疫学調査のための看護師派遣費などの経費を計上していたために、5億9,100万円余りの予算を計上しておりましたが、同感染症が5類に移行されたことから減額補正を行っております。このため補正後の予算現額としては9,367万円余り、また執行額は6,915万円余りとなっております。
○浦野委員 当初予算に対しての、今の説明だと執行割合は約1割強だったというふうに思います。非常に低い状況でした。このうちPCR検査センターの事業についても、当初予算では推進として4,300万円余を計上しましたが、この点についての執行状況についても伺います。
○宮下保健予防課長 当初予算の編成時にはPCR検査センター運営事業として4,300万円余りを計上しておりましたが、区内医療機関等による検査体制の充足や検査を要する方の数の減少などからPCR検査センターを一時休止しておりました。その後、新型コロナウイルス感染症が5類に移行されたことから同センターを廃止したため減額補正を行っております。補正後の予算現額及び執行額は共に18万円余となっております。
○浦野委員 実際的にはこのコンテナの賃借料の18万円余だけだったということです。5類に移行後様々な公費負担がなくなり検査や治療のハードルも高くなっています。繰り返し述べていますが、新型コロナはただの風邪ではなく、気軽にかかっていい病気ではありません。ウイルスがなくなったわけでもありません。ただ、今新型コロナがなかったかのような、終わったかのような雰囲気にもなっていますが、決してそうではないと思います。この夏も事実上の第11波にもなりました。また、障害者や高齢者の施設、医療機関などでは、新型コロナ感染を施設内に持ち込まない、重症化リスクの高い人を感染させない、本当に御苦労をされております。検査や治療に対する支援、交費負担の継続については、これは区だけでということにはならないと思いますけれども、改めて要望したいと思います。
同時に、やはり後遺症について大変懸念をしています。後遺症で苦しんでいる方々の存在が、同じく見えないような状態になっていることにも危機感を持っています。今年4月12日付で厚労省から、新型コロナウイルス感染症の罹患後症状、後遺症に関する障害認定の取扱いについての周知が事務連絡としてあったと思いますが、その内容について伺います。
○鳥井障害福祉課長 国からの事務連絡の内容でございますが、都道府県等に対しまして、新型コロナウイルス感染症の罹患後の症状に関する障害認定の取扱いについて、身体障害者福祉法第15条の指定に対しての周知徹底などを求めるものでございます。
○浦野委員 この一定以上の障害が継続する場合には、新型コロナの後遺症、身体障害者手帳に該当するということだと思います。医療機関に対する周知を改めて徹底すること、また身体障害の認定が適切にされるようにという内容だったと思いますけれども、区として取った対応について伺います。
○鳥井障害福祉課長 この事務連絡でございますが、都道府県等に対するものでございまして、これに基づきまして、東京都におきまして、東京都医師会を通じて地区医師会と東京都病院協会に対しまして周知を行ったと聞いてございます。このため区としては中野区医師会に対する周知は行ってございません。
○浦野委員 都道府県単位だからということだと思うんですけれども、例えば千葉市のホームページでは、新型コロナウイルス感染症の後遺症により障害の状態が一定基準に該当すれば身体障害者手帳の交付対象になるというアナウンスがされています。こういうアナウンスは非常に大事だと思うんですけれども、中野区についても検討していただくことはできないでしょうか、伺います。
○鳥井障害福祉課長 今後、区のホームページ等で区民に周知していきたいと考えてございます。
○浦野委員 ぜひお願いしたいと思います。
東京都が、先月8月13日から新型コロナ後遺症ポータルを開設しました。かなりここには詳細に記されています。軽症であったとしても、繰り返しの罹患により後遺症が重くなるというデータもあります。感染はしないほうがいいという大前提の下で、基本的な感染対策のアナウンスを改めて自治体として周知することが大切と思いますが、その点についての認識を伺います。
○宮下保健予防課長 新型コロナウイルス感染症は、感染症法令によって指定されている感染症であることから感染予防は重要であると認識してございます。今後も基本的な感染予防対策などの周知に努めていきたいと考えております。
○浦野委員 周知、そのアナウンスというのは、ただ発信するだけでなくて、やっぱりその相手に届いてこそだと思いますし、その届け方の工夫であったり、行動変容につながるような点についても踏まえての発信をしていただきたいと思います。これは要望で結構です。
