平成17年11月25日中野区議会本会議(第4回定例会)
平成17年11月25日中野区議会本会議(第4回定例会)の会議録
平成17年第4回定例会本会議第2日(11月25日) 1.平成17年(2004年)11月25日、中野区議会議事堂において開会された。
1.出席議員(41名)
  1番  いでい   良  輔        2番  伊  東  しんじ
  3番  佐  野  れいじ         4番  北  原  奉  昭
  5番  久  保  り  か        6番  酒  井  たくや 
  7番  奥  田  けんじ         8番  近  藤  さえ子
  9番  小  堤     勇       10番  大  内  しんご
 11番  伊  藤  正  信       12番  きたごう  秀  文
 13番  吉  原     宏       14番  高  倉  良  生
 15番  やながわ  妙  子       16番  平  島  好  人
 17番  むとう   有  子       18番  はっとり  幸  子
 19番  長  沢  和  彦       20番  か  せ  次  郎
 21番  山  崎  芳  夫       22番  小  串  まさのり
 23番  高  橋  ちあき        24番  市  川  みのる
 25番  岡  本  いさお        26番  こしみず  敏  明
 27番  飯  島  きんいち       28番  佐  伯  利  昭
 29番  佐  藤  ひろこ        30番  来  住  和  行
 31番  岩  永  しほ子        32番  若  林  ふくぞう
 33番  篠     国  昭       34番  伊  藤  岩  男
 35番  斉  藤  金  造       36番  大  泉  正  勝
 37番  斉  藤  高  輝       38番  江  口  済三郎
 39番  藤  本  やすたみ       40番  昆     まさ子
 41番  江  田  とおる        42番  池  田  一  雄
1.欠席議員
      な  し
1.出席説明員
 中 野 区 長  田 中 大 輔      助     役  内 田 司 郎
 収  入  役  山 岸 隆 一      教  育  長  沼 口 昌 弘
 区 長 室 長  寺 部 守 芳      総 務 部 長  石 神 正 義
 総務担当参事   橋 本 美 文      区民生活部長   本 橋 一 夫
 子ども家庭部長  田 辺 裕 子      保健福祉部長   菅 野 泰 一
 保 健 所 長  清 水 裕 幸      都市整備部長   石 井 正 行
 拠点まちづくり推進室長 石 橋   隆   教育委員会事務局次長 金 野  晃
 政策計画担当課長 川 崎   亨
本会の書記は下記のとおりである。
 
事 務 局 長  山 下 清 超      事務局次長    高 橋 信 一
 議事調査担当係長 大 谷 良 二      書     記  黒 田 佳代子
 書     記  永 田 純 一      書     記  荒 井   勉
 書     記  岩 浅 英 樹      書     記  菅 野 多身子
 書     記  廣 地   毅      書     記  西 田   健
 書     記  鳥 居   誠      書     記  杉 本 兼太郎
 書     記  松 本 桂 治      書     記  吉 田 哲 郎

 議事日程(平成17年(2005年)11月25日午後1時開議)
日程第1 第66号議案 平成17年度中野区一般会計補正予算

      午後1時01分開議
○議長(高橋ちあき) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。
 本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。
 昨日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。

 中野区議会議員 奥 田 けんじ
 1 子育て支援について
 2 東京工芸大学中野キャンパス図書館の地域開放について
 3 フィルム・コミッションについて
 4 その他

○議長(高橋ちあき) 最初に、奥田けんじ議員。
     〔奥田けんじ議員登壇〕
○7番(奥田けんじ) 2005年第4回定例会に当たり、一般質問を行います。
 まず、子育て支援についての質問をさせていただきます。
 行政におきましてさまざまな施策を行う際、まず計画や事業モデルをつくってまいります。ビジネスの世界でもこれは同様でございます。違いはその際に他者間の複眼的な分析が行われるかどうか、ここにあるんだと私は思っております。基本形は3者間の分析だと私は思います。行政の場合、2者間での分析が多いなというのがこれまでの行政の施策を見させていただいている中での印象でございます。
 簡単化した例で申し上げますと、例えば顧客、仕入れ先、販売会社。このような形で、商売の場合は必ず3者関係というのを意識してやってまいります。Win-win-winというような表現を使ったりしますけれども、だれも損しないよう関係づくり、これが非常に大切なわけでございます。
 例として、子育て支援を今回取り上げさせていただきますけれども、中野区ではNPOを主体といたしまして、子育てサポートルーム事業を行ってございます。今後の展開が非常に期待されるところではございますけれども、現在の形は行政、あるいはNPOというサービスの提供者、それに対して市民が利用者という関係、簡単化いたしますと、2者関係が今成立しているというふうに分析されるわけでございます。これは、表現としてはある意味一面的な顔がそれぞれ見えている、そんな状態ではないかと私なりの分析をいたしております。
 例えば、多摩市ではデパートの屋上階をNPOが借り受けて子育て支援センターを行っている、そんな事例がございます。行政は備品の寄附やチラシの配付、そういった側面支援をしているといった状況がございます。このケースでは、行政あるいはNPOがサービスの提供者、場合によっては徴税者という顔も持ちながら、市民は利用者、消費者、納税者。企業、この場合はデパートですけれども、納税者、サービスの提供主体者。3者関係で見ますと、それぞれが複数の顔を持っているといった姿が見えてくると思います。まさにWin-win-winの関係。すべての利害関係者がだれも損しない関係。こういった関係づくりがまさに行政の中でも求められている。私はこのように考えております。
 さて、前者と後者の違いは何でしょうか。前者が2者の関係、例えばする、される、得をする、損をする、この2項対立の関係に陥りがちなのに対して、後者は3者の関係ですから、それぞれ複数の顔を持ちながら、お互いがお互いを高め合うといった関係づくりができている、これに気づいていただけると思います。
 例えば、中野区でそういった状況をつくり出せないだろうかと私は考えてみました。中野駅周辺には丸井さんという非常に大きなデパートもございます。各地域には商店街がございます。空き店舗を抱える中で、そういったことが可能性としては模索されると思います。行政の支援の中でも、例えば現在行っている人材の育成という手法もありますし、機材提供等、さまざま考えられるわけでございます。行政でもこうした3者間の関係を分析していく中で、利害関係者を複眼的に分析していくといった発想を持っていく、私はこれが大切だと思っております。御所見を伺います。
 次に、フィルム・コミッションの事業についてお伺いいたします。
 区長は、コンテンツ産業の育成といった表現の中で、コンテンツを中野区から発信していくんだということを各場所でおっしゃっています。方向性としては非常に望ましいものだろうと私は思っております。しかし、全くの輸入品、中野にもともとないようなものを無理やり持ってくるといった方向性ではなかなか説得力を持ちません。コンテンツは、文化・歴史を背景とした説得力が必要でございます。ブランドづくり、コンテンツ育成には不可欠な発想だろうと私は思っております。
 よい例で申し上げれば、さきの定例会で酒井たくや議員が「お笑い芸人が多い。だからこそ、この中野をお笑いのまちに」といった提案をなされた、そのように記憶しております。背景をよく踏まえたよい提案だ、よい発想だというふうに私なりに聞かせていただきました。
 例えば、私の住む南中野の地域で東京工芸大学、先ほど冒頭皆様にお見せしたパンフレットがございますけれども、写真学科、映像学科、デザイン学科、メディアアート表現学科、アニメーション学科といった学科を抱えているまさにコンテンツの宝庫でございます。中野キャンパスには、この中で写真学科、映像学科、デザイン学科数百名のクリエイターの卵が通っているわけでございます。このコンテンツの宝庫を見逃す手はない、私はこのように考えております。
 そこで、私は先日、工芸大学で行われました中野祭という学校祭に伺わせていただきました。実行委員の方々を初め、多くの学生の方の声を聞かせていただきました。
 彼らは映像、写真のプロを目指すクリエイターでございます。聞いてみますと、こんなことに困っているといった状況が見えてまいりました。キャスティングがなかなかできない、ロケーションを撮りたいときになかなかいい場所がない、許可がとれない、こんなことで悩んでいます。つまり、役者さんや撮りたい場所を思うように見つけられないといった状況であります。さきの3者関係でいえば、学生、地域、行政という3者の中で、Win-win-win、つまり、だれも損しない関係づくりをどうしたらつくれるだろうか。
 この場合に考えますに、学生はホームページの作成ができます。商店街をデザインすることもできるでしょう。学校での芸術教育の支援も可能だと思います。商店街で個展を開きたいという声も聞こえてまいりました。例えば地域、商店であれば、ロケーション、キャスティングという部分での協力ができるでしょう。行政には何ができるか。まずはロケーションです。区有施設を持っています。区が管理する施設、これがあるでしょう。信用の供与というかかわり方もできますし、財政的な支援も場合によっては可能だと私は思います。コンテンツが地域に根ざし、有機的に結びつくことで説得力が増してまいります。ゆくゆくは中野フィルム・フェスティバルと銘打ち、ショートショートの映画祭、あるいは映画の作成実習等を含めた地域密着形のイベントを行うことも可能なのではないでしょうか。まず、その足がかりとして行政にできることとして、映画や写真の撮影の場の提供等、フィルム・コミッション事業を積極的に推進されてはいかがでしょうか。東京都ももちろん行ってはおりますが、応援している地域というには余りにも広過ぎるエリアだと思います。御所見をお伺いいたします。
 3点目、これも同じく工芸大学に関することなんですけれども、工芸大学には図書館がございます。芸術分野に特化した7万冊にも及ぶ蔵書がございます。中野区は、地域図書館に特徴を出す方針を持ちながら、一方で例えば南台図書館が7万冊、本町図書館が5万冊といった蔵書状況で、非常に限界を感じるものでございます。一方、大学も生き残りをかけて、地域との共生を迫られております。お互いの事情を考慮して、連携を深める働きかけをする価値は十分にあると私は思っております。
 先日、この大学の図書館の館長さんにお会いしてまいりました。既に区民への閲覧の実施をスタートしたとのことでした。7万冊もの芸術分野の専門書籍が、中野の地で少しずつ利用できるようになっている。貸し出しには正直慎重な態度を示されておりましたが、現に大学図書館を地域に貸し出ししていく事例も各地域で見られるようになってまいりました。できない理由を探すのではなくて、やはり可能なことを模索していただきたい。例えば、私の友人でアンティーク着物の店員をしている女性にこんな話をしましたところ、素敵なアイデアだ、ぜひやってほしい、そんな感想をいただきました。市民に選ばれる自治体であるための一つの重要な要素になってくるのではないかと私は考えております。東京工芸大学の図書館の開放に向けての区としての今後の取り組みに関する御所見をお伺いいたします。
 その他の項で、ゼロ・ウェイスト宣言についてお伺いいたします。
 第二次の一般廃棄物処理基本計画の素案が現在出されております。34ページには「本区はごみ処理・処分を他区に所在する施設において行っていることから、他区に率先してごみゼロ都市を目指す」とあります。目標は低いものではない。そして、理念も大変すばらしいものだと私は考えております。しかし、目指すなら本気でゼロを目指していただきたいと思っております。資源化率50%を目指す。この目標が中間目標だというのであれば、いつゼロになるのか。そういった最終のゴールをしっかりと示していただきたい。ごみゼロ都市・なかのの実際のところを見てみますと、埋立量がゼロ、この表現が唯一見られるだけです。燃やす前提でのゴミ政策では、ゼロの実現は非常にままならないものだと私は考えております。
 先日、徳島県上勝町を視察させていただきました。わずか2,000人の人口で、かつて天災により主力の産業を失ってしまった非常に過疎の町というふうに言っても過言ではない、そういった財政的にも非常に厳しい自治体でございました。しかし、さきの総括質疑でも御紹介させていただきましたけれども、この自治体が2003年9月ゼロ・ウェイスト宣言、本当のごみゼロを目指した宣言を行ったのであります。2020年にごみをゼロにする、そんな目標を掲げたゼロ・ウェイスト宣言です。ごみゼロというただのスローガンではなくて、本当にゼロを目指していくという意味で、あえて横文字のゼロ・ウェイストという表現を使った、そんな宣言でございます。
 燃やさない、埋め立てないが基本のそういった宣言。現在、リサイクル率が80%、リサイクル品目が34分類。実際に見てまいりますと、市民の方々が独自のアイデアの中で50分類以上されておりました。小さな町だからできるんだとおっしゃる方はもちろんいらっしゃいます。しかし一方で、同条件であってもできない町がございます。そして、本来であれば、できない理由の方が多いんだというふうに私は思いました。
 町の皆さんは、もともとは過疎の村で負け組意識が強い、そんな感想をおっしゃっている方も多かった。そして産業がない、若年層が少ない、消費地が遠いとさまざまなデメリットを持っている。そんな背景でどうしてこういったことが実現できたのか。そこには背景がございます。できる努力と工夫の積み重ね。そうした少しずつの高い目標に向かっての努力が背景にあったわけです。地域特性を生かしたコンテンツビジネス。葉っぱを料亭におろすことで世帯年収600万円ということを実現している、そんな産業の復興が実現されておりました。県下有数の医療費の少ない自治体として元気な高齢者づくりの実践にも邁進してきた、その結果がこうしたゼロ・ウェイストの実践につながっているわけです。
 中野区にもできない理由は多くございます。定住人口の少なさ、地域コミュニティの崩壊等、できない理由を前提に計画を立てては、理想には決して近づかない。私はこのように考えます。理想に近づく努力と工夫を重ねる計画が必要だと考えております。やがてよい循環を招いていくためにも、やはり考え方を根本から変えていく必要があるんだと考えております。御所見をお伺いいたします。
 最後に、区民参加に関して1点だけ申し添えたいと思います。
 やよい幼稚園の保護者の方と先日懇談させていただきました。多くの保護者の方がとにかく区立、何が何でも存続といった態度で冒頭臨まれておりました。しかし、区の現状、区がとり得る態度、本来あり得る選択肢を私なりにお示しする中で、行政の立場と利用者の立場で納得感のある妥協点を見つけることは可能だという感触を持ちました。多くの保護者、利用者は、状況がわからないことからの不安、どうせ話を聞いてもらえないという失望感をお持ちです。こうしたことが硬直的な態度につながっているんだという実感を得ました。ぜひ区長に聞いていただきたいんです。非常に僣越ではございますけれども、手ごたえのある区民参加は、お互いの納得感だと私は思います。区長は、先日の佐伯議員の質問への答弁でやってきたつもり、つもりというふうに繰り返しおっしゃいました。現場で声を聞くと、手ごたえを感じていない、納得感が不足している、こういった声が多く聞こえます。結論はどうあれ、区民ニーズを整理分析し、納得のいく理由、可能な選択肢を示すことが必要です。そして、聞いているふりでは区民の納得感はなかなか得られるものではないと私は思います。任期あとわずかではございますけれども、ぜひ一人ひとりの区民が納得感を得られるような区政運営をされることを期待させていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
   〔子ども家庭部長田辺裕子登壇〕
○子ども家庭部長(田辺裕子) 子育て支援につきまして、子育てサポートルームを例にとりまして御質問がございました。
 子育て家庭、特に乳幼児親子の交流の機会などにつきましては、地域において多様な形で準備され、さまざまな担い手によって子育て支援の活動が行われているところでございます。サポートルームにつきましても、場所や団体活動の拡充に向けまして現在取り組んでいるところでございます。
  〔教育委員会事務局次長金野晃登壇〕
教育委員会事務局次長(金野晃) 東京工芸大学図書館の地域開放についてのお尋ねでございます。
 東京工芸大学につきましては、地元の大学ということもございますので、図書館の開放について申し出がありましたら、よく話を聞いて対応していきたいと思います。
 周辺の大学図書館などにつきましては、図書館から利用案内や紹介をしておりますので、今後も区民に情報提供していきたいと思います。
     〔総務部長石神正義登壇〕
総務部長(石神正義) フィルム・コミッションについての御質問がございました。
 テレビや映画の撮影場所といったことについて、現在相談に応じるといったことはやってございます。また、撮影場所となります公園や区有施設等につきましての使用許可申請の窓口を紹介することも含めまして、現在ニーズに対応しているところでございます。今後もこうした需要には的確に努めていきたいというふうに考えてございます。
    〔区民生活部長本橋一夫登壇〕
区民生活部長(本橋一夫) ごみゼロ都市・なかのについてのお尋ねでございます。
 中野区といたしましても、ごみの減量ということでペットボトルのリサイクル、その他の容器包装についての分別資源化、びん、缶の効率的な回収、生ごみの堆肥化などに取り組んでいきたいと考えております。
 しかし、まず何と言っても3Rが大事でありまして、区の取り組みとともに、生活の中から不要物を出さないというライフスタイルの転換、そして生産過程、流通過程における問題といたしまして、容器包装リサイクル法につきましても排出者責任についての抜本的な見直しを求めていくといった取り組みを進めていきたいとを考えております。
○議長(高橋ちあき) 以上で奥田けんじ議員の質問は終わります。

 中野区議会議員 佐 藤 ひろこ
 1 障害者自立支援法の区への影響について
 2 介護保険法改正による区への影響について
 3 健康危機管理について
 4 「新しい中野をつくる10か年計画改定素案」について
 5 その他

○議長(高橋ちあき) 次に、佐藤ひろこ議員。
     〔佐藤ひろこ議員登壇〕
○29番(佐藤ひろこ) 第4回定例会に当たり、一般質問をさせていただきます。
 介護保険法の改正、障害者自立支援法の成立により、来年4月から高齢社・障害者の福祉サービスが大きく変わります。その変わり目の中で、年をとっても、障害を持っても尊厳が守られ、24時間365日だれもが地域で安心して暮らせるように、区民・民間・行政が一体となってこれからの地域福祉サービスを進める来年は大切な年になります。
 昨年度、中野区は健康福祉都市宣言を行いました。「健康福祉都市なかの」の理念は「人間性の尊重と権利の保障」「個人の意志と自己決定の尊重」「自立生活の推進」「区民参加、区民と区の協働による地域保健福祉の推進」とあります。制度の変わり目の中で、この四つの理念は、これからの中野の方向性を示すものとして大変重要です。
 この理念を踏まえ、中野区保健福祉総合計画改定における基本的な考え方について、中野区保健福祉審議会から答申が出されました。区長が審議会への諮問に当たってとりわけ意見を求めていた「認知症高齢者に対する総合的な施策の展開について」と「障害者に対する自立支援体制の構築について」の提言も答申に盛り込まれたところです。そこで、障害者自立支援法と介護保険法改正による影響と今後の取り組みについてお伺いいたします。
 1番目、障害者自立支援法による区への影響についてお伺いいたします。
 1点目、財源について。
