平成16年02月24日中野区議会本会議(第1回定例会)
平成16年02月24日中野区議会本会議(第1回定例会)の会議録
平成16年第1回定例会本会議第3日(2月24日)
1.平成16年(2004年)2月24日、中野区議会議事堂において開会された。
1.出席議員(41名)
1番  いでい   良   輔 2番  伊  東  しんじ
3番  佐  野  れいじ 4番  北  原  奉  昭
5番  久  保  り  か 6番  酒  井  たくや
7番  奥  田  けんじ 8番  近  藤  さえ子
9番  小  堤     勇 10番  大  内  しんご
11番  伊  藤  正  信  12番  きたごう  秀  文
13番  高  橋  ちあき 14番  高  倉  良  生
15番  やながわ  妙  子 16番  平  島  好  人
17番  むとう   有  子 18番  はっとり  幸  子
19番  長  沢  和  彦 20番  か  せ  次  郎
21番  山  崎  芳 夫  22番  小  串  まさのり
23番  若  林  ふくぞう 24番  市  川  みのる
25番  岡  本  いさお 26番  こしみず  敏  明
27番  飯  島  きんいち 28番  佐  伯  利  昭
29番  佐  藤  ひろ子 30番  来  住  和  行
31番  岩  永  しほ子 33番  柿  沼  秀  光
34番  伊  藤  岩  男 35番  斉  藤  金  造
36番  大  泉  正  勝 37番  斉  藤  高  輝
38番  江  口  済三郎 39番  藤  本  やすたみ
40番  昆     まさ子 41番  江  田  とおる
42番  池  田  一  雄
 1.欠席議員
 32番  篠     国  昭
1.出席説明員
中野区長 田中 大輔
助役 内田 司郎
収入役 山岸 隆一
教育長 沼口 昌弘
区長室長 金野  晃
総務部長 石神 正義
区民部長 本橋 一夫
地域センター部長 柳澤 一平
環境部長 寺部 守芳
保健福祉部長 菅野 泰一
保健所長 清水裕幸
都市整備部長 石井正行
まちづくり調整担当部長 那須井 幸一
教育委員会事務局次長 山下 清超
政策担当課長 鈴木 由美子
総務課長 田辺 裕子
1.本会の書記は下記のとおりである。
事務局長 正木 洋介
事務局次長 飯塚 太郎
議事調査担当係長 大谷 良二
書  記 黒田 佳代子
書  記 巣山 和孝
書  記 永田 純一
書  記 長崎 武史
書  記 荒井  勉
書  記 西田  健
書  記 岩浅 英樹
書  記 鳥居  誠
書  記 佐藤 雅俊
書  記 松本 桂治
書  記 吉田 哲郎
 
 議事日程(平成16年(2004年)2月24日午後1時開議)
日程第1 第6号議案 平成16年度中野区一般会計予算
 
      午後1時01分開議
○議長(山崎芳夫) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。
 本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。
 昨日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。
 
 中野区議会議員 伊 東 しんじ
 1 中野のまちの将来像について
  (1)にぎわいと環境の共生について
  (2)道路整備について
  (3)予算案に見られる投資的経費枠配分について
  (4)その他
 2 住基カードの活用について
  (1)災害時避難者登録と情報発信について
  (2)その他
 3 ゴミ収集・資源回収について
 4 駅周辺自転車駐車場整備について
 5 その他
 
○議長(山崎芳夫) 最初に、伊東しんじ議員。
     〔伊東しんじ議員登壇〕
○2番(伊東しんじ) 2004年、第1回定例会に当たりTOKYO自民党中野区議団の立場より、一般質問をさせていただきます。
 初めに、中野のまちの将来像についてお伺いいたします。
 田中区長におかれては就任後2年を経過しようとしていますが、この間、行財政の改革に力を傾注してこられました。しかし、一方で、都市計画・都市整備についての取り組みに力強さを感じられません。
 さきの施政方針説明においても、まちの将来像については、間近に迫る施策である中野駅周辺まちづくり、(仮称)北部防災公園の整備や西武新宿線の連続立体交差化への取り組み、耐震支援策については触れられていますが、中野のまちの全体像、将来像については人材、保健福祉、地球環境、経済・財政基盤などのさまざまな要素が適切に作用し合い持続可能で活力ある中野のまちをつくるとしています。まちの構造、都市計画にまで踏み込んだ説明はございませんでした。
 国政の場では三位一体改革の議論のさなかであり、将来において自治体の財源、権限移譲の見通しが立たない状況の下におかれましては、そのようなことはしようがないのかもしれませんけれども、また、区は審議会、ワークショップ、プロジェクトチームがさまざまな側面から10年後の中野の将来像を考え、基本構想の策定に取り組んでいるところです。
 しかし、都市計画、都市整備という視点からすると、10年というスパンは非常に短いと言えます。例えば、策定中の「(仮称)新しい中野をつくる10か年計画」において示されるであろう施設配置のあり方においても、建てかえを要する建物の耐用年数は50年が予想されます。このことからも50年程度のスパンによる目標が必要と考えます。
 同様に、基本構想づくりの5本の柱である、21世紀の課題への対応を考えてもこのことは必要かと考えております。
 確かに過去50年の激しい変革の高度成長の時代を振り返ると、この先50年を語ることははばかられるかもしれません。技術革新の速さからしても50年は長いかもしれません。しかし、時代は推移し高度成長から安定成長、持続型成長へと成長の流れは推移しています。
 都市計画においては抱える課題を明確にし、50年程度のスパンで、人口密度、人口構成、産業構造、交通体系、土地利用といった目標を設定し、その目標に向け10年単位で到達点を設け、到達点に向け都市計画、都市整備手法を講じ、この先いかにして安定した区政を維持していくことが大切かということを自治体としては考えるのが責務ではないでしょうか。
 中野の実勢では、年齢構成別人口比率をいえば、20代の若者が20%と高く、23区平均に比べ約3ポイント、都平均に比べても1.5ポイント高くなっております。また、70歳以上が平均より若干高く、逆に45歳から69歳、19歳以下は平均より低くなっております。要するに少子高齢化並びに生産性の高い世代の少ない人口構成になっております。
 また、別の側面から中野を見ると、人口密度、狭隘道路率は23区でトップクラス、住宅面積は下位を低迷し、木造賃貸住宅が多くを占めていますし、緑被率、公園面積も23区平均を大きく下回っております。
 これらのデータから考察すると、狭くて安い家賃のアパートの存在と中野の交通至便性、生活利便性とがあいまって、20代、30代の単身者の多さにつながっております。このことはある意味では中野の活力につながっていると考えられますが、果たして税収増に寄与しているかどうかは疑問です。そして、彼らも結婚あるいはある程度の収入が得られるようになると中野を離れてしまいます。なぜでしょう。手ごろな広さ、家賃の住宅の少なさ、公園や緑が少なく、子育てに向かないまちの構造からではないでしょうか。
 これらの課題は、既に都市計画マスタープラン、緑の基本計画、住宅マスタープランでも挙げられ、その課題を踏まえた上で目指すべき目標、中野の将来像が示されています。
 ただし、従前の基本構想と同じく、これら方針・計画に即した目標達成に向けた施策展開のスケジュール・指標・財源の裏付けが整えられていないことが欠点でありました。
 このように課題と目標・方針は既に示されております。計画の中、示されている目標は私は間違っていないと考えております。
 また、警察大学校等跡地土地利用の議論の中、中野のまちづくりに関心を寄せる多くの区民の考えがここへ来てクローズアップされてきました。それらは中野の活力を取り戻し、独自の財源確保につながるまちづくりと地球規模での環境保全あるいは改善を目指すまちづくりに大きく集約されているといっても過言ではないと思います。
 これらは相反する課題ではなく、賑わいと環境の調和をもって進めるまちづくり、これこそが中野駅周辺整備にとどまらず、区長の目指す持続可能な中野の将来像ではないでしょうか。
 そこでお尋ねいたします。
 田中区長はまちづくりの目標設定のスパンをどのように考えていらっしゃるのか。基本構想でいう10年のスパンでよしとするのか、さきに指摘した人口密度、人口構成、産業構造、交通体系、土地利用といった目標あるいは区の諸方針・諸計画といった都市計画、まちづくりの視点から10年を超え長期的目標設定の必要性を考えていらっしゃるのかお尋ねします。
 また、区長の目指す持続可能なまちづくりあるいは中野駅周辺まちづくりの中にうたわれている「賑わいと環境の調和」のように、今後の中野の活力を取り戻し、賑わいと環境の調和・共生を中野のまちの将来像、まちづくりにどのように位置付けていくかお考えをお聞きいたします。
 続いて道路整備についてお尋ねいたします。さきにも触れましたように、中野の道路事情は極めて悪く、改善がおくれている道路構造や私道、区道を通じての舗装改良の停滞は、障害を持たれている方、高齢者の方にとって大きな障害になっております。バリアフリー、ノーマライゼーションの流れにも即しておりません。
 また、狭隘な道路はごみ収集など日常生活に及ぼす支障や、火災時の消火活動、急病者の救急活動、災害時の救援活動に支障を来すことが指摘されています。
 また、中野で進行中の環状6号線、山手通りですが、並びに首都高速中央環状線の整備の進捗、今後12年の都市計画道路整備計画の策定、中野駅周辺整備、西武新宿線踏み切り渋滞解消など、交通体系・交通網が大きく変わる要因に中野は直面しております。
 道路はまちの骨格、血管との例えがあるように、これらはまちの幹であり、動脈であります。
 幹あるいは動脈が変わることにより、枝ないしは毛細血管も当然変わることは必至と考えられます。これはすなわち住宅街の生活道路のことを指しております。
 また、災害時、住民の生命・財産を守る視点から、新たな防火規制の導入並びに防災街区整備方針の決定など、東京都は新たな規制、方針を整備してきています。
 安全なまちづくりは自治体の責務であり、その根幹である道路整備には計画性とさまざまな整備手法、確かな財源を用意することは自治体として当然であり、常に道路の維持改善に努めなければならないと私は考えております。
 しかるに中野区は抜本的対策を講じることなく、さらに財政難から道路改良の予算を切り詰め、私道の舗装改良費の一部を区民に負担させるなど、後退ともいえる施策を展開しています。
 そこでお尋ねいたします。中野区は都市基盤である道路整備についていかなる考えをお持ちか、従前の生活道路拡幅整備をもって今後の道路整備とするのか、荒川区が連担建築物設計制度を用いて用意した近隣まちづくり推進制度のように区が積極的にさまざまな制度を活用してインセンティブを与えるなどし、交通網の整備とあいまって、道路整備を図りつつ、安全なまちづくりを目指していく姿勢、方針をお持ちかお尋ねいたします。
 この項の最後にお尋ねいたします。16年度予算案のみならず、ここ数年の予算・決算に見られるように区の性質別歳出では、義務的経費が高く、とりわけ、扶助費の伸びが著しく、逆に投資的経費が低く抑えられています。
 冒頭に触れたように、三位一体の改革により、今後特定財源である国庫支出金は減り、一般財源である交付金の増加が見込まれ、自治体の方針、裁量によって歳出内容が大きく左右される時代を迎えようとしています。
 そこでお尋ねします。田中区長は今後税の使い道をどのように考えていらっしゃるのか。昨日の御答弁では、福祉は予算額に左右されないようにサービスに努めていくとございました。同時に財源確保も必要とおっしゃっていました。別の視点から、投資的経費を確保し、豊かなまちづくりを目指し、まちの活力を高めることによって、生産性の高い住民の定住、地元での消費拡大につなげ、結果再び税という形で還流してくるような税の使い方、予算配分を私は期待するところですが、区長としてのお考え、御答弁をお願い申し上げます。
 続いて、住民基本台帳カードの活用についてお尋ねいたします。
 昨年10月末、中野区は住民基本台帳ネットワークに接続し、同時に住民基本台帳カードの交付申請の受け付けを開始いたしました。
 さらにことしの1月29日からはオンラインサービス稼働に向け、公的個人認証サービスも受付開始されたところです。
 住民基本台帳カードは、ICチップを埋め込んだICカードです。
 ICカードは高度なセキュリティー機能を有するカードであり、そのセキュリティーの高さゆえ、民間でもキャッシュカード、クレジットカード、ポイントカード、Suica、これはJRですね、それからノンストップ自動料金収受システム、いわゆるETCですが、ほかテレホンカードなど活用が広がっています。
 総務省は、このICカードである住基カードの導入に当たって、カード内の住民基本台帳ネットワークシステムで利用する領域から独立した空き領域を利用して、それぞれの自治体においてさまざまな住民サービスが可能として、12の例を上げております。そのうち六つのサービスを全国の自治体で利用可能な標準的システムとして、財団法人地方自治情報センターにおいて「ICカード標準システム」として開発し、希望する区市町村に対し原則として無償で提供しています。
