平成24年02月29日中野区議会予算特別委員会の会議録 1.出席委員(42名) 1番 若 林 しげお 2番 高 橋 かずちか 3番 木 村 広 一 4番 甲 田 ゆり子 5番 小 林 ぜんいち 6番 中 村 延 子 7番 石 坂 わたる 8番 後 藤 英 之 9番 石 川 直 行 10番 内 川 和 久 11番 ひぐち 和 正 12番 いでい 良 輔 13番 白 井 ひでふみ 14番 平 山 英 明 15番 南 かつひこ 16番 森 たかゆき 17番 いながき じゅん子 18番 林 まさみ 19番 小宮山 たかし 20番 浦 野 さとみ 21番 伊 東 しんじ 22番 佐 野 れいじ 23番 北 原 ともあき 24番 吉 原 宏 25番 小 林 秀 明 26番 久 保 り か 27番 酒 井 たくや 28番 奥 田 けんじ 29番 近 藤 さえ子 30番 金 子 洋 31番 長 沢 和 彦 32番 大 内 しんご 33番 伊 藤 正 信 34番 高 橋 ちあき 35番 市 川 みのる 36番 篠 国 昭 37番 やながわ 妙 子 38番 佐 伯 利 昭 39番 むとう 有 子 40番 か せ 次 郎 41番 来 住 和 行 42番 岩 永 しほ子 1.欠席委員 な し 1.出席説明員 中野区長 田中 大輔 副区長 金野 晃 副区長 阪井 清志 教育長 田辺 裕子 政策室長 竹内 沖司 政策室副参事(企画担当) 小田 史子 政策室副参事(予算担当) 奈良 浩二 政策室副参事(広報担当) 松原 弘宜 政策室副参事(情報・改善担当) 平田 祐子 経営室長 川崎 亨 危機管理担当部長荒牧 正伸 経営室副参事(経営担当) 髙橋 信一 経営室副参事(人事担当) 角 秀行 経営室副参事(施設担当) 小山内 秀樹 経営室副参事(行政監理担当) 戸辺 眞 経営室副参事(資金管理担当、債権管理担当) 村田 宏 都市政策推進室長遠藤 由紀夫 都市政策推進室副参事(産業・都市振興担当) 横山 俊 都市政策推進室副参事(にぎわい・文化担当) 滝瀬 裕之 都市政策推進室副参事(中野駅周辺まちづくり担当) 松前 友香子 都市政策推進室副参事(中野駅周辺整備担当) 秋元 順一 都市政策推進室副参事(中野駅地区基盤整備担当) 石井 正行 地域支えあい推進室長 長田 久雄 地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 野村 建樹 地域支えあい推進室副参事(区民活動センター調整担当)、 中部すこやか福祉センター所長 鈴木 由美子 区民サービス管理部長 登 弘毅 区民サービス管理部副参事(区民サービス担当) 藤井 康弘 区民サービス管理部副参事(税務担当) 青山 敬一郎 区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 古川 康司 区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 波多江 貴代美 子ども教育部長、教育委員会事務局次長 村木 誠 子ども教育部副参事(子ども教育経営担当)、 教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 白土 純 子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当)、 幼児研究センター所長、教育委員会事務局副参事(就学前教育連携担当) 海老沢 憲一 子ども教育部副参事(子ども教育施設担当)、 教育委員会事務局副参事(子ども教育施設担当) 中井 豊 健康福祉部長 田中 政之 保健所長 田原 なるみ 健康福祉部副参事(福祉推進担当) 上村 晃一 健康福祉部副参事(健康推進担当) 石濱 照子 健康福祉部副参事(障害福祉担当) 朝井 めぐみ 健康福祉部副参事(生活援護担当) 黒田 玲子 健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 浅川 靖 環境部長 尾﨑 孝 環境部副参事(地球温暖化対策担当) 鈴木 郁也 都市基盤部長 服部 敏信 都市基盤部副参事(都市計画担当) 相澤 明郎 都市基盤部副参事(地域まちづくり担当) 田中 正弥 都市基盤部副参事(まちづくり事業推進担当) 伊藤 正秀 都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 石田 勝大 都市基盤部副参事(建築担当) 豊川 士朗 都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 佐藤 芳邦 教育委員会事務局副参事(学校再編担当) 吉村 恒治 教育委員会事務局指導室長 喜名 朝博 会計室長 辻本 将紀 選挙管理委員会事務局長 橋本 美文 1.本会の書記は下記のとおりである。 事務局長 篠原 文彦 事務局次長 石濱 良行 議事調査担当係長 佐藤 肇 書 記 関村 英希 書 記 河村 孝雄 書 記 東 利司雄 書 記 丸尾 明美 書 記 土屋 佳代子 書 記 鳥居 誠 書 記 細川 道明 書 記 岡田 浩二 書 記 鈴木 均 書 記 永見 英光 書 記 竹内 賢三 午前10時00分開議 ○佐野委員長 定足数に達しましたので、ただいまから予算特別委員会を開会いたします。 第6号議案から第10号議案までの計5件を一括して議題に供します。 昨日の理事会の報告をまず行いたいと思います。 本日の委員会運営について、総括質疑の順番は、1番目に、昨日に続きまして浦野さとみ委員、2番目に中村延子委員、3番目に篠国昭委員、4番目に木村広一委員、5番目に内川和久委員、6番目に高橋かずちか委員の順で6名の質疑を行うことを確認いたしました。 次に、資料要求についてですが、お手元に配付の資料要求一覧(追加分)のとおり、新たに2件の資料要求について整理をいたしました。 以上が理事会の報告でございますが、何かこれについて質疑ございますでしょうか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○佐野委員長 ただいまの報告どおり委員会を運営することに御異議ございませんということで、さよう決定させていただきます。 続いて、資料要求についてお諮りいたします。 お手元の資料要求一覧(追加分)のとおり、資料を要求することに御異議ございませんでしょうか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○佐野委員長 御異議ありませんので、そのようにさせていただきます。 平成24年(2012年)2月29日 予算特別委員会 予算特別委員会資料要求一覧(追加分) 追加分 ◆総務分科会関係 72 中野区の出資団体(法人格、出資額、出資割合、出資目的、職員の兼務役員数とその割合、兼務役員の報酬の有無)(前年度) <無> ◆子ども文教分科会関係 61 子どもに関わる手当・助成・サービス等の所得・回数制限、対象者一覧(現年度) <無> ○佐野委員長 ただいまから総括質疑を行います。再三にわたって申しわけないことですが、答弁される理事者は、答弁前に大きな声で職名を述べるようお願いを申し上げます。 それでは、質疑に入ります。浦野さとみ委員、質疑をどうぞ。 ○浦野委員 おはようございます。昨夜未明から雪が降って、けさ本庁に出勤の際にお足元が悪く、皆さんも大変だったかと思います。朝、出勤したときに、区の職員の方が雪かきをされていまして、本当に頭の下がる思いです。お昼ごろにかけて雪がさらに強くなるようで、雪の影響による事故等も心配されますけども、きのうに引き続き、残り20分、総括質疑をさせていただきます。よろしくお願いいたします。 昨日、第5期中野区介護保険事業について、介護保険料の負担軽減について質疑の途中だったかと思います。もう1点、この保険料負担軽減のところでお伺いいたします。 基金の取り崩し、なかなか難しいということでしたけども、今回のその改定の中で、平均基準額で5,260円、4期から比べれば1,180円の値上げになるということで、また23区の中でも6番目ということでした。低所得者に対する保険料の減額措置は継続されておりますけれども、さらなる軽減のために減額措置の要件の緩和、制度の見直しを検討することはできないものでしょうか。 ○波多江区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 中野区の介護保険料の減額制度に関しましては、比較的所得の低い第1段階から第3段階までの方に対する減額制度でございます。一定の要件のもと、第1段階、第2段階の方は2分の1の保険料にするということと、第3段階の方は第2段階に保険料を算定するというふうになっておりまして、ほかの自治体においても同様の減額制度をとっているところもございます。この制度については、現在見直すということは考えておりません。 ○浦野委員 いずれにしても、この介護保険料もそうですけども、国民健康保険料、そして後期高齢者の保険料、高齢者の方にとっては、この三つが本当に今回軒並み上昇して、負担が重くのしかかっていると思います。そもそも、この介護保険制度自体が全体のパイが決まっている中で利用者はふえ続けるわけですから、それを保険料や利用料に転嫁せざるを得ないという矛盾を抱え続けていると思います。お金全体の使い方を改めた上で、国庫負担の割合をふやす以外には解決できないことを最後に申し添えて、次の質問に移ります。 次に、特養ホーム等の基盤整備についてお伺いをいたします。 平成24年度には、上高田の一丁目の都有地を活用しました小規模多機能型居宅介護、認知症対応型の共同生活介護、いわゆるグループホーム、そして都市型軽費老人ホーム、この三つの施設を複合した1カ所の施設が開設されます。また平成25年度には東中野五丁目、平成27年度以降には弥生町五丁目、旧富士見中の跡地にそれぞれ区有地を活用して特別養護老人ホームが開設予定となっています。しかし、現状見てみますと、これらの施設の基盤整備はまだまだおくれています。私が勤務していた病院でも、当時入院されていた方が、特別養護老人ホームを申し込まれた方がいましたけども、待機が400番目と言われたと、唖然としておりました。やはり絶対数として不足していると思います。 そこで伺います。現在、特別養護老人ホームの待機者は区内で何人となっていますでしょうか。 ○上村健康福祉部副参事(福祉推進担当) これは東京都の調査でございますけども、平成22年10月1日現在で東京都が調査した、名寄せした後の中野区民の待機者は1,200名を超えてございました。 ○浦野委員 22年ということでしたけども、1,200人を超えているということです。平成23年度の高齢・福祉介護保険サービスの意向調査の中にもありますけども、入所を希望する施設に、8割近い方が特別養護老人ホームを挙げています。また、サービスを提供する側のケアマネジャーさんの調査においても、供給不足のため利用者に提供できないサービスとして、特別養護老人ホームが7割近くに挙げられておりました。こういった調査結果はどのように受けとめておられますでしょうか。 ○上村健康福祉部副参事(福祉推進担当) 今、委員から紹介いただきました第5期介護保険事業計画策定に当たっての高齢・福祉介護保険サービスの意向調査の意向でございますけれども、これらの意向につきまして、重要なニーズととらまえまして、第5期介護保険事業計画案に可能な限り盛り込んだところでございます。 ○浦野委員 今、案が示されている第5期の中野区の介護保険事業計画、この中では特別養護老人ホームの整備目標は、それではどのようになっていますでしょうか。 ○上村健康福祉部副参事(福祉推進担当) 第5期介護保険事業計画案では、区内全域を対象に、1施設100床を予定してございます。 ○浦野委員 先ほど紹介いたしましたこの意向調査の中でも、特別養護老人ホームを希望する理由として、御家族の介護負担が大きいこと、認知症などで在宅生活が困難になったことが挙げられております。介護保険全体をよくするために区が力を入れるべきこととして、特養などの施設をふやすというのが5割にも、調査の中でも声が大きくなっております。待機者が1,200人、目標が区内の全域で100床ということで、これではやはり目標としてもあまりにも少ないと思います。未利用の国有地等も含めて、介護施設の整備のために国等にも積極的に働きかけてみることはいかがでしょうか。 ○上村健康福祉部副参事(福祉推進担当) 特養100床程度の規模の施設を整備するにはまとまった土地が必要でございまして、区内は地価が高く、民有地での整備は進まない状況でございますけれども、区としましては、事業者からの相談に積極的に応じるほか、考える方策について検討してまいりたいと思っております。 ○浦野委員 ぜひ整備目標をふやしていただくように改めて要望いたします。 もう1点、区内には介護老人保健施設、これも江古田の森の今1カ所だけとなっています。これもニーズからすればあまりにも少な過ぎると思いますけども、いかがでしょうか。 ○上村健康福祉部副参事(福祉推進担当) 介護老人保健施設につきましても大変ニーズが高い、要望が多いというふうに認識してございます。平成19年4月に江古田の森に100床開設されておりますけども、第5期介護保険事業計画案の中では、引き続き整備を目指しますとしてございます。 ○浦野委員 この老人保健施設は、第4期の事業計画の中でも具体的な整備目標はありませんでした。第5期の計画案の中でも、要望や需要の多い施設のため、引き続き整備を目指すというふうには明記、今御答弁ありましたように、ありますけども、第5期の事業計画中は新たな開設見込みはないともされています。いずれにしても足りないことは明らかですし、ぜひ具体的な整備目標を計画に盛り込むべきだと思いますので、そのことを強く要望いたしまして、この項の質問を終わります。 最後に、健診事業等についてお伺いをいたします。 区民の健康を守るための一つの事業として、国保特定健診があります。受診率の向上と、その対策の取り組みについて何点かお伺いをいたします。 まず初めに、国保の特定健診の受診率ですけども、開始をした平成20年度から22年度でどのように推移をしていますでしょうか。 ○石濱健康福祉部副参事(健康推進担当) 国保特定健診の受診率の推移についてのお尋ねでございます。平成20年度が40.6%、平成21年度が40.2%、平成22年度が39.9%となってございます。 ○浦野委員 御答弁いただきましたように、年度ごとに低下をしてきているという状況です。ちなみに今年度の目標に対して、どういった受診傾向になっていますでしょうか。 ○石濱健康福祉部副参事(健康推進担当) 平成23年度の国保特定健診の受診率の目標でございますが、41.9%としていたところでございます。実際の受診率につきましては、現時点におきまして、まだ未確定ではございますが、おおよそ、ふえて40.1%と見込んでいるところでございます。 ○浦野委員 目標の41.9%に対して、およそ見込みで40.1%ということだと思います。昨年よりは若干、受診率としては少し上がってきているのかと思いますけども、我々議員団としても、以前から委員会等で指摘しておりますとおり、中野区の特定健康診査等の実施計画の中では、当初は特定健診の受診率の目標は、平成21年を50%、翌年は55%、そのまた翌年は60%と、毎年5%ずつ上げていく方針になっていたかと思います。しかし開始以降、先ほど20年から22年のところでは受診率は減少傾向にあり、目標に対しても差がある状態が続いていると思います。この受診率の結果については、どのように分析をされていますでしょうか。 ○石濱健康福祉部副参事(健康推進担当) 受診率の低迷といいますか、そういったことにつきましては、各自治体にとっても大きな課題となってございます。特に40代、50代の働く世代の受診者数の低迷が大きな要因ではないかというふうに分析してございます。今後、この世代を中心といたしました啓発や、受診環境の整備が重要というふうに分析しております。 ○浦野委員 その働く世代のところで低下をしてきているというような分析をされている。そこの世代にどう受診率を上げていくために働きかけていくかということだと思います。現在いろいろ分析される中で、受診率向上のために新たな取り組み等もされているかと思いますけども、その点はいかがでしょうか。 ○石濱健康福祉部副参事(健康推進担当) 国保特定健診につきましては、毎年11月に受診勧奨を行っているところでございますが、平成23年度につきましては、未受診者に関しましてアンケート調査を行っております。 ○浦野委員 今、御答弁ありましたように、未受診者に対する受診勧奨、そして今年度からは、受診しないことを理由とするアンケート等を実施しているということですけども、そのアンケートの傾向は今どういったものになっていますでしょうか。 ○石濱健康福祉部副参事(健康推進担当) 40代、50代では、忙しくて受診する時間がない、また、職場等で受診したという割合が多く、60代、70代では、定期的に通院中のためが全体の半数を占めている状況となっております。 ○浦野委員 今ここにちょっとアンケートがあるんですけども、このアンケートの中身を見てみますと、その受診しない理由、この中でどれに当てはまりますかということで、1番、国保特定健診以外に受診する機会があるから、2番、定期的に通院中でかかりつけ等で健康管理をしている、3番、忙しくて受診する時間がない、4番、健康なので必要と思わない、5でその他というふうになっていますけども、選択項目の中に、一部受診率が低下しているところに費用負担のこともあると思うんですけども、費用に関する項目がこのアンケートの中にないのはどうしてでしょうか。 ○石濱健康福祉部副参事(健康推進担当) 中野区の健診に関する基本的な考え方といたしまして、健康増進法に基づく、自分の健康は自分で守るということにございまして、一定の自己負担をお願いしているところでございます。そういった考えから、この制度の設計上、経済的な理由というような項目については想定しておりませんでした。 ○浦野委員 自分の健康は自分で守るということは当然だとは思いますけども、ただ、昨年9月に区民委員会の中で報告のあった平成23年度保健福祉サービス等に関する意識及び意向調査の結果が報告がありましたけども、この中に健康診断を受けない理由に、費用がかかる、忙しい、面倒だからということで、費用のことも回答としては並んでおりました。その費用的負担での、負担軽減をすることで受診を促すことも一つできるのではないかと思います。 23区における国保の特定健診の自己負担ですけども、費用を徴収しているのは23区で世田谷区、練馬区、中野区、この3区だけになっています。残りの20区では無料で行っております。また練馬区では、住民税非課税世帯は無料となっています。お金を取ることで区民の健康への意識が高められると、今までの我が会派のその質問に対しても御答弁ありましたけども、ただ、受診率向上のための一つの手段としては、無料化等も検討すべきではないかと思いますけども、いかがでしょうか。 ○石濱健康福祉部副参事(健康推進担当) 繰り返しになりますが、健康増進法で定めます国民の責務ということで、みずからの健康状態を自覚して健康の増進に努めなければならないと、そういった考え方に基づいて一定の自己負担をお願いしているところでございます。現時点では減免制度の導入については考えておりません。 ○浦野委員 減免制度についても、今の段階ではないと。練馬区では低所得者の負担軽減策をしていますので、ぜひそれも検討していただきたいと、改めてこれは強く要望いたします。 最後に、受診率向上のための一つ環境づくりということも大切になってくるかと思います。例えば受診の曜日をふやす。平日忙しいという方も多いので、例えば曜日をふやす。また、その受診時間を延長する。あとは受診機関自体を広げていくというようなことも必要かと思いますけども、この点についてはいかがでしょうか。 ○石濱健康福祉部副参事(健康推進担当) 今、委員の御指摘にございました受診環境の整備につきましては、今後とも鋭意努力して、関係団体とも協議を重ねていきたいと思います。 ○浦野委員 今、関係団体とも協議を進めていくということなので、ぜひそれは要望したいと思います。国民健康保険の住民税非課税世帯は全体の3割を超えております。せめてその低所得者、先ほど紹介した練馬区のようなところでの負担軽減策も必要だと思いますし、健診の受診率向上自体が病気を早期に発見することにつながり、また、重症化をふせぐことにもつながると思います。その結果、医療費の抑制にもつながっていくと思います。 今回、今年度取り組まれたこのアンケートの中で、区では区民の皆様の健康づくりの一環として、またそれによる医療費抑制のため、多くの皆様に健診を利用していただきたいと。この健診を受診することで早期発見、早期の治療、それで医療費の抑制にもということはここにも書いてありますので、ぜひ、今アンケート集計中だと思いますけども、そのアンケートの結果等も十分に分析をしていただきたいと思っております。 この健診のところは外部評価のところでも、受診率が低いということは指摘をされておりますし、先ほどの受診しやすい環境づくり等も含めて、負担の軽減、無料化も含めて検討を最後に要望いたしまして、この項の質問を終わります。 これですべての質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。 ○佐野委員長 以上で浦野委員の質疑をすべて終了いたします。 次に、中村延子委員、質疑をお願いいたします。 ○中村委員 おはようございます。平成24年第1回定例会予算特別委員会におきまして、民主党議員団の立場から総括質疑をさせていただきます。質問は通告のとおり行わせていただきます。理事者の皆様におかれましては、前向きで明快な御答弁をお願い申し上げまして、質疑に入らせていただきます。 まず、産業振興に関して質疑をさせていただきたいと思います。 定例会初日、区長は所信表明で、まち活性化戦略では、中野駅周辺を新たな東京の顔として、それにふさわしい都市活動を演出するハード・ソフトの整備をさらに進めていくとおっしゃいました。ソフトの面では、民間活力を活用した都市型産業の集積・創出促進拠点の開設、助成制度の創設など、都市型産業の集積に向けた支援を行いますとしています。そして当初予算の歳出の中では、都市政策推進費の中の産業・都市振興費として6億8,654万円余を計上しています。その中で産業振興計画費としては、前年度比4,373万円余増の5,566万円余を計上しています。これは積極的にICT産業やコンテンツ産業の集積を進め、産業振興計画を進めていくという決意のあらわれだと見受けられます。 では、把握している範囲で、現在、中野区内にいわゆる都市型産業の会社がどれぐらいあるのか教えてください。ICT産業、コンテンツ産業、それぞれ何社ほどあるのでしょうか。 ○横山都市政策推進室副参事(産業・都市振興担当) 経済センサスの調査によりますと、直近データ、平成21年のもので、全体で713の事業所になってございます。内訳でございますが、ICT(情報通信)に分類されておりますのが470になります。ただし、この中には一部、コンテンツに分類したほうがいいのかなという部分も含まれてございますけれども、詳細データがございませんので、この数値でお答えをさせていただきます。その他、デザイン等のコンテンツ関係が243となってございます。 ○中村委員 ありがとうございます。 また、ICT・コンテンツ産業集積のために、平成22年度から情報連絡会を設置し、中野コンテンツネットワーク協会、NAKANOプラプラは、現在、NPO法人への申請中というふうに伺っております。今後、中野区は中野コンテンツネットワーク協会とはどのように連携していくおつもりでしょうか。教えてください。 ○横山都市政策推進室副参事(産業・都市振興担当) 現在、NPO法人に向けて事業内容をこの団体が、任意団体でございますけれども、詰めているところでございます。これらの取り組みの中で、公益性が高いものなど、区の区政課題とマッチするものについて見きわめて連携を探っていくべきものというふうに考えてございます。特に、例えば中野区独特のコンテンツ、魅力を発掘し、創造を発信していくような取り組みが期待されるところでございまして、立ち上げ支援の段階から一貫して区のほうからも働きかけをしまして、会の目的にも産業活性化、あるいは地域の活性化といった公共的課題が盛り込まれてございます。こうしたことを取っかかりにして連携を探ってまいりたいというふうに思ってございます。 ○中村委員 中野四季の都市(まち)に設けられる都市型産業の集積・創出促進拠点への公募を昨年11月25日から12月20日まで行い、年末には一次審査が終わったという御報告を2月1日の建設委員会で受けました。3月末にはこの事業者が決定するという御報告を受けておりますが、これに間違いはないですか。 ○横山都市政策推進室副参事(産業・都市振興担当) そのスケジュールで進めております。 ○中村委員 中野四季の都市(まち)の整備も進んできておりまして、2月6日には中野駅北口東西連絡路の架設工事が行われました。都市計画道路も3月23日に開通するとの報告がありました。ハードの面では着々と形ができてきております。そこで、これからはシティセールスがとても重要になってくると思います。シティセールスに関しては、トップセールス、つまりは首長がみずから発信していく自治体もあります。中野区ではどのようにシティセールスをしていくおつもりでしょうか。お聞かせください。 ○横山都市政策推進室副参事(産業・都市振興担当) まず、セールスポイントといいましょうか、発信していくべき魅力づくり、これをしていくこと、それを一定のまとまりに仕立てまして発信していくというようなことがベースになるというふうに考えてございます。これにつきましては、これまでも御答弁、あるいは今回の予算案にも盛り込んだところでございますけれども、施設整備などのハード面とあわせまして、産学公連携の仕組みですとか、ネットワークの構築といったようなこと、あるいは補助制度などのソフト機能面、こういった面で創造していく必要があると考えているところでございます。 魅力の発信につきましては、中野全体としてとらえていくべきものと考えてございますが、開発の先行しております警察大学校等跡地地区、中野四季の都市(まち)におけますエリアマネジメント、これらの取り組みの中でスタートさせて、魅力の発信、プロモーションを進めていきたいというふうに考えているところでございます。 トップセールスということにつきましては、大変有効な手法というふうに考えてございまして、これらの取り組みを進める中で、必要に応じまして効果的な演出等を図りまして登場願うというようなこともあるかというふうに思ってございます。 ○中村委員 今もおっしゃったかと思うんですけれども、中野四季の都市(まち)の魅力や特徴を発信していくことや、まちの利便性を高めるためには、今までもお話があったと思うんですけれども、タウンマネジメント組織の働きがとても重要になってくると思います。今までにもたくさんの先輩議員の方々がこの質問をされておりますけれども、タウンマネジメント組織の検討、進捗状況はどのようになっていらっしゃいますでしょうか。教えてください。 ○横山都市政策推進室副参事(産業・都市振興担当) ただいま申し上げました中野四季の都市(まち)地区におきまして、現在準備を進めているところでございますが、特に開発段階からかかわりのございました地権者などを中心に、導入に向けて準備を進めておるところでございます。ここでの取り組みといたしましては、いわゆる維持管理、エリアメンテナンスといったようなこと、それから付加価値サービスの追加といったようなこと、そしてまたシティプロモーションといったような面での取り組みを協力して進めたいというふうに考えているところでございまして、これらの取り組みに応じて、必要な組織のあり方についても検討していくこととしてございます。 ○中村委員 ありがとうございます。 さきの本会議一般質問で、我が会派の森議員からも質問がありましたけれども、4月1日に中野四季の森公園が開園し、式典が行われるとの報告、そして御案内もいただきました。森議員からは、時間が迫っているので難しいとは思いますが、都市型産業の集積を促進するためには、関係する業界などからこの地区への注目が集まるようなイベントを開催すべきだとの質問でした。その際、イベントを行うつもりはあり、予算にも計上されているとの御答弁でした。このオープニングイベント予算は中野四季の森公園の開園式とは別のイベントということでよろしいのでしょうか。 ○横山都市政策推進室副参事(産業・都市振興担当) そのようなものでございます。 ○中村委員 今の段階では、先ほど述べました都市型産業の集積・促進拠点事業の事業者もまだ決定しておらず、中野コンテンツネットワークもNPO法人への申請中で、まだ連携していくべきところのバックグラウンドの準備というのが整っていないという段階かと思いますので、具体的にというのは難しいかもしれませんが、どのようなイベントをいつごろ行う予定でいるのか、教えてください。 ○横山都市政策推進室副参事(産業・都市振興担当) このイベントにつきましては、予定してございます産業振興拠点、この開設のPRを直接の目的としているものでございますが、この拠点の位置付けからいたしましても、都市型産業の集積等につながるテーマにしたい、あるいは区としてそのような姿勢をアピールするものにしたいというふうに考えてございます。あわせまして、このエリア、先端的な業務拠点などの特徴がございますので、この特色を発信していけるようなものにしていきたいと考えてございまして、関係者とも協調できないかといったようなことを探りながら、これら具体化を図ってまいりたいというふうに思ってございます。 ○中村委員 こういったイベントは大きなPR効果にもつながりますし、中野区内外へ広く多くの方に四季の都市(まち)を知っていただくアピールにもなると思います。うまくいけば、中野区民だけにとどまらず、日本各地や、または世界から人を集めることができると思います。ぜひ話題性あるイベントにしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○横山都市政策推進室副参事(産業・都市振興担当) このエリア、あるいは中野全体について注目を浴びるというようなことで検討しているところでございます。ものにしたいと思って検討しているところでございます。 ○中村委員 昨年12月1日、東京都港区で、「デジタルコンテンツ産業の新たな展開と国際競争力強化に向けた福岡市の戦略」という福岡市主催のビジネスセミナーが開かれました。福岡市では、行政がデジタルコンテンツ関連産業の振興を進めておりまして、第1部では、エヴァンゲリオンの総合プロデューサーの大月俊倫氏が講演して、また、第2部のパネルディスカッションでは、株式会社ディー・エル・イー代表取締役の椎木隆太氏、それから、空気株式会社取締役の竹清仁氏、株式会社ポリフォニー・デジタル代表取締役の山内一典氏など、デジタルコンテンツ業界ではかなり有名な方が参加されたというふうに報道がされました。このような報道がされるような大きな話題性のあるイベントを行うというのも一つのPR効果につながると思います。福岡市のような事例をオープニングイベントの参考にしていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。 ○横山都市政策推進室副参事(産業・都市振興担当) 御案内のございましたイベント、その他、さまざまな先進的な事例等も参考にしながら検討しているところでございます。 ○中村委員 また、中野区でも観光協会が立ち上がるというふうに聞いております。中野駅周辺の基盤整備も整ってきたこともあり、新しい中野をアピールするためには重要な役割を担っていただけるのではないかと期待しておりますが、今後のスケジュールに関して教えてください。また、中野区とどのように連携していくかもあわせて教えてください。 ○滝瀬都市政策推進室副参事(にぎわい・文化担当) 来月、3月設立予定でございます観光協会でございますが、民間企業や経済団体が主体となりまして、一般参加者を交えました意見交換といったものとか、東京都の観光まちづくりアドバイザーのアドバイスを受けながら、事業や組織などに関する検討を進めているという状況でございます。 また、3月の設立後でございますが、組織体制に運営委員会、マップ作成委員会といったものを設置いたしまして、事業の具体化を図りまして、今秋、秋でございますが、シンポジウムの開催でございますとか、にぎわいフェスタの参加を予定していると聞いているところでございます。 また、区のほうでございますけれども、にぎわい創出や産業振興の観点から、中野区における観光のあり方といったものを現在検討しているところでございまして、今後、観光に関する施策推進に当たりましては、観光協会や観光に関連する団体などと連携を図りまして、観光の推進に取り組んでいきたいと考えているところでございます。 ○中村委員 12月8日に建設委員会で、(仮称)中野区産業振興ビジョンの考え方についてが報告されました。その中で策定の目的として、新しい中野をつくる10か年計画(第2次)のまち活性化戦略に基づく区内産業の望まれる姿や、中野駅周辺まちづくりグランドデザインVer.2の具体的進展を図るに当たっての方向性と取り組み等を明らかにするため、(仮称)中野区産業振興ビジョンを策定する。産業振興ビジョンは中野区の産業振興における中核的な将来像を示すとともに、産学公連携や新産業創出、文化・にぎわい、観光、商店街等の振興に係る取り組みの全体像を明らかにするものであり、中野駅周辺地区など今後のまちづくりの指針となるものであるとなっています。 さて、1月20日に、昨年1年間に日本に入国した外国人の数が約714万人で、過去最多だった前年の約944万人から約231万人も減ったことが、法務省入国管理局の統計でわかったとの報道がされました。24.4%の減少は、記録のある1950年以降で最大だったそうです。4月には観光客の来日数が前年と比べ62.5%減となるなど、東日本大震災や東京電力福島第一原発の事故が最大の原因と見られますが、過去最高水準の円高も影響しており、難しい状況が続くことが予想されます。 そんな中、産業振興ビジョンの考え方の将来像には、多様な文化・表現を創出・発信するクールナカノを掲げ、多様な文化コンテンツ等が、その担い手とともに集積、創造(輩出)、発信される国際的な文化都市として、全国、世界から人や企業が集まりアクセスされるとともに、それらのコンテンツや活動の商業化、産業化が進むことで他業種連携などへの経済波及効果を生み、文化と産業が相乗してさらににぎわい活気づくまちとされております。来日外国人が減少している中で、中野へ来ていただくためには、世界へ向けて強力なアピールや戦略が必要だと考えますが、どのような戦略を持っていらっしゃいますか。教えてください。 ○滝瀬都市政策推進室副参事(にぎわい・文化担当) 海外にいる外国人が中野の観光について知り、中野に行ってみたいと思えるような、また、中野におり立った際にも身近に区内観光を楽しめるような、そういった観光コンテンツといったものを多言語で配信する取り組みが必要だと考えてございます。具体的には、24年度で予定してございます区の総合的なにぎわい観光のホームページといったものを設置することを考えてございまして、海外向けにも魅力あるコンテンツを検討し、盛り込んでいきたいと考えてございます。 ○中村委員 ただ単に基盤整備をするだけでは簡単に人が集まるまちにはならないと思います。中野区内外の話題づくりやPRがとても重要になってくると思います。 ちょっとここで例を紹介したいんですけれども、香川県では、香川県出身の芸能人、有名人が多数起用されたCM「うどん県」がネット上で話題になりまして、「うどん県」シリーズのYouTubeアクセス数は合計で25万以上を記録しています。「うどん県」シリーズはテレビの情報番組でもたびたび取り上げられるなど、ネットから波及してとても話題になりました。 また、石川県の加賀温泉郷では、アメリカの有名歌手、レディー・ガガとかけて、「レディー・カガがお迎えします」というCMを撮影しておりまして、こちらもまた話題を呼んでいます。レディー・カガに関しては、英語バージョンも作成されるなど、海外への発信も試みています。 こういった観光アピールCMは、観光協会や商工会などの団体が主導をとってアイデアを出し、作成しているようですが、一方で中野区はICT産業の集積を目指しているところです。日経住宅リサーチのインタビューの中で田中区長も、ITをフル活用しつつ、関連産業を世界に発信していきたいとおっしゃっていますが、こういったインターネットを使って、また、これからできる観光協会や他の経済団体との連携でこういったアピールということも考えられると思いますけれども、いかがでしょうか。 ○滝瀬都市政策推進室副参事(にぎわい・文化担当) 観光アピールと、CMといったことも観光振興のための一つであると考えてございます。今後、観光協会でございますとか、他の経済団体といったところと連携を図りつつ、ICTなどの活用による効果的な内外へのアピールのあり方について調査研究を図ってまいりたいと考えてございます。 ○中村委員 ありがとうございます。 2月8日、経済産業省は、クール・ジャパン戦略推進事業「TOKYO SPRING」の実施を発表しました。その趣旨は、新成長戦略に基づき、政府全体で進めているクール・ジャパン戦略の一環として、日本のクリエーティブ産業のショーケースである首都・東京において、まちぐるみで東京のブランドを再生し、商店街や消費の活性化、震災の復興推進の世界への発信、観光客誘致を総合的に進める取り組みとして、「CREATIVE TOKYO」構想を推進し、東京をアジアの最も重要なクリエーティブ・ハブに育成していくという構想です。その中で、「TOKYO SPRING」の主な参画イベントが多数紹介されているのですが、メーン会場となるのが銀座や丸の内エリア、六本木エリア、青山、渋谷がほとんどで、そのほかのエリアとしては、東京スカイツリー周辺、二子玉川、池袋などがあります。新たな東京の顔を目指している中野も、こういった国を挙げて行うイベント、それもクール・ジャパン戦略推進事業の中に今後入っていけるように、国とも交渉していくべきと考えますが、お考えをお聞かせください。 ○滝瀬都市政策推進室副参事(にぎわい・文化担当) 海外へ向けました適切な文化・産業や情報の発信といった観点から、今後、情報収集を進めつつ、こういったクール・ジャパン戦略推進事業の参加につきまして、調査研究を図ってまいりたいと考えてございます。 ○中村委員 ありがとうございます。 毎年、フランス・パリでジャパン・エキスポというイベントが行われていることは御存じでしょうか。ジャパン・エキスポでは、「学ぶ・楽しむ」をテーマに、漫画、Jミュージック――日本の音楽ですね――コスプレショーや武道に至るまで、さまざまな日本の伝統文化、そして現代のポップカルチャーを紹介しています。会場には漫画、アニメ、そしてビデオゲーム界のエディターをはじめ、多くのブティック、日本文化に強く影響された若手クリエーターのスタンド、そして150を超える同人誌のスタンドなどが出展して、イベントではファッションショー、ライブコンサート、上映会、コスプレやカラオケ等のコンクール、ビデオゲームのトーナメント、武道のデモンストレーションやイニシエーション、ゲストによるトークショーやサイン会などが挙げられます。 このイベントは2011年には来場者も19万人を超えています。ヨーロッパという枠を超えて、このジャパン・エキスポの成功は日本まで届いておりまして、ヨーロッパで日本文化を普及した功績をたたえて二つの賞、2009年には外務大臣賞、2011年には第16回アソシエーション・オブ・メディア・イン・デジタルアワード功労賞を授与されました。 また、同じようなコンベンションイベントとして、アニメ・エキスポというのがアメリカ・ロサンゼルスでも毎年行われており、このイベントも20年以上も続いております。 一方で、中野区にはコンテンツ産業をはじめICT産業、お笑いや演劇などの表現活動が活発な地域としても知られ、先ほど挙げました産業振興ビジョンの将来像2でも、国際的な文化都市を目指しているとなっております。その主な取り組みの中でも、国際的なイベント等の招致・開催や、個々人の表現活動の発表等に適した場を多様に整備すると挙げられています。例えばですが、ジャパン・エキスポやアニメ・エキスポのようなイベントと提携や連携していくというようなアイデアはいかがでしょうか。お考えをお聞かせください。 ○滝瀬都市政策推進室副参事(にぎわい・文化担当) 国内外から来街者を呼び込む方策といたしましては、国際的なイベントの誘致開催もその手段の一つと考えているところでございます。アニメ、コンテンツといった中野の特徴を生かしまして、区内の事業者、団体等と連携を図りまして、国際イベントの実施の可能性につきまして、今後、調査研究をしていきたいというふうに考えてございます。 ○中村委員 いずれにしましても、全国や世界へどのように発信していくかがキーポイントだと思います。戦略を持って中野を世界へアピールできるよう努力していただきたいと思います。 続きまして、産学公連携に関して質問をさせていただきます。 中野四季の都市(まち)には、帝京平成大学、明治大学、そして早稲田大学の3校が入ってくる予定です。帝京平成大学のホームページによりますと、現代ライフ学部人間文化学科メディア文化コースや、経営マネジメント学科情報システムコース、レジャービジネス学科ツーリズムコースなど、学部にすると3学部6学科10コースが中野キャンパスに移動してきます。明治大学は、国際日本学部と総合数理学部、大学院では四つの研究科が中野へ来る予定です。早稲田大学は、異文化交流や地域交流の主役となる日本人と留学生が共生する定員900名規模の学生寮の機能を持つ、(仮称)中野国際コミュニティプラザができ上がる予定です。 この3大学以外にもさまざまな専門学校が中野区内には存在します。こういった中野区内にある知的財産をフルに活用し、連携していくことで、将来的な人材育成や企業育成につながると考えます。 先ほど産業振興の項でも触れました福岡市では、デジタルコンテンツ関連教育機関も多いことから、地域の強みを生かし、ゲーム制作企業、大学、行政機関が連携して地域のゲーム産業振興に取り組んでいます。また、2006年にはゲーム制作企業のグループ、GFF、それから九州大学、福岡市の三者が、福岡ゲーム産業振興機構を設立し、人材育成、市場開拓、広報などの共同事業を実施しています。 まず、区は産学公連携ではどのようなことを想定しているか、教えてください。また、既に行っている事業があれば教えていただけないでしょうか。 ○横山都市政策推進室副参事(産業・都市振興担当) さきの一般質問でもお答えしたところでございますけれども、御案内いただいたような進出大学の各学部の特色等を踏まえまして、今後進出してきます企業ですとか、区内の商工団体等との連携を含めまして、産学公の連携の形を追求してまいりたいというふうに考えているところでございます。具体的な例といたしましては、区と大学との連携といったことでは幾つかございますが、産学公の連携ということになりますと、例えば東京工芸大学さんとの協力協定でございますとか、早稲田大学さんとの経営・学び座等の経営者向けのセミナーの企画運営、こういったものがございます。 ○中村委員 文部科学省は2009年7月に、留学生の受け入れや英語による授業の拡大など、国際大学にふさわしい環境を整備する国際化拠点整備事業(グローバル30)に大学13校を選び、2020年までに30万人の留学生を呼び込む留学生30万人計画を立てています。この13校の拠点大学は、受け入れを進める環境整備などに国からの支援を得られる仕組みになっており、その中には、中野四季の都市(まち)に入ってくる3校のうち、明治大学と早稲田大学も含まれています。明治大学の国際日本学部では、案内の中でも、クール・ジャパンとして注目されているポップカルチャー等に関する魅力的な科目を、世界からやってくる多くの留学生と日本人学生が一緒に学んでいきますとあります。連携していくことは、まさに国際的な文化都市として発信できるチャンスですが、産学公連携の中でどのような戦略を持っているんでしょうか。教えてください。 ○横山都市政策推進室副参事(産業・都市振興担当) 今、御紹介いただきましたような大学の学部、あるいは先端数理科学の研究室といったようなこととは、研究室につきましては、例えば区内の既存の東京工芸大学ですとか、東京テクニカルカレッジ、あるいはタイケン学園、マンガアートコートなどとともに、ICTやコンテンツ産業、あるいはクリエーティブな文化・表現活動といったものとの関連、親和性が高いというふうに考えてございます。先ほどもお答えしましたが、そういった特色を生かしまして、授業の一環というような形での連携ができないものかということで探っていきたいというふうに思っております。 ○中村委員 昨年12月には、早稲田大学(仮称)中野国際コミュニティプラザ新築工事建築計画に関する説明会が行われたと聞いています。その中で、国際コミュニティプラザには学生寮のほかに多目的教室や会議室ができるとの報告があり、具体的な用途として、さまざまな提案がされています。例えば、早稲田大学エクステンションセンター等による生涯学習の場の提供だったりとか、産学公連携関連講座、イベント等の地域連携活動、それから留学生と日本人学生による語学講座や、外国人児童への日本語講座の提供、また、学生グループによる留学生の母国の紹介などによる地元児童・生徒たちとの異文化交流活動となっております。 こういった観点から見ていくと、国際教育や国際交流にも発展すると思います。もしそうなれば、今後、中野区国際交流協会との関係も出てくると思います。この国際コミュニティプラザの具体的内容はまだ決まっていないようですけれども、今後、中野区国際交流協会とも連携していくべきだと考えますが、いかがでしょうか。 ○横山都市政策推進室副参事(産業・都市振興担当) そのような接点の可能性というものにつきましては、広げた上で検討していきたいというふうに思っております。 ○中村委員 まだまだこれからというのは十分理解しておりますが、さまざまな国の留学生が中野に集まってくるということは、中野区にとって大変貴重な財産だと思いますので、経済活動だけでなく、教育や区民生活の充実にも役立てることができるように、大学や、必要であれば中野区国際交流協会などとも緊密に連携をしていただきたいと最後に要望させていただき、次の質問に移りたいと思います。ありがとうございました。 続きまして、選挙に関しての質疑をさせていただきます。 その中で、まず投票率に関しての質問をさせていただきます。テレビなど報道機関でも大々的に取り上げられる国政選挙や都議会議員選挙と違い、区長選挙や区議会議員選挙の投票率は低く、近年、低調な投票率が続いています。過去の投票率を見ましても、平成23年、昨年の中野区議会議員選挙は40.22%、平成19年では41.71%、平成15年は40.48%、平成11年は42.75%と、常に40%前後となっております。また区長選挙では、平成22年は30.28%、18年は27.73%、14年は33.42%、平成10年は25.21%と、幅はあるものの、30%前後となっております。投票率の低迷が続くのは民主主義の根底を揺るがす大きな問題であると考えております。 そこで質問ですが、中野区議会議員選挙では40%前後、中野区長選挙では30%前後という数字でしたが、この投票率、区としてはどのように考えていらっしゃいますでしょうか。 ○橋本選挙管理委員会事務局長 区議会議員選挙、それから区長選挙の投票率でございますが、決して高い数字だというふうには考えてございません。この投票率につきましては、時の政治情勢とか社会状況など、さまざまな側面から影響を受けることが考えられますので、投票率そのものを一概に評価するのは難しいなというふうに考えてございます。 ○中村委員 今おっしゃいましたように、投票率の向上はなかなか難しい問題であるとともに、さまざまな政治状況や社会情勢にも左右され、直接所管される選挙管理委員会だけの問題ではないと思っています。ただ、選挙の啓発やPRに取り組んでいる分野は区では選挙管理委員会ですので、そこでですが、一昨年、平成22年度決算時に出された平成21年度の主要施策の成果には、前回選挙の投票率を上回るという指標があるんですけれども、昨年、平成23年度決算時に提出された22年度の主要施策の成果には、その指標ごとごっそり取り除かれておりました。投票率を上げる目標がないというのは、必要がないというふうに考えているからなのでしょうか。取り除かれた理由を教えてください。また、指標を戻すべきだと考えておりますが、いかがでしょうか。 ○橋本選挙管理委員会事務局長 行政評価でございますが、21年の外部評価におきまして、投票率の向上を目標に掲げるよりも、政治意識を向上させることが重要であり、目標設定が現実的ではないとの御指摘をいただきました。投票率は、先ほども申し上げましたように、その時々の政治情勢などに影響されまして、成果指標としてはとらえにくい要素がありますので、次年度よりその項目を除いたわけでございます。どのような項目が成果指標として、選挙、選挙管理委員会事務局、それから選挙管理委員会として望ましいのか、今後とも検討してまいりたいというふうに考えてございます。 ○中村委員 私どもは指標を持つべきだと考えております。これを見ても、投票率を上げようという気概が見られないなというふうに区民からは見られてしまうような気がします。もともと20代、30代の若年層の投票率は全国的に見ても低いという傾向があります。中野区は多くの若者が住んでおりますので、投票率が低いのはこの情勢から言うと当然であり、逆に言えば、この層の投票率が上がれば、全体の投票率がおのずと上がると思います。20代、30代は区内全体の有権者数の40%以上も占めております。PDCAサイクルの観点からも、やはりこの若年層に対してどのように働きかけていくかだと思います。現在、若者の投票率向上のために実施している啓発活動を教えてください。 ○橋本選挙管理委員会事務局長 若年層の投票率の低迷というのは非常に悩ましい問題だというふうに考えてございます。選挙管理委員会といたしましては、若年層をターゲットというか、対象にしました啓発活動といたしまして、区内に通学します小・中学生、あるいは高校生を対象とした、明るい選挙ポスターコンクールなどを実施してございます。また、新成人全員を対象とした広報誌「なかの選挙だより」などを発行したり、成人の集いの参加者を対象としたアンケートなども実施してございます。 そのほか、中学校などで生徒会の選挙、その際に投票箱とか記載台、こういったものを利用できるようにということで、校長会などを通じまして働きかけをさせていただいているところです。 ○中村委員 小・中・高生を対象としたポスターコンクールやリーフレットの配布などで啓発に努めているということなんですけれども、ではお聞きしますが、小・中学生で国会見学はやられておりますでしょうか。また、参議院には特別体験プログラムという、実際に委員会、本会議のセットがある会場で、議長や大臣、委員長や委員の役割を務めて、模擬体験をできるプログラムが用意されております。模擬委員会では、実際に審議された法案を議題として、台本に沿った形で委員会を体験して、委員長が進行役を務め、大臣などに質問したりします。その後、模擬本会議へ送られ、委員長から委員会での話し合いの内容と結論を報告し、議員全員、つまりは参加している生徒全員が押しボタン方式の投票に参加して、法律を成立させるというプログラムです。 私も秘書をやっているときに一度見学をさせていただいたことがあるのですけれども、それぞれの役割がとてもわかりやすく、子どもたちもそれぞれの役割に責任を持って務めて、すばらしいプログラムだと思っていると思います。この参議院特別体験プログラムへの参加をしている学校があるのでしょうか。また、過去にどれぐらいの頻度で参加しているのでしょうか。教えてください。 ○喜名教育委員会事務局指導室長 まず国会見学の状況でございますけれども、今年度、小学校全校25校が見学を行っております。また、中学校は2校実施をしているところでございます。 また、参議院の特別体験プログラムの参加状況でございますが、今年度は小学校が7校、昨年度は3校実施をしてございます。 ○中村委員 実際に体験できるプログラムというのは、子どもたちが政治に少しでも興味を持つとてもいい手段だと思いますので、スケジュールを組むのはなかなか難しいかとは思いますけれども、もっとたくさんの子どもたちが体験できるよう調整をしていただきたいと思います。 さて、若年層に興味を持ってもらえるような啓発活動として、ピンクの豚の改造自動車があるということを聞いたことがあるんですけれども、実際に私も中野区内であの豚の改造車を見たのは一度だけなんですが、まず、あの改造車の選挙期間中の維持経費は幾らかかっているのでしょうか。それから、どれだけの効果があると検証されておりますでしょうか。教えてください。 ○橋本選挙管理委員会事務局長 御紹介にあったのは、豚型の改造車で、通称・ピンクブーというものだと思います。経費なんですが、3日間の運行で約50万円を要しました。 どれほどの効果があったかということでございますが、数字等で具体的にお示しすることはなかなか難しいと思うんですが、委託業者による業務報告書によりますと、巡回中に好意的な声が寄せられたとか、目立つ車体なので、走行している途中で呼びとめられて、選挙に関する質問を受けたとか、また、巡回中、公園などで風船を配ったりしてイベントを行い、若年層が多く集まるような場所でそういったことをやったことで、一定程度効果があったのかなというふうに考えてございます。 ○中村委員 ありがとうございます。確かに小・中学生への働きはとても大切ですし、また話は戻ってしまうんですけども、ポスターコンクールなどの啓発活動や体験プログラムというのも、子どものころからのしつけとしてはとても重要だと考えております。ただ、授業で習ったり、実際に体験をしてから時間が経過してしまうと、興味も少し薄れてしまうのかなというふうに思っております。実際に若者の投票率は上がっておりません。それでは、もっと若年層に働きかけていかなければいけないというふうに考えております。 新成人に対してチラシや広報誌を郵送して、政治や選挙に関心を持っていただくという活動もされているようですけれども、どうやって若者と一緒に取り組んでいくかということが大切だと思います。例えば、区内には幾つかの専門学校があります。さらには、先ほどの項でもお話をさせていただきましたが、中野四季の都市(まち)には三つの大学も入ってきます。そういったところと一緒になって取り組んでいくことも検討いただきたいと思います。これから四季の都市(まち)にはたくさんの外国人留学生が来ます。中には、私たち日本人が当たり前に持っている選挙権を持たない国から来る学生もいるかもしれません。例えばそういう学生に投票権の大切さを話していただくとか、いろいろと巻き込んで考えられることもあるかと思います。そのようにして大学などと連携していくというお考えはいかがでしょうか。 ○橋本選挙管理委員会事務局長 大学などと連携した啓発活動は、在校生を中心に若年層の選挙や政治に対する関心を高めるという意味で、非常に効果的だなというふうには考えてございます。区内の大学、専門学校とこれからどのような連携ができるのか、他の自治体における事例などを参考にしながら、より効果的、あるいは実効性のあるということで取り組みを検討してまいりたいというふうに考えてございます。 ○中村委員 確かに、アウトプットした政策が、投票率に関しては直接アウトカム、結果としてあらわれにくく、メディアの報道、社会情勢のぶれもあるかもしれませんが、外部要因が大きいとは思います。でも、投票率が上がることは民主主義として歓迎すべきことですので、今後も努力をしていただきたいと思います。 続いて、期日前投票に関して質問をさせていただきます。 期日前投票制度は、投票日に投票に行けない方が対象で、公示日もしくは告示日の翌日から投票日の前日までの期間に投票することができ、要件が厳しかった不在者投票制度を緩和する形で、2003年の公職選挙法改正により設けられた制度です。最近は期日前投票を利用する有権者もふえていらっしゃいます。期日前投票を利用されている有権者はどれぐらいいらっしゃいますか。教えてください。 ○橋本選挙管理委員会事務局長 平成23年4月10日に執行されました東京都知事選挙を例に申し上げますと、期日前の投票者数は2万1,540人、全体の投票者数が14万6,891人ということで、14.7%を占めております。 また、同じ年の4月24日に執行されました中野区議会議員選挙では、期日前投票者数は1万5,586人、投票者総数が10万2,895人ということなので、15.2%を占めたという実績がございます。 ○中村委員 また、現在中野区では5カ所で期日前投票ができます。投票所にも経費がかかりますが、期日前投票所にかかる経費、コストを教えてください。 ○橋本選挙管理委員会事務局長 これも、これまでの選挙実績でちょっと申し上げますと、平成22年5月23日執行の区長選挙と区議会議員補欠選挙、これを例に挙げて申し上げますと、期日前投票経費は人件費や事務費等で1カ所当たり約120万円、全体では約600万円を要しました。 また、平成22年7月11日に執行しました参議院議員選挙ですが、公示期間の関係で、開設時間が長いということで、区役所では約420万円、それから旧地域センターではそれぞれ170万円ということで、全体では1,100万円を要しました。 ○中村委員 期日前投票の増設に関して、以前、外部評価委員会での指摘があります。コストがかかるという観点からも、十分に検討をしていただいてから行っていただきたいと思います。また他の自治体では、期日前投票によって利便性や投票率の向上が見込めるよう、駅前でやっているところも多くあります。東京都選管に確認していただいたところ、東京都内では駅から100メートル以内の期日前投票所、いわゆる駅前投票所と呼ばれるところが37カ所ありました。今後の増設に関しては、非常に利便性の高い、もしくは投票率向上に寄与する形で慎重に検討していただければと思いますが、いかがでしょうか。 ○橋本選挙管理委員会事務局長 期日前投票所につきましては、選挙管理委員会としてもさまざまこれまで議論を重ねてまいりました。期日前投票所は、地域バランス、それから便益の公平性、施設使用によります他の利用者に及ぼす影響、初期投資とかランニングコスト、従事職員の確保など、さまざまな条件、要件が必要です。こうした観点から、これまでは区役所と四つの旧地域センターで実施してまいりました。御指摘のような期日前投票所の増設につきましては、ただいま申し上げましたような観点、こういったものを踏まえながら、慎重な検討が必要かなというふうに考えてございます。 ○中村委員 ありがとうございます。 現在、期日前投票では、住所、名前、生年月日だけで投票ができていきます。東京都選管に確認したところ、これは公職選挙法第50条、「投票管理者は、投票をしようとする選挙人が本人であるかどうかを確認することができないときは、その本人である旨を宣言させなければならない。その宣言をしない者は、投票をすることができない」ということが根拠になっております。公職選挙法は性善説に立っておりまして、本人ですかと問い、確認することで、本人である宣言が成立するそうです。ただ、虚偽の宣誓や虚偽の投票は第236条や第237条にあるように、罰則をもって禁止をされるため、これで投票の正当性を担保していることになるそうです。 ただ、外に目を向けてみますと、海外ではアメリカやイギリス、近いところでは韓国や台湾、そしてタイなどでも、投票所で身分証明書の確認を義務付けています。我が国の公職選挙法では、身分証明書がないことを理由に投票をさせないことは、選挙権の侵害になるというのが総務省の解釈だそうです。昨年の中野区議会議員選挙においては、虚偽の宣誓をしたことによる逮捕者も出ました。公正・公平な選挙という観点から、本当に今後は出ないと思うんですけれども、身分証明書の義務付けなんかも視野に入れた検討が必要だと思います。こういった事件が起きた自治体として、区から国への働きかけがあってもいいかなというふうに思っておりますが、御見解をお聞かせください。 ○橋本選挙管理委員会事務局長 選挙管理委員会といたしましては、委員御紹介にありました公職選挙法の50条、以下さまざまな条文、それから施行規則、これに従いまして、有権者の選挙権をしっかり保障するという観点で選挙を執行してまいりました。これからもこの観点を大事にしていきたいと思ってございます。ただし、本人以外の投票、これを未然に防止するということは非常に重要だというふうに考えてございます。今後の問題といたしましては、投票所入場整理券などで厳しく注意をし、投票所における本人確認、これをきっちりやっていきたいというふうに考えてございます。 ○中村委員 いずれにしましても、公正・公平な選挙をこれからもやっていただきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。 続きまして、選挙管理委員会に関しての質疑をさせていただきます。 この件については、以前、我が会派の酒井委員からも質問をさせていただいておりますし、また、きのうの質問と重なるところもありますが、改めて私からも質問をさせていただきます。 まず、選挙管理委員の方々はどのようなお仕事をされているのでしょうか。教えてください。 ○橋本選挙管理委員会事務局長 まず、選挙管理委員会の役割という視点でもってお答えをさせていただきたいと思います。選挙管理委員会ということで。選挙管理委員会といたしましては、法律、政令に定めるところによりまして、地方公共団体または国の選挙の管理・執行、それから最高裁判所裁判官の国民審査に関する事務、直接請求に関する事務、地方自治特別法の投票に関する事務、国民投票に関する事務などの職務を担っております。また、選挙人の政治意識の向上のためのさまざまな啓発活動の実施、それから選挙人名簿の適正な管理、検察審査委員候補者予定者や裁判員候補者予定者の選定などをやってございます。こういったことを選挙管理委員会がさまざま議論を重ねながら事業執行を進めているというところでございます。 ○中村委員 報酬は、委員長、委員それぞれお幾らになっているでしょうか。教えてください。 ○橋本選挙管理委員会事務局長 委員及び非常勤の監査委員の報酬及び費用弁償に関する条例というのがございます。これに基づきまして、委員長は月額28万1,000円、委員は25万4,000円となってございます。 ○中村委員 委員長へは28万1,000円で、委員へは25万4,000円。それでは、お仕事の内容ですが、月に何回委員会が開かれ、時間はどれぐらい活動されているのでしょうか。 ○橋本選挙管理委員会事務局長 選挙管理委員会規程に基づきまして、定例会は月に2回、所要時間としてはおおむね1時間から2時間程度でございます。ただ、選挙執行時、例えば平成21年の統一地方選挙時を例にとりますと、4月は11回開催してございます。時間としては、30分から40分という短い時間もございましたが、投開票当日などにつきましては、17時間にわたりまして委員さんを拘束しながら委員会を断続的に開いたという、そういった厳しい側面も持ってございます。 ○中村委員 私のほうで選挙管理委員会の開催状況を見させていただきました。平成21年度は38回、22年度は44回、23年度は1月までで31回開催されております。ただ、開催時間にばらつきがあります。確かに繁忙期、選挙日などは1日働いていらっしゃるようです。でも、そのほかの委員会開催状況を見ますと、例えば1時間以内で終わっていらっしゃる日も年間10回以上あり、あるときは20分で終わっていらっしゃる日もあります。月に合計しても二、三時間程度のときもありました。私たち区議会議員、そして区長や副区長、常勤監査委員は、中野区特別職報酬審議会の勧告に基づき報酬が決定しておりますが、選挙管理委員会委員を含む行政委員の報酬に関する審議会はないのでしょうか。