平成17年9月29日決算特別委員会(第3日)
1.平成17年(2005年)9月29日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。
1.出席委員(42名)
1番 いでい 良 輔 2番 伊 東 しんじ
3番 佐 野 れいじ 4番 北 原 奉 昭
5番 久 保 り か 6番 酒 井 たくや
7番 奥 田 けんじ 8番 近 藤 さえ子
9番 小 堤 勇 10番 大 内 しんご
11番 伊 藤 正 信 12番 きたごう 秀 文
13番 吉 原 宏 14番 高 橋 ちあき
15番 やながわ 妙 子 16番 平 島 好 人
17番 むとう 有 子 18番 はっとり 幸 子
19番 長 沢 和 彦 20番 か せ 次 郎
21番 山 崎 芳 夫 22番 小 串 まさのり
23番 若 林 ふくぞう 24番 市 川 みのる
25番 岡 本 いさお 26番 こしみず 敏 明
27番 飯 島 きんいち 28番 佐 伯 利 昭
29番 佐 藤 ひろこ 30番 来 住 和 行
31番 岩 永 しほ子 32番 篠 国 昭
33番 柿 沼 秀 光 34番 伊 藤 岩 男
35番 斉 藤 金 造 36番 大 泉 正 勝
37番 斉 藤 高 輝 38番 江 口 済三郎
39番 藤 本 やすたみ 40番 昆 まさ子
41番 江 田 とおる 42番 池 田 一 雄
1.欠席委員(0名)
1.出席説明員
中野区長 田中 大輔
助役 内田 司郎
収入役 山岸 隆一
教育長 沼口 昌弘
区長室長 寺部 守芳
経営改革担当課長鈴木 由美子
政策計画担当課長川崎 亨
政策担当課長 政策計画担当課長兼務
計画担当課長 奈良 浩二
まちづくり総合調整担当部長 石橋 隆
まちづくり総合調整担当参事 まちづくり総合調整担当部長兼務
まちづくり総合調整担当課長 警察大学校跡地整備担当課長兼務
総務部長 石神 正義
総務担当参事 橋本 美文
広聴広報担当課長鈴木 郁也
平和人権担当課長広聴広報担当課長兼務
平和担当課長 広聴広報担当課長兼務
人権担当課長 広聴広報担当課長兼務
財務担当課長 篠原 文彦
営繕担当課長 秋元 順一
人事担当課長 長田 久雄
情報化推進担当課長 白土 純
防災担当課長 斎木 正雄
危機管理担当課長防災担当課長兼務
税務担当課長 遠藤 由紀夫
未収金対策担当課長 総務部長兼務
区民生活部長 本橋 一夫
区民生活部経営担当課長 登 弘毅
地域活動担当課長区民生活部経営担当課長兼務
南中野地域センター所長 角 秀行
弥生地域センター所長 南中野地域センター所長兼務
東部地域センター所長 柿内 良之
鍋横地域センター所長 南中野地域センター所長兼務
桃園地域センター所長 東部地域センター所長兼務
昭和地域センター所長 蛭間 浩之
東中野地域センター所長 昭和地域センター所長兼務
上高田地域センター所長 昭和地域センター所長兼務
新井地域センター所長 東部地域センター所長兼務
江古田地域センター所長 安部 秀康
沼袋地域センター所長 江古田地域センター所長兼務
野方地域センター所長 江古田地域センター所長兼務
大和地域センター所長 大橋 雄治
鷺宮地域センター所長 大和地域センター所長兼務
上鷺宮地域センター所長 大和地域センター所長兼務
戸籍住民担当課長榎本 良男
産業振興担当課長鳥井 文哉
環境と暮らし担当課長 納谷 光和
ごみ減量・清掃事業担当参事 西條 十喜和
ごみ減量担当参事ごみ減量・清掃事業担当参事兼務
清掃事務所長 遠山 幸雄
子ども家庭部長 田辺 裕子
子ども家庭部経営担当課長 合川 昭
子育て支援担当課長 馬神 祥子
子ども健康担当課長 大久保 仁恵
中部保健福祉センター所長 瀬田 敏幸
北部保健福祉センター所長 中部保健福祉センター所長兼務
南部保健福祉センター所長 深山 紀子
鷺宮保健福祉センター所長 嶋﨑 江美
保育サービス担当課長 竹内 沖司
子ども育成担当課長 小平 基晴
男女平等担当課長子ども家庭部経営担当課長兼務
保健福祉部長 菅野 泰一
保健所長 清水 裕幸
保健福祉部経営担当課長 寺嶋 誠一郎
保健予防担当参事深澤 啓治
結核予防担当参事保健予防担当参事兼務
生活衛生担当課長飯塚 太郎
健康づくり担当課長 今 恵里
保健福祉担当課長保健福祉部経営担当課長兼務
高齢福祉担当課長冨永 清
障害福祉担当課長田中 政之
生活援護担当課長浅野 昭
保険医療担当参事奥山 功
介護保険担当課長藤井 康弘
都市整備部長 石井 正行
都市整備部経営担当参事 服部 敏信
都市計画担当参事都市整備部経営担当参事兼務
土木担当課長 尾﨑 孝
公園緑地担当課長野村 建樹
建築担当参事 佐藤 幸一
住宅担当参事 岩井 克英
地域まちづくり担当参事 住宅担当参事兼務
地域まちづくり推進担当参事 住宅担当参事兼務
中野駅周辺整備担当参事 まちづくり総合調整担当部長兼務
警察大学校等跡地整備担当課長 豊川 士朗
中野駅南口周辺整備担当課長 上村 晃一
西武新宿線沿線まちづくり担当課長 中野駅南口周辺整備担当課長兼務
副収入役 村田 宏
教育委員会事務局次長 金野 晃
教育経営担当参事村木 誠
教育改革担当課長小谷松 弘市
学校教育担当課長相澤 明郎
指導室長 小林 福太郎
生涯学習担当参事大沼 弘
生涯学習推進担当参事 生涯学習担当参事兼務
中央図書館長 細木 博雄
選挙管理委員会事務局長 柳澤 一平
監査事務局長 石﨑 新一
1.本会の書記は下記のとおりである。
事務局長 山下 清超
事務局次長 高橋 信一
議事調査担当係長 大谷 良二
書 記 黒田 佳代子
書 記 永田 純一
書 記 荒井 勉
書 記 岩浅 英樹
書 記 菅野 多身子
書 記 廣地 毅
書 記 西田 健
書 記 鳥居 誠
書 記 杉本 兼太郎
書 記 松本 桂治
書 記 吉田 哲郎
午前10時00分開議
○伊藤(正)委員長 定足数に達しましたので、ただいまから決算特別委員会を開会いたします。
認定第1号から認定第5号までの計5件を一括して議題に供します。
それでは、本日の委員会運営を確認いたします。
既に9月27日の理事会で協議し、全体会で確認いただいておりますが、念のため、改めて確認をさせていただきます。
本日は、統括質疑の1日目となります。1番目に篠国昭委員、2番目に来住和行委員、3番目にこしみず敏明委員の順序で3名の質疑を行います。
また、委員会の開会及び再開、休憩、終了目途等については、既に御確認いただいておりますとおりですので、よろしくお願いいたします。
本日の運営は、以上のとおりであります。
なお、お手元に総括質疑一覧を配付してございますので、参考にしていただきたいと思います。
次に、要求資料の配付について申し上げます。
9月27日の委員会で要求した資料については、お手元に配付のとおり、要求した242件のうち239件の資料が提出されておりますので御確認ください。
資料作成に当たられた職員の皆さん、ありがとうございました。
残りの資料につきましては、理事者も鋭意作成に努力しておりますので、御了承いただきたいと思います。
それでは、ただいまから総括質疑を行いますが、理事者にお願いがあります。答弁される理事者におかれましては、委員長席から職名が判別できない場合がありますので、答弁前に大きな声で職名を述べていただくようお願いいたします。また、答弁はマイクに向かい、はっきりとお答えいただくようお願いいたします。
平成17年(2005年)9月29日
決算特別委員会
総 括 質 疑 一 覧
順 |
氏名・会派等 |
質 疑 項 目 |
1 |
篠 国昭
(自・民) |
1 財調制度から見た学校再編について
2 教育委員会の姿勢について
(1)
教科書選定について
(2) 性教育について
(3) 教育ビジョンと男女共同参画基本計画について
(4) その他
3 建築に関する中野区の取り組みについて
4 その他 |
2 |
来住 和行
(共 産) |
1 区長の政治姿勢と2004年度決算について
(1) 水害対策について
(2) 2004年度決算について
(3) 憲法9条2項改憲発言について
2 建築行政について
(1) 建築確認処分の違法決定について
(2) 中野区共同住宅等建築指導要綱を条例化することについて
3 中小企業振興基本条例を策定することについて
4 文化・芸術振興を推進することについて
5 その他 |
3
|
こしみず 敏明
(公 明)
|
1 水害対策について
2 アスベスト対策について
3 耐震診断、耐震補強改修工事の推進について
4 「おやすみどころ」の設置と歩いて暮らせるまちづくりについて
|
4
|
平島 好人
(民主ク)
|
1 防災対策について
(1) 異常気象について
(2) 水害対策・対応について
(3) 他自治体との協力体制について
(4) 「災害救助法の適用」について
(5) 護岸調査について
(6) その他
2 アスベスト対策について
3 「新しい中野をつくる10か年計画」について
4 その他
(1)
ヒートアイランド対策について
(2) 公共施設の緊急時対応について
(3) 特色ある中野について
(4) 自動二輪車対策について
(5)その他
|
5
|
むとう 有子
(無所属)
|
1 認知症高齢者グループホームについて
2 障がい学級の充実について
3 学校評議員の課題について
4 旧上野原スポーツ学習施設用地について
5 環境調査の活用について
6 その他
|
6
|
はっとり 幸子
(市 民)
|
1 水害対策について
2 2004年度決算と行政評価について
3 区民満足度の向上について
4 公共・公益サービスの担い手支援について
(1)
補助金のあり方について
(2) NPO活動センター開設について
(3) その他
5 男女平等推進の取り組みについて
6 その他
|
7
|
佐野 れいじ
(自・民)
|
1 中野区の財政について
(1) 実質収支比率
(2) 経常収支比率
(3) 公債費比率
(4) 人件費比率
2 中野区の人件費・超過勤務・成果と評価制度について
3 中野区職員のモチベーションについて
(1)
管理職選考受験
(2) 職員の世代間構成
(3) おもてなし運動
4 中野区の未収金について
(1) 区民税
(2) 健康保険
5 中野区民の情報の格差是正(CTN)について
(1)2011年のデジタル化に向けて
6 その他
|
8
|
岩永 しほ子
(共 産)
|
1 水害対策について
2 新しい中野をつくる10か年計画素案について
(1)
地域センターについて
(2) 児童館、学童クラブについて
(3) 保育園の運営について
(4) 小中学校再編について
(5) その他
3 保健福祉事業について
(1) 成年後見制度について
(2) 地域包括支援センターについて
4 図書館行政の充実について
(1)
区立図書館について
(2) 学校図書館について
5 山手通り問題について
6 その他
|
9
|
大泉 正勝
(公 明)
|
1 新しい中野をつくる10か年計画について
2 安心・安全対策について
3 その他
|
10
|
近藤 さえ子
(無所属)
|
1 中野区学力にかかわる調査の有効活用について
2 公共スペースの有効利用について
3 その他
|
11
|
吉原 宏
(自・民)
|
1 天皇、皇后両陛下の行幸啓について
2 教科書の採択について
3 神田川の水害について
4 その他
|
12
|
飯島 きんいち
(公 明)
|
1 安全・安心のまちづくりについて
(1) 地震対策の危機管理の視点からの諸問題
(2) 水害対策の危機管理の視点からの諸問題
(3) 中野坂上西口問題
(4) 2つの地域安全マップについて
2 政策立案能力にかかわる調査の活用について
(1)
道づくりについて
(2) 中野駅周辺のまちづくり関係調査について
(3) 産業活性化の政策立案について
(4) その他
3 事業部ごとの決算について
(1) 流用について
(2) 行政評価について
4 その他
|
13 |
きたごう 秀文
(自・民) |
1 事業部制について
2 新しい中野をつくる10か年計画について
3 災害対策について
(1)
災害時の備蓄食料品について
(2) 自家発電機の設置について
4 区内小・中学校耐震化対策について
5 教育問題について
(1)
中・高生の喫煙防止について
(2) 体育指導資料集について
(3) 区内中学生による学校評価について
(4) 小学生の校内暴力について
6 (仮)南部区民ホールについて
7 南台1・2丁目防災まちづくりについて
8 その他 |
14 |
大内 しんご
(自・民) |
1 早期実現すべき野方駅北口開設とエレベーター設置について
2 町会、自治会に対する今後の支援内容について
3 水害を被った教育施設の復旧について
4 新しい中野をつくる10か年計画における地域センターの位置づけについて
5 小・中学校の統合に向けた校名の変更等さまざまな手続について
6 スピード感のある改革について
7 その他 |
15 |
山崎 芳夫
(自・民) |
1 決算分析から見た区財政について
(1) 一般財源の推移
(2) 実質収支及び実質収支比率の推移と外的要因
(3) 特別区債の発行と償還の推移
(4) 土地開発公社経営健全化計画
(5) 各種基金の推移
2 外からの改革と区財政への影きょうについて
(1)
三位一体の改革
(2) 都区財政調整制度の改革
3 真の自立した自治体としての行財政運営について
4 その他 |
○伊藤(正)委員長 それでは、質疑に入ります。
篠国昭委員、お願いいたします。
○篠委員 自由民主党・民社クラブの一員として、トップバッターとして出させていただきます。通告に従いまして進めてまいりたいと思います。
まず、財調制度から見た学校再編という問題から入らせていただきます。
都区財政調整制度から見た学校再編、特に学校施設の改築等については、今後の区の財政運営にとって極めて重要な要因が含まれておるわけでございまして、示唆に富む課題であると理解しております。あわせて、事業部制のもとでの運営になるわけですので、歳出だけでなく、各部がみずから歳入、すなわち財源確保について、大まかでもいいから考え方や方策を持つべきだとも考えております。こうした視点に立って質問してまいりたいと思いますが、財政制度から見たということで、可能な限り事業部でお答えくださいと申し上げてもなかなか難しいとは思いますが、教育委員会事務局の答弁を大いに期待したいとは思っております。
最初に、都区財政調整制度上、小・中学校の改築、大規模改修に係る基準財政需要額はどのような算定がされているのか。これまでの経過や考え方の動き、変化を含めて、できるだけ詳しく御説明願いたいと思います。
○篠原財務担当課長 お答えいたします。財政調整制度上の投資的な経費ということで位置付けられております義務教育施設にかかわります大規模改修でございますが、昭和60年度に、1件算定から単位費用、このような算定に変更をされてございます。また、昭和61年度から62年度にかけましては、改築経費、これが単位費用化をされたということで、投資的経費の算定方法の改定に伴いまして、学級数を廃止いたしまして、学校数の方に統合されたということで現在に至っております。
それから、この単位費用でございますが、基準財政需要額の算定に用います基本的な要素の一つでございます。標準区、これは人口が35万人程度というふうになってございますが、標準的な規模の施設におきます合理的かつ妥当な水準の各種行事のために、一般財源がどのぐらい必要か推測をしてございます。そして、それを単位費用で除して求めた1単位当たりの費用でありまして、教育費の策定単位につきましては、主に児童・生徒数、それから学級数、学校数がございます。
また、都区財政調整制度の特色の一つといたしまして、昭和49年度までは、こうした投資的経費の算定に1件算定方式を採用しておりました。これは、都区間で協議、算定した行政施設の建設計画、これに基づきまして、都知事が各区の建設事業計画を1件ごとに審査を決定する。そして、それを基準財政需要額に算入する方式で区間の施設の解消格差、これを着目したものでございました。
一方、財政調整制度でございますが、各団体の一般財源の保障が目的でございまして、そのあり方といたしましては、単位費用の方がより客観的には望ましいというような区側の強い要望がございまして、都区協議の結果、昭和50年度から原則的に1件算定を廃止されまして、現在に至っているという経緯でございます。
○篠委員 義務教育施設に係る単位費用算定の概要についてお聞かせいただきたいと思います。
○篠原財務担当課長 単位費用の算定の概要でございますが、小・中学校ともに測定単位、これは学校数によって義務教育施設の大規模改修、それから改築に要する経費、これを算定をしてございます。
なお、標準区の財政規模は、小学校が34校、それから中学校が18校、そのような状況でございます。
○篠委員 その算定方法を中野区に当てはめた場合、態容補正としてどのような内容及び算定額になるんでしょうか。
○篠原財務担当課長 態容補正と、それから内容、算定額でございますが、測定単位としての学校数に平成17年度の学校基本調査によります学級数、これを補正係数といたしました態容補正後の数値でございますが、小学校は18学級で40人というような算定をいたします。したがって、中野の場合ですが、小学校29校が16校に算定されます。また、中学校につきましては15学級で40人という基準がございますので、中学校が14校が7校というような算定となってしまいます。
平成17年度の算定におきましては、東京都に提出いたしました平成17年度の都区財政調整算定資料によれば、小・中学校合わせて約9億6,000万円というような額になってございます。
○篠委員 わかりました。財調上の耐用年数は何年ということになっているんでございますか。
○篠原財務担当課長 校舎などの耐用年数は約50年というふうに見てございます。
○村木教育経営担当参事 学校再編の立場から、ただいまの耐用年数につきまして補足をさせていただきます。
小・中学校再編計画案におきます校舎等施設の状況という項がございます。この中でも、文部科学省が定めます改築経費の補助基準、これをもとにいたしまして、校舎の主要部分がおおむね50年を経過したとき、その学校の改築期を迎える、このようにしてございます。小・中学校43校のうち、現在のままの学校数で推移した場合、平成19年の桃丘小学校、そして東中野小学校の2校から、その後の10年間で16校がこの改築期を迎えます。また、今後20年間では、全体で35校が50年を経過するということを明らかにしておりまして、大きな課題である、このように認識をしてございます。
○篠委員 中野区の算定額、実際に校舎、体育館、プール、これを最近の実績ではセットして改築経費に当てはめた場合、どのような課題が見えてくると思われるでしょうか。
○村木教育経営担当参事 最近の算定額につきましては、先ほど財務担当課長がお答えをいたしましたとおり、17年度については9億6,000万円余ということでしたが、おおむね9億円台、これで推移をしてございます。
一方、財調の主要5課題の協議の中で、特別区側が提示をしております改築等の経費は、1校当たり、校舎、体育館、プールのセットで30億円としてございまして、また、最近の他の自治体の実績からも、30数億円が投じられているということでございます。現実に、この校舎、体育館及びプールの改築に30億円以上必要とすれば、この経費をいかに担保するか、これが大きな課題であるというふうに認識をしてございます。
○篠委員 ここで少し視点を変えまして、義務教育施設整備基金の現在高は幾らになるということですか。
○篠原財務担当課長 義務教育基金の現在高でございますが、16年度末で5億9,500万円となってございます。
○篠委員 義務教育施設整備基金の設置時期、目的、基金積み立ての基本的な考え方というのはどういうものになっていますか。
○篠原財務担当課長 基金の設置時期と、それから、基金の基本的な考え方でございますが、義務教育基金の設置につきましては平成元年でございます。特別区財政調整制度上、当時教育施設の改築経費が1件算定から単位費用にされたことに伴いまして、財調算定額の基本に将来の改築事業、こういったことに備えまして義務教育基金を設置いたしまして、所要額を計画的に積み立てていくというふうにしたものでございます。
○篠委員 この基金の積み立てと取り崩しの経過をお聞かせいただきたいと思います。
○村木教育経営担当参事 基金の設置及び運用につきましては、基本的には財務担当の所管でございますけれども、このことを踏まえました上で、学校施設への基金の活用の経過について御説明をさせていただきます。
義務教育施設整備基金を設置をいたしました平成元年度から4年度末には、積立額が30億円台の前半ということになってございましたけれども、平成7年度に谷戸小学校の校舎及び体育館、プール、これの建設に11億円ほど、それから、8年度には丸山小学校、第十一中学校の肢体不自由学級整備に6億4,000万円程度取り崩しをいたしまして、教育委員会といたしましては、この基金をそういう意味で活用させていただいたということでございます。
以後、小・中学校の耐震補強工事などに活用してございますけれども、基金の取り崩しの方が中心となっておりまして、平成11年度末以降は財務担当課長が御説明をいたしましたとおり5億9,000万円台に推移をしている、このようになってございます。
○篠委員 積立額の根拠は何であったのでしょうか。
○篠原財務担当課長 当初は、財調算定額を基本に考えていたと理解をしてございます。
○篠委員 義務教育施設整備基金設立当時の考え方にのっとって計画的に積み立てを行ってきていれば、今日のような基金残高5億9,000万円というような結果にはなっていなかったはずでございますので、このような誤った基金政策、財政運営に陥らないよう早急な基金運営計画の策定が不可欠と考えておりますが、いかがですか。
あわせまして、今年度の基金積み立てはどのように考えていらっしゃるかお聞かせいただきたいと思います。
○篠原財務担当課長 具体的な改築、それから、大規模改修計画に基づきまして、所要額を計画的に積み立てていきたいというふうには考えてございます。
なお、今年度、義務教育施設整備基金の積み立てにつきましては、現段階では当初予算でお示ししてありました1億円でございまして、今後、改築事業、そういったものを見まして、計画的に基金の積み立て計画を立てていきたいというふうに考えてございます。
○篠委員 今後、多額の財源を要する学校再編にあわせて、基金の積み立て計画を策定する必要があると考えますが、この具体的な期間、内容についてお聞かせいただきたいと思います。
○村木教育経営担当参事 学校再編計画案では、中後期の再編時期等を定めてございませんので、再編時期等を定めたものに限らせて御答弁をさせていただきますが、改築2校、増築1校、改修5校、合わせておおむね100億円程度が必要になる、このように想定をしてございます。所要経費のすべてを基金ということではなく、同時に義務教育施設整備にかかわります起債計画なども策定し、これらを踏まえた基金の積み立て計画が必要である。私どもといたしましては、そのように考えてございます。
○篠委員 改築2校の中身は……。
○村木教育経営担当参事 統合新校といたしましての野方小学校と中央中学校でございます。
○篠委員 増築1校につきましては……。
○村木教育経営担当参事 丸山小学校を予定してございます。
○篠委員 改修5校はどの学校でございますか。
○村木教育経営担当参事 桃園第三小学校、それから丸山小学校、これは増築部分以外のところでございます。それから、中野昭和小学校、第一中、第十一中の5校でございます。
○篠委員 内訳にも触れて検討しないといけないんですが、九中と中央中で新しい用地にという流れを漏れ伺っているわけですが、この費用は一切入っていないんですね。
○村木教育経営担当参事 先ほど申し上げました100億円程度という中には入ってはございません。
○篠委員 中央中は、先ほど改築の中の2校で60億円ですから、30億円でしょうか。九中と中央中が一つになるという流れになったとき、我々の考えでは、中央中が新しい場所にという形になる。両方一緒になるわけですから、どこがということは言えないんですが、中央中が改築の2校の中に入って30億円つぎ込んで、そうすると、場所が特定されちゃうということですか。
○金野教育委員会事務局次長 九中と中央中学校の統合新校につきまして、警察大学校等跡地周辺で新しい学校をつくるということで想定しております。この新校の位置につきましては、警察大学校等跡地整備との関係で、まだ確定しておりません。
○篠委員 ですけれども、改築費用に30億円つぎ込んでやったわけですから、そこからうんと離れるということは想定しづらいというふうに思ってよろしいわけですね。
○金野教育委員会事務局次長 警察大学校等跡地周辺を想定しておりますので、現在の中央中学校の位置になるかどうかを含めて未確定でございますが、比較的中央中学校あるいはその近い位置にできるというように想定しております。