 この標準システムとは、1に、証明書自動交付機を利用して、住民票の写し、印鑑登録証明書その他の証明書の交付を受けるサービス。2に、申請書を自動的に作成するサービス。3に、検診、健康診断または健康相談の申し込み、結果の照会等を行うサービス。4に、事故、急病等で救急医療を受ける場合、あらかじめ登録した本人情報を医療機関等に提供するサービス。5に、災害時等において、避難者情報の登録、避難場所の検索等を行うサービス。6に、公共施設の空き照会、予約等を行うサービスの六つです。
 また、このほかのサービスとして、図書館の利用、図書の貸し出し等を行うサービス。商店街での利用に応じたポイント情報がたまるサービス。ほかに地域通貨、電子福祉チケットなどにかかわるサービス。公共料金等の決済にかかわるサービスなどが想定されています。
 現実に岩手県水沢市、静岡県掛川市、宮崎県宮崎市、北海道室蘭市、新潟県三条市などの自治体において標準サービスを導入している事例がありますが、その多くは「証明書自動交付」「申請書自動作成」「公共施設予約」「図書館利用者カード」などであります。
 そこで、住基カードを使用してのサービス提供についてお尋ねいたします。
 まず、災害時等において、避難者情報の登録、避難場所の検索等を行うサービスですが、阪神・淡路大震災から9年が経過し、改めて災害時の対応が見直されている今日において、中野区は震災対策計画において、被災者の安否・所在確認について地域防災会等の協力を得て避難所ごとに被災者名簿を作成し、所管地域センターで集約して区民等からの問い合わせに対応するとしています。
 現状、避難者の登録は避難所の登録用紙に所定事項を記入してもらい、それを避難所ごとにまとめた上、地域センター単位で統括し、さらに中野区で情報を集約するという流れになっています。
 複写式でない登録カードを避難所、地域センター、区の各レベルで管理することは困難が予想されます。また、仮に避難所レベルでコンピュータに入力するのであれば、作業も煩雑で、混乱が予想されるのではないでしょうか。
 避難所において住基カードを活用し、カードリーダーから避難者情報を読み取り、コンピュータに登録することで作業が簡素化されますし、それらのコンピュータをネットワーク接続することで、避難所、地域センター、区の各レベルの情報の一元化が可能になります。その際、現在アナログ波である防災行政無線をデジタル化することで無線でのネット構築も可能となってまいります。
 また、登録された避難者情報を活用して携帯電話用避難者情報検索ホームページを開設することで、容易に家族、知人の安否が確認できます。
 大震災時には数日間の電話ふくそうが続くことが指摘され、さきの阪神・淡路大震災の際は電話ふくそうは5日間に及びました。こうした弱点を克服し、大規模災害時に被災者の安否情報等を登録・蓄積し、その情報の検索できるサービスを提供するシステムが広く模索されています。
 独立行政法人通信総合研究所(旧総務省通信総合研究所)がシステムの開発を進めてきた組織WIDE Projectと共同で、産・学の機関との連携の場として協議会「IAA Alliance」(アイエイエイ アライアンス)を設立し、関係組織が協調して、普及発展及び研究開発を進めているIAAサービスもその一つです。
 このシステムは2001年9月1日「防災の日」に、東京都が実施した防災訓練の一環として、ITボランティアによる避難所運営支援訓練として都立南多摩高等学校において実施の安否情報登録・検索訓練でも使用されています。携帯電話からのネット接続により登録、検索が可能なサービスです。
 このような被災者の安否情報の登録・検索に向けた流れの中、住基カードを災害時等において、避難者情報の登録、避難場所の検索等に活用するサービスは時代に即したサービスではないでしょうか。
 また、避難者は区民だけではありません。都全域で37万1,000人、中野区内で3万7,000人が想定される帰宅困難者の受け入れ、支援も必要とされます。これらを考え合わせると中野区単独ではなく、より広域な視点で考え、東京都と連携してシステムの構築を目指すべきかもしれません。
 そこでお尋ねいたします。中野区は住基カードを活用した避難者情報登録、検索サービスの導入並びに携帯電話にも対応した災害時情報発信サービスについてどのような見解をお持ちか、都、他区との連携も含めてお答えください。
 続いてこの項のその他として、区民の利便性とカードの普及の側面から「時間外の証明書自動交付」「申請書自動作成」「公共施設予約」「図書館利用者カード」などのサービス提供についてのお考えをお聞きします。
 第3項といたしまして、ごみの収集と資源回収についてお尋ねいたします。
 いずれの自治体もごみの減量、再資源化を目指し、さまざまな工夫展開しているところです。中野区もその例に漏れず施策展開していますが、なかなか解決には結びついておりません。NHKの人気番組「難問解決!ご近所の底力」でもたびたびごみ問題が取り上げられ、中野区内でも2カ所の地域の取り組みが紹介されていますが、実際には大きな成果に結びついていません。特にごみ出しマナーの問題は深刻で、さきにも触れたように区内の道路事情の悪さゆえ、回収場所が制限され、多くの人が1カ所の集積所にごみを持ち寄る、結果、自己責任の希薄さにつながってマナーが低下する問題も生じています。
 そのため、戸別収集を望む声がふえてきており、中野区も平成14年10月・11月の2か月間江原地域において、カラス対策の一つの試みとして戸別収集を実施しています。結果は、カラスの被害が減る、ごみが減量された、ごみの分別意識の向上につながるなどの反面、収集が効率的でなく収集時間が長くなった、まちの美観を損なう、集合住宅については改善につながらないなどのデメリットも指摘されています。
 道路事情、ごみ出しマナーから、戸別収集への要望がある中、中野区が保有する軽自動車の回収車は5台しかなく、戸別収集に向け台数の増加を求めたいところですが、回収時間の問題、人員配置の問題などが残っています。これらのことから考えると、対策として今後は昨年実施されたプラスチック製容器包装回収事業の試行を踏まえての事業展開、堆肥化の推進など、一層の再資源化あるいは減量を進める必要があると私は考えます。
 そこでお尋ねいたします。昨日の区長答弁ではごみ・ゼロに向けた戦略の重要性と行政回収の比重の低減が今後の中野区のごみ対策・リサイクル資源対策とありましたが、行政回収の比重を下げることに反する戸別収集に対する区のお考えをお答えください。
 続いてリサイクル資源の回収についてお尋ねします。中野区では現在、びん・缶あるいは古紙を中心にリサイクル資源の回収が行われ、今後プラスチック製容器包装回収の展開も検討中とのことですが、本日は古紙の回収について中野区の考えをお聞きしたいと思います。
 古紙回収は、行政回収、集団回収、民間事業者回収の3通りの回収があり、古紙相場の高騰もあって安定的に推移しているように見られますが、御承知のように業者による古紙持ち去りが後を絶ちません。
 これに対し、それぞれの自治体が条例・要綱整備などの対策を講じていることも知られているところです。隣の杉並区においても廃棄物の処理及び再利用に関する条例を改正し、監視パトロール、抜き取り防止シートの配布を行っています。
 現在、中野区において、古紙回収の中核をなす集団回収は自治会の努力によって支えられております。また報奨金は自治会にとって貴重な収入であります。この制度を将来的にも維持するために、それを脅かす、これら悪質事業者に対する措置を中野区は講じる必要があると考えます。
 そこでお尋ねいたしますが、区は古紙抜き取り対策について条例・要綱整備あるいは事業展開についてどのような考えをお持ちになっているか、お答えください。
 続いて自転車駐車場整備についてお尋ねいたします。
 昨年、第3回定例会でも私の一般質問で新井薬師前駅周辺の民間事業者による自転車駐車場整備計画の話をさせていただきましたが、その後ことしになってこの民間事業者により自転車駐車場が設置され、運営が開始されました。しかし、何分にも規模か小さく、駅周辺を放置規制対象区域に指定することはできません。それゆえ、いまだに路上駐車が絶えることはありません。
 一方、鉄道事業者である西武鉄道は新井薬師前駅構内あるいは直近軌道敷に自転車駐車場を整備できる余地を持ながら、その対応は非常に消極的で協力の姿勢が見られません。
 昨年、豊島区は鉄道事業者に対し法定外税である放置自転車等対策税の導入に向け総務省と交渉に当たっているところという報道がございました。結果は、困難が予想されると聞いております。
 一方、中野区も自転車等放置防止条例により自転車駐車場付置を小売店・飲食店・金融機関・遊技場・スポーツ施設・学習施設などの事業者に対して義務付けています。しかし、この中には鉄道事業者が含まれていません。なぜ、鉄道事業者に対する付置義務がないのか、中野区として付置を義務付けることは不可能なのでしょうか。
 区内既設自転車駐車場整備における鉄道事業者の協力実績に合わせて、鉄道事業者への設置の義務づけに関する条例整備の可能性、もしくは事業者に対する区としての働きかけをお尋ねいたします。
 放置自転車による車いす利用者、視覚障害者への障壁を一日も早く取り除かれることを望んで質問を終えたいと思いましたが、昨日、公明党の大泉正勝議員のホタルの里構想の質問に対しての区長の御答弁をお聞きしまして、通告にはございませんが、その他としてお尋ねいたします。
 区長の御答弁では持続性が担保できない事業については予算措置を講じる考えはないとの趣旨だったように受け取ったのですが、問題ございませんでしょうか。
 確かに、ホタルは生き物であり、区としてホタルに関しての予備知識を有していないことから、きのうの答弁になったことと考えますが、平和の森ホタルの里構想はここ何回かの一般質問の中、訴えられてきました。
 私も3年前から区立上高田小学校の児童、保護者の皆さんとともに、ホタルの復活を目指して研究活動をしており、ここに2年間は小学校をお借りして、ホタル観賞の夕べを催してまいりました。昨年は、わずか2時間ばかりの間に700名を超える方がホタルを楽しみにいらしていただきました。そして、大変好評を博したところです。
 また、現在は裏庭の一角にビオトープ制作を目指し、会員とともに研究を続け、16年度には河川整備基金補助金を申請して整備を目指しているところです。
 また、都内でもホタルを通じて環境教育を進めている団体は多数あり、自治体みずから取り組んでいる事例もあります。
 一例を紹介すれば、荒川区では荒川ホタルを育てる会の申し出を受け、荒川自然公園内にビオトープを整備することを認め、毎年育てる会とともに区が共催で観賞会を催しています。
 また、板橋区は区の組織であるエコポリスセンターがホタルの飼育に取り組み、そのノウハウを特許出願し、技術指導に当たって一定の収入を確保しています。
 また、区内でも第二中学校が神田川を活用して、ホタルをとの構想をお持ちです。
 区長も一政治家という立場であれば、区民と夢を共有しその実現に向け努力を払うことも大切と考えますが、いかがでしょうか。
 持続可能かの検証も大切ですが、目的をいかに持続させるかの検討をしていただきたくお願いいたします。きのうの区長答弁を拝聴して感じたことですので、踏み込んだ質問ではございませんが、ホタルの育成に関する環境整備につきましては次回の機会に改めて質問させていただく予定でございます。本日は区長のその姿勢についてお伺いさせていただきます。
 以上で質問を終わりたいと思います。区長を初め、理事者の皆様には具体的で明確な御答弁をお願い申し上げます。
     〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 伊東議員の質問にお答えをいたします。
 まずまちづくりの目標設定についてであります。
 まちづくりについては、50年ないし30年といった長いスパンでの目標や将来像を描くことができないと、10年後の将来を描くということも当然できないわけでありまして、基本構想においては長期的な視点に立った、中野のまちのあるべき姿を描いた上で、10年後の到達点を明らかにしていきたいというふうに考えております。
 それから、賑わいと環境の共生といった問題について、また予算案に見られる投資的経費の枠配分、税とそれから財政の循環といったような問題についての御質問もありました。それについてお答えをさせていただきます。
 まちが活性化すれば、賑わいが増し、人々が集い、定住性も向上して、税収など区財政の好転や区民生活の豊かさにつながるということだと考えております。そうした産業の活性化や賑わいの基盤があってこそ、財政的にも福祉や環境、まちづくりの政策の循環が可能になっていくということだと考えております。そうしたことの中では、まちづくりの方向といったようなことですが、土地利用の一定の高度化を進める一方で、住宅ストックの良質化やまちの賑わい、そして道路、公園など、都市インフラや環境資源を豊かにしていくといったような視点が必要なのではないかというふうに考えております。
 それら、まちづくりについての見方を通じまして、政策や投資の循環を通じて、中野のまちの活力を高めていくといったような視点を大切にしていきたいというふうに考えております。
 それから道路整備についてであります。御指摘にもありましたが、中野区には細街路が多く、木造密集市街地が広く分布をしているわけであります。このことがまちづくりにとって非常に大きな問題であるわけでありまして、災害に強いまちづくりということを目的としまして、重点的に地区計画制度の導入を図って、道路の拡幅あるいは新設道路の整備を行ってきたところであります。
