令和6年09月20日中野区議会決算特別委員会の会議録 1.令和6年(2024年)9月20日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。 1.出席委員(41名) 1番 山 内 あきひろ 2番 武 井 まさき 3番 市 川 しんたろう 4番 日 野 たかし 5番 木 村 広 一 6番 斉 藤 けいた 7番 井 関 源 二 8番 黒 沢 ゆ か 9番 大 沢 ひろゆき 10番 武 田 やよい 11番 広 川 まさのり 12番 いのつめ 正 太 13番 間 ひとみ 14番 河 合 り な 15番 加 藤 たくま 16番 高 橋 かずちか 17番 甲 田 ゆり子 18番 小 林 ぜんいち 19番 白 井 ひでふみ 20番 吉 田 康一郎 21番 立 石 り お 22番 小宮山 たかし 23番 内 野 大三郎 24番 い さ 哲 郎 25番 細 野 かよこ 26番 斉 藤 ゆ り 27番 杉 山 司 28番 ひやま 隆 29番 大 内 しんご 30番 伊 藤 正 信 32番 平 山 英 明 33番 南 かつひこ 34番 久 保 り か 35番 石 坂 わたる 36番 むとう 有 子 37番 羽 鳥 だいすけ 38番 浦 野 さとみ 39番 山 本 たかし 40番 中 村 延 子 41番 森 たかゆき 42番 酒 井 たくや 1.欠席委員(1名) 31番 高 橋 ちあき 1.出席説明員 中野区長 酒井 直人 副区長 青山 敬一郎 副区長 栗田 泰正 教育長 田代 雅規 企画部長 岩浅 英樹 企画課長 中谷 博 資産管理活用課長半田 浩之 財政課長 竹内 賢三 広聴・広報課長 矢澤 岳 総務部長 濵口 求 防災危機管理担当部長 吉沢 健一 DX推進室長 滝瀬 裕之 総務課長 永見 英光 物価高騰支援給付金担当課長、防災危機管理課長 永井 亨忠 職員課長 中村 洋 施設課長 大須賀 亮 契約課長 原 太洋 防災担当課長 福嶋 和明 生活・交通安全担当課長 久保 貴 デジタル政策課長、新区役所整備課長 瀬谷 泰祐 区民部長、新区役所窓口サービス担当部長 高橋 昭彦 文化・産業振興担当部長 高村 和哉 産業振興課長 網野 和弥 文化振興・多文化共生推進課長 冨士縄 篤 子ども教育部長、教育委員会事務局次長 石崎 公一 子ども家庭支援担当部長、教育委員会事務局参事(子ども家庭支援担当) 森 克久 子ども・教育政策課長、学校再編・地域連携担当課長 渡邊 健治 子ども政策担当課長 青木 大 子ども教育施設課長 藤永 益次 子育て支援課長 分藤 憲 育成活動推進課長鈴木 康平 指導室長 井元 章二 学務課長 佐藤 貴之 地域支えあい推進部長、地域包括ケア推進担当部長 石井 大輔 地域活動推進課長高橋 英昭 区民活動推進担当課長 池内 明日香 医療・介護連携推進担当課長 高橋 かほる すこやか福祉センター調整担当課長 河田 達彦 健康福祉部長 杉本 兼太郎 保健所長 水口 千寿 保健企画課長 中村 志保合 保健予防課長 宮下 奈緒 生活衛生課長 只野 孝子 環境部長 浅川 靖 環境課長 伊東 知秀 ごみゼロ推進課長鈴木 康正 清掃事務所長 秦 友洋 都市基盤部長 松前 友香子 道路管理課長 長沼 美春 公園課長 村田 賢佑 交通政策課長 宮澤 晋史 まちづくり推進部長 角 秀行 中野駅周辺まちづくり担当部長 千田 真史 野方以西担当課長桑原 大輔 まちづくり事業課長 山岸 高広 中野駅周辺まちづくり課長、中野駅新北口駅前エリア担当課長 小幡 一隆 中野駅地区・周辺基盤整備担当課長、中野駅周辺エリアマネジメント担当課長 井上 雄城 中野駅周辺地区担当課長 大南 隆司 会計室長 古本 正士 1.本会の書記は下記のとおりである。 事務局長 堀越 恵美子 事務局次長 林 健 議事調査担当係長 鈴木 均 書 記 若見 元彦 書 記 田村 優 書 記 細井 翔太 書 記 森園 悠 書 記 梅田 絵里子 書 記 川辺 翔斗 書 記 志賀 優一 書 記 早尾 尚也 書 記 堀井 翔平 書 記 金木 崇太 書 記 砂橋 琉斗 1.委員長署名 午前10時00分開議 ○杉山委員長 定足数に達しましたので、ただいまから決算特別委員会を開会します。 認定第1号から認定第5号までの計5件を一括して議題に供します。 初めに、9月19日(木曜日)の理事会の報告を行います。 委員会運営についてです。本日の総括質疑の順番は、1番目に大沢ひろゆき委員、2番目に斉藤ゆり委員、3番目に市川しんたろう委員、4番目に甲田ゆり子委員、5番目にいさ哲郎委員、6番目に黒沢ゆか委員の順で、6名の総括質疑を行うことを確認しました。 次に、要求資料について、お手元の資料要求一覧(追加分)のとおり、新たに1件の資料要求について整理をいたしました。 以上が理事会の報告ですが、質疑はございませんか。 ○杉山委員長 なければ、ただいまの報告のとおり委員会を運営することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○杉山委員長 御異議ありませんので、そのように運営します。 次に、資料要求についてお諮りします。お手元の資料要求一覧(追加分)のとおり、資料を要求することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○杉山委員長 御異議ありませんので、そのように決定します。 資料につきましては、後ほどアップロードされますので御覧ください。
決算特別委員会
決算特別委員会資料要求一覧(追加分)
追加分 ◆総務分科会関係 112 令和5年度における流用一覧(100万円以上)<自>
○杉山委員長 ただいまから総括質疑を行いますが、答弁される理事者は答弁前に大きな声で職名を述べるようお願いします。 それでは、質疑に入ります。 大沢ひろゆき委員、質疑をどうぞ。 冒頭、中国・深?での10歳の日本人男子の殺人事件の被害者及び御家族に心から哀悼の意を表します。 そして、今、傍聴の方はいらっしゃらないんですが、今日からナカペイのダウンロードキャンペーンということで、早速ダウンロードをしてまいりました。皆様もぜひよろしくお願い申し上げます。 それでは、まず現時点での、会派としての決算の評価について申し述べます。質問がしばらくありませんが、お許しください。 令和5年度の普通会計においては、歳入決算額は2,039億円、前年度比20%増、歳出の決算額は1,986億円、前年度比22%増となっています。歳出は、再開発の進行に伴う土木費や新庁舎整備に伴う総務費、小・中学校施設整備や基金積立による教育費が増加しており、歳入では、これらに伴う特定財源増が目立つということでございます。 令和5年度の成果としては、都内区市町村本庁舎で初めてのZEB Ready認証による区役所新庁舎の完成、鷺の杜小学校など学校設備の整備、保育園待機児童ゼロを2年連続で達成、東京都とも連携したスクールソーシャルワーカーの拡充、スクールロイヤーによる支援開始など教育相談体制の強化、ためまっぷなかのの導入による地域活動支援、23区で初となる低体重出産児を対象としたリトルベビーハンドブックの作成などの成果を評価いたします。 また、これから後ほど質疑させていただきますけれども、昨年の決算総括質疑において指摘をしました92.7%という歳出執行率の低さ、115億円という巨額の不用額、不用額というのは予算計上したが使用されなかった額、こちらについて令和5年度は、歳出執行率は94.8%まで上がり、この10年間で2番目のレベルまで向上しています。不用額も、これはまだ金額的には大きいのではありますけれども、82億円まで、約30%減少したということでございます。こちらも一部課題がある、これも後ほど質疑いたしますが、こちらは残ってはおりますけれども、全般的に管理レベルが上がったということは評価をいたします。昨年、30名以上の理事者の皆様に取材をし、議論をし、その後も議会での質疑を重ねさせていただいたこともあり、御理解、対応いただけた部分もあったのかなというふうに感謝もしております。 ただし、当該年度は定年退職が発生しない年度であったため、人件費の精度が上がった側面もあるかと思いますので、令和6年度決算に向けて、まだ油断は禁物であるとは思っております。 一昨日の小池百合子都知事の所信表明にもあったように、東京都は子育てしやすいまち、誰でもポジティブに活躍できるまち、命と暮らしを守るまちを目指しており、酒井区政において、子育て先進区、地域包括ケアの確立、安心・安全で住み続けたくなるまちを目指す中野区と目的を一にしており、今後も連携が重要であると考えております。 さらに、中野区は100年に一度の再開発の時期ということでございまして、特に昨日の他の委員の質疑の際に中野駅北口再開発への問題があるというようなこともございましたので、そのようなことであれば、なおさら予算として何を計上するのか、そして、それをいかに正確に計上するのかということがさらに重要になってくると考えます。 以上を踏まえまして、質疑を行わせていただきたいと思います。冒頭長くなりました。 それでは、決算数値から見る予算性質ごとの精度向上への取組についてお話をさせていただきたいと思います。 まず決算剰余金が34億円生じています。今年度予算策定時の社会福祉施設整備基金及び義務教育施設整備基金の積立不足分である12.5億円に充当することにより、遅ればせながらではございますけれども、財政規律との整合性を取るべきであると考えますが、いかがでしょうか。 ○竹内財政課長 決算剰余金につきましては約35億円となってございまして、令和6年度に繰り越されているものでございます。地方財政法上は、地方公共団体は各会計年度において歳入歳出の決算剰余金を生じた場合においては、当該剰余金のうち2分の1を下らない金額は、これを剰余金を生じた翌々年度までに積立て、または償還期限を繰り上げて行う地方債の償還財源に充てなければならないとされてございます。今後の対応となりますが、基金への積立先につきましては、令和6年度当初予算で積立てできなかった基金も十分考慮した上で判断したいと考えてございます。 ○大沢委員 よろしくお願いします。しっかりと予算の精度を上げるということを通じて、予算策定時に積立金不足を生じることがない予算策定にもつながるということであるというふうに考えておりますので、今後とも不用額削減にも努めていただきながら、より正確な予算策定を行うようにお願いを申し上げます。 続きましての質問でございます。令和5年度一般会計全般において、全体として歳入歳出が予算現額比98.5%の収入率、これは調定額ベースの数字でございます。歳出については、執行率94.8%となっており、82億円が不用額として計上されています。こちら、スライドのほうで款ごとというか、業務ごと、部ごとに近いような形ですかね、それで整理をいたしました。今回、歳入歳出とも執行率が前年よりも2%程度上がったということになっております。この要因をどのように分析し、評価しているのか教えてください。 ○竹内財政課長 予算編成方針におきまして、歳入においては区の基幹財源である特別区民税や国民健康保険料の徴収体制を強化し、歳出にあっては事業の廃止、縮小、先送りといった抜本的な見直しを行って歳出の抑制を図ることを明記し、職員への周知徹底を行いました。全庁において方針の徹底がなされたことにより、予算編成時における精度が向上したことは、収入・執行率ともに向上したことにつながったと分析してございます。 ○大沢委員 ありがとうございます。今回、この1年間の取組をお願いするに当たって財政課長とは随分やり取りをさせていただきました。その中で、中野区の予算を精緻化するために、執行率を上げやすいというか、本来執行率100%を目指すべきだというものと、例えば給付金のように人数分一旦用意をせざるを得ないからなかなか難しい性質のもの、そのような性質のものに分けていただいて、そして対応していただく、そのようなことをお願いしてきたかと思います。この辺りの成果として、経費の性質の区分をどのようにされたのかということと、区分ごとの不用額が令和5年度どのような形になっているのかということと、あと、削減の観点での考え方、難易度等について御説明を頂ければと思います。 ○竹内財政課長 不用額の分析につきまして、決算特別委員会資料の不用額が1,000万円以上の事業一覧を基に分析を行いました。記載されている事務事業メニューにつきまして、その占める割合を人件費、扶助費、繰出金などの義務的経費、社会状況に応じて政策的な事業である政策的経費、その他の経費である経常的経費の3分類に独自で区分をしまして分析を行いました。その中で、措置しておく必要があって削減が難しい義務的経費は約32億円、政策的な意味合いが強く単年度事業で削減が不透明な政策的経費につきましては約14億円、比較的削減の余地がある経常的な経費は約29億円だった、このような分析をしてございます。 ○大沢委員 そうすると、これから中野区として今後さらに予算管理を精緻化していくということが必要であるというふうに考えておりますけれども、これに当たっての基本的な考え方なんですが、経常的経費の不用額ですね、令和5年度でもまだ29億円はありますということでございますね。こちらに関しては限りなくゼロに近づけていく。さらには、義務的経費や政策的経費に関しては、ある程度の不用額は容認せざるを得ない、そんな考え方で正しいでしょうか。 ○竹内財政課長 事業に基づいて、それぞれ不用額の生じる理由というのはあると思いますけども、今、独自に区分のほうをさせていただきまして、そういったところ、特に金額が大きいものに関して、まだ切り込みができるんじゃないか、そんなことは考えてございますので、そういったことを基にしながら事務事業の執行の分析を行っていきたいと考えてございます。 ○大沢委員 そうすると、今の区分することの中で、一定の不用額が出ざるを得ない、例えば実例として議論の中で挙げられたのが、例えば扶助費であったりとか、あと給付金であったりとか、このようなことに関しては、人数分はどうしてもやはり準備、年度末までしておく必要があるよという性質のものもあるというふうなことであったかと思いますけれども、これは今後の組織管理というか、財政面での管理の在り方として、このような経費を預かっているような部門ですね、組織の方々においては、基本的に区民に行き渡らせるべきものというふうな考え方をしているんですけれども、それは正しいでしょうか。 ○竹内財政課長 性質別に見ましても扶助費というのは給付の意味合いが強いですので、そういった観点があるかなと考えてございます。 ○大沢委員 そうすると、そのような経費に関しましては、むしろ執行率の中の不用額を削っていくという考え方というよりも、執行率を高めていくというふうなことを目標として、しっかりと各組織に掲げてもらって、その結果として執行率を高めていく、このような考え方にしていきたいと思うんですけど、この考え方で正しいですか。 ○竹内財政課長 どの事業に関しましても、執行率であるとか不用額、そういったものを見ながら予算の精度を高めていくということが必要かと考えてございます。 ○大沢委員 今どちらかというとそちら、竹内財政課長のほうで区分していただいた中で、経常的経費以外ですね、義務的経費であったり、政策的経費であるように、本来対象の方に少しでも行き渡らせることが重要であるという扶助費であるとか給付金等に関しては、給付率を引き上げるという具体的な数値目標をしっかりと組織として掲げてもらい、そこに向けて達成を図っていくことが重要であると考えるんですが、これについてはいかがでしょうか。 ○竹内財政課長 扶助費などの給付事業につきまして、執行率を上げていくことはいいかと思いますけど、執行率を組織目標とするのはなかなか難しいかなと考えてございます。限られた予算の中で区民サービスを提供していくために、適切な執行となるように、予算積算の段階から過去の実績や今後の見込みを踏まえて予算編成を行っていきたいと考えてございます。 ○大沢委員 ありがとうございます。私のほうからぜひお願いしたいというふうに思っておりますのが、やはり数字の目標ってすごい大事だというふうに思っていて、通常の業務執行におけるものに関しましては、予算的にいかないような場合には、そこは削減をしていくというふうな行為ができると。しかし、それが難しいようなものに関してはぜひとも、例えば前年度90%でした、だけど100%予算は立てます、だけれども何も、普通にそのまま流していたら90%になりましたという、この繰り返しは非常によくないというふうに思っていますので、そこにぜひ数値目標を掲げていくように、これは区長以下、幹部の皆様にもお願いしたいというところでございます。こちらは強い要望とさせていただきます。 続きまして、まちづくり推進費の予算額と執行額との乖離というところに関して少し質問をさせていただきたいと思います。こちら、お示ししている表にございますように、今年度、令和4年度から令和5年度にかけて推移を見ていきますと、この真ん中の欄、R4-R5という部分があるんですけれども、これを見ますと、ほとんどの部門において執行率が大きく上がってきているということで、それで全体が2.1%と上がっていると。ごく一部ですね、ほぼ横ばいというふうな部門が二つほどありますというふうなところでございます。 その中で、残念ながらまちづくり推進費の部分だけが86.4%って、もともと低かったんですけど、そこから84.7%まで、さらに1.7%ほど下がっているというふうなところがございます。特に、これは実際に中野区の各会計歳入歳出決算説明書の476ページ、ここを御覧いただけると分かるんですけれども、まちづくり用地というところの執行率が44.3%ということになっていて、令和4年度も59.4%ということで、やはりこの場ですね、決算の総括質疑の場で実は問題とさせていただいた部分ではあるんですけれども、それがさらに下がっていると。そして、今申し上げた項目ですね、476ページの一つ上のメニュー、街路整備というのがあるんですけど、そこでも区画街路第4号線用地関連総合支援業務委託というのがございまして、こちらに関しましては、執行額が1億1,300万円に対して、不用額が1億8,500万円となっているので、執行率が30%台にとどまっているということでございます。ちなみに、これらに関しましては、いずれも経常的経費に区分されるというふうに考えておりますが、いかがでしょうか。 ○山岸まちづくり事業課長 経常的経費に区分されるものと考えております。 ○大沢委員 そうすると、期の途中で、例えばこれはちょっと交渉上難しいよということになったならば、本来は減額の補正予算を組むなり、そういうことをすべき性質のものであるということだと思うんですが、その中で、特に今申し上げたように区画街路第3号線及び区画街路第4号線、これは新井薬師前と沼袋と言ったほうが分かりやすいかもしれませんけど、そこの執行率が低いということでございます。まず年初の予算での見積りが甘いというところもあるのかなという気がするんですけれども、当初予算の面でまず一層の精緻化の必要性については、どのようにお考えでしょうか。 ○山岸まちづくり事業課長 予算額と執行額の乖離につきましては、今回、主に区画街路第4号線の折衝回数について計画と実績に差があったためでございます。これは、区画街路第4号線には権利者多数の区分所有建物があり、各権利者との接触が難しく、調査が進まなかったことによります。ただし、区分所有建物については、総会等に参加し、徐々に御理解を頂いているところです。今後の当初予算策定時には、区分所有建物の計画の精度を上げることで計画どおり進めるよう努めたいと考えております。 ○大沢委員 もしそうであるならば、それって最終的に、最後にやればいいっていう問題じゃないですけど、最終的には、たしか事前の取材で伺ったのは昨年12月28日、そこが最終的な補正予算、2月の補正予算ですね、私どもが議決した、そこの中の12月28日の段階で最終的な補正予算が本来は可能であったというふうに考えるんですけど、それで正しいでしょうか。 ○山岸まちづくり事業課長 これに関しましては、なかなか相手がおりますので、もしかしたらその後に折衝できる可能性も残されているということで今回減額しなかった次第でございます。 ○大沢委員 事前の取材で、執行率が低くなる、今の相手がある話だというのは分かるんですけど、もうさすがに、今3割とか4割しかできていないのに、あと1か月、2か月でできるって、なかなか思いにくいじゃないですかというふうなところ、しかもこれは単価契約になっているはずですから、ずっと交渉を寝ずに続けたとしても物理的に無理だよねみたいな話に最後はなっていくんだと思うんですけど、そんなところになっていても、なかなか補正されないというふうな背景があるというふうに聞きました。それで確認していくと、年初において想定作業量に基づいて上限支払額、最大幾らまで払いますよというキャップ額が書かれている契約書を受託者と契約をして、その契約に基づいて予算計上を行っているというふうなことであるというふうに確認できたんですけど、それで正しいですか。 ○山岸まちづくり事業課長 委員御指摘のとおりです。 ○大沢委員 そうすると、年度の途中において作業量が当初の想定を下回るということが分かるということであっても、予算減額をするためには上限支払額を減額した契約を再締結、変更する必要があり、その手続が難しいというふうなことをおっしゃっていたかと思うんですけど、これは正しいでしょうか。 ○山岸まちづくり事業課長 年度途中で予算減額をする場合には契約を変更する必要があるという認識です。ただし、まちづくり事業課としては、計画と実績が解離しないよう様々な取組を行いながら事業の執行率を上げるよう進めたいと考えております。 ○大沢委員 まちづくり部門のほうはこのような認識だということでございますけど、契約を管理する契約課の認識はいかがでしょう。 ○原契約課長 対象となっている区画街路第4号線用地関連総合支援業務委託等につきましては、年度間を通して発生する業務について、あらかじめ定めた単価及び支払限度額の中で履行を求める単価契約でございます。本件については、年度末までの契約期間中は対象業務に対応していただく仕様のもと、入札を行い、契約金額及び受託者が決定していることから、契約締結後に区から仕様変更や減額を伴う契約変更を協議する場合は、その必要性や公正性等も鑑み、慎重に判断する必要があるものでございます。 ○大沢委員 契約を変更すること自体は可能である、こういう認識で正しいですか。 ○原契約課長 委員おっしゃるとおりです。 ○大沢委員 続いての財政課のほうにちょっとお聞きしたいんですけど、まちづくり部門はこういう認識だということなんですけど、予算を管理している財政課のほうの認識はどんな感じでしょうか。 ○竹内財政課長 地方自治法においては、普通公共団体の支出の原因となるべき契約その他の行為は、法令または予算を定めるところに従い、これをしなければならないと定められてございまして、予算を先行して減額した場合、一般論としてその契約は少なくとも予算に基づかないものと考えられます。よって、予算を先行して減額補正することは困難と考えます。 ○大沢委員 そうすると、今回、質疑とか事前の取材を通じて、まちづくり部門の執行率が何でこんな低いんだろうというところが大分私なりには分かってきたような気がいたします。まず、先ほどあったように、まちづくり部門のほうからお答えもあったように、当初の予算策定、ここに関しては一層の精緻化、頑張りますよというふうなところで、ここはぜひまちづくり用地や街路整備、この部分に関してはこの点の改善を特にお願いしたいところでございますけれども、期の途中で予算策定時点を下回る作業量になるというふうに認識した段階でも、それを年度末までそのままにしてしまっていますよという、この点については財政課及び契約課、こちらはまちづくり部門としっかり調整の上、今年度の決算においては同様のことが生じないように仕組みの整備をお願いしたいと考えるんですが、いかがでしょうか。 ○竹内財政課長 1件1件の事業の内容を分析した上で、予算を補正する必要があると判断したものにつきましては補正予算を行い、適切な対応を行っていきたいと考えてございます。 ○大沢委員 せっかく不用額の削減が昨年度進んできたというところであるというふうに考えております。財政課におかれましては、その他にも、資料の総務56に記載されているのが、不用額一覧ということで出されているんですけれども、そこの中でも特に経常的経費というふうな形で区分されているものですね、先ほどその差額をゼロに近づけることを目指すよというふうにおっしゃっていた部分でございます。ここの部分の削減を中心に、しっかりと庁内をコントロールして、そして予算と実績の管理、精度の向上の定着についてよろしくお願い申し上げて、この項の質問を終わりとさせていただきます。 続きまして、来月、10月が来年度の指定校変更基準が制定されるという、このような時期であるということで、本日の総括質疑において質疑をさせていただきたいと思いますのが中野区の区立中学校の通学距離と指定校変更についてでございます。 区立中学校への通学距離に関しましては、前の定例会、第2回定例会において私が一般質問の際、中野中学校至近の野方一丁目エリア、今投影している図で言いますとAという形で塗りつぶしてあるところだというふうに思っていただければと思います。そこから新しい明和中学校、この図上にBと書いてあるところですね、ここまで2キロ以上歩いて通わなければならないという実情がありますと。さらには、Cと書いてあるのが実際に中野中学校がある場所でございまして、Cは本当にすぐ近くにあるんだけれども、BのところまでAの場所から歩いていかなくてはいけない、こういう状況になって、これは2キロを超えることになりますということです。 このようなお話をさせていただいたことに対して、田代教育長のほうから明和中学校の事例のみならず、再編や建て替えに伴う代替校舎の通学については考慮しなければならないことがあるという認識を示していただきました。このことについては敬意を表します。 明和中学校の新校舎、どこにあるかというと、西武新宿線の鷺ノ宮駅、都立家政駅から至近の若宮三丁目というところに所在をしていて、中野中学校が至近の場所にある野方一丁目のエリア、投影のAのところから2キロを超えるような通学距離となるというふうなところでございます。昨今の気温上昇の中、7月や9月に毎日往復4キロ以上、1時間以上屋外を徒歩で通学することを強要することですね、指定校を変更させない、必ずそこに行かなきゃいけないということはある意味の強要だと思うんですけど、そこは健康面においても問題を生じるというふうに考えます。 また、もう一つ別の問題もあって、野方一丁目及び野方二丁目、Aのエリアところと、Aのマルって書いてあるエリア、この二つのエリアは小学校に入学の段階において、通学路上の問題、基本的に環状七号線を越えるというふうなところの課題があって、それで啓明小学校に本来学区があるんだけれども、平和の森小学校に指定校変更を認めていただいているという、こういう生徒がこのエリアだけでも6学年で計1,030人いるという実情がございます。ところが、今は中学校では指定校変更が認められていないので、中野中学校に進学する平和の森小学校の同級生、生徒は離れ離れになって、Bの場所にある明和中学校に通わなければいけなくなる、このような課題もございます。 そこで伺います。来月10月に制定される来年度の中学校の指定校変更基準において、現状の問題点の解決に向けた改善が図られるのかどうか、そして図られるのであれば、その改善内容についてお答えを頂ければと思います。 ○佐藤学務課長 指定校変更に関して様々な御意見があることは承知しているところでございます。来年度に向けては、小学校入学時に指定校変更した児童について、小学校・中学校での連携をより強めていくため、連携する中学校への指定校変更の承認について検討していきたいと考えてございます。(「これから検討するの」「今まで言っていなかっただろう」「再編の検討って9月からやるんじゃないの」と呼ぶ者あり) ○大沢委員 すみません、私、質問をしておりますので、よろしくお願いします。来月10月に制定される来年度の指定校変更基準においてということでお答えを頂いているので、来月10月にこの指定を行って指定校を決めていく、そして来年度4月からの開始に向けて対応していく、このような答えであるということでよろしいでしょうか。 ○佐藤学務課長 来月10月に指定校変更の承認基準を決めますので、その中で盛り込むかどうかを含めて検討していきたいという答えでございます。 ○大沢委員 次いきます。続いて明和中学校の、その改善内容については、この事例のみならず全体についての改善を検討している、そのようなことでよろしいでしょうか。 ○佐藤学務課長 全体の内容を含めて、再編の検証を進める中で、指定校変更等を含めた通学環境等について検討していきたいと考えてございます。 ○大沢委員 さらに、明和中学校の事例のみならず、再編や建て替えに伴う代替校舎通学について、考慮しなければならないことというふうにおっしゃっていることの一つとして、一定の通学時間以上の場合において指定校変更を認めることについても、これは今度時間の基準ですね、こちらも継続検討いただくということでよろしいでしょうか。 ○佐藤学務課長 中学校の通学距離による指定校変更は現状認めておりませんので、それらも含めて今後検討していきたいというふうに考えてございます。 ○大沢委員 それでは、この項についてはこちらで質問を終わらせていただきます。 続きまして、中野区の気候変動対策及び脱炭素化の推進について質問をさせていただきます。 まず省エネルギー設備等の設置に係る補助についてということで、昨日、他の委員への質疑とちょっと重複してしまいますけれども、私としましても昨年の第3回定例会での一般質問、そして昨年の決算総括質疑、さらに今年の予算総括質疑において、本件について質疑を重ねてまいりましたということで、少し突っ込んだ形で質問をさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。 特に今年の予算総括質疑においては、太陽光発電システム、蓄電システム、高断熱窓・ドアの補助金の予算額が少な過ぎること、エコキュート、エネファームのメニュー追加を行ったことは評価できますが、これに対して合計3,275万円、この金額では少な過ぎると。そして、昨年度下期の補助金生成状況から普通に試算をすると、今年度の補助金予算として1億円は必要だというようなことを申し述べました。そして、このままでいくのであれば、足りなくなったらすぐに補正予算による増額で行うべきであることを申し述べました。しかるに何が起きたかというと、今年度3,275万円計上されたこの予算に関しましては、募集開始から僅か3か月後です、3か月後の8月13日の時点において、このような経緯ですね、予算額に達したため、申請の受付を終了いたしましたというような形になっております。さらに、今回補正予算で上がってくるのかなというふうに思ったら、そこでも追加計上がされていない、こんな状況でございます。 隣の区である杉並区は今どうなっているかというと、杉並区は、ちょっと小さくてごめんなさい、読みにくいんですけど、もともとの予算、今年1億4,000万円上げています。それに対して、9月5日の段階で既に1億3,000万円が使用されていることをもって、先週開会された第3回杉並区議会定例会に実績増に対応した補正予算4,680万円というのが追加計上をしたいということで議会に対してかけられている、このような状況で、中野区と大きく違うということであるというふうに思います。そして、この予算総括質疑の際に、当時の環境課長から、年度途中で予算がなくなった場合の補正予算計上の必要性等については、その時点での補助実績の動向等を踏まえ、区として判断すべきであるというふうに考えているという答弁を頂きました。 そこで伺いたいんですが、中野区において、ここまでの補助実績の動向について、どのような分析をされたんでしょうか。 ○伊東環境課長 六つある補助メニューのうち、太陽光発電システム及び蓄電システムは昨年度の実績を上回りました。特に、太陽光発電システムは昨年度比で約6割多く補助を行うことができたというふうに評価してございます。 ○大沢委員 その実績を踏まえて、本施策の有効性についてはどう考えているんでしょうか。 ○伊東環境課長 この事業の有効性でございますが、特に太陽光発電システムによる再生可能エネルギーは、化石燃料を使用しないため、二酸化炭素排出量の削減効果が高く、地球温暖化対策に非常に効果的な事業であると考えてございます。また、区民が省エネ設備を導入することで温暖化問題などへの環境に対する意識醸成といった効果も期待できるというふうに考えてございます。 ○大沢委員 そうすると、今回補正予算に計上されていない理由、それはどういう判断なんでしょう。 ○伊東環境課長 先ほども述べましたが、昨年度は補正予算を組みました。補正予算を組んだ実績を、特に太陽光発電システムについては1.6倍ほど補助をすることができたというふうに評価してございますので、今回この段階では補正予算を組んでいないということでございます。 ○大沢委員 昨年度は補正予算をしましたけれども、今年度しない理由を聞いています。 ○伊東環境課長 六つあるメニューのうち、今年度追加した二つのメニューについては、想定していたほど申請が伸びませんでした。一方、先ほど来御説明していますように、太陽光発電システムについては、特に昨年の補助をして、昨年実績が57件でございましたが、今年度は既に91件補助してございますので、今年度、現段階で補正予算をするということは、昨年度比でそれだけ伸びているところでございますので、そういった対応をしているというところでございます。 ○大沢委員 そうすると、僅か3か月間でそれだけ申請がありました。それで勢いに乗って伸びました。去年と比較して、もう伸びたからいいやということですか。 ○伊東環境課長 予算については限度がございますので、この事業については今年度限りで終了ということではございませんので、次年度以降も継続して、他の御家庭への補助ということも考えてございますので、今年度は一旦、現段階ではこういった補助を行って、継続的に来年度以降も事業については継続したい、そういったことから今回こういった判断をしたものでございます。 ○大沢委員 そうすると、ますますよく分かんなくなるんですけど、機運が醸成できたからやめるよって昨日質疑の中で、そう聞こえたんですけど、そうではなくて、今年はお金がないからやらないよ、そして来年もやるから今年はこれでいいんだよという判断をした、そういう意味に聞こえたんですけど、それで正しいですか。 ○伊東環境課長 繰り返しになりますけども、予算は一定限られてございます。全ての方に補助できるのが一番いい形ではございますが、繰り返しになりますけども、予算は限られてございますので、今回こういった判断をしたというところでございます。 ○大沢委員 確かに予算全体は限られているんですけど、それをどこに使うのかということをしっかりと判断をしていくというのが一つの大きな役割、行政としての役割でもあるし、議会としての役割であるというふうに思っています。