平成16年09月22日中野区議会本会議(第3回定例会)
平成16年09月22日中野区議会本会議(第3回定例会)の会議録
平成16年第3回定例会本会議第2日(9月22日) 1.平成16年(2004年)9月22日、中野区議会議事堂において開会された。
1.出席議員(42名)
  1番  いでい   良  輔     2番  伊  東   しんじ
  3番  佐  野   れいじ     4番  北  原  奉  昭
  5番  久  保  り  か     6番  酒  井   たくや
  7番  奥  田   けんじ     8番  近  藤   さえ子
  9番  小  堤     勇    10番  大  内   しんご
 11番  伊  藤  正  信    12番  きたごう  秀  文
 13番  吉  原     宏    14番  高  倉  良  生
 15番  やながわ  妙  子    16番  平  島  好  人
 17番  むとう   有  子    18番  はっとり  幸  子
 19番  長  沢  和  彦    20番  か  せ  次  郎
 21番  山  崎  芳  夫    22番  小  串  まさのり
 23番  高  橋   ちあき    24番  市  川   みのる
 25番  岡  本   いさお    26番  こしみず  敏  明
 27番  飯  島  きんいち    28番  佐  伯  利  昭
 29番  佐  藤   ひろこ    30番  来  住  和  行
 31番  岩  永   しほ子    32番  若  林  ふくぞう
 33番  篠     国  昭    34番  伊  藤  岩  男
 35番  斉  藤  金  造    36番  大  泉  正  勝
 37番  斉  藤  高  輝    38番  江  口   済三郎
 39番  藤  本  やすたみ    40番  昆      まさ子
 41番  江  田   とおる    42番  池  田  一  雄
1.欠席議員
      な  し
1.出席説明員
  中 野 区 長  田 中 大 輔      助     役  内 田 司 郎
  収入役      山 岸 隆 一      教育長      沼 口 昌 弘
  総務部長     石 神 正 義      区長室長     田 辺 裕 子
  教育委員会事務局次長 金 野  晃     子ども家庭部長  柳 澤 一 平
  区民生活部長   本 橋 一 夫      都市整備部長   石 井 正 行
  まちづくり総合調整担当部長 那須井 幸一  保健福祉部長   菅 野 泰 一
  保健所長     清 水 裕 幸      総務部担当参事  橋 本 美 文
  政策計画担当課長 鈴 木 由美子
本会の書記は下記のとおりである。
  事 務 局 長  正 木 洋 介      事務局次長    飯 塚 太 郎
  議事調査担当係長 大 谷 良 二      書     記  黒 田 佳代子
  書     記  巣 山 和 孝      書     記  永 田 純 一
  書     記  荒 井   勉      書     記  廣 地   毅
  書     記  西 田   健      書     記  岩 浅 英 樹
  書     記  鳥 居   誠      書     記  杉 本 兼太郎
  書     記  松 本 桂 治      書     記  吉 田 哲 郎

 議事日程(平成16年(2004年)9月22日午後1時開議)
日程第1
 認定第1号 平成15年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について

      午後1時00分開議
○議長(山崎芳夫) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。
 本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。
 昨日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。

 中野区議会議員 佐 伯 利 昭
 1 幹部職員による職員カードの不適性な打刻と休暇休職制度について
 2 いわゆる「ポイ捨て防止条例」を発展させた快適なまちづくり条例について
 3 教育問題について
  (1)公立学校の適正配置について
  (2)上野原スポーツ・学習施設用地の今後について
  (3)軽井沢少年自然の家の今後について
  (4)部活動や青少年のスポーツの振興について
 4 建設工事等における見積りと入札情報の公開について
 5 その他

○議長(山崎芳夫) 最初に、佐伯利昭議員。
      〔佐伯利昭議員登壇〕
28番(佐伯利昭) 2004年(平成16年)第3回定例会に当たり、民主クラブを代表して一般質問を行います。
 まず、幹部職員による不適正なタイムレコーダーに対する打刻と欠勤処理について伺います。
 私は、平成13年の決算特別委員会において、当時は出勤をしたときに出勤簿に印鑑を押すという方式でしたが、毎月28日ころになると、出勤簿のまだ出勤をしていない月末までの分を押印し、職員課にその出勤簿が引き上げられていることについて質問しました。これに対し区側は、そういう事実があることを否定はしなかったものの、これは極めてレアケースであり、全部の職場がそういう取り扱いをしていると誤解されては困ると答え、さらに、私どもといたしましても、正確な出退勤の把握というのをしたいという観点がございますと述べています。
 ところが今回、このような議会答弁があったにもかかわらず、幹部職員が代理打刻という不正を行い、また、受けていたわけであり、我々が再三要求し、区長の選挙公約により導入されたタイムレコーダーを利用し、区長の側近の職員がこのような行為を行っていたということは、極めて重大かつ深刻な問題だと思います。これはまさに平成13年当時の私の指摘が決してレアケースだったのではなかったことを裏付け、区民からは、今なおいずれかの職場で、特定の職員には不適正な行為が行われているのではないかという疑義を持たれてもやむを得ないことです。区は、再発防止を口にしますが、こうした問題について区が行わなければいけないことは、まず事実関係の調査と原因の徹底的な追及であり、区民に対し、その説明責任を果たすことです。
 しかし、残念ながらこの間、この問題に対しては官の勝手をシャットアウト、徹底的な情報公開と行政の説明責任のルール化を公約していた田中区長としては、その約束を十分に果たしているとは感じられないのは私だけではないと思います。社会保険庁をめぐる問題を初め、公務員に対する国民の目が厳しくなっているときに、これでは区民の区政に対する不信は高まるばかりだと思います。
 昨日の質疑の中で区長は、この問題については、区のホームページの庁議の概要の中で報告しているから、説明責任は果たしている旨の答弁がありましたが、体育館で起きた横領事件ではトップページに見出しを掲げて区民に説明をしたり、また、文・スポの現金盗難事件はいまだ各分野からのコーナーでおわびとして大きく掲載されているのに対し、その取り扱いには極めて大きな区の判断の誤りがあると思います。まして、この不適正な打刻が起きた明確な原因については、これまで説明はありません。
 そこでお聞きしますが、区長は今日までこの問題に対して十分な調査をして、区民への説明責任は果たしたと本当にお考えでしょうか。
 総務委員会への報告では、不適正な打刻について「後日修正する意図をもって」とありました。しかし、これをそのまま受けとめる区民、職員は少ないと思います。修正をするつもりならば、何も180度実態と違う正規の出勤扱いにする必要はないのではないですか。実態どおり欠勤状況にし、後日修正をすればよかったはずです。なぜわざわざ他人のカードを利用して不正な打刻をしなくてはいけなかったのか、特段の配慮があったのではないでしょうか。
 区の人事担当者がこの問題に気がついたのは、4月中旬と聞いています。ところが、この段階では区は迅速な行動を起こさず、実際に区が動き出したのは連休明けでした。この間、出勤もしていないのに給料が支払われているという状況にだれも気がつかなかったのでしょうか。出勤していないことは見た目でも明らかではないですか。一体この部署での給料の支払いのチェックというのはどこでだれがしているのか。出勤も何の手続もしていないのに給料が支払われていることに気がつかなかったのかお答えください。
 人を欺いて財物を交付させた者は10年以下の懲役に処する。前項の方法により財産上不法の利益を得、または他人にこれを得させた者も前項と同様とする。刑法246条、詐欺罪の規定です。不正な打刻により、本来振り込まれるべきでない金員を振り込ませていた、それが一時的でないという事実だけでも、私は今、サンプラザにかかわる情報が、区民が運営するインターネットの掲示板に掲載されたことをもって、区が氏名不詳の職員を刑事告発している事件と比較し、はるかに犯罪性の高いものと思います。中野区経営改革指針にはホイッスルブロー、公益通報対応制度が盛り込まれ、現在は中野区職員の公益通報に関する要綱により運営をされています。しかし、今回はこの制度が機能せず、この事実が明らかになったのは、区が問題としているインターネットの掲示板への書き込みからでした。
 そこでお聞きしますが、長期にわたり不適正な打刻がありながら、当事者にも周囲の職員にも犯罪の意識がなかったのか。とりわけ総務部総務課は法規も担当している部門でもありますので、重要な部分です。あるいはだれも気づかず通報がなかったのか、または通報があったのに不問としていたのか、明確な答弁をお願いします。いずれにせよ、今後この公益通報に関する制度についても、きちんと機能するよう改善の余地があるのではと思いますが、いかがでしょうか。
 今回、こうしたことが起きてわかったことは、公務員の恵まれ過ぎともいえる待遇、労働条件です。病気休暇あるいは病気休職と言われる長期有給休養制度の中で、一部の職員の感覚がまひしているのではないでしょうか。東証一部上場の電機メーカーに勤める友人は、昨年腸の手術後、膵炎を併発し、3カ月弱の入院をしました。まず、年間の有給休暇20日、次に入社後2年目からの有給の繰り越しが最大の20日、合計40日を消化させられました。その後は、入社3年目から年4日ずつためていく積み立て有給というものを社長決裁で取得し、期間中の土・日と合わせてしのいだそうです。もし有給がなくなれば、たとえ病気と言えども欠勤扱いとなり、1日につき給料の20分の1が差し引かれ、ボーナスの査定に大きくマイナスとなります。
 また、私と同じ年で一人親方の大工の友人は、ことし4月、直腸のポリープの摘出手術をし、現在まだ療養中です。彼の場合は、仕事ができなくなったその日から収入は途絶え、組合から1日1万円の共済が180日間支払われるだけです。もちろん共済ですから、自分たちで積み上げたものです。これに対し区役所の場合、病気休暇ということで、有給休暇とは別に180日間給与が減額されることなく支払われます。また、その後も病気休職として2年間給料、扶養手当、調整手当、住居手当の80%が保証されます。さらにその後、復職すれば他の職員との均衡を図るためとし、給料月額の調整ということで昇給の用意までされています。これらすべて税金からの負担です。休暇、休職の期間もさることながら、この調整制度も民間では到底考えられないことです。そもそも公務員の場合、給与改定に当たっては、民間給与と均衡させる方法を採用し、人事委員会からの勧告が出されます。当然休暇等の条件について民間と均衡させる必要があり、現状の官民格差は見逃せない問題です。
 そこでお聞きしますが、区長は現状の23区の病気休暇、病気休職についてどのような認識をお持ちか、また、実際に給与が支払われる期間、額についてどうお考えか、さらに、区長あるいは人事担当は民間のこれらの制度についてお調べになったことがあるかどうか、お聞かせください。
 昨年の12月、23区の助役会で構成される特別区人事行政検討会から、区長会へ報告が出されました。この検討会は、平成12年度の都区制度改革により基礎的自治体となった23区が、人事行政において自主性、独自性を発揮できるようにするため設置されたものとお聞きしています。そこで助役にお聞きします。検討会の議論の中で、現在23区の共通基準のうち、見直すべきものとして対象となったものは何なのか。また、今回私が指摘しているような休暇休職の制度を初め、著しい官民格差がある制度については議論がなされなかったのかどうか、御報告ください。
有給休暇の運用についてもお尋ねします。
 本来、有給休暇は事前に申請するものです。ですから、その申請により、使用者は業務に支障を来すおそれがある場合は、その時期を変更し休暇を与えることができる、いわゆる時期変更権が労働基準法にも当区の条例にも定められています。ところが、今回の不適正な打刻の期間の一部も、後になって有給休暇に振りかえられています。こうしたことが行われる背景には、日ごろの運用がルーズになっているからではないでしょうか。区役所では、1時間単位で休暇をとることができます。これも民間では考えられない制度です。例えば職員が遅刻してきたとき、それを1時間の休暇に振りかえてしまう、こんな運用がなされてはいないでしょうか。おくれたら後で1時間休暇にすればいい、こういう意識があるのではないでしょうか。休暇の申請は必ず事前にする。当たり前のことですが、緊急の事情のない限り、現状のような原則などと言うことではなく、徹底すべきと思います。また、2カ月以上もたってからつじつま合わせでの有給への振りかえなど、絶対に認めてはならないと思いますが、区の見解を伺います。
 神戸市の職員が、病気休暇中に長野、新潟でのスキー大会に出場し、そのうち一人は優勝までしていたということが明らかになりました。出場のみならず、優勝までしていたということですから、さぞ病欠期間中にも厳しい練習に励んでいたものと思われます。市は病欠期間中、これらの職員とどのような連絡をとっていたのか不思議に思えるところです。ところで、当区の場合も処理に困って不適正な打刻が始まって人事が気がつくまでの2カ月もの間、本人と連絡をとることはなかったのでしょうか。そして、日ごろから病気休暇、病気休職の職員にはこのような取り扱いがなされているのでしょうか。自由に使える有給休暇とは違うのです。税金から給料が支払われているということをしっかり自覚し、状況についての定期的報告義務を明文化すべきものと思いますが、いかがでしょうか。
 以上述べてきた改善の提案では、これまで23区の共通基準だからといって、行政側は手をつけることを避けてきたことが多いと思います。「区民の皆さんの協力をいただいて」とか「区民の皆さんと痛みを共有して」とか言いながら、こうした役人天国とも言える制度には手をつけない。それでは本当の改革ではありません。昨年問題になった名誉昇給制度や1カ月単位の交通費の支払いの問題、区民の批判を浴びて初めて手をつけるのではなく、みずから見直すべきです。
 最後に、区長自身、今後こうした官民の格差については積極的に見直しを目指し、中野区だけでできることはすぐに手をつけ、また23区足並みをそろえなければならないことは区長会で積極的に発言をしていく覚悟か、それとも現状の公務員の既得権を是認していく姿勢なのかをお聞きし、この項の質問を終わります。
 次に、いわゆるポイ捨て防止条例を発展させた快適なまちづくり条例策定への提案をします。
 本年3月の建設委員会への報告では、今定例会にこのポイ捨て防止見直し条例が提案され、来年1月から施行される予定でした。この予定がおくれているようですが、その理由はなぜなのでしょうか。また、今後の議案提出、条例施行への見通しなどをお答えください。
