令和6年09月24日中野区議会決算特別委員会
令和6年09月24日中野区議会決算特別委員会の会議録

.令和6年(2024年)9月24日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。

.出席委員(41名)

  1番  山  内  あきひろ        2番  武  井  まさき

  3番  市  川  しんたろう       4番  日  野  たかし

  5番  木  村  広  一        6番  斉  藤  けいた

  7番  井  関  源  二        8番  黒  沢  ゆ  か

  9番  大  沢  ひろゆき       10番  武  田  やよい

 11番  広  川  まさのり       12番  いのつめ  正  太

 13番  間     ひとみ        14番  河  合  り  な

 15番  加  藤  たくま        16番  高  橋  かずちか

 17番  甲  田  ゆり子        18番  小  林  ぜんいち

 19番  白  井  ひでふみ       20番  吉  田  康一郎

 21番  立  石  り  お       22番  小宮山   たかし

 23番  内  野  大三郎        24番  い  さ  哲  郎

 25番  細  野  かよこ        26番  斉  藤  ゆ  り

 27番  杉  山     司       28番  ひやま      隆

 29番  大  内  しんご        30番  伊  藤  正  信

 32番  平  山  英  明       33番  南     かつひこ

 34番  久  保  り  か       35番  石  坂  わたる

 36番  むとう   有  子       37番  羽  鳥  だいすけ

 38番  浦  野  さとみ        39番  山  本  たかし

 40番  中  村  延  子       41番  森     たかゆき

 42番  酒  井  たくや

.欠席委員(1名)

 31番  高  橋  ちあき

.出席説明員

 中野区長    酒井 直人

 副区長     青山 敬一郎

 副区長     栗田 泰正

 教育長     田代 雅規

 企画部長    岩浅 英樹

 企画課長    中谷 博

 財政課長    竹内 賢三

 広聴・広報課長             矢澤 岳

 総務部長    濵口 求

 防災危機管理担当部長          吉沢 健一

 DX推進室長  滝瀬 裕之

 総務課長    永見 英光

 職員課長    中村 洋

 人事政策・育成担当課長         松丸 晃大

 施設課長    大須賀 亮

 契約課長    原 太洋

 生活・交通安全担当課長         久保 貴

 デジタル政策課長、新区役所整備課長   瀬谷 泰祐

 デジタル基盤整備担当課長        保積 武範

 庁舎管理担当課長増子 英宏

 区民部長、新区役所窓口サービス担当部長 高橋 昭彦

 文化・産業振興担当部長         高村 和哉

 区民サービス課長、新区役所窓口サービス担当課長 小堺 充

 税務課長    滝浪 亜未

 保険医療課長  宮脇 正治

 産業振興課長  網野 和弥

 文化振興・多文化共生推進課長      冨士縄 篤

 子ども教育部長、教育委員会事務局次長  石崎 公一

 子ども家庭支援担当部長、教育委員会事務局参事(子ども家庭支援担当) 森 克久

 子ども・教育政策課長、学校再編・地域連携担当課長 渡邊 健治

 子ども教育施設課長           藤永 益次

 指導室長    井元 章二

 学務課長    佐藤 貴之

 地域支えあい推進部長、地域包括ケア推進担当部長 石井 大輔

 地域活動推進課長高橋 英昭

 区民活動推進担当課長          池内 明日香

 地域包括ケア推進課長          河村 陽子

 すこやか福祉センター調整担当課長    河田 達彦

 介護保険課長  落合 麻理子

 健康福祉部長  杉本 兼太郎

 保健所長    水口 千寿

 福祉推進課長  細野 修一

 スポーツ振興課長原 拓也

 障害福祉課長  鳥井 文哉

 障害福祉サービス担当課長        大場 大輔

 保健企画課長  中村 志保合

 保健予防課長  宮下 奈緒

 環境部長    浅川 靖

 ごみゼロ推進課長鈴木 康正

 都市基盤部長  松前 友香子

 道路管理課長  長沼 美春

 まちづくり推進部長           角 秀行

 中野駅周辺まちづくり担当部長      千田 真史

 まちづくり計画課長           近江 淳一

 野方以西担当課長桑原 大輔

 新井薬師前・沼袋駅周辺まちづくり担当課長 青木 隆道

 中野駅周辺まちづくり課長、中野駅新北口駅前エリア担当課長 小幡 一隆

 会計室長     古本 正士

.本会の書記は下記のとおりである。

 事務局長     堀越 恵美子

 事務局次長    林 健

 議事調査担当係長 鈴木 均

 書  記     若見 元彦

 書  記     田村 優

 書  記     細井 翔太

 書  記     森園 悠

 書  記     梅田 絵里子

 書  記     川辺 翔斗

 書  記     志賀 優一

 書  記     早尾 尚也

 書  記     堀井 翔平

 書  記     金木 崇太

 書  記     砂橋 琉斗

.委員長署名


午前10時00分開会

○杉山委員長 定足数に達しましたので、ただいまから決算特別委員会を開会します。

 認定第1号から認定第5号までの計5件を一括して議題に供します。

 総括質疑に入る前に御相談したいことがありますので、委員会を一旦休憩し、理事会を開催したいと思います。

 委員会を暫時休憩します。

午前10時00分休憩

 

午前10時19分開議

○杉山委員長 委員会を再開します。

 9月20日(金曜日)及び先ほどの理事会の報告を行います。

 初めに、本日の委員会運営についてです。本日の総括質疑の順番は、1番目に黒沢ゆか委員、2番目にいのつめ正太委員、3番目に伊藤正信委員、4番目に南かつひこ委員、5番目に中村延子委員、6番目に大内しんご委員、7番目に森たかゆき委員の順で7名の総括質疑を行うことを確認しました。

 次に、要求資料について、お手元の資料要求一覧(追加分)のとおり、新たに1件の資料要求について整理をしました。

 次に、インターネット録画中継について、9月20日(金曜日)の一部の委員の総括質疑の録画ができておりませんでした。当該委員のインターネット録画中継の対応と再発防止策について、事務局から説明がございました。

 以上が理事会の報告ですが、質疑はございませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○杉山委員長 なければ、ただいまの報告のとおり委員会を運営することに御異議ございませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○杉山委員長 御異議ありませんので、そのように運営します。

 次に、資料要求についてお諮りします。

 お手元の資料要求一覧(追加分)のとおり、資料を要求することに御異議ございませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○杉山委員長 御異議ありませんので、そのように決定します。

 資料につきましては、後ほどアップロードされますので、御覧ください。

 

令和6年(2024)9月24日

決算特別委員会

 

決算特別委員会資料要求一覧(追加分)

 

追加分

◆建設分科会関係

 24 中野駅新北口駅前地区市街地再開発事業における再整備事業計画策定時及び認可申請時スケジュール<自>

 

○杉山委員長 ただいまから総括質疑を行いますが、答弁される理事者は答弁前に大きな声で職名を述べるようお願いします。

 それでは、質疑に入ります。黒沢ゆか委員、質疑をどうぞ。

黒沢委員 おはようございます。先週に引き続き、質疑をさせていただきます。よろしくお願いいたします。

 (3)障がい児支援について伺います。第2回定例会の一般質問でも、重症心身障害者及び医療的ケア児向けのデイサービス施設への施設整備を含めた財政的支援や誘致を進めていただきますよう質問をさせていただきました。東京都の障害者施策推進区市町村包括補助事業の障害児支援体制整備促進事業の枠では、主に重症心身障害児を支援する児童発達支援や放課後等デイサービスにおいて、補助基準額1か所当たり300万円、都の補助率2分の1が活用できます。他区でも活用が見られますが、中野区ではまだ活用ができていません。早急に活用できるよう所管として施策を進めていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。

○大場障害福祉サービス担当課長 お答えいたします。区では、中野区障害者計画におきまして、重症心身障害児や医療的ケア児を受け入れる新規の障害児通所支援事業所の誘導整備に取り組むこととしております。開設準備に係る補助制度につきましては、事業者が事業に参入する要因の一つになると考えておりまして、今後利用者のニーズや他区の状況も踏まえた上で検討してまいりたいと考えております。

○黒沢委員 ぜひよろしくお願いいたします。

 なお、この障害児支援体制整備促進事業では、今中野区でも拡充の必要があると考えております。保育所等訪問支援についても補助枠があります。こちらも併せて所管として施策を進めていただき、活用につなげてほしいと考えますが、いかがでしょうか。

○大場障害福祉サービス担当課長 現在、保育所等訪問支援事業につきましては、主に療育センターアポロ園やゆめなりあにおいて実施しておりますが、1人当たり年3回程度の訪問となっております。区では、保育所等訪問支援事業につきましても、さらなる充実のため、区立療育センターだけでなく、民間事業者による実施促進に取り組むことを中野区障害者計画に盛り込んでおります。補助制度につきましては、放課後等デイサービスなどと同様に、今後利用者のニーズや他区の状況も踏まえた上で検討してまいりたいと考えております。

○黒沢委員 ぜひ併せて早期の施策を進めていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。

 (4)その他で、発達障害のある小・中学生について伺います。現在、発達障害のある小・中学生は、中野区においては特別支援学級、特別支援教室、通級指導学級の選択肢があります。この中で、知的障害のない発達障害のお子さんは、特別支援教室に該当することになります。しかし、この特別支援教室は週に1回しか行われておらず、最終的に通常学級に適応していくことが目標になっていると伺います。少人数制が導入されている自治体の教室であれば、通常級でも一人ひとりのペースなどで学習が行えることも多いのですが、現在の中野区の小・中学校の場合には、通常級に通えずにいるお子さんもいらっしゃいます。このようなことから、週に1回しか学校に通えていないという場合もございます。今後は他区の情緒学級のある学校へ転校も検討しなければならないかもしれないという声も伺います。このような状況を教育委員会指導室としては把握されているのでしょうか。

○井元指導室長 特別支援教室に通室し、通常学級で過ごすことに困難さを抱えている児童・生徒がいることは把握してございます。特別支援教室においては、児童・生徒が困難さを克服し、可能な限り多くの時間を通常学級で過ごせるように指導しているところでございます。

○黒沢委員 将来的には、少人数制クラスの導入なども検討していただきたいのですが、現在行く場所がない子どもたちのために、発達障害のあるお子さんのそれぞれのペースで毎日学ぶことができるよう、学校からヒアリングを行いながら学習環境の提供を検討してはいかがでしょうか。

○井元指導室長 集団活動ができない場合には、教室以外に落ち着いて学習できる場所を確保しております。また、フリーステップルームにおいても、一人ひとりの特性に応じた学習支援等を提供しているところでございます。今後、学校へのヒアリングを行いながら、インクルーシブ教育の観点も踏まえ、一人ひとりに合った学習環境を充実させるよう検討してまいります。

○黒沢委員 学習できる環境があるということですが、そのように受け止めていない保護者の方もいるのが現状だと思います。居場所はあっても、学習の環境という意味で、改めて見直しを行っていただけたらというふうに思います。ぜひ必要な施策を進めていただきますよう、前向きにお願いを申し上げます。

 では、2番のほうに移ります。介護・障害福祉の人材確保についてです。

 (1)処遇改善について、区内の介護・福祉サービスを持続可能にしていくには、報酬のベースアップが方策の一つです。東京都では、福祉・介護職員の給与水準は他業種と比較して低いことや、住宅コストが高いという東京の地域特性を考慮し、国が必要な見直しを講じるまでの間、福祉・介護人材の処遇改善を図り、確保、定着に向け支援をしています。今年度から東京都居住支援特別手当を開始し、福祉・介護職員1人に対し月額1万円、勤続5年目までの福祉・介護職員には1万円を加算した形で支給しています。区内ではほとんどの福祉・介護職員が対象になっております。区としても、事業所に対し積極的な情報提供をされているのでしょうか、伺います。

○鳥井障害福祉課長 障害福祉サービス事業所への東京都の居住支援特別手当の制度につきましては、都から事業所に対して通知がされていると聞いておりまして、区から特に周知は行ってございません。

 なお、これまでも東京都から区に対して特に周知依頼があった場合などは、区内事業所に対して別途通知を行ってきたところでございます。今後も適切に対応してまいります。

○黒沢委員 団体などのヒアリングなどの際にも、そういったものがあったことを知らなかったとメモを取られている事業者もいらっしゃいましたので、ぜひ情報提供を進めていただきたいというふうに思います。

 また一方で、中野区精神障害者地域生活支援センターせせらぎや中野区障害者地域自立生活支援センターつむぎなど、一部当てはまらない区の委託事業が存在しています。それによって、法人内での格差も課題になってくると考えています。このような事業について、中野区として支援策を講じる必要があると考えますが、いかがでしょうか。

○鳥井障害福祉課長 東京都の制度は、法定の障害福祉サービス以外の障害福祉事業が対象となってございません。そのため、同じ事業所の中におきましても、法定サービスに従事するか否かで、職員の方の処遇に差が出る可能性があることは認識をしておりまして、今後、社会情勢等を踏まえまして適切に対応してまいります。

○黒沢委員 中野区の委託事業だけが賃金が安いという状況が発生しないように取り組んでいただきたいというふうに思います。

 また、介護保険課としては、周知の状況はどのようになっていますでしょうか。また、対象外になっている施設の有無は認識されていますでしょうか。

○落合介護保険課長 東京都の居住支援特別手当につきましては、東京都がポータルサイトやコールセンターを開設し、各介護サービス事業所宛て郵送等での周知が行われております。また、区では、区内介護サービス事業所向け専用サイトに掲載するとともに、中野区介護サービス事業所連絡会に対して情報提供を行っているところでございます。また、この事業の対象種別である介護サービス事業所については、区内で対象外となる事業所はないことを確認してございます。

○黒沢委員 引き続き新規事業者への周知も積極的に行っていただき、福祉介護職員の補助ベースアップを図るべく、区としても対策をしていただきたいと思います。

 (2)介護未経験者のマッチングについてですが、中野区では、介護福祉サービスを持続していくというところにおいて、昨年の決算特別委員会で2025年時点での介護人材の不足数というところで、東京都が公表をしている数値を基に推計すると、約750人足りないというようなお話がございました。区としても認識しているということは分かりました。中野区では、このような状況の中でこの1年、どのような施策を行ってきたのか、伺います。

○落合介護保険課長 介護従事者の初任者研修及び実務研修の受講費用の助成、介護福祉士資格の受験費用の助成や介護サービス事業所連絡会等と協力して、介護の仕事の魅力発信に取り組んでおります。また、新たな介護職員等処遇改善加算などの令和6年度報酬改定に関する情報提供を行ってまいりました。また、介護業務の未経験者の参入と、訪問介護の生活援助サービスや通所居住施設系サービスの介護職員の雇用につなげるために、介護に関する入門的研修を実施し、研修修了者と区内の介護事業所との相談会を行っております。令和6年度の入門的研修修了者は55人、相談会の参加者は52人でございました。

○黒沢委員 参加者が少しずつ伸びているのかなというふうに思いまして、だんだん浸透がしてきたかというふうに思います。このような取組も引き続き進めていただきたいと思います。

 加えて、中野区は今年の2月に、介護・福祉領域に特化した有償ボランティアのマッチングプラットフォームスケッターを展開する株式会社プラスロボと地域包括ケア推進パートナーシップ協定を締結し、協定を通じて、区は区内の介護事業所にスケッタープラットフォームのトライアル利用を支援するほか、区内の学生や区民に対して、介護事業所などへの有償ボランティア活動を呼びかけています。

 スケッターは、地域住民で福祉を支える隙間時間のお手伝いです。未経験者や資格のない方でも、自分のできることで福祉に関われるのが最大の特徴であり、登録者約5,000人のうち7割近くがこれまで介護・福祉領域に関わったことのない業種で、あらゆる業界から関係人口を増やし続けているそうです。数か月間経過しましたが、取組状況はいかがでしょうか。

○河村地域包括ケア推進課長 スケッターの取組状況についてお答えをいたします。スケッターを運営する事業者とは、今年2月、地域包括ケア推進パートナーシップ協定を締結し、現在までに12事業所がスケッターを利用してございます。

 一方、区の新規お手伝い登録人数は21人となってございます。お手伝いの応募数は140件でございまして、マッチングが成立するまでにタイムラグがあるため、現在お手伝いの成立件数は64件となってございます。お手伝いの種類は、洗濯や食器洗い、行事の準備のほか、メールなど多岐にわたってございます。この仕組みにより、これまで福祉に関わることのなかった多様な特技を持っている方が福祉の仕事に関わるきっかけとなり、介護に関わる人材の幅が広がってございます。支援を受ける人にとっても、ふだん接することのない人との交流により、よい刺激を受けていると聞いてございます。

○黒沢委員 私の元にも、スケッターのトライアルで採用に結びついた事例や、地域で頼れる方ができたというお声も届き始めており、認知されることによって有機的な人と人とのつながりが生まれてきていることが伺えます。

 一方で、施設側からの課題として、トライアル期間が終了すると、システム利用料で施設の規模に応じて月額2万円から5万円の料金がかかるため、利用をためらっているという声も頂いています。そのような中、令和7年度厚生労働省所管概算要求関係の資料の中で、介護未経験者等マッチング機能強化モデル事業として、マッチング導入経費を国が自治体に対し補助するというものが発表されました。ぜひとも中野区として介護分野への多様な人材層の参入促進を図るため、民間事業者の介護未経験者等を対象としたマッチング機能を活用するモデル事業に参画していただきたいと考えています。現在の所管の見解を伺います。

○落合介護保険課長 厚生労働省の介護未経験者等マッチング機能強化モデル事業については、今御案内のあったスケッターなどが想定されるものと見受けられますが、現時点では事業内容等が示されておりませんので、今後情報収集を行ってまいりたいと考えております。

○黒沢委員 ぜひ情報収集をしていただきまして、介護人材の裾野をさらに広げるとともに、介護現場と地域のつながりのさらなる強化、図っていただきたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。

 では、3番、中野区役所での障がい者雇用について伺います。中野区役所は、障害のあるなしに関わらず、誰もが働く喜びを感じられるまちであることを中野区のブランドとし、区内の企業などにもより一層派生させていただきたいと私は考えております。

 これから、障害者雇用率のお話をしますが、私の障害者の法定雇用率に対する考え方として、最低限の基準だと考えており、目標が雇用率を達成することではないということをあらかじめ申し添えさせていただきます。

 18歳から64歳の知的障害や精神障害者が増加の傾向です。そうした背景からか、行政における障害者の法定雇用率は令和6年には2.8%となりました。中野区の採用状況をお聞かせください。

○中村職員課長 令和6年6月1日現在における中野区の障害者雇用率は2.54%でございます。区では、中野区障害者活躍推進計画に基づきまして、法定雇用率の達成及び障害者にとって働きやすい環境整備の取組を進めているところでございまして、本年度は新たに障害者雇用支援員を配置し、配慮が必要な職員や職場への支援体制を強化してございます。

○黒沢委員 昨年度の決算総括質疑以降、新たな取組として、障害者雇用支援員の採用を行ったことや、会計年度職員の募集を開始したことは一歩前進であり、評価しております。他方、令和5年度、昨年度の状況ですが、23区内では14区が、法定雇用率が達成されているということです。区としては、障害者雇用について現在はどのような課題があると認識していますでしょうか。

○中村職員課長 それぞれの職員がやりがいのある職場に就き、各職場で活躍できる環境を整えることが必要であると考えてございまして、職員の能力や特性に応じた適切な業務の選定、職場におけるサポート体制、定着支援の充実などが課題であると認識してございます。

○黒沢委員 現状を鑑みると、庁内の様々な体制を整え、新たな施策を展開するべきではないでしょうか。障害者雇用において考えるべきことは、大きく分けて三つあると考えています。組織的な体制整備、そして二つ目は研修、定着支援、三つ目に採用計画です。それぞれについて確認させてください。

 まず、組織的な体制整備ですが、私が調査したところによると、江東区では令和5年に障害者雇用推進担当係長を職員課に配置したり、世田谷区では人事課で障害者活躍推進担当係長を配置したりして、より詳細な雇用に対する必要な施策や目標を立て、取組が強化されていることが分かりました。中野区職員障害者活躍推進計画においては、このような区と比較すると、具体的な計画が見て取れません。中野区でも、障害者雇用を推進するために、まずはこのような係長を配置するなど、組織的な体制整備が必要と考えますが、いかがでしょうか。

○中村職員課長 現時点においては、障害者雇用を推進するための係長ポストを配置することは考えてございませんが、今年度に設置しました障害者雇用支援員などの活用を図りながら、今後の障害者雇用を推進するための体制については検討してまいります。

○黒沢委員 ぜひチームをつくっていただくなど、強化していただきたいというふうに思います。

 新たな障害者の雇用をする上で、各所管で手が足りていないところなど業務を洗い出すということも必要だと思います。各所管で委託や発注している業務についても、区役所の障害のある職員を活用して実施することができないか、費用対効果も見ながら検討を図ることも必要かもしれません。新たな雇用機会の創出の可能性を高めるためにも、改めて職域開拓を行ってはどうかと考えますが、いかがでしょうか。

○中村職員課長 庁内の業務の中から、障害特性を踏まえた適切な業務を洗い出すことや、他自治体の取組事例を参考に検討してまいります。

○黒沢委員 ぜひ改めてよろしくお願いいたします。

 二つ目の研修定着支援についてですが、障害者雇用をしている現場では、合理的配慮や障害への理解が不足していることで、部署内でのトラブルや心的な摩擦に発展してしまうことがあります。庁内の全管理職を対象に、管理職として認識すべき障害に関する理解や、障害のある職員を受け入れられる職場運営を念頭に置いた共有理解事項等の実際のケースを取り入れた研修を実施してはどうかと考えますが、いかがでしょうか。

○松丸人事政策・育成担当課長 現在、障害に対する理解を含めまして、具体的な合理的配慮の実現を目的として、採用1年目職員を対象に障害者差別解消研修を、採用2年目職員及び管理職候補者を対象といたしまして、障害平等研修を実施しておるところでございます。障害平等研修におきましては、障害のある方に実際に登壇していただきまして、実体験に基づく講義を行っております。こういった取組を引き続き実践的な研修の実施ということで取り組んでまいりたいと思います。

○黒沢委員 研修を充実させているということで、ぜひ引き続き取り組んでいただきたいというふうに思います。こういった外部の専門家などにも協力していただき、研修を広げることはとてもよいことだと思います。また、採用された障害者の方へ初期研修も必要だと考えています。採用後の面談であったり、得手不得手の確認や、どのような配慮が必要なのか、自己理解をすることで、継続的な安定就労に必要なポイントを整理できる機会を持つことが望ましいためです。ぜひこのような研修の充実も図っていただきたいというふうに考えますが、現在はどのようになっておりますでしょうか。

○中村職員課長 区では、採用後におきまして、障害者雇用支援員等による面談の中で、障害のある職員がその特性に適した自己理解を深めてもらうため、就労における技術的な助言や職場での悩みの相談を実施してございます。今後とも職員が安心して働けるよう、必要な対応について検討してまいります。

○黒沢委員 障害者雇用支援員が配置されて、そういった部分も目が届くようになってきたのかなというふうに思います。ぜひ引き続き、そういった取組を行っていただきたいというふうに思います。

 次に、継続的な就労をするための定着支援ですが、他区では、新しく職員として採用されてきた方に、外部の専門家などを活用し、月に2回、御本人との面談を実施、そうした面談を通してセルフマネジメントの向上につながったり、不安の解消につながったりなど効果として表れているそうです。また併せて、月に1回、配属された上司、所属先の上司、そして職員課の方、そして外部の専門家などで、3者で共有の場を設けたり相談をしたりする、そういった職場自体への支援も行われているとのことでした。中野区では、採用された方々への定着支援に関するサポートは、現在どのようになっているでしょうか。

○中村職員課長 定着支援としまして、定期的な本人との面談実施のほか、毎年障害のある職員に満足度アンケートを実施しまして、合理的配慮や要望などを確認することで改善に向けた取組を行っているところでございます。

○黒沢委員 障害者の方御本人への取組というところはされているということですが、所属された部署というところにもぜひいろいろな相談があったりするかと思いますので、機会を持っていただきたいというふうに思います。

 そして最後に、採用計画についてです。これまで述べてきた受入れ体制の整備や研修、定着支援について、これらが強固なものにならなければ、単に採用を進めたとしても、業務マッチングがうまくいかなかったり、職場での人間関係が悪化してしまったりなどの問題も発生しかねません。この二つを行えるよう、区の組織的な体制や施策を進めていただきつつ、精度の高い実現可能な採用計画を作成していただきたいというふうに思います。これらを踏まえて、現在の中野区職員障害者活躍推進計画をバージョンアップしていただき、具体的な施策を進めていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。

○中村職員課長 令和7年度に予定してございます障害者活躍推進計画の改定におきましては、改めて障害のある職員に対するアンケート調査の結果や面談の記録などを踏まえ、障害者雇用に関する現状や課題を把握した上で、今後の取組を検討していきたいと考えてございます。

○黒沢委員 中野区では、企業に対する障害者雇用の支援も行っていますが、自らが参考にしていただけるような存在であってほしいと思います。

 いろいろ申し上げましたが、多くの方が働く喜びを感じられる中野区へ、ビジョンを掲げて取り組んでいただくことを願い、質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。

○杉山委員長 以上で黒沢ゆか委員の質疑を終了します。

 次に、いのつめ正太委員、質疑をどうぞ。

○いのつめ委員 おはようございます。よろしくお願いいたします。

 令和6年第3回定例会決算特別委員会におきまして、立憲・国民・ネット・無所属議員団の立場から総括質疑を行います。質問は通告どおりですが、3、デジタル政策についての(4)その他で、LINE運用支援ツールの導入について伺います。他の委員と重複する質問があるかもしれませんが、御容赦ください。それでは、よろしくお願いいたします。

 令和5年度決算について伺います。

 まず最初に、財政収支について伺います。経常収支から翌年度に繰り越すべき財源を控除した実質収支は、財政運営の良否をはかる手法の一つです。令和5年度は、令和4年度と比べて63億円から35億円、29億円の減となりました。その要因をまず教えてください。

○竹内財政課長 お答えいたします。実質収支減の要因でございますが、一般財源の充足により財政調整基金年度間調整分の繰入れや予定していた起債を取りやめたためでございます。

○いのつめ委員 また、3%から5%が望ましいとされている実質収支比率につきまして、令和5年度に適正値である3.8%となったことをどのように分析していますか。

○竹内財政課長 こちらは、精緻なエビデンスに基づいた予算積算への取組が不用額の減少に結びついたと考えてございます。また、令和5年度予算から新たな財政運営の考え方に基づき予算を編成し、基金の積立てを含め執行したことが少なからず影響しているものと考えてございます。

○いのつめ委員 不用額の減少、また新しい財政運営の考え方の影響もあるということです。一方で、単年度収支を見ると、29億円の赤字、実質単年度収支は18億円の赤字となっています。単年度収支は、一概に黒字であるということがいいわけではなく、健全な財政運営下においては黒字と赤字を繰り返すものです。令和2年度から令和4年度のように黒字が累積する状態が、区民への還元が適正にできていなかったと捉えることもできますが、区の見解を伺います。

○竹内財政課長 経年比較で黒字が継続することは、実質収支が前年度より増となっている状況であると考えてございます。実質収支額が前年度増となる理由として、予算施行の段階で事業構築方法を見直し、より効率的、効果的な事業構築を図ったことなども考えられます。また、想定を上回る一般財源の増加も要因と考えられます。単年度収支、実質単年度収支から一概に判断はできないところでございますが、区民への還元が適切にできているかという視点を常に持って、財政運営を行っていきたいと考えてございます。

○いのつめ委員 では、果たして令和5年度の赤字は、累積した黒字を還元したという見方はできますか。

○竹内財政課長 こちらも一概に判断できないところではございますが、複数年度の収支のバランスを見ると、物価高騰等により区民や事業者支援が必要なサービスを効果的に提供し、適切に対応できたと考えてございます。

○いのつめ委員 実質単年度収支は、単年度収支に財政調整基金積立額及び取り崩し額、地方債繰上償還金が反映されたものです。そうしたら、それに特定目的基金積立額及び取り崩し額を加味して、令和2年度から令和5年度、それぞれ単年度のみの収支を捉えると、どのようになりますか。

○竹内財政課長 こちら、仮に特定目的基金を加味した場合の実質単年度収支でございますが、こちら令和2年度は45億円余、令和3年度は41億円余、令和4年度は106億円余、令和5年度は1億円余となるものでございます。

○いのつめ委員 このように単年度のみで捉えた収支の推移を見てみると、令和5年度は、単年度における黒字を保ちつつ、ため込み続ける財政運営からの脱却が図られたように感じます。一方で、令和2年度からの黒字の累積は約193億円となっており、令和5年度のみではため込んできた黒字を還元し切れてはいないのではないかと考えますが、この点はどのように捉えていますか。

