平成16年10月4日決算特別委員会(第6日)
1.平成16年(2004年)10月4日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。
1.出席委員(42名)
1番 い で い 良 輔 2番 伊 東 し ん
じ
3番 佐 野 れ い じ 4番 北 原 奉 昭
5番 久 保 り か 6番 酒 井 た く や
7番 奥 田 け ん じ 8番 近 藤 さ え
子
9番 小 堤 勇 10番 大 内 し ん ご
11番 伊 藤 正 信 12番 きたごう 秀 文
13番 吉 原 宏 14番 高 倉 良 生
15番 やながわ 妙 子 16番 平 島 好 人
17番 む と う 有 子 18番 はっとり 幸 子
19番 長 沢 和 彦 20番 か せ 次 郎
21番 山 崎 芳 夫 22番 小 串 まさのり
23番 高 橋 ち あ き 24番 市 川 み の
る
25番 岡 本 い さ お 26番 こしみず 敏 明
27番 飯 島 きんいち 28番 佐 伯 利 昭
29番 佐 藤 ひ ろ こ 30番 来 住 和 行
31番 岩 永 し ほ 子 32番 若 林 ふくぞう
33番 篠 国 昭 34番 伊 藤 岩 男
35番 斉 藤 金 造 36番 大 泉 正 勝
37番 斉 藤 高 輝 38番 江 口 済 三
郎
39番 藤 本 やすたみ 40番 昆 ま さ 子
41番 江 田 と お る 42番 池 田 一 雄
1.欠席委員
な し
1.出席説明員
中野区長 田中 大輔
助役 内田 司郎
収入役 山岸 隆一
教育長 沼口 昌弘
区長室長 田辺 裕子
経営改革担当課長合川 昭
経営改革推進担当課長 経営改革担当課長兼務
危機管理担当課長経営改革担当課長兼務
政策計画担当課長鈴木 由美子
政策担当課長 政策計画担当課長兼務
計画担当課長 川崎 亨
まちづくり総合調整担当部長 那須井 幸一
まちづくり総合調整担当参事 まちづくり総合調整担当部長兼務
まちづくり総合調整担当課長 中野駅周辺整備担当課長兼務
総務部長 石神 正義
総務担当参事 橋本 美文
広聴広報担当課長鈴木 郁也
平和人権担当課長広聴広報担当課長兼務
平和担当課長 広聴広報担当課長兼務
人権担当課長 広聴広報担当課長兼務
財務担当課長 村木 誠
営繕担当課長 秋元 順一
人事担当課長 長田 久雄
情報化推進担当参事 鈴木 勝明
防災担当課長 納谷 光和
税務担当課長 若槻 磐雄
区民生活部長 本橋 一夫
区民生活部経営担当参事 西篠 十喜和
地域活動担当参事区民生活部経営担当参事兼務
南中野地域センター所長 中村 正博
弥生地域センター所長 南中野地域センター所長兼務
東部地域センター所長 柿内 良之
鍋横地域センター所長 南中野地域ンター所長兼務
桃園地域センター所長 東部地域センター所長兼務
昭和地域センター所長 蛭間 浩之
東中野地域センター所長 昭和地域センター所長兼務
上高田地域センター所長 昭和地域センター所長兼務
新井地域センター所長 東部地域センター所長兼務
江古田地域センター所長 安部 秀康
沼袋地域センター所長 江古田地域センター所長兼務
野方地域センター所長 江古田域センター所長兼務
大和地域センター所長 大橋 雄治
鷺宮地域センター所長 大和地域センター所長兼務
上鷺宮地域センター所長 大和地域センター所長兼務
戸籍住民担当課長 登 弘毅
産業振興担当課長 高橋 信一
地域生活支援担当課長 産業振興担当課長兼務
みどりと環境担当参事 区民生活部長兼務
ごみ減量・清掃事業担当参事 寺部 守芳
ごみ減量担当参事 ごみ減量・清掃事業担当参事兼務
清掃事務所長 遠山 幸雄
子ども家庭部長 柳澤 一平
子ども家庭部経営担当課長 竹内 沖司
子育て支援担当課長 新井 一成
子ども健康担当課長 大久保 仁恵
中部保健福祉センター所長 瀬田 敏幸
北部保健福祉センター所長 中部保健福祉センター所長兼務
南部保健福祉センター所長 佐々木 美枝子
鷺宮保健福祉センター所長 石崎 泰江
保育サービス担当課長 榎本 良男
子ども育成担当課長 小平 基晴
男女平等担当課長 子ども家庭部経営担当課長兼務
保健福祉部長 菅野 泰一
保健所長 清水 祐幸
保健福祉部経営担当課長 寺嶋 誠一郎
保健予防担当参事 保健所長兼務
結核予防担当参事 保健所長兼務
衛生環境担当課長 遠藤 由紀夫
生活衛生担当課長 衛生環境担当課長兼務
健康づくり担当課長 今 恵里
保健福祉担当課長 保健福祉部経営担当課長兼務
高齢福祉担当課長 冨永 清
障害福祉担当課長 田中 政之
生活援護担当課長 浅野 昭
保険医療担当課長 奥山 功
介護保険担当課長 藤井 康弘
都市整備部長 石井 正行
都市整備部経営担当参事 服部 敏信
都市計画担当参事 都市整備部経営担当参事兼務
土木担当課長 尾崎 孝
交通安全対策担当課長 上村 晃一
公園緑地担当課長 斎木 正雄
建築・住宅担当参事 佐藤 幸一
地区整備担当課長 岩井 克英
地域まちづくり担当課長 地区整備担当課長兼務
中野駅周辺整備担当課長 豊川 士朗
副収入役 村田 宏
教育委員会事務局次長 金野 晃
教育経営担当参事 教育委員会事務局次長兼務
部門経営担当参事 教育委員会事務局次長兼務
教育委員会担当参事 教育委員会事務局次長兼務
教育環境担当参事 教育委員会事務局次長兼務
教育改革担当課長 小谷松 弘市
学校教育担当課長 篠原 文彦
学校教育管理担当課長 学校教育担当課長兼務
学校健康推進担当課長 学校教育担当課長兼務
指導室長 小林 福太郎
生涯学習担当参事 大沼 弘
生涯学習推進担当参事 生涯学習担当参事兼務
生涯学習施設担当参事 生涯学習担当参事兼務
知的資産担当参事(中央図書館長) 石﨑 新一
選挙管理委員会事務局長 山下 清超
監査事務局長 細木 博雄
1.本会の書記は下記のとおりである。
事務局長 正木 洋介
事務局次長 飯塚 太郎
議事調査担当係長 大谷 良二
書 記 黒田 佳代子
書 記 巣山 和孝
書 記 永田 純一
書 記 荒井 勉
書 記 廣地 毅
書 記 西田 健
書 記 岩浅 英樹
書 記 鳥居 誠
書 記 杉本 兼太郎
書 記 松本 桂治
書 記 吉田 哲郎
○委員長署名
午前10時00分開議
○平島委員長 定足数に達しましたので、ただいまから決算特別委員会を開会いたします。
認定第1号から認定第5号までの計5件を一括して議題に供します。
初めに、先日の委員会終了後に開かれた理事会の報告をいたします。
1点目は、本日の委員会運営についてであります。本日の委員会は、さきに御確認いただいておりました割り振りを変更し、1番目にかせ次郎委員、2番目に市川みのる委員、3番目に藤本やすたみ委員、4番目に奥田けんじ委員、5番目に小串まさのり委員の順序で、5名の質疑を行うことを確認いたしました。
また、委員会の開会及び再開、休憩、終了目途等については、既に御確認いただいておりますとおりとすることを確認いたしました。
以上が理事会の報告でありますが、何か御質疑ありますでしょうか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○平島委員長 それでは、ただいまの報告のとおり委員会を運営していくことに御異議ございますでしょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○平島委員長 御異議ございませんので、さよう運営させていただきます。
それでは、かせ次郎委員の総括質疑を続行いたします。
○本橋区民生活部長 1日のかせ委員の御質問の中で、雇用対策につきまして、他の自治体での取り組み例も御紹介いただきながら御質問いただきました。
中野区といたしましては、他の自治体の例も参考にしながら、中野区なりにどういう形での就労支援が効果的かつ可能なのかということにつきまして、関係機関にも協力を得ながら、10か年計画に盛り込めることを目指しまして検討を進めていきたいと考えているところでございます。
以上、補足させていただきます。
○かせ委員 雇用問題というのは大変な問題ですので、ぜひ全力を注ぎ込んで頑張っていただきたいと思います。
途中になっております契約問題についてお聞きします。
この夏に学校に配備されたパソコンの購入契約についてお聞きしておりました。区内業者への仕事確保を期待していましたが、残念ながら区外の富士電機ITソリューションという会社が指名競争入札の結果、落札いたしました。再度お尋ねしますが、この会社は中野区の入札業者登録者名簿に登録していますか。しているか、いないかだけ、簡単にお答えください。
○村木財務担当課長 登録をしております。
○かせ委員 それは事実に違っていると思います。きょうは持ってきませんでしたけれども、せんだってお見せしました登録者名簿の中には、隅から隅まで見ても、このITソリューションなる会社はありません。何を根拠に言われますか。
○村木財務担当課長 重要な問題ですので、少しお時間をいただきまして御説明をさせていただきます。
富士電機ITソリューション株式会社の物品買い入れ等競争入札参加資格にかかわります富士電機総設との権利業務の承継につきまして述べさせていただきます。
富士電機総設株式会社は、会社分割制度を活用いたしまして、平成16年4月1日、商法第373条の新設・分割の方法により新たに設立をいたしました富士電機ITソリューション株式会社にその営業を承継させております。この営業と申しますのは、富士電機総設の情報システム本部テクノミクス事業部栃木支店中国支社総務部財経部にかかわります管理本部、IT推進部、監査部で行われている情報事業に関する一切の事業でございます。新会社、すなわちITソリューションが富士電機総設から承継する権利及び義務は、富士電機総設が別段に定めるものを除き、新会社に承継をされております。この別段に定めるものとは、管理本部及びテクノミクス事業部に所属する31名の従業員のことでございます。
ここで、会社分割制度におけます新設・分割について若干述べさせていただきますが、株式会社がその営業の全部または一部を新たに設立する会社に承継させる会社分割のことをいいます。複数の事業部門を持つ会社が各事業部門を独立した会社として経営の効率化を図るような場合に利用するのに適していると、このようなものでございます。また、新設・分割の対象としての営業でございますが、単に人とか物とか権利をただ寄せ集めたものではございません。承継されたその日から営業活動を行えるものではなくてならず、したがいまして、人としての従業員はもちろんのこと取引関係や各種権利や得意先関係も含まれていなければならないと、このように解されております。
一方、富士電機総設とITソリューションの役員構成といたしましては、取締役7名、監査役2名が両社を兼務しておりまして、そのうち、八島高雄氏がITソリューションの代表取締役となっております。
こうしたことから、4月28日にITソリューションから提出されました物品買い入れ等競争入札参加者資格審査申請書変更届を受理し、審査の上、問題がないというふうに判断をしたものでございます。
なお、当該会社につきましては、当区以外にも指名業者登録、基本的には変更によって登録を行っておりまして、確認をいたしましたところ、東京都財務局につきましては平成15、16、17年度、物品買い入れ等競争入札参加者資格の承継及び格づけ再審査結果通知によりまして同様の取り扱いがなされております。この中身でございますけれども、入札参加資格者の資格自体の審査を東京都が行ったものでございまして、営業譲渡を受けた、持っている資格の審査、会社分割等に関するものでございまして、そのほか、時間がございませんので私どもで確認できたところでは、千代田区、文京区、中央区、墨田区及び江東区におきまして、当区と同様の変更届の取り扱いにより承継をしております。
○かせ委員 確認したいんですが、これは課長答弁の中にもありましたが、独立した法人であると、会社であるということです。独立した会社であるけれども、変更届を出したので、審査の上それを適当だというふうに認められました。しかし、これは私たちも弁護士さんに相談したわけですけれども、その弁護士さんの調査によりますと、ちょっと読んでしまいますけれども、富士電機総設株式会社の過去の役員の変遷、同社の商業登録、役員履歴事項、こういったことについてはありますけれども、書類を見ますと、今言われたように代表取締役が八島高雄、専務取締役が河野幹夫、常務取締役が中川眞一、同云々ということですけれども、これらの方々が過去、富士電機総設株式会社の役員であった経歴を持つということは、私の取り寄せました、これは履歴事項一部証明書ということで取り寄せたものですけれども、そこには確認されます。が、富士電機ITの八島氏は現在、富士電機総設株式会社の取締役であり、監査役の倉田、松本各氏も富士電機総設の監査役であるということでありますが、原則として、これは、こちらの方の「富士電機ITソリューション株式会社の設立について」というところにありますように、「これにより新会社富士電機ITソリューションは」云々というふうになっておりまして、明らかに新しい会社ということになります。
それで、先ほどいろいろなところが紹介されておりますけれども、これについては今までの中野区の中ではあったことがないわけです。そして、あえてこういうようなことが行われた。そして、多分ほかの区についても一緒のような時期にやられたと思いますけれども、中野区のやり方からして、このような新しい会社、登録もされていない会社、そういった会社について入札させるということについてはなかったわけですよ。登録されていないんですよ。登録されているのは--本当にもう一度聞きますが、富士電機ITソリューション株式会社という会社名は登録されていますか。
○村木財務担当課長 まず役員構成につきましては、私どもは東京都法務局の登記課による証明をもちまして、いわゆる履歴事項全部証明書によって確認をしてございます。
それから、先ほど来申し上げておりますけれども、会社分割法制度を活用し、新設・分割という商法の規定に基づき、このITソリューションは営業にかかわるすべての権利義務等につきまして承継をしております。そのことに基づきまして私どもは登録業者の変更届けを出させたものでございまして、審査の結果、問題はないということを判断したものでございます。
○かせ委員 変更届けを出させたのは会社側ではなくて、区役所の方ですか。
○村木財務担当課長 4月28日に会社側から変更届けの申請がございましたので、これを受理いたしてございます。
○かせ委員 例えばどこかの会社が登録されていたと。しかし、その会社が分割の手法をとってどんどん、その会社というのは全く新しい会社なわけですよね。その会社にどんどん登録の権利が委譲されるということになると、これはいろいろな問題が出てくると思うんですよ。そういったことについて私ども、もともとこの会社分割法というのは、労働争議があった場合に、よく会社側では分割をして、例えば国鉄なんかの場合に分割・民営化をやりました。それで、組合については、これは新会社だからということで継続しない、解雇するということになりましたけれども、こういったふうによく使われておりまして、それで労働側の方から、これは権利を守る立場からよく主張したことなんですよ。こういう形で会社側から使われる、会社の利益のために使われるということは、これ道義上どうなのかということは私残っているんですよ。その辺についてはどうですか。
○村木財務担当課長 ただいまの御質問につきましては、当該契約案件にかかわる質問とはちょっと趣を異にすると思いますので、御答弁は差し控えさせていただきます。
○かせ委員 私は、分割しても会社としては別会社であり、登録名簿もない、実績も不明と。こういう会社を指名するということは問題があるというふうに思っています。区内の事業者は不況の中で、仕事確保のために名簿に登録できるようなさまざまな努力をしています。そういった区の業者からすれば、こういうやり方ということについては非常に問題が残るだろうというふうに思います。このような方法は今後とるべきではないと思いますが、いかがですか。
○村木財務担当課長 きちんと法的な手続を踏んだ上で認められているこうした行為を行うのであれば、私どもはこれを拒絶することはできません。法にのっとって厳正に対応してまいります。
○かせ委員 それでは次に移ります。
総務59の資料ですけれども、サッシ改修などが含まれているのがその他の工事ということですけれども、そのところを見てみますと、区内と区外との比較ですけれども、例えば平成13年(2001年)には区外業者が55.7%ですね。そして、2002年には63%、それから15年(2003年)には52.8%と。いずれにいたしましても区外業者が圧倒的に多くて、区内業者が少なくなっております。そして、ことし6月に発注されたサッシ契約では、区内から入札があったものの、いずれも区外が契約をとっています。物品契約では、14年、15年度の入札契約で区内・区外の割合はどうなっていますか。
○村木財務担当課長 まず、2002年度の物品契約でございますが、区内業者が101社、区外業者が94社の計195社となっております。また、2003年度につきましては、区内業者が100社、区外業者が122社、計222社でございます。
○かせ委員 今の御答弁でも確認できますけれども、区内業者の比率はもっともっと高めていかなければならないと思いますけれども、大きな問題として、入札参加などの基準を定める内規に私たち問題があるのではないかというふうに思っています。これは区が独自に変えることができるわけです。また、実績は登録時より努力をして入札に参加できる状況にあるかもしれません。
もう一つですが、区民9の資料です。建設業と卸小売業の項ですけれども、これを見ますと、区内事業所数の推移、最近10年間における調査年次別統計というところですが、平成6年(1994年)には、例えば建設業では1,153件ですか、そして率でいうと7.27%。それから、ずっとさかのぼって2001年には同じく6.8%と、こういうような比率になっています。そして、卸小売業、飲食業については43.9%、2001年には40.7%、このようになっております。対前年比では建設業では118と卸業では833というふうになっていますけれども、これを見ましても非常に区内業者の実態は厳しくなっているというふうに思います。私たちは区の発注契約において区内業者への契約確保のための工夫をしていただきたいとたびたびお願いをしてまいりました。こういう区内業者の実態、これについては今どのようにお考えでしょうか。
○村木財務担当課長 契約を所管する私どもといたしましては、非常に契約環境が厳しくなっているというふうに認識はしてございます。
○かせ委員 契約の仕方ですが、そのことについてどのように、改善する意向といいますか、そういったものはありますか。
○村木財務担当課長 この件につきましては、いわゆる官工事についての中小企業者の受注の確保に関する法律というのがございまして、その第7条の規定により「地方公共団体の中小企業者の受注の機会を確保するために必要な措置を講ずるよう努めなければならない」、このように規定をされております。私どもで現在公表しております、例えば工事関係の選定基準表による選定枠につきましては、作成時点での契約実績を踏まえて設定しておりますけれども、中小企業者が多い区内業者がより公平に、あるいは幅広く指名入札参加できるよう、こうした選定基準の枠組み、あるいはその指名業者数の設定などにつきましては、現在、契約事務の新たなあり方に合わせて見直しを開始しております。また、物品関係の指名基準につきましても、これは現在公表はしてございませんけれども、作成時が平成4年度ということになっておりまして、既に10年以上経過し、社会状況も大きく変化しております。特に物品関係については当方からの指名による競争入札ということを基本にしておりますので、この点につきましても見直しを図っていく考えでございます。
なお、現在、近隣区の状況なども調査をしてございますので、こうした調査の結果につきましても私どもの検討の参考にしてまいりたい、このように考えております。
○かせ委員 本当に区内業者の育成、区内業者の今の困窮した状況ということであれば、中野区はさまざまな知恵を出して、そして、その区内業者育成のためにこういった制度についても大いに研究をして改善していただきたいというふうに思います。以上です。
次に、保護樹木についてお聞きします。
8月31日未明、台風16号による強風のため、中央四丁目--いわゆるお伊勢の宮と言われているところですが--の樹齢150年を超えるくぬぎの大木が倒壊しました。切り株を見てみますと、大体60年ぐらい前の中心部が黒ずんでいるという状況でした。それで、近所の古老から話を聞きますと、あの辺は森になっていたそうで、太平洋戦争の末期の、いわゆる山の手大空襲、その火の手が近くまで来たときに、この樹木が炎を遮ったと。そのときの跡ではないかというふうに言われていました。本当に感動的な話だと思うんです。この大木ですが、区道を挟んだ4階建てマンションを直撃していました。幸いにも区道の上に何本もの電線、ケーブル類がありまして、それが緩衝材になりました。それから、直撃したのが民間のマンションだったんですが、足場が組まれて外壁工事中だったということで、直撃するというよりも、ゆっくりと落ちてきたということで、幸いにも人身事故であるとかそういったものにはならなかったということで、ほっとしました。
この事故が起こったとき、私、通報を受けてすぐに行ったわけですけれども、そのとき、いろいろな方たちとお話をしました。区の担当の方にも来ていただきましたけれども、建物の被害については保険に入っているから大丈夫だよという話でした。しかし、倒木撤去については樹木の管理者の責任でやってもらうんだと。これが区の決まりなんだよというような話でした。ではどのぐらいかかるのかなということで現場の監督さんに聞いたんですけれども、作業には3日ぐらいかかるだろうと。大きな重機も入っている、人工費もたくさんかかるということで、数百万円はかかるだろうというふうに言っておりました。このとき、氏子総代の方ともお話ししたんですけれども、お伊勢の宮の樹木は区の保護樹林に指定されている。区からは年間3万円程度の補助金が支給されているということでしたけれども、その程度ですと、お茶代であるとか、それから多少の樹木を自分たちで切るとか、そんな程度で終わってしまうということで、台風などの災害によって樹木が倒れたときに、その撤去費用なんていうのは全く準備がないということでした。その場で私は、保護樹林育成の立場から区が負担できるような方策はないのかということでお話しさせていただきました。そのとき担当の方は庁内で検討してみる、そのようなお話がありました。せんだって、お祭りの日に氏子の皆さんとお話ししましたけれども、実は、やはり相当額の、数百万円の請求が来ているんだよと。どうしましょうかねというお話をしていました。そこで伺いますけれども、この間、一体どのような検討をし、どのような決定をしたのかをお聞きします。
○本橋みどりと環境担当参事 お伊勢の宮の樹木につきましては、クヌギが倒れまして、また、あわせまして隣にありましたイチョウも倒れております。そんな関係で、倒木の処理だけでも300万円弱の経費がかかるということでありました。地元からは、すぐに区長にできるだけの対応をということで、地元の管理の代表者の方々から要請がありました。それらを受けまして、庁内の関係部、総務部、都市整備部、そして私ども区民生活部ですけれども、協議をいたしました。その結果といたしますと、ここの天祖神社、地域の方々の憩いの場として使われていたということ。また、お話にもありましたように今までの歴史というような経緯、まちの歴史を一緒に刻んできたという樹木でもある。まちの人たちにとっては公共のオープンスペースということで親しまれているというふうなことも、また、道路の状況を早急に回復しなくてはならないということもありまして、基本的には地元で所有者、管理者が負担するということですけれども、その上で、その負担できない分については区として対応しようということで、区長の特別決裁をいただくということにしたものでございます。
○かせ委員 実は、参事もいろいろ写真なんかも見たかと思いますけれども、この倒れた大木ですけれども、枝ぶりが大きい、物すごい張っていました。それに対して、周りの根というのは非常に切られていて弱々しい。そして、特に中心の根っこですね、支持力を一番必要とする根っこの部分についてはシロアリで、私が見たとき、もうほとんどスポンジ状になっていました。これでは大きな枝ぶりに対して風が吹けばもたないだろうというのは、倒れたところを見れば想像がつきます。ですから、こういったことを事前に知っていて、そして適切な処置がされていれば、こういった事故にはつながらないだろうというふうに思うんです。もしも専門家が見る機会があれば何らかの対処ができたのではないかというふうに思います。
そこでお聞きをしたいわけですけれども、現在、区内の保護樹林は、資料をいただきましたけれども、330本と言われていますね。保護樹林は46カ所で約11ヘクタール。警察大学校が13ヘクタールですから、中野区全体の保護樹林がその程度なんです。面積でいえば0.7%ぐらいになるのでしょうか。こういったもので、本当に貴重なものになっています。まさにこういった町場にある小さな緑、緑地というのは区民にとってはかけがえのないものだというふうに思っています。中でも昔から地域から愛着を持たれて大切にされてきた古木があるというのが、神社であるとかお寺さんであるとかということだろうと思います。それで、中野区みどりの保護と育成に関する条例を見ましたが、第24条には「区長は緑の保護と育成に関する技術的な指導、援助を行うことができる」というふうにしています。そして、第26条では「必要と認めるときは職員に実地調査をさせることができる」というふうになっています。ここでお聞きしたいんですが、この二つの項目を生かすことができるかどうかというのが私の提案なんですが、まず技術的な指導とか助言というのは、どういうことを想定されていますか。