 障害者自立支援法が成立し、負担はどうなるのか、サービスはどうなるのか、不安の声が寄せられているところです。大きく変わったことの一つが、障害者福祉のサービスの一元化です。身体・知的・精神と障害別のサービスが共通化され、サービスを提供する責務は、第一義的に区市町村が担うことになったことです。都道府県や国は、区市町村を援助する責務を担います。ホームヘルプサービスなどが自立支援給付として、国の経費が義務化されました。一方、日常生活支援用具の給付や移動支援事業などは区市町村が経費を出して行う地域生活支援事業になります。国が経費を義務化したといっても、国から自治体に渡される予算は限られています。自治体がサービスをすればするほど財政負担も自治体に任されることになります。自治体の財政力により、つく格差が懸念されているところです。自立支援法により、区のサービスの財源はどのような影響を受けるのかお伺いいたします。
 2点目、審査会委員について。
 介護保険と同じようなシステムで障害程度区分が判定され、サービスの支給枠が決められることになります。コンピュータによる第1次判定が、障害によってさまざまに違う本人の生活実態に合うものになるのか不安なところです。第2次判定を行う審査会の役割が大きくなります。委員にはどのような人を予定していますか。審査会委員には、障害者の地域生活がよくわかる人を選ぶべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 3点目、ケアマネジメントについて。
 障害区分が判定され、サービスの内容や名称も変わり、応益負担が導入される中で、当事者が自分に合った地域生活を選べるように支援することが大変重要になってきます。応益負担の原則は、サービスを多く利用する障害が重い人ほど利用料負担がふえることになります。負担をできるだけ低く抑えるために、負担の上限やさまざまな減免制度が設けられました。しかし、これがとても複雑です。相談支援、ケアマネジメントはどこでだれが行うのでしょうか。減免などの仕組みをわかりやすく情報提供し、本人の意向を尊重したプランづくりを行える体制にしていただきたいと思います。いかがでしょうか。
 4点目、区の組織について。
 障害者にとってよりよい相談体制とサービスが提供できるよう、障害福祉課、保健福祉センターなど組織の連携を緊密にする必要が出てきます。どのように検討されているのかお伺いします。
 5点目、地域生活支援事業について。
 来年10月からの地域生活支援事業の内容や利用者負担などについては、どのように検討されているのでしょうか。特にニーズが高く、障害者の地域生活を支えている移動支援事業については、制限することなく必要とする人がきちんとサービスを受けられるようにするべきですが、いかがでしょうか。サービス内容は自治体の裁量に任されるということですので、当事者のニーズを踏まえた事業展開を積極的に行ってほしいと思います。例えば、ガイドヘルプは現在通学や通勤に使うことができませんが、就労支援事業に力を注ぐことが自立支援法でもうたわれております。例えば、視覚障害者ガイドヘルプが新しい就労先に通う最初の一定期間利用できるようにするなど、検討してはいかがでしょうか。
 6点目、作業所や通所施設の影響について。
 作業所や通所施設はどのような影響が予想されるのでしょうか。5年間で順次新しい体系に移行するということですが、区立通所施設などは来年4月から利用料の徴収が始まると聞きます。通うところによって利用料に格差が出るのではないかと不安の声も寄せられているところです。また、来年度建設される本町五丁目の知的障害者通所施設は、その事業名などから重度重複の障害者は利用できないのではないかという不安が出ています。生活実習という名称は制度的にはもうないのですが、区議会で第3生活実習所を求める陳情を採択した経過からも、当然重度重複の人も利用できる施設として整備するべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 また、通所施設を医療的ケアが必要な人たちも利用できるように、人件費加算などを都や国に要望していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 7点目、自立支援医療についてお伺いします。
 原則定率1割負担になり、特に利用が多い精神障害者への影響が大きくなることが心配されています。所得に応じた上限額が設定されていますが、都にも支援を要望し、負担が大きくて必要な医療が受けられないということがないようにできないでしょうか。
 8点目、今後のスケジュールについて。
 法律が制定されてから制度実施まで時間がない上、政省令で具体的なことが示されないまま準備を進めなければならないという担当課は大変な状況だと思います。利用者への制度の説明、申請など、スケジュールはどのように予定されているのかお伺いいたします。きちんとした利用者への説明が求められます。
 9点目、当事者に必要なサービスの確保について。
 障害者自立支援法により、国から渡される財源は厳しい中、自治体の責任は大きくなりました。支援費が始まってから、中野区は特に重度の難病や障害の方々の介護サービスが行き届くように、他区に比べて頑張っていると評価されています。必要な人に必要なサービスを提供し、障害が重くてもだれもが地域で安心して暮らせるように、今まで以上に区はあらゆる手だてを尽くすことが必要となります。区の姿勢と区長の決意をお伺いいたします。
 2番目に、介護保険法改正による区への影響についてお伺いいたします。
 介護保険法が改正され、保険料や要介護認定、ケアマネジメントなど、負担のあり方や制度運営の見直しがされました。デイサービスの食費負担などが高くなったので、利用するのをあきらめる方もいるようで、新たに始められる閉じこもり予防支援などの目的がどう実現できるのか、不安もあります。
 1点目、法改正により、区へはどのような財政的な影響があるのでしょうか。
 2点目、区の組織の見直しはあるのでしょうか。
 3点目、介護保険料の見直しは、現在どの程度を考えられているのでしょうか。低所得者の負担が大きくならないようにするべきだと思いますが、どのように検討されているのでしょうか、お伺いいたします。
 4点目、地域支援事業の介護予防サービスについて。
 閉じこもり予防支援、認知症予防支援、うつ予防支援などの地域支援事業の介護予防サービスについて、中野区ではどのような展開を検討されているのでしょうか。事業実施に当たっては、地域の人の力が欠かせないと思います。区内では、介護予防につながるさまざまな地域活動が展開されています。その力を生かして、さらなる事業展開を図ってはいかがでしょうか。
 世田谷区は、東京都老人総合研究所と共同で実施している認知症予防プログラムの中間報告を公表しました。専門家と世田谷区民から発足したNPO認知症予防サポートセンターがこのプログラムを支えています。区の養成講座を受講した区民がファシリテーターとなってウォーキング、園芸、料理、パソコンなどの高齢者が好む活動を援助し、1年後には活動の自立を目指すプログラムです。プログラム参加者に一定の改善効果が認められたいうことで、世田谷区はプログラムの普及や参加者拡大を図る方針だそうです。
 練馬区では、11月から認知症予防に関心のある区民を対象に講座を開催し、認知症予防の推進員として地域で活動する人の養成を始めています。中野区でも、保健福祉審議会の「認知症予防のための積極的な取り組みの提言」を生かし、講座などを実施し、地域の人材を生かした認知症予防サービスの地域展開を図ってはいかがでしょうか。また、認知症への総合的な取り組みを都と連携してモデル事業として展開してはいかがでしょうか。
 5点目、地域密着形サービスの創設について。
 24時間安心できる介護サービスとして期待されている夜間対応型訪問介護や一時的なショートステイも備えた小規模多機能型居宅介護施設の整備計画と準備状況はどのようになっているのでしょうか、お伺いいたします。
 3番目に、健康危機管理についてお伺いいたします。
 自治体の業務において、O157やBSE、SARS、鳥インフルエンザなどに対する健康被害の発生予防、拡大防止など、健康危機管理が重要視されてきています。
 1点目、結核の予防について。
 結核の広がりが古くて新しい健康危機となっています。ことし6月、中野区内の学習塾における結核の集団感染が公表されました。塾の講師から広がった感染者は、近隣区の生徒、講師、保護者などを合わせて178人、このうち発病者は62人に上り、国で調査を始めた1992年以降、最大規模だそうです。区は、健康危機対策本部を設置し、都と近隣区と対策会議を開催し、多くは早期発見され、集団感染は終息したとの報告が10月末にされました。結核の罹患率や死亡率はこの30年間全体としては下がってきていますが、近年、特に若年層への広がりが懸念されています。啓発や、飯場など感染リスクが高い人たちへの継続的な健診の実施などが必要です。どのような対応策を行っているのでしょうか。
 2点目、新型インフルエンザについて。
 鳥インフルエンザが変異して人から人に強い感染力を持つ新型インフルエンザの出現のおそれとその流行の兆しが懸念されているところです。自治体においても、新型インフルエンザ対策の行動計画策定が求められていますが、中野区ではどのように取り組んでいるのでしょうか。
 3点目、健康危機管理センターについて。
 保健所は、従来知られていなかった感染症など、さまざまな健康危機に対して情報収集と情報の共有、関係機関との連携の強化、事が起きた場合の初動体制の確保など、健康危機管理センターとしての役割も重要になってきています。その認識と課題については、どのように考えているのかお伺いいたします。
 4番目に、新しい中野をつくる10か年計画改定素案についてお伺いいたします。
 1点目、区立幼稚園について。
 4年後に区立幼稚園2園を民設幼保一元化園に転換する案が示されています。「次の園がどのようなものになるのか、具体的に示されないままに廃園と伝えられては納得できない」など、保護者の方々から反対の声が出されています。幼児が適切な教育的環境の中で育つ場であるという、その目的はなくなってはならないと思います。
 みずのとう幼稚園は、約30年前、幼稚園建設を求める江原小PTAを中心とした地域住民の陳情を区議会において全会一致で採択し、水道局跡地を区が購入して建設されました。地域住民の幼児教育への思いが込められた場所で、30年にわたって幼児の育ちの場として機能してきました。その区民の思いを受けとめ、のびのびとした自由な教育理念を生かし、さらによりよい子どもたちの育ちの場、乳幼児親子の地域の拠点として持続できるよう、運営の転換を行っていくことも必要です。基本構想で目立つ「どの子にも同じように質の高いサービスが多様に提供されている」地域を実現するために、区民から期待や希望が持てる提案をすべきです。どのような新たな園づくりを検討しているのか、お伺いいたします。
 2点目、児童館について。
 児童館機能を「遊び場」として学校に移すということですが、今までの児童館とどこが同じでどこが違うのお伺いいたします。既に校庭開放事業で使われている「遊び場」と混同します。児童館の主な機能である子どもたちの遊びや活動や交流の場所が移るのであれば、児童館というなじんだ名前のままでもいいと思います。内容がわかる名前のつけ方を考えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。児童館機能をさらに強化し、どのように地域展開していくのか、お考えをお伺いいたします。
 3点目、民営化のガイドラインについて最後にお伺いいたします。
 10か年計画で施設の民営化がたくさん計画されています。区民が安心できるように、民営化するに当たっての指針や基準を定めたガイドラインを検討してはいかがでしょうか。時々、区の職員から「民間になるので区はいろいろ条件をつけることができない」との説明がされ、区民の不安をあおっています。区の土地を貸し、補助金も支出し、保育園や福祉施設など公共サービスを行うのですから、区民のためになるサービスが実施されるように、区が関与をするのは当然ではないでしょうか。基本構想においても「民間が行う公共サービスの質、量を確保するため、区による評価・監視の仕組みを整える」と定めております。区民が安心できるガイドラインを検討するべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 以上で私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
      〔区長田中大輔登壇〕
区長(田中大輔) 佐藤議員の御質問にお答えをいたします。
 障害者自立支援法によります区への影響ということです。
 財源的な影響といたしましては、自立支援給付については、4分の3の国及び都の負担の義務化がなされたわけであります。一方、地域生活支援事業につきましては、国2分の1、都4分の1は変わらないのですが、これには予算の範囲内でという前提条件がつくということで、そこで区としての負担の問題ということも懸念されてくるということであります。区の事業をどのように組み立てていくかといったようなこととかかわってくるわけでありますが、財政的に区の負担がふえるという懸念もぬぐい切れないというところであります。
 それから、審査会の委員、障害程度区分に関する審査会の委員に障害者の実態がわかる人をということであります。
 障害程度区分に関する審査及び判定を行う審査会についての政省令がいまだ公布されていないということでありまして、現時点で具体的に確定的なことをお答えする状況にはございません。障害程度区分を判断するにふさわしい学識、経験を持った方に委員をお願いしなければいけないというふうに考えているところであります。
 それから、障害者自立支援法にかかわるケアマネジメントをしっかり行える体制をということであります。
 新しい制度においては、個々の利用者が必要に応じて支援を受けられるためのケアマネジメントが非常に重要な役割を持ってくるわけであります。このため、区の必須事務として相談支援事業を位置付けて、これを相談支援事業者に委託できることとされているところであります。
 区といたしましては、当面現在の障害担当のケースワーカーをその任に充てる予定でいるわけであります。身近な地域で相談支援が受けられるようにするためには、民間の人材の養成とその人材を生かす委託の仕組みなども検討していきたいというふうに考えているところでありますが、いずれにいたしましても来年度からのことでありますので、当面は区の職員がケースワーカーとしてしっかり受けとめていきたいというふうに思っております。認定調査とケアマネジメントの機能が十分に発揮できるように、来年度に向けて保健福祉部内の組織の改正を検討しているところであります。
 それから、移動支援事業を制限することなく当事者のニーズに合う形で展開をということであります。
 移動支援につきましては、効果的、効率的なサービス提供の仕組みを工夫しながら、必要なサービスは確保してまいりたいと考えております。また、就労に関する移動支援ということについても御質問がありました。就労の場については、基本的には移動できる範囲で確保するという前提でとらえているところであります。したがいまして、常時移動支援サービスを提供するというのはできないと考えているところでありますが、就労初期の段階に限定してのサービス提供といったようなことについて研究をしてまいりたいと思っております。
 それから、本町五丁目の障害者施設のことであります。
 本町五丁目知的障害者通所援護施設は、公募の条件にもかみさぎこぶし園等と同程度の利用者を想定しているわけであります。このことからも明らかのように、重度重複と言われるような障害者の方の御利用も想定しているところであります。
 それから、障害者施設におけます医療的ケアのあり方についてですけれども、これについては大変課題が多く、受け入れのあり方について都との協議も含めて検討していきたいというふうに考えているところであります。
 それから、精神医療の公費負担についてであります。
 精神医療公費負担については、都が実施する事業となっているところであります。都としても現在検討している内容があるといったようなことでありますので、都の検討内容等について注目をしていきたいというふうに考えているところであります。
 それから、障害者自立支援法、大変大きな制度の改正ということでもあります。大変重要な施策ということにもなるわけでありまして、区の姿勢と私の決意という御質問でありました。
 障害者の地域生活と就労を進め、自立を支援すると。この法の趣旨が十分生かされるように、自治体の責任として中野区における体制整備を図り、制度運営をしてまいりたいと、このように考えているところであります。
 それから、介護保険法改正によります影響ということで、財政と組織への影響という御質問もありました。
 介護保険法の改正によりまして、給付費の伸び全体としては、やや抑制的に働くだろう、抑制されることになるだろうというふうに思っているところであります。一方、対象者数や利用率の増加もあるといったようなこともありまして、区の財政負担としては、やはりこれによっても増加することになるだろうというふうに考えているところであります。区の組織の問題といたしましては、新たに虚弱な高齢者などを対象といたしました地域支援事業の導入、あるいは地域包括支援センターの設置といったようなことが予定されているわけでありまして、保健福祉部の組織も新たな施策とその目標に対応して十分な成果が上げられるものに見直さなければならないというふうに考えているところであります。
 それから、介護保険料の見通しについての御質問もありました。
 現時点で、推計をしてきました給付費から割り出した第1号被保険者の方の保険料負担分をその被保険者数で割りました負担平均額は、月額4,200円から4,300円程度の間というふうに試算しているところであります。現段階では介護報酬等確定していない事項もありますことから、制度の確定に合わせて計画費用を今後さらに精査して、保険料の設定に当たりましては長期的な展望に立ちつつ、低所得の方にも配慮した適切な設定を行いたいというふうに考えているところであります。
 それから、地域支援事業におきます介護予防サービスについてということであります。
 地域支援事業の介護予防というのは、今後の新しい介護保険の制度の中で大変重要な位置を占めるものというふうに考えております。地域包括支援センターのマネジメントを中心に、当面区が事業主体として運動機能の向上、口腔ケア、栄養改善などを実施する方向で検討しているところであります。
 それから、認知症予防ということについては、どういったことが可能であるのか。認知症の問題、介護予防全体の中でどのように対応していくのか、他での事例なども参考にしながら検討してまいりたいというふうに考えております。
 それから、地域密着型サービスの創設についてということであります。
 今回の10か年計画改定素案の考え方では、10か年間で夜間対応型訪問介護は2事業所、また、小規模多機能型居宅介護拠点も整備していくこととしているわけでありますが、この箇所数についても、12カ所程度の誘導、整備を検討していきたいといったようなことで考えているところであります。サービスを確保するために、こうした整備をしていくための優良な事業者に対して、必要な支援を行いたいと考えているところであります。
 それから、民営化された場合に、利用する区民の方が安心できるようなガイドラインをつくるべきだという御意見でありました。民間が公共サービスの担い手となっていく、こういったことが幅広く想定されるわけですけれども、このことについて、サービスの向上と利用者の権利擁護を担保する仕組みが必要であると考えていることは常々申し上げているとおりであります。そうした意味で、区が適切に関与していくに当たっての基準を整備していきたいと考えているところであります。
 私からは以上であります。その他につきましては、それぞれ担当の部長の方からお答えをさせていただきます。
    〔保健福祉部長菅野泰一登壇〕
保健福祉部長(菅野泰一) 私からは、障害者自立支援法の今後のスケジュールと利用者への説明ということにつきまして答弁申し上げます。
 来年4月には自立支援医療制度が開始されまして、障害福祉サービスにつきましても新たな負担が導入されます。なお、現在受けているサービスにつきましては、10月まではみなし決定されますので、サービスの中身は変わりません。10月には障害者自立支援法の事業にすべて移行しますので、新たに障害程度区分の認定を受けるなど、改めてサービス支給決定を受ける手続が必要となります。
 なお、施設系サービスにつきましては、今後5年間のうち、新しい事業体系に移行するということになっております。こうしたことに対しまして、利用者にどのように説明するかということでございますけれども、区報、ホームページ、パンフレット等、さまざまな方法によるほか、説明会とかあるいは個別に対応して説明するなど、いろいろな方法を用いまして十分説明してまいりたいと考えております。
   〔子ども家庭部長田辺裕子登壇〕
○子ども家庭部長(田辺裕子) 新しい中野をつくる10か年計画改定素案につきまして、幼保一元施設のお尋ねがございました。
 幼保一元施設は、単に幼稚園と保育園の機能を一緒にしたという施設ではございませんで、保護者の就労の有無にかかわらず、発達段階に応じた教育、保育を一体的に実施することを基本といたしまして、加えまして、子育て家庭への相談支援や乳幼児親子の交流の場など、新しい機能を盛り込んだ総合施設であります。こうした施設が区民の多様なニーズに的確にこたえられるものというふうに考えてございます。
