令和8年02月12日中野区議会本会議(第1回定例会)
令和8年02月12日中野区議会本会議(第1回定例会)の会議録

.令和8年(2026年)2月12日、中野区議会議事堂において開会された。

.出席議員(41名)

  1番  高  橋  ちあき         2番  山  内  あきひろ

  3番  武  井  まさき         4番  日  野  たかし

  5番  木  村  広  一        6番  斉  藤  けいた

  7番  井  関  源  二        8番  黒  沢  ゆ  か

  9番  大  沢  ひろゆき       10番  武  田  やよい

 11番  広  川  まさのり       12番  いのつめ  正  太

 13番  間     ひとみ        14番  河  合  り  な

 15番  市  川  しんたろう      16番  加  藤  たくま

 17番  甲  田  ゆり子        18番  小  林  ぜんいち

 19番  白  井  ひでふみ       20番  吉  田  康一郎

 21番  立  石  り  お       22番  小宮山   たかし

 23番  内  野  大三郎        24番  い  さ  哲  郎

 25番  細  野  かよこ        26番  斉  藤  ゆ  り

 27番  杉  山     司       28番  ひやま      隆

 29番  高  橋  かずちか       30番  大  内  しんご

 31番  伊  藤  正  信       32番  平  山  英  明

 33番  南     かつひこ       34番     欠  員

 35番  石  坂  わたる        36番  むとう   有  子

 37番  羽  鳥  だいすけ       38番  浦  野  さとみ

 39番  山  本  たかし        40番  中  村  延  子

 41番  酒  井  たくや        42番  森     たかゆき

.欠席議員

      な  し

.出席説明員

 中 野 区 長  酒 井 直 人      副  区  長  青 山 敬一郎

 副  区  長  栗 田 泰 正      教  育  長  田 代 雅 規

 企 画 部 長  岩 浅 英 樹      総 務 部 長  濵 口   求

 DX推進室長   滝 瀬 裕 之      区民部長、窓口サービス担当部長 高 橋 昭 彦

 子ども教育部長、教育委員会事務局次長 石 崎 公 一    地域支えあい推進部長、地域包括ケア推進担当部長 石 井 大 輔

 健康福祉部長  杉 本 兼太郎      環 境 部 長  浅 川   靖

 都市基盤部長  松 前 友香子      まちづくり推進部長   角   秀 行

 企画部企画課長  中 谷   博      総務部総務課長  永 見 英 光

.本会の書記は下記のとおりである。

 事 務 局 長  堀 越 恵美子      事 務 局 次 長  分 藤   憲

 議事調査担当係長 鈴 木   均      書     記  田 村   優

 書     記  細 井 翔 太      書     記  森 園   悠

 書     記  梅 田 絵里子      書     記  川 辺 翔 斗

 書     記  志 賀 優 一      書     記  竹 中 雅 人

 書     記  堀 井 翔 平      書     記  稲 葉 悠 介

 書     記  砂 橋 琉 斗

 

 議事日程(令和8年(2026年)2月12日午後1時開議)

日程第1 第6号議案 令和8年度中野区一般会計予算

 

午後1時00分開議

○議長(森たかゆき) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。

 本日の議事日程は、お手元の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。

 この際、お手元の一般質問一覧表のとおり、中村延子議員、伊藤正信議員、平山英明議員、浦野さとみ議員、内野大三郎議員、斉藤ゆり議員、大内しんご議員、木村広一議員、いさ哲郎議員、大沢ひろゆき議員、河合りな議員、加藤たくま議員、甲田ゆり子議員、いのつめ正太議員、武井まさき議員、杉山司議員、むとう有子議員、石坂わたる議員、小宮山たかし議員、吉田康一郎議員、立石りお議員、斉藤けいた議員、井関源二議員より質問の通告がありますので、これを順次許します。

 

 中野区議会議員 中 村 延 子

 1 施政方針説明について

  (1)区長の8年間の実績と総括について

  (2)中野駅新北口駅前エリア再整備について

  (3)スマートウェルネスシティについて

   (ア)組織運営について

   (イ)女性の健康施策について

   (ウ)歩きたくなるまちづくりについて

   (エ)その他

  (4)健康経営について

  (5)その他

 2 その他

 

○議長(森たかゆき) 最初に、中村延子議員。

〔中村延子議員登壇〕

○40番(中村延子) 令和8年第1回定例会に当たり、立憲・国民・ネット・無所属議員団の立場から一般質問を行います。その他はございません。

 質問に入る前に、去る2月8日に行われた急な解散総選挙により、多くの中野区職員の皆さんがこの衆議院議員選挙を公正・公平に行うために、日常業務や国の経済対策への対応に加えて、最短期間での選挙事務に当たられたことに深く敬意を表するとともに、感謝の意を申し上げます。

 それでは、質問に入ります。

 1、施政方針説明について、(1)区長の8年間の実績と総括について伺います。

 区長は、施政方針説明の最後で、「引き続き中野区政を担うという重責に全身全霊を捧げていく所存であり、皆様の御判断を仰ぎたいと存じます」と次の区長選挙への意向を表明されました。私たち会派は、2期8年の区長の取組について高く評価しており、これからも基本構想に描くまちの姿の実現に向けた施策に期待をしております。

 区長は、子育て先進区の実現に向けて、所信表明でも述べられていたように、多くの取組を進めてこられました。その中で、私たち会派として大きく評価すべきは、子どもの権利に関する条例の制定とその理念の広がりです。児童相談所の運営強化や社会的養護の推進の中でも、子どもたちの尊厳を最大限大切にする取組などを進めてきました。子どもの意見表明権については、条例の中にある「子ども会議」としてのハイティーン会議がその対象を小学4年生から6年生までを対象に加えた「ティーンズ会議」に生まれ変わりました。さらには、児童館や図書館、公園など子どもたちが日常的に使う施設等の改修や整備の際に意見を聞く取組、学校では、子どもの意見を反映させた教育活動が取り組まれています。子どもたちが意見や考え、思いを安心して表明できる場を充実させています。スポーツ選手を呼んでの講演会や演奏家によるコンサートの開催、動物との触れ合い、サイエンスショーなどに加えて、国境なき医師団から派遣された講師による講演会や石巻市震災遺構大川小学校の語り部からの講演会など、内容も多岐にわたります。今年は北朝鮮拉致被害者の曽我ひとみさんを呼んで講演会を開いた学校もあり、すばらしい講演だったということも伺っています。

 このように、子どもの意見表明権の理念を掲げ、取り組んできたことが浸透することによって、すばらしい取組につながっていると考えます。理念を掲げることの意義やそれによってもたらされる効果について、区長の見解をお聞かせください。

 さらに、子どもの意見表明・参加は、これらの子ども教育部・教育委員会が所管する事業にとどまらず、基本計画・区有施設整備計画のタウンミーティングや中野駅周辺まちづくり、環境基本計画改定などの意見交換会でも確保され、さらには全庁的に広がっています。一方で、意見交換会やタウンミーティングに参加する子どもは限られており、まだ拾い切れていない子どもの声もあります。拾い切れていない子どもたちの意見をどのように拾って聞いていくのか、来年度は修学旅行などの行き先を子どもたちが主体的に決めていく取組も実施していく予定となっていますが、子どもの意見表明権について、今後の区長の展望をお聞かせください。

 産前産後ケアについても、2期8年の間に大きく前進しました。その中でも画期的だったのは、全ての妊婦は支援の対象と位置付けたことにより、産後ケアカードを全員に配付するように切り替えられました。また、ショートステイ、デイケア、アウトリーチが各5回ずつだった回数をそれぞれの方に合った使い方ができるよう、全体での回数に切替えをしました。そのほかにも、ファーストバースデイ事業、多胎児支援、南部地域への産後ケア施設設置に当たる補助、家事育児支援の充実、父親向け講座の充実、BP2プログラムの開催回数増、リトルベビーハンドブックの作成等低出生体重児への取組、かんがるーブック作成などに加えて、東京都や国の動きもあり、この8年間では産前産後の支援は格段に充実されました。私自身もこの間2人の出産を経験する中で、これらの取組の充実を身をもって実感いたしました。何よりもこうした取組によって、産後鬱や虐待を防ぐことにつながると考えます。さらに、2人目、3人目を産むことを迷っている方の背中を押すことにつながっていれば、大変喜ばしいことです。この間の産前産後ケアの充実について、区長の想いをお聞かせください。

 さらに、来年度は母子保健DXに取り組む予定となっています。今年度、その後の拡張について、事業者からのヒアリングを行うことになっていましたが、令和9年度以降の拡張がどうなっていくのか。具体的には産後ケアの予約申込みについて、母子保健DXの中で早期に取り組んでいく必要があると考えていますが、伺います。

 このほかにも、プレーパーク事業、学習支援の拡充、ベビーシッター利用支援事業、病児保育、学校給食費の無償化、中高生を含む子どもたちの居場所の充実、区ホームページと連動させた子育てハンドブックおひるねの復活、ひとり親支援、子どもの体験機会の充実、私立幼稚園入園料補助の増額、保育園入園案内のリニューアル、保育の質ガイドラインをはじめとした保育園の質の向上に資する取組、保育士の待遇改善、フリーステップルームの充実などの不登校対策、子ども相談室、インクルーシブ遊具の設置、各種子育て支援に係る申込みのオンライン化など、酒井区長の2期8年の子育て先進区の取組は大きく前進したと思っています。

 日経クロスウーマンと日本経済新聞社は、毎年自治体の子育て支援制度に関する調査を実施し、その調査結果を基に、「共働き子育てしやすい街ランキング」として、自治体の施策の充実度をランキング形式で日本経済新聞の紙面などで公表しています。中野区は、令和2年度には総合編(全国編)、東京編共に圏外でしたが、酒井区長就任後の子ども政策の成果によって年々順位を上げ、最新の令和7年度のランキングでは総合編13位、東京編3位となっています。

 一方で、区民、特に子育てをしている当事者がどう評価しているかが重要です。区は、5年ごとに子どもと子育て家庭の実態調査を実施して、子育て家庭の満足度などを把握しています。区は、子育て家庭の定住を促進させることを目指しており、定住意向は非常に重要な項目だと考えます。まずは5年間で定住意向がどのように変化したのか伺います。

 実態調査では、保育や子育てサービス環境、教育・学習環境、遊び・憩いの環境など九つの子育て環境の満足度を聞いています。5年間で区の子育て環境がどのように変化したのか、伺います。実態調査の結果を踏まえ、区としてこの間の子育て先進区に向けた取組をどのように評価しているのか、伺います。また、今後さらに力を入れて取り組んでいくべき取組は何か、伺います。

 次に、中野区人権及び多様性を尊重するまちづくり条例について伺います。

 昨年の参議院議員選挙では大きく取り沙汰された外国人問題があり、排外主義的な考えがSNSを中心として広がりました。こうした排外主義的な考えは、差別の対象を変えてエスカレートしていく可能性すらあり、誰もが差別の対象となり得るとも考えます。条例の前文では、全ての人が差別をすることや差別をされることのない環境、そして差別をされている状況を見過ごすことのない環境を整備することが必要とうたっています。令和4年に条例を制定したときよりも、さらにこの条例の重要性が増していると考えており、先見の明があったとも言えます。

 区民一人ひとりが人権及び多様性を尊重し、これを認め合うために必要な施策を総合的に推進するものとすると条例にありますが、改めてその社会の実現に向けた区の役割について、区長のお考えをお聞かせください。

 この条例の中では、実効性を担保するために審議会が設置されていると認識していますが、審議会の運営状況と今後の展開について、区の見解をお示しください。

 次に、公契約条例について。

 区は、公契約条例を令和4年3月に制定しました。条例の中では、労働報酬下限額を定めることになっており、公契約審議会から答申されたものが毎年更新をされています。現在、東京都の最低賃金は昨年10月から1,226円まで上がりましたが、公契約審議会からの答申では、工事または製造以外の請負契約及び業務委託契約における労働報酬下限額は、令和8年度で1,510円まで上がりました。公契約審議会には労働者の団体からだけでなく、事業者側からの代表も参加しており、こうした合意に至っていることに、また、実質賃金がなかなか上がらない中で、実際に手取りを増やす取組となっていることは高く評価するものです。公契約条例を制定したことについての効果について、また、その意義について、区長のお考えを伺います。

 制度をつくるだけではなく、どう現場で対応してきたのか。区では、指定管理者について労働環境モニタリング事業を行い、働く環境について第三者の目でチェック機能を果たしていますが、併せて公契約条例が浸透していることが重要です。実効性をどのように担保してきたのかが重要です。区の見解をお聞かせください

 次に、感染症対策について。

 コロナ対策をはじめとして、帯状疱疹ワクチンの任意接種助成、HPVワクチンの男子への接種費用助成、小児インフルエンザワクチンの接種費用助成の対象拡大、来年度から定期予防接種となりましたが、妊婦へのRSウイルスワクチンの接種費用助成もいち早く検討をしていた経緯がありました。ワクチンの効果は見えづらいですが、今後多くの方の重症化予防や命を救うことにつながり、こうした公衆衛生上先進的な取組を行ってきたことについて、大変評価しています。特に男子HPVワクチンについては、大規模な自治体では初めて取り組み、それが東京都全体へと波及しました。こうした感染症対策の取組を区長はどのような思いで取り組んできたのか、伺います。

 一方で、昨年は学校を中心に百日咳が大流行しました。現在、小児の定期予防接種では、百日咳ワクチンを含む五種混合ワクチンを生後2か月から4回接種されていますが、就学前の時期には抗体価が下がり始めることが分かっています。日本小児科学会では、就学前の三種混合ワクチンの接種を推奨していますが、定期接種はおろか、接種費用助成にも至っていません。1月28日の報道では、昨年1年間に少なくとも7人の赤ちゃんが百日咳により亡くなっていたことが分かったそうです。過去20年間で百日咳の死者が最も多かったのは2012年の3人で、大きく超えてしまいました。三種混合ワクチンは供給量にも課題があるとも認識していますが、今後も大きな流行をすることも考えられるため、早急に対策を考える必要があると考えますが、区の見解をお示しください。感染症対策については、今後も命と健康を守る観点からも推進していく必要があると考えますが、併せてお聞きいたします。

 対話・参加・協働に基づく区政運営について、所信表明の中で、これまでの取組については触れられませんでした。区長は、対話の区政はどこまで進んだと考えているのでしょうか。区民と区長のタウンミーティングに加えて、子育てカフェを実施してきています。これらのタウンミーティングの成果をどう評価しているのか、伺います。

 酒井区政では、ボトムアップを大切にしており、改善運動にも力を入れてきています。改善運動を継続してきたことの成果をどのように評価しているのか、見解を伺います。

 先述の取組については、2期8年の酒井区政でなければ成し得なかったと考えており、高く評価するものです。一方で、まだ道半ばの取組もあります。例えば地域包括ケア推進体制の整備はできたものの、アウトリーチの取組については、まだ道半ばです。現在は社会福祉協議会に御協力いただき、鷺宮地域でのコミュニティソーシャルワーカーの配置を行っています。基本計画の重点プロジェクトに地域包括ケアを継続した思いについて、区長の見解をお聞かせください。

 次に、(2)中野駅新北口駅前エリア再整備について伺います。

 さきの区長の施政方針説明において、中野駅新北口駅前エリアの再整備について、見据えるべきは今ではなく、2100年であること、また、拠点施設整備・誘導の基本方針の見直しの考え方として、子どもにとってやさしいまちイコール誰にでもやさしい普遍的デザインを取り入れ、明示したことは評価をいたします。まず、子どもにとってやさしいまちは何を目指しているのか、区長のお考えをお示しください。

 中野駅新北口駅前エリア再整備事業計画の見直しの考え方について、閉会中の建設委員会及び中野駅周辺整備・西武新宿線沿線まちづくり調査特別委員会に報告されました。その中では、サウンディング型市場調査の結果及び区民意見募集の結果についても報告がありました。これらの区民意見をどのように集約して実現していくのか、また、今後はどのように区民意見や議会からの意見を再整備事業計画に反映していくのか、伺います。

 施政方針説明の中では、「全国的に市街地再開発事業の見直しが相次いでいる中で、こうした情勢を耐え抜く拠点施設整備が可能であると確信している」と表明されました。この点について、改めて区長の見解を伺います。さらにその中で、サンプラザが残した価値の継承についても触れられていますが、区はどう捉えているのか、具体的にお示しください。

 再整備事業計画における拠点施設整備・誘導の見直しの考え方について、特に5点について検討を重ねていくことが示されていました。その中の1点目では、質・量ともに高い水準の緑と広場空間を実現するとしており、特に緑と広場機能の充実は、これからのまちづくりに大切な視点であると考えています。3月に示す方向性においては、これらの点をより具体的に示すとともに、このほかに検討する事項についても示すことが再整備事業計画の改定に向けて必要であると考えますが、いかがでしょうか。

 前回の再整備事業計画で定めていたものは民設民営のホールのみであり、展望施設もバンケットも子ども施設も、事業者側の当初の提案で出てきたものでした。その後の地価の上昇(従前資産の増加)により事業収支の成立に影響するため、展望施設やバンケット等については区が権利床を活用するという検討経緯があり、公募における事業者提案の継承が課題であったと考えています。次の再整備事業計画ではどのようにこの課題に対応していくのか。また、以前の計画で、区としての考えは新区役所建設費用を賄うことと権利床を取得し、区が財源確保を目的とした資産の有効活用をするという考え方であり、区有施設整備計画にも明記をされています。その考え方をどこまで踏襲するのか、併せて伺います。

 区長は、特に検討する事項の一つとして、子どもたちが安心して遊べる空間や機能、バンケットのホテル機能と合わせた整備が示されていますが、安易に従前資産活用を前提とすることなく、民間による整備・運営の可能性について検討を深めるとともに、官民の役割分担を明確にすることに努めるべきだと考えますが、いかがでしょうか。

 最後に、委員会報告の中で、今後、再整備事業計画の改定に当たり、専門家等を交えた専門的見地からの検討とありましたが、専門家の方々からどのような知見を得ていくことを想定しているのか、会議体を設置するのかといった具体的な進め方を伺い、次の項の質問に移ります。

 (3)スマートウェルネスシティについて、(ア)組織運営について伺います。

 これまでは、進捗管理をSWC推進会議で進めてきていましたが、令和8年度からは重点プロジェクト推進会議の中で、SWCの推進について全庁共有をしていくと閉会中の総務委員会で御答弁がありました。また、同じく総務委員会には、組織編成の報告もあり、その中でスマートウェルネスシティ担当課長とウォーカブル・モビリティ政策担当課長が新設されるとのことでした。その目的とこの組織編成での狙いがどういうところにあるのか、伺います。

 一方で、SWCに関わる課が部をまたいでいることに変わりはない中で、総務委員会のやり取りの中では、企画課が責任を持って進捗管理をしていくとの答弁がありました。子育て先進区を進めるに当たっては、子ども政策担当課長を置いたことで多くの事業が前進したと認識しています。SWCも同じように企画調整を担う責任者がいることが、全庁にSWCの理念を共有し、進めることができると考えますが、その役割を担うのが企画課なのか、スマートウェルネスシティ担当課長なのか、明確ではないと感じます。区としてはどう考えているのか、伺います。

 次期基本計画の中では、地域包括ケア体制の実現に向けての中で、2030年に向けた方向性の中でSWCを進めていくことを位置付けることになりますが、計画に定めただけでなく、組織体制を確実なものにし、推進していく必要があると考えます。区長のSWC推進に向けた意気込みを伺います。

 次に、(イ)女性の健康施策について伺います。

 SWC中野構想(再修正案)が12月の議会に報告されました。その中で、健康づくりのテーマとして、「女性の健康づくり」と「知るからはじまる健康づくり」を位置付けています。女性の健康を一つ目のテーマに掲げたことは大きな意味があり、高く評価しています。女性の健康づくりの取組としては、女性の健康関連事業と女性のヘルスリテラシーの向上が挙げられています。委員会のやり取りの中では、女性特有の健康課題への理解促進、働く女性の環境整備、プレコンセプションケアの推進、子どもの関係では、教育委員会と連携して、男女かかわらず中高生に対する周知についても検討しているとのことでした。女性特有の健康課題への理解促進には、女性自身が知ることと周りの人々、とりわけ管理職が理解することがとても重要だと考えます。一方で、現在どうして女性の健康について取り組まなければいけないのか、理解されていない側面もまだあります。まずは区が重要性を区民にしっかり伝える必要があると考えますが、いかがでしょうか。

