令和6年10月03日中野区議会本会議(第3回定例会)
令和6年10月03日中野区議会本会議(第3回定例会)の会議録

1.令和6年(2024年)10月3日、中野区議会議事堂において開会された。

.出席議員(41名)

  1番  山  内  あきひろ        2番  武  井  まさき

  3番  市  川  しんたろう       4番  日  野  たかし

  5番  木  村  広  一        6番  斉  藤  けいた

  7番  井  関  源  二        8番  黒  沢  ゆ  か

  9番  大  沢  ひろゆき       10番  武  田  やよい

 11番  広  川  まさのり       12番  いのつめ  正  太

 13番  間     ひとみ        14番  河  合  り  な

 15番  加  藤  たくま        16番  高  橋  かずちか

 17番  甲  田  ゆり子        18番  小  林  ぜんいち

 19番  白  井  ひでふみ       20番  吉  田  康一郎

 21番  立  石  り  お       22番  小宮山   たかし

 23番  内  野  大三郎        24番  い  さ  哲  郎

 25番  細  野  かよこ        26番  斉  藤  ゆ  り

 27番  杉  山     司       28番  ひやま      隆

 29番  大  内  しんご        30番  伊  藤  正  信

 32番  平  山  英  明       33番  南     かつひこ

 34番  久  保  り  か       35番  石  坂  わたる

 36番  むとう   有  子       37番  羽  鳥  だいすけ

 38番  浦  野  さとみ        39番  山  本  たかし

 40番  中  村  延  子       41番  森     たかゆき

 42番  酒  井  たくや

.欠席議員(1名)

 31番  高  橋  ちあき

.出席説明員

 中 野 区 長  酒 井 直 人      副  区  長  青 山 敬一郎

 副  区  長  栗 田 泰 正      教  育  長  田 代 雅 規

 企 画 部 長  岩 浅 英 樹      総 務 部 長  濵 口   求

 区民部長、新区役所窓口サービス担当部長 高 橋 昭 彦    子ども教育部長、教育委員会事務局次長 石 崎 公 一

 地域支えあい推進部長、地域包括ケア推進担当部長 石 井 大 輔   健康福祉部長  杉 本 兼太郎

 環 境 部 長  浅 川   靖      都市基盤部長  松 前 友香子

 まちづくり推進部長  角   秀 行    企画部企画課長  中 谷   博

 総務部総務課長  永 見 英 光

.本会の書記は下記のとおりである。

 事 務 局 長  堀 越 恵美子      事 務 局 次 長  林     健

 議事調査担当係長 鈴 木   均      書     記  若 見 元 彦

 書     記  田 村   優      書     記  細 井 翔 太

 書     記  森 園   悠      書     記  梅 田 絵里子

 書     記  川 辺 翔 斗      書     記  志 賀 優 一

 書     記  早 尾 尚 也      書     記  堀 井 翔 平

 書     記  金 木 崇 太      書     記  砂 橋 琉 斗

 

 議事日程(令和6年(2024年)10月3日午後1時開議)

日程第1 認定第1号 令和5年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について

     認定第2号 令和5年度中野区用地特別会計歳入歳出決算の認定について

     認定第3号 令和5年度中野区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について

     認定第4号 令和5年度中野区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算の認定について

     認定第5号 令和5年度中野区介護保険特別会計歳入歳出決算の認定について

日程第2 第64号議案 中野区個人番号の利用及び特定個人情報の提供に関する条例の一部を改正する条例

     第65号議案 建物の買入れについて

     第66号議案 南台小学校校舎新築工事等請負契約に係る契約金額の変更について

     第67号議案 明和中学校校舎新築工事等請負契約に係る契約金額の変更について

     第68号議案 明和中学校校舎新築に伴う機械設備工事請負契約に係る契約金額の変更について

     第69号議案 明和中学校校舎新築に伴う電気設備工事請負契約に係る契約金額の変更について

     第70号議案 南台小学校校舎新築に伴う機械設備工事請負契約に係る契約金額の変更について

     第71号議案 南台小学校校舎新築に伴う電気設備工事請負契約に係る契約金額の変更について

     第73号議案 中野中学校跡施設校舎耐震改修工事等請負契約に係る契約金額の変更について

     第74号議案 旧中野刑務所正門移築及び修復工事請負契約に係る契約金額の変更について

     第75号議案 旧中野本郷小学校校舎等解体工事請負契約に係る契約金額の変更について

     第76号議案 江原小学校環境改善改修工事請負契約に係る契約金額の変更について

     第77号議案 第五中学校環境改善改修工事請負契約に係る契約金額の変更について

     第78号議案 特別区道43-250バリアフリー化改良工事請負変更契約

     第79号議案 南台小学校新校舎用什器類の買入れについて

     第80号議案 明和中学校新校舎用什器類の買入れについて

日程第3 第88号議案 中野区国民健康保険条例の一部を改正する条例

日程第4 第81号議案 中野区災害弔慰金の支給等に関する条例の一部を改正する条例

日程第5 第82号議案 中野区南台四丁目地区における建築物の制限に関する条例等の一部を改正する条例

日程第6 第83号議案 中野区立学童クラブ条例の一部を改正する条例

     第84号議案 中野区立キッズ・プラザ条例の一部を改正する条例

     第85号議案 中野区立学校設置条例の一部を改正する条例

     第86号議案 中野区立小学校及び中学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例

追加議事日程

日程第7 第89号議案 令和6年度中野区一般会計補正予算

日程第8 議員提出議案第14号 議員の派遣について

 

午後1時30分開議

○議長(酒井たくや) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。

 本日の議事日程は、お手元の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。

 この際、申し上げます。令和6年9月30日付、10月1日付をもちまして、お手元の文書のとおり委員会参与に人事異動がありましたので、念のため御報告いたします。

 

人 事 異 動 表

 

 

 

発令年月日 令和6年9月30日

【課長級】

兼務解除発令

区長発令

発令権者   中野区長  酒井 直人

兼務を解除する職

氏 名

兼務者の現職

備考

南部すこやか福祉センター所長

志賀 聡

地域支えあい推進部南部すこやか福祉センター担当課長

退職発令

区長発令

発令権者   中野区長  酒井 直人

現職

氏 名

備 考

地域支えあい推進部すこやか福祉センター調整担当課長

志賀 聡

令和6年9月30日退職

発令年月日 令和6年10月1

【課長級】

区長発令

発令権者   中野区長  酒井 直人

発令

氏 名

備考

地域支えあい推進部南部すこやか福祉センター担当課長

(地域支えあい推進部長 石井 大輔 事務取扱)

 

兼務発令

区長発令

発令権者   中野区長  酒井 直人

兼務を発令する職

氏 名

兼務者の現職

備考

南部すこやか福祉センター所長

石井 大輔

地域支えあい推進部南部すこやか福祉センター担当課長

 

 

○議長(酒井たくや) これより日程に入ります。

──────────────────────────────

 認定第1号 令和5年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について

 認定第2号 令和5年度中野区用地特別会計歳入歳出決算の認定について

 認定第3号 令和5年度中野区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について

 認定第4号 令和5年度中野区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算の認定について

 認定第5号 令和5年度中野区介護保険特別会計歳入歳出決算の認定について

(委員長報告)

 

○議長(酒井たくや) 日程第1、認定第1号から認定第5号までの計5件を一括議題に供します。

 

令和6年(2024年)10月2日

 

中野区議会議長 殿

 

      決算特別委員長 杉山 司

(公印省略)

決算の審査結果について

 

本委員会に付託された下記決算は、審査の結果、原案を認定すべきものと決定したので、中野区議会会議規則第78条の規定により報告します。

 

 

議案番号

 

決定月日

認定

1

令和5年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について

102

認定

2

令和5年度中野区用地特別会計歳入歳出決算の認定について

102

認定

3

令和5年度中野区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について

102

認定

4

令和5年度中野区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算の認定について

102

認定

5

令和5年度中野区介護保険特別会計歳入歳出決算の認定について

102

 

○議長(酒井たくや) 決算特別委員会の審査の報告を求めます。杉山司決算特別委員長。

〔杉山司議員登壇〕

○27番(杉山司) ただいま議題に供されました認定第1号、令和5年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について、認定第2号、令和5年度中野区用地特別会計歳入歳出決算の認定について、認定第3号、令和5年度中野区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について、認定第4号、令和5年度中野区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算の認定について、認定第5号、令和5年度中野区介護保険特別会計歳入歳出決算の認定について、以上5件の決算特別委員会における審査の経過概要とその結果並びに主な質疑、要望及び問題点の指摘等について御報告申し上げます。

 なお、決算の内容につきましては、本会議における提案説明や当委員会における詳細な総括説明がありましたので、省略させていただきます。

 それでは、初めに、審査経過の概要とその結果について御報告申し上げます。

 当委員会は、9月12日の本会議において設置され、同日、直ちに委員会を開きました。初めに正副委員長の互選を行い、その後、五つの分科会の設置、分科会分担区分の決定及び分科会委員の選任を行いました。続いて、各分科会の正副主査を選任し、理事会の設置と理事の互選を行いました。そして、直ちに理事会を開会し、審査方法や日程など決算特別委員会の運営について協議を行い、その内容を委員会に報告し、決定いたしました。

 9月17日には企画部長から総括説明を受け、9月18日は、各委員が決算議案を検討するための決算検討日といたしました。そして、9月19日、20日、24日及び25日の4日間にわたり、24名の委員が総括的な質疑を行いました。なお、総括質疑等に資するため、322件の資料要求を行い、資料の提出を受けました。

 9月26日、27日及び30日の3日間は分科会ごとに審査を行い、10月2日の当委員会において、各分科会主査の報告を受けた後、討論を省略して直ちに採決いたしました。

 採決は認定ごとに行いました。初めに、認定第1号について起立により採決した結果、起立多数で認定すべきものと決しました。次に、認定第2号について採決した結果、異議なく認定すべきものと決しました。次に、認定第3号について起立により採決した結果、起立多数で認定すべきものと決しました。次に、認定第4号について起立により採決した結果、起立多数で認定すべきものと決しました。次に、認定第5号について起立により採決した結果、起立多数で認定すべきものと決しました。

 次に、委員会での審査過程における主な質疑、要望及び問題点の指摘等について御報告申し上げます。

 初めに、令和5年度決算について、誰一人取り残さない区政の実現に向けて、必要な政策であれば住民福祉に寄与する扶助費の増額は必要であるとの認識が示されました。また、現状の財政規模であればもう少し増額できるかについての区の見解がただされ、今後も十分な予算を振り分けてほしいとの要望がありました。