○篠委員 将来の学校改築及び大規模改修に当たって、過去の基金、現在の税金、これから将来に向かっての起債の区民負担の考え方は整理していらっしゃいますか。
○篠原財務担当課長 学校施設の改築、大規模改修につきましては、一度に多額の経費を必要とするということから、義務教育基金の取り崩しと起債、これをバランスよく導入をいたしまして、一般財源が安定的に推移できるようにしていきたいというふうに考えてございます。
○篠委員 基金が5億円台になっているわけですので、今お聞かせいただいた数字だけでも100億円というような金額が出てきているわけですが、これはとても耐えられる数字には思えないんですが、その辺は心配していらっしゃらないということでよろしいですね。
○篠原財務担当課長 今後、10か年のフレームの中で明らかにいたしますが、学校を第一優先とした基金の積み立て計画、こういったことで今作業を進めてございます。
○篠委員 10か年というお言葉が出てきたわけですが、10か年計画に伴う財政運営計画の中で、どのように位置付けられているかということについて、再度お聞かせください。
○篠原財務担当課長 学校改築につきましては、他の施設の関係がございまして、最優先に行う必要があるというふうに考えてございます。
また、小規模学校を早期に改修するということからも、早急に基金の積み立て計画、これをはっきり明らかに示していきたいというふうに考えてございます。
○篠委員 ところで、財調主要5課題の一つに、小・中学校改築経費の課題があるわけでございますが、改めて簡潔に御紹介いただきたいと思います。
○篠原財務担当課長 校舎などの耐用年数が50年と言われておりまして、今後20年間、これは平成18年度から37年度でございますが、改築時期を迎える小・中学校につきましては、特別区全体で900校あるというふうに言われております。これをすべて改築するに当たりましては、1校当たり、先ほど来出ております30億円、こういう計算をいたしますと、年間平均で1,125億円程度かかるということに対しまして、現在都が措置しております金額は280億円ということになっておりまして、大きな乖離がございます。
こういった改築急増時期、これに対する財源措置が必要であるというような特別区の方で主張をしているわけですが、東京都は、現行の需要算定額で充足をしているというふうな主張をしてございまして、この辺が大きな主張の違いになっているということでございます。
○篠委員 現行算定額の年平均280億円と、特別区からの主張1,125億円という乖離は余りにも大きいわけですが、何が影響しているとお考えですか。
○篠原財務担当課長 財調の現行算定上、工事費、それから起債償還経費など、実際よりもかなり極端に低く抑えられておりまして、それがこの算定の中の大きな影響を示しているというふうに考えてございます。
○篠委員 平成18年度から37年度というお話で、20年間に改築のピークを迎え、23区で900校に及ぶ改築需要が見込まれるということでございますが、これを中野区に当てはめた場合の所要経費の想定は立てていらっしゃるんでしょうか。
○篠原財務担当課長 中野区の所要経費でございますが、中野区での改築数につきましては、今現在まだ明らかになってございませんが、他区の状況では、1校当たり30億円を超える学校も出てきております。仮に10校改築すれば、300億円程度になるというふうに試算をしてございまして、先ほど教育経営担当参事がお話ししたように、30数校ということになれば、1,000億円程度必要になるというふうに考えてございます。
○篠委員 前期5年間で最低100億円程度が必要という目安なんだと思うんですが、平成22年から平成31年にかけての中・後期、これについては、前期を乗り切った後でないとなかなか思い切った取り組みはできないことは推察されますが、財源を含めた情報、あるいは区の決意といったものを地域にしっかりとおろしていきませんと、立てた計画の流れが完全にストップする可能性もあるんではないかと危惧するんです。この中・後期については、5年先というのがなかなか見通しを立てづらい現在なんですが、見直しも含めての取り組みになっているんでしょうか。
○小谷松教育改革担当課長 中・後期の計画でございます。これにつきましては、先ほども教育経営担当参事の方からお話がありましたとおり、現在、統合の組み合わせのみを明らかにすることにとどめてございまして、統合の時期、あるいは統合新校の位置などの具体的な内容につきましては、改めて計画を改定する中でお示しをするということとしてございます。これは、平成20年度にその改定の計画を見込んでいるわけでございます。
この改定作業に際しましては、その時点での人口推計、それとともに、裏付けとなります財源なども加味しながら検討してまいりたい、そのように考えているところでございます。
○篠委員 都区協議の行方が非常に厳しいものがあると思うわけですが、調整税の配分割合、52%対48%が変更になるようであれば、その配分割合のもととなる小・中学校改築費用に見合った額を基金に積み立てるのが当然と考えますが、いかがでございましょうか。
○篠原財務担当課長 小・中学校の改築費用に見合った額を基金に積み立てるのは当然というふうな御指摘でございますが、この財政調整交付金につきましては、23区間の財源の均衡を図るために各区に交付されている交付金でございまして、特定の目的のために交付されるものではなくて、一般財源として交付されているものでございます。このことから、基準財政需要額の増額を義務教育基金の方に積み立てるということについては、そのようにしなければならないというふうには考えてございません。今後、中野区としての改築計画、これに基づきまして、改築するための経費については、起債とのバランスを考えながら所要経費を積み立てていきたいというふうに考えてございます。
○篠委員 一般財源としての財調交付金の計算式、算出した需要額であるわけですよね。これをもって同額を積み立てるという考え方は、財調制度上なじまないという主張は、都区検討会において特別区側が280億円が措置されているという見解を示しているところから考えて、この問題に限って言えば当てはまらないと思うんですが、いかがですか。
○篠原財務担当課長 先ほども申し上げましたとおり、財調の交付につきましては、特定の目的のために交付される財源ではございません。一般財源として交付されるものでございますので、都側のそういった見解には異論があるところでございます。
○篠委員 財調協議については厳しい環境の中にあることは承知しておりますが、少なくとも現行制度上算定されている9億円程度については、平成18年度から基金に積み立てる必要があると考えますが、いかがでしょうか。
○篠原財務担当課長 財調の需要額を増額を積み立てるということではなくて、改築計画に基づいた必要な額を計画的に積み立てていきたいというふうに考えてございます。
○篠委員 いずれにしても、学校再編計画を円滑に実行するためにも、財源確保は最重要課題であるわけで、その実現のための具体的な取り組みと計画をお示しいただきたいと思っております。いかがですか。
○篠原財務担当課長 委員御指摘のとおり、大変重要な課題だと私どもも認識をしてございます。先ほども申し上げましたが、今後示す予定の10か年のフレーム、この中で基金の積み立てや起債の計画、こういったものをお示ししてまいりたいというふうに考えてございます。
○篠委員 小・中学校の改築に関する財調協議等の問題を整理しつつ、最後に、主要5課題の解決には実務者レベルの検討、協議では抜本的な解決は困難であるように見えてなりません。区長会みずからが都知事との間で課題解決に向けた対応協議を早急かつ精力的に進めるという必要があると思いますが、いかがでしょうか。
○篠原財務担当課長 現在、役員助役が委員となっております都区財政協議、こちらで今提案事項の整理をしてございます。その内容がおおむね10月中には取りまとめられて、11月には出されるということになってございます。その内容もよく吟味しなければならないと思いますが、そうは言っても、都と区の間の見解の相違はかなり開きがございます。ですから、今後とも区議会の皆様方の協力もいただきながら、区長会、議長会、双方連携をいたしまして、解決に向けた努力が必要だというふうに考えてございます。
○篠委員 関連で、最後に、中野は学校再編のほかに、周辺まちづくりの案をとって、計画をこの3月に出したわけですので、10年後、20年後の姿という表もいただいたんですが、まちづくり基金ということについては一切御見解を示されていないように思われるんですが、それに触れてコメントいただければありがたいと思います。
○篠原財務担当課長 まちづくり基金につきましても、当然これから大規模な計画がスタートするわけでございますので、10か年のフレームの中で、何らかの形でお示しをしていかなければならないというふうに考えてございます。
○篠委員 次に、教育委員会の姿勢についてお話しいたしますが、お手元に教科書選定について、性教育について、教育ビジョンと男女共同参画基本計画について、その他という項目を挙げさせていただきますが、(1)番、(2)番、(3)番というような流れの中で質問させていただけない形になるとは思っておりますので、その辺の対応をよろしくお願いいたします。
自民党の中に、過激な性教育・ジェンダーフリー教育実態調査プロジェクトチームというのを立ち上げたわけですが、安倍晋三さんをトップに事務局長が山谷えりこさんという形で、精力的な対応をさせていただいているようでございます。今回事務局に全国から3,500集まった実例を前に、テレビでも一部公開されましたが、なかなか地域の承認を得られるような代物にはなっていない。何が原因しているかというかなり激しい動きをつくっているわけです。
そうしまして、男女共同参画行動計画、これの方がちょうど平成16年度で前期が終わったわけで、後期が内閣府の方で中間のまとめを出しているところです。こういった事例、研究会等を通して、その中間報告に対してかなり厳しい注文を出しております。そういった視点から、余りにもわかりやすいので、びっくりするほどわかりやすいのでございますが、3,500集まった事例をすべて披瀝するというわけにはなかなかいきませんので、既にどこかでその事例を聞いたり目にしたりされた方もいると思うんですが、同じ流れは東京都においても大変な量に上がっているわけです。
この中の事例の幾つかの中に、中学生にピルを勧める小冊子とコンドームをセットで配る。これは北海道からの事例です。
コンビニでエッチな雑誌を買って調べ学習。小学6年生の発表に5時間かけた。これは、神奈川県の事例です。
無修正の出産シーンを見せる。これは、広島の事例です。
小学1年生に鏡を持たせて性器を見せる授業。親が抗議すると、不審者がさわる場所がどこかを知るためと言われた。これは大分の事例。
小学3年生に裸のイラストの性行為を教える。親の抗議に対しては、いじめがあるので生命の大切さを教えたと答える。これは神奈川から寄せられた事例だそうです。
これだけでも驚くんですが、例えば小学校低学年での性器学習、性交教育はよく知られるようになったところですが、幼稚園でも園児に、男女の性器の絵を見せて、性器の名前を言わせるという情報が北海道からは寄せられています。
奈良の天理市の幼稚園でも、ペニス、ワギナという名称や性行動、赤ちゃんができる様子を園児に教えた上、その後親だけを集めて、子どもにセックスを見られたらどうするかという課題を班に別れて話し合う。みんなの前で発表するというようなことも行われたという報告も来ております。
かなり有名になっているのが、大阪の豊中市の中学校の教材は、セックスは1人だけでするものと思っている人もいます。また、違ったたくさんの人とでも構わないと思っている人もいます。セックスについてはどれがよいか、悪いかは、今は言えません。ちょっとどきっとする言葉ですが、やりたいか、やりたくないか、自分の心をよくのぞいてごらん。イエスかノーか、このハードルを越えなくちゃ大人の世界に入る資格はないとあります。
中学校で、コンドームの装着訓練をしているという情報は数多く寄せられていますが、豊中市は以前から問題になって、セックスをたくさんの人としても構わない、する、しないは自由と言いながら避妊の仕方を教えるのは、フリーセックスを勧めるというようなものに思えてならないわけですが、これを教材として中学2年生に読ませているという事例。
小泉首相も、これはひどいという声を挙げられたわけですが、余り議事録に残せないような内容が3,500並ぶわけですが、あと一つぐらいにしておきます。おちんちんのはなしという小学生向け紙芝居、これはいろいろな都道府県で使われていることがわかってきたそうです。どれも外性器の名称などを細かく書いていて、雰囲気が大変似ているんだそうですが、驚くことに、この紙芝居をつくった性教育の指導案を愛知県内のある市の教育委員が作成して学習指導要領を無視しているという裏マニュアルで、紙芝居ではチンチンになっているが、ペニスと言い直して読むことなどと書いてあるんだそうです。
これは、本当に困ったことなんですが、いずれにしても、中野区の教育委員会からは、年齢にふさわしい子どもの心の発達段階に配慮した親の納得がいく内容というふうに考えておりますというお答えは既にいただいているわけですが、男女共同参画行政の具体策を進める政府の男女共同参画基本計画には、性教育を充実し性の自己決定権を高めることがはっきりうたわれているわけで、ここまで非常識な実態が広まるとは想像していなかったんではないかと思っております。
中野区の例で、男女共同参画基本計画行動プラン、これはちょうど平成16年度で終わるわけですが、ここでも自己決定権に基づく性の尊重の確立に努めるとあるわけで、その事業については、性教育の積極的な推進、これは教育長は生涯をかけての取り組みとして考えているというようなお答えを1回いただいていますが、行動計画、前期の中間のまとめの中では、低年齢からの性教育の推進という事業名が載っているわけですが、どのようなことを5年間かけてなさったんでしょうか。
○小林指導室長 お答えいたします。
ただいまの低年齢からの性指導の推進というようなことがございましたが、あくまでも学校教育におきましては、性教育というものが人格の完成を目指す人間教育であるということをとらえ、学習指導要領に基づき、児童・生徒の発達段階に即し、そして、保護者との連携を図りながら、計画的に行っております。教育課程に位置付け、そして推進しているといったところでございます。
○篠委員 もう一つ、男女混合名簿の推進の下に、ジェンダー等に関する教職員の研修の充実という施策名があって、事業として、教職員を対象にした性教育、ジェンダーの研修の充実とあるわけです。この中野区においては、ジェンダーという言葉は一切公の文書には載せていませんというお答えはいただいているんですが、現実には、政府の方にも、行動計画の中にはあるわけで、中野区だけを責めるわけにはいかないんですが、このジェンダー教育の充実というのは、5年間かけて何をされたんですか。
○小林指導室長 ただいまのジェンダーという言葉自体は使っているということですが、ジェンダーフリーという言葉については使っていないというような認識を持っております。
なお、この性教育に関しては、この5年間を通して、特に中野区においては、小学校、中学校、そして都立学校と連携をして、エイズ教育の推進地域、こういった指定を受けて、発達段階に即したあるべき性教育を進めていくということで力を尽くし、その普及啓発を図ってきたところでございます。
○篠委員 そのほか、大変困ったことは、厚生労働省の調べでは、日本人は19歳の女の子の13人に1人が性感染症で、欧米の5倍から10倍だと。警察の調べでは、見知らぬ人とセックスするのは本人の自由と考えている高校生が68%という調査が上がっているんですが、恐らく中野区で実態調査はされていないんだとは思うんですが、いずれにしましても、こういう流れになったときに、アメリカやあるいはイギリスはどんな対応をしたかというと、コンドーム技術教育が進んだアメリカでは、この10年間、医学、心理学、行動科学、哲学、宗教学などの視点から議論を重ねて、クリントン政権時代から、モラルや人間性、生命を大切にする教育、禁欲や我慢の大切さを教える方向にかじを切り直している。現ブッシュ政権では、年間140億円の補助金をそうした対策に予算措置している。
10か年のこういう行動計画が出たときに、問題意識がまずない、こういう状態になってしまった。中野区もなるかもしれないという問題意識や目標という言葉は出るんですが、それと成果をアメリカのようにデータ化していない。皆さん、どう思いますかというデータ、何%ぐらいだと思いますかというデータは集めるけれども、数字のデータを極端に嫌う。そして、予算措置をされた形には我々に伝わってこない。そういった事教育分野の進め方、他にも言えるのかもしれませんけれども、一番大切な分野で目標設定、それはこういう状態はゆゆしきことだというまず認識がないから、目標設定もできない。そして、予算措置、この予算に見合う成果が上がっているのかなという検証が感じられない。私は中野区の目標設定、成果にその姿が見えないと思いますが、いかがですか。
○小林指導室長 ただいま委員御指摘の青少年の性感染症にかかわっては、学校教育の取り組みとしては、まずそうした問題を未然に防止していくという視点から、学習指導要領に基づいて、とりわけ中学校においては保健体育の中での保健分野で、エイズ教育や性感染症の予防を取り扱っております。各学年では、疾病の概念であるとか、感染経路であるとか、また、予防方法を身につける指導というものを行っているところでございます。
○篠委員 室長は誠実にお答えいただいているので、それ以上に踏み込んだ再質問はいたしませんが、イギリスの方も、サッチャーがあらわれるまでは、学力の面を含めて、とてもとても日本の何倍にも当たる大変な状態を呈していたわけです。サッチャー首相自身が、子どもたちが浮気する権利があると学校で教えられているというふうに演説の中に取り入れたり、モラルが崩壊することの恐ろしさをありとあらゆる場所で演説の中に入れている。私たちに何をしてくれるのかということとは余り関係ないことのようですが、そういった指導者の視点を感じられるわけです。それに対して、必ず予算措置をしている。いずれにしろ、中国の孫子の兵法にまで書いてありますけれども、国を滅ぼすには、武力より手っ取り早いのはモラルを崩壊させることでありますということで、昔から言われているんですが、首長の評価、あるいは我々議員の評価には、そういった切り込みというのは票につながりづらい。
国の形であるとか、モラルの構築というような、イギリスの教科書自体も、最悪のときは、共産主義革命を志向する左翼系の教職員組合が一生懸命それをやっていたわけで、最も自虐的な歴史教科書はトロキストグループがつくっていたという現実もあったわけですが、いずれにしろ、日本で言う学校評議員制度に対して、サッチャーに見える形の改革という、半年間ストを打たれたとかという大変な試練を乗り越えてやり切るわけですけれども、チェックの仕方、評議員の何人というのではなく、査察官5,500人を選任して、学力だけでなく、生徒の言葉や態度といったモラル、将来の夢をどうケアしていくかまで、総合的にその学校を徹底的にチェックして、だめな校長は首、改善の見込みのない学校は廃校処分、これだけ激しい姿勢を出されたわけです。
既にイギリス病と言われるようなものを乗り切ったわけですし、党は違いますが、ブレア政権にもしっかりと引き継がれているわけです。ただ、安倍晋三さんをトップにするこのプロジェクトチームの必死の動きで、中教審でも、過激な性教育を問題にする声が国民的に高まったことを受けて、健やかな体をはぐくむ教育のあり方に関する専門部会が、性教育について、高校生以下の性行為は容認しないという前提で行うべきだというスタンスを明確にされたことはせめてもの救いだとは思っております。
ただ、現場をあずかる日教組、この93回の日教組大会で、4年間の運動の総括として、2003年度、2004年度の運動の総括として、性教育やジェンダーフリーの教育実践をめぐり、保守的な国家観、性別、役割、分業意識に基づく家族観、男女の特性論、男らしさ、女らしさを強制した批判が誠実に行われていると文書でコメントしております。さらに、自信と確信を持って、ジェンダーフリーの理念を生かした教育実践に取り組むことが重要と。平和や人権とジェンダーの視点を関連付けた教育実践をさらに深める。こういうふうに書かれているわけで、政府が性教育について、概念的にも混乱を今していますが、現場で総括としてそのようなコメントを文書に残されているということは、我々も目をそらすわけにはいかないと思っております。
もう一つ大変心配なのは、中野区には直接関係ないといえばないんですが、ジェンダー学とか女性学、これが必須科目ではなく選択科目としてあるわけで、ジェンダーフリー思想に基づかなければ単位はいただけない、卒業はできないという流れが今女性学の中で現実に行われている。それに対する現行計画は、男女共同参画に関する行動計画の中間報告の中では、男女共同参画の正確な理解の浸透を図るため、女性学等を含む男女共同参画社会の形成に資する教育の充実を促すと盛り込まれる動きになっています。これは、プロジェクトチームとして再考するようにという強い意見を出したそうです。
保守のうかつということで、2度繰り返すことは許されないという問題意識なわけですが、いずれにしろ、我々も含めて参画させていただいた中野区の教育ビジョンというのは、問題意識は大変立派ですばらしいと私も評価させていただきましたが、この何十年間、社会性の欠落という大きな負のものを残してしまった。これに取り組みたいという姿勢自体は、まさに教育基本法の本分に戻った。いずれにしろ子どもにとって最善の利益、最大の権利の尊重というのは、自分で自分を律することのできる人格教育を目指すことにあるわけですので、そこから一歩も視線をそらさないという姿を見事に書き出したわけですが、これについて激しく迫る施策展開というのは現時点では感じられません。この社会性の欠落に本気で対応したいという具体的施策はどんなものをお持ちですか。
○小谷松教育改革担当課長 委員の方からお話のありました教育ビジョン、この中で、社会規範あるいは社会性を養っていくということで、これを教育ビジョンの目標として掲げているわけでございます。ただ、この教育ビジョンと申しますのは、目指す中野の教育の理念、目標といったものを明らかにして、その施策の方向を明らかにしたものでございます。したがいまして、今委員のお話のありましたこれの具体的な展開ということにつきましては、個々の事業の中で、予算化の対応を図っていく中で、一つずつ着実にその目標の達成に向けて努力をしていくということで、その中で個々の目標あるいは期待される成果といったようなものを明らかにしながら、着実に実施に取り組んでまいりたいと思ってございます。
○篠委員 あくまで抽象的ですけれども、期待したいと思っております。ただ、この大きな流れ自体は教科書の中にしっかりと浸透しておりまして、平成8年度のときの文部省検定に受かるかどうかというのは、家族の多様化を肯定し過ぎるといってバツになった教科書が幾つもあるわけです。今回の場合は、わずか5年の間に、このことがまるきりフリーパスになっている。これも男女共同参画の悪い面が出てしまったのではないか。そういう心配を私はしております。
9教科すべてについて、できるだけ目を通させていただきましたが、特に国語、違う視点から質問を既に藤本委員等がされていますが、中野区が、今度は学研の保健体育ですが、男女が入り乱れて人間トランポリンや地蔵倒しなどが体ほぐしの例として紹介されているイラストも多数掲載されていますが、まず、生徒の性別が不明です。この学研の教科書、学校体育とジェンダーの問題を研究するフェミニストたちからは、男女が一緒に手をつないで体をほぐして運動をしている写真や、外見からは性別が感じられない生徒たちがスポーツを楽しんでいる写真を掲載していて、大変よろしいという評価をいただいているわけですが、この体ほぐし運動というものがこれまた調査を入れますと、大変いろいろな体ほぐしがあるもので、男女混合の騎馬戦、男女がおんぶし合って体ほぐし運動、ジェンダーフリーの推進ということなしには入ってこられないような大きな流れになっています。
この元凶は、学習指導要領、我々は以前は学習指導要領は100%信じていいものという昔の銀行のような安心感を与えていたんですが、平成10年告示の中学校教科書学習指導要領において、保健体育では重大な改革がされています。その一つは、従来の体操にかわり、体ほぐし運動が導入されたことです。二つ目は、体力の測定と運動の練習という項目が消えてしまった。三つ目が、性差の個人差について取り上げるものとするという文言が入った。子どもたちを甘やかすだけのゆとり教育、何事にも優劣をつけることを嫌う悪平等、さらにジェンダーフリーが体育にまでしっかりと今回入ってきている。体を鍛える体操や体力測定の男女別数値が消滅しています。男女混合の体ほぐし運動が登場している。その辺に目を向けている人でないと、これは保健体育だけを申し上げましたが、全教科そうです。