 次に、児童館の機能の地域展開につきまして御質問がございました。
 これからの児童館は、来館児だけではなく、地域全体を視野に入れ、子ども、家庭、地域活動の支援の機能を果たすとともに、学校を含めた子育てをめぐる地域のコミュニティの連携の中心になっていくことを目指しております。育成者の人材育成なども行ってまいります。
 また、児童館は(仮称)地域子ども家庭支援センターの傘下に組織いたしまして、一体的に機能していくことを考えております。その児童館事業の一つとして、子どもの放課後の時間を有効に活用するため、子どもたちの遊び場、仲間づくりの機会の提供などの機能を順次、小学校の施設を活用して展開いたします。このため、来年度から全児童館が小学校の校庭等を活用して、地域との連携のもとに遊び場事業を実施する考えでございます。事業実施に当たりましては、校庭開放事業と区別する意味からも、わかりやすく親しみのある事業名を用いて、子どもたちや地域に周知をしてまいりたいと思っております。
     〔保健所長清水裕幸登壇〕
保健所長(清水裕幸) 健康危機管理についての3点にわたる御質問にお答え申し上げます。
 まず、区内学習塾の結核集団感染を踏まえての結核対策をどうするかというお尋ねでございます。今年度中に区内の学習塾を対象に、健診未受診者の講師の無料結核健診を実施します。また、子どもの結核について、普及啓発事業として結核講演会を開催する予定でございます。さらに、結核罹患率が高いホームレス、あるいは住み込みの建設労働者並びに日本語学校の就学生の結核健診も継続実施するところとしてございます。
 次に、新型インフルエンザ対策でございます。当区では、現在のインフルエンザの状況を、被害の社会的影響は比較的大きく、庁内関係部署との連携による対応が必要な場合、すなわち健康危機管理レベルでいえばレベル2というふうに位置付けております。今後、新型インフルエンザに関する情報の収集分析、提供と普及啓発、あるいは患者発生の早期発見体制の整備、関係機関、団体等の連携の強化、それからインフルエンザ治療薬タミフルや適正な医療の確保といったことに努力してまいりたいと思ってございます。
 それから、健康危機管理センターとしての保健所の役割と課題の認識というお尋ねでございますが、保健所は地域保健法、感染症法、食品衛生法等によって健康危機管理の第一線機関として位置付けられてございます。今後も大規模な感染症や食中毒事件を想定したいわゆる図上訓練を実施し、健康危機管理マニュアルの見直しを行うなど、健康危機への具体的な対応に万全を期してまいりたいと考えてございます。
○議長(高橋ちあき) 以上で佐藤ひろこ議員の質問は終わります。

 中野区議会議員 伊 藤 正 信
 1 都財政が区財政に与える影響について
 2 子育て支援について
 3 本町四丁目の施設整備について
 4 新中野駅周辺の放置自転車対策について
 5 国民保護計画に対する区の取り組みについて
 6 環境問題について
 7 新型インフルエンザ対策について
 8 個人情報の取り扱いについて
 9 その他

○議長(高橋ちあき) 次に、伊藤正信議員。
      〔伊藤正信議員登壇〕
11番(伊藤正信) 第4回定例会に当たり、自由民主党・民社クラブの立場から一般質問をさせていただきます。
 通告順ですけれども、1番に都財政が区財政に与える影響について。2番に子育て支援について。3番に本町四丁目の施設整備について。4番目に新中野駅周辺の放置自転車対策について。5番目に国民保護計画に対する区の取り組みについて。6番目に環境問題について。7番目に新型インフルエンザ対策。これは先ほども佐藤議員が質問いたしましたが、より具体的にお聞きをしたいと思います。8番目に個人情報の取り扱いについて。その他はございません。
 それでは、質問をさせていただきます。
 都財政が区財政に与える影響について伺います。
 平成17年11月14日、東京都財務局の諮問機関である「最近の都財政に関する研究会」は、人口減少社会における都財政運営のあり方について報告書をまとめました。この報告書の背景には、日本は平成18年を境に、総人口の減少というかつて経験したことのない時代に突入するとし、加えて、15歳以上65歳未満の生産年齢人口も急速に減少する一方で、65歳以上の老年人口が増加し、少子高齢化が本格的に進展するという危機感を受けたものです。
 東京都の人口は、今後の10年間は増加すると予測されていますが、その増加は他の府県からの人口の流入であって、こうした社会的な移動は、東京の社会経済状況の影響によっては、今後大きく減少することも危惧されています。とりわけ、人口の減少は納税者が減少するということにもなります。長期的に見ても、税収が大幅に伸びることを期待することは難しいと考えられます。一方で、今後増加する社会福祉関係費など、東京都には直面する多くの課題がありまして、抜本的な改革が必要であるとしています。
 このような状況から、東京都では多くの財政の健全化をしてまいりました。平成11年7月には「財政再建プラン」、平成15年10月には「第2次財政再建プラン」を策定しまして、財政再建の取り組みを推進してきました。その結果、平成16年度の普通会計決算では経常収支比率が改善し、平成17年度の予算では財源不足が解消するなど、財政の健全化の目標は達成しつつあるとしています。
 しかしながら、人口の減少という社会構造の大きな変化を考えると、短期的な収支に満足することなく、社会構造の変化に機敏かつ柔軟な対応ができる財政構造の確立が求められています。このような中、中野区では今後10か年計画を推進していくことになると思います。そして、その計画の裏付けとなる財政計画も改定素案で示されました。しかし、10か年計画を推進するための財政計画ではなく、今後予想される少子高齢化社会や地方分権型社会に則した財政の構造改革が重要な問題であると我が会派でも一致している意見であります。最初に区長の御見解を伺っておきます。
 さて、「最近の都財政に関する研究会」では、都財政運営に与える「四つの外部環境」を視点として挙げております。その一つ目は、生産年齢人口の減少であります。生産年齢人口の減少は、経済全体の規模を縮小させる要因であると言われ、いわゆる経済の規模、すなわちGDPと言われる国内総生産は労働生産性、これは一人の労働者が1年間働くことで生み出される生産性をいいますが、これに労働者数を乗じたものとされています。
 報告では、生産年齢人口の減少が経済社会に与える影響は単に労働力としての問題にとどまらず、購買力の担い手でもあるとして、消費需要の中心的な存在である生産年齢人口の減少は経済規模の縮小に拍車をかけ、その結果、新たな投資が規制的になるという悪循環を繰り返すことになるとしています。
 さらに、こうした経済の縮小は、法人二税や個人住民税などを中心とする都税収入は長期的に自然増が期待できず、逆に減少傾向で推移することが懸念されています。
 次に、二つ目の視点は「高齢者の増加」であります。
 日本が直面する急速な少子高齢化の進行は、社会福祉関係費の増加をもたらすことになります。昨日の斉藤金造議員の質問にもあったように、生活保護世帯の約半分は高齢世帯であります。現在、東京都の高齢者のみの世帯数は100万世帯に達する勢いでありまして、国立社会保障・人口問題研究所の都道府県別の将来推計では、5年後の22年度には約117万世帯、10年後の27年度では約135万世帯と予測されております。
 こうしたことから、報告では、社会保障分野における地方公共団体の役割は一層大きくなり、都道府県においても、生活保護に加え、介護保険制度や国民健康保険制度の負担金が増加し、財政負担は拡大の一途であるとしています。
 三つ目の視点は「社会資本の老朽化」であります。
 東京は、高度経済成長期やバブル期に多くの社会資本、道路や橋梁、そして大規模施設が整備されましたが、こうした社会資本ストックが老朽化し、次々と更新時期を迎える状況になっています。この結果、維持管理コストの増大や多額の更新経費が必要となることが見込まれ、報告でも必要な社会資本ストックの更新については、中長期的な視点から、計画的に対応していく必要があるとしています。
 最後に、四つ目の視点は「都市間競争の激化」であります。
 これは、アジアの各都市の台頭により、東京の地位は年々低下しつつあります。今後の都市間競争は一層激化すると言われております。東京は、これまで長期にわたって成長を続けた日本経済、高度な先進技術、情報の収集や人材確保のメリットなどにより、国内・海外を問わず、企業の本社や中枢管理機能が集中するなど、アジアの中心的な都市としてその地位を維持してまいりました。
 報告では、バブル崩壊後、日本の国際競争力が大きく低下し、東京の地位も大きく沈下しつつあるとしています。近年では、中国の北京や上海、韓国のソウルなどのアジア各国が台頭し、さらに今後の首都東京の人口減少や少子高齢化が経済に与えるマイナス影響など、より一層厳しい状況に直面することが予想されています。
 このまま何も対策をしなければ、都市としての魅力や活力を回復できず、経済の停滞や縮小が加速し、結果、税収も減少することになります。こうしたことから、新規の社会資本整備も欠かせないとしています。
 こうした四つの視点から、委員会では、都が財政の構造改革を怠った場合の将来像と財政の構造改革に取り組んだ場合の将来像というシナリオを示しています。仮に構造改革を怠った場合は、20年後には現在よりも10%近く都税収が落ち込み、その影響額は最大で1兆2,000億円に上ると試算されています。また、構造改革に取り組んだ場合は、都税収入は大きく変化しないものの、収支均衡を図り、さらに歳出削減を行うことで財源を確保し、新しい財政需要にこたえることができるとしています。
 以上のように、東京都を取り巻く状況は末期的な状況であると言っても過言ではないと考えます。そして、このことは東京都だけの問題ではなく、四つの視点は中野区にも当てはまるものでありまして、財政の構造改革は必要不可欠であると考えます。
 区は、東京都の財政状況の悪化を対岸の火事と見るのではなく、同時に同じような取り組みを推進していかなければならないと考えます。都財政の悪化は、一般財源の多くを都区財政調整交付金に頼っている中野区にとっては、他人事ではありません。区財政の構造改革に加え、少子高齢化や区施設の維持・更新について、10か年計画より先んじて具体的な取り組みを区民に示すべきと考えますが、区長のお考えをお伺いいたします。
 次に、子育て支援について伺います。
 先ほども申し上げましたように、急速な少子化の進行は日本の将来に極めて深刻な影響を与えると言われ、極めて憂慮されています。特に、東京都の中でも中野区の少子化傾向は進行が早く、平成15年度の東京都全体の合計特殊出生率が1.00だったのに対し、中野区では0.78、平成16年度では0.75と少子化がとまりません。人口の維持に必要な数は2.08と言われていますから、中野区はこれを大幅に下回っているといえます。
 私事ですが、現在、明日26日に6歳になる長女がおります。来年の4月には、学区域でいけば、中野本郷小学校にお世話になろうかと思います。また、来月12月の半ばには第2子が生まれる予定です。中野区の特殊出生率の0.75にわずかながらの上昇に貢献できるものとして、嬉しく思っております。子どもは夫婦の宝物であることはもちろんですが、国の宝物、そして地域の宝物であると思っております。
 今回、猪口邦子少子化・男女共同参画担当大臣が誕生しましたが、国でもここ数年来少子化に積極的に取り組んできています。区としてももっと積極的に少子化を考える努力をすべきだと考えます。子どもを産もうという人が少ないことの大きな理由として、経済的な負担感が挙げられると思います。います。フランスで人口が上昇した理由は、育児手当の増額だったという分析などもあります。
 児童手当は、児童手当法に基づき国と都道府県、市区町村が分担負担して全国で小学校3年生までを対象に支給されています。千代田区のように、地方自治体の全額負担で小学校卒業まで支給を続ける市区町村もありますが、お隣の新宿区は、来年度から支給対象を現行の小学校3年生から中学校3年生までに拡大すると発表しました。支給額は小学校3年生と同じく第1子、第2子に月額5,000円、第3子以降は月額1万円が新たに支給されます。児童・生徒は約6,000人で、総額費用は約3億9,000万円で、同法で指定された高額所得者の世帯には支給しないとして、新宿区は「奥の手とまでは言えないが、少子化や若い世帯の転出を防げれば」と期待を寄せております。中学生がいる家庭は支給拡大をおおむね歓迎しておりますが、一方ではむしろ、大学からお金がかかる。児童より高校生や大学生のいる家庭に手当が欲しいという声も上がっております。
 このようなことから、中野区として少子化対策をどのように考えているのでしょうか。例えば、育児手当の充実などは考えられないでしょうか。ちなみに、私は児童手当支給対象外となっていることを申し添えておきます。
 ことしの3月に区は、次世代育成支援行動計画を策定しました。この計画には一時保育の充実や子どもショートステイなど多くの事業を乗せていますが、どの程度の人が利用しているのでしょうか。本来、子育ては家庭でしっかり行うものだと思います。家庭がしっかりしていれば、子どもはきちんと育つものです。そうしたことをもっと強調すべきではないでしょうか。サービスを充実すればよいというものではないと思いますが、どのようにお考えなのでしょうか伺います。
 また、区のサービスをふやすことは、他人に自分の子育てを頼ることになるのではないかと思います。そうではなく、自分の力で生活を築き、そして社会に貢献できる人間を育てふやすべきではないでしょうか。そうした取り組みにも力を入れるべきだと考えますが、いかがでしょうか。
 10か年計画改定素案では、子どもの施設の再編が数多く示されておりますが、これを見ると、施設の転用などが多く、施設数は余り減らないように見えます。区が施設を設置しているということは、運営経費だけでなく、人件費もかかることになります。もっと施設を減らすことも考えるべきではないでしょうか。お答えください。
 最近、私の隣の家で、夜間になると毎晩のように子どもを叱り、子どもがドアの外に出されて「中に入れて、ママごめんなさい」と泣き叫ぶ声を耳にして、虐待ではないかと心配したことがあります。その家庭はその後すぐに引っ越しをしましたので、その子がどうなっているのか今でもとても心配でございます。虐待は、中野区で毎年80人前後の相談を受けていると聞きます。そのうち一番相談が多いのが3歳から就学前の子どもだそうです。また、虐待しているのは圧倒的に母親だと聞きます。子育て疲れや育児不安ということもあると思います。区では虐待防止マニュアルなどをつくって対応しているようですが、基本的には保護者が、父親も母親も子どもや子育てについて十分認識していることが大切です。親として何をしなければいけないのかなど、十分な認識や教育が必要だと思います。この点について、どのように考えているのかお聞きします。
 10か年計画改定素案の中の「元気いっぱい子育て戦略」では、展開2「虐待ゼロのまちをつくる」が掲げられています。しかし、今後虐待はもっと地域などが導いて、子どもたちを守っていくことが必要です。そうなると、虐待ゼロなどはあり得ないのではないでしょうか。できないことを掲げることは区民に対して失礼ではないかと思いますが、いかがでしょうかお伺いいたします。
 次に、本町四丁目の施設整備について伺います。
 平成5年に旧国鉄清算事業団より購入した本町四丁目の土地は、平成13年行財政5か年計画でデイサービスと福祉住宅を建設する計画でありました。しかし、区は検討を進める中で、当該建設予定地が道路事情により、デイ送迎者の出入りに支障があるため、隣接する民有地を取得して用地を更新する必要があるとの考えから、平成14年から用地買収交渉を開始しました。区は、そのための諸経費を平成16年度の予算に計上し、これまで交渉してきましたが、残念ながら平成17年の夏に買収することができないことが確定し、計画地の用地更新を断念しました。私も選挙公約として地元の高齢者の方々に施設整備の早期実現を訴えてまいりましたが、次回の選挙では公約修正をしなければなりません。このたび、デイサービス施設整備計画をとりやめた主な理由は何でしょうか。また、そのことは地元に説明をしたのかどうか伺います。
 新しい中野をつくる10か年計画改定素案によれば、現在、未利用地となっている土地の活用について考え方が示されております。本町四丁目については、当該地域での地域需要を満たしているため、用途を見直し、民間活力を活用して住宅用地として活用するとなっていますが、住宅の規模・種類や建設時期はどうなっているのでしょうか、お伺いをいたします。
 次に、新中野駅周辺の放置自転車対策について伺います。
 この質問も前回、我が会派の伊東しんじ議員がされておりました。
 今日、自転車は区民の日常生活を支える手軽で便利な乗り物として、また、環境にやさしい交通手段として幅広く利用されています。中野区内において、JR、私鉄、地下鉄各駅で自転車駐車場が整備されていないのは地下鉄丸の内線新中野駅と西武新宿線新井薬師前駅の2駅だけであります。現在、区が管理をしている自転車駐車場は24カ所あり、1万3,000台余り収容可能です。区内に14カ所ある各駅の1日平均乗車人員は、中野駅が15万4,000人、2番目に東中野駅が3万9,500人、中野坂上駅が3万2,000人、4番目に新中野駅が1万7,000人。ちなみに、鷺宮駅が1万6,000人、次いで新井薬師前駅が1万3,000人です。自転車駐車場が整備されることにより、周辺地域の放置自転車規制が図られ、町の美観維持や通行の安全確保につながっています。新中野駅周辺でも自転車駐車場がないため路上に自転車があふれ、美観を損なうとともに通行の障害となっており、地元商店街からも買い物されるお客様にも影響が及んでいると聞いております。
 そこで伺いますが、10か年計画では、自転車駐車場のない駅周辺の地区に民営駐車場の補助制度による支援などの民間活力を活用した方法も含めて自転車駐車場の整備を目指すとしていることが記述されていて、具体的にはどのように進めようとしているのかお答えください。
 以前の一般質問でも提案いたしました旧消防署跡地の一部用地の確保は、その後10か年計画では高齢者会館、インキュベーションオフィスの整備用地として活用、民間活力を活用し、民間住宅とあわせて整備する計画となっております。自転車駐車場とされる検討はされたのでしょうか伺います。
 また、中野通り・杉山公園交差点の改良工事が予定されると聞いておりますが、これにあわせて用地を確保するなどは考えられないでしょうか。また、東側、少し新宿よりの方ですけれども、民間が運営している時間制自動車駐車場も青梅街道に面しております。その一部の用地を取得し、とりあえず200台前後収容できる自転車駐車場を設置することは考えられないでしょうか。当該用地を取得するには財源が必要ですから、区だけではなく東京都や東京メトロ側にも相談をしながら進めていくことも考えられないでしょうか、お答えください。
 新中野駅周辺の住宅事情はかなりの需要があり、区内でも唯一人口がふえております。冒頭に申し上げましたように、新中野駅を利用する乗車人員も中野区内にある駅の中では4番目に多い駅であります。こうしたことから、新中野駅周辺の自転車駐車場の整備を早急に実現できるよう希望いたします。
 次に、国民保護計画に対する区の取り組みについて伺います。
 危機管理という言葉が盛んに使われ、各方面の認識が高まり出した背景を思い返すと、平成7年の阪神・淡路大震災や地下鉄サリン事件、その翌年のペルー日本大使館公邸占領事件といった大災害や重大事件の発生がありました。また、国の安全保障や防衛にかかわる部分に目を転ずると、日本上空の弾道ミサイル発射事案や日本近海における武装不審船事案が相次いで発生し、一連の事案に対する驚異に直面したことから、危機管理ががぜんクローズアップされるに至りました。忘れられない衝撃的な出来事である米国同時多発テロが一層危機管理能力の強化を求めることになり、国も地方自治体もかつて経験しなかった対応を迫られることになりました。
 そこで、まず初めに、危機管理に関する中野区の取り組みはどのようにされたのか伺います。
 平成16年9月に国民保護法が施行され、外国からの武力攻撃や大規模テロの際、国民の生命、財産を守るための手順、方法を定める「国民保護に関する基本指針」が本年3月に閣議決定されました。国民保護措置を行う各機関は、実施体制、避難や救護に関する事項、平素から備えておくべき事項などを盛り込む計画を18年度末までに策定しなければなりません。中野区として、この国民保護計画の策定スケジュールはどうなっているのでしょうか伺います。
 国の総力を挙げて取り組む体制が整えば、被害を最小限にとどめられるだけではなく、他国に攻撃を躊躇させる抑止にもつながります。ただ、主要先進国で他国からの攻撃に備え、国民を守る法制や組織を整備してこなかったのは日本だけだそうであります。それだけに課題が山積しております。
