令和6年09月25日中野区議会決算特別委員会の会議録 1.令和6年(2024年)9月25日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。 1.出席委員(41名) 1番 山 内 あきひろ 2番 武 井 まさき 3番 市 川 しんたろう 4番 日 野 たかし 5番 木 村 広 一 6番 斉 藤 けいた 7番 井 関 源 二 8番 黒 沢 ゆ か 9番 大 沢 ひろゆき 10番 武 田 やよい 11番 広 川 まさのり 12番 いのつめ 正 太 13番 間 ひとみ 14番 河 合 り な 15番 加 藤 たくま 16番 高 橋 かずちか 17番 甲 田 ゆり子 18番 小 林 ぜんいち 19番 白 井 ひでふみ 20番 吉 田 康一郎 21番 立 石 り お 22番 小宮山 たかし 23番 内 野 大三郎 24番 い さ 哲 郎 25番 細 野 かよこ 26番 斉 藤 ゆ り 27番 杉 山 司 28番 ひやま 隆 29番 大 内 しんご 30番 伊 藤 正 信 32番 平 山 英 明 33番 南 かつひこ 34番 久 保 り か 35番 石 坂 わたる 36番 むとう 有 子 37番 羽 鳥 だいすけ 38番 浦 野 さとみ 39番 山 本 たかし 40番 中 村 延 子 41番 森 たかゆき 42番 酒 井 たくや 1.欠席委員(1名) 31番 高 橋 ちあき 1.出席説明員 中野区長 酒井 直人 副区長 青山 敬一郎 副区長 栗田 泰正 教育長 田代 雅規 企画部長 岩浅 英樹 企画課長 中谷 博 ユニバーサルデザイン推進担当課長 国分 雄樹 資産管理活用課長半田 浩之 財政課長 竹内 賢三 広聴・広報課長、秘書担当課長 矢澤 岳 総務部長 濵口 求 防災危機管理担当部長 吉沢 健一 DX推進室長 滝瀬 裕之 総務課長 永見 英光 物価高騰支援給付金担当課長、防災危機管理課長 永井 亨忠 職員課長 中村 洋 契約課長 原 太洋 生活・交通安全担当課長 久保 貴 デジタル政策課長、新区役所整備課長 瀬谷 泰祐 区民部長、新区役所窓口サービス担当部長 高橋 昭彦 文化・産業振興担当部長 高村 和哉 保険医療課長 宮脇 正治 産業振興課長 網野 和弥 文化振興・多文化共生推進課長 冨士縄 篤 子ども教育部長、教育委員会事務局次長 石崎 公一 子ども家庭支援担当部長、教育委員会事務局参事(子ども家庭支援担当) 森 克久 子ども・教育政策課長、学校再編・地域連携担当課長 渡邊 健治 子ども政策担当課長 青木 大 保育園・幼稚園課長 藤嶋 正彦 子ども教育施設課長 藤永 益次 育成活動推進課長鈴木 康平 児童相談所副所長神谷 万美 指導室長 井元 章二 学務課長 佐藤 貴之 地域支えあい推進部長、地域包括ケア推進担当部長 石井 大輔 地域活動推進課長高橋 英昭 医療・介護連携推進担当課長 高橋 かほる すこやか福祉センター調整担当課長 河田 達彦 介護保険課長 落合 麻理子 健康福祉部長 杉本 兼太郎 保健所長 水口 千寿 福祉推進課長 細野 修一 スポーツ振興課長原 拓也 障害福祉課長 鳥井 文哉 障害福祉サービス担当課長 大場 大輔 生活援護課長 葉山 義彦 生活保護担当課長村田 佳生 保健企画課長 中村 志保合 環境部長 浅川 靖 環境課長 伊東 知秀 ごみゼロ推進課長鈴木 康正 清掃事務所長 秦 友洋 都市基盤部長 松前 友香子 道路管理課長 長沼 美春 公園課長 村田 賢佑 住宅課長 伊藤 廣昭 まちづくり推進部長 角 秀行 中野駅周辺まちづくり担当部長 千田 真史 野方以西担当課長桑原 大輔 防災まちづくり担当課長 安田 道孝 中野駅周辺まちづくり課長、中野駅新北口駅前エリア担当課長 小幡 一隆 会計室長 古本 正士 1.本会の書記は下記のとおりである。 事務局長 堀越 恵美子 事務局次長 林 健 議事調査担当係長 鈴木 均 書 記 若見 元彦 書 記 田村 優 書 記 細井 翔太 書 記 森園 悠 書 記 梅田 絵里子 書 記 川辺 翔斗 書 記 志賀 優一 書 記 早尾 尚也 書 記 堀井 翔平 書 記 金木 崇太 書 記 砂橋 琉斗 1.委員長署名 午前10時00分開会 ○杉山委員長 定足数に達しましたので、ただいまから決算特別委員会を開会します。 認定第1号から認定第5号までの計5件を一括して議題に供します。 9月24日(火曜日)の理事会の報告を行います。 初めに、本日の委員会運営についてです。本日の総括質疑の順番は、1番目に森たかゆき委員、2番目に武井まさき委員、3番目にむとう有子委員、4番目に石坂わたる委員、5番目に小宮山たかし委員、6番目に吉田康一郎委員、7番目に立石りお委員、8番目に斉藤けいた委員、9番目に井関源二委員の順で9名の総括質疑を行うことを確認しました。 また、本日は総括質疑最終日であり、午後5時を過ぎる場合も質疑を続行し、委員長判断で休憩を入れることを確認しました。 以上が理事会の報告ですが、質疑はございませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○杉山委員長 なければ、ただいまの報告のとおり委員会を運営することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○杉山委員長 御異議ありませんので、そのように運営します。 ただいまから総括質疑を行いますが、答弁される理事者は、答弁前に大きな声で職名を述べるようお願いします。 それでは質疑に入ります。森たかゆき委員、質疑をどうぞ。 ○森委員 おはようございます。立憲・国民・ネット・無所属議員団の立場から総括質疑、会派の最終バッターということで登壇させていただきます。よろしくお願いします。 今朝は、子どもの学校で、PTAで朝の校庭開放のイベントをやってきました。別に何をするわけでもなくて、遊んでくれる人がいるわけでも、何かボールを出したり、縄跳びを出したりするわけでもないんですが、それでも子どもたちは元気に校庭を走り回って遊んでいる姿を見て、私も元気をもらってきたところです。 一方で、この週末は、それどころじゃないというところで能登半島の豪雨がありました。亡くなられた方もいるということで、心よりお見舞い申し上げたいというふうに思っています。自然災害もそうですけど、事故とか病気とかもそうです。何がしか理不尽な思いをすることというのは人生の中で避けられないことであって、生まれてから死ぬまで自己責任で生きていける人間なんて本当に限られた人しかいないんだろうなというふうに思っています。そういった意味でも、私たちは引き続きお互いさまに支え合う地域社会を野田佳彦新代表の下、引き続き目指してまいりたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。 会派の最終バッターということで、メジャーどころは大体やられるだろうということで、少しマイナーな論点で用意してきましたけれども、それでも少し重なるところもあります。私なりの観点で進めたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。 最近なかなか話題にならない大きな歳出の項目として生活保護費があります。令和5年度決算額だと162億円余というふうになっています。もちろんこの金額の多寡をどうこう言うつもりはなくて、むしろ、いろんなポスターの掲示ですとかで、区がこの生活保護制度のスティグマの払拭に努めている。このところは高く評価をしているところです。他方で、これはナショナルミニマムであるにもかかわらず、生活保護費というのは自治体負担4分の1、財政に大変大きな影響を与えているところであります。特別区長会は、この保護費と人件費を全額国庫負担、これを求め続けています。何か新しい動きはあるのでしょうかお伺いをします。 ○中谷企画課長 生活保護制度は全国一律の社会保障制度であり、国が責任を持って実施すべきことでありますから、生活保護費及び人件費を全額国庫負担とすることにつきまして、国に対して特別区長会を通じて要望しているところでございます。長年にわたって継続的に要望し続けているところでございますが、一向に国による十分な対応が実現しない状況を鑑みて、何か新たな働きかけや活動などが実施できないか、特別区長会事務局とも協議してみたいと考えてございます。 ○森委員 ぜひお願いをしたいと思うんです。近年は、いわゆる不合理な税制改正と呼ばれているものが大きな議論になっていて、私たちもどうしてもそっちに目が行ってしまいます。ふるさと納税の問題もあります。こういう話は確かに正論ではあったとしても、中野区というのは地方から出てきて住んでいただいている方々がたくさんいらっしゃって、そういう方々に話をすると、この地方への税制配分がいかにおかしいかという話って伝えるのはなかなか難しいなと思っているところでもあります。他方で、ナショナルミニマムの制度の財政負担を自治体が4分の1負っている。こっちのほうがある意味では筋が通らないというところだと思います。結局要望を出していても、御答弁の中にもありましたけれども、形骸化しちゃっている面もあるんだと思います。これ、どうにか本当にしていただきたいなと思っていて、特別区長会事務局ともということで御答弁いただきましたが、本当に動かすならこれは政治の仕事だと思うので、区長を含めて御対応をお願いしたいと思います。 それから、もう少し大きな歳出の話を続けたいと思いますが、これからやはり学校が大きな負担になっていくというところは間違いないところだと思います。財政白書の後ろのほうに、新地方公会計による財務書類、これを作成していただいております。いろんな施設の状況が分かるわけでありますけれども、この中に学校が含まれていないのはなぜでしょうか。 ○竹内財政課長 お答えいたします。事業別、施設別のより細かい単位、セグメントで財務書類を作成することにより、財政の分析力が強化されるとともに、区政経営のマネジメントに活用可能となっているものでございます。学校につきましては、複数の課にまたがって支出伝票を処理し、事務作業が膨大になっていることから、施設別に割り当てることが困難でございまして、詳しい分析は行っていないものでございます。 ○森委員 それは、ごめんなさい。今の答弁だとよく分からないんですけど、学校は特別だから出せないということなのか、出す気がないのか。要するに大きな歳出にこれからなっていくところが見込まれているのに、学校が入っていないというのは結構な問題というか、もう少し状況が分かるようにしておくべきだと思って聞いているんですけれども、もう一回御答弁いただけますか。 ○竹内財政課長 こちらのセグメント分析は、財政課だけで作成しているものではなく、各所管に御協力を頂きながら作成しているものでございまして、先ほど申し上げました支出伝票の振り分けであるとか、あと経費の振り分け、そういったものは手作業で行っていて、作業が膨大で今回詳しい分析を行っていないものでございます。ただ、実現可能性に向けましては今後探ってまいりたいかなと考えてございます。 ○森委員 何かお話を聞いていると大分アナログな対応をされている。それは学校施設だけじゃなくて、これを出していただいている所管全部そうなのかなという気がしました。その辺りにも課題があるのかなと思いますが、ぜひ学校もできるように取り組んで検討していただければというふうに思います。 それで、学校施設については、中野区立小中学校施設整備計画(改定版)を見直すというふうにしておりますが、今後の経費抑制策について考えていることがあればお伺いします。 ○藤永子ども教育施設課長 学校施設整備に係る経費抑制策でございます。現在、区では、中野区小中学校施設整備計画(改定版)の見直し作業を行っており、財政負担を抑制する方策としては、先日の総括質疑でも申し上げましたが、目標耐用年数の見直し、改築の平準化等について検討しているところでございます。 ○森委員 耐用年数見直しは結構ですし、平準化というか、少し改築の期間を延ばすというのは、今、計画を立てていても結局計画どおりにいかないわけですから、そこを整理していただくのはいいと思います。ただ、学校施設だけが80年も90年も使うという話だと、だんだん筋が通らなくなってくるなと思うので、一般の公共施設を含めて耐用年数の在り方というのは区有施設整備計画の中で考えていっていただきたいと思っています。 1校当たりの経費は、先日、市川委員が個別の学校の経費は伺っておりましたけれども、来年度の区有施設整備計画見直しの中でどのように見込んでいくつもりかお伺いをします。 ○半田資産管理活用課長 現行の区有施設整備計画におきましては、小・中学校の更新経費を1校当たり約52億円と推計しているところでございますけれども、現在の財政フレームにおきましては、国土交通省の建設工事費デフレーターの伸び率、またZEB化に係るコスト増を踏まえて、1校当たり72億円で試算しているところでございます。次期区有施設整備計画の策定に当たりましては、昨今の物価高騰等の社会情勢を考慮するとともに、直近の小・中学校の更新経費に係る決算額を踏まえて更新経費を推計する予定でございます。 ○森委員 そうすると、実績見合いでまた考えるということだと思うんですが、これももう指摘がありましたけれども、さらにインフレしていくことも踏まえた計画を考えないといけないのかなというふうに思っております。多額の経費がかかる学校施設ですけれども、その中でもプールというのは非常にお金がかかる部分だと思います。学校プールの建設費と維持管理経費、どのくらいか出せますでしょうか。室内の場合と屋外の場合と併せてお答えいただければと思います。 ○藤永子ども教育施設課長 プールに関する経費の比較でございます。プールの整備の経費については改築校それぞれの状況によりますが、第七中学校を例に取ると、基本設計の際にプール整備の概算経費を面積案分方式で積算してございます。このときの経費では、屋外プールの場合は概算経費で約5.7億円、屋内プールの場合は概算で13.8億円でございます。管理経費につきましては、プールのみの経費を抜き出すことが難しいことや複数部署にまたがることなどから、現時点ではランニングコストを積算できてございません。申し訳ございません。 ○森委員 建設費だけで約2倍の差があるということが分かりました。それで、そもそも何で1校1校にプールを造っているのかお伺いをします。 ○藤永子ども教育施設課長 各校にプールを整備する理由でございますが、学習指導要領に基づき水泳指導を行うことになっており、水泳指導に係る効率性、児童・生徒の安全性の確保、教職員の負担などの理由から、各校にプールを整備しているところでございます。 ○森委員 そういうことだと思うんですが、そうは言いつつ今後の中野区を考えると、旧第九中学校跡地は多額の経費をかけて改修をしつつもプールがないということで、ある意味ではプールがない学校でプールの授業を行うというモデルケースみたいなものが思いがけずできるということになります。多分ここは桃園第二小学校が最初に使うことになると思うんですが、今後の学校のプール施設の在り方についての検討というものを踏まえて、横展開みたいなことも踏まえた上で、この旧第九中学校を使う際のプールの授業の在り方というのは検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○井元指導室長 旧第九中学校を利用しました仮校舎での水泳授業は、近隣のプールを借りて実施することになると思われます。今後、様々な環境に合わせて実施することを視野に入れて、水泳授業の在り方を検討してまいります。 ○森委員 結局プールは、現状だと高いお金をかけて整備しても使えないということが非常に増えている。山本議員の一般質問でも申し上げましたけれども、そういった状況の中で、地方だと民間のプールとの連携が進んでいたり、目黒区はプール施設整備の考え方、これを整理して公表したりという動きが出てきます。当然に1校ごとにプールを整備するという考え方ではなくて、財政的な影響等、実際に使えるのかという観点から、今後の学校プール施設の在り方を考えていっていただきたいと思います。先ほどランニングコストは数字が出せないということでしたけれども、そこも見ていく必要があるのかなと思うので、そういった観点で今後検討していっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○藤永子ども教育施設課長 プール施設整備の考え方でございます。先日の一般質問でもお答えしましたが、学校プールを集約化する上では、水深などの施設の安全性をはじめ、児童・生徒の移動時の安全性の確保や輸送手段の手配、年間指導計画の見直し、教職員の負担または区のプール施設の利用調整などの課題をまずは整理する必要があると考えてございます。これらの課題を整理した上で、プール整備の考え方を研究していきたいと考えてございます。 ○森委員 よろしくお願いいたします。ちょっとスピードを上げていかないとという感じなので、先に進みます。 別の話に入ります。決算説明書138、139ページ、資産活用検討支援業務委託という経費がありますが、これは何に活用したのか伺います。 ○半田資産管理活用課長 資産活用検討支援業務委託につきましてでございますけれども、中野四丁目新北口駅前地区第一種市街地再開発事業の権利床の運営検討を行うに当たりまして、参考となる事例の情報収集、また、建物の竣工までのロードマップの作成等に係る支援を商業コンサルタント会社へ委託したものでございます。 ○森委員 ということで、その成果を受けて今後どうしていくのかという話を少ししたかったんですが、事業進捗自体に問題が生じているということで、その話には今日は入れないかなと思っています。この点については、その他で1問伺いたいと思っております。 それから、主要施策の成果60ページ、区有施設の利活用推進、ここに資産の有効活用ができましたとありますけれども、様々問題点を指摘してきた事業でありまして、なかなかこれで成果が出たと言って、はい、そうですかというわけにはいかないなと思っています。貸付収入、前年比326%増という数字も出ていますけれども、結局どういう施設がこの年度に貸せるかによって貸付料というのは当然大きく変わってくるわけで、この数字があるからどうということではないと思っています。事業の評価について改めてお伺いをします。 ○半田資産管理活用課長 委員御指摘のとおり、貸付収入につきましては当該貸付物件の面積等により変動する数値でございますけれども、区有財産をより一層活用した結果、財産貸付収入が増となったというふうに考えているところでございます。今後の普通財産のさらなる有効活用の方向性につきましては、令和7年度に策定を予定しております次期区有施設整備計画に係る検討の中で併せて検討の上、議会にお示ししたいというふうに考えてございます。 ○森委員 ここに令和4年度実績、旧本町図書館貸付で、令和5年度実績が中野二丁目権利床貸付で、どちらも課題がありますねということを指摘してきた事業です。それから、貸付料の考え方を定めてくださいとずっと言っているのも、いまだに出てきていません。そういった中で、とにかく有効活用だけ進めますという話だと、なかなかちょっと、はい、じゃあ、頑張ってねと言えないかなというふうに思っています。これまでの事業の反省点ですとか、定めるべきところを定めてから進めていただきたいと思っております。この点について見解を伺います。 ○半田資産管理活用課長 委員御指摘の内容につきましては、今現在、庁内で検討をしているところでございます。今後の方向性等につきましては、また改めてまとまり次第、議会のほうにお示ししたいというふうに考えてございます。 ○森委員 ぜひそれを区有施設整備計画が新しくなる前にお示しいただきたいなと思っておりますので、よろしくお願いいたします。以上です。 続きまして、2番の気候変動対策についてお伺いをします。これも令和5年度やった事業とか、クールスポットとかの話は誰かやるだろうと思ったらやっぱり出ていましたということで、まず気候変動というよりも酷暑の対策についてお伺いをしたいと思います。非常に暑い夏が続いていて、これまでと違った対策が各所で必要になると思っています。中野区公式LINEでは、熱中症警戒アラート等のお知らせが毎日のように配信をされていました。運動は原則中止とされる暑さ指数31以上、学校プールが中止になるような日でも区の屋外スポーツ施設が貸し出されている。こういう状況を目にしております。そこでお伺いをしますが、屋外スポーツ施設の貸出しに当たって、暑さ対策等、何かしていることがあれば教えてください。 ○原スポーツ振興課長 暑さが予想される場合においては、利用の受付の際、利用者へ口頭で気温や天気の情報を伝えるなどの注意喚起を行っているところでございます。また、環境庁の熱中症予防情報サイトにおきまして、暑さ指数が31以上と示されたときには、施設利用の予約取消しに係る利用料金を徴収しないなど、暑さを理由とした利用のキャンセルに対しまして、利用者に不利益にならないようにしているところでございます。 ○森委員 要するに暑いときにキャンセルしても、ほかの天候のときと一緒でキャンセル料を取らずにキャンセルしていただけるという仕組みはつくっているということなんですが、その利用実績についてお伺いをします。 ○原スポーツ振興課長 昨年及び今年のこれまででございますが、当日の暑さを理由としたキャンセルの件数は、例えば野球場であれば全体の利用件数の1%未満に相当する年間10件から20件というところでございます。 ○森委員 なので、制度はつくったけれども、なかなか使われていないということで、そのことについて所感があれば伺います。 ○原スポーツ振興課長 屋外のスポーツ施設につきましては、気温が高い状況であっても区民の施設利用のニーズは高く、暑さに備えた上でスポーツを行いたいと考えている方が多いものと認識してございます。 ○森委員 多分そうなんだと思うんですよ。それは各団体の判断だから、仕方がないと言えば仕方がないのかもしれませんけれども、でも、公的な指数で運動を控えてくださいと言っているときに、はて、そのままでいいんですかというのは疑問に思っています。何かもう一歩踏み込んだ対策を考えられないでしょうか。 ○原スポーツ振興課長 近年の暑さにより熱中症のリスクが高まっていることを踏まえまして、施設内での掲示ですとか、施設利用者の呼びかけにつきまして、さらに工夫をしてまいりたいと考えてございます。 ○森委員 これもなかなか難しい話で、御答弁があったとおり使いたいんですよ、皆さん。こういう質問をしていると私は怒られるかもしれないなと思いながら聞いているんですけども。だけど、例えば団体の中というのもいろいろあって、指導者がやると言ったら、レギュラーになりたいとか評価されたいという子は休むわけにはいかない。だけど、親としては心配だというようなことで、やっぱり皆さん葛藤を抱えていらっしゃるなというのをすごく感じます。もう少し踏み込んだ対策ができればなというふうに思っています。 施設の利用条件ですとかを見ると、9時からしか使えない施設もあれば、6時ぐらいから開いている施設もあります。この9時からしか使えない施設を6時から開ける。要するに早朝の暑くならない時間にも使えるようにするということは考えられないでしょうかお伺いをします。 ○村田公園課長 公園の多目的運動場は住宅に近いという立地も考慮いたしまして、9時からの利用開始としてございます。現時点におきまして、早朝利用において利用団体などから特段要望を受けていないところでございますが、猛暑が続く夏季の早朝利用に関する需要が高まる場合には、近隣住民の理解が得られるかどうかも含め検討してまいりたいと考えてございます。 ○森委員 ニーズがあっても、なかなかいきなり6時から開けてくれと区役所に電話をかけてくる人はいないわけですよ。我々がいろいろ活動している中でそういった御意見を頂いていますので、ぜひ御検討いただければなというふうに思っています。 これだけ暑いと公園も使えません。資産活用の話もさっきしましたけど、ある施設が使えないという、これも機会費用という意味では一つの損失だと思っています。暑い時期でも少し使えるように考えられないかなと思います。例えば公園にミストシステムを設定する自治体が増えていて、23区でも千代田区や荒川区が実施しています。地域バランスも考慮しつつ、区内の公園に幾つかミストを設置するなど検討できないかお伺いをいたします。 ○村田公園課長 公園へのミスト設置は暑さ対策の一つとして可能性があるものと考えてございます。現在、平和の森公園におきまして、指定管理者が試験的にミストの設置をしているほか、今後整備を進める(仮称)上高田五丁目公園においても設置を予定してございます。これらの効果を検証の上、効果が認められれば、ほかの公園への設置についても検討していきたいと考えてございます。 ○森委員 ありがとうございます。区内でも事例が出てくるということで、ぜひその利用状況等を見て、広げていっていただければなというふうに思っています。 暑さが影響するのは人間だけではありません。ペットも同様です。以前の一般質問で、私はにわか愛犬家を自称しましたが、その後、愛犬家も大分板についてきて、いろんなワンちゃん友達とかも出てくるんですが、こう暑いとコンクリートの近くを歩いている犬なんかは散歩させられない。こんなちっちゃいワンちゃんなのに、一夏で700グラム太ったなんていう話もこの間聞きました。そうすると、もう健康管理に影響が出るレベルです。先日、斉藤けいた委員の一般質問でも、南側にドッグランをというような提案がありましたけれども、ここはぜひ暑いときも使える、あるいは梅雨の時期でも使える全天候型のドッグランが整備できないものかと思いますが、見解を伺います。 ○半田資産管理活用課長 現時点で全天候型ドッグランを整備することにつきましては、検討のほうはしてございません。今後、区民や地域の方から御要望があれば、庁内で研究のほうをしていきたいというふうに考えてございます。 ○森委員 御要望があるからこうやって伺っているので、ぜひ愛犬家の区長を先頭に今後検討していただきたいなというふうに思っています。 もう一つ、動物の話です。今度は野生動物、熊ちゃんの話ですね。熊ちゃんなんて怒られますね。熊が人間の生活域に近づいてきて、非常に危険な状況というのが全国で続いているということであります。さすがに中野の街中に熊が出るということは想定しづらいので、どこか他人事ではあったんですが、ふと思って調べてみると、子どもたちが行く日光、あるいは軽井沢、こういったところでは結構熊が目撃をされております。学校現場に少し聞いてみたら、向こうの自治体が出している情報等々を気にしながら実施していますなんていう声もあったんですが、現場の対応に差があってもいけないなというふうに思っています。この熊対策というか熊への警戒ですね。教育委員会として情報把握して、学校に提供できるような体制が考えられないものかと思いますが、いかがでしょうか。 ○井元指導室長 移動教室の行程につきましては、学習の目的や安全性等を踏まえ、各学校で決めているところでございますが、今後、教育委員会では各自治体からの情報を得て、各学校に注意喚起を促してまいります。 ○森委員 ぜひよろしくお願いします。よく修学旅行、宿泊行事のコースになる近くで目撃されたなんていう例もあるようですので、ぜひよろしくお願いをいたします。 それから、気候変動の対策ということで1問お伺いをしますが、中野区の契約書の統一書式には、グリーン購入の促進についてという項目が位置付けられています。どの程度の事業者がこの契約を結んでいるのかお伺いをします。 ○伊東環境課長 お答えいたします。区が行う契約につきましては、グリーン購入法に基づきまして、区としまして環境調達物品等の調達の促進を図るための基本方針及び中野区グリーン購入ガイドラインを作成いたしまして、これによりグリーン購入を推進しているところでございます。したがいまして、区が締結する契約につきましては、おおむねこの取組が行われているものと認識してございます。 ○森委員 おおむね取組が行われているということで、契約を結んでいるという意味ではそうだと思うんです。あえて統一書式にあるグリーン調達を外そうという契約はそうそうないでしょうから、近年の契約でいえばほとんどが結んでいるんだというふうに思いますが、その実績についてどのように確認をしているかお伺いします。 ○伊東環境課長 まず、区有施設で業務を行う各事業者等のグリーン購入の実績につきましては、環境マネジメントシステム(EMS)の運用の中でグリーン購入の有無についての報告を求めまして、確認をしているところでございます。報告では、おおむねグリーン購入が行われているということが確認できておりますが、やむを得ずグリーン購入を行うことができなかった場合、そういった場合にはその理由を明記していただきまして、区として確認をしているというところでございます。 ○森委員 ごめんなさい。今の答弁は何の契約の相手方とおっしゃいましたか。要するに、ほとんどの契約がこれを結んでいる中で、どの程度の割合のところの御答弁でしたか。 ○伊東環境課長 このグリーン購入の実績の確認については、EMSですね。環境マネジメントシステムの運用の中で確認してございまして、その対象範囲というのは区有施設の中で業務を行う、そういったところを確認しているという趣旨でございます。 ○森委員 そうすると、他の事業者については何か確認の手段はありますか。 ○伊東環境課長 区有施設以外で業務を行う事業者については、このEMSの範囲の対象外でございますので、こういった確認はできませんが、契約締結時に契約の相手方に対しまして、中野区環境マネジメントシステム協力依頼書という書面によりまして、環境配慮に向けた積極的な事業活動の協力を求めるとともに、契約の相手方からは協力確認書というこれも書面を提出いただきまして、環境配慮の区の求めに協力をするという事業者の意思を区として確認しているというところでございます。 ○森委員 だから、プランベースはそうなんだけれども、結果としてどうなっているかというところまでは多分確認に至っていないんだろうと思いますが、そこについて何か実効性を高める取組ができないものかと思うんですが、いかがでしょうか。 ○伊東環境課長 なかなか区有施設以外で行う業務につきましては、今の仕組みの中ではチェックというものが難しいので、今の協力、お願いベースでございますが、今後どういった形でさらに実効性を高めることができる取組があるかというのは研究してみたいというふうに考えてございます。 ○森委員 ありがとうございます。今後という話で言えば、東京都がこの夏新たに社会的責任調達指針というものを作成しました。中身を見ると、SDGs調達指針と呼んでいいようなものなのかなというふうに思っています。この内容は既に契約書の統一書式の中に入っているものも割と含まれているんですが、より幅広く区が契約をする事業者に社会的責任を果たしてもらうという意味で、こういったものも含めたルールの見直しというのが今後必要になってくるんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。 ○原契約課長 東京都が策定した社会的責任調達支援は、経済合理性のみならず持続可能性にも配慮した調達を行うことを目指した指針であり、来年4月から都の一部の契約で適用が始まるものであります。中野区での調達の在り方については、公共調達の原則である公平性や競争性、区内事業者の受注機会の確保を前提とした上で、都の指針や最新の社会動向を踏まえ、検討してまいります。 ○森委員 ぜひよろしくお願いをいたします。ありがとうございました。 それでは、3番、学校教育についてお伺いをします。まず給食の公会計化についてです。昨年、ある区立小学校の校長先生がとある会合で、無償化されると同時に公会計になって、これが非常に助かるんだという話をしていました。結論は、皆さん御承知のとおりで勘違いだったわけですが、現場からするとやっぱり助かるんだなというのと、普通に考えたら無償化と公会計化はセットだと思うのは当然なんだよなというふうに両方感じました。そもそも学校における働き方改革推進プランにこの給食の公会計化は位置付けられていて、2021年以降にはシステム設計に着手されている。多分今頃はもう実現しているはずだったんですが、その動きはありません。先日の山本議員の一般質問では、無償化によって公会計化の効果が少なくなっていて、直ちに導入することは難しいとの答弁でした。難しいけど今後検討していきますでもなく、難しいで終わりでした。これは諦めたということなのか、やらないということなのかお伺いします。 ○佐藤学務課長 費用面や体制等を考慮すると、直ちに導入することは難しいと考えておりますが、引き続き導入の検討を行っていきたいと考えております。 ○森委員 ありがとうございます。今日は「直ちに」のところを強調していただきましたけれども、やる意向があるということであれば期限を明確にし、学校における働き方改革推進プラン改定の際に位置付けをするべきだと思いますが、いかがでしょうか。 ○佐藤学務課長 現在、中野区立学校における働き方改革推進プランの改定作業中であり、その中で検討を進めていきたいと考えています。 ○森委員 よろしくお願いします。一般質問で答弁があったのは教育長からで、内容も学校現場の話でした。私がずっと言っているのは、自治体会計としてこれでいいんですかという話です。無償化というのは一般的に使われる言葉で、憲法から来て無償という言葉を使っているのかもしれませんが、事業者がお金を取らなくなるわけでは当然ないので、無償化というよりも税負担化なわけです。税で負担しているのに全部私費会計で処理をする。ある学校の例では、4月から7月分だけで1,200万円が私費の口座に振り込まれ、また返還額として120万円が戻ってくる。こういう処理を私費会計として行う。これが29校分行われているわけですね。地方自治法210条は、一会計年度における一切の収入及び支出は、全てこれを歳入歳出予算に編入しなければならないと総計予算主義の原則を定め、また235条4第2項では、普通地方公共団体の所有に属していない現金または有価証券は、法律または政令の規定によるものでなければ、これを保管することができないともされています。後者の規定からすると、この返還額というのはどう扱えばいいのかなと疑問に思うところであります。23区では給食の無償化が実現をして、ほとんどの自治体は私費会計のままやっているので、直ちに違法だということではないんでしょうけれども、自治体予算の処理としてこれが望ましい姿なのかどうなのか財政当局の見解を伺いたいと思います。 ○竹内財政課長 委員御指摘のとおり、会計につきましては法にのっとった形で行うものが適正と考えてございます。また、平成31年1月にまとめられた中央教育審議会の答申では、学校給食費については公会計化及び地方公共団体による徴収を基本とすべきとされてございます。また、文部科学省作成の学校給食費徴収管理に関するガイドラインにもあるとおり、学校給食の公会計化の実現により経理面の管理監督体制や監査の機能も充実し、学校給食費の管理における透明性を向上させる効果が期待できるものと考えてございます。 ○森委員 今、引用していただいたのは、ある意味教育委員会のほうが気にすべき部分であって、財政当局はさっき言った自治法の規定とか、あるいは予算事務規則とか、そういうところから考えてどうなのかなということを検討していただきたいと思うんです。先ほど御答弁で、働き方改革推進プランのほうには位置付けを検討していただけるということなんですけれども、今から改定してしばらく先になると思うんですよ。だけど、お金なのか、人なのかをつければ少し早くできるかもしれません。そういったところも目配せをして、財政当局を含め区全体として取組を進めていっていただきたいなというふうにお願いをしておきます。 関連をしてお伺いしますが、学校事務の共同化・集約化、こういったことも働き方改革推進プランに位置付けをされていました。一旦予算をつけるところまで行ったんですが、コロナ禍の執行統制で実現せず、そのままになっています。現状についてお伺いをします。 ○佐藤学務課長 学校事務の共同化・集約化についてお答えいたします。現行の中野区立学校における働き方改革推進プランにおいては、学校経営支援体制の整備の一つとして、事務手続の共同化等の検討について記載がされております。学校事務の共同化を実施するに当たっては、学校での事務職員の役割分担やコミュニティ・スクールへの関わり方、共同事務室設置に当たる施設面の整備等が必要であるため、一定の検討期間が必要であると考えております。 ○森委員 コミュニティ・スクールの話もありました。一回予算をつけたときとは少し状況は変わってきていて、新たに検討しないといけない部分もあるのかなというふうに思います。そうした中で、葛飾区が来年度から修学旅行の無償化、これも税負担化ですが、その方針を表明しました。修学旅行のみならず宿泊行事、教材費など、学校には私費会計で負担しているものがほかにもあり、会派として問題を指摘してきました。こういったものも併せて税負担化を進めてほしいというふうに思っています。財政負担とのバランスというのも大事なんですが、なくす、税負担化にする部分を工夫することで事務負担が減らせる。事務負担が減らせる形での税負担化というのもいろいろ検討の余地があるのではないかというふうに思っています。この点について見解をお伺いいたします。 ○佐藤学務課長 移動教室や修学旅行、教材費等の保護者負担の全額補助については、財政的な負担も勘案しまして保護者負担軽減の取組を検討していきたいと考えてございます。また、事務の集約化、事務の簡略化等々、公会計化による効果もあると思いますが、そちらについては引き続き検討していきたいと考えております。 ○森委員 憲法26条が、義務教育はこれを無償とすると定めています。にもかかわらず昭和39年の最高裁判決を根拠に、この無償の範囲を極めて限定的に解釈する運用を続けてきました。このことは2年前の予算特別委員会で問題を指摘しましたけれども、そういった状況の中で、修学旅行についても本来は給食費同様で国の責任で無償にするべきなのかもしれませんが、やはり給食費を無償化した動きを見ると、東京都は少なくとも動いた。自治体が動くことで国が動くということも期待されますので、ぜひ頑張っていただきたいなと思います。よろしくお願いします。 それから、指定校変更についてです。少し重なりますが、お伺いをします。中野区の指定校変更のルールは、小学校より中学校のほうが厳しくなっています。そうすると、この間もありましたけれども、小学校については認められたけれども、中学校入学の段階で一緒に6年過ごした子たちと同じ中学校に進学ができない。元の校区の中学校に行かざるを得ない。こういうことが起きています。6年間一緒に過ごした重みというのを教育委員会はどう思っているんだろうなと感じています。こういうときは指定校変更を認めてしかるべきじゃないかなと思いますが、見解をお伺いします。 ○佐藤学務課長 小学校、中学校での連携をより強めていくため、小学校入学時に指定校変更した児童について、連携する中学校への指定校変更の承認について検討していきたいと考えてございます。 ○森委員 よろしくお願いをいたします。これまで中野区はずっと学校再編が続いていて、毎年のように通学区域が変わっていました。鷺の杜小学校ができて、仮設に移る学校はこれからも出るでしょうけれども、基本的な校区というのは固まることになります。そうすると、この指定校変更のルールについても、それぞれの地域、小学校、中学校の位置等々を勘案して、ローカルルールみたいなのも含めて、この指定校変更のルール化というのができるようになるんじゃないかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。 ○佐藤学務課長 指定校変更の基準は全校統一で考えており、改築による代替校舎に移る場合や、児童・生徒数の増加により指定校変更の制限をかける場合等のときに個別の基準を設けるものであると考えております。そのため、現状では個別の基準を広げるということは難しいかなというふうに考えてございます。 ○森委員 ごめんなさい。私が言ったローカルルールと今の個別の対応というのは、何か少し違うことを指しているような気がします。さっき言った6年間小学校で過ごした子の中学校の指定校変更についても、これはそういう状況が発生をするエリアと発生しないエリアがあるわけです。そういう意味では、これを制度化するとある意味ではローカルルールなんですよ、既に。だって、適用しない地域も出るんだから。という意味でのローカルルールの設定というのはできるんじゃないかなと私は思っています。答弁をいきなり変えるわけにはいかないでしょうから、引き続き検討していただければと思います。よろしくお願いします。 続きまして、公正で透明性のある区政運営についてということで伺います。大仰なタイトルですが、要するに公益通報とかハラスメントとかの話をしたいなと思っています。この夏、地方自治で大きな話題になったのは兵庫県知事の様々な問題でした。どうしてもワイドショー的に面白いネタがどんどん出てくるので、ずっと報道がされていましたが、本質は公益通報というものをどう扱うかというところだと思います。これは兵庫県知事の問題ではなくて、他の自治体でも起こっていて、特に地方自治体にあっては特別職の行動が問題になるということが続いている。これは否定しようがない事実だと思います。法令遵守審査会に通報することができるわけですね、公益通報というのは。中野の仕組みではそうなっています。通報者に関する情報が漏れることのないようにするというふうにされていますが、ここが心配なんですね、皆さん。この通報者が漏れないようにするというところの担保というのは、どのように取られているのかお伺いをします。 ○永井防災危機管理課長 公益通報者に関する情報につきましては、公益通報者保護法や職員倫理条例において守秘義務が課されているところになってございます。また、公益通報に関して知り得た公益通報者が特定される事項を漏らした場合には、公益通報保護法により30万円以下等の罰金が科されるものでございます。 ○森委員 罰金等、罰則もあるということですが、要するにこういうのって第三者機関と言いつつ、事務局が言いつつ、いるので、そこから情報が漏れるんじゃないかみたいなことをみんな心配するわけですよね。そうではなくて、法令遵守審査会に直接通報できるような仕組みというのはあるのかお伺いをします。 ○永井防災危機管理課長 区の窓口以外での公益通報先としましては、法令遵守審査会会長に直接通報できる仕組みがありまして、職員や委託事業者等の職員に対しまして制度の周知を図っているところでございます。 ○森委員 ということは、事務局、要するに区の職員の誰かが知るということではなくて、直接の通報もできるということであります。この法令遵守審査会は区長の附属機関で、区長に審査結果が報告されるわけですが、区長が対象の案件の場合どのように処理されるのかお伺いをします。 ○永井防災危機管理課長 公益通報制度としましては、特別職に関する公益通報があった場合にも、法令遵守審査会では当該公益通報に利害関係者を関与させないこと、また公益通報の受付、調査を行い、是正措置を適正に実施するところになってございます。 ○森委員 ごめんなさいね。区長はって別に酒井直人区長のことを言っているわけじゃなくて、仕組みの話をしているので、あまり嫌な顔をしないで聞いていただきたいんですが、要するに報告が行くというときに、区長に報告が行って、こんなものを公表するななんていう話にならないのかなということを心配するわけですよ。という意味ではどうなんでしょうか。 ○永井防災危機管理課長 委員の御指摘のとおり公益通報制度については、特別職に関する公益通報があった場合にも適正に法令遵守審査会で審査するものとなってございます。 ○森委員 だから、それは隠せないということなんですよね。そこを確認したかったんです。 もう一個、公益通報が審査となる条件として、不正の目的ではない場合という条件が付されています。実は今、消費者庁が公益通報者保護制度検討会というものを立ち上げていて、この9月2日に中間論点整理を公表しました。その中のアンケートでも、この不正の目的ではない場合の判断が難しいという意見が多く寄せられています。どのように判断することになるのか伺います。 ○永井防災危機管理課長 公益通報の内容につきましては、法令遵守審査会において必要な調査、ヒアリング等を行いまして、不正の利益を得る目的でないこと、また他人に不正の損害を与える目的でないこと、さらに公益を図る目的であることの視点で審査を行うということでございます。 ○森委員 仕組みとしてはそうで、答弁としてはそう言わざるを得ないんでしょうけど、具体的な判断というのはなかなか難しいんだろうなというふうに思っています。変な話、政治的な通報だって考えられるわけで、そういったものに惑わされずに、この公益通報制度というのを理想的な形で運用していけるようにしないといけないなと思っています。先ほど紹介した消費者庁のアンケートでは、この制度を知っているほど利用率が高い。そうじゃないとマスコミとかネットとかを使うというような回答が多くなるわけです。今、御答弁いただいたように、そもそもで言えば兵庫県とは仕組みが違うとかいうところも含めて、制度を知ってもらう取組というのが一層必要になると思うんですが、いかがでしょうか。 ○永井防災危機管理課長 委員御指摘のとおり、通報者が安心して通報できる環境を整えることが重要であると認識しているところでございます。区はこれまで職員研修等を通じまして、公益通報の重要性、保護制度の理解促進に努めておりますが、今後もさらに公益通報制度について広く周知を図っていきたいと考えております。 ○森委員 よろしくお願いします。少し時間がなくなってきました。できるところまでやりたいと思います。 ハラスメントの話です。職員のハラスメントの調査、2回目を実施していただいていると思いますが、状況について伺います。 ○中村職員課長 令和6年3月から4月にかけまして、会計年度任用職員を含めたハラスメントに関するアンケートを実施したところでございます。そのアンケート結果等を踏まえ、中野区職場におけるハラスメントの防止に関する基本方針の内容の整理など、ハラスメントの発生防止に向けた取組について検討を進めてございます。 ○森委員 ちょっと質問を飛ばしますが、ハラスメントが認定されるときに優越的地位ということが問題になることがあります。パワハラなんかは上から下にと言われるわけですが、下からのハラスメントもあれば、議員から職員へのハラスメント、これは明確な上下関係ではないですけれども、その場合でもハラスメントは成立すると思っていますが、その理解でいいですか。 ○中村職員課長 中野区職場におけるハラスメントの防止に関する基本方針では、職員が職務上の地位やその他の職場内における優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、ほかの職員に対して精神的苦痛もしくは身体的苦痛を与える言動、または職場環境を悪化させる言動について、職場のハラスメントとして定義してございまして、職層に関係なくそのような行為があった場合には、ハラスメントに当たるものと認識してございます。ハラスメントの行為者が区長、議員はもとより誰であろうと、区は雇用者として職員の健康と安全に配慮していく義務があると認識してございまして、議員と職員の関係においても該当する場合はあるものと考えてございます。 ○森委員 すみません。残りは総務分科会でやらせていただきたいと思います。 最後、その他に新北口駅前エリア再開発事業の進行に問題が生じているということでお話がありました。細かい話は報告を受けてからというふうに思っていますが、こういう状況になると、事業者から何がしか区に協力を求められるということがあると思います。びた一文譲っちゃいけないとは言いませんけれども、強い姿勢で交渉に臨んでいただかないと区民の利益を損ねることになる。このことを今、非常に心配をしています。この新北口駅前エリア再開発事業、今後の進捗について、区長がどのような姿勢で臨まれるのかお伺いをしたいと思います。 ○酒井区長 新北口駅前エリアの拠点施設整備は、地域経済の発展や国際競争力の強化、まちの回遊性や安全・安心の向上を図り、持続可能で活力のある都市を形成する中野駅周辺の顔ともなる施設を整備する事業でございます。また、区の権利床を活用し、展望施設やバンケット施設、子どもの屋内遊び場など、区民の利便性を向上させる事業でもあります。現在、工事費の高騰による事業計画見直しが必要となっておりますが、区としては施行予定者としっかり協議をし、厳しい条件下においても、この拠点施設の実現に向けて取り組んでいく考えでございます。 ○森委員 以上で総括質疑を終了させていただきます。ありがとうございました。 ○杉山委員長 以上で森たかゆき委員の質疑を終了します。 次に、武井まさき委員、質疑をどうぞ。 ○武井委員 おはようございます。自由民主党議員団5番手で総括質疑をさせていただきます。 本年は、能登半島地震から始まり、8月には南海トラフ地震臨時情報が気象庁から発表されました。首都直下地震がいつ来るかという時代から、いつ来てもおかしくないという時代に突入していて、避難所機能の確保は自治体の大きな責任になると考えます。ここ数年、東京都地域防災計画にある「東京とどまるマンション」の普及などをはじめ、在宅避難することを前提に各家庭で準備をするようにと行政側が住民に対してアナウンスをするようになりましたが、何が転機でそうなったのでしょうか。 ○永井防災危機管理課長 各家庭での備えを充実させることにつきましては、阪神淡路大震災などの事例を基に啓発を進めてきたところでございます。また、在宅避難の呼称を用いた啓発促進につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大予防が転機となっていると認識してございます。 ○武井委員 現在の中野区での災害時の避難所数は43か所あります。しかし、この避難所の収容スペースでは区民全員を避難させることはできません。避難所に収容できる人数は現状で何人か教えてください。 ○永井防災危機管理課長 中野区地域防災計画におきまして想定している避難所想定避難者数は3万2,268人でございます。 ○武井委員 区民の約1割だけしか避難所で収容できないということですね。能登半島地震では石川県の輪島市、珠洲市でそれぞれ想定の約10倍の避難者が避難所を訪れました。もし想定を超えた区民が避難所に避難もしくは水や食べ物、物資を引取りに来てしまったら対応が難しいと考えます。であるならば、区民全員を避難させるスペースや備蓄品がないことをもっと区民に広く認識してもらい、家庭での災害備蓄を準備してもらうことがとても重要だと考えますが、いかがでしょうか。 ○永井防災危機管理課長 区民に対しまして、日頃から飲料水や食料等の備蓄と在宅避難の呼びかけを行っておりまして、今後さらに周知を図っていきたいと考えております。 ○武井委員 ふだんから区民が災害備蓄の重要性を理解し、備蓄をする家庭が多ければ、先日の令和の米騒動と言われるようなことも起こらなかった可能性もあると考えます。私の住む町会も近くに防災訓練が行われます。ぜひそういったタイミングでも区民に理解してもらえるように周知をお願いいたします。 避難所に収容できない9割の区民の方は、在宅避難が現実的な方法となります。どのような災害情報を伝えていくのかが問題です。中野区公式LINE、X、防災行政無線などの活用が考えられますが、具体的にどのように伝達していくのでしょうか。 ○永井防災危機管理課長 発災後の災害情報の伝達につきましては、区ホームページ、SNS、防災行政無線、区の車両による巡回広報など、状況に応じた周知を実施していくところでございます。 ○武井委員 中野区には約2万人の外国人が住んでいます。中野区ホームページにはマルチリンガルの機能があり、日本語が分からない人でも必要な情報を得ることができるようになっています。このため、日本語が分からない人には、災害時などに中野区ホームページを見てもらえるような周知をすることが重要であると考えますが、いかがでしょうか。 ○永井防災危機管理課長 日本語が分からない外国人に対する区ホームページによる防災情報の周知につきましては、中野区国際交流協会などと連携をしまして、防災訓練等を通じ、啓発しているところでございます。今後、情報伝達に係る多様な手段を検討してまいりたいと考えております。 ○武井委員 例えば災害時の外国人への周知は、在日外国人、観光などで来日した外国人への国の大使館に要請し、それぞれの国の大使館から自国の在日・来日外国人へ周知していくなどの方法もあると思います。災害時には大使館との連携なども御検討をよろしくお願いします。これは質問ではありません。 在宅避難を推進するためにも、中野区ホームページにおける情報発信が重要となりますが、災害時にホームページを更新するための人員体制はできているのでしょうか。 ○永井防災危機管理課長 災害時には広聴・広報課職員が災害対策総務部報道班として、区ホームページ、SNSによる周知を担うこととしておりまして、引き続き防災危機管理課と連携して対応していくところでございます。 ○武井委員 能登半島地震では、災害発生時に通信インフラが途絶したことで、安否確認や各地の被害状況の把握が困難になりました。東京都ではこれを受け、各自治体にスターリンクを活用した端末を配布していると聞いていますが、その進捗状況をお伺いいたします。 ○永井防災危機管理課長 東京都からスターリンク1台が配布されたところでございますが、現在、活用方法について検討しているところでございます。 ○武井委員 次の質問は飛ばします。中野区では現在、全ての避難所においてペットの同行避難が可能となっております。ペットの同行避難の想定数は、第1回定例会の特別委員会で加藤委員からの提言もあり、人の想定避難数と同じ登録数の1割程度を想定しています。ペットの同行避難は、ペット用のゲージ、避難中のペットの水、食べ物などを飼い主が用意するなど周知がされております。ペットの避難に関しては、ある程度の想定や議論がされていると思います。他方、数字上の数としては同じくらいの乳幼児に対する対策はどうでしょうか。乳児への避難所での対応は、各避難所に乳児用の段ボールベッドが新たに三つ、粉ミルク増量などをされましたが、まだ不十分だと考えております。現在の防災計画では、助産師の災害時支援は一次避難所への巡回支援を主とする内容となっておりますが、母子に対する母子避難所は二次避難所としての構想しかなく、発災時から機能するものではありません。一次避難所の一角または一室を母子のための居場所にするなどの配慮はありますが、特に抵抗力のない乳児への感染予防策や子どもの泣き声への配慮、親子のストレスへの配慮などの観点から、母子を要配慮者として対応する必要があると考えます。文京区では、東日本大震災の際に派遣された区の職員が、妊産婦や乳児へのケアが不十分だったことを目の当たりにしたことが契機になり、文京区の地域防災計画には母子避難所の設置が明記され、毎年、母子避難所の開設訓練が行われております。中野区でも安心して母子が過ごすことができるよう、発災時から母子避難所を設置するような見直しをしてはいかがでしょうか。 ○永井防災危機管理課長 発災時から母子避難所を設置することにつきましては、重要な課題であると認識しているところでございます。母子避難所につきましては、今後、助産師会等の関係団体の意見を聞きながら、確保に向け検討していきたいと考えてございます。 ○武井委員 発災時、助産師会などの協力を得て、中野区にある区立保育園に母子避難所設置はできないでしょうかお伺いいたします。 ○永井防災危機管理課長 一部の区立保育園につきましては、乳幼児対象施設としまして二次避難所に指定をしてございます。今後は母子避難所としての活用を検討していきたいと考えてございます。 ○武井委員 次に、災害用備蓄医薬品についてお伺いします。現在、中野区と薬剤師会は協定を結び、災害用備蓄医薬品を中野区内4か所で保管しています。つい先日も中野区役所を含めた一部の地域が停電をいたしました。もし災害時に医薬品保管場所に停電が起きてしまうと、医薬品管理ができなくなってしまいます。災害時の停電に備えて、備蓄医薬品を保管している薬局に発電機を設置するなどの災害対策はどう考えているのでしょうか。 ○永井防災危機管理課長 災害時においては、医薬品の確保・供給を安定して行う必要がございまして、停電時における発電機等の備えも重要であることは認識してございます。今後、薬剤師会と調整を図りながら、発電機等の設置について検討していきたいと考えてございます。 ○武井委員 いつまでにやるんでしょうか。 ○永井防災危機管理課長 速やかにやっていきたいと考えてございます。 ○武井委員 次は、里親への支援についてお伺いいたします。他区に比べると、中野区は里親制度を利用した家庭が少ないと聞いております。そのため、里親を希望している家庭に少しでも不安や負担をかけないため、子どもを安全に養育するためには、里親へ委託される子どもについての十分な情報提供が重要であります。児童養護施設に子どもが預けられる際と同様の詳細な情報を里親家庭にも事前に提供すべきと考えますが、いかがでしょうか。 ○神谷児童相談所副所長 里親への子どもの委託に当たりましては、児童福祉司及び児童心理司が里親宅に赴き、妊娠中から現在までの子どもの状況、保護者の状況などについて、資料を用いまして児童養護施設と同様の詳細な情報提供を行っているところでございます。中野区児童相談所が委託する子どもへの対応を引き続き行うとともに、他自治体の児童相談所から委託される子どもにつきましても、詳細な情報が里親家庭に提供されるよう児童相談所間で緊密に連携してまいります。 ○武井委員 たった1行の情報、ほんの少しの情報が里親家庭にはとても大切だと伺っています。ぜひ全ての情報を里親家庭にも提供していただくようお願いいたします。 次に、里親委託の解除時、つまり、里子が家庭引取りになった場合や18歳を超えた場合、養子縁組が成立した場合の措置変更の際には、子どもがトラウマを残すことがないよう、子どもに事前にきちんと説明し、子どもの気持ちを理解、確認した上で丁寧な手続を踏んでいくべきだと考えますが、いかがでしょうか。 ○神谷児童相談所副所長 里親委託の解除や措置変更の検討に当たりましては、対応の必要性や検討経過、解除または措置変更後にどのように子どもの福祉や安全が守られるかなどについて、子どもの年齢や発達に合った形で説明を行った上で、丁寧に子どもの意見や気持ちを聞き、それらを踏まえた支援やケアを行っているところでございます。中野区児童相談所が委託している子どもはもちろんのこと、他自治体の児童相談所から委託中の子どもにつきましても同様の対応が図られるよう、児童相談所間で連携し、必要な調整を図ってまいります。 ○武井委員 そういった手続の際、つまり、里親が子どもを受託する際や、今言ったような子どもが里親から自立をする際の手続は多種多様であると聞いております。住民票の移動、学校等所属に関する手続、予防接種、検診等、口座開設、児童手当等手続など、ほかにもたくさんあります。このような多くの手続が里親と子どもにとって大きな負担となっております。手続のパッケージを製作し、負担を軽減するべきと考えますが、いかがでしょうか。 ○神谷児童相談所副所長 区では、里親家庭に必要な手続、書類などについてまとめた里親のしおりを作成するとともに、里親担当の児童福祉司が里親家庭や子どもの状況に応じてその都度関係部署と調整を行い、手続に同行するなど、里親と子どものサポートをきめ細かく行っているところでございます。加えまして、特に手続が集中する受託時などにおきまして、いつ、何の手続が必要なのか、どんな書類を準備する必要があるのか、手続にどのぐらい時間がかかるのかなど、一覧で分かるようなリーフレットの作成について検討しているところでございます。 ○武井委員 里子家庭の子どもたちが、里親子が特別視されない世の中になってほしいと願っている話を伺いました。学校において、家族にはいろいろな形があることを分かってもらうために授業を行うことにより、例えば虐待を受けている子どもに、この行為は虐待であるということを学んでもらったり、保護者の方にも、この行為は虐待になると学んでもらったりすることが家庭内DVの抑止、虐待から子どもを守ることにつながると考えます。里親制度の授業を子ども向け、教員向けに実施し、里親子が特別視されないような教育環境をつくるべきと考えますが、いかがでしょうか。 ○井元指導室長 児童・生徒に対しましては、学習指導要領に基づいて中学校家庭科の授業で指導をするとともに、東京都の人権教育プログラムに即して、里親の下で暮らす子どもが差別されないよう指導してまいります。教員に対しましては、里親制度に対する理解や人権尊重の理念に基づき十分配慮するよう、児童相談所とも連携をしまして、研修等を通じて周知徹底を図ってまいります。 ○武井委員 里親の負担が少なくなり、里親希望者が増え、養護の必要な子どもたちに児童養護施設か、それとも里親かという選択肢が増えるよう頑張っていただきたいと要望いたします。 次に、その他の質問に入ります。その他の質問で、学校での飼育動物についてお伺いいたします。今回質問いたします飼育動物は哺乳類、鳥類を想定しています。個人的には昆虫も魚も好きでありますが、よろしくお願いいたします。 現在、東京都は、小学校において児童による継続的な動物飼育を円滑に実施するために、専門的知識を持った獣医師と連携して、よりよい体験を与える環境を整えることが必要と考え、獣医師等の効果的な連携の在り方について検討し、実践する学校を指定し、学校での成果を全都に普及啓発している小学校動物飼育推進校を定めています。中野区でも小学校動物飼育推進校はありますが、それはどこに何校あるのでしょうか。 ○井元指導室長 今年度は上鷺宮小学校1校が指定を受けているところでございます。