平成17年02月22日中野区議会本会議(第1回定例会)
平成17年02月22日中野区議会本会議(第1回定例会)の会議録
平成17年第1回定例会本会議第3日(2月22日) 1.平成17年(2005年)2月22日、中野区議会議事堂において開会された。
1.出席議員(41名)
  1番  いでい   良  輔        2番  伊  東  しんじ
  3番  佐  野  れいじ         4番  北  原  奉  昭
  5番  久  保  り  か         6番  酒  井  たくや
  7番  奥  田  けんじ          8番  近  藤  さえ子
  9番  小  堤     勇        10番  大  内  しんご
 11番  伊  藤  正  信        12番  きたごう  秀  文
 13番  吉  原     宏        14番  高  倉  良  生
 15番  やながわ  妙  子       16番  平  島  好  人
 17番  むとう   有  子        18番  はっとり  幸  子
 19番  長  沢  和  彦        20番  か  せ  次  郎
 21番  山  崎  芳  夫        22番  小  串  まさのり
 23番  高  橋  ちあき         24番  市  川  みのる 
 25番  岡  本  いさお         26番  こしみず  敏  明
 27番  飯  島  きんいち       28番  佐  伯  利  昭
 29番  佐  藤  ひろこ          30番  来  住  和  行
 31番  岩  永  しほ子         32番  若  林  ふくぞう
 33番  篠     国  昭        34番  伊  藤  岩  男
 36番  大  泉  正  勝        37番  斉  藤  高  輝
 38番  江  口  済三郎        39番  藤  本  やすたみ
 40番  昆     まさ子         41番  江  田  とおる
 42番  池  田  一  雄
1.欠席議員
 35番  斉  藤  金  造 
1.出席説明員
 中 野 区 長  田 中 大 輔          助     役  内 田 司 郎
 収  入  役  山 岸 隆 一          教  育  長  沼 口 昌 弘
 区 長 室 長  田 辺 裕 子          政策計画担当課長 鈴 木 由美子
 まちづくり総合調整担当部長 那須井 幸 一 総務担当参事   橋 本 美 文
 区民生活部長   本 橋 一 夫        子ども家庭部長  柳 澤 一 平
 保健福祉部長   菅 野 泰 一        保 健 所 長  清 水 裕 幸       
 都市整備部長   石 井 正 行        教育委員会事務局次長 金 野  晃
         
1.本会の書記は下記のとおりである。
 事 務 局 長  正 木 洋 介      議事調査担当係長 大 谷 良 二
 書     記  黒 田 佳代子       書     記  巣 山 和 孝
 書     記  永 田 純 一       書     記  荒 井   勉
 書     記  廣 地   毅        書     記  西 田   健
 書     記  岩 浅 英 樹       書     記  鳥 居   誠
 書     記  杉 本 兼太郎       書     記  松 本 桂 治
 書     記  吉 田 哲 郎

 議事日程(平成17 年(2005年)2月22日午後1時開議)
日程第1 第6号議案 平成17年度中野区一般会計予算

     午後1時02分開議
○議長(山崎芳夫) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。
 本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。
 昨日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。

 中野区議会議員 藤 本 やすたみ    
 1 教育改革について
  (1)学力の向上をめざして夏休みの活用を
  (2)体力の向上についての取り組みについて
 2 中野サンプラザの取得について
  (1)有識者委員会の審査結果の受け止め方
  (2)庁内審査会の議論の内容と判断
  (3)定款の変更と議会と区民への説明
 
○議長(山崎芳夫) 最初に、藤本やすたみ議員。
     〔藤本やすたみ議員登壇〕
○39番(藤本やすたみ) 平成17年度中野区政にとって極めて大切な転換点になると年だと思います。民主クラブを代表して第1回定例会に当たり質問をさせていただきます。
 基本構想の策定と、それに基づく10年計画がスタートをする予定になっております。区民の立場に立って区長を先頭に理事者、全職員が区政改革に全力で取り組んでいただきたいと思っております。
 私は二つの問題、教育の問題とサンプラザの取得の問題、この二つの問題に絞って質問をさせていただきます。
 まず最初に、教育改革についてでありますけれども、長い間の懸案でありました学校の再編がいよいよスタートいたします。よりよい子どもたちにとっての教育環境をつくるために、ぜひスムーズにこの再編が進むように最大限の努力をしていただきたいと思っております。
 まず最初に、教育改革についての一つの問題点としては、昨日もTOKYO自民党の斉藤議員が質問をしておりましたけれども、日本の子どもの学力が大変に大きく落ち込んでいるという問題があります。この問題について、質問をさせていただきます。
 学力の向上を目指して、ぜひ夏休みをもっと積極的に活用したらどうかということであります。昨日の斉藤議員は、学力が低下をしているということを、国際学力の調査に触れながら述べております。少しそれを詳しく述べさせていただきますと、経済開発機構(OECD)は15歳の児童を対象に学力到達度のテストを行っておりますけれども、これは3年ごとに実施をされております。40カ国を対象にしておりますけれども、2000年に日本の児童の読解力は8位から2003年には14位という形で大きく下がっております。また、数学的な応用力というのは1位から6位、科学的な応用力は2位ということで変わりません。こうした中で読解力や数学的な応用力というのは、大変大きく低下をしているということが示されております。こうした中で、アジアの諸国が読解力では韓国が2位、数学的な応用力では香港が1位と非常に上位を占めるようになってきております。
 もう一つの国際教育到達度評価学会(IEA)による国際数学理科教育調査によりますと、やはり学力が低下をしているという結果が同じように報道をされております。世界の38カ国の中学2年生を対象にした調査は、日本の数学は5位、理科は4位となっておりますが、やはりここでもアジアのシンガポールや韓国、あるいは台湾などが上位を占めるようになっております。日本の数学は64年には2位、81年には1位、理科は70年には1位、83年には2位という形で数学、理科が大変に低下をしてきている。数学、理科が好きな生徒の比率が最低ランクで理数離れが進行しているということが読み取れます。
 学校教育の指針となる学習指導要領に、初めてゆとりという言葉が使われたのは昭和52年だそうです。詰め込み教育と受験戦争の過熱化ということで、学習量が2割5分削減をされました。その当時はそれなりの意味があったと思いますけれども、その後さらに平成10年にこれが改定され、学習量が3割削減をされました。そして先生の隔週5日制から完全週5日制という形になりまして、授業日数は従来の240日から200日に、大きく減らされたわけであります。
 そしてこのときに学習指導要領では円周率は従来は3.14と教えていたのが3でいい、あるいは台形の面積は教えなくていいというようなことも私たちの記憶に残っております。しかし、3.14とこの3でピリオドが打たれる教え方の中には、大変大きな問題があると思っております。片一方は無限大に続いていく、片一方はそこで思考が停止をするというようなこともあります。そういうような形の中で、ゆとり教育ということが行われてきたわけでありますけれども、ゆとり教育の結果、学力が大きく低下をしてきているというその一つの大きな要因になっているということは、やはり間違いがないのではないかというふうに思っております。
 江戸時代から明治維新へと移行する中で、日本が近代国家への道を歩み始めましたけれども、各藩には藩校がありましたし、江戸末期には全国で5万から6万の寺子屋、庶民を対象にした寺子屋がありました。明治政府も大変教育には力を注ぎまして、全国各地に学校を創設をして、中野区もそうですけれども、全国各地に120周年、あるいは130周年を迎える学校が至るところにあります。国民の生活水準の高さが、まさに日本の近代国家への道を支えてきたと言っても過言ではないと思います。
 戦後の荒廃の中からいち早く立ち上がり、そして世界の中で経済大国と呼ばれようになった大きな要素としても、日本国民の勤勉さは言うまでもありませんけれども、その教育力、教育水準の高さが支えになってきたことも間違いのない事実であると思います。
 しかし、今その経済大国の座も大きく揺らぎ始めているような気もします。未来を担う子どもたちの学力が大きく落ち込んできたということは、日本の将来にとって極めて憂慮すべき事態ではないかと思っております。日本はエネルギーを初め、資源のない国であります。最大の資源は人材であり、一人ひとりの教育力であり、教育水準の高さこそ、最大の資源であると思っております。そうした中で、子どもたちの教育力が衰え始めているということは憂慮すべき事態だと思っております。
 こうした中で、ゆとり教育の見直しということが現在いろいろと報道をされております。中野区でも昨年来教育委員会で2学期制度が提唱をされました。文教委員会でもさまざまな議論が行われました。そのメリット、デメリット等の議論が行われました。ことしから数校でこれが実施されるということでありますけれども、詰まるところは結局授業日数をいかにして確保するかということに尽きるのではないかというふうに私は思っております。
 この2学期制が提唱されて、私なりにいろいろとこれを調査をしてみましたけれども、やはり成果をおさめているところは、夏休みを非常によく活用している学校、この学校が大きな成果をおさめているように思っております。
 同じ時期に葛飾区では、教育振興ビジョンというものを平成15年11月につくっておりますけれども、葛飾区では全教科が子どもたちの学力が都の平均を下回るということで、どのようにしたら学力の向上を図ることができるかということをいろいろと検討してまいりました。そして、結論的には、夏季休業期間を1週間短縮して、ここで30時間の授業日数を確保しようということになりまして、8月25日から1週間、ここを授業日数の中に組み入れるという形にして、子どもたちの授業日数を確保することにしたそうでございます。
 そして、それを可能にしたのは、すべての学校の冷房化が行われていたということであります。これは規則の改正でできるということでありますので、中野区も同じような条件下、すなわち中学校、そしてまた小学校ともに冷房化されておりますので、子どもたちにとっては教育をするいい環境ができていると思っております。子どもたちの学力向上のために、この夏休みを最大限に活用していただけないかと思っております。
 現在でも週5日制になり、先生たちは夏季休業中も研修という形で学校に来ることが義務付けられておりますから、それならばこのような形で子どもたちを本当の学力向上、授業がよくわかるような、そういう形でこの夏季休業を生かしていくということを十分に検討し、検証し、研究をしていただきたいと思っておりますけれども、ぜひ御見解をお伺いをいたしたいと思っております。かつて中野区は教育中野と言われておりましたけれども、そのような中野区を再びつくり上げていただきたいと思っております。
 2番目に体力の向上についての取り組み、これもやはり知力と同じように基礎的な体力というのは大変重要と思っております。子どもたちの体力が大変に衰えてきていると言われております。やはりこれも文教委員会で配られた中野区教育ビジョンのデータの中で、中野区の小学校5年生のデータでありますけれども、50メートル走で男子で0.7秒、女子で0.4秒全国平均より下回っているという資料をいただきました。ソフトボールでは男子で5メートル、女子で3メートルということで、全国的にも子どもたちの体力が衰えている、その全国平均よりさらに大きく下回っているというデータが出てきているわけであります。
 体育の授業時数の減少、学校の小規模化に伴う中学校の運動部の減少、生徒がスポーツに親しむ機会の減少等があると思いますけれども、やはりこの小・中学校の間に、子どもたちの基礎的な体力をしっかりとつくり上げていくということは、大変に重要なことではないかと思っております。そのような環境をつくるとともに、これは文部科学省が関係してくると思いますけれども、今専科の先生としては、音楽、それから図工、家庭科の先生がいると思いますけれども、やはり小学校にも体育を指導する先生がいてもいいのではないかと思っております。特に小学校においては、女性の教師が7割を占めているというようなことで、子どもたちの体力を向上させるためには、そういったことも検討をしていいのではないかと思いますので、その点についてもお伺いをしたいと思っております。
 さて、2番目に中野サンプラザの取得の問題についてお尋ねをいたします。
 昨日もTOKYO自民党の斉藤議員がこの問題についてかなり厳しく理事者に質問をしておりました。この問題が起きて以来、私もこれをテーマにした総務委員会にはできるだけ出席をして質疑を聞いておりましたけれども、議員の方々の質問はそれなりにもっともだというような感じをして受けとめておりました。中野サンプラザについての区の認識というのは、一つには中野駅前に位置するサンプラザの文化的機能と集客機能は、中野のまちのにぎわいにとって重要だと考えているということ、二つ目にはサンプラザの用地は将来の警察大学校移転跡地や、中野駅北口広場の整備等中野駅周辺のまちづくりに極めて大きな影響を及ぼすということ、3番目に区を越えた広域的なサンプラザの事業の継続のために、多大な財政負担をすることは、区の財政状況から困難である。このような認識のもとにサンプラザの取得の問題に取り組んできたと思っております。
 中野区は、そして区長は、区民との対話集会を、サンプラザの取得について、4回ほどたしか開いていると思っておりますけれども、その中で大体このようなことを述べております。すなわち10年たって借金が40億円から50億円くらいで、返済し切れないけれども、土地は第三セクターに残り、出資金は区に残ることになる。このようになるのなら、取得に前向きになってもよいのではと思っている。すなわちあそこのサンプラザの土地が120億円と言われておりますけれども、20億円は建物を壊す費用として、約100億円のうち元金の50億円はそのまま残っても、賃貸料で第三セクターをつくり、その賃貸料で運営費、あるいは利息、そして固定資産税を払っていけば、大体それぐらいは残るのではないかというようなことを述べてきているわけでありまして、そうした感じで区民は受け取っておりましたし、議会もそのようなイメージで大体受けとめていたのではないかと思っております。
 私たち民主クラブも会派の見解として、予算審議のときには中野サンプラザの区への売却は打診をされている。中野区のシンボル的建物であり、将来の中野のまちづくりにとって、魅力ある土地であるけれども、一方箱物行政の象徴でもあり、区の厳しい財政状況の中で、区の持ち出しなしで果たして運営できるのか、慎重な対応が望まれるという考え方を述べさせていただいております。
 そこで、現在中野区は結局このサンプラザを取得をしているわけですけれども、サンプラザの取得については、幾つかの選択をする時期があったと思っております。第1には有識者委員会の審査結果の受けとめ方であります。すなわち公平で公正な客観的な判断を仰ぐために、中野区は有識者委員会をつくりまして、その審査を行っていただきました。
 ところが、実際にはこの有識者委員会の審査結果の公表では、両提案とも二つのグループが応募をしてまいりましたけれども、優先交渉権を付与すべきレベルには達していないというもので、今回の提案協議においては該当者なしとする、水準に達していないというそのような公表でありました。その後は区が判断をすべきということでありましたけれども、こういう結果が出たときに、中野区はこれをどのように受けとめたのか、そこではそのままやはり取得に進んでいくのか、あるいはそういう厳しい客観的な判断が出されたら購入しないという、そういう選択肢もあったわけであります。
 しかし、区は2番目には購入の方向にという形で庁内審査会の議論へそれを持ち上げていって、そこで議論をして最終的に7月8日、9日、それぞれ4時間半ずつ議論をして、これを購入をするという方向を打ち出しました。ところで、資金調達の方策の確実性という点がこの有識者会議では10点という得点でしたし、まちづくりに対する再整備の理念や方針の優位性が10点でありましたけれども、それが庁内審査会では17点、20点という、非常に大きな得点になっております。これによって、結局区は購入をするという方向に移行していったわけですけれども、今議論になっているところは、まさにそこの資金調達の方策のところであります。
 それから、まちづくりに対する再整備の理念や方針、その辺もはっきりと見えてきておりません。そうしたところで非常に庁内審査会の議論が見えてこない、どのような議論が行われたのか、そうした意味では、やはり透明性に欠けていると思いますし、説明も十分になされているとは思っておりません。
