平成17年11月24日中野区議会本会議(第4回定例会)
平成17年11月24日中野区議会本会議(第4回定例会)の会議録
平成17年第4回定例会本会議第1日(11月24日)
1.平成17年(2005年)11月24日、中野区議会議事堂において開会された。
1.出席議員(42名)
  1番  いでい   良  輔        2番  伊  東  しんじ
  3番  佐  野  れいじ         4番  北  原  奉  昭
  5番  久  保  り  か        6番  酒  井  たくや
  7番  奥  田  けんじ         8番  近  藤  さえ子
  9番  小  堤     勇       10番  大  内  しんご
 11番  伊  藤  正  信       12番  きたごう  秀  文
 13番  吉  原     宏       14番  高  橋  ちあき
 15番  やながわ  妙  子       16番  平  島  好  人
 17番  むとう   有  子       18番  はっとり  幸  子
 19番  長  沢  和  彦       20番  か  せ  次  郎
 21番  山  崎  芳  夫       22番  小  串  まさのり
 23番  若  林  ふくぞう       24番  市  川  みのる
 25番  岡  本  いさお        26番  こしみず  敏  明
 27番  飯  島  きんいち       28番  佐  伯  利  昭
 29番  佐  藤  ひろこ        30番  来  住  和  行
 31番  岩  永  しほ子         32番  篠     国  昭
 33番  柿  沼  秀  光       34番  伊  藤  岩  男
 35番  斉  藤  金  造       36番  大  泉  正  勝
 37番  斉  藤  高  輝       38番  江  口  済三郎
 39番  藤  本  やすたみ       40番  昆     まさ子
 41番  江  田  とおる        42番  池  田  一  雄
1.欠席議員
      な  し
1.出席説明員
 中 野 区 長  田 中 大 輔      助     役  内 田 司 郎
 収  入  役  山 岸 隆 一      教  育  長  沼 口 昌 弘
 区 長 室 長  寺 部 守 芳      総 務 部 長  石 神 正 義
 総務担当参事    橋 本 美 文      区民生活部長   本 橋 一 夫
 子ども家庭部長  田 辺 裕 子      保健福祉部長   菅 野 泰 一
 保 健 所 長  清 水 裕 幸      都市整備部長   石 井 正 行
 拠点まちづくり推進室長 石 橋    隆    教育委員会事務局次長 金 野    晃
 政策計画担当課長 川 崎    亨
本会の書記は下記のとおりである。
 事 務 局 長  山 下 清 超      事務局次長    高 橋 信 一
 議事調査担当係長 大 谷 良 二      書     記  黒 田 佳代子
 書     記  永 田 純 一      書     記  荒 井   勉
 書     記  岩 浅 英 樹      書     記  菅 野 多身子
 書     記  廣 地   毅      書     記  西 田   健
 書     記  鳥 居   誠      書     記  杉 本 兼太郎
 書     記  松 本 桂 治      書     記  吉 田 哲 郎

 議事日程(平成17年(2005年)11月24日午後1時開議)
日程第1 第66号議案 平成17年度中野区一般会計補正予算

午後1時00分開会
○議長(高橋ちあき) ただいまから平成17年第4回中野区議会定例会を開会いたします。
 本日の会議を開きます。
 会議録署名員は、会議規則第121条の規定に基づき、議長から御指名申し上げます。16番平島好人議員、28番佐伯利昭議員にお願いいたします。
 次に、会期についてお諮りいたします。本定例会の会期は、本日から12月7日までの14日間といたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(高橋ちあき) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
 本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。
 この際、申し上げます。11月1日付をもちまして、お手元に配付の文書のとおり本会議参与に人事異動がありましたので、御報告いたします。
本会議参与の人事異動
平成17年(2005年)11月1日
発 令 氏 名
拠点まちづくり推進室長
 
石 橋  隆
 
区長室まちづくり総合調整担当部長

備 考
 1 区長室まちづくり総合調整担当部長は平成17年10月31日をもって廃止。

○議長(高橋ちあき) 次に、11月1日付をもちまして、お手元に配付の文書のとおり委員会参与に人事異動がありましたので、念のため御報告いたします。


○議長(高橋ちあき) この際、お手元に配付の一般質問一覧表のとおり、斉藤金造議員、長沢和彦議員、飯島きんいち議員、佐伯利昭議員、奥田けんじ議員、佐藤ひろこ議員、伊藤正信議員、江田とおる議員、やながわ妙子議員、むとう有子議員、北原奉昭議員、大内しんご議員、いでい良輔議員より質問の通告がありますので、これを順次許します。

 中野区議会議員 斉 藤 金 造
 1 新しい中野をつくる10か年計画について
 2 都・区間の平成18年度に向けての制度改革にともなう主要5課題について
 3 その他

○議長(高橋ちあき) 最初に、斉藤金造議員。
〔斉藤金造議員登壇〕
○35番(斉藤金造) 平成17年第4回定例会に当たり、自民・民社クラブでは5名の一般質問者を予定しており、その1番バッターとして、区長並びに理事者に質問をいたします。区長におかれましては、簡潔で誠意ある答弁をお願いいたします。
 質問は、このたび区長が示された基本構想の改定に伴い、10年後のよりよい中野の実現に向けての10か年計画素案、そしていよいよ大詰めに来ました、来年平成18年度4月に結論を出さなければならない、都・区間の制度改正に伴う主要5課題についての二つの質問をさせていただきます。
 最初に、10か年計画について、区長に確認をしながら質問いたします。
 まず最初に、この新しい中野をつくる10か年計画は、本年の3月に新たな基本構想を制定し、真に持続可能な地域社会をつくり上げていくための基本理念と、中野のまちの将来像を示した上で、10年後に実現するまちの姿を明らかにしています。そして、区が区民の信託に基づき、行政を進める上で最も基本的な指針となるとし、これを実現するための基本計画として策定するとの考え方が示されております。
 性格として、目標を達成するための手段である事務事業について、予算や人員などの経営資源を最大限に活用し、最も効率的、効果的に展開していくための基本的な方向を示すものとしてあります。
 例えば、人口の推移についても、近年は都心回帰型の傾向もあり、ここ数年は微増となっていますが、10年後には微減に転じ、平成17年と比較して約5,000人、1.8%減少する予測が改定素案の資料に示されております。
 しかし、この人口の推移の中で、特に注目しなければならないものは、10年後の15歳から29歳までの人口が1万7,280人も減少してしまうことであります。もちろん、ゼロ歳から14歳の人口も微減しておりますが、反面、65歳以上の人口は実に5,900人増と予測され、大変な勢いで少子・高齢社会に達してしまうということになると思われます。
 一方、生産人口に至っては、いわゆる2007年問題とともに言われる団塊の世代の大量の定年退職の背景もあり、17年の21万6,088人から10年後の平成26年には20万4,697人と実に1万1,391人も減少いたします。このことは税収の減少をもたらし、活気のない10年後の中野のある一面の姿と考えられますが、区長の認識はいかなるものなのか、お考えをお伺いいたします。
 次に、この計画は10年後に向かって、10か年の財政フレームも示され、各年度の歳入を基本に事業計画に合わせた基金や起債の活用などを図り、これをもとに各年度の予算を編成し、おおむね3年程度の事業規模を想定した中で、柔軟な予算の編成、管理を行うことができる複数年型予算の仕組みを導入するとしています。
 今回示された10か年計画の財政フレームは、事業の目標達成度の検証を行いながら取り組み内容の改善を図るとともに、おおむね5年後、また三位一体改革の影響など、今後、区政を取り巻く社会情勢が大きく変化した場合には、設定した財政フレームを見直すと説明されています。
 しかし、こうした中、区は平成16年度から事業部制を導入し、各事業部長の責任と権限で事業計画や予算編成を行い、事業の成果を検証するということになっておりますが、財政フレームの見直しや複数年型予算との整合性が十分担保されているのかどうかを疑問が残るところでございます。
 10か年計画の目標や成果の検証は、一体どの部署がどのように行うのか。責任を持って計画を推進するのはだれなのか。また、事業の優先順位はどのようにして決められるのか。改定素案や理事者の説明からは一向に読み取ることができません。
 区長は、こうした計画の執行方法や成果の検証について、お考えを明確に議会や区民、そして職員にも示していく必要があると思いますが、お考えをお聞かせください。
 次に、財政フレームについてお尋ねいたします。
 10か年の財政フレームは、国の三位一体改革や平成18年度の都区財政調整協議などの影響、また現行の小渕内閣のときに景気対策のために行われた定率減税の見直し、さらには平成19年度に向けての税源移譲に伴う税制の抜本的な改正などを考慮し、必要最低限の影響を想定してフレームが示されております。しかしながら、これらの影響はどれ一つをとっても歳入面で多大な影響があらわれ、10か年計画のさまざまな面に与える影響ははかり知れないものがあると考えます。
 区長は、10か年計画の財政フレームの歳入に直接影響するこれらの大きな課題について、どのように考えられておられるのかをお伺いいたします。
 また、大変難しいと思いますが、それぞれの改定により想定される影響額について、現在答えられる範囲で構いませんので、お答えをいただきたいと思います。
 次に、扶助費に関連する事項についてお伺いいたします。
 行財政5か年計画や経営改革指針により、区長はここ数年、退職不補充や業務の民間委託といった手法により、3,200人の職員を2,700人まで大幅に減らしてきました。そして、さらに10か年計画の中でも、職員数を民間活力を導入しながら2,000人体制とすることを目標としております。しかしながら、この数年の傾向として、職員数の削減努力による財政効果も生活保護費の増大に相殺されてしまうという現状となっております。その上、追い打ちをかけるように国が示した三位一体改革の国庫負担金の見直し案では、生活保護費の現在の負担割合、現行の国が4分の3、地方自治体が4分の1を、国が2分の1、都と区が4分の1ずつの負担割合とする案などが最近示されました。
 このように、地方へこれ以上の負担を強いることは、今後の税源移譲などで地方への権限移譲や自主権の拡大を標榜した地方制度改革は形ばかりのものになりかねませんし、地方のこれまでの懸命な財政健全化への取り組みに水を差すものと言っても過言ではないと考えます。
 先般の某新聞記事に、平成16年度の生活保護受給世帯が100万世帯に迫ったとあり、受給世帯のうち男性の65歳以上、女性の60歳以上のいわゆる高齢者世帯の増加が著しく、46万5,000世帯を超え、全受給世帯の約半数を占める状況となっていると報道されました。
 厚生労働省では、こうした事態の対応として、働く能力のある人に生活保護に頼り続けられる人を減らし、生活保護費の膨張を抑制するため、今年度から自立支援プロジェクトを導入し、公共職業安定所などを活用し、就労を促す政策を打ち出しています。
 区としても、生活保護政策の制度的な問題を大きく取り上げ、生活保護基準などの抜本的な改革などを、区長会を初め全国の地方自治体、都道府県と一緒になり、言うことは言っていく時期であると思われますが、区長の決意のほどをお伺いいたします。
 次に、中野駅周辺のまちづくりについてお尋ねいたします。
 この10か年計画において、中野駅周辺地区は、都心に近く、他の都市型産業集積地と連携をとりやすい交通至便な地域として、ITコンテンツや環境などの都市型産業が集積し、東京の新しい副都心となっていることを目標とするまちの姿が示されています。
 警大等跡地を初め、中野駅、サンモール、ブロードウェイ、中野駅南口地区のまちづくりも着実に進み、商業や業務、大学等の教育機関、公園、文化芸術など多様な機能がつながり、区内はもちろん、区外からも多くの人が訪れること、そして人々の交流が生まれ、24時間、事業活動ができるまちとして、活気とにぎわいがあふれる新しい中野の顔として生まれ変わっているという夢のような姿が描かれております。これらを夢で終わらせることなく、着実に実現させるべきであると心から思っております。
 実際に、平成18年度には警大等跡地の地区計画の方針決定を目指すとともに、土地所有者の財務省関東財務局も警察病院は既に土地売却が済んで建設に向かって動き出しており、大学、防災公園、都市計画道路等の用地についても売却することを目指していると聞いています。
 区も、区役所庁舎の移転、体育館の移転、総合新中学校の整備等、区が主体となって取り組まなければならない事業を多く抱えておりますが、一番初めに区長が政治判断を示さなければならないのは、中野駅の改良についてであろうと思われます。
 近隣の駅の整備に比べて、中野駅の整備のおくれは明白であり、現在の中野駅の状況では警大等跡地や南口など新たな開発による旅客の増加の受け皿となることは不可能です。駅舎や駅前広場の整備に早急に着手しなければならないことは論をまちません。
 そこで、具体的な整備を進めるに当たり、JR等との交渉をするに当たっては、区が一定の負担をすることを明確にした上で、精力的に取り組むときだと思われます。現実に、西武新宿線の立体化構想に当たっても、区の負担が示されております。区長の決意のほどをお聞かせ願います。
 次に、区内のその他のまちづくりについて、3点お尋ねいたします。
 近年は、区内の事業所の移転、廃業等で、商店街は空き店舗が目立っているところもありますが、個々の商店が集客力を高めるなど、区内の商業、産業を活性化しなければならないと思います。
 一方、若者や単身者が多い中野区は、区外へ通勤などで流出する人口が流入人口より多く、用途地域を見ても区内全体に住居系の用途地域が広がり、住宅のまちとなっています。しかも、木造住宅が多く、広さや設備が不十分な住宅が多いのが現状です。
 こうしたことから、私は、区として適切な規制緩和を誘導するなど、環境と都市機能が調和した土地の有効利用を大きく進めなければならないと思います。
 そこでお伺いをいたします。用途地域の見直しについては、地区計画を導入して対応することと言われていますが、地区計画を導入してまちづくりを行っている地域が区内にどのくらいあるのか。そして、それらはまちづくりがどのくらい進んでいるのかをお尋ねいたします。
 さらにお尋ねをいたします。道路整備について触れますと、都市計画道路を初め、区内の道路、私道を含め、整備拡充は火災時の延焼防止、延焼遮断帯として防災上からも大変重要であると思います。しかし、道路が狭いために指定された容積率を使えず、建てかえがきかなかったり、小規模な住宅となってしまい、老朽木造住宅や単身者向けの住宅が必然的に多くなってしまうことも、また事実です。私は、まちづくりを進めるためには、計画的な道路の整備拡充が欠かせないものと考えています。
 そこでお伺いいたしますが、23区の中でも道路整備がおくれていると言われている中野区において、今後、区は道路の整備拡充をどのように進めるつもりなのかをお答えください。
 まちづくり関連として、3番目として高床工事への支援策等についてお尋ねいたします。
 本年は、8月と9月の二度にわたり、予想を超えた大雨により、大規模な水害被害が発生しました。とりわけ、9月4日の夜半に発生した大雨は、時間当たり100ミリを超すもので、妙正寺川流域を中心に1,500件にも上る浸水被害となりました。
 こうした事態を踏まえ、区長が区内河川の治水対策を求め、東京都知事に対し要請行動を行ったことは大いに評価しています。また、我が党の松本衆議院議員、川井都議、公明党の高倉都議の努力もあり、国の激甚災害対策特別緊急事業に指定されました。これを受け都では、妙正寺川については落合調節池から環7地下調節池取水施設まで、おおむね5年間で河川改修に取り組むとのことです。
 中野区にあっても早急に対応すべき課題があります。10年に1回、あるいは20年に1回あると言われるような大雨が毎年発生するような状況の中で、不安を抱えている流域の住民は少なくないと思います。
 住民が浸水被害を受けないための建てかえ、例えば建物を高床構造とする場合への規制緩和を含めた支援策です。平成11年度までは、高床工事を行う方に対して、区は助成をしておりました。年平均4件から5件。1件当たり230万円程度の補助金が交付されていたと聞いております。このような制度を復活すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 また、建物を高床構造とした場合、浸水被害を受けないため、せっかくの建てかえを検討しても建築上の高度制限がかかってしまってはどうしようもありません。こうした建てかえに当たって、必要な範囲で建築上の規制緩和を検討すべきと思いますが、区長はどうお考えになっているのかをお聞かせください。
 次に、(仮称)総合公共サービスセンター及び地域センターについてお尋ねいたします。
 在宅介護支援センターを廃止し、8カ所の地域包括支援センターを設置し、1カ所を区の直営で、他の7カ所はそれぞれの地域に割り振られた社会福祉法人に委託をし、一時民間の協力をお願いし、その後、平成21年に仲町小学校跡地を初めとして沼袋小学校跡地、中野富士見中学校跡地等へ順次開設を目指すとあります。一方で、中部保健福祉センター、北部保健福祉センターも順次廃止することとなっております。
 介護保険の目的が介護予防に主点を置くという変更もありますが、本年11月に運営協議会を立ち上げ、12月には募集、来年1月には運営と既に在宅介護支援センターから包括支援センターへの移行は始まっております。これらの事業の10か年計画への無理で短兵急な組み込みとの誤解が区民の中に生じかねない問題と思われますが、区長のお考えをお聞かせください。
 次に、地域センターについてお尋ねいたします。
 地域センターは、地域住民相互に交流を深め、豊かな地域社会をつくり出していくための市民の広場、地域の主人公である区民の声がいつでも反映できる地域の区長室の役割を持ち、地域センターの機能は地域情報の収集、提供、処理をし、地域センターは地域の皆さんからの要望、苦情の処理をし、身近な相談を行っていますし、地域ボランティアなどの活動が活発にできるよう、集会の場を提供し、活動を協力し、地域の皆さんの要望に合わせた講座や講演会も区民とともに考え、企画し、実施しており、地域の個別の課題の立案、調整を行い、新しい企画へと発想を広げ、窓口サービス、福祉サービス、保健サービスをみずからが提供、あるいは担当各部と協力してその充実を図り、災害などがあったときは地域の防災対策本部を設置し、対応をするなど、まさに多岐にわたって役目を果たしております。さらに、区民に親しみを持たれ、地域のコミュニケーションの中心としての役割を中野区の旧地域センター部が進めてきた事業でありました。
 地域センターの持つ多機能、多目的な役割をただ職員の削減という名目で、地域センター窓口を鷺宮、野方、江古田、東部、南中野の5地域センターに集約し、他の10の地域センターは地域活動センターに移行するという、今まで区が進めてきた事業の大幅な変更が簡単に地域の皆さんにより一層、便利で使いやすい親しみが持てる施設となると考えられるのかを区長にお尋ねをいたします。
 次に、民間活力の導入についてお聞きをいたします。
 小・中学校の整備、子ども関連施設整備、文化芸術の活動拠点整備、高齢者会館の整備、(仮称)総合公共サービスセンターの整備、福祉関連施設の整備、高齢者向け優良賃貸住宅の整備等々、10か年で新たに実現する施設一覧を見ると、ほとんどの施設で民間活力を導入するとあります。
 持続可能な行財政運営の項で、業務改革の中でのコストの計算の中で民間で用いられている活動基準原価計算、ABC分析、等を導入し、サービス提供の直接経費だけでなく、人件費等の間接経費も含めたトータルコストを算出し、真にコストに見合う効果が得られているか、効率的にサービスが提供されているかを分析し、事業執行の見直し、効率化を進め、さらに公共部門サービスに市場原理を導入し、行政と民間事業者が同じ土俵で競争し、よりよいサービスを効率的に提供できるよう市場化テストを実施するとしております。もう一歩進んで、これら民間との導入競争をより一層進めるためにも区の組織としての対応が必要と思われますが、専門の職員、専門の部署等の設置も考えられないかを区長にお尋ねをいたします。
 この項の最後に、用途がなくなって未利用となる施設、また無理に整備活用を考えたと思われる施設などの思い切った売却を進め、一方で10か年の中で新たに必要な施設、現在財政の苦しい中でも(仮称)北部防災公園用地等の取得をしてまいりました。将来、警大等跡地の防災公園等の取得も進めており、他の整備予定地の購入も計画の中で進捗させなければならない施設の真に効率的な配置を進めるための施策が考えられないかも区長にお聞きをいたします。
 次に、2番目の項目に掲げております都区財政調整制度についてお尋ねをいたします。
 平成12年に施行された都区制度改革から6年目を迎え、都区制度改革の積み残し課題である、いわゆる主要5課題の問題に今年度は最終決着をつけなければなりません。しかし、都区財政調整協議会の検討結果では、大都市事務の問題及び配分割合の定め方、清掃関連経費の4経費の財源の取り扱いについてと、まとまりができないまま、12月から始まる18年度都区財政協議の中でさらに協議をしていくと結論を先送りしてしまいました。
 助役会会長は、この協議会を総括して、「大都市事務等の課題は、自治法の原則のもとで、都が行う大都市事務の範囲を明確にし、これに基づく財源配分を行う課題であり、都区制度の根幹にかかわる問題である。本来、都と区が一致して求めた法改正によって定められた原則に基づき、その具体化を図るための協議であるにもかかわらず、法の解釈そのものが分かれて入り口の議論に終始したことはまことに遺憾だ。仮に他の具体的な課題が整理できたとしても、この問題の解決なくしては財源問題に関する都区の最終的な合意はあり得ない。このままの状態では、12月から予定している18年度財調協議に支障が出るのは明らか。何としても本年11月中に状況の打開を図るための対応策を講じる必要がある」と言っております。
 区がこれから分権時代の基礎的自治体としてどのような基礎を固めていくのかという重要な問題を十分な時間があったにもかかわらず、入り口論争に終始しているようでは先が思いやられます。法制度はできたけれども、実態が伴わず、制度改革は未完の状態であります。法制度を幾ら変えても実態が伴わなければ制度は動かないということを、区長たちはどれほど自覚しているのか疑ってしまいます。この問題を解決しない限り、都区制度改革をした意味がない。このことを肝に据えて解決に取り組まれることをお願いいたします。
 そこで、最終段階を迎え、この取り組みに当たる区長の姿勢、考えをお伺いいたします。
 初めに、大都市事務について解決に向けての区長の考えをお聞きいたします。
 さきの都議会総務委員会で都総務局の担当部長は、議論のかみ合わない原因は、区の主張が具体的な大都市事務と財源が表裏一体の関係にあるにもかかわらず、都の行っている事務を区が担うということではなく、財源のみを区に移すというような話に終始しているためだと言っています。
 私は、大都市事務というのは、特別区の区域の中で市町村財源を使って行う事務ということであり、その意味で区の事務はすべて大都市事務と言えるものだと思います。
 そこで、府県事務と大都市事務の両方を担う都の大都市事務をどう整理するのかが解決への道筋だと考えます。総務局の担当部長の答弁は、どんな思惑があるにしろ、都が必要以上に区の力量を過小評価していることを示しているものと思います。都区の大都市事務の役割分担を踏まえた財源配分のあり方の課題解決には、区の力量をしっかり示した上で、住民や議会のコンセンサスの得られる妥協点を探ることだと思います。
 そこでお伺いをいたします。区長は、大都市事務の課題解決に向けてこれまでの都区検討会、都区財政協議会での協議を通して都総務局の担当部長の答弁に対する感想をまずお聞かせください。
 次に、助役会会長が協議会を総括して述べた区側の意見の中で、何としても11月中に、今年度のですが、状況の打開を図るための対応策を講じる必要があると言っていますが、区長会はどのような対応策を講じているのか。また、その進捗状況はどのようになっているのかをお聞きいたします。
 3点目は、最終決着の仕方について区長のお考えをお聞きいたします。私は、この協議は最終的には政治決着しかないと思っていますが、しかし妥協といっても譲れるものと譲れないものがあります。大都市事務の中で、都の主張する政令市の事務や府県事務を残したままでは妥協はできません。確かに府県事務と市町村事務との間には厳格な境はありません。だからこそ、23区が納得し合える妥協点を区長会が議長会とともに論議を尽くして探ることが必要だと思っています。再び制度についての理解そのものから争うことを繰り返さないためにも、また政治決着をするためにも議会の役割を認識すべきです。区長の考えをお聞かせください。
 次に、清掃事業関連経費についてお伺いをいたします。
 清掃事業は、平成12年の一番大きな移管事業です。当時、東京都が引き続き行うということで残した事業が四つあり、その事業費は745億円ということで都区で確認をしています。この事業費745億円の取り扱いについては、18年度に仕切り直すということになっています。都に残した経費のほとんどが都の整備した清掃工場の償還費であり、早晩なくなってしまう経費です。都の行う大都市事務に必要な市町村財源を都に残すということが制度の考え方であり、このことからすると当然区に財源を移すこととなります。しかし都は、清掃職員の退職手当については財源配分に反映するが、償還費、還元施設の経費、職員費は区に引き継がないとしています。都が認める区の需要の限りでしか区に財源を渡さないという都の主張は、制度改革以前の内部団体扱いと変わらないものです。
 この清掃事業関連事業経費については、都の内部団体としての性格を払拭するために見直しがされた制度を壊してしまう都の考え方が変わらない限り、安易に妥協できるものではないと思いますが、これをまとめてはいけないのではないかとさえ、考えます。
 助役会会長は、区側に生じる需要の存在については、認識が一致した。一致できたものについては、具体的な内容を整理していく段階に入れるものと考えていると総括していますが、私はこれには疑問を持たざるを得ません。制度を壊すような妥協はしてはならないと思っています。このことについて、区長のお考えをお聞きいたします。また、課題解決に向けた取り組み状況もあわせてお答えをお願いいたします。
 この項の最後に、都市計画交付金についてお伺いをいたします。
 都市計画税は、もともと市町村税で、市町村が行う都市計画事業の財源にするものですが、特別区の場合、都がこの都市計画税を持っています。制度改革のときもそのように整理されています。しかし、都市計画事業は区も実施しており、その実施割合に応じて当然財源も配分されなければなりません。現在の都市計画交付金は、区の都市計画事業費から国庫支出金等を除いて一般財源で対応しなければならない経費の3割弱しか賄われていません。一方、都は9割近くを都市計画税で賄っています。都市計画税が都税だからといって、区の需要を無視したものであってはならないと思います。都市計画税は本来市町村税であり、都区の役割分担に応じて財源を配分すべきです。
 財調協議会では、都市計画交付金と都区財政調整での算定を通じて特別区の都市計画事業が円滑に行われるよう、今後とも都市計画交付金と都区財政調整で算定する枠組みの中で改善を図ることについて認識が一致したとの取りまとめを行いましたが、都が都市計画交付金を奨励的補助金として考えていることに対して、少し議論が足らなかったのではないでしょうか。都市計画税を基盤整備や社会資本整備に対して特別区が自由に使える財源とするよう見直しを求めていく必要があったのではないでしょうか。この取りまとめについて区長の御見解をお聞かせください。
 以上で私のすべての質問を終わりますが、冒頭に述べたとおり足りないところは5名で連携をして区長にお尋ねをいたしますので、わかりやすい簡潔な答弁を再度お願いいたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)

〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 斉藤議員の質問にお答えをいたします。
 生産人口の減少と中野の活気についてです。
 現在の傾向が続くとすれば、これからの10年間で中野の人口構成も、少子・高齢化が一層進むものというふうに想定をされるわけであります。少子化対策でありますとか、さまざまなまちづくりの努力によりまして、住宅を誘導したり、ファミリー層や働き盛りの人々の増加を促すという施策が重要であると考えているところです。また、現在、生産人口というのは15歳から64歳までと考えられているわけですけれども、これからの社会ではこれを5歳程度年齢層を引き上げて考えていくといったようなことが必要な課題になってくるのではないかと考えております。新しい中野をつくる10か年計画の中でも、四つの戦略の一つ、「健康・生きがい戦略」の中に、「生涯現役を続けられるまち」を設けて、そこでこれから退職の時期を迎える団塊の世代の人たちについても取り上げているところであります。
 団塊の世代を含む高齢者の雇用でありますとか、社会参加の機会の拡大を図って、その方々が持つ豊かな経験でありますとか能力を引き出して、地域で最大限に生かしていきたいというふうに考えております。
 それから、10か年計画と事業の執行に当たっての見直し、改善についてであります。
 計画の推進については、事業の成果に基づいて見直し、改善を行っていくということでありまして、各部、各担当者がそれぞれの目標単位で不断に見直し、改善を行っていくというふうにしているわけであります。
 しかしながら、全体的な視点からの調整ということも欠かせないことでありまして、区全体の計画の推進、あるいは見直し、改善につきましては、区長室が中心になりまして、財政面での調整を財務担当と行いながら、責任を持って進めることとしているところであります。
 10か年計画のフレームに関する御質問であります。
 三位一体改革や税制改正による影響につきましては、税源移譲、それから定率減税の見直し、それから18年度の税制改正、また税源移譲によります大都市部における再調整、そういった幾つかの不確定要素なども考慮して、10か年計画では歳入のフレーム算定を行ってきたところであります。さらに、こうした不確定な要素に対応するために、財政調整基金の積み立てをするとか、それから内部努力の強化、収納率の向上などの取り組みも行うこととしているところであります。
 影響額の概算についてですけれども、現段階の単純な算定では影響額を17年度当初予算ベースで算定いたしますと、税源移譲、これは税率のフラット化によるものですけれども、それから定率減税の廃止、これらで約30億円の増収と見ております。また、18年度の税制改正、これによりまして約11億円ほど増収が図られるといったふうに見込んでいるわけでありまして、あわせて40億円程度の増収の要因というふうに見込んでおります。
 しかし、税源移譲によって決して財源が潤うというわけでは当然ないわけでありまして、国の補助金、負担金の見直しの影響額については、これまでのところで約20億円程度の歳入減を見込んでいるわけであります。
 三位一体改革については、今後、進展していく中で、さらに歳入の減少要因も出てくるということを考える必要があるというふうに思っております。さらに、少子・高齢化に伴う新たな対応や負担といったことも見込んでいかなければならないので、見通しは大変厳しいというふうに認識をしているところであります。
 それから、生活保護などの問題についてであります。
 生活保護法というのは、法制定後55年が経過をしているところでありますが、これまで大幅な改正がなく、現在に至っております。このため、社会経済現象の大幅な変化に制度が十分に対応し切れていないといった面も出てきているところでありまして、見直しが必要な時期に来ているのではないか。こう認識をしているところです。
 生活保護制度の改革については、現在国と地方から成る協議会で検討をしているというところであります。国に対しまして、財政負担における国の責任をしっかりと果たすよう十分強く求めていきますとともに、生活保護の運用面においては、自立助長機能の強化でありますとか医療扶助の適正化などについて、地方の意見を尊重するように要望をしていきたいと考えております。
 それから、中野駅周辺のまちづくりに関連して、中野駅の整備についての御質問もありました。
 中野駅周辺まちづくりを進める上で、中野駅の駅舎でありますとか駅前広場の整備は最も重要な事柄の一つであると考えております。
 この整備に当たっては、区としても一定の負担が必要である、こう考えております。JR東日本との間での分担の問題といったようなことが大きな課題になってくると認識をしているところであります。今後、東京都及びJR東日本など関係機関と整備計画でありますとか整備費用の負担、そうしたことについての協議を行いながら早期に実現が図られるように努めていきたいと考えております。
 それから、用途地域の見直しに関連して、地区計画によるまちづくりということであります。
 現在、地区計画によるまちづくりを実施している地域は、南台四丁目地区、平和の森公園周辺、また南台一丁目、二丁目地区など3地区であります。その他の地域ということでは、現在、上鷺宮地域におきまして、地区計画の導入によって土地区画整理を施行すべき区域、こういうふうに定められたことがあるわけですけれども、この定めを解除して用途地域の見直しを含めた地域まちづくりの検討を行っているというところであります。
 今後のまちづくりに当たっては、御意見の中にありましたように、規制と緩和を適正に組み合わせながら民間の開発意欲を活用していくといった方向が適切であるというふうに私も考えております。そうした規制と緩和を適切に組み合わせることによって住民みずからの手で進めていくまちづくりといったようなことを想定しながら、地区計画によるまちづくりの推進を図っていきたいというふうに考えております。
 それから、道路整備の問題であります。
 都市計画道路につきましては、平成16年の3月に都と区の間で、今後12年間を想定した第3次事業化計画というのを策定しております。区内では7路線がこの計画に位置付けられているわけであります。このうち、紅葉山通りにつきましては、区施行、区が施行するものというふうになっているわけでありまして、計画的な整備を図っていくこととしているところであります。
 そのほか、さまざまに道路の問題はあるわけでありまして、建築基準法42条2項道路、いわゆるみなし道路、幅員4メートル未満の道路整備につきましては、建築の建てかえに合わせて順次拡幅整備を進めるということが必要ということであります。また、密集地域等の道路につきましては、先ほどの答弁で申し上げました地区計画などの手法によりまして、建築物の共同化、不燃化など、そうしたまちづくりを進める。こうした動きに合わせて拡幅整備をしていくというような考えで進めていきたいと思っております。
 それから、高床工事への支援策等についてであります。
 ことしの8月、9月の集中豪雨によります大規模な浸水被害というのは、これまでの被害をはるかに超えるものでありました。区として、河川の早期改修を要請してきたところであります。また、関係各方面さまざまな御努力をいただいた結果といたしまして、このたび国の激甚災害対策特別緊急事業の指定につながったということがあったわけでありますが、さらに浸水被害を受けない、軽減するための建物の建てかえを促進するといったようなことも大きな課題であると認識をしているところでありまして、現時点で対応可能な対策を早急に組み立てていく必要があると判断をいたしました。
 そのため、早期に区独自の高床工事助成事業を実施することといたしました。また、高度地区の見直しなど高床建物の高さ規制に関する緩和措置につきましても、あわせて検討をしているところであります。
 地域包括支援センターの取り組みについて、無理な取り組みと誤解が生じないようにするべきだという御意見でありました。地域包括支援センターについては、このたびの介護保険法の改正によりまして、介護予防マネジメント、それから総合的な相談支援と権利擁護、それから包括的、継続的ケアマネジメント支援、こうしたものを実施する主体として新たに設置をされることになったものであります。
 この改正によります取り組みということでありまして、来年4月に開設予定でありますが、この介護保険法改正に伴うこの取り組みは、新予防給付という新たな仕組みの開始に対応するためのものでありまして、制度上、避けることのできないスケジュールに従っているものということで御理解をいただきたいと考えております。
 それから、地域センターの区民活動センターへの転換についてであります。
 15の地域センターにつきましては、それぞれ(仮称)区民活動センターという形へ転換をして、地域活動の拠点としての充実を目指すとともに、地域の窓口機能については電子申請の充実、あるいは区施設やコンビニでの取り次ぎサービスなどを行いながら5カ所に集約をして、小さな区役所を実現することを目指しているわけであります。
 (仮称)区民活動センターにつきましては、区職員の配置や運営スタッフの確保などの対応を行って地域の方々の活動がより活発になるようにサポートをするとともに、地域の皆さんの意思に基づいて運営ができるように取り組んでいきたいと考えております。
 また、具体的な運営形態について、地域の方々の意向を反映した柔軟な対応ができるように考えているところでありまして、その準備に当たっても地域の皆さんと十分話し合いをしながら進めてまいりたいと考えております。
 それから、民間活力の導入に向けた組織対応についてであります。
 民間活力の導入ということについては、区のあり方、これからの行政のあり方を考えていく上で、民間にできることは官がやらない。民間にできることは民間の活力にお任せをしていくということで、大変重要な意味を持っているというふうに考えて取り組んできたところであります。
 これまでも経営改革のエンジンとも言うべきこととして中心的に民間活力の導入を進めてきたところでありまして、これまでの経験を生かして、区長室が中心となって引き続き進めていきたいというふうに考えているところであります。
 それから、用地の問題であります。
 今回の計画において、用途がなくなって未利用となる施設や用地につきましては、基本的には区民ニーズに応じて何らかの形で活用することが望ましいと考えているところであります。しかし、総合的に検討して不要と判断した施設については、ちゅうちょすることなく売却を検討していきたいと考えております。
 また、施設や用途のうち、特定財源とすることがその施設が目的としている事業の新たな展開に資するといったような場合も考えられるわけでありまして、そうした場合には売却をしていくということであります。売却に当たりましては、民間に売却することによって区民の暮らしの活性化や地域の福祉に寄与するといったような効果も含めて検討をしていきたいというふうに考えております。
 それから、主要5課題についての幾つかの御質問でありました。
 まず、大都市事務であります。
 都総務局の担当部長の答弁といいますのは、今回の5課題の中での大都市事務の問題というのは、本来区の事務であるものを都区でどう分担するかと。その事務を決めていくという課題である。こういう議論そのものの出発点の認識がなされておらないということでありまして、大変遺憾に思っております。
 この5課題の解決につきまして、11月16日に行いました区長会の総会におきまして、主要5課題に関する今後の対応については正副会長に一任をするといったようなことで意見がまとまったところですが、最終的に都と意見がまとまらなければ18年度の財政調整協議は決裂も辞さないという強い決意で挑むべきだというふうに考えているところでありまして、議長会とも連携をして対応してまいりたいと考えております。
 今回の協議については、平成12年の都区制度改革の際に残された課題ということであります。この解決なくして特別区の自治の確立はないというふうに考えているところであります。しかし、平成12年の都区制度改革にとどまっていたのでは、三位一体改革を初めとする分権改革の新たな流れに対応することはできないということもあるわけであります。単に主要5課題の解決だけではなく、その後の都区制度のあり方を議論していくといったようなことも今後必要になってくると考えております。
 そうした立場から、膠着した議論を進展させていくためには、新たな分権を展望した議論の展開の可能性というものも踏まえるべきでありまして、そうした観点から議会の積極的な役割にも期待をしたいというふうに考えております。
 それから、清掃事業の関連経費の問題であります。
 都側は、清掃4経費のうち、職員の退職手当などについては区側に需要があることを認めて、清掃4経費以外の清掃一部事務組合の起債償還費や灰溶融施設の関連経費などについても需要額の具体的な算定方法を協議するというふうに言っているわけであります。
 しかし、清掃事業の関連経費については、職員の退職手当だけではなく、他の3経費も含めた財源745億円を区側に移転をして、区側の需要に振りかえるということが現在の財政調整制度の趣旨に照らして当然のことでありまして、安易な妥協をしないよう区長会でも発言をしていきたいというふうに考えております。
 それから、都市計画交付金についてであります。
 都市計画交付金は、そもそも市町村税であります都市計画税を原資として、都区双方の都市計画事業の実施状況に見合った配分を行うべきものであります。都側は、奨励的な補助金として考えているという、このこと自体、交付金制度を否定するものであるというふうに思うわけであります。
 区側といたしましては、検討会や協議の中で現行の都市計画税の8%、区側に対する充当率が8%しかないということを20%にするということを主張するとともに、区の実施状況を踏まえた弾力的な運用も考慮することを求めているところでありまして、引き続きこの主張を堅持していきたいというふうに考えております。
 以上であります。
○議長(高橋ちあき) 以上で斉藤金造議員の質問は終わります。


 中野区議会議員 長 沢 和 彦
 1 区長の政治姿勢について
  (1)「構造改革」路線による区民への影響について
  (2)「9条改憲」発言を改めて問う
  (3)その他
 2 「新しい中野をつくる10か年計画」(改定素案)について
  (1)保育行政について
  (2)児童館・学童クラブについて
  (3)区民参加のあり方について
  (4)その他
 3 警察大学校等跡地について
 4 介護保険制度の改定について
 5 水害対策について
 6 非核・平和行政の推進について