また、東京都の指定が終わった白?小学校と美鳩小学校は現在、区の研究指定を受け、引き続き動物飼育の推進に取り組んでいるところでございます。 ○武井委員 東京都の推進校はいつから行って、そしてまた、その内容は現在変わっていないのでしょうか。 ○井元指導室長 東京都の動物飼育推進校事業は、平成26年度より実施されております。推進校が獣医師との効果的な連携の在り方について検討、実践し、その成果を報告するという内容に変更はございません。 ○武井委員 学校での飼育動物は、特定の動物をかわいがることにより、将来、親になるためのケアトレーニングとして生物教育の基礎となる効果も期待されています。生き物に対する実践や、死んだものは二度と生き返らないという事実、こういったことは言葉では教えられませんし、数値で測ることができません。子どもたちにとってもとても大切な教育効果があります。学校での動物飼育をもっと推進していくべきだと考えますが、なぜ少ないのだと考えられますでしょうか。 ○井元指導室長 夏場の気温上昇に伴う適切な飼育環境の整備や、十分な飼育スペースの確保等の施設の面での課題や、長期休業中の飼育体制などの負担があり、哺乳類等を飼育する学校が減少していると考えております。 ○武井委員 推進校は動物飼育に対する課題、今おっしゃられたものをどのように解決しているのでしょうか。推進校と同じように対策をすれば、ほかの学校でも動物飼育を推奨できるのではないでしょうか。 ○井元指導室長 動物飼育推進校には冷暖房設備の設置やゲージの購入など、飼育環境を整えるための予算が配当されております。また、学校担当獣医師が指定され、衛生管理の指導の助言を受けることができております。さらに地域や保護者の協力を得て飼育体制を構築して、課題を克服しているところでございます。他校においてもこうした取組を参考にして、各校の実態に応じた対策を行うことで動物の飼育が可能であると考えております。 ○武井委員 地域や保護者の協力を得て飼育体制を構築して、課題を克服しているとのことでしたが、こういった活動を経て、地域、自治体、保護者の方と学校が連携するのはすごくよいことだと考えます。こういった協力、地域とのコミュニケーションができれば、学校菜園や通学路の見守りなども地域の協力を得るよい機会になると考えます。ぜひ進めていってください。 学校での動物飼育に対する課題は、私が子どもの頃に比べ、暑さ、動物の感染症などの現在のほうが多いと感じます。しかし、学校飼育の効果は昔よりもむしろ現在の動物を飼いづらい住宅環境、学校外で生き物に触れる機会の少ないデジタルネイティブの子どもたちには必要かつ重要だと考えます。ぜひ子どもたちのために学校での動物飼育の普及を前向きに考えていただけるよう要望いたします。 以上で全ての質問を終わります。ありがとうございます。 ○杉山委員長 以上で武井まさき委員の質疑を終了します。 次に、むとう有子委員、質疑をどうぞ。 ○むとう委員 区民の方からお寄せいただきました御意見を基に質疑をいたします。持ち時間は30分です。機敏な行動と簡潔明瞭な御答弁の御協力をぜひよろしくお願いいたします。 2023年度の歳入歳出決算は過去最高額となりました。地方公共団体の財政の健全化に関する法律に基づく四つの指標では、健全性を確保しているとはいえ、借金額は23区平均よりも多い360億円となり、社会資本形成の世代間負担比率が高く、少子化の中で将来世代に負担が重くのしかかることになります。さらに、先日判明したサンプラザ・区役所跡地開発をめぐる現状を踏まえると、中野区の未来に不安が色濃くなりました。一円たりとも無駄にしないという信念を持った区政運営をしていただきたいと思います。 さて、2023年度の一般会計の執行率は2.1%改善し、94.8%となったとはいえ、不用額が82億6,020万円もあります。毎回指摘していますが、予算段階での見積りの精度を上げて、残額を減らすことはできないのでしょうか。82億円もあれば、区民要望をかなえる数々の事業ができるので、残念です。 また、総務44の資料や2023年度当初予算案の概要を読み返してみると、各部が様々な新規事業を予算化しましたが、予算額の大半が執行残額イコール不用額となっているものが多いのがとても残念です。例えば企画費の中でSDGsの推進、新規、予算額56万8,000円ですが、執行額は10万9,000円で、残は45万9,000円です。区民費では、データ活用による商業振興等の推進、新規、予算額744万円ですが、執行額は247万円で、残は497万円です。子ども教育費では、実質ひとり親家庭への子育て支援給付金、新規、予算額600万円ですが、執行額190万円で、残は410万円です。地域支えあい推進費では、介護職員宿舎借り上げ支援事業、新規、予算額947万1,000円ですが、執行額245万5,000円で、残は701万6,000円です。健康福祉費、重度障害者等就労支援特別事業、新規、予算額1,270万9,000円ですが、執行額66万4,000円で、残は1,204万5,000円、執行率僅か5.2%です。新規事業を予算化する際は、区民ニーズを踏まえつつ、費用対効果や重要度などから多角的に判断し、必要経費を積算していると思っていましたが、今、私が拾い上げた新規事業の残額を見ると、果たして区民ニーズはあったのか。多角的に検討せず、取りあえずやってみる的に予算化したのではないかと思えてなりません。 通告では最後にその他ですが、最初にその他の一つとして伺います。新規事業はどのように予算化しているのか。新規事業なのに執行額をはるかに上回る不用額が出た新規事業の在り方について、財政課長はどのように評価しているのか端的にお答えください。 ○竹内財政課長 お答えいたします。新規・拡充事業においても当初の見込みと異なり、執行率の低い事業があることは認識してございまして、事業費の積算に当たっては、財源の裏付けを明示した具体的な積算を行ってございます。事業の本来の目的を改めて確認し、手法、検討、執行体制の見直しについて検討を行うことが必要と考えてございまして、今後ともPDCAサイクルをしっかりと機能させて、持続可能な区政運営を確立していく考えでございます。 ○むとう委員 ぜひ行ってくださいね。次年度予算で新規事業を予算化する際には、真に区民が必要としている事業なのか熟考を求めるとともに、男子HPVワクチン接種費助成、新規は、見込み件数の半分の接種数であり、区民の賢明な判断の結果であったと私は受け止めておりますので、区も受け止めていただき、次の質問に移ります。 敬老事業についてお尋ねをいたします。主要施策の成果89ページ、9月16日、敬老の日の敬老事業として、中野区では88歳の米寿の方1,635人に区内園児が描いた絵を使用した敬老カードを郵送し、100歳の方256人に区内共通商品券1万円とお祝い状を民生委員が届けました。なお、100歳の方で希望する人には区長が届けたと聞きます。決算額は330万2,824円です。近年、絵を描く園児数が減少し、高齢者数が増加したため、今年度からは88歳の方に贈るカードの絵を公募し、その中の最優秀賞と優秀賞の絵をカードにして郵送し、100歳の方も民生委員の負担軽減を図り、郵送に変更したとのことです。いずれにせよ、中野区は88歳の方にはカードだけ、100歳の方には区内商品券1万円とお祝い状が贈られるだけです。 実は、渋谷区から中野区へ引っ越してこられた方から、中野区は高齢者を敬う気持ちが小さいのねと言われて、渋谷区の敬老事業を調べてみました。渋谷区では、75、77、80、85歳の方に敬老金現金1万円、88、90、95歳の方に現金2万円、99歳の方に3万円、105歳、108歳、110、111、115、120歳の方に5万円を民生委員が届けます。100歳の方には5万円とお祝い状と花束を区長が届けます。なるほどね、この違いは大きいと私は思いました。 2023年の日本人の平均寿命は、女性が87歳、男性が81歳です。よって、中野区の敬老事業の対象年齢88歳と100歳だけでは、高齢者の大半の方が祝ってもらえないことになります。一生懸命働いて納税して、社会貢献されてきた高齢者を自治体として敬い、祝うべきだと私は思います。敬老事業の対象年齢の拡大とお祝いの品や事業内容の充実拡充を検討すべきではないでしょうか、お答えください。 ○高橋医療・介護連携推進担当課長 敬老事業の拡充についてお答えいたします。長寿をお祝いする節目は幾つかございますが、社会的な慣習からも米寿のお祝いが妥当と考えているところでございます。一方、対象者数は増えていく傾向にありまして、こうした祝い品贈呈そのものを見直す自治体も出てきており、今後の動向を見定めたいと考えてございます。敬老事業そのものではございませんが、高齢者の健康づくり事業や介護予防事業に誘導し、参加者には奨励としてポイントを付与するといったようなことを考えてまいりたいと思います。 ○むとう委員 残念な御答弁なんですけれども、もうちょっと補足すると、渋谷区では敬老大会というのもあって、65歳以上を対象としているんですが、今年度は細川たかしさんをお呼びして、昨年度は松平健さんだったそうです。ですから、まあね、お金をかければいいということではないんですけれども、それなりに園児の描いた絵というのも心がこもっていて否定はいたしません。だけどね、もうちょっと私は検討していただきたいというふうに思います。私も前期高齢者の一人として、高齢者を敬い祝う気持ちを形にする中野区となることを祈っております。 次の質問に移ります。生活援護業務についてお尋ねをいたします。気象庁によると、この夏の日本の平均気温は統計を取り始めてから最も高く、消防庁によると、全国で熱中症で病院に搬送された人は4月29日から9月15日まで9万3,757人で、昨年の同時期と比べ5,739人多く、このうちお亡くなりになられた方は116人、重症や中等症で入院した3万2,180人のうち、東京都が7,910人と最も多くなっています。地球温暖化が進む中、今後とも夏の暑さの過酷化が必至です。健康福祉部事業概要によると、生活保護利用世帯のうち、熱中症リスクの高い高齢者世帯50.7%と、傷病・障害世帯35.5%を合わせると86.2%となることから、大変に気がかりです。今夏、生活保護受給世帯で熱中症での入院や死亡者はどれぐらいいらしたのでしょうか、お答えください。 ○村田生活保護担当課長 生活保護受給者で熱中症によりお亡くなりになられた方、入院された方の人数の把握は行っておりません。 ○むとう委員 把握していないということがいかがなものかなと思いますね。分からないということ、把握していないということは、ケースワーカーの訪問実施率が45.9%と芳しくない状況と関連しているのではないかと私は思います。もっとしっかりと訪問していただきたい。そして実態を見ていただきたいということを要望しておきます。 また、厚生労働省は、2018年6月27日の保護課長通知によって、2018年4月1日以降に保護開始や転居等をしたが、エアコンの持合せがない世帯に対してエアコン購入費を支給することを認めましたが、2018年3月31日以前から生活保護を利用している世帯や、エアコンの故障等で買替えが必要になった世帯に対する支給は認めていません。さらに、物価高騰で食費も大変な中、電気代が高いので、エアコンもつけられない、扇風機もつけずに我慢しているとの声が届いています。冬季光熱水費の加算があるのに、近年、冬より夏の猛暑のほうが過酷であるにもかかわらず、夏季光熱水費の加算がないことに私は矛盾を感じています。区も夏季加算が必要と考えて、国に要望していると伺っています。本来は国が行うべきことですが、国が動かない中、放置していい状況ではありません。エアコン購入費または修理費の支給や、エアコン設置済み住宅への転宅費や夏季光熱水費の加算を区独自の支援策として講じるべきではないでしょうかお答えください。 ○村田生活保護担当課長 委員御案内のとおり、夏季加算、エアコン設置及び修理につきましては、東京都を通じて国に実施要領の改正に係る意見を提出して要望をしているところでございます。中野区においては、生活保護受給世帯を含む低所得者に生活保護制度とは別に、エアコン設置代等を支給することは考えてございません。 ○むとう委員 考えていないんですよね。でも、必要だということを思うから要望しているわけでしょう。やっぱりどんどん暑くなっていって、この夏大変でしたよね。個人的なことを伺いますが、課長はこの夏、クーラーをつけずに過ごした日ってありましたか。 ○村田生活保護担当課長 私自身、エアコンをつけずに眠れることはないかなと思いまして、つけっ放しで寝ることになりました。 ○むとう委員 すみません。個人的なことを伺いましたけれども、正直にお答えしていただきました。やっぱり誰もがそうだったと思うんですよね。この生活保護受給世帯の方の実態というのをしっかりと見ていただいて、本当に命を守る区であることを私は望んでいますので、国がやらない中、放置していいわけではないので、国がなかなか動かない、国に問題はもちろんあるんだけれども、やっぱり区としては、命を落とされる前に何らかの方策を講じるよう検討していただくことを強く強く要望していきたいと思っています。ありがとうございます。 次に、公園の環境改善についてお尋ねをいたします。本町四丁目の住宅街にある西町花の公園は、かつては子どもたちの日常的な遊び場として、夏はお祭り、秋は芋煮会、冬は餅つき会、春はお花見会など、地域住民の交流の場として公共の福祉に貢献していました。しかし、今やこれらの光景を見ることはできません。9年前から日常的な鳩への餌やりにより、感染症の原因となる大量の糞尿と羽毛で人が立ち入れない不良な環境となり、地域行事ができなくなっただけではなく、接する区道の通行の妨げにもなっています。この間、何度も議会で質疑をし、またかという顔を何度もされましたけれども、公園課、道路管理課、環境課、保健所、警察、東京都、東京電力、近隣の町会の皆様など、多くの方々が御尽力くださいましたが、鳩への餌やりは残念ながら続いています。物品の蓄積等による不良な生活環境の解消に関する条例に基づき、2022年1月21日付で鳩への給餌中止命令に従わない者の氏名と住所がホームページで公表されました。その後、区は、行政処分の有無は答えられないとしていますが、命令に違反した者に5万円以下の過料を科すことができる規定があるので、過料を科したと推測します。氏名が公表されてもへっちゃら、過料を払えば済むと言わんばかりに、依然餌やりは続いています。区長は2022年第1回定例会で、様々な方策を講じ、不良な環境解消に努めると力強く答弁されましたが、9年を要しても不良な環境解消に至っていない現状をどのように認識されているのか、どのような様々な方策を講じてくれていたのか、今後どのような方策を講じるのか、お答えください。 ○伊東環境課長 お答えいたします。この問題につきましては、区として今、委員の御紹介のとおり文書による指導、勧告、命令、そして氏名の公表など様々取組を行ってきたところでございますが、いまだ鳩への給餌行為は継続されてございまして、住民の皆様が健康に不安を感じていたり、日常生活において様々な支障が生じているものと認識してございます。この問題で悩み困っているという住民の方から、私も今年度、環境課長への着任早々、直接お会いをしてお話を伺ったところでございまして、本当に近隣住民の皆様にとって切実な問題であるということを深刻に受け止めてございます。難しい状況ではございますが、一刻も早く解決しなければならない問題であると考えてございます。 これまで区の対応につきましては、日常的には関連部署と連携をいたしまして、現場の状況確認等を毎週実施してございます。これに加えまして、今年度から環境課の職員によります土曜日、日曜日ですとか夕方、夜間にわたるときもございますが、現場確認等も定期的に行ってございます。このような取組によりまして当事者に直接お会いすることができて、口頭による指導も複数回行ったところでございます。今後も引き続き現場確認及び指導を行っていくことはもちろんのこと、再度審査会に諮問を行った上で改善勧告を行いまして、それでも給餌行為が継続する場合には改善命令、さらには過料の処分など、条例に基づく対応を粘り強く行いまして、早期の解決を目指していきたいというふうに考えてございます。 ○むとう委員 ありがとうございます。本当に職員の皆さんが時間外でも、以前の課長さんもそうなんですけれども、帰りがけに立ち寄ってくれたりとか、職員の方も努力してくださっていることは十分知っているんですけれども、でも、悲しいかな、餌やりは止まっていない。ですから、条例に基づいて、何度でもこの条例は行使できるわけですからやっていただきたいというふうに思います。鳩の羽毛と糞尿という劣悪な環境下で、洗濯物も干せない、窓も開けられない生活を10年近く強いられている方々の苦悩に向き合って、厳しい対応策を求めますので、どうぞよろしくお願いいたします。 では、次の質問に移ります。清掃事業についてお尋ねをいたします。プラスチックに関わる資源循環の促進等に関する法律の施行に伴い、今年度4月よりこれまでの容器包装プラスチックに加え、製品プラスチックの資源回収を行っています。そのため、昨年度は主要施策の成果41ページ、プラスチック製品の資源化に伴う広報、執行額1,872万円で説明会を行い、新たな「資源とごみの分け方・出し方」のパンフレットが全戸配布され、約5か月が経過しましたが、製品プラスチックを燃やすごみから資源プラスチックへの変更が浸透せず、燃やすごみや陶器、ガラス、金属ごみへの混入が目についております。説明会は15の区民活動センターと区役所で合計20回行いましたが、参加人数及びその人数は世帯数の何%に当たるのか、お答えください。 ○鈴木ごみゼロ推進課長 区民説明会の参加者数についてお答えします。区民説明会の参加者は延べ352人となっています。令和6年4月1日時点の世帯数は21万5,111世帯となっており、世帯数に占める参加者数の割合を算出すると、約0.16%になります。 ○むとう委員 一生懸命やってくれた割には少なくて、浸透していない原因もここにあるのかなというふうに思います。区民40の資料では、2023年4月から8月までの5か月間で容器包装プラスチックの量は1,017トンでした。今年度4月から8月まででは資源プラスチックの量、そのうちの製品プラスチックの量はそれぞれ何トンだったのでしょうか。 ○秦清掃事務所長 お答えいたします。今年度からは容器包装に加え、プラスチック製品も含めて資源プラスチックとしての回収を開始し、令和6年4月から令和6年8月までの回収量は1,074トン余りでした。日本容器包装リサイクル協会は今年度5月末に中野区の資源プラスチック袋を調査した結果、製品プラスチックは全体の7%でございました。全体の回収量から割り出すと、製品プラスチックの回収量は75トン余りであったと推定されます。 ○むとう委員 75トンをどう評価するかなんですけれども、まだまだかなというふうに思います。資源プラスチックや燃やすごみや陶器、ガラス、金属ごみに混入している場合、啓発シールを貼って収集しないのか、もしくは排出者に対してどのような指導を実施しているのか、簡潔にお答えください。 ○秦清掃事務所長 お答えいたします。警告シールを新たに作り、分別が不適正なごみ袋に貼付し、取り残して注意喚起をしてございます。また、ごみ集積所に看板を設置したり、周辺の住居へチラシを投函し、適正排出に向けた指導を実施しております。 ○むとう委員 やってくださってはいるけれども、まだまだ浸透していないということだと思います。製品プラスチックの資源回収が浸透していない中、区民へのさらなる周知や普及啓発を今後どのように進めていくのか具体的にお答えください。 ○鈴木ごみゼロ推進課長 周知の取組についてお答えいたします。新たな周知の取組として、今年度は説明動画の配信を行ったほか、プラスチック製品の資源化の話を聞きたいという団体向けに講座を実施しました。10月の3R推進月間では、パネル展示やホームページでの「ごみのん通信」の発行など、プラスチック製品の資源化を重点に実施する予定であります。また、より多くの区民の方の目に留まり、協力してもらえるよう、積極的にホームページやSNSなどを活用し、浸透していくよう周知していきます。 ○むとう委員 なかなか浸透していかないので、せっかく中野区がやり出したことですし、プラスチックは本当に深刻な課題もありますので、さらなるPR、これからもしっかりとやっていただきたいというふうに思います。マイクロプラスチックの海洋汚染は地球規模での問題です。資源化すればよいということではなくて、生活の中からプラスチックの使用を削減することが大事です。まずは区役所1階食堂カフェから使い捨てプラスチック製のカトラリーを廃止することを要望して、次の質問に移ります。ありがとうございます。 区長車についてお尋ねをいたします。またかと思わないでください。決算説明書143ページ、区長車雇上げ執行額900万5,735円、プラス、タクシー、ハイヤー使用料5万5,620円でした。いずれも暑い日、寒い日もあったかと思いますが、行き先が1か所の中で、私が徒歩で行ったらと思う帝京平成大学中野キャンパスに1回、産業振興センターに4回、なかのZEROに12回、私が電車で行ったらと思う東西線飯田橋駅の出口から徒歩1分にある区政会館に20回で、2023年度の平日の稼働率は54.3%でした。今年度8月まででは、帝京平成大学中野キャンパスに1回、中野セントラルパークカンファレンスに1回、三河屋に1回、産業振興センターに3回、なかのZEROに12回、区政会館に14回です。区長以外の使用者が課長まで拡大し、増えたことで、平日の稼働率は74.3%に上がりました。課長にも使用が拡大したことは大変よいことだと思います。さらに拡大し、一般職員も使用できればなお結構ですけれども、それならば、むしろ区長車を廃止して、区長が庁有車を利用すれば合理的だと考えます。杉並区では、区長の公約どおり区長車を廃止して、移動に車が必要なときには、区長は一般職員と同様に庁有車を使用しているそうです。杉並区を参考にし、中野区でも区長車を廃止して庁有車を使用することを検討してはいかがでしょうかお答えください。 ○矢澤秘書担当課長 お答えいたします。先ほど委員御案内のとおり、区長公用車の効率的な活用のために、管理職員等まで利用していただいているところでございますが、その取組が浸透しまして、区長車の稼働率は昨年度よりも現時点で上昇しているところでございます。このように既に区長公用車の有効活用を行っているところでございますが、今後の区長公用車の在り方につきましては、杉並区の事例を参考にしながら検討してまいりたいと考えてございます。 ○むとう委員 すばらしい答弁を頂きました。杉並区を参考にして検討するという御答弁ですと、つまり、区長車廃止も視野の中にあるというふうに受け止めさせていただきます。課長、その答弁どおり頑張っていただきたいと思います。中野セントラルパークカンファレンスや三河屋さんまで区長車で行くのは区民の理解を得られませんし、稼働率を上げるためにわざわざ乗っているようにしか見えません。次年度予算には区長公用車運行経費の予算化をしないことを強く強く強く要望して、次の質問に移ります。 その他で、もう一度戻りまして、児童館での一時預かり事業についてお尋ねをいたします。児童館での一時預かり事業は、2021年度から南中野児童館1館で試験的に始まり、利用率9.28%、1人当たり経費10万7,808円でした。この時点でやめるべきでしたが、十分な検証もせずに、2022年度からみずの塔児童館を加え、2館で本格実施となりました。利用率30.19%、1人当たりの経費4万3,843円。2023年度は利用率26.61%、1人当たりの経費4万4,198円、2024年度は7月末までで利用率12.97%、1人当たりの経費、何と12万3,756円でした。私立保育園での専用室型一時保育の1人当たりの経費8,600円と比較し、区民ニーズと費用対効果を考えて、児童館での一時預かり事業は廃止し、保育園での一時保育に一本化することをこの間私は強く強く主張してまいりました。南中野児童館とみずの塔児童館の大規模改修で、9月末で休止となりますが、今後、民間委託する乳幼児機能強化型児童館での一時預かり事業を実施するのでしょうか。または、私が主張するように私立保育園での一時保育に一本化するのでしょうか、明確に御答弁ください。 ○鈴木育成活動推進課長 区といたしましては、令和5年第4回定例会で御報告したとおり、今後、私立保育園での一時保育事業を拡大していく考えでございまして、実施への拡充に向けて調整を行っております。幾つかの園で実施する意向があることから、さきの閉会中の子ども文教委員会でも御報告したとおり、乳幼児機能強化型児童館の委託内容には一時預かりを含めていないため、乳幼児機能強化型児童館での事業は実施しないということにしております。 ○むとう委員 何かこれもとてもありがたい答弁というか、やっとというか、本当に費用対効果、区民ニーズを考えると、これはいち早くやめるべきであったんではないかというふうに思いますので、今の御答弁で私はとても納得をいたしました。試験的実施を1館目でやったときに、何でもっとちゃんと検証しなかったのかなというふうに思うんですね。ここできちんと検証しないで本格実施に進んだことで、多額の税金を投入することになったと私は思うんですけれども、深く反省していただけますでしょうか。 ○鈴木育成活動推進課長 今後につきましては、コスト等、費用対効果等も考慮いたしまして検討を進めてまいりたいと考えております。 ○むとう委員 ありがとうございました。これで私の全ての質問を終わります。もう一つその他で予定していたんですけれども、時間がなくなってしまったので、分科会のほうで質問させていただきます。ありがとうございました。 ○杉山委員長 以上でむとう有子委員の質疑を終了します。 次に、石坂わたる委員、質疑をどうぞ。 ○石坂委員 総括質疑をいたします。 1、多様性に富む全ての区民が安心して生活できる中野区について伺います。 (1)職場のダイバーシティ&インクルージョン。一般の民間企業以上に多様な職員を採用することは、法人としての区の社会的責務であり、受入れ環境を整えることを負担増という視点ばかりで捉えないことが大切です。 まず1点目として、障害のある同僚が近くにいることで、周囲の職員が障害のある区民をはじめとする様々な区民の存在について、より想像や配慮がしやすくなり、各職員の対応力や政策形成能力が高まる。 次に、2点目として、様々な特徴や特性、従来の職員にはない経験や視点を持つ職員が増えることで、既存の職員も刺激を受けて新たなアイデアが生まれてくるようになる。 そして3点目として、障害に合わせた業務内容や働き方、指示方法などの工夫を重ねることが、様々な得手、不得手がある既存の職員同士での対応、価値観の異なる世代の職員への対応など、従来の職員間の関係性も改善するということが起こります。こうしたことを踏まえ、障害のある職員の正規、あるいは会計年度職員などの非正規での採用について促進していくのかどうか、メリットをどう考えているのかお答えください。 ○中村職員課長 障害のある職員の採用を促進することは、障害者雇用促進法に基づきます就労環境の提供や法定雇用率達成の側面のみならず、多様な人材が働くことで、区の政策立案、施策実施において様々な気づきを得られること、さらには、区は率先して推進することにより、ユニバーサルデザインの考え方を地域社会全体に浸透させていく視点においても重要であると考えてございます。 ○石坂委員 また、そのためにもジョブコーチと区の職員が協力をし合ったり、コンサルテーションをジョブコーチにお願いしながら、単なるその場での受入れだけではなく、全職員が障害のある職員を受け入れるマインドとスキルを身につけられるようにすること、同僚に対する不当な差別的取扱いの禁止と合理的配慮についてしっかりと認識をすること、障害のある職員のストレングス、いわゆる強みを引き出せるスキルを身につけることが重要と思われますが、いかがでしょうか。 ○中村職員課長 障害のある職員が個性や障害の特性に応じて能力を発揮できるように全職員が障害に対する理解を深め、共感を持って接することや、職場の一員として安心して働きやすい環境の整備に努めることが重要であると考えてございます。 ○石坂委員 その方向性があるという中で、受け入れてあげているという視点では、協働は進みません。障害のある上司の下で現状の職員が働くことも当たり前にしていくべきです。障害があり、意欲や能力のある職員、あるいは既に係長級になっている職員に管理職試験の受験を勧奨していくことや、管理職を目指す意欲を高めていくことが必要と考えますが、いかがでしょうか。 ○中村職員課長 障害のある職員がやりがいを感じ、明確な目標を持って成長していくことが重要と考えてございます。そのためには、管理職が必要なスキルや知識を身につけるためのアドバイスやサポートを心がけるとともに、併せて受験勧奨や人材育成、職場環境の整備を行っていくことが必要だと考えてございます。 ○石坂委員 ぜひそんな方向でお願いします。 そして、次に移りますけども、(2)配慮が必要な多様な住民を支える区政について伺います。一人の区民が複数の部署にまたがる課題を抱えている場合が多々あります。すこやか福祉センターでは本庁舎以前から、保健と福祉のワンストップの窓口を展開しています。これまでのすこやか福祉センターでの窓口ワンストップ化によって、それまで縦割であったものが改善した例を教えてください。 ○河田すこやか福祉センター調整担当課長 すこやか福祉センターでは、妊娠・出産・子育てサービスに関すること、障害福祉に関すること、医療費助成に関することなどを窓口で受け付けております。以前は別々の窓口で受け付けていた各種申請について、一つの窓口での申請が可能となり、区民の利便性が改善したと考えております。一方で、相談内容が複雑化・複合化し、すこやか福祉センターだけでは収まらず、庁内他部署や関係機関との連携を要するケースも増えてきている状況でございます。 ○石坂委員 窓口のワンストップ化が進んだことはとてもいいと思います。一方で、今後さらに窓口ではなく、人のワンストップ化も進めていただきたい。というのも、医療的ケアに関して保健師に相談しても解決策は見つからなかったが、障害福祉課に相談をしたら必要な支援が得られたというケースを耳にしています。保健師やその他の職員においても、ワンストップないしは必要な部署と適切に連携や引継ぎが必要です。すこやか福祉センター職員のそうした内容の研修などはどのようにお考えでしょうか。 ○河田すこやか福祉センター調整担当課長 各すこやか福祉センターにおいて窓口対応研修を実施しており、適切な窓口対応に努めているところでございます。新任の職員については、健康福祉部の研修にも参加し、健康福祉部の業務についても把握に努めているところでございます。今後、複雑化・複合化したケースへの対応も見据えて、福祉サービスの知識や関係機関への適切な引継ぎなどの業務能力の向上を目指し、研修の充実を図りたいと考えております。 ○石坂委員 ぜひそんな形でお願いいたします。 