○本橋みどりと環境担当参事 具体的な問題はその事案、事案によってちょっと違いますけれども、基本的には私ども、現在のところでは担当の職員が適宜見て回りまして、それで様子などを確認しているということであります。基本的なその措置につきましては、それぞれ所有者、管理者の方々が行うということでありますので、その方々に対しての一定のアドバイス等をするということで考えております。
○かせ委員 必要に応じてやられているということですけれども、本当に大事だというふうに思いまして、例えば樹齢が100年、150年というようなことになりますと、特にそういった樹木は非常に危険度も高くなっているわけですよね。そういったものに限定することになれば、今言われたような見回りとかということもそうなんですけれども、もっと専門的な目で見ていただいて、そして適切な処置、あるいは管理者に対する助言、こういったことがやられてもいいのではないかと思います。特に私が注目しているのは樹木医なんですが、樹木医の目からすれば、根回りや枝ぶりを見ればどういう歴史を持っているとか、何が悪かったのかというのは一目瞭然なわけですね。そういった樹木医の活躍によって、例えば私どもの近くでいえば桃園第三小学校の大きなケヤキの木、ああいったものも元気になっていますし、そういったものに近づけることができるのではないかと思うんです。こういった樹木医の診断や助言、こういったことなどについては考えられないでしょうか。
○本橋みどりと環境担当参事 樹木医もかなりいろいろな形でもって活躍され、成果を上げているというふうに伺ってはおりますが、それなりに経費もかかるということもありますので、まずは保護樹木等々について、お話のありましたような公共性の高いような形で存在している、そういう保護樹木などにつきまして、職員による調査をして、それの様子を見ながら専門家の方の対応、どういうような協力をいただけるか、工夫してまいりたいというふうに考えています。
○かせ委員 貴重な緑を守るために、ぜひいろいろ頑張っていただきたいと思います。
以上です。ありがとうございました。
2日間にわたりまして質問させていただきました。本当に区民の立場からすれば、さまざまな問題が出てきているというふうに思います。やはり区政というものは、区民の命や健康を守ることだというふうに思います。そしてまた、環境も守っていく立場に立たなければなりません。そういった意味で、中野区政については、自助自立であるとか、また受益者負担であるとかということで、財政上のことを理由にして区民に負担を押しつけるという方法ではなくて、区民が本当にすばらしい区政であるというふうな方向で頑張っていただきたいということを要望いたしまして私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○平島委員長 以上でかせ次郎委員の質疑を終了いたします。
次に、市川みのる委員、お願いいたします。
○市川委員 おはようございます。昨日、一昨日と中野まつり、大変御苦労さまでございました。それぞれ参加された区民の皆さんも、少し離れたところから中野まつりを、さめた目というのか、そういうような感じで眺めていた人たちも、中野まつりといったものに対しての認識というんですか、そういうものは長年、毎年1回続けてきていることによってかなり深まっているという印象を受けました。しかしながら、内容的には、私ども拝見している立場からしますと、やはり開会式のあり方の問題とか、それから会場の設営のあり方の問題とか、今後そろそろこの中野まつりというものを、ちょうどサンプラザを区が譲渡を受ける、この年、また来年はそのような立場でサンプラザを使えるということを考慮して、そろそろ大幅に見直していこうじゃないかといったような話し合いが、議論がなされてしかるべき時期に入ってきたのかと思うんですが、私、質問通告の中で中野まつりのことは通告をしておりませんが、そういったことを区側としてはどのようにお考えか、最初にちょっとお尋ねをします。
○橋本総務担当参事 中野まつり、昨日と一昨日、開催させていただきました。あいにくの天候ということもありましたけれども、多くの区民の参加を得、中野のまつりらしいにぎわいが実現できたのかなと、このように考えております。
この中野まつり、実行委員会方式で行っております。まつりを開催いたしますと、反省会その他でもって、今回のまつりはどうだったのか、またイベントということだけではなくて、実行委員会の運営方式はどうなのか、区民参加を図り、また、これからの中野区を考えていき、区民が一堂に会して交流ができる、こういう場としてどうあるべきなのか、こういった問題につきましても、これまでも実行委員会の中では十分な議論がされてきたと思いますが、今回お話のありました来年30回を迎えるという節目でもあります。そういった意味で、今後の中野まつりのありようにつきましては十分な検討を加えていきたい、そのように考えております。
○市川委員 今、区民参加という言葉が出ましたけれども、30回を迎える来年に向けて、次年度、平成17年度に入りましたら、今まで実行委員会の中にかかわりながら活躍をしてきた皆さん、それから区側の代表者なり議会側の代表者なり、また広くイベントに参加をしているような皆さん方、また、今までかかわっていないんだけれども、いろいろと意見を申し上げたいという方々を募って会議体を設けて、あるべき姿をいま一度見つめ直してみるというのは大事なことかと思います。ましてや、おとといのようなお天気と昨日のようなお天気との差がありますと、雨があのように降ってしまいますと全く区役所周辺の、いわゆる野天で行っている模擬店なり、そういうイベント、すべて台なしになるわけなんですね。サンプラザの前の広場には大きなテントを張って、雨の日はこちらで対応しましょうとか何とかといったような方法も皆さんの声の中から聞こえてはきておりましたので、ぜひともこの機会に議論をしていただきたいと、こんなふうに思っております。
質問通告につきましては、私は、行政サービスについてをまず1番、2番が環境美化について、3番、公園管理、4番、街づくりと学校教育施設の再編についてを挙げてあります。また、その他では軽可搬ポンプの問題を取り上げたり、それから、区議会議員選挙における電子投票の問題を取り上げてみたいというふうに考えております。また、基本構想中のNPO法人と町会・自治会との今後のあり方というんですか、かかわり方とか、そういった問題にも若干触れてみたいと思っております。
通告順ではないんですが、最初に環境美化についてお尋ねをしていきたいと思います。2番目から入っていきますので、よろしくお願いをいたします。
まず、先ほどの中野まつりでございますが、ちょうど中野区が環境美化という観点から、今ある、いわゆるポイ捨て条例、それの改正、来年の第1回定例会に向けて、いろいろ区民の皆さん方の声を聞きながら、また関係者の皆さん方の声を聞きながら、特に中野駅周辺で歩きたばこや路上喫煙に対しての規制をかけようといった動きが見えております。それに対しまして、昨日、一昨日の中野まつりに日本たばこ産業の方から車が来ました。スモーカー2号という名前の一つのイベント車であったように見受けました。また、市民参加型の清掃活動といったものも、初日、天気のいい中、行われていたようでした。また、会場のあらゆる場所に灰皿を設置しまして、歩きたばこというものを、中野まつりという、この2日間を通じて、モデル的な扱いとして皆さんがどう反応されるのか、一つやってみようじゃないかということで、皆さん方、協力をされて、中野まつり会場は、私も拝見したところ、ポイ捨てをされているような吸い殻が少なかったように見受けられますが、その点について区側としてはどのような評価をされているか、まずお尋ねをします。
○本橋みどりと環境担当参事 今回の中野まつりにつきまして、スモーカー2号、喫煙の関係でのマナー向上のPR車も出していただきました。また、いろいろなところにスタンド灰皿などを置かれて、マナー向上と、それから、参加される方々が安心してまつりを楽しんでいただけるようにということでの取り組みがなされておりました。そして加えて、吸い殻を含めまして、会場、またその周辺のごみの分別収集を呼びかけるということで、啓発活動などJTもかなり協力をしていただいたというふうに受けとめております。
○市川委員 サンプラザの広場にとまっていましたスモーカー2号ですが、私も中に入りまして、それで関係者の方から、特に初日の土曜日、あのスモーカー2号に入られた方の数を尋ねてみました。そうしたら、750名ばかりの方があのスモーカー2号を利用されたというふうに伺っております。やはり何かああいう装置がありますと、たばこを吸う方は、あ、ここで吸わなきゃいけないのかなといった、みずからのマナーをそこのところに、何もなければポイ捨てをしてしまうかもしれないものを、やはりそういう装置を町中に置くことによって、そういうみずからの行為というものを律していくといったようなことにつながったのかなというふうにも思います。
また、先ほどちょっと紹介をしました市民参加型の清掃活動、あれは何か軍手とか袋など500名分用意をされて、それで、実質配布をして、子ども連れの方が大変たくさんそれに参加をされた。皆さん、その中野まつり会場周辺の吸い殻や空き缶も、空きペットボトルでも何でもいいですね、そういう路上に散乱しているものをこれに拾って集めてきてくださいと。集めたものを回収して、またここに届けてくださいと。参加されている方には参加証というものを下げていただいて、それで、そういう活動をした。あれと同様の市民参加型の清掃活動というのは、イベントとしてJTの協力で他のイベント会場でもやっているんだそうです。その他の会場に比べて中野まつりに見えている、大体、中野区民の皆さん方の反応はどうであったかということも尋ねてみました。そうしましたら、およそ430名の方がそれに参加をされて、そのごみ袋をきちっと持って帰ってきて、いわゆるごみを集めて持って帰ってきた方の数が、およそ回収率として70%の方が持って帰ってこられた。しかも、親御さんが「子どもの教育のためにこれは大事なことですね」と、一言申し添えながらその活動に参加をして、それを子どもと一緒に持って帰ってきたというような、非常に教育的効果もあったやに伺っています。その回収率というのは、他のイベント会場で同様に行われているこの活動に比べますと大変高いものであったということを伺いました。ということは、中野区民のそういうまちというものに対しての愛着というのか、それをきれいにする、いわゆる環境美化といった問題というのか、そういうものに対しての意識がかなり高いという評価を、この清掃活動を実施された側はとても感じ取ったというふうにおっしゃっているわけです。
その点について、やはり今後、路上喫煙、それから歩きたばこの規制など条例改正の動きがあって、なぜかたばこばかりが標的にされているような最近の動き、特に昨年5月に健康増進法が実施をされて、それから7月あたりからですか、たしか私鉄線は全線たばこはすべてオミットされてしまいました。そういうような動きがある中で、たばこに対して、健康上な問題とかといった問題で、また、たばこを吸う人の側のマナーといった問題を非常に社会的に取り上げるといった風潮の中で、たばこがなぜか非常に悪者になっているというような風潮があるんです。それで、私は、これから条例を改正していく、その中にあって罰則規定を設ける、それなりに過料を科すとかというような動きがあるやに伺っておりますが、それはそれでいいと思うんです。けれども、どう条文を変えても、今までたばこに関する質問を一般質問で、たしか佐伯委員が、それから決特では江口委員がそれぞれ行われておりますけれども、それぞれマナーというのか、吸う人というのは、どう条例を改正しようが、どう罰則規定を設けようが、たばこを吸うのはやめましょうという意識にはならないわけですね。そのたばこを吸っている人を、どのようにして抱え込んでいく装置を町中に設けるか、これが条例改正という動きと同時並行的になされていかなければならないと思うんです。そういった観点から、区側としては今私がお話ししたようなものについてはどういうふうにお考えか、お尋ねをします。
○本橋みどりと環境担当参事 私も今、中野まつりでの御紹介ありました市民参加型の清掃活動に参加いたしまして、参加証を下げて会場内を回ってみましたけれども、思ったよりも散乱がない、ごみは余りなかった。また、会場内にいろいろ分別のごみ箱が置かれていましたけれども、かなり参加している区民の皆さんも分別をしっかりやっておられたという印象を持っております。そういった意味で、中野の区民の方々はかなりマナー意識は高いなということを感じた次第であります。
今回、今、ポイ捨て条例の改正の中で歩行喫煙等の問題を取り上げていこうというふうに思っておりますけれども、やはり基本はマナーの向上、喫煙される方々の気づきの中で、安心して生活できる楽しめるまちにしていきたい、それを基本に置いて考えていきたいというふうに思っております。
○市川委員 杉並区は高円寺駅と阿佐ケ谷駅の周辺に灰皿を設置して、これが10月1日から実質動き始めた。きょう、その引き渡し式があるんだそうです。そのお話を伺ったり、また、最近テレビなどマスコミでも取り上げられましたけれども、港区六本木の交差点のところにある灰皿の設置、それから渋谷区のハチ公前口の方にできた喫煙場所、それから新宿駅東口や西口あたりに設置されている喫煙場所、ああいう指定喫煙場所というのが、やはり条例を改正していくといった動きの中で私は必要になってくると思うんです。ただ条例を改正して、果たしてそれだけでたばこを吸う人のマナーが変わるのかというと、そうではないと思うんです。ですから、たばこを吸っている側の人たちの気持ちを、どこでマナーを向上させる装置をつくっていくかといったことについては、中野駅に限らず、区内にある駅、全駅に対しての取り組みをするのが本来あるべき姿だとも思うんですが、ひとまず中野駅に絞って話をちょっと伺ってみたいと思います。中野駅は、北口も南口も、あの駅前広場の土地の管理者はだれになりますか。
○本橋みどりと環境担当参事 基本的には駅前広場は、現在、東京都が管理をしております。
○市川委員 東京都の三建の側と、今後のあるべき方向として、指定喫煙場所の件について、何か事前の協議をされたことはありますか。
○本橋みどりと環境担当参事 まだ事前の協議までは至っておりませんけれども、路上喫煙の禁止を中野駅周辺でもってかけていこうということを想定いたしまして、分煙をしていく、そういう意味での指定喫煙場所の確保、これが一つ大きな課題であるというふうに考えております。そういう中で、公共施設のところで確保できるものといたしますと、一つはオープンスペースという点では駅前広場ということになりますが、南口の場合にはバスターミナルとして使われているというふうなこともありまして、バス待ちの方、また歩行者の方等、すみ分けできるような形での喫煙場所の確保というのはかなり難しかろう。そういった意味で、私ども、今、候補として挙げているのは北口広場で、比較的動線としてはある程度流れが緩いといいましょうか、歩行者とぶつからないで済みそうなところを挙げまして、これから三建の方とも協議をしていこうということで準備を進めているところでございます。
○市川委員 先ほど紹介をしました六本木の交差点の周辺は、管理は東京都の第二建設事務所になっています。それから、もう既に指定喫煙場所が配置されております新宿駅の西口、ちょうど西武新宿の駅前の広場、あそこも管理は第三建設事務所ということで、東京都の管理になっているわけですね。どうやら関係者の方に伺いますと、東京都の管理地に指定喫煙場所を設けることのハードルが今までかなり高かったと。しかしながら、やっと六本木の二建、それから新宿駅西口の三建が、それぞれの所長の権限でもって地元の自治体ときちっとした約束の覚書を交わすまでに至ったというお話を伺っているんです。ですから、今そのような動きがあるわけですから、これから中野区側も三建ときちっとしたお話をしていく中から指定喫煙場所を何とかそこに見つけ出していただきたいと、こういうふうに思っております。
それで、この指定喫煙場所の問題なんですが、これを、すべて指定喫煙場所の灰皿を中野区が設置して、中野区がそれを管理するということになると大変な問題になるんですね。それで、この議会の中でも何度か取り上げられておりますけれども、やはり行政の今後のあり方、民間とのどのようなかかわり方、いわゆる民間の力をどのようにして活用していくか、そして行政ができるだけそのような肩がわりをしていただける分だけの出費を抑えていくことができるか、そういった観点からすると、今取り組んでいる日本たばこ産業側の指定喫煙場所に置いてある灰皿設置、あれについては、設置場所に対してのいわゆる管理者と地元の自治体のきちっとした合意がなされた後に、あの工事はすべてJT側で行うんだそうです。それから、JT側がそれを清掃する特殊車両を設けて、都内23区の中に設置した灰皿を毎日きれいに洗うんだそうです。そういったことまでをすべてJT側がやってくれるだといったような、行政側の負担というのは、要するに管理しているその自治体が、その土地というんですか、場所を提供してくれればというところまでの話であって、あとは民間側でそのような事業に対して協力をしてくれるというか、これはある一面、たばこを製造しているJT側の企業責任としてとらえられているのかなというふうなことも感じているんです。
そういったことから、JTさんが中野区側にそのような協力を申し出ていらっしゃるというような経緯、それから、そのJTさんの申し入れについて中野区側は今どのような考えを持っているか、その点について伺いたいと思います。
○本橋みどりと環境担当参事 今御紹介にありましたような、それぞれの自治体の中での取り組みに対してのJTの方の協力ということを聞いております。そんなことで、私どもといたしましても、ぜひ中野における対応についても御協力をいただきたいというふうに考えているところでございます。
ただ、中野駅周辺で見ますと、いわゆる公共的なスペースの中でのオープンなスペース、路上とかそういったところでの喫煙場所の確保というのは相当程度制約がございますので、これはこれで一つ考えながら、そしてもう一つは、現在、民間の施設の中で利用客のための喫煙場所を設けているところがございますので、そういったところに御協力いただけないか。そんなこともあわせて考えながら、全体として一定程度分煙ができるような、そういう喫煙場所を確保していきたいというふうに考えております。JTとは、またこれからさらに協議をしていきたいというふうに思っております。
○市川委員 過料の話をちょっと出します。千代田区なんですが、もう皆さん御承知のとおり、罰金を科しているわけですね。その集金をするための人件費を、いろいろと金額的に出しますと膨大な費用になるといって、今、それが逆に有名になってしまったみたいなところもあるんですが。千代田区の場合は、昼間人口というのはほとんど外部からの方、それから、あのまちの特色として、あそこはビジネス街だということ。それで、夜間人口はほとんどもうあれ、すべてで6万人程度の規模の自治体なのでしょうか、千代田区は。あそこだから、やはりできることなのかもしれないなという感じが私はしています。もしあれと同様のことを新宿区が取り上げてやったとしたら、新宿駅であれをやったとしたら、歌舞伎町といった繁華街でああいう罰則規定を設けて罰金を科しますよというようなことをやったら、これは大げんかになってしまいますよね。やはりビジネス街だからできるのではないかなという気もします。また今度、中野区のことを振り返りますと、中野区というのは昼間、他区から流入してくる人口というのはそんなにないんですね。ですから、やはりここは住宅都市・中野という位置付けがあるわけですから、この中野のまちに住んで、中野のまちで生活して暮らしているという方が多いわけですから、この区に罰則というのか過料を科すといったことは、余り私としては好ましい姿だとは思わないんです。
それで、実は千代田区のたばこ税の収入が前年度比で92.8ポイントになりました。ということは減収したんです。今、中野区はおかげでこれがふえたんです。これ、積極的に取り組んで、千代田区は罰金を科したがためにたばこ税の収入が減ったという物の見方もできるわけですね。それから、港区の場合、非常に積極的な取り組みを見せて、先ほど紹介しました。それから、先ほど渋谷区の取り組みも非常に積極的に取り組んでいるということも紹介しました。そのような区を見ますと、たばこ税の収入が前年度比、渋谷区の場合は112.9%、前年よりも増額になっているんです。それから、港区の場合も、これはそのようなルールを確立したがために、逆に言うと107.1%、これも収入がふえているんですね。やはりこういった積極的な取り組みを見せている自治体の側が、こういうたばこ税の見込額の業績別の調査から割り出している数字から見ると、やはり積極的に取り組んでいる自治体が、今、中野区も大変重要視しているたばこ税の収入がふえているというような物の見方もできるんです。それに対して、厳しい罰則規定を設ける自治体は、その分減額しているという物の見方もできるんですね。
そこでお尋ねをしますけれども、過料を科すということについて、これについて、どのようなお考えを持ってそういうような方向に向かっていこうとしているのか、これをお尋ねします。
○本橋みどりと環境担当参事 基本は、先ほど申しましたように喫煙者の方々の気づきによるマナーの向上ということでございますが、同時に人通りの多いところ、危険なところでは路上喫煙の禁止区域を指定して注意などもできるようにしていきたいというふうに考えております。ただ、それで注意をしてもなかなか聞かない悪質な方がいらっしゃるという場合もあるかなと。そういうときにきちっとした注意ができる、訴えができるようにしていくという意味での罰則を設ける、過料を設けるということも一つの考え方としてはあるのではないかというふうに思っております。ただ、基本的には規制、取り締まりということを色濃く出すのではなくて、まずはマナーの向上というところの取り組み、啓発の取り組みを中心にというふうに考えております。
罰則を設けているところも、自治体によりましては、そういう行為をした人を見つけると、すぐにそこで過料を徴するというところもありますし、注意をした上で、注意に従わない場合にというふうにしているところもあります。また、罰則規定は設けたけれども、適用については様子を見てからというところもございます。そんなところの取り組み状況等も参考にしながら中野区としての対応を考えていきたいと思っておりますが、基本的には、まず啓発を中心にということを中野ではまず重心に置きながら、それが実効性のあるような形で働けるように、そんな条例づくりを考えております。
○市川委員 先ほども紹介したように、中野まつりで市民参加型の清掃活動のその回収率、大変、中野の区民の皆さんの環境美化といった物の考え方の意識が高いといった紹介をしました。それで、先ほど部長の答弁で高いという、そういう答弁をされていますよね。ということは、過料を科すといったような条例ができますと、非常にお互い注目し合う、いわゆる監視し合ってしまうというのか、意識が高いものですからお互い監視し合ってしまう。そうすると、町中で何かしら衝突する場面が出るんですね。それは住民同士の問題だと思います。しかし、たばこを吸う側の人に対して、きちっとマナーの向上のためにこういう装置を町中につくっていますよと。それすらも設けないで過料を科しているからこういうことになってしまったと言われる前に、それをきちっと装置として私どもは設けて、それでこのような条例を改正するんですと。過料を科すことになりました、罰則規定を設けます、こういったような動きが私は自然な動き方だと思うんですね。それによって住民同士のトラブルとかといったものも、特に環境美化といった意識の高い中野区民同士のトラブルも、逆に言うと減るのではないかというふうに思うんです。それについてはどうお考えですか。
○本橋みどりと環境担当参事 確かに御指摘のとおりだと思っております。基本的にはマナーを守ってということで、今回の条例の中でも規制、取り締まりという色彩を少し抑えて、皆さんが気をつけて、みんなのちょっとした注意の中で、みんなが安心して過ごせる、そういう楽しいまちにしていく、それを基本に置いた条例づくりをしていきたいというふうに考えております。
○市川委員 わかりました。
同じマナーの問題で、環境美化の問題で質問の中にも出ていましたけれども、犬のふんの後始末とか猫のえづけ、それから、佐伯議員も一般質問で触れていましたけれども、ピンクチラシの配布の問題です。それから、客引き、それから携帯電話の利用の仕方だってマナーの問題だと思うんです。そういった公共的な場においての人と人が絡み合って社会をつくり上げていくというか、そういう中におけるマナーというものが非常に最近欠けているわけです。それで、たばこにしてもそうなんですが、犬のふんの後始末にしてもそうです。ひどいのは、朝、散歩に出て、そのふんを拾うどころか、そのままにして立ち去ってしまう飼い主さん。それから、もっとひどいのは、それを拾うんですが、拾った袋をコンビニの自動販売機の横にあるペットボトルや缶のあれを捨てる、あの中に突っ込んでいってしまうんですね。もっとひどいのは他人の家の庭の中に投げていってしまうんですよ。
