平成17年10月03日中野区議会決算特別委員会
平成17年10月03日中野区議会決算特別委員会の会議録
平成17年10月3日決算特別委員会(第5日)
1.平成17年(2005年)10月3日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。
1.出席委員(42名)
  1番  いでい   良  輔        2番  伊  東  しんじ
  3番  佐  野  れいじ         4番  北  原  奉  昭
  5番  久  保  り  か        6番  酒  井  たくや
  7番  奥  田  けんじ         8番  近  藤  さえ子
  9番  小  堤     勇       10番  大  内  しんご
 11番  伊  藤  正  信       12番  きたごう  秀  文
 13番  吉  原     宏       14番  高  橋  ちあき
 15番  やながわ  妙  子       16番  平  島  好  人
 17番  むとう   有  子       18番  はっとり  幸  子
 19番  長  沢  和  彦       20番  か  せ  次  郎
 21番  山  崎  芳  夫       22番  小  串  まさのり
 23番  若  林  ふくぞう       24番  市  川  みのる
 25番  岡  本  いさお        26番  こしみず  敏  明
 27番  飯  島  きんいち       28番  佐  伯  利  昭
 29番  佐  藤  ひろこ        30番  来  住  和  行
 31番  岩  永  しほ子        32番  篠     国  昭
 33番  柿  沼  秀  光       34番  伊  藤  岩  男
 35番  斉  藤  金  造       36番  大  泉  正  勝
 37番  斉  藤  高  輝       38番  江  口  済三郎
 39番  藤  本  やすたみ       40番  昆     まさ子
 41番  江  田  とおる        42番  池  田  一  雄
1.欠席委員(0名)
1.出席説明員
 中野区長    田中 大輔
 助役      内田 司郎
 収入役     山岸 隆一
 教育長     沼口 昌弘
 区長室長    寺部 守芳
 経営改革担当課長鈴木 由美子
 政策計画担当課長川崎  亨
 政策担当課長  政策計画担当課長兼務
 計画担当課長  奈良 浩二
 まちづくり総合調整担当部長       石橋  隆
 まちづくり総合調整担当参事       まちづくり総合調整担当部長兼務
 まちづくり総合調整担当課長       警察大学校跡地整備担当課長兼務
 総務部長    石神 正義
 総務担当参事  橋本 美文
 広聴広報担当課長鈴木 郁也
 平和人権担当課長広聴広報担当課長兼務
 平和担当課長  広聴広報担当課長兼務
 人権担当課長  広聴広報担当課長兼務
 財務担当課長  篠原 文彦
 営繕担当課長  秋元 順一
 人事担当課長  長田 久雄
 情報化推進担当課長           白土  純
 防災担当課長  斎木 正雄
 危機管理担当課長防災担当課長兼務
 税務担当課長  遠藤 由紀夫
 未収金対策担当課長           総務部長兼務
 区民生活部長  本橋 一夫
 区民生活部経営担当課長         登  弘毅
 地域活動担当課長区民生活部経営担当課長兼務
 南中野地域センター所長         角  秀行
 弥生地域センター所長          南中野地域センター所長兼務
 東部地域センター所長          柿内 良之
 鍋横地域センター所長          南中野地域センター所長兼務
 桃園地域センター所長          東部地域センター所長兼務
 昭和地域センター所長          蛭間 浩之
 東中野地域センター所長         昭和地域センター所長兼務
 上高田地域センター所長         昭和地域センター所長兼務
 新井地域センター所長          東部地域センター所長兼務
 江古田地域センター所長         安部 秀康
 沼袋地域センター所長          江古田地域センター所長兼務
 野方地域センター所長          江古田地域センター所長兼務
 大和地域センター所長          大橋 雄治
 鷺宮地域センター所長          大和地域センター所長兼務
 上鷺宮地域センター所長         大和地域センター所長兼務
 戸籍住民担当課長榎本 良男
 産業振興担当課長鳥井 文哉
 環境と暮らし担当課長          納谷 光和
 ごみ減量・清掃事業担当参事       西條 十喜和
 ごみ減量担当参事ごみ減量・清掃事業担当参事兼務
 清掃事務所長  遠山 幸雄
 子ども家庭部長 田辺 裕子
 子ども家庭部経営担当課長        合川  昭
 子育て支援担当課長           馬神 祥子
 子ども健康担当課長           大久保 仁恵
 中部保健福祉センター所長        瀬田 敏幸
 北部保健福祉センター所長        中部保健福祉センター所長兼務
 南部保健福祉センター所長        深山 紀子
 鷺宮保健福祉センター所長        嶋﨑 江美
 保育サービス担当課長          竹内 沖司
 子ども育成担当課長           小平 基晴
 男女平等担当課長子ども家庭部経営担当課長兼務
 保健福祉部長  菅野 泰一
 保健所長    清水 裕幸
 保健福祉部経営担当課長         寺嶋 誠一郎
 保健予防担当参事深澤 啓治
 結核予防担当参事保健予防担当参事兼務
 生活衛生担当課長飯塚 太郎
 健康づくり担当課長           今  恵里
 保健福祉担当課長保健福祉部経営担当課長兼務
 高齢福祉担当課長冨永  清
 障害福祉担当課長田中 政之
 生活援護担当課長浅野  昭
 保険医療担当参事奥山  功
 介護保険担当課長藤井 康弘
 都市整備部長  石井 正行
 都市整備部経営担当参事         服部 敏信
 都市計画担当参事都市整備部経営担当参事兼務
 土木担当課長  尾﨑  孝
 公園緑地担当課長野村 建樹
 建築担当参事  佐藤 幸一
 住宅担当参事  岩井 克英
 地域まちづくり担当参事         住宅担当参事兼務
 地域まちづくり推進担当参事       住宅担当参事兼務
 中野駅周辺整備担当参事         まちづくり総合調整担当部長兼務
 警察大学校等跡地整備担当課長      豊川 士朗
 中野駅南口周辺整備担当課長       上村 晃一
 西武新宿線沿線まちづくり担当課長    中野駅南口周辺整備担当課長兼務
 副収入役    村田  宏
 教育委員会事務局次長          金野  晃
 教育経営担当参事村木  誠
 教育改革担当課長小谷松 弘市
 学校教育担当課長相澤 明郎
 指導室長    小林 福太郎
 生涯学習担当参事大沼  弘
 生涯学習推進担当参事          生涯学習担当参事兼務
 中央図書館長  細木 博雄
 選挙管理委員会事務局長         柳澤 一平
 監査事務局長  石﨑 新一
1.本会の書記は下記のとおりである。
 事務局長     山下 清超
 事務局次長    高橋 信一
 議事調査担当係長 大谷 良二
 書  記     黒田 佳代子
 書  記     永田 純一
 書  記     荒井  勉
 書  記     岩浅 英樹
 書  記     菅野 多身子
 書  記     廣地  毅
 書  記     西田  健
 書  記     鳥居  誠
 書  記     杉本 兼太郎
 書  記     松本 桂治
 書  記     吉田 哲郎
 
     午前10時01分開議
○伊藤(正)委員長 おはようございます。定足数に達しましたので、ただいまから予算特別委員会を開会いたします。
 認定第1号から認定第5号までの計5件を一括して議題に供します。
 初めに、前回の委員会終了後に開かれました理事会の報告をいたします。
 1点目は本日の委員会運営についてであります。本日の委員会は、さきに御確認いただきましたとおり、1番目に岩永しほ子委員、2番目に大泉正勝委員、3番目に近藤さえ子委員、4番目に吉原宏委員の順序で4名の総括質疑を確認いたしました。また、委員会の開会及び再開、休憩、終了目途等については、既に御確認いただいておりますとおりとすることを確認いたしました。
 2点目は資料要求の保留分についてであります。お手元に配付いたしました決算特別委員会資料要求一覧(追加分)として記載されておりますとおり、資料要求することを確認いたしました。
平成17年(2005年)9月30日
決算特別委員会
 
決算特別委員会資料要求一覧(追加分)
 
追加分 
 
◆文教分科会関係
58 教科書選定の目標設定 <自民>
 
○伊藤(正)委員長 以上が理事会の報告でありますが、何か御質疑ありませんか。
    〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○伊藤(正)委員長 それでは、ただいまの報告のとおり資料要求し、委員会を運営していくことに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○伊藤(正)委員長 御異議ありませんので、そのようにさせていただきます。
 なお、追加の資料要求の締め切りについて念のため申し上げます。本日の終了後に開かれる理事会が資料要求の整理を行う最後の理事会となります。したがいまして、追加の資料要求がある場合には、本日の午後1時までに提出をお願いいたします。
 それでは、金曜日に引き続き総括質疑を続行いたします。
 岩永しほ子委員。
○岩永委員 おはようございます。日本共産党議員団の立場から総括質疑をさせていただきます。
 質疑に入る前に、この土曜日、日曜日の中野まつり、区長を初め皆さん、本当にお疲れさまでございました。
 それでは、質疑に入らせていただきます。
 まず水害対策についてお聞きをいたします。
 8月15日と9月4日の水害で被害を受けられた方々にお見舞いを申し上げます。また、夜を徹しての救援活動に当たられた職員の皆さんに心から感謝を申し上げます。
 水害をなくす初動体制の問題では、既に来住委員が質問しておりますので、私からは水害をなくすための具体的な何点かの対策についてお聞きをいたします。
 私たちは、神田川、妙正寺川、江古田川の水害から区民を守るための取り組みとして、これまでに環七地下調節池の早期完成、川の護岸のかさ上げと川幅の改修、遊水池の整備、満水対策のための道路や公園の地下を利用した貯留施設の整備、雨水流出抑制装置の増設、道路などの透水性舗装や住宅の高床式建設など数々の対策を求め、その実現に努力をしてきました。神田川流域では、激甚災害特別事業の指定を受け、50ミリ改修への川の改修が進めました。しかし、現在もまだ中野新橋から上流は未改修であり、お茶の水の分水路の完成もなく、50ミリ改修の成果は発揮されておりません。妙正寺川の50ミリ改修もまだまだ道半ばです。
 都市型水害として被害が拡大している中野区での水害をなくすためには、おくれている総合治水対策を抜本的に強化する必要があることは区も認めておられます。これまでの取り組みの上に立って、今後どのような取り組みが必要だと考えておられるのか、お聞きします。
○尾崎土木担当課長 中野区に限らず、水害をなくすためには、基本的に時間当たり100ミリの降雨でも耐えられる雨水対策が必要であると考えております。そのためには、国による河川改修等の促進する施策の展開と財源の措置が必要であり、また実際に東京の中小河川の管理者である都においては、50ミリ護岸改修の積極的な整備とともに、下水道を含め環七地下調節池に代表されるような雨水貯留施設をできる限り早い時期に整備していくことが重要であると考えております。また、区としても、都の河川整備等に全面的に協力していくとともに、都と協力して雨水流出抑制のための事業を推進していくことが大切であると考えております。
○岩永委員 それでは、具体的な取り組みの一つとして、まず雨水流出抑制施設の設置についてお聞きします。これまで国、都、そして区の公共施設への設置を求めてきました。区も、実態を調査し、雨水流出抑制施設の未設置の施設には、管理者に個別に働きかけると言っておりました。現在、区内の国、都、区の公共施設での雨水流出抑制施設の設置状況はいかがでしょうか。
○尾崎土木担当課長 57年から雨水流出抑制事業を実施しております。区の施設のみについてお答えさせていただきますけれども、道路、公園、学校、庁舎等を対象に、透水性舗装や透水升、透水管、貯留槽など雨水浸透施設を設置してきております。平成16年4月現在の実績でございますけれども、透水性舗装が20万9,865平米、透水升が1,787カ所、透水管が1万7,658メートル、貯留施設は、学校等を除きますけれども、17カ所になっております。
○岩永委員 都や国の方はいかがでしょうか。
○尾崎土木担当課長 その点につきましては、資料がございません。わかりかねます。
○岩永委員 先ほども紹介をいたしました。既に議会の場において、国や都に対しても調査をし、個別に働きかけていくという答弁があるわけですから、ぜひこれを機会に、区の方で国・都の施設の状況を調べ、設置を働きかけていただきたいと思います。
 また、民間への施設面積300平米以上の土地において、建築計画をする場合には、雨水流出抑制施設の設置を指導し、そして助成もしてこられました。この事業の成果と評価はどのようにされておられますか。
○尾崎土木担当課長 1点、先ほどの都の施設について、私が持っている資料ではお答えさせていただきたいと思います。調節池の関係でございますけれども、例えば下水道施設、和田弥生幹線、現在12万トンが貯留できるような形になっております。それから同じく沼袋幹線が2,700トン、中野幹線7,500トン、第2妙正寺川幹線が8,700トン、それから上高田雨水調節池というのが上高田公園にありますけれども、これが4,200トン、かえで公園雨水調節池1,900トン、そういった形になります。それから御存じかと思いますけれども、河川施設として環七地下調節池、これが9月17日、54万トン貯留できるようになっております。妙正寺川第1調節池が3万トン、妙正寺川第2調節池が10万トン、落合調節池5万トン、上高田調節池16万トン、北江古田公園、これは区の施設ですが、いずれも1万7,000トン、そういった貯留施設になっています。
 それから民間施設に対する助成でございますけれども、昭和63年から開始しておりまして、平成12年まで実施しております。この間145件の助成を行っております。また、指導要項に基づく指導実績件数は、平成2年から平成9年までは100件以上となっており、それ以降でも80から90件の実績となっているので、雨水貯留施設としての成果があると考えております。
○岩永委員 先ほど東京都の貯留施設の紹介をしていただきました中に、たまたま私が知っていたということもあって、課長の認識では和田弥生幹線12万トン貯留できるということでしたが、あそこはまだ完成がしていませんで、山手通りの取付側と杉並側がまだ完成していません。特に山手通りの側の取り付けは、用地等の問題もあってまだ見通しが立っていなくて、まだ7万7,000トン、8万トンに行っていないという状況もありますので、東京都の道路や公園、河川の状況だけではなくて、施設全体も見て、ぜひ働きかけをしていただきたいと思っています。これは要望です。
 それで、今の雨水流出への民間の指導なんですが、今、課長の方からも御紹介がございました、14年度末でこの事業は廃止しています。しかし、この事業の効果があったということですので、改めて区としても、この事業について指導をして進めていく、そのためにやはり効果がある助成制度を開始するということが大事だと思うんですが、いかがでしょうか。
○尾崎土木担当課長 総合治水対策につきましては、水害に遭われた区民だけの問題ではございません。広く区民全体の理解と協力がなければ、その達成は難しいと考えております。それで助成制度でございますけれども、これは導入ということで展開してきた事業でございます。現在のところも、80件から90件の指導実績がございます。そういったところを踏まえまして、今後の雨水流出抑制事業について検討してまいりたいと思っております。
○岩永委員 ぜひ実現の方をよろしくお願いいたします。
 では、続きまして、高床式の建築問題についてお聞きをします。
 河川沿いを中心とした高床式の建築助成なんですが、これも行っていました。そして建てかえなどに当たっての効果は大きいものがありました。9月4日の夜、神田川の方では、寿橋から下流のところを私は見て歩いたんですが、川からの溢水はなく、ただ満水が花見橋の北側、月見橋の北側、東郷橋と長者橋の間の北側、要するに昔から内水の出るところではありますが、ここに内水が上がり、深いところでは20センチほどにもなっていました。水の引きは、出るのも早かったんですが、引くのも早かった状況です。そして高床式などを導入したりして階段の取り付けを二、三段高くしてあるおうちなどでは、そういうおうちが多くなっているんですけれども、こういうおうちのところには、当然内水も入っていかないという状況でした。高床式が実施されれば、半地下のように建設をして、被害にあうということも避けることができます。この間の区の答弁では、このことを検討するという答弁もありますが、既に被害地域など、必要とする範囲の見通しはつくわけですから、早急に実現していただきたいと思います。重ねて区の実施に向けての決意をお聞きいたします。
 あわせて、助成制度も99年3月末で廃止をされておりますが、これも実施をするということが大事ではないかと思いますので、お答えをお願いします。
○岩井住宅担当参事 高床式の助成制度の件につきまして御答弁させていただきます。現在、住宅資金等融資斡旋制度の中で、水災害の復旧工事だけではなく、水害予防のための高床工事等を対象といたしまして、融資利率1%に設定しました水災害特別資金というものを設けているところでございます。この低利融資の斡旋制度の中で対応していきたいと考えております。
○岩永委員 そういうことを言わないで、1%でも利息を払わなければならないわけです。効果があったのは、助成だから効果があったわけですので、ぜひ高床式の実施とあわせて助成をやはり実施していただきたいと思うんですが、もう一度お聞きします。
○岩井住宅担当参事 高床工事の助成事業につきましては、御質問にございますように実施してきたわけでございますけれども、その当時は都の補助制度を活用して実施してきたところでございます。都が補助制度を廃止したことに伴いまして、区も11年度末で終了したという経過でございます。高床工事を区独自で実施するということは考えていないというところでございます。
○岩永委員 重ねて求めたいと思います。江古田川、妙正寺川流域で半地下になっている住宅などでは、やはり被害が大きかったという状況ですので、ぜひ高床式は効果がある、それを促進するためには助成制度が必要だと思いますので、ぜひ実施の検討をお願いしたいと思います。これは要望しておきます。
 続きまして、本会議でもうちの会派から質問をいたしましたリサイクル家電4品の収集についてお聞きをいたします。この間、水害が起きたと思われる港区、練馬区、杉並区、新宿区にお聞きをいたしました。その結果、中野区のように水害にあった住民が業者に直接連絡して個人負担で処理をするという区はありませんでした。水害の一般ごみと同じ扱いになっていました。杉並区では区独自でも600万円の補正をとる、そして国の災害廃棄物処理事業などとも、全体をあわせてごみ対策のための補正予算をとっています。先日、8月15日に被災された方との不公平が生じてはならないという信じられないようなお答えもありましたけれども、区が処分をするということを決められれば、8月15日に被害を受けた方たちに対する対応も考えられるわけです、解決方法もあるわけです。大事なことは、区としてリサイクル家電4品目について扱うかどうかを決める、これがやはり一番大事だと思うんです。被災した住民の方たちの立場に立って、ほかの区と同じように、中野区もぜひ対応していただきたい。そして今度、補正予算が提出をされる予定になっておりますので、ぜひその中で措置を講じていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○西條ごみ減量・清掃事業担当参事 今回の水害によりますリサイクル家電製品の取り扱いにつきましては、何回か御答弁させていただいてございますけれども、過去に同様の災害に遭われた方との均衡ということで、従来どおりの取り扱いをさせていただいたものでございます。今、岩永委員の方から御提案のございました内容につきましては、今後の検討の中で参考にさせていただきたいと考えてございます。
○岩永委員 私がお願いをしているのは、これから起きる水害への対策を立ててほしいというのではなくて、既に被害を受けて困っている住民の方たちが現に目の前にいるわけです。今この方たちをどうするかということは、そういう時間をかけていいものではないと思うんです。ですから今後の検討とか、今後の課題とか、そういうことではなくて、既にほかの区はクリアしているわけです、問題を、ですから中野区でもぜひ今度の水害の被害にあわれた方たちの救済、そして支援をするという立場に立っていただいて、ぜひ今度の水害から対応していただきたいと思うんですが、再度お答えをお願いします。
○西條ごみ減量・清掃事業担当参事 お話の趣旨はよく理解させていただいているわけでございますけれども、今のお話にございました他区の状況等、私が聞いていることと委員のお聞きになっている範囲が違っているところもございます。そういった事情も調査させていただきます。そういったことから今後の対応を検討させていただきたいと考えております。
○岩永委員 どこが違うのかよくわかりませんけれども、趣旨がわかっていただいたということですので、ぜひ実施をお願いしたいと思います。
 この項の最後になりますが、現実に被災された方々は、一体、ここの地域、この先どうなるんだろう、今度の水害などでも、どうしたらいいだろうと本当に不安と心配がいっぱいです。ですから、区として東京都などとも協力をして被災地域の住民の方々への説明会を実施していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○斎木防災担当課長 現在、説明会の開催に向けて準備を進めているところでございます。
○岩永委員 準備を進めているということですから、ぜひ長い先ではなくて、早急に実施をしていただきたい。そして実施される場合に、周知をする範囲ということも大きな課題になります。ぜひいろいろな手だてを使って説明会が行われるということを周知していただきたい。後で聞かなかった、知らなかったということがないようにしていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○斎木防災担当課長 そのように考えております。
○岩永委員 ぜひお願いいたします。
 以上で私の水害対策についての質問を終わらせていただきます。
 では、続きまして10か年計画について順次お尋ねをしていきたいと思います。
 まず個別のものに入る前に、全体のことについて、1点、区民意見をどう聴取し、反映していくのかということについてお尋ねをいたします。
 ついせんだって05年実施の区民世論調査の速報が出されました。この調査速報を見ましても、区の情報提供についてや区民の自分の意見が反映されているのかなどという、そうした問に対して区民からの回答は、大変厳しいものになっています。私が紹介するまでもなく、担当のところでは承知されていると思います。そしてこの間、区政運営上、重要なこととして策定をされた自治基本条例、これについては8割以上の人が知らない、そして10か年計画のもとになる基本構想は、大体知っているという人は6%程度という状況です。この調査結果から、区としては、情報提供、意見聴取、反映について、どのようなことを教訓とされるでしょうか。
○鈴木広聴広報担当課長 中野区政世論調査の結果につきましては、先日、速報をまとめたところでございます。区政の課題や事業、区民の意見を受けとめる方法などについて、情報提供がまだまだ十分ではないのではないかという御指摘かと思います。今後、この結果につきましては、さらに分析を行いまして、区民の手元にきちんと情報を届くよう、さらに工夫をしてまいりたいと考えております。
○岩永委員 私は、この結果は、区が説明責任を果たしていると言われても、区民からすれば、果たしてもらっているという実感がない、それから区政に参加できる実効性が感じられないということではないかと思います。区の情報提供や参加する方法など、今、課長も今後も改善をしていくと言われましたけれども、区民の生活に即して改善していくことが肝心です。これらの結果を見れば、今度の10か年計画素案に対して、区民意見を集約するために必要な時間だとか、実際に反映させるための手だて等を含めた区の姿勢をきちんと持っていくこと、そして区民には丁寧な対応が必要だと、ここから教訓が引き出せると私は思います。しかし、今区がとっている姿勢は、15の地域センターと区民からの求めで開かれた意見交換会だけです。地域センターの参加者は200人にも及んでいません。10か年計画で大きな、直接的な影響を受ける区民や子どもたちには何ら説明もされていません。先日も本会議において、区長は10か年計画について改めて議会と区民の声を聞く場を設けるという御答弁をされました。今後、間もなく計画を示すという状況の中で、パブリックコメント以外に区民の意見を聞く機会がどのように設けられるのでしょうか。
○奈良計画担当課長 この後、10か年計画につきましては、10月中旬ごろに再度まとめたものをお出ししまして、11月に再度区民の方との意見交換会を予定しております。
○岩永委員 そうしましたら、11月の意見交換会は、先ほど私が指摘したところだけではなくて、本当に直接影響を受けるところまでやっていくことが大事だと思います。行政評価の結果では、例えば児童館事業などの分野の総合コメントには、地域の人々が何を感じ、行政にどのような要望を持っているのか、調査が不足しているというコメントがあります。当事者たる子どもたちの声についても同様と指摘をされています。今度の10か年計画、児童館も大きな影響を受けるという内容になっておりますが、児童館には運営協議会がありますが、説明会がまだされておりません。教育委員会には教育行政の区民参加条例があります。こうしたさまざまな手だてを使っても、本当に丁寧な、そして区民の意見が反映されていると実感ができるような、そういう分野を含めての意見交換にすべきだと思うんですが、いかがでしょう。
○奈良計画担当課長 11月に意見交換会を行ってまいりますが、その後、各部におきましても、さまざまな団体ですとか、区民の方からの求めがあれば、そういった場に赴きまして意見交換を行っていく予定でございます。
○岩永委員 私は、求めだけではだめだということがもう既に出ているわけですから、区の方の姿勢としても、ぜひやっていただきたいし、これまでもやってきたわけです、関係するところも含めて。それが残念ながら10か年計画においては、どういうわけだかなされていないという問題があっちこっちから指摘されているわけですから、ぜひ実施をしていただきたいということを再度求めておきたいと思います。
 では、具体的な問題として、地域センターについてお聞きをいたします。
 昭和22年の国の政令によって町会組織の役割が改変され、中野区は11カ所の出張所を発足させました。昭和43年には、各出張所に区民サロンが開設をされて、区民が利用できるような改善をしています。そして昭和50年に地域センター構想の考えが示されて、51年ごろから順次地域センターが開設され始めました。この出張所を地域センターにとした目的は何でしょうか。
○登区民生活部経営担当課長 当時の考えとしましては、単なる出先機関という性格を持つ出張所から参加の区政を実現する場に転換するということを目指したものです。
○岩永委員 それでは、地域センターの役割は何だったでしょうか。
○登区民生活部経営担当課長 地域センターの大きい役割ですけれども、二つございます。一つは市民の広場という考えです。市民活動やコミュニティ活動の拠点施設という考えです。それからもう一つは、地域の区長室と呼んでいますけれども、区民の声を反映できる場という考えでございます。
○岩永委員 それでは、地域センターの配置基準はどのように決めたのでしょうか。
○登区民生活部経営担当課長 当時の考えによりますと、おおむね1平方キロメートルに1カ所という考えでございます。
○岩永委員 今度の10か年計画で地域センターのあり方が変わったのでしょうか。
○登区民生活部経営担当課長 一つは、地域センターの運営でございますけれども、10か年計画の素案では、住民がみずから運営を担っていくという観点がございます。また、もう一方で窓口の集約化という考えもございます。こういう点では変化をしたと考えております。
○岩永委員 今、課長は地域センターの運営を住民にと答えられたと思いますが、そうしますと、10か年計画の素案で示されております地域センターに関する記述は、先ほど私は3点にわたってお聞きをしました、こういう地域センターとしての役割等は残して、運営を住民に渡していくということですか。