 先般私は、こうした環境美化と生活安全を一体化した条例を策定した千葉県松戸市を訪ねました。松戸市では、近年多様化する犯罪の増加とともに、ごみのポイ捨てなどのモラルの低下、また、道路に置き看板が置かれ通行を阻害していたり、つきまとい勧誘など生活環境の悪化は見逃すことができない状況でした。市では、これまでもその対策として防犯パトロールやポイ捨て対策事業、看板等の撤去作業を実施してきましたが、十分な効果を上げることができず、そこで「防犯」、「環境美化」、「環境浄化」について市、市民、事業者、行政機関がそれぞれの責務を果たすとともに、一致協力して安全で快適なまちづくりに取り組もうと、この条例を制定したものです。
 制定までの過程では、防犯については既にセーフティネットがあることから「環境美化」に絞った条例でいいのではないかという意見もあったそうですが、市民生活の安全確保とポイ捨て等のモラルの向上の効果を高めるためには、市に集うすべての人が思いやりと相互連携協力の心を持ち合わせることが必要であり、そのような地域づくり、すなわちまちづくりの取り組みが必要であると考え、一つの条例にまとめられたものです。同様の条例は、都内千代田区でも策定をされています。そこで提案ですが、中野区でも相互協力の心を持ち合わせ、地域づくり、まちづくりの観点と啓発効果を高めるため、ことし3月に制定した「中野区安全で安心なまちづくりを推進する条例」と、このポイ捨て防止見直し条例を一体化して考えてみてはいかがでしょうか。
 松戸市の条例では、迷惑行為として禁止するものに、中野区で検討している吸い殻、空き缶等のポイ捨て及び犬のふんの放置、歩行中の禁煙に加え、置き看板等路上障害物、つきまとい勧誘行為、ピンクビラの掲示、配布、通行を阻害して行う営利目的の路上宣伝行為なども対象としています。中野でも路上の置き看板は数多く目につき、それらの中には通行を阻害する物や、ときにはこれらに人がぶつかったりつまずいたりするばかりでなく、先般の台風のように強風のときなど、飛んで人を傷つけ、車、あるいは他人の建物等に損害を与えたりすることもあります。また、中野駅北口バスターミナル横では、公然とテーブルを置いて通信機器のセールスなど、目に余るものがあります。こうしたものを見逃しておけば、いずれ同様な行為を行う者がほかにも出てくる可能性があります。快適な生活空間を確保するため、これらのことを禁止行為に加え、快適なまちづくりのための条例へと発展させるべきと思いますが、見解を伺います。
 歩行中の禁煙規制について伺います。
 いわゆる歩きたばこは吸い殻のポイ捨てにつながるばかりか、人込みでは周囲の人にやけどを負わせたり、あるいは衣類に損害を与える危険性があり、区内全域で禁止することが必要と思います。さらによく見かけるのが、自転車やバイクに乗っての喫煙です。これらも当然禁止とすべきと思いますが、区としてのお考えはいかがでしょうか。多数の人が集まり、区民の安全と町の美化を図る観点から、特に必要があると認められる地域を特定し、路上喫煙を全面禁止し、罰則を設けることも検討しているとお聞きしています。私は一定の効果を保つために、罰則規定は必要と考えます。また喫煙だけではなく、この条例で定めるすべての禁止行為に適用すべきだと思います。しかしあくまでそれは罰則を与えることが目的ではなく、啓発のための規定であることを十分理解してもらうことも必要です。そのため、罰則適用までの過程ではまず区が勧告や改善命令等を行い、それに従わない場合との条件も付すべきなのではないでしょうか。
 また一方で、平成15年度決算における特別区たばこ税収入は19億9,261万1,700円と歳入全体の2.3%を占めています。区にとっては貴重な財源です。愛煙家の方の権利も保障する必要があります。罰則を設けるに当たっては、喫煙場所も確保するその意志が区にあるかどうか確認し、この項の質問を終わります。
 次に、教育問題で数点お聞きします。
 まず公立小・中学校の再編計画について伺います。我が会派では、一定の学校規模を確保し、また教育環境を良好なものとするため、必要な統廃合は早期に進めていかなくてはいけないという立場に立っています。既に校長会や町会も理解を示し、さらに中学校のPTA連合会からは、現在の中学校をすべて廃止手続をとり、再編後の学校は新設校として一斉に開校をという具体的提案まで出されています。にもかかわらず、7月には公表される予定だった区としての再編案はいまだ示されません。端的にお聞きします。なぜ公表できないのか。これではさまざまな話の中、理解を示してきた関係者の皆さんにも申しわけが立たないのではないですか。一刻も早く再編案を示し、議論を進めるべきです。教育長の見解を求めます。
 次に、上野原スポーツ・学習施設用地の今後について伺います。
 議会でもさまざまな議論が交わされた上野原スポーツ・学習施設計画でしたが、田中区長就任により計画が廃止され、その後議会の話題から遠ざかっていました。先日、私は久しぶりに現地に出かけてみました。10年前には≪記載削除≫、あるいは≪記載削除≫と書かれた数多くのダンプにより、ここから砂利の運び出しが行われていましたが、今は逆に神奈川県企業庁の車が相模湖からのしゅんせつした土砂を運び込んでいます。行き交うダンプのはざまに、この間のこの土地のその時々の姿が目に浮かんでまいりました。この上野原問題は、恐らく中野区政の中で永遠に語り継がれていくものでしょう。
 ところで、区長の公約であった用地の売却への手続はどのように進んでいるのでしょうか。現在行われている神奈川県企業庁への用地貸し付け、しゅんせつ土砂の受け入れは平成17年度までとなっています。一方、神奈川県企業庁利水局利水課の資料によれば、このしゅんせつ事業は平成31年度までとなっていますが、神奈川県が相模湖を水源とする限り、この期間は延びるはずです。10月1日には普通財産に戻すということでありますが、これらのことも考慮の上、この際神奈川県企業庁への売却を進めるべきと思いますが、区の考え、今後の見通しについてお聞かせください。
 次に、軽井沢少年自然の家の今後について伺います。
 児童数の減少と常葉町への林間学校が移動教室となったため、以前は6年生が毎年軽井沢で行っていた移動教室を5、6年2学年で軽井沢、常葉、1年おきに半分ずつの学校で実施するようになりました。これにより、小学校での軽井沢少年自然の家の利用日数は、今年度は44日になっています。また、今後行われる学校の再編で、夏休み期間中の中学校の林間学校での利用日数も減少することが予想されます。ことしは区内の14の中学校の林間学校での利用は、夏休み42日中31日でした。仮にこれが7校となった場合、利用日数は16日となってしまいます。また、もちろん現在も学校以外の一般利用は可能ですが、その数は決して多くありません。部屋のつくり、施設の整備状況から一般が使いづらいのはわかりますが、これだけの施設でありながら、現状の利用状況、そしてさらに今後学校での利用日数が減少することを考えれば、対策を講じるときと思います。これからは一般利用の中でも区内の青少年のスポーツ団体が利用できる施設としていくことを提案したいと思います。現在、この施設では1万7,197平方メートルの敷地に建築面積2,837平方メートルの建物が建っています。そして、建物の前には1,230平方メートルの多目的広場、そして1,200平方メートルの今は整備不良で使えないテニスコートとあります。この多目的広場とテニスコートをつなぎ、さらにあいている敷地を合わせれば、十分少年サッカー場、野球場がつくれます。軽井沢へは新幹線で東京から1時間、高速道路でも大泉のインターから2時間弱で区内の少年、少女のスポーツ団体の合宿での利用には絶好の場となるでしょう。さらに、施設内には体育館としても使えるレクリエーションホールもあり、せっかくの合宿の期間、雨でむだに過ごしてしまうということもありません。また、教育委員会が中に入れば、地元の学校との対抗試合など交流も可能となるでしょう。お金がないと言って何もしないということではなく、1年365日のうち75日しか学校利用されておらず、さらに利用日が減少する施設を、知恵を絞り、区内の青少年のために有効なものとなるよう御検討いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 私は平成7年の初当選のときの本会議、初めての一般質問で、顧問不在により休部や廃部を余儀なくされている中学校の部活動について、外部指導員の充実など、子どもたちがその個性、才能を十分伸ばせる環境をつくれるよう、質問しました。その後、外部指導員の指導回数をふやしていただいているとはいうものの、まだまだ十分とは言えません。また、現在のように生徒数、部活の数にかかわらず、1校当たり220回との割り当ても理解しがたいところです。部活数の多い学校では、8月には既にこの回数を消化してしまっている学校もあります。8月といえば、3年生が引退して新チームで秋の新人戦に向け、猛練習に励むとき。スポーツマンとしてのポリシーで、その後はボランティアで指導を続けているのが現実です。学校再編後のお考えもあるとは思いますが、当面の措置として、それぞれの学校が実情に合った指導回数、報償費の確保をお願いしたいと思いますが、区のお考えをお願いします。
 昨年、丸山小学校の児童を中心とする少年野球チーム、中野セネターズが全日本学童野球大会東京都予選を勝ち抜き、全国大会に進出しました。中野の少年野球にとりましては、歴史的な出来事でした。ところが、この子どもたちが進学する中野十一中には野球部がないということで、多くの選手がお隣の練馬区の中学校や私立へと進んでいます。まことに残念なことです。ことしの夏の甲子園では、史上初めて優勝旗の白河越えかと期待されていたところ、白河越えどころか津軽海峡を渡るという、これもまた歴史的なことが起こりました。逆転に次ぐ逆転の決勝戦に、北海道御出身の区長も一喜一憂だったと思います。この甲子園予選東京大会出場263校の選手名簿を見ると、この近隣の学校だけを見ても、中野の中学校出身の選手の少ないことが一目でわかります。他の競技についてはまだ調べていませんが、中野セネターズのような事例というのはほかにもあり、もしかしてこの中野では優秀な選手でありながら、進学する学校にその部活がなく、その競技を続けることを断念している子どももいるのではと想像されます。
 先週末、日本のプロ野球史上初めて、選手会によるストライキが行われました。合併により球団数が減ってしまうことに対し、反対する野球少年の持つ「奪わないで僕らの夢」と書かれた看板が大変印象的でした。せめて教育の場では、こうした子どもたちの可能性の芽を摘まないよう、外部指導員の確保などによる部活の創設、維持など、最大限の御支援をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 この項の最後に、校庭の芝生化と部活動の関係についてお聞きします。
 校庭の芝生化につきましては、我が会派の藤本議員が再三提案してきたところでもあります。私はさらに、部活動での芝生のグラウンドの必要性からお聞きしたいと思います。
 スポーツの中でも、サッカーやラグビーではその競技の性格上、この芝生が不可欠になるものもあります。これらの競技では、私立の強豪校相手に好成績を上げる区内の中学校も出てきています。もちろん、私立校と張り合うつもりはありませんが、一層のスポーツ振興のため、一定の条件整備も必要です。ぜひその学校の活動に見合った形で、一日も早い校庭の芝生化を実現していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 最後に、建設工事等における見積もりと入札情報の公開について伺います。
 昨今、行政の透明性と談合等を防止するため、入札情報等をホームページ等で公開する自治体がふえています。当区の場合も公開はしていますが、そこまでたどりつくには、トップページの各分野のコーナーから入り、財務分野を選んだ後、ようやく入札の情報にたどりつきます。一方、お隣の杉並区のように、トップページからこの情報を選べるようにしている自治体もふえてきています。さらに、佐賀市などではこの入札結果についてもホームページでの公開が行われています。これにより、入札の透明性が図られるとともに、住民にとっても、市が建設している施設にどのくらいの予算がかかるのか身近にわかってきます。このところ、施設建設工事が少なかった中野区ですが、今後学校の改修などにより、大規模な施設建設工事が必要となり、財政健全化の推進プランに示されたバリューエンジニアリングによるいわゆるVE条件付き入札なども考えられ、より早く予定や結果を公開する必要があると思います。まずトップページに入札の見出しをつくること、さらに、入札の結果についてもホームページでの公開を行うことを提案し、私のすべての質問を終わります。ありがとうございました。
      〔区長田中大輔登壇〕
区長(田中大輔) 佐伯議員の質問にお答えをいたします。
 幹部職員による職員カードの不適正な打刻と休暇休職制度についてであります。
 お尋ねのこの件については、所属から提出された事故報告書を受けて、職員懲戒分限審査委員会において3回にわたって開催して審査をして、6月4日に懲戒処分を行ったものであります。この出勤簿の処理については、出勤簿上の処理が目的であって、給与の支給など特段の配慮を目的としたものでないということは懲戒分限審査委員会の審査で確認をしているところであります。
 本件については、懲戒処分の公表基準に基づいて平成16年6月8日に庁議報告をし、中野区ホームページにもその内容を掲載したところです。さらに、6月9日の総務委員会でも御報告するなどして御説明に努めているところであります。区民の皆様からの多くの御質問や御意見に対しても、その都度きちんと対応させていただいて、説明責任を果たしてきたと考えているところであります。
 欠勤しているのに、出勤していないのに給料が支払われているといったようなところでチェックはどうなっているのかといったことです。給料支払いの基礎となる出勤状況は、各所属において管理をしているところです。これを人事担当の方で月末に集約をして給与計算を行っているということでありまして、給与計算に当たって、各所属から集約した出勤状況のデータに対して休暇等の届け出と突合を行うといったチェックを行っているところですが、今回は出勤記録が通常の出勤状態となっていたものでありまして、出勤状況と給与支給の突き合わせがないというところに問題があったというふうに考えております。勤怠を管理する立場の担当職員が、給与支給に責任を持って関与するという仕組みをつくることを検討していきたいと考えております。
 公益通報制度との関連であります。この打刻の問題については、公益通報によって事実が判明したということではありません。これまで、公益通報制度に基づいて通報のあった行政運営上の違法な行為等については公益通報委員会で適切に処理をして、その経過などについて議会にも報告をしてきたところです。この制度について、公正な職務執行を確保する上で、機能しているというふうに考えているところでありますが、よりよい仕組みとなるように、常に改善に心がけていかなければならないと考えているところであります。
 それから、休暇休職制度についてであります。病気休暇については180日間まで給与減額が免除、つまり給与が支給をされています。病気休職については2年間、100分の80に相当する額が支給をされております。こうした中野区の病気休暇休職制度については、国や23区以外の他の自治体と比べても必ずしも過大なものとなっているわけではありません。民間に比べて恵まれている印象というのは、御指摘にあったとおり否めないというふうに私も考えております。公務労働の特質ですとか労使関係を踏まえた、長年にわたる経過の上で、労働条件として確立しているものであります。現状の比較だけで簡単に変更できる性質の事柄ではないわけであります。職員の人事制度は、安心して職員が仕事に励むことができることが必要でありますが、同時に区民の理解を得られるものでなければならないということも大事なことであります。常に区民の立場を忘れずに、不断の改善に努めていきたいと考えているところであります。