 次に、令和5年度決算について、特別区交付金の増要因についてただした上で、新庁舎整備やまちづくりの財政需要額が交付金で充当されているのではないかと問われました。また、多額の予算を新規・拡充事業に充て続け、基金残高が少なく、区債残高が増加したことについて、区の見解がただされました。

 次に、令和5年度中野区決算について、基金繰入金や地方債収入についての区の認識が問われ、起債返還額の増加等に留意が必要との指摘がなされました。また、基金や起債については長期的な負担額、将来予測を分析すべきであるとの認識が示され、今後の起債に当たっての区の考え方が問われました。

 次に、2023年度決算と今後の施策について、物価高騰に対する区の取組や姿勢、独自施策についてただし、決算額に対する評価について区の見解が求められた後に、物価高騰は一層深刻さが増しているので、今後も区民や事業者を守る施策を展開していくよう要望がありました。

 次に、令和5年度決算について、経常経費区分の不用額をゼロに近づけることや、義務的経費区分及び政策的経費は一定の不用額を容認することについて、区の見解がただされました。また、街路整備等においては、予算策定時の想定作業量を下回ると認識しても年度末まで見直さない仕組みの改善が求められました。

 次に、公教育について、コミュニティ・スクールの設置が遅れている理由について区の見解を求めた上で、既に活動している次世代育成委員の学校支援ボランティアとコミュニティ・スクールの地域コーディネーターの役割について、重複するため、配置の考え方を見直してほしいとの要望が出されました。

 次に、学校の建て替え計画について、築年数の基準や耐用年数を守るために学校整備を同時に行うことによる財政への影響について、区の見解がただされました。また、周辺住民の理解を得た上で高さ制限を撤廃することで建築費を圧縮し、財政への圧迫を軽減できるのではとの提案がなされました。

 次に、令和5年度決算について、物価高騰対策として行った事業、施策の概要と予算決算額についてただすとともに、都が事業所へ直接支援することになり、補正予算を組んでから実施を取りやめた支援策の金額と経緯が問われました。さらに、補正予算を組む作業を無駄にしないことについて、区の見解がただされました。

 次に、ヒートアイランド対策について、みどりの将来像に向けた計画推進においては、現在の指標であるみどり率ではなく、土地の面積に対して枝葉が茂っている部分の割合を示す樹冠被覆率を指標と位置付けることについての区の見解がただされ、あらゆる機会を通じ、樹木を増やす努力を行うよう求められました。

 次に、子育て支援について、病児・病後児保育を利用するには電話予約しか方法がないことを指摘し、スマートフォンで予約できるシステムの導入が求められました。さらに、保育園へ通園後に発熱などした際に、事業者がお迎えと病院の送迎、預かりまで行うサービスの導入について、区の見解がただされました。

 次に、令和5年度決算について、職員数の適性を測る指標について、区の考え方がただされました。また、安定した採用のため、働き方の魅力の醸成や積極的な発信が必要であるとの認識が示され、採用、定着、育成するための人への投資について、区の考え方が具体的に問われました。

 次に、鍋横区民活動センター等整備基本計画について、進捗状況や警察との協議状況をただすとともに、工事期間中の鍋横自転車駐車場の整備状況についてただされました。また、今後もスケジュールに合わせて建設検討委員会など地域の意見を聞き、計画に反映するよう要望が出されました。

 次に、資源回収及び粗大ごみ収集の委託事業について、昨今の著しい物価高騰を考慮して区独自の単価契約を見直すべきとの認識が示され、作業員の増員費用や熱中症対策費用の支援について、区の見解がただされました。また、若い世代の人材確保の支援策について、区の見解が求められました。

 次に、令和5年度決算について、新型コロナウイルス感染症ワクチンの費用助成がなくなったことで令和5年度には初回接種ができていない新生児もいることを指摘し、費用助成についての区の方針が問われました。また、区内で乳幼児にワクチン接種できる医療機関を公表してほしいとの要望が出されました。

 次に、教育委員会における流用について、不用額が出ている会計年度任用職員の人件費を毎年増額している理由が問われるとともに、今後の予測についての区の認識がただされました。また、流用や執行対応について区の認識をただし、新事業を立ち上げる場合はあらかじめ議会へ報告することが求められました。

 次に、学校教育について、自治体会計の観点から、学校給食費の無償化は正確には税負担化となるため、現在の私費会計による事務が適正なのか区の見解を求めた上で、学校事務の私費会計について、事務量の減少や節約につながる公会計化を検討するよう求められました。

 次に、防災について、避難所には区民全員を避難させるスペースや備蓄物資がないことから、在宅避難が現実的な方法となるため、中野区ホームページにおける情報発信が重要となるとの認識が示されました。また、各自治体に配付されたスターリンクを利用した端末の今後の活用状況がただされました。

 次に、敬老事業について、近隣区と比較して中野区は祝い品贈呈の回数や金額が少ないことを指摘し、敬老事業は高齢者に長年の社会貢献への感謝を表す大切な機会であるため、88歳まで待たずに対象年齢を早めたり、祝い品の内容の充実を図ることについて、区の見解がただされました。

 次に、多様性に富む全ての区民が安心して生活できる中野区について、障害を持つ職員が管理職を目指す意欲を高めていくことについて、区の認識がただされました。また、23区最下位であった難病患者福祉手当の引上げについて区の見解が問われ、前向きに検討することが求められました。

 次に、いじめ・不登校について、いじめについてのアンケート結果やいじめ問題対策委員会の調査事案について問われ、いじめ問題対策委員会が有効に機能していないとの懸念が示されました。さらに、いじめ事案に対しては、スピード感を持ち、被害者に寄り添った対応をするよう求められました。

 次に、育児支援・少子化対策について、保育園、幼稚園それぞれの在園児童1人当たりの経費が問われ、今後の幼稚園への支援について、区の見解がただされました。また、在宅育児家庭への支援には、幼稚園への支援だけでは不十分であるとの認識が示され、現金給付による支援について、区の見解がただされました。

 次に、持続可能な財政運営について、児童館整備計画の改修スケジュールから、小学校の建て替えが遅れると改修時期が重なる児童館があるとの見解が示されました。また、児童館の改修・改築に当たり、補助金の確保状況や費用の概算について議会で報告がなされていないことについて、区の見解がただされました。

 次に、令和5年度決算について、景気動向等が不透明な中、歳入は先行きを見通すことが困難であり、今後の予測は厳しく見ていく必要があるとの認識が示されました。また、歳出は経常経費が年々伸びているとの懸念が示され、削減していくことについて、区の見解がただされました。

 次に、西武新宿線地下化について、野方以西の計画が遅れている理由と高架化の計画の理由を問われた上で、用地買収や日当たり、騒音などの訴訟リスクは高架化と地下化では変わらないことに加え、公共事業や地域経済振興という点からも、地下化することに対しての区の見解がただされました。

 その他、公園について、スマートウエルネスシティについて、小・中学校の保護者負担軽減について、まちなかでのベンチの設置について、区立中学校の通学距離と指定校変更について、鷺宮地区のまちづくりについて、中野駅周辺のまちづくりについて、健康施策について、動物との共生について、介護・障害福祉の人材確保について、請負契約・委託契約について、地域活動の推進について、西武新宿線連続立体交差事業について、子宮頸がん等HPV疾患対策について、新庁舎について、気候変動対策について、里親への支援について、区長車について、2040年問題(各論)について、文化芸術について、人権政策について、公金運用について、歯に関する施策について、防災対策についてなどについて、質疑及び要望等がありました。

 なお、決算特別委員会は議員全員をもって構成されていることから、質疑等の紹介は以上のとおり概要といたします。詳細につきましては、決算特別委員会の会議録により御承知いただきたいと存じます。また、各分科会における質疑応答につきましては、当委員会において各分科会主査から詳細な報告があり、委員会会議録に記載されておりますので、その内容は割愛させていただきます。

 以上、決算特別委員会における審査の経過の概要とその結果並びに主な質疑、要望及び問題点の指摘等についての報告を終わります。

○議長(酒井たくや) ただいまの報告について御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 これより討論に入ります。むとう有子議員、いのつめ正太議員、吉田康一郎議員、市川しんたろう議員、甲田ゆり子議員、広川まさのり議員、内野大三郎議員、石坂わたる議員から討論の通告書が提出されていますので、順次通告議員の討論を許します。

 最初に、むとう有子議員。

〔むとう有子議員登壇〕

○36番(むとう有子) ただいま上程されました認定第1号、2023年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について、反対の立場から討論をいたします。

 2023年度の歳入決算総額は2,039億760万9,000円、歳出決算総額は1,985億7,729万2,000円と、いずれも過去最高額となりました。

 地方公共団体の財政の健全化に関する法律に基づく四つの指標では健全性を確保しているとはいえ、地方債の年度末現在高は360億4,253万円で、新庁舎整備に関わる起債などにより、2022年度と比較して121億5,529万1,000円も増額となりました。社会資本形成の世代間負担比率が高く、少子化の中で将来世代に負担が重くのしかかることになります。

 さらに、先日判明した工事費900億円の増額というサンプラザ・区役所跡地開発、正式名称中野四丁目新北口駅前地区市街地再開発事業をめぐる現状を踏まえると、中野区の未来に不安が色濃くなりました。

 サンプラザ・区役所跡地の市街地再開発事業の今年度内の着工と、2029年度末の完成も断念せざるを得ない状況になり、今年度中に入るはずであった転出補償金400億円が入らなくなりました。これにより、新庁舎の建設費もサンプラザの所有会社である株式会社まちづくり中野21が清算し解散する資金もめどが立たない状況になっています。

 2023年度末である3月21日の本会議で、私は、サンプラザ・区役所跡地に建設予定の高層ビルの完成後、事業者が示していた区所有の権利床の年間想定収支額は、事務所床95%、レストランなどの展望フロア、バンケット、コンベンションセンターや子どもの遊び場の床は97.5%から100%の賃貸、展望テラスの入場者数は年間30万人から40万人を見込み、年間想定収支が9億円との楽観的な数字に踊らされ、民間事業者任せの巨大再開発に突き進む危険性を指摘し、財産の処分についての議案に反対をいたしました。

 その際の反対討論で、1、既に多額の国の補助金を前提とした資金計画は見直しを強いられ、容積率を1,000%に増やし、分譲住宅戸数も1,250戸に増やし、事業費も当初の1,810億円から829億円も増加し2,639億円に膨らんだが、まだまだ膨らむ可能性があること、2、2月8日、工事を請け負う建設会社が株式上場以来初めて、2024年3月期の連結営業損益が資材の高騰や労務費の上昇による建設コストの増加で330億円の赤字になる見通しを発表したことを指摘しました。しかし、区はどこ吹く風でした。