○登区民生活部経営担当課長 住民の担う部分というのは、地域センターの場合は二つの施設の性格があると思います。一つは出張所的な機能、これは窓口でございます。もう一つは、コミュニティ施設、地域の皆さんの施設という側面でございます。その地域の皆さん、つまりコミュニティ施設という側面においては、それを地域の方がみずから運営に関与し、担っていくという視点が新たなものということで考えているわけでございます。
○岩永委員 それは地域センターをそうするというのではなくて、地域センターという組織のありようは変えて区民活動センターにする、そして集約して窓口を残すということではないんですか。
○登区民生活部経営担当課長 地域センターを区民活動センターに転換するという側面、これは15カ所をすべてそういう転換するという考えでございます。窓口につきましては、5カ所に集約をするという考えてございます。
○岩永委員 結局、地域センターは、先ほど課長にお答えをしていただきました行政の窓口業務とともに、区が区政の基本にした区民の参加をより高め、実効性ある住民自治を進めるためという役割を持っていた、そして組織としては住区協議会構想をつくり、その活動の場を保障し、支援をしてきたということです。その地域センターというものを、コミュニティの側面だけを残して、いわゆる貸会場的なものとしての区民活動センターにするということは、結局、区民参加の自治と活動の基盤を崩すことになるということは明らかです。8月5日付の区民生活部が出した地域センター業務窓口の集約に関する検討内容については、15カ所の地域センターを五つに集約するという検討内容です。この15の地域センターを区民活動センターにし、窓口業務は5カ所を残し、この間の区の説明では、区民活動センターにも集約をした窓口業務にも職員を配置する。そして運営委託を受けた地域の人たちも、補助金で人を雇用することができる、こういうことのようですが、一体これが具体化されるとどういう配置具合になり、それぞれの人はどういう業務分担をすることになるんでしょうか。
○登区民生活部経営担当課長 区民活動センターの職員の配置でございますけれども、15カ所すべて職員を配置するという考えでございます。それから窓口を集約しました5カ所につきましては、いわゆるコミュニティ行政を担う区職員、これはほかの窓口の区民活動センターとも同様でございますけれども、そういう職員がいる。他方では専ら窓口業務を担当する職員がいるという関係になります。また、地域団体の方が運営委員会をつくりまして、その方々が施設の運営を担う。単に施設を運営すればいいということではなくて、むしろ地域活動をいかに活性化させるか、地域団体をいかに活力あるものにしていくか、そういう役割を担っていただこうかと思っております。
○岩永委員 15の区民活動センターに配置される職員と運営業務を委託する地域が雇用した人との関係は、今御説明いただきましたが、もうひとつよくわかりません。日常的にはどういう運営ぐあいになるんでしょうか。
○登区民生活部経営担当課長 例えば、窓口を配置しない区民活動センターがあるとします。そこに職員がいる。ただ、その職員は、区と地元とのパイプ役、そしていわゆるコミュニティ行政を担当する。施設の運営そのものは運営委員会の方にお願いしたいと考えております。
○岩永委員 結局、集約した五つの窓口というのは、地域センターとして残るわけではなくて、あくまでも区民活動センターとなった施設の中に窓口として残って、そこに職員がいる、それから地域の活動を支援するための職員がいる、そして施設を運営するための地域が雇用した人がいる、何かとてもわかりにくいし、例えば地域で雇った人が実際の運営をするという場合に、その職員の関係は区民との関係でどうするのかとか、なかなかわかりにくいものがあります。まして、私は実はこの取材をするまで大変理解が及んでいなくて、五つの集約する地域センターは、窓口ではなくて地域センターとして残ると思っていて、課長の話を聞いていて、大変自分の理解がおくれていたということを反省したんですが、そうすると、今までの地域に区が地域センターとして果たしてきた対応がどうなるのかという心配は一向にぬぐい去れない、そういった問題が残ったままだということになります。
 それで、五つの窓口業務は、交通の便利性から、鷺宮、野方、東部の区民活動センターに行政の窓口を集約する、それから現在、窓口件数が最も多く、地理的バランスを考えて、南中野に残す、それから空白が生じないように江古田に残すということのようです。それでは、例えば私が住んでいる管轄を対応している弥生地域センター管内にいる住民は、各種申請、交付、相談などはどうしたらいいんでしょうか。
○登区民生活部経営担当課長 弥生に限らず、窓口が廃止された地域センターの近くにいらっしゃる区民の方というのは、窓口が開設された最寄りのそういう窓口の方にお越しいただく、あるいは証明書等であれば、コンビニ等の利用ですとか、そういう対応を考えておりますので、可能な限りサービス低下を防ぎつつ対応していきたいと思っております。
○岩永委員 今のお答えについて、この後でお聞きをしますが、この前の水害のときでも、災害活動センター、救援センターとして身近な地域センターがどれだけ役割を果たすのかということでは、区民からの期待が大変大きかったということがはっきりしています。それで、情報の提供や救援体制が迅速にとられること、これは今後ますます求められることになります。区民活動センターになれば、運営に携わる人も被災しているという可能性もあります。地域防災計画の拠点としての役割が、こういう窓口集約、そして区民活動センターという形になれば、果たしていけるのでしょうか。
○登区民生活部経営担当課長 区民活動センターに転換したとしても、その施設が応急活動の拠点、現在と同じく地域本部として役割を果たすよう体制を図っていきたいと思っております。
○岩永委員 どういう体制を果たすのか、今そこを区民に知らせなければ区民活動センターになったときの全体がわかりません。では、区が言っているような計画を遂行していくに当たって、区民活動センターになったところが、どういうふうに今求められている災害対応を果たすと検討されているんでしょうか。
○登区民生活部経営担当課長 例えば、区職員が直ちに駆けつけられるような体制をとるですとか、あるいは応急活動においても、本庁から当然、現在も多数行っておりますけれども、そういう活動を引き続きその建物で行えるようにしていくということでございます。この役割につきましては、今後も変わりございません。
○岩永委員 今のような状況を具体的にするためには、本当に初動体制を含めて、この間、問題になっている、そういうものがどうできるのかということと一体ですね。だけど、地域センターの職員がいれば、災害対策本部ができなくても、どういうふうに今自分たちの地域がなっているかがわかるんです。今までもそうでした。そして住民がそこへ行けば、一定程度の情報を聞くこともできました。そういうことができなくなって、来るのを待っているしかない、どこから来るかわからない職員を待っているしかないということになれば、やはり迅速なみずからの対応ということについての機能の発揮というのは大変希薄になっていくということを言わざるを得ません。 そして、私は中野区と同じような規模の自治体の地域センター的な、少なくとも行政の窓口がどうなっているのかを調べてみました。例えば品川区、新宿区、北区などなど幾つか、人口だとか、面積だとか、似たようなところを調べてみましたが、中野区が考えているような行政の窓口を五つにするなどというところはありません。一体、こういう五つの窓口で、本当に課長は、コンビニだとか、遠く離れた地域センターに行ってもらいたいということを言っていましたけれども、高齢化などで地域コミュニティの問題がますます問題になっています。地域バスも欲しいという声も、あっちこっちで聞こえてくるくらいです。今身近にあるものを遠くにしてしまう、果たしてそれが住みやすい中野区ということができるでしょうか、お聞きします。
 
○登区民生活部経営担当課長 行政の窓口につきましては、区民の利用頻度とか、いろいろと勘案しながら定めていく必要があるだろうと思っております。他方で、小さな区役所を求めるという区民も多いという状況もございます。そういったものを勘案しながら配置を考えていく必要があるだろうと思っております。
○岩永委員 そうすると、まだ5カ所は変わるという可能性があるわけですか。私が先ほど言いました弥生地域センターは、例えば窓口の書類発行だけを見ても区内で4番目に多い地域センターです。こういう状況を勘案して、さらに窓口の体制については検討を進めていくということでしょうか。
○登区民生活部経営担当課長 集約される5カ所の窓口の配置でございますけれども、窓口の取扱量だけではなくて、やはり交通の利便性や区全体の配置のバランス等も勘案しながら選定していく必要があると思っております。
○岩永委員 結局、区民にとって区政参加の基本となってきた住区協議会の存続を脅かし、そして窓口業務が不便になるような、そういう区民へのサービス後退ということにつながります。このような後退を区民は受け入れられない、そのことを指摘しておきたいと思います。
 では、次に移ります。
 次に、保育園のことについてお尋ねをいたします。今ありましたが、理事者の皆さんには申しわけありません。私の都合で順番を変えさせていただきます。保育園の運営についてお聞きをいたします。
 厚生72の資料によれば、中野区の出生率は30年前から全国と東京の水準を下回ってきています。働いている区民が多いのは中野区の特長ですが、社会の子育て環境は以前から厳しかったということが伺えます。だからこそ、区民は子育てに必要な保育園をポストの数ほどと求めてきました。保育園は、働く区民ばかりでなく、子育てをしている区民に共通の子育て施設です。少子化が社会問題になっている今、国や都がみずからの取り組みを充実するとともに、自治体の子育て施策への財政措置をすることは、ますます必要になってきています。ところが、国や都からの財政措置は削減されるばかりです。厚生63の資料を見ましても、04年度の区立保育園保育運営費の歳入は、国が三位一体の改革で国庫負担金を廃止し、一般財源化したためにゼロ、それにあわせて都の負担金も廃止されてしまいました。支出するのに必要な6億1,100万円に対する収入は、わずか0.3%分の都の補助金のみになりました。所得譲与税は、区が受けた三位一体改革の影響をカバーできず、区の持ち出しがふえています。その影響額は幾らになったのでしょうか、お聞きします。
○篠原財務担当課長 約2億5,000万円ほどでございます。
○岩永委員 このように国・都の負担金の廃止が自治体の保育事業を圧迫する大きな要因になっています。これが保育園の民営化の流れをつくり出す要因にもなっています。区が進めようとしている保育園の全園民営化は、国・都の保育を市場に投げ出そうとする流れを先取りしたものです。
 ところで、厚生労働省の保育所保育指針についての通知には、「保育士の言動が子どもに大きな影響を与える。したがって、保育士は常に研鑽などを通し人間性と専門性の向上に努める必要がある」としています。このことを実現することは大変重要なことです。区立はもちろん、民営化園においても、保育士の専門職としての力量を養うための研修などが必要だと思いますが、区はどのように考えるでしょうか。
○竹内保育サービス担当課長 保育士の資質の向上、スキルアップという御質問でございます。これにつきましては、区立保育園の保育士に限らず、私立保育園の保育士にも大変重要なことだと思ってございます。区立保育園につきましては、私ども保育園現場を対象とした研修というのをしっかり行っているところでございまして、これにつきましては、私立の保育園の皆さん方にも御案内をし、私立保育園の職員の皆さんにも御参加いただけるという体制をつくっているところでございます。
○岩永委員 今、課長は、本当にこのことは大事だ、充実をするという立場をとられました。しかし、この間の保育現場は大きく変わってきています。園長が研修や交流などの目的で行っていた、いわゆる自主園長会は廃止されました。一昨年からは月1回行っていた主任会も廃止されています。しかも、新人の採用がないために年々職場は高齢化してきています。主任会などは研修という性格ではないと言いたいと思いますけれども、現実にそういう場で、お互いの情報交換やいろいろと交流をすることによって、さらにそれぞれの保育園の取り組みを高める、そういう側面を持っていたからこそ実施もされたということが言えます。全園民営化先にありきで、これまで積み上げてきた区立保育園のレベルを保つ努力を行政は放棄しているのではないかと思いますが、私はそう思いますが、課長はいかがでしょうか。
○竹内保育サービス担当課長 私どもといたしましては、必要な会議についてはきちんと行う、これまでやってきたことについても、きちんと見直した上で、必要な会議については、今現在きちんとした対応をしているところでございます。保育の質といった御質問でございますけれども、会に限らない話ですけれども、私どもとしてはきちんとした対応をしていきたいと考えているところでございます。
○岩永委員 区は、この間、民営化や指定管理者という民間委託を進めています。区立直営園と民間園の大きな違いは人件費です。例えば、厚生資料12の定員100人の私立と公立園の人件費を見ると、私立は公立の58%弱、厚生資料の60、61で計算してみますと、区の指定管理者の平均賃金は、それぞれ同じ人数でも、社会福祉法人の方は1人560万6,000円、株式会社の方は496万円、その差64万6,000円とこの資料から読み取れます。人件費が低いと、その確保が難しくなるのではないでしょうか。保育士は若い人、中堅やベテランの人などバランスよく配置されていることが必要だと思いますが、区はどのように考えますか。
○竹内保育サービス担当課長 私立園の皆さん方にも、それぞれバランスのとれた職員の配置ということを考えていらっしゃると考えております。報酬の高い安いということについては、私立園がそれぞれ決めていることでございまして、ただ、人材の確保ということについては、一定の報酬を職員の皆さんにお支払いするという状況がなければ、優秀な人材というのが集まらないところでございますので、私立園の皆さんもそういったことで御努力をしていただいていると考えてございます。
○岩永委員 私は、区の方で出した資料で計算して今言いました。やはり人材を育成する、確保していくというのは、少なくとも生活できる賃金がどれだけ保障されるかというのが一番の基準です。そういう意味で言えば、やはり民間園や指定管理者園の現状は、バランスよく配置をしたくても、十分に配置ができない人件費になっているということがこの資料から指定をすることができます。社会福祉法人の民営化園から全園民営化では困ると言われています。中野区は、保護者や保育関係者、そして行政が一緒になって保育の水準を築いてきた歴史があります。全園民営化では行政責任が担保されなくなり、結果として保育の水準を維持できなくなります。そのことを大変心配しています。毎年、社会福祉法人の保育園から区への要望が出されていますが、それは民営化園の独自の努力だけでは十分な保育園運営が難しい、大事な子育ての仕事に対し、行政が民間任せにするのではなく、みずからも責任を果たしてほしいという気持ちのあらわれだと思いますが、区はどのように受けとめておられますか。
○竹内保育サービス担当課長 私どもとしましては、区立保育園の民営化につきましては、将来にわたり保育ニーズに的確にこたえていく、またサービスの拡充といったことからも必要なことであると考えて進めているところでございます。区立保育園の役割といったことにつきましては、公立でなければできないことがあるのかどうなのかというところをしっかりと見きわめていく必要があると考えてございます。
○岩永委員 私は今、実際に中野で民営化を受けた民営化園からも、そういうことが出ている、それから区へも要望が出されている、その状況の上でお聞きをしました。きちんとこうした民間園などからの要望も区は聞きとめていかなければならないと思います。区は民営化によって延長保育や産休明けの保育を拡充したということを自慢にしています。確かにそのことは大事なことです。しかし、保育は親への就労支援と同じく、子どもの成長・発達が保障されなければなりません。親の要求にこたえることだけが保育ではありません。最近は親の育ちがクローズアップされるようになりました。どこの保育園でもそのことが問題になり、これまでにないような苦労を重ねているのが実情です。親に対して適切な助言を行い、子どもを中心に置いて、親と保育士を初め区の職員が協力し合うことが求められています。こうした保育現場の実情と保育園が果たすべき役割の多様化についてはどのようにお考えでしょうか。
○竹内保育サービス担当課長 まさに委員が今御指摘のとおり、お預かりしているお子さんをきちんと育てるということだけではなくて、保護者の皆さんに対する支援といったことも保育園の大変重要な役割でございます。そしてそういうことについては、公立園は当然でございますけれども、私立園の皆さんも含めて、中野区の保育園を挙げて一生懸命に努力しているところでございます。
○岩永委員 本当に民間園の方たちは大きな努力をしています。これは私たちも民間園の努力そのものを否定しているわけではありません。本当に全体のレベルアップを図るということを考えても、大変財政的にも厳しい状況の中にある民間園というのは、本当に大変な思いをしています。公立園であれ、民間園であれ、子どもの豊かな成長、発達を促し、親の子育てをしっかり支えていけるような保育園として区は支援をしていかなければなりません。そこに公立園が果たすべき役割というのが大きい、このことも指摘をされています。中野区の保育行政が果たすべき役割が、こうした区立で保育園を運営していくということは、民間園にとっても大きな力になっているということではないでしょうか。全園民営化という方針は、中野区の行政責任を放棄して、安上がり保育を目指すものと言わざるを得ません。私は全園民営化のこうした考え方を改める、そのことを強く求めます。
 最後に、具体的な問題として1点お聞きします。ことしから保育園に配当される予算項目が細かくなり、やりくりが難しくなったとも聞こえてきますけれども、どのように変えたのでしょうか。
○竹内保育サービス担当課長 区立保育園の運営費のうち、教材ですとか、事務用品などの消耗品を購入する経費につきましては、それぞれの保育園に児童数に応じました園割予算として各園に提示をしてございます。その範囲内で園の判断によって執行しているところでございます。園割予算については、ここ数年、私どもは金額ですとか算定基準の変更は行っておりませんし、執行方法の変更も行っていないところでございますので、今御指摘のようなやりにくさといいますか、園運営における裁量という点での影響といったことはないと考えてございます。
○岩永委員 例えば、やりくりの問題でいえば、紫外線問題が社会的に言われています。今、園庭に紫外線除けのネットが張られています。私は保育課で支給したものだと思っていましたら、保育園に聞きましたら、それぞれの保育園がやりくりをして購入をしたという状況でした。今言われたように、細目は細かくした、やりくりは不便がないようにしているということですので、ぜひ現場が困らないような執行方法を適正に進めていくべきだと思いまして、このことは要望をしておきたいと思います。
 以上で保育園に関する質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
 続きまして、学校再編についてお聞きいたします。
 教育委員会が出した学校再編計画についてですが、小学校でも統合を経験し、さらに中学校でも統合を経験することになるという子どもたちはどのくらいいると教育委員会は想定されているでしょうか。また、そうなる可能性のある学校はどこでしょうか。
○小谷松教育改革担当課長 1人の子どもで小学校、中学校、両方在学中に再編を経験するという学校につきましては、中・後期については、まだ年次等が明らかになってございません。したがって、はっきりしているのは前期計画ということになりますけれども、桃三、仲町、桃丘、この3校が統合いたします。その後、中央中と九中が統合いたします。したがって、この地域におります子どもにつきましては、小・中ということで、それぞれ再編を経験するということになります。その場合、どのくらいの子どもたちがいるのかということでございますけれども、子どもたちの対象としましては、昨年とことし入学した子どもたちが、平成20年にまず小学校が統合しますので、そのときは4年生、5年生、その後、九中と中央中が平成24年に統合を予定してございます。そのときにはそれぞれ中学2年生と3年生ということでございます。対象となる子どもたちの合計では、2学年を含めて3校の合計で214人ということでございます。
○岩永委員 そうすると、今わかっているだけでも、これだけの子どもたちが小学校、中学校で影響を受けると想定されるということです。子どもたちは、自分たちの学校がどうなるのかということを通して、自分自身がどうしたらいいんだろう、どうなるんだろうという不安を持っています。そうした子どもたちの不安、もちろん保護者や地域の不安もあるんですが、区はどのようにそうしたことを考えているでしょうか。
○小谷松教育改革担当課長 再編に向けまして、基本的には、最後までしっかりと統合の対象となっております学校についての教育を実施していきたいと思っております。当然、再編に向かって、いろいろと保護者の方々、また子どもたちにも、決して不安といいますか、そういったことのないように、最後の統合の瞬間まで、その学校としての教育をきちんとやった上で、その上で統合、再編を図っていく、その流れがスムーズに行くように、決して再編に向かうからということで、その学校の教育がおろそかになるようなことがないように、一層の充実を図りながら再編に向かっての着実な取り組みをしてまいりたいと思ってございます。
○岩永委員 7月11日の文教委員会で示された資料では、前期小・中学校の統合新校が資料で出されています。それでお聞きをしたいんですが、特別教室を普通教室に転換する学校名、転換しなければならないと推測をされる特別教室の数、新校が開設をされるときは、こうしたものがきちんと確保されるのかどうか、このことが大変心配されています。それはどういうぐあいになるのか、お聞きします。
 また、少人数学級、例えば30人学級になったときも大丈夫だと、この間、教育委員会の見解が示されてきておりますが、その根拠を示してください。
○小谷松教育改革担当課長 統合に際しまして、具体的にどの教室、統合になりますので、当然、普通教室を一定程度ふやしていかなければなりません。そのために現在あります特別教室を普通教室に転換を図るということは必要なことでございますが、具体的にどの特別教室を普通教室に転換を図っていくか、それはこれからその学校と十分に協議をする中でそれぞれ決めていくということになります。ただ、全体として統合新校を設置するという学校につきましては、そのキャパシティがあるということは見込んでございます。
 それから将来的に30人学級というお話でございますけれども、現在、再編計画につきましては、40人学級ということで計画を持ってございます。そしてまた必要に応じまして、少人数指導やチームティーチングなど少人数指導としての面をより生かしながら、全体としての活力のある教育ときめの細かい少人数指導とそれらを組み合わせる中で行っていくということを基本としてございます。
○岩永委員 なかなかこの問題について教育委員会から具体的なものを出してもらえません。今の課長のお答えのように、漠然としていて、本当にそうなのかどうなのかが私たちや区民ははかることができないという状況がこの間ずっと続いています。これでは、教育委員会が出した学校再編計画がそうなのかどうなのかがわからないという状況ですので、ぜひ今のような問に対しては、きちんと現状での状況を示していただけるようにお願いをしておきたいと思います。
 それで、キャパの問題なんですが、教室の数だけではなくて、校庭などの問題もあります。先ほど言いました7月11日の教育委員会が出した資料で見てみましたところ、統合新校での児童・生徒1人当たりの校庭面積が狭くなる、そういう学校が出てきます。その学校名をまず教えてください。そして、これをどう解決されるのか、そのこともお聞きします。
○小谷松教育改革担当課長 統合によりまして校庭の面積が狭くなる、1人当たりの校庭面積は、確かに統合すれば児童の数がふえるわけですから、それに合わせて1人当たりの面積は減少するということになりますけれども、ただ、統合する学校の校庭、例えば一つの例を挙げてみたいと思いますけれども、桃三、桃丘、仲町の3校が統合いたしまして、現在の桃三の位置に新しい統合新校を設置するということとしてございます。この中で、例えば仲町ですと現在約2,400平米の校庭面積、また桃丘につきましては約1,600平米ということがあります。これは文部科学省の定める設置基準、小学校の場合につきましては、2,400平米ということで、いずれもこれらの学校につきましては、その設置基準を下回る、あるいはほとんどぎりぎりということになっておりますけれども、桃三につきましては、現在約5,500平米の面積の校庭があるということで、いずれにいたしましても、これらの統合によりまして、子どもたちはより広い校庭を活用できるということが言えるかと思います。また、統合新校ということにつきましては、できるだけそういったキャパシティのある学校であると同時に、将来的にいずれの学校もまた改築というものを見込んでいかなければならないわけでございます。そういった中で、将来的に十分に改築に耐えられる、そういった一定の面積を有する学校、また全体の統合の中での学校の設置のバランス、地理的な位置関係、そういったものを総合的に判断する中で、統合新校というものは決めてきたという経緯もございます。
○岩永委員 今、具体的にどこかということについて、全体を教えていただけませんでした。それで、例に出された桃三ですが、私も計算してみました。今、課長は桃三の校庭は5,500平米あるとおっしゃいましたが、中野の教育を見てみますと、ここでの桃三の屋外運動場面積は5,250平米ということになっています。これは教育委員会で出した資料です。それで、統合新校になった場合、一番人数の多い年、平成24年というのがあります。この年ばかりでなく、500人を超した年から見ていきますと、国の設置基準を、525人では200平米下回ります。また、野方、沼袋、丸山との関係でいうと、一番多い平成25年、教育委員会の推計では児童が713人となっています。これで計算をしてみますと約3,000平米近く足りなくなります。単純計算ですから、結局、将来の改築というのがいつになるのかわかりませんが、そういう問題が直ちに生じてくるのをどのように解決されるんでしょうか。
○小谷松教育改革担当課長 まず1点、数字のことで、大変申しわけございません、私、隣の数字を見てしまいまして、桃三の校庭面積は5,250平米、御指摘のとおりでございます。確かに桃三、3校が統合した場合、その年度によって児童数が多い年、少ない年がありまして、大体小学校の場合は240人を超えて721人の児童数の間では、児童1人につき約10平米ずつ校庭面積を増加するという算定式があります。そういったことからいたしますと、五百数十人ということで、基準の面積を超える年、下回る年ということで幾つか波はございますが、大体設置基準とほぼ横ばいというところがあるかと思います。ただ、学校の実態ということで御理解いただきたいと思いますのは、先ほどお話し申しましたとおり、必ずしも定めがあります設置基準に満たないから直ちにだめだということではございません。その地域のいろいろな実情によりまして、できれば設置基準というものを満たすということは重要なことだと思いますけれども、しかしいろいろな条件の中で、必ずしもそれを満たさないということもあるわけでございます。今回の再編に当たりまして、桃三についていえば、これまでの仲町、あるいは桃丘の学校にいたときに比べますと倍以上の校庭の面積になるわけでございます。校庭を活用するということについていえば、体育の授業などで非常に有効性が出てくるわけですが、これまで1学級で校庭を使って体育の授業をやっていた1,600平米、2,400平米という面積に比べれば、少なくとも5,200平米の校庭で体育を行うということについては、そのメリットは大変大きいかと思います。
 それから野方小のお話がございました。野方小と沼袋小を統合いたしまして、野方小に統合新校の位置を置くということとしてございます。この場合、将来的に両校の統合につきましては、警大跡地におきますある程度の人口増を吸収するといったことも見込んでございまして、700人台の児童数になるだろうという予測を持ってございますけれども、こちらの方につきましては、確かに御指摘のとおり校庭面積で十分な確保はできないということはございますが、しかしながら、野方小につきましては、統合に当たり全面的な改築を行う中で、少なくとも一定の校庭面積が確保できるような、体育館、プール、校舎など複合的な組み合わせの中で、できるだけ校庭の面積を確保していきたい、そういった形で取り組みをしていきたいと思っております。
○岩永委員 だんだんと時間が迫ってきましたので、指摘だけにしたいと思いますが、今桃三のことなども言われました。今よりも見た目広くなるということですね。ところが、クラス数がふえるわけだから、校庭の使い方がどうなるのかということは、今はわからないわけです。では、運動会をしたときにどうなるかというと、今より狭くなるわけです。足りない。だから、教育委員会としては、そういうことを前提にして再編計画を立てていくこと自体に無理もあるし問題もある、教育環境が後退するわけですから、ある部分だけを取り上げるんではなくて、教育委員会のやることは全体を見てやる、これが教育行政だし、教育委員会の役割なので、こういうことが再編計画によって起きるということについて認識をしていただきたいと思います。