 7 その他

○議長(高橋ちあき) 次に、長沢和彦議員。
〔長沢和彦議員登壇〕
○19番(長沢和彦) 2005年第4回定例会に当たり、日本共産党議員団を代表して質問を行います。
 質問の順序を入れかえ、初めにその他の項で、耐震強度偽造事件について伺います。
 建物の耐震強度をチェックする構造計算書の偽造によって、安全が保障されないマンション、ホテルが建設されていたことがわかり、大問題になっています。計算書を偽造した1級建築士の行為は、人命を脅かすものであり、絶対に許されません。同時に、再発防止のためには事件の背景についても目を向ける必要があります。計算書を偽造しても、審査に通らなければ建築確認には至りません。今回は、民間の指定確認検査機関が審査して建築確認を出していましたが、偽造した構造計算書を見過ごしていました。
 これまで、自治体が行ってきた建築確認や完了検査が1998年の法改正で民間機関ででもできるようになりました。そのときの法案審議で日本共産党は、官から民への規制緩和が公正、中立であるべき検査を利益最優先にゆがめてしまうと指摘しました。今回のこの事件は、図らずもそのことを立証しました。
 そこで伺います。一つ目に、問題になっている民間の指定確認検査機関イーホームズは、昨年だけで1万3,413件の検査業務を行っていますが、区内でイーホームズが建築確認を行った建築物はあるのか。また、姉歯設計事務所が関係した建築物はあるのか伺います。
 二つ目に、ことしの6月に最高裁判所が判断した民間の指定確認検査機関による建築確認事項は自治体事務、すなわち行政にも賠償責任があるとした判決について、どのように受けとめているのか伺います。
 三つ目に、今後、共同住宅にお住まいの区民の方からの問い合わせ。特に1999年以降の新しい建物についての相談が予測されますが、相談体制を整えてきちんと受けられるようにすべきと思いますが、いかがですか伺います。
 次に、区長の政治姿勢についてお尋ねします。
 一つ目は、構造改革路線による区民への影響についてです。
 国の構造改革のもとで、庶民は矢継ぎ早の負担増となりました。医療費のアップ、介護保険料アップ、そして受け取る年金は下がっても上がらない仕組みの年金改革。さらに、老齢者控除の廃止。公的年金等控除の縮小など、年金生活の高齢者にも容赦なく襲いかかっています。
 単身女性の平均的とされる厚生年金の月額は、生活保護費を少し上回る程度です。それでも年金を中心に何とか自立して暮らせたらと願っています。税金、社会保険料、電気、ガス、水道、電話などの公共料金を計算すると、年金給付額の30%を占めます。むだをなくしてどう節約するか。翌月に向けて考えますが、もともと倹約しているため、その効果はたかが知れています。
 2006年度から老齢者控除廃止、公的年金等控除の引き下げ、定率減税は2分の1に縮減の影響が住民税に及ぶため、負担増の要因となります。
 そこで伺います。今年度まで非課税だった年金収入266万円の単身世帯の高齢者の場合、住民税額、国民健康保険料、介護保険料を合わせると、来年度には幾ら負担がふえることになるのか。お聞きします。
 政府は、自律、自助を強調しますが、それができる環境や条件が必要であるのに、逆に切り崩しています。最後のセーフティネット、生活保護に頼らなければならない人がどっとふえているのは、構造改革路線を進めてきた結果です。
 現在、区の生活保護受給者世帯数は4,000件を超えています。2004年度決算で、歳出総額に占める生活保護費は11.13%、予算全体に占める生活保護費の多さが見てとれます。庶民増税と社会保障改悪は、自立しては生きられない人をふやすばかりです。さらにこの先、定率減税の廃止、消費税増税など相次ぐ庶民増税が国民生活に襲いかかろうとしています。暮らしと景気に重大な影響を与えることになることは間違いありません。
 国の構造改革をリードしているとか言っている場合ではありません。来年度から影響を受けるこうした区民に対し、どうされるのか伺います。
 次に、9条改憲発言について改めてお聞きをします。
 政府はこれまで、海外派兵、集団的自衛権の行使、国連軍への参加は、憲法上許されないことを公式の見解とせざるを得ませんでした。9条2項を変えるということは、その歯どめが取り払われることになる。さきの議会でこのことに触れて区長にただしましたが、区長はそうは思わないと答えられました。しかし、それは事実をきちんと見ようとしていないと思います。
 アメリカ政府は、憲法が施行された翌年の1948年から49年にかけて、日本を再軍備するための方針の研究を行い、再軍備の当面の方策と憲法改定についての方針書を決定しました。この方針のもとで、警察予備隊がつくられ、1954年には自衛隊に再編強化されました。その後も、日米同盟の強化のもと、自衛隊の増強、日米の共同作戦・演習などが行われ、次の段階とされる憲法改定が必要に迫られるようになったのです。昨年3月の「文藝春秋」のインタビューでアーミテージ氏が、「憲法9条は日米同盟の邪魔者」と露骨に9条を攻撃したのも、そのことをうかがわせるものです。
 財界の総本山である日本経団連も、ことし1月に改憲案を発表し、9条はアメリカとの同盟関係の足かせとして攻撃しました。アメリカの要求に従ってきた日本政府はといえば、解釈改憲の道をずっと進んできました。今日、いろいろな名目で海外派兵を行っていますが、海外での武力による威嚇と武力の行使はできません。ここに幾ら解釈改憲を拡大しても乗り越えることのできない憲法の制約があります。
 日本のタカ派とアメリカ側との共通の切実な願望は、ここ数年の間につくってきた周辺事態法やテロ対策特別措置法、イラク対策特別措置法の三つに共通する武力の威嚇または武力の行使の制限規定を取り除くことにあります。この眼目は、自衛隊をただ海外に出すだけではだめだ。自衛隊を海外で戦争をやれる軍隊に変え、日本を海外で戦争をやれる国に変えることが必要というものです。しかし、改憲論者はそのことを避けて、9条改定をめぐる論議を自衛の義務を持たない憲法でいいのかといった自衛論でごまかそうとしています。
 アメリカの先制攻撃戦争への協力という問題も、集団的自衛権問題という国連憲章にある一見体裁のよい言葉で覆い隠そうとしています。区長は、9条2項は変えて、自衛力、防衛力を書き込むことが必要と言いますが、自衛、防衛の名で何が行われてきたかは歴史を見れば明らかです。
 区長の9条2項を変えてもよいという発言は、結果的に9条2項の歯どめをなくし、海外で戦争をできる国へのエールにしかなりません。見解を伺います。
 日米首脳会談での「日米関係がよければ、中国、韓国、アジア諸国との関係もよくなる」という小泉首相の発言が韓国・盧武鉉大統領に韓国への挑戦と批判され、中国政府とは首脳会談どころか、外相会談すらできなくなっているなど、アジアでの日本の孤立は一層深刻になっています。
 日米同盟の侵略的変質と憲法改悪の道が、どんなに異常な逆流であるかは世界に目を向けると歴然としてきます。今、世界では憲法9条を国際社会の平和秩序をつくっていく上での指針、とりわけ東アジアでの平和と安定の秩序をつくる上での指針として評価する動きが広がっています。
 ことしの7月、ニューヨークの国連本部で世界118カ国のNGO諸団体が参加して行われたGPPACの国際会議が採択した世界行動宣言では、日本国憲法第9条はアジア太平洋地域全体の集団的安全保障の土台となってきたと9条を平和の土台として高く評価しています。また、6月、パリで行われた国際民主法律家協会の大会が採択した日本国憲法第9条についての決議では、人類は戦争のない21世紀をつくることを悲願しており、その悲願は第9条にあらわされた法的な原理に支えられているとし、第9条は人類に与えられた小さな包みに入った贈り物であり、その宝物を破壊してはならないと述べています。
 昨年7月、アメリカの平和のための退役軍人会が採択した決議でも、9条が戦争による支配を法の支配に置きかえる地上の生きた模範であるという考えを共有すると述べています。
 こうした動きが相次いで起こる背景には、国連憲章に基づく平和の国際秩序を目指す地球規模での高まりがあります。また、アメリカを中心とする軍事同盟体制が世界でもアジアでもその多くが解体、機能不全、弱体化に陥り、それにかわって仮想敵を持たない平和の地域共同が広がるという世界の大きな変化があります。
 戦後60年を経て、国際政治の現実が憲法9条が掲げた理想に近づいてきています。だからこそ、今必要とされているのは憲法9条にのっとった平和外交の真剣な努力であるはずです。
 防衛力、自衛力は、もしどこかの国が、だから備えておくといった、戸締まりしておけば安心というものです。しかし、これは結局、仮想敵を想定したものにならざるを得ません。そうではなく、外交努力こそ日本とアジアの平和と安定に欠かせません。しかも、憲法9条への期待と信頼がその条件を広げています。そのことをどう見ていらっしゃるのか伺います。
 次に、新しい中野をつくる10か年計画改定素案について伺います。
 初めに、区民参加のあり方について伺います。
 区は、自治基本条例をつくり、自治の参加の仕組みと手続を整えました。しかし、区政のあらゆる場面でそれが生かされていないのでは意味がないでしょう。今日、区民からは要求や意見が行政に届けられない。あるいは、政策や施策、事業に反映されないという不満が渦巻いています。そのことを真剣に分析する必要があります。
 ワークショップに参加した区民からは、ワークショップでの議論や報告は何だったのかという声を初め、意見交換会で意見を挙げても聞く耳を持たないとか、説明といいながら区の考えの押しつけだなど、初めから意見、提案を取り入れる姿勢が弱いことが共通して批判されています。意見は聞きました。決めるのは私ども。これでは、自治基本条例の精神に反します。区民参加を計画づくりの都合のいい道具にしては決してなりません。しかも、前提となる情報提供や説明責任を果たしているとも言いがたい状況です。
 例えば、改定素案で示されている区立やよい幼稚園とみずのとう幼稚園の廃止の計画です。8月に区立幼稚園4園の保護者に対して、教育委員会から幼稚園のあり方が説明されましたが、数や園名は未定で、具体的な話などは出されていませんでした。例年どおりに来年度の新入園児の募集をし、健康診断まで行ったその翌日に2園の廃園計画、再来年度の入園募集はしないという事実を保護者は初めて知ることになったのです。だまされた。保護者にとってみれば寝耳に水の話であったと憤慨しています。大体教育委員会が当該の区立幼稚園の日常の幼児教育を見に来たこともないという中で計画化しようとしています。保護者が乱暴なやり方をただしても、何年もかけて検討してきたと言うだけで、まともに取り上げようとしていません。
 区立幼稚園だけではありません。保育園や児童館、学童クラブの保護者や職員からも地域センターの利用者からも余りにも現場を知らなさ過ぎるとの声が吹き出しています。こうしたやり方はただすべきです。
 区は、区民や議会に手ごたえある区民参加、積極的な情報提供や説明責任を言いますが、機能していないのではありませんか。見解を伺います。
 次に、保育行政についてお聞きします。
 改定素案で、区立園の建てかえによる民間活力での運営が示されています。この計画でいくと、10年後の保育園運営はどのようになるのでしょう。私立園での保育士の構成は、若い人に偏りがちです。私立園の中には、若い人、中堅、ベテランとバランスに配慮した体制に努めている社会福祉法人もありますが、しかしそれでも若い人が中心にならざるを得ません。限られた財源では、そうならざるを得ないからです。
 一方、直営の区立園ではどのような事態になるでしょうか。退職不補充でこのまま推移するならば、保育士の平均年齢が50歳を超えてしまいます。区が保育士を採用しなくなって7年目。現在、最少年齢の人が勤め続けたとしても36歳になります。任期つき短時間勤務職員の制度を使って補うことはできても、集団保育や個別対応などの保育実践が求められる現場においては、十分に連携できるのか心配されます。会議や打ち合わせなどにその人たちを拘束することも難しいでしょう。新たな保育士の採用が求められるところです。
 そこで伺います。このままでは区の保育行政は極めてゆがんだものとならざるを得ないと思いますが、それでよいのですか。お聞きします。
 2点目に、施設ではどうでしょう。計画では、建てかえて民営化。一方、区立園の改修、改築は計画に示されていません。沼袋、白鷺、本町を除けば、どこも築30年以上と老朽化しています。現在、改修、修繕を行っている園もありますが、10年の間には大規模改修などが必要な園も出てくるでしょう。しかし、何の記載もありません。計画として考えていないのでしょうか伺います。
 3点目に、園児の使う用具はどうでしょう。例えば、区立園での給食の器は、大半がポリプロピレンです。運営が変わってからまず初めに行ったのは、給食の器を陶器にかえることだったと、ある民営化園の園長は話してくれました。こんな食器を使っているなんてと驚きを禁じ得なかったと言います。毎日使う食器は、子どもたちに物の大切さを教える上でも必要だとも言います。また、指定管理制度で公設民営園となった園でも、保護者から食器が磁器になってうれしいとの感想が寄せられていました。
 さて、区立園ではどうするのでしょう。軽い強化磁器などもあります。食器洗浄器なども小型化し、性能はよいと聞きます。何よりも子どもたちのことを考えれば、すぐにでもそうした食器にかえるべきではないですか。お聞きします。
 また、改定素案で示された建てかえて民営化にする計画は、子どもと保護者に過大な負担をかけることになりかねません。例えば、新井保育園の建てかえでいうと、来年度から2007年度のゼロ歳児募集を停止し、再来年には1歳児の募集を停止します。そして、2008年度末で区立新井保育園を廃止し、残った3歳から5歳児は2009年度から沼袋保育園を中心に受け入れるとしています。しかも、そこがいっぱいになれば、沼袋保育園の2階に位置する高齢者集会室を使用するというものです。
 新井保育園の3歳から5歳児は、定員数で見れば42名です。他の園への移動を希望する保護者がいることを考えたとしても、大半を沼袋保育園と高齢者集会室に移そうとしています。移動させるだけでも問題があるのに、他の施設を使うのでは子どもたちへの負担が大きいと言えます。暫定的な措置のため、過ごしやすく使い勝手がよい場所とはならないでしょう。しかも、2011年度からは沼袋西保育園の廃止、建てかえで同様の問題が起こることになります。建てかえが必要であれば、代替の施設がない場合、子どもたちが卒園するのを待って行うのが筋ではないのですか。その際にも、保護者や関係者とよく話し合うことが欠かせないはずです。今回は案とはいえ、いきなり保護者、関係者に出してきた点も感心しません。
 大体、老朽化した保育園の改築が迫られて計画したものとは言いがたく、民営化を進めるために、しかも他の自治体においても民営化、民間委託が進む中で、中野区が事業者に手を挙げてもらいたいがために計画としたのではないのですか。そうした建てかえ計画は認めがたいものです。答弁を求めます。
 次に、東京都が保育所運営費都加算補助事業などを廃止し、(仮称)子育て推進交付金に見直すことを検討していますが、そのことについて伺います。
 都加算補助は、東京の子どもにひとしく保育と子育て支援を保障するためのものです。区立園の場合でいえば、財調での措置のため直接的な影響は見えにくいと言えます。しかし、都加算がなくなることは国基準でも構わないという姿勢につながりかねません。現に国や都が廃止すれば右に倣えとやめてしまおうとする区政のあり方を見ると、甚だ心配です。
 私立園の場合は、補助金の形をとるため直接影響を受けることになります。そもそも国基準よりも多く保育士を配置する11時間開所保育対策や保健師や栄養士の配置などのゼロ歳児保育対策を初め、延長保育、障害児保育など、どれも東京の保育水準を確保する上で重要な補助です。
 都は、補助の恩恵を受けるのは、認可保育所を利用する家庭に偏っているから、子育て支援全体を拡大するために見直しが必要と言っています。しかし、保育の予算を子育て支援に回すことでは、子育て支援全体の拡充につながりません。また、都下の自治体にさらなる財政負担を強いることにもなります。東京都は、新たな財源を確保し、予算を増額すべきです。
 区はこの間、5園を民営化してきましたが、保護者へは都基準を維持すると説明してきました。東京都に都加算補助を維持するよう強く要望すべきです。お聞きします。
 また、中野区独自の補助金についても伺います。
 区の私立園への独自の補助金は、23区の中でも下から3番目に位置し、余りにも額が低過ぎます。今年度が若干ふえているのは、新設民営化園に対する入所児童処遇改善費という補助金があったからです。しかし、これは経年的に出されるものではありません。私立園では、さきの都加算補助の維持を初め、施設の大規模修繕、増改築等の補助金の引き上げや、途中入園児童の運営費等差額加算の措置を求めています。ここ数年、毎年出されている私立園園長会からの予算要望にどうこたえるのか伺います。
 次に、学童クラブ、児童館について伺います。
 改定素案では、学童クラブを小学校内に移すことを順次進めることにしています。しかし、区がメリットとして挙げていることが事実と違っていたり、また期待をするだけといった責任のないものになっています。
 一つは、学校の中だから安心・安全。学校内の移動だけで済むことを強調しています。今日、社会において子どもをめぐる事件や事故が多発しています。保護者の不安や心配は理解できるものです。しかし、だから学校に入れると計画したのではないでしょう。一方で、学校再編で通学距離が遠くなると保護者からは心配の声が出されているのに、教育委員会はまともにこたえようとしていません。本当に子どもの安全を考えてのこととは言えません。これでは区民の納得を得ることはできないでしょう。
 二つ目に、地域の育成団体との連携と言います。学校内でなければできないというものではありません。しかも、学校内であれば主体は当然学校となりますが、教育委員会との調整がなされているとは思えません。
 三つ目に、6学年までの異学年交流を言っています。これも児童館でできることです。しかも、改定素案では桃が丘、桃園第三、仲町学童クラブ統合し、現橋場児童館に設置することにしています。これでは区が理由とする異学年交流どころではないでしょう。
 要は、区の施設を減らすための都合のいい理由にすぎません。地域の育成団体との連携や異学年交流にしても、児童館で行ってきたし、より強化すればよいことです。そもそも職員を初め、大人の目があって初めて可能となります。そのことは全く触れずに、ただ学校へとは余りにも乱暴過ぎます。
 逆に、学校内では校庭、体育館の使用に制約を受けることになります。授業はもちろん、今多くの学校が地域への開放を行い、PTAのクラブなども体育館を使っています。教育委員会も学校教育に支障のない範囲の中でと述べるにとどまっています。依然として教育委員会、学校側との調整が図られているとは言えません。今時点でさえ、部屋の確保が疑わしい状況です。学童クラブと児童館を小学校内に移すという計画には無理があると思いますが、明確な根拠を示してお答えください。
 今、全国で学童保育クラブの大規模化が問題になっています。そのため保護者や職員、関係者からは、施設や部屋をふやしての声が広がっています。区内においても、部屋がすし詰めの状態になる、子ども一人ひとりに目が行き届かないなど大規模化を心配する声があります。
 改定素案では、学童クラブを小学校内に移し、児童館はなくすことにしています。学校再編が行われるもとでは、素直に考えると学童クラブに通う児童はふえることになります。これでは不安や心配が増幅することになりかねません。
 区は、遊び場機能と学童クラブを学校内に設置している他の自治体を例に、学童クラブ児童は減る傾向にあると意見交換会などの場で話していますが、根拠のある話ではありません。確かに現在、3年生になると退会する子どもはいます。一方、1年生はどの学童クラブでも多いのが特徴です。社会経済情勢もあり、共働きがふえ、また母子家庭等もふえているもとで、希望者がみんな受け入れられるスペースが必要です。
 世田谷区では、学童クラブ児童が7年前に2,000名だったのが、現在3,500名。1.7倍強にもふえています。区内においても、新井学童クラブで待機児が生じたケースは、このような傾向を示したと言えます。学校に対応する児童館をなくしてしまえば、入会を希望する子どもがふえたときに対応できなくなります。児童館での学童クラブ事業を基本に考えるべきではないですか。伺います。
 次に、警察大学校等跡地について伺います。
 財務省関東財務局を中心とした四者協議が開催されていますが、そもそも中野区の開発者負担で整備を進めるという考え方は理解されていないのではありませんか。財務省からは、基幹公共施設である都市計画道路及び防災公園の整備一切を民間開発にゆだねることは行政責任の明確化が必要と指摘され、整備主体や整備方法について、中野区で早急に具体的な検討をすべきと求められているのに、いまだに回答が出せない状況です。一体1年半以上も検討してきたことが、どこに生かされているのか。
 今、四者協議の作業部会が開けないのも、区の民間開発者負担という考え方が財務省から見ても現実性に乏しいということではありませんか。今からでも都市再生機構などと国の力を利用する防災公園街区整備方式などを検討すべきです。
 財務省から回答が求められているような大もとがはっきりしないから、国へ警察大学校等移転跡地土地利用転換計画案の見直しを出した後も、体育館の跡地に区役所庁舎を持っていくだの、中央中跡地は区役所ではなくなっただの、計画自体が右往左往して定まっていません。それにつられて、10か年計画改定素案の中でも多大な費用を使うであろう警大等跡地整備の財政フレームをしっかり示せないでいます。
 そこで伺います。一体、警大等跡地整備の財政負担をどのように試算しているのですか。責任ある数字を示してください。お聞きします。
 もう1点、新しい中野をつくる10か年計画との関係で伺います。
 改定素案の財政運営の基本的な考え方の中で、財源について触れられています。区の説明では、いわゆるF字道路については開発者負担の考えにより、取得する面積に応じた負担を支出する。したがって、区は10分の1、約6億円だと言います。しかし、既に土地を取得し、現在建設中の警察病院は、F字道路をメーンとしながら、負担については都市計画決定をした区が行うもので、みずからが負担するものではないとしています。説明がつかないではありませんか。どうされるおつもりなのか。お聞きをします。
 次に、介護保険制度の改定についてお聞きします。
 この10月から、特別養護老人ホームなどの施設介護利用者の居住費と食事代、デイサービス等の利用者の食事代が全額自己負担となっています。しかも、法成立3カ月後の実施に利用者とその家族など、現場では不安と怒りの声が広がっています。区は、在宅で生活する介護保険利用者との間の負担の公平性の観点から導入されるもの。だから、制度外の補助や助成が必要とは考えいていないと言います。しかし、誤った公平論を盾に実態から目を背けてはなりません。国は軽減策を設けましたが、負担増となる方が多数います。補足給付の第3段階は負担増です。
 区内の施設からは次のような報告を受けています。ショートステイを利用している家族から、施設と在宅との公平性をいいながら、なぜ負担がふえるのかと言われた。実際にショートステイは1週間でおよそ1万円の負担になるため、5日間に短縮した利用者がいる。負担がふえたので利用しないと断る家族も出ている。デイサービスはといえば、特に食事への要求が強いので、今後サービスを控える利用者が出てくるかもしれないと話をされました。既に行く回数を減らしたとの訴えもあります。
 また、特別養護老人ホームは影響を受け、大変な収入減となることも伺いました。家族からは、施設のことを気にかけ、減収によるサービス低下を心配する声が出ている。食材の一括購入や水道費用の工夫などの経営努力を行っているが、さらに検討をしなければならないとも言います。施設の運営、経営が圧迫されている様子がよくわかります。
 そこで伺います。全国に先駆けて、千代田、荒川、港、渋谷、台東の区と武蔵野市が利用者の負担増分を軽減する対策を講じています。介護保険の利用をためらい、施設の入所やサービスの利用を控えたりする事態は、介護の精神に逆行していると言えます。区として負担増への軽減策をとるべきではありませんか。答弁を求めます。