 こうしたことだけではなく、今後とも道路整備を着実に推進をしていくために、財政や地域の実情に相応した道路整備のあり方ということで、さまざま御指摘も、例示もありましたけれども、そうしたことの研究も踏まえ、道路整備についてさまざまな方策を検討して実現に向けて努力をしていきたいというふうに思っております。
 それからホタルのことで、伊東議員の方のホタルについての思いというものもお聞かせをいただいたところであります。昨日、お答えしたのは、平和の森公園のホタルということについては継続的な繁殖地、ホタルの繁殖地としての整備というふうな受けとめ方を私はしているところであります。そうしたことの可能性を考えたときに、環境問題あるいはホタルの里構想、構想が今、区としてあるわけではありませんけれども、そうしたこと、確かに夢のあっていい話だと私も思うわけでありますが、そのために財政が持続できないほどの財源の投入ということができないということ、これも言わざるを得ないわけでありまして、実現可能という確信が得られたら積極的に取り組みたいというふうに申し上げたところであります。
 その他については、他の部長の方から答弁をさせていただきます。
    〔総務部長石神正義登壇〕
○総務部長(石神正義) 私からは住基カードの活用についての御質問にお答えいたします。
 まず避難者情報についてでございます。住基カードを活用しました避難者安否情報システムにつきましては、全国的な標準システム、これが用意されております。この活用につきまして、広域的な視点からも含めて、関係機関と連携して、その活用方策について検討していきたいというふうに考えてございます。
 また携帯電話に対応した情報発信サービス、こういったことにつきましても、さらに可能性を探っていきたいと思っております。
 また国の示している活用路であるとか、議員の挙げた活用路を含めまして、住基カードの多目的活用、こういったことにつきましては、区民ニーズに対応しました対応で、より利便性の高い、効果的な住基カードの活用の方途を探ってまいりたいと思っております。
 以上でございます。
    〔環境部長寺部守芳登壇〕
○環境部長(寺部守芳) ごみ収集、資源回収についてのお尋ねにお答えをいたします。
 まず個別収集についてでございます。御指摘のとおり、カラスの被害の防止ですとか、ごみ減量に対する意識の向上等のメリットが大きい反面、収集にかかる人員、機材等のコスト面からの問題もございます。中野区として、ごみ・ゼロを目指していく具体的な戦略を今後考えていくこととしておりまして、その中でさらに検討を深めてまいりたいというふうに思っております。
 それから資源の持ち去り行為についてでございます。区といたしましては、資源回収は、区民による集団回収の拡充が望ましいと考えておりまして、この集団回収も視野に入れた条例による規制につきまして、現在、検討を行っているところでございます。
   〔都市整備部長石井正行登壇〕
○都市整備部長(石井正行) 駅周辺の自転車駐車場整備につきましてお答えを申し上げます。
 これまで鉄道事業者が自転車駐車場整備に関与した事例といたしましては、西武鉄道の鷺宮の駅ですとか、それから営団地下鉄中野富士見町駅、それから都営大江戸線の東中野駅と中野坂上駅、こういった4駅が実際協力をいただいているというところでございます。
 現在、自転車駐車場のない駅、例えば新井薬師前駅ですとか、新中野駅でございます。ここの駅につきましても、これまで鉄道事業者に対しまして、用地の提供などの協力を強く要請をしてきたところでございますけれども、今後もそういった鉄道事業者の実効的な協力を取りつけるべく、粘り強く今後も要請をしてまいりたいというふうに考えてございます。
 また、御紹介もございましたように、この1月下旬に新井薬師前駅で、民営自転車駐車場が開設をしております。そういった民営事業者の新たな動きもございますので、今後の自転車駐車場整備に当たりましては、そういった民営の自転車駐車場の育成の点も含めまして、そういう観点からも駅周辺の自転車駐輪場整備に努めてまいりたいというふうに考えてございます。
     〔伊東しんじ議員登壇〕
○2番(伊東しんじ) ごみの個別収集について、もう一度御確認させていただきます。
 ただいまの御答弁では、検討に値するというような程度の御答弁でしかございませんでした。今後ごみの収集に関しましては、個別収集が大きな流れになると予測されております。それについて区は積極的にそれに向けての方策を講じていくのか、それとも今の集団収集をよしとするのか、その辺をもう一度明確にお答え願えたらと思っております。
 それと自転車駐車場整備ですけれども、今まで過去、西武鉄道に対して、実際にさまざまな形で申し入れなされてきましたのも事実です。しかし、一向に新井薬師前駅におきましては、その整備はなされていないのが実情です。
 質問の中でも、駅構内あるいは直近の軌道敷に余地があるのに西武鉄道が協力しないと、そのような生ぬるい、区としての体制、それで果たしていいのでしょうか。せっかくこの時期に民間事業者が整備をしたのですから、その整備された自転車駐車場の周囲に自転車が放置され、利用度が上がらないということは一刻も早く解消されるべきだと思いまして、強く再度このことについてお尋ねいたします。
    〔環境部長寺部守芳登壇〕
○環境部長(寺部守芳) ごみの個別収集につきましては、ごみ・ゼロを目指す方向を実現する、一つの有効な手段だというふうに思っております。そういった観点から具体的な検討をしていきたいというふうに思っているところでございます。
   〔都市整備部長石井正行登壇〕
○都市整備部長(石井正行) 再質問にお答えを申し上げます。
 先ほど御答弁も申し上げたところでございますけれども、この新井薬師前駅、これまでも用地の提供など協力を要請してまいりました。先ほどの御答弁の中にもございましたように、実効的な協力を取りつけたいというふうに思っておりますので、今後も粘り強く、さらに強力に要請をしてまいりたいというふうに考えてございます。
○議長(山崎芳夫) 以上で伊東しんじ議員の質問は終わります。
 
 中野区議会議員 酒 井 たくや
 1 区長の施政方針説明について
 2 行政改革とシチズンズチャーター制度について
 3 中野区の清掃責任について
 4 その他
 
○議長(山崎芳夫) 次に、酒井たくや議員。
     〔酒井たくや議員登壇〕
○6番(酒井たくや) 平成16年第1回定例会におきまして、民主クラブを代表し、質問させていただきます。
 まず、区長の施政方針説明についてお尋ねします。
 現在の日本の厳しい状況は深刻さを増すばかりであり、景気回復の兆しはなかなか見えてきません。
 中野区におきましても同様で、多くの区民の皆さんが田中区政2年目に大きな希望と期待をしております。
 田中区長はさまざまな改革に、命をかけて取り組んでおられます。改革には、時には大きな痛みも覚悟しなければいけません。それらの摩擦や痛みは明確な将来像があればこそ、克服できるものであると私は考えます。
 過去を否定するだけでは前進することはできません。流れを変えるためにはリーダーシップとともに明確な将来像が不可欠なのであります。
 田中区長は施政方針説明の中で、改革に向け、強い意志と覚悟を表明いたしました。その勇気に議会も行政も、そして区民もこたえていくべきです。
 しかし、そのためお互い描くことのできる将来像が必要だと思います。田中区長の考える今後の区の方向性、将来像、これは新たな基本構想に表現されるものと考えられます。
 そこでお尋ねしたいのですが、基本構想の根底にある将来像は何か、区の方向性としての柱は何であるとお考えなのかお答えいただきたいと思います。
 また中野区の将来像と大きく関係するところといたしまして、中野区らしさが必要であると私は思います。中野区が区民にとっていつまでもすばらしいまち、誇りのあるまちであるためには、中野のアイデンティティーをはっきりと打ち出し、それをどう維持していくかを考え、実行する必要があります。
 そこでトップである区長にお尋ねします。
 中野区が将来魅力あるまちであり続けるため、区長にとって中野らしさとは何かをお聞かせください。
 また、その考えられる中野らしさを実現する策についてお考えであればお答えください。
 施政方針説明についての質問を終わります。
 次に、行政改革とシチズンズチャーター制度について質問させていただきます。
 私たちの日本は、少子高齢化が急速に進む中、5%を超える失業率とおよそ700兆円の国、地方の借金を抱え、その行く手は厳しいと言わざるを得ません。
 社会や経済が大きな曲がり角にさしかかっているただ中で、戦後50年のサクセスストーリーを演出してきた、今までの日本型システムは崩れてしまいました。
 官から民へ、国から地方へ、この流れはとまらず、これからの行政には、なぜ税金が事業に使われるのか、税金を使った結果として、どのような効果があったのかなどを住民にわかりやすく説明する責務が求められてきています。
 「情報公開」と「説明責任」が新しい社会のキーワードであり、「区民一人ひとり」が社会の担い手にならなければいけません。
 イギリスでは、納税者に対して質の高い公共サービスを提供するためのシチズンズチャーターを公表し、納めていただいた税金に見合った価値あるサービスがきちんと提供されるような仕組みをつくることを必要としており、納税者や利用者の声を聞いた行政を目指しています。我々もそういった考えを目指していく必要があると私は考えます。
 先日、このシチズンズチャーター制度を参考に、市民と行政の約束制度を行っている三重県名張市に先輩議員の佐伯利昭議員と視察に行ってきました。
 三重県名張市は、大阪のベッドタウンで人口約8万人の市であります。名張市では、行政サービスの受け手である市民の立場に立って、質の高い行政サービスの提供を行おうとしております。その名張市で行っているシチズンズチャーター制度、市民と行政の約束制度について説明させていただきます。
 分権型社会において、厳しい自治体間競争を生き残るためには、「お役所仕事」から脱却し、すぐれた施策や行政サービスを提供し、市民の満足度を高めていくことが求められ、そのために、市民の視点で行政サービスのあり方を見直し、不断の改善を図る必要があります。
 また、厳しい行財政環境の中で、持続可能な行政運営を行うためにも、「あれも、これも」ではなく、「あれか、これか」を厳しく選択し、しかもその選択の主体市民であるという認識に立っている制度です。
 市民と行政の約束は、市民の満足度を高めるための、市から市民への約束にとどまらず、行政サービスは市民の貴重な税金で賄われており、限られた財源を有効に活用するため、施策を厳しく選択することなど、市民へのお願いもあわせて明らかにしている点に注目すべきであると思います。
 中野区におきましても、厳しい財政状況のもと、限られた財源を有効に活用するため、区長も同じような認識に立って、職員の意識改革を初めとする、さまざまな区政改革に取り組まれていると思っておりますが、まず区長のシチズンズチャーター制度に対する御見解をお伺いしたいと思います。
 もう少し名張市の「市民と行政の約束制度」について説明しますと、名張市の市民への約束は、マル1、市民に十分な情報を提供し、わかりやすく説明すること。マル2、行政サービスの水準や標準的な処理期限などを明確にすること。マル3、市民の意見、要望などを積極的に受けとめ、行政サービスの改善に努めること。マル4、市民からの意見がどのように検討され、どのような結果になったか、その理由を含め報告すること。マル5、行政サービスに誤り等があった場合は謝罪し、再発防止をするための方策を明らかにし、公表すること。というものです。
 そして、名張市では「出前トーク」とし、市の重点的に取り組む事業などを各課がテーマを設け、市民からの要望があれば、市長、市の担当職員が直接地域に出向いてお話をするということを実施しております。市民からの要望により、行政側が出向き、直接市民の声を聞き、相互の理解を深めるすばらしい制度だと私は思います。
 中野区におきましても、区長と区民の対話集会を約1年半行っておりますが、来られる区民の方の中には、いつも同じ方が顔を出され、発言されているようで、本当に区民の皆さんの多くの声を聞くことができているのでしょうか。
 そこで区長にお尋ねします。1年半やってこられた区長と区民の対話集会の成果をお聞かせください。
 また、対話集会は、区が主催する場合と各種区民団体からの要望によって開催するとありますが、どうしても行政側主導になっているのは否めず、住民参加の形が余り見えません。名張市の出前トークのように、要望があれば、区長、各課の担当者が直接足を運ぶという形はとれるのかお聞かせください。
 先ほど紹介した名張市の市民への約束制度は、当たり前のことと言われれば、当たり前であるかもしれません。しかし、当たり前のことをもう一度しっかりと見直さなければ、顧客満足度の高い行政サービスを実現することはできません。市民と行政のこうした約束制度を効果的に実施するためには、職員の意識改革が最も重要であり、継続的な改革改善を組織的に推進できる仕組みや体制を整える必要があります。
 区長は、接客六つの約束を策定し、顧客としての区民に対するサービス向上に強いリーダーシップを発揮されました。約束の一つひとつは当たり前のことと言えますが、即実行したところに、職員一人ひとりの意識改革の必要性を強くお感じになっていたのではないでしょうか。
 そこで区長にお伺いします。中野区では、区民に価値の高いサービスを提供するために、区政の目標と成果を明確にすると共に、新たに事業部制の導入や目標達成を最優先する組織を編成し、区の経営改革を推進しようとしていますが、名張市のようにシチズンズチャーター制度を導入し、行政サービスの向上のために、区民との約束を制度化されるお考えはないのでしょうか、お聞かせください。