 当事者である女性が知ることも大切ですが、これから経験するであろう若年層の子どもたちへの取組も重要だと考えます。一方で、性教育は学習指導要領の歯止め規定がある中では、学校教育の中で取り組むことが難しい状況が続いています。2月2日にアフターピルが処方箋なしでも薬局で購入できるようになり、SRHRの観点からも大いに歓迎するところです。こうした新しい状況についても、性教育の中では教えていく必要性もあります。区では、ユニバーサルデザイン推進担当で性教育セミナーを行ってきており、多くの方に御参加いただいていますが、広く子どもたちに知ってもらう機会とはなっていません。また、東京都の「性教育の手引」が2019年に改訂され、学習指導要領を超えた内容も保護者の同意等でできるようになりました。東京都の仕組みを活用して、モデル校では性教育の授業は行われてきていますが、手挙げにより東京都内で40校程度にとどまり、区内では毎年1校程度の採用となっています。こちらも広く知ってもらう機会には残念ながらなっていません。子どもたちの実態把握をした上で、事業の構築をしていくべきと考えますが、区として今後どのように取り組んでいくつもりなのか、伺います。

 ちょうど1月から2月は受験シーズンですが、生理が重く、テストに生理が重なってしまうと、本来の力が発揮できないという女の子も多くいます。婦人科にかかることで多くの場合は解決されます。ところが、婦人科は女の子にとってはハードルが高く、また我慢することが当たり前だった親世代が医療につなぐのは大げさだと認識してしまうこともあると聞いています。

 昨年の決算特別委員会の総括質疑でも取り上げましたが、女性の健康課題による経済損失は3.4兆円とも言われ、その中で生理や更年期など、医療にかかれば解決できるものは2.1兆円です。これは社会に出てからの試算になりますが、その以前から女の子はハードルを抱えていることも多くあります。改めて若年層が婦人科かかりつけ医を持てる仕組み、例えば思春期検診などの取組が必要だと考えます。区の検討状況を伺います。

 12月の健康経営キックオフ講演会での細川モモさんのお話を聞いたことをきっかけに、甲田ゆり子議員との呼びかけにより、1月8日、中野区議会の女性議員11名全員が一堂に会し、細川モモさんのお話を聞く機会がありました。その中で、改めて女性の健康に取り組む重要さを共有できたと認識しています。細川モモさんの運営するラブテリをはじめとして、現在SWCの推進に当たり、多くの連携協定事業者からの協力をいただいています。とりわけ、女性の健康支援を行っていく上で明確なメッセージを発信するためにも、女性の健康推進都市宣言を行うことについて検討してはいかがでしょうか。

 また、今後の取組については、SWCを推進していく中で、事業の展開も考えていくべきと考えます。区の見解をお示しください。

 次に、(ウ)歩きたくなるまちづくりについて伺います。

 1月13日にナカノバで行われたSWCフォーラムで、筑波大学・久野教授による講演では、歩くことのベネフィットについて、1万人が日に2,000歩の追加歩行をすることにより、1歩当たり0.061円と換算すると、0.061円×2,000歩×365日×1万人で、4億円超とも効果を評価できるとのことです。何より健康になることは、その人の人生を豊かにするとともに、ウェルビーイングが続くということでもあります。そのためには、歩きたくなるまちづくりの推進は非常に有意義だと考えます。

 歩きたくなるまちづくりの推進については、基盤整備などのハードの部分と、歩いた先の憩いの空間やにぎわいなどの目的であるソフトの部分の両方が必要になり、SWC構想(案)の中でも、線と面での整備について記載があります。ハードの部分でいえば、道路やまちづくりなどの部署、ソフトの部分でいえば、高齢者会館、健幸プラザや区民活動センター、産業振興や公園など多くの部署に所管がまたがります。関わる多くの部署で歩きたくなるまちづくりの理念を共有していかなければ、実際に歩きたくなるまちづくりの実現は成し得ないと考えます。この理念をどのように全庁に浸透させていくのか、伺います。

 基盤整備には時間がかかります。そうした意味では、できるソフト事業から推進していく必要があると考えますが、今年度から事業開始したベンチの設置は、残念ながらなかなか進んでいないのも現状です。ベンチ設置の要望は多い一方で、自宅前にベンチを置くことに抵抗がある区民が多いことも事実です。民有地だけではなかなか進まない中では、道路や民間事業者の協力も必要だと考えます。こうした現状の中で、歩きたくなるまちづくりを進めていくには、区としてどのように取り組んでいくのか、伺います。

 (4)健康経営について。

 昨年12月16日、職員課及び地域包括ケア推進課の共催により、本区における健康経営の推進並びに女性特有の健康をテーマとした「健康経営キックオフ講演会」が開催されました。この講演会は内容も大変充実しており、極めて意義深い取組であったと高く評価しています。

 言うまでもなく、女性の健康課題の解決には、個々人の努力に委ねるのではなく、職場全体の理解と支援体制の構築が不可欠です。また、女性特有の健康についての理解が働きやすさや昇進を諦めないことにもつながると考えます。この講演会には多くの区議会議員が参加していたものの、職員の参加はどのような状況だったのでしょうか。今後、各部署において女性の健康課題への取組を一層推進していくに当たり、こうした講演会を実際に聴講したか否かによって、この課題に対する認識に大きな差が生じることは否めません。区職員、特に管理職に対し、このような講演会への参加を促進するため、どのような取組を行っているのでしょうか。あわせて、今後は全職員が参加、または傍聴できる機会を確保するなど、工夫を重ねることにより、女性の健康に関する理解を全庁的に深めていくべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。

 「女性活躍」という言葉が近年頻繁に用いられるようになっていますが、「男性活躍」という表現がほとんど用いられないことを踏まえると、本来的には性別を殊さらに強調することなく、誰もがその能力や意欲に応じて活躍できる社会の実現こそが目指すべき姿であると考えます。将来的には、「女性活躍」という言葉そのものが用いられなくなる社会であることを私自身強く望んでおります。

 一方で、現状における女性活躍は、女性管理職の登用促進など、数値目標を伴う取組として語られることが多いのも事実です。しかしながら、女性の活躍の形は決して一様ではなく、管理職としての活躍に限らず、子育てや介護と仕事を両立しながら働く方、非正規雇用や短時間勤務といった多様な働き方の中で地域や職場を支えている方など、様々な立場や状況において、それぞれの形で社会に貢献している女性が数多く存在しています。こうした多様な実態を踏まえ、特定の役職や働き方に限定することなく、あらゆる女性がそれぞれの事情やライフステージに応じて自由な選択ができる環境づくりこそが重要であると考えます。区として、女性活躍とはどのような状態を指すものと認識しているのか、また、今後、女性一人ひとりの多様な生き方や働き方を尊重し、活躍を後押しする施策をどのように検討し、展開していくお考えなのか、区の認識をお聞かせください。

 区が令和7年度中に策定する予定の中野区人材育成総合プランの案では、「女性管理職のなり手不足解消に向けた管理職による検討体制を整備」と記載されています。女性職員がその能力を最大限に発揮し、キャリアを積んでいける環境を整備することは、単に女性のためだけではなく、職場全体の活力を高め、組織の多様性を豊かにするためにも不可欠です。これを契機に働き方改革を進める中で、ワーク・ライフ・バランスの実現やキャリア形成に関する課題をいかに洗い出し、どのような施策を講じることで解決に導くのか、また、それをどのように政策として具体化していくのかが非常に重要なポイントとなります。区として、今後の取組をどのように進めていくお考えか、具体的な施策や展望についてお伺いいたします。

 昨年、第3回定例会・決算特別委員会総括質疑において、健康経営で職場環境を充実していくことにより選ばれる自治体を目指すべきと質疑をいたしました。一方で、こうした取組を知ってもらわなければ意味がありません。健康経営の取組について、今後どのように広報・PRしていくのか、区役所の採用試験を申し込む人だけでなく、広く知っていただくことも効果的と考えますが、区の見解をお聞かせください。

 以上お伺いし、私の全ての質問を終わります。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 中村議員の御質問にお答えいたします。

 初めに、施政方針説明についてで、子どもの意見表明・参加の意義や効果についてでございます。令和4年に中野区子どもの権利に関する条例が施行され、この間、条例の理念を踏まえた区政運営を行ってきておりまして、令和6年には「子どもの意見表明・参加に関する手引き」を作成し、庁内展開や区ホームページで公開する等、子どもの意見表明・参加に関する取組を推進してきたところであります。子どもの意見表明・参加を促進することにより、子どもが区政やまちづくりについて考え、意見を表明し、子どもならではの視点やアイデアを区政や地域に生かすことができ、子どもにやさしいまちの実現につながるものと考えております。

 次に、子どもの意見表明権の今後の展望です。子どもの意見表明・参加に関する取組については、中野区基本計画も含めた各種行政計画において、子ども向けの意見交換会を開催する等、全庁的に浸透してきているものと認識しております。今後も家庭・学校・地域など、あらゆる場面で子どもの意見表明・参加が保障されるよう、その考え方を広め、子どもたちの意見を聴く仕組みづくりや機会の確保に向け、子どもの居場所へのアウトリーチによる意見聴取などにも取り組みながら、より多くの子どもたちの声を聴く取組を推進してまいります。

 続きまして、産前産後ケアの成果についてです。産前産後ケアにつきましては、妊娠から出産、子育てに続く切れ目のないトータルケアとして重点的に取り組んできたものであり、子育て先進区の実現に大きく寄与した施策の一つです。国や都の事業を活用しながら、サービスや経済的支援を拡充してまいりましたが、産前産後は喜びや楽しさの一方で、不安や疲労が重なるため、伴走的支援が重要であると考えております。産前産後ケアを担う事業者や助産師会とも連携しながら、二人目以降の出産の後押しになるよう、さらなる展開を図ってまいります。

 続きまして、母子保健DXについて。電子母子健康手帳アプリは今年の10月頃を目途に導入する予定でございまして、当初は母子健康手帳としての基本機能を搭載してリリースします。並行して、産後ケア事業や家事・育児支援事業、各種講座の予約機能、クーポンの発行機能など、様々なサービスが使いやすくなるよう検討を進め、令和9年度の実装を目指します。

 続きまして、定住意向の変化についての御質問です。令和6年度調査について、「ぜひ住み続けたい」、「できるなら住み続けたい」と回答した割合は、保護者全体で69.0%となりまして、令和元年度と比較して、約8ポイントの増加となりました。一方、「できれば転出したい」、「すぐにでも転出したい」と回答した割合は、保護者全体で6.2%となり、令和元年度と比較して約2ポイントの減少となっております。

 続きまして、子育て環境の満足度の変化についてです。「非常に満足」、「満足」、「やや満足」と回答した「満足層」に当たる保護者全体の割合について、「保育や子育てサービス環境」や「教育・学習環境」が約10ポイント増加する等、令和元年度の結果と比較すると満足度が上昇しております。特に「保育園や学童などの子どもの預かりサービス」、「本に親しめる場所」や「学校給食への取組」、「子どもが遊べる公園の数」などの設問について、令和元年度の結果と比較して、大きく満足度が上昇しているところであります。

 続きまして、実態調査結果を踏まえた取組の評価についてです。定住意向の改善や子育て環境の満足度の増加などの結果について、これまで「子育て先進区の実現」に向け、子育て家庭に対するセーフティネット強化や子育て・子育ち環境整備を着実に進めてきた成果であると考えております。引き続き子育て先進区の実現に向けた取組を加速させ、地域の多様なつながりをつくっていくことで、子どもと子育て家庭が中野区に住み続けたくなる環境づくりを進めてまいります。

 続きまして、人権と多様性の尊重に向けた区の役割についての御質問です。区では、人権啓発講演会やLGBTQ+おしゃべりサロン、北朝鮮拉致問題舞台劇等のほか、外国人相談窓口の設置や、学校における日本語指導の強化、多文化共生推進体制の構築など、様々な施策を推進してきたところであります。様々な個性や価値観を持つ人々が暮らす中野のまちにおいて、互いの人権と多様性を尊重し、すべての人がその能力を発揮し、自分らしく安心して暮らすことができる地域社会を実現していくことが区の役割だと考えております。

 次に、人権施策推進審議会の運営状況と今後の展開についてです。中野区人権施策推進審議会は、学識経験者や関係団体からの推薦、公募による区民の計10名で構成され、現在2期目であります。審議会は、各委員が課題と感じているテーマについて発表する形式としておりまして、区の担当者も加わり、各回活発な審議が行われております。審議結果は意見書としていただいておりまして、今後の施策に活かしてまいります。

 次に、公契約条例制定の効果についてです。公契約条例を制定したことによって、公契約に従事する方の労働時間や報酬などの適正な労働条件が確保されております。また、公契約の適切な履行を通じて、地域経済の活性化や区民福祉の向上につながっていると考えております。

 次に、公契約条例の実効性の担保についてです。受注者に定期的に報告書を提出してもらうことで、労働環境の状況を確認し、条例の実効性を担保しております。また、公契約に従事する方への条例周知が肝要であることから、受注者が活用できるポスターやカードの作成などを行い、条例の周知を図ってまいりました。さらに、事業者のより一層の理解・協力を得るため、労働報酬下限額が適用される公契約の受注者を対象としたアンケートを実施し、制度等に係る意見については改善に活かしております。

 次に、感染症対策への私の思いについてということです。新型コロナウイルス感染症について、中野区医師会をはじめとする区内医療機関の協力を得まして、早期に体制を整えられたほか、接種券を早期に発送したことによって、非常に多くの区民が自衛隊の東京大規模接種センターを利用することができたこともございました。また、帯状疱疹や男子HPVワクチン、小児インフルエンザの予防接種について、23区の先陣を切って取り組み、大きな効果を上げてきたと考えております。

 予防接種は、区民一人ひとりが感染症にかかることを防ぐとともに、周囲への感染を防ぐ集団免疫を形成することにより、公衆衛生にも大きく寄与すると考えておりまして、今後も区民の健康的な生活に資する時宜にかなった対応については積極的に取り組んでまいります。

 次に、三種混合ワクチンの追加接種と感染症対策についてです。現在、予防接種法では、定期予防接種として、7歳半までの間に五種混合ワクチンを4回接種することとなっておりまして、三種混合ワクチンの追加接種については、ワクチンの供給状況を鑑みながら検討してまいります。

 感染症は、感染した方の生命に危険が及ぶだけではなく、周囲に感染させることによって社会機能を停止させることもあるということで、今後も基本となる感染症予防対策の徹底や必要な予防接種などの事業を推進してまいります。

 次に、区民と区長のタウンミーティングの成果についての御質問です。区民と区長のタウンミーティングは、区政の重要課題をテーマとするだけでなく、文化芸術団体や高齢者会館、日本語学校などの現場に赴き、対話を積み重ねてまいりました。また、子育て先進区実現のために、子育てカフェや小・中学生、高校生とのタウンミーティングを積極的に行い、その中で出た課題を解決するための施策を事業化するなど、成果は大いにあったと認識しております。今後もタウンミーティングを中心として、区長である私自身がまちや現場に赴き、「対話・参加・協働」による区政運営を一層進めてまいります。

 次に、改善運動の成果についてです。職員の自由な発想と創意工夫を生かした改善の取組により、区民サービスの向上や行政の効率化、組織の活性化などを図ることを目的として改善運動に取り組んでおります。毎年度、全ての部署において業務改善プランを作成し、それに基づき、改善に取り組むことにより、ボトムアップによる業務改善の意識が職員に浸透してきております。さきに開催された改善運動の全国大会においても、戸籍住民課の転出証明書の二次元コードを利用して、転入届の記入項目を削減した取組が最優秀賞を受賞するなど、取組内容が質的にも向上してきていると考えております。

 続きまして、地域包括ケア体制の実現についてです。現行の基本計画における重点プロジェクトは、これまでの成果を踏まえつつ、2030年度に向けてさらなる取組を進めていく必要があるため、新たな基本計画の中にも重点プロジェクトとして位置付けることとしました。

 「地域包括ケア体制の実現」は、これまでに構築してきた体制を充実させ、孤独・孤立対策を推進するなど、支援の必要な人が支援を求められる環境を整備し、切れ目ない支援につなげていく必要があると考えております。

 さらに高齢化が進む中でも、支援が必要となるリスクを低減し、健康で生きがいのある生活を促進するため、スマートウェルネスシティの理念を踏まえた取組も「地域包括ケア体制の実現」の中に位置付けることとしたものであります。

 次に、「子どもにやさしいまち」の視点で目指すものについてです。「子どもにやさしいまち」を視点としてまちづくりを進めていくことは、障害のある方や御高齢の方をはじめとした様々な方、また、多くの方にとってやさしいまちとなることや普遍的なデザインにつながるものと考えておりまして、拠点施設の整備・誘導においても、ハード・ソフトの両面で検討していくことが有益であると考えております。

 次に、中野駅新北口駅前エリア再整備についての区民意見の実現と計画への反映でございます。これまでいただいた区民や団体の意見については、サウンディング型市場調査結果の市場ニーズや採算性を考慮するとともに、区の従前資産活用の可能性も検討する一方、中野駅周辺を広く面で捉え、さらには中野区全体を見据えた上で、当該エリアの拠点施設として整備・誘導すべきであるかを再整備事業計画を改定する中で明らかにしてまいります。

 今後は、令和9年2月の再整備事業計画の改定に向けた各過程において、適時適切に区民や議会の意見を伺いながら、検討を深度化し、見直しの方向性、再整備事業計画の改定素案、再整備事業計画の改定案をそれぞれ作成してまいります。

 次に、拠点施設整備・誘導の可能性です。サウンディング型市場調査結果や同調査のヒアリング、アニメ・コンテンツなどホールで興行を行っている企業の見解、中野駅周辺の再整備の進展状況などから、用途構成や機能、事業手法などの工夫が必要である一方、新たな拠点施設整備・誘導が十分可能であるとの認識に至ったところであります。

 次に、サンプラザの価値の継承です。中野サンプラザが育んできた文化や記憶は継承すべき価値であり、日常的に区民が触れあい・交流する場であったこと、コンサートなどの「ハレ」の舞台であり、区民が誇りに思い、それを語れる存在であったこと、ポピュラー音楽公演をはじめ、若者文化を発信してきた象徴であったことなど、こうした価値を再整備により新たな形として発展していきたいと考えておりまして、再整備事業計画を改定する中で明らかにしてまいります。

 次に、再整備事業計画の見直しの方向性で示すべき内容です。3月に示す見直しの方向性においては、議会や区民の御意見を踏まえながら、施政方針説明で掲げたみどりや広場空間など、特に検討を重ねる5点をより明らかにするよう努めるとともに、このほかに検討する事項についてもお示ししたいと考えております。

 次に、区有地等資産活用の考え方です。再整備事業計画の改定において、拠点施設整備・誘導の方針を明らかにした上で、区として導入するべき機能や施設を示すことで、その後の事業者公募における事業者提案の実現の担保を図ってまいります。

 また、令和7年度当初予算でお示ししているとおり、新区役所整備に係る区債につきましては、一般財源で対応することとしております。区有施設整備計画(案)では、権利床の活用については再整備事業計画の見直しと併せて検討していくこととしておりまして、権利床の活用のほか、市街地再開発事業以外の事業手法についても検討してまいります。

 次に、官民の役割分担の明確化です。区の従前資産活用については、事業性が低い用途に充てることを前提としているわけではなく、様々な可能性を検討していく考えであります。また、周辺施設と合わせて中野駅周辺などを広く面で捉えて整備・誘導する機能や施設を検討したいと考えておりまして、これらの検討を深める中で、官民の役割分担を明らかにするよう努めてまいります。

 次に、専門家の知見聴取と方法です。再整備事業計画の改定に当たり、素案や案などの作成過程において、様々な領域の有識者に各々の視点で公平・中立な立場から知見や意見を伺うことで、再整備事業計画の客観性と実効性を高めたいと考えておりまして、素案の作成前までに会議体を設置する予定でございます。

 次に、スマートウェルネスシティの推進体制についてです。スマートウェルネスシティ担当課長は、今年度策定する予定の「スマートウェルネスシティ中野構想」について、着実な推進を図るため、健康づくり・つながりづくり・まちづくりの多岐にわたる関係所管との連携・調整を担うため、設置することといたしました。また、ウォーカブル・モビリティ政策担当課長は、歩きたくなるまちづくりの推進に向けて、道路整備や公共交通などの関係施策に関する調整を担うため、設置することといたしました。どちらの担当課長についても、次期基本計画や重点プロジェクト全体の政策調整や進行管理を担う企画部と連携をしながら、重点施策の着実な推進を図っていく考えであります。

 次に、スマートウェルネスシティの推進に向けてです。スマートウェルネスシティ施策は、一つの部署だけで完結するものではなく、全庁的な体制とともに、地域や民間との連携によって成果を上げられるものと考えております。スマートウェルネスシティ中野構想の目標として掲げる、「つながる人 はじまる健康 歩きたくなるなかの」を目指し、こうした考え方や取組を浸透させるために、リーダーシップを発揮してまいります。

