平成16年10月01日中野区議会決算特別委員会
平成16年10月01日中野区議会決算特別委員会の会議録
平成16年10月1日決算特別委員会(第5日)
1.平成16年(2004年)10月1日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。
1.出席委員(42名)
  1番 い で い   良  輔          2番 伊  東  し ん じ
  3番 佐  野  れ い じ          4番 北  原  奉  昭
  5番 久  保  り  か           6番 酒   井  た く や
  7番 奥  田  け ん じ           8番 近  藤  さ え 子
  9番 小  堤     勇           10番 大  内  し ん ご
 11番 伊  藤  正  信          12番 きたごう  秀  文
 13番 吉  原     宏           14番 高  倉  良  生
 15番 やながわ  妙  子         16番 平  島  好  人
 17番 む と う  有  子           18番 はっとり  幸  子
 19番 長  沢  和  彦          20番 か  せ  次  郎
 21番 山  崎  芳  夫          22番 小  串  まさのり
 23番 高  橋  ち あ き          24番 市  川  み の る
 25番 岡  本  い さ お          26番 こしみず  敏  明
 27番 飯  島  きんいち         28番 佐  伯  利  昭
 29番 佐  藤  ひ ろ こ          30番 来  住  和  行
 31番 岩  永  し ほ 子          32番 若  林  ふくぞう
 33番 篠     国  昭           34番 伊  藤  岩  男
 35番 斉  藤  金  造          36番 大  泉  正  勝
 37番 斉  藤  高  輝          38番 江  口  済 三 郎
 39番 藤  本  やすたみ         40番 昆     ま さ 子
 41番 江  田  と お る          42番 池  田  一  雄
1.欠席委員
      な  し
1.出席説明員
中野区長       田中 大輔
助役          内田 司郎
収入役        山岸 隆一
教育長        沼口 昌弘
区長室長       田辺 裕子
経営改革担当課長             合川  昭
経営改革推進担当課長          経営改革担当課長兼務
危機管理担当課長             経営改革担当課長兼務
政策計画担当課長             鈴木 由美子
政策担当課長                政策計画担当課長兼務
計画担当課長                川崎  亨
まちづくり総合調整担当部長       那須井 幸一
まちづくり総合調整担当参事       まちづくり総合調整担当部長兼務
まちづくり総合調整担当課長       中野駅周辺整備担当課長兼務
総務部長       石神 正義
総務担当参事    橋本 美文
広聴広報担当課長             鈴木 郁也
平和人権担当課長             広聴広報担当課長兼務
平和担当課長                広聴広報担当課長兼務
人権担当課長                広聴広報担当課長兼務
財務担当課長                村木  誠
営繕担当課長                秋元 順一
人事担当課長                長田 久雄
情報化推進担当参事           鈴木 勝明
防災担当課長                納谷 光和
税務担当課長                若槻 磐雄
区民生活部長                本橋 一夫
区民生活部経営担当参事        西篠 十喜和
地域活動担当参事             区民生活部経営担当参事兼務
南中野地域センター所長         中村 正博
弥生地域センター所長           南中野地域センター所長兼務
東部地域センター所長          柿内 良之
鍋横地域センター所長          南中野地域ンター所長兼務
桃園地域センター所長          東部地域センター所長兼務
昭和地域センター所長          蛭間 浩之
東中野地域センター所長         昭和地域センター所長兼務
上高田地域センター所長         昭和地域センター所長兼務
新井地域センター所長          東部地域センター所長兼務
江古田地域センター所長         安部 秀康
沼袋地域センター所長          江古田地域センター所長兼務
野方地域センター所長          江古田域センター所長兼務
大和地域センター所長          大橋 雄治
鷺宮地域センター所長          大和地域センター所長兼務
上鷺宮地域センター所長         大和地域センター所長兼務
戸籍住民担当課長             登  弘毅
産業振興担当課長             高橋 信一
地域生活支援担当課長          産業振興担当課長兼務
みどりと環境担当参事          区民生活部長兼務
ごみ減量・清掃事業担当参事      寺部 守芳
ごみ減量担当参事             ごみ減量・清掃事業担当参事兼務
清掃事務所長   遠山 幸雄
子ども家庭部長  柳澤 一平
子ども家庭部経営担当課長       竹内 沖司
子育て支援担当課長           新井 一成
子ども健康担当課長           大久保 仁恵
中部保健福祉センター所長       瀬田 敏幸
北部保健福祉センター所長       中部保健福祉センター所長兼務
南部保健福祉センター所長       佐々木 美枝子
鷺宮保健福祉センター所長       石崎 泰江
保育サービス担当課長         榎本 良男
子ども育成担当課長           小平 基晴
男女平等担当課長            子ども家庭部経営担当課長兼務
保健福祉部長               菅野 泰一
保健所長      清水 祐幸
保健福祉部経営担当課長       寺嶋 誠一郎
保健予防担当参事            保健所長兼務
結核予防担当参事            保健所長兼務
衛生環境担当課長            遠藤 由紀夫
生活衛生担当課長            衛生環境担当課長兼務
健康づくり担当課長            今  恵里
保健福祉担当課長            保健福祉部経営担当課長兼務
高齢福祉担当課長            冨永  清
障害福祉担当課長            田中 政之
生活援護担当課長            浅野  昭
保険医療担当課長            奥山  功
介護保険担当課長            藤井 康弘
都市整備部長               石井 正行
都市整備部経営担当参事       服部 敏信
都市計画担当参事            都市整備部経営担当参事兼務
土木担当課長               尾崎  孝
交通安全対策担当課長         上村 晃一
公園緑地担当課長            斎木 正雄
建築・住宅担当参事           佐藤 幸一
地区整備担当課長            岩井 克英
地域まちづくり担当課長         地区整備担当課長兼務
中野駅周辺整備担当課長       豊川 士朗
副収入役                  村田  宏
教育委員会事務局次長         金野  晃
教育経営担当参事            教育委員会事務局次長兼務
部門経営担当参事            教育委員会事務局次長兼務
教育委員会担当参事          教育委員会事務局次長兼務
教育環境担当参事            教育委員会事務局次長兼務
教育改革担当課長            小谷松 弘市
学校教育担当課長            篠原 文彦
学校教育管理担当課長         学校教育担当課長兼務
学校健康推進担当課長         学校教育担当課長兼務
指導室長      小林 福太郎
生涯学習担当参事            大沼  弘
生涯学習推進担当参事         生涯学習担当参事兼務
生涯学習施設担当参事         生涯学習担当参事兼務
知的資産担当参事(中央図書館長) 石﨑 新一
選挙管理委員会事務局長       山下 清超
監査事務局長               細木 博雄
1.本会の書記は下記のとおりである。
事務局長     正木 洋介
事務局次長    飯塚 太郎
議事調査担当係長 大谷 良二
書  記     黒田 佳代子
書  記     巣山 和孝
書  記     永田 純一
書  記     荒井  勉
書  記     廣地  毅
書  記     西田  健
書  記     岩浅 英樹
書  記     鳥居  誠
書  記     杉本 兼太郎
書  記     松本 桂治
書  記     吉田 哲郎
 
○委員長署名     
 
 
     午前10時00分開議
○平島委員長 それでは、定足数に達しましたので、ただいまから決算特別委員会を開会いたします。
 認定第1号から認定第5号までの計5件を一括して議題に供します。
 初めに、昨日の委員会終了後に開かれた理事会の報告をいたします。
 1点目は、本日の委員会運営についてであります。
 本日の委員会は、さきに御確認いただいておりました質疑者の割り振りを変更し、1番目に佐藤ひろこ委員、2番目に飯島きんいち委員、3番目に大内しんご委員、4番目にかせ次郎委員の順序で、4名の総括質疑を行うことを確認いたしました。
 また、委員会の開会及び再開、休憩、終了目途等については、既に御確認いただいておりますとおりとすることを確認いたしました。
 2点目は、配付資料の差しかえについてであります。
 既に配付してあります文教分科会関係37番の資料に誤りがありましたので、訂正した資料を配付することを確認いたしました。
 3点目は、幹部職員の異動についてであります。
 お手元に配付の資料のとおり、みどりと環境担当課長で地域生活支援担当課長を兼務しておりました大杉課長が、東京都へ転出のため、9月30日付で退職されました。これに伴い、本日10月1日より、みどりと環境担当課長を廃止し、みどりと環境担当参事を区民生活部長が兼務し、また、地域生活支援担当課長を産業振興担当課長が兼務することを確認いたしました。
 以上が理事会の報告でありますが、何か御質疑ありますでしょうか。
    〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○平島委員長 それでは、ただいまの報告のとおり委員会を運営していくことに御異議ございませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○平島委員長 御異議ございませんので、さよう運営させていただきます。
 なお、追加の資料の締め切りについて、念のため申し上げます。
 本日の委員会終了後に開かれる理事会が、資料要求の整理を行う最後の理事会となります。したがいまして、追加の資料要求がある場合には、本日の午後1時までに提出をお願いいたします。
 それでは、昨日に引き続き総括質疑を行います。
 佐藤ひろこ委員、お願いいたします。
    〔「委員長」と呼ぶ者あり〕
○平島委員長 財務担当課長。
○村木財務担当課長 昨日、佐藤委員の御質問の中で、所得譲与税交付額を2億1,400万円余と申し上げましたが、2億5,900万円余の誤りでございました。訂正をさせていただきます。
○佐藤委員 おはようございます。昨日の続きをさせていただきます。
 3番目の障害者の雇用の促進についてお伺いいたします。
 障害者雇用促進法では、身体・知的障害者を従業員の1.8%以上雇うよう義務付けており、法律制定から約40年以上たった現在でも、法定雇用率が未達成の企業は57.5%に上り、従業員1,000人以上の事務所では未達成が7割を超えている状態です。
 昨年9月、厚生労働省東京労働局が東京都内に本社がある未達成企業約9,000社の社名とその雇用率などの一覧を公開いたしました。NPO障害者インターナショナル日本会議のホームページで公開されておりますので、ぜひごらんになっていただきたいと思います。2000年度時点での結果ですので、現在は達成のための努力がされていると思いますが、日本生活協同組合連合会や日本共産党中央委員会なども未達成事業者に入っており、いかに達成するのは難しい状態なのかがわかります。しかし、これを契機に障害者の雇用率をホームページで公開し、達成に向けて努力をしている企業も出てまいりました。
 行政に課せられている法定雇用率は2.1%で、中野区役所の障害者雇用率は3.02%です。外郭団体などの雇用率は何%でしょうか。
○田中障害福祉担当課長 こういった団体の法定雇用率は1.8%でございます。
○佐藤委員 法定雇用率は、今、私が言いました。今現在の外郭団体の雇用率は何%ですかとお伺いしているんです。
 時間がないので、わからないということだと思います。各セクションにお伺いしましたけれども、統括してそれをとらえているところがどこにもない。これが今回、私、質問項目を考えて一番の問題であろうというふうに思いました。それぞれあそこに聞いてください、職員のことは人事課に聞いてください、サービス事業団のことは福祉課に聞いてください、文・スポのことは教育委員会に聞いてください。中野区として障害者雇用について統括しているところが今ないから、そういうふうに答えられない状態になっているんだと思いますけれども、どうなんでしょうか。福祉サービス事業団はいかがですか。
○寺嶋保健福祉担当課長 事業団につきましては、現在0.32%でございます。
○佐藤委員 福祉サービス事業団は、全従業員数309人中、障害者の手帳を持っている方の雇用は1名。昨年までは6名の障害者手帳をお持ちの方が働いていましたが、そのうち4名は、特別養護老人ホームの非常勤マッサージ師で、東京都からの助成金がことし3月で廃止されたために雇用の継続が打ち切られ、また自主退職の方もいて、1名という状態です。だから、全然達成されていない状態ですよね。知的障害や精神障害の方が、ホームヘルパーの資格を取るために現在勉強していらっしゃいますよね。中野区としても、精神障害の方のホームヘルパー取得の講座を設けていらっしゃいます。また、中野養護学校では、知的障害の方たちに対してのホームヘルパー取得の講座が開かれております。その取得をして、しっかりと社会参加をしていこう、社会の中で働いていこうという方たちをどんなふうに今の中野区のそういった企業、あるいは外郭団体、自分たちの中に雇用を拡大していくのかということが今問われていると思います。就労先を考えたりするのが、障害者事業団の仕事の一つです。しかし、障害者事業団も、それから社会福祉協議会も、お世話はしているけれども、自分たちの仕事をする側にだれも、一人も障害者手帳をお持ちの方はいらっしゃらない。これが今、障害者雇用、障害者の就労拡大とは一体どういうことなのかが問われているところだろうと思います。そういう統括するセクション、いわゆる目配りするセクションは、やっぱりないんでしょうか、中野区には。
○田中障害福祉担当課長 障害者雇用に関します情報の収集・提供につきましては障害福祉担当が行いますけども、各それぞれの団体に対する個別的な指導・助言といったものについては、それぞれの所管の部署が行うということになってございます。障害福祉担当といたしましては、そういったことについて、一括して情報の収集に努め、雇用の促進に努めていきたいと考えてございます。
 ただ、法定雇用率との関係で申し上げますと、1.8%なわけでございますけども、これは1.8%を掛けて出てきた数字、小数点以下につきましては切り捨てになります。したがいまして、常用労働者数の56人以上の企業あるいは団体が対象ということに現実的にはなります。そういった意味で考えますと、これを超える、法的に該当する団体といいますは、福祉サービス事業団ぐらいではないのかなというふうに思っております。ただ、法定雇用率にとらわれずに努力をすべきだということにつきましては、そのように考えてございます。
○佐藤委員 法定雇用率がかかっているところ、文・スポ公社もそうです。それから、これから中野区が委託契約していく事業者の先もそうです。この前、契約の改善のところで、障害者の法定雇用率というのを問題にすべきだということを言いましたけれども、そういったところで、民間の事業者、それから自分たちのセクション、外郭団体ですよね。そういうところの雇用をいかに高めていくのか。そういう目配りをしていただくのが障害者の担当分野だろうと思います。社会参加、それから雇用の促進、就労支援を図っているところが中野区の状態、どんなふうに雇用の促進、就労支援を図れるのか、各セクションが連携して、もしよろしければ関係のそういう検討会を設けて、雇用の促進がいかに中野区内で図れていくのかをぜひ検討していただきたいと思います。
 全国の通所授産所施設などで働く職員や当事者を初め、厚生労働省、各政党の国会議員も参加して、7月末に「障害者就労の未来を拓く全国会議」というのがありました。私も参加してまいりました。そこで、「わっぱの会」の代表で共働作業所連絡会事務局長の斎藤氏が基調報告を行い、これからは作業所ではなく、生涯的事業所づくり、社会的価値を持った企業づくりに、力を合わせて新しい実践をしていこうという呼びかけがありました。「わっぱの会」は数カ月前にはっとり委員と名古屋市に行った折に見学してまいりました。指導員も、それから重度の障害を持つ作業生も同じ生活収入が得られるよう、作業所を運営しております。今の作業所は、作業をしている指導員は何十万ももらっている。しかし、そこで働いている人たちは数千円、そういう報酬の状態にあります。そこの改善をしていかないと、本当に社会がどんな人も一緒に生活し、そして働く喜びが得られる社会に転換していかないのではないでしょうか。その全国会議での共同宣言で、「ことし2月から、厚生労働省内の障害者の就労支援に関する検討会設置に始まる就労政策の見直しの動きが今始まっております。戦後50数年の障害者福祉の労働政策を抜本的に見直そうという大きな試みが始まっております。それを高く評価し得るものです」と言っております。労働権が保障される就労、つまり労働規則が適用される就労、一定の所得が保障される就労、それは障害者の方だからできないとか、重度の方だからできないとかという時代であっていいのだろうか。それを変えていくということが今、厚生労働省内でも検討されております。この8月には、障害者雇用問題研究会、厚生労働省の中に設けられております研究会が報告書を出しました。障害者の就業機会の拡大を目指して、今後の雇用支援策のあり方、精神障害者の方が今雇用率の中に入っておりません。それも適用していこう。それから、在宅就業等多様な就業形態に対する支援策を行っていこう。それから、地域における共働による障害者雇用の支援を行っていこうという報告が出されております。その後、おととい、9月29日に障害者の就労支援に関する有識者懇話会、これも厚生労働省の中に設けられておりますけれども、有識者懇話会が「障害のある人の「働きたい」を応援する共同宣言」、「「ともに働く」を応援する共同宣言」を出しました。私たちは、障害があってもなくても、人が一定の年齢になったら働くということが当たり前になるように願っております。
 そこで、障害のある人の立場、障害のある人の暮らしを支える福祉の立場、就労を支援する立場、さまざまな立場の方たちがみんなで話し合ううちに、もっと働ける、そんな勇気と確信がわいてきました。そして、障害のある人もない人もともに働き、ともに生きる社会を目指すというみんなのための社会を構想し、多くの人に伝えるために、共同宣言として取りまとめました。これはホームページに載っておりますので、ぜひごらんになって、研究していただきたい。そういう中で、国も雇用促進、障害者の就労支援のあり方を大きく変えていこうという動きを行っております。中野区も、セクション別に何か考えているんじゃなくて、障害者のこれからの就労支援のあり方、雇用促進のあり方をどうすればいいのかという横断的な検討組織をつくって、検討体制に入るべきだと思います。その中心に、障害者分野の方たちが立っていただきたいと思います。これは質問項目ではなかったんですけれども、いかがでしょうか。
○田中障害福祉担当課長 委員御指摘のとおり、国の方で障害者雇用を中心的な課題にしました検討会が報告書を出してまいりまして、その後、有識者懇話会、これからは社会保障審議会等で審議をされていくものだと思います。障害者雇用に力を入れていかなきゃいけないということは重々承知をしておりまして、委員の御指摘のとおり、研究・検討してまいりたい、このように考えております。
○佐藤委員 これから10年計画を立てていかれるときです。今現在、就労困難に陥っている人がどんどんふえていっている状態でいいのかどうなのか。やっぱり、これからの社会のあり方を変えていくためにはどうすればいいのか、ぜひ中野区でも検討に向かっていただきたいと思います。
 次に、4番目、支援費制度についてお伺いいたします。
 厚生65の資料を見ますと、障害者のホームヘルプサービスの執行状況、支援費に昨年から移りまして、時間が1.5倍伸びております。また、かかっている経費は2倍以上の伸びです。知的障害の方がやっとその支援費のおかげでまちに出た、社会参加が果たせている。しかし、まだまだ利用者は少ない状態です。今後の支援費の伸びをどのように予測し、対応をどのように考えていらっしゃるのか、お伺いいたします。
○田中障害福祉担当課長 今御指摘にありましたとおり、支援費制度は15年度、昨年度から始まったわけですけども、ホームヘルプサービスにつきましては、大幅な増加をしております。16年度につきましても、その増加の傾向は続いておりまして、当面は増加の傾向が続くものと考えております。区といたしましては、こうした利用につきまして継続して支援をしていきたい、そのように考えてございます。
○佐藤委員 始まったばかりです。必要な方たちが、まだ使っていない状態です。ぜひ、支援をしていただきたいと思います。
 30名ばかりの方に、私、支援費制度についてのアンケートを行わせていただきました。1年使っていかがでしたか。使われ始めた方が大変多かった。特に、知的障害の方で、大変助かったということで、少しずつ使われている方がいます。それがもっともっと私は利用され、社会参加がどんどん図られるべきだと思います。
 そのアンケートの中で、幾つかいろんな御要望が出てまいりました。「時間がふえたのはいいが、吸引や経管栄養など、医療行為がヘルパーには頼めないので困る」、それから「緊急時の対応ができていない」などありました。その中で一番要望が多かったのが、「プールの介助に使えない」ということです。ぜひ社会参加の一つとして、重度の障害を持つ方ほどプールを楽しんでいらっしゃいます。しかし、プールというのは、危険性を伴うことで、ことしからやめられたんですよね。去年まではプールの介助も認められていたということですけれども、今年からやめられたということで、どうしたんだという声が起きております。ヘルパーのための安全講座を行うなど、水泳に関しての移動介護も認めるように努力をされてはいかがかと思いますが、いかがでしょうか。
○瀬田中部保健福祉センター所長 プールでの重度の知的障害者の方の移動介護の件でございますが、これまでも障害者の水泳教室なんかの場合には、十分な安全確保の対策がとれるということで認めてきてございます。現在でも認めてきてございます。御指摘の点につきましては、特に重度の障害の方が行った先で十分な安全確保の手だてがとれない、また区の方でそれが確認できないといった場合には認められない場合があるということで、本年度からそういう判断を加えたものでございます。
 重度の障害者に対する移動介護につきましては、社会参加の促進をさらに支援させていただく意味からも、御本人に対する、特に水中、脱着等での安全対策について確実な手だて、こういったものが区の方が確認できる内容であれば、十分移動介護として認めていく方向で検討していきたいと思ってございます。
○佐藤委員 ぜひ検討していただきたいと思います。
 次に、使いやすい福祉サービスについてお伺いいたします。
 さきの参議院選挙から、自分で書けない人にも在宅投票の枠が広がりました。ALSの方の要望が達成されたわけです。しかし、「上肢1級」と書いていない--四肢体幹機能障害、ALSの方の障害者手帳はそうなっております。四肢体幹機能障害は「上肢1級」と書いていないからだめだということで、選挙管理委員会の方で断られたということを受けて、さまざまおかしな制度があるなということを私は気づかせていただきました。最終的には、その方の投票権は認められる御努力をしていただいたということですが、そのときに気づいたことです。上肢1級と書いてなければ、じゃあ、市長の証明書がついていればオーケーという制度です。しかし、中野区の場合は、都知事にその権限があります。都知事だと1カ月かかるから、今回はあきらめてほしいということでした。他の市に聞きますと、そこの市の福祉課がありますから、その福祉課で1日のうちに証明書をもらって、すぐ在宅投票のあれを発行することができる。1日のうちにできますよと。「え、何で。東京都だとどうして1カ月もかかって、投票をあきらめてくださいなんていうことが言えるのかしら」ということで、手続が非常に遅い。何か、手帳を取るのには40日はかかる。特別障害者手当も、取るのには日数がかかる。日数がかかるのは当たり前と思って私たちは来ていたわけですけれども、この御時世にそういった時間がかかることが当たり前であっていいのかどうなのかということを再び疑問を持たせていただきました。そういう東京都に回す書類、認定していただかなくてはいけない書類が幾つかあると思います。そういったことを迅速にするように、東京都と一緒に協議して、何らかの手だてをとるように御努力いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○瀬田中部保健福祉センター所長 都経由のさまざまな福祉サービスの提供にかかわる手続事務は、当保健福祉センターを初め庁内の各分野の窓口等々で行ってございますが、特に、総合相談ということでの窓口でもありますことから、私の方から答弁させていただきます。
 身障手帳などを例に挙げますと、通常、20日から30日程度ということで、等級認定審査等について、どうしても一定の期間がかかるという状況がございます。ただ、今後につきまして、より丁寧で配慮の行き届いた手続サービスに心がけるとともに、都との連携を図りながら、事務改善、簡素化、迅速化ということにも心がけながら、速やかにできるところは改善を図る。例えば、取り次ぎできる時間の短縮にも取り組むなど、区民サービスの向上、顧客満足の向上により一層努めてまいりたいと考えております。
○佐藤委員 ぜひよろしくお願いいたします。
 それから、地域の窓口のことです。保健福祉センターの再編ということで、昨年、数を減らすとか、機能を違うようにするだとか、いろんな検討がされておりました。それが現在はどうなっているのか。
 それから、基本構想の方で、総合公共サービスセンターをつくろうという提案がされております。それは、中身を見ますと、地域保健福祉センターをつくっていこうと。地域の保健福祉の窓口、使いやすい窓口をつくっていこう。そういうのを住民参加でつくっていこうという構想の実現になるのではないかというふうに思いましたけれども、どう考えられているのか、お伺いいたします。
○寺嶋保健福祉担当課長 現在、基本構想の策定検討の中で、おっしゃるとおり、身近な地域で専門的なサービス・相談ができるような保健福祉等、子育て支援の拠点として4カ所の(仮称)総合公共サービスセンターの整備を検討しているところでございます。
 保健福祉センターにつきましても、4所の体制を維持したいというふうに考えてございます。
○佐藤委員 次に、生活保護と自立支援についてお伺いいたします。
 厚生43の資料によると、この10年間で生活保護の受給者の数が約倍近くに達しております。50年間一度も変わっていない生活保護法の改正が、厚生労働省の社会保障審議会と財務省の財政制度審議会の二つの流れで議論されております。東京都は、この7月に生活保護制度改善に向けた提言をまとめました。「生活保護は、憲法の理念に基づく基本的な行政サービスであり、経費は国が全額負担すべきものである」と、東京都は強い姿勢で言っております。保護世帯の増加、精神疾患など処遇困難ケースへの対応など、福祉事務所の総合調整機能の強化、福祉事務所と地域の社会支援が共同して被保護者の自立に向けての支援に当たるなど、提言がされております。最近は心の病を持つ方が多く、保護費の給付だけではカバーできない問題が大きくなっていると思います。総合調整機能の強化について、中野区としてはどのような対応を考えていらっしゃるのでしょうか。
○浅野生活援護担当課長 生活保護受給者を取り巻く課題というものが非常に最近多様化・複雑化しておりますのは、委員も御指摘のとおりでございます。生活援護分野といたしましては、まず職員のそういった専門的知識の向上や生活保護受給者に対する指導のあり方、そういった面について分野の中でもいろいろ研修を行っております。また、庁内の関係分野との連携をさらに深めるように努力しております。
 しかし、それだけでは諸課題をなかなか解決することが難しい状況もございます。その中で、生活保護受給者の方のプライバシーの保護、人権等に配慮いたしながら、いろんなさまざまな経験とか地域の持つNPOなどの地域団体との連携というのはこれから必要になってくるのではないかと認識しております。
○佐藤委員 ぜひ地域との連携の上で支えの仕組みをつくっていただくように、頑張っていただきたいと思います。
 中野夜回りの会というのがあります。ホームレスの支援をしているグループです。私もときどき参加させていただいて、夜回りに参加しております。大変若い方たちがふえてきている。それから、もちろん高齢の方たちも多いところです。障害を持っている方たちもいます。そういう方たちが中野の中でホームレスの状態になっている。そこをどう支援していけるのか。東京都は7月、ホームレスの自立支援等に関する実施計画を策定いたしました。その実施計画のところで、「保健と医療の確保」ということが述べられております。「ホームレスの自立を支援するためには、保健及び医療の確保が大変重要です。さまざまなところと連携の上で、健康診断や健康相談を実施することが必要です」というふうに書かれております。区としてできることに取り組んでいただきたいと思います。シャワールームの開放、あるいは健康相談会の実施が必要だと思いますけれども、いかが検討されているでしょうか。
○浅野生活援護担当課長 委員御指摘のとおり、路上生活者の問題というのも非常に多様化・複雑化しているのは事実でございます。生活援護分野といたしましては、ホームレスの方に対する就労指導とか医療の提供というのは現在も行ってございます。しかし、先ほど御指摘のあったような件につきましては、関係分野との調整が必要でございます。路上生活者問題情報交換会というのが庁内に設置されておりますので、そちらの方で検討させていただきたいと思っています。
○佐藤委員 ぜひ前向きに検討していただきたいと思います。
 7番目、住民基本台帳ネットワークシステムの委託問題についてお伺いいたします。
 住民ネットワークシステムにかかわる業務の一部が富士通に委託されております。これは、中野区基本台帳ネットワークシステムにかかわる本人確認情報保護に関する条例の適用されている範囲に入っていると思います。その委託されている業務の一部が、またさらに別会社に委託されております。中野区の条例の6条では、再委託を禁止しております。その再委託の禁止に対しては当たらないのでしょうか。それから、富士通との契約書が一般的な業務委託にかかわる契約書と同じものになっております。とりわけ、個人情報保護などの厳格な規定が要求されている重要な契約であるので、この契約内容をそれに応じてしっかりと見直すべきではないかと思います。また、再委託先との契約も、中野区がきちんと監視できる契約にすべきだと思います。