 また、区民との約束を制度化せずとも、行政サービス向上のためのすぐにでもできることがあるはずです。例えば、来庁された区民へのサービス向上のため、目が合った方への声かけあいさつ運動、それから1階総合窓口には、カウンターで待っているのではなく、こちらから行って案内するフロアマネジャーを置いてみる。例えば、銀行の案内業務をされている方のように「○○なら9階建築課、○○なら3階保育課」と案内する。そして、総合窓口の受付カウンターも、役所に入って右ではなく、正面から区民の皆さんを迎える。それから各課による窓口アンケート等、これらは区民サービス向上だけでなく、職員の皆さんの意識改革にもつながるはずです。ぜひ御検討いただきたいのですが、御見解をお聞かせください。
 いずれにせよ、改革には摩擦や痛みが伴われますが、区長と職員の皆さんが一つになって乗り切っていかなければなりません。そこには職員の皆さんの改革に対する理解も必要であり、それとともに区長の強いリーダーシップが必要です。区長が強いリーダーシップを十分に発揮され、区民サービスの向上となることを期待させていただき、この項の質問を終わらせていただきます。
 次に、中野区の清掃責任についてお尋ねします。
 地球規模で環境問題が提起されている昨今、従来にも増して自治体の環境改善活動は極めて重要であります。「ごみ・ゼロ都市中野を目指して」と区報にも書いており、先ほどもおっしゃられておりましたが、まず中野区としてどのように清掃の責任を負うのかをお尋ねします。
 中野区においては、警察大学校等跡地に清掃工場等の建設が計画されておりましたが、ごみ量の減少と現在の焼却施設で十分に賄えるのを理由に、特別区長会が新たな清掃工場の必要はないとし、これを受け、東京23区清掃一部事務組合は、施設整備計画から中野区の清掃工場建設計画を削除したことは記憶に新しいことです。警察大学校等跡地にごみ焼却場がなくなった「ああよかった、よかった」でよろしいんでしょうか。中野区内で発生した可燃ごみは、現在、世田谷、目黒などにある清掃工場で焼却処理をしてもらっていますが、可燃ごみの処理は東京23区清掃一部事務組合で、当面の間は23区で共同処理するとしております。他区に任せっきりではなく、中野区も自治体として何らかの清掃の責任を負う必要があると私は考えます。
 循環型社会を形成していくため、中野からごみ・ゼロ都市理念を発信すると言っているなら、言うだけではなく、まず具体的なことをやる必要があるはずです。中野区としての清掃の責任を区長はどのようにお考えなのかお聞かせください。
 もし他区から「中野のごみはもう燃やしません」と言われたときはどうするおつもりなのかをあわせててお答えいただきたいと思います。
 次に、プラスチックリサイクルについてお尋ねします。今まで不燃ごみとして埋め立てられていたプラスチックを、ほぼ100%リサイクルできる方法があることを知り、そこで先日、千葉県君津市にある新日本製鐵株式会社君津製鐵所で行われているプラスチックリサイクルを視察に行って来ました。
 容器包装リサイクル法により、容器包装を利用して商品を販売する事業者は再商品化する義務があり、日本容器包装リサイクル協会が再商品化事業者に再商品化業務を委託します。その再商品化事業者が新日鐵君津です。
 ここでは分別収集し、減容圧縮されたプラスチックを製鉄プロセスのコークス炉に組み入れることにより、100%プラスチックを資源として生まれ変わらせることができます。
 プラスチックはまず石炭と混合され、炭化室内へ投入され加熱、そして40%が炭化水素油というプラスチック原料等の化学原料に再商品化され、20%はコークスという鉄鉱石の還元剤として利用されます。残りの40%は水素メタンが主成分である燃料ガスになり、発電所等で利用されます。
 一般家庭から排出されるごみの約60%を占めると言われる容器包装材に含まれるプラスチックをコークス炉化学原料化法により100%リサイクルできます。
 戦後、急速に広まったプラスチックにより、大量消費の使い捨て社会がごみをふやしました。このプラスチックを使わなくする、なくすということは、今や考えがたいのが現状です。それならばプラスチックを再商品化するのが「大量消費・大量生産」をやってきた我々の責務であります。
 今、中野区はプラスチックも不燃ごみとして集められ、最終的に中央防波堤外側埋立処分場と新海面処分場に埋め立てられています。
 ここは東京23区にとって最後の埋め立て処分場と言われており、あと30数年でいっぱいになります。
 プラスチックを不燃ごみとして埋め立てるのではなく、分別し、再商品化するのが急務であります。
 プラスチックのリサイクルについて、どのようにお考えか、お聞かせください。
 中野区でもプラスチックの分別事業を試験的に、北鷺町会地区等、弥生町五丁目町会地区で、昨年9月から11月にやってきました。分別の手間も余りなく、成果は上々であったとお聞きしました。ある家庭では、今まで不燃ごみで出していた中の90%が再生可能なプラスチックであり、それがすべてリサイクルできることを知り、大変驚かれたそうです。今まで捨てられ、埋め立てられていたごみの9割が再商品化できます。このプラスチックの分別事業を来年度も試験的に行うそうですが、いつごろから、どのように展開していくおつもりなのか、お聞かせください。
 プラスチックを不燃ごみから分別すると費用が約3倍かかるそうですが、例えば古紙収集は週1回の区の回収と町会、自治会の協力による集団回収を行っております。新聞を何紙もとっておられる方はそんなにいないでしょうし、最近ではチラシ広告も少なく、古紙収集を週に約2回も行う必要はないと私は思います。
 荒川区では、古紙の行政回収をやめ、完全集団回収に移行する方針と聞きます。また、その結果、経費も現行の6割で済むと言われています。
 古紙収集の方は町会、関係各位の皆さんに何とかお願いし、御協力いただき、プラスチックの分別収集を一刻も早くやる必要があると思います。ぜひ御検討いただきたいのですが、お聞かせください。
 この項の最後にプラスチックを減容圧縮し保管する施設についてお聞きします。新日鐵君津などの再商品化事業者にプラスチックを圧縮保管し受け渡す施設を持っているのは、23区どこにもありません。昨年の中野区でのプラスチックの分別事業の時も板橋区の民間業者に委託しておりました。
 そして、今、現在、清掃工場を持っていないのは、千代田、台東、文京、新宿、荒川、中野の6区だけであります。清掃工場を持っていないからこそ、他の自治体に先駆け、何らかの清掃の責務を負う必要があると思います。隣の三多摩地域は、13もの自治体が何らかの形でプラスチックの分別収集を行っております。立川市を初め、多くの市町村にプラスチックを減容圧縮し、保管する施設があり、循環型社会を目指していくため協力し合っています。今、23区にはプラスチックの分別収集を行っている区はなく、だからこそ中野区がプラスチックの減容圧縮し保管する施設を持ち、プラスチックの分別を発信していく必要があります。そこでプラスチックの分別事業を計画し、ごみ・ゼロの理念を発信されている中野区だからこそ御提案させていただきたいのが、分別収集されたプラスチックを減容圧縮し保管する施設を、中野区として清掃の責任を負うために持たなければならないというお考えがあるのかないのか、お聞かせください。
 23区で中野区がプラスチックリサイクルの先頭に立ち、大量生産、大量消費、大量廃棄型社会のあり方を見直して、人にも地球にも優しい生活スタイルに転換し、循環型社会を形成していく姿勢こそがごみ・ゼロ都市中野を目指してとなるのではないでしょうか。
 最後に、その他といたしまして防災についてお尋ねします。
 いつ大地震が起きてもおかしくなく、警戒態勢危険度100%の状況下に中野区はさらされていると言っても過言ではありません。
 阪神・淡路大震災では、犠牲者の9割の方が、自宅での建物の倒壊や家具の転倒により亡くなり、耐震補強の必要性が問われております。昨年の第3回定例会で私も、実効性のある耐震診断、耐震補強補助の制度の構築が必要だと質問させていただきました。耐震改修支援制度については、以前より多くの議員の皆様からの質問もありました。そして、田中区長も施政方針説明の中で、大地震で一人でも犠牲者をふやさないための方策に取り組むとおっしゃられ、それから耐震フォーラムを積極的に行うなど、非常に御熱心に防災活動に取り組んでおられ、来年度より耐震改修支援制度が予算化されました。
 しかし、中野区で平成9年、10年、11年と耐震診断の助成を行っておりましたが、3年間で17件しかこの制度は利用されず、せっかくの制度が機能されませんでした。
 今回の耐震改修支援制度は、前回のことがないよう計画されていると思いますが、どのように実効性があるのかお聞かせください。
 そして、現在、地震時に非常に危険と言われている昭和45年以前に建築された木造家屋が、中野区には約3万500棟あります。しかし、来年度の予算では、簡易耐震診断は300件とされており、まだまだ十分な手だてができていません。このあたりが課題だと思いますが、今後この耐震改修制度をどう展開していくのかをお聞かせください。
 以上で私の質問を終わらせていただきます。皆さん、御静聴ありがとうございました。
     〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 酒井議員の質問にお答えをいたします。
 私の改革に取り組む決意に正面から受けとめていただいたということで、しっかりと改革に取り組んでいきたいというふうに思っております。
 まず基本構想の将来像ということであります。中野のまちがどうあるべきなのか、どうしていくべきなのかといったような大もとのところの考え方ということだと思います。
 まちは人がつくるものでありまして、人が本当に互いに安心して住み、そして住み続けられる、生き生きと暮らせるということが重要だと思っております。そのためには皆が支え合い、助け合う、区民がみずからつくるまち、また子どもたちが希望と自信を持った大人となって社会に巣立つことができ、老若男女の区民がそれぞれに個性を生かし、生きがいのある暮らしを送れるまちといったことを目指したいというふうに思っています。
 そういう意味での新しい豊かさ、人の心の豊かさが実感できるまちでありたい、そんなふうに思うわけであります。そうした将来像を描き出すためには、まちの賑わいと生き生きとした暮らしの活力が生み出されていることが欠かせない、そんなふうに思っているわけであります。
 中野のアイデンティティー、中野らしさということです。
 中野は都心に近く、利便性の高い住宅地として多くの人が住んできました。中野に住み、暮らす人々の文化的、社会的なさまざまな活動が東京の中でも、中野らしい個性的な価値を発信してきたというふうに思っています。自由で個性のあふれるまちの雰囲気、進取の気風、温かい人と人とのつながり、こういったものを大切にしていきたいというふうに思うわけであります。
 そうした中野を実現するために、市民が自己決定と自己責任に基づいて、自分の住んでいる地域で、主体的に活動するまちになっていくことが必要だと思っています。基本構想や今後のまちづくりにそうした市民が積極的にかかわってほしいと、そんなふうに思っています。
 名張市のシチズンズチャーター制度についての見解ということであります。
 名張市のシチズンズチャーターの仕組み、これは行政と市民が市の約束、市民へのお願いという形で、互いに目指す目標とその達成に向けた行政のあり方と、それへの市民の協力、これを約束するものであります。全体に共通の指針と部門別の指針がありまして、部門ごとに達成目標を明示して、市民に約束をしております。
 中野区では昨年から区政の目標を体系化をいたしまして、区の目指す目標を区民に示して、その目標と成果によって、区政を管理していくという取り組みを行っております。市民への約束を部門ごとに示すという意味では、名張市と共通の発想のものというふうに考えています。
 基本構想は、区民との論議、議会での議決、これによって、区民みんなが約束する中野の将来像とその実現のための契約とも言うべきものと私は考えております。
 その中では区民が果たすべき役割、行政に行わせることなど明確になっていることが必要だというふうに思っています。そして、10か年計画については、区が目指す目標や成果を区民に約束するものであるというふうに考えております。そうした立場から、名張市の取り組みについても参考にしていきたいというふうに思っています。
 それから対話集会の成果ということであります。区民と私との対話集会というのは、区民と率直に意見を交わして区政情報を共有する。また、区長としての説明責任を果たす、そのこととともに区民の声を区政運営に反映するということを目的として実施をしております。区民の声を生で受けとめて、即座に対応できるものは対応してきたつもりであります。解決できたことも少なからずあったのではないかというふうに思っております。
 対話集会の内容について庁内で職員が共有をしたり、施策に生かすということに努めているところでありまして、その時々の区政の課題でありますとか、施策情報を私自身が区民と語り合っているということについては意義があったというふうに思っております。
 名張市の「出前トーク」についてですけれども、中野区の対話集会は区の事業について直接区民の生の声を聞く、また区民への説明責任を果たす場ということでありまして、私、区長だけではなく、担当部長や担当課長が求めに応じて、しばしば区民の皆さんのもとに出向いて御説明や対話を行っているところであります。この事業についてのPRももっときちっと力を入れていくということをしながら、一層、この対話集会に力を入れてまいりたいというふうに思っております。
