令和6年12月04日中野区議会区民委員会(第4回定例会)
令和6年12月04日中野区議会区民委員会(第4回定例会)の会議録

中野区議会区民委員会〔令和6年12日〕

 

区民委員会会議記録

 

○開会日 令和12

 

○場所  中野区議会第2委員会室

 

○開会  午後00

 

○閉会  午後00

 

○出席委員(8名)

 市川 しんたろう委員長

 細野 かよこ副委員長

 武井 まさき委員

 武田 やよい委員

 甲田 ゆり子委員

 小宮山 たかし委員

 石坂 わたる委員

 酒井 たくや委員

 

○欠席委員(0名)

 

○出席説明員

 区民部長、新区役所窓口サービス担当部長 高橋 昭彦

 文化・産業振興担当部長 高村 和哉

 区民部区民サービス課長、区民部新区役所窓口サービス担当課長 小堺 充

 区民部戸籍住民課長 白井 亮

 区民部税務課長 滝浪 亜未

 区民部保険医療課長 宮脇 正治

 区民部産業振興課長 国分 雄樹

 区民部文化振興・多文化共生推進課長 冨士縄 篤

 環境部長 浅川 靖

 環境部環境課長 伊東 知秀

 環境部ごみゼロ推進課長 鈴木 康正

 清掃事務所長 秦 友洋

 

○事務局職員

 書記 細井 翔太

 書記 砂橋 琉斗

 

○委員長署名


審査日程

○所管事項の報告

 1 区内文化財の保存と活用に向けた考え方について(文化振興・多文化共生推進課)

 2 中野区認定観光資源及び関連事業の見直しについて(文化振興・多文化共生推進課)

 3 議会の委任に基づく専決処分について(清掃事務所)

 4 その他

 (1)中野ショートフィルムフェスティバルの開催について(文化振興・多文化共生推進課)

 (2)なかのエコフェア2024の実施結果について(環境課)

○地方都市行政視察について

○所管事務継続調査について

○その他

 

委員長

 定足数に達しましたので、区民委員会を開会いたします。

 

(午後1時00分)

 

 本日の審査日程ですが、お手元の審査日程(案)(資料1)のとおりに進めたいと思いますが、これに御異議ございませんか。

 

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 ありませんので、そのように進めます。

 なお、審査は5時を目途に進め、3時頃休憩を取りたいと思いますので、御協力をお願いいたします。

 それでは、議事に入ります。

 昨日に引き続き、所管事項の報告を受けたいと思います。

 最初に、1番、区内文化財の保存と活用に向けた考え方についての報告を求めます。

冨士縄区民部文化振興・多文化共生推進課長

 それでは、区内文化財の保存と活用に向けた考え方について御報告いたします。(資料2)

 まず、文化財とは、狭義には、文化財保護法ですとか各自治体の文化財保護条例で位置付けられた、登録・指定されたものを指しますけども、広義には、登録・指定の有無にかかわらず、人々の生活の中で生み出されて育まれてきた歴史的・文化的価値を有するもの全般を指すものということでございます。

 区内においては、狭義の文化財だけではなく、広義の文化財も多数存在していますが、それらの文化財は存続や継承が困難な事例というものが散見されるため、それらを適切かつ早急に保存して、次世代へ継承していくための取組が必要であるというふうに認識してございます。一方で、区や所有者が有するリソース、人的な面と財政的な資源、こちらがありますけども、限りがあるものでございます。以上のことを踏まえまして、今後の文化財の保存と活用に向けた考え方を整理いたしましたので、御報告するものでございます。

 それでは、まず1、そうした文化財を取り巻く現状についてでございます。区内には様々な文化財が点在しております。しかし、それらは急速に進む開発ですとか生活様式の変化、相続問題等を背景といたしまして、劣化、滅失または散逸のおそれがあり、文化財的な価値が失われてしまう事態が懸念されているところでございます。昨今の劣化、滅失、散逸の一例を示すと、次の(1)から(3)のとおりとなります。

 まず、劣化につきましては、昨日主な取組のところでも御紹介いたしましたけども、山﨑家から貴重な文化財として寄贈を受け、約40年が経過する中、その中の一部である書院とか茶室、この写真1にあるものですが、こちらですとか、雛人形、こちらは区の指定有形文化財になってございますが、こちら等の劣化が進んでいるという現状がございます。

 続きまして、滅失になります。こちらは細井家住宅主屋ということで、写真2のところにありますが、こちらは、もともとは国の登録文化財であったものが、今現在滅失、なくなってしまったりですとか、中野区土地区画整理組合による区整碑、こちらについては開発によって失われたものがございます。

 次に、散逸の事例ですが、地域の歴史や文化を語る上で重要な資料である民俗資料、地域にあります地蔵ですとか庚申塔などがありますけども、こちらが、もともとあった場所から散逸していたりですとか、その中でもその一部は既に滅失してしまったというような事例があるものでございます。

 続きまして、2ページ目に移りまして、そのようになった原因とか課題でございます。こちらは、先ほどのところを少々繰り返しになりますけども、まず、宅地等の急速な開発や生活様式の変化、相続問題などが挙げられます。これらによって現地での保存が難しくなり、売却・廃棄されてしまう事例が出てきたものでございます。続きまして、区内の文化財の全容を十分把握できていない。こちらは区のところの問題でもございますけども、そういったところから十分な保存・活用につなげることができていない事例があるのかなというふうに分析しているところでございます。続きまして、文化財的価値等の周知が不足しているということでございます。こちらは、地域のそれぞれ文化財に対する理解が十分とは言えないというような現状があるものと認識してございます。続きまして、最後に、広義の文化財につきましては、保存・活用に向けた仕組みが確立されていないといったところが原因として挙げられるかというふうに考えてございます。

 続きまして、文化財の考え方、一般的な考え方でございます。こちらは、まず文化財の重要性になりますけども、文化財につきましては、地域の歴史とか文化の理解や継承に欠くことができないものでありまして、区民、もっと言ってしまうと、国民共有の貴重な財産であるということでございます。続きまして、文化財の登録・指定ですけども、区では、文化財の中でも特に重要なものは指定文化財に、保護する必要があるものを登録文化財にということで、これまでも保存を図ってきているところではございます。続きまして、3番、区の責務ですけども、そうした区民(国民)の貴重な財産が損なわれないよう、適切な保存・活用を行うということは区の責務であるというふうに認識してございます。このことは、文化財保護法をはじめとした各種法律、区の条例とか、あと、文化芸術基本方針などで定められているものでございます。さらに、(4)所有者の責務としては、やはり区を含めたそうした文化財の所有者には、管理責任が生じるというところでございます。こうしたことから、状態の維持ですとか活用には、継続的な資源の投入が必要となってくるといったところでございます。

 続きまして、4、こうした文化財の特質から、今後の方向性というところでございます。

 まず、(1)情報の収集と調査の実施です。過去調査をやってきたところではございますけども、こうした調査に加えて、現況、そのものの存否ですとか劣化状況等、こうしたところの把握に努めていく必要があるといったところでございます。②といたしまして、やはり未確認の文化財に関する情報収集を行うということでございます。これは、過去の調査だけではまだ追い切れていない、区でも未確認の文化財といったところはまだあるのかなという認識の下、こういったことの情報収集を行う必要があるというふうに考えてございます。こうしたことから、あわせて、区民等から情報を収集するような仕組みを構築していく必要性も考えているところでございます。③といたしまして、保持している文化財情報について、フォローアップ調査を実施するということでございます。これは①とも関連するところではございますけども、過去に調査したものとか区で保持している文化財情報についてフォローアップ、こういったものを図っていく、実施していくといったことでございまして、特に区との関わりが深い文化財、例えば区の所有しているものである場合などについては、優先的な調査が必要なものというふうに認識してございます。こちらにつきましては、そうした調査をしていかないと、どのような規模での修復が必要かですとか、適切な記録保存の方法はどういったものがあるかとか、あと、他の文化財よりも優先的、早急に保存に取り組むべきかどうかなどについての見通しを立てることが極めて困難だというふうに認識しておりますので、こういったことの必要性を深く考えているというか、認識しているところでございます。

 続きまして、(2)保存・活用方法の検討です。そうした情報収集、調査を行った後、保存・活用方法について検討をしていく必要があるというふうに認識しておりまして、こちらにつきましては、①から④に示すとおり、文化財保護審議会の委員ですとか、ほか、専門家の意見等を参考にいたしまして、文化財的価値ですとか保護の緊急性、その中に老朽化度なんかもあるかと思いますが、そういったことですとか、取り組むべき優先度についての検討を行うといったところでございます。続きまして,②で、どのような保存、そこには修復等も含まれますが、修復等を行って、活用(記録保存等)ができるかを検討し、最適な方策を探っていく必要があるというふうなところでございます。③といたしまして、そういった最適な方法を探った中においても、所有者の意向等をまず伺って、それらを踏まえて実施可能な方策等を所有者等に提案していく必要があるものと認識しております。最後に、④といたしまして、所有者の意向等を踏まえた支援、区としてどのような支援ができるかということを考えた上で実施していくといったような手順になろうかというふうに考えてございます。

 (3)といたしまして、最適な方策の実施でございます。まずは、①といたしまして、文化財的価値が減じないような文化財の修復を行い、保存・活用を行っていくといったことが挙げられます。②といたしまして、仮に現物の保存ができない場合であっても、3Dスキャンですとか、そういった最先端技術も視野に入れた記録や保存を行って、その成果を区民に公表していくことで、文化財の魅力をより周知していくといったことが挙げられます。③といたしまして、さらなるそういった文化財の保存と活用には、やはり区民等への周知のほか、理解、協力、こういったものも必要になってくるところですので、そういった理解ですとか協力を得るために、ふるさと納税の寄附の充当先ですとかクラウドファンディングの実施について検討していくといったことが考えられるところでございます。

 上記(1)から(3)に示した各段階ですけども、こちらではやはり各段階における区民等の十分な理解ですとか協力、こういったものがやはり必要になってきますので、そういう理解とか協力を得るために、区は情報発信を行っていくといったことを想定してございます。

 最後に、5番としまして、これまでの考え方のまとめというところでございます。

 まず、一番初めの丸のところで、文化財情報について、限られたリソースであることを踏まえ、ここで下線を引いてありますとおり、古くから伝わり、地域にゆかりがあるものであり、また、歴史的・文化的に価値が高いもの、あるいは、意匠ですとか技術的なレベルが高いもの、さらに、このままにしておくと文化財的価値が減じるおそれがあるものについて、優先的な調査等を実施するといったことが考えられます。

 二つ目の丸、こちら、当該調査を行った結果、専門家の意見を踏まえまして、優先的に保存すべき文化財であるか、優先的に対応すべき事項は何かなどを明らかにした上で保存・活用を図っていくといったことになります。さらに、記録保存と効果的な活用を図って、3Dスキャンなどの先端技術、こういったものの利用も検討していく必要があります。

 続きまして、三つ目の丸、区が所有もしくは管理する以外の文化財の保存・活用に当たっては、十分所有者の意向を前提とする必要があるといったことでございます。

 続きまして、四つ目の丸、区民等の理解と協力を得るとともに、財源の確保といったところも図る必要がございますので、寄附ですとかクラウドファンディングの実施に努めていくといったことでございます。

 最後の丸になりますけども、こういった考え方に基づいて区が文化財行政を進めていく上では、適切な人的リソース、学芸員等になりますが、こういったところも必要になってきますので、リソースを探っていくとともに、その確保に努めていくといったことが考え方となります。

 最後に、最終ページに参考資料としてつけたのが、こちらは、区が最適な方策を実施していく上で、一応フローチャートとしてこのような手順が考えられるといったことで、案としてお示しさせていただいたものになりますので、こちらについてはお読み取りいただければと思います。