 区長として改善をしていく、そうした気持ちはあるかということでありますけれども、今申し上げましたとおり、区民の立場から、こうした職員の制度のあり方というものをきちんと見ながら、改善を私が進んで行ってまいるという立場で行っていきたいと思っております。
 それから、休暇の申請等の問題についてであります。休暇の申請は、原則事前にするべきだといった取り扱いということであります。休暇の申請については、急病や事故などやむを得ない場合を除いて、事前に承認を受けなければなりません。今後とも適正な休暇承認の処理に努めていきたいと考えております。
 それから、病気休暇中の期間、その職員からの報告等についてであります。病気休暇の期間は、療養のため勤務しないことがやむを得ないと認められる必要最少限度の期間であります。医師の証明書を示さなければ請求できないものとして、人事担当の方から厳格に指導をしているところであります。また、病気休職については、本人申請だけではなく区が指定する医師に診断を求めたり、あるいは事情聴取をしたりといったことで処分を決定しているところであります。
 病気休暇、病気休職が長期にわたる場合などには、所属長が職員の状況を把握するため本人から定期的に報告を求めたり、あるいは本人了解の上医師に照会するなどの対応が必要であります。所属長に対し、今後職員の状況を定期的に調査、報告するように義務化をしていきたいと考えております。
私からは以上であります。
      〔助役内田司郎登壇〕
助役(内田司郎) 私からは、助役会が設けました特別区人事行政検討会のお尋ねにお答えをいたします。この検討会では、特別区のより一層の自主性、独自性が発揮できるよう、共通基準の見直しを行うため設置したものでございまして、職名、職種、採用、管理職選考、転職、昇給制度など多岐にわたって議論を行ったところでございます。お尋ねの休暇休職につきましては、休暇については各区事項であることから、また、休職は共通基準でございますけれども、今回の検討の対象とはならなかったところでございます。
    〔区民生活部長本橋一夫登壇〕
区民生活部長(本橋一夫) 私からは吸い殻、空き缶等の散乱防止にかかわる条例、いわゆるポイ捨て防止条例を発展させた快適なまちづくり条例についてのお尋ねにお答えをさせていただきます。
 まず、条令改正のおくれと今後の予定についてであります。ポイ捨て防止条例の改正につきましては、効果的な啓発活動の方法やその推進体制、また、歩行者の安全確保のための路上喫煙の禁止区域の設定、禁止区域内での喫煙場所の確保、罰則規定の取り扱いなどの検討課題がございます。区民の中にもさまざまな御意見があります。これらの御意見を聞きながら、また、他の自治体での取り組みの様子なども調査しながら検討を進めているため、予定よりもおくれているという状況にあります。来年の第1回定例会に条例改正案を提案したいと考えています。
 次に、快適なまちづくり条例という点での御提案でございますが、今般の防止条例の改正は区内の歩行中の喫煙による迷惑防止、特に人通りの多い区域での危険防止を図ることを目的としておりまして、区民の意識啓発により推進していきたいと考えております。
 一方、この4月に施行いたしましたいわゆる安心安全条例は、区民の防犯意識の高揚や防犯パトロール等の地域や行政が連携した活動によりまして、安全な地域社会の形成を目的とした条例であります。また、御指摘の置き看板の放置ですとか、通行を阻害しての路上宣伝行為などにつきましては、道路法による管理や都の迷惑防止条例などによる取り締まりなど、他の法令の対象となっているものもあります。ポイ捨て防止条例及び歩行中の喫煙防止につきましては、取り締まりというよりも、まず区民の意識啓発に重点を置いて取り組みたいと考えております。それぞれの目的や手段、根拠などが異なることもあり、当面条例の一本化は考えておりませんが、御提案の趣旨も踏まえまして、実施後の経過をよく観察して対応していきたいと考えております。
 それから、自転車やバイク乗車中の喫煙の禁止についてですが、歩行中の喫煙だけでなく、自転車等の乗車中の喫煙につきましても禁止の規定を設けていきたいと考えております。
 次に、罰則規定の適用についてであります。今回の改正による歩行中の喫煙の防止につきましては、意識啓発を中心に行いたいと考えているところであります。しかし、人通りの多いところでは歩行者の危険防止の必要もあり、意識啓発だけでは難しいということもありまして、地区を指定しての罰則規定を設けることも検討しております。喫煙以外の禁止行為につきましては、区民の自覚と自主的な取り組みを求めるという条例趣旨に照らしまして、罰則の規定は考えてございません。路上喫煙禁止区域に指定し、喫煙禁止の根拠規定を設けてマナー向上の啓発にまず取り組みまして、期待される効果が上がらない場合に罰則が適用できるよう、段階的な対応を検討しているところでございます。罰則を適用する場合、禁止行為をしたすべての人に過料を課すという形ではなく、注意や改善をしても聞かない人に対して過料を課すという方法も含めまして、罰則の対象行為や手続、執行体制などを検討してまいりたいと考えております。
 喫煙場所の確保についてですが、路上喫煙禁止区域を指定する場合には、喫煙できる場所を確保する方向で検討しようと考えております。喫煙場所の確保につきましては、喫煙者の理解と協力を得やすいというメリットがありますが、一方で安全な喫煙場所の確保の必要、また、スペースや経費負担などの課題もあります。地元や関係機関とも協議をしてまいりたいと考えております。
     〔教育長山岸隆一登壇〕
○教育長(山岸隆一) 学校の再編計画のおくれについてでございます。
 教育委員会といたしましては、子どもたちによりよい学校教育ができるように教育環境を整備する視点から、この夏には公表できるように学校の再編計画を検討してきたところでございます。しかし、これまで学校の再編は区の施設全体の再編案とあわせて公表するという考えであったために、延期せざるを得ない状況となっています。学校再編につきましては、緊急で重要な課題であると認識しておりますので、区長部局とも調整の上、教育委員会の責任で再編計画案を示して区民に説明し、意見交換をしてまいりたいと考えてございます。
     〔総務部長石神正義登壇〕
総務部長(石神正義) 私からは、上野原スポーツ・学習施設用地の件と入札情報の公開についてお答えさせていただきます。
 まず、上野原スポーツ・学習施設用地の交渉状況ですが、神奈川県企業庁との交渉を続けております。6月、8月と伺って話をし、私どもの方から売却意向の打診を具体的にいたしました。企業庁からは、土地を取得する方向で調整に入りたいという回答をいただきました。特に、企業庁の中では簡単に神奈川県が取得の予算を組むのではなくて、水道事業者、これは横浜市や川崎市といったところから受託している事業であるということから、そういった事業費について負担金の調整に時間がかかるということから、もう少し時間をかけて詰めを行っていきたいという回答を得ております。また、それに必要な情報については、ときどきこちらの方に要請がありまして、提供してございます。
 また、上野原の町に対しては、企業庁に打診したことを伝えました。その結果、町も神奈川県企業庁に売却することについては理解を得ました。しかし、現在町村合併を進めておりまして、具体的な事務について協力はすぐできないということから、町村合併が行われる2月以降、具体的な調整に応じたいという回答を得ておりますので、そういった形での流れを十分見ながら、おくれることなく調整してまいりたいと考えてございます。
 また、入札情報の公開についてでございます。建設工事等入札予定案件につきましては、工事年間発注予定表という形で四半期ごとに区のホームページで公表しており、契約担当の掲示板にも掲示しているところでございます。また、入札が終わりますと入札の日時、件名、指名業者名、入札価格、契約者名、契約金額といったものについて、入札経過調書という形で窓口で閲覧に供してございますが、御指摘のように、これをホームページで公表することは現在されておりません。現在進めておりますホームページの改善にあわせまして、この入札経過書についても掲載するということで調整をしているところでございます。
  〔教育委員会事務局次長金野晃登壇〕
○教育委員会事務局次長(金野晃) まず、軽井沢少年自然の家の今後についてでございます。現在でも夏季学園や移動教室の合間に区内のスポーツ団体が合宿などで自然の家を利用しております。現在のテニスコート部分をサッカーや野球の練習ができるような多目的広場として整備するということでございますが、これにつきましては、別荘地ということもございまして、近隣との調整なども必要となりますので、今後検討してまいりたいと思います。
 次に、中学校の部活動の外部指導員について、活動日数の十分な確保を図るということですが、確かに現在、各学校220回という形で配分してございますが、年度内に調整を行いまして、余り使わない学校からは足りない学校へ回すということをしておりまして、何10回か上乗せしている学校も幾つかございます。引き続き工夫をしてまいりたいと思います。
 それから、対外試合への随行でございます。必要に応じて指導員が顧問とともに参加するということについては、学校の判断でできることにしておりまして、現に随行している例があると承知しております。また、部活動の立ち上げ、通常なかなか顧問の教諭がいないので部活動ができないという問題があるわけですが、これにつきましても、外部指導員の協力支援ということについては学校の判断でやれるようになっておりますので、活用していただきたいと思っております。
 次に、区立学校の芝生化を行う際に、ラグビーやサッカーなど、そういう部活動のある学校からしてはどうかというお尋ねでございます。現在検討しております校庭の芝生化につきましては、環境教育の視点などを含め、したいと思っておりますが、校庭の一部からまずやってみたいと考えております。中学生のラグビーやサッカーなど、芝生上での激しい動きを伴う運動に、年間を通じて利用するということにつきましては、芝生の管理上、なかなか難しいと思っております。
      〔佐伯利昭議員登壇〕
28番(佐伯利昭) 再質問させていただきます。
 不適正な打刻事件について、正面からお答えいただいていない部分がありますのでお答えいただきたいと思います。公益通報制度のところで、私は今回これが機能しなかったということで、長期に不適正な打刻がありながら、当事者にも周囲の職員にも犯罪の意識がなかったのか。あるいは、だれも気がつかなかったのか。あるいは、通報があったんだけれども、これを不問としていたのか。先ほどの答弁で通報はなかったということも推測されますけれども、犯罪の意識がなかったのかということと、だれも気がつかなかったのか、ここについて御答弁がありませんでした。この点についてお聞かせいただきたいと思います。
 そしてもう1点、区長のお話の中で、民間にとって恵まれているという御指摘、それは否めないというお答えでした。我々の感覚、先ほども東証一部上場の電機メーカーの友人の事例、あるいは一人親方の大工さんの事例を出しましたけれども、公務員の180日間給与が減額されず支給される。さらにその後、2年間80%が保証されている。しかも、復職後はほかの職員との均衡を図るためということで昇給の用意までされている。こういう恵まれた待遇、そんな否めないとかそういう問題ではないと思います。天と地の差だと思います。そのあたりの区長の認識がただ否めないと、その程度のものなのか。これは本当に見逃しておけない天と地の差だ。確かに難しい問題だという御説明もありました。難しい問題だからやらないというんじゃないんです。やはり区民の立場に立って、こうしたアンバランス、官民格差というのは是正していかなかったら、区民の皆さんにじゃあこの御負担をお願いします、この施策は廃止します、御負担をおかけしているわけです。一方で、本当に役人天国とも言われる、これは総括質疑で我々の会派の酒井議員が新たな問題も指摘しますけれども、いろいろな問題を含めて官民格差、恵まれた公務員の労働条件といったものが社会の中で話題になっているのではないでしょうか。そういったことを踏まえた上で、現状の制度について区長としてのお考え、ぜひもう一度お聞きしたいと思います。よろしくお願いします。
      〔区長田中大輔登壇〕
区長(田中大輔) 再質問にお答えをいたします。
 公益通報はなかったということでありまして、それは先ほど申し上げたとおりであります。当事者にも周囲にも犯罪の意識はなかったのかというところでありまして、当事者については、後刻修正する意図を持ってということ、また、出勤簿上の処理が目的であることから、犯罪の意識、意図はなかったと確認しているところであります。また周囲が、あるいはだれも気がつかなかったのかといったところでありますが、これについては、先ほどもお話をいたしましたように勤怠の出勤、欠勤のデータが給与担当に送り込まれる。そのことによって、給与が自動的に振り込まれていくといった仕組みの中で起きておりますので、周囲で気がつくという機会は余りなかったものと考えているわけであります。
 それから休暇休職等の制度について、民間に比べて恵まれ過ぎている。否めないといったのんきな表現をしている場合ではないといったような御指摘だったと思います。そうした議員の認識について、私も確かにそのとおりだと思うわけでありますが、こうした制度というのは、先ほども言いましたけれども、労働条件としてこれまでの経過の中で確立しているということであります。公務労働という共通性の中での労働条件といったことを考えていきますと、改善をするといったところで、直ちにすぐさま改善が可能だということではないという意味で申し上げたところでありまして、区民の立場に立って、改善すべきものを改善していきたいという私の気持ちについては、御理解をいただきたいと思っております。
○議長(山崎芳夫) 以上で、佐伯利昭議員の質問は終わります。

 中野区議会議員 近 藤 さえ子
 1 職員の不祥事と仕事の優先順位について
 2 サンプラザについて
 3 公教育の充実について
 
○議長(山崎芳夫) 次に、近藤さえ子議員。
     〔近藤さえ子議員登壇〕
○8番(近藤さえ子) 初めに、職員の不祥事と仕事の優先順位について質問いたします。
 日本経済は少し上向いたと言われますが、低成長下にあり、いまだデフレ懸念も払拭できません。さらに、極端な少子化と高齢化社会の到来により、社会全体の活気に期待することも難しい状況です。地方自治体への財源委譲、今後財政がますます厳しくなる状況です。そんな中で、中野区は多額の借金を抱えながら行財政改革を行っていくことが求められています。区民は自分たちの生計の厳しさを日々体験しつつ、現在の区政の財政難に関してある程度理解は持って区政を見ていると思われます。中野区が厳しい中で、行財政改革に取り組んでいる実態も全くわかっていないわけではありません。しかし、その中で次々発生する中野区職員の不祥事に関しては、区民は区の内部ほど甘く考えてはいません。区の内部の不祥事について、議会で不祥事を起こした個人のことについて質問することは質問者の品位にかかわるので通常質問しないことになっていると伺いました。このことを教訓に、少しでもよくなってほしいと思う方が品位がなくて、不祥事を起こした方が品位で守られている。彼らを取り巻くこのような環境にも問題があるのではないでしょうか。佐伯議員も質問されていましたが、普通の生活をしている区民の声として、私もあえてこの区の内部の不祥事について質問させていただきます。