 それから行政サービスの向上策についてであります。御指摘のありましたような行政サービスの向上について、できることからどんどん取り組んでいくことが重要だというふうに考えております。個々の職場での取り組みも大切でありますが、それらをまとめて強力に推進をしていくために、区では区民の満足度を高めるための委員会を庁内に設置をいたしまして、顧客満足度を向上していく、おもてなし運動と称した取り組みを始めているところであります。
 おもてなしは、五つの項目の頭文字をとった言葉であります。お客様一人ひとりの身になって一歩踏み込んで考えます、目標に向かって持てる力を最大限に発揮します、手際よく丁寧な対応に徹します、何事もわかりやすく責任もって説明します、新鮮かつ柔軟な発想で取り組みますといった区民に対する職員のお約束を中心としているということであります。
 来年度は、区民アンケートなども行いながら、職場ごとの改善プランを公表した上で実践をし、その結果を内外に発表し、さらに取り組みを進化させていくといったようなことを考えているところであります。
 それから区の清掃責任ということであります。清掃工場が立地していない区ということもありまして、中野区としては、やはり特段に23区の清掃に対して、ごみ・ゼロといった実績を発信をしていくと、全体をリードしていくということで責任を果たしていかなければならないというふうに思っているところであります。
 ごみ・ゼロの取り組みというのは、その素材の材質あるいは流通のあり方、社会的な責任のあり方、仕組みなどなど、さまざま複雑な要素があるわけでありまして、ごみ・ゼロに向けての戦略というのは、全体的にしっかりと構築をしていかなければならないというふうに考えております。
 16年度におきまして、ごみ・ゼロの戦略をしっかり構築をした上で、その取り組みを強めてまいりたいというふうに思っております。
 また、工場のある区から焼却を拒否されたらといったようなことでありましたけれども、特別区における一般廃棄物の中間処理につきましては、区長会において、工場のある区もない区も相互に協調連携して、全体の責任として安定的な中間処理体制を確保するということを申し合わせているところであります。
 また清掃工場については、すべて23区の共有財産であるということも区長会で改めて確認をしているところでもあるということを申し上げておきたいと思います。
 私からは以上でありまして、その他は担当の部長の方からお答えをいたします。
    〔環境部長寺部守芳登壇〕
○環境部長(寺部守芳) 清掃責任の問題の残りのお尋ねにお答えをいたします。
 まず容器包装プラスチックのリサイクル事業についてでございます。これはごみ減量のために、これまで不燃ごみの約3割を占めていた容器包装プラスチックを資源として回収するものでございます。来年度は今年度行った地域に加えまして、新たな地域合わせて約1万世帯を対象として、また期間についても拡大をして実施をいたす予定でございます。それを踏まえまして今後の展開について検討をしてまいりたいというふうに思っております。
 それから古紙回収につきましては集団回収を拡充する方向で考えていきたいというふうに思っております。
 それから容器・包装リサイクル法に基づくプラスチックの収集運搬、圧縮保管についてでございますが、資源の回収として各区が取り組む事業でございまして、中野区としては課題ではございますが、23区全体の清掃事業に位置付けた考え方は今のところとっていないというところでございます。
   〔都市整備部長石井正行登壇〕
○都市整備部長(石井正行) 耐震補強改修の御質問にお答えを申し上げます。
 今回の耐震補強支援制度につきましては、過去の経験を踏まえまして検討を進めておるところでございます。これまでのものにつきましては、耐震診断、単独の支援事業でございました。それを今回は区民の地震に対します建物等の不安、これを全面的に受けとめまして、区独自の耐震診断士の制度を設けるなど、耐震相談から改修までの総合的に支援できる制度づくりを目指しているというところでございます。
 そのようなことから、これまでのものと比べますと、実効性は格段に上がるというふうに考えてございます。
 なお、この支援制度は10年を区切りとして考えてございまして、老朽家屋等の建てかえの促進といったものと合わせまして、積極的に事業展開を図ってまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
     〔酒井たくや議員登壇〕
○6番(酒井たくや) 再質問をさせていただきます。
 先ほどのプラスチックを分別収集して、減容圧縮し保管する施設を持つか持たないか、持つおつもりがあるのかないのかというので御答弁いただいたんですが、ちょっと意味がわかりづらかったので、もう一度お答えいただきたいのと、やはり中野のごみを燃やしませんと言われますと、区民の方が困ると思うんですよ。だからこそ、やはり持たない、もしくは23区で共有して持つおつもりはないとおっしゃったんでしたかね、そういうふうに言うんではなく、もうちょっと前向きな持ってください、持ちますという答弁を求めているのではなく、やはり少し考えていただきたいなと思っておりますので、そのあたりをもう一度考えていただいて、御答弁よろしくお願いします。
    〔環境部長寺部守芳登壇〕
○環境部長(寺部守芳) 先ほどの御答弁に対する再質問でございますが、プラスチックの容器包装のリサイクル事業につきましては、これは清掃事業というよりも資源回収事業でございまして、これは23区共通処理を今しているわけではございません。
 そういう意味で、中野区として、この事業を推進しておりますけれども、23区の清掃事業ではないという先ほど御答弁をしたわけでございます。ただ、中野区としてその収集運搬あるいはこん包、保管の施設が必要かどうかについては大きな課題だと思っておりまして、これについては十分検討していく必要があるというふうに思っております。
○議長(山崎芳夫) 以上で酒井たくや議員の質問は終わります。
 議事の都合により暫時休憩いたします。
      午後2時25分休憩
 
      午後2時43分開議
○議長(山崎芳夫) 会議を再開いたします。
 一般質問を続行いたします。
 
 中野区議会議員 奥 田 けんじ
 1 区長の所信表明について
 2 区民参加に関する手続き条例について
 3 中野サンプラザについて
 4 その他
 
○議長(山崎芳夫) 奥田けんじ議員。
     〔奥田けんじ議員登壇〕
○7番(奥田けんじ) 平成16年第1回定例議会におきまして、無所属の会を代表させていただきまして、一般質問させていただきます。
 1年生議員として私は、年間、今回で4回目の議会を経験させていただくことになります。今回で一通り一応見させていただいたということになるわけですが、至らないながら区民の方の思いをしっかりと受けとめさせていただき、また区職員の仕事への情熱を感じながら、私なりに責務を果たさせていただいてきた、このように思っております。
 今、日本の景気の状況を見ますと、数字の上で改善の傾向幾つか出てきております。しかし、雇用等、暮らしに密着しております。そういった統計的な数字は、なかなか改善してまいりません。
 行財政の立場から申し上げますと、少子高齢化の傾向がありますから、今後も予断を許さない、こういった状況であります。
 同僚議員の皆さんも御指摘されていますとおり、三位一体改革の流れの中で、国、都からは権限の移譲がなかなか進まない中で、財源だけがどんどん減っていく、こういった状況です。こうした大変厳しい状況の中で、暮らしに密着した基礎自治体として、あらゆる可能性の中から解決策を見つけていく、これが必要との認識を私は持っております。
 今、中野区は民間の力をかりたり、区民の声を聞く努力をし、さまざまな方法を模索しながら進んでいる、こういった状況だと思います。当然するべきであろう、このように思いますし、私はこうした努力をする姿勢というのは支持したい、このような立場をとっております。
 しかしながら、なぜか一番大切な部分、区民の思い、当事者の思い、こういった部分がなかなか区政に反映されてこない。施策が決定される、もしくは実施される、そのたびごとに署名が山のように積み上げられる。当事者からの理解もなかなか得られない、こうしたケースが、私が議員になってから本当にたくさん見ることができます。
 こうした区民参加、このかけ声がなかなか物になってこないといった課題意識を持ちながら、今回、順を追って以下のように質問させていただきたいと思います。
 1番目の所信表明についてですが、所信表明の中では十分に語られていない、中野のよさ、そして強みは一体何なのか、こういった部分。先ほどの酒井議員の質問にもありましたアイデンティティーという部分にもつながってくるかもしれませんが、経済学者のリカードが論証しました『比較生産費説』を持ち出すまでもなく、当然、自治体の長として認識すべき問題だと考えております。
 そのよさを、市民や企業、団体にアピールし、中野区としてのブランドをいかにつくり上げていくのか、当然、長期と短期の視点を持つ2本の物差しをお持ちかと思いますが、暮らしの最低保障、そして当面の課題であります行財政の健全化といった、短期的な視点に加えて、自治体として、この自治体のよさ、強さをどのように差別化していくのか、これが今後の自治体のあり方だと思います。いかがでしょうか。
 そして、所信表明の発言の中で、区長は、区民みずからがつくるまち、区民みずからの参加と意思に基づいて形成・運営されるまち、このようにおっしゃっております。
 さて、区長就任以来、参加によって中野区は果たして運営されてきたのでしょうか。その評価というのは客観性を持たせることができますでしょうか。私は十分とはとても思えない、このように思っております。そうした思いから、次のような質問をさせていただきたいと思います。
 区民参加に関する手続条例について、中野区の行政運営は、最近区民の声を十分受けとめている、そのようにはとても思えない、こうした認識の中で、審議会、説明会、ワークショップ等行われてはおりますが、アリバイづくりで終わってはいないか、実際の声を反映し、区民の理解を得られることが果たしてできているのか。
 政策決定プロセスを区民参加で本当に行っているならば、最近の区立保育園の指定管理者制度導入、これに関するプロセスで、説明不足によって署名が6万以上集まってしまう、議論がほとんどされないまま、今定例会でも先議で強引に進められようとする、こういった説明はどのように説明したらよろしいんでしょうか。区民の理解が得られるよう、わかりやすく御説明ください。
 中野区には現在、行政手続条例というものがございます。しかし、これは行政機関における申請、請求の処理と行政指導の適正化を目的とするものであり、市民参加の保障をするものではございません。
 個別の条例としては「教育行政における区民参加に関する条例」がございます。果たしてこれは機能しているのでしょうか。
 例えば第4条の区民参加における配慮事項、ここで区民参加においては権利の主体としての子どもの参加と意見表明の機会が保障されるよう配慮されなければならない、こう書いてあります。国連憲章の子ども権利条約への配慮もされた、大変すばらしい当事者の参加もうたった条項でございます。
 私は子どもの政策を決める際に、中野区で子どもがどれだけ意見を発する場が与えられているのか、なかなかそういった機会、目にしたことはございません。
 では6条はどうでしょうか。区の機関の責務、第6条です。2項の中で、区の機関は、区民参加を促進するため、区民の自主的な活動を支援するとともに、区の機関が保有する情報を積極的に区民に提供し、その意思決定の過程についても公開するよう努めなければならない。こう書いてあるわけですね。
 図書館の委託の際、果たして参加のプロセスというのは保障されましたでしょうか、図書館の非常勤職員の方を含めた当事者、利用される方を含めた当事者、区民参加、どれだけ担保されたんでしょうか。
 学校選択制、にわかに検討の俎上に上がっておりますが、今後どう担保されていくのか、お答えください。
 参加の仕組みを意図し、パブリックコメントの制度も導入され、また先日の答弁にありましたように、自治基本条例でもそういった意向が反映されると予想されます。
 しかし、教育行政の分野で、図書館の例にありましたように、条例があってもなかなか参加の仕組み、これが機能していないのは、参加の基準があいまいであったり、担保されなかった場合の措置が不十分だからではないでしょうか。形骸化しがちな基本条例ではなく、計画確定の手続を明確にする条例を優先させるべきと思いますが、いかがでしょうか。
 特に当事者の参加、男性、女性問わず、高齢者、障害者の方々、児童、保護者等、さまざまな当事者の参加を確保していく、まずこういった施策を打ち出していくことが必要と考えます。いかがでしょうか。
 例えば、公聴会、審議会、審査会、公募等を使って、さまざまな意見を当事者そして利用者からとっていく、こういった形をとっていただきたいと思います。
 また、福祉分野におきましては「福祉サービスの適用にかかわる苦情の処理に関する条例」このような公平性を配慮し、参加の手続に問題がなかったかを審査する福祉の分野に特化した、そういったオンブズパーソン制度ございますが、区民参加という視点に立って、行政全体の区民参加の審査会、つまり区民参加のオンブズパーソン制度、これが必要になってくるのではないかと思っておりますが、いかが御認識でしょうか、お答えください。
 最後に、中野サンプラザの問題について御質問させていただきます。
 中野区は再三にわたって、区がサンプラザの購入をするために借金をするのではない、このような説明をしております。そして、中野区は第3セクターの借り入れに損失補償をしない、だから、区としてのリスクが余りないかのような受けとめられ方をする、そうした説明が繰り返されている、このように私は感じております。