体ほぐし運動について、大変な資料もいただいてはおるんですが、そのうち、中野区でも男女まじっての騎馬戦というのは実施されておるんですか。実施の状況を詳しく教えてください。
○小林指導室長 中野区内の小・中学校における騎馬戦ということで今御質問がございましたけれども、運動会ということに限定してお話をさせていただきますと、中学校では2校のみ、しかも、男子だけが行っております。小学校は29校中27校で騎馬戦を行っております。そのうち17校につきましては、男女別に行っております。
なお、10校につきましては、実際に男女が合戦をしているという状況がございます。そのうちの2校でございますけれども、2校については、今御指摘のとおり、男女が一緒に騎馬を組んでいるという現状がございますが、これは、さまざまな発達段階とか、また体の大きさ、また、人数の関係等で、そうした状況になっているというふうに認識しているところでございます。
○篠委員 その問題だけ取り上げても大変なんですが、いずれにしろ、体力は落ちたという情報が入ってくる。落ちて当たり前というような仕掛けがされていて、落ちるのが当たり前でして、教育現場をあずかる教育委員会としては、地域の信任を得られる、間違った方向性というのをはね返すだけのしっかりとした姿が見えないと、小学校はともかく、地域は黙って行動をとりますから、2割だの3割だの人が区立の中学に行かない。何としても避けたいといって、それの何倍もの人が勉強している。いわゆる結果の平等をしっかり求めたツケが、相当な金持ちでないと私立には行けない。私立に行っていない教育委員さん、手を上げなさいなんて言うと、みんな私立と言うかもしれない。これは、事中野区に限ったことではない。
日教組の人が公立を信じないなんていう現実が簡単に起きるわけです。中野区の教育委員会は、性教育と言わず、道徳教育の地域公開講座というような形で、本当に精力的な行動をとっていることは高く評価いたしますが、そんなことを吹き飛ばすような大きな流れがあるという認識がなければ、教育委員なんて、とてもとてもやっていられないような状態であると私は認識しております。
私も、自民党で3,500以上集まったデータ、それに基づく勉強、それに基づく男女共同参画行動計画等には根っこの部分で激しい行動をとる流れがありますので、心を一つにして行動していくつもりではおります。ただ、だれでも知っていることですが、お名前を申し上げると大変問題になるかもしれませんが、元凶は、日教組と文部科学省の和解ということ、自・社・さきがけの和解の産物というところで、教育委員会は大変なボディブローを打たれた。
民主党の今回のマニフェストは佐伯さんに見せていただきましたけれども、参議院選挙のとき、去年のを見る限りでは、ジェンダーフリー教育の推進だ、小宮山洋子さんとかがいますから、私の言ったこととまるで違うこと、今度の前原誠司さんという方は、党をまとめるのは大変難しい状況とよく認識されておりまして、多数決でも力強い行動をとりたいということをしっかりコメントされていますので、民主党のマニフェストは旧社会党のマニフェストそのものだというようなのは、去年ははっきり申し上げられたんですが、ことしについては一言も触れておりませんが、行動自体は私は大変心配しております。
ですけれども、これが選挙の争点にまるでならないということを含めて心配しておりますが、この文部省と日教組の歴史的和解でもなければ、寺脇研氏や小野元之さんなどは昔だったらとても出世できなかっただろうというようなことを言う方もいるんですが、毎日新聞の2001年8月20日付では、大学で過激な学生運動をしていて、権力を倒すには暴力が必要であると本気に考えていた。デモもした。しかし、本当に世の中を変えるには、内部に入ってやらなければいけないと思って公務員になりましたと、こういうその文章を取り消したという情報を私はいただいておりませんので、現行学習指導要領を導入した際の文部政務次官でもございますので、彼が全部悪いんだというようなことは申しませんが、教育現場は大変目を離せないような状況がかなりしばらく続くのではないかと思っております。
教科書問題で、教育委員会事務局からも相当資料を取り寄せさせていただいたんですが、7月30日付の朝日新聞の教科書採択という社説があるんですが、つくる会の教科書に徹底的に反対している姿を採択のたびに出すわけですが、東京都の教育委員会の姿勢を激しくたたいております。採択のやり方は極めて問題が多い。まず歴史教科書の選定に当たって特に注目する点として都教委が挙げたのは、北朝鮮による拉致問題の扱い、2番目、日本の神話や伝承、3番目、竹島や尖閣諸島の扱いなどを挙げて一覧表をつくったこと。これでやっていくと、いずれもつくる会が力を入れている項目であり、各社の教科書の中で神話などの記述が最も多い。歴史教科書は日本の流れで歴史というのを教科として学ぶための教材である。この3点が大事というつもりなのかもしれないけれども、許せない。こういうコメントを出しています。
また、同じように、教科書を使うのは教師と生徒だと。これは毎年繰り返す。教育は学校全体の取り組みであり、各校の子どもたちに何をどのように学習させるかということを真剣に考えている。どんな教科書を使うかは保護者にとっても大きな問題だというのはいいんですが、学校現場の考えを一番大切にしろ。学校現場の考えているときに、全教職員に会うわけにいかないので、そういうときには日教組に窓口になっていただくというような形にもなるわけですが、自分たちの結論としてはそう言っています。
ただ、教育委員というのは、法律的に定義されているわけです。教育委員が教科書の最後の選定をするというのも法律で担保されているわけです。教育委員が選ぶ、その教育委員はどういう人を法律的に述べられているわけですか。学校現場という言葉ではなく答えてください。
○沼口教育長 教育に関しまして、広い見識があるということが前提となっているわけでございます。そのほかに、いろいろと保護者の代表であるとか、いろいろな区長が選ぶときの要件が定められていると思います。
○篠委員 いわゆる全体の考え、良識のある考えが反映される。要するに、これはひどいことをやっているなと驚かれる前に、驚きをとめることを仕事として与えられているわけです。学校現場が何のかんのという問題が入る余地はない。そして、悪口を言った指導要領にしても、その指導要領にどのぐらい迫っているか。指導要領は、吉原さんが、また私が抜けた分等について質疑を展開すると思いますが、どのぐらい迫っているか。
イギリスだ、アメリカだの、比較できたら、3段階ぐらいに分けてしっかりと出るような形にせいというお国柄ですが、日本の場合はどのぐらい迫られているかということから目をそらしてはいけない。教科書選定について、学習指導要領について触れられているのは、東京では中央、品川、新宿、北区、練馬、選定の基準あるいは要綱の中で学習指導要領というのをこれは法律であるというところに学習指導要領はあるわけですから、法律違反をどのぐらいしていないかといった視点から迫らなくてはいけない。
できれば、調査委員会の報告の中で、触れづらい形ではなく触れていただければなおいい。我々としては、少なくとも議事録を通してではなくて、最後に公開される教育委員の方々の指導要領にどのぐらい迫っているかという点数化ぐらい、そこまでだめであれば違う形、いずれしろ、それについてのコメントが決定した後はお聞かせいただけるという状態を大変望んでおります。それについて何か御意見はございますか。
○小林指導室長 中野区の採択にかかわりましては、中野区立学校教科用図書の採択に関する規則、その第2条におきまして、基本方針の一つとして、学習指導要領の目標に適した教科書を選定し、教育委員会が定める教育目標の実現を図るというふうに明確に学習指導要領を位置付けております。また、実際に教育委員の方々が、採択に当たって論議をしていただく中でも、学習指導要領の視点に基づいてさまざま議論を交わされ、採択に至ったというふうに認識しております。
○篠委員 中野区はことしから学習指導要領の目的達成に適した使用図書を選定しという項目を挙げられたということは、真剣に本当の姿を模索しているという形で評価はできるんですが、どのぐらい迫ったかという形の調査委員会の報告を見る限り、まるで生徒が使いやすいとか、絵がきれいだとか、そんなコメントしか上がってきていない。最後に決めるのは教育委員だからと言われればそれまでですけれども、そんな視線で、やれ、子どもの意見を参考までに聞くとか何とかという、そんな代物ではないわけです。
厳粛な作業なんですから、東京都の採択に当たっての留意点というのも、四つほど挙がっています。いずれにしろ、東京都がまるで中野区を縛るわけはない。縛らないという代物ではない流れということは承知しておりますが、私が申し上げた教科書を選ぶ段で、明確さがないと、もう教科書を選ぶ前から地域であきらめの声が聞こえるというような形であってはいけない。私はそのように思っております。
そうしまして、この人格教育というお話を先ほどさせていただきましたが、人格教育の不在の間隙を突かれてジェンダーフリーが浸透したというのが識者の偽らざる、皆共通した見解ですが、人格教育にどのぐらい迫れるかというのは、我々も昔の人もそうだったと思うんですが、今日の日本の偉人ですとか賢人、正賢の道を学ぶことというのが日本古来の定番だったわけです。やれ、二宮尊徳はこうだとか、たった1年しか松下村塾を開かなかったが、吉田松陰の行動だとかというものが高く評価されているゆえんだと思うんですが、この人物について、切り離せない関係にある人格教育なんですが、小学校の社会科の指導要領では、人物の働きを通して学習させるように42人の人物が指定されております。これは指定されているんですが、中学校の学習指導要領は、人物の具体的な指示がなくなっています。もちろん、その意味は、42人に加えて、中学校レベルにふさわしい人物を教えるという流れをチェックするというのが学習指導要領のねらいだというふうに私は思っています。
中野区が選定した東京書籍は、最大シェアですが、行基が消えた。北条時宗が消えた。勝海舟が消えた。明治天皇が消えている。小村寿太郎が消えている。東郷平八郎が今回消えた。野口英世、この7人が消えています。人物を何人取り上げられているかというようなかなりお気の毒な調査も入れましたけれども、154人取り上げられています。それで、もちろんこの7人は入っておりません。
扶桑社の場合は、263人取り上げて、100人以上東京書籍より多いんですが、この8人が消えてだれが入ってきたかというと、お名前の読み方を間違える可能性もありますが、竹崎季長、これは元寇のとき、時宗が消えたかわりに、九州肥後の武士で祖国の存亡の危機に当たって命を投げ出して戦ったというより、褒美欲しさに戦ったことが強調されている文章になっています。岸田俊子さん、自由民権運動の女性弁士です。それから、柳宗悦さん、日本民芸運動の創始者でありますけれども、日本の朝鮮植民地化に批判的だったことで取り上げられています。李舜臣、秀吉軍に勝った朝鮮の将軍です。8人が消えて、こういったことで大変人物教育は欠落している東京書籍であるというふうに私は思っていますが、教育委員会自体に人格教育と42人プラス中学生らしさというようなことに対して必要であるというは認識はあるんですか。
○小林指導室長 人格教育にかかわって歴史上の人物はどう取り扱うかということに関しては、それぞれその素材を生かして学校教育の現場の教員が創意工夫を重ねて進めていくべきものだと認識しております。しかしながら、主たる教材である教科書にどの程度の人物が取り上げられているかということは極めて重要なことでありまして、今回の歴史的分野の教科書の採択に当たりましては、東京都教育委員会が教科書調査研究資料というものを作成いたしまして、歴史的分野8社のすべての登場する人物につきまして一覧表を載せてございます。当然採択の過程で教育委員の方々にはこの資料を細かく見ていただきまして、採択をしていただいているという状況でございます。
○篠委員 切りがないので結構でございますが、私も実は文教委員でございますので、ただ、視点とするところは、そういった視点でこれからも展開していきたいと思っています。
次に、建築に関する中野区の取り組みについて、2点ほどお伺いしたいと思っていますが、建物の解体義務ということに関して、千代田区は、去年の9月14日でしたか、発注者は解体業者に対して工事の内容を記した標識を1カ月前から設置し、事前に住民に説明するよう義務付ける要綱をまとめましたが、これは御存じでございますか。
○佐藤建築担当参事 千代田区で床面積が80平米以上の建築物の解体工事に当たりまして、1カ月前に標識設置、それから近隣住民に対する説明を義務付ける要綱を制定しまして施工しているということは知っております。
○篠委員 要綱でございますので、この要綱は上位法に触れることはないと思っていられますか。
○佐藤建築担当参事 要綱でございますので、あくまで行政主導というふうに認識しております。
○篠委員 業者というのは、要綱であっても、しっかりとした姿を区が出せば、誠実に対応しようという、法律違反していないんだから何をやってもいいというような業者はなかなか社会的にも抹殺されるような流れを信頼していいように私は思います。要綱であっても、立ち上がれば、これは区民意思なんだということで、それなりの対応をしてくれるというふうに私自身は思っています。
千代田区の場合、解体工事は区内で年間140件も出るそうで、そのたびに住民から苦情が区に寄せられたり、あるいは紛争が絶えないというような、生活環境を向上させたいという姿勢がこの要綱から感じられるんですが、事解体に関しては、中野区ではこういったものは持っていないんですか。
○佐藤建築担当参事 解体工事につきましては、リサイクル法によります届け出ということでございまして、その指導をしております。千代田区のような要綱はございません。現在、解体工事に当たりましての標識設置、これを義務付けるということは今検討中でございます。
○篠委員 いずれにしろ、そのリサイクル法による対応ということに標識設置ということをプラスすれば、千代田区の姿勢に負けない姿が出るというふうにお考えですか。
○佐藤建築担当参事 ただいま検討中と申し上げましたけれども、解体工事の標識設置によって、住民の方に周知するということを考えているところでございます。
○篠委員 いずれにしろ、住民から大変な、柿沼委員のにおいの問題ではございませんが、本当の住民から困ったというような声にはどんな取り組みができるかという姿を丁寧に示す。区長はリーダーですから、どのぐらい区民に安心感を与えられるかというのが問われているわけですので、事解体に関してはそういった姿もぜひ姿勢として、要綱を今直ちにつくるというようなことは申し上げませんけれども、その要綱に負けないだけの行動はとるといったような決意だというふうに理解させていただきます。
関連ではないんですが、区長の方に、通学路について、隣接する中高層建物から落下物に対する危険についてという陳情が中央四丁目から出ているので、中央四丁目の議員の方にはそれなりの認識があって、本来なら私がやってはおかしいのかもしれませんが、中野区全体の問題としてとらえるという視点で、私から取り上げさせていただきます。確かに用途地区の見直しによって、三味線橋通りですか、14階建てが建つという状況ではあるんですが、その道路というのが通学路に当たる部分が14階になっているわけですから、子どもにとって大変危険である。法律は何も違反していない。地域の声も大分取り入れて行政は対応している。
こういった中で、バルコニーの落下防止、卵一つ投げても、あるいはサンシャインの上から1円玉を投げてもというようなことまで飛躍することはないんですが、ほんの小さなものが大変な被害を起こすということは報道されて我々も認識しております。こういった中で、条例という形では取り組めなくても、区は要綱でどのぐらい迫ることができるかというような検討をされたことはございますか。
○佐藤建築担当参事 中高層の建築物を建築する際には、建築基準法によりまして、道路等に面しまして、火災等の際に消火活動を行うための非常用進入口、こういったものの設置があります。また、東京都の建築安全条例によりますと、避難上有効なバルコニーを道路側に直接面する窓に設置するという場合が多くあります。これらは、それぞれ法的に許容されているわけでございます。
落下物対策につきましては、入居者のマナー、これが大切だというふうに認識しておりまして、区としましては、バルコニーの腰高を高くするとか、それから、窓の形式の変更をするとかということで落下物対策について指導しているところでございます。こうしたことを要綱を制定して規制するということは難しいのではないかと考えております。
○篠委員 地域の人は上位法があるということも研究されているんだと思うんです。火災等のことを考えれば、当たり前のことなのかもしれませんが、現時点でそこの通学路を通るサラリーマンの方、あるいは区立の小学校に通われる通学路といったような対応の中で、だから法律違反ではないからいいんだという姿は私は許されない。ここを通るときだけヘルメットを着用というようなことまでしてでも、子どもを守りたいという姿を示すぐらいの優しさがなければ、これからは中高層ビルは幾らでも建つ流れの中にありますので、地域の住民の方は大抵のことではその危険から心安らげる状態に入らないと思いますので、これからもいろいろ御相談に上がると思います。
また、要綱ではつくれないけれども、中野区は指導という形で真剣な対応をしているという言葉もありましたので、限りなく要綱に近い指導というような、現時点でできるぎりぎりの取り組みをぜひ期待したいと思います。私が見にいって、区長も見にいっているはずなんですが、佐藤さんは専門家ではないので、なかなか本当の迫り方はできないんですが、どのぐらい心が和むかというような単純な危機感ですので、今後もその努力の方向を続けていただくことをお願いいたします。
その他に入らせていただきますが、交通の問題で、上鷺地区から中野までバスが11月から通るということは大変歓迎されております。ただ、私は先般、高齢者の在宅サービスにバスが走っている。あるいは障害者送迎用のバスも走っている。核家族化はとまることは考えられないという流れの中にあって、子どもは特別な場合といいましょうか、大きな家でその家庭の方針だとかあればともかく、核家族化の流れをとめる流れにはなっていない。団地等を見ましても、お年寄りだけ残るという姿、これは、1カ所ではなくて、中野区全体に見られるわけです。
この送迎バスの利用は考えられないかという質問をさせていただいたところ、練馬区が今年度から試しに始めた。それに対してシステムが違うから現段階では中野区は行動はとれませんという認識でおりますとおっしゃっていましたけれども、システムが違うということはどう違うのか。それを乗り越える方法というのは、練馬区のように持っていくというような姿が考えられるのか。これは、中野区全体を見事に結べというようなことを申し上げているのではなく、1カ所でも対応したら、どれほど中野区民じゅうが心安らぐかわからないという、こういう流れの中のものだと思うんですが、その関連で、現時点のお考えを御披瀝いただきたいと思います。
○尾﨑土木担当課長 ただいまの御質問でございますけれども、練馬区が取り入れているバスでございますが、これは福祉バスでございまして、一般の方でも乗れるような、そういった形のバスの運用をしているというふうに聞いております。ただし、中野の場合は、今障害者用の送迎バスがありますが、福祉施設の送迎だけではなくて、障害者の生活移動手段として、公共施設の巡回にも利用されているということで、ちょっとシステムが違いますので、即練馬区の方式はとれないというような御答弁を以前させていただいた経緯がございます。
それで、今後のことでございますが、確かにおっしゃるとおり、だれでも利用しやすい交通環境の整備を推進していく、その必要があるかと思います。そこで、交通不便者や移動に制約のあるそういった方の移動ニーズを充足させる。そういった目標を持ちまして、交通施設の体系化とネットワークの構築を図るなどしながら、今後課題を整理し検討を始めたいというふうに考えているところでございます。
○篠委員 まだやっていないということでございますが、ただ、取り組みの方向を課長はぜひつくり上げたいというお話をいただきましたので、現時点でこれ以上質問を展開いたしましても、余り意味がないんですが、どれだけ多くの人に少しでも安心感を持たせることができるという視点を失わないで、最初から中野区全体を網羅したというような行動をとれと申し上げているのではないことも確認された上で、今後のしっかりした対応を望みたいと思います。
毎回ごみの問題では、少しの時間でも触れられたら触れたいなという質問をさせていただいていますが、ごみゼロの具体的展開で、中野区はごみゼロという都市を目指しているわけですが、具体的にどういうところからごみゼロに近づく方法に限りなく近づこうとしているのか。だれもごみゼロになるというふうに思ってはいないかもしれません。しかし、各家庭でごみがゼロになるような装置ができれば、もう限りなく水に近づけて流すというような違う科学の進歩があればまた別なんですが、現時点でごみゼロに限りなく近づけたいというのは、これは目標設定としては地域の信頼を得ているところだと思うので、その施策展開をお話しください。
○西條ごみ減量・清掃事業担当参事 お答えいたします。
ごみゼロの具体的な展開についてでございますけれども、現在策定中の10か年計画に沿いまして、4段階に分けて段階的に取り組んでいきたいというふうに考えているところでございまして、第1段階といたしましては、ごみ減量と資源化の意識が高まっている状態を目標といたします。環境学習を推進、あるいはごみリサイクル会計を作成、公表する。また、町会自治会による資源回収の支援、それから、生ごみの減量啓発などをまず取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
また、第2段階といたしましては、ごみへの資源化可能物の混入が減り、ごみ量が減少している状態を目標としたいというふうに考えてございまして、具体的にはペットボトル回収拠点の拡大、プラスチック製容器、包装回収の全区展開、それから、さらに生ごみの減量化を推進する。そういった方策を取り入れたいというふうに考えてございます。
また、第3段階といたしましては、ごみの減量化と資源化が進んでいる状態を目標といたしまして、家庭ごみの有料化の実施、古紙の行政回収の廃止、地方都市との連携などによります生ごみの資源化の試行などを検討していきたい、実施していきたいというふうに考えてございます。
また、最終の第4段階といたしましては、こうしたごみ量の半減をいたしまして、資源化がさらに進んでいる状態を目標としたいというふうに考えてございまして、家庭ごみ有料化の実施した検証を行いまして、ごみ減量をさらに進めるとともに、資源回収の増加を図ってまいりたい。この10年間では、ごみの半減を実現していくように努力していきたいというふうに考えているところでございます。
○篠委員 かなり踏み込んでお話をお聞かせいただいたんですが、大きなとらえ方として、10年間限りなくゼロに近づける流れの一つとして、半分にまで持っていくんだという取り組みを想定している。これは、10か年計画の10カ年と、まさに一致する流れなんですが、年次ごとの目標設定、あるいは検証、こういった具体的な取り組みまで現時点で想定しておっしゃられたのかどうかお聞かせください。
○西條ごみ減量・清掃事業担当参事 現在、新しい中野をつくる10か年計画に基づきました中野区の一般廃棄物処理基本計画の改定作業中でございまして、この中では、これを基本にいたしまして、ごみゼロに向けた取り組みを行っていく具体的な方策をさらに盛り込んでまいりたいというふうに考えているところでございますけれども、具体的にこの策定後にどういうふうに取り組むかということにつきましては、毎年度区政目標を立てまして、成果を行政評価制度で評価する仕組みで検証し、着実に実現していきたいというふうに考えてございまして、複数年にわたるような考え方については今のところ念頭にはございませんが、今後研究させていただきたいというふうに考えてございます。
○篠委員 町会等の力、あるいは自主グループ等の力もかなりおかりしなければ、意識改革も含めて取り組みということもしていかないと、10年間で半分ということはなかなか迫れそうで迫れない動きだと思います。ぜひ10年後の姿に向かってしっかりとした計画を立てていただきたいと思います。
ただ、今さっき触れられた10年間でごみが半分、現在170数名いらっしゃる来年度から清掃に携わる職員、200人から170数名になるわけだと思うんですが、お金の上での格差等についてはかなり厳しく指摘させていただいたんですが、10年後に半分のごみということであれば、170何人を半分にするという姿と連動しなければ、とても地域の承認は得られない。そういったときに、事ごみに関しては、23区全体の縛りがあって、たとえ中野区だけがごみゼロという目標設定をしても、とても意見を申し述べられる場所がないんだというような認識でしか私どもには伝わってきていないんですが、私はそんなことはないと思う。