次に、難病について伺っていきます。中野区でいう難病福祉手当について、区議会事務局の議事調査担当に23区各区の状況を調べていただきました。16区が中野区でいうところの第一種障害者福祉手当と同じ金額設定をし、1万5,500円を支給しています。その他の区でも、1万6,500円が1区、1万5,000円が1区、1万3,000円が1区、1万2,000円が2区、難病の種類によって1万5,000円や1万6,000円などとする区が1区。これに対して、中野区は最下位の1万円となっています。中野区は難病患者福祉手当について、金額の引上げを検討すべきではないでしょうか。 ○大場障害福祉サービス担当課長 お答えいたします。これまで窓口などにおきまして、難病患者福祉手当の額が少ないとの声を頂いていることは認識しており、手当の額につきましては他の手当を含めた状況や、近隣自治体の支給額など、全体のバランスを勘案しながら検討してまいりたいと考えております。 ○石坂委員 今申し上げましたように近隣で最下位ですので、ぜひ検討をしっかりと前向きにしていただければと思います。 そして2として、2040年問題の各論について伺います。総論は一般質問で伺いましたので、その続きです。(1)として、労働力不足と経済縮小が進む中での就労について伺っていきます。現在でも労働力不足は深刻です。全国的に新卒採用の充足率も低下をしています。そこで、ア、高齢者の就労について伺います。それまではリンクをする動きをしていた日銀短観に基づく全産業の業況判断と雇用人員判断は、2015年以降少しずつ乖離が生じ始め、日本経済は今、景況感や企業業績ではなく、労働供給量がボトルネックになると言われています。先日受講してきた全国市町村国際文化研修所(JIAM)の研修でも、80代の方にもその方に合った働き方で働いてもらうことが必要な社会になるとの話がありました。そこで伺います。現段階で中野区のシルバー人材センターでは、現在も登録をして働かれている方のうち何割程度が80代でしょうかお答えください。 ○高橋地域活動推進課長 中野区シルバー人材センターから区に提供されたデータによりますと、会員登録をして実際に就業している会員のうち、約35%が80代以上であるとのことでございます。 ○石坂委員 やはり高い状況になっていますね。また、80代以上の会員の方はどのような仕事を担っているのか、また担っている業務を十分こなせているのかの状況を伺います。 ○高橋地域活動推進課長 仕事の内容は、80代以上の会員も他の世代と変わることなく、広報紙の配布、通学路での児童見守り、家事援助、除草、清掃など、地元に密着した仕事が多いとのことであり、業務の履行も良好であると聞いております。 ○石坂委員 また、2040年に向けて登録を希望される方はますます増えていくであろうとともに、働く意欲のある方に登録を勧奨していくこと、登録者が増えても機能できるようにしていくこと、登録人数が増えても登録者の希望を十分満たせるだけの仕事が得られるようにしていくことが必要と考えますが、いかがでしょうか。 ○高橋地域活動推進課長 中野区シルバー人材センターの基本方針といたしまして、会員の入会促進を図り、高年齢者の就業を通じた社会参加、生きがいづくりに努めること、会員に適した様々な就業先の開拓、確保に努めることなどを掲げているところであり、それに向けて取り組んでいると承知しているところでございます。 ○石坂委員 また、シルバー人材センター単独で働きたい高齢者をさばくだけではなく、民間事業者と協力をして、そこでの受入れをしてもらえるようなマッチングや、シルバー人材センターが蓄積した高齢者に適した働き方などのノウハウを協力民間事業者と共有していくようなことも必要と考えますが、いかがでしょうか。 ○高橋地域活動推進課長 シルバー人材センターは、原則といたしまして臨時的・短期的な就業機会を確保し、組織的に提供する公益目的の団体でございまして、民間事業者との関係は仕事を発注する側と受注する側の関係にございます。このことから区といたしましては、シルバー人材センターと民間事業者がそれぞれの特質に基づき情報共有をしながら、適切に役割分担を担うことが高齢者の利益につながると考えてございます。 ○石坂委員 ぜひその際に担当のほうでしっかりと橋渡しをすることも考えていただけたらと思います。進みます。 さて、鹿児島県霧島市では、高齢者の受入れもしっかりと行っている就労継続支援B型施設があるそうです。そして、高齢の利用者からは、体調に合わせて仕事ができる、体への負担が少ない軽作業を通して、毎日やりがいが持てるようになったなどの声があるそうです。また、区内では若いときから就労継続支援B型を利用され、65歳以上も利用し続ける障害者の方が増えています。もともと障害者施設である就労継続支援B型の職員から、利用者の高年齢化が進んでいるが、高齢障害者への対応や受入れ体制が大変との話を耳にします。若いときからの、あるいは高齢に伴って障害者となった高齢障害者の就労継続支援施設での受入れ体制拡充に向けての支援についてどのようにお考えでしょうか。 ○大場障害福祉サービス担当課長 就労継続支援施設における利用者の高年齢化につきましては区も認識しており、各就労継続支援施設の職員スキルが向上できるよう、東京都が実施しております高齢障害者の対応等のスキルアップ研修の受講を促しているほか、自立支援協議会におきまして、効果的な取組についての情報共有などを行っているところでございます。今後につきましても、就労継続支援施設が利用者に寄り添った施設運営を実施していけるよう、利用者や事業者の声を聞きながら必要な支援をしてまいりたいと考えております。 ○石坂委員 ぜひ声を聞きながら進めていただけたらと思います。加えて、高齢者の就労については、「中野くらしサポート」「中野就職サポート」などでも、年金だけで生活が厳しい高齢者などへの就労の支援を広げていくことが大切です。現在も「中野くらしサポート」では高齢者の就労の相談も受けていますが、「中野くらしサポート」に行けば高齢者の就労支援もしてくれるという認識は広がっていません。「中野くらしサポート」への高齢就労支援をもっと周知していくべきと考えますが、いかがでしょうか。 ○葉山生活援護課長 お答えします。「中野くらしサポート」は、経済的な困り事と併せて、生活上の様々な不安や悩みを抱える方のための相談窓口です。今後、高齢者の就労につきましても相談していただけることが分かるような広報の工夫に努めてまいります。 ○石坂委員 ぜひそんな形でお願いします。 この項の最後になりますけども、そして、高齢者の就労支援について、様々な部署がばらばらに行うのではなく連携をしていくことが必要であり、連携や周知の在り方について取りまとめをする部署が今後必要と思われますが、いかがお考えでしょうか。 ○葉山生活援護課長 現時点では取りまとめる部署を設置することは考えていませんが、一人ひとりの相談者が適切に支援機関につながることが大切であると認識しており、関係機関によるより一層の連携を図ってまいります。 ○杉山委員長 石坂委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。 午前11時59分休憩
午後1時00分開議 ○杉山委員長 委員会を再開します。 休憩前に引き続き総括質疑を行います。石坂委員、質疑をどうぞ。 ○石坂委員 引き続き質疑をいたします。 イ、子ども・若者の就労に向けた支援について伺っていきます。中野区では現状、区立中学生に対して英検1級から5級までの全ての級に関して受験料の補助を行っています。将来、英語を使った仕事をしたいという例や、卒業後の上位の級を持つことで就職につながる例もあると思われます。区立中学校の生徒だけではなく、全中野区の中高大生に対して、英検はもちろんIT・パソコン関係、簿記、介護、福祉、保育など、資格取得や試験の受験を奨励したり、受験費用の補助をすることも区立学校に限定せずに考えるべきかと思いますが、いかがでしょうか。 ○青木子ども政策担当課長 区では、子どもに対して学習機会や体験機会の充実、若者の就労支援などの取組を行い、将来的な就労にもつながる機会を提供しているところでございます。委員御指摘の将来的に生産年齢人口減少による労働力不足が生じるという視点も意識しながら、子ども・子育て支援に関わる施策を推進してまいりたいと考えてございます。 ○石坂委員 ありがとうございます。ぜひその視点も持ちながら進めていっていただけたらと思います。また、被用者だけではなく、起業・創業に対する意識やチャレンジ精神の涵養も大切です。先日、中野区役所1階で区が後援をし、中高生を中心に創業について若手起業家の話を聞き、ワークショップを体験できる、なかのdeマナブが開催され、私も短時間ながら見学をいたしました。周知のタイミングがあいにくの夏休みで参加者は多くなかったものの、小学生の参加もあり、次回以降の改善が望まれます。今後の起業・創業について知り、関心を高めていける機会を様々な場で継続的に設けていくこと、さらに関心のある高大生が具体的な起業・創業について知ることができたり、学べる機会もつくっていくことが必要と思われますが、いかがでしょうか。 ○網野産業振興課長 中野区産業振興方針では、創業・イノベーションの促進を重点施策の一つとし、創業機運の醸成に向けたセミナーや、産学公連携による創業教育の実施を位置付けております。中野の子どもたちが起業・創業への関心を高めていけるよう、教育機関や経営者グループと連携した中高生向けの創業教育に着手しており、今後、大学生や若者を含め具体的な相談や学びができるよう工夫して取り組んでまいります。 ○石坂委員 ぜひお願いしたいところですけども、ただ、今回残念だったこととしまして、体験談を語る起業家として名前を連ねた方々が告知段階で男性ばかりであり、それに伴ってか参加者も男性がほとんどだったことです。女性の起業・創業も促進していけるように、こうしたイベントを区が後援する際には、助言などの形で、また区が主催する場合は当然のこととして、女性の起業・創業についても啓発に力を入れていくべきと考えますが、いかがでしょうか。 ○網野産業振興課長 8月に試行的に実施した、なかのdeマナブイベントでは、交流会に参加した起業家は男性だけでありましたが、ワークショップでは女性起業家の方にも参加いただいたところでございます。中野区において女性の起業・創業を促進していくことは、地域経済や地域コミュニティの活性化に資するだけでなく、様々な可能性から重要なテーマであると認識してございます。区では今年度、総務省と連携し、女性活躍をテーマにセミナーを実施する予定でありまして、区の主催、共催する事業だけでなく、区が後援する事業においても参加しやすい環境づくりと女性起業家との交流機会の創出などに努めてまいります。 ○石坂委員 ぜひ女性の視点が漏れない形で、女性の登壇者が漏れることがない形でお願いいたします。 また、(2)として、持続可能な福祉・介護と、社会福祉連携推進法人について伺います。人材難は福祉・介護の分野でさらに深刻です。社会福祉連携推進法人は、社会福祉法人等が社員、構成員となり、福祉サービスの事業者間の連携・協働を図る制度であり、経営支援、人材確保、物資の一括調達などを行えるようになります。区内では障害関係の法人を含む形での社会福祉連携推進法人の例はないようですが、他分野では例のある社会福祉連携推進法人を用いた障害者福祉の人材不足の解決の在り方も検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。 ○細野福祉推進課長 これまで中野区長が所轄長となる区内のみで活動する社会福祉法人に対しましては、社会福祉連携推進法人制度に係る情報を提供し、周知を図ってきたところでございます。この社会福祉連携推進法人制度は、法人の経営基盤の強化につながる手法の選択肢の一つであるというふうに考えてございまして、国の動向や先進的な事例などを注視しながら、今後も必要な情報発信に努めてまいりたいと考えてございます。 ○石坂委員 ぜひそのような形で進めていただきたいと思います。また、上記のような長期的な課題解決方法に加え、障害者施設を運営する小規模な事業所では、対人援助職のスキルは高くても事務方のスタッフが退職をした際に後任を探すのに苦労したり、後任の人材育成に苦労される場合もあるようです。法人の中での事務方のスキルアップや人材の育成をどう支援していきますか。 ○鳥井障害福祉課長 区では、障害福祉サービス事業所の研修ニーズ、これを調査した上で、障害福祉分野の人材育成研修を実施してございます。また、研修参加者を対象に実施いたしましたアンケートを参考に、障害福祉サービス等報酬改定や職員のモチベーションアップと人材定着の研修、また、BCPの作成・運用に関する研修を実施してまいりました。今後も事業所のニーズを十分把握し、事務スタッフの育成を含め研修プログラムを充実させてまいります。 ○石坂委員 ぜひそんな形でお願いします。 また、(3)として、公務員の不足による公共機能の低下について伺います。現在は教員不足が問題視されていますが、今後一般の公務員の倍率の低下や定員割れも危惧されています。現在の中野区における倍率の推移はどのようになっていますでしょうか。また、今後の課題は生じそうでしょうかお答えください。 ○中村職員課長 特別区人事委員会が23区統一で実施しております採用試験の合格倍率は低下傾向にございます。一類事務の場合では、令和3年度に4.8倍、令和4年度に3.6倍、令和5年度に2.5倍となってございます。今後も合格倍率の低下傾向が続く場合、優位な人材の確保が課題となると認識してございます。 ○石坂委員 急速に下がっているようですので、対策をぜひ進めていただければと思いますし、また、公務員の人材難が進む中で委託業務は増えざるを得ない状況にあるかと思います。民間の委託先が安かろう悪かろうになってしまったり、業務が硬直化してしまわないよう、委託業務に関し行政課題に対応した成果指標が設定され、支払う額等が当該成果指標の改善状況に連動するPFS、成果連動型民間委託契約方式も検討すべきであると思いますが、他自治体での例もありますので、ぜひ検討いただければと思いますが、いかがでしょうか。 ○原契約課長 成果連動型民間委託契約方式は、区の委託業務において解決すべき行政課題に対応した成果指標を設定の上、達成度に応じて支払額を変動させる契約方式であります。この契約方式は、委託先がよりよい成果を上げるインセンティブとなり、業務の品質向上に役立つものと認識しております。この方式の導入に当たっては、成果を測定するための基準や評価方法を設定の上、適切な評価をする必要があることなどから、課題と効果を整理の上、仕組みを研究してまいります。 ○石坂委員 ぜひ他自治体、23区内でもありますので、しっかりと研究いただければと思います。また、委託先を単なる下請と考え、捉えずに、委託先との連携をする中で民間の有するノウハウやスキルを区の職員が学ぶこと、場合によっては民間との人事交流を進めることが必要と考えますが、いかがでしょうか、 ○中村職員課長 民間企業のノウハウやスキルを学ぶ機会は、職員の能力開発向上につながる貴重な機会であると考えてございます。区では、民間派遣研修の制度を設けまして、相互の受入れを実施しているところでございまして、引き続き実施について検討してまいります。 ○石坂委員 ぜひお願いいたします。 (4)として、持続可能な社会保険と医療について伺います。厚生労働省が公表している国民健康保険の財政状況についてによると、国全体では一般会計繰入金を除くと、令和3年度の段階で67億円であった単年度の赤字が、令和4年度では1,067億円へと急激に膨らんでいます。我が区でも決算特別委員会資料区民19を見ますと、令和4年の35億円から令和5年の51億円へと特別会計の繰出金が1.4倍超増えています。令和5年11月16日に、特別区長会は厚生労働大臣宛ての国民健康保険制度の見直しに対する提言を出し、全ての国民を対象とする医療保険制度の一本化、抜本改革を実現することを強く求めるとしています。国民健康保険の保険料賦課状況は、8月28日の区民委員会でも報告されました。まず確認で伺いますが、国民健康保険の加入者の医療を支える医療分と後期高齢者の医療を支える支援金分が増えていますが、この背景には医療費をより多く使う定年後の企業退職者が増えていることなど、支えられる側の割合が増えているという認識でよろしいでしょうか。 ○宮脇保険医療課長 令和5年度の被保険者の年齢階層を10年前と比較いたしますと、40歳から64歳までの加入者の割合が減り、65歳以上の加入者の割合が増えております。このことで医療分の増加につながっているものと分析しております。また、後期高齢者の加入者の増加に伴い、支援金分も増加しております。これらの状況を踏まえますと、支え手となる世代が減り、支えられる世代が増えるという傾向がうかがえると思います。 ○石坂委員 少なくとも医療費や介護の利用が過大にならぬよう、より実効性のある介護予防や予防医療に力を入れること、予防医療の一つである特定健康診査によって見つかった問題について、特定保健指導を含む早期治療をすることが必要です。現在の国保特定健診を経ての予防医療の受診率や予防によって見つかった問題について、医療につなげる働きはどのように行っていますでしょうか。 ○中村保健企画課長 お答えいたします。令和5年度の国保特定健診を受診した人のうち、生活習慣病治療中の人は特定健診受診者の78.9%でございます。国保特定健診の結果から、医療機関の受診が必要にもかかわらず受診していない方、未治療者の方、治療中断者の方に対しましては、受診勧奨通知の発送、医療専門職から受診、受療を促す電話をするとともに保健指導を実施してございます。 ○石坂委員 なお、三菱総合研究所の2024年の社会保障制度改革の中長期提言では、健康増進策が社会に普及することで、患者数、死亡者数、要介護認定者数が減少し、2040年段階で4.2兆円の医療・介護給付費が抑制され、さらに就業者数の増加による社会保険料や税収の増加も見込まれると試算をしています。しっかりと後追いをして受診勧奨を継続して進めることが必要と考えますが、いかがでしょうか。 ○中村保健企画課長 お答えいたします。生活習慣病を重症化させない取組は非常に重要と考えておりますので、医療の未受診者と治療中断者へは行動変容を促すより効果的な勧奨方法などを研究し、継続して実施してまいりたいと考えております。 ○石坂委員 ぜひそのような方向でお願いいたします。なお、同調査では、5,000人を対象に行った調査にて、回答者の半数が負担増もやむなしと考え、その多くが応能負担がよいと考えているそうです。また、同調査では、年齢が上がるほど社会保障制度への関心、知識がある方が多くなる傾向があり、自身や家族が制度を利用する当事者になって初めて関心や不安を持つことが示唆されています。一方、若い人ほど制度の仕組みが理解できるよう学校や職場などで教えてほしいという声が多くなっています。つまり、若い層に対して正しい知識や現状を認識してもらい、社会制度の在り方を全世代で議論し、将来を見通した持続可能な仕組みにしていること、その上で全ての人に納得をしてもらい、支援金分や介護分も含めた国民健康保険料や介護保険料の負担もしてもらうことが必要ではないでしょうか。まず国民健康保険担当に伺いますが、いかがでしょうか。 ○宮脇保険医療課長 現在、医療制度の改革が進められておりまして、国において子育て世代への支援を医療保険全体の中で支え合うことや、高齢者医療制度への支援の在り方などが検討されているところでございます。これらは、超高齢化、人口減少化におきまして、医療保険制度を将来にわたり持続可能な社会保障制度としていくためのものです。区としても国民健康保険制度の保険者として、改革の背景や考え方などについて伝えて御理解いただきまして、その上で保険料を御負担いただくことが重要だと捉えております。区のホームページでの情報掲載や、加入時や個別通知などの機会を捉えた周知について検討してまいりたいです。 ○石坂委員 では、同じようなことについて、介護保険の担当はどのようにお考えでしょうか。 ○落合介護保険課長 介護保険制度は、介護が必要な方を社会全体で支え合う仕組みであり、40歳以上の方が担い手であり、いずれ負担してもらう若い世代にも制度を理解していただくことが重要であると考えてございます。制度の理解が促進されますように、ホームページ、区報等により情報発信を行ってまいります。 ○石坂委員 ありがとうございます。2040年問題について、今回幾つかの部署をピックアップして各論について質疑をいたしましたが、2040年問題は全庁的に取り組むべき課題です。施設更新や、まちづくりも含めて、今回私が取り上げなかった部署に関しても、2040年問題についてしっかりと認識をし、今後の目標設定や取組を進めていただきたい。また、一般質問でも区長のほうから2040年問題について先頭に立って取り組んでいただけるということですので、ぜひともこの課題について全庁的な取組を各部署がしっかりと我が事として認識をして進めていただけるよう求めて、私の全ての総括質疑を終わらせていただきます。ありがとうございます。 ○杉山委員長 以上で石坂わたる委員の質疑を終了します。 次に、小宮山たかし委員、質疑をどうぞ。 ○小宮山委員 大変長らくお待たせをいたしました。小宮山たかしでございます。私、トイレが非常に近いんです。卒業式の間にトイレに行ったこともあるぐらい近いんです。こうやって委員会室を見てみますと、委員の皆さんの机の上、三、四割ぐらいは水筒が並んでいる。ただ、理事者の皆さんを見ると、区長ぐらいしか、ほかにも何人かいますけども、水筒を持ってきている人がいない。理事者の皆さんは委員会中にトイレになかなか行けないという、そういうルールではないんでしょうけど、不文律みたいなものがあるようでして、これは非人道的な扱いだと思いますから、私の質問の間はトイレへ行っていいですから。ただ、私は議会運営委員じゃないので、ルールを変える力は何も持っていないので、あまり私に期待しないでください。 さて、話がそれたというか、まだ何も話していないです。真面目な話をしますからちゃんと聞いてください。まず冒頭に、9月20日頃の新聞やネットニュースで、中野区立中学生が3月に自殺をしたこと。学校側は当初、いじめは確認されていないとしたが、友人や教員との人間関係に悩んでいたと保護者が訴えて、いじめの有無についての調査を教育委員会に要望したと報道されていました。この報道は事実なのかどうか。現在、教育委員会で分かっている情報を教えてください。 ○井元指導室長 区教育委員会として把握している事実としましては、新聞報道にあるとおり令和6年3月、都内で当該生徒が自ら命を断つ事案が発生し、同年4月、当該生徒の保護者が中野区教育委員会事務局に対して、当該生徒が友人や教員との人間関係に悩んでいたことがあったと訴え、学校でのいじめの有無について調査を要望されたということでございます。これを受けて、9月に中野区教育委員会いじめ問題対策委員会附属の調査部会を発足させました。御両親は、いじめ防止対策推進法の規定による調査が公平公正かつ円滑に行われていることを願っておられますので、区教育委員会としましては調査に全面的に協力してまいります。 ○小宮山委員 因果関係がどうあれ、一人の中学生の命が失われてしまったということは事実であります。中野区の教育行政に多少なりとも関わる者として大変に残念な気持ちで、御冥福をお祈り申し上げます。 さて、練馬区の令和5年度総合教育会議の資料によりますと、不登校の原因として教師との関係やいじめが挙げられています。本人、保護者ともに約9割が学校やクラスの雰囲気、いじめ、嫌がらせ、先生のことなど、学校生活に不登校の理由があるとしています。一方、中野区のほぼ同じ時期の資料によりますと、いじめを理由として不登校になったというのはたった1件しかないことになっている。教職員との関係が原因としているのもたった2件しかない。中野区の子どもたちが不登校になった。そのきっかけの多くは家庭とか本人にあるそうです。無気力、病気、親子関係がよろしくない。中野区の子どもたちは、そのために不登校になっているとされています。中野区と練馬区でそこまで大きな環境の違いはないと思うんです。一体どうしてアンケートの結果にこんな正反対の差が出てしまうのか教えてください。 ○井元指導室長 中野区で実施している調査は、文部科学省の児童・生徒の問題行動、不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査に準じて、不登校の主な要因を学校が一つ選択したもので、それを公表しているところでございます。一方、練馬区が公表しているデータは、文部科学省の調査とは別に、区独自に不登校を経験した卒業生とその保護者にアンケート調査を実施したものでございます。調査方法や調査対象等が違うため、結果に差が生じているものと考えます。 ○小宮山委員 中野区では学校に対してアンケートを行っている。一方、練馬区は当事者とか保護者にアンケートを行っているそうでございます。そのために正反対の差が出てしまっている。中でも、特にいじめというのは学校や教師がどう考えるかは重要ではなくて、いじめられた当事者がどう受け止めているかが何よりも重要です。時と場合によっては教師自身が加害者になる可能性だってなくはないんです。 1980年代に中野富士見中学校を舞台とするいじめ自殺事件が起きたことがありました。私は当時、田舎の高校生でしたけれども、この事件のことはよく覚えています。それ以来、中野区では教育委員会はいじめに対して非常に敏感になり、また保護者もおやじの会という組織を都内で最初に立ち上げ、子どもたちを自主的に見守っていくということが始まりまして、その活動は区内、都内、そして全国へと広がっていったと、おやじの会を立ち上げた矢口さんから私は直接お話を伺ったことがございます。当時のいじめ事件に関わった教師は、いじめを知りながら教育委員会に報告しなかったり、また事件の後も自殺した生徒自身に原因があるかのような発言をしていたそうです。冒頭でも申し上げましたが、今もなお自殺をしてしまう区内の中学生がいないわけではありません。中野区、そして中野区教育委員会はいつまでもこの事件、中野富士見中学校いじめ自殺事件を十字架として背負っていかなければならないと私は思うんです。今、中野区で教師や学校に対してアンケートを取ると、いじめがなかったことにされてしまっている。教師に対してアンケートを取ると、不登校のきっかけは学校生活ではなく、家庭や本人にあるかのようなアンケート結果が出てしまっている。練馬区とは正反対の結果が出てしまう。この後述べますが、中野区教育委員会は、いじめ問題の解決に非常に消極的である。富士見中学校のあの事件が風化してきているのを、私は区議会でただ一人の中野区立中学校現役保護者として肌で感じております。中野区では、いじめによる不登校は1件しか存在していない。中野区は、いじめによる不登校がたった1件しかないクリーンな区であるという認識でよろしいんでしょうか。 ○井元指導室長 令和4年度の文部科学省が定めた基準による調査では、本区の区立学校においていじめによる不登校は1件でございました。中野区立小・中学校では、いじめや不登校に対して法律や条例等に基づいて適切に対応しているところでございます。 ○小宮山委員 年度が違うので、反映はされていないと思いますが、昨年の5月、中野区内の某中学校でいじめ事件がありまして、被害者Aさんが複数人に囲まれて羽交い絞めにされたり、筆箱を隠されたということがあったそうです。これが保護者によって発覚したのは昨年の5月のことで、その翌日以来、今日に至るまで被害者Aさんは不登校になってしまっているそうであります。学校側も最初のうちは保護者に毎日のように連絡をしたり、加害者からの聞き取り調査をしたり、それなりの対応はしていたようなんですが、そもそも加害者と被害者でいじめの状況の認識に随分と差がある。被害者としては、加害者側から一方的に暴力や意地悪を受けたと認識していますが、加害者はそう認識していない。被害者側にもいじめのきっかけがあったと認識していると、学校側が調査した文書には記載してありました。事実認定に相違があるわけですから、水かけ論になってしまいがちです。しかし、そもそもいじめというものは、いじめられている側が心身の苦痛を感じるかどうかで判断されるべきものであると文部科学省は定義しております。今回の学校側の対応がその原則にのっとっていたとはあまり思えません。そのため、いじめ被害者生徒も保護者も納得はされていません。中野区の子ども総合相談、法律相談、警察など様々な窓口にも保護者の方は相談したそうですが、加害者生徒や学校に介入できるような力を持っている相談窓口は学校と教育委員会以外にはなく、その他の窓口はあまり役には立たなかったそうです。 このいじめ事件があったのは昨年5月のことで、それ以来、被害者Aさんは不登校であったそうですが、昨年12月、新たに同じ加害者がAさんの自宅に来て、自分のスマホで撮影をしながら、いわゆるピンポンダッシュをしていく様子が防犯カメラに記録されているそうです。加害者は当初、その犯行を否認していたそうですが、防犯カメラの記録を恐らく突きつけられたためでしょうか、何日かたってから犯行を認めたそうです。そして、ピンポンダッシュと同じ日に防犯カメラの死角にあったポストから、届いていたはずの郵便物がなぜか消えていた、あるいは何かの事情で届いていなかったということもあったそうです。このピンポンダッシュ事件については教育委員会が調査をしたそうですが、被害者、保護者は教育委員会が調査に消極的であり、無駄に時間が経過してしまったと受け取っているようです。これが昨年12月のことです。最上級学年になれば、あと数か月放っておけば卒業して、うやむやにすることもできる。学校生活における問題の解決は、スピード感を持って対応していただきたい。特に今回のいじめ事件はその後、不登校になってしまった。初期対応、初動がより適切であれば、学校がもっと被害者に寄り添ってくれれば、こんなことにはならなかったかもしれないと思うと、非常に悔やまれるところです。 中野区では、令和3年にいじめ問題対策委員会という第三者組織が設立されまして、いじめ防止対策基本法第28条第1項に規定する重大事態が発生した場合は、この対策委員会が調査を行い、教育委員会に報告をすることになっています。区のホームページには、第28条第1項に規定する重大事態としか書かれていませんが、いじめ防止対策推進法第28条第1項によりますと、重大事態とは、つまり、被害者の生命、心身または財産に重大な被害が生じた場合のことであります。今回は羽交い絞めにされた程度ですから、命の重大な危険にはさらされていない。筆箱を隠されたり、郵便物が何かの理由で消滅していた程度ですから、財産の重大な被害も受けていない。だから、中野区のいじめ問題対策委員会は、昨年5月に発生したいじめ事件について、昨年11月に初回の聞き取り調査をしたものの、それ以降、何をしているのかよく分からず、無駄に時間が経過していったと保護者の方は受け止めているそうです。