平成17年06月02日中野区議会本会議(第2回定例会)
平成17年06月02日中野区議会本会議(第2回定例会)の会議録
平成17年第2回定例会本会議第1日(6月2日) 1.平成17年(2005年)6月2日、中野区議会議事堂において開会された。
1.出席議員(41名)
  1番  いでい   良  輔  2番  伊  東  しんじ 
  3番  佐  野  れいじ   4番  北  原  奉  昭
  5番  久  保  り  か  6番  酒  井  たくや 
  7番  奥  田  けんじ   8番  近  藤  さえ子 
  9番  小  堤  勇    10番  大  内  しんご 
 11番  伊  藤  正  信 12番  きたごう  秀  文
 13番  吉  原  宏    14番  高  倉  良  生
 15番  やながわ  妙  子 16番  平  島  好  人
 17番  むとう   有  子 18番  はっとり  幸  子
 19番  長  沢  和  彦 20番  か  せ  次  郎
 21番  山  崎  芳  夫 22番  小  串  まさのり
 23番  高  橋  ちあき  25番  岡  本  いさお 
 26番  こしみず  敏  明 27番  飯  島  きんいち
 28番  佐  伯  利  昭 29番  佐  藤  ひろこ 
 30番  来  住  和  行 31番  岩  永  しほ子 
 32番  若  林  ふくぞう 33番  篠     国  昭
 34番  伊  藤  岩  男 35番  斉  藤  金  造
 36番  大  泉  正  勝 37番  斉  藤  高  輝
 38番  江  口  済三郎  39番  藤  本  やすたみ
 40番  昆     まさ子  41番  江  田  とおる 
 42番  池  田  一  雄
1.欠席議員(1名)
 24番  市  川  みのる
1.出席説明員
 中 野 区 長  田 中 大 輔      助     役  内 田 司 郎
 収  入  役  山 岸 隆 一      教  育  長  沼 口 昌 弘
 区 長 室 長  寺 部 守 芳      政策計画担当課長 川 崎   亨
 まちづくり総合調整担当部長 那須井 幸 一 総 務 部 長  石 神 正 義
 総務担当参事   橋 本 美 文      区民生活部長   本 橋 一 夫
 子ども家庭部長  田 辺 裕 子      保健福祉部長   菅 野 泰 一
 保 健 所 長  清 水 裕 幸      都市整備部長   石 井 正 行
 教育委員会事務局次長  金 野   晃
本会の書記は下記のとおりである。
 
事 務 局 長  山 下 清 超      事務局次長    高 橋 信 一
 書     記  大 谷 良 二      書     記  黒 田 佳代子
 書     記  永 田 純 一      書     記  荒 井   勉
 書     記  岩 浅 英 樹      書     記  菅 野 多身子
 書     記  廣 地   毅      書     記  西 田   健
 書     記  鳥 居   誠      書     記  杉 本 兼太郎
 書     記  松 本 桂 治      書     記  吉 田 哲 郎

 議事日程(平成17年(2005年)6月2日午後1時開議)
日程第1 第41号議案 中野区行政手続条例の一部を改正する条例

      午後1時02分開会
○議長(高橋ちあき) ただいまから平成17年第2回中野区議会定例会を開会いたします。
 本日の会議を開きます。
 会議録署名員は、会議規則第121条の規定に基づき、議長から御指名申し上げます。12番きたごう秀文議員、31番岩永しほ子議員にお願いいたします。
 次に、会期についてお諮りいたします。本定例会の会期は、本日から6月15日までの14日間といたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(高橋ちあき) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
 この際、申し上げます。本定例会の会期中、略装を許します。
 本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。
 この際、御紹介申し上げます。去る3月25日の本会議において、本区教育委員会委員に任命の同意をいたしました飛鳥馬健次さん、山田正興さんを御紹介申し上げます。
 初めに、飛鳥馬健次さん。
    〔教育委員飛鳥馬健次登壇〕
○教育委員(飛鳥馬健次) 中野区の議員の皆様、私は、3月25日に皆様から御承認いただき、3月28日に区長様から任命いただきました、教育委員の飛鳥馬健次と申します。
 中野区におかれましても、教育改革の真っただ中ではございますが、私は、中野区の子どもたちが中野に生まれ育ってよかった、そんな教育改革ができればというふうに思っております。私は、長い間中学校の現場の経験をしてまいりましたので、その経験が少しでも生かされればというふうに思っております。微力ではありますが、一生懸命頑張りたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
○議長(高橋ちあき) 次に、山田正興さん。
     〔教育委員山田正興登壇〕
教育委員(山田正興) ただいま御紹介をいただきました山田でございます。
 3月の議会におきまして、また4月11日より教育委員を再任いたしました。議会の先生方におかれましては、御同意をいただきましてまことにありがとうございます。
 ただいま教育委員会では、よりよい学校環境を整える意味で学校の再編計画を進めております。また、中・長期的な視野に立ちました教育ビジョンも策定中でございます。区民の皆様方から、また先生方から貴重な御意見、御提言をいただきまして、最終的な案をまとめているところでございます。
 さて、昨今の新聞報道によりますと、特殊合計出生率、1.29という数字でございます。中野区におきましても同様に、少子化には歯どめがかからない状況でございますが、子ども一人ひとりは将来を担う大切な方々ばかりでございます。中野で産み、育ててよかったと思われるような環境をぜひつくっていきたいと考えております。 まだまだ教育問題、山積しておりますが、微力ではございますが、全力を尽くす所存でございます。どうぞ先生方の御協力、御支援をより一層いただけますようお願いをいたしまして、ごあいさつといたします。本日はありがとうございました。

○議長(高橋ちあき) 以上で紹介を終わります。
 さらに御紹介申し上げます。5月25日付で本区の監査委員に就任されました昆まさ子議員、若林ふくぞう議員を御紹介申し上げます。
 初めに、昆まさ子議員。
      〔昆まさ子議員登壇〕
40番(昆まさ子) ただいま御紹介されましたように、議会で選任されました監査委員の昆まさ子でございます。
 今、区政に対する区民の目は一層厳しくなっております。身を引き締めて、適正・公正な監査に努めたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○議長(高橋ちあき) 次に、若林ふくぞう議員。
     〔若林ふくぞう議員登壇〕
32番(若林ふくぞう) ただいま紹介されました若林ふくぞうでございます。25日に区長から任命されました監査委員の若林でございます。どうぞよろしくお願いします。
 既に現場を何か所か見てまいりました、一緒に。大変、区の職員も一生懸命やっているなという感じを受けた次第でございますが、これから監査委員として公正・公平な立場でしっかりやっていきたいと、こういうふうに思っておりますので、同僚議員の皆さん、よろしくお願いします。ありがとうございました。
○議長(高橋ちあき) 以上で紹介を終わります。
 この際、申し上げます。4月1日付をもちまして、お手元に配付の文書のとおり、本会議参与に人事異動がありましたので、御報告いたします。
 それでは、新たに本会議参与に就任されました寺部守芳区長室長、川崎亨政策計画担当課長を御紹介申し上げます。
 初めに、寺部守芳区長室長。
     〔区長室長寺部守芳登壇〕
区長室長(寺部守芳) 4月1日付で区長室長に就任をいたしました寺部守芳でございます。皆様の御指導をいただきながら、しっかりと務めてまいりたいというふうに考えております。どうぞよろしくお願いいたします。
○議長(高橋ちあき) 次に、川崎亨政策計画担当課長。
   〔政策計画担当課長川崎亨登壇〕
○政策計画担当課長(川崎亨) ただいま御紹介をいただきました、区長室政策担当課長の川崎でございます。皆様方の御指導、よろしくお願い申し上げます。
○議長(高橋ちあき) 以上で紹介を終わります。
 次に、4月1日付をもちまして、お手元に配付の文書のとおり、委員会参与に人事異動がありましたので、念のため御報告いたします。

本会議参与の人事異動

平成17年(2005年)4月1日
発 令 氏 名
区長室長 寺部 守芳  ごみ減量・清掃事業担当参事
子ども家庭部長 田辺 裕子 区長室長
政策計画担当課長 川崎 亨 計画担当課長

人 事 異 動 表
発令年月日  平成17年4月1日  
    
【 部長級 】      
区長発令 発令権者   中野区長  田中 大輔  
発    令 氏  名 備考
区長室長 寺 部 守 芳 区民生活部ごみ減量・清掃事業担当参事  
総務部未収金対策担当参事 (総務部長 石神 正義 兼務)    
区民生活部ごみ減量・清掃事業担当参事 西 條 十喜和
 
区民生活部経営担当参事
 
 
 
区民生活部ごみ減量担当参事
 
( 区民生活部ごみ減量・清掃事業担当参事 西條 十喜和 兼務 )  
 
 
 
子ども家庭部長 田 辺 裕 子 区長室長  
保健福祉部保健予防担当参事
 
深 澤 啓 治
 
千代田区保健福祉部健康課長
 
転入・昇任
保健福祉部結核予防担当参事
 
( 保健福祉部保健予防担当参事 深澤 啓治 兼務 )  
 
 
 
保健福祉部保険医療担当参事 奥 山  功 保健福祉部保険医療担当課長(統括課長) 昇任
都市整備部建築担当参事 佐 藤 幸 一 都市整備部建築・住宅担当参事  
都市整備部建築行政担当参事
 
( 都市整備部建築担当参事 佐藤 幸一 兼務 )  
 
 
 
都市整備部住宅担当参事 岩 井 克 英 都市整備部地区整備担当課長(統括課長) 昇任
都市整備部地域まちづくり担当参事 ( 都市整備部住宅担当参事 岩井 克英 兼務 )  
 
 
 
都市整備部地域まちづくり推進担当参事 ( 都市整備部住宅担当参事 岩井 克英 兼務 )  
 
 
 
都市整備部中野駅周辺整備担当参事 (区長室まちづくり総合調整担当部長 那須井 幸一 兼務)  
 
 
 
       
教育委員会発令 発令権者   中野区教育委員会  
発    令 氏  名 備考
教育委員会事務局教育経営担当参事 村 木  誠
 
総務部財務担当課長(統括課長)
 
昇任
 
中央図書館長 細 木 博 雄 監査事務局長  
       
選挙管理委員会発令 発令権者   中野区選挙管理委員会委員長 小池 博   
発    令 氏  名 備考
選挙管理委員会事務局長 柳 澤 一 平 子ども家庭部長  
       
代表監査委員発令 発令権者   中野区代表監査委員 小林 光男   
発    令 氏  名 備考
監査事務局長
 
石 﨑 新 一
 
教育委員会事務局知的資産担当参事(中央図書館長)  
 
       
【 統括課長 】      
区長発令 発令権者   中野区長  田中 大輔  
発    令 氏  名 備考
区長室経営改革担当課長(統括課長) 鈴 木 由美子
 
区長室政策計画担当課長(統括課長)
 
 
 
区長室政策計画担当課長(統括課長) 川 崎  亨
 
区長室計画担当課長
 
昇任
 
区長室政策担当課長(統括課長) ( 区長室政策計画担当課長(統括課長) 川崎 亨 兼務 )  
 
 
 
総務部税務担当課長(統括課長) 遠 藤 由紀夫
 
保健福祉部衛生環境担当課長
 
昇任
 
区民生活部経営担当課長(総括課長) 登   弘 毅
 
区民生活部戸籍住民担当課長(統括課長)
 
 
 
区民生活部地域活動担当課長(統括課長) (区民生活部経営担当課長(統括課長)登 弘毅 兼務)  
 
 
 
区民生活部戸籍住民担当課長(統括課長) 榎 本 良 男
 
子ども家庭部保育サービス担当課長(統括課長)  
 
区民生活部環境と暮らし担当課長(統括課長) 納 谷 光 和
 
総務部防災担当課長
 
昇任
 
子ども家庭部経営担当課長(統括課長) 合 川  昭
 
区長室経営改革担当課長(統括課長)
 
 
 
子ども家庭部保育サービス担当課長(統括課長) 竹 内 沖 司
 
子ども家庭部経営担当課長(統括課長)
 
 
 
子ども家庭部男女平等担当課長(統括課長) ( 子ども家庭部経営担当課長(統括課長) 合川 昭 兼務 )  
 
 
 
保健福祉部生活衛生担当課長(統括課長) 飯 塚 太 郎
 
区議会事務局次長(統括課長)
 
 
 
中部保健福祉センター所長(統括課長) 瀬 田 敏 幸
 
中部保健福祉センター所長
 
昇任
 
北部保健福祉センター所長(統括課長) ( 中部保健福祉センター所長(統括課長) 瀬田 敏幸 兼務 )  
 
 
 
       
【 課長級 】      
区長発令 発令権者   中野区長  田中 大輔  
発    令 氏  名   備考
区長室計画担当課長 奈 良 浩 二 保健福祉部主査(総括係長) 昇任
総務部財務担当課長 篠 原 文 彦 教育委員会事務局学校教育担当課長  
総務部副参事(特別区人事・厚生事務組合派遣) 小 田 史 子
 
区民生活部地域活動支援担当係長(総括係長) 昇任
 
総務部情報化推進担当課長 白 土  純 総務部広報担当係長(総括係長) 昇任
総務部防災担当課長 斎 木 正 雄 都市整備部公園緑地担当課長  
総務部危機管理担当課長 (総務部防災担当課長 斎木 正雄 兼務)    
総務部未収金対策担当課長 若 槻 磐 雄 (再任用新規採用)  
南中野地域センター所長 角  秀 行 区長室主査(総括係長) 昇任
弥生地域センター所長
 
( 南中野地域センター所長 角 秀行 兼務 )  
 
 
 
鍋横地域センター所長
 
( 南中野地域センター所長 角 秀行 兼務 )  
 
 
 
区民生活部産業振興担当課長 鳥 井 文 哉 区長室主査(総括係長) 昇任
南部保健福祉センター所長  深 山 紀 子 板橋区板橋健康福祉センター所長 転入
鷺宮保健福祉センター所長
 
嶋 崎 江 美
 
東京都福祉保健局多摩立川保健所企画調整課健康危機管理担当係長 転入・昇任
都市整備部公園・道路担当課長 野 村 建 樹
 
保健福祉部保健福祉担当係長(総括係長)
 
昇任
 
都市整備部警察大学校等跡地整備担当課長 豊 川 士 朗
 
都市整備部中野駅周辺整備担当課長
 
 
 
都市整備部中野駅南口周辺整備担当課長 上 村 晃 一
 
都市整備部交通安全対策担当課長
 
 
 
都市整備部西武新宿線沿線まちづくり担当課長 ( 都市整備部中野駅南口周辺整備担当課長 上村 晃一 兼務 )  
 
 
 
       
教育委員会発令 発令権者   中野区教育委員会  
発    令 氏  名 備考
教育委員会事務局学校教育担当課長 相 澤 明 郎
 
区長室主査(総括係長)
 
昇任
 
教育委員会事務局統括指導主事 入 野 貴美子
 
教育委員会事務局指導主事
 
昇任
 
       
備 考      
1 前総務部情報化推進担当参事 鈴木 勝明、前総務部税務担当課長 若槻 磐雄、前南中野地域センター所長 中村 正博は、平成17年3月31日をもって定年退職。
1 前南部保健福祉センター所長 佐々木 美枝子 は、平成17年3月31日をもって勧奨退職。
1 前鷺宮保健福祉センター所長 石崎 泰江 は 豊島区池袋保健所長崎健康相談所長になるため平成17年3月31日をもって退職。

○議長(高橋ちあき) この際、お手元に配付の一般質問一覧表のとおり、やながわ妙子議員、池田一雄議員、北原奉昭議員、大内しんご議員、酒井たくや議員、近藤さえ子議員、はっとり幸子議員、斉藤高輝議員、小堤勇議員、小串まさのり議員、奥田けんじ議員、篠国昭議員より質問の通告がありますので、これを順次許します。

 中野区議会議員 やながわ 妙子
 1 平和事業について
 2 防災対策の充実について
 3 子育て支援について
 4 地域活性化事業について
 5 食育のすすめについて
 6 その他