 基本指針では、想定される事態として、日本が攻撃を受ける武力攻撃事態として、着上陸侵攻、ゲリラ・特殊部隊による攻撃、弾道ミサイル攻撃、航空攻撃の4類型、緊急対処事態、いわゆる大規模テロ等は危険物質を有する施設への攻撃、大規模施設の攻撃、大量殺傷物質による攻撃、交通機関を破壊手段とした攻撃などが挙げられております。
 有事においては、軍事的な部分を考えるだけは決して成り立ちません。重要な問題として、エネルギーや食料をどうするか、国民生活を安定させるための方策も立てておかなければなりません。各省庁や都道府県、民間放送局などの指定公共機関はそれぞれのケースを踏まえ作成することとなっており、区市町村などは18年度に同様な計画をつくる予定になっておりますが、今現在、区としてどのような想定がされるのか、また、どのような内容の計画づくりをされるのか。区民との周知や協力関係などはどのようにされるのか伺います。
 原因がテロであれ何であれ、その区域で起こった事象に対して必要な措置を実施し、被害を軽減することは地方公共団体の責務であると考えております。有事はいつ起こるかわかりません。法定受託事務とはいえ「中野区国民保護計画」は柔軟で実効性のある計画になるよう切望いたします。
 次に、環境問題について伺います。
 地球温暖化対策の第一歩になる「京都議定書」がことしの2月16日に発効されました。この京都議定書は、1997年、我が国の京都で開催された「地球温暖化防止京都会議」においてリストアップされた先進国を中心として、2008年から2012年の間に温室効果ガスの排出量を1990年のレベルから5%以上削減することを約束したものです。
 しかし、京都議定書はアメリカの離脱などがあり、さらに目標年の2012年まで7年を残すだけの厳しいスタートとなりました。我が国は、この京都議定書の中で6%の削減約束をしましたが、既に現状で1990年のレベルから8%以上増加しており、14%以上の削減が求められていることになります。特に、主導的役割を果たしてきた日本は、温室効果ガスの削減に全力を挙げるのは当然ですが、「ポスト議定書」の国際的取り組みを進める上で、強力なリーダーシップが求められています。
 国では、京都議定書の発効を受けて、さきの4月に「京都議定書目標達成計画」を作成しました。この計画では、基本的考え方として、環境と経済の両立に資することを基本に、二酸化炭素排出量の少ない地域・社会構造への転換、公的部門による率先的な温暖化対策、地球温暖化防止の国民運動の展開などを挙げています。特に、二酸化炭素の排出量の増加が顕著な家庭部門、オフィスなどの業務部門、運輸部門の削減が重要であること、また、対策の推進にはすべての主体の参加と連携が必要なことを挙げています。そのために、政府では地球温暖化防止に向けた国民一人ひとりの取り組みの重要性から「チーム・マイナス6%」を定め、国民運動の展開を図っています。その一環として、夏には環境省が中心となり「クール・ビズ」を推進したところであり、この冬には暖房の設定温度を20度にすることを呼びかける「ウォーム・ビズ」を進めています。
 また、東京都においても環境確保条例を改正し、省エネ型の建築物や家電製品の普及のための「マンション環境性能表示制度」「家電製品等省エネラベリング制度」を導入し、また大規模建築物のエネルギーの使用合理化やヒートアイランドの緩和のための環境性能の向上を求めた「建築物環境計画書制度」などを定め、この10月から取り組みを始めています。さらに都民、企業、団体等との協働による連携プロジェクトに取り組むとともに、都庁の率先行動として、都庁全体の事業活動に伴う温室効果ガス排出量を平成21年度までに平成16年度比10%の削減を掲げています。
 そこで質問いたしますが、中野区では、10か年計画改定素案において、未来へ扉を開く四つの戦略の一つに地球温暖化防止戦略を挙げています。地球温暖化防止は区を挙げて本当に真剣に取り組まなければならない課題であると思いますが、区長はどのように認識しておりますか。また、区はどのように取り組んでいくのか伺います。
 区が進める地球温暖化の防止の取り組みは、区民一人ひとりがごく普通に省エネルギーや省資源などの取り組みを行うような意識改革を進めることが必要であり、子どものころからの環境教育が重要であると考えます。そのためには、環境カウンセラーなどさまざまな専門家を学校等に招いて積極的な環境教育を行うことが望まれると思いますがどうでしょうか、伺います。
 地球温暖化防止のため、事業者としての区自身の率先した取り組みも重要だと考えますが、どのような取り組みを行うのか。また、率先した取り組みを事業者や区民に対してどのように情報発信していくのか伺います。
 次に、先ほども佐藤議員が質問をいたしました新型インフルエンザ対策について伺います。
 未知の感染症は、その発生当初は原因や対処法がわからないため、大きな恐怖やパニックを引き起こすことが多いと言われております。1981年に登場したエイズがその例でありますし、2003年の春に発生したSARSも我々の記憶に新しいところであります。
 現在、東南アジアを中心に毒性の強い高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)が流行し、人への感染・死亡例が報告されています。ウイルスが変異し、人から人へと感染する新型インフルエンザの発生が危惧されております。過去には、1918年に発生したスペイン風邪では世界じゅうで約4,000万人が死亡したと推定されております。我が国でも約39万人が亡くなっています。その後も1957年のアジア風邪、1968年の香港風邪、1977年のソ連風邪と、おおよそ10年から40年の周期で新型インフルエンザが発生してきました。世界規模で強い危機感が共有されており、さきの韓国・釜山で開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議でも鳥インフルエンザ対策に協力して取り組むことで合意をいたしました。日本は、鳥インフルエンザの拡大防止策として、国際機関を通じて約3億円拠出することを表明しております。
 世界保健機構(WHO)は、インフルエンザの状況を「鳥から人への新しい型へのインフルエンザ感染が確認されているが、人から人への感染は基本的にはない」段階であるとしていますが、新型インフルエンザが大流行するのは時間の問題だとして各国に警告を発しています。
 このような中、我が国でも本年11月14日に厚生労働省は対策行動計画を正式に発表し、発生した場合、我が国の全人口25%が罹患し、死亡者数は17万人から64万人に達すると推計されています。また、医療機関を受診する患者数は約1,300万人から2,500万人に及ぶとされています。対策として当面、インフルエンザ治療薬タミフルの備蓄や新型インフルエンザ患者の診断・治療に当たる指定医療機関の整備等を行い、今後新型インフルエンザが発生した際には指定感染症への指定、新型インフルエンザ発生地域からの入国者に対する検疫の強化、新型インフルエンザワクチンの生産開始などが予定されています。さらに、国内で人から人への感染が確認された段階では渡航の自粛、学校などの臨時休業、不要不急の大規模集会や不特定多数の人が集まる活動の自粛勧告、新型インフルエンザ症状の認められた従業員の出勤停止勧告などを行うとしております。
 そこでお尋ねいたします。まず、この国の行動計画を受けて、区ではどのような新型インフルエンザ対策を講じようとしているのかお聞かせください。また、新型インフルエンザが国内で大流行した場合、インフルエンザ治療薬タミフルが不足するおそれはないのでしょうか、お聞かせください。
 最後に、個人情報の取り扱いについてお伺いいたします。
 先般、集中豪雨の被災情報を都税の減免や放送受信料の手続方法の通知を目的に、依頼に基づき中野都税事務所とNHKに提供したことで職員の文書訓告がありましたが、これはどのような理由によるものかまず伺います。
 個人情報の管理や利用は適切に運用しなければいけないと思いますが、災害等の場合、区民の利益保護を目的とした外部提供等は認めるべきと考えますけれども、いかがでしょうか伺います。
 最近、個人情報を悪用し、振り込め詐欺、架空請求、カードの不正使用といった犯罪も増発しております。しかし、個人情報というだけで過敏になっている近年の社会情勢も疑問に思いますし、行政や公的機関が情報を抱え込んでしまうこともいかがなものかと思います。今後、個人情報の保護とその有効利用のバランスが問われると思いますが、区長の御見解をお伺いいたします。
 私たち自由民主党・民社クラブは、17名の議員が一致結束をして、また国においては松本文明衆議院議員、東京都においては川井しげお都議会議員との太いパイプでつながっておりますので、これからも責任ある立場で区の行財政運営の健全化や改革の推進に取り組んでまいります。区長はその辺を十分に御認識いただいて、今後の区政運営に取り組むことを望みまして私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。
      〔区長田中大輔登壇〕
区長(田中大輔) 伊藤議員の御質問にお答えいたします。
 都財政が区財政に与える影響という項目での御質問でありました。
 区としても、財政構造の改革を進める。また、少子化対策、区施設の維持更新の対応を進めていくべきだという御意見であります。私どもも同様の認識を持っているところであります。
 財政構造については、歳入に見合った歳出構造とするために、財政の硬直化の要因ともなります人件費や公債費などの抑制、また、経常収支比率を改善すること、さらに景気変動や計画的な事業の実施のための基金の積み立てなど、柔軟な財政運営ができるように財政体質を抜本的に改革していく必要があると考えているところであります。こうしたことについても、10か年計画の中でも取り組みを明らかにしてきているところであります。
 また、区といたしましても、10か年計画の中で少子高齢化の対応策でありますとか、区の施設の計画的な維持更新のための基金の積み立て、あるいは計画的な施設保全計画を示しているところでもありまして、今後着実に推進をしていきたいと考えているところであります。
 それから少子化の、流れを変えていくための取り組みをしていかなければならないという御指摘もありました。
 少子化にはさまざまな要因があるところでありまして、保護者の子育てに対する不安、孤立感、あるいは負担感といったようなことも原因であるというふうに考えております。こうしたことから、区は今後地域に子ども家庭支援センターを整備し、子どもと家庭に関するあらゆる相談に応じるとともに、地域の活動とも連携しながら地域全体で子どもを育む取り組みに力を入れ、保護者の不安や負担感の軽減に努めていくということを考えていきたいと思っております。
 経済的支援のあり方についての御質問もありました。
 経済的支援のあり方については、全部の方に支給する手当のあり方、あるいは対象となる方に支給する補助金のあり方、また、対象となるものの項目などさまざまな考え方があると思うわけであります。過剰な支援、保護、給付といったことが必要なわけではありませんで、適切で効果的な支援というものを考えていかなければならないというふうに考えているところであります。効果的な支援のあり方を検討する中で、経済的な支援のあり方についても検討していきたいと思っております。
 それから、家庭の子育て責任についてということであります。
 御意見のとおり、区といたしましても子育ての基本は親、あるいは家庭であるというふうに認識をしているところであります。当然、親は子どもの養育に責任を持たなければならない。そうした責任と義務を負っているわけでありますが、そのことはそのことといたしまして、子育て家庭の中には保護者の病気、あるいは保護者が亡くなっているなどといったような事情から、支援を必要とする家庭もあるわけであります。区としては、そうした方への必要な支援は行わなければならないというふうに考えております。子どもたちが家庭や地域で健全に育ち、自立した大人に成長するよう、中野区次世代育成支援行動計画の中での取り組みをお示ししているところでもあります。
 それから、子ども関連施設に関連しまして、施設が減っていないのではないかという御意見がありました。
 新しい中野をつくる10か年計画の改定素案におきましては、学校、児童館、幼稚園など、廃止、統廃合などによりまして施設数そのものも着実に少なくなっていると考えているところであります。また、施設配置の問題だけではなくて、運営についても民間活力の導入などの考え方をお示ししているところでありまして、施設の内容、目的に応じて最も適切、効果的な運営方法を選択して区の財政負担を最小限にとどめていきたいと考えております。
 それから、親としての知識や教育の普及という問題であります。
 先ほどもありましたように、子どもを育てる親の責任というものを適切に果たしていただくためのそうした手だても必要になってきている時代だと認識しております。核家族化でありますとか近隣関係の希薄化、そうしたことによりまして、子どもを産み育てる環境が大きく変わってきております。子育て家庭に身近で子育ての知識を教えてくれる人、また相談相手、こうした方たちが少なくなっていることなどから、不安や悩みを抱える親がふえて、それが結果として虐待につながっているケースもあるというふうに認識をしているところであります。このため、区としては妊産婦・新生児訪問でありますとか、育児支援ヘルパー、あるいは親としての育ち、これを支援する子育てステップアップ親育ち講座といった講座なども実施しているところであります。今後とも多様な取り組みを行いながら、親への支援に努めていきたいというふうに考えているところであります。
 それから、虐待に関連しての御質問もありました。
 10か年計画改定素案では、妊娠から出産、子育てとさまざまな機会をとらえて、育児不安を抱えて養育が困難な状況が懸念される家庭を把握して、家庭を訪問して支援するなど、虐待を未然に防止していくことで虐待を発生させない町をつくることを目指しております。こうした区としての意思を虐待ゼロのまちをつくるとしてあらわしたものであります。
 また、計画素案の中での目標数値については、単純にゼロといったようなことを目標にするわけではなくて、現実的な成果指標と目標値を用いているということでございますので、この辺は御理解をいただければと思っております。
 それから、本町四丁目の施設整備についてであります。
 御質問の中にもありましたけれども、この地域につきましては最近の調査、あるいは動向などを見てまいりますと、デイサービスの需要そのものはもう満たされているということであります。そういったようなことから、デイサービスセンターの整備は行わないこととしたところであります。また、民間事業者等によって整備していく住宅については、国などの補助制度を活用した高齢者向けの賃貸住宅のほかに、ファミリー向け住宅も組み込んでいきたいと考えているところであります。
 住宅の規模につきましては、今後整備方針を検討する中で詰めていきたいと考えております。時期としては、10か年計画の第3ステップの期間内での開設を予定しているところであります。こうしたデイサービスのことも含め、地元への説明ということも必要でございまして、住宅の整備方針を策定した段階で実施をさせていただきたいと考えております。
 それから、新中野駅周辺の放置自転車対策についてであります。
 新中野駅周辺は、御指摘にありましたように利用の多い駅であるにもかかわらず、自転車駐車施設のない区域ということであります。大変自転車も多いということから、対策をしなければいけないという地域であります。消防署跡地の問題なんですけれども、消防署跡地につきましては、駅からの距離が遠い、つまり一般的に駐輪場を利用される方の行動特性から考えれば、駅から遠いということがあるわけでありまして、駐輪場については計画化を見送った経過があります。
 それから、杉山公園の関連なんですが、東京都は杉山公園の地点での交差点改良を行うこととしております。それによって交通渋滞の改善を図るわけでありますが、これに伴って杉山公園の用地の形状、形の一部が変更となるわけであります。その中で、自転車が置けるようなスペースの可能性を検討していきたいというふうに考えております。
 それから、青梅街道と追分通りの曲がるところ、交差点のところの自動車駐車場の問題なんですが、民営の自転車駐車場の可能性も含めて土地の所有者に対して働きかけ、打診を行ってみたいというふうに考えております。
 それから、国民保護計画に関する御質問であります。
 まず、区の危機管理ということですが、平成16年1月に区長を座長として危機管理等対策会議を設置しました。危機対処方針などに関する協議を重ねて、同年11月に中野区危機管理ガイドラインを策定したところです。これを機に、事態発生に備えた情報連絡体制の確立とともに、それぞれの場面における各対策本部が機能するように体制を整備したところであります。
 国民保護計画については、これからの取り組みということになるわけであります。18年度中に計画を策定するというスケジュールを考えております。今年度中に国民保護計画を諮問いたします国民保護協議会の設置など、関係条例を整備したいと考えております。計画の策定に当たりましては、東京都の方の国民保護計画との整合を図り、武力事態等に24時間即応可能な体制の整備、警報、避難指示の伝達体制の整備などが基本的に盛り込む事項とされているところであります。
 また、計画の区民への周知につきましては、区報、ホームページなどを初め、地域での説明会や意見交換会等の実施によりまして理解を深めたいというふうに考えております。地域ではさまざま団体や集まりなどもあるわけでありまして、計画をつくった暁にはそうしたさまざまな機会をとらえて、よく御説明をしていきたいというふうに考えております。
 それから、地球温暖化防止の取り組みについてであります。
 地球温暖化は、生態系や食料生産などに深刻な影響を及ぼす、人類にとって重大な問題であります。都市部のヒートアイランド現象とともに、区民生活にも大きな影響を与えている問題だと認識しているところであります。我が国の温室効果ガスの排出量は、民政業務部門、区民生活も当然なわけでありますが、こうした部門では増加傾向にありますことから、人々のライフスタイルや事業者の日々の活動の見直しが求められているところであります。
 基礎的自治体であります区といたしましては、区民や事業者への啓発や、連携した取り組みが重要な課題と考えているところであります。そうしたことから、10か年計画の中でも優先的に取り組みを進める四つの戦略の一つとして、地球温暖化防止戦略を定めているところでありまして、こうした中での対策として、省エネルギーの推進、自然エネルギーの活用、またごみの発生抑制と資源化の推進、あるいは緑化推進の施策を展開いたしまして、二酸化炭素の削減と、あわせてヒートアイランドの緩和についても取り組んでいきたいと考えているところであります。
 それから、個人情報の取り扱いに関連しまして、職員の文書訓告についてであります。
 職員については、個人情報の取り扱いに関しまして、個人情報保護条例に基づいて目的に沿った収集、管理、利用を適正に行うよう義務付けられているところであります。
 問題となったときについては、条例18条で外部提供を認めている場合のうち、区民の生命、健康、または財産に対する危険を避けるため、緊急かつやむを得ないと認められるときに該当するという解釈に立ちまして、被害を受けた区民の皆さんの経済的負担を軽減する上で有効と考えた上で情報提供を行ったわけであります。改めて慎重に検討した結果、その時点では提供しなければならないほどの差し迫った危険回避の状況にはなかった。つまり、そういうふうにしなければ該当する皆さんが利用料や税の減免が得られないといったような差し迫った状況ではなかったわけであります。
 また、該当となる皆様には区の方からの周知をいたしますビラなどの個別配付といったようなことも実施していたわけあります。そうしたことから、差し迫った危険回避の状況になかったということで、この条例でいいます18条の第3号に当てはまらないというふうに判断したわけであります。そうした意味で、個人情報の取り扱いが適切でなく、結果として区の信用を失墜させると。ちょっと大げさな言い方でありますけれども、そうしたことから、注意を喚起するため文書訓告としたものであります。
 そうは言いましても、災害などの場合、区民の利益を守るための外部提供は認められるべきではないかという御意見であります。その点についても同感できる点があるわけであります。区の条例では個人情報の外部提供を制限しているわけでありますが、その例外として本人同意のほか、差し迫った危険の回避、また審議会の意見を聞くことによってよしとされた場合に提供することは認められているわけであります。したがって、やむを得ない場合には例外的な措置としての外部提供は想定されているわけであります。そうしたことでありますから、当然やむを得ない場合、緊急やむを得ない場合には提供をするということであります。
 また、事前に本人同意を得ておくということとか、あるいは個人情報保護審議会に事前に諮っておく、こういう場合には提供するけれどもどうかというふうに場合を決めて諮っておくとかというような方法を講じることによっても、個人の利益を守ってかつ情報提供ができるということにもなるだろうというふうに考えているところであります。