法律に定められているとおり、命や財産に重大な被害があってからでなければ、中野区のいじめ問題対策委員会は本腰を入れて動くことはない。命や財産を失ってから来てくださいと。命や財産がある方は相手にできませんと、そういう認識でよろしいんでしょうか。 ○井元指導室長 いじめ問題対策委員会においては、いじめ防止対策推進法等に基づいて、いじめの重大事態調査を実施しているところでございます。いじめの内容や保護者の御意向等を踏まえて、学校主体の調査、またはいじめ問題対策委員会主体の調査を実施することとしております。 ○小宮山委員 条例の改正を先日したと。前回の議会でしたと思うんですけど、その辺りの経緯を教えてください。 ○井元指導室長 条例の改正につきましては、中野区いじめ防止等対策推進条例の一部を改正いたしまして、中野区教育委員会いじめ問題対策専門部会の附属機関として、調査部会を新たに設けるように条例を改正したところでございます。 ○小宮山委員 その調査部会を設けられるようにしなければ調査ができないと認識していますが、それでよろしいですか。 ○井元指導室長 そのとおりでございます。 ○小宮山委員 つまり、令和3年にできた条例に欠陥があって機能していなかった。これまで機能していなかったということが令和6年になって分かったということであります。要するに、この委員会は今まで3年間何も機能していなかったということじゃないですか。この3年間、中野区にはいじめは一件もなかったんですか。あるいは命や財産を失った人だけを調査対象にしていたんじゃないですか。命を失ってからでは取り返しがつかないんですよ。この条例をつくった当時の責任者、教育長は既にこの場にはいませんけれども、私は前の教育長から小宮山の議会発言は事実無根であるという、あまり質のよくない怪文書を出されていじめられたことがありました。いじめを許容する体質が当時の教育委員会にあったんじゃないかなと。私のように出る杭は打たれてしまうんだなと。出る杭は打たれてしまうんだなと大変残念な気持ちになったものであります。 昨年5月に区内中学校で発生したいじめ事件について、区のいじめ問題対策委員会が有効に機能しているとはとても思えない。新しい教育長、そして教育委員会には、いじめ事案にはスピード感を持って対応していただきたい。対応すべきではないか。そして、被害者に寄り添った対応をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○井元指導室長 今年度の区議会第2回定例会において、中野区いじめ防止等対策推進条例の一部を改正し、新たな調査部会を設けることといたしました。いじめ事案に対して、これまで以上に迅速に被害児童・生徒や保護者に寄り添った対応ができるように進めてまいりたいと考えております。 ○小宮山委員 よろしくお願いします。 では次の質問に参ります。なかの芸能小劇場が特定の芸能プロダクションに乗っ取られてしまっているのではないかという質問を私は2月にさせていただきましたが、あれから半年、今年の8月になかの芸能小劇場1階の掲示板を撮影したのがこちらの写真です。遠くの方は見えないと思いますが、見えなくても構いません。赤く囲ったこことここと、こことここと、こことここと、こことここと、こことここが、特定の事業者が使っている日にちであります。そして、その中で土日祝日の公演に水色の線を入れてみました。こことここと、こことここと、こことここと、こことここと、ここが、その特定の事業者が土日祝日のスケジュールを押さえている場所であります。やはりこれでは特定の事業者が専有している。特に土日祝日という人気のあるところを専有している。これではほかの一般の利用者は、なかなか休日使えないじゃないですか。何度も言いましたけれども、前回も言いましたけれども、区内にある文化団体ならば優先的に予約ができるという現行のルールがこんなふうに乱用されて、悪用されて、土日祝の劇場が乗っ取られてしまっているのであれば、見直しをするべきではないでしょうか。 ○冨士縄文化振興・多文化共生推進課長 営利を問わず、文化芸術活動を行う団体に対して区内の文化施設を自らの活動の場として提供すること、またはそうした団体がお笑いや落語などの披露をすることで、区民等に芸能鑑賞の場を提供することは地域の文化振興に資するものであるというふうに考えてございます。このことから、区内に住所を置く文化芸術活動を行う団体については、施設利用を促す観点から、地域団体、福祉教育団体等と同様の登録区分を設けていることに意味があるものというふうに認識しておりまして、現行のままでよいというふうに考えてございます。 ○小宮山委員 だから、それを、もちろん区内の事業者がここで文化芸術的なことをやるのは私も大歓迎です。ただ、それを特定の事業者だけがたくさん取っている。ほかの人が入り込めないような状態になっているのはおかしいんじゃないかと言っているんです。現行のルールだと、7日、最大21区分までの予約が可能になっています。本来であれば何日か連続して公演を行うようなことを想定して、そういうルールをつくったんでしょうけれども、現在のように特定のプロダクションだけが突出して土日祝の劇場を専有しているこの状況を考えると、この条件も見直すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。 ○冨士縄文化振興・多文化共生推進課長 複数日での連続使用を想定した抽選、予約を可能としていることは、リハーサルをはじめ主催者側の準備に資するというふうに考えてございます。また、複数の日程のプログラムの鑑賞が可能となるなど、観客にとっても利便性があり、区の文化施設として文化芸術の鑑賞の場を提供する役割も担っていることから、現行の運営を踏襲してまいりたいというふうに考えてございます。 ○小宮山委員 せめて、21区分まで現行のルールだと予約ができてしまうんです。そういうところも、ここは非常に人気のある劇場ですから、特定の事業者だけが専有していると、ほかの利用者からも苦情が出るはずですから、ぜひ公平公正な運営をしていただきたいというふうに、次の機会にもまたルールを変えるつもりがないんだったら、これは何度も追及させていただきます。現在、このなかの芸能小劇場、野方区民ホール、なかのZEROの文化3施設をJTBコミュニケーションデザインがまとめて指定管理しています。JTBコミュニケーションデザインが主に中身を、野村不動産の関連会社が主に建物を指定管理している。1期5年の指定が4期目となって、次の指定期間が切れるのはあと1年半後、もうすぐ20年になります。ここ数年、シティプロモーションとか、ナカノバの活用も含めて、中野区の文化芸術振興がやっと動き始めてきた兆しはありますが、これまで長い間、中野区は文化芸術的な素質、素養が非常にある区なのに、それが15年以上ずっとつぼみのままで大きく花開くことはなかった。中野区の文化芸術がこれまで停滞を続けてきたのは、この指定管理者にも大きな責任がある。そろそろ新しい文化芸術の風を中野区に入れてもいいのではないか。私はそう考えています。 このJTBコミュニケーションデザインという会社は、コロナ禍のときに2億6,000万円もの損失保険を受け取っておきながら、新型コロナ対応の企画はほとんど何もしてこなかった。例えば私はコロナ禍のときに中野駅のガード下ギャラリーを借りて、区内の子どもたちの笑顔の写真をオンラインで100人以上から提供していただいて、それを200枚以上、区内の印刷会社藤ダイレクトさんに無料で印刷協力をしていただいて、「なかののこどものえがお100人」という写真展を、ほとんどお金をかけずに3密を回避しながら開催いたしました。このJTBコミュニケーションデザインという指定管理者は、2億6,000万円もの損失保険をただ受け取っておきながら、そういうコロナ禍でもできるはずの動画配信とかオープンスペースでの作品展示とか、あるいはこれは区がやるべき企画かもしれませんが、新型コロナで仕事が減ったアーティストを応援するような企画をほとんど何もしてこなかった。そういうことを皆さんもちゃんと覚えておいてください。2億6,000万円受け取って、コロナ禍の企画をほとんど何もしてこなかった。 ここ数年、私が議会でなかのZEROの問題を取り上げて、厳しい追及をし始めてからになりますが、なかのZEROは生まれ変わったかのように、ここ数年だけはいろいろと今までしてこなかったことに挑戦をし始めた。それに関しては高く評価していますし、なかのZEROのお尻をたたいていただいた区の担当者にも感謝をいたします。やればできるじゃないかと、そういう印象を私は持つと同時に、一体今までどうして何もしてこなかったんだという残念な気持ちもあります。なかのZERO等の指定管理期間満了まであと1年半、そろそろ次の指定管理者の公募に向けて、その仕様書、要求水準書の中身を考えていく時期です。私はこれまでなかのZEROのことを何度も何度もこの場で批判してきましたが、区が作った仕様書をよく見てみると、指定管理者は中野区が求める要求水準は一応満たしている。要求した以上のことはほとんど何もしてこなかったけれど、要求されたことだけは最低限やってきた。そもそも中野区が求める要求水準のレベルが低かったので、指定管理者はレベルの低い仕事を15年以上ずっとしてきたということが分かりました。 以下類似の質問となりますので、一括して伺いますので、一括して回答をお願いします。次の仕様書、要求水準書は白紙の状態から作り上げるつもりで、専門家の意見も取り上げながらゼロから作るべきだと思いますが、いかがでしょうか。次の仕様書には、大体どこの自治体でも開催されている、区民が誰でも個人で出展できる個人参加可能な公募展の開催を盛り込むべきですが、いかがでしょうか。次の仕様書では、なかのZEROの箱の中、施設内に限らない中野区全域の文化芸術に指定管理者が関わり、貢献できるような仕組みを考えるべきではないでしょうか。次の仕様書では、現在有名無実になっていて、一切のアウトリーチをしておらず、20年近く活動してきたにもかかわらず区内にほとんどネットワークを持っていない生涯学習支援を指定管理者にこのまま任せ続けることが適切なのかどうか。区の地域活動推進との統合も含めて考え直すべきではないでしょうか。また、現在、いつ、どこで、何をしているのかというイベントの情報発信が非常に弱い。指定管理者が主催して指定管理者のもうけになる事業については、区立学校でチラシを配布するなど熱心に宣伝をしていますけれども、それ以外の情報発信が非常に弱い。今日は仕事が早く終わったから、ちょっと芸能小劇場でお笑いライブでも見ていこうかなと。そういう文化が中野区に定着するように情報発信の在り方を見直すこと、情報発信を強化していくことを次の仕様書では検討すべきじゃないでしょうか。以上、まとめて質問しましたので、まとめてお答えをお願いします。 ○冨士縄文化振興・多文化共生推進課長 まず、指定管理者の公募に係る専門家の意見を踏まえた要求水準書の作成ですが、次世代育成に資する文化芸術の充実策の検討や、区役所1階ナカノバなどを利用した取組を通じまして、民間文化施設運営者やアーティストなどの意見を伺っているところでございます。次期指定管理者の公募に当たりましては、中野区文化芸術振興基本方針や次世代育成に資する文化芸術の鑑賞体験機会の充実策における各取組を実装できる仕様とすることが必要であるというふうに考えておりまして、要求水準の見直しを含め、よりよい選定となるよう努めてまいりたいというふうに考えてございます。 次に、公募展の開催を仕様書、要求水準に盛り込むことでございますが、文化展や区民活動発表会など、広く区民から公募を行う展示会、発表会について仕様書、要求水準書に盛り込んでおりまして、次期指定管理者の公募に当たって追加することは考えてございませんが、区民等が出展、参加しやすくなる工夫を行ってまいりたいというふうに考えてございます。 次に、指定管理者が区内全域の文化芸術に貢献できる仕組みについてですが、指定管理者はあくまでも指定事業や自主事業を中心としまして、当該施設の効率的、効果的な管理運営に努め、施設の魅力向上を図っていくことが責務であるというふうに考えてございます。一方で、区役所1階各スペースや歴史民俗資料館など、他の区有施設との連動企画や連携を促進する仕組みや工夫については検討してまいりたいというふうに考えてございます。 続きまして、生涯学習支援の見直しについてですが、現在この生涯学習支援につきましては、生涯学習団体や人材情報の収集・発信などをなかのZEROの指定管理者は行っておりますが、多様な生涯学習機会の提供に向けて、他部署と連携した情報発信など、生涯学習活動の効果的な支援について検討してまいりたいというふうに考えてございます。 最後に、情報発信の方法の見直しについてですが、文化施設におけるイベントや公演に関する情報発信力の向上は課題というふうに捉えてございまして、要求水準書、仕様書への記載を含め、「まるっと中野」のSNSによる発信などを工夫してまいりたいというふうに考えてございます。 ○小宮山委員 幾つかお答えいただいた中で、文化展について今のまま変えることはないようなことをおっしゃっていたと思うんですけども、今の文化展は団体参加が前提になっていまして、個人での出展もできないことはないようですけども、委員会に出たりとか、何らかの義務を課されたりして、個人出展がなかなかしにくいような状態になっていると思うんです。ぜひその辺りも、私も例えば個人で写真とかをやっていますけども、個人で活動しているアーティストも区内にたくさんいますので、その個人への門戸を開くこともぜひ検討していただきたいと思います。 なかのZERO指定管理者は、ここ数年やっとまともになってきましたけども、今までは仕様書に書いてあるとおりの最低限のことしかやってこなかった。次の指定管理者の選考においては、きちんとした条件設定をして、やる気のある事業者を選定していただきたいと要望しておきます。 新しい指定管理者を選ぶと同時に、区も変わっていかなければなりません。伝統工芸展に行くと、50万円以上もするような立派な作品が展示即売されている。その一方で、区民の文化展等では、ここ数年やっと少額での作品販売ができるようになったものの、まだ作品の販売には厳しい制限がございます。野方区民活動センターにもちょっとしたギャラリーがありますが、プロやセミプロは営利活動関係者だから使えないという厳しい条件設定があって、その結果、ギャラリーとしてはほとんど活用されていない。もったいない話です。 私も若い頃、アーティストになることを夢見て、夜の中野サンモールの路上とか、原宿、表参道の路上で自分の写真作品を売って、二、三年ほど路上生活をしていたことがございました。私は結局アーティストにはなれず、夢破れてやむを得ず政治家になったわけですが、自分の作品が売れること、それだけの社会的な価値を認めていただくということは、どんな称賛の言葉よりも励みになることです。伝統工芸展で50万円もするような作品が展示即売されていて、区立公園ではキッチンカーが商売している、この時代に公共施設での営利活動を何もかも厳しく制限するのはナンセンスであります。ダブルスタンダードでもあります。なかのZEROなどの文化施設等における作品販売、金銭授受の扱いについてもっと柔軟にすべき。その内容によっては営利的活動を許可していくべきと思いますが、いかがでしょうか。 ○冨士縄文化振興・多文化共生推進課長 区立の文化施設におきましては、公共施設の性質上、公益性と公平性の観点から、物品販売やその他営利行為が原則できないことというふうにしてございます。それを踏まえた上で、物品販売その他、営利行為そのものが目的ではなく、文化芸術・芸能の各イベントや公演に付随したものであれば、集客や魅力の向上に寄与し、文化芸術振興の高揚も高めるということにつながるものというふうに考えられることから、付随する場合に該当するケースや、条件とその取扱いについて検討してまいりたいというふうに考えてございます。 ○小宮山委員 ぜひよろしくお願いします。文化財団に関する質問を一つ飛ばしまして、次へ行きます。 なかの芸能小劇場は、公立劇場としては非常に特殊なお笑いに特化した劇場に事実上なっています。区民がほとんど使えなくなってしまっているというデメリットはありますが、芸能小劇場は中野区の財産として、もっとシティプロモーションに活用していくべきではないかと私は考えています。そこに行けば落語やお笑いの情報発信、情報収集や発信や交流を図れるような、あるいははじまりのまち中野でブレーク前の芸人をまちぐるみで応援できるようなセンター的な機能を持たせて、お笑いのまち中野としてのシティプロモーションに活用していくべきと思いますが、いかがでしょうか。 ○冨士縄文化振興・多文化共生推進課長 落語やお笑いの情報収集や発信、交流の場の必要性や、シティプロモーションにつながる可能性につきましては一定認識しているところではございますが、一方で、現在の芸能小劇場の規模を考えますと、様々な機能を有する施設とすることは難しいというふうに考えてございます。他方、はじまりのまち中野の発信に資する事業として、例えば芸能小劇場主催の事業ですとか、なかのZEROの指定事業で若手芸人の登竜門となるようなお笑いのライブや落語会をナカノバの利用も含めて実施できないかというふうに検討してまいりたいというふうに考えてございます。 ○小宮山委員 場所がなければ、オンラインでやればいいと思うんですよ。よろしくお願いします。 先日、野方商店街におきまして野方お笑い総選挙という企画が開催されまして、一定期間をかけて、野方のまちを代表するようなブレーク前のお笑い芸人を発掘して、最終的に1組の芸人を選ぶというイベントがある程度の期間をかけて開催されました。私も会場審査員の一人として参加してきたんですが、優勝したのはインザパークという芸人さんで、これから野方の商店街や野方のまちとともにいろんなことをしていただけると期待をしております。中野は、芸能小劇場をはじめお笑いライブの盛んなまちでありますし、お笑い芸人さんがたくさん住んでいるとも言われています。お笑いと中野は親和性が非常に高いのに、区としてはその活性化に対してほとんど何もしていない。お笑い芸人も売れたら中野から出ていってしまう人が多いと言われている。これは本当にもったいない話だと思います。さっきの答弁にもありましたけども、お笑いコンテストの開催を、これは区がやるか、指定管理者がやるかは分かりませんけれども、そういったコンテスト、登竜門となるようなお笑いコンテストを開催してはいかがと思いますが、いかがでしょうか。 ○冨士縄文化振興・多文化共生推進課長 お笑いコンテストにつきましては、例えば一例でございますけども、シティプロモーション事業助成により昨年度まで実施していた子ども漫才は非常に好評でありまして、また子どもたちの行動変容にもつながったことから、笑いをテーマに区内の活動団体等が参加するイベントという趣旨は、区が進めている次世代育成に資する文化芸術振興の考え方とも合致するということもございますので、例えば現在開催している区民フェスタ、区民芸能祭にお笑いの要素を加えるなど、そういったところを今後検討してまいりたいというふうに考えてございます。 ○小宮山委員 ありがとうございました。以上で終了します。 ○杉山委員長 以上で小宮山たかし委員の質疑を終了します。 次に、吉田康一郎委員、質疑をどうぞ。 ○吉田委員 育児支援と防災緑地と平らな歩道の中野を創る会、吉田康一郎です。よろしくお願いいたします。 まず、育児支援・少子化対策について伺います。先日の一般質問において、区の在宅育児支援と就労家庭支援について、子ども一人当たりの金額とその差額について聞いたところ、令和4年度決算で保育園に通う児童一人当たりの区の経費は約250万円、幼稚園に通う児童が約50万円、その差が200万円という答弁でありました。2年前、令和2年度決算では、保育園が約230万円、幼稚園が約52万円、その差が180万円でしたので、格差は縮小されるどころか広がっていたわけです。そこで、今度は令和5年度、この決算の保育園、幼稚園それぞれの在園児童一人当たりの区の経費はどうなったのか伺います。 ○藤嶋保育園・幼稚園課長 令和5年度の決算額におきましては、保育園が263万円余、幼稚園のほうが53万円余となってございまして、差は約210万円となっております。 ○吉田委員 250万円と50万円で200万円だったという差が、今度は210万円に広がったと。180万円が200万円、そして今度は210万円であります。今、ほかの委員からも懸念が示されてきていますが、幼稚園の園児数は年々減少し、経営環境は悪化し、長く我が区の幼児教育を支えてきた歴史と実績、地域の信頼のある幼稚園の閉園が続いているにもかかわらず、保育園への支援との格差が拡大する一方であります。私は繰り返し、在宅育児家庭にも就労育児家庭にも公平に同じように経済的な支援を区は実施すべきだと指摘し、区も繰り返し、より在宅育児の負担が軽減されるように検討を進めてまいりたいとか、サービスの充実に取り組んでまいりますとか答弁しているにもかかわらず、このように歴年でずっと格差は拡大する一方であります。区は今後の幼稚園に対する支援をどのように考えているのか伺います。 ○藤嶋保育園・幼稚園課長 幼稚園は中野区におきまして、地域の公教育を担っていただく上で必要な存在であるものと認識しております。今後も幼稚園と幼稚園在籍児の保護者に対する支援を継続してまいります。 ○吉田委員 これね、継続じゃ駄目で、格差は広がっているんですよ、どんどん。もっと保育園の支援と同じぐらい幼稚園の支援を増やさないと、もっと格差は広がっていくわけですよ。当然の格差是正措置の一つであると考えられる、保育園は給食費相当の金額が無償ですから、幼稚園への例えば給食費相当額の無償化、これは実現すべきだと私はこれも繰り返し申し上げてきましたが、どのような見解ですか。 ○藤嶋保育園・幼稚園課長 幼稚園の給食費につきましては現在、所得が一定未満の世帯に対しまして副食費の補助を行っております。幼稚園は給食を提供している園もございますけれども、お弁当を持参している園もございまして、一律に補助を行うことは難しいことから、現時点で給食費の補助を行うことは予定してございません。 ○吉田委員 ほかの委員の方の質問で、区が幼稚園に対する支援を若干行っていくという答弁をされていることは認識しています。ですから、そこについては聞きません。しかし、在宅育児家庭への支援が就労育児家庭の支援に比べて、子ども一人当たり、今回では、令和5年では210万円も、子どもが二人いれば420万円ですよ。3年間で何百万円なんですか。1,000万円を超えますよね。それだけの格差、これはもう在宅育児差別だと、このように言ってもいいと私は思います。これを解消するには、このような幼稚園への支援を増やす。それだけではなく、在宅育児家庭に対する現金給付も検討すべきだと考えますが、見解を伺います。 ○青木子ども政策担当課長 経済的支援につきましては、その効果や公平性、財政負担などを総合的に勘案していく必要があり、引き続き他自治体の取組等を研究してまいりたいと考えてございます。 ○吉田委員 これね、本当に検討だけして格差は広がっていく一方だということで、幼稚園はなくなっちゃいますよ。本当にそう思います。全然子育て先進区じゃないんですよ。子預けだけ先進で、在宅で育てることについては差別している。こういう区政を続ける区長に私は疑問を感じます。 次に、区立小学校の校庭等について伺います。令和元年、区は事後改築する小・中学校の新庁舎に対して原則として一足制を導入し、同時に校庭の仕様は人工芝とすることとしました。念のため私は当時、子ども文教委員会の委員でありまして、反対意見を述べました。複数の委員が疑問を表明していたことが議事録で明らかになっています。それから5年がたち、現在、土舗装の校庭の小学校は12校、天然芝が3校、人工芝が5校、それぞれの長所と短所を比較検証できる状況となってまいりました。そこで、人工芝と土舗装の校庭について、イニシャルコストとランニングコストのそれぞれを伺います。 ○藤永子ども教育施設課長 校庭の仕様によるコスト比較でございます。校庭のイニシャルコストでございますが、校庭の規模により変わりますが、設計業者からのヒアリングによると、仮に2,500平米の校庭を仮定すると、土の校庭ではイニシャルコストで約1,700万円、人工芝では約8,900万円であります。ランニングコストについては、設計業者からのヒアリングによると、土の校庭の場合、土の補充や掘り起こし、転圧などの補修工事で、5年から10年で約300万円、人工芝の場合は摩耗箇所の部分張替えやブラッシングなどで、1から2年で40万円ほどでございます。 ○吉田委員 つまり、土と人工芝は、まずイニシャルコストで7,200万円差があって、そしてランニングコストでは5年から10年で均てんすると、300万円と200万円、あまり差がないというぐらいの差であります。 次に、校庭の仕様によるけがの傾向について伺います。教育委員会は、人工芝はけがが減少するといった主張をしています。私も聞きました。しかし聞いてみると、これまで区立小・中学校の校庭内の児童・生徒のけがの発生件数等について調査したことはなかった。区の見解は、実際の調査のデータに基づいていたものではなかったということであります。そこで、私は初めて各校の年間のけがの発生状況を調査していただきました。確認するが、これは初めてですね。 ○藤永子ども教育施設課長 各校庭仕様のけがデータでございますが、校庭仕様の種別によって小・中学校の校庭におけるけがデータを取りまとめたのは、今回の調査で初めてでございます。 ○吉田委員 この初めてのデータで非常に含蓄の深い結果が出てまいりました。まず、けがの発生頻度は、小学生一人当たりで年間1回あるかないか、中学生は3年間で1回あるかないか。0.0001とかこういう数字なんですけれども、小学生一人当たりの発生件数をけがの内容別に見ると、擦り傷、捻挫、打撲は土の校庭のほうが人工芝より多いけれども、骨折、切り傷、熱中症、火傷は人工芝のほうが多い。そして中学校になると、人工芝といっても人工芝と砂も張った人工芝と両方ありますけれども、全てのけがの種類で人工芝のほうが土より多いと、こういう結果が出ました。このデータから見ると、逆に人工芝のほうが重篤なけがが発生しやすいということになってしまうんですけども、そういうことでしょうか。 ○藤永子ども教育施設課長 校庭に係るけがの比較でございますが、今回の調査は令和5年のみの調査でございます。学校により児童数、校庭面積等々異なっておることもあり、当該調査をもって直ちに人工芝のほうが重篤なけがが発生しやすいということは言えないと考えてございます。 ○吉田委員 そうですね。人工芝のほうが今回の結果では多かったけど、1年間の結果だし、当然いろいろフラクチュエーションてあるから、歴年でやってみると傾向は均てんされると思うんですね。でも、逆に言えば、土のほうがけがは多いという結果も出なかったわけですよ。あるいは一般質問で質問しましたけれども、この夏、とても暑かったですけども、人工芝と土と、人工芝のほうが体育できない日が多いかどうか。1日ぐらいしか差がなかった。これもそんなに、スプリンクラーと放水銃を両方やっているので、あんまり差は出なかった。人工芝のほうが優れているというのはなかなか言いづらい状況であります。 ちょっとこの項、長くなるといけないので短くしますけども、人工芝の校庭は防災訓練が発災時と同じような訓練ができないと、このように考えますけれども、この点について教育委員会としてはどう考えるか伺います。 ○藤永子ども教育施設課長 人工芝校庭における防災訓練でございます。人工芝校庭の上では火器が使えないこと、または車の搬入には養生が必要なことから、発災時と全く同じ訓練ができないことは認識してございます。今後の新校では人工芝校庭の周囲をコンクリート舗装にし、当該スペースを活用し、火器の使用や車を搬入したりする訓練を実施してもらうことを検討してございます。 ○吉田委員 これは細かく今日は申し上げませんけれども、発災時と同じ状況で、頭が呆然として真っ白になっているような状況でも間違いなくというか、問題なく行動できるために訓練というのはやるので、発災時と同じ状況で訓練できるようにすることが望ましいと改めて指摘をします。 そして、コミュニティ・スクールについて伺います。区のホームページには、コミュニティ・スクールの地域学校協働活動の例として、地域と学校が協働で行う防災訓練やお祭りなどの地域行事とホームページに記載されていますけれども、区は地域と学校が協力してこのような事業を実施するということを想定しているんでしょうか。 ○渡邊学校再編・地域連携担当課長 区のホームページには、地域学校協働活動の一つの事例として掲載したものでございます。実際の取組につきましては、地域学校運営協議会で実施方法や実施内容を検討していくものと考えてございます。 ○吉田委員 地域の意見をよくよく踏まえていただきたいと、このように思うわけであります。 この項を終わりまして、PTAに対する支援について伺います。PTAは、学校と家庭の連携を強化し、子どもたちの教育環境を向上させるために多くの役割を果たしていますが、現在、教育委員会はPTAに対してどのような支援をしているか伺います。 ○渡邊子ども・教育政策課長 教育委員会といたしましては、現在、PTA連合会主催の研修会への講師謝礼金や会場使用料等を補助しているところでございます。 ○吉田委員 それだけなんですよね。PTAの活動はやっぱりボランタリーですから、資金が必要ではあります。一部のPTAは区の公益助成金を受けていますけれども、今の制度ではうまく助成金を受けられないといって苦慮しているという団体というか、PTAもあります。この今の制度だけでなくて、PTAは地域、学校、区、三者にとって非常に大事な活動をしてくれているところでありますので、PTA自体を対象とする助成金の創設を検討してはいかがかと考えますが、いかがでしょうか。 ○渡邊子ども・教育政策課長 PTAに対する補助金の創設につきましては、現状等を把握し、研究していきたいと考えてございます。 ○吉田委員 次に、こども110番の家事業について伺います。こども110番の家事業は、登下校中に子どもたちが危険を感じた際の駆け込み先として、小学校PTA連合会が主体となり運営されていますが、継続が困難になっていくという懸念が示されています。区では、危機管理課がステッカーの印刷や賠償責任保険の保険料の補助等を行っていますが、小学校PTA連合会との窓口じゃないと伺っています。こども110番の家事業を強化するために、PTA連合会との窓口を区に設置するべきと考えますが、教育委員会としてどのように考えているのか伺います。 ○渡邊子ども・教育政策課長 こども110番の家事業の窓口につきましては、関係部署と協議して考えてございます。 ○吉田委員 これ、PTAだけじゃなくて地域、町会とかいろんなところと関連があります。区の立場として危機管理課だけで対応することでもありません。地域活動を推進するという部局との協力が必要だと思います。