 さらに、施行予定者5者から1者が抜けた時点で、冷静に考えれば、遅かれ早かれ、昨今の状況を招くことは明白でした。

 民間事業者任せで区の主体性が全く見えず、まちづくりの主役であるはずの区民の姿も見えず、まちは誰のためにあるのか、何のために巨大ビルを造るのかという最も大切な議論がどこかに消え、事業を進めることが目的になって、十分な検証もせずに民間事業者の提案を唯々諾々と受け入れる形で進んできたと思えてなりません。

 区長が酒井さんに替わりましたが、変わったことは、アリーナの規模が1万人から7,000人になっただけでした。私は、一貫して巨大大規模開発に反対し、緑豊かなまちに必要最低限の建物を建てるまちづくりを提唱してまいりました。100年後を見据えた再開発であると言うのであれば、この機を生かして、駅前の一等地は手放さず定期借地とし、高く大きくからの脱却を目指す開発をしていただきたいと願っています。

 2023年度の決算も、この現状に至る区政運営だったと言えるので、賛成するわけにはまいりません。

 さて、2023年度一般会計の執行率は、2.1%改善し94.8%となったとはいえ、不用額が82億6,020万円もあります。毎回指摘していますが、予算段階での見積りの精度を上げることで区民要望をかなえる数々の新たな事業ができるので、とても残念です。

 また、総括質疑でも指摘しましたが、2023年度当初予算案の概要を読み返してみると、各部が誇らしげに様々な新規事業を予算化しましたが、予算額の大半が執行残額イコール不用額となっているものが多いことに気づきました。

 新規事業を予算化する際は、区民ニーズを踏まえつつ、費用対効果や重要度などから多角的に判断し、必要経費を積算していると思っていましたが、私が総括質疑で列挙した新規事業の残額を見ると、果たして区民ニーズはあったのでしょうか。多角的に検討せず、取りあえずやってみる的に予算化したのではと思えてなりません。

 その結果、広島への平和の旅などの数事業を除くと、成果が上がらず、「主要施策の成果」の中に新規事業はほとんど記載がありません。

 特に、区民ニーズがないにもかかわらず、23区でお初事業として誇らしげに新規で予算化した男子HPVワクチン、いわゆる子宮頸がんワクチン任意予防接種費助成予算額1,594万1,000円ですが、執行額777万1,101円で、残は執行額を上回る820万4,050円でした。不思議なことに、執行額と不用額を足し算すると3万4,151円予算額をオーバーしており、決算説明書だけでは理解できない数字となっていることを指摘しておきます。

 男子に接種する理由として、中咽頭がんや肛門がんなどの予防をうたっていますが、現実にHPVワクチンがこれらのがんを予防したという証拠、いわゆるエビデンスは全く存在していません。2019年人口動態統計によると、日本人男性の中咽頭がんの罹患率は人口10万人当たり3人で、肛門がんは0.9人です。中咽頭がんのうちHPVに関連しているのは我が国では約半数とされていますから、実際にHPVに関連する中咽頭がんの罹患率は10万人当たり1.5人程度ということになります。これらの数字を中野区の男性の人口約16万人に当てはめると、毎年の罹患者は1人か2人程度と推測されます。

 このような希少ながんを防ぐために、12歳から16歳の健康な男子全員に罹患リスクよりも重篤な副反応リスクが上回るワクチンを接種するというのは、薬の効能、いわゆるベネフィットとリスクの面で、公衆衛生施策として区が行うべき事業とは思えません。

 なお、2023年1月24日の厚生委員会会議録には、保健予防課長の、女性は今後9価ワクチンに流れるので、4価が空くから、そこに男子を入れたいという考え方だと思うと、とんでもない答弁が記録されています。中野区は製薬会社の片棒を担ぎ、製薬会社の在庫処分のために男子への接種を決めたのかと言われても仕方がありません。

 女子への接種も含め、製薬会社とともに国も区も躍起になり接種勧奨を行っていますが、予算化した接種件数の半分以下であり、区民の賢明な判断の結果だと私は受け止めています。

 2023年度決算そのものには不正は見当たりませんが、地方自治法第2条14項「地方公共団体は、その事務を処理するに当つては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない。」を念頭に置いた区政運営が行われたとは認められません。

 予算編成過程にある2025年度予算が堅実で無駄のない予算となるよう、さらには、区民の生活実態に目を向けて、暑さを理由に徒歩圏内でも区長車を使う一方、生活保護世帯への夏季光熱水費加算は考えていないなどと、自分に甘く区民に厳しい区政運営の改善に期待を込めて、雑駁ではありますが、認定第1号、2023年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定に対する私の反対討論といたします。

○議長(酒井たくや) 次に、いのつめ正太議員。

〔いのつめ正太議員登壇〕

○12番(いのつめ正太) 認定第1号、令和5年度中野区一般会計歳入歳出決算について、立憲・国民・ネット・無所属議員団の立場から賛成の討論を行います。

 令和5年度普通会計決算は、歳入決算額が2,039億円余、歳出決算額が1,986億円余となり、実質収支比率が3.8%、経常収支比率が71.2%といずれも適正値に収まっていることから、財政指標を総合的に見ると、財政は健全と言えます。

 主な特徴としては、区役所新庁舎整備、平和の森小学校用地購入、急激な物価高騰及びそれに伴う各種給付金給付が挙げられ、財政規模が膨らむ一方、歳入増に支えられる形となりました。

 本決算は、新たな財政運営の考え方に基づいた予算編成手法によって初めて執行されたもので、基金においては計画どおり積立てを行うことができました。他方、財政指標や新たな財政運営の考え方で設定された適正値や目標値は、正しいものとは限りません。時代に即した指標を捉えるよう、不断の努力を求めます。

 歳入では、特別区民税が、納税者1人当たりの所得額が増加したため3億円増加し、徴収率が23区平均と同水準に達したことを大いに評価します。また、景気動向に影響を受ける特別区交付金が前年度から26億円増加、都支出金が51億円、繰入金が65億円増加しました。

 歳出では、扶助費が21億円増加し、公債費が86億円増加しました。特に、新庁舎整備や小・中学校の施設整備のため、投資的経費では258億円の増加が見られ、公債費負担比率は23区平均を大幅に超える8.1%となりました。

 起債に関しては、起債額の大きい新庁舎整備、平和の森小学校用地取得、学校施設整備を予定どおり行った上で、一般財源の充足により、他に予定していた8件の起債を取りやめたことを評価いたします。

 今後、基金と起債の利率上昇や物価高騰が予測されるため、歳入や剰余金を見極めて区債の発行を抑制する取組が必要です。また、学校を含む施設整備が続く中で、減価償却費25%の積立てでは対応できない可能性があり、改定される区有施設整備計画の中で明らかにされることを求めます。

 個別の事業では、子どもの貧困対策の推進、独り親家庭支援、若者育成支援、妊娠から子育てにかかる切れ目のない相談支援体制の充実、小・中学校の指導体制、組織体制の充実、ひきこもり支援、スクールロイヤーの配置、医療的ケア児支援の連携体制の拡充、子育て支援ハンドブック「おひるね」の発行、ヤングケアラー支援、男子HPVワクチン任意予防接種費用助成、多文化共生事業の推進などについて、大きく評価いたします。引き続き、時代に即した新規事業を的確に行うとともに、行政評価制度を機能させ、適宜見直しを行い、次年度予算編成に生かしていくことを求めます。

 また、令和5年は生成AI元年とされ、先端技術革新によるデジタル化が大きく動いた年でもありました。

 中野区においては、新庁舎整備に向けた区民サービス向上、職員の働き方改革のためのITインフラ整備、多機能ユニファイドコミュニケーションツールの導入、ホームページのリニューアル、LINEを活用した情報発信や情報収集、区民活動を幅広く共有できる「ためまっぷ」の導入など、庁内DXを含むデジタル政策を加速させたことを評価いたします。今後の効果検証を踏まえた改善、有効活用のための取組にも期待します。

 中野駅新北口駅前エリア再整備について、事業の進捗に課題が生じているとのことです。今後、遅れに伴って生じるコストの負担の在り方や、再検討の範囲をどこまでにするかなど、区として様々な判断が求められることとなります。区民の財産を守り活用していく観点から、取組を求めます。

 今後も、災害対応や物価高騰など、時々の社会状況に対応していくこととなります。区民に寄り添う施策を実現する持続可能な財政運営を求めて、認定第1号の賛成討論といたします。

○議長(酒井たくや) 次に、吉田康一郎議員。

〔吉田康一郎議員登壇〕

○20番(吉田康一郎) 育児支援と防災緑地と平らな歩道の中野を創る会、吉田康一郎です。

 令和5年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定に反対し、不認定とする立場で討論をいたします。

 自治体の決算が不認定となる理由としては、次のようなものがあるとされています。1、正当な理由のない未執行の予算がある。2、予算の執行が効率的でない。3、起案文書や業者との契約に不備がある。そして、4、予算の執行が目的としていた行政効果を得られていない。

 令和5年度中野区一般会計歳入歳出決算を不認定とする理由の第1は、育児支援予算の行政効果であります。

 区長は、最初の区長選挙の選挙公約以来、子育て先進区との政策を真っ先に掲げてきています。しかし、中野区の出生率は全国最低水準である0.97から0.96に、さらに0.92に下がりました。23区内の順位も、最下位と少数点2桁まで変わらない22位となっています。

 それにもかかわらず、令和5年度の一般会計予算は、それまでの史上最大規模となる中、子ども関係予算も増えてはいますが、予算全体に占める割合は、前年度よりは微増したけれども、その前の3年間と比べると逆に下がっている状況にありました。

 そして、予算の中身を見ると、従来から、在宅育児家庭よりも就労育児家庭への子ども1人当たりの支援の金額が極めて大きい格差の問題に関して、令和2年度、就労家庭が約230万円、在宅育児家庭が約52万円、その差が180万円であったものが、令和4年度に、就労家庭が250万円、在宅育児家庭が約50万円、その差が約200万円となり、令和5年度決算では、私が繰り返し在宅育児家庭にも就労育児家庭にも区は公平に経済的支援をすべきだと指摘し、区も繰り返し、より在宅育児の負担が軽減されるよう検討を進めてまいりたい、サービスの充実に取り組んでいる等と答弁してきたにもかかわらず、就労育児家庭が約264万円、在宅育児家庭が約54万円、その格差は逆に約210万円に拡大しました。在宅育児差別と言ってもよい行政を行ったわけであります。