 制度変更と補足給付など新たな軽減策を対象者全員に周知徹底することは、区が最低限行わなければならないことです。現在、区は対象者への申請の勧奨を行っていると聞きます。また、税制改正により、2006年度から住民税が非課税だった人でも課税になる高齢者が出てきます。税金の負担がふえるだけでなく、居住費、食事代の補足給付、いわゆる負担軽減措置が受けられない方が出ます。今年度まで住民税は、障害者、未成年者、65歳以上、寡婦の場合、前年の合計所得金額125万円まで非課税でした。税制改正で来年度から65歳以上が削除されます。しかし、障害者と寡婦は存続し、この適用を受ければ、課税年金収入が245万円以下なら住民税非課税世帯になります。適用を受けるには申請をしなければなりません。周知はどうなっているのでしょうか。また、申請手続を簡単にすることも必要だと考えますが、いかがでしょうか伺います。
 次に、水害対策について伺います。
 11月に入って、水害対応についての説明会が野方地域センターを皮切りに4カ所で開かれました。特に30数年ぶりの大水害となった妙正寺川周辺地域での説明会には多くの住民が出席しました。
 そこで伺います。まず、妙正寺川上流地域への調節池等の整備についてです。区は、東京都への要望書の中で、妙正寺川上流域にある都営住宅等の公共用地を活用して大規模な洪水時貯留施設の設置を求めています。現在、鷺宮都営住宅の建てかえ工事がストップしていますが、こうした都営住宅に速やかに調節池が整備されることを望むものです。同時に、鷺宮周辺地域でも床上浸水の被害があり、河川改修が長期にわたる工事であることからも、緊急措置を講じることが必要です。区の施設においても、例えば鷺宮体育館の運動場に調節池などの整備を検討すべきではないでしょうか。伺います。
 二つ目に、高床式建築の助成についてです。今回の水害では、妙正寺川、江古田川周辺で床上浸水の被害が大きかったことからも、今後の対策が必要です。高床式建築助成を行うべきではありませんか。東京都に対しても行うことを申し入れるべきと考えますが、いかがですか。お聞きします。
 3点目に、護岸のかさ上げについてです。環7より以西の上流地域においての溢水被害も約40年ぶりとのことでした。都市型水害、集中豪雨が増加していることが言われていますが、今回のことを見てもその影響は甚大です。
 そこで、調査等をしていただいて、内水はんらんの影響が小さい地域においては、護岸のかさ上げを検討すべきではありませんか。伺います。
 4点目に、家電4品の引き取り負担への補助措置について、改めてこの問題をお聞きします。3定の補正予算の審議の際に、中野区も東京都を通じて国に災害廃棄物処理事業の申請を行っていることがわかりました。区が行ったごみの収集運搬及び処理にかかった経費の最大2分の1を補助してもらえるというものです。杉並区では、この事業での補助を見越して補正予算を計上しました。
 この問題では、被災者の負担をいかに軽減するかという区の姿勢が問われました。しかし、被災者に寄り添う姿勢に乏しかったと言わざるを得ません。区は家電の引き取りはみずからの負担でということを早々と決めて、被災者に周知しました。そのために、家電分を申請に盛り込むことができませんでした。区の情報収集力が弱かったことが指摘されます。さらに、8月の被災者に自己負担をお願いしたため、公平性に欠けるかのようなことを理由にしていますが、本来は8月の被災者にさかのぼって補助するのが筋でもあります。申請が遅かったことにより、さきの補正予算にこの事業の歳入は計上されませんでした。
 現在、事前の申請をもとにした都の査定は終わり、正式の書類を提出するだけ。しかも区が申請した金額全額が支払われると聞いています。水害における区の支出の軽減になるわけです。したがって、今からでも被災者に補助措置を行うべきではありませんか。お答えください。
 この項の最後に、区民への一層の災害情報の提供を求め、お聞きします。さきの定例会において、携帯メールを使用しての災害情報の提供を行うべきではないかと求めたところ、検討する旨のお答えがありました。そこで、現在の検討状況を伺います。
 最後に、非核・平和行政の推進についてお伺いいたします。
 ことし5月のNPT再検討会議を前に、平和市長会議が核兵器廃絶のための緊急行動2020ビジョンを発表しました。NPT再検討会議は、核兵器廃絶を願う世界の人々の期待にこたえることなく、不調に終わるという大変残念な結果となりました。平和市長会議ではその後、2020ビジョンを改定し、「継承と目覚め、決意の年」の展開として、2020年までの核兵器廃絶を実現するための取り組みを呼びかけています。
 一つは、短期的なものとして来年の8月9日までに核兵器廃絶に向け、国際機運をさらに高めるためとの取り組みを行うこと。二つに、中長期的な取り組みとして国連の枠組みによる核兵器禁止条約の実現に向け、NPT再検討会議準備委員会への出席等を通じて、国連や国際社会に働きかけ、2010年の核兵器禁止条約の成立を目指すとしています。
 平和市長会議では、緊急2020ビジョンへの賛同を募り、現在、国内で81自治体、国外で82の都市が賛同しています。都内でも目黒、豊島区、昭島、日野、西東京市が賛同を表明しています。中野区においても賛同を表明することを求めます。お答えください。
 今年度、中野区は戦後60年平和祈念事業として、区民団体や区民を募集して事業を行ってきました。また、平和資料展示室をリニューアルし、その際展示資料を募ることや、現在行っている平和祈念メッセージの募集など、これら区民参加で取り組んできたことを評価します。同時に、応募の状況を見てもまだ多いとは言えません。PRを強めることが大切です。特に小・中学生全員へのビラなどによる案内、高校生や学生など若い人への呼びかけなど、区民参加を強め、非核・平和事業を豊かなものにしていただきたいと思いますが、いかがですか。お聞きします。
 また、区がきちんと予算を確保し、充実を図ることも欠かせません。例えば平和資料展示室はきれいになりましたが、肝心の資料展示は少な過ぎます。展示資料募集など毎年継続的に行って充実させていくことはもちろん、区として図書資料やビデオの購入など毎年充実させていくことが必要です。お聞きします。
 以上で、私のすべての質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 長沢議員の質問にお答えをいたします。
 イーホームズの建築確認の問題であります。
 中野区内において、民間指定確認検査機関のイーホームズが建築確認処分をした建築物の平成16年度分ですけれども、218件でありました。この中に、姉歯建築設計事務所が関係した建築物があるかどうかといったようなことについて、現在調査中であります。
 それから、横浜市の事件での最高裁の判決についての御質問でありますが、今回の事件と絡めての御質問ということでありますが、横浜市のケースにおきます最高裁判決の事件と今回の問題というのは、条件が異なるわけでありまして比較することは難しいというふうに思っております。
 それから、共同住宅の居住者の方への相談体制についても御質問がありました。
 まず、中野区が確認処分をしたものについてでありますが、国からの指導もありまして、中野区建築主事が建築確認処分をした建築物のうち、国土交通大臣認定の構造計算プログラム、このプログラムを用いたデータの改ざんがあったわけですけれども、この構造計算プログラムを用いた案件についての審査状況、審査体制の点検を行いました。その結果、適正に行われているということが確認ができましたので、その旨東京都に報告をしたところであります。
 それから、1999年以降の建築物には、民間の指定確認検査機関が建築確認処分した物件も多数含まれているわけであります。こうしたことから、共同住宅の居住者からの問い合わせがあった場合、建築計画概要書に記載をされております建築主や設計者等の情報提供を行うことによって、相談に応じていきたいというふうに考えております。
 それから、構造改革路線について、生活に困窮する区民への支援についてといった御質問がありました。
 医療制度改革あるいは税制改革といったことの関連でありますけれども、急速な少子・高齢化の進展の中で、社会保障の給付と負担の規模は経済の伸びを大きく上回って増大していくことが見込まれているわけであります。持続可能な安定した社会保障制度を築いていくというためには、医療費の適正化など歳出抑制の取り組みというのが不可欠でありまして、負担のあり方についても必要な見直しは行うべきというふうに考えております。
 区としては、生活に困窮されている区民に自立への支援を行うとともに、社会的なセーフティネット、これを適切に設けるということが大事だと考えているわけでありまして、こうしたセーフティネットの適切な運用に努めていきたいというふうに考えております。
 それから、憲法に関しましての私の発言についての御質問ということでありました。
 私は、憲法については地方分権の問題、あるいは地球環境の問題、あるいは個人情報の保護をめぐって自己情報コントロール権の問題、そうしたさまざまに現在の憲法に加えるべき、あるいは現在の憲法をもう一度検討して新しい国の形の中に加えていくべき内容があるのではないかという認識をお示しをしている中で、憲法9条に関連いたしまして、憲法9条の第1項、国際紛争を解決する手段としての武力を放棄するというこの項目についてはしっかり堅持をした上で、第2項以降の考え方として防衛力の位置付けをきちんと行うべきではないかといったようなことをお話をしてきたところであります。
 そうした私自身の考え方に対しまして、さまざま日米のこと、あるいはさまざまな改憲を主張されている方の御意見のこと、さまざま引用されて長沢議員の御意見の開示があったわけでありますけれども、国政の場で本来きちんと議論をするべきことについて、私は区議会の中で私が議論をするということは必ずしも適切ではないというふうに考えているところであります。そうしたところを十分御理解をいただければというふうに思っております。
 私の答弁に関連しての事柄について申し述べておきますが、前にも申し上げましたように、憲法改正について考え、いろんな御意見がある中で、日本が海外で戦争をやれる国になるといったような主張をされている。そういった一部には主張があるという前提に立っての御意見でありましたけれども、そういった御意見については私は少なくともないだろう。海外で戦争をやれる国にするべきだという御意見がこれまで述べられてきたというふうには私は認識していないということを申し上げているところであります。
 それから、国際政治の現実が憲法9条が掲げた理念に近づいてきているというような見解については、私は国際紛争が絶えない今日、世界全体の情勢がそうしたふうに動いているというようには思われないというふうに認識をしております。
 平和に対してもちろん外交努力、平和的な外交によって国際間の問題を解決していくというのは、徹底して守られなければならない原則ということであります。しかし、日本がこれまで行っている外交につきましても、日本という国に自衛隊という防衛力が存在しているという現実の上に行われてきている外交だといったようなことも見据えなければいけない現実なのではないかというふうに思っております。
 それから、区民参加のあり方についてであります。
 10か年計画の策定に向けまして意見交換会を重ねてまいりました。区立幼稚園の再編についても、園ごとの意見交換会を含めてきめ細かく対応してきていると考えております。意見交換会で出された御意見については、計画案づくりの中でさまざまに参考とし、あるいは生かしてきたつもりであります。取り入れることのできなかった御意見についても、区の考え方について公表して説明責任を果たしてきたつもりでありますし、これからもしていきたいと思っております。
 御意見が通らないから区民参加が正しくないという、そうした御意見がともすればあるんですけれども、必ずしも私は総意ではないだろうというふうに思っております。さまざまな御意見、30万の区民の皆様の中にさまざまにある御意見を適切に受けとめていく。それを区の案として決めていくということについては、区長である私の責任があるわけでもありますし、議会で議決するべきことについて議会の皆様の責任でなさるということでもあるというふうに思っております。
 参加の中で、さまざまに区民の皆さんから出された御意見についてしっかりと受けとめて、その受けとめをどう反映していくかということについて、責任を持って説明責任をしていくと。説明を行っていくというのが私どもの責任なのではないかというふうに考えております。
 それから、保育園の関連であります。
 保育士の年齢のアンバランスというようなことが出ておりました。保育の質というのは、保育士の年齢や在職年数だけで決まるものではなく、保育にかかわる物的資源、人的資源を総合的に活用してよりよい保育を提供していくべきものだというふうに考えております。
 区といたしましては、定期的な園長会を開催しての指導や意見交換、それから私立園の職員をも含めた研修の充実、また区内の保育園がそれぞれいいところを学び合ったり、高め合うための機会をさまざまな形で提供するなど、区内のすべての保育園の質の向上に取り組むということを考えております。
 また、区立園につきまして、職員の年齢の問題といったようなことも指摘をされていたところですけれども、今後、任期つき職員の活用といったようなことなども検討をしていきたいというふうに思っております。
 それから、保育園の改修のことであります。
 改修に当たっての保育園に在園されているお子さんたちへの対応といったようなことについて十分に配慮をしていきたいというふうに思っております。
 また、計画の中で示しております改修についてですけれども、区立施設の改修というのは全体の中で緊急度、優先度を勘案してこれまで実施してきているところであります。今後とも保育園が子どもたちの生活の場としてふさわしい安全で快適な環境となるように適切に対応していたきいというふうに思っております。
 それから、保育園における食器の改善であります。
 乳幼児期において適切な食習慣を身につける上で、子どもにとって使いやすい食器を使用するということは大切なことだと考えています。また、市販をされている食器でありますとか調理設備の改善、こうしたこともありまして、さまざま勘案して強化磁器性の食器の導入というのを図ることとしてきたところであります。
 それから、保育園の建てかえの必要性ということであります。
 区立園は多くが40年代に建設をされたところでありまして、老朽化が進んできております。施設の更新が重要な課題ということでありまして、子どもたちによりよい保育環境を提供する必要があると考えているところでありまして、そのために民間活力を活用して着実に施設の建てかえを行って、保育サービスの向上に努めていきたいと考えているところであります。
 それから、いわゆる都加算と言われているものについての質問であります。
 東京都が市町村に対して子育て推進交付金、仮称の制度のようですが、これの創設を提案しているということについては承知をしているところであります。これはこれまで認可保育所運営費補助など、市町村に対する13事業の補助金を来年度から包括交付金化するものということで認識をしているところであります。
 区におきましては、認可保育所の運営費についてはほとんどが一般財源化されているわけでありまして、補助金であるもののことも含めて現段階で東京都から大きな変更は示されていないということであります。
 それから、私立保育園の要望への対応ということであります。
 私立保育園への支援につきましては、平成17年度に障害児に対してのパート対応を見直し、常勤保育士が対応できるように、人件費補助の増額を行うなど、必要な支援を適切に行っていると考えてきているところであります。これからも私立保育園の皆様ともお話し合いをしながら適切に対応していきたいというふうに思っております。
 それから、児童館、学童クラブについてであります。
 児童館、学童クラブ、小学校に遊び場機能を導入する、学童クラブを導入する。こうしたことについて、子どもたちの育ちというものを地域全体で保障していくという上で、私は重要なことだというふうに考えているわけであります。
 子どもたちの24時間をそれにかかわる大人が学校も地域も、あるいは家庭も共通の物の見方ができる場を持つということ。また、共通の認識あるいは連携した行動を行っていくということがこれから子育て支援をしていく上で非常に重要だと考えております。そういう意味で、児童館の活動が学校を使って行われるといったようなことを通じて、みんなが同じ視線で子どもたちに接することができる。そうした大きなきっかけになっていくというふうに考えているところであります。
 学校に遊び場機能とともに学童クラブを導入するということについては、子どもたちの放課後の時間を有効に活用して安全・安心な環境のもとで、学年を超えた仲間と交流して遊びや活動が行えるなど、多くのメリットがあるということは従来御説明をしてきているところであります。
 また、学校施設を活用することによりまして、児童館より広いスペースを活用できるということにもなるわけでありまして、学童クラブ事業も十分に機能すると考えております。導入に当たっては、施設的に条件の整った学校から順次進めていくこととしているわけでありまして、教育委員会と一緒に準備作業を進めているところであります。
 それから、世界平和市長会議の緊急行動について賛同の意思を表明すべきでないかといったようなことであります。
 中野区は、非核宣言自治体協議会の一員としてこれまで活動し、一員としての発言も行ってきたところであります。区としての活動、発言といったようなことについては、区の判断で主体的に行っていくべきということでありまして、こうした団体に対して包括的に支援する、指示をするといった形での態度表明というのは、自治体のあり方として私は適さないのではないかというふうに考えているところであります。
 私からは以上であります。その他はそれぞれの担当の部長の方からお答えをいたします。
〔総務部長石神正義登壇〕
○総務部長(石神正義) 私からは、総務部に関係する御質問についてお答えさせていただきます。
 まず、18年度に適用される税改正に関する試算でございます。
 65歳以上の単身世帯で、平成17年度の住民税非課税であった公的年金収入266万円の方を例にとってみますと、平成18年度の住民税額を試算してみますと、5万3,300円ということになります。この税額で現行保険料率ということで、国民健康保険料を試算しますと17年度は均等割額のみでございましたが、18年度は均等割額に加えて所得割額が11万864円加わります。合計で14万2,964円ということになるわけでございます。
 また、現行保険料率で介護保険料を試算しますと、平成17年度は非課税であったので保険料額の階層区分が第2段階で2万8,500円でございました。18年度は階層区分が第4段階ということになりまして5万1,000円ということになります。この結果、18年度は合計で18万6,664円の負担増ということで試算をしてございます。
 次に、水害時の携帯メールの情報提供ということでございます。
 区民の携帯メールによる災害情報の提供ということで、現在検討してございますが、提供する情報の内容、また登録の方法、こういったことについて具体化に向けて検討しているところでございます。
 次に、平和事業の実施についての御質問2点についてお答えします。
 ことし初めて区の平和事業の実施に当たりまして、広く区民の参加を求めて取り組みました。平和のつどい、語り部派遣などの企画に5団体の協力をいただきました。ことしのこういった経験を生かして、これからも区民の参加を得ながら実施する平和事業をさらに充実していきたいというふうに思ってございます。
 また、平和事業の実施に当たっての予算の確保についてでございますが、今年度につきましても平和資料展示室のリニューアル予算を増加する。こういった必要な経費については確保してきております。今後も効果的な執行の工夫を行いながら、そういった対応をしていきたいというふうに考えてございます。
 以上でございます。
〔拠点まちづくり推進室長石橋隆登壇〕
○拠点まちづくり推進室長(石橋隆) 警察大学校等跡地の開発負担のお尋ねでございますけれども、この跡地の開発に当たりましては開発者負担の原則で行うこととなっております。このため、10か年計画の財政フレームでは、区が一定の用地を取得することを見込みながら、開発者の負担の原則によりまして道路、公園等の整備を想定いたしております。
 警察病院も含めました開発者負担のあり方につきましては、今後、計画の具体化に向けまして、地区計画等の都市計画や整備手法などの検討を進める中で明確にしてまいりたいというふうに考えております。
〔保健福祉部長菅野泰一登壇〕
○保健福祉部長(菅野泰一) 介護保険制度の改定に伴います施設利用者等の食費、居住費の軽減策につきましての御質問にお答えいたします。
 介護保険施設におきます居住費や食事代のいわゆるホテルコストにつきましては、在宅で生活する介護保険利用者間の負担の公平性の観点から導入されたものでございます。特に所得の少ない方に対しましては、高額介護サービス費の拡充が行われるほか、低所得の入所者に対しましては負担限度額を設け、補足給付を行うなどの対策が講じられております。区といたしましては、現段階で制度外の補助や助成が必要とは考えておりません。
 それから、税の情報提供ということでございます。税制改正につきましては、区報などで詳しくお知らせするほか、税の申告に合わせましたチラシなどによります周知も行う予定でございます。非課税事由などの情報につきましては、今後予定しております介護保険証の一斉更新や保険料の通知時にも情報提供することを検討しております。
〔都市整備部長石井正行登壇〕
○都市整備部長(石井正行) 私から水害対策につきまして御答弁をさせていただきます。
 まず初めに、東京都への貯留施設の要望でございますが、この要望につきましては区の用地の利用可能性を十分勘案をしたものでございまして、御理解をいただきたいと思います。
 次に、かさ上げでございますが、今回水害被害のあった箇所につきまして、9月4日と同程度の雨を想定いたしますと、かさ上げの効果が得られる箇所というのはないものと考えております。
 それから、高床式助成の件でございますが、先ほども御答弁申し上げてございますように、高床式の工事に係る助成事業を行うこととしたところでございます。また、この件について、東京都に対しましても高床工事に係る補助制度の復活について要請をしてみたいと考えております。
 以上でございます。
〔区民生活部長本橋一夫登壇〕
○区民生活部長(本橋一夫) 水害で被害に遭った家庭電化製品について、そのリサイクル費用をさかのぼって補助できないかということでの御質問がありました。
 今回、水害に遭った家電4品目の処理のために、被災者が負担した費用を補助するについても検討はいたしましたが、対象者への周知と負担した金額の確認が適切に行えるかというのが問題でありました。対象者への周知につきましては、既に転居された方もあるなど、十分な周知が困難な状況にあります。また、負担額の確認につきましては、領収書や取扱事業者の記録の有無などによりましてリサイクル費用の経費を確認できないケースも少なくないという状況にありました。
 なお、災害廃棄物の処理に要する費用に対しましての国の補助につきましては、こちらでも問い合わせをいたしましたが、自治体が回収処理をした場合のそれに要した費用を対象とするものでありまして、被災者に補助金を交付してもその経費は対象にはならないということでありました。
 いずれにせよ、今回、対象者への周知や負担額の確認等についてさまざま問題があるということで、そのような状況の中でのさかのぼっての補助金の交付については公平な処理が困難であるという判断をいたしまして、今後の水害において家電4品を含めて区で回収するということにしたものでございます。
 よろしくお願いいたします。
○議長(高橋ちあき) 以上で長沢和彦議員の質問は終わります。
 議事の都合により、暫時休憩いたします。
      午後3時05分休憩