 続きまして、女性の健康施策の必要性についてです。女性の健康づくりについては、健康リテラシーの向上など、女性に対する直接的なアプローチとともに、男性を含む地域社会全体に対する理解の促進が必要であります。女性が安心して学び、働き、活躍し続けられる環境を整備するため、医療、教育、企業、NPOなどと連携しながら、健康経営の普及を通じた女性の健康づくりを進めてまいります。

 次に、若年女性が婦人科かかりつけ医を持つことについての御質問です。女性が若年期から婦人科かかりつけ医を持つことは、女性の健康リテラシーを高める取組の一つとして重要であると考えておりまして、思春期検診など様々な方法について、他自治体の先進的な取組など、効果的な取組を検討してまいります。

 次に、女性の健康推進都市宣言についてです。女性の健康づくりの推進に当たっては、明確な方向性を示すことが必要であると考えておりまして、女性の健康推進都市宣言とともに、スマートウェルネスシティ中野構想で示した取組の社会実装を進めてまいります。

 次に、歩きたくなるまちづくりの理念共有についてです。歩きたくなるまちづくりは、中野区基本計画(案)における重点プロジェクトの「地域包括ケア体制の実現」や「活力ある持続可能なまちの実現」において、重点的に推進する取組として位置付けております。また、「SWC中野構想」や「中野区バリアフリー基本構想案」の個別計画等においても、歩きたくなるまちづくりの考え方を反映しているところであります。重点プロジェクトにおける全庁的な推進体制やその他の個別計画等の進行管理の下、歩きたくなるまちづくりの理念や方針を共有しながら、政策横断的に取組を推進してまいります。

 次に、歩きたくなるまちづくりの進め方についてです。新たなベンチの設置により人の流れや環境が変化することに対し、不安や心配の御意見があることは承知しております。今後は、区有地や区有施設等へのベンチ設置を推進していくほか、来年度から実施する中野区役所周辺における社会実験等の具体的な取組を進めることにより、歩きたくなるまちづくりに対する区民や民間事業者の理解や協力を得ていきたいと考えております。

 次に、健康課題のさらなる理解促進についてです。健康経営は、職員の健康を組織全体で支える取組であり、安全衛生委員会を通じて全庁に働きかけを行い、特に管理職に対しては、組織運営を担う立場として積極的な参加を求めております。

 健康経営キックオフ講演会は、女性の健康課題など職場全体での理解と支援の重要性を多くの職員に共有するため、会場参加・同時配信・アーカイブ動画の展開を組み合わせて実施をいたしました。今後も健康に対する職員の意識や理解を深めていくため、講演会等のテーマ設定や実施方法についても工夫を重ねてまいります。

 次に、女性活躍推進に関する区の認識です。女性が活躍している状態とは、特定の役職や働き方に限定することなく、あらゆる階層・場面で女性職員が力を発揮している状態だと認識しております。女性活躍を推進するためには、ワーク・ライフ・バランスを保ちつつ、自身が望むキャリアを自由に選択できる環境づくりが重要であります。多様かつ柔軟な働き方を一層推進するとともに、多様な視点から検討し、施策展開を図ってまいります。

 次に、職員活躍の実効性ある取組についてです。区の新規採用者に占める女性の割合は年々増加傾向にありまして、年齢構成も30代以下が5割を超えているということで、性別や世代などの違いを意識した施策を検討する必要があると考えております。このたび、職員活躍に関する実効性のある施策の検討、展開に向け、私が本部長となりまして、「ワーク・ライフ・バランスと女性活躍推進等検討本部」を立ち上げたところであります。管理職を中心としたプロジェクトチーム体制を組むとともに、職員の声を幅広く集め、データ分析を重ねることで、制度の充実や新たな施策の検討を進めてまいります。

 最後に、健康経営に関する周知広報の充実についてです。健康経営は、職員の心身の健康を組織全体で支えることにより、職員一人ひとりが活躍し、ひいては区民サービスの向上につながる取組であります。区の姿勢を広く周知することは、区内事業者の健康経営を牽引するためにも大変意義あるものと認識しております。職員の健康を大切にする職場として、職員採用案内やホームページなどの広報・PRを拡充することによって、職場の魅力発信や安定的な職員採用にもつなげてまいりたいと考えております。

〔教育長田代雅規登壇〕

○教育長(田代雅規) 私のほうからは施政方針説明についての御質問の中で、性教育に関する事業構築についてお答えいたします。

 今年度、都のモデル事業を1校で実施し、その他、学校独自に助産師や産婦人科医を講師として、性教育の授業を3校で実施しているところでございます。今後、生徒の実態を把握し、課題を整理した上で、区独自の事業構築に生かしてまいります。

○議長(森たかゆき) 以上で、中村延子議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 伊 藤 正 信

 1 施政方針説明について

 2 令和8年度予算の概要について

 3 中野区基本計画の推進体制について

 4 その他

 

○議長(森たかゆき) 次に、伊藤正信議員。

〔伊藤正信議員登壇〕

○31番(伊藤正信) 令和8年第1回定例会に当たり、自由民主党議員団の立場で一般質問を行います。

 先般行われました衆議院議員選挙におきまして、我が党高市早苗総裁率いる自由民主党は、3分の2を超える316議席を獲得することができました。国民から一定程度の評価をいただいたと感じております。今後の枠組みの中で区民生活の負担が少しでも減るよう期待いたしております。

 区長の施政方針についてお伺いいたします。まず、区長の2期8年の実績についてお伺いいたします。

 1、施政方針説明について。

 区長は、施政方針の中で8年間の実績を列挙した上で、2026年度から5年間に区が取り組む方向性を示すため、現在作成中の新たな基本計画を自らの手で着実に実行していきたいと宣言をされました。

 区長は、就任当初から子育て先進区の実現をいの一番に宣言し、重点事業として取り組んできました。この間の区民意識実態調査の経年実績では、区長就任時の子育て支援に対して評価している区民は9.7%であったのに対し、今年度の調査結果では13.3%まで上昇しているとはいえ、まだまだ評価が低いのではないかと考えます。現在の基本計画の成果指標を見てみると、「2、未来ある子どもたちの育ちを地域全体で支えるまち」の成果指標では、計画策定時から数値が低下しているものが多いのが実情です。これまで区政の中で大きな予算を割いてきた子育て施策の効果が十分に発揮されていないのではないかとの懸念を抱かざるを得ません。区長自身はこの結果に対してどのような見解を持っているのか、お伺いいたします。

 子育て先進区の成果として、子育て施策が非常に多岐にわたって列挙されておりますが、その優先順位、背景となる課題分析、費用対効果についての説明がありません。そもそも子育て施策の優先順位が示されておらず、効果検証もはっきりしていない中では、評価が難しいのではないでしょうか。区長は何を根拠として、中野区が他自治体と比較して子育て先進区であると認識しているのか、考えを伺います。

 また、子育て先進区の実現に向けて、「地域の多様なつながりをつくっていく」としておりますが、列挙されている取組の中に、地域とのつながりづくりとなるものは示されておりません。施設の設置や助成金等による支援も大切であるとは思いますが、地域の多様な世代全体で子どもの成長を見守っていく仕組みづくりにも取り組んでいただきたいと考えておりますが、その考えをお伺いいたします。

 区長は、新区役所の開設に伴って、よりよい区民サービスを提供するために、業務のDX化やペーパーレスの推進等、執務環境を大きく変更し、職員の新しい働き方を導入、創造性や生産性の向上を図ってきたことを実績に挙げています。デジタルシフトによって、行政サービスの質と生産性の向上を念頭に置き、管理事務の効率化を進め、内部管理コストの削減を図ることを成果としていますが、成果について再三の報告要求にもかかわらず、定量的な効果が十分に示されていません。DX推進計画では、5年間で56.6億円を投入することにしており、相対する経常経費の削減がなくては、成果とはならないことについては、前回の定例会でも指摘してきたところであります。区は、業務の削減が即座に人員削減に直結するものではないとの答弁に終始していますが、例えば超過勤務手当の削減や紙使用量の減など、成果として定量的に示せるものは幾つもあるはずです。改めて定量的な削減効果を年次ごとに集計して区民に示すべきだと思いますが、区の考えをお伺いいたします。

 区は、電話受付の入り口をコンタクトセンターに委託することについて、区民サービスの根本的基盤の一つと位置付けて、サービスの質的な向上を図るとしています。コンタクトセンター導入によって、3割程度の入電の削減を目指して、その分の人員を区民相談や区民との協働などのサービスに振り向けるとしています。新しい区役所においては、ただでさえ窓口事務が一新され、職員と区民とが触れ合う機会が減少していると思われます。コンタクトセンター導入によって電話に出る機会が減少するとなると、職員には地域に飛び出せと言いながら、区民と接する機会が失われ、職員が区民からどんどん離れる方向に向いているようにも思います。失われていく職員と区民との接点をどのように補填していくのか。職員を相談業務や区民と協働する仕事に振り向けると言っていますが、例えば具体的にどんな仕事を新たに職員に担わせようとしているのかについてお伺いいたします。

 施政方針においては、中野駅新北口駅前エリア再整備の今後の方向性について言及がありました。全国で再開発事業の中断が相次ぐ中、当該エリアが持つ極めて高いポテンシャルを背景に、サウンディング型市場調査には多くの事業者が参加したと聞き及んでおります。先日、建設委員会でその結果が報告されましたが、私の率直な感想を申し上げれば、示された意見のみをうのみにして施設整備を進めれば、極めて物足りないものが出来上がってしまうのではないかという強い懸念を抱きました。

 例えば事業者からは、周辺施設との競合を理由に、「2,000人から3,000人規模のアリーナが望ましい」との見解が示されました。しかし、なぜ中野区が他地域の施設に忖度し、その規模を限定しなければならないのでしょうか。中野駅から徒歩2分という比類なき利便性を考えれば、区が主導して規模を設定しても十分に他を圧倒し、集客を勝ち取ることが可能です。今回の市場調査は、あくまで民間の見立てを確認するためのステップであるべきであり、この結果を直ちに再整備事業計画の土台とすべきではありません。例えば、先日我が会派の一般質問でも触れた「GLION ARENA KOBE」と同等規模・機能を持つ施設の実現可能性について、具体的なイメージを深掘りする調査を行うなど、複数回にわたるサウンディング型市場調査やヒアリング等を実施し、中野の価値を最大化する視点を持つべきと考えますが、区の見解を伺います。

 一方で、より精緻な調査を重ねるとなれば、相応の期間を要することになります。かつての計画では、野村不動産グループという事業協力者が主導して再整備事業計画を作成していましたが、現在の区の執行体制で令和9年2月までの計画改定を確実に成し遂げられるのか、その実効性に疑問を禁じ得ません。妥協のない施設検討と示された期限内での計画策定をいかに両立させるのか、今後の具体的なスケジュール感と計画完遂に向けた決意についてお伺いいたします。

 次に、2、令和8年度予算の概要についてお伺いいたします。

 令和8年度予算案では、「子育て環境の充実、健幸でにぎわう人と人がつながるまち、住み続けたくなる中野」の予算とするため、限られた財源を優先的に配分するとしております。その前提である令和8年度予算編成方針では、これまでの計画に沿って進めてきた投資的事業等であっても、十分な検証を実施し、区民と対話等を丁寧に行い、見直しを図っていくこととして、新規・拡充事業は真に必要であり、優先度の高いものとするよう精査を徹底し、関連する既存事業の統合再編、見直し等のスクラップによる経費を生み出すとしております。

 拡大傾向の強い経常経費の見直し、削減は、将来の財政運営のために最も重要な課題ですが、令和8年度予算案における主な取組の報告では、廃止事業は5事業で、7年度予算ベースで1,900万円程度の財政効果であるとのことでした。さらに、見直し事業の5事業の7年度予算額は1億8,000万円あり、また、その他の見直し事業もあることから、経常経費の見直し効果はさらに大きくなるとの報告がありましたが、新規・拡充事業の規模に比して見直し事業が見劣りする内容と言わざるを得ません。予算編成方針で定めた内容が掛け声だけとなり、実行されていないのではないかとの疑いを持たざるを得ない結果であります。

 現在のままでは、スクラップ&ビルドの成果が見えていない状況です。これから行われる予算審議の際には、新規事業の増に見合う経常経費の見直し実績を報告していただきたいと思いますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。

 令和8年度予算編成では、事業計画策定の際には事業期間を定めて効果を検証することを前提としています。また、事業期間を定めない場合には、その理由を明示することになっております。令和7年度の当初予算案の概要においては、期限を定めて効果検証を行い、事業の有効性や実効性を踏まえて、改めて事業計画を立てる予定とした15事業について、その成果はどうだったのか、さらに、いつ検証し、見直しを行うのか、お伺いいたします。

 また、事業計画を立てる際には、予算をかけるだけの効果が得られるかどうかなど、統計や業務データ等の収集・分析から、エビデンス・ベースで計画作成することを必須としており、客観的な政策議論を行う前提として、必要な調査費用等については事業効果等を勘案して予算に盛り込むことにしています。新しい事業を行う際には、取りあえず調査の実施を予算化しようということになり、調査費用は年々増加しているようにも思います。来年度予算においても多くの調査費用が盛り込まれると思います。これに対して、調査費が適正な負担額であったのかどうか、調査経費の費用対効果について検証されているようには思えず、安易な予算化が行われているのではないかとの疑問を持っております。これについて区はどのような考えを持っているのでしょうか。お伺いいたします。

 好調な歳入と捉える一方、12月19日に取りまとめられた令和8年度与党税制改正大綱では、地方法人課税に対する措置に加えて、東京都が課税する特別区の土地に係る固定資産税について、著しく税収が偏在している状況に鑑み、必要な措置を検証し、令和9年度以降の税制改正において結論を得るとされています。この方針に基づくと、東京都に入る税収の一部を地方に振り分けることになることとなり、ひいては特別区の財政調整交付金が減ることが想定されます。東京都の小池知事は、「東京を狙い撃ちにして地方税制の根幹を真っ向から否定するもの」と反論しております。特別区の貴重な税源をさらに吸い上げる動きが見受けられる事態でありますが、区の見解を伺います。

 次に、金利上昇の影響について伺います。日銀は政策金利を30年ぶりの高水準の0.75%に引上げを行い、今までにない金利上昇局面を迎えることとなりました。起債に伴うリスクはさらに上がると考えられ、さきの第3回定例会で、「金利上昇による利息の増加と基金の充当に対するリスクを比較検討していく必要があるのではないか」と伺った際に区長は、「長期的な財政フレームを考慮した上で起債、基金の活用のバランスを考えております」と答弁されましたが、改めて区の考えを伺います。

 また、金利上昇局面においては、現在保有している区債の早期償還も視野に入れるべきと考えます。新庁舎起債について、区は繰上償還を行うとのことですが、その考え方、また、財政効果についてお伺いいたします。

 区は、国や都の制度変更等により大幅な需要の増減が見込まれる事業については、変更内容を正確に把握した上で的確に需要予測を行い、適切な事業内容の修正を行うとしていますが、物価高騰のあおりを受け、まちづくりなどにおいて予定していた補助金が削減されるなど、区の歳入が大きな影響を受けることはないのか心配をされます。物価高騰を受けて、国や都からの特定財源が減ることとなれば、区の負担増や事業内容の縮小など、今後のまちづくりに大きな影響を及ぼすことになりますが、区の影響はないのでしょうか、お伺いいたします。

 次に、3、中野区基本計画の推進体制について伺います。令和8年度から令和12年度までを計画期間とする次期中野区基本計画では、現行の基本計画と同様に、「子育て先進区の実現」、「地域包括ケア体制の実現」、「活力ある持続可能なまちの実現」の三つの重点プロジェクトを挙げられています。基本計画の進捗状況はこれまでも報告を受けてきましたが、子育て先進区においても、地域包括ケア体制においても、活力ある持続可能なまちにしても、今後どのように実施体制を組んで強力に推進していくのかが大きな課題だと考えております。

 基本計画は区政運営の最上位計画であり、区民生活の方向性を左右する極めて重要なものです。責任ある推進体制を組んで機能させていかなければ実現できないのではないでしょうか。

 1月27日の総務委員会では、令和8年度組織編成(案)が示されました。初めに、来年度の組織編成の考え方について伺います。

 地域包括ケア体制の実現に向けた政策である「スマートウェルネスシティ中野構想」は、「健康づくり」、若者の「つながりづくり」、シニアの「つながりづくり」、歩きたくなる「まちづくり」などを進めていくと整理されています。推進体制として、地域包括ケア推進課にはスマートウェルネスシティ担当課長、都市計画課にはウォーカブル・モビリティ政策担当課長、公園課には公園マネジメント推進担当課長がそれぞれ設置されますが、いずれもスマートウェルネスシティ中野構想に関係しており、責任の押しつけ合いが起きて進まないのではないかと思いますが、いかがでしょうか。政策の推進体制として担当課長を設置するだけで大丈夫なのでしょうか、お伺いいたします。

 まちづくりについても伺います。基本計画は5年間の計画ですが、まちづくりは長期間にわたる政策となり、基本計画期間の先のビジョンを見据えた区政経営を行わなければなりません。中井駅から野方駅間の西武新宿線の連続立体交差事業の完了時期は、令和15年度末に延期、中野サンプラザ跡地の再開発は白紙になり、中野区を代表する大きなプロジェクトが頓挫している中でも、将来を見据えて国や都と連動した政策を推進していく必要があります。

 まちづくり推進部内に鷺宮まちづくり計画担当課長が設置されることで、野方以西におけるまちづくり事業全体の強化は図られているように感じる一方で、中央、本町、弥生町、南台といった中野駅よりも南のエリアのまちづくり推進体制は弱いように映ります。安全・安心なまちづくりを推進していくことは区としての使命です。首都直下地震に備えた災害に強いまちづくりも推進していかなければなりませんが、南部に住んでいる区民からすれば、どこに問合せをしたらよいのか分からず、不安を感じる区民も多いのではないでしょうか。中央部から南部エリアにかけての防災まちづくりの推進体制について伺います。

 計画は、掲げることが目的ではなく、実行し、成果を生み出してこそ価値を持ちます。計画を現実のものとするための推進体制を明確にし、区民に対して説明責任を果たしながら、責任ある行政運営を進めていただきたいと願い、私の全ての質問を終わります。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 伊藤議員の御質問にお答えいたします。

 初めに、施政方針説明についてで、子ども施策に係る基本計画の進捗状況についてです。令和6年度末時点の状況として、基本計画における基本目標2の「未来ある子どもの育ちを地域全体で支えるまち」の施策に係る成果指標については、低下している指標の割合が約3割であり、突出して多いものではないと認識しているところであります。また、目標値を達成した指標は、他の目標と比較して多いことも踏まえると、これまでの取組による成果が現れてきた状況にあると捉えております。

 次に、子育て先進区の実現に向けた取組についてです。令和6年度子どもと子育て家庭の実態調査において、保護者の定住意向の改善や子育て環境の満足度の増加が確認できます。区が目指す子育て先進区の姿である子どもと子育て家庭の満足度が高く、多くの子どもと子育て家庭から選ばれるまちの実現に向け、子どもと子育て家庭に対するセーフティネットの強化、子育て・子育ち環境の整備などに力を入れて取り組んできた成果がこのような結果に現れてきておりまして、子育て先進区に向けて着実に歩みを進めていると考えております。

 次に、地域のつながりをつくる取組についてです。今年度策定予定の中野区基本計画における重点プロジェクト1、「子育て先進区の実現」の取組において、子どもを育て、成長する過程が安全・安心かつ将来に向けて充実した時間となるよう地域との多様なつながりを進めることとしております。重点プロジェクトにおける取組として、地域での子育て活動の活性化や地域における多様な活動の促進など、子どもの成長を地域全体で支える環境づくりを推進することとしておりまして、こうした取組を進める中で、地域で子どもの成長を見守る仕組みづくりに取り組んでまいります。

 次に、中野駅新北口駅前エリア再整備についてで、事業者ヒアリングのさらなる実施についてです。再整備事業計画の改定に当たっては、検討を深度化するために、さらなる事業者への聞き取り調査などを継続的に実施し、計画の実効性の担保と再整備による効果の最大化を図ってまいります。

 次に、スケジュール感と計画完遂に向けた決意です。本年3月に再整備事業計画の見直しの方向性と再整備に向けたプロセス等をお示ししたいと考えております。これらの中でできる限り具体的な仮説などを明らかにし、その上でさらなる事業者への調査の実施や専門家を交えた協議、議会・区民との意見交換を重ねながら検討を深度化することで、令和9年2月に実効性の高い再整備事業計画に改定し、再整備を着実に進めていく決意でございます。