 小学校で今、学童クラブと遊びの機能を学校に入れるということが言われています。その場合、施設的な問題も含めて、教育委員会は責任を持って受け入れられるのでしょうか、その検討はどうなっていますか。
○小谷松教育改革担当課長 小学校への遊び場機能と学童クラブを導入するということにつきましては、これはもう基本的には学校教育に支障のない範囲の中で導入をしていくということで考えてございます。
○岩永委員 この問題は、後の児童館、学童でやります。
 それで、差し迫った問題として、08年度に桃三と統合することを計画している仲町小学校についてお聞きいたします。ことしの新入生を仲町小学校と指定した児童は何人いるんでしょうか。そして指定変更をされた児童、これは教育委員会で出された資料で、11人が区域外ということになっていますが、そのうち再編を理由にして指定校変更を申請したのは何人でしょうか。
○小谷松教育改革担当課長 今年度、仲町小学校に入学した児童数は14人でございます。また、本来、仲町小学校に入学すべき子どものうち他校に指定校変更を行った子どもたちの主な理由ということですが、再編を理由としてということはございません。今年度の入学者につきましては、再編を理由とした指定校変更ということについては認めてございません。
○岩永委員 再編を指定校変更の理由としては認めていない、それは多分実態は違うと思います。今年度から認めていると思いますが、そこは確認したいと思います。どっちですか。
○小谷松教育改革担当課長 今年度の入学者につきましては、まだ再編計画は案でございます。したがいまして、この再編計画を利用とした指定校変更ということではございません。他校に指定校変更した子どもたちの理由といたしましては、友人関係であるとか、指定校よりも比較的距離の近い他の学校への入学といった理由によりまして、指定校変更を行っているというところでございます。
○岩永委員 現実に出されている書類がそういうことなんだろうと思います。
 それで、仲町小学校の保護者の方、それから仲町小学校のある地域の方が、来年の新入生が5人以下になった場合でも、音楽や図工の先生を配置していただけるのか、配置してもらいたいと要望されていました。教育委員会の次長は、区として努力はしたいが、教師の配置は東京都が行うものだと答えられました。今起きている少人数の傾向は、指定校変更の理由として出された中身は、先ほど課長が答えられたものがあるんでしょうが、実際には、指定校変更の理由としてやっているということがあちこちから聞こえてきます。東京都が配置しなかったら区で配置をするということは当然ではないでしょうか。
○小谷松教育改革担当課長 教員の配置ということでございますけれども、教員は、基本的には学級数に応じての配置ということになります。したがいまして、今具体的に仲町小学校というお話でございますけれども、来年度、仲町小学校に、たとえ数人ということでありまして、新入生があれば、学級数は現在と変わりません。現在、仲町小学校は年から6年生まで各1学級、合計6学級ということになってございます。それに合わせて教員が配置されてございますので、来年度につきましても、新入生があれば、学級数に変動はございませんので、教員の配置について、選科の教員も含めて変更があるということはございません。
○岩永委員 わかりました。では、それはクラス数を確保をして、きちんと選科も含めて配置をされるということですので、そういう心配をしている方たちには、これからはそういうことも答えるということが大事ではないかと思います。しかし、結局、区の考え方が、子どもと保護者、教職員、そして地域の合意がないままに計画化しようとしているということですから、到底、認められる自体ではありません。小規模校のよさは認めると言い続けてきました、教育委員会は。現実に成果を上げて、地域からも存続をと望まれている仲町小学校を配置するということは変えていません。こうした区の態度は認められないし、そういう立場で再編計画を進めていく、つくっていくということは認められません。私はぜひ考え直すべきだということを指摘して、この質問については終わりたいと思います。ありがとうございました。
 では、次に学童、児童館のことについてお聞きをいたします。
 まず、この間、学童クラブを学校に移行するという10か年計画素案について出されている区の考え、この間、基本構想を話し合ってくる中で、児童館で問題にされてきた、こういうことについて賛成をしたとか、理解をしたという声はあったでしょうか。
○小平子ども育成担当課長 地域、学校、家庭が連携して、子どもの健やかな育ちを推進していく立場から、私どもは小学校に遊び場事業を導入することを考えておりまして、これに合わせる形で学童クラブも小学校の中に設置を進めたいと考えております。このような考え方に対しましては、御理解をいただいている意見もございます。今後も一層の説明が必要だと考えております。
○岩永委員 広い校庭とか体育館が使えるということを盛んに言ってきました。先ほど教育委員会の方では、学校教育に支障のない範囲でという指定は変わっていません。現在、学校に入っている学童クラブが幾つかあります、新井とか、東中野とか。そこでは、区が言うように校庭や体育館等々、学校の施設が自由に使うことができているんでしょうか。
○小平子ども育成担当課長 現在でも、例えば放課後の遊び場開放の時間帯を活用するなどして、職員が見守りながら校庭の方を利用させていただいている現状がございます。また、体育館につきましては、現在のところ利用の方はしておりません。
○岩永委員 結局、校庭も遊び場開放の中ですから、学童の時間の中よりも短い、それから使う場所などについても限定をされているということで、現在は自由に使えていないということがはっきりしています。校庭開放の手続にのっとって使っているわけです。時間も場所も指定されたところで限定された利用状況です。児童館にある学童クラブは、児童館の中も外周りも園庭も自由に使えます。利用手続も調整も時間の制限もありません。まして学校に協力を求めたり、学校教育に迷惑をかけたりすることもありません。一日、いろいろなことがあった学校の門を出て、そして児童館の学童クラブにただいまと帰る、この気持ちを切りかえることがとても大事なんだという指摘がありますが、こうした指摘をどのように思いますか。
○小平子ども育成担当課長 今、委員御指摘のあった意見もございますが、その一方で、小学校に学童クラブを設置することによりまして、例えば学校を出ずに学童クラブへ直行できるために、非常に安全性の点でメリットがあること、また広い校庭や体育といった学校施設を活用しながら、活動内容を多様に工夫して遊べる、また遊び場機能も同様に導入することによりまして、6学年までの異学年交流も図れる、そうしたメリットもあると考えております。
○岩永委員 それは区がとったアンケートなどの結果などから来ているんだと思います。そういうことを要求して、では、学校に入れてくださいと積極的な働きかけがあるという状況ではないと思います。東中野小学校や新井小学校の学校内にある学童クラブを見てきました。新井学童は、障害児も含め55人の子どもたちが2教室で生活をしていました。私が行ったのは5月ごろです。教室の一画に畳を敷き、活動スペースに違いを持たせていますが、全体が一つの空間なために、どこにいても、どんな姿勢をとっていても、だれかの視線があり、ちょっと一人きりになりたいときに使えるコーナーはありません。ぐあいが悪いとき、保健室を借りることもあるそうですが、そこには職員はいません。親が迎えに来るまで、足音や振動が直に響く畳のスペースに横になっているのだそうです。そのことは先日視察をした世田谷区の全児童対策の事業でも共通していました。区内の多くの児童館の学童クラブ室は、畳室と木床などの部分に段差をつけてつくってありますから、横になっても、足音や振動が直に響きません。学童クラブを学校に移行した場合、このような休息できる独立したスペースが確保できるんでしょうか。
○小平子ども育成担当課長 ただいま小学校の中にある学童クラブの御紹介がありましたが、例えば新井小学校におきましては、学童クラブ室とは別に御指摘のようなスペースが一定程度確保されて、十分対応できているものと認識しております。今後、学校内のクラブの施設の検討に当たりましては、そうしたぐあいの悪くなったお子さんが一時的に休養のとれるようなスペース、こういうものについても検討、調整していきたいと考えております。
○岩永委員 検討、調整ですから、本当に不確かですね。場合によっては、今のような状況にしかならざるを得ないのではないかと思います。
 児童福祉法に基づいた放課後健全育成事業の実施についてという通知があります。これには、放課後児童の健康管理、安全管理、情緒の安定を図るように求めています。児童福祉法45条の規定による児童福祉施設最低基準の4条は、「児童福祉施設は最低基準を超えて常にその設備及び運営を向上させなければならない」、2項は「最低基準を超えて設備を有しまたは運営している児童福祉施設においては最低基準を理由としてその設備または運営を低下させてはならない」としています。このことは、最低基準より向上させるように常に努力をしなさい、既に基準を超えているものも、さらに条件を向上させるよう努力をしてくださいということではないのでしょうか。
○小平子ども育成担当課長 今、委員の御指摘のありました基準については、そのとおりであると解釈しております。放課後児童健全育成事業の実施に当たりましては、児童が放課後のひとときを安心して健やかに過ごすことができるよう、そうした基準の考え方も含めまして、育成環境の向上に努めてまいりたいと思っております。
○岩永委員 区が進めようとしている児童館から学校へという考え方は、学校に学童クラブが間借りになる、そして現在のクラブの水準を後退させるということがはっきりしています。学校に押し込める考えは改めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○小平子ども育成担当課長 先ほどの答弁の繰り返しになってしまうかもしれないんですが、一方で学童クラブを小学校に入れるというメリットも、例えば安全性の確保ですとか、遊び場機能と学童クラブ、両方入れますので、6年生までの児童の交流がなされる。後は校庭や体育館、学校施設をふんだんに使えるというメリットもございます。ただ、実施に当たりましては、児童が安心して放課後の時間を過ごせるということが優先順位ですので、こうしたことができるように、学校、地域、家庭等が連携、協力して、こういう考え方を進めていきたいと考えております。
○岩永委員 少し飛ばします。児童館の遊びの機能を学校に移行することについてお聞きします。簡単に答えてほしいんですが、児童館に遊びの機能を整備するとして、10か年計画で進めようとしている中野区で考えている子育て支援があります。これを進めていく核はどこになるんでしょうか。
○小平子ども育成担当課長 今後、区内4カ所に設置される予定の、これは仮称でございますが、地域子ども家庭センターが児童館などの子ども関連施設を統括するとともに、地域のさまざまな子育て支援団体や関係機関のネットワークの中心となると考えております。地域子ども家庭支援センターが地域内の子育ての情報ですとか子どもと家庭の状況などを把握しながら、子どもにかかわるさまざまな機関が地域全体で子どもと家庭を支援していく、こういう体制を全体として構築していこうと考えております。
○岩永委員 10か年計画の素案が実施されますと、現在児童館で取り組まれていますさまざまな事業、厚生16で示されていますが、こうした事業はどうなるんでしょうか。
○小平子ども育成担当課長 御指摘のありました現在行っております児童館事業につきましては、今後の方向性として、事業の実施ということについては、職員が直接行うのではなく、地域の活動団体ですとか、NPOですとか、こういう方々が主体となって、地域の子どものニーズや地域特性を生かした、各館ごとに特色のある内容の事業を実施していただきたいと考えております。このため御指摘のありました現在、児童館で行っている事業につきましても、子どもの状況ですとか、地域の実情にあわせた形で見直していくことになると考えております。
○岩永委員 結局、区として、地域や地域の人、そういう不確かな、地域の実情は全く横に置いておいて、区の都合のいいように地域を見て、都合のいいように地域を合わせようとする、自主性を阻害するような形で児童館事業をやっていこうとしているのではないか、そういうやり方を前提にしたような児童館の遊びの機能を学校に入れるということについては、大きな問題を生じさせるということを指摘しておきたいと思います。
 そして、中野区の児童館については、児童館の削減がセットになっているというところに問題をさらに深刻にしているところがあります。かつておひさま広場を児童館に統合するというときに、乳幼児が通える距離というのが大きな問題になりました。そのときには1小学校に一つの児童館がある、そこには通えるだろうということが示されましたが、今回の素案で示されている児童館の配置計画で、こうした乳幼児が通える範囲というのはどうなるんでしょうか。私は今の1小学校区にある児童館までが乳幼児の限界だと思いますが、どのように考えますか。簡単にお答えください。
○小平子ども育成担当課長 現在の児童館のお話をさせていただきますと、各年齢層の利用時間帯が重なるため、一方で互いに利用しづらい状況にあるということも事実でございます。一方で、乳幼児親子専用の施設を求めるという声もありまして、子どもの発達段階に応じた施設の整備も必要かと認識しております。このため、先ほど申し上げました、仮称でございますが、地域子ども家庭支援センターに乳幼児親子専用の活動の場や相談、交流の場を置くほか、保育園などでも、在宅乳幼児親子への対応を行っていく考えでおります。このように乳幼児のための施設や事業については、私どもは必要性を認識しておりますので、地域の中でさまざまに工夫して今後考えていきたいと考えております。
○岩永委員 結局、活動の場を広げるという形で、さまざまな不便をあちこちに来す、不便どころか、本当に子育て支援ネットワークになるんだろうかという状況がつくられようとしています。活動の場を広げるというのであれば、児童館などの活動に加えて、学校ももっと使えるようにするということではないでしょうか。ところが、さまざまな工夫というものの、実際にどうするのか、具体的ではない、そういう中で学校に子どもたちを囲っていく、そういう考えになっています。さまざまな経過の中で成果を積み上げてきた児童館です。児童館を核にした子育てネットワークを壊し、子どもたちをそれぞれの施設に輪切りに分割してしまう、こういう10か年計画素案での児童館のあり方を変えていく、そのことは到底認められないということを指摘しておきたいと思います。
 では、続いて図書館問題についてお聞きをします。
 04年度は、図書館職員を56人減らし、非常勤職員の全員解雇、中央図書館と七つの地域図書館の窓口業務は、解雇された非常勤職員がつくった二つのNPOと三つの会社に委託しています。図書館にとって図書資料を充実すること、協力者や来館者の要求にこたえ、安定したサービスを提供する取り組みができているかどうかが重要な問題です。区は委託するに当たり図書館サービスを充実させるためと説明をしました。冊子「中野の図書館」を見ると、開館日をふやしたこともあり、中央館への入館者は04年度に少しふえています。また、1日平均の個人の貸出冊数は03年度からは減っているものの、開館日をふやしたり、1人7冊を10冊に貸出数をふやしたということもあり、全体はふえています。一方、個人貸出数や登録者数は目標を大きく下回り続けています。これが中野の今言いました登録者の推移です。平成11年度、12年度と順番に来ていますが、現実に登録者はこうした毎年減り続けていますし、区の目標として数値も達成できない、大きく下回っているという状況です。なぜこうした入館者や貸出冊数がふえていると言われている一方、貸出者や登録者が減っていると思いますか。
○細木中央図書館長 図書館の利用者につきましては、さまざまな期待がありまして、入館をして利用し、あるいは登録の貸出を受けるということがございますけれども、全体的には、本離れということも言われているわけでございますけれども、より一層の図書館の努力というものが必要なのかと思ってございます。
○岩永委員 一概に本離れが理由ではないと思います。なぜならば、入館者もふえてきているし、冊数もふえている、一方ではそういう減少があるわけですから、登録者などがなぜ減り続けるのかは、きちんと分析をしなければいけないと思います。現実に登録者がふえていくというのは、図書館の区民にどう貢献をしているのかという大切な指標ですけれども、どのような対策を立てるのでしょうか。
○細木中央図書館長 入館者数、あるいは登録者数、これはともに図書館の活動の重要な指標と考えることができるわけです。入館者数は、統計的には延べ数でとってございまして、これの増加には幾つかの要因があると考えてございます。大きなものは、平成16年4月から開館日、開館時間の増加によりまして、多くの区民に利用しやすくなったということがあると思います。登録者数についても、開館日や開館時間の増加が登録者の増加に結び付くべきものと思いますけれども、現実には増加をいたしませんでした。一方では、児童の登録者数につきましては、子どもの数が減っている中でありまして、登録者数は、ほぼ一定、安定をしているところでございます。私ども児童サービスにつきましては、資料の充実、啓発活動、こういったことに特に意を尽くしているところでございまして、資料の充実やサービスの質、あるいは使いやすさ、こういったことが影響するので、私どもに問われていると思ってございまして、息長く取り組んでまいりたいと考えてございます。
○岩永委員 子どもたちは、人数は、そんなに大きく減り続けているわけではありません。一方、子どもたちの読書に関する法律などもつくられて、子どもたちの本離れに対する働きかけがさまざまな場でありますので、登録者をふやしていくという努力は十分にできます。要するに魅力ある図書館にする、それは区民のニーズに合ったサービスが提供されているかどうかということです。図書資料の内容、レファレンス体制や使いやすさ、本に触れる機会を多くするという取り組み、また各種講座など、中野の図書館がどのようなサービスを展開していくのか、総合的に検討することが大事です。
 そういう立場から少しお聞きします。まず図書館の側から区民に働きかける、情報を発信するということが大事です。そのためにも、基本といえる魅力ある図書資料、視聴覚資料にするために、購入費の増額をすることが必要です。現在、予約本を手にするまでに10カ月以上も待つということまで起きていると言われています。寄贈本と判こを押した本もよく目にするようになりました。寄贈本は私はこれは結構なことだと思いますが、やはり図書館として購入費を増額することが必要です。
 これが中野区の図書資料購入費です。私はかつて同じような資料をつくって指摘をさせていただきました。14年度に指摘をさせていただきました。その後、さまざまな事情があって少し増額をしている、だけど、まだこういう状況です。それからこれは区民一人当たりの中野区の23区で比べた数字です。あの4年前、私が指摘をさせていただいたとき、中野区は23番目中23番目でした。今回は中野区は03年度は下から5番目、04年度は下から7番目、だから二つ上に上がった。だけど、まだここです。そしてこれだけ大きなカーブ、23区の中でずっと下の方、これが中野区の区民一人当たりの図書資料購入費です。私は02年のときに同じようにグラフを示して先ほど言いましたような指摘をしました。当時の中央図書館長は前の年より減らしていないと答弁をされました。04年度、そして今年度と職員を減らした分、購入費をふやし、サービスをよくすると教育委員会は言い張ってきました。しかし、たったのこれだけです。あのお金は一体どこに行ったんでしょうか。来年度の購入費は、少なくとも平成11年、この年まで回復をする、そのことが区民のニーズにこたえていくということになりますが、ぜひ増額をすべきですが、いかがでしょうか。
○細木中央図書館長 資料費の増加につきましては、鋭意努力をしているところでございます。財政状況の中で大変厳しいものがございますので、来年度に11年度並みに復活できるかどうかはわかりませんけれども、今後も努力をしてまいりたいと考えます。毎年、新刊の図書というのは6万タイトルほどが出版をされてございまして、図書館に入れるかどうかということの選択にふさわしいものは約4万冊程度かと思いますけれども、現在、区立図書館には毎年2万タイトル程度の図書を受け入れてございます。資料の魅力を保つこと、それから質の確保ということはとても重要でございますので、今後ともしっかりやっていきたいと考えてございますし、ベストセラーなど既にお読みになった方からの寄贈図書、こういったものの活用も積極的に今後ともしたいと思ってございます。PR活動を含めまして魅力ある催しなど図書館活動も活性化させたいと考えてございます。
○岩永委員 私は、利用しやすい、情報が積極的に提供される、そういうことも含めて、少なくとも99年度までの時点まで回復をしていただきたいということを重ねてお願いしておきます。
 利用しやすい、情報が積極的に提供されている本にふれる機会の多いサービス展開が必要になってきているというところで、三つ提案をいたします。後でまとめて簡単にお答えください。
 一つはレファレンスサービスです。その効果を高めるための対応として、私は03年の予特のときに、カウンターで相談に来る人を待つのではなくて、積極的にフロアに出て、そうすれば利用者が相談しやすいのではないかと求めました。当時の中央図書館長はいいアイデアだと思いまして、積極的に前向きに検討していきたいと私にとってはうれしい答弁でしたが、その後、実現されていません。ぜひ私はこれを実現していただきたいと思います。
 さらに、本に触れる機会をふやすには、学校や地域に向けたブックトーク、お話し会などの機会に、そのときに使った本以外にも、さらに次の本へと興味や意欲が引き立てていかれるような、そういう位置付けにして計画を立てて取り組んでいく必要があると思いますが、そのこともぜひ実現をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 三つ目、図書館内の案内表示をわかりやすくすること、これも大事です。図書館のアンケートを見ますと、案内表示がわかりにくいと30%以上の人が答えています。そして中野の図書館で60代の方が一番多い利用状況で、次いで多分子どもさん連れの方なんかも案外その中にいるのではないかと思われる30代の方です。ぜひ利用者の声を聞いて案内表示の改善をしていただきたいと思います。この3点について簡単にお答えください。
○細木中央図書館長 それでは、御質問を逆にお答えすることになりますけれども、案内表示につきましては、アンケート調査の結果もございますし、これまでのデザインの問題もございますけれども、わかりやすくという意味で案内表示の改善、充実をしてまいりたいと思います。
 それから児童書等につきましてのブックトーク、図書紹介、あるいは病院等への貸し出しということで、既にこの辺のところについては手をつけて実現をしているところでございます。今後とも組織的により充実したやり方を進めてまいりたいと思います。
 フロア案内についてでございますけれども、円滑な利用が進むということは大事なことでございますので、臨機に対応したいと考えます。しかし、常時置くということには、必要性に疑問もございますので、また新たに経費が必要ということもございまして、難しいと思います。したがいまして、わかりやすい表示の改善に取り組んでまいりたいと思ってございます。館内にオーパックという利用者開放端末がございますけれども、これで所蔵図書がどの棚にあるかということを図で表示するサービスも近々開始する予定にしてございます。これら地道な改善もPRをしてまいりたいと思ってございます。
○岩永委員 ぜひ利用しやすい、そして親しみが持てる図書館としての機能を高めるための取り組みを図書館自身が発信をしていってほしいと思います。単に貸出業務をこなしているというだけでは新しいサービスを展開することができません。このまま行きますと本当に中野の図書館行政、壁にぶつかるのではないかという不安に陥ります。先細りにならないように、ぜひすべての区民を対象にして開かれた知的サービスを実施している、そういう施策の場所ですから、大変厳しい中で図書館もやっていると思いますが、一層の努力を求めたいと思います。
 以上で図書館の方は終わりまして、学校図書館のことについて、3点まとめてお聞きしたい思います。すみません。
 一つは、文教資料7で小学校、中学校の図書資料購入費のことがわかりますが、中学校は年々減っています。これは児童一人当たりということもありますが、廃棄図書などの状況も見ますと、ぜひ図書資料購入費の増額が必要ではないかと思いますので、増額をしていただきたいと思います。
 もう一つは、学校図書館の現在配置されておられます指導員の方の継続配置と研修の内容の充実、この方たちにとって必要で喜ばれる研修を実施して、参加できることをぜひ保障していただきたいと思います。
 それから学校所管の整備は、また次回に譲りますが、これもお願いしておきたいと思いますが、さきの2点についてお答えください。
○村木教育経営担当参事 学校図書の購入費の件でございますが、これにつきましては、校割予算の中で各学校の判断で定めているもの、それから臨時措置といたしまして小学校に13万円、中学校に26万円という形で予算措置をしているもの、私どもで把握しているものについては、この2種類がございます。校割予算の中で学校みずからが判断しておりますものについて、例えば小学校で申し上げますと、平均で16年度決算上ですが、38万8,000円弱で、一番少ない学校で15万7,000円ほど、一番多いところでは62万円ほど、学校の中で工夫をして、このような予算の編成を行っております。今後の問題でございますけれども、その年度年度、一般財源フレームの中で校割予算を考えていく場合には、例えば単価とか測定単位、こういったものがございますが、こういったものを踏まえながら学校の中できちんと工夫ができるように、我々としても、そういった支援はしてまいりたいと思いますけれども、あくまでもフレームの中でということでございますので、そういった推移を見ながら今後のことは考えていきたいと考えております。
○小林指導室長 学校図書館指導員のことにつきましてお答えいたします。学校図書館指導員の研修につきましては、区立図書館との連携を図ったり、また図書館学の専門家の講演など年3回ほど実施しております。今後、さらに内容の充実を図ってまいりたいと思います。
○岩永委員 継続の配置についてお答えがありませんでした。
○小林指導室長 現在、学校図書館については、指導員の配置について、大変充実した教育活動を展開しておりますので、継続して、このまま充実を図ってまいりたいという意向を持っております。
○岩永委員 先ほどの図書資料購入費ですが、学校フレームの中でということでした。どうしてもその枠を超えられないのであれば、学校の枠配の規模を大きくする形ででも、とにかく増額をお願いしたいと思います。以上でこの質問は終わります。
 続きまして、成年後見制度についてですが、申しわけありません。取材に来ておりましたので、いろいろとお聞きをしたいことはありますが、はしょりまして、これも聞きたいと思います。
 ぜひここで聞いておきたいのは、区長の申し立てのことについてお聞きをしたいと思います。現在、成年後見制度については、中野区でいえば社会福祉協議会への事業委託、あと四つの保健福祉センターでやっていますが、ケースワーカーがいらっしゃる中部と北部が中心になっています。この制度が始まったときには、お金持ちの人ぐらいが利用するんだろうという声もありましたが、ここになってきて福祉的な対応をどうするのかということも大きな問題になってきていますし、本当に判断能力が低くなってきている方たち全体、いずれは私たちもその対象になるんでしょうけれども、そういうことが大きな課題になってきています。そういう中で、中野区では区長申し立てをしています。これは四親等まで調べて、調べた結果、だれも身内がいないとか、四親等までようやく行き着いたけれども、だれも受けてくれなかったとか、さまざまな状況の中で区長申し立てになっています。区長の申し立てを予算で見ますと、昨年度は2件、今年度も2件という予算の立て方でした。私はぜひ区長申し立ての予算を引き上げること、先ほどの中部、北部の担当の人たちだけでなく、庁舎でも必要があったら対応できる、そういう職員の研修だとか、またケースワーカーなどが相談に行けるスーパーバイザーなどの配置もすべきだと思いますが、いかがでしょうか、まとめてお答えください。