○議長(高橋ちあき) 最初に、やながわ妙子議員。
     〔やながわ妙子議員登壇〕
15番(やながわ妙子) まず冒頭に、今回、中野区議会始まって以来、初めて女性議長が誕生いたしました。同僚議員として心からうれしく思っております。今後の区議会の発展、そしてまた区政の発展のために尽力されるよう心から期待を申し上げ、質問させていただきます。
 平成17年第2回定例会におきまして、公明党の立場から一般質問をさせていただきます。
 初めに、平和事業について質問します。
 ことしは終戦60周年を迎えます。戦争の世紀と言われた20世紀から、21世紀は平和の世紀にしていかなければなりません。悲惨な戦争終結から60周年の大きな節目です。ことしこそ平和事業を何らかの形で残すべきだと思います。ことしやらずして、いつやるのかとの思いを強く持っております。
 ノーベル平和賞を受賞されたアフリカの女性、マータイ博士は「アフリカの環境の母」と言われ、1人の女性の心にともされた勇気の炎は、この30年で10万の人々の心に燃え広がっていきました。いわゆる「グリーンベルト運動」として知られ、わずか7本の木から始まった植樹も、実に3,000万本へと広がりました。彼女は、「人間は他の生命なしには生きられない。平和を守るなら環境を守れ」と訴え、さまざまな障害を乗り越えて、アフリカの大地で環境保全に取り組んできました。私も、環境を守ることが平和に通ずるとの思いで質問をさせていただきます。
 一口に環境保全といっても多岐にわたっております。自然エネルギーの推進、地球温暖化対策、自然生態系の復元、資源有効活用等々、テーマはたくさんあります。私はこれまでも、自然生態系の復元について、学校や区立公園でのビオトープの推進を提案させていただきました。
 中野区は、今月4日に環境リサイクルプラザで環境行動展を開催します。私もこれまで何回か見させていただきました。多くの区民の方々が環境を守ろうとして参加されています。個々の活動は大変大事です。しかし、区として将来にわたる環境保全というトータルなテーマで議論したことはないと思います。私は、そうしたことを専門家や区民を交えて議論を深め、環境保全の調査研究などを行うべきではないかと考えます。民間団体・NPO等を含めた会議体を立ち上げてはいかがでしょうか、区長の御見解を伺います。
 先日、板橋区の蛍飼育施設を見てまいりました。蛍博士と言われ、職員でもある理学博士から、蛍生息に係るさまざまな興味深いお話をお聞きしました。阿部さんは、蛍生息の条件づくりは決して難しくない。土壌を整備すれば、水道水でも流れはろ過され、それが循環し、蛍が自生する自然の営みへと環境が整うそうです。また、これまで全国59か所の自治体から要請を受けて、現地に出向いてみずから土壌づくりなど、蛍生息の環境づくりを支援してきました。今まで1か所の失敗もなかったそうです。「要請があれば、中野でも蛍の生息する環境づくりの支援をしたい。必ず成功します」との力強いエールをいただいてきました。さらに阿部さんは、蛍は愛と希望でもあるとおっしゃっていました。まさしく蛍は平和の心であり、平和の象徴であると再認識をさせていただきました。蛍が飛び交う時期には長蛇の列ができるそうです。平和の象徴である蛍を愛し、蛍を求めている区民がいかに多いかということを知りました。また、先日、愛知県の西尾市の「平原ゲンジボタルの里」を見てまいりました。西尾市は人口10万人ですが、蛍が飛び交う時期には毎日七、八千人が訪れるそうです。蛍の生息する環境整備は、小学校からお年寄りまで地域全体で行っています。
 究極のビオトープと言われる蛍の里構想について、3年前、第2回定例会で、同僚、岡本いさお議員が平和事業の一つとして質問しました。この提案から3年がたちました。今年度は、蛍の里構想への調査費がようやく計上されました。区が前向きに蛍の里構想へ向けて踏み出したのですから、蛍の生息を環境保全の会議体の一つのテーマとして、板橋区の蛍生息のノウハウを参考にしたり、民間の協力を得て取り組んではいかがでしょうか、伺います。
 また、計画が予定されている北部防災公園は、貴重な自然環境の拠点となると思います。中野区の環境保全のためには、この場所に環境学習センターあるいはネーチャーセンターがぜひとも必要だと思います。北区にある環境学習室は、公園内にある管理棟の中に併設されています。子どもたちから大人まで多くの区民が利用しています。その学習室を中心に、北区の昆虫、小動物という本まで発刊されています。区内の公園や学校のビオトープを初め、さまざまな環境保全のためのセンター的機能を持つ拠点を北部防災公園に設置すべきではないでしょうか、お考えを伺います。
 次に、平和のメッセージ集編さん事業について伺います。
 岡本議員はさらに、平和事業の一つとして平和の万葉集編さんの提案をしましたが、具体的な形にはなりませんでした。ことしは戦後60周年という節目です。平和の心を、区民一人ひとりの思いを、俳句、川柳、和歌、単文など形式を問わずに自由に表現し、それを平和のメッセージ集、あるいは命のメッセージ集としてつくってはいかがでしょうか。
 オーストリアの作家ツヴァイクは、「活字文化こそ我々の魂を満たし、精神力の流れをなす」と述べています。多くの区民が参加して、中野区民の平和への思いを世界に発信するには、文字を通して行うことが一番ふさわしいと思っております。私も、平和の思いを川柳にしてみました。「蛍舞う 平和の明かり 中野から」。「身にしみる 老いて病んでも 母の愛」。「万葉と 平和の里の 蛍かな」。「路地裏に 童の歓喜 戻したい」。下手な川柳ですが、つくる楽しみ、共有する楽しみが活字文化ではないかと思います。今年度は、区として検討会などを設置して準備をしてはいかがでしょうか、区長のお考えを伺って、この項の質問は終わります。
 次に、防災対策の充実について伺います。
 去る4月17日、公明党中野総支部女性局主催で、囲町公園で防災訓練「サバイバル in 中野」を開催いたしました。区内の若い女性が約450人、防災訓練は初めてという方ばかりでした。消火訓練、応急手当て講習、炊き出し訓練、起震車による地震体験などに参加し、汗を流しました。参加した大半の方から、貴重な体験や訓練をさせていただいたと感謝の声が寄せられました。担当した消防署員や防災担当課の職員は、若い女性たちだけの防災訓練でこれだけ多くの参加があったのは初めてだと言っておりました。
 私は、特に若い女性がこうした防災や災害の復興に関心を持つことは極めて大事だと思います。新潟県女性財団理事長は、昨年の新潟県中越地震において、救援復興活動に女性の視点が大変大事であると指摘しています。復興に向けて行政職員が頑張っていますが、関連する団体の要職に女性が全くいないので、初期の災害発生段階で女性の視点が生かされていないこと、そのために、共同生活の中での着がえや授乳場所の確保、女性用品の不足、仮設トイレの設置の仕方、健康面のこと、また支援物資の分類方法等々、女性にとっては大切な事柄が後手になっているとのことです。避難所に日中いるのはほとんどが女性や子ども、そして高齢者の方々ばかりです。一方、支援する側の女性は1割程度で、男女のニーズの違いに応じた支援が行われません。さらに、政策決定の段階での女性の参加が少ないため、女性に対する配慮が欠け、避難生活でのストレスや体調不良が発生するのは女性に偏っていることを強調しています。私も、こうした視点の配慮は極めて大事なことだと感じています。例えば中野区防災会議にしても、女性のメンバーは1人もおりません。私は、災害復興の支援にもっと女性の参画を図るべきだと思います。現在の構成を大幅に変更することが難しいならば、新たな発想で、女性を中心とした防災の会議体を設置してはいかがでしょうか、お考えをお聞きいたします。
 国も、今年度中に改定予定の「男女共同参画基本計画」で、防災・災害復興を重点項目として盛り込み、女性の目線でとらえ直すことにしています。世界においても、国連婦人の会議で、日本とフィリピンとの共同提案、「インド洋沖津波災害を含む災害後の救済・回復・復興取り組みにおけるジェンダー視点の統合」が決議されました。こうした女性の視点を取り入れた防災計画の流れが動き出しています。中野区も、女性の視点を取り入れた災害救援復興支援計画をつくるべきだと思います。また、男女平等基本条例に盛り込むべきだと考えますが、いかがでしょうか、お考えを伺います。
 次に、避難所で生活する聴覚障害者の対応について伺います。
 避難所で、生活情報など的確に、迅速に伝達する必要があります。聴覚障害者の方は、外見ではその障害があるかないかわからず、集団生活の中で孤立しやすく、避難所生活が大変苦痛であったと聞いています。そうした方々への対応はどのように考えているのでしょうか、伺います。
 最近では聴覚障害者用の情報伝達機器も開発され、腕時計型で呼び出し、情報を振動で知らせ、内容を文字で伝えるものも出ています。情報伝達バリアフリーの視点から、聴覚障害者の対応を検討すべきだと思いますが、いかがでしょうか、伺います。
 次に、自動体外式除細動機器(AED)の設置について伺います。
 去る5月7日、高知県本山町の空き地で、小学1年生が、上級生の振った金属バットが胸に当たり死亡するという、大変痛ましい事故がありました。死因は「心臓震とう」でした。これは、外部からの衝撃が加わると心臓がけいれんし、血液が送れなくなる症状で、子どもに起きることが多いそうです。埼玉の戸田中央病院の救急部長は、「この病状には、なるべく早く心臓に電気ショックを与えるのが効果的で、自動体外式除細動器を普及すべきだ」と指摘しています。この機器は、中学生以上なら簡単に操作できると言われています。薬事法の改正により、ことしの4月から許可制が導入されました。
昨年、第3回定例会で高倉議員が、「安心・安全対策の一環として、区立施設への配備や屋外でのイベントに備え、自動体外式除細動器の設置を検討しては」と質問いたしました。それに対して保健所長は、「一般施設への本装置の設置が必ずしも病院前救護の充実強化とはならない」、また、「自動体外式除細動器を導入することは考えていない」と答弁し、検討することさえしないで導入をきっぱり否定されました。しかし、高知県でのバットによる事故でも医師が指摘したように、現在、全国の各自治体でも、1人の生命を救おうと急速に導入が図られています。中野区でも、避難所や多くの人が集まる場所、また、公共施設での救援対策の一つとして導入設置すべきだと思いますが、いかがでしょうか、伺います。
 また、防災ポケットマニュアル作成について、災害時に必要な情報を知るためには、いつでもどこでも見ることができる、持ちやすいポケット携帯版マニュアルが必要だと提案しました。それに対して区は、防災関係機関との調整を踏まえて検討したいとのことでした。しかし、いつ、どこで被災するかわかりません。早急に防災関係機関と積極的に調整し、作成すべきです。また、迅速な行動がとれるように、職員にも持たせてはいかがでしょうか。いつまでにおつくりになるのでしょうか、お聞かせください。
 この項の最後に、防災行政無線について伺います。
 災害が発生したときなどに、各地域の公共施設や公園に設置されているパンザマストのスピーカーから、情報が区民へ最初に伝達されます。デッドポイントや非常に聞き取りにくい場所があります。災害発生時に区民にとって極めて大事な役目をする防災行政無線ですので、早急に調査をし、対策を講じるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか、お考えを伺って、この項の質問を終わります。
 次に、子育て支援について伺います。
 平成15年7月に「次世代育成支援対策推進法」が成立し、各自治体では次世代育成行動計画を策定し、本年4月からスタートしています。子育てと仕事の両立を目指して、この行動計画の最大の柱は、専業主婦家庭を含むすべての子育て家庭を支援することです。
 昨年の第3回定例会で高倉議員は、母親が子育てからリフレッシュするため、保育園で一時預かりを実施すべきだと訴え、その際、子育て応援券とか、子育てリフレッシュ券などを発行してはどうかと提案しました。現在、中野区では全保育園で対応するようにしました。しかし、一時保育として常時受けられる園はわずか2か所だけで、利用が極めて限定されています。他の園では、園児の欠員等がある場合のみ対応するとしています。このような不安定で条件つきの一時保育事業はいかがなものかと思います。次世代育成行動計画の趣旨からしても、公立・私立の全保育園で一時預かり保育がいつでも、どこでも対応できるように拡充すべきだと思います。また、在宅における子育て支援がこれまでほとんどなかったわけですから、無料で利用できる券を発行するなど、目に見える形で支援すべきではないでしょうか、いかがでしょうか。
 また、今後求められる子育て支援策は、育ちゆく子どもの視点、子育てを中心軸に据えた社会のシステムが求められます。つまり社会全体で子育て支援をする「チャイルドファースト社会」を構築しなければならない時代に入ったと言えます。中野区の行動計画にも、こうした趣旨が盛り込まれています。問題は、これをどう実現するかということです。それには、まず行政側の意識を変える必要があります。
 本年2月に、先進的に取り組んでいる神奈川県秦野市の次世代支援行動計画について視察してきました。 素案から本計画までの1年間に、フォーラム及び分科会を5回実施するとともに、担当の職員が、市内にある企業で従業員300人以上の11社、300人以下の21社、合わせて32社すべてに行動計画を説明して回りました。初めは企業側の意識がほとんどなく、なぜ企業が子育てなのかとの疑問が多く出されたそうです。次第に理解され、その後は、企業が中心となって次世代育成支援のシンポジウムが5回も開催するまでになりました。シンポジウムには常に300人から500人の参加者があり、仕事と子育ての両立支援の事例発表などを行うまでになったそうです。まさに子育て支援はまちづくりからと実感してまいりました。中野区として、区民や地域、さらに企業への理解はどのようにされているのでしょうか。説明会などは行っているのでしょうか、伺います。
 ここに福岡市の企業用の説明冊子「少子化ってみんなの問題なんだ。知ってた?」という、これは福岡市の企業に、特に男性の社員の方々に、子育てあるいは少子化の問題を理解を深めていただこうということで、こういう冊子をつくって、大変好評を呼んでいると言っています。こういったリーフレットや漫画の冊子、これを使って理解を深めることも方法の一つだと思いますが、いかがでしょうか。
 また、シンポジウムなどを通して次世代育成への意識や理解を高めることは、大変に有効です。子育てはまちづくりであるという区民の意識を高め、企業や地域などで具体的に支援の事例発表をする機会を設けるべきだと考えますが、いかがでしょうか、お考えをお聞かせ願います。
 次に、乳幼児の事故防止について伺います。
 1960年以降、我が国の小児の死因の第1位は不慮の事故によるものです。国は「健やか親子21」で、この乳幼児の事故は、ここでほとんどが予防可能であり、また、克服すべき問題点として取り組むことを地方公共団体への課題としています。このほど厚生労働省から、「子どもの事故予防のための市町村活動マニュアル」の報告書が出されました。このマニュアルを積極的に活用して子どもを事故から守るために、市町村で効果的な予防活動を期待しています。中野区の支援行動計画の中にも、子どもの事故予防について記載されています。昨年区民に配布された子育て支援ハンドブック「おひるね」にも、ごく簡単な説明があります。しかし、この程度では、子どもの事故防止の啓発にはなりません。
 昨年11月に京都市の京(みやこ)あんしん子どもセンターを見てまいりました。どこの家庭でもある家の中のモデルをつくり、事故の起こりやすい場所をマークし、パネルで展示しています。きょう持ってきました。こういうモデルで、階段のさくだとか、どういうふうに設置すれば事故防止ができるか。あるいはパネルに、玄関ではこういう工夫があった方がいい。あるいは、トイレの洗面所はこういったところに気をつけた方がいい。あるいは、寝室ではこういう事故が多い。こういったパネルで20枚以上使って、事故を起こしやすい状況と、それを防ぐための処置も示してありました。
 私はこれまで何回も、保健所で乳児健診の際に、事故を未然に防ぐための注意や、展示やコーナーを設置するよう提案してまいりました。しかし、具体的な施策は見られませんでした。昨年度から子ども家庭部が設置され、その相談窓口が庁舎の3階にできました。総合窓口の対応もよく、大勢の方が相談に来られています。通路の反対側には保育課もあり、子ども連れも多くいらっしゃいます。その場所で、1人でも子どもを事故から守るため、廊下のパーティションを利用して(仮称)「子ども安心コーナー」をつくってはいかがでしょうか。こういうパネル展示を設置することだと思っています。また、そこで「子ども事故防止のパンフレット」などを作成し、配布してはどうでしょうか。
 さらに、京(みやこ)あんしん子どもセンターには、子どものヘルメット着用の展示もありました。今、大分ふえてきたんですけれども、こうやって子どものヘルメットを真っ二つに切って、中がどうなっているのか、これをつけるとどうなのかという、こういう展示がされていました。また、ママチャリによる事故が多発し、年間2,000人を超える死亡事故が起きています。先日、近所で、ママチャリで後部座席に乗せていた子どもが、自転車同士で衝突した際、投げ出されてけがをした事故がありました。今まで、転ぶとは思ってもいないから、ヘルメットに無関心でいました。しかし、実際事故が起きてみると、ヘルメットの必要性を強く感じたと話していました。東京都も、子ども用ヘルメットを昨年2,000個配布し、普及に取り組み出しました。中野区も、子ども用ヘルメット着用推進への検討をすべきだと思います。さらに、着用を促進するためには助成をするのが効果的かと思いますが、区のお考えをお聞かせ願います。
 次に、妊婦バッジのプレママの普及について伺います。