 そして特に重要なのは、定款の変更ということであります。すなわち株式会社まちづくり中野21の定款が16年9月6日に作成をされました。その時点では少なくとも中野区は当初説明をしてきたそのような形の中で取得をするという形で定款を作成してきたはずであります。わが会派の平島議員もこのサンプラザ運営会社の計画変更を問うということで、質問をしております。事業開始前にもかかわらず、サンプラザの運営会社が5社グループに新たに3社を加え、議決権割合と出資割合を大幅に変更したということに対する判断の甘さについて質問しておりますけれども、十分な答弁はされていないと思っております。総務委員会でもやはり委員の質問に対する理事者の答弁は、必ずしも一貫をしておりませんでしたし、議員の方々を十分に納得、理解させるものにはなっていなかったように思っております。
 区長は所信表明の中で、15年、16年とそれぞれ中野サンプラザの取得に関して明確な考え方を述べておりますけれども、この17年の所信表明には、これだけ重要な問題について、少しも触れられておりません。これはやはり私たちにとっては大変不思議なことであると思っております。
 今、ライブドアとフジテレビが株の取得をめぐって、大変な熾烈な争いをしております。私もなかなかその辺のところはよくわかりません。しかし、今回の中野サンプラザの取得についても、何回理事者の方々からお聞きをしてもよく理解をできない、大変に問題を複雑にしているのではないか。複雑な形でこれを取得をしているのではないか、非常に単純明瞭な形でこれは購入するというような考え方があった、当初の説明ではそのような形であって、それに対して、私たちは第三セクターに対する出資についての予算にも賛成をしてきたわけであります。しかし、実際にはA種優先株式、B種優先株式、C種優先株式等、そうしたものが入ってきて、そしてC種優先株式においては、大変なハイリターンというか、5億円の出資をすることによって、10年後にはそれが25億円になるというような形です。そこにはハイリターンがあればハイリスクというものが当然あるわけですけれども、それが十分に私たちには見えてきません。
 そのような形で、実際にこれが10年後には本来的には区がかなりの部分を取得をできる可能性があった部分が、ほとんど民間がその取得というか、土地についている権利も持っていってしまうのではないかというようなことで、やはりその内容について、それぞれ各段階においてそれぞれの選択肢があった。それが全く行政だけでそこが進められてしまっていって、結局10年後には中野区はただ出資をしただけというような結果になるのではないかという懸念が、今はあるわけであります。
 というのも、10年後の将来像が今やはり描けていないと思いますし、区民にとって本当にどれだけのこの取得をしたことによって、まちづくりについての還元があるのかが、やはり見えてこない、不明確になっているということであります。
 少なくとも先ほど述べた三つの段階で、やはりそれぞれの選択肢があったわけでありますから、昨日も質問がありましたけれども、その都度議会に報告をし、そして相談をし、協議をし、そして議会の意思をも確認をしながら進めていく必要があったのではないかというように考えております。
 昨日の質問に対して、区長は深く反省をしているという答弁をされておりますけれども、今後それではどのように議会の意思を反映させていくつもりなのか、その定款が途中で変更されておりますけれども、この定款の変更というのは、その議会の意思をも反映をした形で、再度定款の変更というのは可能なのか。そうしたことをやはり私たち行政としても議会は区民を代表してその意見を述べているわけでありますから、そうした意思というものを相手に伝えて、議会と区民が十分に納得できるような、そのような定款の変更についても協議をされる必要があるのではないか、そのように考えておりますけれども、これが民と民との契約ですから、なかなか難しい形にはなっていると思いますけれども、しかし、出資をしているそれは税金であります。議会の意思というものもそこに十分に反映をされてもいいのではないかと思っておりますし、議会や、あるいは区民が十分に納得できるような説明をしてこなければ、この期間の行政と議会との間の溝というか、不信感というのはなかなか払拭をされないのではないかと思っております。
 そうしてこれは中野のサンプラザの取得問題に限らず、これからその周辺の警大の跡地のまちづくりにも、やはり大きな影響を及ぼしてくると思いますので、その辺についての区の明確な御見解をお伺いしたいと思っております。
 以上、二つの問題点について質問をさせていただきましたけれども、区長並びに理事者の明確な御答弁をお願いをして、質問を終了させていただきます。
     〔教育長沼口昌弘登壇〕
○教育長(沼口昌弘) 藤本議員の教育改革について、お答え申し上げます。
 まず、学力の向上を目指して、夏休みの活用をということでございます。各学校では児童・生徒の学力の向上を図るために、授業時数の確保、あるいは授業内容の改善に取り組んでいるところでございます。この4月から数校の区立小・中学校におきまして、2学期制を試行することになってございますけれども、教育委員会としては、これを全校に広げていくに当たりまして、同一学期内の学習の連続性を図るなど、2学期制の導入の効果を高めるためにも、夏休みなどの長期休業日の期間設定のあり方や、日数などについて見直していきたいと考えているところでございます。
 次に、体力向上についてでございますが、現在検討を進めております教育ビジョンでも、体力向上を重要な目標として位置付けております。各学校の実態を把握して、体力向上プログラムを作成し、それをもとに体育指導を充実させたり、日常における運動の習慣化を図ってまいりたいと思っております。
 なお、専科の体育教師につきましては、教員配置基準との関係で、どのような工夫ができるのか、あるいは外部の人材活用などについても検討してまいりたいと思っております。
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 私からは、サンプラザの取得についての御質問にお答えをさせていただきたいと思っております。
 まず、サンプラザの取得全般に関して、議会との関係といったようなことからお答えをさせていただきたいと思っております。
 サンプラザの所有、これを区が関与した形で所有をするべきだというふうに私どもは考えたことについては、藤本議員も御指摘のあったような内容であります。今後具体的になります中野周辺のまちづくり計画の実現に当たって、区民や議会の意向を最大限に反映できるといったようなこと、中野駅前の区民にとってのシンボル的な存在である中野サンプラザ、このにぎわいをこれからのまちづくりに生かしていく、さらに発展をさせていくという意味で、区が関与していることの重要性ということを認識しているところであります。
 サンプラザ取得運営事業につきまして、当初想定をしていた資金調達等の枠組みを変更せざるを得なかったことによりまして、当初の議会での御説明と異なる形になってしまったこと、またその経過について適切な時期に的確な御報告ができなかったこと、こうしたことについてまことに申しわけなく思っているところであります。
 特に、資金調達の枠組みが変更したということについて、結果として地方自治法における議会の関与が及ばない形となる変更というようなことでありまして、こうした事態についてもおわびを申し上げるところであります。
 短期間に決定しなければならなかった状況であったということでありますが、これについて十分に御報告、御相談はすべきだったと考えております。御指摘の中にもありましたけれども、議会が適切に関与をしていく、区が支配権を有している株主としての影響力を行使をしていくといったようなところでは、これからも中野区として、しっかりとかかわっていかなければならないと考えているところであります。
 なお、地方自治法における関与が及ばない形となるということに関しましては、区や区議会の関与について、法的な根拠を担保するために、今回、別途条例案の提案も予定をさせていただいているというところであります。
 事業者選定の経過について幾つか御質問がありました。有識者委員会の審査の結果を受けた時点で、サンプラザの取得が中野の将来に大きな影響を持ち、区が適切に関与する形で取得することの意義は大きいということから、区は最後まで取得の可能性を追求すべきだという立場で、一つとしては、まず再募集が可能となるように雇用能力開発機構に対して譲渡条件の緩和を申し入れるということを行いました。また、譲渡条件の緩和が難しいといった場合には、再提案を検討するということとしたところでありますが、結果として雇用能力開発機構からは、譲渡条件を変更することはできないという旨の回答があり、条件を変えて改めて募集するということはできなくなった。そういう選択肢はないものとなったわけであります。
 それでは、再提案ということになるということで、再提案を実施したわけでありますけれども、再提案については、有識者委員会の中で確認された審査基準に基づいて行うということ、それから募集時の条件変更を一切行わないという前提で実施をしたところです。そうした方針をもって提案協議の応募者に対して、募集条件を変更しない前提で再提案を認めること、それから再提案は有識者委員会の審査講評を踏まえて行うものであること、また再提案の審査は庁内に審査委員会を設けて行うことなどを通知をしたところです。
 再提案を審査した庁内審査会は、助役を座長として5部長で構成をしました。5部長は、区長室長、まちづくり総合調整担当部長、総務部長、区民生活部長、都市整備部長であります。庁内審査会における再提案の審査については、有識者委員会における評価基準にのっとって行ったところであります。評価基準の配点、配分など、すべて有識者委員会の枠組みに基づいて、それに従って行っております。また、審査結果、付与した点数、講評など、審査の内容については、総務委員会に御報告をしたところであります。
 審査会としては、当初の提案に対する有識者委員会の指摘事項に対する再提案の対処内容、これを審査をしたわけであります。その結果改善が見られ、優先交渉権を付与すべきレベルに達しているということを確認をしたというところであります。
 その運営会社がC種優先株ということで、リスクが見えないのにリターンが大きい、そういう形になっていないかというところでありました。運営会社につきましては、10年間の期間限定の運営であるということ、それから用途が制限されているということ、また社員の雇用という制約条件、かつサンプラザの購入資金やその他の資金の調達責任を負って、会社を設立をして経営をしていくということであります。そうした経営が10年間成功して初めて収益につながるということでありまして、この収益についても、C種優先株の配当を充当しなければ収益になってこないといったようなこともあるわけでありまして、努力に対する一定の対価ということはあってしかるべきではないかと考えているところであります。
 本事業については、民間の経営感覚を生かし、10年間の安定的な運営が可能になるように枠組みを構築したものでありまして、所有会社における区の支配権、これは株主総会の議決権の3分の2を有しているわけでありますから、そうした支配権を維持しつつ、民間の経営能力を引き出す、そうした仕組みであるというふうに考えているところであります。
 当初御説明をしていた内容と結果として異なった形になってきた、またその間の検討状況について、適宜、的確な御説明ができなかったといったようなことについて、改めておわびを申し上げるところでございます。
 私の答弁は以上でございます。
     〔藤本やすたみ議員登壇〕
○39番(藤本やすたみ) それぞれ再質問をさせていただきます。
 一つは2学期制と夏季休業の短縮による授業日数の確保ということで、2学期制は、今現在全国で実施をしているのは数パーセントですよね、たしか。本来的にはずっと長い間の3学期制というのを続けてきたわけであります。しかし、結局ゆとり教育による週5日制になって、授業日数がどうしても足りなくなり、それを何とかして2学期制の実施により、終業式と始業式がそこでなくなりますから、そういう形で授業日数に充てていく。これは、一つの工夫ではあると思いますけれども、根本的な解決にはならないのではないかと私自身は思っております。
 やはりそれよりは夏季休業という非常にいい中野区にとっては環境ができているわけですから、先生も学校に研修という形で、かつてはそういう形では必ずしもなかったと思いますけれども、研修で来ることが義務化されているわけですから、この夏季休業を最大限に生かしていけば、これは2学期制とか、3学期制とか、そこにこだわる必要はないというか、むしろ3学期制でも夏季休業を十分に活用すれば、私はそのまま継続をできると考えます。いかにして子どもたちのために、より多くの授業日数を確保するかということが、最大の眼目ではないかと思っております。
 この週5日制が実施をされたときに、これは本当に子どもたちのためというよりは、学校の先生の週5日制を実現するために、その前にゆとり教育というものをまず打ち出して、週5日制にというように言われて、喝破するというか、そういうようなことを明白に述べられた先生もいらっしゃいますけれども、やはりそういう中で週5日制になって、実際に授業日数が減ってきて、学力が低下をしているという事実があるわけですから、現在も夏休みに先生が研修という形で出ていますから、各学校でいろいろな取り組みをしていることは、よく承知しております。
 2学期制をということで、ホームページ等いろいろ調べてみましたけれども、そういう中でも大きな効果を上げているのは、宮崎市の東中学校では、1年生が10日間、2年生は14日間、3年生は27日間の補講を行っているということで、子どもたちの学習が向上するような努力をしているわけであります。公立、私立そうした選択がという中で、公立学校よりも私学を志向している中で、公立学校が本当に学力の点でも私学に負けないんだということでは、そうした努力を十分につくっていく必要があると思っておりますし、ことしは試行ですから、それを研修して検証し、実際に葛飾区においては、そういう夏季休業というものを十分に生かしていくということ、中野区は小学校においても冷房化が行われているわけですから、その辺も含めて十分な研修をして、場合によっては3学期制でもいいのではないかというようなことも含めて、検討すべきではないか。
 非常に簡単に答えられましたけれども、この2学期制の試行は、1年間あるわけですから、それぞれのよかった点、プラス・マイナス、メリット・デメリット等検証して、そしてどのような形をして子どもたちの学力を向上していくかということを十分に検討してほしいということで、お尋ねをしておりますので、その辺についても試行をして、そのまま2学期制で中野区は進んでいくんだということではなくて、検証して進んでいくということが必要なのではないかと思っておりますので、再度お答えをいただきたいと思っております。
 それから、先ほど区長さんからもお答えがありましたけれども、議員の人もそうですし、区民が本当には取得をしてよかったんだというような形の説明が区民の人にとっては必要なのではないか。今のままではそのようなところには至っていないのではないかと思っておりますし、当初の融資をするという形が崩れてきたわけですよね。そこで日本政策投資銀行が出てきて、出資という形の融資なんですか、そういう形での融資を受けざるを得なかったというところですけれども、運営会社は最初大変厳しいというか、運営していくのは厳しいという中で、手を挙げられて提案をされているわけですよね。その運営会社が最終的には一番何となく大きなメリットを受けるというところが、何か納得がいかないというか、リスクというものは十分に承知をして応募をされているのではないか。ですから、リスクはそれぞれもう折り込み済みの中で、募集に応じられているのではないか、その中で非常に大きなリスクがある、だからハイリターンだということは、何回説明を聞いてもわからないんですよね。運営会社ですよね、運営していく、それで自分たちがみずから手を挙げてというところが、最終的には一番多くの利益を得るというかという形のものはどうもよく見えない。
 そこのところはやはり私たちもよく理解できないところだし、区民にとってもなかなか理解できない。しかもそこはただ10年間終わってもそのままなのか、継続して権利を、やはり出資をしていますから、権利を持っていくんだろうと思いますし、そうするとなおさらそこのところはもう少し区民に対して明確な説明をすべきだと思います。定款の変更というのをやってきているわけですから、それは取締役会を開いて、定款の変更というのはできるわけですよね。それがそういう議会の意思とか区民の意向を含めて、協議をするだけの価値はあるのではないか。それを相手がどのように判断するかは別にしても、少なくともそういう努力をする必要があるのではないかと思っているんですけれども、その点についてお尋ねをしたいと思っています。
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 再質問にお答えをいたします。
 運営会社はリスクはもともと承知をして引き受けた仕事なのだから、リターンは要らないということには、やはりならないと思います。そういうふうにおっしゃっていないのかもわかりませんけれども、リスクはあるんだというリスクを一定評価をするから、それに見合うリターンの可能性ですね、あくまでも可能性が一定あるんだという中で、投資が成立するということでありますから、運営会社のリスクに対応する一定の努力に対する対価といったようなことは、私は組み込まれているということが当然だろうとは思っているわけであります。
