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平成16年09月21日中野区議会本会議(第3回定例会)の会議録
平成16年第3回定例会本会議第1日(9月21日)
1.平成16年(2004年)9月21日、中野区議会議事堂において開会された。 1.出席議員(42名) 1番 いでい 良 輔 2番 伊 東 しんじ 3番 佐 野 れいじ 4番 北 原 奉 昭 5番 久 保 り か 6番 酒 井 たくや 7番 奥 田 けんじ 8番 近 藤 さえ子 9番 小 堤 勇 10番 大 内 しんご 11番 伊 藤 正 信 12番 きたごう 秀 文 13番 吉 原 宏 14番 高 倉 良 生 15番 やながわ 妙 子 16番 平 島 好 人 17番 むとう 有 子 18番 はっとり 幸 子 19番 長 沢 和 彦 20番 か せ 次 郎 21番 山 崎 芳 夫 22番 小 串 まさのり 23番 高 橋 ちあき 24番 市 川 みのる 25番 岡 本 いさお 26番 こしみず 敏 明 27番 飯 島 きんいち 28番 佐 伯 利 昭 29番 佐 藤 ひろこ 30番 来 住 和 行 31番 岩 永 しほ子 32番 若 林 ふくぞう 33番 篠 国 昭 34番 伊 藤 岩 男 35番 斉 藤 金 造 36番 大 泉 正 勝 37番 斉 藤 高 輝 38番 江 口 済三郎 39番 藤 本 やすたみ 40番 昆 まさ子 41番 江 田 とおる 42番 池 田 一 雄 1.欠席議員 な し 1.出席説明員 中 野 区 長 田 中 大 輔 助 役 内 田 司 郎 収入役 山 岸 隆 一 教育長 沼 口 昌 弘 総務部長 石 神 正 義 区長室長 田 辺 裕 子 教育委員会事務局次長 金 野 晃 子ども家庭部長 柳 澤 一 平 区民生活部長 本 橋 一 夫 都市整備部長 石 井 正 行 まちづくり総合調整担当部長 那須井 幸一 保健福祉部長 菅 野 泰 一 保健所長 清 水 裕 幸 総務部担当参事 橋 本 美 文 政策計画担当課長 鈴 木 由美子 本会の書記は下記のとおりである。 事 務 局 長 正 木 洋 介 事務局次長 飯 塚 太 郎 議事調査担当係長 大 谷 良 二 書 記 黒 田 佳代子 書 記 巣 山 和 孝 書 記 永 田 純 一 書 記 荒 井 勉 書 記 廣 地 毅 書 記 西 田 健 書 記 岩 浅 英 樹 書 記 鳥 居 誠 書 記 杉 本 兼太郎 書 記 松 本 桂 治 書 記 吉 田 哲 郎
議事日程(平成16年(2004年)9月21日午後1時開議) 日程第1 認定第1号 平成15年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について
午後1時03分開会 ○議長(山崎芳夫) ただいまから平成16年第3回中野区議会定例会を開会いたします。 本日の会議を開きます。 会議録署名員は会議規則第121条の規定に基づき、議長から御指名申し上げます。
8番近藤さえ子議員、35番斉藤金造議員にお願いいたします。 次に、会期についてお諮りいたします。本定例会の会期は本日から10月22日までの32日間といたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(山崎芳夫) 御異議ありませんのでさよう決定いたします。 この際申し上げます。本定例会の会期中、略装を許します。 本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。 この際申し上げます。平成16年8月1日付をもちまして、お手元に配付の文書のとおり、委員会参与に人事異動がありましたので、念のため御報告いたします。
人 事 異 動 表 |
平成16年7月28日 総務部人事担当 |
発令年月日 平成16年8月1日 |
【 課長級 】 |
区長発令 |
発令権者 中野区長 田中 大輔 |
発 令 |
氏 名 |
旧 |
備考 |
東部地域センター所長 |
柿内 良之 |
保健福祉部主査(総括係長) |
昇任 |
桃園地域センター所長 |
(東部地域センター所長 柿内 良之 兼務) |
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新井地域センター所長 |
(東部地域センター所長 柿内 良之 兼務) |
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子ども家庭部子ども育成担当課長 |
小平 基晴 |
東京都総務局人事部人事課課長補佐 |
転入・昇任 |
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兼務解除発令 |
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発令年月日 平成16年7月31日 |
区長発令 |
発令権者 中野区長 田中 大輔 |
兼務・事務従事・事務取扱を解除する職 |
氏 名 |
兼務者等の現職 |
備考 |
子ども家庭部子ども育成担当課長(統括課長) |
竹内 沖司 |
子ども家庭部経営担当課長(統括課長) |
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備考 |
size=+1>1 前東部地域センター所長 中野 多希子 は 東京都知事本局企画調整部副参事(調整担当) となるため平成16年7月31日をもって退職。 |
1 子ども家庭部子ども育成担当課長(統括課長)は、平成16年7月31日をもって廃止。 | ○議長(山崎芳夫) この際、一般質問の時期の変更についてお諮りいたします。一般質問は議事に先立って行うことになっておりますが、別な時期に変更し、質問を許可いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(山崎芳夫) 御異議ありませんので、さよう進行いたします。 これより日程に入ります。 お諮りいたします。この際本日の日程を追加し、日程第2、議会運営委員の辞任許可についてを先議するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(山崎芳夫) 御異議ありませんので、さよう議事を進行いたします。 ------------------------------ 議会運営委員の辞任許可について
○議長(山崎芳夫) 日程第2、議会運営委員の辞任許可についてを議題に供します。 お諮りいたします。高倉良生議員から議会運営委員を辞任したい旨の申し出がありますので、これを許可するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(山崎芳夫) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。 さらにお諮りいたします。ただいま議会運営委員の辞任が許可されましたことに伴い、議会運営委員会に欠員が生じましたので、この際、本日の日程をさらに追加し、日程第3、議会運営委員の補欠選任を先議するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(山崎芳夫) 御異議ありませんので、さよう議事を進行いたします。 ------------------------------ 議会運営委員の補欠選任
○議長(山崎芳夫) 日程第3、議会運営委員の補欠選任を行います。 お諮りいたします。議会運営委員の補欠選任については、委員会条例第5条第1項の規定により、議長から、飯島きんいち議員を指名いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(山崎芳夫) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。 この際、お手元に配付の一般質問一覧表のとおり、高倉良生議員、篠国昭議員、長沢和彦議員、吉原宏議員、佐伯利昭議員、近藤さえ子議員、はっとり幸子議員、こしみず敏明議員、若林ふくぞう議員、江田とおる議員、いでい良輔議員、伊東しんじ議員より質問の通告がありますので、これを順次許します。
中野区議会議員 高 倉 良 生 1 基本構想・10か年計画について (1)警大跡地の整備について (2)学校再編について (3)その他 2 介護予防の推進について 3 子育て支援について 4 区民サービスの向上について 5 清掃事業職員の処遇について
6 その他
○議長(山崎芳夫) 最初に高倉良生議員。
〔高倉良生議員登壇〕 ○14番(高倉良生) 第3回定例会に当たり、公明党区議団の立場から質問いたします。 初めに、警察大学校等跡地の整備について伺います。 現在、中野区が計画策定に取り組んでいる中野駅周辺まちづくりは、警察大学校等跡地を含む中野駅周辺の環境、医療、教育、業務、住宅、にぎわい、行政サービス等に及ぶ機能の集積を踏まえた中野区の中心市街地のまちづくりであり、今後の持続可能な未来都市中野をつくる上で極めて重要な事業です。 私たち公明党区議団は、安全なまち中野を目指すことが、中野区におけるまちづくりの基本と考え、今日まで議会での質問や提案、申し入れなどを行ってまいりました。我が会派は、本計画について検討委員会をつくり、この中野駅周辺まちづくりの考え方の中間まとめを作成いたしました。去る9月3日に、そのまとめに沿った15項目にわたる中野駅周辺まちづくり計画についての要望書を田中区長に提出をしたところです。その要望書を踏まえ、何点かの事項について区長のお考えを伺います。 まず警察大学校等跡地の土地利用に当たっては、中野区みずから財政負担の最も少ない手法により、おおむね2ヘクタール程度の公園用地を取得すべきだと思います。いかがでしょうか。取得した用地は、開発者負担とあわせて緑の空間整備を図り、防災活動拠点として確保すべきと考えます。御見解を伺います。 次に、この跡地に水と緑、土に親しめる快適な自然環境をつくり出し、魅力ある都市施設と共存し、産業の振興にも寄与する中野らしさをつくるために、大学、大学院などの教育・文化の担い手の施設を誘致するのが一番ふさわしいと考えます。お考えを伺います。 政府は、規制緩和策として、特区を打ち出しました。警大跡地の利用についても、例えば文化と緑の共生ゾーン特区としての指定を受け、整備を推進することも可能だと思います。跡地利用について、文化、教育、産業の分野で、中野区にふさわしい特区の申請をぜひ行うべきだと思います。いかがでしょうか、伺います。 次に、跡地に設置される東京警察病院の機能について1点伺います。区民の健康と暮らしを守るために有効な機能を果たすよう、特に小児救急医療については、東京都の協力を得て実現するよう積極的に働きかけるべきではないでしょうか。区のお考えを伺います。 消防団の訓練場所の確保について、最後に伺います。この問題については、我が会派としては、16年の第1回定例会で取り上げたところです。区としては、消防団の要望を踏まえて努力する旨のお答えがありました。私も先般の中野駅周辺・警察大学校等跡地整備特別委員会の中で、中野・野方、両消防団の区長への要望を踏まえて、訓練場所の確保について質問いたしました。この際、中野駅周辺のまちづくりの中で、警察大学校等跡地に訓練場所を確保してはと考えます。この点について、改めて区長のお考えを伺います。その後の確保に向けた中野区としての努力の進捗状況とあわせてお答えください。 次に、学校再編について伺います。 中野区は、区立小・中学校の再編を含めた区内の施設再編について検討を進めてきていると承知をしております。しかし、具体案を公表する時期が当初の予定よりずれ込んでおります。議論を難しくしている要因の一つに、学校の再編と他の施設の再編を一緒にしているということがあるのではないかと思います。 小・中学校の再編については、数だけが既に公になっております。その状態がそのまま続いており、区民の間でさまざまな憶測を呼んでいます。こうした状態では、区民の行政への不信と不安がますます強まると危惧しております。小・中学校の再編は、本来教育的な観点からその必要性が説明されるべきです。私ども公明党議員団は、小・中学校の再編と他の施設の再編は切り離して議論すべきではないかと考えています。この点について、区長はどのようにお考えになっているのでしょうか。見解をお聞かせください。 小・中学校の再編については、まず教育委員会がみずからの責任で、教育環境の向上や教育内容の充実にどう資するかなど、区民が納得できる説明責任を果たすべきだと思います。教育長の見解をあわせてお聞かせ願います。 次に、介護予防の推進について伺います。 介護保険制度で要介護の認定を受けた人は、制度スタート時に比べ、2004年3月末時点で、全国で166万人、76%増加しています。特に要支援、要介護1の軽度の認定を受けた人の増加が目立っています。中野区でも同じ傾向が見られますが、これに対処するために介護予防への取り組みは大変大事な課題になってきています。 公明党区議団は、これまで介護予防について繰り返し質問を行ってきたところです。このほど発行された「銀のしおり」には、在介センターで作成している介護予防プランにつながる事業に「予防」というマークがつけられ、これから介護予防に取り組んでいこうとする区の姿勢のあらわれと受けとめております。しかし、中野区として、今後介護予防の推進にどう取り組もうとしているのかはっきりしません。まず、介護予防を担当するセクションを明確にして、事業全体の推進を図る必要があると思います。区の見解を伺います。 介護予防を効果的に進めるには、早期発見、早期対応、効果の検証という三つの柱を立てて総合的に進める必要があります。せんだって、私は、東京都の介護予防のモデル事業になっている東京都千代田区の取り組みを調べてくる中で、そのことを強く感じました。 第1の早期発見については、身体機能が低下する度合いを示す老化度を早期発見する体制が必要です。そのために、老化度を調べる健診は大変有効ではないかと思います。この健診については、自立と認定された人や、要支援あるいは要介護1と認定された区民を対象に、面接調査、運動能力測定、歯科口腔検査、血管年齢測定などを行ってはいかがでしょうか。 また、65歳以上の区民を対象に、身体虚弱、転倒、痴呆、尿失禁、低栄養などの危険度を診断する介護予防健診を実施してはいかがでしょうか。 区は、今後、高齢者会館を介護予防の拠点にしたいとしていますが、こうした老化度の健診を高齢者会館で実施すべきと思います。見解を伺います。 その際、介護予防の日などを設置したり、高齢者が集う事業やイベントなどの場を積極的に活用するなどの工夫が必要だと思います。保健福祉センターの人材も十分活用すべきだと思います。区のお考えをお聞きします。 2点目の早期対応については、健診の結果、何らかの対応が必要となった方々に対する多様な介護予防プログラムの準備が必要です。トレーニング機器を活用するパワーリハビリテーションについては、区は既にモデル事業を実施しました。介護予防用具や機器を備えたトレーニングスタジオとも言える場所を区内4カ所の高齢者福祉センターなどに設置してはいかがでしょうか。 また、虚弱な高齢者や閉じこもりがちな方々に対する予防機能訓練とか、転倒予防、痴呆予防、尿失禁予防、低栄養予防につながる事業、あるいは口腔ケア、音楽療法、園芸療法などを介護予防プログラムとして用意すべきと思います。また、民間の施設と協働して、高齢者フィットネスのような事業や、おふろ屋さんでの健康体操なども考えられると思います。これら多様なプログラムの実施について、具体的にお考えをお聞かせください。 あわせて、介護予防拠点となる高齢者会館での介護予防事業の運営について、当面は区が責任を持って、必要な取り組み、サポートをしていくべきと思います。見解をお聞かせください。 これまで述べてきたのは、屋内中心の取り組みです。介護予防を進めていくには、だれでも気軽に参加できる屋外での取り組みも大事です。このほど、北京市西城区との交流で、山崎議長とやながわ副議長が訪中されました。これは、副議長からお借りをした写真ですが、公園や歩道にこのような健康器具がたくさんあったそうです。日本では、公園は子どもの遊具が中心ですが、北京では大人の健康器具が中心のようです。公園を介護予防につながる健康づくり活動の拠点とし、公園を利用して健康づくりを進めるグループの支援なども行ってはいかがでしょうか、お答えをお願いいたします。 3点目は、介護予防事業の効果の検証です。高齢者一人ひとりが介護予防事業にどのように参加し、健康はどう維持されたのか。それらを記録し、事業展開に役立てるような検証システムが必要です。いかがお考えになっておりますでしょうか。自分に合った介護予防を進めるために、介護予防手帳とか「おたっしゃノート」などを作成して、目に見える形で区民が取り組めるようにすることも必要です。区のお考えをお聞かせください。 このほか、介護予防や健康づくりをサポートしていく人材として、健康づくり推進員の養成に取り組んではいかがでしょうか。また、介護予防を広く普及させていくために、中野区介護予防ガイドブックの作成も必要だと思います。区は既に作成を検討されているようですが、平成17年度の早い時期に作成していただきたいと思います。見解をお聞かせください。 これまで提案をしてきた内容を含め、中野区として総合的な介護予防を推進する10カ年の計画を個別に策定し、17年度から積極的に実施すべきと思います。お考えをお聞かせください。 最後に、介護予防の拠点整備について伺います。国は、来年度、中学校区などの日常生活エリアを基本として、地域密着型サービスの面的な配置を進めるために、自治体が策定する計画に対し、地域介護・福祉空間整備等交付金の創設を予定しています。この交付金は、約1,000億円の手挙げ方式で、介護予防拠点を初め、小規模多機能サービス拠点、グループホーム、障害者のデイサービスセンター、小規模通所授産施設など、今後必要な基盤整備が対象に挙げられています。中野区として、基盤整備は最重要課題です。この交付金を積極的に活用して、介護予防拠点を初めとした地域介護の基盤整備を進めていくべきと思います。区の見解を伺って、介護予防の質問を終わります。 次に、子育て支援について伺います。 私は、この夏、八ヶ岳を望む長野県茅野市の茅野市こども館を見てまいりました。同市では、こども・家庭応援計画どんぐりプランを推進していますが、その中核となる施設です。遊び集う場として、乳幼児を対象にした広場や、中高生の広場があり、赤ちゃんと中高生の交流の機会などもつくっていました。乳幼児の広場には、市内外から1日100人前後の子どもと保護者が来ています。中高生の広場も、1日40人ほどが利用しています。訪問した際、2人のお母さん方からお話を伺いました。「転勤してきて心細かったけれども、ここへ来ると交流が広がるし、子どもも大変元気になる」と話をしておりました。 中野区は、勤労福祉会館で同じような乳幼児対象の事業を行っています。その取り組みは評価をしたいと思います。しかし、実施日数などを見る限り、いつでも立ち寄れるという体制にはまだまだ十分でない状況です。子育てには、三つの「間」が必要と言われています。時間、空間、そして仲間です。いつでも自由に親同士が交流し、学び合い、子育て相談や情報交換ができ、子どもたちやお母さん方にとって夢のある子育て支援の中核拠点が中野区に必要ではないでしょうか。子育て支援の中で、在宅の子育て支援は重要な柱の一つです。中野駅周辺など区内の民間施設を活用したり、あるいは児童館などで子ども広場を実施してはいかがでしょうか。区のお考えをお聞かせください。 中野区がことし実施した育児世帯のアンケート調査結果によると、就学前の子どもがいる世帯で、子どもを家族以外に預けてリフレッシュしたいと思う人が60%以上いるとの結果が出ました。在宅で子育て中の人は特に強く感じていることだと思います。中野区では、区民のボランティアによる地域センターや児童館を活用しての一時預かりの取り組みがあります。リフレッシュしたいという区民の要望にもこたえるもので好評です。中野区としては、このアンケート調査の結果を踏まえた取り組みは検討されているのでしょうか、現状をお聞かせください。 買い物や習い事など、育児中の親が気分転換の時間を持てるようにするために、保育園なども活用してサービスを拡充できないでしょうか。品川区は、保育園でリフレッシュするための一時預かりを実施しています。1時間500円のいわばワンコインサービスです。中野区としても、このような柔軟に子どもを預かる子育てサービスを検討してはいかがでしょうか。その際、子育て応援券とか、子育てリフレッシュ券などを発行して利用を促すなど、いろいろな工夫も可能だと思います。地域や家庭の育児力を強める対応として、次世代育成支援行動計画の中に盛り込んでいただきたいと思います。区のお考えをお聞かせください。 ことし、区が発行した子育てガイドブック「おひるね」は大変好評です。子育てに関する情報をいかに必要としているかを物語っていると思います。この「おひるね」のさらなる内容の充実を図っていただきたいと思います。また、知っておくと便利な子育て情報を発信するメールマガジンや、携帯からもアクセスできる子育てポータルサイトの立ち上げ、あるいは区のホームページのリニューアルなどで、子育て情報を提供してはいかがでしょうか。若いお母さん方の多くが携帯電話をお持ちだと思いますので、大変効果があると思います。お考えをお聞かせください。 茅野市こども館の中にある中高生の広場は大変充実したものでした。