 時間がないのでまとめて聞きましたけれども、まとめて簡潔に御答弁いただきたいと思います。
○鈴木情報化推進担当参事 本人確認情報を取り扱うことのないソフトウェアの開発・修正などについて、いわゆる下請に委託しておりますが、条例が禁止しております再委託には当たらないものと判断しています。
 それから、契約につきましては、御指摘にありましたように不十分な点が多く見受けられるということで、来年度の契約に向けまして、現在、見直しを行っているところです。
○佐藤委員 即刻契約を改めていただこうと思いましたけれども、来年度に向けてということですから、ぜひきちんと検討をして、しっかりとした契約をしていただきたいと思います。
 次、8番目、24時間の子ども家庭支援センターについてお伺いいたします。
 答弁する方は、最初に前に出てきておいていただければ時間が少し省かれるんではないかと思います。
 中野区母子生活支援施設さつき寮の入所者の6割以上が、夫等の暴力、DV被害者だそうです。うつ病や児童虐待など、精神的課題を抱えている困難ケースも大変多いそうです。また、外国人利用者も増加しているそうです。さつき寮は築40年以上たち、つくりが古く、4畳半一間で、トイレもお風呂も共用で、生活習慣の違いなどから、トラブルが耐えないそうです。精神的不安を抱えて入所される方、また子どもたちの精神状態も大変不安定です。そういう親子の心がそういうところに保護されたときにいやされていく、いやされて自立生活に向かう力をそこから得ていく、そういう場であることが必要なのに、そこでの生活環境は余りにも悲惨な状態の建物のつくり方になっております。総務92を見ますと、一番古い施設のうちに入っておりますよね、さつき寮が。築40年以上たっておりますし、その建てかえというのはかなり前から問題にされておりました。さつき寮建てかえ計画が出されてから、既に10年以上が経過するんではないでしょうか。林野庁跡地も、そのために購入してありました。早急に建てかえを検討すべきだと思います。
 さつき寮は、中野区で唯一の24時間型の児童福祉施設ということで、ひとり親家庭の児童緊急一時保護事業、それからことしからは母子緊急一時保護事業も実施しております。地域電話相談も、臨床心理士等の相談員が、朝6時から夜10時まで受け付けております。建てかえに当たっては、24時間施設の機能を生かして、24時間の子ども家庭支援センターとして、ショートステイ事業やトワイライトステイ事業、相談事業を実施し、家庭機能が弱まっていく家族を支えていく施設として早急に建てかえを検討すべきだと思います。お考えをお伺いいたします。
○新井子育て支援担当課長 さつき寮の建てかえにつきましては、10か年計画策定の中で検討しているところでございますが、現在、さつき寮では、委員がおっしゃいましたように、母子家庭及び父子家庭を対象に、保護者が病気、出張等の理由で児童の養育が一時的に困難となった場合に、その児童を養育・保護するショートステイを実施しているところです。
 建てかえに当たりましては、虐待防止の観点から、利用対象児童を拡大したショートステイ事業の実施などについても検討していきたいと考えてございます。
○佐藤委員 建てかえについては、早急に検討していただけるんでしょうか。10年計画の前期にはきちんと入れていただけるんでしょうか。
○新井子育て支援担当課長 現在、策定の検討をしているところでございますので、前期とかそういったことはちょっと今この場ではお答えできません。
○佐藤委員 今、本当に早急に支援をしなければいけないところで、一番施設が古いところです。施設の建てかえについては一番早い計画化を御要望しますので、ぜひよろしく御検討お願いいたします。ありがとうございました。
 以上、私の質問は終わらせていただきます。最後の1分少々でまとめをさせていただきます。
 今回の質問では、ちょっと早口で、一体何を焦点に佐藤が質問しているのかというのがわからなかった方もいると思いますけれども、行政改革、新しい公共経営という基盤は、昨年つくられた。仕組みはつくられた。しかし、その仕組みに魂を入れていくということは一体どういうことなのかということを申し上げてきたつもりです。
 区長は、行政の役割は「法の番人」、「制度の設計者」、それから「弱者の味方」ということをよくおっしゃっております。その「弱者の味方」の部分を目標にする。それは、今までの福祉がやってきた弱者の保護、それも大切です。しかし、保護だけでどうして保護する人たちが減らないのか。ふえていく一方なのか。それは、もう一つの観点が欠けていたんじゃないかと思います。弱者を、弱者のままに置いておくだけが行政サービスではない。弱者の方々たちのエンパワーメント、つまり力をつけていただく。自立に向けて社会参加をしていただく。排除の論理ではなくて、その社会の中に一緒に暮らしていくためにはどうすればいいのかを考えていく。それは、弱者の方たちに力をつけていただくことじゃないかと思います。その自立支援のことを生活保護の方、ホームレスの方、いわゆる母子の方、そういう方たち、障害者の雇用もそうです--を焦点に当てながら、私は述べさせていただいたつもりです。その自立支援の仕組みづくりをぜひ目標にされて、去年つくりました、そういった制度・仕組みに対して、しっかりと魂を入れていただく作業を始めていただきたいと思います。
 以上で私の質問のすべてを終わらせていただきます。ありがとうございました。
○平島委員長 以上で佐藤ひろこ委員の質疑を終了いたします。
 次に、飯島きんいち委員、お願いいたします。
○飯島委員 公明党議員団の立場から、平成15年度決算の認定にかかわる質問をさせていただきます。
 なお、私、質問通告項目どおりにやらせていただきますが、私が出てくると、また財政の問題かと、こう思うような方もいらっしゃいます。しかし、決算というのは、その半分は財政の問題でありますし、中野区が今抱えている課題の概ねはこの財政の問題をどうするか。平成15年度の決算というのは、実は非常に大事な決算だというふうに思っております。このまま中野区がこの財政の問題で沈んでいくのか、また再び旭日の勢いで上がってくるとは思いませんけれども、安定的な行財政の運営ができるのか。こういうことを占うといいますか、判定するというか、あるいはさまざまな財政的な兆候から考えていく、そういう大事な15年度であったなというふうに思っています。
 そういう意味では、この財政の問題というのは、実は言うは易くしてなかなか簡単ではございません。考え方としても、例えば、「入るを図って出ずるを制す」という考えがあります。つまり、歳入に注目をした考え方。同時に今度は、「入るを制して出ずるを図る」という考え方があります。これは、どのように最小の経費で最大の効果を上げていくか、行政執行の視点から考えることでありまして、財政といってもこういう全く対立する二つの立場が当然あるわけです。
 そういう意味からすると、今回、私、本会議の質問を伺っておりまして、非常に感慨深いものがありました。20年前に、私とか、幹事長の大泉とか、議員になりたてのころに、よく区の皆さんと財政問題について議論をいたしたことがございます。決算、予算、本会議の中で。そのとき、我々は自治法の規定、地財法の規定によって、決算で生じた剰余金についてはしかるべき法的措置をすべきである。つまり、翌々年度までにその2分の1を下らない額を積んでいくべきではありませんかと、こういう主張をいたしておりました。そのときの区の当局の皆さんは何とおっしゃっていたか。なかなかそういうことはできませんということで、剰余金はほとんど全額繰り越しをして、翌年度の予算の中に差し込みをして、どんどんと財政規模を拡大していったわけであります。その考え方も当然、否定し切れないものはあります。剰余金を使って仕事をしていく、このことについてもあるでしょう。しかし、それは一定の社会的な条件、経済的な条件が満たされるという前提に立っての話です。それは、右肩上がり、翌年度の歳入が常にふえ続けていく、こういう成長期の過程の拡大路線としてはあり得る話でありますけれども、しかし、一たん現状のようなことになってきたときにはどうなるのか。それは、もうおのずとこの中野区の実態が明らかに示していることでありまして、私はそういう意味では、20年たってようやく攻守ところを入れかえると。江田委員の質問にもありました。江田さんは、どちらかといえば、そういう右肩上がりの前提のような時代のお話のように私は受けとめた。区長は、それに対して、今までの歴代の区長としては珍しいぐらい、そういういわば自治法上の規定に沿ったようなお答えがありました。そういう意味では、非常に感慨深い思いをするというのはそういうことであります。
 同時に、私は最近、区民の皆さんに会うと一様に、何か言っても「飯島さん、そう言っても、中野区にはお金がないからね」と、こう区民の皆さんから言われてしまいます。そういう意味では、区の財政危機に関するPRは、いわゆる行政施策に関するPRの中では一番浸透していると言っても過言ではないかもしれません。しかし一方では、「いつまで一体そういう状態が続くんですか」と、こういうお話も承るわけでありまして、今の財政再建路線が果たして星を突いて行われているのかどうか、こういうことも非常に大事な問題だろうと思っています。そういう視点から、今回質問をさせていただこうと思っております。
 私は、医師会の懇談のときに、医師会の先生から言われました。「どうして、いつまでもお金がないんだ」と。私は申し上げました。30年近く、いわば構造的な財政規模の拡大にほとんど歯どめのない、そういう財政運営をしてきた。30年かかってこういう構造をつくり上げてしまいました。したがって、この構造は、いわば一種の生活習慣病と同じで、それがもう末期の状況になっている。1本や2本の注射で簡単にもとに戻るわけではない。基礎的体力をつけながら、運動をし、ぜい肉を減らし、そういうことをしなければ、なかなか回復しないのではありませんかと。そこまでは言いませんでしたよ、ドクターですからね、相手は。まあ、そういうようなつもりでおりました。そんなことでいろいろ伺ってくると、そういう財政に対する基本的な取り組み、それからこれまで中野区がやってきたあり方が果たしてこれから通用するのか。しないから今区長は、あるいは区の当局は改革に取り組んでいる。こういう時代認識なんだろうと思います。
 そんなことを踏まえまして、質問をさせていただきます。
 今回、皆さんがお取り上げになっています主要施策の成果というものがございますけれども、これは非常によく書いてあると思う反面、こんなに細かい字では読みにくいなという気もいたします。これは、たくさん読んでもらいたいのか、それともざっと見た瞬間にもう絶望的になって見ない方がいいのかなと、こう思うかわかりませんけれども、そこにいろいろ取り上げていらっしゃる。そういう議員の方がいらっしゃいました。私は、こういうのを使って決算の総括質疑をやるということは非常に大事なことだと思っています。決算の総括というのは本来、そういうふうにして行われるべきものなんだろうと。そういう皆さんのことを踏まえて、私もあえて伺わせていただきます。
 区長が定めた2年間の経営改革指針のもとでの15年度の予算執行であります。財政再建路線といってもいい、そういう路線をとって今日まで来られた。「健全化への財務担当分野としての貢献度」、こういうことが載っておりまして、監査委員の意見書にも同様のことが書いてありますし、主要施策の成果の53ページ、56ページにもこれが載っております。なかなか厳しい評価、それは当然のことだと思いますが、しかし一方では、本当にどの程度の貢献をされているのか。外部評価の方が言っていらっしゃるのは当然だと思います。事業部ごとのそういう成果の目標はあるだろうと。だけど、それをどう財務担当分野がバックアップをしたんだと。それらしい目標も設定してやったらどうですかという指摘は、もう私はそのとおりだと思います。
 したがって、外部の評価のあった上で自己評価を伺うのもこれはなかなかつらい話かもしれませんが、財務担当分野としての貢献度、これはどの程度と自己評価をされていますか。
○村木財務担当課長 平成15年度決算の状況、あるいは経常収支比率、実質収支比率、公債費負担比率、そして財調基金の残高など財政指標を見ますと、非常に厳しいという状況にございます。財政運営の考え方を示しまして、将来の安定した財政基盤づくりに向けた取り組みを開始したところではございますけれども、区財政への再建の道のりはまだ途上ということであり、財務担当として、各部の取り組みを支援しつつも、健全な区政運営に資するための貢献については、みずから非常に厳しいというふうに評価をしております。
○飯島委員 貢献が厳しいというのでは、一体何をしていたんですかということになるんですよね。
 それで、反省されていらっしゃるというのは反省されていらっしゃるのかもしれませんけれども、私は、あえて申し上げておきますが、この夏、我が公明党東京都本部で研修をやりまして、竹中大臣においでいただいてお話を伺ったりもした。いろんな批判がありました。私も、あの人の学説に立つかどうかということは、これはまた別の問題ですが、しかし、経済政策とか財政再建というのは、やり切らなければ成果が出ない。このことは非常に強く感じました。ですから、貢献度が少ない。その貢献度が少ないというのは、いわゆる今やっていることにおいて貢献度が少ないのか、効果がなかなか表面化しないという意味において貢献度が少ないのか、どちらの御判断なんですか。
○村木財務担当課長 スタートラインに立ったということで、これからなおさまざまな財政の健全化に向けた取り組みを進めていかなければならないという意味でございます。
○飯島委員 そこで、大事な部分は、今うちに負担になっている部分が幾つかありますが、用地にかかわるところが大きいと思います。それで、土地開発公社、これの経営健全化計画というのを持っておりまして、もうそろそろ終わりそうになる。これについての健全化の計画を進めている。これは予定どおりに進行しているんですか。
○村木財務担当課長 平成13年度から17年度までに、土地開発公社の保有地を引き取り、国から求められております標準財政規模、中野区の場合にはおおむね620億と言われておりますが、この0.13とすることにつきましては、予定どおり進んでおります。
○飯島委員 そこで、決算説明書の149ページに財産管理というのがございます。ここには土地開発公社についても載っているわけですが、これを見ますと非常に、財産管理の1の方は、これはなかなか外側から見ると進んでいるように見えます。しかし、今、土地開発公社というのは、非常に執行率が低い。同時に、土地開発公社経営健全化計画に基づく用地購入というのがあって、同時に不用額があって、これにも土地開発経営健全化計画に基づく用地費残というのがある。これの割合を見ると、それほど進行しているのかどうか。この二つをあわせて見ますと。つまり、土地開発公社の執行残、49.5%ですから、執行率が半分を切っている。用地を買う、これは決まったとおりに買っているわけですから、多少の残があるにしても、この辺についてはちょっと理解しがたい状況だなと思うんです。これはどういう意味ですか。
○村木財務担当課長 土地開発公社経営健全化に伴います用地購入費、ただいま御指摘ありましたけれども、19億4,575万円余で、用地費残が936万円余となっております。これは、区が公社保有地を買い取る際、公社が負担しております金融機関への支払い利息等を含めた簿価によりますため、この利息にかかる利率が予算では2%であったものが、実勢では1.575%であったことによります。
 また、公社への貸付金等の執行率が低い、49.5%となっておりますのは、健全化計画に基づく処分用地にかかわります公社から金融機関への支払い利息につきましては、区の買い取り代金をもって一括償還することになっております。このため、これらにかかる利息分としての公社への貸し付けが必要なくなったということによるものでございます。
○飯島委員 いわゆる健全化の効果の一つなんだろうと思いますが、同時に、いろんなことをおっしゃる方がいます。土地開発公社において金利を払っている。一般会計で引き取る、用地会計でもそうでしょうけれども、当然新たに区債を発行して引き取るわけですから、当然金利がつく。どっちがどうなんだという議論もあります。要するに、この健全化計画が中野区財政に与える影響。つまり、健全化でやった方がやっぱり財政的にはいいんだと。そのまま置いておいて、いわゆる金利だけ払っているというのではどうにもなりませんよという意味合いはどういうところにありますか。
○村木財務担当課長 健全化計画では、区が用地を引き取る場合に、特別の区債発行が許可されております。これをそのまま放置した場合、区はこれをすべて一般財源で引き取ることになるため、将来の区財政に与える一般財源負担が膨大なものになってしまいます。
○飯島委員 私が伺っているのはそういうことじゃなくて、同じ金利を払うにしても、どこに用地の所有があるかということの意味合いは、財政上、つまり執行しているというか、支払っているお金の意味が違うんじゃありませんか。つまり、片一方は、幾らお金を払っても相変わらず土地開発公社の土地で、未利用地の活用で多少のことがあったとしても、本来行政目的を果たすわけにはいかない。しかし、それは実際に金利を払っても、その払っている金利の意味合いが違うのではありませんかと。要するに、人によっては「そのままにしておいてもいいんじゃないの」と言う人もいるわけですよね。ですから、この健全化計画で、一方では将来の財政負担につながる、それは可能性があります。区債がふえるわけですから。でも、それでもあえてそういうことをするという意味合いはどういうことですかと、こうお尋ねしたんです。
○村木財務担当課長 同じような答えになるかと思いますけれども、実は、公社の方で金融機関に支払いをしている利息というのが1億というような数字になりますので、本来ならば、これはただ金融機関に対して利息を支払っているだけということになりますので、その点だけを見れば、まことに好ましくないと思いますけれども、だからといって、区の方でこういったいわゆる健全化計画等に基づいた処置をしなければ、その金利負担がより大きなものとなって、ずっと続いてしまうといったようなことも含めて、今回、13年度からの健全化計画を我々が選択をしたというものでございます。
○飯島委員 そうすると、健全化計画は17年度で終わりますね。しかし、いただいた資料等を見ると、さらにまだその先にたくさん用地が残っている。これについてはどうされるお考えですか。
○川崎計画担当課長 今、委員御指摘のように、公社の健全化計画終了後、17年度を終えた時点でも、まだ公社としては6件の土地を保有しております。これらにつきましては、現在10か年計画を策定中でございますが、この中で未利用地の活用方法についても定めるということで考えております。
 なお、その後でございますけれども、今、財務課長の方からもありましたように、用地の買い取りにつきましては、一般財源で多額の費用を要するということでございますので、その財源対策も含めて、用地の活用について考えていきたいというふうに考えています。
○飯島委員 大丈夫ですか。そんなことの中で処理できる土地じゃありませんよ、言っておきますけど。北口広場整備事業用地、それから南口市街地整備事業用地、こういうのは10か年計画の中で未利用地の活用を考える話じゃないんですよ。中野駅周辺まちづくりの計画の中に、特に警大の跡地とリンクして出てきている問題なんです。だから、この用地についてはどうお考えになるんですかと。10か年の計画の中でどうのこうのという、そういう性格の土地ではないんですよ、ここは。土地の意味合いをよく御理解されていないんじゃないのかな。どうなんですか。
○川崎計画担当課長 おっしゃるとおり、中野駅北口につきましては、その面積は3,600平米、金額にしても50億に上るという大変な額となります。これは、一般的な区の施設活用、土地活用という中で考えていくとなかなか難しいというのは、それはおっしゃるとおりだというふうに思います。そういった意味で、現在、中野駅周辺整備につきまして、民間活力の導入も含めまして、その整備手法について検討しているということでございまして、先ほど私が10か年計画の中でと申し上げましたのは、中野駅周辺のまちづくり整備も含めた中で考えていきたいというものでございます。
○飯島委員 区の施設活用なんて、全然想定されていませんよ、そういう意味じゃ。まあ、この問題はまた後で聞きますけれども、南口はいかがですか。
○川崎計画担当課長 南口につきましては、約800平方メートルで、買い戻しに要する金額につきましては約7億5,000万ということでございますが、こちらにつきましても、市街地整備事業の中でその事業手法について検討していきたいということで、先ほど委員の方からお話がありましたように、未利用地の活用ということでございまして、必ずしも現在公社が抱えている土地、あるいはそのほかの未利用地につきまして、そこに必ずしも区の施設をつくるということではなくて、現在、区が所有をしている、あるいは公社が所有をしている土地についての活用について、区の財政能力の中ででき得る整備手法を考えていきたいというふうに考えております。
○飯島委員 余りこのことで時間をとりたくないんですけれども、整理をしておかなきゃいけないんで、例えば、南口なんかの場合、再開発事業をやるというのは、用地を取得しているのは土地開発公社ですね。土地開発公社も事業組合、要するに組合を組むなんていうことになったときには、その組合に参加するんですか。そういう性格の用地として、土地開発公社というのはあるんですか、そういう公社として。土地開発公社は、中野区の公共用地先行取得計画に基づいて土地を買っているんですよ。基本的には、土地開発公社の事業をそこの用地でやるという性格じゃないんですね。そうすると、一たんは、どうであれ、一般会計であるか、用地会計かわかりませんよ。こういう用地を引き取って、中野区が事業者として入っていくのか、わかりませんよ、それはね。そういう処理が必要になってくる。だから、未利用地の活用云々の話じゃないんですよ。まさに、この駅周辺について、一定の実効性のあるまちづくり計画をつくろうと思ったら、おおむね60億程度の新たな財政の課題がここにあるのかというふうに認識しなければならない。この点については、どうなんですか。中野駅周辺のまちづくりを進めるためには、中野区としても将来財政の課題があるんだと。こういう御認識に立っていらっしゃるんですか、立っていらっしゃらないんですか。
○川崎計画担当課長 ただいま土地のことを中心に御質問いただきましたが、その土地だけでも大変な額。その整備手法、あるいは区の参加の仕方によっては、土地だけについても多額な費用を要する。さらに、そのほか都市基盤整備ということで区の負担がどうなるのかというようなことを考えますと、多額な費用を当然要することになるかと思います。そういった意味で、整備手法でありますとか、その時期、あるいはそれのための財源対策については慎重に考えていかなければならないというふうに考えています。
○飯島委員 貢献度、非常に反省をされていらっしゃいましたけど、財務担当分野はどういう認識なんですか。
○村木財務担当課長 中野駅周辺地区にかかわります用地だけでも60億近い、簿価ですが、60億近い用地をいずれ区が引き取らないといけない。そのほかにもまだ17億ほどの用地がございます。この問題については、今後の区財政には極めて重要な課題として提供することになると、そういう認識を持っています。
○飯島委員 ぜひそういう認識に立って、このまちづくりの計画の真に実効あるものをお考えいただきたい。そうお願いをしておきます。
 次に、財調の問題について伺いたいと思います。
 いわゆる1件算定方式から単位費用方式になって、財調の性格上、より本来の趣旨に沿うものになったと、こう教科書なんかには書いてあるわけですけれども、私は一方では、中野区の財政規模の拡大に歯どめがかからなくなりつつあったのは、いわゆる単位費用方式になって以降ではなかったのかなというふうに思っています。単位費用で計算するとか、1件算定とか、よくわからないことが多いわけでありますけれども、この単位費用にするということと1件算定とはどこが違うのかということを一つ、簡単でいいですから説明してください。
 同時に、単位費用方式のもとでは、将来発生が見込まれる行政需要、こういうことに対する需要額も算定されて、交付されたのではないか、こういうふうに思っていますし、現に今もいわゆる公園用地というのは経常費と投資経費、このような形で3,000平米ずつお金が来るとか、こういうふうになっているんですね。こういうことがあったのではないか。例えば、繰り上げ償還財源というようなことで、それも算定されてきていたのではないのか、こういうこと。あるいは、新規算入してもそれを全然使わないで、中野区の場合は、ほかのことに使ってしまった。防災センターというのはいろんなお金がたくさん来ているんですが、防災センターをつくらないで、庁内に暫定防災センターというのをつくって終えてしまっていると。いろんなことがありました。じゃあ、一体そのお金はどこに行っちゃったのということを絶えず疑問に思うわけでありますけれども、そういう単位費用方式の中で、将来の行政需要に対する算定がされて、措置をされる。こういうものについては、財務担当分野の課長としては、本来は基金等に積み立てる処理、これが必要ではなかったのか。私はこう思うんですが、いかがですか。
○村木財務担当課長 単位費用の問題ですけれども、財調上は標準区というものを設定いたします。35万人という、実際に現存する区ではございません。これを標準といたしまして、例えば人口ですとか、教育なんかですと学校数とか、そういったものにそれぞれの区の状況に応じた違いがありますので、そこに補正係数等を掛けまして示される、言ってみれば一般財源としての財政調整交付金を算定するに際しての計算式に基づいて出されるものでございます。
 それで、今お尋ねの問題ですけれども、例えば、償還財源が措置されている未償還区債分、これも総務45の資料などにも示されておりますけれども、将来需要に備えた基金への積み立て、こうしたものにつきましては、本来積み立てておくべきものであるというふうに私は考えております。
○飯島委員 そこで、わかりやすい事例ですが、最近、減債基金の積み立て。危なく一番最初に来たお金も積み立てないで使われそうになりましたけれども、あえてそれは積み立てることになりましたが、この減債基金の積み立ても、そういう財政的な運用上の判断、あるいは財調の持つそういう性格、算定されている基準財政需要額の中身、それは交付金の中身の問題になるわけですけれども、こういうことからの対応というふうにも考えられますが、いかがですか。
○村木財務担当課長 私もそのとおりというふうに考えております。
○飯島委員 そこで、ひとつまたちょっと違う角度から北口広場の問題について伺いたいと思います。
 さっきちょっと言いましたのは、施設の設定なんかない。特別委員会で、私はこの中野駅周辺・警察大学校等跡地整備特別委員会にいますから、伺いました。あそこの葬祭場と、それから防災センターの用地は一体どうなっているのか。「長期計画がなくなったので、もうそんなものありませんよ」なんて言われちゃいましたけれども、果たしてそういうことなのかという心配もありますが、この清掃車庫用地は、区有地と開発公社の所有地、これで構成をされていますね。開発公社の所有地は、先ほど指摘しました中野駅北口広場整備事業用地の一部に当たっているんでしょうか。
○村木財務担当課長 清掃車庫用地は、御指摘のとおり、北口広場整備事業のうちの一部でございます。
○飯島委員 これについては、執行率が低い事業のところでまた改めて伺いますが、この区有地分の取得、これについての特別区債の発行、これは既に償還は終わっているんですか。
○村木財務担当課長 あの部分、今、事務所棟になっておりますけれども、ここにかかわります区有地分につきましては、防災センター用地として平成5年に区が購入をいたしました。価格が22億7,800万円した土地でございますが、平成14年度に償還は完了しております。
○飯島委員 償還を完了すると、起債のときについていた条件というのは、これはもう実行しなくていいんですか。
○村木財務担当課長 実は、この用地は、用地特別会計で購入をしたものでございまして、本来ならば2年以内に事業化を図るため事業債に切りかえるということになっておりますが、当該用地につきましては、用地特別会計のまま償還を続けて、14年度末で償還が完了したと、こういう土地でございます。
○飯島委員 ですから、この起債に当たっては、ある年限つきで防災センターにしなきゃならない。今おっしゃったように、2年間で事業化を図る。もっと言えば、5年以内にやるとか、こういう起債の償還で10年というのがありましたから、12年たったらやりなさいとかいろんなスパンはあるんだそうです。当時の予算課長といろいろ議論したときにそういう説明をいただいて、私もまだよくわからなかったので、そのまま納得した経緯がありましたけれども、しかしそうすると、これは償還が終わったから、ある一定の事業化を迫られている用地であるという性格はそのままにして、でも用地特別会計でずっと払っちゃった。これは、そうすると、そのときついていた条件というのは一体どうなるんですか。もうそんなのは気にしなくていいんですか。
○村木財務担当課長 現在、その条件がどうなっているかということにつきましては、なかなか難しい御質問なんですけれども、要するに、用地特別会計で持ち続けて償還が終わってしまった用地について、区の土地、区有地として何らか問題がありますかという問いを東京都にしたことはございますけれども、これは償還が終わった区の用地であるから、そういう意味では問題はないというお答えだけ、私の方からさせていただきます。
○飯島委員 まあ、不思議な処理のままになっているということがありますね。起債時における条件については、それほど配慮する必要はないような状況--償還しちゃいましたからね。ということで、辛うじてはセーフなのかもしれない。しかし、中野区として、この用地についてどういう考えを持っていたかということについての記録は残っております。私が総括で質問したとき防災課長は、センター部長が、当時はセンター部の方にありましたから、いわゆる「暫定的な防災センターを庁内につくる」と。当該用地のところについては「18年度に実施設計をする」、こうお答えになっているんですね。「平成18年に実施設計をするまでの間につきましては、本庁舎にスペースを確保いたしまして、震災時の応急対策の中枢機能になる防災本部、それから司令部などの充実整備を図っていくことにしています。今の財調措置されているということは。」--つまり、これをつくりなさいと財調のお金が来ちゃっていたんですね。基本設計やさまざまなお金が来ています。これも使わずに、中で処理したんでんすが、その中でもできるものということで、「災害対策要員の宿舎の整備などは既にやっています」と。要員の宿舎整備は先やったんだけど、センターはつくらなかったと、こう言っているわけですね。「中野駅の北口整備にあわせて、これから整備を図っていくという方針には今のところ変わりはございません」。変えたんなら、どこかで変えましたということがなければならない。しかし、地域防災計画も、後でちょっとここはと思いましたけれども、これはやめておきます。こういう中に、こういう方針がどこで、いつ、どうなったなんていうのは何もないんですね。こういう区の方針というのは、一方でやっぱり議会答弁としてあるんですよ。起債の条件にももちろんあった。起債の条件は、既にお金払っちゃったんだからと、こういうちょっと強引な論理だけれども、しかし、ここについては、本来誠意を持って対応するとすれば、何らかのこの用地の性格からして対処方は必要じゃないのかなと、そう思ったりするんですが、どうですか。
○川崎計画担当課長 ただいまの御質問でございますが、平成8年度の決算特別委員会で、第2次長期計画の策定に関しまして、そのやりとりの中で、今委員の御紹介があったようにお答えをしているところでございます。
 まず、平成18年度までには実施設計をということでございますが、現在、中野駅周辺につきまして、その整備計画を策定をしているところでございます。当該用地、そして防災センターの機能、あるいは施設のあり方についても含めて、現在検討を進めているところでございます。