 結果としてそれが非常に大きなものになるのか、全く出ないのか、あるいは少なく、あるいは赤字のままで終わってしまうのか、運営会社はさまざまな可能性を引き受けた中で運営をしていかなければならないということであります。
 10年間の運営計画を見ましても、10年間終わるまでは全く利益配当もできないというような形の運営計画になっているわけであります。仮にその間何らかの事情で赤字が累積するといったようなことも、それは事態としてはあり得ないわけではないわけでありますから、必ずしもリスクとリターンとの比較というのものを、今の時点でそう確定的には私はしにくいのではないかというふうには思っております。
 それから、区として定款の変更の必要性を考えたときに、当然取締役会で対応していくべきではないかという御提案でありますけれども、運営をしていく中で、定款の変更といったようなことの必要性が生じるのであれば、当然区は取締役を派遣をしているわけですから、まちづくり中野21の取締役会で、その提案もしなければならないと思いますし、協議もしていかなければならないということになるだろうと思っております。
     〔教育長沼口昌弘登壇〕
○教育長(沼口昌弘) 夏休みの件でございますが、確かに学期制と夏休みの問題、3学期制で夏休みを短縮したりする場合がございますので、直接の関係はないとは思いますけれども、私どもとしましては、この4月から試行する2学期制、これに連動して夏休みのあり方についても検討してきたという経緯がございます。教育課程の編成ですとか、カリキュラムの問題と密接に関連していますので、ことしのこの夏の期間を短くする、そういうやり方はなかなか今からではもうできないわけでございますけれども、改めて長期休業のあり方については具体的に検討してまいりたいと、そのように考えてございます。
○議長(山崎芳夫) 以上で藤本やすたみ議員の質問は終わります。

 中野区議会議員 むとう 有 子
 1 警察大学校等跡地利用について
 2 支援費制度について
 3 区民参加のあり方について
 
○議長(山崎芳夫) むとう有子議員。
     〔むとう有子議員登壇〕
○17番(むとう有子) 区民の方々から寄せられました御意見をもとに質問をさせていただきます。
 まず最初に、警察大学校等跡地利用についてお尋ねいたします。
 1991年に設置された中野駅周辺地区土地利用計画区民会議に、区民39人の中の一人として私は参加し、それ以来警大等跡地利用について考え続けてまいりました。スタートしたばかりの区民会議に、中野の森構想の提案が区民団体から出されるなど、当時から既存の樹木を生かした公園づくりが区民の要望として根強くありました。
 現在中野駅周辺警察大学校等跡地整備特別委員会に付託された陳情13件と、中警特に関連していると思われる新たに受理されている陳情6件、合わせて19件のうち14件の陳情内容は、おおむね既存の緑を生かし、約9万7,000人が避難できる防災公園を望むものです。陳情なさっている方々は独自で国土交通省や財務省、東京都、杉並区、目黒区などを訪問し、参考になる事例を調査し、情報や資料を入手され、さまざまな提案をなさり、加えて私たち議員にも情報を提供くださっています。さらに区と共同で警大等跡地の見学会を実施し、区民アンケートや署名集めなど、広範な区民の意見を集約なさっています。この活動こそが、まさに区民参加で、警大等跡地の利用計画をつくり上げるあり方だと受けとめております。警大等跡地をめぐるこのような区民の活動を区長はどのように評価なされ、受けとめていらっしゃるのか見解をお聞かせください。
 昨年2004年10月23日に発生した新潟県中越地震は、私たちに地震国日本に生活しているという自覚を改めて強く喚起させるものでした。さらに昨年12月内閣府中央防災会議の首都直下地震対策専門調査会によれば、東京都心部を震源とする東京湾北部地震、都心東部直下地震、都心西部直下地震では、震度6強の揺れが広範に分布し、それぞれ約15万棟、14万棟、16万棟の揺れによる全壊被害が発生する。特に都心西部直下地震では、環状6号線から7号線の間を中心に、地域によっては環状8号線にかけて広範に分布する老朽木造密集市街地において、震度6強の強い地震動が発生するため、地震火災が同時多発し、大規模な延焼に至る可能性があり、消失棟数は約65万棟、死者1万2,000人、帰宅困難者650万人と、最大の被害規模となるとのことです。
 このようなショッキングな中央防災会議の発表もあり、多くの区民が警大等跡地利用に注目し、かつ期待をしています。着実な耐震補強と不燃化を進める一方、まずは目の前にある土地に防災公園を確保したいとの思いは当然のことです。
 しかし、2月4日に発表された中野駅周辺まちづくり計画素案によれば、警察大学校等移転跡地を中心とした区域は、広域避難場所として指定されており、災害時には約9万7,000人が避難できる機能を有している、この区域が引き続き広域避難場所としての機能を確保するために、新たな開発による人口の増加を見込んだ必要な有効面積を確保するとしながらも、中央防災会議の被害想定を無視するかのごとく、広域避難場所としての中心となる防災公園はわずか1.5ヘクタールとし、隣接する0.5ヘクタールの公開空地を合わせて2ヘクタールの防災空間を確保するとなっています。
 2001年6月に東京都と中野区と杉並区の3者で合意されている警察大学校等移転跡地土地利用転換計画案に示された4ヘクタールの中央部防災公園から大きく後退し、2分の1の面積となりました。いま一度三者合意に基づくこの計画案を読み返してみますと、基本方針のトップに緑豊かな公園や道路を広く確保し、広域避難場所としての防災機能の充実を図るとともに、中野駅周辺に潤いを持たせるとあり、さらに有効避難地面積約15.2ヘクタールの確保を目指し、警大等跡地に防災機能を備えた中央防災公園4ヘクタールをいかに整備するかが、計画案の中心を占めていました。
 中野区は中野駅周辺まちづくり計画素案を作成する際に、中央防災会議の首都直下地震対策専門調査会による被害想定をどのように認識し、どのように加味されたのかお答えください。
 また、土地利用転換計画案では、整備主体として民間を想定しておらず、公共性の高い区と国が主体となり、迫る直下型地震に備える要素が盛り込まれていたはずです。しかし、2002年に田中区政となり、警大等跡地利用の考え方が、民間活力による土地の高度利用を基準とした計画へと変容しました。2月9日付読売新聞は、田中区長は公共用地確保の負担のかわりとして、容積率の緩和も考えているとも語り、開発業者側が高層建築物を計画した場合、容認する意向を示したと報じています。
 しかし、高層ビルと延焼の関係などの研究が進められ、高層ビルが必ずしも防災に役立たず、むしろ火災を呼び込んでしまう恐れが指摘されています。中野駅周辺まちづくり計画素案では、防災公園の南側が民間利用のエリアとなっており、土地の高度利用が図られ、高層ビルが建ち並ぶ予定となっています。しかし、近隣の平和の森公園では、延焼防止は樹木以外ではできないという考え方で設計されたと伺っています。
 そこでお尋ねしますが、素案を作成する際に、防災という視点から、防災公園と高層ビルについての専門的調査検討はどのようになされたのかお答えください。できるだけ広い面積の防災公園を望む区民の方々が、特別区土地計画交付金制度を活用した目黒区の公園整備事例や、都市再生機構による防災公園街区整備事業などについて調査され、提案なさっています。また、中野駅周辺まちづくり計画素案の中で、まちづくりのコンセプトとして、しばしば引用されている東京都が2001年に策定した東京の新しい都市づくりビジョンには、防災面から緊急を要する公園の迅速な整備の推進として、環状7号線の周辺など、救援復興活動拠点となる大規模公園の迅速な整備を推進することと、都市の貴重なオープンスペースとして残されている大学移転跡地の国有地等を、公園用地として活用できるように、用地の無料貸し付けを国に求めていくことが示されています。まさに中野区の警大等跡地利用に当てはまる考え方だと言えます。
 財政難の中、民間の力だけをあてにするのではなく、区民の命を守るために、区は国や都の固く閉ざされた門をこじあける気構えが、新たな制度を創設させるきっかけになるかもしれません。区はできるだけ広い面積の防災公園を望む区民の要望にこたえる努力を、国や都に対してこれまで行ったのか否か、また行ったとするならばどのように行ったのか、さらに行わなかったとするならば、いかなる理由からなのかお答えください。
 土地利用転換計画案では、基本方針の2番目に都市生活を支える基盤施設である清掃工場等、都市景観の創出等に配慮して導入するとあり、清掃関連施設として焼却型清掃工場と、(仮称)環境・資源センター、清掃車車庫を併設し、環境行政の核を形成するとなっていました。しかし、過剰な焼却型清掃工場は建設すべきではないという粘り強い市民の国や東京23区清掃一部事務組合への働きかけが実り、警大等跡地に予定されていた焼却型清掃工場建設計画が2003年に白紙になったことは歓迎すべき結果です。
 しかし、また清掃関連施設として予定されていた三つの施設のうちの一つである焼却型清掃工場の建設が中止となったことを主な理由として、三者の合意に至っている土地利用転換計画案を、すべて見直す必要が果たしてあったのでしょうか。ごみゼロ都市中野を目指す方針が打ち出されていますが、焼却型清掃工場の建設がなくなった今こそ、中野のごみをゼロにしていくために、(仮称)環境・資源センターは必要な施設ではないでしょうか。ごみの減量を進めていくためには、家庭ごみの有料化以前に、資源化のプログラムの充実が不可欠です。焼却型清掃工場とともに、(仮称)環境・資源センターの構想もがいつの間にか消えてしまいましたが、ごみの資源化との関連で、ごみ担当者との協議がなされてのことなのでしょうか、お答えください。
 さて、私は中野駅周辺警察大学校等跡地整備特別委員会の副委員長を務めさせていただいておりますが、委員会開催のための正副打ち合わせの日に、資料として中野駅周辺まちづくり計画素案は間に合わず、委員会当日にどうにか仕上げたと伺っております。その後も似たような状況で、区が時間のない中、みずから決めたスケジュールに強引に間に合わせるために仕事に追われているように見えてなりません。焦って仕事をしたら、決していい結果は得られません。先日2月10日杉並区の担当課長は、合意できているのは2001年の土地利用転換計画案である。計画素案は届けられたが、具体性に欠ける内容である。きちんとした協議の場はまだ持たれていないとおっしゃっておりました。つまり杉並区と協議すらできていない現状です。
 また2月9日段階で、財務省の担当者は、三者合意に基づく計画案をなるべく早く示してほしいとのことでしたが、期日については明示されませんでした。警察大学校等跡地陳情者の会の方々は、田中区長に要望されているように、中央防災会議の被害想定に基づいて、2005年度の早いうちに、つまり数カ月以内に防災対策の大綱が発表される予定であり、さらにその大綱に基づいて見直される東京都、中野区それぞれの地域防災計画との整合性を担保できるよう、中野駅周辺まちづくり計画のスケジュールの見直しが必要かと考えますが、区長の見解をお聞かせください。
 警大跡地の防災公園に避難できれば、大地震では命は助かると区民が安心できるよう、防災まちづくりの専門家を交えた調査、検討を行った上での中野駅周辺まちづくり計画案となることを強く求めます。
 次に、支援費制度についてお尋ねいたします。
 障害当事者が事業所を選択できることをうたい文句の一つにして、支援費制度は2003年4月より開始され、2年が経過しました。当初この制度は、事務担当者にとっても複雑であり、障害者にとってもわかりにくく、各福祉法別の縦割りであり、相互理解がしにくい難点を含んでいました。基盤整備もできていない状況でのスタートで、全国一律の基準もなく、支給量の決定も各市町村の裁量に任せられており、福祉サービスに格差が生じていました。
 さて、現在も依然十分な基盤整備は進まず、福祉サービスの格差は改善されていませんが、利用者は増大し、自治体の持ち出し分も増大し、支援費制度の財政破綻が見えているやに伺っています。そこで中野区の利用者数と、利用率の変化、支援費制度の区負担分の財政状況についてお答えください。
 2004年第4回定例会にて奥田議員も質疑いたしましたが、私からも居宅支援事業所についてお尋ねいたします。居宅支援事業所には、都道府県が事業者を指定する指定事業者と、市区町村が登録を行う基準該当事業者があります。地方によって、指定事業者の数は少なく、サービス供給が不足し、家族介護をせざるを得ないなど、僻地対策として基準該当居宅支援事業者が導入された経緯があると伺っております。その登録事務が市区町村に課せられ、2003年3月に中野区基準該当居宅支援事業者の登録等に関する規則が定められました。それに基づき、登録の申請書面を整えれば、現地確認などされることなく登録できます。そのため現状では申請書面どおりの設備、運営体制ができていない事業所も存在するようで、基準該当事業者の登録を行った市区町村の責任が問われています。
 昨年の11月にお会いした厚生労働省障害保健福祉部の担当者は、市区町村の責任において当該基準に沿って登録を行ったのだから、支援費が適切に使われて運営されているかなど、市区町村が管理監督すべきであるとおっしゃっていました。しかし、中野区の障害福祉担当課長は、厚生労働省令に明記されていないので、登録時や登録後の立ち入り調査や会計監査は全くしていないとおっしゃっていました。中野区ではありませんが、障害者自身が基準該当事業者となり、事業所を立ち上げ、自分の介助のためにみずからの関係者をヘルパーに雇い、虚偽と思われる申請で支援費を請求し、1カ月で総額221万円を受け取り、ヘルパーには100万8,000円を支払い、事業者である障害者の1カ月の取り分は120万2,000円となったそうです。さらに、この障害者自身が入院中には介助を実態と異なって申請するなどしていたという事例がありました。
 支援費の取り分は、事業者に任せされているので、ヘルパー等従業者の時間単価はまちまちです。この不正に気づき、指摘したヘルパーは、2004年4月ごろ解雇されました。基準該当事業者を登録したこの市区町村は、請求どおり書面上問題がなければ支給せざるを得ないとの回答で、監査の請求に対する答えはいまだにないそうです。
 そこで、さらに東京都に働きかけているようですが、具体的対応策が講じられておらず、せっかくの内部告発もやみに葬り去られようとしています。中野区ではこのような不正受給はないと思われますが、公金の適正使用の確認は必要なことです。現法では、会計監査の実施が抜け落ちていますので、法の不備を補うべく、会計監査の仕組みを構築すべきと考えます。中野区ではこのようなことがないよう、どのような対策を考えているのでしょうか、お答えください。
 昨年の7月12日、中野区基準該当居宅介護事業所のヘルパーが利用者宅に午前9時前に到着し、サービス提供を開始して、およそ10分前後に脳出血で倒れました。これに気づいた利用者が、パソコンによるメールで事業者と利用者の関係者に緊急連絡を発信しました。しかし、事業者は事業所に不在であり、職場にいた利用者の関係者が9時50分ごろメールを読み、事業者の携帯電話に連絡、それを受けた事業者は利用者宅へ向かい、10時20分から25分ごろ119番通報しました。10時25分過ぎに救急隊員による救命措置が行われ、大学病院に転送されましたが、午後1時6分にヘルパーは亡くなられました。
 これまで居宅介護事業者は、利用者の緊急時における対応方法を定めることは規定されていましたが、ヘルパー等従業者についての緊急時の対応方法の定めは規定されておらず、このケースは想定外の事態であったと言えますが、今後も十分に起こり得るケースとも言えます。また、ヘルパー等従業者の何らかの事故が利用者にも害を及ぼすこともあり得ます。さきのケースでは、利用者がメールという手段で発信できましたが、何ら発信するすべのない利用者がほとんどではないでしょうか。いま一度厚生労働省令第78号を読み返してみますと、第41条に「基準該当居宅介護事業者は事業所ごとに専らその職務に従事する管理者を置かなければならない」となっています。すなわち管理者が事業所に不在という事業所が存在することは考えられないと、厚生労働省の担当者はおっしゃっていました。しかし、常駐しなければならないとはなっておらず、法の不備と言えます。
 その後御遺族が中野区と東京都に働きかけ、東京都はヘルパー等従業者に事故が生じた場合にも対応できる緊急連絡体制の整備と、事故発生時の適切迅速な対応と報告を求める通知を出しました。
 本来事業所の管理者は、従業員の安全確保を図る道義的責任があるはずですが、これまでは働く側の安全面について、ほとんど配慮されていませんでした。そこで、利用者とヘルパー等従業員、双方の日ごろの安全対策と、緊急時における対応策と連絡体制整備をどのように構築するかが大きな課題ですが、区は具体的にどのようなことを考えているのか、お聞かせください。
 中野区基準該当居宅支援事業者の登録等に関する規則の第12条には、基準が満たされていなかったり、不正があった場合に、登録の取消しが規定されていますが、現実には事業指導監査も会計監査もなされなければ不正は発覚しないでしょう。また、驚くことに基準該当事業者の中には、ヘルパー等自由業者の雇用契約書も交わさず、就業規則もつくらず、雇用保険の加入もしていないところもあると聞いています。東京都には福祉保健局に指導監査室があり、法にのっとって事業指導監査が行われていますが、市区町村にはその権限がないことも法の不備です。しかし、ここと連携することはできます。また、指定居宅支援事業者が担えないきめ細かな部分を基準該当居宅支援事業者が担っている部分もあり、常に福祉サービスの質の向上を目指し、基準該当居宅支援事業者を指導監督し、育てていくのも登録を行っている区の責務であると考えます。