 理由の二つ目は、中野駅新北口駅前エリア(区役所・サンプラザ地区)の再開発事業であります。

 昨年の決算特別委員会、令和4年度決算でも指摘をいたしましたが、本事業について様々な場で確認をしてまいりましたとおり、区は、区議会に対して、事業の在り方について判断するために必要な情報を示さないまま、賛成だけを求め続けてきました。

 その典型は、中野駅新北口駅前エリア拠点施設の容積率を、プロポーザルによる選定が終わってから、議会への説明もなく900%から突然1,000%に変更したことですが、それ以外にも区の議会への説明は度々不足し、遅れ、その例は枚挙にいとまがありません。

 要求資料建設24に示されるとおり、本事業は2020年1月の再整備事業計画策定時に比べて竣工の予定が1年遅れていますが、そもそも、2018年3月の中野四丁目新北口地区まちづくり方針の策定時、これは酒井区長就任の3か月前ですが、このときの目標スケジュールとして示されていた竣工予定は2027年度末であったのであり、2年遅れています。

 去る9月19日、小林議員の総括質疑に対する区の答弁から、本年度、転出補償金400億円の収受ができないことをはじめ、本事業の頓挫が明らかとなりましたけれども、このような事態に至るまで、これまで区は何をしていたのかと言わざるを得ません。

 このほか、地域の理解を得られない形での小学校の校庭の人工芝化の推進、障害者への配慮が不足したエレベーターの配置をした新庁舎の建設推進、問題の多いLINEという一営利事業者が提供するアプリを利用しない区民を切り捨てた区立保育園の一時保育の登録及び予約の制度、区役所1階の貸出しスペースの登録の制度、あるいは、区庁舎から至近距離の四季の都市(まち)や飲食店への移動にまで使用するような区長公用車の使用など、予算の執行が適切、公平、効率的でないと思われる事業を指摘いたします。

 最後に、他の様々な事業の決算についてはおおむね認定できることを申し述べて、本認定について反対し、不認定とする討論を終えます。御清聴ありがとうございました。

○議長(酒井たくや) 次に、市川しんたろう議員。

〔市川しんたろう議員登壇〕

○3番(市川しんたろう) 認定第1号、令和5年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について、自由民主党議員団の立場で、賛成の立場で討論させていただきます。

 中野駅新北口駅前エリアの市街地再開事業、いわゆるサンプラザ・旧区役所の跡地開発において、事業中断という衝撃のニュースが決算議会の前に飛び込んできました。事業全体がゼロベースになりかねないといった趣旨の答弁が出てくる緊急事態であります。

 中野サンプラザ、旧中野区役所の土地建物の権利変換をして、転出補償金約400億円を収受し、新中野区役所庁舎の建築費用の返済分として約260億円、まちづくり中野21の解散資金としての約140億円、今後建て替える施設の原資となる計画でありました。それが当面なくなった今、今後の学校、区民活動センター等の区有施設、まちづくりの進展、こういったものは遅滞、区政は歩みを止め、最悪な事態になれば、前進どころか後退しかねない状況であります。

 審議の中でも指摘をしましたが、我が会派としては、この着工延期は今年度よりも昨年の令和5年度における執行状況によるところが大きいものと考えます。

 昨今、建設工事においては大変不利になる社会情勢の変化があるにもかかわらず、事業進捗が予定よりも大きく遅れ、取り返しがつかない状況となりました。中野区は施行予定者と週に1回打合せをしており、施行予定者に全て責任があったとは言い難く、マネジメント能力に疑問が生じるところであります。

 我が会派としては、これまで整備スケジュールの遅れのリスクについて質問をしてまいりました。議会で展望施設の有無、配置、採算などについて結論が見出せていなかった時期であった令和5年度第2回定例会一般質問において、「万が一、整備スケジュールが遅れた場合に想定される財政面における影響について伺います。」と質問をし、答弁としては、「整備スケジュールの遅延による財政面の影響について。中野サンプラザに関しては、株式会社まちづくり中野21は、借入金利子や固定資産税等で毎月3,000万円程度の経費を負担しておりますが、その経費負担の期間が長くなるという影響がございます。そして、現庁舎につきましては、新区役所移転後の閉鎖管理に伴う維持管理経費等の負担増が考えられます。また、転出補償金の収入時期が遅れますと、新区役所整備費の起債の償還時期が遅れ、年1億円程度の追加利払いが発生する可能性がございます。」と答弁がございました。

 また、我が会派としては、令和4年度決算特別委員会以降、物価高騰、インフレの状況を区政全般で勘案するとともに、財政フレームにおいてその影響を加味すべきだと提案、インフレリスクについてただした上で、遅滞が許されるべきではないと指摘をしてまいりました。

 新サンプラザ工事延期の事態を生んだ主要因は社会情勢の変化であることは間違いございませんが、そのことが分かっているにもかかわらず、一日でも早く計画を進める努力をされたのか、疑義が残ります。

 最もスケジュールとして遅れたのは再開発の都市計画決定で、令和5年3月頃の予定だったものが、令和5年11月と、8か月遅延いたしました。理由は、展望台のレイアウト、事業収支の調整だということでございました。

 我が会派としては、令和4年第1回定例会一般質問において、予定施行者が再開発の容積率を900%から1,000%に上げてほしいという要望に対して、前提条件が崩れたことで事業者選定の公平性、公正性とともに、この事業に対する区の関与の在り方が懸念されることを指摘しました。しかしながら、その機会を捉えて展望施設を入れてもらうべきだと提案、区も答弁で、「新たな施設における展望フロアや商業空間など、区民の期待に応えるものとなるよう、施行予定者との交渉に臨んでいく考えでございます。」と答弁されました。

 都市計画決定の当初スケジュールの1年以上前に900%から1,000%に大きく前提を施行予定者自ら変えたわけであり、展望施設の有無が都市計画決定の遅滞をもたらす要因にはなり得ません。

 また、令和6年2月には清水建設株式会社が麻布台ヒルズ事業で大赤字となり、創業以来、決算で初めて営業赤字となるも、中野区は実態、状況把握に努めていなかったことが質疑から分かりました。今後、施行予定者から経緯などの聞き取りをしっかり行い、今回の顛末の本質はどこにあったのか、事実を今後議会に報告していただきたいと思います。

 多くの懸念材料を残しながら、令和5年度において、第1回定例会で再開発に関連する第18号議案の財産の処分についてが上程され、なかなか納得のいく説明が得られず、議会スケジュールを変更してまで審査を続け、可決がされました。そして、令和6年度になりますが、4月にヒューリック株式会社が脱退、7月に事業認可申請、8月末に900億円以上の見積りの変更がされ、事業中断がされるという、冒頭申し上げた事態に陥ります。

 区長がこれまでの間リーダーシップを発揮して、各関係機関に対して中野区にとって本事業がどれだけ大事な事業なのかを発信していたのかも、先日の決算特別委員会においての区長答弁を聞いていても、大変疑問を感じざるを得ません。

 これまで中野駅周辺まちづくりを力強く推進してきた我が会派としては、今後この難局を打開するためには、区長が当事業への御自身の責任の重大さを改めて認識していただくことはもちろん、この事業は33万人の中野区民にとってどれだけ重要で大切な事業なのか内外へしっかり発信し、トップセールスもいとわない姿勢で取り組んでいただきたいと思います。

 それは、中野駅新北口の再開発事業だけではなく、西武新宿線の連続立体交差化事業や子育て支援など、他の重要政策でも同様であると申し添えます。

 また一方、決算特別委員会や各分科会では、このほかにも様々な事業について議論がされ、財政、施設計画等については我が会派からも様々な提案をさせていただきました。こちらについては前向きな答弁もございましたので、この決算議会で語られた議論が来年度予算編成に生かされることを強く求め、賛成討論とさせていただきます。ありがとうございました。

○議長(酒井たくや) 次に、甲田ゆり子議員。

〔甲田ゆり子議員登壇〕

○17番(甲田ゆり子) 上程中の認定第1号、令和5年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について、公明党議員団の立場で賛成討論を行います。

 令和5年度の中野区一般会計決算は、歳入総額が前年度比20.3%増の2,040億324万円余、歳出総額が22.4%増の1,986億7,292万円余となり、実質収支額34億8,600万円余の黒字、単年度収支は29億4,200万円余の赤字となりました。

 歳入については、一般財源は前年度比3.6%増の965億円、特定財源は前年度比40.8%増の1,074億円となり、歳入総額は2,039億円で、前年度比345億円、20.3%の増となりました。

 特別区税を見ると、納税義務者数、納税者1人当たりの所得も伸びを続けており、徴収率も0.1%伸び、23区平均と同じ99.1%となりました。特別区交付金も過去最多の473億円で、好調な歳入の状況は続いています。

 しかし、依存財源に対しての自主財源比率の低下は注意が必要で、安定した財政運営には適正な財政規模を見極める必要があります。

 歳出では、子育て支援としての高校生等18歳以下の医療費助成事業や、妊娠から子育てにかかる切れ目ない相談支援体制の充実、そして、23区初となるリトルベビーハンドブックの作成、通学路児童見守り業務拡充、また、高齢者、障害者支援としての補聴器購入費用助成の検討、さらには、公園再整備計画に基づく区立公園整備の推進、中野駅周辺、西武新宿線沿線、防災まちづくりなど各種まちづくりの推進、中学生の代表による広島への平和旅の実施など、我が会派が求めた事業の前進が図られ、評価をするところであり、各種財政指標の上からも、決算については認定できるものです。

 一方、決算特別委員会の質疑の中では、予算執行に当たっての課題も見えました。

 令和5年度は、当初予算に新型コロナウイルス感染症の対策費を盛り込んでスタートしましたが、5月には感染症法上の分類が5類へと引き下げられたことにより、約30億円の対策費、うち執行は約11億円、残る約18億円は不用額となりました。

 しかし、総務分科会での質疑では、この未執行のコロナ対策費が区長等の東北出張の費用として執行されたことが明らかとなりました。決算説明書には事務費として記載をされており、流用でもなく執行対応で行ったとのことで、質疑がなければ議会にも区民にも分からないものとなっています。

 令和5年度の予算執行方針では、「予算は区議会の議決を経て成立することから、区議会への情報提供を十分に行い、理解を得た上で、法令に従い適正に執行すべきものである。」としています。補正によらない執行対応により予算上提示にない事務事業が行われることについては、他会派の議員からも疑義が呈されましたが、予算執行に当たっての議会や区民に対する説明責任をいま一度重く考えるべきと申し上げます。