○飯島委員 御検討は進めていただいているということですから、進めてください。でも多分、こういう質問をしなきゃだれも思い出さなかったと思うんですね、こういうことは。しかし、皆さんちゃんとお答えしているんで、それは行政の継続性がありますから、よろしく検討方お願いします。
 それで、なぜそれを取り上げたかというと、私たちはこの駅周辺、特に区役所周辺にかかわるこの警大の跡地一体で、いわゆる防災にかかわる機能、広域避難場所としての機能の確保が必要であると、このことは申し上げた。同時に、地域防災センターの機能もやっぱり果たすべきたという主張をしているのは、実はこういう経緯の土地がそこにあるからなんですね。ですから、そういうことも踏まえて、ぜひ御検討を進めていただきたい。これはお答えは結構です。お願いをしておきます。
 次に、学校再編の財源問題について伺います。
 これについては、大泉幹事長から、特に発言をしておくようにという点がございましたので、申し上げておきます。
 本定例会の本会議で、同僚の高倉良生議員から質問がございました。そういうこちらから重いボールを投げてあるんだから、ボールが返ってくるまでの間、議論をすることはできないじゃないかということで、この学校再編の問題はここではいたしません。したがって、財源問題だけについて伺っておきます。
 義務教育施設について、単位費用方式、先ほど質疑をいたしましたが、これがとられたのはいつですか。
○村木財務担当課長 義務教育施設につきまして、財調上の単位費用方式がとられたのは、大規模改修につきましては昭和60年度、改築経費につきましては昭和61年度から62年度にかけてでございます。
○飯島委員 1件算定という、いわばこの土地を査定するような方式が改められても、なおかつ義務教育施設に関してだけはずっと残っていたんですね。それが昭和60年代の終わりごろに単位費用化された。同時に、義務教育施設整備基金、これが設置されたのは平成元年ですね。私は当時の予算関係者からいろいろ、この話をする際に伺ったことがあります。この義務教育施設について、財調で単位費用化に対応して基金をつくったんだと教えていただいたことがございました。そういうことですか。
○村木財務担当課長 私は当時、企画課に在籍をしておりましたので、今委員のおっしゃられたのと同様の認識を持ってございます。
○飯島委員 この義務教育施設整備基金、ずっと積んで、ピークが30億ぐらいだったと思います。これは、今現在どうなのか。この積み立てと取り崩しの経過について、御説明いただけますか。
○村木財務担当課長 義務教育施設整備基金につきましては、委員からもお話しございましたけれども、平成元年度に設置されました。このときには10億2,000万円を積み立ててございます。さらに、2年度から4年度までに計21億2,400万円余を積み立てましたので、三十四、五億ですか。その後、1億円のコスト積み立てにつきましては、平成5年度まででございました。
 そして、取り崩しの大きなものにつきましては、平成7年度に谷戸小学校の校舎及び体育館・プール、この建設に11億円ほど、また8年度には丸山小学校、第十一中学校の肢体不自由学級、この整備にかかわりまして6億4,000万円程度、これを活用しております。その後は、小・中学校の耐震工事等に活用されているというふうに考えておりますが、基金のいわゆる積み立てにつきましては、その後は運用益程度が積み立てられているだけでございまして、平成15年末残高は5億9,400万円余となっております。
○飯島委員 細かいちょっと読み取りにくい資料の、総務の49ですか。ここにも書いてありますけれども、現在、学校の建て直しに要する経費、いわゆる校舎・体育館・校庭の3点セットで、かつて30億程度、こういうふうに伺ったことがありますけれども、大体費用の概算というのは、現在でもこの程度なんでしょうか。
○村木財務担当課長 現在、都区財政調整に関する主要5課題を検討してございますが、この中で、特別区側が示しております、築50年後で現有規模どおり改築を行った場合の経費は30億円程度というふうに試算をしてございます。
○飯島委員 今、財調の単位費用による算定は、中野区は経常的な部分と投資的経費がありますね。それぞれ幾らずつですか、大体。
○村木財務担当課長 16年度の財調交付金算定上の基準財政需要額で申し上げますが、経常的経費で維持保守にかかわっておおむね2億円程度。それから、投資的経費といたしまして、改築大規模改修に7億円程度、これは中野区の場合ですけれども、合計9億円程度が需要額算定をされてございます。
○飯島委員 そうしますと、今まで課長とやりとりをしてきて、財調の単位費用の計算、単位費用の算定の方式、それから将来の行政需要に対する財政として取り組むべき姿勢についてはやりとりをしました。この義務教育施設整備にかかわる財調の算定の部分、維持経費、それから投資的な部分を含めておおよそ10億程度が算定されて財調で交付をされている。とすると、維持経費の部分は、これは毎年、毎年、学校の修繕その他維持に使われるのは当然ですけれども、しかし、投資的経費の7億円余、この部分については、本来は私は将来の子どもたちの学校教育環境を整備する、そういうことに対応して、この義務教育整備基金に積み立てを対応していくべきものではなかったのかなと、過去においては。それから、今後については、私の会派ではありませんけれども、自民党さんの会派から、文教52という資料があって、「主要部分が50年を経過する時期一覧」という小・中学校の一覧の資料もございます。それから、再編のことについては、今議論はできないじゃないかと、こうなっていますけど、我々は、この再編問題は基本的に教育環境整備の問題だと、こうとらえているわけでありまして、当然そういうことを考えてくると、この財調算定されている、いわゆる義務教育施設にかかわる単位費用で算定されている7億円余、全部とは言いませんけれども、しかし少なくても5億円程度は今後の財政運営上からこの義務教育施設整備基金に私はきちんと積んで、もう既に将来需要は見えているんですから、本来の財調の交付の趣旨に沿った運用方を図るべきではないか。このことを強く求めますが、いかがですか。
○村木財務担当課長 平成元年当時の義務教育施設整備基金設立時点の設置の考え方からすれば、特別区交付金にかかわりますこの需要額算定をされている義務教育施設の改築等の経費については、積み立てをしておくことが望ましいと考えております。財務担当としては、そのように考えております。
 また一方、現在、主要5課題の中で、小・中学校改築の急増にかかわります財源配分のあり方等について都区で協議を行っておりますので、こういった動きも見ながら、そういったことをあわせて考えていくべきものかというふうに考えております。
○飯島委員 実際に改築、改修、建て直し、どの選択があるのかわかりませんけれども、そうした現に着手するまでの間にまだやや時間がある。3年程度ぐらいの余裕があるようでありますけれども、そういうことからすれば、17年度から対応を図れば、学校の教育環境の整備に関して、財源がないというようなことでそれは無理ですよというのは、話としてもう何だそれはと、中野区はというようなことはなくても済むんじゃないですか。ぜひそれは、さまざまなことを検討されているところで財政担当課長としても強く主張をされ、ぜひ実現方をしていただきたいと、こう強くお願いをしておきます。これはお答えはもう結構です。
 次に、総務の83、「特別区税・都民税1,000円あたりの徴税コストの推移」というのを出していただけますか。この徴税コストの問題について伺います。
 これを見ますと、次第に1,000円当たりの徴税コストが上がってきている、こういうふうに見えますけれども、いかがですか。
○若槻税務担当課長 徴税コストにおきましては、ただいま御紹介ありましたように、資料でお示ししておるわけですが、人件費の割合でおおむね80%程度になっておりまして、職員の配置数によって徴税コストも大きく変化しております。また、不況による個人所得の落ち込みから税収入が減ってきていることも徴税コストに反映していると見ております。適正・公平な税務事務を執行するためには、一定程度の職員数は当然必要でございまして、また事務経費の節減についても限界がございます。そうは言いましても、徴税コストの軽減につきましてはなお一層努力してまいりたいと、そのように考えております。
○飯島委員 模範的な答えをいただきましたね。問題は、三位一体改革で補助金がなくなる。同時に、税源の移譲はされる。交付税はとりあえず、この23区、中野区にとって直接かかわりが出てくるあれがありませんから、もう三位一体というより二位一体と、こういう感じですね。こうなってくると、中野区の持続可能な行財政の運営、私は安定的な--余り持続可能なんていう言葉は余り好きじゃありませんから、安定的な行財政改革を進めていく上では、これは税源移譲でやるということは、その地域力としてどれぐらいの税が負担できるのかと、こういう問題になってくるわけですね。幾ら税源移譲されても、徴税としてこれが税収に上がらなければ意味がない。パーセントが来ただけでは何もならないわけでありますから、そういう意味では、地域の地域力、とりわけ行財政にとっては税をどのくらい負担できるのか、こういうことが今後課題になってくるのではないか。これは税務課のお答えというよりは、全体的な行財政運営を考えたときに、ここがポイントの一つになるんではないかと私は思うんですけれども、いかがですか。
○若槻税務担当課長 所得税から住民税に税源移譲された場合の試算でございますが、一律10%で、区民税7%、都民税3%の税率で仮定した場合ですが、その影響額は16年度の当初課税データで試算しますと、区民税ベースで約49億円の増額になると想定してございます。税源移譲された税額を安定的に確保していくことは、今後の区の財政運営にとって大変大きな課題であります。同時に、区民一人ひとりの収入、すなわち担税力を増すことによって、区民税の調定額がふえていくことが一層望まれると考えております。
○飯島委員 そこで、総務の資料97というのを抱き合わせで見ると、実にさまざまな課題がわかってきます。これは、過去10年の一人当たり、1世帯当たりの税負担額ですね。これがだんだん長期的には下がってくるんですね。そういうことがある。一方で、三位一体で、税源移譲で、地域のどれだけの力があるのか。それで自立してやりなさいよと、こういうことが出てくる。
 そうすると、今、基本構想の改定ということで、検討素材ナンバー4の資料3、10カ年の人口推計というのが出ています。これで見ますと、年少人口は減り、高齢者人口がふえ、生産年齢人口は減り続けると、こういうことですけれども、私はこの生産年齢人口は減り続ける、ここが非常に課題だなと。それから、特別徴収と普通徴収の割合とか出していただきましたけれども、特別徴収の人というのは、いずれ高齢社会を迎えれば年金の受給で生活を立てていく、こういう構造になってきて、それまでの現役のサラリーマンの時代に比べれば、担税力はやっぱり落ちざるを得ない。こういうさまざまなことを考えていくと、非常に懸念すべき要素はある。私は、そういうことからすると、3区分だけでいいのか。15歳から64歳と。しかし、15歳の人は担税云々はありませんよね。今、25歳以上と言われています、大体。この年齢階層、ここから64歳までの年齢階層はどう動いていくのか。こういうことをおつかみになって、これは税の担当分野がおやりになるのかどうかわかりませんけれども、とりあえず税の問題ということであればそちらがお考えになるんでしょうけれども、そういう見通しに立った検討、あるいはそういうことをどう排除しながら、体力的に地域力としてはどのぐらいのものが想定されるのか。こういうことをお考えにならなきゃならないかとは思うんですが、どうでしょうか。
○若槻税務担当課長 税務担当としましては、当然、調定額を上げるという意味では、そうした生産年齢の方がふえていくということが当然望まれるわけですが、そうした面での税収をどのようにそれと関連させていくかということについての考えというか、検討というか、そういったものは現在してはございません。
○飯島委員 そこで、私は、基本構想、それから基本計画をお考えになる、地域の活力、産業振興等々言われておりますね。そういう際に、どう雇用を確保していくか。あるいは、どう雇用政策を打っていくのか。自治体としても、そういう将来ベースに立った上では、決め手としては魅力ある地域をつくる、同時に雇用を高める、あるいは地域の雇用力を高めていく。こういう視点で検討されることが非常に大事なポイントではないか、こう思うんですけど、いかがでしょう。
○川崎計画担当課長 まず初めに、さきの御質問でございました、10カ年の人口の推移でございますけれども、確かにおっしゃるとおり、生産年齢人口を15歳からとるということについては現実的ではない面もございますので、これについては年齢別のデータを持っておりますので、その視点でも考えてみたいというふうに思います。
 そして、今の御質問でございますけれども、確かに生産年齢人口が減っていく。その辺によって担税力も下がっていくという中で、より多くの担税者といいますか、住民の方を地域に呼び込む。そういった意味では、地域、中野区としての魅力を高めると同時に雇用の創出、こういったことも非常に大切かというふうに思います。
 なお、現在の税制のもとでいいますと、そこで働いていただいて、そこに住んで住民税をお支払いいただくということが大事になりますので、そういった意味では、雇用の創出とあわせまして、職住近接といいますか、住宅の確保、そういったことも進めていくべくだろうと考えております。
○飯島委員 ですから、我々は「職住近接」じゃなくて「職住直接」と、こう言っている。そこに住んでいる人が、そこで働ける環境をつくろうと、こういうことを主張しているわけでありますけれども、ぜひ大事な視点なので、検討方を十分やっていただきたい。それから、有効な実行策を打ち出していただきたい、このことをお願いしておきます。結構でございます。
 以上で財政の問題は終わりますので、安心してください。
 次に、執行率が低い事業について伺うことにいたします。
 これについては、通告の際に、各分野で執行率の低いところが必ずわかっているはずですから、どれを取り上げるかについては通告をいたしておきませんでした。ですから、どこから始まるかということでありまして、説明書の169ページ、住民基本台帳ネットワークシステム整備がございます。執行率69.7%。よく見ますと、住民基本台帳カードの交付の枚数なんでしょうね、1,491件というのがあります。それから、同時に、不用額に住民基本台帳カード購入費残、膨大な残が残っております。しかも、もう一つ、契約落差というのがありまして、契約落差もあるんですね。普通、契約落差があった契約はそのまま執行されるんじゃないのかなと、こう思うんですが、どうして執行残があるのかなと。実にわかりにくいことになっております。この執行率が低い理由、それから契約をしたんだから契約落差があって、なおかつ購入費残があるというようなこのことについて、御説明を願います。
○登戸籍住民担当課長 住民基本台帳カードにつきましては、当初、総務省の方で全国に示された推計の枚数、それに基づきまして1万5,000枚程度という予定を立てておりましたけれども、実際に購入したのは5,000枚だったということで、大幅に購入枚数を減らしたということがこの購入費残の原因でございます。
 それから、契約落差につきましては、当初、購入予定が1枚当たり1,400円という想定をしていたわけですけれども、実際に契約したところでは1,279円ということで、若干の契約の落差ということでございます。
○飯島委員 わかりました。要するに、当初予定どおりの枚数をやめて、なおかつやめた枚数で購入した実際のものに契約落差があったと、こういうことですね。
 それで、この主要施策の成果の外部評価、ここのところにありますね。この評価はどのように受けとめていらっしゃるのか。10年後の到達点がカード普及率25%、15年度の普及率は0.5%。10倍しても5%にしかならないわけでありまして、ここはどう総括をされているんでしょうか。私は、この住民基本台帳カードの外部評価の一つについては、賛成も反対もある事業なんだからというような指摘もありました。これからのネットワーク社会で、区長はよく大事なものだと、こうおっしゃっている。だけど、これは住民基本台帳カードだけであっては果たしてどうなのかという疑問がある。したがって、この10年後の到達点が25%で、15年度実績が0.5%。これはやっぱりこの住民基本台帳のカードについて、どのように活用方を考えているのか。こういう工夫が足りないんじゃないのかなと、こう思うんですけど、いわゆるその外部評価の部分と、それからカード普及の付加価値を高める工夫、こういうことについてはどのように検討されていますか。
○登戸籍住民担当課長 住民基本台帳カードにつきましては、昨年度から開始したということで、当初、総務省の予定した今後の普及、年間大体500万枚ずつ全国で伸びるという想定をもとにいろいろ数字を考えたわけですけど、実際はまだまだというところでございます。今後、電子自治体、あるいはIT社会、こういったものの普及・推進の中で、住基カードについても普及が高まってくるであろうというふうに思っております。
 今後どのように普及させるかということについては、今後の検討課題ということにさせていただきたいと思います。
○飯島委員 総務省の話はいいんです。中野区としてどういう工夫をされているのか。これでやめようと思ったんですけどね、先のことがあるので。
 あのですね、この住民基本台帳ネットワークカードというのは、プラットホームなんですよ。非常にセキュリティーもかたいんです。恐らく、今後5年ないし10年の間では、これは破れないだろう。10年もたったら、それは破られるかもしれない。そのときはまた新しいセキュリティーをかけると、こう考えながら開発されているんですね。万全ではない。しかし、今、破れる手法はほとんどない。このネットワークのカードというのは、プラットホームということは、ここにどういう付加価値をつけていくか。ここが課題なんです。役所がここに付加価値をつけたときには、利用料として入ってくる収入の道が開けると、こう考えているんですね。だから、今お答えいただいたのは、それは通り相場のいわゆる新聞の解説と同じですよ。あなたはどう工夫をされるんですかということを検討していただかなきゃならない。だって、ただ出して、普及にあわせて買って、それを配っていれば、それは事が済むという話じゃないでしょう。もちろん、いろんな議論がある分野であることは踏まえた上での話ですよ、それはね。ぜひそういう工夫はちゃんとされた方がいいし、そういう取り組みはされているんですか。
○登戸籍住民担当課長 住基カードを具体的にどの分野で、どの事業で今後使われるようになっていくかということにつきましては、現段階ではまだ本格的な検討というのはしていないという段階でございます。
○飯島委員 あのね、役所が使うんじゃないんです。民間が使うんです。そういう発想に立っているんですよ。いろんなソフトを乗せるというのは。それは結構です。今後のこととして、ぜひ取り組みをお願いをしておきます。
 次に行きます。
 説明書の214ページ、高齢者福祉施設費の介護老人福祉施設がありますが、執行率58.2%。これは上鷺特別養護老人ホーム施設改修工事費残、これが非常にたくさん出ていますけど、これはどういう事情ですか。
○冨永高齢福祉担当課長 上鷺特別養護老人ホームの施設改修ということで、当初予算計上したわけですけれども、内容につきましては、非常照明用具の取りかえ、それから蓄電池設備の取りかえ工事でございました。蓄電池設備につきましては2カ所ということで当初予定してございましたけれども、実施段階におきまして詳細な最終調査をした結果、1カ所の改修工事で状態が改善されるということが判断されたわけでございまして、執行計画の変更をした結果、そのために不用額が生じたということでございます。
○飯島委員 わかりました。予算積算段階でわかっていればなおよかったとは思いますけどね。はい、ありがとうございました。
 次に、説明書の232ページ、これは昨日、むとう委員も取り上げていらっしゃいました。男女平等推進、執行率51.6%。私はこの云々は聞きません。メニューというのは、これしかないんですか、事業の。
○竹内男女平等推進担当課長 男女平等分野で全体として取り組んでいるものといたしましては、庁内におります男女平等推進担当と女性会館、この二つに分かれております。それで、庁内におります男女平等推進につきましては、主にここにありますような条例に基づく苦情処理、それからDV等の啓発等を行っているところでございます。それから、庁内におけます男女平等の推進ということで、審議会等の委員への参画率を高めるといったような取り組みを行っているところでございます。
○飯島委員 19世紀的発想ですね。ぜひ21世紀の発想に立って、男女平等の推進をされるなら、どう具体的にメニューが豊富になっていくのか。ここのところをやっぱりきちんとお図りになることを申し上げておきます。結構です、ありがとうございました。
 次に、決算説明書255ページ、商工振興ですけども、執行率の低さ、わかっているような気はしますけれども、どういう理由ですか。
○高橋産業振興担当課長 商工振興の中の事業の一つとして、IT活用地域活性化事業というものがございます。これは、ITを活用することにより区内産業の発展を促し、あわせて地域コミュニティーの活性化を図ることを目的とした事業でございます。こちらは、応募作品に応じて、対象経費の3分の2を補助とするもので、限度額500万円のものが2本というような、ビジネスコンテストみたいなものをしました。したがいまして、これについては17件の応募がございましたが、1次審査をいずれも通ることができなかった結果、執行残となったものでございます。
○飯島委員 要するに、どこに事業のハードルを置くかということをお考えにならないと、やってもなかなかいかない。ぜひ、ライブドアの社長を審査員に呼ぶとか、さまざまな工夫をして話題性を強くするぐらいのことがないと、なかなかそうかというふうにはなりませんから、若い人たちを引きつけるもっと魅力をぜひお考えになっていただきたいと思います。結構です、ありがとうございました。
 次に、説明書の258ページ、農業振興事業というのがございます。執行率58.1%。執行率の低さもさることながら、単位を間違えたのかと思いましたが、6万8,000円という予算でございます。これも、品評会があって、これはこれで非常に大事なことで、あと即売があったりすると非常にうれしいなという人も多いわけですが、その辺を考えると、私は思い切ってこの農業振興も、中野は農業委員会はなくなりましたけれども、考えてもいいんじゃないのかと。鷺宮の方に土地があるんですから、市民農園とか、いわば一種のクラインガルテンというのがありますけれども、そういうところに契約農家でやればいいんです。中野区がやる必要はないんですよ。練馬なんか、この前行きましたけれども、何とかファームというところへ行って見てきました。そこでとれた野菜をレストランで売っているんですね。そういうもろもろがあるんですから、「中野で農業……、えっ」と、こういう意外性があるんじゃないかと思うので、そういうメニューをお考えになったらどうでしょうか。
○高橋産業振興担当課長 今、委員のおっしゃった農業でございますが、今、中野区での農業は約24軒やっていらっしゃる方がございます。一部の中では、本当の産業としての農業という形ではなく、触れ合いの場とか、緑を残すような形での農業の振興を図っていただいている部分がございます。委員のおっしゃったように、大々的にということではありますが、何分にも農業の従事者でございますが、高齢であってなかなか難しい。そういうようなことを聞きながら、この程度--程度と言っては申しわけないんですが、このような事業の大きさになっております。
○飯島委員 あのね、高齢化した人に農業をやってもらおうという意味じゃないんです。今の農業というのは違うんですよ。そこに働きに行くんです、若者が。あるいは、会社を退職して、もう定年に入って、農業でもやってみたいとか、園芸でもやってみたい。こういう人たちがそういうところでやる。だけど、ニンジンのつくり方がわからない。知っている人のところへ行って、教わって、つくって、自分でやる。そういうふうな時代なんですよ。だから、そういうことをお考えになる。20何人の方がいらっしゃる。この方たちの所得をどう上げていくかじゃないですか、だったら。住んでいるんですよ、その人たちは。規模に合わせて何かやっていくとなると、どんどん縮小しちゃうじゃないですか。アイデア勝負なんです、あなたのセクションは。ぜひそういう取り組みをやっていただきたいなと思いますので、これはもうお願いですから結構です。ありがとうございました。
 次に、説明書の287ページ、都市計画について伺います。
 これは執行率78.3%、かなり低い部類に入りますね。この理由は何ですか。
○服部都市計画担当参事 これは用途地域地区の見直しの事務など、都市計画におけます不用額でございまして、約1,100万円余でございます。今回の用途地域地区の見直しに当たりましては、これは東京都の依頼から受けたものでございますが、東京都といたしましては、見直しの基準を示しまして、原則として地区計画の策定を必要としたことから、区内におけます見直しにつきましては、道路などによります地形等の変更にとどまるものとなりました。その結果、当初想定しておりました箇所数はおおむね十五、六カ所でございましたけれども、それを大幅に下回りまして、見直し箇所が4カ所にとどまりました。その結果として、箇所ごとに作成いたします原案図書作成業務委託経費とか、関連いたしまして区報の特集号などの作成経費が減となったものでございます。そういう内容でございます。
○飯島委員 例えば、これを見ますと、用途地域地区原案図書作成業務委託等が600万円余、不用額、業務委託料残が400万円余、そもそも予算積算するときに何か間違いがあったのかなというような額ですよね。もう少し精査してものが出せないんですか。それから、先ほど伺いましたけれども、契約落差があるということだから、この六百何十万とかかわるところの契約をして落差が出た、これはわかりましたけれども、もう少しこの積算方をきちんとされた方がいいのかなと。要するに、間に合わなかったというよう性格のものなんでしょうね、多分。今、御説明のタイミングがずれたというようなお話ですけど、その辺はどうなんですか。
○服部都市計画担当参事 今回、用途地域の見直しのスタートは、平成14年7月、都の依頼でございました。その後、平成15年2月までに中野区内さまざまな地域での用途地域見直しの要望がございました。おおむね40カ所ぐらい。そういったことを勘案いたしまして、予算積算上は用途地域変更箇所のおおむね半数程度、それを想定して積算した経過がございます。したがいまして、十五、六カ所ぐらいの見直しがあるなということで、先ほど委員の方から御紹介いただきました金額の積算をした経過がございます。
○飯島委員 なぜそう言ったかというと、後で言いますけど、配当された一財をどう使うか、このことは非常に大事な問題なんです、これからね。ですから、最初にどのところにどう予算をつけるかが問われますから、ぜひ対処方は……、理由はわかりました、結構です。
 次に、291ページ、住宅資金等融資があります。ここは97.3%、全然執行率は低くないじゃないかと、こうおっしゃるかもしれませんが、実際に貸した案件は、修繕資金が2件です。最初からもうほとんどこういう想定で予算を組んでいるから、執行率はこうなるんですよね。住宅融資に関するメニュー、あるいはどういう事業をされるかということについて、2件程度ずつぐらいのものですかということになりはしませんか、これは。どうですか。
○佐藤建築・住宅担当参事 住宅融資につきましては、最近の非常に低金利といいますか、利息が低いということが原因になっておりまして、実際の申し込みがなかなか伸びないというのが現状でございます。
○飯島委員 つまり、住宅にかかわる中野区の政策として、自分でお持ちになる戸建て住宅に対する融資、あるいはその他のもあるかもしれません。同時に、既にある住宅ストックをどう改修していくか。だから、改修が多いんですよね。高齢化に合わせるような改修その他。だから、融資メニューというのをやっぱり考えていかれる必要がある。それから今後、いわゆる都市環境の改善にかかわるもの、ヒートアイランド対策、その他もろもろ、これも後でちょっと伺いますけども、そういうもろもろのことがありますから、住宅融資に関するメニューやどういうことにどうなんだということは一度きちんとお考えになることが、これからのこういう事業にとっては大事だろうと。じゃあ、全くそういう資金需要がないかといったら、そんなことはないんですね。要するに、借りづらいという要素があったり、自分の家には当たらないということがあったり、そういうことがありますから、ぜひいわゆる住宅政策の一環の中で御検討をぜひよろしくお願いしたい。これは結構です。それでいいです。
 もう1点、204ページ。済みません、戻っていただいて、介護予防自立支援事業というのがあります。特に、この執行率にかかわる問題ではなくてちょっと伺っておきたいんですが、ここに介護予防メニュー等調査研究事業モデル事業4カ所と、こうありますが、この事業の中身は何でしょう。
○寺嶋保健福祉担当課長 昨年末から区の施設、それから民間施設に筋力トレーニングマシンを置きまして、それについてモデル事業を実施したというところでございます。
○飯島委員 4カ所ですか。4カ所はどこでしょう。
○寺嶋保健福祉担当課長 東中野の在宅サービスセンター、それから松が丘のシニアプラザ、それから民間事業所の東京アスレチッククラブ、それからもう一つが……。ちょっと答弁保留させていただきます。
○飯島委員 松が丘と東中野は私らもよく承知しています。1カ所は東京アスレチッククラブ、それからもう一つはどこですか。
○寺嶋保健福祉担当課長 栄町の町会会館でございます。
○飯島委員 地元の方がお忘れになるぐらいだから、そういうことなんでしょうね。
 今、やったところの筋力トレーニングマシンは、どうなっていますか。
○寺嶋保健福祉担当課長 ただいまその報告書を現在まとめているところでございます。
○飯島委員 何カ月かかっているんですか。いつからまとめに入ったんですか。もう数カ月たっていますよ。その間、ずっと機械はある、使う人がいない。私もある高齢者の方とお話ししました。リハビリは嫌だと言うんですね。だけど、実はこういう筋力トレーニングというのがあるよと言ったら、90幾つのおばあちゃんですけれども、やってみたいと。それならやってみたいんですと。それで、聞いたんです。そうしたら、今検討中ですと。事業評価中だから、やっていないんですよと。機械があるのに、どうしてそういうことをやらないんですかという話になるんですよ。そういう報告書をまとめて一つの結論を出すのに、何カ月もかかるわけないじゃないですか。あのね、そういう処理の対応が私は問題だと思うんです。現にやりたい人がいて、機械があって、インストラクターもいて、いろいろやってきたんですよ。新宿なんて、しょっちゅうやっていますよ。行ってきましたけど、ここは使用券を買うんですね、自動販売機で。年齢制限はないんです、ここは。TACの人が来ていましたよ。TACはいろんなところでやっているんですね、そういう意味では。だから、せっかく施設があるんだから、そういう資源があるんだから、しかもこれから介護予防は重要だと、こう考えていらっしゃるわけでしょう。どうしてすぐ事業ができるような検討をしないんですか。どうしてそういう取りまとめをしないんですか。いつその取りまとめを終えるつもりなんですか。
○寺嶋保健福祉担当課長 取りまとめに時間がかかりまして、申しわけありませんでした。この結果につきましては、近々のうちに報告できるというふうに思っています。
○飯島委員 筋力トレーニングだから近々なんて、しゃれになりませんよ。ぜひ、この定例会が終わるぐらいまでにはお出しください。常任委員会の中で報告するなり、そうされるべきですよ。大事で、やりたいという人はたくさんいらっしゃるから、ぜひできるようにしていただきたい。これはお願いですから、結構です。
 それから、311ページ、清掃車庫管理というのがあります。この賃借料が清掃車庫管理についてあります。この不用額というのは、いかなる理由で発生するんですか。