 報告は以上となります。

委員長

 ただいまの報告に対し、質疑はございますか。

武井委員

 この2ページ目の今後の方向性で、未確認の文化財に関する情報収集を行うなど書いてあるんですけども、現在、中野区にある地蔵・庚申塔などは、場所、数など把握されているのでしょうか。

冨士縄区民部文化振興・多文化共生推進課長

 過去にそういったところの把握をして、それで文献にまとめたりですとか、そういったことを一定行ってきているところではございます。ですが、その中でもやっぱり滅失してしまっているものであったりですとか、散逸している、そういった事例はあるのかなというふうに認識しておりまして、ちょっと現実に幾つあるかとかというところまでは、正確なところでは把握できていないというところもあろうかと思うので、そういったところをフォローアップ調査していく必要があるといったことで、今回の考え方を示したところでございます。

武井委員

 この地蔵・庚申塔に関しては、やっぱり地域に住んでいる方が、自分の地域の地蔵・庚申塔を結構本当に意識されて、気にされていることが多いと思うので、ぜひ把握していただけたらなと思いますし、文化財の広報としてこの地蔵・庚申塔もあれば、地蔵・庚申塔を巡るなど、今度スマートウェルネスのコミュニティポイントとか、歩いたらポイントをもらえるとか、そういったことにもうまく活用すればつながるのかなと思ったので質問させていただきました。

 あと、すみません、この山﨑家の修復、こちら、調査がこれから入ると思うんですけども、この調査、修復の予定というのは具体的に今あるのでしょうか。

冨士縄区民部文化振興・多文化共生推進課長

 昨日の、来年度の予算の中での取組案のところでも御報告をさせていただきましたが、まずは調査を実施して、その見通しをつけたいということで考えているところでございます。一定劣化をしているといったところでは、そこは認識しているところでございますが、どのような修復をしていくかというのは、その結果を得てから検討していくといったようなことを想定しているものでございます。

武井委員

 本当にせっかく寄贈された大切なものなので、よく修復して、広く、昨日小宮山委員からも出ましたけども、皆さんに見てもらえるようにしていただけたらなと思うところでありますが、ただ、やっぱり私が気になっているところは、修復するにしても、幾らでもかけていいというわけではないなということはちょっと訴えたかったです。旧豊多摩監獄の門の例もあるように、やはりこの上限、気づいたら何億円、10億円かかるということであれば、ある一定の予算規模というか、これ以上とかというのは決めておいたほうがいいと思いますが、いかがでしょうか。

冨士縄区民部文化振興・多文化共生推進課長

 やはりこういった文化財とかの保存・活用、こういったことに関しましては、一定の経費がかかってくるものと認識してございまして、そのためにも今回調査をして、それがどれぐらいの規模になってくるのかとか、その中でも優先順位をどうしたらいいかとか、そういったところを考えていく、検討していくための資料といたしまして調査を実施するところでございまして、その中で予算規模といったところもある程度見通しがつくのではないかと思っているところと、あわせて、やはり保存、その後の活用に当たっては、そういった寄附ですとかクラウドファンディング、こういったものを検討して、その中で理解を得ていって、さらに財源的なところの確保も図りつつ、進めていく必要があるのかなというふうに認識しているところでございます。

小宮山委員

 文化財の保存と活用ということなんですが、それに当たって今回の説明で欠けているところが、取得に対する考え方であります。それが全く何も触れられていないと受け止めました。例えば、区内で何かとても貴重な文化財が存在して、まあ、あるかどうか分かりませんけど、それがこのままいくと失われてしまうというときに、やっぱりそれが本当に貴重なものだとすれば、区が出動して、区がお金を積んででもそれを取得するという考え方もあっていいのではないかと思うんです。今現在、実際に、昨日も言いましたけども、三岸アトリエは――「ミギシアトリエ」という読み方でいいんですかね。三岸アトリエは民間の会社の手に渡ってしまいましたし、あるいは細田家の住宅、鷺宮にあります区内唯一のかやぶき屋根の細田家の住宅、これも都の道路予定地の真上に建っていまして、このままいくと失われてしまう。あるいは、高村光太郎さんのアトリエの跡地なんかも今後どうなるか分からない。そういった、このままいくと失われかねない、失われることが既に決まっているものもありますし、そういった貴重な文化財が区内にあるというときに、区が取得に乗り出してもいいんじゃないか。その基準とかをこの考え方の中に盛り込んでもいいんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

冨士縄区民部文化振興・多文化共生推進課長

 文化財の考え方のところ、3のところにございますが、所有者の責務といたしまして、やはり管理責任が法律上も一定存在しているといったところでございます。そうしたところに基づきまして、今回の考え方というものを整理させていただいたというふうに考えてございまして、やはり区ではない所有者も一定程度そういった文化財、歴史的価値があるものを所有していく、そこで管理していく、そういった責務が生じているものというふうに考えてございますので、必ずしも区が全て受けてということではなくて、それを残して継承していく過程の中で、例えば残っていかないものとかであれば、3Dスキャンなどの最先端技術でそれをデータとして残して、それを活用していく。そういった方法も考えられます。また、民間の中でも、先ほど三岸アトリエの事例が出てきましたけども、あちらにつきましては、民間のそういった会社が今後の活用に向けてちゃんと、あれは国の登録文化財になりますけども、あれを今後残していって活用するといったところで、民間レベルで動いているという話でございますので、ああいったものも一例になろうかと思います。そういった事例も含めまして、やはり区としましては、残せないものであれば、そこに対してどういった支援ができるのかというところを、所有者を含めたところにアドバイス、助言していく必要もございますし、区としましては、区で所有しているものをまずしっかり残して保存していく、活用していく。こういったことをこの考え方でまとめたところでございますので、先ほど委員からあった質問に関しましては、区でできるところを検討して、所有者等を含めたところで支援していくと。こういったことが考え方の柱になっていこうかなというふうに考えてございます。

小宮山委員

 所有者が元気で、しかも財力があって頑張っていけるうちはいいと思うんですが、例えば相続税が発生するときもあるでしょうし、そうなったらもう個人の手には負えないから売り払って、それを潰してマンションにしたいとか、そう考える人もいるかもしれないですし、やはり所有者には管理責任が生じるといって突き放してしまうのは、何とも冷たいなということを感じました。

 今、中野区というのは、空襲があったせいもあって区内にあまり、例えば重要文化財とか国宝とか、そういったクラスの文化財がない区であります。三井文庫には何か重要文化財があるとかないとかいう話はありますが、一般公開はされていません。歴史民俗資料館も文化財とか収蔵品の取得予算がゼロですよね。あるいは、棟方志功とあれだけ言っておきながら、中野区として所有している作品は1個もない。あるいは、今後アールブリュットが、将来的には文化財なり貴重なものになっていく可能性はありますが、それも区として取得する予定とかはないですし、あるいは、美術館とかを造って守っていくというところもあまり感じられません。アールブリュットなんか、恐らくそのうちどこかの自治体が美術館とかを造って、そっちにごっそり持っていかれてしまうんじゃないのかと。そんな予感も私はしています。

 なので、結局何が言いたいかといいますと、建物に限らず区内にはいろんな文化財がありますし、それに対する取得の、歴史民俗資料館の収蔵品の取得予算がゼロというところから見ても、中野区は文化財を取得するという考え方自体を持っていないのはいかがなものかと思うんです。さっきと同じ質問になりますけども、どういった条件があれば取得に踏み出すことができるのかという、そういう基準づくりぐらいはしておいたほうがいいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

冨士縄区民部文化振興・多文化共生推進課長

 まず、文化財につきましては、歴史があるということで、その範囲というものも年々――年々というか時代を経るごとに広がっていっているという認識はまずあるところでございます。また、取得に関してなんですけども、こちらにつきましては今現在でも寄贈という形で収蔵品、区でそういった形で歴史的なものとかというものを寄贈いただいて、それを区のほうで保管して、それを公開するなどして活用するということも図っていますので、一概にお金を払って取得するということの基準をつくるということではなくて、そういったものをどう活用していくか。今でもやはりそういう寄贈を受けているものというのは増えてきているところもございますので、そういったところの活用を考えていくということが優先的かなというふうに考えているところでございます。

石坂委員

 まず、資料の1ページ目のところの、現状の滅失のところで、細井家住宅主屋(元国登録文化財)のほうが、区画整理等によって、開発によって失われたという形になっていますけども、こちら、国登録文化財に関してこうした開発をする場合の、それを撤去するというか、滅失させてしまう場合というのは、どういった手続がなされるものなのか、分かれば教えてください。

冨士縄区民部文化振興・多文化共生推進課長

 これは、あくまでも所有者のほうでする手続になりますが、国のほうの登録文化財になってございますので、国は登録を抹消するというような手続になるといったところでございます。

石坂委員

 国が行うということですけども、これがなくなるときには、区のほうでは何か知る手段はなく、区が気づいたときにはもうなくなってしまったということが起こるようなものということになるんでしょうか。

冨士縄区民部文化振興・多文化共生推進課長

 区としましては、所有者からそういった情報が入ってきたりして、それは把握したというか、その一連の流れの中で把握したといったところでございます。

石坂委員

 そうした際に、今後はいろんな手続で保存していくとか話が出ている中ではありますが、それは、この当時はまだそうしたこともなかったのかなと思う中で、実際こうした文化財が失われるというときに対して、区のほうでは何かしら、改めて画像を撮るとか、何か調べるとか、そうしたこととかというのはなく、なくなってしまうということだったんでしょうか。

冨士縄区民部文化振興・多文化共生推進課長

 やはりなくなってしまうというか、これはたまたま国の登録文化財だったというところもございますけども、そうじゃないケース、幅広い意味での文化財というものも多く存在している中で、その滅失というのは必ずしも区に情報として入ってこないといったところもこれまでもありました。ですので、そういった情報が区民から入ってくるような仕組みというものも必要があるといったことで、この考え方の中では記させていただいておりますが、そういったこともございますので、例えばそれがなくなってしまうよとかということがあれば、なくなってしまうんだけども記録保存ができるといったことで考えてございますので、そういったところの仕組みが、この考え方をまとめたことによって今後できていくのかなというふうに認識してございます。

石坂委員

 そうした形で改善されるということで、とてもよかったと思います。

 参考資料の方策等の提案フローチャートの中で、下のほうにあります、「公開等の活用ができる状態である」というところがありますけども、これが条件に入っている形になっています。ただ、これ、公開等の活用ができるかどうかというのは、それこそ保存でも使うと言ったVR的なものとか、3DスキャンしてVRを活用していくとかと考えると、必ずしも現状公開できる状態でなくても、貴重なものであればデータスキャンなどの方法で残していくということなどもできるんじゃないのかなと思うんですが、その辺はいかがお考えでしょうか。

冨士縄区民部文化振興・多文化共生推進課長

 ここは、公開等の活用ができる状態であるということであれば、そのまま活用はできるというふうに考えてございますが、そういったことではない場合につきましては、公開用の設備とかを整えるという、「NO」のほうにありますけども、そこで例えば修復が必要なのかですとか、何か補って、例えばVRとかARとか、そういった先端技術の活用という中での可能性を探るといったことで、ここを記載させていただいているということでございます。

石坂委員

 VRも含まれるということでよかったです。

 それから、2ページ目の原因(課題)の中の(3)で、文化財的価値等の周知が不足しているというところがありました。やはり保存されている方にとって、もちろん守っていくのもそうですし、それこそクラウドファンディングとか寄附を集めてなんていう話もありましたけども、これに関しても、やはりそれをしていく上でも、そもそも文化財的価値についての理解というのか、これがなければ進んでいかないところでもあるかなと思うところです。予算確保も同様かなと思います。やはり区民が守っていくという意識がなければ、そこに予算を使っていくことに対しても理解が得られづらいというところがあります。そうした中で、やはり文化財的価値の周知というのはとても重要だと思うんですけども、今回示されていますけども、周知という点だと、ちょっと書いている内容として弱いのかなと思いますけども、この周知はどういった工夫などしていくのか、考えがあれば教えてください。