そういうことをしていて、これはちょっと公園緑地課の方に伺いたいんですけれども、藤本議員が一般質問でも取り上げている犬の広場の問題なんですが、これは既に平成14年3月の定例会で陳情を全会派一致で採択をしているわけなんです。犬の広場の問題です。そして、今は暫定的に平和の森公園の中にありますが、たまたまこの平和の森公園の第3期工事がちょうど一つ終わりますと。終わったその上部空間の利用勝手については中野区さんの方で考えてみてくださいと。ここに3,000平米の土地があるから、そのうちの使い勝手を考えてくださいといった向こうからの提案、東京都側からの提案があったんですね。その投げかけに対して、ちょうどよかったと。あのとき陳情も採択をしているし、区側としてもそれに適した場所もなかなか見つからなかったので、できれば20メートル掛ける50メートルで1,000平米ぐらいのドッグランをつくってみたいという考え方を一つ持ってみようといったところが、その話が、どうしてか住民側にすっとお話が情報として入ったんですね。そうしたら、我々はここの平和の森公園にドックランをつくるなんて、今の暫定のものはそれはもう認めていることだよ、ただ暫定だからと。だけども、それを第3期工事が終わった上部空間につくっていくなんていうことはだれからも聞いていない。我々に、まずどうなんだといったような相談すらないじゃないかというようなことで、先週の金曜日でしたか木曜日でしたか、たしか地元の町会の関係者の方が集まって、新井地域センターで公園緑地課長を招いて、それで公園緑地課長から初めてこの説明を受けるという場を設けたんですね。そのときのやりとりを公園緑地課長、少し紹介してもらえますか。
○斎木公園緑地担当課長 新井の5町会と平和の森公園に隣接する町会代表者にお集まりいただきました。来年度から使用可能となる第3期開園部分の一部を犬の広場に利用することに対する地元の意向をお聞きするためということでお集まりいただきました。
初めに、御当地に設置場所に取り上げた経過と事情を説明いたしました。これに対する意見は、残念ながら受け入れがたいというものでした。主な理由は、防災公園としての機能を最優先にすべきであり、他の活用を言うならば別の施設も考えられることになるということです。それから、防災公園を実施する趣旨で長い間運動を展開してきた、そういった共通理解があるということでございます。この後、現在の犬の広場の問題点の指摘に及びましたので、今回初めての話し合いということでしたので、再考するということで意見を持ち帰ったところでございます。
○市川委員 議会の意思としては、既にドックラン、犬の広場は認めておりますから、どこかに愛犬家のために設けていただきたいという意思表示はしているんです。けれども、どうやらその席上、先ほど御紹介があったように、犬を飼っていらっしゃる飼い主側のマナーに大変これ問題があるといったような指摘があったやに伺っているんです。このマナーを向上させない、いわゆる今現在のようなマナーのあり方で犬の広場なんていうのは、もうどこに持っていったってできるわけないよといったような大変厳しい声が聞こえていたようなことで私はちょっと記憶をしております。
そこで、先ほどのたばこの問題と犬のふん、これを今、一つ取り上げておりますが、これがやはり総合的に見て、たばこの場合はそれを側面から支える、例えば指定喫煙場所の設置、それから犬のふんの後始末の場合は、やはりそれをきちっと行政側が施策面で、例えば犬のマナー教室の開催といったような事業を抱えていて初めて、例えば犬のふんの後始末の問題だとか、それから、たばこのポイ捨ての問題だとかといった問題が片づいていくと思うんですけれども、公園緑地課長に、他の公園なども含めて、その犬のふんの後始末についての飼い主側のマナー向上といったことに対して、何かお考えがあったり、また皆さんから伺った声の中から何か印象に残ったものがあったら御紹介いただけますか。
○斎木公園緑地担当課長 犬のふんの問題というのは大きな問題ということで、これが皆さん方には迷惑で嫌がられる、こういう状況であります。それで、犬のふんにそうしたマナーを徹底させるためにも、そうした広場があって飼い主の交流があり、そこで全体としてマナーを向上する、こういったことができるということも、そういう可能性もそうした犬の広場にはあるんだろうと、こんなふうに思っていましたが、そこまで今回の話し合いでは話をすることが至らなかったものですから、私の考え方としましては、そういう交流になり、犬のマナーの向上になるような広場というか、そういった場所があればいいのかなということを考えているところです。
○市川委員 どうやら当日のその場の空気というか雰囲気では、もう犬の広場の問題について触れますと大変問題が大きくなってしまう。大きくなってしまうと、これ平和の森公園にできないどころか、その他のどこの場所にも持っていき場所がなくなってしまうといったような、そういう事態にもなりかねないんですね。これはなぜかといったら、犬を飼っている飼い主の側のマナーに原因があるんです。それをある程度解決するような方法、それから、それに向けての施策といったものを充実させていくことは先ほどのたばこの問題同様に必要だと思うんです。
それで、佐伯議員は安心、安全といったような見地から条例改正を考えてみたらどうかといったような御提案がありましたけれども、私の方からは、これから、やはりマナーといったものを、いわゆるポイ捨て条例の正式名称、私、今、忘れましたけれども、例えば中野区のマナー条例というんですか、そういった形で包含して条例を改正していくような動きが今大切だと思うんです。そういったような動きについて、これはまた本橋さんの方になるのでしょうか、どのようにお考えか、お答えください。
○本橋みどりと環境担当参事 マナー全般にわたっての条例をというお話ではございますが、それぞれの行為につきまして対応がそれぞれ違っているというふうなこともありまして、全体としての条例の構成というのは難しくなるかなと。そういう意味で、今回の吸い殻、空き缶等の散乱防止に関する条例の改正におきましては、歩行喫煙、これを中心に考えていこうということで検討しているところでございます。
○市川委員 犬のふんの後始末と、それから、たばこの吸い殻をたとえに出して、それの条例改正の動きに対しての希望、抱負などを述べさせていただきました。今、答弁を伺っていましたら大分前向きにお考えになっているということもよくわかりましたので、やはり民間の企業の側が力をかそうじゃないかと言っている、この時期をきちっとタイミングとしてとらえて、これはJTの関係者の方に伺いますと、では平成17年度の予算対応はどうなんですかと、さっきの灰皿設置の話を聞きますと、いわゆる16年度に組んだ予算額より減額になります、そっちの方向だと思いますと。16年度は特に重点的に取り組んでいるんです。では、設置した後の清掃の問題なんかはどうするんですかと伺いますと、17年度以降は地元のシルバー人材センターのような団体に助成金といったような形で清掃費用を若干補助差し上げるような形で持っていきたいかなというような考えを持っていますと。といったようなことになっていきますと、民間企業側のそういう対応にうまく行政側がのって、タイアップして事を仕上げていくには、ちょうど今その時期かなと、こういうふうに思います。しかも、来年の第1回定例会に条例改正しようという動きがあるならば、そのこともやはりこの年内ぐらいには一つの方向をきちっと示していくべきだと思います。あの土地を管理している東京都の側も、三建の側も、また二建もそうであったように、もう所長はオーケー、ゴーサインを出しています。東京都側が別に渋っているわけでもないわけでして、もう一つのハードルは超しています。そういうようなことを総合的にきちんとよくよくしんしゃくして、犬のふんの後始末、飼い主の側のマナー条例みたいなものも含めて、この条例改正、環境美化に関する条例を仕上げていっていただきたいと思います。これは要望です。
次に、質疑通告の1番の行政サービスについてのお尋ねをしてみたいと思います。
けさの日本経済新聞の記事を、もう読まれましたでしょうか。「行革度 三鷹市が首位」と、こういうふうに出ているんですね。第1位が三鷹市。主なところで、板橋区が第5位、第6位に杉並区、第10位に渋谷区が入っているんです。中野区は第何位かなと思ってこれを読んでいくと、中野区は--順番の数字が消えちゃっている。ここにあるわけですね。ここ何番目だろう。(「39位です」と呼ぶ者あり)39位にあるんですね。分野別があるんです。一つは透明度、それから効率化、活性化度、それから市民参加度、利便度と、この四つの分野に分けて評価をして、そのトータルを今の順位にはめたわけですね。その分野別の評価を見ると、中野区が上位にランクされているのは市民参加度なんです。これは全国で8番の位置に入っているんです。30点満点中20点をとっておりますね。大変高い評価をいただいています。これは大変ありがたいことだなと思います。それだけ中野区が住民参加といったものを早々に行政の中に取り入れて進めてきた一つの成果だとも思いますが、ただ、この記事をもう少し読み進めますと、取り組みに偏りのある自治体が多いといったことがここに書いてあるんですね。まさに中野区とか世田谷区とか、東京23区の中で意外と上位にランクされている自治体の中に偏った取り組みが顕著になっているといったような記事があるんです。それを今、中野区も行政改革をしていく一環の中に、いかにして顧客満足度を上げていこうかといったような取り組みがあるわけなんです。その一つが、今実施されているおもてなし運動なんですが、そのおもてなし運動と行政サービスといった観点から何点かお尋ねをしてみたいと思います。
これは、週刊民社という区議会レポートがあるんです。これは藤本やすたみ区議会レポートです。これは藤本先生から手に入れたんですが、たしか以前から民社さんは職員の名札の着用をかなり強く主張されていましたし、私たち、今から10何年か前に初めて区議会に入った当時から、総務委員会でこの点についての質問は必ず民社の先生方はきちっと節々でされていました、そういう記憶もあります。この藤本先生の区議会レポートが発行されているのが昭和53年ぐらいの年度なんですね。今から数えると二十五、六年前なんです。この時点で「窓口サービス改善の一環として職員の名札着用を提言してきていますが、中野区ではいまだに実現していません」というから、まだこれより前ですね。ということは、昭和50年当時ぐらいからかなり強く主張していた。ということは、ことしの年度で数えるともう足かけ30年近くたつんですかね。このようなことが長年来ているんです。今、名札着用といった問題は既に当たり前の問題のようにして解決をされたのかなと思うんですが、ただ、今、先ほど申し上げた顧客満足度の向上といった観点からすると、当たり前のこと以上のことが今度求められているわけですね。それが、例えば庁舎に見えた方に対しての対応の仕方、応対の仕方にあると思います。
例えば見えた方に対しての対応の仕方、それから電話をかけてきた方に対しての対応の仕方、それぞれあると思うんです。よく庁舎内のロビーの中でうろうろ、うろうろ迷子のようにしてさまよっている人がいますね。どこへ行っていいかわからない。そういう方の後ろ姿を見ていると、だれかここで声をかけてくれるとありがたいんだがなといったような後ろ姿に映るんですね。ところが、よく見ているとだれも声をかける人はいないんです。よく見ている自分も声をかけていないんですね。ということは、何となくそういうものというのがなかなか自発的に芽生えにくいというのか、そういうような庁舎の中の空気があるのかなというようなぐらいに感じるんです。それから、電話の方もそうなんですが、例えばもう最近では御自身の名前を名乗るということで、もう既にやっていますよ、この質問の前の取材では、合川さんは、もうそれはちゃんとやっておりますよと、こういうふうに言ってくれますが、けさも電話をかけると、「はい、何々課でございます」と、これで終わってしまうんですね。「はい、何々課のだれだれです」と言うところまではまだいかないんですね。これは、この名札の着用と同様に、自分の名前を名乗ると非常に責任の度合いというのが増してくる、重たくなる。それに対しての自分のいわゆる責任の所在というのかな、そういうものをきちっと抱えることができるであろうかといった、なぜか行政側特有の物の考え方があるのかなと。何か大きな組織の中で対応していますよと言っておけば自分の身の置き場も安心して安全に保てるのかなといったような意識が働いているのかなと、こんなふうにちょっと考えるんですね。
そこで、今、おもてなし運動実践プランというのが策定されたと。これ、ホームページ上にも書いてあるんです。ホームページ上にも書いてあって、随分それぞれの分野別にそれぞれの取り組みのプランが一つの見出しになっているわけですね。これ、全部書いてあるからたくさんあるんです。たくさんあって、防災分野なんていうのは、私、初めてこれで見たんだけれども、「なまずプラン21」というのがあるんです。「なまず」というから、これ地震で「なまず」なんだろうと。なかなかうまいことを考えたなと思うんですけれども、お客様に納得の「な」、満足の「ま」、すっきりの「す」なんですね。納得・満足・すっきりしてもらうプランを防災分野は設けたわけですね。これ、それぞれにみんな考えています。けれども、トータル的に考えてみて、やはりおもてなしというのは、どういう一つのスローガンを掲げようが、どういうキャッチコピーをつくろうが、首尾一貫しているのは相手に対しての応対なんですね。さあ、やりましょうと言ったから、きょうから始まるものではないんですね。そういった意識の改革といった観点からすると、非常にまた時間がかかって大変な労力を要するのかなとも思うんですけれども、やはり民間は、例えば民間企業の受付に行きますと、その受付で要件を聞いてくれて、その訪ね先の人がちゃんと内線電話で連絡がとれて、丁寧なところは上の階からわざわざ迎えに来てくれるといった社もあります。それから、どこどこの階の何番の窓口へ行ってくださいと言って受付で案内をされる社もありますし、大体そんなところですね。最近ではパソコン上の画面で、どのように社内を歩いていけば目的地に到達するかといった案内をしているところもあります。
そういったようなことをちょっと見ながら思うんですが、まず1点目のお尋ねなんですけれども、おもてなし運動というのは、先ほども紹介したように、それ以前に電話に出たら担当者の自分の名前を言ったり、そういう基本的なことが大事だということは先ほど私も申し上げました。日常、区役所に電話をすると、基本的なことがどうも徹底されないように私は思うんです。こういった基本的な行為がまだまだできていないと私が思う中で、おもてなし運動で、ここで今紹介した策定プランを各分野別にさらにふやしたとしても、これは徹底がされない。逆に言うと意味のない文字の羅列になってしまうのではないかといった心配があるんですが、どのようにお考えですか。
○合川経営改革担当課長 行政サービスについて、今さまざまな御指摘をいただきました。おもてなし運動以前に、接客六つの約束の中で、電話に出たら必ず担当名と自分の名前を名乗るということは、その接客の六つの約束の中で徹底をするということで始めてございます。先生御指摘のマナー、その点の徹底が不十分だということであれば、さらに徹底をさせたいというふうに考えてございます。
おもてなし運動では、単なる接客向上運動ということにはとどまらずに、接客満足向上を目標に区の仕事を進めていくんだということを明確にしていくための運動でございます。接客能力の向上という単一的な視点ではなく、区のすべての業務執行において、顧客の視点に立った事務処理あるいは仕事の進め方の改善、十分な説明、新しい発想の取り入れ等、その取り組みを通して職員の活性化を目指しております。各職場での、今御紹介ありました実践プランの実行を行う中で一人ひとりの職員が気づきを考えていくことで変わっていきたい、そんなふうに考えてございます。○市川委員 この名前を名乗るといった基本的なことに関して、何か組合側から意見があるようなことはないでしょうね。
○合川経営改革担当課長 そんなことはございません。
○市川委員 おもてなし運動のバッジを管理職の皆さんがつけていらっしゃいますね。こういったバッジを全職員がきちっと名札と一緒に着用するといったことぐらいは、私は最低限されるのかなと思っていたんですが、このバッジは管理職や執行役員の皆さんしかつけていないと。いわゆるここの席にいらっしゃる皆さんかな、ついていないといったことについてはどんなふうに考えて、今後はどういうふうにされていくんですか。
○合川経営改革担当課長 このバッジでございますけれども、統括管理者はおもてなしマネジャー、それから、執行責任者はおもてなしリーダーとして、おもてなし運動の体制づくりや執行管理を行うということで、その責務をより明確にするためにバッジをつけているということでございます。
今後、おもてなし運動を進めていくことの周知方法については、さまざま検討していきたいというふうに考えてございます。
○市川委員 リーダーとかマネジャーといった区分けをすることによって、それはリーダーやマネジャーが実践をすればいいことなんですと。我々の側はどうすればいいのかは提言しますと。だけども、それを率先して行うのはリーダーやマネジャーの方たちなんですといった意識が一般職員の間にはややあるのかなと。そういうのができてしまうのかなと。やはりみんなで同じに取り組んでいるんだよ、これにマネジャーもリーダーもないんだよ。ただし、あるとき各階の、それぞれ便宜を図るためにフロアマネジャーを置くだとかといった問題は後ほどまた質問しますけれども、そういった、このおもてなしといった問題についてはだれがマネジャーであるとか、だれがリーダーであるとか、だれが責任者であって、あなたたちはその下で言うことを聞いていなさいといったものはないんですね。そういう組織めいたものがバッジにあらわれていると思うんですが、これも通告していないんだけれども、どんなふうに考えますか。
○合川経営改革担当課長 おもてなし運動のもとということは、やはり各職場でその顧客に対してどういった満足度を与えるための業務執行改善を行うのかということが大切なこと、職員一人ひとりがそういったことを気づくということが大切だというふうに考えてございます。そういった意味で、各職場の責任者が中心となってということでございますけれども、各その職場の所属をしている職員一人ひとりが、やはりどれだけ気づきを行っていくのかということが大切だというふうに考えてございますので、その点も含めて、これからさまざま周知方法については検討していきたいというふうに考えております。
○市川委員 先ほど御紹介しました名札の着用から、その名札を皆さんが自然につけるようになるまでに、やはり20年から25年という年数がかかっているんですね。私、この接客というものを顧客満足度の向上の中で考えるのをおもてなし運動として位置付けて、今のようにしてバッジはリーダーやマネジャーがつけているんですといったような取り組みをしている限り、一人ひとりが区民に対して名乗ったり、一人ひとりが区民の立場に立って奉仕者として、それこそ自分の仕事に従事したりするような姿勢になるまで、その意識に変わるまで、私はあと20年かかると思いますよ。それぐらい、こういう問題というのは一人ひとりが、なぜか何かに形づけられてつくっていくものではないんだということなんですね。どうしても一つひとつの形づけられたものの中にはめ込まれてしまうから、どうしてもそこで拒絶反応といったものがあらわれたりするのではないのか。そうしたことを、やはり払拭していくようなおもてなし運動を推進していくことが大事だと思うんです。
ついては、やはり区に訪ねてみえた方、また電話をかけてきた方、その方たちに感謝の言葉をかけられたら、みんなやる気が出るんですね。やってあげてよかったなと。きっと感謝の言葉をかけて帰ったその区民の方は、家に着いたときに、きょうは区役所へ行ってよかったよ、親切にしてもらってねと。それが今度口コミになって広がるんですね。そういったようなことの、日常わずかなことの積み重ねというか日々の繰り返しで、逆に言うと中野区といった行政に対しての信頼感というのが生まれるんです。そういう一つひとつのことの積み重ねというのは私は大事だと思うんです。ですから、その点については重々留意をしていただきたいし、こういうことは、逆に言うと議会で質問して、さあ一斉にどうぞというわけでもないんです。とにかく皆さんにそういう意識を持っていただいて、一人ひとり来庁者、電話かけてきた人、皆さんが喜んでくれるような応対の仕方、対応の仕方、一人ひとりを大事にしてあげるといったようなことをまず基本にしよう、こういったような策定プランを羅列するのではなくて、これだけはみんなで守ろうといったものをきちっと打ち出していくことが大事だと思うんです。そういったような観点から進めていっていただければと思っております。
また、おもてなし運動では、行政サービスの部分だけ、いわゆる1階の区民課の窓口とか、そういったような部分だけがクローズアップされているように思うんですが、行政行為の中には権力を行使しなければならない、また逆に言うと権力を行使する業務があるわけです。例えば税の問題や国民健康保険の問題、これ滞納の処分ですね。それから、違反建築の取り締まりなどは、また放置自転車の撤去もそうかな、ああいったような行為は権力を行使するわけです、そういった業務なんですね。そういった業務について、おもてなしとはどういうような定義になるのか、その点について明確に答えていただきたいと思います。
○合川経営改革担当課長 顧客満足というのは、目の前のお客様だけではなくて、その後ろに控えているその他のお客様のことも考える、こういったものだというふうに考えてございます。例えば放置自転車の撤去をされて怒っているお客様だけのことではなくて、その後ろにいる、放置自転車により迷惑をこうむる多くのお客様のことを考えて、撤去することが顧客満足であり、暮らしやすい中野をつくっていくということになります。また、税の滞納処分につきましても、納期にきちんと納めていただいている多くの区民の方々のことを考え、その視点で法律にのっとって毅然とした態度で滞納処分を行っていくということが顧客満足につながるというふうに考えてございます。
○市川委員 先日の区報とかホームページで、9月から、先月からおもてなし運動の実践プランをそれぞれの各分野で行っていきますという発表をしていましたね。これを9月、どのような形で行ったのか。例えば私がこれをざっと見た中の広聴広報分野なんですが、「中野区に住み続けたいとか、住んでみたいと思える魅力的な区にするために、今年度、広聴広報戦略年間計画を策定します」としているんですが、そもそも年間計画というものは、これはないんでしょうか。そして、いつに向けての計画なのか、非常に漠然としていて具体性に欠けてしまいがちなんですね。これについてどのように思うか、お考えを聞かせてください。
○鈴木広聴広報担当課長 私どもは、おもてなし運動の本来の趣旨は顧客満足度の向上という視点から、接客向上はもちろん、行政本位の姿勢を区民本位の姿勢に転換し、区民に対する説明責任を果たし、新鮮かつ柔軟な発想で事業やサービスを再構築すると、そういうことにあるのではないかというふうに考えてございます。これまで区報やホームページなど、各種の広報媒体の機能と役割を踏まえて効果的な広報ができていたのか、あるいは広聴機能を通じて把握した区民の声を区政にきちんと反映する仕組みができていたのか、そういったことを改めて見つめ直した上で、全体として戦略を持って計画的に広聴広報活動を展開していくことが大事だというふうに考えました。そのため、広聴広報戦略と広聴広報年間計画を策定し、かつ実践することこそが最大のおもてなしであると、そういう考え方に基づきまして、おもてなし運動実施プランのテーマとしたものでございます。
そこで、1点目の御質問に対するお答えになりますけれども、年間計画につきましては、これまでも年間広聴広報実施計画、そういったものをつくりまして実践してまいったところでございます。しかし、広聴広報戦略をこのたび策定するということに伴いまして、年間計画についても戦略に基づいた上で展開する必要があると、そういうふうに考えて実践プランに記述したところでございます。
それから、2点目のいつに向けての計画なのかという御質問でございますけれども、これまでのような広報広聴年間計画につきましては、今年度も既につくってやっているところでございます。今年度は特に基本構想、10か年計画の策定など重要な計画づくりの時期に当たっているため、計画の策定スケジュールに合わせて必要な調整を行っていくといったように考えております。
○市川委員 顧客満足度を向上させるために、職員研修のあり方といったようなものをちょっと考えてみたいと思います。例えばこのおもてなし運動の実践プランを策定したときに、どういうような形でか策定をした。いわゆる各分野、各課でそれぞれの分野別にそれぞれ職員の皆さん方がいろいろとお話をし合って決めたことだと思うんですけれども、顧客満足度向上のために、例えば民間企業へ職員の皆さんを派遣して研修をしてもらうとか、それから民間企業に中野区側においでいただいてそういったような研修会を開くとか--中野区には丸井さんといった大変大きな企業があるんですね。丸井本社ビルはすぐそこにありますけれども、丸井さんは特に社員研修には大変な力を入れていらっしゃると私は日ごろから聞いています。あの本社ビルは、すべてと言っては言い過ぎですが、毎日のように会議室、研修室がフル回転しているというふうに伺っています。それは、それぞれの店舗にいる社員をそれぞれローテーションであそこに集めて研修を積んでいるんだといったような話なんですが、そういったようなことに非常に積極的に取り組んでいる企業がこの区役所の隣にあるんですね。そういった企業の職員研修のあり方を学んでこようとか、そういった企業とタイアップして、そして、本来あるべき顧客満足度の向上というのはどういうものなのか。ましてや丸井さんはサービス業ですから、そういったものを研修しようかとか、そういったようなことの考え方というのがこれからは大切になると思うんですが、職員研修という観点からどのようにお考えなのか、聞かせてください。