○遠山清掃事務所長 これは、金融機関からの借り入れ相当額、約23億2,000万余に対する金利の分でございますが、予算措置の段階では金利2.00%と想定してございましたが、実際は1.575ということで、その金利差でございます。
○飯島委員 この賃借料は、中野区が払っていますよね。お金はどこから出ているか、御承知ですよね。
○村木財務担当課長 車庫用地購入経費の元利償還金及び用地賃借料相当額として、知事が算定した額、いわゆる財調上の算定額でございます。
○飯島委員 清掃事務移管に際して、こういう特例的な措置があった。中野区の場合は、車庫用地がありませんでしたから、土地開発公社の用地を借用して、金融機関から借りている利子の分は財調上で措置しましょうと、こういう構造になっているんですね。それはわかりました。
 今、金利動向で2%が1.575%だったと、こうおっしゃるわけですね。私はこれがどうだとは言いませんよ。だけど、実勢金利の動向というのを見ますと、平成14年度で実際の決算は1.575でやっています。それから、平成15年度はもちろん、このときも1.575、平成16年度も1.575になっている。ことしも2%で組んだんですか。
○村木財務担当課長 そうです。
○飯島委員 要するに、この賃借料の不用額は、そうすると財調で来るわけですから、使わなかった分は一般財源としてどこかに充当されていると。実際上のお金の回り方というのは、そういうことになっているというふうに理解していいですか。
○村木財務担当課長 実際に、平成16年度の事業額算定で見てみますと、3,666万程度です。15年度の実際の執行額が3,676万程度ですので、一応いわゆる執行額と財調算定額がほぼ同じということで、若干利率を高めて予算の措置をしているという事実がございます。
○飯島委員 そのことについては、追求をするつもりはありません。そういう変動があるわけですから、今は金利状況が安定しているから2%で、2.5になったらこれはもう財調措置に入らないわけですからね。それはそれなりに、財務担当としては懸命な対応をされているというふうには受けとめておきます。
 それで、なぜ私がこの執行率の低い事業についてこうしてアトランダムにお伺いしたかというと、事業部制をとりました。一般財源について配当してあります。この事業部がいかにこの配当された予算の中で実効性のある施策を組み上げていくか。それはメニューをつくるだけじゃなくて、やり方を考えるということなんです。ある事業に過剰に予算を配当した場合、事業部で。他の事業をやろうと思ってもできなくなってしまう。枠が決まっているんですから。しかし、本当にきちんと見積もっていったときに、新規に何かやりたい事業の一財を生み出す余地は、そういう事業の工夫の中から生まれてくる。そういうことを多分想定をされて、そういうふうに事業部がそれぞれ自立をしていく。こういう方向を想定して、私はこの事業部制というのは一つとられている理由があるのではないか、こういうふうに思うわけですね。ですから、事業の組み立てや予算の積算等については、これまでのような財務担当にお任せではなくて、そこから配当されたものが余ってもどうでもということではなくて、やはりきちんとされることが必要。
 それからもう一つは、今までは執行率が低いものについてはマイナスの評価がありました。私は違っていたんだと思う。今までは、与えられた予算の中でどう工夫をして、経費を節減して、逆に言えば、最小の経費で最大の効果を出してきた。これまでの財務が担当して予算を仕切っていた場合は、むしろそういう低執行率に注目するべき要素がある。今度は、事業部がやる場合は、むしろそうではなくて、配当された予算の中でどこまで区民サービスを向上させられるか、区民福祉を向上させられるか。こういう視点を持つことが大事なんです。意識改革というのは具体的にやらなきゃなりませんから、ぜひそういう意味で皆さんに一つひとつ質問をさせていただいたという経緯があります。
 ぜひ指摘をさせていただいたことについては受けとめていただいて、今後の検討をぜひよろしくお願いしたい。それだけお話をして、この項の質問は終わります。
○平島委員長 飯島委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にいたしたいと思います。
 午後1時まで休憩いたします。
 委員会を休憩いたします。
     午前11時59分休憩
 
     午後 1時00分開議
○平島委員長 それでは、委員会を再開いたします。
 質疑に入る前に、午前中に開会した理事会において、配付資料の差しかえについて確認いたしましたので、御報告いたします。
 既に配付してあります総務分科会関係59番の資料に誤りがありましたので、訂正した資料を配付することを確認いたしました。
 以上が理事会の報告でありますが、何か御質疑ございますでしょうか。
    〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○平島委員長 それでは、ただいまの報告のとおり委員会を運営していくことに御異議ございますでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○平島委員長 御異議ございませんので、さよう運営させていただきます。
 また、午前中に御了承いただきました文教分科会関係の37番の差しかえ資料を配付いたしましたので、御承知おきください。
 それでは、質疑を続行いたします。
 飯島委員、お願いいたします。
○飯島委員 それでは次に、国民健康保険特別会計の赤字問題について伺います。
 原因、責任、そして今後の処置、この3点から伺います。
 総務委員会を傍聴しておりました、この件の。そのときに「単純なミス」というお答えがありました。先日、本会議でも区長が「単純なミス」というお答えがございました。単純なミスでこういうことが起きるのかなという、そのときはちょっと不思議な気もいたしました。また、単純なミスで済むことではないんだろうというふうに思っております。
 それで、この国民健康保険特別会計の赤字問題について、資金管理上からの問題はなかったんでしょうか。いきなり副収入役で申しわけありませんけど。
○村田副収入役 5月20日の仮決算の際に、15年度の国保会計の歳入累計が約249億円、歳出累計が263億円、その差が約14億円ございました。そのとき、一般会計からの繰り入れ予定は10億円予定しておりましたので、4億円ほど足らないなということが収入役室でわかりまして、すぐ担当の方へお伝えいたしました。今考えますと、歳出が歳入を上回っている場合は、直ちに情報を伝えなきゃいけないんですけども、その時点では当然、担当所管の方ではわかっていると、私ども考えました。ただ、資金管理上の問題としては、収入役室ではなかったと考えております。
○飯島委員 情報の伝達・共有、この点の改善方については既に、今お答えのあったところですから、これ以上は伺いません。
 それで、副収入役おいでですから、ちょうどよい機会なのでもう1点伺っておきますが、15年度には一時借り入れがあった、こう監査委員の意見書にも記されております。これについて、なぜか決算認定にかかわる本会議での提案理由の説明といいますか、その中で助役は言及をされることをお忘れになっていたようでありますけれども、先日の財務担当課長は御指摘をされたというか、お話をされておりました。この一時借り入れ、これは例年あることですか。
○村田副収入役 前回は昭和54年、1979年、約25年前に中野区としては行ったものでございます。
○飯島委員 この場合、歳計現金の不足に関しては、基金からの繰り入れを想定して基金の条例もできているところであります。基金からの繰りかえ運用は今回、この15年度、なぜ行わなかったんですか。
○村田副収入役 ことしの3月時点の基金総額は、約99億円ございました。ただ、その99億円、をペイオフの関係で、簡単に言いますと、普通預金、定期預金、それから国債等の債券、この三つに分散して管理しておりました。その時点で使えるお金、借り入れ直前の使えるお金が約46億円で、年度末に94億円ほどの不足が生じていましたので、そのときの繰りかえ運用のお金だけでは足りませんので、やむを得ず、一時借り入れを行ったものでございます。
○飯島委員 普通、20数年ぶりということで、一時借り入れをした副収入役というのはもうずっと歴代名前が残るそうですけども、そういう意味では大変なときに遭遇してしまったなということはあるかもしれません。しかし私は、そういう資金運用上、基金からの繰りかえ運用ができなかったということは、まあそれはそれとして、しかし、資金管理上からいっても、最近はなるべくキャッシュフローをできればふやしていこう、こういう取り組みもされている。こういう伝統を我が区の収入役室というのは持たされてしまっているというか、それは当たり前といえば当たり前のことですけれども、そういう点からの取り組みもあったのではないかなと、こう思うんですね。要するに、借りる方がいいのか、固めて置いておいて利子収入を当て込んだ方がいいのか、こういう判断。これはやっぱり当然されたんでしょうね。
○村田副収入役 今、委員の御質問に答えましたのように、現在の収入役室では、ただお金を持っていて、請求があれば今持っているお金を使うということではなくて、基金運用、こういうことが大事であるということを考えております。当然、一時借り入れをしなきゃならない場合にかかる費用、利子ですね。それと、現在、その当時持っておりました定期預金や債券等を現金化して失うお金、それを深く考慮いたしました。当時、50億円の一時借り入れをせざるを得なかったんですが、そのときに支払う支払い利子が約68万で、その年度で定期預金及び債券等で運用して得られたお金、利子は600万をちょっと越えたんですけれども、それを比較考慮いたしまして、当然一時借り入れをやった方が区の財政にとっていいと、そういう判断をさせていただきましたので、25年ぶりの一時借り入れをやらせていただきました。
○飯島委員 これこそ、そういう判断のもとの一時借り入れというのはそれなりの評価があってしかるべきだろうと思いますし、だからといって、毎年毎年一時借り入れをやるというのでも、これまた規律のない話ですから、それはそれとしてわかりました。ありがとうございました。結構です。
 それで、国保の歳入と歳出の突き合わせチェックというのは、これはどなたがやっているんですか。
○奥山保険医療担当課長 国保会計の歳入歳出の状況につきましては、国保事業を所管します保険医療担当におきまして、収入役室から送付されます歳入歳出月計表、これに基づきましてチェックしてございます。
○飯島委員 それは、あなたがやっていらっしゃるんですか。
○奥山保険医療担当課長 事務の担当の者がやってございます。
○飯島委員 あなたが最後に目を通されないんですか。
○奥山保険医療担当課長 この事件、赤字決算後は私の方でも見ておりますが、以前は見ておりませんでした。
○飯島委員 要するに、今年度からきちんと課長さんもそういう歳入歳出のチェックをされるようになった。以前はやっていなかったとなると、以前はたまたま運がよくこういうことが起きていなかったというぐらいの話になってしまうわけですから、よくそれは、今の体制をきちんと堅持しておやりください。
 予定していた質問を二、三問はぶきます。時間の関係もありますので。
 そこで、今度は責任の問題についてちょっとお伺いをしたいと思います。
 中野区の予算事務規則というのがございます。これは、事業部制に伴い手が入ったものでありますけれども、この4条「予算事務の指導統括は、財政に関することを担当する部長(以下「財政担当部長」という。)が行う」、こういう規定がございます。それから、13条「部長は、第11条の規定による通知を受けたときは、速やかに年度間の予算執行計画を作成し、財政担当部長に提出しなければならない」、第14条「部長は、前条の執行計画を変更することができる。ただし、その変更により予算の追加配当を必要とするときは、理由を示して、財政担当部長に申請し、その承認を受けなければならない」、第15条「予算の執行委任を受けた部長は、その予算の執行状況を、予算の執行を委任した部長に報告しなければならない」、これらの規定がございます。この予算事務規則の4条、13条、14条まででしょうかね。こういう規定からすると、この赤字問題の責任は、基本的には財政担当部長と事業部長が予算事務上からは負うべきものではないか、このように思います。このように考えられるんですけど、いかがですか。
○奥山保険医療担当課長 御指摘のとおり、予算事務規則におきましては、予算事務の指導統括は財政担当部長、また事業部の予算事務の指導・調整、執行計画の作成・変更は事業部長ということで、御指摘のとおりになってございます。これらの所管事務については、それぞれの部長が責任を負うものというふうに認識してございます。
○飯島委員 そうですね。事業部長制になるということは、ますます部長の責任が重くなるわけでありますけれども、総務委員会でこの責任問題について言及したところがあります。私も傍聴いたしておりました。その際、総務部長は「組織全体の問題としてしっかり取り組んでいく必要がある」、こういう答弁。それから、助役もこういう答弁を受けて、そういう同趣旨のお答えをしていたやに記憶をいたしています。総務部長といえば、財政担当部長かなと、今ちらっと思ってしまいましたが、違っていれば違っているなんですけれども、こういう答弁は、中野区の予算事務規則の規定からすると、責任回避のようなニュアンスが受け取られかねない。回避だとは断定はしません。組織全体の問題であることは事実です。しかし、だれが責任を負うのかというときには、この予算執行上の問題に関していえば、財政担当部長である。なおかつ、配当された予算の執行にかかわったもろもろについては事業部長が負うというのが本来のあり方なんではないのかな。その辺の責任の所在は今後、明確にされるべきではないかと思いますが、いかがですか。
○石神総務部長 私も総務委員会の発言の内容について、質疑状況についてよく再度見直してみました。そういう中で、質問に対して十分に答えていないところがあったというふうに思っております。この中では、責任の所在、起きた原因はどこにあるのか、その責任はだれかということで大泉委員の方から聞かれたわけですが、それに対して、第一義的な責任と、またそこで答弁をした内容は、今後のリスクの回避ということでの答弁をあわせて行いました。その結果、十分な意が伝わらないような答弁になってしまったというふうに思っています。そういうことが今後ないようにしていきたいと思いますし、今言われたように、規則上しっかりとした責任分担がされておりますので、その範囲で、現在行われている仕事についてもリスクが起きない、発生しないような回避の方法を具体的に検討し、それを実行していくために努めていきたいというふうに思っております。
○飯島委員 ぜひよろしくお願いをしたいと思います。
 それで、今後の問題です。
 16年度の保険料収入を増額補正をして、それに見合う形で前年度繰り上げ充用金として処理をした。専決でおやりになりました。保険料収入の増額の根拠は何ですか。
○奥山保険医療担当課長 この補正の時点におきましては、保険料の収入確保による方法が適当ではないかというふうに考えまして、保険料収入を増額したというものでございます。
○飯島委員 歳入の確保に関しても、保険料収入も同じですね。見込めるものはすべて見込んで当初予算を組んでいく、これが当然の前提です。増額修正をしたということは、それ以外に保険料収入のあてがあったということになりますよね。それは一体どこにあったんですか。当初予算のときに、どうしてそれが補足できなかったんですか。
○奥山保険医療担当課長 保険料の収入につきましては、見込み調定額に対して収納率を掛けまして、それで出している予算額でございます。私どもでは、この時点では、収納率をより一層確保するということで、保険料の方に増額を補正させていただいたということでございます。
○飯島委員 そうすると、当初予算の収入率には余裕があったということになるでしょう。まあ、そういうことになるんですね。よくお考えになりながら、専決が引っ張ったんだから区長さんもよく見て、本当に大丈夫なのかということをこれは考えざるを得ない。論理的にいったら、破綻しているんですよ。そもそも繰り上げ措置をやるということ自体が、財政上の問題としたら論理破綻なんですから。
 それで、これは最終的にどう処理をされるか、16年度会計の中で。つまり、保険料収入で当て込んだ、増額修正に対応して、繰り上げ充用を満たして、なおかつ今年度のいわゆる医療費に充てる保険料収入が見込めるのか。それとも、このような段階になってきて、非常に厳しい、こういう見通しであるとすれば、また何らかのことをしなければ、また同じように繰り上げ充用しなければならない。どこかの市ではそういうことをやっているところもあるようですけれども、それにしても、この16年度でどう処理していくのか。処理方針についてはどのように考えになっているんでしょうか。そういうことについて、この国保会計を所管しているところと、財務担当分野との打ち合わせはできているんですか。
○奥山保険医療担当課長 事業を所管する立場でお答え申し上げますが、先ほども申し上げましたように、保険料の収入確保に最大限努力していくということを考えてございますが、今後の歳入歳出、医療費の歳出、また収納率、保険料の収納状況、そういったことの推移を見ながら、財政担当部門と連携して対応してまいりたいというふうに考えてございます。
○飯島委員 財務担当分野で、一つ最後にお伺いしておきます。
 平成15年度国保会計のこういう赤字が出て、繰り上げ充用いたしました。要するに、一般会計からの繰入金の処理はしなかった。このことは、逆に言うと、平成15年度の財政指標、いろいろありますね。経常収支比率だとか、実質収支比率だとか、さまざまなこと。これについては、逆に言うと、3億余、16年度に持っていっちゃったというか、指標的には悪化が防がれたというか、見かけ上は、こういうことも言えるのではないかと思いますけども、いかがですか。
○村木財務担当課長 15年度の決算剰余金、すなわち実質収支との関係で申し上げますと、その見込みが立っていた中で、あるいは今回のこういったミスがなくて、今回の補正をもし行っていたんだとすれば、3億8,000万円減少したことになりますので、そういう意味では、財政指標は一段と厳しいものになったということになります。
○飯島委員 財務担当分野の課長としては、この国保会計の16年度中の処理のあり方について、どういうことを今想定されていますか。
○村木財務担当課長 先ほど担当課長の方でお答えをしたような最善の努力をまずした上で、なお最終的に財源が不足ということになれば、これは一般財源からの繰り入れをすることにならざるを得ません。その場合ですが、現時点で申し上げられるのは、その財源としては財政調整基金の取り崩しによって対応するというふうに言わざるを得ないということでございます。
○飯島委員 ありがとうございました。なるべく方針はきちんと、早い時期にお考えになっておいた方がいいのではないか。これは老婆心ながら申し上げておきます。
 それでは、次に、出産前小児保健指導事業について伺います。
 決算説明書の242ページ、243ページにかかわる部分であります。
 事業実績が、受診者が5人、こうなっていますが、予算執行額はいかがですか。
○大久保子ども健康担当課長 平成15年度の予算執行額でございますが、利用者5人の方の小児科医保健指導料と必要書類と印刷費を含めまして、12万1,593円となっております。
○飯島委員 医師会の方からいただいた資料によりますと、医師会は15年度に産科紹介が33、小児科実績が38、計71という、こういう数字になっています。中野区の5というのは、どういう関係がありますか、この数字と。
○大久保子ども健康担当課長 医師会が独自に実施されている出産前小児保健指導につきましては、産婦人科医から小児科医へ紹介した人数の方が33人で、実際に小児科医で保健指導を受けた方も33人であるとお聞きしております。恐らく、区が医師会に委託事業としてお願いしているところの出産前小児保健指導事業における小児科医指導実績の5人を加算して提示されたと推測申し上げるところでございます。
○飯島委員 15年度、事業の計画としては、私は事前にちょっと御説明伺ったりしていますが、どの程度の事業量を想定されて、予算を組まれましたか。単価が幾らで、何人分でしょうか。
○大久保子ども健康担当課長 指導料の単価を5,000円で、100人分の予算を組んだところでございます。
○飯島委員 早く言えば、100人で5人の方の実績であったと。5%ということになるわけですが、この事業については、妊娠をしているときから、小児のかかりつけ医を考えようと。小児かかりつけ医の推進もあれば、それから育児不安に対する対応を妊娠をしているときからするという。もちろん、出産してからも継続的にかかわる。それから、お話もよく聞いていただける等々、一部新聞の報道なんかにもあるように、本来であれば、需要の想定される分野ですね。だけど、何でこんなに低い需要かというと、妊娠しているときに育児のことまで考えないとか、いろいろおっしゃいましたけども、どこで効果的に事業を打っていくのが大事なのか。この事業の重要性というのはやっぱりきちんとあるんだと私は思います。医師会の先生もおっしゃっていましたけれども。
 そこで、出産前なんです、これはね。ところが、厚労省の実施要綱によると、出産前後というふうに「後」も含めたものとして局長の通知・通達があるんですね。そうすると、「後」についても何らかの対応をされたらいかがですか。むしろ、例えば出産育児一時金をもらいに来るじゃありませんか。そういうときにも事業のガイドというか、案内をする。それは、医師会がやっている事業のPRであってもいいと思うんですね。何も中野区がやっていることであるかどうか。100人分の予算があるとすれば、実際的な対応は少ないとすれば、これは30、出産後に70と、こう振り分けてみてもいいわけであって、この辺の工夫をされてみる必要はありませんか。
○大久保子ども健康担当課長 出産前としている現在の事業を出産後も実施するよう拡大することの御提案と存じます。少子化が進み、初めての出産育児体験の割合がふえる中で、ごく一般的な多くの家庭が育児不安・育児困難を抱きやすい状況となっておりますので、御指摘のとおり、子どもが生まれたばかりの不安の大きい時期に、新しく母親となった方を支援する施策を強化すべきであるという認識は、区として強く持っているところでございます。
 ただ、財政が厳しい折、最小限の予算で最大限の効果をもたらす事業を打ち出していかなければならないと考えておりますので、新しく母親となった方々に、保健指導として小児科医を受診していただくのを待つのではなく、区から積極的に不安を抱えている新しいお母様方のところへ助産士が出かけて行って訪問相談をするような事業を新しく立ち上げたいと、今検討しているところでございます。
 せっかくの御提案でございますが、出産前小児保健指導事業の拡大よりも、今申し上げたような事業を優先して検討してまいりたいと考えておりますところでございます。
○飯島委員 要するに、事業効果があればいいんですよ。せっかくの御提案だけど嫌ですという話じゃなくて、これにどう対応するか。今まで対応できていないわけですから、「後」がなかったんですからね。しかも、「前」についてもそんなに効果は上がっていないというなら、効果を考えるべきだと、こう申し上げているんであって、よく御検討されて、新しく組みかえされるならされなさい。そういうことです。厳しい財政事情、それはわかりますよ。しかし、工夫次第では事業の実績、それから効果、これを上げる方法はあるでしょうから、ぜひ工夫をお願いします。ありがとうございました。
 次に、中野駅周辺まちづくり計画案について伺います。
 こういう表題で質問通告をいたしました。この表題は、主要施策の成果に書いてあるもので、こうしたわけですが、まちづくり計画案だったのか、まちづくりについての調査であったのか、それはわかりません。
 それで、決算説明書の287ページの(11)に中野駅周辺まちづくり調査委託等予算という事業と、それから予算執行額が示されております。一方、事業実績には、中野駅周辺まちづくり調査検討委員会の開催が記されています。この決算説明書の記載は、私は不適当じゃないのかな、こう思いますが、いかがですか。なぜかというと、事業委託をして、この検討会というのは中野区が主催してやったんではないんじゃないですか。コンサル委託の中でこういうことが開かれたんじゃないのかなと。そういう事業のことについて、事業実績にお書きになるのは自由ですけども、何か区が独自におやりになったような記載と見受けかねないので御指摘をしたんですが、いかがでしょう。
○豊川中野駅周辺整備担当課長 平成15年度の検討委員会は、これまで長期間検討してきたという経緯も踏まえまして、また新たな計画策定の第一段階であることも踏まえまして、受託者が設置する検討委員会としたものでございます。区と多少距離を置いて、区民、学識経験者、行政関係者などからの意見をもとに、まちづくりの大きな方向性を検討していただいたものでございます。
○飯島委員 ですから、私が言っているのは、区の事業実績としてカウントするのも、それは自由ですよ。だけど、実際には委託費の中でこの検討会が開かれたわけでしょう。それは一体区の実績として掲げる内容なのかどうなのか。それは、区が委託したというのは事業実績でしょうけど、決算説明書に堂々とそういうのをお書きになるときには、注釈が必要じゃないですか。知らない人は区がやったと思いますよと、そう御指摘をしたんであって、それはどう思いますかということなんです。まあ、いいですよ。時間の問題もありますからね。長い質問が用意されているので、この後。
 余り長いと疲れちゃいますから、二、三問飛ばしまして、防災センター用地の車庫整備の話はもう先ほどしましたからいいですので。
 そこで、今、当面の焦点となっているのは、この警大跡地にどれぐらい、あるいはどれぐらいという以前に、中野区としては公園用地を取得する決意をしたのか、しないのか。相変わらずそこら辺をめぐってぐるぐる話が行って、我々はもう取得すると決意をしなさいと。国庫負担の導入も検討するじゃなくて、検討して取得を考えなさいと。その手法についてはいろいろもう検討している。その段階にもう来ているんでしょうと。ですから、一たんそこについては結論を出しなさいという意味で高倉議員の質問が本会議であったわけです。取得の手法についてはそれぞれの検討があるでしょう。そこをもう一度きちんとされて、政治的な云々なんていうことに使われないように明解にされた方が私は賢明ではないかと思うので、課長がお答えにあるか、あるいは区長がお答えになるかわかりません。区長の方がかちっとしていいのかもしれませんが、その辺はどうですか。この際、明解にされて、取得についての、平米数については我々はおおむね2ヘクタール程度と、こう申し上げていますけれども、それぞれのお考えがあるでしょうけどね。区としては、もう区としての用地取得をやっぱり考えるんだと。その腹は決めたんだと。手法については、これからどうすれば一番財政負担が少ないんだ、こういうことを検討しているんだと。こういう段階なんだということを明確にされたらどうですか。
○田中区長 警察大学校の跡地においては、おおむね3から4ヘクタール程度の避難上有効な空地を確保するというのが最も優先されている前提の一つというふうに我々はとらえているところです。その中で、区も一定の土地の取得をして公園を整備することがなければ、その3から4ヘクタールの避難上有効な空地を確保するということは難しかろうというふうに考えているところであります。
○飯島委員 ですから、今後最も財政負担の少ない手法を検討されて、取得のそういう努力を開始されるべきだと。このことをお話し申し上げておきます。
 そこで、まちづくり計画案のたたき台というのが、特別委員会の委員長のお計らいと御努力で、我々には示されたわけであります。読ませていただきました。よく見かけたような文章があるかなと思うような気もいたしたりしておりまして、大分お考えも、当初のまちづくりの考え方よりは、我々が主張していたようなこともお取り入れになりつつ、検討されているのかなという印象を受けました。
 そこで、「エコシティー」という言葉が中にありました。いろいろ読ませていただいて、我々も中野駅周辺のまちづくりに当たっては、環境負荷が少ない、循環型社会に対応した取り組みが当然必要であると、こう申し上げているところでありますが、このたたき台の中身は、言葉はあるんですけれども、しかし、具体性と共感性に欠けるなと、こういう感じがします。なぜかというと、現に活用可能な資源があるのに、そのことについての論及がない。それはなぜかというと、下水処理場と今は言いません、水再生センターと言われているようですけれども、ここで下水処理を行うと。今のところは中水ですけども、工事処理水の施設も、建屋はできて、中身は何かできていないそうです。この前、見てまいりました。そのままでとまっている、財政上困難なのでとまっているということでしょう。そういうのが現にあるわけですね。我々は、この中水利用ということについて申し上げているんですけれども、このたたき台の中に中水利用が記述されていないのはなぜですか。
○豊川中野駅周辺整備担当課長 中水道の利用に関しましては、下水処理場における名称が水再生センターと変わっておりますが、水再生センターにおける高度処理施設の供用、そこからの送水管の整備、それらの費用負担など、調整すべき課題は多いかと思います。しかし、環境負荷の軽減の面から可能性を検討していきたいというふうに考えております。
○飯島委員 検討していきたいじゃなくて、活用するべきものなんですよ。あるんですから。それで、これは「再生水供給について」という、東京都下水道局施設管理部からいただいた資料であります。これによると、大規模開発地区というのがあると、直ちに調査を始めると。それで、関係局や区などから情報収集をすると。これは、坂上のケース--区内ですよ、だからね。それで、供給可能性の調査とかというのをやって、開発者と事前連絡調整とかというのをやりまして、それで意向を求めるんですね、開発者から。供給してほしいと。こういう供給があって、供給先の確定をして、再生水給水装置工事施工承認届け出ともろもろの手続があって、そして提出をしますと、事業許可が出て、費用については再生水管渠の建設その他の問題に関連して、下水道事業としての国庫補助事業となる。その補助率は2分の1と、こういうふうになっているんですね。こういう流れはもう既にあるんですよ。もうこの数カ月の間に計画をおつくりにあるおつもりなんでしょう。それが、たたき台の中にこの中水利用についての考え方が示されていないなんていうのは、もうおくれていますよ。言葉しかないとしか思えない。しかも、ここに下水道をつくりなさいというなら別です。既にあって、処理を行っているんですから。当然これはこの計画案策定の中で活用方の方策を示す必要があるし、そういう方向性を明確にすべきではありませんか。いかがですか。
○豊川中野駅周辺整備担当課長 御指摘の点を踏まえまして、供給処理、水循環の一環として活用を検討していきたいというふうに考えております。
○飯島委員 要するに、おやりになるということですね。それで、我が会派には「蛍の里構想」がある。これは幹事長から伺いました。海洋研、警大跡地を含む(仮称)中野の森、平和の森、哲学堂公園、江古田の森、こういう緑のネットワークのそれぞれに蛍に代表されるビオトープ形成を図ったらどうかと、こういう提案をさまざまな場面で、同僚のさまざまな方が提案をされています。その際、中水利用というのは一つのきっかけになるだろうと。要するに、高度処理じゃないと蛍は生息できないとかいろいろおっしゃっていましたけれども、生物生息環境は、現在の中野の処理場の水で十分可能なようでございます。今度、中野区民まつりにも、下水道局はそのお水で飼ったメダカを出展したいと、こうおっしゃっているようなんですね。そういう動きがあって、さまざまなことがあるんです。中野区がどう対処するか、こういうこちらの積極性の問題にもかかわっているんですよ、課長。そのことを検討したい、要するに、それは取り組んでいきたいというなら、ビオトープの存在は非常に大事なものになってきていますから、ぜひ取り組みも記述を明解にされたらいかがですか。重ねて伺います。