本気でごみをゼロに、職員を守り切らなきゃいけないという姿勢の方は別として、中野区民全体を納得させるのであれば、ごみが半分になったら職員だって半分のはずだと。この姿が連動しない計画なんていうのはまるで意味がないと思うんですが、その辺についてお聞かせいただきたいと思います。
○西條ごみ減量・清掃事業担当参事 清掃職員の定数管理につきましては、中野区といたしましてもこれまでも独自に退職不補充という形で職員の削減、あるいはごみの減量に伴っての職員の削減を行ってきておるわけでございます。そういった意味では、中野区独自に何もできないということではなく、今後もそういった方針では取り組んでまいりたいと考えてございますし、ただ、ごみが半減するということに伴って、清掃そのものに従事する職員はその部分減少する必要もあるかと思いますけれども、今後さらに資源化事業だとかいろいろな事業がございます。それに移行していく、転換しなければいけないことがございまして、そんなところの仕分けもいろいろと工夫しながら、民間活力も工夫しながら努力していきたいというふうに考えてございます。
○篠委員 そういう答弁は想定の範囲内なわけですが、ただ、今の参事のお話は、それなりに説得力がある。ところが、仕事がなくなるから、やれ、ほかの分野でやっていた仕事も朝早かったり夜遅かったりというような、夜中に回収したとか何とか、この時間帯柄、こういう仕事もできるというような形で、新宿区等は違う仕事もそれにあわせ模索している。そういう姿は説得力がありそうで、なかなか区民は承服できないものが残っているというふうに私は思っています。今参事がおっしゃったような方向で、中野区民全体がもっともだという気持ちになれるような、しっかりとした情報公開と施策展開をお願いしておきたいと思います。ありがとうございます。
最後に、高齢者の方は植木だとか畑だとかという、最後の人間の趣味は土に親しむことだということをおっしゃる方がいるぐらいで、興味がある。これからは高齢化社会ですし、私の母も昨日97歳の誕生日を迎えられたんですが、いずれにしろ、もう先が長くないんだから、そんなことまで考えてやる必要はないというような乱暴な考え方は許されない。生きがいをできれば核家族化の中で子どもたちと触れ合うような形ででも施策展開は考えられないかというようなことを本気で考えるのが私は議員であり行政だと思っております。
担当部署でその要求にこたえるべく一生懸命努力されているのは高く評価するんですが、ただ、そこに一生懸命になっている方々の最大の心配は、お借りしている土地だからいつできなくなっちゃうかわからない。それが寝ても覚めても心配だというような、これは本当にもっともで、くだらないことを心配するなということで対応してはいけないわけで、考えられるあらゆる手段を施策展開して、そういうお年寄りの心にしっかりと対応していく姿が必要だと私は思っています。
たまたま小さいお子さん、小学生等で、生活環境、家庭環境上欠落している部分との合体というような形を方策する必要があると思うんですが、あそこであれば、私の生きている間には楽しめそうだというような安心を与える姿、なかなか統廃合で学校自体がいつなくなるかわからないというのがあるのかなという考えではなく、そういうことを本気で考えている方がいるんですが、こういうところには一切心を向けていらっしゃらないのかお答えいただきたい。
○今健康づくり担当課長 高齢者農園につきましては、民間の土地活用の事業として、それを前提に実施しております。民間のことですのて、長期の契約では何らかの支障もあり得るために、1年契約にしてございますが、特段の事情がない限り継続していただきたいというふうに考えております。
また、用地の確保につきましては、利用者とともに常に土地提供者の情報が得られるようなアンテナを張っていきたいというような努力を考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○篠委員 一生懸命やってと申し上げたのは、やはり今さんが一生懸命やっているから言ったことで、ですけれども、親孝行のつもりで新しく家をつくったらおやじが亡くなっちゃったとか、80年なり90年なり、この大切な思い出が一気に、子どもは親孝行のつもりでやったことが裏目に出るなんて姿はざらにあることでして、この場所でやり続けたいというその姿におこたえするという視点はなかなか今課長のもとでは要求する方が無理だと思うので、学校の方でそのようなところがあるのか。子どももやっているお年寄りの生涯教育を通した部分、これについてコメントをしてください。
○小林指導室長 現在の区内におきましては、地域や学校の実態に応じて、学校園の運営であるとか、また、植物を育てる学習、こういったものを通して、地域の方々に御協力をいただく。植物の栽培に対する専門的な知識を生かし、触れ合いを深めているという実態がございます。このように、学校としては地域の方々や地域の教育力を生かした教育活動の展開をさらに進めていきたいというふうに考えているところでございます。
○篠委員 教育委員会の中にも、大沼さんをトップとする生涯学習課という分野も--間違っていないですよね--あるわけで、事業部制だといって、一つの部ではニーズに対応し切れないというのは幾らでもあるわけですので、そういったことを我々議員の目にも見える姿がこれまた地域でどれだけ高く評価されるかわからないことを財政の面からだけではなくて、そういった地域の心をくみ取るという視点も各事業部のプロジェクトチームという形で力強く進められることを御期待申し上げて、私の全部の質問を終わります。
○伊藤(正)委員長 以上で篠国昭委員の質疑を終了いたします。
午後1時まで委員会を休憩いたします。
午後0時01分休憩
午後1時01分開議
○伊藤(正)委員長 定足数に達しましたので、委員会を再開いたします。
2番目に、来住和行委員。
○来住委員 日本共産党議員団を代表し、総括質疑をさせていただきます。
最初に、区長の政治姿勢と2004年度決算について伺います。
まず、水害対策について伺いますが、この間の2回にわたる水害で被災された皆さんに心からお見舞いを申し上げたいと思います。また、対策救援等で御尽力いただいた職員の皆さんにもお礼を申し上げたいと思います。
私たち日本共産党議員団といたしましては、9月9日に、区長に対して、水害問題での申し入れを鋭意行っております。16項目にわたっていたしました。ぜひ検討いただいて、実行に移していただきたいということを先に申し上げておきたいと思います。
それではまず、8月15日と9月4日に被害が発生したわけですけれども、これについてどういう被害状況なのか、簡潔に報告いただきたいと思います。
○斎木防災担当課長 お答えいたします。
8月15日の浸水被害は、床上が86件、床下が114件、小規模事業所が5件、合計259件でございます。9月4日の浸水被害は、床上が712件、床下が419件、小規模事業所が280件、合計1,411件でございます。
○来住委員 9月4日については、近年にないといいますか、1982年以来の大きな水害というふうに言えると思います。実は、8月15日の水害に際して、区報で田中区長は、浸水被害についてということで、区民の皆さんにこのようにメッセージを出されております。地域限定的で降水量の極めて多い集中豪雨が発生しています。8月15日もそのような激しい集中豪雨でした。今回の被害を重く受けとめ、災害に強いまちづくりに向けて全力を傾ける決意ですというふうに区報で出されました。それも2回目の被害が発生をした9月4日、日曜日付の区報でありました。
まず伺いたいんですが、8月15日の水害なんですけれども、これは17時12分、夕方5時12分に大雨洪水雷注意報が発令をされました。区の体制はこの段階でどのような体制をとられたのでしょうか。
○斎木防災担当課長 17時12分の段階では、防災センターの方から私あてに連絡がございました。そのときには、周囲の雨雲の状況、その時点では雨がまだ降ってございませんので、水位の状況はなかったんですが、そういった状況を情報収集しようということで指示をいたしました。
○来住委員 中野区の災害応急対策活動マニュアルというのが風水害編で出されております。ことしの5月の日付になっておりますが、中野区の応急対策の体制の種類と名称がここにうたわれております。まず最初が、夜間休日連絡体制ということになっておりますが、これについては、だれの権限でこの体制をつくるということになるんでしょうか。
○斎木防災担当課長 これは防災担当課長の職務でございます。
○来住委員 そうしますと、8月15日というのは月曜日です。しかも、5時12分に発令をされた。その段階で閉庁は5時15分だと思うんですが、閉庁の前に注意報が発令をされながら、この夜間休日体制、連絡体制には入らなかったということでしょうか。
○斎木防災担当課長 その間、防災無線指導員の方には、そのような情報収集をせよということで、特に職員の参集をその場では求めませんでした。
○来住委員 注意報の発令の段階でどういう体制をとったのかということが、その後の区の対応にまず影響してくるというふうに思うわけです。したがって8月15日の場合には、その後、時間を置いて21時05分から10分間に最大雨量41ミリを観測する集中的な豪雨があったということになっております。しかし、その次の区としての体制は、このマニュアルに示される6段階の体制が決められております。最初の段階が夜間休日連絡体制になっております。まずその体制がとられなかったという点がまず第1点に挙げられるというふうに思います。
さらに、被害が発生をし始めて、情報連絡体制をとられています。これは、最大降雨量から20分後に情報連絡体制がとられております。さらに、そこから50分後に、災害対策本部の設置が行われているわけですけれども、この8月15日の対応について、何が教訓とされているのか。何が問題だったのかということを8月15日から次の9月4日の発生までに、どういう教訓とされたんでしょうか。
○斎木防災担当課長 台風のように順次こちらに向かってくるということであれば、時間の経過ごとにそういう体制ができるわけですが、集中豪雨のように、短期間に被害が発生する、こういう状況では、この体制ではなかなか難しいのかなということで、区長の指示もありまして、地域本部の対応も含めて、その検討をせよということは言われてございました。ただ、この間、9月4日までにその体制を固めるまでには至らなかったというのが事実でございます。
それからもう一つ、先ほど答弁が足りないのでつけ加えさせていただきたいと思いますが、8月15日に注意報が出た段階で、防災センターの職員にはそういう情報収集をせよということを指示したと申し上げましたが、加えて、私どもの防災担当の職員には、注意報が出たのでそれぞれ連絡がとれるようにということは当然指示してございます。
○来住委員 マニュアルでは、体制が明確に分かれております。もう既に皆さんはこれに基づいてやってこられたわけですから、しかし、今回の2回の対策では、夜間休日連絡体制については、23区西部に注意報が発令されるというのがまず一つの条件になっております。したがって、私が先ほど申し上げましたように、既に時間内に発令をされているにもかかわらず、この体制が明確にとられていなかったということがまず初動の体制のおくれを生んだというふうに考えるんです。
それで、問題は、この教訓、要するに8月15日の対応がどこに問題があったのかということをきちんとしていれば、次の対応に反映できたんだろうと思うんです。そこで、9月4日についてお伺いしますけれども、9月4日については、大雨・洪水・雷注意報の発令が15時11分になっております。それでは、それを受けて、どういう対応をされたんでしょうか。
○斎木防災担当課長 9月4日は日曜日でございました。それで、その時点では当然中野も雨が降っていない、そういう状況でしたが、注意報が出たということで、これも同様に防災センターの方には、気象情報の情報収集をせよという指示をいたしました。
○来住委員 9月4日については、被害も甚大なわけですけれども、この日の情報連絡体制はどの時点でとられたのか。また問題なのは、雷注意報が発令をされるという段階での体制、それから大雨洪水警報が発令をされる。マニュアルでは、注意報から警報に変わる段階で連絡体制に入ることになっております。日曜日だったというふうにおっしゃるんですが、この情報連絡体制の責任者はどなたになるんでしょうか。
○斎木防災担当課長 情報連絡体制になりますと、総務部長と都市整備部長の協議で今後の配備体制を考える、こういうことですけれども、情報連絡体制と申し上げましたが、その前の段階で、そうした運用はこれまでやってきたということでございます。そういった意味では、私の責任で、20時44分の段階で参集をかけたということになります。
○来住委員 この連絡体制の組織図でいきますと、総務部長と都市整備部長が責任者というふうになっています。あわせて、その情報連絡体制の時点で最大限というふうに要員の職員の参集ということで、88名の体制ということをこれは目標、いろいろな条件がありますから、そういう体制をマニュアルとしては確立をしているわけです。その上で、今回の情報連絡体制の時点では、職員の従事者が7名程度だったというふうに伺っているわけです。情報連絡体制をとった段階から、直ちに妙正寺川の避難の呼びかけがそういう意味では始まっているわけです。
そして、時間を追って、江古田川の警戒水位が突破をし、さらにそれを置いて第1次非常配備態勢がとられたということになっているんですが、大雨・洪水・雷注意報の発令、これが15時11分なわけです。ところが、災害対策本部の設置は20時40分ということですから、4時間の時間を経過をしている。8月15日の水害からを考えたときに、こういう初動の体制から災害対策本部を設置するまでの時間が余りにもあき過ぎているわけです。
したがって、お聞きしますけれども、災害対策本部の設置について、これは、第1次非常配備態勢はどなたが責任者ですか。
○斎木防災担当課長 これは、災害対策本部を設置した段階で、本部長が責任者になります。
○来住委員 本部長の区長にお聞きしますけれども、区長は、9月4日の状況については、職員からの指示、それから、議員にも送られてきている警報の発令のメールが届いているかと思うんですが、どの時点でメールを受けられたのか。そして、区長自身はそれについて何か御指示をされたのか。また、区長自身は災害対策本部に到着をされたのが、聞くところによりますと、22時5分というふうに聞いております。この時点では、妙正寺川の流域に避難勧告も出されて、神田川流域にも避難の呼びかけがされていた段階です。したがって、22時5分の段階で庁舎に来られているわけですけれども、8月の被害の状況から見て、職員からの連絡を受けて、そういう心配といいますか、8月の状況がよぎらなかったんでしょうか。本部長ですので、区長にお伺いしたいんです。
○田中区長 9時過ぎぐらいの段階だったと思いますけれども、防災担当課長の方から私に連絡がありまして、そういう体制をとっているということでありますので、直ちにというか、引き続き警戒をするようにということでお話をして、指示をして、それから支度をして、区役所の方に参りまして、今おっしゃったような時間になったということであります。
当然大雨が降れば、8月15日と同じような状況、あるいはそれ以上の状況になる可能性はあるということは常に念頭に置いているものであります。
○来住委員 そういうふうにおっしゃるし、区報にもそういう決意を8月の被害を経て区民にメッセージを出されているわけです。9月4日の体制は、8月の段階とはどこがどう強化されたんですか。
○斎木防災担当課長 8月15日の被害を受けて、先ほども申し上げましたとおり、区長の方から指示がありまして、体制の強化ということは言われてございました。実は、8月22日には、区長とも協議した経過もございます。ただし、それがまとまって、その体制が9月4日には間に合わなかったということでございます。
○来住委員 特別なことをしなくても、活動マニュアルに沿って皆さんが手を打って、対策をとられていれば、私はこれを見る限り、洪水注意報発令の段階、警報の段階、ずっと対策が強化されていくわけです。このマニュアルそのものに沿って行われていなかったということに今回の教訓があるんだと思うんです。そこをもう一度きちんと整理されていただきたいというふうに思います。
それから、あわせて住民の皆さん、議会でも呼びかけがなかなか聞こえなかったという声もありました。そこでお伺いしますけれども、私たちもいただいていますハザードマップがございます。ここには、区民の皆さんに、どういう関係になっているかといいますと、災害情報の伝達というのがございます。これには、中野区の災害対策本部が避難情報や消防署、警察署にも連絡を入れるということになっておりますが、これはちゃんと本部として行われたんでしょうか。
○斎木防災担当課長 本部設置と同時には警察、消防にも連絡はできませんでした。ただし、避難勧告を出した時点で、警察、消防からの問い合わせ、連絡がありまして、その際、そのときに今中野区が第1次非常配備態勢をとっている旨を伝えました。
○来住委員 それは、中野署も野方署も同じですか。
○斎木防災担当課長 このときには、神田川も、それから妙正寺川も、そうした浸水状況になっていまして、当然防災行政無線スピーカーの音が聞こえて、その問い合わせが両方にありました。そういったことで両方から問い合わせがございました。
○来住委員 情報の伝達については、災害が起きた5日の月曜日に中野署に地元の対応のことでお邪魔したときに、当時いらっしゃった5人の警察官の方は、中野区からの避難勧告を聞いていない、前の日にパトカーで川を警備していた警察の方も、そのことを知らないということで、月曜日の朝10時半だったと思いますが、課長に警察署から私が介して確認をしていただいたと思いますが、いかがだったですか。それはどのように認識されますか。
○斎木防災担当課長 警察、消防の内部の連絡体制が、夜の時点で、現場の係員にまで情報が行き渡っていないのかなとは思いますが、いずれにしましても、そういう状況の中で、電話がすべてふさがっている状況で、人数的にもこちらの方からかけるいとまもなかったということで、問い合わせの際に、私がそのときに呼び出されますので、そのときにその旨を伝えています。それから、職員がとって、消防、警察ということで私に電話の取り次ぎがあったときに、その旨を伝えよということは言ってございます。
○来住委員 体制上のとり方として、先ほど日曜日だったということもおっしゃいました。しかし、これまで既に大きな水害も発生しておりまして、例えば日曜日で言いますと、93年の8月1日、これも日曜日です。このときには、大雨洪水注意報の段階でこの対応をしています。もう既に発令から、これでいきますと30分後に本部を設置をしているんです。しかも、その段階で52名の従事者が参集をしているということです。そして、翌年の94年も同じく被害が出ていまして、これも45分で災害対策本部を設置をして、76名が従事をしているという体制をこれまでとってこられているわけです。
今回のこの対応の問題は極めて当初からの注意報の段階での警戒、それから、台風が既に発生をし、渦を巻いて沖縄、九州、四国に抜けていたわけです。こういう情報を的確に判断し得なかったというところに初動のおくれがあったんではないかというふうに考えるんですが、マニュアルに基づく体制と、今後の対応について伺いたいと思います。
○斎木防災担当課長 これまでやってきたことは、注意報が出たり、あるいは警報が出たときに、災害のおそれがあるかないか、こういったことの判断も含めてやってきたわけでございます。それから、今回はそういった意味では対応がおくれたということは申し上げてきたとおりの状況ですので、弁解の余地はないわけですが、それを踏まえて、今後の対応としまして、注意報の段階から十分な準備ができる体制を考えているというところでございます。○来住委員 本部を設置する責任者の区長、また総務部長、そういう的確な指示を含め判断、今後、そういう意味ではこういう状況の中で、これは水害だけではなくて、当然地震の心配もされているわけですから、十分そういう体制については、日曜日だったとか、夜間だったとかということがないように、以前はちゃんととられていたわけですから、努力をしていただきたい。
答弁は結構です。
それでは、決算について伺います。
区は、これまでの厳しい財政状況からは若干の改善傾向にありますというふうに評価をされております。しかし、大切なことは、区民の暮らしを支える予算になっていたのかということだろうと思います。特に区民の暮らしはどうなったのか、こういう視点で、区民の立場から見ることが重要だというふうに考えます。今の区民の暮らしの実態につきましては、中野区の所得状況調査などの資料によりましても、大変厳しくなっております。
特に2004年の区民1人当たりの所得、これは、小泉改革が言われ始めたこの4年前から比べましても、年間で1人当たり29万円が減となっておりますし、年代別に見てみましても、特に働き盛りの40歳から44歳という年代で見ますと、4年前に比べて年間37万3,000円の所得が減っているということにもあらわれております。また、区内の事業者、これは納税額でしか見ることができませんが、この3年間を比較してみましても、年間で1人当たり9,000円の落ち込みになっております。
また、御存じかと思うんですが、きのう、国税庁が、民間の企業に勤める人の年間平均給与が7年連続して減少したと発表しました。しかも、前年度に比べて5万1,000円の減だということであります。
そういう意味では、収入所得が減る一方で、小泉改革が言われる中で、02年からはサラリーマンへの医療費の負担、特に家族を含めて入院が3割負担になるであるとか、また、年金については、ゼロ円から毎年保険料を引き上げるなどの国民への負担の押しつけが次から次に行われてきているわけです。そういう中で、区民の暮らしの実態をどう見据えていくかということが大事だろうというふうに思います。
その点でお伺いしたいんですが、こういう国などの連続的な区民生活への攻撃、痛みの押しつけ、ここからどう区民の暮らしを守るのかということが私たちは区政の仕事だろうと思っています。そして、そこの区政の目線を落として、そこから区政の本領を発揮する。そういう区政にあるべきだというふうに考えますが、この点についてはいかがお考えでしょうか。
○川崎政策計画担当課長 お答えをいたします。
経済状況は緩やかな回復の兆しを見せているということでございますけれども、確かに企業部門の好調がようやく家計部門にも波及しつつあるということで、区民の皆様の生活は依然厳しいところがあるかというふうに考えます。そうした厳しい状況を克服をしまして、安定して持続可能な社会を築く。これに向けまして、国、地方自治体、そして企業がさまざま構造改革に取り組んでいるところでございます。
中野区におきましても、さまざまな改革を行ってきているわけでございますけれども、これらもすべて安定した財政基盤を確立をいたしまして、区民が安心して暮らせる、そのような自治体運営を図るためということで努めているところでございます。
○来住委員 国と都を挙げて、そういう区民に対する施策の切り捨てが行われてきているわけです。したがって、そういう中で、勝ち組だとか、負け組だとかという言葉が飛び交うような、まさに二極化的なものが進みつつある中で、区民の暮らしの部分、特にいろいろな資料がありますけれども、みずからの命を絶ってしまう、本当に悲しい事態というのが、この間、資料、数値を見ましても、50人を超えていらっしゃるわけです。03年は57名でした。2004年度の自殺者の数は71人です。しかも、20代から50代、働き盛りの方々が59人を占めているわけです。そういう苦しさ、厳しさが本当に厳しい底辺のところに及んでいるという実態をぜひ聞いていただきたいというふうに思うわけです。
そこで伺いますが、厚生43の資料ですけれども、生活保護の受給の状況というのを10年間で出していただいています。これについて、これは生活保護の開始をした理由なども含めて出ていますので、特徴について簡潔にいただきたいと思います。
○浅野生活援護担当課長 お答えいたします。
生活保護世帯の増加につきましては、その理由といたしまして、まず、景気低迷の影響によります失業、あるいはまた、高齢化の影響、当然仕事にもつけませんので、それに伴う手持ち金の減少、そういったものが大きな理由として考えられます。
また、現状でございますが、雇用が若干上向きになるという状況ではございますけれども、まだ雇用情勢自体は依然と厳しいものがございまして、生活保護世帯の方が何らかの収入を得て経済的自立を図るという、そこに至るにはまだもう少し時間がかかるのではないかというふうに考えております。