○長田人事担当課長 研修は実践を支える重要な機能だというふうに考えてございます。顧客満足度の向上等に関しましても、民間で蓄積されたノウハウを積極的に取り入れるように努めてきたところでございます。
15年度の取り組みを御紹介させていただきますと、CS(顧客満足度)向上に関する民間の権威者による研修を行いました。それから、フロアマネジャーの体験研修を行いました。それから、御質問の中にも御指摘ございましたが、民間企業体験研修、これも実施してございます。そのほかにも、本質的に仕事のあり方を考え直すという意味で、価値の創造のための思考法、それから対話法に対する研修、それから経営戦略術ということで、主に幹部職員を対象にしたものですが、経営品質に関する研修、それから顧客満足度の研修、それから三重県の前の総務部長をお招きして経営改革全般に対する研修など、各種民間に蓄積されたノウハウ、ないしは先行する自治体のノウハウを積極的に取り入れるような、そういった努力をしているところでございます。
○市川委員 主要施策の成果の中に、今御紹介があったように59ページに書いてあります。これは窓口接客向上研修の受講者数、それからOA研修指導者の育成、情報化推進リーダーの育成ですね。それから民間派遣研修の受講者数など、これを見ましても、対前年度という比較をしますと逆にマイナスになっている部分が大きいわけです。これは回数とかそういったような問題にもあるのかもしれませんけれども、こういうものが充実するようなことはとても大切だと思いますし、逆に言うと、この施策の評価結果はBのマイナスになっているわけですね。ここにも書いてありますが、「中野区政を支える重要な仕事であり、必要性が認められる」と、非常に重要視しているわけですね。こういったようなことを今後ますます充実させていくということで、そういうことに中野区は目を向けていますよ、だから、区の職員の皆さん、大いに研修を受けてくださいよ、そういうところへ行って民間の感覚をつかんでくださいよと、そういうことに大きく力を入れていますよといった姿勢を、またこれは来年度予算にでも反映させていくといったようなお気持ちはありますか。
○長田人事担当課長 先ほど申し上げましたように、研修は実践との相互作用だというふうに考えてございます。15年度の取り組みを踏まえ、現在、16年度は経営コンサルタントの導入をいたしまして、目標と成果による組織の運営をより内実化していく、高めていくという努力をしてございます。こういった積み重ねの上に、また17年度、組織の持っている総合力を高めるための顧客対応力をより高めていくための研修を発展、充実させていきたいというふうに考えております。
○市川委員 わかりました。
それでは、次の項目に移りたいと思います。公園管理について、お尋ねをします。
まず1点、区内の公園等の数、それから、その総面積はどのくらいあるのか。それから、この施設維持経費、メンテナンスにいかほどかかっているのか、お答えください。
○斎木公園緑地担当課長 公園緑地分野で所管する施設は、区立公園158園とポケットパークなどのオープンスペース9カ所を合わせた167カ所であります。その総面積は、約34万6,000平方メートルになります。これらの維持経費を15年度決算で見ますと、約2億8,712万円かかっております。総面積で割り返しますと、1平方メートル単価830円になります。
なお、維持経費の内容ですけれども、清掃、除草に加えまして、トイレや排水溝の清掃、それから、ごみ処理及び樹木剪定と病虫害防除、水道・電気代、小破修理といった経常費を含んだものになります。つけ加えて申し上げますと、要望どおりの樹木剪定のローテーションを組んだり、ごみのない快適な状態にするには当然でありますが、より以上の経費がかかるというふうに考えています。
○市川委員 ただいまの答弁の中にありました要綱どおりの剪定基準というのは何ですか。要綱の中に定められている剪定基準、ローテーション。
○斎木公園緑地担当課長 今ちょっと言葉があれですけれども、要望どおりの樹木剪定、例えば今、4年に1回とか3年に1回。本来ならば樹木の生育や、それから景観、それから、その樹木の茂ることによる影響、そういったものをきちんとやるとなれば、ある程度ローテーションを詰めなければいけない、そういう意味の言葉で申し上げました。
○市川委員 わかりました。それで、公園管理のお話が今ありましたが、その樹木の剪定など、例えば3年に1回とか2年に1回とかというローテーションを組んでやっているわけですね。それ以上に、これを毎年剪定をするとかということになりますと、それが2倍、3倍とかかるわけですね。そういうことがないようにと、そういうような経費の持ち出しをいかに少なくしていくかという方向でそのようなローテーションを組まれているわけなんですが、そういう中に、公園管理の部分に地元の住民の皆さんによるボランティア活動というんですか、公園の運営委員会のようなものがかかわっているように伺っておりますが、そういったボランティアの寄与に対してはどのような認識を持っていらっしゃいますか。
○斎木公園緑地担当課長 公園運営委員会ということかと思いますが、これにつきましては、全公園で設置されていないことを初めにお断りしたいと思います。この会の趣旨は、区の管理に加え、よりよい公園環境を保つということから、主にごみ拾いなどの美化活動や、安心して遊べるように巡視などを行っているというものでして、平成12年度まで区が活動助成をしてまいりました。助成打ち切り後も、すべてのグループではありませんが、引き続きボランティアとして活動していただいているところです。こうした善意の行為を金額に換算するということになりますと甚だ失礼かと思いますけれども、あえて申し上げるならば、平成12年度の活動助成決算額をお示しすることによってお答えにしたいと、こんなふうに考えます。総額で約565万9,000円でした。
○市川委員 このようなことを伺いましたのは、中野区、これ以上公園を求めていくというのは非常に困難な地区ですね。これから警大の跡地の問題だとか、それから南口の二丁目の再開発の問題だとか、もちろん北部防災公園しかりですね。それから、南にあります東大の海洋研究所の跡地の問題もあるかもしれません。そういった問題を今後考えていくのに、私、最近思っているんですが、これからの区内にある公園といったものの運営は、すべて中野区、行政側が管理したり責任を持ったりする時代ではないのかなというような気もします。まして、今、警大の跡地がどのような事業手法で開発されていくかを考えたり、また、南口の二丁目の再開発事業が進んでいくことを考えたり、また、中野四丁目東地区の完成している再開発事業を考えたりしますと、そのまちにある程度の容積率の緩和があって、建物が高くなったかわりに周りにオープンスペースが生まれている。そのオープンスペースに対して緑被率というのか、それを何%という形でちゃんと法的に定めて、それだけの緑を確保しなければならないといった中に公開空地が生まれて、そこは区民の憩いの場になっているわけですね。そういった形で設けられた場所というのは、その管理者がその管理をしているわけです。いわゆる設置主体者というのか、そこのオーナーが管理をする。そうすると、例えば剪定にしても毎年することになるでしょう。それから、例えば池があったとして、そこに水辺があったときに、その水の品質管理といったことは、その管理者側がみずからの責任として必ず毎年きれいにその水を維持管理することになるでしょう。といったことに今後はしっかりと目を向けていくことが、この民間事業者のそういう開発行為と、それから行政側の公園のこれからのあり方といったものの中にきちっと位置付けていく必要があると思うんです。
公園緑地課は都市整備部の中にありますから、同じ都市計画の問題として、こういう問題を積極的にとらえて、まちづくりをしながらにして、そこに、いわゆる元来区がつくるべき公園といったスペースを民間の協力によって仕上げていくといった方向がこれからは私は望ましいと思うんですが、一切合財の公園管理から区が手を引くというわけではないんですよ、町中の景観として公園は必要だよ、緑は必要だよというのは当然ありますから、それにとどまらず、そういった民間の事業者の協力といったものを仰ぎながら公園の整備をしていく、オープンスペースの整備をしていくといった考え方については、どのようにお考えですか。
○斎木公園緑地担当課長 中野区の1人当たりの公園面積が、都市公園法に示されております標準面積より下回っているということでありますので、この数値に近づけることは明確な目標にしていることは確かでございます。ただ、一方、メンテナンスを含めて財政の負担を軽減する手だてを考える必要があるということも認識しているところでございます。
そこで、今後のあり方ということですが、まちづくりや都市環境といった枠組みの中で、関係部署と連携しながら用地の提供を促したり、大きな公開空地を生み出す規制誘導への取り組みや、それから、6月に制定の都市緑地法に導入された新制度の活用により公園整備手法の拡大を図ったり、それから、さまざまな主体による管理の仕組みを取り入れることなどを考えているところです。
○市川委員 わかりました。そのような方向をよく検討しながら、公園のあり方について考えていっていただきたいと思います。
次の項目に移ります。街づくりと学校施設の再編、教育施設の再編についてお尋ねをします。
先般、中野駅周辺の中・警特、特別委員会の懇談会を開いた席上、提供されました中野駅周辺まちづくり計画素案のたたき台の中に、地区別エリアという表示がされている5ページがあります。この中に「中央中体育館一帯」という、私たち初めて目にするような文言がエリアとして位置付けられてきました。この中央中の問題なんですが、今、教育施設の再編について、さまざま議論が行われている。これがいろいろと内部で検討されている。教育委員会で検討されているといったところでありましょう。そして、今、いろいろな学校のあるべき数字、中学校は何校であるべきだとかという、そういうものも伺います。さまざまな質疑がありました。
私は、ここで1点お尋ねをしておきたいんですが、基本構想や10か年といったものから、学校の施設再編、教育施設の再編といったものを切り離して考えるといったような動きがあるやにも伺っておりますが、そこからまたもう一歩脱却して、教育施設をさらにもう一歩、この中野駅周辺のまちづくりにそのスケジュール的なものを当てはめて考えると、中央中学校は今後あるべきなのかといった議論は先に先行的に行われなければならないと思うんです。その位置付けをしっかりした上で、この警大の跡地の、例えば中央中の隣地の問題だとかが、もしその隣地を区が取得するとかといった話になったときに、この位置付けがなされていなければ、区がどの用地を取得するかといった話に、中央中の位置的な問題もあったら、これがまだ課題として残ってしまっていると解決していかなくなってしまうのではないだろうかといったような懸念があります。それについて1点だけお尋ねをします。この中野駅周辺整備のまちづくり計画の中に位置付けられている中央中学校、これを教育施設再編の中でどのように先行的に考えていかれるかというようなお考えがあるかないか、その点をお尋ねいたします。
○小谷松教育改革担当課長 中央中学校の件でございますけれども、中央中学校につきましては、その通学区域が中野駅周辺まちづくりのエリアを含むということ。それからまた、あわせて中央中学校自身がこの駅周辺のエリアの中にみずからの校地を持っているといったことがございます。そういったことからいたしますと、やはりこの中央中をどういった学校にしていくかということは、このまちづくりと非常に一体的な形で、非常に大きな影響を持っているというふうに思います。この駅周辺のまちづくりのあり方が学校に影響を及ぼすと同時に、また、どういった学校をつくっていくのか、中央中、どういった将来的な学校をつくっていくかということも、この駅周辺のまちづくりに影響を及ぼしていくだろうというふうに思ってございます。
現在、学校再編につきましては、これを個々の学校ごとに1件ずつ検討するといったことではなくて、中野の将来、学校のあり方、教育のあり方を見据えて全体として検討を進めてございます。そういった中で、この中央中学校というものにつきましても、今申し上げた中央中学校としての状況がございますので、そういったものも十分踏まえた上で検討を進めてまいりたい、そのように思ってございます。
○市川委員 次に、その他の項目に移ります。電子投票ですが、これについてお尋ねします。
昨年の区議会議員の選挙で、1票差における当落の判定がありました。伺うところによりますと、疑問票というのが1,800票ほどあったというふうに伺っております。投票が1票として候補者の得票につながるということが、これは民主主義の原点です。そういったところから考えると、1,800票が全く行方知れずというのは、民主主義の原点からかなり逸脱しているという物の考え方が成り立ちます。
そこでお尋ねをしますが、電子投票、これはパネルタッチ方式の電子投票システムが今構築されておりますが、これらについての導入をお考えかということです。例えば今後の区議会議員選挙に向けて導入を検討していくお考えがあるか。
それともう1点、もう時間の関係で二つ質問しておきますが、もう一つの二つ目の質問は、これも職員派遣など積極的にして、電子投票システムの研究を中野区として先進的に行っていきたいといったような考え方が同時にあるか。要するに積極的に取り組んでいこうといったお考え方があるか、その点をお尋ねしますので、同時にお答えください。
○山下選挙管理委員会事務局長 この電子投票のシステム、大変にメリットがさまざま考えられてございます。特に疑問票がないというような点は大きな一つだというふうに思ってございます。ただ、現行の制度では地方選挙での実施しか認められておりませんで、国政選挙は従前と同様に投票用紙を使った方法をとらざるを得ません。こんなことから、有権者がその選挙によって方法が変わるというようなことで混乱をされるおそれがあるというようなこと、あるいは選挙の事務も二つのシステムを維持しなければならないというような点がございます。それからもう一つは、画面に、例えば区議会議員の選挙の場合など、候補者が60人、70人というような方がいらっしゃるときに、それを1画面では恐らく表示できないだろうというようなことで、クリアすべき問題もありますので、次回のところで積極的に導入できるというところまではなかなか進まないとは思いますが、研究については、これは精いっぱいやらせていただきたいというふうに思ってございます。そういうことで御理解をいただければというふうに思います。
○平島委員長 市川委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にいたしたいと思います。
午後1時まで委員会を休憩いたします。
午後0時00分休憩
午後1時00分開議
○平島委員長 委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、総括質疑を行います。
○市川委員 あと二、三点、ちょっとお尋ねをいたします。
主要施策の成果70ページに軽可搬消火ポンプが載っています。この軽可搬消火ポンプ操法大会がこの10月、南中野地域を中心にあります。それで、このポンプの存在意義と利用実態についてのお尋ねを1点します。お答えください。
○納谷防災担当課長 軽可搬消火ポンプの利用実態または存在意義ということでございます。改めて申し上げるまでもなく、例えば関東大震災あるいは関東直下型、そういう地震が来ますと、中野区は多数の家屋の倒壊、あるいは震災火災の発災に見舞われます。特に震災火災の発災に関しましては、区内の25%の面積が消失する、このような被害想定も出されているところでございます。この震災火災、同時多発的な震災火災に対しましては、既存の消防力、つまり消防署等の消火活動では限界がございます。また、すべてに対応ができるわけではございません。したがいまして、特に地域の方々が力を合わせた発災初期の初期消火対応は極めて重要なところでございます。
したがいまして、区といたしましては、この初期消火体制を確保するために、街頭消火器の整備、あるいは防火水槽、そして、御質問にありました軽可搬消火ポンプの各防災会への配備を行っているところでございます。このような初期消火体制の整備を確保して、まちの安全を図っていきたいというふうに考えております。
利用実態でございますが、年間、大体の軽可搬消火ポンプ、台数にいたしますと160台ほどが活用されてございます。また、各防災会には月に一、二回、このポンプの点検あるいは試運転をお願いしているところでございます。このような日常の訓練あるいは点検等を通じて、地域の防災行動力、また、ひいては地域の協力体制を築いていただき、いざというときに備えていただいている、このようなものでございます。
○市川委員 今の答弁は、そういう一つの形というか、そういうものを言いあらわしたにすぎないというふうになぜか思えてなりません。ということは、地域防災会の皆さんが、私ども周辺の防災会の皆さん方に伺いますと、この軽可搬ポンプの存在というものが、どうもちゃんとした認識というか、いわゆる操法大会のときにこれを持ち出して大会に参加するんだといったときには使うんだと。だけども、初期消火活動といった中にそれを使ったためしがないんだと。大きな災害というか、いわゆる関東震災級とか阪神・淡路震災級の災害というのが、そう日々日常茶飯事というわけではもちろんないわけで、そういったようなときに果たして何が必要なのかといったことを、もう一度考え直してみてはどうだろうかといった声があります。
そういった中で、ただ単に中野区全域的にその地域防災会を単位にして、この軽可搬消火ポンプを配備するだけにとどめずに、日常のこの活用方法とか、それを地域防災会と連携をとり意見交換をすると。また、この軽可搬ポンプのあるべき姿、それにかわるものが何かあるのかないのかといった深いところまで掘り下げて議論をする、そういうような意見交換などをするといった中から、本当に震災が起きたときなど、緊急時におけるその配備されているものの活用というのがより高まるといった効果を常に行政側も持っていなければいけないというふうに思いますが、どのようにお考えになりますか。
○納谷防災担当課長 委員が今御指摘のように、軽可搬消火ポンプを初め防災資機材、地域に配備してございます防災資機材、配備してあればよしというものではないということは十分認識しております。やはり特に日常の利用あるいは活用が活発に行われなくては、やはりいざというときに、震災時に特に効果を発揮しないということも十分私ども認識しているところでございます。
私ども、年間250回を超える防災訓練を実施しているところでございます。防災訓練等につきましては、どうしても訓練の円滑な実施に目をやりがちで、地域の方々とひざ詰め合わせてお話しする機会、意見交換を行う機会が確かにちょっと少ないというふうには感じているところでございます。委員からもお話ありました町連主催の軽可搬消火ポンプ大会、最近では中学生が参加するなど、一部活発な明るい動きも見られてございます。私どもも本年度から出前講座と銘打ちまして、各防災会で座談会とか、あるいはビデオを上映するなど、そういう取り組みも開始したところでございます。
委員から御指摘ありましたように、これからも防災訓練の充実は重要でございます。それとともに、地域の防災会あるいは団体の方々と意見交換あるいは話し合いを持つ努力をしまして、軽可搬ポンプを初め、さまざまな防災資機材の活用に向けて、課題、問題があればそれを共有し、ともに解決する、このような姿勢を持って、区民の方ともども、一層さらに地域の防災力の向上に向けて取り組んでいきたい、このように考えているところでございます。
○市川委員 ありがとうございました。
次にもう1点、その他の項目で、基本構想の中で、これは資料の4、検討素材NO.4の7ページの中ほどに「市民の行う公共・公益活動の推進として、公共・公益活動を行う市民活動が広まるように(仮称)NPO活動支援センターの開設、公募による事業提案制度、活動支援基金の創設を行う」といった行があります。またもう1点、そのすぐ下段に「地域団体活動の支援」とありまして、ここには「町会・自治会、老人クラブなどの支援を推進する」とあります。一方では、一方というか、先に紹介した方には、NPO法人等の支援センター設置の動きというんですか、このような一つの方向付けがなされているわけなんですが、これに対して、町会・自治会、また老人クラブ等に対しての位置付けというんですか、そういった事務局機能といったものを、NPO法人を支援するセンターを設置する反面、どのような形で今後位置付けていくか、設けていくかといった点のお考えをお聞かせください。
○合川経営改革担当課長 ただいま委員から御紹介がございましたように、現在、策定を進めております基本構想の将来像を描く、それを実現する10か年計画の中で、市民の行う公共・公益活動の推進ということを挙げていまして、その中で具体的にNPO活動支援センターというようなことも現在提案をしているところでございます。
町会・自治会につきましては、今さら申し上げるまでもございませんが、防犯や防災、あるいは高齢者の見守りなど、区民生活を守るために、まさに公益・公共活動を展開されているということで、そういった意味では、先ほど申し上げた市民の行う公共・公益活動の推進という中での支援、取り組みということもあります。また一方、町会として、基本構想の本文の中にも掲げておりますけれども、地縁団体としての長い経験を踏まえて、よりよい地域づくりに力を尽くしていると、そのような期待も述べているところでございまして、現在も区としてさまざま連携、協力関係を築きながら、また支援を進めているところでございます。
今、具体的にございました、その事務局機能ということでございますけれども、町会・自治会が地域で、あるいは区の連合体として活動していく中で、区としてどのような支援のあり方があるかということについて、今、所管部を交えて検討を進めているところでございます。その具体的内容については、10か年計画の中でその基本的な方向を示していきたいというふうに考えています。
○市川委員 その点は重々慎重に、よろしくお願いします。
以上で質問はおしまいです。
この間、前大臣の石原伸晃さんのところから号外と称して新聞が来ました。御自身のところで発行している新聞ですが、この中に大変印象深い文章がありました。「大臣を務めて、さまざまな改革に取り組んできました。それらの改革を実現できたのは、私がこの3年半の間、常に、どうしてできないかではなく、どうやったらできるかを考え、実行してきたからです。官僚は、とかく何かというとすぐ、どうしてできないかを説明に来ます。既存の制度でできないのであれば、新しい制度をつくればいいのです。アイデアとやる気があれば日本は変わるのです」、この「日本」を「中野区」と置きかえれば、まさにそのとおりなんですが、今、御紹介を申し上げました石原伸晃前大臣の御自身の党議資料の中にうたわれている文章について、最後に区長、どういうふうに思いますか。
○田中区長 御紹介のあった段落、まさにそのとおりだと思っています。我々も区政を運営していく上で、議員の皆さん、あるいは区民の皆さんからさまざまな御提案や御要望、御意見をいただくわけですけれども、これについて、つい、まずできない理由を考えて、そこから話に入ってしまうというようなことが本当に区民の声を正面から受けとめるということをさせない、そういうやり方になってしまうということになっていくということを常々注意をしなければいけないと思っているところです。区民の皆さんの価値、何をすれば区民のためになるのかということを、それぞれの区民の皆さんときちっと向き合って、まず何ができるかを考えていく、どうすればできるようになるかを考えていく。どうしてもできないとすれば、それがどうしてできないかをきちっと御説明をするというところでやっていかなければならないというふうに、職員とも常々話し合っているところであります。
○市川委員 以上でおしまいにします。どうもありがとうございました。長い時間をいただきまして、どうもありがとうございました。
○平島委員長 以上で市川みのる委員の質疑を終了いたします。
次に3番目、藤本やすたみ委員、お願いいたします。
○藤本委員 民主クラブの立場から質問させていただきます。
時間が限られておりますので、各項目について一つずつお尋ねをするような形になろうかと思いますので、答弁の方もできるだけ簡潔に、また明瞭にお答えをしていただければと思っております。
まず第1の基本構想の策定については、これはかなり議論をすると時間がかかりますので、1点だけお尋ねをしたいと思っております。