○豊川中野駅周辺整備担当課長 今、御指摘のビオトープの形成などについては、今後積極的に研究してまいりたいと考えております。
○飯島委員 もう間に合わないよ。だって、何カ月たったらその計画案を示し、そしてさらにその案を取ろうとされているんですか。おくれているんなら、もう必死の思いで案をつくりなさいよ。そういう中に、そういうものを取り入れていくべきですよ。資源としてすでにあるんだから。このことは強く申し上げておきます。
 次に、景観緑三法の制定、これに関連して伺います。
 たたき台にも景観法の記述が見られました。今後のまちづくりに、この法律の制定と関連法の改正というのは、都市計画課の間では極めて重要、こうされております。都市緑地法の規定というのもあって、駅周辺まちづくり計画の推進に私たちは必要だと思っている。今、中野区にみどりの基本計画とありますけど、それの地域版。中野駅周辺のこのエリア50ヘクタールに、いわば地域版としてのみどりの基本計画、我々は(仮称)中野の森構想と、こう言っていますけども、こういうのを策定して、中野駅周辺の地域を緑化重点地区としてはいかがですか。
○豊川中野駅周辺整備担当課長 本年12月に施行予定の、今御指摘の景観緑三法につきましては、中野区としても有効に活用すべきものと認識をしております。土地緑地保全法の改正によりまして、緑化を推進すべき区域を定める手法も拡充をされております。提案のことを含めまして、今後検討していきたいと考えております。
○飯島委員 なぜ私はこう申し上げているかというと、今、課長の方からも名前が出ましたが、平成13年に施行された改正都市緑地保全法というのがあります。これは改正都市緑地法になりました。第20条の5の2に規定がありまして、この規定の変更は今回の法改正でも変更はないんですか。一応確認しておきます。
○豊川中野駅周辺整備担当課長 変更はないものと認識しております。
○飯島委員 つまり、これは何かというと、民間事業者の建築物の屋上、空地などの緑化施設の整備計画について、市町村が認定して固定資産税の軽減を図ると、こういうことができるとあるんです。ただしこれは、市町村のみどりの基本計画の中で、緑化重点地区の指定をされた範囲のことなんですね。指定がなければ、この20条の5の2の規定の活用は生かされないんですよ。ですから、そういう意味で言えば、私が言ったのはあなたが検討されるとか何とかじゃなくて、具体的に緑化を進めようと思ったらこういう手法があるんだと。現にもう固定資産税の軽減という手法で緑化を進めましょうというのがあるんです。ただし、それには中野区がこの地域を緑化重点地区に指定しなきゃならない。指定すればできるんですよ。現行のみどりの基本計画にそれがないとすれば、この駅周辺をつくって、そこで重点指定をすれば済むことなんです。本気で緑化を進めようと思ったら、こういう手法をおとりになるのに検討だの何だのと言っている場合じゃないんですか。知らなかったとか、今気がついたとか、あるいは最近わかりましたということで、これから急いでそういうこともさらに進めてみたいというならそういうことだろうと思うけど、その辺どうですか。こういうことについては検討に値する、こういう規定じゃありませんか。
○豊川中野駅周辺整備担当課長 十分検討する必要があると考えております。
○飯島委員 ぜひおやりください。検討して、実施をしていただきたい、こう思っております。
 それから、都市緑地法第55条関係の規定で、市民緑地制度、これが充実を図られています。この55条関係では、屋上緑化も市民緑地として認定して、国庫補助の対象になることになったんですね。こういうことについては御存じでしたか。
○豊川中野駅周辺整備担当課長 内容は存じておりました。環境負荷の少ないまちとなるように、屋上緑化も必要と考えております。
○飯島委員 ぜひこの計画案の中では、こういうことについての取り組みもきちんと位置付け、記述をされたいと、こうお願いをしておきます。
 それで、この区役所の前のあたりを、先ほど来申し上げました北口整備用地の、これは都市計画地下駐車場になっているんですね。これについては、どのようにするお考えなんですか。たたき台には全く記述はありませんでしたけれども、これはどういうことでしょうか。
○豊川中野駅周辺整備担当課長 御指摘の都市計画地下駐車場につきましては、駅前広場を含めましてどのように計画するか、今後検討していきたいと考えております。
○飯島委員 わかりますよ、あなたのお立場もね。だけど、今後というのはいつまでなんですか。二十日ですから、きょうは一日、もう19日しかないことになりますよ、案を示されるには。早急にそういうこともちゃんと目線に入れて、対処方をお願いしたいと思います。
 そこで、一つ方向づけの意味で質問しておきます。
 都市公園法が同じように一部改正されまして、その第20条関係の規定で、立体都市公園制度、これが創設をされました。今、北口の広場は、自転車置き場のあたりを中心にして、非常にサブカルチャーとしてのにぎわいが非常に多いんですね。中野まつりもあしたから始まりますけれども、それ以前からも「エイサー」という声が聞こえたり、太鼓の音が聞こえたりして、非常に特色のある、中野区沖縄というのができているような場所でありまして、そういう創出をしている北口広場の利用状況、これは今後の中野のにぎわいにとっても価値があるというか、意義のあることだなと私なんかは思っています。そうすると、都市計画地下駐車場を利用した、南北交通結節点としてのバスターミナル整備が考え方の中に示されているわけでありますけれども、私はその上部を、そういう立体都市公園制度を活用して都市公園化を図ったらどうかと、こう考えていますが、こういうことについては選択肢の重要な重みを持った一つとして選択可能なものでしょうか。課長、いかがですか。
○豊川中野駅周辺整備担当課長 バスターミナルの具体的な整備手法に関しましては、今後の検討となりますが、立体的な整備ということになりますと、御指摘のような手法も視野に入れられると考えております。
○飯島委員 その際、同じ都市公園法の22条にこういうのがあるんです。「公園一体建物に関する協定を締結することによって、公園管理者が当該建物の管理を行うことができる」ことになっているんですね、この法改正で。これはどういうことかというと、立体都市公園は、公園を管理している者がその地下にあるそういう施設も一体的に管理する。これは、逆に言うと、いわゆる駐車場とかバスターミナルの管理をするところが、順番は逆ですけれども、公園の管理もするということなんですね、流れとしては。ここに指定管理者制度を導入してくると、公園の管理と、それからその下の公園と一体化されている建物の管理、これは公園の管理上必要なんですけれども、そういうことによって、公園の管理者がそのバスターミナルやそういうものの管理も可能になる。こういうふうに運用が展開されてきているわけですね。こういうことも立体都市公園制度を活用すると可能な手法として開けてくる。このことについては十分課長御承知だと思いますし、有効な選択肢の一つとして私は視野に入れてこの検討を図るべきだと、こう思いますが、いかがですか。
○豊川中野駅周辺整備担当課長 御指摘のようなケース、これも想定できると思いますので、十分視野に入れていきたいと考えております。
○飯島委員 それから、よく伺うんですけど、囲町公園、ここでしか行けない、都市計画決定されているわけですから、そういう意味ではこの場所の指定があるわけですが、しかし最近、都市再生の取り組み、あるいは都市開発の取り組みの進行状況にあわせて、この都市計画決定された公園の位置その他の変更というのが可能になりつつある。これは、東京都都市計画審議会が「東京らしい緑をつくる新戦力」という副題のもとの答申をいたしました。その中で、緑の効果的創出手法として、都市計画区域内全体の緑のネットワーク形成を踏まえた適正な配置を初めとする見直しの留意点をも挙げているんですね。それで、区域の修正や整理統合など、計画変更の検討をも挙げております。これは、緑の形成、良好な環境をさらに進めるという大前提のもとです。警大跡地でのこういう、都計審の答申ですから、いずれ答申を受けて東京都はそういうことになるんだろうと思いますね、公園について。とすると、この位置の変更というのは、警大、あるいは中野駅周辺まちづくりの計画の中で、より緑のネットワーク形成からすると、位置の変更その他については可能な道が開かれた。こういうふうにも受けとめられますが、いかがですか。
○豊川中野駅周辺整備担当課長 囲町公園の位置の変更に関しましては、今委員御指摘のような立場から、可能と考えます。また、都市計画法の観点以外にもさまざまな条件が伴うこととは思いますが、囲町公園の位置の変更につきましては、一つの有力な選択肢としまして今後検討していきたいというふうに考えております。
○飯島委員 その他、この緑の部分については、デンマークで緑の幼稚園というのをやっていることとか、ちょっとお聞きしたいこともありましたが、これは別の機会にしたいと思います。そういうのがあるんですね。施設を持たない、森の中で幼稚園をやる。そういう取り組みもなかなか中野らしくていいのかなと思いましたが、これは機会があったときにまた伺います。
 次に、安全なまちづくりへの取り組みについて伺っておきます。
 防災にかかわるそういう安全のまちづくり、これは当然視野に入ります。私は、もう一つ大事なことは、防犯のまちづくり、このことをやっぱりきちんとされるべきだと。先般、江口委員も防犯パトロールの問題、さまざまに御指摘をされました。安全なまちというのは、防災・防犯両方です。この安全なまちというのは、まちの魅力の一つに今数えられているんですね。教育がどうかということと並んだ二大要素になっています、まちを評価する。ぜひ中野駅周辺のまちづくり計画にあっても、防犯からのまちづくり、これを進めてはいかがかと思いますが、どうですか。
○豊川中野駅周辺整備担当課長 今、委員御指摘のとおり、防災・防犯、どちらも安全なまちづくりにおいては欠かせないことであると認識しておりまして、駅周辺においても取り組んでいきたいというふうに考えております。
○飯島委員 取り組んでいきたいとおっしゃっているんですけども、具体的にはどうするんですか。イギリスには、建築警察官というのがいるんですよね。具体的に中野でそういう取り組みに対しては、どういうことをお考えですか。
○豊川中野駅周辺整備担当課長 今、委員御指摘の建築警察官でございますが、イギリスの場合ですと、名称は防犯設計指導官、または建築連絡担当官などと呼んでおりますが、大規模な都市開発、あるいは建築物、そういった計画の際、主に防犯という観点から警察が指導・助言するというふうなところで、こういった制度があるというふうに聞いております。このような制度も参考にしながら、取り組んでいきたいと考えております。
○飯島委員 警察用語では、余り警察用語は好きじゃありませんけど、「環境設計」という言葉がもう既にあるんですね。そのことを申し上げると同時に、私は中野区というのは、そういう今おっしゃったような取り組みについて具体的に考えなきゃならない、そういう規定を既にお持ちだと思っています。それは、「中野区安全で安心なまちづくりを推進する条例」、これがあります。平成16年3月26日のものでありますけれども、この第9条「区長は、共同住宅、物品販売業を営む店舗、ホテルその他不特定かつ多数のものが利用する建築物(以下「共同住宅等」という。)について建築基準法に基づく確認申請等をしようとする建築主に対し、当該共同住宅等への犯罪の防止に配慮した設備の設置等に関して、その敷地の所在地を管轄する警察署長に意見を求めるよう助言を行うものとする」、こうなっておりまして、いわばハードの面からも安全なまちづくりは中野区全体で進めていこう、こういうふうになっております。この仕切りは難しいと思いますね。建築行政と警察行政との仕切り。しかし、防犯に対する考え方、安全なまちをつくるという一つの大きな柱になっていることについて、既にこういう規定をお持ちになっているわけですから、しかも、この当該エリアに関して、中野駅周辺のまちづくりに関しては、こういう取り組みが中野区の姿勢として表明されなきゃならない。こういうことがやっぱり求められるんじゃありませんか。いかがですか。
○豊川中野駅周辺整備担当課長 今、委員御指摘の点も踏まえまして、中野駅周辺まちづくり計画の中には「安全・防犯」という項目も書き込みをしていきたいというふうに考えております。
○飯島委員 御指摘をどんどん取り入れていただいてありがたいなと思ったりするわけですけれども、それから、まちづくりのコンセプトの2というのが示されておりまして、「「新たな交流が生まれる創造性の膨らむまち」がある。中野区の産業振興策の上からも、どのようにこの問題を考えられていくか」と、つい読んじゃいましたけど、要するに、産業振興という視点はいろいろおっしゃっていただいていますよね。大事なことだと思います、私も。既に御指摘申し上げたように。じゃあ、具体的に駅周辺における産業振興策についてはどのような検討がされているんですか。これは、まちづくり担当分野だけの話だけではないだろうと思いますし、特別委員会にはそういう所管の出席説明員の方はいらっしゃらないわけですけれども、駅周辺に限って、特にこの警大等々を中心にして、どのような産業振興策が考えられているんですか。
○高橋産業振興担当課長 駅周辺につきましては、さまざまなにぎわい、そういうものを求めているもの、また大学とか何かの誘致、ほかの産業の誘致も可能性としてはあります。したがいまして、人が集まり交流する地域、駅周辺でございますが、これは事業を展開する上でのビジネスチャンスの可能性を十分に含んでおります。そのため、さまざまな事業所がそこに集まり、また働く人がふえてくる。また、中野区の特徴として、住宅が後背地にあります。したがいまして、ITとか介護、ビジネスサポートなどのヒューマンサービス業とか、いわゆる都市型産業の集積が考えられると思います。このような展開が区の産業振興の上から見ても、区内産業の活性化に一層の弾みをつけるものと思っております。
○飯島委員 まあ、いわゆる教科書的な御答弁というしかありません。余り考えられていないんじゃないのかなと思います。我々は、大学を中心に誘致されるというならば、知性産業をやっぱり育てようと、こういうコンセプトを明確にした方がいいんじゃないのかと。知識産業じゃありませんよ、知性産業。こういうのができていくと、いろんな小さいところが事業を組み立てて、そこをソースとして仕事をしていこうということで、産業の集積が考えられる。中野で製造業は無理です、なかなかね。とすれば、もっとソフトなイベントであるとか、広告であるとか、ソフト開発であるとか、こういうところが大学ということを中心にしながらそこに立地してくる。そういう絵を具体的におかきになる必要があると思います。ぜひ努力をされて、大変なことだと思いますよ。頑張っていただきたいなと思っています。
 それで、簡単にお答えください。要するに、中野区の現実に即して、どのゾーンをそういうターゲットとするか。これは、資料に区民の9というのがある。区内事業所の推移、こういうのがあるんです、10年間。これで見ると、どこにウエートがあるか、もうわかるんですね、すぐ。ないところを対象にしてやるというのはなかなか大変ですよ。そうすると、通信、運輸、卸・小売、飲食、それから不動産、サービス業、これが中野で集積をされている産業の分野です。それに活力を与えていくような、核になる知性産業をどう考えていくか。そのさらにまたソースに大学、こういうふうに大体のイメージが展開される。そういうこともありますから、ぜひ今申し上げたことを参考にして、いろいろ考えていただければありがたいです。時間は余りありませんよ。そういうのがセットになっているんですからね。ですから、ぜひ早急に取り上げていただきたい。
 なおかつ大事なことは、この地域に雇用の力をつけていく。このことが今非常に大事なことになってきたのではないかと思いますので、課長のお考え、雇用の力をつけるべきではないかと、この産業振興の中で、そういう視線が必要じゃないかということについてだけお答えを求めたいと思います。いかがですか。
○高橋産業振興担当課長 今、委員がおっしゃったとおり、産業を興し、雇用が創設されるということは、中野のまちの中に人の流れを生みます。また、区内における消費の増加など、まちの活性化につながるものとも考えられます。産業振興施策から生まれるまちづくりの成果として十分に期待したい、また、やってみたいと思っております。
○飯島委員 ぜひ頑張ってください。ありがとうございました。
 次に、中野駅のリニューアルの問題について伺います。私も、この前JRをお訪ねしました。非常に垣根の高いといいますか、敷居の高いところで、ああ、なかなか大変だなと、気楽に行って何か相談ができるという組織ではないということは実感をいたしました。ただ、そうはいっても、この中野駅がどう改良されてくるか、このことが非常に大きな問題になるんだと思うんです。この駅周辺のまちづくり、JRとのかかわり方については、何か特にお考えになっているものはございますか。
○豊川中野駅周辺整備担当課長 施設整備がおくれております中野駅につきましては、駅及び駅周辺を新たな中野の顔にふさわしい拠点として、駅のリニューアルを含めまして、今後ともJRと積極的に協議を進めていきたいというふうに考えております。
○飯島委員 ぜひそのくらいのことは読まずにお答えをいただければなと思ったりしますが、それはそれとして、私も読んでいますからね。
 中野駅って、規模的に非常に難しい駅のような気もします。上野駅も行ってきました。あれぐらいになると、ものすごいでかい、パンダ橋ってすごい広い道路があります。そのすぐ向こうに上野の森があって、やっぱり木があって活力なんですね。しかも、駅がリニューアルされたことによって、まちが波及的に変わってきた。物すごいにぎわいを取り戻している。だけど、それは物すごい大きな規模でありまして、あるいは品川なんかの場合も、直ちに中野区に当てはめるというには規模の差異が違い過ぎる。非常にここは番線も8番線まであって、メトロも入っている、快速もある、鈍行もあると、こういう構造ですけれども、それでもやっぱり、大きいんだけれども、それに見合った事例になるところが非常に少ないということがあります。一方、小さいところは小さいところで代官山みたいなところは、私鉄ですけれども、駅から通路をつくるだけで、いわゆる再開発された住宅にアクセスして、アドレスに行けるようになっている。先般、高橋委員も代官山のお話をされていましたけれども、非常に変わりつつあるまちです。
 中野の場合、非常に参考事例が少ないんですが、最近、JR大塚の駅の自由通路、中野も考えているような自由通路にかかわっているようなところ、参考ではありますが、これについては何か御承知になっていらっしゃることありますか。
○豊川中野駅周辺整備担当課長 今御指摘のJR山手線大塚駅につきましては、中野駅と同様に駅舎の老朽化、あるいは線路によるまちの南北の分断、そういったことが以前から課題であるというふうに聞いております。これに対しまして住民の方々、それから地元の商工業者、こういった方々が一体となって組織をつくり対応したというふうに聞いております。
○飯島委員 詳細はなかなか経緯があるんですね。どうなったか。それが始まって都市再生本部に全国都市再生のための緊急措置にかかわる都市再生案の提出を行って、物が転がってくる。内閣府にあるやつはもう第7次ぐらいになるのかな。いわゆる特区にかかわるようなもろもろのことについてが視野にあるわけです。そういう点では、この取り組みは経緯があって、なかなか、そこに乗せてくるとJRも非常に話に乗る、そういう要素があるようです。これは、いただいた豊島の議会の資料なんかによるとそういうことが読み取れるわけでありますけれども、そういう点もよく考えないと。駅関係についてはきちっとした最初から姿勢でぶつかっていかないと、なかなか開けない。そういうことについては、計画部局、都市計画部局だけじゃなくて、挙げて中野として助役あたりがまず行くとか、そういうことから道を開いていくことが今必要じゃないかなと思ったりするんですが、いかがでしょう。
○豊川中野駅周辺整備担当課長 今御指摘の点、十分踏まえまして、今後とも対応していきたいと考えております。
○飯島委員 今後対応するのはわかっていますけれども、助役どうですか。JRに行ってみましょう。
○内田助役 JRにつきましては、中野駅周辺まちづくりの構想が検討される一定の段階で私もJRへ訪ねてみました。中野区としての今後の考え方を説明しながら、当然JRと非常に密接な関連が出てくるもんですから、JRとしての考え方も一定お聞かせをいただいたところであります。詳しくはまだまだこれからだろうというふうに思いますけれども、JRとしても、この駅舎だけでなくて、もう少し広がりを持ったさまざまお考えもお持ちのようでありまして、中野区としてもやっぱりそういった動きもしっかりと受けとめながら、やはり検討していく必要があるというふうに思っておるところです。これからも積極的な働きかけ、そして連携、調整を図ってまいりたい、こう思っております。
○飯島委員 ぜひ取り組み方については万遺漏のないよう、そして準備があればあるほど十分なことができますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 あわせて、この駅周辺のまちづくりに関しては東京都との連携、ここが非常に大事な要素になってまいります。これはやっぱり自治体の長と長として、あるいは開発の担当と担当として、それぞれのレベルのことではあるでしょうけれども、区長としても東京都との連携を深めていくことについては十分認識をされているでしょうが、特にここに関してさまざまに都のいわゆる整備、都市計画にかかわるもろもろ、このことについては非常に大事な要素になると思いますが、その辺についての認識を一言お伺いしておきます。
○田中区長 JRでありますとか、東京都でありますとか、さまざまな関係機関と本当にしっかり連携がとれるようでないとまちづくりが進まないというのが、この中野駅周辺であります。私といたしましては、東京都にも本当に足しげく通うといったような覚悟も持ちながら、しっかりと都の協力を取りつけて、まちづくりをやっていきたいというふうに思っております。
○飯島委員 この項の最後に、既成市街地でのまちづくりについて伺います。大規模開発、あるいは再開発がなかなか整わないし、そぐわないのが既成市街地のいわゆる整備の問題。しかし、既成市街地は今のところ中野区では、より防災その他の問題について対応をしっかりしなければならない。安全性を高めなければならないその緊急性は、むしろこの既成市街地にある、こう認識されるぐらいのことでありまして、最近そういう既成市街地のいわゆる整備の手法として、小規模な再開発、つまり街区単位で話がまとまっただけで、その範囲でそれぞれ作業を進めていこう、こういう小規模の開発をしようというのが検討されているようであります。枠をかけた大規模のところでは、全地権者の全員合意を取りつけるだけでも大変な時間がかかってしまう。でも、よくやってみると、手を挙げたところは道路で囲われた範囲で整っているところがある、その中に。とすると、そこから手をつけていこう、そういう街区単位のいわゆるまちづくり、あるいは整備という手法が今研究をされていますし、それぞれ検討されたり、都市計画課の間では今後の東京におけるいわゆる震災対策上非常に有効な手法だと、こう言われているんですけれども、既成市街地においてのいわば安全性を高める手法として、こうした小規模の開発をしよう。このことについても十分検討されて取り組まれるべきだと思いますが、御担当の御見解いかがですか。
○豊川中野駅周辺整備担当課長 ただいま委員御指摘の内容の一例といたしましては、昨年3月、東京都により制定されました「東京のしゃれた街並みづくり推進条例」におきまして、街区再編まちづくり制度として、小規模な街区単位で段階的に建築物の形態や容積率のコントロールなどを行いながら、事業化のための敷地の統合などの権利者調整を進めまして、あわせて道路などの公共施設の整備も進めるという仕組みとして示されております。実際にこの制度を適用する動きのある地区もあると聞いております。今後、中野区の既成市街地整備を進める新しい手法として検討すべきものであるというふうに考えております。
○飯島委員 先ほどちょっと区長にも伺ってしまいましたので、もう一度ということで、労を煩わせて申しわけありませんけれども、先日、この中野駅周辺まちづくりに関して、公明党議員団として区長に申し入れを行ったところであります。その際、考え方のベースになる中間まとめ等もお渡しをいたしました。今般、特別委員会の委員長の御努力もあってたたき台も示され、特別委員会にはまちづくり計画(案)も示されると、こういう予定になっているようであります。先ほどちょっと申し上げましたけれども、我々のこの申し上げていたことについて、かなり取り入れて、組み込んでおられるようなところもありますし、今改めて御提案申し上げたりして、あるいは御指摘申し上げて、検討されるというお答えもございました。しかし、まだまだ十分だとは思えないわけであります。
 そこで、この前申し入れをいたしましたその申し入れと、我々のまちづくりの考え方について、区長はどのように受けとめられているのかということが一つ。それから、御決意は示していただきましたけれども、改めて、安全な中野区をつくっていくということにおいて、中野駅周辺まちづくりの計画が果たす役割は非常に大きなものがあると我々は受けとめております。そういうことについての区長の認識を、この項の最後にお尋ねいたします。
○田中区長 さきに御要望いただきました内容といったようなことで示されているまちづくりの考え方、また、本日の質疑を通じましてもお示しをいただいたさまざまなまちづくりに当たっての考え方、私どもの考え方とかなり共通する部分があるというふうにも思っております。何しろ、この中野駅周辺のまちづくりが、中野駅全体のまちづくりが、まちが本当に活気を取り戻し、また、人間が幸せに、豊かに生きていけるまちとして持続していける、中野をそんなまちにしていくための本当に基点になるのはこの中野駅周辺のまちづくりだというふうに思っているわけであります。そういう意味で、この中野駅周辺のまちづくりが、環境と、また都市の機能が調和をした、そして人々に緑と安全の、そうした空間も提供できるというまちづくりであること。また、そのまちの中で、また新たな都市としての価値を発信する、新たな産業の創生につながっていく。それが人々の新しい雇用につながり、まちの豊かさ、人々の豊かな暮らしといったようなことにつながっていくということを求めていかなければならないわけでありまして、私といたしましても、時間もそんなにあると思っておりません。しっかりとまちづくりの実務的な検討に取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○飯島委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、最後にその他で1点だけ伺っておきます。
 先ほど産業振興で、雇用の力、これが地域力として非常に重要になってくるということについてやりとりをさせていただきました。そこで雇用の問題、それで地域力を高めよう、維持しよう、こうなってくると、具体的には就労あっせん事業をそろそろ中野区としても展開しなきゃならないんじゃないのか。一般の就労あっせんにかかわってそういうことも考えていかないと、実際にかけ声だけで雇用だなんだって言ったって、現にそうしたあっせん事業がここにある。また我々もよく尋ねられるんです。先般もメールが来ました。就職あっせんしてもらえませんかという。だけど、あっせんするわけにいきませんからね。それでもう知り合い等々、求人の会社がないかなんか、こういうことが今我々に直接来る時代です。
 ですから、ぜひ中野区としてもそういう対応が必要なんだろうというふうに思っておりますし、我々も若者の失業の問題、非常に将来の日本にとっても大きな課題になってくる。フリーター、ニート、さまざまなことが言われておりますけれども、我々、ジョブカフェとか、あるいは日本版のディアルシステムとか、さまざまな提案を行ってまいりました。どちらかというと、これまで都道府県単位でやっているということが多かったんですけれども、しかし、この就業にかかわる区のサービス、もう手をつける段階に私は来たんじゃないのかなと、こう思っておりまして、どうでしょうか、今後の来年度以降の取り組みの中で明確化をそろそろ図るべきではないかなと思いますが、とにかく中野についての失業問題とか雇用問題とか、こういうことの掌握、認識は一体今どんなふうになっているんですか。
○本橋区民生活部長 お答えいたします。区内での若い人たちの就労、あるいは未就労の状況というのを具体的にはまだ把握してはございません。ただ、若い人たちが就労できないでいるということは、次代を担う担い手がその期待される力を発揮できない。経済的な自立、みずからの実現、成長、そして人々とのかかわり、また、豊かな社会をつくっていく。そして非常に大きな問題といたしましても、支え合いの社会システムを安定的に維持していくということができなくなってくる。また、結婚ですとか出産にためらいを感じるということで、次の時代をつなげていくということが難しくなる。さらには、社会的な負担ということにもなりかねないということがあります。そういった意味で、非常に憂慮すべき問題だというふうに認識しております。
○飯島委員 17年度からの具体的取り組み、これについてはどうですか。
○本橋区民生活部長 これまでは区内中小企業の就労者に対するセミナーなどもやってはきました。新年度につきましては、さらに就労支援といたしまして、就労セミナーの開催などを計画しているところでございます。
○飯島委員 セミナーだけでなかなかいくって難しい時代になりました。私も女性の企業家のセミナーっていうのに、女性でなかったんですが参加したんですね。それで、じゃあどうしたかというと、それがどうだったか、非常に事業評価していただければわかるとおりだと思います。具体的な就業あっせんにかかわる体制をそろそろ組み上げるべきではないかと私は思います。その際ネックになるのは何か。人材、それから、いわゆる雇用情報をどうシステム的にするか、こういうようなことについての検討、取り組み、これはもうそろそろ始めるべきではないかと思いますが、いかがですか。
○本橋区民生活部長 御指摘のように、区として就労あっせんをするという場合には、特に求人事業所についての正確な情報を指導監督権限がない中でどこまで収集できるかなどの課題はありますが、関係機関の協力なども求めながら、中野区なりにどういうふうな工夫、対応ができるか、検討してまいりたいと考えております。
○飯島委員 その際、一つキーワードはネットワークと。それからもう一つは、高齢社会になりましたから、そういうキャリア、経験を持っている人がリタイアした人がたくさんこれから生まれてきます。企業の人事関係者にもいます。それから、いわゆる就労のその場面で働いていた人たちのリタイア組の方もいらっしゃいます。こういうところにもきちっと目配せをして、ぜひ取り組みをされてはいかがかな。これは簡単なサジェスチョンですから、そういうことも踏まえながら、ぜひ取り組みをされていただきたいと思います。私は品川のいわゆる高齢者に焦点を絞った職業あっせんも行ってまいりましたし、さまざま見てまいりました。本当にこれから必要になってくる事業分野だと思います。ぜひ取り組みについて、もう来年度からおやりになったらどうですか。決意をいただければ、伺います。
○本橋区民生活部長 来年度からというのはなかなか今ここでお答えするのも難しいところはございますが、御指摘の点も参考にさせていただきながら、新しい中野をつくる10か年計画の中に盛り込められることにつきまして、取り組んでいきたいと考えております。
○飯島委員 ぜひ取り組みをされて、そして中野の地域が区長おっしゃるように、区民にとって本当に住みやすい、暮らしやすい、豊かなそういう生活が実現されている地域、これをぜひ目指していただきたいし、皆さんの努力が大きなウエートを占めますし、我々も必要とあればさまざまな提案や、あるいはサジェスチョンを今後もさせていただこうと思っております。
 以上で私の質問すべては終了いたします。ご清聴、大変にありがとうございました。
○平島委員長 以上で飯島きんいち委員の質疑を終了いたします。
 次に、大内しんご委員、お願いいたします。