○瀬田中部保健福祉センター所長 現在、中部と北部の2カ所の保健福祉センターで成年後見制度による区長申し立てに対応できます知識、あるいは経験スキルを備えたケースワーカーを配置してございまして、対応可能な配置体制をとっていると考えてございます。一方、申し立てにつなげる事例につきましては、一般的な成年後見の仕組みに加えまして、より専門的な見地からの要件ですとか、御家族の状況等についての調査等をさせていただくなど、判断が求められる事例がふえてくる状況にあると認識してございます。特に困難事例を抱えるケースにつきましては、現在、権利擁護センター・アシストなかのなどとの日常的な連携をとる一方で、また法律的な知識、解釈をめぐっての助言につきましては、家庭裁判所の相談窓口、あるいは区の法律相談などとも連携をいたしまして、一定のアドバイスを受けられる体制をとってございます。今後さらにケース検討会議の開催ですとか、解決ノウハウの蓄積、あるいは専門研修の積極的な参加など、御本人、御家族の十分な権利擁護の視点を大事にしながら、より適切な解決に向けて努めてまいりたいと考えてございます。
○寺嶋保健福祉部経営担当課長 私から予算のことについてお答えいたします。今後は東京都の補助金なども活用しながら、前年度実績を踏まえて適切に予算計上していきたいと思っております。
○岩永委員 1点、相談体制の問題です。社会福祉協議会の方ではアシストが本当に活用されていて、社会福祉協議会の方たちも大変努力をされておられます。しかし、これはさまざまな制約で四親等まで調べていくことができない、そういう制約もあります。ぜひ中野区で、社協の方たち、区としての体制等を含めて、相談がしやすい状況をぜひつくっていただきたいと思います。それから予算の増額、実績を踏まえてということですが、現実に福祉的な相談がふえています。生活保護を受けておられる方は保護課の方で対応されますけれども、それ以外の方たちの相談や対応が大変困難になってきているということもありますので、ぜひ区長申し立ての予算をふやしていただきたいと思います。
 次に、地域包括支援センターについて、いろいろとお聞きしたいんですが、1点、来年4月から区は8カ所の包括支援センターを開設するといっています。この包括支援センターは、それぞれの地域での総合的なマネジメントを担う中核機関、さらには総合的な相談窓口機能、そして介護予防マネジメント、こういうものをするということになっています。具体的な事業を実施するところではありません。こういうことから公平性や中立性などを国の方では求めています。私は、この間の区の側の説明でも、直営を1カ所、あと7カ所は民間ということでありましたけれども、例えば保育園でもやっているような株式会社等への委託は好ましくない、やめるべきだと思います。そして必要があれば区の直営をさらにふやして実施するべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○寺嶋保健福祉部経営担当課長 1点目、区として株式会社は考えてございません。直営ですが、介護予防マネジメント、そのほかの地域支援事業のノウハウを蓄積するという観点から、直営は一つは設けていきたいと思っております。
○岩永委員 もう時間がありませんので、これ以上お聞きしませんが、期間、民間を募集していく等々を考えたらスケジュール的にも大変困難になってきています。私は、そういう状況の中で無理無理民間に委託するというよりも、やはり区でやる、姫路市などでは直営でやるということを決めたわけですから、ぜひ中野区でもそういう姿勢をとっていただきたいということをお願いしておきたいと思います。以上でこの部分についての質問は終わります。すみません、ありがとうございました。
 次に、山手通りについてです。何点かお聞きしたいということでお願いしていましたが、全部飛ばしまして、2点、1点は、この間、地域の方たち、また地域住民の団体などが公団とたびたび話し合いを進めてくる中で、中央分離帯も狭くなり、また換気塔も小さくなりということで、歩道の確保のための工夫がされてきました。これは本当に地域住民の取り組みの大きな成果だと思っています。今後、供用されるまでの2年間、さらに工事が進んでいくわけで、工事の被害からも住民の生活環境を守らなければなりませんが、これからできたときの問題として、今新たな問題になってきています。その中の1点、中野坂上の交差点のバス停なんですが、ここは今でも風害がひどい、雨や風の日もバスを待っているというのは大変困難なところです。このバス停に上屋と囲いをつけてほしいということを先日京王バスの方にお願いに行きました。京王バスは、その要望はよくわかりました。しかし財政的な問題がありますということでした。さらに東京都の方にぜひつけるようにしてほしいとお願いに行きましたところ、歩道の幅は十分にあるので、囲いをつけるということも可能ですということでした。問題はバス会社が設置できるようにするということが重要です。ぜひ坂上のバス停に上屋だけでなく囲いもつけられるように、区の方からもぜひ関係するところに働きかけていただきたい。あわせて全線のバス停に上屋をつけることも要請をしていただきたいと思います。
 それからもう1点、山手通りのところの雨水が今は直接川に流れています。すぐに川に流れ込まないように、車道、歩道の透水性を確保する、そのことも要請していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。あわせて2点お答えください。
○服部都市整備部経営担当参事 バス停の囲い並びに上屋でございますが、基本的にはバス事業者、もしくは道路事業者が整備するものと考えてございます。今御質問がありました中野坂上のバス停におきましては、歩道の狭い部分もありますので、囲いを整備する場合には、乗降の客数、また歩行者等の安全性といいますか、そういったものを十分に考慮していかなければならないと考えてございます。いずれにしましても、バス事業者並びに道路事業者等に働きかけを行っていきたいと考えてございます。
 2点目でございますけれども、車道部への透水性舗装の適用の関係の御質問でございます。国土交通省でも試験的にそういった適用についての研究が進められていると認識してございます。しかしながら、山手通り、想定いたします開通後1日5万台、6万台という大変大規模な交通の容量がある道路でございます。大変交通量が多い車両におきましては、強度などの問題が多いとも伺っておりますので、現段階では車道におきます透水性の舗装につきましては、要請をすることは考えてございません。
○岩永委員 車道から流れてくる量が大変多いんです。ぜひ区は区民、沿道住民の水害に遭っている人たちの立場に立って、公団は考えていない、それは私たちも既に聞いているんですが、区の方に、そうではない、ぜひ考え直してもらいたいということを区の方からも要請していただきたいし、囲いも、3建の方では歩道も必要な幅はあるということですから、ぜひ設置ができるように区の方でも応援をお願いしたいということを要望して、この項は終わりたいと思います。
 最後、その他の項で1点お聞きします。10月1日から介護保険にホテルコストが導入されました。もう既に一般のマスコミなどでも、ホテルコストについて、事業者も含めてさまざまな状況が出てきているということが報道されています。実際に中野区内でショートステイの食費、特別養護老人ホーム等を含めた食費、さらにはデイサービスでの昼食費などがあります。一つ例に、区内のデイサービスにおける昼食費の自己負担が今までどうであったのか、ホテルコスト導入によってどうなるのか、平均でいいです、わかっている範囲でいいですから教えてください。
○藤井介護保険担当課長 区内のデイサービスの食費ですが、9月までは大体450円から550円程度でした。10月以降は最も低いところで650円、高い施設で960円、平均で750円程度となっています。
○岩永委員 高齢者の方たちの食費は、1食500円を超えるととても高いと思います。私たちでも、毎日毎日例えば外食するということになると考えるわけです。デイサービスを見ますと週に2回利用されるという方が基本ですから、これが月に8回となりますと、平均の金額で600円から700円ぐらいで計算しますと5,000円から6,000円になります。この負担というのは大変大きい、そういう中で、だからデイサービスには行かないという声が現実に区内でもありますし、回数を週1回に減らしてほしいという声もありますし、午後から行きたいという声も現実に来ています。こうした介護保険を利用する方たちが困難な状況にならないように、区としても必要な助成をすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○藤井介護保険担当課長 住民税非課税世帯で特に生計が困難な方に対しましては、社会福祉法人等が本人負担を軽減する、食費代を含めまして自己負担分が4分の1ほど軽減されるという制度があります。区といたしましても、この制度を推進していきますけれども、現段階では制度外の助成制度は考えていません。
○岩永委員 主要施策の行政評価結果の195ページに介護サービス利用者率というのがあります。16年度の達成度は92%です。これは毎年毎年減りつつあります。こういう状況で、介護保険の中で個人負担がふえればふえるほど、その負担感が大きくなって、例えば16年度、区は81%を目標にしていましたが、決算では74.9%ということになっているわけで、区が目標とするところにも届かないわけです。そういうふうにますますサービス利用から遠ざかるということになります。ぜひ私は中野区としても検討をすべきだということを改めて強く求めておきたいと思います。以上で終わりたいと思います。
 以上で私のすべての質問を終わります。理事者の皆さんにおいては、取材に来ていただいて、ああもこうもと私もいろいろと言いました。随分はしょってしまって、準備されていただいて、回答を用意されていただいた理事者の皆さん、またここにきていきなり質問が変わったりなんかしました、そういう中で戸惑われた理事者の皆さん、いろいろとおられるかと思いますが、ありがとうございました。以上です。
○伊藤(正)委員長 以上で岩永しほ子委員の質疑は終了いたしました。
 委員会を休憩いたします。
      午後0時09分休憩
 
      午後1時10分開議
○伊藤(正)委員長 定足数に達しましたので、委員会を再開いたします。
 質疑に入る前に、追加資料の配付について申し上げます。
 要求した資料につきましては、お手元に配付のとおり1件の資料が追加提出されておりますので、御確認ください。
 なお、残りの資料につきましては、理事者も鋭意努力しておりますので、御了承をいただきたいと思います。
 それでは、質疑を続行いたします。
 大泉正勝委員。
○大泉委員 公明党の大泉でございます。よろしくお願いをいたします。
 きのうは理事者、議員の皆様も、第30回中野まつり、大変にお疲れさまでございました。頭を切りかえていただいて、お疲れのところ恐縮ですが、1時間ほどお付き合いをいただければと思います。
 事前に理事者の皆さんには、35項目の質問の骨子をお渡しいたしてあります。時間が来たらやめますが、そんな心配はないかと思いますが、そういうことになっておりますので、よろしくお願いいたします。
 今回、公明党議員団、3名を総括質疑に立てました。さきにこしみず委員が水害対策を中心にお伺いをいたしたところであります。私の後に我が党の語り部たる飯島委員が難解な話を極めてやさしくするかと思っております。最近、何か彼は区政のマイスターとも言われているらしいんですが、本当かいなと言っている人もいますけれども、そういう意味だそうでございます。したがいまして、私の話はそんなに難しくなりません。幾つかの課題を伺いたいと思います。
 一つは10か年計画に関する課題でございます。これはつくり方がわかりにくいからわかりやすくしてという話でございます。
 それから次の安心・安全の問題に関しましては、小学校など安全のために人を配置していただけませんかという話です。対応の話ですので、はいはいと言っていただければ、すぐに終わってしまう話でございますので、よろしくお願いをいたします。
 それでは、淡々と行きたいと思います。
 初めに、10か年計画についてお伺いをいたしておきます。
 総務部の主要施策の成果の方に、10か年計画策定の環境づくりとして財政にかかわる情報提供を行ってきたことが挙げられております。義務的経費というものは、人件費、扶助費、公債費で間違いがないかどうか、確認だけさせてください。
○篠原財務担当課長 今、委員御指摘のとおり、義務的経費と呼ばれますのは、人件費、扶助費、それから公債費でございます。
○大泉委員 平成16年度決算について、主要施策の成果は、その5ページで保育園運営経費を物件費から扶助費に組みかえたことを記述されております。総括説明の中でもこれについてはほんの少々ですがご説明いただきました。本来、これは10か年計画策定に当たって各事業部に正確に財政情報を提供するということからすると反するのではないかと考えますが、お答えいただきたいと思います。
○篠原財務担当課長 この件につきましては、平成15年度に東京都の方から、決算統計上、こういった経費につきましては扶助費にカウントすべきだという御指導がございました。そういったことで、こういった経過になったわけでございますが、正確な財政状況を提供するという点では、確かに委員御指摘のように配慮が足りかったと考えてございます。今後も適切に対応してまいりたいと考えてございます。
○大泉委員 組みかえた理由、東京都がそう言ったからということなのかもしれません、そう単純でもないのかという気もしないではないんですが、その理由を教えてください。
○篠原財務担当課長 決算統計におきまして、国等からの指導でございますが、保育所に係る人件費と物件費の計上の方法といった手引がございます。その中では、当該市町村の保育所にかかわる経費の人件費と物件費については、扶助費と物件費に按分をしなさいという指導があったということで、私どももそれに従って、今回そういった対応をしたものでございます。
○大泉委員 22区というのはうちと同じなんですか。
○篠原財務担当課長 同様でございます。
○大泉委員 同様というのは、今までのうちのやり方と同じ仕分けをしていたのかということなんです。今回、中野区が22区と同様になったのか、それともそうではなくて、ずっと前からそうですということなのか。
○篠原財務担当課長 15年度まで、中野区については、計上の仕方を他区と違った方法で行っていて、再三そういった指導があったと聞いてございます。15年度に最終的にそういった指導を受けまして、16年度については改善をしたものでございます。
○大泉委員 国の基準がそうなっているのなら、とやかく言いませんが、ずっと指導を受けていたというんですけれども、これは何か理由があったんでしょう。確信犯に近いというか、ちょっと言葉づかいは悪いですけれども、何かの理由があって、保育園運営経費を扶助費に入れなければいけないものを入れないで今日まで中野は来たということなんですが、どうしてですか。よく我々は、特別区の統計とか、23区の統計とか、だあっと並んだ統計を拝見するんですが、そうすると、今日までずっと中野区の統計の数字というのは違っていたということになるんでしょうか。例えば、15年度の特別区の統計というのがあります。扶助費の一覧が出ています。中野区は17.4%、その他は15%とか、ずっと並んでいるんですが、中野区の扶助費、我々はいつもどの程度にいるのかと思って、そういう見方を単純にするわけです。そうすると、これは今までが全部違っていたということになりますか。
○篠原財務担当課長 過去の経緯がどうだかは、私も定かではございませんが、こうした扶助費につきまして、中野区は東京都の指導上の適切さを欠いていたということにはなるかと考えております。ただ、これは性質上の経費の部分に限って、そういう分け方を中野区はしていたということで御理解をいただきたいと考えております。
○大泉委員 理解してあげたいんですけれども、何か理由があったのではないか。まさか数字をごまかそうとして、扶助費、中野区は若干抑え込まなければいけない、そういう変な考えでもってやっていたのではないんだと思うんですが、今の御答弁によると、東京都はずっと指導されてきた、それをやらないで来たというのは、それなりの何か理由があるんだと思うんですが、その辺は推測もつきませんか、こんな理由ではないかという推測はできませんか。
○篠原財務担当課長 明確に推測ということはできかねるんですが、以前から中野区の決算の性質別の区分の仕方については、こういった形をとってきたとしか言いようがないというのが現状でございます。
○大泉委員 よその自治体と比べて物事をどうこうするというのは大事なことですね。真似することはないんですけれども、ただ、統計上、特に並べてやるというのは、自分のポジションはどこにあるのかというのは、次を目指すために大事なことだと思うんですが、それをずっと、言葉を悪く言えばごまかしてきた、肝心要の部分、コアになるような部分ですから、ニュアンスによると何十年ごまかし続けてきたというのか、代々の予算課長から財務課長から、別にあなたが悪いと言っているのではなくて、そうやってきたというのはどうも腑に落ちないんです。中野区はそれなりに数字は割としっかり出すような気もしているんですが、区民に対しても、何に対しても、それがどうしてしまったのかという思いがふとしたものですから伺っているんですが、その辺はどう思われますでしょうか。
○篠原財務担当課長 委員御指摘のように、統計上、他区と比較する部分におきまして、その基礎となる数字がこのような状況だったということについては、私たちも不適切な形だと考えてございます。ですから、今後これについては、昨年度改定をいたしましたが、そういった形の中で今後も対応をしていきたいと考えてございます。
○大泉委員 これはほかにはないでしょうね、こういうたぐいのものは。
○篠原財務担当課長 今現在そういうことはございません。
○大泉委員 次の質問に移ります。大体お渡ししてあるやつでずっと流れますから、心配ないように、途中で質問が飛びますけれども、それは勘弁してください。
 次に、主要施策の成果、別冊、各分野の行政評価結果から一つだけお伺いをいたしておきたいと思います。分厚い方の29ページ、いろいろなことが評価されているんですが、御紹介をいたします。外部評価委員の評価は、いろいろなことを書いてあって、特徴的なことだけ申し上げます。指標の改善すべき点というのが最初に出てきます。結果としてBマイナスがついています。Bマイナスというのは限りなくCに近いということらしいんですが、指標の改善すべき点、中・長期的な将来像と成果指標が全く一致していない、これは基本構想をつくったとか基本計画をつくる、そういうことに対する評価なんでしょうか、簡単に言えば、「中・長期的な将来像と成果指標が全く一致していない、将来像から成果指標を設定し、直す必要がある」、こんなことを言われている。「基本構想を重要視する姿勢は理解できるが、16年度中に成立が確実視されているものを中・長期的な将来像に書き込むのは問題である。これは総花的な将来像しか描けていないところに問題があると思われる」、こんなことも言っているんです。その項目の結論として「分野としての存在意義さえ疑われる」、こんなことを言っているんです。まだあります。最後に総合コメント、「基本構想や自治基本条例は、成立前よりもむしろ成立後の区民への周知こそ重要である。成立前の話し合いを重要視する姿勢は、区民と十分に対話してつくりましたという区側の言いわけに映りかねず」、こんなことを言っている。最後に「基本構想はつくったら終わりではない」、ごもっともなことをおっしゃっているんですが、これを読んで、これはこれで評価ですから、そのとおりそうかと思って受けとめるというのが評価なんでしょうから、そうなんですが、ただ、評価を受ける前にいろいろなヒアリングをしたり、いろいろな説明をしたりするんだろうけれども、あるいは説明が、ヒアリングが、甘いというんでしょうか、説明が下手というんでしょうか、理解されるように説明しきれていないということなのか、それも一面あるかと思うんです。我々は、議員の皆さんも、基本構想を一生懸命に苦労して、それなりにことしの冬につくり上げたわけですが、どうもそのときの皆さんの努力というのは、何も反映されていないというんですか、何も評価されていないというか、そういう思いがするんです。16年度の評価ですから、基本構想をつくったことに対して、その過程についてどうこうという評価をしていただければいいんであって、ちょっと違うのかなという感じを受けたんです、私個人としては。ですから、後でだんだんにやっていきますけれども、それは基本構想のわかりにくさ、10か年計画のわかりにくさ等々も由来しているのかと思ってみたりはしているんですが、とりあえず、こういう評価で出たんですが、感想をお聞かせいただきたいと思います。
○川崎政策計画担当課長 今回、Bマイナスという評価で、今、委員がおっしゃったとおり、これは大変厳しい評価でございます。私どもも、その評価については真摯に厳しいものとして受けとめております。指標について不適切、より効果的なものをということもありました。また、一方で今、委員がおっしゃられましたように、ヒアリングの中で我々の取り組みが十分に相手に伝わるように説明がしきれていたかどうか、そういった点についても今後十分に考えていきたいと考えております。具体的に申し上げれば、30万区民を想定するということは無理なのではないかということもございます。我々といたしましては、区政、これはあくまでもそこに住む赤ちゃんからお年寄りまですべて30万区民を対象にさまざまな施策展開をしていく、顧客としてとらえて展開をしていく。ただ、当然、施策を展開するに当たっては、施策目的に合いました顧客、対象をしっかりとられていく、あるいは年齢層でとられるとか、あるいはさまざまなとらえ方があるんだろうと思います。そのあたりについての取り組みについても、今後十分に御理解をいただくよう努めてまいりたいと思います。
○大泉委員 もう一つ、各事業実績が十分であるかという項目がありまして、これについても評価をされているんですが、こんなことが書いてあるんです。「区民と区長の対話集会は、その姿勢は評価できるが、リピーターが6割、50代以上が7割を占め、成果が上がっているとは言い難い」という記述なんです。ひとつ思ったのは、皆さん方にどうこうというのではなくて、評価委員の方、失礼だけれども、要するに50歳以上は集まってはいけないのか、何かそういうことを言っているのかと思ったり、対話集会に何歳の人が来たっていいではないか、要するに若い人が全然来ていないということが言いたいのか、それとも同じ人ばかりが対話集会をやるたびに、あちこちを回っているというのがいけないと言いたいのか、わからないんですが、いずれにしても、年寄りだからだめだとか、こういうニュアンスを醸し出すというのは、最近抵抗があるんです。これもヒアリングの段階での御説明がないし、何か欠けているものがあったのではないか、皆さんが、あるいは口を滑らしてしまって、年寄りが多いんですよねなんて言ってしまったんではないかとか、そんなことはないと思うんですけれども、勘ぐってみればそう思えたりするんですが、こういうのは区民に出るわけでしょうけれども、評価の用語というか、仕方というんでしょうか、書き方と言えばいいのか、評価委員の思いがそのまま文章になっているようには思えないんですが、こういうものというのは、もう少し公平というんですか、そういう書き方を心がけていただくように、改善の仕方というのは、何かできるものなのか、してくださいと言えるものなのか、よくわからないんですが、その辺はどうなんでしょうか。
○鈴木経営改革担当課長 外部評価委員は第三者的な目で、ある意味では手厳しく評価をしていただくわけでございますけれども、やはりそのときの思いとか、強く感じたことをそのまま表現している箇所がほかにもあろうかと思っております。事務局としても、そこら辺を各委員と十分に意見調整しながら進めてきたところもありますけれども、今後もそういった観点から外部評価委員の協力もいただけるよう運営してまいりたいと考えております。
○大泉委員 よくわからない。意見調整とは、評価委員の評価したものをそのまま書くだけの話でしょう。意見調整とはヒアリングのことを言ったんですか。
○鈴木経営改革担当課長 一つには、ヒアリングのやり方ということでの工夫があろうかと思います。それからヒアリングを受けて、委員がそれぞれ評価を文章化するわけでございますけれども、そのときにやはり事務局として、こういった表現はある意味では少し誤解を招くことになりはしないかということで、事務局と外部委員との間での調整の場面もございますので、そういったところで、全体的なバランスの観点から、事務局としても調整ができればと考えております。
○大泉委員 話は変わりますが、基本構想そのものの御理解、基本計画も含めてですが、これらがいまいち、語弊があるけれども、足りないのかと思ったりして、皆さん方を守るわけではないんですが、そういうふうに思ったりなんかして、それは先ほど申し上げたように、やはりわかりにくさにあったのかと素直に思ってもいいのかとは思います。
 よその自治体で基本構想、計画もそうですけれども、中野区のようなつくり方をしているところというのは、これはどのくらいあるんでしょうか。22区とほかの市もあれば、ちょっと紹介してください。
○奈良計画担当課長 つくる過程でしょうか、それとも、つくる中身の問題になりますでしょうか。
○大泉委員 今回、基本構想を、区長のおっしゃるように、つくり方を変えましたね、計画も変えた。だから、今まで中野区のとってきた計画のつくり方というのは、それはそれで古典的な古き良きやつがあるわけですが、それをがらっと変えて今回のような基本構想をつくり、計画をつくろうとしている、そのスタイル、流れも含めて、こういうやり方をしている区市町村はほかにあるんですかという質問です。
○奈良計画担当課長 他区の状況というのは把握してございませんが、中野区としましては、これまでの計画のつくり方というのを変えまして、意見交換会というのも53回実施いたしまして、今回、区民の方から広く御意見をいただきまして基本構想を定めてまいりました。
○大泉委員 何を答えているのか、そんなことを聞いているのではなくて、単純な質問で、例えば足立区なんかは中野区よりも先行して、こういうつくり方をされているんです。体裁も含めたつくり方です。基本構想とか10か年計画とか長期計画とかというのには年次を追ってやっていくという古典的パターンがあるではないですか。そういうのと我が中野区のは違うでしょうということを、区長も言っているし、僕もずっと言っているわけです。だから、そういうつくり方は、いつの答弁か忘れましたけれども、これが時代の流れなんですなんて言う人もいたわけだから、そういう時代の流れに沿ったつくり方をしている区は、または市町村はどのぐらいあるんですかということを聞いているんです。
○寺部区長室長 具体的に数等は調べてございませんけれども、今、委員のお話の中で出た足立区は同じようなつくり方をしております。といいますのは、具体的に目標を定めて、目標数値を入れて、到達度合いをそれで図っていく、そういう考え方でつくっている、中野と同じような考え方でつくっていると理解をしております。
○大泉委員 わかりにくいということを申し上げているわけですが、どうして、こんなわかりにくい計画をおつくりになるのか。行政計画ですから、役所だけがわかっていれば十分とはいかないわけだと思います。やがて区民の生活に影響を及ぼすし、また区民の協力なくしては達成不可能な計画と認識をいたしております。したがって、まず広範な区民に理解をしてもらうということが肝要中の肝要なんだろうと思うんです。どんないいことをやったってわかってもらわなければしようがないわけですからという単純な話です。素朴で温かくて安心感と夢を与えてくれる、それでいて軟弱でなくて強い意思が伝わる、そういう10か年計画であってほしいと思っているんですけれども、どうでしょうか。
○寺部区長室長 委員の御指摘のとおり、なかなか計画というのは、理解していただくことは難しいかもしれませんけれども、区民にとってわかりやすい、区が何をねらって仕事をしていくのか、そういったことが十分に理解されるようなつくり方、これは基本的に必要なことだと理解をしております。
○大泉委員 教育委員会が教育ビジョンを定め、その実現のために推進プログラムを策定しようとされています。これについてどうお考えになっているか、お答えいただきたいと思います。
○奈良計画担当課長 教育ビジョンの実行プログラムでございますが、基本構想と現在策定中の新しい中野をつくる10か年計画の趣旨を踏まえまして、その実現に向けて教育委員会として具体的な取り組む内容をまとめるものと理解してございます。また、10か年計画を受けた教育全般についての個別計画になるという認識でございます。
○大泉委員 10か年計画を受けたとおっしゃるんですが、中身にはふれませんが中野区教育ビジョン10大プロジェクト、こんなものを教育委員会がつくったんです。よくできているんです、わかりやすくて。教育ビジョンを達成するために10のプロジェクトを3年間でやりますというんですが、最初にプロジェクト1に(仮称)子育て幼児教育センターの設置と書いてあるんです。10のプロジェクトのうちのトップに書いてあるんです。10か年計画のどこかに載っかっているのかと思って見たら、さっぱり載っかっていないんです。今御答弁いただいたように、整合をとったとか、何だかよくわからないけれども、そういうことをおっしゃっているんですが、どうも違うかなと思うんです。そうすると、これは何なんだというふうに言いたくもなるんですが、いずれにしても、教育ビジョンをつくった、教育委員会はそれにあわせて次のアクションプログラムというか、こういうプロジェクトでやっていこう、3年間頑張っていこうというのでつくった。その過程については、10か年計画の担当課と一生懸命に協議をしてきた、もしくは調整してきたという御答弁だと思うんですが、では、何でこれは入っていないのか、もしくは、教育委員会としては、例えば子育て幼児教育センターをつくると頑張ってプロジェクトのトップに持ってきたけれども、10か年計画では相手にされなかったということなのかと思ってみたり、相手にされないんだったら、どうして相手にされなかったのか、理由も聞きたくなってしまうということなんですが、どういういうことなんですか。