 ちなみに今現在中野区に登録している基準該当居宅支援事業者は12です。民間に現場をゆだねていて、現場を抱えていない区が、どのように指導するかは大きな課題ですが、区が取り組める事業指導監査のあり方を構築すべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。今国会に障害者自立支援法案が提出され、これから審議されるようですが、障害者のためになる質の高い福祉サービスの実現を強く望み、この項の質問を終わります。
 次に、区民参加のあり方についてお尋ねいたします。
 区長は施政方針説明の中で、自治基本条例が制定されることにより、区民参加が有効に機能し、中野の自治の発展に大きく寄与することになると述べられました。果たして自治基本条例には区民参加が有効に機能する制度が盛り込まれているのでしょうか。
 そもそも自治基本条例は、自治体運営の基本原則を定める自治体の最高規範に位置するものであり、パソコンにたとえるならOS、すなわち基本ソフトと言えます。また自治基本条例は、行政参加だけでなく、議会参加、市民参加、コミュニティ参加なども含む広い意味の市民参加について、自治体としてトータルな青写真やデザインを描くものです。一方、ここにきて市民参加条例を制定する自治体がふえていますが、市民参加条例はパソコンにたとえるならアプリケーションと言えます。基本ソフトをインストールしても、個々のアプリケーションをインストールしない限り、制度は機能しません。つまり自治基本条例で、参加制度全体像を描き、その後にその先のメニューとして市民参加条例、市民活動支援条例、コミュニティ条例、行政評価条例、常設型住民投票条例などの制定を行わなければ、実効性ある参加の制度化は実現できないのではないでしょうか。
 そこで中野区自治基本条例に盛り込むべき主な項目と考え方を読んでみますと、基本ソフトの中に中途半端なアプリケーションが混在しているようです。自治基本条例の中に、すなわち基本ソフトの中に、実効性ある参加の制度、すなわちアプリケーションを入れ込もうとすると、条例として大変重くなってしまいます。そこで基本ソフトとしての自治基本条例と、アプリケーションとしての市民参加条例などの実効性ある参加の制度を分けて条例化する参加制度の設計をすべきではないでしょうか。区の考え方をお聞かせください。
 また、自治基本条例が施行され、区民参加手続が義務付けられても、このたびのように年末年始にかけて矢継ぎ早に意見交換会やパブリックコメント手続が集中したり、直前になって区報等で予告されては、区民は参加したくても参加できません。例えば年度当初に区民参加の対象となる事業名、担当課、採用する予定の区民参加手続、実施時期などを一覧表にまとめ、実施予定をあらかじめ明確にするような公表規定が必要ではないでしょうか、お答えください。
 また、区民参加の手続が、各課、各担当の判断に任せられているため、基本構想の策定には、審議会21回、ワークショップ98回、シンポジウム3回、意見交換会63回が実施されましたが、自治基本条例は審議会11回、シンポジウム1回、意見交換会交換会6回と、これまで区民参加の手続の採用基準がないため、まちまちでした。区民参加の手続の採用基準が必要ではないでしょうか、お答えください。
 また、区民参加の実施状況や、進捗状況をチェックし、点検評価し勧告、提言をする第三者機関の設置を規定すべきではないでしょうか。示されている共同提案手続は、100人以上の連署が必要とありますが、和光市の市民政策提案手続はたった10人以上の連署です。さらに、中野区は区民ニーズ調査や施策の効果、財政負担についての考え方まで示すよう区民に求めるなど、ハードルが高過ぎて、おいそれと提案できません。かつ提案の検討結果に不服があった場合の救済措置の手続がありません。第三者機関に不服申し立てをする手続を設けると、制度として充実したものになるでしょう。和光市には第三者機関として市民参加推進会議が設置されていますが、中野区にも同様な会議体の設置を提案いたします。いかがでしょうかお答えください。
 また、示されている住民投票の請求は、地方自治法の直接請求制度の孫引きであり、例えば大和市のような16歳以上の未成年者や永住外国人などへの投票資格の拡大もありません。また、区民合意による地域協定も法的担保がなく、地域協定が損なわれないよう配慮するだけです。このように肝心なアプリケーションが未整備であったり、中途半端のままでは、一見すると区民参加が制度化され、行政に対し区民参加手続が義務付けられているかのように見えても、実際には何の拘束力もなく、何も変わらないという事態に陥りかねません。
 自治体の長が市民参加条例ではなく、自治基本条例の制度を選択する背景には、このような自治基本条例の性格を逆手にとって、次の選挙に向けた政治的なパフォーマンスのために利用している面が少なからずあるのではないか、さらに自治基本条例で、形式的、一般的に区民参加規定を定め、区民に対し参加の権利が保障されたかのように見せかけつつ、実際の運用は行政に任せるというやり方は、政治的に巧妙な手法であるとの識者の指摘もあります。
 るる述べましたが、私の問題提起に対する区の見解と、今後アプリケーションとしての実効性ある参加制度設計についての区の見解をお答えください。区民参加で区政を変えると述べられて当選なさった区長さんですから、本当に実効性のある区民参加を実現していただくことを要望し、質問を終わります。
 時間がありませんので、簡単明瞭なる御答弁をお願いいたします。
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) むとう議員の御質問にお答えをいたします。
 警察大学校等跡地利用についてであります。区民の皆さんの中から、さまざまな研究、御提案などがあったということであります。そうしたことをどういうふうに受けとめて検討していこうとしているのだといったようなことだと思います。
 警察大学校等移転跡地の利用計画については、これまでもさまざまな形で多くの区民の皆さんからいろいろな議論をいただいているというところであります。そうした議論やさまざまな提案を受けとめながら、区として30万区民の立場に立った判断をしていきたいということでありまして、幅広い区民の参加を得ながら、まちづくりを進めていきたいと思っているところであります。
 それから、中央防災会議の中間報告の被害想定が大変大きいということ、またあわせて2005年の中ごろに大綱が発表されるということだけれども、まちづくりの作成のスケジュール変更をするつもりはないかという質問でありました。
 今回お示しをしている中野駅周辺まちづくり計画素案におきましても、避難圏域の人口のすべてが避難できる有効面積を確保するということで考えているところであります。被害想定が現在と変わったといたしましても、避難圏域の人口のすべてが避難できるという面積を確保するわけでありますから、避難については十分な広さを確保できるものというふうに考えております。そういう意味で、まちづくり計画の策定について、この中央防災会議の大綱との関係で先延ばしをすべきということは考えておりません。
 一方、防災に関する最新の知見に基づく対策ということについては、このまちづくりの計画、あるいは区全体のさまざまな行政運営の中で重要な問題でありますから、これからも最新の知見に基づいて、適宜対応をしていくということであります。
 それから、高層ビルで防災公園を取り囲んでも決して安全ではないのではないかといったような御質問でありました。広域避難場所の中の建物の配置や樹木の工夫によって、避難場所の安全性は確保できると考えているところであります。広域避難場所の指定に関する東京都の考え方などとも照らし合わせながら、広域避難場所の確保に万全を期していきたいと考えているところであります。いずれにいたしましても、建築物が燃えにくく、また倒れにくいという周辺市街地の整備、これを着実に進めていくこと、これが避難地の安全性をさらに高めていくことになると考えているところであります。
 それから、国有地の無償貸し付け等について、国や都に働きかけを行ってきたのかということですけれども、これまでも区としましては、区が用地を取得する場合の減額措置でありますとか、無償貸し付けなどについて、たびたび要望をしているところであります。今後とも区が公共施設として利用する土地等に関連しまして、引き続き財務省にはこのことを強く求めていくということでございます。
 それから、清掃関連施設についてであります。土地利用転換計画案で示されていた清掃関連施設については、清掃工場、これについては内容ははっきりしておりますし、清掃車の車庫についても扱い方も決まっているというものでありますが、(仮称)環境・資源センターというものの内容については、必ずしも明確なものがあったわけではないわけであります。さまざまな現在ごみ減量化施策を検討し、実施をしていこうとしているところであります。こうした施策の推進の中で、必要な施策、必要な施設のあり方についても検討をしているところでありまして、警大跡地に限定したものではなく、中野区全体の施設配置の中で検討をしていくこととしているところであります。
 私からは以上であります。
    〔保健福祉部長菅野泰一登壇〕
○保健福祉部長(菅野泰一) 支援費制度につきまして、お答えいたします。
 支援費制度の実績ということでございますけれども、平成15年度4月1日現在の身体・知的障害者数は7,628人、これに対しまして支援費制度の利用者数は698人ということで、利用率にしますと9.2%でございます。平成16年4月1日現在の障害者数が7,769人、これに対しまして利用者数が770人ということで、利用率につきましては9.9%ということで、これも上がっているということでございます。
 それから、財政負担につきましては、平成15年度の支援費に係る歳出総額ですけれども、12億1,967万5,000円特定財源が7億260万円、区の一般財源でございますが5億1,707万5,000円ということでございます。この支援費の歳出総額でございますけれども、16年度に入りましても伸びておりまして、15年に比べ今の見込みですけれども、10数%の伸びになると見込んでおります。
 その中で事業者の不正な請求があるのではないかというようなお話がございました。身体障害者福祉法等によりまして、区は支援費の支給に関しまして、必要があると認めるときには、事業者に対しまして、文書その他物件の提出、もしくは提示を求めまして、他は当該職員の質問もしくは紹介をさせることができることになっております。これに基づきまして、適正に対応してまいりたいと考えております。
 昨年のヘルパーの死亡の事故がございまして、この対策ということでございます。支援費制度は、法に基づき全国一律に実施しているものでございまして、利用者につきましての安全対策と緊急連絡体制の整備につきましては、厚生労働省令に定められております。区といたしましては、利用者のみならずヘルパーに緊急事態が発生した場合の体制整備につきまして、事業者に要請をしたところでございます。
 支援費の事業者に対します指導監督というような内容でございます。区といたしましては、事業者に対しまして必要な情報を提供し、または意見交換を行うとともに、現行制度の中で適切に指導、助言してまいりたいと、このように考えております。
     〔区長室長田辺裕子登壇〕
○区長室長(田辺裕子) 自治基本条例につきまして、御質問にお答えをいたします。
 初めに、自治基本条例の構成と申しますか、体系につきまして御質問がございました。自治基本条例につきましては、法定で定められた条例ということではございませんので、自治体によりましてさまざまなつくり方がございます。中野区の今回お示ししている条例大綱でございますけれども、基本構想の審議の経過の中、またそれを踏まえまして、自治基本条例の審議会で御検討いただいたものを現在大綱としてお示しをしているということでございます。
 その中で、さまざま他の自治体の状況等も踏まえまして、中野区のこれまでの参加のあり方を踏まえて、今回の構成に盛り込むべき内容ということで答申をいただき、大綱としてまとめてまいりました。条例大綱では、区民の参加の手続をお示しをしておりますが、具体的な参加の手続につきまして規則で規定をしてまいる予定でございます。また、参加の手続、あるいは仕組みにつきまして、御提案をいただいておりますけれども、この中野区の自治基本条例の大綱におきましては、参加を義務付けているものではございませんで、区民の参加の機会を保障するということを明記をしております。事案によりまして、とるべき参加の方法を定めることといたしまして、その参加の方法を区民の方に選択していただき、参加を決めるのは市民の方々の主体的な判断によるというふうに考えております。また、参加の仕組みを実効性あるものにするため、情報の公開ですとか、説明責任の明確化、検討結果の公表といったものを条例に盛り込むという考えでございます。
     〔むとう有子議員登壇〕
○17番(むとう有子) 何点か再質問させていただきたいと思います。
 まず支援費制度のことで、会計監査、それから事業指導監査について、区は適切に行うというような御答弁でしたけれども、具体的にどういうふうに質の向上を目指して、適切な指導というものは、単なる情報提供と意見交換会の場ということしか具体的なものはお答えの中になかったように思いますけれども、適切な指導、それから適切な支援費のお金の管理ですよね、その辺のことについては、どういうふうに区が現行の法律の中で、区としてできることをもう少し具体的にぜひ検討をしていただいて、お答えをしていただきたいと思います。
 それから、市民参加のところで、さまざま提案をさせていただきましたけれども、区民参加の手続の方法なんですが、今示されている考え方によりますと、どの手続を採用するかというところについては、先ほど指摘いたしましたように、担当課、担当セクションの選択だと思うんです。どの参加の手続を使うかというところを区が決めて、区民自身がどの手続で自分が参加するかというのは、区民が決めることになっていますけれども、どの参加の手続を実施するかというあたりのガイドラインをぜひつくっていただきたいと思うんです。でないと、先ほど事例で言いましたように、余りにも参加の手続にばらつきがあって、どうなっているのかなと思うものがたくさんあります。その辺のガイドラインについて提案をしたんですけれども、お考えになっていることはないのでしょうか、再度お答えをお願いいたします。
    〔保健福祉部長菅野泰一登壇〕
○保健福祉部長(菅野泰一) 支援費の再質問にお答えいたします。
 基準該当事業者につきまして、先日お集まりいただきまして、意見交換会を行いました。そういう中で基準該当事業者の方から、普段どのようなことについていろいろと困っているかとか、どういった支援が欲しいかというようなことについて御意見を伺いまして、区といたしましては、そういった中で書類がわからないとか、いろいろありますので、そういう具体的なものにつきまして、指導助言をしていきたいと考えております。何よりもそういったあくまでも小さい事業者でございますので、基本的なところとか、そういうことにつきまして、さまざまわからないということもあると思いますので、そのところを中心に御指導しまして、育成を図っていくと、そのような観点で努めております。
     〔区長室長田辺裕子登壇〕
○区長室長(田辺裕子) 参加の手続につきましての再質問でございました。
 条例大綱の中では、意見交換会とパブリックコメントを経るものにつきましては、例示といいますか、こうした場合はこうした手続を経るという手続は定めております。また、先ほど申し上げましたように、それぞれの参加の手続につきましては規則で定めますが、区民の方々に対しても周知徹底を図るため、さまざまわかりやすい工夫をして周知をしていきたいと思っています。
○議長(山崎芳夫) 以上でむとう有子議員の質問は終わります。
 議事の都合により暫時休憩いたします。
      午後2時38分休憩

      午後3時01分開議
○副議長(やながわ妙子) 会議を再開いたします。
 一般質問を続行いたします。

 中野区議会議員 佐 藤 ひろこ
 1 地球温暖化防止の取り組みについて
  (1)中野区のCO2等削減目標について
  (2)地球温暖化対策行動計画策定について
  (3)自然エネルギー導入促進について
 2 中野区次世代育成支援行動計画案について
  (1)保育園待機児ゼロを目指すことについて
  (2)障がいのある子どもへの保育の充実について
  (3)子どもショートステイ、トワイライトステイについて
  (4)認可外保育施設について
  (5)子ども家庭支援センターと(仮)総合公共サービスセンターについて
  (6)その他
 3 住民基本台帳大量閲覧について
 4 障がい当事者の立場に立つことについて
  (1)保健福祉審議会への当事者参加について
  (2)窓口サービス等について
 5 障がい者・高齢者に配慮したまちづくりについて
  (1)交通バリアフリー法にもとづく基本構想策定について
  (2)安全に歩ける歩道について
  
○副議長(やながわ妙子) 佐藤ひろこ議員。
     〔佐藤ひろこ議員登壇〕

○29番(佐藤ひろこ) 質問項目の順序を変えて、1、地球温暖化防止の取り組みについて、2、中野区次世代育成支援行動計画案について、3番目に住民基本台帳大量閲覧について、4番目障がい当事者の立場に立つことについて、そして最後に障がい者・高齢者に配慮したまちづくりについてお伺いいたします。
 最初に、地球温暖化防止の取り組みについてお伺いいたします。