そんな中で、ゼロカーボンシティ宣言もしていて、そして家庭というふうなところが非常に課題があるという中野区において、そのような判断をされたのは、どうも納得がいかないというところがございますので、ぜひもう一度考え直していただいて、さらに補正予算の必要性について検討していただきたいと思っておりますが、いかがでございましょう。 ○伊東環境課長 現在、継続的に事業を実施していきたいということで、来年度予算について検討してございます。そういったことも踏まえて、今、委員御指摘の点については併せて検討していきたいというふうに考えてございます。 ○大沢委員 分かりました。 続きまして、水素ステーションの誘致戦略について伺います。水素ステーションに関しましては、現在、東京23区に17か所の水素ステーションがあるというふうなことでございます。その中で、近隣で言うと新宿区、練馬区、杉並区、こちらには水素ステーションが設置されているという状況でございます。東京都も気候変動に立ち向かい、脱素炭素化を加速するということを掲げたエコファーストの取組の中で、従来の水素ステーション設備等導入促進事業に加えて、水素ステーションとカーシェア等のパッケージ支援事業を予算化されていると、こんな状況でございます。このような状況を踏まえると、ゼロカーボンシティ宣言を行っている中野区としても、水素自動車の需要喚起の観点からも、民間事業者の水素ステーションの中野区への早期誘致が重要な状況であると考えております。 そこで伺います。中野区に水素ステーションを誘致する必要性についての区の見解をお示しください。 ○伊東環境課長 中野区は、区民の自動車の保有台数が23区で一番少ない状況となっております。その中で、いわゆる燃料電池自動車の普及状況に関するデータは持ってございません。一方、先ほど委員の御紹介もありましたように、水素ステーションは23区内に17か所ございまして、その多くは湾岸地域を中心に設置してございまして、近隣では杉並、練馬、新宿にそれぞれ1か所ずつでございます。水素ステーションの区内における設置の緊急性につきましては、そういった状況から直ちに判断することは難しいというふうに考えてございます。 ○大沢委員 そうなんですね。そうすると、中野区においては、水素ステーションを誘致する考えは今のところない、そういう理解ですか。 ○伊東環境課長 考えがないということではなくて、判断することが現状では難しいということでございます。 ○大沢委員 ごめんなさい、何を判断することが難しいとおっしゃったのか、もう一度。 ○伊東環境課長 中野区に水素ステーションを誘致する必要性について判断することが現段階で難しいというような御答弁でございます。 ○大沢委員 ごめんなさい、ちょっと今のはよく分からなかったんですけれども、判断することが難しい、要は必要かどうかもまだ分からないよ、必要じゃないという判断もしていないし、必要だという判断もしていないということですかね。そしたら、これからどういうスケジュールで考えていくんですか。 ○伊東環境課長 区の段階では、そういった必要性について判断することは現段階で難しいんですが、一方、東京都のほうでは、都としても都有地を積極的に活用して水素ステーション整備を加速する必要があるとしてございまして、たしか2030年度までに都内で150か所を整備したいという東京都の動向がありますので、そういったものも注視していきたいというふうに考えてございます。 ○大沢委員 そうすると、中野区として判断をするというよりも、東京都が都有地に置きたいよというふうなことがあって、それがたまたま中野区になったら考えますみたいな、そんなスタンスですか。 ○伊東環境課長 中野区にそういった都のほうが誘致、整備するということになった場合については、中野区が誘致ということではないので、その辺はどうするかは東京都と連携して考えていきたいというふうに思ってございます。 ○大沢委員 話していてもかみ合わない状況であるということがよく分かりましたので、本件については一旦ここで終わりとして、時間の関係もございますので、次にTOKYOクールシェアスポット登録びクーリングシェルターの指定についてお伺いをしたいと思います。 前定例会では私のほうから、そして今定例会では我が会派の内野議員がそれぞれ一般質問において質疑したとおり、沸とう京という言葉が示すように、昨年にも増して今年は酷暑が進み、来年以降も熱中症対策が重要な状況であるというふうに考えております。そんな中で、東京都では令和5年夏から、主に省エネを目的としたTOKYOクールシェアスポット、こちらの登録を促進しています。そして、令和6年4月施行の気候変動適応法の施行により、クーリングシェルターを市区町村が冷房設備を有する等の要件を満たす施設を中心に指定するというようなことが定められました。 その結果、今どうなっているかというと、東京23区内にはクーリングシェルター・TOKYOクールシェアスポットが、重複を1か所としてカウントすると1,248か所です。これは日々増えているので9月6日現在の数字でございますけども、これが登録されているということで、1区平均だと54か所あるということなんですが、残念ながら、周りにいっぱいオレンジの点と青い点があるのが見えるでしょうか。そこの真ん中のところがすこっと空いている、これが実は中野区と新宿区というふうな形になっていて、新宿が4か所ということで、最も中野区に近いんですけど、中野は1か所だというふうなことになっております。 一方、中野区に涼みどころというのがあることは存じていて、これが計36か所ですね、高齢者会館、高齢者福祉センター、区民活動センター、ふれあいの家、この辺りに指定されているというふうに確認をしております。 そこでちょっと伺いたいんですが、TOKYOクールシェアスポット登録及びクーリングシェルター指定に係る区の管轄部署を教えてください。 ○伊東環境課長 まず省エネ施策として東京都が取り組んでおりますTOKYOクールシェアスポットにつきましては、施設所管課の判断に基づきまして環境部環境課が取りまとめをして登録を行うこととしてございます。一方、クーリングシェルターにつきましては、熱中症対策の位置付けとなってございますので、指定の所管は健康福祉部保健予防課となってございます。 ○大沢委員 中野区にTOKYOクールシェアスポットとクーリングシェルターというのがおのおの何か所あるんでしょうか。 ○伊東環境課長 まずTOKYOクールシェアスポットの東京都への登録は1か所、クーリングシェルターはまだございません。 ○大沢委員 これは、実はある保護者の方々から言われたんですけども、その中でホームページ等を見ていると、中野区だけどうしてないんだみたいな質問がありました。これは何か理由があるんでしょうか。 ○伊東環境課長 クールシェアスポットでございますが、昨年度実施しました庁内におけるTOKYOクールシェアスポットの登録調査におきまして、登録する施設がなかったというものでございます。なお、登録されている1か所は東京都の施設となってございます。 ○大沢委員 ごめんなさい、今の答えがよく分からなかったんですけど、登録していない理由というのは何かあるんですかという質問をしています。登録とか指定をしていない理由を。 ○伊東環境課長 まずクールシェアスポットについては、繰り返しになりますけども、東京都からの依頼で庁内に調査をして、各所管のほうから登録するという回答がなかったということでございますので、取りまとめたところ、0件ということでございますので、結果として登録がないというものでございます。 ○宮下保健予防課長 区では、従前から様々な区有施設を涼みどころとして開放しておりまして、区民にもその名称が定着しておりますことから、当初クーリングシェルターとしての指定は当課として考えておりませんでした。しかしながら、クーリングシェルターにつきましても区民に認知されてきましたこと、また、涼みどころと同じ目的の施設であることから、今後クーリングシェルターとしての指定に向けて準備を進めているところでございます。 ○大沢委員 中野区においては、涼みどころがTOKYOクールシェアスポットやクーリングシェルターと同等の施設であるというふうに考えればいいですか。 ○宮下保健予防課長 涼みどころ、TOKYOクールシェアスポット及びクーリングシェルターは、いずれも暑熱環境に対する施設であるという点においては同等の施設となってございます。しかしながら、涼みどころは当該の施設利用の対象となる特定の年代の区民が利用できるものであることが主であることに対して、TOKYOクールシェアスポットには制限や義務等はございません。一方で、クーリングシェルターに関しましては、年代や住所地の制限なく広く一般に開放する義務があることなど、異なる面がございます。 ○大沢委員 他区のTOKYOクールシェアスポット、クーリングシェルターについては、公共施設の中でも、体育館であったりとか、図書館であったりとか、中野区の涼みどころよりも幅広い施設が指定されているというふうなところがあったりとか、あとは世田谷区とか大田区とか練馬区とか江戸川区とかを見ると、例えば東京アスレティッククラブだったり、トヨタだったり、イオンだったり、スーパーマーケット系ですね、あと調剤薬局、このようなところもクーリングシェルターとして登録されていると。その結果として100か所を超えていたりとか、そういうことがこれらの区では起こっている。これからの酷暑の中、こういう考え方が必要だと思うんですけど、どうでしょうか。 ○宮下保健予防課長 今後、民間施設の活用についても全庁的な連携を図りながら検討したいと考えているところでございます。 ○大沢委員 分かりました。ぜひこちらに関しまして、大分立ち遅れているように見えますので、よろしくお願いできればと思います。 以上で、私からの令和5年度決算特別委員会総括質疑を終えさせていただきます。どうもありがとうございました。 ○杉山委員長 以上で、大沢ひろゆき委員の質疑を終了します。 次に、斉藤ゆり委員、質疑をどうぞ。 ○斉藤(ゆ)委員 おはようございます。様々つらいニュースがある中、今朝、大谷選手の50-50のビッグニュースが飛び込んでまいりまして、おめでとうございます。元気を頂いて取り組んでまいりたいと思っております。 令和6年度第3回定例会決算特別委員会において、立憲・国民・ネット・無所属議員団の立場から総括質疑をいたします。質問は通告どおりで、その他はございません。 1、令和5年度決算について、令和4年度まで中野区は基準となる一般財源規模を基に予算編成を進めてきましたが、平成26年以降は歳入は上振れ、歳出はほとんど基準額に収まることがありませんでした。そのため、令和5年度はそれまでの考え方を変え、歳入一般財源の見込額の範囲内に一般財源充当事業費に基金積立目標額を含めた額を収めるという予算編成手法をもって予算が策定されました。その考え方で執行された予算の初めての決算審査となります。既に当会派からは決算全般、河合委員から質疑をさせていただきましたので、私からは基金と起債について伺います。 (1)基金と起債、一般的に基金を分かりやすく貯金と表現しますが、令和5年度の基金残高は799億、令和4年度から30億円の増となりました。令和5年度からの財政運営の考え方として、基金の積立てに対して考え方を持ちました。どのような考え方なのか、簡単に御説明ください。 ○竹内財政課長 まず財政調整基金につきまして、年度間調整分につきましては、年度末残高を200億円確保することに努め、施設改修分については、対象施設の当該年度に発生する見込みの減価償却費相当額の25%を積立て、年度末残高は当該施設の減価償却累計相当額の25%の確保に努めることとしてございます。また、義務教育施設・社会福祉施設整備基金につきましても、対象施設の当該年度に発生する見込みの減価償却費相当額の25%を積立て、対象施設の累計相当額の25%の年度末残高の確保に努めるものとしているものでございます。 ○斉藤(ゆ)委員 たしか、さらに財源を確保できたら義務教育施設整備基金に積むということも含められていたと思いますが、いかがでしょうか。 ○竹内財政課長 委員御指摘のとおりでございます。 ○斉藤(ゆ)委員 では、まず最初に財政調整基金について伺います。積立額、繰入額、基金残高のそれぞれの令和5年度当初予算と決算額を伺います。 ○竹内財政課長 基金積立の目標額と積立額でよろしいでしょうか。失礼しました。当初予算での基金積立額が140億円でございまして、決算額が199億円でございます。 ○斉藤(ゆ)委員 財政調整基金の全体の積立額、繰入額、基金残高と思っていたんですけれども、いかがでしょうか。 ○竹内財政課長 失礼いたしました。財政調整基金につきましては、当初予算で繰入額が69億円、積立額が19億円、年度末残高が283億円と想定してございました。決算額に関しましては、繰入が68億円、積立が80億円、年度末残高が359億円となったものでございます。 ○斉藤(ゆ)委員 財政調整基金、三つの項目がありますので全体で今伺いました。積立は増額し、繰入はほぼ予定どおりということで認識したいと思います。基金残高は前年度より30億円増えております。第4号補正予算で決算剰余金を財政調整基金に60億円積んだことにより、当初予算で見込んでいた19億円余を大幅に超える80億円の増となったわけです。これを、財政調整基金に積んだ理由は何でしょうか。 ○竹内財政課長 財政調整基金のうち、年度間調整分におきましては、年度末残高を200億円と確保することとしてございます。そちらを総合的に勘案した結果、財政調整基金への積み増しを行うことにしたものでございます。 ○斉藤(ゆ)委員 その財政調整基金の三つの中の年度間調整分に積まれたということで今答えを頂きました。そうなりますと、財政調整基金年度間調整分の残高は幾らになったでしょう。 ○竹内財政課長 こちらは約257億円となっているものでございます。 ○斉藤(ゆ)委員 この年度間調整分の残高は200億円を目標として予算に算出されました。この根拠を確認させてください。 ○竹内財政課長 財政調整基金の年度間調整分につきましては、過去の実績から年間50億円の一般財源の減収を見据え、3年間で150億円を確保し、さらに様々な影響を踏まえて200億円を目標としているものでございます。 ○斉藤(ゆ)委員 今年度の話になりますけれども、令和6年度当初予算では施設改修分の基金の積立てができませんでした。中野区はこれから施設改修が続いていきますが、それでも施設改修の基金に優先的に積まずに、財政調整基金に積む決断をいたしました。そうして見てみると、財政調整基金年度間調整分に重きを置いて基金の積立てをしているように見えてまいります。それはこの財政調整基金年度間調整分の残高200億円の目標があったからです。財政調整基金年度間調整分とは、本来、歳入が大きく落ち込んだときに対応するためのものですが、そもそもこの金額の目標が200億円でよいかということがあると思います。積立方法の基準を最低残高額の設定と標準財政規模の一定率の積立てとの併用で考えているという他の自治体の例もございます。そうすれば、財政に余裕があるときに金額を多く、また、そうでないときは少なく積むということが実現できるとも言えます。財政調整基金年度間調整分の残高の目標額200億円の妥当性は、一度どこかのタイミングで検証してはどうかと考えますが、いかがでしょうか。 ○竹内財政課長 物価高騰や金利上昇などの社会情勢に加え、今後の施設整備計画や整備経費、基金残高を勘案しまして、基金につきましては今後改めて考え方を整理していきたいと考えてございます。 ○斉藤(ゆ)委員 都度見直しは大事です。よろしくお願いいたします。 現在、中野区は多くの施設整備の計画があるのは先ほど申し上げたとおりですけれども、中野区全体を見ると、有形固定資産減価償却率は53.5%ですが、個別に見ると、財政白書82ページ以降にあるとおり、区営住宅は92.8%、幼稚園84.6%、児童館77.9%と整備が待たれる施設は待ったなしとなっています。さらに、学校施設は今後更新が20校続いていきます。そのために財政調整金施設改修分、義務教育施設整備基金、社会福祉施設整備基金といった特定目的基金が設定されています。 私たちはリーマンショックや新型コロナなど、いつ何があるか分からないということを学んでまいりました。だからこそ、その年の財政状況で施設整備計画を中止したり、延期したりするようなことのないように考えなければなりません。今、財政調整基金年度間調整分の残高をキープすることと、施設改修のための特定目的基金分の積立てを考えていくのと、どちらかを優先するべきか検討することも大事ではないかと考えますが、いかがでしょうか。 ○竹内財政課長 繰り返しになりますが、積立ての考え方に当たっては、物価高騰や金利上昇などの社会情勢、今後の施設整備計画や整備経費、基金残高を勘案しまして、改めて考えを整理していきたいと考えてございます。 ○斉藤(ゆ)委員 さて、予算編成の考え方からは、学校施設の改築を目的とした義務教育施設整備基金については、一般財源の確保ができたとき、つまり剰余金が発生したときに優先的に積立額を増額するとの考えが示されているのは先ほど確認をしたとおりです。これは今後、学校施設整備が大きな額で続いていくためです。単純に計算しても、1学校当たり72億円として計算しても、20校分で1,440億円にもなります。今回、財政調整基金年度間調整分の残高は、僅かですが200億円を超えていました。僅かではないですね、257億円だったと思います。そういたしましたら、年度末に義務教育基金への積み増しを行うことができたのではないかと思いますけれども、なぜ行わなかったのでしょうか。 ○竹内財政課長 財政調整基金のうちの年度間調整分の年度末残高200億円の確保は、年度末では達成していますが、年度途中では、こちらのほうはまだ未定だったこと、また、義務教育施設整備基金への積立ては目標額に達していたことなどを総合的に勘案した結果、財政調整基金への積み増しを行うこととしたものでございます。 ○斉藤(ゆ)委員 そうは言っても、財政調整基金の目標額よりは上だった、そして財政にも余裕があったということから、もともとそういう考え方を持っていたのですから、積み立ててもよかったのではないかなというふうには思っております。 施設改修に関する三つの基金がございます。財政調整基金施設改修分、義務教育施設整備基金、社会福祉施設整備基金、予算どおり積立てができているのかを伺います。 ○竹内財政課長 令和5年度につきましては、三つの基金の当該年度減価償却率25%の目標額の積立ては行うことができております。 ○斉藤(ゆ)委員 当該年度はできている、では、減価償却費の累計ではいかがでしょうか、伺います。 ○竹内財政課長 義務教育施設整備基金につきましては、減価償却累計額の相当額の25%の確保はできておりますが、財政調整基金の施設改修分及び社会福祉施設整備基金につきましてはできていないものでございます。 ○斉藤(ゆ)委員 目標額、計画どおり積めていても、やっぱり残高を見て足りないところを積むという柔軟な考えが必要だと考えます。施設改修の基金については、積立ての考えがあることは評価しますが、そもそもここも減価償却費の25%でよいのかという問題があります。2月の予算特別委員会での私の質問には、25%で一定対応できると考えているところでございますが、物価高騰等の社会情勢の変化につきましては十分に見極めながら今後整理してまいりたいと考えてございますと御答弁があり、また、監査委員からの審査意見書にも、現在の施設整備に係る金額とは乖離していることが想定される、将来的な基金価値を鑑みて、目標額の妥当についても改めて検証されたいと書かれています。これについては既に多くの委員の方も指摘されていました。この減価償却費25%を積むという考え方の根拠は、そもそも75%起債ができることを想定した財源確保で実現する数字です。つまり起債することを前提した考えでもあります。 立川市では、減価償却費累計額の20%という割合ですが、ここを目標額とするだけではなく、さらに再建築費、評点、補正率、物価高騰等を勘案した率や建設費の増加要因として、ZEB化の分を15%加算するといったことを検討しているそうです。また、他の自治体では、減価償却費を30%にするという考え方を持っているところもあります。来年度の予算編成に向けて、どのように、この様々な指摘の上にお考えになっていくのか伺います。 ○竹内財政課長 来年度につきましては現在の考え方で行っていく考えでございますが、物価高騰による施設整備経費も増加していることから、今後の基金の積立ての考え方について、他自治体の事例も参考にしながら今後整理していきたいと考えてございます。 ○斉藤(ゆ)委員 来年度はタイミング的に難しいかもしれませんけれども、しっかりここは検討していただきたいと思います。 新庁舎が建設されて大きな金額となりました。新庁舎のコストは幾らで、今後はどう減価償却分を積んでいくのか伺います。 ○竹内財政課長 減価償却費は取得額を耐用年数で分割して算出して、令和7年度における新庁舎の減価償却費相当額はおよそ8億3,000万円を見込んでいるものでございます。今後は財政運営の考え方に基づき、施設整備に係る事業費の財源として、一体的に当初予算編成時には当該年度に発生する見込みの減価償却費相当額の25%、約2億800万円を毎年積み立てていく考えでございます。 ○斉藤(ゆ)委員 施設の減価償却の年度は50年ですから、ずっとそれ、2億800万円とおっしゃったでしょうか、積んでいくことになるということになります。今後50年、100年後たったときに今のような区役所が不要になっているかもしれない。でも、逆に人に会うことが大事にされるかもしれない。また、今回は旧庁舎とサンプラザを合わせた土地の売却益を資金源としましたが、次回はそのような資金計画が可能かどうかは不明です。ですから、これは大事な取組だと思います。この基金はどこに積まれるのでしょうか。 ○竹内財政課長 こちらは財政調整基金の施設改修分に積まれることになります。 ○斉藤(ゆ)委員 中野区の財政調整基金は、先ほどから申し上げておりますように年度間調整分、施設改修分、退職手当分という目的に分けて運用されています。今後この積立てを計画するなら、新庁舎の積立ても含めてですけれども、毎年その実績は確認をしていかなければならないと思います。現在は財政調整基金の残高で見ても、その施設改修分がどのような出入り、残高になっているのか、よく分かりません。財政調整基金施設改修分は財政調整基金から独立させて施設整備基金をつくったほうがよいのではないでしょうか。 ○竹内財政課長 施設整備基金を含めまして、基金の考え方については今後整理していきたいと考えてございます。 ○斉藤(ゆ)委員 いろいろ考えなければならないことはあるのかと思いますけれども、私たちの決算の審査にも必要となりますので、来年度間に合わないなら、最低でも財政白書でどこかに表記していただきたいと考えますけども、いかがでしょう。 ○竹内財政課長 分かりやすい表記につきましては今後検討していきたいと考えてございます。 ○斉藤(ゆ)委員 ぜひよろしくお願いをいたします。財政運営の考え方を変え、さらに新庁舎建設という大きな事業があった年でございました、令和5年度は。幸い歳入も多く、予定どおりに基金運営はできていたとのことですけれども、細かく見ると検討事項が見えます。ぜひ今後の予算編成に生かしていただきたいと考えます。 次に、起債について伺います。起債は一般的に借金と説明しますけれども、家計とは異なり、事業に対して支払うお金がないから借金をするのではありません。多額な費用がかかる建設費用やまちづくり等については、財政負担の平準化や世代間負担の公平化を図る意味から起債をすることが一定必要となります。 新庁舎建設については、一時的に大きなお金が必要となるため、116億円余を起債しました。当初は120億円余の記載計画でしたが、減額となり、116億円余となったのはなぜでしょう。 ○竹内財政課長 起債する事業を再整理した結果、新庁舎実施設計施工一体整備及び工事管理業務のみの起債となったためでございます。 ○斉藤(ゆ)委員 承知しました。これは事業を精査したらの変更ということになるのかなと思います。新庁舎の起債については、償還についても含めてですけれども、昨日の質疑で中野駅新北口エリアの開発に伴う転出補償金の収入時期が不明となったことが明らかになりました。これについての議論は、また詳細の報告後にしたいと思いますので、別の機会に譲ります。 さて、令和5年度のもう一つの大きな起債である平和の森小学校用地は、事業化されることから用地特別会計から買い戻すタイミングで起債をいたしました。また、用地特別会計においては繰上償還をしました。通常、繰上償還に対しては、支払うべき弁償金などが発生すると聞いておりますけれども、いかがでしたでしょうか。また、新たな起債をしたことについても、どのような考え方なのか伺います。 ○竹内財政課長 本起債につきましては変動金利で借りておりまして、金利の見直し日に繰上償還を行ったことから、借入れ相手方の損害は発生せず、補償金の支払いもなかったものでございます。新たな起債に関しましても、金利の負担がないように工夫してまいりたいと考えてございます。 ○斉藤(ゆ)委員 今回そういう金額が発生しなかったということは理解いたしました。この起債の理由は何でしょう。 ○竹内財政課長 こちらに関しましては、用地の事業化に伴いまして一般会計での買戻しになったものでございます。 ○斉藤(ゆ)委員 大きな金額でございましたので、それはそうなんだろうなというふうに思います。 そのほか、今年度当初予算で起債を計画していましたが、取りやめたものが多くあります。結果、起債合計で53億円も減額をいたしました。理由は何か教えてください。 ○竹内財政課長 こちらは一般財源の充足により起債を取りやめておりまして、詳しい事業につきましては、西武新宿線連続立体交差事業、中野二丁目地区市街地再開発事業、中野二丁目地区都市再生土地区画整理事業、囲町東地区市街地再開発事業、中野駅西側南北通路橋上駅舎整備、南台小学校学校施設整備、明和中学校学校施設整備、北原小学校用地の計8起債につきまして取りやめを行ってございます。 ○斉藤(ゆ)委員 これは、なぜ起債をしなかったという判断をなさったのか、もう一度教えてください。 ○竹内財政課長 一般財源の充足によりまして、こちらの起債の金額を取り入れる必要がなくなったために起債を取りやめたものでございます。 ○斉藤(ゆ)委員 起債を予定していた金額に充てられる一般財源の確保があったということだと思います。一方で、特定財源で財源確保ができているというものもあったのではないかと思います。特に、連続立体交差事業やまちづくりについては都市計画交付金の交付があり、また、その後も財政調整制度による措置があると聞いておりますけれども、なかなかこの話、表にならないので、御説明を頂きたいと思います。 ○竹内財政課長 こちら、都市計画事業財調算定制度につきましてでございます。都市計画交付金対象事業の事業費から国庫支出金等を除いた地方負担分につきましては、都市計画交付金と特別区交付金で全額措置することになってございまして、都市計画交付分の残部分につきましては地方債収入相当額として都区財政調整制度の基準財政需要額に算入される、そのような仕組みになってございます。 ○斉藤(ゆ)委員 ありがとうございました。歳入として戻ってくることが分かりにくいので、確認させていただきました。当初予定していた起債を取りやめるか、予定どおり起債するかの判断は、発行を予定していた額とその歳入の額、増となる見極めや返済の財源が確保できているかとか、また、金額が大きい場合は財政負担の平準化を加味していくことだというふうに理解をいたしました。 河合委員からも、また、他の委員からも質疑がありましたけれども、今後は金利が上がってくる可能性が高いということがあり、起債発行額は多額にならないように、起債計画は将来にわたる財政フレームをよく見て、世代間負担をしたほうがよいものと慎重に判断されることが必要だと考えますが、いかがでしょう。 ○竹内財政課長 一時期に多額の費用を必要とする事業につきましては、財政負担の平準化と世代間負担の公平化を図る意味から起債を活用しているものでございます。歳出の執行状況、歳入収入状況を踏まえた上で、総合的に起債の発行を慎重に判断したいという考えでございます。 ○斉藤(ゆ)委員 以上、質疑させていただきましたけれども、基金の積立て、繰入計画や起債をする、起債を取りやめにするという判断というのは、自治体財政に携わってきた経験や知識、金融に関する知識など、高いスキルが要るものだと思います。令和5年度の決算は、様々な財政指標を見ても健全な状態だと言えます。そうした財政運用を担っていただけている財政の御担当がいるということに、まずは感謝をしたいと思います。 こうした財政担当職員のスキル向上とその継承を考えていかなければなりません。昨今の経済状況の複雑な状況に対応していくために、地方監査会計技能士という資格があるそうです。少々古いデータですが、2017年は全国に500名を超える資格者がおり、そのうち300名は地方自治体で勤務する職員や議員や首長なのだそうです。竹内課長も参加されていましたけれども、特別区長会の調査研究に加わったり、様々な研修に参加したりということもあるでしょう。この財政のスペシャリストを育てること、そしてこれまで御担当されてきたベテラン職員のスキルの継承が大事だと考えますが、御担当の考えはいかがか、最後に伺います。 ○竹内財政課長 持続可能な財政運営を進める上で、財政職員のスキル向上は欠かせないものと考えてございます。今までも東京都や他団体への派遣を行うなどとして専門的知識の習得に努めてきたところでございます。資格の取得も含めて、引き続き職員のスキル向上に努めていきたい考えでございます。 ○斉藤(ゆ)委員 では、次に教育費について伺います。時間の関係もございまして、1点だけ伺います。 令和5年度の特筆すべきこととして、図書館の蔵書数増、学校図書館開放事業、スクールロイヤーやスクールソーシャルワーカーの配置増など、学校支援の増を評価したいと思いますというような確認をしたかったのですけれども、詳細な質疑はまた別の機会といたしまして、一つだけ提案させていただきたいと思います。 教育費という概念は、総務省の定めにより学校幼稚園費、社会教育費となるため、中野区での5款2項の教育費とは異なります。例えば令和2年度は体育館の整備があり、23区では断トツその教育費が1位となっています。つまり他の自治体と比較する際は、社会教育施設やスポーツ施設の影響が入ります。款で見ると、施設改修費による影響がとても大きく左右されるということがあります。また、子ども教育費という款が子ども費と教育費が合体しておりまして、この5年平均では36%も占める大きな予算規模となっています。子ども教育費において、今でも申し上げたように、子ども費と教育費を分けていただいておりますけれども、厳密に言うと、例えば幼稚園費など一緒になっているものもあって、教育費という意味合いからは数字が見えにくい状態にもなっています。私が以前から御提案しているように、社会教育について言えば、現在、教育費としては図書館のみ所管で持っており、生涯学習や文化、文化財保護関連、スポーツの経費は含まれていません。教育費としての評価がしにくい。様々な経緯があって、スポーツが別に分かれているわけでありますけれども、本来だったら社会教育については教育委員会で取り組んでいただきたいと考えています。子育て先進区として、子育て・子育ち支援の一環として、日本一の教育都市になってほしいと考えております。一つのそういう指標が予算額になりますので、さきにお話ししたとおり、施設整備に大きく左右されたり、教育費と子ども費が明確に分かれていなかったりというように、所管の組織が大きくなり過ぎていて分かりにくい。ぜひ組織編成については、大きな話になるので今後時間をかけて議論してまいりたいと思いますけれども、幾ら教育費にお金が使われているのか、他の自治体と比較がしやすいように、子ども費と教育費を明確に分けて予算積算いただけるように工夫していただきたいと思いますけれども、いかがでしょう。 ○竹内財政課長 委員御指摘のとおり、それぞれの費目で混在している部分もございまして、明確に分けるのは難しいものでございます。現在の項で子ども費、教育費と区分しておりまして、一定の区分が行われていると考えてございます。今後も分かりやすい予算となるように努めていく考えでございます。 ○斉藤(ゆ)委員 では、次に、公教育について伺います。 最初に、中野区コミュニティ・スクールについて伺います。 令和4年度、明和中学校区で初めて中野区コミュニティ・スクールが設置されました。その後、令和6年度9月までの設置状況を伺います。 ○渡邊学校再編・地域連携担当課長 コミュニティ・スクールの設置状況でございますが、中野区コミュニティ・スクールの地域学校運営協議会は、令和4年度に明和中学校区で設置し、令和5年度は中野中学校区及び南中野中学校区に設置する予定でございましたが、本年6月及び8月に設置したところでございます。また、北中野中学校区におきましても本年8月に設置したところでございます。なお、令和6年度は、これまで中野中学校区で2回、その他三つの中学校区ではそれぞれ1回開催しているところでございます。 ○斉藤(ゆ)委員 大分ちょっと遅れているように感じているところではございます。 そして、まず決算説明書285ページ、執行額が126万円余、不用額が1,320万2,398円という大きな額になっております。この内容について教えてください。 ○渡邊学校再編・地域連携担当課長 不用額1,320万円余の内容でございますが、地域学校運営協議会経費の委員報酬費等の残が138万5,000円、地域学校協同活動経費の地域コーディネーター報酬費等の残が3中学校区11校分で1,155万5,000円、学校支援ボランティア等の経費の残が26万円余で、合計1,320万2,000円余でございます。 ○斉藤(ゆ)委員 この不用額をどう分析しているか、お聞かせください。 ○渡邊学校再編・地域連携担当課長 中野中学校区と南中野中学校区での地域学校運営協議会の設置が遅れたことや、設置の遅れに伴いまして協議会の委員の1人でもある地域コーディネーターの人数も当初予定よりも少なく、全体として地域コーディネーターの活動が少なかったことが主な原因であると分析してございます。 ○斉藤(ゆ)委員 私もこのコミュニティ・スクール、総括質疑のたびに質問させていただいているところでございます。何とか中野区のコミュニティ・スクール、うまく進めていただきたいという思いでおります。中野区コミュニティ・スクールは、中学校区ごとに学校運営協議会が置かれていること、また、地域学校協働活動との一体的な整備が特徴とされている点が国の法定型と異なっています。これまで3年度にわたり中野区コミュニティ・スクールを構築されてきましたが、なかなかスムーズに進んでいかない現状、この理由はどこにあるのでしょうか。中野区に、中学校区に置かれた学校運営協議会の規模が大き過ぎて、委員メンバーが多く、会議スケジュール調整に苦労をしたというようなことはなかったでしょうか。また、学校数が多く、一つひとつの学校の置かれていた状況も異なっていたので、話し合いに時間がかかったというようなことがあったのではないかと思いますけれども、その点いかがでしょう。 ○渡邊学校再編・地域連携担当課長 中学校区単位での設置であるため、調整に時間を要したことなどが要因であると考えてございます。 ○斉藤(ゆ)委員 全区で設置されるまでに、在り方はやはり都度検証していくことが必要だと考えております。また、改めて今区は国の法定型についても、検討を進めることは考えられていらっしゃるのか教えてください。 ○渡邊学校再編・地域連携担当課長 学校と保護者及び地域住民等との間の信頼関係が深まり、学校運営の改善や児童・生徒の健在育成に資するコミュニティ・スクールの在り方を検討する中で、法定型も含めて広く検討していきたいと考えてございます。 ○斉藤(ゆ)委員 大きな違いは、やはり先ほどもお話ししましたように、中野区は中学校区で複数校で設置されていること、また、教職員の採用についても、また含めるか含めないかというようなところがございます。ぜひ都度検討されていただきたいと思っています。 一方で、協議会は活動状況に関する情報を地域住民に提供することになっています。各校の学校だよりでは経過が報告されていたところもあるんですけれども、地域全体への広報がなく、地域の学校がコミュニティ・スクールとしてスタートしたことすら地域では認識されていません。地域に向けてのお知らせは、協議会が設置されたらすぐにすべきだと思いますけれども、いつするのでしょうか、教えてください。 ○渡邊学校再編・地域連携担当課長 現在ホームページに概要を掲載しているところでございますが、地域学校運営協議会を設置した地域などへは、制度の概要などについて、年内には通信を通して周知したいと考えてございます。 ○斉藤(ゆ)委員 年内にはと今お答えいただけましたので、それを目途にしていただければと思います。 今、ホームページのお話がありましたけれども、初めてホームページの掲載がされました。この掲載は大変評価するものですけれども、掲載されたホームページはこれまで説明されてきた内容と異なっている部分があるように見えます。「地域学校協働本部が活動」と表示されています。考え方を変えられたのでしょうか、伺います。 ○渡邊学校再編・地域連携担当課長 地域学校協働本部の活動は、地域学校運営協議会で議論した学校支援等を具現化するものであり、その地域学校協働本部の活動を分かりやすく説明するために、組織名ではなく具体の活動を示したものでございます。考え方を変えたわけではございません。 ○斉藤(ゆ)委員 それを聞いて安心しました。地域学校協働活動は、地域学校運営協議会の熟議を具現化するものでございます。より皆さんに分かりやすく広報していただきますように工夫をしてもらいたいと思いますけれども、いかがでしょうか。 ○渡邊学校再編・地域連携担当課長 地域学校協働活動について、協議された学校ごとの具体的な活動をイメージできるよう、区ホームページを改善していく考えでございます。 ○斉藤(ゆ)委員 地域学校協働活動は、学校支援ボランティアや一般のボランティアさんなどによって支えられてまいります。次世代育成委員は、これまで学校支援ボランティアのコーディネーターとしての役割を果たしてきましたが、コミュニティ・スクールが設定され、地域学校協働活動が順調に進んでくれば、次世代育成委員が務めていた学校支援ボランティア制度のコーディネーターの役割はコミュニティ・スクールの地域コーディネーターに移行するのが妥当だと考えますけれども、いかがでしょうか。これ、同じ質問をもう何回目かになります。ぜひ前向きな御答弁をお願いします。 ○渡邊学校再編・地域連携担当課長 現時点では、コミュニティ・スクールを設置した学校においても、学校支援ボランティア制度におけるコーディネーターの役割は次世代育成委員に担っていただいておりますが、今後コミュニティ・スクールの進展に合わせ、学校支援ボランティア制度も含め、検討していきたいと考えてございます。 ○斉藤(ゆ)委員 同じ協議会に2人のコーディネーターがいるということは、双方にとっても本当に仕事がやりにくいことになってまいります。コミュニティ・スクールのコーディネーター役、コミュニティ・スクールの、難しいんです、これ、地域学校協働活動が充実してまいりましたら、ぜひここは見直していただきますように強く強く要望しておきます。 そして、この次世代育成委員というのは中学校区に配置されています。現在の定員は何人か、教えてください。 ○鈴木育成活動推進課長 次世代育成委員は現在、中学校区ごとに28名配置されております。 ○斉藤(ゆ)委員 中学校区に複数名いるということになっています。実は、あと1名定員を増やして29人にして、小学校・中学校に各1名ずつ配置すると、次世代育成委員さんにとってとても仕事が分かりやすく、また、学校対応の仕事もやりやすくなると考えております。児童館運営の考え方が変わり、地区懇談会の在り方や、さらに今後コミュニティ・スクールにおいて、先ほどもお話ししましたけれども、次世代育成委員がどう関わるのか御検討いただきまして、これもお尻を、私、今日お約束をお願いしたいと思いますけれども、次の令和8年度の7期の委嘱では人数と役割について整理をされたいと考えますけれども、いかがでしょう。 ○鈴木育成活動推進課長 基幹型児童館を核とした中学校区内の地域連携の在り方につきましては、第7期委嘱時までに検討を進めてまいりたいと考えております。コミュニティ・スクールへの関わり方につきましては、コミュニティ・スクールの検討の進捗状況を踏まえまして検討を進めてまいりたいと考えてございます。人数につきましては、現在、中学校区ごとに3名から4名の委員がおりまして、小学校・中学校等と連携しながら活動していただいております。今後は、より円滑に活動が行えるよう、役割の整理を踏まえた上で、適正な人数についても検討をしてまいります。 ○斉藤(ゆ)委員 ぜひよろしくお願いいたします。学校の様々な課題がきちんと今も次世代育成委員に伝わっていけるように御配慮いただきたいと思います。 各学校は、それぞれの特性や伝統を生かして教育活動に取り組んでいかれていると思いますけれども、現在二つの中学校が進学先となる小学校が3校あります。学びの一貫性を保つのには取組に配慮が必要になると思います。また、スムーズな協議会の開催スケジュールのためにも、今お話ししてきたとおり、学校らしさを生かす意味からも、運営協議会を効率的・機能的に進めるためにも、今中学校区に置かれた協議会は、モデル事業としてはよかったと思いますけれども、今後区内全てに設置していくことを考えると、この運営協議会は各学校ごとに置き、中学校区ごとの連携を緩やかに保ちつつ、中野区のよさである9年間の学びの連続性を実現されたほうがよいのではないかと私は考えているんですけれども、いかがでしょうか。 ○渡邊学校再編・地域連携担当課長 地域学校運営協議会は、小・中学校の連携教育の推進という観点から中学校区単位に設置しているところでございますが、学校単位に設置することも含め、検討を加速させていきたいと考えてございます。 ○斉藤(ゆ)委員 検討を加速させていく、じゃぜひ加速させていただければと思います。 現在、コミュニティ・スクールの体制は学校再編・地域連携担当で所管されていますけれども、これは教育内容に関わることであり、指導室と一緒に進めていくことが大切だと考えておりますけれども、いかがでしょうか。ワーキングチーム等をつくるなど、定期的に意見交換をして、一緒に取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょう。 ○渡邊学校再編・地域連携担当課長 コミュニティ・スクールの検討につきましては、指導室とも十分連携をしながら進めていきたいと考えてございます。 ○斉藤(ゆ)委員 先進的な他自治体の例を見ると、地域企業や団体との共同活動が活発に進められています。私たち区議会は、8月に様々な団体との懇談会の機会があるんですけれども、多くの団体の方々から学校協力のお話を頂いたり、実際に学校での御協力の様子を伺っているところでございます。以前にも御提案したのですけれども、お申し出くださっている団体をリストにして学校に紹介はできないでしょうか、伺います。 ○井元指導室長 現在、リストにつきましては各学校が取りまとめているところでございます。今後、コミュニティ・スクールに設置する地域コーディネーターが学校と地域企業や団体等のニーズを踏まえてリスト化していきたいと考えております。教育委員会としましては、地域コーディネーターの研修等を通じてリストを共有することを推奨してまいります。 ○斉藤(ゆ)委員 これも中野区コミュニティ・スクールの推進が充実していくことが望まれるんだと思います。ただ紹介するだけでは、団体さんの思いと学校の思いが合わないこともありまして、コーディネーター役をすることが必要だと思います。これこそコミュニティ・スクールのコーディネーター役の力が発揮される場面かなとも思います。具体的に、助産師会、東京土建さん、税理士会さん、薬剤師会、歯科医師会、行政書士、日本建築家協会、介護事業者連絡会、体育協会、社会保険労務士会、グローハッピーさんほか、多くの団体からこのような御提案を頂いておりました。例えば社会保険労務士の方々には、中学校での職業体験の実施の前に、働くとは何か、労働者の権利とは何か、給与明細の見方など、御教示いただけるのではないかなというふうに思っております。 では、次に通学路の安全対策について伺います。 学校再編が終わりました。再編校では子どもたちの通学ルートが大きく変わることになりました。通学の安全確保は大事です。重要です。今年度実施される学校再編の検証では、通学の安全は取り組まれるのか伺います。 ○渡邊学校再編・地域連携担当課長 今回行う学校再編の検証には、通学路の安全対策についても行う予定でございます。 ○斉藤(ゆ)委員 通学の安全には何点かポイントがありますけれども、交通事故から子どもたちを守ることが最重要課題とも考えます。教育委員会は、交通安全に対し万全の対策を取るべきですけれども、いかがでしょうか。 ○佐藤学務課長 区立学校において、通学する児童の登校時及び下校時の安全を確保するため、通学路を設定し、通学上の危険と思われる箇所について交通安全指導員を配置しているところでございます。学校、PTA、地域、警察等、関係機関が連携し、各学校で3年に一度、通学路安全合同点検を実施し、実施結果に基づき、対策の検討及び実施をしているところでございます。 ○斉藤(ゆ)委員 他に区立小学校に対する交通安全に対する事業はどのようなものがあるか伺います。 ○久保生活・交通安全担当課長 当課では、児童が車両の運転手から認識しやすくすることで交通事故を防止するため、毎年、新1年生に通学時に活用いただくための黄色い帽子とランドセルカバーを購入、配布させていただいております。 ○斉藤(ゆ)委員 今、ランドセルカバーのお話がありましたけれども、時代が変わり、ランドセルを使わない児童もおります。今後、情勢に合わせた取組の検討や工夫を行うことも必要かと思いますが、いかがでしょう。 ○久保生活・交通安全担当課長 児童の通学スタイルに合わせた取組は必要であると認識しております。学校などと情報共有を図り、情勢に応じた取組について検討してまいりたいと考えております。 ○斉藤(ゆ)委員 ありがとうございます。他にも、道路課ではカラー舗装したり、道路整備をしたりということもあるのかなと思います。また、先ほど学務課からお話もありましたように、現在シルバー人材センターの交通安全指導員さんに登下校の児童に対する見守り活動を担っていただいています。子どもの安全指導に対する研修が必要だと考えますが、いかがでしょう。学校では道路横断時に、「右を見て、左を見て、もう一度右を見て、音を聞いて渡ります」、その「音を聞いて」が「手を挙げて渡ります」と変わることもあるそうですけれども、横断の際のこうした学校での指導を共有することが必要です。また、昨今の酷暑の中に立っていただく御苦労もあると思います。交通安全指導員の自身の安全確保がどうなっているか、確認したいと思います。教えてください。 ○佐藤学務課長 シルバー人材センターにおいて、警視庁交通安全教育係員による児童見守り業務、交通安全講習会を毎年行っており、中野区内の交通事故状況、子どもの特性や事故事例、自身の安全確保等の講義を受けていると聞いているところでございます。また、交通安全指導員は蛍光ベストを着用し、傷害保険にも加入していると聞いているところでございます。 ○斉藤(ゆ)委員 よろしくお願いいたします。 また、小学校では、それぞれ通学路というものが設置されています。通学路はどう定義されているでしょう。その設定は誰がするものなのでしょう。通学路における交通規制については、どのような段取りで決めているのでしょうか。また、通学路で児童・生徒がけがをした際の補償はどうなっているのか、確認させてください。 ○佐藤学務課長 通学路とは、各小学校が児童の通学の安全確保と教育的環境維持のために設定している道路でございます。中野区では、区立学校の通学路の設定等に関する基準を設け、各学校において設定に係る手続を行っています。なお、通学路等における登下校時のけがに関しては、日本スポーツ振興センター共済の対象になるところでございます。 ○斉藤(ゆ)委員 私の娘が子ども時代だったとき、よく通学路じゃないところを帰ると、「あっ、つうやぶしてる」というような言い方をしていたりします。そのぐらい通学路を通るということは、安全保障の面からも、保険対象になるということも大事だということは周知していかれたいというふうに思っております。 通学路の詳細な安全対策にはどのように取り組まれているのか、また、再編や、先ほど検証するとおっしゃっていましたけれども、移転等により児童の通学の状況は変わるので、そこの校区は重点的に安全対策確認が必要であると考えますけれども、いかがでしょう。 ○佐藤学務課長 各学校では所管の警察署と協力し、危険箇所の抽出やその箇所における安全対策について検討し、児童の安全指導に生かしているところです。再編や移転等が実施された小学校においては、再編及び移転の1年目に通学路安全合同点検を実施し、実施結果に基づき、対策の検討及び実施をしているところでございます。 ○斉藤(ゆ)委員 そして、通学路には多くの通行規制がかかっています。必要な箇所に、町内には御理解を頂きながら、適切な通行規制を設けることは必要なことですけれども、教育委員会としてどのように考えているでしょう。 ○佐藤学務課長 教育委員会としては、子どもの安全を第一に考えているところです。事故防止のために、必要な規制については学校や地域住民の理解を得ながら進めていくことが必要であると考えてございます。 ○斉藤(ゆ)委員 先ほどもお話がありましたけれども、中野区小学校通学路安全合同点検というものがありまして、そこでは中野区通学路交通安全プログラムにより、交通規制が守られているか、交通規制が適切に行われているかの観点が示されています。交通規制が守られていない場合にはどう対応するのか、交通規制の区域や内容が適切であるかの確認は行われているのか、教えてください。 ○佐藤学務課長 通学路安全合同点検において、それらが守られていない場合には、交通管理者である警察と協議し、必要な措置を実施していただいているところでございます。 ○斉藤(ゆ)委員 以前は、歩行者用道路として通行禁止時間の際には保護者がバリケードやコーンを置いて当番をしていたということがあったのですけれども、最近なかなかそれが難しくなっていることは心配な状況となっております。また、一方で、通行規制は警察が設定するものですけれども、学校・保護者・地域がその時間を変更したいと要望することはできるのではないかと認識はしているところです。 では、次にスクールゾーンの定義を伺います。スクールゾーンの設置は誰が行っているのでしょう。 ○佐藤学務課長 スクールゾーンとは、小学校を中心とした半径500メートルを範囲としており、小学校に通学する子どもたちを交通事故から守るために設定された交通安全対策の重点地域の名称であり、交通安全対策法第24条が法的根拠となっており、様々な交通規制をかけることができるとされております。スクールゾーンは、各学校が教育委員会、交通管理者、道路管理者に協議し、公安委員会が設定しているところです。学校設置者は、警察・道路管理者等の関係機関に対し、安全なスクールゾーンの構築がなされるよう必要な働きかけを行っているところでございます。 ○斉藤(ゆ)委員 スクールゾーンを説明したいと思います。委員会室にいらっしゃる方は画面のモニターを見ていただければと思いますけれども、学校を中心とした半径500メートルのところがスクールゾーン、おおむね目安になっています。そして歩車分離のかかっている道路、そして地域の方の必要な道路はそのままなんですけれども、その面の中が全て時間による通行規制のかかっている歩行者用道路となっています。私、地元で全部確認してまいりましたけれども、その面の全部の位置に、この周りの青い丸がかかっているところですけれども、全部の位置にこうした標識、歩行者専用の標識が置かれていて、そこのゾーンは入れないようになっているということになっています。そこのところに通学路、紫で表示されていますけど、あって、通学路であってもなくても、そこの面の中は交通規制がかかっているということが一般的な中野区内の状況となっております。 学校や教育委員会は、スクールゾーンの位置やスクールゾーン内の交通規制に関して把握し、定期的に見直しをしているのか伺います。 ○佐藤学務課長 スクールゾーンの定期的な見直しというのは行えてございません。 ○斉藤(ゆ)委員 通学路は点検等で都度見直されてきましたけれども、一方で、スクールゾーンは設置後、定期的に見直されたことがなく、スクールゾーン内に設置されていた交通規制は、再編があり、学校がそこになくなった地域もそのまま設定されています。ということは、スクールゾーン内の交通規制もそのまま残っているということになっています。スクールゾーンが効果的に運用されるように、学校再編が終わったこの機会に、今後全ての地域でスクールゾーンの位置とスクールゾーン内の交通規制が適切に設置されているか、関係者で検討の機会を持たれてはどうかと考えます。交通規制の設定や変更は地域の合意が必要だと警察からは聞いています。通学路合同点検の際に、スクールゾーンと交通規制についても協議されてはいかがでしょう。学校と地域で情報を共有して、子どもたちを守るため、かつ交通規制が適切であるか、検証していくことが必要だと考えますが、いかがでしょう。 ○佐藤学務課長 スクールゾーンの適正化については、通学路安全合同点検の場を使って協議を行うこともできると考えています。その上で、スクールゾーンの通行規制の見直しを図るような協議が発生する場合には、地域住民及び保護者を含む学校関係者と交通管理者を含めた協議が必要であり、検討に時間を要するものと考えます。スクールゾーンに関する要望があった際には、関係者間で情報共有することから始めたい、始める必要があると考えています。 ○斉藤(ゆ)委員 これは実は大変大きな事案だと思いますので、ぜひ検討を進めていただきたいと思います。交通規制を考えるということはとても大きなことで、警察にとって言えば、例えば標識を全部差し替えなければならなかったりするという事案も発生いたしますので、慎重にまた進めていただければと思います。 子どもたちに自ら守る力を身につけさせることが、真の意味で子どもを守ることにつながると考えています。安全教育はどのように取り組んでいるのか、特に西武新宿線の踏切を渡る子どもたちへの踏切横断への安全指導は大切です。いつ、何度ぐらい行われているのか、確認させてください。 ○井元指導室長 各学校では、月に1回程度の定期的な安全指導に加え、小学校1年生については4月中に警察等と連携した交通安全教室を行っております。通学路上に踏切がある学校におきましては、4月当初に全児童に対して、警察等と連携しながら安全な渡り方等について指導を行っております。また、学校だよりや学年だより等でも周知啓発を図っているところでございます。今後も過去の事故事例等も踏まえて指導の徹底を図ってまいります。 ○斉藤(ゆ)委員 ぜひよろしくお願いいたします。現在、鷺の杜小学校の児童が横断する横断施設の検討が進められていますけれども、構造物設置には時間がかかります。これも前、同じ質問をしたんですけれども、鷺ノ宮の2号踏切の踏切拡幅と踏切内の整備について、道筋はついたか教えてください。 ○渡邊学校再編・地域連携担当課長 踏切の拡幅と整備の方向性については、現時点では決まっていない状況でございます。 ○斉藤(ゆ)委員 こちらも踏切内、すごい凸凹だったりするので、直すことはできるのではないかと思いますので、教育委員会から要望していただければと思います。 では、最後に、鷺宮地区のまちづくりについて伺います。時間がないため、地域の意見を聞くまちづくりという点に絞って伺います。 野方以西のまちづくりにおいて、継続して予算書ではまちづくりの検討、基盤施設計画の検討、決算書では西武新宿線沿線交通結節機能改善検討業務といった各駅まちづくり検討業務委託が記載されていますが、具体的調査内容やそれについて、事業がどのように進捗しているのか、外からは見えにくい。この委託調査の実施による成果を伺います。 ○桑原野方以西担当課長 西武新宿線の連続立体交差事業と合わせたまちづくりを進めるため、令和2年4月に都立家政駅と鷺ノ宮駅周辺地区、令和4年2月に野方駅周辺地区において、まちづくり整備方針を作成しております。こうした中、近年の社会状況の変化を踏まえ、より多様な視点からまちの在り方を検討する必要があると考え、地域との意見交換を行いながら、まちづくり整備方針の改定に向け、取り組んでいるところでございます。具体的には、3駅のまちの在り方や駅前広場の規模などの検討を進めており、今年度、各駅のまちづくり整備方針を改定し、駅周辺の基盤施設などの具体的な方向性を示せるよう検討を進めていく予定でございます。 ○斉藤(ゆ)委員 今、まちづくり整備方針の改定についてもお答えを頂きましたけれども、検討は進めているんですね、区のほうでも。でも、それが地域住民のほうになかなか伝わってこない。そこを確認させていただきたく今お伺いしました。一般の方、普通の、委員ではない住民の方々にとっては、まちづくりの進捗状況を知りたいけれども情報が出てこない、ホームページやSNSへの発信では情報が得にくい方も多くいらっしゃいます。鷺宮地域は、西武鉄道の連続立体交差事業と都道133号線中杉通りの拡幅、妙正寺川整備、鷺宮西住宅の建て替えなど、大きな開発が進んでいく地域です。 先日、白鷺二丁目、三丁目の都市計画提案の説明会に参加してまいりました。参加した住民からは、もっと意見を聞いてほしいという思いのあふれた御発言がありました。平成31年2月には鷺宮の方々が鷺宮小学校跡地を考える会を立ち上げ、2年かけて検討してまとめ上げられた「Shin鷺宮(鷺宮小学校跡地に関する要望書)」というものがあります。多くの住民と、これも一つの資料として自由に話ができる機会を考えていただきたいのです。平成16年には、地元で立ち上げられたまちづくり勉強会で、親子でまち歩きをしたり、意見を述べ合って、まちへの思いを伝えたり、それが区からフィードバックを頂くというプロセスがありました。今のまちづくりには、そうした過程がないんです。意見を求められるときには、既に隙のない計画図が描かれているか、また、意見を言っても詳細は検討中とのことで、まちづくりに参加している気持ちになかなかなれません。広く住民の意見を聞くプロセスを大事にしながら、整備方針を考え、このまちづくりを進めていただきたいのですが、いかがでしょうか。こうした取組はまちづくりの機運を醸成していくことにつながっていくだろうと考えますが、いかがでしょう。 ○桑原野方以西担当課長 今回のまちづくり整備方針の改定に当たりましては、令和5年11月に地域の小学校へ出向き、出前授業を実施し、子どもたちからも3駅周辺のまちづくりについて意見を頂いたところでございます。また、今後、地域の方からより広く意見を伺うため、オープンハウスを開催し、さらに広く意見を伺っていきたいと考えてございます。子どもたちの意見をはじめ、地域の多様な世代の方から意見を聞きながら、まちづくりの機運を醸成しまして、整備方針の改定に向けて取り組んでまいりたいと考えてございます。 ○斉藤(ゆ)委員 ぜひよろしくお願いをいたします。 では、以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○杉山委員長 以上で、斉藤ゆり委員の質疑を終了します。 次に、市川しんたろう委員、質疑をどうぞ。 ○市川委員 よろしくお願いいたします。自由民主党の市川でございます。自由民主党議員団の立場から総括質疑を行わせていただきます。質問は通告どおりで、その他はございません。 昨日、公明党会派の小林幹事長の総括質疑を聞いて、新北口駅前エリアが大変なことになっているみたいでございまして、中野駅周辺新北口駅前エリア担当課長の答弁を聞いていると、施設計画の変更も検討しなければならないだとか、今年度中の転出補償金も入ってこないとか、そういう答弁があって大変驚いているところでございます。なので、まず令和5年度決算についての最初の部分で、そちらについても伺わせていただきたいと思います。 昨日の小林委員の質疑の中で、中野駅新北口駅前エリアの再開発事業においては、物価高騰等の影響によって加味した再試算の総事業費、900億円以上と算出がされているようでございます。もはや事業が行われるかどうか、ゼロベースになったのではないか、そういった事態に陥っているのが皆さんも御承知のとおりで、最悪のシナリオとしてどこまで想定できるのか、ここまでの最悪というのは、最悪全て白紙になるということですね、事業者選定まで戻ってしまう、こういうことも考えられないわけではない。どこまでこれまでの手続を巻き戻して事業を構築し直すのか教えてください。 ○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 中野四丁目新北口駅前地区第一種市街地再開発事業におきましては、現在、物価上昇等による工事費増が見込まれるため、施行予定者が本事業を遂行できるかの確認を行っておりまして、今年度予定していた事業の執行ができない状況となってございます。こうしたことから事業スケジュールは変更となり、拠点施設の施設計画も再検討が必要となってございます。現時点では、今年度の事業執行ができないということが分かった段階でございまして、事業計画の見直しについては今後の検討でございます。事業執行の今後の見込み、また、施設計画の検討状況につきましては、区議会にも御報告しながら進めていきたいと考えてございます。 ○市川委員 ぜひ区議会への報告をよろしくお願いします。本定例会も特別委員会がございますので、そちらで議論させていただければ、その詳細が分かるかどうかは分かりませんけれども、ぜひ議会に報告をしていただきたいと思います。 今お話の中で、転出補償金が得られない可能性もある、そういったことは一応確認させていただいていいですか。 ○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 転出補償金についてでございますが、新北口駅前エリアの拠点施設設備につきましては市街地再開発事業で進めていくこととしてございます。現在は、工事費の高騰により事業計画の見直しが必要となってございますが、今後、市街地再開発事業での権利返還計画が認可された後に転出補償契約ができるものと認識してございます。 ○市川委員 市街地再開発事業をこの地域で行うということは、方針は変えていない、当たり前のことですけども、その中で事業者がどういう判断をするのかとか、皆さんがどういう判断をするのかということで、市街地再開発事業が永遠に事業を遂行されないんじゃないか、そういう事態も考えられるわけですね。1,000億円、多分これは中野区だけじゃなくて、いろんなところで再開発事業、見積り等々で大変厳しいことになっているんだと思うので、こういった事態を予測するというのはなかなか難しいんですけども、ここに来るまでに遅れが生じてきたというのはトータルであると思うんです、この事業についてですね。そういったことを私たち自由民主党の会派としては、駅周辺をはじめとしたまちづくりというのは、やはり強く推進してきたわけでございますので、こういった事態になった責任の所在だったり、経緯、こういったことについては今後もお話をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 次に、地方債残高が360億円となっているわけですけども、うち114億円が新区役所整備の費用で、サンプラザ、そして旧庁舎の転出補償が白紙となった、こういった状況の中で、今後の償還計画について教えてください。 ○竹内財政課長 償還方法や財源につきましては、今後の財政状況を勘案しながら検討していきたいという考えでございます。 ○市川委員 先ほど申し上げたように、あらゆるシナリオを想定することが重要で、転出補償金が事業の推移によって当面入らなくなるということも想定できるわけですよね。そういうシナリオも想定するべきだと思いますけど、財政課としてはどうですか。 ○竹内財政課長 様々そういった可能性がございますので、最悪のシナリオ等も踏まえた上で、しっかりと検討していきたいと考えてございます。 ○市川委員 そういった今後の計画についても、転出補償金がどうなるかということは、当然再開事業がどうなっていくかによって大きく変わってくるので、そこはまちづくり課との話だと思うんですけども、そういった償還計画については適宜議会報告していただいて、どういうシナリオなのか、これは1回考えていただいて、しっかり議会報告、これも併せて、先ほどのまちづくりのことだけじゃなくて、そういう償還計画についても、総務委員会になるんだと思うんですけど、そういったところに適宜報告をしていただきたいと思います。 財政白書の中身に入らせていただきますけども、今後の償還計画の推移について、令和15年までは今年度の予算委員会の際に示されております。まちづくりの償還期限は5年、学校施設に関しては20年、これは皆さん御承知のとおりで、今後20年先の起債残高って、10年先までは大体出ているんですけど、起債残高の予想って難しいとは思うんですけど、20年後の予想ってどうですかね。 ○竹内財政課長 現在の財政フレームは10年先を想定して作成しているものでございまして、10年間の起債計画となってございます。20年先の起債残高の想定はしていないところでございます。 ○市川委員 その予想ってインフレの上昇分、今回サンプラザのことについても、インフレの上昇分1,000億円ということで、ちょっと今までは考えられないような急激なインフレが発生しているわけですけど、今の予想というのはインフレの上昇分を見込まれておりますか。 ○竹内財政課長 当該年度の事業費を反映しているところでございまして、将来の起債額に関しては見込んでいないところでございます。 ○市川委員 今後起債できる上限値について教えていただきたいんですけども、令和5年度の一般財源は965億円で、公債負担比率、中野区方式のアッパーは10%となっています。年度における公債費の上限は965億円掛ける10%の96億円となるわけですよね。また、償還期間は事業によって異なるんですけど、平均すると10年程度ですね。そうすると、96億円掛ける10年で960億円程度が公債費残高の最大値と見ることができると思いますけど、この辺いかがですか。 ○竹内財政課長 起債残高の上限につきましてでございますが、公債費負担比率の中野区方式に関しましては、一般会計における一般財源に占める公債費であるために、当該年度の元利償還金や減債基金の積立繰入額等によって変動するために、起債残高の最大値は変動するものと考えてございます。 ○市川委員 変動については午後伺わせていただきたいと思いますけど、これでちょうど12時だと思いますので、一旦午前の質問を終わらせていただきます。 ○杉山委員長 市川委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。 午後0時00分休憩