 妊娠していることをわかってもらうことで、電車の中や混雑した場所でもほっとできるのが妊婦バッジです。公明党は、少子社会対策の緊急提言の一つとして、「妊婦バッジ」の普及を盛り込みました。既に京都市では「プレママ支援事業」として、母子手帳交付申請者にこのバッジを交付しています。千代田区では、民間の「BABY in ME」バッジを購入して、母子手帳交付時に贈呈しています。仙台市では市営地下鉄駅などで販売しております。中野区も、妊婦を守るため、妊婦バッジを母子手帳交付時に贈呈して、安心して過ごせるようにすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 次に、子ども預かり事業について伺います。
 四日市市のシルバー人材センターでは、子育て中のお母さんを応援する事業を行っています。お母さんが疲れたとき、両親が外出するときなど理由を問わず、お子さんの自宅、シルバー人材センター会員宅、あるいは託児会場などでお子さんを預かる事業を行っています。市が、廃園した保育園を提供して託児会場にしています。大変に好評だそうです。
 中野区のシルバー人材センターでも、高齢者活用子育て支援事業として、いわゆる在宅子守を行っています。しかし、四日市市のように場を提供しての事業は行っていません。高齢者がふえ、この事業は拡充できると思います。就労支援と子育て支援を兼ね備えた事業とも言えます。預かり事業については、区が駅の近くの空き店舗や貸し事務所などを提供してさらに充実すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 この項の最後に、私立幼稚園保護者補助金の支給方法について伺います。
 この補助金は半年に1回支給されていますが、支給される期間が余りにも長いので、保育料の補助金として使えないとの苦情が多く寄せられています。もっと早く支給することができないのでしょうか、伺います。
 また、私立幼稚園入園料補助金についても、申請してから約1年もかかるような仕組みは今どきいかがなものかと思います。保護者が入園費を納入する際、補助金を差し引いた額を納められるようにするか、期間を短縮して4月の入園時に間に合うように改善できないのでしょうか、お考えを伺って、この項の質問を終わります。
 次に、地域活性化事業について伺います。
 初めに、NPO・自主団体の支援について伺います。
 私は3年前に、新たな公共の担い手となるNPOなどの支援について、さまざまな視点から質問しました。NPO・自主団体が活動しやすくするために場の提供、これらを支援する組織体制として、市民活動推進室等を設置すべきだと提案いたしました。田中区長は、必要な組織を整備して、NPO等の活動についてしっかり支援すると答弁されました。それから3年経過しましたが、区の取り組みが見えません。
 市川市では、今年度から市民活動支援制度を導入しました。別名1%支援制度といい、市民税の納税者が支援したい市民活動団体を一つだけ選び、その納税者の税額の1%を、選んだ団体の活動支援に充てるものです。この制度の目的は、税金への関心を高めること、市民活動をみずから育て支えることにより、市民に理解され、地域に根づいて発展し、一人ひとりの生活を豊かにすることなどです。この制度を推進しているのが、役所のボランティア・市民活動推進課です。これは、納税者の前年度の市民税の1%に相当する額を市長が定めています。したがって、目的税でもなく、また、市長の予算執行権を侵害するものではありません。昨年12月に条例を制定し、交付申請して選出されたのが81のNPO団体です。約1か月間に5,000名を超える市民が、NPO等にみずからの税を補助したいと申し出がありました。このことは、この制度が市民によく周知され、かつ自主団体への関心が実に高いことを物語っています。注目すべきことは、団体による活動PRです。市の施設を使ってのプレゼンテーション、また、ケーブルテレビやラジオでの活動PRにはほとんどの団体が参加していることです。推進課長は、市民によく知ってもらおうと努力する中で、団体の質の向上が図られ、また、実施する事業も充実してくることを期待していました。この制度は、新しい形のNPO支援、協働やコミュニティ事業のあり方を示唆しているように思います。
 中野区はこれまで、市民の行う公共・公益活動方針や条例の制定を待ってから具体的な支援をするという答弁でした。指針は既に示されました。場の提供は、条例を待つまでもなく、すぐにでもできるのではないでしょうか。これまで企画などを区長部局で行ってきましたが、これからは、具体的な活動を支援するために担当を移して、新たな施策を実施すべきではないでしょうか、あわせて伺います。
 中野区には今、119のNPO・自主団体がありますが、その団体について、これまで区民が身近に知るチャンスがありません。中野区として、市川方式を参考にして、団体などの事業が活性化し、区民が参加できるような検討をしてはいかがでしょうか、伺います。
 次に、地域コミュニティ事業について伺います。
 最近、ふれあい食事サービスのボランティアをしている方からお話を伺いました。その方は、高齢者への弁当づくりや配食に使命を感じ、自分も生きがいを持って一生懸命に取り組んできた。しかし、スタートしたときから見ると、ふれあい給食をしているボランティア団体は半減し、新たに引き継ぐ人はほとんどいません。この人たちが希望を持って続けられる方法はないのでしょうかと、深刻な内容のお話でした。
 市川市は、地域コミュニティの再生、地域経済の活性化、地域雇用の創出を目的として、住民基本台帳カードを活用し、国のモデル事業として、昨年の12月から2か月間、地域通貨の実証事業を行ってきました。防犯パトロールや清掃活動などのボランティアをすると、その対価としてポイントが取得でき、住基カードに蓄えられる方式の地域通貨を活用しています。そのポイントを使ってお菓子などを買って、活動の反省会が大いに盛り上がっているそうです。また、買い物、施設の入園料に使用できます。この地域通貨は、ボランティア活動をしている人たちにとって身近な存在で、また、このことが励みにもなり、実に有効な事業ではないかと思います。
 中野区では現在、防犯パトロールや元気でねっと事業にボランティアの方が取り組んでいただいています。そして、活発に活動を行っておられます。私は、ボランティア活動を続けるためには、楽しく、そして励みになるようなものが必要ではないかと思います。こうした皆さんが、ボランティアを続ければ続けるほど楽しみが膨らむような取り組み、例えば地域通貨やお財布カードなどを取り入れてみてはいかがでしょうか、お考えを伺って、この項の質問を終わります。
 次に、食育の勧めについて伺います。
 ことしの2月、私は、食生活・健康ジャーナリストの砂田登志子さんのセミナーに参加してきました。食育についての講演会は初めてでしたので、大変興味深くお聞きしました。私も驚いたんですが、この「食」という字は「人に良い」と書くというんですね。人をよくするのが食だそうです。さまざまなこうした漢字を通し、身の回りの身近な生活の中から、食生活や食文化をわかりやすく教えていただきました。食に関する知識が行動実践を伴う知恵となって、初めて食べ方上手となり、これが「一生の得」になるということです。また、糖尿病などの生活習慣病を早期発見、治療ではなく、予防で対処するための健康づくりがいかに大事であるかについても学ぶことができました。急速に少子・高齢化に突入した今日、最も基本である食について考え直さなければならないと実感してまいりました。
 また、女性の社会進出など社会状況の変化に伴い、特に家庭における子育てで大きく変わったのは、食に関することではないかと思います。私も2人の子どもを育ててきましたが、学齢期を終えるまで、ほとんど家族で外食をした経験がありません。外での食事は何かの記念日ぐらいでした。しかし、近年、ファミレスなどがあちこちにでき、気軽に利用できることもあって、夜遅くまで小さな子ども連れの親御さんを見かけるようになりました。子どもに対して母親の手づくりによる食事や弁当が少なくなり、気軽にコンビニでの食材やファストフード、あるいはスナック菓子で済ませてしまっています。このことで、今まで食を通して結ばれていた家族のきずなが極めて希薄になってしまったと感じています。こうしたことが、子どもの情緒不安などさまざまな問題を起こす原因になっていると思われます。ジャンクフードのはんらんにより、高エネルギー、低栄養が及ぼす影響は深刻で、これは「穏やかな自殺」とまで言われています。
 将来を担っていく子どもたちを育てるためには、まず、お母さんたちや子育てに従事する方、あるいは区民の皆さんへ食育についてセミナーなど開催して、食育の意識をまず高めることから始めてはいかがでしょうか。食育こそ最高の予防医学だと言われます。子育てにおける食について、区はどのような認識を持っているのでしょうか、伺います。
 昨年12月、公明党中野区議団は、民営化した中野みなみ保育園を視察しました。この園を運営しているのは社会福祉法人ユーカリ福祉会で、その理事長代行から、保育は区全体でする時代に入ったこと、また、子育てには食育が大事であることなどを伺いました。この福祉会が運営している東村山市立第八保育園での食農保育の様子をビデオで見せていただきました。食農保育の実践を通して、食べる、耕す、育てる、はぐくむをモットーに、生命(いのち)を学ぶには命(いのち)のあるものから学ぶことが大事であるという保育を行っています。すべての園児がどろんこになって遊んだり、田植えをしたり、野菜を育て、収穫したものをみんなで喜んで食べています。おかまの中に顔を突っ込んで、底に残った御飯粒を一生懸命食べている様子など、実に生き生きしており、見ている私まで元気になりました。食農保育は、園児だけではなく、家庭や地域まで明るい影響を与えています。
 また、先月13日に、総合学習の時間を使って食育科授業に取り組んでいる愛知県の西尾市立寺津小学校を視察してきました。同校では、隣接する中学校とともに、小学1年生から中学3年生まで小・中一貫教育の指導要領を作成し、平成16年度に食育科が新設されました。児童・生徒が食べることへの感謝がない、好き嫌いが多い、食事を残す、つくれないなど実態を踏まえ、正しい食事のあり方や望ましい食習慣を身につけ、食事を通してみずから健康管理ができることを食育科の目標としています。食育科の授業は、学校給食を生きた教材として使い、担任教諭と栄養職員とのチーム・ティーチングで取り組んでいます。食物の栽培、調理活動の実践に親子で取り組むことによって、保護者の意識を高め、家庭における食生活の改善を図っています。実施してわずか1年で、学校においては給食の食べ残しがなくなった。因果関係が明確ではないとの前置きがありましたが、不登校児がいなくなったこと、子どもに落ちつきが出てきたそうです。学校の食育授業で家庭の食事の栄養バランスまで改善され、さらに、児童・生徒のつくったレシピが町のスーパーの店頭に並べられ、地域の皆さんにもこの食育科の取り組みが周知され、大変よい影響を与えております。
 今、国会で食育基本法が審議され、食育に関する法整備が進められています。この中で、市町村食育推進計画を作成するよう努めなければならないとあります。そのために、食育の環境づくりとしての意識の啓発が必要です。生活習慣病予防は幼児期からとも言われています。中野区の次世代育成行動計画には、食育の推進として、より体系的な取り組みを進めるとしていますが、具体的にはどのような施策をされるのでしょうか、伺います。
 例えばその一つの方法として、中野区の子どもたちの食生活のアンケート調査をしたり、食育についての絵本を保育園、幼稚園、学校など子どもたちの目に触れるようにしてはいかがでしょうか。さらに、食育を保育園や小学校などでモデル事業として行ってはいかがでしょうか、あわせて伺います。
 学校教育法が改正され、学校における食育の推進を図るため、栄養教諭制度が創設され、すべての学校に置くことができるようになりました。学校教育現場の中で、子どもたちに食事や栄養の必要性を教え、伝えていく上で重要な役目だと思います。栄養教諭の今後の授業の取り組み方や対応についてどのように検討されるのかを伺って、この項の質問を終わります。
 最後に、その他の質問について3点伺います。
 初めに、住民基本台帳閲覧制限について伺います。
 住民基本台帳の閲覧を制限する動きが全国の自治体に広がっています。「何人でも閲覧請求ができる」とされ、現在、原則公開となっている法律のため、住民基本台帳の閲覧による個人情報の流出が社会問題となっています。そもそも法が住民基本台帳の公開を原則としたのは、これを公開することによって、不正転入や架空転入を防止しようとしたからであり、また、制定当時においては、記載事項に基本的個人の秘密に属するような事項は含まれていないと考えられたためであると言われています。
 しかし、社会状況は当時と比べ大きく変化しています。中野区のような都市部において、台帳閲覧を公開しても、不正転入や架空転入を防ぐことはできないと思います。16年度、中野区の虚偽による転出・転入・転居の届け出件数は、判明した分だけでも24件もあります。台帳閲覧によって、もはや不正転入や架空転入を防止できないことは明らかで、当初の公開原則のねらいは的外れになっています。その一方で、ことし4月から施行になった「本人の同意なく第三者への個人情報提供を禁じた」個人情報保護法は適用されない点とも矛盾が起きています。既に、この制度を利用した悪質な犯罪も出てきています。愛知県がことしの3月に強制わいせつ容疑で逮捕した男は、役所で台帳を見て、父子家庭で一人っ子の女の子をねらったことが判明しました。このケースのように、虚偽の目的で閲覧できる場合もあり、悪用される可能性が指摘されています。
総務省も、住民基本台帳の閲覧制度の見直しを議論するため、学識経験者等による検討会をこの5月に発足させました。今、区民の個人情報に関する意識は大変高まってきております。中野区もこうした背景を考慮してか、ことし7月1日から事務手数料条例改正で、公簿の閲覧を30分1,000円から3,000円に改正します。しかし、手数料を値上げすることだけでは、個人情報を守ることは決してできません。閲覧件数の制限をすることや、中野区のように手数料を高額化した自治体もふえてきましたが、抜本的な解決策にはならないと思います。
 昨年、熊本市が条例を制定し、ことしになって萩市、佐賀市も制定しました。中野区では住基ネットの切断など、区民への個人情報を守ることに先駆的に行った経緯があります。中野区においても、個人情報を守り、犯罪の誘発を防ぎ、悪質な消費者トラブルを防ぐためにも、条例を制定し、閲覧目的をさらに限定したり、不特定多数の住民情報の閲覧請求を規制すべきではないでしょうか。区長のお考えをお聞かせください。
 また、近年、特に若者をねらった架空請求や振り込め詐欺等で被害を受けている実態が新聞等で大きく報道されています。私も先日、近くに住む青年から相談を受けました。インターネット使用の費用について裁判所から高額の支払い命令が出て、いついつまでに銀行に振り込んでくださいというものでした。大変慌てた様子が電話でも伝わってきました。それはおかしいと直感し、一つひとつをチェックし、事なきを得ました。悪質商法も年々急増しています。その対処法として、まず、すぐ相談できることが大事なことだと思います。横浜市消費生活総合センターでは、「若者110番」を一昨年から実施しています。相談件数は前の年よりも倍増しています。悪質商法等に関する知識も乏しく、相談の仕方さえわからない若者への消費者の意識啓発、相談窓口の普及も含めて取り組んでいます。港区も先月、こうした若者を対象にキャンペーンを実施しました。中野区では特に単身世帯が多く住んでおり、若者への対応は必要と思います。日中、時間がとれない場合が多いと思いますので、相談窓口の時間帯も延長して、若者のための相談コーナーを月1回とか2回、こうした制度をつくってはいかがでしょうか。今年度予算には相談事業拡充のため増額したわけですから、若い世代を対象にした事業を行ってはいかがでしょうか、お考えを伺います。
 最後に、知的障害者通所更生施設の支援について伺います。
 先日、都政新報に、障害者自立支援法案に対して東京都の見解が出ておりました。その中で、国は自治体が申請する障害者施設の国庫補助について、新規採用は各都道府県当たり2件程度に絞る考えを示したことについて、「サービス基盤の整備について財政支援が不可欠」と批判が出ていました。これが適用されると、中野区が今年度建設予定の知的障害者通所更生施設等は大変困難な状況になってきます。長年の要望であったこの施設ができなくなることは大変打撃です。
私たちは何としても計画を進めたいとの思いで、高倉議員を中心に厚生労働大臣に対して要望書を提出してきました。区民の念願である2か所目の知的障害者通所施設を実現させるためには、国の支援がどうしても必要だと訴えてきました。西副大臣は、「東京都ともよく相談し、検討する」と言っていましたが、区としては今後どのような決意で臨まれるのか、御見解を伺います。
 以上ですべての私の質問は終わります。ありがとうございました。
      〔区長田中大輔登壇〕
区長(田中大輔) やながわ議員の御質問にお答えをいたします。
 環境保全についてであります。
 京都議定書の発効でありますとか、東京のヒートアイランド現象の問題を踏まえて、区のこれからの環境施策がますます重要となってくるとの認識のもとに、これから環境施策の体系を再構築していくという考えを持っております。この作業に当たって、課題整理などに幅広い意見を反映させるために、区民、事業者、NPOなどと議論できる場を設けていきたいと考えております。
 また、蛍が生息できる環境の整備、あるいは自然環境の保全、あるいは自然エネルギーの活用、さまざまな環境施策を実際に区の中で展開していくということに当たって、区民が直接参加をする。例えば施設、蛍が生育できる環境といったようなことであれば、その整備や維持について区民が参加をするといったようなことも有意義であるというふうに考えております。そうしたことについても、区民の皆さんと議論をできるような場の中で議論をしていきたいと考えています。
 それから、環境学習の拠点ということでの御質問です。
 ビオトープそのものを対象とするセンター的な機能というのを現在想定していることはありません。しかし、(仮称)北部防災公園の中には、園内の植物や野鳥、昆虫などの観察でありますとか、自然環境についての学びの場となる、そうした学習室スペースを管理棟の中に予定しているところであります。