 確かに借金をする主体は第三セクター、これが予定されております。しかし、主体である第三セクターの大株主、3分の2を出資するわけですから、大株主、この中野区がむしろ株主の視点から考えたときに、3分の2以上を出資している、その第三セクターの財務的なレバレッジ、つまり自己資本が過小なわけですね、借金がほとんどなわけですから、財務レバレッジを10倍以上きかせる、こうした財務リスクを負う、行政という立場で財務リスクをこれだけ負っていく、当然、倒産リスクも高いわけです。これだけ過大に財務リスク、倒産リスクを、株主の立場で負うということが、行政の担い手である中野区がするべきかどうか、どのようにお考えなのでしょうか、お答えください。
 そして、債務の返済義務に関して、金利の変動リスク、国債が今、非常に過剰感が出てきているわけです。今後の金利の変動リスク、事業主体になるわけですから、大株主として、事業リスクを負っていくわけです。今後の金利の変動リスクをどのように認識されているのか、お答えください。
 そして、総務省から「第三セクターに関する指針」これが平成15年12月12日に出されております。この中にも、基本的には第三セクターに対して損失補償しないような指導がされております。しかし、非常の事態であれば、当然、損失の補償可能だと書いてあるわけです。つまり、損失の補償は基本的に非常の事態でなければしないわけですから、こういった条項が書かれている以上、当然、非常時であるからということで、損失の補償する可能性、十分出てくるわけです。
 しかも事業リスクに関しては、借金の返済に関しては補償しなくていいと書いてありますが、事業のリスク、事業そのもののリスクに関しては最大株主として、真っ先に責任を負わなきゃいけないわけですから、事業主体としての認識を十分持っていただきたいと思います。その認識が果たしてあるのかどうか、お答えいただきたいと思います。
 そういったことを、区民の方が果たして十分理解されるような説明責任が果たされているかどうか、ここを考えたときに、これまでの対話集会を含めた区民の方への説明の中で、サンプラザの取得に関して、区の事業主体、大株主としての財務リスク等、どういった立場なのか、区民の方にわかりやすく説明されているとは私はとても思えません。説明責任をどのように果たされていくのか、今後の具体的な取り組みをお示しいただきたいと思います。
 そして総務省の同指針では、新規に第三セクターを設置する場合に、他の選択肢をよくよく検討するよう指導されていると思います。中野区の場合、その他の選択肢、今、第三セクター、責任の所在があいまいですから、なるべくならつくらないようにという全体的な方針が示されているわけですが、にもかかわらず、第三セクターであったという選択をしたからには、当然、事前にそれ以外の選択というのを、十分、よくよく検討されたと思います。どのような検討がされたのか、わかりやすく具体的にお示しください。
 そして、当然、この事業というものがなかなかうまくいかない、これが明らかになったとき、どのようなタイミングで、どういった形で撤退するのか、これも決めておかなければ、これまでの第三セクターと同じになるわけです、どんどん損失が膨らんでいく。これをしないためには、当然ロスカットの基準を決めなければならない、このように私考えております。
 損失が発生した場合、撤退をどの基準でするのか、明確に事前に決めるべき、このように考えておりますが、いかがでしょうか。そして、その際の責任の所在もあわせて明確にするべきと考えております。具体的に示していただきたいと思います。
 地方三公社以外、第三セクター、これは区民の方に対して情報公開の対象にならない、こうしたことが一般的に言われております。しかし、中野区では、中野区以外の関係団体に協力を求めるという形で、中野区区政情報の公開に関する条例施行規則、この中で、中野区土地開発公社を含め、9団体に同等程度の情報公開、これを協力を求めるよう決められております。
 当然、まちづくりに寄与する中野サンプラザ、このサンプラザに関しては、行政が本来なら民間セクターが負うべき事業リスクまで負って取得を目指す、このような方針を決めているわけですから、情報公開の対象、それに準ずるような方法をとるよう検討を進めていくべきと私は考えますが、いかがでしょうか。
 区民の皆さんが取得をした後に、どういった健全運営がされているのか、わかるような担保をしていくのが当然あるべき姿だと思います。
 以上、区民に適切にかつ十分な情報が伝えられ、当事者を含めた区民参加、区民の意思が反映される中野区の将来を切に願いまして、私の質問を終わらせていただきます。
 なお、時間の制約もございます。理事者におかれましては、ぜひとも端的かつ誠意あるお答えをお願いします。
 ありがとうございました。
     〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 奥田議員の御質問にお答えをいたします。
 まず中野のよさというところですけれども、先ほど酒井議員の御質問にもお答えいたしました。中野は都心に近く、利便性の高い住宅地として、多くの人が住んできているわけであります。中野に住み暮らす人々の文化的、社会的なさまざまな活動が東京の中でも、中野らしい個性的な価値を発信してきたというふうに思っております。
 自由で個性あふれるまちの雰囲気、進取の気風、温かい人と人とのつながり、そうしたものを大切にしていきたいというふうに考えております。
 そうした中野を実現するために、市民が自己決定と自己責任に基づいて、自分の住んでいる地域で主体的に活動するまちになっていくということが必要だと考えています。
 新しい発展の可能性を大きく持つまちだというふうに認識をしているところで、そのよさを将来に向けて伸ばしていきたいと考えております。
 それから区民参加について1、2点、質問がありました。
 地方自治体は住民自治、団体自治の原則に基づいて運営をされております。多数の市民の多様な意思を調整しながら、全体の利益、公共の福祉を実現するための方法として、代議制の議会と首長制の二元代表制がとられているわけであります。
 30万という多数の区民、多様化した価値観、複雑化した社会的利害関係の中で、主体であります区民の意思をより幅広く、きめ細かく反映する方法として区民参加の方途を確立する必要があるというふうに考えているところであります。
 区民参加の中にあっては、だれもが100%主張を貫き通せるということはないわけであります。市民的議論によって、互いに最も全体の利益に合致する結論を導き出すプロセスが欠かせないというふうに思うわけであります。
 また、一方で常に揺れ動く現実に対応していく行政はとどまることを許されないわけであります。区民参加においても、必要な手続を定め、参加の実を上げるとともに、全体の福祉実現の営みをとどめることなく進捗させる必要があるわけであります。
 就任以来、区民参加の前提として、区民と区が情報を共有し、十分に話し合うこと、参加の手続の結果として行政の決定したことについては説明責任を果たすこと、このことが不可欠だと考えて進めてまいりました。
 区民と区長の対話集会を月2回のペースで進めているほか、さまざまな機会を設けて、区民の声を寄せていただいてきました。区民の生の声を受けとめて、即座にサービスとして対応したり、施策に生かすよう努めているところであります。
 また、区民の意見表明の機会と決定についての説明義務を保障するパブリックコメント制度も導入したところです。
 今後、自治基本条例でこれらをより明確にしていきたいというふうに考えております。
 指定管理者制度の導入に当たっての説明責任ということですけれども、指定管理者制度の導入に当たっては十分に説明責任を果たしながら進めてきた、そういったつもりでおります。
 現在まで、平成16年度の予算編成の重点事項についての区民と区長の対話集会を初め、区民説明会、該当保育園における保護者説明会、これらを合計17回行っているところであります。
 また、区報での周知でありますとか、メール、ファクスなどによって質問も広くお受けをしておるところでありまして、個別に回答するなどの対応をしてきたところです。
 指定管理者の制度については、さきの第4回定例会において条例として成立をしているところでありまして、適切、万全な引き継ぎを行う必要があるということから先議をお願いしたものであります。
 それから自治基本条例に関連しての質問についてです。
 自治基本条例では、自治の理念を定めるということだけではなく、区の計画立案、策定、実施等への区民参加の基本的な考え方や手続について定めていきたいというふうに思っています。当事者も含め、区民各層からの意見が広く反映されるような区民参加の仕組みが必要であるというふうに考えております。
 なお、区民参加全般についてのオンブズマン制度のようなものの御提案がありましたけれども、区民の参加を受けて、区としての決定をしていくという中で議決をいただいたり、あるいは監視、牽制の仕組みとして区民から選挙で選ばれた議会があるわけでありますので、区議会のそうした権能といったようなものを大切にしていきたいというふうに思っているところであります。
 私からは以上であります。その他はそれぞれ担当の部長の方からお答えをいたします。
     〔教育長沼口昌弘登壇〕
○教育長(沼口昌弘) まず、教育行政区民参加条例の機能が果たされているかという御質問でございます。
 教育委員会では条例の趣旨にのっとりまして、対話集会、それから夜の教育委員会あるいは毎月1回委員会での傍聴者発言、それからパブリックコメント、ホームページ、いろいろなものを制度化いたしまして、教育行政に区民意見を反映するように努めているところでございます。
 また、必要に応じましてはアンケート調査なども行っておりますし、また教育委員会自体が公開で行っておりまして、当然、傍聴に来た方々には資料も配布しているということでございます。
 なお、子どもの意見につきましても、ことしは何回か行おうということで、教育委員の中でも既に議論が出てきておりまして、現在、事務局で検討を進めているところでございます。
 こういったことから、この区民参加条例につきましては、機能を果たしていると考えています。
 図書館委託についての区民参加につきましては、図書館行政に区民の声を反映させるための図書館運営協議会、そういうものを設けてございますけれども、この協議会に昨年9月に委託を含む、業務執行方法の改善について協議し、意見を聞きました。また、利用者を中心とした業務委託に関する説明会を既に2回行ってございます。
 また、学校選択制の参加につきましては、これまで教育委員と区民との対話集会、2回ほど開催したほか、随時、PTAなど、関係団体への情報提供あるいは意見交換、こういうものを数多く行いながら、現在まで検討を進めてきてございます。
 また、昨年10月には区民向けのアンケートを実施したところでございます。
 そのほか町会連合会、私立幼稚園連合会、保護者会、青少年委員などに情報を提供いたしまして、広く意見を求めているところでございます。
 また、ホームページなどでも意見を求めている段階でございます。
 今後とも広く区民の意見を聞きながら検討を進めていきたいと、そのように考えてございます。
     〔区長室長金野晃登壇〕
○区長室長(金野晃) 中野サンプラザ取得に関する区のリスクについてでございます。
 区は事業全体の中で、サンプラザを取得する新会社への2億円の出資を行うものでございます。株主としてのリスクということではその限度で負うことになるというものでございます。
 したがって、金利変動や事業運営のリスクについては区は負わないという仕組みで進めているところでございます。
 リスクにつきましては、まず新会社が施設の保有のリスクを持つ、それから事業運営のリスクについては、運営事業者が持つということでリスクの分担をするという仕組みで考えております。
 そうしたリスクについては十分なリスクの検討が行われた計画を提案した事業者を選定をするというように進めていきたいと思っております。
 また、負債の比率等でございますが、新会社の持つ資産と負債のバランスは十分にとれるというように見込んでおります。
 また、資本金額についても、新会社の年間必要とする必要の大半を賄えるだけの金額として設定したものでございます。
 それから第三セクター以外の方法の検討でございます。
 区が直接サンプラザを取得するということにつきましても検討いたしましたが、これについては起債が該当しないということでございまして、一般財源から直接取得の費用を支出することになります。そうした支出は困難であるという結論に至っております。
 仮に財源の手当ができたといたしまして、区が区立施設として使うかということでございますが、サンプラザの施設の内容、その機能を考慮しますと、区立の施設とするのは適当ではなく、したがいまして、PFI方式あるいは公営企業の方式等も取り得ないという判断をしたものでございます。
 それから経営悪化によった場合の対応でございます。
 新しいサンプラザの保有施設管理を行う会社は、事業運営については民間の運営事業者にゆだねるものでございます。運営事業者は、みずからのリスクで賃料を確実に支払うという義務を課せられるというものでございます。経営悪化ということにつきましては、運営事業者がどうしても黒字の運営ができず、撤退するというような場合も可能性としてはあり得るわけですが、そうした場合の違約金についても定め、速やかに他の運営事業者を選定することになるというように考えております。
 また、その他の経緯によって、経営悪化等事業の撤退等をせざるを得ないという場合については、雇用能力開発機構との協議により、最善の措置を行っていくという考えでございます。