○奈良計画担当課長 (仮称)子育て幼児教育センターの設置ということでございますが、10か年計画素案の第3章第2領域の中に記載がございます。この中で質の高い幼児教育、保育の実施という施策の中で、その項目について主な取り組みとして掲げてございます。
○大泉委員 子育て幼児教育センターと書いてあるんですか。失礼しました。
 ちょっと質問が飛びます。区民との説明会、懇談会の資料用につくられたA3のでっかいのがあるんです。何をやるかということをわかりやすく表にされているんです。要するに、区民用に配った資料の中にありますか。あればあると言ってください。
○奈良計画担当課長 今回、区民の意見交換会で使いました実現へのステップという資料でございますが、こちらは第2章の部分の四つの戦略についてのステップをお示ししたものでございます。そのため、ここの中では記載がございません。
○大泉委員 ちょっと質問がもとにもどりますけれども、だから、区民に何を説明していらっしゃるんですか、何をもって、我々の認識では、例えば懇談会へ行く、説明会へ行く、そして、これを示される、区民は、10か年計画というのは、こういうことをやってくれるんだと単純に思います。皆さんの手元には、この分厚いのがそうなんだ、そうなんだけれども、言われる区民としては、やることの一覧ととらえると思うんです。そこには書かれていない。伺うと、いや、本文にありますと言う、何かごまかしているような気がしませんか。
○奈良計画担当課長 今回、意見交換会に当たりましても、素案の冊子というのをお配りしております。ただ、冊子そのものが110ページと大変分厚くなってございますので、これにつきまして、限られた時間の中で御説明をするというのは大変難しいということがございました。今回、10か年計画の第2章の部分、こちらに10年間で、優先的と申しますか、取り組んでまいります施策を掲げてございますので、これについてを中心に区民の皆様に意見を求めたところでございます。10か年計画全体の冊子についてでございますが、こちらにつきましては、事前に地域センター等に設置をいたしまして、区民の方にもごらんいただけるという形になってございました。そのため、意見交換会の場でも、こうした冊子の中からもさまざまな御意見をいただいております。
○大泉委員 もう一遍確認しますが、教育委員会がつくった中野区教育ビジョン10大プロジェクトというのは、10か年計画にみんな入っていますという認識でよろしいんでしょうか。
○小谷松教育改革担当課長 教育委員会で現在検討を進めております10大プロジェクト、これは教育ビジョンの掲げます目標を具体的におよそ3年間という期間で実行するプログラムということで計画を現在検討してございます。そこにありますいろいろな取り組みというものにつきましては、直接的には教育ビジョンの中で掲げております目標をどういうふうに具体的に実現していくか、その具体的な取り組みについて記載をしてあるものでございます。特に新規で取り組むもの、またこれまでやってきてはおりますけれども、内容的に質的なレベルアップを図るものといったものを中心に掲載してございます。そこに現在、検討の対象としておりますものがすべて10か年計画の計画とイコールではございません。もちろん、それらの中で、重要な施策というものにつきましては、10か年の方に掲載してあるものもございますけれども、直接的には、教育ビジョンの具体的な実現を図るための教育委員会としての取り組みの内容というものでございます。
○大泉委員 教育委員会としては、3年間でこれをやりたい、しかし10か年計画の中に入っていないものもある、入っているものもある。10か年計画の中に入ったのは、10大プロジェクトの中でも特に重大なものが入ったということなんでしょうか。10か年計画というのは、10年後の中野区をどうするか、それに対して、その過程をどうするかということを、網羅的というか、どこから読んでもどこかに入っていると我々は思っているんですが、ある面では中野区の事業のすべてと思っているんですが、そうでもないということをおっしゃっているんでしょうか。
○小谷松教育改革担当課長 教育ビジョンの実行プログラム、これは先ほど申しましたとおり、中野区の教育が中・長期的に目指す理念、目標というものを定めたものでございます。それを個々の事業の展開をとおして、どういうふうに具体的に実現を図っていくか、それのための実行プログラムでございまして、その中に各種の事業というものを展開してございます。10か年計画そのものが区政全体としての大きな計画ではございますけれども、それらが今検討を進めております10か年計画の中にすべて含まれるわけではございませんで、教育委員会として取り組むべきいろいろな事業というものを並べてございます。それらの中で10か年計画の取り組みの方向と重なる部分もございますけれども、教育委員会としてビジョンの実現を図るための具体的な施策の展開というものでございます。
○大泉委員 教育ビジョンとは何だという話をせざるを得なくなってしまうのかと思ったけれども、結構です。
 質問が変わってしまいましたけれども、本当はこれを褒めよう思ったんです。計画というのはこういうものだ、区民に示すのは、わかりいい、こういうふうにしたらどうなのかということを申し上げようと思ったんですけれども、どうもよくわからないという感じになってしまいましたけれども。中身はともかく、体裁としては、つくり方としては結構なものだと思います。質問の流れに戻りますけれども、こういうものを各事業部ではつくったらどうか、つくっているんだと思うんですが、その辺を幾つかの事業部に伺いたいと思うんですが、我と思わん事業部は言っていただきたいと思います。
○伊藤(正)委員長 どなたから答えますか。
○大泉委員 条例による序列で答えてみてください。
○登区民生活部経営担当課長 区民生活部全体での計画というのはつくっておりません。
○合川子ども家庭部経営担当課長 子ども家庭部は、ことしの3月に次世代育成支援行動計画をつくってございます。これにつきましては、基本構想の将来像、あるいはそれに連なる方向性も含めて検討をしたものでございます。そういった意味で、これが一つの基本計画に基づく個別計画ということになろうかと考えております。
○寺嶋保健福祉部経営担当課長 保健福祉部では、ただいま保健福祉総合推進計画というものを策定中でございます。したがいまして、それは基本構想及び10か年計画素案を踏まえた内容で策定中ということでございます。
○大泉委員 済みません、突然言って申しわけありません。時間がないから、後でもう少し違うことを聞きます。次へ行きます。
 本会議で大内議員とかうちの久保議員の質問の答えに、行政革新5カ年プランというのが出てきました。国がつくれと言っているやつです。今年度中につくれ、公表しろというやつですが、内容、大体おおむねでき上がっているというか、頭の中にあるかと思いますが、御説明いただきたいと思います。
○鈴木経営改革担当課長 ただいま(仮称)中野区行政革新5カ年プランと私どもは申してございますけれども、これにつきましては、17年度を初年度として5カ年間、いわば10か年計画で言っております第4章、持続可能な行財政運営のために、あそこの章を受けた実施計画という位置付けで今想定をしております。委員から今御指摘がありましたように、総務省の方もこういうものをつくれ、集中改革プランをやれということですので、私どもは、この計画もそれに基づいた性格を持つものと考えております。具体的には、細かいところは、まだ未定なところが多いんですけれども、やはり効果的・効率的な行政経営の確立というところでは、具体的に財政的な指標では、こういった数値を目標に5カ年間でどういう姿にしていくということ、また人の問題にしても、2,000人体制の途中までは、こういうロードマップであるということを示しながら計画としたいと考えているところでございます。
○大泉委員 大体いつぐらいまでに公表すればいいかということでしょうか。まさか年度末ということはないでしょうから、その前に議会が、第1回定例会もあるし、どうなんでしょうか。
○鈴木経営改革担当課長 10か年計画の策定と大きく時期的にずれることのないように、年度末まで行かないようなところで鋭意努力していきたいと考えてございます。
○大泉委員 国の指針によると、つくり方は、内容についても、こういうものをつくりなさい、こういう内容を盛り込むようにということが書いてあるんですが、そんな中で「住民等の意見を反映するよう仕組みを整えること」、あちこち使われている用語ですけれども、こういう言い方をして、きちんと組み込んでくださいということが書いてあるんですが、これはどういうふうにお考えなんですか。
○鈴木経営改革担当課長 国の方でも、特に公務員に対するさまざまな見方、批判が高まっているところから、そこら辺の削減について、あるいは仕事の進め方について、きっちりと区民、あるいは住民の方に説明して、御理解いただくような形でつくりなさい。また、つくったものについては、きっちりと説明をして、毎年度、どのような状況まで到達したかということを公表しながら進めることと通知がございます。私どもも、中野区のさまざまな計画もいろいろなプロセスを踏んでつくってございます。特に革新プランは、私ども内部のさまざまな経営努力の仕方、やり方、手法を盛り込むものでございますけれども、一定の期間、区民の方の御意見を聞きながらつくっていきたいと考えてございます。
○大泉委員 「PDCAサイクルの各過程において住民等の意見を反映するような仕組みを整えることと」と書かれて、ずっと紹介したようになっているんですが、自治基本条例をつくるときに、こんな議論がたしかあったような気がしたんです。我々はもうすべての過程に住民参加を入れてほしいということを申し上げたんですけれども、多少修正をなさったというか、そう簡単にはいかなくて、現在の形になりましたが、こういうことをこれは言っているのでしょうか。もしくは、区としては、どの辺までというふうにお考えなのか。また、どの辺までどうこうするという仕組みを書けば国に提出可能になるのかと思っていらっしゃるのか、その辺はどうなんでしょうか。
○鈴木経営改革担当課長 特に国はプランをつくるプロセスの中で、どういうふうに住民の声を聞いてきたかということを一つポイントにしてございます。したがいまして、私どもも、意見交換会等を開くというやり方を常態化してございますので、その中で区民の意見、あるいはまた議会での御意見を組み入れながら計画づくりに反映していくということを考えております。
○大泉委員 次に、民間委託がよく話題になります。今回も書いてありますが、それの具体的、総合的な指針、計画の策定を示しておりますが、これの検討はもちろんされていると思いますが、どうでしょうか。
○鈴木経営改革担当課長 10か年計画の中での小さな区役所というところでも、さまざまな多様な行政サービス主体をつくること、それから区だけが主体者ではないという方向をとってございますので、区としては、民間で可能なものは民間、それから区がどうやったらより効率的なサービスができるのかという観点から、民間委託の推進というのを進めていくという方針でございます。
○大泉委員 時間がないので、途中でやめまして、指定管理者とPFIとか、どこまで中野区としてやるのかというのを、この際はっきりした方がいいですということを申し上げたかったんですが、そうでないと、後々も突然何だとかという話にまたなってしまうので、計画としてきちんとしておいた方がいいんではないか、それは明らかにした方がいいんではないですかということを申し上げたかったんですが、時間がありませんので、一つだけ伺っておきますが、さっき足立区の例が出ました。要するに、今回の基本構想、基本計画を足立区は中野区みたいなことを先導してやったという話です。そっくり同じではないんでしょうけれども、足立区のホームページを拝見しますと、財政計画というものをきちんと出しています。2年前につくって、今回、新しく基本計画をつくって改定をしたようです。区長もかねてから、財政の見通しを持ったとか、財源の裏付けのある計画をつくるという話をされていまして、ごもっともだと思っております。今回、10か年計画をつくるに当たって、発表するに当たって、策定するに当たって、財政計画はどうされるんでしょうか。本体の中にきちんと入れられるのか、それとも別立てでもっておつくりになるのかということなんです。その辺はどう考えていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
○鈴木経営改革担当課長 ただいま申し上げました10か年計画の第4章のところで、現在、議会に御提出している中では記述がないんですけれども、そこの中で1点、10か年の財政フレームということについてはお示しする予定でございます。なお、今申し上げました行政革新5カ年プランにおいても、財政についての5カ年のより詳細な目標数値を掲げた取り組みについても、現在のところ掲載する方向で検討してまいりたいと考えております。
○大泉委員 ちょっと違うんではないでしょうか。第4章、持続可能な行財政運営のためにというのが確かにあります。ボリュームを少しふやして数字を入れ込んでどうこうというニュアンスの話をされたんだと思いますが、財政計画とはちょっと違うんではないでしょうか。すべての事業にわたる財源、または見通し等々を、要するに10か年計画を動かすための担保ですから、ちょっと違うんではないかという気がするんですけれども、どうでしょうか。もう一度ご答弁ください。
○篠原財務担当課長 御指摘のとおり財政計画はまた別につくるものと私どもは考えておりまして、財政計画につきましても、10か年計画とあわせて発表できるようにしたいと考えてございます。
○大泉委員 次に移ります。
 区長は本会議で我が党の久保議員の質問に対して、「計画では目標を掲げ、仕事の成果を見ながら次の展開を考えていくように、ステップの形で将来像実現のための道筋を示すことにした」と答弁をされております。そこで、区民意見交換会用に作成された資料に基づいて伺っていきたいと思いますが、先ほど使ったやつですが、例えば野方駅の問題をちょっと取り上げたいと思います。これは本会議でも藤本議員とか小串議員もおっしゃったし、要するにわかりにくいということなんです。そこにこんなことが書いてあるんです。ステップワンで開設の着手、ステップツーで整備、ステップスリーで開設ということなんです。三つのステップを置いているわけですが、それぞれの段階があるということはだれだってわかるんですが、当たり前のことだということです。わざわざステップとすることに、どういう意味があるのかよくわからないという意見があるわけですけれども、これはどうでしょうか。そんなことよりも、藤本議員がおっしゃったように、何年に開設するとした方がわかりやすいのではないか、こんな気がいたします。東中野駅前の広場も同じような記述になっているんです。若干は違うんですが、同じような形になっているんです。計画本体の中で工夫できないのかどうか。さらに、どうして目標としての年次を示さないで、ステップとしたのか、その理由もあわせてお答えをいただきたいと思います。
○奈良計画担当課長 意見交換会の資料についてでございますが、野方駅の北口の例を取り上げての御質問ということですが、まずステップという考え方について御説明をさせていただきたいと思います。ステップにつきましては、将来像を実現するための取り組みにつきまして、どのように展開をしていくのか、またどのような段階を踏んで実現をしていくのかといった道筋を示すものでございます。おおむねの展開時期ですとか段階といったものを示すものでありまして、ステップの1から3というのはおおむね2年程度、ステップの4につきましてはおおむね4年程度という期間を考えてございます。野方駅についてでございますが、整備着手から開設までの手順につきまして、各ステップでどこまで実現していくかといったことを今回お示ししたものでございます。年次を決めて事業を固定的に計画するという、これまでの計画と違う計画ということにしたものでございます。あくまでも目標とする姿を実現するために、常に目標の達成状況を検証しながら柔軟な展開を図っていくということを考えてございますので、事業を年次で固定するといったことを行っておりません。
 それから本体の中で考えられないかという御質問でございますが、最終的な計画をまとめる段階におきましては、10か年計画の第2章と第3章の中に、ステップという考え方を盛り込んでいきたいと現在考えております。これによりまして区民の方によりわかりやすい計画になるのではないかと現在考えております。
○大泉委員 さっきの行政評価委員のあれではないんですが、何か言いわけしているとしか思えないんです。その部分だけは。もっと言えば逃げているんです、皆さんの姿勢が。しつこく出して申しわけない、他意はないんですが、例えば野方、今のお話ですと、ステップ1、2、3、ステップ3で野方駅北口開設、今の話だと6年後ということになるんでしょう。ステップ1からステップ3が各2年というんだから6年後に野方駅北口開設ということです、平成23年、ちょっと早めてほしいというのはあるとしても、だから、書けばいいではないですかということなんです。どうして2年だとか、3年だとか、おおむねとか、最初から逃げているんです、できなかったら困る。よく皆さん方は、年次を確定すると自己目的化するというんですけれども、目的化したっていいではないですか。何年度に開設するという目的に向かって進めばいいんだからと思うんです、逆に、そういう気がするんですけれども、わかり切っていることを書いたらどうでしょうか。
○奈良計画担当課長 野方駅北口開設ということでございますが、6年後というよりも、第3ステップの早い段階で実現をしていきたいと考えてございます。また、年次を明らかにした方がいいのではないかということでございますが、今回の計画そのものが成果を図りながら目標を達成していくというスタイルの計画をとってございますので、事業を固定的に進めていくということになりますと、過去の例でも、計画がすぐに頓挫してしまうということもございますので、今回はこのような表現でやったものでございます。
○大泉委員 それは計画が悪いんではなくて、皆さんが悪いんです、やらないんだから。理由を聞くとお金がないとか、バブルが弾けたとか、何だかんだ、滑った転んだと言うわけですから、そうではなくて、今回の場合はもっとたちが悪いですよ。最初からやる気はないんだからということを示しているみたいなものではないですか。私が言いたいことは、メッセージがきちんと区民に伝わるようにつくっていただきたいということなんです。ここをやってくれるのか、おれたちはこれをやらなければいけないんだ、これを協力すればいいんだ、全体でもってこういう区をつくるんだ、みんなでやっていこうということが、まず区のメッセージが伝わらなければいけないんです。それを戦略1、2、3ステップ1、2、3。そんなことを言ったってわからないと思います。したがって、もう少しわかりやすくきちんと書いていただきたいと思います。それと同時に、メッセージが伝わるように、つくり方をもう一工夫お願いをしたいと思います。さらに必ず実現をしていただきたいと思います。もしきちんと書いて、できなかったら、それを説明すればいいんではないかと思います。区民だってわかります。そういうことですので、ぜひとも工夫をお願いいたします。
 続けていきます。次に地球温暖化防止戦略中、ステップワンで地球温暖化防止ビジョンの策定、環境基本計画の改定と個別計画が一つだけ取り上げられています。他に個別計画を示していないのは、改定の必要がないからと理解していいのかどうか、お伺いをいたします。
○奈良計画担当課長 この戦略につきましては、地球温暖化防止のビジョンの策定と環境基本計画の改定という個別の計画を取り上げてございますが、これにつきましては、個別計画が地球温暖化防止という戦略を展開する上で象徴的で重要なものという認識をしたためでございます。ここで示していない個別計画についても、10か年計画の策定に合わせて改定が必要であると考えてございます。また、基本的には、10か年計画という計画の中に、個別計画の策定ですとか改定という表記を入れるべきではないと考えておりますので、表現等は今後改善していきたいと考えてございます。
○大泉委員 そこで、各事業部にまた伺いますが、登場するのは、皆さん、ここだけですから、心配しないでください。個別計画、10か年計画は基本的な方向性を示す計画だから、ポイントは個別計画にこれからなってくるわけです。我々が見て、こういうことをやるんだということがきちんと具体的にわかるのは個別計画だと思うんです。各事業部はそれぞれ個別計画を検討されていると思うんです。大体どのぐらい検討されているんでしょうか。時間がないから本数だけで結構ですから、各事業部が考えられていらっしゃる個別計画について、各事業部ごとに幾つあるんですか、本数を教えてください。
○奈良計画担当課長 各事業部の個別計画ということでございますが、現在、個別計画の策定というのは考えてございません。10か年計画に合わせまして、現在あります個別計画の方を改定していくということになると思っております。
○大泉委員 わからない。多分事業部では、10か年計画をつくるに当たって積み上げてきたわけでしょう。区長一人が考えて、どんと下へおろしたわけではないわけですから、各事業部で考えたんだと思うんです。それから今持っている計画もあるでしょうし、これをもう少し改定して個別計画に昇格させるのか、あるいは単なる事業を進める指針か何かで置いておくとか、いろいろとあるんだと思うんです。だから各事業部はわかっているでしょう。自分はこれとこれとこれ、今つくる過程にある10か年計画であったとしても、それをつくるために下から資料を上げているわけでしょう。それを皆さんはまとめたわけでしょう。だから、各事業部は何をやらなければいけないかということがもうわかっているはずだと思いますので、例えばさっきおっしゃった次世代育成支援行動計画とか、そういうたぐいです、あるではないですか。ないんだとすれば、10か年計画というのは、本当にごく一部の人がつくっていたんですかということになってしまいます。何も聞かないでつくっていたのかということになります。だから聞いているんです。そんな意地悪な質問ではないと思いますけれども、当たり前のことを聞いているんですが、ですから各事業部ごとに言ってください。自分の事業部は何本あります。これについては何本の改定が必要です。足りない部分がありますので、この1本を新しくつくらなければいけませんというのがあったら言ってください。合わせて何本あるんですか。
○本橋区民生活部長 区民生活部におきましては、環境基本計画、一般廃棄物の処理計画、そして産業振興の計画を考えております。
○田辺子ども家庭部長 先ほど部経営担当課長から申し上げました次世代育成支援行動計画につきましては、10か年計画に基づきまして策定をしたところでございます。また、男女共同参画基本計画につきましては、10か年計画に合わせまして見直しが必要と考えております。
○菅野保健福祉部長 保健福祉部ですけれども、保健福祉総合推進計画、介護保険事業計画につきまして今年度中に見直す予定でございます。障害者福祉計画につきましては、来年度策定したいと考えております。
○石井都市整備部長 都市整備部では、大きくは都市計画マスタープラン、住宅マスタープラン、緑の基本計画等をこれから見直す必要があろうかと考えております。
○金野教育委員会事務局次長 教育委員会といたしましては、先ほど御答弁申し上げました現在検討中の教育ビジョンの実行プログラム、区立小・中学校の再編計画を現在検討しているところでございます。
○大泉委員 したがって、全部で12本か13本か14本。そして、新しくつくるのが障害者福祉計画。こんな感じなんですか。伺ったのは、申し上げましたように、個別計画によってしかはっきりした明確な事業というのが我々はわからないような10か年計画になってしまっていると思いますので、個別計画の本体との取り扱いというか、書き込み方等々、しっかりと書き込めるものなら、きちんと書き込んでいただきたいと思っているんですけれども、先ほど御答弁いただきましたけれども、どうでしょうか、もう一度。
○寺部区長室長 個別計画の改定でございますけれども、10か年計画を踏まえて、具体的な事業等を書いていきますので、そういう意味では、わかりやすく基本構想、10か年計画を踏まえた個別の改定になると考えております。
○大泉委員 済みません、すごく飛ばします。
 次に、ビオトープだけ伺っておきたいと思います。ビオトープというのは、11番目の質問です、地球温暖化ビジョン等の評価、見直しを挙げているけれども、他の戦略展開では必要ないということかについては、もう先にお答えいただきましたので結構です。これに関連して、こういうのがあるんです。10か年計画は区民生活に大きな影響を与える課題、四つについて、先導的に、効果的に取り組むための戦略を示したとしているわけですけれども、その中に、戦略2、展開3、ステップワンの中で、ビオトープのネットワークについての検討と記述をされております。これはほたるの里構想の実現をイメージされているのかどうかということを伺いたいんです。平和・環境教育の事業を融合した事業として、私どもは大変夢のあるすぐれた事業かと思っているんですが、この辺はどうなんでしょうか。また、基本構想の議論の過程の中で、何とか入れてくださいとお願いをしたんですが、ビオトープで勘弁してくださいという話になって、こうなっているんですが、いずれにしても、だからイメージはされているんだと思うんです。中野区はほたるの里でもって中野区の活性化を図る、またそれによって平和教育、環境等々についての事業も一体的にできるということで、特にいいかと思っているんです。その辺はどうお考えなのか。ビオトープというのは、ほたるの里構想もイメージしていますとお答えいただければ、これで終わるんですが、どうでしょうか。
○野村公園緑地担当課長 ビオトープにつきましては、ホタルを含め生物が生息できる環境ということで検討をしております。
○大泉委員 ほたるの里構想、区長が本会議でついうっかり口走ってしまった、間違えてしまったというか、心にあることをそのままストレートに区長からお出しいただいて、ああ、いいネーミングだなと思って、我々はそれ以降、ほたるの里というフレーズを使っているんですが、これを実現するために、基本構想でもそれなりのイメージをしていただいて、ちょっとここに書き込んでいただいているわけですが、10か年計画では、もう少しほたるの里構想という用語としてお使いいただくと、非常に幸せな感じがするんですが、その辺はどうお考えでしょうか。したがって、イメージされていますかということを遠回しに伺ったんですがどうでしょうか。
○野村公園緑地担当課長 その実現に向け努力しているところでございますが、もうしばらく検討させていただきたいと思います。
○大泉委員 すみません、時間がないので、これは追求しません。また本会議でやります。
 この項の最後の質問にします。用意されていた方、申しわけありません、飛ばしてしまいます。この項の最後に区長にお伺いをさせていただきたいと思います。今まで10か年計画のある面でのわかりにくさについて幾つか、野方の駅を中心に例を挙げて申し上げてまいりました。10か年計画で取り組もうとしている方策、目標、事業の基本的方向について私どもは違和感を持っておりません。ただ、10か年計画を達成するためには、施設の再編計画が欠落しているのではないかと思っております。中野区は学校の再編計画を先行して進めています。これは他の施設の再編計画と同時に出すと、教育の向上と行革の展開とが混同されて区民に誤解を与えかねないということでもって、先に学校の再編計画を進めてきているということだと思っております。学校の再編計画も大詰めに来て、関係者は大変な努力をされて、御協力をいただいたりなんかしながら大詰めに今来ているわけです。かつて区長は、区の施設について、かつて一たんないものとして今後の施設のあり方を考える。また、いわゆるゼロベースで見直すという発言をされてまいりました。今でも変わっていないと思いますが、10か年計画は区長がかつてそのように御答弁されたものとは若干違ってきているのではないか、我々に言わせれば中途半端な感じがしないではないわけです。策定の時期、本当は秋につくるという話だったのが延びました。そういうことでもありまして、基本構想、10か年計画の体系を完結させるために再編計画を盛り込んではいかがかとも思っているわけです。計画の策定が予定どおり進みますと、中野区は10か年計画の策定後、すぐに区長選挙を迎えます。基本構想と10か年計画について区民の判断をあおぐいいチャンスだと思慮いたしているわけです。計画策定の最終責任者としてどうお考えなのか、あわせてお答えをいただきたいと思います。
○田中区長 基本構想、10か年計画で目指しております区のあり方、そういう姿を目指していく上では、現在ある施設をどのように活用していくのか、施設の再配置を含めた見直しが欠かせないし、それがなければ成り立たないということだと考えております。そうした意味で、施設全体の再配置のあり方についても、10か年計画の中にしっかりと位置付けた上で、皆さんに御判断をいただきたいと考えております。
○大泉委員 あと6分しかありませんので、次に安心・安全のまちづくりについてお伺いをするつもりでしたが、これは二つだけ大きく伺っておきます。20項目について質問通告をお渡ししてありますが、御勘弁願いたいと思います。