冨士縄区民部文化振興・多文化共生推進課長

 周知につきましては、先ほどクラウドファンディングですとか寄附だとか、こういった流れの中で一つ考えられるところではございます。あとは、やはり一番具体的なといいますか、ある事例、そういった仏像ですとか庚申塔、こういったものが、やはり地域で今まで守られてきたものに対して、そういった理解というものが十分ない中でそれを壊してしまおうというか、解体してしまおうとかというような昨今の動きとかもあると思いますので、そういった場合の機会を捉えて、そこでの重要性といったところは、学芸員等が地域に赴いたりして、そういったことを地域に働きかけるようなことも重要かなと思っています。そういったことを合わせた周知、区からの発信もそうですし、そこの地域での歴史というものを広めていく必要があるといったところで、周知は総合的に考えているところでございます。

石坂委員

 様々な場所、様々な機会に目に留まるということが重要だと思いますので、工夫していっていただけたらなと思います。

 それから、3ページ目のところの、(3)最適な方策の実施の中の①のところの、「文化財的価値が減じないよう、文化財の修復を行い保存・活用を行う」というところがあります。これは様々な方法がある中ではあるんですけども、どこまで修復するのかというところは難しい判断かもしれませんが、一例としてなんですが、哲学堂の哲理門の天狗と幽霊の像、あれが、もう現物は歴史民俗資料館のほうに移って、新たに再現したものが今置かれているわけですけども、区民の方から、あまりにきれいになり過ぎてしまっていて、逆に趣が失われてしまったというような声があったりですとか、あとは、全体の雰囲気にちょっと合っていないんじゃないかという声をいただいたりしました。もちろん修復をどの程度行うかというのはあるんですけども、単にきれいにすればいいというだけではないのかなというのを、その意見を伺って私も思ったところではあります。そうした際に、やはり修復を行うときに、当時の姿を復元するのもそうですけども、やっぱり全体の雰囲気に合わせた修復の仕方なんかも検討いただけたらなと思いますけど、その辺いかがお考えでしょうか。

冨士縄区民部文化振興・多文化共生推進課長

 哲学堂につきましては、今いろいろ公園全体の修復と併せまして、中にありますそういった文化財類というものも今修復について検討しているところでございますが、修復に当たっての考え方というのはいろいろございまして、当時の材質に戻していくというところもあれば、当時の材質ですと長持ちしないですとか、そういったいろいろあるものでございます。本物に対しては、やはりそれを、新しい技術ができたときに可逆的に戻せるといったようなところも一つ、そういった指定文化財ですとか、ある種登録指定された文化財に対する修復に関してはそういった視点もございますので、結構様々、いろんな要因とか、現状、今の技術、こういったものを検討して修復がなされているものと認識をしております。そういった修復に当たっては、専門家の意見も聞きながら、どういった修復がいいのかというところを一つひとつ検討して実施していく方向になりますので、そういった中でそういったところも、必ずしも新しくなればいいということではなくて、いろいろ文化財という中での制約での修復がどう可能かというところを検討していっているところでございますので、そういった意見もあるということを踏まえつつ、それだけではないということを周知していったりして、御理解いただいて、文化財というものを大切にしてもらう。こういったことを知ってもらうということも必要かなというふうに考えているところでございます。

石坂委員

 そういうところを配慮していっていただければなと思いますので、よろしくお願いします。

 それから、この文化財の修復・保存のところでさらに伺っていきますけども、今年、年度では昨年度ですね、私、予算特別委員会の総括質疑のほうで、平常時もそうなんですけど、災害が起きたときの修復をどうしていくのか、あるいは、ふだんから災害があったときに毀損されないような形のものなんかを考えることが必要ではないか、そのための計画などもつくるべきではないかというような話を、文化庁の文化財レスキューとか文化財ドクターなんかの話も紹介しながらさせていただきました。そうしたところも踏まえながらの保存・活用計画、まあ、計画であればベストですけど、そうでなくても、やはり災害などによるダメージとか、そういうことなども一定考えておくべきではないかと思いますけど、その点いかがお考えでしょうか。

冨士縄区民部文化振興・多文化共生推進課長

 最近ですと能登半島沖の地震ですとか、そういったところで結構文化財が被害を受けているといったことは認識しているところでございます。一方で、まず、そういったことの危機への対応というものを全く考えていかないわけではございませんけども、現状あるところを把握して、滅失状況を把握して、そういったこともそういう災害時にどうしたらいいかというところにはつながっていくかと思いますので、そういったところの視点も踏まえて今後研究していければなというふうに思っております。

石坂委員

 今回は現状あるものの保存・活用に向けた調査を進めていくということですけども、その先という形で長期的な目線で考えていっていただけたらと思います。

 それから、3Dスキャンなどで残していったデータ、現に今でも中野サンプラザであるとか、あるいは旧中野区役所のモザイク壁画、こうしたものがホームページなどで、ウェブ上で今見られるようになっています。これはもちろん2次元の画面で再現できて、見るというのもありますけども、やはり3Dスキャンしたものですから、3Dを体験できるというものではあります。現状ですと、恐らく旧豊多摩監獄表門のところでまずやってみて、その先になると思うんですけども、やはり3Dスキャンしたものをバーチャルで体験できるということを考えたときに、例えば堺市なんかですと、仁徳天皇陵古墳について、中に入って見られるようなバーチャルなんかも体験できるようなことをやったりしています。やはりそうしたようなことを展開していくということを考えたときに、もちろん予算の確保はなかなか、予算がかかるものでありますけど、それこそ今回ふるさと納税ですとかクラウドファンディングなんて話も出ている中ですので、そうしたものを実現するためのクラウドファンディング、ふるさと納税とかというのも今後考え得るのかなと思うところです。やはり保存するだけじゃなくてそれを活用していく上では、バーチャルで体験できるハード的なものも今後考えていくべきと思いますけど、いかがでしょうか。

冨士縄区民部文化振興・多文化共生推進課長

 こうした先端技術の活用に当たっては、必ずしもそういう先端技術でフルスペックのものをやればいいということではなくて、どういった需要があるのかとか、活用の可能性があるのかとかを踏まえて、最適なデジタルの活用ということを考えていく必要があるのかなというふうに考えてございます。ですので、そういった中でふるさと納税ですとかクラウドファンディングの活用などについても、併せて考えていければいいのかなというふうに考えているところでございます。

石坂委員

 フルスペックでなくてもという話が出ました。けれども、やはりフルスペックとまでいかなくても一定のものがあれば、ぜひそれを体験したいなという方も増えていく。体験することによって文化財に対する意識も高まっていくところもあります。最近はあまり質問が出なかったかな。昔だとよく歴史民俗資料館の来館者数が少な過ぎるんじゃないかなんていう意見なんかも結構、様々委員会ですとか全体の場で出たりしていましたけども、それこそ歴史民俗資料館の中の一部屋を使って、バーチャルでいろんな過去の建物ですとか文化財に対して体験できるとか、あるいは、それこそ場所を選ばない、もしくは学校でやってもらってもいいわけですけども、そういうことを展開していくということがやはり文化財の意識を高めていく。あるいは、知ってもらう、なじんでもらうということにもつながっていきますし、それがひいては全体の、市民としての誇りということでシビックプライドというところにもつながってくると思いますので、やはりそこをうまく活用していくことでうまく中野区のPRにもなっていくと思いますので、その観点を持って取り組んでいただきたいと思いますが、いかがお考えでしょうか。

冨士縄区民部文化振興・多文化共生推進課長

 ちょっと繰り返しになるかもしれないですけど、やはり活用していくに当たってもそれなりの費用ですとか規模、こういったものは必要になってくるのかなというふうに考えてございまして、それをやる価値があるかどうか、それが有効に発信していけるツールの一つになるかどうかというところは重要かなと思っていますので、そういったところで、そういうことが有用ということであれば、そういった活用というのも検討していく一つにはなっていくのかなというふうに考えているところでございます。

石坂委員

 そうしますと、有用かどうかはそもそも検討しなければ始まらないことですので、有用かどうかの検討はしっかりとしていただきたいと思いますけど、それはよろしいでしょうか。

冨士縄区民部文化振興・多文化共生推進課長

 個々の事例において違うと思いますので、そういったところではそういった活用ができるのかどうかというところ、その効果がどうかというところを踏まえて検討していく必要があるというふうに考えてございます。

甲田委員

 文化財ということで考え方をまとめたということですけども、考え方について今回まとめたというのは初めてのことなんでしょうか、中野区では。

冨士縄区民部文化振興・多文化共生推進課長

 このような形で、例えば前に定めました文化芸術振興基本方針なんかでは、文化財の扱いについても少々触れられてはおりますけども、こういった形で文化財の今後の保存と活用に向けた考え方を明らかにしたのは、今回が初めてというふうに認識してございます。

甲田委員

 これは、何がきっかけで保存と活用に向けた考え方をまとめようというふうに思われたんですか。

冨士縄区民部文化振興・多文化共生推進課長

 この報告の中にもありますとおり、やはり昨今そういった文化財というものが、そういった文化財の情報といいますか、記録といたしまして、存続ですとか継承が困難な事例が見えてきたといったことが、対外的にも結構相談等々、まちの中を見ていく中でもそういったものが見受けられてきたといったところと、あと、やはり区の中でも、ここにあります山﨑家の書院、昨日主な取組の中でも出させていただきましたけども、こういったところについてやっぱり早急に修復をして活用の道筋をつけていく必要性があったものですから、こういった考え方をつくって中長期的に文化財行政を進めていくための道筋をつけたいというふうに考えたため、明らかにしたものでございます。

甲田委員

 そうすると、今回この考え方というのは、これでフィックスなんでしょうか。

冨士縄区民部文化振興・多文化共生推進課長

 一応このような形で、これまでも文化財保護審議会の委員の、専門家の意見を聞きながらこういったことをまとめてきたところでございまして、一応こういったところで進めていきたいというふうに考えてございます。

甲田委員

 文化財保護審議会の意見に基づいて、これはまとめたということですよね。文化財、広く言うと有形・無形とあると思うんですけれども、今ずっと書いてあることを見ると、有形のものを中心に出しているような感じがするんですけど、無形文化財みたいなものというのはどういう扱いになるんでしょうか。

冨士縄区民部文化振興・多文化共生推進課長

 ちょっと資料上、有形のものというのが前面に押し出ているようなものにはなってございますけども、ここの中には無形も含まれるといったところで考えてございます。

甲田委員

 無形のことについてはどういう方向性というか、どこら辺で表現されているんですかね。ちょっとよく読み取れないんですけど。

冨士縄区民部文化振興・多文化共生推進課長

 この中で、例えば情報収集や調査の実施なんかというところでは、やはり過去、無形のものについてもある程度把握はしてきたところですけど、もうそれがなくなっていたりですとか、やはり無形のものは、ないものは公園になってしまったりとか、そういったところで十分把握できていないといったところもございますので、こういったところにつきましては、また把握というものに今後努めていくというところではこの考え方に含まれていると考えてございます。

甲田委員

 ちょっとまた、今後具体的になってきたらまたお聞きしたいなと思います。

 それで、こういった今後の方向性というのは示されているんですけれども、どのぐらいのスパンでこれをやっていくのかというような、スケジュールみたいなものが特に書かれてはいないんですけど、どれぐらいの期間でこれを調査、例えば、現況の把握に努めたりだとか、未確認の情報収集とか、フォローアップ調査を実施するとかありますけれども、どのぐらいの、おおよその期間想定みたいなものはあるんでしょうか。