 それから新会社の情報公開でございます。
 新会社につきましては、区が資本金の過半を出資する法人でございますので、決算等につきまして議会報告が義務づけられているというようなものでございます。情報公開についても積極的に行っていくべきだというように考えております。
     〔奥田けんじ議員登壇〕
○7番(奥田けんじ) 再質問させていただきます。
 まず行政の手続に関するところ、区民参加の項での質問の中で、行政の手続に関して、オンブズパーソンの制度をとってはどうかという提案を含めた質問をさせていただいたわけですが、その手続が適正であるかどうかを審議するのは議会であるから、そういったことを担保するものを審議会等つくる必要はないんだというような御認識を示されたかとは思うんですが、世界の例を出すのは余り適切ではないかもしれませんけれども、世界的な流れとしては行政の手続条例自体の中に、本来であれば、参加の手続というものが盛り込まれているのが、今、一般的な流れになってきているわけですね。そういったことを考えると、そういったものが担保、手続の適正な流れというものが担保されて初めて、本来であれば行政の手続というものが完了、条例としては完結するんであろうというふうに認識しております。それが十分ない中で、どのような形で担保するかというものの施策の一つとして提案させていただいたものでありますから、議会は当然審査していく中の一つの機関でありますが、区民の方に対して、どれだけ何層にもわたって説明責任を果たしていくものを担保する施策を講じるかということが肝要と思いまして、私、提案を含めまして質問させていただいたものでございますので、ぜひ御見解をお答えいただきたいと思います。
 それからサンプラザの問題ですが、金利等その他のリスクを負わないというような御回答をいただきましたが、私との認識の違いが大きく出てしまったというところだと思うんですが、2億円の出資を重く見るか、軽く見るかというところもあるとは思うんですが、2億円を出資している出資者として、金利等のリスクが当然発生してくるので、それを勘案しなければ出資できるかどうかの判断がつかないんじゃないかということを言っています。今回、予算案として出されている2億円、これに関してさまざまなリスクは勘案されているかどうか、そこが示されないとなかなか難しいなという思いがありまして、質問させていただいておりますので、このリスクに関しての御認識、改めてお伺いさせていただきたいと思います。
 それから民間に任せるのが適切であろうというような、区立とするのが適切でないというようなお答えがあったと思います。これは当然だと思うんですが、PFIに関してもあわせて検討されたというようなこともおっしゃっていたんですが、PFIに関してはさきに土地を持っていなきゃいけないというような制約等あるかと思うんですが、もう少しよくよく検討してというような指導されているわけですから、PFIでの検討できなかったどうかのお答えを改めてしていただきたいと思います。
     〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 再質問にお答えをいたします。
 区が行政運営を行っていく、政策判断を行っていく上での区民参加についての手続でありますとか、その基本的な考え方、理念、そういったようなことを自治基本条例で定めようとしているところであります。
 その自治基本条例の定めに基づいて区民参加を行っていくというのが行政側、長の側としての務めということであります。
 また、幅広く長の行政判断全体について調査権を有し、監視や牽制の機能を持つ、正式の区民の代表の機関が区議会としての権能を有して、現に存在をしているわけでありますので、その議会の権能というものを大切にするという観点からの御答弁をさせていただきました。
     〔区長室長金野晃登壇〕
○区長室長(金野晃) サンプラザのリスクについての再度のお尋ねにお答えいたします。
 金利の変動ということにつきましては、そういった事業全体の中ではリスクがあるというふうに思っておりますが、それは区が出資に伴って負うということではなくて、そういったリスクは当然、新会社の経営のリスクとなってあらわれ、それが結果的には区が出資する金額についての、その金額が損なわれるというようなリスクとして反映されてくるという意味ではおっしゃるとおりだと思っております。しかし、区が直ちにそれについて新たな負担を負うとか、そういったことではないというふうに考えております。
 それからPFIについて十分検討したのかというふうなことでございますが、この国の指針が出る以前から、私どもどういった形でやるかということで検討しておりました。PFIというのは、本来的に行政目的を達成するための手法というように考えておりますので、このサンプラザの施設の保有、運営というふうなことを行政目的として行うのは適当でないという考え方でございますので、PFIには当たらないというような考え方をとっているものでございます。
     〔奥田けんじ議員登壇〕
○7番(奥田けんじ) 最後のPFIに関してだけ再々質問させていただきます。
 どうお答えされたか、ちょっと正確にわからないんですけれども、本来、区が持つべきでない、それから区が運営主体となるべきでないというようなことをお答えになっているんですが、では今この中野区が出資しながら、区が相当程度の影響力を持ちながら運営していこうという方針、これ自体がなかなか説明つかないようになっていくのではないかと思うんですね。
 というのは、仮にPFI等で区が所有した後であっても、場合によっては今後民間にというふうな移転作業は当然できるわけですから、区が持つということで公共性もしくはまちづくりに寄与するという意図で区が所有するという行政の目的を果たすということは可能だったわけですから、そういった形をどうするかというところの選択肢の一つにもう少し具体的に検討されるべきでなかったかというふうに思うんですが、いかがでしょうか、最後に1点だけお答えください。
     〔区長室長金野晃登壇〕
○区長室長(金野晃) サンプラザを区が関与する形で取得するという目的は、一つは現在のようなサンプラザの機能、こういったことはまちの賑わいに資するような形で維持されるということが、中野のまちに効果があると、それからサンプラザの土地、施設について将来のまちづくりに活用していくというふうな大きな目的でございます。私の方で行政目的に当たらないと申し上げましたのは、サンプラザの現在の事業、例えばホテルですとか、さまざまなスポーツ施設ですか、そういったものを直接運営するということが行政目的に当たらないと、そういったものを行うためのPFIという目的には該当しないというようなことで考えたものでございます。
○議長(山崎芳夫) 以上で奥田けんじ議員の質問は終わります。
 
 中野区議会議員 はっとり 幸 子
 1 区長の政治姿勢と区政運営について
  (1)自治基本条例制定について
  (2)新しい公共サービスの担い手について
 2 介護保険制度見直しに向けた区の取り組みについて
 3 廃棄物会計の公表について
 4 食品安全委員会の今後について
 5 難解用語を見直すことについて
 6 その他
 
○議長(山崎芳夫) 次に、はっとり幸子議員。
    〔はっとり幸子議員登壇〕
○18番(はっとり幸子) 一般質問をいたします。
 区長の政治姿勢と区政運営についての中で、自治基本条例制定について、1点目に伺います。
 各地で自治を重視する動きが活発化する中、2000年に制定された北海道ニセコ町の「まちづくり基本条例」を初め、都道府県レベルでは北海道とそのほか十六、七の基礎自治体で自治基本条例が制定されています。今後予定している自治体も幾つかあるようですが、東京では既に制定した杉並区、策定中の豊島区、三鷹市と、議会で審議中の多摩市などがあります。
 条例策定の仕組み、過程、内容などはさまざまです。これまで制定された条例のほとんどが一般と発想が変わらない「まちづくり基本条例」になっていると指摘する研究者もいますが、自治基本条例については定義はないようです。公共を行政だけに任せてきた限界が明らかになってきて、だれが何をどこまで担当するのか、自己決定、自己責任の考え方をもとに、その仕組みを具体化しようという意識が、それぞれの自治体を経営していくルールをつくる動きとなっています。
 住民投票制度も現在200を超える自治体でつくられていると聞きます。法に基づいて全国の自治体が画一的な条例をつくってきた時代から、一つのまちにはそれぞれの歩んできた歴史があり、行動力の違いや自治体による温度差などから、実力と実績に応じ、自治体としての夢も盛り込んだ条例がつくられるようになってきたようです。議員が自治基本条例研究会をつくり、議員提案によって全会派一致で成立した自治体もあります。二、三年のうちには200を超える自治体で自治基本条例が制定されるだろうと見られています。
 中野区においては、2年前、区長選の区民との政策議論の中で、自治基本条例が提案され、区長の公約の一つになりました。今定例会の施政方針説明で、区長御自身が描かれている中野のまちの将来像とそれを実現するための自治基本条例の制定が表明されました。
 区長はなぜ今、中野に自治基本条例が必要とお考えなのか、その意義について改めて伺います。また制定した多くの自治体で自治基本条例をその自治体の憲法と位置付けていますが、区長はどのようにお考えでしょうか。
 施政方針説明でお示しのように、条例の検討は審議会を設置して行い、約1年間で制定するとのことです。そして、自治と参加の理念と手続を定める条例として、自治を進化させる大きな契機とするということですが、条例の制定過程を透明にし、より広範な区民とオープンな議論を進めることが必要だと思います。基本構想区民ワークショップの活動の第4分野では、新しい自治のあり方が熱く議論され、このほど出されたまとめでは自分たちで考え、決めるだけでなく、行動し、責任を持つことを目指す区民へと意識の変革をあらわす宣言が行われています。こうした活動を生かし、今後の参加の仕組みをどうつくるのかが問われています。審議会による検討のほかに、制定までの過程でどのような参加の仕組みをお考えなのでしょうか、お尋ねします。
 先日、伺った神奈川県大和市は「市民自治基本条例をつくる会」を設けて策定中です。このつくる会の代表は、企業の現役の課長さんで公募に応じたそうですが、こうした経験は初めてだそうです。この会の運営の特徴の一つにパブリックインボルブメント、いわゆるPIという参加の手法の一つだそうで、インボルブメントという言葉には「巻き込む」という意味があるのだそうですが、この考え方を重視、策定のさまざまな場面で使っているそうです。つくる会の方から市民の中に出ていって説明をしたり、議会の各会派と意見交換をするなど、1年間に140回の検討を行い、精力的な活動を続けています。また担当課は、今こういう条例を策定中でここまできましたと市民に知らせるための、こうしたチラシをつくって、まちの中や市の庁舎あるいは公共施設などに張り出しています。また市の封筒にも条例のロゴマークを入れまして、私たちがいただいた資料も、これに入って出されてきました。そして、担当の企画課の前には「つくる会」の大きな立て看板がありました。
 三鷹市では、基本構想みたかプラン21の策定メンバーだった市民が「市民自治基本条例をつくる会」を立ち上げ、市と連携をしながら、あえて市の職員などの知恵や財政などの支援を受けず、自立した活動を進めています。先日21日は第2次市民案の発表会として条例案についての意交換会がありました。現在策定中の藤沢市など、幾つかの自治体職員も参加し、議論をしていました。批判したり、要望するだけの言いっ放しの市民ではなく、責任を持ってまちをつくるという自立した市民の一つの姿を見た気がしました。
 幾つかの自治体の策定状況を聞いてみますと、従来の条例制定にはない策定プロセスがあるようです。ぜひ中野区としてもさまざまな工夫を凝らしていきたいものだと思います。
 2点目に、新しい公共サービスの担い手について伺います。
 新しい中野をつくる10か年計画、次世代育成支援地域行動計画などの策定を前に、今後の中野区の新しい公共サービスの担い手をどう確保するのか、私たちにとって大きな課題が突きつけられています。
 これまで長い間、行政だけにゆだねてきた「公共」の領域に、市民の多様な価値観に基づいて、必要とされるサービスを市民、団体、企業などがサービス提供主体として参加する時代がきました。さまざまな選択肢があることが中野の中でも当たり前に思える状況をつくっていかなければなりません。そうした中で、昨日は指定管理者制度の保育園導入の議決をしたところです。今、各地の自治体でさまざまな課題解決のためのNPOとの協働が期待され、中野区においてもNPOが事業の受託をする事例もふえてきています。しかし、協働を進めている自治体によっても異なりますが、多くは協働以前の根本的な事柄が議論されないまま、理念のない協働を進め、問題が生じている事例もあるように聞きます。委託は下請けではなく、公共を変えていくための一つの手段です。NPOに対する社会的認知が確立していない状況で、協働イコール委託ということがひとり歩きをし、委託がNPOと行政の協働なのかという意見も出てきているようです。お互いが最大限の自主性と協調性を発揮し、NPOの自立性を高めるための事業を進めるために、中野区の協働におけるビジョンを明らかにし、委託事業を含めた協働の過程をガラス張りにし、契約やルール化など仕組みをつくることが必要だと思います。
 新たな公共サービスの担い手の確保について、また協働を進めていく上で取り組むべき課題についての認識を伺います。
 2つ目に、順番を変えまして、廃棄物会計の公表について伺います。