教えてください。 ○髙橋経営室副参事(経営担当) 行政委員に対する諮問機関は現在設けてございません。 ○中村委員 それでは、どのように選挙管理委員会委員の報酬は決められているのでしょうか。 ○髙橋経営室副参事(経営担当) 報酬につきましては、その職の職責に加えて、社会経済状況や特別区人事委員会の勧告、区の財政状況を参考に改定を行っているところでございます。 ○中村委員 きのうの答弁で、選挙管理委員の報酬は23区平均で委員長が29万4,209円、委員は24万668円とありました。中野区選挙管理委員会委員の報酬は、確かに23区内ではそれほど突出した金額ではありません。一方で、同じ東京都内の多摩地区では、中野区と報酬額にかなりの差がありました。例えば、府中市では委員長の報酬は9万4,000円、委員が7万5,000円、立川市では委員長の報酬が8万2,000円、委員が7万円、国立市では委員長が7万4,000円、委員が5万9,000円、西東京市では委員長が7万5,500円、委員が5万3,700円となっております。また23区でも、平成22年には新宿区で選挙管理委員の報酬見直しを求める陳情の採択を受け、条例が改正されたことにより、委員長の報酬は月額30万9,000円から日額3万5,000円、委員が月額24万7,000円から日額3万円になりました。これにより、年間約350万円の歳出削減になったそうです。 また、2月24日の都政新報には、千代田区が第1回定例会に選挙管理委員会委員の報酬を日額に改定する条例改正案を上程したと報じられました。これにより、委員長が月額31万2,000円のところ、上限、日額3万円、委員が月額25万円のところを、上限、日額2万5,000円に改定される見通しとのことです。今回、中野区は財政状況が厳しい中、大幅な事業見直しを実施しました。区民の生活にも影響が出ている中で、定例の選挙管理委員会以外のお仕事も多々あるようですが、先ほど述べましたような委員会の開催状況では、月額25万4,000円という報酬はなかなか区民の理解が得られないのではないかなというふうに思います。この件は、今後私たちの議論も求められてくるのではないかと思いますが、やはり新宿や千代田のように日額制というのが今の流れでもありますし、妥当ではないかというふうに考えております。 この件に関しては問題提起ということにさせていただき、私のすべての質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○佐野委員長 以上で中村委員の質疑を終了いたします。 次に、篠委員、質疑をお願いしたいと思います。 ○篠委員 自民党の3番バッターでございまして、野球部の監督もやっております。3番というと、大変力がないとなかなか務まらないんですが、私は監督でございます。私はまた25年以上議員もやっておりますので、中村延子委員が3歳ぐらいのときからやっているんじゃないかな。切り口は大分違うと思いますが、施政方針演説についてから始めさせていただきます。 施設方針説明、これは最後には区長の「目標と成果による管理」、自信に満ちている言葉で結ばれておるわけでございますが、その中から何点か質問させていただきます。 区内街路灯のLED化、この切り口は平成20年の第3回定例会に南委員、あるいはうちの前議長である伊藤正信委員から切り込まれて、次の年度から予算化されたものだと思うんですが、既に平山委員も触れておりますが、私としても、もう一度確認したいと思います。ここで言う特定財源とは、どういった内容になっているんですか。 ○石田都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 特定財源でございますが、社会資本整備総合交付金の対象事業としまして、国費が事業費のうち55%見込めるものでございます。 ○篠委員 区の管理の街路灯は何基ありますか。 ○石田都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) およそ1万6,000基ございまして、23年度の事業見直しによりまして、そのうち、およそ160基をLED化対象事業から除外することとしているものでございます。 ○篠委員 先ほど申し上げましたが、南委員、あるいはうちの伊藤議員が切り込んだときの翌年から始まったんですが、いつまでに終了する形になるんですか。 ○石田都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) LED化事業につきましては、平成21年度から開始しておりまして、5カ年で取り組んでいるところでございます。 ○篠委員 平成24年度予算では、何基LED化ということでございましたか。それで進捗状況にも触れてお答えください。 ○石田都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 平成24年度につきましては3,840基をLED化する予定でございます。したがいまして、平成24年度末の累計で申しますと、およそ66%の進捗率になる見込みでございます。 ○篠委員 東日本大震災による電力不足に対応して、区は節電に取り組んでいるわけですが、その一環で区内の街路灯のうち節電対策として、部分消灯の考え方や基数は何基あるんですか。 ○石田都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 区が管理している街路灯のうち、LED化街路灯を除いた区道の水銀灯を対象としておりまして、主要交差点でありますとか、病院でありますとか、消防署前とか、ガード下を除いて実施しているものでございます。平成23年度4月時点では、水銀灯7,549基のうち、836基を部分消灯させていただきました。24年の2月23日時点では、再点灯101基してございます。 ○篠委員 節電対策は必要なわけですが、いつまで街路灯の部分消灯を続ける予定なのか、お聞かせください。 ○石田都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 区としましては、今後の電力需給の見通し等を踏まえて判断していくこととしておりまして、当分の間、部分消灯を継続する予定でございます。 ○篠委員 消灯について、近隣区の状況をお知らせください。 ○石田都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 杉並区でございますが、東日本大震災後の当初から節電対策として街路灯の消灯はしていないということでございました。新宿区におかれましては、9月9日の電気事業法に基づく電気の使用制限が解除されて以降、順次再点灯していると。杉並区につきましては、節電解除はしていないと。他の区有施設の節電対策を考慮し、春になったら検討するということでございました。練馬区につきましては、節電の部分消灯は9月30日に終了し、順次、再点灯しているということでございました。 ○篠委員 練馬区の場合は、上鷺のあたりの方はその状況もよくわかるようなんですが、再度、街路灯は区民の防犯・安全対策として必要な道路施設ですので、部分消灯による区民からの苦情等は、平山委員の質問で答えられておりましたが、節電対策が地域の安全性や防犯面で問題になっていないのか、区民の目線に立って実施しているのかについて、再度お伺いします。 ○石田都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 先ほども申しましたですけど、部分消灯しましたのは震災直後の平成23年3月末からでございます。その後、さまざまな苦情とか御要望等をちょうだいいたしまして、また23年の秋から冬にかけまして、日が短くなったためと、暗いという御意見等もいただきました。そういった御意見等から現地を確認し、先ほど御説明させていただいたとおり、再点灯させていただいた箇所もございます。節電に伴う街路灯の部分消灯については、今、委員御指摘のとおり、区民の安全・防犯対策面から必要でございまして、現在の状況で御理解いただける範囲であるというふうに私ども認識しているところでございます。 ○篠委員 次に、都市基盤整備事業についてお伺いするわけですが、当初予算(案)の概要、財政運営の考え方の54ページを見ますと、起債、基金を活用する事業として平成24年度から28年度の都市基盤整備事業に関する(仮称)南部防災公園整備、(仮称)本町五丁目公園整備、(仮称)中央部防災公園拡張整備、鷺の宮調節池の上部活用について記載されているわけでございますが、まず、この54ページの鷺の宮の上部広場の事業費の想定額で間違いないですか。 ○石田都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 今、委員御指摘の54ページでございますが、今後の社会経済状況の変化により事業実施スケジュール等が変更になるかもしれませんが、現時点では、当初予算(案)の財政運営の考え方に記載されているとおりでございます。 ○篠委員 公園事業の資金計画、財政フレームはどのようになっていますか。例えば本町五丁目、予算書の238ページになるわけですが、これについてお答えいただけますか。 ○石田都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) (仮称)本町五丁目公園などの都市計画公園につきましては、国費につきまして、用地費の場合は3分の1、施設費の場合は2分の1でございまして、その残りの25%が都市計画交付金、都費でございます。さらにその残りが区費となっておりまして、基金並びに起債ということになります。 本町五丁目でございますが、国費につきましては8億4,500万円、都費につきましては6億9,590万円、区費につきましては20億8,794万5,000円でありまして、起債として対応するのが20億8,100万円、一般財源として694万5,000円となってございます。 ○篠委員 これについて私も以前質問させていただいておりますが、平成20年度、土地開発公社が取得したのは20年11月28日、139億円ですよね。それで21年度で用特で買った139億円に諸経費を入れて支払い利息3億2,700万円。1年後に用地特別会計で買ったのに、これ、利息高くないかという質問をさせていただいたんですが、1日当たり72万円というかなり膨大な金額なんですが、これは財政調整基金で見ていただける流れの中に入るんですか。 ○奈良政策室副参事(予算担当) この事業は都市計画交付金の対象事業でございます。一般会計で買い戻す際に、用地特別会計で支出をいたしました利子分につきましても、都市計画交付金が交付されまして、財政調整基金上の財産費として算定されるものでございます。 ○篠委員 一応、財政調整基金の財産費で算定されると。そうしますと、あと5年間で、要するにこの公園をやり切るわけですが、この中で、先ほど数字をいただいたわけですが、基金と起債で対応する部分、基金はあまりないので、ほとんど起債だと思うんですが、この起債に対しては、公社が取得して用地特別会計で買ったときのような大変な利息の流れはまだ続くんですか。5年間。いや、そこは違うんだという流れなんですか。 ○奈良政策室副参事(予算担当) 用地特別会計から一般会計で買い戻してまいりますので、その借り入れ期間、通常5年間というふうに考えてございます。財産費の分割して入ってきますのが4年間ということですので、一番短い5年間ということで起債を想定してございます。なお、現在の利率で換算いたしますと、その間すべての利子総額というのは1億1,500万円余というふうに考えてございます。財源としてはすべて一般財源でございますが、そのような1億1,500万余ということでございます。 ○篠委員 この5年間で、要するに当初139億円という膨大な大変な事業があった場所ですが、中央線から南に対しては、北と比べて、守り切る気はないのかというような議論がされまして、逃げ込む公園がない。南の方に対する気持ち、実行力をもう少しつけるべきだというような議論もされたわけですが、最終的に一般財源で5年がかりで1億円ぐらいは負担しなきゃいかんという流れはどうしても残るんでしょうが、なぜ5年がかりでそんなに安い金利なんですか。 ○奈良政策室副参事(予算担当) 現在、利息でございますが、政府債と銀行債と分けて借りている部分がございまして、政府債ですと0.3%、銀行債ですと0.6%ということでございます。金利がかなり低いということもございまして、トータルの金額では1億1,500万余ということで、かなり低額になるというふうに見込んでございます。 ○篠委員 今、私もちょっと触れさせていただきましたが、人口密度が豊島区に最近は抜かれた、高層マンションで抜かれたらしいんでございますが、日本で1位を争い続けるこの中野区、一見、防災費に対するお金の入れ方、新宿区は平成24年度は10億円つぎ込むというアドバルーンを上げていますが、中野区の場合は大きなキャッチフレーズとして、南の方々を守れとか、そういうキャッチフレーズをつけると、決して10億円には負けない行動をとっているということは高く評価したいと思います。後ほど私の質問の中で地域防災計画にも触れますが、都市基盤整備事業については以上で質問を終わります。 国家公務員宿舎を活用したグループ型家庭福祉員事業についてお伺いします。 この平成24年度予算に計上されている国家公務員宿舎を活用したグループ型家庭福祉員事業はどのような内容でございましょうか。 ○海老沢子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) グループ型家庭福祉員事業の実施につきましては、現行の家庭福祉員の仕組みに従いまして、3人の家庭福祉員が自宅以外の施設で保育を行うという内容でございます。家庭福祉員1人当たり3人の子どもを預かるということになりますので、1カ所につきまして9人預かる施設ということになります。この施設を2カ所新設するということで、18人のお子さんを預かるという形になります。場所といたしましては、区内の国家公務員宿舎の施設を区が借り上げて行うという形になります。 運営の安定化を図るために事業運営をNPO法人等に委託をいたしまして実施したいというふうに考えてございます。 ○篠委員 グループ型家庭福祉員事業についても、現行の家庭福祉員に対する実施経費と同様の経費で実施可能なわけでございますか。私とのやりとりの中では、ゼロ歳児については、区立であれば毎月ゼロ歳児に対する人件費、ほとんど人件費なんですが、41万5,000円ずつどうしてもかかってしまうんだと。1人のお子さんに対して、一月に。私立であれば24万9,000円で頑張り切っていただけると。家庭福祉員ですと、ゼロ歳児1人当たり一月に13万円で頑張っていただけるというデータをいただいているんですが、家庭福祉員の場合は3人のお子さんの対応は可能ですから、13万掛ける3で39万円でしょうか。そのほかに、お預かりした保護者からお一人3万円いただくということで、三三が9万円。それが家庭福祉員、フルの活動ができた場合にはいただけると、こういう流れである。1歳になると金額は区立が毎月28万1,000円かかる。私立は18万2,000円、実質かかる。年齢が上になるに従って安くはなるんですが、月41万5,000円というのは勘弁してくれというほどの税金負担であることは間違いない。それについて切り込み鋭くなかなかやれないような、今大きな流れがありますが、今、私が質問した問題についてお答えを。 ○海老沢子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) グループ型の家庭福祉員事業につきましては、現行の家庭福祉員の仕組みを使って実施したいというふうに考えてございます。子ども1人当たりの保育経費につきましては、現在単独で行っている家庭福祉員と同様の経費で実施したいというふうに考えてございまして、経費の内訳といたしましては、保育経費としては、5カ月間で1カ所おおむね600万円、子ども1人当たりに換算いたしますと、一月13万円余りという形になります。その他の経費といたしましては、保育備品、初度備品といいますか、開設に伴う備品と宿舎の使用料という形になります。これにつきましては、歳入といたしまして、この事業に対して東京都補助金という形で457万4,000円を見込んでいるところでございます。 ○篠委員 第3回定例会の質問の中で、家庭福祉員の充実を進めることの意義は大きいとの答弁をいただいておりますが、実施経費としてのメリットがあるこの制度を確認していく必要があると思いますが、担い手の確保が進まないということでありました。2人探すのに1人しか探し切れなかった。どこか原因、この改善をしようとしているのか、それについてお答えください。 ○海老沢子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 家庭福祉員の確保が進まない一つの理由といたしまして、実施意欲のある方はいらっしゃるものの、自宅内で保育専用室を設けなきゃいけないということのため断念してしまうことがありました。自宅以外の施設で行う今回の仕組みはこの改善につながるというふうに考えてございます。また、複数名の家庭福祉員が1カ所で保育を行うということで、相互に助け合うことができますので、負担の軽減につながるということで、担い手の確保は進むというふうに考えてございます。 ○篠委員 ここで江戸川区の私なりの紹介をさせていただきますが、35年間、本当かというぐらい長く区長をやっていた中里区長、昭和39年から平成11年まで区長をされたという。中里区長は画期的な保育ママ制度をスタートさせたのが昭和44年でございますが、その2年前に革新陣営から押されて華々しく登場した美濃部都知事は、その年の10月にゼロ歳児保育の実現を約束した。ゼロ歳児保育はそこからなんですが。ですが、23区の区長会は、早過ぎるんじゃないかということで消極的だった流れの中で、民生局長の通達文書で、中野区の場合は昭和43年からゼロ歳児保育をスタートさせています。中里区長は、生まれたばかりの子どもは母親のもとで育てられるべきだと主張して、かたくななまでに拒絶し続け、都知事との与党である社会党、共産党の区議会議員から厳しい批判にさらされ、また保守系の議員からも、お金が都から入ってくる部分だからという抵抗にあった流れの中で、保育ママということをチーム江戸川がつくり出したわけです。 結局、昭和35年――生まれていない方もここに大分いらっしゃる。家庭福祉員制度というのはもともとあるんですが、昭和40年4月に都から区へ移管されたという時期があります。ですが、内容的には、担う方々が教員ですとか、助産婦とか、保母さんというふうに限定されていたわけですね。これでは見つけづらいということで、江戸川区の保育ママ制度というのは、育児経験のある方にも担ってもらおうという流れをつくったんだそうですが、今も変わっていないんですね。 ○海老沢子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 江戸川区につきましては、ゼロ歳児保育は保育園という大きな集団ではなく、家庭的な環境で保育するということは望ましいという考えから、ゼロ歳児保育は主に家庭福祉員が担っておりまして、区立保育園では1歳児からの保育ということになっていると聞いております。家庭福祉員の資格といたしましては、区や都で行う研修に参加した子育て経験者が8割を占めているということでありまして、この方式につきましては、開始当時から変わっていないというふうに聞いております。 ○篠委員 そこにももう一回触れさせていただきますが、35年間やっているときに、保育哲学という形で「広報えどがわ」、これも相当古いです。54年の「広報えどがわ」では、特にその芽が培われる生後1年間は、母親と肌を接して育てられることが理想であり、区がとらえている保育理念はまさにこれです。子どもは宝。子どもの将来は、乳児期を母と子一対一の関係確立から始まると言われます。優しく抱きながらおっぱいをあげて云々と、こう哲学を披瀝しているんですが、いつも同じことしか言わないので、じゃあ、母乳については、何か神秘があるのか、答えられる人はいらっしゃるかと言ったら、だれも中野区の理事者に母乳についての神秘を答えられる人はいないんですという答えをいただいていたんですが。 やながわ委員と私は、それについて議会で質問したことがあるんですが、私なりに簡単に言いますと、初乳の分泌量は少なく、その分、濃厚になっています。初乳の分泌は生後3から5日ごろまで。その間にも成分が微妙に変化する。要するに、感染症にかからないような成分になっていると。2週間目ごろからは生乳に免疫物質やたんぱく質の量が少なくなるかわりに、脳の発達のエネルギーとなる乳糖の量が多くなる。うそみたいな神秘で、幾ら飲み過ぎても、満足するまで飲ませていただいて全然害はないと。赤ちゃんの状態に合わせて成分は変化すると。早く生まれてきた子どもに対しては、その子に合うように出るというほどの神秘の世界なんだそうです。 ゼロ歳児保育に対する中里区長のこの哲学も、そういったものに裏付けされているなと推測するわけですが、江戸川区では、現在、家庭福祉員が200人以上いるということですが、中野区との違い、ここが全然違うんですというところをもう一回教えてください。 ○海老沢子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 中野区では現在10人の家庭福祉員の方が認定されているわけでございますが、中野区といたしましては、保育需要に安全かつ安定的にこたえていくということの中では、やはり集団保育の必要性は高いというふうに考えてございまして、保育の需要が非常に高まる中、区立保育園の民営化等によって定員増を進めているというところでございます。 家庭福祉員につきましては、家庭的な雰囲気の中で保育をしたいという保護者のニーズもあるというところから、これについては、拡大については並行して進めていきたいというふうには考えているところでございます。 ○篠委員 先ほど、2人見つけるのも大変だと言われたことの中に、要綱で書いてあるんだと思うんですが、江戸川区は東京都の20時間研修は義務付けているというデータをインターネットから見ているわけですが、中野区はそのほかに国の方針、80時間を要求しているということでよろしいですか。 ○海老沢子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 家庭福祉員の現在の資格といたしましては、保育士、看護師、教員などの資格を持っている方のほか、国で定める認定研修を受講した者という方についても認定可能という形になってございます。 ○篠委員 20時間だけでは中野区の場合は対応できない、こういうことでいいですね。 ○海老沢子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 認定を行うためには、国で定める研修ということになりますので、80時間程度の研修という形になります。 ○篠委員 江戸川区は要綱で定めて、そうはしていないということでいいんですか。 ○海老沢子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 江戸川区につきましては、区あるいは都で実施している研修を受講するということで、20時間程度の研修を実施しているというふうに聞いてございます。 ○篠委員 それだけ、要するに、これは区の姿勢だと思いますね。区は家庭福祉員の充実について、今後どのような姿勢で臨もうとしていらっしゃるのか。年間を通して家庭福祉員の応募を行い、実施できる方には直ちに実施してもらうという姿勢なのか、それとも予算の範囲内で人数を制限して募集していくのか、ここら辺についてはどうでしょう。 ○海老沢子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 家庭福祉員につきましては、年間を通して開設相談を受け付ける体制をとっているところでございますが、開所前に都が行う認定研修等を受講してもらうということになりますため、その時期に合わせた募集を行っているところでございます。今後は年間を通して募集を行っていきたいというふうに改めたいというふうに考えてございます。 実施に当たりましては、家庭福祉員とも委託契約をして、保育する子どもの数に応じた委託料を支払っているということでございますので、開設施設数につきましては、予算の範囲内での募集という形になるというふうに考えてございます。 ○篠委員 国民意識の健全さという点に東日本大震災以降、注目を浴びているんですが、それ以前、国立社会保障・人口問題研究所の全国家庭動向調査、2008年の結果で注目されるデータが出ているのは、夫は外で働き、妻は主婦業に専念すべきだという既婚女性が、以前の低下傾向から上昇に転じ45%、以前は、少し転じたぐらい、41.1%。特に20代は47.9%、12.2ポイントで、また、子どもが3歳ぐらいまでは母親は、本音を聞かせてくれというと、仕事を持たず育児に専念したいと考える割合は85.9%にふえ、特に20代では81.7%と増加が顕著であった。同研究所は、伝統的な家族観に回帰する兆しが見られると解説している。こうした国民の意識やニーズと社会制度の個人化、専業主婦否定、これは岡田さんは見直しをほんのちょっと口にされましたが、家族解体路線をひた走る朝日や民主党政権との乖離はあまりにも大きい。これは私が言ったんです、本当に。 それで、中里区長は家族観に対して強烈な姿勢を35年間貫き続けた方なんですが、家族という、東日本大震災で見る家族のきずな、同胞会のきずな、この中には、やはり子どもは地域全体で育てるとかいった命の通らないことじゃなく、何かあったら自分の命にかえて探し続ける、叫び続けるという血の通った部分を改めて感じざるを得ないと私は思っております。まさに親子、家族、この祈りの世界のような本音が聞こえるように思えてならないんですね。 そういうことですので、区長も施政方針施策の中に、プラチナ構想ネットワークでしっかりと勉強されているというお言葉もありますから、大変すばらしい内容なんですが、「家族」という言葉を見つけ切れないんですが、これからですか、区長。 ○田中区長 プラチナ構想ネットワークの会などでお話をしますと、そういう伝統的な家族観というものについての評価ということについては、あまり話題にならないというのが実態だと思います。やはり、そういう考え方でいいのかどうかわかりませんけれども、就労人口をふやすということがこれからの持続可能性を考えていく上で大事だというようなこと、そういうようなこともあるというふうにも思っていますし、また、一方で家族観というものが多様化しているということ、これもやっぱり一方で認めなければならないということだと思いますし。ただ、そういう中でやっぱり価値観の基本には、我々日本人は日本人らしい家族観というのを持っているべきだというのは、私は思っているところですので、そういうところを総合的にこれからきちんと議論をしていくということになるのかなと思っております。 ○篠委員 私が見つけたのと区長がおっしゃっているのと乖離する気がするんですが、本当にそんなすばらしい世界が出てくるのかという、大変すばらしいスタッフで、すばらしい勉強会なんですが、ですけど、やっぱり自民党としましては、現在は自民党だか民主党だかわからないようなところもあるんですが、大平さんなんかはやっぱり、7万円で1人で生活できるわけがないので、これは家族で助け合って、あるいは失業したら家族で支え合って、こういう難しい世の中ですから、そういうことの中で問題を解決しようとするから、もう、ほんのちょっとのお金でも出し合えば、1人では無理だけど、団結すればなるんじゃないかという。要するに、生活保護がふえちゃうとか、あるいは失業にお金で政府、あるいはまた行政が補助せざるを得ないという流れじゃない根本的なものを私は、今もう本当の貧乏していますが、東日本大震災で見たような気がするわけですね。それで、我々自民党としては、この問題から目を離さない。プラチナ構想ネットワークでは、ぜひ区長に家族の切り口というものを論じ合っていただきたいということを要望しておきます。 それでは、順番、歳入向上対策ということで、この部分については我が党ももちろんですが、民主党さんも、林委員も皆さん、いながき委員もそうか、相当な切り込みをしておりますが、どんなことがあっても、ことしはこういうお金をかけて、こういうことの切り込みをぜひ展開したいというところを特別区民税の分野から、一々言っていると時間がかかっちゃうので、全部まとめて、ことしの方向としてはこういうんだ、それで、こういう目的だという部分についてお答えいただけますか。 ○青山区民サービス管理部副参事(税務担当) まず、特別区民税の現状でございますが、現年度分につきましては、昨年度の決算をわずかながら上回る見込みではございます。ただ、依然として厳しい状況でございますので、来年度、新たな取り組みとしまして、従来、区の管理職や新人職員などで行っておりました一斉臨戸徴収に加えて、全庁体制による新たな徴収チームを設置し、臨戸徴収を実施する予定でございます。これは約3カ月ほどの期間中に職員による徴収チームが交代で滞納者宅を訪問し、合計で約6,000件の臨戸徴収を行うという計画でございます。 この臨戸徴収の実施により、訪問当日に徴収するだけではなく、納付の約束をしたり、催告書を置いてきたりすることで後日の納付につなげまして、約1億1,000万円を徴収することを目標にしてございます。 ○篠委員 ことしの切り込みの全容を見たような気がするんですが、国民健康保険についても現状に触れ、そして平成24年度は何としてもこういう形で成果を上げたいという、同じようなお答えをいただきたいと思います。そして、両方のトータル、全部回収できますと、中野区は決して貧乏じゃない区になっちゃうほどの金額でございますので、担当副参事の決意は大変聞くに値すると思いますので、皆さんと一緒に聞きたいと思います。 ○古川区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 国民健康保険料に関しましては、今年度、口座振替の加入の促進と、それから滞納処分の強化ということで取り組んでまいりまして、特に今年度、滞納繰越分に関しましては、前年度の収入率を1ポイント以上は上回る収納ができるのではないかというふうに考えております。来年度に関しましては、この口座振替の加入に関しまして、ペイジーという区の窓口でキャッシュカードと暗証番号だけで口座振替の手続ができるというのを昨年の4月から導入しておりますので、これを区に転入されたときに確実につかまえると――つかまえると言うと言葉は悪いですけれども、御加入していただけるといったようなところを評価いたしまして、現年分の収入率の向上を図りたいということと、あと滞納繰越分に関しましては、ことしの7月から国保の窓口のほうを民間のほうに委託いたしまして、職員にしかできない滞納処分を強化することで収入率の向上を図っていきたいというふうに考えております。国民健康保険のほうは多額の繰入金を一般会計からのほうからも繰り入れなきゃいけないという状況が起こっておりますので、この収入率を上げることによりまして、そこを少しでも抑制を図りたいというふうに考えておりまして、一層の努力をしていきたいというふうに思っております。 ○佐野委員長 篠委員の質疑の途中ですが、ここで昼食休憩にしたいと思います。13時まで委員会を暫時休憩いたします。 午前11時57分休憩 午後1時00分開議 ○佐野委員長 それでは、委員会を再開いたします。 午前中の答弁の中で、都市基盤整備担当のお答えの中で訂正をしたいとのことなので、まず、担当より答弁をお願いしたいと思います。 ○石田都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 午前中の篠委員との質疑のLED化についての項目でございます。