 2月16日、地球温暖化の原因となっている温室効果ガスCO2の削減を義務付けた京都議定書が国際法として正式に効力を持ちました。それに先立って京都で開かれた国際シンポジウム、アジア太平洋みどりの京都会議にはっとり議員とともに参加してきました。アジア太平洋の国々を中心に世界各地からNGOなどが集まり、地球温暖化防止に向けて討議いたしました。モンゴルではこの60年間で平均気温が1.7度上昇し、砂漠地帯が確実に広がっていること、世界の楽園と言われるタヒチでは、海面上昇により島々が水没の危機に直面し、漁業や観光に影響が出始めていること、核実験場も海面下に沈みかけており、海が汚染される恐れがあることなど、各国から温暖化の危機を訴える報告がありました。ドイツなどから太陽光やバイオなど、自然エネルギーの導入を図っている報告もされ、各国が自然エネルギーへ早急に転換し、CO2などの削減に大きく努力しなければならないと強く感じました。
 もう既に始まってしまっている地球温暖化をさらに進めないために、CO2の吸収源となる緑の保存や育成、太陽光など自然エネルギー導入への支援、事業者などへのCO2など削減への啓発や誘導策など、自治体からできるあらゆる努力に私たちは取り組む必要があります。
 中野区では2001年事業者・消費者としての中野区環境行動計画に温室効果ガス排出削減を盛り込み、温暖化対策実行計画の性格もあわせて改定しました。来年度までの5カ年の計画で、CO2などの総排出量を3%削減することを目標にしています。現在はどのような達成状況でしょうか、これからの数値目標をどのように考えているのでしょうか、また年次報告をするべきだと考えますが、いかがでしょうか。
 京都市は、この4月全国初の温暖化防止条例を施行します。市の温室効果ガスの削減目標を、京都議定書で日本に課せられた6%より踏み込み、2010年までの削減目標を10%とし、一定以上の排出事業者に削減計画と達成報告の提出を義務付けるなど、市、市民、事業者などの責務を盛り込んでいます。
 このように行政だけではなく、民間事業者にも削減目標を掲げさせ、取り組みを強化する自治体の動きも出てきました。東京都も環境確保条例の改正を今都議会に提案し、建築物環境計画諸制度の強化や、再生可能エネルギー導入拡大などを予定しています。都条例と連動させ、さらに中野区として取り組むべき目標や、民間事業者などへの誘導策を定めた区条例や、計画を策定し、地球温暖化防止に向けて区の姿勢を打ち出すべきだと考えます。区長のお考えをお伺いいたします。
 自然エネルギーの普及に力を入れる自治体もふえています。都も民間資金の活用で風車を設置し、各地で市民ファンドによる風力発電事業も活発になっています。区も10か年計画の検討素材で、区有施設で太陽光や風力などを活用した発電施設を設置し、民間にも広めていく必要があると提案しています。民間の建築物にも自然エネルギーの導入を促す仕組みや、区のグリーン購入制度に電気を対象品目として含めるなど、CO2増加の大きな原因となっている電気を自然エネルギーに転換する取り組みが必要です。現在考えられている具体策についてあわせてお伺いいたします。
 次に、中野区次世代育成支援行動計画案についてお伺いいたします。
 保育園待機児ゼロを目指すことについて、計画案に示された「待機することなく」という目標は、保育を必要とする保護者にとって共通の願いです。今年度4月時点での待機児童数は48名で、計画案では5年後までに待機児童をゼロにするとのことですが、もっと早くできないのでしょうか、保育園の定員の見直し、弾力化と認証保育園の新規開設によりゼロにするということですが、具体的な年次計画を示してください。
 現在の認可保育園の定員見直しなどにより、さらに何人受け入れが可能になるのか、特に待機児童が多いゼロから2歳児の定員見直しによる受け入れ可能人数は何人か、受け入れ枠の拡大はいつ行うのか、認証保育園の新設はいつの予定か示してください。
 待機児童数には認証保育所に入った児童数は含まれていません。しかし、実際には認証保育所の保護者の多くは認可保育園を希望し、待機している状態です。認可保育園で待機児童解消を目指すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 次に、障がいのある子どもへの保育の充実について、さまざまな障がいを持つ子どもたちがふえています。先日久保議員とともに、アポロ園にお伺いし、親御さんのお話を聞きました。小さな子どもを抱えて親は不安でいっぱいです。地域の保育園や幼稚園を希望される方々もいました。各区立保育園で、二、三人の受け入れ枠がありますが、障害の程度が3級までという要綱により、希望しても入れないケースが出ています。不安で孤立しがちな親子を支える子育て支援策として、地域の保育園や幼稚園での受け入れをもっと進めるべきではないかと考えます。子育て支援として、保育園での受け入れが進むように、要綱の基準の緩和を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。
 また、専門チームによる保育士などへの研修や、相談員の派遣など、区立園だけではなく、私立園も含めた保育園や幼稚園への支援体制をつくるべきと考えますが、いかがでしょうか。
 子どもショートステイ、トワイライトステイについて。子どもショートの新規拡充が示されていますが、区内の施設整備が不十分な中、どのように行うのでしょうか、また、夜間に子どもたちを預かるトワイライトステイが計画案に入っていませんが、親の仕事などで夜間一人で過ごさざるを得ない子どもたちを安心できる環境で支えるために必要だと考えます。民間法人の活用で行うべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 認可外保育施設について。いわゆるベビーホテルとも言われる認可外の保育園が、中野区内にも6カ所あります。ここに通う親子は同じ中野区に住みながら、納税者でありながら、区の子育て支援の枠外に置かれています。情報開示などを十分にする条件に認可外保育施設の不十分な保育環境に対して、少しでも支援策をとるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 子ども家庭支援センターと、(仮称)総合公共サービスセンターについてお伺いいたします。区役所内にある子ども家庭支援センターの強化が提案されています。先駆型子ども家庭支援センターとして常勤相談員も配置し、虐待などの相談機能が強化されるということです。提案されている総合公共サービスセンターも、地域の子育て相談の拠点になるということですが、相互の連携はどのように考えているのでしょうか、連携図を示されてはどうでしょうか。
 次世代育成支援対策推進法では、行政による取り組みだけではなく、中野区で34社あるそうですが、301人以上の労働者を雇用する事業主に今年度末までに一般事業主行動計画策定を義務付けています。労働者が300人以下の事業主にも同様の努力義務があるとしています。事業者の計画策定への啓発はどのように行っているのでしょうか。また、事業者の計画策定の状況をどう把握しているのかお伺いいたします。
 次に、住民基本台帳大量閲覧についてお伺いいたします。
 住民基本台帳法に基づき、4情報、住所、氏名、生年月日、性別がリスト化された住民基本台帳は、原則だれでもそのリストを閲覧でき、自治体が住民情報を合法的に流出させている状態をつくり出しています。昨年11月東京都消費生活条例に基づく勧告処分を受けた会社が、たびたび中野区の住民基本台帳を閲覧していたことがわかりました。若者をターゲットに、パソコンソフトのDMを送り、契約を強要したのです。消費者センターで調べると、この会社の消費者被害の相談は都下で13件も寄せられているそうです。住民基本台帳大量閲覧が消費者被害につながっています。
 昨年6月から9月の中野区の住民基本台帳閲覧申請件数は275件で、そのうち警察署などの公用が64件で23%、残りが民間閲覧です。民間閲覧のうちダイレクトメールやアンケート調査のための閲覧が205件、97%とそのほとんどを占めています。全国調査でもDM目的のうち教育関係のものが多く、閲覧範囲は未成年や若者対象が大半です。中野区も同じ傾向にあります。
 大量閲覧は法律で決められているから仕方がないと漫然と閲覧制度を運用している自治体が多い一方で、住民基本台帳法は不当な目的での閲覧を認めておらず、その規定を厳格に運用し、実質上商業目的の大量閲覧を制限している自治体もあります。熊本市は被閲覧者の氏名などを特定できない不特定の個人情報の閲覧を拒む条例を昨年制定しました。中野区の情報公開手続によって公開された閲覧申請書を見ると、書き方が不十分な申請書も見受けられます。大量閲覧が不当な目的に使われ、消費者被害が引き起こされないように、厳格なチェックをし、制限をかけるべきと考えますが、いかがでしょうか。
 次に、障がい当事者の立場に立つことについてお伺いいたします。
 最初に、保健福祉審議会への当事者参加についてお伺いいたします。国の介護保険や、障がい者施策の見直しに対応して、中野区保健福祉推進計画の改定のために、保健福祉審議会が設置される予定です。国の審議会も障がい当事者の参加の上で行われています。障がいを持つ当事者の意見を反映する場を積極的につくることが重要です。保健福祉審議会へ障がいを持つ当事者自身の参加が欠かせないと考えますが、いかがでしょうか。
 次に、窓口サービスについて。障がい者を持つ人の立場に立って区民サービスを行う必要があるのに、当事者の立場に立つことがなかなかできない事例にぶつかるたびに、その難しさを痛感させられます。この場では具体的な事例は取り上げませんが、知らず知らずのうちに人権侵害をしていたり、気持ちを傷つけたりしてしまうことがあるのではないでしょうか。区の職員の対応が障がい者に対して、まだ配慮が足りないという声を聞きます。例えば本人に話しかけないで、ヘルパーなど付き添いの人に話しかけるとかです。当事者の立場に立った対応に心がけるべきだと思いますが、どのような改善方法を考えているのかお伺いいたします。
 最後に、障がい者・高齢者に配慮したまちづくりについてお伺いいたします。
 最初に、交通バリアフリー法に基づく基本構想策定について。4年前に施行された交通バリアフリー法に基づき、各自治体で基本構想の策定が進んでいます。同法は2010年までに1日平均利用者数が5,000人以上のすべの駅においてバリアフリー化を実施する目標を掲げています。中野区内のすべての駅がその対象になっています。中野区は3年前にバリアフリー実態調査をしたのですが、バリアフリー基本構想がいまだ策定されていません。来年度は交通バリアフリー法の見直しの時期で、国交省はユニバーサルデザインの考え方に基づくバリアフリーのあり方を検討しております。その動向も見据え、早急にバリアフリー基本構想の策定に着手すべきです。策定のスケジュールと策定地域の範囲をお伺いいたします。
 最後に安全に歩ける歩道について。区民満足度調査で不満足度が大きい項目です。バリアフリー実態調査でも歩道の段差や勾配、路上障害物の問題など、具体的に指摘されていましたが、3年間にどう改善されたのか、点検が必要です。車道への傾斜が急で危険な状態の歩道が放置されたままのところがあります。車いすでも安全に移動できる歩道の整備を危険なところから優先的に行うべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 また、スマイル中野に向かう中野通り沿いの歩道に出されている店舗の看板が、視覚障がい者や車いす利用者の通行の妨げになり、看板にぶつかってけがをする人も出ており、危ない状態です。歩道上の看板の取り締まりをきちんと行うべきです。いかがでしょうか。表の歩道が通りにくいので、スマイル中野の裏の道を通ろうとしても、たくさんの放置自転車や視覚障がい者や車いす利用者の通行の妨げになっています。以前から問題にされてきましたが、改善が進んでいるようには見えません。なぜ改善が進まないのか、今後どう改善されるのかお伺いいたします。
 次世代に残せる中野をつくるための、明快な御答弁を期待しまして、私の質問を以上で終わらせていただきます。
     〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 佐藤議員の質問にお答えをいたします。
 中野区のCO2の削減目標について、お尋ねがありました。中野区の環境行動計画で示しました削減目標の年次ごとの達成状況、これについては区のホームページに掲載をしているところでありますけれども、15年分のデータの掲載がおくれてしまったということで、現在まだ掲載していないという状況であります。
 事業者、消費者としての中野区の温室効果ガスの平成15年度の総排出量は、二酸化炭素換算で1万7,269トンでありまして、平成12年度と比べまして10.5%の減少となっております。環境行動計画の削減目標である3%は、これで達成をされているということであります。
 それから、地球温暖化対策の行動計画をつくっていくべきだという御質問であります。中野区の環境行動計画は、平成17年度に計画期間が終了をすることになっています。その後の取り組みについては、京都議定書の発効でありますとか、東京のヒートアイランド現象の問題、こうしたことを踏まえて、これからの区としての環境施策の体系を再構築する、そういう中で検討をしていく考えであります。温室効果ガス削減のためには、事業者、消費者としての区が率先行動に取り組む、それだけではなく、事業者や区民一人ひとりの取り組みの積み重ねが重要であると考えています。中野区としても、環境施策の体系全体の中で、事業者や区民も含めた自治体としての排出量削減の目標の設定や、有効な啓発誘導策について、東京都の取り組みとも連携をとりながら、検討をしていきたいと考えています。
 それから、自然エネルギーの導入促進についてということであります。地球温暖化の原因となっている温室効果ガスの排出量を削減するためには、エネルギー消費の抑制とあわせて、太陽光、風力、水力などの自然エネルギーの活用が有効であると考えているところです。区の率先しての取り組みとしては、太陽光発電や、風力発電などの設備を区の施設に設置し、事業者や家庭への普及を促す、そうしたことを検討していきたいと考えております。また、自然エネルギーの普及を図るための情報の収集、提供といったようなことや、自然エネルギーの活用に積極的な事業所や区民を検証するといったようなことを通じての事業者や区民の主体的な取り組みの誘導、それから市民ファンドでの大型風力発電設備の設置、あるいはグリーン電力の普及促進、そうしたことも有益と考えておりますので、具体的な方法についてもこれから検討していきたいと考えております。
 それから、保育園の待機児ゼロを目指すことについてということです。定員の弾力化などについては、平成16年6月に18名をふやし、17年4月には17名の弾力化などを行うことにしておりまして、合計35人の定員の増加を図ったところであります。このうちゼロから2歳は33名、3歳が2名ということになっています。今後の弾力化などの可能人数でありますとか、認証保育所の新設時期といったことについては、17年度中に明らかにしていきたいと考えています。
 認証保育所の児童も待機児として取り扱うべきではないかという御質問もありましたが、待機児のとらえ方については、認証保育所などの児童は待機児童のカウントから除くというのが待機児ゼロを目指す、このこと自体が国の示した統一した基準にのっとってというか、基準を用いながらやっているところでありますので、その国の基準がそうしたことになっておりますので、区としては認証保育所なども活用しながら、待機児解消に努力をしていきたいと考えています。
 それから、障害児保育の充実についてということです。障害児の保育については、障害の程度が中程度以下の児童とする厚生労働省の通達を基本としまして、さらに区の基準に基づいた判定を行っているところです。入所基準を緩和して、障害児の受け入れを行う場合には、専門家などによるフォロー体制も必要であります。また職員の加配や施設の改善も必要となるわけでありまして、そうした必要性があるわけでありますけれども、可能な限り障害児が適切な保育を受けられるように工夫をしていきたいと考えています。また、専門家による研修など、さまざまな保育園、幼稚園への支援体制は、私立、区立を区別することなく充実を図っていきたいと考えています。
 子どもショートステイ、それから夜間保育の実施についての御質問もありました。17年度における子どもショートステイの実施は、ゼロ歳から2歳児については聖オディリアホーム乳児院に委託をし、3歳から15歳児については練馬区にあります都立児童養護施設の石神井学園に委託をして実施をする予定となっています。また、夜間保育についてですけれども、子育て支援アンケート調査によると、夜間保育に対するニーズが高くないといった結果があるということもありまして、現時点では夜間保育を実施するという考えはありません。
 それから、認可外保育施設への支援ということについての御質問がありました。認証保育所などを除く認可外保育施設は、保育環境として一定の基準まで達していない施設でありますので、やはり本来は望ましい姿とは言えないと考えております。区としては、これらの保育施設については、認証保育所への移行を進めることが基本だと考えているところであります。しかし、現に他に選択のすべがなく、利用している児童がいることもあります。これらの児童や家庭への福祉も考えなければならないわけであります。こうした保育施設へのニーズや児童の実態の調査などを行い、支援の必要性について検討をしてみたいと考えております。