私は、中高生を対象とする杉並区の「ゆう杉並」も見てまいりました。友達同士で食べたりおしゃべりできるフロア、本格的な楽器演奏ができるスタジオ、ダンスの練習ができる広い部屋、勉強ができる部屋など、楽しそうな機能をたくさん備えていました。そして、中高生が自主的に運営していました。利用していた中高生の皆さんとお話ししてきましたけれども、皆さん目が生き生きとしていました。 茅野市の施設では、若者がダンスを本格的に学びたいとインストラクターをお願いしたところ、中野区の青年が来たそうです。その青年は「ゆう杉並」で練習に励んだ人だったとのお話も伺いました。このような中高生の居場所、広場づくりについて、私どもに繰り返し区民から要望が寄せられております。区は、今後どのような取り組みをお考えでしょうか。中高生の意見も十分に聞きながら、早急に具体化すべきと思います。お考えをお聞かせください。 この項の最後に、小学生の学びの場、遊びの場づくりについて伺います。江戸川区は、小学校施設を活用し、学童クラブ機能も備えたすくすくスクールを実施しています。子どもたちは、一般と学童クラブを選択して登録し、放課後や土曜日に、拠点となる教室のほか、校庭も体育館も音楽室も図書室も使って遊ぶことができます。地域の人たちの支援組織が運営し、保護者も都合のよいときに子どもたちとともに活動できるようになっています。英語を教えたい人がいれば英語を教える。わらじづくりを教えたい人がいればつくり方を丁寧に教える。地域の隠れた人的資源が子どもたちに自然に還元されています。 校長先生の1人は、「教えることは私たちにしかできないと思っていましたが、すくすくスクールを見て、地域の教育力のすばらしさに驚きました」と語っていました。空き地や路地裏など、子どもたちが自由に遊べる空間が少なくなり、親の就労などで学童クラブの需要も増す中、学校が自然な形で子どもたちの放課後、土曜日などの学びの場、遊びの場になっています。このような取り組みとして、私は、世田谷区の新BOPや、横浜市のはまっこスクールなども見てまいりました。 文部科学省は、家庭、地域、学校が一体になった放課後、土曜日の子どもの居場所づくりをこの春から推進をしています。江戸川区のすくすくスクールは先進的な事例だと思います。中野区もそのような施策の方向は示されているようですが、まずモデル事業として1校実施してみてはいかがでしょうか、見解を伺います。 次に、区民サービスの向上について伺います。 行政は、住民に対してでき得る限り等しいサービスを提供する使命があります。常に、いつでも、どこでも、だれにでもとの住民サービスの充実を図っていくことが求められます。 神奈川県横須賀市が始めたコンビニでの図書受け渡しサービスを見てまいりました。読みたい本を電話やパソコンで市立図書館に申し込むと、コンビニに本が届き、好きな時間に受け取れるサービスです。返却もコンビニや駅の返却ボックスが利用できます。横須賀市の市立図書館長さんは、「コンビニが多い都会ではさらにメリットがあるのでは」と話していました。 中野区内にはコンビニが136カ所もあります。夜間や土日でも、身近な場所で必要なサービスを受ける体制を整えるためには、地域のサービスポイントが数多く必要です。コンビニなど民間の資源も積極的に活用すべきです。区立図書館は、民間委託によりサービスの向上が図られました。区民が本に親しむ環境を充実させるために、学校図書館の活用などのほか、コンビニを地域のサービスポイントとして図書の受け渡しサービスを実施してはいかがでしょうか、お考えを伺います。 また、きめ細かな図書館サービスの一つとして、郵送による図書の貸し出し、返却サービスや、通勤途中に本の返却ができるよう駅への返却ボックスの設置も検討してはいかがでしょうか、見解を伺います。 文部科学省は、来年度のモデル事業として、蔵書検索システムを整備して、図書館の広域貸し出しを進めるほか、利便性を高めるために、主要駅やコンビニなどに貸し出し窓口を設けたり、戸別の配送サービスを実施することなどを検討しております。中野区として、一歩先取りした取り組みをすべきです。御答弁をお願いいたします。 コンビニ等の活用は、図書サービスにはとどまりません。国は、全国展開が可能な施策として、コンビニでの証明書の自動交付サービスを挙げております。近所のコンビニで公的な証明書が受け取れる便利さは住民に歓迎されると思います。実施に向け検討を進めるべきと思います。お考えをお聞かせください。 次に、自治体コールセンターについて伺います。日常生活の中で、区役所に電話で問い合わせをすることがたくさんあります。しかし、「どこに聞いたらいいかわからない」とか、「たらい回しにされた」、「職員の態度が悪い」などの声を区民から聞きます。区役所の開庁時間しか問い合わせができないのは不便だなどの声もあります。 今、注目を集めている新しい自治体サービスの一つに、コールセンターがあります。民間に委託し、あらかじめ自治体との調整によって作成された「よくある質問と回答」を使って、独自に訓練されたコールオペレーターが住民からの電話に対応するというものです。インターネットを活用できない区民に対しても、24時間、365日、いつでも、どこでも、だれにでも、行政が対応できる体制がとれ、住民満足度の向上に大きな力を発揮する取り組みとして期待されています。 杉並区が、ことし6月から7月にかけて、自治体コールセンターの実証実験を行いました。大変興味がありましたので、先日杉並区の担当者に会い、実験の内容や結果を聞いてまいりました。NPO法人との協働で実施したその実証実験は、区のくらしのガイドの掲載内容などから作成した質問と回答をもとにオペレーターが回答する。催し物などの情報も提供する。受付時間は24時間、時間外の問い合わせで案内が難しいものは申し送り票を翌日の業務開始時間までにファクスをし、区の担当者が改めて対応するなどというものです。 2週間の実験期間内に590件のコールがあり、いわゆる開庁時間外のコールの数は366件、全体の62%だったそうです。お役所時間では区民サービスが行き届かないことを示しています。問い合わせの内容は、届け出に関するものが最も多く、次いでごみ処理、住民登録などの順でした。区民へのアンケート結果として、「とても便利」、「まあ便利と思う」を合わせて90%以上、今後の利用についても、95%以上が期待するとの結果が出たとお聞きしました。24時間の対応もさることながら、よく訓練され、洗練されたオペレーターの受け答えも高い評価につながっていると思います。 札幌市もコールセンターを試行運用しています。市民から10点満点で9.2点という高い評価をもらっているとのことでした。民間ではさまざまな形でコールセンターが実施されています。民間サービスの質の高さを活用したものとして、実施に向けた検討を進めてはどうかと思います。お考えを伺います。 このコールセンターは、自治体単独での実施のほか、幾つかの自治体が共同して実施することも可能と思います。将来は、東京23区共通の自治体コールセンターも夢ではないと思います。区長の御見解を伺います。 効率的な行政運営を進める上で、もう一つ質問いたします。住民税や国民健康保険料の滞納に対して、職員が督促の電話をかけていると思います。しかし、滞納者を選び出して電話をかける手間や、電話をしても相手が出ないなど、非効率さがあると思います。このような点の改善と収納率を高めるために、催告コールシステムというものがあります。あらかじめ納付状況を入力しておき、システムが自動的に電話をし、相手が出た場合、職員が口頭で話をするというものです。 世田谷区や千代田区で今月導入するとお聞きをしておりますけれども、世田谷区では2億円程度の徴税効果があると見込んでいるようです。中野区も住民税や国保保険料の収納率が常に大きな課題になっております。職員の仕事の効率性を高めるためにも、新たなコールシステムの導入を検討してはいかがでしょうか。見解を伺って、この項の質問を終わります。 次に、清掃事業職員の処遇について伺います。 清掃事業の区移管後、清掃事業職員については都の派遣職員として待遇し、平成18年度から区職員への身分切りかえが行われます。その前提となる人事制度が区にはありませんが、区長会は、昨年12月、清掃事業に係る人事の課題に関する当面の方針を決定しました。その方針では、平成18年度以降の清掃職員の任用給与制度について、平成16年9月を目途に新制度の結論を得られるよう、助役会の検討を踏まえて最終決断する。17年度までにおける区補充職員には、できるだけ早い時期から適用するとしています。この方針どおりに新人事制度を適用するとすれば、ことし第4回定例会で条例制定をしなければ間に合わないと思いますけれども、区はどうお考えでしょうか、見解をお聞かせください。 給与に関して、区長会は、調整額は設置しない方針としていますけれども、平成12年の都区合意では、移管に際して処遇総体の水準低下は招かないとしています。こうした相違点についてどう解決を図っていくのか。給与表についても、区の現業職員とは別の給与表を検討する必要があろうかと思います。清掃事業の仕事の内容や、歴史的に待遇面で不利な立場に置かれてきたことなどを考慮し、調整額の一定割合を本給に組み込んだ新給料表を策定し、残りを当面の調整額として支給するなど、現実的な方策を検討する必要もあると思います。区の見解を伺います。 その他の項で何点か伺います。地域の皆さんと懇談する中で、一般の人による救命措置に関する要望を何度かお聞きをしております。突然心臓が停止してしまった場合、専門的な知識のない一般の人でも処置が可能な自動体外式除細動器(AED)という機器があります。欧米では、この機器を使用した一般人による救命の事例が多く報告されています。国内では、救命救急士や飛行機の乗務員の使用が許されていました。厚生労働省は、この7月から、救命現場で一般の人も使用できるとの見解を示しました。薬事法の改正により、来年4月から許可制が導入されます。安心・安全対策の一環として、区立施設への配備や屋外でのイベントに備えた用意などを早急に検討してはいかがでしょうか、お考えを伺います。 次に、防犯対策について伺います。先日、若い女性の方から、自転車に乗っているときに、後ろから来たバイクの男に、かごに入っていたバッグを奪われたとの話を伺いました。このところ、中野区内でバイクを使ったひったくりがふえております。犯罪から区民を守る安全策について、区はどう考えていますでしょうか。犯罪を抑止する意味で、若い女性や高齢者など、希望する区民への防犯ブザーの貸し出しや、区の公用車すべてに防犯のステッカーを張るなど、今すぐにでもできるところから実施してはいかがでしょうか、伺います。 明年は日本と韓国の国交正常化40周年の節目に当たり、日韓友情年と位置付けられています。私は、サッカーのワールドカップや韓国ドラマ「冬のソナタ」ブームなどの機会をとらえて、日韓の交流促進を提案をしてまいりました。中野区として、明年の節目を生かす取り組みをぜひお願いしたいと思います。区長の見解を伺いまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
〔区長田中大輔登壇〕 ○区長(田中大輔) 高倉議員の御質問にお答えをいたします。 まず、警大跡地の整備についてということであります。 警大跡地については、交流とにぎわいを生み、緑あふれるまちを目指すとともに、災害時の避難や活動拠点として機能するための十分な広さを確保したいというふうに考えております。そのために、既存の囲町公園、開発者の負担による公園とあわせて、区も必要な公園用地を確保する考えでありまして、現在その規模や手法について検討をしているところです。警大跡地内に設ける公園については、緑豊かな公園となるように十分配慮をし、防災活動拠点として確保していきたいと考えています。 跡地に、水、緑、土に親しめる自然環境、また、魅力ある都市施設を共存して、新しい中野らしさをつくる大学、大学院などの施設を誘致という質問でありました。産学連携や国際交流の活発化を促し、中野区全体の産業振興に資するために、警大跡地への大学等の誘致について検討をしているところです。また、跡地の整備に当たっては、自然環境についても配慮をしながら、開放的な空間となるように検討を進めていきたい、そう考えています。 特区の活用といった御質問もありました。警大跡地におけるまちづくりにおいては、地域の特性に応じた産業の集積や新規産業、あるいは区民にとっての新たな学びの場の創出等によって、地域の文化、経済が活性化されることが重要と認識をしています。必要に応じて特区の導入ということも視野に入れて検討していきたい、こう考えています。 警察病院の機能についてであります。中野区の小児救急医療の現状としては、1次救急医療と2次救急医療を連携した形で、中野総合病院において実施をしているところです。これに加えて、東京警察病院で3次救急医療が実施されれば、非常に安心な小児救急医療体制が中野区内で整えられることになります。平成14年10月にも、東京警察病院へ3次救急医療の実施についての要望書を提出したところでありますが、今後とも、積極的に働きかけていきたい、そう考えています。 それから、消防団の訓練場所の確保についてです。中野駅周辺まちづくりにおける警察大学校等跡地の土地利用の内容については、この消防団の訓練場所の確保という内容も含めて、さまざまな利用が想定をされているところです。事業スケジュールを具体化していく中で、どのような形で可能にできるのかということを明らかにしていきたいというふうに考えております。 学校再編についてです。学校再編は、区民にとって特に関心が高く、区施設の再編を考える上での最も基本となる事項であるというふうに認識をしているところです。地域にとっての学校という視点なども含めて、総合的に考えなければならないわけでありますが、その基本は、あくまでも教育的な見地からの論議にあるわけであります。学校再編案について、教育問題としての観点から、教育委員会の案を区民に示していく必要があるというふうに考えておりますので、調整を図っていきたい、そのように思っています。 それから、介護予防を積極的にという御質問でありました。要介護状態となることを予防するのを介護予防という言葉で呼んでしまうということについて、ちょっと言葉の使い方を私は何か疑念を感じなくはないんですけれども、おっしゃっている趣旨、介護予防を推進していくということは、まさにこれからの中野区、自治体にとって非常に大きな意味を持つことだというふうに考えております。 現在は、保健福祉部の健康づくり担当が中心となって推進をしているところでありまして、部内の各セクションが事業を分担し、総合的に展開をしていこうとしているところであります。庁内の関連部署、他の部署とも連携をしながら、強力に推進をしていきたい、そう考えております。 平成18年度には、介護保険制度の改正が予定をされておりまして、その中で、要支援、要介護1を対象とする介護予防給付のあり方等が論議をされています。区としては、こうした動向を見ながら、今後の介護予防事業の進め方を検討していかなければならないというふうに考えています。 これからの高齢者会館については、健康づくり、介護予防の拠点として位置付け、さまざまな事業展開を図っていく計画であります。現在、既に保健福祉センターの専門職による転倒予防教室や、体力測定などの事業を実施しているところです。今後、さらに、例えば東京都老人総合研究所が提供しております簡易なスクリーニング手法であります「おたっしゃ21」健診というのがあるんですけれども、そうしたこともなども参考にしながら、機能把握を適切に行うことで介護予防の効果を高めていきたいといったことも考えております。 また、こうした事業の実施に当たっては、利用者のわかりやすさ、また、利便性などを考慮したネーミング、あるいはPRといったようなことに努めていきたいと考えております。 それから、パワーリハビリについてですけれども、区では、ことしの1月から5月にかけて、介護予防のモデル事業を実施しました。その一つとして、松が丘高齢者福祉センターにパワーリハビリ用のトレーニングマシーンを設置したところです。介護予防のメニューについては、御提案をいただきましたさまざまなものを含めていろいろあるわけでありまして、今回のモデル事業の結果なども踏まえながら、さらに区として取り組むべき施策について検討をしていきたいというふうに思っております。 それから、公園を介護予防につながる健康づくりの拠点として整備してはどうかということです。公園が身近な健康づくりの拠点となるといったようなことは本来の公園の目的趣旨にもかなったことでもあります。中野区では、現在、健康器具を設置をしている公園は8園あります。健康寿命を伸ばすための拠点づくりとして、公園を屋外の健康づくりの拠点として機能できるように、器具の整備や運動指導のあり方といったようなことについても研究していきたいと考えております。 それから、介護予防の結果を記録したり、効果の検証をするシステムをという御質問です。介護予防の効果の検証については当然必要であると考えているところで、今後具体化に向けて研究をしていきたいというふうに考えています。 健康づくり推進員の養成、また、介護予防ガイドブックといったこと、それから、介護予防推進の10か年計画についてです。国では、現在18年度の介護保険制度の改正を目指して、老人保健事業等の見直しを含む介護予防推進体制の検討を進めているところであります。これらの動向を十分に見きわめながら、区としての介護予防戦略を構築していきたいというふうに考えています。こうした介護予防戦略は、10か年計画の中に盛り込むと同時に、保健福祉総合計画、保健福祉推進計画を改定する中でも反映をしていきたいというふうに考えております。そうした中で、地域における人材養成のあり方、また、効果的な普及啓発の方法といったようなことについても、あわせて検討していきたいというふうに考えております。 それから、新たな交付金の制度であります国の地域介護・福祉空間整備等交付金についての見解ということです。区としましては、今後小規模多機能サービス拠点やグループホーム、こうした地域密着型のサービスの面的整備を進めていくことが必要というふうに考えております。当然その財源の確保が課題でありまして、御指摘の新たな交付金を活用するということのためにも、情報収集に努める。また、その前提となる自治体としての体制づくりもあるわけでありまして、こうしたことを着実に行ってまいりたいというふうに考えております。 それから、子育て支援の拠点についてであります。安心して子育てできる地域社会の実現のためには、子育てをする保護者など、支援を必要とする人が身近な場所で必要なサービスを受けられる拠点が必要であるというふうに考えております。このため、(仮称)総合公共サービスセンターとしての構想の中では、乳幼児親子への対応の地域における拠点施設として具体化をしていくということを考えているところです。 また、児童館を初め、幅広く区施設を活用した子育て支援事業といったようなことの展開も考えていきたいというふうに考えております。 それから、清掃職員の処遇についての質問であります。ことしの第4回定例会で条例制定が必要ではないかという御質問でありました。御指摘の内容、確かにそのとおりの面がございまして、区としては、協議が調い次第条例制定等の準備に入りたいというふうに考えているところであります。 それから、調整額の問題についての質問でありました。現在行われております清掃職員にかかわる勤務条件小委員会交渉、この場におきまして、平成12年に都区合意した内容に基づいて鋭意協議が尽くされているというところであります。この交渉において決着した内容を最大限尊重するということが区としての基本的な姿勢であります。 調整額の取り扱いということについては、今後措置するべきでないというふうに考えております。しかし、12年合意にある処遇総体の水準低下を来さないようにするという点について十分踏まえた上で、解決策を検討していきたい、そのように考えているところであります。 私の方からは以上であります。 〔教育長沼口昌弘登壇〕 ○教育長(沼口昌弘) 学校再編についてお答えを申し上げます。 この学校の再編につきましては、これまでも教育委員会において、教育環境を整備してよりよい学校教育ができるよう、教育上の観点から学校の再編を検討してきているところでございます。この学校再編は、教育上の最優先課題、そのように考えていますので、区長部局とも十分調整の上、教育委員会の責任で再編計画案を示してまいりたい、そのように考えています。 〔子ども家庭部長柳澤一平登壇〕 ○子ども家庭部長(柳澤一平) まず、子どもの関係のリフレッシュの一時保育がアンケート調査の中でもかなり要望が強かったではないか、これにどう取り組むのかというお話でございます。 育児中の保護者が心身のリフレッシュを目的として気軽に子どもを預けられる場の必要性については、十分認識をしているところでございます。リフレッシュを含めた一時保育の実施について検討を進めているところではございますが、その中では、提案もございました保育園での実施の可能性なども含めて考えていきたいというふうに考えています。 それから、子育てに関する情報の提供のお話でございました。子どもを育てている人に子育てに関する情報やサービスの利用に関する情報などを積極的に提供していくことは必要なことと考えています。ITの積極的な活用など、子育て中の人が情報を得やすい方法についてさまざまな検討をし、情報提供の充実に努めたいというふうに思っております。 それから、中高生の居場所でございますが、中高生の居場所を確保し、交流や活動の場を提供していくことは、中高生が地域の中で健やかに成長し、社会性を身につけていく上で重要であるというふうに考えてございます。このため、現在の児童館の機能を発展・分化させ、その一部を中高生対応の施設として整備する方向で検討を進めております。今後、区民との意見交換等での議論を踏まえながら、より具体化させていきたいというふうに思っております。 それから、小学校を活用してのさまざまな施策でございますが、現在放課後児童の保護や遊ぶための機能等につきまして、小学校に取り組む方向で検討しているところです。このことにより、小学生は放課後も校内で広い校庭や体育館を使いながら、安心して伸び伸びと遊ぶことができると考えております。実施に当たっては、順次進めていくこととしておりますが、モデル事業の実施についても検討したいというふうに思っております。 以上です。 〔教育委員会事務局次長金野晃登壇〕 ○教育委員会事務局次長(金野晃) 私からは、図書館のサービスポイントについてのお尋ねにお答えいたします。図書館のサービスポイントとしては、今後学校図書館など、公共施設を活用することを検討しております。 また、図書館の郵送サービスについてでございますが、他自治体の実施例など、郵送による実施サービスがございますので、そういった例を踏まえて検討してまいりたいというように思っております。 また、駅での返却ボックス、コンビニエンスストアの活用についてのお尋ねでございます。こういったものにつきましても、回収体制などの課題について検討してみたいと思っております。