○竹内財政課長 単年度収支を無理に高めるような取組は行っていないところでございますが、一般論として、財政健全性を示す指標として意識してございまして、区民サービスに影響がないように財政運営を進めてきたところでございます。

○いのつめ委員 財政の健全性を保つ経営が重要ということは理解し、安定的な財政運営のために必要なことと思います。一方で、営利を目的としない地方公共団体として、行政水準、また区民サービスの向上など、必要なところへ必要なだけの還元も求められるところと考えます。会派として一貫して申し上げてきたことでもありますが、改めて区の見解を伺います。

○竹内財政課長 区民満足度の高い行政の維持をしつつ、財政の健全性を保つことが重要と考えてございます。地方公共団体としての本旨に沿った持続可能な財政運営を行っていく考えでございます。

○いのつめ委員 ぜひよろしくお願いいたします。

 続いて、経常収支比率について伺います。令和5年度は、71.2%と適正の範囲内ではあるものの、23区平均である76.5%との乖離は依然として解消されていない状態です。予算編成方針においては、経常経費は削減を原則とあります。区としては、経常収支比率がどのくらいの数値であれば、経常経費が適切に抑制されていると判断されますか。根拠と併せて教えてください。

○竹内財政課長 一般的には、少なくとも75%程度に収まることが妥当と考えられ、80%を超える場合は、その財政構造は弾力性を失いつつあると考えてよいということが、こちら、財務分析の市町村財政効率化の指針に書かれておりまして、区として目標値を特別に定めているわけではございませんが、この経常収支の範囲内に収まることが適当と考えてございます。

○いのつめ委員 一般に75%程度に収まることが適正ということでありますが、その根拠は先ほどお話しいただきましたように、昭和44年度に当時の自治省が発行した財務分析で示されたものと聞いております。当時からは、平成、令和と随分時が経っておりますが、その妥当性については変わっていないとお考えでしょうか。

○竹内財政課長 こちらは、先ほど申し上げたとおりの財務分析、市町村財政効率化の指針、自治省発行のものに、適正規模について記載されてございまして、それ以降、新たな考え方などが示されていないこともございまして、また全国的な指標となっていることから、妥当性は変わっていないものと考えてございます。

○いのつめ委員 妥当性については、時間経過では揺るがないということだと思います。

 では、関連して、義務的経費、投資的経費について考え方を教えてください。

○竹内財政課長 義務的経費とは、人件費、扶助費、公債費の合計のことを指してございまして、法令などにより支出を義務付けられている経費のことでございます。また、投資的経費とは、道路、公園、施設の整備など、支出効果が長期にわたり資本形成に役立つ経費のことでございます。

○いのつめ委員 中野区は、近年人口増となっておりますが、近い将来、日本全体と同じく人口減少が見込まれるところです。当然、それに比例して財政収入は減少、よくて横ばいとなっていく見通しですが、そうした状況においても義務的経費の削減は必要でしょうか。

○竹内財政課長 義務的経費は、法令などにより支出が決めつけられている経費のため、一定の削減を行うことが財政の弾力性を生むことにつながると考えてございます。一方、扶助費は、誰一人取り残さない区政の実現に向けて、住民福祉に寄与するための政策を推進するため、一定規模計上することが必要であると考えてございます。必要な経費を精緻に積算し、時代に必要な区民ニーズに沿った政策を反映させていく考えでございます。

○いのつめ委員 財政収支が減少、均衡する中で、経常経費を抑えようとすれば、どこかで歪みが生じ、本来お金をかけなければならない部分を削る必要が出てくることを危惧するところです。人口減少、縮小均衡へ移行する現代を反映して、経常収支比率、そして義務的経費・投資的経費のバランスについての考え方のアップデートが必要と考えますが、区の見解を伺います。

○竹内財政課長 経常収支比率などの財政指標は、ほかの自治体との比較をすることができるため、意識をすることが必要と考えてございます。区民ニーズを把握し、時期を逸することなく、効果的な政策を打ち出していく中で、義務的経費と投資的経費のバランスを注視しながら、政策を計画的に着実に進めていきたいと考えてございます。

○いのつめ委員 実質収支比率、経常収支比率のいずれも、その指標だけで全てを判断できるというわけではありませんが、おっしゃるとおり、日本全国同じ指標で比べられるという意味では、一定の効果があると思います。そういったものを参考に、中野区の財政状況や経営分析を行っていただいた上で、今後の予算編成等に生かしていただければと思います。

 それでは続いて、人件費について伺います。基本的な数字の部分は、河合委員の質疑においてお伺いをしたかと思いますので、私からはより具体的な中身の部分について聞いてまいります。

 令和4年度に職員定数管理計画が策定され、令和5年度にその後初めての採用が行われました。まずは、職員定数管理計画において、職員数を設定する上での参考指標について教えてください。

○松丸人事政策・育成担当課長 職員定数管理計画における参考指標でございますが、職員1人当たりの人口、人件費比率、人口1人当たりの人件費を設定しておりまして、いずれも23区の平均値を目安としておるものでございます。

○いのつめ委員 主な指標として3点挙げていただきました。いずれも23区平均と比較してといった内容ですが、類似団体との比較のみでは、業務量と職員数のバランスなど、庁内における職員数の適正が判断できないのではないかと懸念するところです。庁内における職員数の適正を図る指標について、区の考えを伺います。

○松丸人事政策・育成担当課長 参考指標は、職員定数の目安として確認するものでございまして、職員定数の増減要因に関する各部ヒアリング、超過勤務や休業、休職の状況など、総合的に捉えまして、配分定数の適正化を図っているところでございます。

○いのつめ委員 行政のみならず民間企業においても、人員配置の最適化というのは、まさに永遠の課題かと思います。現代の人材マネジメントでは、モチベーションや生産性の向上、コストの削減といった観点から、どのようにして適材適所、適所適材に人員を配置するか、研究がされてきましたが、いずれの手法においても、現在の人材配置が適正かを分析することがスタートラインです。様々な業務量を見込み、工数の把握や超過勤務の分析、全庁的な職員データの管理など、職員、部下それぞれにとって適所適材、適材適所になるような人員配置につきまして、区の取組状況、課題認識を伺います。

○中村職員課長 昨年度実施しました人材マネジメントシステムを活用しまして、各部の職員の基本情報、目標管理、職務意向、業績評価、超過勤務の実績などの情報を共有しまして、データ分析を行うなど、適材適所な人事配置に取り組んでいるところでございます。なお、業務量の見込みや、業務量に応じた人員、時間数の分析については、今後の課題として検討を進めてございます。

○いのつめ委員 ぜひしっかりよろしくお願いいたします。

 それでは続いて、財政白書の34ページによりますと、人件費のうち、職員給は増となる一方で、職員1人当たりの平均給料月額は減少しております。この要因を教えてください。

○中村職員課長 職員1人当たりの平均給料月額が減となっている要因でございますが、新規採用者による新陳代謝や、60歳を超えた職員の給料7割措置などによるものでございます。

○いのつめ委員 職員全体のうち、いわゆる若手年代の職員の割合が増加したためということだと思います。中野区職員の現在の年代構成、年齢別構成につきましては、30代から40代の割合が有意に低くなっております。以前の職員2,000人体制下における一定期間、職員の不補充があった影響です。こうした状況を踏まえた、職員定数管理計画における年齢構成バランシングの考え方を教えてください。

○松丸人事政策・育成担当課長 年齢構成バランシングの考え方でございます。職員の知識や業務スキル等の継承が危惧されていること、外部の斬新な発想を区の組織に取り入れていくこと、職員採用数を安定的に維持していくことなど、年齢構成のバランシングを図るため、経験者採用を継続的に実施しているというところでございます。

○いのつめ委員 経験者採用によってその穴を埋めていくという考えだと思います。これまでの経験者採用の実績について、令和3年度からの推移を教えてください。

○松丸人事政策・育成担当課長 令和3年度は27人、令和4年度は24人、令和5年度は46人となってございます。

○いのつめ委員 経験者採用、全体の採用数としては増加傾向にあります。令和5年度の実績と職員定数管理計画の推計値を突合しての進捗状況を教えてください。

○松丸人事政策・育成担当課長 令和5年度の新規採用職員数は159人でございましたが、児童相談所や生活援護課における対応件数が増加傾向となったことなどによりまして、職員定数管理計画における推計値と比較すると、31人多く採用したところでございます。

○いのつめ委員 ありがとうございます。経験者採用のボリュームゾーンとなるべき30代から40代は、転職市場の動向を鑑みるに、キャリア採用が主となると考えます。主たるターゲットを見据えた経験者採用について、募集の媒体など、特に工夫した取組があれば教えてください。

○中村職員課長 経験者採用を実施してございます特別区人事委員会におきまして、新卒者採用と併せて、SNSなどを通じた採用PR活動を行ってございます。区としましては、民間企業などの豊富な経験を区の組織運営に生かしてもらうため、係長職、3級職の選考区分を積極的に活用しているほか、区独自の取組としまして、転職希望者を対象に含む合同説明会への出展等の取組を行ってございます。

○いのつめ委員 年齢構成のバランスを是正するのは、一朝一夕のお話ではないかと思いますので、引き続き取り組んでいただければと思います。

 続いて、新卒採用についても伺います。まず、採用の状況について、特別区職員採用試験倍率の推移はどうなっていますか。

○中村職員課長 技術関係職種の一類も含め、全体的に合格倍率は減少傾向にございます。

○いのつめ委員 すみません。具体的な数字が分かれば教えてください。

○中村職員課長 一類事務を例に申しますと、令和3年で4.8倍、令和4年度で3.6倍、令和5年度で2.5倍でございます。

○いのつめ委員 就活市場全体のトレンドから見ても、特別区職員採用試験の倍率が連動して低下していることが分かります。日本人口の年齢構成を見ますと、少子化の波の中で、新卒全体の人数が目減りしていくことから、売手市場はさらに顕著になっていくものと思われます。そうした状況においても、安定した採用を行うためには、中野区で働きたいと感じてもらえるような働き方の魅力の醸成や積極的な発信が必要と考えますが、区の見解を伺います。

○中村職員課長 特別区や区が主催する合同説明会や、大学や予備校での採用説明会の実施、中野区で働く魅力を発信する職員PR動画の作成及びホームページの充実を図ってございまして、引き続き効果的なPRが実施できるよう検討してまいります。

○いのつめ委員 ありがとうございます。

 続いて、職員の定着について伺います。まず、普通退職者の動向について、令和3年度から令和5年度までの推移がどうなっているか。主な退職事由を含めて教えてください。

○中村職員課長 令和3年度は19人、令和4年度は27人、令和5年度は48人となってございます。退職事由は様々なケースでございますが、主なものでございますと、他自治体や民間企業への転職、病気療養、家事専念等でございます。

○いのつめ委員 令和5年度は全体で48人と、令和3年度、令和4年度に比較して増加しているように見えますが、この点に関してはどのように捉えていますか。

○中村職員課長 令和5年度は、定数が段階的に引き上げられることに伴って、定年退職者がゼロ人となった初めての年度でございまして、年度末に60歳を迎えた職員の一定数が普通退職を選択したこと、また転職市場の活発化などに伴い、転職のため退職した職員が例年以上に多かったことが主な要因であると認識してございます。

○いのつめ委員 ここまで質疑させていただいた内容を踏まえて、普通退職の根本要因分析と職員定着のための取組について、区の見解を伺います。

○中村職員課長 要因としましては、労働生産人口の減少や転職市場の活発化などのほか、ライフスタイルの考え方の変化などが考えられます。職員が長く働き続けられるために、ワーク・ライフ・バランスの推進など、働きやすい職場環境の整備に向けて取り組んでまいります。

○いのつめ委員 続いて、職員の育成について伺います。まず、新卒採用、経験者採用、それぞれオンジョブトレーニングや研修など、採用後の育成体制はどうなっているか、教えてください。

○松丸人事政策・育成担当課長 採用後の育成体制でございますけれども、経験者採用を含む新規採用職員に対して区政概要、コンプライアンス、接遇、防災、人権など中野区職員として必要な基本的な知識の習得を目的とした新任研修を実施しておるところでございます。また、希望しない経験者採用職員を除く新人に対しまして、サポーターを定めまして、サポーターを中心に配属先における実効性のあるOJTの推進を図っているというところでございます。

○いのつめ委員 人材育成の熟達について、大きな課題となっているのがジョブローテーションの在り方かと思います。人材のスキルアップ、また個別最適な働き方や可能性の模索など、多くの観点から進められてきたジョブローテーションですが、一分野における進路が浅くなるのではといったデメリットも指摘されているところです。中野区におけるジョブローテーションの考え方を、改めて確認させてください。

○松丸人事政策・育成担当課長 中野区人材育成基本方針におきまして、事務職と専門職に分けたジョブローテーションの考え方を示しております。例えば事務職におきましては、新規採用から10年目までの職員につきまして、本人の適正判断やキャリア形成期間といたしまして、3年から5年を基本に、異なる部署の職務を経験することによる育成を図りまして、10年目以降はゼネラリスト、エキスパート、特定部門エキスパートの三つのキャリアモデルに分けまして、職員自らが選択したキャリアや希望を尊重した人事異動を、配置を行うこととしております。

○いのつめ委員 ジョブローテーションの必要性や有効性は理解するところですが、先にお示ししたデメリットなど、一概に良し悪しを判断できるものでもないかと思います。ただ一方で、育成体制など、以前に比べて状況も大きく変わっていく中で、学ぶ側、育てる側にとって負担となることは懸念するところです。各部課によって異なる育成体制を加味して、個別最適な運用が必要と考えますが、区の見解を伺います。

○松丸人事政策・育成担当課長 現在ジョブローテーションによって異動する職員が、メンターを選択することのできるクロスメンター制度を検討しておるところでございます。他自治体の先進事例を参考にしながら、指導する側、される側、双方の負担感を軽減するとともに、効果的なジョブローテーションを実施してまいりたいと考えております。

○いのつめ委員 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いいたします。

 また、専門知識を有する技術職の不足が指摘されているところですが、専門知識をはじめとしたスキルの継承のために、区としてどのような取組をしているか。また、どのような取組が必要か、教えてください。

○松丸人事政策・育成担当課長 技術やノウハウの継承マニュアルの策定、専門性の高い行政機関や民間機関などへの派遣研修などの取組を実施しているところでございます。また、現在、技術専門職の人材育成計画の策定、改定を検討しておりまして、専門的な行政サービスを継続的に提供できるよう取り組んでまいりたいと思います。

○いのつめ委員 ありがとうございます。先ほどキャリアモデルのお話もございましたが、職員のキャリア形成についても伺ってまいります。働き方の多様化が進む中で、キャリア形成もまた多様化しております。職員がやりがいを感じ、ワーク・ライフ・バランスを保ち、力を発揮できる環境のために、どのようにキャリアプランを組んでいくか、改めて確認をさせてください。

○松丸人事政策・育成担当課長 将来のキャリアビジョンを形成するとともに、自らのプライベートビジョンを形成することを目的といたしまして、採用4年目職員全員を対象にキャリアデザイン研修を実施しております。また、毎年度、全職員が策定している職務意向申告シートの中で、自らのキャリアビジョンを定め、所属長との面談においてアドバイスをしておるところでございます。今後、人材マネジメントシステムの効果的な活用も含めまして、よりよいキャリア形成ができるような環境を引き続き整えてまいりたいと思います。

○いのつめ委員 では、本項の最後に、人への投資についての考え方について伺います。日本全体で少子高齢化が進む中、労働人口はさらに減少していく一方で、社会保障を中心に業務量は増加していくと想定されます。業務効率化や業務委託など、業務負担の物理的軽減も対応策としては当然重要ですが、さらに根本的な人件費の考え方についても変化が必要ではないでしょうか。これまで人件費をはじめとした義務的経費は、削減が原則とされてきましたが、特に人件費に関しては、2,000人体制下の中で過剰に削減されてきた一面もあると感じております。区政運営を担う職員を採用、定着、育成するための人への投資について、区長の考えを伺います。

○酒井区長 人材育成基本方針で掲げる人材確保、人事配置、人材育成、人事評価、職場環境の整備といった四つの戦略に基づいて、人材マネジメントを推進しているところであります。人材を資本として捉え、その価値を最大限に引き出すとともに、中長期的に組織力を強化していく人的資本経営の考え方が近年、官民問わず注目されておりまして、自治体版の人的資本経営の調査研究も並行して進めているところであります。区の目指す将来像の実現に向けて、職員一人ひとりの能力を最大限発揮できるよう、採用、定着、育成などの人事政策を一層強化して、必要な人的投資を進めてまいります。

○いのつめ委員 若い世代の働き方に求める価値の変動や、終身雇用の希薄化など、労働に求められる価値もまた変動しております。「人づくりこそ国づくり」という言葉もあるとおり、人は国の原資です。職員が満足して働くことができなければ、質のよい区民サービスは生まれません。かけるべきところにしっかりとコストをかけていただければと思います。

 2番、請負契約・委託契約について。まずは、請負工事における物価高騰下の対応状況を確認したいと思います。議決を伴う大型の請負工事のうち、令和5年度に契約金額の増額をした案件がありましたら、事由と併せて教えてください。

○原契約課長 令和5年度においては、インフレスライド条項の適用による契約変更が10件、地中障害物の除去等に伴う設計変更による契約変更は4件でございました。

○いのつめ委員 インフレスライドの適用案件は10件。一方で、単品スライドは適用がなかったということだと思いますが、単品スライドがこれまでに適用されたことはありましたか。

○原契約課長 中野区において、単品スライドを適用した実績はございません。

○いのつめ委員 単品スライドが適用されない、もしくはできない要因を教えてください。

○原契約課長 単品スライドは、鋼材類や燃料油など、特定の工事材料の価格が著しく変動した場合に、請負代金の変更を請求できるものであります。通常、インフレスライド条項により、単品スライドの対象となる工事材料の価格高騰分のスライド額も算定しているものでありますので、単品スライド単独での適用までには至っていないものと認識しております。

○いのつめ委員 単品スライドはなかなかハードルが高く、これまでに適用できるような単品に限った資材費の高騰がなかったと理解しました。

 それでは、インフレスライド、単品スライドの適用までの流れを確認させてください。

○原契約課長 インフレスライド、単品スライド共に、対象となる工事費の1%を超える変動が生じている場合に、受注者からの請求によりスライド額の協議を行い、変更金額を決定するものでございます。

○いのつめ委員 ありがとうございます。複数年度にまたがるケースに、2月に国から下りてくる労務単価を踏まえて協議となるケースが多いかと思いますが、単年度工事にはそれが適用できるでしょうか。

○原契約課長 単年度工事においては、毎年2月に公表される新たな公共工事設計労務単価を適用の上、4月以降に発注していることから、インフレスライドの対象とはならないものでございます。

○いのつめ委員 原則では、インフレスライドは複数年度にまたがる工事に適用されるものと言えそうだと思います。例えば、前年度にインフレスライドの申出があったものの、適用に至らず、次年度に改めてインフレスライドの協議をする場合、前年度分を含めてインフレスライドを適用できますか。

○原契約課長 インフレスライドは、最新の公共工事設計労務単価が示された後に、受注者が契約金額の変更を請求した日を基準日として、残工事におけるスライド額を算出するものであります。スライド額は、年度ごとに算定の上、速やかに予算措置及び契約変更を行うことを基本としているため、翌年度にまとめてインフレスライドを適用することは想定してございません。

○いのつめ委員 インフレスライドは残工事分に適用されるため、遡っての適用はできないということです。では、単品スライドの場合はいかがでしょうか。

○原契約課長 部分払いを既に行っている出来高部分を除き、品目ごとの変動額が対象工事費の1%を超えた品目がある場合においては、年度を超えての単品スライドの適用も可能であります。

○いのつめ委員 ここまでの質疑内容をまとめると、おおむねの状況において、インフレスライドで労務単価、資材費、いずれの高騰についても対応できますが、特定の資材費高騰についての遡った対応が必要なケースなど、インフレスライドと単品スライドの使い分けができる場面があると捉えられます。こうした細かな情報を事業所が逐一把握するのは難しいのではと考えますが、区として情報提供などは行っていますか。

○原契約課長 インフレスライド及び単品スライドについては、制度の違いや併用が可能なことを中野区ホームページや、入札を行う電子調達サービスにおいて案内、周知をしてございます。

○いのつめ委員 制度は、用意して終わりではありません。使っていただいて初めて意味があると思います。インフレスライド、単品スライド、どれを適用できる可能性があるか。どうすれば最大限活用できるか等、事業者と制度をつなぐことも、基礎自治体として大切な役割かと思いますので、引き続きお願いをいたします。

 本項の最後に、昨年山本委員からも質問をさせていただいた、インフレスライドの対象品目について伺います。以前の御答弁では、新たな品目を協議の場に載せることも検討していくということでしたが、その後、インフレスライドの算定において、新たに協議された品目と算定額の比率を併せて教えてください。

○大須賀施設課長 インフレスライドの対象品目につきましては、都の工事単価以外のサッシや可動間仕切り壁、エレベーターなどの見積り単価を含め、協議の対象としております。従来方式の算定額と見積り単価を含めた算定額を比較した場合ですが、学校建設工事の1事例で言いますと、約2.2%の増となっております。

○いのつめ委員 8月に区内団体の方々と政策懇談をしましたが、物価高騰の影響は深刻で、インフレスライドをはじめとした物価高騰対策への御意見も多く頂いております。引き続き必要な対象品目については、協議の場に載せていくことが肝要と考えますが、今後の対応についてお聞かせください。

○大須賀施設課長 対象品目の協議やスライド額の算定に当たりましては、品目や材料価格、賃金変動の実態把握に努めまして、引き続き物価高騰に的確に対応してまいりたいと考えております。

○いのつめ委員 ありがとうございます。

 続いて、業務委託契約について伺います。先ほど質疑したとおり、請負工事契約ではインフレスライド等がありますが、業務委託における物価等高騰への対応について教えてください。

○原契約課長 業務委託においては、契約締結後の経済情勢の激変により、当初の条件による契約履行が困難となった場合、または契約内容が著しく不適当になったと認める場合に、契約金額の変更等を区に申し出ることができるものと契約約款で定めております。ただし、委託契約に関しましては、受託者において物価変動等も想定の上、毎年度委託機関における受託可能金額を算出し応札しているものと認識してございます。

○いのつめ委員 年度前に最新の労務費などで契約が更新される案件が多く、その場合は対応は不要とのことですが、例えば債務負担行為など、契約が複数年度にまたがる場合はいかがでしょうか。

○原契約課長 複数年度にまたがる契約においても、委託期間内における賃金水準の変動も想定の上、事業者それぞれで算出した受託可能な金額において応札の上、受注しているものと認識してございます。

○いのつめ委員 では、当初見込みを大幅に超える労務費などの上昇があった場合は、どうなりますか。

○原契約課長 入札等を経て決定した契約金額については、公平性の観点から、原則として契約締結後に変更するものではございません。ただし、約款で定める契約変更事由に該当する状況であると受託者から申出があった場合には、申出の内容や状況を聞き取り、契約変更の要否を慎重に確認していくことになります。

○いのつめ委員 それでは、物価等高騰が続くここ数年で、それが適用された事例があれば教えてください。

○原契約課長 令和4年度の中野区報編集及び印刷業務等委託において、世界的な燃料、原料価格の高騰により、製紙価格の大幅な値上げと印刷経費の増加が生じたため、変更契約の上、区報の安定供給につなげた事例がございます。

○いのつめ委員 インフレスライドにおいては、労務単価と資材費の上昇が合わせて全体工事の1%以上の上昇がある場合など、定数的な適用基準がありますが、業務委託契約については、同様に定数的な適用基準はありますか。

○原契約課長 工事請負契約においては、単価設定のある労務費や資材などを基に請負金額を算出していることから、物価高騰に伴う金額の変動が客観的に確認できるものであります。しかしながら、委託契約においては、工事とは異なり、共通の単価はないこと、また業務内容も多種多様であることから、契約変更の定数的な適応基準は設けてございません。

○いのつめ委員 案件ごとに都度、個別で判断されるその場合のメリットとデメリットを併せて教えてください。

○原契約課長 契約変更の定数的な適用基準を設けないことにより、経済情勢の激変に起因する影響を案件ごとに個別に確認できる一方、インフレスライドのような明確な基準がないことにより不明瞭さが残るものであります。

○いのつめ委員 案件ごとに臨機応変な対応ができる点は、理解しました。しかしながら、適応のハードルを分かりやすくすることのメリットも大きいのではと考えます。定数的な基準を含めて、区としての適応の方針や考え方を持つことが必要と考えますが、区の見解を伺います。

○原契約課長 契約約款上の規定を踏まえた、公平でかつ透明性のある契約変更の考え方を示すことができるか、他自治体の運用も踏まえ、研究してまいります。

○いのつめ委員 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。

 それでは、3、デジタル政策について伺います。まずは、自治体システムについて伺います。令和5年度予算では、全庁横断的に対応する主な経費として、自治体情報システムの標準化、共通化への取組に事業費7,727万円余が計上されていましたが、その内容と執行額、執行率をお示しください。

○保積デジタル基盤整備担当課長 令和5年度は、各システムとも標準化移行に係る分析調査委託となっており、執行額は7,481万6,000円余、執行率は96.8%となっております。差額の245万7,000円余の内訳については、住民情報システムにおいて、契約落差の220万円の残、高齢障害福祉システムにおいて、委託内容の精査により25万7,000円余の残となっております。

○いのつめ委員 差額は契約落差のみということで、おおむね予定どおり進んでいる旨、理解しました。令和6年予算特別委員会総括質疑でやり取りさせていただいた後、令和6年第2回定例会の総務委員会にて、うち4システムが移行困難となっていることが報告されました。その後の進捗状況はいかがでしょうか。

○保積デジタル基盤整備担当課長 第2回定例会での報告以降、新たに移行困難となったシステムはございません。移行困難システム以外の対象業務システムについては、引き続き令和8年1月からの標準準拠システムでの運用開始に向けて取り組んでおります。

○いのつめ委員 ガバメントクラウド及び標準準拠システムへの移行については、令和7年度末を目指して進めている最中かと思います。先般の御報告では、移行困難システム等に関する不明確な費用を除いた経費は、運用経費を含め、17億円とのことでした。補助金として12億円強を見込んでいるとはいえ、多くのコスト、時間をかけて対応していくことになりますが、それに見合うメリットは現時点で見えてきていますか。

○保積デジタル基盤整備担当課長 これまで自治体ごとに構築していたシステムについて、OS、ミドルウェア、サーバー機器等の購入や保守に係る人的、財政的負担の軽減が見込まれております。効果について、時期や定量などを現時点で明確に想定するのは困難ではございますが、国の目指す効果が出るように、着実に取り組んでいきたいと考えております。

○いのつめ委員 主にシステムに関わる将来的な負担減ということで、より具体的な内容については、現段階で検討の難しいところもあるかと思います。一方で、早い段階から移行後のビジョンをしっかりと持ち、国の動向に左右されることなく、有効活用していく姿勢が必要であるとも感じますが、区の見解を伺います。

○保積デジタル基盤整備担当課長 令和8年度以降の想定は、現段階ではできておりませんが、今後、国の動向について注視し、区としてよりよいサービスが実現できるか、検討してまいります。

○いのつめ委員 移行して終わりではなく、むしろその後どう運用して、区政、区民に恩恵を行き渡らせるかが重要と思います。ぜひこの点を大切にしていただいて、引き続きよろしくお願いいたします。

 また、一部関連して、システム改修について伺います。令和5年度に標準化、共通化の対象となっているシステムで、制度改正等のための改修がありましたら、件数と1件当たりの費用の幅を教えてください。

○保積デジタル基盤整備担当課長 標準化、共通化の対象となってございますシステムで、令和5年度の制度改正のための改修は、合計12件、費用は800万円から3,000万円強程度となってございます。

○いのつめ委員 今お示しいただいた案件につきましては、内容を鑑みるに、規模の大きい改修で、影響範囲から見ましても、外出しで対応する必要があったことと推察いたします。こうした重めの改修以外で、軽微なものに関しては、保守費用の中で対応するケースもあるかと思います。まずは、自治体システムの保守運用に関して、全庁的な方針や考え方があればお聞かせください。

○瀬谷デジタル政策課長 一般的に、保守業務には、障害対応やトラブル予防の定期点検、アップデート、セキュリティ対策などが含まれております。一部パラメータの変更のみといった軽微な改修につきましても、保守の中で対応できるかどうかは変更内容やシステムによって異なるため、全体的な方針などをつくることは難しいというふうに考えてございます。