区長、全てを統括する立場で、このこども110番の家事業、ちょっとてこ入れをすべきだと思うんですけど、いかがですか。こども110番の家事業について、所管があちこちにあって、なかなかうまく機能していないんですけど、区全体としてきちんとしっかりと応援してほしいと思っているんですけども、区長、いかがですか。 ○酒井区長 こども110番の家事業については、意義のある事業だと私も思っておりますので、区の窓口自体は決められることだと思いますし、PTAの活動を支援するということでは必要だと思っております。 ○吉田委員 次に、地籍調査について伺います。最近、甚大な災害による痛ましいニュースが続いております。被災された方々にお見舞い申し上げ、犠牲になられた方々に心よりお悔やみを申し上げます。 改めて災害対策の重要性を痛感するわけですが、この中で地味ですが、重要な取組として地籍調査があります。国交省や復興庁が地籍調査について、被災地において登記されている土地の筆界を現地に復元することが可能となることから、災害復旧復興を迅速化できると効果を説明しています。首都直下型地震は30年以内に70%の確率で発生すると想定されています。大規模災害を想定し、対応していかなければなりませんし、国土の適正な利用、あるいは災害時の早期復旧のためにも、中野においても地籍調査を早期に完了すべきであると考えますが、現在の実績について伺います。 ○長沼道路管理課長 今年度末で区内の15町丁が完了予定であり、実施面積は2.51平方キロメートルで、進捗率は16%となっております。 ○吉田委員 これは前も聞いて、なかなか遅々として進まないんですが、これまでの地籍調査は一筆調査に先立った官民境界等先行調査として実施してきたわけです。これがいつ完了する予定なのか。そして、実はまた令和2年度に国土調査法及び施行令が改正されて、街区境界調査というものが位置付けられた。これまでよりも面倒くさいというか、たくさんの業務が、調査が必要になる、こういう調査が位置付けられたんですが、この国交省が言っている街区境界調査を行った場合、どれぐらいの期間を有するのか伺います。 ○長沼道路管理課長 官民境界等先行調査の場合、これまで実施してきたペースで行うと、あと70年ほどかかることを想定しております。街区境界調査は、民有地と民有地の境の1点を確定させる必要があり、地権者との調整時間を要するため、完了までの期間は200年以上かかると想定しております。 ○吉田委員 東京みたいなところですと、本当に権利関係が輻輳している。あるいは公図とかがめちゃくちゃになっているということで今のような御答弁だと思うんですが、近隣区も似たような状況だからこれでいいやじゃなくて、子育て先進区だけじゃなくて、災害対策先進区ということもぜひ認識していただいて、こういうこともきちんと地味だけど加速して、予算も人も必要ですが、取り組んでいただきたいと御要望を申し上げます。 次に、ちょっと通告の順番を変えまして、人権政策について伺います。毎年12月4日から10日の人権週間において、区ではパネル展を実施していますが、今年度の実施内容について伺います。 ○国分ユニバーサルデザイン推進担当課長 人権週間におかれましては、例年、中学生人権作文コンテスト作品や、子どもや高齢者等の虐待防止、北朝鮮拉致問題など、人権に関するパネル展を中野駅ガード下ギャラリーで実施してきたところでございます。今年度は、これらを庁舎1階でも行うほか、庁舎のライトアップなども行い、啓発を図ってまいります。 ○吉田委員 そうしたこれまで重ねてきた啓発事業も大事なんですけれども、現在、国際的な人権侵害問題についても、私は日本の国際化というのであれば啓発が必要だと思います。令和3年の第2回定例会において我が中野区議会は、中華人民共和国による人権侵害問題に対する調査及び抗議を求める意見書を全会一致で採択いたしました。同定例会で私はまた、中国政府による違法な臓器収奪問題についても問題提起をさせていただきました。また今日では、例えばロシアのウクライナ侵攻とか、中東のいろんなこととか、様々な人権侵害行為が世界中で起こっております。このような国際的な人権侵害行為についての啓発も積極的に行っていくべきだと考えますが、見解を伺います。 ○国分ユニバーサルデザイン推進担当課長 委員御案内の国際的な人権侵害については情報収集に努めるとともに、国の対応なども踏まえ、啓発内容について検討したいと考えてございます。 ○吉田委員 積極的な取組を期待します。このほか、その翌週であります北朝鮮人権週間、北朝鮮拉致問題も重大な人権侵害行為であります。今年度は、御要望がかなって、北朝鮮拉致問題に関するドキュメンタリー映画の上映会を実施する予定と聞いております。12月10日から16日の北朝鮮人権侵害啓発週間においても啓発をしっかりと行っていただくべきと考えますが、いかがでしょうか。 ○国分ユニバーサルデザイン推進担当課長 北朝鮮人権侵害啓発集会については、これまで区内の掲示板や区有施設へのポスター掲示、ホームページ等による普及啓発を図ってきたところでございます。今年度はこれらに加え、啓発週間を通じまして、庁舎1階を活用したパネル展の実施や庁舎のライトアップなどにより啓発を行う予定でございます。 ○吉田委員 よろしくお願いいたします。 次の項へ参ります。環境問題、粗大ごみの再資源化対策について伺います。令和6年4月から資源プラスチックの回収を始めており、ごみの資源化が進んでいます。さらなるごみの削減を図るためには、粗大ごみとして多く排出されて燃やされている布団や衣装ケースなどを資源化することが有効であると、このように指摘されています。粗大ごみで排出される布団や衣装ケースなどの資源化のごみ削減効果はどのようなものになるのか、あるいは同時にCO2の削減効果はどのようになるのか伺います。 ○鈴木ごみゼロ推進課長 お答えいたします。粗大ごみの金属等は資源化していますが、布団や衣装ケースについては現在資源化していない状況であります。令和5年度の粗大ごみの件数で、布団は3万1,261件、衣装ケースは1万8,412件あり、この粗大ごみを資源化することにより、一定程度のごみ削減効果はあると考えております。また、二酸化炭素の削減についても、燃やさないという点で一定程度効果があると考えています。 ○吉田委員 これは後で質問しますので、今質問しませんが、CO2の削減量も区はちゃんと積算すべきです。 粗大ごみを資源化するに当たりまして課題となるのが、収集されたものを一定期間保管するストックヤードの確保だと考えます。ストックヤードの取得について検討状況を伺います。 ○鈴木ごみゼロ推進課長 次の段階のごみ減量施策として、粗大ごみのうち、リサイクルできるものが何か検討しているところでございますが、課題として大きいものがストックヤードの確保であり、一定程度の規模の面積や大型車両が搬入・搬出しやすい道路づけなど土地の条件のほか、リサイクルしようとする物品の種別によって、その他具体的な要件についても検討していかなきゃいけないと考えております。これらも含め、今後の粗大ごみのリサイクルについて引き続き検討していきたいと考えてございます。 ○吉田委員 区長、これね、中野区は焼却炉、23区の中にないところなんですよ。中間処理施設、例えばこの粗大ごみのストックヤードぐらいは自区内で確保すべきだと思っています。区長、ぜひね、中野区内に粗大ごみのストックヤードをきちんと考えるように、これは要望だけしておきます。 次に、ゼロカーボンを達成するためには、ライフサイクルアセスメント、資源の採取、原料生産、製品生産、流通、消費、廃棄、リサイクルの各段階において、二酸化炭素の排出を抑える努力をしている業者から調達することが必要であります。このライフサイクルアセスメントの考え方をこれまで区の施策に反映していただくよう繰り返しお願いをしてまいりました。現在の取組状況について伺います。 ○伊東環境課長 お答えいたします。ゼロカーボンの実現に向けましては、製品やサービスに係るライフサイクル全体における環境への影響を把握することの必要性は認識してございます。区の事業活動から排出されます二酸化炭素排出量の削減に向けまして、今年度から環境マネジメントシステム(EMS)を改善する中で、環境物品等の調達の促進を図るための基本方針及び中野区グリーン購入ガイドラインにライフサイクルアセスメントを活用した温暖化対策のためのカーボンフットプリントを追加しまして、二酸化炭素排出量の少ない物品等の調達を進めているところでございます。 ○吉田委員 先ほど布団とか衣装ケース、これを燃やさなかったら、再資源化したら、どれぐらいCO2の削減効果はあるか。こういうことも把握すべきだというふうに申し上げました。まさしくこれ、ライフサイクルアセスメントの考え方なんですね。こういうことも含めて、ぜひ取組を進めていただきたいとお願いをいたします。 次に、生物種多様性の維持、あるいは再生について伺います。令和5年度はどのような取組を行ったのか伺います。また、その実績と効果をどのように認識しているのか伺います。 ○伊東環境課長 この生物多様性に関する普及啓発等を推進するためには、まずその実態を正確に把握する必要があることから、昨年度、令和5年度は区として初めてとなる中野区内の生き物調査について検討し、今年度、令和6年度に実施することを決定したものでございます。検討内容は、調査場所、調査対象とする動植物の種類等でございます。この調査は9月から始まってございまして、現在、区内の小学校の調査、主にビオトープについて調査を開始したところでございます。調査は今年度と来年度にかけて行うこととしてございますので、取組実績ですとか、その効果はまだ形としてお示しすることはできませんが、本事業終了後の令和7年秋頃には、区内に生息する動植物の実態や生態を把握した上で、区内の動植物をまとめたガイドブックを作成して、区民等に公表することとしてございます。また、調査結果につきましては、今後の区における生物多様性施策を検討する上での資料として生かしていくとともに、具体的な政策を検討するに当たっては関係部署との連携調整を図りながら進めていきたいというふうに考えてございます。 ○吉田委員 これは我が区で初めての本格的な調査でありますので、本当にいろいろな使い方が活用できると思うので、期待をしています。 次に、国保の成り済まし受診について伺います。まず、マイナ保険証の直近の利用率について伺います。 ○宮脇保険医療課長 厚生労働省が公表しました令和6年7月時点での全国のマイナ保険証の利用率ですが、11.13%でございます。 ○吉田委員 これは1割ということで利用率は低いわけで、従来の保険証がまだまだ利用されている、活用されているということです。保険医療機関等の窓口において他人の保険証を用いて受診をする、いわゆる成り済まし受診、これは国全体で取り組まなければいけないというふうに認識されている問題になっています。医療保険者である中野区としてはどのように認識し、どのように対応してきたのか伺います。 ○宮脇保険医療課長 医療保険制度は、保険料を納付することで給付を受ける仕組みでございまして、保険料を納めずに他人に成り済まして受診をすれば、持続的な保険財政の確保の観点などから問題があると認識しております。また、区は資格管理の適正化について、特別区長会を通じて国や東京都へ要望してまいりましたが、令和2年には保険医療機関等において本人確認を実施する場合の方法について、国から東京都などへ通知があったところでございます。 ○吉田委員 区は、国の通知を受け取ったんでしょうか。または、この通知等に基づいて保険医療機関の窓口で実際に本人確認が行われているか区は把握していますか。 ○宮脇保険医療課長 令和2年1月に東京都から国の通知を受け取っております。通知には、保険医療機関等の窓口で本人確認の必要性が高いと認める場合には、保険医療機関等の判断で被保険者証とともに本人確認書類の提示を求めることができるとされていますが、その状況は把握してございません。 ○吉田委員 把握していないということですね。保険料を納めずに成り済まし受診をすることは、他人の保険料を使い込むことに当たります。区は保険料の未収金を補填するなど、一般財源を投入する立場です。医療機関への本人確認を促していくべきではないでしょうか。 ○宮脇保険医療課長 医療機関に対しては、東京都の医療機関向けの専用サイトに本人確認の方法や留意点を記載したマニュアルを掲載しているほか、医師会を通じて情報共有がされております。区においても、ホームページや国保ガイドへ本人確認書類の提示を求める場合がある旨の記載を掲載し、周知を図っておるところでございます。 ○吉田委員 ちょっと消極的な対応のように見えますが、成り済まし受診が疑われたり、実際に発覚した場合に区はどのように対応するんでしょうか。 ○宮脇保険医療課長 医療機関等から本人かどうか疑わしいとの連絡が区にありましたら、直ちに受診の事実を本人に確認し、不正が発覚した場合にはその医療費等の返還を請求していくことになります。 ○吉田委員 実際、中野区に対して医療機関から連絡はこれまでありましたか。 ○宮脇保険医療課長 中野区の国民健康保険にはそのような連絡は届いておりません。 ○吉田委員 あと30秒なので、これ以上聞きませんけれども、中野区として引き続き成り済まし、これを防止するために積極的に取り組んでいただきたいと要望いたしまして、私の質問を、ほかの質問はたくさんありましたが、御用意いただいた皆さんも申し訳ありませんが、これで質問を終わります。ありがとうございました。 ○杉山委員長 以上で吉田康一郎委員の質疑を終了します。 次に、立石りお委員、質疑をどうぞ。 ○立石委員 令和6年度決算特別委員会において総括質疑をいたします。1の令和5年度決算はなくして、5番の民泊の利用状況を4番に繰り上げて行います。 まず、持続可能な財政運営について伺ってまいります。初めに、令和4年度と比較して令和5年度は義務教育施設整備基金、社会福祉施設整備基金、財政調整基金の施設改修分の各対象施設の取得原価と減価償却累計額、それぞれ幾ら増えたか伺います。 ○竹内財政課長 お答えいたします。義務教育施設整備基金に係る取得原価は54億円余の増、減価償却累計額は11億円余の増となってございます。社会福祉施設整備基金に係る取得原価は500万円余の減、減価償却累計額は2億円余の増となっています。また、施設改修分に係る取得原価は227億円余の増、減価償却累計額は1億円余の減となってございます。 ○立石委員 基金積立目標値に関わる数字なので、経年の数字を追っていきたいと思って確認をいたしました。延べ大体12億円ということで、来年から基金の積立目標額は3億円増えるということになりますけれども、こちらは施設更新が進むほど取得原価と減価償却累計額が増えるため、年々積立額が大きくなる、後年度負担が大きくなる仕組みです。とはいえ実態の更新経費の補足をした更新費用との乖離が非常に大きいということは指摘をしてまいりました。道路・公園整備基金、まちづくり基金は使用料などを積むのと、当該年度から10年間の基金活用計画額との平均を算出して、将来の事業費を平準化するよう毎年一般財源を積んでいるわけですけれども、施設整備基金については、なぜそのような積立てを行わないのでしょうか。 ○竹内財政課長 将来の事業のための財源として活用する基金の積立て方につきましては、様々な視点があると考えてございまして、施設整備基金につきましては発生主義の考え方を取り入れたものでございまして、道路・公園整備基金及びまちづくり基金につきましては、活用事業の進捗も踏まえ、基金の積立てについて整理をしたものでございます。今後も財務諸表などの様々な活用も視野に入れて、財政運営の基礎となるデータについて研究していきたいと考えてございます。 ○立石委員 発生主義とか今御説明いただきましたが、この道路・公園整備基金の提案を私がさせていただいたので、そこは分かっているんですよ。指摘をしたいのは、将来負担が大きくなるんじゃなくて平準化しましょうという話をさせていただいております。そこについては検討いただきたいと思います。 今年度の財政白書から施設分類などの取得原価と減価償却率がチャートで表示されています。区営住宅に関しては減価償却率が100%に達している施設もあって、平均約92%になっています。区営住宅整備基金には区営住宅の長期修繕を行うなど、長期積立てを行っているんでしょうか伺います。 ○竹内財政課長 区営住宅整備基金につきましては、長期修繕のための積立ては行ってございません。 ○立石委員 何でという声がありました。区有施設整備計画の改定に合わせて、今後、長期修繕の時期なんかも示していくのかなと思うんですが、その辺りについて確認させてください。 ○伊藤住宅課長 区営住宅につきましては、住宅の修繕、建て替え及び民間の賃貸住宅の活用など、トータルとしてその在り方について検討していく必要があると考えてございます。次年度において国土交通省が示します公営住宅等長寿命化策定指針を踏まえ、区有施設整備計画とも整合を図った区営住宅の長寿命化計画の策定を予定してございます。区営住宅の改修スケジュールについても、長寿命化計画において検討してまいります。 ○立石委員 次年度までに長期修繕の考え方を示すという認識ですかね。ここの基金の考え方については後ほど伺いますけれども、区営住宅に関しては今、賃料ですか、使用料という形で約1億2,000万円の収入がありますけれども、こちらに関しては現在何に使われているんでしょうか。 ○伊藤住宅課長 区営住宅につきましては、指定管理者制度を活用して管理運営を行っており、使用料につきましては全額を区営住宅の管理運営費に充ててございます。 ○立石委員 ほかの道路・公園整備基金なんかも使用料は基金積立ての財源にしておりますけれども、施設に関しては委託費なんかに充てているんですかね。区営住宅整備基金についても今後、全体の修繕費、非常にかかってくると思うので、この賃料、この収入ですね、どの程度全体の額を賄えるかは分かりませんけれども、しっかり財源として検討していくべきだと思います。また、区の考えとして、これまで計画を出したタイミングで、その施設に関しても基金の積立てを行っていくという考えでありましたので、その区有施設整備計画の中で長期修繕を位置付けるのであれば、区営住宅整備基金においても必要な基金の積立ての考え方を整理した上で積立てを行うべきと考えますが、併せて見解を伺います。 ○竹内財政課長 今後の区営住宅の整備に係る考え方を踏まえまして、当該基金の今後の利活用などについて整理する必要があると認識しているところでございます。今後、計画等と歩調を合わせながら検討していきたいものでございます。 ○立石委員 しっかり考え方は検討していただきたいと思います。先ほど指摘をしましたけども、区営住宅に関しては減価償却率100%に達している施設があるので、既存の施設の基金の積立ての考え方では特になじまないと思っております。道路・公園整備基金やまちづくり基金方式に近い形での検討をお願いいたします。 ほかにも区有施設整備計画の改定に当たって、これまで建て替えであったり、修繕の考え方が示されない、示されていないものが今後示されるのであれば、基金の積立てであったり、財源の考え方も併せて示していただきますようお願いいたします。 令和6年3月に児童館整備計画が策定され、児童館の改修、中高生館などの改築または大規模改修が予定をされています。一般質問の中で白井議員、総括質疑で甲田委員も指摘されていましたが、計画の作成後にもともと予定されていた若宮児童館に加えて、場所は具体的に示されておりませんけれども、南部の児童館も新たに1館、中高生館にするという報告がありました。子ども文教委員会では、財源や必要な費用について所管外として議論ができなかったわけですけども、財政課としては南部の中高生館を含め、児童館の改修改築に必要な建設費用は把握しているのか。また、それらを踏まえた上で政策決定しているのか見解を伺います。 ○岩浅企画部長 施設整備の政策決定についてでございます。施設の建て替えにおきましては多額の経費を要するため、財政課で把握をいたしまして、財政フレームにも反映しているところでございます。政策判断におきましては、様々な情報、エビデンスに基づいて行われておりまして、その中には建設費用ですとか、特定財源の状況を踏まえて行っているところでございます。 ○立石委員 その中高生館に関わる建設費用を把握しているのかという質問に関して、もう少しダイレクトにお答えください。 ○岩浅企画部長 中高生館につきましては、基本的には児童館の改修工事を考えて予定しているかと思います。例えば今年度につきましても児童館の改修等を行っておりますけれども、2館で3億5,000万円ほどかかりまして、特定財源が3分の2ぐらい当たるということでございますので、中高生館の改修につきましても基本的には同程度かなと今の時点では考えているところでございます。 ○立石委員 普通の児童館の改修については、そのような認識でいいと思うんですよね。中高生館に関しては大規模改修もしくは改築というものを今、調査検討しているという段階で、私の感想ですけれども、改築ありきの進め方に感じる部分もあるんですよね。そうしたときに、本当に改築の経費も含めて考えられているのかというところが非常に疑問で、これに関しては年度途中、3月に計画ができた後に前定例会で報告されているので、当然財政フレームにも反映されていないんですよ。南側の中高生館に関しては。その点について、しっかり財政の感覚を持って政策決定をしていただきたいと思っております。ちなみに、令和6年度の社会福祉施設整備基金は基金積立目標どおりに積めているんでしょうか。 ○竹内財政課長 社会福祉施設整備基金の令和6年度の減価償却累計額相当額の25%の年度末残高目標金額は約34億円でございまして、現在の残高見込みと比較しますと約8億円の不足となってございます。 ○立石委員 今、新しくいっぱい造っていこうというところで、財源も積めていないわけですよね。中野区の今の財政規模からしたら、34億円は決して積めない金額ではないと私は思っております。そういった政策を進めるのであれば、財源の裏付けも必要ですので、しっかり積立てを行ってください。 子ども文教委員会では具体的な改修費に関する答弁がありませんでしたということをここでは言いたかったですが、飛ばします。 児童館整備計画の改定スケジュールを見ると、文園児童館は桃園第二小学校と、野方児童館は平和の森小学校の建設が遅れることで、スケジュールがかぶる可能性があります。文園児童館の地域の方から、その間、学童クラブはどうなってしまうのかという相談を受けました。児童館の改修に関しては、学校の建て替えと時期がかぶらないよう、キッズ・プラザと学童クラブが整備されてからにしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○鈴木育成活動推進課長 児童館運営整備推進計画におきまして、大規模改修は児童館内の学童クラブの廃止の時期に合わせて実施することとしております。また、緊急性が高い場合には、学童クラブを廃止前に大規模改修を実施することもありますが、その場合には代替場所の確保など、継続性を担保していくこととしております。文園・野方児童館の大規模改修は、学童クラブの継続性を確保しつつ、キッズ・プラザの整備スケジュールと調整を図りながら進めてまいります。 ○立石委員 ありがとうございます。小学校に関しても、スケジュールがこれからどうなるか。ちょっと遅れるんじゃないかという懸念もありますけれども、時期がかぶらないようにということと、きっちり学童の場所を確保されるようにお願いいたします。 令和6年度予算によると、歳出は児童館各種改修工事約6億3,000万円を財源としておりまして、国と都の支出金で2億3,400万円が見込まれているわけです。児童館、中高生館の改修改築の財源に関しては、私としては補助金があるので、財源措置されるので、一般財源の負荷が小さいということで納得してきた経緯があるんですけれども、児童館の改修改築に必要な補助金確保の現在の状況について伺います。 ○鈴木育成活動推進課長 児童館の大規模改修に当たり、国の次世代育成支援対策施設整備交付金の活用を検討しております。今年度におきましては、年6回の事前協議、申請のタイミングがございます。区といたしましては、令和6年4月の第2回協議にて申請を行う予定としておりましたが、令和6年2月の第1回協議で国予算額の上限に達してしまい、以降の協議は防災対策等のみを受け付けるとの通知を受けております。現在のところ、国の動きを注視しながら対応を検討しているところでございます。 ○立石委員 そもそも6回あるものですが、思ったよりも多分自治体から手が上がって、予算がいっぱいになってしまったという想定外のこともあるんだとは思うんですけれども、それが分かったのは4月の段階ですか。この間、報告がなかったのはなぜでしょうか。 ○鈴木育成活動推進課長 現在のところ、国も補正予算を検討しているというふうに聞き及んでおりますので、それを注視しながら動向を確認しているところでございます。 ○立石委員 しかし、今年度予定されていた改修のスケジュールに影響があるのかないのか。あるのであれば、すぐに報告すべきだったんではないでしょうか。 ○鈴木育成活動推進課長 現在のところ、そのスケジュールの遅れですとか、そういった大体いつ頃になるのかといったような見込みがまだ立っていないところから、はっきりとした報告ができなかったというふうな状態でございます。 ○立石委員 やはりこういうスケジュールに関することであったり、重要なことはなるべく早く御報告いただきたいと思います。児童館だけではなく常設プレーパークに関しても、環境整備に工事費がかかると。私は、この財源がまた補助金があるということで、国としてはやはりこういう政策をバックアップしているんだなということで感じていたわけです。委員会でもさんざんその質疑をしていたので、補助金の進捗状況についてはやはり今後も丁寧に御報告いただきたいと思いますが、いかがですか。 ○鈴木育成活動推進課長 今年度予定している児童館の大規模改修に関して、特定財源の確保状況等も含めた今後のスケジュール、また中高生機能強化型児童館となる若宮児童館の大規模改修改築等、それぞれの概算費用などについては今後、委員会報告を行う予定でございます。 ○立石委員 よろしくお願いします。 続いて、中野駅新北口駅前エリア市街地再開発事業について、事業が遅れることによってサンプラザの維持管理など、生じる負担を施行事業者に求めることについては、これまで特別委員会等で様々な委員が指摘をしてまいりました。しかし、公明党の小林幹事長の質疑の中で、今年度予定されていた転出補償金が入ってこないこと、事業見通しが立っていないということが明らかになりました。中野駅周辺整備・西武新宿線沿線まちづくり調査特別委員会のやり取りの中で、まちづくり中野21の権利返還が遅れることによって支払う負担金は、利子と固定資産税を合わせて月2,200万円程度ということで、年間でいうと2億6,400万円。これに加えて起債の利子などを考えると、年間3億円程度負担がかかってくるんじゃないかという状況です。施行事業者と早期に協議した上で、起債の償還が遅れることによる金利の負担をどうするか、長期で借り換えるのか、今年度償還分について予定どおり償還するかなど、中野区としても対応を早期に決めなければなりません。中野駅新北口駅前エリア市街地再開発事業についての検討状況と、今後の方針について早急に委員会で考えを示すべきと考えますが、どうでしょうか。 ○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 中野四丁目新北口駅前市街地再開発事業については、工事費高騰等の影響により本年度内からの事業執行ができない状況となっておりまして、現在、区として施行予定者に今後の対応方針を求めているところでございます。本事業の進捗が区政運営に大きな影響を及ぼすことにもなるということは認識しておりまして、区としては事業の進捗状況、検討状況を適宜、区議会に報告して進めていきたいと考えてございます。 ○立石委員 そこの事業のところはしっかり協議していただきたいと思います。仮にその負担を中野区として払っていくとなった場合、中野区としてどこまで早期に払えるような準備があるのか。そういったことも検討を進めなければならないと私は思っております。現時点での財政調整基金の施設改修分と年度間調整分、それぞれの残高について確認をいたします。 ○竹内財政課長 令和6年度第3次補正後予算の財政調整基金の施設改修分の残高見込みは約62億円、年度間調整分の残高見込みは約227億円となってございます。 ○立石委員 施設改修分と年度間調整分を合わせて289億円。ここに加えて、令和5年度の決算剰余金のうち20億円程度が追加、積み増されるということになります。区は、年度末の年度間調整分残高200億円を維持するという考え方をしておりますから、ここからも一定額を割いて償還金に充てるという考え方もできます。区としても今後予定された事業や財政運営を踏まえた上で、ここから支出できる金額については検討してほしいと思います。令和6年度に中野駅新北口駅前エリア市街地再開発事業で予定された歳出のうち、特定財源による歳入を除いた一般財源の見込額は幾らでしょうか。 ○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 令和6年度予算では、中野四丁目新北口駅前地区市街地再開発事業補助としまして109億4,000万円余を計上しておりました。なお、本事業補助については国庫支出金及び都支出金の対象となりまして、一般財源については都区財政調整基金財産費の対象でございまして、一般財源は40億9,000万円余を計上しているものでございます。 ○立石委員 この40億9,000万円は、執行すれば後の財産費として算定されて入ってくるものですが、どちらにしても今年度執行の見込みはないわけですよね。ですので、令和6年度市街地再開発事業費は一般財源、今の40億9,000万円を今年度の起債の償還予定の44億円に充てて、予定どおり年度内に返済してしまえば、どうでしょうか区の見解を伺います。 ○竹内財政課長 償還に関しましては、中野駅新北口駅前エリア再整備事業の事業スキームに基づきまして、区財産の処分により転出補償金を想定していたところでございます。今後の償還につきましては状況を踏まえ、検討していく考えでございます。 ○立石委員 あくまでも全体を捉えた上で検討していただきたいと思います。これらの対応次第では、今後、令和7年度の予算編成にも非常に大きな影響がありますので、この市街地再開発事業に関する方針を踏まえた上で、令和7年度予算編成に当たっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○竹内財政課長 中野駅新北口駅前エリア市街地再開発事業に関しましては、事業費が大きく変更があった場合は財政フレームに大きく影響を与えるものと考えてございます。今後の方針を踏まえた上で、令和7年度予算編成に臨んでまいりたい考えでございます。 ○立石委員 ありがとうございます。続いて、公金運用について伺ってまいります。転出補償金が入ってこないという状況で財政見通しが大きく変わったため、あまり積極的な公金運用はできないかもしれませんが、基金の運用益で起債の利子や遅滞、遅延によって生じる負担金を相殺していくという考え方もできますので、提案させていただきます。 平成21年の中野区では、基金残高約417億円に対して0.69%の2億8,800万円の運用益を上げておりました。平成25年に日本銀行が量的質的緩和をして、10年国債平均利回りはゼロ程度で推移するようになり、基金残高が増えているにもかかわらず運用益は減少傾向です。令和5年度は基金残高約792億円対し、運用益0.08%の6,200万円となっております。令和6年度に金融政策の転換により10年国債利回りは徐々に上昇し、0.8%まで回復をしております。金融政策の転換により金利が上昇しているため、中野区においても公金運用の方針を転換し、金利の高い債券の保有などにより運用益を増やすことが求められます。総務委員会で報告された令和5年度資金収支状況によると、積立基金残高792億円のうち、普通預金が614億円で78%、債券が14億円で約2%、定期性預金が164億円で約20%となっております。この割合は年間を通じて変動はないのか。変動するのであれば、その理由も併せて伺います。 ○半田資産管理活用課長 基金運用に当たりましては、各基金への積立てですとか、一般会計の繰入れに係る計画及び歳計現金の残高を踏まえて運用期間を設定しているため、積立基金残高における運用割合は変動してございます。3月末におきましては、まちづくりですとか施設整備関連の支払いが予定されてございまして、また財政調整基金につきましては繰替え運用が必要となった場合に対応するため、普通預金の割合を高くしているところでございます。 ○立石委員 変動があって、年度末高くしているということです。例えば先月末、令和6年8月における債券、定期預金それぞれの運用額及び積立基金残高に占める割合を確認します。 ○半田資産管理活用課長 令和6年8月末における債券の運用額は約21億円で、積立基金残高に占める割合は約2.5%でございます。定期性預金の運用額は約804億円で、積立基金残高に占める割合は約97.5%となってございます。 ○立石委員 ということで、普通預金が大体1.2%、債券が2.5%、定期性預金が96%ということで、年度中に関しては定期性預金の運用が圧倒的に高くなっているということです。年度末は流動性の高い普通預金にそれで戻しているということで、定期預金は1年以内の短期の定期預金が多く保有されていることが分かります。令和5年度の運用益は6,200万円となっております。このうちの債券運用による運用益、預金運用による運用益はそれぞれ幾らか、どのぐらいの割合を占めているのか伺います。 ○半田資産管理活用課長 令和5年度の運用益6,200万円のうち、債券運用による運用益は約400万円余、預金運用による運用益は約5,800万円余となってございます。債券運用によるものが約6.5%、預金運用によるものが約93.5%となってございます。 ○立石委員 運用額、母数が全然違うので、あまり参考にならないんですけれども、中野区の場合、債券割合は大体2から2.5%で運用されているということで、その割合を高くすると収入も多く見込めます。世田谷区は、令和6年度公金運用計画で令和5年度の債券運用割合29%強となっておりまして、中野区の10倍以上です。令和5年度の利子収入は2億8,000万円、令和6年度で約4億5,000万円を見込んでいます。世田谷区の基金積立残高は1,593億円と中野区の約倍程度ですが、令和5年度の実績比で利子収入は中野区の約4.5倍となっております。この違いは、世田谷区が債券運用の割合を高め、より積極的に運用しているためです。令和6年度に世田谷区が見込んでいる0.28%の運用益を中野区が出せれば、2.2億円の運用益を出すことができます。また、10年国債平均利回り0.86%で、現在と同水準だった平成24年の中野区は0.34%の運用益を出しておりまして、現在の基金残高で計算をすると、およそ2億7,000万円の運用益が出る計算です。これはまちづくり中野21で生じる負担金とほぼ同額の金額になります。中野区の8月末の債券運用割合は2.5%ということですが、債券による運用割合を高めてはどうでしょうか。 ○半田資産管理活用課長 基金運用につきましては、地方自治法の規定に基づき確実かつ有利な方法による運用に努めてきたところでございます。マイナス金利政策の解除に伴いまして、預金及び債券の金利が上昇していることにつきましては承知しておりますけれども、債券は利回りがよいことが多い一方、始期と終期が自由にならないこと、また、途中の解約が制約されるなどのデメリットもございます。金利動向及び各基金の積立て・繰入れ計画等を適宜適切に把握することにより、債券による運用割合を高めることも含めて検討していきたいというふうに考えてございます。 ○立石委員 先ほど財政調整基金については、3月末は繰入れ運用が必要となった場合に対応するため、普通預金の割合を高めているという答弁がありました。まちづくり基金については、107億円全額普通預金としているが、その理由を伺います。 ○半田資産管理活用課長 基金から一般会計へ繰入れを行う金額につきましては、当初予算でそれぞれ定めているところでございますけれども、まちづくりや施設整備関連の支払いで3月末に予定されているものが多く、また、補正予算において繰入額が増加する可能性もあることから、3月下旬に満期を迎えるような運用としていたため、普通預金残高が多くなっているところでございます。 ○立石委員 特定目的基金については、補正予算などで繰入額を増額しない限り、当初予算から追加で必要になることはないはずで、令和5年度の予算と決算と比較をすると、まちづくり基金については繰入額、予算36億9,000万円に対して決算は34億7,900万円と減額をしています。全基金の中で唯一増えているのは義務教育施設整備基金の予算31億2,000万円に対して、決算34億9,000万円と3億円弱増えているのみです。それ以外の基金は、当初予算にも繰入額は減額されています。令和5年度末の基金における普通預金は全体で614億円、義務教育施設整備基金に関しては142億円あるんですけれども、本当にこんなに必要なのかということで、計画的な基金積立て・繰入れができれば、普通預金から債券運用に回せる金額はもっと増えるはずです。今後検証をお願いいたします。世田谷区では財政調整基金、減債基金以外の基金については全額債券運用に充てております。中野区も特定目的基金については債券運用を検討してはどうでしょうか。 ○半田資産管理活用課長 特定目的基金を債券で運用する場合には、複数年度にわたり一般会計の繰入れができなくなります。今後もまちづくり等に基金を活用することを予定しているため、特定目的基金の大部分を債券運用することは難しいと考えておりますけれども、基金の積立て・繰入れ計画を踏まえ、できるだけ有利な運用に努めていきたいというふうに考えてございます。 ○立石委員 大部分、いきなり大きな金額をやるのは難しいと思うので、少しでも今よりも普通預金から債券に運用できる割合を増やしていって検討していただきたいと思います。 令和6年度当初予算概要の財政フレームによると、基金残高は令和15年まで右肩上がりに増えて、977億円にまでなる予定です。基金の積立て計画の精度を高めることで、特定目的基金における普通預金の割合を減らし、債券や定期性預金などによる長期運用の割合をさらに高めることが可能であると考えますが、区の見解はいかがですか、 ○半田資産管理活用課長 運用益を上げるためには、より利回りのよい長期運用の割合を高めることが重要であると考えているところでございます。これまでも各基金における積立て・繰入れ計画を踏まえて運用方針を定めているところでございますけれども、引き続き長期運用の割合をさらに高めることに努めてまいりたいというふうに考えてございます。 ○立石委員 その普通預金の額を幾らにするかということですね。過去の実績だけでは参考になりませんけれども、大体年度間でどのぐらい予定外の繰入れがあったかなど、特定目的基金については見ていただきたいと思います。 また、債券運用におけるリスク分散の手法として、ラダー運用という手法があります。異なる満期を持つ債券を分散して購入することで金利変動リスクを軽減し、安定した収益を確保する手法です。例えば普通預金に必要額を確保した上で、10年債を毎年一定割合購入する。あるいは1、2、3、4、5年の満期を持つ債券を購入し、毎年1年分の債券が満期を迎えるようにすることで、金利上昇時には高金利の債券を購入し、低金利時でも既存の高金利債券を保有することができます。このラダー運用の手法を区として検討してはどうでしょうか認識を伺います。 ○半田資産管理活用課長 債券運用の方法の一つとして、残存期間の異なる債券に同額ずつ投資するラダー型運用があることにつきましては、承知しているところでございます。ラダー型運用につきましては、長期、短期を組み合わせ投資することから利回りが総体的に高くなること、金利の変動リスクを平準化できるものであることは承知してございまして、現在の金利上昇傾向を踏まえ、今後検討していきたいというふうに考えてございます。 ○立石委員 ありがとうございます。一般質問でも御提案しましたが、区としても具体的な数値も入れた運用方針であったり、運用計画を定めて、年間の運用可能額、そして目標利回りと目標利子収入を公表すべきと考えますけれども、債券運用の考え方については今後、段階的に検討を進めていただきたいと思います。やはり皆様からお預かりしている税金で元本割れがあってはなりませんので、しっかり中野区としても元本保証型の債券であったり、あるいは金利固定性の商品による運営を行っていただきたいと思います。一方、大阪府の河内長野市なんかでは変動性の債券を購入して、キャピタルゲインを出しているような自治体が同じ国内でもあるわけです。中野区としては、まず今よりも少し積極的な債券運用を検討していただきたいと思います。 この後、民泊と自治体DXの質問を予定していたんですが、すみません。ちょっと間に合わないようなので、第4回定例会の一般質問に回させていただきたいと思います。 これで質問を終わります。どうも御清聴ありがとうございました。 ○杉山委員長 以上で立石りお委員の質疑を終了します。 次に、斉藤けいた委員、質疑をどうぞ。 ○斉藤(け)委員 令和6年第3回定例会決算特別委員会、日本維新の会の立場から総括質疑を行います。質問は通告どおり、その他はございません。 1、令和5年度決算について。他の委員と重複する部分もあるかと思いますが、考え方の違い、見解の違いもございますので、御容赦いただければと思います。まず経常収支比率について伺います。令和5年度の経常収支比率は前年度比0.8%増の71.2%となりました。令和元年度の79.2%から3年連続で経常収支比率は下がっていましたが、令和5年度は4年ぶりに上昇いたしました。23区内全体において経常収支比率が下がっている自治体が多い中、中野区の経常収支比率が上昇している点は気になります。一般的に、経常収支比率は75%が適当、80%を超えると硬直化という目安がありますが、これは昭和44年頃、今から約55年前に示された指標であり、現在とその当時では地方自治体が優先的に取り組む政策が異なるため、令和5年度の経常収支比率71.2%という数字をどのように捉えるかは難しい側面もございます。しかし、私は、経常収支比率の数字が低いということは、臨時・緊急・特別な状況が生じたとき、財政需要が区民ニーズに対応した事業を実施することができますし、現在の物価高騰などを考慮すると、経常収支比率が70%前半であるという数字は困っている区民に対して適切な支援ができる数字であると考えます。区として経常収支比率71.2%についてどのように考えているか伺います。 ○竹内財政課長 お答えいたします。経常収支比率につきましては、財政の弾力性を担保するための指標として意識しているところでございまして、適切な範囲に収まっていると考えてございます。 ○斉藤(け)委員 一方、経常収支比率を見る上で、令和5年度決算の中野区の特徴を見ると、まちづくりの財産費が算定されています。今後、まちづくりの財産費の算定が少なくなると、特別区交付金のシェアも比例して下がるわけで、結果、経常収支比率が上がることが今後想定されます。その辺りを含めた今後の経常収支比率の変化について、区としてはどのようにお考えか伺います。 ○竹内財政課長 経常収支比率につきましては、今後も区民サービスへの影響がないように財政運営に努めていきたいと考えてございます。 ○斉藤(け)委員 次に、歳入について伺います。中野区の歳入は、ここ数年上り調子で上昇であります。しかし、特別区の歳入構造は景気動向に左右されやすく、物価上昇や金融資本市場の変動などの影響によって変化するものでもございます。今後の景気動向などの不透明性を踏まえると、財政環境の先行きを見通すことは困難な状況であり、今後の歳入の予測は厳しく見ていかなければならないと考えます。その中で、今後の中野区の歳入の見通しについて見解を伺います。 ○竹内財政課長 特別区税や特別区交付金は近年増加傾向にございまして、来年度につきましても、国や都において税収は伸びると予測しておりまして、区税や調整税等も増額傾向にあると見込んでございます。ただし、景気に左右されやすい面もございますので、動向には注視していきたいと考えてございます。 ○斉藤(け)委員 さらに、中野区財政白書3ページの表2、普通会計決算の歳入状況を見ると、特別区債と繰入金の金額の割合が多く感じます。特別区債と繰入金の割合の増加によって、本来あるべき区の歳入金額を見失う可能性もあるかと考えますが、見解を伺います。 ○竹内財政課長 令和5年度決算におきましては、施設整備の財源として特別区債や繰入金を計画どおり確保したところでございます。今後とも計画に沿った施設整備及びその財源の確保に努めていく考えでございます。 ○斉藤(け)委員 次に、歳出について伺います。歳出は、扶助費と公債費が増加し、全体としては前年度よりも13.5%、98億円増の820億円、投資的経費は新庁舎整備や小・中学校整備費の増加などにより、前年度より111.3%、258億円増の490億円、令和5年度歳出決算額は1,986億円でした。この歳出金額は過去最高です。特に経常経費が年々伸びていることが気になります。この先の安定した歳入の確保が不透明の中、新年度予算を考えていく上では、私は経常経費の削減を考慮していく必要があると考えますが、区の見解を伺います。 ○竹内財政課長 施設整備などの投資的事業は当面続くことが見込まれ、扶助費を含めた社会保障費も今後増加していくことが想定されるところでございます。経済状況によっては将来の歳入確保が不透明となるため、PDCAサイクルをしっかりと機能させ、経常経費の削減に努めていく考えでございます。 ○斉藤(け)委員 さらに決算特別委員会資料総務64、新規・拡充等事業から一般事業費となった事業一覧を見てみますと、直近2年間で新規・拡充等事業から経常経費になった事業は37事業で、金額にすると18億6,955万6,000円です。逆に、この2年間で見直した事業の数と金額を伺います。 ○竹内財政課長 令和4年度及び令和5年度の見直し事業につきましては、25事業、財政効果は6,400万円余となってございます。 ○斉藤(け)委員 この2年間で新規・拡充事業で経常経費になったのが37事業で、約18億7,000万円に対して、見直しを行った事業が25事業で、金額は僅か6,400万円しかないんですね。幾らここ数年の歳入の上昇があったとはいえ、この状況、この現状が私は適切だと思いません。新年度予算を考える上では、今回の令和5年度決算を受けて、改めて事業の適正なスクラップ・アンド・ビルドを行っていくべきだと考えますが、区の見解を伺います。 ○竹内財政課長 予算編成方針におきまして、過去の決算の状況や業績評価結果等を十分に踏まえ、事業実績が目標を大きく下回るものや、執行率が一定の水準に達していない事業など、さらなる見直しが必要な事業については、関連する事業等の廃止・統合・縮小についても検討や、進捗状況を踏まえた予算要求を行うことと明記してございます。PDCAサイクルを機能させて経常経費の削減に努め、持続可能な区政運営を進めていく考えでございます。 ○斉藤(け)委員 しっかりと検討し、来年度予算に生かしていただきたいと思います。 この項の最後に基金についても伺います。令和5年度末基金残高は、財政調整基金、まちづくり基金などへの積立てにより、前年度より30億円の増加、年度末の基金現在高は799億円です。一見数字だけ見ると、順調に基金の積立てができているようにも見えますが、1点目としては、23区平均と比べても十分な積立てができていない点、もう一点が重要で、施設整備の基金をどう捉えるかが非常に重要だと考えます。他の多くの委員も御指摘しておりますが、具体的には義務教育施設整備基金、社会福祉施設整備基金です。学校整備費を見ても物価高騰、資材高騰などにより、1校当たり50から55億円だった整備予算が、今は80から90億円まで上昇しているとも言われております。そのような中で、令和5年度決算における中野区の基金残高は決して十分だと考えることはできません。区としての基金の考え方を改めないと、今後、持続可能な区政運営が非常に難しくなっていくと考えますが、区の見解を伺います。 ○竹内財政課長 物価高騰による施設整備経費も増加していることから、今後の基金積立ての考え方につきましては整理していきたいと考えてございます。 ○杉山委員長 斉藤(け)委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。 午後2時57分休憩
午後3時20分開議 ○杉山委員長 委員会を再開します。 休憩前に引き続き総括質疑を行います。斉藤(け)委員、質疑をどうぞ。 ○斉藤(け)委員 [1]次に、歯に関する施策について。 現在、中野区では、母子健康法で1歳6か月、3歳児、中野区独自の5歳児歯科健診と、学校保健安全法に基づく小学校、中学校の全ての児童・生徒に対する学校歯科健診が行われています。一方、成人期については、区民歯科健診が35歳から75歳の歯周疾患検診と高齢者の医療の確保に関する法律に基づく後期高齢者歯科健診が行われていますが、受診が義務付けられているものではございません。また、事業所においては労働安全衛生法に基づく歯科健診が行われていますが、対象が有害なもののガス、蒸気または粉塵を発散する場所における業務に常に従事する労働者などに限られており、成人期以降の受診体制はとても十分とは言えない状況です。 近年、歯と口腔の健康維持は全身の健康を保持増進するための重要な要素であると言われ、人生100年時代を迎える中、ライフステージに応じた切れ目のない歯科健診の機会を確保し、口腔内の健康を維持することは健康寿命を延伸する上で極めて重要です。さらに、歯科健診を受けることで虫歯や歯周病の予防と早期発見、早期治療へとつなげ、長期的に考えた際には医療費の削減にもつながります。 まず満80歳の歯科健診について伺います。自分の歯でかむことは生命の根源の力、生きる力に直結していきます。ただ長生きするだけではなく、健康で満足度の高い人生を送っていただくために、80歳で20本以上の歯を保つことは非常に重要です。中野区では、本年3月3日に80歳で20本以上の歯を持つ方々の8020達成者表彰を実施し、令和5年度は申込者が204名、120名が出席されました。あくまでも歯科医師会、会員歯科診療所に通院されている区民だけが対象とはなっております。そこで伺います。現在の満80歳の歯科健診について区の見解をお伺いいたします。 ○中村保健企画課長 満80歳の歯科健診についてお答えいたします。高齢者の口腔の状態は個人差が大きいことから、かかりつけ医での定期的な受診が必要であると考えてございます。歯科健診の対象年齢のさらなる拡大等につきましては、国の調査である歯科疾患実態調査の結果や、他自治体の取組などを参考に研究していきたいと考えております。 ○斉藤(け)委員 そうはいいましても、練馬区、渋谷区、大田区など多くの自治体にて、満80歳の歯科健診を現在行っております。他区の事例は区として把握、参考にされているかを伺います。 ○中村保健企画課長 他区の区民健診の実施状況につきましては把握してございまして、参考にしているところでございます。 ○斉藤(け)委員 先日の一般質問にて、山内委員も同様な質問をされました。その際の保健所長の御答弁は、かかりつけ歯科医への定期的な受診が適切であると考えておりますとの御答弁でした。区として満80歳の方の何割の方が現在かかりつけの歯科医を持っているかを把握されての御答弁だったのでしょうか区の見解を伺います。 ○中村保健企画課長 お答えいたします。区で実施している健康福祉に関する意識調査では、80歳以上の方でかかりつけの歯科診療所を決めている割合は約7割でございます。 ○斉藤(け)委員 確かに令和4年度、区の健康福祉に関する意識調査報告書において、かかりつけの歯科の有無の図を見ると、70代、80代以上の7割がかかりつけの歯科を決めている、大体決めていると回答しております。一方、同調査の中で歯科健診を受診しなかった理由の表では、70歳代が35.7%、80歳代以上の方は30%が健診の必要性を感じないとも回答しております。私としては、既に歯科医院に通っている人ありきでこの施策を考えるのではなく、問題なのは歯科医院に日頃来院していない方を区がきちんと把握し、その方々における中野区における8020の達成者につなげることが重要だと考えますが、見解を伺います。「健康福祉都市なかの」の実現にも、満80歳の歯科健診は非常に重要だと考えますが、いかがでしょうか。 ○中村保健企画課長 お答えいたします。区が日頃来院していない方を把握するのは難しいと考えておりますが、成人歯科健診の受診勧奨等を通しまして、区民が定期的に保健指導や歯科健診を受けるように促しているところでございます。8020を達成することは重要だと考えておりまして、80歳の歯科健診につきましては、引き続き研究をしていきたいと考えてございます。 ○斉藤(け)委員 今そのような御答弁がありましたが、私が取材していく上で、満80歳の歯科健診が現在行われない要因の一つとして、区の健診システム、システム上にも問題があると伺いました。具体的にどのような問題があるか伺います。 ○中村保健企画課長 区の健診システムについてお答えいたします。区で使用しているシステムは多くの自治体においても使用されているため、運用面に問題はないと認識しております。しかしながら、事業者は令和8年度に稼働する国のシステム標準化・共通化に向けて注力している状況でございまして、個別にシステムをカスタマイズする必要がある80歳の歯科健診につきましては、対応が困難な状況というふうに聞いております。 ○斉藤(け)委員 国のシステムに合わせていく。令和8年度。それも国の状況に応じてだと思うんですね。遅れるという話もにわかに聞こえてはきております。今の御答弁だと、今の区の健診システムだと、80歳の歯科健診はもともと想定されていなくて、そのシステムの変更、拡張をするのは難しいということに聞こえるんですが、いかがでしょうか区の見解を伺います。 ○中村保健企画課長 区といたしましては、令和8年度のシステム標準化・共通化に向けて準備を進めておりまして、変更や拡張につきましては今後課題を整理して検討したいというふうに考えております。 ○斉藤(け)委員 やはり国がやるまで区は何も手を出さない、やらないということに関しては、いささか区民の健康を考えるとちょっと問題もあるのかなとも私は感じております。区の健診システムに関しても、今は国の標準に合わせていく。それに合わせていく間の期間をどうするかというのを私は今言いたいんですけども、もちろん区の健診システムが令和8年度になって、それに合わせていくということが区の方針であれば、一つのそれは考え方だと思います。しかし、その間の期間どうするのか。一方、その間の期間の80歳の歯科健診の重要性も私は高いと思っているので、このような質問をさせていただきました。 次に、満20歳・30歳の歯科健診の実施について伺います。全身の病気リスクに影響する歯周病の患者が若年層でも増えているのを受け、厚生労働省が健康増進法に基づく自治体の歯周疾患検診の対象年齢を拡大し、満20歳と満30歳を追加することといたしました。切れ目のない歯科健診体制を整え、早期治療を促し、健康寿命延伸につなげることはとても重要な施策だと考えます。満20歳と満30歳の健診について区の見解を伺います。 ○中村保健企画課長 お答えいたします。健康増進法に基づく自治体の歯周疾患検診の対象年齢に20歳と30歳が追加されましたことは把握してございまして、20歳、30歳の歯科健診の実施につきまして検討していきたいと考えております。 ○斉藤(け)委員 満20歳と満30歳の歯科健診に関しては、国の補助金も投入されます。国の補助金の割合を伺います。 ○中村保健企画課長 補助金割合は、基準単価に実施人数を乗じた額の3分の2でございます。 ○斉藤(け)委員 さらに、既に満20歳と満30歳の歯科健診を取り組んでいる23区もあるかと思いますが、何区あるか伺います。 ○中村保健企画課長 特別区の中で20歳、30歳の歯科健康診査を実施しているのは、令和6年6月の時点で14区でございます。 ○斉藤(け)委員 そうなんですね。もう14区、多くの区が20歳、30歳の歯科健診に取り組んでいます。今回、厚生労働省が満20歳と満30歳の歯科健診を追加する理由は、先ほども述べたとおり歯周病の患者が若年層でも増えているのを受けての対応だと思います。歯周病は全身の病気リスクに影響するとも言われております。国からの補助金も投入されています。改めて中野区でも他自治体同様、早期に歯科健診の対象年齢に満20歳と満30歳を取り入れるべきだと考えますが、改めて区の見解を伺います。 ○中村保健企画課長 お答えいたします。20歳、30歳の歯科健康診査の実施につきましては、区や都の政策動向をはじめ、区で実施している健診全体のバランスや近隣自治体の状況などを総合的に勘案しながら検討していきたいと考えてございます。 ○斉藤(け)委員 ぜひ20歳、30歳も取り入れていただくようによろしくお願いいたします。 日本は現在、先進国の中でも目立って歯科健診の受診率が低く、その結果、満80歳時点での平均残存歯数が約15本にとどまるとのデータもございます。歯科先進国の北欧やアメリカでは、平均残存歯数が約25本という結果が出ており、歯科先進国と日本との差は大きいです。その要因となっていると考えられるのが、定期的な歯科健診の受診率です。世界で予防歯科の意識が高まる中、日本では多くの方が歯やお口に痛みの症状が現れてから歯科医院を受診しています。国内の定期的な歯科健診の受診率は約5から6%にとどまっております。中野区に関しては、定期的歯科健診の直近5年間の受診率はいかがかお伺いいたします。 ○中村保健企画課長 歯科健診の受診率でございます。令和元年度が2.8%、令和2年度が3.3%、令和3年度が3.3%、令和4年度が3.6%、令和5年度が3.5%でございます。 ○斉藤(け)委員 国と比べてもかなり中野区は受診率が低いと今の数字で見受けられます。ちなみに区としての歯科健診の具体的な受診率の目標値の設定は現在行われているか伺います。 ○中村保健企画課長 歯科健診の受診率の目標値でございますが、令和6年度は4.0%としております。歯科健診の重要性は十分に認識しておりまして、歯科健診受診率は目標に届いていないことから、さらなる工夫を図っていきたいというふうに考えてございます。 ○斉藤(け)委員 この歯科健診の受診率の低さの問題に関しては、近年では、ひやま委員だったり、山内委員だったり、会派を超えて様々な委員が質問し、区の答弁としては、受診率向上は課題であると認識しておりまして、中野区歯科医師会と連携をし、検討を行う場を設けていきたいと考えております。健診の受診率向上に向けては引き続き周知方法などを工夫してまいります、などの御答弁をされております。私からも質問させてください。歯科健診の受診率向上のために、区は今後、具体的にどのような取組を行うのか伺います。これを最後に伺います。 ○中村保健企画課長 受診率向上への取組でございますが、生涯を通じた歯と口腔の健康を維持するために、歯科健診受診率を向上していくことは非常に重要であると認識しており、全庁的な連携を図りながら健診の周知・啓発を進めていきたいと考えてございます。 ○斉藤(け)委員 今回いろいろと取材させていただく中で、区として何とか頑張りたいという気持ちも伝わってまいりました。ただ、やはり実施しないと意味がない。区民のためにならない部分もあると思いますので、ぜひ80歳、20歳、30歳受診率向上、様々な問題について質疑させていただきましたが、前向きな御検討をよろしくお願いいたします。 次に行きます。町会活動支援について。昨日、伊藤委員も質疑されておりましたが、私からも質疑させていただきます。中野区内には町会・自治会が合わせて107あります。町会は、一定の地域に住む人々が日頃から親睦と交流を通じて連帯感を深め、地域に共通する様々な課題をみんなで協力し解決し、ふれあいのある快適なまちづくりを目指して自主的に活動している住民自治組織です。地域には個人や家庭の力だけでは解決できない様々な問題があります。例えば防火や防災対策、交通安全の問題、青少年の健全育成、ごみ処理などの環境対策、地域の福祉に関する問題など、行政と地域に住む人々が協力し、力を合わせて取り組むべき課題はたくさんあります。そのため、日常生活の基盤である地域社会を住みよい豊かなものとするために、そこに住んでいる人たちが力を合わせて取り組む町会活動はとても重要です。 その中において町会における掲示板は、年齢を問わず誰でも目にすることができる強みがあり、災害時に停電した場合でも昼間であれば判読できます。インターネットに触れないお年寄りを含め、地域の情報を伝える選択肢の一つとして、より積極的な活用ができると考えます。実際に私も犬の散歩をしながら様々な町会の掲示板を見て、情報収集を行っております。町会連合会からは、町会掲示板の設置などに関する経費への助成制度の予算の増額に関する要望も寄せられております。実際に現在の掲示板の中には、設置してから年月がたち、傷みが激しいものも見受けられます。その中で、令和5年度決算を見ると、町会・自治会掲示板設置等助成が22件、385万2,770円に対し、不用額が414万7,230円と、予算の半分以上が使用されなかった状況です。なぜこのような状況が起きてしまったのかを伺います。 ○高橋地域活動推進課長 町会・自治会掲示板設置助成は、令和元年度から令和5年度までの期間限定事業として実施してきたものでございまして、各町会は5年間で最大3回までの申請をできるものといたしておりました。