○来住委員 手持ち金や貯金の減少が数字的には際立ってふえているのが特徴だというふうにこの表からは読み取ることができます。しかも、区民にとっては最後の生活のとりでとなる生活保護自身にも、この間大きななたが振られてきたわけです。特に全部は紹介できませんが、この間、行財政5か年計画の中で、新入学の子どもの祝い品、中野区見舞金、夏季健全育成費、中学卒業者自立援助金などが廃止をされました。また、これらは法外援護ですけれども、法内的には、老齢加算が廃止をされ、18年度には完全になくなる。既に1割がカットされたと思うんですが、さらに母子加算の見直しなどもされました。こういう形で、本当にそこに生きる道を求める、こういう方々のところにまでなたを振ってくるというところに、今の政治の実態があるんだというふうに私は思います。
さらに行財政5か年計画では、難病患者の福祉手当や障害者福祉第2種の手当など13事業の縮小を区はしてきました。また、中学校の修学旅行の参加費補助、この点でも含めて13事業の廃止が行われてまいりました。これは、障害者だけではなくて、高齢者にとっても大変なことになっています。敬老の日に出された、これは総務省の発表したものですけれども、仕事のない方の世帯、特に2人以上の世帯、高齢者の場合、65歳以上で月々4万6,586円が赤字になっている。これは、政府の発表ですから、こういう働き盛りの人から高齢者を含めて、世代を超えてこういう負担増が行われてきているということが実態だというふうに思います。
区長にお聞きしたいと思うんですが、こういう現状を踏まえて、根本には、国や東京都の政治による区民生活、国民生活に与えている直接的なダメージ、痛み、この点をしっかり見据えて、物をきちんと国や東京都に言っていく。区民の立場で要求を区政として貫いていくということが大事なんだろうというふうに思うんです。そういう点で、その立場をぜひ堅持をして取り組んでほしいし、また、区民の苦しみ、痛みに寄り添うということが大事だと思うんです。根本的な原因を取り除くことはできなくても、和らげていくことはできるはずです。そこに心を砕いて区政を運営すべきだと思うんです。痛みも和らげる区政、ここに地方自治の自治体としての役割があるんだ、そこに使命があるんだということを改めてその立場を堅持してほしいということから、区長の所見を伺いたいと思います。
○田中区長 国や都が国民、都民、区民と別なところにあって、何か区民を攻撃しているとかというような、そういう言い方もあったようですけれども、政府は国民が選んでいる国民の代表によって運営されているものですから、そういう攻撃するとかというような言い方というのは、私はいかがなものかというふうに思っております。
国、都においても、あるいは区においても、政府部門は国民、納税者の負担によって、可能な負担を最大限有効に使って、国民、都民、区民の生活を守るという仕事をするわけであります。持続可能な行政運営ということをきちんとつくり出していく中で、最大限区民の福祉を実現していくという立場で仕事をしていくわけであります。区としても、例えば16年度決算の内容について言うと、江古田の森の保健福祉施設の整備についてのさまざまな取り組みでありますとか、あるいは障害者学級の増設でありますとか、できる限りの取り組みをしながら区民の福祉を進めていくということを行ってきたわけであります。その過程において、当然必要なことは、国に対しても、都に対しても求めていくという立場でやってきているというふうに考えております。
○来住委員 繰り返しませんけれども、区民の厳しい実態をきちんと直視をして、そこから区政を考えていただきたいということを申し上げているわけです。そして、東京都に対し、国に対しても、さきの一般質問で山崎委員からも、東京都に財調問題では毅然とした態度でということもありました。私は、その点では共感をします。そういう点でも、区政が皆さんが行財政5か年計画を評価して、紹介した26事業、多くは区民の皆さんの福祉の部分、教育の部分、そしてさらに、本当に大変な層である生活保護の方々のそういう部分を皆さんは切ってきたわけです。そういう点から、改めて来年度の予算についてはそこから区政を考えていただきたいということを申し上げて、次にいきたいと思います。
次に、決算に関連しまして、中野駅周辺のまちづくりについて伺いたいと思います。この中で、特に04年度に予算化された中野サンプラザの取得2億2,000万円がここに投入をされました。私たち共産党議員団は、中野区がサンプラザを買い取ることは公共性や公益性が認められないということ、それから、将来のまちづくりに必要だということでそれを理由にされてきているわけですけれども、自治体がまちづくりの計画に本来権限として持っているわけですから、その点からも理由にはならないということを申し上げてきました。
当初中野区は、所有会社である株式会社まちづくり中野21の資本金の3分の2を中野区が持つので、絶対的支配権を区が確保しているというふうに説明をされてきました。しかし、ところが、2カ月後には、それが議会にも示されない中で、資本の枠組みを変える重要な定款の変更を区は行いました。
まず伺いますが、区の資本割合が3分の2から7.3%へ激減をしたわけです。こういう中野区のこのような重大な変更に対して、議会からも各会派からも批判もありました。しかも、私どもが聞く限りでは、参入された区内の事業者の幹部からも、中野区にしてやられた、利用されただけだ、そういう声も聞かされております。
そこで、絶対的支配権を担保に2億2,000万円を投入されたわけですけれども、問題になっていた地方自治法に基づく監査が及ばないということが一方で判明をしたわけですが、これについては今どのようになっているんでしょうか。
○川崎政策計画担当課長 お答えをいたします。
ただいま御質問がございました監査の件につきましては、国への問い合わせなどの結果、地方自治法及び同施行令によります区による監査は及ばないということが示されておりますが、それを受けまして、区としてもどうすべきかということを検討したいということでこれまでお答えをしておりました。現時点では、まだ具体的なものをお示しできる段階ではございませんけれども、この問題、大切なことでありますので、引き続き検討してまいりたいというふうに考えております。
○来住委員 昨年の決算のこの場で、江田委員から、この問題では区の資本割合が劇的に減らされていくことで、地方自治法に基づく監査が及ばなくなります、この問題について今後どのようになさるのかという質問に対して、当時の課長は、現在は4分の1は維持しているものの、それも3月30日には厳しい状況になるというのは承知してございます、これらについて、また別途区としても監査の仕組みについての御提案もさせていただく中で、よりよい解決の方策を探りたいというふうに答弁をなさっているんです。あれから現在1年たっているんですけれども、見通し、今の御答弁ですと、何か方策があるから今後も検討をしていかれるというふうに受け取っていいのか。むしろそうでなければ、もう引っ張らなくて、地方自治法上無理があるという判断をされるということなのか。まだ努力の方向があるというふうに受けとめてよろしいということでしょうか。
○川崎政策計画担当課長 今委員が御紹介をしたやりとりでございますけれども、その後、その自治法の施行規則の解釈運用などによって、区の監査を及ぼすことができるかということで検討を進めてきた結果、ことしに入りまして、それは難しいということでございます。自治法に基づくものについては、これはできないということでございますので、では、何か具体的にあるのかということで、明快なものがあれば今すぐここでお答えをしたいところなのでございますが、なかなか今のところ具体策は見出せないでおりますが、先ほど申し上げましたように、大切な問題でありますので、引き続き何らかの解決策を求めていきたいというふうに考えております。
○来住委員 3分の2を持つからと、区民にも議会にもそのことを強調されてきたわけですね。この段階、1年たっても、地方自治法上はますます難しいという御判断をなさっているわけですから、きちんとこの点については、これ以上何かあるかのようなことをおっしゃらないで、一定の整理をされた方がいいんではないかというふうに考えます。もちろん、私たちはそれでいいというふうに思っておりません。
もともと融資から出資に変わるという問題もありましたけれども、現在の運営におきましても、残されると言われていた職員の方々も、余りにも激変していく労働条件のもとで、サンプラザの働いている方々も退職を余儀なくされる方もいるというふうに伺っております。また、アルバイトや派遣社員などの雇用形態も、そういうふうに正社員から派遣社員というような形にも変わってきているということも聞いております。特に職場によっては、長時間の労働によって過労死が心配されるという職場もあるかのように伺っているところです。
したがいまして、先ほどの監査が及ばないという問題も含めてですけれども、公共性、公益性を言ってこられましたけれども、この点でもますます問題があるんではないかということを強く感じております。そのことを申し上げまして、次にいきたいと思います。
次に、大規模開発の計画案というふうに言えると思いますが、警察大学校等の跡地土地利用に伴う調査委託費が3,014万円執行をされました。この間、警察大学校の跡地については、中野区政史上、近年例にないほどの議会への陳情が出される。また、パブリックコメントへの300を超える区民の皆さんの意見、その多くは、この跡地を緑豊かな4ヘクタール以上の防災公園にしてほしい。既存の樹木を残して、環境や防災に生かすそういう広場にしてほしい。こういう声が圧倒的なわけです。
しかし、5月にまとめた中野区の計画案は、区民の皆さんのこういうお願いを裏切る計画案ということになっております。私たちは、これまでも貴重な既存樹木の保存、これを生かすということを機会あるごとに議会でも求めてきたところです。きょうは、この点について伺いたいと思うんですが、実は、区民検討会のメンバーの1人であった建築家の中村陽子さんが半ばにしてお亡くなりになったわけですが、会うたびに、既存樹木を生かした計画にこの跡地はすべきだということで、私もそのことを常に話をされていることに接してまいりました。しかし、今回の計画案をきっと嘆いておられるというふうに思います。
そこで、既存樹木の問題ですけれども、警大跡地には樹齢100年を超える国有財産が1,300本残っているというふうに言われております。しかし、既に都市計画決定された区画街路、いわゆるF字道路、この12号の道路計画がそのままの形でつくられますと、桜やヒマラヤスギやメタセコイヤなど、約80本がその道路上に今残っているわけですから、これが伐採されるということになります。さらに、今建設が始まっている東京警察病院の用地にも192本の樹木があったものが、129本が伐採されるというふうにも聞いております。
これが警大跡のちょっと見えにくいかもしれませんが、赤いのが既存樹木です。これだけのものが残されているというのは、まさに国民の財産だというふうに思うわけです。したがって、この樹木をどう保存し生かしていくかということでの立場でお聞きするんですけれども、江古田の森の保健福祉施設が整備をされていますが、多くの樹木が残されたというふうにも計画の中で聞いておりますけれども、どのような状況になったのか、そのことについてまず伺いたいと思います。
○冨永高齢福祉担当課長 江古田の森の緑の保全についての状況及び経過でございますけれども、区が施設建設に当たりまして、条件をつけてございます。原則的には法規の範囲内で自由に設計できるものとするということでございます。ただし、江古田の森の整備に関する基本方針を踏まえまして、自然に配慮した施設づくりに努め、緑の保全と緑化の推進を図りながら整備するものとすると。
なお、既存樹木につきましては、設計上支障のある樹木、あるいは本施設利用者や公園利用者等に対しまして、安全上、管理上の問題がある樹木につきましては、伐採もしくは移植することができるという募集要綱を公表いたしまして、民間事業者を選定したものでございます。
現在江古田の森保健福祉の施設用地内には、樹木が約30本程度ございます。敷地の北側あるいは東側に寄っておりました緑の保全の趣旨が生かされた設計プランが現在でき上がっているという経緯でございます。
○来住委員 今回の警大跡地の計画案にも、1行ほど既存の緑を可能な限り保全すると記されてはおります。しかし、江古田の森のものを見ますと、既存樹木の保存ということでそのことがうたわれております。一般的な緑の保全ということにはなっておりません。そこが大事なところだろうと思うんです。既存樹木の保全をし、生かすということが極めて大事だろうというふうに思っております。
それで、これまで警大跡地については、2004年の6月に、前の区長になりますか、警大跡地の既存樹木の保存をと、国有財産部局長に要望をしてきたわけです。それは、中野区の緑の保護と育成に関する条例、これらを足場にして要望をして、今現状残されているということだろうと思うんです。今回の計画でいきますと、民間の開発が、ラフな計画案を見る限り100年を超える樹木を中心としたところが民間という形で位置付けられているわけです。
したがいまして、今の計画そのものについては、私たちはこれは容認できないという立場ですけれども、しかし、それはそれとして、今残っている既存の樹木を土地を持っている国に対して、正面から保存を残すこと、これは区民の皆さんの圧倒的な願いだというふうに思うんです。こういう立場から、区として国に対してそのことは別途計画は計画であったとしても、既存樹木の保存については正面から国に対して求めるべきだというふうに考えますけれども、この点についてお伺いしたいと思います。○豊川警察大学校等跡地整備担当課長 今委員が御紹介ございましたが、ことし
5月に取りまとめました中野駅周辺まちづくり計画においてお示しをいたしましたとおり、中野駅周辺のまちに新たに設けられる公園や広場、歩行者空間の緑は中野のまち全体の緑のネットワークの中心として整備をする予定でございます。その中で、警察大学校等移転跡地につきましては、可能な限り緑を保全創出して、快適な環境を確保することとしていることでございます。
ちなみに、8月26日でございますが、中野区、杉並区連名で財務省に土地利用転換計画案の見直しという形で要望をお出ししてございます。その中にも、既存の緑を可能な限り保全するということをうたってございます。
○来住委員 先ほども言いましたように、緑ではなくて、樹木は1度失うとなかなかそれは取り戻せるものではありませんし、何をもってもかえがたいものだというふうに考えるからであります。中野区は、緑ということをおっしゃいますけれども、環境ということもその計画案の中には言ったとありますけれども、本当に本気で跡地について樹木を生かしていくという立場を貫く必要がある。今回まとめられた跡地利用転換計画案では、今の樹木も、ましてや環境も守ることはできないというふうに考えます。計画案の抜本的な見直しを求めておきたいと思います。
それでは、区長の憲法9条2項改憲発言について伺います。
これまで議会のたびにと言ったらよろしいでしょうか、共産党議員団として区長のこの憲法改憲発言についてはただしてきたところです。そもそも改憲論の焦点になっているのが憲法9条の改定に置かれていると思うんです。中でも、戦力の保持の禁止と、交戦権の否定を規定した9条2項を変えていく。自衛軍あるいは自衛隊の保持を明記すること。これが憲法改憲の人々の共通した主張になってきています。
さきの本会議におきまして、区長の9条2項改憲発言の撤回を昆まさ子議員が求めました。これに対して、区長は、米軍の戦闘行為に日本が参加することを意図しているものというのはないように私は思っておりますと、撤回する考えがないという答弁でありました。9条2項に対する政府の公式な見解は、1990年の国会において、当時の内閣法制局長官が、自衛隊は戦力ではないという建前から出てくる結論としてということで、次の三つのことを明確に国会でしています。
もちろん、私たちは、これらそういう建前というような扱いについては、立場は違いますけれども、次の三つのことについて、まず第1に、武力行使を目的とした海外派兵は憲法上許されない。第2に、集団的自衛権は憲法上行使できない。第3に、目的任務に武力行使を伴う国連軍にも参加できない。すなわち、自衛隊は戦力ではないという建前に立っているために、今申し上げた三つのことが許されないということになっているわけです。
逆に言うと、憲法に自衛軍、自衛隊を保持すると書き込んだそのときから、この三つのことがそういう意味では海外派兵、集団的自衛権の行使、国連軍への参加、これはどんな形であれ海外で武力を行使することを可能にする。言うならば、自動的にこれを解除する装置が働いてしまう、解かれてしまうわけです。歯どめがなくなる、そういうからくりになっているというふうに言えると思います。
そこで、区長にお聞きしたいんですが、区長が幾ら9条2項を自衛隊、自衛軍、そこは軍隊というふうにおっしゃっているにしても、そういうことで9条2項に明記しても、米軍の戦闘行為に日本が参加することを意図しているものとは思わない。そう言っても、この二つがセットになっているわけです。1項と2項はセットになっているわけです。この9条の1項、2項、その2項を改悪すれば、これは先ほど言った三つのことが可能になるということは歴然としています。そういう点から、政治家としての区長の見解を伺いたいと思います。
○田中区長 本会議の答弁の方からですけれども、まず、本会議で私が申し上げたのは、いろいろな形で提案されている憲法改正についての考え方、そうした意見の中には、憲法の改正が直ちにアメリカの戦闘行為に日本が参加することになるというようなことを主張されているものはないと思いますというふうに申し上げたんです。私がそう思っているとか、そういうことを言っているんではないんです。どなたかの意見がこうなっているからどう思うかと言うから、そういう意見ではないと思いますよというふうに私は言っているんです。まず、そこのところはきちんと正確に引用していただかないと、おかしなことになると思います。
それから、憲法9条2項を改正をする。私は自衛軍だの自衛隊だのという言葉を使ってお話ししたことはないと思います。私は、防衛力というものの存在をきちんと位置付けるべきだというふうに考えておりますというふうに申し上げました。9条2項に関する国会答弁のことですけれども、武力攻撃を目的とした海外派兵はできない。それから、集団的自衛権は行使できない。武力行使を伴う国連軍に参加できない。これが政府の公式見解だと思います。
2項を変えるということが、この3点すべてを逆転してしまうことだということにはならないと私は思います。そうなんだというふうに断定された、それは委員の方のお考え、御意見であって、防衛力を位置付けるからといって、この3項が全く逆転してしまうというようなことにはならないと私は思います。防衛力を適切に位置付けていく中で、こうした三つの問題についてもどのように整理をしていくかということを幅広く国民的に議論をしていくべきだというふうに考えているわけであります。
○来住委員 武力を持たないという2項の役割というのは、これは1項と2項、先ほど申し上げましたように、切り離して考えられるものではありません。しかも、先ほどの答弁は、では、そのことに対して、区長はどなたかがそういうふうにおっしゃっているという意味を答弁なさったということなんですが、あなたはそれではどのようにお考えなんですか。お答えいただきたいと思います。(「質問をもう一度お願いします」と呼ぶ者あり)
区長自身は、これまで2項を変えても、戦争をするということにはならないという意味合いを言ってこられたと思うんですが、私たちは、2項そのものを変えることによって、先ほどの三つ、これは私どもが言っているのではなくて、国会での公式な政府の見解なわけです。そこで質問を続けますが、要するに、日本とアメリカの間には日米安保条約という2国間の軍事同盟が存在しています。したがって、相手のアメリカ自身が日本に対してしきりに9条を変えろというふうに要求しているということは区長は御存じですか。
○田中区長 存じませんし、答弁する立場にないと思います。
○来住委員 これは、一般のニュース等で知り得る情報であります。したがいまして、その安保条約の相手国の軍事同盟のアメリカの求めがあるという中で、現実問題として、連日とうとい命が奪われてきているイラクの状況、今も続けられているわけですが、そういう戦争に対して、イラクでも、アメリカの本国でも、戦争反対の世論が大きく広がってきているというふうに思うんです。したがいまして、この目の前で起きている今のイラクの実態、この事実を直視していくということが大事だというふうに私たちは思うわけです。
したがいまして、9条2項が改悪されれば、先ほど申し上げましたように、法制局長官自身が自衛隊の存在も変わる、歯どめも失う、そういう方向に、国も戦争をしない国から戦争をする国へと、そういう判断以外にないというふうに考えるんですけれども、再度この点での最後になりますけれども、御答弁をお願いします。
○田中区長 私は中野区の区長でありまして、地方自治の原理に基づいて中野区議会で答弁をしているものであります。イラク問題については、これは国政の問題です。国が法律や国会での議論などに基づいて適切に判断をしていく問題でありますから、ここでの答弁の中では一切お答えするというものではないと思っております。また、日米安保条約と憲法のお話がありましたけれども、私の考えでは、ここでは私の考えを申し上げますけれども、憲法は根本的な国の形に関する問題であります。他国との2国間の関係の問題以前に、国の形をどうしていくかという議論をするということでありますから、このことについて幅広く議論していくことは私は大切なことだというふうに思っております。
○来住委員 首長としての区長は個人ではないわけです。中野区民の30万の首長として問うているわけです。ですから、60年前の戦争の惨禍の歴史の上に立って、そういう戦争への道、その足音、そういうことに対して敏感に受けとめていく、食いとめていく責任が区民の命を守る、平和を守る立場から、これはまして、中野区の憲法擁護非核都市宣言の宣言をした区長として求められるものだというふうに考えるからです。そういう点で、この憲法改定の発言についてはあるまじき発言だということを申し上げておきたいと思います。
それでは、次に行きます。建築確認処分の違法決定について伺います。
8月2日に、桃園まちづくりを考える会の主催で、報告会が開かれました。これは、中野区建築審査会によるマンション建設許可取り消しの採決についての報告ということが広く呼びかけられて報告会が開かれたものです。そこで伺いますけれども、この中野区建築審査会に何が提供されて、それに対してどのような審査会の採決が行われたのか、まずこの点についてお伺いします。
○佐藤建築担当参事 それでは、審査請求の概要を御紹介したいと思います。
民間の指定確認検査機関がなしました建築確認処分の取り消しを求める審査請求でございます。審査請求人は、本件の中野三丁目の建築敷地に隣接しておられますお住まいの住民の方でございます。処分庁は指定確認検査機関でございます。
請求の内容でございますが、建築計画が東京都建築安全条例第4条第2項の要件を満たしているか否かということでございます。この第4条第2項の内容でございますが、延べ面積3,000平米以上を超え、かつ建築物の高さが15メートルを超える建築物の敷地は幅員6メートル以上の道路に接しなければならないと規定しております。
審査会での採決の内容でございます。請求内容につきまして、口頭審査を経まして、ことしの7月13日に、確認処分を取り消すとの採決がなされました。安全条例第4条第2項の趣旨が、火災の際の避難、消火、救助活動を念頭に置いている以上、当該敷地に緊急車両等が円滑に至ることができなければならない。当該敷地の接する道路が全体にわたって6メートルの幅員を完全に確保されていなければならないとまでは解すべきかはともかく、敷地が接する部分においてのみ6メートル以上が確保され、その他の部分がすべて6メートルに満たない幅員で目的を達しがたい場合には、安全条例第4条第2項の要件を満たしているとは言えない。よって、確認処分は違法と言わざるを得ないというような内容でございます。
○来住委員 そういう採決が出されたということです。この考える会の方々の報告によりますと、中野区は条例の立法趣旨に反して、敷地に接する約45メートルの部分だけ敷地側に拡幅して6メートル幅の道路とするというこそくな手段、いわゆるへび玉道路によって8階建てのマンション建設を可能にすることを許してきたというふうに報告がされましたけれども、これは住民の方の報告です。そこで、いわゆるへび玉道路のことに関してですが、中野区以外のところで、これについてどういう対応をしているのかということを伺いたいんですが、それは現況の幅員6メートルに満たない道路を開発行為等によって建築基準法上の道路として敷地に接する部分のみを6メートルに拡幅した場合に、都の安全条例の第4条第2項なんでしょうか、6メートルの道路として扱うというふうにしている区はほかにあるんでしょうか。