 次に、令和8年度予算の概要についてで、経常経費の見直し実績についてです。予算編成方針において「新規・拡充事業は、真に必要であり優先度の高いものとする精査を徹底し、関連する既存事業の統合再編、見直し等事業のスクラップにより経費を生み出すこと」と明記をしているところでございます。予算案審議の際、経常経費削減の実績についても合わせてお示ししていく考えでございます。

 次に、期限を定めて効果検証を行う事業についてです。令和7年度予算で設定した効果を検証して継続を判断する事業は、最短で終期を令和8年度までとしております。当初設定した終了時期を迎える事業については、エビデンスを基に、それまでの効果検証を行い、事業の有効性や実効性を踏まえて、改めて事業計画を立てることとしておりまして、翌年度の予算編成において検証・見直しを行っていく考えであります。

 次に、調査経費の費用対効果の検証についての御質問です。事業計画を立てる際は、統計や業務データの収集・分析から客観的な論拠を見いだし、エビデンス・ベースで計画作成することとしております。政策議論を行うために必要な調査費用等については、事業効果等も勘案の上、予算化する必要があると考えております。

 次に、税制改正に基づく特別区への影響についてです。国による地方法人課税の一部国税化や地方消費税の清算基準の見直し、ふるさと納税制度等の不合理な税制改正によって深刻な影響を受けておりまして、その影響額は特別区全体で令和7年度だけで約3,600億円、平成27年度からの累計では約2兆3,000億円となっております。今後、地方法人課税に加えて、東京都が課税する特別区の土地に係る固定資産税についての措置が懸念されまして、行政サービスの提供に支障を生じかねないものと考えております。区民サービスを堅持するため、特別区長会を通じて、国に財源の必要性を訴えてまいります。

 次に、金利上昇時の財政運営と繰上償還の考え方についてです。金利の上昇に伴って、今後公債費の将来負担や基金と起債のバランスなどを総合的に勘案しながら、基金の積み増しなど、より慎重に財政運営を行っていく考えであります。

 新庁舎起債については、早期に元金を償還し、将来の金利負担を軽減することが重要と考え、繰上償還を行うこととしたものでありまして、財政効果は約1億7,000万円と想定しております。

 次に、補助金など特定財源の減による財政への影響についてです。予算規模の大きいまちづくり事業に係る財源確保については、基金や起債を活用し、長期的な影響を考慮した上で財政フレームを作成しているところであります。区民サービスに支障がないよう、今後も国や都の動向を注視し、必要な対策を行っていく考えでございます。

〔DX推進室長滝瀬裕之登壇〕

○DX推進室長(滝瀬裕之) 私からは、DX推進による行政サービスの質と生産性の向上についてお答え申し上げます。

 まず、DXによる定量的な効果についてでございます。DX推進計画では、区民意識調査の結果等を踏まえて、施策の進捗を確認していくこととしてございます。いずれの施策でも件数や達成割合による定量的な成果指標を設定しているところでございます。

 この間の内部調査では、DXの推進により生み出された時間で、1か月平均でどの程度残業を縮減できたかの問いに対して、「削減できた」が67%の回答でございました。業務効率化の点におきまして、DX推進の効果は高いものと認識しておりまして、定量的に把握ができるものについては、継続的にお示ししていくことも考えてまいります。

 続きまして、コンタクトセンター導入後の職員の担う役割についてでございます。区の代表電話に入電する簡易・定型的な問合せはオペレーターがワンストップで回答する仕組みを想定しておりまして、職員の電話応対業務の一部が別の業務にシフト可能となりますが、その範囲は多岐にわたる想定でございます。

 業務シフトの想定は、この間の内部調査では、「業務に関する調査研究・調整」が一番多く、これまで簡易な電話に忙殺され、相談業務に十分時間を割けなかったが、取りやすくなるという回答もございました。また、地域に出向く機会や地域活動への参加の機会につきましては、半数近くの職員が電話応対が減ることで、地域に出向く機会などが増加するとの回答がございました。

 こうした状況を踏まえまして、導入に当たっては、業務シフトによる区民サービスの質的向上と職員・地域の接点の強化を両立させる観点から、今後も適切な方策を検討してまいります。

〔総務部長濵口求登壇〕

○総務部長(濵口求) 私からは、中野区基本計画の推進体制に関する御質問にお答えします。

 まず、次年度組織編成の考え方についてでございます。次期基本計画の着実な推進に向けた体制強化、区民の皆様にとっての分かりやすさ、効率的な執行体制確保などの視点から、次年度の組織編成を検討してございます。

 重点プロジェクトの推進に関しては、スマートウェルネスシティ担当、ウォーカブル・モビリティ政策担当及び公園マネジメント推進担当を新設するほか、子ども政策担当を引き続き設置いたします。いずれの担当につきましても、次期基本計画における重点施策の着実な推進を図るため、関係する所管や施策の連携、調整を担うことにより、重点プロジェクトを強力に推進してまいります。

 次に、スマートウェルネスシティの推進体制についての御質問です。重点プロジェクト、「地域包括ケア体制の実現」の推進に当たっては、「スマートウェルネスシティ中野構想」を着実に推進する体制を整備する必要があると認識してございます。スマートウェルネスシティ担当課長が中心になって、関連する所管や施策の連携や調整を図ることで、スマートウェルネスシティの理念を実現するまちづくりが推進できるものと考えております。次期基本計画や重点プロジェクト全体の政策調整や進行管理を担う企画部と連携しながら、重点施策の着実な推進を図っていく考えでございます。

 次に、中部及び南部の防災まちづくり推進体制についての御質問です。区では、防災まちづくりや地域の防災力の向上により、災害に強いまちづくりを進めているところでございます。南部では、整備地域に位置付けられる南台や弥生町地区などで防災まちづくりを進めておりまして、中部では火災危険度の高い地区において、東京都建築安全条例による「新たな防火規制」導入を行っているところでございます。

 来年度からは、防災まちづくり体制を強化するため、担当課長を2ポストとする予定でございまして、今後とも区内各地区の防災まちづくりを推進するとともに、窓口や区民への問合せ対応や周知等に努めてまいります。

○議長(森たかゆき) 以上で伊藤正信議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 平 山 英 明

 1 施政方針説明について

  (1)区長の政治姿勢と時代認識について

  (2)物価高騰対策について

  (3)中野駅新北口駅前エリア再整備について

  (4)基本構想の実現について

  (5)区長選挙3期目への立候補宣言について

  (6)その他

 2 その他

 

○議長(森たかゆき) 次に、平山英明議員。

〔平山英明議員登壇〕

○32番(平山英明) 令和8年第1回定例会に当たり、公明党議員団の立場から一般質問を行います。質問は通告のとおりで、2のその他はありません。区長並びに理事者におかれては、明瞭簡潔に、また、誠実な御答弁をお願いいたします。

 一般的に施政方針とは、国や地方自治体のリーダーが向こう1年間の主要な政策や予算、運営の基本的考え方を表明するものとされています。4年前の区長の施政方針説明の際、一般質問で「幾ら改選を控えているとはいえ、来年度予算を提案する議会での施政方針であり、令和4年度の区政運営方針と取組について述べられるべきでした。議会と区民に対し、新年度の取組を伝えない施政方針がかつてあったのか、甚だ疑問です」と申し上げました。今回の施政方針も、来年度予算については総額を示すのみで、詳細は提案説明でとし、主な取組や行政運営も次の5年間の基本計画の紹介でした。区長選を意識するあまり、語るべき大切なことが曖昧であったり抜け落ちているというのが率直な感想です。選挙の有無に限らず、施政方針では、自ら提案する新年度予算案を踏まえ、御自身の思いや考えを述べられて予算の審査に臨むべきであることを改めて申し上げておきます。

 それでは、1、施政方針説明について5点伺います。

 1点目に、まず(1)区長の政治姿勢と時代認識について伺います。

 施政方針では、最初に平和に向けた取組を話されました。先日、平和の旅・広島の報告会に参加をいたしました。参加した子どもたちの心に植わった非核と平和の種が芽吹き、真っすぐ成長するためのお手伝いが必要と考えます。一昨年の予算特別委員会で、過去に参加した先輩たちが後に続く子どもたちの支援にも関われるネットワークの構築を求めました。この場でも何度か申し上げましたが、ふるさと長崎での8月9日に行われた平和教育が私の核兵器廃絶への大きな原点となっており、貴重な体験で得た記憶や気持ちを風化させないためには、継続的な取組が必要と考えるからです。

 そこで、伺います。参加者OB・OGのネットワーク構築について、その後の検討状況はいかがでしょうか。まずは年一度の同窓会を行ってはと思いますが、検討状況と併せて伺います。

 「今後も、改めて平和への意思を発信していかなければならないと考えている」とも述べられました。一昨年、昨年の施政方針でも、「今後も、様々な機会を捉えて平和への強い意思を発信していく必要がある」と考えていますと語られていますが、区の広報から、この間の区長の平和への発信は、2024年のアメリカの臨界前核実験に対する抗議文と8月の区報でのコラム以外見つけることができませんでした。もちろん、平和首長会議として加盟自治体と連携しての発信があることは承知していますが、中野区の区長として、平和への意思を対外的にもっと積極的に発信されてはいかがでしょうか。

 憲法擁護・非核都市の宣言を行った区の首長として、核兵器廃絶に対する声明を日を決め、毎年発せられてはいかがでしょうか。さらに、毎年の声明発出を区の平和事業に位置付け、条例に加えてはいかがでしょうか、伺います。

 現在の日本経済に対し、賃金の伸びが価格上昇に追いつかない状態の長期化や建築コストの高騰を挙げ、区民生活や事業者等への影響を懸念されていますが、区民サービスに関わる区財政への影響の言及がありませんでした。日本を取り巻く現下と今後の経済状況が区の財政運営にどのように影響を及ぼすと認識されているのか、具体的に伺います。

 経済状況とともに、財政運営の懸念材料である国による新たな税収偏在是正措置の検討についても触れられておりません。先ほども自民党の伊藤議員からも質問がありましたが、令和7年度の影響額はおおむね110億円と聞きますが、仮に新たな税収偏在是正措置が導入された場合の区財政への影響は深刻です。区長の御認識を伺います。

 2点目に、(2)物価高騰対策について伺います。

 施政方針では、物価高騰対策として、さきの臨時会で議決した給付金のほか、プレミアム付きナカペイの発行、区立小中学校の教材費・修学旅行費等の補助、私立幼稚園等保護者補助金の拡充、生活保護世帯へのエアコン購入費助成等を令和8年度予算に盛り込んだとありましたが、これらは物価高騰対策なのでしょうか。昨年第2回定例会で物価高騰対策としてのプレミアム付きナカペイの発行の拡充と早期実施を求めた際には、「デジタル地域通貨事業は、地域経済の活性化とキャッシュレス決済の推進が目的」との答弁でした。また、さきに述べられたほかの事業も、物価高騰対策として時限的に行うものではないはずです。

 そこで、伺います。述べられた以外に議会や各種団体等の要望により新年度予算に盛り込まれた物価高騰対策があればお教えください。

 さきの補正予算による給付事業は、自治体ごとに内容が違うことから、中野区の取組があまり区民に知られていません。そのため、今回の対象とならない方々から、「中野区からの給付金はいつもらえるの」との問合せがいまだに多くあります。今回の補正は、より影響が大きい世帯にスピーディーにとの目的でしたが、対象以外の多くの区民にとっても物価高騰の影響は深刻です。今後、社会経済状況がさらに厳しさを増す場合、国や都の対策を待つことなく、区独自の大胆な支援策の実施を行うべきと考えますが、御見解を伺います。

 我が会派からは、物価高騰対策としてのナカペイの活用を求めてきました。コロナ禍から国による給付支援が増えていますが、給付に係る莫大なコストの課題は依然として残っています。その意味では、マイナンバーカードの機能拡充や自治体版のデジタル通貨の可能性には期待をするものです。

 昨年第3回定例会でのナカペイの活用についての報告の中で、令和8年度以降に実施する取組としてのマイナンバー認証機能はいつまでに導入されるのか、伺います。ユーザーも加盟店も登録数がまだまだ少なく、公平性の課題などはありますが、コストや区内経済の循環の面から考えると、ナカペイを活用した物価高騰対策は一定の効果があると考えます。御見解を伺います。

 3点目に、(3)中野駅新北口駅前エリア再整備について伺います。

 施政方針にも、先日の中野駅周辺整備・西武新宿線沿線まちづくり調査特別委員会での中野駅新北口駅前エリア再整備事業計画の見直しの考え方についての報告にも、「防災」についての言及がありませんでした。中野駅周辺におけるスマートな環境・防災都市づくり戦略での環境性と防災性に優れた持続可能な中心拠点の形成の戦略対象区域において、ハブ機能を有することを目指すのが新北口駅前エリアです。低炭素化につながる環境配慮はもちろん、BCD構築に向けた防災性強化を図ることは、安全の面からも、まちのブランド力向上の面からも欠かせません。災害時業務継続地区(BCD)としての機能強化を図り、環境・防災都市づくりを先導するとの考えは変わりないのでしょうか、伺います。また、今後、現計画よりホールや施設の規模が仮に縮小された場合、災害時に有する機能も縮小することになるのでしょうか、ならないのでしょうか、伺います。

 同エリアについて、「障害のある方をはじめ、すべての人が安心して快適に楽しめる空間にしていきます」と述べられた後に、「私は、子どもにとってやさしいまちは、誰にとってもやさしいまちだと考えています、子どもにやさしいまち、それは誰にでもやさしい普遍的デザインという視点を拠点施設整備・誘導の基本方針として取り入れ、同方針の強化を図ります」と語られました。さきの報告の拠点施設整備・誘導の基本方針についてでも、「子どもにやさしいまち(全ての人にやさしく、誰にとっても住みやすいまち)の実現に向けた視点を取り入れ、基本方針の強化を図る」とありました。「子どもにやさしいまちは、すべての人にとってやさしいまち」とは、ユニセフの「子どもにやさしいまちづくり事業」にある言葉であり、同事業は町田市など複数の自治体で実践をされていますが、特に特定エリアのまちづくりを指すものではないようです。

 そもそも区の上位計画では、中野駅周辺一帯は「ユニバーサルデザインによるまちづくり」を目指し、進めており、同エリアのみが別な表現となることに違和感を感じます。区長の言う障害のある方をはじめ、すべての人に誤解を生じさせないためには、分かりやすさが大切です。説明が必要なものであってはなりません。多様な区民へ御理解いただくために、基本方針の表現はこれまでどおり「ユニバーサルデザイン」あるいは「すべての人にやさしいまち」などとすべきではないでしょうか、伺います。

 「当エリアにおいて、新しい時代の中野モデルと呼ばれるような再整備を進めていく決意」と述べられましたが、中野モデルとは何か、具体的な言及がありませんでした。新しい時代の中野モデルとは何か、伺います。

 事業手法の見直しについて、「従前は区有地等資産の一部を権利変換し、一部で転出補償を受ける想定でしたが、新区役所整備費用等を区の一般財源で対応することとし、市街地再開発事業に加え、定期借地権の活用も検討していきます」とさらりと述べられました。本来であれば、区民サービス等に使われるべき一般財源です。そもそも新区役所整備費用等は、一般財源を痛めることなく、再開発の中で生み出すとのスキームであったはずです。スキームが完全に破綻したのでしょうか。そうであれば、破綻を認め、やむなく一般財源で対応するとの説明を行い、区民に正式に理解を求めるべきと考えますが、御見解を伺います。

 4点目に、(4)基本構想の実現について、まず、子育て先進区の実現について伺います。

 子育て先進区は教育先進区であってほしいと何度も申し上げてきました。基本構想には、「社会の変化に対応した質の高い教育を実施します」とあります。1月に福島県の大熊町の「学び舎ゆめの森」と軽井沢町の「表現コミュニケーション授業」を視察してきました。「学び舎ゆめの森」については、昨年の決算特別委員会総括質疑でも紹介をいたしましたが、実際に視察をすると、考えていた何倍ものすばらしさで、子どもの主体性を尊重し、一人ひとりの進度に合わせた独自の学習は、独創的な校舎とともに、まさにここで学ばせたいと思うもので、100名近い子どもたちのうち、多くが他県からの教育移住という状況もうなずけました。

 軽井沢町は、「表現コミュニケーション」を公立小学校で体育の授業に組み込んだもので、10回の授業でのコミュニケーション能力向上と生き生きとした子どもたちの姿を目の当たりにしてきました。どちらも、区が目標とする「よりよく生きる力」と「特色のある教育」が実践されており、中野の教育にも取り入れるべきと強く感じます。

 「表現コミュニケーション」は既に当区のフリーステップルームで導入し、効果を上げていると聞きます。多様な子どもたちへの教育手法として、「表現コミュニケーション」を区立小学校の授業として導入してはいかがでしょうか、伺います。

 昨年10月の総合教育会議で、「中野区教育委員会における英語教育に関する取組」が紹介されています。自民党の市川議員もさきの決算特別委員会総括質疑で紹介されていましたが、中野の子どもたちは、政府目標CEFR(セファール)A1レベル相当以上の生徒数でも、また、中野区学力調査における全国との比較でも都の平均を上回るなどの成果を上げています。せっかくのこの成果をさらに伸ばすべきではないでしょうか。

 現在、中学1年生を対象としたイングリッシュキャンプを小学生も対象としてはいかがでしょうか。小学4年生はTOKYO GLOBAL GATEWAYでの英語体験のプログラムがありますが、加えて、まずは学校内などでのイングリッシュキャンプの実施を行ってはと考えます。早いうちの英語教育が成果を生むと考えますが、いかがでしょう、伺います。

 英語教育で日本一の成果を上げているのはさいたま市です。今後の中野の英語教育について、さいたま市をベンチマークすることが有効と考えますが、取組の決定的な差は、授業時間数が大きいと思われます。さいたま市のように、英語の授業時間数の増加の検討を行ってはいかがでしょうか、伺います。

 注目を集めるフリーステップルームやN組の取組、そして、英語教育は中野の誇るべき特色のある教育です。この特色をさらに伸ばし、教育の中野と言われる取組を進めていただきたいと思います。基本構想実現のためにも、英語教育と多様な学びの場において、日本一の教育を目指すべきと考えますが、御見解を伺います。

 次に、地域包括ケア体制の実現に向けてについて伺います。

 多くの同僚議員が指摘をするように、地域包括ケア体制の実現がスマートウェルネスシティの取組に偏っていることを危惧します。基本構想にある、「生涯を通じて楽しく健康に過ごせる環境づくり」のほかに、人生100年時代を安心して過ごせる体制や誰一人取り残されることのない支援体制の構築、生涯現役で生き生きと活躍できる環境づくりや、誰もが自分らしく輝ける地域社会の形成をどのように実現されるのでしょうか。特に具体策が見えにくいと感じる「人生100年時代を安心して過ごせる体制の構築」にある、高齢者のICT活用による見守り・支えあいについて、かねてより我が会派の白井議員が求めているウェアラブル機器による健康状態の見える化と見守り機能の実現が必要と考えます。

 区は、ウェアラブル機器による健康管理の取組を実施はしていますが、現状の取組は、SWCを目的とした高齢者に限らず、現状健康な区民も含むさらなる健康維持のためのものであり、地域包括ケアが高齢者等が住み慣れた場所で自分らしい暮らしを最後まで送れるよう、地域が一体となり支援体制を構築することであることを考えると、基本構想実現には新たな切り口のアプローチが必要ではないでしょうか。さきに述べたウェアラブル機器をまずは高齢者1,000名に無料貸与し、日常の健康管理と緊急時の見守りの実施を求めますが、伺います。

 次に、活力ある持続可能なまちの実現について伺います。

 基本構想には、災害に強く回復力のあるまちづくりを進めますとあります。区は現在、若宮地区の地区計画策定を進めています。狭隘道路の拡幅や道路ネットワークの形成、建築の制限などで面的に防災性と利便性向上を図るためです。しかし、防災性向上のためには、先行して進めるはずであった補助第227号線の拡幅が欠かせず、他の地区と同様に、都市計画道路の拡幅とセットでの防災まちづくりが行われるべきです。

 西武新宿線連続立体交差化を見据えたまちづくりも重要ですが、その進度によりまちづくりが遅れることがあってはならないと考えます。区が補助第227号線(妙正寺川~新青梅街道区間)の現況調査説明会を実施したのは平成29年7月です。そのときの近隣住民への説明では、事業着手は令和2年以降とされています。間もなく令和8年となりますが、いまだに具体的な説明はなく、住民の不安は募るばかりです。補助第227号線の区施工部分はいつ事業化されるのか、いい加減、具体的なスケジュールをお示しください、伺います。