 決算結果から今後の区財政を見ると、昨年度は新たな財政規律による予算編成と執行が行われた最初の年ですが、その結果は、決算ベースで新規・拡充事業は前年度比232%、約250億円増の437億円と急増し、経常経費充当一般財源等も増加をしており、歳出決算額は過去最大となりました。

 もちろん、歳入も同様以上に増加をしていますが、経済の影響を大きく受けて増減する歳入と違い、歳出規模の縮小は容易ではありません。エビデンスベースもビルド・アンド・スクラップもスローガンと化したような安易な財政規模の拡大は厳に慎まれることを求めます。

 また、基金残高は過去最高の799億円となるも、令和元年度に90億円まで減少させた起債残高は、前年度比121億円増の360億円となりました。世代間負担の公平性のためとはいえ、起債の償還は経済状況が当初見込みに大きく影響する可能性があることは身をもって学ばれたと思います。また、基金の積立て基準には現下の物価高騰が反映されておらず、新たな財政規律の早急な見直しが必須であることも申し上げておきます。

 最後に、中野駅新北口駅前エリア市街地再開発事業について、施行予定者側から建設費が約900億円程度上振れするリスクが生じたこと、また、そのことにより年度内の事業着工ができなくなる可能性があることが我が会派の総括質疑で明らかになりました。このことは、あまりの金額の大きさゆえ、抜本的な区政運営の考え方にも影響を与えることにもなり、財政運営の面からも慎重にならざるを得ない事態です。

 さらに言えば、直近で伝えられたとはいえ、区政の未来に大きな影を落とすかもしれない事態について、議会側に報告の機会を求めることなく、決算特別委員会における総括質疑の答弁で明かす姿勢は、事の重大さに対する区の認識が不透明であり、理解に苦しみます。

 令和5年度だけでも、当該エリアの再開発に繰越明許費も含め6億3,000万円余もの予算が執行されています。全ての議員が決算特別委員会に当たり決算分析を今後の財政運営にどう生かすのかと懸命に調査し、質問を調整していることを認識しているのであれば、委員会ないしは全体会の開催を要請し、現状だけでも速やかに報告すべきではなかったでしょうか。

 今定例会の常任委員会、特別委員会において現状の報告があると思いますので、詳細な議論はそこで行いますが、今後は、少しの変化でも議会への情報提供を真摯に行われること、この事態を受けての来年度予算編成については区民が納得できるよう説明をすること、さらに、物価高に苦しんでいる区民の生活を念頭に置いての区政運営を行っていくことを強く求め、賛成の討論といたします。

○議長(酒井たくや) 次に、広川まさのり議員。

〔広川まさのり議員登壇〕

○11番(広川まさのり) 上程中の認定第1号、令和5年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について及び認定第3号、令和5年度中野区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の認定についてに対して、日本共産党議員団の立場で賛成討論を行います。

 2023年度は、新型コロナウイルス感染症流行の4年目となる中、5月からは感染法上5類に引き下げられましたが、その後も感染拡大を繰り返しました。また、長引くウクライナ侵略など世界情勢が不安定になる下で、原油価格や原材料費の高騰、異次元の金融緩和による異常円安が続き、中野区政にとっても、住民、事業者を守る公の役割が問われる年度でした。

 同時に、新庁舎移転を控える中で、基本計画の後期となり、実施計画の策定、重点プロジェクトの具体化をする年でもありました。

 2023年度一般会計の歳入決算総額は2,040億324万円余、歳出総額は1,986億7,292万円余で、前年度と比較し、歳入で20.3%増、歳出で22.4%増となり、実質収支額は34億8,672万円余の黒字でした。一般財源の歳入が増えた要因は特別区税や特別区交付金の伸びであり、特別区交付金は、調整税等の増により前年度比26億3,500万円余、5.9%増の473億3,600万円余となりました。

 財政運営の考え方が改められ、基金の活用と積立て等について新たな基準を設けての予算編成を行った年度でもありましたが、積立てはほぼ当初の想定どおり合計199億円余となり、年度末の基金残高は過去最高の799億円余となりました。その他、各財政指標などからも、区の財政状況は健全であったと考えられます。

 以下、賛成理由を3点述べます。

 第1に、物価高騰対策として、学校給食食材の一部公費による調達、商店街街路灯等の電気料助成基準の見直し、福祉タクシー、福祉ガソリン事業などが行われました。また、年度途中に第9次までの補正予算が組まれ、区独自に対象を拡大した価格高騰支援給付金や子育て世帯生活応援給付金、区立小・中学校教材費補助、また事業者支援として、私立の幼稚園や保育所等、民間学童クラブ、介護サービス事業所への補助などを実施したことを評価します。

 年度後期に実施された区内小・中学生の児童・生徒の保護者に対する給食費相当額の給付は、区立、私立、都立、国立等を問わず全ての世帯を対象とする区独自の取組が行われました。

 第2に、重点プロジェクトに掲げた子育て先進区の実現に向けた取組として、スクールソーシャルワーカー体制の強化、スクールロイヤーの配置、全小・中学校における放課後や夏季休業期間の学校図書室開放、小学校教員の負担軽減のための学級担任業務を補佐する職員の配置などに取り組んだことです。

 特に、子どもの貧困対策として、学習支援事業の対象学年の拡大や子ども食堂を新たに開設する場合の施設整備費の拡充など既存事業の拡充、高校生等に係る医療費助成の実施、実質独り親家庭への支援強化に取り組まれたことは重要でした。

 第3に、困っている人に優しいまち、誰もが住み慣れた地域で自分らしく暮らすことができるまちを目指す地域包括ケア体制において、支援を必要とする人への相談、コーディネート体制の充実のために、ヤングケアラーやひきこもり、認知症などの相談体制を強化したことです。また、補聴器購入費助成の実施に向けた検討が行われ、今年度の実施につながっています。引き続き、制度や支援を必要とする方の立場に寄り添った取組を期待します。

 最後に、来年度予算編成に向けて改善、留意すべきと考えることを三つ述べます。

 一つに、建築資材の価格高騰や人件費の上昇などを受けて、全国で建設費が上がり続けています。中野区においても、中野駅周辺の大規模再開発が進行中であり、区民負担の増や区民サービスの削減などにつながることがないよう強く求めます。今後の区有施設の整備、改修、まちづくり、インフラ工事などへの影響も懸念されるところであり、適切な事業費の算定に努めることを要望します。

 二つに、決算年度にかけての3年間で取り組まれた中野区構造改革実行プログラムにおいて、債権管理体制の強化を位置付けていました。「滞納情報が一元化されておらず、生活困窮と思われるなど福祉的要素がある滞納者や外国人への統一的なアプローチが十分に行えていない。」という課題に対し、各所管で滞納情報を共有して、一体的な支援を図ることを目指していました。

 3年にわたる取組で、一元化に向けた検討、体制の確立、体制の強化というスケジュールを示していたものの、結果として、債権ごとの性質の違いや他区の状況等を理由に一元化を見送りました。当初の課題は解決していません。早期に生活再建型の債権管理体制を構築するために、一元化について、組織の在り方も含め再検討すべきと考えます。

 三つに、区の税収は好調であるものの、長引く物価高騰の影響などで生活の苦しさが増しています。生活援護課が窓口となった生活相談は、コロナ禍を超える件数となっており、本会議において区長も、長引く物価高騰の影響で依然として苦しい生活を送っている方も数多くいるという認識を示されています。

 先ほど触れた物価高騰対策について、区の一般財源で対応したものは2億4,000万円余にとどまっています。新年度予算に向けて、区民、事業者を守る政策や展開を求めるとともに、国や都の動きを待つのではなく、区として積極的に独自の対策と財政支出に乗り出すべきと考えます。誰一人取り残さない区政を掲げる中野区が、公の役割を発揮することを求めます。

 次に、認定第3号、令和5年度中野区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の認定についてに対して討論を行います。

 国民健康保険事業特別会計で、歳入決算総額は338億6,500万円余、前年度比12億4,000万円余、3.8%の増となり、国民健康保険料は87億4,000万円余、1人当たり1万1,000円以上という過去最高の値上げとなりました。物価高騰で厳しい家計のやりくりを強いられている区民にとって大きな負担となっています。

 国が自治体独自の法定外繰入れの縮減を求める中、中野区が一般会計から法定外繰入れを行い保険料の負担を抑える努力をしていることは評価します。また、低所得者層への軽減措置として、医療分と介護分について、特別区の賦課割合が所得割58対均等割42と定めているのに対して、区が独自に所得割60対均等割40としていることは重要です。これら負担軽減のための対策は継続することを求めます。

 2024年度、保険料は1人当たり1万3,000円以上の値上げとなりました。国民健康保険制度の構造上の問題は危機的です。特別区長会は昨年11月、厚生労働大臣宛てに国保制度の見直しについての提言を提出しました。被保険者の低所得化や1人当たりの医療費増による保険料増は個々の自治体の努力だけでは解決できないとして、国保財政基盤の強化、国庫負担割合の引上げ実施で制度の維持を図るべきだと提起しています。また、低所得者の負担軽減や子どもの均等割額について、軽減対象を未就学児までとの制限を撤廃し、公費による軽減割合の拡大などを国に求めています。

 引き続き、国と東京都に対して財政支出と構造的問題の解決を求めていくことを強く要望し、討論を終わります。

○議長(酒井たくや) 次に、内野大三郎議員。

〔内野大三郎議員登壇〕

○23番(内野大三郎) ただいま上程されました認定第1号、令和5年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について、都民ファーストの会中野区議団の立場から賛成討論いたします。

 討論に先立って、中東での激しい戦闘により数多くの一般市民がお亡くなりになっていることに心を痛め、また、御冥福をお祈りいたします。

 また、さきの能登半島地震に引き続き、能登半島豪雨において甚大な被害に遭われました多くの被災者の皆様にお見舞いを申し上げますとともに、お亡くなりになりました犠牲者に哀悼の意を捧げます。

 アメリカでもハリケーン被害で大変な被害が出ているようで、自然環境の変化に人間が追いついていない現状にじくじたる思いをしつつ、討論をさせていただきます。

 令和5年度中野区一般会計歳入歳出決算においては、歳入総額、前年比約20%増の2,039億760万円余、歳出総額、前年比約22%増の1,985億7,729万円余となっており、歳入から歳出を差し引いた形式収支は、前年度比18億3,602万円余減の53億3,031万円余の黒字であり、さらに、翌年度へ繰り越すべき財源18億4,693万円余を差し引いた実質収支は、前年度比29億4,614万円余減の34億8,338万円余の黒字となっています。歳入、歳出ともに過去最高の規模となりました。