篠委員からは、区管理の街路灯は区内で何基あるのかとの御質問がありまして、およそ1万6,000基ありますが、平成23年度の事業見直しにより、そのうち、およそ160基をLED化対象事業から除外することとしているというふうに御答弁させていただきましたが、現地調査の結果、区管理の街路灯と商店街街路灯が重複して設置されている路線につきまして、商店街街路灯のみでも一定の明るさが確保されていることから、160基をLED化対象事業から除外することとしているというふうに訂正をさせていただきたいと思います。 ○篠委員 もう私の時間はないんだそうです。 在宅介護について、私の、自分のことを言って申しわけないんですが、母親は99歳まで生きていただきましたので、介護をする機会はしっかりあったんですが、何せ明治41年生まれでしたので、言うことが大変、私も古いけど、私とは比べ物にならないほど古い。私が1歳のときに親父が戦死しましてね。一生懸命頑張って育てていただいたんですが、共産党の熱心な先生が、もう生活保護をとれば簡単、簡単と言っていただいたんですが、この子の将来に傷がつくと言って突っぱねて、突っぱね続けるという、これはね。ですけど、子どもとしては、母親と一緒に生きるということは、もう本当に、ブータン国王じゃないですけど、幸せ度ナンバーワンという世界でございまして。 ただ、年をとって母親が私に言った言葉で、まだしっかりしていたのは、「国昭、間違っても養老院なんかへ入れるなよ」という。今は養老院、お待ちの方は養老院じゃない。特養をお待ちの方がいっぱいいるようでございますが、間違っても入れられては困るという世界で。ですから、もう隔世の感があるわけでございますが、幸せ度というのは、入れば幸せという人もいれば、入ったら幸せではないという方もいるわけでございます。 在宅介護の質問に入るわけですが、もう時間もあまりないので、簡単に。 平成24年度から介護保険の新サービスの内容や費用が1月25日に決まったわけですが、財源不足の中、施設よりも在宅を重視し、軽度の人より重度の人へサービスを重点化し、目玉は24時間定期巡回・随時対応型サービスの新設、1日に複数回の訪問介護と24時間体制のヘルパー・ナースコールを組み合わせたもので、中・重度の人が長く家で暮らせることを目指しているということでございまして、我が会派の伊東政調会長も触れられましたが、品川区のモデル事業の中に、定期巡回・随時対応型訪問介護看護サービスの事業者が、地域の訪問介護事業所と契約して夜間と昼間のサービス提供を分けて行うという方法があるということをお聞きしたんですが、定期巡回・随時対応型訪問介護看護サービスにおいてこのようなサービス提供が可能なのかどうか。 ○波多江区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 24時間型の定期巡回・随時対応型の訪問介護看護サービスにおいて、地域の実情を勘案し、適切であると考えられる範囲であれば、当該事業者、24時間型のサービス事業者がほかの訪問介護事業者との間の契約を結ぶことによって可能となります。 ○篠委員 この品川区で定期巡回・随時対応型訪問介護看護サービスの事業者が昼間のサービスを地域の訪問介護に委託したモデル事業を行うとした理由はどういうことなんですか。今おっしゃられたか。 ○波多江区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 品川区のほうに確認をいたしましたところ、24時間型のこのサービスを入れるということについては、従来、地域で訪問介護事業者がおりますので、その事業者とそのサービスの利用者の関係を継続させるというか、なくならないようにすること。それから、昼間、利用者宅へ移動距離などが短くて済むというようなメリットがあるので、地域の訪問介護事業所との連携をする形のモデル事業としたということでございました。 ○篠委員 中野区でも、品川のまねはしなくてもいいわけですが、この準備に入ったとお聞きしていますが、どのような状況下にありますか。 ○波多江区民サービス管理部副参事(介護保険担当) この定期巡回・随時対応型の訪問介護看護サービスにつきまして、昨年11月に地域密着型サービスのため公募いたしました。12月末に公募を締め切りまして、複数の事業所から応募があったというところで、こういった準備を進めているというところでございます。 ○篠委員 このサービスの運営が始まってから、事業者への介護度に応じた定額払いであることから、懸念される部分もあると思うんですが、事業者が提供するサービスを減らすなどして苦情などになったりした場合、区としてはサービス事業者への指導や、それを行う体制は構築できているんですか。 ○波多江区民サービス管理部副参事(介護保険担当) これまでもさまざまな介護サービス事業所への利用者への苦情対応は、介護保険担当で行ってきております。特に新規事業所に関しましては、事業開始から数カ月後に新規指導という形で行うことにしております。事業者指導に関する事務につきましては、体制としましては、執行責任者を含め4名の係の体制で行っているところでございます。 ○篠委員 ありがとうございます。まあ、早いほうがいいですね。 次に、地域防災。地域防災計画の改定についてお伺いいたしたいと思います。 震災対策特別委員会でいろいろ問題部分を御説明はいただいておりますが、方向性の案の取りまとめの際に参考とされているものの中に、東京都の防災対応指針というのがあると書いてありますが、これはプリントアウトすると、まあ、出てくる出てくる、収拾がつかないほど資料が出てくるんですが、これからどんな部分を参考にされますか。 ○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 中野区地域防災計画の改定に向けた課題の整理と対応の方向性(案)についての課題整理等の区分に関しましては、区としても課題の抽出等検討を行いましたけれども、都の防災対応指針の柱立てを参考とさせていただいております。特に都の防災対応指針の項目として挙がっております社会全体で取り組む帰宅困難者対策の再構築、発災時の安定的な情報通信の確保、住民、事業者の防災力の向上というような内容につきましては、その内容を踏まえまして、方向性の中で反映させていただいております。 ○篠委員 また、方向性(案)の取りまとめの際に参考とされている避難所運営管理について、たくさん、北原委員もそうですし、市川委員もそうですし、私もそうなんですが、大変、相当な取り組みなんですが、これ、中野区全体で避難所運営管理について具体的にどのような内容で、どのように参考にされたか、わかりやすくお答えください。 ○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 避難所に関します意見としましては、避難所開設に当たって混乱が生じたということで、開設基準を明確にしてほしいというような御意見や、避難所運営会議、これにつきましては、1年に1回以上は開催していくべきであるというような御意見をいただきました。これらのいただきました御意見につきましては、対応の方向性(案)の中の1番の項目の避難所機能の充実の記載に当たって参考とさせていただいております。 また、避難所での帰宅困難者の対応について明確にしてほしいというような御意見もございました。それにつきましては、2番の帰宅困難者対策の充実という項の中で参考とさせていただいております。 また、3月11日の際に避難所の開設状況に関する情報ですとか、帰宅困難者の避難所への誘導状況等につきまして、情報が地域防災会等へなかなか入らなかったと、全く知らなかったというような御意見もいただいておりまして、それらにつきましては、情報集約、伝達体制の整備というような項目の中で参考とさせていただいております。 ○篠委員 避難所を開設する場合の対応要領の問題点、三つ書き出されているんですが、先般、我々、常任委員会中でしたか、3月11日は。委員会自体がパニクるような状況下でしたが、このときの原則、避難所の開設は原則として区長が認めた場合に行うということでよろしいんですか。方向性としては、現時点では。 ○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 地域防災計画にも記載しておりますが、原則は委員おっしゃるとおりでございます。 ○篠委員 そのほかにもできるわけですが、原則はということ。ただ、あれだけの大きな地震のときに、間違いなく同じ流れをつくり出すというのはかなり大変な労力が要ると思いますので、目を離さずに方向性を出し合っていただけたらと思っております。 避難所運営会議について、年1回以上開催するとしているわけですが、現時点では徹底できるものですか。今後どのような方法を考えていますか。 ○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 現時点では、3・11以降まだ1年がたつところでございます。各防災会でも防災意識が高く、順次開催をしているところでございます。この機運が今後もずっと続きますように、区が地域防災会、あるいは施設管理者である学校等の出席者との日程調整等積極的に行って、確実に定期的に行っていけるように徹底していきたいと考えております。 ○篠委員 平成24年度の予算での対応予定では、備蓄食料の充実ということを都市基盤整備部では挙げておりますが、内容はどのようなものでございますか。 ○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 備蓄食料でありますセーバー・クラッカー、高齢者や障害者用の食料として備蓄しておりますアルファ化米、おかゆにつきまして、24年度予算に計上させていただいております。その24年度予算におきまして、備蓄目標数を達成するように整備するという内容でございます。 ○篠委員 現時点では50カ所あるわけですよね。備蓄倉庫というのか。 ○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 備蓄倉庫は中野区では各避難所ごとに設置するということですので、避難所50カ所ですが、2カ所、私立の協定を結んでいるところには手狭ということで、ございませんが、避難所には48カ所ございます。そのほかに、そういった狭い備蓄倉庫等のものなりを納める集中的な備蓄倉庫が、またそれとは別にございます。 ○篠委員 現時点では2食分、2日分じゃなくて2食分とあるんですが、人数想定はどういうふうに。 ○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 被害想定では、中野区の被災者のうち避難所で生活する生活者を10万6,000余名というような形で算定しております。それに帰宅困難者の分を含めまして14万人というような形で、それの2食分というような形で目標数を設定しております。 ○篠委員 あとのことはまた震災対策特別委員会等でお伺いいたしますので、ありがとうございました。 次に、外国人学校保護者補助についてお伺いいたします。 これは去年までは都議会における石原都知事のお答えというのは凍結はしている。中野区と同じものかどうかは別として凍結しているんですが、これは平成5年に議会から立ち上げの行動を起こして、平成7年に予算化された。議会が決めたことなんだから、議会で始末しなさいという答えが返ってきたように読み取れました。去年までの。今回はかなり強烈な都議会でのやりとりがありましたので、新聞の社説等で取り上げられたんですが、これは決して中野区のものと連動するとも思えないのかもしれない。中野区の場合は、昭和56年にやはり議会で保護者補助ということを決めて、実施されたのは昭和56年というふうに聞いております。この平成24年予算において、中野区外国人学校保護者補助について、所得制限を導入すると提案されていますが、どんな内容の補助金で、どんな内容の所得制限を実施しようとしているんですか。 ○海老沢子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 中野区外国人学校保護者補助につきましては、言葉の問題などで外国人学校を選択せざるを得ない子どもの保護者に対しまして、経済的負担の軽減を目的とした補助金でございます。学校教育法により東京都認可を受けて設置された外国人学校のうち、小学校・中学校の教育課程に相当する学年に通学する外国籍の保護者に対しまして、児童1人当たり月額8,000円の補助を行っているところでございます。 保護者からの申請を受領いたしまして、通学先への授業料納入等の確認を行った上で、保護者名義の銀行口座へ振り込みをいたすということで補助金を交付しておりまして、平成22年度におきましては、14校、72人に640万円の補助を行ったところでございます。 今回の見直しでございますが、所得制限導入につきましては、区全体の事業見直しの一環といたしまして、保護者の経済的負担軽減という補助金の趣旨から、高額所得者につきまして、支給に対しまして一定の制限を設けさせていただきたいというものでございます。 ○篠委員 東京都は平成24年度の私立外国人学校教育運営費補助について、反日的内容の教科書、朝鮮総連の運営関与など、教育内容が政治的中立性に疑念があるとの理由で対象の学校から朝鮮学校を外し、当該補助予算計上をしないことを公表しましたね。これまで実施していた執行凍結よりも一歩踏み込んだ措置であると思うわけですが、今回提案された中野区外国人学校保護者補助の予算額を削減したことについても、これと連動した措置なんですか。 ○海老沢子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 東京都実施でございます私立外国人学校教育運営費補助につきましては、東京都は各種学校として認可している私立外国人学校のうち、幼稚園、小学校、中学校、高等学校課程に相当する、課程を有している学校に対しまして、直接補助を行うものでございまして、御案内のとおり平成7年から実施されているものでございます。 区が実施している補助金につきましては、外国人、先ほど申しました外国人の子どもを通わせている、外国人学校に子どもを通わせている外国人保護者の経済的負担軽減を目的としたものでございまして、学校の運営に対する補助である東京都の補助金とは内容が異なっているものでございます。 今回の提案は、補助金の趣旨の目的が、高額所得者に対しまして一定の制限を設けさせていただくという趣旨のものでございまして、所得制限を設けさせていただくというものでございまして、都の動向に連動した取り組みではないというふうに考えてございます。 ○篠委員 全然違うのであれば、今後の検討で、いや、同じ線上にあったということであればまた別ですが、いや、全然違うことなんですということであれば、もう議論はこれ以上しても意味がございませんので、この項についてはそこまでとします。 本会議でも民主党の幹事長が取り上げた部分、教育関連条例について私どもも一応取り上げると。どういう取り上げ方というか、月曜日でしたか、「たけしのTVタックル」なんていうのでも1時間番組を組んでいて、私も見させていただいたんです。現行の教育行政は責任の所在が不明確で、失敗してもだれも責任をとらない。大阪維新の会の教育基本条例案は、民意を代表する首長が権限と責任を持つことを明確にしており、目指す方向性について民意は賛成と結論を出している。しかし、やっぱり学者の間でも二つに分かれる。ただ、目指す方向としては、だれかが責任をとるという形をつくれないものかと。例えば、高橋寛人さんという横浜市立大の教授と八木秀次さんという方が、それぞれに同じ部分でコメントを出しているんですが、教育委員会事務局の言いなりだということについては2人とも同じことを言う。だけど高橋寛人さんは、首長が事務局を動かせる教育委員を選び、権限と予算を与えてやれば乗り越えられると。あまり現実的でない、本当なのかどうかわからないようなことを言っているんですが。 それでまた理論展開の中で、教育委員はもとは公選だったということにも触れています。ですけど公選という、事をここに絞って公選と言った場合には、日本中の教育委員が7割方日教組で占められている、そういう歴史も持っているわけです。これはまずいというので、やめにしたと。国会に乱入事件も起こしている。ですけど、中野区がゆえを思うことで、じゃあ、はがきにすれば、準公選制度にすればいいんじゃないかという。ですけど、日本全体から見ると、教育先進国という形でも、中野区といったら準公選。今は中野区といったらサンプラザ。これからは中野区といったら四季の森ってなるかもしれない。それほどやっぱり。ただ、この準公選たるや、やはり共産党の人が圧倒的に強い。これは不思議なんですね。それで、共産党が区長をとれるかなんていうと、とれやしないんです。ところが、事これにすると、サイレント・マジョリティーが行動を起こさない。やはり本当に教育に、自分の教育の哲学を持っている人たち――哲学を持っている人は日教組である場合がほとんど多いんですが、そういう形なんです。ただ、区長が教育問題で何かあったら私が責任をとりますと言った場合は、本当にとってくれる可能性がある。 それで、公立が没落しましたね。小尾乕雄が教育長になって、みんな高校に入るようにしようじゃないかと。要するに大改革のつもり。それで、みんなが。運動会でもあんまり速い人は前へ行くと、こうやって待ってろという流れをつくった中で、公立はだんだん没落していくわけです。もとは公立に入れば親孝行。私が武蔵丘なんですが――言ったことあるか――私より二つぐらい下に青山?さんもいらっしゃったし、ちょっとだと思う、上に青島なんていうのもいたんですが、滑りどめに武蔵とか開成という、そういう時代があったんですよ。ところが、小尾乕雄さんのおかげでもう真っ逆さま。金がないやつは大学へ行くなの時代に入っちゃった。要するに、格差を恐れて、みんなに格差を取ったところに、それがパラダイスが来るとみんな思うんですが、地獄化してしまう。 要するに、もう大阪に至っては学力は全国ビリ。これは何とかしなきゃいけないという流れの中で、責任をとるという方向性を出したんだと思うんですが、和田中学の校長で藤原和博さんについても、やはり本当に責任とらないんだと。GHQはそういう組織をつくったんだという。例えば教育人事は東京都、校舎の建設費や教科書の購入は区市町村、教育課程の編成は校長、授業は教師、要するに権限を全部分散させる。本当に申しわけないという責任者がどこにいるのかわからない。これはまずいという流れの中から私はできたんだと思うので、やはり私と考えが違うから、それには耳を傾けないという形じゃない対応を区長にはぜひともお願いしたいと。 区長はもう明確に、現時点では、ここまでは整理できていますというお答えはいただいているんですが、やはり教育というのは、これ一本やりで選挙に立ってもなかなか受からないんですね。これは不思議なんです。何かあげると言うと受かるんですが、日本の国のためにってやると大抵受からない。これは、要するに国防だ、教育だ、外交だというのは、国の形を決める。それほど大切なものだという原点を自民党は持っているんですが、区長にもぜひこの、もうお金がなくてもやる気があれば、責任持つからという体制。石原さんが、全部戻すのは不可能と見て、部分部分でそういう行動をとっていますが、区長にもそういった先頭に立っていただきたいと思っているんですが、いかがですか。 ○田中区長 教育委員会があるから、長として影響力が行使できないというか、教育現場に及びにくいというふうに、実感として私は思ったことはないわけでして、また行政をやっていく中で、教育に関してもいろいろ自分なりの考えを反映してもらうようにいろいろやっていますけれども、結果について自分が責任とるということについても、もちろん責任をとるんだというつもりでやらせてもらっておりますけれども。感想から言うと、学校現場は区の教育委員会よりも、人事権を持っている東京都の教育委員会を、東京都の教育委員会教育長のほうを見ていて、その教育長のほうは何を見ているかというと、石原さんのほうを見ているのかもしれませんけれども、どうも文部科学省のほうをよく見ているんじゃないかというような形になっている教育というのについては、やはり、自治体なら自治体という身近で教育経営をするという立場に立ったときに、きちんとそこで、住民がきちんとやっぱり政治的に物を、政治的な立場で教育というのはどうあるべきかということを見ていかなきゃいけないと思いますし、行政をつかさどる人間としても、教育ということにきちんと責任を持って、それこそのりを越えないリーダーシップをきちっと発揮するということが必要なんだというふうに思っておりますけれども。 ○篠委員 区長はもう一回区長選に出るかどうか知らんのですが、どうしても出たいという方は、教育については私が責任を持つというぐらいの流れを中野からぜひつくっていただきたいということを、だれにも要望しておりませんけど、くぎを刺していただいて。いや、私はもう立候補しませんから。 最後、小中連携について。これ、私も研究会に参加させていただいたんですが、去る2月11日、武蔵台小学校と北中野中学校では、「小中連携による確かな学力の向上を図るための指導方法の工夫改善」というテーマで発表が行われたんですが、元中野区教育指導室長の、現目白大学教授の小林福太郎先生の大変貴重な御講演がありました。小林教授は品川区の施設一体型小中一貫校である伊藤学園の初代校長先生でもいらした方です。何点か御質問します。 いや、なかなか説得力がありまして、体重を20キロぐらい落とされまして、別人かと思われるぐらい。それでいて迫力は、教育委員会にいるときの3倍ぐらい。子どもたちの学習上のつまずきをどう受けとめるかが教育では必要なことで、小学校も中学校も互いにその責任を転嫁するのではなく、どう連携を図っていくのかが大切である。区教委としてその方法を構築し、中野方式として工夫していくべきと考えますが、いかがでしょうか。 ○喜名教育委員会事務局指導室長 小中連携の重要性につきましては、中野区教育ビジョン(第2次)でもお示しをしているところでございまして、現在、連携教育の標準的な方法について検討をしてございます。その一環として、委員に御参加いただきました武蔵台小学校、それから北中野中学校の共同研究がございます。また、既にもう何年もやっておりますけれども、小中連絡協議会などがございまして、学びの連続性、発達の連続性ということで研究しているところでございます。この部分をさらに検討を加え、普及啓発をしていきたいということを考えております。 ○篠委員 3点だけ質問させていただきますが、2点目は、教師がリーダーシップを発揮して指導するというのは、中野区でも教育委員会でしっかり取り組んでおられるわけですが、子どもが指導者となって教え合うことが大変効果的であるということをおっしゃっていました。いや、この子は中学生になって暴れちゃってしようがないんだけど、これを3年生の授業を持たせたところ、よく勉強はする、言葉遣いは丁寧になるというような、大変目を見張るような場面があらわれたということもおっしゃっておられましたが、そういったことを中野区で推進していくということを考えられますかね。 ○喜名教育委員会事務局指導室長 教えることによって、みずからの理解が深まるとか、人間関係が深まるということについては、もう指導原理として確立をしているところでございます。異年齢集団というのはなかなか難しいところですけれども、通常の授業でもグループ活動等で学び合いというものを取り入れてございます。また異年齢集団の活動も、特別活動等で小さい子どもの面倒を見るということも学校の中ではやっております。ただ、また異年齢、校種を変えてということになりますと、例えば、ひがしなかの幼稚園と第三中学校の連携のような形で進めているところでございます。 ○篠委員 最後の質問にしますが、異年齢集団で行う宿泊行事ということも取り上げていらっしゃいました。宿泊行事については、お金がないということで、それはおかしいと、我が会派の高橋ちあき子ども文教委員は、いまだにほとぼり冷めずに食い下がっておるところでございますが、この異年齢集団で行う集団宿泊行事というのが、本当に上級生を優しく、心を穏やかにする何とも言えない効果があるということを真剣に力説されていましたが、中野区でそのようなことをやる余地というのは皆無でしょうかね。 ○喜名教育委員会事務局指導室長 集団宿泊的行事の中で異年齢集団を取り入れてというのは、校種を超えてということになるとかなり難しいかなというふうに思っておりますが、先ほど御回答申し上げましたように、縦割り班活動ですとか、異校種の中で、例えば幼稚園児を小学校に招いて1年生が学校案内をするとか、そんなことも行っておりますので、そういうことを充実していきたいというふうに思っております。 ○篠委員 これで私の全部の質問を終わります。ありがとうございました。 ○佐野委員長 以上で篠委員の質問を終わらせていただきます。 次に、木村広一委員、質疑をお願いいたします。 ○木村委員 平成24年第1回定例会予算特別委員会におきまして、公明党の立場から総括質疑を行わせていただきます。質問は通告のとおりです。初めての総括質疑になりますが、一生懸命やりますので、どうかよろしくお願いいたします。 初めに、医療費の抑制について伺います。これまで、さまざまな方が指摘をしていましたが、財政運営の危機的状況を踏まえ、区は徹底した事業の見直しを行い、74事業で24年度で7億3,600万円余の財政効果を生み出しました。その見直しも区民の皆様に多くの影響を与え、私たちも苦渋の選択を問われた事業も数多くあります。しかしながら、歳出は扶助費で約10億円増、国民健康保険事業特別会計などへの繰出金が約7億円増と経常的な経費が伸び、この扶助費や繰出金の増加傾向は変わらない見通しです。毎年このような厳しい事業見直しをしても限界があり、歳入の大幅な増加が見込めない状況では、この経常的な経費をいかに見直すかが大きな課題と言えます。 先ほど指摘しましたが、扶助費、繰出金に共通する分野の一つに医療費の増加があり、今後の少子高齢化社会が避けられない、避けて通れない課題でもあります。この医療費抑制のために、施政方針説明の健康・生きがい戦略にもありましたが、中長期的には健康づくり、予防の強化が必要です。その上で短期的に取り組むこととして、医療やICTの技術革新をいかに活用し、行政が努力し、区民の皆様に御理解・御協力を進めることが挙げられます。 その認識に立った上で、まず初めに国民健康保険制度、後期高齢者医療制度における電子レセプト化の効果について伺います。昨年10月から稼働しました国保の電子レセプト化の内容はどのようなものでしょうか。伺います。 ○古川区民サービス管理部副参事(保険医療担当) まず、電子レセプト化といいますものは、診療報酬明細書を電子データ化して活用するものであり、電子レセプト化の内容といたしましては、国民健康保険団体連合会、略しまして国保連というふうに申しておりますが、この国保連から保険者である中野区へのデータによるレセプトの提出や、あと医療機関、国保連、それから保険者間の電子データによるレセプトの返戻や、再審査請求が可能となるといったものでございます。 ○木村委員 その電子レセプト化に対する区の分担金の総額は幾らでしょうか。また、維持費はかかるのでしょうか。伺います。 ○古川区民サービス管理部副参事(保険医療担当) まず、レセプト化に関する区の分担金でございますけれども、平成22年度及び平成23年度合わせますと、1,895万7,000円というふうになってございます。ただし、この同額を国からの特別調整交付金が措置されているため、区としての実質的な負担はないといった形になってございます。また、この電子レセプトシステムの維持経費に関しましては、保険者としての中野区の分担金はございません。 ○木村委員 それでは、電子レセプト化によって区で期待される活用というのはございますか。伺います。 ○古川区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 保険者であります区にとりましては、今回、電子データ化されたレセプト情報をもとに、保険者の端末から医療費ですとか、あと疾病に関するデータの分析ができるようになるといったように考えているところでございます。 ○木村委員 稼働してまだ3カ月ですので、その活用は模索中と思いますけども、ぜひ積極的に活用していただき、また、その医療費や、データ分析による健康への普及活動等によって、結果的には医療費の抑制につながるよう努力をしていただければと思います。 次に、国民健康保険医療費における調剤費の過去3年間の推移はどのようになっていますか。伺います。 ○古川区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 国民健康保険事業におけます調剤費の過去3年という御質問ですけれども、平成20年度が約45億1,000万円、平成21年度が約46億2,000万円、平成22年度は約47億円というふうになってございます。 ○木村委員 調剤費、つまり医薬品のお金ですね。負担が年々約1億円ずつ増加しているということだと思います。近年、医療費の高騰で注目を集めておりますのが、後発医薬品、つまりジェネリック医薬品です。ジェネリック医薬品に関しては、平成19年第3回定例会で我が会派の小林秀明委員が医療費抑制を目的として、区民への理解と啓発のためにジェネリック医薬品希望カードの配布を提案し、現在、中野区を含め多くの自治体で実施をされています。ジェネリック医薬品が注目される理由の一つは、団塊世代の高齢化が挙げられます。この団塊世代が2015年には前期高齢者に、2025年には後期高齢者になります。このため、2010年には38兆円の医療費がかかり、2015年には42兆円、2025年には52兆円になると厚生労働省が試算をしております。もし仮に今、特許の切れた先発医薬品をすべてジェネリックに置きかえると、1億円近くの医療費を節約できるとも試算をされております。 2年前の2010年では、1990年代に開発された生活習慣病を中心とする大型の新薬が特許切れを迎える時期であって、いわゆる新薬の特許切れ2010年問題というのがありました。このためジェネリック医薬品の需要が世界規模で拡大しております。自治体においても、ジェネリック医薬品促進で医療費を抑制したのが、有名なケースが広島県の呉市が挙げられます。呉市はジェネリック医薬品促進通知を行い、使用促進を進めました。これは差額通知と言われるもので、1カ月当たりの調剤費がジェネリック医薬品にかえた場合に軽減できる金額を記載し、ジェネリック医薬品を知らない方に周知するサービスです。国民健康保険対象者が約6万人おりまして、毎月4%ずつ通知サービスを行い、始めてから2年で約70%の方がジェネリック医薬品に切りかえて、平成22年度では約1億円の調剤費が削減できたとされています。 ここで伺います。ジェネリックの医薬品に関しては、国や都からどのような通知が来ているでしょうか。伺います。 ○古川区民サービス管理部副参事(保険医療担当) ジェネリック医薬品に関しましては、平成21年1月20日に厚生労働省の国民健康課長通知というものが都道府県あてに出ているものでございます。その中では、ジェネリック医薬品の普及促進策として、ジェネリック医薬品希望カードの配布ですとか、あとジェネリック医薬品を利用した場合の自己負担額の軽減の周知等に関する留意点が示されておるものでございます。 ○木村委員 じゃあ、先ほど紹介しました呉市のケースも国として促しているということですね。 また、中野区と同じ電子レセプト化をしたのは足立区でございまして、来年度より差額通知制度を開始するということでございます。その概要と、また財政効果の試算を教えてください。 ○古川区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 足立区が今回、来年度予算に計上しておりますところといたしまして、情報といたしましては、足立区では服用中の薬を後発薬、ジェネリックに変えた場合に、自己負担額はどれだけ軽減するかを区民の方に通知する取り組みを始めるという発表がございました。内容といたしましては、今年12月に、ことしの9月分1カ月の内容の通知を国民健康保険加入者の方に郵送するということで、平成24年度予算に、その関連予算といたしまして964万円ほど計上したということになっております。