○いのつめ委員 それでは、この規模の改修であれば保守運用にて対応、また外出しで対応するなどの目安となる金額、工数など、定数的な基準はありますか。

○瀬谷デジタル政策課長 システムの規模や形態、契約の内容も様々であるため、基準は設けておらず、各所管がケースごとに事業者と協議して対応しているところです。ただし、費用が発生する改修につきましては、予算化する前にデジタル政策課で確認を行いまして、内容や費用の精査等の支援を行っております。

○いのつめ委員 定数的な基準はないものの、外出しとなる一定規模の改修については、デジタル政策課でチェックもしていただいており、必要とあれば交渉にも入られるということで、今回極めて軽微な改修、例えば対象年齢、給付額の変更のみといった案件を外出しにして、費用をかけて対応しているのではないかという懸念があったのですが、そういったことが起こらない仕組みとなっているということでよろしいでしょうか。

○保積デジタル基盤整備担当課長 現在は、過去の住民情報システムのように内製で開発しているシステムはなく、パッケージソフトウェアを導入しているため、どのようなつくりになっているかは各システムにおいてそれぞれ異なると認識しております。

○いのつめ委員 ありがとうございます。そもそものシステムの考え方が、ワンオフを内製して作り込むのではなくて、パッケージで導入し、カスタマイズしていくということだと思います。前者と後者を比べたメリット・デメリットがあれば教えてください。

○保積デジタル基盤整備担当課長 内製でのシステムの開発のメリットは、独自性や複雑性にも対応したシステムを構築することができること、またデメリットは、初期導入時や改修時の費用や期間が増加することと考えております。また、パッケージ導入のメリットは、初期導入時や改修時の費用や期間を抑えることができること、またデメリットとしては、独自性や複雑性に対応することが難しいことと認識しております。

○いのつめ委員 お示しいただいたメリットとデメリットを天秤にかけた上で、現在の考え方に至ったものかと思います。その考え方を踏まえますと、ガバメントクラウド及び標準準拠システムへの移行によって、システム改修費への影響はありますか。現段階の区の見解を伺います。

○保積デジタル基盤整備担当課長 国は将来的に、制度改正時の効率的なシステム改修の形を目指しております。現在は、システムごとに制度改正対応を行っておりますが、標準化対応後は、全国共通の標準仕様により、要件定義等の経費削減が期待されます。今後も国やほかの自治体と連携や情報交換をしながら、システム改修経費の精査を進められるように努めてまいりたいと考えております。

○いのつめ委員 ありがとうございます。システムについては、どんどんこれからDXの推進を続けるに当たって、システム改修についても負担が増えていくことと思います。ですので、ぜひとも、こうした標準準拠システムの移行等を踏まえまして、システム改修に係る負担の軽減に努めていっていただければと思います。

 それでは続いて、区ホームページについて伺います。区ホームページは、ITを活用した広報として大きな役割を持ちます。令和5年10月に行われたリニューアルによる区民への影響も、その役割に比例し、大きなものとなりました。リニューアルに際して発生した障害をはじめとしたトラブルは、記憶に新しいものですが、その後の状況について伺います。

○矢澤広聴・広報課長 昨年10月、区ホームページのリニューアルをした当初、検索画面から欲しい情報にたどり着けないという事象が発生しましたが、1週間程度でその事象は解消いたしました。現在に至るまで、大きな障害は起こっていません。

○いのつめ委員 大きなリニューアルはしばらくないとは思いますが、トラブルがないよう、さきに得た教訓をもって、安定した保守運用を行っていただければと思います。

 また、リニューアル前後で効果測定について、ホームページアクセス数や問合せ件数の推移など、効果測定のための分析をされていれば、現段階までの結果をお示しください。

○矢澤広聴・広報課長 区民ニーズを的確に把握するため、カテゴリー別にどのページがよく見られているか、またどの流入経路からユーザーが見ているかなどのサイト分析を随時行っているところでございます。リニューアル前後で比較すると、顕著なのが、検索エンジンを使ってサイトを見られた数が毎月平均で10万回ほど増えたことでございます。リニューアルをしたことで、区ホームページが整理され、何か調べたいときでも調べやすくなった、または見やすくなったものと捉えてございます。

○いのつめ委員 現段階で既に有意な上昇が見られているということですが、区ホームページのリニューアルに際し設定した目標、目的、そしてそれの達成状況についてお伺いいたします。

○矢澤広聴・広報課長 区民にとって見やすく、分かりやすく、探しやすいホームページとすることをリニューアル時のコンセプトとしてございます。リニューアル後は、例えばサイト内検索を使った閲覧数も大幅に伸びていることから、検索機能は向上しているということでございます。今後も区民ニーズを的確に把握することで、利用者にとって分かりやすく探しやすい情報の発信を行ってまいります。

○いのつめ委員 今後、保守運用の段階においてしっかりとフィードバックを集めながら、適宜改善をしていく必要があるかと思います。まずは、保守運用の体制がどうなっているか、教えてください。

○矢澤広聴・広報課長 区ホームページ全体の運用保守は、広聴・広報課が行っています。技術的なところは委託しているところでございます。また、システムの導入及び運用に当たりましては、デジタル政策課に伴走支援をお願いしているところでございます。また、各ページの作成、決裁、公開及び管理につきましては、各所管が行っております。

○いのつめ委員 大きな障害等がない場合、保守チームは改善に当たるかと思いますが、現段階で、区側から対応すべき課題として挙げているものがあれば教えてください。

○矢澤広聴・広報課長 リニューアル後、実際に運用している中で生じた課題に対し、使いやすくなるよう、これまで改善を行ってまいりました。一例を挙げますと、新着情報欄に一度掲載した情報を、誤字、脱字、あるいはリンク切れなど軽微な修正があって更新する際に、同様の情報が何度も新着情報に掲載される仕様となっております。そのため、必要な情報が得られにくくなるという課題がございました。今回、このことを改善することによりまして、区民にとって有用な情報の見逃し防止につながったものと捉えております。

○いのつめ委員 ありがとうございます。ぜひ今後も適宜対応いただければと思います。また、所管ごとにページを管理、更新とありましたが、そういった現状ですと、広聴・広報課が区ホームページ全体を把握、管理することが難しいかと思います。私は、この管理体制がリニューアル時の障害の根本原因の一つであると考えております。一元管理が難しい中で、掲示する情報の正誤、不要となった情報の削除など、多岐にわたる維持管理は現状どのようにしているか、教えてください。

○矢澤広聴・広報課長 現状は、区ホームページを全体統括している広聴・広報課のほうで、アクシビリティに配慮した分かりやすい内容となっているかなどの指定に基づきまして、公開されているページを適宜チェックし、必要に応じて修正を行っております。また、職員向けに情報発信に関する研修を行うことで、広報前での調整を随時図っているところでございます。

○いのつめ委員 ちなみになんですが、他区のホームページの管理体制は把握されておりますでしょうか。中野区と同様、もしくは異なる点があれば、考え方と併せて教えてください。

○矢澤広聴・広報課長 23区を調査したところによりますと、14の区が中野区とほぼ同様に、各所管が各ページの作成、決裁、公開管理を行う手法を取ってございます。残りの区におきましては、作成、決裁は各所管で行った後、広報課の最終確認を取ってから公開する手法を取っております。中野区のような管理体制のメリットとしましては、所管が伝えたい情報を即座に、かつ大量に発信できることなどが挙げられます。また、デメリットとしましては、表現やレイアウトの統一性がなくなってクオリティに差が出てしまうなどといったことが挙げられます。

○いのつめ委員 やはり所管ごとにページを管理する体制については、対応が一元的に行われない点が維持管理上大きなリスクと考えます。対して、申請制の場合、スピード感は削がれる一方で、チェックの手間の減少、クオリティの担保など、それは補って余りあるメリットかと思います。広聴・広報課が更新状況等を適切に把握できるよう、管理体制の強化及び一元管理を目指す必要があるかと考えますが、区の見解を伺います。

○矢澤広聴・広報課長 区民に届く情報発信力は確実に向上し、また若手職員の広報マインドが醸成されつつある一方で、部署によって情報発信力に差があることは認識しているところでございます。他自治体の管理体制の優良事例を参考にしながら、区の現状や課題を整理した上で、今後もより効果的な管理手法の在り方につきまして検討していきたいと考えてございます。

○いのつめ委員 また、デジタル政策課が伴走支援を行っているとはありましたが、具体的にどういった関わり方をしているのか、教えてください。

○瀬谷デジタル政策課長 システムの導入、保守、運用については、基本的に所管課のシステム担当者が主体となって進めております。デジタル政策課では、導入するシステムの構想段階の事前相談、予算化する前の構想企画書や契約前の調達仕様書の内容確認、費用の精査などの支援を行っております。また、契約後においても、必要な場合には、相談対応や事業者との打合せ、定例会に参加するなどの支援を行っております。

○いのつめ委員 現状は各所管のシステム管理者がメインで、要請があれば随時対応というところで、いささか受動的な印象を受けます。本項の最初に申し上げたとおり、区ホームページは広報とITの両側面を持ち合わせるものです。保守チームとの連携やサイト管理といった観点から、デジタル政策課による伴走支援を強化し、能動的な関わり方を模索していただくよう要望いたします。

 続いて、DXによる業務効率化について伺います。令和5年度に新庁舎移転に伴うシステム整備等の一環としてMS365が導入をされました。まずは、その執行額、執行率をお示しください。

○保積デジタル基盤整備担当課長 令和5年度の執行額は1億4,325万9,000円となり、執行率は約99%となっております。

○いのつめ委員 この執行額、執行率を見ると、大きな問題なく導入には至ったことかと思います。MS365導入後につきましては、以前に運用方法、アフターサポートの体制、デジタルデバイド対策について質疑をさせていただきました。まず、そうした課題を捉えるための状況調査は行っているか。行っていれば、分析の結果と併せて教えてください。

○保積デジタル基盤整備担当課長 令和6年7月上旬に、マイクロソフト365を利用している職員に対し、アンケートを実施いたしました。調査の結果、使いやすさなどについてはおおむね問題がないという傾向が見られました。しかし、便利な機能の存在を知らず、使い勝手が悪いなどの意見も見られました。

○いのつめ委員 既にそうした状況調査をされているとのことで、導入後、新たに見えてきた課題等もあるかと思います。主だった課題について、現在まで、また今後の改善の取組と併せて教えてください。

○保積デジタル基盤整備担当課長 ツールの基本の機能や、RPAによる単純作業の自動化等、マイクロソフト365の有用な機能について周知を行いました。また、ポータルサイトの閲覧頻度を上げるためのレイアウト変更を行いました。今後も定期的に職員アンケートなどを実施いたしまして、現場の意見を吸い上げ、各職員が円滑に業務を進め、よりよい区民サービスの向上に結び付けられるよう改善を続けていきたいと考えております。

○いのつめ委員 業務効率化において、DXはあくまで手段の一つであり、効果的なところに導入して初めて有効になります。特にMS365のような多機能ツールは、そのフルスペックを利活用することが非常に難しいです。既に導入したものについては、より有効に活用できるよう習熟を促すこと、また課題があれば適宜改善をしていくことが重要となります。そのための不断の取組が必要と考えますが、区の考えを伺います。

○保積デジタル基盤整備担当課長 今後も庁内報による情報発信や、各職員が自ら問題解決ができる資料の整備など、マイクロソフト365をより有効に使えるよう対応を行ってまいります。また、職員研修も継続して実施いたしまして、RPAなどの機能についても活用できる職員を継続的に育成していきたいと考えております。

○いのつめ委員 DXの推進の中で、新たに導入を検討するものもあるかと思いますが、どこにどのように導入するのが効果的かといった区としての考え方や方針を持っていくことが大切かと思います。デジタル政策課の役割にも関わるところだと思いますが、区の見解を伺います。

○瀬谷デジタル政策課長 中野区地域情報化推進計画を踏まえまして、区民の利便性向上、地域の活性化、業務の効率化、高度化などについて、より高い効果を得られるようデジタル政策を進めていきたいと考えてございます。

○いのつめ委員 最後に、その他として、LINE運用支援ツールの導入について伺います。令和5年度に新規事業として347万円余が計上されていましたが、執行額と執行率を教えてください。

○矢澤広聴・広報課長 LINE運用支援ツールの執行額と執行率についてでございますが、令和5年度の執行額は332万6,400円、執行率は95.8%でございます。

○いのつめ委員 LINEの活用は、行政手続のオンライン化及び区政情報の発信に資するとありますが、それぞれ現時点での実績について教えてください。

○矢澤広聴・広報課長 行政手続のオンライン化の実績につきましては、区立保育園の一時保育予約、すこやか福祉センターにおける事業、女性健康講座2件、ボディメイク講座1件、それから区役所1階区民スペースの予約でございます。また、区政情報の発信の実績につきましては、情報のセグメント配信、通報サービスの運用、それからリッチメニューの充実でございます。

○いのつめ委員 昨年の中村議員による一般質問に対する御答弁に、すこやか福祉センターで行っている子育て支援事業の一部予約について、年内に試行を開始する予定であるといった内容がありました。伺った実績ですと、子育て支援事業における試行がなされていないように思いますが、この辺の御事情を教えてください。

○矢澤広聴・広報課長 すこやか福祉センターで行っております子育て支援事業の一部予約につきましても、昨年試行を開始する予定でございましたが、本事業はキャンセル待ちが常に発生するなど、申込みが殺到する傾向があり、LINEと電話、窓口という複数の手段ですと、定員管理ができなくなることから試行を見送ったと、所管から伺っているところでございます。

○いのつめ委員 LINEでの実施に関わらず、行政手続のオンライン化につきましては、それぞれの所管が責任を持って導入の検討をすべきと考えます。逆に申し上げると、各所管の御協力がなければ、ツールやシステムを用意したとしても前に進めることは難しいのではないでしょうか。この点を踏まえ、行政手続のオンライン化を進めるに当たっての考え方を伺います。

○瀬谷デジタル政策課長 手続のオンライン化に当たりましては、所管が主体的に検討し、区民等の利便性の向上や手続全体の改善の効果が高い手法を選択することが重要だと考えております。現在は、申請件数の多い手続を優先して、デジタル政策課が所管課にヒアリングを実施しておりまして、オンライン化に向けた課題解決の支援を行っております。今後も引き続き取り組んでまいります。

○いのつめ委員 行政手続のオンライン化に関しては、このように苦戦されている一方で、区政情報の発信、セグメントのところは目に見える実績もあり、順調なスタートを切れていたのではと思います。いっそのこと、LINEの活用については、順調に進んでいる区政情報の発信のほうに注力するという考え方もあるかと思いますが、区の見解を伺います。

○矢澤広聴・広報課長 区公式LINEは、幅広い年代に使われ、プッシュ型で利用者が欲しい情報をピンポイントに発信できる特性がございます。今後も、区報、ホームページに次ぐ情報発信ツールとして、積極的に区政情報を発信してまいりたいと考えております。

 一方、LINEを使った行政手続のオンライン化につきましては、LoGoフォームやぴったりサービスなどとの整合を図りながら、これまでの利用実績、それから現状を踏まえまして、区民の利便性向上に向けた見直しを行ってまいりたいと考えてございます。

○いのつめ委員 ありがとうございます。あくまで手段の一つになりますので、そちらにとどまらずに区民サービスの向上に向けた取組を引き続き行っていただければと思います。

 以上で全ての質疑を終わります。御清聴ありがとうございました。

○杉山委員長 以上でいのつめ正太委員の質疑を終了します。

 次に、伊藤正信委員、質疑をどうぞ。

○伊藤委員 自由民主党の伊藤正信でございます。第3回定例会におきまして総括質疑をさせていきます。

 もう今朝、本当に涼しくなりましたよね。「暑さ寒さも彼岸まで」ということわざがあって、昔の人はいいことを考えたなと思っています。そうしているうちに、朝テレビを見ていたら、伊豆諸島で地震があって津波の注意報が出たり、また先週は能登半島で大雨、まだ行方不明者がいますし、お見舞いを申し上げるとともに、亡くなられた方にお悔やみを申し上げたいと思っております。

 まず初めに、鍋横区民活動センター等の整備基本計画について伺います。これは基本計画の案が12月に出されて、鍋横区民活動センターは、地下1階、地上5階、延べ床面積が鍋屋横丁の交番70平米を含む2,730平米で、地域住民による地域自治の活動拠点として、地域活動室や多目的ホール、また集会室、そして高齢者会館機能、また地域包括支援センターが併設される施設となっております。これまでも、区の担当者が地域との意見交換と説明会を何度も行っていただき、地域で活動する区民の意見も汲み取っていただいていることに感謝を申し上げます。

 そこで、現在の進捗状況はどうなっているのか、伺います。

○高橋地域活動推進課長 本年3月に基本計画を策定した後、6月に設計事業者を選定するためのプロポーザルを実施いたしました。基本計画及びその他の余条件をお示しし、応募事業者6社から設計の方向性の提案を受けまして、区が審査し、得点の高い事業者を設計事業者として決定いたしました。その後は基本計画におきます施設配置を基に、諸室の配置の再検証や、柱などの配置、電気・機械設備等の検討を行っているところでございます。

○伊藤委員 大分、設計会社さんも決まって、地元との意見交換会もされておりますけれども、そこで先ほども申し上げたように、鍋屋横丁の交番が70平米、併設されるということでございました。当初、いろいろ地域でも交番が併設されるということで、意見が分かれたところでありますけれども、この合意になったということで、警視庁との協議はどのように進んでいるのか。その辺を伺います。

○高橋地域活動推進課長 交番の併設はあまり例のないことですので、警視庁と綿密に調整しながら進めているところでございます。今のところ、大きな課題というものは生じてございません。

○伊藤委員 当初の設計では、入り口が鍋横区民活動センターの正面と一緒だったんですよね。それが大分見直されて変更になった。これは大変地域の方も評価はしております。警視庁とも、順調な協議をしていただきたいなと思っております。

 また、工事期間中、鍋屋横丁のところには自転車駐車場がありますよね。その駐車場は、この期間中というのはどのようになるのか。休止されるのでしょうか。その辺、伺います。

○高橋地域活動推進課長 施設建設工事を開始する前に、鍋横区民活動センター分室及び鍋横自転車駐車場の解体を行いますけれども、それに先立ちまして、敷地北側に自転車駐車場を先行整備する予定でございます。これによりまして、自転車駐車場が休止となる期間を生じないようにしてまいります。

○伊藤委員 鍋横地域は、杉山公園にも駐輪場があるし、この鍋横商店街のところにもあるし、結構利用も、杉山公園は別として、鍋屋横丁の商店街の駐輪場は大変利用率がいいということで、休止されると放置自転車が増える可能性があるので、その辺は工事期間中でも利用ができるようにしていただきたいなと思っております。

 そこで、先ほど言いました設計会社さんが決まって、地元との意見交換、私も参加をさせていただいて、地域の建設検討委員会の皆さんと設計会社の方が意見交換をされました。大分意見を聞いていただいて、この設計会社さん、たしか南中野区民活動センターも設計されたと聞いております。そういうことで、私ども南中野区民活動センターも視察に行って、例えば多目的ホールの使い方など、非常に使い勝手がいいような感じがして、その辺を私も申し上げたら、どんどん取り上げていただいて、反映はしてくれると思いますけども、その辺、今後、地域やこの建設検討委員会さんからの意見をどのように反映していくのか、その辺、区のほうがお分かりでしたら、教えてください。

○高橋地域活動推進課長 今年度につきましては、これまでに2回建設検討委員会に参加いたしまして、意見交換を行ったところでございます。また、地域説明会につきましても、適宜実施してまいります。

○伊藤委員 先日、建設検討委員会さんから区のほうに要望書を出されたと思います。それを含めて、また10月10日かな、建設検討委員会が開かれて、それを基にまた、細かいような話になりますけれども、いろんな先ほども言ったように集会室の使い方をもう少しこうだとか、またエレベーターの広さも大変意見を酌み取っていただいて、ストレッチャーが入るエレベーターなんかもつけていただいたりして、ぜひこの鍋横区民活動センターを利用する団体の皆さん、本当に日頃からすばらしい活動をされておりますので、ぜひ皆さんの意見を汲み取って基本計画をつくっていただきたいなと思います。

 そこで、今後のスケジュールをお伺いします。

○高橋地域活動推進課長 今年度内に基本設計を取りまとめまして、来年度は実施設計及び分室の解体設計を行います。令和8年度から建設工事を開始いたしまして、令和10年度に開設の予定でございます。

○伊藤委員 令和10年度に開設するということなんですけども、当初この鍋横区民活動センターは令和2年に計画をされて、コロナもありました。また、地元の方々の思っていた施設とは違っていたとか、また、24時間看護される高齢者施設とか、また軽費老人ホームが併設されるということで、大分地域とも意見交換をしたんですけども、そこには至らなかった。本来なら、あの計画でいったら、もう去年辺りですかね、できていたところなんですけれども、地元の人たちは我慢をして、いい施設を造ってくれるんだからそれに従おうということで、地域とも大分合意はできております。

 ところが、先日の委員会でもお話ししていましたように、この中野サンプラザ跡地、中野駅新北口周辺のエリアが遅れるのではないかということがございました。そういった意味でも、転出補償金が年内には入らないのかなということで、これから区財政における影響、こういった新規事業なんかはどうなっていくんだろうかなと危惧されるわけですけれども、ぜひこの鍋横地域、鍋横区民活動センターは実施していただきたいなと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

○杉山委員長 伊藤委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。

 13時まで、委員会を休憩します。

午後0時00分休憩

 

午後1時00分開議

○杉山委員長 委員会を再開します。

 休憩前に引き続き、総括質疑を行います。伊藤委員、質疑をどうぞ。

○伊藤委員 それでは次に、中野本郷小学校改築と移転について伺います。

 今年の7月から校舎の解体工事が始まって、地上部の解体もおおむね完了し、また現在は基礎解体作業が進められておりますが、解体に伴ってやっぱり近隣に騒音・振動、私のところにも近隣の方から様々な意見が寄せられております。説明会の際には、できる限りの対策を練って、安全にかつ迅速に進めてまいりますとの説明がありました。まさにこれから基礎が解体されるということで、恐らくかなりの振動が予想されると思いますけども、この解体時の振動・騒音抑制についてどのような対策をされていくのか、お伺いいたします。

○大須賀施設課長 解体作業は、比較的騒音の少ない圧砕工法や低騒音・振動型の重機を採用するほか、現場周囲には防音パネルや防音シートを設置しまして、騒音抑制に努めているところでございます。また、重機の移動時は低速走行を行うとともに、砕いたコンクリートを敷き、クッション材として使用するなど、振動抑制にも努めているところでございます。

○伊藤委員 防音パネルの設置や、振動や騒音が少ない重機の使用により対策をしていくという作業を進められているということですけれども、このような対策を講じても、振動により周辺の家屋に損傷を与える可能性はあると思います。

 そこで、家屋への被害の確認はどのように行うのか。また、被害に遭われた方への補償については、誰がどのようにして行うのか、伺います。

○大須賀施設課長 家屋への被害の確認については、工事着手前と完了後において専門の調査会社による家屋調査を実施します。家屋の状態を確認して判定することになります。家屋の補償につきましては、工事受注者が行うことになります。なお、個々の補償内容につきましては、受注者と補償対象者の話合いにより決まることとなりますが、区はその処理や解決に協力してまいります。

○伊藤委員 家屋の調査というのでしょうかね、それは解体が終了してですかね。この辺、どうでしょうか。

○大須賀施設課長 家屋調査につきましては、工事の着手前に一度行いまして、本工事の完了後にまた改めて家屋調査を行うものでございます。

○伊藤委員 丁寧な対応をしていただきたいのと、工事受注者が補償を行うことですけども、工事は、実施する側の配慮と近隣住民の皆さんの理解と協力の双方があって進められるものだと思っております。引き続き必要な対策を講じて、近隣の皆さんに不安を与えないように進めていただきたいと思いますが、どのような対応を考えているのでしょうか。

○大須賀施設課長 今後も区担当者による現場巡回を行うほか、工事車両が通行する際は、敷地出入り口でなく、沿道にも交通誘導員を適切に配置するなど、安全管理を徹底してまいります。また、近隣の皆様からの要望、御指摘につきましては、誠実な対応を心がけ、引き続き近隣環境に配慮しながら作業に当たっていきます。

○伊藤委員 ぜひ近隣の皆さんには配慮していただき、なかなか難しいですよね、振動75デシベルだと震度3の振動だと言われております。本当、これから基礎の解体作業が始まるということで、もちろん重機が入るときには警備もしっかりしていますけれども、生活住民の安全のためにも、道路の安全を確保するためにも、徹底していただきたいなと思っております。

 また、中野本郷小学校が代替校舎として旧向台小学校に移転されてから5か月がたって、子どもたちも元気で登校しているようでございますが、通学時にバスを利用することにより、全校生徒の4割近い140名の児童がバス3台に分かれて登校をされております。今のところ、事故もなく、大きな遅れもないように思います。バス通学の状況を教育委員会はどのように把握されているのか。出発時点の杉山公園、また十貫坂交差点の付近だとか、バスが到着する地点、成願寺前ですね、山手通りの、その辺の状況など、どのように把握されているのか、伺います。

○渡邊学校再編・地域連携担当課長 バスの出発点である杉山公園前と十貫坂付近では、交通誘導員やバスの添乗員などの誘導に加え、保護者の方々に見守りの御協力を頂きながら、大きな混乱もなく運行できてございます。バスの到着場所である成願寺前では、坂道であり、スピードを出した自転車の通行もあることから、警備員等を配置し、児童の乗降時の安全を確保してございます。また、バスの出発時間に間に合わずバスに乗り遅れる児童が出た場合は、警備員が児童に付き添い、登校してございます。

○伊藤委員 私もたまに現場というか、朝、到着地点を見させていただいていますけども。本当に朝、通勤・通学の方が多くて心配をされるんですけども、ぜひ警備員の皆さんがしっかりやってもらいたいなと思っております。

 また、先週、十貫坂のバス出発地点で4名の児童が何か遅れたということもちょっと聞いております。

 また、バスを利用されている子どもや保護者の方から、学校や教育委員会に感想や意見などは届いているのでしょうか、伺います。

○渡邊学校再編・地域連携担当課長 スクールバスの運行開始後、利用している子どもやその保護者から、学校や教育委員会に対して直接の声として意見を頂いてはおりませんが、PTAなどを通じ、スクールバスの次年度以降の継続について声を頂いているところでございます。

○伊藤委員 今後、バスを利用されている親御さん、また児童からは、アンケートを取る予定なんかはあるんでしょうか。

○渡邊学校再編・地域連携担当課長 中野本郷小学校のスクールバスの運行は、区として初めてであり、課題を把握することも重要であると考えてございます。利用者アンケートにつきましては、今後内容や方法を検討し、実施したいと考えております。

○伊藤委員 また、来年度、学年が上がっていくんでしょうけども、バスの利用を希望される児童の聞き取りなどはいつ頃、どのように対応されるんでしょうか。

○渡邊学校再編・地域連携担当課長 年内にスクールバスが利用できる対象エリアの児童に対し、利用申込書を提出してもらう形で調査を行う予定でございます。調査及びスクールバス利用対象エリア内の新入学生の人数を踏まえ、残席が生じた場合は、利用対象エリア付近の児童も利用できるよう、別途希望を調査していく予定でございます。

○伊藤委員 また、現在契約されているバス事業者は、1年契約と聞いております。来年度はどのように考えているのか、伺います。

○渡邊学校再編・地域連携担当課長 運行期間はあと2年ございます。単年度契約にするか、複数年契約にするか、費用面や近隣に与える影響も含め、次年度以降の契約方法を検討しているところでございます。

○伊藤委員 今まで大きな事故もなく、事業者さんもしっかりやっていただいているので、その辺を考慮して対応していただければなと思っております。

 また、徒歩通学について伺います。通学コースを3コースに分けて、児童は通学されていますが、主な交差点や車両通行が多い危険な場所とされている通学路には、見守り交通安全指導員を配置するなど、子どもたちの登下校の安全対策をされていますが、その辺どのように把握されていますでしょうか、伺います。

○佐藤学務課長 学校よりシルバー人材センターによる見守りの箇所や、地域の方、PTAによる見守りの箇所について情報を頂いているところです。多くの方に児童見守り活動を行っていただいており、児童の安全対策は確保されていると認識してございます。

○伊藤委員 また、以前私の一般質問で、教育長は、中野本郷小学校と中野第一小学校の通学路は重なる箇所も多く、PTAの方々の連携は大切であると認識しているという答弁がありました。両校の連携した取組を働きかけていきたいとの答弁でしたが、その後、両校で通学路に関してどのような協議がされたのか、伺います。

○佐藤学務課長 中野本郷小学校及び中野第一小学校の両校のPTA間において、通学路の見守りに関する協議が行われていると聞いているところでございます。引き続き、両校の連携した取組を働きかけていきたいと考えてございます。