先ほどの市川みのる委員の思いと恐らく同じだろうと思いますけれども、この基本構想、あるいはこれからの中野区の10か年計画についても、やはり小・中学校の再編というのは最重要課題の一つだろうと思っておりますし、これが本当にきちっとした形で解決あるいは展望が開けてくると、中野区の改革というのは非常に大きく進んでいくだろうと思っております。その点で、さきにも質問させていただきましたけれども、同じく警察大学の跡地の利用についても同じようなことが言えると思いますが、先ほども質問がありましたけれども、この敷地の中には中央中がありますし、すぐ隣接して桃丘小学校があります。そして、いずれも同じく建てかえ時期が目前に迫っている小・中学校であります。こういう中で、先ほどの答弁をお聞きしても、なかなか教育委員会の意思というのが見えてこないというか、これだけの土地に貴重な教育財産があるわけです。これを、どうやってよりよい子どもたちの教育環境をつくっていくために生かしていくかということでの教育委員会の思いというか、そういったことを、やはり区民あるいは教育関係者に伝えていくことが必要なのではないかと思いますけれども、その辺について教育長、あるいは次長、どちらか御答弁いただければと思います。
○金野教育委員会事務局次長 警察大学校跡地周辺につきましては、教育委員会としても考え方を示して、区全体との調整を進めております。御指摘のその周辺にある教育財産、中央中学校あるいは中野体育館等につきましては、教育のために生かしていきたいという考え方を持って進めていきたいと思っております。
○藤本委員 答弁としては簡単な答弁になっておりますけれども、ぜひ子どもたちの教育のために、せっかくある教育財産を生かしていけるような形で小・中学校の再編というものもつくっていただきたいと思いますので、その辺を、教育委員会の中でもかなりの議論は進められていると思いますけれども、教育委員会だけではなくして、中野区の全体としても当局としてもしっかりと踏まえて、これからの警大跡地の計画、あるいは学校の再編の中に生かしていただきたいと思います。
2番目に、サンプラザの取得と活用については少し議論が積み重なるかと思いますので、3番目の図書館と保育園の民間委託の評価について、まずお尋ねをしたいと思います。
図書館と、それから保育園、これが民間委託をされてまいりました。まず最初に、図書館の民間委託について、既に何回か答弁等もありましたけれども、総括的に民間委託をしての評価について、行政としてどのように評価をされているか、お答えをいただきたいと思います。
○石﨑中央図書館長 まず最初に、民間委託の効果でございます。
まず区民サービスの向上ということで、全祝日・全日曜日開館することによって約1割の開館日数の増、260日から288日に開館日を増加いたしました。また、従来から区民の皆様から要望のたくさんありました返却した本の書架戻しを、今までお客様が行っていたわけでございますけれども、従業員が行うことといたしました。
それから、接遇の向上ということで、お客様からの苦情が非常に減った状況でございます。
それから、あわせておもてなし運動のアンケート、これ6月に行ったわけでございます。「委託前と比して窓口サービスが向上したかどうか」という質問でございます。「よくなった」という方が40%、「変わらない」という方が27%ということで、約3分の2の方が今までと一緒か、それ以上よくなった、40%の方はよくなったというふうに答えていただいております。
それから、専門性の向上ということで、我々、委託契約の中で30%の司書率を義務付けていたわけでございますけれども、結果的に65%ということで、簡易なレファレンスとか、読書案内の業務など順調に行えております。そういう意味から、専門性も向上している状況でございます。
それから、結果的に財政上の効果ということで、常勤職員56人削減、それから非常勤、臨時職員を廃止いたしまして、約6億4,100万円の財政効果がございまして、委託料が約3億900万円ということで、差し引き3億200万円。それから、開館日が約1割増加したということもございますので、3億円を超える財政的効果が結果的に出たわけでございます。
それから、中野区のこういう状況について全国的にもかなり注目を浴びまして、北は小樽から南は那覇まで、職層でいえば教育委員会の方から担当者の方まで、問い合わせ、視察がかなり相次いで来たわけでございます。
○藤本委員 民間委託をして行政としてもかなりの効果を上げている、あるいは区民からもかなり高く評価をされているということでございます。ただ、今後の図書館のあり方ということについては、これから基本構想あるいは10か年計画の中で、やはり各地域の図書館がかなり古くなっています。そういったことでの懸念があって、結局、図書館がどんどん減らされていくのではないか、あるいは学校の図書館との連携というような文章がたしかありまして、それに代替していくという、これはちょっと難しいことだと思うんですけれども、その辺のこれからの図書館というのがどのような形であるべきかというか、そういう計画を離れて、図書館長としての展望というか夢、こんな図書館がこれから中野区にとっては必要だというようなお考えというか、夢でもいいんですけれども、ありましたら語っていただければと思います。
○石﨑中央図書館長 まず最初、施設面でございます。暮らしの中で安らぎとかゆとりを感じられて、日常の生活から離れまして、文化の香りがかもし出されているような空間、それから、区民が気楽に利用できる都市生活におけるオアシスとしての空間、それから、区民が積極的に交流できる空間、こういうような空間を夢見ております。
それから、運営面におきましては、蔵書数、今100万冊ございます。これをさらに充実させ、今日の政治的、経済的、社会的課題を反映した、さまざまな分野で、刊行年が新しく、利用頻度が高い図書を蔵書としていくため、適切に更新していきたいというふうに思っているわけでございます。
それから、今日、IT時代ということがございます。ITというのは、かなり新しい情報でございますけれども、体系的な面で欠けるというような側面がございます。また、蔵書につきましては、体系などがございますが、時代状況が若干ずれるということがございます。こういうものを図書館員のスキルで適切に融合させ、ハイブリッドな有効な図書館としていきたいというふうに思っています。こういうことによって、区民へのレファレンスサービス、それからビジネス支援なども積極的にやっていきたいというふうに思っております。
それから、さまざまなサービスの選択肢の提供ということで、身近なところに、今、学校をはじめ公共施設、そういうものをサービスポイントといたしまして、さらに高いサービスなど多様な選択肢を用意していきたいというふうに思っているところでございます。
○藤本委員 ちょっと夢と言ったのがまずかったのかもしれませんが、図書館として、今の私の理解というか、かなり古くなっている図書館がありますよね。そういう図書館の空間ではなくして、もっとよりスペースの広い、もっとゆとりのある、例えば建てかえ時にはそういう図書館を図書館長としてはつくっていきたいと、そういうような思いというふうに理解してよろしいでしょうか。簡単に答えてください。
○石﨑中央図書館長 まさしく、さようでございます。
○藤本委員 ありがとうございます。ぜひ図書館、やはり大変大切な施設ですから、図書館が地域でなくなっていくということではなくして、あるいはその数が多少減るかもしれないけれども、しかし、それにかわる十分な、皆さんがそこで図書を読む、あるいはそういう空間が持てるような、そういう図書館を目指して頑張っていただきたいと思います。結構です。
保育園の民間委託についてお尋ねをします。これについても図書館と同じく、導入についてはかなりの反対、賛成、意見が分かれました。これについての評価について、実際に15年、16年、民間委託制度を導入して、行政としてはどのような評価をしているか、あるいは保護者の方々はどういう評価をしているか、再度お聞きしたいと思います。
○榎本保育サービス担当課長 保育園に指定管理者制度を導入しての評価ということでございますけれども、やはり民間のよさというようなことを生かしまして、効率的な運営、それから柔軟性、それから保護者の要望などをすぐに取り入れていくような即応性といいますか、そういったことが、まずは挙げられると思います。あと、具体的には、2時間の延長保育を実施いたしました。それからまた、付加価値サービスといたしましても、休日保育、年末保育というようなことについても同時にサービス拡充をすることができました。御指摘のように保護者からは昨年はいろいろなお声をいただいたわけですが、現在、保護者、従業者との話し合いの場では、大変対応が早くて気持ちのいい保育園ができた。それから、例えば時間外のいろいろな行事のあり方の運営についても柔軟に対応してくれる。それから、保護者の要望、こうしてほしいというような要望があった場合にも、すぐに話し合いで、園長さんが決定すればできるわけですから、そういったことで対応が早いということで、おおむね良好な評価をいただいているというふうに考えております。
○藤本委員 同じく行政側の評価、財政効果としてもかなりありますし、あるいは保護者の方からも現在ではかなり高く評価をされているということでございます。
そこで、ちょっと一つだけお尋ねをしたいんですけれども、先日の本会議の質問で、中野区が委託したところで保育士が次々とかわるというような状況が生まれてきているというような質問がありまして、それについて区長の答弁は、かなり一般的な御答弁しかなかったんですけれども、実際にくるくると保育士がかわっているような状況というのはあるのでしょうか。
○榎本保育サービス担当課長 結論から申し上げまして、職員が1年でくるくるかわるような事業者は選んではおりません。そういうことのないような事業者を選んできているわけです。
それで、お尋ねのように、指定管理者の特に2園について申し上げれば、それぞれ1名ずつの退職があったということは事実でございます。その理由について明らかにしておきたいと思いますが、宮園保育園の方で1人、4月いっぱいの1カ月で退職した者がございます。これは自己都合によるものでございまして、保育観の相違というようなことで退職してございます。それから、宮の台保育園の方では、4月から8月までの5カ月間勤務した者はおりますが、それはもう実家の家族の病気ということで、介護に専念をいたしたいと、このような申し出があったということなので、やむを得ず退職というようなことで、職員処遇のようなことで問題があってそれで退職したということではありません。
○藤本委員 ということでしたら、本会議場のそういう質疑応答ですけれども、やはり質問があって、それに対して明確に答えがないと、本当にかわってしまっているのかなというふうに思うわけです。だから、その辺をきちっと事実に基づいた答弁をされるべきだと思いますし、民営化されたところでは、そういった保育士もかわっていないというようなことですから、その辺はぜひそういうようなきちっとした答弁をしていただきたいと思います。
それで、せっかく指定管理者制度で民間委託をしたけれども、しかし、民営化したのに、そのよさが生かされていないという部分が私はあるのではないかなというふうに思うんです。指定管理者制度を導入して、どうしても区と同じことをやってくれみたいなところがあって、そこのところが、やはり区が何か上にあって、こうしなさいみたいな部分がかなりあって、民のよさというのが生かされていないというか。例えば指定管理者制度、栄養士さんがいらっしゃいますよね。ところが、区の給食のメニューは、実際には2週間に1度、同じメニューが繰り返された形で出てきて、これをつくりなさいと。ですから、本当はそこではもっと子どもたちに向けた、旬のものをつくりたいというような思いがあっても、区はこうやってください、こうやってもらわなければ困りますみたいなことをお聞きをしているんですけれども、その辺については、やはり民のよさというのをもっと生かしていくべきではないかと思うのですが、いかがですか。
○榎本保育サービス担当課長 御指摘のように、実際、現在そういうような事実がございます。区が昨年、指定管理者制度の導入を図りました際には、初めてというようなこともございましたので、子どもたちへの影響というようなことを心配する声がございました。これに配慮して、激変緩和のために、行事や給食について区立園からの継続性を約束したという経緯はございます。ただ、一方、先ほど申しましたように保護者からの反応の声も変わりつつございます。もっと特色を生かした運営をしたらどうなのかというようなお声もいただいているところでございます。したがいまして、民間のよさを生かすというような原点に返りまして、今後は行き過ぎた縛りというようなことのないように、事業者、保護者と区で構成する話し合いの場に、タイミングを図りながら、来年度の運営のあり方につきましては投げかけていきたいと、このように考えております。
○藤本委員 ありがとうございます。
もうあと時間がありません。中野サンプラザの取得については、かなり議論をしたかったんですけれども、1点、既に契約も締結されたということですけれども、一つだけお聞きしておきたいのは、この選定に当たって中野区が有識者委員会を設置した理由について、簡単に説明していただければと思います。
○鈴木政策計画担当課長 事業者募集の募集要綱のところで、私どもは、民間事業者の提案書に対しては、公平かつ客観的な評価を行うために有識者委員会を設置する規定を設けてございます。
○藤本委員 その公平かつ客観的な評価を行うということが有識者委員会を設置した最大の理由なわけですけれども、実際にそこでの判定では二つのグループが残って、優先の交渉権とすべきレベルには達していないということで、該当者なしというような判定が下されたんですけれども、これが今度は庁内会議の中に持っていかれて、やはり少なくともそれはもう一度有識者会議に戻して判定すべきではなかったかという、まさに公平かつ客観的な評価を行うために設置した有識者会議になぜ戻さなかったのか。そこの部分が非常に不透明というか、透明性に欠けているのではないかという部分が、私たち議会もありますし、区民からしてもあると思うんですけれども、そこはどのような形で説明をされますか。
○鈴木政策計画担当課長 少し選考の手続、募集要項に示した手続を踏まえまして答弁させていただきたいと思います。
提案書の評価手続に当たりましては、あらかじめ評価基準を設けまして、区は応募者による提案内容を評価基準に従って整理する。区が整理をして、それを有識者委員会に報告する手順です。それからまた、有識者委員会が審査を進めるに当たって、途中、不明瞭なものがあれば事業者にヒアリングを行う。これは、区がやりなさいという手続を入れてございます。有識者委員会は、こういったヒアリングの結果も踏まえて、各提案内容について評価基準に基づく評価を行うということで、区は、有識者委員会の評価結果を踏まえて運営事業者などの候補者として協議を行うにふさわしいかどうかの優先交渉権者1、2位を決める、そういう運びになっているわけでございます。
今回の再提案でございますけれども、そもそも1回目の評価委員会は、提案書22項目、細かい項目22項目ございますが、それらについて全部、基礎的な水準は満たされているのか、加点すべき事項はどういうふうに提案されているのかといったことを洗い出しました。この洗い出しの作業は区が行いまして、区が委託契約をしております専門的なコンサルタントがその見地からそういった内容の記載漏れ、あるいは計算違いなども含めましてチェックをして有識者委員会に報告をしたわけでございます。有識者委員会は、これをもとに審査を行って、提案の不足分について最終的に評価公表文をもって示したということでございます。有識者委員会のやりとりの中では、両方ともレベルに達していない、指摘事項について提案者ともっと詳細に区としても詰めるべきではないか、その結果によっては優先交渉権者として認められるかどうかは区が判断しなさい、委員会の役割は自分たちとしてはこれで終わった、そういうような御意見をいただきまして、公表文の最後には、そういったことを含みまして「今後においては国や中野区、民間、その他関係者の努力を期待したい」、そういうような御意見でございました。そうしたことを踏まえて私どもは、再提案は同一の条件のもとに行われたということでありますので、評価基準も明確であり、庁内の審査会をもって審査をするに十分行えるというふうに判断し、その手順で決定に至ったということでございます。
○藤本委員 これだけの問題を短い時間で議論するのはまず無理かとは思いますけれども、やはり有識者委員会にもう一度かけるということがあって、やはり区の場合はどうしても取得ありきという部分が先行するわけですよ。ですから、それは庁内会議へ持っていって公平な評価をしたと言っても、やはり取得ありきという部分がどうしてもある。それを客観的に公平に、わざわざ有識者会議を設置したわけですから、その辺を、やはり選択する場合に十分に公平であって、そして客観的であったということを区民に知っていただくということは必要だと思います。
以上で終わります。
○平島委員長 以上で藤本やすたみ委員の質疑を終了いたします。
次に4番目、奥田けんじ委員、お願いいたします。
○奥田委員 無所属の会を代表させていただきまして、45分というわずかな時間ですが、端的な質問をさせていただきます。答弁の方、明瞭に、かつ端的にしていただきますよう、御協力のほどよろしくお願いいたします。
まず冒頭、四つの項目、その他を含めて五つの項目を挙げさせていただいたんですが、できなくなる可能性もありますので、順番をちょっと変えさせていただきまして、マネジメント・サイクルの実効性というところから始めまして、2番目を飛ばして、1、3、4、その他とやってから、区長と区職員の対話、2番目に用意させていただいたところの質問をさせていただきたいと思います。
まず1点目の質問、マネジメント・サイクルの実効性について伺わさせていただきたいと思います。
いわゆるPDCAであるとか、プラン・ドゥ・シーといった、ビジネスの世界で先行して取り入れられましたマネジメント・サイクルというものですが、いわゆる事業の運営の管理をしっかりとやっていくための手法かというふうに私、認識しておりますが、まず、区政全体のマネジメント・サイクルを管理している部署はどこになりますでしょうか。
○合川経営改革担当課長 区長室が区政目標管理、あるいは行政評価を所管してございます。それとともに、サイクル全体の管理を行っているというところでございます。
○奥田委員 区長室が全体を管理されているということですね。
まず、今回の決算に外部評価というものが事前に渡されるようになったというところは、プラン・ドゥ・シーという、あるいはPDCAのCのチェックの部分、これがサイクルの中に取り込まれるようになったというところは非常に評価できるだろうというふうに私は思っております。しかし、区の個別の事業を見ておりますと、必ずしもこのサイクルがうまく回っているかどうか疑わしいなというようなところも散見されるわけです。例えば申し上げますと、最近多発しておりますミスであるとか不正の問題、さまざま起こっております。こういったドラスティックな改革をしている中で、職員が十分に事態を把握できなかったりとか、不正が早期に発見できない、管理が不十分になっているという体制が中に含まれているのではないかということが1点うかがえます。
それからもう一つ、学校の再編の計画、当初7月というふうに報告されていたんですね。ところが、9月になったら出します。9月になってどうなったか。今度は9月にも出ません、今度は10か年計画という逃げ文句で、もう一体いつになったら出てくるのか、わからなくなってしまった。例えばごみの問題を取り上げてみましょう。先々回ですか、区報で「ごみゼロ」という形でのスローガン、これ、もうずっと区長が就任されてから、ごみゼロ運動、ずっとやられているんですね。私、昨年の総括の場でゼロ・ウエイストという形で、ごみゼロというスローガンではなくて実効性のあるものをやっていただきたい、具体的な例をお挙げして提案させていただいたと思います。これは、具体的に申し上げれば、区単独でやってもこれは解決できないんだということで、区長が政治家として、地方自治体の長としてどう働きかけていくのか、そういった行動指針まで示していただきたいという意味で申し上げたんですが、そういった意味合いのものをしっかりとこのサイクルのスタートラインに入れていただきたい、そういった思いもあって昨年申し上げたんですが、ごみは実際、今年度ふえているんですね。ごみゼロ、ごみゼロと言っていてもどんどんふえていってしまう、こういった状況をどう考えられているのか。
例えばもう一つ、保育を取り上げてみましょう。そうすると、待機児童の数、むしろふえている。しかも、昨年度つくられました外部評価の数字を見ますと、今年度の数字と比べて100人以上差があるんですね。ところが、実際のデータをとってみると、改善されているわけではない。とっている月がずれているんです。同じ待機児童の数をとるのに、何の予告もなく、連続性なく、突然、統計をとる数字を変えたら、あっ大幅に改善したのかな、それとも大幅に悪化したのか、全く連続性がわかりません。どういった視点でこういった指標の月を突然変えてしまったり、改善が全くされていないのにもかかわらず、行動の具体的な目標、これ、どのように決められているのか。本来、マネジメント・サイクルであれば、一つひとつの行動がきちっと工程管理として--マイルストーンという言葉を使いますけれども--途中段階でどういうところまで進んでいるのか、全体を把握する必要が本来あると思うんです。具体的なところでは、時間がございませんから保育のところだけお伺いします。今回、待機児童の数、まずは指標の月が突然飛んでしまったのはなぜか。それから、改善されているという傾向は全く見られない。これに対して保育の担当の方、どういう形で御認識でしょうか。
○榎本保育サービス担当課長 保育の待機児童の増加についてのお尋ねでございます。目標といたしましては、平成17年度より5か年計画で、現在、待機児ゼロというようなことを目指して、そういった計画をつくりたいというふうに考えてございます。しかし、取り組めることは早目にというようなことから、平成16年度から保育園の定数をふやすというようなことで待機児解消に努めている、このようなことでございます。
それで、待機児童につきましては、お尋ねの数のとらえ方も何かまちまちだというような御指摘があったので、これについては少しお話ししておかなければいけないかなと思いますけれども、14年度の行政評価では155人というような数字を使って、これを実際に減らしていきたいというふうに考えています。ただ、この155人は2月時点の数字なんですね。ところが、全国的にはどこの自治体でも4月時点の待機児童の数を使っている。他区との比較もしにくいというようなことで、行政評価のいろいろなあり方を見直していく中で、私ども事業課としましても4月時点の数字に見直しを図ったものでございます。したがって、現在は、例えば16年の4月時点では48名と、このような違いが出ておりますので、それが誤解があったのかなというふうに思ってございます。
ただ、今後の取り組みですけれども、無計画にやっているというようなことではございませんで、計画的に待機児を減らしていきたい。その待機児を減らしていく方法につきましては、定員の増などを図っていくことで必ず人が必要になってきますので、民営化などで出てきました保育士を再配置するなど、そういった人的資源を有効に活用しながら対策を図っていきたいと、このように考えているところでございます。
○奥田委員 まず、月がどうして変わってしまったというところに関しては、本来であれば4月が一番少なくて、年度末が一番多いに決まっていますから、本来、待機児童ゼロを目指すのであれば、4月時点でゼロを目指すというのが本質的ではなくて、本質的なところをねらうのであれば年度末近くを想定するのが本来であるだろうというふうに私は思うんですね。それを保育の立場でどうお考えかというところは今回お伺いいたしませんが、本来であれば本質的なところを目標に置くべきであろうと私は思います。そのようにとらえていただければというふうに、私の方からの提言というふうにさせていただきたいと思います。
それから、こういった全体のそれぞれの事業のマネジメント・サイクルは、各事業担当の方がそれぞれ予算も含めて今度からはしっかり管理されていくということになるわけですが、そもそも全体のマネジメント・サイクルを管理されているのは、本来であれば区長室長というところがやるべきところ、答弁でもやっていらっしゃるということだったんですが、権限移譲が進む中で、こういった一つひとつの個別の事業がどういった進捗状況にあって、果たしてリソース、経営資源が足りているのかどうかということが、全体を見る立場の責任者としてどのようにやっているのでしょうか。
○合川経営改革担当課長 中野区におけるマネジメント・サイクルにつきましては、第一義的には区政目標についての区民の視点から具体的な手法を設定いたしまして、行政評価において外部から評価することを基本として行ってございます。行政の組織ということから、各部があくまで顧客満足の向上を念頭に事業の効率性もあわせて行えるような創意工夫をすること。また、先ほどPDCAというお話がございましたけれども、特に評価と改善を着実に進める中で実現することが重要であるというふうに考えてございます。区政の課題は複雑多岐にわたっておりまして、なかなか全体的なその進行管理等、あるいはそのための道具ということにつきましては不十分であるというふうに思ってございますが、区長室といたしましては、今後の基本構想あるいは10か年計画の方針に沿いまして、予算あるいは定数その他の経営資源が区政全体として最適に配分、活用されるよう努め、区民や区議会の皆様方に対してわかりやすい説明を尽くしていきたいというふうに考えてございます。