そういったことによりまして、区の後発薬品の使用率を引き上げて、平成26年度末には、国民健康保険を含めた区の薬剤費の抑制効果を2億4,000万円というふうに試算しているという内容でございます。 ○木村委員 足立区は中野区より当然人口が多いので、そのスケールで差額通知をする。大体970万円ぐらいのコストということになるのかと思います。それで約2億4,000万円の抑制効果というようなもの。 一方、厚生労働省の通知では、差額通知の推進、促進策として、保険者が国保連に差額通知の作成事業を委託した場合の経費については、特別調整交付金等による支援を実施するとありますが、具体的にどのような支援になりますか。伺います。 ○古川区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 今年度、平成23年度の特別調整交付金の交付基準を確認しましたところ、ジェネリック医薬品の利用差額通知の作成、それから送付後の照会や回答事務などを国保連等に委託した場合、例えば中野区のこの規模の保険者の場合でございますけれども、委託に要した費用について、350万円を限度に交付するといったような内容になってございます。 ○木村委員 単純に計算すれば、補助金によって大体620万円ぐらいにコストダウンできることになると思います。中野区でその差額通知制度を導入することに対して、見解はいかがでしょうか。伺います。 ○古川区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 中野区では現在、後発薬品の希望カードの配布を行っておるものや、あと国保だよりですとか、医療費通知等でジェネリック薬品の理解を図る広報を行っているところでございます。また後発薬品の利用に関しましては、どのようなお薬が望ましいのかといったようなところは医療機関ですとか、あと薬局の判断も大変大きいものではないかというふうに考えているところでございます。そのようなこともありまして、差額通知の実施に関しましては、現在、他区の動向ですとか、あと、国の検討状況についても注意深く見守ってまいりたいというふうに考えているところでございます。 ○木村委員 中医協の検証調査結果で、差額通知の受け取り経験のある患者のうち、約半数がジェネリック医薬品に変更したと回答しており、差額通知というのは促進に非常に有効な手段であると思います。ジェネリック医薬品を促進した場合の効果は非常に大きく、区のサービスを低下することなく、経常的な医療費の抑制手段にもなります。また、区民の皆さんにとっては、薬剤費の自己負担の軽減、また税の適正使用と二重の負担軽減にもなります。ぜひ中野区においても、ほかの方法も含めてジェネリック医薬品の促進を真剣に検討していただけるように要望します。 同様の質問ですけども、後期高齢者医療制度について伺います。医療費は国保より高額ですし、増加率も後期高齢者医療制度のほうが高いと思われます。後期高齢者医療制度というのは広域連合が担当しておりまして、中野区は保険者でないため、区として取り組むのが非常に弊害があるかと思うんですけども、後期高齢者医療制度では、その電子レセプト化というのはされているのか。また、そのデータを入手して、例えば中野区では長寿健診とかに生かせることができるのか、伺います。 ○古川区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 東京都後期高齢者医療広域連合では、平成20年4月の制度発足当時から電子レセプト化が実施されているということでございます。このレセプト情報に関しましては、基本的に保険者である広域連合のほうが管理をしておりまして、区は広域連合の医療のシステムがあるんですけれども、そのシステムを通じて、その一部について参照できるというところでしか情報のほうは持ってございません。したがって、長寿健診に活用できるようなデータの分析を行うことは、区ではちょっと不可能であるというふうに考えております。 ○木村委員 ありがとうございます。 続きまして、同様の質問を生活保護についても伺いたいと思っております。生活保護受給者の医療扶助費における調剤費の過去3年の推移はどのようになっているでしょうか。伺います。 ○黒田健康福祉部副参事(生活援護担当) 調剤費の過去3年の推移ということでございますが、金額としましては、およそ8億円から9億円の薬剤費として使っております。医療費全体としましては、17%から18%の近くを占める割合で推移しておりまして、若干、少しずつ増加している傾向にございます。 ○木村委員 生活保護の受給者の高齢者の比率がやっぱり高くなっているので、生活保護でも調剤費が増加する傾向と思います。生活保護受給者の医薬品に関しては、いろんな問題が指摘されていると思いますが、これまで対策として、頻回受診や向精神薬等の重複処方に関する資料が挙げられると思いますが、どのように行われているのですか。伺います。 ○黒田健康福祉部副参事(生活援護担当) 頻回受診、1人の受給者の方が何度も、一月のうちに何度も受診をされることでございますが、国の頻回受診者に対する適正指導通知というものがございます。これに基づきまして毎月実施し、その後、その受給者の方の主治医や嘱託医と協議した結果、頻回というふうに、病状的にもやはり多く受診をしているといった頻回というふうに判断した方につきましては、区のケースワーカーのほうから、受診回数を減らすように指導を行っております。 また、先ほど向精神薬についてございました。向精神薬というのは、精神科の疾患がある方が飲んでいらっしゃる薬でございますが、こちらのほうは、平成22年度に厚生労働省のほうが全国一斉調査を始めております。というのは、これは精神科の薬を多重、大量にもらいまして、転売をしているというようなニュースがございまして、そういったことに基づいて調査を行いました。これに基づいて、中野区としても平成22年度に実施をしておりまして、今年度につきましては、その調査回数を区独自でふやして実施をしているところでございます。この精神科の薬につきましても、大量に処方されている場合には、これは嘱託医のほうと協議した上でケースワーカーのほうから、そういったことが起こっている受給者に対して指導を行っているというような状況にございます。 ○木村委員 そのような対策を行いまして、国保と同じ質問になりますけれども、生保のほうでも、昨年10月から電子レセプト化が稼働しましたが、その内容は国保と大きな違いがありますか。また、ジェネリック医薬品に関しての機能の違いはありますか。伺います。 ○黒田健康福祉部副参事(生活援護担当) まず、国民健康保険のレセプトシステムについての違いがあるかということでございますが、レセプト自体がおおむね同様のものでございますので、システムも医療費や疾病のデータ分析が基本的には行えるようになっているということで、そういった共通点はあるというふうに考えております。ただ、国民健康保険との違いは、生活保護のシステムには区独自で、先発薬品につきまして、先発薬品に代替できる後発医薬品、ジェネリック医薬品を個人のデータごとに選定し、抽出するというような機能が区独自で行えるように、そういった機能が入っているというところが、国民健康保険のシステムとは大きな違いだというふうに認識をしております。 ○木村委員 では、生活保護ではジェネリック医薬品の使用に関しては、国や都からはどのような通知がされていますか。伺います。 ○黒田健康福祉部副参事(生活援護担当) 国のほうですが、平成23年3月31日の厚生労働省の社会援護局保護課長通知というのがございます。この通知によりますと、福祉事務所においては、電子レセプトの活用により、後発医薬品のある先発医薬品を使用している被保護者を的確に把握すること。その上で、後発医薬品のある先発医薬品を長期間漫然と、または多品目にわたり使用している被保護者に対しては個別に面談を行い、必要に応じて差額通知を用いて具体的な助言を実施するなど、後発医薬品の使用に関する被保護者の理解を得られる取り組みを講じるというふうな通知が国のほうから来ているところでございます。 ○木村委員 じゃあ、具体的に、電子レセプトというのは、ジェネリックの医薬品の促進にはどのように具体的に活用できるか、伺います。 ○黒田健康福祉部副参事(生活援護担当) 生活保護の電子レセプトシステムでございますが、今、委員がおっしゃいましたように、後発医薬品を、まず、先発医薬品に代替できる後発医薬品の選定が個別の受給者ごとにわかるようになっております。例えば、Aさんという方の薬がXという薬をもらっているとしますと、それが先発医薬品でありますと、それにかわり得るジェネリック医薬品がX1、X2、X3というふうに、先発医薬品に対して後発のものは3種類ぐらいデータとして出てくるようになっております。それが同じような機能を持つには同じような錠数を、何錠使ってというようなことが出ておりまして、その結果、調剤費の費用についても、例えば、その先発医薬品Xを使った場合には5,000円かかる。X1、X2、X3という後発医薬品を使った場合には2,000円で済むといったような、それぞれの薬品に対する差額についても、このデータの中では把握ができるようになっております。 ただ、これにつきましては、今現在、そのデータで抽出することができて一覧表として見るだけになっておりますので、これを受給者の方に送付していろいろな通知を実施するということになりますと、このデータをそういった通知形式に改めるというような開発が必要になってくるというような状況でございます。 ○木村委員 そのデータ化によって大分推進しやすくなっているということですけども、今、データを変換しなくてはいけないという話がございましたが、そういうジェネリックの医薬品の促進を含めて、例えば医療費の適正実施を行えば、区の補助金があるというふうに伺っていますけども、どのような内容でしょうか。伺います。 ○黒田健康福祉部副参事(生活援護担当) 生活保護のレセプトにつきましては、今現在もレセプト点検等を行いましたり、先ほど申しました向精神薬の調査を実施しております。この調査費用については、現在も10分の10、国庫補助がついております。今、国のほうで来年度の予算として提案してきておりますのは、福祉事務所に医療相談員や指導員といったようなものを置きまして、ジェネリック医薬品の説明や普及を受給者の方に努めるといったようなことを考えておりますが、東京都の段階では、この医療扶助相談員や指導員といった人を、専門家を置くわけですけれども、その専門性について、今、検討を行っているところでございまして、はっきりとした形では区のほうに通知が来ているものではございません。 ジェネリック医薬品についてのデータを変換することにつきましての補助金につきましては、そういったことを区が実施するといったような場合には、個別に東京都とまず協議を行ってほしいというふうな、今回、問い合わせをしましてお返事をもらっているところでございます。 ○木村委員 そういういろんな補助制度も活用しながら、例えば中野区において具体的に差額通知を活用して、受給者に対して努力を促すという検討はできないでしょうか。伺います。 ○黒田健康福祉部副参事(生活援護担当) 今回、委員から御質問をいただく中で、データの一覧表が取り出せるといったようなことが、把握が分野として初めてできたところでございます。現在につきましては、来年度、このデータを生活保護の受給者の方にわかりやすい通知となるような形での検討をまずはやっていきまして、後発医薬品について理解を促進していきたいというふうに考えております。 ○木村委員 先ほど、国保の話がありましたけれども、国保とはやっぱりシステムと事情が若干違いますので、まず、例えば生保だけでも、国とか都の動向を注視しながら、できる限り早い段階の取り組みを目指して、差額通知に一歩踏み込むことができないかどうか、伺います。 ○黒田健康福祉部副参事(生活援護担当) なるべく早い段階で通知をしていくことができるように努力したいというふうに考えております。 ○木村委員 ありがとうございます。医療費の抑制を目的として、ジェネリックの促進を中心に伺わせていただきました。医療費の負担というのは今後も増加します大きな課題でございます。国保連や広域連合への働きも含め、またしっかり見直しを徹底していただくよう要望し、この項の質問を終わります。 続きまして、高齢者施策として、認知症の施策について伺います。 まず、昨年の第3回定例会で私が一般質問で促進を要望させていただきました認知症サポーター養成講座についてですけども、現在のサポーター数と昨年の増加数はいかがでしたでしょうか。また、区の職員も積極的にサポーターになるべきと思いますが、区職員でのサポーター数とその実施はどのように取り組んでいますか。伺います。 ○上村健康福祉部副参事(福祉推進担当) 認知症サポーター養成講座の修了者ですけども、平成24年3月までの年度末の見込みとしまして、累計で2,700人となる見込みでございます。昨年23年3月の年度末の時点では1,177人、これは平成21年度の後半から始めましたので、1年半分でございますが、ことしは1年間で1,500人を超えるサポーターがふえました。 また、区職員にも同じ内容で講習を行っておりまして、区職員は累計で235人、これは昨年度と2年間で5日にわたり合計11回開催した結果でございます。 ○木村委員 昨年度から今年度で合計が約2.5倍になるということで、非常に評価できます。関係者の皆様の御努力に本当に感謝をいたします。我が会派も積極的に推進しまして、私が質問してから二、三カ月で、我が会派の主催で約合計450名以上のサポーターが誕生しました。今後も積極的に取り組んでまいりたいと思います。 今後その増加傾向を維持できるかも含めて、今後のサポーター数の推進の計画はどのようになっているでしょうか。伺います。 ○上村健康福祉部副参事(福祉推進担当) 今年度の増加につきましては、地域包括センター単位で養成講座が活発に開かれたことと、議会サイドでも積極的に講座開催に取り組んでいただいたことによるものでございます。これまでの取り組みを継続しながら、計画では平成24年度末には累計で3,500人としてございますけれども、さらに上回るような取り組みをしてまいりたいと考えております。 ○木村委員 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いいたします。 あわせて、前回、同様に質問しましたけども、地域での支えあいの推進となります店舗や事業などへの啓蒙、また、啓発のためのステッカーの作成はどのように進んでいるでしょうか。伺います。 ○上村健康福祉部副参事(福祉推進担当) 商店街の取り組みとしましても、一つの商店街で認知症サポーター養成講座を開催していただいたところでございます。御提案のステッカーにつきまして、区商連事務局とも協議しながら、現在デザインを検討中でございまして、新年度に作成をしてまいりたいと思っております。広報も工夫し、認知症を正しく認識し、支援するムーブメントとして活用していきたいと考えております。 ○木村委員 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いいたします。 認知症サポーターというのは全国で今300万人を達成しまして、先日、私もその報告会に参加しました。全国の自治体ではさまざまな取り組みが紹介されておりまして、被災地でも災害時や復興でサポーターが大きく貢献したという事例もありました。認知症サポーターの活動等には、今後サポーター数の増加とともに、そのサポーターをどのように生かすか、また早期発見にどのように取り組むかというほうにシフトしつつあると思います。その動向をしっかり注視して、区の認知症施策に役立てていただければと思います。 続きまして、区の施設や事業としての認知症施策の今後の計画について伺います。まず、グループホームへの入所希望者などのその人数を把握しているでしょうか。伺います。 ○上村健康福祉部副参事(福祉推進担当) グループホームの入所希望者でございますけども、毎月、施設から区へ報告がありまして、区内10施設の合計では、平成23年12月末時点で16名でございました。ただし、この人数は名寄せをした数ではないので、実人数ではございません。 ○木村委員 では、中野区保健福祉総合推進計画2012の75ページで、平成26年度までにグループホームを11カ所から17カ所に設置するという目標となっていますけども、どのような地域バランスになっているのか。また、それは都の重点整備につながると思うんですけども、それから見てどういう状態なのかを伺います。 ○上村健康福祉部副参事(福祉推進担当) 第5期介護保険事業計画案では7カ所を、3年間で7カ所、設置目標としてございます。区内には四つの日常生活圏域がございますけども、圏域ごとに整備目標を設けておりまして、南部、中部、北部の圏域はそれぞれ2カ所、鷺宮圏域はこれまで整備が進んでいたことから1カ所となって、合計7カ所としてございます。 都の重点整備率ですけども、0.23という目標値がございますけども、これは今年度、既に達成してございます。 ○木村委員 じゃあ、設備的には都の基準を達成しているということで、あともう1点、認知症として大事なのが家族です。家族の介護が非常に苦労している方もいらっしゃいますし、孤立している家族もいらっしゃいます。そういう共通の悩みを持つ者同士で交流することが非常に大事かと思っておりますので、例えば、仲間としてつながる機会を拡充すべきと思いますけども、現状はどのようになっているでしょうか。伺います。 ○上村健康福祉部副参事(福祉推進担当) 在宅で介護している家族に対しまして、現在4カ所のすこやか福祉センターが委託事業で講演会や学習会などテーマを設け、認知症等含めた家族介護教室を開催し、区民の方に参加していただいております。そのほか、介護保険施設や任意団体としての複数の家族会、いわゆる自主グループなどの家族同士の交流や、専門家による講演、相談などを行っているところでございます。 ○木村委員 ありがとうございます。 そのほか、区では相談活動とか緊急一時宿泊事業などの拡充も計画していると思いますが、認知症の方が住みやすいまちづくりを推進していると思います。その上で、認知症施策として現在最も大事なのは早期発見であると思っております。認知症に関して、近年、医療の進展というのは著しく進んでおりまして、先日、認知症の分野で著名な一宮順天堂大学教授の講演を伺いました。アルツハイマー型の認知症に非常に有効とされながら、日本で認可されていなかった三つの新薬が去年認可されまして、認知症治療というのは早期発見によってさまざまな治療が実施されるようになってきております。これはまた私びっくりしたんですけども、現在最先端で研究されているのは認知症を予防する薬、つまりワクチンみたいなものが研究されているということです。つまりインフルエンザみたいに、認知症も将来的には早期に予防すれば抑制できるということになるのかもしれないということでした。 このように医療の進化が進みまして、早期発見によって認知症発病を防ぐことができるケースも出てきた現在、医療との連携というのは必須であると思います。また予防という観点からも、社会保障費の軽減という観点からも、早期発見というのは非常に重要であると思っております。 そこで伺います。区では認知症早期発見のために、診断方法などどのような対策をとっているでしょうか。 ○石濱健康福祉部副参事(健康推進担当) 認知症早期発見のための区の対策というお尋ねでございます。認知症に特化したものではございませんが、平成18年度より国の地域支援事業が創設されまして、介護予防基本チェックリストを65歳以上の要介護認定非該当の方おおよそ5万人に送付しております。このチェックリストには、認知症状として3項目含まれております。具体的に申し上げますと、周りの人から、いつも同じことを聞くなどの物忘れがあると言われますか、自分で電話番号を調べて電話をかけることをしていますか、きょうが何月何日かわからないときがありますか。この3項目でございますが、このうち1項目該当しますと、認知機能に疑いがありということになりまして、地域包括支援センター等へ御案内する仕組みとなっております。一つ以上の方はすべて御案内をしております。 また、介護保険の要介護認定調査のほうでは、疾病としての認知症ということで、もっと専門的な9項目の認知機能の調査項目がございます。これによりまして要介護認定を受けると、自動的に認知機能のふるい分けがされる仕組みになっておりまして、その後のケアプラン等に反映されていきます。今後も認知症に関する知識の普及や、この介護予防基本チェックリストによる認知症の発見に努めるとともに、関連分野、関係機関とも協力し合いまして、認知症の早期発見について今後も努力してまいります。 ○木村委員 心当たりのある方もいるみたいですが。診断方法など医療の進化とともに変化をしておりますので、またしっかりと対応していただけるようよろしくお願いいたします。 また、要介護の方が認知症になる可能性が一番高いと思います。ケアマネジャーさんが早期発見できるようになっているのか。介護と医療と年齢とあると思うんですけども、認知症のことはどのように連携されているでしょうか。伺います。 ○上村健康福祉部副参事(福祉推進担当) ケアマネジャーは定期的に訪問するなど、高齢者の把握を行っておりまして、その変化に対応できるようになってございます。また、ケアプランを作成するときに主治医の意見書も参考にすることになっており、必要に応じて連携をとり対応しております。さらにケアマネジャー、サービス提供事業者、医師などによるサービス担当者会議の開催が義務付けられておりまして、かかりつけ医からも意見を聴取することになっております。また医師会の協力により、地域包括センターごとに認知症相談協力医2名ずつが定まっており、医療との連携はこのようなことも対応しているところでございます。 ○木村委員 一部、連携がしっかりと義務付けられているということで、大変にすばらしいかと思います。ただ、要介護の方もそうですけど、一般の方にとって最も身近な医療というのはかかりつけ医だと思います。そのかかりつけ医というのは認知症の方をどのように対応するようになっているでしょうか。伺います。 ○上村健康福祉部副参事(福祉推進担当) 区医師会としての取り組みでございますけども、認知症早期発見につなげるため、東京都が実施している、かかりつけ医認知症対応力向上研修への参加に積極的に取り組んでいると聞いてございます。その研修修了者は認知症アドバイザー医として在宅での療養のアドバイスをし、必要に応じ専門医を紹介するといった対応をしてございます。 ○木村委員 中野区でも主体的にやっているということで、区がつくった認知症アドバイザー医というリストが、もうことしの3月31日に実現となっておりますけども、来年度以降、このリストというのはまたしっかり更新されるのか、また何名のアドバイザー医が紹介される予定になっているのか、また、その増減というのは他区と比べてどうか、伺います。 ○上村健康福祉部副参事(福祉推進担当) 現在、認知症のパンフレットの中にアドバイザー医リストというのを挟み込んでPRしているところでございます。認知症アドバイザー医リストにつきましては、24年度早々に更新する予定でございます。東京都のかかりつけ医認知症対応力向上研修及び認知症サポート医療養成研修を修了した医師は、中野区では63名でございます。この研修を修了した医師は、近隣区の状況ですけども、豊島区で74名、杉並区で72名、新宿区で34名、渋谷区で37名でございます。人口割合から見ると多いほうであると認識してございます。 ○木村委員 じゃあ、その認知症アドバイザー医というのを、その制度を活用するために、我が会派のやながわ委員が以前質問で、認知症アドバイザー医を区民にわかるような共通のステッカーを認定医の病院に設置するのはどうかということを質問して、それはするということを答弁いただきまして、区としても(「もう2年かかっている」と呼ぶ者あり)そうですか、2年。まだ実施されていないということですけども、区として医師会の先生方に協力していただけるよう働きかけて実施すべきと思いますが、いかがでしょうか。伺います。 ○上村健康福祉部副参事(福祉推進担当) 認知症アドバイザー医について、区民に周知することは重要であると認識してございます。区としましても、医師会とよく協議し、早期にできるよう実施に向けて対応してまいりたいと考えております。 ○木村委員 よろしくお願いします。 今度は医療との具体的な連携についてですけども、アドバイザー医との連携など、現状、今後の見通しについてはいかがでしょうか。伺います。 ○上村健康福祉部副参事(福祉推進担当) 認知症アドバイザー医につきましては、専門医療機関と地域包括支援センター、かかりつけ医の結びになることが期待されているので、今後ともよく連携を図っていきたいと考えております。 ○木村委員 そういう状況があります。その早期発見を目指して、地域のネットワークを進める事業として、厚生労働省が認知症対策総合支援事業というのを進めておりますけども、その概要について教えてください。 ○上村健康福祉部副参事(福祉推進担当) 厚生労働省の認知症対策総合支援事業でございますけども、これにつきましては、認知症になっても住みなれた地域で生活を継続するため、医療、介護及び生活支援のサービスが有機的に連携したネットワークのもと、効果的な支援を行うことを目的とする事業でございます。具体的には、市区町村において認知症地域推進員を地域包括支援センターなどに配置し、嘱託医の助言を得ながら、医療と介護の連携強化や地域における支援の体制の構築を図ることとしてございます。23区では、今年度、江東区が活用していると聞いております。 ○木村委員 その事業というのは、認知症地域支援推進員の配置と、また地域包括支援センターが主体となって圏域ごとに、中野区は四つになるかと思うんですけども、医療、介護の双方の顔の見える関係づくりを目指すエリアミーティングというのが設置が必要となってくると思いますが、それを含めて、この厚生労働省の認知症対策総合支援事業の実施を中野区ですることはいかがでしょうか。伺います。 ○上村健康福祉部副参事(福祉推進担当) 既に活用している他区の実施状況などの情報収集に努めまして、有効性などにつきまして関係部署と今後検討してまいりたいと考えております。 ○木村委員 ありがとうございます。 いずれにしましても、認知症施策として早期発見、また適切な対応というのは、区全体だけではなくて地域単位での医療との連携が不可欠であると思っております。地域によっては濃淡あるというふうにも伺っておりますので、各地域で医療や介護の連携ができるよう、現状として少しずつ現場では行われているようですけども、そういうのがしっかりシステム化できるように、またしっかりと努力していただくよう要望して、この項の質問は終わります。ありがとうございました。 次に、教育の課題についてということで、これまでさまざま議論も出ましたけども、幼小連携について伺います。 平成23年度教育ビジョン(第2次)において、小学校入学時にそれまでの園生活等との違いから、学校での集団活動等にうまく対応できない子どもたちも見受けられるという現状認識を示しております。全国的にはいわゆる小1プロブレムだと言われておりますけども、全国や東京都でも近年さまざまな取り組み、またプログラムを作成して啓発を行っている状況でございます。ここで、その教育ビジョンの中でも指摘していますけども、その原因の一つとされている幼児教育から小学校への接続の問題に絞って伺います。 初めに、東京都では、その小1プロブレムの対策として、平成22年度からゼロ歳児からの就学前教育カリキュラム、また小学校の連携を目的とした就学前教育プログラムを作成して、各教育委員会に説明をしたとしております。中野区では、そのカリキュラムとプログラムは検討されたのでしょうか。伺います。 ○海老沢教育委員会事務局副参事(就学前教育連携担当) 都で作成した就学前教育カリキュラムにつきましては、小学校教育への円滑な接続を進めるために、就学前教育を充実させる目的で、ゼロ歳児から5歳児までの発達に応じて確実に経験させたい内容を具体的な指導例をあわせて小学校、幼稚園、保育園での活用を目指したものとしてつくられたものでございます。中野区の幼児教育につきましては、保育所におきましては保育所保育指針、幼稚園につきましては幼稚園教育要領に基づき、着実に進めているところで来たわけでございますけれども、これまで培ってきた保育園、幼稚園、小学校の連携を踏まえまして、さらに幼児教育の質を高めていくために、幼稚園や保育園で日々行っている幼児教育が小学校入学後の教育内容にどのようにつながっていくのかということにつきまして、教職員が十分理解するということが必要であると考えておりまして、都のカリキュラムにつきましても十分参考にしていきたいというふうに考えてございます。 ○木村委員 中野区でも就学前教育に関してプログラム等作成を検討し始めているというふうにも伺っております。私も、幼小連携のためにはぜひそういうプログラムは必要だと思っております。その中野区で検討しているプログラムの目的とか策定のスケジュールについてはどのようになっているか、伺います。 ○海老沢教育委員会事務局副参事(就学前教育連携担当) 中野区の保育園、幼稚園と小学校が連携いたしまして教育を進めていくための基本的な資料といたしまして、都のカリキュラムと同様にゼロ歳児から小学校入学までの各段階に応じて、子どもたちに経験させたい内容をまとめまして、中野区における就学前教育プログラムの作成を進めているところでございます。作成につきましては、24年度の10月ごろをめどに策定していく予定でございます。 ○木村委員 そのプログラムというのはどこが主体となって行うのか。また、策定の中に有識者や、例えば保護者の参加などはどのようにするのでしょうか。また、私立との連携というのはどのようにするのか、伺います。 ○海老沢教育委員会事務局副参事(就学前教育連携担当) 就学前教育プログラムの策定に当たりましては、有識者の参加は行っていないわけでございますが、就学前教育連携担当が主体となりまして、保育園、幼稚園、小学校の教職員の参加を得まして検討会を立ち上げ、検討を行っているところでございます。現場での経験や意見を踏まえて作成をしていきたいというふうに考えてございます。策定後につきましては、保護者への十分な周知を行って理解を得てまいりたいと思っております。 就学前教育プログラムの検討会には私立の保育園、幼稚園の教職員が参加しておりまして、一定の理解を得たいと考えてございます。また、策定後、各私立園での教育カリキュラム、指導カリキュラムの作成に活用されるよう、説明会等を開催して周知を図ってまいりたいというふうに考えてございます。 ○木村委員 先ほどの東京都の就学前教育プログラムを参考にしてだと思うんですけども、中野区のオリジナルのプログラムとして何が考えられるでしょうか。伺います。 ○海老沢教育委員会事務局副参事(就学前教育連携担当) 中野区独自の幼児教育の取り組みの一つといたしまして、幼児研究センターが中心となって、保育園や幼稚園の子どもたちの運動能力の向上について取り組んでいるところでございます。また小・中学校におきましても、体力向上プログラムによりまして、子どもたちの運動能力向上に努めているところでございます。この一連の運動能力向上の取り組みにつきまして、幼稚園、保育園から小学校へのつながりを就学前教育プログラムの中に盛り込んでまいりたいというふうに考えてございます。 ○木村委員 ぜひ充実したプログラムを作成してほしいと思っております。そこへの要望になるかもしれないんですけども、既に就学前カリキュラムを策定した台東区とか品川区のカリキュラムでも、5歳児になってから年間通しての啓発を行っています。中野区教育ビジョン(第2次)においては、学年期の取り組みとして、朝食をしっかり毎日きちんととる、夜ふかしをしない、手洗いをきちんとする、歯を正しく磨くなど、食事、睡眠、衛生に関する基本的な生活習慣を身につけさせる。また、人に迷惑をかけないこと、だれに対しても思いやりを持って接することなど、具体的な生活習慣やしつけが掲げられております。