時間内に終わる予定でしたが、あと二つあります。
生活保護のところは、生活保護行政の拡充について伺いますが、少し質問を削りたいと思います。初めに、新庁舎の開庁から約4か月半が経過をしました。生活保護の相談や申請に十数回同行していますが、そのたびに生活援護課の機能が全て新庁舎に入ることになったことを本当によかったと実感をしています。同時に旧庁舎前を通るたび、また社会福祉協議会に行くたびに、仮に前の計画のままであればここを使っていたかと思うと、やっぱりそれもあり得ないことだなというふうにも思います。現場の職員の皆さんが声を上げて、住民や支援団体の皆さんの声や、また議会での指摘を踏まえて、最後ぎりぎりのところで区として生活援護課機能の配置を見直しの判断されたことは評価したいと思います。待合スペースも広くなり相談ブース内での隣の相談の声が聞こえない。これは当然とはいえ、この点もよかったと思います。職員の方や利用者の方からも歓迎の声を聞いています。
ここで相談件数や保護の決定数について聞く予定だったんですが、私のほうで言ってしまいます。すみません。新型コロナ前から比べると、新型コロナで約2割ぐらい相談件数も保護の決定数も増えて、その後微減をしましたけれども、2020年度、そして2023年度はやはり高止まりをしている状況が続いていて、それだけ生活が大変な方が増えているというふうにも思っています。今年度も、この8月までの件数については昨年度とほぼ同じ数で推移をしているので、やはりそういう高止まりの状況が続いているというのが数字からも分かります。すみません。ちょっとお聞きする予定でしたが、こちらで申し上げてしまいました。
この決算年度末に策定をした中野区地域福祉計画では、生活保護のスティグマの解消を目指す施策を実施するとの方針が初めて盛り込まれました。スティグマとは、ネガティブなレッテルや様々なバッシングにより周囲から否定的な意味付けをされ不当な扱いを受けるなどを指しますが、この解消についてこの計画の中に盛り込んだ意図について伺います。
○葉山生活援護課長 スティグマ解消は健康福祉審議会の答申に盛り込まれたものであり、区としても生活保護に対する偏見や差別意識の解消は必要と認識しているため、計画に反映したものでございます。
○浦野委員 非常に大事なことだと思っています。社会福祉法により自治体の努力義務とされているこの地域福祉計画は全国8割以上の自治体で策定をされていますが、この生活保護に関するスティグマの解消に触れた計画はほかに例がないというふうに思います。大いに評価したいと思います。同時に、その具体化、どのようにスティグマ解消を図っていくのかも問われると思います。区として現在行っている取組について伺います。
○葉山生活援護課長 生活相談にいらした方の御自分でも整理できていない複雑な課題や問題を相談の中で解きほぐしながら少しずつ問題を整理して、生活保護の選択肢と思われる場合には、正しく制度を理解してもらい、偏見や差別などの意識が申請を妨げることのないよう説明に努めています。
○浦野委員 何度も同行していますけれども、生活援護課での対応はとても丁寧であるというふうにも感じています。制度が複雑なだけに、やはり分かりやすい説明というのは当然であると思います。区は3年連続で生活保護の申請は権利ですと記したポスターを作成し、区内に貼り出していることも、行政の姿勢として重要なことだと考えます。同時に、繰り返しのやっぱり発信が必要だと思います。例えばゴールデンウィークや年末年始など区役所が一定期間閉庁する際には、その事前の発信を強めることも必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○葉山生活援護課長 生活保護を必要とする方が制度を正しく理解できないままさらなる困窮に陥ることのないよう、今後も情報発信に努めていきます。特に年末年始など長い期間閉庁する際には早期の相談を促すとともに、東京都の臨時相談窓口を案内するなど東京都との連携も図っていきます。
○浦野委員 昨年の第4回定例会で、新庁舎での引き続きのポスター掲示や繰り返しの周知も求めた際、新庁舎におけるデジタルサイネージも含めて、区有施設での掲示や区の掲示板、SNSなども活用しながら制度の周知を図っていくとの答弁でした。これも今、既にデジタルサイネージなどで行っていただいているとのことなので、引き続き発信に努めていただきたいと思います。