○奥田委員 もう1問だけ、そのままお伺いします。今おっしゃったのがPDCAサイクルでいえば、実際にどうだったか評価をする、チェックのところですね。そこから次のアクションへ生かしていくという、そこに力点を置いていくんだというふうにおっしゃったと思います。ただ、PDCAのサイクルというのは、評価して、どうアクションするか、その方針を決定するだけでは実際には回らないんですね。実際のプランを立てて、そのプランの段階でもう既に人は足りないかもしれない、もう時間が足りないかもしれない、そういったところを冷静に見る場所が第三者的に必要なわけです。そして、プランの後にドゥ、実際にやっている際に、ちゃんと回っているかどうかを見ている場所が要るわけです。もちろん事業部ごとに見ている、それは当然、事業部長がやることですが、それをさらに第三者的に見て、これはとても非常に重要な事業であるにもかかわらず人が足りなくて回っていないじゃないか、ではどこかからか加配しなければいけない、そういったことも全体を見ている上で初めてできるんですね。事業部で責任をおろす、そうするとメリットとしては効率化できる、機動的に動ける、予算もむだが省ける、さまざまなメリットがあります。ただ、遅滞なくすべてが見渡せていて、しっかりと回っていくという、官僚システムが誇っていたすばらしい仕組み、これが、権限移譲されて責任の所在がどんどん下におりていきますと、全体を見渡す仕組みをつくるのが非常に難しくなるわけです。だからこそ、そのチェックとアクションのところに力点を置かれるのは、当初大事だとは思いますが、今後、実効性を上げていくためには、本当にできるだけの人材がそこに張りついているのか、本当に今ちゃんと進んでいるのか、無理がないかどうか、これを見ていかなければいけないと思うんですね。
例えば今回、資料要求させていただきましたが、職員に関しては、今年度3割以上、長期の病気での休暇の方が出てきているんですね。人的な無理がどこかにないか、チェックできる場所がなければこういった数はどんどんふえていってしまうかもしれないんです。そういった意味で、全体をマネジメントするという立場で、CとA、チェックと次の行動指針を決めるだけではなくて、その次のステップに回すための立場として区長室はしっかりと責任を担っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○合川経営改革担当課長 当然、そのチェック、アクションという段階だけではございません。それを計画に結びつけ、その都度、そのPDCAサイクルで事業を見直していくということは当然のことだというふうに感じてございます。全体的なそういったマネジメント・サイクル、区長室が責任を負って進行管理等行っていきたいと考えてございます。
○奥田委員 おっしゃっていただいたような形で、実際に手法をアクションに落とすためには物が要りますから、具体的に何か見て管理できるものがあるとか、何かチェックするための項目が用意されているとか、具体的な行動を区長室として起こしていただかなければ、漠然と管理するということでは実際回らない、実際には無理が出てくるところが出てきますから、ぜひ具体的な手法として行動に落としていただきたいと思います。これはもう私から提言させていただきます。ありがとうございました。
次の質問に移らせていただきます。
公会計で見えてこないコストについてというところなんですが、私、常々、公会計の欠点と申しますか、なかなか見えてこない部分が余りに多い、そういった指摘は私が当選させていただいてからずっと指摘させていただいていたんですが、どうしてもなかなか区民の立場からすると、厳しい、厳しいというスローガンしか見えてこない、こんな印象が非常に強いんです。では、区の職員の方はこの厳しいというものをどれだけリアルにとらえているのだろうか、そういった疑問を、やはり持たざるを得なかったわけです。
そこで、今回さまざまな資料というのを要求させていただきました。三大コストというのが組織にはございます。一つが施設です。建てかえであるとか維持修繕にかかわる、建物にかかわるコスト。それから、もう一つが借金ですね。区でいえば区債、公債等。事業債、銀行からの借り入れ、公社を含めればあるわけですけれども、そういった借金、これが二つ目の大きなコストです。それからもう一つが、人件費にかかわる退職金です。人件費だけという大くくりにしていれば3割を超えているという大ざっぱなつかみ方ですが、長期の見通しとして一番難しいのが退職金の把握なんです。必ずしも民間手法、民間手法というふうに言って、それをとればいいのか、そういうわけではないと思うんです。必ずしも利益追求ばかりしていくわけではないですから、民間の手法をそのまま導入できるだろうというふうに私、考えているわけではないですが、民間手法が持っているよさというものを取り入れて、まずは少なくとも見えるようにできることがあるのではないか。そういった考えで、今回、私、個人的に試算してまいりました。
例えば退職金に関しての試算なんですが、これバランスシート上では恐らく将来にわたっての退職金、今、現有いらっしゃる職員の方が全員退職までお勤めになったときに発生する退職金を、例えば年利4%で複利で割って、今、幾ら必要なのかという値段を出すんです。退職金、確かに将来発生してくるけれども、そのお金を今の値段で評価するとしたら一体幾ら持っていなければいけないのだろうか、そういう発想で退職給付引当金というものを民間では既に用意するということになっています。バランスシート上では数字では計上されておりますが、実際、お役所の中ではそれに備えるためのお金というのは残っていないんですね、使ってしまっている。最近になってようやく、私が提案をさせていただいたこともあってかもしれませんが、基金の中で建物であるとか退職に関するものであるとか、性質ごとに積み立てるという発想をようやく取り入れていただくことができましたけれども、では、それが一体どれぐらいの十分さがあるのかというのがなかなか見えてこない。実際、出してみますと、退職金、非常に保守的なといいますか、安全性を重視した立場に立てば、本来であれば当然こちら側の--小さなグラフなんですけれども--数百億円、300億円以上、本来であれば退職のために引き当てていなければならない。単純に合計するのではなくて、遠い将来に発生するものは少なくて構わないんですが、そういったものを全部含めれば、本来は300億円以上は持っていなければいけない。ところが、今それに対しては、もう本当に数十億円ですね、持っているのが。基金全体でも100億円ぐらいしかないわけですから、3分の1にも満たない程度しか持っていない、こういった状況。
区が今、施設の統廃合を進めなければいけない、財政再建大変だ、人も減らしていくんだ。当然にサービスを下げない中で効率化させていく。ただ、犠牲になっていくところも少なからず出てくる。それを区民の方に理解していただくためには、この状況が、今、借金が返せるかどうか瀬戸際になっている。これがはっきりとわからないと区民の方はなかなか納得できない。それを、区の職員一人ひとりが、一人ひとりの職務を担当している中でバックグラウンドとしてそれを持っていてほしいんです。持っていていただかないと、区の職員の中でも不満が出てくる。もっと人をふやせばいいのに、もっとお金を使ったらいいのに。区の職員がなかなかついてこれないのは、大なたを振るってリストラするときに、そうか、こんなにお金が将来要るから区長さんが一生懸命やっているんだというのがわかるようにしていただきたい。本来であれば300億円前後、退職金に対しては引き当てをしておかなければならない。その上で、こちら側の将来、毎年、人が入れかわるごとに10億円前後単位で過不足が出てくるわけですが、この過不足に対応していく、こういったあり方が本来あるべきものだと思います。
それからもう一つ、試算させていただいたものがございます。施設に関して。これ、施設白書に関しての数字をもとに試算させていただきましたので、やや古い数字になっているかもしれません。ただ、積み立ての積算で出させていただいた平米数に白書ベースの金額、平米の単価を掛けさせていただいて、それを積算しまして、本来であれば建物を建てかえるために総額一体幾ら持っていなければいけないのか。もう既に古くなっている建物に対しては、どれだけ準備されていなければならないのか。単純に計上しますと、既にもう900億円近い必要額が出るんですね。具体的に学校の再編であるとか施設の統廃合をゼロベースで、何でそこまでやらなければいけないのか。もう既に建てかえ、すぐにしなければいけない、そういうものも含めて900億円近く現金がないと建物が維持できないような状況になっているという。これがあって、だからゼロベースで考え直さなければいけない時期に来ている。それはすごいなという話になるわけです。
それからもう一つ、これも施設白書からですけれども、施設は建てかえだけではございません。建てかえに関しては法定で決まっているんですね。法定で次の建てかえができるように、30年、50年で建てかえられるだけのお金を積み立てなければならない。これは民間のベースであれば法定で決まっています。ただし、修繕に関しては民間でも法定で決まっていません。それに関して、今どれぐらい負債がたまってしまっているのか。直すことさえできない現状にどれだけなっているのか。これを示しているのは、これはもう白書ベースの数字をとらせていただく以外なかったものですから、そのままとらせていただきましたが、これ600億円以上かかるんです。ということは修繕に、これ20年に600億円かかるという計算でしたから、単年度ですと単純に30億円ぐらいかけていかなければ、とても維持していくことは難しいんだ。修繕で何とか維持していくことさえ今難しくなっている。実際、今幾ら使っているのでしょうか。決算ベースだと10億円ぐらいしか使っていないんですよ。こういった維持することさえ難しくなっている。さらに建てかえるには、もう何百億円も不足している。退職金を用意しようと思ったら、もうとてもではないけれども破産寸前だというところが全然見えてこないんですね。
法定で区民の皆さんに年2回、区報で決算状況を報告することになっています。しかし、あの法定の報告では、区民の皆さんは「厳しい」のスローガンしか見えてこないんです。ですから、ぜひ何がどう厳しいのか、まずは区の職員一人ひとりが、担当されている事業の裏にどれだけの負債を抱えているのか、区長がその事業を支えためにどういうことをやろうとしているのか、数字でわかるようにしていただきたいと思うんです。それがないと区民とのコミュニケーション、幾ら図ろうと思っても、何で区長はこんなことをやろうとしているんだろう、なかなか伝わらないと思います。もちろんそのためにバランスシートもつくられたのだと思いますが、ほとんどそういったものは生かされておりません。例えば負債の項目、先ほど申し上げましたように、当然、減価償却に関する項目はどれだけ不足しているんだ、だから深刻なんだよとわかるようにしていただきたい。もう一つ、負債に関して、退職給付の引当金、将来、私たちの退職金はもう1円もないぐらいなんです。そういう状況、将来どれぐらい必要になってくるかわかるように、まずは職員の皆さんに、どれだけ深刻か伝えていただきたい。そして、費用に関しても、建てかえの費用も用意できない、修繕の引き当てもできないぐらいになっている。そしてもう一つ、公債費に関しては、ほとんどの項目が全体でどうなっているのか、毎月、借金をどうやって返したらいいのか、全体を見渡すことさえできない。ですから、今回、資料としてつくれませんでしたけれども、そういったものが、まずは見渡せることがスタートラインだと思うんです。
そういったことを含めまして、まず財務課長にお伺いさせていただきますが、区の職員の方にこういった状況をどう伝えていくのか。そして、区民の方に法定以外でどのように伝えていくのか。そしてもう1点、バランスシート等、新しい仕組みを入れていく中で、本来こういったものがわかりやすく伝わるために導入されたものだと思います。人的な不足があるのであれば、そういったことも含めてしっかりとやっていただきたいと思います。答弁を求めます。
○村木財務担当課長 何点か今お述べになりましたけれども、まず公債費につきましては、例えば総務44、この資料をごらんいただいてもわかりますように、今後10年間で区会計と土地開発公社にかかわります区債等の償還額は50億円台から70億円台を推移するというふうに予測をしております。この期間内では公社健全化による一括償還は終了いたしません。また、これから策定されます10か年計画に基づく起債発行分も反映はしてございません。
施設の問題にも触れていらっしゃいましたけれども、その一例として、学校施設の改築サイクル、これを見ますと、現在50年を基準として考えておりますけれども、これも文教52の資料を見ますと、今後どの学校が再編されるにしても、19年度から最長平成41年度まで、50年を経過する時期が年々続くといったような状況にございます。さらに、職員の退職増にかかわります一般財源負担につきましては、当面の対策として財政調整基金への計画的な積み立てを行うことにより補うということとしてございますけれども、一般財源の安定化のため、今後さらに積み立てを必要とする時期が来るかもしれません。こうした幾つかの要因を洗い出しただけでも、これまでの経験からも社会経済環境は大きく変動するということで、非常に困難ではありますけれども、10年を超えた行財政運営のための見通しを持つ。また、そういったことを含めて職員にもしっかり伝えていきたいと、このように考えております。
それから、区民へのわかりやすい周知といったような御質問がございました。10か年計画の策定に向けてましては、今回、区民にわかりやすく示すための10か年の行財政運営の考え方を作成したところでございますけれども、区の財政状況あるいは計画を理解していただくためには、よりわかりやすく工夫した内容のものをさまざまな媒体を活用して区民に示していく必要があるだろう、このように考えております。
さらに、バランスシートについてのお尋ねがございました。現在、私どもで作成しております、いわゆる総務省方式によるバランスシート、これは地方自治体の普通会計によります財政状況をわかりやすく公表し、自治体間の状況を比較しやすくするために作成しているものでありまして、例えば民間ベースの企業会計そのものを取り入れているものではございません。そういう意味では、本来の活用の目的が異なります。現在、東京都が発生主義による新たな会計制度への取り組みを進めているというふうに聞いてございますので、こうした動きにも注意をしながら、そのためにはこうした、例えば新たなバランスシートを作成すること一つをとっても、私どもなかなか経験もございませんし、私自身その知識はまだ極めて不十分だといったようなこともございますので、私自身を含めて職員の育成を図りながら着実に研究、検討してまいりたいと、このように考えております。
○奥田委員 ぜひ実効性のあるといいますか、こういった財政の問題は、先ほどの区長室長がやっていらっしゃいますPDCAのサイクル、実際に事業をどう回していくのかというところと、ではお金をどう工面していくのか、両輪になってくるわけですから、ぜひ同じぐらいの重み、それ以上の重みでしっかりと受けとめていただきたいと思います。
私からは、この項の質問は以上ですけれども、財政の状況に関しては、財政が厳しいという言葉だけにとどまらず、ぜひ職員の方一人ひとりが背景としてどういう状況なのか、まずわかっていただく、それから区民の皆さんに伝えていただく、これ、しっかりやっていただきたいと思います。
そういった緊急の事業といいますか、まずやらなければならないこと、そういったところを含めて人的なバランスを今後どうとっていくのか、これが非常に重要になってくると思うんです。そういった意味を含めまして、次の質問です。政治任用を含めた多様な人材の活用というところの項に移らせていただきます。
総務資料の4番を多少加工させていただいたんですけれども、平成16年の段階で2,870人を達成していこうという、そういった数字。それから、10年先には2,145人という数字が見えてくるだろう、こういった予想がされております。これは、自然減であるとか特殊要因をすべて除いた形での試算ですから、本来であればもう少し減っていくのだろうというふうに思います。ただ、試算ですから、あくまで定年でお辞めになった方がいらっしゃるというベースのみで試算した場合というところで出された数字なんですが、自然減に任せたとしても、どれだけバランスが大変なものになってくるのか。皆さんのお手元にあります資料でも、大体裏のグラフを見ていただければわかるんですが、10年後、平成26年度には2,145人、人数的には700人ぐらい減ってきている。数字の上では、ああ随分減ったじゃないか、そういうふうに見えるかもしれませんが、中身がだんだん変わってくるんですね。当然のことなんですが、採用はしない、退職不補充という形でやっていますから、では10年後どういうバランスになっているのか。39歳以下、つまり10代、20代、30代、39歳までの構成割合がわずか14%まで落ちるんですよ。本来であれば、さまざまな業務がたくさんある中で若い人間がばりばりとこなしていかなければならない、そういった39歳以下、働き盛りの世代がわずか14%。では50歳以上は何人になってくるのか、半分を超えるんですよ。54%以上が50代以上という、そういった計画になっているんですね。それが、自然減で行われてもそうです。若い人にどんどん仕事が集まってくるのが目に見えていますから、そうなってくると、さらに自然減以上に辞めてしまう方、若い人に余計な負荷がかかりますから、さらに辞めてしまう可能性はますます高くなってしまうんですね。こういった状況、10年後だけ見ても大幅なバランスが崩れているんですが、当然、10年たつ以前から何らかの対応が必要になってくるわけなんですが、それでは、10年たって、均衡するための人数を定期的に採用を再開したとしましょう。平成26年、次の年、毎年、毎年、均衡点に達するための人数を採用していったとします。大体60人前後ぐらい採っていく。毎年60人前後ぐらい採っていくと、区長が目指されている2,000人体制というのができるんです。では、本来であればピラミッドとして--ピラミッドという形、上が少なくて下が多いという形ができなくても、60人ずつ採っていった場合に、せめてフラットな形に持っていくための体制は何年後に実現できるのか。24年かかるんですね。物すごいバランスが欠けた状態で何十年も続いてしまう。こういったことが、人数のバランスを保ちながらリバランス、再構成していこうと思うとそういったことが必要になってくるわけです。だからこそ、こういった大きな退職不補充という、本来であれば通常でないやり方をしているときに、雇用に関して通常と同じような形でやっていては、恐らく体制として非常に無理が出てくるのではないかというふうに私考えております。
そこで、改めて多様で柔軟な対応を雇用に関してとっていただきたい、こういう立場で何点か質問させていただきます。
今後、2,000人体制、これを実現していくために、先ほど見ていただきましたように非常に若い人に無理がかかってくる、50代以上がもうほとんどになっていく。こういった中で、まず一つ、このバランスを欠いた状況の中で、非常に頭でっかちな組織、機能不全になってしまう、そういった心配はまずないのか。そしてもう一つ、当然に人が定期的に同じように採用されていれば、暗黙知、もう言わなくても組織内でできてしまう仕事、ルーチン化されている、さまざまな暗黙知、業務の実際やっている中で培われているものがたくさんあるわけです。それが、今、非常に採用が細っている中で切れないようにどう維持していくのか。これは知恵の保存ですね。ナレッジ・マネジメントの領域になると思いますけれども、知恵をどう保存していくのか、形式化していくのか、これを早急に対応していかなければ、あの書類はどこだったっけ、これ、どうやってしゃべるんだっけ、わからない若手がいっぱい、そういう状況になるわけです。まず、この2点に関して、人のバランスが大きく崩れたときのリスク、どのように対応されるでしょうか。
○合川経営改革担当課長 まず、年齢構成のゆがみの点でございます。今、区が進めてございます経営改革では、事業部制の組織体制として統括管理者あるいは執行責任者による組織を構築いたしました。これは、課長、係長、職員というような従来の職位にかかわらず、全職員がそれぞれに権限と責任を持つということにしたものでございます。組織の活性化をもたらすものというふうに考えてございます。また、いろいろな制度、例えば任期付きの短時間公務員制度の導入ですとか、また、中途採用等の導入、これらによりましてそれらのゆがみを極力なくしながら、機能不全に陥ることを防止したいというふうに考えてございます。
また、暗黙知の伝承というお話がございました。平成19年ごろから戦後のベビーブーム世代が定年を迎えまして、毎年100人程度の退職者が発生いたします。それらの定年退職者も、再任用制度というような制度によりまして60歳定年以降も職務に従事し、それまで蓄えてきた知識あるいは経験を若い職員に伝える、そういった場が与えられるだろうというふうに考えてございますし、また、委員御指摘のナレッジ・マネジメントに代表されます知識の共有ですとか業務のシステム化、あるいはマニュアル化によりまして、経験だけに頼らない業務の維持推進の仕組みをさらに進めていきたいというふうに考えてございます。
○奥田委員 今、くしくもおっしゃいましたように、さまざまな柔軟な対応が必要になってくるんですね。例えば具体的には、サンプラザの選定で先ほど他の委員からの御質問がございましたけれども、実際に最終的に決めるのは行政だということなんです。新しい手法、さまざま取り入れていく。サンプラザの場合は第三セクターという従来型の方式でしたけれども、やり方自体は極めてPFI方式に近かった。プロポーザルの方式をとる、モニタリング機能をどうやって働かせていくのか、さまざまなことを考えていったわけです。そういったときに、確かに評価委員会というものを設けました。しかし、さまざまなトラブルがあったということを含めても、最終的には区の判断が必要になったわけです。そのときに、本当に区の職員でそれがわかるのだろうか、適正な判断ができるのだろうか、当然に疑問が出てくるわけです。江古田の森の整備についても、PFIの方式を取り入れていくわけです。委託の業務に関しても、今ほとんどプロポーザルの方式をとっていますね。ということは、民間がプロポーザル、提案してきたものに関して評価できなければ、高くてもいいよと言ってしまう、安くてもいいよと言ってしまう。質がよくても悪くても、サービスの前面に出てくるところだけ、お客様に接するその前面部分だけは評価できるかもしれませんが、中に入っている運営部分の評価というのは極めて現行の体制では不十分だというふうに私は思います。
先ほど、マネジメント・サイクルの実効性を今後上げていきたいというふうにおっしゃっていただきました。しかし、コンサルティングの業務をやられている方に指導いただいても、実際にその現場に入ってフルにその知恵を使っていただける、そういうプロフェッショナルの方を、こういった業務を入れるときに最低1年ないし2年登用していく、任用をしていくということを考えていかなければならないことだと思います。
それから、従来であれば公務員の方の育成というのはゼネラリストの育成ですね。どんな業務もこなせる、そういった育成をされるのが一般的ですが、今後、職員数が大幅に減っていく中で少数精鋭部隊になっていかなければならない。当然、広い見地から物が見られる、そういった職員を育てていくことは必要なんですが、スペシャリストとして、さまざまな業務で経営分析を含めたことができなければならないわけです。そういったスペシャリストを育成していく、こういった御視点はないでしょうか。
○長田人事担当課長 地方分権が進む中で、やはり地方公務員にも高度な専門性が要求されてきているというふうに考えてございます。今、区の方の取り組みといたしましては、まず、区の職員が経営感覚と専門能力を身につけていくことが必要だろうというふうに考えてございます。そういう意味では、まず職員が目標と成果による組織経営を進めていく中で、職員の質の向上を図っていくことがまず第一に必要であろうというふうに考えてございます。こういった取り組みの中で職員の育成が図られ、それぞれの部門に必要な専門性を身につけ、かつ区政全体に対する広い視野を持った職員を確保していきたい、そのように考えているところでございます。
○奥田委員 ぜひそういった専門性の高い職員の育成というのを、非常にコストもかかってまいりますけれども、そういったものは将来の少数精鋭を育てるための必要なお金として、そういったところでお金のない中で有効な人材を活用していくという、そういったことに使っていただきたいと思います。
それからもう1点、高いスキル、それを内部で調達していくということを当然に考えるのが前提ではありますけれども、スキルの高い人材、行政の分野での高いスキルというのは、もちろん行政内で育成することは可能だと思います。しかし、こういった非常に雇用を絞っていく中で早急に民間手法を含めたスキルを持っている方を必要としている、こういった状況の中では、例えば女性の登用に関して改めて考え直してみる、外国人の登用を考えてみる、障害者の方、能力の高い方、もちろんいらっしゃいます。そういった幅広い人材の活用というのも考えていただきたいと思います。そういった中で、例えば資料で出していただきましたが、今、女性の管理職の割合、全市区町村の中では低い方ではないと思いますが、まだまだ20数%前後。採用時には4割近い女性の方がいらっしゃるわけですから、そういった女性の登用ということも視野に入れていただきたいと思います。その際には、ぜひ男性の育休、これも資料で出していただいているわけですけれども、ずっとゼロ行進なんですね。女性の産休、育休というのは定期的にとられておりますけれども、もうここ数年来、ずっと男性の育休というのはとられていない。男性社会、まだまだ残っているわけです。こういったバランスを最適化していく。少ない経営資源、人が少ない中で、要る人をどうやって探していくのか。こういった視点を含めますと、そういったところの改善もしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○長田人事担当課長 少数精鋭の組織運営を目指すということが、今、区政の大命題でございます。それに向けて、もろもろの工夫をいたしまして人材の育成を図っていかなければならないと考えております。