      午後3時27分開議
○副議長(江口済三郎) 会議を再開いたします。
 一般質問を続行いたします。

 中野区議会議員 飯 島 きんいち
 1 歩いて暮らせるまちづくりについて
  (1)高齢者アパートと新たな住宅政策について
  (2)アクティブ・シニア、中・高年就労あっせん事業について
  (3)バリアフリーへの取り組み、重点整備地区での事業推進
  (4)まちづくり交付金の活用について
 2 安全・安心のまちづくりについて
  (1)耐震改修促進の取り組みについて
  (2)地域防災計画の17年度修正について
  (3)障害福祉計画の策定について
 3 環境共生のまちづくりについて
  (1)民間屋上緑化への助成制度について
  (2)ゴミ減量の取り組みについて
 4 活力あるまちづくりについて
  (1)ビジネス支援図書館と産業振興について
  (2)その他
 
○副議長(江口済三郎) 飯島きんいち議員。
〔飯島きんいち議員登壇〕
○27番(飯島きんいち) 平成17年第4回定例会に当たり公明党議員団の立場から、区長並びに理事者の方々に質問をいたします。簡潔でわかりやすくお答えください。
 人口減少、少子・高齢社会の本格的到来の時代を迎え、地域の特色を踏まえた豊かで質の高い都市施設が形成、集積されたコンパクトシティを目指すまちづくりが全国で進められています。中野区もまた、地域独自の課題を抱えつつ、その流れの例外ではありません。
 そこで、策定中の10か年計画と絡めて、中野区のまちづくりのさまざまな課題について質問いたします。
 初めに、福祉政策の分野でもある歩いて暮らせるまちづくりについて質問いたします。
 耐震性やおふろがないなどの設備面で課題の多かった高齢者アパート事業、身体障害者アパート事業を廃止する考えが10か年計画で示されています。
 今回の事業廃止は、入居者へのセーフティネットを準備した上で、高齢者等の居住水準の向上につながる質の高い住宅ストックを生み出すことにつながらなければなりません。その方策は、中野区住宅マスタープランの改定で明らかにするべきだと考えます。
 そこでまず、従前、入居者への手厚いセーフティネットの問題について伺います。具体的にはどのようなことを検討されているのでしょうか。
 私は、住みかえの住宅あっせん、差額家賃補助は当然として、住みかえ住宅もこれまでの生活環境、特に人間関係が維持できる従前居住地の近くであっせんすることに努力し、保証人の問題や引っ越し費用等も目線に入れなければならないと考えています。これらセーフティネットの問題についてお考えをお聞かせください。
 次に、中野区住宅マスタープランの改定について伺います。
 今後は、質の高い住宅ストックの形成を図ることを明確に意識して、民間の取り組みを表に、公的住宅の供給計画を策定することが必要と思われます。改定の基本的考えと今後の高齢者への良質な住宅供給の手法について、区長のお考えを伺います。
 現在の住宅マスタープランには、中野区地域高齢者住宅計画はありますが、身体障害者住宅計画はありません。この際、現在のアパート所有者への支援を含めて、住宅ストックの質向上を検討するとともに、中野区高齢者等住宅計画として、身体障害者住宅についてもあわせて策定すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
 現在の高齢者住宅計画では、平成13年度から平成22年度までに公的住宅の供給計画は高齢者アパートを含んで475戸でした。この計画の進捗状況はどのようになっているのでしょうか。
 また、この計画の前提は施策対象を高齢者単身1,800世帯、高齢者夫婦100世帯の合計1,900世帯としています。しかし、計算根拠の数字はかなり古いものとなっています。改定に当たっては、計画の前提となる施策対象者数の変化はどのように把握しているのでしょうか。伺います。
 次に、高年齢への就労あっせん支援事業と歩いて暮らせるまちのスポットづくりについて伺います。
 私は、シルバー人材センター機能の強化とあわせて、東京都のアクティブシニア事業の活用による中高年の就労あっせん事業の実施を提案してきたところです。10か年計画でも、中高年の求職支援やコミュニティビジネス支援が挙げられているところです。
 そこで、中高年への就労あっせん事業の検討状況、進捗について伺います。
 あわせて、施設配置案で、その後の利用目的が明確でない施設等をその立地条件によっては歩いて暮らせるまちの支援スポット、あるいはシティールームとして活用すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 まちの中に、就労支援やコミュニティビジネス創出支援をする拠点が存在して、まちに活力を与えている事例は都内でも品川区等で見受けるようになりました。中高年への就労あっせん事業が、例えば高齢者会館としてこれまで利用されてきて、空き施設になることが想定されるようなところで、コミュニティビジネス支援を含めて就労あっせん事業が行われることで、新たな人の流れとシティールームのようなたまり場機能を果たす可能性も出てきます。地域の声も聞きながら検討すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。お考えを伺い、次に移ります。
 続いて、まちづくり交付金の活用と、歩いて暮らせるまちづくりで重要なバリアフリー重点整備地区への取り組みについて伺います。
 まちづくり交付金制度は、都市再生特別措置法第47条第2項の規定に基づき、地域住民の生活の質向上と地域経済、社会の活性化を図ることを目的に、区市町村が作成した都市再生整備計画に基づいて実施される事業の費用に充当するために交付する交付金とされています。
 交付金を、計画に位置付けられた施設にどのように当て込むかは市町村の自由であり、計画対象地区は何カ所でもよいこと。定められた基幹事業のほかに、独自の提案事業も対象になるとともに、その割合も1割から2割に拡充されることなど、使い勝手のよい交付金になっています。
 交付対象事業を見ると、事業活用調査、まちづくり活動推進事業、地域創造支援事業という提案事業のほかに、23に及ぶ基幹事業があります。計画策定の地域要件はありますが、道路、公園を初め、緑地、広場、地域防災施設として耐震性貯水槽や放送施設、情報通信施設、発電施設、排水再利用施設など。また高質空間形成施設として、緑化施設、電線類地下埋設施設、地域冷暖房施設設計費用、歩行支援施設、障害者誘導施設など。高次都市施設として、地域交流センター、高度情報センター、複合交通センター、アーバンマネージメントセンター、観光交流センター、そして人工地盤や立体遊歩道などがあります。
 中野駅周辺にとどまらず、東中野駅周辺、西武線や地下鉄沿線各駅周辺など、中野区のコンパクトシティ形成へ向けたまちづくりと関係あるものがたくさんあることに気づかれると思います。
 そこでまず総括的に伺います。私は、中野区のさまざまなまちづくりに当たって、このまちづくり交付金の活用を明確に意識していくべきだと考えますが、いかがでしょうか。地方分権の時代、どのような都市再生整備計画をつくることができるかという、まちづくりでの地方自治体の知恵比べの時代になってきています。区長のお考えを伺います。
 次に、具体的に伺います。中野駅周辺まちづくりに当たっても、活用可能なまちづくり交付金交付対象事業として、地域冷暖房施設や歩行支援施設、障害者誘導施設、人工地盤、立体遊歩道などがあります。これらを目線に入れて計画の検討をすべきと考えますが、いかがでしょうか。
 次に、西武線沿線各駅のまちづくりでは、連続立体交差事業と駅前のにぎわいや自転車整備施設、情報板など活用可能なものがあります。先の話としないで検討すべきでしょう。
 提案事業で、駅周辺の活性化と図書館の組み合わせで、文化とにぎわいを組み合わせている実例もあります。外からの耐震補強が難しい鷺宮地域センターなどは、こうした計画策定により建て直しへの可能性が開けるのではないでしょうか。都市再生整備計画を各地区で策定する取り組みの検討をされてはと思いますが、いかがでしょうか。
 次に、バリアフリー重点整備地区への取り組みについて伺います。
 私は、高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律、いわゆる交通バリアフリー法に関して、実態調査、基本構想の策定、重点整備地区の指定など、これまで質問や提案をしてまいりました。
 本年8月、整備構想が策定されました。問題は、今後の実施に向けた取り組みだと考えています。重点整備地区における特定事業には、事業着手予定期間が明示されています。財政フレームを初め、10か年計画との整合はとれているのでしょうか。確認の意味で初めに伺っておきます。
 次に、整備の財源として、私はまちづくり交付金が活用できるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。重点整備地区は、駅周辺であり、さきのまちづくり交付金の地域要件を満たしています。東中野・落合地区や新中野地区など、緊急整備を要する地区では、駅の交通結節機能や人工地盤、歩行支援、障害者誘導施設など、交付対象事業となりそうな事業や施設が計画に含まれています。また、電線類の無電柱化推進計画に指定された区道が指定区域内にあるなど、事業推進につながると思いますが、いかがでしょうか。
 この項の最後に、携帯電話を利用した障害者等へのお出かけガイドマップ作成について質問いたします。
 平成15年第2回定例会でガイドマップの策定を提案いたしました。GIS活用で行いたい旨のお答えがありました。現在、中野区はホームページで、特定事業者として公園とみどりの散歩マップでルート上の車いす対応トイレの位置を表示しています。これを一歩進めて、中野駅での多機能トイレ整備を早急に働きかけながら、携帯電話でのお出かけガイドマップ提供を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。
 次に、安全・安心のまちづくりについて伺います。
 初めに、耐震改修促進の取り組みについて伺います。
 建築物の耐震改修の促進に関する法律の一部を改正する法律案が、10月28日、参議院本会議で可決成立し、18年の1月から施行されることになりました。
 改正のポイントは大きく分けると3点で、計画的な耐震化の推進、建築物に対する指導等の強化、支援措置の拡充であります。計画的な耐震化の推進では、国は基本方針を作成、地方公共団体は耐震改修促進計画を作成することになっています。また、指導等の強化では、倒壊により道路を閉塞させる住宅等に指導、助言を実施し、地方公共団体による指示等の対象に学校や老人ホームなどを追加、また指示に従わない特定建築物を公表したり、倒壊の危険度の高い特定建築物については建築基準法により改修を命令できるなどとなっています。
 一方、支援措置の拡充では、認定により、耐震関係規定以外の不適格事項が適用されないという建築基準法上の特定が受けられるという耐震改修計画の認定対象の追加等があります。
 国としては、この改正によって、中央防災会議の10年後に東海、東南海、南海地震の死者数などを半減するために、地震防災推進会議の提言である住宅及び特定建築物の耐震化率の目標90%を達成することを目指すことを明らかにしています。
 そこで伺います。さきの決算特別委員会の総括質問でも取り上げましたが、法改正も行われ、国としても地震防災推進会議の提言の耐震化率90%を目標にするとしているときに、災害被害危険度の高いとされる中野区が10年間の目標として国の目標を下回る耐震化率を目標としてよいのでしょうか。中野区としても、10か年計画での住宅及び特定建築物の耐震化率は、国と同じ90%とすべきと考えますが、いかがでしょうか。お考えを伺います。
 次に、耐震改修促進法で新たに定められました耐震改修促進計画について質問いたします。
 法律では、都道府県耐震改修促進計画の策定が第5条で義務付けられていますが、同時に第5条第7項において、市町村は基本方針及び都道府県耐震改修促進計画を勘案して、当該市町村の区域内の建築物の耐震診断及び耐震改修の促進を図るための計画を定めるよう努めるものとするとして、努力義務ではありますが、計画策定の規定があります。
 そこで伺います。私はこの際、法で定めるその他の規定の実施との整合上、中野区として耐震改修促進計画を平成18年度中に策定するべきだと考えますが、いかがでしょうか。
 次に、改正耐震改修促進法にかかわって、補正予算を計上して取り組んでいる耐震診断と耐震改修について伺います。
 まず、先ほども質問がありました、耐震にかかわる構造データ偽造事件です。中野区でも心配はないのか。形式的な調査だけでなく、マンション等、建築物の調査を実施してはと考えますが、いかがでしょうか。
 次に、平成16年第4回定例会で私は、簡易耐震診断の事業推進に当たって、全戸ローラー作戦を展開するとしていた静岡市の取り組みを紹介しつつ質問いたしました。早速、中野区として補正予算を計上するに当たって、啓発チラシを全戸に配布するとしています。大変結構なことだと考えます。
 そこで伺います。その体制と実施については、現在どのようになっているのでしょうか。区長もこの件で、ゲストとして招かれている会合があるようであります。あらかじめ、議会にお答えしてください。
 また、診断に当たっては、建築士事務所協会など診断の専門技能を持った人たちの活用も、簡易診断以降の耐震診断につなげる上からも必要と考えます。そのための簡易耐震診断の事業の進め方を工夫すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
 地方公共団体の指導等の強化についての規定も、改正耐震改修促進法で盛り込まれました。特に道路を閉塞させる住宅等への指導、助言では、第5条第3項第1号において当該建築物の敷地に接する道路に関する事項を都道府県耐震改修促進計画に記載することができるとしています。さらに、第6条第3項で、所管行政庁、すなわち中野区は都道府県耐震改修促進計画に記載された道路に接するものについて指示ができることと、正当な理由がなくその指示に従わなかった場合、その旨を公表できるとされています。
 そこで伺います。平成18年度に、国土交通省は、建築物・住宅市街地の地震防災対策の推進の中で、震災時の救助、救急、医療等の緊急輸送を円滑かつ確実に実施するため、緊急輸送道路沿道建築物の緊急耐震化のために、診断、改修にかかわる補助を拡充する予定としていますが、承知されているでしょうか。
 この緊急輸送道路は、さきの都道府県耐震改修促進計画に記載の道路と密接に関係すると同時に、それとは別に決定をしてもよいようです。中野区としての決定も地域防災計画等の中で可能と、国土交通省の担当の方も語っていました。
 公共施設も対象になるようで、補助率66%、こういう場合もあるようであります。もちろん、改正耐震改修促進法に規定するところの計画認定を受けることが必要です。幹線道路に限らず、地域内の生活道路も計画で指定することで、この補助金対象緊急輸送道路とすることが可能とされています。
 避難場所が設置されていても、そこまでの避難路の安全が確保されていなければ意味がありません。また、避難場所への救急医療活動ができるためや、後方病院への重傷者への輸送が可能であるためにも、緊急輸送道路の機能確保は極めて重要です。中野区として、この補助金の活用について早急に検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 次に、耐震改修計画の認定の問題について伺います。
 法第8条には、耐震改修計画の認定について規定があります。特に、既存の不適格建築物の耐震改修を促進するために、認定された計画にかかわる建築物にあっては、耐震関係規定以外の不適格事項が適用されないという、建築基準法上の特例が受けられるという弾力条項があります。
 そこで伺います。私は、この規定の適用は、耐震改修を促進する上で極めて重要と考えています。中野区としては、当然、法の定めるところに従い適用するとともに、第6条、第7条に規定した特定建築物に係る措置の対象となる、第4条第2項に加えられた各号の例えば病院や小学校、老人ホーム、指定された道路に接する建築物などの耐震改修に当たっては、建築規制を弾力的に運用できるような改修促進の効果のある方策を検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 次に、さきの決算特別委員会において、時間の関係での質問ができませんでした地域住宅交付金制度を活用した東京都地域住宅計画での耐震診断、改修の中野区提案事業について伺います。
 この交付金の事業費算定上のフレームによって、各区市町村が単独でそれぞれ地域住宅計画を策定して交付金の交付を受けるよりも基幹事業の都営住宅にかかわる事業費が大きい東京都全体として交付を受けた方が有利との判断で、23区14市4町2村で計画を策定し、平成17年度から21年度の5年計画を策定しています。
 初めに伺います。使い勝手のよさは、事業進捗に合わせた国費充当や事業間流用にあらわれていますが、中野区として耐震診断、改修にかかわる提案事業での5年間での交付金算定対象事業費は幾らでしょうか。
 次に、伺います。この交付金については、既存事業の財源として、特に17年度は当該事業の4割相当の一般財源との入れかえを想定しているとも聞いていますが、いかがでしょうか。
 私は、17年度はともかく、18年度以降については、建てかえ時の耐震改修助成が事業として中野区ではなくなるのですから、建てかえに至らない改修をさきに述べた今後策定すべき中野区の耐震改修促進計画で規定する建築物の耐震改修に当たっての対象事業とすべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
 次に、地域防災計画の17年度修正について伺います。
 先日、公明党議員団は、区長に対して災害時における家電製品等廃棄物処理についての要望をいたしました。家電リサイクル対象の家電製品に対しても、決算特別委員会でも同僚議員が質問、指摘したように、災害による廃棄物とみなして、国の災害廃棄物処理事業国庫補助金等の導入により、処理の速やかな実施で生活復旧を図るべきだというのが要望、申し入れの内容でした。
 区長はそれに対して、的確な処理を検討するとお答えになったところですが、どのような処理をされたのでしょうか。関係法規の整備を含め、お答えください。
 このことはまた、自民党の松本文明衆議院議員、我が党の髙倉良生都議会議員を初め、関係者の御努力が実り、国の河川激甚災害対策特別緊急事業としての採択が決まった環状7号線貯留地下河川への妙正寺川からの取水取り組みとあわせて、現在改定中の地域防災計画に明記すべき事項であると考えますが、いかがでしょうか。
 激特事業は、国と東京都が原則財源負担する事業ですが、その際に中野区が負担する橋のかけかえ事業があるようです。10か年計画の財政フレームには含まれていませんが、当然、中野区としては財源確保して事業実施を担保すると思いますが、その決意を伺います。
 この項の質問の最後に、障害者自立支援法第88条第1項、第2項で規定されている市町村障害福祉計画の策定について伺います。
 この法律の目的を定めた第1条の規定を実現するために、取り組む課題はたくさんありますが、すべての人々が安心して住み、暮らすための安全・安心のまちづくりの上からも法定化された市町村が取り組むべき地域生活支援事業について定める市町村障害福祉計画策定は重要であります。
 策定に当たって考慮しなければならないことは、財源確保などいろいろあります。国の指針など明確になっていない段階ではありますが、区としてはどのような点に留意して計画策定に望もうとしているのでしょうか。
 その大事な一つとして、私は先般も中野区福祉団体連合会での要望にもあったところですが、当事者である障害者の方々の意見反映を図って計画策定を進めるべきであると考えていますが、いかがでしょうか。策定に当たってのそうした体制、考え方を伺います。
 次に、環境共生のまちづくりについて伺います。
 初めに、ヒートアイランドの軽減対策としての効果がある屋上緑化への取り組み推進について伺います。
 この問題については、これまで斉藤(高)、こしみず両議員とともに、各自治体で取り組みが始まった初期の段階から、中野区でも公共施設の屋上緑化を初め、民間住宅等の屋上緑化の助成制度を創設して、中野区の都市環境の向上を図るべきだと申し上げてまいりました。
 平成16年度には、庁舎屋上の見本園の開設を初め、屋上緑化助成、これは壁面緑化モデル事業で区民生活費に計上されるという、ちょっとわかりにくいものでありますが、200万円の予算が措置されました。しかし、わかりにくいと感じたとおりに、平成16年度、この予算を含む地域緑化費は全体で執行率31.2%、民間建築物壁面緑化事業助成は全額未執行となったのであります。
 果たして、事業実施の前提になる要綱が整備されていたのかも疑わしいのでありますが、それはさておき、平成17年度、今度は事業の所管が都市整備部公園緑地分野に戻され、民間建築物の屋上緑化等モニター助成として200万円計上されました。
 そこで伺います。私は、この事業は着実に推進が必要であると考えています。既に23区では、民間への屋上緑化助成制度の未実施区は中野区を除いて5区という状況です。制度があっても実績がゼロの区は中野区を含めて4区であります。中野区は今や少数派の区になっています。
 今年度計上した予算は何のためでしょうか。事業を実施するつもりはなく、予算計上しただけなのでしょうか。果たして、実施に向けた要綱等の規定整備はできているのでしょうか。事業部としての事業実施の決意と取り組みの現況をお答えください。
 次に、公共施設、特に区営住宅での屋上緑化の取り組みはどのようになっているのか、伺います。
 入居者の方々からも、クーラーのきかないほどの夏場の暑さについての訴えがあります。
 そこで伺います。区営住宅の屋上緑化等への取り組みについて現状と今後の取り組みをお答えください。
 関係歳入について伺っておきます。
 平成15年度の決算説明書には、国庫補助金のうち義務教育施設整備として屋上緑化にかかわる補助金が3校分、つまり学校ですが。665万円歳入されましたが、その実施をされた学校は仲町、桃が丘、沼袋の各小学校です。よく見ると、統合対象校ばかりですが、本当に屋上緑化をしたのでしょうか。今後の維持など学校施設でなくなったときの財源はどうなるのでしょうか。あわせてお答えください。
 この項の最後に、ごみ減量の取り組みについて伺います。
 10か年計画では、生ごみ減量への取り組みが示されています。これについては、平成16年第3回定例会でのこしみず議員の質問に対する「廃棄物減量等推進審議会で生ごみの取り扱いも含めて御議論いただいている」との答弁を反映したものとして評価します。