小1プロブレムの原因というのは、そういう生活習慣の未熟、また自制心や忍耐などは家族で解決を図らなければいけない部分も多いと思います。そういう意味では、5歳児の早い段階でそういう保護者に対して、入学前の家庭教育で必要なことを明確にわかりやすく示すことは必要であるかと思いますが、いかがでしょうか。伺います。 ○海老沢教育委員会事務局副参事(就学前教育連携担当) 小学校入学に向けた生活習慣などを家庭でも意識していただくことが円滑な教育連携につながるというふうに考えております。より早い時期に保護者への説明を行うことが望ましいというふうに考えています。現在、区立の保育園の約半数が地域の小学校の先生を招きまして、保護者と小学校入学に当たっての心構えなどについて、懇談を行う機会を持っているというところでございます。保護者の安心感に効果を上げている取り組みでございまして、現在のところ開催時期といたしましては、10月から1月にかけてというのが多いということでございますので、この取り組みは全体に広げていくとともに、時期についても早めることについても検討してまいりたいというふうに考えています。 ○木村委員 ぜひよろしくお願いします。 また2月、今月ですけども、各小学校で説明会が開催されたと思います。私も参加しましたけども、その段階で、小学校に入るための生活習慣や望まれる姿というのをこの段階で明らかにされる資料をいただきました。入学1カ月半前に示されても、習慣やしつけというのは子どもはなかなか直らないかなというふうにも思います。そういう意味でも、先ほどの答弁もありましたように、早い段階で保護者への明確な説明が必要かと思います。 また具体的な準備としても、例えば2月の小学校の説明会で、学校の棚の大きさのために、ランドセルのサイズのお話がありました。ランドセルというのは大体クリスマスとか正月とか、夏休みとか、祖父母や両親などがプレゼントといってもらうことがあり、既に購入されていた保護者もいまして、そういうことも含めて、必要な情報提供が2月だとちょっと遅いということもあるようにも思います。きょうだいもいなかったり、また地域でのつながりが薄くて、情報の少ない保護者もいらっしゃると思います。そういう学校の説明会が学校の事情でやっぱり2月に開催になっていると思いますけども、それならば、例えば重要な事項は早目に保育園とか幼稚園を通じて伝えるとか、そういうことを通して、保護者の状況を考慮した説明会の時期、また取り組みを検討すべきと思いますが、いかがでしょうか。 ○喜名教育委員会事務局指導室長 小学校の入学説明会でございますけれども、各学校が、お子さん方の入学する学校が確定する時期を踏まえて日程を設定しているところでございます。お話しございましたように、今年度は1月に2校、2月に23校が実施をしております。入学説明会では、小学校の生活、それから入学前に身につけておいてほしい内容、さらに、今お話しございましたランドセルを含めた学用品の準備等、具体的なお話もしてまいります。ただランドセルなど、御指摘のようにサイズの問題もあるわけですけれども、どの学校も工夫してロッカーに入れたり、それから廊下にかけたりということをしております。学用品も含めて、必ずしもそれでなければいけないということは特にございません。ただ、御提案のように就学前に身につけておいてほしい内容ですとか、その他小学校生活について、なるべく早い時点でお伝えをしていくということが必要だというふうに思っております。副参事からもお話し申し上げましたように、さらに連携を深めていきながら、情報の内容の与え方、伝え方、方法についても工夫してまいりたいというふうに思います。 ○木村委員 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いします。 また、就学前の準備として、保護者や園児の小学校生活への理解が必要かと思っております。現在、小学校や保育園によっては、小学校行事に参加として、運動会や給食会に園児が参加するという企画をやっているところもあるようですけども、そういう交流を積極的に進めること。また、園児だけでなく保護者の方もぜひ参加を促して、保護者が小学校の生活や、小学校で自分の子どもがどのような振る舞いをするかというのを早い段階で理解をして、入学前にそれが家庭教育で生かされるようにしたほうがいいかと思いますが、いかがでしょうか。伺います。 ○海老沢教育委員会事務局副参事(就学前教育連携担当) 既に園児が小学校の行事や生活科の授業に参加することや、逆に小学生が保育園に赴きまして、幼児と一緒に遊ぶといったような交流が個別に行われているところではあります。これらの交流は園児が小学校に対しての期待感、あるいは安心感を持つ上で成果を上げているというところでございます。給食交流など、さらに交流が進むように取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。また、保護者の参加についても今後検討していきたいというふうに考えてございます。 これらの交流を区全体に広げていくというために、今回作成いたします就学前教育プログラムの中に交流の事例等盛り込みまして、周知を図っていきたいというふうに考えてございます。 ○木村委員 よろしくお願いいたします。 就学前というのは、最終的には、学習よりも、生活習慣とかしつけとか、人間関係をはぐくむほうが最も大事かと思っております。東京都の就学前教育プログラムにもありましたが、就学前の準備として、例えば家庭でも取り組めるような、先ほどの話の具体例ですけども、手引書みたいなものを作成してはいかがでしょうか。中野区の就学前プログラムというのは、先ほどおっしゃったように来年の10月に策定予定ということですけども、ほぼ同じ時期、10月とか11月ぐらいにそういう手引書をつくれば、これから5歳児になる子、来年度以降の子どもさんというのは、すべてそういう手引書をいただいて、しっかり入学前から家庭で取り組めるということになるかと思いますので、そういう手引書というのを、最初は紙、ペーパーだけになるかもしれないですけども、例えば徐々に工夫をして、5歳児の早い段階、4月からでもいいんですけども、保護者が受け取って親子でしっかり取り組める、シールでチェックリストをするとか、そういうものをぜひ取り組んでいただければと思いますが、いかがでしょうか。 ○海老沢教育委員会事務局副参事(就学前教育連携担当) 就学前教育プログラム策定とあわせまして、やはり保護者の理解を促進することは大切な施策でございますので、手引書のようなものの作成についても検討したいというふうに考えてございます。 ○木村委員 ありがとうございます。具体的な形でしっかりと取り組んでいただければと思います。 最後に、そういった幼小連携も含めて、昨年組織編成がございまして、中野区というのは子ども教育部と教育委員会の事務局が統合して、就学前というのを特化したと思いますけども、今回の幼小連携なども含めて、その統合した成果というのはどのようにあらわれているのか、どういうふうに認識しているのかを伺いたいと思います。 ○村木子ども教育部長、教育委員会事務局次長 子ども教育部と教育委員会事務局を統括する立場にある者として、御答弁をさせていただきます。 平成23年度から二つの組織の入り口と出口が一つになったことによりまして、私自身といたしましては、その重みに耐えかねているところではございますけれども、教育長に日夜助けていただきながら、子育て支援と教育を一体的に担う部門として、その総合力を発揮し、組織を効果的かつ効率的に機能させまして、部門の目標の達成を目指して努力をしてきたところでございます。このことによりまして、例えば、重度重複障害等障害児施策に係る方針並びに特別支援教育推進のための方針を定めまして、今後の組織的展開を子育て支援と学校教育が相互に連携協力して進めることができる環境を整えたところでございます。また、学校と子ども家庭支援センターとが直接結びつきまして、支援を必要とする児童・生徒へのスピード感ある的確な対応が図られるようになったと感じております。 さらに、今定例会で報告を予定しております子ども読書活動推進計画(第2次)素案の調整過程におきまして、幼児研究センターが協力をしてその内容を深めたり、御質問にもございましたように、公私を問わず保育園、幼稚園、小学校の教職員の参加を得て策定を進めております就学前教育プログラムなど、さまざまな成果を上げていると、このように考えております。 ○木村委員 ありがとうございます。そういう形で連携して、本当にどんどんこれからも成果が出るようにしっかり頑張っていただければと思っております。 これで、この項の質問を終わらせていただきます。 次に、新たな産業振興について伺います。 今回の予算説明書補助資料の103ページですけども、産業都市復興費の項の事務事業が昨年の文化都市観光からにぎわい観光と変更され、にぎわい創出事業費も268万円から492万円と224万円増加しております。この事業の拡充はどのように図られるのでしょうか。伺います。 ○滝瀬都市政策推進室副参事(にぎわい・文化担当) この財源の増加分でございます。にぎわい創出事業費の増加分でございますが、従前のにぎわいWEBのリニューアルといったことと、なかの里・まちWebの理念をあわせまして、区のにぎわい観光全般に関するホームページを開設予定でございます。この費用に充てるといったものでございます。 ○木村委員 昨年の第4回定例会で我が会派の南委員から提案がございました、中野区独自のアプリを利用した独自の情報発信の取り組みに関して伺います。 その際に提案しました区内産業の活性化も第1の目的にありますけども、それ以外に、中野区の防災を目的としたアプリの機能、また外国人を含む区内外からの集客のために、観光に特化したアプリなどが可能であります。観光に関しては、ホームページに掲載しても、恐らく多くの人は、目的がない限りは地方公共団体のサイトってなかなかアクセスすることが多くは期待できないかと思います。現在、モバイルツールによる情報取得が主流となっておりますので、そういうスマートフォンのようなさまざまな機能を盛り込めるアプリがあれば、PCサイトよりも目を引くコンテンツをつくれる可能性があります。そういうにぎわい観光に効果を発揮するアプリを開発すべきと考えておりますが、どのように検討されているでしょうか。伺います。 ○滝瀬都市政策推進室副参事(にぎわい・文化担当) 中野の観光振興といった観点からのアプリケーション作成につきましては、他の事例など情報収集をいたしまして、有効性などについて調査研究をしているといった状況でございます。 ○木村委員 そこの検討にもぜひ入れていただければと思うんですが、アプリと連動して区のホームページを活用した逸品グランプリの紹介とか販売、また、里・まち連携での店舗紹介や商品販売等も検討すべきと思いますが、いかがでしょうか。伺います。 ○滝瀬都市政策推進室副参事(にぎわい・文化担当) 今、御答弁申し上げましたにぎわい観光に関しますホームページで、中野逸品グランプリの受賞商品でございますとか、中野の里・まち連携自治体の産品の紹介やあっせん、もしくは販売などについて検討していきたいと考えてございます。 ○木村委員 アプリは本当にさまざまな機能をできますし、また観光を充実させるためにも、そのアプリの中で中野区にいらっしゃる方、来街者を対象とした災害時の帰宅困難者対策としても、スマートフォン等による避難場所の位置がすぐわかるように検索できるという機能もできますけども、必要ではないでしょうか。伺います。 ○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 災害時における情報伝達手段の一つとして、アプリケーションを利用した方法もあると考えております。今後どのような情報提供が可能なのか、研究してまいりたいと考えております。 ○木村委員 よろしくお願いします。 中野区は産業振興ビジョンの策定を計画していますが、中野観光協会が設立した後に、この産業振興ビジョンと連動した中野区の観光ビジョンを策定してはいかがでしょうか。伺います。 ○滝瀬都市政策推進室副参事(にぎわい・文化担当) まちづくりの進展でございますとか、民間主体による中野区観光協会の設立の動きといったような状況を踏まえまして、今後、区としての観光施策の考え方、こういったものにつきまして今後明らかにしていきたいと考えてございます。 ○木村委員 また、いろいろ御提案ですけども、例えば金沢市では昨年の8月に、金沢の魅力が広く伝わるような新たなスマートフォン及びタブレット型の端末向けのアプリケーションを提案募集、つまりアプリコンテストを行いまして、すぐれた提案を奨励することで、まちなかのにぎわい創出や交流人口の拡大をねらった事業を行いました。また中野区においても、マンガコート開校式では、東京工芸大の学生が作成したアプリが紹介されまして、若い方を中心に活発なイベントとなったようです。中野区においても、そういった大きなイベントの際に、例えばアプリコンテストなどの開催を検討してみてはいかがでしょうか。伺います。 ○横山都市政策推進室副参事(産業・都市振興担当) 委員が今お話で触れましたようなコンテスト、こういったイベントにつきましては、都市型産業、ICTコンテンツ産業との関連、あるいは制作者、技術者の注目を浴びるといった効果があるというふうに承知してございます。他の事例等も参考にしながら、都市型産業の振興、あるいはにぎわい・文化の創出となるように民間誘導等も含めまして検討してまいりたい。検討しているところでございます。 ○木村委員 ありがとうございます。 昨日、我が会派の小林ぜんいち委員も触れましたが、私も、日本で初めて自治体のホームページをフェイスブックで運用を始めた佐賀県武雄市の樋渡市長にお会いしました。樋渡氏は日本フェイスブックの協会の会長も務めておりますが、その樋渡市長が進めますFB食品というのがございます。23区で初めて、中野区でもどうですかというアプローチがあったと伺っておりますが、どのように検討されたでしょうか。伺います。 ○滝瀬都市政策推進室副参事(にぎわい・文化担当) 先ほども御答弁申し上げました、にぎわい観光のホームページを来年開設予定でございますが、その中での中野逸品グランプリでございますとか、なかの里・まち連携自治体の産品の紹介やあっせん、もしくは販売を予定しているところでございます。こちらの検討に当たりまして、今、御案内のとおり、佐賀県武雄市からフェイスブックを活用いたしました地場産品の販売に関する資料をいただいているという状況でございます。 区における産品の紹介やあっせん等につきましては、御案内のフェイスブックの活用でございますとか、他の自治体等の通販事業も参考にしているところでございまして、よりよいものになるように検討していきたい、このように考えてございます。 ○木村委員 現在、中野区の予算だと思うんですけど、年3回、中野区の特集の番組を作成しまして、JCNで放映した後、ホームページで活用されているというふうに伺っていますが、年3回だとちょっと、3本だとちょっと少ない気がいたします。区の紹介の有効なツールになると思いますので、例えば番組時間や内容を工夫して作成本数をふやしてみたり、JCNの番組で、区の中でホームページで活用できるものをふやしたりとか、さまざま検討してみてはいかがでしょうか。伺います。 ○松原政策室副参事(広報担当) 今の映像広報の現状ですが、今、委員御案内のとおり、平成21年度からJCN中野と番組制作放映委託契約を締結いたしまして、区の主要事業、あるいは施策を取り上げた15分番組を制作して放映をしてまいりました。一つの番組につきましては、指定しました月にJCNで21回放送をしておりますとともに、その放送終了後に中野区のホームページで、なかの映像資料館というコーナーがございますが、そちらで配信をしているという、そういう現状になっております。 今後でございますけれども、区民の番組視聴の機会をより多くする、そういうためにJCN中野におきまして、毎月定時の番組枠を複数確保してもらうとともに、放送にあわせて、区のホームページでも速やかに配信ができますように、現在、改善に向けました協議を進めているところでございます。 ○木村委員 ありがとうございました。主に情報宣伝に関して伺いましたけども、中野区をアピールする絶好の時期を迎えていると思いますし、また区民の皆様にも便宜を与えることにもなると思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。 これで、この項の質問は終わります。 その他に入りますけど、その他として、まずPPSの導入について伺います。昨年の第3回定例会で私が質問させていただきましたPPSの導入でございますが、今定例会においても、電力供給入札制度が、来年度中に段階的に行うという趣旨のお話がありましたが、その段階的に行うというのはどのような内容、意味でしょうか。伺います。 ○小山内経営室副参事(施設担当) 段階的にというのは、施設が77施設ございますので、それを一度に出すのは非常に整理するのが難しいかというふうに考えておりますので、何段階かに分けて準備を進めたいというところで、第1段階として本庁舎の電力購入調達について、5月末をめどに、今準備を進めているところであります。 ○木村委員 ぜひよろしくお願いいたします。 前回、あわせてお聞きしたんですが、答弁として、PPSの清掃工場で発電した余剰電力を販売する東京エコサービス株式会社さん、土曜日、日曜日、また平日の夜間の電力が若干余剰ぎみであるということから、新たな供給先として野外の運動施設等想定して、その活用を検討しているという答弁がありましたが、それは現在どのように進んでいるんでしょうか。伺います。 ○小山内経営室副参事(施設担当) 東京エコサービスからの申し入れに対して、区は調査に協力するということを決めまして、昨年の12月、東京エコサービスは中野体育館及び上高田運動施設に独自の電力計を設置いたしました。そして今現在、向こう1年間の昼間及び夜間、休日の3区分に分けて電力の需給バランスのデータを取得しているところであります。 ○木村委員 ぜひそちらのほうもよろしくお願いいたします。この項の質問は終了いたします。 その他の、最後に、中野坂上駅の西側の駅舎完成に関しての歩道橋撤去に関して、私も伺わせていただきます。中野坂上駅の西側駅舎というのはことしの8月に完成する予定になっており、これまで議会や委員会でも何度も質疑がありましたが、地元の方からも強い要望を受けておりまして、この撤去について伺います。 平成18年の12月に、本町二丁目48番地と中央二丁目2番地側の歩道橋を使わずに安全に渡ることができる信号機及び横断歩道の設置を求める要望書というのが、地域の代表者の方から区長に提出がされたと思います。昨年、第3回定例会においても、自民党のいでい委員も質疑を取り上げられましたが、私も伺わせていただきたいと思っています。今回、完成が間近になりまして、地域の方の注目も高まっていると思いますが、歩道橋の撤去についてどのように進捗があるでしょうか。伺います。 ○相澤都市基盤部副参事(都市計画担当) 区としましても、第三建設事務所、中野警察署等、私も直接出向きまして、継続的に両機関に働きかけを行っているところでございますが、課題もあり、難航している状況でございます。 ○木村委員 具体的には、その課題というのはどのような点で難しいでしょうか。伺います。 ○相澤都市基盤部副参事(都市計画担当) 歩道橋の現在の利用者数などから、歩道橋を落橋する都の内部の基準ですけれども、そういうようなものに満たないということであるとか、横断歩道、落橋して設置する際の信号機の設置など、言ってみれば東京都内部の調整事項の課題があるというように認識してございます。 ○木村委員 では、それ、今後どのように取り組んでいくつもりでしょうか。8月に完成しますけども。 ○相澤都市基盤部副参事(都市計画担当) この件につきましては、最終的には道路管理者である東京都、交通管理者である警視庁等が決定する事項ではございますが、先ほど委員が御指摘されたように、地元の強い要望でもございます。要望書も提出されているということでございまして、区としましても、バリアフリー、歩行者の利便性の観点から、その実現に向けて、引き続き今後とも両機関に積極的に働きかけていきたいというふうに考えてございます。 ○木村委員 地元の方は非常に強く要望しております。しっかりとその代弁をして、最後まで粘り強く頑張っていただきたいと強くお願いしまして、私のすべての質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。 ○佐野委員長 以上で木村委員の質疑を終了いたします。 ここで休憩に入りたいと思います。3時15分まで休憩ということにさせていただきたいと思います。暫時休憩いたします。 午後2時53分休憩 午後3時15分開議 ○佐野委員長 それでは、委員会を再開いたします。 次に、[1]内川和久委員の質疑に移りたいと思います 。 ○内川委員 自由民主党議員団の内川和久でございます。どこまでできるかわかりませんが、よろしくお願いいたします。 早速、質問のほうに入らせていただきます。 24年度予算総括質疑、1番目、中野駅周辺のまちづくりについてお伺いいたします。昨日も我が会派のいでい委員の質問にもありましたけれども、これは大変大切なことでございますので、私からも質問をさせていただきます。 2月5日の深夜に行われました中野駅北口の東西の連絡通路の工事が、静かなものでありましたけれども、大変感動的な工事でございました。私も改選前の4年間は駅周辺特別委員会に所属しておりましたので、今まで絵にかいたものが現実のものになっているということで、大変感動をいたしております。第1期の整備の工事の完了に向けて、期待が広がっていきます。 そして今、中野駅周辺まちづくりグランドデザインVer.2は、Ver.3に向けて策定が進められようとしております。新たな可能性を模索しながらも、Ver.2に基づき、より進化させて、さらによりよいものにしていきたいなと思っております。そこで、Ver.3策定に向けて、幾つか質問をさせていただきます。 まず初めに、区長の施政方針説明にありますVer.2策定以降の状況の変化とは何でしょうか。 ○松前都市政策推進室副参事(中野駅周辺まちづくり担当) グランドデザインVer.2策定以降の状況の変化といたしましては、警察大学校等跡地に計画されていた国家公務員宿舎建設、これが中止になり、中野四季の森公園の拡大用地と位置付けられたこと。それと3・11東日本大震災を踏まえ、さらなる防災視点の強化検討が求められること、これも大きな状況の変化ととらえております。 ○内川委員 やはりVer.1、Ver.2策定のときにも、東京直下の地震というのは想定がしてあったと思いますけれども、昨年の3・11の大震災は想定外のものだったということで、影響があるということでございます。そして、本会議一般質問の区長答弁で、区庁舎予定地の利用を再考する、大規模な屋内施設のあり方を再考するとありますが、これはどういったことでしょうか。 ○松前都市政策推進室副参事(中野駅周辺まちづくり担当) 中野四季の森公園の今回の拡大に加えまして、より一層の機能や空間の拡大を考えることが求められるというふうに思っております。水や電源などを備え、人的な救援や物資の集積などができる大規模な屋内スペースの有効性についても検討してまいりたいと考えております。 ○内川委員 中央部防災公園一帯の施設配備を含む防災計画、これを変更するといったことでしょうか。 ○松前都市政策推進室副参事(中野駅周辺まちづくり担当) 中野四季の都市(まち)を含む区役所一帯は広域避難場所に指定をされております。その指定や新統合中学校、中野中学校が避難所であるという基本的な位置付けにおきましては、地域防災計画に変わりはございません。 ○内川委員 現在の中野体育館の跡地に区庁舎が移転すると、そういった予定になっているんですけれども、区庁舎、中野中学校の校舎、そして中学校の体育館、これを大きな施設とは考えないんでしょうか。 ○松前都市政策推進室副参事(中野駅周辺まちづくり担当) 先ほどと繰り返しになってしまいますが、水や電源などを備え、人的な救援、あるいは物資の集積等ができる大規模な屋内スペースという視点で、効果的な屋内施設を検討する必要があるというふうに思っているところです。 ○内川委員 現在ここにございます中野体育館、これは災害時にどういった利用をされるんでしょうか。 ○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 現行の地域防災計画では、中野体育館につきましては遺体収容所として位置付けられております。九中跡地に移転した場合の新体育館につきましては、中野駅周辺まちづくりの考え方を踏まえつつ、地域防災計画上の位置付けを整理していきたいというふうに考えております。 ○内川委員 仮にこの場所に体育館を改築した場合、やはり同じく遺体安置所という考えでよろしいんでしょうか。 ○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 九中跡地に移転した場合の新体育館につきましては、中野駅周辺まちづくりの考え方を踏まえつつ、地域防災計画上の位置付けを整理していきたいというふうに考えております。 ○内川委員 ちょっと質問が違うんですけれどもね。仮にその場所で中野体育館を改築した場合、それでも遺体安置所として利用するんですかと。 ○佐野委員長 おわかりですか、質問のほうは。 ○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 仮にという、仮に維持するというのは、現行の場所ということでしょうか。 ○内川委員 あそこで、建てかえをするということになった場合ですね。 ○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 現地点での改修も含めまして、地域防災計画上の位置付けにつきましては、今後整理していきたいというふうに考えております。 ○内川委員 今、仮に体育館を九中跡地に持っていったら、御答弁ありましたけれども、九中にですね、仮に九中の跡地に体育館が来なかった場合、九中跡地の利用可能性はどんなものになっておられるんですか。 ○松前都市政策推進室副参事(中野駅周辺まちづくり担当) 仮に体育館が移転をされないということになりましたらば、第九中学校敷地につきましては、その利活用について改めて検討するということになろうかと思います。その際、中野駅周辺全体のまちづくり、あるいは機能配置等の観点から検討が必要だろうというふうに思っております。 ○内川委員 これからVer.3策定に向けて、まちづくりが多分加速度的に速くなると思うんですが、九中跡地のことも考え方、早急にまとめておいていただければなと思います。 それから、駐車場施設等のアクセス機能をより強化するために、中央部防災公園を拡張されますけれども、区のお考えをお聞かせください。 ○松前都市政策推進室副参事(中野駅周辺まちづくり担当) 中野四季の森公園の拡張部分ですけれども、こちら、公園機能を充実させるために用いていくということで、緑豊かな空間の創出ということはもちろんなんですが、敷地の一部を活用して駐車施設等が設けられれば、日常的な公園利用の利便性向上、あるいは非常時における防災拠点機能の確保が図れるのではないかというふうに考えているところです。 ○内川委員 それは観光バスがとめられるような、そういった駐車場ということで委託をすると。 ○松前都市政策推進室副参事(中野駅周辺まちづくり担当) そのような大型車両もとめられるような駐車施設ということも検討したいと思っております。 ○内川委員 進みます。次に、駅地区についてお伺いいたします。 区は中野駅ビル、ここでは利便供与施設と呼んでおりますけれども、積極的に誘致をするような発言や聞いてございます。お考えをお聞かせください。 ○秋元都市政策推進室副参事(中野駅周辺整備担当) 中野駅の駅ビルでございます。これにつきましては、グランドデザイン改定の主な論点に対する考え方におきまして、橋上駅舎及び西側南北通路の新設とともに、上空を生かした駅ビルを誘導し、回遊性の向上と地域活性化を実現するとしたものでございます。長年の課題でもございます南北動線の整備につきましては、JRの協力なしでは実現し得ないといったこともございまして、駅ビルといった上空活用を図ることで、より大きな協力を得られる可能性が高まるものと考えているものでございます。 ○内川委員 Ver.2のときは駅ビルの件は全く触れられていなかったんですね。JRから何らかの接触もしくは打診があったのか、お聞かせください。 ○秋元都市政策推進室副参事(中野駅周辺整備担当) 駅ビルにつきましては、今のところJRからは具体的な計画は示されてございません。 ○内川委員 そうすると、駅ビル、これを区が積極的に誘致をしようとなると、それ相応の負担を多分JRのほうから押しつけられる、そういうふうに考えられますが、いかがですか。 ○秋元都市政策推進室副参事(中野駅周辺整備担当) 都市側の求めで整備をする駅舎、あるいは南北通路につきましては、補助金を活用しながら都市側が負担をすることというふうに考えてございますが、仮にJRが駅ビルをつくるとした場合につきましては、駅ビルそのもののJRの資産、こういったものはJRが負担するということになります。 ○内川委員 現中野駅の北口改札改修でも大分区は負担をしております。あと東中野の駅前広場、こちらのほうも大分区のほうが負担していますので、心配だなと思っております。 それから、この駅ビルは、今後検討の商業・業務施設とかなり競合が予想されます。特に中野二丁目、三丁目の整備方針では、商業・業務の集積を図るということですが、供給過剰ではないでしょうか。 ○松前都市政策推進室副参事(中野駅周辺まちづくり担当) 区の人口や中野駅の乗降客数、あるいは立地の優位性など、中野が持つポテンシャル、これを考えれば、駅周辺の商業・業務集積が供給過剰ということはないだろうというふうに思っております。近隣のまちに流れていく人々を引き戻すとともに、さらに来街者をふやしていくためにも、商業・業務の供給はふやしていくべきだというふうに考えております。 ○内川委員 商業供給と同時に、消費者供給、進めるという御答弁ですけれども、具体的に考えると。 ○松前都市政策推進室副参事(中野駅周辺まちづくり担当) 例えば、中野四季の都市(まち)では、オフィスと大学あわせて1万人を超える人々が来ることになります。その多くの人が中野で買い物や食事をすることになるといったようなことを表現したものでございます。 ○内川委員 駅ビルは確かに駅周辺の回遊性を高めますし、周辺商店街への波及効果も大変大きいと思います。しかしながら同時に、近隣商店街にとっては大変な脅威であることも事実だと思うんです。駅ナカができると、そこから人が出てこないと、そういった心配する声もあるんですけれども、区のお考えはいかがでしょう。 ○松前都市政策推進室副参事(中野駅周辺まちづくり担当) 駅ビルや駅ナカにつきましては、中野駅周辺まちづくり推進会議におきましても、委員から賛否さまざまな御意見をちょうだいしているところであります。商業・サービス、あるいは公共的な機能など、これまでなかったタイプの機能が駅ビルによってもたらされることになれば、新しいにぎわいや利便性の要素となると同時に、周辺商店街にとってもよりよい波及効果をもたらすといったことも可能になるのではなかろうかと思っております。地域の皆さんとともに検討し、JRにも働きかけてまいりたいと思っております。 ○内川委員 ありがとうございました。この駅ビルですね、計画を進めていくのであれば、丁寧に御説明をしていっていただきたいなと思います。大胆かつ慎重に進めていただきたいなと思います。 次の質問に入ります。 ここで2012年問題についてお伺いいたします。2013年にはキリンホールディングスが、そして、ことしには栗田の栗田工業本社が、それぞれサウス棟、イースト棟に移転をしてきます。これは中野区にとって大変喜ばしいことですけれども、現時点でのセントラルパークですね。