 それから、平和のメッセージ集についてであります。
 区では、ことしを戦後60年、被爆60年の節目の年として、平和の意義を語り継ぐためにさまざまな事業を予定しているところであります。特に戦後60年平和記念事業として、区民に平和事業の企画提案を呼びかけたり、事業の運営を区と協力して行ってもらうなど、区民参加で中野から平和の意義を発信する取り組みを行うことにしているところです。
 また、これまで平和を記念する絵や絵手紙などの作品展の開催や、ホームページ上のバーチャル平和資料館への作品掲載を行ってきたところでありますが、今回は多くの区民に平和のメッセージが伝わるよう、俳句、川柳などさまざまな文芸作品についても募集をすることとしております。
 女性を中心とした防災の会議体についてであります。
 防災会議は、各防災関係機関の長が委員となって構成されている。このことから、女性委員の比率を高めることが大変難しい状況にあります。防災会議以外の会議体としては幾つかあるわけですが、防災住民組織の代表を構成員とする防災対策連絡協議会や避難所運営会議などがあります。これらの会議体の委員構成を女性の比率が高まるように努力すると同時に、さまざまな機会をとらえて、御指摘のありましたような女性の立場からの防災対策の御意見、これを受けとめるようにしていきたいと考えています。
 それから、一たん災害が起きたときの避難所生活、その中での聴覚障害者の方のコミュニケーションの問題ということについての御質問がありました。
 災害要援護者の対応マニュアルというのがあるんですが、今年度、これの見直しを行う。このときに当たりまして、聴覚障害者の方々と話し合いの機会を持ちまして、その中で、どういう具体的な対応がいいのか、詳しく話し合いをしながら対応策を検討していきたい、そう考えております。
 それから、防災ポケットマニュアルについてです。
 さまざまな分野にわたる防災行動マニュアルを常時確認できるようにする、このことが必要と考えておりまして、掲載情報を精査して、携帯が可能なポケットマニュアルを作成して、防災住民組織や職員へ配付することということで、今年度内の事業の中で実現するよう検討しているということでございます。
 それから、防災行政無線のことであります。
 御指摘の中にありました固定系無線のスピーカー、これは地形や気象条件、また家屋の位置関係など、条件によってさまざまに聞こえが、よく聞こえるというよりは聞こえが悪い状態である、さまざまに聞こえる状況であるというような指摘をされているところであります。
 今年度、CTNの区民チャンネルを活用して、風水害時の防災情報を提供するシステムを導入したいというふうに思っております。あわせて、区議会を初めとして、防災関係機関や地域防災住民組織の代表者の方などを対象に、携帯電話のメール機能を活用した一斉防災情報伝達収集システムの運用を開始する予定ともなっております。
 こうしたさまざまな方法・手段を活用しながら、防災行政、固定系無線のスピーカーの聞こえの問題といったようなことを補完しながら、的確に情報が伝達できるように努めてまいりたい、このように考えております。
 私からは以上であります。その他については、それぞれの担当の方からお答えをさせていただきます。
     〔保健所長清水裕幸登壇〕
保健所長(清水裕幸) 自動体外式除細動器(AED)の導入についてのお尋ねにお答え申し上げます。
 本年度中に東京都から各区市町村に、自動体外式除細動器、AEDと略しますが、一組、無償譲渡されることになってございます。本区におきましても、この譲渡されましたAEDを本庁舎内に配置することを予定してございます。
 しかしながら、心停止の救命には、機器を整備することだけでは十分ではございません。迅速で的確な基本的な心肺蘇生措置のもとに、心室細動がございますれば、除細動を十分に行うなどのことが大変重要になってきます。したがいまして、蘇生法全般の普及啓発が非常に重要でございます。こうした点に努めてまいりたいと、かように考えてございます。
   〔子ども家庭部長田辺裕子登壇〕
○子ども家庭部長(田辺裕子) 私からは初めに、防災対策の充実につきまして、女性の視点から防災・災害復興の考えを持つべきではないかというお尋ねにお答えをいたします。
 中野区におきましても、男女共同参画基本計画を推進していく中で、女性の視点からの要望などを十分把握しながら、防災・災害復興の対策についての検討を行ってまいりたいというふうに考えております。
 続きまして、子育て支援につきまして、一時保育事業についてのお尋ねがございました。
 今年度から始めました、在宅で乳幼児を育てる保護者の方がリフレッシュなどの理由で利用できる一時保育事業につきましては、子育て支援のための重要な事業であるというふうに認識をしております。この事業が区民の方々に十分周知をされ、利用されるものとなるよう、今後も工夫をしてまいりたいというふうに考えております。
 御提案がありました一時保育事業の拡充でありますとか、無料の利用券の発行につきましては、今後、申し込みの状況でありますとか、利用の状況を見ながら検討してまいりたいというふうに思っております。
 また、あわせまして、高齢者によります託児会場を使いました子どもの預かり事業につきましては、この一時保育事業の運用状況を踏まえた上で、シルバー人材センターともお話をしながら、考え方を整理してまいりたいというふうに思っております。
 続きまして、次世代育成支援行動計画の周知につきましてお尋ねがございました。
 地域全体で子どもや子育て支援の取り組みを進めていくことは、区としても重要な課題でございまして、機会あるごとに、安心して子どもを産み育てられる地域となりますよう、区民や事業者への働きかけを行っていかなければならないというふうに思っております。
 そのために、今般策定をいたしました次世代育成行動支援計画につきましては、冊子の配布でありますとか、関係機関への説明など、その周知を現在行っているところでございます。また、あわせて、現在作成をしております概要版につきましては、イラストなどを入れまして、わかりやすく読みやすいものとしていきたいというふうなことで準備を進めております。
 お尋ねがございました、事業所に対する取り組みでございます。情報提供ですとか、啓発活動というようなことは重要であるというふうに認識をしておりまして、現在、一般事業主の行動計画の策定の状況につきまして、区内の事業所へ調査を実施しているところでございます。
 さらに、行動計画の周知を図るために、児童福祉週間キャンペーン事業といたしまして、5月に「子育てEnjoy能力のすすめ」と題しました講演会を実施いたしました。地域全体で子育てを支援する機運を醸成していくためにも、引き続きこうしたキャンペーンを行っていくことが大切だというふうに考えております。その中で、御提案のありました妊婦バッジにつきましても、取り組みの中で工夫の一つとして検討していきたいというふうに考えております。
 続きまして、乳幼児の事故防止について、子どもの安心コーナーという御提案でございました。
 事故防止につきましては、保護者の日ごろの注意や工夫、心がけにより、不慮の事故を未然に防ぐことができるというふうに考えておりまして、非常に大切だというふうに思っております。そのため、区といたしましても、御質問にありました「おひるね」以外にも、健診の際に各種刊行物で呼びかけなどを行っておりますが、御提案をいただきました、子ども総合相談窓口の場所を活用いたしましたパネル展示など、今後も効果的な啓発活動に努めてまいりたいというふうに考えております。
 さらに、子ども用ヘルメットで子どもの事故防止についての御質問がございました。
 乳幼児の親子の自転車事故につきましては、まず、保護者の交通安全に対する意識啓発を図ることが重要だというふうに考えております。さまざまな広報媒体により情報提供に努めますとともに、交通安全事業などの機会を通じまして、積極的に啓発に取り組んでまいりたいというふうに考えております。子ども用のヘルメットにつきましては、成長に合わせまして順次大きなものにしていくというような必要もございますので、基本的には御家庭で御用意をしていただければというふうに考えております。
 さらに、私立幼稚園の園児の補助金でありますとか、入園料の補助金のお尋ねがございました。
 こうした補助金につきましては、その交付に当たりまして、入園や通園をしているという状況を確認する必要がございまして、私立幼稚園で手続の期間が必要となってございます。しかし、現行の交付時期を少しでも早める工夫ができないかというようなことにつきまして、区の事務処理のあり方を検討する一方で、私立幼稚園の方々とも十分御相談をしたいというふうに考えております。
 食育の勧めについて、もう一つ御質問いただいております。食育の啓発と子育てにおける区の認識というお尋ねでございました。
 子どもたちが健やかに成長していくためには、よりよい食生活習慣が最も大切である。また、健康を守る一番の基本というふうに考えており、そのために、子育てにおける食への啓発は大変重要な課題だというふうに認識をしております。御質問の中にありました具体的な施策といたしましては、保育園におきまして、これまでも各月齢・年齢別の食育に取り組んできているところでございますが、昨年3月に厚生労働省から通知をされました「保育所における食育に関する指針」に基づきまして、食育についてさらに拡充をしていきたいというふうに考えております。また、学校におきましても、学校給食の場などにおいて、児童・生徒に食の楽しさ、大切さなどを学ばせる食育につきまして取り組んでいるところでございます。こうした取り組みを今後もさらに推進してまいりたいというふうに考えております。
 そのほかにもさまざま食育に関する具体的な御提案をいただいております。区立保育園でありますとか、区立の小・中学校では、今お話ししましたような取り組みも行っているところではございますけれども、さらに充実を図ってまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。
     〔区長室長寺部守芳登壇〕
区長室長(寺部守芳) 地域活性化事業についてのお尋ねにお答えをいたします。
 まず、(仮称)NPO活動センターの設置でございます。市民の行う公共・公益活動支援方針で示しているところでございますが、現在、その機能や開設場所についてさらに検討しているところでございます。
 それから、区民の公益活動を支援する区としての組織でございます。現在、区長室が区民の公益活動推進の仕組みづくりを所管しております。実際に推進する段階では、区民活動を支援する部門が取り組むことが適切であると考えておりまして、具体的な体制につきましては、今後さらに検討してまいります。
 それから、区民の公益活動の場を広げるような取り組みを検討ということでございますが、区民の公益活動の特徴が生かせる分野につきましては、委託を進めることや公募による事業提案制度なども検討しているところでございます。
    〔保健福祉部長菅野泰一登壇〕
保健福祉部長(菅野泰一) 地域活性化事業について、ボランティアのポイント方式などをとったらどうかという御提案でございました。
 ボランティア活動を活性化する手段といたしまして、地域通貨やポイント方式が効果があることは認識しております。区といたしましても、今後検討してまいりたいと思っておりますけれども、例えば地域通貨につきましても、市川市の例のように、住基カードを活用して行政主導で実施するものや完全に民間主導で行われているものなど、さまざまでございます。地域での支え合いを進行していく上でどういう手法が適当かにつきまして、十分研究してまいりたいと考えております。
 それから、知的障害者の通所施設整備につきましてでございます。
 障害者施設整備の国庫補助につきましては、さまざまな情報から、大変厳しい状況にあると考えております。予定しております障害者施設につきましては、区として必要なものと考えておりまして、整備が実現できるよう引き続き努力してまいりたいと思っております。
  〔教育委員会事務局次長金野晃登壇〕
○教育委員会事務局次長(金野晃) 私からは、食育の勧めについてのうち、栄養教諭制度の創設に伴う対応についてお答えいたします。
 法の改正で置くことができるようになりました栄養教諭につきましては、県費負担教職員ということでございますので、都の人事権の中で判断されるものでございます。現在、都はまだ栄養教諭を採用しておりませんので、今後の動きを把握してまいりたいと思います。
 食育の推進体制といたしましては、区では栄養士を全校に置き、学校給食を通して児童・生徒の食育に努めているところでございます。
    〔区民生活部長本橋一夫登壇〕
区民生活部長(本橋一夫) 住民基本台帳のリストの大量閲覧の制限についてのお尋ねがございました。
 住民基本台帳法が制定された当時とは社会状況が大きく変化しており、閲覧制度については見直しがなされるべきだというふうに認識をしております。区では、住民基本台帳の閲覧に関しましては、昨年3月に「中野区における証明書の交付等の請求及び届出に係る本人確認等に関する条例」を定めまして、不当目的と思われる閲覧については拒否できることといたしました。また、大量閲覧抑止のため、本年7月より閲覧手数料を値上げすることとしております。さらに、本年4月より、閲覧業者の過去の行政処分の有無や、プライバシーマーク認証取得の有無の確認、また、会社の登記簿謄本の提出を求めるなど、審査を厳しくしたところでございます。
 国の動向についてですが、御質問の中にもありましたように、現在、総務省において、有識者による住民基本台帳閲覧制度等のあり方に関する検討会が設置され、法改正を視野に入れて、ことしの10月をめどとして報告書がまとめられる予定と聞いております。今後、国の検討状況の進捗を見ながら、区として可能かつ有効な対応を検討してまいりたいと考えております。
 次に、消費者相談の充実の件でございます。
 近年の相談件数の増加に対応するため、本年度に相談員を増員いたしまして、昼休み時間帯も相談にこたえるなど、相談業務の強化・充実を図っているところでございます。また、被害の未然防止を図るために、啓発チラシの発行や、学校などへ出向いての消費者講座を開催するなど、啓発活動に力を入れております。
 土・日の週末の相談につきましては、日本消費生活相談員協会などの窓口をPRしております。相談窓口の時間帯のさらなる延長による相談コーナーの設置等につきましては、相談の動向を十分見きわめながら検討してまいりたいと考えております。
     〔やながわ妙子議員登壇〕
15番(やながわ妙子) 何点か再質問させていただきます。
 先ほど地域活性化事業ということで、NPOの推進方を今まで、3年も前から提案をし、そして、ここで質問してきたんですが、また今回の答弁でも検討をしたいという。多分かなり煮詰まってきているとは思いますが、それじゃあ、いつまでに結論を出して、私たちの前にその場、あるいはそうしたセクション、こういう方向で進めていくんだと、見える形でもう示さないといけない時期になっているんじゃないかと。ですから、どこまでの検討、いつまでにそういうふうにするのかということを明確にお答えいただきたいと思います。
 もう1点、自動体外式除細動器、AED、東京都から無料で1台いただけると。区役所の中に設置すると。無料は無料でいいんですけれども、そうじゃなくて、先ほど保健所長は、さまざま心肺蘇生術だとか、いろんなことをやってから、あるいはそういう要請をしてからとか、そんなふうに聞こえたんですけれども、私は、機器があってそれがなされれば、効果が出てくる。機器が区役所に1か所しかないというんじゃ、いざとなったら使えないわけですので、そういった、無料でいただけるほかに何台かつけるぐらいの前向きな姿勢がなくてはいけないんじゃないかと。これは、やっぱり事は命にかかわることですので、その辺、もう一歩踏み込んだ考え方で取り組んでいただきたい。どうなのかと伺いたいと思っております。
 あと、住民基本台帳閲覧なんですが、さまざま今、部長のお話を伺いますと、区も努力されているんだなと。そこまで努力されているんなら、あともう一歩踏み込んだ決断で、この閲覧、制限できるんじゃないか、あるいは条例制定できるんじゃないか。部長の話を聞くと、さらにそういう意識が高まったんですが、もう一歩の踏み込みができないものなのか、再度伺います。
 以上です。
     〔区長室長寺部守芳登壇〕
区長室長(寺部守芳) NPO活動センター、いつまでに見える形でというお尋ねでございます。
 今、検討につきまして詰めを行っておりまして、何月という数字まではお示しできませんですけども、できるだけ早く見える形を示していきたいというふうに考えております。
     〔保健所長清水裕幸登壇〕
保健所長(清水裕幸) 体外式除細動器の再度の御質問にお答え申し上げます。
 まず、誤解と申しますか、多少の医学的なベースを申し上げますと、この除細動器そのものがきちんとした救急蘇生措置のもとに実施をして、初めて効果が上がるという、そういう状況がまず1点ございます。したがいまして、これをきちんと使うには、蘇生法そのものが十分に駆使できなければ効果は上がらないという、この1点がございます。
 それから、もう1点は、区役所、区有施設そのものが、いわゆる病院ではございませんので、どれだけの頻度があるか、こういった点も十分に踏まえた上で機器の配置状況を勘案しないといけないと、こういった状況がございます。少なくとも毎年こういった事例があるというふうには私ども認識しておりませんので、その辺を含めて機器の整備については十分検討してまいりたいと思います。
    〔区民生活部長本橋一夫登壇〕
区民生活部長(本橋一夫) 住民基本台帳の大量閲覧の制限についてでございますが、区の仕組みをつくりまして、また国の方の制度によって見直しというようなことになりますと、ちょっと混乱もすることも予想されます。国の方でもかなり課題認識を持っておりまして、そう遠からず法改正の大綱が示されるというふうに見込んでおりますので、その動向を見ながら検討してまいりたいと考えております。
○議長(高橋ちあき) 以上でやながわ妙子議員の質問は終わります。