 そこで伺います。生ごみは、中野区もまた排出主体であります。食品リサイクル法での減量義務付け施設ではないものの、小・中学校、保育園を初め、区役所食堂まで生ごみを出す施設があります。隗より始めよで、ここでの減量への取り組み目標を明確にするとともに、使用しない分は持ち込まない等、食品の調達面でも思い切った方法を検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 次に、活力あるまちづくりについて伺います。
 初めに、ビジネス支援図書館と産業振興について伺います。
 産業振興の中でも、中野区の地域の特色を考慮するとき、スローな地域ビジネス創出を目指した支援策が今後は注目されるのではないでしょうか。
 3年ほど前に、ビジネス支援図書館のセミナーに参加して、アメリカにおける図書館の使われ方に目からうろこの思いがいたしました。区長にもその際、「税金を使う図書館から税金をつくる図書館」という資料をお渡しした記憶があります。
 本会議でもビジネス支援図書館の機能導入について提案をいたしました。その際のお答えは、「図書館が定額制で契約したビジネス支援に役立つデータベースを開放用のインターネット端末から区民が利用できるようにしていく」というものでした。
 お答えのように、これまで平成16年度は有料データベースとして、日経テレコン21など4サービスを、また平成17年度にはこれにTKC法律情報、ヨミダス文書館を加えたサービス提供をしています。大事な点は、これらのデータベースサービスの提供がビジネス支援にどの程度役立っているのかであります。
 オープン端末の利用状況については、規則によって中央図書館長が把握していなければならず、同時に状況については教育委員会に報告をすることになっています。中野図書館の利用状況を記載した冊子によれば、オープン端末の利用状況は全体で48.5%ということです。
 そこで伺います。この利用状況をどのように評価されているのでしょうか。また、データベースの利用状況もあわせて把握すべきと考えますが、いかがでしょうか。データベースの利用には必ずリファレンスのカウンターに申し出ることになっているのですから、極めて簡単ではないでしょうか。
 産業振興支援における情報提供について、さきの決算特別委員会でも質問いたしましたが、効果の測定、把握が不可欠です。図書館での情報提供と産業振興分野での情報提供の連携についても検討して取り組むべきだと考えますが、お答えください。
 次に、中心市街地の活性化と関連して、その他で文化芸術を活力あるまちづくりに生かす取り組みについて伺います。
 10か年計画の施設配置案では、桃が丘小学校は新しい産業関連施設、文化芸術の活動拠点等として活用するとされています。地域の活性化に果たす文化芸術の力は大きなものがあります。その生かし方について、中野駅前に立地が想定されているこの施設は果たすべき機能は大きいと考えます。この点については、どのようにお考えでしょうか。伺います。
 まちづくりについてさまざまな観点から質問してまいりました。最後に、まちづくり条例の策定について伺います。
 私は、中野区は10か年計画に見るように、新たなまちづくりの時代に入りつつあると思っています。中野区のこれからの取り組むまちづくりは、これまでの自然と都市という2項対立を超えて、都市という自然の中での安全と安心と、そしてにぎわいのある暮らし方の提案とそれを実現する環境づくりを意味していると思います。
 提案型の地区計画を支援するまちづくり条例とは、どのような内容、イメージのものなのか。区長の見解を伺い、私の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 飯島議員の質問にお答えをいたします。
 高齢者アパート廃止に伴う入居者の支援についてであります。
 高齢者アパートの廃止に伴う入居者の転居先については、区内の賃貸住宅情報などをもとに、アパート入居者の意向に沿った住宅の確保に努めるとともに、従前の家賃と転居後の家賃との差額や、転居にかかわる費用について助成をしていく必要があると考えているところであります。
 また、家賃保証制度など新たな居住支援の仕組みをつくることによりまして、高齢者アパートの居住者の方が区内で安定した生活ができるよう支援をしていきたいというふうに思っております。
 それから、住宅マスタープランの改定の考え方等についてであります。
 今後、住宅マスタープランを改定するに当たっては、基本構想や10か年計画の考え方などを踏まえて、民間活力を活用しながら多様で良質な住宅ストックの確保や快適な住環境の形成など基本的な視点として考えていきたいと思っております。
 高齢者用の賃貸住宅については、区営住宅の建てかえの際に組み込むことでありますとか、高齢者円滑入居賃貸住宅登録制度の活用によって確保していきたいと考えております。さらに、区未利用地の活用や民間の土地所有者等の協力を得ながら整備を進めていくということで考えているところであります。
 障害者用の住宅についてでありますが、これについても住宅のバリアフリー化を進めるなど、住宅マスタープランの中での位置付けを検討していきたいと考えております。
 それから、地域高齢者住宅計画の進捗状況及び対象者の把握といったことについてであります。
 計画期間内における高齢者用住宅の供給戸数につきましては、都営住宅や区営住宅等の空き家の発生を350戸想定をしているほか、まだ移管を受けていない都営住宅のシルバーピア30戸も想定をしているところであります。区が整備する住宅は95戸としているところですが、既に高齢者福祉住宅の「のがた苑」の20戸が完成をしているところであります。
 それから、区営新井住宅の建てかえでありますとか、区未利用地活用にかかわる高齢者用住宅の供給戸数につきましては、今後策定をいたします整備方針の中で明らかにしていきたいと考えております。
 それから、地域高齢者住宅計画を策定する上での対象者数の把握ということでありますが、平成15年度に実施をいたしました住宅・土地統計調査でありますとか、それから本年、現在実施をしました国勢調査などの数値をもとに推計をしていきたいというふうに考えているところであります。
 第2次住宅マスタープランでの基礎データは、平成12年の国勢調査の速報値でありますとか、平成10年の住宅・土地統計調査に基づくものでありました。
 それから、アクティブシニア就業支援事業についての検討状況というところであります。
 今後、団塊の世代の退職時期を迎える中で、特に中高年の世代が健康で能力、意欲がある限り働き続けることができて、地域で能力を生かし就労していく仕組みをつくるということは、地域を活性化するという意味でも重要課題だと認識をしているところであります。
 中高年者の就業については、まずハローワーク新宿等の就業支援専門機関と連携をしまして、区で就職活動支援セミナーを開催するなど支援をしていきたいと考えているところであります。また、中高年の方々が大きな担い手となることが期待をされているコミュニティビジネスですけれども、これについては経営・創業相談でありますとか融資あっせん、それから利子補給制度の充実なども図っていきたいと考えております。
 東京都のアクティブシニア就業支援事業につきましては、先行して実施している自治体の課題と状況、こうしたものを見ながら検討していきたいと考えております。
 それから、未利用施設の活用ということであります。
 未利用となる施設の活用については、まず区民にとって役立つ新たな施設への転用を考えていきたいと考えているところであります。高齢者会館につきましても、この考え方によって検討をしていきたいというふうに考えているところであります。
 まちづくり交付金に関連しての御質問であります。
 まちづくり交付金の制度は、全国の中心市街地のにぎわいの再生に向けて、地域の自主性を尊重する。それから、住民、NPO、企業等との連携を推進する。また、事業評価の活用を図る。そうしたことを制度の枠組みとしているところであります。駅前広場や駐車場の整備を初め、空き店舗の活用やNPO法人による公共施設の管理など、国はハード・ソフト両面にわたって取り組みの例示を挙げているところであります。
 したがって、これからのまちづくりに当たっては、このまちづくり交付金の活用が大変有効だというふうに考えているところであります。最近、創設されておりますほかの制度も含めて、さまざまな国の施策の活用について鋭意検討をしていきたいというふうに考えているところであります。
 また、まちづくり交付金によるまちづくりの推進というところで、さまざま御提案をいただいたところであります。それぞれのまちづくりの目標を具体的に検討する中で、その対象として検討をしていきたいというふうに考えております。
 それから、バリアフリー重点地区とまちづくり交付金の活用に関連してであります。
 バリアフリー整備構想の策定に当たりましては、現在取り組んでおります新しい中野をつくる10か年計画との整合を図って進めてきたところであります。また、区におけるまちづくりの中で、まちづくり交付金の活用が重要だと認識しているのは、先ほど述べたとおりでありまして、その活用を視野に入れて事業の組み立てをしていくということで考えているところであります。
 それから、耐震化率の目標についてのお尋ねもありました。 国が目指しております全国の住宅の耐震化率は、現状の
75%を10年間で90%、すなわち15%アップするというものであります。区が現在持っております考え方は、現状の68%を10年間で82%、すなわち14%アップしようというものであります。
 今後、区の施策の動向も見きわめながら、この考え方、耐震化率について引き上げていくと。目標を引き上げていくという方向で検討していきたいというふうに考えております。
 それから、耐震改修促進計画についてであります。
 都の耐震改修促進計画を勘案した上で、中野区としての耐震改修促進計画を平成18年度中に策定をしていきたいというふうに考えております。
 それから、耐震データ捏造事件に関連してであります。
 東京都からの情報提供を受けて、耐震データ捏造事件で名前の挙がった、捏造したと言われている建築事務所の元請の設計事務所が6社が関与しているわけでありますけれども、それの6社が関与している建築物が中野区内にあるのかどうかといったようなことについて、現在調査をしているというところであります。
 それから、耐震事業の啓発、それから専門家の活用というところであります。
 耐震性が不十分というふうに想定されております区内全域の昭和56年5月31日以前に建築された木造住宅3万2,000戸について、今年度と平成18年度の2カ年で全戸訪問を実施することといたしまして、啓発チラシをもとに耐震診断を進め、無料で耐震診断を行っているところであります。大変重要な事業というふうに位置付けて取り組みを進めるということでございます。
 戸別訪問については、区の職員と区委託の調査員で実施をしているところであります。これまでは、一般耐震診断についてのみ中野区に登録している耐震診断士を派遣しているところでしたが、11月1日からは簡易耐震診断についても区に登録している耐震診断士を派遣して専門家の活用を図っているところであります。こうした啓発、簡易耐震診断、さまざまな場面で民間の専門家を活用するということで、耐震補強の普及に努めていきたいと考えております。
 それから、緊急輸送道路沿道建築物についてであります。
 緊急輸送道路沿道建築物の緊急耐震化のために、国の補助金制度が拡大されるといったようなことは承知をしているところであります。対象となる緊急輸送道路沿道の建築物については、こうした補助金が活用できるよう検討をしていきたいというふうに考えております。
 また、既存不適格となっております建築物の耐震改修についてであります。対象となります特定建築物の所有者の方についてPRを積極的に進めるなど、こういった建築物につきましても耐震改修を促進していきたいというふうに考えております。
 それから、地域住宅交付金制度を活用した東京都地域住宅計画の中での交付金算定対象事業費と財源の関係の質問であります。
 この中では、耐震診断、それから改修にかかわる事業は中野区の提案事業には含まれてはおりません。耐震診断につきましては、住宅・建築物耐震改修等事業にかかわる国の補助金、これを活用して実施をしているところであります。
 交付金算定対象事業といたしましては、狭あい道路整備事業、緑化推進事業につきまして提案事業として地域住宅交付金を活用しているところであります。その結果といたしまして、一般財源の45%を特定財源に入れかえているところであります。
 それから、建築物の耐震化改修助成事業の創設についてであります。
 自己の財産と命を守る対策ということについての対策については、基本的にみずからの責任で行っていただくということを考えているところでありまして、これについては公的な資金を導入して耐震改修助成を創設するという考え方にはありません。
 それから、災害時の家電4品目の取り扱いについてであります。
 いわゆるリサイクル家電4品目につきましては、8月と9月の水災害の経験を踏まえて、災害時における被災者支援の立場から今後の災害においては区が収集することといたしまして、現在要綱の整備を行っているところであります。もし、今後災害が起きるといったような場合には、直ちに対応したいというふうに考えております。
 それから、地域防災計画への修正事項の盛り込みということであります。
 被災者支援としてリサイクル家電製品を処理する事項と、それから妙正寺川の河川改修、環七地下調節池への取水といったような事項については、修正をする方向で考えているところであります。
 それから、激甚災害指定に伴う特別緊急事業でありますが、これに対する対応といたしまして、国土交通省から採択された区間、環状七号線から新栄橋までの間ですけれども、これが18年度から5年間で整備をされるということであります。
 御指摘がありましたこの間にかかる橋が6橋あるわけでありまして、かけかえが行われる際の拡幅分については区が負担をすることになるわけであります。このかけかえの経費については、現在は10か年のフレームの中でまだ算定をしていなかったところでありますが、河川激甚災害対策特別緊急事業の計画に合わせてフレームの中に算定をしていくという考えであります。
 それから、障害福祉計画に障害者の意見反映をということであります。
 障害福祉計画については、平成18年度中に策定をする考えでありますが、策定に当たって保健福祉審議会の御意見をお聞きするとともに、障害当事者の御意見も十分にお聞きしながら進めていくという考えであります。
 それから、文化芸術で活力のあるまちづくりをといったようなことであります。
 文化芸術の振興については、中野区の活力を生み、魅力をつくり出すために教育、福祉、産業といった分野との連携を図って、広がりを持った中野らしい文化芸術の振興を考えていくべきだというふうに考えております。
 再編後の桃が丘小学校の跡地を文化芸術の拠点として活用していくというに当たっては、区民の主体的な文化芸術活動の場として、また若手アーティストのための稽古場としての機能でありますとか、文化芸術情報の収集、発信、相談の機能なども考えていきたいと考えております。
 この機能があわせて整備をしていきますインキュベーションオフィスなどの産業関連施策と連携をして、中野駅近くの立地を生かして地域の人が気軽に立ち寄れる、また常に人が集まるような場所として地域の活性化や地域振興に寄与するようにしていきたいというふうに考えております。
 まちづくり条例のイメージについてであります。
 現在、区では住民の提案によりますまちづくりに対して、ノウハウや情報の提供、あるいは専門家の派遣等を行って地域合意に結びつけることを目指した提案型地区計画に関する諸規定を盛り込むと。そういった(仮称)まちづくり条例を検討しているところであります。
 現時点におきます条例の骨子については、まちづくりに関する基本的な事項のほかに、改正都市計画法の趣旨を踏まえて地区計画を提案できる住民についての規定でありますとか、地区計画の対象となる面積、規模、あるいは地区計画の提案手続等についても盛り込んでいきたいと考えているところであります。
 私からは以上であります。その他の事項につきましては、それぞれ担当の部長からお答えをさせていただきます。
〔都市整備部長石井正行登壇〕
○都市整備部長(石井正行) 私からは、屋上緑化等につきましての御質問にお答えを申し上げます。 屋上緑化につきましては、単なる助成では費用対効果の点で十分な成果が見込めないということから、現在、制度のあり方を鋭意検討しているという状況でございます。
 また、壁面や敷地内の緑化を含めた総合的な誘導策として施策化を模索しており、今年度はそのための準備を行っているところでございまして、早期実施に向けて努力をしてまいりたいと考えてございます。
 次に、区営住宅の屋上緑化でございますが、これにつきましてはどういうことができるのか、モデル的な実施についてぜひ実施をしてまいりたいと考えておるところでございます。
 以上でございます。
〔総務部長石神正義登壇〕
○総務部長(石神正義) 私からは、小学校の屋上緑化の国庫補助の扱いについてお答えさせていただきます。
 仲町小学校、桃が丘小学校、沼袋小学校の屋上緑化につきましては、学校再編計画のない段階で希望のあった3校を対象といたしまして、平成15年度に国庫補助金を受けて実施しております。今回決定しました小・中学校の再編計画では、確かに3校とも統合対象となっております。しかし、新しい中野をつくる10か年計画、この素案では、この3校とも施設そのものは存続するということとなってございます。このことに伴いまして、区といたしましては屋上緑化についても適切に維持していくということを考えております。
 また、国からは制度上補助金等にかかわる問題は生じないというふうに聞いてございます。
〔区民生活部長本橋一夫登壇〕
○区民生活部長(本橋一夫) 環境行政のまちづくりに関連いたしまして、生ごみ減量の目標設定についての御質問をいただきました。
 10か年計画改定素案及び一般廃棄物処理基本計画素案では、事業者としての区の取り組みといたしまして、ISO14001の取得も含めまして計画的なごみ減量に取り組むこととしております。保育園、学校などの生ごみにつきましては、堆肥化とその堆肥で育成した農産物の消費によるリサイクルの輪の形成を目指しております。
 御指摘の点につきましては、このような事業者としての取り組みにおきまして目標を設定していきたいと考えております。
〔教育委員会事務局次長金野晃登壇〕
○教育委員会事務局次長(金野晃) 私からは、ビジネス支援図書館と産業振興についてのお尋ねにお答えいたします。
 図書館のオープン利用端末、現在7台ございまして、全体の利用率も利用可能時間に対して約5割という状況でございます。年々利用がふえておりますし、非常に活発に使われていると評価しております。
 カウンターに申し出て利用してもらうという形の有料データベースサービスの利用につきましては、月10件程度というようになっております。利用者の求めに応じて職員がリファレンスサービスの中で有料データベースにつきましては、頻繁に活用して情報提供しているという状況でございます。
 また、利用の内容把握ということでございますが、そのうち利用者がどういう内容にアクセスしているかということにつきましては、利用の自由という原則から把握していないところでございますので、御理解をいただきたいと思います。
 図書館でビジネス支援についてどのようなことができるか。産業振興分野と連携して検討していきたいと思います。
〔飯島きんいち議員登壇〕
○27番(飯島きんいち) 何点かありますけれども、時間の関係がありますので二つだけ伺っておきます。
 屋上緑化の件でありますけれども、民間屋上緑化モニター助成事業という事業名で出ているわけでありまして、何も屋上緑化がどうやれば効果的にできるかなんていう研究事業として17年度は予算計上されているわけではありません。都市整備部長のようなお答えだとすれば、事業名を変えるか、事業の内容について改めて当該委員会であるかどこであるかわかりませんけれども、そのようなものとして御説明の必要のないような、そういう修正をこの場で行ったというふうに受けとめざるを得ないので、そういう誤解が生じないような、そういう御答弁をもう一度お願いしたいと思います。
 それから、ビジネス支援図書館についてあえて連携ということを申し上げた意味をよくお考えいただきたいと思います。内容の把握をしろということではありません。どのように効果をもって受けとめられているかはアンケートをすればわかることですから、そういうことをおやりになること。
 それからもう一つ、今度、インキュベーションの機能を持つ桃が丘小学校の施設に、例えば連携というのはそこに利用端末を持ち出して、そしてそこを中野図書館のいわば有料情報データベースにアクセスできる拠点として分室機能を持たせて、だれかに仕事を委託すればいいわけでありまして、月に10件くらいのものなんていうのはわざわざ独立してやる必要はないので、産業振興担当分野のどなたか、あるいは専門的なそういう人を臨時的にお雇いになったり何かする。その中で、産業情報のデータベース、それから有料のデータベース、これは図書館のデータベースですから、図書館以外のところで利用するというのは難しいのかもしれませんけれども、その辺のことをお互いに連携をとっていくという、もっと踏み込んだ具体的なことを考えなければ、単純に紙の上にこういうことを書いてありますよと。お互いにこういうのがありますとか言っているだけでは、連携ではなくて、それは連絡なのであります。
 したがって、これから効果的な産業育成や創業支援をやろうと思うならば、連絡ではなくて、あるいは御案内していますよだけではなくて、どう受けとめられて、どう効果的な波及効果を持っているのか。そういうこともきちんと把握されたり、掌握されたりすることが、区長がよくおっしゃっている評価につながって、それが事業改善にいくわけですから、そうした視点で取り組むことについて簡単にお答えください。
 以上です。
〔都市整備部長石井正行登壇〕
○都市整備部長(石井正行) モニター制度の件でございますが、これにつきましては区民、他の区民への実施をされた方が区民へのPRも兼ねて、そういうモニター的にこの事業のPR、屋上緑化のPRもしていただこう。また、良好な維持管理、この辺の観点も含めたところでこのモニター制度の設立を考えておるところでございます。
 今後、これもあわせて、屋上緑化についての制度の制定を考えてまいりたいなと思っておるところでございます。
  〔教育委員会事務局次長金野晃登壇〕
○教育委員会事務局次長(金野晃) ビジネス支援における図書館と産業振興の連携につきましては、どういった形ができるか、御指摘のデータベースの相互利用、あるいは端末の設置、提供方法を含めて連携のあり方を検討してまいりたいと思います。
○副議長(江口済三郎) 以上で飯島きんいち議員の質問は終わります。
 この際申し上げます。議事の都合上、会議時間は延長いたします。