〔区民生活部長本橋一夫登壇〕 ○区民生活部長(本橋一夫) コンビニエンスストアでの証明書の自動交付サービスについてのお尋ねでございました。コンビニは24時間営業しておりますことから、その活用は区民の利便性向上の上からも効果があると考えています。自動交付機の設置につきましては、コストなどの面から、現時点では困難と考えておりますが、証明書受け渡しのサービスポイントとしての利用について、積極的に取り組んでいきたいと考えており、現在検討を進めているところでございます。 次に、ひったくり防止の啓発と防犯ブザーの貸し出しについてのお尋ねでございます。区といたしましては、ひったくり防止に向けて、8月に防災無線で啓発放送を行ったところでございます。また、昨日発行いたしました9月20日付の区報に、啓発記事を掲載しております。今後もひったくりや空き巣など、増加の兆しがあるときや年末などに、防災無線や区報などで啓発をしていきたいと考えております。 防犯ブザーにつきましては、ことし区内の小・中学生を対象に配布したほか、地域センターで開催いたしました高齢者を対象とした防犯講座の参加者などに防犯ブザーを支給しているところでございます。希望する区民の方々への防犯ブザーの貸し出しにつきましては、現在多種多様な規格とデザインで、量販店や身近な文房具店でも取り扱われているということもありますので、特に貸し出しは考えてはいないというところでございます。 以上でございます。
〔総務部長石神正義登壇〕 ○総務部長(石神正義) 私からは、コールセンターについて、自動電話催告システムについて、日韓友情年について、この3点についてお答えさせていただきます。 まず、コールセンターでございます。区民がいつでも、どこからでも、また内容によっては24時間インフォメーションが受けられるという、こういうコールセンターにつきましては、多様なライフスタイルに応じた新たなサービスとして期待されております。23区の共同実施の可能性を含めて今後研究させていただきたいというふうに思っております。 次に、自動電話催告システムでございます。この自動電話催告システムにつきましては、収納確保を図るために、有効なシステムというふうに考えてございます。しかし、携帯電話が普及しておりまして、この携帯電話は持ち歩けるということから、どんな状況でもかかってしまうということがありまして、そんなことから、対象者の反応がどうか、また、区側の体制がいかにあるべきか、いろいろな場所で電話を受けたときの対応をどのようにするか、また、費用効果、こういったことを含めて、実施の可能性を見きわめたいというふうに考えてございます。 次に、日韓友情年についてでございます。日本に一番近い国として、交流を深めるということについては大いに意義があることだというふうに考えてございます。区といたしましても、関係団体と協議しながら、日韓国交正常化40年に当たる日韓友情年のこの年に、相互理解と友情がさらに深められるよう、さまざまな工夫をしてまいりたいというふうに考えてございます。 以上でございます。
〔保健所長清水裕幸登壇〕 ○保健所長(清水裕幸) 私からは、自動体外式除細動器の区施設への導入、配置についてのお尋ねにお答え申し上げます。議員御指摘のごとく、本年7月1日付厚生労働省通知では、これは「非医療従事者による自動体外式除細動器(AED)の使用について」でございますが、この中で、心停止、特に心室細動による心停止にたまたま居合わせた一般市民が除細動器を使用しても医師法違反に当たらないとされております。また、除細動器の使用に関する理解が国民各層に広く行き渡るよう、多様な実施主体による講習の実施が求められているところでございます。 しかしながら、除細動器はその使用目的が心室細動を電気刺激により正常な同調律に戻すという極めて限定されたものとなっているわけでございます。したがいまして、一般施設への本装置の設置が必ずしも病院前救護の充実強化とはならないということでございまして、本区におきましては、自動体外式除細動器(AED)を導入することは考えてございません。 以上でございます。
〔高倉良生議員登壇〕 ○14番(高倉良生) 再質問をさせていただきます。 先ほどそれぞれ答弁がありましたが、検討という言葉が大変多くて、前向きに受けとめていただいているというような気もいたすわけですが、検討した結果、できませんでしたというように言われるような気もしないではありません。そうした意味では、本当は一つひとつ突っ込んでお聞きをしたいところですけれども、幾つかだけお聞きをしておきます。 江戸川区のすくすくスクールの例を挙げて質問をさせていただきましたけれども、先ほどの答弁では、モデル事業も検討していきたい、こういうお話がございました。江戸川区なんかの場合もそうでしたけれども、1校成功すれば、その後非常にスムーズな展開ができる、こういうようにもお聞きをしております。このモデル事業のことについて、検討するということでしたけれども、具体的にいつごろ実施をするのか、その辺も含めて再度お答えをいただければと思っております。 それから、清掃事業の職員の待遇のことでございますが、先ほどの区長答弁で、条例については協議が調い次第、また、調整額については、この処遇総体の水準低下を招かないという都区合意、こういったものを踏まえつつ解決策をということでしたけれども、答弁を聞いている限りでは、どういうふうな思いでいらっしゃるのかということが具体的によくわかりませんでした。もう一度この辺の見通しと、それから、特にこの都区で合意をしている処遇総体の低下を招かないということについての解決策、このことについて、私も例えばということで申し上げたわけですけれども、事態が大分進んできておりますので、具体的に区長さんとして考えていらっしゃることがあれば、改めてお聞きをしておきたいと思います。
〔区長田中大輔登壇〕 ○区長(田中大輔) 再質問にお答えします。 江戸川区のすくすくスクールのようなモデル事業の実施についてということですけれども、中野区としても、これまでなかったやり方を進めていくということになりますし、さまざまな意味で一度にたくさんの学校施設を活用するという形にもなかなかいかないというわけでありますので、当然事業としては、モデル的な形から入っていくということを考えているところであります。 その時期につきましては、現在策定作業を行っております10か年計画の中で明らかにしていくということで、現段階での時期の明示については控えさせていただきたいというふうに思います。 それから、清掃の職員の関連でのことでありますけれども、御指摘がありましたように、今度の第4回定例会が条例がタイムリミットになるのではないかといったようなことについては、我々としても強く問題意識を持っているところでありまして、区長会としても、そうしたことを念頭に置いて、鋭意交渉に当たるというふうに申し合わせたところであります。 交渉については、区長会役員会に区長会全体として一任をしているというところでありまして、その見通し、解決策といったようなことについては、現段階で私の方から言及するということについては控えるべきだというふうに考えております。 ○議長(山崎芳夫) 以上で高倉良生議員の質問は終わります。
中野区議会議員 篠 国 昭 1 清掃事業の行方について 2 「家族」のとらえ方と子ども施策について 3 教科書選定について 4 財政運営について 5 その他
○議長(山崎芳夫) 次に、篠国昭議員。 〔篠国昭議員登壇〕 ○33番(篠国昭) 定例会に当たりまして、自由民主党・民社クラブを代表いたしまして御質問させていただきます。 質問、御答弁合わせて大変長くなっておりますので、聞くこと自体はさほど多くないんですが、質問をしたい概略について、先に申し上げておきたいと思います。 清掃事業の行方につきましては、平成12年4月に、清掃事業が区に移管されたわけでございますが、その後各区はそれぞれ独自のアイデアで区民に身近な清掃事業を展開してきたわけでございます。中野区にあっては、具体的にどういったものがあるか。町会連合会等との連携の模様等を含めましてお答えいただければと思っております。 清掃事業につきましてもう1点、清掃協議会というのがあるわけですが、清掃事業の移管時に設置されたものでございますが、ここの管理執行事務がいつまでも継続するというのでは、区の自立、自治権の拡充という観点からもよくないわけでございます。8月6日の区長会の方針どおり、問題意識をしっかり持ち、将来ビジョンを示し、清掃事業の多くの課題解決に向けた努力をしてもらいたいと思っております。 その際、我々もうかつにしてはいけない部分ですが、あれだけ区を挙げて、あるいは都を挙げて頑張った都区制度改革の大切な部分でございますので、課題については区民とともに、区民を巻き込んでの解決に向けた努力をしていただきたいということについてお答えいただければ、このように思っております。 もう一つ主立ったもので、家庭ごみの有料化について、最近話題になっておりますし、計画の中にも明記されているようでございますが、これについて、現時点で我々あるいは区民に情報として流せる部分があるかどうか、そういったことをお聞きしたいと思います。 2点目は、家族のとらえ方と子ども施策についてということなんですが、これにつきましては、区の基本構想とも大きく関係し、あるいは区長の政治の形を承認してもらえるかどうかという、そういった部分にも触れてくるわけですが、この問題につきましては、中野区の10カ年を大きく左右するほどのものでございますので、区民と共有しながら、具体的な例を通して御質問させていただきたいと思っております。 家族のあり方というのは、国家のいわば基本にかかわる問題を多く含んでいるわけです。これを区長は基本構想の中で取り上げる方針を示されているわけですが、現時点で検討素材等を見る限りでは、やや骨子としては個人で塗りつぶされているという感が否めません。家族というのは、国家の基本単位であるし、この位置付けによっては、大変施策に大きな違いが出てくるわけです。いずれにしろ、家族を十分機能させることが、社会の安定と繁栄につながるという認識でおりますが、これを区長としても強く打ち出していただきたいということを強く望むものでございます。 そして、この項では、我々はさほど問題意識を持ってとらえていませんが、見事に日本じゅうを席巻している男女共同参画基本計画、これについてしっかりと検証し、区の施策の中でどのような流れをつくっているか、あるいは国においては、あるいは教科書においては、どのような位置を占めるところまで来ているのか、そんなことにも触れさせていただきたいと思っております。 さらに、何回にもなりますが、男女混合名簿についての御所見をいただければと、このように思っております。 さらに、子育て、少子化の問題にも触れさせていただきたいとは思っておりますが、この項では、子ども中心でなく、御夫婦で一生懸命働くという姿を中心に、厚生労働省発の姿勢がほとんど徹底された流れのように感じられるわけですが、これは、子ども、だれかが代弁しなくてはいけない部分でございますので、この部分につきましては、批判を恐れずに区長の見解を問いたいと思っております。 3番目の教科書選定、これは、かなり日本じゅうに注目される部分でございますし、東京都が扶桑社の歴史教科書に関する流れというのをつくりました。このことについて、同じ文言の苦情、ファクス、私どもの区で言いますと、教育委員の準公選の問題のときでもそうでしたが、あのときでも、中野区は400を超える陳情を処理したわけでございます。歴史の問題、あるいは思想が絡んだ問題については、我々がしっかりと検証し、教科書制度が正しく作動しているのかどうか、法律にのっとっているのかどうか、こういったところを中野区議会としてもしっかりと押さえることが大切だと、このように思っております。 4番目の財政運営につきましては、4番目に置いてございますが、中野区としては、どちらかというと、計画を立てるのが大変上手な区である。これは、見事なもので、10か年計画についてもしかり、ただ、残念ながら、これだけの優秀なスタッフをそろえていながら、その何%ができたんだろうか。我々が考えますのに、目玉のものがほとんど進まないほど世の中というのはままならぬものでございます。 こういったことを考えますと、当時でしたら、この清掃工場、あの一帯の開発のために、藤原予算課長は500億円を積み立てると総務委員会で御発言がございました。私は、世の中はいいときもあれば悪いときもある、悪いときにみんなで支え合わなきゃいけない、これが世の中なんではないか。まだ新米の議員でしたが、残念ながら、藤原さんのお考えより私の勘の方が当たったような流れになっております。 いずれにしましても、この15年度決算は、実質収支は、収支率は1.4%、14年度比0.2ポイント下がって、経常収支比率は88.3%で、若干改善しております。しかしながら、適正と言われる70から80%には及ばないわけですし、公債費比率も8.8%、前年度11.4%と比較して大分改善したかに見えますが、北部防災公園や江古田の森、保健福祉施設用地の取得によって、今後は公債費負担が増大していくことが考えられるわけです。 16年度予算は、19億円もの財源対策をしなければ予算が組めなかったわけですし、この19億円といいますと、文教関係を挙げて、やれ、まち中でいわれるみどりのおばさんと親しまれていたあの制度を廃止する、何をやめると言っても、3億円つくるのが1年かけて、あるいは何年もかかってでしか対応できないほどの金額でございます。こういうことを考えていけば、19億円もの財源対策をしなければ予算が組めなかったというのは重くとらえるべきだと思いますし、区財政のこうした状況をかじ取りである区長はどう認識していらっしゃるか。そのことから財政運営については入っていきたい、このように思っております。 個々の問題に入らせていただきます。すぐお渡しできる原稿があると、お答えする方も大変楽なんでしょうが、残念ながらといいましょうか、語りかけるようにお聞きした方が、区長及び理事者も大変聞きやすい。あるいはテレビからごらんになっている方も、何分間かは一生懸命中野区のために耳を傾けるという、そういう道の近道ではないか、こういうことでほとんど骨子ばかりで申しわけございませんが、一番最初の清掃事業の行方でございます。 高倉議員が既に鋭い御質問をされた後でございますが、おおよそ新聞というのは、その社の方向付けというのがございますので、うのみをしているとえらいことになる場合も多くあるんですが、我々は、区長部局から流れてこない情報は、やれ都政新報であるとか、山崎議員が代表になって出かけていかれる議長会の資料ですとかを通して知る、せいぜいその程度でございますが、あれだけ苦労して、2000年、平成12年4月に、清掃事業が都から区に移管されてきたわけです。先ほど申し上げましたように、この間、各区はそれぞれ独自のアイデアで区に身近な清掃行政を展開しようと努力してきました。中野区の努力は、これは目を見張るものがあると恐らく自負しているんではないかと思うんですが、ぜひ再確認の意味で、議員ともここで共有していただければ、このように思っております。 清掃行政の現場を担っている清掃事務所や清掃工場などの職員のほとんどは、現在都からの派遣職員になっているわけです。2006年、平成18年の4月1日から、都の職員から区の職員に身分が変わる。この身分が変わる、給与体制が変わるというのが、大変な労使交渉、この清掃事業関係で言いますと、特区連、区長会、都清掃労組、この3者の交渉が必要という範疇に入りますので、ちょっとでも約束してあることについて、なかったことにしようというのは大変骨の折れることですし、区長は、また守るべきは区民の利益であるという1点に絞って交渉されますので、この辺の情報、そして、区長会の流れ、そういったものをぜひ区民、区議会と共有して、この大切な何カ月間かを特に我々も注目しなければならない、このように思っております。 8月6日に、区長会は、突如、清掃協議会で経過的に処理している事務については、本来は基礎的自治体業務であると認識を持っている。これは当たり前なんですが、各区が直接処理する方向で検討を進めることという重い方針を立てられたわけです。これは、大変な、よく言えたというほど重い、また交渉も大変だと思うし、いわゆる問題の本質に踏み込んでいる部分だなと、このように思っておりますが、区の自立自治権の拡充という観点からすれば、この問題意識をしっかり持ったということは、私どもの大いに歓迎するところでございます。 これは、清掃協議会という組織体は、いわゆる清掃事業移管のときに23区及び中間処理を担う東京都23区清掃事務組合との間の調整を行うんだという名目で出てきているわけです。法律にのっとってつくられた組織なわけですが、総意でつくられたという現実もあるわけですが、清掃協議会は清掃事業の区移管後も都がやっていた仕組みを踏襲できるよう周到に用意されたものであったのではないかという見方をされることもできるんです。 23区でつくりながら、これは一杯はめられたぞと--といいますのは、先ほど申し上げましたように、区長は、守るべきは区民の利益だという1点に絞って行動をとっていらっしゃる姿が区長会の8月6日の姿勢からも出るんですが、その間、既に約束をしてしまった、あるいは文書にしてしまったものを残しているんではないか。これをクリアするには、3者で話したときに、大変なネックになり、扱いを間違ったら、元も子もないというほど大きい流れがあるんではないかと、山崎議長からの口頭でない文書情報では読み取れる節があります。この部分について、区長は、議会と内容を共有する意味でもお答えいただければ大変ありがたい、このように思っております。 清掃業務につきまして、任用・給与問題というのは、高倉議員がしっかり踏み込まれましたが、大変難しいものを残している。いわゆる我々も耳にする調整額、これが給与そのものであるというのは、期末手当や退職金、年金の基礎にまで加算されるわけですので、そういう理解でよろしいと思うんですが、この金額が3万7,900円でしたでしょうか。ただやめるよというほど簡単なものであるようにはなかなか受け取れない金額になっている。 これについて、今交渉中のことですから、区長も先ほど、つばぜり合いのさなかである、なかなかこの経過を今のところ明らかにできない部分があるというお話をいただきましたが、我々については、その前の段階で、都の派遣職員となっているその給与体制のことについても、基礎知識として知っておくということは、議論の中に参加する基礎をいただけるわけですので、現時点で明らかにできないということをおっしゃらずに、こういう体制になっているんですよといった部分に触れていただければ大変ありがたいと思っています。 あと家庭ごみの有料化について、これは、10か年の計画の中にも恐らく乗ってくる大きな項目になると思うんですが、まだ計画について、10か年の方針について、どこまで突っ込んだ質疑が行われているかということはキャッチし切れておりませんが、現時点でお話しできる部分があったら、有料化についても触れていただけると大変ありがたい、このように思っております。 次ですね。家族のとらえ方、子ども施策につきましてを質問させていただきます。 整理しない質問の仕方は、大変いけないだろうということで、私なりにこの分についてだけ25ページぐらいの原稿は書いたんですが、このやり方でいきますと、90分でも短くなっちゃうんじゃないかなんて考えたりまして、この部分だけは一応きょうは聞いていただきながら御質問に答えていただきたい、このように思っております。 家族のとらえ方と子ども施策について、先ほど申し上げた部分からですが、家族のあり方というのは、国家の基本にかかわる問題だと言えましょう。区長は、家族の問題を中野基本構想の中で取り上げる方針を出されました。大いに注目していたところであります。しかし、骨子としている理念は、個人で塗りつぶされている感じがします。家族というのは、国家の基本単位であると位置付け、この家族を十分に機能させることが社会の安定と繁栄につながるという認識を強く打ち出すべきだと私は思っています。 