○大内委員 自民党・民社クラブ議員団、2人目ということで質問をさせていただきます。大分、本会議、あるいは総括質疑も一巡したところで、かなり内容も重なってきておりますけれども、それはそれとして、簡単に聞いていくことは聞いていく。多少やはりきっちり詰めていかなければいけないところは聞いていくということで、一応、時間も若干少し余裕がありますので、始めたいと思います。
 一応順番どおりやりますけれども、最初にちょっと前段ということで、決算提案理由説明書を読ませていただきました。助役が本会議場で読んでおりましたけれども、未収金対策等も随分最大限努力しているということで15年度出ておりましたけれども、16年度は最大限努力すると収納率が100%超えるんじゃないのかなと。先ほどの飯島委員の質問にもありましたけれども、3億何千万の未収金がありますから、国保会計もぜひ頑張っていただいて、その分きっちり未収金ということでいいと思うんですけれども、16年度残っていますので、16年度やっていただきたいと思います。
 この説明書の中に、ちょっと簡単に読ませていただきますと、「現在の社会経済状況は景気回復の兆しはあるものの、いまだに不透明感があることから、特別区税や特別区交付金などの一般財源の大幅な伸びは見込めず、今後の財政運営は引き続き厳しいものになると予測しています。区としては今後とも行政評価をもとに事務事業の執行方法の見直しを行い、全庁挙げて行財政の構造改革に取り組む必要があると考えている」。区長の気持ちだと思うんですけれども、一応決算ですけれども、こういうことを踏まえて17年度どのような方針で、これから予算編成もあります、あるいは基本構想、そして10か年計画がありますけれども、ただ厳しい、見通しが悪いと言っているだけではやはり前には進まない。必要なものはしっかりと手当てをしていく。そして改革していくものはしていくということで、一つちょっと最初に、これを踏まえて、今年度もそうですけれども、17年度に向けてどういったお気持ちなのか、お願いします。
○田中区長 区政は、とにかく今いらっしゃる区民、また将来の区民、この暮らしがこの中野区の中で豊かに、幸せに暮らしていけるようにということを最大の目標としていかなければいけないわけですから、財政状況をきちんと立て直すということの一方で、将来を展望して、打つべき布石はきちんと打っていくといったこともしていかなければならないというふうに思っております。17年度に向けてというか、それから先続く10年間の中野の動きといったようなものを、歩みをこれからつくっていかなければいけないわけでありますけれども、その中では地方分権、分権改革が進んでいく中で、権限が中野区でも地方自治体にも移譲されてくるということも踏まえながら、また、自己決定・自己責任で自治体を経営していかなければならないということも踏まえながら、ということは、つまり政策的にさまざまな工夫をする余地が出てきているということである。と同時に、大変厳しい経営責任を負っていくということでもあるわけであります。そういう意味で、財政の改革、そして財政再建の歩みといったようなものをきちっと行いながら、新たな時代に向けた着実な布石をつくっていくというのが今の時期だというふうに思っているわけであります。
○大内委員 ありがとうございます。
 それでは、通告どおり最初に、急を要する野方駅の北口改札設置とバリアフリー化について、毎回しつこくやらせていただいております。9月に野方の駅前の踏切で、1週間ぐらいの間に死亡事件が2件ほどありました。これは今申し上げている北口、あるいはバリアフリーとはちょっと関連は薄いかもしれませんけれども、野方駅の踏切で事故があったと。やはり、ついきのうまで交通安全週間もありました。そういった中で、区としてあの踏切の問題について、改札とは別にして、この事故の問題について何か取り組みというんですか、あったらお聞かせいただきたいと思いますけれども。
○服部都市計画担当参事 お答え申し上げます。今、委員御紹介でございますけれども、先月になります。9月13日の早朝でございますけれども、西武新宿線野方駅前の踏切の中でオートバイが電車に接触いたしまして、人身事故、死亡事故があったと承知してございます。その件につきまして、区の見解は、お考えはということでございますけれども、踏切問題、これは議会の方の各委員の方も既に御案内かと思ってございますが、本年1月に区と区議会及び住民との三者で、踏切渋滞解消期成促進同盟を立ち上げた経過がございます。当然でございますが、この問題につきましては、ラッシュ時の交通渋滞の解消ばかりでございません。今回のような踏切にかかわります事故の防止、そういった点からも視野に入ってきてございました。
○大内委員 踏切のところを事故のないように直すということもなかなか簡単にはいかないことですけれども、区としてもそういった事故があったということを認識をしていただいて、次のところに進めます。
 次に、エスカレーターとエレベーターの設置について。これは今までの総括質疑で、あるいは本会議でも聞いておりますが、進捗状況というんですか、どのようになっていますか。
○服部都市計画担当参事 このことは先般の定例会の一般質問でもお答えをしてございますけれども、野方駅の北口の開設とバリアフリー化に関しましては、本年7月に調査委託を発注してございます。区といたしましては、この調査とあわせまして、駅舎の改善の方向性、また事業手法などにつきまして、目下検討しているところでございます。
○大内委員 これは北口開設と一緒に取り組んだ方がいいのか、あるいは別の取り組みがいいのか、それは私も今なかなか申し上げられないですけれども、なるべく早く解決をしていただきたい。それとあと、もう一度、今言った北口改札とバリアフリー化、その点あわせて一体でやるのか、あるいはばらばらで、別個というんですか、対策をしているのか、その辺のところもあわせてお願いします。
○服部都市計画担当参事 御質問の内容は、北口の開設とバリアフリー化の関係で一体整備するかどうかというお考えかということの御質問だと思ってございますが、駅舎全体の構造とか利用者の動線など、全体的な構造をとらまえて行うべき必要がございます。その意味では、北口の開設とバリアフリー化とは一体的に取り組むべきと考えてございます。
 なお、整備の時期とか、それはまた別途でございますが、考え方は一体だと考えてございます。
○大内委員 今、別途ということで、時期についていつごろをめどに取り組んでいるのか。今年度100万円ほどの調査費もつきましたけれども、それと含めてもう一度、重なりますけれども、今どういった形で調査委託をしている。その結果、来年度にはこう、再来年度にはこうなる、そういったものが、進捗状況ですね、予定として考えているのか。わかる範囲で、今答えられる範囲で結構です。お願いします。
○服部都市計画担当参事 今、委員御紹介でございますが、今年度100万円をいただきまして調査委託してございます。この調査委託によりまして、北口に開設する駅舎のバリアフリー化に対しまして、見通しが持てるところまで持っていきたいと考えてございます。今後、財源も含めましてこうした見通しを立てた上で、西武鉄道側との施行に向けた協議を初めとして、北口開設には用地が必要でございます。その用地の確保のための地権者との交渉もこれから行う必要がございます。したがいまして、現時点では、いつ、どの時点でという具体的な開設年次につきましては明言できないところでございます。御理解のほどお願い申し上げます。
○大内委員 今、用地確保の件をおっしゃっていました。建設24に沼袋の南口に係る経費の内訳ということを出していただきまして、これは以前にも質問しておりますけれども、要は駅舎用地として1億2,200万余、そのうち一般財源が7,500万、あと国費、都費が出ていますけれども、やはり今回この野方駅駅舎用地を取得するに当たっては、このような形の財源の出方、区の一般財源でおよそ半分以上、3分の2ぐらいなのかな、支出すると、そういった形で進めていくということでいいですか。
○服部都市計画担当参事 整備に当たりましてはさまざま、その年次ごとの補助金制度、補助制度を活用しながら、区といたしましても一番費用が軽減できる、しかも合理的な方法といいますか、したがって、今回お出ししてございます沼袋駅につきましては、その時点での最も可能ないわば整備手法でございました。そういった段階で西武鉄道側と協定を結びまして経費の支出を図ってきた経過がございます。先ほども、初めの御答弁でもお話ししてございますように、調査委託をしていると同時に、そういった具体的な事業手法につきましても目下検討してございますので、現段階でどういった整備手法、あるいは補助事業を使うか、現在検討している最中でございますので、現段階で具体的に御説明は差し控えたいと思ってございます。
○大内委員 なるべく差し支えないでおっしゃっていただきたいんですけれども、まあ、いいです。
 それで、この件に関しては一生懸命やっていただいているという認識もこちらは持っているんですけれども、何分にもやはり現実的に解決ができないことには一歩も進んだように見えないということであります。今回、基本構想の検討素材の方でも、この都市施設の着実な整備ということで、野方駅北口改札というのを先頭、一番上部に持ってきて、当然、基本構想の中でも整備をしていかなければいけない課題の一つだと。10か年計画で落とし込まなきゃいけないということで入っておりますけれども、気の早い話かもしれませんけれども、17年度の予算措置、そういった中で、17年度はどういったことをしていきたいのか、どういったことをするつもりなのか。それは課長がいいのか、あるいは、今事業部制ですから担当の部長がいいのか、来年度は1,000万のお金をつけて現実的な調査方法を練るとか、例えばそういったこと。今検討中ですか、それとも今のところ何かそういったやっていること、考えていることはありますか。責任ある方の御答弁をお願いします。
○服部都市計画担当参事 先ほども、目下の検討状況のお答えをした経過がございます。駅舎改善にかかわります方向性とか、あるいは事業手法などの検討の中でも、今年度100万円の調査委託をいただきながら詰めてございます。まだ現段階、西武鉄道側と具体的にどういう整備ルート、あるいは整備手法、そこまで固まってきてございません。したがって、その段階では17年度以降の具体的な流れといいますか、そこまでまだ具体的なものになってございません。今後、余り時間のないところでございますけれども、鋭意検討しながら、詰めるところは詰めていきたい、そう考えてございます。
○大内委員 とにかくこの問題は、土地の取得なりなんなり、やはり財政状況が今厳しいですけれども、長い将来を考えて、ぜひ積極的に開設に向けて投資というんですかね、必要なお金はしっかりと予算立てをしてやっていただきたい。これは事業部制の部長、そして区長にお願いをして、この項の質問を終わります。
 次に、淡々と。上野原の方の質問をさせていただきます。これは一般質問で佐伯議員が質問をされておりました。内容的にはほぼ似通っておりますけれども、もうちょっと詳しくお聞きをしたいと思いますので、お願いいたします。
 この上野原スポーツ・学習施設用地の売却について、一般質問でも御答弁がありましたけれど、もう一度現況について、上野原あるいは企業庁、山梨県とありますけれども、まとめて、上野原と企業庁、そして山梨県と、この3者についてどういった協議を行っているのか、お願いします。
○村木財務担当課長 まず、上野原町との協議でございますが、昨年の6月に総務部長が町長に会い、また11月には助役に会いまして、事業を廃止し、土地は売却することを表明、その理解を得てございます。この売却をするためには、上野原町の協力が不可欠でございまして、廃止に伴う水道負担金の問題につきましては、上野原町が秋山村と今合併協議中でございますが、合併する予定の平成17年2月までに話し合いをすることにつきまして、町と決めております。町から売却のめどが立った段階で、地元住民等への事業廃止及び売却の説明が必要と言われておりますけれども、これは町から連絡するから待ってほしいと言われておりまして、その連絡を待っているところでございますけれども、先ほど申し上げました合併協議に忙殺をされているといったような様子で、現在のところ御連絡いただいておりません。したがいまして、日程については未定ということでございます。
 それから、区が神奈川県企業庁に売却をしたい意向に対しましては、町も神奈川県企業庁に売却することが最善と理解をしているというふうに思っております。
 次に、山梨県との関係で申しますと、本年1月に山梨県の企画課と協議をしました。その結果ですが、県に対して事業の廃止についての届け出、報告等の必要はない。それから、廃止等について町とよく調整してほしいということでございました。
 さらに、神奈川県企業庁との協議でございますが、本年6月と8月に総務部長と私が企業庁の城山ダム管理事務所長、それから相模ダム管理所長と協議をいたしまして、企業庁は土地を買う方向で調整に入っているというふうに表明を受けております。
 それから、企業庁のしゅんせつ事業でございますが、神奈川県内の水道事業者、横浜市とか川崎市等がこれに当たりますが、ここからの委託で行われている事業のため、土地取得に伴う水道事業者の負担金の調整に時間が欲しいというふうに言われております。
○大内委員 そういった今協議を進めておりますけれども、今、現実的には企業庁と契約をしている。そういった中で、この契約、企業庁とあとどのぐらい契約期間が残っているのか、あるいは企業庁からしゅんせつ土砂というんですか、そういったものでいろいろお金をいただいているというのかな、使用料をいただいている。そういったところを契約期間と含めて簡単にお願いします。
○村木財務担当課長 企業庁とのしゅんせつ土砂の受け入れにつきましては、平成13年度から17年度までの5年間を契約期間といたしまして、1立米当たり2,000円で受け入れております。合計で11万立米、2億2,000万円を私どもが受け取る予定ということになっております。13年度には1万立米、14年度に2万860立米、15年度に2万立米、16年度に2万立米、合計7万860立米で、金額にいたしまして1億4,172万円となっております。なお、平成17年度には最後の4万立米、8,000万円を予定しております。
 それからもう1点、しゅんせつ土砂の仮置き場といたしまして、しゅんせつ土砂と同様に平成13年度から17年度までの5年間で、毎年421万円の使用料収入がございます。
○大内委員 今のが歳入で、あと払わなければいけないものを一応確認しておきます。水道の施設に関して、中野が負担しなければいけない、まだ払っていないんだろうけれども、それは幾らでしたっけ。
○村木財務担当課長 既に支払いをしている分と、今後支払わなければいけない分と二つございます。まず既に支払った分ですが、平成12年度に配水管敷設工事及び水源開発工事のうち、取水施設工事が竣工いたしました。当該工事の確定総事業費が2億4,100万円余でございまして、国庫補助金差し引き後の上野原町の負担額が9,600万円余となっておりました。このうち区といたしましては、2,850万円余を負担金として支払ってございます。
 今後の支払い予定でございますが、現在、水源開発工事のうち浄水場施設の築造工事が行われております。当該工事の総事業費は4億5,500万円となっておりまして、国庫補助金差し引き後の上野原町の負担額が3億500万円となっております。この事業費に伴います区の負担金は、協定によりまして7,060万円余となっておりますが、現在進行中の事業のため、基本的にはまだ未確定ということでございます。負担金額、支払い時期等、今後、上野原町と協議するということにしてございます。
○大内委員 ちょっと話が複雑であれなんですけど、まだ1億近く払わなければいけないものがある。そういった意味で、ちょうどきょうかな、普通財産に切りかえる。要するに行政財産から普通財産に切りかえるというのはどういうことですか。
○村木財務担当課長 まずは、この売却に向けたさらなる我々としては一歩踏み出すということで普通財産に切りかえたということと、それから、先ほど企業庁との関係で収入を得ているということもございますので、こういったものについては今後の支払いに充てるために何らかの手だて、例えば基金に積んでおくとか、そういったことをしたいというふうに思っております。
○大内委員 わかりました。
 では、最後には、普通財産になったけれども、まだ企業庁との契約。でも、企業庁に売るんだから、企業庁は早く買った方がいいのかなとかね。そうしたら来年度も8,000万円程度払わなくて済むわけだから等、でも神奈川、横浜と川崎市がどうのこうのでいろんな問題が出てくると思うんだけれども、要は、そういったものを含めて売却予定、区長の方針として、上野原はもうどうしようもないから売却するということをおっしゃっていますけれども、そういったものを含めていつごろを予定しているのか。なかなか難しいだろうけれど、一応答えてくれますか。
○村木財務担当課長 今後の予定につきましては、一般質問でも御答弁を差し上げたと思いますけれども、今まで申し上げましたような町などとの協議を早急に行い、早い時期に売却のめどをつけたいと、このように考えておりますけれども、先ほども申しましたけれども、企業庁と水道事業者との調整に時間が必要だというふうに言われております。売却までにはなお時間を要すると思われますので、もうしばらくお待ちをいただきたい、このように思います。
○大内委員 わかりました。
 それで、その他も含めてという質問になってしまいますけれども、未利用地ということで、あと旧館山健康学園、これも売却をするという方向が出ていますけれども、最近報告がないので、ちょっとどうなっているか、お願いします。
○村木財務担当課長 旧館山健康学園につきましては、平成12年の4月に用途を廃止いたしまして、売却について、これまで各種団体と交渉を重ねてまいりましたが、売却の努力をしたにもかかわらず、契約には至りませんでした。現在は厚生労働省所管の財団法人及び全寮制の私立学校等々と交渉中でございますが、いまだ成約には至っておりません。
○大内委員 言い方が、どんどん売れと言えばいいのか、言い方がちょっと。まあ、なるべくいい条件で売却をしていただきたい。ちょっと忘れちゃったけど、この決算の中にも警備費だったかな、何か入っていました。160万円だったかな。これは通告していないですけど、答えられますよね。あと光熱水費が幾らか、ちょっと出ていましたけれども、せっかくだから、決算書に出ていましたから、分科会でやりますからいいですけど、分科会でお願いします。そうやって出ていましたので、そういったお金が毎年もうなるべく出ないように、早いとこ処分した方がいいのかなと思います。
 では、次に行きます。次に、ケーブルテレビのことを質問させていただきます。
 これは以前から私も早く、要するにケーブルテレビ視聴不可能地域解消をするべきだということで主張しておりますけれども、今回、一般質問でいでい議員の方から、あいているチャンネルに活用できないかといったことがありましたけれども、そこのところをもう一回要約して答えていただけますか。チャンネルリースについてです。
○鈴木情報化推進担当参事 これにつきましては、ケーブルテレビ事業者の施設の中であいているチャンネルを借用して、みずからの放送を流すと、そういう仕組みでございます。
○大内委員 それで、その答弁の中で、このチャンネルリースを活用していきたいというような御答弁も入っていましたけれども、このチャンネルリースによって、この電波障害の地域を解決をしていこうという、それは区の方針でやっているんですか。
○鈴木情報化推進担当参事 基本的な区の方針としたら、大規模電波障害対策施設、これを移管というのが基本にあるわけですが、そうはいっても移管がなかなか進まないという状況にございます。そういう面で、そういった視聴不可能地域というんですか、を解消するための策として、チャンネルリースというものがあるんではないかという御提案がございまして、そういうものに採用できるかどうかという調査を始めたということでございます。
○大内委員 この主要施策の成果の中で、66ページのところに、ケーブル、情報化が進んだ活力のまちというところ、施策の評価がC。一番下という評価で、情報化社会における中野区の将来に向けて方向性をしっかり区民に示した上で、事務事業についても、非常勤取締役の派遣にとどまらない明快な事務事業の実施を期待する。要は、早くした方がいいんじゃないか。ただこれ、成果指標の方はみんな90%超えているので、どうやって、その部分は進んでいるのかもしれないけど、全体的な評価がCだと。要は進んでいない。解決が前に進んでいないんじゃないかということで、多分こういうふうに出ているんだと思いますけれども、平成15年度中、この交渉について何かやっていましたか。どういった活動をしていたんでしょうか、平成15年度。
○鈴木情報化推進担当参事 各施設の設置者と移管についての話をしていたと伺っております。
○大内委員 伺っているというのは、所管が4月から変わったからそういう答弁になってしまうのかもしれませんけれども、要はなかなか解決していかない。やる気があるのかなというような。まあ、お金が伴うことですからあれなのかもしれませんけれども。要は、このケーブルテレビが発足してからずっと映らない地域がある。ケーブルテレビが発足してもう何年ぐらいたつんですか、この映らない地域。
○鈴木情報化推進担当参事 CTNは平成7年10月から開局しておりますので、ちょうど9年ということになります。
○大内委員 これも世帯数かなり視聴可能な地域がふえてきて、あと1割程度、まだ視聴が不可能な地域がある。それの対策を早くやっていかなければいけないと思いますけれども、この間の質問の中で、前担当の方は、地上波デジタル化が進められていることによって条件が変わってくる。その対応が変わってくるとおっしゃっていましたけれども、その点については最近中野も入ってきたのかな。エリアに入ったのかな。オリンピックでそのテレビが売れましたけれども、その点についてどういうふうに地上波デジタルと、さっき言ったチャンネルリースのこともありますけれども、どうやって解決をしていきたい。ケーブルテレビを施設を移管させるのにお金を払って移管させるのか、地上波デジタルでいろいろ言っていましたけれども、ちょっと含めてお答えできますか。わかりますか。
○鈴木情報化推進担当参事 地上波デジタル放送が開始されて、ケーブルテレビをどうするのか、こんな質問という理解でよろしいですか。
 地上波デジタル放送、これは昨年の12月に開始されております。先月の22日から出力を上げまして、中野区も十分に視聴できる地域に入っております。そういう意味では、今アンテナを上げれば地上波デジタル放送が視聴できる。新宿のビル街のつけ根のあたりでテストしましても、ほぼ見える状態。何点かは見えなかったようですけれども、ほとんど見える状態になっているというふうな新聞の報道があります。こういうことから、ケーブルテレビに関する影響で言いますと、現在、大規模受信障害対策施設ですか、ここの設置者について、いろいろこれまで接触してきた段階では、デジタル放送が全面的に放送・放映されてアナログ放送が廃止になれば、我々はもうこの施設、いわゆる施設を維持する必要がなくなるんだというふうな形で、ケーブルテレビの方に影響が出てきているということになります。
○大内委員 なかなか、かみ合っていそうで合っていないような気もするんですけれども、進めます。
 要は、今回、これもおととい売買契約が成立したサンプラザと、このサンプラザの影響で若宮方面というか、野方二丁目からあのライン、たしかちょっとかかっていますよね。昨年の決算でもお聞きしました、サンプラザをもし中野区がその所有者の一人となっていた場合、所有者、区が3分の2所有しているわけですけれども、とすると、電波障害の当該者になるわけですよね。そうした場合、少なくともサンプラザで影響を受けている地域に関しては、解消が早くできるのではないか。中野区とサンプラザを持っているサンプラザの会社ですね。中野区とサンプラザの話し合いをするんだけれども、3分の2、サンプラザを持っているわけですよね、中野区は。中野区と交渉するんだけど、それ、どうやってやるのかわからないけどね。要は、当該サンプラザの持ち主である中野区、3分の2持っている、そういった中野区であるわけですから、少なくともサンプラザで影響を受けている地域の解決、これはどうしていくつもり、考え方ありますか。
○鈴木情報化推進担当参事 今お話がありましたように、サンプラザの買収について契約が締結されたということです。これから引き渡しに向けて準備を進めていくというふうに聞いております。中野区がサンプラザの3分の2を買ったわけではございませんので、新しい会社、中野区が3分の2出資している会社と引き渡し終了後、この件について話を進めていかなければならないというふうに思っています。これまでの事業団というんですか、と比べて多少は交渉がやりやすくなるんではないかと、そういうふうに感じております。
○大内委員 別に中野がサンプラザを買ったと、でも、50億の借金をしたわけでしょう、3億の会社で。そのうちの3分の2、中野区が持っているわけでしょう、会社の株を。そうした場合に、サンプラザの第1、そういったところで権限を持っているのは中野区ですと。そういったところは別のところで言っていますけれども、要は当該者になっているわけですよね、電波障害の。持ち主になっているわけですよね。中野区がそれを解決しなきゃいけないといったときに、もうちょっと、もう11月の30日か何かに正式な引き渡しが来るわけでしょう。そうしたら解決するんですか。どういう交渉をやるんですか。助役がサンプラザ側に立って、区長はこっち側で、区の立場でやるんですか。それを聞いているんです。難しいですか。
○鈴木情報化推進担当参事 先ほども申し上げましたように、新会社と私ども中野区が交渉するわけでして、そこに、確かに株主としては3分の2を持っているわけですけれども、そういう面では全くそういう立場が違うということを理解していただけたらというふうに思っています。
 それから、仮にこの新しい会社と交渉が成立しましても、サンプラザの地域に関して言いますと、こちらにありますNTTドコモビルと一緒になっております。ということで、サンプラザの保有会社と、それからNTTドコモ、この2社の合意を取りつけなきゃいけないということがございまして、そういう面では、はっきりサンプラザを新会社が買収したのだから、話が簡単につくというふうにはならないというふうに思っています。
○大内委員 簡単につくんだったら、もうこんな質問しないです。今言っていることをちょっと聞いていると、サンプラザの取得の問題までちょっと及んじゃうから、複雑になっちゃうから言いませんけれども、3分の2持っているから、いろいろな権利を行使できるんだと言ったのはあなたたちなんだからね。多分、後ろの方の方たちは。だから、部長は3分の2持っていてもそういうことは関係ないというふうに私はちょっと聞こえるから、それを余り言っていくとまた長々となって、また違う方が答弁しなきゃいけなくなっちゃうから言いませんけれども、要は、テレビジョン放送の受信障害の解消に関する条例の中に、やはり区長が積極的にやらなければいけないって書いてあるわけだから、ぜひこれもしっかりと10か年計画の中に入れるのか、あるいは基本構想の中でそういった地域をなくしていくというふうにうたうのかわからないけれども、これは取り組まなければいけない課題だと思いますので、お願いします。
 ケーブルテレビ、もうこれで結構です。しっかりやってください。
 次に行きます。次は、4番の児童・生徒の立場に立った小・中学校の適正規模・適正配置。これもやはり具体的名が出る前にある程度聞いておかなければいけないことがありますので、時間をとらせていただきます。
 まず、児童と生徒の立場に立った物の考え方という部分をしっかり押さえなければいけない。そういった中で、もう一度基本に立って、この再編についての考え方について、大きな視点に立って答弁をいただきたいと思いますけれども。
○小谷松教育改革担当課長 学校再編を進めるに当たりましての教育委員会としての基本的な考え方と。これにつきましては、今委員の方からお話がございましたとおり、何よりもまず子どもたちの立場に立ってこの学校再編を進めるんだということ、それがやはり基本でございます。学校というのは適正な集団での活動を通しまして、子どもたちに確かな学力、豊かな心、健康、体力などを確実に身につけさせ、また自立した人間の育成を目指す、そういった教育の場でもございます。あわせて、また社会性を身につける、コミュニケーション能力を高めていく、そういった場でもございますので、そういった学校としての本来的な機能、また子どもたちをはぐくむ場としての学校、これをどのようにきちんと適正な規模にしていくのか、それをベースにこの学校再編というものを考えてまいりたい、そのように考えてございます。
○大内委員 それで、今回この検討素材の方でも、新たな小・中学校の施設配置の考え方の中で、簡単に読みますと、小・中学校の望ましい規模として、小学校18学級、中学校15学級。その他、2に、小学校で学年2学級未満、中学校で学年3学級未満となる学年のある学校は、再編、通学区域の見直し等により、可能な限り早急に解消する。3、再編に当たっては、原則として最小限度の改修等の工事が終わった上で既存の校舎を活用する。4、再編における統合校は、全体的なバランスを考慮しつつ、できるだけ広い面積が確保できるところに設置する。5、通学区域については、現行の通学区域を尊重しつつ、次の点を勘案し総合的に判断して調整する。幹線道路の横断を可能な限り避ける。小学校と中学校の通学区域の整合性を図る。通学距離は過度に長くなることを避ける。再編を行う場合は、該当校をいずれも廃止し、統合校をうんぬんといった形で出ております。
 まず、6点ほど要素というんですか、考え方が出ていますけど、この中で優先順位というのはあるんですか。基本になる、あるいは、まずこれは絶対クリアしなければまずいだろうとか、そういった幾つか。6点ほど出ているんですけれども、この中の優先順位があるのかないのか、あるいはこれをトータル的に見て判断するという答えなのか。ちょっともう答え半分言っちゃうのかな。まあ、いいや。とりあえずこの考え方が出ていますけれども、優先順位ってあるんですか。
○小谷松教育改革担当課長 学校再編に当たってのお示しいたしました基本的な考え方、再編に当たっての考え方でございますけど、この6点。基本的には、それぞれ学校再編に当たって比較するという対象ではございません。長期的な展望に立って言えば、今委員がおっしゃった1番目の望ましい学校規模ということで、小学校18学級、それから中学校が15学級という長中期的な望ましい規模ということを挙げているわけでございますし、ただ、当面直ちに着手すべきものというような考え方では、小学校2学級、中学校3学級と。具体的にその再編を進めていく考えの中で、具体的にどうやっていったらいいかということで、例えば既存の学校については最大限活用する、あるいは再編や通学区域を考えるに当たっては、先ほど申しました幹線道路や、あるいは通学区域の整合性であるとか、通学距離、そういったものを判断するということで、これらについては、どれが優先、どれがそうでないといったような形での比較の問題ではないというふうに認識しております。
○大内委員 ここにあと、これ理想の形というのか知らないけれども、小学校が21、中学校が7校程度を想定する。これは区長がいろいろな対話集会で述べたり、あるいは文書でいろんなところに出ていますので、いろんなところから出ていますけれども、これは教育委員会が21校、中学校7校という考え方を出したんですか。それとも区長なんですか。
○小谷松教育改革担当課長 お示ししてあります小学校21校程度、中学校が7校程度というこの想定のところでございますけれども、これは教育委員会といたしまして、先ほど申しました基本的な考え方の中に、小学校で学年が2学級、それから中学校では3学級未満の学校というものを当面の再編の対象に考えていきたいという考えを述べましたけれども、それらをベースに小規模校ということで、これらを解消した場合どうなるかという一つの検討経過、その途中の検討経過としてその数字が出てきたものでございまして、あくまでも検討経過における想定数ということでございます。
○大内委員 想定ということですね。まあ、程度ですからね。これからまだいろいろな壁というんですか、問題が出てくると思いますけれども、わかりました。