 中野区議会議員 佐 伯 利 昭
 1 上鷺宮地域の3つの課題について
  (1)新設されるバス路線について
  (2)地域センター機能の集約について
  (3)上鷺宮3丁目住宅供給公社鷺宮第一住宅の建て替えについて
 2 公務員制度の改革について
 3 田中区政3年半の総括について
  (1)手ごたえのある区民参加について
  (2)2005中野区世論調査の速報について
  (3)不祥事の処理について
  (4)マスコミ対応について
  (5)幹部職員の外郭団体等役員への再就職について
  (6)その他
 4 第二次中野区一般廃棄物処理基本計画素案について
 5 区民健診について
 6 生涯学習の推進について
 7 その他
  (1)悪質リフォームについて
  (2)その他

○副議長(江口済三郎) 次に、佐伯利昭議員。
〔佐伯利昭議員登壇〕
○28番(佐伯利昭) 2005年、平成17年第4回定例会におきまして民主クラブの一員として一般質問をいたします。
 項目を七つ挙げておりますが、新しい中野をつくる10か年計画につきましては、それぞれの項目でかかわりのある部分を質問させていただきますので、よろしくお願いをいたします。
 まず、上鷺宮地域にある三つの課題について、区の認識、見解をお伺いいたします。
 かねてよりの課題であった上鷺宮地域、鷺宮地域からのバス路線交通につきましては、この11月30日から中野と新青梅街道杉並区井草を結ぶ関東バスの路線開設により一歩前進をしました。しかしながら、今回の路線では区内の最北部、上鷺宮三丁目、四丁目、五丁目北側の住民にとりましては、停留所までの距離が遠く、余りメリットがないというのが現実です。そのため、長年この要望を続けていた地域住民の方々にとりましては、さらに不公平感が増すという不満が渦巻いています。
 以前は上鷺宮地域北部では、千川通りを阿佐谷からの循環バスが1時間に1本走っていました。阿佐谷から下井草に来て、旧早稲田通りを石神井方面へ向かい、千川通りを右折、上鷺宮四丁目、三丁目を横断し、中村橋から中杉通りを阿佐谷へ戻るというルートです。しかし、これも現在は早朝6時台に1本となり、地域の高齢者にとりましては交通不便地域というよりも交通遮断地域となっています。一刻も早く改善が図られなくてはいけない問題です。
 そこでお尋ねしますが、今回のバス路線の新設に当たって、区は上鷺宮三丁目、四丁目地域についてはどう考えていたのか。井草一丁目、八成小学校まで来るならばさらに延伸し、先ほど述べた阿佐谷からの循環バスのルートを走らせることも可能であったのではないかとも思います。地域の自治会連絡会などでもその要望は出ていましたが、その検討、バス事業者との協議は行われなかったのか。お答えください。
 現在、中野と中村橋を結んでいる関東バス路線があり、私も利用しています。かつて、そのうちの何本かを富士見台まで延ばせないかという提案もありました。しかし、そのときは関東バス側から終着点に運転手が使うトイレがないということで応じてもらえなかった経緯があります。しかし、現在は終着点を想定した地点には区立風の子ひろばが整備され、トイレも設置されました。関東バスが要望に応じなかった大きな理由の一つが解消されているのです。改めて関東バスに対し、強く要望すべきと思いますが、いかがでしょうか。
 次に、地域センターの機能の集約について、地域における問題点をお聞きします。
 10か年計画では、地域センターで行ってきた証明書等の発行事務を鷺宮、野方、江古田、東部、南中野の5カ所に集約をするとしています。しかし、ここでもまた上鷺宮三丁目、四丁目住民には大変な不便が生じます。
 さきに述べたように、バス路線の新設のメリットを受けることもなく、証明書の交付を受けるにはバス路線である新青梅街道を超え、さらに南の鷺宮地域センターまで足を伸ばさなくてはいけないということは、高齢の方にとりましては困難なことであり、地域ごとの公平性を欠くものです。
 ことしの第1回定例会で、この証明書類発行の集約について当時の担当参事は、「近くでサービスが受けられるようにするということで、できるだけ区民に不便をかけないよう配置を考えたい」と答弁をしていました。区は、軽々しくもコンビニ等での証明書類の発行などと口にしますが、地域ではコンビニが閉店をしてしまい、高齢者の方が近くで昼食を買うにも不自由をしていることを御存じなのでしょうか。ことしの1定での約束どおり、区内どこの地域の住民にも不便が生じないよう、適切な措置を講じるべきです。区の見解を伺います。
 3点目は、東京都住宅供給公社鷺宮第一住宅の建てかえについてであります。
 敷地面積8,688平方メートル、現況鉄筋コンクリート4階建て6棟の住宅の建てかえ工事は、地域にとりましては極めて大きな事業です。建物の解体時には、アスベストなどの不安もあり、近隣住民への影響、さらには隣接するかみさぎ児童館への影響は多大なものがあります。
 建築主である東京都住宅供給公社と地元自治体である中野区は、十分な協議をし、住民の生活環境を守ると同時に、住民の要望にこたえていかなくはなりません。
 東京都が行う公共住宅に関連する地域開発要綱では、都は公共住宅を建設する場合における周辺の地域環境の整備について、区市町村の意向を確認するため、区市町村と協議するものとし、公共住宅の建設及び関連施設の整備に関する計画を策定したときは、区市町村に対し速やかにこれを提示するものとしています。事業主が東京都住宅供給公社であっても、都はこの要綱の例により、地域整備開発を行うよう要請するものとされています。
 そこで、現在までの住宅供給公社と区の協議状況についてお聞かせください。
 中野区は、1994年3月から工事の行われた上鷺宮二丁目都営住宅建設に当たっては、1993年6月24日付で当時の都市計画部長名で、区民集会施設の併設を要望し、その結果、現在の上鷺宮地域センター分室の無償貸与を得ることができました。また、近隣の上鷺宮四丁目都営住宅の際に都から提供された地域開放型集会室は連日利用が絶えない状況にあります。敷地面積、建築戸数ともこれまでにない大規模な今回の建てかえ計画に当たっては、早期に地域開放型集会施設等、地域還元施設の設置を要求すべきものと思いますが、区の考えをお聞きします。
 次に、公務員制度の改革について伺います。
 国会においては、国家公務員制度の改革について議論が始まり、当然ながらこれは近い将来、地方公務員制度にも波及することは自然の流れと考えます。民主党は、今特別国会において国家公務員法の一部を改正する法律案を衆議院に提出しました。これは前原代表就任以来、政府案に対する対案提示を掲げる民主党が、政府提出の給与法関連法案に対するものとして、今回は現行の人事院制度を前提としつつ、早急に改善を要する事項として、人事院の給与勧告の基礎となる民間給与調査、国家公務員の特種勤務手当の見直しに絞って提出をしたものです。今後、次期通常国会において労働基本権の付与、人事院制度の見直しなど、公務員制度に関する抜本的な改革案を具体化し、国民に提示をしていくことを予定しています。
 なお、今回提出の改正案についてですが、中野区においては職員の特種勤務手当は国の動きを待つことなく、既に前定例会において大幅な見直しが図られており、国に先んじた動きとして高く評価をしたいと思います。
 また、公務員の労働基本権については、1960年代から70年代にかけて、全逓中郵事件、全農林警職法事件、都教組事件などを中心に公務員等の争議行為に対する最高裁判決が出され、多くの議論がありました。
 若い議員の皆さんは御存じないでしょうが、法的に争議権を認められていない当時の国鉄で、争議権を獲得するための労働争議、いわゆるスト権ストが行われ、ちょうど30年前のこの時期ですが、1975年11月26日から12月3日の8日間にわたり、全国のほとんどの国鉄がストップしました。全国の新幹線網、都市部の地下鉄網などを考えれば、現代との影響の比較は難しいとは思いますが、大変な出来事だったことは言うまでもありません。
 それから30年たった今、公務員制度の改革の中で労働基本権付与の問題の議論が始まったということは、時代の流れということになるのでしょうか。
 そこでまずお聞きしますが、区長の公務員に対する労働基本権の付与に対するお考えをお聞かせください。
 現在、特別区職員の給与を決定するため、特別区人事委員会が調査、参考とする民間事業者の規模は、企業規模100人以上、事業所規模50人以上の特別区内の910事業所となっています。しかし、これでは調査対象にならないような中小零細企業に勤める納税者から理解が得られるか、甚だ疑問であります。民間の実態をより的確に把握できるよう、勧告の際の調査対象をさらに拡大すべきと思いますが、区長の見解を伺います。
 田中区政3年半の総括について伺います。
 田中区長の任期も残すところ半年余りとなりました。手ごたえのある区民参加を掲げて、さまざまな改革に取り組もうとした区長ですが、なかなか思うに任せられないような状況があったように見えます。
 区民との対話集会や意見交換会は、時には区の施策に反対の住民が集まり、他の参加者からは二度と参加したくないとの声も上がり、やがて参加者数も減少してきました。また、パブリックコメントも、テーマによっては特定の意見が集中し、その意見を寄せた住民からはこれだけ多くの意見があるのになぜ聞かないのかと区に対する批判も浴びせられ、本来区長が目指していたものとは違う区民参加がそこにはあったように思えます。それらにかけてきた労力、費用が効果に見合うものだったのか疑問になるところでもあります。制度の趣旨、目的、物事の評価の前提となる区の財政状況などが十分理解されないまま実施されていた側面もあるのではないかと考えます。
 そこでまずお聞きしますが、この3年半を振り返り、区長が目指した手ごたえのある住民参加というものが実現できたと考えるか。もし、できていないとすればその原因はどこにあったのか。御答弁をお願いします。
 ことし7月に行われた区民世論調査では、区にとりましては大変厳しい結果が出ました。区政に参加したいと思う人が全体の20%弱。一方で、参加したくないと答えた人が40%以上になっています。さらに、わからないと答えた人を合わせると80%近くの人が区政に無関心ということになっています。
 その結果を裏づけるかのように、区が精力を注ぎ込んだ基本構想も68%以上が知らないと答え、内容は知らないも合わせると何と90%の区民が基本構想について関心がないという結果になっており、区民参加とはほど遠い結論になっています。
 なぜ、こうした状況になっているのか。区政に参加したくない理由として、「忙しいから」、「意見を言っても区政に反映されると思わないから」が理由の上位を占めていますが、それよりも私には区が新しいことを開始しようとするに当たり、区長を初めとする一部だけが先に走り、区民の本当の心がつかめていなかったのではないでしょうか。そう思います。
 今回の10か年計画でも、ひたすら横文字を並べ、PDCAサイクルなどと言ってもどのくらいの区民に理解をされているのでしょうか。政治に必要なことは区民の目線であり、わかりやすい言葉の説明です。自分たちだけがわかっていればよいということではないのです。厳しい指摘になりますが、今回の世論調査の結果を見ての率直な御感想をお聞かせください。
 また、区長就任以降、中野体育館における公金横領事件、文化・スポーツ振興公社における現金盗難事件、幹部職員によるタイムカード不正打刻など残念な事件も起こりました。しかし、そうしたときに毅然とした処理をしてこそ区民の信頼を得られるものだと思います。一連の不祥事に対し、区民の納得のいく処理がなされたと思うかもお答えください。
 ことしに入ってマスコミ報道も、当区に対しては手厳しいものがありました。9月に起きた水害の際、NHK等への被災者の名簿を提出したことについては、大手新聞の1社は名簿を提出したことを非難し、もう一つの大手新聞はそれによる職員の処分を批判しました。中野三丁目のいわゆる蛇玉道路に接したマンション建築工事の建築審査会による建築確認の取り消しについても新聞は区を批判する内容になっています。
 さらに、この記事の中で、事業者側の話として、区の判断がなければそもそも入札に応じなかったか、応札価格を大幅に下げたなどと今後の成り行き次第では含みのある発言まで掲載しています。これに対して区側のマスコミ対応はどうだったのか。中途半端な取材でこちらの意思、考えが伝わらないまま記事にされてしまっていないか。もし、事実と違う報道がされていれば、きっちりと抗議をしているかなど、対応が十分できていたかどうかをお答えください。
 区政が区民から納得を得るための条件として、公務員の特権とも言える制度、仕組みに積極的にメスを入れていくことが必要です。ことしの春お会いした沖縄・那覇市の市長は、市民との協働の取り組みの中で、まず市役所がこれだけ頑張りましたという姿勢を示すことが大事である。那覇市では、窓口業務の改善で、市の窓口は銀行よりサービスがよくなったと言われています。さらに、ISO9001、ISO14001の認証取得、4年間で14億円の特殊勤務手当のカット、ことしからは部長クラスで月額5万円給料を下げ、市役所が頑張っている姿を見せましたと話してくれました。
 当区において、区民に対し、区がこれだけ頑張ってきたと言えることをお示しください。
 さらに、区民から見て最大の特権は、いわゆる天下りの問題です。私は初当選以来10年間、区の外郭団体等への幹部職員の再就職問題を取り上げてきました。田中区長になり、総括質疑で見直しの検討が約束されてきましたが、その後、見直されたものはあったのでしょうか。また、民間の知識、能力を取り入れるという組織設立の目的の一つから、民間人からの役員登用などというのはあったのかをお答えください。
 かつて財団法人中野区文化・スポーツ公社の常務理事、事務局長が兼任になったり、別の人物が着任したり、また、あるときは勤労者サービスセンターの常務理事を当時の区民部長が兼任したりなど、仕事があり必要な人員を配置するということより、時の退職管理職の再就職のための数合わせが行われていると厳しく指摘をしたところです。
 ところが、今回また社会福祉協議会において、これまで兼任であった常務理事、事務局長が別々になるという事態が起こっています。このようなことが繰り返されていては、財政が厳しいので、あれをやめます、これをやめます、区民の皆さん御理解くださいと言われても、区民は到底納得できませんし、処遇についての制度を変えたいと職員に提案をしても、職員も納得できないのではないでしょうか。今回の状況についてその理由を明確にお答えください。
 これまで、区の外郭団体により管理運営されてきた区の施設ですが、指定管理者制度の導入により、これらに民間の事業者も参入することになりました。ここで危惧されることは、これら指定を受けた事業者あるいはこれからそれに応募しようとする事業者への幹部職員の再就職、まさに天下りの問題です。金額だけで決定される入札制度とは違い、事業の内容も選考の対象となる指定管理者ですから、事業者は応募の際の有利な条件を得ようと、区の幹部職員OBを非常勤の役員などに迎えようとしたり、あるいは指定を受けている事業者が今後の運営のために区の幹部職員OBを社内に置きたがる、そのような動きが出てくる可能性もあります。
 既にこの制度をめぐっては、葛飾区では区の募集に応募しようとした事業者に、区の職員が応募を思いとどまらせるような働きかけをしたり、板橋区においては区の体育施設の管理運営の指定を受けた事業者のPRビデオに教育委員会幹部が登場し、事業者を褒めたたえるなどということが起きています。今後のことを考えれば、さまざまなルールを明文化する必要があります。
 そこで提案しますが、1、区幹部職員OBが役員にいる事業者は指定管理者に応募できない。2、指定管理者の指定を受けた事業者には、幹部職員は退職後3年間は再就職できない。3、万一この期間に区幹部職員退職者を採用した事業者は、指定管理者を解除し、次の募集には応募できない。
 他区において、行政と業界の間でさまざまな問題が表面化してきた今、中野区はしっかりとした姿勢を示すため、これらを条例化すべきだと思いますが、いかがでしょうか。御答弁をお願いします。
 次に、中野区第2次一般廃棄物処理基本計画素案について伺います。
 まず初めに、この質問を準備しているさなか、11月18日付東京新聞朝刊は、一部事務組合の一般廃棄物処理基本原案として、2008年から区内の廃プラスチックを全量焼却処分と報じました。全量焼却処理とは余りにも唐突なことであり、寝耳に水ですが、この記事の真偽のほどをお伺いします。
 さて、平成15年、区長会は23区における中間処理は当分の間、東京23区一部事務組合により共同で行うことを確認しました。これにより、中野区に予定されていた焼却型清掃工場は建設中止となったわけですが、ただ、これだけでよかったということでないことは、これまでも述べてきたとおりです。
 もとより、中野区内から出される可燃ごみについては、他の区内の焼却工場で燃やすわけで、当分の間といってもその期間はどの程度なのか。それ以降はどうなるのか。やはり、区民にとっては気になるところです。安定的なごみ処理をしていくためには、何らかの担保、そのために中野区が廃棄物処理における責任をしっかり示していく必要があります。
 素案でも基本的な考え方として、23区の一員として責務を果たしていきます、一部事務組合の経営、事業運営に積極的に参加しますとしていますが、具体的なものは何も見えてきません。素案の中の記載では、唯一資源化施設の検討として資源の選別、保管などを行うストックヤードについて検討しますとありますが、それが10か年計画の中では何も示されていません。
 中野区は、他区に先駆けてプラスチック製容器包装の分別回収、そしてリサイクルに取り組み、着実な成果を上げ、今後、全区的な展開を掲げています。中野区はこの分野でこそ、23区の先頭に立ってごみ減量、リサイクルの促進に取り組むべきだと思います。そして、区内においては近隣区から収集されたプラスチック製容器包装類を選別、保管できる規模のストックヤードをつくるなどして、中野区としての廃棄物処理の責任を果たしていくべきと思いますが、いかがお考えでしょうか。
 次に、区民健診について伺います。
 ことしの8月、厚生労働省の厚生労働科学研究費補助金による特別研究事業総括研究報告書の中で、福井次矢聖路加国際病院院長を班長とする研究班により、最新の科学的知見に基づいた保健事業に係る調査研究がまとめられ、現在、自治体や企業に法律で義務付けられている健康診断の中で実施されている24項目中16項目は、病気の予防や死者の減少という視点では有効性を示す効果が薄いという評価結果を発表しました。
 報告書では、この研究が行われた目的として、我が国ではこれまで国民の健康増進を目的として、基本健康診査を含む各種保健事業が実施されてきた。しかし、これらの健康診査を含む保健事業について厳密な科学的評価はほとんどされてこなかった。特に一部市町村及び医療保険の保険者等においては、各種保健事業、健康づくりについては独自に企画されているものもあるが、その評価はほとんどされていない。そこで今後の保健事業をより効果的、効率的に行い、もって保健事業のさらなる適正な推進に資することを目的に、本研究では現在考え得る最も厳密な科学的方法にのっとり、保健事業を評価し、モデル事業のプロトコルを作成することとしたと記されています。
 評価の結果、その効果が薄いとされた代表的なものを見ますと、肝機能検査では実施しているGOT、GPT、γ-GTP、これらについてはむしろ問診等で飲酒行動を把握することや、肝炎ウイルスの検診の方が有効とし、実施の意義を再検討すべきと結論づけました。肝機能検査では、当区においてはこの3項目に加え、さらにZTT検査が独自に上乗せされてきました。
 また、胸部エックス線も肺がん検出については効果なしとされ、最近、法定健診から除外されたと聞いています。
 心電図についても12誘導心電図で、虚血性疾患を見つけるのは、費用対効果を考えると効率が悪い。運動負荷心電図も冠疾患予知の手段として非効率であり、感度、特異度に問題が多いとし、毎日新聞には福井班長の言葉として、心電図は昔から検診として効果がないと言われてきたとの話が掲載されています。
 また、同じ記事の中では、心電図の測定も心筋梗塞の予防などに役立つとの証拠はなかった。検査で正常とされた人たちの方が異常が見つかった人たちよりも心筋梗塞や突然死に見舞われる率が高いとの調査結果すらあったとも報じています。
 今回の研究班の報告は、これまで検査をすれば安心と思い込んでいた国民に警鐘を鳴らし、これまで科学的評価もないまま続けてきた自治体や企業の健診事業そのものに見直しを求めているものであります。
 そこで伺います。今回の報告を受けて、国は健診項目等の見直しなどの検討に入っているのでしょうか。現状の動きについてお聞きします。
 また、区がこれまで独自に上乗せしてきた肝機能検査におけるZTT、さらに尿素窒素、尿酸、血清総たんぱくなど、さらには最近法定健診から除外された胸部レントゲンについて科学的検証、評価というものは行われてきたのでしょうか。
 また、今回の報告に基づき、より効果的、効率的な健診にすべく、医師会と協議をするべきと思いますが、いかがお考えでしょうか。
 次に、生涯学習について伺います。
 私は、現在の中野区政の生涯学習への取り組み姿勢は必ずしも熱心とは言いがたいものがあると思います。11月6日発行の教育だよりなかのでも、生涯学習にかかわる記事はわずか3行足らず。新しい中野をつくる10か年計画でも、わずか4ページしか記載がありません。若者や納税世代の定住率を高めていくには、地元でスポーツができる環境を整えていくことが不可欠だと考えます。
 中野区は施設が多い。これは区長が常々言っていたことでした。しかし、スポーツ施設に限って言うならば、決してその限りではないと思います。近隣の区のように、都の施設や区民が使える民間の施設があるわけではありません。
 そこでまずお尋ねしますが、中野区は施設が多いという認識の中で、スポーツ施設についてはどのようにお考えなのかをお聞きします。
 次に、現在ある施設の有効利用、そのための方策についてお聞きをすると同時に、提案をします。
 上高田グラウンドについては、人工芝が整備され、前日までが雨であっても翌日には利用可能という状況にあります。しかしながら、哲学堂グラウンドは、雨が続けば数日間利用不能に。また、雪が積もれば半月近く使えなかったということもありました。絶対的に施設不足の中で、これは残念でなりません。限られた施設を有効に使うという観点から、哲学堂グラウンドの早期人工芝化を提案します。
 10か年計画に地域スポーツクラブの設立が具体化されました。私は4年前からtoto、サッカーくじからの助成金を利用した総合型地域スポーツクラブの創設を提案してきました。この助成金は、地域スポーツクラブ設立に当たり、クラブハウスの建設、グラウンドの芝生化、ナイター設備の設置などに利用できるもので、全国の自治体や団体が手を挙げ利用してきたことは当時の文教委員会の議事録に記録をされているところです。しかし、残念ながら中野区はこの助成金の説明会に出席はしたものの、手を挙げることはしませんでした。その理由を問うと、当時の答弁では、区のスポーツ振興計画が策定されてからとのことでしたが、それではそのスポーツ振興計画の策定は今どうなっているのでしょうか。策定をやめたならやめたとはっきり言うべきで、中途半端にしておく問題ではないと思いますが、いかがでしょうか。