 私が昨年議員になってからの1年半の間に、次々と区の職員による不祥事が発覚しています。積極的に区からの発表はなくても、新聞記事やニュースになった情報に対して、区民は敏感に反応しています。私のところにも「一体中野区はどうなっているの」、「私たちの税金を使っていることを職員は理解しているのだろうか」とさまざまな質問やおしかりの言葉が集まっています。
 昨年、中野体育館で施設使用料横領事件が発覚しました。5年間にわたり書類の偽造、使用料の横領が行われ、2,300万円もの公金が横領されてしまいましたが、不正をチェックする機能はどこにもありませんでした。11年度の監査で「中野体育館の収納事務に金銭登録機を使用すべき」と指導を受けていたにもかかわらず、その後も不正を防げませんでした。また、中野ZEROホールからは昨年は8万円、ことしの5月には120万円が盗まれました。犯人はいまだ捕まっていないので真相はわかりませんが、2度も公金が盗まれてしまうというのは管理体制に落ち度があったと考えられないでしょうか。
 うっかりミスということでは、昨年11月、乳幼児の医療費助成のための乳幼児医療証の公印を間違えて印刷、発送したためにその差しかえ、再発送のために156万円ものむだな経費が発生しました。もちろん人間のする仕事です。「うっかりしてしまった」、「つい見過ごしてしまった」ということはどこにでもあります。しかし、仕事は個人の采配ですべて行われるものでは決してなく、チームで行われるものです。個人のする仕事の先に、必ず管理する責任者が存在するはずです。その関係がうまくできていないチームでは、よい仕事は期待できません。このことを証明するような事態として、ことしの出勤簿偽造事件が起こりました。この事件は新聞にも大きく取り上げられたため、区民からも、他の地域に住む方からも「一体中野区はどうなっているのか」と声が多数寄せられました。
 ことしの2月から4月にかけて、病気のために出勤していなかった職員のために区幹部職員二人が相談の上、出退勤管理の機械に休んでいる職員のカードを打刻していたというものです。この幹部職員は同僚の休暇の取り扱いに悩み、当面の措置として出勤していない職員のカードを打刻するという行動をとられたそうですが、休暇の取り扱いに悩んだ場合、まずはカードを打刻しておいて後から処理をするなどという方法は、一般職員ができることではありません。幹部職員に権限があったからできたことです。
 そして、この事件にさらに追い打ちをかけたのは、懲戒分限審査委員会で決定された二人に対する処分です。減給10%1か月、処分を決定したメンバーは、助役、収入役、教育長、人事部長です。私のもとに幾つもの意見が寄せられています。出勤簿偽造について「これは実行者本人が便宜を目的としていないなら犯罪に該当しない」ということで、もしこれがまかり通るなら、お互いに談合し、「さぼりと代返」をローテーションで繰り返すことも可能になりませんか。万一ばれても減俸10%1か月だけ。世間では鉄道窓口でおつりの10円をごまかしただけでも懲戒免職だというのに。「おもてなし運動」というのが始まったそうですが、区民をもてなす気持ちがあるなら、区がまず襟を正して反省の意志を示すことが先ではないですか。罪の意識なしに役職員がこういう事件を起こすというのは、区の内部では税金運用のごまかしが無意識のうちに行われていると思われても仕方がないのではないですか。
 ある民間企業では、1回の空出張が発覚したため懲戒免職になっている。民間とは違うかもしれないけれども、これでは処分に当たらないのではないですか。余りにも一般とかけ離れた処分に皆驚いています。そして、何よりこの多くの人の軽過ぎたと思われた処分にとまどったのは、毎日まじめにきちんと働いている中野区の職員の方々ではないでしょうか。区長は新聞の取材に「絶対にあってはならないこと。今後は組織一丸となって区民の信頼を取り戻すために取り組んでいきたい」とコメントされています。それではなぜこのようなことが起きたのでしょう。組織全体に甘えや緩みがあったのでないでしょうか。今後二度とこのようなことを起こさないために、区長のお考えを伺います。
 現在、中野区は自治基本条例、区民の共通の目標である基本構想を作成しています。作成中の基本構想の中で、区民に自己責任を求め、行政サービスを削減し、区民はますます負担を強いられようとしています。財政再建を実現し、持続可能な区政を実現するという組織の指揮をとるべき方が起こした不祥事であることは、区役所内の体制に大きな問題があるのではないでしょうか。多くの区民は今回の処分を見て、区長は区民に厳しく身内に甘いと感じております。処分の程度が軽いと考えますが、区長はいかが考えますか。
 7月に行われたある地域センターでの基本構想・新しい中野をつくる10か年計画についての意見交換会で、区長はこの事件のことを謝罪されたと伺いました。何に対して謝罪されたのですか。また、もしその会合の中で謝罪されたとすれば、区長は区民全体に謝罪されるお考えはないのですか。
 さらに一方、区では8月23日にサンプラザに関する情報漏えいについて、氏名不詳のまま区職員を守秘義務違反で野方警察署に告発するという極めて異例の対応をとりました。サンプラザ問題は、中野区民が強い感心を寄せており、できる限り情報を公に開示し、区民の意見を聞きながら公正に進めるべきではないでしょうか。これまでのやり方を見る限り、重要なことがほとんど密室で決定され、今回の告発によってますます閉ざされた区政になってしまうのではないかと私は強い危機感を感じています。今回の守秘義務違反は刑事告発するような内容であったのですか。どういう基準によってさきの幹部職員の処分と今回の対応とのギャップが生じたのでしょうか。今回の刑事告発は、区にとって都合の悪い問題の内部告発を警戒したような処置とも感じられますが、いかがでしょうか。
 中野区の平成15年度決算では、歳出総額の32.4%が人件費です。これは他の区に比べても高い比率です。中野区は、この人件費に見合う質の高いサービスを提供する義務があります。今、中野区は財政再建に向けて迅速にやらなければならない仕事が山積みです。区長が売却を決めた上野原、だれにでも区の財政状態がわかるバランスシートの作成、さらに区債削減の努力など、力を入れていただきたい案件はたくさんあります。これらはすべて総務部の仕事です。総務部長の職務の幅は広く、その部長が長期計画、理想の目標、対外調整、区民説明、議会対応に追われていては、所管する仕事に専念できないのではないでしょうか。持続可能な区政を実現するために総務部長が区の喫緊な課題に取り組めるように、仕事の優先順位の選択を行うことが大切だと思いますが、区長はいかがお考えですか。
 今回の不祥事もそうですが、組織や職員体制のどこかに問題があり、人材がうまく活用されていないのではないでしょうか。再度申し上げますが、仕事は個人ではなくチームで行うものです。部長から一般職員に至るまで、各自の能力を最大限に発揮できる体制ができて初めて事業部制が機能します。幹部職員は一般職員の声や意見を聞いて区政に取り入れる必要があり、困ったときはその上の責任者にはばかりなく相談できる体制が必要と思います。このような風通しのよい体制の仕組みを工夫するべきではないでしょうか。区長はいかがお考えですか。中野区が民間や区民に仕事を分配する前に、公平なルールと質の高いサービスを提供できる区であり続けることを願って、この項の質問を終わります。
 次に、2点目でサンプラザ問題。
 私は、昨年の第3回定例会で「サンプラザの取得を思いとどまるべきではないか」とサンプラザ取得には反対の質問をいたしました。しかし区長からは「サンプラザは中野駅周辺のまちづくりに欠かせない」と御答弁をいただいただけで、どのようなまちづくりかという具体的な案やそのにぎわいの中心としてサンプラザがどんな役目を果たすかをお示ししてくださいませんでした。そして、昨年の補正予算で1,382万円の調査費を使い、募集提案書をつくり、本年度9月9日に本年度予算2億円で新会社「株式会社まちづくり中野21」設立しました。
 この新会社設立の経過には納得できない点が多々あります。新会社設立のパートナー選びは6月の有識者による選定委員会では「該当者なし」と判断されました。区は機構への緩和を依頼したものの受け入れられず、結局同じ2事業者に対して再提案を依頼しました。有識者委員会が「優先交渉権を付与すべきレベルには達していない」と判断したのが6月の初めで、募集者に対する再提案可能であるとの旨を通知したのが6月の下旬です。厚生労働省及び機構に譲渡条件の緩和要請を行った時間は1か月もありません。余りにも短時間の交渉ではありませんか。これでは区がどうしてもサンプラザが欲しいがゆえに先方の言いなりとなり、詰める条件も詰められなかったのではないかと、この問題に関心を持つ区民は疑いを抱いていますが、いかがでしょうか。
 さらに、再提案の審査は助役、区長室長、まちづくり総合調整担当部長、総務部長、区民生活部長、都市整備部長と区の職員だけで行いました。そして、有識者委員会が審査講評において指摘した不足事項がすべて解決して、募集者再提案書評価総括表のポイントが高くなったとして、中野サンプラザ運営研究グループを新会社の相手に選びました。有識者委員会がノーと言った答えに対して、中野区役所内部の判断で条件を満たすと判断したわけです。有識者委員会は「中野区とのリスク分担が不明確である」としていたのに対して、再提出案後は「中野区のリスク負担はすべて排除することが記述されている」ので大丈夫だとなっています。私が区の担当に「区民への負担が2億円以外はないのですね」と質問すると、「事業に着目して資金調達を可能にしてくれる政府系金融機関があり、資金を調達してくれるので大丈夫だ」とのことです。また「運営会社の経営がうまくいかなくても、新しい会社を連れてきてくれるから問題はない」とおっしゃいます。7月17日、日本経済新聞には次のように明記されています。「サンプラザは人件費負担が重く、2002年度決算で2億円程度の赤字を計上。施設の担保価値より収支計画が融資の決め手となる今、金利負担と元本返済に毎年7~8億円の黒字が出る体質にする必要がある」。
 今、民間企業は自己資産を売却し、負債をできるだけ減らそうとしています。本社ビルや工場設備もリース化し、不動産に縛られず、できるだけ身軽な経営体制を確立する方向です。実際に日産自動車のように思い切った発想の転換、身軽な経営体制の確立により、急速に事業を回復したところも多くあります。
 今、中野区は2億円を出資した新会社に52億円の借金をさせ、経営が軌道に乗るかどうかわからない将来の価値も不明な資産を入手し、世間とは逆の方向に向かって動き出しました。中野区がサンプラザを購入したことで雇用・能力開発機構は負債を減らし、人件費を減らし、とりあえず従業員の雇用を守ることができたのですから万々歳です。新会社のパートナーとなった中野サンプラザ運営研究会グループは、中野区と組むことによって融資の幅も広がり、1社単独では不可能な大きなビジネスを展開することができます。各社にとって大きなビジネスチャンスとなることは明らかです。もちろん金融機関にとっては、中野区という後ろ楯のある52億円の融資は大歓迎でしょう。その当の中野区はどうでしょうか。「将来のまちづくりに欠かせない」というだけでこのまま突っ走って行って本当に大丈夫なのでしょうか。その10年後のまちづくりが具体的な案さえも、サンプラザを取得してから考えるというあいまいな夢に対して走り出した中野区の「失敗しないようにする」という確約を区民は信じてよいのでしょうか。
 例えば現在、100億円と言われている不動産価値が減っていくことも考えられます。基本構想検討素材で示されている3区分階層別年人口移行でも、10年後の人口は減っています。生産年齢人口は1.0%減り、高齢者人口は1.9%増えています。土地が値下がる可能性は十分にあります。もし新会社の経営が行き詰まり、倒産した場合はどんな対応をされるのでしょうか。サンプラザは債権者にとられてしまうのでしょうか。その場合は、中野区が唯一の目的としていたまちづくりに寄与できなくなります。そのようなリスクは考えられませんか。区は破綻処理に対してどのようなスキームをお持ちですか。中野区は債務保証もなく、区の負担も最大2億円以外ないと断言できますね。お伺いします。
 さて、こうして中野区民は10年後のまちづくりという夢を見ながら、今後サンプラザとかかわっていくことになるわけですが、その夢に貴重な区民の税金2億円をかけたわけです。その分、何か区民の利用できる施設をサンプラザの中につくるお考えはありませんか。例えば昨日、高倉議員が紹介されていましたが、長野県の茅野市では大型商業ビルの撤廃に伴い、ビルを安く譲り受け、民間のテナントと子ども館(0123広場)、中高生館(中高らんど、ちのちの)、高齢者の向けの一休みの場所(どっこいしょ広場)として開放しています。企画、立案、運営と市民が主体的にかかわるまさににぎわいの中心にある公共の場です。高齢者はここまで福祉バスで来ることができ、市民に大変喜ばれています。10年後と言わず、サンプラザの中に区民が集える公共の場を確保することはできないでしょうか。サンプラザは中野区のまちづくりに欠かせないと言いながら、区はそこに住む区民を無視し、不動産業の展開を考えているのではありませんか。今回のサンプラザ取得に関して、公共の立場からのビジョンが全く見えてきません。区長のお考えを伺います。
 次に、公教育の充実について、二つのことを質問いたします。
 一つは、区立の小・中学校で実践されている「総合的な学習の時間」の内容についてです。この「総合的な学習」は、小学校で週3時間程度、中学校で2時間から4時間程度の時間を割き、子どもたちの「生きる力」の育成を目指しています。その具体的な内容を見ると、例えば子どもたちが田植えから稲刈りまでを実際に体験する学習、バリアフリーを実感するため、地域の建物や歩道を歩行が不自由な立場に立って調査する学習、遠足に行く地域について歴史や自然を調べ、まとめる学習など、環境、福祉、社会科学、情報などの分野に配慮した確かに教科書主体の授業とは違ったものであります。しかし、今の子どもたちにとって必要な「生きる力とは何か」を考えるとき、これからの学校で教えなければならないものがやはり抜けているように思います。その一つは、人間が「社会で生きていくということ」、もう一つは「お金に関すること」です。
 昔は、子どもたちに将来何になりたいかと尋ねたとき、総理大臣、野球選手、バレリーナ、お医者さん、スチュワーデス、学校の先生と、あこがれの職業が浮かび上がってきました。今の子どもたちはどうでしょう。漠然と有名人になりたい、お金持ちになりたい、一番になりたいという返事。中学生にもなれば、「別に」、「面倒くさくない仕事」という返事が多いのではないでしょうか。子どもたちは大人の姿を見て育ちます。大人の世界が煩雑で、魅力的に映らなければ、子どもたちが将来に対する希望を抱くこともできません。
 労働経済白書によれば、2003年度には若年無業者数が52万人に上りました。前年度比4万人の増加です。経済の低迷による厳しい就職環境の中で、学校卒業後定職につけず、就職活動もしないでいる若者が社会問題として取り上げられるようになりました。これは社会にとってとても大きな問題です。二十代に適切な職業訓練を受けられない人間は、社会で通用する技能を身につける機会を一生失ってしまうことになるからです。フリーターや若年無業者となることを回避するために、高校や大学ではインターンシップといった職業観を養うプログラムの導入を進め、産・官も支援体制を整えつつあります。とはいえ、高校や大学から突然一人で就職と向き合わされるのが現実です。小学生から高等学校まで通じてキャリア・エデュケーションを実施する必要性が文部科学省の各審議会でも強調されておりますが、社会で自立することを考えることこそがそのスタートだと考えます。