 この10年ほど、税金負担でごみ処理を行っていいのかが世界的に問題となっているようです。リサイクルの推進によって、ごみ量が減少したとはいえ、「容器包装リサイクル法」ができて、資源化にかかる自治体の費用負担は大きくなりました。中野区はごみの量については区報などで発表していますが、ごみ処理、リサイクルに多額の経費がかかっていても、区の負担分について算出する方法か確立されていないため、明確に出すことはできないとのことです。これはほとんどの自治体が同様です。昨年7月、小金井市は初めての試みとして、ごみ処理にかかる一切の経費をまとめて計算した廃棄物会計を市の広報紙に大きく掲載をいたしました。2002年度の小金井市内のごみ総量約3万5,000トンの処理に総額約20億円、収集から埋め立て処理経費と集団回収費を含むリサイクル経費など一切の経費です。市民1人当たり1万8,000円、1世帯平均3万8,400円で、市税収入の約11%に当たるということです。具体的な数字を示すことで市民に強くアピールしたようですが、反響が最も大きかったのは、ここに書かれております、びん・ペットボトルなどの処理費、2リットル入りのペットボトル1本に22.3円かかっていることへの驚きだったそうです。資源化するのにかかった経費は5億2,200万円、処理費全体の4分の1強になっています。しかし、リサイクルすればいいということではありません。発生抑制が一番優先されなければなりません。小金井市は廃棄物会計を生かし、ごみ行政の改革をしていくために、今後は毎年出していく考えだということです。
 2000年度、2001年度について、市民団体が研究し提案した算出方法で、中野区も含め、関東近県の230の自治体が参加して、人件費や施設費などの項目も加えた廃棄物会計を算出し、まとめる作業が行われました。23区の場合は、中間処理以降は共同処理となるため、経費を出すのは困難で、按分する箇所が多く、市民団体の算出方法を用いても区の担当者の判断によって数値が異なってくると思われますので、ここで数値を出すのは控えますが、23区全体で共通した算出方法を開発する努力をすべきだと思います。区内の清掃工場建設が中止となり、これまで以上に私たちが責任をもってごみ減量を進めていかなければなりません。明確な廃棄物会計を早急に作成し、税の使い方としてのごみ処理経費の問題も含め、ごみ減量に向けて区民へアピールすることが必要です。区行政として関係方面への積極的な働きかけをすべきだと思います。廃棄物会計を公表することについての課題と今後についてのお考えを伺います。
 次に、介護保険制度見直しに向けた区の取り組みについて。
 5年に1度の制度の見直しに向け、現在、国の本格的な検討が進められている中、東京都は検討会を設け、市区町村との間で制度の課題と改善策について意見交換を行ってきたと聞いています。
 昨年10月にまとめられた国へ提案すべき事項についての提案書の試案には、多くの人々や団体から100項目を超える意見が寄せられ、今月末には国への提案書として提出する予定だということです。中野区は東京都との取り組みを通じ、要介護・要支援認定について、さらに保険給付にかかわる高額介護サービスの払い戻しの手続、また費用負担などについて改善に向けた提案をしたとのことですが、制度の運営面での課題は多くあります。保険者の裁量権を拡大し、それぞれの地域の特性を踏まえ、柔軟な対応ができるような制度にしていくために、保険者として国に対する積極的な姿勢を期待します。
 これは港区が出した介護保険白書です。港区は第2期の介護保険事業計画策定の際、サービスの量の確保、サービスの質の向上、相談・苦情解決システムの充実など、区民に五つの約束をしていて、その約束を果たすために区独自にこうした白書をまとめて、保険者として直面した制度上の課題、また区民やサービス提供事業者など介護現場からの意見を区民にもわかりやすく整理して、41の要望項目にまとめ、それぞれの現状と課題、具体的内容、根拠となる法令などを掲載しています。
 介護保険制度を利用者にとって使いやすい、また持続可能な安定した制度にしていくための取り組みについて2点伺います。
 在宅介護支援センターで区民から相談の対応や情報提供等が適切に行われているのでしょうか。相談件数は多いようですが、単なるケアプラン作成所になっているのではないかとの指摘もあります。どのような問題があるのか、保険者としてしっかりと検証をすべきだと思います。いかがお考えでしょうか。
 また後期高齢者がふえ、介護保険の利用、給付費の増加も進んでいる中、介護保険料の負担を重くしないために、介護予防として地域の支え合いを徹底していくことが必要となります。高齢者に対する情報提供など、さまざまに行われてはいますが、受けとめ方や理解力など個々に異なりますし、地域の在宅支援センター・保健師・民生委員がチームを組み、きめ細かな働きかけをしていくことなど有効だと思います。お考えをお伺いします。
 1月30日には第2期の介護保険運営協議会が発足し、第3期の介護保険事業計画策定に向けた活動が始まりました。保険者としての責任をどのように果たしていくのか、今後の取り組みについてのお考えをこの項の最後にお聞きします。
 次に、食品安全委員会の今後について。
 食品をめぐる状況は次々に新たな課題があらわれ、食品に対する安全性への危機感がますます大きくなっています。こうした中で、国や都においてもおくればせながら、ようやく新たな動きが出てきたところです。中野区食品安全委員会の1期から3期の活動の中で、消費者・事業者・行政がそれぞれの役割に取り組むとともに、お互いに連携して食を通じた地域健康づくりを進める意義が確認されました。2001年8月に第3期が終了し、報告書がまとめられた後、2年半が経過しています。これまでの中野区の食の安全にかかわる自治の観点からの取り組みを踏まえ、より積極的に新たな将来構想を持った総合的な食品安全施策が期待されます。区はこれまでの食品安全委員会の活動についてどのように総括し、課題をどのようにとらえているのでしょうか。食品安全委員会の今後についてのお考えをあわせて伺います。
 難解用語の見直しについて。
 近年、私たちが日常目にしている新聞や書籍類などに使われている言葉の中に片仮名語がふえています。区報を初め、区のさまざまな報告書、パンフレットなどの文書もわかりにくい用語、表現などがわかりにくいと区民の方から言われることがあります。区にも時々、苦情が寄せられるとのことです。情報を受け取る区民の立場に立って、わかりやすさという観点から見直しを図る取り組みを進めていくことが必要だと思います。区の出しているさまざまな文書などから片仮名語やわかりにくい用語、表現などの点検を行い、顧客満足度の観点から改善をすることについて、ぜひ積極的な御答弁をお願いいたします。
 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
     〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) はっとり議員の御質問にお答えをします。
 自治基本条例の必要性ということであります。今、社会全体の大きな変革の時代ということで、自治体もみずから改革をしていかなければ持続できない、そんなことを常々申し上げているところです。そうした大きな改革の流れであればあるほど、住民がみずからの自己決定、自己責任、自己統治の自治体運営ということが求められているというふうに思うものであります。
 自治体運営について、その地域住民による自己決定、自己統治の理念、手続を定めていく必要があるというふうに考えたわけであります。
 パブリックコメント制度でありますとか、区民への説明責任、住民投票等、住民と行政の関係のあり方全般に理念や対応を明らかにしていきたいというふうに考えております。
 また自治基本条例は自治体の憲法かという御質問であります。自治体の憲法というのは、やはり私は日本国憲法だろうと思います。憲法というのは最高法規性を持った大事な法律、言葉でありますので、自治体それぞれに憲法があるといったような考え方は、趣旨としてはよくわかるんですけれども、私自身はちょっと違うのではないかというふうに思っているところであります。
 自治基本条例の制定過程への区民参加ということでありますけれども、自治基本条例は現在基本構想で行われています、さまざまな区民論議を土台として検討を行うものであります。審議会を設けた後におきましても、審議会の審議と並行しながら、区民対話集会、区報、ホームページ、またさまざま幅広い区民の意見の聴取を行いながら、検討していきたいというふうに思っております。
 それから公共サービスの担い手づくりという質問です。豊かで活力ある地域社会を築いていくためには、行政の直接サービス提供部門の活動はできるだけ小さくし、市民の自主的な活動やNPO、企業など、多様な公共サービスの担い手が活発に活動して、多様な価値あるサービスを提供する状況をつくっていくという必要があるというふうに考えています。
 NPOなどの自主的な活動団体が公共サービスの担い手として活動を広げられるよう、情報の公開、透明性を確保しながら、活動の自立性、継続性が確保できるような環境の整備を行っていきたいというふうに思っています。
 それから廃棄物会計の公表であります。廃棄物会計という概念で御質問があったわけですけれども、確かにごみ処理にかかわるコストというのは、再生利用の部分のコスト、あるいはさまざま副次的に発生しますコスト等の問題も含めまして、非常に難しいものだというふうに思っています。そのコストを明らかにしていくことが、ごみ・ゼロに向けての総合的な戦略づくりといったようなことにもつながっていくというふうに思っているわけでありまして、区のごみ処理やリサイクル事業のあり方について、これから区民とともに考えていくためにも、清掃リサイクルにかかる経費について、わかりやすく公表できるような検討をしていきたいというふうに思っております。
 私からは以上でありまして、その他はそれぞれ所管の部長の方からお答えをいたします。
   〔保健福祉部長菅野泰一登壇〕
○保健福祉部長(菅野泰一) 介護保険制度見直しに向けまして、区の取り組みのうち、在宅介護支援センターの検証が必要ではないかとの御質問でございますが、現在9カ所の在宅介護支援センターとの会議を毎月開催いたしまして、相談の内容や苦情等で把握された問題点などにつきまして報告を受け、協議しているほか、区からの指導も行っているところでございます。今後はさらに利用者の満足度でありますとか、事業効果などにつきましても検証してまいりたいと思います。
 それから介護予防ということでございます。区といたしましては、今年度中に健康福祉都市宣言を行いまして、介護予防の取り組みにつきまして強化していく考えであります。
 具体的には高齢者会館を高齢者の健康づくり、健康維持機能重視の施設運営に転換いたしまして、介護予防のメニューをふやすとともに、在宅介護支援センターや保健師、それから民生委員などとの連携強化にも努めてまいりたいと思っております。
 それから第3期介護保険事業計画策定に当たっての視点でございます。平成16年度はこれまでの介護保険の運営状況等の分析による新たな課題の抽出や要介護高齢者や介護サービス事業者の実態把握を予定しております。あわせまして、国の制度見直し検討の動向等を踏まえまして、区民にとってより利用しやすい制度となるよう検討を行ってまいりたいと思います。
    〔保健所長清水裕幸登壇〕
○保健所長(清水裕幸) 食品安全委員会についてのお尋ねにお答え申し上げます。
 中野区は、全国に先駆けまして食品安全委員会を設置し、運営してきたところでございます。本委員会では、消費者、事業者、そして行政の課題と責務を明らかにするなど、先進的な役割を果たしてきたものと評価しているところでございます。
 一方、BSEの国内発生やそれに伴う表示偽装事件などを契機としまして、国は昨年、食品安全基本法を制定し、食品安全委員会を設置したところでございます。東京都も食品安全情報評価委員会を設置し、本年、食品安全条例の制定を予定しているところでございます。
 こうした国や都の動向を踏まえ、区は基礎的自治体に期待される役割を明らかにしまして、区として総合的な食品安全の基本的施策を確立していきたいと考えているところでございます。この中で、食品安全委員会のあり方についても検討してまいりたいと考えてございます。
    〔総務部長石神正義登壇〕
○総務部長(石神正義) 私からは難解用語の見直しについてお答えいたします。
 難解用語の見直しマニュアルということについては必要と考えますが、区民の方が理解できない片仮名語であるとか、難解用語、こういったものを使わずに区民の方にわかりやすい言葉による説明、また接客態度、こういったことを持てる、区民の立場に立って仕事をする職員を育成していくということが必要だというふうに考えてございます。そういうことを通して、親しみやすい区役所づくりができるようにしたいというふうに考えてございます。
 単なるマニュアルづくりではなくて、職員の意識改革につながる取り組み、こういったことから難解用語の解決にしていきたいというふうに考えてございます。
○議長(山崎芳夫) 以上ではっとり幸子議員の質問は終わります。
 お諮りいたします。議事の都合により本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山崎芳夫) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
 次の会議は、明日午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。
 本日はこれをもって延会いたします。
      午後3時48分散会