 哲学堂南側の妙正寺川公園グラウンドが、暫定開設のまま長い時間を経過しています。ここは区内には数少ない大人もサッカーができる貴重なグラウンドとして利用されています。ここにはナイター設備を設置される予定で、周辺にも説明してきたはずです。このまま暫定の利用を続けていれば、後に引っ越してきた住民からナイター設備など聞いていないということに必ずなります。いつまで暫定のままで置くのですか。一刻も早く本格整備に向けた協議を共同で利用中の新宿区と始めるべきです。いかがお考えでしょうか。
 平和の森公園についても伺います。
 私たちは、区内の限りある空間として、平和の森公園にスポーツ施設の建設を訴え続けてきました。広大な芝生広場の半分でも利用できれば、その可能性は十分です。実際問題、現在は芝生の手入れなどにも苦慮している状況ではないのですか。今後、学校再編の中で野方小の建てかえ計画がされています。また、警察大学等跡地に計画されている高層マンションの子どもたちが通う学区域はこの野方小なのではないでしょうか。将来、野方小が大規模校になったとするならば、現在の校庭で十分とお考えですか。平和の森公園にPFI方式でグラウンドをつくり、野方小学校の第二校庭との併用なども検討すべきと思いますが、いかがでしょうか。
 さて、スポーツ施設の少ない中野にとりましては、学校の校庭の開放、体育館の開放は貴重な財産です。ところが10か年計画では、学校への遊び場設置や学童クラブ、児童館まで取り込むことになっています。今、土曜日の校庭は地域の野球やサッカーの少年スポーツ、体育館ではPTAのバレー、卓球など与えられた時間は絶え間なく地域での利用がされています。こうした機会をふやすことこそあれ、絶対に減らさないでください。学校への学童クラブ、児童館への取り込みと、施設の地域利用について教育委員会、子ども家庭部協議の上、しっかりと御答弁ください。
 この項の最後に、ことしも区内のスポーツ選手や団体が国体に参加するなどの活躍がありました。しかし、これらについては教育だより等を見ても、区民に対し何の紹介もされていません。よい成績を残したチーム、選手はしっかりと区民に紹介すべきです。それが後の選手への励みとなり、区のスポーツに対しての姿勢と映るのです。全国大会への参加などは、教育だよりや教育委員会のホームページで紹介すべきと思いますが、いかがでしょうか。
 その他で1点お聞きします。
 高齢者らを対象に不要な住宅リフォーム工事を契約させられる事件が相次ぎました。ひとり暮らしの高齢者を標的に、地震が起きたら大変などと不安をあおり、次から次へと不必要な工事を行う手口は、極めて巧妙かつ悪質なものです。行政がしっかりとガードをして被害を防がなければなりません。
 そこでお聞きします。中野区内では現在、こうした悪質リフォームについての相談の実態はどのような状況でしょうか。また、区としてこうした悪質リフォームに対してどのような対策が講じられているのでしょうか。
 毎週金曜日、区役所1階ロビーで増改築相談を行っている中野区小規模建設事業者団体連絡会の皆さんから、こうした悪質リフォーム被害防止のためのシールの作成、そしてそれぞれの玄関先にこれらを貼るという予防策が提案されていますが、区としてこうした取り組みを始めるお考えはないでしょうか。お聞きをします。
 最後にこれをお聞きしまして、私の一般質問を終了いたします。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 佐伯議員の質問にお答えをいたします。
 上鷺宮に向かいます新設バス路線の質問であります。
 上鷺宮、鷺宮地域へのバス路線については、この11月30日から運行を開始することとなっております。今回の路線の検討に当たっては、乗り継ぎなしで中野駅周辺を結ぶバス路線として、バス事業者と協議をして実現性の高いルートで考えてきたわけであります。千川通りを路線に加えるといたしますと、新青梅街道から千川通りへ北上する循環ルートとなりまして、往路復路が異なることでありますとか、それからバス路線として距離が長くなり過ぎること。また、中杉通りには多数のバス路線が運行していますことから、交通渋滞に拍車をかけることになってダイヤどおりの運行も難しい。そういったようなバス事業者の考え方などもありまして、区の運行支援も限界があるといったようなことも含め、難しいというふうに判断をして、現在の路線になったということで御理解をいただきたいと思っております。
 それから、中野駅と中村橋を結ぶ路線を富士見台まで延伸するということにつきましては、区としても関東バスに対して要望していきたいというふうに考えております。
 それから、上鷺宮地域センターでの証明書発行についてであります。
 地域センター窓口の窓口業務の集約後ですけれども、窓口業務がなくなる箇所について、上鷺宮がなくなってきたということがそうなんですけれども、コンビニエンスストアと同様に(仮称)区民活動センターなどにおきましても住民票など需要の多い証明書を受け取ることができるように何らかの対応を検討していきたいというふうに考えております。
 それから、上鷺宮三丁目の公社住宅の建てかえについてであります。
 公社住宅の建てかえに当たりましては、都市計画マスタープランなどで示しております当該地区のまちづくりの方向などを踏まえて、緑の保全や周辺道路と連続性を持った道路幅員の確保、あるいは地域開放型の広場状空地や歩道状空地の整備などについて協議を進めてきた結果、具体化されることになったものであります。
 住宅内には集会室が整備されて、居住者優先を前提に地域に開放するという情報を得ているところでありますが、これらの内容にかかわります要望書の提出に向けて準備を進めているところであります。
 それから、公務員に対する労働基本権の付与についてという御質問もありました。
 公務員の行う公務や行政の役割が権力的色彩が強かったり、公共サービスが行政だけで担われることを前提としていた。そうした時代には、全体の奉仕者として争議行為等の禁止など一部制約を受けることについては、合理的な理由があったと考えられるものであります。しかし、こうした制約が逆に公務員への過剰な身分保護につながっているのではないかという意見も出されるようになりました。成果主義の導入など、公務能率の確保や公共サービスへの民間部門の進出といった流れの中で、公務員制度のあり方が問われているものでありまして、こうした権利の見直しについても今後議論していかなければならないと認識をしているところです。
 それから、人事委員会の給与勧告の調査対象についてであります。
 小規模事業者につきましては、従事している方の年齢や経験、採用形態など、大きくばらつきがあるということであります。そういったことから、比較対象とするには難しい面もあるというふうにされてきているところです。
 しかし、制度の信頼性を確保し、一層の正確を期すというためには、今後、小規模事業者も含めた民間における賃金の情勢変化の把握について検討が必要であるというふうに考えているところであります。
 それから、区民参加と区政世論調査の結果についての幾つかの御質問であります。
 区民参加を実現するためには、区政に対して自由に意見や要望を述べ、時には議論をする機会が保障されるべきだということでありまして、そうした仕組みを整えてきたものであります。
 提案された個々の要望等が総合的な判断のもとに採用されない場合であっても、その理由などについて十分説明をして区民の方が参加の実を感じられるように私どもとしては努めてきたつもりであります。
 意見が、あるいは要望が通らないから、区民参加の実が上がらないといった考え方は私は必ずしも妥当ではないというふうに考えております。機会が保障されていること、十分に情報が提供されていること、判断についての説明責任がきちんと果たされているといったようなことが区民参加の条件というようなことだと思っております。
 こうした取り組みによって手ごたえのある区民参加のための少なくとも仕組みづくりは着実に進んできていると考えているところであります。さらに、こうした御意見を反映させていくという意味での区民参加に加えて、区民の皆さんが実際に地域の問題を解決していくという自治行動における区民の参加といったようなものもこれからはさらに進展をさせていく。そうした必要があるというふうに考えているところであります。
 それから、世論調査のところで関心のない区民が多いという調査結果は、これはまことに残念だというふうに思っております。区民参加の仕組み、実態をさらに拡充をしていきながら区民の区政への関心、参加を呼び起こしていきたいというふうに考えているところであります。
 改革を急ぎ過ぎて区民の心をつかめていないのではないかといったような御質問もありましたが、基本的に関心がないという方ですので、内容について云々というところまではなかなかいかないということも一つあるのかなというふうには思っております。
 率直に、関心がないという事態を私どもとしては受けとめることが必要だと考えておりまして、改革の目指すところをやはりきちんとわかりやすく御説明をしていくということが大事だというふうに考えております。
 それから、幾つか起きました公金横領事件でありますとか現金盗難事件、タイムカードの不正打刻、そういったことについての処理についての御質問であります。
 御指摘の事案につきましては、所属から提出された事故報告書を受けて、中野区懲戒分限審査委員会を開催して、原因、結果、職員の職責、社会的な影響など総合的に判断をして厳正に処分を行ったと考えております。また、文化・スポーツ振興公社における現金盗難事件については、公社において適切な対応、処分も行われたというふうに考えております。
 こうした御指摘のあったような事案の反省を踏まえまして、再発防止のための事務のあり方の見直しなどにも取り組んできたところであります。
 以上の点について、区民の皆様にぜひとも御理解をいただきたいと考えているところであります。
 マスコミ対応の不十分さといった御指摘がありました。水害時の被災者情報の提供や中野三丁目のマンション建設などの掲載記事については、電話取材によって所管ごとに個別に対応してしまうといったような、全体として統一された対応ができなかった、あいまいな対応に起因していたといった面もあったというふうに考えております。
 事実関係を正確に情報提供して、区としての立場、考え方をはっきり表明する必要があるわけであります。こうしたことから、被災者情報の提供につきましては改めて区の考え方を伝えるために記者会見も行ったところであります。
 また、取材窓口の一本化を図る。それから、広報担当の役割を明確にするなど、区の報道機関対応のルールについて庁内に周知徹底を図っているところであります。今後とも報道情報によって区民の方が区政に対して不信や不安を抱くといったようなことがないよう適切な対応を行っていきたいと考えております。
 それから、公務員の特権にメスを入れてきたかというところであります。
 中野区では、窓口業務の改善としては、第3日曜日に休日開庁を行いましたり、毎週火曜日には午後7時まで窓口の延長を行っております。戸籍関係や住民基本台帳関係の証明申請の受け付けでありますとか区民税や国民健康保険、国民年金の収納、納付相談、これらについてはこうした時間延長を行ってきたところであります。今後ともさらなる改善に努めていきたいと考えております。
 また、ISO14001につきましては、平成18年度中に認証取得することを目標といたしまして、現在取り組んでいるところであります。
 人事給与制度については、常に区民の視点から積極的に見直しを行ってきたと考えております。平成15年7月からはタイムレコーダーを導入して、出退勤管理を適切に行うような仕組みをつくってまいりました。また、平成16年度から一般職員に目標による管理を導入して、意欲的に仕事に取り組む仕組みを確立してきたところです。17年度からは、希望降任制度を導入して人事の活性化を図ってまいりました。
 また、給与につきましても、平成16年から名誉昇給を廃止し、また特殊勤務手当についても平成18年度から12手当のうちの9手当の廃止をしたところであります。これらについて、他の自治体に比べてもかなり踏み込んだ対応ができたというふうに考えているところであります。
 それから、外郭団体への職員OBの再就職に関連しての御質問であります。
 外郭団体において、設立の経緯や運営状況、区の政策目的などをよく知っております区職員OBが役に立つという場合もあると思っております。しかし、その採用に関する意思決定は、あくまでも団体自身の行うことであります。区としては、団体からの要請を受けた場合に限って候補者の推薦を行っているところであります。また、外郭団体のさまざまな見直しなどもありまして、外郭団体のコストそのものが減ってきているといったようなこともあるというふうに思っております。
 また、民間の方の登用ということについては、それぞれの外郭団体で努力をしていただいているところであります。中野区福祉サービス事業団の特別養護老人ホーム小淀ホームの施設長には、平成15年の4月から民間施設経験者を登用いたしました。それから、財団法人中野区中小企業退職金共済会の事務局長に平成17年、ことしの7月から元金融機関に勤めていられた職員の登用がなされたというところであります。
 それから、御質問のありました社会福祉協議会の役員についてであります。
 事務局長につきましては、社会福祉協議会からの依頼によりまして、ことし3月に定年退職をしました幹部職員を紹介したところであります。それまで、事務局長の地位におりました元区の幹部職員については、ことし4月から非常勤の常務理事に就任をしているとのことであります。これについては、社会福祉協議会の独自の判断でみずからの財源によって賄っているところでありまして、区としてはこの判断、採用に関して社会福祉協議会から相談を受けているわけではありません。
 それから、指定管理者制度におけます区幹部職員の再就職の制限についてであります。
 指定管理者制度は、法人その他の団体が公の施設の管理に当たる制度でありまして、広く民間事業者を想定しているところであります。公民の癒着の批判を受けることがないように、職員の倫理基準を設ける必要があるというふうに考えております。こうした基準の設定のあり方については、具体的にどういう形がよいのか、検討をしてまいりたいというふうに思っております。
 私からは以上であります。その他は、それぞれの担当の部長の方からお答えをさせていただきます。
〔区民生活部長本橋一夫登壇〕
○区民生活部長(本橋一夫) まず、一般廃棄物処理基本計画素案についての関連いたしましての御質問の中で、23区の清掃一部事務組合におきます廃プラスチックの全量焼却という新聞報道があったということで、その真偽はどうかということのお尋ねがございました。
 東京23区の清掃一部事務組合の一般廃棄物処理基本計画原案、これが示されておりますが、ここでは廃プラスチックにつきまして、今後はもう一度プラスチック製品に再生し利用するマテリアルリサイクル、またはもとの石油や基礎科学原料に戻してから再生利用するケミカルリサイクルを進めつつ、ごみとして排出される廃プラスチックを燃焼させてサーマルリサイクルを行うことによって、熱エネルギー回収の徹底を図っていくということになっております。
 新聞報道の表現につきましては、廃プラスチックは無条件ですべて焼却するものとの誤解を与えかねないということで遺憾に思っております。
 中野区といたしましては、ペットボトルを含めまして容器包装リサイクル法の対象となる廃プラスチックの区内全域におけるリサイクルを十分徹底した上で、残る廃プラスチックについてはサーマルリサイクルとして熱回収を行っていくという考えでおります。
 このようなサーマルリサイクルにつきましては、清掃工場において焼却管理のために重要視をしているという実態とも勘案いたしまして、合理性は理解できると考えております。
 なお、サーマルリサイクルに当たりましては、燃焼管理を適切に行うことによって有害物質の発生を抑えるとともに、エネルギー回収効率の向上を進めることを前提としております。
 次に、ストックヤード等の御質問がございました。
 可燃、不燃ごみにつきましては、23区が共同して処理をし、責任を果たすということになっております。焼却施設は、23区共同の財産でありまして、各区はそれぞれの状況に即して責任を果たしているものでございます。
 ごみゼロを目指す中野区といたしましては、他区に率先して民間の問題等も含めてですが、容器包装についても資源化の努力に取り組んでおります。ごみ減量に取り組むことが重要であるというふうに考えております。10か年計画では、容器包装プラスチック回収の全区展開を計画しているところでございます。
 それから、悪質リフォームの関係での御質問がございました。
 消費者センターが受けた建物に関連する相談は、平成16年度には131件、平成17年度は10月現在で148件寄せられております。増加傾向にあるということでございます。悪質かどうかの判断は難しいところがございますが、この中で相談内容から悪質リフォームと思われる相談は、平成16年度は37件、17年度は10月現在で35件となっております。特に高齢者からの相談が8割近くになっております。早期の相談で被害に遭わずに済んだ方もおられますが、1,000万円近い被害に遭われた方もいらっしゃいます。
 区では、被害の未然防止のための悪質な商法の事例やその対策の知識などをチラシを作成いたしまして、地域の施設で配布するとともに、ホームページで掲載しております。また、地域センターや高齢者施設などで出張啓発講座を行っておりますが、そういう中で積極的に啓発を進めております。
 シールについてのお尋ねがございましたが、区では既に、これはちょっと見にくいんですけど、これは六つここに入っているんですけども、登録証のない訪問販売はお断りというシール。これを啓発講座などで希望する方々にお配りをしております。今後もシールを希望される区民の方々にはこれらを活用していただきたいと考えています。
〔保健福祉部長菅野泰一登壇〕
○保健福祉部長(菅野泰一) 区民健診につきまして質問にお答えいたします。
 厚生労働省の調査研究班の調査研究を受けまして、厚生労働省内に設けられました生活習慣病保健指導のあり方に関する検討会で、8月に中間報告がまとめられました。そこでは、現在の健診を転換いたしまして、まず全員を対象とした健康チェックと、それから健康チェックで必要とされたものや、節目年齢を対象といたしました詳細検診の2段構えとすることが求められたところでございます。今後、さらにこの内容の具体的な検討が進められる予定と聞いております。
 それから、区独自に上乗せをしてきた検診について評価しているのかという質問でございます。
 区は、区民健診の効果を高めるため、医師会との協議を経まして、疾病に係る判定を行う際に必要な検査項目といたしまして、数項目、4項目ほどでございますが、上乗せ実施しております。今後、国の研究結果や見解などを踏まえまして、さらに適切な健診内容となるよう精査をしてまいりたいというふうに考えております。
 医師会との協議についてどうするかということでございます。
 今後、厚生労働省の基本健診審査ガイドラインが、今度20年度に予定されております医療制度改革、老人保健法改定に合わせまして見直されるということを聞いております。
 区といたしましては、国のガイドラインに沿いまして見直しを行い、効率的かつ効果的な区民健診が実施できるよう医師会と協議していく予定でございます。
〔教育委員会事務局次長金野晃登壇〕
○教育委員会事務局次長(金野晃) 生涯学習の推進についての質問の幾つかにお答えいたします。
 まず、スポーツ施設が多いかどうかについての認識でございます。
 区内のスポーツ施設は、体育館、野球場、運動広場など8施設あるわけでございますが、区民の健康づくりや子どもたちの体力づくりなど、スポーツの重要性を考えればもっと必要であると考えております。
 次に、哲学堂グラウンドの人工芝生化についてお尋ねでございます。
 人工芝生化は確かに望ましいことだというふうに考えておりますが、経費もかかることから他の事業との優先順位を考えて検討したいと思います。
 次に、スポーツ振興計画の策定についてのお尋ねでございます。
 教育委員会では、教育ビジョンを策定いたしましたが、その目標に地域における学習やスポーツが活発に行われることを掲げております。今後、スポーツ振興計画の策定を考えていきたいと思います。
 次に、学校への遊び場機能等の導入と地域利用との関係についてのお尋ねでございます。
 小学校における遊び場機能の導入に当たりましては、条件の整う小学校から順次進めることとしております。導入する各小学校では、現在利用しております遊び場開放、また球技開放などの学校開放事業との調整が必要になります。この調整に当たりましては、地域でのスポーツ活動の学校の利用実態などを踏まえながら調整を図っていきたいと思います。
 今後、整備する地域スポーツクラブの利用などを含めて考えまして、学校につきましては子どもたちにより多く利用できるような配慮をしていきたいと思います。
 次に、全国大会等で活躍した選手の紹介についてのお尋ねです。
 全国大会等で活躍した団体や選手につきましては、教育だよりやホームページなどで紹介していきたいと考えますので、紹介する基準あるいは情報収集のあり方についても検討していきたいと思います。
〔都市整備部長石井正行登壇〕
○都市整備部長(石井正行) 私から、生涯学習の推進についての中で、妙正寺川公園グラウンドの本格整備についての新宿区との協議のお尋ねがございました。
 妙正寺川公園の運動施設につきましては、新宿区との基本協定の中で、平成15年度を目途に本格整備するということにしてございますけれども、これにつきましては本格整備に向けては改めて新宿区との間で協議をしてまいりたいと考えております。
 次に、平和の森公園にグラウンドをつくって、野方小学校の第二校庭との併用を検討すべきと、こういうお尋ねでございます。
 平和の森公園は、区民協議会の検討結果を踏まえた基本計画、これに基づきましてこれまで整備を進めてまいったところでございます。その中では、芝生広場部分を含めてグラウンドとしての整備は想定をしておらないというところでございます。
 したがいまして、野方小学校の第二校庭との併用は非常に難しいと考えております。
〔佐伯利昭議員登壇〕
○28番(佐伯利昭) 済みません。時間がないので1点だけ。
 公務員の労働基本権の付与について、区長の方から争議権については今後議論をしていかなくてはいけない問題だというようなお答えがありました。現段階で区長として、公務員の労働基本権に対しての見解、考えというのを、もしお聞かせいただければと思います。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 現段階でのあくまでも私見ということでありますが、方向としては成果主義の導入でありますとか、さまざまな先ほども言いました公共サービスへの民間の進出といったような状況を踏まえていきますと、方向としてはやはり労働基本権の付与といったようなことにも踏み込んでいく方向にあるべきなのではないかというふうな考えを持っております。
○副議長(江口済三郎) 以上で佐伯利昭議員の質問は終わります。
 お諮りいたします。
 議事の都合により、本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(江口済三郎) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
 次の会議は、明日午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。
 本日はこれをもって延会いたします。
午後5時27分延会