冨士縄区民部文化振興・多文化共生推進課長

 この考え方自体、ここからここに区切ってその考え方でやるということではなくて、やっぱり日々の職務をしていく中でそういった把握をしていかなきゃいけないといったことで、それを業務の中に落とし込んでいくといったことで考えてございまして、当然、新たな事象なんかによって修正ですとか、考え方を見直さなければいけないとなった場合には、この考え方を見直してということにはなりますけども、基本的にはこのように、これまで一過性でというか、ある一定のところで調査をして終わっていたものを、やはり継続的にやって、日々それをブラッシュアップしていく必要性があるというふうに考えているところでございます。

甲田委員

 分かりました。

 あと、所有者の責務というところがちょっとあれですけども、先ほどの参考資料のところにも所有者の意向確認が不可欠というところにマーカーがされていますけれども、所有者の意向確認をして、所有者の責務がありますよということを言って、そして、その管理には――管理というか、維持・活用には継続的な資源の投入が必要であるということですけれども、それに対して、区が取得しなかったにしても、保存とかの支援の方策というのはどういう方向性があるのか、ちょっと教えていただきたいんですが。

冨士縄区民部文化振興・多文化共生推進課長

 一般的には、例えば指定文化財とか国の文化財とかになれば、そこに税金の関係の優遇があったりですとか、そういったものがあるということになりますので、個々個別でそういった支援というものは違うというふうに認識しておりますが、こういうことができますよといった情報を流して助言していくことも支援の一つだというふうに考えてございます。そういった中で、財政的な軽減がどういうふうに図れるのかといったところを踏まえて、多分所有者としてもそれをどういうふうに管理していくかというところはあるかと思いますので、そういう、区のほうで情報を適宜そういった所有者に対しても流していければといったところで考えてございます。

甲田委員

 ちょっとよく分からないんですけど、例えば情報を流して、支援がこのぐらいありますよと言ったとして、いや、そんな支援ではやっぱりこれ、維持できないので管理できないですということで、もうこれは壊してしまいますというふうになれば、それはもうそれでしようがないということになるんですかね、やっぱり。

冨士縄区民部文化振興・多文化共生推進課長

 やっぱり所有者の責務というのが、その所有者がどう管理していくというのが大前提でありますので、委員おっしゃるとおり、しようがないという言い方があれかどうかというのもありますけども、それはそれで所有者の判断かなということで一つあるかと思います。そういったことであっても、例えばそこで区がそれを、さっきデジタルで保存したりですとか、そういった手法というのは可能かなと思っていますので、そういったところでの、それを継承していくための取組というのは区でもできるのかなというふうに思ってございます。

甲田委員

 それで、そういうときにクラウドファンディングとかというのが出てくるのかなと思うんですけども、ただ、これは、どの時点で、誰が主体でクラウドファンディングを行うのかというのを想定しているのかというのが、ちょっとよく分からないところなんですけれども、区が取得をして、区が保存すると決めたものは区がやるんでしょうけれども、そうじゃなくて、所有者が民間の場合は、どういうふうにこのクラウドファンディングというのをやっていくのか。誰が主体でやっていくということになるんですか。

冨士縄区民部文化振興・多文化共生推進課長

 様々なケースが想定されると思います。所有者自身が残したいと思えば、そういったことも一つ手法でありますし、何か保存団体みたいなのをつくって保存していく。例えば、それを管理しているところが――管理するというか、管理していく主体がそういったものを募ってやっていくという事例も様々あると思いますので、それはケース・バイ・ケースかなと、主体としては。そうなるかと思います。

甲田委員

 ごめんなさい、この参考資料は、ちょっとよく分からなかったんですけど、誰が使うものなんですか。

冨士縄区民部文化振興・多文化共生推進課長

 区がまずこういったことを、それぞれの所有者ですとかにこういった方策等を提案していく上で、区としてはこういうふうな考え方を持っていますよということで、区が説明する上で示したりする、考え方を伝えていくためのフローチャートを案として考えたものでございます。

甲田委員

 ということは、文化財の所有者に区がこれを示して、所有者の方がこのフローチャートをやってみるということですか。

冨士縄区民部文化振興・多文化共生推進課長

 そういうこともあろうかと思いますが、区が説明していく中で分かりやすいように、こういう手順を踏んでいきますというような、じゃあ、この部分についてはどうでしょうかというような、一つひとつ段階を追って進んでいくところで、分かりやすく説明する一つのツールかなというふうに考えてございます。

甲田委員

 これ、「案」となっているんですけど、この「案」が取れるのはいつなんですか。

冨士縄区民部文化振興・多文化共生推進課長

 今こういった御報告をさせていただいて、また、一定文化財保護審議会の先生方の意見を聞きながら、それをブラッシュアップして「案」を取って、それを今後の実務の中で活用できればというふうに考えてございます。

甲田委員

 ちょっと理解がよくできていないところもありますけれども、文化財というのは本当に価値というのが、やっぱり思想・信条によって変わってきたりだとか、人の思い入れがやっぱり強かったり弱かったりするものだと思いますので、総論賛成、各論反対みたいになる場合もありますし、なかなか基準を決めないと判断できないという部分もあって、こういう基準を決めていくこと自体はとても大切なことだなと思いますので、またいろいろと専門家の意見等も踏まえながらしっかりしたものにしていただきたいなと思います。よろしくお願いします。

武田委員

 2ページの今後の方向性のところで、調査のことをお伺いしたいのですが、今の甲田委員の質問の中で、スケジュールというのは決めたスケジュールではなくてということがあったんですけれども、今年、第1回定例会のときにむとう議員が、2011年に区で「中野を語る建物たち」という教育委員会で発行されたものがあって、それは3年かけて調査をされたというのがあって、それ以降実際に確認ができていないので、把握ができていないというような御答弁があったかと思うんですけれども、実際、今既存のもので指定しているものを調査するということであれば、まずは一定期間を区切って調査をするということが必要なのではないかなと思うんですが、その辺りのお考えはどうなんでしょうか。

冨士縄区民部文化振興・多文化共生推進課長

 個々の建物の調査をしていくに当たっても、どれが優先なのかとか、そういったところも必要になってきます。やはり文化財も幅広いものですから、このときは建物を調査したけども、じゃあ、それは今どうなっているのかとか、それについては緊急というか早急に把握していかなきゃいけないのかどうかということも一定あるかと思いますので、そういったところにつきましては、文化財保護審議会等々の意見を聞きながら、どこを優先的に調査していけばいいかということをまたそこで考えていければ、検討していければというふうに思っています。

武田委員

 そうすると、この調査というのは、その建物自体が単純に、2011年にできて以降、状況把握ができていないというような状況にあるのかなと思ったので、調査というのは、一個一個のものについてきちんと状況も含めて調査をするという調査なのか、それとも、1回登録はしてあるんだけど、その行方も含めてどこにあるのか分からないし、建物がなくなっているかもしれないしということを確認するという調査なのか、どちらなんでしょうか。

冨士縄区民部文化振興・多文化共生推進課長

 委員おっしゃっている「中野を語る建物たち」、これは総論的にどういう建物があるかというのを当時調査したものでございまして、個々がどういう形になっているかという、そういった調査ではないです。ですので、これは建物ですけども、例えば庚申塔ですとか仏像ですとか、そういったものも同じかと思うんですけど、区内のどこにそういうものがあって、それが今現状どういうふうになっているのか、あるのかないのかみたいなところも、この建物も一緒だと思いますので、そういった総論の調査というところでどういうふうに進めていけばいいのかというのは、その緊急性というか、それはそれでブラッシュアップしていかなきゃいけないし、これはこれでまた時間もかかるものでございますので、順番については個々検討していければというふうに考えてございます。

武田委員

 すみません、ちょっと私のイメージが……。今、一つは、登録してあるものが現存しているかどうかというのを、まず調査をかけるよというのが第1段階ではないということですかね。

冨士縄区民部文化振興・多文化共生推進課長

 登録というものが、文化財としての登録ではなくて、区として把握しているか把握していないかというところだと思うんですけど、把握しているものであれば、それが今現状どうなっているか、そういった必要性についてはここで明らかにしているところでございます。

武田委員

 把握しているかどうかというところを確認しつつ、また、新しいものが、埋もれているものがないかどうかということも、情報を広く区民の方から募集しながら日常的に把握していくということを、今後は継続的に意識してやっていかれるという意味での情報収集、調査の実施という理解でよろしいでしょうか。

冨士縄区民部文化振興・多文化共生推進課長

 委員おっしゃるとおりでございます。

武田委員

 もう1点ちょっとお聞きしたいのが、保存・活用方法の検討の中で、ふるさと納税の寄附の充当先、クラウドファンディングということがあるんですが、これは、先ほどもちょっと御質問がありましたけども、例えば区として子ども・若者文化芸術振興基金のような形で、区の文化財保護や何かというところの基金を立ち上げますよ、こういったものに活用できるものとして立ち上げますよというものは、想定はされていないということでしょうか。

冨士縄区民部文化振興・多文化共生推進課長

 現状、そういったことはイメージしていないところでございます。

武田委員

 ここを想定されない理由というのは何か。保存・活用とかに使うような資源にしていくというようなところで、あえて立ち上げないということの御判断というのはどういうところからでしょうか。

冨士縄区民部文化振興・多文化共生推進課長

 それについては、個別にどういうものを残していくか――残していくかというか、それについてクラウドファンディングをしてそういったことの財源確保に当たっていくかどうか、それぞれのものというか、文化財によって違ってくるかと思いますので、そういう統一的な基金というものは現状考えていないところでございます。

武田委員

 先ほど支援の在り方についても、幅広い支援というものがあって、例えば区で把握をしていて、建物だったり何だったりすると、若干維持補修の経費をお支払いされたりというようなことに充てていくとか、そういうところも取りあえずはこれで使うということではなくて、区がある程度登録したものについては予算をきちんと立てて保存をしていく、支援の方策をつくっていくということで、これを充てることではないという理解ですか。

冨士縄区民部文化振興・多文化共生推進課長

 こちら、保存・活用というふうになってございますが、どちらかというとというか、ずっと活用していくに当たって、やはりそれをどういうふうに周知してやっていかなければいけないとか、そういった中でやっぱりクラウドファンディングですとか寄附といったところを今想定しているところでございます。

武田委員

 すみません、ちょっとそのイメージがなかなか、ごめんなさい、湧かなくて、今後これは、活用や何かをしていくために充てるための資金として、その都度クラウドファンディングなんかで募集していくということですか。

高村文化・産業振興担当部長

 ちょっと整理して説明したいと思うんですけれども、当然ふるさと納税の充当先となると、区としてやっている事業が出てくるわけで、区が何らか関与して事業化されたものの充当先、応援という形になるというふうに考えてございます。それは、保存もあり得ますし、活用もある。本当にケース・バイ・ケースだと思いますので。今回のこの考え方というのは、限られた資源の中で何を優先していくかということを考えないと、区として対応できないのでこれをお示ししているところもありますので、ケース・バイ・ケースですが、区としてやる事業についてふるさと納税の充当先になると。クラウドファンディングのほうは、ちょっと記述が、もう少し詳細に書けばよかったんですけども、民間のクラウドファンディングを想定しています。江古田の獅子舞においても、民間のクラウドファンディングを実施して、区がそれを後方支援という形で広報してあげたりですとか、アピールしたりですとか、イベントに参加したりという形で資金を集めたということがありますので、そういったことをイメージしているものでございます。