○伊藤委員 ありがとうございます。また、交通安全指導員の配置の検討や見直しなどは今後されていくのかどうか、伺います。

○佐藤学務課長 通学路児童見守り業務として、中野本郷小学校は、仮校舎への通学の間、通常の2倍の4か所で3時間、通年225日として合計2,700時間を見守り業務として配置しているところです。配置時間数については、各学校間で調整の上、配置時間を増やすことも可能です。学校と調整の上、対策を検討していきたいと考えてございます。

○伊藤委員 子どもの通学路の安全に関しては、地域の方々の御協力も頂いて行っております。ぜひ、安全な通学ができるように検討していただきたいなと思っています。ありがとうございます。

 [1]次に、地域活動の推進について伺います。 町会・自治会掲示板の助成については、今年度拡充したにもかかわらず、申請が予算を上回り、助成を受けられない団体が生じています。どのような経緯でそのようになったのか、伺います。

○高橋地域活動推進課長 今年度は、当初3回に分けて申請受付を行う予定でございましたが、1回目で多数の団体から申請を頂き、予算額を超過することになりました。そのため、昨年度まで申請回数が少なかった団体を優先して助成することといたしまして、既に3回の申請を行っている団体は、抽せんにより交付団体を決めました。その結果として、助成を受けられない団体が生じたものでございます。

○伊藤委員 今回のことを踏まえて、早い時期から各団体というか、町会さんから掲示板の需要について聞き取りなどを行い、それを来年度予算に反映すべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。

○高橋地域活動推進課長 各団体の需要に関する聞き取りにつきましては、時期や方法など工夫してまいりたいと考えております。

○伊藤委員 また、町会・自治体の規模によっては、保有する掲示板の数も大きく違うと思うんですね。そこで、世帯数など、団体の規模に応じた助成額とする方法も検討してみてはどうかなと思いますが、伺います。

○高橋地域活動推進課長 御意見を踏まえまして、助成額の算定方法につきましても、検討してまいりたいと考えております。

○伊藤委員 また、区では、中野の地域の人と人とのつながりを広げていくことを目的に、区民公益活動の充実に向けて地域の施設等で開催する区民向け行事を、簡単にスマホなどを通して伝えられる受け取るウェブアプリためまっぷなかのの運営をしておりますけれども、さらなる活用が望まれるところであります。また一方で、地域活動推進において、町会・自治会の会員の加入促進が課題となっております。今年度から町会・自治会公益活動推進助成のうち、加入促進活動助成が5万円から10万円に増額され、また補助率も3分の2から10分の10と拡充をされました。町会・自治会が課題である新規の会員を増やすための一助として、加入促進活動助成をもっと活用していただくためにも、助成金で実施する事業をためまっぷに掲載することを義務付けて、それを条件に、助成金のさらなる拡充を行ってはどうでしょうか、伺います。

○高橋地域活動推進課長 加入促進助成は、現時点におきまして、昨年度以上の数の団体により御活用いただける見込みでございます。年度末の助成金の精算の際に、各団体の皆様から助成額を含め御意見をお聞きし、実態を検証した上で、ためまっぷの活用も含め、その後の展開を検討してまいります。

○伊藤委員 ぜひ使い勝手のいい加入促進助成金を検討していただければとな思っております。

 以上でこの項の質問を終わります。

 次に、交通安全対策について伺います。21日より秋の全国交通運動が実施されました。中野、野方、両交通安全協会は、会員の方々の浄財で中野区の交通安全の一部を担っております。しかし、近年の社会行動の変化や世代交代により会員の減少で、このままでは活動に制約を期すも必至な状況であると聞いております。地域の交通安全ボランティア団体として、今後も活動を継続していくためには、交通安全対策事業及び啓発物、物品購入補助金についても考えていくべきと思いますが、いかがでしょうか。

○久保生活・交通安全担当課長 令和6年度の中野、野方両交通安全協会への補助金額は各171万5,000円、合計343万円で、交通安全対策事業、啓発物品の購入などに御活用いただいているところです。補助金額につきましては、これまで段階的に見直しを行っておりまして、現在23区の平均を上回っており、今後の増額につきましては、他区の状況も見ながら検討してまいります。

○伊藤委員 ぜひ検討していただきたいなと思っております。

 また、中野区内は、いまだ自転車が関与する事故が多く発生しております。交通事故全体に占める割合は、都内の平均を大きく上回っている状況であります。区内の交通事故を防止するためには、自転車の関与する事故を防止するための取組が重要であると考えておりますが、区として、自転車が関与する交通事故を防止するため、どのような取組を推進しているのか。伺います。

○久保生活・交通安全担当課長 自転車が関与する交通事故の防止をするためには、自転車を利用する方の安全意識やマナーの向上が重要、必要であると考えており、区では中野、野方両警察署と連携し、自転車安全利用講習会を推進しております。昨年度からは、高齢者に次いで自転車事故が多い児童の保護者世代に対する親子自転車教室や、児童館等への出張形式の講習会を行うことで、講習会の充実に努めております。

○伊藤委員 引き続きそういう取組、重要でありますので、続けていただきたいなと思っております。

 また、今年5月に道路交通法改正により、自転車の交通違反に対する交通反則通告制度が2年以内に導入されることになります。また、今年11月からは、自転車の運転中の携帯電話の使用、また酒気帯び運転を禁止するとともに、罰則規定が整備され、取締りが始まります。中野区においても、この機会を捉えて、安全運転に関する条例を制定するべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。

○久保生活・交通安全担当課長 道路交通法が改正され、自転車の交通違反に対する取締りが強化されることは承知しております。区における自転車の安全利用に関する条例の制定については、法改正による自転車の取締りが自転車交通事故防止に与える効果を注視するとともに、他区の条例制定状況を調査研究してまいりたいと考えております。

○伊藤委員 ぜひ実効性のある条例をつくっていただきたいなと思っております。要望です。ありがとうございました。

 次に、物価高騰対策について伺います。

 初めに、公衆浴場施設に対する支援について伺います。区内の公衆浴場は、経営者の高齢化、施設及び設備の老朽化などの経営環境の悪化、またさらに長引く原油価格の高騰に加え、円安によりガス料金、電気料金などエネルギーコストや消耗品等の価格上昇により経営を圧迫され、厳しい状況です。中野区内においても、1960年、昭和35年時には96軒の銭湯があり、自家風呂保有率も70%弱でしたが、高度経済成長期時代に住宅事情も上昇し、自家風呂保有率が上がることによって銭湯の数が減少傾向になっております。現在では、19軒の公衆浴場が区民の健康維持及び公衆衛生の水準の確保と地域住民の交流拠点として活性化するために、新規の利用者の開拓、また利用者数の拡大に努めております。この公衆浴場に対しては、設備の改修は東京都及び中野区からの補助があります。

 一方で、公衆浴場を地域交流拠点として活用し、新たな浴場利用者の開拓につながる事業への助成は、東京都のみだけです。公衆浴場は区民の公衆衛生の維持と健康増進にとって必要不可欠です。公衆浴場の経営の安定と区民の健康増進と交流を促進するとともに、区民の公衆浴場の利用の機会を確保するためにも、公衆浴場施設へのさらなる支援を検討するべきと考えますが、いかがでしょうか、お伺いします。

○細野福祉推進課長 区は、これまでも公衆浴場の設備改善資金や燃料費、季節ごとの特色を持たせた入浴事業の費用に対する助成等を行ってきたところでございます。公衆浴場施設は、平時の公衆衛生と健康増進のみならず、災害時の入浴機会の確保としても非常に重要なものであるというふうに考えており、さらなる支援策については今後検討してまいります。

○伊藤委員 本当、区内19軒しかありませんので、その浴場の数も確保しなければいけないということで、経営者の方も非常に工夫をしながらやっております。ぜひ、さらなる助成を検討していただきたいと思っております。ありがとうございます。

 次に、運送事業者に対する支援について伺います。トラック運送事業者は、燃料価格の高騰分を運賃や料金に転嫁して十分に収受できないことや、慢性的な労働力不足の中、労働時間の規制が強化され、安定した輸送力の確保が困難になるなど、大変厳しい経営環境に直面をしております。その中で、区は今年度、中小企業や個人事業主に対して人材確保総合支援事業補助金を予算化して、採用支援、定着支援、育成支援、その中でもドライバー不足の解消を目的とする資格試験経費の補助を行っていることは評価しております。

 一方で、令和5年度において、東京都は運送事業者向け燃料費高騰緊急対策事業を実施しております。また、大田区では運送事業者に対する支援金を交付していました。このような運送事業者に対する区単独の助成金制度は実施しているのか、伺います。

○網野産業振興課長 東京都では、燃料価格高騰の影響を受けている中小貨物運送事業者や乗合バス事業者に対して、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を財源とした支援金を実施するとともに、足立区や大田区など運輸事業者が多い区を中心に、時限的な措置として助成金の交付を実施していたことは認識しております。

 一方、中野区内の産業の構成は卸売、小売業、不動産、飲食サービス業の割合がおおむね半数を占めるとともに、その他多岐にわたる業種が存在しており、区内中小企業の課題としては、特に人材の確保と定着や経営改善の必要性が大きいことがヒアリングやアンケート調査から明らかになっております。こうした点を踏まえ、区内の中小企業に対しては、人材確保、定着や、経営改善を中心とした包括的な支援に取り組んでいく必要があると考えており、運送事業者に特化した区単独助成の実施はしていないところでございます。

○伊藤委員 運送事業者の経営危機を打開するためにも、燃料価格高騰の影響を受けている物流事業者への燃料費助成、また差し迫った課題となっているトラックやタクシー事業者の人材確保、ドライバーの待遇改善などへの支援がさらに必要と考えますけども、改めて伺います。どうでしょうか。

○網野産業振興課長 運送業における燃料費については、燃料価格の状況を注視しながら、助成の必要性などについて検討してまいります。一方、2024年問題によるドライバー不足がより深刻となっており、このことへの対応は急務であると認識しております。ハローワークや東京仕事財団と連携した相談や面接会の実施をはじめ、様々な機会を通じた求人情報の発信に努めるとともに、区が実施している中小企業の人材確保・定着支援において、ドライバー不足や待遇改善への対応を図り、補助対象のさらなる拡充を検討してまいります。

○伊藤委員 ぜひ御検討していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 その他で1点、伺います。

 以前我が会派の山内議員も質問しておりましたけれども、相続登記の義務化について伺います。本年4月から、不動産の相続登記の義務化に伴う区民の周知について、区は納税通知発送時期に合わせた周知などについて研究をしていくとのことでありましたが、その後の検討はどのように進んでいるのか、伺います。

○小堺区民サービス課長 相続登記の義務化につきましては、司法書士会中野支部の協力により、相続登記手続相談を毎月実施しておりまして、個別の相談に対応しているとともに、新庁舎内での相談イベントの開催準備を進めているところでございます。また、庁舎内のおくやみ相談窓口、ネット上のおくやみ手続ナビにおいても、相続時において必要になる不動産登記の新たな制度を御案内するなど、周知に努めているところでございます。今後も区ホームページの活用をはじめ、機会を捉えた情報発信に努めてまいります。

○伊藤委員 ちょうど6月から東京都が固定資産税の納付通知を出すんですけどもね、その辺も考えて、そういった周知をしていただければと思っております。ありがとうございました。

 これで私の全ての質問を終わります。ありがとうございました。

○杉山委員長 以上で伊藤正信委員の質疑を終了します。

 次に、南かつひこ委員、質疑をどうぞ。

○南委員 令和6年第3回定例会決算特別委員会におきまして、公明党の立場から総括質疑を行います。理事者におかれましては、簡潔で明快な答弁をお願いいたします。

 なお、質疑項目のその他及び6番目のその他はありません。

 初めに1番、令和5年度決算について伺います。

 (1)財政調整交付金について伺います。令和5年度の財政調整交付金について、普通交付金は前年度比4.3%、18億円増の438億円、特別区交付金が前年度比31.1%、8億円増の35億円で、全体として5.9%、26億円増の473億円となっております。令和4年度の財政調整交付金について、前年度比の増減等金額、その内訳の普通交付金及び特別交付金の前年度比とその各金額についてお伺いいたします。

○竹内財政課長 お答えいたします。令和4年度の財政調整交付金の決算額につきましては約447億円で、前年度比9.0%となってございまして、令和5年度の5.9%と比べると、その差は4.1%高い状況でございます。そのうち普通交付金は約420億円、前年度比10.6%になり、令和5年度の4.3%と比べると、その差は6.6%高い状況でございます。

 また、特別交付金は約27億円、前年度比マイナス11.1%となり、令和5年度の31.1%と比べると、その差は42.2ポイント低い状況でございます。

○南委員 監査委員の審査意見書では、財政調整交付金について、原資である市町村民税法人分が企業利益を前提としているため、景気の影響を極めて受けやすい。前年度と比べて、増収率が先ほど説明ありましたように鈍化していることに留意が必要であると指摘されていますが、この件について見解を伺います。

○竹内財政課長 調整税等は3年連続増加してございません。約2兆1,376億円の規模となってございます。一方、令和2年度につきましては、調整税等のうち、市町村民税法人分の減収となり、区の特別交付金が減となったこともございます。特別区交付金の原資となっている市町村民税法人分は景気に左右されやすいので、その動向については注視していきたいと考えてございます。

○南委員 (2)番、次に財政調整基金についてお伺いします。区は、令和5年度に新たな財政運営の考え方を示し、財政調整基金の年度間調整分については、年度末残高を200億円確保することに努めるとしました。また、財政調整基金の施設改修分は、社会福祉施設整備基金及び義務教育施設整備基金の対象施設以外の施設の当該年度に発生する見込みの減価償却費相当額の25%を積み立て、年度末残高は、当該施設の減価償却累計相当額の25%を確保すると定めたところであります。

 まずは、令和5年度の決算における財政調整基金の年度間調整分はどの程度なのかを伺うとともに、財政調整基金の年度間調整分のこれまでの推移と令和6年度の予測をお伺いいたします。

○竹内財政課長 令和5年度決算における財政調整基金の年度間調整分の基金残高につきましては、約257億円となってございます。財政調整基金の年度間調整分の基金残高の過去3年間の推移を見ますと、令和2年度約181億円、令和3年度約184億円、令和4年度約191億円となってございます。現時点では、これからの年度末残高の目標額200億円以上の残高となることを見込んでいるところでございます。

○南委員 また、監査委員の審査意見書では、財政運営の考え方により、一部基金の積立額や基金残高の目標を定めたところであり、積立ては当初計画どおり執行できていた。しかし、施設整備に係る基金の目標残高は、過去に支出した金額を基に算出している減価償却累計額を基準としていることから、現在の施設整備に係る金額とは乖離していることが想定される。将来的な基金活用を鑑みて、目標額の妥当性について改めて検証するようにと指摘されていますが、区はこの指摘をどのように分析されているのか、伺います。

○竹内財政課長 基金積立ての考え方に当たりましては、物価高騰や金利上昇などの社会情勢、今後の施設整備計画や施設整備経費、基金残高を勘案しまして、改めて整理していきたいと考えてございます。

○南委員 (3)次に、ふるさと納税についてお伺いします。寄付金については、前年度比658.6%で1億6,768万円増の1億9,314万1,000円となり、要因はふるさと納税の返礼品の拡充したことによるとされていますが、拡充内容と金額についてお伺いします。

○冨士縄文化振興・多文化共生推進課長 まず、ふるさと納税サイトを五つに増やすとともに、返礼品として、区内の特定加盟店で使用できる企業ペイ商品券や人間ドックチケット、知育おもちゃレンタルサービスなど、新たに95品目を追加したところでございます。

 なお、歳入の寄付金1億9,314万1,000円のうち、1億665万1,500円がふるさと納税による寄付金であります。

○南委員 ふるさと納税は、2008年5月よりスタートしておりますが、ふるさと納税による流出額について、近年の推移と区としてのこの現状をどのように分析しているのかをお伺いします。

○滝浪税務課長 ふるさと納税がほとんどを占める寄附金税額控除は、令和元年度当初課税時においては、約11億9,000万円でございました。これは、同じ時点の区民税現年分の調定額の約3.7%に当たります。令和5年度当初課税時では、約24億1,000万円となり、これは約6.8%となりました。金額が2倍以上になっておりますが、1人当たりの控除額はあまり変わっておらず、利用者が2倍以上に増えていることが分かっております。このことから、利用者の増加により寄附金税額控除が増加したものと考えてございます。

○南委員 かなり寄附金控除額、使われる方が非常に多くなってきて、2倍になっているというようなお話でございました。この辺りもちょっと対応も当然必要かなというふうに思いますけれども。

 (4)番、次に、国民健康保険事業特別会計についてお伺いをいたします。令和5年度の国民健康保険料の不納欠損額が7億5,131万3,000円余となっていますが、主な理由、原因はどのようなものかをお伺いいたします。

 また、令和4年度国民健康保険料の不納欠損額が8億7,768万2,000円余となっており、令和5年度と比べると、1億2,636万9,000円余の減となっておりますが、その要因をお伺いいたします。

○宮脇保険医療課長 不納欠損が生じる主な理由は、収入未済分が主に時効により欠損するものでございます。令和5年度の欠損額が令和4年度に比して減少した要因ですが、コロナ禍において抑制していた差押え等の滞納処分が令和4年度に増えたこと、また古い債権の整理が進んだことにより、滞納繰越調定額が減少したためと分析しております。

○南委員 国民健康保険料の令和5年度の収入未済額が21億8,143万4,000円以上となっておりますが、主な要因を伺うとともに、令和5年度は令和4年度と比べ、2,979万8,000円余の減となっておりますが、その要因をお伺いします。

○宮脇保険医療課長 収入未済が生じる理由には、納付困難や納付忘れなどが考えられます。令和5年度の収入未済額が令和4年度に比して減少した要因は、被保険者数の減少等により、調定額が3億7,072万5,000円余り減少したためと分析してございます。

○南委員 次に、令和5年度の滞納者の所得について把握しているのか。また、把握している場合には、どのように分析をされているのか、お伺いをいたします。

○宮脇保険医療課長 国民健康保険料の滞納者の所得別の内訳でございますが、所得不明の方を含めますと、9割以上の方が300万円以下の所得となってございます。このように分析しております。

○南委員 多子世帯の家庭では、国民健康保険料の均等割が子どももその2分の1ということで、子どもの均等割分で生活を圧迫しているという現実があるのも確かだと思われます。非常に難しいことなんですけれども、何らかの支援を考えていく必要があるかなというふうには思います。

 それでは、次の項に進みます。2番、新庁舎での課題について伺います。

 (1)初めに、新庁舎整備費について伺います。9月19日の決算特別委員会で、我が会派の小林幹事長の総括質疑の中で、中野駅新北口駅前エリアの市街地再開発事業が今年度中に執行できないとの答弁がありました。また、転出補償金の受領が今年度中だったものが、来年度以降になるとの答弁がありました。そもそも事業スキームに基づいて、区財産の処分により、約400億円の転出補償金を受けて、そのうち約260億円は新庁舎整備費として、約140億円はまちづくり中野21の借入金返済費用等にすることになっておりました。新庁舎整備費の約260億円の転出補償金を受け取った後に、それを財源に財政調整基金への積立てと起債の繰上げ償還を行うことになっていたはずであります。転出補償金の受領が来年度以降になるとのことですが、そこでお聞きしますが、新庁舎整備費の起債の繰上げ償還の計画にどのような影響を受けるのか、見解を伺います。

○竹内財政課長 お答えいたします。転出補償金の遅れによりまして、今年度は見込んでいた約45億円が収入されないことになってございます。

○南委員 かなり計画にも影響が出てくるのかなというふうに思います。

 次に、新庁舎整備費の約260億円の転出補償金の一部を財政調整基金に積み立てるとしていますが、転出補償金の受領が来年度以降になると、財政調整基金への積立てはどうすることになるのか、見解を伺います。

○竹内財政課長 転出補償金の収入につきましては、起債の償還のほか、財政調整基金の積立てを予定していたところでございまして、この基金の積立て、繰入れ計画に影響を及ぼすものと考えてございます。

○南委員 影響を及ぼすということですけれども、当然そういうふうになってくるでしょうね。

 また、新庁舎整備費の今後の起債の繰上げ償還払いに遅れが生じることになりそうですが、その影響をどのように分析されるのか、お伺いをいたします。

○竹内財政課長 この転出補償金の遅れによりまして、区債の金利、そういったものに影響を及ばすものとともに、まちづくり事業の執行の影響といったものもございますので、ほかの事業についても影響が多大にあると想定されまして、今後の事業進捗について注視していきたい考えでございます。

○南委員 今回のこの市街地再開発事業の年度内の執行ができないこと、また転出補償金の受領が来年度になるというようなことということは、やっぱり来年度予算にかなり影響を与えるものでありますし、またその中でも、財政運営や財政スキームにもかなり影響が出てくるのではないかなと思いますので、しっかりと対応のほう、やっていただきというふうに思います。

 (2)番、次にバックアップデータの管理について伺います。現在、企業の基幹システムの老朽化に相次ぐトラブルで大きな損失につながるとされる2025年の崖問題が注視されております。大手銀行での相次いだシステム障害や、大手お菓子メーカーの基幹システムの切り替えに伴う出荷停止など、生活にも影響を及ぼしており、日本企業全体を見ても、近年システム障害が増加している状況にあります。基幹システムの稼働期間が長くなると、技術面で老朽化が進むだけでなく、設定変更を繰り返すことで、システム自体が複雑化、肥大化していく。こうした基幹システムにトラブルが発生すると、原因究明や対処に手間取り、機能不全に陥ることもあります。2025年の崖問題への対処を考えると、中野区の基幹システムはどのような状況になっているのか、見解をお伺いします。

○保積デジタル基盤整備担当課長 中野区の基幹システムは、現時点で2025年の崖問題において、該当する稼働から10年、または20年経過し、老朽化しているシステムはございません。しかしながら、各システムにおいて、日頃より適正に運用を行いまして、障害発生時等においても、区民サービスへの影響を最小限にできるよう努めてまいりたいと考えております。

○南委員 基幹システムの状況は今のところ問題ないという答弁でしたが、バックアップデータの管理について、現在中野区は、日本電子計算株式会社JIPによりクラウドでのデータ管理、保管を行っております。令和元年12月にJIPの統合仮想サーバークラウドサービスの不具合により、同サービス内にサーバーを持つ22のシステムが使用できない状態となったことがありました。その際、JIPがストレージ障害に関すること、バックアップの失敗に関することなどの再発防止策を講じるとともに、中野区としても、バックアップデータに対する安全対策を実施してきたところです。以前の大規模なシステム障害が発生したときには、復旧にかなりの時間を要することとなりました。現在の中野区でのバックアップデータの管理、保管について、どのようになっているのか、区の見解を伺います。

○保積デジタル基盤整備担当課長 基幹システムのバックアップデータにつきましては、遠隔地に定期的にバックアップを取っておりまして、障害が発生しても迅速にシステム復旧できる体制を整えてございます。

○南委員 分かりました。

 次に、(3)番、新庁舎での民間への貸付状況について伺います。

 初めに、新庁舎内に設置している自動販売機の設置状況を伺うとともに、自動販売機の貸付料――収益ですね――の金額をお伺いします。

○増子庁舎管理担当課長 新庁舎の自動販売機は、2階に3台、6階に1台、10階に2台、1階におむつ付き自動販売機が1台、合計7台でございます。令和6年度の貸付料は、5月からの11か月分とし、合計約712万円となってございます。

○南委員 次に、地下駐車場の設備費はどのようになっているのか。また、区の負担分についてお伺いします。

○増子庁舎管理担当課長 ゲートや発券機などの機器は、事業者負担としてございます。区の負担分については、本体工事でループコイルや配管、電源などがあり、その負担額は約300万円でございます。

○南委員 地下駐車場の一般用の設置台数と区の収入実績を伺うとともに、自転車駐車場の台数と収入実績もお伺いをいたします。

○増子庁舎管理担当課長 地下駐車場の設置台数は、自動車用が荷さばきスペースも含め、56台で、バイク置場が8台でございます。自転車駐車場は183台でございます。

 令和6年度の収入については、地下駐車場が6,253万円、自転車駐車場が約4万4,000円で合計約6,257万円でございます。

○南委員 そのほかの貸付内容と金額、全ての貸付料の総額は、令和6年度ではどの程度の収入額となるのかをお伺いします。

○増子庁舎管理担当課長 その他の貸付内容と収入額は、1階の食堂カフェが約712万円、コンビニエンスストアが約2,125万円、2階の証明写真機が約43万円、地図案内板が約91万円でございます。令和6年度の貸付料は、合計で約2,972万円でございます。

○南委員 区としても、こういった収益を確保する事業の取組は、非常に重要だなというふうに考えます。

 次に(4)番、携帯電話の電波の不感地帯の解消について伺います。現在の新庁舎では、携帯電話が通じない、また電波が届きにくい等の状況が区民や職員、議員からも指摘があるところです。特に、地下ではほとんど携帯電話が使用できません。区民サービスの向上も重要ですが、災害時に携帯電話を使用できないことは致命傷とも言えるのではないかと思います。そのためには、不感地帯解消の対策が急がれる必要に迫られております。不感地帯解消の対策として、インフラシェアリング事業があります。つまり建物内に電波を増幅させるアンテナを設置させて、電波の不感地帯を解消させる事業です。これまではキャリアとインフラシェアリング事業者が不感地帯の解消対策を行い、携帯電話の使用料などの収益をその2社で分け合う方式でした。そのため、建物オーナー側には一切収益が入ってこない仕組みです。

 ある事業者では、インフラシェアリング事業者に代わって、建物オーナー側がアンテナの設置を自ら初期投資することで、建物オーナー側にも収益が入ってくる仕組みを行っています。12年の更新契約になりますが、初期投資も約7年で回収ができ、残りの年数は収益を生み出せることになるようです。このような取組を参考にできるかと考えます。いずれにしても、区民サービスの向上と災害対策を早急に対応するための電波の不感地帯の解消対策が急がれると考えますが、いかがでしょうか。

○増子庁舎管理担当課長 新庁舎の地下で携帯電話がつながらないといった御意見を頂いております。携帯電話の不感地改善については、必要な対応や経費について現在調査、検討中でございます。

○南委員 携帯電話の不感地帯を解消するに当たって一番重要なことは、キャリアから専用回線を新庁舎に引き込まなければならないことです。キャリアから専用回線を新庁舎に引き込まなければ、インフラシェアリング事業、アンテナを付ける、新庁舎内にアンテナを設置しても全く意味がありません。キャリアに専用回線を接続してもらうようにするに当たっては、新庁舎内で携帯電話の利用状況を把握することも必要だと思いますが、何よりはまず、新庁舎内の携帯電話の不感地帯を把握して、キャリアが専用回線を引き込むための説得要件として電波伝搬測定が必要不可欠です。また、他のキャリア参入にも必要要件になると考えます。そのために、新庁舎内の携帯電話の電波伝搬の測定調査が欠かせないと考えますが、いかがでしょうか。

○増子庁舎管理担当課長 携帯電話の電波の測定調査の必要性については、不感地帯解消のために必要であると認識してございます。必要な対応経費については、現在調査、検討中でございます。

○南委員 ぜひ前へ進めていただければなと思います。

 次に、(5)番、日本赤十字社の献血会の場所の確保についてお伺いします。これまで中野駅北口の中野駅協定広場で東京都赤十字血液センターによる献血会を実施してまいりましたが、広場使用に関わる申請所管等、広場への車両の乗り入れについてお伺いします。

○長沼道路管理課長 申請所管は、道路管理課道路占用係で行っております。中野駅協定広場について、過去には献血車の乗り入れを許可していたところですが、広場の舗装構造が歩道と同等の構造であり、車両の乗り入れを想定していないことが判明いたしました。そのため、広場を破損する危険性があるため、保全及び維持を考え、原則車両の乗り入れを許可しておりません。

○南委員 ですので、現在では、北口ではなかなかできない、献血会ができない状況であるということですね。新庁舎のナカノのソトニワで、中野区赤十字奉仕団新井分団が献血会を公益性などの観点から使用料がかからないように実施していると認識しているところですが、どこの所管が関わって、どのような手続を経て行っているのかをお伺いします。

○池内区民活動推進担当課長 地域活動推進課では、日本赤十字社が計画する事業の啓発、普及を基本とし、中野区赤十字奉仕団の事務局として、奉仕団役員14の中野区赤十字奉仕団、中野区赤十字奉仕団常任5部会の活動支援を行っております。献血の実施につきましては、常任部会の献血部会が主催ではございますが、これまで区は事務局の立場として相談を受けながら、献血の場所の確保を行ってきております。新井分団のナカノのソトニワの使用につきましては、新井区民活動センター職員が公用申請を行っているところでございます。