午後1時00分開議 ○杉山委員長 委員会を再開します。 休憩前に引き続き総括質疑を行います。 市川委員、質疑をどうぞ。 ○市川委員 午前に引き続き質疑させていただきます。 先ほど起債できる上限額について、上限値についてお伺いをさせていただきました。元利償還金とか減債があるというのは当然分かっています。ただ、実質プラスマイナスいろいろあったとしても、公債費960億、起債残高960億円まではできるんじゃないか、こういうことを先ほど申し上げたんですけど、その960億円、仮に仮定して、私がですね、そうなると令和5年度における区債残高360億円あるため、960億円から360億円引くと約600億円と。これが中野区が今後起債できる上限となると思うんですけども、この辺についてはいかがでしょうか。 ○竹内財政課長 区債残高のほうを引いて上限という形になりますが、繰り返しになりますけれども、当該年度の元利償還金等によりまして公債費の負担比率は変動するために、その起債残高の最大値は変動するものと考えてございます。 ○市川委員 だから元利償還金と減債の基金積立とか、そういうのがあるのは分かっているんですけど、プラスマイナスで実質それぐらいなんじゃないかと聞いているんですけど、それはいかがですか。 ○竹内財政課長 一つの考え方として、仮の数値という形はそういったものであると思いますけども、詳細はまたそれぞれの一般財源等で変わってくると思いますので、そういったところは精緻に捉えながら考えていきたいと考えてございます。 ○市川委員 分かりました。では、アッパーはそういうこともあるので、そういう数値も鑑みて今後計画をつくっていただきたいと思います。 これまで、今回の定例会だけではなくて、以前から様々な委員から指摘があったように、学校の建て替えについても伺わせていただくんですけども、今後の学校建て替え費用について上昇することが予想されると、そういうことを皆さん申し上げられておられました。現状の償還計画では、開始資金が起債残高になることも予想されるのではないかと考えます。将来の起債額について見誤ることがないようにすることが求められると思うんですけど、担当課の現状の考えはいかがでしょうか。 ○竹内財政課長 財政負担の平均化や世代間の公平化を図るために、基金と起債のバランスを取りながら、区民サービスが滞ることのないよう計画的な起債の活用が必要だと考えてございます。 ○市川委員 これについては我が会派は再三、工事の上昇分ですね、今回、先ほどサンプラに1,000億円という話が出てきたんですけども、インフレの上昇の相当分を考慮した基金の積立金額というのを上げていく必要があると申し上げてまいりました。こちらについて担当課の現状の考えはいかがでしょうか。 ○竹内財政課長 社会的な状況がございますので、物価上昇を考慮した積立ての考え方については今後検討していきたいと考えてございます。 ○市川委員 もちろん物価上昇を考慮した財政的なことを考えるのは必要だと思うんですね。また、財政フレームが歳入部分についてはインフレ分を考慮されていて策定をされていると。ただ、歳出部分についてはインフレ分が考慮されていないという、これはアンバランスなフレームなのではないかという指摘もさせていただきました。今後、両面のインフレ分が考慮された上で財政運営されるべきだと考えるんですけども、担当課の考えを改めて伺います。 ○竹内財政課長 現状の経済状況を踏まえて、可能な限り物価上昇を考慮した財政フレームを作成することが望ましいと考えてございます。 ○市川委員 現状の経済状況というのは大変厳しいわけですね、大きな事件もありましたので。なので、やはり物価上昇ということはしっかり考えて、これはまちづくりとか学校だけでなくて、ほかのことも全てだと思いますけども、あらゆることについてのインフレ分というのを考えていかなきゃならないのかなと思っています。具体的に、先ほど物価上昇を考慮した財政フレームを作成することが望ましいと考えているとおっしゃっておられましたけども、仮にそういうものを組み込むとしたら、具体的にどのような試算をして計画に落とし込むのか、見解を求めます。 ○竹内財政課長 試算につきまして、例えば国が公表する資料の係数を活用するなど、具体的にそのようなことを行いまして、財政フレームの試算方法について研究していきたいと考えてございます。 ○市川委員 一応申し上げておきますけども、約2年前の決算特別委員会で、同じ特別委員会で我が会派の加藤幹事長がインフレ上昇分の話、インフレ係数を掛けたらいいんじゃないかというお話がありました。ちょっと滑舌等々よくなかったので、何を言っているか分からなかった方もいらっしゃったかもしれませんけども、今となっては、今となってはそれが大事だったんじゃないかと思うんですよ。そのときに当面の急激なインフレーションが起こりますよ、とんでもないインフレが起こりますよ、そういう話があったんです。そういうときがあったんです。実際、今の財政課長の前の財政課長のときだったと思いますけど、そういうことがあったので、やはり真摯にお話は聞いていただきたいなと思います。今後の基金起債、それぞれの計画を見誤ることがあると、将来世代の負担比率、現状23区の平均以上の、もしくは現状よりさらに比率の上昇の一途をたどるのではないかと心配になるんですね。この辺、大丈夫か、改めて確認します。 ○竹内財政課長 金利などの社会情勢を注視し、財政運営の考え方に基づいて、中野区方式の公債負担比率については10%位内で運用し、基金については残高を意識して持続可能な財政運営に取り組んでまいりたいと考えてございます。 ○市川委員 分かりました。そういったことも含めて、先ほどインフレの上昇分の話もさせていただきましたけども、これからそういったサンプラザだったりとか、跡地の転出補償金の話もあります。そういったことがどうなっていくのか不透明なので、なかなか今後の、来年度の予算編成等々を含めて先行きが不透明なのも分かりますけども、適宜議会に報告をしていただいて、考えを出していただきたいと思います。これは要望です。 それでは、決算の部分でも確認をさせていただきましたけれども、今後の財政運営をしていく上で大きなウエートを占めるのが、やはり学校の建て替えなんだと思います。学校の建て替え計画をしっかりしたものを策定しないと、今後財政も立ち行かなくなるのではないかなと思っています。今、学校施設の建て替え計画についても確認をさせていただきますが、小中学校の施設整備計画の改定版というのがありました。これ、まず学校、それぞれの学校の進行状況を確認させていただきますが、平和の森小学校、まず確認させていただきます。平和の森小学校が遅れるという報告があったが、いつ議会に報告がされるのか、どの程度遅れるのか、見込みを伺います。 ○藤永子ども教育施設課長 平和の森小学校新校舎整備に係る議会報告等についてでございます。平和の森小学校新校舎整備については本定例会で報告する予定であります。開校時期について、約半年の遅れを見込んでいるところでございます。 ○市川委員 小中学校の施設整備計画については、学校の整備の遅れが目立っております。小・中学校施設更新というのは、子どもたちの進学・進級に大きな影響を与えるものですので、スケジュールはより厳密に試算をされるべきなんだろうと思っています。特に、この一、二年で何度も何度も計画の遅れがあると、そういう報告を議会で受けられているんだと思うんですけど、議会の報告がされていると思います。 そこで、中野区小中学校施設整備計画改定版、これについて伺わせていただきますが、こちらの改定版の策定はいつなのか、計画期間は何年なのか、確認をさせていただきます。 ○藤永子ども教育施設課長 中野区小中学校施設整備計画改定版の策定時期については、令和3年10月でございます。計画期間は10年計画でございます。 ○市川委員 では、まず中野本郷小学校のスケジュールが遅れるという報告があったと思いますが、中野本郷小学校のスケジュール変更の報告はいつか、教えてください。 ○藤永子ども教育施設課長 中野本郷小学校新校舎整備のスケジュール変更については、令和4年12月に報告してございます。 ○市川委員 整備計画改定版が策定されたのが令和3年10月だと。その1年2か月後にもう遅れの報告が出ているわけですね。あまりにもちょっと早いと。計画をつくってからすぐ報告がされている、あまりに早過ぎるなと思います。 次に、スケジュール変更についてお伺いをさせていただきますが、私の地元の桃園第二小学校です。たしか桃園第二小学校については、まず最初に基本計画が遅れて、全体スケジュールが遅れるという報告がありましたけども、桃園第二小学校のスケジュール変更の最初の報告はいつか、教えてください。 ○藤永子ども教育施設課長 桃園第二小学校の新校舎整備のスケジュール変更の最初の報告については、令和5年1月に報告してございます。 ○市川委員 こちらも早いですよね。計画が策定されてから間もなく変更がされていると。しかし、その後、基本計画案のときに大幅なスケジュール変更が報告されていると。設計期間と工事期間が大きく延長されているわけでございます。基本計画案の報告がいつで、設計期間と工事期間がそれぞれどのくらいなのか、どのぐらい計画から延びたのか、教えてください。 ○藤永子ども教育施設課長 桃園第二小学校の基本計画案の議会報告については、令和5年6月でございます。設計期間は2年から2年半に、工事期間は2年半から4年に計画から延びてございます。 ○市川委員 計画策定から2年もたたずにスケジュールの変更、工事は2年から4年、開校は2年以上の遅れだと、そういうことが起きています。 直近の第七中学校も伺わせていただきます。第七中学校もたしかスケジュールが半年遅れているかと思うんですけど、基本計画案で報告していたと思います。次の第七中学校基本計画案の報告、いつなのか教えてください。 ○藤永子ども教育施設課長 第七中学校基本計画案の議会報告については、令和5年10月に報告してございます。工事期間は2年半から3年半へと計画から延びてございます。 ○市川委員 これも計画策定から2年足らずでなっているんですね。計画の策定から報告した3校がことごとくスケジュール変更になっているんですよ。これ、本当に大丈夫なのかなと。計画に書いてある2年半の工事期間もちゃんと合っているのかなと。これ、空想なんじゃないかな、場当たり的な計画なんじゃないかなと思うんですよ。これは計画策定時にできないのが分かっていたんじゃないかなと。分かっていて無理なスケジュールを報告していたのではないかと思ってしまうんですね。多分これは私だけじゃなくて、子ども文教委員会の委員の方とか、ほかの議員の方にも思っている方がいっぱいいらっしゃると思います。計画策定するときに、もうできないのを知っていたのではないかと。計画の期間でできないと分かっていても計画をつくったのではないかと。計画策定は適正な事務的な処理だったのか、適正なものだったのかお伺いします。 ○藤永子ども教育施設課長 中野区小中学校施設整備計画改定版につきましては、パブリック・コメント等も実施しているれっきとした計画でございますので、計画として適正というふうに考えてございます。 ○市川委員 これがどこが適正と言うのか、よく分かりませんね。聞いていて、多分適正だと思っている方、この中に誰もいないんじゃないですか。適正かどうか、それはそのとき分からなかったということだと思うので、ここではいいです。 まだまだこの計画に疑問があるんですよ。計画の検証について、一つちょっと謎なものがあるので、そこについて伺います。それは建築年ですね。同僚の山内議員から以前から相談を受けて、これは谷戸小学校のことです。谷戸小学校の築年数についてです。子ども文教委員会で話が出ていたんだけども、いや、しんたろうさん、実は谷戸小学校が築30年ということになっているんだと。そんなことはあり得ないじゃないか、俺、小学校のときからあったよという話をしたら、いや、私も卒業したので、そんなことはあり得ないと思うんだけどという話になったんですね。これは何でなのかなと見ると、小・中学校の設備計画の改定版の築年数の考え方に原因があると思うんです。谷戸小学校の4棟の校舎が増築されて造られていると。教室棟が3棟、屋内運動場、プール棟、それぞれ1棟ですね。教室棟については昭和44年、昭和45年、平成25年。昭和45年の校舎については山内君が通っていた校舎だったんですよね。屋内運動場・プール棟は平成7年度築です。 そこで伺いますけども、この改定版上の谷戸小学校の建築年と築年数はいつなのか、教えてください。 ○藤永子ども教育施設課長 谷戸小学校の小中学校施設設備計画における建築年、築年数については平成7年、築年数、築29年でございます。 ○市川委員 平成7年が建築年になっているわけですよ。昭和45年の建築校舎って、どこに行っちゃったのかということなんですね。子どもたちも活動しているのに。何で谷戸小学校が平成7年築なのか、ちょっと伺いたいんですね。小中学校施設整備計画の築年数の基準を教えてください。 ○藤永子ども教育施設課長 中野区小中学校施設整備計画改定版の築年数の考え方でございます。校舎が増築され、複数の棟がある場合、最も延べ床面積の大きい棟の建築年を当該年の建築年として築年数を起算するという考え方でございます。(「それがおかしい」と呼ぶ者あり) ○市川委員 そうなんですよ。だから計画の築年で、最も延べ床面積の大きい校舎が築年の起算の年数になっていると。ですから、谷戸小学校の場合には昭和45年の1,000平方メートルの校舎の建築年は無視されると。学校は増築されて造られることも多いと思うんですよ。最初にいた学校の校舎の、子どもたちの人数が増えたりとか等々するので。あと、新たな機能が必要になったりすると思います。ここで一つ疑問なのが、仮にですよ、絶対あり得ないと思うけど、谷戸小学校が平成7年度の校舎よりも床面積の多い、床面積が広い校舎を増築、仮にした場合に、谷戸小学校って開校1年目になるんですか。 ○藤永子ども教育施設課長 仮にですけれども、延べ床面積が一番広い校舎を新たに開設した場合は、中野区の小中学校施設整備計画改定版では築年数1年となります。 ○市川委員 そういうことになると、もし仮に1年目になってしまうと、もうなかったことになる。それはあり得ないでしょうということなんです。そうすると、さっき昭和45年にできたものが、建て替えする頃には百二、三十年たつと。人間の寿命より長くなっちゃうんですよ。それはどうなのというところもあるわけですね。この謎理論、大丈夫なのかと。ほかの区で学校施設の建て替え計画を策定する場合に、築年数の起算する基準がどうなっているのか、これも気になるんですね。他区の状況については後ほどまた伺いますけども、計画についてはこのくらいにしましょう。 それでは、財政に最も影響を与える学校の建築費について伺わせていただきます。現在、建設中の中野本郷小学校の建築工事費は幾らか教えてください。 ○藤永子ども教育施設課長 中野本郷小学校建設については、建築、電気、機械工事を合わせておよそ80億円程度を見込んでございます。 ○市川委員 じゃ平和の森小学校は幾らですか。 ○藤永子ども教育施設課長 平和の森小学校の建設については、建築、電気、機械工事を合わせておよそ90億円を見込んでございます。 ○市川委員 施設計画の金額から大幅に上昇しているんですよね。そんなのは当たり前な話です。先ほど、加藤幹事長がインフレについて大変重要だということは2年前からおっしゃっていたということは伝えましたけども、建築の原材料がやはり海外に頼られていて、海外のインフレというのは止まらないんですよ、なかなか。建設業の人手不足も深刻な状況であって、先ほどの決算のところでも伺ったけども、インフレも人手不足も区としてはしようがないところもある、どうしようもないところもある。ただ、財政負担の上昇、何もしなければ止まらない、こういうことなんですね。そのような将来が予想できる状況であるとして、区としての備えを伺わせていただきます。義務教育基金の決算は190億円ですけども、令和6年度第3次補正後の予算の残高の見込み、改めて教えてください。 ○竹内財政課長 令和6年度第3次補正後の予算の残高見込みになりますが、こちら約115億円となります。 ○市川委員 大内議員も第2回定例会で指摘をされておられたんですけども、建築費が上昇しているのに基金が減少している、60億円以上ですね。基金は将来に備えるため、そういったものですね。建築費から見える将来の区の備えが矛盾しているのではないかなと。区の備えができていないと、そう言わざるを得ないんですよ。そこで心配されるのが、やはりこの中野区小中学校施設整備計画改定版なんです。計画において、学校スケジュールがことごとく遅れていると。ということは、後ろへ後ろへスケジュールが遅れてしまっているという危惧が生じるわけです。しかし、中野区の区有施設整備計画において耐用年数が70年と示されています。つまり年次が切られているんですね。 そこで伺いますけども、耐用年数70年を守ろうとすると、学校整備、さっきいろんなものが後ろに倒れてきている、後ろに倒されて遅れてきているということがあるので、この年次を守ろうとすると学校整備をさらに同時並行する必要があって、単年度の支出が上がって、財政へのプレッシャーがとてつもないことになると思いますけども、いかがですか。 ○藤永子ども教育施設課長 今後の学校整備の財政負担でございます。中野区小中学校施設整備計画改定版では、耐用年数70年を迎える前に学校施設を更新する考え方でございます。このため、仮にですけれども、学校施設の更新が遅れる場合には、耐用年数が決まっているため、更新整備が集中し、財政負担が増大することも考えられます。 ○市川委員 耐用年数70年というのは、財政の平準化を守るためだったという話だったんですよ、最初答弁、議会側への答弁はね。70年という根拠は何ですかという話があったので。あれは一体何だったんでしょうか。耐用年数70年、たしか70年というのは財政平準化のためだと。しかし、財政平準化ができていない状況に進んでいる、これは間違いないですね。先ほども申し上げましたけど、ほかの自治体、新宿区、豊島区、江東区、そういった他区の状況、学校の施設整備に関する計画を見てみると、耐用年数は築80年で建て替えとなっているんですよ。技術的に教えてほしいんですけども、ほかの区と同様に、中野区の学校も70年以上、75年なのか、80年なのか、85年なのか分かりませんけども、今よりもたせることって技術的に可能なのか伺います。 ○大須賀施設課長 学校の耐用年数についてですが、文部科学省の考え方や日本建築学会の文献を根拠としまして、鉄筋コンクリート造の学校施設については、耐用年数を80年と定めている区があることは認識しているところでございます。ただし、耐用年数を設定するためには、技術的な視点から他区の状況を踏まえつつ、区内学校施設の躯体の耐久性や健全性について点検評価する必要があると考えております。今後は、他区の状況や区内学校施設の現状を踏まえ、教育委員会と協議し、耐用年数について検討してまいりたいと考えております。 ○市川委員 今お話があったように、文部科学省の考え方とか日本建築学会とか、そういったところが目標の耐用年数80年としているわけですよね。なんだけど70年にしたと。これはやはり場当たりだったんですよ。そのときに都合のいいように解釈をして、これにすれば何とかなるんじゃないか、言い訳ができるんじゃないかというような場当たりなことで計画をつくるから、こういう矛盾が生まれるんじゃないかと私は思います。 併せて伺わせていただきますけども、以前質疑させていただいたんですけど、学校の建築費って、ずっと前から今後年々上昇するということは皆さんも予想されておられたと。その立場に立って私も、最近地下階を設置している学校の校舎が増えてきていて、地下階を設置すると一般的に建築費が高額になっていくので、学校の周辺住民へ説明をして理解を得た上でですけども、高さ10メートルの高さ制限を撤廃することによって、地下階を1個上に持ってきて、階高にしていくと建築費の圧縮をして、そうすると財政の圧迫の軽減ができるのではないかと提案させていただいたんですけど、地下があった場合、工事費ってどれくらい変わるか、ちょっと教えてもらえますか。 ○大須賀施設課長 建築物の地下化による建設コストの影響についてですが、敷地形状や地盤状況、構造など、様々な要因により左右されるため一概には言えませんが、目安として、地上階の建設費に比べ、地下階に係る建設費は5割程度増加するものと考えております。 ○市川委員 5割ということは1.5倍ですよね、150%。先ほど平和の森学校とか、ほかの学校の建築費を確認しましたけども、60億円だったり、70億円、80億円、そういうスケールの学校が増えてきているじゃないですか。ということで、その5割というものが、もし仮に階高にできれば10億円単位で金額が浮くのではないかと、そういうことができるわけですね。もちろん計画上にのっとって、そういう財政の平準化を図ったりとか、さっき財政課長がおっしゃっておられたように起債と基金のバランスだとか、そういうことも当然大事なんですけど、そういったところからも予算の圧縮ってできると思うんですよ。なので、都市計画課とか建築課が多分担当になると思うので、そういった各所管と連携して、そういった観点も含めて検討を重ねていただいて、持続可能性のある計画にしていただきたいと思います。こちらは本日要望とさせていただきますので、検討をよろしくお願いします。 話をここの数字に戻しますと、ここで資産管理活用課長に伺いますけども、今後の区有施設整備計画を改定するに当たって、学校の建て替えについて診断等々を行い、所管課が70年以上、今目標としている70年以上をもたせることが可能と判断した場合に、資産管理活用課としてはどう捉えるのか教えてください。 ○半田資産管理活用課長 現在の区有施設整備計画における施設更新経費の将来推計につきましては、財政負担平準化のため、小・中学校と区営住宅につきましては建築後70年の建て替えを基本としてございます。学校の建て替えにつきまして、所管課のほうで耐久性調査等を行い、その状況により築70年以上も活用することができると判断した場合につきましては、想定も視野に入れた上で、長寿命化に係る考え方について検討してまいりたいと考えてございます。 ○市川委員 併せて一応申し上げておくと、長寿命化計画って中野区は公表されていないんですよね。他区はインターネットで、検索で長寿命化計画って出すと出てくるんですけど、中野区だけ出てこないんです。これは一刻も早くつくって、1回外に、議会も含めて区民の皆さんにも周知していただきたいと思います。 これまで伺っていると、中野区の小中学校施設整備計画改定版を見るに、現実から離れた整備期間、謎の築年数計算、財政負担の増大、それの大きな矛盾、謎、そういったものを抱えているんです。結果的に、私の地元で大変恐縮ですけど、平和の森小学校だったり、桃園第二小学校だったり、そういうところも、これを報告しても保護者はあまり驚かないんですよ。地域の方も。ああ、またかみたいな感じで。それは何でかと言うと、中野区、もう期待されていないからなんじゃないかなと思うんですよ。またそういうことを言っているよと。だから、例えばこれは事前審査になるので申し上げませんけど、地域の方があることを求めて聞いても、いや、それは計画にのっとってやるので、そういうときだけ計画とか期間とかって中野区が言うから、住民から反感を食らうんじゃないかなって思うんですね。その辺は事前審査になるので、ここでは言いませんけども、本当にその辺は反省したほうがいいんじゃないかなと思います。 最後に、このように大きな矛盾をはらんだ計画について見直しを進めている、こういうことですけども、改めてどのようにやっていくのか、担当課から教えてください。 ○藤永子ども教育施設課長 中野区小中学校施設整備計画改定版の見直しについてでございます。現在、区では小中学校施設整備計画の見直し作業を進めてございまして、敷地条件等、諸条件を整理し、各校ごとの整備期間を可能な限り算出し、計画に反映することを検討してございます。また、学校施設の目標耐用年数や改築の平準化についても検討していく予定でございまして、議会に対して見直しの視点等を報告しつつ進めていく予定でございます。 ○市川委員 議会に今後報告が出てくるということですので、第3回定例会、第4回定例会、また来年の第1回定例会と、順を追って多分報告がされていくんだと思いますけども、先ほど申し上げたように矛盾だったり、謎だったり、そういった抱えているものについては一刻も早く改定をして、新しい計画をつくって、議会に報告がされると願っております。 次に、中野駅周辺まちづくりについてお伺いをさせていただきます。冒頭触れたように、サンプラザについてはちょっと遅れが生じるのではないかとされておりますけども、中野駅周辺のまちづくりは、もちろんシンボル的なところで新北口駅前エリアというのがあったんですけども、そこだけではなくて、周辺の街区も合わせて開発・整備が進められています。 ここでは中野四丁目西地区についてお伺いをさせていただきます。まず初めに、中野四丁目西地区の市街地再開発事業の現在の検討状況について教えてください。 ○小幡中野駅周辺まちづくり課長 中野四丁目西地区の市街地再開発事業の検討状況についてでございますが、市街地再開発事業は地権者の生活再建、合意形成が基本となりまして、現在は市街地再開発事業の事業推進に向けまして、準備組合が地権者の合意形成を図っていると聞いてございます。 ○市川委員 これも中野四丁目西地区の市街地再開発事業のスタートというか、準備組合がつくられて久しいわけですけど、まだ準備組合ということで、本組合設立にまで行っていないという状況ですよね。段階としては、まだ序盤にあるんだろうと思っています。この中野四丁目西地区における地区計画素案については令和2年12月に報告がされております。以降、改めて説明を聞いておりませんけども、都市計画素案の検討、現在どのようになっているのか、今後変更できる可能性、そういったことも技術的にというか、制度的にですね、まだ変えられるという段階か、確認させてください。 ○小幡中野駅周辺まちづくり課長 これまでに都市計画素案をお示しして以降、新北口駅前地区など周辺地区のまちづくりの検討も進んできてございます。現在は、これらのまちづくりとの整合を図りまして、都市計画素案の内容を改めて再調整しているところでございます。 ○市川委員 今、周辺のまちづくりとの整合という話だったんですけども、北口については施設計画の見直しになるとか、そういう旨の答弁があったりとかして、整合性が取れるのかどうかは分かりませんけども、こういったことが起きると、交流人口に寄与する商業フロアとか、これは今の状況の前から、商業フロアが4層から3層になったりとかということがあって、にぎわいとか交流人口、そういうまちで、エリアでつくり出そうとしていたものが低下するとか、失われるんじゃないかなという危惧があると思うんですね。交流機能とかにぎわいというのは新北口駅前エリアだけではなくて、中野駅周辺エリアの全体で、駅周辺の全体のエリアで創出する必要があると考えますけども、いかがでしょうか。 ○小幡中野駅周辺まちづくり課長 中野駅周辺まちづくりグランドデザインVer.3では、中野駅周辺の空間整備の考え方としまして、各地区の特色を生かした核づくりとしまして、にぎわい、文化、商業、交流の核など、区域の要所要所に特色ある核を創出し、多くの人を引き寄せることとしてございます。こうした考え方に基づきまして、新北口駅前地区だけでなく、ほかの地区におきましても、中野駅周辺、中野区全体のまちづくりに寄与する交流機能、にぎわいの形成を図っていくものと考えてございます。 ○市川委員 現状は、これからにぎわいを創出する、そういう計画というか、考え方を考える、検討できるエリアとしては、今伺った素案からの変更も含めて、都市計画手続が自由度がある中野四丁目西地区だと思うんですね。当地区の交流とかにぎわいの機能の創出とか分担、こういうことをしていく必要があると思いますけど、いかがでしょうか。 ○小幡中野駅周辺まちづくり課長 中野四丁目西地区におきましても、グランドデザインVer.3の考え方に基づきまして、中野四丁目西地区の特色を踏まえて交流、にぎわいの形成を図っていく必要があると認識してございます。 ○市川委員 現状、中野四丁目西地区の施設計画案によりますと、容積863%となっております。今後の都市計画案の検討に当たって、公共貢献として交流とか、にぎわい、そういった機能を誘導して、さらなる容積の活用も含めて、さらなる容積の積み重ねも含めて、区として検討する必要があると思いますが、いかがでしょうか。 ○小幡中野駅周辺まちづくり課長 市街地再開発事業におきましては、地区のまちづくりの考え方を踏まえまして、施設計画における公共貢献の内容を協議するものでございます。当地区の施設計画におきましても、空地の整備、歩行者ネットワークの形成といった公共貢献を検討しておりまして、これらの内容を踏まえまして、容積の活用についても関係機関と協議してまいります。 ○市川委員 現状、容積率の緩和というのは事業者にとって都合のいい制度になりつつあるのかなと思います。一般的に容積率って、良質な住環境の設置とか、オープンスペースの設置など、そういったことがあって緩和をされるんですけど、今から設置されるものに良質じゃない住環境なんてないので、当たり前のものを造って、当たり前のように容積を足していかれても困るので、中野区として容積率緩和で解決する課題が何なのか、どういうものを解決しなければいけないのか、それを何を実現すべきなのかを精査して事業者と協力していくことが、協議していくことが求められると思いますので、担当の皆さんにはそちらもお願いしたいと思います 中野駅周辺のまちづくりの基本的な方針を示しているグランドデザインVer.3を見ると、北は早稲田通り、南は大久保通りまでがまちづくりのエリアとなっています。今後、中野駅周辺で創出されるにぎわいをエリア外に波及させていることが重要なんだろうと。やはりまちづくりというのはパッチワークのようにどんどん広がっていかなきゃいけないと思うので。中野四丁目西地区というのは早稲田通りの北側の玄関口になるような重要なエリアであると思いますので、事業者と施設計画を協議するに当たって、早稲田通りへのアプローチというのもちょっと考慮してもらいたいと思いますけど、いかがでしょうか。 ○小幡中野駅周辺まちづくり課長 市街地再開発事業におけるまちづくりにおきましては、周辺地区のまちづくりとの連携、整合が重要であると認識してございます。中野四丁目新北口西エリアにおける土地利用方針では、にぎわいの創出と利便性向上に資する機能的な連携動線やオープンスペースの整備を誘導することとしてございます。当地区の施設計画におきましても、早稲田通り北側地区との連携を踏まえまして、敷地北側でのオープンスペースの確保や早稲田通り北側から中野駅に向かう動線などに配慮しまして、事業者と施設計画の協議を行ってまいります。 ○市川委員 分かりました。中野四丁目西地区についてはこちらで終わりたいと思います。 次に、中野三丁目エリアについても伺わせていただきます。中野駅桃園広場と桃丘小学校跡地の整備予定の拠点など、大きくまちが進化を遂げるようになっております。目に見える形でまちづくりが大きく進もうとするこのエリアの中で、まちづくりの機運が上昇されることは、今後さらに機運が上昇されることが予想されます。過去には、違う地区でまちづくりの機運上昇をしたんだけども、区との連携がうまくいかずに、現在に至るまでその地区でまちづくりが進まなくなっていると。逆に熱が冷めてしまうと、そこは進まなくなってしまう、そういう事例もあったんだろうと聞いております。現状、中野三丁目においては、区画整理事業が行われているエリアについて、中野駅西口地区計画が策定されております。今後、周辺住民との協議が前提にはあると思いますが、地区計画エリアの拡大に向けて動き始める必要があると思いますが、いかがでしょうか。 ○大南中野駅周辺地区担当課長 中野三丁目の地区計画エリア拡大についてです。御指摘のとおり、まちづくりを進めるには地元住民のまちづくり機運が最も重要だと考えております。中野駅西口地区まちづくり基本方針において、区画整理事業以外の地区も方針が示されていることから、今後本方針に沿って、まちづくり機運が逸することなく、まちづくりに取り組んでまいります。 ○市川委員 また、先ほど申し上げたように、地区計画については地域の住民の皆さんとも事前に今後のまちの姿はどうあるべきなのかを協議する必要があります。当該エリアは地域住民が主体となっている今後のまちづくりの在り方を検討している会議体がございます。そういった会議体との連携を今後さらに深めるだけではなくて、これまでそういった会議体に関わらなかった方も含めて、参加を促していくことが必要だと思いますが、担当課の考えはいかがでしょうか。 ○大南中野駅周辺地区担当課長 地域住民が主体となったまちづくりの会議体から区へまちづくりに関する支援要請があれば、協力していこうと考えております。区がまちづくり支援を行う際には、地区内皆様の参加を促すよう周知等を行う必要があると考えております。 ○市川委員 昨日からいろんな委員の方の質問を聞いていると、ウォーカブルのまちづくりというのがキーワードで出てきます。この中野三丁目もそういうようなまちづくりを進めていく必要があるのかなと私も思います。中野駅西口エリアとか桃園通りがあるエリアについては、これは商業地域も含まれている地域なんですね。中野区が放っておくと、建て替え時期に合わせてマンションが続々と建築されることがあり得る、そういうふうになりかねないと考えます。例えば地区計画の中に、マンション建設の際には1階部分を店舗にするとか、そういった要項を盛り込むことで一定のにぎわいを守ることも必要なんじゃないかと。そういうことが可能なんじゃないかと。これは早期に検討を始めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。 ○大南中野駅周辺地区担当課長 御指摘のように、一定のにぎわい等を守るには地区計画に制限を盛り込むことは有効であると考えます。今後、まちづくりの会議体などと連携し、まちとしてどのようなにぎわいをつくっていきたいのかなどの検討を行っていこうと考えております。 ○市川委員 また、区画整理がされている、区画整理事業が行われている当該地区については、無電柱化も計画されていると思います。これ、詳細について改めて教えてください。 ○大南中野駅周辺地区担当課長 区画整理事業区域内は原則無電柱化となりますが、区域外の電線類との関係から一部電柱が残ることとなります。 ○市川委員 先ほど地区計画の対象エリア拡大についてもお尋ねをしましたけども、今後まちづくりの手法によっては、桃園通りをはじめとした周辺街区でも無電柱化を同時に検討することが可能になります。歩行者に優しい基盤整備がまた可能になると。中野駅周辺まちづくりグランドデザインVer.3にも記されている中野三丁目が目指すべき姿にかなう整備手法とも考えますけども、担当課としての考えを教えてください。 ○大南中野駅周辺地区担当課長 周辺街区の影響から区画整理事業区域内の桃園通りにも電柱が一部残ることとなりますが、桃園通りの無電柱化については、まちづくりで総合的に検討していきます。 ○市川委員 総合的に検討していただけるということで、無電柱化は防災にも寄与するものでありますので、一体的に検討する必要があると思いますので、よろしくお願いします。ただ、ここは木造住宅密集地域じゃないので、防災まちづくりの補助金メニューとかはないので、まちづくり事業費で進めていっていただけたらなと思っております。 ここから地域の要望の話になるんですけども、中野駅西口周辺には、かつて中野三丁目郵便局が存在をしたんですけども、現在は廃局になってしまって、それだけではなくて、郵便ポストも存在しないエリアになっているのが現状で、まず郵便ポストの設置が求められております。当委員会の内野副委員長とも以前お話をさせていただいて、会派の垣根を越えて一緒に頑張ろうという話をさせていただいたんですけれども、そこで伺いますけども、今後整備される中野駅西口への設置が可能かどうか教えてください。 ○大南中野駅周辺地区担当課長 地下埋設物等の支障のない範囲で道路占用の許可がなされれば、設置可能であるというふうに考えております。 ○市川委員 先日、先ほど斉藤(ゆ)委員からも御紹介があったんですけど、各会派ごとにいろんな団体の予算要望というか、懇談会というのがあって、そこで特定郵便局長会の方々と意見交換を行った際、御当地ポスト、そういったものがあると伺いました。中野駅桃園広場については、周辺のレンガ坂商店街との一体感を生み出す、そういったために、れんが素材を一部使用したりとか、駅から広場に向かうとレンガ坂商店街に視覚的に誘導するような設計がされているとか、そんな桃園広場にれんがと同じような色合いのカラーリングがされた郵便ポストを設置すれば、地域住民の要望と桃園広場のブランディング、両面に生かすことができるのではないかと思いますので、こちらについてはぜひよろしくお願いいたします。 先ほど課長の答弁の中で、道路管理者の道路占用の許可が出ればという話がありました。広場は区道の一部であって、道路管理者は都市基盤部なんですね。ポスト設置の申請上のプロセスを教えてください。 ○長沼道路管理課長 区道上への郵便ポストの設置については、郵便事業株式会社が設けるものに限り道路占用許可が可能であり、道路管理課に道路占用許可申請を行う必要があります。道路占用には条件があり、占用場所等の設置基準を審査の上、道路占用の許可を行っているところです。 ○市川委員 ということは、何かそういうポストを設置するに阻害するものはないということだと思いますので、最後に改めて確認をさせていただきますけど、今お話を聞いていると、まちづくりのほうは、設置は場所によるけれども可能ですと。都市基盤部道路管理課のほうは、適切な手順を踏んでいただければ大丈夫ですと、そういうお話だったと思うんです。最後に確認ですけども、日本郵政からの要望があれば中野駅桃園広場へのポスト設置は可能ということで間違いないのか、改めて伺います。日本郵政とこの件について協議したことがあるのかも併せて伺わせていただきます。 ○大南中野駅周辺地区担当課長 日本郵便株式会社から道路占用の申請がなされれば設置可能であります。現在、拠点施設を計画しているUR都市機構が日本郵便株式会社と協議していると聞いており、区は日本郵便株式会社と協議は行っていないところでございます。 ○市川委員 これから、UR都市機構と郵政が協議をしているということでございますので、拠点整備で何かが行われるのか、それともそれ以外の周辺の地域での協議なのか分かりませんけども、いずれにしても中野三丁目の方たちがそういう郵便局に関することで困っているという実態がありますので、中野区もしっかり要望というか、地域の意向というのは調査をしていただいて、その協議にも何かアドバイスしたりとか、サポートしてあげたりとかしていただきたいと思います。これは要望で終わります。 次に、新区役所の貸しスペースのイベント開催について伺います。先日の一般質問で立石議員からの質問がございまして、お話がありましたので、思いを同じにしているのは私だったんですね。現在、立石議員からも質問があったように、屋内イベントスペース、ナカノバとか屋外イベントスペース、ナカノのソトニワを中野区民をはじめ一般の皆さんが利用する際に、使用料を支払って利用いただいておりますが、中野区のほかの公共施設と違って、公益性が高い事業を行うとしても使用料を払わなければいけないと、そういう状況にあるんですね。中野区行政財産の使用料条例の第4条に「区長は、次の各号の一に該当する場合は、使用料を減免することができる」とあって、その後の(1)には「国又は地方公共団体その他公共団体若しくは公共的団体において、公用又は公共用若しくは公益的事業の用に供するため使用するとき」と記載されていますが、この条文を根拠に、ナカノバ、ナカノのソトニワの使用料を減免するということは現時点で行えるのか、行えないのか、教えてください。 ○冨士縄文化振興・多文化共生推進課長 ナカノバ、ナカノのソトニワなどの区役所の1階の貸しスペースにつきましては、これまでの庁舎にはなかった新たなスペースであることから、利用実態や利用者の声を伺うなど、運用状況を踏まえた上で詳細のルールや基準を定めていく考えでありまして、使用料の減免についても同様というふうに考えてございます。他方、直近に中野セントラルパークのイベントスペースですとか、ホール、会議室がありまして、民間事業として貸付けが行われております。こうした状況を踏まえ、現在はどのような団体がどのような事業に供するため当該スペースを使用するのかの具体的な基準を定めていないため、行政財産使用料条例第4条第1号を根拠とした使用料の減免は行っていないところでございます。 ○市川委員 この条例だけでは、なかなか使用料の減免はできないというお話でございますね。個別ルールを定めていくという話が立石議員の一般質問でもあったと。その個別ルールというのは何を定めていくのか、ちょっと教えてもらっていいですか。 ○冨士縄文化振興・多文化共生推進課長 今後、区役所1階の各スペースにおける使用料の減額、免除を実施するに当たっては、公共性の観点から、具体的にどのような主体がどのような目的で使用する場合に減額、または免除となるのかの基準や減額率などを定めていくことになるというふうに考えてございます。 ○市川委員 これについては、公益性というのが、どういうふうに定義付けるのかというのを定めれば、あとのルールについては、ほかの区有施設のルールとかもありますので、参考にしていただければオートマティックに進んでいけるのかなと思います。先日の一般質問の中で、立石議員の中で、中野区として誘導したいにぎわい公益事業に関して負担を軽減するべく、安価に使用できる使用料金を設ける、または使用料の減免、免除の考え方を導入するべきと考えるが見解を伺いますという一般質問に対して、利用実績や利用者の意見を伺いながら、より公共性が高い事業などの使用料の減免、免除を検討していく旨の答弁がありました。一刻も早く検討を開始して、ルール策定をするべきと考えますけども、検討開始の時期について、めどを担当課のお考えを教えてください。そして、いつまでに検討を終えて、ルール策定を済ませるのかも併せてお示しください。 ○冨士縄文化振興・多文化共生推進課長 利用者の利便性の向上を図り、さらなるにぎわいの創出に資するよう速やかに検討に着手したいというふうに考えてございますが、使用料の減額、免除につきましては、様々な点を考慮しながら検討する必要があるとともに、公平性も鑑み、使用料の減額、免除の導入や導入する場合の具体的な基準につきましては、年明けまでに決定しまして、その内容を令和7年度当初から運用できるようにしてまいりたいというふうに考えてございます。 ○市川委員 ぜひ早く進めていただきたいと思います。今現状では、献血とかも利用料を取られている状況ですからね。これは一刻も早く進めていただきたいと思います。区民の皆さんが公益性の高い活動が行えるようにしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 ここまでナカノのソトニワの減免ルールについて伺ってまいりましたけども、次に、ナカノバについて伺います。先日、私もナカノバ、ナカニワ、そして隣接している中野四季の森公園のイベントスペースを使用してイベントを主催させていただきました。その際に、ナカノバとナカノのソトニワの間にある大型の窓、これを開けて一体的にイベントを開催しようと思ったんですけども、問い合わせをしたら、ここは開けられないという返答を頂きました。何で開けられないのか教えてください。 ○冨士縄文化振興・多文化共生推進課長 区役所1階のナカノバ西側の窓、壁ですが、こちらにつきましては利用者がスイッチ操作で開閉することができず、委託事業者が手作業で開閉しなければならず、開閉に時間を要する状況でございます。さらに、開けることができる場合として、好天で風がないなどの天候が安定している日に限られること、また、近接します集合住宅への事前説明が必要なことから、現状では区民等がイベントで使用する際に随時開閉することは難しいと判断しているためでございます。 ○市川委員 ちょっとびっくりする話なんですよね。何でなんだよと。別に、一応言っておきますけど、僕が使うときに安くしてほしいとか、そういう考えで聞いているわけではないんですよ。それは違います。一応言っておきます。立石議員の名誉のためにも言っておきます。今、なかなか利用者がスイッチ操作とかで開閉することができないという答弁があったんですけど、これ、開けるのにどれぐらいの時間と人を要するのか教えてください。 ○冨士縄文化振興・多文化共生推進課長 これまでのケースでは、ナカノバの西側の壁、窓の全体の開閉に20分程度、5名以上の人員が携わっていたというふうに認識してございます。 ○市川委員 20分、本当に済んでいるのかどうか分かりませんけど、5名程度の人員だと言っているけど、もう少し多いのかもしれないし、分かりませんけどね。もともと新庁舎が完成する前に、新庁舎1階部分で、ナカノバとナカノのソトニワを隔てている窓については、開閉が可能で、一体的な利用が可能であると、そういう触れ込みだったと思うんですよ。ここで皆さん開放的にイベントをやってくださいね、区民の皆さんも使ってくださいね、そうですよね、そういうことを言っていたと思うんですよね。これ、そういうことになっていないわけです、今。実際その辺、コンセプトとして、もともとどうなっていたのか教えてくださいよ。 ○瀬谷新区役所整備課長 新庁舎1階のコンセプトについてですが、平成28年12月に策定した基本計画において、新庁舎1階は庁舎西側の広場と一体的な活用を図ることにより、中野四季の都市(まち)地区のにぎわいの拠点となるよう整備することとしておりました。平成31年3月の基本設計において、ナカノバは、ナカノのソトニワ側を開放的なつくりとすることとして示していたところでございます。 ○市川委員 やっぱりそういうふうに示されていたわけですよね。なのに、蓋を開けてみたら、聞いたら、まだ新庁舎が開庁してから、できてから、あそこを開けたことは1回しかないという話だったと。せっかく造ったのにね。そういうことですね。だから、そういうことはあり得ないでしょうという話なんですよ。せっかく、今後イベントの主催者の意向とか利便性等も配慮されて、イベント開催時にナカノバ、ナカノのソトニワ、イベントエリア、一体的に利用することに対して検討が進んで、管理主体が異なることによる弊害が、区と管理会社等に定期的な情報共有の場とか、大きなイベント開催前に連絡・調整の機会が設けられる、立石議員の質問の中でそういう答弁があったんです。そういうことがあっても、一体的な利用になっても、スタート地点のそこが閉まっていたら何にもならないじゃないかという話なんですよ。今後、こちらの使用ルールについても定めるべきだと思いますけど、いかがですか。 ○冨士縄文化振興・多文化共生推進課長 ナカニワとナカノのソトニワを一体的な空間として活用することによって、イベントの幅や魅力の向上につながり、にぎわいの創出にも寄与するものというふうになることは認識してございます。一方で、物理的な制約がある中で、天候などの変化がある場合の開閉に伴う体制や安全をいかに確保するか、また、近接する集合住宅への説明をいかに行うかなど、具体策を講じる必要があるというふうに考えてございます。今後、行政利用において西側の壁、窓を開けるイベントも企画されていることから、こういった事例を通じまして、区民等が利用主体となる場合に開閉できるか、また、開閉が可能な場合におけるルールなどについて考えてまいりたいというふうに考えております。 ○市川委員 ぜひ考えていただきたいと思います。さっき回数については1回と申し上げたんですけども、多分ナカノバとナカノのソトニワを一体的に借りて、両方借りてとなると、今のところはまだ高いので、なかなか多分、現状回数としては年間そんなに、20回も30回も40回もあるものではないと思うんですよ。年間10回あるかないかなんじゃないかなと思います。それが増えれば、それはすばらしいことだし。そういうことに対して、しっかり確認というか、そういうことが実施できるような状況にするためにもルールをしっかり定めておくことが必要だと思っています。しかし、今、課長の答弁の中にあったけども、一定の制限というのも管理上必要なのかなと思うんです。それはやっておかないと利用者とトラブルになりますからね。天候とか台風とか、そういう荒天の際では窓を開けたままとかにするとナカノバが水浸しになっちゃったりとか、人員の調整の件、事前に進めておかなきゃならないこともあるんですよ。先ほども伺った当日のマンパワーの問題もあると思うので、これは利用実態、なかなかそんな回数はないんだと思いますけども、制限をかけておく必要も一方ではあると思いますけども、担当課としていかがですか。 ○冨士縄文化振興・多文化共生推進課長 西側の壁、窓の開閉に当たりましては、安全性を担保することが必須であるというふうに認識してございます。今後、区民等が主体となるイベントにおいて、開閉を認める場合のルールを検討するに当たっては、委員御指摘のとおり行政による利用の実態なども踏まえまして、区役所としての施設管理上の不都合が生じないよう、条件や制約についても考えてまいりたいというふうに考えてございます。 ○市川委員 今後、あのエリアが開放されて、ルールを定められた上ですけども、そういうものの上で区民の皆さんが利用して、開放感がある利用とか、この後、東北絆まつり、ビッグイベントが待っていますので、そのときにも開けていただいて、どれぐらい皆さんが交流できるかとかというのが、利用実態が1回見れると思うので、その辺は確かめていただいて、よろしくお願いします。 以上で、私の総括質疑とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。 ○杉山委員長 以上で、市川しんたろう委員の質疑を終了します。 次に、甲田ゆり子委員、質疑をどうぞ。 ○甲田委員 令和6年第3回定例会に当たりまして、公明党議員団の立場で総括質疑を行わせていただきます。質問は通告のとおりですけれども、かなりボリュームがありますので、理事者には簡潔明瞭な御答弁をよろしくお願いいたします。 [1]1、令和5年度決算について、(1)物価高騰対策について伺います。 令和5年度は、令和4年から続く、特にエネルギー価格の上昇、円安の傾向により大幅な物価高騰となり、今現在もあらゆるものが高騰し続け、多くの家庭が経済的な負担を感じる状況となっております。令和5年度は、公明党議員団として生活者の観点から求めた対策として、1、学校給食実質無償化、2、非課税世帯と同水準にある低所得世帯の給付金、つまり非課税ではないが均等割のみ課税世帯と所得150万円未満の世帯への給付金、3、キャッシュレス決済ポイント還元キャンペーン、この三つを求めました。令和5年度当初予算に家庭に対する特段の物価高騰支援策が入っていなかったことが予算審議を通じて明らかとなったため、私たちは昨年3月14日、議会閉会と同時でありましたが、しっかりとこの3点の施策を検討するよう区長に要望をいたしました。その結果、昨年の区議会改選後の令和5年度の補正予算で、これらの3点を実現していただくことができました。 そこで伺います。この3点の施策の概要と予算決算額、また、事業の対象となった区民の人数をそれぞれお示しください。 ○渡邊子ども・教育政策課長 私からは価格高騰支援給付金について御説明いたします。施策の概要は、急激な価格高騰による負担が大きい学齢期の子どもを養育する世帯を支援するため、令和5年10月から令和6年3月分の給食費相当分として、小学生1人当たり3万円、中学生は3万7,000円給付いたしました。予算額は給付に係る事務費を含め7億2,774万3,000円、決算額は6億580万6,420円でございます。対象人数は1万7,535人で、そのうち支給した人数は1万7,113人でございます。 ○永井物価高騰支援給付金担当課長 低所得世帯給付金の概要につきましては、基準日は6月1日、申請期限は2月10日までとし、1世帯当たり3万円を合計1万5,853世帯に給付を行いました。予算額は6億6,741万7,000円余、決算額は5億2,941万9,000円余となってございます。 ○網野産業振興課長 キャッシュレス決済ポイント還元事業について御説明いたします。原材料価格の高騰、円安などによる仕入価格、製品価格の上昇により影響を受けている区内事業者及び区民への支援を図るとともに、キャッシュレス決済のさらなる推進を目的として、民間決済4事業者のアプリケーションを活用し、区内の対象店舗において支払った場合にポイント還元を実施したものでございます。予算額は5億2,229万5,000円、決算額は3億1,258万5,110円でございました。決済事業者から提供されるデータが限定されているため、当還元事業を利用した区民の人数は把握できていないところでございます。 ○甲田委員 それでは、それ以外の物価高騰対策について伺います。まず区として令和5年度の当初予算で行った物価高騰対策はありましたでしょうか。それぞれの概要、予算決算額を教えてください。 ○竹内財政課長 物価高騰への対応として、2023年度当初予算に計上した事業につきましては、中野区産業経済融資における優遇措置、予算100万円余、決算100万円余、学校給食食材の一部公費による調達、予算2,800万円余、決算2,800万円余、福祉タクシー・福祉ガソリン事業として、予算1,400万円余、決算1,100万円余が挙げられるものでございます。 ○甲田委員 また、補正予算で行った物価高騰対策は何か。事業名と、これは多いと思いますので、全体の予算決算額を教えてください。 ○竹内財政課長 補正予算の物価高騰対策でございますが、価格高騰支援給付金、子育て世帯生活応援給付金、区立小・中学校教材費補助、キャッシュレス決済ポイント還元事業などがございまして、予算額はおよそ69億円、決算額はおよそ64億円となってございます。 ○甲田委員 この補正で行った対策のうち、助産所、介護サービス事業所、障害福祉事業所、医療機関のそれぞれの支援については、東京都の直接補助が見込めるのか、不明な下半期分を補正予算として組んだんですけれども、結果、東京都からの直接補助が12月に補正されたため、取りやめた支援策がありました。この全体金額と経緯について再度確認をさせてください。また、それぞれの事業所はその後、東京都の補助を確実に得られたのかどうかも教えてください。 ○中谷企画課長 昨年の第3回定例会で補正予算の議決を頂いた物価高騰対策のうち、医療機関や助産所等、介護サービス事業所、障害福祉サービス事業所、公衆浴場に対する支援に係る事業の予算額は約2億2,000万円でありました。当時、区が補正予算を計上した経緯は、都が令和5年度の上半期に実施した物価高騰対策について、物価高騰が継続していたにもかかわらず下半期に実施する見込みがなかったため、区が都に代わり下半期分の支援を行うこととしたものでございます。その後、昨年12月になって都が下半期の支援を実施することが判明したことから、これらの支援については実施の前提を欠くため取りやめることとしたというものでございます。それぞれの事業所が都の補助を受けたかどうかまでは、区として把握をしてございませんが、制度の周知や勧奨をしていることから、支援が必要な事業者は都に申請を行い、補助を受けているものと認識をしてございます。 ○甲田委員 下半期の都の支援の方向が分からないまま、勇み足で補正予算を組んでしまい、その後取りやめるということは全くの無駄だったということになってしまい、金額上は目に見えないかもしれないんですけれども、職員や議会にも無駄が生じることになります。このようなことは今後あってはならないと考えますが、区の見解を伺います。 ○中谷企画課長 昨年度の物価高騰対策につきましては、物価高騰が続いていたにもかかわらず国や都の動向が不透明な状況になり、そうした中においても区民や区内事業者に必要な支援を適切なタイミングで実施するためにはやむを得ない判断であったと考えてございます。今後は補正予算の議決を得た経費を減額補正するような事態が生じないように、国や都の動向を十分に見極め対応していきたいと考えてございます。 ○甲田委員 令和5年度物価高騰対策の事業における地方創生臨時交付金の充当額及び一般財源からの充当額を確認させてください。 ○中谷企画課長 令和5年度に実施した物価高騰対策事業につきましては、事業費総額約65億円に対して、地方創生臨時交付金の充当額が約47億4,000万円、一般財源の充当額が約15億6,000万円でございます。 ○甲田委員 物価高騰は今年も続いております。特に助産所、介護サービス事業所、障害福祉サービス事業所などにおいては、光熱費だけでなく、食材費やおむつ代などの費用がかさみ、運営を維持するための経営努力だけではままならない状況となっていると聞いております。今年度についても、介護や福祉の事業所への支援をする必要があるのではないかと思いますが、見解を伺います。 ○中谷企画課長 現在、国や東京都が物価高騰対策の具体的な内容について検討を進めている状況でございます。こうした状況から、国や都の動向や社会経済状況を十分見極めて、区としてどのような対策を実施する必要があるか、検討を進めてまいりたいと考えてございます。 ○甲田委員 さらに、区民への給付金事業なども早急に考えるべきだと思います。また、食料品の高騰で子ども食堂やフードバンクにもお米や野菜など、以前ほど寄附が集まらない現状もあり、苦慮しているという話も聞いております。子どもや困窮世帯のセーフティーネットとなる食料支援等も含めて、しっかりと検討していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。 ○中谷企画課長 今年度は低取得者などへの支援として、非課税世帯及び均等割のみの課税世帯に対して、10万円に子ども1人当たり5万円を加算した給付金を支給してございます。また、今年度から、子ども食堂の運営助成金の上限額を引上げ、子ども食堂への支援を拡充しているところでございます。こうした状況の中、長引く物価高騰の影響により困難に直面されている区民の方々に対して、さらにどのような支援が必要か、関係所管とともに検討していきたいと考えてございます。 ○甲田委員 ぜひしっかりと検討をよろしくお願いいたします。 次に、キャッシュレス決済ポイント事業について、ちょっと振り返りたいと思うんですけれども、区民委員会で報告のときには、この事業については物価高騰対策という観点がありました。これが忘れ去られていたような感が否めないと思います。当初の令和5年10月11日の区民委員会の中野区キャッシュレス決済ポイント還元事業の実施についてという報告におきましては、物価高騰対策が目的との報告がされておりましたが、令和6年6月19日の実施結果の報告では、産官学連携事業の実施結果についてという中の一つとして、経済対策の目的だけが書かれておりまして、物価高騰対策であったことが消えてしまっていました。また、四つのペイメント事業者を利用可能にしたことはよかったと思いますが、それぞれのポイントの付与上限が少な過ぎたために、使い勝手が悪く、利用が伸び悩み、執行率も悪かったと思います。総決算金額が25億2,676万767円で、執行率が57.5%という結果でありました。この結果、この事業で恩恵を受けた区民が少なかったというか、あまり区民の生活応援にならなかったのではないかと感じます。事業者からは、利用した人の内訳、これが区民なのか、区外の方なのか、また、どのペイが幾ら使われていたのかということも教えてもらうことができず、検証もできない制度であったことが判明をいたしました。区内の経済効果、また、地域経済活性化ということが強調されてしまいましたが、この事業の目的は物価高騰だったはずなので、そこは見失わないでいただきたかったんですけれども、令和5年度に行ったキャッシュレス決済ポイント還元事業は物価高騰対策ではなかったのか、改めて伺います。 ○網野産業振興課長 キャッシュレス決済ポイント還元事業でございますけれども、物価高騰対策の一環として、原材料価格の高騰、円安などによる仕入価格、製品価格の上昇により影響を受けている区内事業者及び区民への支援を図るとともに、キャッシュレス決済のさらなる推進を目的として実施したものでございます。 ○甲田委員 これは物価高騰対策として行ってきました。ただ、区民委員会の質疑の中では、キャッシュレス決済ポイント還元事業の結果を踏まえてデジタル地域通貨に移行していくというふうに答弁をされておりました。なので、キャッシュレス決済のポイントやプレミアム還元は、区民の生活応援に資するものとなると私は思っています。デジタル地域通貨は区民の物価高騰対策や生活応援になる施策なのかどうか、見解を伺います。 ○網野産業振興課長 中野区デジタル地域通貨事業は、区内経済産業の活性化、区内事業者の経営力強化を図るとともに、構築したプラットフォームを活用して区の政策・施策の側面的推進を図ることを目的として実施するものでございます。当事業そのものとしては物価高騰対策や生活応援を目的としたものではございません。他方、区の施策の側面的支援として、物価高騰対策を実施するツールとして活用することはできるものと考えてございます。 ○甲田委員 そうすると、やはりキャッシュレス決済の事業に変わるものではないということになりますので、物価高騰対策が目的となる、そういったものが今ないということになってしまいます。このデジタル地域通貨なんですけれども、プレミアム分は、区民に対するプレミアムというふうにしていただきたいなというのが私の考えです。このプレミアム分の原資には都の補助が一切入らず、区の一般財源を4億5,000万円充てることとなっております。区民の血税が4億5,000万円、ナカペイを使える人だけに渡ることになります。しかも、区民限定ならまだしも、区外の人にあげてしまうということになります。もしかすると、大半が区外の方になるかもしれないと思います。事業者のほうも、大型チェーンのスーパーやドラッグストア、これは利用しやすいので、是非それは店舗拡大していただきたいと思っているんですけれども、ただ、区内の商店街加盟の区内事業者に落ちるというよりもはるかに多く、やはりこちらの大型店のほうに利用される可能性が高いと考えます。そうなると、誰のために、何のために使うのかが分からなくなってしまいます。今回初回の、今年度は起爆剤として行うため、仕方ないというふうに思うとしても、次回行う場合には、このプレミアムというのを行う場合には、区内在勤・在学、来街者はプレミアムの金額に差をつけてはどうかと思います。例えば区民は25%、区外の方は5%とか、これはシステム的には可能だと認識していますけれども、どうでしょうか。また、区外の方には、中野区にふるさと納税をしたらナカペイポイントを返礼品として差し上げる、それならばよいなと思いますけれども、この点について併せて伺います。 ○網野産業振興課長 中野区基本構想は、中野区に住む人々のほか、中野区のまちで働き、学び、活動する人々の共通目標であることから、在勤者、在学者、来街者にも中野区の地域通貨を御利用いただきたいと考えております。まずは利用者と加盟店舗を増やすことが不可欠であり、また、加盟店舗における売上向上が期待できると考えていることから、今回のプレミアム付きデジタル地域通貨の販売においては区民の優先枠を設けなかったところでございますが、今後につきましては、今回の販売実績と利用状況を踏まえるとともに、利用者や加盟店舗の意見を伺いながら検討していきたいと考えてございます。また、ナカペイをふるさと納税の返礼品として利用することについてでございますけれども、そちらにつきましては8月の区民委員会で御報告したとおり、検討してまいります。 ○甲田委員 加盟店や利用者を増やすために、それは努力していただいていると思いますし、それはどんどんやっていただきたいと思いますし、それを広げるためだから仕方がないとは思いますけれども、プレミアム分については、やっぱり一般財源ということですから、区民に優先的に還元されるような工夫が必要ではないかと思っています。もしくは、この事業などを通じて得られた経済効果が高齢者など、より困っている区民に対する確実な還元になるような仕組みができるのであればよいと思いますけれども、区民にしっかりと還元されるように検討していただきたいと要望いたしまして、この項を終わります。 続きまして、2番、防災対策について伺います。 (1)災害時個別避難支援計画書と避難行動要支援者名簿について伺います。 中野区では、災害対策基本法に基づき、2014年から災害時避難行動要支援者名簿を避難所別に作成し、防災センター、防災対策本部と区民活動センター、地域本部に配備をしています。避難行動要支援者名簿登載者は、地域支えあい推進部の事業概要によりますと、令和5年8月時点で3万5,332名となっています。区では、平成27年度からこの避難行動要支援者名簿に基づき、要支援者一人ひとりの災害時個別避難計画書の作成を進めており、災害行動要支援者名簿登載者のうち1万6,578人、約半数が個別の計画書を作成しています。そのうち、支援者ありが73%、支援者なしが27%とのことです。支援者ありの場合の支援者は、9割が親族、1割がその他、近所の方などとなっております。区はそれらの要支援者に関する情報を一元的に管理する台帳システムをつくり、地域活動推進課など計33か所で日常的な見守りや緊急対応に活用しているとのことです。 そこで、要支援者名簿の災害時の取扱いについて伺います。発災時の対応として、避難所と地域本部である区民活動センターの役割が区民に対して明確になっていないと考えます。まちでは、大きな地震が来たら、避難所というよりも、身近で行き慣れている区民活動センターに行けば情報がもらえて安心だと思っている区民の声をよく聞くことがあります。とはいえ、区民活動センターには発災後、何人の職員がそこにいる予定なのでしょうか。要支援者名簿は、今のところ区民活動センター15か所に紙ベースで配備されており、発災した後、地域本部の職員が管轄の避難所ごとに届け、避難所ごとに要支援者のチェック、安否確認を行うということです。地域本部である区民活動センターでは何人の職員が参集し、1区活当たり何か所の避難所に届けなくてはならないのか、また、その負担はいかがなものでしょうか、伺います。 ○高橋地域活動推進課長 災害時に各区民活動センターに立ち上げます地域本部には、本部運営として6名が参集予定でございます。また、応急班として8名が地域本部を拠点に活動いたします。避難行動要支援者名簿を地域本部である区民活動センターから各避難所に届ける役割は、各避難所の避難支援班が担うこととなります。地域本部1か所につきまして、2から5か所の避難所を抱えておりまして、参集状況や被災状況に応じまして、ほかの職員等も含め、臨機応変な対応が必要になってくるものと考えております。 ○甲田委員 普通は大体区民活動センターに2名いますけれども、そこに6名の方がいらっしゃって、8名が活動を開始して、最大5か所の避難所に要支援者名簿を届けに行くというような状況になるということです。 続きまして、名簿のデジタル化と避難所のDX化について伺います。現在のところ、取材でお聞きしたところによれば、避難所の受付で避難所に届けられた名簿の紙の一覧を見ながら避難してきた要支援者一人ひとりをチェックする、その情報を地域本部に共有をして、安否確認をすることになっているということです。避難所では受付から大混乱することが予想されます。避難行動要支援者名簿のデータ化については、2年前に我が会派の久保議員が質問をいたしましたが、区はデータ化はしてあるけれども、情報機器が使えない可能性もあることから、紙も併用して避難所に配備する必要があるとの答弁をされていました。ただし、その後、地域防災計画43次修正で、名簿及び個別避難計画の作成等にデジタル技術を活用するよう検討すると記載もされました。デジタル活用をすることができれば、被災者支援業務の迅速化・効率化が図られるということです。現状は避難所単位で名簿が作成されておりまして、避難所単位での把握になるようですが、要支援者が指定の避難所に必ずしも避難してくるとは限りません。デジタル化した情報がリアルタイムに入力・送信できるシステムがあれば、どこに避難しても格段に迅速で確実な安否確認も可能と考えます。 昨年の第3回定例会一般質問において、避難所のDX化について質問をいたしましたが、避難所の入退出がどこの避難所でも把握できるようにする避難所チェックインシステムも併せて早急に構築すべきだと考えます。これも含めて、要支援者の安否確認へのデジタル化の活用は現在検討がどこまで進んでいるのか、お答えください。 ○永井防災危機管理課長 避難所の入退出につきまして、効率的な避難所運営を図るため、紙による受付ではなく、LoGoフォームを活用した電子受付を本年6月実施の職員の風水害図上訓練で実施したところでございます。引き続き構築に向けて進めていく考えでございます。また、要支援者の安否確認におけるデジタル化の検討状況につきましては、地域支えあい推進部と連携を図りながら、課題整理を行っているところでございます。 ○甲田委員 LoGoフォームで検証されているということですけれども、様々なやり方があると思います。入退出だけではなく、その後の情報提供にもつながるような、そういうシステム、アプリなどもありますので、早急に考えていただきたいと思っております。 次に、緊急連絡カード、キーホルダーの災害時の活用について伺います。昨年度からおおむね65歳以上の高齢者を対象に、緊急連絡カード作成時には、冷蔵庫に入れておくカードの写しに加え、キーホルダーがセットになって配布をされているようですけれども、現在どれぐらいの区民が保有をしているのか、また、このキーホルダーには特定の番号が振られているとのことなので、避難してくる際に持参してもらえれば、名簿のチェックの迅速化にも活用できるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。 ○池内区民活動推進担当課長 緊急連絡カード、キーホルダーについてお答えいたします。令和6年8月末につきまして、緊急連絡カードの作成者は4,769名でございます。区のシステム内で緊急連絡カード作成者の個人情報を管理してございまして、その情報はキーホルダーに付記した個々の番号を照会することで可能となります。キーホルダー保有者に関しましては、避難所受入れのときに、持参したキーホルダーと番号の照会によりスムーズな受付が行えるという利点が考えられます。避難所の運営が円滑に行えるような仕組みとして検討してまいりたいと考えてございます。 ○甲田委員 ありがとうございます。究極の緊急は災害時だと思いますので、この緊急連絡カード、キーホルダー、ぜひ災害にも活用できるように周知をしていただければと思います。 次に、要支援者の安否確認について伺います。地域防災計画には、震度5強以上の地震が発生した場合に、自分自身の身の安全と家族の安否確認をした上で、可能な範囲で速やかに担当する避難行動要支援者の安否確認を行う、安否確認の結果、必要な場合には指定の避難所等への避難支援を開始するとあります。避難所では避難者の受入れや避難した人への対応、避難所運営に追われ、避難所に来られないかもしれない要支援者の安否確認を誰がどうやって行うのでしょうか。また、そういった流れがマニュアル化されているのでしょうか伺います。 ○高橋地域活動推進課長 近隣住民間で声かけを行うと同時に、個別避難計画に基づき、支援者による安否確認が行われます。支援者がいない要配慮者や避難所に来られない要支援者につきましては、各避難所の避難支援班及び避難支援部などが避難行動要支援者名簿を基に安否確認を行います。また、要支援者の安否確認につきましては、災害応急対策活動マニュアルなどに概要が記載されておりますけれども、各部署の職員等の共通認識をさらに深めてまいりたいと考えております。 ○甲田委員 安否確認を行いますと言われても、どこまでを安否確認というのかということもありますし、それが概要で書かれていましても、なかなか職員の方々も、地域防災会の方々も、ましてや支援者、要支援者の方々も、その受け止めは様々であると思いますので、そういった細かいところをマニュアル化されていないのであれば、早急にマニュアル化し、日頃から地域本部や災害対策本部の職員も認識ができるように徹底すべきだと思います。個別避難計画を作成されている要支援者の方は、発災したら誰かが助けに来てくれるものだ、そこからどうにか誘導してくれるものだというふうに思っている方も少なくないと思いますので、ある程度想定をつくって、細かく共有しておく必要があると思いますので、よろしくお願いします。 次に、(2)在宅避難者支援拠点の設置について伺います。 最初に、現在、在宅避難支援者の想定人数は何人としていますでしょうか伺います。 ○永井防災危機管理課長 現在の在宅避難者数は約29万7,000人を想定してございます。 ○甲田委員 人口の大半が在宅避難者だということになる想定です。近年の震災時の避難行動を見ても明らかなように、在宅や車中泊での避難生活を送る避難者が多く存在することから、政府や各自治体は自宅でのいざというときの備えをしておくよう促しています。しかし、私も今年、草の根隊員のミニ防災セミナーを行いまして、60人くらいの区民に東京備蓄ナビのサイトを一緒に見ながら備蓄を自分事として捉えていただくようにお話をしてみたところ、大半の方が日頃から意識をして備蓄をしていないと答え、今日からやってみますというふうに言われておりました。水やトイレや食料を1週間分、常時完全に備蓄をしているという区民はかなり少ないと考えます。 