 中野区議会議員 池 田 一 雄
 1 区長の政治姿勢について
 (1)警察大学校等跡地の利用計画について
   (ア)計画の問題点について
   (イ)環境保護について
   (ウ)住民参加、パブリック・コメント等について
 (2)都区財調について
 (3)サンプラザに対する監査について
 2 震災対策について
 3 新井学童クラブの待機児問題について
 4 中学校の知的障害学級の増設について
 5 その他

○議長(高橋ちあき) 次に、池田一雄議員。
     〔池田一雄議員登壇〕
○42番(池田一雄) 2005年第2回定例会に当たり、日本共産党議員団を代表し、区長並びに理事者の皆さんに質問します。
 最初に、区長の政治姿勢として、警察大学校等跡地の利用計画問題とその不十分な住民参加、区民不在の計画づくりについてただした後、サンプラザへの区の監査をどう進めるのかについてお聞きします。さらに、震災対策、新井小学校の学童クラブでの待機児問題、中学校の知的障害学級を中野北西部に増設することや、その他では、学校内の防火シャッターによる事故の防止などについて、順次質問をしてまいります。
 まず最初に、区長の政治姿勢についてお聞きします。
 都市再生型大規模開発である警察大学校等跡地利用計画についてお聞きします。
 この問題は、基本構想でも10か年計画でも最も規模の大きい計画であり、区民の生活と環境に与える影響は極めて大きなものでありますから、これについての区長の考えは、その政治姿勢の中でも際立って重要なものとなります。
 5月9日の警察大学校等跡地整備特別委員会で「中野駅周辺まちづくり計画」が報告されたことをもって、警大跡地の地区計画を都計審に諮ることができると区は主張しています。しかし、そもそもなぜ警大跡地を大企業に売り渡し、貴重な区民の財産を民間ディベロッパーの手に渡さなければならないのかという根本問題について、区民が納得できる説明を区長はいまだにしていません。
 警大跡地は区民にとってかけがえのない緑の広場です。樹齢100年、200年という大木を含め、1,200本もの国有財産台帳に記載された樹木が生い茂っている貴重な緑の空間です。中央防災会議がその被害想定で最も危険な地域の一つとして挙げている中野、杉並10万人の区民の命を震災から守る緑豊かな防災公園として、その大部分を残してほしいと中野・杉並区民が強く要求している緑地です。
 その貴重な空間にNTTドコモビルのような超高層ビルを建ち並べ、防災公園はわずかに1.5ヘクタールの面積に抑え、高層建築物優先の街区をなぜつくるのか。超高層ビルの日影になる広場は、火災旋風を呼び込む危険な避難場所となる可能性が指摘されていながら、なぜ絶対安全と言い切るのか。豊かな広葉常緑樹いっぱいの「中野の森」ができれば、地球温暖化を防ぐことになり、緑の効用を最大限発揮させて、ヒートアイランド現象の強い中野の中心部の気温上昇を抑え、区全域にも影響を与えられるのに、なぜその方向へ進めないのか。
 全体14ヘクタールの7分の1の2ヘクタールでしかない焼却型清掃工場が計画中止されたからといって、なぜ10年間もかけて区と区民の協働の作業でつくってきた「2001年警大跡地利用転換計画」を投げ捨て、全体を見直しの対象とするのかなどなど、私たちが繰り返し指摘してきた問題にまともに説明のつく回答をしてきませんでした。500数十件にもなるパブリックコメントの指摘や、100件にも上る陳情で示されてきた区民の怒りにも見える声にどうお答えになるのですか、お聞きします。
 大体、この計画はとても計画などとは言えない代物です。まず、都市開発の計画なのですから、その内容が具体的に区民に示され、計画が実行された場合、どのような影響を周辺住民や区民の生活に引き起こすのかが理解できるようなものでなければなりません。ところが計画は、建物の種類や位置、高さ、容積率や建ぺい率、オープンスペースの位置、面積、あるいは樹木・緑についての配置・容量など、区民が一番知りたいことが何一つきっちり示されていません。
 しかも、それらをあいまいにしたまま、都市計画審議会において「地区計画の方針」なるものを決定し、その方針に基づくとして民間の開発業者との協議を進め、彼らの意向に沿った具体的な計画を「地区計画の整備方針」の中で決定していこうとしています。計画の詳細が決められる際は、議会も住民も場外に置かれたままで、わずかに公告縦覧などの機会に、決定事項について制限的に意見を求められるにすぎません。
 区が採用しようとしている「再開発等促進区を定める地区計画」、これは民間開発者等の意向に基づき、段階的に計画の内容を決定できるという、業者にとっては極めて有利なやり方です。このようなやり方でどんどん進められてしまっては、住民には一体何ができるのか。終わってからでないと、どんな町になるのか見当もつかないことになります。
 このように計画の内容が抽象的で、かつ事業のやり方を企業サイドで決めることを許す「まちづくり計画」は、とても計画と言えるようなものではありません。
 警大跡地以外の駅周辺まちづくりもあいまいな内容のものばかりで、計画の説明を受けた都市計画審議会の学識経験者の委員からも、「何が書いてあるのか、何をやるのかが非常にわかりにくい構造になっている。これだけ見せられて、どんな町ができていくのかイメージがつかめない」と指摘をされています。
 このような計画とは言えない代物を計画と決定したのはなぜですか。
 警大跡地の大規模開発計画の進め方は、今、山手線沿線を中心に進められている東京都の都市再生路線による大規模再開発の手法とよく似ています。幾たびかの法改正により、公の事業主体や民間事業者にとって非常に有利となった再開発手法を上手に使い、住民が反対する間もなく、超スピードで進められているのが都内の都市再生型大規模再開発です。
 都は都市再生路線に基づいて、石原都政のこの5年間で巨大ビル50棟をつくり、床面積で507ヘクタール、東京ドーム109個分をふやしてきました。その一つである新宿・西新宿地区では、現在、事業進行中の再開発ビルの延べ床面積の合計は34万5,404平方メートル(34.5ヘクタール)、敷地合計でいえば4万4,248平方メートルにもなります。現在、都市計画決定作業中などのものが4地区、合計敷地面積でおよそ13.5ヘクタールとなり、完成すれば、床面積は100ヘクタールを超すのではないかと思われます。
 中野の隣の地区でこれほどの再開発が進行、あるいは進行しようとしているのです。そこから考えられるのは熾烈な顧客争奪戦です。GDPにおいて年々減少する一般国民の消費購買力では、つくり過ぎた巨大空間を埋めることはできません。結局、現在、都内の都市再生ビルをめぐってすさまじい投機競争に走る日米金融資本など、内外の投機的資本の活躍する場となるでありましょう。しかし、これからの景気を考えれば、そんなことが長続きしないことは専門家も指摘しています。そんな火中に飛び込む必要がなぜあるのでしょうか。
 警大跡地で区が進めようとしている大規模開発は、膨大な基盤整備費を投入しなければならないことが予測されます。なぜ大企業の利益にもつながる大規模開発のために税金を投入しなければならないのでしょうか。強大な競争相手が至近の距離に、目もくらむような壮大な都市再生ビル群をつくりつつあるときに、なぜ中野区民にとってかけがえのない貴重な緑の公共空間を提供して、過酷な競争に参入しようとするのか、明確な答弁を求めます。
 さらに、民間の力を借りようと、自らの負担で建てようと、超高層ビルを林立させることは箱物建設そのものではないでしょうか。3年前の区長選挙の際、箱物づくりを拒否して有権者の支持を得ながら、区長になったら箱物づくりに走るのでは、公約違反となりませんか。そのこともあわせてお伺いします。
 超高層のまちづくりが東京の環境に重大な影響を与えていることは、昨年の夏、汐留再開発の超高層ビル群がつくる高い壁が東京湾の海風を遮り、その風下側の地域に猛烈な暑さを生じさせたことにあらわれています。ビル群から吐き出される膨大な熱量とビル群に寄ってくる自動車排気ガスは、地球温暖化を促進させています。小・中学校のエアコンの排気熱などとは比較にならない膨大な熱量を排出する超高層ビルは、東京の温暖化を進める主要な原因となっています。
 京都議定書実践における日本の役割は大きなものがあります。地球温暖化ガスである二酸化炭素ガスの排出量を減少させるために、日本は積極的な役割を果たさなければなりません。発生源を抑制することとともに、二酸化炭素ガスを吸収する樹木、とりわけ常緑の広葉樹の森をつくることの重要性が叫ばれています。針葉樹の3倍のガス吸収力を持つ広葉樹を中心とした東京の鎮守の森を守っていこうという運動も起きています。
 警大跡地に少なくとも4ヘクタール以上のうっそうとした「ドングリの森」がつくられれば、火災に強いその特性から、いざというときには住民の命を守り、常には温暖化ガスを吸収し、その影響は全区に及ぶことは間違いありません。超高層ビル群の谷間にできる、体裁のよく見栄えのするような、都内の都市再生ビルの町によくあるような小規模な木々の緑では、今申し上げたような役割を果たすことは難しいでしょう。超高層ビルのまちづくりをやめ、緑豊かな防災公園をとの区民の声に耳を傾けて、計画を変更するおつもりはないか、お聞きします。
 計画を裏付ける財政計画が全くないのはなぜか、お聞きします。
 「中野駅周辺まちづくり計画」の中で、当面事業が実行されると思われるのは警察大学跡地と言えますので、これについての財政問題について問いたいと思います。
 特別委員会の審査の中で、計画を進めるための財政問題は一切報告されませんでした。幾ら問いただしても、全く抽象的な答えに終始しました。これだけ巨大な開発に、お金の計算なしに無手勝流で臨もうというのは前代未聞です。
 一体幾らお金がかかるのかわからないと言いながら、区にはお金がないから民間に開発をしてもらうと説明するのは矛盾しています。民間を入れた計画の方が、区が直接整備するより、このような根拠で安くできるということの説明なしに、民間開発方式を選択する有利性を説明できないではありませんか。
 区が選んだ道が、区の負担が少なく、かつ区の計画しているまちづくりを実行していく上で最良の道であると考えるなら、その財政負担の見通しについて区民に示すことは、説明責任を果たす上でも、今後の区財政を見通す上でも必須のことではありませんか。
 特別委員会では苦し紛れか、わかるものについては10か年計画で示したいとの答弁がありましたが、現時点では財政計画を示すこともできないまま計画を決めたことになり、とてもまともな自治体のやることとは思えません。一体幾らかかるのですか。かつて都は、臨海副都心の計画をぶち上げた際、都民には1円も負担させないと豪語しましたが、石原都政の5年間だけでも既に2兆円の都民負担となっています。そのようないいかげんではない数字を発表してください。
 まちづくりの理念・方法をそのときそのとき適当に操っていることについてお聞きします。
 前区長の時代には、中野のまちづくりをどう進めるかについて、長期間にわたって区と区民は検討を進めてきました。その成果が「都市計画マスタープラン」「警察大学等跡地利用転換計画」「緑の基本計画」などに示されています。しかし、田中区長は、これらの成果をじっくりと認識することなく、例えば清掃工場が建設中止になったことなど、ごく一部の事情が変わったことを理由に全体計画を無理やり見直ししました。
 しかし、なぜそうするのかということについて、区民が十分理解できるような理由を示すことはありません。説明責任を果たしていないと言えます。何よりも、十分時間をかけて区と区民の協働でつくり上げてきたものに対して尊敬の念がありません。だから、サンプラザの取得のように、外からの働きかけに対し過剰に反応し、大した目算もないまま、行き当たりばったりで2億円もの税金を出資して、結局のところ、区にとってサンプラザの将来の権利らしいものはほとんどないがままに、企業にとられてしまうということになってしまいました。時価100億円もする国民の財産を、その半分の価値で民間に売り渡すための中継役を務めたにすぎません。警大跡地利用にしても、サンプラザにしても、中野区の今までつくり上げてきたまちづくりの理念とは相入れないと言って過言ではありません。区長のまちづくりの理念は何に基礎を置いているのか、今までの繰り返しではない答弁を求めます。
 住民参加についてお聞きします。
 02年第2回定例会所信説明で、住民参加論を区長は次のように示されています。「自治の原点は住民参加にあります。そのためには、区民と区が情報を共有し、十分に話し合うこと、そして、行政が説明責任を果たすことが不可欠です。施策の検討や決定に当たって、地域全体のために区民が議論できるよう、情報の提供を徹底します。また、話し合いの場を保障するとともに、区の判断の根拠を常に明確に示すようにしてまいります」と述べています。
 また、区長選挙に当たって発行した02年3月のビラでは、官僚組織について「都合の悪い情報を隠し、区民と議論をしたがりません。そのため、区役所全体が沈滞しています」とインタビューに答えた発言をしています。
 このように、はっきりと住民参加の目的、役割、そのための手法について述べていました。ところが、今回の警大跡地利用の計画についての住民参加は、このような過去の言明と比べてみても、かなりかけ離れた、形だけの住民参加になっていたのではありませんか。
 最初に区の目的方針がありきで、それを貫徹させるために参加の方式をとってはみせるものの、出された区民の意見は無視をする、あるいは自分に都合のよい回答で区民を黙らせるなどなど、種々のやり方がとられました。今回の「まちづくり計画」のもととなった、昨年3月に発表された新都市建設公社の報告書づくりの手法は、そのやり方を駆使したものです。このようなものは住民参加とは言えません。区民に参加させても、何を取り上げるかは区の勝手、区が何を言っているのか区民がわからないと質問しても、回答さえ出せば説明責任は果たされたというのでは、区民は全く納得できません。こんな参加のやり方で区民参加が達成されたとお考えですか、お聞きします。
 参加のやり方の一つとされているパブリックコメントについてお聞きします。
 自治基本条例が成立し、それまで要綱で実施されていたパブリックコメントについても規則が設けられました。形はできてもその運用はまた別の問題であることが、警大のパブコメであらわになりました。警大跡地を中心とするまちづくり計画でのパブリックコメントや説明会は、説明責任を果たさず、かつ区民意見もほとんど取り上げず、とても区民参加とは言えないやり方で進められました。結果的に、なぜこのような計画を進めるのかといった区民の疑問にきちんとわかるように答えて、行政の公正かつ透明性を証明することにはなりませんでした。
 まず、議会に当初報告されていたスケジュールでは、まちづくり計画素案の段階でパブコメを行うことになっていたにもかかわらず、区の計画づくりの進行工程が、予定していた日程よりも後にずれ込んだため、一方的に「計画素案」に対するパブコメから「計画案」に対するパブコメに変更しました。変更については委員会に報告したからよしとしていますが、「素案」の段階で十分意見・提案を述べて「計画案」に反映してもらおうと期待していた住民を裏切るものとなりました。
 今回のパブコメには、過去にはなかったようなたくさんの提案が寄せられました。特に4月25日の締め切り間際に大量のパブコメが寄せられたと聞いておりますが、そのパブコメを大忙しで整理してまとめたのと計画を発表するのがほぼ同時といったことにあらわれているように、まともに区民の意見・提案を検討した形跡がありません。専ら、みずからが予定している事務の進行工程に沿ってパブコメをまとめ、整理するだけでしたから、区民からの提案の検討はおざなりで、わずかに目立った計画案の変更部分は1か所というありさまです。それも言葉の言いかえで、区民の提案を受け入れたものではありません。これほどまで簡単にパブリックコメントを処理してよいものでしょうか。区民の声に真摯に耳を傾けようという姿勢はほとんど見受けられません。自分たちの都合に合わせてパブコメの実施時期も、問うべき対象についても自由に変更してしまうのが中野区のパブコメなのですか、お聞きします。
 都区財政調整「主要5課題」についてお尋ねします。
 懸案の都区財調の5課題などについての都区の協議が進められています。これまでの協議経過を見て多くの皆さんが感じているだろうと思いますのは、いかに都の主張が自分勝手かということです。都の言い分は、自治法の定めからも、今までの経緯からいっても、正当性はみじんにも感じられません。5月12日の財調協議会でも、区との意見は全く対立している状況です。区側の提案に対してきちんと答えていません。あくまで話し合いを進めることで、23区の言い分が理解されるよう最大限の努力が求められます。
 都が行う市町村事務については、地方自治法は「一般的に市町村が行う事務」の範囲で、かつ「都が一体的に処理することが必要と認められるもの」に限定していますが、都はこれをすりかえ、大都市東京の膨大な行政事務を都と区がどのように割り振るかといった、「大都市行政」論の議論にしてしまっています。
 共産党23区区議団は去る4月7日、都区財政調整「主要5課題」に関する申し入れを都に行い、田中区長にもその内容を紹介させていただき、賛同をいただきました。
 今後の協議は、あくまでも法の規定にのっとり、都が処理する必要のある限定的な市町村事務の内容と所要財源額を決められるよう一層の努力を求めたいと思いますが、御答弁ください。
 5月15日付区報ではこの問題が大きく取り上げられました。この区報の配布以降、どのような意見・質問が寄せられたでしょうか。なかなかわかりにくい問題ではありますが、引き続き丁寧なお知らせが必要であろうと考えます。区報やホームページなどにおいて連載方式で、具体的な例示も含め引き続きの掲載ができないか、お聞きします。
 サンプラザに対する今後の監査委員会のかかわり方についてお尋ねします。
 今年度の第1回定例会予算特別委員会で、我が議員団の江田委員のサンプラザ問題についての質疑で、「株式会社まちづくり21」の地方自治法に基づく監査が及ばなくなるおそれがあることをただしました。それに対し、「区として監査の仕組みについての御提案をさせていただく」と答えています。