○南委員 中野区赤十字奉仕団新井分団では、高齢化も課題になっていると聞いているところでございますけれども、これ以上の献血会の回数を増やすことは現実的ではないため、東京都赤十字血液センターによるナカノのソトニワでの実施が必要と考えます。中野区赤十字奉仕団新井分団では、地域への貢献度や公益性の観点から、区民活動センターの事業として、先ほど説明をされましたけれども、事業として減免されておりますけれども、東京都赤十字血液センターという広域な位置付け、名称であると、現状では使用料を支払うことになります。使用料が発生するとなると、献血会を行うのが非常に厳しいとのことであります。東京都赤十字血液センターの献血会は、人の命を救うという観点を考えれば、非常に公益性が高い事業です。このような観点を踏まえれば、使用料の減免を行って献血会の許可を出すべきと考えますが、区の見解をお伺いします。

○冨士縄文化振興・多文化共生推進課長 ナカノのソトニワにつきましては、公開空地でありまして、東京都のしゃれた街並みづくり推進条例に基づくまちづくり団体登録制度を活用しまして、にぎわいの創出活動を実施しており、利用に当たっては一定の制約がある空間でございます。また、直近には、中野セントラルパークのイベントスペースやホール、会議室があり、民間事業としての貸付けが行われているところでございます。このようにナカノのソトニワにつきましては、他の区有施設と異なる側面があることから、使用料の減額、または免除に当たりましては、より高い公益性が求められるものと認識しておりまして、具体的な基準につきましては、様々な点を考慮しながら検討してまいりたいというふうに考えてございます。

 委員御指摘の献血事業につきましては、公益に資するものと認識しておりますが、今後、公益性の位置付けなどを整理いたしまして、使用料の減額免除の導入する場合の具体的な基準を、年明けまでに決定しまして、令和7年度の当初から運用できるようにしてまいりたいというふうに考えてございます。

○南委員 他の委員からも、こういったナカノのソトニワでの使用料減免の話もありましたけれども、献血会の許可においても、今御答弁いただきましたが、前へ進めるようにお願いしたいと思います。

 (6)番、中野区福祉団体連合会の課題点について伺います。今定例会の一般質問で、我が会派の久保りか議員が、中野区福祉団体連合会からのエレベーター利用についての課題を質問しましたが、私からもエレベーター利用を含めて、中野区福祉団体連合会からの課題点、3点ほど質問をしたいと思います。

 初めに、電動車椅子で南側エレベーターを利用しようとした場合に、着替えなどの荷物も常に携帯しているため、間口が狭く奥行きのない南側エレベーターでは乗ることが困難であり、大型電動車椅子であれば乗ることすらできない状況であります。このことを職員に伝えると、北側エレベーターを利用するように促されますが、そのエリアはセキュリティゾーン内であり、3階の障害福祉課に着けたとしても、手続などをする際に南側の窓口に戻らなくてはならなくなりますが、このような課題を区はどのように対応されようとしているのか、見解をお伺いします。

○増子庁舎管理担当課長 利用に際しては、防災センター、または総合案内に申し出ていただき、職員が付き添うことで、利用される方が困らないよう配慮を対応していきたいと考えております。

○南委員 次に、視覚障害者が新庁舎正面南側入り口から会場へのエレベーターまで行こうとする際に、点字ブロックの誘導に従っていくと、柱の正面に突き当たることになります。そこからエレベーターの入り口までは、点字ブロックが設置されておりません。また、エスカレーターを乗るための点字ブロックの誘導に従っていくと、エスカレーターのステップを通り越して、総合案内にたどり着くようになってしまい、視覚障害者が戸惑ってしまうことになります。視覚障害者の安全を図り、ユニバースデザインの観点からも、点字ブロックによる誘導の動線を再検討して、点字ブロックを設置すべきと考えますが、いかがでしょうか。

○増子庁舎管理担当課長 エレベーターの手前の柱に触知案内板を設置していることから、この柱まで点字ブロックを配置してございます。ユニバーサルデザインの考え方を踏まえた新庁舎の点字ブロックについては、関係法令に照らし合わせ、安全性を確保できているものと考えておりますが、今後の利用状況を見極め、是正が必要と判断した場合は適切な対応を講じていきます。

○南委員 ぜひ前向きで検討していっていただきたいと思います。

 次に、旧庁舎では、視覚障害者のための区役所の入り口が分かるようにチャイムの音を常に鳴らして認識でき、利用しやすく便利でありましたが、新庁舎ではチャイムがなくなり非常に不便であり、このような状況をすぐにでも解消しなくてはならないと考えますけれども、チャイムの設置をすべきと考えますが、いかがでしょうか。

○増子庁舎管理担当課長 新庁舎は、関係法令に基づき音声案内装置により正面玄関を案内できているものと考えてございますが、今後の利用状況を見極め、是正が必要と判断した場合は適切な対応を講じていきます。

○南委員 音声案内のものが設置されているということですが、要はシグナルエイドのことだと思うんですけども、それをするにはやっぱり受信機も必要になってくるわけですね。ですから、そういったことも対応しなければならなくなると思いますので、その辺も踏まえてよく検討していただきたいと思います。

 次に進みます。3番、西武新宿線連続立体交差事業について伺います。

 (1)初めに、新井薬師前駅及び沼袋駅の整備について伺います。現在、西武鉄道では、地下化事業による新井薬師前駅及び沼袋駅の新たな改札口や駅前のにぎわいにも資すると考える駅ビルの計画はいまだ説明されておりません。特に沼袋駅では、区画街路第4号線整備が並行して進められており、沼袋駅自体の上部空間がかなり広く取れることもあり、区民の方から駅ビルの姿を早く示してもらいたいとの声をたくさんお聞きしています。新井薬師前駅及び沼袋駅の駅ビルを含めた整備の方針、計画を早急に示すよう、東京都、西武鉄道に働きかけをすべきと考えますが、現在の進捗状況を含め、区の見解をお伺いします。

○青木新井薬師前・沼袋駅周辺まちづくり担当課長 新井薬師前駅及び沼袋駅における新たな駅の出入口、改札口の位置につきましては、現在鉄道事業者である西武鉄道において設計を進めている状況と、事業主体である東京都から聞いている状況でございます。区としては、新井薬師前駅及び沼袋駅における拠点空間の整備の中で、生活利便施設等の導入を検討するとともに、併せて鉄道上部空間の活用も含めまして、東京都や西武鉄道との連携をし、交流拠点や生活拠点としてふさわしいまちづくりを進めていく考えでございます。

○南委員 (2)として、次に、ホームドアの設置について伺います。新井薬師前駅及び沼袋駅の両駅とも、ホームドアの整備が必要であり、ホームからの利用者の転落防止には欠かせないと考えます。特に、視覚障害者にとっては命にかかわってくることでもあり、転落防止に欠かすことはできません。新井薬師前駅及び沼袋駅にホームドアの整備を西武鉄道に働きかけるべきですけれども、いかがでしょうか。

○青木新井薬師前・沼袋駅周辺まちづくり担当課長 連立事業によりまして新たに整備する新井薬師前駅及び沼袋駅のホームドアの整備につきましては、中野区バリアフリー基本構想に基づく転落防止対策推進の観点から整備が必要であると考えております。区としては、引き続き両駅における整備について、鉄道事業者である西武鉄道に働きかけていきたいと考えております。

 なお、現在、西武鉄道においては、ホームドアの整備については、2023年度より1日当たりの利用者数10万人未満の駅への整備に着手しており、引き続き整備を進めていくと聞いてございます。

○南委員 (3)番、鉄道上部空間の活用についてお伺いします。鉄道上部空間活用については、活用方針の策定を令和4年度から令和7年度の期間で策定することになっております。策定に当たっては、説明会の開催等による区民のアンケートなどの意見聴取を行い、調整するとしております。本年の第1回定例会の私の一般質問でも、そのように答弁をもらっておりますけれども、方針策定の進捗状況をお伺いします。

○近江まちづくり計画課長 鉄道上部空間活用の検討につきましては、令和5年度に子どものアンケートを実施し、約500人から回答を得ておりますが、今年度は区民を対象に鉄道上部空間に関する意向調査を実施することにしてございます。現在、中野区としての鉄道上部空間活用方針の骨子案策定に向けて、東京都や鉄道事業者などの関係者と調整を図りながら作業を進めており、区民意向調査等で頂いた意見を基に、今年度の策定を目指してまいります。

○南委員 令和4年度及び令和5年度は、鉄道上部空間活用に関する委託費は計上されておりません。令和6年度当初予算では、鉄道上部空間活用方針検討が新規事業として500万円余ありますけれども、その内容について伺うとともに、令和8年度に鉄道上部空間活用計画を策定することになっておりますが、改めてスケジュールをお伺いします。

○近江まちづくり計画課長 今年度は、鉄道上部空間活用の検討に当たりまして事業委託を行ってございます。その中で、意向調査の資料作成や、鉄道上部空間を活用する上での関連計画の位置付け、前提や制約条件、先行事例及び課題等を整理することとしてございます。鉄道上部空間の活用計画につきましては、今年度策定する(仮称)中野区鉄道上部空間活用基本方針骨子を基に、連続立体交差事業の進捗状況を確認しながら、東京都や鉄道事業者などとの関係者との協議を踏まえ、令和8年度の策定を予定しているところでございます。

○南委員 次に、(4)番、沼袋第4号踏切についてお伺いします。今定例会の初日に、我が会派の久保りか議員が一般質問で、沼袋第4号踏切除却と代替の通行計画の在り方について質問した際、区は、連立事業の施行に伴い廃止となる沼袋第4号踏切については、代替施設である横断歩道橋等の整備について、東京都、中野区、西武鉄道と検討を行っているとの答弁がありました。代替施設である横断歩道橋等とは、どのような方が渡ることができ、どのような方が渡ることができないのか、どのような構造形式になっているのかをお伺いします。

○桑原野方以西担当課長 現在、代替施設の構造形式につきましては、階段形式の横断歩道橋などを検討しており、検討に当たりまして、鉄道の建築限界や、活用できる用地などの条件から、現時点では歩行者を想定しておりますが、詳細な構造などについては決まっていない、そういった状況でございます。

○南委員 沼袋第4号踏切を除却後のバリアフリーに配慮した南北をつなぐ交通動線を確保するためにも、掘り割り部での歩行者、特に高齢者や障害者、そして自転車の横断手法や自動車の迂回道路の整備を、これまで我が会派から求めてまいりました。平成22年第1回定例会での久保りか議員の一般質問に始まり、平成25年の第1回定例会の私の一般質問、平成30年決算特別委員会での平山議員の総括質疑など、我が会派では6回も質問を行っております。自民党の大内議員も質問をされておりますけれども。これらの質問の答弁では、歩行者や自転車の通行が可能となり、高齢者や障害者など誰もが利用しやすい代替施設となるよう進めていくとありました。

 私は、令和4年の決算特別委員会でも、沼袋第4号踏切について質疑を行い、掘り割り部の整備手法について、高齢者や自転車、そして自動車の迂回道路の整備を問うたことに対し、区は、高齢者や自転車の横断、自動車の迂回を含めて、現在の機能を確保することが必要であると認識しており、代替施設について東京都及び西武鉄道と協議を進めるとの答弁でありました。先ほどの答弁では、階段で歩行者が通行できるという、その1点のみしか答弁がなかったようですけれども、こういった歩道橋になるという内容、これ、いつの時点でこのような手法になったのか。また、沼袋第4号踏切のこういった課題について、議会への報告をあらかじめすべきではなかったのかというふうに考えますが、見解を伺います。

○桑原野方以西担当課長 過年度から連続立体交差事業の施行に伴い、廃止となる沼袋第4号踏切の代替施設の整備については、東京都、中野区及び西武鉄道で検討を行ってきております。現在、詳細の構造については決まっておらず、引き続き関係者で検討中でございます。そのため、議会への報告時期は未定でございます。

○南委員 議会への報告がまだ未定ということで、しっかりとやってもらいたいなと思うんですが、平成28年の決算説明書には、沼袋第4号踏切代替施設検討業務の業務委託として634万円が執行されています。この業務委託内容とは、具体的にどのようなものだったのかを伺います。

 また、高齢者や障害者、特に車椅子の利用者や自転車利用者に配慮した代替施設の構造形式となっていたのかをお伺いします。

○桑原野方以西担当課長 平成28年度の業務委託につきましては、沼袋第4号踏切及びその周辺での歩行者と自転車利用者の方向別交通量を観測するとともに、どのような歩行者が利用するかなどの属性を調査しまして、代替施設に求められる機能を検討しました。構造形式については、歩行者、自転車、高齢者などに配慮した代替施設の検討を実施してございます。

○南委員 であれば、このときに委員会とかで報告すべきだったんじゃないかと思うんですけども。

 次に行きますが、平成30年第3回定例会の決算特別委員会で、我が会派の平山議員が、平成29年度決算の中で、沼袋第4号踏切立体横断施設機能検討業務委託事業が未執行になっている理由を問うたのに対し、区は、平成29年度、東京都との協議の結果、追加で検討を行う必要が生じなかったので未執行になったと答弁をされております。ということは、前年度の平成28年度に沼袋第4号踏切代替施設検討業務委託した構造形式の内容で進める方針だったからなのでしょうか。お伺いします。

○桑原野方以西担当課長 平成29年度の予算は、平成28年度の委託内容を基に、東京都と協議を行うに当たり、追加での検討が必要な経費として計上しておりましたが、平成29年度に東京都と協議を行う中では、それに追加して検討を行う必要が生じなかったため、未執行となってございます。現在、代替施設の詳細の構造については、平成28年度の委託内容で進めるということではなく、関係者で引き続き検討を行っているところであり、現時点では未定でございます。

○南委員 これだけ委託をしてきて、検討するものが生じなかったから平成29年度のものは未執行になっているということで、であれば、やっぱりそのときにも議会の報告をしなければならなかったと思うし、できているのであれば、さらにやはりしっかり示すべきではなかったかなと思います。

 次に、沼袋第4号踏切の代替横断施設については、自転車利用やバリアフリーに配慮した高齢者、障害者、特に車椅子利用者を優先的に配慮した車路、スロープを整備した構造形式にするよう、東京都、西武鉄道に強く求めるべきと考えますが、いかがでしょうか。

○桑原野方以西担当課長 今後、改めて沼袋第4号踏切周辺の地域特性なども踏まえまして、引き続き地域の方が利用しやすい施設となるよう検討を進め、東京都や西武鉄道との協議を行ってまいりたいと考えてございます。

○南委員 この沼袋第4号踏切って、中井―野方間の延伸の問題にも直結してくることというふうに私は理解していますので、しっかりと早く、区民の方が納得できるようなものをやはりしっかり示してもらいたいと思います。

 それでは、次の項に進みます。4番、教育環境の課題について伺います。

 (1)初めに、指定校変更による令和小学校への通学課題について伺います。令和小学校への指定校変更による通学のうち、西武新宿線より北側の通学区域からの児童の人数はどれほどいるのかをお伺いします。

○佐藤学務課長 指定校変更している児童のうち、線路を渡っている児童は51人でございます。

○南委員 51人もいらっしゃるんですね。指定校変更の手続を許可するに当たって、保護者との面談の際に確認事項があるようですけれども、どのような内容になっているのかというのをお伺いいたします。

○佐藤学務課長 現状では、主に3点確認してございます。1つ目に、中野区指定校変更に関する基準に該当しているか。2つ目に、通学途中における事故の責任は保護者が負うことについての確認。3つ目に、小学校で指定校変更した場合も、中学校は現住所地の指定校が指定される。これら3点を確認しているところでございます。

○南委員 次に、中野通りの踏切では、保護者による安全の見守りが踏切の南側と北側で行っているという状況であります。令和小学校通学区域内では、教育委員会による交通安全指導員は5名を配置しており、学区内が広くなったということもありますから。そのほかは保護者による見守りが大半を占めている状況であります。沼袋駅手前の新井薬師前第3号踏切では、そこは朝日通りが通っておりまして、通学時間帯には頻繁に自動車が通過をするという状況です。踏切の北側では、指定校変更による児童が大体10名ほど朝日通りを横切って通学する実態があります。近隣の方が好意で、児童と自動車との事故を防ぐためにボランティアとして自ら買って出て、安全の見守りを行ってくれていただいています。その方から、教育委員会等で対応してもらえないかという相談も受けたところであります。本来ならば、教育委員会が令和小学校側と協議をして、交通安全指導員を配置するなど安全対策を取るべきと考えますが、教育委員会の見解をお伺いします。

○佐藤学務課長 シルバー人材センターで行っております通学路の児童見守り業務としましては、令和小学校は、年間合計1,350時間配置しているところになります。配置時間数につきましては、各学校間で調整の上、時間を増やすことも可能でございます。学校と調整の上、対策を検討していきたいと考えてございます。

○南委員 ぜひ対策を講じていただきたいというふうに思います。

 (2)番、次に中野区立第七中学校の建替えについてお伺いをします。

 初めに、第七中学校の建替えによる人工芝の整備について伺います。人工芝による球技クラブ活動への影響については、野球、サッカー、テニスなど球技の種目においては支障を来すことがあるというふうに聞きますけれども、人工芝の整備によって問題はないのか、見解をお伺いいたします。

○藤永子ども教育施設課長 人工芝の球技への影響でございます。第七中学校に敷設する予定の人工芝については、ノンフィルタイプの人工芝でございまして、スポーツとの相性では、野球、サッカー、テニスなど多種のスポーツに適しているとされてございます。

○南委員 ということは、第七中学校からそういった手法を取り入れるということですよね。答えていただいていいですか。

○藤永子ども教育施設課長 ノンフィルタイプの学校は、新しい学校で敷設され始めてございまして、第七中学校はそれの経験を踏まえてノンフィルタイプをする予定でございます。

○南委員 分かりました。でも、中には、今までの人工芝だとやはり球技によってはできるできないということがあったので、その辺をちょっと確認したかったのでお伺いをいたしました。

 次に、人工芝による花火大会への対応についてお伺いします。本年の第1回定例会での私の一般質問で、人工芝での花火大会の開催に支障はないのかとの質問に、当時の教育長は、人工芝は基本的に火器使用を禁止のため、改築後に校庭で打ち上げ花火を実施する場合には、人工芝全体に養生するなどの対応が必要であると考えているとの答弁がありました。人工芝全体を養生するには、多額の費用負担が生じることになりますが、人工芝での花火大会の開催について、改めて教育委員会の見解をお伺いします。

○藤永子ども教育施設課長 人工芝校庭における花火大会でございますが、先日の一般質問の回答と重なりますが、人工芝は基本的に火器使用を禁止のため、改築後に校庭で花火大会を開催する場合には、人工芝全体に養生するなどの対応が必要と考えてございます。費用負担については、今後検討していきます。

○南委員 次に、人工芝の耐用年数は約10年とされておりますが、使用の頻度が増せば擦り切れて、マイクロプラスチック問題として海洋汚染につながるとされております。教育委員会として、どのような対策を講じているのかを伺うとともに、人工芝を張り替える際には、環境に配慮した廃棄にするようにすべきですが、見解をお伺いします。

○藤永子ども教育施設課長 人工芝のマイクロプラスチック対応等についてでございます。人工芝校庭については、芝片が雨水で流出することがあるため、排水口の清掃を丁寧に実施するなどして対応してございます。また、鷺の杜小学校については、排水ドレーンを用意して、雨水による流出を防ぐ工夫をしてございます。

 人工芝校庭の張り替えについてでございますが、区ではまだ張り替えの実績がございません。人工芝を廃棄する際には、法令に基づき適正に処理するというものでございます。

○南委員 次に、プール整備についてお伺いします。最近の災害級とも言える酷暑の影響で、熱中症対策やプールサイドによる足の裏のやけど防止対策は欠かせないと考えますが、校舎6階に整備されるプールについてどのような対策を講じるのか。お伺いします。

○藤永子ども教育施設課長 プールの暑さ対策でございますが、第七中学校新校舎プールについては、プール全面に可動式のプール幕及びひさしを設置し、暑さ対策を行う予定でございます。

○南委員 ぜひお願いしたいと思います。それから、プール利用については、近隣地域からも利用の要望があったところでありますが、夏場には地域開放型として利用できるようにすべきだと考えますけれども、見解をお伺いします。

○原スポーツ振興課長 学校施設の開放につきましては、授業や部活動などの学校運営に支障のない範囲で実施するものでございます。新たに供用を開始することとなる学校施設の開放につきましては、地域のバランスやこれまでの実施状況、学校の運営状況などを総合的に勘案しながら判断していきたいと考えております。

○南委員 ぜひ前向きに検討していっていただければと思います。

 (3)番、次に、小一の壁の解消についてお伺いをいたします。小一の壁対策として、我が会派の平山議員が前定例会の一般質問で、保育園の預かり時間と小学校の登園時間のギャップにより生じる課題として取り上げました。東京では幾つかの市、八王子市とか、先進的な事業として実施しているところもありますけれども。大阪府豊中市では、今年度から市の39校の全小学校で、午前7時に開門をして、児童を体育館などで見守る事業を開始しました。登校した児童の見守りは、委託を受けた警備事業者各校2名が担うことになっております。先進自治体の取組を参考に実施すべきと考えますが、見解をお伺いします。

○佐藤学務課長 小学校における早朝登校については、既に実施している自治体の取組を参考にして検討しているところです。実施体制及び方法については、各学校、家庭、地域の事情や、実施体制等を考慮して進めていきたいと考えてございます。

○南委員 ぜひ進めていただきたいと思います。

 次に、(4)番、学校図書館での新聞図書配布の充実についてお伺いをします。2017年、区立中学校の学校図書館には、中野区新聞販売同業組合から新聞の閲覧台の寄贈とともに、区立中学校1校に対して各新聞社の6紙が配布されているところです。この中野区新聞販売同業組合より、6紙のうち5紙が無償配布となっております。無償配布の意義には、未来読者を養成して、新聞を読む習慣をつける意味合いが込められております。中野区新聞販売同業組合には、各区立中学校から1紙分の購読料が支払われている状況です。この中野区新聞販売同業組合からは、著しい物価高騰の状況下でもあり、負担感の軽減を図ってもらいたいとの意向もあるところです。

 文部科学省では、令和4年度から令和8年度を対象期間とする第6次学校図書整備等5か年計画を策定しています。本計画において、公職選挙法等の改正による18歳以上への引下げや、民法改正による青年年齢の18歳への引下げに伴い、児童・生徒が主体的に主権者として必要な資質、能力を身につけることの重要性と、発達段階や地域の実情に応じた学校図書館への新聞の複数紙、具体的には公立小学校には1校当たり2紙、公立中学校には1校当たり3紙の配備を図るとしています。中野区も、文部科学省の第6次学校図書館図書整備等5か年計画の内容を踏まえて、区立小・中学校への新聞購読の推進を図るべきと考えますが、見解をお伺いします。

○藤永子ども教育施設課長 区は、中野区新聞販売同業組合からの申出により、平成29年度から同組合との協定に基づきまして、区立中学校9校に対し、1紙分の契約で6紙分の新聞提供を受けているところでございます。今後、国の計画に沿って、小・中学校への新聞配備を進めていきたいと考えてございます。また、中野区新聞販売同業組合との協定につきましては、現在、同組合の意向を伺っているところでございます。

○南委員 ぜひこれも同業組合の方の意向で無償配布というところから始まっているんですけれども、やはりその辺り、軽減負担を図ってもらいたいと思いますので、前へ進めるようお願いをしたいと思います。

 次の項に進みます。5番、資源回収及び粗大ごみ収集の委託事業について伺います。

 初めに、資源回収及び粗大ごみ収集を、中野区は東京都環境衛生事業協同組合に委託しております。プラスチック、ペットボトル、粗大ごみの運賃や作業員の単価を前年度の雇上契約単価で算出して、区独自の単価契約になっております。その理由をお伺いをいたします。

○鈴木ごみゼロ推進課長 単価設定の理由についてお答えいたします。東京都環境衛生事業協同組合との契約において、その単価は、燃やすごみ等の契約、いわゆる雇上契約が集積所から収集し運搬するなど、業務形態がペットボトル等の回収作業と類似していることから、この契約についても雇上単価を用いており、本区を含め他区でも同様の算出をしているところも多くなっています。また、その上で、本区では契約時期の関係から、翌年度の雇上単価ではなく、現年度の雇上単価を参考に単価を決定してきたところでございます。

○南委員 次に、現年度の雇上契約単価を参考に翌年度の契約単価を算出しているということですけれども、翌年度の雇上契約単価はいつ頃確定するものなのかをお伺いいたします。

○鈴木ごみゼロ推進課長 翌年度の単価は、ある程度見込むことが可能でありますが、確定の時期ということになると、それは23区清掃協議会から令和7年の2月下旬から3月頃に各区に知らされるものでございます。

○南委員 この雇上契約単価ですけれども、今、答弁の中でもありましたけれども、確定するのは2月頃ということなんですが、見込額はもうちょっと前ですよね、かなり。そこを算出して、次年度の予算に盛り込んでいる区もかなりあるというふうに聞いていますので、その辺はできないことはないんじゃないかなというふうには思うんですけれども。これは通告していませんので、私の個人的な意見になりますけれども、その辺も含めて今後検討していってもらえればなというふうに思います。

 次に、翌年度の雇上契約単価が決まった段階で、区独自の単価契約を見直すことは難しいとのことでありますけれども、昨今の著しい物価高騰による人件費や車両燃料費の高騰を考慮して、区単価契約を見直すべきと考えますが、いかがでしょうか。

○鈴木ごみゼロ推進課長 現状のように、人件費や車両費などが高騰する場合は、契約単価と実際の回収に必要な経費の差が即座に埋まらないという認識はあります。今後の社会情勢等を総合的に見極め、単価設定の在り方について判断していきたいと考えているところでございます。

○南委員 やはりこれまでも様々な委員の方々が物価高騰対策の質疑もされてきておりますけれども、やはりこの環境衛生事業協同組合さんのほうも、かなり要は人件費とか様々なことの持ち出しが多いというのも事実でありますので、その辺も今後考慮していただきたいというふうに思います。

 次に、夏場のペットボトルの回収量は急激に増加するため、作業員を増員している状況、状態であります。東京都環境衛生事業協同組合が全て負担をしているのが現実であります。作業員の熱中症対策も必要でありますけれども、作業員の増員費用や熱中症対策費用も支援すべきと考えますが、見解をお伺いをいたします。

○鈴木ごみゼロ推進課長 ペットボトルの回収においては、今年度夏季期間には、1日の車両を7台から8台に増やし、作業員の回収にかかる負担軽減をしてきたところです。また、東京都環境衛生事業協同組合が実施している熱中症対策についても、雇上単価の夏季対策の費用として加味しているところであります。作業員の熱中症対策については、安定的な回収作業を維持するためにも重要であると認識していますので、今後も事業者の意見を聞きながら有効な支援策について、引き続き検討をしていきたいと考えてございます。

○南委員 ぜひこちらも、やはりどうしても夏場の急激な回収量、そのために作業員を増員しないと回収し切れないというところがあります。そこはやはりこの東京都環境衛生事業協同組合の皆さんのほうで自己負担となっているという現実を、よくその辺も考慮していただいて、対策を講じていただければというふうに思います。

 次に、東京都環境衛生事業協同組合では、人材の確保が不可欠であります。特に若い世代の人材確保、これが非常に、雇っても、雇用しても、また非常にきつい仕事ということもあるんですけれども、それで辞められてしまうというようなことがあって、その辺には様々な要因があると思うんですけれども、そのための若い世代の方の人材確保の支援策、これを講じていく必要があると思いますけれども、区の見解をお伺いいたします。

○鈴木ごみゼロ推進課長 一般的に、資源回収やごみ収集などについては、様々な事業者から人材確保が困難であるという声を聞いてございます。委託事業者の人材確保について、直接的な支援を実施するのは困難でございますが、事業者等の意見を聞きながら、区内の資源回収が安定的かつ継続的に実施できるよう検討していきたいと考えてございます。

○南委員 時間がないと思ったので早口でやったもんですから、時間がちょっと余ってしまったんですけれども。様々に取り上げたことに、この五つの項目につきましては、様々な課題があるかと思います。そこをやはり区としてしっかりと対応、検討するのは当然なんですけれども、早急な対応が必要だなというふうに思います。

 最初のほうに話しました中野駅新北口駅前エリアの市街地再開発事業のことについても、質疑の答弁の中で聞いたときに、非常に不安感を持たざるを得ないような状況に中野区は追い込まれているんじゃないかというふうに思えてしようがないんですね。だから、そういったことも、我々議員が感じるぐらいですから、これを区民の方が知ることになったときには、さらに大きな動揺とか、そういったことにも出てくる可能性も大きくある。そのときにはやっぱり区がしっかりと対応できるような答えをきちっと持っていかないとならないかなというふうに思いますので、そこを併せてしっかりと様々な課題に対応していただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。