 作家、村上龍氏の書かれた子どもたちのための職業案内「13歳のハローワーク」は爆発的なヒット作品となりました。世の中にはこんなにたくさんの種類の仕事があり、人間は仕事を通じて世界を見たり、感じたり、考えたり、対処したりすることができるようになるという考え方を、13歳というあらゆる可能性を持つ時期に持とうという内容です。
 今、核家族化が進み、地域の交流も難しく、子どもたちが社会の仕組みを自分で実感し、家庭で学ぶこともままならない状況です。子どもたちはテレビゲームなどを通して「人間ではない者」に自分自身を置きかえがちです。その中では勝ち負けだけが大切で、敵には「死ね」と言い、あらゆる手段で敵を排除し、もし自分が負けたらまた「リセット」してやり直すことが幾らでもできます。そんな子どもたちが将来自分で何かを決めなくてはならなくなったとき、どうしてよいかわからずにとまどい、うろたえ、早々に選択することをあきらめてしまいます。「人間はどうやって生きていくのか」という原点に戻り、人間が自立して生きていくための学習が公教育の段階から必要とされることを強く感じます。そして、自立して生きる手段としては、「お金の教育」も今を生きる子どもたちに欠かせないものだと思います。
 今の子どもたちは、幼いときから否応なしに経済社会に組み込まれています。しかし、日本では社会に出るまで、これといった「お金に関する教育」を受けることがありません。最近の犯罪の多くは借金苦、金銭的な問題から発生しています。自分の借金を清算するために他人の金を流用する、人の金を盗む、時にはそのために殺人まで起こす。子どもたちがそんな大人の世界から影響を受けないはずはありません。実際、少年少女による恐喝、強盗も後を絶ちません。「欲しいものを何としても手に入れたい」という安易な発想だけで動いてしまうのです。
 現在を生きる子どもたちにとって、大人の世界は避けて通れないものであり、幼いころからきちんとした「金銭教育」をやっていくことが大切です。子どもたちが賢い消費者になるためにも、賢い経営者になるためにも、多重債務者にならないためにも、お金の授業が必要ではないでしょうか。経済、金融、実社会を体験する場を学校という共通の教育現場に用意してあげたいと思います。
 アメリカでは、企業経営を実体験させる「エンタープライズビレッジ」や資金運用や税金、ローンなどについて考える「ファイナンス・パーク」という体験学習のプログラムなどを取り入れるところもあります。小学生でも商品の仕入れ、販売コストを考慮しながら店ごとに利益を競わせるといった学習もあります。社会でどのようにお金が回っていくかを学び、自立した大人を目指します。さらに、高校生になると株式運用の勉強をし、自分の資産形成について学びます。総合的な学習の時間にこうした「お金の教育」を取り入れるお考えはありませんか。今、自分が置かれている社会経済を感じ取ることが、大人はもちろん、子どもにとっても自立して生きていくために必要です。そうした自立のための授業を総合学習に取り入れていく必要性を強く感じます。いかがですか。
 公教育の充実についてのもう1点、先日、小・中学校で行われた「中野区学力にかかる調査」についてです。9月になって、区立小学校の2年生から中学3年生までを対象に、中野区独自の学力調査を実施しました。実施教科は小学2年生から5年生までが国語と算数、小学6年生と中学1年生は国語、社会、算数、理科、中学2年、3年は国語、社会、数学、理科、英語です。この学力調査、結果を学校間で比べるのではなく、生徒一人ひとりの学習状況を踏まえて教育課程や指導の改善、充実を図るとのことですが、具体的にはどのような取り組みを考えていらっしゃいますか。
 昨年度、首都圏模試センターのデータで、私立中学を受験する小学生は首都県全体の小学生の15%となり、過去最高でした。クラブ活動の充実、教育理念など、私立中学を選ぶ理由は多々ありますが、学力をつける授業を望んで私立中学に行かせる保護者が多いことも事実です。私立中学校にお子さんを通わせている家庭が金銭的にずば抜けて豊かであるというわけではありません。授業料を負担し、交通費を負担し、お弁当をつくるという手間をかけ、それでも充実した授業により学力をつけたいと保護者は言います。NHKが実施した子どもを持つ主婦へのアンケートの中で「生活費の中のどの部分が一番苦しいですか」という問いに、6割以上の人が「教育費」と答えています。子どもにきちんとした教育を受けさせるには私立学校に行かなくてはならないという通説を打破し、公立学校の存在を確立するために、まずは今、学んでいる子どもたちの学力の向上に向けて真剣に取り組まれることが必要だと思います。学校選択制、2学期制、いろいろな制度の検討もさることながら、学力の向上を最大の目的とすることが公立離れを防ぎ、保護者たちの教育費負担を軽くし、少子化問題を解決するポイントの一つであるように思えます。学力調査の結果を踏まえ、できる子どもはもっと充実した学習を、標準レベルの子どもはその上を、できなかった子どもは手厚く指導してくれる体制をどうつくっていくかが大事です。その取り組みに保護者は期待しています。わからないことを教えてくれる、学ぶ楽しさを教えてくれる、学校に行けばわからなかったことがわかっていく、毎日世界が広がっていく、そんな当たり前のことが今の教育現場に忘れがちになっているような気がします。公立学校が子どもたちにとって魅力的な場であり続けられるように、教育委員会のさらなる努力に期待して、私のすべての質問を終わります。御静聴ありがとうございました。
      〔区長田中大輔登壇〕
区長(田中大輔) 近藤議員の質問にお答えをいたします。
 職員の打刻事件ということですけれども、処分の程度についての言及がありました。懲戒処分の適用は、出勤簿の不適正処理の原因、結果、職員の職責、社会的影響など総合的に判断をしたもので、適正なものと考えているところです。
 それから、7月に行われた地域センターでの話し合いの中で、何に対して謝罪をしたのかということですけれども、御指摘の集まりでは、御意見をいただいた区民をはじめ、同席していた皆様にこのたびの事件について、区政運営に関し不安を与えたことをおわび申し上げたものであります。この事件に関する懲戒処分については6月8日の庁議で公表し、庁議報告としてその内容を中野区ホームページに掲載しているところです。さらに、6月9日の総務委員会でも御報告しているところでありまして、区民の皆様からいただいた多くの御意見にもその都度きちんと対応させていただき、区長としての説明責任は果たすことができていると考えているところであります。
 情報漏えい事件との対応の相違ということですけれども、情報漏えいの件については、現実に明白な違法行為が行われたことによって区の本来秘密とするべき情報が外部に漏えいし、区の業務執行に重大な支障が生じる。結果的に区の信頼が損なわれることになるため、事実関係を究明し、適切な対応を図る必要があり、告発したものであります。現在職員を特定するに至っておりません。
 一方、出勤簿の処理については、事実関係が内部で把握できるものということであり、内部の調査に基づいて適正な処分を行ったということであります。
 部長の仕事ということであります。総務部長が対外調整や区民説明などで時間をとられているが、本来の仕事ができないのではないかといったことも含めての御質問でした。財政再建については区の最優先課題でありまして、区の経営層に当たる管理職については、全員同様の認識をしているというふうに考えております。
 部長は、部の経営責任者として区政にかかわる重要な課題などについて対外調整や区民説明を行う。これについては、区の説明責任あるいは区民との対話を重んじていく、区民参加、そうしたことの中から、部長にとって本来の業務であると考えております。そうしたことを行いながら、財政再建や、中での業務にしっかりと指揮をとるということが部長の職務であるというふうに考えております。
 それから、部長が一般職員の声を聞いたり、もっと風通しのいい職場にしていく必要があるのではないかということです。全職員が各部の目標をともにつくって共有し、また、その目標を達成するために毎日職務を行っているわけですけれども、そのためには各職場での日常的な話し合いや対話といったことが不可欠であります。そのことに向けて、各部長が常々工夫をしているところということで御理解いただきたいと思います。
 サンプラザについてです。サンプラザは、中野区が出資をした新会社が取得し、運営会社が一括賃借して運営を行うということであります。運営については、運営会社に最大限の経営努力を行ってもらうことになっております。業績不振の場合には、破綻する前に経営陣の交代も含めて対応することとなっておりまして、10年間の運営継続は可能な枠組みができていると考えております。
 また、運営事業者の責に帰さない理由によってサンプラザの運営が困難となった場合には、10年間の運営期間の途中であっても、雇用・能力開発機構との協議、承諾によって用途変更、あるいは所有権の移転ができることになっているということであります。サンプラザの運営が破綻をしないようにということでの最大限の努力をした上での枠組みができ上がっていると考えているところです。
 それから、サンプラザの運営については「まちのシンボル」として、また中野駅周辺のにぎわいを維持すること、再整備によって駅周辺全体のまちづくりに寄与することが目的であります。これが区民にとって最大のメリットであると考えているところでありまして、近藤議員も再三御心配いただいたように、採算の取れる事業として運営するということが何よりでありまして、区として採算の取れる事業が行える施設、そして区の施設ではないということでありますので、区としては利用する際の区民に対する特別の優遇を求めることは考えておりません。しかし、こうした形で区がかかわって取得をし、運営していくわけでありますから、サンプラザという場の優位性でありますとか、施設を活用しながら町の産業の活性化、町のにぎわいといったようなものに結びついていくような運営を行っていくことが大事だと考えているところであります。
 再三の御質問のありました新会社への2億円の出資以外には、中野区が負担するものはないということであります。私からは以上です。
  〔教育委員会事務局次長金野晃登壇〕
○教育委員会事務局次長(金野晃) 公教育の充実についてのお尋ねにお答えいたします。
 子どもたちに社会の中で自立していけるよう、経済や社会を体験するような教育をすべきだということですが、教育委員会として生きる力をはぐくむ教育ということを大きなねらいとして取り組んでおります。特に、金銭感覚を身につけるための指導というお尋ねですが、現在、お尋ねの総合的な学習の時間の中で、体験的な学習ということで健全な金銭教育や賢い消費者としての基本的な知識を身につけることができるような指導をしてございます。また、社会科や家庭科の中でも行っていると。特に、昨今の小・中学生を巻き込むような消費者被害の事件が増加していることなどを踏まえて指導しているということでございます。
 また、学力調査に関して、しっかりした学力向上を目的として進めてほしいということですが、この学力考査につきましても、学力の向上につながるよう活用するということをねらいとして実施したものでございます。この調査、区立学校の授業の改善を大きなねらいとしております。あわせて、子ども自身が学習上の課題をつかみ、その後の学習に生かすというようなことで使っていきたいと思っております。具体的には、調査結果の分析から各学校が自校の日常の授業の課題を明らかにすると。学校全体で改善策をつくって実践していくことができるように進めたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(山崎芳夫) 以上で、近藤さえ子議員の質問は終わります。
 議事の都合により暫時休憩いたします。
      午後2時32分休憩

      午後2時55分開議
○副議長(やながわ妙子) 会議を再開いたします。

 中野区議会議員 はっとり 幸 子
 1 田中区政2年間の取り組みについて
 2 環境政策と基本構想について
 3 景観法制定と区の今後の対応について
 4 (仮称)市民の行う公共・公益活動推進条例の考え方について
 5 介護保険制度見直しに向けた課題について
 6 聴覚障がい者への対応について
 7 その他

○副議長(やながわ妙子) 一般質問を続行いたします。
 はっとり幸子議員。
     〔はっとり幸子議員登壇〕
18番(はっとり幸子) 市民自治のはっとり幸子です。時間の関係で、質問項目は田中区政2年間の取り組みについて、景観法制定と区の今後の対応について、(仮称)市民の行う公共・公益活動推進条例の考え方について、介護保険制度見直しに向けた課題についての4項目とさせていただきます。
 初めに、田中区政2年間の取り組みについて伺います。
 一昨年6月の区長就任から2年余りが過ぎました。区長が選挙中に区民に訴えた区政運営の理念と政策は、就任後初めて招集された2002年、第2回定例会の所信表明の中で生かされました。手ごたえのある区民参加、徹底した情報公開のもとで基本構想の改定、区の組織の内部改革、新たな支え合いの地域社会、健康づくりと安心の福祉、子育て・子育ち支援、緑と環境、防災と安全などについて、区政改革に向けた区民との公約がこの2年間でどのように実現されたのか、年度を追って進捗状況を検証しました。
 以下、アトランダムに早口で申し上げます。2002年度、就任後初の議会で区長給与を削減。区長公用車廃止。上野原・スポーツ学習施設廃止。凍結施設の計画見直し。就任翌月から毎月2回の対話集会開始。政策会議・庁議の概要の公表。接客六つの約束作成。経営改革指針策定。住基ネット切断により国のあり方を具体的に改善。基本構想審議会・基本構想区民ワークショップ設置。職員提案制度実施。公募制異動職場制度導入。職員の写真入り名札導入。区民の声のメール回答開始。連結バランスシート作成。旧上鷺宮保育園をとちのき保育園として民営化。IT講習会実施。非核宣言都市20周年事業。非核自治体全国大会区長参加。
 2003年度は、区長交際費の全面公開。区民参加の視点の行政評価制度に改善。区長アイデア便開始。公益通報制度開始。パブリックコメント手続制度実施。ホームページからの情報公開手続開始。広報外部評価委員会設置。(仮称)自治基本条例職員PT設置。インターネットによる図書館蔵書検索システムの導入。基本構想メルマガ発行。鍋横・桃園・野方地域センター分室の管理業務委託。NPOフォーラム実施。庁内各部へ人事権限委譲導入。文書管理システム開始。目標と成果による区政運営。出退勤システム導入。職員おもてなし運動開始。情報公開請求電子申請一部実施。高齢者在宅サービスセンターの民営化。高齢者福祉センターを社会福祉法人に委託。江古田の森保健福祉施設PFI実施方針策定。保育園・特養・介護保険事務所・障害者施設・民間介護事業所の福祉サービス第三者評価実施。野方北保育園を野方さくら保育園として民営化。親と子心の相談拡充。小・中学校普通教室の冷房化。乳幼児親子支援事業NPOとの協働開催。小・中学校の生ゴミ回収堆肥化業務委託実施。区・都・西武鉄道の三者による検討会設置。プラスチック包装容器モデル回収実施。中野駅周辺まちづくり調査検討委員会設置。東中野駅前広場整備検討委員会設置。企業サポートセミナー開催。創業相談枠の増。産業まちづくり調査会設置・報告。外部専門機関によるセクハラホットライン開設。中小企業退職金共済制度の給付のあり方等検討会設置。勤労者サービスセンターのあり方等検討会設置。文化・スポーツ振興公社指定管理者制度への移行方針作成。