 周知のとおり、自治法199条による民間への監査権は、法施行令140条の7において、資本金の4分の1以上を当該自治体が出資しているものが対象と定められています。現在では中野区の出資割合は4分の1以下になっているわけですから、法律の建前からいえば、サンプラザの所有会社である「株式会社まちづくり21」に対して監査を行うことはできなくなっています。
 しかし、区はこのような事態になることを事前に十分承知していながら事を進めてきました。だから総務委員会でも問題となったのです。区民は税金を2億円も出したのだから、監査ができるのは当たり前と思ってきました。監査ができるように研究を進めているとのことでしたが、どのような結論を得ていますか、御答弁ください。
 震災対策についてお聞きします。
 私は議員団とともに阪神・淡路大震災、ちょうど10年前になりますが、その3週間後、現地の調査を行いました。3週間たっても、被害のすさまじさはそのまま残っていました。その年の予算・決算議会で私は詳細な質疑を行い、耐震診断や倒壊防止についての自治体の役割についても提起しました。
 今、東京では、あのクラスの直下地震がいつ起きてもおかしくないと中央防災会議は発表しています。できるところから急いで準備を始めなければなりません。
 一昨年の第3回定例会での私の質問に対し、耐震診断と家具固定についての新たな施策の検討を進めていることが答弁され、16年度から実施されました。
 耐震診断は、45年建築基準法、いわゆる旧耐震に基づいて建てられた木造建物については、簡易耐震診断を経て、平均十二、三万円程度かかる検査が無料で実施されています。04年度は75件の実績です。けれども、旧耐震以前の木造建築物は区内にまだ2万1,000棟もあることを考えれば、とても少ない数字と言えます。しかもこれらの木造建物は、震度7クラスの地震には耐えられないと言われています。
 阪神・淡路大震災では9万2,000棟余の家屋が全壊し、それによって圧死された方は実に5,700人、全壊16軒当たり1人の方が亡くなっている比率となります。区内から圧死者を出さないために、耐震工事を進めることが急務です。建物の危険性を科学的に証明されれば、改修の必要性を認める区民がふえることは間違いありません。
 改修・耐震工事の機会をふやすためには、その入り口である耐震診断を受けてもらうことがまず第一です。そのためには、無料の耐震診断が実施されていることをもっと宣伝することです。区のチラシにも、無料という言葉が全面的には打ち出されていません。ホームページも小さく無料と書かれているだけで、注意深く読み進まないと見逃します。チラシ、ホームページなどお知らせの内容の改善を求めたいと思いますが、御答弁ください。
 さらに、区報、チラシの一般的な配布だけでなく、04年の予算特別委員会で私が提案しているように、郵政公社外勤職員、訪問介護士、民生委員などの皆さんから手渡しでビラを配布してもらうとか、工夫が必要です。これは家具の転倒防止工事や耐震改修工事のお勧めにも言えることです。前回、検討する旨の答弁でしたが、その結果をお聞きします。
 改修が必要と診断された場合、多額の改修・補強工事費用が必要とされると一般的に皆さんお考えになっていますが、この改修方法にもいろいろなやり方があることを啓発すべきです。そうすれば、もっと前向きに診断を受けようとする区民がふえるはずです。幸い低廉な工事法も多数開発され、昨年の区役所ロビーで開かれた防災フェアでも紹介されていました。いろいろな方法でその啓発に努めていただきたいと思いますが、御答弁ください。
 また、耐震改修・補強工事の支援では、高齢者向けの特例返済制度を活用した際の助成制度が始まっていますが、一般的な耐震改修・補強工事についての助成制度についても、先進自治体である横浜市などに学んで制度を創設すべきです。区民の地震対策が耐震診断の段階でとまってしまったら、意味がないからです。お答えください。
 家具固定については、すべての高齢者世帯、身障者世帯に対し、金具代も含め無料で実施できるようにしていただきたい。実施件数が余りにも低過ぎます。宣伝が十分でないこともありますが、対象が比較的低所得の世帯のため、金具代が数千円かかると聞いただけであきらめてしまうのです。お答えください。
 さらに、5月1日の区報で防災用品のあっせんが掲載されていました。消火器など、スーパーの商品よりかなり割高と見受けられますが、改善できませんか、お答えください。
 学童クラブの待機児問題についてお聞きします。
 5月現在の学童クラブ待機児、つまり学童クラブに入所できる資格・条件を持っていながら、そのクラブがいっぱいで入ることのできない子どもたちが、合計63人にもなっています。利用児童数の4.9%にも達しています。とりわけ待機児童の多いクラブが桃園第三の10人、中野本郷の14人、新井の22人です。ここでは新井学童クラブについて具体的にお聞きします。
 このクラブでは、ことし、昨年の倍以上の39名もの1年生が入りました。新井小学校内に設置されているこのクラブでは、昨年、図工準備室をクラブ室に取り入れて部屋を広げ、55人の定員にしていますが、実にその70%が1年生となったのです。利用規模は77人あったので、結局、抽せんによって22人が待機児となっています。
 待機児となると、自宅待機か児童館待機となります。新井ではそのほとんどの子どもたちが児童館待機という名の新井薬師児童館預かりとなっています。しかし、月曜日は児童館が休館日ですから、利用できません。利用できる日でも、児童館側で子どもの参加状況を克明につかんでいるわけではありませんから、何か起きていたとしてもわかりません。今年度、新井小学校では、行事の振りかえで月曜日が休校となる日が5日間ほど予定されています。こうなると子どもたちは、その日は一日じゅうほうっておかれることになります。
 クラブの子どもには、クラブでの状況を伝える連絡帳がありますが、児童館預かりではそれもありません。子どもをめぐる凶悪な事件が連続しているときに、低学年の子どもたちがこのような状況でほうっておかれることに、保護者たちの心配は募るばかりです。保護者の皆さんの「クラブをふやしてほしい」との切実な声に区は現在こたえようとしていません。放課後の遊びの機能を学校に取り入れる調整をしているから、それを待ってほしいの一点張りです。10か年計画で明らかにするから待ってほしいの一点張りです。こんなことで、子どもを守る役割を持っている自治体としての責任を果たすことができるのですか。そんなこんなをしている間に何か起きたら、どうするのでしょうか。
 ことし1年生がなぜこんなにふえたのか調べてほしいという父母会の要望に、いまだに回答が寄せられていないと聞きます。しかし、父母会では、来年度も入所希望はふえるとの観測をしています。事態は一刻も放置しておくことができない状況ではありませんか。かつて啓明公園の中にプレハブのクラブを臨時的措置として設置していたように、新井薬師公園の中にプレハブクラブをつくるとか、至急に措置をとる必要があります。お答えください。
 知的障害学級の今後についてお聞きします。
 西中野小学校への障害学級の新設配置は、保護者の強い要望に基づき、議会での陳情も伴って決められたものです。この「白鷺学級」は開設当初7人の児童数でしたが、この4月には早くも10人となっています。そして、08年には第1期の卒業生を送り出します。障害学級対象の児童・生徒数は今後も増加傾向にあると言われます。都が昨年12月発表した「特別支援教育推進計画」においても、障害の重度・重複化、多様化の傾向が進んでいることとともに、心身障害学級の在籍者が増加する傾向にあると指摘しています。
 中野区においてもこの傾向は強まるものと考えられます。もちろん中学校へ進学する際は、知的障害学級の場合でも、養護学校への進学もあって分散しますから、障害学級の児童がそのまま中学の障害学級へ移行するわけではありません。そのことを考慮して、02年11月の中野区教育委員会の「障害学級のあり方」では、中学校の知的障害学級の生徒数の変動は小学校ほどではないであろうと予測しているのでしょう。しかし、最近の障害児童数の推移や障害児教育の進展に伴う変化を考慮すれば、報告でいう中学校も当分の間は2校でよいとの考え方は、改めなければならなくなるのではないでしょうか。それは置いても、通学距離と通学時間の問題は、報告も、中学の設置校増設について考える必要があると指摘しているように、緊急の課題として浮上しています。
 昨年第4回定例会で全会一致採択された第38号陳情は、中学の知的障害学級の増設により通学距離の短縮化を図ってほしいというものでした。白鷺学級を卒業し、四中の四葉学級に通う場合は相当の通学時間を要します。現在でも、西北部から通う生徒の中には通学時間片道50分という子どもがいます。健常な生徒でも1.5キロメートル以内の通学距離としていることから見れば、障害のハンディーを持っているのですから、なおさら通学距離については配慮するのが当然です。議会も、その判断をしたからこそ陳情を採択したのです。
 都の特別支援教育体制モデル事業が実施されている八王子市では、中学障害学級の増設を現在積極的に行っています。現状での需要にこたえるとともに、将来の特別支援教育の拠点的学校としての備えも同時に進めようというものです。現行の制度では、新たな身障学級をつくる際は都が2分の1負担することになっていますから、国の法改正がどんな方向にいくかわからないもとで、見通しのあるうちに準備を進めようという考え方だと聞いています。
 聞こえの学級や情緒障害など通級の教室も、区教委が報告しているように、まだまだふやさなければなりません。特別支援教育が実施の段階に入れば、学校施設内に新たな教室の設置が必要となってきます。学校内に学童クラブを持っていくとか、遊びの機能を持っていくとか、少人数学級についての中央教育審議会の検討が進んでいるとか、学校をめぐる環境は大きく変わる可能性があります。そんな中で、きちっと見通しを持って障害学級の課題を据えるべきです。
 特別支援教育が実施された場合でも、固定学級としての知的障害学級は必要です。白鷺学級設置の経過から見ても、新設学級は3年間を必要とします。直ちに中学での知的身障学級を中野の西北部に設置するための準備に入ることを求めます。見解をお聞きします。
 特別支援教育という考え方が出てきた一つの要因に、LD(学習障害)、ADHD(注意欠陥・多動性障害)を持つ子どもたちが通常学級の中で増加しています。都の調査によれば、全児童・生徒数に対し4.4%の割合となっています。
 LD、ADHD、高機能自閉症などの児童・生徒は、全般的な知的発達のおくれがないことから、小・中学校の通常の学級において教育を受けています。しかし、学習面や行動面で著しい困難を示し、学習活動や対人関係の不適応を起こす場合が多いことから、この子どもたちに対する適切な支援や指導が必要だということが課題になっています。特別支援教育方策自体がさまざまな問題を持っていることもあり、その実施は相当検討されなければならず、まだまだ先の話です。現状での解決策として最も必要とするのは、学習補助員を配置することです。状況に見合った学習補助員などの配置の必要性は、小学校においては26校が必要と聞いておりますが、現状ではまだ配置されていません。緊急の配置が急がれます。答弁を求めます。
 その他の項で1件質問します。
 昨年6月、埼玉県所沢市の小学校で、管理上の不備でおりてきた防火シャッターに押しつぶされて児童が大けがをする事件が起きたことは、まだ記憶に新しいことです。このほかにも浦和市などで、誤作動によりシャッターがおりて子どもが亡くなる事故が起きています。シャッターは重さが300キロから400キロもあり、挟まれれば重大な事故になるわけです。
 この事故を重視した文部科学省は、昨年6月4日、都道府県教育委員会あて事務連絡で「閉鎖作動時の危害防止について」を出して、防火シャッターの安全性を確認するよう求めているところです。しかし、実際には、シャッターの誤動作や管理上の問題からの事故など、なかなか予測しがたく、発生を完全にとめることは難しい状況です。
 したがって、異常が発生したときに子どもを挟まないようなフェールセーフのシステムにすることが求められます。最近では、その対策用機器もいろいろつくられているようです。既に江戸川区や千代田区では整備が進んでいると聞きます。校内での子どもの安全確保のため、防火シャッターの事故防止整備を行っていただきたいと思います。御答弁ください。
 以上で私の質問を終わります。
      〔区長田中大輔登壇〕
区長(田中大輔) 池田議員の質問にお答えをいたします。
 まず、中野駅周辺まちづくりの計画をめぐっての問題であります。
 土地利用転換計画案について。土地利用転換計画案は、清掃工場の建設中止など状況の大きな変化を踏まえて、見直しの協議を中野区、杉並区、東京都の3者によって行ったものであります。中野駅周辺のまちづくりについては、都市における緑の必要性を十分に認識し、あわせて、災害時の避難場所としての防災公園等の防災空間を確保し、中野の町の活力をより高めるための都市機能を導入すること、そうしたことを基本に中野駅周辺まちづくり計画として策定をしてきたものであります。この計画の策定の過程では区民の意見を十分踏まえてきた、このように考えています。
 箱物づくりということでのお話もありましたけれども、箱物批判という、私が申し上げてきたことは、財政体力に見合わない、あるいは区民ニーズに即しているわけでもない、そうした大型の施設を整備することによって財政を悪化させていく、そのようなことを箱物行政というふうに象徴的に申し上げて批判をしてきたものであります。箱物の形をした建築物を批判したわけではございません。
 環境保護についてであります。
 中野駅周辺まちづくり計画で示したとおり、にぎわいと環境の調和したまちづくりを目指すことにしているところであります。樹木につきましても、可能な限り残すとともに、新たな植樹も行い、緑豊かな町をつくる、このことを目指しております。
 それから、財政計画ということについてです。
 警察大学校等移転跡地の新たな土地利用に当たっては、道路や公園など都市基盤施設について、区がすべて負担をして整備するのではなく、開発者の負担による整備を原則とすることが最も適した手法であると考えているわけであります。区がみずから整備する施設については、その整備費用及び開発者の一員としての費用負担が必要でありまして、これらについて、今後どういった施設をどのように整備していくかといったようなこととあわせて検討を進め、明らかにしていきたい、このように考えております。
 それから、まちづくりの理念ということですけれども、今回の計画の策定に当たっては、新たな基本構想の考え方に基づいて、中野駅周辺まちづくりの基本的な目的、理念といったようなものを導いてきたところです。そうした考え方は、都市計画マスタープランについても、その基本を十分に踏まえたものというふうに考えているところでもありまして、区民の参加も得ながら策定をしてきた、そうした内容となっております。
 住民参加についてですけれども、区長と区民の対話集会、中野駅周辺まちづくり調査検討委員会への公募区民の参加、まちづくりフォーラム、地域での説明会、区民検討会など、区民参加の機会を確保してきたと考えています。区民の御意見等は十分に受けとめて計画を策定してきたと考えています。
 パブリックコメントについてですけれども、パブリックコメントは、区の決定しようとする案に対して区民が意見を述べる機会を保障する、そうした趣旨のものであります。したがいまして、本件は、その趣旨から、素案ではなく計画案でパブリックコメントを実施することにしたものであります。
 それから、都区財政調整制度についてであります。
 せんだってお示しをいただきました共産党区議団の都知事あての要望書の内容であります。これについては、かねて区長会が行っている主張と同趣旨の内容でありまして、お話をさせていただいたときにも賛同の意思を示させていただきました。区長会として引き続き東京都と精力的に交渉に当たっていきたい、こう考えているところであります。
 主要5課題についての区報掲載の問題ですけれども、主要5課題については、区民サービスを提供するために必要な財源を確保できるかといった重要な問題なわけでありますが、なかなか区民生活に直接結びつくような内容での御説明が難しいといったようなところもあって、一見わかりにくいといったようなことも考えなければいけないというふうに思っております。区報の記事については、区民にわかりやすい内容で工夫をしながら、今後も広報に努めていきたい、こう考えているところであります。
 サンプラザへの監査というところであります。
 議会の議決すべき事件等に関する条例によりまして、区が区議会に株式会社まちづくり中野21の経営状況を報告することになったという条例をつくったわけであります。しかしながら、地方自治法199条第7項の問題について、区は、出資団体への区の監査について、都を通じて国に問い合わせを行っているところであります。地方公共団体が出資総額の4分の1以上を出資している団体が監査の対象となるものであり、議決権の割合によって監査の対象となることはないとの考えが現段階において示されているところでありまして、引き続き問い合わせを続けていきたい、このように考えています。
 私からは以上であります。その他につきましては、それぞれ担当の方からお答えをさせていただきます。
    〔都市整備部長石井正行登壇〕
都市整備部長(石井正行) 私からは、震災対策につきましての御質問にお答えを申し上げたいと思います。
 まず初めに、耐震事業の啓発についてでございます。
 区は、耐震支援事業の周知を図るために、区報、ホームページ等でPRを現在しております。また、この5月からは、高齢者施設や障害者施設でも事業案内のチラシ、ポスターによるPRに努めているという状況でございます。御指摘のありましたチラシあるいはホームページについて、耐震診断が無料で受けられること、これをはっきりとわかるように内容を改善してまいりたいと考えてございます。