 みどりのネットワークの構築は、基本構想にある環境負荷の少ない持続可能なまちづくりのためにも、気候変動による気温の上昇から区民の健康を守るためにも必要です。施政方針では、「道路の緑化・保全に関する方針等を策定し、街路樹の適正な管理を推進」するとありました。今後も防災や駅を基軸としたまちづくりが進む当区にあって、街路樹を含む緑に対しての具体的な考え方を持つことが求められます。

 今年、仙台市を視察し、街路樹等の適正な維持管理に関しての中心となる組織と具体的な方針が必要と考えていましたので、実現を期待します。そこで、道路の緑化・保全に関する方針等の策定の具体的なスケジュールを伺います。また、道路の緑化であれば、道路管理課・道路建設課の所管となりますが、組織の人員配置の状況を見ると、二つの課のみで行えるとは思えません。道路や公園、その他区所有の樹木の適正管理のために、主導する所管をつくるべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。

 次に、持続可能な区政運営について、基本構想に描く目指すべきまちの姿を実現するための最後で、持続可能な区政運営に向けてとして述べられた具体的な取組は、コンタクトセンターと区有施設保全計画のみでした。これには驚きました。子育て先進区も、地域包括ケア体制も、活力ある持続可能なまちも、持続可能な区政運営あってこそではないでしょうか。コンタクトセンターの導入と区有施設保全計画の策定のみで、今後4年間のあるいは基本構想実現までの持続可能な区政運営が可能とお考えでしょうか。

 ここに2期8年間の酒井区政のウイークポイントがあると考えます。「マネジメントとは人のことである」とはドラッカーの言葉です。区政を持続可能たらしめるには、トップとそれに続く幹部及び職員の意識や能力、組織環境が重要なことは言うまでもありません。そして、併せて重要なものは、区財政の持続可能性です。基本構想の中にある「基本構想の実現について」では、「持続可能な財政運営を進めるとし、自立した自治体として、安定的な財政基盤を構築していくために、最少の経費で最大の効果を挙げる持続可能な財政運営を基本とし、客観的な論拠に基づく政策形成を進めるとともに、選択と集中による最適な資源配分と、着実な財源の確保に努めます」とあります。基本構想策定時は、まさに新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延の渦中であり、未来が見通しにくい時期でした。しかし、想定した歳入の落ち込みはなく、その後も現在に至るまで、歳入は右肩上がりを続けています。現在の財政運営は、好調な歳入の下に維持されており、財政規律に対するコンプライアンスは遵守されているとは言い難いものです。最も顕著な例は、毎年の予算編成方針が守られているとは言えない状態が続いていることです。財政の持続可能性についての議論は予算特別委員会総括質疑に譲るとして、令和8年度の予算編成について1点だけ伺います。

 令和8年度予算編成方針では、「計画に位置付けられていない新規・拡充事業を立案する場合は、既存事業の見直し等を必須とし、その経費については、既存事業の上限額を超えないように努めること、また、事業計画は予算投入に対する効果が見られるかなど客観的な論拠を見出し、エビデンス・ベースで策定すること」など、かなり厳しい条件が並んでいます。令和8年度予算での新規・拡充事業は、全て編成方針に沿って編成されたのでしょうか、伺います。

 最後に、5点目として、(5)区長選挙3期目への立候補宣言について伺います。

 施政方針の結びで、「区長は引き続き中野区政を担うという重責に、全身全霊を捧げていく所存であり、皆様の御判断を仰ぎたい」と3期目への立候補を宣言されました。御決意はお伺いしました。平成30年、区長が初当選を果たされた直後の一般質問で、前区長の多選批判をされ当選された区長に対し、区長の任期についてのお考えをお尋ねしたところ、「区長が長期にわたり在任することにより継続性が保たれる反面、一定の方向に区政が偏ったり停滞したりするおそれがあることから、区長の在任期間は3期12年までが適当であると考えております」と述べられました。現在もこの認識は変わっていないのでしょうか、伺いまして、私の全ての質問を終わります。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 平山議員の御質問にお答えいたします。

 初めに、区長の政治姿勢と時代認識についてで、平和の旅参加者のネットワーク構築についての御質問です。平和の旅に参加した中学生が次年度以降も関わりを持ち、コミュニティができていくことは、次世代へ平和を引き継いでいくために目指すべき一つの方向性であると認識しております。今年度の参加者には、継続的に平和事業の周知を行っていることを確認しております。今後、区と継続的に関わることができるよう、参加者の意見も参考にしながら検討してまいります。

 次に、核兵器廃絶に向けた声明について。毎年8月10日の区報にて、区民に対し平和メッセージを発出しているほか、核兵器廃絶のための活動や声明を行っている平和首長会議に平成30年に加盟したところであります。

 今年度、新たに平和の旅参加者全員で考えた平和メッセージを横断幕にして庁舎西側に掲出したところでありますが、「憲法擁護・非核宣言都市」である中野区として、今後もメッセージの発出など平和への想いを発信してまいります。条例への位置付けについても、今後検討してまいります。

 次に、国及び今後の経済状況の区財政への影響についてです。歳出については、人件費の増加や物価高騰などの影響により、一定程度増加することを見込んでおります。歳入については、経済状況が不透明であるため、下振れリスクを常に想定し、楽観視することなく、財政運営に当たる必要があると考えております。

 次に、税収偏在是正の区財政への影響についてです。今後、地方法人課税に加えて、東京都が課税する特別区の土地に係る固定資産税についての措置が懸念され、影響額はさらに拡大することが想定されております。区民サービスを堅持するために、特別区長会を通じて、東京都とも連携をしながら、国に財源の必要性を訴えてまいります。

 次に、物価高騰対策についてで、議会や各種団体等の要望を踏まえた物価高騰対策についてです。令和8年度予算については、区民の安心・安全な暮らしを守るため、最近の物価高騰の状況を十分に踏まえたものとなっております。議会や各種団体等の要望などの把握に努め、休日診療事業委託費の増額など、物価や人件費高騰といった社会情勢の変化を踏まえた最新の見積りを徴収し、予算積算を行ったものであります。

 次に、区独自の物価高騰対策についてです。今後の社会経済の状況や区民生活への影響、国や都の動向等を見極め、区として必要な物価高騰対策を適切な時期に実施できるように検討してまいります。

 次に、ナカペイのマイナンバー認証の導入です。ナカペイのアカウント認証をマイナンバー認証と連携し、本人確認を行う仕組みについては、令和8年8月までに導入する予定であります。

 次に、ナカペイを活用した物価高騰対策です。ナカペイは、「区内経済・産業の活性化」及び「区の政策・施策の側面的推進」を目的としておりまして、物価高騰対策を実施するツールとしての活用は有効であると認識しております。マイナンバー認証の導入状況も踏まえながら、引き続きナカペイの活用の可能性を検討してまいります。

 次に、中野駅新北口駅前エリア再整備についてで、再整備事業計画の見直しにおける環境・防災の視点です。災害時に都市活動を停滞させることなく、速やかに次の行動につなげていくことができるまちづくりが不可欠であると認識しておりまして、中野四丁目新北口駅前エリアとその周辺地区においては、災害時業務継続地区(BCD)構築による防災性強化を図っていく考えに基づき、まちづくりを進めております。再整備事業計画の改定に当たっては、環境・防災都市づくりのさらなる強化につながるよう検討してまいります。

 次に、施設規模による防災機能への影響です。再整備事業計画では、整備・誘導を図る主な施設・機能の中で、防災性向上に寄与する機能や広場などを一時滞留空間として位置付けております。中野駅周辺は、発災時に多くの帰宅困難者が滞留することが想定されておりまして、再整備事業計画の改定に当たっては、「中野駅周辺エリア防災計画」を踏まえ、防災機能の強化に資する拠点施設の整備・誘導方針を検討してまいります。

 次に、子どもにやさしいまちという視点です。子どもにやさしいまちを視点としてまちづくりを進めていくことは、障害のある方や御高齢の方をはじめとした様々な方、また多くの方にとってやさしいまちとなることや普遍的なデザインにつながるものと認識しておりまして、拠点施設の整備・誘導において、ハード・ソフトの両面で検討していくことが有益であるとの考えからお示ししたものであります。

 次に、新しい時代の「中野モデル」についての御質問です。第1に、社会情勢の変化に対応できる事業手法や用途などの可変性や将来の土地利用や施設の更新における拡張性を有する耐性モデルとしての側面、第2に、みどりや広場、回遊性のデザイン性や環境・都市DXの先進性による空間モデルの側面、第3に、中野サンプラザの価値の継承やアニメ・コンテンツなどの文化の発信と特色ある産業の集積など、中野らしい文化・経済モデルの側面、これらの三つの面が「中野モデル」となるのではないかと考えております。さらに、100年先につながる次世代性と周辺の変わらないよさとの融合のモデルであり、かつ発信性が高いと考えておりますが、再整備事業計画の改定の中で検討を深めてまいります。

 次に、区有地等資産活用に係る区民への説明についてであります。令和7年度当初予算でお示ししているとおり、新区役所整備に係る区債約116億円については、令和6年度分約45億円を一般財源へ振り替えるとともに、令和7年度に予定していた償還分約71億円は償還期間の延長で対応することとし、このたび金利負担を軽減するため、繰上償還を行うこととしたものであります。

 新区役所整備に係る区債を一般財源で対応することによって、市街地再開発事業だけでなく、定期借地権等の活用を含めて検討を進めることとしたことについては、中野駅新北口駅前エリア再整備の事業手法を検討する過程で、区民の皆さんに説明してまいります。

 次に、地域包括ケア体制についてで、健康管理と緊急時の見守りについてです。現在、健幸ポイント事業で使用していますウェアラブル機器は、位置情報や緊急通報の機能はついておりませんが、歩数や心拍数、睡眠などの計測機能がついておりまして、健康管理に活用できるものとなっております。まずは健幸ポイントの事業参加者のうち、ウェアラブル機器を使用している人の活用頻度や有効性なども把握した上で、見守り・支えあい事業展開の参考としてまいります。

 次に、補助第227号線の区施工区間の事業化についての御質問です。現在、東京都が特定整備路線として事業を行っている川北橋より南側の整備と切れ目なく事業が導入できるよう、検討を進めてまいります。

 続きまして、街路樹に関する方針等の策定スケジュールについてです。23区において街路樹の管理に関する方針等を策定している区もありまして、先行している自治体を参考に、令和8年度より関係所管による具体的な検討を進め、年度内に取りまとめることを目標としております。

 次に、樹木等に関して主導する組織の設置についてです。樹木等に関して統一した考え方で主導していく組織は必要だと考えておりまして、どのような組織体制がふさわしいか、検討してまいります。

 次に、予算編成方針に基づく事業立案についてです。予算編成方針においては、「計画等に位置付けられていない新規・拡充事業を立案する場合は、既存事業の見直し等を必須とし、その経費については、既存事業の上限額を超えないように努めること」としております。令和8年度予算においては、12事業の見直しを行うなど歳出削減に努めることとした結果、新規・拡充事業を含めた一般財源充当事業費を歳入一般財源見込額という目標の範囲内に収めることができたものと考えております。

 最後に、区長の在任期間についての御質問です。区長の在任期間は最長で3期12年までが適当であるという考えに現在のところ変わりはありません。

〔教育長田代雅規登壇〕

○教育長(田代雅規) 私のほうからは、施政方針説明についての御質問にお答えいたします。

 最初に、「表現コミュニケーション教育」の手法の学校への導入についてでございます。「表現コミュニケーション教育」は、現在フリーステップルームや中野中学校の特別支援教室で実施しており、子ども同士の関わりが活発になるなど一定の効果が見られております。今後、それらの成果と課題を検証しながら、カリキュラムとして導入の可能性を研究してまいります。

 次に、小学校でのイングリッシュキャンプの導入についてでございます。現在、小学校第4学年で全校実施しておりますTOKYO GLOBAL GATEWAYへの参加が児童にとって初めての本格的な英語体験となり、学習意欲の向上に大きな成果を上げております。TOKYO GLOBAL GATEWAYで得た経験を5・6年生でもぜひ活かせるよう、高学年の発達段階に応じた実践の場を増やしていきたいと考えております。

 次に、英語の授業時間数の増加についてでございます。中野区におきましても、授業時数を多く確保することは、英語教育の充実に有効な手段の一つであると認識しており、令和9年度の導入を検討しております。併せて、授業時間数の増加のみならず、例えば英語以外の授業にALTが参加して英語で指示を出したり、給食の時間や休み時間にALTと交流したりするなど、学校生活全体で英語に触れる場面を増やすことに取り組んでまいります。

 最後に、英語教育と多様な学びの場を充実させることについてでございます。英語教育と多様な学びの場を充実させることは、グローバル化と多様化が進む現代において、子どもたちの未来を拓くために重要な教育施策であると認識しております。今後も、子どもたちの国際的視野を広げる英語教育と自分らしく学べる多様な学びの場を充実させることで、中野区ならではの教育の実現を目指してまいります。

○議長(森たかゆき) 以上で平山英明議員の質問は終わります。

 議事の都合により暫時休憩いたします。

午後3時08分休憩

 

午後3時30分開議

○議長(森たかゆき) 会議を再開いたします。

 この際、申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。

 一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 浦 野 さとみ

 1 区長の政治姿勢と所信表明について

  (1)平和やくらしに関する基本的な姿勢について

  (2)中野駅新北口駅前エリア再整備について

  (3)2期8年の総括について

  (4)今後の取り組みについて

   (ア)住まいについて

   (イ)シングル支援について

  (5)職員体制・育成について

  (6)その他

 2 介護保険事業計画について

  (1)介護サービス基盤整備と公有地活用について

  (2)特別養護老人ホーム等大規模修繕費の補助について

  (3)介護給付費準備基金の適切な活用について

  (4)その他

 3 障がい児・者施策の拡充について

  (1)移動支援について

  (2)18歳以降の障がい者の余暇・夕方支援について

  (3)その他

 4 生活保護行政の発展について

 5 その他

 

○議長(森たかゆき) 浦野さとみ議員。

〔浦野さとみ議員登壇〕

○38番(浦野さとみ) 2026年第1回定例会におきまして、日本共産党議員団を代表し、一般質問を行います。質問は通告どおりで、その他はありません。

 初めに、1、区長の政治姿勢と所信表明について、(1)平和やくらしに関する基本的な姿勢についてまず伺います。

 区長は、所信表明の冒頭、世界情勢に触れながら、「改めて平和への意思を発信していかなければならない」と述べています。世界が、そして日本が右傾化する中、日本国憲法を真ん中に据え、中野区の「憲法擁護・非核都市の宣言」を広く共有し、平和施策を前進させていくことが必要です。折に触れた発信はもちろん、日常的に目に触れる区内の平和に関連した史跡や記念碑の存在をより有効な形で設置することも大切と考えます。被爆樹木二世などの関連する植物の表示方法の工夫、平和展示室や平和の旅などをより充実することなど、会派としても平和事業の重要性を繰り返し求めてきました。今後、区長自身がどのように平和への意思を発信していくのか、また、区として平和施策をどのように充実・発展させていくのか、伺います。

 同じく冒頭で、暮らしの状況に触れています。最低賃金は引き上がっているものの、物価上昇には追いつかず、実質賃金は長期的なマイナスとなっています。国政課題として消費税減税が総選挙でも一つの争点となりましたが、地方自治体として住民の福祉増進の立場で独自の支援策も欠かせません。さきの臨時会での補正予算で、給付金の対象を区独自で広げたことは重要でした。審査でも明らかになったように、納税義務者数や株式譲渡などで区税収入が大きく上振れする一方で、2025年度住民税均等割非課税世帯と令和6年度合計所得200万円未満世帯の合計が区内全世帯の約4割となるなど、経済格差は広がっていると思われます。そのことへの対策について伺います。

 次に、(2)中野駅新北口駅前エリア再整備について伺います。

 区は、この間、当該エリアのまちづくりの見直しに関して、意見交換会やタウンミーティングなどを繰り返し行い、インターネットなどでも広く声を募ってきました。併せて民間事業者に対し、サウンディング型市場調査を実施し、これらを踏まえた区の考え方が1月末の所管委員会で報告されました。昨年3月、当該再開発について区が一旦立ち止まる決断をした後、会派として「住民参加でのまちづくりの在り方を再検討すること、見直しに当たっては、あらゆる選択肢を除外せず、メリット・デメリットを示して比較すること、議会や住民が理解・判断できるよう、分かりやすく正確な情報発信と情報公開を行うこと」を申し入れ、議会質疑を通してもその立場で求めてきました。市街地再開発事業に加え、定期借地権の活用が選択肢に加わったことは大切と考えます。

 住民参加の点では、「意見を広く伺う中で、これまでの情報共有の在り方で至らない点が明らかになった」ことへの反省とともに、今後について、「適時に分かりやすく情報提供するよう工夫していく」旨が記されています。これまでの至らなかった点を述べるとともに、合意形成を図る上で努力されてきたこと、これからもしようとしていることも重要と考えます。例えば、今後、資料だけでなく、動画や模型なども活用し、情報を視覚的にも共有していくことが必要ではないでしょうか、伺います。

 昨年の第3回定例会での我が会派の羽鳥議員の質疑において、緑がある憩いの場所となり、中野区の脱炭素ロードマップを反映させた計画となることを求めてきました。今回、計画の改定に当たり、特に検討を重ねる点に関して、「質・量ともに高い水準の緑と広場空間を実現すること」、「緑や広場空間の連携」について示されたことを評価します。全国でも有数の住宅密集地域であり、住民一人当たりの公園面積が少ない中野区にとって、緑や空間の存在は非常に重要な価値があると考えます。

 緑や空間は、採算性という直接的な利益にはなりませんが、特に都市部における緑の価値は、ヒートアイランド現象の緩和や生物多様性の向上、身体的・精神的・社会的な健康、ウェルビーイングにもつながり、その存在自体が高い価値を生み出します。当該エリアにおける緑や空間の価値についてどのように認識されているのか、伺います。

 また、中野区の一つの特徴は、個人・中小企業が圧倒的に多く、個性あふれる商店がたくさんあることです。再開発によって地域経済が衰退することがあってはなりません。既存商店と共存し、再開発エリアのみで完結しないための手だてについても併せて伺います。

 次に、(3)2期8年の総括について伺います。

 酒井区長就任から7年9か月、2期目の任期終了前最後の区議会定例会となりました。「子育て先進区」への取組として、学校給食の無償化・子どもの貧困対策・子どもの居場所の拡充・児童館の機能強化を、「地域包括ケア体制の実現」として、ひきこもり支援・高齢者虐待への対応・アウトリーチ体制の強化を、まちづくりとして、中小企業支援・中野区文化芸術振興基本方針の策定や再生可能エネルギー活用のための補助制度などに取り組まれてきたことについて評価いたします。

 併せて、2022年4月から施行された「中野区子どもの権利に関する条例」、「中野区人権及び多様性を尊重するまちづくり条例」、「中野区公契約条例」など、区政運営の根幹となる重要な条例を生かした取組で様々な前進が図られたことも非常に重要です。

 条例制定はもちろん、その条例の理念を広く根づかせ、実効性あるものとすることも非常に大切と考えます。同時に、様々な制度の構築や施策の充実を図る上では、当事者の方の声も含め、リアルに実態をつかむことは欠くことのできないものと考えます。区長が2期8年の中で区政の発展のために最も大事にされてきたことは何か、現場の声をつかむ上で努力されてきたことについて伺います。

 近年、国籍による差別や世代間での分断をあおる動きが強まっています。政党や政治家自身がその先頭に立つことも散見され、強い危機感を持っています。昨年の第3回定例会の中でも、会派としてこの問題を取り上げ、今こそ「中野区人権及び多様性を尊重するまちづくり条例」をさらに生かした取組が必要であることも求めてきました。中野区は外国籍の方の人口が多く、今年2月1日現在、外国人のみ世帯・混合世帯を合わせた世帯は全世帯の10.4%となっています。1月末の区民委員会で、「オール中野における多文化共生推進体制の構築について」が報告され、多文化共生に係る関係者と課題共有を図りながら対応を進めることが示されました。今回のこの取組は、「中野区人権及び多様性を尊重するまちづくり条例」の理念を踏まえたものであるとも思いますが、人権や多様性を互いに尊重し、共生していくことについて改めて区の認識を伺います。

 次に、(4)今後の取組について伺います。

 所信表明では、今後の区政運営について触れられています。来年度に取り組む主な事業として、ひとり親家庭の支援、生活に困難を抱える世帯の児童や生徒を対象とした学習支援事業の対象拡大、さらなる教育費の負担軽減、5歳児健診、障害者手当の拡充、公有地や民有地におけるベンチ設置促進を含めた歩きたくなるまちづくりの推進、伴走型の中小企業支援など、会派としても求めてきたものも多く盛り込まれており、大変歓迎いたします。同時に、今後の施策展開として、これまでの政治の主課題として重視されてこなかった問題への取組もやはり重要と考えます。以下、二つに絞って伺います。