 いずれにいたしましても、個人情報の保護というものとそれを有効に利用して区民の生活を守っていくということはいずれも大切なことであります。両方守りながらバランスをとって区民の権利保護、あるいは福祉の向上に尽くしてまいりたいというふうに考えているところであります。
 私からは以上であります。その他につきましては、それぞれ担当の部長の方からお答えをさせていただきます。
  〔教育委員会事務局次長金野晃登壇〕
○教育委員会事務局次長(金野晃) 環境教育についてのお尋ねにお答えいたします。
 子どものころからの環境教育が重要であるということでございます。学校での環境教育につきましては、その重要性を踏まえまして、すべての小・中学校で総合学習の時間を活用するなど、学校の実態に応じて取り組んでいるところでございます。幾つかの小・中学校では、財団法人省エネルギーセンターなどの専門家の協力を得て教育活動をしているというようなことをしておりまして、今後とも地域を含めた外部人材等の活用を進め、環境教育に取り組んでいきたいと思います。
    〔区民生活部長本橋一夫登壇〕
区民生活部長(本橋一夫) 環境問題につきまして、事業者としての区の取り組みに関する御質問がありました。
 事業者としての区は、省エネルギー、省資源の取り組みや自然エネルギーの利用を進めるとともに、事業運営そのものを環境に配慮したものとすることが求められていると認識しております。来年度は区役所本庁舎に環境マネジメントシステムISO14001を導入するとともに、行動計画を改定することを予定しております。
 環境マネジメントシステムを適正に運用するとともに、区民や事業者の地球温暖化防止の取り組みの推進にもつなげていくためには、その運用の状況や成果につきまして年度ごとに区民や事業者に公開していくほか、地域団体等の取り組みや学校教育にも参考にしていただけるような工夫をしていく必要があると考えております。
     〔保健所長清水裕幸登壇〕
保健所長(清水裕幸) 私からは、新型インフルエンザ対策についてのお尋ねにお答え申し上げます。
 まず、区の新型インフルエンザ対策についてのお尋ねでございますが、区ではWHO、国、都からの新型インフルエンザに関する情報収集、分析を行うとともに、区報や区のホームページ等を通じて区民や医療機関への普及啓発を推進してまいります。現在、インフルエンザの発生状況を把握するため、佼成病院や小児科、内科診療所など区内7カ所にインフルエンザ定点医療機関が設置されております。これらの医療機関の協力による新型インフルエンザ発生の早期把握体制の強化や関係機関、団体等の連携による情報の共有と感染拡大防止、さらには適切な医療やインフルエンザ治療薬の確保に努めてまいるなどの対策を講じてまいりたいと存じております。
 次に、インフルエンザ治療薬タミフルの問題でございます。
 国は、新型インフルエンザ対策行動計画の中で、タミフルの備蓄目標量を2,500万人分としてございます。これは全人口の25%が新型インフルエンザに罹患すると想定した場合の医療機関を受診する患者の数に相当いたします。備蓄量の具体的な割り当てでございますが、まず、国と都道府県で2,100万人分、それから医療機関や薬品メーカーなどの流通市場が400万人分となっております。さらに、国は行動計画の中で新型インフルエンザが万が一はやった場合に混乱を避けるために、医療現場においてタミフルの使用優先順位について試案を提案してございます。区といたしましても、必要な人に必要な量のタミフルが供給できるよう国や都に強く働きかけるとともに、必要な求められる協力については努力してまいりたいとかように思っております。
○議長(高橋ちあき) 以上で伊藤正信議員の質問は終わります。
 議事の都合により暫時休憩いたします。
      午後3時00分休憩

      午後3時21分開議
副議長(江口済三郎) 会議を再開いたします。
 一般質問を続行いたします。

 中野区議会議員 江 田 とおる
 1 10か年計画の改定素案について
  (1)地域センター及び精神障害者社会復帰センターに関して
  (2)「人事システム改革」及び「財政運営」に関して
 2 30人学級実現について
  (1)国の動向について
  (2)区教育委員会の今後の方向に関して
 3 小中学校の再編計画について
  (1)仲町小学校関係者の問題提起に関して
  (2)野方・沼袋小学校の統合新校の運動場に関して
 4 文化・スポーツ施設の指定管理者以降にあたって
  (1)利用者の負担とサービス水準に関して
  (2)公社職員の処遇に関して
 5 障害者自立支援法の施行に係ることについて
 6 図書館行政のこれからの課題について
 7 その他

○副議長(江口済三郎) 江田とおる議員。
     〔江田とおる議員登壇〕
○41番(江田とおる) 日本共産党区議団の立場から質問を行います。
 最初に、区が策定を急いでいる10か年計画の改定素案についてお聞きします。
 既に長沢議員が保育園・学童クラブなど子育てに関する事業や区民参加のあり方に関する質問を行いました。私からは、地域センターや精神障害者社会復帰センター及び行政革新等についてお尋ねします。
 まず、地域センターに関して質問を行います。
 区は当初、地域センターを廃止し、区民活動センターという名称に変えて地域住民の団体による自主管理にすると提案しました。住民からの強い批判の声にさらされ、15のうち五つのセンターには職員を配置し、その施設だけは窓口業務を行うことに計画を修正しました。そして、現在は15の区民活動センターに職員を複数配置するようにさらなる修正が行われています。この間の流れと変化を見ますと、この計画がいかに地域の現状と区民生活の実態を無視したものであったか。そのために、見直されるべくして見直されたということを実感いたします。区民の声を入れて、すべての施設に複数の職員を配置することになった以上、すべての施設で従来どおり区の職員による窓口業務を行うべきであります。五つのセンター以外にも職員を配置するわけですから、区の職員がその業務を果たすのは当然のことではありませんか。お答えください。
 精神障害者社会復帰センターの授産部門の移転先についてお聞きします。
 スマイル中野の6階に設置されている社会復帰センターは、開設当初から面積が狭過ぎるために関係者から改善が強く求められていました。区もそのことを当初から認めており、新たな場所の確保が大きな課題となっていました。今回の計画では、仲町小学校を廃止して、その校舎を利用して社会復帰センターの授産部門を移そうというものであります。後ほど取り上げますが、仲町小学校の保護者や地域の関係者は、学校の廃止に強く反対をしています。仮にこの問題を置くとして、ここは交通の便から見てとてもふさわしい場所とは言えません。障害者が施設を利用するに当たって、一番先に問題になるのが交通の便です。精神障害の方々が毎日通所するのに、交通の便がよくないというのは大きな欠点です。仲町小学校の跡ではなく、交通の便のいい場所を再検討すべきです。答弁を求めます。
 成果主義についてお聞きします。
 千代田区が管理職に支給する勤勉手当について、成果主義を導入すると発表しています。勤務成績を5段階で評価し、最高の5の場合、最大で63.5%の増額、最低の1の場合は25%減らすというものです。部長級職員の平均的な勤勉手当は年間128万円だそうですが、これをもとに計算すると、最高が210万円、最低で96万円、その差は実に110万円を超えることになるそうであります。
 成果主義は、人を評価して人為的に差をつけることが必須条件であります。その結果、日本的な雇用体系や給与体系を根本から崩すことになります。このこと自体が将来の社会にどのような影響をもたらすのか、さまざまな議論があるところであります。この問題はとりあえず置くとして、成果主義導入の前提となる条件にさまざまな問題があります。成果主義はそれぞれの個人が目標を設定し、その目標に対しどれだけ達成したかを評価するものと言われておりますが、その目標設定そのものをどのように行うか、その客観的妥当性の確保が問題となっています。さらに、査定に当たっての公平性、客観性、透明性、納得性をいかに確保するかも大きな課題となっています。
 さて、公務労働が民間と違う最大の特質は、その目的とするところが利潤の追求ではなく、住民福祉の増進という地方自治の理念を実現するところにあります。個人の成果を競い合うことではなく、全体が共通の理念を持って協力し合い、お互いに意欲を高め、力量をつけていく中でこそ成果を上げることができます。このことは福祉関係の職場、とりわけ保育園や児童館などの現場に当てはめれば歴然としてくるのではないでしょうか。ここでは個人で仕事をするのでなくチームで、あるいは職場全体が協力し合い、補完し合いながら仕事を行っています。個人の成果を競い合うのでなく、協力し合い、刺激し合う中でこそ全体の質的向上が図られ、よりよい仕事をなし遂げることができます。
 本来、人間は目標に向かって努力し、それを達成することに喜びを見出すものであります。特に自治体職員の仕事は、住民に奉仕することを内容としているだけに、住民に感謝され、評価されるときに職員としての喜びや誇りを感じ、仕事への意欲がわいてくるものではないでしょうか。成果主義を徹底すればするほど、公務労働の特質から見て、職場に矛盾が生じて来ざるを得ません。見解をお聞きします。
 職員2,000人体制についてお聞きします。
 建築士がマンションやホテルなどの構造計算書を偽造した事件が発覚し、社会的な大問題になっています。構造設計に携わる業者の証言が新聞に出ていました。それによりますと、業界にはコスト削減を請け負う「落としの事務所」と呼ばれるところがあり、そこに図面を持ち込んで耐震基準のぎりぎりまでコストを削り落としてしまう。落としの事務所は、削ったコストの何%が報酬という取り決めで仕事を行うというものであります。つまり、鉄筋やコンクリートを減らして、安全のために余裕を持たせた部分を削り落として利益を稼いでいるというものでありました。
 今回の問題は、耐震基準そのものを最初から下回る構造計算を行っていたもので、この証言をも上回る、信じられない悪質な事件です。偽造した本人の証言で、ゼネコン自身が法外なコストの切り下げを要求したことや、民間の検査機関のうち、検査の甘いところを選んで確認申請したことなどが次々に明らかになっています。
 1998年に建築基準法が変えられ、それまで自治体の建築主事が行っていた建築確認、完了検査を国などの指定を受けた民間の検査機関が行えるようにしました。これによって、設計、検査、施工のすべての過程が、営利目的の民間機関にゆだねられました。それからわずか7年目にして、このような信じがたい事件が起きたわけであります。
 当時、日本共産党は、規制緩和による民間開放に強く反対し、自治体の建築主事を増強することこそ重要だと主張しました。このような国民の命と安全にかかわる仕事は、中立性や公平性、公正性、厳密さが要求されるもので、本来公の機関が行うべきものであります。それを規制緩和の方針で民間に開放したところに根本問題があります。私たちは、この問題から謙虚に教訓を学びとるべきではないでしょうか。区長は、職員を2,000人に減らすために、前提条件抜きで「民で行えるものは官はやらない」と言い、さらなる民営化、民間委託を進めようとしています。
 バリューエンジニアリングとかデザインビルドなどの横文字によるさまざまな手法が考えられているようですが、子どもの育ちにかかわる保育や幼児教育の仕事を放棄して民営化し、現業職場の仕事は民間に任せ、さらに技術系職員が行っている設計や検査などの仕事も民営化することで、一体中野区はどうなっていくのでしょうか。警察大学校等の跡地利用計画に関して、区が仕様書だけをつくり、肝心の計画づくりから住民説明会まで新都市建設公社にやらせたように、すべて民間企業任せで進めるようなことが常態化するということであります。このような路線を突き進むなら、やがて中野区は子育ての面でも建築や土木などまちづくりにかかわる技術の面でも、これまでの蓄積をなくし、自治体としての指導力を失ってしまうことになります。その結果、中野区は区民を守る力量すらなくしていくことになります。その被害を受けるのは、一生懸命税金を払っている区民ではありませんか。少なくとも中野区が区民に対して直接責任を果たすべき分野、民営化してはいけない分野を明確にすべきです。区長の見解をお聞きします。
 財政運営についてお聞きします。
 扶助費にかかわる区の単独事業について「目的と効果、支給率、額の見直しや所得制限のあり方などを検証し、歳出額の抑制を図る」と書いてあります。事業費については「見直し、統合、廃止を常に行う」とし、さらに法令に義務付けられたものであっても「見直し、効果の検証に努める」としています。
 先ほども触れましたが、「民間で行えるものは民間活力を活用する」として、すべての見直しを行うと記しています。小泉改革のもとで、国は介護保険の改悪や障害者自立支援法の強行に見られるとおり、社会保障の根本に対する攻撃と切り崩しが強引に進められています。定率減税の廃止や消費税増税など、一層国民負担がふやされようとしています。昨日の長沢議員の質問でもあったように、庶民にとって、とりわけ低所得者にとってそら恐ろしい過酷な負担が押しつけられようとしています。区長が進める扶助費抑制や事業費見直し、民営化の徹底路線は、過酷な小泉政治のもとで苦しめられている区民の生活実態を無視するにとどまらず、国や財界が求めている方向を先取りして無批判に突っ走ろうとするものであります。
 ここには、区民生活を守るために中野区として何ができるか、何をなすべきかを検討しようとする姿勢の片りんも見えません。区民にとって最も大事な福祉や教育は犠牲にし、その一方で警察大学校等の跡地を初めとする中野駅周辺再開発や東中野駅周辺の再開発事業に予算を振り向けていこうとしています。このままでは、大規模開発優先の区政になってしまいます。これでは、区民は犠牲だけ押しつけられることになり、何の夢も希望も持てないではありませんか。
 区長は、事あるごとに持続可能な云々という言葉を使います。持続可能な区政をつくるために区民があるのではありません。今、生きている区民、苦労を重ねながら頑張っている区民の生活に思いをいたさないで、一体どんな区政をつくろうというのですか。区長は、自治体としての役割をどのように果たすつもりかお聞きします。
 次に、30人学級の実現に関して教育委員会にお聞きします。
 教職員配置等のあり方に関する調査研究協力者開議の最終報告が、去る10月3日に出されました。この報告の中に、ことし4月に文部科学省が行った少人数指導と少人数学級に対する、教師を対象とするアンケート調査の結果が出ておりました。小学校、中学校ともに同じ傾向なので、小学校のみ特徴的な部分を紹介します。設問に対し「とてもそう思う」と「そう思う」という二つの答えがありますが、煩雑さを避けるために「そう思う」の一つにまとめて紹介したいと思います。
 学習の面で「総じて児童・生徒の学力が向上した」という設問に対し「そう思う」と答えた人は少人数教育では99.2%、少人数学級では98.7%になっており、どちらの場合も100%近くの人が高く評価をしています。一方、子どもの生活面では「不登校やいじめなど問題行動が減少した」という問いに「そう思う」と答えた人は、少人数教育で63.9%に対し、少人数学級では88.9%になっており、25ポイントも少人数学級の方が高くなっています。
 さらに「児童・生徒の基本的な生活習慣が身についた」という問いに対し、「そう思う」と答えた人が少人数教育では65.5%に対し、少人数学級では90.7%になっており、やはり25.2ポイント少人数学級の方が高くなっています。
 また、指導方法に関する面では、少人数教育では「教師間の打ち合わせや教材準備の時間が確保できない」との質問に「そう思う」と答えた人が73.4%に上るなど、少人数教育は教師の苦労と悩みが大きいことが浮かび上がっています。
 一方、少人数学級では「教師間の情報交換が低調になり、連携協力が図られていない」と少人数学級を否定する質問に対し、「そう思う」と答えた人はわずか2.8%しかありませんでした。
 最後に、少人数指導を行っている先生たちに「学級編成数を引き下げた方が効果的であるか」と質問していますが、81.8%の教師が「そう思う」と答えています。この文部科学省の調査結果は、学習の面では少人数指導も少人数学級も評価の高さはほとんど変わりませんが、子どもの生活面や教師の指導方法、その他の面で少人数学級の方が圧倒的に評価が高いことを示しています。
 現場の先生方は、みずからの教育実践を通じて学習の場と生活の場をばらばらにするのではなく、いつでも、どの時間帯でも少人数学級で行き届いた授業をする方が教育効果が上がると考えていることをはっきりと示しています。こうしたことから「協力者会議」の最終答申には「少人数学級の必要性」が記述されるとの期待が高まっていました。しかし、これを答申に書き込めば、政府の公務員削減方針と真っ向から対立することになるため、残念ながら最終答申に盛り込むことができませんでした。それでも協力者会議は「小1プロブレム」に触れながら、小学校低学年の場合、基本的な生活習慣や学習態度の育成のために、生活集団と学習集団を一体として少人数化を図ることが効果的と考えられると記述しています。これは従来の姿勢から大きく一歩踏み出したものとして評価できるものであります。
 さて、教育委員会は国のこのような動向をどのように認識していますか。また、アンケート調査の結果や国の変化についてどのような見解を持っておられるかお聞きします。
 同じく協力者会議の最終答申は「これまで例外的な措置とされていた40人を下回る学級編成が自由に選択できる制度とする必要がある」とも述べています。現場の先生方と保護者や教育関係者の長年の運動と熱意がここまで国を動かしてきたものとして、高く評価したいと思います。
 少人数学級を頑強に否定してきた都教育委員会は、ここに来てついに「国の動向を見守る」と答弁せざるを得なくなっています。都教委だけでなく、中野区教育委員会の姿勢も問われることになりました。教育委員会は、都教委の方針と議会答弁の枠を一歩も出ない姿勢をこの間貫いてきました。しかし、状況は大きく変わってきています。従来の答弁に固執することなく、少人数学級の導入について真剣に検討すべきであります。教育委員会の見解をお聞きします。
 「小1プロブレム」への対応に関して、提案方々お聞きします。
 町田市では、小学校1年生が入学当初から学校生活にスムーズになれることができるように、31人以上の学級に対し、ことしの4月から6月までの2カ月間、生活指導補助者を配置し、学習や生活面で子どもに応じた援助を行っています。担任の先生からも保護者からも大変好評で、学校から「来年からすべての学級に配置してほしい」との強い要望が出されているとのことであります。こうした取り組みを参考に、中野区においても小学校1年生に対し、何らかの対応を検討すべきだと思いますが、いかがでしょうか。考えをお聞かせください。
 次に、小・中学校の再編計画についてお聞きします。
 再編計画が教育委員会として確定されました。しかし、この計画は今後に多くの問題を残すものになっています。当面する3点に絞ってお聞きします。
 最初は、仲町小学校の廃校に関する問題であります。
 学校にはそれぞれに歴史があり、異なった地域特性を持っていることは改めて言うまでもありません。それを一律に再編の網をかけて、上から統廃合計画を押しつけるのは乱暴過ぎると私たちは主張してきました。そして、統廃合計画をつくるときは、個別具体的に学校関係者や地域の方々を含め、十分話し合うことが必要だとも主張してきました。仲町小学校は、以前から小規模校のよさを生かした取り組みが行われてきました。そこでは学年の壁を越えた児童の交流が生まれ、校長先生を初め各先生が全校の子どもの顔と名前を知っており、運動会などの行事には地域の人々が参加してにぎやかに盛り上がる。そうした家庭的で暖かな雰囲気の中で学校生活が送られていました。その環境と歴史を大切にしたいというのが保護者と地域の強い願いなのです。
 「小規模校のよさを認めてほしい」という保護者や地域の方々と「集団教育のよさを生かすためには一定の規模が必要だ」という教育委員会の見解はいまだ一致していません。仲町小学校関係者は、教育委員会と話し合いをしても、一方的に統廃合の必要性を述べるだけで、私たちの意見を聞いてくれようともしないと怒りと不信を募らせています。教育委員会が校長先生の話を聞いて事足れりとするのではなく、保護者と一緒に学校行事に参加したり、授業参観を一緒に行う。あるいは、統合した場合に遠くなる通学距離を直線距離ではかって通えない距離ではないなどと言っていないで、保護者と一緒に実際の通学路を歩いてみるなど、話し合いの土俵をつくる努力がどうしてなされないのでしょうか。
 学校の統廃合は、もともと教育論からではなく、財政効率の面から発想されているだけに、学校には一定の規模が必要だという口実で説得しようとしても、住民の理解は得られません。教育論としての説得力がないからであります。