そこで伺います。在宅避難者が支援物資の供給を受けるのは、現状各地域の避難所となっていますが、在宅避難者の受付体制はどのようになっているのか伺います。 ○永井防災危機管理課長 在宅避難者への物資の配付等につきましては、避難所においては地域防災会を中心に行うこととしております。 ○甲田委員 地域防災会の方々が在宅避難者が食材を求めに避難所に来たとしても、避難所は避難所運営のほうでかなり手いっぱいのはずであると考えます。在宅避難の困難は、水やトイレや食料だけではなく、病気の方の治療薬やペットの問題、また、罹災証明の取り方から、いろいろ不安な状況に応える相談など、様々な困りごとが次々と起こる中で、現在は避難所、また区民活動センターだけが頼るべき場所となっています。 政府は避難者の支援を全て行政職員が担うことは限界があるため、避難者等の支援に取り組む民間団体との連携、避難所以外に避難する者の状況把握や支援方策の検討を喫緊の課題として、昨年、内閣府において避難生活の環境変化に対応した支援の実施に関する検討会を立ち上げました。今年6月にその検討会の調査や8回にわたる議論を取りまとめ、内閣府のホームページに検討結果の報告書がアップされました。その中では、在宅避難支援の現状と課題を挙げた上で、在宅避難に必要な支援物資の検討や在宅避難者等を支援するための拠点の設置を検討すべきであると掲げています。その報告書に、避難所では在宅避難者が物資を取りに来ることで避難生活を送る避難者から不満の声が上がることもあると記載されています。避難所は学校を借りているところが多く、広さ的にも物資を采配する場所が少ないですし、避難生活の現場ではお互いの理解不足となる課題もあるとあります。 以上のようなことから、避難所では在宅避難の人の支援、把握や指示、誘導まで責任を持って行うことは、マンパワー的にも、面積的にも、ソフト面においても不可能と考えられるので、この検討会の報告のとおり、避難所以外に在宅避難者用の物資、情報を取りに来る拠点、すなわち在宅避難支援拠点を地域ごとに設ける検討をしてはいかがでしょうか、見解を伺います。 ○永井防災危機管理課長 在宅避難支援拠点の設置につきましては、内閣府における検討会の取りまとめや他事例を参考に研究していきたいと考えております。 ○甲田委員 ありがとうございます。三鷹市では先行して行っているようです。拠点の面積や数は中野区に合った形がよいと思いますが、現状の避難所でどうぞというのではなく、避難者生活者と在宅避難者支援を分けた上でぜひ検討し、次期計画には安否確認情報や避難所情報のデジタル化と合わせて、しっかりとした形で載せるべきだと思います。 検討会の報告書には、官民連携による被災者支援を具体化することを基本的な考え方の一つに挙げています。我が会派の日野議員からも今定例会の一般質問で取り上げましたが、災害時協定を結んでいる団体や民間企業等との総合防災訓練や、それ以外の訓練も、さらなる取り決めも必要です。災害協定を締結している民間事業にも呼びかけ、在宅避難支援のための場所の提供などを依頼されてはどうか、見解を伺います。 ○永井防災危機管理課長 在宅避難者に対しまして、避難所に行かなくても物資等の支援を行う場所が確保できるように、災害協定団体等の活用について今後研究してまいりたいと考えております。 ○甲田委員 基本的な考え方を検討していただくことと併せて、具体的な訓練についても危機感や現実味がなくてはなりません。さきにも述べましたが、発災時には住民に身近な区民活動センターに避難者が押し寄せてくることが十分に想定をされます。その場合、現状ではどのような対応を取ることになっているのでしょうか伺います。 ○高橋地域活動推進課長 区民活動センターは震災時における避難所ではございませんので、近隣の避難所を案内することになります。ただし、被災状況等に応じて緊急避難的な対応は行ってまいります。 ○甲田委員 そのように言ったとしても、やはり押し寄せてきてしまった場合、どういうふうに案内をするのかとか、一時的にここにいていいのかとか、いろんな想定があると思いますので、対応の想定について、本当に地域本部の職員や地域防災会、さらにはまちの一般の人との情報共有ができているのか疑問です。職員が飽和状態になってしまうことも想定し、シミュレーションをしておくべきだと考えますが、いかがでしょうか。 ○高橋地域活動推進課長 避難所運営会議や総合防災訓練を通じて、地域防災会とは情報、認識の共有を行っているところでございますが、様々な状況を想定し、準備しておくことが重要であると考えてございます。 ○甲田委員 重要であると考えていらっしゃるのであれば、しっかりとよろしくお願いいたします。 次に、昨年の第3回定例会で、消火器格納箱への避難所情報等の詳細を見ることができる二次元コードの貼付を要望いたしましたが、それ以降いかがでしょうか。 ○福嶋防災担当課長 街頭消火器の点検を地域防災会に依頼しておりまして、点検後に格納箱の扉に封印シールを貼付してございます。今年度からこの封印シールに二次元コードを印刷して、ホームページの避難所情報にリンクするようにしたところでありまして、点検済みの街頭消火器格納箱については二次元コードが貼付済みでございます。 ○甲田委員 ありがとうございます、今年度からやっていただいたということで。また、消火器だけではなく、避難所の入り口とかにも二次元コードを貼っておけば、窓口に押し寄せる区民も少なくなると考えます。避難所の入り口や、また防災資機材倉庫などへの二次元コードを用意するべきと考えますが、いかがでしょうか。 ○福嶋防災担当課長 防災資機材倉庫に関しましては、資機材の一覧や使い方などを案内する二次元コードの活用が考えられます。防災情報メールマガジンやLINE、Xなどの二次元コードも合わせて表示し、防災情報を発信する媒体への登録を進めてまいります。また、避難所の入り口への二次元コード貼付につきましては、周知するべき有効な情報を精査しまして検討を進めてまいります。 ○甲田委員 よろしくお願いします。内閣府の検討会でも指摘している昨今の避難の多様化等の課題を見据えると、机上の計画や足りないことが大変に多いと考えます。特に、在宅避難支援の基本的な考え方が国でも変わってきている中で、区の計画の中に在宅避難支援拠点の設置についても入れることを検討する必要があると考えます。検討会取りまとめの委員となったような学識の方などを招いて、勉強会を持ってはいかがでしょうか、 ○永井防災危機管理課長 在宅避難支援拠点の必要性につきましては認識のほうしておりまして、内閣府における検討会取りまとめ等を参考に、勉強会の開催も含め、検討してまいりたいと考えてございます。 ○甲田委員 ここまでお聞きしてきましたけれども、この後、区長に伺いたいと思います。現在、防災の問題は区の縦割りの中で曖昧になっている問題がかなりあるものと思います。この課題を洗い出し、整理して、各部署の役割を明確化することや、また、町会・自治会をはじめとする地域団体や様々な民間の企業、団体、協定締結団体の力がもっと生かせるような仕組みを総合的・抜本的に考えることが必要ではないでしょうか。防災対策は防災危機管理課が中心になって検討するというふうに答えるのかもしれませんけれども、防災危機管理課では地域の状況をよく知る場面が少ないと感じます。これまでいろいろな想定が曖昧になっていることを鑑みると、災害時の対策は日頃のまちの人たちの現状をよく知った上でなければ組み立てられないことが多く、私は地域支えあい推進部が肝であると思っております。その意味で、横断的な仕切りのできるプロジェクトを立ち上げる必要があるのではないかと考えますが、区長の見解を伺います。 ○酒井区長 現在、区の災害対策につきましては、町会や自治会、関係団体等の意見を踏まえた上で計画を立て、訓練等を通して各団体と連携を図っているところであります。御指摘のとおりですけども、現場をよく知った職員にやはりそういうところは考えてもらいたいというのは同じ考えでございまして、例えば今庁内においては、要支援者名簿等のDX化について組織横断的に取り組んでいるところでございまして、引き続き必要な政策課題として取組を推進していく考えでございます。 ○甲田委員 ぜひ横断的に考えていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。 次に、3番、子ども・子育て支援について、(1)妊娠期からの切れ目ない支援について何点か伺います。 最初に、産後ケア施設の充実について、令和6年、今年2月15日の一般質問にて、私は産後ケアを実施する施設において、「24時間365日対応が可能な施設に対する国の補助金もあると聞いており、その活用も視野に入れ、産後ケア事業を受託している施設とも協議の上、緊急対応を可能とするための助成について検討しては」と質問しました。区は「産後ケア事業における緊急的対応については、利用者や産後ケア事業所から必要性を聞いているところでありまして、事業としての実施が可能か、情報を収集し検討を進めてまいります」と答弁しました。産後ケア事業の委託費は、利用ごとの単発の利用料出来高払いとなっており、施設の維持経費は大変であります。そのようなことから、産後ケア事業を維持していくため、国はせめて365日開設している施設においては、緊急対応もできるということを理由にして補助金を出しますので自治体で活用してくださいと言っていると考えます。東京都も、各区で考えてくれれば国の補助に上乗せしますよと言ってくれています。私も東京都の担当に確認をしましたが、制限する条件を特に設けていない、各区で考えてもらえればよいと言っておりました。中野区が手を挙げ、要綱をつくってあげれば事業化できるものと考えます。その後の検討状況はいかがでしょうか、伺います。 ○河田すこやか福祉センター調整担当課長 24時間365日対応している事業所への補助金についてでございます。産後ケア事業において、緊急時に24時間365日対応可能な施設が必要であると考えております。国・東京都の補助金については、対象要件等を確認したところであり、事業化に向けてさらに検討を進めていきたいと考えております。 ○甲田委員 ぜひ今年度中に検討を終えていただきたいと思います。よろしくお願いします。 次に、産後ケア事業の利用者の利便性向上について、産後ケアに関しては、何年も要望して、ようやく2年前からケアカードを全員に渡しておく方法に変更していただきました。妊産婦にとって産後の心も体も大変な状態のときに、すこやか福祉センターにカードを取りに行かなくてもよくなり、本当によかったなと思っています。しかしながら、産後家事支援事業のほうに関しては、いまだに利用券をすこやか福祉センターに取りに行かなくては利用を開始できないと聞いています。こちらもどうにか取りに行かなくてもよい制度をつくれないものでしょうか。電子化や番号の付与などで実際に行かなくても利用できるようにするべきではないか、伺います。 ○河田すこやか福祉センター調整担当課長 現在、国は母子保険DXの推進の方向性を示しており、産後家事支援事業をはじめ、各種手続についてもDXによる簡素化、効率化が図れるものと考えております。今後も国の動向を注視していきたいと考えております。一方、それが整うまでの間も手続の簡素化など、工夫を行っていきたいと考えております。 ○甲田委員 よろしくお願いします。 次に、カンガルー面接の委託についてですけれども、現在、産前産後ケアについての説明がよく分からなかったという声が多いです。産後ケアに関する専門家である助産士の方々の割合が多い団体に委託してはどうかと思いますが、見解を伺います。 ○河田すこやか福祉センター調整担当課長 カンガルー面接は委託で行っておりますが、利用者からも様々な声を頂いております。面接における質、専門性の確保は喫緊の課題であり、早急に対応する必要があると認識しております。事業委託については、産前産後の支援の状況を熟知した事業者へ委託したいと考えており、仕様書や契約方法について検討しているところでございます。 ○甲田委員 よろしくお願いします。 次に、産後ケア事業予約の空き情報の見える化、オンライン予約を統一的につくってほしいとの要望もありましたけれども、これは検討されていますでしょうか。 ○河田すこやか福祉センター調整担当課長 産後ケア利用者からも、予約状況全体が分かるものが欲しいとの声を頂いているところでございます。一方、産後ケア事業者は他区の産後ケア事業も行っており、どのように連携できるかについて、東京都や他区とも情報交換しながら在り方を検討しているところでございます。 ○甲田委員 次に、助産院での妊婦健康診査受診票利用について伺います。東京都ではこれまで助産所での妊婦健診については、公費負担分を償還払いする形を取ってまいりました。非常に利便性が悪く、多くの声を頂いており、ここ数年、公明党として都議会、都内各市町村の議員と連携をして、自治体や東京都に医療機関と同じ受診票での実施を要望してまいりました。自治体によっては、助産院と個別に契約を交わして利用者の利便性を確保している市もありましたが、東京都として五者協議会の中で実施方法を変更するよう、都議会を通じて強く要望をしてまいりました。このたび、今年8月に東京都地域保健事務連絡協議会、いわゆる五者協議会で妊婦健診の実施要綱の改正が承認され、10月1日から助産所での受診票利用開始予定となったと聞いております。このことによりまして償還払いがなくなる助産院分の妊婦健診助成、還付件数ですね、還付の件数は年間何件ほどでありますでしょうか。また、令和5年度の還付件数をお答えください。また、中野区としては、このことに対する議会への報告、また区報、ホームページなどでの周知は行ったのでしょうか、併せて伺います。 ○分藤子育て支援課長 令和5年度の助産院分の妊婦健診の還付件数でございますけれども、17件となってございます。助産院での受診票利用開始に向けて、これまで要綱改正や協定の取り交わしなど、関係機関と所要の手続を進めてきたことから、今後議会への報告や区ホームページ等において周知広報を行っていく予定でございます。また、10月1日以降に妊娠を届け出た妊婦の方には、受診票の交付時に制度周知のチラシを配布する予定でございます。 ○甲田委員 全体からすれば少ない件数ですけれども、ぜひ周知を進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 次に、(2)中高生年代向け施設の考え方について、幾つか伺います。児童館は今ある全ての館を残し、一部委託をし、職員も直営館に集約をさせる予定となっています。その結果、人件費も減らず、今後の改修・改築費用もかかるという結果にはなりました。私は、子育て家庭や小学生までの子どもたちにとっては、身近な場所に児童館があるということについては大賛成です。ただし、将来的には少子化を見据えて、高齢者など他世代の交流の場としても使えるような方向で検討してもらいたいとは思っています。区は、さらに中高生の居場所として、中高生機能強化型の児童館を若宮児童館に一つ、また、産業振興センター跡施設に一つ作ると言ってきました。このことについて、どの計画にいつ盛り込まれたのかお答えください。 ○青木子ども政策担当課長 令和3年10月に策定された中野区区有施設整備計画におきまして、産業振興センター跡施設を転用して中高生年代の交流活動支援の場を整備していくこととしてございます。また、令和6年3月に策定した中野区児童館運営・整備推進計画において、中高生機能強化型児童館として、中高生年代向けの事業を強化した運営を行う児童館を若宮児童館に位置付けたところでございます。 ○甲田委員 この二つの中高生の居場所機能、居場所の設置につきましては、設置の根拠が明確ではなく、今、財源計画もないところです。白井議員から一般質問でもあったように、子ども施設だけが聖域のように、今後の整備計画などをつくっておりますけれども、例えば区民の最たるセーフティネット住宅である区営住宅などは、建て替えるかどうかの方針も決まっていないばかりか、長寿命計画すらない状態です。区営住宅には高齢者から子どもまで様々な区民が住んでおりますが、どうなっていくのか、大変不安を抱えている状況です。区内の施設に関して、全体をトータルで考えて財源を捻出できるのかどうか、その上、さらに新たな考えが今年6月に委員会へと出されました。その中では、南側にももう一つ、中高生の児童館を作るということであります。児童館じゃないですね、中高生の場所を作るということです。子ども施設を充実させることは大事ですけれども、特に中高生という難しい年代の居場所がないと感じている子どもたちが、ここなら安心して過ごせると思えるような公的な場所を作る上で大切なことは何でしょうか。お金をたくさんかけて多様な場所をたくさん造れば、より大きな網にはなると思いますが、財源には限りがあります。であるなら優先順位を決めて、それを子どもたちにも、区民にも納得いくように説明して、理解を得てから作っていただきたい。今回、子ども・教育政策課のつくった児童館運営・整備計画にも区有施設整備計画にもなかった南側にもう一つというのが急に出てくるのはなぜでしょうか。 ○青木子ども政策担当課長 児童館運営・整備推進計画の策定過程におきまして、中高生の居場所を増やしてほしいという意見や、北部に1館では中高生といえども利用しづらいので、せめて南部に1館設置してほしいといった意見が寄せられたところでございます。こうした意見も踏まえまして、次期区有施設整備計画を作成していく中で、区南部の児童館の施設更新に合わせて中高生機能強化型児童館の位置付けを検討していく考えであり、子どもを含む区民の意見を聞きながら検討を進めてまいりたいと考えてございます。 ○甲田委員 財源が限られている中で、様々な選択肢を持たせて意見を聞いてみたほうがよいのではないかと思います。中高生なら考えられるはずだと思います。施設を作るに当たって何が欲しいですかという聞き方をすれば、それは返ってくる答えは、そこの施設ということになりますけれども、それはちょっと軽率だと思います。この年代の子どもたちに将来にわたって負担を負わせることになるかもしれないということから、同じ金額を使うなら、例えば駅から少し遠くても居心地のよい場所が区内に複数あるほうがいいと言うかもしれません。Wi-Fiがあって、半個室がたくさんあればいいと言うかもしれない。または、中野駅近く、中野駅周辺の利便性のよい場所でも、いつも混んでいて使いにくいと感じる場合もあります。大抵は中高生の場合、自転車を使う子どもが多いので、駅のアクセスがよい場所というよりは、駐輪場がある場所がいいと思うんですけれども、中野駅周辺は駐輪場が少なくて、適さないのではないかというふうな、そういうデメリットも示して意見を聞くべきだと思います。中高生年代向けの施設の考え方を示す際に、中高生の当事者の意見はどの程度聞いたのか、何人ぐらいの中高生から聞いたのか、伺います。 ○青木子ども政策担当課長 児童館運営・整備推進計画の策定過程における意見交換会において、計95名の子どもが参加し、そのうち約20名が中高生世代でございました。また、昨年度のハイティーン会議において、中高生の居場所づくりをテーマに、参加者自身が居場所に関するアンケートを中高生向けに実施するなど、居場所に必要な機能等について検討を行っていただいたところでございます。区の計画策定や事業実施などの機会を捉えて、当事者の意見・ニーズを聴取してきたところでございます。 ○甲田委員 若宮児童館のところで聞いたのが20名ということと、ハイティーン会議ということを通してということなんですけど、本当にそれ以外にたくさん聞き方もあると思います。中高生年代施設の考え方、場所については、区有施設全体の考え方とも整合を図り、区民に納得のいく説明ができるようにすべきではないかと思います。必要な機能や考え方を示してから整備する箇所数や個数や面積を考えていくべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。 ○青木子ども政策担当課長 中長期的な中高生年代向け施設の配置や面積などにつきましては、次期区有施設整備計画を作成していく中で、区有施設全体の考え方とも整合を図りつつ、子どもと子育て家庭の実態調査や子どもの意見聴取などから必要な機能の検討を行い、子どもを含む区民の理解を得ながら検討を具体化してまいりたいと考えてございます。 ○甲田委員 まいりたいということですので、そうすると、そもそも一番最初の、現在の区有施設整備計画による産業振興センター跡地の一部を中高生の交流活動の場とするということについては、中高生の意見をまだ聞いていない段階で、考え方も出さないままにつくられたというものだと思いますし、説明がつかないと思います。企画部のほうでは、中高生の施設については、あくまでも子ども・教育政策課からの考え方が示されてから、財源との見合いで場所や箇所数の検討・決定をすべきと思いますが、いかがでしょうか。このたびの子ども・教育政策課の考え方によっては、これは区有施設整備計画は変わる可能性があるということになろうかと思いますが、いかがでしょうか。 ○半田資産管理活用課長 次期区有施設整備計画の策定に当たりましては、各所管部での検討結果を踏まえた上で全庁的な調整を行い、策定内容を決定することになります。中高生年代向け施設につきましても、子ども教育部の検討結果を踏まえた上で全庁的な調整を行い、策定内容を示したいというふうに考えてございます。 ○甲田委員 考え方を踏まえた上で、改めて考えていくというお答えだったと思いますので、きちんと整合性が図られるように期待をしておりますので、ぜひよろしくお願いします。 続きまして、4番、健康施策について伺います。 (1)認知症施策についてです。 昨年6月に成立をした認知症基本法の理念に基づき、私は中野区においても本人の尊厳が保たれ、安心して希望を持って暮らせる地域づくりのためにも、国の基本法の理念に基づいた区市町村の努力義務とされている認知症基本計画を策定すべきと質問しました。区は認知症基本法の趣旨を踏まえ、区としての認知症施策推進基本計画を策定することとし、今年度策定を予定している中野区健康福祉総合推進計画の中で、個別計画の一つとして位置付けるということを検討するというふうにお答えになっていると思いますが、その後どのような計画がつくられましたか、お答えください。 ○高橋医療・介護連携推進担当課長 認知症施策推進計画についてお答えいたします。基本方針として、認知症になっても住み慣れた中野区で、尊厳と希望を持って自分らしく暮らし続けられるよう相互に支え合う地域共生社会の実現に向けた取組といたしました。計画期間は令和6年度から8年度の3年間となってございます。主な施策としまして、認知症の正しい理解を深めるための普及啓発、早期発見・早期対応を支える体制、認知症の人に優しいまちづくりの3点を挙げてございます。特に3点目、認知症の人に優しいまちづくりの施策は、認知症基本法の基本理念による共生社会の実現の推進を盛り込んだものでございます。 ○甲田委員 最後の共生社会の実現の推進というところをやはり強調した計画にしてほしいということを訴えてまいりましたので、計画をつくっていただきました。それで、認知症では記憶障害や認知障害が起こる中で、当事者や家族の不安から行動・心理症状、BPSDというものが発生し、それまでの家族関係が損なわれてしまうことも少なくありません。認知症の人のBPSDの発生を抑制することは特に重要であると考えます。そのための効果的な手段として、あなたを大事に思っていることを見る、話す、触れる、立つの四つの柱で、相手が理解できるように届けるケア技法であるユマニチュードというものが注目されています。 公明党では、全国の自治体議員の研修で日本ユマニチュード学会の本田美和子代表理事からお話をお聞きし、勉強する機会がありました。ユマニチュードに先駆的に取り組んでいるフランスの一部施設では、離職をしたり、欠勤したりする職員が半減したほか、鎮痛剤といった抗精神薬の使用量を9割近く減らすことができたという報告もあります。福岡市ではユマニチュードの市民講座など、本格的に展開をしています。対象は家族介護者や小・中学生の児童・生徒のほか、市職員や救急隊員にも広げて行っています。講座を受けた市民からは、もっと早く知っていればよかったと声が寄せられたのを受け、こうした取組を継続的に実施をしようと、今年4月から福岡市福祉局の中にユマニチュード推進部を新たに設置したそうです。中野区も、このユマニチュードの普及に積極的に取り組んでいくべきと考えますがいかがでしょうか、見解をお聞かせください。 ○高橋医療・介護連携推進担当課長 認知症ケア技法の導入についてお答えいたします。認知症の人のケアにおいて、行動・心理情報、BPSDの発生の予防は重要であると認識してございます。これまで区は認知症サポーター養成講座等の講習会の実施や対応ガイドブックの発行など、認知症ケアの周知に取り組んでまいりました。認知症ケア技法は、ユマニチュードのような主要な技法を含め、様々な技法が開発されていると認識してございます。有効性の検証や自治体の導入事例を参考にしまして、認知症の人やその家族、支援関係者がそれぞれに合った技法を取り入れることができるよう、情報の発信や講習会などを企画していきたいと考えてございます。 ○甲田委員 ありがとうございました。突然の提案でしたけれども、ぜひこれをきっかけに促進できるように考えていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。 ○杉山委員長 甲田委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。 午後2時57分休憩
午後3時20分開議 ○杉山委員長 委員会を再開します。 休憩前に引き続き総括質疑を行います。 甲田委員、質疑をどうぞ。 ○甲田委員 休憩前に引き続きまして、健康施策のうち、(2)の病気予防について伺います。 最初に帯状疱疹ワクチンについて、中野区においては令和5年3月に50歳以上の区民に対する帯状疱疹ワクチンの公費助成を23区に先駆けて決定していただきました。その後、次々に独自費用で助成する自治体も増えており、6月現在では計660自治体に上っているということです。公明党の推進で昨年度、50歳以上を対象に費用助成をする区市町村への支援制度も創設されました。改めて伺いますが、令和5年度の接種実績はいかがだったでしょうか。全体の対象者に対する接種割合と予算時の見込み人数に対する接種人数をお答えください。 ○宮下保健予防課長 50歳以上の方で、区の助成事業を利用して帯状疱疹の予防接種を行った割合は、接種対象者13万1,891人に対し、接種者は5,427人であり、接種割合としては4.1%でございます。予算編成時に7,207人の接種者数を見込んでおりましたが、実際に接種した人数は5,427人でございました。 ○甲田委員 でも、結構な方々が受けられたということです。現在、帯状疱疹ワクチンについては、国の審議会において来年度定期接種化が了承されたとのことですが、まだ了承されたというだけで、来年度のいつから、どの年齢を対象にするのか等は決定をしていません。ただし、報道ベースでは65歳以上という話も出ています。定期接種化といっても、B類のワクチンについては半額補助との考え方もあります。定期接種化がもしも65歳以上となれば、50歳から64歳についてはどのようになるのかが気になるところです。まだ働き盛りの年齢層で、ストレスも多いこの年代に帯状疱疹の予防をしておきたい方も多いのではないでしょうか。 そこでお聞きをいたします。先ほどの全体接種人数のうち、50歳から64歳の年齢層の接種人数はどのぐらいだったでしょうか、伺います。 ○宮下保健予防課長 50歳から64歳の接種者数は1,984人でございます。 ○甲田委員 総接種者が先ほど5,427人ということで、50歳から64歳が1,984人ですから、64歳未満の方というのは、4割弱の方が今回受けられたということです。今回、令和5年からスタートしました帯状疱疹ワクチンは、40代などの若い方も発症した経験があるというふうに言われた方も少なくありません。また、60代からさらに多くなるとのデータもあるようです。また、ワクチンは発症時の重症化を予防する意味で有効とされていますが、帯状疱疹の合併症となる神経痛は50歳代、60歳代でも後遺症として残る割合は変わらないとの報告もあると聞いております。その意味で、今後国の動向を見据えてということにはなると思いますが、定期接種化後の補助対象については区民の健康を守る観点からよく検討していただきたいと思いますが、現在のところの区の考えをお聞かせください。 ○宮下保健予防課長 国から帯状疱疹ワクチンの定期接種化について通知が示された場合には、対象年齢や条件を確認し、他自治体の動向等も踏まえた上で判断していきたいと考えております。 ○甲田委員 引き続きよろしくお願いいたします。 次に、RSウイルス感染症について伺います。RSウイルスは乳幼児期だけではなく、高齢者においても基礎疾患のある方の入院や予後不良などにより疾病負担が大きいと言われています。RSウイルス感染症は、加齢や基礎疾患などで免疫力が落ちた高齢者が感染すると重症化して、肺炎になるリスクが高まること、また、その重症化のリスクは、実はインフルエンザと同等もしくはそれ以上とされていることなどが分かっています。しかし、この感染症はまだ検査を十分にしていなく、集団感染のようなことが起きない限り、疾患の認知がされていないことから、RSウイルス感染症について知っている人は非常に少ないというのが現状です。 厚生労働省は、医療ニーズと疾病負荷などから開発優先度の高いワクチンであると位置付けて開発を支援する方向としました。そして昨年、既に報道に取り上げられていますが、令和5年9月に高齢者向けのRSウイルスワクチンも日本で承認をされ、今年1月から接種可能ともなっています。こうした背景を受け、肺炎予防の一環として、インフルエンザ、新型コロナ、肺炎球菌とともに、RSウイルス感染症についても、まずは疾患の周知と成人・高齢者における感染予防への注意喚起を行うべきと考えますがいかがでしょうか、見解を伺います。 ○宮下保健予防課長 RSウイルス感染症の感染予防には、同感染症への理解を深めることが重要であると認識しております。今後、区のホームページ等を活用して周知していきたいと考えております。 ○甲田委員 ぜひよろしくお願いします。 続きまして、糖尿病腎症重症化予防について伺います。糖尿病は放置すると網膜症、腎症、神経障害などの合併症を併発し、さらに人工透析導入となると、患者の日常生活に支障を来すだけでなく、年間約500万円もの医療費がかかり、医療費適正化の点でも課題です。糖尿病重症化予防の取組は国も重要視をしています。この項では、令和元年度の決算、令和2年第3回定例会にて私が質問したものをもう一度質問させていただきます。中野区の国民健康保険被保険者のうち、令和5年度の糖尿病患者の人数と医療費はどの程度になっていますでしょうか。 ○中村保健企画課長 令和5年度の糖尿病患者は8,571人、医療費は8億3,952万9,510円でございます。 ○甲田委員 8億円を超える医療費ということです。令和5年度の人工透析患者及び透析患者を含む慢性腎臓病患者の医療費はどの程度となっていますでしょうか。 ○中村保健企画課長 令和5年度の人工透析患者数は246人であり、人工透析を含む慢性腎臓病に係る医療費は9億3,414万4,800円でございます。 ○甲田委員 次に、令和5年度における糖尿病を基礎疾患として人工透析を受けている患者数と糖尿病を基礎疾患としない人工透析患者数はそれぞれ何名でしょうか。その比率を伺います。 ○中村保健企画課長 人工透析患者の人数についてでございます。令和5年度における糖尿病を基礎疾患として人工透析を受けている患者は137人、糖尿病を基礎疾患としない人工透析患者は109人でございます。糖尿病を基礎疾患として人工透析を受けている患者は、糖尿病を基礎疾患としない人工透析患者の約1.25倍となっております。 ○甲田委員 前回聞いたときは1.5倍ということですが、1.25倍でもやはり糖尿病を基礎疾患とする人工透析患者、多くなっているということだと思います。 中野区では、糖尿病重症化予防の取組として、平成29年度から重症化リスクの高い対象者を抽出し、30名を上限とする希望者に対し、半年間保健指導を行っているとのことですが、現在どのような取組を行っているでしょうか。特定検診の結果が糖尿病判定値の方への受診勧奨はどのように行っているのか、対象者の抽出基準と実施人数を伺います。 ○中村保健企画課長 糖尿病重症化予防の取組についてお答えいたします。区が行っている保健指導では、対象者のかかりつけ医から医学的な助言を受けた上で、臨床経験のある看護師が身体状態に合わせた運動・食事・服薬指導を実施してございます。また、受診勧奨は、特定検診の結果、血糖値が126ミリグラム/デシリットル以上、またはヘモグロビンA1cが6.5%以上で、糖尿病の疑いがあることが判明した方に対して個別の通知発送や電話を実施しており、令和5年度に勧奨した人数は21名でございます。 ○甲田委員 中野区で特定検診を受けた方へのアプローチを本当に努力していただいているということは評価をいたします。糖尿病の治療を中断されている方は、診断されながらも治療を放置している方でもあり、透析や合併症のリスクが最も高く、アプローチしなければならない方たちだと思います。例えば過去5年以内に糖尿病治療歴があるにもかかわらず、今年度中に糖尿病受診歴がない方の人数というのは何名か分かりますでしょうか。 ○中村保健企画課長 過去5年以内に糖尿病の治療歴、または糖尿病の疑いがある方で、糖尿病での受診歴がない方の人数は2,118名でございます。なお、データを集計するシステムの仕様が変更されたため、従前に比べて人数が大きく増加しております。 ○甲田委員 こういった治療中断期間が長い重症化リスクの高い方をKDBシステムにより抽出し、受診勧奨を行ってはいかがでしょうか、伺います。 ○中村保健企画課長 糖尿病が重症化して人工透析が必要となった場合は、患者のQOLの低下に加え、医療費が増大いたします。区民の健康寿命の延伸を図るためにも、前年度のレセプトから治療中断していると思われる方には、令和4年度より個別通知と電話により受診再開の勧奨を行っております。 ○甲田委員 前回質問したときには勧奨していなかったんですけど、令和4年度から実施をしていただいたということで、ありがとうございます。重症化リスクの高い疾患は、当事者だけではなく国民全員にとって大敵であるとの観点から、受診勧奨は行政の重要な仕事であると思います。 また、保険者のインセンティブとして、国の制度である国民健康保険の保険者努力支援制度というものについて伺います。先ほどの糖尿病腎症重症化予防の対策は、この保険者努力支援制度の評価に当てはまると思いますが、中野区では、これによる歳入はあったのか教えてください。 ○中村保健企画課長 保険者努力支援制度は、保険者における医療費適正化に向けた取組等に対する支援を行うため、保険者の取組状況に応じて、国が市町村に対して交付金を交付する制度でございます。保健所では、令和5年度に糖尿病性腎症重症化予防事業を含めて、六つのメニューでこの交付金を活用してございまして、合計で1,350万8,000円の歳入を計上してございます。