 2004年度は、現在までに安全で安心なまちづくり推進条例制定。学校栄養業務NPO等へ委託。(仮称)市民自治基本条例策定審議会発足。市民の行う公共・公益活動支援指針策定。事業部制の実施。夜間の窓口延長日の増。高齢者会館3館の区民団体等への事業委託。高齢者緊急一時宿泊事業。こぶし園指定管理者移行。権利擁護センターアシスト開設。江古田の森保健福祉施設事業者決定。江古田の森防災公園整備。高齢者見守り支援ネットワーク「元気でネット」実施。子ども部門総合相談窓口設置。子育て支援機能ネットワーク強化。みなみ保育園民営化。宮園・宮の台保育園指定管理者制度導入。耐震補強等支援事業開始。サンプラザ取得運営事業者選定。IT活用地域活性化事業助成。商店街活性化創業サポート事業実施。区立図書館の一部業務のNPO委託。教育委員候補者登録制度の創設などです。
 この2年間に区長が取り組まれた施策をこうして列挙して、改めて酒井議員が発言された「命がけ区政改革を進めている区長」は名言だと思いました。これまでの状態のまま何もしなかったら、職員や区民から多様な意見は出てこないでしょうし、これだけの改革を進めているからこそ多様な反応があるのだと思います。よく区民から手ごたえのある区民参加になっていないという声を聞きます。参加の手ごたえとはどのようなことでしょうか。私は区民個人や団体の要望することが受け入れられることだけが参加の手ごたえではなく、議論が徹底してできる場があること。意見の異なる人との議論によって合意形成ができることだと考えています。中野駅周辺整備をテーマに、8月末に行われた区長対話集会では、参加した区民と区長のかなり激しい議論が展開されました。当日、議会質問の参考にと傍聴に来ていた多摩地域のある市議会議員は「ここまで首長本人と市民が公開の場で議論できる自治体があるだろうか。感動した」という感想でした。
 このような区民との議論の基盤づくりと参加の仕組みづくりは、2年間の区長の成果だったと思います。参加の仕組みが機能していくかどうかは、職員そして区民にも問われます。区長はこの2年間を振り返って、御自身の区政運営についての中間総括をどのようにされておられるのでしょうか。毎月初めに行われる職員向けの区長の庁内放送は、ことし7月の放送から少し変わったような印象を受けますが、心境の変化などあったのでしょうか。あわせてお聞きします。
 先ほど、これまで2年間の区長の取り組みについて申し述べましたが、区長が区民に約束をした政策で取り組めていないものがありますし、また、取り組みを始めたものでも成果が出るのは時間がかかると思います。就任の際の所信表明で区長は「区民一人ひとりの思いが通じ、それらが生かされる区政をつくり、区政と区民との距離をなくすことの重要性」を強調しています。その所信を忘れず、持続可能な区政にしていくために、区民から託された重要課題である財政再建と新たな時代の区政課題への取り組みに果敢に挑戦していただきたいと思いますが、任期後半の2カ年をもう少しゆとりを持っての区政運営も必要ではないかと思います。どのような決意で区政運営に今後後半2年間臨まれようとされているのか、この項の最後に伺います。
 次に、景観法制定と区の今後の対応について伺います。
 ことし6月に景観緑三法が可決、成立しました。閉会中の議会での報告もあったところです。景観法ができたからすぐに景観が守れるような規制や規則ができるわけではありません。これまで都の事務だった屋外広告物設置などについての規定など、自治体として可能な規定事項がふえたのですから、条例づくりなど地域に合わせた独自の工夫と行動が必要です。町並みや景観破壊に対応して既に自主的に景観条例などをつくっている約500の自治体、また、これから条例をつくろうとしている自治体にとって、法の制定は大きなサポートになるだろうとの期待があります。法の内容についての批判もありますが、やる気のある自治体が使いこなすことが大事だと専門家は言います。
 景観法には、各自治体が任意で定めることができる事項が規定され、財産権にかかわる都市計画・土地利用関係の法律では初めて土地・建物に関して法律を超える制限、いわゆる上乗せ・横出し条例を認めていますから、各自治体が条例をどのようにつくるかが注目されます。中野区で条例を考える場合、景観法で委任された条例を単独でつくるか、また、現在策定に向け審議会での議論が進んでいる自治基本条例の中に盛り込むか、あるいはまた、景観法による委任部分と自治基本条例を組み合わせるなど、いろいろと考えられるのではないかと思います。自治基本条例審議会を傍聴している限りでは、景観形成を含むまちづくりにかかわる議論はまだ行われていませんので、どのような方向性かはわかりませんが、地域ごとの住民による自発的な取り組みや合意形成を区政運営の中にしっかりと位置付けて、区のまちづくりの基盤としていくという方向性や理念についての考え方は、自治基本条例に盛り込まれることが可能な内容ではないかと思います。
 しかし一方で、景観に関する具体的な施策を展開していくために、必要な項目まで自治基本条例に盛り込むという可能性は低いだろうと思いますし、市民と一緒に自治体が一体となって、中野の地域にもっともふさわしい条例のあり方の検討と工夫をすることが大切なのだと思います。景観法制定にかかわる区の仕組みづくりについて、現在どのような検討をされているのか、お考えを伺いたいと思います。
 次に、(仮称)市民の行う公共・公益活動推進条例の考え方について伺います。
 (仮称)市民の行う公共・公益活動推進条例の制定に向けた区民との意見交換会が先週、3カ所の会場で開かれました。区の市民活動を推進する仕組みづくりも、いろいろと模索しながらようやくここまできたと感慨深いものがあります。最後の開催日、担当職員の説明の後、参加者から「公共サービスは本来行政がやるもので、安上がりの委託はおかしいのではないか。また、行政のやるべき仕事をNPOや地域の団体に肩がわりさせるのであれば、財政的な支援を行うべきだ」など、区民からよく出てくる意見ですがNPOで活動している人たちからもそうした意見が出されました。
 「協働を進めていくこと」や「公共サービス」について、また「新しい公共をつくる」ということなどについて、市民やNPO、職員など、まだまだ十分理解しているとは言えません。いろいろな立場の人たちが一緒に考え、議論する場をもっとつくっていくことが必要だと思いました。区民あるいはNPOなど、地域の団体との協働を進めるための仕組みづくりをというときに「行政の仕事をNPOや地域の団体に」とか、また「これまで行政が独占していた事業にNPOや地域の団体などを参入しやすくする」のだという議論があります。
 今月3日の都政新報は、昨年度港区が開設した子育てひろば「あい・ぽーと」で施設の運営を担っていた全国展開の活動を行っているNPOが4月以降撤退するという記事を掲載しています。NPO法人の区側の対応への批判などがあり、区側とNPO法人側の意見の違いがあるようです。また、港区の幹部職員の話として「NPOとの協働は時代の流れでさらに進むだろう。行政の常識がNPOの文化と大きく違うことも見えた。事業を準備する段階でもっと丁寧に、お互いの目的や考え方を交流しておく必要があるのではないか」とのコメントが掲載されています。施設運営や事業を非営利法人に委託する自治体が全国的にふえ、事業を委託されたNPOと行政のトラブルも多いと聞いています。中野区もNPOへの委託事業化を進めていますし、今後さらにふえることが予測される中、行政とNPOがパートナーとしての関係を築いていくためには、こうした問題を他山の石とするのではなく、私たちが何を学ぶかが大事だと思います。区として、この問題についてどのような感想をお持ちでしょうか、お聞きします。
 今年度中に、中野区として(仮称)市民の行う公共・公益活動推進条例を制定する予定となっています。市民の行う活動の推進の目的は、決して行政サービスを肩がわりする活動の促進ではありません。条例を制定するに当たって大事なのは「市民やNPOなどの市民団体、行政がお互いに理解を深めながら対等の関係で協力・連携し、新しい公共をつくり出していく」ということではないでしょうか。NPOなどが区民ニーズをもとにこれまで独自に取り組んでいた多様な活動を、公共サービスとしてどのように位置付けていくのかなど、「対等性」というキーワードが大きな意味を持ちます。今、NPOも行政も、そして私たちみんなが時代の求める発想の転換をしていくことが必要なのだと思います。(仮称)市民の行う公共・公益活動推進条例制定に向け、中野区のお考えを改めて確認しておきたいと思います。
 次に、介護保険制度見直しに向けた課題について伺います。
 7月30日、国の社会保障審議会介護保険部会は「介護保険制度の見直しに関する意見」として、新たな制度の創設や各種サービスの見直しなどをまとめました。公的サービスをどこまで広げるのかという議論よりも、保険料を払う人をふやしたいという財源の議論が先行しているように見えましたが、被保険者を40歳未満にまで広げるのかどうか、障害者支援費制度との統合などについての結論は出されず、今月から再開された部会の議論に先送りされました。
 社会保障審議会介護保険部会の意見の取りまとめの公表後、中野区は東京都を通じて意見を出していると聞いていますが、利用者本位の制度の実現に向けた政策課題に対して、どのような検討をされているのでしょうか。課題は山積していますが、時間の関係で次の2点だけ質問します。
 1点は、ことし4月に厚生労働省の実態調査の結果が公表された高齢者虐待の問題です。国はこの実態調査をもとに対応策を検討し、介護保険制度見直しに反映させるようです。児童虐待防止法と同じように、高齢者虐待についても虐待の発見に関係者の通報義務を課し、行政が介入して被害者及び加害者の救済制度を早急に整備することが国に求められているところです。児童虐待やDVには一時避難の民間シェルターが存在し、防止法成立にも力となりましたが、高齢者にはまだシェルターがありません。世田谷区が全国初となる高齢者のシェルターを今年度中にも開設する方針を明らかにしていますが、同居する介護家族による虐待が9割という実態調査結果を踏まえて、被害を受けた高齢者が一人で暮らすことが可能な救済方法など、考える必要があると思います。経済的虐待の実態は明らかではありませんが、かなりの数ではないかと言われています。加害者を罰すれば解決になるのか、家族介護のあり方を含めて、さまざまな関係者や市民に問題提起を行い、議論しながら解決策を考えていくプロセスをつくることなども必要です。区としても高齢者の権利擁護としての虐待の実態を把握し、対応を検討すべきと思いますが、どのようにお考えでしょうか、お答えください。
 また、高齢者虐待問題と密接な関係があると思われます、同居して毎日介護する家族の精神的・身体的な一時休息のレスパイトケアなど、家族介護者を支える仕組みをつくることなどの検討も必要だと思います。あわせてお考えをお聞きします。 2点目に、介護保険保険料の設定、徴収などについてです。区民には保険料設定基準、また介護保険財政の会計報告など、わかりにくいと思います。区民にわかる介護保険会計報告を概算でも構わないと思いますので公開し、現状を明らかにすることが必要だと思います。また、四人に一人が65歳以上の高齢者という社会を迎えるだろうと言われる2015年を照準にして介護保険の見直しが言われていますが、市民の支え合いに基づく介護保険制度を維持していくために、透明性の高い議論を行って、信頼できる制度にしていくことが求められます。現行制度のもとで、20歳まで被保険者を下げた場合、また、障害者支援費と統合した場合など、それぞれの2015年までの段階的な保険料会計のシミュレーションを行い、被保険者と保険者、そして国がそれぞれ幾ら負担しなければならないのか区民に問題提起をし、広く意見を求めることなど、保険者として責任を持って検討すべきと思います。いかがお考えでしょうか。

 以上で私の質問を終わります。よろしくお願いいたします。
      〔区長田中大輔登壇〕
区長(田中大輔) はっとり議員の御質問にお答えをいたします。
 私の区政2年間の取り組みについてということでの御質問でありました。まず、2年間を振り返ってということですけれども、区長に就任して以来、新しい時代、21世紀の社会に対応した区政をつくっていく、21世紀の社会で持続可能な地域社会をつくっていくための区政の転換ということに取り組んできたつもりであります。
 まず、区政運営の基本となる、大もととなる考え方、仕組みといったことについて、基本構想の改定の作業として2年間かけてこれまで取り組みを進めてきたところです。また、自治基本条例、あるい市民が行う公共・公益活動推進条例といった新たな中野区の柱になるような自治の仕組みをつくっていくといったことについても検討を進めてきたことであります。そうした新しい時代に耐え得るような区の行政の仕組み、仕事の進め方といったことについても、さまざま改革に取り組んできたところであります。
 この2年間で、そうした意味で改革を進め、また新しい時代に対応できる区の体制をつくっていく、そのための基本的な枠組みについての取り組みに着手をし、一定進めてくることができたと考えているところであります。
 いずれにいたしましても、何よりも重要なのは、区民にとって何が価値のあることなのかという問いかけを常に持って区政運営を行っていく、仕事を進めていくということだと考えているわけであります。そうした価値観に基づいて区全体が仕事を進めていけるような体制をつくることでの基礎をつくるというのがこの2年間の仕事だったと考えているところであります。
 こうした2年間の改革を土台に、新しくつくった組織に真の魂を入れ、またこれまで検討してきた基本構想でありますとか基本となる条例、そうしたことの検討をさらに深め、本当に改革の実が上がるような区政運営を行っていくのがこれからの2年間であると考えているわけであります。
 そういう意味で、腰を据え、足元を見据えた2年間として、区民の皆様そして議会の皆様と一緒に中野区政を推進していきたいと思っているわけであります。
 また、景観法についてであります。今回の景観法の制定によりまして、総合的な景観形成が可能となる、こういった事態になりました。こうした景観の取り組みというのは市民の自治、地域の合意形成といったようなことと切っても切れないものにあると思っています。景観形成、まちづくりに向けての市民の自治の営みといったことを保証していく仕組みというものも区の中でつくっていくことが大事なのかと思っているところであります。
 いずれにいたしましても、今回の景観法はことしの12月が施行予定ということになっております。施行規則などもまだ明らかになっていない段階でありますので、今後区として法制度の趣旨を踏まえるとともに、東京都とも協議を進めながら、中野にふさわしい景観形成推進の仕組みを考えていきたいと考えているところであります。私からは以上です。
     〔区長室長田辺裕子登壇〕
区長室長(田辺裕子) (仮称)市民の行う公共・公益活動推進条例の条例づくりに当たりまして、検討の考え方ということでお答えをさせていただきます。
 区民が多様なサービスを利用できる豊かな地域社会を実現するためには、行政と自主的、自律的な団体でありますNPOや市民団体の両者が対等性、連携協力して事業に取り組み、新たな需要にこたえていくことが重要だと考えております。それぞれの役割と責任を尊重しながら、事前の十分な協議のもとで行っていくことが大切であると受けとめております。こうしたことを踏まえて、条例づくりを進めていきたいというふうに考えております。
    〔保健福祉部長菅野泰一登壇〕
保健福祉部長(菅野泰一) 介護保険制度見直しに向けた課題につきまして、2点お答えいたします。