 歳出では、教育費が88億円余、公債費が86億円余、総務費が79億円余、土木費が64億円余、そして民生費が35億円余、それぞれ増となりました。

 歳出において、再開発の進行に伴う土木費や新庁舎整備に伴う総務費、小・中学校施設整備や基金積立てによる教育費が増加しており、歳入では、これらに伴う特定財源からの繰入金増が目立ちます。

 令和5年度の成果としては、市区町村で初めてのZEB Ready認証による区役所新庁舎の完成、鷺の杜小学校など学校施設の整備、保育園待機児童ゼロを2年連続で達成、東京都とも連携したスクールソーシャルワーカーの拡充、スクールロイヤーによる支援開始など教育相談体制の強化、「ためまっぷなかの」の導入による地域活動支援、23区で初となる低体重出生児を対象としたリトルベビーハンドブックの作成など、独自の施策の成果を評価いたします。

 また、会派として要望を続けてきた予算に対する執行率の管理については、執行率が94.8%となり、この10年間でトップレベルまで向上したことも高く評価に値します。また、不用額も約30%減少の82億円余まで減ったことも、一部課題は残っているとしても、全体の管理レベルが上がったことは評価できます。

 ただし、当該年度は退職手当引当金繰入額が前年比14.2%減であったため、退職者数減の見込みから人件費の精度が上がった側面もあるかと思いますので、令和6年度決算に向け、油断は禁物です。

 地方公共団体の財政の健全化に関する法律に基づく四つの指標については、政令で定められた早期健全化基準を下回っており、いずれも健全性を維持しています。

 しかし、中野の顔となる中野サンプラザシティの建設に、民間施行予定者にて課題が生じている状況でもあります。このような状況を踏まえ、今後も、不断の努力により予算と実績の管理レベルを上げ、同じ額の予算の中においてもより多くの区民のための施策を盛り込めるワイズスペンディングの考え方を徹底いただくことをお願いします。

 ロシアによるウクライナ侵攻や中東での激しい戦闘だけでなく、世界を見回すと、国内経済においてどのような不安定要素が出現するのか、全く未知の状況です。VUCAの時代を生き抜くため、持続可能な区政運営を目指すとしても、相当な覚悟を持って危機管理を意識しなければならない時代となっています。

 区長には、鳥の目、バーズアイと虫の目、ワームズアイの両方を駆使した視点で、現場ににらみをきかせながらも、俯瞰したお立場での区政運営をつかさどることを要望して、賛成の討論といたします。

○議長(酒井たくや) 次に、石坂わたる議員。

〔石坂わたる議員登壇〕

○35番(石坂わたる) 認定第1号から認定第5号、令和5年度中野区一般会計歳入歳出決算、同用地特別会計歳入歳出決算、同国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算、同後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算、同介護保険特別会計歳入歳出決算の認定について、賛成の立場で討論をいたします。

 令和5年4月から令和6年3月までの令和5年度、2023年度は、新型コロナ初確認から約3年がたった5月8日に新型コロナウイルスが5類感染症に移行し、行動制限が求められてきたコロナ対策がようやく緩和されることとなりました。

 コロナ禍では、人と人との関係がぎすぎすしたり、高齢者の認知症やフレイルが進行してしまう負の側面が数多くありました。また、命を落とされた方も数多くいらっしゃいます。

 一方で、コロナ禍においては、電子決済やオンラインでの手続や会議、在宅勤務など、これまでには広がりがなかった新たなものが広まった3年間でもありました。それが新区役所庁舎などにも生かされている点は、他の課題、例えば障害者のエレベーター利用やセキュリティエリアの在り方、点字ブロックの設置状況など、たくさんありつつも、一定の評価をいたします。

 なお、過去のデフレ対策やコロナ対策の一環で行われた給付金や好条件の貸付けなどにより、市場に大量のお金が投じられていたこと、また、ウクライナとロシアの紛争が長引く中での輸入状況の悪化などにより、令和5年度も物価が上がり続ける年度でした。

 こうした中、令和5年度は、前年と比べ、納税義務者数がほぼ横ばいでありつつ、納税者1人当たりの所得額が増え、税収が増える年となりました。

 ただし、所得額の伸びが約1.5%、特別区民税の伸びが0.8%であるのに対して、IMFによる日本の2023年のインフレ率が3.27%である、すなわち、インフレを踏まえると、名目上は税収が増えていますが、実質的にはそうでもないということ、また、中野区民、納税者1人当たりの所得金額が23区平均と比べて50万円以上低く、令和4年度と比べてもその差が金額的にも比率的にも大きくなっていること、すなわち、生活が困窮する人やぎりぎりの人が増えている可能性が推察されることに留意が必要です。

 また、この年度は新区役所の建設に関連する支出が増えた年でもあり、支出増の結果として、一般会計予算と用地特別会計を合わせた普通会計に残がある地方債残高から、財政調整基金や減債基金を含む預金現金計を差し引いた実質的地方債について、2022年度のマイナス188億円から、マイナス71億円となりました。結果的には、過去の蓄積である現金や預金が地方債残高を上回っているものの、実質地方債が117億円増えたということになります。

 基金と区債のバランスを見たときに、1986年から2002年までの神山区政の頃と比べればましな状況とも言えますが、令和に入ってからの5年間で区債残高が90億円から360億円へと4倍に増えていること、区債の残高は区役所庁舎建設の影響がまだない令和初期の時期から増え続けていること、また、新中野サンプラザ、いわゆるサンプラザシティをめぐり問題が生じたことによって、新庁舎建設に関する区債に関して、金利が高い状態での借換えが必要になる可能性が高いことが気がかりです。

 区の基金のうち、財政調整基金と減債基金を足した369億円に対して、区債残高は360億円ではありますが、財政調整基金には年度間調整分のほか施設改修分、退職手当分が含まれていることに注意すべきであり、今後は、これ以上区債だけが増えないようにしていくよう気をつけることが必要です。

 また、区債の借換えについては、国が根本的な物価上昇を抑えるための総需要抑制へとかじを切ったとき、あるいは円安を円高基調に向かわせようとしたときに、さらなる金利の引上げを伴う可能性が高く、借換えや新たな借入れとなる区債は金利上昇の影響を大きく受けることになります。そのため、区債の在り方をよく考えることが必要です。

 また、今後も国が物価の抑制に対してかじを切らずに物価上昇が続く場合、私は、昨年度の決算の討論でもインフレを踏まえた財政の指標の扱いについて一部触れましたが、区行政としても、インフレ率を踏まえた区財政のフローやストックの分析と、それを踏まえた事業の見直しなどが必要になるかと思われます。

 インフレは区の歳出にも大きく影響し、区債発行増を誘引する可能性があります。PDCAサイクルの徹底や、ビルド・アンド・スクラップのスクラップを避けて通らないことが重要です。国レベルの制度変更により利用者がいなくなり、今後も利用ニーズが見込めない国民健康保険に関する高額療養費資金貸付けのような事業の廃止を含む見直しなどの細かい精査から、既存の事業の効率化や廃止を含む検討を進め、持続可能な区政運営を考えていただきたいと思います。

 さて、令和5年度の一般会計の各施策についての評価です。

 歳入面に関しては、区民税の滞納繰越し抑制の取組が進んだことを評価いたします。

 歳出に関しては、ヤングケアラーやひきこもり、低体重出生児の親、失語症者、住宅確保要配慮者への支援の拡充、再生可能エネルギーの活用推進、中野区一斉情報配信システムの多言語化、連携機能の強化をはじめとする多言語対応、子どもや家庭へのきめ細やかな対応を行うスクールソーシャルワーカーの勤務日数を増やすことなどが広がったことはよかったと思います。また、江古田三丁目重度障害者グループホームの開設や、製品プラスチックの資源化に向けた準備等がこの年度に進んだことも評価いたします。

 また、他自治体に先駆けて行われた男児へのHPVワクチンの接種に関しては、子宮頸がんについて男性がウイルスの媒介となってしまうことを防ぐとともに、男性自身にとっても陰茎がん、肛門がんのほか、感染している人と性行為を行った場合に約60%から80%の確率で感染し、1年間に20代後半の男性の1万人に8.7人が罹患するとも言われる尖圭コンジローマなどの予防にもなるなど、ワクチン接種による予防効果のメリットが副反応などのデメリットよりも大きいと私は考え、私自身も、中野区が助成しているものとは別のワクチンではありますが、9価のHPVワクチンの接種を全額自費で済ませています。

 しかし、どんなワクチンも副反応のリスクはゼロではありません。ワクチンの効果とリスクの説明を、理解しやすい形で十分説明していっていただきたいと思います。

 なお、無所属の私はあまり関与できない部分ながら、議会費に関して、令和5年度は従前に引き続き、本来は1回当たり3,000円の日額旅費に当たる費用弁償を1,500円にする時限的な圧縮を継続させつつ、さらには同年度中の検討を経て、本会議及び委員会に出席した場合の費用弁償を廃止しました。これにより、今後は年間約900万円の議会費の削減が見込まれています。削減や廃止に賛成した各議員の思いは様々であると思いますが、行政サイドにおいて、その900万円を棚からぼた餅、濡れ手に粟のようなお金として軽率な使い方をしてしまうのではなく、将来を見据えた持続可能な区政を実現するため、よくよく検討し、将来を見据えた形での支出あるいは基金への積立てに充ててていただきたいと私としては思います。

 次に、国民健康保険事業特別会計に関しましては、還付未済額を前年度比で34.4%も減らせたことを評価いたします。還付金イコール詐欺と思われてしまいがちな難しい社会情勢ではありますが、今後も還付未済額の縮小に取り組んでいただきたいと思います。

 また、決算特別委員会総括質疑でも取り上げましたが、制度を引き続き持続可能なものとすべく、国民健康保険制度の保険者として、国への制度改革の働きかけや、区民への制度の理解を促進していただきたいと思います。

 なお、新型コロナウイルス感染症者への傷病手当金について、国民健康保険加入者のうち被用者分は、27件に対して平均3万2,876円が支払われ、適切な制度運営がなされています。しかし、予算額の1,017万円に対して、見込み差による不用額が929万円生じています。これだけの予算を確保していたわけですから、個人事業主の給与所得を除く部分に関し、被用者と同様に傷病手当金を支給することに前向きな検討を進めるべきだった、実現できた予算が確保されていたと私は思います。