 また、今後は、震災時に危険性が特に高い地域につきまして、直接区の職員が戸別訪問をし、チラシを配布するとともに、事業の案内を実施してまいりたいと考えてございます。
 昨年でございますが、防災フェア、これを2回ほど開催しております。その中で、多様な耐震改修工法のパネル展示なども実施してきました。現在、耐震相談窓口におきましても、安価な耐震改修工法のメニューを紹介しているところでございます。
 次に、耐震改修の助成制度の創設についての御質問でございました。
 これにつきましては、区といたしましては、耐震改修工事など、みずからの財産と命を守る対策でございますが、これにつきましては、基本的にはみずからの責任で対策をとるべきという立場でございまして、耐震改修工事費の助成を実施するという考えはございません。
 また、家具の転倒防止器具代金の無料化についての御質問がございました。
 家具転倒防止器具取りつけにつきましても、基本的には先ほどと同様の考え方でございます。器具の代金につきましては、比較的安価で個人負担の範囲であるというふうに考えてございまして、高齢者世帯、身障者世帯につきまして御負担をいただいております。逆に、それ以上といいますか、比較的、総体的にはかかる費用の取りつけ工事費、これを無料とさせていただいております。
 以上でございます。
     〔総務部長石神正義登壇〕
総務部長(石神正義) 私からは、防火用品の区のあっせんについての御質問にお答えさせていただきます。
 区のあっせんしている消火器等の価格が、スーパーなどで売っているものより高いということですが、消火器のあっせんにつきましていいますと、消火器自身には使用期限があったり、いろんな種類があるというようなことがありまして、区民の方からもいろんな相談が来ております。また、商品自身が重いということがありまして、お年寄りの方がお持ち帰りできないというようなことから、現在あっせんしているのは、宅配を条件に価格設定をしているということがございます。しかし、本体価格だけでいいますと、定価ということで比較になりますが、一定の割引はしてもらっているということでございます。
 あっせんの申し込みがあった場合には、実際にここでのあっせんを受けなくても、こういうところでは安く売っていますよと、お持ち帰りできるのであれば、そこでお買いになったらどうですかということについても紹介をして、あっせん業者の紹介をしているというところでございます。
   〔子ども家庭部長田辺裕子登壇〕
○子ども家庭部長(田辺裕子) 新井学童クラブの待機児童の問題でございます。
 今年度、新井学童クラブでは、新井小学校の1年生の数が想定よりも多かったこと、また、1年生に、全体に占めます学童クラブの利用申請者の割合が例年に比べて高かったことなどから、予想を超えた待機児童が出ているという状況でございます。このため、学童クラブの待機児童のうち希望されるお子さんにつきましては、児童館におきまして職員による待機児童対応を行っているところでございます。
 来年度以降もこうした状況は続くものというふうに予想しておりますが、今後の利用者の予測等を十分勘案しながら対応を検討していく考え方でございます。
 以上でございます。
  〔教育委員会事務局次長金野晃登壇〕
○教育委員会事務局次長(金野晃) 私からは、中学校の知的障害学級についてのお尋ね、それから、学校の防火シャッターについてのお尋ねにお答えいたします。
 まず、中学校の知的障害学級の早期増設についてのお尋ねでございます。
 特別支援教育を推進する上で、障害学級の固定学級というものにつきましては、引き続き必要になるというように考えております。中学校の知的障害学級の設置ということを検討していく上では、区立小・中学校の再編計画のほか、特別支援教育に関する都や国の動向も踏まえながら行っていきたいというように考えております。
 次に、発達障害児への介助員配置についてのお尋ねでございます。
 学校で配置しております介助員は、肢体不自由児などに対して日常動作の介助をするというためにつけているものでございます。現在、通常の学級に在籍する発達障害児につきましては、介助員を配置するということではなく、教育センターの相談員や障害学級の教員による相談、また、スクールカウンセラーや心の教室相談員の活用などにより支援を行っているところでございます。
 次に、防火シャッターについての事故防止のお尋ねでございます。
 防火シャッターの自動停止装置につきましては、耐震補強工事に伴い順次設置をしてきております。現在、小学校で5校、中学校2校について設置済みでございます。いたずらによるシャッターの作動などということが心配されるわけでございますが、これについては防止措置をとっているところでございます。自動停止装置につきましては、今後の改修・改築に合わせて設置していきたいと考えております。
      〔池田一雄議員登壇〕
42番(池田一雄) 再質問を行います。
 警大跡地計画についての区長の御答弁は、従来と余り変わりなく、とても私の質問にきちんとまともに答えていただけたものにはなっておりません。そういうところが区民がわからないと申し上げているんです。箱物はいわゆるコンクリートの建物だけでないことは、それは自明のことでありまして、今度の警大跡地の場合でも、箱物をめぐる基盤整備などは、どこがまだ負担するのかも決まっておりませんけれども、区が事業主体となった場合には負担する可能性が高い。あるいは、途中でどうして変わったのかわかりませんけれども、区が開発者としての負担をするということも言われてきておりますので、そういう負担がこの超高層ビルを中心とする警大跡地のまちづくりでされるのではないかと。それは先ほど区長が答弁をされたように、区民のニーズに即していない。しかもそのことが財政を悪化させる。まさに箱物ではありませんか。その点どうお考えになっているのかお聞きをします。
 それから、参加について一つだけお聞きをします。
 新都市建設公社が昨年の3月報告書を出しましたが、その際、新都市建設公社が中野区からの契約の範囲内で、彼らのつまりお金で、公募に応じた区民が参加をする場として調査検討委員会なるものをつくりました。これについては、今まで委員会の中でもさんざん私は批判をしてきましたけれども、参加の形をとっているだけで、実はあれは、区の計画を最初から定めて、それに沿って一路邁進するための仕組みであったわけで、決して住民参加と言えるような代物ではありません。それが証拠に、最初から報告で出されたような内容が計画案として出され、それに対する批判も若干ありましたけれども、そういうものについては一切耳をかさないという形で進められてきたではありませんか。それが、そういう形でやるのが住民参加かということを申し上げているわけで、まさに見せかけの参加であるというふうに私は思います。
 また、パブリックコメントについても、素案ではなく計画案で実施をしたというけれども、質問をお聞きいただいていたんでしょうか。最初は素案に対するパブリックコメントということで計画が、スケジュール表が出されたんです、委員会に。しかし、計画が、極めて作業がおくれたので、途中で素案から計画案に対するパブリックコメントというふうに変えてしまったんですね。それは区が変えたんです。そういうふうに、自分たちの都合でパブリックコメントの時期についても、対象についても変えるような、そういう参加でいいのですかということをお聞きしたわけです。
 それから、消火器の問題なんですが、ちょっと今、この席へ持ってくるのを忘れましたけれども、議席にはスーパーのチラシを持ってきているんですが、内容が2キログラムというから、区の1.5キログラムよりもかなり多いわけですが、それが3,800円ぐらいですか。でも、区はその1.5キロの値段だと、たしか8,000円ぐらいですね。そうすると、これはいかに宅配をしたといっても、高過ぎるというのが実感であります。両方とも相当有名なメーカーの商品ですから、内容について差はないというふうに思いますので、もう少し研究をされたらいかがでしょうね。これについてももう一回お聞きをいたします。
 一応、以上といたします。
      〔区長田中大輔登壇〕
区長(田中大輔) 再質問にお答えをいたします。
 警大跡地の関係で、区が施設を整備するに当たって、開発者の一員として負担をすることになると。これは当初から御説明申し上げていましたように、開発者負担によって整備をしていくということでありますから、開発者の一員となれば、その負担が生じるというのは当然のことだと思っております。
 そのことをもって箱物行政ではないかとまたおっしゃったわけですけれども、私が申し上げているのは、そのことによって財政に大きな負担をもたらす、あるいは区民のニーズに即しているわけでもない、そうしたようなことは避けなければいけないと申し上げているわけでして、そうした意味でのむだな箱物にならないような整備を、必要な施設の整備を行っていくということを考えているのは当然であります。
 それから、参加で、新都市建設公社の委託事業の中で委員会が設置され、そこで議論がなされたということでありますけれども、その場においてもさまざまな意見の方がいらっしゃって、そうしたさまざまな御意見の方の意見を全体として受けとめつつ、一つの案として、その検討結果の検討素案という形で区としては受けとめたわけであります。その案に基づいてさらに検討を進め、そして、区民のさまざまな形での参加をいただき、議論を深めながら計画をつくってきたという経過でありますので、区民参加全体の流れをきちんと見ていただけば、私は、これが区民参加のプロセスを経ているというふうに十分に判断すべきであるというふうに考えております。
 それから、パブリックコメントについてですけれども、最初は素案の段階でというふうな御報告をしていたところであります。パブリックコメントについての考え方をより明確に整理していく中で、パブリックコメントの制度の趣旨というものを私どもきちんととらえたところ、これは計画をつくる区の意思決定に当たっての区民の意見表明の機会を保障するものだというふうに判断をいたしましたので、素案ではなく計画案でパブリックコメントをするというふうに変えたということであります。
 私からは以上であります。
     〔総務部長石神正義登壇〕
総務部長(石神正義) 再質問にお答えいたします。
 実際にスーパーではもっと安い消火器を売っているということですが、現在、商品の流通経路というのはさまざまありますので、どの価格がという形では言えませんが、私どもでは、安い部分について見てみましたが、詰めかえがきかないものであったり、先ほど言いましたように使用期限があったりということで、安定的にそれが供給されているというようなことについてなかなか確認がとれない。スーパーで一時的に売るということはあっても、なかなかできないということから、先ほど言いましたように、お持ち帰りができないとか、そういった方のあっせんに対してこたえるということで、参考の市価ということで定価を比べてあっせん価格を決めております。
 現在の新規購入ということで決めている価格は、先ほど言いました粉末の消火器ということで、薬剤量が1.5キロ、それが参考市価が1万1,600円になっておりますが、それをあっせん価格7,000円という形にしてございます。スーパーでさまざまな流通経路から入ってきて、安定的に供給ができるというものでない分と直接比較してございませんので、何とも言えませんが、先ほども言いましたように、場所によってはこのあっせん価格よりも安いものが置いてありますよと。自分でお持ち帰りできれば、そういうところでもどうぞということを紹介しながらあっせんしているものでございます。しかし、私どもが決めた価格がずっと維持されているのかどうかを含め、適時適切にあっせん価格については見直しを図っていきたいというふうに思っております。
○議長(高橋ちあき) 以上で池田一雄議員の質問は終わります。
 議事の都合により、暫時休憩いたします。
      午後3時36分休憩