 以上で私の総括質疑を終了とさせていただきます。ありがとうございました。

○杉山委員長 以上で南かつひこ委員の質疑を終了します。

 次に、中村延子委員、質疑をどうぞ。

○中村委員 令和6年第3回定例会決算特別委員会におきまして、立憲・国民・ネット・無所属議員団の立場から総括質疑を行います。

 4のその他はございません。時間の関係で、途中質問を飛ばす可能性がありますので、すみません、理事者の皆さん、よく聞いて、答えをいただければというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。

 それでは1番、令和5年度決算についての(1)行政評価と予算編成についてお伺いをいたします。私自身が当選当初から取り組んでいる行政評価制度について、改めて質問をさせていただきたいというふうに思っております。

 時代に即した新規事業というのは取り入れていくべきと思いますし、物価高騰や今後の施設整備に備えていくこともとても重要ですが、毎年経常収支比率が低い状況に至っては、区民に還元していくべきとも考えております。一方で、漫然とこれまでの事業を続けるのではなくて、PDCAサイクルでのチェック機能を果たし、適宜見直しを行う必要があり、そのために行政評価制度が機能を果たさなければいけないと思っております。中野区は、平成12年度から行政評価制度を取り入れ、様々な経緯があって今の形に変わってきております。令和2年度からは事務事業点検方式に変更をされました。現在の中野区の行政評価には、自己点検、内部評価、外部評価と三つあります。主要施策の成果を出していただいておりますので、まずは、ここに評価結果が載っている内部評価についてお伺いをいたします。

 主要施策の成果の中には、事業のコストや人件費、単位コスト、次年度予算編成に向けた評価について説明がありますが、どのように内部評価が行われているかについて記載がありません。かつては、内部評価委員会というものがあったこともありましたが、自己点検が公表される書式になっているだけでは内部評価とは呼べないと思いますが、内部評価のプロセスをまず教えてください。

○中谷企画課長 内部評価につきましては、各部における自己評価により内部評価表を作成し、自己点検結果と合わせて、それらの内容について副区長ヒアリングを行った後、区長への報告を行い、区としての評価を決定してございます。

 なお、副区長ヒアリングにおきましては、副区長と教育長、企画部長、総務部長、企画課長、財政課長、職員課長、人事政策・育成担当課長に加え、所管部以外の部長等が複数参加し、各部の評価点検結果や改善の方向性などについて、客観的な立場から確認し、質疑を行っているところでございます。

○中村委員 実際は、副区長を筆頭としてヒアリングや評価が行われているという理解でよろしいでしょうか。

○中谷企画課長 そのとおりでございます。

○中村委員 自己点検は、あくまでも事業を行っている課や係で、自分たちで評価をするものだと思いますが、内部評価は区役所の組織内だったとしても、その課や係にとどまらず、他者のそれ、それも上層部の目が入って、次年度予算編成に向けた評価となっているべきです。そう実施しているのであれば、それを分かりやすく記載すべきと考えますが、いかがでしょうか。

○中谷企画課長 内部評価と自己点検の内容につきましては、事業ごとに作成した内部評価表と事業メニューごとに作成した自己点検シートを副区長ヒアリングの中でチェックをしてございます。最終的には、区長への報告をもって評価結果を決定し、次年度予算の編成につなげているところでございます。主要施策の成果において、内部評価の実施内容を簡潔に記載しておりますが、今後記載内容をより分かりやすいものにできないか、検討したいと考えてございます。

○中村委員 ぜひよろしくお願いいたします。

 次に、自己点検について伺います。自己点検の結果については、主要施策の成果111ページ以降に、公表をしていただいたこと、これは大きな一歩だと思っております。これまで、昨年までは、公表されていなくて、どういう結果が出ていたのかすら私たちには分からない状況だったので、こうやって見せていただいたことは大きな一歩だというふうに思っております。

 自己点検結果が記載されておりますけれども、継続497件、改善(拡充)が27件、改善(縮小)が3件という状況にあります。自己点検結果をどういった判断で継続するとしたのか、経緯が見えません。主要施策の成果55ページには、事業の方向が継続以外の場合はその理由を記載していますとありますけれども、継続の理由も記載していく必要性があると考えますが、いかがでしょうか。

○中谷企画課長 自己点検結果を継続としたものにつきましては、有効性、効率性、適正性などの視点からチェックを行った結果、既存の事業を維持、継続していくことが妥当と判断したものでございます。主要施策の成果における自己点検結果の記載につきましては、500を超える数の事業メニューがあることを踏まえ、事業の見直しや拡充など、区民サービスに影響が及ぶような結果に絞って、その理由を記述しているところでございます。自己点検の結果が継続となった場合の理由の記述につきましては、それに伴う全庁的な業務量の増加や、それにより期待される効果を総合的に勘案して、検討していきたいと考えてございます。

○中村委員 ぜひそこは、もちろん業務量が増えるというのは分かるんですけれども、やっぱり見えないと、なかなかどういう判断でそれを継続としたかというところ、私たちも一つひとつ、これだけ事業がある中で見えないというところもありますので、ぜひそこは掲載をしていっていただくように調整をしていっていただきたいなというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。

 区民福祉を考えたら、どの事業も継続になるんですよね。どんな事業も、そこに助かる区民がいるからこそ事業が開始されているわけです。それをやめようと思うと、誰かしらの不利益になる可能性があるから難しいんですよね。一方で、その事業が本当に区がやるべき事業なのかの見極め、さらには基本構想や基本計画、区の施策や政策につながっている事業なのかという視点が極めて重要だというふうに考えております。こうした視点をもって事業評価ができる仕組みの構築が必要だと考えますが、いかがでしょうか。

○中谷企画課長 行政評価につきましては、PDCAサイクルのチェックを担うものであり、基本計画の政策体系に基づく区政運営を進める上で、政策や施策との関連性を踏まえて評価を行うことが重要と考えてございます。現在の行政評価制度は、政策体系に基づく事業評価を行うこととしており、基本計画の進捗状況などを踏まえて、対象事業の選定などを行っているところでございます。事業に対する評価を、より効果的に政策や施策の実現につなげられるような仕組みについて、引き続き研究していきたいと考えております。

○中村委員 研究という御答弁で、ちょっと後ろ向きだなというふうに感じるんですけれども、ぜひ、そこはしっかりと検討を進めていただきたいなというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。

 事務事業点検方式に変えていただいたのはすごく評価をしているんですけれども、なかなかそこがどういった政策につながっているかとか、基本構想につながっているかというところが、今の状況では見えにくい状況になっていて、そこをしっかりとつなげていくということが大事だというふうに認識していますので、ぜひよろしくお願いいたします。

 次に、外部評価について伺います。外部の目を入れて評価していただくことは非常に重要だというふうに考えております。

 まず、現状について伺います。令和6年度の外部評価は4事業のみとなりました。昨年度の8事業、一昨年度の9事業でも少ないなというふうに思っていましたけれども、なぜこんなにも少ない数しかやらないのか。事業評価ではなかった時代、かつては4部17分野50施策と、今よりもずっと多くの外部評価を実施しておりました。内部評価も全ての分野を対象に行っておりました。業務が煩雑過ぎるということで、変わったことはいいことだというふうに思っております。職員の皆さんがそれだけに集中してしまうと、なかなか新規事業とかというところにも目が向かないふうになってしまうのは問題だと思っているので、そこの効率化というのは大事だというふうに思っていますが、外部評価の数を削り過ぎというふうにも思えるなというふうに感じています。今回数を絞ったことについて、どういった考え方からなのか、伺います。

○中谷企画課長 外部評価の過程における議論を深め、より踏み込んだ評価ができるよう改善する狙いがあったということと、それから、外部評価者の負担の軽減も勘案して、外部評価の対象事業数を絞り込むこととしたものでございます。

○中村委員 分かりました。昨年度はあまり外部評価者への事前レクをしているようには実際見えなかったなというふうに、私自身感想を持ちました。本質的な議論をしてもらうためには、事業の理解を深めていただく必要があるというふうに思っています。理解が浅ければ、議会から意見をもらうよりも、薄く上っ面になってしまうというふうにも思っています。やっているだけという、形骸化したものになり得るものじゃないかなというふうに思うので、そこはしっかりと、事前レクというところは大事だというふうに思っているんですけれども、外部評価者の事前レクというのはどういうふうになっているのか、伺います。

○中谷企画課長 外部評価者への事前説明につきまして、昨年度は書面により資料送付と質疑を行いましたが、今年度は対面で内部評価結果の内容を御説明し、質疑を行った後に、さらに書面による質疑を重ねて、事業の内容や内部評価結果に対する理解を深めていただけるように努めてきたところでございます。

○中村委員 私が傍聴した昨年がすごく少なかったのかなというふうに思いますし、書面だけというのは、なかなかやっぱり事業の理解というのは深まらないというふうに思いますので。

 外部評価に何を求めるのかというのがやはり重要で、それによってどういう方に外部評価者になっていただくのかということにもつながっていくと思いますが、学識経験者や専門家だけではない、例えば利用者としての声も拾える仕組みにできる可能性もあるというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

○中谷企画課長 行政評価は、評価結果を次年度予算編成につなげるとともに、区民の満足度の向上を図ることを目的としていることから、利用者の視点からの評価は重要というふうに認識をしてございます。昨年度までの外部評価におきましては、外部評価モニターから利用者の視点からの意見などを頂いて、それを踏まえて外部評価者に評価を頂いてきたところでございます。今年度は、外部評価者に公募区民を加えたことで、さらに利用者視点の評価を反映できる仕組みになったものと認識してございます。今後は、対象事業の利用者の中から外部評価者を選出するなど、さらに利用者の声を評価に反映できるような方法を検討していきたいと考えてございます。

○中村委員 先の質問のところを多分もう答弁しちゃったような気がしているのであれなんですが。今年度から公募区民を復活させたというふうに伺っています。この後に、その効果と今後についてどう考えるのかというところを聞こうと思ったんですけれども、そこはいかがでしょうか。

○中谷企画課長 今年度から、区政への区民参加の機会の確保や利用者の視点からの評価の実施という観点から、外部評価者に公募区民を加えたところでございます。応募のあった6名の中から書類審査と面接により外部評価者を選任することができ、区民の感覚や民間企業の経営感覚を持った質疑を行っていただくことができたと考えてございます。今後も、公募区民については継続をしていく考えであり、人数を増やしていく必要があるか、検討していきたいと考えてございます。

○中村委員 ちなみに、ごめんなさい、通告していないんですけど、公募区民は1名だったという理解でよろしいですか。

○中谷企画課長 今年度はそのようでございます。

○中村委員 それから、先ほど答弁の中にもありましたけれども、区民モニタリング制度というのをやっております。公募区民がいないところから始めた制度だというふうに認識しておりますけれども、これまで3年間行ってきて、効果をどのように考えているのか、伺います。

○中谷企画課長 外部評価において、一般の区民の皆様から御意見を頂くため、公開ヒアリング当日の傍聴のほか、インターネットでの意見募集を行ってまいりました。令和4年度は24名の方から53件、令和5年度は9名の方から23件、令和6年度は9名の方から30件の御意見を頂きました。行政評価に対して、幅広く区民の皆様の参加の機会を確保する上で意義のある仕組みであると考えておりますが、限られた資料と時間の中で御意見を頂くことの難しさも感じているところでございます。

○中村委員 すみません。質問を1個戻りますね。

 これまでも指摘をしてきておりますけれども、現在の外部評価は委員会形式ではありません。委員会形式のときも強制力がなかったかもしれませんが、委員会でなくなると、さらに発言の重みもなくなってしまいます。評価者が意見を言っているだけに過ぎないというふうにも、これまでの外部評価結果というところを見ても感じております。現在、なぜ委員会形式を取らないのか、伺います。

○中谷企画課長 外部評価を委員会形式にする場合には、評価結果が一本化され、委員会形式にしない場合には、それぞれの評価者が独立して評価を行うこととなります。各評価者の専門的な視点から科学的な評価を頂き、少数の意見も排除せず、評価結果として参考にできることが委員会形式にしない場合のメリットであると考えていることから、現在は委員会形式を取っていないものでございます。

○中村委員 そこはちょっとやはり再度検討していただきたいなというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。

 先ほども申し上げましたけれども、外部評価は、事業の何を見てもらうかというところが重要で、それによって評価者の選び方も変わってくると思っております。区民モニタリング制度のままでいいかというのは分からないんですけれども、やっぱり利用者目線の声を集めるための仕組みとして構築することもできるのかなというふうに思っていますが、そこはどう考えていますでしょうか。

○中谷企画課長 行政評価の基本的な視点としては、事業の効果を実績やコストなどから評価することであり、これに加えて行政評価の目的である区民の満足度の向上も重要な要素でございます。現行の制度におけるこれらの視点や要素を踏まえて、学識経験者、公認会計士、公募区民を外部評価者としているところでありまして、外部評価者の構成は適切なものと認識をしてございます。

 なお、今年度から公募区民を評価者に加えており、より利用者の視点を反映した評価を頂くことができる仕組みになったと考えておりますが、さらに改善できないか、検討していきたいと思っております。

○杉山委員長 中村委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。

 15時20分まで、委員会を休憩します。

午後3時00分休憩

 

午後3時20分開議

○杉山委員長 委員会を再開します。

 休憩前に引き続き、総括質疑を行います。中村委員、質疑をどうぞ。

○中村委員 それでは、休憩前に引き続き、質問をさせていただきます。

 ここまで自己点検、内部評価、外部評価と伺ってまいりました。いずれにしても、制度をどう見直していくのかが課題というふうに思っております。内部評価も自己点検も、次年度予算に向けた評価とあるので、予算と連動していく必要があるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。

○中谷企画課長 行政評価の結果による事業の方向性につきましては、着実に翌年度の予算編成につなげていく必要があると認識をしてございます。

○中村委員 区の事業全てを見ていくとなると、事業メニューでも500を超える数がありまして、なかなか内部評価でも難しい量であるというふうに思っています。以前の行政評価制度は、事務量が膨大で、職員の手間も相当だったというふうに聞いております。一方で、機能する行政評価制度でなければいけないというふうにも思っております。であるならば、必然的に事業を見直すタイミングをつくるために、これまで全ての事業に終了時期を定めるのが現実的に見直すタイミングをつくれるからいいのではないかというふうに、我が会派として提案をしてきました。ひやま議員が予算特別委員会で質問しましたが、一方で、令和6年度当初予算の概要に出てきた、終期を設定して計画した事業は6事業のみというふうに、500以上超える事業がある中で、6事業のみなんですよね。それも新規拡充事業のみです。ここを増やしていく必要性をどういうふうに考えているのか、伺います。

○中谷企画課長 予算編成過程において、新規拡充事業につきましては、事業の性格や事業期間、目標達成の時期などを勘案して、あらかじめ終期を設定しているところでございます。また、事業の開始や拡充から一定期間を経過したものなどを外部評価の対象事業として選定をしてございます。新規拡充事業以外の全ての事業に対して終期を設定するということにつきましては、区が提供するサービスの安定性への影響や効率性の観点から、現段階では考えておりませんが、終期を設定することが事業見直しの契機になることを踏まえ、終期を設定する事業を増やしていくことができないか、検討していきたいところでございます。

○中村委員 ちなみに、予算編成方針には書いてあるんですよね。それを実は守れていないという状況があるわけです。なので、ぜひそこは、事業の安定性とか云々とかという話がありましたけれども、予算編成方針に出ているものなので、新規拡充事業だけでも進めていかなきゃいけないというふうに強く思っていますので、そこはぜひよろしくお願いいたします。

 予算の元となる事業計画は、決算や行政評価の仕組みの中では使用されているのでしょうか。その活用だけでも、今より行政評価が充実したものになり、また予算査定でのチェック機能を果たせると考えますが、いかがでしょうか。

○中谷企画課長 予算編成における事業計画につきましては、一定程度、部分的に行政評価や決算分析、令和6年度以降の予算積算に活用しているところでありますが、決算や行政評価の一連の仕組みの中での活用が明確に位置付けられているわけではないということから、行政評価と予算編成をより有機的に連動させられるような事業計画の在り方を検討していきたいと考えてございます。

○中村委員 ぜひそこはよろしくお願いいたします。

 行政評価制度なんですけれども、毎年細かい改善はしていっていただいておりますけれども、根本的にどうしていくのか、改めて見直していく必要性があるというふうに考えております。本来は、業務改善の部署との連携も必要だというふうに思っています。現在、業務改善は新区役所整備課、職員課、そして企画課というふうに三つに分かれておりまして、その取扱いも含めて見直しを考えていくべきではないかというふうに思っています。次期基本計画に合わせて制度の根本的な見直しを検討するべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。

○中谷企画課長 今後、次期基本計画の検討に着手していくに当たりまして、行政評価制度と業務改善の在り方について、全庁的に見直しを検討していきたいと考えてございます。

○中村委員 ぜひそこは着実にやっていただきたいなというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。

 以上で行政評価の質問を終わります。

 (2)新型コロナウイルス感染症の5類移行と感染症対策について伺います。

 この年度の一つの特徴は、新型コロナウイルスが2類相当から5類に移行したことです。5類移行とともに、政府が脱マスクを強烈に進めたことで、5類感染症に対する間違った認識が広がってしまったのではないかと個人的には思っているところです。新型コロナの3年間で、感染症対策は正しい知識の下に行わなければならないとみんなが学んだはずですが、改めて認識を確認していきたいと思っています。今後も未知のウイルスが発生する可能性も大いにあり、この学びを将来に生かしていかなければいけないとも思っています。

 まず、5類感染症とは何か、教えてください。

○宮下保健予防課長 感染症法における5類感染症とは、国が感染症発生動向調査を行い、その結果等に基づいて必要な情報を国民一般や医療関係者に提供、公開していくことによって、発生、蔓延を防止すべき感染症でございます。

○中村委員 5類感染症というのは、よくインフルエンザと比べられるわけですけれども、もちろんインフルエンザも脳症などを引き起こし、重い後遺症を残すこともありますし、死亡に至るケースもあるわけです。同じ5類感染症の中には、麻疹や風疹などもあり、決して侮ってはいけない感染症の分類という認識です。麻疹や風疹は定期接種が高い接種率であり、そうではなかった昔は、一定数の子どもが亡くなっていたということを忘れてはいけないというふうに思っています。

 5月8日に5類に移行されました。それまでは全数把握をしていた感染者数が、定点把握になりました。これにより、保健所体制は大きく変わったことと思います。ここでちょっと聞こうと思っていたんですけれども、1個質問を飛ばします。感染者数、死亡者数の推移です。全数把握しなくなったことにより、中野区保健所では、感染者数や死亡者数の全数が把握できなくなりました。死亡者数においては、厚生労働省が2か月経過してから発表することになり、タイムリーに感染状況が見えなくなりました。と同時に、報道もされなくなりました。

 このグラフなんですが、厚生労働省の公表している人口動態統計における死因別死亡数との比較というグラフです。実は、厚生労働省が出しているグラフはあるんですけど、すごく見にくくて、令和2年度から令和5年度までの毎月の感染者数等と死亡者数を全部入力してグラフを作りました。令和元年度から令和5年度までの死者数は計11万8,400人。令和5年度は3万1,451人。このグラフを見ていただくと分かるんですが、令和4年度に比較すると少なくなってはいるものの、依然として多くの方がお亡くなりになっているという事実があります。

 この説明を少しすると、死亡診断書の死亡の原因というところから、この新型コロナ関連死亡数というのを出しています。直接的な死因というのが1で、直接ではないが、影響を及ぼした疾病等というのが2というところです。なので、オレンジのラインのところがすごく高くなっているというのが分かります。報道もされないため、実は感染者数も死亡者数も多いことが周知されず、注意喚起もされないような状況になっています。中野区では、注意喚起について工夫をするというふうに以前御答弁をされておりましたけれども、感染拡大時はどのような対応をしたのか。令和5年度の実績を伺います。

○宮下保健予防課長 令和5年5月7日までは、感染者等情報把握管理システムにて担当保健所としての発生届数、全数を中野区感染症発生動向調査週報として周知しておりました。5類移行後は、定点把握対象疾患の集計となりまして、区内の10の医療機関での受診者数で流行状況を推定するように変更されております。流行警報発出の基準がございませんので、令和6年の第4週から中野区独自の基準として、医療機関1定点あたり10.0を超えた場合に、感染症週報にて注意喚起をすることといたしております。令和5年度の実績としましては、令和6年度の第4週から6週の3週にわたり、注意喚起を行っているところでございます。

○中村委員 ごめんなさい、これは令和6年度ということですかね。令和5年度ではなくて、令和6年度。ごめんなさい。もう1回お願いします。

○宮下保健予防課長 令和5年度の実績ですので、令和6年3月までになりますので、令和6年の第4週は1月になりますので、令和5年度の実績となります。

○中村委員 ありがとうございます。週報は私も見ているんですけれども、なかなかそれでは区民の皆さんには伝わらないなというふうに思っています。医療機関への通知と、ホームページの週報のところと、その10.0の注意喚起というところです。広く区民に知らせることには、残念ながらなっていないのかなというふうに思っています。感染拡大時には、LINEやX等、広く区民に周知できる媒体で配信すべきというふうに考えますが、いかがでしょうか。

○宮下保健予防課長 今後も、医療機関1定点あたり10.0を超えた場合には、感染症週報にて注意喚起を行っていく予定ではございます。

○中村委員 広く区民にお知らせする媒体での周知はしないということですかね。そこもぜひ検討していただきたいというふうに思いますが、いかがですか。

○宮下保健予防課長 今後、考えていきたいと思っております。

○中村委員 ぜひお願いいたします。なかなかやっぱり報道されないので、なかなか知られない。ばっと広がって、やっと皆さん、周りで新型コロナがたくさん出ているねというので、気をつけるようになっちゃうんですよね。その前に、こういう状況なんだというのが注意報でも分かると、気をつける術になるなというふうに思っていますので、ぜひお願いいたします。

 次に、子ども医療費の増大について伺います。3.6億円、一昨年度より増えて、令和5年度は前年度より増えているところです。補正予算を組む事態に至りました。新型コロナ前に比べても、令和5年度はかなりの増え方です。気をつけなきゃいけないのは、この年から高校生の医療費無償化もスタートしているので、ちょっとこの今出させていただいているグラフは、最後の、一番右端のが高校生も含むもので、その次のものが比較しやすいように、高校生の医療費を含まないものも入れております。これだけ医療費が増えておりまして、比較対象として3年間のところで比較すると、やっぱり増えているとなるんですけれども、注目すべきは、やっぱり令和元年度のところと比較してもかなり増えているんですよね。そこは昨年度物すごく感染症が増大したからだというふうに認識しているところです。

 令和5年度が新型コロナ以前の令和元年度より多くなっているのは、よく言われる新型コロナ以前に日常が戻っただけではなくて、新型コロナ以前にはできていた感染症対策もできなかったのではないかなというふうに危惧するところです。

 また、すみません、1問飛ばします。次に、ワクチン接種体制について伺います。令和5年度は、春に高齢者と基礎疾患のある方の追加接種、秋に全ての方を対象とした追加接種が行われました。それぞれの年代別接種率を教えてください。

○宮下保健予防課長 お答えします。春開始接種の実績は、70歳以上が59.5%、60代が29%、50代が5.1%、40代が2%、30代は1.4%、20代は0.4%、10代以下は0%になってございます。また、秋開始接種の実績は、70歳以上が58.2%、60代が36.3%、50代が18.2%、40代が10.6%、30代は6.9%、20代は3.2%、10代下は4.1%となってございます。

○中村委員 ありがとうございます。令和5年度のワクチン接種状況から、令和6年度行われる定期接種の接種率の見込みを教えてください。

○宮下保健予防課長 令和5年度におけます65歳以上の接種実績を鑑みまして、53%の接種率を見込んでございます。

○中村委員 ありがとうございます。53%ということです。

 秋接種の定期接種は、東京都2,500円との報道がありました。中野区の定期接種も、自己負担額は2,500円になったというふうに、9月17日付で区のホームページに掲載をされました。一方で、自費で接種したい方々もいらっしゃいます。4月1日以降は任意接種となりました。本来であれば、接種したい方は自費で接種できることとなっているかと思いますけれども、4月1日以降、区としてどのような案内、広報をしてきたのか、伺います。

○宮下保健予防課長 任意の予防接種でございますので、こちらにつきましては、定期予防接種との違いや負担額など、ホームページにおいて周知しております。

○中村委員 今回、国やワクチンの基準額で1万5,300円、手技料も含めると1万6,000円弱になるというふうに言っております。医療機関によっては、2万円近いところもあります。これだけ高額だと、接種をしたいと考えても、この金額を捻出できない方は接種を諦めなければいけないという状況です。定期接種以外の方への費用助成も検討すべきと考えますが、定期接種以外への費用助成について、現時点で区としての考えを教えてください。

○宮下保健予防課長 令和6年度につきましては、国の示す重症化リスクの高い高齢者等を対象とした定期接種として実施するものでございます。任意予防接種対象者に対する助成に関しましては、新型コロナウイルス感染症の感染状況などを加味し、判断してまいります。

○中村委員 本当は、国が判断をしてほしいなと思っていますし、国がやっていくべきことだと思うんですけれども。私が危惧するのは、特に6か月から4歳の接種です。特別接種は、令和5年3月31日までだったので、この乳幼児のところというのは、初回接種の3回を完了できなかった方もいらっしゃると思います。3回接種を終えるのに約3か月かかるので、2023年7月生まれ以降の方は、初回接種が完了できていない状況にあります。本来は国が考えていくべきものなんですけれども、ほかの世代はこれまで接種の機会があったので、1万歩譲って仕方がない部分もあるのかなというふうに思いますが、なかなか財政負担を考えると、全ての層に助成を出すというのは、金額的には現実的ではないというふうにも感じています。

 一方で、初回接種の機会すらなかった乳幼児に対する助成制度はつくるべきだと思っております。この年代の初回接種は、先ほども言いましたけど、3回です。それぞれ1万6,000円かかる見込みなのか、伺います。

○宮下保健予防課長 乳幼児の新型コロナウイルスワクチンの接種は任意接種となりますので、医療機関ごとに接種費用が異なっております。1回ごとに医療機関の定めた接種費用がかかることとなると考えております。

○中村委員 もしこれ1回が、今言われている――これ、多分12歳以上のところの金額しか表には出ていないのかなというふうに思いますし、実はさっき、横浜市かなんかの医療機関では、モデルナのものだと、乳幼児のところ、子どものところは1回7,000円とかという医療機関も中にはありました。でも、例えば1万6,000円だったとすると、初回接種を終わらせるのに、3回で4万8,000円かかるんですよ。これはやっぱり助成制度を近々検討すべきと考えるんですけれども、いかがでしょうか。

○宮下保健予防課長 令和6年度につきましては、任意予防接種に対する助成は行わず、今後については、新型コロナウイルス感染症の感染状況などを加味し、判断してまいります。

○中村委員 同じ答弁になっちゃいますよね。12歳以上の接種は、今後定期接種が始まることで、任意接種をどの医療機関でできるか、分かることになります。9月17日付で定期接種の対象医療機関がホームページにもアップされていました。一方で、5歳から11歳と、6か月から4歳に関しては、接種できる場所すら分からない状況にあります。日本小児科学会も推奨しているワクチンなのに、接種できない可能性すらあります。4月から任意接種をしている医療機関数件に、個人的に電話で調査もしてみましたが、小児と乳幼児を実施する医療機関は皆無でした。一つもなかったんですよ。幾つかかけましたけど。江東区、八王子市などは、乳幼児や小児も含め、任意接種できる医療機関を自治体で公表しています。一覧にして公表しているので、どこで接種ができるかというのは分かります。ぜひこれは区で、医師会と調整した上で公表すべきと考えますが、いかがですか。

○宮下保健予防課長 任意予防接種は、各医療機関の意向によりまして実施されるものでございますので、区が集約して公表することは現在のところ考えておりません。

○中村委員 それはどうかなと思うんですよね。だって、接種したくてもできないんですよ。何か、ある区民の方は、どうしても接種がしたいから、どこかないですかって、ネットでSNSで聞いていたんです。私も知っている限り、江東区と八王子市が公表しているので、そのリンクはお知らせしました。でも、その方は中野区で本当は受けたいけど、受ける場所が分からないから、行政がそうやって区民のために広報している江東区とかのリソースを使うのは本当に申し訳ないけれども、背に腹は代えられないから、もう江東区に行くわとなっているわけですよ。何で江東区ができて、中野区にできないのかなというのはすごく疑問なので、ぜひそこは区民に寄り添った対応をしていただきたいなというふうに思いますし、私もできる限り自分で全部かけますけど。本当に大変なんですよ、これ。私、うちの子どももいるので、接種させたいと思っていますし、でも、接種できる場所がないんですよ。任意接種なのにですよ。任意接種って、希望すれば受けられるはずなのに、受けられないんですよ。横浜市とか江東区とか行けば受けられますよ。でも、中野区で、もしかしたら受けられるかもしれないのに、受けられない状況が続くというのは、やっぱりおかしいと思いますので、ぜひそこ、助成制度ができなかったとしても、それぐらいは区としてやっていただきたいなというふうに強く強く要望しますので、よろしくお願いいたします。