最後に、現在区のホームページには「生活保護のてびき」や申請時に必要な書類一覧なども掲載され、この間改善も図られてきています。同時に、参考になるのが国立市のサイトです。「生活保護のしおり」、中野区でいう手引に該当するものに加えて、ケースワーカーの仕事内容や詳しい制度の解説、利用者の権利擁護など職員側が学ぶための資料「生活保護きほんのき」が公開されています。これは制度について、やはり申請する方に少しでも知ってもらおう、利用してもらおうという姿勢の強さを感じます。併せてもう一つ大事だと感じるのが、「生活保護に対する差別や、その他の差別は許されません。」という宣言もここでされています。中野区として申請のハードルを下げる取組や周知、より利用者の立場に立った発信の仕方など、スティグマ解消のために工夫改善できることがさらにあると考えますが、いかがでしょうか。
○葉山生活援護課長 今後も引き続き、生活保護制度を正しく理解していただけるよう情報の周知や丁寧な相談対応を心がけ、適正な制度運用に努めていきます。
○浦野委員 今、中野区では扶養照会率が低い状況で正しい運用もされていると思います。同時に、今物価高騰の中で生活保護のこの基準が上がっていなくて、引上げや夏季加算について、やはりこれも大事なことだというふうに思います。区としては、やはりこの制度を必要とする方にしっかり使っていただく、また早めにつながることで生活の立て直しや、かかれなかった治療、その後の自立にもつなげていくことになると思いますので、区としての引き続きの丁寧な対応、またそのスティグマ解消のための取組も重ねて要望したいと思います。
最後に、まちなかでのベンチの設置について伺います。第1回定例会でも取り上げてきました。これまでも複数の議員が取り上げ、先週の本会議では細野議員からも質問がありました。改めて私からも伺います。中野区の都市計画マスタープランでは、中野区の将来都市像、都市整備の基本理念の中に、誰もが居心地よく歩ける、歩きたくなるようなウォーカブルなまちづくりを進めるとあります。これは具体的にどういったまちづくりなのか伺います。
○塚本都市計画課長 ウォーカブルなまちづくりでございますが、歩道や公園などの公共的な空間におきまして、ユニバーサルデザインの導入、バリアフリー化の推進等によりまして安全で快適な歩行者空間を確保すること、また公共交通の充実及び交通結接機能の強化などが考えられます。こうした取組の推進が、誰もが居心地よく歩ける、歩きたくなるようなウォーカブルなまちづくりにつながっていくものと考えてございます。
○浦野委員 その今あった誰もが居心地よく歩ける、歩きたくなるようなウォーカブルなまちづくりとは、歩行者が気軽に座れるような場所、つまりベンチなどの設置も含むという理解でいいのか、確認の意味で伺います。
○塚本都市計画課長 ベンチの設置など歩行者が気軽に腰をかけられる空間の創出は、ウォーカブルなまちづくりを推進していく上で効果的な取組の一つであると考えてございます。
○浦野委員 同時に地域包括ケアの観点からも伺います。区長は所信表明の中で、地域包括ケアの構築を進めていく上でこのスマートウェルネスシティの理念を踏まえていきたいと述べられました。理念について確認の意味で伺う予定でしたが、ここはちょっと割愛をいたします。
これを進めていく上で、日々の生活の中に健康づくりの仕組みや仕掛けを取り組んでいく必要があるというふうにも述べていますけれども、このウェルネスシティの理念を踏まえた仕組みとして、ほっと一息できる場所の設置も一つの仕組みの選択肢となるのではないかと思いますが、伺います。
○河村地域包括ケア推進課長 スマートウェルネスシティの理念を踏まえた居場所についてお答えをいたします。歩きたくなるまちには休める空間も必要であり、人々の自然な交流の場も必要と考えております。まち全体でそうした空間や場を確保する視点に立つことが重要であると認識してございます。
○浦野委員 ありがとうございます。以前本会議質問の際に触れた世田谷区では、多くの人が外出中に一休みできる場を増やすため、公共建築物の外構や道路、公園など公共空間においてベンチ等を設置する場合の具体的な手引として、「座れる場づくりガイドライン」を2018年に策定をしています。その後、道路法に基づく附属物としての設置、管理するベンチ等において整備目標などを記した世田谷区路上ベンチ等設置指針を、このガイドラインを補足するものとして策定をしました。このガイドラインには、世田谷区ユニバーサルデザイン推進条例、施設整備マニュアルの整備基準を補完するものであるというふうにも記されています。中野区のユニバーサルデザイン推進計画第2次では、ベンチや座れる場という文言はありませんけれども、基本理念の一つとして、ハードを支障なく円滑に利用できる都市基盤施設の整備の推進があり、この中で安全で快適な歩行空間が整備されているという目標も示されています。これは気軽に座れる場所ということもその一つとして考えられると思いますけれども、御担当の見解を伺います。