御指摘のように、女性管理職の数の割合がまだ十分でないという御指摘がございました。試験制度等については、特に性別による有利、不利というのはございませんけれども、今後も女性の管理職がふやせるように、積極的に受験については働きかけをしていきたいというふうに考えてございます。
それから、外国人の、日本国籍を持たない方の登用ということについてもお尋ねがございました。現在のところ、事務等の、いわば公権力の行使にかかわるようなもの、基幹的な部分につきましては法律の解釈から採用することができないということになってございますが、それ以外の職については積極的にこれを登用していくということで人事行政を進めているところでございます。
○奥田委員 最後に、区長に政治家としてのお立場から一言いただきたいと思います。2点お伺いします。
まず、行政の、例えば教育行政の分野でいえば、行政のプロフェッショナル、教育の分野では必ずしもそういった人材である必要はありませんね。今、各市区町村、自治体では、行政のプロではなくて教育のプロを教育長にしていく、そういった動きもあります。行政のプロが教育のプロを支えていくという仕組みが多くの自治体でとられているわけです。そういった教育長の公募をしていく、あるいは民間手法をしっかりと把握している方を、例えば経営改革の推進役に据えて--大阪の寝屋川市ではそういった実例もございますけれども--実際に機能させていくときに、そういったプロフェッショナルを採用していく、そういったお考えは今後いかがでしょうか。区長のお立場としてお持ちでしょうか。
それからもう1点、今後の人的偏り、これを考えますと、23区の人事委員会の縛りというのは非常にネックになってくると思います。しかし、今後、23区一つひとつが独立した見解を持って、中野区が生き残っていかなければならない、そのためには何をしていくべきなのか、そういったことを含めて、例えば年齢制限の問題であるとか、さまざまなことを含めて、行政のトップ、そういったことではなくて、政治家の立場でどう考え、どう訴えていくのか、この2点に関してお答えください。
○田中区長 いろいろな能力を持った専門家を活用していく、そういう考えはあるかということですけれども、そういったことも視野に入れてやっていきたいというふうに思っています。
それから、職員の年齢構成の偏り等々に関して、23区横並びがどうこうと、こういう御質問だったんですけれども、23区が人事委員会をつくったり、あるいはその特別協議会をつくったりして、23区一体的にやっていくこと、そこのところの意味も、やはりこれは歴史的なことも踏まえて、また、私たちの区の成り立ちを踏まえて、それはあるわけですね。それはそれとして大事にしていきながらも、中野区がきちんと経営していけるように、いい区政が行っていけるようにということでは、23区の枠組みにもとらわれない、さまざまな判断が必要であるというふうに思っております。
○奥田委員 積極的な答弁をいただいたと思います。ぜひそういった形で、中野区がどうしたら生き残っていけるのか、そういった立場に立って、しっかりと政治家としての声を上げていただきたいと思います。
時間を超過しておりますけれども、最後にその他の項、1点だけお伺いいたします。タイムカードの不正使用に関して……
○平島委員長 奥田委員、時間ですから。
○奥田委員 超過いたしましたので、これで終わらせていただきます。
どうもありがとうございました。
○平島委員長 以上で奥田けんじ委員の質疑を終了いたします。
次に、5番目に小串まさのり委員、お願いいたします。
○小串委員 図らずも大トリをとらせていただくことになりまして、紅白でいえば北島三郎か美空ひばりかということですので、もともとトリというのは、落語の世界、寄席の世界の話で、我が尊敬する、亡くなった志ん朝師匠、ああいうクラスがトリをとるということになっておりまして、そういうことでは非常に私も光栄に存じております。
時間は66分ということでありましたけれども、途中で休憩になるのかどうか、ちょっとわかりませんが、そんなに時間をかけるつもりもありませんので、ぜひ御辛抱しておつき合いをお願いいたしたいというふうに思います。
質問の項目につきましては、憲法改正の論議ということと、当区の憲法擁護・非核都市宣言についてと、あとその他ということで、時間配分等ちょっと考えて、その他の下の方から順次上に上っていくという形で進めさせていただきたいというふうに思います。
それで、その他の1番目、中野区障害者福祉事業団の法人化について。ニコニコ事業団のことでありますけれども、こちらにつきましては、中野区福祉団体連合会の方から、これは区の方にも、あるいは各会派の方に要望が行っていることだと思います。これについて、ぜひということで質問しようかと思っていたんですけれども、取材を通じてというか、いろいろお話を聞きましたら、おおむねいい方向に行っているということでありましたので、とりあえずここでは質問としては取り上げないということで、おろさせていただきたいというふうに思います。
下からということですので、まずトイレの話から進めてまいりたいというふうに思います。
学校トイレの洋式化ということで、ちょっと質問させていただきたいというふうに思いました。これ、平成14年度の資料なんですけれども、学校・幼稚園施設整備検討委員会報告書、こういうのが出されております。これは学校トイレについて、一つは児童・生徒にアンケート調査をした、その結果に基づいて報告されたものであります。もう一つは普通教室の冷房化。これは、御承知のように区長が英断をしていただいて、普通教室については冷房化が完全実施されたという経過がございます。一方、では学校トイレの方はどうかということを、きょうのテーマとしてちょっと質問をさせていただきたいというふうに思います。
この報告書の「はじめに」というところ、短いのでちょっと読ませていただきますが、「中野区の学校施設は建築後30年から40年以上経過したものが過半を占めており、経年により施設全体の老朽化が進んでいる。しかし、区の財政事情の厳しさは変わらず、学校の施設整備にかける経費の縮減が続いている。こうした状況の中で、子どもたちが1日の大半を過ごす生活の場でもある学校施設の良好な環境確保はおろそかにできず、中でも児童・生徒の安全や健康に影響を与えるふぐあいは早急に対応していかなければならない」と。1番、学校トイレについて--後で説明しますので、後は読みませんが、それと、2番目が普通教室の冷房化ということの二本立てのことがこちらに書かれております。
その2番目の方なんですが、きょうはちょっと、土曜日まで暑くて、きのうからちょっと本当に寒くなって、秋がなくて夏から冬になってしまったというような感じを受けておりますけれども、ことしも暑かったですね。この報告書の中にも、14年度ですから13年なのかな、「6月から9月まで異常な暑さだ」と書いてあるんですけれども、ことしもまさに5月から9月まで、もう本当に暑い中で、本当に冷房化、やってよかったなと。やらなかったら、だれか死んでしまったのではないかと思うぐらい暑かったので、私もいろいろなところでありがとうございましたというように言われます。恐らく教育委員会でもそういう話はかなり来ているし、区長もそういう声は聞いているのではないか。少なくとも、もう本当にこれ、政策は評判がよかったと思います。よくぞやってくれたというふうに感謝をしております。
二、三週間前ですかね、昼間、学校の先生方が出て、司会をやっていたのがビートたけしだったかどうか、その辺はちょっと定かではないんですが、テレビで学校教育についての番組がありました。3週間ぐらい前の日曜日だったと思います。その番組で言っていましたけれども、何か全国で冷房になっているのは3%とか4%という話ですね、そうテレビでは言っていました。そんなレベルなのかなということで、逆に考えれば、よくぞ中野区はやってくれたという評価になろうかと思うんですけれども、先ほどちょっと私の方から話をさせていただきましたけれども、冷房化にしたことの区民から多数意見が寄せられていることだと思います。その辺の評判について、ここまで、まずお伺いをいたしたいというふうに思いますが、もしわかればで結構ですが、今、全国の冷房化というのはどれくらいなのか、あるいは23区ではどういう状況なのか、あわせてお話しいただければと思います。
○金野教育委員会事務局次長 まず、冷房化についての学校からのさまざまな意見や反響ですが、ことし、委員おっしゃるとおり、大変気温が高かったものですから、学校としてさまざまな授業の場面、それから学校運営上、大変役立っているというような声を聞いております。また、保護者などからもそういった声を聞いているところでございます。
それから、中野区以外の全国的な冷房の数値ですが、これは文部省の方で調査をしているというようなことは聞いておりますが、まだ数値が出ていないということで、把握しておりません。23区につきましては、幾つかの区で実施していると。特に15年度、16年度幾つか実施しておりますが、まだかなり冷房化をしていない区もあるというような状況でございます。
○小串委員 そういう中で、やはり当区として長年の懸案だったと思うんですけれども、実施していただいたということは、私も率直に評価をいたしたいというふうに思います。
ただ、こちらの報告書にも、要するに普通教室ということは書いてあるんですが、特別教室については余り書いていないし、区の方の方針もどうもはっきりしないということなんですが、特別教室、これが課題として残るわけですが、こちらの冷房化についての考え方を教えてください。
○金野教育委員会事務局次長 現在、特別教室で冷房化されていますのは、防音対策などの関係上、音楽室、それから図書室や、あるいはコンピュータ教室、こういったところは冷房化されております。そのほか一部、建物の構造上どうしても風通しの悪いというところについては、冷房を設置している学校もございます。特別教室について、全体を冷房するというようなことについては、なかなか課題もございますので、これから学校の要望などを聞きながら、個別にまた考えていきたいというふうに思っております。
○小串委員 ぜひ進めてください、これ。よろしくお願いします。
トイレについてでありますが、同じようにこの報告書の中で、一方の冷房化については早く対応していただきましたけれども、トイレについての課題というのはこれからだというふうに思います。
これ、学校のトイレアンケートというのが平成14年7月10日から19日の間に実施されております。これを見ていると非常におもしろいので、ざっと目を通させてもらいますけれども、「あなたは学校のトイレを嫌だと思ったことがありますか」という問いかけがあるんです。これ小学校3年生以上6年生までと中学生、これは全学年ということで、「嫌だと思ったことがありますか」という問いに対する答えが、全体の70%が「嫌だ」と思っている。その理由はさまざまにあるようであります。その理由として「学校のトイレに望むことは何ですか」という、こういう設問があるんですが、さっきの設問の具体的な答えということで理解をいたしておりますが、小・中学校とも男女で希望の多かったのは、希望が多いというのは学校のトイレに望むことですね。まず1位が「きれいである」ということですね。2番が「におわない」ということ。これは、もう圧倒的に数が多いので具体的な項目としてはここに載せませんと書いてあるんですね。項目として多かったのは、これ以外の理由としてここに書かれているのは、小学校男の子で1番が、やはり圧倒的に洋式化を望んでいる。女の子もそうです。1番が洋式にしてくれと。中学生の男子についても洋式をふやしてほしいと、これがもう圧倒的に多いんですね。ただ、中学生の女子については、やはり女の子らしいなと思うんですけれども、「擬音装置をつけてほしい」というのがその上に来ているんですね。擬音、要するに流す音を流せということなのでしょうか。しかし、2番目に多いのが、やはり洋式をふやしてほしいということなんです。
やはり最近の傾向として、家庭で洋式化というのはかなり普及してきておりますよね。ちょっと余談になりますが、この前、これもテレビを見ていたら、アメリカの有名な俳優さん、いますね、ウイル・スミスという。あの人が何かインタビューを受けていて、日本に来てびっくりして感動したと言うんですね。それ、ウオッシュレットのことなんです。それで、もう自慢げにしゃべっていたんですけれども、アメリカであのウオッシュレットを入手しようとしたら、できないんですってね。サイズが違うんだか、日本の方が余り向こうの方へ行っていないのか、よくわかりませんけれども。それで、日本に問い合わせをして、向こうに送らせるのにえらい手間暇とお金もかかったという話を笑いながらされておりました。恐らくウオッシュレットのトイレなんていうのも、かなり家庭ではここ数年の間に普及してきたのではないかというふうに思いますけれども、いずれにしても、そういうことで家庭のトイレというのがかなりの勢いで洋式化が進んできているというような状況があろうかと思います。
では、今のトイレの状況を、これ金野次長さんにいただいた資料ですが、今、洋式と和式の割合というのはどれくらいかということを資料で見てみますと、一つのトイレ、あれいわゆるブースというらしいんですが、男の子の小さい方用のは別ですよ、あれをブースというらしいんですが、全体、女子で小・中学校合計で1,276カ所あるということなんですが、そのうちの、女子に関しては洋式は256カ所、男子が全体で557カ所で247カ所。数でいうと、ほぼ男性、女性同じような数で出ているんですけれども、率でいいますと男子が44%、女子が20%なんですね。これ、わかりますね、そういう意味合いになってきますよね。それで、やはり女子については現状でも極めて数が少ないということになっております。
先ほどの話でありますが、学校のトイレ、やはり使われていないような気がするんです。やはり嫌だというのが70%で、その理由は、先ほど言ったように洋式化ということはあるんですけれども、嫌がらせをされるとか。私も子どものときに経験がありますけれども、入ると上から水をぶっかけられたり、恐らく今でもそんなことをやっているんでしょうね。当時はいじめとか何とかという言葉すらなかったですけれども、今はそういう意味ではそれが代表的ないじめということになるのでしょうけれども、そういうことからも学校では嫌だよと。それと、さっき言ったように汚い、あるいは臭い、和式しかないというようなことから、そういうような声が上がるのではないかと私は思うわけなんです。ちょっと別の観点からお聞きするようになりますけれども、そういうことで学校の児童・生徒がトイレを使わなかったら、嫌だといって我慢してしまいますよね。そうするとどうなってしまうのかというのをちょっとお医者さんに聞きたいんですが、トイレを我慢すると健康的にどういうことになりますか。
○大久保子ども健康担当課長 排尿を我慢し過ぎますと、膀胱に尿がたくさんたまり過ぎる状態が生じますので、膀胱から尿管に尿が逆流現象を起こしたり、ひいては腎臓に障害を起こす可能性がありますので、排尿は余り我慢し過ぎないことをお勧めするところでございます。
○小串委員 病気になってしまいますよね。それと、やはり授業に集中できないとか、いろいろなことが起きると思います。
そこで、児童・生徒からも要望の強い、この洋式化をぜひ進めてほしいと思いますが、今、全体で27%です。先ほど言いましたように女子が20%、男子が44%で、少なくとも当面、半分ぐらいは洋式の便所に変えてほしいと。ウオッシュレットとまでは言いませんけれども、せめてそうしてほしいと。将来的には、全部というわけにもいかないでしょう、これ、やはり和式がいいというお子さんもおられると思いますので、将来的には80ぐらいの比率にぜひ持っていっていただきたいというふうに思いますけれども、この洋式化について、考えがありましたらお聞かせください。
○金野教育委員会事務局次長 現在の学校の洋式トイレの設置状況は、今お話しいただいたとおりなんですが、具体的には、学校の各階ごとに男女それぞれ1カ所以上は洋式トイレを設置するような形でやっております。男子の方は小便器だけの設置というのが別にありますので、そういった中では、比較的洋式トイレの設置率が女子に比べて高くなっているというような形になっております。
それから、アンケートの中にもございましたが、子どもたちによっては必ずしも洋式を希望しないというような子どももおりますので、全部洋式化ということは考えていないところでございます。洋式をもっとふやすようにというようなことですが、そういったようなことについてもこれからさらに学校の状況、それから使い方などを見た上で進めていきたいというふうに思っております。
○小串委員 ぜひ進めてもらいたいと思います。
今は必ずしも全部洋式を求めていないというお話でした。ちょっと私も説明が不足しましたが、やはり女の子の中には洋式が、不特定多数の人が使いますから、清潔に使いたいという人で、一部嫌う人もおられると思うんです。でも、そういうのは最近いろいろなグッズがありますから、清潔に使うことは可能だと思いますので、いろいろ工夫して、少なくとも半分ぐらいは数年の間に洋式化にするというようなことで、よろしくお願いいたしたいというふうに思います。
こうやっているとちょっと時間があれなので、次に障害者用のトイレについてお尋ねをしてまいります。
障害者用のトイレといっても、いろいろなものがあるんですね。私もちょっと調べてみてあれしたんですけれども。東京都で一つの、いわゆる障害者用のトイレというのは、だれでもトイレということで、規格なども2メートルで車いすが入れるぐらいなスペースとか、そういう一つの基準が示されております。基本的な考え方のところだけ、ちょっとだけ読みますが、「車いす使用者、高齢者、妊婦、乳幼児等を連れた者等が外出したときに困ることの一つは便所の利用である。原則として2メートル角以上の十分なスペースを確保した便所が必要であるが、これが困難であっても最低限車いすで利用できるブースを設けることで、多くの人の行動範囲を拡大する可能性を提供することになった」というようなことで、これコピーしてもらったものなんですが、ざっと3枚ほどいろいろな規格のことが書いてあります。私、これ、最近便利な例のインターネットでとったやつなんですが、これ青森県なんですね。青森県も同じようなことで、ただ、これ絵がカラーで出てきたので非常にきれいでわかりやすかったものですから持ってきたんですけれども、おもしろいなと思ったのは、青森の方は、やはりお国柄でしょうか、暖房があるというのがその整備指針の中に入っているんですけれども、やはり青森なんかは寒いですからそういうことも書かれていると思います。
それで、このようなトイレ、障害者用のトイレについて質問させていただきたいと思いますが、まず、さっきの東京都のもそうですが、だれでもトイレですよね。バリアフリーということになれば、障害者に限らず、子どもを連れた人でも、お年寄り、妊婦さん、いろいろな人が使っていいトイレということになると思うんです。やはりだれでも使えるということは、あいているときは一般の人もこれは使っていいと。それこそがバリアフリーだというふうに私自身は思うんですけれども、そこにある区役所のトイレは障害者のことしか書いていないんですけれども、ここが、やはり障害者しか使ってはいけないというのは、どういう理由なんでしょうか。
○秋元営繕担当課長 区庁舎の中にございます車いす用トイレ、これにつきましては、やはりそれしか利用できない方について御利用いただくということで考えてございます。健常者の方につきましては、各階にそれぞれ健常者用のトイレが設置されているということもございまして、やはり車いす御利用の方がいざというときにあいていないという状況は困りますので、そういった方を対象に御利用願うということで対応しているわけでございます。
○小串委員 ただ、私は考え方としては、あいているときにはだれでも使っていいようなふうに書いておいた方がいいのかなと。やはりそういう状況にして、いろいろな人が利用されることによって、こういうトイレを認識すると。で、将来、障害を持つようなことになることもあるわけですから、私はポリシーとして、考え方としては、ぜひそういうふうにしていただきたいというふうには思っております。
そこで、障害者用トイレの設置状況についてお聞きしたいんですが、一つは区内の駅、それと公園です。そして、公園以外の区の施設、たしかそこのサンプラザにはあったと思うんですが、主要な民間の施設、それぞれについて、今の障害者用トイレの設置状況をちょっと教えてください。
○秋元営繕担当課長 私からは、公園以外の区有施設についての障害者用トイレの設置状況について御報告させていただきます。
庁舎は、ちょっと古くなるんですが、平成11年(1999年)に小・中学校を除く区の施設すべての調査を実施してございまして、その結果では、区の施設159施設中80施設、率にいたしまして50.3%が整備をしているという状況でございました。ただ、区の施設すべてを対象にして今申し上げたわけでございますが、平成2年(1990年)に策定してございます中野区の福祉のまちづくりのための環境整備要綱、これによりますと、保育園、児童館等の子ども施設につきましては必ずしも障害者用トイレを設置するよう義務付けられておりません。これらの施設を除きますと、おおむね82%の整備状況でございます。
○服部都市整備部経営担当参事 私の方から、区内の駅についての障害者トイレにつきましての設置状況をお答え申し上げます。
路線別でお答え申し上げます。JRにつきましては東中野駅、西武鉄道につきましては鷺宮駅、また、都営新宿線におきましては東中野、中野坂上、以上4カ所でございます。なお、東京メトロ、旧営団につきましては設置されてございません。
○斎木公園緑地担当課長 障害者用トイレが公園にあるかということですが、公園は53カ所に障害者用トイレが設置してあります。なお、哲学堂と平和の森公園は広いということもありまして複数になっていますが、公園の箇所は53カ所あるということでございます。
○佐藤建築・住宅担当参事 民間施設での障害者用トイレの設置状況でございますが、これは事業者の方が新たに建築する際に、先ほど御紹介いただきましたような東京都の福祉のまちづくり条例及び中野区の福祉のまちづくりのための環境整備要綱による届け出状況で調査したものでございます。
平成15年度の条例届け出分では13施設に設置されております。それから、平成16年度は直近の10月1日現在で、条例届け出分としては4施設に設置してございます。要綱の届け出分では15、16年度とも設置の届け出はございません。
○小串委員 それぞれちょっとお聞きしてみたいところではあるんですけれども、時間もありませんので、先ほどの福祉団体連合会の方からも要望が出ておりました野方駅、大内委員の方からバリアフリーについての質問がございました。その中で、やはり野方駅については何とか設置してほしいという要望があったんですね。それと一方、話の中で、やはり中野駅と、北の方では中核になる駅が野方ということなのだと思うんですが、この二つの駅にはぜひつくってほしいということがありました。中野駅と野方駅は、今お話しいただきましたように、残念ながらまだありませんよね。これについては検討されたことがあるのかないのかわかりませんが、今までの経緯を含めてちょっと説明していただけますか、中野駅と野方駅。
○服部都市整備部経営担当参事 今、委員の方から中野駅並びに野方駅の御質問をいただきました。区といたしましても、中野駅並びに野方駅につきましてもそういった障害者用トイレが必要と考えてございまして、これまでも中野区内の各事業者の方々が参加する、当然、中野区が主催しますけれども、交通バリアフリー関係機関連絡協議会、そういった中で継続的に障害者トイレの設置を要望してきてございます。直近では、中野駅につきましては本年8月、文書をもちましてJR東日本東京支社の方に要請してきた経過がございます。また、野方駅でございますけれども、これも先般の一般質問等、あるいは総括でもお答えしてございますように、北口の開設並びにバリアフリー調査に合わせまして、その必要性を認識してございますので、検討している最中でございます。
○小串委員 ぜひよろしくお願いいたしたいというふうに思うんですが、私、ちょっと野方駅は遠いので余りよくわかりませんが、中野駅について考えると、すぐに今のトイレを改修して行うというのは構造的にちょっとなかなか難しいのかなという正直な気もしております。だとすれば、外に、北口に駅前の公衆便所があるんですね。あそこをちょこちょこと掘ってしまえばできるような気もするんですけれどもね。あわせて、この北口の公衆便所についてはどうでしょうか。
○斎木公園緑地担当課長 中野駅北口の公衆便所は公園緑地分野で所管しております。それで、今の御提案をお聞きしまして、検討したいと、こんなふうに考えています。
○小串委員 もう期待していなかった答弁が返ってきたので、ありがとうございます。ぜひよろしくお願いをいたしたいと思います。でも、やはり外ばかりではだめなんですよ。やはり乗りかえだとかいろいろなこともありますので、中に必要なんです。ぜひ北口の公衆便所も含めて、早く設置できるように御努力をお願いいたしたいというふうに思います。