○佐藤建築担当参事 この件につきましては、特別区の建築主事にアンケート調査をいたしました。その結果によりますと、敷地に接する部分のみを6メートルに拡幅した場合に、東京都建築安全条例第4条第2項上、6メートルの道路として扱っているのは中野区のみでございました。しかし、具体的な建築計画の内容により取り扱うか否かを総合的に判断していると回答した区が2区ございました。
○来住委員 委員の皆さんも御存じの方も多いかと思うんですが、この場所について御紹介したいと思います。今のへび玉道路の問題なんですが、マンション建設の予定地、そして、これは区道になっております。この部分、マンションの敷地の前だけを6メートルにすることによって、本来であれば4階程度のものしか建たないものを8階が建てられるという、そういう手法をこの事業主がとっているということです。
問題になっているのは、前後の道路のことですが、これが現場敷地、マンションが建つ予定地の建物のところに、区道部分、そのへび玉になっている現状がわかると思いますけれども、車がすれ違うこともできない、1台通るのがやっとという状況で、建設委員会でも陳情の際に現場に行かれていますので御確認いただいていると思うんです。こういう道路状況の中にあるということであります。
それで、今御紹介がありましたように、23区では、この現場のような状況の中でよしとしている区はほかにはないんだということで、したがって今回の採決になったんだろうと思うんですが、この報告書、住民の皆さんの報告によりますと、建主は中野区との水面下の事前了解に基づいて、違法と知りながら8階建てマンション建設計画を立てた。建設工事を進めてきたというふうに報告がされています。事前了解というのは、恐らく中野区に対する事前相談ということを指しているんだろうと思うんです。それで、開発行為の相談カードというのがございます。平成16年3月25日に相談カードが記されております。この中に、この中野区への相談の段階で、中野区としてはどういう建物がここに建つかということを御存じだったということになるんでしょうか。これを見る限り、そういうふうに思えるんですけれども、それはいかがだったでしょうか。
○佐藤建築担当参事 今お示しのものは開発行為の相談カードでございますが、建築の窓口にも事前の相談は見えておられましたので、そのことは承知しております。
○来住委員 したがいまして、事業主は事前に開発の窓口についてはこういう形で相談に来て、この七つの要件が付されておりますけれども、これの2番目に、前面道路を6メートルとし、拡幅部分1メートルと合わせてさらに1メートルの歩道上空間を提供し、2メートルの歩道を設けることというふうに記されております。
したがいまして、この段階でここにも書いてあるんですけれども、分譲マンション80戸、鉄筋コンクリートづくり地下1階地上8階というものがここに建てられるということをもって事前に事業主は相談に来ているというふうに考えられます。したがいまして、確認申請自身は民間の確認検査機関に事業主が出したということですから、それは区が受けていないわけですが、しかし、事前に区に対しても確認申請を受けた機関からも中野区にも事前の問い合わせ等があったかのように聞いているところであります。
そこで、平成16年になりますが、12月に確認申請を出されて、そして、わずか9日間で確認がおりております。そして、確認がおりる1日前に、中野区は開発行為を承認をしているという日付になって、そして、事業者は確認がおりた次の日、16日から着工をしているというスケジュールになっております。
そこで伺いますが、今回のこの決定なんですが、区長は、実はさきの本会議でのこの件でのやりとりがありました。建築確認は建築主事が法に基づいて行うものであり、直接区長の権限が及ぶところではありませんということで答えておられます。しかし、一方、開発の承認は、これは中野区長が出されているということになるんでしょうか。開発についての承認は、区長が出されるんでしょうか。
○服部都市整備部経営担当参事 開発処分、本件につきましては、区長が承認してございます。
○来住委員 そうしますと、区長が開発行為を承認をし、同時に建築審査会の委員は、これは区長の委嘱ということになるのか、ちょっと確認したいと思います。
○服部都市整備部経営担当参事 区長の附属機関で区長の委嘱をしてございます。任命してございます。
○来住委員 そうしますと、これを建てられることを事前に区に相談をし、建主はその見通しを持ったからこそ、8階建てのこれを確認の申請を民間の検査機関に行った。しかし、一方で、区長の附属機関である区長から委嘱をされた中野区の建築審査会は、これは違法だという採決を下した。そういう点では、矛盾する相反する状況が生まれているということになるんでしょうか。
○服部都市整備部経営担当参事 今委員の方、いろいろ法令等を説明されていますけれども、都市計画法と建築基準法と、若干ごっちゃに御理解しているかと思ってございます。そもそも建築にかかわるところは基準法でございますが、今私が登壇しておりますけれども、開発許可にかかるところでは、都市計画法にかかわる法令に基づきまして判断してございます。仮に本件につきましても、都市計画法の施行令の原則適用を行いまして、敷地に設置します道路の幅員、いわゆる前面道路を都市計画法施行令の原則適用を行って6メートルとしてございます。
したがって、そういった法の的確な適用の判断で都市計画法に基づきまして判断したものでございますので、それと、今るる委員の方がお話しされております基準法にかかわるところでは別格な、あるいは法の流れが違うところでございます。そこでの中で一緒にされますと、やや誤解の向きはありますけれども、都市計画法と建築基準法とはまた別なところということで御理解いただきたいと思ってございます。
○来住委員 それはそのようにしたいと思うんですが、いずれにしても、今回の違法という採決を受けて、事業主が今再審を国に求めておられるということでした。それを見守りたいということも区長がおっしゃっていたと思います。
先ほど佐藤課長からいただいたほかの区が認めていない、23区の中では中野区だけだという状況について、これまで検討をしたり、またこれからどうしていくのかという問題もあろうかと思うんですが、その点については、これまでのこととこれからのことについて、何かございますか。
○佐藤建築担当参事 中野区建築審査会の採決、これは尊重しなければということで考えております。したがいまして、現在相談に来られている物件につきましては、6メートルそこだけ拡幅したからということでいいというような回答は今しておりません。ただ、これにつきましても、今御紹介がありましたように、国への再審査請求が出ております。まだ最終決定が出たとは考えておりませんので、区長も答弁しましたけれども、私たちもその経緯を見守りたいというふうに考えております。
○来住委員 事業主としては、確認をおろした民間の指定検査機関、または中野区を相手にして訴えを起こすということも考えられなくはないなということを危惧を私としてはしているんですが、ぜひ対応をしっかりやっていただきたいというふうに思っております。
この件に関しましては、私は1年前にも当委員会で、東中野の日本閣の超高層マンションの建設に伴う開発許可等について質疑をさせていただいてきました。日本閣の場合には、8メートルに拡幅すること、道路付けを変更することによって、33階を建てるということ等々がありまして、しかも、事前に開発許可を出された状態で住民が知ることができないという、これは法律上の問題もあろうかと思うんですけれども、地域にとっては本当に承認が出た後でしか知り得ないという、こういう矛盾を抱えているわけですので、ぜひ今後住民の立場での建築行政を進めていただきたいというふうに思います。
次に、中野区の共同住宅等建築指導要綱を条例化することについて伺います。
共同住宅の建築にかかわる地域におけるさまざまな要望や問い合わせは、もちろん、役所にも窓口にもあるんだと思うんですが、私たち議員にも寄せられております。この要綱が対象にしているのは、第1種、第2種の低層住宅住居専用地域等々、いわゆる静かな住宅地における建築にかかわる問題ということから、住居の面積の広さの問題、駐輪駐車場の問題やごみ問題、環境の問題等に及んでいるわけですけれども、この建築指導要綱、中野区の場合は指導要綱ですけれども、近隣の中野区の周りの状況については、条例化の状況も含めてどのようになっているんでしょうか。
○佐藤建築担当参事 周辺区について調べますと、新宿区、渋谷区、豊島区、世田谷区の4区が条例化しております。
○来住委員 この要綱について、条例化を求める要望も区長に出されていると思うんですけれども、その内容について簡潔に御紹介ください。
○佐藤建築担当参事 区長及び議長あてに、東中野四丁目の区民の方から、中野区共同住宅等建築指導要綱を条例化することについてという要望書が提出されております。要望書の内容でございますが、3階建て共同住宅の建築における指導要綱の遵守ということでございまして、指導要綱は法的な拘束力がないため、区民のよりよい住環境を守るために、条例化するように要請されたというものでございます。
○来住委員 中野区議会に対しても、2003年の6月に受理された陳情、安心して暮らせる住環境を整えるための対応についてというのがありました。これは、共同住宅をワンルームではなくてファミリー型中心のものにしてほしいということで、その要綱の改正を求めるものでありましたが、全会一致で陳情が採択をされております。その陳情の審査に際して、建設委員会では、いろいろな角度から審査がされてきた経過がございます。
その点で、その中で、区としても、この要綱については見直しをしていく。あわせて、こういうふうに答弁をされてきたんです。全体の要綱の見直しということでは、要綱についての実効性の担保といったようなことから、条例化している区もございますので、そういったところを参考にしながら検討していきたいというふうに考えております。また別の委員の質疑に対して、今後の要綱のあり方、また、条例等で制定している区もございますので、そういったことを検討しながら検討していきたいというふうに考えておりますということで、条例等の制定を考えの中に入れながら、この問題に対応していきたいというのがこの2003年6月の委員会での答弁だったというふうに記録にもあります。
そこで、どのような条例を視野に入れて、また、要綱の見直しということなのか。ここでは、条例を視野に入れた要綱の見直しということで、先に条例を視野に入れての検討だろうということで伺うわけですけれども、どのような見直しをされてきたのかお聞かせください。
○服部都市整備部経営担当参事 確かに常任委員会でそういった趣旨の御答弁をさせてもらった経過がございます。先に策定いたしました中野区基本構想、また自治基本条例や現行のさまざまあります都市計画、まちづくりの関連条例等を踏まえまして、区におきます都市計画、建築、住宅等にかかわります領域で、いわばまちづくり全体の条例化に向けた検討を目下行っているところでございます。
○来住委員 もうこの陳情採択から2年以上たっているわけです。それで、私のつらい経験なんですけれども、住民の説明会で建主さんが、中野区のは要綱だから、これは条例でないので聞く必要がないんだということで住民の皆さんにそう説明している業者もありました。それで、特にごみや管理上の問題というのが地域であるわけですけれども、議会の中でそういう条例化の方向での検討を示されてきたわけですから、議会との関係でもそうですし、住民との関係でも、具体的にめどを持って検討していく、そういう立場が理事者には必要だろうというふうに思うんです。したがって、今の答弁ですと、いつ、どういう形で示されてくるのか、検討の角度、検討の中身も今の御答弁では全く伺い知ることができません。もう少し具体的に議会で答弁してきた経過を踏まえて御答弁いただきたいと思います。
○服部都市整備部経営担当参事 先ほどの答弁の繰り返しかもわかりませんけれども、区におきます都市計画、建築、住宅等にかかわります大変幅広いところでございますので、どういう範囲を条例の中に盛り込んでいくか、あるいはさきに策定いたしました自治基本条例、これは、ある面では住民のいわばまちづくりにかかわりますかかわり方とか、そういったことも入ってございます。そういった新しい状況を踏まえて、なるべく早い時期に全体の形をお示ししていきたいと考えてございます。
○来住委員 地域の住環境に寄与する条例を早く真剣に検討して、具体化して、提案していただきたいということを申し上げておきたいと思います。
次に、中小企業の振興基本条例を策定することについて伺います。
大型店の出店に際して、商業調整をうたっていたこれまで大店法というのがあって、それが廃止になったわけです。その後、地域の住環境等を配慮するということから、大店立地法がつくられて6年になるでしょうか。そういう中で、実態は、大型店の出店をしながら、地域の方は厳しい商店の実態が広がっているというふうに思います。そういう点では、無秩序な大型店の出店というふうに言えると思うんですけれども、そういう陰で商店を廃業するという方々も影響を受けております。中野区も例外ではないというふうに思うんですが、既に東中野の日本閣の超高層の1、2階等には大型店が出店をするということで、地域の方々、商店街も大変気をもんでいらっしゃるところであります。
そこで、商店街の地域の中で果たしている役割といいますか、中野区の特徴は小売業、サービス業、個店という、そういう家族の範囲でやっておられるお店がたくさん商店街をなして、それがまた、地域の顔になっているわけですけれども、区として、地域商店街の果たしている役割についてどのような認識をされているのか。まず、その評価について伺いたいと思います。
○鳥井産業振興担当課長 地域商店街の役割についてのお尋ねでございます。地域商店街は区民の皆様が生活に必要な物資、そしてサービスを購入するだけではなく、例えば生活安全や防災など、地域コミュニティを支える上でも重要な役割を果たしていると認識してございます。
○来住委員 新しい10か年計画の中で、数値が出されております。この中では、区内商業の売り上げを5年後には1兆1,600億円という465億円の増を目標に挙げております。そういう意味では、具体的な何らかの商業、いわゆる売り上げが上がる。そういうことを期待をされているんだろうというふうに思うんですが、中野区としての商店街振興について、それではそれだけの目標を上げていくということになると、そのもととなるものがあってこういう数字は出てくるというふうに考えるんですが、その点についてはどのようなお考えなんですか。
○鳥井産業振興担当課長 10か年計画を踏まえました今後の産業振興の取り組みでございますけれども、商店街の振興に当たりましては、それぞれの商店街がその特色を生かし、一定のコンセプトを持った取り組みを商店街みずから行っていただく、そういったことが商店街の活性化につながると考えてございます。そうしたコンセプトのある取り組みを考える商店街を発掘し、活性化策の検討段階から、例えばコンサルタントの派遣、あるいは実施段階での事業助成など、効果的な支援を行いたいと考えております。
また、商店街にございます個々の商店が消費者や地域のニーズなどを把握しまして、より魅力ある店舗となるための経営改善の取り組み、こういったことにつきましても、講座の実施などによりまして支援してまいりたいと考えております。
○来住委員 いろいろな商店街への支援の形というのはあると思うんですが、こういう状況のもとでは直接的な支援というのが極めて効果を発揮するんだろうというふうに思うんです。例えば滋賀県の長浜市などでは、住宅リフォームの制度の助成を商店街との関係で、例えばこの場合は、住宅改装の市内の業者に依頼した場合には、工事費の1割を上限として助成をしています。そして、それは商品券をその助成という形で出して、それがまた商店に回ってくる。それで建設関係の業者さんもそのことによって仕事がふえ、そして、かつ助成を受けた市民の方々は地元の商店街でその商品券が回ってくるという、一つの事業による効果をかなり高める。そういう商店街の活性化をさせていく事業、まさに知恵を出して直接的な支援というものが今後必要だろうというふうに思っています。これは御提案をしておきたいと思います。
それで、この間、議会でもたびたび商店街振興策については求めてきましたが、私たち共産党としては、まず区内の事業者、商店の実態調査を区自身が直接乗り出して、職員自身が、商店や中小業者の皆さんのところに足を運んでいくことがまず実態の全体を明らかにしていくという調査を求めてきました。
それから、二つ目には、中小企業や小売業を区政の中にきちんと位置付けるということを提案をしてきましたし、そのためにも、足場をしっかりと持つ中小企業振興基本条例を策定をすべきではないかということを御提案してきたわけですが、23区の中での振興条例の策定状況についてはどのような状況になっているんでしょうか。
○鳥井産業振興担当課長 23区内で産業振興等にかかわる基本条例のある区は16区でございます。
○来住委員 かなりの区で既に策定をしてきているということですし、また、中野区の区商連の方からも要望が出されてきていると思うんです。ただ、中野区の対応としては、実は区議会との関係で言いますと、この間、例えばこういう答弁をされてきて、少なくとも前向きの答弁をされてきているわけです。03年の第2回定例会では、条例の検討も行うということになるだろうと思っておりますと、前の部分は省きますけれども、最後の方はそういうことです。
それから、05年の1定で、きたごう議員も、私もそうですけれども、同じ時期に質問させていただいて、ほぼ同じ答弁でしたが、こういう答弁でした。この検討の中で、条例で規定することが必要かつ効果的な事項なども整理しながら検討してまいりたいということで、前向きに整理をしながら、条例の規定に何が必要か、そういうことも含めて検討いただく状況に来たんだなというふうに受け取ったんですが、これが05年の1定の御答弁です。したがいまして、条例で規定することが必要かつ効果的な事項などについて整理をされてきているのかどうか、今後の条例についてどのような方向で、いつごろをめどにされているのか、それを御答弁ください。
○鳥井産業振興担当課長 ただいま区といたしましては、検討いたしまして、区内の産業振興を図るための総合的な取り組み、これを定めた条例を検討を進めているところでございます。産業団体等との意見交換等も含めまして、鋭意進めてまいりたいというふうに考えております。
○来住委員 ぜひ商店の現状等を認識されて、条例化を急いでいただきたいと思います。
最後の質問になりますが、文化・芸術の振興を推進することについてということで伺います。
本来、文化・芸術というのは、福祉や教育と同じように公共的な性格を持っておりまして、特別なものというふうには思いません。しかし、残念ながら、これまでの位置付けは極めて明確になっていませんで、隅っこに追いやられているというふうに感じておりました。この間、さきの一般質問でも、伝統芸能の保護育成ということを質疑されていまして、共感をさせていただきました。
そこで、中野区も、担当者を置いて専門的に文化・芸術を追求していくということについては評価できるものなわけですけれども、問題は、文化・芸術の振興に際して、既に2001年に成立した振興基本法というのがございます。そういうのを受けて、ほかの特に目黒区、千代田区などでは、文化芸術振興基本法の制定を受けた形で条例化をしておりますが、中野区として、今進めようとしている文化・芸術の振興について、自治体としてどのように進めていこうとしているのか。また、自治体の責務ということが明確でないと、先ほど言ったように福祉や教育と同じような性格を持つというふうに私は思っておりますので、どのような考えのもとにこれを推進されようとしているのか伺いたいと思います。
○大沼生涯学習担当参事 中野区における文化・芸術振興につきましては、中野区が持つ魅力、資源などを活用して、中野らしい文化・芸術振興策を考えていきたいと思います。その中で、条例についても研究してまいりたいと思います。
他の区では、確かに自治体の責務もうたってございますけれども、中野区としては、条例の必要性、仮につくる場合の盛り込むべき内容などを研究していきたいと思っております。
○来住委員 今の最後のところがよく聞こえなかったので、後ほどで結構ですが、中野区も懇談会をつくられております。この懇談会の文化・芸術に関する懇談会、ここが一つの文化・芸術の提案をしていただく懇談会になっているのかなというふうに思うんですが、この懇談会については、今後どういうふうに生かしていかれるのか。
といいますのは、先日なかのZEROで、教育委員会事務局が主催をして開かれたのが文化・芸術の問題で、私としては初めて、区が主催をされて、こういう問題で呼びかけられたということで参加しましたが、ただ、文化・芸術に関する懇談会が今後どういう役割を果たしていこうとしているのか。そして、懇談会の期限は10月5日、要するに5回開かれてもう終わりというスケジュールになっているんです。これは、文教委員会に示されていますけれども、文化・芸術を区として進めていく上では極めて不十分なものにならざるを得ないんではないかというふうに思うんですが、この点でどのような腰を据えた今後取り組みをされていくのか、お聞きしたいんです。
メンバーの方について、特に私は注文をつけるわけではないんですが、映画であり、音楽であり、美術であり、写真であり、いろいろ文化と言われる世界は広いわけです。したがって、区民の皆さんのそういう団体、グループの力、知恵といいますか、持っているエネルギーを結集する。そして、さらに何をグループや団体の方々が求めておられるのか。それをつかんでいく。実態をきちっとつかんで、今後の文化・芸術施策に取り組むもとをまずつくるということだろうと思うので、その点についてはいかがでしょう。
○大沼生涯学習担当参事 条例の件について聞き取れなかったということなので、これについては、中野区の持つ資源を生かした中野らしい文化・芸術振興策を考えているところです。その検討の中で、条例についても研究していきたいということです。したがいまして、条例の設置の可能性、必要性、あるいは盛り込むべき内容などを研究していきたいと申し上げたところです。
次に、文化・芸術に関する懇談会です。これは、先ほど申したように、中野区の持つ資源というんですか、例えば中野区は便利な位置にある。若手芸能人が多くいらっしゃる。劇団、スタジオ、演劇などが活発に行われている。そういう意味で、かなりいろいろな可能性のある資源を有している。こうしたものを生かして、まちのにぎわい、あるいは人々の交流が豊かになり、生活が豊かになって、中野らしいものが生まれてくる。あるいはそれを創造していくというような形で文化・芸術振興策を考えているところです。
今回の懇談会は、そういった資源を生かすための多様な専門的な分野から、具体的な意見をいただくということで設けたところです。これについては、当初から総花的なものではなくて、あくまでも中野らしい文化・芸術を振興するために、それぞれの専門分野の方に委員として参加いただき、文化・芸術振興について論議していただいているところです。それが今の状況です。
それから、実態調査について御説明します。中野区の実態調査なんですけれども、ことしの5月に、中野区の区有施設を利用している団体あるいは活動者、いわば地域センター、もみじ山ZEROホール、芸能小劇場などを利用している利用者については1,800人、団体、グループについては600人に対してアンケート調査を行いました。その結果は、6月にまとめたところです。今現在中野区を活動拠点としている文化・芸術団体の実態調査を行っているところでございます。この実態調査を生かして、文化・芸術振興策を検討していきたいと思っているところです。
○来住委員 文化・芸術は人類の価値ある遺産というふうに言われております。精神的な遺産だというふうに言われているだけに、5年10年程度のスパンで考えていくんではなくて、先をきちんと見据えた振興策を打ち出していく必要があるだろうと思います。ましてや、効率化などはなじまないわけですから、そういう点も十分踏まえながら、自治体としての役割を明確にする中で、振興策を考えていくということをぜひ条例化を検討いただく方向で進めていきたいと思います。
この間、幾つかの条例提案、また、区政として取り組みがおくれている部分等も含めて御提案させていただきました。以上をもって、私の質問のすべてを終わりたいと思います。ありがとうございました。
○伊藤(正)委員長 以上で来住和行委員の質疑を終了いたします。
3時になりますので、休憩をしたいと思います。