      午後4時02分開議
○議長(高橋ちあき) 会議を再開いたします。
 この際、申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。
 一般質問を続行いたします。

 中野区議会議員 北 原 奉 昭
 1 特殊勤務手当と職員互助会について
 2 事業部制導入後の現状について
 3 防災対策について
 4 区立小・中学校における新入学児童・生徒数の動向と学校再編計画案について
 5 地域センターの(仮称)区民活動センター移行について
 6 アスベスト対策について
 7 自動体外式除細動器(AED)の配置について
 8 中野区と区内短期大学の連携について
 9 その他

○議長(高橋ちあき) 北原奉昭議員。
      〔北原奉昭議員登壇〕
4番(北原奉昭) 平成17年第2回定例会に当たり、TOKYO自民党中野区議団の立場から、通告に沿って質問いたします。
 まず初めに、特殊勤務手当と職員互助会についてであります。
 財政再建の加速に向け、地方公務員給与をめぐる議論が活発化してまいりました。本年5月23日の財政制度等審議会、財務大臣の諮問機関であります。地方公務員給与について、民間より高い水準のほか、1、一般行政職で課長補佐級以上の給与を受ける職員が6割と多く、国家公務員並みの4割弱に引き下げれば約2,000億円削減できる。2、運転手、警備、清掃など現業職の収入は、国より地方が約2割多い。3、特殊勤務手当において不適正な支出がなされているなど、問題点を指摘しました。
 既に中野区は、通勤手当や名誉昇給、特殊勤務手当の見直し、職員給与の公表など改革に着手しているのは承知していますが、千代田区では杉並区に次いで、平日に休務日がある児童館の職員らに支給される土・日出勤手当など四つの特殊勤務手当の廃止を区職労に提案しております。
 歳出中の人件費比率がいまだ23区の中で最も高い位置にある中野区で、特殊勤務手当の一部廃止を含めた再検討を早急に始めるべきだと思うが、考えをお聞きしたい。
 次に、職員互助会についてであります。
 報道によりますと、千代田区職員互助会は先月、今年度の区の補助金約3,500万円を受け取らない方針を決めました。23区の職員は、各区ごとの職員互助会のほか、23区合同で組織する特別区職員互助組合にも加盟しております。互助会、互助組合のほとんどは区から補助金を受け取っており、福利厚生を二重に受けているとの批判が強まっています。この結果、千代田区の互助会は受け取りを見送ることにしたわけであります。
 そこでお尋ねいたします。中野区は互助会、互助組合それぞれに補助金を交付しておりますが、それぞれの補助金の額は幾らか。また、補助金の見直しを検討すべきであると思うが、考えをお聞きしたい。
 次に、事業部制導入後の現状についてお伺いいたします。
 区政改革の目玉として、区民のための事業部制が導入されてから1年余りが経過しました。事業部ごとに事業内容、人、予算が一元化され、それぞれの事業部の力量が問われることになりました。多くの区民が新たな改革に期待し、注目しているところでありますが、厳しい財政状況の中、各事業部間の関係が希薄化することによる連携不足、また、職員の事業内容における企画力や熱意など、いずれも不十分で、区長の御努力にもかかわらず、いまだ改革の成果の兆しが見られません。
 組織改革には、そこで働く一人ひとりの意識改革が不可欠であります。全組織、全職員の心が一つになってこそ展望が開かれます。区政の停滞は、区民の区政に対する期待度を低下させます。また、区政の混乱は、区民と行政の不信感を増大させ、機能停止にもなりかねません。区長の現状認識と今後について御所見をお伺いいたします。
 次に、防災対策であります。
 政府の中央防災会議が本年3月発表した首都直下地震マグニチュード7クラスの被害想定は、皆さんも御存じのように、驚嘆に値するものでありました。死者数1万3,000人、建物倒壊85万棟、23区の帰宅難民者数は350万人にも上り、交通機関の寸断、携帯電話不通の可能性が強くあります。中野区は出火・延焼危険度とも極めて高く、5段階の避難危険度ランクも3、4の地域が区内の40%を占めております。
 TOKYO自民党中野区議団は去る3月28・29日の両日、中越大震災視察のため、新潟県環境部防災局、長岡市災害対策本部を訪ね、担当者から直接話を聞く機会を持ちました。
 地震発生は平成16年、昨年10月23日17時56分ごろ、新潟県中越地方の深さ13キロメートル、マグニチュード6.8でありました。この地震により、川口町では震度7を記録したほか、中越地方の15の市町村で震度6強、6弱を記録しました。その後も強い余震が23日だけで3回、25日、27日にも各1回起きております。
 新潟県では地震発生と同時に災害対策本部が設置されましたが、長岡市では地震発生から34分後、18時30分に災害対策本部が設置されております。これは震源地の遠近に深く関係しております。震源地付近の自治体関係者はイコール被災者でもあり、設置がおくれたものと思われます。
 18時36分、長岡市消防本部から新潟市消防局に「県広域消防相互応援協定」に基づく派遣要請が行われております。被災した市町村はそれぞれ災害対策本部を設置したわけですが、県や自治体間の情報収集、情報伝達に多くの課題を残しています。NTTは不通、防災無線も強度の揺れによるパラボラアンテナへの被害から、しばらくの間不通の状態が続いたということであります。
 一方、被災住民はさらに深刻であります。たまたま郷里を訪れた私の友人は、この大地震に遭遇してこう話していました。突然の暗闇、すべてのライフラインが途絶え、携帯電話もつながりません。たび重なる余震の恐怖で、屋外に出ようにも寒さのためにままならず、頼りになるのはろうそくと懐中電灯、携帯ラジオであったと話しております。
 県環境部防災局の話によると、県下の自治体に地域防災会の組織は少なく、初期における救出・救助・救援活動は専ら消防団が行い、大きな成果を上げたそうです。
 そこで質問いたします。
 1、危機管理対応について。
 マル1、災害対策本部設置までに要する時間と職員動員体制は、昼夜どのようになっているのか。
 マル2、情報伝達システムについて、中野区と東京都、消防署、警察署、また、区と地域センター、避難所などとの関係はどのようになっているのか。また、そうした中で訓練が行われているのか、いないのかについてもお聞きいたします。
 2、新潟県では、この震災を契機に地域防災強化室を設置するそうです。中野区の地域防災力も再構築する必要があると思うが、考えをお聞きしたい。
 3、在京民放ラジオ8局が中越地方で実施した調査によりますと、地震発生後、被災者が最初に接触したメディアとしてラジオが7割に上り、1週間では9割と群を抜いております。今回の地震では阪神大震災同様、地元のFM局がフル回転し、ライフラインや避難所の情報など多くの情報を伝え、活躍したそうであります。
 既に都内でも、葛飾、江戸川、中央、世田谷、調布、武蔵野などに地域FM局が開局し、平時には地域に密着した自治体の広報、商店街情報、ボランティア情報などを流し、地域の活性化に貢献しております。中野区でも地域FM局の必要性が高いと思うが、経費面からCTNに併設できるかを検討することが可能だと思うが、考えをお聞きしたい。
 以上でこの項の質問は終わります。
 次に、区立小・中学校における新入学児童・生徒数の動向と学校再編計画(案)についてであります。
 私は、昨年秋、公表された「中野区立小中学校再編計画案」~よりよい教育環境を目指して~について、平成16年第4回定例会において質問し、学校の主人公はいかなるときにも児童・生徒である。各学校が今持ち得るすべての力を持続しながら、再編を行わなければならない。急激な児童・生徒数の変動は学校経営上大きな支障となり、その不利益は児童・生徒が負うことになる。したがって、教育委員会に対し確かな対応策をとられるようお願いしました。
 私は先月、前期再編対象校を中心に11校を訪問し、各校の現状や新入学児童・生徒数の背景にあるもの、地域性などについて調査しました。いずれの学校も、貴重な時間を割いて快く対応してくれたことに心から感謝を申し上げます。
 けさ新聞で発表されたように、出生率が低下する中、未来を担う子どもたちのためによりよい教育環境を整えた、統合新校の誕生が今求められております。
 そこで質問いたします。
 1、区立小・中学校のうち、前期再編対象校の今年度の入学者の動向は想定内であったかどうか。
 2、今年度の区立小・中学校の指定校変更数は、前年度に比べてどのくらいであったか。
 3、今年度の第十中学校の1年生が単学級になってしまいました。就学率は前年度を上回っているようですが、原因は何か、お尋ねいたします。
 4、前期再編対象校の今年度の入学予定者に対し、教育委員会として何らかの対応を行ったのか。また、来年度は今年度を上回る動きも予想されますが、今後の対応は何か考えているのか。
 5、学校統合に当たっては(仮称)学校統合委員会を設置することになりますが、そこで何もかも決めてしまうというのは、相当混乱することにならないのか。委員会の構成や役割、それについて早期に明確な範囲を決めてはどうか、お尋ねいたします。
 6、前期再編対象校については、円滑な統合ができるよう、可能な限り早期に統合校相互の交流を図っていく必要があると思うが、考えをお聞きしたい。
 以上でこの項の質問は終わります。
 次に、地域センターの(仮称)区民活動センター移行についてであります。
 中野区はこの件に関し、今年度、15地域センターにおいて、区の考え方を区民に示すとともに意見を聞く会を開催しました。
 現在の地域センターは、地域住民と区の職員の話し合いや地域活動を一緒に行う身近な区政参加の場として、コミュニティの形成の核として極めて重要な役割を果たしてきました。しかし、区は、策定予定の「新しい中野をつくる10か年計画」の検討段階で、現在の地域センターを区職員不在の区民活動センターに移行し、地域センターの廃止を検討されております。
 区は、地域センターを廃止し、区民活動センターに移行すれば、地域住民の主体性や自主性が高まり、真の住民自治が実現できるとお考えのようでありますが、そのような現状認識には疑問を感じざるを得ません。地域活動に積極的に参加し、それを育ててきた多くの区民も同様であります。活発な地域活動を後退させることは、行政にとって大きな損失であります。
 地域社会の課題は、地域の実情を理解した区民と区職員の協働によって解決されます。地域センターの縮小や廃止ではなく、新たな時代、現在の地域センターの機能を再編し、効率化を図りながら充実させることこそが地域社会の発展につながります。
 そこで質問いたします。
 区が開催した「区民の意見を聞く会」では、地域センターから区職員を引き揚げることについて多くの反対意見があった。この内容を踏まえ、中野区は今でも区職員の地域センターからの引き揚げを考えているのか、お答え願います。
 次に、区が昨年公表した「10か年計画検討素材」では、区民活動センターの管理・運営は、町会・自治会などの地域団体で構成する運営委員会が自主管理することを想定しております。区が運営委員会に施設管理委託料を支払うから可能とする考えは、余りにも地域の実情とかけ離れた認識であります。多くの地域団体は個々の活動に手いっぱいで、その活動の維持のために地域センターを介在して他の団体との連携を強めております。
 区民活動センターの運営については、住民の自主管理にこだわることなく、住民と区の協力による柔軟な運営を目指すべきだと思うが、見解をお聞きいたします。
 次に、アスベスト対策についてであります。
 民間建築物のアスベスト対策についてであります。
 アスベストは、建築材料として、特に吹きつけアスベストは昭和40年ごろからビルの耐火建材として使われ、昭和40年代後半も大量に使われておりました。しかし、労働安全の面から、昭和50年にはアスベストの吹きつけが原則禁止となりました。しかし、アスベスト含有の吹きつけロックウールは、昭和50年代の中ごろまで製造され、使用されておりました。
 現在、吹きつけアスベストが使用されたビルなどの建築物の多くが建てかえの時期を迎えております。建築物の解体工事に伴うアスベストの飛散防止が重要な課題となっております。特にアスベストは、労働環境において、じん肺など、その人体への影響が問題となり、また、環境に及ぼす影響についても懸念されており、古い建築物の解体による周辺環境への影響は十分に注意しなければなりません。
 ところで、中野区内のビルの解体に伴って、このアスベストが問題になっておりますので、何点か質問いたします。
 重機などを使用する解体工事は届け出が必要だと聞いておりますが、この事例の施工者あるいは解体業者は届け出を出さずに工事を行い、騒音などによる住民の通報で区が現場に赴き、届け出を指導したと聞いています。また、アスベストは、使用していれば法令に基づいた届け出が必要であるが、この届け出も提出していなかったということであります。これも住民の区への訴えで、アスベストが使用されていることが判明しました。
 この建物は昭和52年の建築だそうです。業者も知ってか知らずか届け出を怠り、解体工事を強行したものであります。現在、区の指導により解体工事は中断されており、アスベスト飛散防止のための対策が進められているなど、住民からも、区が積極的な指導を行っていると聞いております。しかし、まだこの現状を、住民もこれからのこの事態の推移に強い関心を持っております。
 しかし、この解体工事が始まった初期の段階で、区の対応には問題があったと言わざるを得ません。住民の訴えでようやくアスベスト対策の指導が始まったと聞くが、この対応をどのように考えているのか、お聞きしたい。
 次に、現在、建物のほとんどが解体されているが、現状でも吹きつけ材がついている鉄骨があり、飛散防止のシートで覆われているものの、現場には大量の瓦れきが残されています。この状態を長期間放置しておくことは、周辺環境に与える影響から好ましくありません。早期にアスベストの除去を行うべきであります。過去の経緯を見ると、この業者の対応に不信感があり、厳正なアスベスト対策の指導が必要だと思いますが、区は今後どのような対策を考えているのか、お聞きしたい。
 この建物の解体工事で発生したアスベスト問題は、民間建築物の解体工事によるアスベスト対策に多くの示唆を与えております。中野区内にも昭和40年代から50年代に建てられたビルがたくさんあり、これらが建てかえの時期を迎えることになります。解体工事に対して適切な対応をとることが、区民の生活を守り、環境を守る上で大変重要であります。
 そこでお聞きいたします。
 規制の法令を遵守し、解体工事のアスベスト対策をきちんと行うために、区として事前に事業者への指導を行うなど、新たな対応策を検討すべきだと思うが、見解をお聞きしたい。
 以上でこの項の質問を終わります。
 次に、自動体外式除細動器(AED)の配置についてであります。この質問は先ほどやながわ議員が質問され、保健所長が答弁いたしましたが、再度質問いたします。
 東京救急協会によると、心停止に至るにはいろいろな原因がありますが、特に突然の心停止では、心室細動などの重症不整脈が原因となることが考えられます。この重症不整脈には、できる限り早い除細動、心臓に電気ショックを与え、心臓が本来持っているリズムを回復させることが重要であります。また、除細動の効果には時間の経過が影響し、1分間経過するごとに7~10%生存率が低下してしまい、2分後で70%の生存率も10分後には0%になると言われております。心肺蘇生法が5分以内で開始され、除細動が10分以内で行われた場合、生存率は37%であります。
 アメリカでは、突然の心停止に対し一般市民が除細動を行い、成果を上げております。それを可能にしたのが自動体外式除細動器(AED)であります。簡単な操作で除細動を行うことができる機器であります。
 日本におけるAEDの使用は、医師、救急救命士、航空機の客室乗務員のみにしか使用が認められておりませんでしたが、平成16年7月1日、厚生労働省医政局長通知により、一般市民にもその使用が認められることとなりました。
 東京消防庁は「救命の連鎖」として、早い119番通報、早い心肺蘇生法、早い除細動、早い二次救命処置の重要性を説いております。
 既にAEDが配置されている自治体があります。23区では、千代田区が区役所など31施設、中央区が区民センターなど16施設、北区が区立中学校全校、板橋区では板橋区役所、さらに新宿区が配置を検討中であります。区内ではサンプラザプールと丸井に配置されております。中野区も、1台およそ30万円と若干高額なAEDでありますが、まずは区民が大勢出入りする区役所、体育館、地域センターなどへの配置を検討すべきだと思いますが、考えをお聞きいたします。
 次に、8番目であります。中野区と区内短期大学の連携についてであります。
 中野区で初めて本格的な民・官・学の一体事業としてスタートした西武新宿線沿線まちづくり勉強会は、区民・中野区・早稲田大学の協働により、活発な勉強会を持続的に展開しております。
 ところで、区内には3校の短期大学があります。北部には英語コミュニケーション学科と情報ネットワーク学科を持つ国際短大、東部には保育学科と造形芸術学科を持つ宝仙学園短期大学、中・南部には生活学科を持つ東京文化短期大学があります。それぞれが異なる学科を持ち、短大の位置までもがバランスよく配置されているのに気がつきます。
 豊島区と立教大学、千代田区と明治大学、三鷹市と国際基督教大学など、他の自治体では官・学の連携を積極的に推進し、さまざまな分野で知的資源の活用による民力の向上を図っております。中野区として、区内短大の特性を生かした持続的な連携を検討すべきであると思いますが、御見解をお伺いいたします。
 その他の質問はありません。
 以上で私のすべての質問を終わりますが、残り時間が十分ありますので、理事者におかれましては、わかりやすい、誠意ある御答弁をお願いいたします。ありがとうございました。
      〔区長田中大輔登壇〕
区長(田中大輔) 北原議員の御質問にお答えをいたします。
 特殊勤務手当についての御質問ですが、特殊勤務手当については、社会経済状況の変化及び社会的合理性、そうした観点から検討しているところであります。現行12手当のうち9手当について、廃止の方向で検討を行っているところであります。今年度中には区民の理解が得られるような結論を出したいと考えております。
 職員互助会についてであります。
 互助会並びに特別区職員互助組合、これへの支出額ですけれども、平成15年度の決算ベースで見ますと、互助会に対しては3,712万4,000円、互助組合に対しては5,463万9,446円助成をしているところであります。福利厚生事業の実施に当たっては、互助組合及び互助会をそれぞれ条例によって設置して、各種の給付でありますとか、活動助成を実施しているところであります。経費については、職員による掛け金のほか、地公法に根拠があります事業主負担として補助金を支出しているところであります。
 しかしながら、互助組合と互助会、これについては、これまでも役割分担を図って見直しを重ねてきたところではありますが、現在、区長会では、互助組合について、廃止を含めて抜本的な見直しに着手をしているところであります。区の互助会も、互助組合の見直しを踏まえ、今後の事業のあり方を見直すこととしているところであります。そうした結果を受け、区の補助金についても、区民の理解が得られるような形に検討をしていきたいというふうに考えております。
 事業部制の現状と今後についてであります。
 事業部制は、各部門の自主性を高め、予算の編成から執行管理、組織の意思決定など、できる限り権限を移譲し、責任を持って柔軟かつ機動的に区政の目標を達成するべく、そうした仕組みとして導入をしたところです。
 昨年から実施をしております「おもてなし運動」、これにおいては、各部各担当ごとに顧客満足度を高める取り組みを実施しております。その中では、若い職員の気づきから生まれた接客や業務の改善が実現して、一定の成果を上げているというふうに考えています。
 事業部制などの組織や仕組みの改正に加えて、こうした具体的な努力の積み重ねが事業部制を生かすことにつながると考えています。区政の改革は、職員一人ひとりの意識と行動の改革が必須であります。時間はある程度かかるものとは考えておりますが、職員の理解を深め、新しい組織文化をつくっていきたいと考えております。
 災害対策本部設置に要する時間等についての御質問です。
 地震が発生して区内の震度が5以上のときや、東海地震に伴う警戒宣言が発令されたとき、そうしたときに災害対策本部を設置することとしているところです。勤務時間内であれば、その時点で本部を設置し、状況に応じた職員動員体制がとれるわけであります。夜間や休日の勤務時間外には、区内や隣接区に居住しております管理職でありますとか防災担当職員で、緊急災害対策本部長室体制というものを設けているところでありまして、初動の応急対策を講ずることとしております。時間の設定まではしていないわけでありますが、初動体制におくれをとることがないように、すなわち必要に応じて直ちに参集ができるように、参集訓練などを通じまして迅速性の確保に努めていきたい、このように考えています。
 情報伝達システムについてであります。
 東京都とは東京都防災行政無線で交信することができます。警察、消防、避難所とは地域防災無線、また、地域センターとは移動系無線、それから、地域防災無線と交信することができることになっております。こうしたことによりまして、一定の情報伝達システムは整ったものと考えております。
 これらの訓練でありますが、東京都とは、震災と風水害を想定した災害通信訓練、これを年間約30回実施しています。警察署、消防署とは毎月4回、各地域センターとは毎月2回、避難所とも毎月2回、起動テストを含めた定期交信を行っているところであります。
 また、総合防災訓練でありますとか、風水害訓練等におきましても、警察署、消防署、地域センター、避難所との無線交信を訓練内容に組み込んで実施しているところであります。
 地域防災力の強化に向けた方策であります。
 区は、地域防災力を担っていただいている防災住民組織の支援を続けてきているところでありますが、結成以来30年近く経過するといったこともありまして、役員の高齢化等による組織力の低下を懸念しているところでもあります。そこで、地域に存在する人的資源や物的資源を活用する試みとして、防災住民組織が主体となって、事業所との連携による訓練の実施や物資供給の協定をする、こうした支援を考えているところであります。
 ラジオ放送の有効性、また地域FM局についてです。
 御指摘がありましたように、ラジオのFM放送は、大地震によってケーブル等が切断された場合に、安否確認ですとか、避難所等の情報提供の方法として有効であると考えております。ただ、現在、関東総合通信局管内におきましては、地域FM局も免許制ということでありますので、地域FM局によるコミュニティ放送について、FM電波の周波数帯の利用可能枠というのがほとんどふさがっている状態であります。したがいまして、今後の開局というのは極めて厳しい状況になっております。
 そうしたことから、地域のFM局の開局が可能になるのは、ラジオ放送がデジタル化される2011年以降になることとなります。今後、FM放送の電波障害の状況でありますとか、事業の採算性なども勘案しながら十分に検討をしていきたい、こう考えております。
 地域センターの将来的な形についての御質問です。
 これまで行ってきました基本構想、新しい中野をつくる10か年計画にかかわる地域意見交換会、これは昨年行ってきたものですけれども、これの中では、そのとき言葉として使っております(仮称)区民活動センターについては、区職員を配置しない形を想定したイメージで御説明をしていたところであります。その後、議会でのさまざまな御意見でありますとか、地域での意見交換会における御議論などを踏まえて、現在は、地域と区とのパイプ役として区職員を配置するという形を基本に検討しているところであります。
 地域の自治活動の拠点となる(仮称)区民活動センター、こういったものは、地域の方々の意思に基づいて柔軟に運営されるものであることが望ましい、これは考えているところであります。また、そうした中での区との役割分担や協力のあり方も含めて、その具体的な運営形態については、地域の皆さんとの意見交換などをしながら、今、検討をしているという段階であります。
 私からは以上であります。
  〔教育委員会事務局次長金野晃登壇〕
○教育委員会事務局次長(金野晃) 私からは、新入学児童・生徒数の動向と学校再編計画についての一連の御質問にお答えいたします。
 まず、ことしの入学者の動向でございます。学校再編計画案で前期の再編対象とした学校のことしの入学者数でございますが、従来のデータをもとに昨年推計した数値よりも多かった学校も、少なかった学校もございました。しかし、これまでと比べ大幅な変動はなかったという状況でございます。
 次に、指定校変更数の状況でございます。
 学区以外の学校へ入学した指定校変更の状況でございますが、まず、小学校につきましては、17年度237人、全体の14.3%でございました。この指定校の変更率は、前年度と比べて1.6ポイントふえているという状況でございます。中学校につきましては、指定校変更は159人、全体の13.6%に当たります。こちらの方は、昨年度と比べて4.6ポイントの減となっている状況でございます。
 次に、第十中学校の1年生が単学級になってしまったということについてのお尋ねでございます。
 第十中学校につきましては、この学校の通学区域内における入学予定の年齢の子どもたちについて、転出者が多くございました。住民登録者数が少なくなってしまったことによりまして、若干就学率が向上したとはいえ、入学者が40人を下回り、単学級となってしまったというものでございます。
 次に、再編に関連して、入学予定者への対応をどうしているのかというようなことでございます。
 教育委員会といたしましては、今年度の入学予定者に対しまして、再編の関係の学校について、就学通知を郵送する際に学校再編計画案の内容を周知するとともに、教育委員会としての考え方を示しております。教育委員会として、統合までの間の教育に最大限の努力を行うので、安心して地域の学校に入学していただくようにお願いする内容の文書を同封してございます。
 今後につきましても、統合までの間、地域の学校に通学していただけるよう、人的体制を含めて学校を支援するとともに、保護者へも働きかけていきたいと考えております。
 次に、(仮称)学校統合委員会についてのお尋ねでございます。
 統合新校の設置に先立って協議を行う(仮称)学校統合委員会でございますが、ここでは、新たな学校の名称、学校の指定品の取り扱いなどを協議していただくということを考えてございます。ただ、最終的な決定は学校や教育委員会が行うことになります。この委員会の委員の構成、また役割などにつきましては、一定の基準となる考え方を教育委員会として示した上で設置していきたいと考えております。
 次に、前期の再編対象校についての円滑な統合のための交流についての御質問でございます。
 統合を円滑に行うためには、統合校相互の交流、重要なことだというように考えております。学校行事などにおきまして児童・生徒が交流する、また、教職員が交流するというようなことなどを行っていきたいと考えております。
    〔区民生活部長本橋一夫登壇〕
区民生活部長(本橋一夫) アスベスト対策についてのお尋ねにお答えをいたします。
 まず、御指摘のありました解体工事に対します区の初期の対応についてですけれども、問題のビルの解体工事では、重機などを使用するために必要な特定建設作業の届け出がなされないまま解体工事が始まり、近隣の方々から騒音などの申し立てによりまして、区が現場の確認を行い、作業内容から工事の中断を命じたものであります。
 なお、この工事において、アスベストの含有建築物の解体工事に係ります届け出がなされていなかったということもありまして、初期の段階では、区は騒音や振動に対する指導を行いまして、アスベスト対策の指導は行っておりませんでした。アスベストを含む材料の使用の有無の確認は難しい面もございますが、建築物や解体工事の状況から見て、安全性を考慮した適切な判断をすべきだったと考えております。
 本件につきます今後の対策でございますが、現在、アスベストの除去作業の実施に向けて解体工事を中止させております。アスベスト対策といたしましては、まず、鉄骨に吹きつけてあるアスベスト含有材料の除去作業を近日中に行わせることとしております。また、既に解体した部分の瓦れきのアスベスト除去作業につきましても、瓦れきを囲い込み、アスベストの封じ込め、密封搬出など、法令に定める作業上の遵守事項を遵守させるよう指導しております。周辺環境に影響を及ぼさないよう、指導に万全を期しているところでございます。
 今後のアスベスト対策に係る事前の事業者への指導についてでございますが、建築物の解体工事などにおきまして、法令に基づいたアスベスト対策が適切、確実に行われるよう、一層の啓発指導に取り組んでまいります。そのために、解体工事の特定建設作業の届け出時の指導を強化するとともに、建設リサイクル法や中高層建築物の相談、届け出の際の啓発指導や、建築業界など関係団体に対する周知などに取り組んでまいる所存でございます。
     〔保健所長清水裕幸登壇〕
保健所長(清水裕幸) 自動体外式除細動器、AEDと略しますが、その配置についてのお尋ねにお答え申し上げます。
 先ほどのやながわ議員の御質問でお答え申し上げましたように、本機器の整備につきましては、東京都の自動体外式除細動器(AED)の普及啓発事業の一環として機器整備を図ることとしてございます。具体的には本年度中に、AED本体を含む普及セットが一組ずつ市区町村に無償譲渡されることになっております。本区におきましても、この無償譲渡されたAEDを本庁舎内に配置することとしてございます。
 しかしながら、この体外式除細動器の有効活用には、議員も御指摘がございましたように、いわゆる人工呼吸や心マッサージなどの基本的な心肺蘇生措置が不可欠でございます。したがいまして、今回の配置を契機に、蘇生法の普及啓発や、あるいは区民の救急意識の向上に努めてまいると、こういうふうに考えてございます。
     〔区長室長寺部守芳登壇〕
区長室長(寺部守芳) 中野区と区内短期大学の連携についてのお尋ねでございます。
 御提案の短期大学を初め、大学や専門学校など研究・教育機関の持っている講座や人的資源は、地域の活性化にとって力強い存在となる可能性がございます。大学と区民と行政の連携によって中野の町の活力が高まるよう、検討してまいりたいと考えております。
○議長(高橋ちあき) 以上で北原奉昭議員の質問は終わります。
 お諮りいたします。議事の都合により、本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、これに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(高橋ちあき) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
 次の会議は、明日午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。
 本日はこれをもって延会いたします。
      午後4時55分延会