 一番最初に申し上げたとおり、特に小学校、幼稚園の子どもさんの安全、また子どもさんたちが安心して教育を受けられる環境をつくるというのは区の仕事だと思うんです。これはことしの春でしたか、うちの久保議員の方から、警備員でも何でもいいんですが、人を配置していただいた方が、子どもたちが安心して勉強できるんではないかということを申し上げました。寝屋川の事件を受けて、中野区の場合はサスマタを配備してあります。サスマタ配備をしているんですが、では、校長先生は十手を持っているのかという話をどこかの議員がしていましたけれども、結構真面目にしています。そういうイメージになっているわけです。まとめて言ってしまいますが、やはり今、専門家の話を伺ったりなんかすると、受付というものを門のそばにきちんと置いておくということが、防犯、薬物乱用、いろいろな面でもって大変な効果があるし、これしか予防策はないのではないかとおっしゃる専門家もいらっしゃるようなんです。もう一度、学校の警備、もしくは学校に対して人でもって安全を守るというか、そういう方策をおとりいただけないかと思っているんです。春の質問のときには、頑張りますとかという御返事をいただいたんですが、その後、教育委員会で鋭意御検討をいただいたようですが、財務担当に意見を上げたら、そこでとまってしまったという話です。我々も今回の補正予算で出てくるのかと思っていたんですが、検討する期間は区の側としても短かったんだと思うんですが、再度、人の配置について、どんな形であるにせよ、23区さまざま工夫していろいろな形でやっているようですので、中野区も検討を真剣にいただけないかと思っているんですが、もう時間がないから、区長にお答えいただけますでしょうか。例えば、中野区の隣接、渋谷、豊島、杉並、新宿、中野区に接している区は全部何らかの形で人を配置しているんです。何か中野区だけ何もないという感じに、要するに空白区みたいになってしまっているわけです。したがって、ここはひと頑張りしていただけないかという質問なんですけれども、時間がありませんので、区長にお答えいただけますか。
○田中区長 学校の安全は、いずれにいたしましても、施設、設備による物理的な方策と何らかの形での人的な対応が組み合わさってのことだと思っております。組み合わせ方とか、人的な方についてはどういう体制が組めるのかとか、これについてはさまざまな検討をする必要があると考えております。効果的で最善の策という立場で今後さらに検討をさせていただきたいと思っております。
○大泉委員 ぜひともよろしくお願いをいたします。
 もう一つは、これは去年伺ってからずっと続いているんでしょうか、区でパトカーをつくって走らせてくれという話です。うちの孫に言わせるとピーポーピーポーというんですが、走らせてくださいませんかという御質問を申し上げました。そうしたら、何とか検討しましょうという話だったんですが、これはその後どうなりましたでしょうか。お答えいただけますか。
○登区民生活部経営担当課長 庁用車を利用しての防犯パトロールということでございますけれども、野方署に相談したところ、なかなかいい返事をもらえませんで、その後、8月に警視庁の担当のところでお伺いしました。そうしますと、業務のついでに、そういうパトロール的なことをやるというのは認められない。例えば2時間ないし3時間、専門職員二人以上同乗して、もっぱら防犯パトロールに従事するということでなければ認められませんという回答をいただきました。そうしますと、庁用車でどこかに行くついでに活用するというのがなかなか困難だということになりました。そうしますと、警備会社等への委託も視野に入れて今後検討していく必要があるだろうと思っております。
○大泉委員 ありがとうございます。どんな形であれ、よろしく御検討いただければと思います。
 最後になりました。途中ちょっと雑になってしまいました。
 最後に、その他、1点だけ質問をしようとしていたのが、清掃事業の区への移管の話を申し上げようかと思っております。区へ移管されて5年になって、来年、都の職員から区の職員に身分が変わります。このことについて、23区区長会でもってさまざまな御検討をされて、最終段階になるかと思っております。ただ、中野区としては、中野区独自の条例を持っていますので、なかなかその調整が難しいのかとは理解しているんですが、移管事務の最後というんでしょうか、そういう問題でもありますから、スムーズな職員の受け入れ等々、円滑に進めるためにも、何らかの形でもって対応していただけないのかという質問をしようかと思っていたんですが、細かい質問にもなりますので、これは分科会で機会があるかと思いますので、そこでやりたいと思いますのでよろしくお願いをいたします。
 以上で私の質問は終わります。時間超過をしてしまいましてすみません。皆さんに申し上げたことの半分もできなくて恐縮をいたしております。発言の中で、もし万が一、不穏当な発言、また委員会の権威とか見識にかかわる発言がございましたら、委員長の職権でぜひとも対処されますようにお願いをいたしておきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。長時間、大変に御静聴ありがとうございました。
○伊藤(正)委員長 以上で大泉正勝委員の質疑を終了いたします。
 次に、近藤さえ子委員。
○近藤委員 職員の皆様は、日ごろ中野区民の生活の向上のために尽力をいただきありがとうございます。私は、行政の主な仕事は、区民の暮らしのルールづくりと区民のよりよい暮らしのための効果的な予算の配分であると考えております。これから訪れる超高齢社会に向けて、中野区は必ずふえる保健福祉費、莫大にかかる施設の改修・改築費、職員の退職金の需要、これらに耐えながら区民の暮らしの最低保障を担保しなければなりません。そのために職員と私たちは何をしなければならないのかと私は常に考えています。この立場から今後の区民の生活の最低保障を守るために、16年度決算を未来に生かすために、二つの例を挙げて質問させていただきます。
 順番を入れかえさせていただいて、1番目に公共スペースの有効活用についてです。
 先日、佐野委員が詳しく御質問されていましたが、職員の働き方、人件費の問題は大変重要な問題です。私はそれにプラス土地もただではないという意識を理事者の方々に強く持っていただきたいという質問をします。財政難でお金をいろいろな事業にかけることはできません。中野区が持っている貴重な人材、スペースを最大限うまく活用していただきたいという思いです。
 では、お尋ねします。現在2005年、この本庁にいる正規職員の人数を確認させてください。
○長田人事担当課長 現員数で申し上げますと1,166名でございます。
○近藤委員 過去5年間、5カ年の人件費削減の中で576人の方が退職されていますが、最後に本庁にいて退職されている方は19人にとどまっています。これは本庁以外のサービスの民営化が進み、例えば保育園、図書館などからの退職だったり、民営化されたところから本庁に戻ってきている職員がいるため、本庁の職員数はほとんど変わっていないという認識でよろしいですか。
○鈴木経営改革担当課長 行財政5か年計画で5年間、576名の職員削減をいたしました。その主なものは、例えば学校の警備委託ですとか、あるいは給食調理の委託、それから保育園、先ほど委員もおっしゃいましたとおり保育園の民営化、そういったものでもう320名ぐらいの職員になります。後は福祉サービス事業団等公社からの派遣、そういったものを引き上げまして、トータルで576人ということです。そういうことですから、主に本庁機能という中で仕事をしている事務系の者の委託だとか、外部化というものがそれほど進んでいなくて、外のそういった今の施設運営等々の職員が民営化で削減になったと理解していただければと思います。
○近藤委員 今後10か年の計画で、29の児童館の160人、15の地域センターの100人などの職員の仕事の見直しを行い、10年後には2,000人体制にされることを考えていらっしゃるのですね。これから職員が各場所から異動する受け入れ体制はお考えになっていらっしゃるのですか。
○鈴木経営改革担当課長 2,000人体制をつくっていく中では、さまざまな仕事の見直し、やり方の見直しもあわせて行っていきます。したがいまして、施設運営は、民間でできることは極力お願いする中で、職種のアンバランスを改善しながら、必要な仕事を2,000人体制でできるよう、そういう仕組みづくりを考えていきたいと思っております。
○近藤委員 人材、場所を有効に使うことは、既に長期的な体制で考えておかなくてはならないと思います。10年間で福祉系職員は何人退職されて何人規模になりますか。
○鈴木経営改革担当課長 いわゆる福祉系という中では、10年間で280名が退職になります。その結果、10年後に全く退職不補充でいきますと446名がいるという数字になります。
○近藤委員 10年間で技術系職員は何人退職されて何人規模になりますか。
○鈴木経営改革担当課長 技能系が現在638名おりまして、技能系の数字で申し上げさせていただきますと、10年間で現在の638名が334名退職予定でございまして、10年後には304名という規模を今想定してございます。
○近藤委員 事務系職員は何人退職されて、その結果何人規模になりますか。
○鈴木経営改革担当課長 事務系は現在1,130名おりますけれども、いろいろと入り繰りまして265名減って、10年後には865名程度の規模ということを想定してございます。
○近藤委員 それら865人が退職されて、そのうち本庁事務職員は、ざっくりで結構ですが、どのぐらい退職されることを予想されていますか。
○鈴木経営改革担当課長 10年後には、本庁、いわゆる事務系が860名ぐらいの規模で仕事をしているだろう。その中で、事務系が本庁にいるわけではございませんので、今の委員の御質問の趣旨からすると、事務系の中で本庁で仕事をするのがどのぐらいなのかと御質問を受けとめさせていただきました。そうすると、私どもは今の1,130人より、頑張って200名ぐらいは、いろいろな形で、本庁にいる仕事の分量を減らすということを目標にしたいと考えてございます。
○近藤委員 そうすると、今より200人の方がこの本庁からいなくなるということでよろしいですね。
○鈴木経営改革担当課長 仕事の見直し等々で、予定が確実に決まっているわけではございませんけれども、現在想定している見直しの中で、考えられる可能性として、最大200人ぐらいはいけるのかとざっくりと考えてございます。
○近藤委員 以前は職員一人当たりのフロア面積が1坪と計算されていたときがあったそうです。現在OA機器なども入り、少し面積が変わってきたそうですけれども、一人当たりの面積は特に出ていないと伺いました。仮に1坪で計算しても200坪の空間が生まれるわけです。10年で割っても、毎年、中野区の4人ファミリーが暮らしている家1軒分ぐらいの空間が中野区のにぎわいの心に生まれるのです。
 先日、奥田議員と一緒に庁舎の地下2階から9階までに空間がどのぐらいあるかを探して、入室可能な部屋をすべて見て歩きました。少なくとも本庁から毎年平均10人以上は人がいなくなっているのですから、スペースはあるものと思いましたら、外の事業所から異動してきた人たちが大勢いて、スペースがあるどころではありませんでした。職員からは、事業部制になったけれども、会議をするところの確保が厳しい。区民が尋ねてきても、スペースもなくいすも置けない、区民の方を立ったまま案内しなくてはならないので申しわけないなど、狭い乱雑なスペースを苦労して使っている様子が伺えました。使われていないOA機器が部屋のよい場所を取っていたり、物置状態のスペースが部屋の中央部にあったりと、事業部制、新しい施策、本庁以外から本庁に異動してきた職員、新たなOA機器の購入と人や備品が次々に押し込まれて、職員の職場環境は乱雑になっているように見えました。ゆったりしたスペースを持っていたのは区長室だけのように見えました。どの人員がいつ退職して、職種として減っていく部署、その職への人事配置の考え方、これを10か年計画に盛り込み、中野区の正規職員が今後どういう仕事をやっていけるのか、補わなくてはいけない職種は何なのかが見えてくると思います。仕事を外部委託することであいたスペースを活用するのか、本庁の事務はどうしてもそこになくてはできない事務なのか、外部委託が可能で、スペースをとった方が効果的なのかなど、幾らでも検討の余地はあります。なぜ10か年計画に、人員配置計画とまでいかなくても、事業部の方向性を、人的面、スペース面で盛り込んでいないのですか、お答えください。
○鈴木経営改革担当課長 委員の今の御質問の中にもございましたように、私どもの仕事の仕方が多様なやり方になるだろうということを私どもも想定しております。その結果、スペースの余裕を生むような形になるのか、あるいは外部委託でも来ていただいて仕事をしていただくのか、さまざまなやり方があろうと思っております。それを10か年という先のことまで、スペースも込みで計画の中に折り込むというのは、難しいかとも思っております。非常に駅前の一等地になって坪単価も高いということも承知しておりますので、そういう貴重なスペースを有効に、区民にとってもいいスペースとして生み出さなくてはいけないという認識は持ちながらも、計画化するところまでには、現在私どもの考えの中には持ち合わせてございません。
○近藤委員 どんな組織になっていくのかは、今、事務系とか福祉系で細かく聞きましたけれども、明らかなんです。そうすれば、どんなサービスができるかということは長期的に見えてくるはずです。どういう部門が足りなくなって、どういうところをアルバイトで雇うかということは、もう見えてくるはずなんです。それが場当たり的作業になってしまっているのでは、やはり10か年計画にきちんとした区役所の方向性というものをしっかり示すべきだと思います。施策が決まってから、ばたばたと人材が配置され、準備をするので、職員の職場環境まではとても配慮ができていないような状況でした。区民は相談や手続のために訪れるのですから、座って話しやすいスペースを意識的につくっていくことが求められます。より高齢社会になるのですから、来てもらうのではなく、伺うサービスになるかもしれません。どちらにしても、有効なスペースは意識的につくらなければできません。会議ができそうな場所が物置になっていて、たばこのポイ捨て禁止の旗が突っ込まれていました。いろいろな視察が始まり、職員もふえていく備品の収納場所に苦労されているのだなと感じました。新しい施策をばたばたこなしている中野区の姿が見えました。しかし、ここはにぎわいの心にある区役所にある。やはり土地に対するコスト意識がないように思います。
 総務25の資料で、1階のみずほ銀行に貸しているキャッシュサービスコーナーの貸付使用料6万8,888円、これは年6万8,888円ですね。査定の基準を教えてください。
○橋本総務担当参事 施設等の使用料につきましては、中野区公有財産条例に基づきまして算出しております。
○近藤委員 その条例に基づくとこんなに安くなってしまうんですか。私はちょっとわからないんですけれども。
○橋本総務担当参事 訂正をさせてください。施設等の使用料につきましては、行政財産使用料条例に基づき算出してございます。土地と建物に分けて算出をしてございます。例えば、建物につきましては、耐用年数、維持保存の状況、利用効率などから算出した適正な価格に1,000分の6を乗じた額、それから土地につきましては、使用形態から算出しました適正な価格に1,000分の2.5を乗じた額、これらを合算して使用料を算出してございます。
○近藤委員 私の聞いたみずほ銀行のことではなかったようなんですけれども、私が不動産屋に調べていただいた区役所の土地は、サンプラザ側、税務署側などすべて違うので、坪幾らとははっきり出せないけれども、路線価でも大体300万円から600万円当たりではないかということでした。200人の職員が減れば、一人一坪で計算しても少なくとも6億円の価値のスペースが生み出されます。郵便局が郵政公社になったとき、スペースの見直しをしてツーフロアまるまるあけた郵便局があったそうです。中野区はこれからあいていくスペースをどう使うか、区民へのおもてなしに使うのか、例えば子ども家庭部が相談窓口を区民の来やすい場所に広くきれいにとることで、相談件数が1万9,357件、1日約100件もあったように、区民に便利に使われています。今度は教育のワンストップ窓口をつくるとか、どこの階に行っても立って話さなくていいおもてなしの環境などをつくっていくのか、職員が会議のできるスペースをとり、事業部制の効果を高めることに使うなど、他にもいろいろな活用があるはずです。私が庁内を回っていると、皆さん、どうされました、何かありましたとすぐに声をかけてくださいました。一人ひとりの職員は優しく、おもてなし度はとてもいいと思いました。区民の方も、ああいう笑顔で迎えてもらえれば、区役所に来てよかったなと思うでしょう。個人の職員のおもてなし度はすばしらいのですが、もう少し中野区のにぎわいの心にある区役所のコスト意識を持った事業づくりがいいのではないかと感じます。10年後に向けて本庁にあいていくスペースはどのように使われると考えますか。区民へのサービスですか、それとも職場環境ですか。そのほか何かございましたら教えてください。
○橋本総務担当参事 まず前提として、この建物、本庁舎は行政財産であります。ということは、行政目的に利用するということで、委員が引用されました総務の資料25、ここでみずほ銀行のキャッシュサービスコーナー、東京電力の電力開閉器室の二つの利用につきましては、本庁舎の目的外で利用をさせております。それはどういうことかと申しますと、キャッシュコーナーにつきましては、来庁される区民の皆様がそれを利用されるということで区民サービスに一定の貢献ができるということです。もう一つ、電力開閉器室でございますが、これはこの施設になくてはならないものです。と申しますのは、電力の配電が2系統、この施設は用意してございます。停電になった場合に別の系統にすぐに切りかわれる、瞬時の間に切りかわれるということで、業務の停滞を回避するためにどうしても必要です。そうした意味から、行政財産であっても目的外で使用を許可しているところであります。この周辺のさまざまなテナント料などを参考にされているかと思いますが、そうした意味で民間施設のテナント料と単純に本庁舎、行政財産の使用料を比較するには一定の無理があると思います。
○近藤委員 もちろん、そんなことは言っていないです。私も全部テナントにすればなんていいことは言っていないです。ただ、そのくらい価値があるということを認識して、きちんとそれを人員構成の変化によって、ばたばた動くのではなくて、どういうサービスをするかということをきちんとわかって場所を使っていただきたいということを言っているんですけれども。
○橋本総務担当参事 先ほど来、本庁舎の事務室スペースの狭あい化につきましては、委員も十分御認識をされているところだと思います。これからどういう業務が加わってくるのか、時代の変遷によってどういうサービスが必要になってくるのか、この辺については十分に見極めながら、またOA機器を有効に活用しながら、さらに事務の簡素化を図る、そういう総合的な面をとらえて事務室をこれから利用していかなければいけないと思っております。行政財産の目的外使用を前提には考えてございません。
○近藤委員 わかりました。
 今後、財政的に大変厳しい中野区が、総務5の資料でもわかるように、10年後には7割以上が45歳以上の職員になる。どういう区民サービスをここから発信するか、どういう人たちが働くのか、ここで働かなければならない仕事というのは何なのか、とても大事なことに思います。10か年計画ではどこにも見えない小さな区役所をどうつくっていくか、お聞かせください。
○鈴木経営改革担当課長 これから10か年の中で、これまでやってきた行政の役割と将来に向けての行政の役割、また大きく変わってくると認識しております。10年後、行政でなければ本当にできないことをきちんと質の高さをもってサービス提供するということが私ども小さな区役所の目標でございます。年齢構成、この間いろいろと心配の向きもございますけれども、やはり年齢が高くなることによって培ってきたものが、きちんと区民のサービスの中にしみ込むような施策形成をやっていく必要もありましょうし、全体の事務室空間をどうつくりながら、区民に快適なサービス提供ができるか、そういった視点もあわせ持って検討してまいりたいと思います。
○近藤委員 これは、本庁舎を私は今例に挙げて言いましたけれども、児童館ですとか地域センター、だれにやってもらう、区民に、どういうふうに使いやすいということは問題になっていますけれども、そこにそのままその土地の分であけていいかとか、そういう問題もすべて含めて計算していただかないと、区民が使う、余りにも余裕のある施設ができてしまって、本庁はぎゅうぎゅうということも考えられます。ぜひ今後、お金をかけなくても、区民サービスを生み出すために、足もとから、あらゆる角度から検討され、人、場所、お金、三つをより有効に運営させていくことを希望します。土地価格を教えてくださった不動産屋が、中野区は中野の一等地でパンフレットばっかりつくっていてもったいないよとおっしゃっていましたので、最後にお伝えしましてこの項の質問を終わります。
 次に、16年度、公立小・中学校で実施された区独自の学力にかかわる調査についてお尋ねします。
 調査の趣旨と方法を確認させてください。
○小林指導室長 中野区の学力にかかわる調査の趣旨でございますが、調査結果を活用いたしまして児童・生徒自身が学習上の課題を認識し、その後の学習に役立てること、また各学校の教育課程や指導の改善・充実を図ること、さらには中野区立学校の教育課程実施状況上の課題を明らかにいたしまして、教育委員会の施策及び事業に生かすことなどございます。なお、実施方法につきましては、ペーパーテスト形式による悉皆調査で行っているところでございます。
○近藤委員 結果を児童・生徒、保護者にどう伝えましたか。
○小林指導室長 各学校は、児童・生徒一人ひとりの個表をもとに、個別の面談や学級指導等を行った上、結果を通知しているところでございます。
○近藤委員 その結果を踏まえて学校はどんな措置をとりましたか。
○小林指導室長 各学校では、自校の分析を行い、それをもとに授業改善推進プランを作成しているところでございます。教育委員会では、各学校の授業改善プランの作成に関する指導や授業改善のための指導を行っております。
○近藤委員 この調査の結果、個人個人の目標はどこに置いているのですか。
○小林指導室長 個人の目標でございますけれども、学習指導要領に示されております目標や内容を踏まえ、調査問題の難易度等を考慮し、おおむね満足できる学習状況を示す数値を目標としているところでございます。
○近藤委員 この調査によって、子どもたちも保護者も学習の定着度はよくわかりました。各教科のどの分野が達成していないか、目標値に対していないかなど、よくわかる調査でした。しかし、違う学校に児童・生徒を通わせている何人かの保護者の方に伺ったところ、おたくのお子さんはこんなにできませんと結果が返ってきたけれども、その後、特に不得意な分野に対して何かやってくれている様子はないとか、中学生はいいかもしれないけれども、小学生は中学受験みたいな達成点がしっかりしている目標があるならいいけれども、保護者にこの結果を返されてもどう扱っていいかわからないなど、やったことは悪くないけれども、次の段階で子どもに力がつかなければ、余り意味がないのではないかという意見が多数でした。私も全く同感で、この調査はそれぞれ個人に苦手分野がどこなのかまで細かくわかる調査です。苦手なところがわかったところで、それがわかるまで取り組んでいるのか、特に学力が目標値に届かない児童・生徒に対しては、細かい分野の苦手なところがわかったのですから、十分な手当てをする必要があると思いますが、目標値に届かない児童・生徒にどんな対策をとっているのですか。
○小林指導室長 各学校では、本調査の結果を活用することはもとより、授業の毎時間一人ひとりの学習状況を的確に把握いたしまして、児童・生徒の学力向上につなげるよう努力しております。先ほど申し上げました授業改善プランなどを生かしまして、よりきめ細かな指導を徹底していくよう取り組んでまいりたいと思います。
○近藤委員 今までもそういったことは取り組まれていなかったんでしょうか。
○小林指導室長 これまでも、さまざまな形で、各学校、各教員は努力してまいりました。しかし、このように調査を行って、分析的にしっかりと学力の実態を把握していくという部分では、これまで不足しておりましたので、この調査を今後大いに生かしてまいりたいと思っております。
○近藤委員 そうしますと、保護者が希望しているのは、全体の平均を上げるのではなく、このようなテストで細かい分野がわかったところへの手を差し伸べてほしいということなんです。できないところがしっかりわかったその後のフォローがなければ、子どもも保護者も不安です。具体的に学力が向上していけるかの確認が必要だと思うんですけれども、いかがですか。
○小林指導室長 今のお話につきましては、各学校で、例えば教科ごと、単元ごと、内容ごとにそれぞれ評価を工夫いたしまして、これまでのように通知表だけではなく、面接等を踏まえ、しっかりと子どもに向き合って、きめ細かな指導を進めていきたいと思っております。
○近藤委員 保護者の方は、教師に教える力をつけてもらわなくてはならないし、研修などさまざまな取り組みもいいけれども、教師の方は、課題、総合的な学習、学校公開授業など、児童を受け持ちながらこなさなくてはならない、先生方が忙し過ぎて余裕がない、教師が子どもたちと過ごす時間ができない、子どもたちと過ごす時間をつくってあげられないかということをおっしゃっていました。少しでもできない子をできるようにしてあげたい、かかわれる時間を確保するために、教育委員会、学校ができることはありませんか。
○小林指導室長 各学校では、習熟度に応じた少人数指導やチームティーチングなどを実施するなど、指導方法や形態などを工夫しているところでございます。特に個に応じたきめ細かな指導に努めるとともに、必要に応じまして、放課後や長期休業中に補充、発展的な学習を実施するなど、子どもと向き合う時間も確保するよう努力しているところでございます。
○近藤委員 学力調査を行ったことで、個人個人の次の一歩が踏み出される仕組みを教育委員会や学校が整える責任があると思います。調査はしたけれども、個人のことは塾や御家庭、地域にお願いします。もしそうだったのでしたら、わざわざ区の教育費1,000万円以上を費やして細かい調査までする必要はないのです。調査後の細かい指導がワンセットになるはずです。小学校の段階で基本的な学習が目的地に達していなければ、中学に行き、勉強がわからなくなり、そこから不登校、あるいは荒れになる可能性もあります。目標に達していない子どもへの差し伸べる課題、それぞれ調査をしたものたちが最大限に手を差し伸べるべきだと思いますけれども、いかがですか。
○小林指導室長 各学校では、この調査を生かしまして、授業の毎時間ごと、また単元や学期ごとにおいて一人ひとりの学習状況を的確に把握いたしまして、指導の充実に努めております。児童・生徒の実態に応じて、先ほど申し上げましたような補充学習を行うなど、今後も一人ひとりに応じた教育に努めてまいりたいと思っております。
○近藤委員 この調査をこれから毎年続けるのですか。
○小林指導室長 今後も調査結果を活用するなど、児童・生徒一人ひとりに確かな学力の定着と向上に努めていきたいと思っております。
○近藤委員 もし続けるのでしたら、この調査の結果を最大限に生かし、落ちこぼれのない子どもたち、それぞれ差はあっても、どの子も調査後に確実に学力が向上したという結果が見える仕組みを整え、そこに向い努力をしていただきたいと思います。教育委員会、中野区の公立小・中学校の学力向上に向けての決意のほどをお聞かせください。
○小林指導室長 すべての子どもたちに確かな学力を身につけさせるということは、学校教育の使命であり、中野区立学校のすべての子どもたちに、基礎的、基本的な内容を確実に身につけさせ、あわせて個性や能力の伸長を図ることができるよう、各学校へのより一層の支援に努めてまいりたいと思っております。
○近藤委員 それでは、その他で最後に学校選択制事業延期による不用額についてお尋ねします。
 16年度予算の総括質疑のときに私は、学校選択制に伴うパンフレットづくりに予算を使わないでくださいという思いをこの席で発言させていただきました。その後、学校選択制が延期になり、学齢簿システム開発経費残と合わせて1,000万円余が残金となりました。私立の学校と違い、校長先生や先生方も短い任期で異動する公立小・中学校は、パンフレットをつくっても、校長先生や先生たちがかわってしまえば学校の特徴も変わってしまいます。パンフレットづくりに使わなくて大変よかったと思っていたところ、先日、文教委員会の議事録を読んでいましたら、いろいろな交流事業のことなど学校がテーマになっていました。そして新入生の保護者を対象に、学校をいろいろと知っていただく、そのためにPRを積極的にやっていく、例えばパンフレットとか、そういったものを学校と相談しながら、必要なら教育委員会として支援していくとありました。選択制が延期になり、貴重な教育予算1,000万円近くが浮いたのです。ぜひとも学校のPRのパンフレットに使うのではなく、教育の充実のために限りある財源を使っていただきたいのですけれども、いかがですか。
○相澤学校教育担当課長 教育委員会は、学校選択制については、学校の活性化につながり、いずれ実施していきたいと考えております。しかしながら、東京都教育委員会の学級編成基準の見直しの検討状況や区民の理解を得る必要があるので、時期については延期しているところでございます。