そして、あの成約率は大体どのぐらいでしょうか。 ○松前都市政策推進室副参事(中野駅周辺まちづくり担当) 中野セントラルパークサウス、これは地上21階建てに対しまして、キリングループが17階から21階までの5層フロア、そしてイーストのほうには、地上10階建てに対しまして、栗田工業が7階から10階の4フロア、こちらに入居するということが公表されております。 ○内川委員 大体40%ぐらいですか、全体の。 ○松前都市政策推進室副参事(中野駅周辺まちづくり担当) 床面積で申し上げますと、サウスにつきましては、おおよそ4分の1程度、イーストにつきましては4割程度になろうかというところです。 ○内川委員 2012年、ことしのオフィス供給はバブル期以降で3番目の多さだそうです。空室がふえるため、不動産業界は2012年問題と呼んで頭を抱えているそうです。東京駅周辺では、事業費数百億規模の大規模再開発がごろごろとしているそうです。既に都心の昨年11月の空室率、これは9%。好不況の目安である5%を大きく上回っています。東京建物は2011年12月期連結の業績予想を下方修正し、780億円の損失を計上しました。 そこでお聞きします。区は積極的にセントラルパークへ企業誘致をするための施策を何かお持ちでしょうか。また、ネットワークインフラ整備補助金等の具体案についてもあわせてお聞かせください。 ○横山都市政策推進室副参事(産業・都市振興担当) セントラルパークだけに限った施策ではございませんけれども、委員がお話の中で触れましたオフィスといったハード面の供給、これに加えまして、需要を喚起するようなソフト機能面での取り組みを進めていく必要があるというふうに考えてございます。例えば、10か年計画等で区が牽引役として経済波及効果を期待してございます都市型産業、これの集積を促進するものといたしまして、産業振興拠点の開設でありますとか、また、これとも連動するような形で補助金制度を24年度に構築したいというふうに考えてございます。 また、これまで立ち上げ支援をしてまいりました業界のネットワークの組織、あるいは進出する大学等も含めました連携、区内商工団体との連携、こういったことも一つのインセンティブというふうにしていく必要があると考えているところでございます。 インターネット環境につきましても、有効、効果的であるというふうに考えてございますが、地域情報化の一環の中で考えてまいりたいと思ってございますけれども、公衆無線LANなどにつきましては、積極的に普及拡大をしていこうといった通信業界等の動向もございますので、こうした民間活力の活用も含めて検討してまいりたいというふうに思ってございます。 このようなソフト面での経済活動にプラスとなるような機能環境を整えていきたいというふうに考えているところでございます。 ○内川委員 こちらの成功、成否は、やっぱり区と一心同体と考えますので、できることをやっていただきたいなと思っております。 それと、波及効果の大きい大規模イベント、これを誘致するとありますけれども、具体的な案はございますか。 ○滝瀬都市政策推進室副参事(にぎわい・文化担当) Ver.3の考え方でお示しをいたしてございます中野駅周辺の将来像、個性豊かな文化発信の拠点の形成といったものにつきましては、集客力のあるエンターテインメントをつくり出すことが重要と考えているところでございます。例えば、将来的な国際的イベントなどの招致といったことも目線に入れているところでございますが、具体的にはアニメ、コンテンツといったものでございますとか、食文化など中野区内のさまざまな魅力ある地域資源の活用といった観点から、今後検討していきたいと考えてございます。 ○内川委員 区庁舎が近くに今、立地をしております。これはセントラルパークのテナント募集や、そこに進出してくる企業にとって、やっぱりこれは一つのメリットであるのかなと考えますけれども、区のお考えをお聞かせください。 ○横山都市政策推進室副参事(産業・都市振興担当) 一般に企業活動の場面におきまして、区役所への用向きということを考えますと、例えば建築確認の関係でございますとか、区の発注する契約の入札、あるいは中小企業を対象とした融資あっせんといったようなことかというふうに考えられると思います。その他、登記や税等については他の官公庁ということになってございます。したがいまして、このエリアに進出してまいりますテナント企業、既に栗田工業、キリングループが具体的になっているところでございますけれども、こういった企業にとりまして、区役所は確かに近いにこしたことはないかもしれませんけれども、必ずしも強調できるようなメリット、あるいは決定的な要素ということではないのかなというふうに考えているところでございます。 ○内川委員 取材のときとちょっと答弁のニュアンスが変わっておりますので。まあ、いいんですけれども。 それから、南口地域のまちづくりについて聞きたいと思います。 南側開発の明確な内容を示すとの区長答弁がありました。中野駅周辺まちづくりグランドデザインVer.3策定まで、これはつまりことしの6月までに示すということでしょうか。 ○松前都市政策推進室副参事(中野駅周辺まちづくり担当) 本定例会におきましては、Ver.3の素案のたたき台、4月には素案、6月に本案確定と向かうプロセスの中で方向をお示ししていきたいというふうに考えております。 ○内川委員 私がずっと前、質問しました西口の南北自由通路なんですけれども、大体大まかな位置は決まっているとのことです。自由通路の南側、中野三丁目側ですね、これは桃丘小学校の移転整備も含め、第2期整備工事完了にはどのような形になっているんでしょう。 ○秋元都市政策推進室副参事(中野駅周辺整備担当) 第2期整備完了時におきましては、南北通路の南側の受け口、これは整備することを予定してございます。さらに、その段階では、桃丘小学校跡地を含む一帯のまちづくりの方向性が明確になり、それに向けて動き始めているのではないかというふうに考えてございます。 ○内川委員 おのずと中野三丁目側の接点、これははっきりとしてくるのかなと思いますけれども、受け口広場の用地買収、これはどのような進捗状況なんですか。 ○秋元都市政策推進室副参事(中野駅周辺整備担当) 中野三丁目側の受け口広場でございますが、これにつきましては、やはり南北通路とあわせて形状等の検討を進めていかなければいけないということがございまして、まだ現段階では具体的な広場の形態、そういったものが定まっていない。そういう状況の中で、今後、買収等も含めて、その広場の実現方法、こういったものを検討していかなければいけないというふうに考えてございます。 ○内川委員 Ver.3策定までということを考えると、6月までにはかなり具体的に示されるというところでよろしいですか。 ○秋元都市政策推進室副参事(中野駅周辺整備担当) おおむねの方向性、これについては、Ver.3の中で明らかにしていきたいというふうに考えてございます。 ○内川委員 わかりました。 次に、中野二丁目側のほうに行きます。中野二丁目再開発準備組合と区の間で再開発計画のコンセンサスはきちんととれているんでしょうか。また、グランドデザインとの整合性はとれているのでしょうか。 ○秋元都市政策推進室副参事(中野駅周辺整備担当) 今回のグランドデザイン改定の論点といたしまして、南口駅前の広場の拡張等につきましてお示ししたところでございます。中野二丁目再開発準備組合とは、広場等拡張に向けました話し合いを始めたところでございます。南口駅前広場の拡張につきましては、南口の発展に向けた大きな基盤整備の一つということでもございまして、中野二丁目再開発準備組合にはよく理解していただくということを考えてございます。その上で、駅前広場の形態や、その整備手法などにつきまして、再開発計画との相互連携や準備組合等とのコンセンサスを得ながら、広場整備等の検討を進めていきたいというふうに考えてございます。 ○内川委員 中野二丁目地区は、Ver.3の考え方によりますと、業務・商業・文化・公共交流機能の集積とあるそうです。また、市街地再開発地区・中野郵便局街区は業務・商業・住宅・公共公益施設の集積とあります。これは別々の計画なのか、ちょっとわかりづらいんですけれども、説明をお願いいたします。 ○松前都市政策推進室副参事(中野駅周辺まちづくり担当) 中野二丁目地区全域に係るものとして、業務・商業・文化・公共公益機能の集積を図っていくというふうに記しております。とりわけ市街地再開発地区・中野郵便局街区につきましては、業務・商業・住宅・公共公益施設というふうにしているものでございます。別々というよりかは、その街区全体としてこういった集積が望ましいのではないかというふうに記しております。 ○内川委員 ちょっと難しい言葉遣いなんですけれども、公共公益施設とは一体何なんでしょうか。また、南側に全区民が交流する公共的な機能を持ってくると、こういった記述もあるんですが、何を指しているんでしょう。 ○松前都市政策推進室副参事(中野駅周辺まちづくり担当) 公共公益施設と申しますのは、地域の方が集まれるスペースであったりとか、行政窓口サービスであったようなものも該当するのではないかというふうに考えております。さらに、全区民が交流する公共的な機能という表現がございますが、幾つか考えられるかとは思いますけれども、例えば区役所のような行政のセンター的機能、あるいは公益的な集会、活動のできるスペースなども考えられるのではないかというふうに思っているところです。 ○内川委員 わかりました。南北の均衡のとれた開発、これは自由民主党議員団で区長のほうに要望しております。南北の均衡のとれた開発、これに対しての区のお考えをお聞かせください。 ○松前都市政策推進室副参事(中野駅周辺まちづくり担当) 中野駅周辺の各地区は、それぞれに個性、あるいは雰囲気を持っているものだと思っております。現在ある資源を生かすとともに、プラスアルファの機能を持ってくることで、独自の発展がそれぞれ見込まれるものだというふうに考えております。南北それぞれの特性や魅力を生かしたまちづくりが大事なんだろうというふうに思っております。 ○内川委員 私は南側の開発に関しては、まず大切なことは、西側の南北自由通路ができたときに必ずその三丁目側にまず接続をすること。それと、やはり中野二丁目再開発、これは南側の起爆剤になると思いますので、これは事業計画決定を早急にやってもらいたいということです。 それと、グランドデザインVer.3策定に向けては、体育館、駅ビル、先ほど出ました区の公共施設も含めて、どのような機能配置が一体ベストなのか、それは現段階では答えは出しようもないと思います。しかしながら、ことしの6月にはVer.3を策定ということですので、限られた時間の中で十分な議論ができるように要望いたします。これに対して区長の御見解がございましたら、よろしくお願いします。 ○田中区長 前にもお答えしましたように、第1期のまちづくりがほぼでき上がってきたという中で、次に求められるのは第2期、特に南北自由通路でありますとか、南口の再開発事業といったようなことが着実に動き出していくというようなことが非常に大事だというふうに思っております。そういう意味では、内川委員の御意見と私は同じだろうと、こういうふうに思っております。 ただ、それぞれの計画が、やはり地域が全部連続していることですので、それぞれにいろんなかかわりを持ってきます。区役所の計画もそうかもしれませんし、二丁目の再開発ということになると、南口の駅広場の問題、それから、さらに大久保通り方向から駅への交通アクセスを改善していくというような問題、さまざまにいろんな要素が含まれていく中で、一つひとつのブロックについて着実に進めていくというようなことだと思っております。現時点で不確定な要素、6月の時点でも確定できないこともあろうかと思っておりますけれども、現時点で確定できることというのを、さまざまな条件を勘案しながら着実に確定をしていくということが大事なのかな、こんなふうに思っております。 ○内川委員 ありがとうございました。これで1番の駅周辺の質問は終わりとさせていただきます。 続きまして、2番の地域スポーツクラブについてお伺いいたします。 地域スポーツクラブは、設立の基本計画に入ってから2年が過ぎました。この間、区としてはクラブ開設に向け調査研究をしてきたわけですが、再三の開設時期のおくれの末、クラブの正式開設を2年先延ばしにし、平成26年といたしました。そして、それまでの2年間、区が主体となって健康づくり・スポーツ推進モデル事業の実施を決めました。ここで一度総括をする必要があると思います。 まず初めに、高齢者福祉センターの廃止・転換が検討される中、高齢者の生活の質を高め、医療費や介護費を少なくすることは重要であります。このことに関して、このモデル事業は使われていくのか、区のお考えをお聞かせください。 ○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 中野区の地域スポーツクラブ構想は、単に再編後の学校を利用してスポーツの場とすることだけではなく、区民の健康づくり、体力づくり、それから学校運動部活動の支援、そしてスポーツの技術力、指導力の向上をそれぞれの団体や個人が連携し、地域におきまして健康づくり、スポーツムーブメントを醸成しようとするものでございます。その中では、高齢者が地域の中で仲間とともに健康で生き生きと過ごすための教室なども取り入れていく予定でございます。 今回、任意団体による地域スポーツクラブの本格実施が効果的・効率的に指導できるよう、まず、区によるモデル事業を行うものといたしましたけれども、その柱の一つに、だれでも気軽に始められる健康づくりスポーツというものがございまして、この中で、高齢者を対象とした転倒予防教室やウオーキング教室などのメニューを取り込んでいくつもりでございます。 ○内川委員 はい、わかりました。この2年間、私も何回も質問をさせていただきました。クラブ開設に向けて費やした金額は一体幾らだったんでしょうか。22年度決算、そして23年度の現段階での執行分も含めてお答えください。 ○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 平成22年度の決算額は218万9,555円でございました。また、平成23年度予算の中から現時点までに執行した金額につきましては、493万2,956円でございます。 ○内川委員 当然、人件費も含めてということでよろしいですか。 ○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) この中には人件費は含まってございません。 ○内川委員 どちらにしても、今まで費やした金額というのは無駄になってしまうと思います。ここはきちんと反省をしていただきたいなと思っております。 結果、今回、委託業者選定にも至らず、開設ができなかったわけですけれども、一番の理由は何だったんでしょう。 ○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 今後も厳しい経済状況が続くと見込まれております中、区の直営ではなく、任意団体が柔軟に経営していく地域スポーツクラブの運営形態というものはますます有効なものであると考えてございます。しかし、直面する財政危機というこの状況の中で、できたばかりの任意団体が当初からスムーズに運営できるにはどうすればいいかと、そのスキームづくりにこれまで腐心してきたところでございます。モデル事業を行いながら、任意団体、中野区地域スポーツクラブとも連携しまして、効果的・効率的なスキームづくりを行った後、開設していきたいと思っております。 ○内川委員 ちょっと疑問に思うんですけれども、なぜ初めからこのモデル事業、これを始めなかったんでしょうか。 ○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 任意団体によります本格実施をできるだけ早期に行うことを第一に検討してきたためでございます。 ○内川委員 それと3月25日、今年度中に、取ってつけたようにキックオフイベントがされようとしております。これにかかる予算と開催理由についてお答えください。 ○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) キックオフイベントにつきましては、講師やスポーツ指導のための報償費、それからチラシ作成等含めまして、約50万円程度の支出を見込んでいるところでございます。また、キックオフイベントにつきましては、中部地域スポーツクラブとなる仲町小学校跡施設で行いますけれども、モデル事業の開始を区民に広くアピールし、その趣旨を御理解いただくために必要な事業と考え、行うものでございます。 ○内川委員 今度、四季の都市(まち)がオープンするのにイベントが行われるということで、そういったことは私も当然必要かなと思うんですけれども、モデル事業を始めるのにイベントを行うというのは、私も解せないところがございます。 それと、このモデル事業実施に向けて、あそこに任意団体があるんですけれども、事前の協議はきちんと行ったんでしょうか。 ○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 任意団体、中野区地域スポーツクラブの理事会、評議員会の中で区の考え方を御説明いたしまして、御理解いただいたものと考えてございます。 ○内川委員 今まで何回ぐらい、それ、やられましたか。 ○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 設立総会の後、直後に理事会、評議員会をそれぞれ1回ずつ開きまして、その後2回目、3回目ということでございます。 ○内川委員 今後、任意団体と区が共同でこのモデル事業を検証するという予定であるそうです。区から任意団体への単なる報告だけになってしまうのかなという危惧があるんですけれども、今後どのように任意団体との協力関係を構築するのか、できるのかお聞かせください。 ○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) あくまで平成26年度の任意団体によります本格実施に向けて、その効果的・効率的な事業のあり方を具体的に検討するため、このモデル事業を行うものでありまして、区も任意団体もそのような共通理解のもと、具体的に、例えば任意団体の役員等の選出母体である各団体に積極的に事業に加わっていただくなど、区と任意団体が密接に協力・連携しながら行ってまいりたいと考えております。 ○内川委員 それから、地域スポーツクラブの重要な役割の一つに、学校部活動の支援というのがあるんですけれども、このモデル事業と学校部活動の支援、これはかかわりがあるんでしょうか。 ○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 地域スポーツクラブが本格実施されたときの学校運動部活動の支援は、学校の放課後の時間帯に部活動の優先枠を設け、指導者による指導を行ったり、また、地域スポーツクラブの指導者を学校に派遣しまして指導することなどによりまして、安定性、継続性を持った部活動を可能にすることと考えてございます。モデル事業の中では、まず指導者の養成などの講座等を行ってまいりたいと考えてございます。 ○内川委員 この4月に中野中学校が開校いたします。大変この部活動の支援、楽しみにしておったんですけれども、具体的にちょっともう一度お答えください。 ○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 学校部活動支援のあり方を今後具体的に考えていくわけでございますけれども、まずモデル事業の中では、指導者の養成等の講座を行ってまいりたいと考えております。 ○内川委員 それから、このモデル事業の種目ですね。例えば、学校開放で団体登録されているものを想定しているんでしょうか。このオープニングで多分やるであろうフットサルやグラウンドゴルフ、野球、こういったものについてもちょっとお答えください。 ○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) モデル事業におきましては、体育館や、あるいは屋外運動広場を利用してスポーツ団体に参加していただき、その技術力や実践力を養成するとともに、本格実施における具体的課題を検討するための事業についても実施する予定でございます。この具体的な実施種目につきましては、参加する団体と協議していくことといたしますが、既に学校開放で行っている種目のほか、安全面や近隣への配慮等の面で問題のないものにつきましては、積極的に取り入れていきたいと思っております。 ○内川委員 この項の最後に、このモデル事業を2年間続けて、平成26年度に本当にこの任意団体が主体となった地域スポーツクラブは開設できるのか、御担当の自信のほどをお聞かせください。 ○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 地域スポーツクラブ構想は、これからの中野区の健康づくり、スポーツ精神の核となるものでございまして、これから2年間余りにわたるモデル事業の成果を踏まえて、平成26年度には着実なスタートを切りたいと思ってございます。 ○内川委員 ありがとうございました。 それでは、3番目の質問に移ります。中野中学校新築工事についてお伺いいたします。 中野中学校は、新築される学校として大変注目をされています。現時点では、26年4月に開校に向けて着実に準備が進められております。しかし、繰越明許となる工事案もあることから、予定どおり本当に開校できるのか、改めてお聞きをいたします。 まず、開校までの工事スケジュールについてお答えください。 ○中井子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育施設担当) 解体工事期間は平成24年4月から8月上旬まで、建築工事の工事期間につきましては、平成24年8月から平成26年3月まで、機械及び電気設備の工事期間につきましては、平成24年10月から平成26年3月まででございます。 ○内川委員 校舎ができてから、最後に校庭を整備されるということなんですけれども、これも4月までに間に合うということですか。 ○中井子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育施設担当) 校舎の供用開始につきましても、平成26年4月を予定しているところでございます。 ○内川委員 区長の御答弁で、学校を新築するには大体1校当たり約30億円という基準が示されたんですけれども、中野中は多少規模が大きいんですが、大体幾らぐらいかかるんでしょうか。 ○中井子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育施設担当) 中野中学校の建設費につきましては、37億4,700万円ほどになります。 ○内川委員 大分開きがあるんですけれども、大丈夫なのかなとは思っております。 それで一方、今後、学校建築に関しては、低コストの建築手法を取り入れるというお話ですけれども、中野中に関してはいかがでしょうか。 ○小山内経営室副参事(施設担当) 中野中学校につきましては、もう既に実施設計を終えておりますので、現時点では仕様等の変更は考えておりません。今後、改築される学校教育施設につきましては、低コスト化に向けた手法を研究し、そのようなことに向けて検討していきたいというふうに考えております。 ○内川委員 もう最後の質問にいたします。南側に隣接する拡張用地ですね。中央部防災公園の拡張用地、これの工事の完了予定が平成たしか27年ということなんですけれども、中野中の工事に何か影響ございますか。 ○石田都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 公園整備が直接建築工事に影響を及ぼすということは少ないと考えておりますが、学校との境界部分の取り扱いについて、今後、密接な調整が必要であるというふうに考えております。 ○内川委員 中野中は南側から登校できるようにたしか計画されているんですけれども、この拡張用地の工事期間中はどのようになりますか。 ○石田都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 公園拡張用地の工事に伴いまして、園路を整備するわけでございますが、園路を利用した通学路を確保するということとしております。その幅員等の具体的な設計の内容につきましては、公園工事の工事中の対応も含めまして、中学校と調整を図ってまいりたいというふうに考えております。 ○内川委員 ありがとうございました。 大分過ぎましたので、これですべての質問を終了とさせていただきます。ありがとうございました。 ○佐野委員長 以上で内川和久委員の質疑を終わります。 続きまして、次に高橋かずちか委員、質疑をお願いいたします。 ○高橋(か)委員 それでは、今回の総括質疑に際しまして、自由民主党の立場から質問をさせていただきます。 通告のとおりでございますが、3番の首都直下大地震に対する中野区の減災対策については、(1)と(2)の順番を入れかえさせていただきます。第3回定例会の私の一般質問で、こちらのユニバーサルデザインと防災関係のことは一部触れさせていただきましたけれども、今回改めて質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。 それでは、真のユニバーサルデザインにおける、まちづくりへの展開というところで、都市基盤の関係、それから福祉施策について、それから、にぎわいにつながるユニバーサルデザインという切り口で、まず質問させていただきます。時間がないので、整備等の話は割愛させていただきたいと思いますが、まず大前提として、バリアフリーというのは障害を取り除く事後対策、ユニバーサルデザインというのは、初めからそういうものを考慮した万人向けのいわゆるコンセプトといいますか、そういう形であるというところを前置きして進んでいきたいと思います。 それでは、一つ目のバリアフリー整備構想策定経過とその後の取り組みについてに進みたいと思います。 平成17年8月に出されました中野区交通バリアフリー整備構想、これによって、これを活用して具体的に過去に整備された事例というものをお示しいただきたいんですが。 ○相澤都市基盤部副参事(都市計画担当) この交通バリアフリー、中野区バリアフリーのこの構想によりまして、過去に行った例といたしましては、例えば公共交通事業者では、バリアフリー対応車両の導入を図られてございます。駅のバリアフリー化が進められてございます。また、具体的に東京メトロでは落合駅、中野富士見町駅、新中野駅にエレベーターや多機能トイレ等が設置され、中野坂上駅、中野新橋駅でもエレベーター設置等のバリアフリー工事が進められてございます。野方駅では、西武鉄道と協力しまして、駅舎の橋上化、自由通路整備を進め、エレベーター、エスカレーター等のバリアフリー工事が完了しているところでございます。 また、重点地区に指定されています新中野地区、東中野落合地区、中野地区の道路整備や歩道の段差解消工事を行い、バリアフリー化された使いやすい歩行者空間を整備しているところでございます。 ○高橋(か)委員 そうしますと、平成24年度でそうした形で具体的に展開していく内容というのはあるんでしょうか。 ○相澤都市基盤部副参事(都市計画担当) これは引き続き構想に沿いまして、各年度ごと事業、例えば私どもの所管で言いますと、東中野駅前広場整備等、そういうところで具体的に事業をやる中で進めていくものということでございます。 ○高橋(か)委員 ありがとうございます。 次に、障害福祉という切り口からお伺いをしたいと思うんですが、バリアフリー、またユニバーサルデザインという形で具体的に展開された障害福祉施策についてはどのようなものがあるか、お教えください。 ○上村健康福祉部副参事(福祉推進担当) 障害福祉という視点からということでございますけれども、健康福祉部として進めてきたソフト的な取り組みとしまして、三つほどございます。一つは、平成21年4月から中野区福祉有償運送事業助成要綱の改正ということで、この要綱を改正し、障害のある人や高齢者に対する移送サービスを実施するNPO法人への助成を充実させたということが一つ。二つ目に、平成21年10月、福祉のまちづくりのための環境整備要綱の改正を行いました。東京都福祉のまちづくり条例及び同条例施行規則の改正に伴い、建築物のユニバーサルデザインを規定する区の福祉のまちづくり環境整備要綱を改正し、整備基準等を強化したものでございます。三つ目に、平成22年3月に区ホームページにバリアフリーマップを掲載いたしました。区ホームページのリニューアルに合わせ、区内施設のバリアフリー状況を調査し、区ホームページにバリアフリーマップを公開してございます。 ○高橋(か)委員 ありがとうございます。そうしますと、先ほどのバリアフリー整備構想の理念に基づいて、福祉施策としてそういう3点を展開されたということだと思うんですけども、平成24年に新たに展開されることはあるんでしょうか。それから、ことにユニバーサルデザインという切り口で特にあるんでしょうか。 ○上村健康福祉部副参事(福祉推進担当) まず、この中野区交通バリアフリー整備構想の背景は、高齢者や障害者が積極的に社会活動に参加できるよう、社会の実現を求めておるということでございまして、それに沿って進めてきたものでございます。さらに24年度以降もこういう施策については進めてまいりたいと思います。また、この交通バリアフリー整備構想の位置付けとしまして、中野区保健福祉総合推進計画とも整合を図ることとしておりますので、この中野区保健福祉総合計画に基づき、24年度以降もバリアフリー化、ユニバーサルデザインにつきましても推進してまいりたいと考えております。 ○高橋(か)委員 その計画の中の地域福祉というところの中に、ユニバーサルデザインの現状、課題、また実現すべき理想像と来たり、目標値、主な取り組み等が挙げられておるんですけれども、そうしますと、バリアフリー構想であったり、こうしたものをさらに見直して具体的に予算の中に上げていくというところまでは至っていないというところでよろしいんでしょうか。 ○上村健康福祉部副参事(福祉推進担当) 現在策定しております保健福祉総合推進計画2012(案)のユニバーサルデザインの項におきましては、次のような4点を24年度以降推進することとしてございます。一つは中野駅周辺におけるユニバーサルデザインに基づく施設整備、二つ目に駅周辺道路などのバリアフリー化、三つ目に区有施設のバリアフリー化の推進、四つ目に安全で歩きやすい歩道空間の確保などについて推進していく予定でございます。 ○高橋(か)委員 ありがとうございます。 それでは、同じ形でユニバーサルデザインの中での活性化の関係のほうに移りたいと思いますが、中野区で今、駅を中心に、もう今さら言うまでもありませんけれども、新しい展開が進んでいると。こういう中で、集客交流であったり、回遊性、こうした必須のキーワードがあると思うんですけれども、そこには老若男女であったり、障害者や健常者、すべてが自由に行ける、こうしたことが必要である。いわゆるユニバーサルデザインの大原則であると思うんですけども、一番大切なのが、1人でも行けるというところ、介助なしに1人でも行けるというところが一番大切だと思っております。区長の施政方針説明でも、プラチナ社会と述べられている中でも、「みずからの意思で」という文言が入っておりまして、まさにそこにつながっていくんだと思っておりますけれども、このような認識の中で質問したいと思います。 中野駅周辺整備や、こうした区内基盤整備事業の中で、ユニバーサルデザインというものが具体的に展開された事例というのはあるんでしょうか。 ○相澤都市基盤部副参事(都市計画担当) 基盤整備事業では、移動円滑化整備ガイドライン、また東京都の福祉のまちづくり条例、施設整備マニュアルなどに基づきまして整備を進めてございます。都市計画担当で所管している東中野西口整備でございますが、連絡通路、誘導ブロック設置、スロープ、これはガイドラインに基づきまして一定の勾配をしてございます。