○平島委員長 小串まさのり委員の質疑の途中ですが、ここで休憩いたしたいと思います。
3時20分まで休憩いたします。委員会を休憩いたします。
午後2時59分休憩
午後3時20分開議
○平島委員長 委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、総括質疑を行います。
小串委員、お願いいたします。
○小串委員 思った以上にちょっと時間がかかっていますので、急いでいきたいと思います。
中野区のホームページ、私もちょっと検索してみたんですけれども、障害者用トイレということで検索すると、残念ながら検索項目なしというのが出てきました。これ、山形市のものをとったものなんですが、山形市障害者用トイレマップ全体図ということで、遠いですから余りよく見えないでしょうけれども、こういう地図を検索することができました。これは、要するに市の施設で障害者用トイレのある箇所が非常にわかりやすい地図で見ることができる。それと、さらに大変よくできているなと思ったのは、トイレマップに載っていない障害者用トイレのある主な施設、これ、要するに民間施設なんですね。ジャスコ山形秋田店、ヨークベニマム、ケーズ電気、その他、カラオケの時遊館というんですか、施設まで載っているんですね。こういうのは非常に障害者の方、出かけるときに参考にすると非常にわかりやすいというふうに思いました。それと、これは北区のなんですが、北区のホームページを見ますと、バリアフリーマップというのが出てきました。これは浮間地区のものなんですが、これを見ますと、浮間の区民センター、入り口までの図、段差なし、車いす用スロープ、自動ドア、車いす対応エレベーター、障害者用トイレ、トイレ案内板、車いすの貸し出し、一般駐車場、冷水機というようなことで、いわゆるバリアフリー情報というのが書かれております。これも、残念ながら中野区のホームページからは同じような項目は検索できませんでした。
このように、障害者にきめの細かい情報を提供するということが求められていると思いますが、この点についてどうでしょうか。
○寺嶋保健福祉担当課長 福祉マップ、あるいはバリアフリーマップの必要性は認識してございます。現在、GIS(地理情報システム)を活用して常に最新の状態を反映させるような、そういった福祉マップの作成に向けて検討を開始したところでございます。
○小串委員 ぜひ、わかりやすいものを検討していただきたいというふうに思います。
いずれにしても障害者用のトイレは、車いすを利用される方はもとより、体の御不自由な方、お年寄り、妊婦さん、乳幼児を連れた人が、外出のときに一番困るのはトイレだというふうに思います。先ほど公園以外の区の施設で80数%というお話がありましたけれども、ただ、何かを除いてというような話、要望のないところは除いてですか。ただ、いただいた資料では全体では50%という資料をいただいております。計画的に、ぜひ設置を進めていただきたいと思います。また同時に、先ほどの駅、民間施設、こちらについても進めてもらいたいと思いますが、あわせてちょっと御答弁いただけませんか。
○秋元営繕担当課長 まず、区の施設でございますが、現在、営繕分野の方ではバリアフリーと健康の観点から、改めて中野区のすべての施設につきまして点検をしてございます。それに基づきまして、健康バリアフリーの対策基準を定めているところでございます。これにつきましては今定例会の常任委員会の中で御報告させていただくことを考えているわけでございますが、これにつきましては、現在策定を進めております長期10か年計画の中に位置付けまして、だれもが安全で健康に使い続けることのできる区有施設の実現を目指しまして、計画的にその対策を推進していきたいというふうに考えてございます。
○佐藤建築・住宅担当参事 民間施設の障害者用トイレの設置でございますが、この対象施設は、医療施設とか福祉施設、また百貨店等の中で不特定多数の方が利用するトイレを設置する場合ということに限定されております。東京都の条例及び中野区の要綱によりまして、届け出があった場合には、事業者に対し障害者用のトイレの設置を要請、指導してまいりたいと思います。
○小串委員 いずれにしても、ぜひ進めてください。
それと、先ほどちょっと言いましたけれども、やはりだれでも使えるということが、むしろ障害者の皆さんにとっても私は望むところだと思うんですね。それが、まさにバリアフリーだと思いますので、ぜひお願いをいたしたいというふうに思います。
次に、ホームヘルパーの育成についてということでお尋ねをしてまいります。いろいろ聞こうと思ったんですけれども、時間があっという間にたってしまって、また持ち越してしまうとえらいことになるので、ちょっと簡潔に質問してまいります。
いわゆる措置という時代から、介護保険制度が導入されて今日に至っておりますが、デイサービスセンターの設置状況というのは、いただいた資料によりますと、たしか措置という区がやっていたときには2カ所しかなかったと思うんですが、現在は31カ所になったということで、かなりふえてきたなという印象を受けております。私の知り合いにいろいろ話を聞くと利用されている方が最近ふえてきまして、結構評判もいいみたいで、最初嫌がっていたけれども最近喜んで行くようになったとか、そういういい話を聞くような時代になってまいりました。
それはそれとして、そういう福祉を底辺で支えていてくださる方がホームヘルパーの皆さんではないかというふうに思っております。いろいろなところで最近研修が行われていると思いますが、ホームヘルパーの育成についてということでお尋ねをしたいと思います。
まず、措置の時代、区がやっていたときに、ヘルパーの育成事業というのを区あるいは東京都で行っていたと思いますが、今はどうなっておりますでしょうか。費用負担の面も含めて、ちょっと御説明ください。
○藤井介護保険担当課長 ホームヘルパーの育成につきましては、介護保険が導入される前、中野区が平成5年度から10年度まで、中野区登録ホームヘルパーの仕事を希望される方を対象に養成講座の研修をしておりました。現在は民間の事業所に東京都が指定事業所を指定していますので、そちらが研修を実施しています。
費用面につきましては、中野区がかつて実施していましたホームヘルパー養成講座は、2級研修相当ということで実施しておりましたが、受講料は無料、テキスト代については自己負担ということで、ほぼ2万円弱であったと考えています。現在の2級研修については、受講料だけで大体6万8,000円程度というふうになっているようです。実施機関によって若干金額等異なっていると思います。
○小串委員 今、6万8,000円というようなお話でしたが、私が調べた範囲では8万円から9万円ぐらいだったと思います。
それで、今、いわゆる東京都や当区がやっていたころには実費だけ2万円ということなんですが、今は10万円弱のお金がかかるようになってきました。サービスを受ける側の問題は充実してきていると評価をしたいと思いますが、一方、介護を支えるヘルパーさんの育成ということに関しては、私の試算では費用が4倍から5倍かかるようになってきているので、やはり今この辺の問題を意識して持っていかなければいけないかなというふうに感じております。
福祉の担い手であるヘルパーさんが当区にいっぱいいるということは、私はこれからの施策を展開する上で大変重要なことだというふうに思っております。それは、まさに介護を仕事として支えていくというのはもとより、あるいはボランティアとして、いろいろな施策を展開する中でそうした人たちがいっぱいいれば本当にありがたいなと思うし、また、その目的が家族介護ということであっても、保険制度とは別の観点から、私は受講して資格をとるということは大変意義があることだというふうに思っております。
そこで、費用の面も含めて、当区としてヘルパーの育成ということに関してどのような考えを持っているか、この点だけちょっとお伺いしておきます。
○藤井介護保険担当課長 ホームヘルパーの資格を持つ区民の方がふえるということは、地域の介護力を増進していくということにもつながるということで、区としても有意義なことだと認識しています。ただ、先ほども申しましたが、ホームヘルパーの養成研修については、現在、既に民間の機関が多数ございまして、実際のニーズ以上に一応養成はされているというふうに認識しています。家族介護者につきましては、保健福祉センターにおいて在宅ケア家族教室というものを実施していまして、家族を介護されている方についての支援という形で中野区が実施しております。
○小串委員 ぜひ、ヘルパーさんを仕事というばかりではなくて、家族介護、あるいはボランティアという、もう大きな発想の中でふやしていくという施策展開をぜひお願いをいたしたいというふうに思います。
それでは、最後の質問に移ります。
憲法改正論議と憲法擁護・非核都市宣言ということで質問をいたしたいというふうに思いますが、こちらについては、私、1定の予算のときに質問しようと思っていたんですが、これも時間がなくて、きょうの日になってしまいました。なぜこの質問をしたいかというふうにそのとき思ったかというと、これ、大泉委員の代表質問のときの資料なんですが、大泉委員が憲法についてこのような質問をされました。「国会を中心に憲法論議がにぎやかだ。論憲、創憲、加憲、原理主義的護憲などさまざま。区長はこの状況についてどのような感想を持っているのか。また、区長の憲法観について伺う」と、このような趣旨の質問でございました。それに対する答えが、区長、「憲法は国の最高法規であり、国民すべてが大切にしなければならない。現行憲法については、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義という三大原則があり、この原則は大切なものとして今後も擁護すべきであると考えている。一方、憲法そのものに改正手続がうたわれているところであり、時代や国民の価値観に基づいて、改正も含め議論は大いに行われるべきと考えている」、そのとおりだったかどうかはあれですけれども、このような趣旨の答弁をされております。
一方、これは岩永しほ子さんの1定のときの質問ですが、「区長の政治姿勢と所信表明について」ということで、区長の所信表明、どれを見てもそれについての質問であったわけですが、「区は憲法擁護・非核都市の宣言や平和行政の基本に関する条例を制定し、平和行政への取り組みを明確に位置付けている。自衛隊の派兵は憲法違反だ。区長の見解を伺う」というような趣旨の質問に対して区長は、「平和な国際社会の実現は人類の願いであり、イラクの復興、人道支援のために我が国が果たすべき役割は重要であると考える。国が法やしかるべき手続により行っていることについて、憲法違反かどうかを申し上げる立場にはない」と。もう一つあるんですが、これはちょっと省略しまして、憲法についての質問について、このように区長は答弁をされております。
その当時の状況をいいますと、イラクの問題がありまして、それに絡めた憲法に対する質問でございました。これを、こちら側に座っておられる、こちらの方とこちらの方を含めて、私を含めて、どう感ずるかなというふうにそのとき思ったんです。恐らく無難に答えたなという人も中にはおられるかもしれません。しかし、その立場は別にして、恐らく多くの議員の皆さんは非常に不満に思ったのではないかというふうに思いました。これは立場は別にして、もっとはっきり物を言ってほしいというように感じたのは私だけではないというふうに恐らく思います。それで、こういう質問をしようかと思ったんですけれども、今、石原都知事にしても、長野県の田中知事にしても、それこそ立場というか、考え方はもう180度違うのでしょうけれども、それにしても物事をはっきり言うという意味ではお二人に共通点があるかと思うんです。それで、このお二人、それぞれ支持を集めているという状況を考えますと、やはり首長は自分の考えをはっきり物を言うということも必要なのかなというふうに痛切に私は感じた次第であります。
そこで、時期がちょっと半年ずれてしまいましたけれども、今、記憶を呼び起こしていただいたと思いますので、憲法についての私なりの考え方なども時間の許す限り申し上げさせていただいて、区長にお聞きいたしたいと思います。もっと時間があれば、私、この前も言ったんですけれども、「和をもって尊しとなす」という十七条憲法も持ってきたんですよ。これ、聖徳太子の言葉です。これは、日本人の精神構造に物すごい影響をいまだに与えています。これは間違いないのは事実です。余り時間をかけてもあれなんですけれども、聖徳太子がなぜ私にとってすごく偉い人だなと感じるかというと、「和をもって尊しとなす」ということで、日本の社会の中で宗教対立をいまだに持ち込んでいないですよね。何が和したかというと、伝来の宗教である神道と仏教というものを見事に調和させて、今日の多神教的な日本人の物の考え方というものを構築したのが聖徳太子です。だから、あえて私はこれを持ってきたんですけれども、余り言っても時間ばかりたちますので、そのくらいに私にとっては大切なものだと思っています。
これは別にして、日本の憲法というものを今考えると、一つには明治憲法、大日本帝国憲法というのがありました。これは、大日本帝国は「万世一系の天皇これを統治する」、これから第1条が始まる憲法ですが、この憲法も日本の近代化にとってすごく重要な意味のある憲法でありました。ただ、なぜこの大日本帝国憲法が崩壊したかということをつぶさに見てみますと、11条に「天皇は陸海軍を統帥する」、いわゆる統帥権なんですね。統帥権というものがあったがために、内閣総理大臣が組閣をしようとしても、当時の陸軍あるいは海軍がそれぞれ大臣を出さないということになると組閣すらできなかった。そういうことから、我々が天皇から直接選ばれるということを盾にして軍部というのがどんどん増大していった。それが昭和20年の太平洋戦争の敗戦ということにつながっていって、この明治憲法は崩壊するんです。ただ、この憲法にしても、日本の近代化を支えてきたということは紛れもない事実であろうかというふうに思います。その後、御承知のとおりの日本国憲法というものが昭和22年に施行されて今日まで来ているというのが憲法をめぐる歴史的な状況であります。
日本国憲法を考えますと、昭和22年から今日というと、明治憲法が明治22年なんですね。これが崩壊して新しい憲法ができるまではその憲法が生きていたわけですから、その時代は約58年間、今の憲法とほぼ同じ時期なんです。そういうことを考えると、一つの節目を迎えているのかなという気がしてならないんですが、日本国憲法、いろいろ条文があるんですけれども、常に対立している、国論を二分してきたのは9条があります。これを、もう改めて読むまでもないと思いますが、「日本国民は正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と武力による威嚇または武力の行使は国際紛争を解決する手段としては永久にこれを放棄する」、2項では「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力はこれを保持しない。国の交戦権はこれを認めない」、これです。まさにここをどう読むかによって国論を二分してきた。このまま読めば自衛隊は違憲です、間違いないです、違憲です、これ。ただ、そういうことでは実態として国が成り立たないということで、倒置法議論--区長もそういうような立場の発言のような気がしますが--をとってきたということで、その辺の事情を、読売のことし5月3日の社説が今の状況を的確にあらわしていますので、ちょっと読ませていただきます。
5月3日の読売新聞の社説、「憲法世論調査 政治改革を求める国民の声」「時代の変化とともに憲法改正を求める声は国民の間で大きな流れになっている。読売新聞が実施した憲法世論調査で、65%の人が『改正する方がよい』と回答した。ほぼ3分の2である。憲法改正に対する国民意識の変化が歴史的な局面に差しかかっていると言えるだろう。かつての保革対決時代、非武装中立を掲げる社会党などの左翼勢力は改正反対を一国平和主義のシンボルとしてきた。自民党は1955年の結党以来、憲法改正を党是としてきたが、60年の日米安保条約改定以降は憲法改正を前面に出して野党と対決することを回避するようになった。この結果、憲法改正を口にすることすらタブー視される時代が長く続くことになった。冷戦終了後もこうした風潮が続き、読売新聞の世論調査でも91年までは改正反対が賛成を大きく上回った。だが、93年には逆転し、98年以降は賛成が半数を超えている。冷戦後の内外の情勢の変化を踏まえ、読売新聞は94年に憲法改正試案を発表して以降、第2次改正試案や関連提言を公表してきた。一連の主張、提言が憲法に関する国民意識の深化に一定の役割を果たしたものと自負している。だが、今なお深く対決時代の護憲原理主義の残滓は消えていない。衆参両院の憲法調査会設置さえ、社民・共産両党などと同様に反対した全国有力紙もある--これは朝日新聞のことを言っているわけです--国民の憲法意識の成熟を見れば、もはやそんな憲法感覚が過去のものになったことは明白だ。今回の調査では、安全保障や国際平和協力に関する問題意識が著しく深まっている。冷戦後の変化の流れに加え、北朝鮮の脅威やイラクへの自衛隊派遣によるものだろう。憲法の関心事項では、戦争放棄、自衛隊の問題が初めて半数を超えた。自衛隊を活用した国際平和協力活動には6割以上の国民が今の憲法では十分な役割を果たせないと考えている。自民党は2005年秋までに新憲法草案をまとめる。民主党は2006年までに新憲法のあり方を国民に提示するとしている。公明党も9条も含めた論議を急ぎ、6月をめどに論点整理する。衆参の憲法調査会は来年初めには最終報告をまとめる。改正の期は熟しつつある。政治が国民の意識におくれてはなるまい。憲法改正の具体案を取りまとめるのは当然として、憲法改正の手続を定めた国民投票法の成立をまず急がなければならない」、これが社説であります。
新聞によって、読売新聞はそういう立場ですが、朝日新聞は先ほど言いましたように憲法維持という立場をとっております。今でも護憲がいいという共産党、あるいは社民党の立場もあるわけでありますけれども、このように社説が見事に今の私の考え方に合うんですね。これはとっておいて、ちょっと長かったですけれども、あえて読ませていただきました。その中に、いろいろあるんですけれども、読売の憲法改正試案、これがことし新しく--これが最終だということなんですが--発表されておりまして、いろいろ篠委員が言うところの家族主義のことだとか、個人情報の問題だとか、こうしろとか、そういうことも書かれているわけでありますが、時間がありませんで、先ほど言いました憲法9条について、読売の改正の試案ではどのように改正案を示しているかといいますと、現法9条のところは第12条として、自衛のための軍隊、文民統制、参加強制の否定ということで、「1、日本国はみずからの平和と独立を守り、その安全を保つため自衛のための軍隊を持つことができる。前項の軍隊の最高の指揮監督権は内閣総理大臣に属する。国民は第1項の軍隊に参加を強制されない」、これが改正案です。これ、もともとは前の案では「軍隊」という言葉を使っていなかったんですけれども、民主党の前の代表だった鳩山さんが、軍隊は軍隊なんだから、すっきりと軍という名前を入れた方がいい、その提案を受けてここに軍隊と載せたということなんですが、「日本国はみずからの平和と独立を守り、その安全を保つため自衛のための軍隊を持つことができる」、これが現状をまさにあらわしているというふうにしか私には思えないんですね。
これが、何で憲法改正ということを口に出しただけで、おまえは右翼だとか、平和主義に反するということに何でなるのか、もうそういう時代じゃないというふうに思っています。だから、区長も、ぜひそういう意味から大いに憲法というものを、まさにこれから政治課題にのってくることですから、大いに自分の考えを述べていただきたいというふうに思うんです。憲法9条というものを中心に国論を二分してきた約60年間ということから、先ほど言いました明治憲法も60年、現憲法も60年。となると、次の憲法というのができてもおかしくない時期に来ているのは事実なんです。日本の国際平和だとか国際協力ということを考えた場合に、これはあくまでも読売の試案の一つにしかすぎませんけれども、今後、自民党案、あるいは民主党案、あるいは公明党案、まさにこの人たちが国会の中では多数を今占める時代になっていますね。間違いなく憲法改正はやろうと思えばできるんです。ただ、中身の問題がありますから、まだすぐそんなことができるとは思いませんけれども、そういう状況というものをぜひきちっと区長は認識として持っていただきたいというふうに私は思っております。そこまででちょっと。
○田中区長 何ていうか、煮え切らない逃げの答弁をしてけしからんといったような論調が最初にありましたんですけれども、(「言ってないよ」と呼ぶ者あり)そうじゃないですかね。
行政の長としての立場と政治家としての立場と、二つあると思っています。行政の長である限りは、私は権限外のことをやたらに何か申し上げるようなことはするべきでないと思っておりますし、区民の意思、区の意思として、例えば議会で議決があるとかというようなことでないことについて、やたらに公の行政の長として主張するということもよくないだろうというふうにも思っています。また、政治家として、選挙に立って公約をしたり主張したこと以外のこと、それと違うことをやたらに申し上げるということも慎重にするべきだと思っています。その上で、では政治家としての意見はどうなんだというふうに言われたときに一定の考えを述べるということも、これもまた大切なことだというふうに思っております。
憲法について言いますと、私は、いろいろな点で議論をするべき時期が来ているというふうに思っています。防衛力をどう整理するかという、おっしゃった問題も当然一つの問題としてあると思います。またそれから、地方分権のことをどう位置付けるのか、もっと進んだ位置付けはできないのか。あるいは地球環境の問題について位置付けることを考えてはどうなのか、あるいは個人情報に関連して、自己情報コントロール権というものをもう少し明確に位置付けたらどうなんだろうか、あるいは障害者の方の社会参加の権利というものをもっと明確に位置付けることはできないだろうか。いろいろな形で、この国の形、私たちが日本という国をどういうふうにしていくべきなんだろうかという議論として、憲法の議論もするべきだというふうに思っております。いきなり憲法だと言うと9条だ、9条を改正しようという人は右翼で、守ろうという人は立派な人でとかという、こういう議論をしては私はいけないと思う。つまり、何条をどうこうということの以前に、私たちは国民として、この国をどういうふうにしていきたいのかという議論をしっかりとしていくべきだろうというふうに思っております。
先ほどの戦争放棄、それから防衛力の問題について私なりの意見を申し上げれば、憲法9条前段の部分については決して変えるべきではないというふうに思っています。後段については、何らかの形で私は防衛力をきちんと位置付けたものにしていくべきだろうというふうに思っています。
○小串委員 そこで、最後にこの1点だけは確認をしておきたいんですけれども、冒頭お話しさせていただいた岩永委員の質問は、もう一度言いますが、こういう論調です。憲法擁護・非核都市の宣言や平和行政の基本に関する条例を制定している、平和行政の取り組みを明確に位置付けているという区なんですね。区はこうだから自衛隊は違憲だという質問だったんです。このように、いわゆる左翼的な人たちというのは、当区は憲法擁護・非核都市宣言をしているのだから、憲法を改正するのは間違いだ。すなわち、憲法擁護・非核都市宣言は改憲反対の宣言だというような形での、常にそういうスタンスでの問いかけがされるわけですね。それについて区長の見解を最後にお聞きして終わりたいと思います。
○田中区長 憲法は国の最高法規であります。憲法の規定していることに反する法律をつくることはできません。また、条例は法律に違反した内容をつくることはできません。そうしたことから考えまして、中野区の平和基本条例といったようなものが憲法と違うことになるということになれば、それは憲法の方が優先されるべき考え方でありますので、憲法が変わったということがもし起こったならば、その憲法の内容を見て、その条例がどういうふうに位置付けられるものか、改めて考えていくべきものだというふうに思います。
○小串委員 もう時間がなくなりましたので、これで質問を終えたいと思いますが、いずれにしても、これから憲法の問題というのは、これ区民ということに限らず、やはり日本の将来をどうしたらいいのかという意味で大変重要な問題に間違いなくなってきます。日本の大きな政党は、それぞれこの問題を真剣に今考えようといたしております。そういう中で、やはり今の憲法よりもよりよい憲法の制定というものが私は求められていると思います。そういう意味からの質問をきょうさせていただきました。
以上で質問を終わります。
○平島委員長 以上で小串まさのり委員の質疑を終了いたします。
以上で総括質疑はすべて終了いたしました。
なお、ここで委員長から委員各位にお願いがございます。御承知のとおり、明日10月5日(火曜日)から各分科会に分かれて審査を行うことになります。したがいまして、会場設営の関係上、持参されている資料等につきましては、机の中のものを含め、すべてお持ち帰りいただくようお願いいたします。
次回の委員会は、10月12日(火曜日)午後1時から当委員会室において開会することを口頭をもって通告いたします。
以上で本日の決算特別委員会を散会いたします。御苦労さまでした。
午後3時55分散会