 委員御指摘のパンフレットの件でございますが、来年度は選択制の実施はしておりませんので、学校紹介以外の部分については予定をしてございません。なお、新入学児童の学校紹介の部分については必要なものと考えております。
○近藤委員 選択制のパンフレットはつくらなくても、パンフレットをつくりそうなニュアンスのことをおっしゃっていたんですけれども、ぜひパンフレットはやめていただきたいと思います。ある人気私立中学校の校長先生は、私の学校はほとんど宣伝をしないのですが、おかげさまで多くの皆さんが受験をしてくださいます。不思議ですよね。どういう学校ですかと言われたら、生徒を見てくださいと答えるそうです。生徒の笑顔がすべてを物語っていました。学校のPRにお金をかけるのは、余り来手のない私立学校のやることで、公立の学校のやることではないと思います。学校がいろいろと変化していく中、貴重な税金を使い学校のPRをするよりも、教育だよりに「中野の学校は一人の落ちこぼれも出しません、どこの学校に行っても高い学力がつきます、どこの学校も皆すばらしい学校です、私たちが責任を持ってお子様をお預かりします、教育委員会」という記事を載せるだけでよいのではないでしょうか。予算を別にとらなくても宣伝ができます。公の中身に予算が使われることを切望して、私のすべての質問を終わります。
○伊藤(正)委員長 以上で近藤さえ子委員の質疑を終了いたします。
 近藤さえ子委員の質疑が終了いたしましたので、ここで休憩にいたしたいと思います。
 委員会を暫時休憩いたします。
      午後3時06分休憩
 
      午後3時30分開議
○伊藤(正)委員長 定足数に達しましたので、委員会を再開いたします。
 引き続き総括質疑を続行いたします。
 次に、吉原宏委員。
○吉原委員 本当に久しぶりの総括であります。この前、同期の平島委員も言っていましたけれども、多分同じ時期、時間が開いているのではないかという感じがします。
 通告にもありますけれども、おもしろい質問だと思うかもしれないんですが、非常に貴重な経験といいますか、突発的な出来事だったものもございます。ぜひともこの場でお聞きしておきたい点はお聞きしておきたいと思うわけで通告をいたしました。
 一つ目の天皇、皇后両陛下の、行幸啓が正式な言い方です、行幸啓に関しまして、とても専門的な言葉でして、普通の質問ですと、改善を求める質問とか、例えば来年度予算に反映するように、現状はこうだけれども、何とかしなければいけないとか、そういう改善を求める質問が多いんですが、これは改善を求めたところ、またいつあるか、また今後二度とないだろうというものでございますので、非常に貴重な前代未聞といいますか、空前絶後、最初で最後の大質問、大質問になるかどうかわからないんですが、お聞きしたいことをお聞きさせていただくということで、通告をさせていただきました次第でございます。
 それでは、質問に入ります。
 この話は、最初に私が聞いたのが9月20日に事務局からファクスで入ってきました。大変びっくりしたわけであります。青天の霹靂という言葉がありますけれども、ああ、こういうことを青天の霹靂というのかという感じがつくづくいたしました。しばらくファクスを見てじっとしていたんですが、そうなりますと、厚生委員会の副委員長も何かお役があるのではないかと事務局に電話をいたしましたら、別に何もありませんということでございました。大変限られた方々、限られた時間、限られた報道統制、情報統制ですか、その中で行われたことなのかと思うんですが、この話が決まったそもそものいきさつというものをこと細かく、できるだけ詳細にお聞かせいただければと思います。
○冨永高齢福祉担当課長 特別養護老人ホームのしらさぎホームに天皇、皇后がお尋ねになりたいという第一報が都庁の方からまいりました。その後、いろいろと準備をした結果、正式にしらさぎホームでお受けするということになりまして、9月22日に天皇、皇后両陛下の御訪問をお受けしたということでございます。宮内庁はもとより厚生労働省、東京都、中野区、お受けする施設であります福祉サービス事業団のしらさぎホームの関係者が集まりまして、当日の行程表をつくった段階で正式にお受けするということになったという経緯でございます。
○吉原委員 宮内庁も東京都も関与をしているということです。例えば局長クラスとか、いろいろと立ち会った方がいると思うんですけれども、当日、現場に立ち会われた方々を御説明いただけますか。
○冨永高齢福祉担当課長 前例に基づいてということになろうかと思いますけれども、先ほどの関係者がお集まりになりまして、6名の方々がお出迎え、あるいはお見送りをするということになりました。6名につきましては、社会福祉法人中野区福祉サービス事業団理事長、しらさぎホーム施設長、施設長は当日、先導者を務めたわけであります。中野区長、中野区議会議長、そして厚生労働省の審議官、最初は厚生労働省の老健局長でありましたけれども、特別国会の関係で急遽、当日代理を出されたということでございますが、そのほか東京都の福祉保健局長、以上6名ということで指名されたわけでございます。
○吉原委員 天皇、皇后両陛下がいらっしゃるとなりますと、警備の体制、これは通告しなかったんですけれども、警備体制、例えばしらさぎホームが野方警察署管内でありますね、野方警察署の警備体制とか、あと中央の方から特別な警察が来るとか、皇宮警察とか、そういう方々も何らかの形で関与しているかと思うんですが、警備の体制をわかる範囲でお教えいただければと思います。
○冨永高齢福祉担当課長 警備に関することなので、詳細はわかりませんけれども、関係者のお話ですと、今、委員がおっしゃったように、皇宮警察、警視庁、最寄りの野方警察署でございました。
○吉原委員 警備に関することですから、公にできるところとできないところはやはりあると思います。
 冨永課長も当日忙しかったというお話を聞いているんですが、これも通告外なんですが、当日の役割を、どのようなお仕事をなさったか、それをお教えいただければと思います。
○冨永高齢福祉担当課長 先ほど冒頭申し上げましたように、特別養護老人ホームを所管しております高齢福祉担当課長でございました。厚生労働省の窓口から東京都、東京都から中野区ということで、そういう順番といいましょうか、そういう連携があったわけですけれども、そのときに私が中野区の関係者が集まるときの窓口になるという担当を承りまして準備をしてきたわけですけれども、当日、いわばサービス事業団の特別養護老人ホームのしらさぎホームが主体的に、事業施設を御視察されるということでございますので、中野区の職員としては、それをサポートする、支援をするという役割をしてまいりました。当日、そういう意味では、きちんとした行程が行えれば、何かがあればということで、現場でそういう仕事をしていたと。特段、私に任務に何かあったというわけではございませんけれども、位置付けとしては、自治体の職員としてサービス事業団をサポートしたということでございます。
○吉原委員 しらさぎホームのところも、道路なんかが広くはないと思うんです。やはり僕たちがすぐ思うのは、現場の混乱、何かそういう混乱めいたものはあったのかどうか、無事に滞りなく終わったのかどうか、その辺をお聞きしたいんですけれども。
○冨永高齢福祉担当課長 現場の混乱というのは全くありませんでした。計画どおりにお迎えをし、お見送りしたということでございます。
○吉原委員 最初に事務局長にお話を電話でしたときに、情報がどこからどう漏れるのかわからないんですけれども、皇室の追っかけが二、三百人常について回るという話を聞いたんです。そういうものは全く今回はございませんでしたか。
○冨永高齢福祉担当課長 追っかけかどうか、私自身、現地にいましたけれども、その辺の現状について御報告させていただければ、当日、しらさぎホーム沿道に午前9時ごろには20人程度、二、三百人というお話でしたけれども、その10分の1の20人程度、天皇、皇后両陛下が御到着されました午前10時半ごろには、その倍の40人程度がお出迎えをしておりました。また、両陛下がお帰りになる午前11時45分ごろには、沿道には80人程度の人々が集まっていたという状況でございます。
○吉原委員 天皇、皇后両陛下を含めて、皇室の方がかつて今まで中野区の施設を慰問したとか、また行幸啓を行ったとか、そういう記憶は過去にあるんでしょうか。
○冨永高齢福祉担当課長 行幸啓と申しますのは、天皇、皇后が御一緒に外出されることと理解をしておりますけれども、今回の関係者の打ち合わせの中で、警察からお聞きしたところによりますと、過去に野方の方の児童福祉施設に皇后様がお見えになったということは、警察からのお話でありました。
○吉原委員 今回、初めてこういうものを間近に私たちは経験させていただいて、天皇、皇后両陛下はこういう行幸啓を年何回ぐらい行っておられますか。
○冨永高齢福祉担当課長 行幸啓につきましては、平成12年度より毎年1回、東京都内にございます特別養護老人ホームを敬老の日に合わせまして御視察されると聞いております。
○吉原委員 天皇、皇后両陛下と先ほど名前が挙げられた6名も含めて、会話をされたのはどなたになりますか。
○冨永高齢福祉担当課長 しらさぎホームの施設長が先導役をお務めになられました。そのほか、利用者の皆さん、特別養護老人ホームにいるデイサービスの利用者の皆さん、それから2階、3階には入所施設がございますので、そういった利用者の皆さんと会話をされていたということでございます。
○吉原委員 聞いた話によりますと、区長がお話をされたと伺っているんですが、その辺は区長、いかがでしょうか。
○田中区長 お話というような、そのようなもったいないものではございませんけれども、御休息をされた場所に同席をさせていただきまして、その場でお言葉をいただきまして、私の方からも何か二言三言お答え申し上げたということでございます。
○吉原委員 その会話の内容は思い出されませんか。
○田中区長 大変緊張したものですから、余り詳しくは覚えていないというのが実態でございますが、中野区の高齢者の現状のことでありますとか、高齢福祉のことでありますとか、それから、妙正寺川がすぐそばでありますので、妙正寺川の水害のことなども申し上げたところであります。
○吉原委員 ホームを視察され、行幸啓されて、天皇、皇后両陛下、しらさぎホームのどこに興味を持たれたような様子がございましたか。
○田中区長 なかなかそこまでお察し申し上げることは難しいんですけれども、私が大変感激いたしましたのは、本当に入所者の方とか利用者の方、本当にお一人ひとりにもう手を取らんばかりに、両陛下とも、そばにお寄りになられて、大変優しくお言葉を交わされると、あんまりスムーズにお話になられる利用者の方ばかりではありませんけれども、大変親切にというか、本当に御熱心にお話をお聞きになるし、よくうなずいて受けとめていらっしゃるという御様子でありました。
○吉原委員 今、大変やさしく接せられたということなんですが、どういうことを、入所者に声をかけられたか聞いているかと思ったんですけれども、それはやはりわかりませんか。
○田中区長 お元気ですか、何が楽しみですかということとか、それから食べ物は何がお好きですかとか、若いころは何をなさっていたんですかといったことを大変やさしくお聞きになっていらっしゃったようであります。
○吉原委員 天皇、皇后両陛下がしらさぎホームを視察なさって、最終的にしらさぎホームに関する感想とか何かは言っておられましたですか。
○田中区長 特にホームそのものに対する感想というよりは、これからもこの皆さんをよろしくというようなことを、施設長でありますとか、私どもでありますとかにお話をされた、そういったお言葉があったということでありました。
○吉原委員 これがこの項の最後にさせていただきますが、今回の行幸啓はマスコミで報道されたかどうかわからないんですけれども、今後、中野区報とか、そういうもので公表される様子はありますか。
○鈴木広聴広報担当課長 マスコミに対しましては、日刊6紙に対しまして、中野区として取材をした情報提供、いわゆるパブリシティを行ったところでございます。その結果、各紙とも今回のことは取り上げたということになっています。また、シティテレビ中野に対しましても、区が撮影したビデオを提供したところです。シティテレビでも、9月23日から4日間、計8回にわたってニュースで取り上げたと伺っております。中野区のホームページについてはもう既に掲載されてございます。区報については10月16日号で掲載する予定でございます。
○吉原委員 どうもありがとうございました。この項の質問は以上で打ち切らせをさせていただきます。
 次が教科書の採択についてであります。
 今年の夏に中学校で使う教科書の採択が行われたと思います。4年に1回の採択だと思うんですが、皆さん、いろいろな御苦労も採択に関してはあったと思うんですけれども、まず最初の質問が8月の何日に採択をされたのか、これをお教えいただきたいと思います。
○小林指導室長 今回の採択につきましては、7月29日の第10回臨時会において採択をされたものでございます。
○吉原委員 今回の教科書採択に関する過程を、4年前の採択から4年たっているわけですけれども、その辺のところ、過程を簡潔に述べていただきたいと思います。
○小林指導室長 教科書採択につきましては、教育委員会が公正かつ適正に教科書を採択するため、まず中野区立中学校教科用図書選定調査委員会、いわゆる選定調査委員会を設置いたしました。この委員会は、調査研究会の報告、また東京都の調査報告、そして区内の生徒、学校、区民、保護者の意見を踏まえ、採択基準にしたがいまして、すべての教科書について調査研究をし、その結果を教育委員会に報告してございます。教育委員会は、この報告を踏まえ、教育委員会の権限と責任におきまして、公正かつ適正に教科書を採択するため、都合8回にわたって慎重に協議を重ね、採択に至ったというところでございます。
○吉原委員 4年前の採択と比べて、教科書採択に関して大きく改善された点がもしありましたらお述べください。
○小林指導室長 教育委員会の責任と権限において教科書採択を行うということをより明確にするため、採択に関する規則と要項の見直しを行いました。
○吉原委員 採択の結果なんですが、特に歴史的分野の教科書はどこの教科書会社の教科書が採択されましたですか。
○小林指導室長 歴史的分野の教科書は東京書籍のものが採択されております。
○吉原委員 かつて平成12年9月13日に、文部省の指示、今の文部科学省なんですが、文部省の指示・指導として、都道府県指定都市教育委員会教育委員長教育長会議とされて、約3点ばかり文部省の各都道府県の委員会あてに指示と指導が出されております。これが今年の1月24日にも都道府県教育長協議会においても文部科学省は同趣旨の指導を行いましたというものがあるんですが、その中の一つに、開かれた採択の推進という観点という項目がありまして、「採択の結果、なぜ幾つかある教科書の中から、この教科書を選んだかということをきちんと地域の住民の方々や保護者に説明できるようにしてほしい。採択理由はぜひ公表していただきたい」という項目があるんです。そこから、今回の東京書籍、歴史的分野の教科書が採択された、採択理由というのを公表していただきたい。お願いします。
○小林指導室長 採択の経過につきましては、議事録等で公表しているところでございます。御指摘の点、公表を今後どうするかということでございますけれども、これについては今後検討してまいりたいと思います。
○吉原委員 また、先ほどの文部省の指示・指導に、またもう1点、こういうのがあるんですが、「都道府県の選定審議会や市町村の採択地区の協議会等に保護者の代表の方をぜひ入れるように心がけていただきたい。また、採択が終わったら委員の氏名を公明正大に公表し、情報公開という行政の一つの責任を果たし、携わった人が自分の責任でやりましたということを事後にしっかりと明らかにしていく必要がある」という指導があります。この面から、採択した5人の中野区教育委員の氏名を公表してください。
○小林指導室長 採択にかかわりました教育委員5名、大塚孝子委員長、飛鳥馬健次職務代理者、山田正興委員、柿沼美紀委員、沼口昌弘教育長の以上5名でございます。
○吉原委員 今挙げられました5人の教育委員は、歴史的分野において、それぞれどこの教科書をそれぞれ推したか、それも公表してください。
○小林指導室長 採択協議の進め方でございますけれども、これは歴史的分野に限らず、採択に携わった教育委員が主体的にすべての教科書の良さなど、特色を総合的に判断いたしまして、それぞれ数社を推薦した後、十分に審議を行い、全員一致で1社の採択候補を決定いたしまして、その後、採択するという方式をとっております。歴史的分野においても同様な形で進んだところでございます。
○吉原委員 となりますと、意見とか衝突はなくて、最終的には5人合意の上で採択で1社に絞られたということでよろしいですか。
○小林指導室長 そのとおりでございます。
○吉原委員 教科書の採択が終わりまして、採択結果というのは、文教委員会で報告されたと思うんですが、どの程度の報告をされましたでしょうか。
○小林指導室長 文教委員会におきましては、採択の経緯、さらには結果を報告してございます。
○吉原委員 文教委員会で報告をされたということなんですが、中野区報とか、機関紙とか、そういう媒介を通して発表はされましたか。
○小林指導室長 採択結果につきましては、採択日に報道発表をするとともに、教育委員会のホームページに即日掲載をいたしました。さらに9月4日の教育だよりに掲載したところでございます。
○吉原委員 杉並区の教育委員会の採択の様子というのはテレビに出ていました。人間の鎖とか、かなり精神的な圧力の中で採択が行われたみたいです。かなり報道も新聞でもされましたし、テレビでもされているんですが、ああいう人間の鎖というものを行って、教育委員会の決定に何らかの影響を与えようとする人たち、本当に最近多いんですが、そういう方々の状況といいますか、中野区の採択においても、そういう人間の鎖とか、教育委員会に圧力をかける方々とか、そういう方々の様子は何かございましたか。
○小林指導室長 中野区においては、そのようなことはございませんでした。
○吉原委員 杉並区で行われました人間の鎖とか、そういうことをする方々をどう思いますか。
○小林指導室長 杉並区の状況は、詳細には承知ておりませんが、一般的に採択業務に支障を来すということで、そういうことはあるべきではないかと考えております。
○吉原委員 かなり全国的で、4年前のときは、各教育委員会委員の方々に対する圧力、いろいろな状況があったわけです。今回、人間の鎖はなかったというのは、今お話がありまして、確認したんですが、4年前の採択の時期に家族にもいやがらせ、脅迫があったということで、ことなかれ主義に傾いたという当時の新聞記事があるんですが、どういうことが4年前の各教育委員会に関して圧力がかけられたかといいますと、読み上げるんですが、事例を、「都立の養護学校で扶桑社の教科書を採択した東京都の横山要吉教育長は、昨年7月1日から9月10日にかけて、都内で実施した採択の実態に関する調査結果を明らかにした。それによると、都教委に届いたファクスや手紙などによる抗議、要請は9,774件、そのうち同一文面を用いた組織的な反対要請が4,994件にも上り、全体の半数を越えていた。また、都外からの要請も4,868件と約半数を占め、うち約3,000件が教職員組合など団体からのもので、採択反対運動の主体が市民運動というより特定の組織によるものだった実態が伺える。これと同時に、都教委には、あなたたちのようなばかがいる都教委には失望したとか、教育長を罷免したいなど、いやがらせ電話や無言電話が相次いだほか、教育委員の自宅にまで、恐怖心をあおるような脅迫電話や無言電話があったという。横山教育長は、都内の区市町村教育委員の各事務局あてに、覚えておけと記した差出人不明の同一文書が送られてきたことも証言した」と、4年前の採択では、かなり強硬なことが行われているようでございます。
 今回、人間の鎖はなかったということなんですが、各教育委員の自宅に、先ほど読み上げたような特殊のファクスが行くとか、特殊な電話が行くとか、そういうことは現実問題どうなんでしょう。
○小林指導室長 今回の中野区に際しては、教育委員に対する委員御指摘のような圧力や妨害はなかったと承知しております。
○吉原委員 わかりました。それはまず間違いないことなんだろうと思います。
 それで、杉並区教育委員会で、人間の鎖の中、扶桑社の教科書が採択されたということを聞いております。それも採択結果が3対2ということなんですが、扶桑社の教科書が採択されたということに関しまして、中野区教育委員会は何か見解をお持ちでしたらお話しいただきたいんですが。
○小林指導室長 教科書採択はそれぞれの自治体の責任・判断で行うものでありまして、私どもでコメントする立場ではないと認識しております。
○吉原委員 この前、私も4年前の教科書採択の中野区の様子というのが、当時、NHKスペシャルで取り上げられまして、教師によって絞り込みがされたと報道されたものを、私もこの前の質問でまた再び取り上げた経緯がございます。今回、ああいうような取材といいますか、私はあのとき、再びまたNHKが中野区教育委員会に取材のターゲットを絞り込んでくる可能性は極めて強いという質問をしたんです。今回は、NHKとか、ほかのマスコミとか、そういうところから取材か何かはあったんでしょうか。
○小林指導室長 今回の採択に際して、NHKからの取材につきましては、採択日はいつかという電話による問い合わせのみがございました。
○吉原委員 採択日はいつかという問い合わせだけですか。
○小林指導室長 NHKからは、そのとおりでございます。
○吉原委員 わかりました。
 それでは、学習指導要領というものが教科書採択の基準にございます。学習指導要領と昔から名前は通っているものなんですが、これはそもそもどのようなものなのかということをお伺いします。
○小林指導室長 学習指導要領につきましては、各学校が作成する教育課程の基準として文部科学大臣が告示するものでございまして、児童・生徒が各教科等の学習で身につけるべき基礎的・基本的な内容が示されているものでございます。
○吉原委員 中学校の学習指導要領というのも、ここに1冊あるんです。文部科学省、平成10年12月告示、平成15年12月一部改正とありまして、国立印刷局というところが発行しているものなんです。私も学習指導要領というのは文部科学省の中ではどのような位置付けなのか、それがわからなかったものですから、文部科学省に問い合わせしましたら、法令であるということなんです。告示で出されるものは皆法令というものなんだそうです。法令、法令というんですけれども、法令の厳密な定義は何なのかとひきましたら、広辞苑で調べたんですけれども、法令というのは法律及び命令の総称という定義が広辞苑に載っておりました。法律及び命令の総称ということは、法律プラス命令とかなり強制力の強いものであると踏まえております。私たちも、法治国家である以上、法は絶対的なものであって、法令に従ってすべて動かなければならない、法令は遵守しなければならないという部分がありまして、やはり学習指導要領というのはかなり重要視、絶対に大切にしなければいけないものではないかと思っております。
 それで、今回の教科書採択に当たって、法令であります学習指導要領というものを踏まえて採択したのかどうかをお伺いいたします。
○小林指導室長 中野区立学校教科用図書の採択に関する規則の第2条で、学習指導要領の目標に適した教科書を選定するということを明記してございます。
○吉原委員 今回の一連の採択に関して、人間の鎖もなかったというお話ですし、各教育委員にいろいろなそういう圧力もなかった、無事に教科書採択がスムーズに行われたという印象を受けるんですが、このことに関しまして教育委員会の皆様方の感想は何かございますか。
○小林指導室長 今回の教科書採択につきましては、適正、中立、公正に行われたと考えております。
○吉原委員 次の中学校の教科書の採択が4年後ということになると思うんですが、これに向けまして何か、今回の不備がもしあるとしましたら、改善策がございましたら、それをお答えください。
○小林指導室長 一般的に常に改善すべきことがあれば改善してまいりたいと思いますが、教科書採択につきましては、現時点において改善しなければならない大きな課題はないと考えております。
○吉原委員 4年後の教科書採択に関しまして、期待するものもものすごくあります。
 ただ、今回の教科書採択に関しまして、歴史教科書に関しましては、全部で八つの会社の教科書があるわけです。八つの教科書会社の教科書が、それぞれ先ほどお話ししました中学校学習指導要領、法令です、これにどこまで準拠をしているか、こういうものをいちいち細かく各項目に挙げて分析した書類がございます。この中で、今回採択された東京書籍の教科書が、各項目、いろいろなポイントが分かれているんですが、一つが歴史上の人物をどう取り上げているか、二つ目が文化史についてどう取り上げているかとか、あと東アジアの国際関係、中華秩序、ちょっと難しい言葉なんですが、これをどう取り上げているか、一揆についてどう取り上げているか、侵略、遠征、南下などの言葉をどのように扱っているか、世界の歴史、記述の適切さ、これをどのように扱っているかとか、大日本帝国憲法をどのように扱っているか、大東亜戦争の開戦理由、日米交渉などをどのように扱っているか、南京事件、虐殺ということをどのように扱っているか、慰安婦問題、強制連行、これをどのように扱っているか、原爆投下、敗戦、これをどのように扱っているか、社会主義、人権、差別、反戦、この辺のところをどう扱っているか、12項目のポイントを経まして、各八つの教科書が各項目、どの程度まで学習指導要領、法令に準拠しているかというのを分析した書類がございます。
 一つひとつこの項目に関して、今回採択された東京書籍の教科書がどの程度まで学習指導要領に準拠しているか、その辺を分析もしながら、質問も繰り返していきたいと思うんですが、まず最初の歴史上の人物をどのように扱っているか。これは先日も篠国昭委員が指摘しておられましたけれども、このことに関して、学習指導要領では該当項目が以下のようにあります。読み上げますと「国家、社会及び文化の発展や人々の生活の向上に尽くした歴史上の人物と現在に伝わる文化遺産をその時代や地域との関連において理解させ、尊重する態度を育てる」、また「国家、社会及び文化の発展や人々の生活の向上に尽くした歴史上の人物に対する生徒の興味、関心を育てる指導に努めるとともに、それぞれの人物が果たした役割や生き方などについて、時代的背景と関連づけて考察させるようにすること」と学習指導要領の該当項目がございます。この該当項目と歴史上の人物についてという基準は教育委員会ではどのように持っておられますか。
○小林指導室長 ただいま委員御指摘の歴史上の人物ということでございますが、今お話がありました学習指導要領の目標にも示されておりますとおり、人物と文化遺産との関連付け、また時代背景と関連付けて理解をさせるということで、歴史学習を進めていく上で貴重な視点であると考えております。
○吉原委員 貴重な視点というお話でございました。
 それでは、このポイントに関して教科書の採択は行われましたでか。
○小林指導室長 採択に関しましては、実際に取り入れられている人物の人数の違いであるとか、またはその事物の取り扱い方、取り上げ方、こういったものについて議論がされたところでございます。
○吉原委員 この項目だけに限っては、歴史上の人物をどのように取り上げているか、かつて篠国昭議員も触れておられましたけれども、やはりどれだけ多くの人数を取り上げているかというのが一つの大きなポイントになってくるわけです。このときに一番多く歴史上の人物を取り上げている教科書が扶桑社の263人、2番目が日本文教出版ですか、210人、3番目が日本書籍の205人、4番目が清水書院の203人、5番目が大阪書籍の187人、6番目が教育出版の170人、7番目が帝国書院の164人、一番最後の第8位なんです、東京書籍の教科書、154人というのは非常に少ないといいますか、この基準からいったら、最も法令を無視した教科書が採択されたのかという感じがどうしても後に残ります。学習指導要領の中には、歴史上の人物を重視するようにという明記もあるわけでして、また別の点から、扶桑社は1ページ以上を割いて、本文やコラムで取り上げる人物が8人で群を抜いて多く、比較的詳しく説明する人物は合計31人に上ります。清水書院の合計は約26人です。東京書籍と帝国書院は1ページ以上の人物紹介がそれぞれ一人だけしか挙げられていないというところが分析結果として出ております。この項目においては、今回採択された東京書籍の教科書というのは、学習指導要領と照らし合わせて、その点がかなり外れてくるという点だけを指摘として残しておこうと思います。
 次の項目に移りますが、ここでは文化史について、文化史というのをいかに取り扱っているかというポイントであります。ここの学習指導要領の該当項目が次のようにあります。「歴史的事象に関する関心を高め、我が国の歴史の大きな流れと各時代の特色を世界の歴史を背景に理解させ、それを通して我が国の文化と伝統の特色を広い視野に立って考えさせるとともに、我が国の歴史に対する愛情を深め、国民としての自覚を育てる。また、神話、伝承などの学習を通して、当時の人々の信仰やものの見方などに気づかせることに留意すること」とあるわけです。二つ目のポイントになってくるんですが、文化史をどのように取り扱っているか。先ほどの該当項目の法令を基準としまして、採択の基準をどのように持っておられますか。