○国分ユニバーサルデザイン推進担当課長 委員御案内のとおり、中野区ユニバーサルデザイン推進計画では、安全で快適な歩行空間が整備されているという目標を掲げ、利用しやすく、安全で快適な道、公園づくりなどを施策の方向として記載してございます。気軽に座れる場所を整備することは、この施策の方向に合致するものと考えております。
○浦野委員 今、都市計画マスタープラン、そして地域包括ケアでのスマートウェルネスシティ、ユニバーサルデザイン、それぞれの理念とこの気軽に座れる場所は一致するということを確認、共有できたというふうに思います。
公園のベンチについて伺う予定でしたが、すみません、飛ばします。
現在23区では約半数弱の区が歩道のベンチを設置する事業を行っています。例えば杉並区は、予算の一部の使い道を区民が決める参加型予算の中で、木製ベンチをまちなかに広める事業を今年7月から開始しました。商店街などの民有地にベンチを設ける際、上限5万円の補助制度です。この予算は森林環境譲与税を活用しています。先日この事業を活用しての第1号のベンチも設置されたとのことです。
今年3月の区民委員会の中で森林環境譲与税の活用の考え方の見直しが報告され、その中で、既存施設の備品及び公共空間の設備等買換えや設置時等に木製備品等の整備に活用するという考えが新たに示されています。これは、例えば今ベンチがない既存施設や公共空間、区道などに新たに設置する場合も活用できるという理解でよいのか、確認の意味で伺います。
○伊東環境課長 このたびの森林環境譲与税活用の考え方の見直しによりまして、既存施設への設置等に加えて、公共空間に木製ベンチを設置する場合にも森林環境譲与税を活用することができるようにしたというものでございます。
○浦野委員 ありがとうございます。先ほど触れた世田谷区の路上ベンチの設置指針の中では、ウォーカブル推進に基づく居心地がよく歩きたくなるまちづくりを進め、歩くことの意味を進化させる時期に来ているとも記されています。この指針づくりにどういった部署が関わったのかを調べてみると、世田谷区座れる場づくり検討会というものが設置をされて、都市整備政策部、道路交通計画部、土木部、高齢福祉部という四つの部がメンバーとなっていました。中野区としても今掲げている、この間、今確認をした三つの計画や理念の下で、その必要性については認識共有できたと思うんですけれども、このように、世田谷区のように横断的な部署が関わって区内のベンチの設置状況を例えば把握したり、気軽に座れる、ほっとできる場となるベンチの設置について横断的な議論を進めて検討を進めていくべきではないかと思いますが、最後に区長に伺いたいと思います。
○酒井区長 区が掲げる基本構想の実現に当たりましては、スマートウェルネスシティ、ユニバーサルデザイン、ウォーカブルなまちづくりなど理念も踏まえた取組が必要であると考えているところであります。まちなかにベンチを設置していくことについては、これらの理念にも通じるものであるので、全庁的に横断的な取組を進めてまいります。
○浦野委員 ぜひ今御答弁あったところでお願いしたいと思います。
以上で、すみません、時間がオーバーしましたが、私の決算特別委員会での総括質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○杉山委員長 以上で浦野さとみ委員の質疑を終了します。
5時になりますので、今後の運営について協議するため理事会を開会します。
委員会を休憩します。
午後4時59分休憩
午後5時01分開議
○杉山委員長 委員会を再開します。
ただいまの理事会の報告をします。
大沢委員の質疑が予定されておりましたけれども、本日はこれで終了し、次回、大沢委員から始めることを確認いたしました。
以上が理事会の報告ですが、質疑はございますか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○杉山委員長 なければ、ただいまの報告のとおり、委員会を運営することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○杉山委員長 御異議ありませんので、そのように決定し、本日の総括質疑を終了します。
次回の委員会は9月20日(金曜日)午前10時から当委員会室で開会することを口頭をもって通告します。
以上で本日の決算特別委員会を散会します。
午後5時02分散会