 先月10月の朝日新聞に「小規模特認校 高まる人気」という特集記事が組まれ、全国的にも小規模校のよさが改めて評価されていることを紹介していました。このような時代の変化や教育に対する区民の願いを受けとめながら、関係者との間に教育的な合意点をつくっていく姿勢と努力が不足しているのではありませんか。今後、区の計画では仲町、桃丘、桃園第三小学校の3者が共同して学校統合委員会を設置することになっていますが、その前提がいまだ整っていないのです。この問題で見切り発車はあり得ません。教育委員会は誠意を持って関係者と話し合いをすべきです。これからどのように対応していくのか、考えをお聞きします。
 次に、野方小学校と沼袋小学校を統合して新しくつくる学校の運動場に関してお聞きします。
 野方小学校に沼袋小学校の約半分を統合して新しい校舎をつくることになっています。統合された新校の児童数は19学級684名で、135名ふえることになります。現在の一人当たりの運動場面積は8.6平方メートルで、谷戸小学校と同じく区内最低の面積であります。統合後の運動場の面積が現状のままとしても5.4平方メートルになってしまいます。教育委員会の計画では、野方小を改築して校舎面積をふやすことになっていますので、運動場は今よりさらに狭くなっていきます。一人当たり運動場面積が4平方メートルぐらいになるのではありませんか。のびのび遊ぶことができないような学校にして、子どもたちが喜ぶと思いますか。未来に希望が持てる学校と言えますか。このまま計画を強行すれば、新たな問題が生じてくるのは目に見えています。今後の対応を検討すべきだと思いますが、いかがですか。
 この再編計画には、今現在でも既に多くの問題が生じています。さきに指摘した屋外運動場の問題もさることながら、校舎を改修して使う統合新校の場合、教室は十分足りるのか、特別教室や準備室は確保できるのかなど、多くの問題が残っています。小学校低学年の通学距離の問題も心配です。このままでは、教育条件が今より悪くなるのは明らかであります。早急に教育環境の整備に関する基本的な考えと整備すべき水準を明らかにすべきです。普通教室や特別教室が備えるべき条件、子どもの体格や教材の変化に伴う机やいすの規格の見直し、進化する教材や教具の整備とそれにふさわしい条件整備、そして学校が備えるべき運動場や体育館、プールなど環境面の整備などの水準をはっきりさせ、少なくとも今よりよくなっていくように努力すべきであります。見解をお聞きします。
 文化・スポーツ施設の指定管理者制度への移行に関する問題についてお聞きします。
 文化・スポーツ施設の管理運営が公社から指定管理者へ移行することになって以来、関係者から多くの意見や要望が出されてきました。今日までいろいろな議論を重ねてきたところですが、いよいよ今定例会に議案が提案されることになっています。議案の内容に触れない範囲で、現在の到達点について質問をいたします。
 指定管理者に移行するに当たって、利用者が一番心配していることは、利用料金制によって利用者の負担がふえるのではないか、また、利用方法などに関するサービス水準が後退するのではないかということでした。利用者の立場から見て、現状から負担がふえることはあってはならないと思いますが、いかがですか。また、各種附帯設備の利用なども含め、サービスの水準が落ちるようなことがあってはならないと思います。いかがでしょうか。
 減免制度に関してお聞きします。
 学校関係者やスポーツ団体等から、減免制度にかかる心配が出されていました。現在行われている減免制度については、指定管理者への移行後も維持されるべきと考えますが、いかがでしょうか。
 これまで長い間努力し、働いてこられた公社職員の働き場をどのように確保するかが大きな問題となってきました。公社職員の処遇についてどのような見通しが立っているのかお聞きします。
 現在の公社制度のもとでは、評議員会が設置されており、利用者の立場や区民の立場から公社の運営に関する積極的な議論が行われてきました。指定管理者のもとでも利用者、区民の声や要求を反映させるために運営協議会などを設置すべきだと思いますが、いかがですか。
 以上の4点について、現在の到達点を答弁ください。
 障害者自立支援法の施行に伴う当面の問題についてお聞きします。
 さきの国会で障害者自立支援法が通過いたしました。この法律は、精神を含む3障害の福祉制度の一元化や在宅サービスにかかる費用の義務的経費化などの前進面があります。しかし、国の財政負担を削減することが基本ベースになっているために、障害者と家族の負担を増大させ、障害者の生活と権利を後退させる重大な問題を持っています。そのため、障害者とその家族、障害者をサポートする人を初め、多くの人々が将来に大きな不安を抱える事態になっています。政省令が示されていないため、具体的な問題や課題がまだ見えておりません。したがって、当面する問題に絞って区の考えをお聞きします。
 区市町村は、障害程度区分や支給の要否決定に関する審査判定を行うための審査会を設置することになっています。精神障害の場合、知的障害や身体障害と異なる不安定な要因を持っており、適切な判定が難しい場合があります。したがって、審査会のメンバーに障害者と日々接して支援をしている人、施設等における実態をよく知っている人の参加を検討すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 区の補助金等による支援についてお聞きします。
 自立支援法の最大の問題点は、障害者福祉サービスに応益負担を導入し、障害者と家族に大幅な負担増を押しつけるところにあります。応益負担になれば、サービスを多く必要とする重度障害者ほど重い負担を負うことになり、障害者の社会参加と自立支援に逆行することになります。1カ月働いて1万円程度の工賃にしかならない障害者から、その工賃を上回る施設利用料を負担させようとすることに怒りと不安の声が上がっています。その実情を見るにつけ、自治体からの何らかの支援の必要性を痛感します。現在、中野区から授産施設などを利用している障害者に給食費の補助が出されています。これが廃止されるのではないかという不安が広がっております。障害者の置かれている現状から見て、補助制度を継続すべきだと思いますが、区の考えをお聞きします。
 授産施設に対する仕事の確保についてお聞きします。
 不況の中で、授産施設の仕事確保は従来にも増して厳しくなっています。文化・スポーツ施設が公社から指定管理者に移行することによって、清掃などの下請けの仕事が切られてしまうのではないかという不安が広がっています。
 先日、すばる工房を訪問した際、中野区が出してくれた「中野区のしおり」の修正作業をしているところでありました。「しおり」に載っている人の名前が変わったことなどにより、旧の名前や住所の上に新しいものを張りつける仕事であります。1冊6円で、職員も手伝って1日の出来高は1,000冊、6,000円にしかならないということでありました。それでも、区が仕事を出してくれることに職員は感謝をしていました。授産施設等が行っている現状を指定管理者に伝え、現在の下請けの仕事を引き続き受託できるように援助すべきだと思います。区の努力を求めたいと思いますが、いかがでしょうか。お答えください。
 最後に、図書館行政について質問通告をしておりましたが、質問したい事項に関する報告が今定例会中の常任委員会に報告されるとのことですので、この質問については割愛したいと思います。
 以上、区民にわかりやすい答弁を求めて、私の質問を終わります。
      〔区長田中大輔登壇〕
区長(田中大輔) 江田議員の質問にお答えをいたします。
 まず、地域センターの窓口の問題であります。
 このことにつきましては、10か年計画につきまして意見交換会や説明会、区民の皆様とさまざまな話し合いを行う中で、内容を少しずつ変更してきたというものであります。地域の窓口については、電子申請の拡大や区立施設やコンビニエンスストアなどを活用した証明書の交付などによりまして、より利便性の高い仕組みをつくっていく。その一方で、地域センターで取り扱っている総合的な窓口業務については、5カ所に集約するということを検討しているものであります。
 窓口を廃止した地域センターにおきましても、住民票などの取り次ぎといった事務を実施することを検討しているところでありまして、一定の利便性は確保しながら窓口の集約化を進めていきたいというふうに考えているところであります。
 精神障害者社会復帰センターの移転先についてであります。
 社会福祉会館には現在、精神障害者の社会復帰を推進する通所訓練施設でありますスマイル社会復帰センターと、それから日常生活について相談支援や地域交流活動などを行う地域生活支援センター、この二つの施設が併設をされているところであります。利用者が大変増加をしてきて手狭になってきております関係から、関係者の皆さんから改善の方策を強く要望されているところであります。
 スマイル社会復帰センターの方は、利用者が特定されている通所授産施設であります。特定されている利用者ということでありますから、定期的にいつも通っているというわけでありまして、必ずしも駅のすぐ前になくても通所できる環境にあればよいのではないかというふうに私は考えているところであります。また、仲町小学校については、位置的にはほぼ区の中心部にありまして、通所に不便だという環境とまでは言えないというふうに私は思っております。
 また、総合公共サービスセンターと同一施設になることによりまして、現在の保健福祉センターなどが担っている保健部門、こういった部門との連携も図りやすくなるということから、そういった面でのメリットもあるだろうというふうに思っております。
 一方、不特定な方の利用を想定しております地域生活支援センター、こちらの方については、中野駅前という交通に大変便利な社会福祉会館で引き続き運営をしながら事業の充実を図りたいというふうに考えているわけでありまして、この移転については、これまでの問題を解決しながら事業の充実を図るという意味でよい考えだと私は考えております。
 それから、成果主義についての御意見がありました。
 公務労働というものの特質、区民にとってどういう価値、住民福祉をどう向上させるかということが職員の働いた結果、成果なわけであります。そうした公務労働もやはりどのような成果が上がったかというのは、私はしっかり評価をするべきだと思っているわけであります。後段の御質問で、少人数学級の成果について、アンケートなどを取り上げながらかなり定量的な議論をされていた江田議員でありますから、そうした意味で、区民の福祉の向上といったようなことについても定量的に分析をし、成果を明確にするということの意味はおわかりいただけるのではないかというふうに思うわけであります。
 中野区では、目標と成果によります区政運営に取り組んでいるところであります。昨年度から目標管理シートを導入して職員一人ひとりが個人目標を設定しております。成果主義に基づく個人目標の達成というのは、先ほど来言っておりますように、住民サービスや区民満足度の向上に資するというところを設定していくわけであります。したがいまして、公務労働の目指す住民福祉の向上と一致しているということであります。
 また、区の職員の多くは、チームの一員として仕事をしているものであります。職員にはチームのメンバーとの協力関係の中での目標達成が期待をされているところであります。職員の成果の中には、チーム全体の動きに対する貢献や、あるいは困難な職務での努力の結果なども含まれるものであります。
 それから、行政しかできないことがある。そうしたことをしっかり守っていくべきだということであります。
 行政にしかできないことがある、これは当然のことであります。例えば政策形成、あるいは制度設計、計画づくり。また、民間活動でルールが守られるように監視・指導をすること。それから、生活困窮者、あるいは高齢者、障害者といった方で、支援が必要な方に対するセーフティーネット、支援の提供といったようなことであります。行政の役割は、行政にしかできないことに絞り込んでいく一方で、公共サービスについてこれまで行政が独占していたこと、あるいは行政の内部で事務として行っていたことであっても、民間のさまざまな活動にゆだねることによって、サービスの向上や多様化、効率化を図ることが求められていると考えております。
 なお、そうした形で民間がサービスの担い手になっていく場合、サービスの質の向上や利用者の権利擁護、これらを担保する仕組みは必要だというふうに考えているわけであります。また、民間活力の活用のメリットを十分生かすことができるように、区として民間が行ったさまざまな成果、あるいは仕事のでき上がり、そうしたものを評価・管理ができるだけの技術力といった力量について、当然区の組織の中で持っていかなければならないということで、そうしたことも勘案をしているというわけであります。こうした考えに基づきまして、区は民間でできることは民間に任せるということを基本に民間委託を進めてまいりたいと考えております。
 それから、歳出の抑制をめぐる御意見がございました。
 今、日本の社会は、国も地方も歳入よりも歳出が大きい。国の予算で言えば、40数兆円の歳入に対して、税収に対して、80兆円を超える予算を組んでいる。地方財政につきましても、地方交付税の会計は借り入れをどんどんふやしているという状況の中で、この社会は、持続可能な社会と言えないのではないかという状況になってきています。このように政府部門が大きい中で、この議会の中でも議論になっておりますように、少子高齢化が進んでいくという中で、GDPの成長というものは見込めないわけであります。このままの社会、このままのあり方では持続できない国になっている。私はそうした認識を持っているところであります。
 自治体におきましても、当然取り組まなければいけないことがあるというふうに考えているわけであります。取り組まなければいけないこと、国でも自治体でも私は同じだろうというふうに思っております。まず歳出を削減すること。事業の効果を十分に把握してよりよいサービスにする一方、最も効率的な手段を模索して歳出を削減していくということ。また、ある程度の負担の増といったようなことについても、国のレベルでは議論されているというふうに考えております。
 一方、少子高齢化社会の中にあっても、経済成長ということについては一定諮っていかなければならない。それらを行うことが改革、私たちが行わなければならない、国が行わなければならない改革だと考えているわけであります。さまざまの手当をふやす、あるいは施設を守る、ふやす、耳ざわりのよいことを主張することは簡単だと思います。しかし、そうした主張が、そうした政策が仮に持続できない、将来の破綻につながっているものだとすれば、国民、区民に対して大変な間違った選択を強いることになるわけであります。私どもは区として、基礎的な自治体として、そうした新しい時代へ向けての改革を進めていかなければならない、そう考えているわけであります。分権型社会の進展によりまして、区はこれまで国や都に依存してきた財政体質を地域の実態を踏まえた多様な政策展開と制度運営が担える区政へと転換して、責任ある基礎的自治体として自己決定、自己責任を果たしていかなければならないわけであります。
 このため、10か年計画では10年後の中野を実現する上で必要なサービスを質、量とも確保する上で、業務の効率化や改善に取り組むことといたしました。また、各種の事務事業についても、その目的と効果を検証して最適な事業のあり方を実現しようとしているところであります。
 私からは以上であります。その他につきましては、それぞれ担当の部長からお答えをさせていただきます。
     〔教育長沼口昌弘登壇〕
○教育長(沼口昌弘) 30人学級と小・中学校の再編についてお答えいたします。
 まず、30人学級について、国のアンケートに対します認識と教育委員会の方向性についてでございますけれども、御指摘のアンケート調査につきましては、少人数教育の効果につきまして、少人数指導と少人数学級の実施校にそれぞれの効果を尋ねたものでございますが、少人数指導と少人数学級の優劣を示したものではないと、そのように受けとめております。
 それから、また、東京都教育委員会の学級編成についての考え方、これは来年度も従来どおりと聞いておりまして、都の基本姿勢が変わったとは受けとめておりません。教育委員会といたしましては、少人数学級よりも教科の特性に応じて柔軟に対応できる少人数指導の充実に取り組んでいきたいと考えてございます。
 次に、いわゆる小1プロブレムへの対応についてのお尋ねです。
 これは必ずしもこうした問題が各学校にあるわけではございませんけれども、とりわけ小学校1年生の場合ですと、子ども一人ひとりの状況によってさまざまでございまして、学級の状況というのはさまざまあります。こうした中で、担任が指導を工夫しながら少しずつ、時間をかけながら学級をつくり上げていくというものだと思います。必要な場合につきましては、学校全体の体制の中で教員同士が協働いたしましたり、あるいは組織的に取り組むことが重要であると考えています。今後とも幼稚園、あるいは保育園と小学校の教員との相互交流、あるいは園児の小学校体験入学等を実施いたしまして、義務教育への円滑な接続を図っていきたいと考えております。
 次に、学校再編に関しまして、特に仲町小学校についての御質問でございます。
 この仲町小学校含めまして、いろいろな学校を教育委員会でも見てございますけれども、どこの学校でもすばらしい取り組みを行っているという認識でございます。そうした中で、統合の対象になった学校の保護者や地域、できれば存続したいという気持ちを持ちながらも、一定の集団規模を確保することによってよりよい教育を行っていくという、これからの教育のあり方に御理解をいただいているものと思っております。仲町小学校の関係者には、これまでも何度も説明の機会を持つよう努力してきましたが、今後とも引き続き必要な話し合いは行っていく考えでございます。
 今後、具体的に再編を進めていくために統合委員会等を設置していく考えでございますけれども、仲町小学校の関係者の方々にも建設的な立場で参加していただけるよう努力をしていきたいと思っております。
 次に、野方・沼袋小学校統合新校の運動場に関してでございます。
 野方小学校と沼袋小学校との統合新校につきましては、全体の配置なども考えまして、現野方小学校の場所に校舎の改築を予定してございます。統合すれば当然児童がふえますので、必要な児童一人当たりの校庭面積というのは狭くなる。これはやむを得ないことでございますが、最低でも3,000平方メートルの運動場が確保できますし、建物の建て方の工夫によりましては、より広い面積を確保することも十分可能でございます。運動場としての機能は確保できると、そのように考えてございます。
 次に、これからの学校が備えるべき条件等でございますが、再編に伴いまして、教室の確保につきましては当然普通教室や必要な特別教室を初め、少人数指導のための教室、あるいはこれから必要になります特別支援教室というものなどをきちんと確保していく考えでございます。また、改築に当たりましては、どのような校舎にしていくか、これからの学校施設整備の基本的な考えをつくりまして改築を進めてまいりたいと、そのように考えてございます。
  〔教育委員会事務局次長金野晃登壇〕
○教育委員会事務局次長(金野晃) 文化・スポーツ施設の指定管理者移行についての質問にお答えいたします。
 まず、利用者負担とサービス水準についてのお尋ねでございます。
 利用者負担につきましては、指定管理者の導入いかんにかかわらず適正に見直していく考えでございますが、来年度につきましては利用者の負担増は見込んでおらず、サービス水準につきましては公示をするよう進めていく考えでございます。
 また、減免制度につきましては、今後の方向として補助金に切りかえるということで現在検討しておりますが、社会教育団体や公共的団体につきましても、その公共性に応じた適切な支援を行って、活動上の支障がないようにしたいと考えております。
 次に、公社職員の処遇についてのお尋ねでございます。
 現在、指定管理者候補者となった事業者が、公社職員のうち希望する方に面接を実施しているというところでございます。希望者につきましては、雇用の確保ができるよう今後も努力を重ねていきたいと思います。
 また、施設の運営の協議会についてのお尋ねがございました。
 施設の運営協議会については、いずれの指定管理者も設置をする考えで進めているところでございます。
 また、文化・スポーツ施設の管理、清掃受託に関して御質問がございました。
 障害者団体への雇用の機会を確保するということは必要だと認識しております。ただ、文化・スポーツ施設の清掃業務をどのように行うかということにつきましては、指定管理者の管理運営の考え方になります。区として情報提供は考えておるところですが、特定の団体に清掃業務の委託の指示というようなことは困難であると考えているところです。
    〔保健福祉部長菅野泰一登壇〕
保健福祉部長(菅野泰一) 障害者自立支援法に関します御質問にお答えいたします。
 まず、審査会委員に障害者に接している人をというお尋ねでございます。障害者程度区分に関する審査及び判定を行います審査会についての政省令はいまだ公表されておりませんけれども、障害程度区分を判断するにふさわしい学識経験を持った方に委員をお願いしたいと考えておるところでございます。
 続きまして、施設に通所している方へ給食費の補助をということでございます。