武田委員

 分かりました。そうすると、クラウドファンディングというのは、それぞれのものが立ち上げているものを、こういうものもありますよということをお知らせすることで、そこに資金が行くような形の支援をしていくという支援の方法の一つということと、ふるさと納税の寄附としては、やはり区の事業としての充当先で、一個一個、例えば今度でしたら、昨日ちょっと御説明のあった山﨑家の茶室のところや何かをやるに当たって、ふるさと納税の寄附の充当先にしていくよというようなことを1件1件立ち上げるという受け止めでよろしいですか。

高村文化・産業振興担当部長

 そのとおりでございます。

武田委員

 すみません、最後にちょっと1点だけ。まとめのところで、「調査結果と専門家の意見を踏まえ」というところで、「保護審議会など」というふうに書いてあるんですが、この「など」というところはどの辺りを想定されているんでしょうか。

冨士縄区民部文化振興・多文化共生推進課長

 あくまで文化財保護審議会にいる委員の方々も、専門がそれぞれ分かれてございますので、それぞれの文化財によりまして、今いる委員の方がその分野に精通しているかどうかというのもまた変わってくると思いますので、その中でそれぞれの分野を専門とする専門家に意見を聞くといったところで想定しているところでございます。

武田委員

 そうすると、あくまでも基本的にいろいろ決定していくところは文化財保護審議会になってくるというところで、そこに来ていただいてお話を聞くか、事前に意見をいただいておいて審議会の中で諮るということで決定していくというイメージでしょうか。

冨士縄区民部文化振興・多文化共生推進課長

 様々考えられるかと思いますが、別途そういう意見を聞くみたいな形で、それを審議会の中で出す。あとは、文化財保護審議会の中でも臨時の委員みたいなのを設けたりするということもできますので、それはケース・バイ・ケースで、どれが適切なやり方なのかといったところで考えていければと思います。

酒井委員

 ちょっと教えてください。こういった文化財というものが区内にどれくらいあって、これから調査をするに当たってどれぐらい広がっていくんだろうとか、費用面はどうなんだろうというのがちょっと気になるので教えていただきたいんですが、2ページの4番の今後の方向性のところに、情報収集・調査の実施の①は、「過去の調査に加え、現況(存否・劣化状況等)の把握に努める」とあるんですよね。2番は、「未確認の文化財に関する情報収集を行う」とありますから、ということは、1番のところは、今、区が把握しているところをもう一度調査するというか、そういう感じでいいんですか。

冨士縄区民部文化振興・多文化共生推進課長

 基本的には、委員おっしゃるとおりでございます。

酒井委員

 ということは、中野区の登録文化財・指定文化財一覧にある121件かな、それが①のところの対象になるということでいいですか。

冨士縄区民部文化振興・多文化共生推進課長

 それはあくまでも狭義の文化財になります。広義の文化財というところでは、そういった指定とか登録がされていない文化財も文化財です。ですので、その中で区が把握しているのは情報として持っているんですが、それを情報としてあるのかないのか、存否、どうなっているのかというのをブラッシュアップしていくというところがこの①になります。

酒井委員

 分かりづらくて、もっと簡単に。狭義ではこの121件ということでしょう。じゃあ、ほかには、例えばどういうのがあるんですか。

冨士縄区民部文化振興・多文化共生推進課長

 それぞれやはり、例えば仏像ですとか、今やっていないものとしては山﨑家の住宅なんかも、あれも指定とか登録はされていないですけど、文化財、文化的価値があるというものでございます。

酒井委員

 よく分かりました。ここの121件の中に指定されていませんが、非常に文化的価値の高いものはまだ幾つかありますよと。そういう中で、区が一定把握している、そちらを現況把握していくということだと思うんですけれども、これは、文化財保護条例の中の定義がありますね、「文化財」というもので。それの対象になるものという理解でいいんですよね。

冨士縄区民部文化振興・多文化共生推進課長

 委員おっしゃるとおりでございます。

酒井委員

 一方、この条例の中には、「その保存と活用が適切に行われるよう区は努めなければならない」とある一方で、あるかないか把握されていないかのような、今御発言があったかと思うんですけれども、それとこの区の努力義務の、条例との兼ね合いをどう僕は捉えたらいいのか教えていただけますか。

冨士縄区民部文化振興・多文化共生推進課長

 区の責務としましては、ここの3の(3)と、あと文化財保護条例に書いてあるとおり、そういった責務があるといったことで認識しているところでございますが、そこがちゃんと適切にブラッシュアップした形で情報収集をしていたかというところでは、ちょっと完全ではなかった、十分ではなかったという認識でございます。

酒井委員

 要するに、こういった文化財保護条例をつくっていますけれども、なかなかそういったところに向き合っていなかったというところがあったのかなと思います。

 それで、この次の、「未確認の文化財に関する情報収集を行う」とあるんですよ。これはどういうやり方で行って、さあ、これを調査しようというときは誰が判断されますか。

冨士縄区民部文化振興・多文化共生推進課長

 なかなか未確認のものですから、それ自体、区がまだあるかないか自体を把握しているものではないところでございますので、ここの「併せて」以下に書いてございますが、区民等からのまず情報があって、もしかしたらこういうのがあるかもしれないよといったところで、その所有者の御理解ですとか許可、了承を得ながら調査というか、現状把握をしていくというようなところが一つ考えられるかなというふうに思っております。

酒井委員

 だから、それを判断するのは、課長がそういった文化的価値が高いと判断できるんですかと聞いている。要するに、うちも学芸員がいるでしょう。そこのところの判断になるのか、いちいち文化財保護審議会にかけるのかという、その手続の順番を聞いているだけです。誰が判断するんですか。

冨士縄区民部文化振興・多文化共生推進課長

 一応学芸員の方も一定、見てどういうものかというのは分かると思いますが、分からないとかというものであれば、文化財保護審議会の委員等の先生の御意見も聞きながら、そこは参考にして判断していくということになろうかと思います。

酒井委員

 学芸員、今、区は何人いらっしゃいますか。

冨士縄区民部文化振興・多文化共生推進課長

 常勤が2名ということになります。

酒井委員

 最後のところに、まとめで「適切な人的リソース(学芸員等)を」と書いているんですけれども、これはどう読み解けばいいんですか。要するに、学芸員を増やしていかなければならないのか。「等」と書いているところはどう理解していいのか教えてください。

冨士縄区民部文化振興・多文化共生推進課長

 一つ、やはり区がそういった文化財行政を、さっき言ったように、適切に進めていくためにどういった人的リソースが必要かということで、学芸員等に関しましては専門分野とかもございますので、そういったところで一つ学芸員について、どれくらいの規模といいますか、リソースが必要なのか、また、文化財行政全体を進めていくために、事務も含めてですけど、どういった形で必要なのかといったところを、ここで確保していくことに努めるということで書いたものでございます。

委員長

 他に質疑ございますか。

 

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 なければ、以上で本報告について終了いたします。

 次に、2番、中野区認定観光資源及び関連事業の見直しについての報告を求めます。

冨士縄区民部文化振興・多文化共生推進課長

 それでは、中野区認定観光資源及び関連事業の見直しについて御報告いたします。(資料3)

 令和4年11月に策定いたしました「中野区都市観光施策方針」を踏まえまして、中野区の都市観光の推進を目的として、区内の地域資源等の中から認定した中野区認定観光資源と、これに関連する事業について、これから報告するとおり見直すことといたしましたので御報告するものでございます。

 まず、1、経過でございます。

 (1)認定観光資源の経緯でございます。平成24年6月に策定いたしました中野区の都市観光ビジョンの柱の一つでありました、観光資源の発掘・開発の取組として実施してきたものでございます。中野区による情報収集、調査や公募により資源を集約し、学識経験者や区内経済団体、大学、交通事業者、企業等で構成された選考会を組織いたしまして、そこで選定した後、所有者の同意を得て認定を行ったものでございます。その後、見直しを行いまして、今、令和6年11月現在では、認定件数123件があるものでございます。

 (2)認定観光資源の内訳につきましては、こちら、歴史・旧跡をはじめといたしまして、ここに掲げているとおりのものがございます。

 (3)認定観光資源の関連事業の内容です。まず、中野区の認定観光資源のロゴマークのプレート・シールを掲出しております。次に、中野区観光マップ「びじっと中野」への掲載を行ってございます。続きまして、中野区ホームページへの掲載、あと「なかのデータマップ」への掲載、これらを認定観光資源の関連事業として行ってきたといったところでございます。

 続きまして、2番、見直しの背景になります。こちら、令和4年度に学識経験者ですとか区内企業・団体の代表、中野区を委員としました中野区観光施策検討会を設置しまして、認定観光資源の在り方についても議論しました。それを踏まえまして、令和4年11月に「中野区都市観光施策方針」を策定いたしましたが、この方針におきまして、今後の都市観光施策を展開する一環として、認定観光資源を見直すということを示したものでございます。

 当時の議論ですとか、その後の検討により明らかとなった、認定観光資源に関する現状とか課題につきましては以下のとおりでございまして、まず、認定観光資源の存在自体がほとんど知られていないといったところ。あと、認定観光資源につきましては総花的である一方、知名度が高いものなんかについては漏れており、文化・芸術分野は施設だけの認定であるといったところでございます。続きまして、物的資源を中心とした認定となっておりまして、人や活動(イベント等)についてはあまり取り上げられていないといったところになります。続きまして、飲食や芸術・文化をはじめといたしまして、中野区の魅力となる地域資源につきましては幅広いジャンルで存在すると思われると。また、それについては日々変化しているものと認識しているところでございます。最後に、中野区には訴求性の高い観光資源がない「非観光地」ということを認識した上で、中野の魅力ですとか強みを探って、そうした観点での情報発信が必要である。このようなことにつきまして、当時交わされた議論の中では出されていたといったところでございます。

 続きまして、3番、見直しの内容でございます。中野区の地域資源につきましては、人や活動を含めました幅広いジャンルが存在いたしまして、今後もそれは変化していくとともに、そのこと自体も魅力であると考えられることから、認定観光資源という特定のくくりとするのではなく、多様な主体、手段により様々な資源を情報発信していくことが効果的であると認識してございます。よって、中野区認定観光資源としての取扱いは終了するということでございます。

 また、認定観光資源としての取扱いは終了いたしますが、現在認定している地域資源については以下のとおり整理をして、工夫した情報発信に今後努めていくものでございます。

 (1)、まず、各認定観光資源につきましては、登録文化財・指定文化財、東京都の指定文化財等々ありまして、区有施設、その他のイベントですとか店舗、これらに分類していくといったところでまず考えてございます。

 続きまして、その分類した各資源につきましては、文化施策ですとか観光施策、それぞれの各施策の中で情報発信を適宜適切に行っていくといった方針でございます。

 続きまして、(3)といたしまして、そのような情報発信に加えまして、現在こちらのほうで委嘱、お願いしてございますナカノ観光レポーターをはじめとした、そういったレポーターによる情報発信、こういったものを強化していくというものでございます。

 (4)といたしまして、過去に実施していた事業のアーカイブとしてホームページに残し、公開していくというものでございます。

 (5)といたしましては、「なかのデータマップ」のデータや観光ガイドマップにおける記載、掲載は削除するものでございます。

 最後に、プレート・シール、こういったものが今掲出されてございますが、こちらについては認定観光資源管理者の判断ということで考えているといったところでございます。一方で、区有施設にそういったプレート・シールがありますが、こういったものにつきましては順次撤去していくといった考えでございます。

 最後、4、スケジュールでございます。今年12月、各認定観光資源の整理、こういったものを行いまして、来年1月からは認定観光資源の管理者への説明ですとか、お礼状を送付していければというふうに考えてございます。それと同時並行的に、ナカノ観光レポーターによる情報発信ですとか、区有施設におけるプレート・シールの撤去、また、「なかのデータマップ」ですとか、そういったものへの掲載、記載の削除を順次進めていきたいというふうに考えてございます。