 一つは、(ア)住まいに関することです。日本の住宅政策は、長年の持家政策・男性稼ぎが主なモデルとなってきたことで、住まいの確保は自己責任とされてきました。また、都市部では国家戦略特区制度による規制緩和など、開発事業者の利益優先の再開発が推進し、タワーマンションなどの高層住宅ばかりが建てられています。そのため、地価や固定資産税、住宅価格や家賃も上がりました。都内23区では、新築マンション・中古マンション共に平均価格が1億円を超え、中野区も例外ではありません。「住み続けられない」という声が大きくなっています。根本的には国の課題として解決すべきではありますが、都内でも家賃補助制度が広がっています。

 これまでも繰り返し求めてきましたが、改めて「人間らしく住まう権利・住まいは人権」の立場で、中野区でも家賃補助制度をつくるべきです。課題も含め、まずは検討の俎上に上げるべきと考えます。答弁を求めます。

 また、昨年の第3回定例会決算特別委員会で浴槽や風呂釜がない区営住宅が全体の約78%に及ぶことを指摘し、公営住宅等長寿命化計画の中にしっかりと位置付けて、計画的な整備をすべきことを求めました。検討状況について答弁を求めます。

 次に、(イ)シングル支援について伺います。中野区の全世帯数の中で単身世帯は6割を超えており、大きな中野区の特徴でもあります。昨年の第4回定例会で、会派の武田議員がミドル期シングルへの支援を取り上げ、まずは区として実態調査を行う必要性を求めました。区からは「令和2年度に区民1万人を対象とした「暮らしの状況と意識に関する調査」を行い、40代、50代からも一定数の回答を得ているため、今後この調査分析を足がかりに単身世帯の実態把握を行い、各年代における課題を整理していく」旨の答弁がありました。非常に大事な答弁だったと思います。実態把握と課題整理をどの時期に行う予定か、ぜひ来年度早々に実施していただきたいと考えます。答弁を求めます。

 この項の最後に、(5)職員体制・育成について1点伺います。これまでも幾度となく様々な観点で取り上げてきましたが、多様なニーズに対応する上でも、職員体制の充実や育成は欠くことのできない課題です。現在の職員体制の年齢構成は、30代までは全体の5割となっています。新庁舎となり、DXが進んだ一方で、住民の方々との距離が物理的にも遠くなる中、ローテーションの在り方なども取り上げてきました。

 所信表明では、「職員一人ひとりが区民ニーズを的確に捉え、社会情勢の変化に対応し、区民生活を基軸に置いたサービス展開」の重要性についても触れられています。先ほど区長自身が現場の声をつかむ上で努力されてきたことについて伺いましたが、声を上げられない方、最も困難を抱えた方の声はなかなか可視化されません。そのため、いかにそうした声や実態をすくい上げるか、直接の声ではなくても、個別の事例から見えてくる課題を通じて、施策に反映したり、住民の方の困難から制度を構築していったりするためには、職員の一人ひとりの皆さんの視点の幅広さにも関わってくると思います。声を上げられない方のニーズについて、どのように的確に捉えていくか、職員育成の観点から伺います。

 職員定数の在り方なども今後の課題になってくると思います。所信表明でも触れられているように、「中野区に住む全ての人や、このまちで働き、学び、活動する人々にとって、より豊かな暮らしを実現する」ためにも、これまでの政治の主課題にはなってこなかった課題への対応も欠かせないと考えます。一人ひとりの多様な生き方を支える区政への発展を願い、この項の質問を終わります。

 次に、2、介護保険事業計画について伺います。

 2026年度は第9期介護保険事業計画期間の最終年度となります。同時に、2027年度から3年間の第10期の同計画策定に向けた年度にもなります。初めに、(1)介護サービス基盤整備と公有地活用について伺います。

 第9期計画期間における基盤整備のうち、看護小規模多機能型居宅介護が2施設、認知症高齢者グループホームが2施設、都市型軽費老人ホームが1施設という整備目標が定められています。現在、整備目標に対してどういった状況になっているのか、伺います。

 土地がなかなか見つけにくい中野区の状況においては、公有地の活用は有効な手段です。事業者にとっても大きなインセンティブとなります。事業者任せにせず、区として計画した目標を確実に達成していくためにも、公有地の積極的な活用を検討すべきです。具体的な手だてとその見通しについて答弁を求めます。

 次に、(2)特別養護老人ホーム等大規模修繕費の補助について伺います。

 現在、中野区内には12か所の特別養護老人ホームがあります。一番古い「中野友愛ホーム」が建築から約47年、12か所の平均の築年数は約26年となっています。都内では、老朽化した特別養護老人ホームが建て替えや大規模修繕の時期を迎えても着工できないケースが増えているとのことです。葛飾区のある特別養護老人ホームでは、区画を分けての段階的に工事をする「居ながら改修」も検討はしたものの、振動や騒音が入居者に及ぼす影響が大きいため断念したとのことでした。大きな課題は仮移転先(代替施設)です。これは都内全体の大きな課題とも言えます。

 東京都は、板橋区内に建て替え期間中の代替施設を2棟整備し、建て替えだけでなく、大規模改修の際にも活用できるとしました。また、費用面での課題もあり、例えば兵庫県西宮市では、特別養護老人ホームの改築(建替え)補助を実施しています。まずは区内の全ての特別養護老人ホームに対し、今後の大規模修繕や建て替えに関するヒアリングを行い、懸念点などを丁寧に把握することが必要ではないでしょうか。その上で、修繕費や建て替えの補助制度、仮移転先についての検討をすることが必要と考えます。答弁を求めます。

 この項の最後に、(3)介護給付費準備基金の適切な活用について伺います。

 第9期計画期間においては、保険料の大幅上昇を抑えるため、基金14億円を取り崩すこととしましたが、年額の保険料基準額は6,477円の増額となりました。準備基金の残高は20億円を超えている期間が続いています。そもそも保険料は1期3年間の事業計画の中での需要を見込み、それに合わせて保険料を設定しています。結果として保険料を取り過ぎていることにもなっています。

 さきに述べたように、基盤整備で示した目標が未達成であれば、基金はさらに積み上がっていくことにもなります。保険料を可能な限り軽減するためにも、準備基金の適切な活用を求めます。見解を伺い、この項の質問を終わります。

 次に、3、障がい児・者の施策の拡充について、初めに、(1)移動支援について伺います。

 移動支援事業は、障害者総合支援法に基づく地域生活支援事業サービスの一つであり、障害児・者が社会生活上必要不可欠な外出及び余暇活動などの社会参加のための外出サポートとしてガイドヘルパーを派遣し、移動の支援を行う事業です。中野区では、障害のある児童・生徒が学校や学童クラブに通う際など、保護者が就労やその他の事情により介助ができない場合などに使われており、小学生では1か月15時間、中高生やグループホーム入居者は1か月20時間、その他の方は1か月40時間という基準となっています。上限時間を超えて利用を希望する場合には、その旨を申請し、利用者の必要性等を個別に判断する審査が行われているとのことです。2026年1月現在、中野区で移動支援を利用している方は何人いるのか、また、上限時間を超えて利用したい旨を申請し、上限時間を超えて利用している方はどの程度なのか、伺います。

 移動支援の上限時間の基準は、自治体ごとに差があり、例えば杉並区では18歳以上の方は1か月50時間、千代田区では年齢問わず上限60時間となっています。グループホームに入所中のAさんは平日は作業所へ、作業所がお休みとなる週末は昼食を外で食べることを楽しみにしています。グループホームから出かけて昼食を食べて戻るまで、少なくとも2時間は必要です。土日で2時間ずつ利用すると、4週で16時間となり、これだけで上限20時間の残りはあと僅かとなります。上限を超えた申請に対し、ほとんどの場合がその必要性を認められ、個別の状況に応じ時間を増やすなどの対応はされてきているとのことです。そうであれば、他区に比べても上限時間が少ない現在の基準を引き上げることを検討すべきではないでしょうか、答弁を求めます。

 次に、(2)18歳以降の障がい者の余暇・夕方支援について伺います。

 放課後等デイサービスの利用は原則高校卒業までとされているため、それ以降においては障害者総合支援法に基づき、他のサービスを利用することになります。多くの方は特別支援学校卒業後は午後6時まで利用できる放課後等デイサービスが利用できなくなり、生活介護や就労継続支援B型などのサービスに移行します。しかし、午後3時頃に終了するため、保護者にとっては自らの就労とも大きく関わり、保護者の多くは放課後等デイサービスと同等のサービス継続を強く求めています。いわゆる18歳の壁とも言われています。

 昨年の第1回定例会で障害のある青年・成人の生活や余暇をどう支援していくか、保護者や家族任せにしない仕組みづくりを求めました。区として需要調査や課題把握を進め、昨年10月から弥生福祉作業所にて夕方支援の試行実施が行われています。踏み出されたことを評価します。しかし、利用者がいないとのことです。その理由には、申込みが前の月までという条件や実施している曜日、送迎がないということなどが課題となっていると伺っています。区としてこうした実態は把握されているのか、また、実際のニーズと実績に乖離がある現状について、今後どのように改善を図っていくのか、伺います。

 東京都は昨年、夕方の居場所に関する調査を各自治体へ行いました。その中で、各自治体から出された課題を整理して、来年度から障害者居場所支援・余暇支援で新しい補助制度を確立するとのことです。詳細は現時点で明らかになっていませんが、当事者の皆さんの粘り強い取組が動かしています。

 昨年の第4回定例会で「障害児童・生徒の福祉サービスの利用」に関する陳情が692名の署名とともに提出され、全会一致で採択されました。放課後等デイサービスの送迎をより利用しやすくすることや、緊急時の一時保護や短期入所の拡充などを求めたものです。陳情採択を受け、区として現在の検討状況について伺い、この項の質問を終わります。

 最後に、生活保護行政の発展について伺います。

 昨年6月、国が決めた生活保護基準を「違法」と断じる最高裁判決が出されました。制度史上初めてのことです。しかし、政府は独自の再計算に基づき、改めて減額した支給額を算出するなど、判決の意義を矮小化しています。あまりにも不誠実な対応であり、新たな集団訴訟になる可能性も高まっています。原告の皆さんが求めているように、最高裁判決を前提として、引下げ前の基準への回復と差額分の全額支給が一刻も早く行われるべきです。

 今回は2点に絞って伺います。一つは、冒頭で触れたように、区内での経済格差が広がっていることについてです。決算特別委員会での要求資料をたどっていくと、生活保護開始理由として、定年や失業、事業不振や倒産などによる収入減、手持ち金や貯金の減少などが増えている傾向にあります。昨年の決算特別委員会総括質疑の中で、中野区の生活援護課に寄せられている生活相談の数がコロナ禍以降高止まりし、今年度は前年度の同時期と比べても1割程度増えていることを確認しました。その理由について、「生活困窮にある方が増えていることが主な原因と捉えている」との見解が示されましたが、昨年秋以降の傾向と現状の分析について伺います。

 また、居所のない方への対応について伺います。居所のない方が生活保護を申請した際、無料低額宿泊所へ一旦入ることが申請の条件として提示されるなど、自治体によっては不適切な運用がされていると聞きます。中野区福祉事務所ではきちんと選択肢を示し、個々の事情で集団生活が難しい方などは当面の間、例えばネットカフェの利用も選択肢の一つとして提示されていると思いますが、確認の意味も含めて現在の対応について伺います。

 また、2024年度中に住まいがなく、中野区福祉事務所の住所で生活保護を申請された方の人数と、その中で当面の居所として無料低額宿泊所を利用された方の人数、併せてこの中で無料低額宿泊所を退所された方の人数とその理由別の人数について伺います。

 自治体によっては、いわゆる水際作戦が強まっているとも聞きます。そもそも、本来は生活保護利用の対象であるにもかかわらず、利用していない方が8割とも言われています。働きながらでも生活保護を利用できることや医療扶助のみ利用できることなどが知られていないために申請を諦めている方もいます。制度の内容が分かりやすく周知されていること、生活保護制度が最後のセーフティネットとして、もっとポジティブなものとして理解されるよう、中野区でもより丁寧な周知を求め、全ての質問を終わります。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 浦野議員の御質問にお答えいたします。

 初めに、区長の政治姿勢と所信表明についてで、平和への意思発信及び平和施策の充実についての御質問です。憲法擁護・非核都市宣言を行い、平和行政の基本に関する条例を持つ中野区は、平和首長会議への加盟や平和資料展示室の設置、平和の旅や平和のつどい等、平和に関する取組を着実に進めてまいりました。平和について一人ひとりが考え、若い世代も含めた多くの方が平和の尊さを共有し、次の世代へ引き継いでいけるよう平和施策を展開するとともに、多くの区民に平和の意義や重要性が伝わるよう、様々な事業や機会を捉えて発信してまいります。

 次に、経済格差への対策についてです。これまで補正予算による給付金のほか、区立小・中学校の教材費等の補助、エアコン購入費助成等、区民の負担軽減を十分踏まえて令和8年度予算を編成しておりますが、今後も社会経済状況や国や都の動向なども注視してまいります。

 次に、視覚的に分かりやすい情報発信についてです。中野駅新北口駅前エリア再整備の情報発信については、写真やVR動画などを活用し、区ホームページの掲載内容の見直しも含め、視覚的に分かりやすいものにするよう努めてまいります。また、中野駅周辺の再整備についても、年内、2・3年後、5年から10年後の時系列に分けて、様々な媒体や機会を通じて情報発信をしてまいります。

 次に、みどりや空間の価値です。都市部、特に再整備が行われるエリアのみどりや空間は、ヒートアイランド現象の緩和をはじめとした都市環境の改善、ウェルビーイング、防災性や回遊性の向上、交流・活動の促進などのほか、都市の価値を高めるものであると認識しております。中野駅新北口駅前エリアの再整備においては、当該エリアの価値の最大化に資するみどりや広場空間を質・量両面で整備・誘導していくことに努めてまいります。

 次に、周辺商店街との共存です。再整備における商業施設については、周辺商店街とのバランスや相乗効果を図ることが重要で、その点を踏まえ、規模やターゲットなどを見定めながら整備・誘導していきたいと考えております。また、再整備によって歩行者デッキとのつながりなど、周辺商店街への回遊性を高めるとともに、ホールの興行と連携した周辺商店街における企画や取組を促し、ハード・ソフトの両面で地域の消費喚起や経済効果の拡大につなげるように検討してまいります。

 次に、区政の発展のために最も大切にしてきたことの御質問です。私が区政運営に当たり最も大切にしてきたことは、地域や現場に自らが直接出向き、区民や事業者、団体等の生の声を直接伺い、地域の課題や現状を把握し、区の施策に着実に反映していくということであります。そうした現場の声を把握するために、区民と区長のタウンミーティングや意見交換会等を開催するとともに、様々な現場へ積極的に足を運んできたところであります。

 また、職員に対しても、地域に飛び出し、地域の課題を把握するように折に触れ周知するとともに、目指すべき中野区職員の姿や人材育成総合プランの中にも位置付け、研修などを通じて周知徹底をしてきたところであります。

 次に、人権及び多様性を尊重するまちづくり条例に対する区の認識についてです。区は、中野区人権と多様性を尊重するまちづくり条例に掲げる基本理念の下、全ての人が差別をすることや差別されることなく、差別されている状況を見過ごすことのない環境をつくるための取組を進めているところであります。今後も人権及び多様性を尊重し、国籍や人種、年齢、世代などによる差別を受けることなく、これを認め合う意識を醸成するために必要な取組を行ってまいります。

 最後に、職員体制・育成についてで、区民ニーズを的確に把握する職員育成についてです。潜在的な声を含めた区民ニーズを踏まえた区民サービスの改善・向上を図るため、職員一人ひとりが職務内外を通じて地域課題を的確に捉えて、政策の立案と実施に活かせる力が求められております。若手職員を中心としたジョブローテーションでは、窓口や相談業務を通じた傾聴スキルの向上など、多様な職務経験を積むことを意識した人事異動を行っております。

 サービスデザインや政策形成力向上研修など、区民起点の思考の浸透を図り、職員が積極的に地域に飛び出す経験を通じて、区民ニーズを的確に把握できる職員の育成に力を注いでまいります。

〔都市基盤部長松前友香子登壇〕

○都市基盤部長(松前友香子) 今後の取組についての御質問のうち、住まいについてお答えいたします。

 住まいに係る負担軽減について、地価の上昇に伴い、賃貸住宅の家賃上昇など、住宅市場にも影響が生じていることは認識してございます。住まいにお困りの方につきましては、きめ細かな相談支援やセーフティネット住宅の登録促進等に取り組んでいるところであり、住まいに係る負担軽減や定住促進に資する取組について、引き続き他自治体の先行事例を参考に検討してまいります。

 次に、区営住宅の浴槽や風呂釜の検討状況について、居住性向上の観点から、浴槽や風呂釜について、空き室のタイミングで区負担により設置することも視野に入れて検討しており、使用料への影響も考慮しつつ、公営住宅等長寿命化計画の中で引き続き検討してまいります。

〔地域支えあい推進部長石井大輔登壇〕

○地域支えあい推進部長(石井大輔) 私からは、今後の取組の御質問のうち、シングル支援についてお答えいたします。ミドル期シングルの実態把握についてでございます。

 40代から50代は、将来の生活不安や健康のリスクを考え始めるライフステージでありまして、また就職氷河期世代でもあることから、世代の特徴を踏まえた上で、単身者の課題を捉えるべく、様々な角度からの分析が必要であると考えております。

 令和2年度に実施した「暮らしの状況と意識に関する調査」のほか、国勢調査や国民健康保険などのデータ分析を研究機関の協力も得ながら進めてまいります。

 次に、介護保険事業計画の御質問についてお答えいたします。

 まず一つ目が介護保険施設の整備状況でございます。計画で整備を目標としていた看護小規模多機能型居宅介護2施設、認知症高齢者グループホーム2施設については、現時点ではいずれも参入事業者がいない状況でございます。一方で、目標としていた都市型軽費老人ホーム1施設につきましては、予定どおり1事業者の参入があり、5月には開設する予定でございます。

 次に、公有地の活用についてでございます。公有地の活用は、土地の確保が難しい中野区において有効な手法であると認識しており、策定中の「中野区区有施設整備計画」でも、北部すこやか福祉センター移転後の跡地は介護保険施設の誘致を検討することとしております。今後、施設の更新などの機会を捉え、他の区有地につきましても活用の可能性を検討してまいります。

 次に、特別養護老人ホーム等への大規模修繕費の補助についてでございます。区内の特別養護老人ホームの実情を把握するため、今後の修繕・建て替えの予定や抱えている課題につきましてヒアリングを行うとともに、国や都の補助制度の活用事例や民間の整備手法につきましても情報収集をしてまいります。

〔地域包括ケア推進担当部長石井大輔登壇〕

○地域包括ケア推進担当部長(石井大輔) 介護給付費準備基金の適切な活用についての御質問についてお答えいたします。

 介護給付費準備基金は、介護保険制度を安定的・継続的に運営していくためのものでございまして、次の保険料改定となる第10期計画期間につきましても、適切な保険料額となるよう活用を検討してまいります。

〔健康福祉部長杉本兼太郎登壇〕

○健康福祉部長(杉本兼太郎) 私からは、まず障がい児・者施策の拡充についての御質問のうち、上限時間を超える移動支援の利用人数についてお答えいたします。

 令和8年1月現在、移動支援の利用者数は767人でございます。このうち、上限時間を超える利用者については、身体・知的・精神障害者が19人、グループホーム入居者が14人、中・高校生が1人の合計34人でございます。

 次に、移動支援の上限時間の引上げについてでございます。移動支援の支給時間数につきましては、申請者から聞き取りを行い、必要な時間数を決定しておりまして、特別な事情や緊急時の対応等も勘案し、上限時間を超える場合についても個別に対応しております。上限時間の基準引上げにつきましては、近隣区の状況を調査し、制度全体の見直しの中で検討してまいります。

 次に、夕方支援の実態把握と実績との乖離についてでございます。昨年10月から開始しました弥生福祉作業所の夕方支援の試行につきましては、議員御指摘のとおり現在までに利用者がない状態でございます。その主な要因としましては、夕方支援には職員の勤務体制が大きく影響することから、利用する月の前月に申込みを要し、タイムリーに利用できないこと、また、送迎がないこと、火曜日と木曜日ということで曜日が固定されていることから利用しにくいというような声を頂戴しています。こうした声を踏まえまして、今後運営する事業者と調整を行い、利用しやすい夕方支援について検討を進めてまいります。