 なお、令和5年5月7日までに感染をし、療養のために労務に従事できなかった国民健康保険加入の被用者の場合は、2年以内なら請求が可能です。自営業者やフリーランスなどの個人事業主についても、政治判断をすれば2025年5月までは過去の新型コロナウイルス感染症の傷病手当金の請求を可能とすることができることを指摘しておきます。

 次に、後期高齢者医療特別会計について、前年の決算の討論で指摘をいたしました還付未済額について、前年度と比べて105万円も減らすことができたことを高く評価します。それでも、令和3年度と比べるとまだ還付未済額が多い状況ですので、今後も徴収だけでなく還付もしっかりと注力して行うよう求めます。

 一方、介護保険特別会計に関しましては、介護保険料の不納欠損額を前年度比で49.0%減らせたことは評価しますが、還付未済額が6.3万円増えてしまったこと、介護保険料の収入未済額が9.5%増えてしまったことは気がかりです。生活が苦しくて保険料を払いたくても払えない人への相談、支援をしっかりと考えていっていただけたらと思います。

 以上、評価すべき点に加え、課題などの指摘もいたしましたが、令和5年度の予算執行において違法や著しい不当な点はないという認識であることから、認定第1号から第5号の各決算認定への賛成討論といたします。

○議長(酒井たくや) 他に討論がなければ、討論を終結いたします。

 これより認定ごとに分けて採決いたします。

 初めに、認定第1号について電子採決システムにより採決いたします。

 上程中の認定第1号を委員長報告どおり認定するに賛成または反対のボタンを押してください。

〔ボタン押下〕

○議長(酒井たくや) 押し間違いはございませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) ないものと認め、確定いたします。

 賛成多数。よって、認定第1号は認定するに決しました。

 次に、認定第2号について採決いたします。

 上程中の認定第2号を委員長報告どおり認定するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 次に、認定第3号について電子採決システムにより採決いたします。

 上程中の認定第3号を委員長報告どおり認定するに賛成または反対のボタンを押してください。

〔ボタン押下〕

○議長(酒井たくや) 押し間違いはございませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) ないものと認め、確定いたします。

 賛成多数。よって、認定第3号は認定するに決しました。

 次に、認定第4号について電子採決システムにより採決いたします。

 上程中の認定第4号を委員長報告どおり認定するに賛成または反対のボタンを押してください。

〔ボタン押下〕

○議長(酒井たくや) 押し間違いはございませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) ないものと認め、確定いたします。

 賛成多数。よって、認定第4号は認定するに決しました。

 次に、認定第5号について電子採決システムにより採決いたします。

 上程中の認定第5号を委員長報告どおり認定するに賛成または反対のボタンを押してください。

〔ボタン押下〕

○議長(酒井たくや) 押し間違いはございませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) ないものと認め、確定いたします。

 賛成多数。よって、認定第5号は認定するに決しました。

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 第64号議案 中野区個人番号の利用及び特定個人情報の提供に関する条例の一部を改正する条例

 第65号議案 建物の買入れについて

 第66号議案 南台小学校校舎新築工事等請負契約に係る契約金額の変更について

 第67号議案 明和中学校校舎新築工事等請負契約に係る契約金額の変更について

 第68号議案 明和中学校校舎新築に伴う機械設備工事請負契約に係る契約金額の変更について

 第69号議案 明和中学校校舎新築に伴う電気設備工事請負契約に係る契約金額の変更について

 第70号議案 南台小学校校舎新築に伴う機械設備工事請負契約に係る契約金額の変更について

 第71号議案 南台小学校校舎新築に伴う電気設備工事請負契約に係る契約金額の変更について

 第73号議案 中野中学校跡施設校舎耐震改修工事等請負契約に係る契約金額の変更について

 第74号議案 旧中野刑務所正門移築及び修復工事請負契約に係る契約金額の変更について

 第75号議案 旧中野本郷小学校校舎等解体工事請負契約に係る契約金額の変更について

 第76号議案 江原小学校環境改善改修工事請負契約に係る契約金額の変更について

 第77号議案 第五中学校環境改善改修工事請負契約に係る契約金額の変更について

 第78号議案 特別区道43-250バリアフリー化改良工事請負変更契約

 第79号議案 南台小学校新校舎用什器類の買入れについて

 第80号議案 明和中学校新校舎用什器類の買入れについて

 

○議長(酒井たくや) 日程第2、第64号議案から第71号議案まで及び第73号議案から第80号議案までの計16件を一括上程いたします。

 理事者の説明を求めます。

〔副区長青山敬一郎登壇〕

○副区長(青山敬一郎) ただいま上程されました第64号議案から第71号議案まで及び第73号議案から第80号議案までの16議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。

 第64号議案、中野区個人番号の利用及び特定個人情報の提供に関する条例の一部を改正する条例は、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律第十九条第八号に基づく利用特定個人情報の提供に関する命令の施行に伴い、規定を整備するとともに、個人番号を利用することができる事務等を追加するものです。

 この条例の施行時期は、当該命令の施行に伴う規定整備については公布の日、個人番号を利用することができる事務等の追加については令和7年6月1日です。

 第65号議案、建物の買入れについては、財産の取得に当たり、議会の議決をお願いするものです。

 取得する財産は東京都市計画道路事業区画街路中野区画街路第3号線事業に関し土地開発公社が先行取得した土地に存する建物1棟で、買入れの目的は当該事業の施行に伴う支障物件の除却、建物の所在地は中野区上高田三丁目41番地17ほか20筆、取得価格は9億2,517万9,741円です。

 第66号議案、南台小学校校舎新築工事等請負契約に係る契約金額の変更については、令和3年第2回中野区議会定例会において議決を頂き締結しました南台小学校校舎新築工事等に係る請負契約について、令和4年第1回中野区議会定例会、令和4年第3回中野区議会定例会及び令和6年第1回中野区議会定例会において議決を頂き変更しました契約金額を変更するに当たり、議会の議決をお願いするものです。

 変更の内容は、労務単価等の上昇に伴い、当該契約金額を47億1,801万3,600円から49億2,272万3,600円に変更するものです。

 第67号議案、明和中学校校舎新築工事等請負契約に係る契約金額の変更については、令和4年第1回中野区議会定例会において議決を頂き締結しました明和中学校校舎新築工事等に係る請負契約について、令和5年第1回中野区議会定例会及び令和5年第3回中野区議会定例会において議決を頂き変更しました契約金額を変更するに当たり、議会の議決をお願いするものです。

 変更の内容は、設計変更及び労務単価等の上昇に伴い、当該契約金額を46億4,098万9,000円から48億2,351万5,300円に変更するものです。

 第68号議案、明和中学校校舎新築に伴う機械設備工事請負契約に係る契約金額の変更については、令和4年第3回中野区議会定例会において議決を頂き締結しました明和中学校校舎新築に伴う機械設備工事に係る請負契約について、令和5年第3回中野区議会定例会において議決を頂き変更しました契約金額を変更するに当たり、議会の議決をお願いするものです。

 変更の内容は、労務単価等の上昇に伴い、当該契約金額を8億9,787万5,000円から9億4,892万6,000円に変更するものです。

 第69号議案、明和中学校校舎新築に伴う電気設備工事請負契約に係る契約金額の変更については、令和4年第3回中野区議会定例会において議決を頂き締結しました明和中学校校舎新築に伴う電気設備工事に係る請負契約について、令和5年第3回中野区議会定例会において議決を頂き変更しました契約金額を変更するに当たり、議会の議決をお願いするものです。

 変更の内容は、労務単価等の上昇に伴い、当該契約金額を4億7,620万4,300円から5億2,688万1,300円に変更するものです。

 第70号議案、南台小学校校舎新築に伴う機械設備工事請負契約に係る契約金額の変更については、令和4年第3回中野区議会定例会において議決を頂き締結しました南台小学校校舎新築に伴う機械設備工事に係る請負契約について、令和5年第3回中野区議会定例会において議決を頂き変更しました契約金額を変更するに当たり、議会の議決をお願いするものです。

 変更の内容は、労務単価等の上昇に伴い、当該契約金額を8億9,283万7,000円から9億4,685万8,000円に変更するものです。

 第71号議案、南台小学校校舎新築に伴う電気設備工事請負契約に係る契約金額の変更については、令和4年第3回中野区議会定例会において議決を頂き締結しました南台小学校校舎新築に伴う電気設備工事に係る請負契約について、令和5年第3回中野区議会定例会において議決を頂き変更しました契約金額を変更するに当たり、議会の議決をお願いするものです。

 変更の内容は、労務単価等の上昇に伴い、当該契約金額を4億9,954万3,000円から5億5,288万2,000円に変更するものです。

 第73号議案、中野中学校跡施設校舎耐震改修工事等請負契約に係る契約金額の変更については、令和5年第3回中野区議会定例会において議決を頂き締結しました中野中学校跡施設校舎耐震改修工事等に係る請負契約について、契約金額を変更するに当たり、議会の議決をお願いするものです。

 変更の内容は、労務単価等の上昇に伴い、当該契約金額を10億3,400万円から10億6,942万円に変更するものです。

 第74号議案、旧中野刑務所正門移築及び修復工事請負契約に係る契約金額の変更については、令和6年第1回中野区議会定例会において議決を頂き締結しました旧中野刑務所正門移築及び修復工事に係る請負契約について、契約金額を変更するに当たり、議会の議決をお願いするものです。

 変更の内容は、労務単価等の上昇に伴い、当該契約金額を8億6,900万円から8億8,671万円に変更するものです。

 第75号議案、旧中野本郷小学校校舎等解体工事請負契約に係る契約金額の変更については、令和6年第1回中野区議会定例会において議決を頂き締結しました旧中野本郷小学校校舎等解体工事に係る請負契約について、契約金額を変更するに当たり、議会の議決をお願いするものです。

 変更の内容は、労務単価等の上昇に伴い、当該契約金額を3億4,430万円から3億4,802万9,000円に変更するものです。

 第76号議案、江原小学校環境改善改修工事請負契約に係る契約金額の変更については、令和6年第1回中野区議会定例会において議決を頂き締結しました江原小学校環境改善改修工事に係る請負契約について、契約金額を変更するに当たり、議会の議決をお願いするものです。

 変更の内容は、労務単価等の上昇に伴い、当該契約金額を3億2,362万円から3億2,720万6,000円に変更するものです。

 第77号議案、第五中学校環境改善改修工事請負契約に係る契約金額の変更については、令和6年第1回中野区議会定例会において議決を頂き締結しました第五中学校環境改善改修工事に係る請負契約について、契約金額を変更するに当たり、議会の議決をお願いするものです。