 私からの報告は以上となります。

委員長

 ただいまの報告に対し、質疑はございますか。

甲田委員

 先ほどの文化財の考え方をまとめたり、こちらも観光資源ということで見直しをしていくということで、きちんとその中身を、実を取っていくということは大事なことだなと思います。平成24年に認定したきり、ずっとそのままになっていたということですので、これはもう本当に見直していいのではないかなというふうに理解しますけれども、今度観光資源ということについては、各施策において情報発信を適宜行っていく。そして、ナカノ観光レポーターが情報発信をするということなんですけれども、これがどんなふうに、何を基に選定をして、レポーターが発信する情報というもののネタはどうやって選んでいくのかなというところがちょっと気になるところなんですが、このナカノレポーター自体、ちょっと私がよく分かっていないので、そこの説明からちょっと教えていただけますか。

冨士縄区民部文化振興・多文化共生推進課長

 観光レポーターのほうは、それぞれの目線――目線というか視点で、それぞれの活動範囲等々の中で、自らがネタとなりそうなところを探して、それを記事として発信していくものでございます。

甲田委員

 なので、それは、あまり区は関与しないということですね。どういう材料を基にレポートするかということは、区はあまりその選定には関わっていないということですかね。

冨士縄区民部文化振興・多文化共生推進課長

 区で最終的にSNSに載っけたりする中での文面というものはチェックしていきますが、基本的にネタにつきましては、それぞれの観光レポーターが取材をして集めてくるといったような仕組みになってございます。

甲田委員

 そうすると、区全体として観光施策というのは、どういうふうにこれからやっていく方向性なんでしょうか。

冨士縄区民部文化振興・多文化共生推進課長

 そちらにつきましては、一昨年度、令和4年のときに観光施策方針というものを定めましたが、その中で言っているとおり、情報発信をはじめとしたものであったりですとか、そういった情報発信の中で発掘した地域資源の情報を発信していくですとか……。すみません、区の今後の展開ですけども、一つは観光施策、都市観光のターゲットを明確にした中野区の強み、資源、こういったものを創出していくというのが一つの柱となるといったところと、情報発信を強化していく。続きまして、中野区と関係団体、事業者との連携・協力を高めていって、例えばタイアップ事業の企画を誘導したりですとか、そういったところの支援を充実させていく。こういったことを総合的に進めていくことで情報発信の強化をして、中野区をブランディングして、それがシティプロモーションにつながっていく。こういったような都市観光施策を一連で進めていくといったことで考えてございます。

甲田委員

 情報発信をしていくのはいいんですけれども、その中身をどうやって選んでいくのかなと。あまりにも中野区というのは、多種多様な文化だったり、観光資源がたくさんあるだけに、なかなか選べない部分があってこういう認定というのもやってきたんだろうなということを考えると、そういう毎年毎年どうやって工夫してやっていくのかというところもすごく気になるところです。この(1)のところに、各認定観光資源については、登録文化財・指定文化財などや区有施設というところまでは分かるんですけども、その他(イベント、店舗等)に分類するというふうになっていまして、このその他のイベント、店舗というのは、やっぱり民間団体がやっているイベントや民間の店舗ということになりますので、これ、なかなか公平にするのは難しいところで、大変悩ましいんだと思うんですけれども、やっぱりどこをどういうふうに強化して情報発信していくのかというところはもう少し考えていただいて、観光施策を強めていくという方向なのか、もし後退するのであれば後退なのか、そこがちょっとよく見えないところなので、その辺のお考えはいかがでしょうか。

冨士縄区民部文化振興・多文化共生推進課長

 情報発信につきましては、中野区だけではなくて、例えば中野区観光協会ですとか関係団体、事業者、メディア等を活用して発信する情報、あと、ターゲットに応じて発信元と方法、工夫を図っていくといったようなことで今進めているところでございます。

石坂委員

 裏面の見直し内容のところで伺っていきますけども、(1)の中で、「各認定資源は、登録文化財・指定文化財、東京都指定文化財、国登録文化財、区有施設、その他(イベント、店舗等)に分類する」とあります。登録文化財とかに関しては、文化振興・多文化共生推進課のほうでいいかなと思うところではありますけども、店舗等とか、あるいはイベントの一部に関して言うと、同じ区民部でも産業振興課のほうに移管していくとかという考え方もあるんじゃないかと思うので、その辺いかがなんでしょうか。

冨士縄区民部文化振興・多文化共生推進課長

 移管といいますか、これ、今までこの認定観光資源は認定観光資源として把握していたものでございますので、それをただ整理するといったことでございますので、移管するとか、そういったことではなくて、そういうふうに分類して整理をしていった上で、(2)のところにありますけど、そういった分類したものを各施策の中で周知を図っていくといったことを考えているというか、記載させていただいたところでございます。

石坂委員

 そうしますと、店舗等に関しても、今後、今までの中野区認定観光資源ではなくなるけども、文化振興・多文化共生推進課のほうの各施策の中で情報発信はしていくという理解だということになるんでしょうか。

冨士縄区民部文化振興・多文化共生推進課長

 認定観光資源につきましては、過去認定観光資源に認定したといったところでございまして、それをアーカイブとして残していくことはしていきます。ただ、それを継続して文化振興・多文化共生推進課のほうで情報発信していくということではなくて、例えばそれが、たまたまナカノ観光レポーターによって今後発信されるものでしたら、そういった中で発信をしていくと考えているところでございます。

石坂委員

 そうしますと、観光レポーターのほうで発信する内容には店舗等も含まれているという理解でいいわけですね。一応確認します、もう一回。

冨士縄区民部文化振興・多文化共生推進課長

 現状も観光レポーターによる発信につきましては、各観光レポーターが発信する中でそういった各店舗の発信もしておりますので、そういったところを継続して、さらに強化していければと考えてございます。

石坂委員

 先ほど甲田委員が質問した中でも、観光レポーターが割と主体的に選んでやっていくような感じではあるところです。要は、今回分類はするけども、その中で観光レポーターにお任せしていく中で、どうしても手厚い手薄いが出てくるのかなと思うところではありますし、結果的にそこの部分は全く取り上げられなくなってしまうというところなんかも出てき得るんじゃないのかなと思うので、その辺というのは大丈夫なんでしょうか。

冨士縄区民部文化振興・多文化共生推進課長

 中野区のこういった地域資源につきましては、幅広いジャンルで存在していて、それは日々変化しているものでございますので、その中で人気が出たり観光資源になったりするものは日に日に変化していくものですので、その中で情報発信というものを進めていくべきものかなというふうに考えてございますので、そこの濃淡というものは、認定観光資源というところではもうやめてしまいますが、そういったおのおののスケジュール感というか、タイム感の中でやったイベントですとか、そのときにはやっているお店ですとか、そういったところでの情報発信が強化されていくのかなというふうに考えてございます。

石坂委員

 別に観光レポーターのほうで店舗をやるなというわけじゃないところではありますけども、とはいえ、ちょっと確認しますけども、産業振興課のほうで中野区内の店舗に何かしらアピールするような機会というのは、何かしらやっていないんでしたっけ、やっているんでしたっけ。確認させてください。

高村文化・産業振興担当部長

 今、区内の事業者ですとか店舗というのは、シティプロモーションの一環で店舗ですとかサービス、ふるさと納税の返礼品とかもアピールするという形で、産業についてはあくまで中小企業を中心とした支援という位置付けですので、そういう切り分けでやってございます。先ほど委員からお話があった、今までこれ、ある意味総花的で、少し忖度を加えた形で選んだものに正直なってございます。通り一遍の定期的な発信では駄目なので、観光レポーターですと、例えばウナギの燻製屋さんの店舗を取り上げるに当たっても、ほかのイベントとくっつけたり、周辺の情報とくっつけて発信したり、切り口も、年齢も、キャリアも幅広いので、その辺に大分差異がありますので、そういったところで少し発信の魅力が高まるということが大分分かってきましたので、そういったことで情報発信を強化していきたいというふうに考えてございます。

石坂委員

 よく分かりました。そうしますと、やはり今後も観光レポーターの方は、追加で募集したりとか、入れ替わったりとかあるかと思いますけども、その辺もうまく得意分野が分かれるような形で、結果的に選ぶのはレポーターであっても、偏りなくいけるような形での人選なども考えていっていただけたらと思います。これは要望としておきます。

武井委員

 この裏面の3番の見直し内容の、「工夫した情報発信に努めていく」とありますが、この「工夫した情報発信」というのは、確認なんですけども、下の(1)から(6)でよいということでしょうか。

冨士縄区民部文化振興・多文化共生推進課長

 認定観光資源の記載自体は削除するといったところで、それが工夫になるかというのはありますけども、先ほど来御説明しているナカノ観光レポーターによる多角的な情報発信ですとか、それぞれ適宜情報発信していく中での工夫、こういったところが考えられるかと思いますので、それを含めた形で工夫といったことで考えているところでございます。

武井委員

 先日、福島県田村市に行ったときに、田村市の市長も言っていましたけど、本当に自分のところには観光が何もないし、名所も何もないと言っていたんですけども、そのとき春に行ったんですけども、桜の名所とか一切ないんですけど、田村市としては、名所は地域の住人に決めてもらうということで、「一本桜コンテスト」という行いをしていて、地域の方が1本、ある桜の写真を撮って、これが一番田村市で美しいみたいなのを募集していて、地域の名所は地域の住人が決めるみたいな活動をしていて、とてもいいことだなと思ったんですけども、そういった考えはいかがでしょうか。

冨士縄区民部文化振興・多文化共生推進課長

 そういったコンテストということでいいますと、ちょっとこの後、口頭になりますが報告させていただきます、シティプロモーションにつながる中野ショートフィルムコンテストとか、それぞれの住民、区民が中野の魅力を発信するといったところも、それを加味したコンテストになっていますので、一つそういったところの視点は入っているかなというふうに思っています。そういった中での情報発信というものも、区民それぞれの視点で選んだ中野の魅力といったものの発信にはつながっていくというふうに考えてございます。

委員長

 他に質疑ございますか。

 

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 なければ、次の報告に移ります。

 次に、3番、議会の委任に基づく専決処分についての報告を求めます。

秦清掃事務所長

 それでは、議会の委任に基づく専決処分について御報告いたします。(資料4)

 本報告につきましては、総務委員会でも報告をするものでございます。

 地方自治法の規定に基づきまして、訴えの提起、和解及び損害賠償額の決定のうち100万円以下のものについては区長が専決処分をし、議会に報告することとされており、本件は当該規定に基づき報告しているものでございます。

 1、和解(示談)の相手方は中野区民でございます。

 2、事故の概要です。事故発生日は令和6年7月27日です。事故発生場所は、相手方自宅敷地内でございます。3、事故発生状況は、区の職員がごみの戸別収集作業のため相手方自宅を訪れたところ、事故発生場所に置かれていた相手方所有の植木鉢をごみと誤認し、これを収集したことにより当該物が滅失いたしました。

 3、和解の要旨。区は、本件事故につき相手方が被った損害額について、相手方に対し賠償する義務があることを認め、相手方の指定する方法で支払います。

 4、和解の成立日は令和6年11月7日でございました。

 5、区の賠償責任といたしまして、本件事故はごみの収集作業を行っていた区の職員が、相手方所有の植木鉢をごみと誤認し、これを収集したことにより発生した事故であり、相手方が被った損害の全額について区が賠償責任を負うものと判断いたしました。