今後も交付金等を最大限に活用できるよう努力していきたいと考えております。 ○甲田委員 取材でお聞きしたら、一つひとつの項目についてはなかなか数字が出ないということで、全体で保健企画課、保健所のほうでは1,350万円ほどあると。多分、国民健康保険のほうでも、もっと多くの歳入があるはずなんですね。なので、この保険者努力支援制度を意識していただいて、評価を取りに行っていただきたいなと思います。病気予防や重症化予防対策については、区民の健康を守るとともに、区の医療費負担を軽減することにもつながります。それは、ひいては区民に還元されます。効果の高い施策については、今後、デジタル地域通貨のポイント制度の考え方の柱にしていただくことも考えていただきたいと思います。ポイント制度は区民の健康意識を上げていくための啓発ツールとして、効果的な施策に連動し、相乗効果となるようにぜひ検討していただきたいことを要望し、次の項に移ります。 最後に、5番、不法投棄対策について伺います。これまでも、この不法投棄に関しては議会でも多くの議員が取り上げてきています。ごみの問題、不法投棄の問題について質問をさせていただきたいと思います。 不法投棄を何とかしてほしいという声はとても多くあります。当然、担当は把握をされていることとは思いますが、特に公園脇などに設置している集積所の周辺が多いような気がします。区は防犯カメラをつけたり、不法投棄は犯罪であるというステッカーを貼ったりして啓発をしていますが、効果が薄いように感じます。不法投棄の通報は昨年度より区の公式LINEでもできるようになりました。私も区民に勧めてみたり、自分でもやってみましたが、高齢の方などはLINEでの通報は苦手なため、電話で通報をしているようです。いずれにしても、通報は躊躇をしてしまったり、面倒であったり、また、自分が何でそこまでしなければならないのかと思われていて、通報しなくても何とか改善をしてほしいという声が多いと考えます。また、場所により通報先が違うということで、集積所なのか、道路なのか、公園なのか、見極めも難しいです。そのどれにも当てはまるような場所にごみが散乱している箇所もあります。区民にとっては、公園、道路、集積所、その他のどこであろうが関係なく区として予防対策をしてほしいと思われています。不法投棄は犯罪と言われても、実際にあまり警察が取り締まっているところは見ません。さらに言うと、ごみ捨場における不法投棄とは、どこまでを不法投棄と言って、どこからが間違いやマナー違反なのかについても分かりづらく、区民は混乱をしているように思います。例えば、集積所において、ごみの収集日ではない日時にごみが出されていることや分別されないごみを集積所の周辺に日時構わず捨てていくことは不法投棄とは言っていないと思いますが、このようなケースが増えているのでしょうか。また、このような場合、区はどのような対応をしているのでしょうか伺います。 ○秦清掃事務所長 不適正なごみ出しが行われている場合、ごみ分別警告シールをごみ袋等に貼って適正な排出を行うよう注意喚起をしてございます。また、袋の中身等からごみ排出者が特定できれば直接指導を実施しております。さらに、集合住宅などのごみ集積所で不適正なごみ出しが改善されない場合は、建物所有者や管理会社に連絡し、ごみ排出の改善指導を実施しております。 ○甲田委員 それでは、集積所における令和5年度の不法投棄の通報件数、処理件数を伺います。併せて、道路、公園それぞれにおける不法投棄の通報件数、処理件数も教えてください。 ○秦清掃事務所長 清掃事務所所管のごみ集積所における不法投棄は、布団、敷物、衣装箱、スーツケース等があり、令和5年度の処理件数は2,357件でございました。なお、清掃事務所では申込みなく、ごみ集積所に置かれた粗大ごみを不法投棄としております。具体的には、収集作業員がごみ収集時に警告シールを貼り、警告期間を置いて、次回集積所に残っている場合には処理しているものでございます。通報件数としては把握してございません。 ○村田公園課長 公園では、公園巡回で不法投棄の物品等を確認することが多く、通報件数については集計してございません。不法投棄されているものといたしましては、生活ごみ、マットレス、スーツケースなど様々なものを処分してございますが、処理件数として集計しているのは、家電、自転車、バイクでございます。令和5年度は、家電リサイクルといたしまして、テレビ8台、冷蔵庫2台、洗濯機1台を出し、自転車100台、電動自転車3台、バイク3台を処分したところでございます。 ○長沼道路管理課長 道路管理課の令和5年度の不法投棄通報件数は277件です。不法投棄されているものとしては、生活ごみ、マットレス、スーツケースなど様々なものを処分しておりますが、処理件数として集計しているのは家電、バイクとなっております。令和5年度は、家電リサイクルとして、テレビが9台、冷蔵庫6台、洗濯機5台、バイク12台を処分いたしました。 ○甲田委員 それぞれの所管で把握ということで、このように伺って、それぞれに答えていただきました。通報件数が把握されていない部署もあるということで、ちょっと驚きました。やはり全体として通報件数も把握して、処理した件数をばらばらに処分しているだけでは実態把握ができないと思います。警察への通報もあるのかもしれませんし、ましてや私有地内に放置されて困っている区民も多いことは誰も知らないということだと思います。トータルで中野区内の不法投棄について政策として考える所管が必要ではないかと思いますが、と言っても答える所管がないので、他自治体の例を挙げさせていただきます。 足立区では、足立区不法投棄110番通報登録制度という事業を行っています。この110番総合窓口、オリンピック・パラリンピックのときに3年間やって、今も延長しているそうですが、各部署につなぐワンストップとなっており、さらには民有地であっても、支援の一環として民有地の不法投棄物を1回のみですが無料で撤去するということです。不法投棄110番の通報により不法投棄を処理した件数は、令和5年までの3年間、約1,500から1,600件に上ります。不法投棄対策全体の予算額が令和6年で約530万円、うち110番事業の委託費が約140万円とのことです。効果として、年々区全体の処理個数が減少と、一番多い時期と比較して60%以上減少したことから、今後も事業を継続していくとのことでした。 中野区としても、このようなことを参考にして、一歩踏み込んだ対策を検討してはどうかと思いますが、取りまとめる所管がないのが問題です。足立区は区が掲げているビューティフル・ウィンドウズ運動の一環として、美しいまちは安全なまちの実現に向けて、環境部の環境保全課というところで所管をしているそうです。中野区では、地域美化という観点を持つ業務を所管しているのは道路管理課の道路監察係だということが分かりましたので、地域美化という観点から不法投棄対策について見解を伺います。 ○長沼道路管理課長 現在、区では不法投棄物については、投棄された場所によって様々な所管が対応を行っているところです。通報については、区民等からの電話やLINE通報のサービスが多く利用されております。今後も関係部署と連携しながら不法投棄について対応を行ってまいります。また、地域美化の啓発についても研究をしてまいりたいと考えております。 ○甲田委員 これで最後になります。またこれも縦割りですけれども、部署の縦割りを解消していただいて、区民の悩みに応える不法投棄対策、ぜひ全庁的に考えていただきたいことを要望いたしまして、私の全ての質問を終わります。ありがとうございました。 ○杉山委員長 以上で、甲田ゆり子委員の質疑を終了します。 次に、いさ哲郎委員、質疑をどうぞ。 ○いさ委員 第3回定例会決算特別委員会におきまして総括質疑を行います。 最初に、公園について伺います。 (1)小規模公園について、この間の建設委員会で中野区公園再整備計画に基づく取組の推進が報告されています。第1期として大和公園、第2期として上鷺東公園、南台公園、第3期として丸山塚公園、中央公園、中央西公園の再整備計画が示されています。この中規模公園整備の中で用いられている整備手法を改めて確認をいたします。 ○村田公園課長 再整備公園の整備手法についてでございますけれども、オープンハウスやワークショップ等の手法を用いて多くの公園利用者の声を聞きながら進めているところでございます。 ○いさ委員 そこで寄せられた皆さんの地域の声は、計画の中でどのように反映されているでしょうか。 ○村田公園課長 寄せられた声は公園再整備ニュース等で公表するとともに、ワークショップ等での話し合いの参考意見として活用し、公園の整備内容に反映しているところでございます。 ○いさ委員 一つひとつ地域の皆さんの声を大事にしながら計画が推進されているということで、改めて評価をしたいと思います。先日、中央公園再整備ニュースVol.1というものが投函されていました。第3期計画の中に名前が入っている公園ですね。これも見させてもらったんですけれども、既に開催しているオープンハウスで寄せられた意見や課題、この中に公園の地図もあって、それぞれの皆さんの声が書いてあるということですよね。今後の整備の予定だとか、ワークショップへの参加募集といった地域住民が知りたい情報というのがここに網羅されているということで、意見を募って住民へと返していく、それで意見を言う機会についても知らせていくということで、とても丁寧なやり方だというふうに感じます。 そこで、現在、中野区には中規模公園は14公園あります。今の計画の報告では、前述の六つの公園が示されていますが、この整備の順序というのはどのように決められているのでしょうか。 ○村田公園課長 整備の順序についてございます。七つの地域に分けた地域のバランスや公園の設置年度の古いもの、じゃぶじゃぶ池、トイレ、複合遊具など、主要施設の老朽化が進む公園を対象に整備順序を決めているところでございます。 ○いさ委員 施設の老朽化などは、そこの検討の条件には入っていないんでしょうか。 ○村田公園課長 施設のじゃぶじゃぶ池とか、トイレとか、複合遊具、そういったところの老朽化具合も踏まえまして順序を決めているところでございます。 ○いさ委員 一つの公園の整備完了が3年かかるというふうに示されています。その3年を一つの期間として、期ごとに複数公園の整備を同時進行させると。全体で14公園の整備をおおむね11年程度で完了させる見込みだというふうに伺っています。では、小規模公園はどうでしょうか。現在、小規模公園には、今、中規模公園でやっているような再整備計画はあるのでしょうか。 ○村田公園課長 小規模公園の再整備についての計画はございませんが、中野区公園再整備計画の中では、小規模公園も含めた公園全体を対象といたしまして、ルールの見直し、樹木管理、園内灯LED化、防犯カメラの設置、遊具等の更新などについて記載してございます。また、中規模公園の再整備に当たりまして、地域の意見を全て入れ込めない場合には、近隣の小規模公園との機能分担ができるかを検討することとしてございます。 ○いさ委員 今、中規模公園との機能分担というお話がありましたが、それはどのような考え方なんでしょうか。 ○村田公園課長 中規模公園との機能分担とは、地域の中心的な役割を担う核となる公園、つまり今回行っている再整備を行う中規模公園でございますが、その周辺の公園を一体と考えまして、各地域に不足している機能を満たし、利用者へのサービスを合理的に提供する考えでございます。 ○いさ委員 つまり地域を圏域のように考えて、その中で機能分担するというような意味だと受け取りましたけれども、これだと小規模公園というのが中規模公園の付属物のように何か感じてしまうんです。本来はそうではなくて、小規模公園にもその地域での役割があるはずだと思うんです。この中規模公園を軸とするというふうな考え方は見直すべきじゃないかなと思います。 豊島区では、小規模公園活用プロジェクトというものを立ち上げています。区内に点在する小さな公園、児童館を楽しく過ごしやすい場とするように活用していき、地域のコミュニティの場や地域課題解決の場として皆さんと考えていくと明記をしています。2018年から始まったこのプロジェクトでは、例えばハーブガーデンの手入れ、ハーブソルトづくりのような大人向けのものから、キッズパークマルシェ、ラジコン体験など、利用頻度の多い子ども連れのための、親子連れのためのイベントも開催されています。規模感から遊具の設置が難しいという声もあるそうなんですが、そこではおもちゃを入れる倉庫を設置して、その倉庫を開放することで子どもたちに楽しんでもらうと、そのような事業の検証も行われているようです。広さのある大規模公園、中規模公園も大事ですけれども、自宅から近い小規模公園こそ日常的に使ってもらうような努力が、工夫が必要なんだと思います。豊島区のやっている取組は、子育てや地域の生活向上に寄与する前向きな取組ではないでしょうか。中野区でも同様の事業について検討できないでしょうか。 ○村田公園課長 豊島区の小規模公園活用プロジェクトは、住民や利用者が一緒にできないことをできるにすることを模索しながら進めている取組と認識してございます。中野区公園再整備計画では、公園利用の提案制度の創設を提起しておりまして、提案に基づいて公園利用者と近隣の方が理解し合える柔軟な公園利用ができるよう検討してまいりたいと考えてございます。 ○いさ委員 分かりました。ぜひ可能ならば提案待ちにせず、中野区のほうから進めていくということがあってもいいのかなと思います。 そもそも小規模公園の使われ方ですけれども、この間、お祭りがありました。お祭りに使われているという公園も幾つかあると思います。例えば中央四丁目の南台いちょう公園、中野三丁目の囲桃園公園、本町六丁目の本六公園、お祭りだとか餅つきにこういう比較的コンパクトな公園も使われているということだと思います。その地域の行事とひも付いているということですね。また、使いにくいということで要望いただいているところもあります。中央三丁目の仲町公園ですが、入り口が狭くて長方形の公園になっている。奥側にすぐマンションが建っていて、そっちが南側なものですから影になっている。そこに植栽が結構あって、薄暗い、使いにくいというような声も頂いている、そういう公園もあります。それ以外にも、本当にいろんな声が届いていて、中野区のところにもいろいろ来ているんじゃないかと思うんです。遊具が欲しいとか、水飲栓が欲しいとか。こうした様々な地域の声に応えるためにも、今、地域の声に応えるような形で中規模公園の整備をやっています。同じような形で小規模公園の整備、この計画についても検討する必要があるのではないでしょうか、伺います。 ○村田公園課長 中野区公園再整備計画におきましては、小規模公園も含めて行っている取組もございます。今後、現行の再整備計画を進めていく中で得る知見や他区の事例などの研究を進めていき、小規模公園での取組が分かりやすく認識できるよう、中野区公園再整備計画の見直しも視野に入れて検討を進めていきたいと考えてございます。 ○いさ委員 公園の維持管理について、2021年度に外部評価を行っています。その報告書が公開されているんですけど、この中の(3)公園維持管理に求められる方向性のところに⑤で小規模公園の計画的な管理という項目があって、こんなことが書いてあります。中野区区民意識調査から区民のニーズと合致しておらず、多くの人が公園を利用していない。区民ニーズを踏まえた上で魅力向上の取組など、公園の在り方を検討していくことが重要だと。これ、外部評価でこういうことを言われているわけなんです。今紹介したような豊島区の事業というのは、その答えになるんだと思うし、ニーズに合わせてというところで言えば、今、中規模公園でやっているような地域の皆さんの声を聞いて返していく、このやり方の方向にならざるを得ないというふうに思います。小規模公園もその地域の皆さんにとっては大事な公共施設です。ゆえに多くの要望をたくさん頂く場所でもあります。その位置付けや機能については、時間と労力がかかったとしても、やはり地域の皆さんと一緒に検討していくべきものだと思います。前向きな検討を求めます。 次に、(2)公園トイレの改修について伺います。このテーマは建設委員会でも何度かお聞きしていて、ほかの委員も含めてかなり議論になっていたと思います。全面改修をする公園は年間2公園か3公園、これで進めるという話になっていたと思います。区は、公園のトイレの整備についての課題はどんなことだと認識していますか、 ○村田公園課長 公園トイレの課題についてでございます。公園トイレは老朽化していることや洋式化、バリアフリー化ができていないトイレが多数あるため、改修を急いでいく必要があると認識してございます。一方、公園トイレの改修では、公園ごとに状況や条件が異なる中におきまして、公園の入り口からトイレまでバリアフリー化された園路を整備する必要があるなど、トイレ以外にも改修すべき範囲があることから、相応の設計・工事を進めていくためのリソースが必要でございます。また、より簡易的な内装などの部分的な改修等の手法も併せて検討していく必要性があるといった課題があると認識してございます。 ○いさ委員 ここでも、先ほどの外部評価の報告書から引用させていただきたいんですけれども、(3)公園維持に求められる方向性の中の4番に、計画的なトイレの整備・更新ということがあります。ここにこんなことが書いてあります。中野区の公園には100か所以上のトイレが設置されていますが、多くのトイレが老朽化しています。公園施設の苦情としては、トイレに関する苦情が多く、計画的にトイレの整備・更新を行っていくことが有用と思われますということなんです。今の計画だと、年間に二つか三つの公園だということです。100か所ぐらいということは、大規模公園と今計画にある中規模公園を差っ引いたら、80か所ぐらいはきっとあるだろうと思うんですね。その80か所を年間二つか三つかでやっていくと考えたら、30年とか、ともすれば40年という計画になってくるんじゃないかと思うんです。ちょっとペースとしては、これでいいのかなという思いがあります。現在、中野区には、そもそも公園トイレの整備について明文化された方針がありません。ほかの自治体を調べてみたところ、例えば23区では、板橋区や港区、市部のところでも調布市などに、公園トイレとともに公衆トイレを整備していく計画というものが存在していることが分かりました。中野区でも、こうした自治体、他自治体に倣って公衆トイレも含めた整備計画をつくって、整備のペースを上げる必要があるのではないでしょうか、伺います。 ○村田公園課長 公園トイレ等の更新は、ユニバーサルトイレ改修や中規模公園の再整備に合わせた改修を行ってきておりまして、このほかにもトイレの洋式化など部分的な改修についても検討を進めているところでございます。このように様々な視点での事業化を目指すことで、安全で衛生的な誰もが利用しやすい公園トイレづくりを進めていきたいと考えてございます。中野区公園再整備計画では、快適なトイレ環境の整備についても記載されてございますが、今後再整備計画の見直し等を行う際には、こういった考えについての記載も検討していきたいと考えてございます。 ○いさ委員 今、ちなみにさらっと触れてしまいましたが、中野区で公衆トイレというのは2か所あって、中野駅の北口のところと東中野駅の東口交番裏のところ、2か所ということです。二つしかないので、ここも利用実態なども踏まえて一緒に整備計画を持つべきだというふうに思っています。これも検討してほしいなと思います。 次です。(3)の桃園川緑道についてお聞きいたします。 今、中野区の公園についてですけれども、区分が面積によって決まっているということだと思います。5,000平米以上が大規模公園、2,000平米以上は中規模公園、それ未満が小規模公園となっています。この面積基準で考えるならば、桃園川緑道は総面積1万5,000平米ということで、中野四季の森公園に次ぐ面積を持っています。となれば、面積基準だけなら大規模公園ということになろうかと思うんですけれども、そのように分類はされていません。区は桃園川緑道をどのように位置付けていますか。 ○村田公園課長 桃園川緑道は都市公園法の適用を受けまして、大規模公園規模の面積を有してございますが、他の公園とは異なりまして、主に緑道、通路としての機能を有する施設として管理を行ってございます。 ○いさ委員 主に通路という話がありましたけれども、区民にはどのように使われているという認識でしょうか。 ○村田公園課長 桃園川緑道は車両の通行がない安全な通路でございまして、遊歩道として地域住民の散歩やジョギング、樹木や草花などの自然を楽しむことができる場と認識してございます。 ○いさ委員 今の草花を楽しむという話ですけれども、植栽の縁石に腰かけて緑を楽しんでいる人もいます、お日さまが出ているときに。それから、遊具が撤去されてしまった場所があるんですけど、遊具がある頃は子どもたちが遊んでいる姿というのもありました。そもそも2011年から区は、ここを公園だとしているわけですから、公園の機能を果たしているということだと思うんです。例えば、これを全面リニューアルして遊具を復活させるとか、ベンチ、座りやすいものをつくっていくということを実現できたら、その魅力というのは向上していくんじゃないかと思うんです。それで、その角度として、この間、他の議員も取り上げているスマートウェルネスのこと、そしてウォーカブルなまち並みということも中野区は方針として掲げているわけなんですけれども、中野区唯一の緑道である桃園川緑道は、こうした区の方針に合致する施設じゃないでしょうか。緑道を新しくきれいにすることは、区が地域の皆さんの健康づくりに本気で取り組んでいるという姿勢を示す絶好の機会になると思います。このことは地域の魅力向上につながり、ひいては中野区の魅力向上に寄与することになるんだというふうに思います。また、さきの公園トイレの質疑でも取り上げましたけれども、ユニバーサルデザインの観点が今まで以上に重要になっています。現在の緑道は、道路との交差部に大きな段差があったり、進入できないように支障が設置してあって、車椅子が通りにくい、通れないということを過去にも指摘をしています。 ここで写真を見ていただきたいんですが、これは世田谷区の北沢川緑道というところです。緑道をよくする会という地域の会の皆さんと一緒にこの場所を見に行ったんですけれども、経年としては桃園川緑道よりもちょっと古いというものですけど、見て分かるでしょうか、川が流れているんです。これって川の横に緑道の蓋かけをしたんじゃないんです。緑道の蓋かけ、暗渠の蓋かけをした上に、わざわざこのせせらぎをつくっているということです。しかも、これが場所によっては右から左にうねったりして、歩いていてすごく楽しい場所になっています。植栽も結構豊かです。 これを見てください。右と左で違う写真ですけれども、そのせせらぎのところに、所々に橋が架かっていたりして、これも歩いていてすごく楽しいという工夫がされています。 この川がどうなっているかというと、これ、見えますかね。ここに銘板が設置してあって、これは新宿区にある落合の水再生センターから引き上げてくんできたものを流しているということで、その説明がされている銘板です。世田谷区ですから、落合の水再生センター、結構距離があるんですけど、そういうことも努力してやってきたということです。 次のスライドですけれども、今お話ししていたユニバーサルデザインですね。桃園川緑道は、道路との交差部に高低差や段差があります。左の写真を見てください。これが北沢川緑道の交差部なんですけれども、段差がありません。スマートに歩けます。それで点字ブロックもあったり、また支障がないので、車椅子の方も自由に使えるということになっています。右の写真は水飲み栓です。このL字型の形、どうなっているのかということで教えてもらったんですけれど、車椅子が入っていって水が飲めるようになっているということで、本当に考えてつくってあるなというものだと思います。 また、他の議員も取り上げていました、この写真の左側です。いろいろな形のベンチが定期的に置いてあって、歩いて休んでができるようになっているということです。また、右側の写真は植栽です。そこは花が植えてあって、倉庫がしつらえてあって、そこに管理する道具も置いてもらっている。これは町会だとか地域団体の皆さんに管理をしてもらっているということだそうです。こういう手法が取れるということなんだと思います。 今、中野区が掲げているユニバーサルデザイン、スマートウェルネス、こういう大きな理念を実現する上でも、桃園川緑道は絶好の場所だというふうに思います。緑道を歩くことを地域の健康づくりに積極的に推奨していくぐらいのことがあってもいいんじゃないかなというふうに思います。高齢者や車椅子ユーザーにも使いやすくすることで、もっともっと価値が向上します。憩いの場、遊び場、そして健康づくりの場として、多様な区民の皆さんが使いやすい緑道の全面改修が必要なんだと思います。今も改修を続けていて、結構ぺこぺこになっているところがあります。タイルがあるのにコンクリートでやっているものですから、まだらになっている。何回も何回も同じような、どうなっているんだというような問い合わせも頂いています。改めて整備の計画づくりを検討すべきではないでしょうか、改めて伺います。 ○村田公園課長 現在、中野区公園再整備計画に基づきまして、中規模公園の再整備や各施設の改修等に取り組んでいる最中でございます。これらの取組が一定進んでいく中で、再整備計画の見直しなどの検討も行っていく予定でございまして、桃園川緑道も含めた全ての公園の状況等を踏まえて、時代やニーズの変化に対応し、誰もが利用しやすい魅力的な公園づくりを推進できるよう、次期に取り組むべき内容を検討していきたいと考えてございます。 ○いさ委員 先ほどリソースという話もされていました。ぜひそのリソースを割いてほしいなと思います。緑道のある中野とか中央といった地域には大規模公園がありません。中規模公園が幾つかありますけれども、区の北側に比べて、やっぱりこの辺というのは緑が少ない地域になっています。そうした地域で中野区唯一の緑道が果たしている役割については、近隣住民の目線で捉えてほしいなと改めて思います。 次です。ヒートアイランド対策についてお伺いいたします。 7月に都知事選がありました。この都知事選でも神宮外苑の樹木伐採の問題が都政の争点の一つとなって、改めて東京におけるヒートアイランド対策というものが注目されるようになってきたと思っています。昨年も猛暑だったんですが、今年はそれ以上の猛暑ということで、また皆さんの関心も高くなっているんじゃないかと思います。区民の皆さんの命と健康を守る観点からも、ヒートアイランド対策は喫緊の課題となっています。このテーマでは過去に何度も質疑をしてきました。その質疑の中で、地球温暖化とヒートアイランドは発生の仕組みが違うということ、したがって地球温暖化対策とは別の方針が必要だということを訴えてきました。この前提で質疑をいたします。 昨年の決算特別委員会においても、このヒートアイランド対策を取り上げたんですが、そのときの環境課長から、ヒートアイランド対策についても取り組む必要があるという答弁を頂いています。まずここから伺いますが、この間、中野区はどのような取組を行ってきたんでしょうか。 ○伊東環境課長 幾つかございまして、まず緑化制度に基づきます建築行為等を行う際の緑化の指導、区有施設における屋上緑化、壁面緑化の推進、あと、省エネの推進によります人工排熱の低減、それと樹木・樹林・生け垣の保護指定助成制度などの取組を継続して実施してございます。 ○いさ委員 いいとは思うんですけど、大体がヒートアイランド対策ではなくて、地球温暖化対策の中のメニューなのかなというふうに思います。それで、最後に名前が出てきました樹木・樹林・生け垣の保護指定制度ですけれども、ヒートアイランド対策のためには樹木を増やさないといけないとこれまでも求めてきました。今の制度についてですけれども、この制度は樹木を増やすということに一定寄与するものと考えます。現在、保護指定された樹木・樹林・生け垣はどれだけあるのかということと、年間どの程度の申請があるのかというのを改めてお聞きいたします。 ○伊東環境課長 現在の保護指定でございますが、まず樹木が256本、樹林は29か所で、面積としましては、総面積ですね、8万1,747平方メートル、生け垣につきましては87か所で、総延長としまして2,508メートルとなってございます。また、申請件数でございますが、昨年度までの3年間の実績でございますけれども、新規申請でございますが、2021年度は樹木と樹林はございませんでした。生け垣が1件で87メートル、2022年度は、これも樹木・樹林はございませんで、生け垣が1件で72メートル、昨年度が樹木・樹林、こちらもございませんで、生け垣が1件で107メートルとなってございます。 ○いさ委員 調べてもらってありがとうございます。この制度について、助成額を増額するとか、基準を緩和するなど、使いやすくするということはできないでしょうか。例えば、保護樹木の指定では、現在は地上1.5メートルの幹回りが120センチ以上の樹木が対象です。これを基準を少し改めて、もう少し小ぶりであっても対象とするとか、樹木1本当たりの補助金を現在の1万円から引き上げるだとか、また、保護樹林の指定基準は現在300平方以上の面積が必要ですけれども、もっと小さい面積でも対象とするとか、そういったことは検討できないでしょうか。 ○伊東環境課長 まず助成金額についてでございますが、中野区より高い区はございますが、中野区は23区の中では金額が高いほうでございますので、現在増額については考えてございません。また指定する樹木等の対象条件につきましては、これも他区とほぼ同様でございまして、妥当な基準であると考えているため、現段階で変更することは考えてございません。 ○いさ委員 保護樹林はどうですか。 ○伊東環境課長 こちらについても、他区、様々な基準がございますが、おおむね他区と同様でございますので、同様に現段階では変更は考えてございません。 ○いさ委員 特に保護樹林のところですけれども、過去には世界でミニ森林というものをつくって、空きスペースがあったら小さくても木を寄せて、それでヒートアイランドの対策をするということを日本人発案でやっているというのを紹介していると思います。これ、面積基準を小さくしたら同じようなやり方ができるんじゃないかと思うんですよ。今ある制度を変えていくということで前向きに検討できることなので、もう一度考えてほしいなというふうに思います。 続けてなんですけれども、東京では毎年どこかで内水氾濫が発生しています。この8月下旬も新宿区で水が噴き出す内水氾濫がありましたよね。マンホールが吹っ飛んで、水がどんどん出ている。中野区でも内水氾濫は何度か起きています。あらゆる機会を通じて、とにかく樹木を増やして、ヒートアイランド現象を食い止めないといけない、この努力をすることが求められているんだと思います。区が関与できる都市開発の分野でも検討が必要ではないかと思います。例えば再開発区画、拡幅する計画のある道路、これから整備する公共施設の敷地など、こういう場所はもともと樹木の計画があるんだと思うんですけれど、例えば植樹の間隔を狭くして、その分樹木を増やすとか、こういうことというのは可能でしょうか、伺います。 ○伊東環境課長 委員の御指摘につきましては、それが可能かどうかについては研究してみたいというふうに考えてございます。 ○いさ委員 これまでの質疑でも、樹木を増やすための指標を持つということ、本数の目標ですね、これを持つとともに、世界の都市では樹冠被覆率という指標を用いて、これを増やすということで、具体的なヒートアイランド対策が進んでいるということをお示ししてきました。改めて樹冠被覆率というのは、空から見たときに樹木の葉っぱが地面を覆っている面積の割合のことです。実は23区の樹冠被覆率についての調査論文があるというのを最近知りました。これ、ちょっと見ていただきたいんですけれども、表になっています。見えますでしょうか。縦長の表なので左右に割ったんですけれども、どういう表かというと、2013年から2022年までの9年間で、地域ごとに樹冠被覆率がどうやって変動したかという表です。これは東京大学の都市・ランドスケープ計画研究室の白石欣也氏という人が「Urban Forestry and Urban Greening」という科学誌に発表した論文からの引用です。23区で樹冠被覆率が大きく減少しているというものです。衛星のデータから地表を分析するリモートセンシングという調査方法を用いたそうです。23区は、見ていただいて色分けしていますが、同率でワースト3位です。東京全体で言うと減少率が20.6%、大分減っているんですが、中野区はこの9年間で34.7%、実に3分の1以上の樹冠被覆率の減少があるということです。大変深刻だと思います。これは結局、東京都の樹冠被覆率の減少に寄与しているし、ひいてはヒートアイランド現象の加速に寄与しているということだと思うんです。こういうことじゃ困るんじゃないかということだと思います。 次に見ていただきたいのは、今の中野区の指標では樹木を増やすことができないとする、私が主張してきた、このものでいい図があったので、ちょっと皆さんにお示しをします。今、中野区というか、国や東京都もこのみどり率というものを使っています。みどり率というのは、緑被率に加えて、緑色でない部分を足したものです。その緑被率というのは、見ていただいたように樹木、草、緑で覆われている、つまり緑色である、樹木でも草でもどっちでもいいというようなものですので、これでは樹木が増やせない。この指標のもとにいくら頑張っても中野区で樹木は増やせないということになるんだと思います。 もう一つ、この先、ヒートアイランド現象が進行するとどうなるかということです。言葉ではいろいろ言っていますけれども、気象庁がちょっと面白いデータを出していましたので、これも紹介します。これは色分けされているんですけど、一番左側が6月1日、それから4か月分、一番最後が9月30日で、縦棒は1日の平均気温です。これが1901年から1920年の当時の気温の平均となっています。平均気温の最高は26度です。それで、見ていただいたら分かるんですけど、大体7月12日ぐらいから9月10日ぐらいまでのところに赤い色が集中していて、そこが夏なんだなと思います。でも、平均気温の最高は26度です。 次を見てください。昨年のデータです。1日の平均気温の最高が32度、見ていただいたとおり、6月に入ったら暑い日が始まっていて、9月が終わってもずっと30度近い暑い日が続いているということです。改めて、これが今進行の途中にあるわけです。これを食い止めなきゃいけないというお話だと思います。 もう一つ、次見ていただきたいのはこちら。これ、重ね合わせた図です。この100年ちょっとで大分深刻になっているということだと思います。とりわけ、1日の平均気温なので、最高気温が上がっているだけじゃなくて、夜間の気温が上がっているというのが深刻だというのは以前の質疑でも報告しました。アメリカの気候研究機関でクライメート・セントラルというところがあるんですけれども、夜間の気温が28度を超える熱帯夜では死亡率が50%上昇するというふうに警告しています。夜の間、冷房を使わないという高齢者とかいますよね。そういう方が夜の間に冷房なしで熱中症になって亡くなってしまう、こういうことが起きかねない事態がどんどん深刻化しているということだと思います。 