 1点目は、高齢者虐待への取り組みについてでございます。高齢化の進展、介護期間の長期化に伴いまして、高齢者に対する虐待問題が社会問題となっております。こうした問題は、区といたしましても取り組むべき重要な課題だと認識しているところでございます。現在、地域からさまざまな相談や日常業務を通じて発見した個別ケースについては、保健福祉センターや在宅介護支援センター等、関係機関が十分に連携しながら対応しているところでございます。今後、区といたしまして取り組み体制を整備しつつ、介護シェアの支援を含めた必要な施策の検討を進めてまいりたいと思っております。
 2点目でございますが、介護保険料の設定にかかる対応についての御質問にお答えいたします。
 介護保険の状況につきましては、通常の決算書以外に、毎年度運営状況の報告書を取りまとめております。今後もさらに区民に理解をいただく努力をしていきたいと考えております。次期保険料を含めた第3期事業計画の策定に向けましては、被保険者や事業者の委員も参加した介護保険運営協議会を設置して検討しております。
 なお、介護保険の利用者などからのアンケート調査や、区民意見の募集も実施してまいりたいと考えております。
 以上であります。
     〔はっとり幸子議員登壇〕
18番(はっとり幸子) (仮称)市民の行う公共・公益活動推進条例の御答弁ですけれども、これまで区の考え方として述べてこられたものだと思うんですけれども、やはり協働を進めていくときに、NPOだとか行政の立場で、お互いの対等性ということがしっかりと押さえられないと、なかなかこれからの協働を進めていくところでは難しい問題が出てくるのではないかということで、改めて考え方をお尋ねしたんですけれども。対等性というところでもう一度御答弁をお願いできたらと思います。よろしくお願いいたします。
     〔区長室長田辺裕子登壇〕
区長室長(田辺裕子) NPOや市民団体等につきましては、先ほどもお答えいたしましたように自主的、自律的な団体ということで、行政はもとより、団体相互の間におきましても、その関係は対等が基本だと考えております。
 以上でございます。
○副議長(やながわ妙子) 以上で、はっとり幸子議員の質問は終わります。

 中野区議会議員 こしみず 敏 明
 1 学校からの情報提供システムについて
 2 ヒートアイランド現象に対する対策について
 3 資源回収の問題について
 4 食品のリサイクルについて
 5 中野駅のバリアフリー対策の推進について
 6 自転車駐車場の自動化について
 7 江古田の森整備について
 8 その他

○副議長(やながわ妙子) 次に、こしみず敏明議員。
     〔こしみず敏明議員登壇〕
26番(こしみず敏明) 平成16年第3回定例会に当たり、公明党議員団の立場から区長並びに理事者の皆さんに質問をいたします。
 初めに、第2回定例会で同僚の斉藤高輝議員が取り上げました事件等の発生に際して、学校から保護者等への情報提供に携帯電話を使用する情報提供システムについて、その早期実施に向けた取り組みを質問いたします。
 私も携帯電話を持っていて、議員団や地元の方からの連絡等にメールをいただくことも多くなりました。最近では、小学生や中学生くらいのお子さんをお持ちの保護者の方、特に女性はほとんど携帯電話を持っていますし、大抵メールを使用しているようです。既に携帯メールでの情報収集、提供が当たり前の社会になりつつあります。このメールを使用した情報提供のメリットについては、スピードやコストの低さ、同時性などが挙げられています。これらのメリットは、学校からの事件、事故情報などの提供システムとしては極めて有効と考えられます。私は一日も早くこのシステムを導入して子どもの学校及び地域での安全性の向上を図らなければならないと考えております。
 そこで、私はこのシステム導入で先行している自治体の一つ、荒川区に視察に行ってまいりました。荒川区の情報システムで扱っている情報は1、事件や災害発生時等の連絡、すなわち構内や学校周辺での事件、事故、台風などの対応。2、学校行事の実施や変更の連絡。3、健康管理として、インフルエンザ等の発生や注意の喚起。4、PTA連絡などになっています。
 ことしの1月から4校で試行し、6月には小学校、10月には中学校に本格導入するというものです。導入費用については、1校当たり初期費用が15万円、保守料金が月額1万7,000円となっています。このほか、携帯電話を持っていない保護者のための着信専用携帯電話を貸与しているようで、その費用は別途かかることになっております。
 私が視察した小学校では、このシステムの加入は7割弱でしたが、学校側の話によれば、保護者の家庭の生活のスタイルがさまざまに多様化した結果、電話での連絡が困難な状況になりつつあり、学校から保護者の携帯電話にメールで連絡するこのシステムは極めて利点の多い方法だとのことでした。試行に際しては、保護者の方々の声もアンケートとして集めましたが、おおむね「よい」という好意的な声が多く、「うわさではない、正確な情報が提供されるので助かる」、「記録が残るので後で確認ができる」という声もあったようでございます。教育委員会では「導入している学校以外の保護者からもぜひ早期に導入してほしいという声があり、このような状況を踏まえて、子どもたちの安全を確保する体制をより早く整備するために、本格的導入を当初の予定より早めることを検討している」とのことでした。
 第2回定例会での斉藤議員の質問に対して、教育委員会事務局次長は「保護者への情報提供のシステムでございますが、携帯電話を利用した情報システムは、事件などの情報を迅速かつ正確に保護者に伝える手段として考えられると思います。これから他区の運用状況をさらに調査研究し、早い時期に結論を出してまいりたいと思います」とお答えになっています。
 そこで伺います。現在まで、教育委員会として調査研究はどのように進んだのでしょうか。また、導入についての結論はどのように出したのでしょうか。なお、試行に関しては、経費の負担は大抵ないそうですが、そうだとすれば、試行についても本年度中と言わずに本年中に実施して、来年度からの実施を考えるべきではないでしょうか。私は行政の自己都合ではなく、区民のためという視点に立つならば、基本構想の策定時期にこだわらずに、構想の内容を先取りして先行実施するものがあってもおかしくないと思います。そして、子どもの安全の確保ということは、先行実施が求められる性格のものだと考えます。基本構想の策定に絡んで、先行実施についての考えを伺うという意味で、教育委員会だけでなく区長のお考えも伺います。
 情報提供システムの導入のためには、整備を図らなければならない制度面での問題もあると思います。その一つが個人情報の保護ですが、現行規定で十分でしょうか。来年4月、個人情報保護法が完全施行されますが、中野区としてはそれを受けてどのように対応するのか伺います。条例改正を検討されているやに伺っておりますが、区の見解をお答えください。
 千葉県市川市では、このほどISMS評価制度、いわゆる情報セキュリティマネジメントシステムの取り組みと成果を示しました。本格的なネットワーク社会の到来により、さまざまな組織や時間、場所を超えた連携が本格化する中で、電子自治体への取り組みが進められてきており、それに伴い、これまで以上に、だれもが安心できる信頼された行政システム構築と情報の安全性への対応が課題になってきたといえます。
 市川市では「地域」、「情報」、「人」、「財政」、「業務運営」の五つの改革の視点のもとに、経営資源を効果的・効率的に活用し、市民との協働を基本理念とする市民本位の新しい行政システムの構築を目指しているとしています。中野区と似ているようで違っているところもあるようです。その実現のためには、市民と市とが情報の公開や共有、保護を徹底した電子自治体の構築が不可欠であるとして、ISMS評価制度の導入となったようです。
 情報セキュリティの精度向上やマネジメントシステムの確立、職員の意識向上、第三者機関によるチェック、市民の信頼確保など、導入によるメリットは大きいとされています。三鷹市、杉並区も同じような動きをしているようです。中野区でも個人情報保護条例の改正とあわせて評価制度の導入を検討されてはいかがでしょうか。区の見解を伺い、この項の質問を終わります。
 次に、ヒートアイランド現象に対する対策について伺います。
 ことしの夏は、本当に暑い日が続きました。観測史上初めてという言葉を何度も聞いた記憶があります。そうしたこともあってか、ふだん片仮名言葉を使わない地元の人からも「こしみずさん、ヒートアイランドって知っていますか。ヒートアイランド現象に対する中野区の取り組みはどうなっているんですか」と聞かれることが何度もありました。
 地球温暖化対策と並んで、東京都の区部、中野区にあっては、ヒートアイランド現象に対する対策は遠い未来の問題ではなく、都市環境問題として取り組む必要がある、すぐそこにある課題となっています。23区も、この問題に対して対応と取り組みを進めている区がふえているのが現状です。公明党議員団としても、この問題は早くから取り上げてまいりました。政府も本年3月、ヒートアイランド対策大綱を取りまとめ、人工排熱の低減、緑化推進など地表面の改善、原因、メカニズムの解明などの取り組みを強化しています。中でも有効とされている対策は、屋上、壁面の緑化です。私も同僚の飯島議員とともに平成14年に豊島区に屋上緑化の視察に行き、その後、平成15年の第1回定例会での一般質問で中野区の屋上緑化等の具体的な取り組みについて質問をしました。そこでは公共施設の屋上緑化の必要性の指摘と、民間での取り組みに対する助成制度について提案を含めて質問をしました。お答えは「屋上緑化の推進につきましては、そのあり方や助成制度、指導策などを検討していくこととしています」というものでした。その後、同僚議員の質問などから、区役所庁舎における屋上緑化見本園整備や、民間の取り組みに対する助成制度や住宅金融公庫の特別融資枠制度の活用など、16年度から開始されているのかと思いましたが、あにはからんや、それぞれおくれているようです。
 そこで伺います。公共施設での屋上緑化は15年度以降どの程度進んだのでしょうか。果たして学校以外にあるのか疑問のところです。具体的にお答えください。
 次に、公明党議員団の要望におこたえいただいた屋上緑化見本園については、進行状況はどのようになっているのでしょうか。また、そこでは区民の取り組み推進に役立つ見本園となっているのでしょうか。さらに、区民の取り組み推進に役立つものとしてはどのようなことが検討されているのでしょうか。具体的な検討事項をお答えください。
 民間の取り組みへの助成制度は、16年度導入が17年度になったようですが、間違いなく17年度には助成制度は発足するのでしょうか。基本構想を待たずに、ヒートアイランド現象は進行しています。ぜひ対応を進めることを重ねて求めますが、いかがでしょうか。この決意を伺って、この項の質問を終わります。
 次に、資源回収の問題について伺います。
 持続可能な社会の構築に向けて、リサイクルへの取り組みが各自治体で進んでいます。中野区でも資源回収・ごみ減量の取り組みとして、集団回収の取り組みがほぼ全区的に広がりを見せてきています。ほとんどすべての地域で取り組みが行われているのではないかと思いますが、この点についての中野区の認識はどのようなものでしょうか、伺います。
 集団回収の全区的進展は、幾つかの課題を浮き彫りにしてきています。その一つが、回収資源の不法持ち去り事件の頻発です。この問題について、私は平成16年第1回定例会で取り上げて、条例制定についての区側の取り組みをただしたところです。今回、提出案件の中に、中野区廃棄物の処理及び再利用に関する条例の一部を改正する条例案がありますが、私の提案に対する取り組みを評価したいと思います。詳しくは条例審査でのこととして、特に区の資源回収の取り組みだけでなく、集団回収の取り組みも対象にしたことはこの条例案の特徴であると思います。それはまた、区としての姿勢も示していると思われます。
 そこで伺います。現在、資源回収については、行政の回収事業とともに区民団体の自主的取り組みの集団回収が予算を伴って両方で進められています。私は、長期的には資源回収は体制が整ったところから住民の取り組みの集団回収事業にシフトしていくのがよいと考えています。その趣旨で、16年の第1回定例会で質問をしました。
 循環型社会の形成を目指した区民レベルの取り組みを支援する現在の報償金制度の趣旨を考えても、歳出削減の上からも好ましい方向と考えますが、いかがでしょうか。第1回定例会では「資源回収は区民による集団回収の拡充が望ましいというふうに考えているところでありまして、段階的に集団回収に移行するように支援の方策に努めてまいりたい」とお答えになっています。その後の取り組みの中で、先行的に区の資源回収は行わず、町会の集団回収での対応のみの地域があるやに聞いていますが、その地域への支援はどのようなことをされているのでしょうか、伺います。
 また、今後の方向については、どのようなものでしょうか。体制が整ったところから順次集団回収に移行していくことを区の取り組みの基本としているのでしょうか、伺います。その際、町会連合会での検討や取り組みと他の団体の取り組みなど、調整を必要とする問題も多少あるようですが、区としてはどのような見通しを持ってこの集団回収へのシフトと支援策についてお考えになっているのか伺い、この項の質問を終わります。
 次に、食品のリサイクルについて伺います。
 平成12年6月に施行された「循環型社会基本法」を枠組み法として、個別の食品リサイクル法が制定、改正されました。食品関連産業から排出される生ごみや残飯などの食品廃棄物について、飼料や肥料などの再資源化を義務づける法律であります。
 食生活の多様化・高度化に伴い、生産・流通段階においては消費者志向等の要因によって大量に食品がごみとして排出され、消費段階でも大量の食べ残しが発生し、余り利用されずに破棄され、産業廃棄物として処理されているのが現状です。
 中野区においては、平成14年度の可燃ごみ総量は6万4,058トン、その中で厨かい類の割合は44.6%を占めています。可燃ごみの45%を余りを占める厨かい類、すなわち食品資源循環の再生利用促進事業化の戦略を立案し、実行することがもっとも効果的な可燃ごみの減量と再生利用を図ることになります。平成15年8月、中野区の清掃工場建設計画がなくなり、今後とも可燃ごみついては近隣区にある清掃工場で焼却処理等を行い、東京湾の中央防波堤最終処分場に埋め立てされる見通しです。23区の清掃事業において、中野区は負担の公平化という観点から、ごみ減量を図る循環型社会を形成していくために、具体的な目標を持つことが求められるのではないでしょうか。
 そこで伺います。例えば、民間の取り組みとして、京王グループは系列のホテルやスーパーで出される生ごみから堆肥をつくり、この堆肥を使って生育した野菜をホテルで使ったり、ゴルフ場の芝を育てる独自のリサイクルシステムを8月にスタートさせました。中野区も「ごみゼロ宣言」の取り組みとして、食品のリサイクルの枠組みづくりを進めるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。区のお考えを伺い、この項の質問を終わります。
 次に、中野駅のバリアフリー対策の推進について伺います。
 交通バリアフリー法の施行に伴い、各地でのバリアフリーでの取り組みが進んでいます。しかし、一方では暗礁に乗り上げ、進まなくなっている問題も見受けられるようになっています。その一つが、中野駅の5番、6番ホームの下りエスカレーターの設置です。区民の方々からも「上りがあるのに何で下りがないんですか」と聞かれます。どちらかというと、下りの方が高齢者や障害者の方たちには大変であるとの声も聞きます。特に、車いす利用まではいかないが、歩行障害がある人たちにとっては厳しい現実です。この問題については、これまで多くの議員からも質問もされ、指摘されてきました。平成16年第2回定例会では同僚の斉藤高輝議員が質問をしています。理事者は「中野駅のバリアフリー化につきましては、これまでも機会をとらえまして申し入れをしてきたところでございますが、駅舎の立地条件、それから構造上の問題から、このバリアフリー化がなかなか改善が進んでいないというところでございます。御指摘の5番、6番ホームの下りエスカレーターにつきましても、区はバリアフリーの推進という立場からJR東日本に対しまして設置を求めてまいりたい」とお答えになっています。