 6、損害賠償額。本件事故による相手方の損害額は、滅出した植木鉢の購入費相当額4,980円であり、区の損害賠償額は損害額と同額でございます。

 7、事故後の対応について。所属長から関係職員に対し、本件事故について厳重に注意を行うとともに、所属長から所属の職員全員に対し注意喚起を行い、再発防止の徹底を図りました。

 御報告は以上でございます。

委員長

 ただいまの報告に対し、質疑はございますか。

甲田委員

 ちょっと教えていただきたいんですが、例えば相手方、これ、戸別収集だったので、多分御自宅の敷地内に置かれていたものだったんだと思いますけれども、この発生場所が、戸別収集というのは、自宅の敷地内じゃなくて、区道とかに置く場合もあるとは思うんですけれども、これがもし自宅の敷地外だった場合は、結果は変わっていたりするものなんですか。

秦清掃事務所長

 基本的には、戸別収集であっても、自宅の敷地内のところに、区道から手の届くところに置いていただくというのが大原則でございます。ただ、その状況に応じまして、どうしても置けないとかという場合は、私どもの清掃職員のほうが現場を必ず確認しに行きます、収集する前に。確認しに行きますので、そこで話合いがあって、そこが認定されたとすればそういうこともある可能性はあります。(「ちょっと意味がなかなか……」と呼ぶ者あり)対応としましては全く同じでございます。

甲田委員

 そうなんですね。これが自宅の敷地内じゃなくても、例えばこれが区道に置かれていたとしても、対応としては全く同じということでよろしいですか。

秦清掃事務所長

 なので、原則としましては、必ず収集場所を決める前に私ども清掃事務所のほうに登録をしていただきますので、そこの登録のところで、敷地内というのが原則でございますので、もしそれが、例えば区道上にあった場合、それをうちのほうで登録していれば、それはそれでもちろん戸別収集ということでの認識でございます。

武田委員

 これ、事故後の対応ということがすごく大事かなというふうに思うのと、一つはやはりごみ捨てのマナーとルールの徹底をやっぱりしていくということが大事なのかなというふうに思うんですけれども、これ、誤認をした理由というのは何でしょうか。

秦清掃事務所長

 正確に言いますと、収集した職員のほうから聞いたところによると、植木鉢のみ1個が戸別収集のところに出されてはいましたと。それが、ひびが入っているという状況だったため、これはふだんあまりそういうところに置いていないので、これはもしかしたらごみではないかということで、陶器・ガラス・金属ごみということで収集をしてしまったということでございます。

武田委員

 それは、収集日ではなかったけれども――収集日に戸別収集のところに置いてあったので誤認をしたと。これ、今後の対策というところでは、収集をする方の確認事項としてはどういったことを徹底されたんでしょうか。

秦清掃事務所長

 まず、迷った場合、ごみなのか、ごみじゃないかという場合は、基本的には積まないというのが大原則でございます。積んでしまいますと、それで収集されてしまうと物が分かりませんので、後々どうにもできないということがございます。ただ、収集のときの状況にもよるんですけれども、原則、あくまでも個別宅のところへ訪問させていただいて確認をすると。ただ、場合によってはいらっしゃらないとか、確認できない場合がありますので、その場合に関しては何らかのシールを貼ってそのまま置いておくというような対応をさせていただいております。

武田委員

 今後同じようなことが起きないように、職員の方を徹底するというのはもちろんだと思うんですけれども、やはり出す側のほうにもきちんとした周知というのをしていく必要があるんじゃないかなと思うんですが、その辺りはどういうふうにされるんでしょうか。

秦清掃事務所長

 まさにそこが、我々清掃事務の作業員のほうが毎日徹底してやっているところではございます。もし分別されていないようなごみですとか、収集日の前に出されているごみですとか、収集日ではないものが出されている場合などは警告シールなどを貼ったりします。場合によっては、あまりにもひどいようですと、その中身を見させてもらって、その人が分かるようなごみであれば、そのところに行って指導するようなことも対応させていただいております。

武田委員

 やはり様々なところで、ごみ出しのマナーというのはいろんなところで出てきて、まして損害賠償になるようなお話になるということも含めて、ごみ出しのマナーとルールの徹底というのを、今とちょっと違う形でもやっぱりアピールをしていく必要が、PRをしていく必要があるんじゃないかと思うんですけど、さらにこれを徹底させるために何かお考えのことはありますか。

秦清掃事務所長

 もちろん日々やっていることの積み重ねというのが一番大事だとは思っております。やはり直接指導していかないとなかなか、特にごみのマナーが悪い方というのは難しいのかなというのが率直な感想でございます。それとは別に、もちろん今でもホームページですとか、その他広報媒体等でも、当然ごみのマナーの周知は徹底させていただいておりますし、あと、イベント等、そういったところも活用させていただいて、あと、環境学習等とかでもそういったような宣伝をさせていただいて、ごみの分別、マナーについては普及啓発を今後も継続してやっていきたいと考えております。

武田委員

 今、学習もというようなお話があったので、これ、清掃事務所だけのお話ということではなくて、やはり環境部としてきちんと対応していただきたいなというふうに思います。要望です。

石坂委員

 確認ですが、今回この植木鉢というのは、これは鉢だけだったのか、あるいは、土とか植わっている植物もあった状態のものだったのか教えてください。

秦清掃事務所長

 基本的には植木鉢だけでございます。

石坂委員

 あともう1点なんですけども、これは戸別収集ですので、この場所に出したものを回収しますよという話は区民の方としているかと思うんですけども、逆に言うと、その場所にはごみ以外の物を置いてしまうと回収されてしまいますよという注意とかはしないものなんでしょうか。

秦清掃事務所長

 そもそも敷地内でございますので、それをやるというのは基本的にはできません。

石坂委員

 そうしますと、そこに指示ができないわけですから、いろんなものを置かれてしまう可能性があるわけですけども、そうすると、区民の方は、ごみを出しているときもあれば、ごみじゃないものをぽんと置いてしまうことがたくさん生じてしまうと思うんですけども、結構たくさん生じているけど、それまでトラブルがなかったというふうな理解をしていればいいんでしょうか。(「もう一度、すみません、お願いします」と呼ぶ者あり)要は、そこの場所に対してごみ以外の物を置かないでくださいということはできないというお話でしたけども、逆に言うと、そこに家の方がぽんぽん物を置いてしまう可能性がある状態ですと、この件に限らず、ふだんから戸別回収の場所に物が置かれてしまうということは発生し得る状態になるかなと思うんですけども、その辺というのはトラブルのもとになりそうな気がするんですけど、そうしたことはこれまで事例としては……。トラブルになっていなかったかもしれないけど、生じていないのかどうか教えてください。

秦清掃事務所長

 原則、私が知る限りでは、そういったトラブルというのはほとんどないんですけれども、万が一、逆にそういったようなことが、収集職員が行ったときに紛らわしい場合、基本的にはシールを貼ったりして残していきますので、そこで何らかの反応があるかなと思うんですけれども、その辺が、もしそういったような、収集職員が今後行ったときにそれが全然改善されていないとか、何も反応がないような場合というのは、個々に確認をするなりして、その辺はしっかりやっていきたいというふうに考えております。あと、原則、ごみは半透明もしくは透明の袋に入れるか、もしくはポリバケツの中に入れていただくということになってございますので、申し上げておきます。

石坂委員

 そうしますと、清掃職員のほうにも、先ほど確認するようにとかという話がありましたけど、ごみ袋に入っているか入っていないかによっての判断ということも、収集の職員のほうもその判断でふだんはやっているという理解でいいんですね。

秦清掃事務所長

 はい、そのとおりでございます。

委員長

 他に質疑ございますか。

 

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 なければ、以上で本報告について終了いたします。

 次に、4番、その他に入ります。何か報告ございますか。

冨士縄区民部文化振興・多文化共生推進課長

 私のほうから、中野ショートフィルムフェスティバルの開催について、口頭にて御報告させていただきます。

 中野区のまちの魅力を発見し広める、参加型のシティプロモーションといたしまして、中野ショートフィルムフェスティバル、通称「ナカンヌ」を開催いたします。現在、ショートフィルム作品につきましては募集期間中でございまして、全3部門を設けて募集を行っているものでございます。そして、来年の3月になりますが、こちら、「カメラを止めるな」の上田慎一郎監督ほかの審査員による、公開による最終審査会と表彰式を、区役所のナカノバにおいて行うことを予定しております。

 私からの御報告は以上となります。

委員長

 ただいまの報告に対し、質疑はございますか。

石坂委員

 今回、U18部門1分以内、一般部門(ショート)1分以内、一般部門(レギュラー)1分から5分となっていまして、下の応募資格のほうだったかな、U18部門は18歳以下であるけども、一般部門は、応募資格は問いません、18歳以下も応募いただけますという形になっています。そうすると、レギュラーのほうは、当然U18の方、18歳以下の方もレギュラーで申し込む形になるかと思いますけど、ショートに関しては、U18の方はどちらでも申し込める形になっております。これは、もちろんこういう形でもありなんだけども、ただ、要は、同じ部門で募集して、U18の人をU18賞みたいな感じでやってあげたほうがいいような感じもしています。というのも、賞金なども差がある中で、U18の人が5万円欲しいなと思えば、このショート部門のほうに申し込むでしょうし、この辺がちょっと、どうしてこういうふうな立てつけになったのか、もし分かれば教えてください。

冨士縄区民部文化振興・多文化共生推進課長

 より幅広い募集の観点から、ただ、18歳以下の方にも積極的に御応募いただくということで、こういった形での区分を設け、部門を設けて、それぞれ募集をしたといったところでございます。

石坂委員

 そうしますと、例えば一緒にまとめてやっていれば、成人よりも18歳以下の人のほうがすばらしいものがあれば受賞するということもあり得るし、逆に、この形ですと、一般部門のショートのほうで5万円相当の商品を取った人よりも、U18のほうで3万円の商品を取った人のほうが、こっちのほうがよかったじゃないかということも生じてしまうような感じがしています。今回これはこれで駄目というわけじゃないですけども、今後、例えば同じ形の枠で募集するけども、U18賞もあるよみたいな形なども、工夫の仕方とかがあるかなと思うので、ちょっと考えてみていただけたらなと思うところです。

 それから、こちらに関しては、発信の仕方として、活用の仕方として、取扱いについてという形で出ていますけども、これは実際にこうした映像が入賞したんですよという形のものが、どこかでまとめて見られたりとかするようになるんでしょうか。

冨士縄区民部文化振興・多文化共生推進課長

 こちらは、今後の活用につきましては、シティプロモーションの中での活用を考えてございまして、例えば、1階のナカノバでの大きいスクリーンの中で応募作品全体を見せていくということも考えられると思いますし、あと、実際ユーチューブに申込みをしていただく形になってございますので、そちらのほうで見ることができると思いますが、そういった作品の見せ方ですとか活用の仕方、シティプロモーションでの活用になりますけども、そこについては工夫していければというふうに思ってございます。

委員長

 他に質疑ございますか。

 

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 なければ、以上で本報告について終了いたします。

 他にございますか。

伊東環境部環境課長

 それでは、11月9日の土曜日に開催いたしました「なかのエコフェア2024」の実施結果につきまして、口頭により御報告いたします。

 今回は庁舎移転後、初の開催となりました。昨年度までは中野四季の森公園イベントエリアなど、全て屋外での実施でしたが、今回は屋外会場のほか、庁舎内のナカノバや会議室を使用しての開催となりました。会場分散型の開催となりましたが、クイズラリーを取り入れることにより、6階の会場にも多くの区民の方に御来場いただきました。参加団体数は、昨年度の32団体から6団体増えまして38団体となりました。そのうち自治体の参加は8団体となりまして、それぞれ過去最高の参加団体数となりました。特に今回は、木材を利用した内容の出展が充実いたしました。また、新たな内容としまして、ナカノバのステージを使用した自転車発電を体験しようというイベントを行いまして、エネルギーの大切さなどを学ぶ機会を提供いたしました。来場者数は、同時開催となりました他のイベントとの相乗効果もあったと思いますが、これまで最高だった令和4年度の3,100人を大幅に超え、3,740人となりました。また、エコポイントについてでございますが、500ポイントに満たないポイントをお持ちの方に、国産材を活用して作られた鉛筆との交換を行いました。以上が今年度の実施結果の概要となります。