次の画像です。これは樹木の冷却効果についての図です。これはグリーンピース・ジャパンが公表している資料から引用しました。この図は2022年6月30日の都心部の地表の温度ということになっています。赤いところが暑いところで、青いところが地表の温度が低いところです。青いところは、一番左が代々木公園、真ん中が新宿御苑、右側が赤坂御所です。いずれも21度から22度ぐらい。6月30日でも、これぐらい地表面の温度が低い。そこに対して、赤いところは市街地、いずれも28度後半から29度真ん中辺ということで、こんなに気温差が出てくると。樹木があるだけで、これだけ地表の温度が変わってくる。真ん中に黄色いところがあって、右下に向けて拡大されています。そこが神宮外苑です。ここは三つの青いところの公園みたいに樹木は密集していないんですけれども、街路樹はあるわけです。街路樹があるところは、おおむね25度から26度、公園ほどではないけど冷却効果があるということで、こういう報告がされています。だから、樹木を増やさなければいけないんだと、そういうお話になるんだと思います。 千葉大学の名誉教授で藤井英二郎という人がいるんですが、この人が都市基盤やまちづくりの分野は基本的に土木技術の世界であって、こうした場所で樹木を増やす上で樹木の専門家が関わる必要があると、こういうことを指摘しています。例えば、今、街路樹がないわけじゃないです。でも、日本の場合は管理手法として、樹木の手入れの際に強い剪定をして、横に枝葉が広がらないように断ち切ってしまうと。そういう管理手法が取られているということで、それでは駄目で、ヒートアイランド対策のためには樹冠を横方向に広げる必要があると。ここに課題があることを指摘しています。実際に先進国で採用されているヒートアイランド対策、アーバンフォレスト戦略では、街路樹を中心として樹木を増やすという方針の中で、樹冠を横に広げるということを位置付けていて、樹木管理の専門家、専門の職人までを配置するということをやっています。世界ではここまでやってヒートアイランド対策に真剣に向き合おうとしているということです。 先ほど、樹冠被覆率の変化の調査をしていた白石氏が論文の結論として、東京都や各自治体が長期的な都市計画の一環として、包括的で系統的な都市緑化計画を持つ必要があると述べています。区としてヒートアイランド対策を策定すべきです。その中で樹冠被覆率を指標として位置付けて、増やしていくという目標を検討するべきではないでしょうか。また、樹冠被覆率を増やしていく前提としては樹木を増やす必要があります。ここも指標として捉えるべきです。この点を伺います。 ○伊東環境課長 まず後段の樹木の本数についての目標でございますが、樹木の本数については、民有地などの本数を把握することは非常に困難でございますので、目標値として設定することは考えてございません。 次に樹冠被覆率でございますが、こちらはヒートアイランド対策の目標としている自治体は現段階ではあまり多くないものと認識してございまして、23区においても、調べた限りでは採用している区は見当たらなかったところでございます。一方、区では、2019年1月に2028年度までの10年間の計画としまして、中野区みどりの基本計画を策定し、数年後には改定を予定してございます。この計画の改定に当たっては、委員の御紹介にありました樹冠被覆率の目標を取り入れることについても研究してみたいと考えてございます。 ○いさ委員 すみません、その改定って何年後なんでしたっけ。もう1回お願いします。 ○伊東環境課長 現行の計画が2028年度までですので、その2年、3年ぐらいですね、ですから再来年度ぐらいからいろいろな調査をかけたり、そういうことで改定の作業を始めるというような予定でございます。 ○いさ委員 ぜひ前向きに進めてほしいなと思います。他の自治体で先進事例がないのは当然だと思います。国も東京都もそういう意識を持っていないので、全部みどり率なので、やっぱりそれじゃ駄目だというふうに思います。世界を見回せば、たくさんの先進事例があるので、そこから学んで、東京だとか全国をリードしていく、そんな中野区になってほしいなと改めて思います。 次の質問です。清掃事業について伺います。同じテーマで山本議員が本会議で一般質問をしていました。私からも質疑をさせていただこうと思います。 まず、現在の清掃職員の年齢構成について伺います。また、区はそのことをどう認識しているでしょうか。 ○鈴木ごみゼロ推進課長 清掃職員の年齢構成についてお答えいたします。令和6年4月1日現在の清掃職員は121名おり、20代が2名、30代が4名、40代が10名、50代が74名、60代が31名となっています。年齢構成としては、50歳以上の職員が非常に多いと認識しております。 ○いさ委員 今年度では何人の採用をしたんでしたっけ。 ○鈴木ごみゼロ推進課長 令和4年4月に作業職の職員を3名採用しております。 ○いさ委員 その山本議員の質疑では、これじゃ間に合わないから前倒しにすべきという質疑だったと思うんですが、その前提となっているのは80人体制というお話だったと思うんです。現在121人いる職員を将来的に80人の体制にするという、この80人の根拠というのは何でしょうか。 ○鈴木ごみゼロ推進課長 区では、災害時等においての災害廃棄物等の処理の緊急かつ柔軟に対応する必要があることから、一定程度の規模の直営職員を確保していくこととしています。将来的に清掃事業の運営体制として、災害時等において作業職員、運転職員を含め、1週間で生ごみの収集を約半数の収積所で実施できる体制としているところでございます。 ○いさ委員 その80人ではちょっと追いつかないよというのが清掃の職員の皆さんから聞こえてくる声です。今から直接雇用を減らしても賄えるとする理由は、業務を養生会社や派遣で賄うというものです。そのようにして数として人員を充足させるという方法では、技術の継承も困難になります。清掃業務の専門性を保てなくなるんじゃないでしょうか。収集の場において、区民や事業者に対する分別の指導をするということ一つとっても、技能の経験がなければできないことではないでしょうか。きちんとした分別ができなければ、車両を傷めることになるし、清掃工場にも迷惑をかけて、広範囲に清掃事業をストップさせるということになりかねません。今年4月に大田区の清掃工場でリチウムイオン電池が原因とおぼしき爆発があったということは記憶に新しいところです。調べてみると、こうした異物による爆発事故というのは全国で発生していることが分かります。そもそも現在の121人という職員数も、2000年に都から事業を移管してから退職不補充を続けた結果です。昨年3月6日の区民委員会の報告資料によれば、職員の平均年齢が55.4歳、今後10年で57人が退職する見込みだということになっています。技術の継承は待ったなしの課題で、継承できる人員を十分に確保できなければ、清掃事業そのものが立ち行かなくなるのではないでしょうか。中野区は既に全庁的な人員削減を経験しています。その結果がどうなったのかは言わずもがなです。労働人口がこれから減っていくというのは既定路線なので、養生会社や派遣であってもその影響を受けると思うんです。甘く考えてはいけないと思います。 そこでお聞きしたいんですが、将来的に80人体制にするという方針、これは見直しが必要になってくるのではないでしょうか。清掃労組の皆さんとの懇談の中で示された資料ですが、現行の採用計画では80人体制すら維持ができないという資料だったんですけれども、その中で示されていた職員数の推移のグラフというのが、定年を迎えた職員が全員再雇用で働き続けるということ、それと新規採用の職員が計画どおりに充足して、かつ離職もしていない、理想的な条件を前提としているというものです。言い方を変えれば、見立てとしてかなり甘く見積もっているということだと思うんです。新規採用か再雇用か、いずれかで離職者が出れば、技術継承の計画にも破綻が生じます。現実に直接雇用を減らしながら技術継承を進めて、かつ業務の質を落とさないなどということは困難ではないでしょうか。職員数については現状のままで維持する、こうした考え方に改めることはできないでしょうか。 ○鈴木ごみゼロ推進課長 平時は区職員をはじめ、委託事業者、派遣職員が協力して必要な技術を維持し、継承していくことにより、安定的な清掃事業を提供していき、災害時は災害時廃棄物等の処理に緊急かつ柔軟に対応していく必要があることから、委託では安定的な事業遂行に支障をきたすことから、一定程度の直営職員が収集運搬業務を担うこととしています。他自治体の動向などを踏まえつつ、持続可能かつ効率的な清掃事業の在り方を引き続き研究してまいりたいと考えてございます。 ○いさ委員 清掃職員の技術継承は、中野区の清掃の質を担保することに直結します。長年培ってきた職員の経験とスキルを途絶えさせないということが中野区の公衆衛生の一翼を担う清掃業務を守る道であるということです。現行計画の見直しは再度要望をしておきます。 女性の採用についてもお伺いいたします。清掃職は肉体的にハードな仕事ではありますが、これまで男性職場だとされてきた職種で女性の採用が拡大しているというのは報道などでも取り上げられています。この間、中野区の清掃職においても、採用について2名の方から問い合わせがあったと聞いています。肝心なのは女性が働きやすい基盤整備です。現状の清掃事務所にはシャワーもなく、女性が着替えるための隔離されたスペースが確保できないと報告されています。これでは採用をかけても選ばれることはありません。こうした課題について、当面はアパートを借り上げるということで対応ができるかと考えます。荷物の保管、着替えとシャワーという必要な機能が備わっています。こうした対応については検討すべきではないでしょうか。 ○秦清掃事務所長 清掃事務所では、収集作業等の業務終了後、入浴して退庁することが必須でありますが、現在女性職員の入浴施設はございません。現在の清掃事務所を建て替える際には、女性用の入浴施設など、女性が働きやすい職場となるような施設を設置することは必須だと考えております。女性職員の採用に当たっては、清掃事務所の近隣民間アパートの一室を借り上げ、女性職員の入浴施設の代替とすることも検討しております。 ○いさ委員 そこでシャワーが必要ということになったら、今までシャワーがなかったのはなぜだろうみたいにして、男性の職員、職場全体の改善にもつながるんじゃないかと思うんです。また、もともと男性職場であることから、女性の採用に向けては、できるだけ2人以上、複数人の採用で検討すべきと考えますが、この点はいかがでしょうか。 ○中村職員課長 女性職員の採用については、受験者が少ないこともございまして、設備などハード面の整備だけでなく、女性の同僚職員に相談しやすいなどのソフト面を含めた環境整備が必要であると認識してございます。女性職員が安心して働きやすい環境とするため、採用や職員配置についても配慮してまいります。 ○いさ委員 ぜひ進めてほしいなと思います。同時に、女性の採用に向けて力を入れているというアピールも重要になってくると思います。運送だとか建設だとか警備、こういうところで働く女性というのは増えています。また、他自治体とも多分これから取り合いになるということでは、中野区を選んでもらうための取組というのは、さらなる研究が要るんじゃないかと思います。先ほど申し上げました女性の採用というのは、今の職場の皆さんの環境も向上させるし、職員の人員確保に向けての突破口になるんじゃないかと思います。労働人口が減るという中では、のんびりしていられません。女性の働きやすい職場づくり、ぜひ高い見地で前向きな採用に向けて取り組んでいただきたいなというふうに思います。 次の質問に進みます。動物との共生について、この間の危機管理対策等調査特別委員会で総合防災訓練について、ペットを連れた避難についての報告がされています。確認しますが、これは同行避難でしょうか、それとも同伴避難でしょうか。 ○福嶋防災担当課長 これまでの総合防災訓練でも、ペット同行避難訓練は実施してきたところでございます。今回の総合防災訓練では、同伴避難訓練も併せて実施する予定でございます。なお、ペット同伴避難者の受け入れ先として、エアーテントを活用することで検証してまいります。 ○いさ委員 今までは同行避難でずっとやっていたと。今回、同伴避難を試行するということになった理由は何なのかということと、そもそも同行避難、同伴避難というのは、どのように違いがあると認識していらっしゃいますでしょうか。 ○福嶋防災担当課長 環境省のガイドラインによりますと、同行避難とは飼い主がペットとともに安全な場所まで避難するまでの行為を指す言葉であるのに対しまして、同伴避難とは避難所でペットを飼養管理することを意味しますが、同室で飼養管理することを意味するものではなく、ペットの飼養環境は避難所等によって異なることとされてございます。今年度の総合防災訓練では、同伴避難訓練を行うこととした理由は、補正予算によるエアーテントを試行導入することになったことや、ペット同伴避難所の検討を求める陳情が採択されたことなどでございます。 ○いさ委員 災害避難においては、犬を連れているために車中泊をせざるを得ないという方もいましたし、ペットがいるためにそもそも避難所へ行くことを考えていないという方もいます。災害の避難という特殊な状況であっても、ペットと別々になるということは、動物と共に生きることを選んだ人にとっては考えられないことです。動物側にしても、慣れない環境で飼い主と離れるということは大きなストレスとなります。鳴き続ける、走り回る、逃げ出すなどの行動を起こしてしまいかねません。災害避難にあっては同伴避難を前提としていただきたいなと思います。 この件についてお聞きをしたいのは、関連して避難所開設訓練についてです。私も何度か地元で避難所開設訓練に参加していますけれども、この訓練では、まず何もない人は体育館にとにかく入ってもらう、それでけがをした人、せきをしている人などを別の部屋に避難させることも想定して受付で行き先を振り分ける、こういうことも訓練の項目となっていると思います。けがや病気では別室を使う前提です。ペットの同伴避難についても同様に、別の部屋のところに避難する、誘導するということを振り分けルールを検討してもいいのではないでしょうか。 ○福嶋防災担当課長 地域防災計画では、避難所運営における配慮といたしまして、ペットについて校庭等の一部スペースを確保することとなってございます。同一避難所内におけるペット同伴避難者と一般の避難者の施設の使い分けにつきましては、今回の総合防災訓練におけるエアーテントの検証結果を踏まえて検討してまいりたいと考えております。 ○いさ委員 分かりました。また、全てではなくても、例えば何か所かの特定の避難所をペットと同伴避難を可能とする避難所として設定するということは検討できないでしょうか。 ○永井防災危機管理課長 特定の同伴避難ができる場所につきましては、ペットの同伴避難所の設置の検討の中で場所についても検討していく考えでございます。 ○いさ委員 こういうことを考える上で、そもそも論なんですけれども、愛玩動物と人間との関係、そしてその理解というのは、日本ではすごく議論が乏しいなというふうに考えています。世界では大きく二つの視点で議論が進んでいます。一つは動物側から見た動物福祉、アニマルウェルフェア、そして動物の権利、アニマルライツです。動物がその動物らしく生きることを人間が保障する、こういう議論の上に殺処分の禁止だとか、ペットの販売禁止が進められています。もう一つが、動物を飼うことを人権の一部と考える動物共生権です。この考え方のもとに、フランスやイギリスでは賃貸住宅であってもペットの飼育を拒否してはならないとする法律ができました。ペットは物ではありません。共に生きる伴侶です。災害避難に限らず、いろいろな施策でこうした動物との共生という視点が必要になると思います。 次に、地域猫共生推進制度についてお聞きをします。細野議員からも一般質問で質疑がありました。僕からも改めてお聞きをしたいんですが、現状がどうなっているか、改めて確認をいたします。 ○只野生活衛生課長 地域猫共生推進制度でございます。令和5年8月からこの制度を開始いたしまして、昨年度の推進員は15名、8月末現在、推進員が18名になっております。令和5年度末に関わっている、管理している地域猫は47頭でございます。 ○いさ委員 地域での猫をめぐるトラブルは今でも聞こえてきます。区はこのことについてどう認識していますか。 ○只野生活衛生課長 地域での飼い主のいない猫に関するトラブルとしては、ふん尿被害、猫の増加、餌の食べ残しによる不衛生な環境などがあり、保健所にも苦情が寄せられております。このようなトラブルを解決するため、飼い主のいない猫に対する不妊去勢手術の実施、餌の設置ルール化や猫用トイレの管理などの地域猫活動が必要であると認識しております。 ○いさ委員 そうしたトラブルを解消する制度が地域猫の制度だったということだと思うんですけれども、まだまだそこに課題が残っているのかなということだと思います。今の地域猫の制度や推進員の制度について理解してもらうということで、区はどんな取組を行ってきたでしょうか。 ○只野生活衛生課長 地域猫共生推進制度については、制度開始に先立ちまして、町会連合会や活動団体へ情報提供を行ったほか、ポスター掲示、区報やホームページ等を通じて周知を図ってまいりました。また、地域猫共生推進制度や地域猫に対する理解をさらに促し、推進員の活動を支援する取組として地域猫活動ハンドブックというリーフレットを作成いたしまして、今年9月に推進員に対し配布したところでございます。 ○いさ委員 こういうことをやってほしかったんですよね。これですよね、実物。この間お預かりしました。これまでは愛護動物とかということで、ちょっとぼやかしたもので周知がされていたんですけど、初めて地域猫活動ハンドブックと明確に銘打たれているものが出てきました。これはぜひ活用を広げてほしいなと思うんです。推進員さんに配る以外にも、これ自身をホームページとか区報で紹介するだとか、それから区有施設に置いてもらうとか、そういうやり方もあるんじゃないかと思います。この点はいかがでしょうか。 ○只野生活衛生課長 地域猫活動ハンドブックにつきましては、主に地域猫共生推進員の活動の一助となるよう作成したものでございますが、区有施設における配布や区報、ホームページにおける周知についても検討しているところでございます。今後も地域猫活動ハンドブックを活用し、地域猫活動に対する地域理解を促していきたいと考えております。 ○いさ委員 ぜひ前向きに進めていただきたいと思います。よろしくお願いします。 次が中野駅前の在り方についてという質疑です。時間がなくなってきましたので、ちょっと端折った形で質疑をさせていただこうと思います。 ここで質疑をしたいのは、中野駅周辺の整備が進んでいる中で、とりわけ周辺に住んでいる人たちの大きな関心事となっているということで、その人たちがどうやって駅前を使っているのか、移動では自転車だったり、歩行だったりします。この点で地域の住民の皆さんから頂いていることで質疑をしたいなと思っています。 最初に、自転車のことです。とりわけ駐輪場の話です。駐輪場が少ないというのは、この間もずっと議会や委員会でも取り上げてきて、これは大事な問題で、やってほしいということを言ってきたんですけれども、その中でちょっと前に進んだのが、みんちゅうSHARE-LINという事業者との連携です。この連携なんですが、現状はどうなっているでしょうか。 ○宮澤交通政策課長 令和5年11月に事業者との協定締結以降、令和6年9月に中野五丁目で1か所、駐車枠のほうを設置してございます。一方、協定締結以降、特に中野駅周辺の商店街や店舗等に事業者が説明や交渉を試みてございますが、一定の御理解は頂けるものの、具体的な設置に至るケースが少ない状況となってございます。今後は、設置できた箇所周辺の放置自転車の状況、また、駐車枠の利用状況などを把握するとともに、区と事業者の役割分担のもと、中野駅周辺や野方駅周辺といった放置自転車が多い地域を中心に数か所設置できるよう努めてまいります。 ○いさ委員 進んでいないわけではないということは分かったんですけれども、もう少しスピード感が欲しいかなという気持ちはあります。中野駅周辺の駐輪場という問題で、やっぱり中野駅周辺のまちづくりの担当になっているところが責任を負ってほしいなという気持ちをずっと持っているんですね。例えば、これから今、中野駅新北口、工事期間で工事ヤードなんかが生まれるということですよね。空き地が動いていって、工事が進んでいく、その中で一時的に生まれる空地について、臨時の駐輪場を設置するということは考えられないでしょうか。2か月とか3か月とか、そういう短い期間でもいいんですけど、いかがでしょうか。 ○井上中野駅地区・周辺基盤整備担当課長 駐輪場の一時設置についてですが、駐輪場として使用するためには舗装等の施設整備が必要となります。当該用地で予定している建築工事等の使用となるため、短期の利用には適さないということで考えてございます。一方、同一の箇所で長期にわたり利用可能な状況となった場合は検討できるものと考えてございます。 ○いさ委員 2022年3月に中野駅周辺自転車駐輪場整備計画が改定されています。これの17ページに、自転車駐車場が整備されるまでの対応ということで、こんなことが書いてあります。今後、中野駅周辺のまちづくりが進み、現状の自転車駐車場の移転等が必要となった場合は、再整備される自転車駐車場が供用されるまでの間、自転車利用者の利便性及び安全性に配慮して、中野駅周辺の放置自転車が増加しないよう、まちづくり各事業者と協力し、仮整備を行い対応していく、書いてあるんです、計画の中に。これ、ぜひ実行してほしいと思います。それで、まちづくり事業者についても、ここに書いてあるように協力を求めてほしいと思います。 すみません、この後聞きたかったのは、再開発地域でベンチを設置してほしいというお話です。ベンチについてはほかの議員も質疑をしていますが、一つだけ聞きたいんですけれども、中野駅のサウステラの公開空地のところにサークルベンチができました。こういう形のものは、ほかの区画でも検討はできないでしょうか。 ○小幡中野駅周辺まちづくり課長 中野駅周辺各地区の市街地再開発事業における公開空地のしつらえにつきましては、基本的に各地区の事業者が計画するものでございます。一方で、中野区都市計画マスタープランにおける都市整備の基本理念では、誰もが居心地よく歩きたくなるようなウォーカブルなまちづくりを掲げておりまして、民間敷地内における公開空地の整備においても事業者を誘導していきたいと考えてございます。 ○いさ委員 時間となったので、以上にしたいと思います。質問できなかった文化芸術支援については改めての機会にさせていただこうと思います。ありがとうございました。 ○杉山委員長 以上で、いさ哲郎委員の質疑を終了します。 次に、黒沢ゆか委員、質疑をどうぞ。 ○黒沢委員 都民ファーストの会中野区議団の立場から令和5年度の決算の総括質疑を行います。会派の大沢委員より決算全般に係る会派の見解、質問させていただきましたので、各論について質問をさせていただきます。通告の1(4)その他においては、発達障害のある小・中学生について伺います。最後15分間ほどになりますが、どうぞよろしくお願いいたします。 まず初めに、子育て支援についての(1)こども家庭センターについて伺います。 核家族化や地域のつながりの希薄化等の子育てを取り巻く環境の変化により、児童虐待は特別な家庭の問題ではなく、どの家庭にも起こり得ることとして捉えられています。児童虐待の発生を予防するには、早期に家庭と信頼関係を築いて適切な支援を実施すること、関係機関が連携して支援の切れ目をつくらないことが必要です。様々な困難が予想される妊婦及び家庭に対し、児童福祉部門と母子保健部門が一体となって、妊娠期から就学前まで包括的な相談支援が行えるよう支援体制を整え、児童虐待の未然防止に取り組む必要があります。中野区実施計画では、令和5年度にすこやか福祉センターと子ども・若者支援センター、児童相談所との連携会議を開催したとのことですが、どのような成果があったのかお教えください。 ○河田すこやか福祉センター調整担当課長 連携会議の成果についてでございます。すこやか福祉センターと子ども・若者支援センター、児童相談所との連携会議は、妊産婦や子どもに対する切れ目のない支援のために、支援機関相互の役割分担の確認や児童相談所等との事例の共有によるすこやか福祉センターの相談支援技術の向上や連携の充実を目的として、連絡会形式で開催しているものでございます。連絡会を通じて、児童相談所とすこやか福祉センターの連携実例や課題などを共有することで相互理解を深め、こども家庭センターとして虐待予防等に取り組むためのスキルの向上にもつながっているものでございます。 ○黒沢委員 よい取組であったのだと思います。また、今年度はこども家庭センターが設置されましたが、どのような機能が追加されたのでしょうか。 ○河田すこやか福祉センター調整担当課長 こども家庭センターでは母子保健及び児童福祉の両機能の一体的な相談支援機能によるサポートプランの作成が義務付けられております。従来より、すこやか福祉センターでは母子保健によるトータルケアの一環として、かんがるー面接やこんにちは赤ちゃん訪問事業で支援プランを作成しておりましたが、こども家庭センターとして新たに児童福祉の視点も入れ、全妊産婦を対象としたサポートプランの作成に取組、対象者の意思確認をしながら、双方合意のもとにプランの作成に取り組んでおります。 ○黒沢委員 全妊婦向けにということで本当に大切な取組だと思います。一方で、すこやか福祉センターにあるこども家庭センターでは、保健師が中核となって妊娠から産後支援に当たられていると伺っております。しかし、その保健師はすこやか福祉センターの保健師としての役割を兼務しており、ここ数年は成人の精神保健に関する支援の対応件数も増加しているのではないかと考えています。保健師の対応状況はいかがでしょうか。 ○河田すこやか福祉センター調整担当課長 こども家庭センターでは、妊産婦、子ども、その他家庭へのニーズをより深く酌み取り、サポートプランとして必要な支援を組み立てて支援を行っていくことが求められておりまして、その中心は保健師が担っております。こども家庭センターとしての役割以外にも、保健師は大人を対象とした精神保健に関する相談支援を行っており、その件数については全体的に増加傾向であるとともに、家族全員が支援対象になるなど、複合的な困難ケースも増加しております。その他、すこやか福祉センターの保健師は、母子保健業務としての健診や健康づくり事業等の運営も行っていることから、すこやか福祉センターの保健師に求められる役割は多岐にわたっている状況でございます。 ○黒沢委員 現在の人材配置のまま、継続的に様々な困難が予想される妊婦及び家庭に対する個別のアセスメントや支援プランの作成などの支援を行っていくことは懸念を残していると考えております。東京都では、こども家庭センター体制強化事業を今年度から開始しました。特定妊婦以外でも、不安や困難を抱えやすい25歳以下の初めて出産をされる方や、頼れる人が1名以下の妊婦などの御家庭に対し、妊娠期から継続したアウトリーチを行い、当事者視点に立った支援を実施する専門職を配置することとなっています。なお、当事業は人材育成連携ツールの提供、運営支援、人材配置に係る経費を都の補助率10分の10で行えるもので、現在、都内の60自治体中30の自治体、2分の1の自治体が事業を活用している状況と伺っています。中野区でも、都の事業であるこども家庭センター体制強化事業を活用して支援体制をより強化していただきたいと考えます。所管の考えを伺います。 ○河田すこやか福祉センター調整担当課長 今年4月にスタートした中野区のこども家庭センターは国の制度に準拠した体制となっており、国の補助金を活用する予定でございます。東京都の補助金は10分の10であることから、積極的に活用していきたいと考えておりますが、この補助を活用するためには、25歳以下の初産妊婦の全数支援や、統括支援員とは別に児童福祉部門への共同担当者の配置、その他支援に従事する必置の職員配置があるなど、幾つか課題がございます。都の補助金は令和8年度までに申請すれば、そこから3年間が対象となるので、間に合うように関係所管と連携して検討を進めてまいりたいと考えております。 ○黒沢委員 ぜひ都の導入基準を満たすことで支援体制はより強固なものになることから、当事業の導入に向け、体制面、人材面の課題解消を行っていただきますよう要望をいたします。 (2)病児・病後児保育及び産後ケアについて伺います。子育て支援を受ける保護者にとって受けたいサービスを正しく知ることと予約のハードルや負担を下げることは、言うまでもなく重要なことです。今回は他の会派からも質問がありましたが、特に課題を感じている産後ケアや病児・病後児保育の予約について、私からも伺わせていただきます。 産後ケア事業において、利用者はかんがるー面接で利用申込み、各施設の情報確認、各施設の空き情報問合せ、そして利用申込みという段取りを経て、産後ケアを利用しています。産後の母親の状態によっては、このような段取りを踏むことは非常に労力を必要とするため、大変な産後2か月以内の利用を断念してしまうという声も伺います。このような事態に対して、所管としてはどのように考えているのでしょうか。 ○河田すこやか福祉センター調整担当課長 産後ケアの利用申請についてでございます。事業者によって利用時の申請方法が異なるなど、課題があることについては認識してございます。利用者の心と体の状況を踏まえ、利用申請に係る負担を軽減していく必要があると考えております。 ○黒沢委員 産後ケアを受託している施設が共通のシステムを使えるようになれば、かんがるー面接時に予約システム利用登録を行っていただくだけで産後ケアを申し込める、そういう準備が整うため、ぜひ負担のない予約システムを導入していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。 ○河田すこやか福祉センター調整担当課長 産後ケアの利用者からも予約状況全体が分かるものが欲しいとの声を頂いております。一方、産後ケア事業者は他区の産後ケア事業も行っており、どのように連携できるかについては、東京都や他区とも情報交換しながら、在り方を検討していきたいと考えております。 ○黒沢委員 また、カンガルー面接を行う委託事業者が変更になると、産後ケアの利用率に変化が生じるといった事態もあるそうです。カンガルー面接の担当者が産後ケアについて丁寧な案内をされているのか、少し心配をしています。産後ケアを行っている助産員の方々による講習を行っていただいてはいかがでしょうか。 ○河田すこやか福祉センター調整担当課長 かんがるー面接は委託で行っておりまして、利用者からも様々な声を頂いているところでございます。面接における質、専門性の確保は喫緊の課題であり、早急に対応する必要があると認識しております。事業委託については、産前産後の支援の状況を熟知した事業者へ委託したいと考えており、必要に応じて産後ケア事業を実施している事業者による講習などについても検討してまいります。 ○黒沢委員 中野区の充実している産後ケアを全ての必要な人に行き届かせるように取り組んでいただきたいと思います。 また、令和6年3月に発行された中野区子ども・子育てアンケート調査では、病児・病後児保育施設の利用を希望しない保護者の理由として、利用手続が煩雑であると42%の方が答えています。現在は、それぞれの施設に電話をして確認をする手段しかありません。保護者が仕事の合間や休憩時間に対応する状況を鑑みても、現実的な手段なのでしょうか。これから中野区が病児保育施設を拡充するを目指す中で、利用したいと思っても、1施設ごとに電話で予約できるかを確認することは、利用に対する負担がかかるのではないでしょうか。区として対策をしていただきたいと思いますが、考えをお聞かせください。また、こちらも産後ケア同様、共通システムなどでスマホから予約できるようにすると利用のしやすさが向上すると考えます。既に文京区、三鷹市ではこのような共通システムを活用しています。中野区も導入を検討すべきだと考えますが、いかがでしょうか。 ○分藤子育て支援課長 病児・病後児保育の利用手続の簡素化など、利用者の負担軽減につながる対策について検討してまいりたいと考えております。病児・病後児保育における予約システムの導入については、利用者の利便性の向上や負担の軽減、事業者の事務負担の軽減といった観点から効果があるものと認識をしております。一方で、予約受付時に保育施設側が子どもの症状や保護者の要望などを詳しく把握できなくなるといった課題もございます。今後、先進自治体の事例を参考にしながら検討してまいります。 ○黒沢委員 ぜひ研究を進めていただきたいと思います。また、現在、病児保育の企画提案型公募がスタートするところでありますが、どのような基準で区が評価するのか、お教えください。 ○分藤子育て支援課長 病児保育の拡充に向けた評価の基準については、現在、令和6年10月末の公募開始に向けて検討を進めているところでございまして、適切な事業運営のための体制整備、医療機関との連携、安全対策といった要素があると考えております。 ○黒沢委員 それぞれ安全な施設運営を行う上で大切な観点かと思います。他方、病児保育は保護者が施設へ送り届けるイメージが中野区では一般的になっていると思いますが、他区では保育園へ通園後、子どもが発熱などした際に事業者が保育園にお迎えに行き、病院に連れて行って預かってくれるというサービスもございます。度々その対応をせざるを得ない状況もあることから、気負いをしてしまったり、業務の調整が発生することから心身ともに疲弊してしまう保護者の方もいらっしゃいます。今後はぜひそうしたニーズにも対応できるサービスとなることを求めますが、所管としてはいかがでしょうか。 ○分藤子育て支援課長 送迎サービスの導入については、利用者の利便性の向上や負担の軽減とともに、施設の地域偏在といった課題の解消にもつながるものと考えております。今後、先進自治体の事例を参考にしながら検討をしてまいります。 ○黒沢委員 ぜひ前向きな方向で検討いただきたいと思います。 ○杉山委員長 黒沢委員の質疑の途中ですが、5時になりますので、今後の運営について協議するため、理事会を開会します。 委員会を休憩します。 午後4時59分休憩
午後5時02分開議 ○杉山委員長 委員会を再開します。 ただいまの理事会の報告をいたします。 黒沢委員の質疑の途中ですが、本日は終了し、次回、黒沢委員から始めることを確認しました。 以上が理事会の報告ですが、質疑はございませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○杉山委員長 なければ、ただいまの報告のとおり、委員会を運営することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○杉山委員長 御異議ありませんので、そのように決定し、本日の総括質疑を終了します。 次回の委員会は9月24日(火曜日)午前10時から当委員会室で開会することを口頭をもって通告します。 以上で本日の決算特別委員会を散会します。 午後5時03分散会 |