また、家族というのは、そこで命がはぐくまれて、文化や価値が次の世代に受け渡されていくかなめの場所ですから、そういう意味でも、世界のあらゆる保守主義は家族というものを重視してきたわけです。家族省というのを置いている国もあるほどです。第1回定例会の中で、次のように申し上げましたが、クリントン元大統領は、1996年の年頭教書の冒頭で、アメリカの最重要項目として、家族の強化を挙げられました。より強い家族がより強い国家をつくるというのはインパクトがある明言でした。また、イギリスのサッチャー元首相も、社会主義が崩壊させようとしていた伝統的な家族観の復活を主張し、家族が回復することによって、教育問題、社会問題の多くは解決すると喝破しました。 人権尊重一本やりで、ほとんど個人としてか、せめて1代だけに塗りつぶされていて、永遠に読める家族観が無視される傾向にあります。一言で言えば、人間の縦のつながり、歴史観の欠如です。我が国の政策を見ても感じられるところです。家族のとらえ方の区長の御所見をお伺いします。 中野区の基本構想と新しい中野をつくる10か年計画に、真剣に取り組む区長の姿は評価に値します。平成15年3月に、文部科学省の諮問機関、中央教育審議会、鳥居泰彦会長のもとから、「新しい時代にふさわしい教育基本法と教育振興基本計画のあり方について」と題する答申が文部科学省のもとに提出されましたが、この対比において、私は御提案を含めて言及したいと思っております。 答申は、21世紀の教育が目指すものとして、「教育には、人格の完成を目指し、個人の能力を伸長し、自立した人間を育てるという使命と、国家や社会の形成者たる国民を育成するという使命がある」と述べています。当たり前のことが書かれているように見えるわけですが、ここに示されている国家は、自立した個人によって形成されるものであるという甚だ人為的な認識です。 同じような認識は、人は1人だけで独立して存在できるものではなく、個人が集まり、公共を形づくることによって生きていくことができると別の部分にも書かれて、これまた、何か行き過ぎた個人主義を戒めて、公共という共同体の再生を目指す文章のようにも読めますが、要は、個人によって、公共、国家が形成されるという発想を言っているにすぎません。 確かに公共心や道徳心、倫理観といった言葉は並んでいますが、第一に取り上げているのは、個人の能力の伸長であり、個人の自己実現です。答申は、その表現からして、アメリカの独立宣言やその下敷きになったジョン・ロックの社会契約説をなぞったものと言えます。ロックは、国家の形成を説くに当たって、国家が成立する以前のゼロベースの状態、白紙状態なるものを想定しました。いわば、まるで歴史のない状態から、個々人がみずからの生命、自由、財産、幸福追求の権利の安定的な保障という必要から、人為的に契約を結んだ形で形成したのが国家であるという見解です。 中教審の答申では、国家は日本の長い歴史の所産であり、祖先から引き継ぎ、次の世代に受け渡していくべき連続性のあるものとはとらえていないことがわかります。逆に、連続性を否定し、新たに形づくるものととらえています。これまであった建造物を壊して更地にした上で、新たな別の建造物を建てるという発想は、国家を語って国家否定以外の何物でもなく、また、歴史否定以外の何物でもないと思います。誤解を恐れずに言うならば、歴史を断絶させる国家変革を望む発想は革命思想と同義です。少なくともエドモンド・バークが言ったように、国家とは既に死せし祖先たち、現在の我々、そして、まだ見ぬ子孫たち、これら3者による共同事業であり、過去、現在、未来の生命の縦軸を有する連続性のある存在ととらえる保守主義の立場からはそう指摘せざるを得ません。 だからこそというべきでしょうか、左派の立場から、これまで教育基本法の改正に反対の論陣を張ってきた例えば教育学者、堀尾輝久氏までが、中間報告の今まで述べてきた文を指して、ここまで書かれていることはおおむね同感できることだとおっしゃっています。肯定的な評価を下しています。まさに保守の油断と言うべきでしょう。 まだまだ日本国民の多くは、健全保守思想だと私は思っています。それが我が国におけるサイレント・マジョリティー、いわゆる声なき多数であると思っております。ところが、政治的には少数である方に、政治家もマスコミも迎合する傾向が強いのではないでしょうか。人権、人道、平和、平等などを掲げて押し立てられると、その主張の当否を精査する前に、ひるんでしまう。本当に大切な意見が政治に生かされない状況があるのではないかと思っております。 そして、そこにこそ、声なき多数の国民と自民党議員との間に乖離が生ずる原因があるとも思っています。学校教育の問題であれ、家族のあり方であれ、声なき多数が望んでいる保守の価値の復権に我々今の自民党議員は反応しているとはとても言えないと思っております。だからこそ、自民党をつぶすという小泉さんに人気が集まる。あるいは東京をてこに国を変えるという石原慎太郎知事に人気が集まる。この場合の国は、ほぼイコール既成自民党政治だと言っていいと思います。 小泉さんの場合は一概に言えませんが、教育問題に向かう心であれ、靖国神社への参拝であれ、拉致問題に誠意ある対応を示さない北朝鮮に対する発言であれ、石原さんの毅然とした姿勢、国益を守り切るという姿勢は、紛れもなく保守の精神だと思っております。 男女共同参画社会基本法の制定を例に挙げれば、その立役者とされる大沢真理東大教授が上野千鶴子東大教授との対談で、基本法制定が自・社・さきがけ連立政権の一つだったこと、審査の過程では、一応男女の特性を是認した上で男女平等の実現を目指すという対案も示したのに、他の審議会メンバーの認識が不十分だったため、大沢氏に押し切られる形でジェンダーフリーを志向する案が採用されたことなど、その裏事情を語っています。いわゆる前回も申し上げたA案、B案問題です。 そして、この大沢氏の発言を引き取った上野氏は、たまたま論理不在のところに強力な論理が登場したことによって、それが席巻してしまいました。納得しながら進めてきたんじゃなくて、あれよあれよと大沢委員に寄り切られて、振り返ったら、そんなことをしてしまったよ、僕ちゃん--そこで2人が笑うんだそうですが--ということなんでしょうかと、彼女は法案にかかわった男性役人をあざわらうかのような口調です。これは、「上野千鶴子対談集 ラディカルに語れば……」という平凡社の本でございますが、それにしても、保守の油断以外の何物でもありません。 男女共同参画基本法の関連予算は、平成15年度、9兆円です。防衛費が5兆円ですから、いかに大きな予算措置を伴った政策になっているかがわかるわけです。さらに、そこに少子化対策というデコレートを施されると、その内実が家族解体をもたらすものであるにもかかわらず、受け入れてしまう。保守政治家として比較的勉強していらっしゃると思われる人でも、そうした隠し案に対抗できない事実があります。 中野区においても、中野区男女平等推進検討会議がその大沢真理東大教授を座長にして推進されてきたわけでございます。中野区においては、平成12年3月に、男女共同参画基本計画、その基本理念や基本課題を受け、男女共同参画基本計画行動のプランが平成12年度から今年度まで5カ年間を計画期間として策定されたわけです。そして、平成14年の3月に、中野区男女平等基本条例が制定されたわけですが、子ども家庭部から全庁を挙げて推進するように発信されたわけです。平成11年に制定された国の男女共同参画基本法がなぜ怖い代物なのか、中野区の子ども施策の具体例を通して、また、理念の検証を通してお伺いしていきたいと思います。 大沢真理氏は、男女共同参画が機会均等にとどまらず、結果平等を意図したものだと本の中で明言しています。これが最大のポイントですが、今の日本の憲法は、自由主義体制の憲法ですから、基本的には機会の平等は前提としますが、社会主義のように、結果の平等までは求めていません。大沢氏を中心とする理念が中野区を挙げて実行されれば、ゆゆしい限りなわけです。例としては、埼玉県男女共同参画苦情処理委員会は、平成14年3月28日、同県高校教育課長あてに、性による区別も差別である、であるから、男子、女子の区別をすることなく、同じ教育の場を与えることが重要として、男女別学校の共学化を早期に実現する必要があると勧告しました。 我々も新聞で知るところですが、区別と差別を混同して、結果の平等を求める典型的な事例と言えるわけですが、参院内閣委員会で、福田康夫官房長官(当時)は、男女共同参画の目標は、結果の平等でなく機会の均等にあると明確に答弁しています。猛反対を受けている現時点では、両案が廃止で、折衷案のようなものが通ったそうですが、継続審議になった千葉県男女共同参画条例案は、第17条に、性及び子を生み育てることについて理解を深め、みずからの自己決定権の表現、性教育の充実及び促進を図る性教育にまで踏み込んだ全国で唯一の規定を盛り込み、堂本知事は、この修正案要求を拒否したわけです。 このことは我々も新聞で知ったわけですが、中野区においては、大沢真理東大教授の目指す結果平等の方向として、既に男女共同参画基本計画と、それを受けての平成12年から今年度までの行動計画の中に、自己決定権に基づく性の尊重の確立に努める、こう明記されています。男女共同参画が結果平等でなく、機会均等によるのが大原則である、憲法にのっとる法則であると国の方針が明確に示された今、今後の運用、そして次の5か年行動計画について、御所見があればお伺いしたいと思います。 男女は、生物学的な差異を前提として、適性というものがあります。これに対し、男は仕事、女は家事や育児という役割意識を是正しようとして数値目標を設定しています。確実にこの目標を実現するためには、啓発活動だけでは難しい。時として強制的な力を働かさざるを得ない。これは、社会主義的な統制です。社会主義がなぜ官僚統制になったかというと、結果平等を実現するためには、強力な権力が働かざるを得なかったからです。 問題は、ごく少数の人が考えているにすぎない奇妙な発想を国あるいは区役所といった行政機関という権力を通して、そうでないと思っている大多数の人たちに進捗状況を報告させながら強制するところにあります。男女共同参画が国の方針として、結果の平等でなく機会の平等の方針で運用されなければ、上位法である憲法違反であるというのがわかっているわけですが、この時点で、中野区の子ども家庭部から発信された行動計画の検証を強く望むわけでございます。 国の見解とは別に、現場の思想浸透というのは、これは国の見解とはまるで違うものでございますから、これについて、教科書選定にも触れて御所見が伺えればと思っています。 来春から使われる教科書の検定結果が発表されました。文教委員会でも配付されたわけですが、検定前の白表紙というんでしょうか、そこに男らしさ、女らしさを規定する内容を書いてきた教科書もありました。この部分には検定意見がつき、削除されましたが、小学生のころから、ジェンダーフリーの思想をすり込もうという執筆者の政治的な意図が伺われるわけでございます。具体的には、学習研究社の保健教科書、3年、4年で、女らしさ、男らしさということをよく耳にしますね、でも、本当に大切なのは自分らしさです、とあるわけですが、男らしさ、女らしさを否定する件は削除されたものです。 東京書籍の3、4年向けの保健の教科書では、本文中の男女の記述が、男子と女子でなく、すべて女子と男子と記されています。学研も東書も、グラフやイラストは、全部男女別に並べる順番もすべて女子が先頭という徹底ぶりです。性別逆転が貫かれているわけです。検定というのは基準がありますが、歯どめは緩やかなものですので、このジェンダーフリー固有の誤報は随所に残ってしまったわけです。 東書では、小学生では女子の成長が早いので女子を先にしたと説明しているわけですが、男女の表記に抵抗感を持っている人がいますからとも話しており、ジェンダーフリーを意識した教科書であることも認めているわけです。ジェンダーフリーは、男女差別をなくすために性差までなくそうという過激なフェミニズムの思想で、男女を女男と言いかえたところで、男女平等が推進されるわけではありません。男女が性差を認め合い、それぞれの能力を十分に発揮することを目指す男女共同参画の理念とは全く無縁のイデオロギーです。性に関する記述もますます過激になっているわけです。 例示しますと切りがございませんので、すべてカットしますが、日本青少年研究所が、日米中韓、4カ国の高校生の意識比較調査をした結果、これは新聞で発表されましたので、我々は皆知るところですが、男は男らしく、女は女らしくすべきだと答えた高校生は、日本だけが50%に達しなかった。結婚前は純潔を守るべきだと答えた日本の女高生はわずか29%で、突出して低かったそうです。ジェンダーフリー教育は、そのモラルをなおざりにした性教育が予想以上の速さで日本の教育現場に広がっている、これが原因と思われます。 次に、男女混合名簿について御所見をお伺いします。東京都教育委員会は、平成16年8月下旬、男らしさ、女らしさを否定するジェンダーフリーという用語の使用禁止と、その思想に基づく男女混合名簿の作成を禁止する通達を都立高校に送りました。この通達は、ジェンダーフリーが東京都教育委員会が目指す男女平等教育の考えと明らかに異なると指摘しています。当然の判断であり、この決定を高く評価したいと思っています。 男女混合名簿といっても、実は身体測定や健康診断のために裏名簿をちゃんと用意しているのでございますので、おかしな話なわけです。そのことからして、生活上の必要から出てきたものではなく、イデオロギー上の要請からであったことは明白です。現場でも不便という声が多数を占めているわけです。もともとは、ジェンダーフリーを学校へという運動の足がかりを国立市の日教組婦人部からこれが始まったと言われています。混合名簿に始まり、子どもたちの呼び名をすべてさんづけにする、体操服を男女共用にする、体育を男女一緒にするなど、進展してきているわけです。 国立市などでは、騎馬戦を男女混合でさせています。しかし、ここから先があるんです。東京都の区立足立十一中では、総合学習の時間に、ジェンダーフリー教育として、女装隊、いわゆるおかまを呼んで授業をしています。あなたはこれまで弱者の立場に立ったことがありますかなどと問いかけながら、性的少数派への理解を深めるというものです。もともとジェンダーフリーの発想は、男も女もない、雌雄同体のカタツムリみたいな存在を理想としていますので、おかまこそ目指すべき存在という結論になるわけです。 こういう道筋の中に、まず男女混合名簿の導入があるということを私どもは見落としてはならない、このように思っています。中野区においても、指導室は行動計画の中に、男女平等の視点に基づく男女混合名簿の推進、服装のための論議の場の設置を授業の中に挙げています。とても容認できませんし、教育委員会発とも思えない。今後、授業の再検討を強く希望します。御見解をお伺いしたいと思います。 科学的根拠に欠けるフェミニストあるいは多数派の利益を考えてこそ民主政治といった部分についてお伺いします。フェミニストのジェンダーの定義は、正常な男児を女児に性転換するというアメリカ性学者、ジョン・マネーのむごい人体実験が根拠となっていることが判明してきているわけです。それが成功したというマネーの虚偽の報告がひとり歩きし、その後、米国では完全に破綻したものにもかかわらず、日本のフェミニストは依然としてマネー理論に依拠しているわけです。 現在では、ジェンダーが社会的、文化的にだけ形成されるのではなく、男女の脳の構造の違いによって生得的に男女の性差があることが学会でしっかりわかってきている流れをつかんでおります。これまでは多数派のための社会だった。これからは少数派も大切にされる社会にしなければならないという主張がありますが、少数派に対する配慮はもちろん大変必要です。しかし、少数派を社会の基準にしたり、少数派の利益のみを図るような政治は民主主義に反するわけです。大多数の人たちの声を反映する政治が民主政治です。 ところが、現在では、審議会や圧力団体を通して、圧力団体の方は新聞をにぎわしますのですぐわかるんですが、この審議会、すべての審議会というわけではございませんが、国民のごく一握りの人たちの意識ばかり取り上げられ、沈黙の多数派の意見が無視される場所になることもあるわけです。行政の問題で言うと、審議会政治の弊害に気づくときには気づいてもらわなくては困る。国においてもそういうわけですから、中野区の中でもそっくり同じ構造になっています。学識経験者と称する一部の人たちが、偏った思想をもとに彼らの運動の作戦会議をし、コンクリートされたものを行政が丸飲みにするというこの構造です。 中野区男女平等基本条例に例をとれば、その条例自体は議会の過半数以上の多数を得なければならないわけです。ただ、問題は、その前に、男女共同参画基本計画、男女共同参画基本計画行動プランが既にコンクリートされています。議会で問題にされない文言で出てきた条例、これには男女の結果平等を反映させるつもりだという大沢真理氏のこの明言した思想も読み取ることはとてもできない。中野区においては、既にでき上がっているという構図、これは中野区だけではございません。それが達成数値目標とともに反映されることを憂慮しなければいけないと思います。 今フェミニストが一番言われたくない問題は、少年の犯罪や非行です。この背景に、家族の問題があることがわかっているからです。教科書で、シングルマザーだ、生活をともにする血縁関係のない者同士だ、同性愛カップルだ、ペットもだと、家族の多様化といえば聞こえはいいんですが、その目指すところは、夫婦とその子どもを基本単位とする伝統的な家族の破壊以外の何物でもない。真の男女平等は、フェミニストが主張する区別は差別だというものではなく、むしろ男女の違いを認め合って理解し合うことから始まるものだと多くの人は理解しています。男女共同参画社会、タイトルに対して、研さん研究をする人が少ないのもその辺にあると思います。 中野区だけでなく、日本じゅうを巻き込んだフェミニズムは結局権利の発想です。権利というのは、主張して利益を獲得していく闘争の論理ですから、前提とした概念ですので、家庭生活においてお互いに譲り合って我慢をし合おうではないか、そこに人間としての幸せがあるという、こういう考えは成り立たないわけです。家族に限らず、あらゆる集団生活は闘争の論理ではなく、共同体の精神で現実成り立っています。人間は共同体の中にあって自分の役割を果たし、それが認められるところに幸福感が得られるわけです。自己主張しなさい、損しているわよ、差別されているのよというのでは、円滑な人間関係は維持できるわけがありません。 男女の違いを認めて理解し合う理念とまるで逆の家族を敵視し、性別を嫌い、性の自由化を望むという特殊な流れが目に見えて加速されているわけです。これが現実です。中野区の基本構想がそれをさらに加速する方向にくみしないことを中野区民挙げて注目しております。 教育ビジョンのさわりについて言えば、私は文教委員会ですので、一つひとつの問題については委員会でやりますが、第1に取り上げられていらっしゃるのが、社会性の欠落の問題、地域教育の向上の問題、家庭を孤立させず地域と家庭の連携を強める家庭教育への支援の問題、道徳教育の推進、情操教育の推進、読書力の育成、基本的生活習慣、学習習慣が身につかない小学1年生が見られるようになり、学級崩壊など、いわゆる小学校1年生問題が社会問題となっており、小学校と幼稚園、保育園との連携が求められるようになってきている問題と、これは見事に地域の心配を吸収した問題意識だと読み取れます。着実に推進されることがぜひ必要です。 この公教育の信頼を増進させる方向1点に絞った基本構想づくりを大いに期待しております。おかしな思想のチェック度テストといったような数値目標がまだ随所に見られますが、再検討を要します。公立学校が思想教育の一番のターゲットにされる場所であるということを地域ではよく知っており、注目しています。くれぐれも大多数の声として受けとめるべきです。先ほど申し上げた圧力団体の問題は、区民も新聞等で理解しやすいのですが、行政の問題として、審議会政治の弊害に気づくべきだと指摘させていただきましたが、もし御所見がおありでしたら、お話をいただければと思っております。 少子化について、これは先ほど高倉議員からも、江戸川区の例を挙げていらっしゃいましたが、江戸川区というのは、かなり曲げない哲学を持った部分を私も紹介させていただきましたが、ですけれども、やたらまねはできないほど、世の中の流れがしっかりでき上がっております。ゼロ歳児保育に本気で対応したら区が倒れるという判断、子育てをした人の経験を使って既に1万人も育て上げたといったああいうシステムはうらやましい限りですが、そう簡単に地域の力をおかりするというのはなかなか難しい。 されど、区長は、既にこの江戸川区で一緒に方向をとった方がいいと思われることを施策として次々に打ち出しているところは、私は大いに評価するべきだと思います。ただ、私が先般申し上げましたが、少子化については、私は自民党員ですが、政府のやり方をしていれば、余計少子化は進んでしまうというのが私の見解です。ですけれども、その根は大変な張り方で、働く若い女性と言わず、女性は、これは国の戦力である。余りの熱心さに、考えてみたら、子どもが置いてきぼりになったと、こういう科学的な研究、世界じゅうで真っ盛りです。 そして、欧米が見習い出したのが、日本の古い子育てなんだそうです。一生懸命御夫婦で働くんですが、いつも背中にぴたっとおぶっているとか、あれから学ばなければいけないという大きな流れをつくっているんですが、政府は耳をかそうともしません。ここで大変ひんしゅくを買うのは覚悟だといって、1人の女性の原稿用紙3ページちょっとぐらいあるんですが、だれも賛成してくれない、私ぐらいしかしてくれないかもしれませんが、一応聞いてください。 