○小林指導室長 学習指導要領の社会科の歴史分野の第1に示されております。世界の歴史を背景に理解させ、それを通して我が国の文化と伝統の特色を広い視野に立って考えさせるという部分につきましては、歴史学習を進めていく上での大事なポイントだととらえております。
○吉原委員 毎回、質問の繰り返しなんですが、この点を留意して採択に取り組みましたか。
○小林指導室長 採択に際しましては、文化史、日本の文化・伝統についての記述の大切さを論議していただきまして、採択をしていただいたところでございます。
○吉原委員 この項目に関しても、東京書籍の教科書がどの程度学習指導要領に準拠しているか、いろいろと分析が出ております。文化史をどの程度、一つの教科書で取り上げるかというのが一つの大きなポイントになってくるわけです。この点に関しても、一番ページ数を割いている教科書、これが扶桑社の教科書です。24.5ページを割いている。全体の比率で10.79%を持っているということです。次に来るのが東京書籍なんです。21ページ、全体の比率で9.59%を占有している。それはある程度、扶桑社に非常に近い高さで文化史というものを挙げているわけなんですが、ただ、注釈の中では、学習指導要領には「我が国の文化と伝統の特色を広い視野に立って考えさせるとあり、文化史を重視する意味の指示が見えます。それなのに10分の1を下回る分量で我が国の文化と伝統の特色を十分に教えることが果たしてできるのでしょうか」、こういう疑問点の注釈も残っております。また、具体的な記述の比較となりますと、神話、伝承、これをどう扱っているか。「学習指導要領には、神話、伝承などの学習を通して、当時の人々の信仰やものの見方などに気づかせるよう留意することを求めています。しかしながら、日本の神話の内容や具体的な話の流れを描いているのは、扶桑社だけです。東京書籍は、神話の中身については一切具体的に触れておりません」と、このように注釈が出ております。
 あとほかに源氏物語に関してどのように扱っているかとか、伊能忠敬、江戸時代の学問水準の高さを世界に示した方、これをどう扱っているかとか、日本の文化である浮世絵をどのように扱っているかとか、非常に細かいものがたくさんほかの項目であるんですけれども、これらに関しても余り法令に準拠するようなところがないという部分が出ております。ただ、ここまでいろいろと細かくやってしまいますと、なかなか先へ進みませんので、ここに関しましては、以上に挙げたところが法令に準拠性がない、その分が離れているということだけをここでは指摘させていただきます。
 次の項目ですが、東アジアの国際関係、先ほどもお話ししましたが、中華秩序、私も非常に聞きなれない言葉なんですが、中華秩序というのは、中華秩序というものがどういうものであるかといいますと、「古代から近世の東アジア世界における国際関係の基調は、中華秩序、すなわち朝貢制度だと言われています。中国皇帝に対して他国の王は貢ぎ物を差し出して、宗主国とあおいで服従の意思を示します。それを朝貢というんだそうです。そのかわり皇帝から国王の位置や領域の支配の許可を授けられ、お返しの品物をもらうという外交上の君臣関係であり、従属のための制度である。中華秩序というのが中国を世界の中心として、周辺の服従国を野蛮国と見下すこの秩序体系は、古代、中世ばかりか19世紀の清の時代まで続いた前近代の国際関係の基本線なのであります」と中華秩序を定義付けておられます。この中華秩序をどの程度扱っているか、そこの学習指導要領の該当項目には以下のようにあるわけです。「また、東アジアとのかかわりについて、我が国との交流を扱い、東アジアにおける王朝の返還などの詳細は取り扱わないこと」とあります。「我が国の文化と伝統の特色を広い視野に立って考えさせるとともに、我が国の歴史に対する愛情を深め、国民としての自覚を育てる。また、様々な資料を活用して歴史的事象を多面的、多角的に考察し、公正に判断するとともに、適切に表現する能力と態度を育てる」とあります。以上の中華秩序をどのように取り扱っているか、それに対する学習指導要領の該当項目、採択に関する基準をどのように思っておられますでしょうか。
○小林指導室長 この点につきましては、朝貢制度そのものというよりも、さまざまな資料を活用して歴史的事象を多面的、多角的に考察していく、そして公正に判断する力を培ったり、また適正に表現する能力を育てるという点では、資料活用の能力、思考力、判断力など、社会科の中ではぐくむべき力が示されております。こういう点では、学習指導要領に示されている該当項目は重要な視点であると認識しております。
○吉原委員 それでは、この項目も重視して教科書採択を行いましたですか。○小林指導室長 先ほど申し上げましたように、朝貢制度そのものというよりも、世界の歴史の取り扱い、世界の歴史と日本の歴史とのかかわり、これは全体の中学生が学ぶ時間数とのかかわりもございますので、そうした取り扱いがどうかということで、慎重に論議をしていただいたところでございます。
 
○吉原委員 中華秩序という項目に関しては、今回、採択された教科書というのは、特長が2点ばかり載っております。「中華秩序に関して十分な分量をとっているのは東京書籍と扶桑社だけです。ほかの会社の教科書は十分な記載がない」、そういう意味では、中華秩序というポイント、項目に関しては、東京書籍は非常に合格点が与えられる教科書なのかという注釈も載っていますけれども、そう読み取れるわけでございます。あと一つ、いいところだけではなくて、東京書籍に関してもちょっと記述が甘い面が指摘されております。それは「漢代から2,000年続いた朝貢体制について記すものの、服属関係については記さず、朝鮮、ベトナム、琉球と日本との区別が見えないための記述が平板である」と、こういう記述も出ております。中華秩序という項目に関しては、今お話ししましたとおり、今回採択された東京書籍、認められる点、あともう一つ、残念ながらという点、この点、2点を指摘としておきます。
 次、一揆についてどのように扱っているか、これが学習指導要領の該当項目には次のようにあります。「農業などの所産業が発達し、畿内を中心とした都市や農村に自立的な仕組みが生まれたことを理解させるとともに、武士や民衆の活力を背景にして生み出された新たな文化の特色について考えさせる。また、農村については、徳政令、一揆について網羅的な取り扱いにならないようにするとともに、それらの内容に深入りしないようにすること」と強めに出ています。あと「様々な資料を活用し、歴史的事象を多面的、多角的に考察し、公正に判断するともに、適切に表現する能力と態度を育てる」、また別に「社会の変動については、商業の発達、百姓一揆などを農村の変化との関連で取り扱うが、高度な内容や細かな史実に深入りしないようにすること」、ここでもまた深入りしないようにすることと出ています。次に「社会の変動については、貨幣経済が農村にも広がったことや自然災害などの要因も加わって百姓一揆が起きたことなどを取り上げる。その際、高度な内容や細かな史実に深入りしないようにする」とあるように、農村経済についての高度な内容や百姓一揆の変遷にかかわる細かな史実などに深入りしないようにする、深入りしていようにする、深入りしないようにするというのがかなり協力には法令には出ております。一揆について、このような学習指導要領の該当項目なんですが、このことに関してはどのように思っておられますか。
○小林指導室長 今、委員御指摘のように一揆は網羅的に扱わないこと、深入りしないこと、すなわちそれは、朝貢制度のところでも申し上げましたとおり、こうした歴史的な事象を通しまして生徒の資料活用能力を高める、また判断力や表現力を培っていくという視点であるととらえております。
○吉原委員 繰り返し同じ質問なんですが、一揆についてどう取り上げているかということに関して採択は考えましたか。
○小林指導室長 一揆そのものというよりも、これらの資料が授業にいかに必要であるか、重要であるかという視点から議論をいたしました。
○吉原委員 一揆についてどのように取り上げているかということで、今回の採択された教科書に関しては、行数がどこまで少ないかというのが評価の基準になっているわけです。一番少ないのが扶桑社なんです。それだけ扶桑社というのは学習指導要領の該当項目に非常に準拠度が高いというところが今までの中で言えます。その次に行数の少ないのが帝国書院、14行、その次に行数の少ないのが東京書籍、18行、第3番目、この項目だけに関しては、三つの会社中の一つの教科書であるということが評価できると思います。それはそのとおりであります。あとほかの点に限って指摘させていただく部分がありますのが、東京書籍、今回採択された教科書は「資料や写真、図を多様的網羅的に語っており、内容に深入りしている」という注釈があります。行数は少なくてもちょっと内容に深入りしている。また、「東京書籍は裁判の片方が出した訴状や陳述書を片方の主張だけを用いて語るのは学問的に問題があるのはもちろん、教科書としての客観性がなくなります。さらに学習指導要領にいう歴史的事象を多面的、科学的に考察し、公正に判断できる能力を育てるという趣旨にも反している」と、このように注釈があります。行数は少ない、それはそれで評価されるんですが、中身が今挙げたとおりに、いろいろな部分、濃い部分もある。そういう意味では、まだまだこの項目に関しても、学習指導要領に十分準拠した教科書といえるのかどうか、疑問が残る点だけをこの項目では指摘をしておきます。
 次のポイントです。ダブルスタンダードという言葉があります。これは二重基準と言われているんです。例えば、ある事象に関しては侵略という言葉を使う、同じ事象に関しても遠征という言葉になったり、南下という言葉になったりするということなんです。元寇とか、朝鮮出兵とか、いろいろなものをどのように扱っているか、どのように言葉を使い分けているかという部分の項目になります。この項目に対して学習指導要領はどのように該当項目として当たるかといいますと、これも反復して繰り返す内容ですが、各項目ごとに適用を申し上げないと、割愛ができにくいものですので、また再び学習指導要領の該当項目を申し上げます。「歴史的事象に対する関心を高め、我が国の歴史の大きな流れと各時代の特色を世界の歴史を背景に理解させ、それを通じて我が国の文化と伝統の特色を広い視野に立って考えさせるとともに、我が国の歴史に対する愛情を深め、国民としての自覚を育てる」というものです。
 そこで、毎回同じ質問の繰り返しなんですが、侵略等の用語の二重基準、これをどう教科書が扱っているか、また学習指導要領の該当項目をどのようにお考えでおられますか。
○小林指導室長 今の御指摘の学習指導要領の該当項目にもございますように、歴史的分野の学習においては、歴史の大きな流れ、すなわち歴史を体感させるということ、さらには各時代の特色を世界の歴史を背景に理解させるということが強調されております。そういう点では、歴史学習においては、歴史学を学ぶというよりも、歴史の流れ、歴史の学び方を子どもたちに学ばせるという視点がこの中に明記されているととらえております。
○吉原委員 また、侵略等の用語の二重基準、この部分を十分に考えて採択を進めましたですか。
○小林指導室長 二重基準についてというよりも、今お話しいたしました世界の歴史とのかかわりについて、全体を通してのバランスを十分に検討していただいたところでございます。
○吉原委員 五つ目のポイント、侵略、遠征、または南下という言葉の使い分け、二重基準と言われているんですが、ここではどういう注釈が分析結果としてあるかといいますと、学習指導要領の方を注記扱いしている。あと日本への遠征と記すのは東京書籍であるということです。要するにモンゴル帝国が日本への遠征としているわけですが、モンゴル帝国の侵略意図や日本側の被害を軽視しているという部分が指摘されております。そしてまた東京書籍は豊臣秀吉の場合を朝鮮侵略と書いているわけです。ものによっては遠征という言葉、ものによっては侵略という言葉を使い分けている、これが二重基準というものなんだそうです。私も採択に当たってちょっと勉強しまして、初めて気がついたことであるんですけれども、非常に大事な項目、基準になってくるのかと考えます。また、ほかの点で指摘できる点が、日清・日露戦争を日本の侵略戦争と考えるのは、学会では今では少数派の意見に過ぎません。日清戦争の章に列強諸国、日本国を含む、中国侵略や帝国主義の節を入れて侵略戦争して印象付けるのが東京書籍、また大阪書籍であるという部分の指摘がございます。この部分に関しては、学習指導要領の該当項目からその分かなり外れているのではないかという点だけを指摘させていただきます。
 次の項目が世界の歴史をどのように取り上げているか、ここで該当する項目が、学習指導要領の項目なんですが、「世界の歴史については、我が国の歴史を理解する際の背景として、我が国の歴史と直接かかわる事柄を取り扱うにとどめること」とあります。世界の歴史、記述の適切さをどの程度取り扱うかに関しまして、学習指導要領の該当項目もあるわけですが、この点を採択の基準としてどのように考えておられますか。
○小林指導室長 世界の歴史をどう取り扱うということでございますけれども、これは授業時数とのかかわりで、中学校の歴史的分野は年間105時間、すなわち1週間にして3時間の授業時数があります。こうした時数との内容とのかかわりで、今の御指摘のように、いわゆる世界の歴史を中心とするのではなく日本の歴史とかかわりのある部分を取り上げるという視点から議論がございました。
○吉原委員 この点に関して、採択に関して、注意して採択に取り組んだどうかもまた改めてお伺いします。
○小林指導室長 これも今申し上げましたように、たびたびお答えしておりますとおり、日本の歴史と世界の歴史とのかかわりという視点から、繰り返し議論されたというところでございます。
○吉原委員 この項目で、今回の教科書がどの程度、法令に基準しているかという結果が出ております。日本の歴史と直接関係のない記述とありまして、学習指導要領には、世界の歴史について、我が国の歴史と直接かかわる事項を取り扱うにとどめることと明記してあるんですが、それに反して日本との関係のない記述が目につきます。今回採択した東京書籍は、古代文明と現在とのつながり、暦の発達においても、古代以来の日本の暦学、特に江戸時代に天文学とともに世界的に高い水準に達していた事実を語りません。一方、13年しか使われない、二度と使われなかったフランス革命暦をコラムで詳しく取り上げております」という矛盾点をこの項目では指摘されております。東京書籍の教科書というのは、フランス革命暦を取り上げているという部分を見ますと、革命を奨励している教科書なのか、そういう部分もちょっと思われるんですが、この点だけを学習指導要領とどの程度準拠しているかという部分で指摘をしておきます。
 次にいきます。一応全部やりませんと、大日本帝国憲法をどのように取り上げておるか。この学習指導要領の該当項目が次のようにあります。「大日本帝国憲法の制定については、これにより、当時アジアで唯一の立憲制の国家が成立し、議会政治が始まったことの意義について気づかせるようにすること。第二次世界大戦後、国際社会に復帰するまでの我が国の民主化と再建の過程や国際社会への参加について、世界の動きと関連させて理解させる。様々な資料を活用して歴史的事象を多面的、多角的に考察し、公正に判断するとともに、適切に表現する能力と態度を育てる」とあります。大日本帝国憲法をどのように扱うかという採択の基準に関して、どのように思われますか。
○小林指導室長 この内容にかかわりましては、歴史的分野だけではなく、公民的分野にも関連することであり、社会科全体の目標達成のために極めて重要であると考えております。
○吉原委員 この項目で、大日本帝国憲法に関する比較として次のように述べられております。「まず扶桑社を除く東京書籍以下7社は例外なく伊藤博文らが君主権の強いプロシア憲法を研究し、影響を受けたことを述べます。しかし、実際の帝国憲法の運用上では、議会の同意なく政策を実行することは困難であり、前年度予算執行権の規定などからも、国王の権限を重視して議会を軽視するドイツ流よりもイギリス流の立憲主義に近いと言われています。法律や予算の成立には議会の承認が必要だったことを明記するのは扶桑社です」と、このように注釈があります。絶対君主制の強いプロシア憲法から影響を受けた大日本帝国憲法は、それだけ絶対君主制を強いという錯覚をもたらすという部分で、この教科書がこの件に関しては学習指導要領の適合性にちょっと適合性に外れるのかという部分が指摘されます。また、「扶桑社を除く東京書籍以下7社には、選挙権が与えられたのは25歳以上の男子だけで、総人口の1.1%にすぎないなどと非民主的であるように書きます。ですが、当時は欧米でも身分や性別などの差別のない選挙は行われていなかったことを記すのは扶桑社だけです」と、その辺のところが十分に正直、明確に記載されていないという部分がこの項目では指摘されます。
 以降、時間の関係もありますし、あと項目が五つあります。ここは学習指導要領に今回の東京書籍の教科書はどこまで準拠しているか、そのことだけをこちらの方で指摘させていただきたいと思います。
 8項目め、大東亜戦争の開戦理由、日米交渉、ここに関して東京書籍の教科書はどのように対応しているかということに関しますと、「学習指導要領にいうように、戦前の昭和期において世界の動きと我が国との関連を重点的にとらえさせ、国際協調と国際平和の実現に努めることが大切であることに気づかせるようにするためには、日米交渉の結実から大東亜戦争に突入した過程を重点的にとらえてみるのが歴史教育では最もふさわしい事例の一つとなるでしょう。ところが、日本の開戦理由について、必ずしも十分に説明をしていない教科書が多いのです。しかし、国際協調と国際平和の実現に努めることが大切であることに気づかせるためには、戦争回避を目指した日米双方の交渉経緯などは最も重視されるべき事柄でしょう」、こういうものなんですが、どのように大東亜戦争の開戦理由、日米交渉をどの程度正確に扱っているか。この部分が扶桑社の教科書は、まず経済封鎖、対日資産凍結、金融、大西洋憲章、撤退要求、最後通ちょう、ハルノート、そして日米交渉が不調に至って大東亜戦争に至ったとしているんですが、東京書籍は対日金融、日米交渉不調、この二つだけしか挙げておりません。この項目に関しては、こういう記述の甘さ、十分なところがない部分が学習指導要領の非該当項目に当たってくると思います。
 次が南京事件、虐殺、これをどのように扱っているか。「南京事件については、かつての数十万人虐殺説と30万人虐殺説はすべての教科書から消えました。しかし、依然として女性、子どもを含む大量虐殺があったことを確定した事実として記すのは、東京書籍、大阪書籍、帝国書院、清水書院です」と、このようにあります。「犠牲者数については異論があることを記さない東京書籍、学習指導要領による様々な資料をして歴史的事象を多面的、多角的に考察し、公正に判断するとともに、適切に表現する能力と態度を育てるという目的から外れている教科書でしょう」と、こういう注釈があります。次に「義務教育の課程において学問的に確定しない事件を本文で定説として述べる東京書籍以下7社は問題が大きい教科書でしょう。学習指導要領でいう歴史的事象を多面的、多角的に考察し、公正に判断できる態度を育てるという注にも反しています。また、日本国民に対して南京事件を隠していたと期している東京書籍、大阪書籍、教育出版、帝国書院、清水書院、日本文教出版の6社は、当時の中国国民党や中国共産党の公式声明でも南京事件に触れた発言がなかったという事実を踏まえていない」、この点では以上の点が指摘されるわけであります。
 次に、足早に行きます。慰安婦関連、強制連行、これをどのように扱っているかというと、「平成7年には全社に載せられた従軍慰安婦の強制連行と記した教科書は今回ようやく姿を消しました。明らかに事実に反する記述だったからです。ところが、慰安婦をイメージさせる強制連行の記述はいまだに残されています。強制連行の説というのは、朝鮮総連系の研究社ボク・ケイショク氏の朝鮮人強制連行の記録(昭和40年)がすべての発端ですが、それは史実ではなかったということが都立大教授によって、在日強制連行の神話によって明らかにされました。にもかかわらず慰安婦をイメージさせる強制連行の記述が残されている」、その記述が東京書籍にどのように書いてあるかといいますと、本文「日本が侵略した東アジアや東南アジアでは、戦場で死んだり労働に駆り出されたりして、女性や子どもを含めて一般の人々にも多くの犠牲を出しました。一方、日本に連れてこられて意思に反して働かされた朝鮮人、中国人などもおり、その労働条件は過酷で、賃金も低く、極めて厳しい生活を強いるものでありました」、この点が慰安婦関係、強制連行をどのように扱っているかという部分で指摘されております。
 次の項目が原爆投下です。ここに関して、あと戦争がどのように終わったか、この部分で学習指導要領の該当項目もあるわけでありますが、「日本の敗戦を朝鮮・台湾などアジア諸国の植民地開放と記し、8月15日を日本の敗戦の日ではなく、アジア民族開放の日とするのは、東京書籍、教育出版、清水書院、日本文教出版です」と。このことに関してどのように東京書籍はどのように敗戦を語っているかといいますと、「さらにアメリカは原子爆弾を8月6日、広島に、さらに9日、長崎に投下しました。その間にソ連も日ソ中立条約を破って参戦し、満州、朝鮮に侵攻してきました。こうした中で日本は、8月14日、ポツダム宣言を受け入れて降伏することを決定し、15日、天皇は降伏をラジオ放送で国民に知らせました。こうして数千万人の死者を出したと言われる第二次世界大戦が終わりました。日本が占領した東南アジア諸国や朝鮮、台湾などの日本の植民地は開放され、独立に向かいました」と、このようにあるわけです。敗戦の日とするよりも、アジア民族開放の日と位置付けておられます。この点が敗戦というものをどういうふうに扱っているか、学習指導要領の項目と外れるところであります。
 最後です。社会主義、人権、差別、反戦をどのように扱っているかというところであります。「東京書籍は、ロシア革命は資本主義に不満を持った世界の人々に希望を与え、ドイツでも社会主義者たちが立ち上がりましたが、鎮圧されました。こうしたロシア革命の影響が及ぼすことを恐れた日本、アメリカ、イギリス、フランスは、シベリア出兵によって革命政府に干渉しましたとあります。これではロシア革命の悪影響を恐れた日本、イギリス、アメリカ、フランスは人民の敵であるかのように生徒には読めてしまう」という部分が指摘されております。「また、東京書籍以下7社は、第二次大戦の被害については数字を挙げて犠牲を何度も強調しますが、中国6,500万人、ポルポト300万人、北朝鮮200万人などの自国民殺害について数字を出さず、社会主義に都合の悪いことは極力書かないで、文化大革命もチベット弾圧も天安門事件も批判をしていない」、こういう部分が偏った教科書であるのではないかという指摘が来ているわけです。ロシア革命もここで取り上げているわけでありまして、東京書籍の教科書というのは、どうも革命を推奨する教科書、革命を推奨するというのは、有史革命といえば血は伴っているわけです。戦争も伴っている。中学生に革命に推奨するような教科書はいかがなものかと思います。中学生に革命を推奨するということは、日本国内で革命を起こさせる、日本人同士で戦争を起こさせるというのが目的なのではないでしょうかという疑問がつくづく残ります。この点は、通告外ですが、教育長にこの点、どう思うか、お伺いをしてみたいと思います。
○沼口教育長 今の教科書の選定につきましては、教育委員会がこの夏、かなりの勢力をかけてやってきたわけでございます。質問の中で、いろいろな観点から各教科書に対する評価があったと思いますけれども、だれがその評価をしているかというのが明らかではないということもちょっとあるんですけれども、教科書は教育委員会の権限と責任におきまして、そしてまた都道府県の教育委員会、この場合ですと東京都の教育委員会ですけれども、教科書の調査資料を作成する義務が東京都にあるわけです、我々はその資料を、かなり厚いものですけれども、そういうものを十分に踏まえまして教科書の選定に当たったわけです。教科書はすべて国の検定を受けているものでございまして、そういう意味での特段の学習指導要領に違反するとか、そういう問題はないと思っております。その中で、中野の子どもにとってどのような教科書が1番、教育、勉強する上で、あるいは教師が指導する上で、どれが1番適切かという視点で選んだわけです。個別に学習指導要領に基づいて一つひとつの視点で、この個別の事項はどうだかと、そうだとかという議論はしておりません。全体を見て、学習指導要領、あるいは都の資料を頭に入れまして、全体として子どもたちのために一番いい教科書を採択したということでございます。
○吉原委員 やはり12の該当項目というのは非常に大切な項目であると思います。要項にも学習指導要領の目的達成を今回初めて明記されました。これはきっちり御指摘申し上げて、次の4年後、今は採択してしまったから、これをやり直すとか、そういうことは、もうそこまでは言いませんけれども、この次の4年後の採択に向けては、12の項目、絶対に外してはいけないと思うんです。これは一つひとつどこまで準拠しているか、それがやはり法令にいかに従うかという部分でありますので、これはきっちり12の項目をこの次、非常に大切に注意して採択の基準とするように、本当に心から要望いたします。それ以外に、もう本当に教育委員の方々には、このことを5人の方々には厳粛に受けとめてやっていただきたいと思うわけです。杉並はやはり12の項目の適用度が一番高い扶桑社の教科書をしっかり採択しているわけですから、その分、私は杉並の教育委員には、やはりしっかり法令を守ったなという気持ちがいっぱいであります。中野区の教育委員、5人の方々、4年後、採択に携わる方がどれだけいるかわかりませんけれども、その辺はきっちり議事録に残して、皆さん方、反省を促したいと思います。きっちりやっていただくことを心から要望いたしまして、この12項目が一番大事でありますから、そのことだけを最後、お願い申し上げまして、時間の感覚が十分にうまく行きませんでした。教科書の採択を終了させていただこうと思います。
 神田川の水害についてであります。
 水害に関しましては、もうほとんどの委員の方々が、議員の方々が、一般質問から今回の総括質疑で相当やられています。時間の関係もありますので、少しダブる部分もあったんですが、一つだけどうしてもお願いしたい、七つほど質問を通告したんですが、1点に絞らせていただこうと思います。
 この前の9月4日の水害のときも、スピーカーの音が十分に聞こえなかったという話を私たちも聞きました。地域の方々からもそういう話が多かったですし、現にそう思います。一般質問でもほかの議員の方が質問されていますし、この前、総括でも平島委員が触れておりました。区長の答弁ですと、サイレンに変えるというお話だったんですが、音の問題だと思うんです。雨が猛烈に降っている状況の中で、そういうときというのは雨戸も閉めて、ドアも閉めて、すべてふさぎきっています。そして冬場ですとカーテンか何かで室内を外気と遮断している部分もあります。電気関係のことについては、私は詳しくないんですけれども、どの程度まで音声の馬力を上げられるか。アンプがどの程度強力なものをつけられるのか、スピーカーはどの程度強力なものがつけられるか。今回、水害にあった方々の地域だけでも、もし強力なスピーカー、強力なアンプ、そういうものがもしつけられるんだったら、早急な応急処置として、音声が十分に行き届かないと非常に厳しいものがあると思います。起きている方々だけ聞こえて、寝ている方は聞こえなくていいというものではないし、サイレンとなりますと警報ですので、例えば仕事で疲れて帰ってきて、ひとっ風呂浴びて、晩酌して、あすの仕事に備えようとぐっすり眠り込んでいる方の耳にも、豪雨の中を突き抜けて、雨戸を突き抜けて、そしてカーテンを突き抜けて、耳に入って、びっくりして飛び起きる、それぐらいをやらないといけないと思うんです。そのものというのはかなり強力なスピーカー、アンプでなければいけないと思うんですが、その点は今回、第3次補正で約2億円、水害関係で追加計上されると聞いていますが、それに入っているのかどうか、そういう予算はわかりませんけれども、それは早急にやらなければいけないと思うんですが、最後にその点を区長に質問してみたいと思います。
○斎木防災担当課長 防災行政無線スピーカーは、これまでも音量調整をしてきたわけです。その結果、一番聞き取りやすい音量レベルに設定しているわけでございます。したがいまして、音量の限界というような問題ではございませんで、最大音量にしてしまいますと、かえって反響し、聞き取りにくいということが判明していますので、サイレンによる方法を取り入れたいと考えております。
○吉原委員 音を強力にすれば、それで聞き取れるというものではないというものでしょうから、これ以上は言いませんが、できるだけ周知されるような形で、例えば1,000人に対してスピーカーが1本あるんでしたら、1,000人が1,000人全部が聞き取れなければいけないと思います。もうこれは最大限のものに、皆さん方が十分に聞き取れるような工夫を、サイレンにかわるということでしたら、していただきますように要望いたしまして、すべての総括質疑を終了いたします。どうもありがとうございました。
○伊藤(正)委員長 以上で吉原宏委員の総括質疑を終了いたします。御苦労さまでした。
 以上で本日の質疑を終了いたします。
 次回の委員会は、10月4日、明日、火曜日、午前10時から当委員会室において開会することを口頭をもって通告いたします。開会時間につきましては、本日と同様厳守をお願いいたします。
 以上で本日の決算特別委員会を散会いたします。
      午後4時58分散会