午後2時57分休憩
午後3時21分開議
○伊藤(正)委員長 定足数に達しましたので、委員会を再開いたします。
それでは、3番目に、こしみず敏明委員の質疑を行います。
○こしみず委員 平成17年度特別委員会に当たり、公明党議員団の立場から総括質問をさせていただきます。
それでは、質問項目にわたりまして、1番の水害対策の方から質問をさせていただきます。
初めに、区長にお伺いをいたします。昨日の都議会一般質問で、我が党の高倉良生都議会議員が先般の水害問題について質問をいたしました。その結果、環七地下河川への妙正寺川からの取水は予定を前倒しして実施したいとの答弁を引き出しております。我が議員団としても、強く要望してきたところであります。歓迎をしたいとしていますが、区としても確実に実施されるよう力強く強力に働きかけるべきではないかと考えますが、区長はいかがお考えでしょう。
○田中区長 8月15日の水害の後にも、私も東京都の方に赴きまして、早期取水の開始と、それから、50ミリ改修の促進ということを申し入れてきたところでありますけれども、さらに続いた9月4日の水害を受けての東京都の判断ということだろうというふうに考えております。その御質問、答弁の中では、激甚水害への指定といったようなことにも言及されていたようでありまして、そのこととあわせて、区といたしましても強力に要請をしていきたいと考えております。
○こしみず委員 ありがとうございます。次に、地元の江古田川の水害についての質問をさせていただきます。現在の江古田川流域の雨水流出抑制施設の整備状況はどのようになっているのか、最初に伺います。
○尾﨑土木担当課長 お答えいたします。
江古田川流域の雨水流出抑制施設といたしましては、北江古田公園調節池と新青梅街道の下に下水道の雨水流出施設の第二妙正寺川幹線が設置されているところでございます。貯留量は、北江古田公園調整池が1万7,000トン、第二妙正寺川幹線が江古田公園から上流の先行部分で現在使用されておりますが、8,700トン貯留の整備がされているところでございます。
○こしみず委員 そこで、北江古田公園調節池に水が入ったのは何時ごろでしょうか。
○尾﨑土木担当課長 私どものところに河川情報システムがございますけれども、推計のデータを見ますと、北江古田公園の流入は9月4日午後9時40分ごろではないかと思われます。
○こしみず委員 この流入については、どのような段階で入るようになっていますか。
○尾﨑土木担当課長 護岸の天端から1.3メートル下でございますが、そこを超えた段階で流入するようになっております。
○こしみず委員 そこで、この流入に当たっては、流入する時間帯がわかるようにできないんでしょうか。いかがですか。
○尾﨑土木担当課長 私どもの方では、10分間単位の水位データがございますので、流入の時間はある程度わかるようになっております。また、公園利用者等に対しましては、天端から1.7メートルの地点で避難の警戒放送が流れます。それから、天端から1.5メートルを超えると、警報サイレンが鳴るような仕組みになっているところでございます。
○こしみず委員 次に、通常は護岸の点検はやっていらっしゃいますか。
○野村公園・道路担当課長 河川の護岸の点検ということでございますが、通常年4回ほど定期の点検を行っております。このほかに、大体年2回を予定しておりますが、河川の清掃時、このときにも点検を行っております。また、年次計画で行っています河川の改修の工事のときにも点検を行っておりますが、いずれも職員の目視、目で見ての点検ということで、護岸の一番上にありますかさ石のずれですとかといったようなものを点検をしているというところでございます。
○こしみず委員 もう一つかさ上げされた護岸についてはどうですか。
○野村公園・道路担当課長 かさ上げ部分があるところ、ないところ、同様の扱いでございます。
○こしみず委員 今回は、2カ所にわたって護岸の崩壊がありました。そこで、区内の河川についての護岸の点検は、以後されていますか。
○野村公園・道路担当課長 9月4日の災害以降、9月8日でございますが、区内の河川全線にわたりまして、目視による点検を河川の両側の通路及び河床におりての目視の点検を行いました。また、このほかに、河川わきの路面下に空洞があったことによる崩壊かという疑いもございましたので、音波によるエコー検査でこれは三谷橋のところから千歳橋に至る両岸について点検を行いました。
○こしみず委員 そこで、この2カ所の護岸が崩れたところについては、現在どのような進行状況になっていらっしゃいますか。
○尾﨑土木担当課長 護岸が崩壊したところでございますけれども、三谷橋上流、左岸でございます。そして、もう一つは北原橋の上流、右岸でございます。両方とも土のうを積み上げまして、三谷橋の場合は1トン土のうという形で積み上がっております。これは、あくまでも応急措置でございまして、今後護岸の改修を東京都が行います。それから、北原橋につきましては、護岸を積み上げまして、モルタルで覆っております。今後、ここの地区につきましては、河川改修の予定がございますので、本格復旧をしていくという話を聞いているところでございます。
○こしみず委員 ありがとうございます。次に、これは本会議のときにも質問が出ておりましたけれども、改めて確認してみたいと思っております。災害対策本部を設置した際には、警察、消防への連絡体制はどのようになっているのか伺います。
○斎木防災担当課長 お答えします。
災害対策本部を設置したときには、警察と消防には連絡することにしています。9月4日は、災害対策本部を設置したと同時には連絡ができませんでしたが、避難勧告の問い合わせの際に、設置した旨警察と消防には連絡いたしました。
○こしみず委員 8月15日は災対本部を設置して警察や消防に連絡した。これは当たり前だと思うんです。だから、内容的にはどんなことを--別に災対本部を設置したときに、設置しましたよという連絡だけではないんでしょう。そこら辺はいかがですか。
○斎木防災担当課長 設置の旨を伝えるということにしていますので、設置したということだけを伝えました。
○こしみず委員 9月4日については、今課長がおっしゃったように、向こうの方から連絡が先に来てしまったというふうに答弁されましたけれども、どうしてなんですか。
○斎木防災担当課長 ちょうどその当時、職員の参集状況が、先ほどお話ししましたとおり6人の段階で、電話が10本あるんですが、その電話がずっと鳴りっ放しの状況、その対応で、連絡するいとまがなかったというのが事実でございます。
○こしみず委員 8月15日の教訓を9月4日にどう生かしていったのか、我が党の久保議員の質問に対して、区長は、結果的に9月4日に間に合わず、大きな被害を受けることになった。今後は警報レベルからの参集を改め、注意報レベルからの参集にするなど、職員の初動体制を早期に確立できるように努めたい、そのようにお答えになっております。この初動体制とは、具体的にはどのようなものか伺います。
○斎木防災担当課長 夜間休日緊急配備体制というふうなことで、まず一つは、避難所の開設と車両避難所の開放、それから二つ目が、河川監視と地域内広報、それから、土のうの配備、3番目が、情報収集、そうした関係機関への連絡、それから、職員の参集要請、電話対応、それから4番目が、ホームページの対応、それから、報道、議会対応ということで、四つの区分を対応業務として、それに合わせた体制をつくりたいということで今固めているところでございます。
○こしみず委員 そこで、きょうの各新聞のところには、お隣の杉並区が、要するに今月4日夜襲った集中豪雨ということで反省をして、災害対策緊急部隊というものを発足させたというふうに報道されておりました。当然中野区も反省を踏まえた上で、こういったものは発足していくんではないかなと思うんですけれども、そこら辺はいかがですか。
○斎木防災担当課長 今お話がありました杉並の体制が、私が先ほど申し上げた体制に匹敵するものというふうに考えてございます。
○こしみず委員 今課長の答弁の中では、四つぐらいしかお知らせなかったですよね。杉並の方は9部隊になっているんです。御存じだと思うんですけれども、一応紹介しておきますけれども、緊急部隊は、本部隊と遊撃隊、それから、情報隊、電話対応隊、車両隊、ホームページ隊、避難所隊、広報活動隊、土木部隊の9部隊編成になっておりますということなんですけれども、いかがですか。
○斎木防災担当課長 四つの区分は、そうしたことの中に九つぐらいが項目としては入ってございます。それで、夜間休日緊急配備体制ということですので、こうした体制がとれて、ある程度の対応ができた段階では、今度は第1次非常配備態勢であり、第2次非常配備態勢に移れるということになりますので、その間の体制固めということで御理解いただきたいと思います。
○こしみず委員 次に、防災行政無線による区民への情報伝達体制の見直しについて、答弁としては、区としては激しい風雨の音とともに窓を閉め切っている状況で、有効性に問題を残したということから、サイレンへの切りかえと職員による地域内広報で対応するように考えている、そのように答弁されました。私は、区有自動車の台数はどうなのか、あるいは職員の人数はどうなのか、非常に心配なところがありますが、どういう体制で行うのか伺います。また、それに要する時間はどのぐらいなのかお答えください。
○斎木防災担当課長 この体制は勤務時間外ということでございますので、庁有車は十分確保できている、そういうことで考えています。それから、地域内広報に使用する車は8台ぐらいを確保しまして、24人体制で行いたい、こんなふうに考えてございます。ですから、既に注意報の段階で準備ができている状況ということでございますので、その状況に応じた対応ができる、このように考えてございます。
○こしみず委員 今8台で24名という数字をお述べになりましたけれども、本当に神田川、妙正寺川、江古田川、3河川のところで浸水する地域については、かなりの人数も台数も要るんではないかなと思うんですけれども、8台で大丈夫ですか。
○斎木防災担当課長 8台で、先ほど言いましたとおり、注意報の段階で、場合によっては、その場で待機するような形で考えてございます。したがいまして、そこで一定の業務をこなせますし、2カ所ぐらいをかけ持ちでできる時間は十分にあろうかなと、こんなふうに考えて、関係部との協議の中で8台を今のところ確保して予定しているところでございます。
○こしみず委員 次は、危機管理のあり方なんですけれども、この危機管理のあり方について、水害に対する危機管理等はどういうふうに考えていらっしゃいますか。
○斎木防災担当課長 総合的な治水整備を進めることが重要と考えているところです。ただ、整備には長期間要するということですので、洪水の危険性を事前に周知し、日ごろの備えを普及することによる被害の軽減を図りたい、このことは危機管理というふうに考えてございます。
○こしみず委員 ありがとうございました。では、大変お待たせしました。写真の出番になります。
これが、先ほど見ていただいた江古田川の関東バスの裏のところのかさ上げされた排水口のゲートになります。これが、川の方から内側から見たところなんです。ここには、排水口をあけても人が落ちないような柵がついております。柵のしてあるもうちょっと先のところに、鎖でつってあるところがあって、これは、この大きな排水より先にこの小さい方が、要するに川幅がずっと下がったときに自動的に流れるようになっているところなんです。
民家の方から見ますと、大きな水門のそばにこの小さい、本当に15センチ四方ぐらいの排水口が確認しましたら7個あったんです。ところが、この間の15日、そして9月4日のときには、なかなか排水がうまくいかなくて、そして、最近では、地元の区民の皆さんの方からも、だれが管理して、いつ、どなたがこのかぎをあけて排水口をあけてくれるのかということで、ちょうど消毒に来ていただいた職員の方にお聞きしたそうなんですけれども、私は知りませんというふうな答えが返ってきたということなので、改めて確認の意味で、この管理をしているところ、そして、かぎをあけて、要するに水を逃がしていくところについての考え方を教えてください。
○尾﨑土木担当課長 お答えします。
大きな排水口の点でございます。区が設置したものでございます。河川の水位が下がりまして、道路上にたまった水を排水するために設置したものでございます。河川沿いの一部の住民の方にはかぎを預かってもらっておりますけれども、道路上の水量がかなり多い場合は、あけたとき、危険でございますので、基本的といいますか、原則的には区の職員が開閉するようなことになっておるところでございます。
○こしみず委員 課長の方から、区の方の職員が管理してかぎをあける。そして、排水をしていくという形になりましたけれども、聞くところによると、近隣の住民の皆さんは、区の職員は確かに来ていただけるんですけれども、遅い。何でもっと早く駆けつけてくれないのか。今お話があったように、かぎは近くの住民の方に預けてありますと言っても、その方の名前を近隣の皆さんに公表することは、これは難しいと思うんです。そこら辺の取り扱い方をどのように考えていらっしゃいますか。
○尾﨑土木担当課長 基本的には私どもがその現場に行って道路上の水を排水するというのが手だてだと思っております。ただ、先ほど委員がおっしゃっておりました15センチ角のフラップゲート、これがありまして、これは自動的に道路から河川水位が下がったときに川の方に排水するような装置でございます。ふたがしてありまして、道路の方から水が河川の方に押し流れ、ふたがあくというような形になっていますので、これでかなりはけてしまうというのが実態です。そこで、職員が行ったときには、ある程度水が道路上になくなっているというようなケースがございます。
また、1点大規模災害になりますと、どうしても先ほど申し上げたような護岸の崩壊といったケースが今回あったわけですが、そういった現場で対応しなければならないというケースが間々ありまして、江古田川のここの部分も水害で被害を受けられているのはわかるんですが、ちょっとそこのタイミングでなかなか行けなかったという事情もあります。
○こしみず委員 そこで、お願いがあるんですけれども、また、近隣の住民の皆さんの方からも強い要望があったんですけれども、これは、かぎが上の方にかかっていて、手動ですよね。自動ではありません。人の手に渡って、初めてかぎをあけて排水口を開いて水を排水していくような形になりますけれども、この部分を優秀な土木部の職員がたくさんいらっしゃると思いますので、できれば自動化を図っていただけたらなというような要望が地元の皆さんから非常に多いんですけれども、そこら辺の件についてはいかがですか。
○尾﨑土木担当課長 その排水口につきましては、一応着脱式のゲートでございまして、手動で持ち上げてというような話になります。それを自動的にするということはなかなか難しいところでございます。先ほど申し上げましたように、小さな排水口でございますからそういったものもついておりますので、それとあわせた形で今後とも使っていきたいというふうには思っております。
○こしみず委員 そうなると、ここの地元の江古田川の近隣の皆さんについては、小さい方があるから自動的に排水するからいいのかという形になってしまうと思うんです。ですから、大きい方の排水ゲートが自動化にならないということではなくて、何とか近い将来についてはこれが自動化に向かうような考え方というのはできないんですか、再度お聞きします。
○尾﨑土木担当課長 今使っているそのものを自動化するということは構造的に難しいと思います。全く別な観点から、自動化する場合は検討する余地があるのではないかということでございます。
○こしみず委員 今ではなくても結構ですので、近い将来、一番ここのところは毎回毎回出るところなので、ぜひ検討していただいて、早期にできるようにお願いをしたいと思います。
次に、第二妙正寺川幹線の新設貯留分工事について伺います。完成予定は平成18年8月ごろと私も聞き及んでおりますけれども、現在の進捗状況はどのようになっていらっしゃいますか。
○尾﨑土木担当課長 第二妙正寺川幹線の新設貯留分につきましては、現在幹線本体は完成しておりますけれども、この幹線に接続する西落合の幹線が工事中であり、また、落合処理場への排水施設についてもこれからということなので、新設貯留分の完成は今のところ平成18年中ごろという予定で聞いております。
○こしみず委員 そこで、先ほど区長にもお聞きしたんですけれども、これは前倒しして暫定的に雨水、要するに溢水したときに使えないのかどうか、そこら辺はいかがですか。
○尾﨑土木担当課長 現在排水施設等につきまして施工するということになります。今の状態で前倒しということは、入れて貯留しても、それを排出することができませんので、そういった意味からすると、一日も早くそういった排水施設をつくって、供用開始を早めるということで区としても下水道局に働きかけをしてまいりたいというふうに思っております。
○こしみず委員 ありがとうございます。ぜひ早期にこれが使えるように要請等をしていただきたいと思います。
次に、今度は消毒についてお伺いをいたします。被災されたときには、被害状況調査の後に職員が消毒に来てくれます。被災者からは、もっと大きい動力式の機械はないのでしょうか、そのように強く要望が出されております。たまたま私も地元の斉藤金造議員、そして山崎議員と一緒にあの地域センターに8時半に集まって、職員とともに被災者のところをずっと激励しながら調査に歩かせていただきました。そのときに、住民の皆さんの方から必ずそういう声が出てきているんです。
聞きましたら、動力はありますよという答えなんですけれども、だったら、効率よく短時間で、そして、消毒というのは背中に背負って小さいポンプで一生懸命職員が前回15日もやっていました。でも、浸水された被害者のお宅の人たちは気が気でなくて一緒について回って、あそこもここもと言っているんです。時間ばかりかかってはかがいかないということがあったものですから、では、しっかりと区の対応を聞いてみましょうということでこういう質問になったんですけれども、現在動力車というのは区にあるのかないのか、あった場合、何台ぐらいあるんですか。
○斎木防災担当課長 お答えします。動力式の消毒機は18台ございます。それで、消毒の仕方といたしましては、広範囲に広がっているところについて動力式を投入し、それから、点在しているところは、肩かけ式も小回りがきくという利点があるわけですけれども、そうしたことで消毒作業をしたという経過がございます。しかしながら、動力式の消毒機が18台ございますので、当初から計画的に運べれば対応は可能だったのかなと、こんなふうに考えてございます。
○こしみず委員 もう一つお願いがあるんですが、実は、被災された人については、次の日に、あるいは状況に応じてなんですけれども、必ず消毒に来てくれます。その後に、床下の方の奥の方に水が入っちゃった場合には、乾くと物すごいにおいがするんです。その後に、数日たっていたものですから、どこにまた消毒をお願いしたらいいのかなということでよく相談が来るんですけれども、この場合はどこに相談したらよろしいんでしょう。
○今健康づくり担当課長 消毒の件でございますが、床下に入ってしまってそこでにおうという件でございますけれども、家の中につきましては、今使っているクレゾール液ですと、それとはまた別のにおいが物すごくしてしまうんです。したがいまして、家の中につきましては、逆性石けん、これを用意してございまして、地域センターの方にお預けしてございます。地域センターに取りにいっていただいて、それを100倍程度に希釈して、それぞれまいていただくと、そのにおいもせずに消毒になるということで、一番有効かというふうに思ってございます。
○こしみず委員 ありがとうございました。次に行きます。
現場の交通規制について伺いますけれども、8月15日のときも、9月4日のときもそうなんですけれども、交通規制の警察のパトカーも警察も全然来ていただけなかった。本当に地元の人たちが携帯で110番して、こうだから危ないから交通規制をしてほしい、一生懸命になって本当にどなるような形でお願いをしているんですけれども、いずれにしても来てくれなかった。そこで、私もまじって、住民の皆さんと、知らない車が中に入って被害に遭わないように迂回をさせるように、交通整理もさせていただきましたけれども、こういう場合の災対本部からの警察、消防の方の連絡というのはどのようにしていただけるんでしょうか。
○斎木防災担当課長 お答えいたします。
災害発生時には警察の任務の一つに交通規制ということがありまして、このことは地域防災計画にもうたってございます。今回もそうした区民の方からの問い合わせについては、私どもの方で警察へ連絡して対応方を依頼したという経緯がございます。
○こしみず委員 一番大事なところですので、ぜひしっかりとお願いしたいと思います。
次に、本当に残念なことなんですけれども、今回水位警報のサイレンについて鳴らなかったということで、地元の住民の皆さんからありました。その場所は、妙神合流地点でのサイレンも放送も聞こえなかった。いつもは危険水位になれば自動的に警報サイレンが鳴るのに、どうして今回は鳴らなかったのか。この問題について、区の方は点検をされたんでしょうか。いかがですか。
○尾﨑土木担当課長 警報サイレンが鳴らなかった件でございます。妙神合流地点で鳴らなかった理由は、水系に流されてきた川もが詰まりまして、作動しなかったのが原因ということで判明いたしております。そのほかの地点でも、水系のケーブルが川の流れで切断されてサイレンが1度しか鳴らなかったというケースもありますので、このようなことが今後ないように対策を講じてまいりたいと考えております。
○こしみず委員 絶対二度とあってはならないことだと僕は思います。最低でも近隣の住民の皆さんは、特に水の出る付近にお住まいになっている住民の皆さんは、その警報のサイレンも大きな警告という形で鳴っていただければ、すぐにでも自分たちのできる範囲のことはしっかりとやっていくと思いますので、ぜひ努力をして、そういったことのないように点検をしていただきたいと思います。
次に、水害に遭った電化製品について伺います。区のホームページには、家電4品目は水につかっても自己負担でリサイクルすることになっていますと、大変冷たい言葉が載っております。私は、一瞬にして大事な電化製品が使えなくなってしまう状況の中で、隣の杉並区では無料にしているわけです。緊急事態なんです。なぜ中野区はそういう方向性がとれなかったのか。これはどうなんでしょう。
○西條ごみ減量・清掃事業担当参事 お答えいたします。
家電リサイクル法の対象製品についての取り扱いでございますけれども、これにつきましては、家電リサイクル法が施行されました平成13年4月以降、今回の水害が発生する前までに床上、床下浸水が発生した件数は現在のところ合わせて2,000件近くに及んでいるところでございますけれども、この家電4品につきましては家電リサイクル法に基づきまして各自の負担により処理してきていただいているところでございまして、こうしたことから、過去に同様の災害に遭われた方々との均衡も考慮するということで、今回は従来どおりの取り扱いとさせていただいたものでございます。
今回、被災に遭われました皆さん方につきましては大変御心労も多いこと、お見舞い申し上げたいと思いますけれども、今回の経験を踏まえまして、水害対策全般について見直しを行っているところでございますので、その中で検討させていただきたい、そのように考えてございます。
○こしみず委員 考えちゃいますけれども、災害時のごみはどう処理するのが基本なのか。これらの処理については、清掃事務所が行うのではないのでしょうか。災害で使用不能となった家電もごみでしょう。違うんですか。家電リサイクル法は、災害時の規定がありません。地域防災計画に従って処理すればいいのではないかと私は思いますが、この点はいかがでしょうか。
○遠山清掃事務所長 お答えをいたします。
家電4品に絞ってお答えいたしますが、例えば粉々になって破壊された状態というのは、これは私どもが地域防災計画にのっとりまして、ごみとしてこれは取り扱いますが、残念ながら、今回の水害のように、使用はできなくなったのは事実だと思うんですが、リサイクルが可能という場合は家電リサイクルの対象になるというふうに考えてございます。
○こしみず委員 話になりませんね。もう一回これは今回だけの問題ではなくて、その台風あるいはヒートアイランド現象で海面の温度が1度上がる2度上がる、それが地球全体の中で世界の各国の中でいろいろな大きな洪水が出ております。ですから、この家電の問題についても、中野区は中野区なりにしっかりと住民側の方に立って考えていただきたいことを要望しておきます。
次に、ひとり暮らしの高齢者あるいは障害のある方の家の中の片づけについて伺います。現実の問題として、私もお見舞いにいったところが、ある高齢者の方が、1日目、2日目あたりは、近所の皆さんが、大変ですね、そのように言って片づけに来てくれた。しかし、3日目以降については、自分1人で家の中の片づけをしなきゃならない。まして、床上浸水になってしまって、重いたんすも本箱も、動かせないんです。どこにそういった手助けをしてくれるところにお願いしたらいいんでしょうか、そんな相談を行くたびに受けるような形になります。