 新型コロナウイルスも5類感染症としてインフルエンザと比べられることが多かったわけですが、区として、インフルエンザには任意接種の費用助成を子どもたちにはしているわけですよ。こうしたところも同等に扱ってもらわないと困るなというふうに思っていますので、そこはぜひ区長を筆頭に検討していただきたいなというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。

 昨年度、秋冬接種を受けた人たちがいるために感染拡大はこれだけで済んでいるという見方もあります。1回1万6,000円かかるワクチン、ほとんどの方が接種しないだろうなというふうに、予測が簡単にできるわけです。今後、感染拡大は、どう考えてもこれまで以上になるというふうに予想ができます。その前に、社会としてどのように感染症対策に向き合っていくのか、自治体としても考えるべきと考えますが、いかがですか。

○宮下保健予防課長 感染症に対する基本的な感染症対策でございます手洗い、マスク着用等につきましては、ホームページ上で引き続き周知してまいります。また、個人による感染予防の観点から予防接種は有効であるため、適切な周知、広報に努めてまいります。

○中村委員 何か今までと変わりがなかったら意味がないんですよ。やっぱりこれまでよりも感染拡大し得るというところの認識を持っていただきたいなというふうに思います。

 ウイルスは変異し続けていますけれども、基本的なウイルス特性は変わっていません。5類移行とともに、脱マスクを盛大に広げたこともあり、5類感染症に対する間違った認識も広がってしまったのではないかというふうに懸念をしています。感染を重ねると、後遺症のリスクも上がっていくというふうに言われています。また、社会が新型コロナで死亡は仕方がないものというふうに受け入れるのかどうかだというふうに思います。私自身は、流行期における基本的な感染症対策、マスクの着用の呼びかけをやっていくことが自治体の責務だというふうに思っております。だから、SNSで発信してほしいというふうに先ほども言いました。5類に移行して、区としてできることが限られてしまった中でも、区民を感染症から守る取組というのは工夫をしていっていただく必要がありますし、今後、いつ出てくるか分からない新興感染症に備えていただきたいというふうに思いますので、ぜひ、私が取り上げたところ、検討を前向きに進めていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。

 その他の感染症対策について伺います。

 まず、インフルエンザです。令和5年度は、インフルエンザが猛威を振るった1年でもありました。学校でのインフルエンザの出席停止者数について、すみません、質問をしようと思っていたんですが、飛ばして、すみません、ここでグラフを出します。

 教育要覧の学校における出席停止者数をグラフにしてみました。平成30年度、令和元年度も含めました。コロナ禍の3年間はほとんどいなかったところが、令和5年度、突出してインフルエンザの出席停止者数が多かったというのが分かります。昨年度は、インフルエンザが8月から流行が始まり、10月のワクチン接種開始よりも早かったため、間に合わない子どもたちも多かったというふうに記憶しております。さきにも話しましたが、子ども医療費が増大した理由の一つがインフルエンザの大流行で、中野区は都内で一番流行していた時期もあると記憶しております。発生状況について教えてください。

○宮下保健予防課長 令和5年の第37週、9月11日から第39週、10月1日になりますが、ここにつきましては、中野区内の1定点医療機関当たりのインフルエンザの報告数が都内で最も多かったところでございます。ピーク時の報告数は少ないものの、長期間にわたって注意報基準を上回る、いわゆる高止まり傾向を示すなど、全国的に例年とは異なる発生動向を示しておりました。

○中村委員 今年のインフルエンザの発生状況についてはいかがですか。

○宮下保健予防課長 直近の37週分、9月9日から15日におきましては、1定点医療機関当たりの報告数は1.0を下回っておりまして、現時点で流行の兆しは見られておりません。

○中村委員 実はさっき、私の子どもが通う保育園から2名、インフルエンザが出たという連絡が来て、戦々恐々としています。恐らく都内も増えてきているというふうに聞いていますので、これから増えていくんだろうなというふうに思います。

 長年、医師会から対象拡大を要望されていた中で、インフルエンザの予防接種、対象を未就学児のみから中学3年生までの学齢期まで拡大をされました。これ自体は大変評価するものです。昨年度の接種状況を教えてください。

○宮下保健予防課長 令和5年度の実績に関しましては、1万9,622件となっております。

○中村委員 ありがとうございます。一方で、夏頃からの感染拡大により、この年度は接種しなかった子どももいたのではないかというふうに感じているんですけれども、その分析は行っているのか。また、今年度の見込みをどう考えているのか、伺います。

○宮下保健予防課長 小児のインフルエンザ予防接種は、任意予防接種でございますので、本人及び保護者の意向により接種するものでございます。予防接種実施の有無についての理由を問うことは行っておりませんので、分析は行っておりません。

 また、令和6年度の接種見込みといたしましては、令和5年度と同等の件数である約2万件と見込んでおります。

○中村委員 分かりました。さきの厚生委員会で、インフルエンザの助成が1回1,000円から2,000円に変わるというふうな報告がありました。この金額について、接種率にどう影響すると考えているのか、伺います。

○宮下保健予防課長 保護者の経済的負担に関しましては軽くなるというふうに判断しておりますが、接種件数にそれほど影響があるとは考えておりません。

○中村委員 単純に考えると、増えるのかなというふうに認識しているのですが、保健所ではそういうふうには考えていないということなんですね。分かりました。

 厚生労働省は、2023年に経鼻弱毒性インフルエンザワクチン、フルミストを薬事承認し、今年度から接種が可能になります。これまでのインフルエンザワクチンは、12歳以下の子どもは2回の接種で、いずれも注射ですね。私も毎年接種しているのですけれども、インフルエンザワクチンは結構痛くて、打って腫れたりするんですよね。子どもにも申し訳ないなと思いながらも、大切なので接種をさせています。このフルミストについては、鼻から薬剤を入れ、1回のみになります。対象は2歳から18歳です。品川区では、費用助成ワクチンに含めており、ホームページでも広報をしています。中野区での取扱いについて伺います。

○宮下保健予防課長 経鼻の弱毒なインフルエンザワクチンでございますフルミストに関しましては、中野区でも助成対象としております。

○中村委員 そうなんですよ。実はこれ、中野区のホームページには記載ないんですけど。実は中野区の医療機関が助成対象ですって書いているのを見つけて、そうなんだと思って、今回、質問に入れさせていただきました。なので、ぜひそれホームページに記載してほしいんですよね。ほかの区も、やるところとやらないところがあるんですけど、中野区、せっかくやるのに、広報していないというのはもったいないなと思っていますので、ぜひそこはホームページに記載をしていただきたい。さっき、LINEでインフルエンザのワクチン、10月1日からですというLINEのあれが来たんですけど、そこにもホームページに行くと書いてないので、ぜひそこは入れていただきたいなというふうに思っていますので、よろしくお願いします。

 実は、このフルミストなんですけど、先週第一三共から、9月26日と新発売を延期する旨の発表があったので、ちょっと今後、いつ本当に発売されるのかが分からない状況ではあるんですけれども、ぜひ選択肢を増やすということは大事だと思っていますので、広報をしていただきたいというふうに思いますので、そこはよろしくお願いいたします。

 次に、RSウイルスについて聞きます。どういう感染症か聞こうと思ったのですが、ちょっと時間がないので割愛します。

 妊婦へのRSウイルスワクチンですが、昨年11月に薬事承認され、6月に販売開始をされました。薬事承認された時は、私自身も妊娠中で、販売がいつかと楽しみにしていましたが、残念ながら出産に間に合わなかったので接種ができなかったのですね。間に合えば、絶対に打ちたかったなというふうに強く思っておりました。知り合いの産婦人科医いわく、現在自費で打つ人の多くは、2人目以降を妊娠中の方とのことです。RSウイルスの怖さを知っているからではないかというふうに推測できます。

 我が会派の間議員の子どもはRSウイルスに感染をして、入院に至りました。私の友人でも、ほかに子どもで入院した子がおります。我が子も2歳で感染をしました。入院までは至らなかったんですけれども、これまで感染した多くの感染症の中で、一番重くつらそうだったので、やっぱり感染しないに越したことはないなというふうに思いますし、できることならば、そういう思いをさせたくないというふうに思いますし、多くの子どもたちにそういう思いをさせたくないなというふうに思っています。うちの下の子はまだ5か月なんですよね。6か月以下で感染すると、即入院というところもあります。一方で、5万円近くする値段で、医療費や親の精神的負担や、一定期間仕事に行けない経済的影響、もちろん未来ある子どもを守るという観点からも、妊婦へのRSウイルスワクチンの一部助成を検討するべきと考えますが、いかがでしょうか。

○宮下保健予防課長 妊婦向けRSウイルスワクチンの情報収集に努めますとともに、他自治体の動向も注視しながら判断してまいります。

○中村委員 子育て先進区なので、ぜひここは前向きに検討をしていただきたいなというふうに思いますので。妊婦さん、大体、年間2,000人ぐらいなんですよね。やっぱり情報が限られた人たちだけではなくて、お金があるという家庭だけではなくて、全ての子どもを守るという観点からも、ぜひ前向きに検討していただきたいなというふうに強く要望しておきますので、よろしくお願いいたします。

 2番の子宮頸がんとHPV関連疾患対策についてです。時間が少なくなってきたので、ちょっと様子を見ながらやっていきたいなというふうに思います。

 こういうタイトルにしたのは、子宮頸がんだけではなく、男性でも感染すると罹患する可能性のあるHPV関連がんやコンジローマ等があるためです。メインは子宮頸がん対策になります。子宮頸がん対策としては、HPVワクチンの1次予防と、子宮頸がん検診の2次予防と、共にとても大切だというふうに認識をしております。

 WHOの2030年子宮頸がん撲滅目標というのがあります。15歳までに女子90%にワクチンを接種、35歳までに女性の70%が高性能スクリーニング検査を受け、45歳までに再度行う。頸部疾患と特定された女性の90%が治療を受ける。この90%、70%、90%というのが目標として掲げられています。この三つ、全ての対策が成功すると、2050年までにこの病気の発生を40%以上減らすことができ、500万人の死亡を減らすことができるというふうにしています。

 9年間、我が国では、HPVワクチンの積極的勧奨が止まっていたことにより、一時期80%もあった接種率は1%以下になったことがありました。日本では約1万人が罹患し、約2,900人が年間死亡していますが、積極的勧奨が止まっていた影響で、今後年間の死亡者数は5,000人にも上るというふうに言われています。このまま接種が進まなければ、日本特有の病気となってしまう可能性すらあるというふうに言われています。

 ここで、本当は時間があれば紹介したかったものがありまして、全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会という団体が製薬会社を相手取り、2016年に起こした訴訟があります。この訴訟が提起された際には、原告の映像とともに、薬害として各メディアが大きく報じました。一方で、この裁判の行方を継続的に報道しているマスメディアはほとんどありません。今回、8月7日に東京地裁で3名の少女の本人尋問が行われ、その内容を最近有名になっているジャーナリストの鈴木エイトさんが報じております。鈴木エイトさんは、当初からHPVワクチン訴訟を追いかけており、度々御自身のXで発信をしております。この内容が本当に衝撃的で、本来は広く知られるべき内容であるため、本当はここでお話ししようと思ったんですけれども、ちょっと時間がないので、御紹介だけします。調べていただくと出てきますので、ぜひ読んでいただきたいなというふうに思います。

 なぜこの内容について御紹介しようかなというふうに思ったのかというと、この訴訟に関わっている女の子たちが、イデオロギーのために大人たちに使われて、本来必要な適切な医療につながっていないのかなというふうに感じるからです。そうだったとすると、それほど悲しいことはありません。国内外で有効性と安全性のデータが積み上がってきておりますけれども、いまだに2013年当時の有害事象の記憶から、HPVワクチンに対する不安を持っている保護者も多いというふうに聞いています。先にも述べましたが、こうした裁判の経過を報道するメディアがほとんどいない状況です。正しい情報を報じていくことは、メディアとして責任があると個人的には思っております。こうした過去の経緯から、接種率もなかなか上がらない状況にあります。正しい情報を出していくことはとても重要で、対象者が判断をするためにも、必要な情報というのはどんどん出していく必要があります。今回その一助となればと思い、このことについても取り上げさせていただきました。ぜひ詳しい内容は、Xとか記事とかで読めますので、ヤフートップとかにもあったので、一時期。ぜひ読んでいただければというふうに思います。

 まずは、(1)HPVワクチンについて伺います。女子HPVワクチンの定期接種、令和5年度は積極的勧奨から2年目となりました。小学校6年生から高校1年生の女子HPVワクチンの接種率について、健康福祉部事業概要には1回目90.1%、2回目61.8%、3回目35.7%とありますが、これは接種者の実数を1学年分だけで割り返している数字になります。平準化できている状況では、この接種率の取り方は、経年を見るに当たり妥当と考えますが、2年前からの積極的勧奨の再開となった現在は、これでは本来の接種率が見えない状況になります。接種者の実数と、5学年の女子を割り返した接種率はどうなっているのか、伺います。

○宮下保健予防課長 令和4年度は、1回目接種が9.7%、2回目接種が10.0%、3回目接種が7.3%、令和5年度は1回目接種が18.4%、2回目接種が12.6%、3回目接種が7.3%となっております。

○中村委員 やっぱり事業概要に載っているものとはちょっと違うのかなというふうに思いますし、もちろんそれが積み上がっていけば、総計は上がっていくものだというふうには思いますけれども、国の指定している接種率の出し方なので、致し方ないとは思いつつも、ちょっとここら辺はもう少しクリアにしていった方がいいのかなというふうに思っておりました。

 今年度の接種状況についてもどうなっているのか、伺います。

○宮下保健予防課長 令和6年度7月接種分までの実績で、1回目接種が4.5%、2回目接種が2.8%、3回目接種が0.9%となっております。

○中村委員 ありがとうございます。分かりました。

 次に、キャッチアップ接種世代です。積極的勧奨の再開が行われてから、3年間行われており、今年度が最終年度となっております。3年間の接種率について伺います。

○宮下保健予防課長 令和4年度から令和6年度の7月接種分までの実績でお答えいたします。1回目接種が11.1%、2回目接種が8.0%、3回目接種が6.0%となっております。

○中村委員 当初よりは大分積み上がってきたなというふうに認識しています。

 接種勧奨ですけれども、今回、3か年の最終年度ということで、3回接種を終わらせるためには6か月かかるわけなんですけれども、9月末までに1回目を打ち終わらないと3回目接種が終わらないことについて、区としての広報はどういうふうになっているのか、伺います。

○宮下保健予防課長 区では、キャッチアップ接種の対象者が公費負担のある期間内に接種を勧奨できるよう、4月に勧奨のはがきを送付しましたほか、ポスターの掲示やSNSでの発信などを行ってまいりました。

○中村委員 9月末まで、あと残り僅かとなりましたが、2週間ほど前から駆け込みが多く、9月の予約がどこも埋まってしまっている状況も漏れ聞こえていますが、区として状況を把握しているのか、伺います。

○宮下保健予防課長 現時点では、区民及び医療機関から委員の御指摘のような旨の報告は受けておりません。

○中村委員 分かりました。ちょっと広く医療機関等がそういったような発信をされているところもあったので、伺いました。本来は3回接種までに6か月要するんですけれども、医師が認める場合は4か月で接種が済むパターンもあります。この接種スケジュールを容認している自治体も出てきております。また、宮崎市は、3回目接種だけ来年度も受けられるよう、一般財源で予算を組む方針を示されています。こうしたキャッチアップ接種に対する工夫や救済措置等を区は考えているのか、伺います。

○宮下保健予防課長 現時点でキャッチアップ接種期間を超えた場合の接種に関しましては、救済措置と言われるものは考えておりません。

○中村委員 残念ですね。

 キャッチアップ接種の延長を求める自治体も出てくる可能性もあるんですけれども、一方でセクシャルデビュー前にワクチン接種をしてもらう必要がある中で、ことさらにキャッチアップ接種自体の延長をしても、公衆衛生的には効果がなくなってしまうこともあるというふうに思っています。解決策としては、今打ってもらうことが大切です。実は諸外国では2回接種がメジャーで、1回接種に切り替えているところも、国もあって、やはり1回でも効果はあるというところを今後は広報していく必要があるんじゃないかというふうに思っていますが、LINEやXを活用して、いま一度接種勧奨を行うべきというふうに考えますが、いかがですか。

○宮下保健予防課長 キャッチアップ接種に関しましては、引き続きSNS等を用いまして広報していきたいと考えております。

○中村委員 忘れちゃいけないのは、キャッチアップ接種だけじゃなくて、今年度の高校1年生も最終年度だということなので、ぜひ広報する際には、キャッチアップ接種世代だけじゃなくて、高校1年生もですよというのは忘れないでほしいなと思っています。

 次に、男子のHPVワクチンについてです。主要施策の成果の健康福祉部のページに、一言も載っていないんですよ、これ。非常に残念です。中野区でこれを始めたことにより、東京都が動きました。全国にも、この取組が広がりました。中野区として大きく胸を張るべきところなんですけれども、主要施策の成果に一言も載っていません。これは非常にいい取組だったというふうに思っているんですけれども、そのことについて見解を教えてください。

○宮下保健予防課長 男子HPVワクチン任意予防接種費用助成の意義や効果が、広く重要な取組であるというふうに認知されてきたものというふうに考えております。今後も区民が安心して健康に暮らしていけるよう、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

○中村委員 本当は主要施策の成果に載せてほしかったなというのは、部としても思っていてくださいね。ぜひお願いします。

 1問飛ばします。広報について。令和5年度に男子HPVワクチン接種費用助成を開始するのに当たり、学校や教育委員会の協力も大きかったというふうに思いますが、それらの取組について教えてください。

○宮下保健予防課長 令和5年度は、制度開始に合わせまして、全ての対象者にはがきで案内を送付いたしましたほか、中野区ホームページや区報での広報を実施しております。また、PTA主催でのHPVワクチンに対する説明会や学校内でのポスター掲示、チラシの個別配布等を行いました。

○中村委員 ありがとうございます。そのほかにも、わが地域ではPTA会長がすごくよくて、学校で南中野中学校では取組も行われました。そういった活動が広がっていったことというのはすごくよかったなというふうに思っています。現在、高校2年生というのは、男子については昨年から始まって、経過措置として1年間あったというふうに思いますけれども、現在の高校2年生と高校1年生は今年度が最終年度になります。こちらも女子のキャッチアップ接種と同じく、9月末までに1回目を接種しないと3回接種を終えることができません。接種勧奨は行わないのか、伺います。

○宮下保健予防課長 キャッチアップの接種と併せて、引き続き広報してまいりたいと考えております。

○中村委員 ぜひよろしくお願いいたします。

 今後のHPVワクチンの接種率向上施策について、ちょっと学生団体のVcanという学生団体があるんですけれども、その取組を御紹介しようと思ったんですけれども、あまり時間がないので割愛をさせていただきますが、こういった学生団体と協働することだったりとか、今後の接種率向上施策というところについても、ぜひ取り組んでいただきたいなというふうにお願いをいたしまして、次の質問に移らせていただきます。

 次に、(2)子宮頸がん検診について伺います。1次予防であるHPVワクチンも大事ですが、2次予防の検診も重要です。二十歳を超えたら検診を受けていただくことも、行政として進めていかなければなりません。

 初めに、現在の子宮頸がん検診の受診率を伺います。

○中村保健企画課長 お答えいたします。令和5年度の子宮頸がんの受診率は19.8%でございます。

○中村委員 低いんですよね。これ、多分会社とかで検診を受けている方とか入れると、大体30%とか35%ぐらいはあるとは思うんですけど、それでも35%とかなんですよね。さっき掲げた70%には程遠い状況ということが分かります。子宮頸がん検診において、この年度、大きな変化がありました。厚生労働省からの検診の通知、今年度からHPV単独DNA検査、もしくは細胞診、どちらかを選ぶことができるというものです。先ほど示したWHOの撲滅目標にある、70%が検診をという検診というのは、現在ほとんどの自治体で行われている細胞診というものではなくて、HPV単独検査のほうなんです。検査が陰性であれば、検診を2年に1回から5年に1回に変えることができます。区民は、検診頻度が下がってうれしいですし、自治体は検診費用が大幅に下がってうれしいですし、ウィン・ウィンな関係なはずなんですけれども。一方で、全国で今年度から導入は3自治体のみです。和光市、志木市、横浜市の3自治体のみです。厚生労働省からの通知を受けて、中野区はHPV単独検査を導入することは検討したのでしょうか、伺います。

○中村保健企画課長 子宮頸がんHPV検査単独法の導入についての検討でございます。国は、予防接種重点健康教育及びがん検診実施のための指針を改正し、令和6年4月1日から子宮頸がんHPV検査単独法を、30歳以上の女性を対象に実施できるとしてございます。区では、現在、国や東京都が実施する連絡会や研修等に参加をいたしまして、情報等を収集しているところでございます。

○中村委員 なかなか今年度からというのは手を出しにくかったというのは理解をしていますが。HPV検査が陽性になっても、細胞診を再度受けるわけではなくて、同じ検体で可能なんですよね。再度検診するというか、細胞診に回すことが可能なんです。細胞診は感度が70%、HPV単独検査は95%以上なんです。細胞診では目で見ているんですけど、なのでヒューマンエラーがあるというところで2年に1回受けなければいけないという状況になっています。

 次のスライドを見て――すみません、見にくくて。これは厚生労働省が出しているフローなんですけど、フローが単純じゃなくて複雑なんですよ。要精密検査になると、フローが複雑化するという課題はあるものの、それでも導入を前向きに検討していくべきというふうに考えますが、見解を教えてください。

○中村保健企画課長 検査の導入の検討についてでございます。HPV検査単独法の導入につきましては、まず先行自治体の取組を注視するなど、検診導入に当たっての課題を整理していきたいと考えてございます。

○中村委員 単独法を今年度から入れたのは、3自治体のみですけれども、併用でやってきた自治体も全国にはあると思います。こういった自治体もちゃんと見ていっていただいて、5年に延ばせるというのは、女性にとって本当に大きな負担減になると思いますので、そこはぜひ検討していっていただきたいですし、区財政にも大きな影響を与えると思いますので、ぜひここは――もちろんフォローが大変なのは分かります。でも、検討を絶対したほうがいいと思いますので、いいことしかないと思っていますので、ぜひよろしくお願いいたします。

 最後に、産前産後の支援について伺います。本当は個人的に産後なので、ここをたくさんやりたいことがあって、思いがあふれるところなんですが、時間が本当にないので、絞って伺わせていただきます。ほかのところについては、第4回定例会ないしは第1回定例会、または分科会のところで伺っていけたらなというふうに思っていますので。では、絞って伺います。

 中野区では、妊娠・出産・子育てトータルケア事業として、産前産後の支援に力を入れてきており、多くの議論を積み重ね、年々よりよいものになってきております。私自身も当事者として、1人目出産の4年前と比べ、大きな変化を感じました。先日の少子化対策・地域包括ケア調査特別委員会で、産後ケアの勉強会を行った際に、講師の助産師さんたちも、そのことは認めていらっしゃいました。一方で、まだ改善ができるところもあり、今後一つひとつ解決ができればというふうに思っております。

 まずは、産後ケアの予約システムについて伺います。もともと、LINE運用支援ツールを導入した際、区立保育園での一時保育だけにとどまらず、子育て支援に関わることや産前産後に広げていく見込みとの話でした。一方で、先ほどのいのつめ委員とのやり取りの中で、LINEを予約システムとして活用していくことは難しいのではないかなというふうにお聞き受けしました。一方で、予約の電子化については取り組んでいくべきと考えますが、いかがでしょうか。国が進めている母子保健DXの推進の中で、一元化された予約システムの実現に取り組んでいけるのではと考えますが、いかがですか。

○河田すこやか福祉センター調整担当課長 現在、国は母子保健DXの推進の方向性を示しており、各種手続についてDXによる簡素化、効率化が図れるものと考えております。産後ケア事業の予約につきましても、今後も国の動向を注視しながら、母子保健DXの中で検討していきたいと考えております。

○中村委員 国は令和9年度以降に母子保健DXの全国展開を目指しておりますが、産後ケア事業の予約についてはいつ頃になるのか、伺います。

○河田すこやか福祉センター調整担当課長 システム予約の開始時期についてでございますが、具体的な時期はこれからの検討になりますが、早くても国が進める母子保健DX化の全国展開が始まる令和9年度以降になると考えております。

○中村委員 令和9年度以降ということで、かなり先なわけですよね。一方で、昨年度から産後ケアのデイケアを行っているアンビリカス等で利用している「あずかるこちゃん」というシステムがあります。今、区が進めようとしている予約システムの電子化の実現が令和9年度以降までかかってしまうのであれば、暫定的にでも「あずかるこちゃん」のようなものを活用することも考えられるのではないかなというふうに考えますが、いかがですか。

○河田すこやか福祉センター調整担当課長 民間の予約管理システムを区内の幾つかの産後ケア事業者が利用していることは承知しております。区内の産後ケア事業者が民間の予約管理システムを統一的に利用していただけるのか等、東京都、他区とも情報交換しながら、在り方を検討しているところでございます。

○中村委員 ぜひそこは前向きに検討していただきたいなというふうに思います。私の場合は、1人目が新型コロナ直前の出産で、産後にほとんどの産後の事業が中止となってしまった時期でした。そういった意味でも、伴走的な支援は受けられませんでした。そんな中で孤独を感じることも多く、振り返って、今回の出産では、早期に産後ケアを利用したことにより、小さな悩みもすぐに解消することができて、すこやかに楽しく育児ができていると実感をしております。妊産婦の皆さんが安心して楽しく子育てができることは、産後鬱をなくしていくことや、さらには少子化対策にもつながっていくことと思いますので、ぜひ今後も頑張っていただきたいなというふうに思っていますので、よろしくお願いいたします。

 残りの質問に関しましては、今後のどこかの質問や分科会に回させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 以上で私の全ての質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○杉山委員長 以上で中村延子委員の質疑を終了します。

 次に、大内しんご委員、質疑をどうぞ。

○大内委員 最初に、教育委員会における流用についてお聞きをいたします。これに関しては、決算説明書277ページの会計年度任用職員に関連して、まずお聞きをしたいと思います。

 まず、不用額というのは幾らぐらいでしょう。

○井元指導室長 令和5年度会計年度任用職員のうち、不用額につきましては7,024万5,000円余でございます。

○大内委員 ちょっとその数字は、私どもの計算とは違うけど、置いておいて、会計年度任用職員の額が、ここ3年間で約2億円ずつぐらい増えております。令和4年度が2億7,000万円だったものが、令和5年度が4億7,500万円、令和6年度は6億9,200万円、毎年2億円強ちょっとずつ増えているんですけども、この主な理由は何ですか。

○井元指導室長 令和4年度から令和5年度にかけて、会計年度任用職員の予算が2億4,059万8,000円余増額をしております。その主な理由としましては、指導室分で、エデュケーションアシスタントの新設に伴う報酬及び通勤手当予算が1億4,590万8,000円余の増となってございます。

 また、令和5年度から令和6年度にかけて、会計年度任用職員の予算が2億1,751万4,000円余増額をしております。その主な理由としましては、指導室分で、区費スクールカウンセラーの新設に伴う報酬と旅費、通勤手当が3,792万4,000円余の増額、また、中学校の校内別室指導支援員の増員に伴う報酬と通勤手当が3,367万9,000円余の増額、また、部活動指導員の増員に伴う報酬と通勤手当が1,085万1,000円余の増額となってございます。

○大内委員 その中身についてもう少しやりたいところなんですけれども、今日は時間もあまりないので言いませんけれども、要はこの予算というのは、今後減るんですか。さらに増えていくんですか。少なくとも今年度、ここ二、三年で付けてきた、そういった人件費ですね、そういったものは今後減らないで、今後増えていく、現状維持のまま。来年度もまた新しく2億円ぐらい増えていくという、そういう予測でいいんですか。

○井元指導室長 現在、次年度の予算につきましては、検討中でございまして、増減の見通しにつきましては、今お答えすることができません。

○大内委員 それで、昨年度といいますか、令和5年度ですね、これの流用等行われましたでしょうか。

○渡邊子ども・教育政策課長 令和5年度におきます教育費の流用につきましては、16件、流用してございます。

○大内委員 その中の一つひとつ聞くことはしませんけれども、主な流用のほかに補正もやっていますよね。補正は何がありましたか。

○井元指導室長 昨年度、校内別室指導支援員配置事業につきまして、補正予算を組んでおります。補正の理由としましては、昨年2月に東京都から新規事業として、この事業にかかる費用を補助すると通知があったので、当初予算に計上できず、補正予算を組んだところでございます。