 次に、陳情採択後の検討状況についてでございます。放課後等デイサービスの送迎につきましては、障害児通所支援事業所に対して協力依頼を予定しております。障害児が利用できる緊急一時保護につきましては、現在実施している事業の利用状況や今後の利用者数を推計するとともに、当事者の方々からの声を聞き取りながら、事業所誘致や施設整備を検討してまいります。また、短期入所につきましても、他区における短期入所事業の運営実態を把握するため、アンケートの実施や障害者通所支援施設への視察を行っているところでございます。

 次に、生活保護行政の発展についての御質問のうち、生活保護の傾向と現状分析についてでございます。1月末の時点で生活相談件数、生活保護申請件数共に昨年度同時期と比較して増加しておりまして、その要因は失業による収入や手持ち金の減少などに伴い、生活困窮にある方が増加したことにあると捉えております。

 次に、居所のない方への対応についてでございます。居所のない方からの相談に当たりましては、集団生活になじまないなどの特性やこれまでの成育歴などを聞き取った上で、当面の住まいとして、無料低額宿泊所に限らず、ネットカフェを含めた多様な選択肢を示しながら、本人の現状に応じて最適な選択ができるよう対応を図っているところでございます。

 最後に、無料低額宿泊所の利用状況についてでございます。令和6年度における居所のない方からの生活保護の申請者数は155名でございまして、このうち無料低額宿泊所を利用した方は16名でございました。無料低額宿泊所を利用した16名のうち、既に10名の方が退所しておりまして、中野区内への居宅移行が7件、その他3名の方につきましては、就労による自立廃止、簡易宿泊所への移行、親族による引取りというような状況になってございます。

○議長(森たかゆき) 以上で浦野さとみ議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 内 野 大三郎

 1 施政方針説明について

  (1)中野駅新北口駅前エリア再整備について

  (2)「働きたい・働き続けたい」職場のための人材マネジメントについて

  (3)その他

 2 その他

 

○議長(森たかゆき) 次に、内野大三郎議員。

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〔内野大三郎議員登壇〕

○23番(内野大三郎) 令和8年第1回定例会におきまして、都民ファーストの会中野区議団の立場で一般質問をいたします。

 都民ファーストの会は、東京の持続的成長と都民生活の質の向上を両立させることを基本に、防災力の強化、子育て支援、脱炭素の推進、行政の生産性向上を柱とし、様々な政策を進めてまいりました。来年度の東京都予算案では、世界一安全・安心な都市づくり、子ども・若者支援の拡充、ゼロエミッションの加速、AI活用による行政改革などを軸に編成され、その方向性は中野区政が直面する課題と高い親和性を有しております。

 私たち議員団は、こうした都政の軸足と歩調をそろえ、東京都の制度や財源、政策的後押しを最大限に活用しながら、区民生活に直結する成果を中野のまちに確実に届けていくことを使命としています。そのためには都議会との緊密な連携が不可欠であり、荒木ちはる都議会議員と力を合わせ、防災、まちづくり、子育て支援、人材確保といった分野で都と区の施策を有機的に結びつけていくことが極めて重要であります。

 私は議員団幹事長として、区政の現場で見える課題を都政につなぎ、同時に都の施策を中野に実装していく橋渡し役を果たしてまいります。こうした立場から、東京都の来年度予算の考え方と軸を共有しながら、中野駅周辺の都市再開発、人材育成を通じた行政力の底上げなどについて具体的に質問し、区長と建設的で前向きな議論を重ねていく所存です。

 まず、1、施政方針説明について、(1)中野駅新北口駅前エリア再整備について。区長の施政方針説明では防災力の強化、地域経済の活性化、子育て支援、脱炭素への取組など、今後の区政運営の方向性が示されました。その中でもとりわけ重要なテーマの一つが中野駅新北口駅前エリアの再整備であります。

 中野駅周辺では、これまで長年にわたり、複数の再開発事業や土地区画整理事業が段階的に進められてきました。現在までに10を超える地区で事業が進行し、駅を取り巻く都市構造そのものが大きく更新されてきたところであります。これほど多数の大規模事業が一定の期間に集中して進められている事例は、全国的に見ても極めて珍しい案件であり、中野駅新北口駅前エリアはまさにその総仕上げとなる最後のピースでもあると考えています。だからこそ、この再整備は単なる一地区の更新ではなく、中野駅周辺全体の価値を最終的に決定づける局面であり、これまで積み重ねてきた成果を束ね、次の100年につなぐ象徴的なプロジェクトにしなければなりません。その視点から、まず駅前空間の質そのものについて伺います。

 この施政方針説明において、中野駅新北口駅前エリア再整備に向けて、特に5点について検討していきたいということが示されました。この中で、「第1に、質・量ともに高い水準の緑と広場空間を実現するとともに、環境と心にやさしく、かつデザイン性が高い際立ったものにすること」とされていますが、これを突き詰めていくことは防災性の向上にもつながるとともに、中野の顔の売りになると考えます。例えば高輪ゲートウェイなどを参考にしながら、それ以上の質感の高い緑と広場空間、さらには回遊性を求めていくべきだと考えますが、いかがでしょうか。

 次に、こうした駅前核空間が完成した際、それを周辺地区とどうつなぎ、面的なにぎわいと価値創出につなげていくのかという視点が重要になります。中野駅周辺では、南口側を含め、既に多くの地区で新しい街区が形成されてきましたが、それぞれが点のまま存在するのではなく、人の流れや活動が循環する構造をつくり出してこそ、これまでの投資と努力が最大限に生かされることになります。中野駅新北口駅前エリアに整備される拠点施設は、その結節点として極めて重要な役割を担うことになります。

 中野駅新北口駅前エリアの拠点施設整備は、駅周辺の中野二丁目、三丁目、五丁目をつなぐ場所となります。回遊性を高めることはもちろんですが、それぞれのコミュニティとのつながりについても考えていくことが必要であり、それはエリアマネジメントにも寄与するものだと考えます。この整備の価値や意味を高め、区民の理解を促すものになると考えますが、いかがでしょうか。

 さらに視野を広げれば、中野駅新北口駅前エリアだけでなく、そこから放射状に伸びる主要動線や既存公共施設との関係性をどう再構築していくのかという点も駅周辺全体の完成度を左右する重要なテーマであります。とりわけ中野二丁目の千光前通りは、なかのZEROをはじめとした文化施設や産業拠点としての産業振興センターを結び、駅周辺の回遊性を高める軸となり得る通りであり、これまで個別に進められてきた公共施設整備やサウステラなどの民間施設と一体で将来像を描く必要があります。

 千光前通りのまちづくりについて、今後の展望・展開について、産業振興センターの再整備やなかのZEROの空間利用などとの連動も併せて、どうなっていくのか、伺います。

 中野駅新北口駅前エリアの再整備は、単独の事業ではなく、長年積み重ねてきた11の再開発、区画整理事業の集大成として、中野の都市構造を完成させる極めて重要な局面であります。この最後のピースをどう仕上げるかによって、中野駅周辺が通過点になるのか、訪れたくなる目的地になるのかが決まります。区民が誇れる都市拠点として、防災性、にぎわい、回遊性、持続可能性を兼ね備えた中野の玄関口を実現するため、明確なビジョンと具体的な取組を示していただくことを強く求め、次の質問に移ります。

 (2)「働きたい・働き続けたい」職場のための人材マネジメントについて。

 近年、全国的に公務員志望者の減少が続き、自治体現場では深刻な人材不足が顕在化しています。人口減少社会の進行により、民間企業との人材獲得競争は一層激しさを増し、行政組織も「選ばれる職場」であることが求められる時代となったと言えます。

 中野区が今後も区民福祉の向上を図り、持続的に発展していくためには、意欲と能力のある人材から「選ばれる自治体」となるだけでなく、採用した人材がやりがいを持って働き続けられる、「選ばれ続けられる自治体」であることが不可欠です。

 中野区は、都心に近接した都市型自治体でありながら、サブカルチャーをはじめとする多様な文化が根づき、外国人を含む多様な人々が暮らす自治体であるという他区にはない特色を持っています。こうした文化的多様性や都市型自治体ならではの課題解決の現場は、若い世代にとって大きな学びと成長の機会となり得るものであり、本来公務員として働く魅力を強く発信できる要素だと考えます。民間にも、他自治体にも負けない「中野区職員の魅力発信」を積極的に行うべきだと考えますが、安定的な職員確保に向けて、どのような採用選考を行っているのでしょうか。

 また、公共施設の更新期を迎えている中で、技術系職員の確保、スマートウェルネスシティを実現するための医療・福祉系職員の確保など、政策的に事業展開を図るためには、専門性を持つ人材の確保・育成は急務ではないでしょうか。他自治体も民間企業も専門職の確保に力を入れている中で、中野区ではどのように安定的な職員の確保をしていくのでしょうか。

 中野区職員として採用されたら、中野区に長く貢献し続けてもらいたいところですが、近年、働き方や価値観の多様化、民間企業との待遇・キャリア形成の差、専門性を活かせる環境の不足など、複合的な要因により入庁後数年で組織を離れる若手が増えているのではないでしょうか。若手職員は将来の区政を担う中核ですが、業務の高度化・複雑化、住民ニーズの多様化により、入庁後早い段階で大きな負担を抱え、結果として離職に至るケースが出てきていると全国的にも指摘されています。採用数を増やすだけでなく、職員一人ひとりが安心して成長できる職場環境を整える必要があるのではないでしょうか。

 横浜市では、若手職員同士の交流や相談を目的としたメンター制度を導入し、配属後の不安軽減やキャリア形成支援を行っており、職員の成長を体系的に支援しています。また、神戸市では、若手職員が政策立案に主体的に関わるプロジェクト型業務を通じて、若手のうちから自らの仕事がまちづくりに直結していることを実感できる仕組みを整えています。成長実感が得られる組織であることが定着につながる要素の一つだと考えますが、中野区では若手職員の育成はどのように行っているのでしょうか。

 大学卒業程度の特別区職員採用区分I類で入庁すると、早ければ5年後には主任職、10年後には係長職、15年後には管理職になることができますが、特定事業主行動計画のアンケートでは、管理職に昇進したいと考える職員の割合が男性14%、女性5%と大変低い状況です。上位職に魅力がないということなのでしょうか。原因を分析して対策を打たなければ、安定的な組織になりませんし、区民サービスの低下を招くことにもつながりかねません。

 昨年、東京都では、カスタマーハラスメント防止条例ができ、中野区でも体制を組んだと聞いています。ハラスメントの類型は、パワハラやセクハラといった内部的な要因だけではなく、カスタマーハラスメントという外部的な要因も含まれています。私自身も区議会議員としてハラスメントにならないように注意して臨んでいるところですが、日々区民サービスを提供している前線にいる職員は様々な要望を受けているのではないでしょうか。ハラスメントを起こさないことがベストでありますが、外部的な要因によるハラスメントは難しいところもあります。

 ハラスメントから職員を守らなければ早期退職につながり、公務員としてのキャリア形成を阻む要因になったりする可能性もあるのではないでしょうか。心理的安全性が保たれる職場環境とするためには、区ではどのようなことを行っているのでしょうか。今後の展望も含め、お聞かせください。

 成長し続けられる環境という面では、「職員が主体的に学ぶこと」も大事である。中野区は、中野駅周辺、西武新宿線沿線とまちづくり事業を加速させなければならず、デベロッパーとの交渉力も高めなければなりません。こうした事業を区として前進させていくためには、専門的な知識・経験を持つ技術職が重要です。専門職だけでなく、全職員にも関係してきますが、若手の離職防止を図り、組織力を高めていくためには、自らが資格取得やスキルアップを行い、行政サービスの質を高めていくことが求められているのではないでしょうか。資格取得支援制度の執行率は大変低調です。執行率を高めるとともに、育成強化につながる制度にしていくために、どのような事業展開を図っていくのでしょうか。

 この項の最後に、越境学習について伺います。

 自治体間の交流、民間企業との協働、地域団体とのプロジェクトなど、異なる環境に身を置くことで、職員が新たな視点を得るだけでなく、自らの役割や専門性を再認識し、仕事への意欲を高める効果が指摘されています。選ばれ続ける組織であり続け、職員定着を促すためにも、越境学習の充実も必要になっているのではないでしょうか。中野区でも民間企業派遣研修や大学派遣研修を行っていると思いますが、現在の状況や今後の展望について伺い、全ての質問を終わります。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 内野議員の御質問にお答えいたします。

 初めに、中野駅新北口駅前エリア再整備についてで、質感の高いみどりと広場空間です。都市部で再整備が行われるエリアのみどりや空間は、ヒートアイランド現象の緩和をはじめとした都市環境の改善、ウェルビーイング、防災性や回遊性の向上、交流・活動の促進などのほか、都市の価値を高めるものであると認識しております。

 次に、新北口駅前エリアの再整備においては、当該エリアの価値の最大化に寄与するみどりや広場空間を質・量両面で整備・誘導していくとともに、周辺の公園や道路緑化と連携した「みどりのつながり」とそれらのデザイン性を高めることで、集客性の向上にもつなげてまいりたいと考えております。

 次に、中野駅周辺のエリアマネジメントです。中野駅新北口駅前エリアは、駅周辺のハード・ソフト両面における結節の要であり、また、当該地区でのエリアマネジメントは、中野駅周辺全体を見据えたものであるべきと考えております。

 今年度創設されるエリアプラットフォームを通じて、積極的に他地区の組織と交流を深めることで、協創した取組を実現し、相互のコミュニティの価値を高めていくことができると考えておりまして、区はエリアプラットフォームの会員、また事務局の一員として、それぞれの組織をつなぎ、中野駅周辺全体の交流・連携を促進してまいります。

 続きまして、千光前通りのまちづくりの今後の展開です。千光前通りは中野駅南口駅前広場をはじめ、サウステラ、中野区産業振興センター、なかのZEROなどを結ぶ動線であり、また、駅周辺の回遊性を高める軸であると認識しておりまして、この周辺を面で捉えたまちづくりを進めていく考えであります。

 今後、新たに整備される桃園公園と再整備される中野区産業振興センター、民間施設の「丘の上のひろば」とのつなぎを工夫するとともに、これらの施設で実施されるイベントや取組となかのZEROの屋内外空間で実施される催しなどとの連携を図り、ハード・ソフトの両面から、子どもたちをはじめとした区民が楽しめるエリアとして、新たなにぎわいの創出と回避性の向上につなげてまいります。

 次に、「働きたい・働き続けたい」職場のための人材マネジメントについての項で、選ばれ続けるための人材マネジメントについてです。人材獲得競争の激化と公務員志望者の減少に対応するため、職員や職場の魅力発信や区職員として働くイメージを持ってもらう取組など、戦略的な採用活動が必要であると考えております。

 これまで採用説明会や広報紙等を通じて、多様な業務内容、若手職員の活躍、働きやすい職場環境などの魅力を伝えるとともに、インターンシップを通じた体験型の採用活動も実施してまいりました。今後、採用戦略のさらなる強化によって、採用希望者の増加を図るとともに、早期離職といった「採用のミスマッチ」を減らし、選ばれ続ける人材マネジメントを展開してまいります。

 次に、専門職の安定的な確保について。区内各地区のまちづくりや施設整備の着実な推進に向けて、技術職など専門人材の確保が重要な課題であると認識しております。区では、採用活動を通じて、技術職を志望する方に対して、専門的な知識や技術を活かせる職場であることを知っていただくとともに、経験者や任期付きなど多様な採用手法を取り入れてまいりました。また、専門性を発揮し続けられるキャリア形成や働きやすさの向上を図ることで、確保・育成・定着を一体的に捉えた取組を検討し、専門人材の安定的な確保につなげてまいります。

 次に、若手職員の育成についてです。区では、採用10年目までの職員については、3年から5年を基本に、異なる部門の職務を経験させ、育成を図ることとしております。新卒者などの新規採用職員に対して、サポーターを指定しているほか、初めての異動などで不安を感じないよう、OJTの支援を行うなど、若手職員の支援の強化を図っております。今後は、採用後5年間を重点育成期間として、早期のキャリアデザイン、政策形成力の向上、サービスデザイン思考の習得、地域に飛び出す研修を展開し、育成の強化を図ってまいります。

 次に、心理的安全性が高い職場環境に向けた取組についてです。ハラスメントは職員の心身に大きな影響を及ぼし、早期離職やキャリア形成の阻害となる重要な課題であり、職場での心理的安全性の確保は組織運営の基本であると考えております。

 区では、昨年度、ハラスメント防止に関する基本方針を改定し、特別職を含む全管理職がハラスメントZERO宣言を行うなど、ハラスメントのない職場環境の整備を推進してきたところであります。カスタマーハラスメントへの対応についても今年度基本方針を策定し、職員が孤立しないよう組織的な対応を強化しており、引き続き職員の心理的安全性が保たれる職場環境を実現してまいります。

 次に、資格取得助成制度の充実について。資格取得助成制度は、職務に有用な資格取得の支援を通じて、職員の主体的な学びと専門性向上を図るために実施しております。このような取組は、人的資本経営の観点からも重要で、さらなる区民サービスの向上と職員定着に寄与するものと考えております。今後は、助成対象資格の拡充を図り、同制度をより利用しやすい仕組みとすることで、スキルアップを一層促し、職員が主体的に成長できる環境の充実を図ってまいります。

 最後に、派遣研修の現状と今後の展望についてです。民間企業派遣研修については、西武信用金庫や地域活性化センターなどへの派遣を行っておりまして、民間企業の発想・業務改善手法を学ぶ機会となっております。また、大学派遣研修については、今年度、早稲田大学公共政策カレッジへの派遣を行っておりまして、民間企業や他自治体の職員とともに、中野区の政策を研究しております。民間企業や大学への派遣研修から得られた経験・知見を活かし、区の業務の改善につなげていくことは大変有益であるということで、派遣研修を引き続き実施してまいりたいと考えております。

○議長(森たかゆき) 以上で内野大三郎議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 斉 藤 ゆ り

 1 令和8年度予算について

 2 誰一人取り残さない地域共生社会に向けた取り組みについて

  (1)ソーシャルワークについて

  (2)高齢者支援について

  (3)その他

 3 北西部地域のまちづくりについて

  (1)鷺宮地域について

  (2)上鷺宮地域について

  (3)その他

 4 その他

 

○議長(森たかゆき) 次に、斉藤ゆり議員。

〔斉藤ゆり議員登壇〕

○26番(斉藤ゆり) 令和8年第1回中野区議会定例会に当たり、立憲・国民・ネット・無所属議員団の立場から一般質問いたします。質問は通告のとおりで、その他はありません。

 1、令和8年度予算について。最初に、都区財政調整協議について伺います。

 特別区財政調整制度は、東京都特別区の財政上の特別な制度です。基礎自治体の財源とされる税の一部を都が都税として徴収し、都と区の協議により都区間及び特別区間の財政の調整、つまり配分を行うものです。配分率やその内容、金額などの財政調整の協議は毎年行われています。

 令和7年度においては、児童相談所の運営についての財源負担の議論などにより、結果、特別区交付金として配分する算定割合は、特別区側が55%から56%に増えましたが、一方で普通交付金と特別交付金の交付割合は、特別交付金が5%から6%に見直しとなりました。特別区側は、安定的な財政運営を行うために、特別交付金より算定内容が客観的かつ明確に規定されている普通交付金の充実による対応を求め、特別交付金の割合を2%に引き下げることを要望していますが、逆に引き上げられてしまっています。

 また、特別区都市計画交付金については、都区の都市計画事業の実施状況に見合った配分となるよう抜本的な見直しを要望していますが、今年度は、都市計画交付金の総額が200億円から300億円に増額されはしましたが、その根拠もはっきりしないままで、特別区側の要望は聞き入れられていません。引き続きの協議・要望が必要ですが、令和8年度予算に向けての協議においては、どのようなことがポイントとなり、中野区として課題とした点はどのような内容だったのか、伺います。

 国の地方法人課税の一部国税化や地方消費税の清算基準の見直し、ふるさと納税制度など「不合理な税制改正」により、この改正が行われてから区の財政は深刻な影響を受けており、大きな課題です。それぞれの区の影響額は幾らで、今後の推移を含め、どう認識しているのか、伺います。

 さらに、国は、令和8年度与党税制改正大綱により、東京都と周辺都市部に税収が偏在しているとのことで、今後、固定資産税も一部国税化の対象にすると方針を明らかにしています。東京都財務局から財源の偏在や財政力格差、行政サービスの格差について、国からは明確な根拠が示されていないとのレポートが出されています。固定資産税の性格から見て、税の応益性の原則から外れるのではないかとも考えます。