 来年度につきましては、今年度の結果を踏まえまして、さらに多くの区民の方に、温暖化をはじめとする環境問題について学び、知っていただけるような企画として実施したいと考えております。

 御報告は以上でございます。

委員長

 ただいまの報告に対し、質疑はございますか。

甲田委員

 私もちらっと行かせていただいて、全部は見られなかったんですけれども、これ、来場者数は、いろいろなイベントがありましたけど、どこの場所でカウントしたんですか。

伊東環境部環境課長

 来場者数でございますが、受付でエコバッグですとか、資料配布した数ですとか、エコフェアの受付を通らない方もいらっしゃるということもありまして、そういったことを鑑みましてカウントしたということで、これは毎年同じような形でカウントしているというものでございます。

甲田委員

 受付を通らない方を鑑みて、どういうふうに計算するんですか。

伊東環境部環境課長

 まず、エコフェアの本部に来ていただいて、そこでいろいろ資料とかをエコバッグに入れて配布します。今回もいろんなところから、リリースというんですか、ありますので、必ずしも本部を通ってエコバッグを受け取って参加される方ばかりではないので、端的に言いますと、受付でエコバッグを配布した数の倍の方が来たというふうにカウントしまして、それで今回は数を算定したということでございます。

甲田委員

 想定というか、そういうふうにしたということですね。

 表彰式、議長が参加されていましたけど、前に立たれていましたけど、表彰式をちょっと見ていたんですけども、ナカノバでやったのはいいんですが、やはり半分から後ろの方はたまたまそこに座っていたかなという感じで、表彰式に本当に参加している人は数名かなというふうにもちょっと見受けられてしまったんです。なので、後ろのほうに座られていた方も参加していたというふうにカウントすれば、倍ぐらいはいたのかなというふうに思うんですが、やっぱり屋内でもあったので、もうちょっとこの表彰式、せっかくお子さんとかも表彰されていましたし、チラシの中にもう少し分かりやすく書くとかして呼び込めるような方策を、また次は考えられたほうがいいんじゃないかなというところだけちょっと気になりましたので、その辺りのお考えはいかがでしょうか。

伊東環境部環境課長

 委員御指摘のとおり、デコ活のコンテストについては、確かに見られる方があまり多くなかったというのは事実でございますので、来年度につきましては、その集客の方法とかPRの方法については、今回の反省を踏まえまして工夫していきたいというふうに考えてございます。

武田委員

 私もエコフェアにちょっと寄ってみて、本当にほかのイベントと一緒になっていたので、特にエコフェアを目指して来た方だけではない方たちも来ていて、それはすごくよかったなというふうに思っています。来年は、今1日だけなので、これはまた1日だけなのか、もうちょっと回数を増やしていこうというようなお考えとかはおありでしょうか。

伊東環境部環境課長

 過去にもそういった議論があったというふうに聞いてございます。出展団体の方の意向とか、そういったこともございますので、ほかのイベントは翌日もやっていたりとかありますので、個人的な感想から言うと、2日間やってもいいのかなと思ってございますが、先ほど言いました出展団体の方の意向等もございますので、2日開催については今後の検討課題というふうに考えてございます。

武田委員

 例えば、花と緑のフェアだったりすると、春と秋に開催されていたりということもありますので、そういったほかの部署とのイベントで関連性の高いものと一緒にやっていくとか、ちょっと違う部門がやっているところのイベントのお隣でやっていくとか、もともとあまり関心がない方たちにとっても、やっぱり自分たちのことだというふうにして行動していただきたいという、行動変容を促していくための策というのは、やはりどんどん打っていっていただきたいなというふうに思います。

 エコポイントの500ポイント未満というのも、鉛筆に換えていただいたというのはよかったなと思うんですが、これ、実際にお受け取りに来られた方はどのぐらいいらしたんでしょうか。

伊東環境部環境課長

 今回、エコフェアで交換された方は6名でございます。

武田委員

 これ、周知はどのように。ちょっと私、見つけられなかったので、すみません。

伊東環境部環境課長

 区報はちょっと間に合わなかったので、ホームページで周知をさせていただきました。

武田委員

 6名だけだったということで、取りあえず交換できる期間については、環境課でやられることとか、環境部でやられるもののところでも、何かしら交換ができるように継続されていくというお考えとかはおありですか。

伊東環境部環境課長

 そういうのはホームページのほうで掲載してございますが、環境のイベントですとか、それがないときでも随時8階の環境課のほうで交換ということで周知してございます。

 あと、参考に、先ほど6名ということだったんですけども、今、大体、概算ですけども、担当者の感覚なんですが、500ポイント未満お持ちの方は大体四、五十人程度かなというふうに認識してございます。

武田委員

 この四、五十名程度の方の目に届くような形で交換できるようにしていただければなと思います。

 エコフェア自体の中では、交通政策課がモビリティの実験をやられていたりとか、公共交通の利用の促進ということで、公共交通はバスを使ってくださいということで、すごろくみたいな形でやられていたりとか、ほかの所管の方も来ているなというふうに思ったのと、里・まち連携をやられている自治体の方たちが木材を使った体験型イベントをやられていたので、幅がちょっと広がっているなと。環境課の中では、清掃事務所がごみのんカーで、あと、カードゲームみたいなのをやっていて、そのカードがすごく人気があったみたいだとか、いろいろ工夫してやられているなと思ったんですけど、環境課自体は受付だけだったのかなというふうな印象しか、私はちょっと認識できなくて、例えば省エネ家電の推進をするためのPRとか、そういったことはされたんでしょうか。

伊東環境部環境課長

 今回、このエコフェアに関しましては、環境部の中でPTを組みまして、環境課とごみゼロ推進課と清掃事務所の職員でPTを組みまして、主に若手中心なんですけども、何をやろうかということで決めまして、特に環境課だけということではないんですが、そういったいろいろアイデアを出しまして、先ほど御報告しましたナカノバのイベント会場で、自転車発電を体験しようということでイベントを行いまして、これはエネルギーの大切さを学ぶ機会。これは職員自前で、企業等の協力を得ないで区独自で行った。そういったこととか、あと、本部でありますけども、いろんな資料をお配りして省エネの大切さとか再生可能エネルギーの、そういった普及啓発についても同時に行ったというものでございます。

武田委員

 すみません、ちょっと時期的に、省エネ家電はもう締め切った後だったなというのをお聞きしてから気がついたんですけど、なかなか、やっぱりイベントのときとかに真面目な展示だけというのだと、それだけをわざわざ見に来るという方はいないんじゃないかと思うので、それこそ脱炭素ロードマップの話であるとか、来年度はきちんと、しっかり予算を年度末までなくならないように取っていただいて、省エネ家電の普及促進みたいなことに努めていただくとか、そういったところもちょっと設けていただきたいなと思うんですけど、その辺りいかがでしょうか。

伊東環境部環境課長

 今、委員御指摘の点も踏まえて、来年度さらに充実したエコフェアを開催したいというふうに考えてございます。

委員長

 休憩します。

 

(午後2時54分)

 

委員長

 再開します。

 

(午後2時55分)

 

石坂委員

 私、ちょうどこの週末は別のイベントに関わっていて、見に行くことができなかったので残念ではあったんですけども、今回、この週末、いろんなイベントが同時多発で行われていて、私が関わった他のイベントのほうですと、通る人は多くなっているんだけども、逆にそのイベントを目がけて来る人が少なくなっている中で、やはりあまり関心なく、立ち止まってくれない人も多かったような話なんかもあったりしていました。エコフェアのほうに関して、要は、集客は多かったということであるんですけども、ただ、その辺に関してちゃんと時間をかけて見ていってもらうとか、そうしたことが十分できたのか、あるいは、呼び込みに対してもうちょっと工夫ができたのかとか、その辺がもしあれば教えてください。

伊東環境部環境課長

 今回、会場が以前と比べて多少狭くなったということもございまして、人がわーっと集まっているという、私も見て、ありまして、なかなかそこでその1人の方がどれぐらい関心を持って、どれぐらい立ち寄ったか、その辺はなかなか分析が難しいんですけども、ただ、一つ言えるのは、先ほどほかの委員からもありましたように、この環境イベントというのは、環境に関心のない方にいかに来ていただくかということが大事だと思ってございまして、今回は他のイベントとの同時開催でしたので、例えばほかのイベントに行く、第一義的にはほかのイベントに行く方が、あれ、ここでこんなことをやっているんだなということで関心を持たれて、終わった後にそこで買ったものを持ちながらエコフェアのほうを見ていただいたりとか、そういったこともございましたので、委員御指摘の点については今後注視していきたいというふうに考えてございます。

細野委員

 すみません、1点だけちょっとお伺いします。今回初めてエコフェアで、衣類のリサイクル展示室のリニューアルに伴ってというか、出張型でたしかそういうコーナーを設けられたと思います。それがどうだったかというのと、あと、1回開催されて、何か課題みたいなもの、来年度に向けて何か見えてきたものがあれば、併せてお伺いしたいと思います。

鈴木環境部ごみゼロ推進課長

 リユース古着の提供をシェアノマでやらせていただきました。洋服の点数としましては、358着を提供することができました。そこではふだんリサイクル展示室に来ないような学生が来られていまして、その際にスーツをリユースとして持って帰っていただいたというような、新しいお客様、新しい方に提供することができたという点についてはとてもよかったかなと思ってございます。また、課題としましては、運搬がなかなか大変であったり、そういう課題は多々あるのかなというところと、やっぱり屋外ではなかなか難しいのかなというのが今回分かったことでございます。

 次回、1月15日、中野区役所の1階シェアノマでもう一回古着のリユース、今回平日やってみようというふうな企画も考えてございますので、そういうところで少しずつ実績を積み上げて、今後にどんどん生かしていきたいなというふうに考えてございます。

委員長

 他に質疑ございますか。

 

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 質疑なければ、以上で本報告について終了いたします。

 他に報告はございますか。

 

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 なければ、以上で所管事項の報告を終了いたします。

 次に、審査日程の地方都市行政視察についてに入ります。

 11月6日・7日に行いました当委員会の地方都市行政視察について、お手元の調査報告書(案)(資料5)のとおりに議長に報告をさせていただきたいと思いますが、御異議ございませんか。

 

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 ありませんので、そのように決定いたします。

 以上で地方都市行政視察について終了いたします。

 次に、所管事務継続調査についてお諮りいたします。

 お手元の文書(資料6)に記載された事項について、引き続き閉会中も調査を要するものと決するに御異議ございませんか。

 

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 ないので、そのように決定いたします。

 審査日程のその他に入ります。

 委員会を暫時休憩いたします。

 

(午後2時59分)

 

委員長

 委員会を再開いたします。

 

(午後3時00分)

 

 休憩中御協議いただきましたとおり、次回の委員会、1月29日(水曜日)の午前10時とさせていただきたいと思います。

 また、急を要する案件が生じた場合には、正副委員長から招集させていただきたいと思いますが、御異議ありませんか。

 

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 ありませんので、そのように決定します。

 以上で本日予定した日程は終了いたしますが、委員、理事者から何か発言はございますか。

 

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 なければ、以上で本日の区民委員会を散会いたします。

 

(午後3時00分)