確かにホームページの中にはボランティアセンターの方に連絡してください、このように書いてありますけれども、現場のひとり暮らしの方から見ると、調査に伺っていただいた職員の皆さんの方から、その場でもって調査した時点でわかるんですから、おひとり暮らしで手だてがなければどこそこにきちっとここに電話してくださいね、あるいは調査したときの調査表の隅にでも結構ですから、そういった扱い方というのはできないんですか、いかがでしょう。
○斎木防災担当課長 お答えします。
家の片づけというような支援については、社会福祉協議会との連携により、ボランティアで対応したいというふうに考えてございます。今回は少なかったんですが、29人のボランティアに来ていただいて、これを社会福祉協議会との連携で順次登録を拡大するような方向で努力したいな、こんなふうに考えてございます。
それから、調査に来た応急班による手助けというようなこともお話がありました。早急な被害の概況調査というのはその後の応急活動や生活の復旧、こういったことに対して大きな影響があるということで、ある程度優先しなきゃいけないのかなというふうに思っていますが、ただ、そういう事情も実態はあるわけですので、その調査の方法や、それから、今御提案のあったような調査表の工夫、こうしたことを工夫しながら、そういった意向に沿うように検討したい、このように思っています。
○こしみず委員 思いはわかるんですけれども、実際に調査に来ていただいた職員の皆さんの方からは、状況調査をして、全部書き込んでいきます。その後に、何かあった場合にはお知らせということで、裏表になった一覧表を1枚ずつ皆さんに配っているじゃないですか。家族がいらっしゃるところの人については、見る余裕があるんです。ところが、高齢者のひとり暮らしあるいは障害をお持ちの方についてはなかなか見ただけですぐに連絡をするということが難しい。
だから、調査したときに、ここは高齢者のおひとり暮らしだなと思ったら、今課長は間違った答弁をしているんですけれども、手伝ってくれと僕が言っているんではないんです。その調査をとったときに、ひとり暮らしの高齢者であれば、お手伝いの件についてはここにボランティアセンターがありますよ、ここに電話すればボランティアの人が応援に来てくれますよというふうに印をしてあげて、懇切丁寧に、一言でいいんだから、言葉を添えてやれば、その方も安心して、自分が落ち着いたらそういうところに連絡をとれるんではないかなと思って言ったんですけれども、これはいかがですか。
○斎木防災担当課長 後段のくだり、調査表の工夫により可能性があるかなと、こんなふうに考えてございますので、意に沿うような調査表を検討したい、こんなふうに考えております。
○こしみず委員 ありがとうございました。よろしくお願いします。
最後になりますけれども、最後に、被災された家の建築についてお伺いをいたします。さきの本会議では、山崎議員の方からも、ハザードマップの中の浸水地域の中の高さ制限ということで緩和できないのかというお話がありました。あれは、区長が答弁していただいて、神田川だけになっていますよね。ということなので、できましたら、範囲を広げていただいて、妙正寺川も江古田川も同じ被害を受けているところなんです。だから、神田川とまた違って、大事な問題ですから前向きにぜひ高さ制限を緩和できるような方策があるのかないのか、お考えをお聞かせください。
○服部都市整備部経営担当参事 先ほども委員の方から御紹介いただきましたさきの一般質問で、平成元年でございますが、高床建物の更新が可能となりますように、神田川沿いにつきましては高度地区を緩和してきてございます。今般、委員が指摘されてございます妙正寺川、江古田川沿いにつきましては、周辺一帯、第一種低層住居専用地域といいますか、大変低層住宅が多いところでございますので、周辺への影響も含めて、その効果について十分検証を行う、そういう経過の中で、指摘されております水害被害を軽減するための方策の一つとして鋭意検討していきたい、そう思っております。
○こしみず委員 難しい問題があるかと思うんですけれども、いつも雨が降るたびに水の心配をしなきゃいけない、そういった区民の方が川の周辺にはたくさんいらっしゃいます。神田川だけが被災地ではありませんので、ぜひ行政側も江古田川の方も、そういった高さ制限が緩和できるような体制を早期につくっていただくことを要望して、次の質問に移りたいと思います。
次に、アスベスト対策についてお伺いをいたします。
総合的な相談窓口を設置するとの見解が本会議で示されましたが、どのようなものでしょうか。具体的にお答えを願います。
○納谷環境と暮らし担当課長 お答えいたします。
まず、アスベスト対策の区の取り組みでございますが、さきの8月8日に、中野区アスベスト対策に係る基本方針を定めました。これに基づきまして、さきの27日に、中野区のアスベスト対策の基本方針に基づく取り組みを決めたところでございます。この中で、委員から御質問がありましたアスベストにかかわります相談、また情報提供体制の整備について明らかにしたところでございます。
その体制につきましては、総合的な窓口は私ども環境と暮らし分野、また、例えば建築の使用の有無については建築分野、また、健康相談については保健予防分野等、専門的な相談にも適切に対応できるような分担をして、今対応しているところでございます。
なお、この体制は、アスベストが問題になりました7月から既にスタートしているところでございます。
なお、今後より区民の方が気軽に相談ができるような、そういう体制づくりに努めていきたい、このように考えております。
○こしみず委員 そこで、要望になってしまうと思うんですが、まだできて間もないことなので、きのうの新聞の中で、既に世田谷区がアスベストに関して、平日昼間に相談できない人のために、10月2日から、区役所内に夜間や休日向けの臨時の専門相談窓口を設ける、このように決定されたそうです。ですから、我が中野区としても、その分も取り入れていただいてできるように切に要望しておきます。
次に、これまで中野区でアスベストにかかわる被害、特に中皮腫の報告はありましたか。
○深澤保健予防担当参事 お答え申し上げます。
アスベストが原因となります健康被害のうち、中皮腫につきましては、過去5年間、中野区民の死亡報告例はございません。また、たばこやさまざまな環境因子が原因と言われる肺がんにつきましては、昨年1年間に112名の区民の方がこのがんで亡くなっておりますけれども、中野区内や近接区内にはアスベスト関連工場がないことなどから、アスベストを取り扱う職場で働いていた方を除けば、肺がんへのアスベストの関与は大きくないと思われます。
以上でございます。
○こしみず委員 今後は、建築物の解体工事に関しては、届け出を義務付けるやの答弁がありましたが、もう一度お考えになっていることについて、内容と実施時期などについて説明をしていただきたいと思います。
○納谷環境と暮らし担当課長 お答えいたします。
このアスベストに絡みます解体工事の届け出につきましては、私ども環境と暮らしと建築分野が連携して対応しておりますので、私の方で一括してお答えさせていただきます。
中野区は、このアスベスト問題にかかわりまして、特に中野区内のアスベスト工場をすべて掌握する。その上で中野区内のアスベストの適正な管理、これを行うことが大変重要だと考えております。現在、建設リサイクル法で、解体工事に限りまして80平米以上は届け出制がございます。そこで、中野区としては、80平米未満につきましても、届け出制を導入する。また、この届け時に当たっては、アスベストの有無をチェックする。吹きつけアスベスト等があれば、法令以下のアスベストでありましても、法令以下の要件のアスベスト工事でありましても、また、なおその上に届け出を求める。このようにして解体工事のすべて、また、アスベスト工事全般にわたる掌握をして、適正な指導をし、万全を期していきたい、このように考えております。
実施時期でございますが、事前の周知もございます。そういう点から、11月を目途に考えてございます。
○こしみず委員 それで、これには罰則はあるのかないのか、いかがですか。
○納谷環境と暮らし担当課長 罰則を設ける考えはございません。
○こしみず委員 解体工事がきちんと届け出されたものかどうか、どのようにチェックされるのでしょうか。実効性についての担保をお示しください。いかがですか。
○納谷環境と暮らし担当課長 まず、届け時の話になりますが、建設リサイクル法並びに新たに導入します届け出、この窓口において解体あるいはアスベストの有無については十分なチェック、的確な把握をしていきたいと考えております。
また、事前の周知あるいは施行主あるいは事業主に対する指導あるいは建設業界等々、関係業界に対する協力要請等を徹底していきたいと思っております。
なおかつ、この仕組みに関しては、解体工事あるいはアスベスト工事、両方に関しまして、標識の掲示を規定していきたい、このように考えておりますので、ここでその関連する工事は適切に行われているということが区民の方からわかるようにしていきたい。
また、解体工事に関しまして、建築分野で解体工事のパトロールを実施しております。区内のパトロールでもって、きちんと届け出がなされるかどうか、この辺をきちっと監視し、このあたり、総合的に実効性を担保していきたい、このように考えております。
○こしみず委員 これは、私の住んでいる地元の方の問題ですけれども、特に沼袋の解体工事の影響について、現在でも住民と施工業者等と話し合いが続いておるというように聞いております。そこで、区としては、何らかの対応はできているのかいないのか、ここら辺はいかがですか。
○納谷環境と暮らし担当課長 この件、4月から沼袋で発生した事案でございます。当該解体工事の施主並びに施工業者につきましては、当然工事中あるいは工事の終了後におきましても、住民からの相談あるいは要望について誠実に対応するように指導してきたところでございます。また、最近、まだ現在まで、区に周辺の近隣の住民からも相談が寄せられております。このような状況を踏まえ、近々改めて施主あるいは施工業者に再度住民からの相談等に誠実に対応するようお話をしていきたい、このように考えてございます。
○こしみず委員 どうもありがとうございました。まだたくさんアスベストについて質問したいんですけれども、次の質問者の平島さんがアスベストをやるということなので、この辺で私はやめて、次にいかせていただきます。
次に、耐震診断、耐震補強改修工事の推進についてお伺いをいたします。
初めに、一般耐震診断について、平成16年度の実績はどのようになっているのか伺います。
○佐藤建築担当参事 一般耐震診断の16年度実績でございますが、85件ございました。このうち無料で75件、有料で10件実施いたしました。
○こしみず委員 これまでの簡易耐震診断のやり方はどのようにされてきたのか、実績についてこちらの方も伺っておきます。
○佐藤建築担当参事 まず、区民の方から電話によります申し込みを受けまして、区役所の耐震相談窓口で図面をもとに仮の診断を行います。その後、現地立ち会いを行いまして、本診断を実施しております。16年度実績では、273件ございました。
○こしみず委員 今議会で可決した補正予算には、新たに簡易耐震診断助成の制度が設けられました。この1件当たりの積算根拠はどのようになっていらっしゃいますか、教えてください。
○佐藤建築担当参事 東京都の積算根拠によります建築士の単価、これかございますので、これを基本にしまして、建物の現地の調査費、略平面図の作成費、報告書の作成費、あと諸経費、これを算出しまして、1件当たり1万9,000円となっております。
○こしみず委員 簡易耐震診断から一般耐震診断へとつなげる事業の組み立てが想定されており、住宅、特に木造住宅密集地域の耐震改修を進めることが急務の中野にとって極めて大事な事業であることが、これまでの会派のいろいろな質問からも明らかでございます。特にPRの強化は提案しているところでもあり、歓迎ですが、具体的な方策としてはどのようなことを考えていらっしゃいますか。
○佐藤建築担当参事 今までも区報、またホームページによります事業案内をしてまいりました。より一層の周知を図るために、区民への個別訪問、これを実施するということで事業案内に掲げてまいります。また、地域センターニュース、シティテレビ中野、これらを活用しまして、情報発信も行っていきたいと思っております。
○こしみず委員 500件の簡易耐震診断、170件の一般耐震診断の想定事業量を着実に実施する体制については、簡易耐震から一般耐震につなげることが事業の骨子として考えられているはずですから、この線に沿って、一般耐震診断を実施する登録者の多くが建築士事務所協会のメンバーであることを考えれば、簡易耐震診断についても、500件全部ではなくても、相当のまとまった部分について事務所協会を窓口に依頼するような体制を検討すべきと考えますが、この点についてはいかがでしょうか。
○佐藤建築担当参事 個別訪問によります区民からの簡易耐震診断の申し込み、これにつきましては、悪質点検商法の被害も想定されますので、必ず区役所に電話していただくことにしております。したがいまして、事務所協会を窓口にするということは考えておりません。しかし、耐震診断士への発注方法の中で、相当の件数をまとめて発注したいというふうに考えております。
○こしみず委員 耐震改修実績について、今後の目標はどのようにお考えになっていますか。
○佐藤建築担当参事 耐震支援事業期間内の10年間の中での想定ですが、耐震性不十分な住宅のうち、約3,300件につきまして建てかえ、耐震補強工事などを実施することを目標にしております。また、このほかに、新築によりまして、10年間で耐震性を確保する住宅の建設が約4万戸見込んでおります。
○こしみず委員 耐震診断が耐震改修につながることが大事と私は考えます。これまでは建てかえの際の耐震改修のみ助成がありました。今後は、建てかえなくとも耐震改修に取り組む木造住宅密集地域の1981年以前に建てられた木造住宅で、耐震性能が著しく劣ると認定された住宅の耐震補強改修を進める助成制度を検討するべきではないかと考えますが、この点についてはいかがでしょうか。
○佐藤建築担当参事 耐震改修助成には、60歳以上の方を対象にしました資産活用型耐震助成もございます。耐震性が不十分な木造住宅のすべての住宅に対しまして、耐震改修助成を行っていくということは財政的に無理がございます。また、御自分で建てかえて安全な住宅にお住まいの方との間で不公平感も生じると考えております。
耐震補強は、みずからの財産と命を守るということで、基本的にはみずからの責任で対策をとるべきというふうに考えておりますので、公的な資金の助成を行うことは考えておりません。耐震改修の相談につきましては、現在静岡県のコンペ案とか、あと耐震改修事例集とかを窓口に置いてありまして、安い耐震改修工法のメニューを紹介しながら、耐震改修の啓発に努めているところでございます。
○こしみず委員 ありがとうございました。耐震の方はスムーズに推進がいくように、ぜひ努力をさせていただきます。
最後になりますが、次に、おやすみどころの設置と歩いて暮らせるまちづくりについてお伺いをいたします。
第2回定例会で、斉藤高輝議員の質問に対して、高齢者や障害を持った方の健康維持や社会参加に役立ち、また、地域のコミュニケーションの核にもなるような施設、こういうものが商店街にできるということは、今後のまちの活性化という観点からも望ましいというふうに考えております。御提案のような取り組みが区の実施している空き店舗活用の事業の中でも一つの方向になり得るという認識を持っているところであります。そうした多様な観点から、おやすみどころといった事業のあり方、そうした発想なども取り入れて、今後検討してまいりたい、そのように御答弁いただきました。
そこで、検討の結果はどのようになっているのか伺います。
○鳥井産業振興担当課長 御提案いただきましたようなおやすみどころといった地域コミュニティの中心ともなるような施設が商店街にできることは、商店街の活性化にも資するものでございまして、大変望ましいというふうに考えてございます。区の取り組みでございますが、まず、このような事業が商店街が中心となって、例えば空き店舗などを活用して取り組まれる場合には、新・元気を出せ商店街事業の活性化事業に該当をいたします。そうしますと、店舗の改修費用の全額の補助、それから、最長3年間家賃の3分の2の補助といったことが可能となりますので、ぜひ活用していただきたいと考えてございます。
次に、現在行ってございます空き店舗活用事業でございますが、地域コミュニティに寄与するような店舗への支援の重点化も含めまして検討しているところでございます。御提案の内容も視野に入れまして、事業を再構築していきたいと考えているところでございます。
以上でございます。
○こしみず委員 私は、歩いて暮らせるまちづくりは、高齢者の元気サポート10カ年計画の健康寿命を延ばす介護予防の推進からも、緩やかな施設整備、これは区が設置することだけではなく、民間の住宅利用などを含めて検討するという意味ですが、500メートルの範囲に憩いの場所や食事どころ、健康づくり事業をやっている施設、健康器具のある公園などが適当に配置され、日常生活が送れる環境がユニバーサルデザインで整備されているというイメージを持っております。
ところで、歩いて暮らせるまちづくりについての区としてのイメージはどのようなものを考えていられますか、伺います。
○今健康づくり担当課長 高齢者を初めとして多くの区民にとって、身近なまちの利便性の確保ということとともに、手の届くところに健康とか生きがいづくりにつながる多様な取り組み、この中には、御提案の憩いの場所なども含まれると思いますけれども、そういうものが用意されていることが、歩いて暮らせるまちづくりのイメージというふうに考えられるのではないかと思っております。
新しい中野をつくる10か年計画の素案でも、健康生きがいづくり戦略として、ICカードによる健康管理のシステムの導入ですとか、それから健康公園、高齢者の健康づくり事業や介護予防事業などの推進、そういうさまざまな取り組みを掲げているところでございます。これらの検討をさらに進め、歩いて暮らせるまちのイメージにつなげていきたいというふうに思っております。こうしたことは、さまざまな分野で意識して取り組む課題というふうに考えてございますので、全庁的な検討を進めていければというふうに思っているところでございます。
○こしみず委員 買い物に出かけるのが高齢者の外出行動の1番に挙げられているのがよく指摘されていることですが、障害者会館の立地や地域の高齢者の構成から、沼袋駅近くにおやすみどころを整備すべきだと私は考えております。そのために、ぜひ沼袋地域での高齢者行動調査を実施していただけないかな、そのように思っていますが、いかがでしょうか。
○今健康づくり担当課長 高齢者が日々楽しみながらまちに出ていくということは、活動的な85歳を実現していく上ですごく有効だというふうに考えてございますので、おやすみどころ等について、区として検討する中で、どういった方法、それから場所が適当かというようなことについて調査をしていく必要は御指摘のとおりあるというふうに考えてございます。御提案の点を含めて、これからさまざまな角度で考えていきたいと思っております。
○こしみず委員 僕に大向こうから声が上がりましたけれども、自分の住んでいる地域をとりあえず提案してみて、それが成功すれば区内全体に実践行動に行くのかなということで提案をさせていただきました。特に弥生の方もクレームが強いですので、そこら辺をよろしくお願いをしたいと思います。
次に、沼袋駅周辺でまちづくり勉強会を既に14回も実施をされております。地域の機運も高まっております。自民党の北原委員も活動していますし、私も同僚の飯島委員などと参加して、沼袋のまちの知られざる魅力などについても探検をしてまいりました。高齢者の比率の高い沼袋地域に商店街活性化への取り組みも含めて、おやすみどころを設置すべきと思いますが、いかがでしょうか。
○鳥井産業振興担当課長 御提案いただきましたおやすみどころといった取り組みが沼袋地域も含めまして区内で実施されることは、商店街の活性化、さらに地域の活性化、そういった観点から大変望ましいことでございます。こうした施設が、商店街、NPO、あるいは地域の方々の力で企画運営されるような動きがございましたら、区といたしましても、積極的に支援をさせていただきたいと思ってございます。
○こしみず委員 特に北原さんもいらっしゃいますし、沼袋の地域の中で、若だんな衆と言われている皆さんと懇談する機会があるんですが、非常にいい考え方をたくさん持っている人たちが多くいらっしゃいます。できれば、ぜひともこのおやすみどころも一つの方向性として取り組んでいただきたいな。これは、要望にしておきます。
次に、沼袋地域のまちづくりの課題のもう一つは、西武線踏切問題であることは論をまちませんが、学校再編でもう一つ問題があるのではと考えております。それは、沼袋駅と野方駅の中間地点に跨線橋を整備できないかという問題でございます。設置することによる通学の危険軽減が大幅に図れると思いますが、いかがでしょうか。
○小谷松教育改革担当課長 跨線橋の設置の件でございますけれども、これにつきましては、実は、教育委員会事務局といたしましても、去る9月12日でございましたか、西武鉄道の本社を訪ねまして、中野区の学校再編計画や、あるいは西武新宿線をまたぐ通学区域の現状、それからまた、学校再編の意見交換などで出されました区民の方々の意見などにつきまして説明を行ってきたところでございます。これに対しまして、西武の方の考え方といたしましては、協力はしたいけれども、ただ、跨線橋の設置等については自治体側の負担で行われているといったような説明などを受けてまいりました。
お話のございました跨線橋の設置ということにつきましては、当該の場所につきましては、足場となります場所の確保が一つには難しいということと、それから、財政負担の問題もあろうかというふうに考えてございます。ただ、いずれにいたしましても、学校再編に伴います西武線踏切横断の安全対応ということにつきましては研究をしてまいりたいと思ってございます。
○こしみず委員 難しいのは百も承知なんです。ただし、この問題は、西武さんとよく相談していただいて、打ち合わせをして、どこにどうやったらそれが設置できるのか、前向きな検討をしていかなければ、この問題はなかなか前に進んでいかないのではないかなと私は思っております。そこで、課長も現場を見たと思うんですが、私も何回も行って見てきたんですが、この踏切のところなんです。南の方から北側に向かって撮っている写真なんですけれども、若干これの踏切のサイドの方に白い塀がありますけれども、こちらの方は、電車から言うと車両建築基準というのがあるんです。車両限界表というのかな。その車両の限界を超えた余裕を持って塀の方に西武さんの土地がありますから、そこの部分に跨線橋の通りみたいなものをここに入れる土地もあるのではないかなと私は思っていました。
これは、余り写真を見せられないんですけれども、民家のところも写っていますから特定はできませんけれども、真剣に現場を歩いていくと、そのような場所も知恵を出し合って、通学する児童・生徒の皆さんから考えると、あかずの踏切で時間を間違えたら遅刻をしなきゃならないような原因があるわけです。まして、これから学校再編されて、十一中の方に南の方から通学をしなきゃならないという状況の中で、これは本当にお金がかかるから、要するにいろいろな難問があるかもわかりませんけれども、前向きに検討していかないと、いざ学校が再編されたときに間に合わなかった、どうするんだ、そういう問題もあると思います。
またもう一つは、近隣の住民の皆さんの意見も十分に聞いていただいて、前向きに検討できるようにしていただきたいと思いますが、そこら辺をもう一回お答えください。
○小谷松教育改革担当課長 この安全対応ということについては大変重要な問題だと思います。西武の方とも今後とも話をしてまいりたいと思いますけれども、また現場をよく調査いたしまして、いろいろな角度から研究をさせていただければと思います。
○こしみず委員 ありがとうございました。その言葉を信じて、私のすべての質問を終わらせていただきます。本当にありがとうございました。
○伊藤(正)委員長 以上でこしみず敏明委員の質疑を終了いたします。
以上で予定しておりました本日の総括質疑を終了いたします。次回の委員会は、9月30日、明日金曜日、午前10時から当委員会室において開会することを口頭をもって通告いたします。
開会時間につきましては、本日と同様、厳守をお願いいたします。
以上で本日の決算特別委員会を散会いたします。
午後4時35分散会