 そこで伺います。中野区としても、他の番線の階段には上り、下り、両方向のエスカレーターが設置されて、5番、6番線だけが下り未設置というのはいかがなものかと思いますが、区は設置に向け、強く働きかけができないのか、改めて御見解を伺います。
 さらに、バリアフリー法の求める本来の対策の垂直移動のエレベーター設置についてであります。この問題につきましては、斉藤高輝議員が平成6年第2回定例会で質問しました。それに対し理事者は「早期に中野駅に設置されるよう、JRを初め関係機関に働きかけていく」と答えておりました。あれから10年たち、16年第2回定例会で再度エレベーター設置について質問したところ、理事者は「これまでも機会をとらえまして申し入れをしてきたところであるが、駅舎の立地条件、構造上の問題から改善が進んでいない、これからもJR東日本に対し設置を求めていく」と答えております。
 そこで伺います。区としては、当然のことながらエレベーターの設置についてはその都度JR東日本に対し要望されていると思いますが、現在、この件についてはどこまで進んでいるのか伺います。先日、同僚議員が別件の取材でJR東日本を訪れた話の展開から、中野駅のエレベーター設置につきまして、JR東日本から話を聞いてまいりました。この担当者にはお伝えしています。話がつけばエレベーターの設置をしていきたいとのことでありますが、この問題について区はどのように対応されたのか。また、課題はどこにあるのかお聞きをいたします。財政的な問題もあろうかと思いますが、同僚の研究によれば、方法がないわけではないようです。
 この項の最後に、トイレ改修の問題を伺います。中野駅舎内のトイレの改善については、福祉団体の皆さんからも要望が出ております。中野駅のトイレ改修については、JR東日本は意欲的に取り組む姿勢を持っているようです。この際、トイレの洋式化や障害者用トイレについて、オストメイト対応のトイレ設置も働きかけるべきだと考えますが、いかがでしょうか。区の今後の取り組みについて伺い、この項の質問を終わります。
 次に、自転車駐車場の自動化について伺います。
 現在、各地方自治体においては、自転車駐車場の自動化に取り組むところが多く見受けられるようになってまいりました。そこで、自動化に取り組みをされている高槻市の摂津富田駅前の自動化された自転車駐車場を同僚の議員と視察してきました。
 この摂津富田駅は、JR線と阪急電鉄線が150メートルの距離で乗りかえできるようになっており、その両側には市の自転車駐車場と民間の自転車駐車場が軒を連ね、しのぎを削っているように見えました。私たちが訪れた自転車駐車場に取りつけられたのは、利用者の入退場を自動で管理する駐輪場用自動ゲートで、ICチップとIT技術を併用したオートゲートシステムでございました。メリットとしては、人員による管理作業は大幅に減少し、人件費も大幅にコストダウンできること。24時間営業、不正、盗難の防止効果により利用者が増加。定期利用者の自動更新で窓口業務の大幅簡素化が可能。特に、不正、盗難に対しては、利用者携帯タグと車体取りつけタグによって利用者と車体を照合するシステムで盗難を防止。二重検知機能により期限切れ等の不正防止。利用者携帯タグによる入場管理システムで非利用者の入場拒否などが挙げられていました。
 そこで伺います。有料制自転車駐車場については、現在管理人等を置いておくため、委託会社等へ多額の経費がかかっています。また、管理人を置いているといっても、常時監視まで至っていないため、駐輪場内での盗難も多く発生しているようです。そこで、365日、24時間体制で安心して安全に自転車を預けられるように自転車駐車場の自動化に取り組むべきと思いますが、いかがでしょうか。中野区での取り組みと今後の方向性について伺い、この項の質問を終わります。
 最後に、江古田の森整備事業について2点伺います。
 先日、中野区医師会の皆さんと公明党議員団との懇談の機会がありました。その際に、医師会の皆さんから江古田の森保健福祉施設の運営について御要望がありました。その内容の概略を申し上げれば、社会福祉法人南東北福祉事業団から近隣の慈生会病院、武蔵野療園病院、中野江古田病院の3病院への協力病院としての依頼を受けたことに対して当惑している旨の表明があり、3病院として、施設医療者について、ホテルコスト負担の問題について、施設運営協議会の設置についての3点の要望をされたということでした。
 そこで、中野区としては、PFIとはいっても公共事業に変わりはありませんし、中野区の責任がない問題ではないと思います。医師会の皆さんのこうした御意見については、どのように対処されたのでしょうか、伺います。
 次に、この問題と関係する部分もあるのではないかと思いますが、今後のスケジュールで示された「協議組織」の立ち上げについて伺います。PFI事業の成否を分けるのは、意図した事業サービス水準を確保して、継続して事業が実施され得るかどうかということだというのがこの事業手法に詳しい同僚の意見ですが、その意味では、意図したサービス水準を確保するためのパフォーマンスモニタリングの厳密な運用が求められるところです。10月から11月にかけて立ち上げが予定されている協議組織は、こうしたパフォーマンスモニタリングの機能を果たすものなのでしょうか。そうでないとすれば、どのような機能が想定されているものでしょうか伺います。さらにその場合、パフォーマンスモニタリングの仕組みについてはどのようになっているのか伺い、私のすべての質問を終わります。
      〔区長田中大輔登壇〕
区長(田中大輔) こしみず委員の質問にお答えいたします。
 学校からの情報提供システムについてであります。子どもの安全に関することという意味もありまして、早急に対応する必要があると考えております。学校からの情報配信システムについては、来年度実施に向けて教育委員会と協議をしているところであります。
 それから、個人情報保護法の施行と区の対応、また、ISMS評価制度の導入ということについての御質問です。個人情報の保護に関する法律でありますとか、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律など、個人情報保護関連法の来年4月からの全面施行に伴い、これらを踏まえて、区といたしましては個人情報保護制度を見直すこととしております。具体的には個人情報の取り扱いに関する職員等の責務、また、公の施設を管理運営する指定管理者の責務、また、情報の漏えいなど義務違反に対する罰則などの制度化でありまして、そのための条令改正を今考えているところであります。
 ISMSについては、中野区ではISMSの認証基準をもとにいたしまして、情報安全対策基本方針や情報安全対策基準などを策定してセキュリティの確保に努めているところであります。また、この認証基準に従ったシステムの外部監査も実施しているというところであります。
 それから、ヒートアイランド対策についての御質問です。公共施設の屋上緑化については、ヒートアイランド現象に対して区としてとり得る対策を総合的に組み立てる、その検討をしているところでありますけれども、ヒートアイランド現象が生じる原因には、蓄熱しやすいコンクリート建築物が増加していること、また、熱吸収効果のある緑が減少していること、これらが大きいと考えているわけでありまして、建物の緑化を進めること。まず、公共施設の屋上緑化に取り組もうということでやっているわけであります。15年度以降は小学校3校、中学校1校の4施設について実施をしたところであります。
 屋上緑化見本園につきましては、現在実施設計が完了したところでありまして、近く工事を発注して、今年度中に完了するように進めているところであります。内容といたしましては、区民の啓発に結びつくように、軽い材料による工法を紹介するゾーンと緑化を体感できる庭園ゾーン、こうした整備を予定しているところであります。
 それから、民間建築物の屋上等の緑化に対しては、緑化推進のモデルとなってもらうという趣旨での助成制度を検討しているところであります。どのような施策の中で助成を行うことが効果につながるのか、都市緑地保全法の改善による新たな緑化の義務づけなども勘案しながら、17年度中の施策化に向けて検討を進めていきたいと考えております。
 それから、資源回収であります。集団回収は、主として町会自治会が行っていただいているところであります。他にもさまざまな団体が行っているところでありまして、それぞれが共存しながら進めていくべきものと考えております。
 集団回収が地域に定着をするという中では、行政回収の必要がなくなったと判断できる地域については、基本的に行政回収は停止をしていきたいと考えております。先行した地域においては、町会で回収回数をふやして集団回収を充実すると。一方、区としては取り残し対策などの助言を行ったり、さまざまな側面的な支援を行っているといった取り組みをしているところであります。私からは以上であります。
     〔教育長沼口昌弘登壇〕
○教育長(沼口昌弘) 携帯メールによる学校からの情報提供につきましては、子どもの安全確保等の観点から、導入に関して先行自治体や現行の各種システムを調査研究しているところでございます。導入に当たりましては、個人情報保護対策、あるいは保護者への説明、予算契約上の手続などを考えますと、今年度中の施行というのは難しい問題があると考えますが、来年度早期の導入に向けて検討を現在進めているところでございます。
    〔区民生活部長本橋一夫登壇〕
区民生活部長(本橋一夫) 私からは、食品リサイクルに関しまして、生ごみのリサイクルの枠組みづくりについての御質問にお答えさせていただきます。
 生ごみにつきましては、まず食材の適量購入、そして排出する際の水切りの徹底などによる減量対策が第一であると考えております。その上で、生ごみのリサイクル手法といたしましては、堆肥化のほか、飼料化、バイオガス化などの方法があります。このリサイクルを効果的かつ継続的に実施していくためには、不要なごみの処理というのではなくて、資源として活用するという明確な意志を持って取り組むことがポイントであると考えております。その点からも、グループや地域でさまざまな方法でのリサイクルに取り組まれることが望ましいと考えておりまして、家庭でできる生ごみの堆肥化等の処理、地域のグループでできる処理などの普及啓発や支援を行っていく必要があると考えております。
 また、区では現在、廃棄物減量等推進審議会で生ごみの取り扱いも含めて御議論いただいているところでございます。今後区として可能なことを施策として打ち出していきたいと考えております。
 以上であります。
    〔都市整備部長石井正行登壇〕
都市整備部長(石井正行) 私からは、中野駅のバリアフリー対策の推進につきましてお答えを申し上げたいと思います。
 まず初めに、中野駅のエスカレーターの設置でございます。中野駅の5番、6番線の下りエスカレーター設置については、多くの駅利用者から要望が出ていることは承知をしております。区として、JR東日本に対してさらに強く要望を行ってまいりたいと考えてございます。
 また、中野駅のエレベーターの設置についてでございますが、大規模な駅舎の改修が伴うということから、困難な点が多くあるというふうに聞いておるところでございますけれども、区としては実現に向けて、これからも積極的にJRとの協議を進めてまいりたいと考えてございます。
 それから、トイレの設置でございます。駅舎内の改善に関して、これまでもトイレの洋式化を初め障害者対応やオストメイトつき多機能トイレの設置を働きかけてきたところでございます。このうち、中野駅の洋式トイレにつきましては、平成16年度中、今年度中に男女それぞれ1カ所ずつ設置するという回答をJRから得ているところでございます。区としては、引き続き多機能トイレの設置につきまして強く働きかけを行ってまいりたいと考えてございます。
 中野駅のバリアフリー化につきましては、一歩一歩ではありますけれども、改善をされてきておるところでございます。区として今後も粘り強くJR東日本に対し働きかけを行っていくという考えでございます。
 それから、自転車駐車場の自動化でございます。自転車駐車場は、利用者にとっての利便性が重要なことであるというふうに考えております。現在、機械化にはICタグを利用した非接触形カードのほか、コイン式ですとか電磁ロック式、センサー識別といったようなさまざまな方法が開発をされているところでございます。区といたしましては、各自転車駐車場ごとに老朽化したラックの交換時期にあわせて機械化、自動化を検討してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
    〔保健福祉部長菅野泰一登壇〕
保健福祉部長(菅野泰一) 江古田の森整備につきまして、地元3病院の要望に対する区の対応についてお答えいたします。
 先日、区も加わりまして地元3病院と南東北福祉事業団との意見交換会を行いました。その場で南東北福祉事業団は3点の要望への対応につきまして十分説明を行いまして、一定の御理解を得たところでございます。今後とも密接な協力関係を築き上げていくという旨が確認されました。区といたしましては、今後医師会への対応も含めまして、引き続き両者の良好な関係づくりに努めてまいりたいと考えております。
 2点目でございますが、協議組織の機能及びモニタリングの仕組みという質問でございます。区と事業者で設置する協議組織につきましては、本事業の運営、維持管理業務に関する内容の変更や税制度、法制度の改廃等への対応等につきまして協議をするものでございます。サービス提供の状況にかかるモニタリング、監視でございますが、これは区が行うものでございまして、事業者から事業評価報告、施設利用状況報告等を半期ごとに受けまして、場合によっては施設への立ち入り等の手段により確認を行うことによりまして、そういうことができるということになっているものでございます。
     〔こしみず敏明議員登壇〕
26番(こしみず敏明) 1点だけ再質問をさせていただきます。
 先ほど教育長の方から答弁いただきましたけれども、情報提供システムの施行については、来年度からという答弁だったと思いますけれども、施行は本年度じゅうにやらなければ来年の実施は難しいのかなと思うんです。そこら辺の点について、もう1回お答えいただけますか。
     〔教育長沼口昌弘登壇〕
○教育長(沼口昌弘) 先ほども御答弁いたしましたように、個人情報保護審議会の問題ですとか、時間的な問題もございます。それから予算、あるいは契約上の手続の問題もありまして、ちょっと時間的に考えて年度内試行実施するのはなかなか難しい。今、にわかに確約できないという状況だと思います。
 いずれにいたしましても、来年度早期には実施したいと思っていますので、そういう試行ができない場合は、入念な準備を行って4月からやっていきたいと、そのように考えてございます。
○副議長(やながわ妙子) 以上で、こしみず敏明議員の質問は終わります。
 お諮りいたします。
 議事の都合により、本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(やながわ妙子) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
 次の会議は、9月24日、午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。
 本日は、これをもって延会いたします。
      午後4時07分延会