 子ども家庭支援センターと(仮称)総合公共サービスセンターとの連携のあり方という御質問でした。総合公共サービスセンターは、地域団体や子育てサポーターの支援活動の拠点、また乳幼児親子の遊びや交流の場とするとともに、各種サービスの提供や子育てに関する総合的な相談を行う子ども家庭支援センターの機能を持った施設とすることを考えているところです。その地域における子育てにかかわる地域の区民や保健福祉、保育、教育、児童館など、地域の関係機関の連携のかなめとなる中心施設としていきたいというのが、(仮称)総合公共サービスセンターにおける子どもセンター部分の考え方となっております。中野区次世代育成支援行動計画に子ども家庭支援センターと、(仮称)総合公共サービスセンターの関係がわかるといったような資料を添付することなども検討していきたいと考えております。
 それから、次世代育成支援行動計画について、事業所に対する啓発、状況把握はどうなっているのかという御質問でした。次世代育成支援対策推進法によりまして、行動計画の策定義務のある区内の事業所には、中野区次世代育成支援行動計画の素案と案をそれぞれ送付いたしまして、事業所の行動計画の策定に当たり、参考にしてもらうとともに、啓発を行っているところであります。各事業所には、策定した行動計画の提供を求めているところでもありまして、区としても事業所の取り組みを確認していきたいと考えております。
 私からは以上であります。
    〔保健福祉部長菅野泰一登壇〕
○保健福祉部長(菅野泰一) 障害当事者の立場に立つことについての質問にお答えいたします。
 初めに、保健福祉審議会への障害者の参画でございます。施策の企画検討から評価、見直しに至る各段階へは、区民の参画が今後ますます重要になってくるものと考えております。次期保健福祉審議会には委員の中に障害者を加える方向で考えているところでございます。
 それから、窓口サービス等につきまして、障害者本人の立場に立った窓口対応をということでございます。区の窓口におきましては、常に顧客志向の接客対応を求められておりますけれども、障害の重い方への対応につきましては、より本人のニーズを酌み取る努力を心がけなければならないというふうに考えます。こうした視点から、今週末の2月25日には、職員研修といたしまして、「区長と語る障害者の社会参加」と題しましたパネルディスカッションを、障害者をパネリストに招いて実施することとしております。今後も職員啓発のために、必要な取り組みを行ってまいりたいと考えております。
    〔都市整備部長石井正行登壇〕
○都市整備部長(石井正行) 私からは、障害者・高齢者に配慮したまちづくりにつきましてのうち、まずはバリアフリー整備構想の策定についてでございます。バリアフリー整備構想につきましては、平成17年度の早い時期に策定を完了したいと考えてございます。交通バリアフリー法は、駅を中心といたしました一定の範囲を重点整備地区として選定をし、高齢者や障害者を初め、区民が円滑に移動できるよう、駅舎、通路、道路などにつきまして、総合的、一体的に整備することを目的としておるところでございます。区は重点整備地区の選定につきまして、既に実施をした交通バリアフリー実態調査等を踏まえまして、区内5地区を選定をしているところでございます。
 次に、安全な歩道につきましてでございます。バリアフリーの重点整備地区となる新中野駅周辺の歩道整備につきまして、平成17年度から集中的に整備を行っていく予定でございます。また、これ以外の地域におきましても、これまでどおり勾配のきつい歩道や交差点部分につきましては、順次段差解消や誘導ブロックなどの設置に取り組んでいく考えでございます。
 次に、歩道上の看板でございます。中野駅北口からスマイル中野にいたります歩道上の看板に対します取り締まりにつきましては、東京都第三建設事務所、それから都、中野区及び中野、野方両警察署が合同で月1回実施をしてございます。設置看板の所有者に警告もし、片づけない場合には区みずから撤去をしているという状況もございます。今後とも関係機関が連携をし、継続をして取り締まりを行っていく考えでございます。
 次に、スマイル中野とブロードウェイの放置自転車の対応につきましてでございます。スマイル中野とブロードウェイとの間の区道を含みます周辺地域は、放置規制区域に指定してございます。毎日撤去を行っていることもありまして、通勤・通学者に対しましては、一定の効果が上がっているというところでございます。ただ、しかしながら撤去作業後は短時間駐車を繰り返す買い物客等の自転車で埋まっている実態もございます。区道上に駐車整理区画を実施することについての検討も行ってございまして、緊急車両の通行などの課題もございますけれども、実現へ向けてさらに警察と協議を行っていく考えでございます。また、今後警告指導の強化や撤去時間を工夫するほか、ブロードウェイなど近隣商店街とも協議を行って、十分な歩行者空間の確保に向けて取り組んでまいりたいと考えてございます。
 私からは以上でございます。
○副議長(やながわ妙子) 超過しておりますので、簡潔にお願いします。
     〔区民生活部長本橋一夫〕
○区民生活部長(本橋一夫) それでは、住民基本台帳の大量閲覧の規制についてのお尋ねにお答えいたします。
 住民基本台帳法の、いわゆる住民リストの閲覧につきましては、住民基本台帳法では不当な目的でない限り何人でも請求できるということになっておりますため、営利目的での閲覧が広く行われている状況にあります。近年個人情報に対する意識も高まっていることから、全国の区市町村での戸籍住民基本台帳事務を担当しております全国連合戸籍事務協議会では、国に対してこの閲覧制度の見直し、法の改正を要望しているところでございます。中野区では昨年3月に証明書の交付等に係る本人確認条例を制定いたしました。閲覧者に対しましても、閲覧の請求目的を明らかにする書類の提出を義務付けるなど、不当な閲覧の排除に努めているところであります。本年7月には閲覧手数料の引き上げを予定しておりますが、今後閲覧申請の際の審査を強化し、閲覧の抑制を図っていきたいと考えております。
○副議長(やながわ妙子) 以上で佐藤ひろこ議員の質問は終わります。

 中野区議会議員 江 口 済三郎
 1 所信表明について
 2 ほたるの里構想について
 3 震災対策について
 4 環境対策について
 5 動物愛護について
 
○副議長(やながわ妙子) 次に、江口済三郎議員。
     〔江口済三郎議員登壇〕
○38番(江口済三郎) 平成17年第1回定例会に当たりまして、公明党議員団の立場から質問をさせていただきます。
 昨日も同僚の高倉議員からも区長の施政方針説明について質問がありました。私も2点ほど伺わさせていただきます。
 初めに、住区協議会と基本構想の改定について伺います。区長は今回の施政方針説明の中で、基本構想に多くのページをさき、所信を表明されました。そして、住区協議会について特に言及されました。そのことについて感想を申し述べ、数点伺うとともに、提案について区長の御所見をお伺いしたいと思います。
 方針説明で区長は、住区協議会については、「これまでのような区のかかわりを改め」と表明しました。行政が実施している事業の見直し、廃止に当たっては、説明など丁寧な上にも丁寧さが求められます。それが欠如すると冷たい印象を与えます。区長が目指している目標を達成する事業の進め方は、そうではないはずです。そうでなければ、区民参加の進化を図ろうとすることと矛盾してしまいます。住区協議会の課題は、新しい基本構想の策定過程で、当初からさまざまな機会で取り上げられてきました。議会の論議の場で、審議会、ワークショップの中で、そして区民との意見交換の場などでも質問、あるいは意見として論議されてきたと承知しております。手続的に新基本構想策定の最終局面に差しかかった今、本会議場の場で区長が自身の口で語り、説明されたとしたことについては、一定の評価をしておきたいと思います。
 しかし、施政方針の発言では、区民を2階に上げておきながら、はしごを外すような物言いに感じられます。さらに申し上げれば、座礁した船から船長だけがボートに移り、「他の人は勝手に泳いでください、チャンスがあったらまた海岸で会いましょうよ」と言っているようなものではないでしょうか。その説明の仕方は、少し丁寧さを欠き、切り口上で、関心ある区民の方たちに大きくうなずいていただけるでしょうか。詳細については、今さら述べませんが、住区協議会の設置は昭和48年、関係する審議会の答申を受け、昭和52年から上鷺宮地域の活動をもって始まりました。それぞれの地域で長い活動の歴史があります。多くの方々が真剣にかかわってこられました。一昨年中でも500回を超す協議の場を持ち、活動を続けてきています。そうした方々に対し、一言ぐらい感謝の言葉が語られても当然かと感想を持ちましたが、初めにこのことについて区長の御所見を伺っておきたいと思います。
 所信の表明としては、区長は今回真っ正面から住区協議会を語りました。今日までの議会の同僚議員の質問にもはっきり答えることはなかったように感じています。住区協議会について、審議会、ワークショップ、意見交換会、パブリックコメントなどの中で、どのように説明されてきたのでしょうか。また、区長はそれらの一連の会議などを通じて、区民などの意見がいかなるものであったかと認識されたのか、あわせてお答えをいただきたいと思います。
 施政方針説明で、「町会を初めとする地域の活動団体、福祉、経済団体などさまざまな話し合いの機会を通じ意見を交わし」とお述べになりました。見直しを図られる側の住区協議会との意見の交換など行ったと推察いたしますが、記述がありません。その理由について答弁を求めるとともに、住区の皆さんには賛同いただいたのかどうか、また今後のことはどうしろと言いたかったのかについて、あわせてお答えいただきたいと思います。
 現時点の中野区は、現基本構想によって運営されています。そして、その構想は地域センター、住区協議会構想と一体のもの、あるいは一対のものとなっていると認識しています。したがって、今の基本構想を改定し、新たな基本構想を策定しようとする場合、必然的に住区協議会も見直されることは論理的には理解できます。住区は新しい住民参加の仕組みと考えられました。現基本構想は、地・住構想を受け、区民はその意思を区の施策に反映させる機会が区政の中に保障されるとして、参加の区政を標榜しています。
 そこで伺います。今、議会に提案される予定の自治基本条例は、いわゆる地・住構想にかわるものとお考えなのかどうか、区長の答弁を求めます。
 次に、現基本構想と新構想でいう、いわゆる区民参加について、どう違うのかお答えいただきたいと思います。
 次に、住民参加について、区が関与すると、そのあり方を損ねる旨の説明をされましたが、その理由について答弁を求めておきたいと思います。今の基本構想は、合意を形成する場として「住区協議会など」として、町会、自治会を「など」に入れ、町会、自治会を外そうとする意図が見てとれます。策定中の構想は「町会、自治会は地縁団体としての長い活動の経験を踏まえ」と記述し、住区協議会の用語はどこにも使っていません。新、現構想の両者に対する取り扱いの違いは明瞭です。したがって、特に住区協議会について語らなければならない基本構想を改定する重要な意義の説明が果たされたことになりません。その意味で方針説明で取り上げたこと、適切な言及と申し上げていいかと思います。
 そこで伺います。現構想と新構想の記述を比較した場合、住区から町会・自治会へとのお考えのように読み取れますが、そういう改定なのかどうか、そうだとすれば、その理由とあわせて区長の答弁をいただきたいと思います。
 次に、区は現基本構想を中野区の憲法と位置付けています。したがって、住区協議会は憲法の中に位置付けられていることになります。資料によると、新しい基本構想は、憲法から計画へと位置付けが変更されます。このことにより町会・自治会は計画の中に位置付けられることになります。仮に自治基本条例が制定された場合は、最上位の条例に規定する計画の中に位置付けされた団体となるでしょう。今日までの区がとってきた町会・自治会に対する姿勢の大きな変化と思っています。町会・自治会は、区の事業の技術的な部分を担ってきたと認識しています。今回の新しい基本構想及び一体たる自治基本条例の提案は、町会・自治会について区の姿勢の変更をあらわし余りあると思料いたします。
 そこで提案いたします。基本条例に基づく計画に位置付けられた団体という回りくどい定め方から、何らかの条例中にストレートに定めてはと思います。今日まで中野区行政の事業遂行の上からは大恩ある団体であり、これからの中野区の施策展開に不可欠の団体であり、現在の実態に符合し、自然かと考えます。議会で論議された事項でもあり、さまざまな関係者及び機関と協議され、検討されてはどうでしょうか、区長の御所見を伺います。
 施政方針説明についての2点目は、中野駅周辺まちづくりについてであります。警察大学校等跡地を含む中野駅周辺のまちづくりについては、区長も発言されているように、中野区が今後とも持続可能な都市として、新しい豊かさと活気を生み出していくためには、極めて重要な事業であると認識しています。この計画案が最終的な取りまとめの段階にあることを踏まえて、提案を含めて質問いたします。
 その第1は、警察大学校等跡地に区が整備する予定の防災公園についてであります。我が会派の提案を受け、区長も国庫負担の導入の検討など、中野区としての防災空間の中核に緑豊かな防災公園を中野区が取得整備する腹を固めたようであります。まず、この点について区長の答弁として確認したいと思います。
 さらに、多くの陳情が議会に提出されていますが、関心を集めている防災公園の広さもさることながら、いかなる防災機能を確保しようとしているのか伺います。
 また、国、東京都の防災計画の見直しを受けて、内閣府の新たな被害想定をもとに、中野区の地域防災計画も見直すことになっています。これとの整合性を図るためには、中野駅周辺のまちづくり計画を先延ばしすべきだとの議論もありますが、この点について区長はどのようにお考えでしょうか。
 震災時に想定される中野区の被害の要因は、火災によるものが中心になろうというのが多くの専門家の共通認識であることは否定できせん。であるならば、燃えない、倒壊しないまちづくりが一刻も早く進められなければならないとも考えられます。中野駅周辺のまちづくりは、こうした安全な町をつくる計画でもあるわけです。この地域が広域避難場所に指定されていることを踏まえれば、いかなるまちづくりが行われなければならないかが明らかです。同時に、中野区全体の防災の中心でもある防災センター機能を十分に発揮できる整備も必要であります。防災公園にこうした機能を備えて整備することを想定して、我が会派ではおおむね2ヘクタールの防災公園と、それを取り巻くオープンスペースで3、4ヘクタールの防災空間を提案しているところですが、現在の素案では1.5ヘクタールの防災公園となっていますが、区長が発言されている国庫負担の導入には、2ヘクタールの以上の都市計画公園でなければ、条件に合わないのではないかでしょうか。この際、区で取得整備する防災公園は、都市計画公園の位置の変更によるものも含め、2ヘクタールとして区民の不安を解消すべきではないでしょうか、区長の決意を伺います。
 また、広域避難場所として想定されている人数が収容されるスペースの計算根拠について、改めてお示しください。次に、中野駅周辺のまちづくりとして発言されている中に、その中心になる中野駅の改修問題についての発言がないのはなぜなのか伺います。
 既に、学識経験者を交えて国土交通省、東京都、東日本旅客鉄道会社、東京地下鉄株式会社、そして中野区の5者で中野駅及び影響周辺整備構想検討会を設置して、中野駅、駅周辺の現状に関する共通認識及び将来のあり方を検討しているはずです。検討期間は17年3月末が目途となっています。中野駅の将来のあり方は、中野駅周辺のまちづくりに関して、極めて重要な要素となると認識しているがゆえに、このような検討会を設置されたはずですが、この検討会に直接触れる必要はないかもしれませんが、中野駅の改修、将来のあり方が中野駅周辺のまちづくりの上で極めて重要との認識は、駅周辺のまちづくりについて、発言されるのであれば、当然示されるべきポイントの一つではないでしょうか。改めて伺います。中野の活力にとって寄与するところが多い中野駅及び駅周辺の南北広場などの重要性について、どのようにお考えになっているのでしょうか。施政方針の説明の追加としての発言としてお答えください。区長のお答えを伺い、この項の質問は終わります。
 次に、平和事業と環境行政の融合による中野区の都市生活環境の再生と創出を目指すビオトープネットワーク事業、いわゆる(仮称)中野区ほたるの里構想について伺います。
 この事業の意義については、既に多くの同僚議員から質問のたびに語られてきていますので、ここでは繰り返すことはいたしません。公明党議員団として、本会議などでこの問題について伺ってから、中野区としてはこの事業実現のために努力をされてきたと思いますが、いま一つ明確になっていないところがあります、復活要求で我が会派の要求を受けて、構想策定への調査費が予算化されたことは評価するにしても、事業費ベースでの全体の中に取り込まれている北部防災公園でのビオトープ整備との構想との関係など、明確でないと言えます。そこで改めて伺います。平成17年以降の取り組みについて、どのようなタイムスケジュールをお考えになっているのでしょうか。今後の展開について明確にしていただきたいと思います。
 次に、この蛍の生育にかかわる環境整備、ビオトープ形成事業をどこで実施する予定なのか伺います。これまで北部防災公園、平和の森公園、警察大学校等跡地、東大海洋研究所などが提案されてきたところですが、この際学校やその他の施設などで行われているビオトープの形成などを考慮に入れれば、ネットワークの中心核となる大規模なほたるの里とともに、比較的小規模なビオトープも組み込んだネットワークの体系を示す意味でも、中心核となる拠点については、ネットワークの全区的展開を目指して、バランスよく配置される必要からも明確にすべきと考えますが、いかがでしょうか。