少子化がとまらないようです。私自身も生まないまま38歳を迎えようとしており、本当であれば、少子化に関して物を言う資格はないかもしれません。けれども、今回は批判を覚悟の上で申し上げます。少子化は先進国固有の病であるように言われたり、日本では託児施設が整っていないから、ゆとり教育の弊害で子育てにお金がかかり過ぎるのが原因だとか、しかし、私自身の抱えている思いや、周りの女性の言葉を顧みるに、子どもを持つことに対して価値を見出せないことが根本的な原因だと思っています。 私たちは、自立や自分を生かす職業を持つことがさもいいことのように教えられて育ってきた世代です。私など、そんな時代と教育の恩恵を--点がついていますから、恩恵と最近は思っていないのかもしれないですが--恩恵を山と受けています。けれども、当然のことでありますが、自分を生かし、女性の権利を主張し、何でも男並みをよしとするのであれば、子どもを生み育てることは損であり負担となるのが現実であるのです。いかにもっともらしく理由を挙げてみたところで、根本にあるのは、自分が生かせなくなるから生みたくないに尽きるのではないでしょうか。--この方の見解ですよ。 私に関して言えば、仕事に対して強欲だったから生めなかっただけです。けれども、そのくらいでないと、仕事に関して責任を果たせないのも事実であります。女が仕事を持つというのは、どんなに家事が電気製品のおかげで楽になろうと、根本においては子育てとは両立しないものだと私は思っています。--この人が思っている。 大人は電化製品で間に合わされた生活で耐えることができますが、子どもの時間というのはそんなに都合よくできていないからです。時代錯誤も甚だしいと言われるかもしれませんが、女は仕事を持つということは、子どもや夫をあきらめる覚悟のものではないでしょうか。なのに、今どきの教育は、まず自分を生かせという。その上で結婚し、子どもを生めばいいと言う。専業主婦として立派に子育てをしている女性は社会と関与していないと不安がり、働く女たちは、少し小金を稼いでいるだけなのに、専業主婦を年金泥棒と非難する。情けないことです。 そして、無理な両立の果てに起こるのは、お決まりの行政に対する権利の主張です。能力以上のことを求めて苦し紛れの女たちは、国が悪いと、長時間保育を求め、それが可能になれば、今度は預けっ放しにしろ。ろくにしつけもしない、やがて子どもが荒れれば、こんな国で子どもを生めるわけがないと言う。違うでしょう。自分が母となるか、仕事に人生をかけるか、決めかねただけでしょう。 さて、自分を生かすとは、かように魅力的なようで始末の悪い思想なのですが、果たしてそれは何でも思いどおりにすることなのでしょうか。私が仕事をしてきて感じたことは、自分は人様の役に立って初めて生きるということです。こんな浅はかな原稿でも、人様に必要であると思っていただけるものを書くことができなければ、決して日の目を見ることができません。主婦の方たちからは、自分を生かせる仕事でいいわねと言われます。自分を捨てることでしか社会の門は開かなかったことを私は実感として知っています。むしろどれだけ主婦の方や母となった方の自分を生かせていることか。 けれども、今どき自分を生かす教育は非常に浅はかな解釈で吹聴されています。小さな子がばっこして、まさに国が滅びんとしている。女が思いどおりに欲望を満たし、子どもを生まない社会にはこの思想が根を張っている気がしています。先進国だからでも、男性や行政が悪いからでもない。一代限りの自分を生かして孤独を選ぶか、夫や子どもに喜ばれることで自分を生かし命を伝えていくのか、選ぶ覚悟のない女の浅はかさがこの国の未来を先細りにしているのです。 もちろん、すべての女性に子どもだけ生んでいろというのではありません。私もできる限り仕事をしていたいと思っていますが、それには世に望まれる仕事ができる人間にならなければならないでしょう。母になる人たちを支える人間にならなければと思っています。なぜこれだけ女の権利が吹聴されて、義務が語られないのでしょうか。男ははるかに長い時間、女子どもを養う義務を負ってきました。生むにせよ生まないにせよ、それぞれの立場の女性が果たすべき義務について、私たち女は語り始めるべきです。そして、そのとき、子どもが生まれ始める。そんな気がします。 こういう文なんですが、なかなか終わりまで読んでもらえそうもない文です。これは、漫画家の坂本未明さんという方でお読みになった方もいらっしゃるかもしれませんが、私はいつも感心して読ませていただいています。 先ほど脳科学が大変進歩したと申し上げましたが、前回も前頭前野のお話をしたら、柿沼先生が、あっちの方から、あんなのが出ちゃったなんていう野次を飛ばしていましたが、この脳の発達は大変な進歩なんだそうで、前頭前野、いわゆる抑制する力を備える場所なんですが、これは、3歳の間に9割ぐらいでき上がっちゃうそうです。あとは緩やかで、また年をとると衰える、こういう仕組みなんだそうですが、この対談等を聞いていますと、あれは差別の言葉を使っているのかと、みんな言葉を選んじゃって、本音で活字になることを恐れているような部分が大分感じられます。 ある人は、フェミニズムイデオロギーが蔓延し、育児の楽しみりより苦しみの側面が強調されていますというような言葉を吐いた方もいますし、欧米側では、日本の昔の古い流れに大変近づこうとしているといった部分、あるいはイギリスは福祉国家と言われていますが、保育料の安い公共保育所はつくらない。これは、江戸川区の方針ではなくて政府の方針なんだそうですが、同じようなことが江戸川区でも1歳までにはあるんですが、イギリスの場合は3歳。女性が外に出て働いていくと、お手伝いしてくださる方に全額払わないと対応できない。いずれにしても、そういうほとんど耳を傾けていただけなかったような発言に耳を傾けなくてはならないほど、子どもを中心とした流れから遠のいている。これが現実です。 最近のアメリカのベストセラーを御紹介しますと、アメリカでは我が国とはけた違い数の少年凶悪犯罪が多発しているわけですが、この現状を最新の脳科学のところから分析を踏まえて、「育児室からの亡霊」という本が出版されてベストセラーになっているそうです。この本は、結局受胎してから33カ月、日本で言う三つ子の魂、3歳まで、ここまではしっかりと手元に置いて育てないのが諸悪の根源だという内容を出されてベストセラーになっているんですが、質問がほとんどございませんから質問しないといけませんので、地域の力を巻き込もうというこの施策は、中野区でも、先ほど申し上げましたが、本気で取り組み出したと感じられます。 具体的には何々課と、家庭的な保育の実現のために、30年余りの歴史を持つ1万人の保育ママ制度、あれに近づこうとするかけらぐらいあるか。そして、それは無理だというのが、23区中22区の答えなんだそうですが、それに対して、ゼロ歳児を預かる場合は、一番払ってもらって5万円なんだそうですので、毎月35万円、これは1人の赤ちゃんに払わないといけない。このシステム、これを区民と共有する努力がどこにも見られない。 これは、我々議員が言うより財政を大きく1人について400万円、それが1歳までの赤ちゃんということになれば、問題意識として、老人対策より子どもに対する施策に対する金の振り分けが少ない。これは現実はとめなきゃいないでしょうが、こうした格差の問題ですとか、方針として打ち出されたようですが、そのほかに、うちの家計はこうなんですよという、借金してでもやってやるからねという姿勢しか伝わってこない。これは、改めるべきだと思いますが、御所見があればお伺いします。 指定管理者制度、あるいは丸ごと民営化、これはそれぞれ動きがあるんですが、財政効果について触れていただければとも思います。それぞれの後に残された区の役割というのはどんなものがあるのか。また、民間の活力を利用するという大きな方針を立てられた中で、これをやらないと区民の信頼を裏切るからしっかりチェックしなければという部分は必ず残っていると思いますので、その部分に触れていただければと思います。 質問だけで終わっちゃう可能性が出ましたので、あとは簡略にやりましょう。 教科書の選定、これは、なぜこのように歴史教科書の扶桑社の問題等、法律を侵して出てきているのではないかというような形があったら、文教だからやめておけというお声もありますが、昔は業者との結びつきが大変指摘されて、既に学校票などでは、東京都の教育委員会は30分以内で終わっちゃうというような、現場の意見が生かされる方向、これは文部省が幾ら通達を出してもだめだという強い都教組の力が働いたんですが、そのかけらも残すべきではないと私は思っています。 そして、この基準については、調査委員会というのは法律的に認められているんですが、調査委員会の段階でどこが教科書と決まっちゃうようではだめですし、その過程が業者、あるいはだれにも知られることは許されないわけです。この教科書選定に当たっての中野区の姿勢をお伺いしたいと思います。 これは文教委員会ですので、もう余り触れません。
最後、あとすぐ終わります。お答えが時間に間に合わなければ、間に合わなければ間に合わないで……。はしょるかもしれませんが、お金の問題は一番大切ですが、1番目にお聞きしたいことは、もう既にイントロで申し上げましたので、2番、3番、4番ぐらいまで頑張ってやれたらと思っています。 4兆円の国庫補助負担金の削減と3兆円の税源移譲が行われる国の三位一体改革や、平成12年度の都区制度改革、残された財政調整の課題に関する都区間の検討状況などと関連付けて、今後の区の財政見通しについてどのように想定しているか、お聞きしたいと思います。 総務委員会でも大分議論されていると思いますが、次に、国庫補助金負担金の見直し、地方交付税の見直し、国から都への税源移譲といういわゆる三位一体改革は、単なる税源移譲だけではなくて、国の負担補助という保護、援助の手が届かないところで地方自治体が真の自立に向け、自治体の行財政体質、行財政構造改革そのものであると理解していますが、区長はどのようにお考えでしょうか。 あと、10カ年の行政運営についての考え、毎年出されますが、これについて、ぜひ委員会に先立って披瀝していただけるものがありましたらお願いします。 ただ、先ほど触れた中野区の北口のこれは清掃とも関係あるんですが、財政の方から質問させていただいた方がいいのかもしれませんが、清掃車庫の問題、あれは、約50億円の利息として7,200万円を払い続けていっているのが続いているわけです。あれはもう特例措置の中で対応し切れない。それについての見解が一切伝わってきていない。37年に地下化で都市計画化を決定している。ああいった流れの中で、議会、もう既にいろいろおっしゃっていただいているのかもしれませんが、方針が立っていない。7,200億円ずつ今後も払い続けるのか。そういうのは区民に説明すれば説明を求められる部分だと思いますので、ぜひそれについて御見解がありましたらお答えください。 少々質問時間を超えてもよろしゅうございますから、お答えください。どうもありがとうございました。
〔区長田中大輔登壇〕 ○区長(田中大輔) 篠議員の質問にお答えをいたします。 清掃事業の行方についてということであります。 清掃事業が中野区に移管をされてから、中野区として独自に展開した事業といたしましては、高齢者世帯への戸別訪問収集でありますとか、プラスチック製容器包装回収事業、これなどは、地域の町会の皆さんの御協力を得ながらモデル事業として推進をしようとしているところですけれども、そうした事業があります。また、現在中野区町会連合会として取り組みを進めていただいている集団回収の拡充といったようなことなども、清掃事業の中野区としての新たな展開ということで進めているところであります。 こうした清掃事業、清掃協議会と区の自立、自治権というんでしょうか、基礎的自治体としての区が行うべき清掃事業といったようなことでの清掃協議会との関連であります。清掃協議会で経過的に処理をしている事務については、各区が処理をすることとされている収集運搬業務にかかわることが多いわけであります。本来的には、基礎的自治体の業務であるというふうに認識をしているというところでありまして、8月の区長会での申し合わせということにもつながっているところであります。 一般廃棄物処理基本計画の改定に合わせまして、こうした清掃事業全体の将来ビジョンを策定をしまして、区が処理をするための課題を区民にお示しして、区民とともにこの問題についても、一つひとつ着実に解決をしていきたいというふうに考えております。 それから、家庭ごみの有料化について考えがあればという御質問でありました。家庭ごみの有料化は、排出したごみ量に応じた負担となるわけでありますから、負担が公平になること、また、有料化によるごみ減量効果も期待できるということもあるわけでありまして、これについて検討を進めていきたいというふうに考えております。 それから、清掃事業移管時の任用制度に関する問題ということであります。るる御指摘がありましたように、現在は東京都からの派遣職員ということでありますが、18年の4月1日をもって身分切りかえとなるということであります。12年度の移管の際に、さまざまな交渉の経過を踏まえて、こうした流れになってきているということであります。 今後の労使交渉というか、清掃職員にかかわる勤務条件の交渉ということでありますけれども、平成12年に、都区合意した内容、まずこれが基本でありますので、これに基づいて鋭意協議を尽くしていくというところでございます。先ほどの高倉議員の御質問にもお答えしましたように、17年度からの動きといったようなことをさまざま考えますと、ことしの第4回定例会というのが一つの大きな山場というふうにも考えているわけであります。 また、区長会といたしましては、9月中の新しい制度に向けての決着ということを目指していたという経過もあるわけでありまして、9月中については、なかなか難しい状況かもわからないというふうには思っておりますが、鋭意交渉に当たっているという状況であります。 それから、家族、家庭の問題といったようなことについて、さまざまな御意見がございました。 私どもといたしましても、家族が私たちの社会生活の基礎的な単位であるということでありまして、家庭が生活の場としての基本であるということは、まず第一に踏まえなければいけないということで、基本構想検討などに当たっても、一つの基本としているところであります。 家族という単位が私たちが社会生活を営んでいく上で、本当に基本的な、一番小さな共同体、もとの共同体として機能しているんだということについては、すべてが踏まえなければいけないというふうに思っております。そうした意味で、そこから家庭が基本となって、子育てに第一義的責任を持ったり、あるいは子どもの基本的な生活習慣等を養うといったようなことが重要だといったような立場から、さまざまな施策をつくり出していきたいというふうに思っているところであります。 しかし、一方で、家庭の機能の脆弱化ということが大きく言われるわけであります。現状として起きているこうした問題に対して、社会全体が対処をしていかなければならないということもまた事実なわけでありまして、現在の家族のありよう、家庭のありようといったようなものをそれぞれに踏まえながら、施策を打ち出してまいりたいというふうに思っております。 個人と国家といったようなところでのお話もありましたけれども、国家が一つの民族的、文化的共同体であるという側面からは、国家を共同体として重く見るという考え方も一つ重要な点であるかというふうに思っております。しかし、民主政治における国家というところでは、人間個人、一人ひとりの価値、尊厳といったようなものを基本に置くということでもありますので、そうした両面から、公共、社会の政策といったようなことは見ていかなければならないのだというふうに思っております。 そうした中で、今日、社会問題となっておりますような子どもの育ち、あるいは男女の働き方といったようなことについても、今日の市民の意識、そうしたものをきちっととらえながら、公共として支援するべきもの、支援するべきでないもの、きちんと見きわめた形で施策を打っていきたいということであります。 それから、財政運営についてお答えをさせていただきます。 実質収支比率あるいは経常収支比率あるいは積立基金の現在高など、15年度決算における財政指標というのは、依然として厳しいものを示しております。特に御指摘もありましたが、北部防災公園用地の取得でありますとか、公社保有地の引き取り、こうしたことを行っているわけでありまして、新たな公債費負担も生じてきているというところであります。当然楽観視することは決して許されるものではないということであります。 そうした一方で、将来の一般財源負担を軽減するために、減債基金への計画的な取り組みといったものを開始するなど、公債費の適正水準を維持するための努力といったことにも着手していることには注目をしていただければというふうに思うところであります。 いずれにいたしましても、景気は回復基調にあると言われているものの、個人所得の伸びは芳しくありません。長期的な眺めで見ますと、特別区税を初め一般財源の歳入というものを大きな伸びで期待できる状況にはないわけであります。こうした中、施設の維持管理あるいは職員の退職増への対応、一時的に多額の財源を要する要因等に備えて、財政調整基金あるいは各種基金に目標額を定めて、計画的に積み立てたり取り崩しをするという財政運営の計画化といったようなことも行っているところでありまして、長期的かつ安定的な財政基盤をつくっていきたい、そう考えております。 そうしたことの最も基本にあることといたしましては、コスト意識の徹底でありますとか、あるいは民間活力の活用による事務経費の削減といったようなこと、人件費と義務経費の削減を進めていきたいということを第一に置いているということであります。 三位一体改革についての御質問もございました。三位一体の改革は、地方分権改革の一環として、国庫補助金負担金の見直し、それから、地方交付税の見直しと、国から地方への税源移譲を行うという改革であります。このねらいは、第1には、地方自治体の自主性の向上にあるというふうにとらえるべきだというふうに思っております。この改革のねらいは、地方自治体が住民にとっての価値の創造に向け、みずからの考えをみずからの財源によって実現をする。そして、責任も負い、真の自立した地方政府になることだというふうに理解をしているところであります。 しかしながら、一方で、国も地方も、歳出超過の財政構造を改善することなくしては、この改革というのは進めることはできないわけでありまして、三位一体改革、まさに自治体の自立を促すと同時に、経営能力を厳しく問うことでもあるというふうに認識をしているところであります。持続可能な区政運営の実現に向けて、経営改革を引き続き推進をしていきたいというふうに考えております。 私からは以上であります。 〔教育委員会事務局次長金野晃登壇〕 ○教育委員会事務局次長(金野晃) 私からは、2点にわたってお答えいたします。 まず、男女平等の教育についてのお尋ねでございます。 教育委員会は、男女の特性をすべて否定するような議論とは一線を画しながら、中野区男女平等基本条例の立場に立って、男女平等教育を進めているところでございます。 男女混合名簿についてのお尋ねでございます。 小・中学校における男女混合名簿につきましては、男女の特性を否定するということではなくて、男女平等教育の視点から考えているものでございます。 また、服装についてのお尋ねがございました。標準服などにつきましては、男女一律が男女平等であるというような考え方は持っていないわけでございますが、区民や学校の意見を聞いて論議をしていくことにしているものでございます。 次に、教科書選定についてのお尋ねでございます。 教科書採択に当たりましては、中野区の教育委員会としての教科書採択基準を明確に示して作業を進めております。選定調査委員会の報告を参考として、教育委員が主体性を持って教科書採択を進めております。今回も教育委員が相当の時間をかけまして審査をして決定したものでございます。今後とも、適切な手続にのっとり、公正かつ適正に教科書の採択を行っていきたいと考えております。 以上でございます。 〔子ども家庭部長柳澤一平登壇〕 ○子ども家庭部長(柳澤一平) 私の方からは、議員の御質問にありました男女共同参画は結果平等でなく機会均等によるのが大原則であるがどう考えているのかという御質問、そして、既存の5カ年の行動プランについての検証をすべきだというのがございました。 男女共同参画行動プランは、男女平等社会を実現するためにさまざまな取り組みを行い、また、必要な機会を確保することによって、男女が参画しやすい環境を整備することが必要であるという考え方から策定をいたしました。そのような視点でございます。 現行の行動プラン、今見直しをしているところでございますが、これに当たりましては、その内容について十分な検証を行いながら、後期5カ年の行動プランに生かしていきたいというふうに考えております。 それから、審議会の政治の弊害に気づくべきだというお話でございました。審議会には区行政に関しての専門的な視点からの答申等をお願いしているところでございまして、この審議会の委員には、審議会の目的を達成するために最もふさわしい人を選任しているところでございます。特定の考え方に偏るのことのないよう、さまざまな立場の人に就任をお願いしていきたいというふうに考えております。 以上でございます。