 障害者自立支援法における実費負担の考え方はすべての事業に共通するものと考えておりまして、特定の事業だけが別の取り扱いをするということは考えておりません。なお、精神障害者の共同作業所、小規模通所授産施設など、現在支援費制度の対象となっていない施設につきましては、新制度移行へのプロセスが明確になっておりませんが、新制度に移行した際には、他のサービスと同様の負担が求められると考えております。
○副議長(江口済三郎) 以上で江田とおる議員の質問は終わります。
 この際、申し上げます。
 議事の都合上、会議時間を延長いたします。

 中野区議会議員 やながわ 妙 子
 1 行政サービスの向上について
 2 発達障害児支援について
 3 子育て支援の施策について
 4 南中野地域における安全対策について
 5 その他

○副議長(江口済三郎) 次に、やながわ妙子議員。
     〔やながわ妙子議員登壇〕
15番(やながわ妙子) 第4回定例会に当たり、公明党の立場から質問をいたします。
 初めに、行政サービスの向上について伺います。
 現在、中野区では区民に満足していただける区役所を目指して「接客六つの約束」を指針として、おもてなしマネジャーを中心に各課で取り組んでおります。その内容は、おもてなし運動として次のようになっています。
 1、お客様とお呼びします。2、笑顔であいさつします。3、名札をつけ、御用件を承ります。4、電話を受けたら名乗ります。5、親身になってお話を伺います。6、わかりやすく説明します。
 区民に対してこうした接客、接遇は大変大事なサービスです。区役所としての基本的な最初の仕事とも言えます。区長を先頭に、職員も真剣に取り組んでいると思います。しかし、区民から見た場合、必ずしもサービスが行き届いているとは言えません。さらに対応をしっかりやってもらいたい、また、やってほしいとの厳しい声を聞いております。
 先日、台東区のフロアマネジャー事業と大和市のフロア案内員制度を視察してきました。台東区では、昨年1月から区民課の職員がフロアに出て、来庁したお客様のサポートをしております。職員みずから考えて、目につきやすいように真っ赤なジャケットを着るようにしたそうです。わかりやすいと大変好評です。
 また、大和市では、来庁者に対し、机に座ったままの案内ではなく「困っている人がいたら助ける」という市長の提案を受け、平成14年度からフロア案内員制度を実施しました。当初は管理職がフロアに出て案内係をしたそうです。管理職とはいえ役所の仕事の多さに驚き、知らないことが余りにも多いと大変緊張したそうです。このことで職員の意識が変わり、窓口だけではなく、庁舎全体で顧客意識が高まってきたそうです。現在は再任用職員とアルバイトで行っていますが、見ていて大変さわやかで、温かいものを感じました。区職員の新人研修の中に、フロア案内員コースがメニューに入っています。
 中野区では現在、広報・広聴課が区役所ロビーで区政資料室と兼務して固定型の案内係を配置しています。区民をお客様として迎えるのであれば、フロアに積極的に出て声をかけあいさつし、案内をした方がより親切なサービスになるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 その際、現在実施しているおもてなし運動をさらに浸透させるためにも、バッジをつけているおもてなしマネジャーも定期的にフロアに出て接客をすべきではないでしょうか。あわせてお考えを伺います。
 区役所は昨年から事業部制になり、似ている組織名や所管する事業が多く、大変わかりにくくなっております。私もいまだに掌握し切れておりませんから、区民の皆さんはなおさらのことではないかと思います。職員の意識改革といっても、まずは区長を初め管理職の方々が職員の勤労意欲を高めるためにも、区民との応対を通しておもてなし運動の模範を示すべきです。区長もフロアに立つ機会を持ち、区民とさらに親しく対話を重ねてはいかがでしょうか。区長の御見解を伺います。
 おもてなし運動は、庁舎だけの問題ではありません。地域センター、保健福祉センター、保育園、図書館など、さらに運営委託をしている施設も徹底が必要です。
 先日、家族が区内の特別養護老人ホームに入所している方からお話を伺いました。施設での決まりを説明される際、非常に威圧的で乱暴な話し方に大変ショックを受けたそうです。その方はその場で泣き出してしまったそうです。施設が直営ではなくとも、民間に移行した施設についても、区民は公的な感覚で利用しております。こうした事例も含めて、庁舎外での接客等のあり方についても何らかの対応をすべきだと考えますが、いかがでしょうか。
 小さな区役所とも言われている各地域センターにおいても、地域の皆さんが一番多く訪れる時間帯に職員がカウンターから出て応対をしてもいいと思いますがいかがでしょうか。一番身近な行政だからこそ、きめ細やかな対応が必要だと考えます。にこやかな笑顔とさわやかなあいさつ、これだけでも区民は区役所に対して信頼を寄せるのではないかと思います。
 また、服装にしても、特に夏場の時期に職員だとは思えないだらしない方がいました。服装は接客の大事な要素の一つです。区民をお客様として迎えるのですから、華美にする必要はありませんが、きちんとした服装で働くことが常識ではないでしょうか。お考えをお聞かせください。
 私は、一人の来庁者を大事にし親切にすることが、小さいことのようでも区役所を心の通う、人間性あふれる庁舎へと改革することができると考えています。そのことで職員の勤労意欲も高まるのではないかと思っています。
 また、電話での応対も窓口と同じように重要です。区役所に電話をかけると交換台から転送されますが、1回だけでは済まされず、何回も転送されることが多々あるようです。こうしたことが区民の不満を買っています。
 台東区では、問い合わせ先がわからない、また、たらい回しに合った等の問題を解決し、区民サービスの向上を図るために、今年6月、台東区コールセンターを庁舎1階に設置し、電話でのサービスの向上に力を入れています。コールセンターにかかってきた電話の3分の2はいわゆる1次対応の電話で済んでいます。行政経験豊富なベテランOB職員2名と電話交換等の経験を有するスタッフ2名で対応しています。区民のニーズに合った独自のきめ細かなマニュアルをつくり、電話での区民サービスの向上を図っています。中野区も1回の電話で要件が済むように、電話の転送なしで1次対応ができれば、区民の満足度を大幅にアップすることができると思います。その取り組みとして、独自のコールセンターの設置を検討してみてはいかがでしょうか。その際、再任用の活用など工夫次第で財政の負担も軽くできると思います。
 アメリカではことしの台風災害に際して、電話での問い合わせを昼夜が反対の国でコールセンターを設置し、対応したと聞いています。将来的には、夜間も含めた電話対応のあり方等をぜひ検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。御見解をお聞きします。
 また、多くの自治体に視察に行った際、目につくことは、窓口のカウンターが低く、いすが用意されていることです。自治体によっては、担当者の氏名と写真がカウンターに提示してあります。一つひとつ細やかな配慮がされています。中野区役所の3階にある「子ども総合相談窓口」はカウンターも低く、いすも用意され、相談しやすいよう工夫され、大変好評のようです。区庁舎のカウンターも、来庁者と目線を同じくするためにローカウンターとし、いすも置き、対応する職員の名前と顔写真を明示してはいかがでしょうか。お考えをお聞きいたします。
 最後に1点提案いたします。区庁舎のロビーも区民の集いの広場として、ロビーコンサート等の開催や区民ギャラリーとして活用できるようにしてはいかがでしょうか。先日、野方WIZで定期的に開催しているフライデーコンサートに行ってきました。安いチケットでしたが、一流の演奏家によるすばらしい内容でした。中野区に在住する演奏家もたくさんいらっしゃいます。そうした方々はボランティアでいつでも要請があれば演奏したいと言っております。区役所ロビーを区民の芸術・文化の活性化の場所として提供すべきだと思います。区民の皆さんが区役所にまた来たいと思っていただくことが何よりのサービスだと考えます。区の御見解を伺い、この項の質問を終わります。
 次に、発達障害児支援について伺います。
 発達障害児の支援策については、本年第1回定例会での高倉議員の質問及び第3回定例会での岡本議員の質問を受けて、区長は「庁内に発達障害者支援推進会議を設置し、乳幼児期における発達障害児支援体制の構築を検討している」また、「子ども家庭センターが調整機関となり、個別支援計画などを策定する体制の構築を目指している」と積極的な取り組みを示されました。
 さらに、私たちが発達障害児をコーディネートする支援室の設置を提案したことについても「改訂する保健福祉総合推進計画に盛り込みたい」との意向を示されたことも高く評価したいと思います。しかしながら、学齢期における支援策については、具体的に全く触れられておりません。
 最近、小学校のお子さんがアスペルガー症候群と診断され、大変に悩んでいるお母さんから相談を受けました。担任の先生によってお子さんへの対応が大きく変わること、相談する専門的知識を持った方が学校にいないこと、また、どこに相談していいのか戸惑いと不安を毎日、毎日抱えているとのことでした。中野区では現在、小・中学校における発達障害児への支援策はどのようになっているのでしょうか。教育委員会のお考えを伺います。
 先日、港区で実施している特別支援教育のための個別支援室事業を視察してまいりました。従来の心身障害教育の対象だけではなく、LD、ADHD、高機能自閉症などの発達障害の児童・生徒に対し、必要な支援を行う事業です。この事業は、教育委員会が主体となり、NPOが協同して実施したことに特徴があります。港区子ども家庭支援センターの一室を借りて、10月31日にオープンいたしました。施策の大きな柱が、学習支援員(ラーニングサポートアシスタント)の養成、学校への派遣事業です。児童・生徒への学習支援と担任のサポートを行っています。現在30名が養成講座を修了しています。今年度中にさらに30名の学習支援員を養成する計画です。
 講座内容を見ると、実に専門性の高い学習支援員を養成しているかがわかります。受講生は14回の講座すべての出席が義務付けられています。私は、学習支援員の養成及び学校への派遣事業は大事な施策であると思いますが、教育委員会のお考えをお聞かせ願います。
 港区も教員の認識、具体的な指導方法、関係諸機関への周知、啓発方法等課題が少なくありませんが、教育委員会事務局次長はまず立ち上げ、やれるところから実施する中で一つひとつ課題を見つけ、解決していかなければ支援が進まないと強調していました。中野区は、乳幼児期における個別支援計画等をつくろうとされています。個別支援だけではなく、就学時への移行支援の両方の支援が大事です。そのために、教育委員会の取り組みが欠かせません。対応いかんによっては、子どもの将来を決定してしまうほど重要な取り組みです。
 先日、中野養護学校において「就学前から学校へのスムーズな移行のために」という足立区の発達支援センター社会福祉法人うめだ・あけぼの学園の加藤正仁園長の講演がありました。私も参加しましたが、教育委員会からも大勢参加していました。講演内容は大変わかりやすく、参考になりました。教育委員会としても、重要な課題として認識しているのではないかと思います。
 就学前から就学時へのスムーズな移行支援には、支援室のようなコーディネート機能がぜひとも必要です。そして、相談に行く窓口でいつも一から説明を強いられる親御さんの負担を考えるなら、病院のカルテと同じような形で一人ひとりのお子さんの状況がわかり、今どのような支援が必要なのかが見える療育カルテなどが必要です。ぜひとも検討してはいかがでしょうか、御見解を伺います。
 この項の最後に、就学前の対応について1点伺います。
 中野区の就学前の障害児の対応は、アポロ園のみで行っております。障害を抱えた親御さんたちにとって、アポロ園の機能は極めて大事です。アポロ園の療育学習は3教室ありますが、望むコースに定員がいっぱいで入れないとの声も聞いております。今後、障害児がますますふえてくると予測される中で、私はアポロ園の内容の充実を図るとともに、分園的な機能を持つ施設を南部方面に設けるべきだと思いますが、区のお考えをお聞きし、この項の質問を終わります。
 次に、子育て支援施策について伺います。
 少子化対策は重要かつ喫緊の課題として、国も第三次小泉改造内閣で新たに少子化・男女共同参画担当の特命大臣を設置し、本格的に対策をとり始めました。社会全体で子育てをする次世代支援育成行動計画も策定が進み、中野区においてもさまざま計画が立てられているところです。
 そうした子育て支援を総合的に推進していく上で、私は「子ども家庭支援センター」の果たす役割は今後もますます重要になってくると考えます。特に最近、大きな問題となっている児童虐待については、自治体の取り組みとして、発生予防の強化が求められています。こうした課題も踏まえ、東京都は先駆的なセンターの設置を各自治体に求めています。子育てにかかわるさまざまな課題を解決していくためにも「子ども家庭支援センター」の今後のあり方や機能について、中野区としてはどのようなお考えなのかお聞かせください。
 先日、府中市の子ども家庭支援センターを見てまいりました。愛称「たっち」という施設は、子育てをしている家庭の相談の場、交流の場、情報提供の場として、また、お子さん自身が相談できる場としての機能を持った、文字どおり子どもと家庭を支援するための施設でした。在宅での育児支援も整っており、常設のリフレッシュ保育は日曜祭日を除き毎日利用でき、当日対応も可能だそうです。施設は府中駅前の商業棟と住宅棟の建物の中にあり、スペースも広く大変きれいで、毎日でも通いたくなるような施設です。大勢の親御さんたちから利用され、好評です。利用者が多いときには、入場制限をしなければならないそうです。驚いたことに、中野区からも通っている方がいました。相談室が市役所内にあったときの相談件数に比べ、庁舎の外に移した結果、大幅に増加したそうです。
 また、厚生委員会で視察した枚方市では、廃校した小学校を活用して子どもの集いの広場をNPOに委託し、立ち上げていました。まだ開始して間もないのに、利用登録者が毎日増加しています。こうした親子の交流広場などを備え、安心していつでも立ち寄れる子育て拠点が待ち望まれていると思います。
 中野区では、10か年計画案で子ども家庭支援センターを4カ所設置するとしています。ステップ1で児童館における子ども家庭支援センター機能の分担とありますが、どのようなものなのか明確ではありません。
 私は、子ども家庭支援センターを子育て支援の中核拠点施設として、10か年計画の中でも早期に設置する必要があると考えています。子ども家庭支援センターには親が自由に集い、情報交換もでき、広場機能のほか、児童虐待を初めとする幅広い相談機能、それに在宅子育て家庭支援メニューの一つでもあるリフレッシュ保育など、常設できるような具体的な計画を進めるべきです。その際、現役子育て中の親御さんたちの意見を取り入れ、協働し、使い勝手のいい工夫したものにすべきです。子育てには何よりも夢と希望がなくてはなりません。中野区で子育てがしたいと言われるような計画を示すべきです。御見解をお聞かせいただきます。
 子育て支援施策の2点目に、子どもの事故防止の啓発について伺います。
 私は、ことし第2回定例会で京都市の「みやこあんしん子どもセンター」を例に挙げ、区庁舎3階に事故防止のための「子ども安全コーナー」の設置を提案しました。これを受けて、区は早速そのコーナーをわかりやすい形で設置してくださったことについて大変感謝し、評価をしております。ただ、このコーナーの存在をまだ知らない区民がほとんどであり、今後相談に見えた方も含め、区報などを通して積極的にPRする必要があると思いますが、いかがでしょうか。
 また、子どもたちを乗せたママチャリの事故が大変多くなっています。私は、同じ第2回定例会で子ども用のヘルメット着用の手だてについて提案したところですが、このコーナーに子ども用ヘルメットを展示して、着用の啓発を図ってはどうかと思います。御見解を伺います。
 子育て支援の3点目として、医療費助成制度の拡充について伺います。
 私たち公明党は、乳幼児医療助成の拡充を推進してきましたが、特に小・中学校の児童・生徒については、子ども医療費の助成制度として新たな制度化を提案してまいりました。区長は、この10月から小学生の入院費を対象とする「子ども医療助成制度」をスタートさせました。大きな前進であると思います。東京都の乳幼児医療費助成制度にはいまだ所得制限があります。この所得制限は、国の児童手当の所得制限にしたがっています。公明党は、この児童手当について新たに小学校6年生まで対象を拡大し、所得制限についても1,000万円まで緩和するよう推進しており、来年度の国の予算編成に対する重点項目として取り組んでいます。
 さきの都議会第3回定例会で公明党は「児童手当の所得制限が緩和されれば、都の乳幼児医療費の所得制限も同じように緩和させるべき」と提案したのに対し、都は「制度の趣旨に沿うよう適切に対処する」との前向きの答弁をしました。都の所得制限が緩和されれば、区に制度に充てる財政的な負担軽減の効果があります。そうなった場合、財政負担の軽減の分を新たに中野区の子ども医療費助成制度の拡充に充て、中学3年生までまず入院費の無料化を進めてはいかがでしょうか、伺います。
 先日、区内のクリニックにこういうポスターが張ってありました。既に中学生まで医療費助成をしているこのようなポスターが目に入りました。
 このポスターを見ていた子ども連れのお母さんがため息をついて、中野区から引っ越そうかなとつぶやいていました。これは中野区内の小児科の壁に張ってあったんですが、港区、台東区、品川区は中学生まで医療費を無料にしている提示なんです。そうやって何気なくつぶやいておりました。他の自治体でも取り組み出しているこの制度は、中野区にとっても区民が待ち望んでおります。通院費も含めた無料化は今後の課題になりますが、中学生までの医療費について、中野区として取り組む意思を示すことは子育て支援策として重要だと考えますが、区長の御見解をお聞かせいただき、この項の質問を終わります。
 次に、南中野地域における安全対策について伺います。
 初めに、東大附属一体の安全策について伺います。
 南中野地域の防災・安全対策については、長年にわたり、地域の皆様とともに東大附属一帯を広域避難場所にとの要請運動を行ってきました。その願いがかない、平成10年に指定されました。また、その西側道路の拡幅や、木造密集住宅地域の不燃化対策なども全力で推進してきました。その結果、東大附属一帯は南中野地域における防災拠点としてさまざまな事業が展開され、着実に進められてきています。特に、西側道路は樹木の移植が終了し、道路も拡幅され、近隣の住民の方々から見晴らしがよくなったと言われています。私たち公明党は、防災対策の一環とし、この道路の電線類の地中化を提案し、中野区長や東京都に要望書を提出してきました。既に東大附属一帯の西側道路電線類の地中化の工事が始まっています。今後、この地域における無電柱化の計画はどのようになっているのでしょうか、伺います。
 この西側道路から中野新橋に至る道路、通称柳通りといいますが、その道路は歩道の幅員が大変狭いだけでなく、道と車道の段差も大きいため、車いすや小さなお子さんを乗せるバギー等を使用する人にとって常に危険が伴っています。さらには、車道、歩道には車やオートバイ、自転車の駐車が連ねています。この道路の安全性確保のためには、東大附属西側道路を無電柱化するわけですから、続いている柳通りについても無電柱化の計画をつくるのが自然体だと考えますが、いかがでしょうか。また、この道路のバリアフリー化を推進し、安心して人が通行できるよう安全対策を講じるのが先決だと考えます。区のお考えをお聞かせください。
 さらに、広域避難場所の安全に関して何点か伺います。
 避難所となっている学校と海洋研究所はコンクリートの塀に囲まれています。今回、東大附属西側道路の拡幅されたところは、改修によってコンクリートの塀はフェンスになりました。しかし、東側、南側の塀はそのままになっています。かなり古くなって、あちこちに修復した跡が随所に見受けられます。震災時にこの塀は大丈夫かと近隣の方は大変心配しています。この際、コンクリートの塀を西側と同じようにフェンスにするべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 また、方南通り沿いの門扉周辺の歩道には低木が雑然と生い茂っており、歩道の通行を妨げています。さらに小学生の通学路となっている東側の道路の角の隅切りもされていないので、大変見通しが悪く危険だと指摘されております。震災時の安全を確保するとともに、避難する住民の道路も確保すべきだと思います。東大附属側や東京都とも協議し、安全対策を早急に講じるべきではないでしょうか。御見解を伺います。
 次に、内水はんらんの対策について伺います。
 ことし9月の集中豪雨では、妙正寺川流域で大きな被害が発生しました。神田川流域でも数年ぶりに浸水被害が出ました。妙正寺川の水害対策については、松本衆議院議員を初め川井都議、そして我が党の高倉都議の本会議の質問によっていわゆる激特事業に指定され、対策が大きく前進することになりました。