 それで、今回資料、文教の52の方で、小・中学校校舎の50年を経過する時期一覧というのを出していただきましたけれども、学校再編というのはどうしても建てかえの時期が迫ってくる、そういったものを無視してはやはりできないだろうということで思っております。ただ、建てかえにあわせて再編をある程度考えていかなければいけないと思いますけれども、この建てかえと再編計画、どういった関係に置いているといいますか、考えているんでしょうか。
○小谷松教育改革担当課長 学校再編を行うに当たりましては、できる限り既存の校舎、これを活用していくということによりまして、小規模校の解消を図ってまいりたい。それを原則に考えているわけでございますけれども、ただ、改築期を迎えるなどの条件の整っている学校につきましては、これは再編にあわせて改築も行ってまいりたいと、原則としてそのような考えを持っているところでございます。
○平島委員長 大内委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にいたしたいと思います。
 午後3時25分まで休憩いたします。委員会を休憩いたします。
      午後3時02分休憩
 
      午後3時25分開議
○平島委員長 それでは、委員会を再開いたします。
 質疑に入る前に、差しかえ資料の配付について申し上げます。先ほど御了承いただきました総務分科会関係の59番の差しかえ資料を配付いたしましたので、御承知おきください。
 それでは、質疑を続行いたします。
○大内委員 先ほど、校舎の建てかえ等にあわせてお考えを聞きました。
 次に、財政効果といいますか、実際問題、この再編を行った上で、小学校が例えば250人で10学級ある学校が二つ再編をすれば、単純に500人で16学級ということぐらいになるのかな、お聞きするところによると。中学校が同じように250人で8学級ぐらいの学校で二つ合わせると、500人で14学級ぐらいになるというお話だったんですけれども、実際にこうした単純な比較なんだけれども、2校を1校にすることによってどのぐらい財政的効果が生まれるとお考えなんでしょうか。
○小谷松教育改革担当課長 統廃合を行うことによりまして、どのくらいの区としての財政的効果があるかということで、今委員の方から一つのモデルということでお話がございました。その数字を当てはめてみた試算ということでやってみましたので、数字だけお話をさせていただきたいと思います。
 小学校の場合、仮に250人で10クラスの学校を統合したとした場合、500人で16学級という仮定でございますが、その場合ですと、今年度、16年度の予算ベースで計算をいたしますと、約5,300万円の財政効果がございます。中学校では、同じく約7,200万円の財政効果ということになります。
 また、この主な内容ということでございますけれども、都費負担の人件費分を除きまして、校務主事の人件費、あるいは給食調理の業務委託費、光熱水費といったような費目が中心でございます。
○大内委員 単純に小学校で5,000万円余、中学校で7,000万円ぐらいの財政効果が生まれると。そういった中で、今年度新しい取り組みといいますか、小・中学校の普通教室に空調設備を設置していただいた。それによって、ことし特に暑い夏が続いたんですけれども、子どもたちにとって非常に勉強がしやすい環境を整えていただいたということは、子どもたちにかわってという言い方も変ですけれども、感謝をしております。ただ、やはり今まで小・中学校のことで学校給食の民間委託、あるいは警備の機械化、そういったことで、あるいは藤本議員がよくおっしゃっていたトイレの自動洗浄というんですかね、あれは。自動的に、ああいったことで非常に多くの経費が新しい教育の施策に展開できる。来ておりますけれども、今回のこういった再編を行う上でも、やはり、そのために財政効果が生まれたものに関してはしっかりと教育に充てていただきたい。いつの間にかお金がどっかへもぐり込んじゃって、わけのわからない使い方をされたんではやはり意味がないと思いますので、しっかりとこういったところ。まあ、一度入ってしまうとなかなか検証できませんけれども、再編することによって財政的効果が生まれるのであれば、そういった効果はしっかりとまた教育に返していただいて、子どもたちにとって、あるいは生徒にとって学びやすい環境をつくっていただきたいと思いますけれども。
 最終決定までのプロセスというんですかね、なかなか、佐伯議員の一般質問にもありましたけれども、7月中ぐらいに具体的な校名を出すといったところで、ちょっと今足踏みをしている状態みたいなんですけれども、10か年計画の中では正式に中身を出していかなければいけないんですけれども、これから教育委員会は教育委員会として再編計画をまとめていくとおっしゃっておりますが、その結論がいつごろ出せるのか。また、それを受けて区として10か年計画と関連してきますけれども、その計画案を区の方はいつごろ出すのか。教育委員会と別に、それを受けて区の方はその後また正式に決定をすると言っていいのかな。再編計画というものをまた区として受けて考えていかなければいけないと思いますけれども、区長部局としてね。そして、その次にやはり議会としてどういった形でこの問題について関与していくのかな。その間に当然、地域説明会等もありますけれども、その3点、ちょっと教えてください。
○小谷松教育改革担当課長 まず教育委員会としてでございますけれども、教育委員会としての再編計画案につきましては、これは繰り返しお話をしてまいったところでございますけれども、できるだけ早く、早期にお示しをしたいと、そのように考えてございます。
 また、区としての学校再編の計画ということでございますけれども、これにつきましては、もちろん再編計画そのものは教育委員会が一時的にその計画を作成していくということになるわけでございますが、区といたしましては、策定検討中の10か年計画、これの案をお示しする中で示すということになろうかと思います。
 それから、議会での検討状況ということでございますけれども、私どもの方で再編計画案を出しましたら、いろいろ御論議、御意見をいただくということになろうかと思いますが、具体的な議会としての形式的な関与ということになりますと、条例で学校を設置してございますので、具体的には中野区立学校設置条例、これの改正の御審議をお願いするということになると思います。それは具体的に個々の学校がその段階に入ったところでということになります。
○大内委員 早い時期に示されるということでありますけれども、ぜひ児童・生徒の立場に立った考え方も重要な要素だと思います。いろいろこれから意見が、あるいは問題も出てくるでしょうけれども、長い目に立って、長期の視点でしっかりと進めていっていただきたいと思います。結構です。ありがとうございます。
 次に、小・中学校の学習指導補助員増員についてということで、まず、この学習指導補助員なんですけれども、そもそも我が会派のきたごう委員の方からも説明がありました。3年間ということで、国から緊急地域雇用創出事業ということで出ているわけでありますけれども、最初に簡単にちょっと先ほどお話ししたんですけれども、若干不用額が出ています。3,00万円余の不用額が出ていますけれども、これはどうして出たのか、お願いします。
○小林指導室長 当初の予算1,600万円に対して1,300万円の支出ということでございますが、この点につきましては、4月、5月に関しては学校の事情等で連休明けから、学校として実態を十分見きわめた上で配置したいというような希望もございました。また、この学習指導補助員が教員免許取得を目指して見込み者がいるために、教育実習の期間等を欠勤するというようなこともございます。こういったものを含めて不用額が出てきたというような状況がございます。
○大内委員 それで、この学習指導補助員なんですけれども、そのほかに加配で東京都から教員が配置されておりますけど、その人数について、どの程度加配が行われているか、お願いします。
○小林指導室長 少人数指導などを担当するために加配をされております教員でございますが、区内におきまして、小学校は全校に1名ずつ、計29名、中学校につきましては、一部の学校で複数、2名配置されておりますので、計22名が加配されているところでございます。
○大内委員 この加配教員と学習指導補助員の違い、役割としてどういった違いがあるのか。また、この加配教員は実際学校の中でどういった活動をしているのか、その辺もお願いします。
○小林指導室長 今申し上げました加配教員については、一般の教員と全く同じ働きでございます。しかしながら、その目的は少人数指導であるとか、チームティーチングなど指導を行っておりまして、よりきめ細やかな指導の充実という点で効果を上げてございます。
 学習指導補助員につきましては、あくまでも一般の教員の補助をするということでございますので、チームティーチングを中心として、そのほか教員のさまざまな実務を言ってみれば補佐すると、そんなような形で勤務をしているのが実態でございます。
○大内委員 ありがとうございます。
 それで、きたごう委員の質疑の中でも、緊急雇用対策事業ということでは今年度で打ち切りになるわけですけれども、結果的に見ると1,300万ほどの予算でこれだけ多くの学校に配置できるわけですから、ぜひもう一度、来年度、国からのお金ではなくて、教育委員会の方から予算を組まなければいけないんですけれども、ぜひ来年もやっていただきたいと思うのですが、補助員の1日の勤務時間、勤務形態について簡単に御説明ください。
○小林指導室長 1日の勤務時間は8時間ということでございます。なお年間、基本的に35週、長期休業中を除いて、主に5月中旬以降配置しているというのが実態でございます。
○大内委員 この学習指導補助員の重要性を考えると、配置の基準を絞って、あるいは勤務時間を短くする。例えば、文教資料でいただきましたけれども、53で。14校に今配置をされている。週2日あるいは3日のところはありますけれども、1日8時間ということであれば、朝の9時から午後3時ということであれば、昼間の1時間抜いて、たしかアルバイト対応ですから5時間。8時間対応じゃなくて5時間対応にすれば、少なくてもあと1.5倍の人が雇えるのかな。そういったことが十分工夫の上でできると思います。そういったことを含めて、来年、もう一度さらにお聞きしますけれども、工夫も入れて、この補助教員に関しては校長会からもぜひ継続をして、さらにはふやしていっていただきたいという考え方も私たち聞いております。ぜひ来年度も継続をしていただきたいと思いますけれども、そういった工夫をしたり改善をして、来年度さらにこの14校から16校あるいは20校というふうにふやしていただきたいと思いますけれども、もう一度、重なるようですけれども、お考えをお願いします。
○小林指導室長 本事業につきましては、これまでの実績から大変効果が認められる。さらには希望する学校も多いということもございまして、来年度以降も継続していきたいということで今検討しております。なお、勤務形態、勤務時間等も踏まえて、ただいま委員御指摘の点を十分勘案いたしまして、今後検討してまいりたいというふうに思っております。
○大内委員 前向きというんですか、ぜひ来年もやっていきたいと。教育委員会に関して言うと教育長が最終的な権限を持っているのか、次長が予算の権限を持っているのか、私、詳しいことはちょっとわかりませんけど、同じ考え方で大丈夫ですね。うなずいているから大丈夫でしょう。
 じゃあ、次の質問に入ります。基本構想における教育ビジョンについてお聞きをします。
 これは教育委員会がさきに示しました教育行政ビジョン(素案)の前文に、社会性や規範意識の大切さが記載されております。先見のある問題意識であります。しかしながら、その問題意識が基本構想の検討素材ナンバー4の記述や教育委員会の姿勢になかなか生かされていないのではないか。例えば、検討素材ナンバー4では、性別による固定的な役割分担を持たない区民の割合を指標に挙げたり、教育委員会では男女混合名簿については校長の権限ですべきものを教育委員会として推進をしていく。ジェンダーフリーの考え方を学校に押しつけるのではなく、男女混合名簿を採用するかどうかは最終的に校長が決定すべきものと考えておりますが、改めて確認をいたします。
○小林指導室長 男女混合名簿は、男女平等推進のための行動計画として、その実施を教育委員会として指導しているものでございますが、性差を認めないといった考え方に基づいて実施しているものではございません。教育委員会としては、男女混合名簿を指導しておりますが、教育上の観点から学校長の判断にゆだねているということでございます。
○大内委員 男女平等は大切なことだと考えておりますけれども、すべての性差をなくせばよいといった絶対的な男女平等主義のような考え方で統一されるべきではないと考えております、我が会派では。これから策定を予定する教育ビジョンにはぜひその哲学を生かしていただきたいと思いますが、いかが考えでしょう。
○小谷松教育改革担当課長 男女平等につきましては、これは教育上も重要な視点であると、そのように認識してございます。教育ビジョンにおきましては、男女の性差をお互いに認めた上で、男女が共同に社会参加、共同参画できるよう、子どもたちの豊かな人間性、社会性が育つことを掲げていきたい、そのように思ってございます。
○大内委員 我が会派の見解として、やはり、フェミニストが主張する「区別は差別」という運動を展開しており、運動方針の第1に掲げているのが男女混合名簿の推進であると。今回の東京都の判断も、子どもたちの現状を軌道修正したいと思っているからのものであると理解しております。今後の教育委員会の姿勢をしっかりと見守っていきたいと思います。なお、分科会でもしっかり我が会派の方でやらせていただきますので、これは結構です。
 その他でお聞きします。
 まず、先日の9月24日の建通新聞によりますと、妙正寺川の暫定の取水施設を建設。要は、これは前から区議会として、区議会というんですか、野方の議員懇談会であそこを見にいったりしている中でも、妙正寺川からも取水をするべきじゃないか、そういった工事をぜひやるべきじゃないかということで、今年度、たしか詳細設計をスタートしておりましたけれども、17年度、新聞によりますと、工事に着手すると、そういったことが書かれておりますけれども、区として何かこの件について報告、あるいは情報を持っていますか。
○尾崎土木担当課長 お答えいたします。妙正寺川の取水施設でございますけれども、昨年11月17日、区長から都知事あてに、妙正寺川から環七地下調節池へ取水することに関する要望書を提出いたしまして、それを受けて都は暫定取水の決定をして、平成16年度予算に詳細設計の経費を計上しているという状況でございます。その詳細設計に都が取りかかるということでございまして、詳しい説明はまだ受けておりません。
○大内委員 報告があったら、ぜひ議会の方にも正確な情報を流していただきたいと思います。ありがとうございます。
 その他でもう1点。先ほども最初に触れましたけれども、29日に中野サンプラザの売買契約が結ばれました。新聞にもいろいろ出ております、こういった報道はですね。「まちづくり中野21」は中野区が2億円、地元企業5社から成る中野サンプラザ運営研究グループがつくった運営会社が1億円を出資して設立された。この会社が取得したわけでありますけれども、取得したばっかりで、余り、言い方も気をつけなければいけない。まだ、今契約したばっかりですからあれなんですけれども、この件に関してやはりいろいろと、このグループ会社をつくった時点で、我が会派にもいろんな情報というんですか、意見が入ってきております。今の段階でそれについてお聞きをするのはちょっとまだ時期が早いと思いますが、お聞きしませんけれども、区長としてやはりこの売買契約を結んだわけでありますから、引き渡しは11月末と書いてあります。この点について、改めてサンプラザについて、問題がない、ちゃんと公正な形で今まで進んできたと。そして、これからもそういったことがない、そういったことをしっかりとやはりもう一度改めてお聞きをしたいと思います。
○田中区長 サンプラザの取得に関しましては、これまでもさまざまな形で議会にも御説明をし、進めてきたところであります。きちんと中野の賑わいと、また将来のまちづくりに備えるという、そういう枠組みとして枠組みが構築できたというふうに思っておりますし、その過程の中で、中野区のパートナーとなっていただく企業グループの募集といったようなことについても、適正な審査をした上で、適切なパートナーを選ぶことができたというふうに思っております。そうした枠組みがこのたび実現をしたという中で、売買契約まで至ったということで、一段落ついたということで、ここから先はその運営事業者にしっかりと運営をしてもらうということをまず第1にしなければなりませんし、そうした運営がきちっと行われていくということについて、中野区としても責任を持って監視をしていかなければいけないということであります。適正な運営が行われ、そして、将来のまちづくりにとって大きな財産となるようにしていきたいというふうに考えております。
○大内委員 この件に関しては議会としてしっかりチェックをして、今後も見守っていかなければいけない課題だと思っていますので、適正に運営されるのが当たり前の話であって、適正さがなければ、やはりその時点でしっかりとまた方針を変えるなり、あるいは議会の審査というんですかね、議会の方でしっかりこの件には質疑をしていきたいと思っております。
 以上で終わります。
○平島委員長 以上で大内しんご委員の質疑を終了いたします。
 次に、かせ次郎委員、お願いいたします。
○かせ委員 日本共産党区議団を代表いたしまして、総括質問をさせていただきたいと思います。
 まずは、区民の健康を守るためにについてお聞きをいたします。この項目につきましては、私自身が厚生委員会の所属でございます。委員長という立場もありますので、また機会が少ないということも御理解いただきまして、簡潔に質問させていただきたいと思います。
 まず、区民健診について伺います。03年4月から、区民健診のうち、大腸がん検診を除くがん検診が有料化されました。03年第3回定例会では、私は区民健診について質問をいたしました。まだ年度途中であるということからの質問でありました。5月から7月までの累計で、無料の成人健診受診者数が増加する中で、胃がん検診が減少していることを指摘しましたが、そのときの保健福祉部長の答弁は、「御指摘のように受診者は減少しているが、肺がん検診、乳がん検診、子宮がん検診につきましては増加しているという状況である」、こうお答えになりました。しかし、03年度の年間を通しての実績が出たわけですけれども、その実績を見る限り、私が指摘したとおりの結果ではないかと思っております。この点についてはどう考えておられるでしょうか。お聞きします。
○今健康づくり担当課長 お答えいたします。昨年度の実績の中で、有料化した検診について、若干の受診者数の減があったことは事実でございます。その要因の一つに、自己負担の導入があったというふうに私どもも思ってございます。しかし、今後については、大きな落ち込みになるかどうかということについては、さほど懸念してございません。と申しますのは、やはり区民が区民健診を一つの選択肢としながら、必要として、かつ希望される方が受診していくという形をつくっていくことが、これが非常に重要だというふうに思っておりまして、今まで区民健診については、どうも全部右肩上がりで、検診の経費についても右肩上がりでというふうに推移してきておりますが、やはり一定の財政規模の中で、一定の範囲の中で推移するような、制度的に安定的な、持続的な制度にしていくことが必要だというふうに思っているところでございます。
○かせ委員 私は医師会から資料をいただいているんですが、これについては、医師会に資料を提供したのは私であるという課長さんのお話もありましたし、その立場で質問させていただきたいと思いますけれども、この資料によりますと、11年から15年度の各検診実施状況の推移を見てみますと、がん検診の一部有料化が実施される前の14年度までは、成人健診、大腸がん検診、胃がん検診、子宮がん検診、乳がん検診、肺がん検診など、いずれの検査についても登録者数、受診者数ともに着実に増加をしております。ところが、14年、15年、つまり有料化する前と有料化の後と、この2年間を見てみますとどうなっているかといいますと、無料だった成人健診は920人増加して、2.0%の増、そして大腸がん検診は643人、1.5%の増、これに対して、有料化された胃がん検診、レントゲン検査の方では187人、1.9%の減、胃がん検診、PJ検査についてですけれども、これについては314人、3.4%の減、そして子宮頸部がんについては387人、3.3%の減など、軒並みに減少しています。
 先ほど、若干減ったというふうに言われました。しかし、この減少数といいますとかなりの、ここにグラフが--見えないと思いますけれども、大変な減少なんですよ。本来であれば着実に増加をする。一方では、無料であるならば着実に増加しているのに、一方ではこのように3.4%、3.3%という数は大変な減りなんです。それをプラスしているという方向にいけば、プラ・マイですから、この差はさらに大きくなるというふうに考えなければなりません。
 そうしますと、医師会の先生方が心配されるのは、まさにこういう数字を見ますと本当に心配になるわけです。この評価について、これは議論していると時間がかかってしまいますけれども、この場では、この検査の結果によって、有料化されたことによって受診者数は着実に減少している。そして、一層今の経済状況、こういったことを考えると、さらに深刻になるのではないかというふうに思います。例えば、今病院などへ行ってみればわかるように、本当に重症な患者さんはいっぱいいるという状況なんですよね。なかなか、軽い病気では行けないという状況にある。こういうことが続きますと、やはり大変な問題になるということを指摘しておきたいと思います。
 さて、医師会の要望書については私も持っておりますけれども、課長さんのところにも行っていると思います。それで、この要望書について私どもは、ここに書かれていることは、区民の健康を願う医師会としては当然の要求だというふうに思っています。区はこの要望書をどう受けとめているのか、お聞きをしたいと思います。
○今健康づくり担当課長 要望書につきましては、これは医師会の方から出されたものですので、謙虚に受けとめてまいりたいというふうに思ってございます。ただ、受診者数の問題ですけれども、全体で無料の検診については、対前年度比で101.3%、有料のものについては97.5%というのが今回の結果でした。有料の検診が若干落ちているということは事実ですけれども、これがそのまま固定して推移していくというふうに見るかどうかということについては微妙な問題があろうかというふうに思っています。
 先ほど申し上げましたように、検診というのは、必要な方で、かつ希望される方が受診をしていくというのが基本になりますので、さまざまな条件の中で、区民がいかに自分に適した検診を選択できるのか。選択しようと思ったときに、そういう検診を用意しておくということが行政の役割かなというふうに思っておりまして、そういう意味での努力を行政としては積み重ねていきたいというふうに思っております。
○かせ委員 そこまで言われると、ちょっと私も言わなければいけないと思いますけれども、そもそも検診とは何なのかということだと思います。検診というのは、まず必要に応じてと言いますけれども、これは幅広い人たちがまだ病気にならない状態から、この検診を受けることによって、みずからの健康の状態はどうなのか、あるいは、健康だと思っている中にさまざまな病気を発見する機会がある。そういったことによって、早期発見、早期治療、そして軽いうちに治療することによって医療費も安くなる、あるいは病後もいい。そして、そのことが区民の健康を増進する、こういったことに寄与するということを、つい最近まで中野の区政の中ではそのように言ってきたことであります。課長さんもそのように答弁されたというふうに私記憶していますけれども、そうすると、今のような発言というのは、やはり私はちょっと了解するわけにはいかない。つまり、今度のこういった検診について、どうしてそのように考え方を変えたのか、その辺をお聞きしたい。
○今健康づくり担当課長 考え方を変えたつもりはございません。区民健診は、疾病の早期発見、早期治療につなげていくための区民の健康づくりの重要な施策の一つであるというふうに認識しております。健康は、区民が自覚的、主体的につくっていくということが重要です。行政はそのために必要な支援の役割があるというふうに考えてございます。区民健診は、検診機会がなく、かつ希望する区民に必要な検診の機会を提供するという重要な役割を持っているというふうに認識しております。
○かせ委員 そうすると、先ほどと矛盾してくるわけですよ。この調査を見ましても、有料化することによって減少しているわけですよ。2%も3%も減少している。これで、機会を与えるどころか機会を奪っているということじゃないですか。検診の機会というものは広げなければならないんですよ。とても承知できません。
 これをやっていきますと時間がなくなってしまうので、いっぱいあるんでね。
            〔「大事なんだからやるんだよ」と呼ぶ者あり〕
○かせ委員 はい、わかりました。これだけで終わるわけにいきませんので、私はここで指摘をしておきます。こういった区民健診の有料化、私は区民の検診の機会を奪うものであるということと、それから、今後このことによって、結局のところは病気の人をふやし、そして、そういう方向につながると私は考えています。そのために今度のがん検診、これについては有料化すべきじゃないというふうに思っていますけれども、それについてはどうですか。
○今健康づくり担当課長 現実問題として、検診費用は毎年増加しております。厳しい財政状況の中でも、やはり先ほど申し上げましたように、制度としては安定的、継続的に運用できるものをぜひ考えていきたいというふうに思ってございます。そういう意味では、検診経費は一定の枠の範囲におさまっていることが望ましいというふうに考えておりますし、必要かつ充実した検診を継続していくためには、さまざまな見直しや工夫が必要であるというふうに思っています。その一つとして、受診者に一定の自己負担を求めることはやむを得ないのではないかというふうに思っております。また、負担の公平、それから区民の自覚的な健康づくり、そういう視点からも、成人健診等についても自己負担をぜひお願いしたいというふうに考えてございます。
 また、区民健診は区民の選択肢の一つであるというふうに考えておりまして、各種検診受診者のうち、職域ですとか学校ですとかいろいろありますけれども、自費で検診を受けている区民というのも約23%いるということなんですね。そういうことを考えても、区民健診は当然安い経費で、必要な方に必要なものを提供しながら、しかし、さまざまな選択肢がある中の一つとして充実させていきたいというふうに思ってございます。
○かせ委員 自費で検診を受けている方がいるというのは承知しています。しかし、心配しなければならない、つまり行政として心配しなければならないというのは、自費で検査をできない人ということだと思うんですよ。ですから、わずかのあれですよ。一部負担だけでもこのように減少している。眼科検診では16.1%減少ですよね。喉頭がん検診では13.6%も減少している。こういうことが私は許せないと思う。意見聞きませんから。これは行政としての区民の健康を守るという責務、憲法25条の生存権、25条の生活、最低生存権の問題ですね。こういったものをやはり無視をするものとして、私は区政のそういった責任放棄だということを指摘して、有料化すべきではない、そのことを主張して、次の項に移りたいと思います。御苦労さまでした。
 次、PSA検査について伺います。この問題では、この議会でもしばしば取り上げられておりますので、端的にこれについてお聞きします。
 日本では、40年前に比べて前立腺がんの死亡率が4倍もはね上がっています。前立腺がんの腫瘍マーカーであるPSA、前立腺特異抗原は、数ある腫瘍マーカーのうち、前立腺がんを発見する上で有効なマーカーであり、そのため多くの自治体がPSAによる前立腺がん検診を実施するようになってきました。中野区でも実施の検討をすると言っておりますけれども、今こそ実施に踏み切るべきだというふうに思っております。いかがでしょうか。
○今健康づくり担当課長 厚生労働省の検診の有効性を示す報告書の中では、PSA検査については、死亡率減少効果など検診の有効性を示すデータがまだないとして判断が保留されております。現時点では公的な施策として、勧奨する検診にはなっていないというのが現状でございます。また、見つかった場合、その後の選択をどうするかとか、精密検査の医療機関の確保等々の問題がございますので、前立腺がん検診につきましては、その必要性が拡大している状況はあるというふうには認識しておりますが、即対応すべき課題とするにはまだ未整理の問題が多いのかなというふうに思ってございます。今後さらに引き続き研究してまいりたいと思います。
○かせ委員 やはり認識の問題だと思うんですけれども、急激に前立腺がんがふえているということは御承知のことだと思いますけれども、やはり生活様式の変化であるとか、欧米化していますよね。そういったことが原因になっているようでありまして、予測としてはかなり早い段階でアメリカの--アメリカは今がん死亡でこの前立腺がんがトップなんですけれども、そういう方向に行くんじゃないかと心配されているんです。それから、治療法についてですけれども、さまざま今提案されていますよね。実は、いつだったか、天皇陛下が前立腺がんでというようなことがあったでしょう。あんなのも、新聞記事を読みますとそんなことがありますけれども、こういったこともあって、今、急速に広がっているんですよ。
 例えば、墨田区の実施状況を見てみますと、平成12年度以降受診者数はふえ続けて、陽性率は12%から15%になっている。95年の調査では、検査を受けた9,000人のうち45人、5%が前立腺のがんだというふうに指摘されています。中央区では、平成10年から15年までの実績で、陽性率は3.8から5.2%だと、こういうふうに言われている。確度が低いどころか、これだけのがんが発見されるということは決して低いもんじゃない。そして、この検査の中で前立腺肥大というのが一番見つかるわけですよね。前立腺肥大の中の数%に前立腺がんが隠れているということなわけですから、そういった意味からすると、この検査というのは非常に有効だというふうに思うんです。こういった各地の自治体の取り組み状況、そういったものを見ながら、再度お伺いしますけれども、中野区で実施する意思はあるかないか、お聞きをしたいと思います。
○今健康づくり担当課長 先ほどお答えいたしましたように、まだ現時点では公的な施策として勧奨される検診というふうにはなってございません。またそれぞれの、23区は比較的実施率が高くて、7区で実施しているというふうには思っておりますが、それぞれの医療環境が違っていて、なかなか中野の場合には精密検査の医療機関ですとか、さらに見つかった後どこにつなげていくのかというような課題がまだあるのかなというふうに思っています。その辺を少し検証しながら、今後に向けていきたいというふうに考えているところです。
○かせ委員 実施に向けた検討を真剣に取り組んでいただきたい。そして、他の自治体に負けないように立派な制度をつくっていただきたいということを要望して、次に移りたいと思います。
 次に、小児救急医療について伺います。この中でまず、平日準夜間小児初期救急医療について伺いをいたします。
 この事業は、平日の一般診療時間が終わった後、小児の救急医療体制を図るため、平日の準夜間における小児初期診療を区内の二次救急医療機関である中野総合病院に委託して実施されています。対象は原則として15歳未満で、診療時間は、平日の午後7時から午後10時まで。中野区医師会の全面的な協力のもとで、小児科医の輪番制によって医師が派遣されています。もともと東京都のモデル事業として、02年と03年に実施されたものですが、今年度より東京都は補助金を打ち切ってしまいました。しかし、中野区は区民にとって重要な施策だという認識から、単独として引き継ぎ、現在も行っております。こういった区の努力を評価するものであります。