〔総務部長石神正義登壇〕 ○総務部長(石神正義) 私からは、今後の財政見通しということでお答えさせていただきます。 三位一体改革や都区間の財源配分、こういった具体的な内容にかかわる問題については、この17年度中には明らかになるというふうに思っております。その明らかになった内容等を含めて、今後の財政見通しを想定していかなくちゃいけないわけですが、現時点では非常に難しい状況にございます。こういったものか課題がはっきりしていないということでありますが、来年度の予算を組むのに当たりましては、全庁を挙げて、可能な限り情報把握に努めて、より的確な歳入歳出フレームをこの算定を行っていきたいというふうに考えております。 また、10か年計画の諸事業についても、財政フレームの見通しが現在のところ立っておりませんが、この具体化、三位一体改革との財源配分等が具体化する中で、逐次具体的なフレーム見直しをしながら、全体を見きわめていきたいというふうに思っております。10カ年の総事業費等につきましても、その段階で示していきたいというふうに考えてございます。 以上でございます。 ○議長(山崎芳夫) 以上で篠国昭議員の質問は終わります。 議事の都合により暫時休憩いたします。 午後3時35分休憩
午後3時56分開議 ○議長(山崎芳夫) 会議を再開いたします。 一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 長 沢 和 彦 1 区長の政治姿勢について (1)国・都の動向と区民への影響について (2)区長の組織運営について (ア)幹部職員の出勤簿偽装事件について (イ)警察への職員告発問題について 2 基本構想と新しい10か年計画について (1)基本構想の根本的な問題について (2)暮らしを支える施策切り捨ての10か年計画について (ア)小・中学校の統廃合について (イ)児童館・学童クラブについて (ウ)地域センターの廃止について 3 中野駅周辺・警察大学校等跡地のまちづくりについて (1)警察大学校等跡地について (2)サンプラザの取得について 4 次世代育成支援・地域行動計画策定に向けた取り組みについて (1)乳幼児医療費助成の拡大と入院給食への助成について (2)保育料の値上げについて 5 野方駅の改善について ○議長(山崎芳夫) 長沢和彦議員。
〔長沢和彦議員登壇〕 ○19番(長沢和彦) 2004年第3回定例会に当たり、日本共産党議員団を代表して質問を行います。 初めに、区長の政治姿勢について伺います。 政府は、この10月から、国民の怒りと反対の声を押しのけて、年金改悪の実施をしようとしています。さらに、介護保険での国庫負担の削減や生活保護の加算制度の廃止など、暮らしを支える社会保障が軒並み崩されようとしています。失業率も高どまりで、勤労者世帯の年収も6年連続減り続け、6年前よりも85万円も減っている状況です。その上、三位一体改革によって、今年度以上の影響が生じてきます。区もそれについては大変厳しいとの認識を示しました。 義務教育の国庫負担金の削減が言われています。しかし、義務教育の国庫負担金は、憲法に基づいた義務教育の無償制度を守り、財政力の違いによって自治体の教育水準に大きな差がつかないようにする上で、積極的役割を果たしています。都知事も基本的に義務教育費国庫負担金を一般財源化して地方に任せることは反対だ、国家の責任で維持しなければならないと発言しています。福祉、教育など、国民の権利である一定水準のサービスを保障するために守るべき国庫補助負担基金制度があります。 また、地方6団体も、絶対に認められないとしている生活保護の国庫負担金の削減についても、政府与党内で、来年度からと確認されているのでは予断を許しません。区は、ことしの第1回定例会の予算特別委員会で、生活保護国庫負担金にかかわる影響額は年間で5億円ほどと答弁しています。生活保護世帯がふえ続けるもとでは、これを上回る額となります。そこで伺います。これらが行われるなら、区民の福祉、教育にとって大変な影響を及ぼします。区民の施策、事業を後退させてはなりません。見解をお聞きします。 国の構造改革に加えて一段と激しいのが東京都の改革です。既に福祉切り捨てによる都民の痛みは深刻です。特に福祉や暮らしの補助金の削減と廃止はすさまじいものがあります。例えば、国民健康保険に対する都支出金は、中野区の決算ベースで98年度の4億4,000万円余から2003年度、2億2,000万円余と、5億以上も削減されました。そのことが国保料の値上げにつながりました。さらに、第2次財政再建推進プランで、1,200億円に上る補助金の削減、廃止を行おうとしているのです。 民生委員の活動費や老人クラブへの助成、在宅介護支援センター事業補助、心身障害者ホームヘルプサービスや通所訓練事業、病後児保育事業などなど、高齢者や障害者、子どもにかかわる福祉関連事業だけでも、現在中野区が行っているうちの約60事業が、全体で100を超す事業が補助金の見直しと称して削減、廃止が検討されています。その上、三位一体改革で削られた事業は、都として廃止するとまでしているのは重大です。東京都の責任をきちんと果たさせ、事業を継続するように区として強く求めるべきです。見解を伺います。 区長の組織運営について伺います。 一つ目に、幹部職員の出勤簿偽装事件についてです。職員の労務管理を行う管理職が他人の出勤簿を長期にわたって出勤しているように偽装し、給与を支払うといった不正事件がありました。これは、内部の問題として済ますことのできない重大な問題です。地方公務員法28条、29条と、中野区職員服務規程に違反していると、懲戒分限調査委員会が開かれ、そこでの報告を受けて、区長は2人の幹部の給与を1カ月間10分の1の減給処分を行いました。しかし、このような偽装を必要とし、長期にわたって行われたのはなぜか、偽装工作をした幹部が昇格したままでよいのか、処分は妥当なのか、さらに、区長がこうした疑問に答えないのはなぜかなど、多くの疑問が区民に明らかにされないままです。自浄能力が発揮されたとはとても言えません。 刑法の「電磁的記録不正作出及び供用」第161条の2の1項では、人の事務処理を誤らせる目的で電磁的記録を不正につくった者は、5年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられるとあります。さらに2項の公務員の場合は、10年と100万円となっています。それほど公務員の責任は重いのです。今回の事件は、地方公務員法ばかりか、この刑法にも違反しています。 納得できないのは、区民と職員です。私たちは、6月25日に区長に対し、問題の真相解明と適正な職員の処分についての要望をしたところです。公金横領事件では、公表した上に数回にわたって報告がされました。それに照らしても、この事件の全容を明らかにすべきです。同時に、公金を不正に支出し、区政に対する信用を失墜させた責任を重く受けとめるよう、区長の謝罪を求めます。 二つ目に、警察への職員告発問題についてです。去る8月23日、区長は、職員が区の情報を区民が開いているインターネット掲示板に書き込んだことを地方公務員法34条1項に違反するとして、刑事訴訟法により、被疑事実にかかわる秘密漏出行為を行った中野区職員を警察に告発しました。今回のことは、そもそも職員みんながのぞける庁内LANの情報をどのように扱うかのルールがないもとで起きたことです。この情報は公開してよい、この情報は公開してはならないなど、庁内LANを活用する上でのルール、システムがきちんとあったのでしょうか。 しかも、告発した次の日に、情報管理と職員の服務規律についてという文書を発しました。掲示板に出してはならない情報が出ていたと告発をまず先に行い、職員への指導、警告は後回しとは一体どういうつもりなのでしょう。仮に出してはいけない情報であっても、本来的には職員に対しての指導、警告、管理を行うのが管理者としての務めではありませんか。それを怠っての告発というのでは、職員への見せしめとしか思えません。区長と職員との信頼関係を崩す告発といった行為は改めるべきです。区民からは、こうしたことでは職員は情報に触れなくなり、区民に必要な情報が提供されなくなると、区長の姿勢に批判的です。速やかに告発を取り下げるべきです。伺います。 次に、策定中の基本構想と新しい10か年計画について伺います。 初めに、基本構想の根本的な問題について伺います。基本構想は、区がどういった区政運営をしていくのかを示すものであり、区民の総意としてあらわすことが求められます。中野区基本構想検討素材ナンバー4の最初の章、新たな時代に向けての中で、みずからのことは主体的に決定し、同時にその責任も負う自己決定、自己責任と、自立と相互の支え合い、さらに公の支援を前提とした自助、共助、公助の考え方に基づき、と述べられています。このことは何を意味するのでしょう。 自己決定、自己責任を初めとした自助や共助、公助といった考えをまずは自分で、次に地域で、最後に行政がといったぐあいに序列化し、それをもとに区政運営を行うとしているのでしょうか。これは、本来的に行政が行うべき福祉、教育の仕事を投げ出す公的責任の放棄につながる考えです。検討素材ナンバー4でも、あえてこのことを前提にしているところを見ると、こうした概念を基本構想と新しい10か年計画の基軸に据えようとしています。 例えば、区民健診が有料化され、区民が受診しにくくなったことの行政責任は問われずに、自分の健康は自分で守れと、自己責任として切って捨てられてはたまりません。選択の自由だと言って、サービスの量と質が確保されていないのに、本人の選択の責任が問われてしまうのも納得がいきません。しかも、お金のある、なしでサービスが受けられないとなれば、命と暮らしを支える行政が責任を果たしているとは言えないでしょう。 今、かつてないほどの所得格差、階層間の格差が拡大しています。構造改革によってもたらされ、その底流にこうした考えが据えられてきたのです。まずは自分でやれ、行政におぶさるな流の考えを区民に押しつけてはなりません。個人も地域も、そして行政も連携し、かかわってこそ、人としての尊厳が守られ、自立や支え合い、地域の自治がはぐくまれるのです。あくまでも区民の暮らしと権利を守る立場で区政運営をしていくべきです。見解を伺います。 次に、施設配置の基本方針案について、特にそこでの核となるゼロベースといった考え方について伺います。区は、基本構想10か年計画の中で、このゼロベースをもとに、施設の統廃合などを打ち出しています。小・中学校の統廃合計画に始まり、児童館や地域図書館の削減、果ては地域センターを廃止しての区民活動センターや、保健福祉センターをなくして総合公共サービスセンターを設置するなど、これでもかといった施設の大リストラ計画です。 どの施設も、区が長い年月の間区民とともに自治と参加を大切にしながら、福祉と教育の充実を目的に使用してきた施設です。施設が身近にあることと、職員がきちんと配置されていることで、区民の健康で文化的な暮らしを支えてきたと言えます。こうした歴史や成果を無視して、いとも簡単にゼロベースで見直すとして、区の都合でつぶしたりすることは区民無視と言えます。しかも、施設の運営については、地域での支え合いに過大な役割を求め、そのことをもって行政の直接的サービスからの撤退、縮小を論拠付けることは余りにも乱暴です。 さらに、民間活力でといって安上がりなNPOや地域団体に安易に投げ出すことは、安定性や公平性からも問題が大きいと言えます。その上、指定管理者制度を活用して利益を求める株式会社にまでゆだねるとしたら、市場原理の中で支障と困難に直面することは明らかではありませんか。施設のゼロベースといった考えで突き進むのは、長年区が区民と培ってきた自治と参加を否定するものです。見解をお聞きします。 区は職員の配置や施設の老朽化を挙げ、財政が厳しくなることを強調しています。しかし、国や都の失政と責任を問わずに、しかも、区民の暮らしと福祉を守ることを優先すべきなのに、サンプラザの取得や中野駅周辺まちづくりへの経費については惜しみもなく支出をし、また、しようとしているのでは、到底区民の納得は得られないでしょう。そのことを指摘して、次の質問に移ります。 次に、10か年計画について、具体的に幾つかの施設展開についてお聞きします。 初めに、小・中学校の統廃合についてです。基本構想10か年計画では、現在の小学校29校を21校に、中学校は14校を7校にしていくことを想定しています。そこでは、クラス定員を現行の40人学級で固定し、小学校18学級、中学校15学級を望ましい規模だと決めつけています。これは、小規模校のよさを全く無視した画一的な統廃合計画と言えます。 9月5日付の「教育だより」では、わざわざQアンドAを用いて、小規模校の問題点として、児童・生徒の暗黙の序列が生じやすく、個人に対する評価が固定し、とか、少人数の教員だから個別指導や教育相談にかける時間が減少する、また、部活動の数が減ったり学校行事にも支障を来すといったことをあげつらっています。しかし、このように小規模校への反論を試みていますが、実態とかけ離れていたり、小規模校でなくても起き得ることを言っているにすぎません。しかも、小規模校では教員が児童・生徒全員について細部にわたって把握することが可能になるなど、教育上のプラス面があるとさすがに教育委員会もそのよさを認めざるを得ないでいます。それなのに、子どもと教育の問題を施設展開の観点からしか見ていないことにはあきれてしまいます。 子どもや保護者、地域住民の合意なく、統廃合先にありきで進めるのは問題が大き過ぎます。しかも、こうした重大な計画を教育委員会の秘密会で決めていこうとするのは誤りです。こうしたやり方を改めて、区民と子どもたちの意見をきちんと聞く場を設け、区民参加での計画にしていくことを求めます。お答えください。 次に、児童館、学童クラブについて伺います。小・中学校の統廃合計画に合わせて、児童館と学童クラブを減らし、運営自体も変えようとしています。区は、児童館を現在の28館から大幅に減らそうとしています。例えば、統廃合した後、都の基準で言えば10館、中学校校区で言えば7館へと減らすことになります。地域での育ちやコミュニティを強調しながら、その地域から子どもの居場所、交流の場を奪うとは一体どういう了見なのでしょう。特色のある子ども施設や中高生対応の施設をつくると説明していますが、残した児童館に特色付けをしているだけです。何が特色なのかもさっぱりわかりません。 乳幼児親子の交流の場、子育て相談などをここで掲げていますが、現在乳幼児親子の利用で一番多いのが児童館です。こんなにも減らすことを考えていながら、交流の場、支援の場とはおかしな話です。中高生対応の施設に至っては、もっともらしく施設や事業の運営に積極的に参加し、社会性を身につけるなどと言っていますが、区の都合で勝手に青年館をつぶし、児童館や地域センター、ZERO西館などに追いやった反省もないのでしょうか。子どもたちのかけがえのない身近な居場所をなくしてはなりません。こうした計画はやめて、1学校1児童館をしっかりと守るべきです。お答えください。 学童クラブは、児童館から学校にすべて移すとしています。子どもや保護者の意見も聞かずに、乱暴にすべて学校に移すなどとはあんまりです。子どもの居場所が学校だけというのは、育ちや安全を思えばとても心配でもあります。しかも、統廃合で学校の規模を大きくしようとしているときに、学童クラブが学校で間借り生活をすることになれば、授業や行事との関係で、クラブ児童の遊びが制限されることにもなります。現に今学校内にある学童クラブでも、校庭の片隅を使ったり、体育館などは使用できません。学校優先とならざるを得ない状況です。 学校では、緊張の連続で息が抜けない子どもがいます。学童クラブに帰ってきて、緊張がほぐれる子どもがいることをどう思っているのでしょうか。行政の都合で、朝から夕方まで学校が居場所だと決められて、どうして子どもが安心して過ごすことができるでしょう。まして、子どもの育ちがいろいろと言われ、社会的問題として取りざたされているときにです。こうした計画は改めるべきです。見解を伺います。 区は、その上、これまで児童館が行ってきた遊びの機能までも学校に移すことにしています。そのことで、学童クラブの機能は弱まることが心配されています。今、自治体の財政難を背景に、学童クラブを全児童を対象に安全な遊び場を提供することを目的にした全児童対策事業や、小学校の校庭、教室などを利用する文部科学省の子どもの居場所づくりプランに統合、縮小する動きが一部に広がり、混乱をもたらしています。 世田谷区や品川区では、安心して子どもを預けられないといった声が出ています。全児童対策事業を進めることで学童保育をつぶした川崎市では、低学年と高学年が混在したことで、毎日のように事故が起きてけがが絶えず、骨折事故まで起きました。2カ月の間に60件の事故報告がされたといいます。そのため、今学童保育をつくり直しています。自治体にとって、目先の効率化を追求して学童保育をつぶしたことが、かえって財政負担を重くした典型的な事例と言えるでしょう。 区は、全児童対策事業に吸収することはしないと言います。学童クラブの独自性をきちんと守ることがいま一層必要です。また、学童クラブの運営を職員が行っていたものから、NPOなどの団体へ委託しようとしています。学童クラブは、低学年を対象にした保育の専門性が問われる仕事です。障害児もいます。人の配置などのきめ細かな対応が必要です。しかも、安上がりな委託で安定した運営などできるのでしょうか。 設置の目的に沿って、定員制で専任の複数の指導員を配置し、専用ルーム、おやつ、計画的、体系的な指導、そして、連絡帳や保護者会、個人面談、お便りなど、保護者との連絡が密にとれる手段を持ち、実行しています。これらの機能が果たされていて学童クラブと言えます。その上、安定的に継続して行うことが必要な事業です。委託でも平気と言われても、保護者の不安と心配はなくなりません。委託すべきではありません。保育園での民営化や民間委託での区の無責任なあり方を見ても、混乱は避けられないでしょう。行政責任をきちんと果たすべきです。お答えください。 次に、地域センターの廃止について伺います。区は、地域センターを廃止するとしていますが、これまで区は地域の区長室としての機能と、話し合いの場としての直接参加の住区協議会を用いて、参加の行政を展開してきました。15の地域センターがその地域地域で議論を重ね、さまざまな要求を取り上げ、その実現に力を注いできたと言えます。こうした自治と参加の位置付けと取り組みが後退させられようとしています。 区民活動センターと名称を変え、行政の窓口業務は本庁舎以外に4カ所の区民活動センターに併設することを検討しているようです。これまで区民は、身近に地域センターがあることでさまざまな申請や相談が気楽に行えました。区は住民票発行や印鑑登録、介護保険の申請などの窓口サービスの拡充を図ってもきました。区民サービスがきめ細かく行える保障であったと言えます。しかし、示された計画では、地域の身近な申請や相談窓口が姿を消すことになります。区民は極めて不便な状況に置かれることになります。 住民の自治と参加の場であった仕事も、区民活動センターとして、町会、自治会などで構成する運営協議会に委託し、管理運営を任せようと考えているようです。単なる部屋貸しに変えようというのでしょうか。ある町会の役員は、何でもかんでも地域に、町会にということに、それでは行政は一体何をやるのかと憤慨していました。一般の会員に至っては、そうした動きさえも知りません。しっかりとした合意もなく進めている証拠です。結局職員の数を減らし、地域センターの維持が難しくなることをもって、地域にその仕事と責任を肩がわりさせることが目的なのかと言わざるを得ません。地域センターは廃止すべきではありません。見解を伺います。 次に、中野駅周辺まちづくり、警察大学校等跡地利用についてお聞きします。 中野駅周辺まちづくりについての区の説明は、議会や区民の問いに対して、説明責任を果たしたなどとは全く言えない状況です。なぜ現跡地利用転換計画を捨てるのかと問えば、清掃工場建設が中止され、サンプラザ問題が新たに出てきたから見直ししていると答えるばかりで、説明にも何にもなっていません。区にはお金がないから開発者負担で整備すると言いながら、それでは何百億円かかるかわからないサンプラザ整備や交通ターミナルづくりをなぜ計画に入れているのか説明がされていません。区の財政負担が軽かった目黒区の都市計画公園づくりや、杉並区の防災公園づくりの具体例を示しながら、同じ手法をとるべきだとの議会や区民の提案にしっかり耳をかそうともしません。囲町公園まで入れてわずか1ヘクタールの公園で、震災で逃げ込んできた人々を守れるのか、科学的な説明は一切していないのです。 区民参加のことで言えば、計画づくりを新都市建設公社に丸投げし、調査検討委員会などと、あたかも住民参加があるかのように装って、最初から区が決めていた開発者負担方式を強引に押しつけたにすぎません。区の素案は、それをほとんど丸写しにしたもので、まじめに検討したそぶりさえ見せませんでした。一体どこに住民参加があるのですか。 その上に、今回重大な情報隠しが露顕しました。区民が財務省に情報公開を求め、公表された中野区と財務省との打ち合わせ記録に書かれていたことは、議会ではもちろん、区民にも発表されていないものでした。財務省の資料では、コンサルタント会社である日建設計の社員の氏名などは黒塗りでつぶしてありましたが、打ち合わせの内容はほぼ公表されていますから、国の立場で考えても隠すことはないと判断されたものでしょう。しかし、私たちから見れば、今まで委員会で質問してもとぼけて答弁しなかったもの、全く最初から報告しないものなど、隠していたとしか思えない情報がいっぱいです。日建設計が区との契約関係もないのになぜ国との重要な協議の場に参加しているのかという疑問も出ています。 