 第3に、ほたるの里構想の策定に向けた具体的な体制の整備については、どのようにお考えでしょうか、だれが担当するのか、どのような体制で構想策定に取り組んでいかれるのか、お聞かせください。
 また、構想の策定と並んで、北部防災公園でのビオトープ形成は、具体的にどのように進められるのでしょうか、取り組みについてもお答えいただきたいと思います。
 4点目は、この事業の継続に関する区長のお考えを伺っておきたいと思います。この事業についても区長の積極的な取り組みについては、これまでも御答弁をいただいているところです。最近区長は、この事業を実施するに当たって、初動期に中野区が環境整備を行った後は、地域の住民が蛍のサポーターとしてさまざまにかかわりお世話するという、いわば地域ぐるみのほたるの里の事業展開を検討されているように伺っています。私も、この考えには賛成です。とかく行政任せにすることが、かえって事業の進展を阻んできた事例に事欠かない中野区でございます。文字どおりほたるの里と言われるような地域の実現に、そこに住む、暮らす、我々区民の果たすべき役割があって、初めて可能になってくるものだと思います。
 そこで、二つの点について、区長のお考えを伺うとともに、その考え前提にした事業スキームについて、どのような姿が描けるのか、全体的な枠組みをお示しください。
 これまで蛍の生育については、研究したり実践したり、関心を持っている区民は多く、同僚議員の中にもいらっしゃいます。こうした人々の力を結集していくこともも、この事業の意義の一つだと思います。区長のお考えを伺います。
 5番目に、この事業の前提になる水資源環境について、中野区内の調査をしてはいかがと提案しておきます。都市環境を考える際に、緑の問題が重要であることは論を待ちません。しかし、緑と並んで重要なもう一つの要素は水であります。蛍の生育には清らかな水が不可欠であります。中野区内にはかつて多くのわき水がありました。調査をすれば再生が可能なわき水もあるのではないでしょうか。ビオトープネットワーク事業とは、文字どおり緑と水のネットワーク形成でもあります。そろそろ中野区も言葉だけではなく、本気で生活環境の質的向上を目指して取り組んでいくべきです。この際、区内の水資源調査を行うべきと考えますが、いかかでしょうか。
 この項の最後に、ビオトープネットワーク事業において、中野区から全国に向けて情報発信を行っていくべきだと提案いたします。平和の森公園の下水処理施設は、水再生センターと名称が変わり、水資源のリサイクル、リユース、そしてリリースとしていくとの姿勢を強化しています。時代の情勢から当然のことだと思います。ここの工事処理水の活用というのが、ほたるの里構想の出発の一つでした。そこでこの際、この水再生センターの高度処理施設のあいている部分を活用するなどして、全国で蛍事業を取り組んでいる自治体や、NPOなどのセンター機能を受け持ち、それらの人々の地域をネットワークしていってはいかがでしょうか。環境の再生、創出に取り組む全国のグループをネットワーク化して、列島のビオトープネットワークへ向けた情報発信を目指すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
 特に、水再生センターは、東京都の施設です。東京都とも連携を強化、強力にとりながら、中野区のほたるの里構想が全国へ、平和と環境の再生、創出への住民と行政のコラボレーションとして地域を活性化していく情報発信となることを目指して、今後の構想の策定などに取り組むべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 昨年12月にグリーンベルト運動の功績により、ノーベル平和賞を受賞したケニアのワンガリ・マータイさんの環境保護と平和は表裏一体との主張は有名です。「環境破壊や、紛争を解決するには、どうすればよいか」との、毎日新聞の問いかけに、彼女は「世界各地で政府、企業、市民のコミュニティが『私たち環境に依存している、だから環境を保護しなければならない』という重要性を理解することです。それができなければ、人類の生存自体が危ぶまれます。だからこそノーベル平和賞委員会が環境分野を初めて受賞対象に入れたのだと思います」と答えています。中野区は現在基本構想を策定しています。案には中野の町の基本理念として、「地球市民の一員としての立場に立って、平和な世界を築き、環境を守り再生させ、次世代の人々に渡していきます」と記述されています。この際、それを受けた施策として、10年後に実現する町の姿の章に1項を起すなどして、具体的に盛り込んではいかがと考えます。そして、実施について、10年計画の中で明確化することを御提案申し上げます。区長の御所見と決意を伺い、この項の質問を終わります。
 次に、震災対策について伺います。四つのプレートの上に位置し、多くの活断層を抱える日本列島の地震は、もはや宿命です。今まで同僚議員からも区民の安心・安全のために必要な提案がされてまいりました。このたびは、家具類の転倒防止対策、震災時のトイレ対策、震災時のペット対策の3項目に絞ってお伺いします。
 あすで4カ月が経過します新潟県中越地震も記憶に新しい中、東南海地震や東京直下型地震が起こる可能性が危惧され、住まいの地震対策が今最も注目されております。6,400人以上が犠牲となりました阪神・淡路大震災の死者の8割以上が、建物の倒壊や家具の転倒により、死因は窒息死や圧迫死と報告がされております。阪神大震災から10年が経過した現在でも、これからの教訓が生かされておりません。昨年の新潟県中越地震や、平成15年の宮城県北部地震においても、負傷者の4割から5割近くが家具類の転倒や落下物によるものでした。
 東京消防庁では、東京の直下型が起きた際にどのくらいの方が家具類の転倒などで負傷されるかを推計したところ、都内全域では約6万5,000人に上ると発表しております。家具類の転倒防止は、地震時における死亡や負傷を防ぐ対策として、大変重要なことがわかります。しかしながら2004年中野区区政世論調査による家具の転倒防止を行っている区民は、たかだか17%程度であります。極めて低い普及状況であります。
 東京消防庁においても、都民に家具転倒防止対策に関するアンケート調査をしております。結果の概要は転落防止実施率は27.8%でありました。未実施者の主な傾向は、家庭の防災対策の中で防災訓練の参加、非常用食料の備蓄等の防災対策に比べて、家具転倒落下防止対策の実施率は低い。居住階が高いほど家具転倒実施率は低い傾向にある。賃貸住宅において家具転倒実施率が低い傾向にある。70歳代の高齢者の賃貸住宅居住者において実施率が低い傾向にある。主な未実施理由は、壁に傷をつけるから、家具に傷をつけるからなどでした。
 建物の耐震補強や、防災まちづくりも重要な施策であり、実際に進めなければならない対策であります。しかし、効果を上げるまでには多大な時間と経費を要する事業であります。その点、家具の転倒防止対策は、区民の生命と身体を守ることで極めて安価に、また手軽にできる対策であります。中野区は昨年から家具類の転倒防止助成制度を設けたことは評価はできますが、現在41件だけです。もっと普及させる取り組みが必要であります。そこで伺います。特にひとり暮らしの高齢者宅などのお宅を戸別訪問するなどし、この助成制度を活用し、転倒防止器具の取りつけを促進させる取り組みについてはどうか、お答えください。
 先ほど紹介いたしましたアンケート調査からも、未実施者の傾向は、中野区によく当てはまります。早期に対策を講じなければなりません。いかがでしょうか、お答えください。東京消防庁では、家具類の転倒落下防止対策委員会が設置されております。23区では中野区と葛飾区が委員として参加されております。今後のスケジュールと中野区としての取り組みをどのように行っていくのか、お聞かせください。
 次に、震災時のトイレ対策について伺います。避難生活所のトイレ対策は、避難者の生活環境の安全面から大変重要な対策であります。私は震災時のトイレ対策として、下水道を活用してマンホールトイレの整備を提案してまいりました。昨年の新潟県中越地震でも、避難生活において食料の確保などとともに、トイレの確保が大きな問題となりました。特に、お年寄りや女性の方にとってはトイレは大切な設備であります。トイレを我慢したばかりに飲食を控えたりし、疾病にかかった方も多数出たと聞いております。
 中野区の地域防災計画では、可能な限り学校、施設の水洗トイレを使用し、不足するときは仮設トイレを利用することとしています。この仮設トイレはし尿がいっぱいになると、重機を用いなければ次が使えないことを以前私からも指摘をしております。
 そこで、学校のトイレは現在和式が多く、高齢者の方にとって使いやすいものにするために、災害時に和式に洋式トイレのセットを設置し利用できるようにするため、洋式のセットを備蓄する考えはないか伺います。
 また、災害時に下水道の損傷率が低いと聞いております。下水道を活用した直結型のマンホールトイレの検討はどのようにされておりますか、お聞きします。都議会公明党が下水道のマンホールを利用した仮設トイレの普及を提言した際、都はマンホールを利用した仮設トイレの設置条件として、1、車両の通行を妨げないこと、2、避難路の確保や救助、救援活動などの支障とならないこと、3、投入したし尿が下水道の流れを阻害しないこと、4、マンホールのふたが安易に開閉できる構造になっていることを条件として示しました。そこで、区内の避難所では、この条件に該当するところが何カ所あるのか、また検討されているのか伺います。
 次に、災害時のペット対策について伺います。ペットは家族同様に、家族の一員として飼い主と暮らしております。区民の方も犬などのペットを飼育しております。登録している犬だけでも7,000頭に上ります。災害が起きれば、この犬たちも被災します。けがも負う犬もおります。区民と一緒に避難をせざるを得ない場合も生ずると思われます。もちろんまずは人の命、そして次に命あるペットの救出が大切です。けがをした犬は治療しなければなりません。自宅にいられないときに避難所に行かなければなりません。えさが必要になるかもしれません。また、飼い主が不明な犬や町じゅうをさまようような犬も出てくると思います。災害時のペット対策は区だけではどうしようもありません。それだけに飼い主の理解と協力が必要になります。過去の被災地の避難場所の取り扱いは、登録書の提示や、ワクチン接種、狂犬病予防注射などの確認がとれる条件で対応したとも聞き及んでおります。そうなりますと飼い主への徹底が必要になります。さらに獣医師の方の協力がなければできません。板橋区では、避難訓練にペットの参加も取り入れて実施しているようであります。
 先ほど犬の対応の場合を述べましたが、区内ではさまざまなペットが飼育されております。安易なことではありません。区では過去の被災地の経験から、災害時のペット対策について、防災計画の平成16年修正案で検討を進めるとしております。そこで伺います。区の災害時のペット対策はどのように考えていられるのか、特に飼い主の責務、住民の理解が大事となります。すべての避難所で対応ができるのか、場所も特定されているならば、あわせてお伺いし、この項の質問は終わります。
 次に、環境対策について伺います。淀橋立体交差事業について、環境問題として伺います。放射第6号線は、青梅街道のバイパス機能の解釈として、新宿区住吉町から中野区中央一丁目まで延長3.7キロメートル区間区において、平成18年度末の完成を目途に整備が進められているところです。平成15年12月に、区議会にこの立体交差事業が都が青梅街道と職安通りが合流する淀橋交差点での交通渋滞の解消を目的として事業を進める旨の報告がされております。
 同時に、第十中学校で地元工事説明会が開催されるとの報告がされました。私はこの立体交差事業は、中野区民にとってはかえって中野坂上交差点での渋滞が予想され、大気汚染の環境問題が生じる恐れがあると考えております。立体交差にするならば、あくまでも山手通りをまたぎ、西側まで延長することにより、中野区坂上の交差点の流れをよくし、渋滞が解消できると議会で提案いたしましたが、都は受け入れをしませんでした。
 ところが、平成16年12月に都は平成16年度の工事着手を目指して、住民説明会や、住民、東京都、新宿区による協議を行ってきたものの、一部沿道、新宿側です。住民の理解が得られなかった。都としては平成17年度末の職安通りの完成を考えると、淀橋立体交差事業の工事着手をおくらせれることは工程的に不可能であると判断し、交差点を当面の処置として平面で整備することにしたと報告されました。都は、交通渋滞の解消を目的とした立体交差事業を、当面平面で整備するということは、渋滞が発生するということしか理解ができません。
 そこで伺います。このことに関して、地元町会関係者や住民に対してきちっと説明を行ってきたのか。さらに、平面交差による交通渋滞への影響について、立体交差で進入する中野坂上交差点の車両の流れの違いは、都はどのように説明しているのか。この際区としてこの立体交差事業が渋滞解消になると考えているのか、お答えください。
 次に、平面の場合は、多分淀橋付近から、立体交差の場合は坂上の手前約100メートルに双方から車両が集中して、中野坂上交差点に来ます。ともに交通予想量等を提示しての説明がされていると思いますので、それぞれの場合のデータを示し、お答えください。
 次に、環境美化について伺います。平成17年度予算に拡充事業として、町の美化啓発で歩行喫煙防止を目的に、4月から中野駅周辺を路上喫煙禁止地区として指定することが示されております。もっと早く提案していただきたかった事業でございます。区では周知徹底に時間をかけたいとのようですが、今や時代の要請で、区民の皆さんの周知はキャンペーン等で徹底できると思います。
 考えられることは、区民以外の皆さんに徹底することが重要になります。私が路上喫煙防止を提案した際に、区内全域を一斉に禁止地区にする方がPR、徹底がしやすいと申し上げました。大変残念であります。なぜならば、最近はすべてと言っていいほど、駅舎ホームが禁煙となっております。愛煙家にとりましては、電車からおりた後一服したいものです。その結果、駅を出てから吸ってしまい、最近は周辺へのたばこのポイ捨てがふえております。啓発に関しましても、各駅に御協力をいただいて、構内放送をお願いするなどして、徹底することができると考えております。マナーの指導員配置等もありますが、取り締まりが本来の目的ではないはずです。指導員配置等も重点地区、いわゆる中野駅周辺だけではなく、各地域で配置して商店街、町会等へ呼びかけた町の皆さんの協力体制をつくっていくことが大切な事業ではないでしょうか。再検討されることを望み、お考えをお聞かせください。
 次には、不法広告物等に対しまして、環境美化に対する姿勢として、杉並区のように環境美化パトロール隊を立ち上げてはいかがと提案いたします。講習を行い、確かな資格で区へ協力しているものと聞いております。町の美化が防犯にもつながるとも言われております。防犯パトロール隊や宅建協会に協力していることも一つの方法です。御所見をお聞きし、この項の質問は終わります。
 次に、青年対策を質問通告しておりましたが、大変申しわけありませんが、本日は割愛をさせていただいて、最後に動物愛護について伺わさせていただきます。
 平成17年度予算に動物を愛護する精神や、適正飼育に関する知識の普及啓発をするため、講習会、教室を開催すると新規事業が計上されております。再三提案させていただいております犬に広場、公園の開放、ドッグランの設置の準備として行うなら歓迎をしますが、講習内容がつかめませんので、今後議論をしていきたいと考えております。
 しかし、事業を行う以上、これを軸に各地区で継続的に行わなければ、余り意味のある講習会とはなりません。訓練士に預けて行うならともかく、飼い主にもしつけやトレーニング方法を教える仕組みと推察いたしています。講習を受けた飼い主は各家庭やグループでしつけを継続しなければなりません。その場合グループで訓練したい方たちのために、場所の提供を準備できるのか。このたびのしつけ方教室の考え方をお聞かせください。
 先ほど震災時のペットでも述べましたように、避難所に受け入れる体制ができても、飼い主、飼い方、しつけ方ができていない動物は受け入れができていないのが現状です。これを機会に動物関係者が協議できる機関を設置して、より充実した適正飼育の普及啓発を行ってはいかがでしょうか、御所見をお聞かせいただき、以上ですべての質問を終わらせていだきます。ありがとうございました。
     〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 江口議員の質問にお答えをいたします。
 まず、住区協議会のことについてであります。所信表明の中で、住区協議会での活動に対する感想というか、考え方、感謝の言葉がなかったというような御発言でありました。住区協議会でさまざまに取り組まれてきたことについて、私自身大変強い敬意と感謝の心を持っているということでありますので、そのような言葉になっていなかったということで大変遺憾に思っております。
 住区協議会は、身近な地域の課題や区政課題について、自由に話し合う場として20年余り自治の先駆的な取り組みを行い、多くの成果を上げてきたと認識をしているところであります。この間の住区協議会の取り組みや、区民の方々の熱心な協議には、深く敬意を表するものでございます。
 住区協議会について、審議会、ワークショップ、意見交換会、またさまざまな機会でどのように説明をしてきたのか、また区民の意思がどうだったと認識しているのかということであります。基本構想審議会区民ワークショップでは、区民参加の仕組みの検討の段階で、住区協議会の現状と課題などについて区側としての説明も行い、地域意見交換会でも区の考えについて説明を行ってきたところであります。意見交換を重ねる中で、地域でさまざまに行われている自主活動の一つとの位置付けについては、ある程度の共通認識ができているのではないかと考えているところであります。