 神田川は、環七地下調節池の下流の護岸整備によって妙正寺川に比べて被害は押さえられたものの、内水はんらんなどまだまだ不安は払拭されていません。環七調節池には、この9月から善福寺川からの取水が可能になり、妙正寺川からの取水も前倒しされると聞いております。調節池の能力は限られておりますから、神田川でも護岸整備のほか、新たな対応が求められています。
 南中野地域では大雨の際、被害の出る場所は必ずといって決まっています。特に、地下鉄中野富士見町駅付近、中野新橋駅周辺は非常に水が出やすい地域です。私は新たな対応として、東京都メトロ車庫の地下利用について関係機関と検討してはどうかと思います。特に、東京メトロ車庫地に隣接している住民の被害は大きく、今まで水害対策についての話し合いはあったのでしょうか。この際東京都、そして東京メトロ側に積極的に働きかける必要があると思いますが、いかがでしょうか。
 この東京メトロの車庫は、南中野地域では一番広い空間を持っています。南中野地域は、都内の中でも密集地として上位にランクされています。そのことを考えると、この空間は南部地域にとって大変貴重です。防災の観点から、車庫の地上利用についても各関係機関との話し合いの場を持って構想を立ててはいかがでしょうか。あわせて御見解を伺って、この項の質問を終わります。
 その他で1点、先ほども質問がありましたが、文化・スポーツ振興公社について伺います。
 まず、文化・スポーツ振興公社にかわって、18年度から文化施設やスポーツ施設の管理は指定管理者に移行します。移行に向けて、現在どのような対応をしているのかお聞かせください。
 先ほど、区民サービスの向上についての質問でも取り上げましたが、野方WIZでフライデーコンサートを長年続けている区民の方々と懇談する機会がありました。その際、中野の文化芸術の振興に向け、日ごろから頑張っている方々の熱い思いを伺いました。指定管理者への移行に当たって、こうした皆さんの熱い取り組みやコンサート等がこれからも同額の負担で継続することができるのか、区民や主催している方々が大変心配しています。今後ますます文化芸術に関する事業支援は大事な施策になると思われます。御見解を伺います。
 指定管理者移行に当たって、最も配慮されなければならないのが職員の雇用問題です。区の派遣職員の場合と違って、雇用職員等については、文・スポ公社の解散後の雇用確保をしっかりと図っていくことは区の責務でもあり、今後指定管理者制度の活用に当たっても重要なことです。固有職員や契約職員の雇用確保について現在までどのような努力をしてきたのか。また、今後どのような取り組みが予定されているのかを伺います。
 また、指定管理者の交渉権者に対して固有職員や契約職員の雇用を要請していると思いますが、希望する職員はきちんと雇用されるのか。雇用されないという状況は生じないよう、最大限の努力をすべきだと思います。長年にわたって文化・スポーツ施設の管理や事業の推進についてノウハウを身につけている職員を失うことのないようにすべきだと思います。御見解を伺い、私のすべての質問を終わります。ありがとうございました。
      〔区長田中大輔登壇〕
区長(田中大輔) やながわ議員の御質問にお答えをいたします。
 区役所1階の総合案内業務のあり方についてであります。
 区民に適切に区役所の御案内をするには、カウンターの外でお迎えをする姿勢、これは大変大事なことだというふうに考えております。一歩前に出る対応といったような意味で、検討して対応していきたいというふうに考えております。
 区といたしましても、これまでフロアマネジャーというような形を研修などでやったこともありましたけれども、こうしたものについてきちんと定例化をしていくといったようなことも検討していきたいというふうに思っております。その際、統括管理者や執行責任者、これらが案内に立つということは顧客思考の発想を実践する、また肌で感じで考えを深めるという機会としても有効だというふうに考えております。できるだけ多くの職員がそうしたことを体験できるような工夫をしていきたいというふうに考えております。そういう意味で、私もフロアに立つという経験もしていきたいというふうに思っております。
 それから、地域センターにおきましても、窓口に来られた方にお声をかけたり、あるいはたくさん混んでいらっしゃるときにカウンターの外に出て対応するといったようなことも当然行うべきことだと思います。こうした積極的な接客の案内に現在でもできる限り努めているところではありますが、行き届かないところもあると思いますので、お客様の立場に立った接客ができるような業務の手引を充実したり、それを徹底したりするといったようなことを行っていきたいというふうに思っております。
 それから、御質問にもありました委託をしたり民営化した施設などにおきましても、これも業務の中で大変重要な要素でありますが、当然契約の仕様書に接客対応に関する項目を記載するなどして、適切に指導していくように工夫をしていきたいというふうに思っております。
 接客態度の向上、これが区に来られました区民の皆様の第一印象を決める。区に対する第一印象を決めていくという大事なところでありますので、区長として今後も職員の意識改革に努めてまいりたいというふうに考えております。
 それから、コールセンターについてであります。
 区民の電話による問い合わせについて、コールセンターでかなりの数、きちんと対応できるといったようなことがあるわけでありまして、そういう意味で、ワンストップで適切な対応ができる仕組みとして活用することが可能だと考えております。既に札幌市、横浜市などでも導入をされて成果を上げているように聞いているところであります。小さな区役所を目指して、効率化と行政サービスの質の向上をあわせて推進していくという意味で、中野区といたしましても、こうしたコールセンターの設置についても検討していきたいというふうに思っております。
 またその際、区の業務案内だけに限定するのではなく、保健福祉、あるいは介護、子育て支援といった相談にも何らかの形で対応できるような、24時間ワンストップで対応できるような仕組みを検討していくべきかと考えているところであります。
 それから、カウンターを低い、座って対応できるローカウンターにする、そのほか幾つかの御提案でありました。
 1階の総合窓口では、相談に比較的時間がかかります年金の担当のカウンターは従来から低いものを設置しているところであります。全体としてローカウンターにすることが望ましいというふうに認識をしているところであります。何分工事や一定の経費も要することでありますので、今後窓口レイアウトを見直す際に、カウンターについても区民が利用しやすいものにしていきたいというふうに考えております。
 それから、カウンターに担当者の名前と顔写真を表示したプレートを置いてはといった御提案もありました。
 名札についても同じような意識なわけでありますが、責任を持った対応の徹底という視点から、こうしたプレートを置くといったようなことについても区の他の窓口も含めて検討していきたいというふうに考えております。
 それから、1階ロビーの活用についてであります。
 区役所の接客環境の向上という観点から、どんなことができるのか。区民の皆さんに喜んでいただけるような対応というのはどういったことができるのか、検討してまいりたいというふうに思っております。
 それから、発達支援児のための関係機関相互の連携、支援体制ということであります。
 これについては、来年度から試行的に実施できるように準備を進めているところであります。この連携支援体制は、今後子ども家庭支援センターが調整機関となりまして、発達支援が必要な場合は生育や支援の記録を調製し、保管、活用するといったような取り組みを想定しているところであります。この記録は、連携支援のかなめとなるものであります。保護者や関連子ども機関の協議によって作成された個別支援計画もあわせて保管し、充実した支援体制を目指していきたいというふうに考えております。
 それから、アポロ園についてであります。
 アポロ園の利用状況は、必ずしも待機児がいるというところまではいかないと思っていますが、利用者の希望する回数とかというような意味で、御希望にこたえられていない面もあるという認識をしているところであります。今後は個別指導の回数増や小学校入学後の子どもたちへの個別指導の実施なども課題だと認識しているところでありまして、療育機能の地域再配置、今は北の1カ所なわけですけれども、地域での再配置も含め、民間療育活動の活用も視野に入れながら、区民の利用しやすい療育のあり方を考えていきたいと考えております。
 それから、子ども支援施策について、中学生までの医療費に取り組みを示すことが重要ではないか、区長の見解ということであります。
 子育て支援施策は、広くすべての子どもと家庭への支援という観点から、必要なサービスを利用しやすい形で展開していくことが重要と考えております。区としてサービスの対象と負担のあり方なども検証しながら、子育て支援全般にわたる施策の充実に取り組んでいきたいと考えているところでありまして、御提案の趣旨につきましても、そうした中で検討させていただきたいというふうに考えております。
 私からは以上であります。
     〔教育長沼口昌弘登壇〕
○教育長(沼口昌弘) まず、小・中学校におけます発達障害児への支援策についてでございます。
 現在、通常の学級に在籍いたします発達障害児につきましては、担任の教員のほかに教育センターの臨床心理士や障害学級の教員が相談に当たり、スクールカウンセラーや心の教室相談員の活用によりまして協力体制をとって支援に当たっているところでございます。
 これから必要なことは、教職員への研修の充実ですとか、関係機関との連携の強化が重要だと思っております。特に小・中学校での効果的な指導、対応ができますように、全校に特別支援教育の担当教諭を置きまして学校ごとの研修を行っていますが、今後養護学校との連携型の研修等を強化するなど、教職員全員が適切に対応できるようにしていきたいと考えてございます。
 次に、学習支援員の養成と学校への派遣についてでございます。
 学習障害児の支援策につきましては、学習指導員の配置や学習ボランティアの派遣、専門家チームによる巡回相談、養護学校との連携強化、いろいろな取り組みが考えられるわけでございます。しかし、基本的には今後どの学校といいますか、どのクラスにもこういう支援の必要な子どもがいる可能性が高くなってくるということでございまして、ただいま申し上げましたように、すべての教員がこの問題について理解し、対応できる、そういう力をつけていくことが重要であると考えています。そういった意味では、全教職員への研修を重点的に現在進めているところでございます。
 今後とも中野区におけます小・中学校での発達障害児に対しての効果的な指導、対応を考え、実施していきたいと思っています。現在、学校に専門家を派遣しての巡回相談の実施についても検討している段階でございます。
   〔子ども家庭部長田辺裕子登壇〕
○子ども家庭部長(田辺裕子) 子ども家庭支援センターの今後のあり方や機能についての御質問でした。
 昨年、児童福祉法が改正され、本年4月からこれまで児童相談所が担っておりました児童相談業務が区の役割として明確化されまして、子ども家庭支援センターの業務として位置付けしたところでございます。
 こうした法改正の背景には、子どもの虐待相談の急増とともに育児不安等を背景に、身近な子育て相談ニーズが増大したことなどによることが挙げられると思っております。10か年計画の改定素案におきまして、区内4カ所に(仮称)地域子ども家庭支援センターを設置し、相談機能の充実を図り、子どもの虐待、非行、発達障害等支援が必要な家庭の状況の把握に努めまして、家庭訪問などもいたしながらきめ細かな支援を行うとともに、ここを拠点といたしまして、児童館などを統括して地域の関係機関や団体と一層の連携強化を図り、迅速適切な対応を図ることによりまして、地域における子育て支援を展開していく考えをお示ししたところでございます。
 さらに、地域の子育て中の乳幼児親子が交流し、子育て情報を交換する場や一時保育などの機能を備え、地域の乳幼児親子の拠点施設としての機能ですとか、妊娠、出産、子育てへの一貫した支援を行う母子保健事業を展開して子どもの健康増進にも努めて安心して子育てができるよう、地域の身近な子育てコミュニティの中核として機能してまいりたいと考えております。
 施設整備や運営に当たりましても、利用者や地域の方々の声を十分聞いて進めてまいりたいというふうに思っております。
 次に、子どもの安全コーナーにつきましての御質問がございました。
 子どもの安全コーナーにつきましては、区のホームページなどでもPRしているところでございます。子どもの周りには危険がたくさんありまして、ちょっとした気配りで事故の大部分は防げるということを積極的に保護者などにPRしていきたいというふうに思っております。このコーナーでは、御提案のありました子どものヘルメットにつきましても見本を展示する方向で検討していきたいと思っております。
 区長からもお答えいたしましたけれども、国の児童手当や乳幼児医療費助成制度の見直しに伴います子ども医療助成制度の考え方でございますが、今年10月から子ども医療費制度の助成制度を始めております。今後こうした制度が利用しやすい制度となりますよう周知に努めていくとともに、保護者や子どもの置かれた状況等を勘案して、効果的な支援のあり方を検討してまいりたいというふうに思っております。
    〔都市整備部長石井正行登壇〕
都市整備部長(石井正行) 南中野における安全対策につきまして御質問いただきました。
 まず初めに、東大附属西側道路の整備状況でございます。今年度は道路の拡幅を行い、電線共同溝本体、この整備を行っているというところでございます。また、来年度には共同溝内への電線類の通線作業を行います。さらに、19年度は電柱の撤去を行った後、歩道及び車道の舗装整備を行い、同年度内に供用開始する予定というところでございます。
 また、新橋・柳通りの安全対策でございます。段差解消、それから無電柱化など区道のバリアフリー化、これの推進によって安全で人にやさしい道路を整備するということにつきましては、区政の目標というところでございます。無電柱化の推進につきましては、必要度の高いものを優先整備路線として現在取り組んでおります。先ほどの東大附属西側道路のほか、もみじ山通りなど都市計画路線を中心に、優先整備をしていこうという方針を固めているというところでございまして、この新橋・柳通りにつきましても、バリアフリー化の視点から今後検討してまいりたいというふうに考えてございます。
 次に、その柳通りの放置自転車等によって安全が脅かされているといいますか、通りにくい状況になっているということでございます。新橋・柳通りの放置自転車でございますが、中野新橋駅に近い区域につきましては本年10月1日から放置規制区域に指定いたしまして、即時撤去をしているという状況でございます。また、この規制区域外の区域におきましても、現場調査の上、放置状況が危険な場合につきましては撤去等、適切な対応をしてまいりたいと考えてございます。
 また、バイク等についても警察への対応を要請しながら安全確保を図ってまいりたいと考えてございます。
 次に、広域避難場所の安全対策ということでございまして、まず方南通りの歩道上の樹木の剪定でございます。これにつきましては、できるだけ早く行うよう都に申し入れをしてまいりたいと考えてございます。
 それから、コンクリート塀の倒壊の危険があるという場所でございますが、そういった箇所につきましては、早期に改善するよう東大側に要請をしてまいります。
 なお、このコンクリート塀のある東大敷地東側でございますが、幅員が3.6メートルの道路というところでございます。また、南側の幅員5.5メートルの道路でございますが、この道路につきましては南台一、二丁目の地区計画で、将来6メートルの拡幅道路として位置付けられてございます。
 また、御指摘の南東の角地、隅切りの件でございますが、ここも底辺2メートルの隅切りが計画をされているというところでございまして、今後この地区計画で定めております両区画道路の拡幅とともに、生け垣化または透視可能なネットフェンスといったものの設置や先ほどの隅切り設置の早期実現に向け、東大側と協議を進めてまいりたいと考えてございます。
 それから、東京メトロの車庫を活用して治水対策への備えというところでの御質問がございました。
 現在、環七地下調節池、御案内のように維持管理用の附帯工事を残しまして2期工事が完成しており、合計54万トンの貯留が可能となっているところでございます。区といたしましては、さらに環七地下調節池の延伸について要望しているところでございますけれども、御提案の東京メトロ車庫の地上及び地下の利用にかかります可能性につきましても、東京都や東京メトロに打診をしてみたいと考えております。
  〔教育委員会事務局次長金野晃登壇〕
○教育委員会事務局次長(金野晃) 文化・スポーツ施設の指定管理者制度への移行についての御質問にお答えいたします。
 文化・スポーツ施設への指定管理者の移行について、これまでどおり事業ができるのかというようなことでございますが、文化・スポーツ振興公社が実施してきた文化芸術事業につきましては、そのほとんどが継続的に実施できる、あるいは拡張できるというふうに考えております。それぞれの実施のやり方としては、民間の創意工夫が生かされるような指定管理者の実施事業として実施をする。また、区が委託する事業として実施するというような区分で行っていきたいと考えております。
 また、利用者負担につきましても、先ほど御答弁申し上げましたが、来年度指定管理者への移行に伴っての負担増は見込んでいないところでございます。文化芸術活動を行っている区民の皆さんに活動上の支障がないように準備を進めていきたいと考えております。
 次に、公社職員の雇用の確保についてのお尋ねでございます。
 これまでやってきたことということでございますが、指定管理者候補者の公募に当たりまして、公社職員のうち、雇用を希望する者については採用選考を行うということを応募の条件に付したところでございます。現在、そうした条件をもとに候補者を選定してございますので、指定管理者候補となった事業者が現在公社職員の希望者に面接を行っているという状況でございます。今後も雇用の確保ができるよう、努力を重ねていきたいと思います。
     〔やながわ妙子議員登壇〕
15番(やながわ妙子) 時間もありませんので、1点だけ。
 発達障害児の支援についてなんですが、教育委員会の御答弁をいただきました。今、教育長は専門の方々が学校を巡回して指導し、心の教室相談員、あるいはスクールカウンセラーの方々を指導してというふうに言っていますけれども、現場はそういう状況ではないという現実も実はあるのです。いろいろな相談を受けていますけれども、中野区の学校にいられなくて他区へ越して行った生徒さんもいらっしゃるという、そういう現実があります。学校現場では、本当にそういう発達障害のお子さんの対応をし切れないというかわからない、担任が困惑してしまってどうしようもなくなったという話も聞いているので、発達障害児の支援に対してさまざま私たちも提案してきましたけれども、本当に現場はそういった現実もあるので、教育長が言ったようにいつからそういう指導をきちんと開始するのか。現在やっているというけれども、機能が果たせていないわけであって、そういうものに対してもっとより具体的な。あるいは、担任の先生たちが困惑すると親御さんが慌てふためいてしまって、今度は我が子がけがをさせるのではないかとか、いろいろな悪影響が出ているわけです。机上の計画だけでは済まされないのがこの問題の大きな特質でもありますので、そういった点、具体的にどのようにするのか。ちょっとお聞かせいただきたいなと思います。
     〔教育長沼口昌弘登壇〕
○教育長(沼口昌弘) 学校の現場では大変いろいろな苦労があるというのは、我々も学校を視察しますから、そういう学校があるということも承知しています。ただ、やはり基本は学校の先生が慌てふためかないように研修をきちんとして、対応が十分できるようにすることがまず基本です。現在はそういうことがなかなかできていないということもありますので、そういうことを補完する意味で、先ほど言った専門家の派遣というのはカウンセラーや相談員の支援をするのではなくて、学校の先生を直接支援するような派遣制度を今考えているということでございます。
○副議長(江口済三郎) 以上でやながわ妙子議員の質問は終わります。
 お諮りいたします。
 議事の都合により本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、これに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(江口済三郎) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
 次の会議は、11月28日午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。
 本日はこれをもって延会いたします。
午後5時18分延会