また、ノンスリップタイルを使用しておりまして、また今後整備予定の駅広場では、バス、タクシー乗り場へ連続した上屋の整備、身体障害者用の駐車スペースの設置を計画してございます。 ユニバーサルデザインの取り組みにつきましては、今後とも関係機関と調整の上、進めてまいりたいと思ってございます。 また、野方駅でございますが、あかずの踏切対策として、北口改札を出まして、エレベーター、エスカレーターの整備された自由通路を設置し、多機能トイレを設置し、バリアフリー化を図ったところでございます。 ○高橋(か)委員 ありがとうございます。 今回、予算の総括質疑に当たりまして、私が安全をベースに活力につながるというところで、まさにこの駅周辺のユニバーサルデザインというのが成功の一番大切なポイントでもあるなというふうに認識しておりまして、そうした中で、それぞれどう各部局が展開していくのかというのを勉強したいと思いまして、予算書を見てまいったんですけども、確かに今、基盤整備としてバリアフリー構想がある。また、福祉施策として具体的な対応をもう既にされている。これはもうありがたいことですし、施策として間違っていないと思っております。また、にぎわいでも今のお話のとおり、これからの駅周辺や新しい基盤整備展開に展開をしていくというところはわかるんですけども、予算書に書いてあるんですけど、ユニバーサルデザインとかバリアフリーというものを具体的に展開していくものが見当たらないんですね。もちろん基盤整備の中に盛り込んでいるんでしょうし、委託したらその委託先にというのはあるんですけども、今一番大事だなと思っているのが、区サイドの意気込みというと言い方が抽象的で、行政用語じゃないんでしょうけども、まちづくりにつながる理念というものがわかりづらくなっている。 そんな中で中野区が発信すべきものに、私はこのユニバーサルデザイン、バリアフリーを進めたものがあるんじゃないかなというふうに思っています。業務・商業集積、人を呼び込むまち、回遊性、これ、すべてそのプラチナ社会につながるまちづくりの理念につながるものというところで、ちょっとお聞きしたいことがあるんですが、ユニバーサルデザインという言葉、この実践を、いわゆるチャリティーというか、障害者の福祉サービスという、行政サービスというとらえ方からもうそろそろ脱却していただいて――もちろん皆さんのお考えのとおりなんでしょうけど、活性化、いわゆる経済活動としては、もうかるために当然必要なかけるべき経費であるという認識のもとに、行政の次世代戦略に位置付けて展開していただきたい。これは要望なんですけども、区のお考えはいかがでしょうか。 ○横山都市政策推進室副参事(産業・都市振興担当) 今、委員からいろいろお話をいただきましたユニバーサルデザイン、これの普及でございますが、ユビキタス社会を実現していく一要素というふうにもなることでございますし、来街者が実際に物理的に来やすくなるといったことも含めまして、中野の魅力の一つというふうに考えられるというふうに思ってございます。今後、にぎわい創出や地域商業振興などにも貢献するよう、経済活性化の方策としても位置付けていけるよう検討してまいりたいというふうに思ってございます。 ○高橋(か)委員 それでは、このユニバーサルデザインの中での4番目の企画・設計段階での反映、推進部署というところに移りたいと思いますが、具体的にユニバーサルデザインを展開していくときに、一般質問でも述べましたけれども、いわゆるバイブルと言われている東京都の福祉のまちづくり条例に基づきます施設整備マニュアルというのがあります。要は、ここに書いてある数字を図面上、机上で当てはめていくことが果たしてユニバーサルデザインの実践なのかというところを私は問いたいと思っていまして、その企画段階から取り組まなければ意味ありませんし、完成後に手直しではコストはかかるし、結局、利用されないというのが最悪のユニバーサルデザインでありまして、こうしたマニュアルをさらに踏み込む、実際に利用されるための推進が必要だと考えます。 そこで、中野駅周辺整備を中心としたこの次世代型のユニバーサルデザインを推進するために、企画段階、設計段階から導入するために、障害者団体でも社会で活躍するといいますか、勤労者を中心とした障害者団体もありまして、あるいはユニバーサルデザインのいろんなコンサルとかの専門家もあると思うんですけれども、そうしたところをアドバイスを取り入れたり、あるいは一緒に現場を踏査するとか、そういう形で専門家の意見を反映して実践に進めていくということが必要であると思いますけれども、どのようにお考えでしょうか。 ○松前都市政策推進室副参事(中野駅周辺まちづくり担当) 中野駅周辺のまちづくりで申し上げますと、区民や民間事業者、あるいは行政共通の指針となるべく、今、グランドデザインVer.3を検討しているところです。その策定に当たりましては、幅広い意見を伺うこととして、中野駅周辺まちづくり推進会議を設置しております。その委員の中には、福祉団体連合会からも委員として御参加をいただいているところです。ユニバーサルデザインやバリアフリーのまちづくりの御意見をちょうだいしておりまして、今後のグランドデザインの検討、あるいは具体的なまちづくりの中にもこれらを生かしていきたいというふうに考えております。 ○高橋(か)委員 私が申し上げたニュアンスが若干違っていまして、中野区にある福祉団体連合会という団体、私も承知しておりまして、もちろんそうした団体の声を聞くというのはまず大前提なんでしょうけども、私が言いたいのは、さらに一歩進めた新しい、要は、インフラ、あるいはユニバーサルデザインをきちっと整備してさえくれれば、おれらは自由に動き回って、仕事も商売もお金も稼ぐんだよ、税金を落とすんだよ、そういう経済活動に積極的な社会的ステータスのある人たちも大勢いらっしゃるんですね。そういう人たちというのは、環境、インフラが整備されればそこを利用しますし、リピーターになれる。お金の落とす量も半端じゃありませんし、独自の全国ネットのネットワークも持っている。有名人もいるし、海外とのチャンネルもある。この四季の都市(まち)が新しく業務展開、商業展開していく中で、ぜひその、バリアフリーというと、ある一つの障害者団体連合会、そういうことじゃなくて、新たな、あるいは外国の、海外、欧米の障害者団体を呼んで意見を聞くとか、もう一つ脱皮していただければ、にぎわい・活性化の本当の現実味を帯びているところにつながるんじゃないかと思います。 それでは、確かに、今お話のあったグランドデザインVer.3とか、区の書類、あるいは各部局の事業説明の書類とかにも、スポーツ関係であったり、基盤整備であったり、ありとあらゆるところにユニバーサルデザインという言葉が、もちろんVer.3もそうですけど、ちりばめられてはいるんですけども、具体的にどう展開するのかというのがわからない。本当に検証が必要だと思いますし、10年後、20年後に利用できるものじゃないといけないと思っています。 そこで、きちっとそれがないと、幾ら駅周辺のまちができ上がったとしても、例えば、仮の話が出ましたけど、JRビルができたともし仮にしたら、ユニバーサルデザインで駅を中心に中野通りを挟んだ東西南北がきちっと回遊性が本当にですね、いわゆる図面上やコンセプト上ではなくて、現場へ行って本当になっていないと、駅ビルにみんな行っちゃうと思うんですね。地域商店街に人を呼び込むためには、現実的にユニバーサルデザインが実現されなければいけないと思います。 それに、中野は交通の便がいいというのは売りなんですけども、逆に言えば、回遊性がきちっとしていないと、JRに乗ってほかのところへ行ってしまうという危険もあるわけで、ぜひその辺、もう中野の勝負だと思って考えていただきたいと思っています。 区の次世代戦略を、この理念を実現させるために、私は区内の全部署に、このユニバーサルデザインの課を置けとまでは言わないんですけども、ユニバーサルデザインの担当を置くべきだと考えています。そして、区長部局のところに総合調整部門を置いて、各部局との横断的な調整であったり、企画戦略であったり、そうしたものをぜひ置いていただきたい。それで、大体そうすると啓蒙活動で終わっちゃうんですね。あるいは、何かイベントをやったときのイベントの事務局で終わっちゃうので、これからぜひ、駅開発で大企業が来ますし、そうした企業にはもちろん、グローバル企業ですから、外資系の人間もいるし、そうした人たちの反応であったり、アピールであったり、また大学、外国系といいますか、国際的な部局の大学も来ますし、そうした人たちのところは、外国人の人たちがふえてくると、当然サイン計画とかも出てくるわけで、そうすると区役所の窓口部門、届け出、あるいは納税というか、収納担当のところにもユニバーサルデザインを生かさなければいけないでしょうし、ぜひ全庁的な総合調整部門をつくっていただければと思っています。 時間がないのであれなんですけど(「だめだよ。答弁求めないと」と呼ぶ者あり)はい。それで、四季の都市(まち)が立ち上がるこのときには、ぜひこのユニバーサルデザインの積極推進を期待したいと思いますけども、ここで区長の御見解を聞かせていただけるとありがたいと思います。 ○田中区長 この何年か、区のいろんな部署でいろんな仕事をしている中で、ユニバーサルデザインということは基本的に意識をされている、意識をしてやってきているとは思っておりますけれども、なかなか、実際には区民の皆さんや議員の皆さん、他から見た場合に、いかにも中途半端だなと、言うことは言うけども、現実にはどうなんだろうと、こういう印象じゃないかということは私、否めないんじゃないかなと、こんなふうに思っております。 窓口のつけ方、あるいはホームページだとか印刷物だとか、そういったようなもの一つとっても、ユニバーサルデザインというのはありますけれども、そのユニバーサルデザインにしていくために、一つひとつバリアフリーの取り組みをしていくというようなことをたくさん積み重ねなければ、やっていかなければいけないということがあるというふうに思いますけれども、このユニバーサルデザインということを大きく推進したり展開したり、大きく意識づけしていくということを考えていくと、やはり中野駅周辺のまちづくりであるとか、西武新宿線の沿線のまちづくりであるとか、大きなまちづくりをするときこそ、本当のユニバーサルデザインということが手がつけられるようになっていくと。それがまた本当に、まちに来た方が目を見張って、ああ、中野ってすごいなというふうに思っていただけるような、印象も、また実際の利用勝手もよくなっていくということにつながっていくと思っておりますので、本当に今の時期にきちんとユニバーサルデザインに向き合った取り組みというものをしていかなければいけないと、こういうふうに思っているところでございます。 ○高橋(か)委員 ありがとうございました。非常に心強いお話をいただいたと思っています。 部局の方々、面倒くさがらずに、区のためになるプラス思考でぜひ積極展開をしていただきたいと思います。 最後に、この項の締めとして、私のつたない経験談を三つお話ししたいと思います。時間がないんですけど、どうしてもこれは言いたいので、お時間をいただきたいと思います。 私、結構病気したり、けがしたりして入院しているんですけども、例えば、手術した後に車いすで看護師さんが病院の中を連れて回してくれるんですね。そうすると、非常に快適で楽で、どこも行けてありがたいなと思うんです。これは多分バリアフリーの世界だと思うんですね。だんだん元気が出てきて、今度は自分で行こうと思ったときに、やっぱり今まで押してもらったら行けたところが、自分じゃ行けないとか、ちょっとしたものがあって入れない。そうなってくると、行くのが面倒くさくなって行かなくなるわけですね。こういうのを解消するのがユニバーサルデザインじゃないかなと思っています。 実は数年前、区役所からサンプラザ、それから、今はもう整備されてあれですけど、囲町公園から警察病院というのを車いすで実際歩いてみました。そうすると、ちょっと今、写真データが捜して見つからなかったんですけど、道路にバリアフリー、あるいは、たしか、この道路はユニバーサルデザイン道路ですというようなペインティングがしてあるんですね。その車いすの人と一緒に行ったんですけども、実際行ってみると、スロープをつけてあるだけで、傾斜がきつくて、なかなか普通のお年寄りの車いすで1人で上がれないとか、あるいは、ちょっと雨が降ってぬれていると、点字ブロックがあって滑っちゃう、あるいは振動で足が外れてけがしちゃう、あるいは雨のために、雨の対策で少し傾斜をつけているものだから、どんどん車道のほうへ車いすが流れていっちゃう。結局その人の結論は、これ、使えないよ、ここには僕、来ないよと、こういう結論になったんです。ですから、一つずつ、区長のおっしゃるようにやっていく中で、新しい声、意見を聞きながらやっていただければと思います。 巣鴨のとげぬき地蔵に私、行ってまいりましたけども、決して新しい施設をつくったわけでも、アーケードをつくったわけでもないんですけど、各個店、店一つずつに、その店が板を敷いて、完全にバリアをなくしているんですね。もちろんプロが施工したんでしょうけども、施設整備じゃないですね。あれは緑色の鉄板が敷いてあるだけですから。でも、それが商店街全部が、各店各店全部やっていて、結果的につえをついたお年寄りの人が自由に出入りして、乳母車のバギーの人も出入りしているし、健常者、若い人たちも出入りしている。これはユニバーサルデザインの一番の成功例じゃないかなと思って紹介をさせていただきました。ありがとうございました。 それでは、次に、私、ユニバーサルデザインという位置付けで載せてありますけども、アール・ブリュットの支援について少しお話ししたいと思います。 アール・ブリュット文化というのは、もうこの一般質問で甲田議員が説明されましたので、説明は省略させていただきますけれども、私はこれに賛同します。甲田委員のヨーロッパ展開の支援ということについて賛同するとともに、ユニバーサルデザインというとらえ方でもしておりまして、こうした美術を身近な空間に用意して、そこからつくっていくということが非常に垣根のない社会、まちづくり、いわゆるソーシャルインクルージョンといいますか、社会的包容力と訳されているこのまちづくりに資するものだと思って、つなげていきたいと思っております。 このアール・ブリュット文化を四季の都市(まち)に中野駅周辺から発信していくということ、いわゆるにぎわい、数多くの人たちが出入りする日常のこの業務・商業・文化集積と言われているここでそれを展開することが、わざわざ美術館でやることじゃなくて、健常者の心に触れる一番いい事例であると思っていまして、そこで質問をいたします。 区では今まで区役所、区有施設等いろんなところで、後援という形でしてまいりましたけども、その継続とともに、中野駅周辺四季の都市(まち)、森、こうした新しい施設展開の中でもさらに積極的にサポートをしていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。 ○滝瀬都市政策推進室副参事(にぎわい・文化担当) 区はこれまで、まち活性化でございますとか、にぎわい創出といった観点から、例えば区内商店街におけますアール・ブリュット展示でございますとか、さまざまイベントや文化・芸術等に対しまして、区の基準に基づきまして後援をしてきたといった状況でございます。今後も、御案内のようなアール・ブリュットを含めました中野の個性的な魅力ある文化・芸術につきまして、御支援申し上げていきたいと考えてございます。 ○高橋(か)委員 先ほどから申し上げたとおり、まさに多くの企業、グローバル企業、また学生さんや新しい会社がふえる中で、またヨーロッパ巡回展というところに目を向けても、ぜひ中野区内での後方支援であったり、区でできる、中野区が区内でできるサポートというものをぜひ考えていただきたいと。これは結果的にアール・ブリュットが中野の文化だというところを位置付けられるように、これからオランダから始まってヨーロッパ各国に巡回展が何年かにかけて回っていくということですので、事務局が中野のある社会福祉団体が進めていくということで、どうも話を聞いてみますと、外国の向こうの窓口は、アール・ブリュットの窓口としてその社会福祉法人がやりとりしていると、中野というところにどうもつながっていくようでありまして、ぜひその中野のいわゆるシティプロモーションにもつながっていくと思いますので、このブランドというイメージをユニバーサルデザインとともに、ハード・ソフト両面から進めていただければと思っています。 駅周辺、こうしたところに個性豊かな、あるいはヨーロッパ展にどこまで後援というか、サポートできるかは別ですけども、新しい来街者――来街者というよりも、新しく加わってくる地域住民にもさらに積極的に発信していただきたいと思いますけども、いかがでしょうか。 ○滝瀬都市政策推進室副参事(にぎわい・文化担当) アール・ブリュットを含めましたさまざまな中野の個性的な魅力ある文化や芸術の御支援といったものは非常に重要であると認識してございます。こういった後援や支援を通じまして、個性豊かな文化発信拠点としての中野、こういったものを発信していきまして、シティプロモーションとなるよう取り組んでいきたい、このように考えてございます。 ○高橋(か)委員 ありがとうございました。 それでは、3番目のパーキングパーミット制度についてというその他の項目ですが、これはきょう時間がございませんので、割愛させていただきます。民の力で障害者の駐車スペースをタグをぶら下げて展開していくという、佐賀県で積極的に推進している制度でありまして、身体障害者駐車場に無断に車をとめることがなくなったりとか、シティセールスにもつながったり、活性化にもつながるという事例がありますので、紹介をさせていただいて、次のどこかの私の一般質問の機会でさせていただきたいと思います。 それでは、3番目の首都直下大地震に対する減災対策について進みます。順番を入れかえて、(2)の地域防災計画策定における被害想定と復興計画を加味した減災戦略についてというところでございます。 首都直下というこの被害想定は、昨今のニュースですと震度6強から7というところで、総括質疑でも話が出ましたけれども、見直されるということになりましたけども、予算では、地域防災計画の修正費で80万かかります。現在、区が進めている中野区の地域防災計画の改定作業、これにどういう影響があるのか。スケジュールが変わるのか、また、想定見直しに対して区はどういう考えでこれに臨んでいくのか。現在、都がもうすぐ発表しようとしている被害想定を含めてお示しをいただきたいと思います。 ○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 東京都の地域防災計画、これにつきましては、当初、夏ごろというようなお話もありましたが、ことしの秋ごろに修正される予定と聞いております。中野区の地域防災計画の修正につきましては、区の防災会議等での協議検討を行いまして、区の修正内容を踏まえまして、来年度内に修正を行いたいというふうに考えております。また、国のほうも被害想定を見直すというようなお話を聞いております。それに基づきます国の防災基本計画の修正は平成25年度に行われる予定であるというふうに聞いております。 しかしながら、東京都は東京都の出す被害想定に基づいて、ことしの秋、先ほど申しましたことしの秋に地域防災計画を見直すこととしていると聞いております。被害想定につきましては、国の見直し内容を踏まえまして、再度見直しをするという可能性もあるとのことでございます。 区としましては、予定どおり平成24年度内に地域防災計画の修正を行いまして、25年度以降、国や都の動向でまた改めて必要が生じた場合には、再度の見直しを行っていくという予定でございます。 ○高橋(か)委員 確認ですが、常にリニューアルをしていくということでよろしいんですね。秋以降については。 ○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 地域防災計画、常に必要に応じて検討を行いまして、見直しを行っていくということでございます。 ○高橋(か)委員 ぜひお願いいたします。 それでは、この地域防災計画改定版の平成23、今まさに改定をしているところなんですけども、その改定に向けて、今の現時点での最新版、23年修正版についてお伺いします。ここには復興計画の重要性というのが位置付けられておりまして、この防災計画によれば、復興の初動体制確立に際して、発災直後から1週間の間に復興計画をきちっと進めていく、こういうふうになります。ここで具体的な発災直後の非常に大変な時期ではありますけども、阪神・淡路大震災でも、5日後には隠密裏に役所の服を脱ぎ捨てて一般人の顔をして被害調査に走り、復興計画を立ち上げてきたと。それが今の復興につながっているという話を聞いておりますけれども、この復興計画を立ち上げる部局の仕事の中に、避難所の開設運営、それから救援・救護活動の実施、応急仮設住宅の建設というのが一緒に含まれちゃっているんですけども、これ、復興計画の立案部隊と実践部隊とを分けないと物理的にとても不可能であると考えるんですが、いかがでしょうか。 ○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 災害発生当初、区では災害対策本部を設置いたしまして、区民の生命・身体・財産の被害を最小限にするために、応急対策業務に全力を挙げて取り組むということになっております。その後、状況に応じまして災害対策本部体制を変更・縮小等いたしまして、復旧・復興業務や継続性の高い通常業務等に取り組んでいくというような流れになるかと思います。その際に、優先順位等を十分に踏まえた上で、それぞれの業務に必要な人員等を配置、配分していきたいと考えております。 ○高橋(か)委員 24年度予算では地域防災の推進として、地域防災力の向上のための防災意識普及啓発や、地域防災組織活動支援、また防災訓練支援、総合防災訓練などで1,750万円もの予算計上されておりますけれども、今のこうした優先順位、被害想定を加味した優先順位をつけて、復興まちづくりを事前に準備していくということが行政主導で取り組むことが重要であると思いますけれども、そのためには地域の参加も不可欠であると考えております。事前震災復興訓練の実施が非常に重要ではないかなと思うんですけれども、こうした被害想定をもとに地区ごとで復興まちづくりを見据えて、平時の今からその事前の震災復興訓練というものを実施する考え方、区はどのように考えていらっしゃるんでしょうか。また、今までにやった実績があるのか、お聞かせください。 ○相澤都市基盤部副参事(都市計画担当) 復興まちづくり、これは平常時からの地区の防災性を向上させるまちづくりの延長上にあるというふうに考えてございます。復興まちづくりの事前訓練を行うことは重要なことであると認識しており、毎年職員を、東京都が主催する震災復興模擬訓練に派遣し、具体的手法を学ばせているところでございます。現在、御指摘のような具体的な取り組みという例はございませんが、今後はそうした訓練参加で得た訓練手法なども踏まえて、区や地域、地域医療などを巻き込んだ訓練の実施のあり方などについて研究してまいりたいというふうに考えてございます。 ○高橋(か)委員 被害想定のもとに、この地区が一番危ないから、皆さんやりましょうと、そんなことはとても言えないと思うんですけども、ぜひ行政マンが得た知識を防災講習のような形で出すとか、そこでたまたままちづくりを一緒に考えましょうといったところに、その被害想定を加味した復興、いわゆる机上訓練のようなことなりをぜひ進めていただきたいと思うんですが、こうした復興まちづくり、震災復興まちづくりに専門家、いわゆる都市計画担当であったり、防災担当であったり、まちづくりの専門家を参画させることで、万が一の発災の後の、もうぐちゃぐちゃになったまちを復興させるときの、いわゆる支援確保、協力というんですか、東日本大震災のいろんなマスコミのレポートを見ていても、大御所と言われるような学者さんだったりがすごく重要な役割を果たしていると思うんですけども、事前にそういう人を、つばをつけておくと言うと言い方は変ですけども、そういうものを進めていくというのも有効であると思うんですが、いかがでしょうか。 ○相澤都市基盤部副参事(都市計画担当) 復興まちづくりに関しましては、御指摘のように専門家の支援なども得ながら進めていくことが重要であるというふうに考えてございます。平常時から防災まちづくり、地区のまちづくりを進めるに当たって、専門家を参加させることは必要なことと考えてございます。区では、地区まちづくり条例に基づいて必要な支援をしていきたいというふうに考えてございます。 ○高橋(か)委員 それでは、次の、最初の1番の項目の建替え促進策についてお聞きします。 平成24年度予算において耐震化促進に2億9,200万円、地域まちづくり関連では2,890万円が計上されていますけれども、震災時における中野区の都市基盤の脆弱さというのは皆さん御承知のとおりだと思うんですけども、この被害想定から戦略を立てなきゃいけないという中で、阪神・淡路大震災がやはり一番参考例になると思うんですけども、6,300人以上の方の犠牲者のいろんなデータを見ると、建物倒壊が何といっても9割を超える形で多くて、そこから起因する火災というものもあるということを考えると、何によっても建物倒壊を防ぐ。耐震化というところがまずイメージが出てくると思うんですけども、この建てかえ促進策についてですけれども、平成23年10月に中野区地区まちづくり条例というのが具体的に進んでおります。こうした全体で地域に網をかけてやっていこうということだと思うんですが、中野の、都が発行している危険度を見てみると、実は城東・湾岸エリアのような建物倒壊のダメージのデータよりも、火災のダメージのデータのほうが多いというところがデータで出ております。これ、地盤が強いという中野の強みの結果だと思うんですけども、逆に言うと、耐震化というところはもちろん進めていくとしても、不燃化であったりしたものにも、燃えないまちをもっともっとイメージして進めていかなきゃいけないんじゃないかなと思いまして、この中野区地区まちづくり条例というのが昨年10月に施行されましたけども、具体的に計画が進んでいる地区はあるんでしょうか。 ○田中都市基盤部副参事(地域まちづくり担当) 中野区地区まちづくり条例に関しましては、23年の10月以降、まちづくり活動団体の登録、あるいは専門家派遣に関して数件御相談をいただいているところでございますけれども、現在のところ、この条例に基づきまして具体的な計画を進めている地区はございません。 ○高橋(か)委員 それは、エリアをもっともっと絞っていくと具体的なものにつながっていくんじゃないかなというのは、私の個人的な考えなんですが、これは後ほどまた質問させていただきたいと思います。 先ほど私が申し上げた被害想定の関係ですけども、区において、建物倒壊危険度よりも火災危険度のほうが深刻であるという、このことを区はどのようにお考えでしょう。 ○田中都市基盤部副参事(地域まちづくり担当) 平成18年、東京都が公表しました首都直下地震による東京の被害想定報告書によりますと、東京湾北部地震によりまして、中野区では、条件いろいろございますけれども、条件によりましては、建物倒壊が約2,000棟、建物焼失が約2万棟に及ぶというふうな試算が出ております。極めて甚大な被害が想定されているということだと思います。中野区におきましては、燃えないまち、あるいは倒れないまち、さらには安全に避難できるまちの実現といったことが大きな課題であるというふうに考えております。 ○高橋(か)委員 震災時の大火災で最も有効なのは、先ほどちょっと触れました建物の不燃化と延焼遮断帯としての道路や空地の整備、その実現のためには、小さな区画での建てかえ誘導が必須であると考えていますけども、例えばまちづくり条例において、それをさらに小さくする。そして、危険度の高い減災推進地区等という形に指定して、個別建てかえに際しては不燃化や耐震化、あるいは道路拡幅とか空地確保というような、震災時に減災上貢献するような指標をつくっていただいて、この基準を満たせば容積割り増し、斜線制限緩和とかの大幅な建てかえのインセンティブにつながるような形を推進するということが非常に有効であると私は考えますけれども、区の見解はいかがでしょう。 ○田中都市基盤部副参事(地域まちづくり担当) まちづくり条例の面積ということでございました。都市計画法で都市計画の提案制度は、5,000平方メートル以上というふうに規定をしているところですけれども、地区まちづくり条例の中で、区長が特に必要があると認める場合には、おおむね1街区に相当する3,000平方メートルに緩和できると、そういった規定を設けているところでございます。御提案の面積要件のさらなる緩和につきましては、今後の条例の運用状況を見ながら必要性を確認していきたいと思ってございます。 それから、もう1点でございますけれども、災害危険度の高い地区というのは、やはりいろいろな防災上の課題を抱えておりますので、区としましても、首都直下地震の切迫性ということを踏まえますと、木密地域の建てかえ、不燃化の促進が必要だというふうに考えております。ただ、委員御指摘のような、今、区で何がしかの地区指定を区が行って、さらに建てかえ基準をつくると。それだけで制限緩和を行うということは現行法上困難であるということでございます。街並み誘導型地区計画等のような法に基づくまちづくりのルールの導入が必要であるということであります。そういった制度を活用できますと、建てかえに対するインセンティブとなりますので、建てかえ促進につながるのではないかというふうにも思いますので、地区の特性ですとか、地区の皆さんの意向などを十分に踏まえながら検討をしていく必要があるというふうに思ってございます。 ○高橋(か)委員 ありがとうございます。3,000平米という、区長の判断でとなりますけども、先ほどの数件相談があるというところにとどまっているのは、やはり面積が大き過ぎて、とても民間で調整し切れるエリアではないと思うんですね。今おっしゃるとおり、法的に用途・容積緩和というものがスポット的に基礎的自治体でできづらいというところであると、地区計画であったり、都が進めている不燃化事業であったり、網をかけなきゃいけないと思うんですけども、その網がけの中で被災ゾーンを決めて、想定の厳しいところを決めて、そこに個別の、先に先行発進していくような機動性のある防災まちづくりができないかというのを、都の関係部局ともぜひ進めていただいて、東京都も何といっても中野は防災上危険だという認識はあるはずですので、具体的な展開がいくように、ぜひ調整を進めていただければと思います。答弁は結構であります。 最後に、こうしたにぎわい・活性化がつながる新しい展開、そのベースに、何といっても生命・財産を守る安全というものは必須だと思っておりまして、区長の御見解を最後にお聞きしたいと思います。 ○田中区長 本当にまちづくりの一番守るべき基本というのが安全・安心のまちづくりだというふうに思っております。先ほどの減災のお話も、減災復興まちづくりのお話もありましたけれども、阪神・淡路の例などでも、事前に復興計画に取り組んでいた地域では、実際に災害が起きた後の復興の動きがほかの地区に比べてうんと早かったというようなことを、専門家からも聞いたりしているところであります。区として、これまでなかなか進まない防災のまちづくりですけれども、さまざまな工夫を凝らしながら積極的に進めていきたいと、こう思っております。 ○高橋(か)委員 ありがとうございました。 以上で私のすべての質問を終わります。ありがとうございました。 ○佐野委員長 5時前でございますけど、以上で本日6名予定させていただきました質疑者全部終わりました。 以上で本日の総括質疑を終了いたします。 次回の委員会は、3月1日(木曜日)午前10時から当委員会室において開会することを口頭をもって通告します。 以上で本日の予算特別委員会を散会いたします。 午後4時53分散会 |