財務省から、マスタープランが上位計画であり整合性はどうかとただされながら、議会にはそのやりとりは全く報告していません。この問題については、議会でも言われていることですから、隠してきたとしか思えないではありませんか。しかも、区役所の建てかえ用地の取得問題については、財務省から何度も指摘されている重大事項であるにもかかわらず、ただの1回も報告されていません。8月25日の協議では、地区計画案及び計画容積率の考え方という、委員会でも何度も質問されていることについて、財務省に説明しています。 また、囲町公園を跡地中央部に移転させることについても協議されていますが、これも議会にとって初耳です。これらは、この協議の後開かれた委員会でも一切報告されませんでした。こんなことで、一体どこに情報の共有があるのか。隠すことでもないことをどうして隠そうとするのか。この問題だけではありませんが、区長が情報公開を避ければ避けるほど、それから遠のいていくように思えるのは多くの人々の実感ではないでしょうか。 そこでお聞きしますが、今回財務省が公開した情報については、すべて報告する必要があると思いますが、いかがですか。 このような状況のもとで、多くの区民が熱望し、現跡地利用転換計画でも主要なコンセプトである最低4ヘクタール以上の防災公園を確保するためには、さまざまな補助制度を活用でき、代金の支払い期間も長い、都市再生機構が事業実施する防災公園街区整備事業の優位性がますます高まってきたと思います。区も検討を約束したのですから、実質的で正確に、かつしっかりと誠実に検討すべきです。そのためにも、11月から都市計画決定手続に入るとの現スケジュールを変更し、引き延ばすべきです。お答えください。 財務省もどの方式が区にとって有利なのか、シミュレーションで明らかにすべきだと指摘しています。当然のことながら、それらの検討結果は議会と区民に明らかにされるべきものと考えますが、いかがですか、答弁を求めます。 サンプラザの取得について伺います。区は、中野サンプラザ取得、運営に当たって、出資、運営会社と協定を結び、新会社、株式会社まちづくり中野21を設立しました。今後、雇用・能力開発機構との譲渡売買契約をしていくとしています。おおむね10年間今の形態で運営していくことになりますが、その後は再整備を行うことにしています。サンプラザの土地を取得したかったために、その理由として、民間に勝手な開発をさせないために区が関与することが必要などと言ってきました。 しかし、区役所と一体の再開発、超高層のビルが建つことになれば、民間の開発とどこが違うのか。にぎわいの心、中野の顔などと言っても、かえって民間事業者が取得した方がましといったことになりねかません。しかも、区は、将来にわたって公共公益的な活用は視野に入れていません。つまり、区が関与するのはそこまでで、区役所の跡地ともども、民間に売り飛ばす可能性が大きいと言えます。これでは、区のサンプラザ取得の目的は、民間開発事業者のために土地を用意してあげるだけかと言わざるを得ません。区民世論は、サンプラザを残して、買うべきではない、と二分していました。区のサンプラザ取得はそのどちらの声にも背を向けるものです。まして、将来に民間開発事業者の手に渡る可能性など、どれだけの区民が承知し、また納得しているのでしょう。問題が大き過ぎます。見解を伺います。 次に、次世代育成支援・地域行動計画策定に向けた取り組みについて伺います。 現在計画づくりに向けて、庁内での議論がされていると聞いています。国は、次世代育成支援推進のために、必要な予算の確保に努めるとの附帯決議がありながら、一切行っていません。子育て支援に本気で取り組むつもりがあるのか疑わしいところですが、区としてきちんと取り組むべき重要な課題であることは間違いありません。区は、昨年度、子育て支援アンケートを実施し、その調査結果をまとめたアンケート調査報告書が出されました。今後、調査報告書などをもとに、区民の参加を得ながら、中野での子育て、子育ちをしっかりと支えていく計画となるよう求め、お尋ねします。 初めに、乳幼児医療費助成について伺います。乳幼児医療費の無料化については、既に国会では全会一致で少子化対策推進決議が採択され、乳幼児医療費無料化の必要性と国の責務を決定しています。政府は、この決議の実行に責任を負わなければなりません。中野区からもあらゆる機会をとらえて国に対し制度化の実現をしっかりと求めるべきです。答弁を求めます。 区独自の取り組みも大切です。アンケート調査結果では、子育ての悩みの問いに対して、子育ての出費がかさむことが、就学前乳幼児で約49%、小学生では約50%と最も多くなっています。さらに今後の子育て支援策として進めてほしいことに、就学前乳幼児で約83%、小学生で約74%が子育て費用の助成を挙げています。区は、2002年度に、就学前までの子どもに対し、所得制限をなくし、助成の拡大を図ってきました。 今後は、小学生も対象にした医療費助成の拡大の検討を求めた昨年第4回定例会での我が党議員団の質問に対し、就学前までの乳幼児医療費助成の所得制限を撤廃したので、この周知と定着を図ることが重要と答えられました。既にその期間は十分とられたと思います。全国の自治体では、対象年齢の拡大が図られつつあります。23区でも、既に今年度から港区と北区が対象年齢を拡大し、来年1月から、品川区が始める予定にしています。新宿区においても、議会で検討する旨の答弁がされました。 2003年の医療制度の改定の中では、乳幼児3歳未満の医療費については、2割負担に引き下げられました。ゼロ歳児から2歳児までの分の区の負担が減ったわけですから、対象年齢を引き上げることも可能ではないでしょうか。策定中の基本構想10か年計画では、子育て負担の軽減として、この事業の推進に触れています。小学校児童への対象年齢の拡大を強く求めます。お答えください。 次に、乳幼児の入院時の食事療養費負担への助成、いわゆる入院給食の助成について伺います。既に23区では、13区が実施しています。中野区に隣接する練馬、新宿、渋谷、豊島区でも実施され、区民に喜ばれています。 これまで区は、行わない理由として、食事代については、入院か否かにかかわらず必要なものだから、個人負担が原則だとしてきました。しかし、それは違います。本来的には、入院治療の一環としての食事です。ですから、食事療養費としているのではありませんか。食べたいものを食べられるといった話ではないのです。病気や病状によって、食事に対する指導があります。すべての入院患者さんに対して、とった食事の種類や量などをカルテに記載し、きちんと把握しているのです。そして、子育て負担の軽減を図る上でも必要なことです。実施すべきではありませんか、お答えください。 次に、保育料の値上げについて伺います。本定例会で保育料の改定を行う予定にしています。その理由の一つに、中野区の保育料は23区中最低のレベルになっていることを挙げています。しかし、今子育ての出費がかさむという保護者の声が多いときに、保育料が最低のレベルなどと嘆く必要はないでしょう。保育料は階層別で金額が定められていますが、それでも少子化に拍車がかかるのではと心配されています。 二つ目の理由に、保育サービスを提供するには相当額のコストがかかっていることを挙げています。あたかも保育料を上げなければ保育サービスが安定的に行えないかのような理屈です。しかも、一方で、効率化の名で、合意もなく民営化、民間委託を進めているのでは不見識と言わざるを得ません。 三つ目に、認証保育所など、利用料が認可保育所より高く、同様の保育サービスを提供している保育施設を利用している保護者との利用負担の不公平感の是正を図ることを挙げています。そもそもどうして施設配置も職員体制も違うのに、同様のサービスだと言えるのでしょう。ここに区が言う保育サービスの考えが透けて見えます。 そこで伺います。一つは、安定した保育サービスを行うことは実施責任のある行政が担っているものです。それを保護者、区民に転嫁するような理由はおかしいと思いますが、いかがですか。しかも、国や東京都の相次ぐ保育にかかる補助金の切り捨てに対しては何も触れられていません。どのように考えているのか、あわせてお聞きします。 二つ目に、東京都の認証保育所実態調査結果が7月末に公表されましたが、それによると、利用者の半数が保育料が高いことを不満に挙げています。さらに、充実してほしいことについては、保育料の値下げが76.4%と最も多くなっています。区のアンケート調査結果からも、認証保育所を初め認可外保育施設に現在預けている方の今後の意向として、約50%の方が認可保育所に預けたいと回答しています。利用負担の不公平感を言うのであれば、保育料の高い認証保育所の保育料の是正こそ東京都に求め、区としても認可保育園の拡充を図るべきです。事の解決の方向が逆さまだと思いますが、いかがですか、お聞きします。 次に、野方駅の改善について伺います。 初めに、北口開設調査について伺います。今年度の予算で北口開設に向けた調査費がつきました。地元では大変歓迎されています。既に設計会社に調査を委託したと伺っていますが、現在の進捗状況についてお聞かせください。 8月、9月と、野方駅で人身事故が続きました。大変痛ましい事故であったわけですが、原因にかかわらずこうした事故が発生すると、あかずの踏切解消と駅の改善の問題がちまたでは話題となりました。一日も早い設置を望みたいと思いますが、検討状況を地元の住民や団体にはいつごろ、どのように示すのか、お聞きします。 野方駅のバリアフリー化についてです。先般区議会で、地元の町会や利用者の会が求めていたエレベーター、エスカレーター等のバリアフリー化の陳情が全会一致で採択されました。実現については、北口開設の計画とあわせてというお話でしたが、地元では、北口開設調査費がついたことで、バリアフリーはどうするのかという声がとても大きくなっています。中野区福祉団体連合会の来年度要望でも、これまでの1団体から数団体が文書で要望を挙げています。現在どういった検討状況にあるのかお尋ねします。 以上で私のすべての質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(山崎芳夫) この際、申し上げます。 議事の都合上、会議時間を延長いたします。
〔区長田中大輔登壇〕 ○区長(田中大輔) 長沢議員の質問にお答えをいたします。 三位一体の改革は、地方分権改革の一環として、国庫補助負担金の見直し、また、地方交付税の見直し、そして、国から地方への税源移譲ということを行って、地方自治体の自主性の向上を目指すものであります。これらの影響は、まだ十分明らかではありませんが、区としては、国や都の動向を見据えながら、持続可能な区政運営の実現に向けて改革を推進していかなければならないと考えております。 国、地方を通じて、歳出超過の財政構造を改善することなく改革を進めることは困難であります。それぞれが安定した財政基盤を確立し、必要なサービスを確保するよう努力していく必要があるというふうに考えております。 都の制度改正や補助金の見直し等については、都の果たすべき役割という観点から、区とも十分な協議を行うよう強く要望をしていきたい、そのように考えています。 出勤簿の偽装事件についてであります。このたびの事件について、この場をかりて、区民の皆様に区政運営に関し不安を与えたことについておわびを申し上げるところです。 処分の適用については、出勤簿の不適正処理の原因、結果、職員の職責、社会的影響など、総合的に判断をしたものであり、適正なものと考えています。 事件の内容については、6月8日の庁議で報告をし、庁議報告としてその内容を中野区ホームページに掲載をするほか、区議会の総務委員会でも報告をしているとおりであります。また、区民の皆様からいただいた多くの御意見にも、その都度対応させていただいているところでありまして、区長として説明責任を果たしていると考えています。 それから、秘密とされるべき情報の外部への漏洩に関しての職員の告発の問題についてであります。現実に明白な違法行為が行われたこと、このことによって、区が本来秘密とするべき情報が外部に漏洩をし、区の業務執行に重大な支障が生じ、結果的に区の信頼が損なわれることになった。このことのため、告発を行ったものであります。告発を取り下げる考えはありません。 自己決定、自己責任といったことについての御質問であります。自己決定、自己責任は、主体性と自立性を重んじる考えであって、補完性の原理は、人間の尊厳を個人の意思の尊重と自立に求めた上で、問題は、当事者にとってより身近なところで、自分の意思により近い形で解決されなければならないとする考え方であります。区民一人ひとりの意思の尊重と自立を進めるためには、公共が必要な支援を確保していくことを前提とするものでありまして、行政の責任を放棄するものではありません。 それから、施設配置の見直しについてであります。現在の区の施設のすべてを多くの財源と職員を投入して今後も維持し続けることはできない状況にあります。一方で、今の施設は、ライフスタイルの変化、あるいは少子・高齢化の進展などによります区民のニーズの変化に対応し切れていない、そうした状況もあります。施設運営の手法やサービス提供方法など、選択の幅が広がっている現在、真に必要とされるサービスを見きわめ、それを区民に提供していくためにどのような方法がよいかといったことを考えるため、ゼロベースの視点に立った検討を進めているところであります。 児童館の問題であります。児童館の機能をさまざまな形で分化、発展させていこうという考え方であります。この計画は、各年齢層それぞれのニーズに適切にこたえるため、子どもの居場所を分化、発展させようというものであります。事業内容としては、学校や地域と連携して子どもの問題に積極的に取り組んでいく、そうしたことのほか、乳幼児親子への対応として、さまざまな機能を充実させること、また、中高生対応の施設を整備することなどを考えているところであります。このように児童館機能を新たな形に変化させることによって、地域との連携を一層深めた事業展開が可能となる子ども施設へと発展させていきたい、そう考えています。 学童クラブを学校の中に設置をするということについてであります。小学校に学童クラブを導入することについては、教育委員会と協議をしながら進めているところでありまして、放課後の過ごし方についても、子どもにとって最も望ましい姿で実現できると考えています。学校内に学童クラブを入れることによって、小学生が放課後も校庭や体育館を使い安心して伸び伸びと過ごすことができる、そう思っています。また、学校内で学童クラブを利用できるため、安全面からのメリットもあると考えています。 また、児童館の遊び場機能が学校に入ってくることによって、学童クラブの子どもたちとその他の子どもたちとの交流、連携が日常的に行われ、地域の人たちも加わった学校を中心とした地域の健全育成の拠点となっていくというふうに考えているところであります。 学童クラブを民間に委託をするといったようなことについてという質問がありました。学童クラブの運営についても、区の基本的なスタンスとしては、区の行うサービスのうち、効率性や質の面から、民間で提供できるものについては民間にゆだねる、この方向を原則としたいと考えているところです。学童クラブは、もともと民間団体の自主的な活動から発展してきたという経緯もあって、民間活力の活用には十分なじむ事業であるというふうに考えています。 仮に制度的にきちんとしたものを担保した上で民間の力を利用するとすれば、例えば保育時間の延長でありますとか、夏休み中の給食の提供など、利用者ニーズを踏まえたより柔軟なサービスも期待できるのではないか、そのように考えているところです。 それから、区民活動センターに関連する御質問です。(仮称)区民活動センターは、地域の人々が集い、自主的、主体的な活動を行う拠点として位置付けているところです。地域で運営をしながら、地域の人々がさまざまな事業を実施する場として活用されることを期待をしているところです。 地域センターの窓口については、集約し、効率性を高めていきたい、そう思っています。また、コンビニや郵送サービス、あるいは電子申請といったさまざまなサービスの拡充といったようなことも考えていきたいと思っています。 福祉関係の窓口業務については、在宅介護支援センターを整備するなど、これまでも対応してきているところですけれども、今後、(仮称)総合公共サービスセンターにおいて、総合的に保健福祉の相談、申請に応じられるよう、地域の中で保健福祉のサービスが総合的に取り組めるよう体制をつくっていきたい、そのように考えているところであります。 サンプラザについて、中野区のにぎわいと活性化のためには、中野サンプラザは不可欠な立地にあり、その再整備内容については、中野駅周辺全体のまちづくりと整合を図りながら進めるべきと考えております。そうしたことが可能になるように、区が適切に関与していく必要があると考えています。サンプラザの運営の実績を踏まえ、その後の再整備によって、駅周辺全体のまちづくりに寄与するものというふうに期待をしているところです。まちづくりにあっては、適切な都市計画のもと、秩序ある民間の活動が誘導されることも地域の活性化という観点から欠かせないと考えています。 私からは以上であります。 〔教育長沼口昌弘登壇〕 ○教育長(沼口昌弘) 学校再編についてお答え申し上げます。 この学校は、集団での活動を通じて社会の中で生きる力を身につけていく、そういう場だと思っております。学校で学習や行事などの集団活動が活発に行われて、子ども同士の触れ合いや友人関係が広がっていくことが大切だと思います。このためにも、適正な学校規模を目指し、教員数の確保なども図っていく必要があると思います。 教育委員会での再編についての論議は非公開で行っておりますが、これは、いろいろな学校名が挙げられて議論されるので、不確定な校名が出ることによる区民への影響を避けるとともに、公正な協議を確保するという観点からの対応でございます。 今後、教育委員会としての案をお示しすることになると思いますけれども、その場合は、区民に説明し、幅広く意見交換をしてまいりたい、そのように考えております。
〔都市整備部長石井正行登壇〕 ○都市整備部長(石井正行) 私から、警察大学校等跡地につきましての御質問にお答えをさせていただきます。 まず、財務省のメモでございますが、これにつきましては、財務省の認識をあらわすメモでございまして、区が関与したり責任を負えるものではないというふうに考えております。 財務省との打ち合わせメモのうち、御指摘の内容についてでございますが、まず、都市計画マスタープランとの整合性についてでございます。これにつきましては、特別委員会においても議論されているところでございます。また、区役所の建てかえにつきましても、移転の可能性をまちづくりの考え方においてお示しをしているところでございます。
それから、8月25日の協議におきます地区計画案、それから、計画容積率の考え方でございますが、これにつきましては、一般論といたしまして、新都市建設公社の方から財務省にお示しをしたという内容でございます。 他の事項につきましても、区としての決定事項として財務省と協議をしたというものではなくて、例えば一つの選択肢として、実現化が可能かどうか協議をしたものでございます。さまざまな可能性について、その都度それらをすべて公開するということは、協議を進める上でも適切でないというふうに考えてございます。 なお、必要な検討事項につきましては、区といたしまして整理を行った上で、議会に責任を持って報告をしてきているところでもございますし、今後もきちんと報告をしてまいりたいというふうに考えてございます。 次に、防災公園街区整備事業の導入という御提案がございました。中野区が警察大学校等跡地内に土地を取得をして公園を整備するという、この整備することに当たって、事業手法の一つとして、防災公園街区整備事業があるというふうに認識をしております。そこで、現在検討を行っているところでございまして、スケジュールを変更する予定はございません。 その次に、どのような手法が区にとって有利なのか、シミュレーションで明らかにして、その結果を議会と区民に公開すべきであるというお考えでございますが、事業手法などにつきましては、現在検討を行っている段階でございます。検討結果につきましては、公開をしてまいりたいというふうに考えております。 最後、野方駅の改善でございます。 野方駅北口開設とバリアフリー化に関しましては、本年7月に調査委託を発注をしてございます。現在、鋭意その調査を進めているという状況でございまして、地元などへの情報提供につきましては、検討結果を踏まえまして、めどが立った時点できちんとお示しをしてまいりたいというふうに考えてございます。 以上でございます。 〔子ども家庭部長柳澤一平登壇〕 ○子ども家庭部長(柳澤一平) 次世代育成支援、地域行動計画策定に関係いたしまして何点かお答えを申し上げます。 まず、乳幼児医療費の無料化について、国に対し制度の実現を求めるべきであるという御主張でございました。国における乳幼児医療費助成制度の創設につきましては、特別区長会を通して要望してきた経緯があるところでございます。 次です。医療費無料化対象の小学校児童までの拡大を求めるということでございました。医療費助成の対象年齢拡大につきましては、直ちに取り入れる考えはございませんが、今後、子育て支援策全体の中で検討していきたいというふうに考えております。 3番目に、乳幼児の入院時の食事費用の負担助成でございます。食費は入院、在宅ともに共通する経費でございまして、平均的な家計における食費を勘案した額の負担を求めることは、在宅との費用負担の公平化を図るものでございまして、入院時の食事療養費負担への助成を実施する考えはございません。 次に、保育料の値上げに関しましての御質問でございました。多様な区民ニーズに対応するため、保育サービスの拡充を図ってきておりまして、そのために相当なコストがかかっているところでございます。保育の実施につきまして、保護者にも適正な負担を求める必要があると考えてございます。 国等の保育にかかる運営費については、三位一体改革の中で一般財源化されたわけでございまして、これに伴いまして、都の負担金も廃止をされましたが、これにつきましては、都の役割について今後も十分協議していきたいというふうに考えております。 それから、もう一つでございますが、認証保育所の保育料についての御質問でございました。認証保育所は、大都市の特性に配慮した都独自の基準による保育所でございまして、大都市特有の多様化している保育ニーズに柔軟に対応するものでございます。それぞれの保育サービスに応じた保護者の負担は必要と考えているところでございますが、認可外保育施設の補助制度創設など、保育制度全体の充実について、特別区長会として国に予算要望を行っているところでございます。 以上でございます。 ○議長(山崎芳夫) 以上で長沢和彦議員の質問は終わります。