○大内委員 戻りますけれども、流用ですけど、総務112番で令和5年度の100万円以上の流用の資料要求をさせていただきました。これは日本語指導員等派遣謝礼支払い、そのほかも、日本語学校図書の作業、小学校統合に伴う物品移送経費、電子化にかかるスキャン等業務委託等が流用とされておりますけれども、これは当然知っていると思いますので、これについては聞きません。

 今年度、つい先日もあったんですけれども、子ども文教委員会でありました不登校アドバイザーでしたっけ――についての説明がありましたけれども、あれは流用ではないんですか。

○井元指導室長 流用ではございません。

○大内委員 流用ではなくて、何と言うんですか、あれは。

○井元指導室長 執行対応でございます。

○大内委員 執行対応と目内流用の違いを言ってください。

○渡邊子ども・教育政策課長 流用につきましては、節の間、あるいは目内での事業の内容の変更につきまして、予算を増額、あるいは減額するときに行うものを流用と、このように言っております。執行対応につきましては、同じ目的の中で不用額が発生したときに対応しているものということになります。

○大内委員 目間流用は、新たな事業ではなくて、事業に必要な部分で、経済状況だとかでいろいろ変わった場合、目内流用については、事業を当初予算でやるつもりが直接やらざるを得ない、執行方法が変わったということで、節を変えるということではなくて、新しい事業を組み替えるためのことはしてはいけない。当然、流用もしてはいけないんですけど、それは御存知ですよね。

○渡邊子ども・教育政策課長 はい、知っております。

○大内委員 今回の不登校対策アドバイザー、当初の会計年度任用職員のほうに出ていましたか。

○井元指導室長 不登校対策アドバイザーにつきましては、当初出てございません。

○大内委員 当初出ていないんなら、それは新規と言わないんですか。

○井元指導室長 委員御指摘のとおりだと思います。

○大内委員 とおりというか、そういった意味もあるぐらいにしてくれないと、続かないんだよ。要は、今回の、アドバイスできる職務能力を有する人材を公募し確保すると、今回の不登校アドバイザーの設置について。小・中学校の特性、中野区の各地事情を熟知している教育経験者レベルの貴重なる人材を求めて募集すると。これ、当初の会計年度任用職員の枠に入っていなかったんです。こういう点がなかったんですけど、こういうものをいきなり出されてしまうと、これ新規じゃないかと思うんですけども、やっぱり新規……。

○井元指導室長 大きな枠の中では、会計年度任用職員の中の不登校対策の事業というところでございますが、改めてこちらのほう、新たな職を設置するということもございますので、新規という御指摘があった場合には、そのとおりかなというふうに……。

○大内委員 いや、そう、でも、多分財政課の認識が違うから、オーケーを出したんでしょう、財政課は。

○竹内財政課長 お答えいたします。流用につきましても、執行対応につきましても、基本は原則禁止だと考えてございます。ただ、やむを得ない場合について、情勢が変化した場合には、こちらのほうもよく審査をして対応しているところでございます。

 今回に関しましては、スケジュール等の問題で補正予算等も間に合わないということで、今回は執行対応したと伺ってございます。

○大内委員 補正予算間に合わないって、間に合わなかったのか。じゃ、事前の説明も、委員会の説明も間に合わなかったんですか。委員会は7月の末、やっていますよ。

○竹内財政課長 補正予算の提案に関しましては、7月のほうから、こちらのほうのスケジュールに乗ってやっております。今回に関しましては、こちら、募集のほうが9月の1日付ということで伺っていますので、こちらのほうで、そちらのほうに間に合わないということで、こちらのほうに執行対応したというふうに伺っております。

○大内委員 いや、だから8月29日の子ども文教委員会で、8月30日、明日から募集開始しますだよ。そういう予算対応を財政課は認めるんですか。委員会にちゃんと説明したほうがいいとか、アドバイスしないんですか。

○竹内財政課長 繰り返しになりますが、原則禁止ということでやっている中でも、そういうやむを得ない状況で情勢が変化した、その場合に関しまして、こういった執行対応を行ったというものでございます。

○大内委員 いや、区長の専決事項でも何でもないんだよ。本来でいうと、議会に丁寧に説明をちゃんと事前にするべきだ。7月にあったわけですから、末に。その時点である程度こういったものをやりたいだと、そういったことを何にも触れずに、いきなり出てきて、明日から募集開始します、新しい事業に限りなく近いものをやります、こういう予算の執行の方法を財政課は認めているんですか。

○竹内財政課長 今回、情勢が大きくやり方が変わったということで、財源はどうするのかということに関しまして、議会の報告が必要であるという中で、しっかり報告を行っていきたいと考えていますし、財政担当としても、そういったところはしっかりと管理をしていかなければいけないかなと考えてございます。

○大内委員 いや、だから、できていないから言っているんでしょう。8月29日に委員会でやって、明日から募集を開始します。内容はこれです。予算は、ほとんど新規の事業です。そういうやり方でもいいって言っていたんですかって。財政課も――申し訳ないけど、教育委員会の方たちも、今年、名前、指導室も変わったばっかりだから、ちょっと僕はあまり言いたくないんだけど、だって、財政課のあなたは、何でこんなのにはんこを押すんですかと。ちゃんと委員会で報告を事前にしているんですかと。じゃないと、区議会で予算の審議している意味がないじゃないですか。これ、240万円ほど付いているんだけど、付けられちゃったら、いつ、うちら、どこで審議すればいいの。どうせ出されても、どうせ、あと、勝手に使われちゃうんでしょう。そういうふうに思われますよ。

 それでもって、この内容についても、いろいろ資格要件だとか、いろいろ書いてある。私が聞いたところによると、前の広報アドバイザリーのときみたいに、何か人がもう決まっているみたいな言い方を、みんながちやほやしている。あまりこれ、ゆゆしきことじゃないんですよ。それ、分かっていますか。

○竹内財政課長 そういった、本来は、新規事業というか、そういったことに関しましては、状況を把握しているところですが、繰り返しになりますが、そういったしっかり管理、報告は、しっかりと今後していきたいと考えてございます。

○大内委員 今後するということなので、これ以上時間がないので、やり取りはやりませんけど、要するにこういった使い方は今後ぜひ必ず気をつけていただきたい。教育委員会のほうも、今年着任した方たちが、予算を組んでいると分かる――でも、石崎次長がいるんだから、本当は分かっていると思うんだけど、事情はね。でも、竹内課長が財政を扱っている以上、ちゃんとそれの使い方についてはアドバイスしてあげてください。

 次に、時間がないので、新庁舎についてお伺いをいたします。

 執行機関エリアの立入り規制について。まず最初にお聞きをしたいと思いますが、これは6月15日付で、立入り規制の庁舎管理、立入り規制等の資料を頂いたんですけれども、これには庁舎管理を管理者がいろいろ決める。そして、執行機関による違いと、法令に基づき、個人情報の適正な取扱い義務を負っており、漏洩、滅失または棄損の防止等、必要な措置を取らなければならないと。これは行政側。そして、議員のほうに書いてあることは、議員の守秘義務は、法令上明確に規定されておらず、法的な義務を負っていないので、守秘義務がないみたいなことが書いてあるんですけど、これは誰が作ったんでしたっけ。

○増子庁舎管理担当課長 庁舎管理規則に載っています内容に――庁舎管理担当で調べてお示ししました。

○大内委員 これを読むと、ちょっと今回も話題になっていましたけれども、職員の執務エリアに議員が入れない。別に私はそれは仕方ない。ただ、その理由をよくよく聞いていくと、職員の仕事を議員が入っていて、それを見て、それを議員が外に漏洩をする可能性がある。でも、議員は漏洩しても、これに書いてある、罰則、法令上、守秘義務を守らなければいけないという規定がないので、義務を背負っていないって。議員は外でしゃべっても、罪に問われないと。だから、議員さんは職員の執務室に入っていくと、パソコンを横からのぞいて、見ては本来いけないものを見るから、議員さんは入っちゃ駄目ですよ、そういうことを言っているんですか。

○増子庁舎管理担当課長 決してそういうわけではなく、議員の皆様は法的な義務を負っていないということになります。

○大内委員 じゃ、総務部長にお聞きしますけど、私が総務部長に聞いたとき、そのようなことを言ったような気がするのですが、あれは私の勘違いでしたか。

○濵口総務部長 委員御指摘の法的義務ということにつきましては、私ども、区職員が個人情報の保護法、それから地方公務員法というところで、そういった情報のしっかりした管理を責務として負っているということを申し上げたものでございます。委員の皆様がすぐにそういった法に対象となっていないということをお伝えしたという記憶でございます。

○大内委員 ちょっと言っている意味がよく分かりませんけども。要は、職員の執務をのぞき見したりしては基本的に――まるで、しても、外にしゃべらなきゃいいですよみたいな、そんなことではなくて、人のものは見ちゃいけないわけだから。職員のパソコンを横からのぞいちゃいけないわけだから。そういうのを見て、事実を外に出したときに、議員は守秘義務がないから問題にはならないということは書いてあるけれども、でも、基本的には駄目ですよと。そもそも人のをのぞき見しちゃいけないんだから、そういうことをしちゃ。でも、そういう心配があるから、議員は立入り禁止にしているんですか。それとも職員を守るためにしているんですか。

○濵口総務部長 私どもは、議員の皆様が入って情報が漏れるということを危惧してこういう設定をしているというものではございません。私ども、先ほど申し上げました個人情報保護法ですとか、地方公務員法できちっと、区民の皆様からお預かりした情報を管理して、漏洩等がないような、そういった安心して情報を提供いただくような体制を整えるということを、区として責任を持って管理するということを重んじて、こういった規制を設けているところでございます。

○大内委員 でも、実際に、中野区が手本にした渋谷区役所、あるいは豊島区役所というのは、そこまでは厳しくない。実際に豊島区あるいは渋谷区の区議会議員にその話をしたら、すごい厳しいね、中野区議会議員は信用ないんですかと言われたぐらい厳しい。それは、ほかの区はそこまで厳しくないというのを見に行っていますから、知っていますよね。

○濵口総務部長 他区の規制につきましては、詳細までは把握しているとかではございませんが、セキュリティゲート、ドアを設けて制限をかけているというのは、中野区の方式であるというふうに認識をしてございます。ただ、他区におきましても、例えば建物の構造ですとか、あるいは窓口のレイアウトによって、中野区とは違いはあるとは承知してございますけども、先ほど申し上げたとおり、区の職員がきちっと情報等は管理して漏れることがないような取扱いをしているということは同じであると認識してございます。

○大内委員 だから渋谷区、見に行っていないの。この新しい庁舎ができるとき、渋谷区だとか、視察行っていないんですか。聞き及んでいるとかじゃなくて、見に行っていないんですか。ほかの人たちも、DX担当もいるでしょう、たしか。見に行っていないんですか。民間企業を見に行っただけなんじゃないの。本当に見に行ったの。

○濵口総務部長 新庁舎の整備、移転の前に、他区の、そういった新しい庁舎を建てているところにつきましては、区としてしっかり見学もさせていただいて、状況等も情報共有しているものでございます。

○大内委員 だから、その上で、議員の立入り禁止を決めたわけでしょう。だから、別にそれは構わないです。それは職員の、あくまでもやっぱり情報が表に出ちゃいけない。私が疑問に思ったのは、今回もそうです。取材のときに、部長さん、課長さん、パソコンを持ってやってくるんですよ。うちらの部屋の前で開かれるわけ。それをのぞいちゃいけないんだよね。僕たちのパソコンは、机に置きっぱなしなんだよね、開いて。いろんな書類があるんだ。だから、それも見ちゃいけないわけだ、彼らたちはね。だから、私たちも今度は自己防衛しなきゃいけないのかなと。

 パソコンを、要は僕が言っているのは、見ちゃいけないは当たり前じゃなくて、部屋から持ち出してはいけないんじゃないですかと言っている。見るのは私だけじゃないかもしれない。お客さんが来ているかもしれない。あなたたちの部屋にあるときは、議員さんが来て、中の資料を見られちゃいけないから入っちゃいけない。でも、あなたたちはパソコンを持って、私たちの議員の控室に来て、開いて執務されちゃうと、やりづらいんだよね。だって、後ろを通れないじゃない。だから、そういう情報管理をもうしなきゃ、今度はいけなくなるんじゃないですかと言っているわけ。それについてはどうですか。

○濵口総務部長 私どものパソコンの執務エリア外の持ち出しについての御指摘と受け止めてございます。一部、区民の方が出入りするエリアなどにパソコンを持って移動いたしますけども、パソコン自体には、のぞき見防止フィルターですとか、あとは表示させる情報を最小限に留めておくといったこと、またパスワードと顔認証の二要素認証を設けておりまして、そういった対策を取っているところでございます。そういった機密性を担保しつつ、庁舎内において、場所にとらわれない新しい働き方を今推進しているというところでございます。

○大内委員 いや、だから僕が心配しているのは、自分たちで、いや、職員の執務室に入っちゃうと、議員さんが横からパソコンをのぞいて、その情報を表へ出したりすると、職員が罰せられるんでやりませんと、そういうふうに聞いたわけ。だから、職員を守るためなんです。でも、皆さんが今度、議員の控室に来て、持ってきて、パソコンを普通に開かれると、私たちはあなたたちのことを守れませんよと言っているわけ。だから、その辺のこともしっかり考えないといけないのかな。自分たちを守る、守るというのはいいけれども、部屋に僕たちが入ると見る。でも、あなたたちがうちの部屋に来たら、うちらから見られないということはないでしょう。言ってみれば、難しいかもしれないけど。

 要は、このセキュリティのことで、一般区民、あるいは一般の方たちからもいろいろ苦情がたくさん入ってきています。なかなか、すぐ来ると言って、大体、私も行っていますけども、5分待ちですね。大体、この部屋よりもっと3倍、4倍広い部屋から、一番奥のほうから電話をかけてやってくると、大体5分ぐらいかかる。すぐ来る。待たせない。いつも待ちますよ。前のときは窓口の近くに行って、すみません、これと言えば、すぐ担当者が分かっていたんだけど、今はそれは分からないのでね。ちょっとそれは、まだオープンして半年ですから、いろいろそういったものを改善していくということね。今の形にこだわらなくて、もうちょっと早く出るようなレイアウトにするなり、システムを変えていかないと、ちょっと不満がそのまま残るのかなと思います。

 それと、あと次の、質問で、1階の正面玄関を出て左側に三つエレベーターがあります。その後ろに1基あります。非常用エレベーターと言えばいいのかな。職員専用と言えばいいのかな。あのエレベーターの扱いが、当初の考え方、私が議会運営委員会にいたときに、議会があるときは直通エレベーターをつくってください。それは運用のボタンを操作すればできるようになりますということで見に行ったら、いつの間にか職員というか、私たちも入れますけども、専用になっていて、一般の方が入れない。議会が開会されてもそのままなんですけども、あれはどういう対応になっているんですか。

○瀬谷新区役所整備課長 新庁舎南側の4号機のエレベーターですけども、直通に設定することもできるということで検討した経緯はございます。が、引っ越しまして、新庁舎開設に当たっては実際の利用状況を見極めていく必要があるというふうに判断して、今の運用になっております。

○大内委員 いや、当時の資料、議会運営協議会で、ちゃんと、基本的に議会に直通とするエレベーターということで認識している。職員専用のエレベーターにするとは言っていないんだよね。非常用エレベーターという考え方。でも、職員専用のエレベーターにするということなのか。

 だから、私は、そもそも議会があるときは議会専用の直通、ある程度上の階まで行くエレベーターを設置するべきなんじゃないかという話をずっとしていたんですけれども、それについてはどうなっているんですかと聞いている。

○瀬谷新区役所整備課長 繰り返しますが、検討した経緯はございますが、現在の運用として、職員と議員の方々が使えるエレベーターとして、4号機については運用しております。

○大内委員 いや、全然答えになっていないじゃない。検討したんですかと聞いている。検討していないなら、検討していないと言ってよ。検討はしたけど、やらないんだったらやらないでいいですから。だから、検討したんですかと。

○瀬谷新区役所整備課長 はい、検討した経緯はございます。

○大内委員 それは前任者か。あなたか。

○瀬谷新区役所整備課長 前任者のときでございます。

○大内委員 前任者というのは、それは分からない。部長は変わっていないから、前任者かもしれないし、その方たちはそういう話をしたけれども、水に流されたということをしたということなんですね。別にいいよ。信頼関係だから。私たちも言われたことを検討したけれども、やっぱりやりませんということをすれば、信頼関係だから。あのとき、ああいうふうにかなり何回もお話をしたのに、全然約束を守っていただけないのは、信頼関係がないということになりますよ。

 実際、上に行くのに今でさえ、ふだんのときでさえ上に行くのに時間がかかる。一般区民の方から、区長室でもそう、第三建設事務所でもそう、時間がかかると言われているんですよ。そういう情報は全然入ってこない。今のドアは、なかなか開閉時間がかかるので、8階、9階に行くのに、途中毎回止まっていくとかなり時間がかかる。せめて高層用エレベーターというのを右に――私、議会専用を造れとかいうつもりはないですけども、高層用を使えるようなものも、全然考えていないんですか。

○瀬谷新区役所整備課長 開設に当たっては、そういったことをいろいろ検討した上でのことなんですが、実際の利用状況を見極めていくということで考えてございます。

○大内委員 もう何言っているか、よく分からないからもういいですけど。

 あともう一つ、聞きたいのは、そこの議会棟の、何というのかな、セキュリティがあるじゃないですか、控室の東側の。あそこにセキュリティがあるんだけども、あそこは基本的に職員の皆さんも入ってこられる。議員も入れる、この階は。下の階に行くと、皆さんは入れるけど、議員は入れない。そういうセキュリティになっていますよね。この階は職員も入れる、議員も入れるのに、何でそこに内側、要するに2段階セキュリティと言えばいいのかな。まず、1階でセキュリティがあるじゃないですか。あそこで職員の方、議員は入ってきますよね。そこから2階から上は、議員は、あそこからエレベーターは下りられるけど、中に入っていけない。職員は入ってくる。で、この階は職員も議員も入ってこられるのに、何であそこはセキュリティがかかっているんですか。

○増子庁舎管理担当課長 10階の議会エリアに関しては、議員と職員以外の方を規制するエリアとなっておりますので、オートドアで規制をしております。

○大内委員 いや、だから、1階のところから職員と議会関係以外、基本的に入れないんじゃないんですか。1階でパスカードとかもらわなきゃ、入れないんじゃないの。

○増子庁舎管理担当課長 おっしゃるとおり、1階でパスカードをもらわないと入ることはできません。

○大内委員 いや、だから、そこはセキュリティは別に要らないんじゃないですか。だって、こっち側にあるわけですよ、セキュリティが1個。こちら側は、1階にセキュリティがあるから、何であそこにセキュリティがあるのかな。

○増子庁舎管理担当課長 2段階セキュリティを設けていまして、例えば宅急便だとか、お弁当屋さんが北側のエレベーターを上がってこられまして、オートドア以降を入れないように規制をしております。

○大内委員 別にお弁当屋さんとか宅急便屋さんが来るために、セキュリティ、わざわざやらなくてもいいと、私たちは信用しているから。別に見られてもまずいもの、見られても大丈夫だから、机の上にいろいろな資料があっても。議員の部屋には勝手に入ってこないし。

 そもそも、そこは議会エリアに当たるわけですよね。議会エリアの責任者って事務局側ですよね。

○増子庁舎管理担当課長 おっしゃるとおり、議会エリアに関しては、区議会事務局長に管理を委任してございます。

○大内委員 あと、もう一つ、この扉も開かないんだけど、この扉、誰が責任者と言ったら、区議会なんだよね。

○増子庁舎管理担当課長 おっしゃるとおり、区議会事務局の管理範囲になります。

○大内委員 でも、誰が責任者とは言いませんけども、鍵を持っているんですかと言ったら、持っていないわけ。ここに非常出口がある。開かないんだよ。誰が鍵を持っているのと言っても、誰も持っていない。いや、議会側は誰も持っていない。そちら側がなぜ持っているのか。

○増子庁舎管理担当課長 こちらの鍵は、区議会事務局のほうで持っています。庁舎管理は、全体の管理として鍵を持っています。

○大内委員 じゃ、私が聞いた人は違った人で、いや、鍵はないんですけどと言われて、ここの出入りに関しては、議会のほうで出入りを管理していればいいんじゃないんですかと。そこで、しかる場で決めてくれれば、要するに、始まる前まで開けていいですよ。始まったら閉める。例えばね。でも、中にいる。でも、鍵はないんですよと言われたから。じゃ、持っている。そのルール、要するにそこの東側の2段階セキュリティ、あるいはここというのは、議会側で話し合って決めればいい話であって、皆さんそちら側がいろいろ口出しする話ではないということですね。

○増子庁舎管理担当課長 管理は確かに委任をしておりますが、全体セキュリティに関わってくる話ですので、全体で決めたいと考えています。

○大内委員 全体って、だって、議会エリアの責任者は次長なり、局長なんじゃないの。それを何であなたが口を出すの。だって、私たちはほかの階に、別に職員のセキュリティゾーンのときに、相談も何もされないで、いつの間にか入れなくなったんだよ。それを何でこっち側に関して、あなたたちに相談しないといけないの。別に相談しないわけじゃないよ、私たちは。民主主義、守るから、ちゃんと意見も聞くよ。

 だから、何でそちら側の意見を、聞くのは分かる。でも、議会側で決まったことに関して、あなたたち、言うんですか、責任者でも何でも、関係ないのに。

○増子庁舎管理担当課長 反対するわけではないんですけども、棟が分かれておらず、一体の建物になっておりまして、全体のセキュリティに関わってきますので、庁舎管理にも関係することでございます。

○大内委員 そうしたら、例えば、いや、ここの扉は僕は入れちゃうんでとかいうんでも、そういう相談はまだ分かる。でも、東側は関係ないよね。宅急便が入ったり、お弁当屋さんが来るから、セキュリティをちゃんとやれっていうのは、それは私たちのほうで決めればいいんじゃないの。まあ余計な心配とは言わないけど、別にそこまで心配してもらわなくてもいいのかなと思うので、これは全体に関わるけれども、でも、議会エリアの責任者は違いますよね。それは何回も言うけど。その人が責任者って書いてあるじゃないですか、読めば。あなたたちがそれに対して意見を言うと書いてないですよ、これ。事前にそちら側に了解を取らないといけないと書いていないですよね。それなのに、議長、よくそうなんで、議長が仕切っていただいて、こちらはやればいい話なんで。もういいですよ。これはもういいです。

 次に、その他で、区役所、中野駅の新北口駅前エリアへの、この間、小林委員からも少しお話があったんですけれども、まず工費がかなり大きくなった。この金額については、もう出ているんですか。

○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 再開発の事業計画の工事費についてですが、特定業務代行清水建設から工事費の想定があったということで、かなり大きな金額になってきたということで御説明をしてございます。

○大内委員 いや、具体的にどのぐらい足りないかとか、そういった金額というのは示されていないんですか。

○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 施行予定者側からは、工事費の想定ということで、事業認可申請時よりも900億円を超えるような上昇であったというふうに聞いてございます。

○大内委員 そういった情報提供がされたのはいつですか。

○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 施行予定者側からは、8月末に特定業務代行者から施行予定者側に見積りが上がったというふうに聞いてございまして、その内容について、9月の初めに施行予定者から区側に説明があったということでございます。

○大内委員 それで、9月の初めに現在の計画ではなかなか前に進めることができないといったことがあって、それは9月の初めに情報提供があったと。今回、議会側にも情報提供があったのが、本会議が終わった、終了後ぐらいのタイミングだったと思うんですけども、その間、どういった話合いをそちらはされていたんですか。

○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 9月の初めに、施行予定者から工事費の想定ということは報告をされまして、その後に施行予定者側からは、認可手続について施行認可申請手続保留をしたいということで申出がございました。ただ、手続の保留につきましては、事業執行という点で本事業が事業執行できない場合の影響ということを考えまして、施行予定者に対し、建物の解体、それから権利変換計画認可へと事業を進めるように強く要望してきたところでございます。

 その後、9月13日になりまして、施行予定者より令和6年度の事業執行は難しいと連絡があったところでございます。

○大内委員 7月の初めにある程度、何と言えばいいのかな、事業認可の申請が来て、もう2か月もたたないうちに変わってしまったということについては、どうそちら側は物を申しているというか、言っているんですか。

○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 施行認可申請につきましては、区としては大規模開発、それから不動産経営等を行っている施行予定者側各社の総意として、事業計画書として認可申請をしたというふうに認識をしてございまして、その点については、区からは、その後の変化という点について、工事費想定の上昇についての詳細の説明、それから今後の対応方策の検討というところを厳しく求めているところでございます。

○大内委員 この情報をもらって、2か月、7月に聞いて、9月の初めに、やっぱりできないとなってから、区としては、来年の財政計画もいろいろあったと思うんですけども、月3,000万円ほどもろもろの費用がかかっていると思うんですよね。たしか前の質疑で出てきたと思うんですけども。まちづくり中野21の金利、固定資産税等、あるいは庁舎の管理等、3,000万円くらいかかる。こういったものはかかっていくのが、これはまず一つのこともあるし、例の権利変換で650億円のうち400億円前後を現金、110億円を区債の返還、140億円をまちづくり中野21に入れ、残りを基金に入れる。650億円の残り250億円を権利床でもらうとか、いろいろ計画があったと思う。そういったものがどんどん先延ばしになるといったことで、中野区の財政計画がかなり変わってくるということがあったと思うんだけども、今までそういったことを全然財政担当も言っていないんだけど、全然変わらないんですか。

○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 今年度の事業執行については、9月13日に今年度が難しいということで連絡があったというところで、それ以降、施行予定者にも施設の管理費ですとか、転出補償金が入ってこないというようなところ、それから建物の解体が進まないというところ、影響の大きさというところを強く訴えておりまして、さらなる今後の検討の対応というところで求めているところでございます。

○大内委員 私が聞いたのは、財政、今後の来年度の予算編成も含めて、今までは長期計画あるいは基金の計画、そういったものが大きく変わっていくんじゃないのかなと思うんですけども、質疑を聞いていても、全然健全に運営していきますしか、財政課は言っていなかったので、影響はないんですか。

○竹内財政課長 お答えいたします。今回、このような報告がありまして、財政当局のほうでも、その影響について今後検討していきたいというところでございます。

○大内委員 財政課も情報を知ったのがいつかは分からないから、私も――いや、今回の質疑を聞いていても、健全に運営してという、そういう話ばかりで、いや、こういった事態があると、今後先の財政計画、全部見直していかなきゃいけないとかいった話が出てこなかったんだけど、そういうところに影響がないんですね。

○竹内財政課長 令和5年度決算につきましては、健全であると考えてございます。ただ、令和6年度の今後の形で、こういった形が出てきましたので、それについても健全であるように努めてまいりたいと考えてございます。

○大内委員 決算議会だから、今回の決算と関係ないじゃないですか、この話。今回の決算の、もう終わっちゃったわけだから。この決算の今令和5年度が終わって、それから今令和6年度になって新しい問題が起きた。だから、令和5年度の決算の話をしても、この話は出てこないんですよ。これから先の話なんですよ。だから、これから先影響が、まあ出ないわけはないでしょうと言っているわけ。だから、もう時間だからやめますけど、要は、今後財政計画というのは厳しく見ていく。あるいはこの件に関して、なかなか中野の想定外のことも起きることがありますよと。区役所・サンプラザがそのままこれから2年、3年、残る可能性もあるわけですよ。それも否定できない。何が起きるか分からないので、そういったことも財政計画という中でどうしていくのかというのをしっかり見ていっていただかないと、幅を持たせて見ていかないと、中野の運営がこれから計画もつくるのは大変だなと思いますので、よろしくお願いします。ということで、質問を終わります。

○杉山委員長 以上で大内しんご委員の質疑を終了します。

 大内委員の質疑が終了しまして、5時になりますので、今後の運営について協議するため、理事会を開催します。

 委員会を休憩します。

午後4時57分休憩

 

午後5時00分開議

○杉山委員長 委員会を再開します。

 この後、森委員の質疑が予定されておりましたが、本日は終了し、次回、森委員から始めることを確認しました。

 以上が理事会の報告ですが、質疑はございませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○杉山委員長 なければ、ただいまの報告のとおり委員会を運営することに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○杉山委員長 御異議ありませんので、そのように決定し、本日の総括質疑を終了します。

 次回の委員会は、9月25日(水曜日)午前10時から当委員会室で開会することを口頭をもって通告します。

 以上で本日の決算特別委員会を散会します。

午後5時00分散会