 しかし、事業を安定的に継続させるためには、一層の支援は欠かせません。しかも、この事業は中野区民にとどまらず、杉並区、練馬区といった近隣の住民にも広く利用されています。したがって、東京都に対して財政的な支援を求めるべきだと私たちは考えています。また、区としても補助など事業の拡充を図ることが重要だと考えています。こういったことについて、区の決意をお聞きいたします。
○大久保子ども健康担当課長 東京都の補助金につきましては、23区のうち9区が小児の二次救急医療が、初期救急医療が整っているんですけれども、ほかの区についてはまだ整っておりませんので、東京都の補助金といたしましては、そちらの整っていない区に対して広げていきたいという意向を持っておりますので、中野区の場合はもう確立して運営ができておりますので、今のシステムを続けてまいりたいと思っております。
○かせ委員 中野区は制度として立ち上がったわけですけれども、この実施状況を見ますと、杉並の方がかなり多いですよね。それだけ、一自治体の責任というよりも、これはもっと広範囲な考え方が必要であろうというふうに思うんですね。例えば、中野区は西部医療圏ということで、新宿とか杉並とかですか--間違ったら後で訂正してほしいんですが、特に西部の杉並の方、中央線の向こう側というのは体制が非常に弱いわけですよね。そういうことになりますと、中野区で努力をする。これは大いに評価するところですけれども、東京全体の医療というふうに考えた場合に、もっともっと都に対して支援を要請することは間違っていないだろうと思うし、そういったものがあれば、さらにこういった事業を充実させることができるんではないかというふうに思うんです。そういった考え方というのはどうなんでしょうか。
○大久保子ども健康担当課長 東京都は初期救急医療に対しまして、運営費の2分の1を負担しておりますので、市町村に任せているわけではございませんで、かなりの補助金をいただいているというふうに考えております。
○かせ委員 ここでは、さらに努力をしていただきたいということを要望して、次に移りたいと思います。
 次に、周産期医療について伺います。周産期とは、御承知のように妊娠満22週から生後満7日間未満のことを言っております。妊娠に伴って母子ともに最も注意しなければならないという時期であります。特に低出生体重児、いわゆる未熟児ですね。身体の機能が未熟のまま生まれた子、分娩時の仮死、それから先天性の障害を持った子にとっては、しばしば緊急で高度な医療が求められるということで、今やはりお母さん方、それから病院の先生方とか関係者から、こういった機能を持ったNICU、つまり新生児集中治療室というふうに言いますけれども、こういった施設が望まれております。しかし、中野区内ではこういった重要なNICUが一つもない。平成14年4月1日現在で、23区内ではまだ17施設しかありません。そしてベッド数は144床。近隣といえば、新宿区の東京女子医大病院に9床、東京医科大学病院に9床と、二つの施設で18床しかありません。まず、こういった事態をどういうふうにとらえているのか,お聞きをいたします。
○大久保子ども健康担当課長 NICUにつきましては、東京都が計画的に整備を推進しておりまして、先ほど委員がおっしゃっていた二次医療圏の中野区、杉並区、新宿区、この三つの領域に関してどのぐらいとどめられているかというふうに見てまいっております。そうしますと、この同一医療圏の中に、総合周産期母子医療センターが一つ、先ほど委員が御指摘いただいたところですけれども、それから地域周産期母子保健医療センターが二つと、三つございまして、東京都の方では、中野区はもうNICUの数が充足されている地域と見ているところでございます。
○かせ委員 充実している。これで充実しているということになりますとね。
○大久保子ども健康担当課長 済みません。充足でございます。
○かせ委員 充足ですね。充足しているということになりますと、ちょっと実感とは違うだろうというふうに思います。
 それはさておきまして、こういった中で区民は警察大学校跡地に建設される警視庁警察病院に、そういう状況がありますから、NICUを導入してほしいということで望んでおります。これまでも議会でもしばしば取り上げられました。そして、区はそのたびに区医師会と協力して、警察病院へ要望していきたいと、こういうふうに答えています。区医師会、議会のこういった要望をどういうふうに今後、また、どういうふうにこたえるつもりか、そのことについてお聞かせください。
○大久保子ども健康担当課長 区といたしましては、平成14年の10月に東京警察病院に要望書を提出しており、その要望書の中で三次救急救命センターの設置とともにNICUの設置を要望したところでございます。しかし、東京警察病院といたしましては、NICUの設置は困難であり、周産期母子医療センター等の拠点病院との連携を図ってまいりたいとの回答を平成15年10月にいただいたところでございます。区といたしましては、今後もNICU設置実現の可能性に向けて積極的に働きかけてまいりたいと考えております。
○かせ委員 積極的に働きかけていただいて、何としてもここにつくっていただくと、私からも強く要望しておきます。
 次に、03年度決算についてお聞きをします。この前の通告では、産業振興についてということで書いておきましたけれども、この点については、時間の関係もありまして他の機会にしたいと思います。
 そして、まず契約問題について伺います。契約問題の一つは、パーソナルコンピュータ等の買い入れについてでございます。私たちは、ことし2月の予算特別委員会のとき、新たに学校に設置するパソコン購入契約に当たっては、不況のもとで努力している区内業者にも制限つき競争入札などの方法で参加できるようにしてほしいと、こう求めてまいりました。それに対して財務課長は、幾つかの条件を挙げながら、所管課からの締結依頼から物品納入までに十分な期間が設定されるのであれば、基準を超えて業者を指名して入札に参加していただくということは可能だと、こういった見解を示されました。質疑の中では、教育委員会から契約の締結依頼が出され、議案として議会に提案されることも含めて、日程的には可能なことも明らかにされました。財務課長の可能と考えるとの見解は、起こり得る問題を考慮した上でのものであったはずであります。しかし、実際は内規どおりに10社しか指名しておりません。これは予算特別委員会での課長答弁とは違っています。総括質疑での答弁に責任を持つというのが当事者としては当然でありますが、可能だと答えておるのに対して、規定どおりの10社しか指名しなかった。このことについては、どうしてそうなったのか、お答えください。
○村木財務担当課長 この問題につきましては、その時点で私の方からお答えを申し上げましたのは、要するに契約締結請求依頼があってから、これは議決案件でもございましたので、その後、議会の議決を経て、あるいは納品の納期に十分に間に合うといったようなトータルの期間が確保できれば可能だということで申し上げましたけれども、現実にはその期間が、一つ目は私どもが想定したよりも長くかかるといったようなことも含めて、その期間が長期間にわたるといったようなことが一つございました。
 それから、二つ目でございますけれども、このような案件の場合、今回のいわゆる入札参加業者のことを、要するに参加を、こちらが指名をしたわけですけれども、実際に指名基準、いわゆる内規でございますが、区内7社、区外3社、計10社、これをもとに指名することということになったわけですけれども、このことを超えて指名することが可能であるかどうか、検討した結果といたしまして、現実には情報処理機器、このパーソナルコンピュータの種目で登録している区内業者が2社しかない。それから、うち1社は資本金とか会社の規模、他官公庁や中野区との契約実績から履行が難しいと判断せざるを得ませんで、残る区外業者について指名をし、全体としては10社ということで指名をしたものでございます。
○かせ委員 今、区内業者は2社しかないということですけれども、区でつくっている物品供給等指名競争入札登録者名簿というのがあります。これを見ますと、その中の情報処理機器ということを見ますと、2社どころか、かなりの業者名が書かれています。そして、このときの池田議員との質疑ですけれども、そのときは、これまでの内規では2,000万円を超えるからということであったわけですけれども、その理由としてあるのは、それを集めるのに期間が必要だとかなんとかということがありました。しかし、その期間についても2カ月以上あったわけですから、十分にこれは期間はクリアできるというような答弁がこのときの議事録には書かれているわけですよ。ですから、今の説明については納得がいきません。そこで、この問題もまたあれなんですけれども、そのことをやはり指摘しておきたいと思います。
 それでは、実際にはどういった指名だったのか、このことについてお聞きをします。
○村木財務担当課長 先ほども若干お答えしておりますけれども、指名基準、区内7社、区外3社、計10社となっているため、これを超えて指名することが可能であるかを検討しました結果、本件のように大量の要するにコンピュータ機器類を夏休み中に設置をしなければならないといった内容の中で、情報処理機器、パーソナルコンピュータの種目で登録している、この種目で登録している区内業者は2社、そして、うち1社は先ほど申し上げましたような理由から難しいと判断せざるを得ず、残る1社について履行可能として指名をし、その他については区外業者の指名を行ったものでございます。
 文房用具の事務用品ですとか、家庭用電気器具などの種目に登録している業者もパソコンを扱っている場合はございますけれども、あくまでも小規模な案件の契約実績しかない業者であるため、本案件のような大規模な案件につきましては、履行が困難であるということが我々の判断としてあったために、指名から除外をしたものでございます。
○かせ委員 私は、その次の問題に移ってお聞きをしたんですけれども、実際に2社しかなかったと。私たちから見れば、その内規、それを答弁のように柔軟に活用すれば、2社ということじゃなくて、もっと可能性はあったんじゃないかという判断に立っています。ということで、これは見解が違います。それについてやっていくと時間がないということで、ちょっと非常にあれなんですが。
 そういうことで、次の問題はどのような指名だったのかということです。どこに落札をしたのかという、その辺のことです。
○村木財務担当課長 入札を実施しましたけれども、実際には10社中5社が辞退をしております。その辞退理由ですが、口頭で確認をした限りでございますけれども、案件の規模が大きいため、確実に履行できるかどうか定かではないということや、同時期に他の契約を履行しなければならない。自社の能力として、機器の保守の体制が組めないなどの理由でございました。したがいまして、5社による入札の結果、富士電機ITソリューション株式会社を落札業者として決定をしたものでございます。
○かせ委員 入札の結果は、富士電機ITソリューションということになりました。しかし、私も先ほどの競争指名入札登録者名簿を相当時間をかけて探したんですけれども、富士電機ITソリューションという会社はないんです。中野では、こういった指名登録名簿に掲載されていない、記載されていない会社を指名することができるようになっているんでしょうか。
○村木財務担当課長 私どもといたしましては、登録指名業者の中から指名をしているというふうに考えております。その点についてはちょっと調査をさせてください。
○かせ委員 これがはっきりしないと次の質問に移れないんですが。
○村木財務担当課長 ただいま申し上げました業者の旧名称ですけれども、富士電機総設と申します。登録業者でございます。
○かせ委員 あったんですか、なかったんですか。だから富士電機総設でしょう。富士電機総設と富士電機ITソリューションとは会社が違うんじゃないですか。今お聞きしたところでは名前も違う。これが同じ会社と言えるんですか。
○村木財務担当課長 社名を変更したものでございます。
○かせ委員 しっかりと調査をしていただきたいと思います。私たちも調査をしてまいりました。この富士電機ITソリューションというのは、これは会社分割によってつくられた会社ですよね。御承知でしょう。知らない。そのいろいろ役員体制も見てみましたけれども、社長さんも違う、取締役さんも違う。人事は全然違うんですよ。いわゆる役員体制は全然違う。会社名も違う。役員も違う。そしてどうして同じ会社というふうに言えるんですか。同じ会社だったんですか、さっきの会社と。
○村木財務担当課長 このITソリューションの継承する前の名前が、ただいま申し上げたものでして、今ちょっと調査をしますので、ちょっとお時間をいただきたいと思います。
○平島委員長 答弁保留ということですか。
○かせ委員 じゃあ、しようがないです。この問題についてはまた後でやりたいと思います。これがはっきりしないと次に進みません、
 それでは、別の項目に移ります。
 次に、職員の健康問題についてお聞きをします。職員の健康管理についてですが、2002年6月、東京自治労連は自治体労働者を対象にして健康調査を実施しました。内容は、約2万8,000人の人が回答したという調査ですけれども、自治体労働者の心身の健康が重大な危機に瀕している、そういった実態が明らかになりました。ふだんの仕事での体の疲れの項目では、とても疲れているが33.9%、やや疲れているが49.6%、合わせて83.5%の人が疲れを感じています。
 同じような調査が民間労働者でも、これは厚生労働省が労働者健康状況調査というものをやっています。これによりますと、とても疲れているのが14.1%、やや疲れているが58.2%で、合わせて72.2%となっています。自治体労働者の疲労度は、この点を見ましても、民間よりも11.3ポイントも高くなっていると、こういう調査がはっきりしました。
 本年8月に、厚生省から「過重労働・メンタルヘルス対策の在り方に係る検討会」報告書が出されましたが、その報告書でも、長期間にわたる長時間労働や、それによる睡眠不足に由来する疲労の蓄積による健康への影響は、業務と脳・心臓疾患の発症の関係で、発症前1カ月間ないし半年間にわたり、1カ月おおむね45時間の時間外労働を境にして、長くなるほど業務と発症との関係が強くなる、このように指摘をしています。こういった指摘をどう受けとめているでしょうか。見解をお聞きします。
○長田人事担当課長 お答え申し上げます。職員の健康管理、非常に重要な課題というふうに認識してございます。長時間労働に伴う健康への障害、とりわけメンタルヘルスへの影響といったものについては、これを重要視し、庁内に対しても必要な情報提供に努めているところでございます。
○かせ委員 さて、中野区の実態についてであります。私の確認している範囲でも、庁舎には夜遅くまでこうこうと明かりがついている部署があります。職員数が減らされる中で、たくさんの仕事をこなさなければならない皆さんの御苦労を感じるところです。そこで伺いますが、現在、長期病欠者は何人いるでしょうか。そしてまたその中で、心の病の方は何人ぐらいいらっしゃるでしょうか。
○長田人事担当課長 病気の休暇、休職の職員数につきましては、今定例会のこの決算特別委員会の資料として、総務の89で平成11年度から平成15年度までの資料としてお出しをさせていただいております。病気休職者、平成15年度ですが、病気休職者については、全体で16人でございます。うち、これは資料ではお示しをしてございませんが、精神疾患に係る者は、そのうちの11名に上っております。
○かせ委員 ただいま数字を述べていただきましたけれども、メンタルヘルスケア、非常に重要な時期になっているのかなというふうに感じます。労働者がみずからの心の健康に不安を感じたとき、他者にさらされることなく自発的に相談でき、必要な情報や助言が得られることは非常に重要なことだというふうに思います。こういった点では、労働安全衛生法という法律でいろいろ書かれています。従業員50人以上の事業場では産業医を置くこととし、事業者は産業医の労働者の健康管理等の勧告を受けて尊重しなければならない、こういった内容であります。中野区ではどのように対応しているのでしょうか。
○長田人事担当課長 平成13年度、安全衛生委員会においてメンタルヘルス対策を検討いたしまして、平成14年度から精神科医師によるメンタルヘルス相談を実施し、現在に至っているところでございます。その内容でございますが、区役所内で月に1回、主として面談形式で実施をいたしまして、そのほかに委託医療機関へのメール相談という形で、二つの方法で相談を実施しているところでございます。
○かせ委員 私も、この問題についてお医者さんからも御意見を聞いたわけですけれども、インターネットというのは取っつきやすい、だれでも参加できるということで、それはそういった面でいい面があると思います。しかし基本は、特にメンタルの問題ですと、顔が見える、目を見ながらいろいろお話をするということが大きなポイントだというふうにどなたもおっしゃるわけですよね。そうしますと、今、庁内で月に1遍やっているそうですけれども、一方では、職場の中でやるということになると、プライバシーの問題、あいつはあそこに行ったよとか、何というか、いろいろ気を使わなければならない問題もあります。ですから、今いろんなところで外部の診療所、メンタルヘルスクリニックとか、いろんなところと契約を結びながら、そこに安心して相談に行けるという体制がとられつつあります。こういった考え方というのはなさらないんですか。
○長田人事担当課長 職員の意思で、職場や住まいに近い通院しやすいところを選んで、メンタルヘルスに対する対応をするセルフケアというのは非常に重要だというふうに認識をしてございます。これまでも平成14年度、委託医療機関、つまり職場外での受託医療機関での相談窓口の設置というものをしてまいりましたが、これの改善策ということで、匿名性を尊重した上で、できるだけ相談しやすいようにということで、先ほど御報告をさせていただきましたメール相談という形にこの8月から変更をさせていただいております。ただし、セルフケアをより充実するという観点から、ただいま平成17年度に向けまして検討をいたしているところでございます。
○かせ委員 ぜひ積極的な検討を望みます。ありがとうございました。
 次に、雇用対策についてであります。
 総務省が発表した7月の労働力調査によりますと、完全失業率は4.9%で、前月より0.3ポイント上昇、6カ月ぶりに悪化したと。男性は5カ月ぶりに5%台に乗り、5.3%、年齢別では15歳から24歳が11%と横ばいで、25歳から34歳の男性は6.1ポイントで、パーセントで0.6ポイント悪化したと。この数値から見るように、青年の雇用問題は依然深刻だという状況です。そうした中で、今各地で自治体みずからが雇用確保のためにさまざまな取り組みを始めています。私たちはこれまで区に対して、就労相談の窓口の設置や就職相談会、セミナーなどの取り組みを求めてきました。改めて区にこれらの事業の実施を求めたいと思いますが、いかがでしょうか。
○高橋地域生活支援担当課長 お答えします。他区のさまざまな取り組みは承知しております。また、このたび法改正がございまして、職業安定法の改正で、地方公共団体が厚生労働大臣への届け出により無料職業相談所を行うことも可能となりました。区がそのようなことをやることについては、情報の収集、提供できる情報量には限界がございます。また、相談を受けて職業紹介まで行うには相当なノウハウを必要とすることも伺っております。中野区の場合は、管轄するハローワークが新宿という中野に近いところにございます。そのようなことから、区が単独に現在職業紹介を行うことは現在のところ考えておりません。
 また、ことしの7月には東京都が飯田橋に東京仕事センターというものをつくりました。これは若者から高年齢までのあらゆる年齢層の都民を対象に、相談から職業紹介を1カ所で行っているようなところでございます。これについても、雇用と職業に結びつける一貫した体制を整えております。その面では、東京仕事センターとか何かを有効に活用して、若者、青年の雇用につなげたい、そのように思っております。
 区としては、若者に限らず、区民の雇用問題は活力あるまちづくりには必要不可欠なものと認識しております。したがいまして、先ほど申しました東京仕事センター、ハローワークとの関係機関との連携もとりながら、区としてできるだけの効果的な取り組みについて検討していきたい、そのように考えております。
○かせ委員 その面では検討していただきたいと私も思います。
 それで、私ここで大事なことというのは、やはり区が直接窓口を開くなりなんなりということで、直接乗り出すということ。それと、杉並区ではホームページ、インターネットを活用した新たな取り組みというのをやっています。これ、見えませんでしょうかね。杉並区のホームページを開きますと、一番右側の方にワークインフォメーションというところがあります。それをクリックしますと、区内事業所求人情報(新卒者)とか、区内事業所求人情報(一般)、区内事業所求人情報(パート)、区内事業所内職情報、区内事業所ホームページリンク集、雇用関係情報、これは国や東京都、公的な機関ですね。それから産業振興施策情報、これも区や国、都などの行っている産業情報をまとめたものということで、総合的な情報にアクセスすることができるというものです。
 私もちょっとはアクセスしてみました。そうしますと、私、新卒じゃないんですけれども、新卒者の欄を見ますと、ずらずらっと企業名が出てくるんですよ。そこにクリックすると、その求人情報につながるというような仕組みになっています。こういう仕組みでありますと、可能ではないのかなというふうに思いました。こういったことについてはどうお考えでしょうか。
○高橋地域生活支援担当課長 杉並のワークインフォメーションというのは平成12年の10月に開始されたもので、区内事業者の求人情報等入っているものでございます。約200人程度を掲載して、求職者向けに情報提供しているものでございます。ただ、このワークインフォメーションは情報提供だけで、それを見た人が就業したというような検証もちょっとできておりません。また、近年は街頭だけでもコンビニ等に無料の求人雑誌等も置かれております。またインターネットで、民間でございますが、さまざまな求人情報の提供がなされています。それらをいろいろ勘案しながら見ますと、今のところ、それをすぐに早急に使わなければならないというような状況にはないのではないか、そのように考えております。
○かせ委員 できないということから出発するのではなくて、できるのではないかと。とにかく今の就業状況、特に若い人たちの就労状況というのは深刻なわけですよね。そういった面で、こういうもの、できる、何ができるかということから出発して研究すべきだと思います。この点については要望にかえさせていただきまして、どうも御苦労さま。次に移りたいと思います。
 次に、障害者の雇用問題についてお聞きをします。
 中野区では02年度から04年度までの3年間に、国の緊急地域雇用特別補助制度を利用して、障害者を対象にしたIT講習会事業を実施しています。障害者のコンピュータ技術の習得は、新たな能力を引き出すとともに、社会参加への道を拡大するものと期待されております。03年度予算では398万円が計上され、執行率は82.9%、受講者は55人となっています。また、今年度は60人となり、この事業が非常に喜ばれている、そのことを物語っていると思います。ところが、この制度は今年度いっぱいまでということから、事業の存続が心配されています。そこでお聞きしますが、国に制度の存続を求めるとともに、廃止されるというような場合であっても、区の単独事業として継続すべきだと思っておりますが、いかがでしょうか。
○田中障害福祉担当課長 お答えを申し上げます。IT講習会につきましては、障害者の情報収集・発信の機会を確保するという観点からも非常に大切な事業であるというふうに考えてございまして、当面、区の単独事業として継続していきたいと、そのように考えてございます。
○かせ委員 ありがとうございます。よろしくお願いします。次に移ります。
 障害者の就労支援で大きな役割を果たしているのがジョブコーチだと思います。主要施策の成果の133ページに、障害者が安心して暮らせる地域という項目で、成果指標の一つに、就業を希望し、障害者福祉事業団に登録している障害者等の数、とあります。目標190人に対して198人が登録していると。実に達成率は104%であります。こういったことに対してどのように受けとめておられるでしょうか。
○田中障害福祉担当課長 障害者の雇用につきましては、大変重要なテーマだと思ってございまして、現在、障害者福祉事業団に委託をして実施してございまして、委員御指摘のとおり成果が出ていると、そのように考えてございます。
○かせ委員 障害者の方たちの就労では、ジョブコーチの人たちのこういった活動が大いに役立っているということだと思いますが、そして、積極的な支援をさらに進めるということですけれども、ジョブコーチを、私は今の状況ではふやす必要があるんじゃないかというふうに思っているんですけれども、そういった考えはございますか。
○田中障害福祉担当課長 今後ますます障害者の就労支援を充実していくという観点からは、区内の授産施設、作業施設などの就労支援機関を強化していくことが重要であるというふうに考えてございます。こうした施設への支援も含め、ジョブコーチの活用、充実を図る方向で検討してまいりたいと考えてございます。
○かせ委員 よろしくお願いします。ありがとうございました。
 次に、中野駅南口再開発問題についてお伺いします。
 9月8日の中野駅周辺・警察大学校等跡地整備特別委員会で、都住宅供給公社中野住宅を中心とする市街地再開発事業をめぐって、公社、西松建設、中野区と隣接するビルなど地権者との間で、中野二丁目再開発協議会が立ち上がって協議が開始されたと、こういった報告がありました。中野駅周辺まちづくり調査検討委員会での報告では、公社住宅周辺の整備方針として、南側の高層住宅と北側の超高層住宅の絵が描かれております。この地区は既に都市計画決定で高度地域に指定されております。再開発促進区の指定や総合設計の手法を使えば、100メートルを超えるような超高層ビルが建つということも可能になってしまいます。まだ商店街も住民も、こういった動きについては全く知りません。しかも、このまちに天をつく超高層ビルができることなどの合意はありません。区は有力な地権者の一つであります。間違っても、住民を追い立てたり、著しく環境を破壊することなく、慎重に住民参加のもとで、しかも地域に調和した良好なまちづくりを進めるよう、強く要望します。
 質問に移ります。せんだって、公社住宅を訪問して聞き取り調査をしてまいりました。住民に再開発協議会が発足した等話しますと、一様に、本当ですかとびっくりされていました。都住宅供給公社住宅自治会の連合体である公社住宅協議会に行って話を聞いてまいりました。公社とは定期協議をしているけれども、中野駅駅前住宅については、五、六年後には建設できるかもといったような話は聞いているということでした。その程度の認識なわけです。そして、まだ居住者はこのことについてはほとんど知らないという状況であります。このまま居住者抜きで計画が進められるようなことはあってはならないと思いますが、どう考えていますか、お聞きします。
○豊川中野駅周辺整備担当課長 ただいま委員御指摘の中野駅南口再開発事業でございますが、この地区の再開発事業が具体化するまでには、住宅供給公社は居住者に対して計画の説明をする必要があるというふうに考えております。また、中野区といたしましても今後、行政の役割といたしまして、事業を具体化した際、都市計画事業といたしまして、再開発事業の内容を住宅供給公社にお住まいの方を含めた周辺の地域の方々に説明する必要があるというふうに考えております。
○かせ委員 その点については、ぜひ誠意を持って進めていただきたいと思います。
 それで、現在、公社住宅は90世帯ぐらいの方がおられます。そして住民のほとんどは高齢者で、年金生活など低所得世帯が多く、そして多くの居住者は長いことここに住んでいたと、これからもこの地にいたいと、こういうふうに願っておられます。せんだって、東京都住宅供給公社住宅計画部推進課に電話で問い合わせをしました。現在、公社が建てかえをした場合に、新たな家賃設定は、近傍同種家賃制度という方式で計算されるそうです。また、住宅問題の専門家にお聞きしたところでは、この近傍同種家賃制度は周辺の民間賃貸マンションの家賃に均衡させるというものです。しかし、駅から何分、築何年、そして部屋の広さ、こういったことが3要素だというふうに言われています。中野住宅はまさに駅の真ん前、今よりも相当高くなるということは疑いありません。
 最近建てかえられた新宿区のコーシャハイム高田馬場や、中野区の都民ハイム南台を参考にすれば、45平米の1DKで11万3,000円ほどになるそうです。現在の家賃は共益費を含めても約4万円ですから、3倍近くはね上がるということになります。従前居住者には家賃激変緩和措置や、高齢低所得世帯等、家賃減額処置という制度はありますけれども、適用できるのは45平米までであり、ファミリー世帯は使えません。また、減額といっても45%減額。家賃は6万2,000円程度かな。と考えると、2万2,000円も家賃が引き上がるということになります。激変緩和措置では、10年後には本家賃まで引き上げられるということで、どれだけの人が戻り入居できるかどうか不安だと、当然そういうことになります。私の聞いたところでも、そうなってしまったら出ていくしかないねと。もう先もないし、あきらめるわと、こういった声が上がっております。こういった住民の状況をどうするのか。区がかかわる開発計画で住民を追い立てるようなことがあっていいのかどうか、お伺いをします。
○豊川中野駅周辺整備担当課長 まちづくり事業を進めるに当たりまして、基本的に、現在お住まいの方々を出ていただくという前提条件に立ったまちづくりというものは好ましくないというふうに考えております。ただ一方、現在の供給公社の家賃につきましては、なかなか周辺との実勢と合っていないという形もあろうかと思います。そういった中で、まだ現在、具体的な事業計画が固まっておりませんので、詳しいことはまだこれから検討ということになりますが、先ほど委員御指摘の供給公社の減額制度、激変緩和措置、そういったものもあわせながら、具体的に何ができるか、検討していく場面が出てこようかと思います。
○かせ委員 あと1点で終わりますから。
 やはり住宅供給公社任せということでは解決できないんだろうと思います。そうしますと、区がこの地域の開発計画、地権者ですからね。その気になればできないことはない。そういった高齢者、低所得者向けの住宅を確保すると、そういうことは考えられないでしょうか。
○豊川中野駅周辺整備担当課長 これもまだ具体的な事業が定まっておりませんので、今の段階では何とも申し上げられませんが、基本的には供給公社自体が解決するものというふうに考えております。
○かせ委員 公社がということですけれども、それも頑張ってもらわなきゃいけないんだけれども、やはり最終的には区がその住民をどうするかと。居住権をどう確保するかというのは行政としての最終的な責任だろうと思うんです。そういったことについて真剣に検討していただきたいということを要望しておきます。
○平島委員長 かせ委員の質疑の途中ではございますが、ここで委員会を休憩して理事会を開会したいと思います。委員会を暫時休憩いたします。
      午後5時03分休憩
 
      午後5時07分開議
○平島委員長 それでは、委員会を再開いたします。
 初めに、ただいま開かれました理事会の報告をさせていただきます。理事会におきましては、本日は終了するとの確認をいたしました。
 以上が理事会の報告でありますが、何か御質疑ございますでしょうか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○平島委員長 それでは、ただいまの報告のとおり委員会を運営していくことに御異議ございませんでしょうか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○平島委員長 御異議ございませんので、さよう運営させていただきます。
 以上で本日の総括質疑を終了いたします。
 次回の委員会は、10月4日(月曜日)午前10時から当委員会室において開会することを口頭をもって通告いたします。開会時間につきましては、本日と同様、厳守をお願いいたします。
 以上で本日の決算特別委員会を散会いたします。
      午後5時07分散会