 それでは、住区協議会そのものとの意見交換はどうなのかといったところであります。区民意見交換会とは別に区民生活部の方で全地域センターを回り、(仮称)区民活動センターや、今後の住区協議会のあり方等について意見交換を行ってきたところであります。この会としては、住区協議会にも呼びかけ、多くの方々に参加をいただいているところであります。本来のあり方に立ち返ることは結構である、あるいは職員の支援がなくなるのは困るなど、さまざまな反応があったというふうに受けとめております。こうした経過も踏まえて、今回の意見表明でお話をしましたような住区協議会への区のかかわり方の見直しという考えを決めてきたところであります。各住区協議会の皆様には、これからよく御説明をしていくこととしたいと考えております。
 自治基本条例は、いわゆる地域センター・住区協議会構想にかわるものと考えているのかという御質問であります。いわゆる地域センター・住区協議会構想は、住区協議会を中心に参加の区政を進めるとともに、地域の課題解決のための住民の主体的な取り組みを尊重し、自治の推進を目指してきたものとらえております。自治基本条例では、この構想をさらに一歩進め、区政への参加の手続を明らかにするとともに、地域で活動している団体やグループが柔軟な発想のもとに、自治の活動を推進する基本的条件を明確に定めることを目指しているものであります。
 現基本構想と新基本構想では、いわゆる住民参加についてどう違うのかということであります。区民同士の自治協働を進め、そうした意見を区政運営に生かすという考え方においては変わっていないと考えております。さらに新しい基本構想では、政策等の計画、実施、評価、改善の各段階ごとに参加する仕組みが整い、区民の意思を反映した区政運営が進められていますとの記述を行い、これまでの根拠や手続が不明確だった参加のあり方を一歩進め、区民参加の基本原則と手続を定めることとし、間接民主主義を補完し、区政運営がより区民意思に基づいて進められることを明らかにしてきたところであります。
 区民参加について、区が関与することによって、その本来のあり方を損ねる旨の発言があったということで、これについてどのような意味かという御質問がありました。職員が住区協議会の事務局の仕事を担うことによりまして、気づかないうちに行政の発想の枠の中に住区協議会の活動をおさめてしまおうとする。そうした動きになりがちなことがよくございます。結果として、本来の住民参加のあり方を損ねることになってきたというようなことを我々としては感じているところであります。
 住区から町会・自治会へとの流れのように読み取れるけれども、そういうことなのかといったような御質問、また町会・自治会の位置付けを何らかの条例で明確にする考えはないかといったような御質問でありました。区と住区協議会の関係について見直すこととしたのは、所信表明で述べたとおりであります。一方、町会・自治会については、地縁団体として、その公益的かつ自治的活動が今後の区の自治や、地域社会の発展に欠かせないという認識を持って基本構想を策定してきたところであります。その何らかの法的な位置付けをということでありますが、現在でも町会・自治会は、多くの公益活動や区政への協力を行っていただいているところであります。また、区としてもその活動が円滑に行われるように、一定の支援を行ってきているところであります。そうした町会・自治会に対する区としての位置付けを、このような実態に即した形に明確化していくといったようなことは検討していかなければならないというふうに考えております。具体的に条例の形であるか、あるいは別の形であるか、そうしたところまでの検討はまだできておりません。
 中野駅周辺まちづくりについての御質問でございます。防災公園を区が取得整備するといった考え方についてはどうなっているのかということであります。中野駅周辺まちづくり計画素案では、防災公園については、既存の囲町公園の移転を含めて、区立公園として整備をすることとしております。警察大学校等跡地全体のまちづくりにとって、最も効果的で、また区の負担もできるだけ少なくて済む手法を検討した結果、環境安全を確保しつつ、新たな都市機能を効果的に導入する方法として、用地や整備費など、公共施設を開発と一体で開発者が負担する開発者負担の方法によって、整備をすることとしたものであります。
 中央防災会議などの新たな防災想定、被害想定を受けて、防災計画を見直すはずであると、そのためこのまちづくり計画の先延ばしをすべきではないかとの議論について、どう考えているかという御質問であります。これは先ほどのむとう議員の御質問にもお答えしたところですけれども、今回お示しをしました中野駅周辺まちづくり計画素案においても、避難圏域の人口のすべてが避難できる有効面積を確保しているところであります。また、開発によって増加する人口も加えて、その有効面積を算出しているといったところであります。そういう意味で、被害想定が現在と変わったとしても、避難については十分な広さを確保できるものと考えているところでありまして、まちづくり計画の策定について、先延ばしするべきとの考えは持っておりません。
 また一方、防災に関する最新の知見というものがさまざまに出てくるわけでありまして、そうした最新の知見に基づく対策については、地域防災計画の見直しを初め、これからもその都度適宜対応を図っていくということであります。
 それから、防災公園の2ヘクタール確保するといったようなことが必要ではないかという御質問であります。今回お示しをした中野駅周辺まちづくり計画素案では、先ほど言いましたように、さまざまな事業手法を検討した結果、その中では開発者の負担によることが最適と考えているところであります。既存公園を含めて1.5ヘクタールの公園と、0.5ヘクタールの公開空地を合わせて2ヘクタールのまとまった防災公園、広場を確保するということであります。周囲に公開空地など効果的に配置をして、全体として3から4ヘクタールのオープンスペースを確保するという考え方であるので、御理解をいただきたいと考えております。
 避難人口の計算根拠ということであります。中野駅周辺まちづくり素案では、計画地内に増加する人口も含め、将来の想定避難人口に見合った避難有効面積が確保できる想定を行っているところであります。この根拠は、現在都が行っている方法を参考に、将来の土地利用でありますとか、建物を仮に配置したと仮定して、おおむねの建ぺい率を想定して、有効な空間を算出したものであります。
 中野駅周辺まちづくりにおいて、中野駅の改修、将来のあり方が非常に重要だという御指摘でありました。施政方針の中で、そこのところの重要性の認識が示されなかったので、追加して答弁するようにという御質問でありました。中野駅周辺まちづくり計画を取りまとめるに当たっては、その玄関とも言うべき中野駅のあり方が大変重要であると考えているところです。同時に交通の結節する南北の駅前広場の整備、また東西南北の歩行者動線の確保、こうしたことが重要であると認識をしているところでありまして、中野駅周辺まちづくり計画全体の中で、重要な位置を占めているものであります。したがって、今後もその整備実現に向けた検討に鋭意取り組んでいきたいと考えております。
 ほたるの里構想という御質問であります。蛍の生息できる環境整備ということで、さまざまに御提案をいただいているところであります。そうした御提案を受けとめながらも、現時点ではまだ「里構想」といった大きな構想まで到達できていないというのが区の検討の現状であります。蛍の生息できる環境整備については、適地の選定でありますとか、先ほど御質問の中にもありましたように、こうした環境の整備と、あるいはその維持といったようなことについては、区民参加、区民が直接参加をして、実際に汗もかいていただくといったような形での維持をしていくことが望ましい、あるいはこれがいいのではないかというふうに、私どもは考えているところであります。そうした区民が直接参加できるような方法といったようなものをどうしていくのかということについても検討を行わなければならないと考えているところであります。こうしたことについて、17年度中に考え方をまとめていきたいと考えております。
 それから、ビオトープ、区内の各地に大小さまざまな形でビオトープができつつあるということがあります。また、北部防災公園についても、蛍の生息環境が整備できるようなビオトープといったような検討も行っているところであります。そうしたビオトープをどう配置をしていくのか、またどういう形でネットワークをしていくのがよいのかといったようなことについて、現在検討を行っているところであります。先ほど申し上げた区民が参加できるような環境保護の活動、そうしたものとの関連も含めて、今後検討を行っていきたいと考えております。
 わき水調査の御提案でありますとか、中野区が全国へ情報発信できるようにといった御提案もありました。今後の検討の参考とさせていただきながら、念頭に置いていきたいというふうに考えております。
 また、北部防災公園のビオトープにつきましても、先ほど申し上げましたように、蛍の生息環境が整備できるようにといったようなことでの検討を現在鋭意進めているところであります。
 それから、基本構想の10年後に実現する町の姿に具体的に盛り込んではどうかと、あるいは実施について10か年計画の中で明確にすべきではないかといったような御質問でありました。基本構想の将来像では、環境と調和し、共生する都市が形成され、緑豊かで快適な町と描いているところでありまして、10年後に実現する町の姿では、緑の拠点整備が進んでいる状況を描いているところであります。将来像の実現を目指す10か年計画策定の中でも、蛍の生息できるような環境、あるいはビオトープの整備といったようなことについて、具体的な方策を書き込めるか、検討を進めていきたいと考えております。
 また、震災対策についての御質問であります。家具の転倒防止器具取りつけの促進策をという御質問でありました。家具の転倒防止器具取りつけ助成の今年度1月までの実績は、御紹介もありましたように41件でありました。新潟県中越地震以来急速に申し込みが増加しているということではありますが、御指摘のように実績が少ないということは確かだと考えております。高齢者宅など申し込み窓口まで来庁することが難しい区民の方のために、電話相談を受けた際には、申込書と返信用封筒を同封して、郵送による申し込みの対応なども行っているところであります。しかし、今高齢者宅などを直接訪問して耐震相談を実施する事業というのを検討しているところであります。その中で取りつけ助成事業を促進する取り組みも当然中に含んで行っていきたいと考えているところであります。
 それから、東京消防庁の対策推進委員会での今後のスケジュールと中野区としての取り組みという御質問であります。東京消防庁の家具類の転倒落下防止対策委員会では、この3月までには転倒防止対策の効果的な推進方策や、転倒防止器具の評価方法などについて、報告を取りまとめるものとしているところであります。区としましても、現在の助成事業の推進を図る一方、この報告をもとに恒常的な普及啓発活動の展開、あるいは居住特性に応じた対策を進めるなど、家具類の転倒防止対策により一層力を入れていきたいと考えております。
 それから、災害時の学校トイレ利用と下水道マンホールトイレの整備についての御質問であります。避難所となる学校のトイレの洋式の割合は3割近くまでなっております。簡易洋式セットの備蓄ということでありましたが、区といたしましては、和式を洋式化していく中で対応していきたいと考えております。
 マンホールトイレにつきましては、災害時の下水道の活用の観点から、積極的に推進をしていく考えであります。現在避難所周辺のマンホールを活用したマンホールトイレの整備について、下水道局と調整を進めているところでありまして、来年度から取り組むこととしております。
 また、学校敷地内の下水道直結型マンホールトイレについても検討を進めていく考えであります。
 御紹介のありましたマンホールの利用上の設置条件のもとに、現在下水道局と調整を進めているところでありまして、そうした検討調整の中で、区内の可能な箇所数については、現在まだ調査中ということであります。
 それから、災害時のペット対策についてであります。現在中野区の獣医師会と災害時の協力協定の締結について話し合いを行っているところであります。この中でペット対策の検討も始めたところでありますが、今のところ具体的な取り組み内容についてお示しできるまでには至っておりませんので、御了承いただきたいと思います。
 私からは以上であります。
    〔都市整備部長石井正行登壇〕
○都市整備部長(石井正行) 私からは環境対策のうち、淀橋立体交差事業についてのお尋ねにお答えをさせていただきます。
 初めに、地元への説明ということでございますが、東京都は立体化事業の延期に関しまして、平成16年12月、町会関係者に説明をいたしますとともに、沿道住民に対しましては、延期の理由や当面の整備方針を伝えますチラシを回覧をしておるところでございます。
 次に、交差点の渋滞に対する影響でございます。東京都からは、坂上交差点において都心方向への車線数をふやすことや、職安通りができるということで、都心方向への車の流れがスムーズになると、そういうことから坂上交差点の渋滞は緩和されるものというふうに聞いてございます。
 次に、立体交差事業の渋滞解消への効果でございますが、区といたしましては、広域的な交通ネットワーク全体として見た場合、周辺の交差点等の交通制御に余裕を与えるなど、立体化の渋滞解消への貢献度は高いというふうに考えてございます。
 次に、車両集中の影響に関するデータでございます。東京都からは青梅街道の平成14年の実測値、1日5万9,000台というふうに押さえてございます。これに対しまして、計画交通容量でございますが、これが1日6万台ということになってございます。この数値から見ますと、中野区内の渋滞はないものというふうに聞いておるところでございます。
 以上でございます。
    〔区民生活部長本橋一夫登壇〕
○区民生活部長(本橋一夫) 環境美化についてのお尋ねにお答えをさせていだきます。
 まず、路上喫煙禁止地区につきまして、すべての駅を指定すべきであるということのお尋ねがございました。路上喫煙禁止地区の指定につきましては、指定喫煙場所の確保や、喫煙マナー啓発のための体制を整える必要があると考えております。そこでまず区内で最も人通りの多く、中野区の玄関とも言える中野駅周辺地区を指定したいと考えております。その他の駅周辺地区につきましては、中野駅周辺での実施状況を見ながら、それぞれの地区の状況、地域の意見なども聞いて検討し、指定地区をふやしていくということを考えております。
 次に、歩行喫煙防止の啓発についてでありますが、この啓発は区内全域を対象にしてマナー向上の呼びかけを予定しております。現在商店街の街路灯ですとか、あるいはまたたばこの自販機などに張るステッカーですとか、あるいは啓発シールを用意しているところでございます。さらに、バスの車内放送、商店街での放送のPRについても協力を要請してまいります。御指摘の鉄道事業者への協力要請ですけれども、可能な協力を要請していきたいと考えております。
 また、町会、自治会、商店街などの団体に対しましても、協力を得て、啓発活動を実施したいと考えております。協力をいただける団体に呼びかけをしていきたいと考えているところでございます。
 あわせてマナー指導員におきましては、路上喫煙禁止地区の指定をする際に、警備会社等に委託をして配置していく予定でおります。
 これに関連いたしますが、環境美化パトロール隊の立ち上げについてのお尋ねがございました。歩行喫煙防止の啓発活動とともに、不正広告などを含めた環境美化パトロール隊の活動につきましては、屋外広告物法などの法による規制手続などの制約はありますが、先行自治体の取り組み状況なども参考にしながら、今後検討していきたいと考えております。
 以上であります。
    〔保健所長清水裕幸登壇〕
○保健所長(清水裕幸) 動物愛護についての御質問と、それから御提案について順次お答え申し上げたいと思います。
 まず第1点目、しつけ方教室の考え方についてでございます。次年度の動物のしつけ方教室は、区主催の講習会を年2回、それから地域団体等が行う講習会の開催支援を2回程度予定してございます。こうした講習会会場につきましては、中野区保健所の中庭を予定してございます。
 受講した飼い主がしつけを継続することは極めて大切なことだと認識してございます。したがいまして、グループで講習会を実施できる場の確保につきましては、十分検討してまいりたいと考えてございます。
 次に、2点目の適正飼育の普及啓発を行うための協議機関の設置についての御提案でございますけれども、今年度平成16年度は都が委嘱してございます動物愛護推進員と動物の適正管理のあり方について意見交換を行ったところでございます。今後とも獣医師や動物愛護団体関係者と十分に連携を図りながら、適正使用管理の普及啓発に努めてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(やながわ妙子) 以上で江口済三郎議員の質問は終わります。
 お諮りいたします。議事の都合により本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(やながわ妙子) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
 次の会議は、明日午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。
 本日はこれをもって延会いたします。
      午後4時43分延会