令和5年度は、回数制限により申請ができない団体が生じた結果、不用額が多く発生したものと思われます。 ○斉藤(け)委員 令和5年度、3回までの制限、規制があったということなんですが、令和6年度変更した点がありましたら教えてください。 ○高橋地域活動推進課長 変更点といたしましては、1回当たりの申請額の上限を20万円から50万円に増額するとともに、申請回数の制限を撤廃いたしました。 ○斉藤(け)委員 その結果、現在、令和6年度の申請状況に変化などありましたらお伺いいたします。 ○高橋地域活動推進課長 本年度は、当初3回に分けて申請を受け付ける予定でございましたが、1回目の申請で既に予算額を超過することとなりました。その結果、昨年度までの5年間において申請回数の少なかった団体を優先して助成することといたしまして、既に3回の申請を行っている団体は抽選により交付団体を決めました。現在の申請状況でございますが、合計で22団体に助成予定でございます。内訳といたしましては、5年間で申請ゼロであった団体が2町会、申請1回であった団体が6町会、2回であった団体が8町会、さらに申請3回の団体からは17団体の申請がございましたが、抽選の結果6町会となったものでございます。 ○斉藤(け)委員 その状況で、今、予算の執行額、どのぐらい使っているか教えていただいてもよろしいでしょうか。 ○高橋地域活動推進課長 実際の支出に関しましてはこれからでございますが、予算はほぼ9割以上にはなる見込みでございます。 ○斉藤(け)委員 ほぼ今、予算に近づいているということなんですが、今後、台風や災害などが起きた場合、掲示板の取替え、修繕などの対応はどのように行うのか伺います。 ○高橋地域活動推進課長 予算を超えてしまった場合、基本的に助成はできませんけれども、地域情報の伝達に大きな支障が生じている場合や、破損により周辺環境に危険が及ぶ可能性がある場合などにつきましては、執行対応などを検討してまいります。 ○斉藤(け)委員 さらにこの掲示板についてなんですが、毎年予算をつけ、少しずつ掲示板の取替えを行うよりも、ある年度でまとめて取替えを行ったほうが同じ形状で統一でき、さらにまとめて購入したほうが費用も抑えられるとも考えますが、このようなアイデアはいかがお考えか伺います。 ○高橋地域活動推進課長 掲示板ごとに設置からの経過年数が異なり、老朽度も様々であると考えられますので、毎年度予算の範囲内で一定数を更新していくことが望ましいと考えております。また、仕様の統一や、まとめて購入する方法につきましては、現在の団体による購入方法を変更する必要がございますが、様々な御提案を踏まえまして検討してまいりたいと考えております。 ○斉藤(け)委員 ぜひ町会・自治会、地元の方々の声を聞きながら、町会の掲示板の在り方というのをしっかりと伺って、反映していただきたいと思います。今、私も、先ほど話したとおり犬の散歩をしているときに、いろんな町会の掲示板を見させていただいているんですが、多分ほとんどが区に関する内容で、町会の情報って結構少ないと思うんですよね。ということは、区の掲示物を町会の方々が貼っていただいたりとか。いろいろと御尽力いただいて、今の町会掲示板が成り立っている部分もあると思いますので、ぜひ地元、地域の皆様の声を反映した掲示板を引き続き運営していただきたいと思います。 以上、私の総括質疑、全て終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。 ○杉山委員長 以上で斉藤けいた委員の質疑を終了します。 次に、井関源二委員、質疑をどうぞ。 ○井関委員 れいわ新選組の井関源二です。よろしくお願いいたします。まず、地震に続き、能登半島で水害に見舞われた方々へお見舞いを申し上げます。 新庁舎最初の決算総括質疑も最後でございます。ラスト30分お付き合いください。その他で一つ、学校の教室の気温について質疑を追加いたします。本委員会の初日の小林委員の質疑で、900億円から1,000億円吹っ飛ぶかもしれないと拝聴しまして、私はそんなことをつゆとも知らず質疑を考えておりまして、井関はこの事態に何を言っているんだと思われる委員の方々もいらっしゃるかもしれませんが、900億円から1,000億円かかるというのは一旦棚上げして忘れていただいて、お付き合いいただければとお願いいたします。 1、令和5年度決算について。中野区は、新宿区、北区と財政規模が似ていますが、令和6年度予算で新宿区の区民一人当たり52万8,306円の歳出、北区が50万6,940円の歳出、中野区では59万4,103円の歳出と、新宿区、北区と比べると反緊縮・財政出動をやっているようにお見受けしますが、これは財政出動を狙ってやっているのでしょうか、必要な歳出を実施したらたまたまそうなったのでしょうか。 ○竹内財政課長 お答えいたします。令和6年度予算は、中野四丁目新北口駅前地区や囲町東地区の市街地再開発事業関連経費、学校施設整備費等の投資的経費が増となったほか、区役所新庁舎移転関係経費、区立学校の学校給食の保護者負担軽減及び区立学校在籍以外の学齢期児童・生徒、保護者支援経費、また退職手当等の人件費が増となったため、前年度を上回る予算となったものでございまして、計画的な施設整備や社会情勢に応じた行政需要に的確に対応した結果だと考えてございます。 ○井関委員 世界では、アメリカをはじめ経済政策は反緊縮・財政出動が主流となっており、各国は日本を置いて経済成長しております。中野区報には予算2,000億円と表紙に載せ、反緊縮・財政出動をアピールしているようにもお見受けしますが、中野区は区として反緊縮・財政出動を標榜はしないのでしょうか、 ○竹内財政課長 繰り返しになりますが、計画的な施設整備や社会情勢に応じた行政需要に的確に対応した結果と考えてございまして、反緊縮・財政出動を行ったものではございません。財政運営については、予算編成の段階から公表してございまして、区民の皆様に知っていただき、理解を深めていくように努めてまいりたいと考えてございます。 ○井関委員 分かりました。皆さん、執行率の質疑をよくされていらっしゃいまして、年末になると予算を使い切らないといけないから、道路工事が増えるという有名な都市伝説がありますが、定額給付金などは必要な方に届けるために執行率100%を目指すべきだと思いますが、基本的には予算を無理やり使い切らないほうが繰越金が増え、余計な歳出を抑制できると思うのですが、中野区では執行率をどのように考えているのでしょうか見解を伺います。 ○竹内財政課長 執行率の考え方でございますが、予算を執行しないことは、適切な区民サービスの提供ができていないことにもつながると考えます。区民ニーズを把握し、時期を逸することなく効果的な政策を打ち出し、中長期的な視点を持って予算を着実に執行していくことが必要だと考えてございます。 ○井関委員 そうすると、ますますほかの委員から執行率の質疑が盛んになるかと思いますが。では、積立てについてお伺いします。繰越金は財政調整基金に積み立てることになると思いますが、令和5年度決算を踏まえた繰越金及び財政調整基金への積立額はそれぞれ幾らでしょうか。また、その金額は適切であるとお考えでしょうか。 ○竹内財政課長 決算剰余金につきましては約35億円となってございまして、令和6年度予算に繰り越されている状況でございます。今後の対応となりますが、基金への積立ては十分に考慮した上で適切に判断していきたいと考えてございます。 ○井関委員 ほかの委員も質疑されていましたが、令和5年度決算において積立ては順調にできたのでしょうか改めてお伺いします。 ○竹内財政課長 こちらにつきましては、当初予算以上に積立てを行うことができたと考えてございます。 ○井関委員 予算の時点では積立てはなく、区は東京都から助成金が来るので大丈夫だという見解で、ほかの委員からは予算の時点で積立てができていないのはとんでもないという意見が多かったと記憶しております。私も結果、都から助成金が来て順調な積立てができているのなら問題ないと思うのですが、その点について区の見解をお伺いします。 ○竹内財政課長 令和6年度予算編成時において、当初の段階で施設系の整備基金に積立てができなかった状況でございます。物価高騰の中では施設整備に関する基金に適切に積み立てることが将来負担を抑えるために必要だと考えてございます。 ○井関委員 何かどっちの意見にも配慮したような御答弁で、ありがとうございました。 では、学校の校舎や区民活動センター、ほかに将来老朽化のために建て替えが必要な建築費の積立ては、施設系の基金で全て積み立てられているのでしょうか。 ○竹内財政課長 学校整備等につきましては義務教育施設整備基金、すこやか福祉センター等につきましては社会福祉施設整備基金、区民活動センター等については財政調整基金の施設改修分にそれぞれ適切に積立てを行っているものでございます。 ○井関委員 先ほどの立石委員の質疑の中で、区営住宅整備の積立てはしないという答弁があったかと思いますが、ほかにも積み立てておかなければならない目的があるのではないかと非常に不安なのですが、確認しますが、財政調整基金の年度間調整分は全てフリーハンドで使えるお金であり、ほかの目的のため、建築のために必要な積立てはこの中に含まれていないという認識でよろしいでしょうか。 ○竹内財政課長 財政調整基金の年度間調整分につきましては、基本的には財政の何か緊急の場合があったときに使うものでございまして、それ以外のところに関しましては、施設系の整備基金のほうに積立てを行っていまして、適宜適切に繰入れを行っているものでございます。 ○井関委員 ありがとうございます。 では続いて、資産についてお伺いします。中野区各会計歳入歳出決算説明書の111ページで、ジェイコム株の配当が記載されております。配当金で歳入2,269万4,560円。あら、いいじゃないですか。配当あるないに関わらず、中野区はほかに株を保有しておりますでしょうか。 ○半田資産管理活用課長 区では、ジェイコム東京以外でございますけど、まちづくり中野21の株式を保有しているところでございます。 ○井関委員 ジェイコムの配当が順調のようにお見受けします。例えば、ジェイコム株を追加取得する予定はありますでしょうか。ないとしたら今後検討しますでしょうか。 ○瀬谷デジタル政策課長 株式会社ジェイコム東京の株式につきましては、電波障害対策として株式会社シティテレビ中野に区が出資した経緯から保有しているものです。当該株式の配当が前年度から増加したのは、令和5年度に特別配当があったためでございます。区として現在のところ、当該株式の保有数を増やすことは予定、考え、共にございません。 ○井関委員 国や都のようにほかの株式会社の株の運用はされないのでしょうか。 ○半田資産管理活用課長 地方自治法におきまして、歳計現金につきましては最も確実かつ有利な方法により、これを保管しなければならないと規定されている趣旨からも、株式の保有につきましては慎重に検討すべきであるというふうに考えてございます。担当から御答弁したとおり、ジェイコム株につきましては運用を目的として保有しているわけではございません。今後も運用を主な目的として株式を新たに保有する予定はございません。 ○井関委員 では、令和5年度決算では子ども教育費に一番割いておりまして、まさに子育て先進区と歓迎すべき、評価すべきことと認識しておりますが、増額の理由は何でしょうか。 ○渡邊子ども・教育政策課長 子ども教育費の令和5年度の決算額は600億7,663万円余りで、令和4年度と比較いたしますと157億9,687万円余増加してございます。主な理由は、学齢期の児童・生徒のいる世帯を支援するために支給した価格高騰支援給付金が6億580万円余り皆増となったほか、平和の森小学校移転用地購入及び解体工事、新校舎整備・代替校舎整備工事に伴う教育施設整備費が124億8,014万円の増、私立保育施設給付費が16億5,190万円増加したためでございます。 ○井関委員 その結果どういう効果がありましたでしょうか。例えば子育て世帯の転入が増えたり、合計特殊出生率が上がる見込みだったり、アンケートの結果がものすごく上がったりなど、ポジティブな効果はありましたでしょうか。 ○渡邊子ども・教育政策課長 学齢期の子どもを養育している世帯に給付金を支給することで、物価高騰下にあっても子育て家庭の経済的な負担が軽減されたと考えてございます。学校施設の改築や改修を進めることで、子どもたちが安心して充実した学校生活を送れる基盤づくりが進んでいると考えてございます。 ○井関委員 ちょっと今お答えいただいた内容では、大事なことではありますが、私が効果を期待している分野への執行の増額ではなかったという理解をいたしました。今後、子ども教育費に執行額をかけるのであれば、人口や出生率やアンケートや、そういった数字の上昇も含めた目標、そしてロードマップを作成したほうがよりよいと考えますが、いかがでしょうか。 ○青木子ども政策担当課長 区は、中野区基本構想で目指すまちの姿を描き、その実現のために中野区基本計画を策定し、必要な基本目標、政策、施策を定めており、その施策の達成状況の目安として、各種統計調査の結果などを踏まえ、成果指標と目標値を設定しているところでございます。引き続き中野区基本計画の後期の取組を具体化した実施計画に基づき、必要な予算を計上し、取組を進めてまいりたいと考えてございます。 ○井関委員 各補助金についてお伺いします。第3回定例会の前に各団体から無所属で御要望を聞く機会が多かったのですが、むとう委員は、昔は無所属に要望なんて来なかったのに、人数が増えた途端に来るなんてと、こぼしていらっしゃいまして、ほかの委員もある団体とエレベーターで一緒だったとき、無所属は後でいいわよと耳にしたそうですが、私はそういったことはあまり気にせず、質問や質疑に盛り込みます。各団体の御要望をお伺いして、結局ほとんどがお金を出してくれということに尽きるのだなと実感しているところです。まだ補助がないところは補助を出してくれ、補助を出しているところは継続してくれという御要望を頂きます。しかし、継続するにしても物価が上昇しておりまして、河合委員の質疑の中で、物価上昇率は昨年から3.3%上昇というような答弁があったかと思いますが、先日、小学校PTA連合会の方々と懇談した際、補助金を流用して児童のためにPTAでカレーを作ったが、物価が上昇してカレーの素材や具材が変わったと伺いました。各補助金の中に物価の上昇というのは織り込まれているのでしょうか。 ○中谷企画課長 令和6年度の予算編成に当たり、物価高騰が長引いている状況も踏まえて、町会・自治会の公益活動推進助成金、公衆浴場の燃料費助成、子ども食堂の運営費助成金のように増額したものもあるというふうに認識をしてございます。現在、国や東京都が物価高騰対策の具体的な内容について検討を進めている状況にあることから、補助金につきましては国や都の動向や社会経済状況を十分見極めて、区として今後どのような対策を実施する必要があるか検討を進めてまいりたいと考えてございます。 ○井関委員 ありがとうございます。交通安全啓発についてお伺いします。執行額は昨年より増えていますでしょうか、減っていますでしょうか。 ○久保生活・交通安全担当課長 令和5年度の交通安全啓発事業の執行額は1,172万7,942円、令和4年度は841万6,218円で、約330万円増加しております。主な要因は、道路交通法が改正され、自転車用ヘルメットの着用が利用者の努力義務になったことから、新規に自転車用ヘルメット普及啓発事業に取り組んだことによります。 ○井関委員 その結果、交通事故の件数はいかがでしょうか。減りましたでしょうか、増えましたでしょうか、横ばいでしょうか。 ○久保生活・交通安全担当課長 令和5年中の中野区の交通事故件数は682件で、令和4年と比較しますと90件増加しております。 ○井関委員 その結果を区はどう受け止めているでしょうか見解を伺います。 ○久保生活・交通安全担当課長 区では、交通事故の中でも自転車が関与する交通事故を減らすことが重要であると考え、警察と連携した自転車安全利用講習会の充実や自転車用ヘルメット普及事業に取り組み、交通事故件数は増加しておりますが、自転車が関与する交通事故の割合は減少しており、一定の成果は得られたと認識しております。引き続き、悲惨な交通事故を一件でも減らせるよう、警察や関係団体と連携し、交通安全啓発に取り組んでまいります。 ○井関委員 最近、電動キックボードが増えておりまして、大変危ないと思いながら見ております。私が行きました高円寺のバーの店長も、お店の帰り、誕生日当日、電動キックボードで帰宅中、段差で倒れ、頭を打ち、意識をなくし、誕生日、病院のベッドの上で目覚めたそうです。電動キックボードが増えるのはいいですが、中野区として電動キックボードに対しての安全の啓発はどうなっておりますでしょうか。 ○久保生活・交通安全担当課長 区では、電動キックボードの安全利用に関する啓発について、警察や関係団体等と連携したキャンペーンや、区のホームページを通じて実施しております。また、現在、自転車安全利用講習会において、シェアリング事業者と連携した安全利用に関する啓発の実施について検討しているところであります。 ○井関委員 では、次の質疑に行きます。2、西武新宿線地下化について。西武新宿線踏切渋滞解消促進期成同盟決起大会に私も参加しまして、私は野方以西も地下化で計画が進んでいて、それが遅れているのかと思っていたのですが、先日、御要望を頂きまして、実際のところ区の見解はいかがでしょうか。 ○桑原野方以西担当課長 野方以西の連続立体交差事業の事業主体である東京都は、平成29年4月に国から着工準備採択を受けまして、構造形式や施工方法の検討を進めてございます。区としては、西武新宿線の野方以西の連立事業の構造形式については高架構造が優位としておりますが、現時点において構造形式は決まっておりません。区としましては、構造形式にとらわれることなく、一日も早い連続立体交差化の早期実現を求めているところでございます。 ○井関委員 区民からは地下化を求める声が上がっていますが、高架化がいいと思う理由は何でしょうか。 ○桑原野方以西担当課長 過年度、中野区では野方以西の連立事業の構造形式について、沼袋駅から野方以西の区間を連続して地下構造とするなど、構造形式に関する調査検討を実施しております。その際に地下構造とした場合の課題として、中井駅から野方駅間の地下化後に、沼袋駅周辺において鉄道を供用しながら再度トンネル部の改築が必要となること、また、改築に伴い新たな用地取得が生じること、また環状7号線をまたぐ地下工事においては、環状7号線の道路構造物とその地下に整備されている地下広域調整池といった大規模な地下構造物との近接工事が必要となることなど、事業性について課題を挙げてございます。その結果、区としては西武新宿線野方以西の連立事業の構造形式については、高架構造が優位としております。 ○井関委員 用地買収、日当たりや騒音などの訴訟のリスクを考えると、高架化と地下化では費用はそんなに変わらないのではないかという意見がありますが、いかがでしょうか。 ○桑原野方以西担当課長 連続立体交差事業の構造形式については、事業主体である東京都が比較検討を行った上で、最適な構造形式を選定するものと考えてございます。 ○井関委員 不景気のときほど公共事業、地域経済振興という点でも、多少お金はかかっても地下化のほうがいいと思うのですが、区の見解は変わらないでしょうか。 ○桑原野方以西担当課長 区としましては、西武新宿線の野方以西の連立事業の構造形式については高架構造が優位としておりますが、現時点において構造形式は決まっていない状況でございます。 ○井関委員 私は以前、小田急線沿線に住んでおり、高架化住民訴訟からの地下化のいきさつを見ているのですが、結局住民から訴訟を受け、地下化になる可能性があるのであれば、今から地下化で進めたほうがいいのではないかと思うのですが、先日の加藤委員のスマートウェルネスシティの質疑の中で、栗田副区長が「WE DO」という、「Eye Level」、低層という答弁をされていましたが、やはりまちづくりのデザインは低層にして、見通しがいいほうが圧迫感がなく、気持ちがいいと思っていますし、仮に西武新宿線が高架となって、都立家政辺りのピンクの看板と高架橋がぴたっと連なっているイメージというのはあんまり想像できないんですね。結局、東京都が決めるということですが、私は最近、言うだけならただというのを座右の銘にしているのですが、東京都はお金を持っていますし、新しい地下鉄も東京都の東のほうで造るそうなので、中野区では地下化を要望しますと東京都に言ったらいいと思うのですが、いかがでしょうか。 ○桑原野方以西担当課長 区としましては構造形式にとらわれることなく、一日も早い連続立体交差化の早期実現を求めてまいります。 ○井関委員 仮に東京都、中野区が野方以西で高架化を進めるということであれば、れいわ新選組井関は地下化を求める区民の方と連帯すると宣言して、次の質疑に移ります。 3、防災対策について。私は20年前から10年間、中野富士見町の家賃4万6,000円のアパートに住んでいました。当時、「救命病棟24時」というドラマの第3シリーズをやっておりまして、第2関東大震災が起きて、中野周辺が火災に遭うという設定で、それを実家で見た母が、そこは火事が危ないから早く引っ越しなさいと電話がかかってくるたびに言われ、引っ越しにはお金がかかるのに、お金は出さず口ばかり出してきて辟易していたのですが、当時、私自身もコミカライズ化した「日本沈没」を読んでいまして、都庁の上部で被災した主人公が新宿中央公園の向こうに火災旋風で焼けながら舞い上がる人々を目撃する描写がありまして、俺の住んでいるところ、怖えと思って読んでいました。 私が議員になった直後、新人議員で研修をしていただいたのですが、中野区が抱えている問題で真っ先に教えていただいたのが、大地震が来たときの火災の危険でした。そこで、現在どのような目標を立てて防災まちづくりを進めているんでしょうか進捗を伺います。 ○安田防災まちづくり担当課長 火災危険度が高い地区の防災まちづくりについてでございます。区は、東京都の防災都市づくり推進計画において、災害時に特に甚大な被害が生じるおそれがあるとして整備地域の指定を受けた区内の木密地域では、地区計画による避難道路の整備、建物の不燃化促進など、防災まちづくりを進めてございます。具体的には南台・弥生町三丁目周辺地区、平和の森公園周辺地区及び大和町地域などでございます。これらの地域では、町の燃えにくさの指標である不燃領域率70%を目標に、防災まちづくりを進めているところでございます。南台一・二丁目地区や弥生町三丁目周辺地区、平和の森公園周辺地区では、防災まちづくりの効果もあり、不燃領域率70%に達しているところでございます。 ○井関委員 現在、耐火建築、セットバックなどが進んでいると認識しております。実際のところ、区全体の大地震時の火災の発生の危険度は低くなっているのでしょうか、まだ危険なのでしょうか伺います。 ○安田防災まちづくり担当課長 東京都の公表している地域危険度測定調査におきましては、第9回(2020年)と第8回(2018年)を比較しますと、区内では火災危険度が高いランク4及び5の地域は、19町丁目から16町丁目に減少してございます。このうち、火災危険度ランク5の地域は、第8回では4町丁目あったものが、第9回目ではゼロとなってございます。 ○井関委員 中野区内では整備地域以外、例えば若宮一・二丁目、中野一丁目、本町四・六丁目など、火災危険度が高い地域があるようですが、そうした地域はどのような対応をしているのでしょうか。 ○安田防災まちづくり担当課長 区は今年度、若宮など整備地域以外での火災危険度が4の地域等に対して、東京都建築安全条例に基づく新たな防火規制区域を適用し、火災に強い建物への建て替え誘導等の防災まちづくりを進めているところでございます。 ○井関委員 私は20年前から10年間、中野富士見町の家賃4万6,000円のアパートに住んでおり、最後の2年間は家賃が4万2,000円まで下がったのですが、住み始めてから2年ほどで神田川の氾濫に遭いまして、私のアパートの近所だったヤクルトや当時あったポプラは店内まで水が入り、商品がぷかぷかと浮いていました。当時、駅前のファミリーマートはサンクスで、常に土嚢が置かれていました。私はそういう土地柄なのだと受け入れていましたが、当時、私の母から電話がかかるたびに、そこは水害が危ないから早く引っ越しなさいと言われ、辟易していたのですが、環状7号線の下に貯水池ができてから氾濫することはなくなったように認識しております。そこでまずお伺いするのは、この数年、河川氾濫がない要因はやはり環状7号線貯水池の効果なのでしょうか。 ○永井防災危機管理課長 これまでの台風や集中豪雨時に環状7号線調整池に取水しており、都の河川改修を含めて河川氾濫の防止に一定の効果があったと認識してございます。 ○井関委員 先日の豪雨の際、神田川や妙正寺川が危険水域近くまで達したようですが、今回は環状7号線下の貯水池には水を流したのでしょうか。流したにもかかわらず危険水域まで達したのでしょうか。 ○永井防災危機管理課長 先日の豪雨を含めて、令和6年度につきましては環状7号調節池に取水を行っていないと確認しているところでございます。 ○井関委員 今回は取水したほうがよかったのではないかと思うのですが、環状7号線貯水池に水を流すのは、中野区から東京都にリクエストすることはできないのでしょうか。 ○永井防災危機管理課長 環状7号線調整池につきましては都建設局で管理をしていまして、河川の水位等の状況を踏まえ、都の裁量で取水を実施するものでございます。都と区は取水実施に関する情報共有のほうはしておりますが、区の要請により取水を行うことはできないと確認をしてございます。 ○井関委員 台風10号時に土砂災害警戒情報レベル4が発表されたそうですが、現在、中野区内では警戒区域で何か所、特別警戒区域で何か所指定されているのでしょうか。 ○永井防災危機管理課長 区内で指定されている警戒区域につきましては22か所、特別警戒区域につきましては9か所となってございます。 ○井関委員 土砂災害警戒情報レベル4を発表時に、区は区民に対して避難指示を出したのでしょうか。どういった対応をされたのか伺います。 ○永井防災危機管理課長 土砂災害警戒情報レベル4相当の発表を受けまして、情報連絡体制を発令し、災対建設部による警戒区域の全か所点検、現状確認を行い、その後の降雨量の越水等を踏まえ、避難指示等は出さずに監視体制を継続したところでございます。その間、災対指令部による情報収集、災対地域部による一時避難所開設などの対応を実施したところでございます。 ○井関委員 いきなり避難指示を出されても区民は迅速な対応が取れないと思われます。区民に対して日頃からの周知が重要と考えますが、何らかの対応を取られているのかお伺いします。 ○永井防災危機管理課長 災害時に備えるために、日頃から自身の地域がどういった危険性があるのかなどを把握しておくことが重要だということを認識しております。土砂災害警戒区域の区民の方に区ハザードマップを直接届けたこと、あとは区ホームページ等で周知のほうをしてございます。 ○井関委員 ありがとうございます。先日、私立保育園の方々から御要望を頂きまして、その中で災害時の備蓄品に対し補助をしてほしいと言われました。この御要望を受け、私は中野区で水や食料は備蓄しているのだから、お金ではなく実物を配布したほうが一括で購入してスケールメリットがあるので、安価になるのではないかと考えまして、実際、私立保育園の方々もそうしていただければ助かるとおっしゃっていました。おのおのの保育園の考え方やアレルギー児童の対応などもあるかと思いますが、個別の理由は別として、保育園の給食は無償ですし、防災備蓄も給食ではないかという観点から、私立保育園に防災備蓄品を配布するというのはいかがでしょうか。 ○藤嶋保育園・幼稚園課長 私立保育園の運営経費でございます公定価格には、備蓄品の購入を含みます防災対策を行っている保育園に対する加算措置が設けられております。また、当該加算措置の対象とならない小規模な保育施設等につきましては、区独自の補助も行っているところでございます。防災備蓄品の実物を配布するということにつきましては、私立保育園の意見も聞きながら、必要性も含め研究してまいりたいと思います。 ○井関委員 4、路上喫煙について。私は、常任委員会は厚生委員会に所属しているのですが、以前、喫煙所の設置に関しての質疑があったとき、私が関連して路上喫煙の質疑をしようとしたら、それは所管が違いますと言われてしまったので、今回こちらで質疑させていただきます。正直、中野駅周辺や東中野駅周辺の路上喫煙とポイ捨てに辟易していたのですが、子育て向上委員会さんからも、路上喫煙や歩行喫煙を何とかしてほしいという意見を頂戴しました。現在、中野区の路上喫煙禁止地区は中野駅周辺のみの設定となっております。それ以外の地域でも歩きたばこの姿を多く見かけます。路上喫煙禁止地区を拡大すべきだと考えますが、いかがでしょうか。 ○長沼道路管理課長 路上喫煙禁止地区については、中野区吸い殻・空き缶等の散乱及び歩行喫煙の防止等に関する条例に基づき、たばこの吸い殻の散乱の防止等のため、特に人通りが多い中野駅周辺に設定しております。路上喫煙禁止地区の在り方や受動喫煙対策などについて、現在、関係部署と検討を進めているところです。今後、方針として取りまとめていくことを予定しております。 ○井関委員 すみません。この後、その他で質問を続けようと思ったんですが、お時間が来てしまいました。最後にさせていただきます。千代田区や目黒区と品川区の間の武蔵小山商店街なんかは、路上喫煙に対し中野区よりも厳しい姿勢を取っています。実現可能かは分からないですが、中野駅周辺は自転車駐輪の撤去を一生懸命やっているので、例えば同じスタッフで路上喫煙に対し注意など、路上喫煙禁止に対して徹底するべきであり、さらに過料を科すことも検討するべきだと考えますが、区の見解はいかがでしょうか。 ○長沼道路管理課長 区では、路上喫煙禁止地区を含め主要駅において、マナーアップキャンペーンや環境美化活動を通して区民の意識向上を図っております。また、道路巡回の際、職員が路上喫煙をしている方を見かけた場合は指導を行うなどの対応も行っております。過料については、まずは啓発によって喫煙マナーの向上を図り、その状況を鑑みた上で慎重に判断してまいりたいと考えております。 ○井関委員 以上で私の質疑を終わります。明日からの分科会も頑張りましょう。ありがとうございました。 ○杉山委員長 以上で井関源二委員の質疑を終了します。 以上で総括質疑を全て終了します。 明日、9月26日(木曜日)からは各分科会が予定されています。本日の委員会終了後、会場設定を行いますので、持参された資料等は机の中のものを含めて全てお持ち帰りいただくようお願いします。 次回の委員会は、10月2日(水曜日)午後1時から当委員会室で開会することを口頭をもって通告します。 以上で本日の決算特別委員会を散会します。 午後4時11分散会 |