 来年度に検討され、令和9年度以降の税制改正において結論が出るものとなるようですが、これに対しては断固として反対を表明していくべきだと考えます。現在どのように認識され、今後対応していかれるのか、区長のお考えを伺います。

 2、誰一人取り残さない地域共生社会に向けた取組について。(1)ソーシャルワークについて伺います。

 「地域包括ケア推進体制の実現」は、中野区基本計画の重点プロジェクトの一つです。中野区は、地域にすこやか福祉センター、区民活動センターを配置し、地域包括ケア体制を整えてきました。しかしながら、社会の急激な変化もあり、これまで区が進めてきた地域包括ケアをさらに前へ推し進めていくことが必要となってきています。当議員団の中村議員は、「アウトリーチの取組についてはまだ道半ばだ」と問題提起をしましたが、ここでキーワードとなるのは、途切れない伴走支援が継続されることです。

 アウトリーチ活動とは、支援が必要な事案・情報をキャッチし、最初に対象者を訪問し、支援機関へつなぐ活動と言えます。そして、ソーシャルワークとして、その後の継続した伴走的な支援や複合的な課題を抱えている対象者を他機関と連携して支援し、そこに社会福祉の視点を持ちつつ、さらにその受皿となるような地域づくりをしていくことであり、有効な取組だと認識しています。中野区の体制においては、アウトリーチチームがソーシャルワークにも取り組んでいて、役割分担が明確でないことが一つ課題としてあるのではないでしょうか。

 令和6年度、中野区社会福祉協議会が鷺宮地域にソーシャルワークを専門とするコミュニティソーシャルワーカー(CSW)を1名試行的に配置しました。そして今年度は、区として中野区社会福祉協議会に委託し、鷺宮すこやか福祉センターにCSWを2名配置し、取組をスタートさせました。

 区は、地域において生活上の課題を抱える個人や家族に対する「個人支援」と、地域のニーズを把握して地域づくりを担う「地域支援」、さらに「多様な組織等のネットワークを構築する機能」をチームアプローチによって総合的に展開する担い手を中野区コミュニティソーシャルワーカー、CSWとして位置付けています。区として、この間、CSW配置の成果をどう評価・分析しているのか、最初に伺います。

 来年度は、南部すこやか福祉センターにもCSWが配置される予定と聞いています。鷺宮すこやか福祉センターにおける成果や明らかになった課題を南部すこやか福祉センターで活かしていくことが必要です。現在どのように体制構築を考え、協議しているか、伺います。

 今後、CSWの全区展開が進められることと期待していますが、鷺宮と南部のすこやか福祉センターでの取組を基に、その次の年度には全てのすこやか福祉センターに配置するのが効率的だと考えますが、いかがでしょうか。委託先となる事業者の人員の確保や育成に向けての準備も必要でしょう。今後、全区展開へのスケジュールは早期に示すべきだと考えますが、区の見解を伺います。

 (2)高齢者支援について。中野区における65歳以上の方の割合は約20%です。一方で、65歳以上の人を含む高齢者世帯のうち、単身世帯は25%ですが、これを75歳以上で見ると42%にもなります。また、75歳以上の認知症の割合はおおむね20%とのデータもあります。

 近年、ひとり暮らしの高齢者のうち、特に身寄りのない方の支援拒否を含めたセルフネグレクトが大きな課題となっています。自己放任とも言い、家がごみ屋敷のようになっている、衣服が整わず不衛生、食事が取れていない、医療が必要なのに受診しないといった状況から、支援を断る、大きな声を上げて訪問者を追い返そうとするということもあります。私も地元で近隣の方からそうした御相談を受けるようになりました。社会的な孤立状況に陥り、家の中での実態が分からない方もいます。そのままの状況が続くと、最悪死に至る可能性もあります。成年後見人がついていないケースも多くあります。

 ただ、どのような方も、当初からそのような状態にあるわけではなく、予防的な対策により、本人の心積もりによってはこうした支援拒否の状況を回避できる可能性があります。誰もが最後まで自分らしく生きるための支援として、これまでも我が会派からも、他の議員からも、エンディングノートの作成など「終活支援」が提案されてきました。また、人生最後のときを迎えるに当たり、自分の人生の最後をどう迎えるのか、対話をして計画を定めていくアドバンス・ケア・プランニング(ACP)の取組も有効だと考えられます。

 ACPは、2018年に厚生労働省が「人生会議」という愛称で啓発普及施策をスタートさせ、主に医療・介護の現場で本人・家族・医療者が繰り返し話し合うプロセスとして定義されています。例年、なかの生涯学習大学のカリキュラムにも組まれていますが、友愛クラブや町会連合会、区民活動センター運営委員会など、様々な場面を通じて事業紹介の情報提供をしてはどうでしょう。病気や認知症になってからでなく、元気なときから終活に向かうきっかけづくりが重要ですが、いかがでしょうか。

 2024年度に東京大学高齢社会総合研究機構によるアドバンス・ライフ・プランニング(ALP)という概念の調査報告があります。こちらはさきのACPの考え方を拡大させたもので、人生全般のプランニングとして、医療・介護だけではなく、「将来の人生を本人が能動的に設計していくことを目指し、本人と関係者が事前に継続的に繰り返し行っていく、資産・住まいの管理及び介護に向けた備えと対応に係る意思決定のプロセス」として定義されています。セルフネグレクトは若い年齢でも起こる可能性もあります。こうしたALPの取組なども活用し、若い時期からの終活など、広く「終活」に関する意識づけを図ってはいかがでしょうか、伺います。

 以上述べてきたとおり、セルフネグレクトについては予防的な取組を行うことが効果的と考えますが、実際にアウトリーチ活動等により対象の方を把握した場合、その後のソーシャルワークは大いに有効であると考えますが、いかがでしょう。そして、行政は、セルフネグレクトの情報を得た際、親族がいないかどうかの確認をしますので、何らかの登録制度を構築できないか、災害時避難行動要支援者支援事業を福祉基盤として活用することを考えられないか、成年後見制度の活用もあるでしょうが、恐らく包括的な対策を考えることこそが必要です。身寄りのない高齢者のセルフネグレクトは、今後さらに大きな課題になっていくと思われます。区としてどのように対応していくのか、伺います。

 3、北西部地域のまちづくりについて伺います。

 (1)鷺宮地域について。鷺宮地域は西武新宿線と中杉通りが交差しているところに鷺ノ宮駅があり、駅周辺には鷺宮区民活動センターなど行政の施設や学校再編により生じた学校跡地が2か所もあります。さらに大規模団地の建て替えも控えており、まちとしてのポテンシャルの高い地域です。東西に妙正寺川が流れ、古い寺社もあり、緑豊かな住宅地が広がっています。この恵まれた地勢を活かし、防災にも強く、魅力あるまちづくりを実現させなければなりません。

 1月の閉会中の総務委員会において、令和8年度からまちづくり推進部野方以西まちづくり担当が野方以西計画担当と鷺宮まちづくり計画担当とに分かれることになるとの報告がありました。野方以西のまちづくりは、西武新宿線の連続立体交差事業の進捗と関係していくため、連立事業とまちづくり事業との役割分担をしていただけるとよいと考えますが、いかがでしょうか。新体制の目的とその役割分担について伺います。

 西武新宿線沿線まちづくり整備方針、野方駅周辺地区・都立家政駅周辺地区・鷺ノ宮駅周辺地区において、それぞれに「今後のまちづくりの進め方」の図が示されていますが、それぞれの矢印の差す内容が分かりにくく、連立事業とそれに伴うまちづくりの進め方の関係性が不透明です。連立事業がどの段階まで進むとまちづくりの次の段階に進むのかなど、今後の進め方やステップが示されるべきだと考えますが、いかがでしょうか。

 まちづくりには長い期間がかかり、また、区民の負担も大きい事業です。区民には都度、必要な情報提供をしながら、まちづくりを進めていただきたいと考えます。

 駅南西に位置する東京都住宅供給公社鷺宮西住宅は敷地も広く、広域避難場所でもある貴重な空間です。しかしながら、昨年決定された団地を含む白鷺二丁目・三丁目地区の地区計画においては、周辺道路と新たに設置される道路幅員が異なる等、整合性が取られていない状況が見受けられます。防災の観点からも課題があります。そうした状況を踏まえて、今後の周辺のまちづくりをどのように進めていくのか、伺います。

 西住宅の団地の建て替えにおいては、高齢の居住者の住み替えの課題があります。住み替え支援は東京都住宅供給公社が責任を持って行うべきものと考えますが、区としても区民の生活支援という意味から、居住者には寄り添っていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。中野区としてどのような役割を果たすことができるのか、伺います。

 鷺宮小学校跡地活用において、地元区民団体・「鷺小跡地を考える会」にて検討が進められており、要望も届いています。現在、区はすこやか福祉センター、区民活動センター、地域事務所、図書館等が配置された複合施設として整備する方針を示していますが、この施設を複合施設とする理由と、それによって期待される効果を伺います。

 区にとっては、複合施設のノウハウが十分にあるとは言えないため、構想・設計に当たり、外部のコンサルティング業務を委託することになると考えているとのことであり、期待をしています。複合施設整備の検討に当たっては、区民に対して複合化によるメリット・デメリットを分かりやすく示し、区民との対話を大事にして進めていただきたいと考えますが、区の考えと今後の進め方について伺います。

 昨年、大阪府茨木市の「おにクル」という複合施設を視察しました。子育ての相談に来られた方が施設内の遊び場で遊んで帰られたり、図書館に寄ったり、そこで音楽のイベントを楽しんだりとにぎわいのある魅力ある施設で、このような施設ができたらよいのになとわくわくしました。一方で、複合施設ならではの運営の苦労もお聞きしました。コンサル事業者には、施設のハード面だけではなく、ソフト面のアドバイスもしていただきたいと考えます。

 鷺宮小学校跡地の活用についてはもとより、西中野小学校跡地活用など、地域内における他の施設整備においても、個々の施設ごとの検討だけではなく、まち全体を見渡した一体的・総合的な観点から整備を検討していくことが重要ですが、いかがでしょうか。こうした観点を踏まえ、地域全体の将来像を見据えた施設配置や機能の整理について、区はどのように考えているのか、伺います。

 (2)上鷺宮地域について。上鷺宮地域は、区内で唯一生産緑地が複数あり、学校も多く、緑豊かで静かな低層の住宅地が広がっています。私としては、こうした環境が維持されることを望んでいます。行政からは、都度必要な情報が伝えられ、住民の皆様とともに話し合いながらまちづくりに取り組んでいけるとよいと考えます。

 このたび、東京都における都市計画道路の整備方針(案)が示され、全線で事業未着手となっていた補助第215号線は廃止となる方針となりました。それに伴う都市計画変更について、どのように手続を進められるのか、伺います。

 地域においては区民の活動が活発に進められるよう、区は環境整備をすることが必要です。住民の地域活動の拠点となる上鷺宮区民活動センターには、区内の区民活動センターで唯一エレベーターが設置されておらず、2階の集会室に高齢者や障害をお持ちの方、赤ちゃん連れの親子が上がるのに困難があり、住民の皆様からエレベーター設置の御要望をいただいています。このたび改定される区有施設整備計画では、建て替えの計画となっていません。エレベーターの設置の検討を進めていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。

 上鷺宮区民活動センター分室には、集会室のほか、フリーで利用できるスペースもあり、町会や子どもたちや若者の交流の場として大いに活用されていますが、館内にはWi-Fiの設置がなく不便との声を聞いております。利用ができるように検討してはいかがでしょうか、伺います。

 安全で安心して住み続けられるまちであるために、活発に地域の活動が展開され、広く住民間で地域課題が共有され、そうした課題の解決に向けて意見交換していく場があることが大切です。地域の方からは、道路の御相談や南北交通の課題についてお声がけいただくこともありますが、例えば中野区まちづくり条例に定められた区の支援や公共交通への課題解決のための活動のサポートの紹介など、情報提供も積極的に進めていただきたいと考えます。

 区民活動センター運営委員会はそのプラットフォームの一つですが、区には住民に寄り添って支援をしていただきたいと要望いたしますが、いかがでしょうか、区のお考えを伺って、私の質問を終わります。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 斉藤議員の御質問にお答えいたします。

 まず令和8年度予算についてで、都区財政調整協議についてです。令和8年度の都区財政調整協議は第一子無償化への対応、おくやみコーナー運営事業費、男女共同参画事業費など、区側提案の多くを反映することができた一方で、特別交付金や都市計画交付金、基準財政需要額の在り方については、都区双方の見解が異なり、合意に至らなかったものであります。今後も山積する課題の解決に向け、都と特別区がこれまで以上に連携し、取り組んでいく必要があると考えております。

 次に、不合理な税制改正の影響額についてです。特別区長会の試算によりますと、不合理な税制改正による令和7年度の中野区の影響額は、法人住民税の一部国税化として71億円、地方消費税清算基準の見直しとして13億円、ふるさと納税として27億円、合計110億円となっております。不合理な税制改正による特別区への影響額は、平成27年度からの累計で2兆円を超えており、今後も影響は大きくなると予想されます。

 固定資産税一部国税化に対する区の認識です。固定資産税は行政サービスを支える地方税の根幹をなす税であり、地方税の本旨である「受益と負担」の関係を無視し、一方的に収奪することは、行政サービスの提供に支障を生じるおそれがあります。決して看過できるものではないと考えておりまして、東京都と連携して見直しを強く求めてまいります。

 次に、誰一人取り残さない地域共生社会に向けた取組についてで、コミュニティソーシャルワーカー配置への区の評価についてです。今年度、鷺宮すこやか福祉センター圏域に配置したコミュニティソーシャルワーカーは、属性や世代を問わない個別の相談支援や地域の居場所づくりなど、社会福祉協議会のノウハウを活かした機動力を発揮し、成果を上げていると評価しております。

 次に、南部すこやか福祉センター圏域への展開についてです。現在、社会福祉協議会、鷺宮・南部両すこやか福祉センターの担当者が定期的に協議を行い、鷺宮すこやか福祉センター圏域での運用を基に、南部すこやか福祉センター圏域への適用などについて、実務レベルで検討しているところであります。

 次に、全区展開へのスケジュールについてです。コミュニティソーシャルワーカーの配置につきましては、委託先の社会福祉協議会の体制に影響するため、毎年度1圏域ずつ増やしていく考えであります。

 次に、高齢者支援についてで、アドバンス・ケア・プランニングの普及啓発について。アドバンス・ケア・プランニングは、人生の終末期において希望する医療や介護について家族、支援者と話し合うプロセスであり、区では普及啓発を進めております。これまでに講演会やボードゲーム等のツールを活用したワークショップなどを行ったほか、地域団体からの依頼にも対応しており、今後も積極的に行ってまいります。

 次に、若年層への普及啓発についてです。アドバンス・ライフ・プランニングは、健康なときから自分の価値観や人生観を考える機会となり、その後のアドバンス・ケア・プランニングや終活につながることから、アドバンス・ケア・プランニングの普及啓発と合わせて取り組んでまいります。

 次に、高齢者のセルフネグレクトについてです。セルフネグレクトの高齢者に対しては、息の長い伴走型支援による信頼関係づくりが必要で、区のアウトリーチチームやコミュニティソーシャルワーカー、地域包括支援センターなど支援機関の連携、協働による重層的支援体制をさらに強化していく考えであります。

 次に、北西部地域のまちづくりについてで、鷺宮地域について。まちづくり推進部の組織体制についてです。まちづくり整備方針の改定を受けて、まちの将来像の実現に向けた施策の具体化のため、地域の皆様とより密に意見交換をし、施策内容を深度化していく必要があるため、組織の強化を目指しております。

 具体的な役割としては、野方駅を主としたまちづくりと連続立体交差事業に係る基盤の検討を担う野方以西計画担当と、鷺ノ宮駅と都立家政駅を主としたまちづくりを担う鷺宮まちづくり計画担当としておりまして、ワンチームとして連携しながらまちづくりを推進してまいります。

 次に、まちづくりの進め方についてです。まちづくり整備方針で掲げる施策のうち、地区の現状や課題等を踏まえ、区が主体的に検討するべきものは着実に進めていくこととしておりまして、今後事業化に向けた具体的なスケジュールを示してまいります。

 一方、連続立体交差事業の進捗と整合させるべきものについては、事業の進捗の段階に応じて、駅前広場や東西道路等、まちづくりの検討内容を整理しながら、今後の進め方を示してまいります。

 次に、広域避難場所と周辺の道路整備についてです。まちづくり整備方針において、鷺宮西住宅については、広域避難場所としての機能強化を示しておりまして、補助第133号線中杉通りの進捗などを踏まえながら、広域避難場所につながる周辺道路の整備を検討してまいります。

 次に、鷺宮西住宅の住み替え支援についてです。区は福祉部門と住宅部門で連携の下、住み替え相談を行っております。鷺宮西住宅の建て替えにおいても、居住者が安心して住み替えができるよう、東京都住宅供給公社と必要な連携を図りつつ、円滑な住み替えに向け、取り組んでまいります。

 次に、旧鷺宮小学校跡地に複合施設を整備する理由についてでございます。鷺ノ宮駅周辺については、西武新宿線の連続立体交差事業を契機に、駅周辺の整備を進め、利便性と回遊性が高く、活力のある生活の中心拠点を形成することとしております。複合施設とすることによって、図書館や区民活動センターを中核とした子どもから高齢者まで幅広く区民が集うことができる地域交流の場やにぎわい空間を整備することができると考えております。また、鷺宮区民活動センター、鷺宮すこやか福祉センター、旧鷺宮すこやか福祉センター跡地等を鷺ノ宮駅周辺のまちづくりに活用することが可能となります。

 次に、旧鷺宮小学校跡地活用の進め方についてでございます。令和7年5月に改定した西武新宿線沿線まちづくり整備方針では、旧鷺宮小学校跡地について、複合施設を整備することにより地域の交流の場となるにぎわい空間として活用することとしております。

 複合施設は、構想段階から地域の方と対話をしながら共通イメージをつくっていきたいと考えておりまして、それを共有した上で、広く意見を聴取し、利用する方の目線に立った整備を進めてまいります。

 私からは最後に、鷺ノ宮駅周辺地区のまちづくりにおける施設配置等についてです。鷺ノ宮駅周辺地区については、まちづくり整備方針でもお示ししているとおり、駅前周辺においては「地域特性に応じた適切な規模の業務・商業機能を誘導するとともに、文化・交流等、人々が集うための機能の誘導」を図ることとしております。

 旧鷺宮小学校跡地の整備に当たっては、複合施設だけでなく、地域の方の意見を伺いながら、地域全体の将来像を見据えた施設配置や機能の整理についても総合的に検討してまいります。

〔都市基盤部長松前友香子登壇〕

○都市基盤部長(松前友香子) 私からは、上鷺宮地域についての御質問で、補助第215号線の都市計画手続の進め方についてお答えいたします。

 当該路線は、「東京における都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)」において、都市計画道路としての必要性が確認できない見直し候補路線に位置付けられており、都市計画道路の廃止手続を行うこととしております。

 令和8年度より当該路線に関係する権利者への個別周知を行うほか、地域に向けた説明会等を実施し、権利者や地域の理解を得ながら、丁寧に都市計画手続を進めてまいります。

〔地域支えあい推進部長石井大輔登壇〕

○地域支えあい推進部長(石井大輔) 私からは、上鷺宮地域の御質問にお答えいたします。

 まず、上鷺宮区民活動センターのエレベーター設置についてでございます。上鷺宮区民活動センター外側には2階へのスロープが設置してあるものの、より安全に昇降できるバリアフリー動線が必要であると認識しております。今後、建物の耐久度調査と併せ、エレベーターの設置が可能か検討してまいります。

 次に、上鷺宮区民活動センター分室へのWi-Fi導入についてでございます。区民活動センターに設置したWi-Fiは昨年10月から運用を開始し、多くの区民に利用されております。区民活動センター分室など未設置施設につきましては、利用頻度や用途などを勘案し、追加整備を検討してまいります。

 次に、地域課題解決への支援についてでございます。区民活動センター運営委員会は、地域の課題を共有し、解決に向けた取組を話し合う場でありまして、区民活動センター職員はそうした取組の支援を担っております。

 昨年12月には、職員向けにファシリテーション研修を行ったところでございまして、コミュニティ形成支援のスキルなど、人材育成を行いながら、区民活動センター運営の充実を図ってまいります。

○議長(森たかゆき) 以上で斉藤ゆり議員の質問は終わります。

 お諮りいたします。議事の都合により本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、これに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(森たかゆき) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 次の会議は、明日午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。

 本日はこれをもって延会いたします。

午後4時58分延会

 

 

 

会議録署名員 議 長 森 たかゆき

       議 員 甲田 ゆり子

議 員 いさ 哲郎