中野区議会議員 吉 原 宏 1 大学と提携した行政研究所設立に向けて 2 消防団訓練施設について 3 ニセ転出届問題について 4 多発している一連の詐欺事件について 5 都市防災のあり方について ○議長(山崎芳夫) 次に、吉原宏議員。 〔吉原宏議員登壇〕 ○13番(吉原宏) TOKYO自民党中野区議団の立場から一般質問を行います。 1項目めが、大学と提携した行政研究所設立に向けてであります。 三鷹市には、三鷹市まちづくり研究所というものが設立されております。これは、三鷹市が昭和63年2月に、国際基督教大学と共同で設置した、三鷹市まちづくり研究会がその前身であり、その設置以後、ほぼ2年ごとにまちづくりに関する報告書を出版し、その成果を世に問いかけてきたものであります。平成7年から、任意法人であった三鷹市まちづくり公社に移管され、名称も三鷹市まちづくり研究所と改められ、国際基督教大学との共同研究以外の研究プロジェクトも開始して現在に至っているわけであります。 具体的にどういうものであるかというと、市民、起業家、大学、研究機関、行政が共同して調査、研究する組織であり、テーマごとに分科会を設置して、市の基本構想・基本計画策定、また、その仕組みづくりのための分科会もあるようであります。以上、概略をどのようなものであるか説明いたしましたが、中野区は中野駅周辺まちづくりに関して、大学の誘致の話を進めているとのことであります。中野区も国際基督教大学のような最高学府と提携して研究機関を立ち上げ、区の将来像を理論的に構築していくことが必要であると考えます。この三鷹市まちづくり研究所が、結果として三鷹市の行財政健全化にも多大な成果をあげたとも聞き及んでおります。区の大学誘致の話がどこまで進んでいるのか、その進捗状況を説明してください。 中野区も、三鷹市のように大学と提携して、行財政健全化をターゲットとした行政研究所を創設することが区にとって将来有益ではないかと考えられますが、その所見を伺いまして、この項の質問を終わります。 次に、2項目め、消防団訓練施設についてであります。 この質問に関しましては、先ほど高倉議員も質問されましたが、いろいろな兼ね合いもありますので、当初の予定どおり質問をさせていただきます。 平成16年7月30日付で、三村中野消防団長と田中野方消防団長の両名により、警察大学校跡地の(仮称)防災公園内に消防団訓練施設の確保を願う要望書が中野区議会議長及び中野区議会各会派代表に提出をされております。その内容は、先般の区長、消防団懇談会の席上で、警察大学校跡地の防災公園(仮称)内に、消防団の訓練場の確保等について、下記により要望しました。両消防団は、ポンプ操法の訓練場所がないため、区内の道路や歩道を利用して訓練を実施している状況で、夜間の騒音、通行人の事故防止に苦慮している状況であります。このような状況下、防災公園の建設にあたり、消防団訓練施設の設置要望に対し御支援を賜りますようにお願いいたしますとのことであります。具体的には、基本操法、放水訓練、2隊同時に訓練のできる約100メートルから150メートル、幅20メートルの直線舗装道路の設置、訓練用格納庫の設置、訓練用水利施設の設置などであります。 私自身も中野消防団第2分団に所属いたしております。私たちは、ポンプ操法大会の約1カ月前より操法訓練を行うわけでありますが、私たちの訓練場所は本町五丁目のNTT社宅と区立第二中学校の間の道路であり、訓練時間が平日はどうしても夜間になるわけであります。そうしますと、本番を想定した指揮者の発声練習、ポンプ及び投光機のエンジン音がどうしても出ますので、騒音としての苦情を申し出られる方々がいまだに後を絶ちません。また、隣の第3分団では、訓練場所が本町六丁目の杉山公園と中野通りの間の歩道であり、通常の時間帯では人通りがどうしても多いところであることから、訓練の時間帯が人通りの少ない早朝か深夜にならざるを得ない状況であります。 このように中野・野方両消防団関係者は、消防操法訓練に際し、全ての分団で多かれ少なかれ苦労しているわけでありまして、今回の要望は、中野・野方両消防団関係者全員による長年の悲願であります。過日の中野駅周辺・警察大学校等跡地整備特別委員会でも、この要望書の件で質疑応答があり、実現可能との答弁がなされております。そこで、訓練施設設置に至るまでの期間、及びどのような整備になるのかを具体的にわかりやすく説明をしてください。 また、格納庫を確保することに関しても、区で格納庫を借り上げる方法や区有地を提供する方法など、いろいろなやり方を模索してもらいますよう重ねて要望いたしまして、この項の質問を終わります。 次に、3項目めです。ニセ転出届問題についてであります。 過日、7月29日の読売新聞朝刊などの新聞報道によりますと、ある都立高校の卒業生名簿が悪用され、中野区、杉並区、武蔵野市などで第三者によるニセの転出届が相次いで出されるという事件が起きております。この報道では、中野区、杉並区、武蔵野市で約20件のニセ転出届が確認されているということですが、ある区役所・市役所で転出届が出されれば、当然、次には別の区役所・市役所に転入届が出されるわけですから、かなりの区や市町村にこの事件が広がっていると思われます。 ちなみに、私の2人の知人のそれぞれのお子さんが今回の事件の被害者でありました。通常なら必ず送付されてくるはずの、本年7月11日執行の参議院議員選挙の入場券が今回は送られてこなかったそうであります。また、中野区から川崎市にニセ転出届を出した犯人が逮捕されたとの報道もありましたが、この事件は現在どのような状況なのかお伺いいたします。わかる範囲でお答えください。 では、何のためにニセの転出届や転入届が出されるのか。私の聞いているところでは、まず、転出届を出して、そこで転出証明書をもらってから、別の区や市に行って転入届を出す。そして、転入と同時に国民健康保険証を発行してもらい、それを消費者金融、いわゆるサラ金に持っていってお金を借りるということです。しかも、幾つかのサラ金から借りまくるということだそうです。私の知人のお子さんの友人は、この方法でサラ金より130万円引き出されたそうであります。 このようなことがなぜ可能となるのか。中野区だけではありませんが、転出・転入の際の区役所・市役所の本人確認が甘いからではないかという指摘もあります。確かに今回のケースでは、いずれの区や市でも、キャッシュカードの提示だけで本人確認が行われたようですが、本人確認の方法としてこれは不十分ではないかという感じもいたします。お考えをお聞かせください。 次に、転出の際の国民健康保険証の交付についての質問をいたします。いわゆる国保証でサラ金からお金を借りるということですから、転出先の国保証の発行が甘いということも考えられます。新聞報道によりますと、ほとんどの区役所や市役所では、転入と同時に国民健康保険証が交付されているということです。確かに窓口では、保険証はすぐに欲しいと言われ、また、本人確認を厳しくすれば、自分を信用しないのかと言われるでしょうが、自分を証明するものを持たない人については、何らかの方法で国保証の発行を厳しくすることは考えられないでしょうか、お考えをお聞かせください。 また、本年9月16日付の読売新聞朝刊によりますと、大阪府堺市の南大阪信用金庫の165人分の顧客名簿が昨年10月に盗まれ、うち堺市の6人の住民票が本人の知らない間に市外に転出させられていたということが報道されておりました。市から告発を受けた大阪府警は、住民票を不正に異動させたとして、20代から40代の男4人を電磁的公正証書原本不実記録などの疑いで逮捕、ほかにも共犯がいると見ております。府警は、男らが名簿の人物に成り済ますなどして住民票を不正に取得し、パスポートやクレジットカードを作成して、サラ金からお金を借りたり、買い物に悪用したりしていた疑いがあるとしております。こうなりますと、新手の詐欺事件として全国的に広がっていく可能性も否定できません。 いずれにいたしましても、ニセの転出届や転入届は犯罪であります。窓口の対応だけで全て問題が解決されるわけではありません。警察と連携して、犯人に対して厳しい姿勢を示すことがまず一番大切だと思います。そのことがこうした事件を防ぐことになると申し上げまして、この項の質問を終わります。 次に、4項目めです。多発している一連の詐欺事件についてであります。 最近、本当に人の善意を逆手にとるような、人の心のすき間を突くような悪質な詐欺事件が多発しております。参考までに、東京都内で先月1ヶ月間に報告されたおれおれ詐欺の被害は、半年前の4倍以上に当たる241件、被害額5億5,100万円に上ったことが警視庁のまとめでわかりました。最近は、孫や子どもだけでなく、複数の犯人が役割分担して、警察官や保険会社社員、弁護士、自動車修理業者、友人を演じる劇団型の手口が横行しており、被害者の低年齢化、被害の高額化も進んでいるとのことです。 また、不当請求事件も多発しております。過日、区民委員会で消費生活相談員の方々の仕事を視察してまいりました。大変な御苦労をなさっておられます。実は、1週間前、私の携帯電話にも、明らかに不当請求を目的としたと想定される電話がかかってまいりました。その内容は、相手の携帯電話番号が私の携帯電話にはっきり表示され、非通知設定ではないのが手口のようです。身に覚えのない携帯電話番号なのですが、だれかと思い電話に出てみますと、若い男の声で、管理センターですと答えました。私が、何の管理センターですかと答えると、はっきり説明しないで、次に言った内容が、あなたの携帯電話から発信された電話があるサイトにつながり、女性のガイダンスが流れてどうのこうのというものでありました。私はその瞬間、これが今多発している不当請求電話だと思い、私はそんなことをした覚えは一切ないとはっきり言って、電話を切りました。それ以来、電話はかかってきませんでした。 私は今回のこの件でつくづく思いましたことは、不当請求というものが全く他人事ではなく、いつ、どこで自分の身に降りかかってくるかわからない時代になったということであります。また、相手の巧妙な話術から、例えば、10人が電話をかけられたら、そのうち2、3人は最後まで相手の話を聞いてしまうのではないかということが危惧されました。 中野区民の皆さんは、そのような電話がかかってきたら、身に覚えがあろうがなかろうがに関わらず、一切身に覚えがない。そんなことはしていないとはっきり言って電話を切ることが大切だと思います。以後、このような手口がますますエスカレートしていく可能性がありますが、区の所見と対策は、また、消費者センターの対応はどうかの説明を求めまして、この項の質問を終わります。 5項目めです。都市防災のあり方についてであります。 中野駅周辺・警察大学校等跡地整備特別委員会では、提出された陳情もある関係で、防災スペースについて、集中型がよいか、分散型がよいか、数多く議論されております。将来の区民の生命に直接影響を及ぼす案件でありますから、当然の議論だと思います。そこで、これからの都市防災はどうあるべきか、また、一人でも多くの生命を救うためには何が必要なのかという点で、非常に参考にすべき資料で、後世にその教訓を生かす意味合いから、阪神・淡路大震災教訓情報資料集というものが編集されております。かなりの膨大な記録でありまして、広くインターネットにも公開されております。地震の発生から第2次災害、第3次災害等被害状況、そして、対応、事後処理まで克明に記録され、5年間かけてまとめ上げられたものであります。平成11年の編集完成時点で、教訓情報分析活用調査委員長の言葉が、阪神・淡路大震災により幾多の困難に直面し、それを乗り越えてこられた方々に対し、改めて敬意を表させていただくとともに、この被災経験を何らかの形で後世の地震対策に生かしてまいりたいと考えるのは私1人ではないと思いますとあり、また、編集完成当時の国土庁防災局長の言葉が、時間の経過とともに、国民の中にこの大震災の体験や教訓が風化してきていることもまた事実です。官民を問わず、この大震災の教訓を次世代に伝えるとともに、いま一度震災対策全般にわたり見直してみることも大切なことであるとあります。 この記録をよく見ますと、第2次災害、被害拡大防止の項目のところに、牧の台小学校に数千人の住民が避難し、大パニックになったと記録されております。このことから、後世への教訓と考えられることは、一つの避難スペースに数千人が移動、または殺到すると大パニックになるということであり、この点から、数千人規模以上の防災スペースは望ましいとは言えないことが示唆されております。 次に、延焼阻止、焼け止まり要因として、公園や緑も報告されておりますが、延焼速度が遅かった原因として、風速が小さかったことに次いで、耐火造・防火造建物の混在が挙げられております。 さらに特筆すべきは、市街地火災の焼け止まり線が道路や列状の耐火造建物群、ポケットパークや駐車場などの小規模な空き地と隣接する耐火造との組み合わせにより、有効な延焼阻止の役割が果たされて焼け止まった事例が数多くあったとする報告が記録されている点であります。震災時に最も危険視しなくてはいけないことは、最初の揺れよりも、それによって起こる不規則多数の可燃ガスの噴出によって引火を伴う第2次、第3次災害となるガス爆発であります。 以上のことなどから考えられることは、延焼を遮断するものが全くない防災スペースとなりますと、スペースが広ければ広いほど、そこに避難する区民が多ければ多いほど、地面の下に網の目のようにガス管が網羅されている都市部においては、そこに避難する区民の全ての生命に影響を与える大惨事につながる危険性が極めて大であると判断せざるを得ません。 中野区は、中野駅周辺の都市防災をどのように考えているのか。また、有事のときに一人でも多くの区民を救うためには、列状の耐火造建物群や道路により小刻みに防災スペースを設置し、延焼遮断帯を敷設していくことが必要であると考えますが、区の所見はどうか。阪神・淡路大震災の教訓をどのようにとらえているのかを答えてください。第2次、第3次災害発生時には、その隣のブロックに避難している区民の生命には絶対影響を与えないようにすることが、一人でも多くの区民の生命を守ることにつながると考えます。 最後に、阪神・淡路大震災で亡くなられた大勢の方々の御冥福を改めて心からお祈りいたしまして、全ての質問を終了いたします。どうもありがとうございました。
〔区長田中大輔登壇〕 ○区長(田中大輔) 吉原議員の質問にお答えします。 大学と連携した行政研究所の設立という御質問であります。 まず、中野駅周辺に大学誘致の話が進んでいるのかということですが、まちづくりの考え方において、お示しをしましたように、警察大学校跡地内の西側の一部へ、大学等教育機関の導入について現在は検討しているという段階であります。 区内に大学があるということは、区民の学ぶ機会が増えたり、産・学・官の連携によって区内の産業振興に資するなど、有意義だというふうに考えているところであります。また、三鷹市の例のように、さまざまな市民の活動、行政の活動と連携することによって、大学が新しい価値を地域の中で生み出してくれるといったようなことも期待できるというふうに考えております。どこの大学が来るかということがまだわからない段階でありますので、大学の研究領域ですとか実績等によっては、区の行財政への提言とか、また区民のさまざまな活動への関わりといったようなことについても期待をしていきたいというふうに考えているところであります。 それから、消防団の訓練施設についてであります。 吉原議員を始め、消防団に参加をされている区民の皆さんは、生業を持つ傍ら、区民の安全、まちの防災のために献身的に努力をされているところでありまして、常に敬意を表したいというふうに思っているところでございます。 そうした意味で、この訓練施設の設置について御要望をいただいたということについては、私としても重く受けとめているところであります。高倉議員の御質問にもお答えしましたように、さまざまな利用が想定される警大跡地の土地利用でありますが、このことについて、事業スケジュールが具体化する中で、どういうふうに可能にしていくのかということについて明らかにしていきたいというふうに思っております。 それから、ニセ転出届問題であります。 ある都立高校の卒業生にからむ第三者による虚偽の転出届。これについては、中野区では、今年の3月から7月の上旬にかけて10件ほど確認をしているところです。このうち、中野区から川崎市へ虚偽の転出入届を出した犯人については逮捕されております。中野区の告発に基づいて起訴されているところでありまして、警察は、今回の一連の事件は複数犯によるものというふうに判断しているところでして、引き続き捜査中であるというふうに聞いております。なお、7月中旬以降は、虚偽の届出は出されていないということでありまして、事件の拡大は現在のところは止まっている状況ということであります。 今回の事件では、犯人がいずれの区、市においても、キャッシュカードの提示だけで転出入の届出を受理している。このことを熟知して犯行に及んでいたものです。犯行の状況がわかった時点で、直ちに本人確認の方法を改めたところです。現在は、窓口で口頭によって聴聞、聞き取りを行うなど、本人確認の方法の厳格化を進めているところであります。 また、今回の事件では、犯人が転入届と同時に、国民健康保険証を入手し、消費者金融からお金を借りるというケースも、御指摘がありましたように、確認をされています。このため、現在は十分な本人確認ができない場合には、自宅に国保証を郵送するなどの対応を進めているところです。 各種の届出の際の本人確認方法は、中野区に限らず、いずれの区市町村でも課題となっているところでありまして、今後とも連携を図りながら対応してまいりたいというふうに思っています。 それから、おれおれ詐欺、不正請求であります。 区の消費者センターに寄せられた消費者相談の件数は、平成15年度には3,370件に上って、前年度に比べて約1.5倍という形で急増をしております。これは、携帯電話のメールなどによる架空請求の激増によるところでありまして、この相談の大半を占めているところです。また、未成年者の相談も倍増をしているというところです。なお、手口も巧妙になってきたという印象を受けております。 区としては、消費者センターで区民からの相談に応じるほか、被害の未然防止のために、高齢者福祉センターなどへの出張啓発や、チラシ、区報によって、具体的な事例を区民に情報提供し、注意を呼びかける取り組みを行っているところであります。また、未成年者の被害も増えているということでありまして、若年層への啓発に力を入れ、区内の高校等に出向いて啓発指導も行いました。今後とも、警察と連携、調整を図って、こうした取り組みを充実させていきたいというふうに思っております。 おれおれ詐欺につきましては、中野区内に養成施設を設けていたという大変けしからん事件がございまして、区としても、不名誉なことで名前が出てしまったというふうに認識をしているところであります。区としても、取り組みを充実させていきたいと考えております。 都市防災のあり方についてということです。 耐火建築物や道路などの組み合わせによります延焼遮断帯が市街地における大規模な火災の拡大を防止するということについては十分認識をしているところです。中野区のまちづくりにおいても、これが重要な考え方の一つだというふうに考えております。また、単に大きな広場だけがあれば、周辺から安全に避難できるわけではないということでありまして、まとまった耐火建築物や道路、オープンスペースの適切な組み合わせによって、まちの安全性を高めていきたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(山崎芳夫) 以上で吉原宏議員の質問は終わります。 お諮りいたします。 議事の都合により、本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(山崎芳夫) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。 次の会議は、明日午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。 本日はこれをもって延会いたします。 午後5時17分散会
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