 変更の内容は、労務単価等の上昇に伴い、当該契約金額を2億9,150万円から3億86万1,000円に変更するものです。

 第78号議案、特別区道43-250バリアフリー化改良工事請負変更契約は、令和6年3月28日付で締結しました特別区道43-250バリアフリー化改良工事に係る請負契約について、労務単価等の上昇に伴い、当該契約金額を増額する変更契約を締結するに当たり、議会の議決をお願いするものです。

 契約の金額は、変更前が1億7,765万円、変更後が1億8,201万3,700円、契約の相手方は株式会社会川組です。

 第79号議案、南台小学校新校舎用什器類の買入れについては、財産の取得に当たり、議会の議決をお願いするものです。

 取得する財産は南台小学校新校舎において使用する什器類で、取得に要する金額は6,709万7,250円です。

 第80号議案、明和中学校新校舎用什器類の買入れについては、財産の取得に当たり、議会の議決をお願いするものです。

 取得する財産は明和中学校新校舎において使用する什器類で、取得に要する金額は1億3,112万円です。

 以上、16議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。

○議長(酒井たくや) 本件について御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 上程中の議案は、会議規則に従い、総務委員会に付託いたします。

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 第88号議案 中野区国民健康保険条例の一部を改正する条例

 

○議長(酒井たくや) 日程第3、第88号議案、中野区国民健康保険条例の一部を改正する条例を上程いたします。

 理事者の説明を求めます。

〔副区長青山敬一郎登壇〕

○副区長(青山敬一郎) ただいま上程されました第88号議案につきまして、提案理由の説明をいたします。

 第88号議案、中野区国民健康保険条例の一部を改正する条例は、急患等として保険医療機関等を受診した被保険者に係る保険料の徴収猶予の期間等について規定を整備するとともに、国民健康保険法の改正に伴い、規定を整備するものです。

 この条例の施行時期は、令和6年12月2日です。

 以上、本議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。

○議長(酒井たくや) 本件について御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 上程中の議案は、会議規則に従い、区民委員会に付託いたします。

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 第81号議案 中野区災害弔慰金の支給等に関する条例の一部を改正する条例

 

○議長(酒井たくや) 日程第4、第81号議案、中野区災害弔慰金の支給等に関する条例の一部を改正する条例を上程いたします。

 理事者の説明を求めます。

〔副区長青山敬一郎登壇〕

○副区長(青山敬一郎) ただいま上程されました第81号議案につきまして、提案理由の説明をいたします。

 第81号議案、中野区災害弔慰金の支給等に関する条例の一部を改正する条例は、東日本大震災の被災者に対する災害援護資金の貸付けについて、貸付利率等の特例措置を定める規定を廃止するものです。

 この条例の施行時期は、公布の日です。

 以上、本議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。

○議長(酒井たくや) 本件について御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 上程中の議案は、会議規則に従い、厚生委員会に付託いたします。

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 第82号議案 中野区南台四丁目地区における建築物の制限に関する条例等の一部を改正する条例

 

○議長(酒井たくや) 日程第5、第82号議案、中野区南台四丁目地区における建築物の制限に関する条例等の一部を改正する条例を上程いたします。

 理事者の説明を求めます。

〔副区長青山敬一郎登壇〕

○副区長(青山敬一郎) ただいま上程されました第82号議案につきまして、提案理由の説明をいたします。

 第82号議案、中野区南台四丁目地区における建築物の制限に関する条例等の一部を改正する条例は、建築物の敷地面積の最低限度を定める規定を適用しない建築物の敷地等について、関係条例の規定を整備するものです。

 この条例の施行時期は、公布の日です。

 以上、本議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。

○議長(酒井たくや) 本件について御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 上程中の議案は、会議規則に従い、建設委員会に付託いたします。

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 第83号議案 中野区立学童クラブ条例の一部を改正する条例

 第84号議案 中野区立キッズ・プラザ条例の一部を改正する条例

 第85号議案 中野区立学校設置条例の一部を改正する条例

 第86号議案 中野区立小学校及び中学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に

        関する条例の一部を改正する条例

 

○議長(酒井たくや) 日程第6、第83号議案から第86号議案までの計4件を一括上程いたします。

 理事者の説明を求めます。

〔副区長青山敬一郎登壇〕

○副区長(青山敬一郎) ただいま上程されました第83号議案から第86号議案までの4議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。

 第83号議案、中野区立学童クラブ条例の一部を改正する条例は、多田学童クラブ及び新山学童クラブを廃止するとともに、南台学童クラブを新設するに当たり、規定を整備するものです。

 この条例の施行時期は、令和7年4月1日です。

 第84号議案、中野区立キッズ・プラザ条例の一部を改正する条例は、キッズ・プラザ新山を廃止するとともに、キッズ・プラザ南台を新設するに当たり、規定を整備するものです。

 この条例の施行時期は、令和7年4月1日です。

 第85号議案、中野区立学校設置条例の一部を改正する条例は、南台小学校及び明和中学校の位置を変更するものです。

 この条例の施行時期は、令和7年4月1日です。

 第86号議案、中野区立小学校及び中学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例は、公立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償の基準を定める政令の改正に伴い、介護補償の額を改めるものです。

 この条例の施行時期は、公布の日です。

 以上、4議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。

○議長(酒井たくや) 本件について御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 上程中の議案は、会議規則に従い、子ども文教委員会に付託いたします。

 お諮りいたします。この際、本日の日程を追加し、日程第7、第89号議案、令和6年度中野区一般会計補正予算を議題とするに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう議事を進行いたします。

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 第89号議案 令和6年度中野区一般会計補正予算

 

○議長(酒井たくや) 日程第7、第89号議案、令和6年度中野区一般会計補正予算を上程いたします。

 理事者の説明を求めます。

〔副区長青山敬一郎登壇〕

○副区長(青山敬一郎) ただいま上程されました第89号議案につきまして、提案理由の説明をいたします。

 第89号議案、令和6年度中野区一般会計補正予算は、歳入歳出にそれぞれ32億4,048万6,000円を追加計上するものです。これにより、既定予算との合計額は2,078億9,282万2,000円となります。

 初めに、この補正の歳出予算の内容を説明いたします。

 まず、総務費ですが、防犯設備の整備に関する地域団体への補助に係る経費の増額分1,033万6,000円を追加計上するものです。

 次に、区民費ですが、戸籍住民課窓口の混雑緩和に係る経費303万円及び戸籍及び住民票等への氏名の振り仮名記載等に伴う戸籍情報総合システムの改修に係る経費92万4,000円を追加計上するものです。

 次に、地域支えあい推進費ですが、すこやか障害者相談支援事業運営委託に係る経費の増額分615万1,000円を追加計上するものです。

 次に、健康福祉費ですが、高齢・障害福祉業務管理システムの改修に係る経費1,222万8,000円、重症心身障害児通所支援事業所への運営補助に係る経費の増額分943万8,000円及び知的・発達等障害児通所支援施設指定管理運営委託に係る経費の増額分1,788万4,000円を追加計上するものです。

 次に、まちづくり推進費ですが、大和町地区避難道路1号線、2号線の用地取得事業に係る経費の増額分2,982万6,000円及び中野駅新北口駅前広場整備事業に係る経費6,394万7,000円を追加計上するものです。

 次に、積立金ですが、財政調整基金への積立金23億9,156万5,000円、社会福祉施設整備基金への積立金1億4,977万8,000円及び義務教育施設整備基金への積立金5億4,537万9,000円を追加計上するものです。

 この補正の歳入予算といたしましては、国庫支出金703万7,000円、都支出金737万3,000円、繰入金1億3,935万4,000円及び繰越金30億8,672万2,000円を追加計上するものです。

 続きまして、債務負担行為の補正について説明いたします。

 小学校軽井沢移動教室児童輸送バスの供給について、期間が2年度にわたるため、令和6年度及び令和7年度分経費4,439万3,000円、中野駅西側南北通路部分に係る中野駅西口広場・デッキ整備工事について、期間が2年度にわたるため、令和6年度及び令和7年度分経費3億4,838万円及び四季の都市(まち)方面デッキに係る中野駅新北口駅前広場整備について、期間が4年度にわたるため、令和7年度から令和9年度分までの経費63億2,564万3,000円を追加計上するものです。

 次に、中野駅新北口駅前広場整備について、事業の進捗に伴い、期間を令和8年度までから令和9年度までに、限度額を29億585万9,000円から79億7,785万6,000円に変更するものです。

 以上、本議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。

○議長(酒井たくや) 本件について御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 上程中の議案は、会議規則に従い、総務委員会に付託いたします。

 お諮りいたします。この際、本日の日程をさらに追加し、日程第8、議員提出議案第14号、議員の派遣についてを議題とするに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう議事を進行いたします。

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 議員提出議案第14号 議員の派遣について

 

○議長(酒井たくや) 日程第8、議員提出議案第14号、議員の派遣についてを上程いたします。

 提案者代表の説明を求めます。森たかゆき議員。

〔森たかゆき議員登壇〕

○41番(森たかゆき) ただいま議題に供されました議員提出議案第14号、議員の派遣についての提案理由の説明を申し上げます。

 本議案は、第35回東京都道路整備事業推進大会に議員を派遣しようとするものです。

 同大会は令和6年10月22日に開催されるもので、東京の広域化する交通渋滞の緩和や、安全で快適なまちづくりに資するため、道路、橋梁、鉄道連続立体交差及び都市モノレール等の整備の促進を図ることを目的としております。

 同僚議員におかれましては、何とぞ満場一致で御賛同賜りますようお願い申し上げ、提案理由の説明といたします。

○議長(酒井たくや) 本件について御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 本件については、委員会付託を省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、委員会付託を省略いたします。

 本件については討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、これより採決いたします。

 上程中の議案を原案どおり可決するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 次に、請願・陳情の常任委員会への付託について申し上げます。

 お手元の請願・陳情付託件名表(Ⅰ)に記載の請願・陳情につきましては、記載のとおり所管の常任委員会に審査を付託いたします。

 

令和6年第3回定例会

令和6年10月3日付託

 

請願・陳情付託件名表(I)

《子ども文教委員会付託》

 第1号請願 北原小学校の改築に際し、地域の意見を踏まえた校庭の仕様にすることについて

 第8号陳情 桃園第二小学校の改築に際し、環境と地域の要望を踏まえた校庭の仕様を求める陳情

 

○議長(酒井たくや) 本日はこれをもって散会いたします。

午後3時23分散会

 

 

 

会議録署名員 議 長 酒井 たくや

       議 員 黒沢 ゆか

       議 員 久保 りか