平成18年02月21日中野区議会本会議(第1回定例会)
平成18年02月21日中野区議会本会議(第1回定例会)の会議録
平成18年第1回定例会本会議第2日(2月21日) 1.平成18年(2006年)2月21日、中野区議会本会議場において開会された。
1.出席議員(41名)
  1番  いでい   良  輔        2番  伊  東  しんじ
  3番  佐  野  れいじ         4番  北  原  奉  昭
  5番  久  保  り  か        6番  酒  井  たくや
  7番  奥  田  けんじ         8番  近  藤  さえ子
  9番  小  堤     勇       10番  大  内  しんご
 12番  きたごう  秀  文       13番  吉  原     宏
 14番  高 橋   ちあき        15番  やながわ  妙  子
 16番  平  島  好  人       17番  むとう   有  子
 18番  はっとり  幸  子       19番  長  沢  和  彦
 20番  か  せ  次  郎       21番  山  崎  芳  夫
 22番  小  串  まさのり       23番  若  林   ふくぞう
 24番  市  川  みのる        25番  岡  本  いさお
 26番  こしみず  敏  明       27番  飯  島  きんいち
 28番  佐  伯  利  昭       29番  佐  藤  ひろこ
 30番  来  住  和  行       31番  岩  永  しほ子
 32番  篠     国  昭       33番  柿  沼  秀  光
 34番  伊  藤  岩  男       35番  斉  藤  金  造
 36番  大  泉  正  勝       37番  斉  藤  高  輝
 38番  江  口  済三郎        39番  藤  本  やすたみ
 40番  昆     まさ子        41番  江  田  とおる
 42番  池  田  一  雄
1.欠席議員(1名)
 11番  伊  藤  正  信
1.出席説明員
 中 野 区 長  田 中 大 輔      助     役  内 田 司 郎
 収  入  役  山 岸 隆 一      教  育  長  沼 口 昌 弘
 区 長 室 長  寺 部 守 芳      総 務 部 長  石 神 正 義
 総務担当参事   橋 本 美 文      区民生活部長   本 橋 一 夫
 子ども家庭部長  田 辺 裕 子      保健福祉部長   菅 野 泰 一
保 健 所 長  清 水 裕 幸      都市整備部長   石 井 正 行
拠点まちづくり推進室長 石 橋   隆   教育委員会事務局次長 金 野   晃
政策計画担当課長 川 崎    亨
本会の書記は下記のとおりである。
 事 務 局 長  山 下 清 超      事務局次長    高 橋 信 一
 議事調査担当係長 大 谷 良 二      書     記  黒 田 佳代子
 書     記  永 田 純 一      書     記  荒 井   勉
 書     記  岩 浅 英 樹      書     記  菅 野 多身子
 書     記  廣 地   毅      書     記  西 田   健
 書     記  鳥 居   誠      書     記  杉 本 兼太郎
 書     記  松 本 桂 治      書     記  吉 田 哲 郎

 議事日程(平成18年(2006年)2月21日午後1時開議)
日程第1 第4号議案 平成18年度中野区一般会計予算

      午後1時02分開議
○議長(高橋ちあき) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。
 本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。
 この際、お手元に配付の一般質問一覧表のとおり、大内しんご議員、岩永しほ子議員、大泉正勝議員、酒井たくや議員、奥田けんじ議員、はっとり幸子議員、小串まさのり議員、池田一雄議員、こしみず敏明議員、佐野れいじ議員、久保りか議員、吉原宏議員、伊東しんじ議員より質問の通告がありますので、これを順次許します。

 中野区議会議員 大 内 しんご
 1 所信表明について
 2 野方駅北口開設とバリアフリー化について
 3 教育行政について
 4 その他

○議長(高橋ちあき) 最初に、大内しんご議員。
     〔大内しんご議員登壇〕
○10番(大内しんご) 平成18年2月21日、第1回定例会に当たり、平成18年の初頭でございますので、自由民主党・民社クラブ議員団を代表する立場で質問をいたします。
 最初に、先日行われました区長の年頭所感、所信表明についてお聞きをいたします。
 一つ目に、野方駅北口の開設とバリアフリー化について質問をいたします。
 二つ目に、教育行政について、その他では二点ほど、都区財政調整制度、そして警大跡地のことについて質問をさせていただきます。
 それでは、質問に入らせていただきます。
 区長の所信表明について、まずお伺いをいたします。
 区長の所信表明の中で、「今後の区政においては基本構想が目指すまちの将来像を実現するため、『新しい中野をつくる10か年計画』に盛り込んだ具体的な取り組みを進めてまいります。そのために今後も区民の皆さんが議論できるように、情報を積極的に提供していきます。また、区議会との強い連携・協力のもと、外部のさまざまな専門家の経験や能力も活用し、新しい考え方、前例にとらわれない、時代に即応した施策や仕組みづくりを具体化してまいります」と述べています。
 いよいよ6月11日に中野区の区長選挙が行われます。区民に対して責任ある立場として、今回、所信表明で発言されていることを着実に実現していかなければなりません。小泉総理は、聖域なき改革を痛みに耐えてこそ行う重要性を繰り返し指摘しております。ポピュリズムにおもねることなく改革を貫くべきだと考えます。子どもたちに大きな借金を残していく行政ではいけないと思います。私たちは未来に責任を持ち、子どもたちに夢と希望のある中野をつくっていかなければなりません。そのためにも改革をさらに加速させていくべきと考えます。
 区長にお伺いをいたします。次期区長選挙に向けた田中区長の決意の表明をお聞きしたいと思います。
 次に、区長の所信表明の中の「10か年計画の推進」の項で、区長は直接触れられておりませんが、区立幼稚園と幼児総合施設の考え方についてお伺いをいたします。
 区はこれまで中野区内においては、幼稚園における子どもの受け入れにはなお余裕があると言える、民間で提供可能なサービスはできる限り民間に任せていくという基本的な考え方から、区立幼稚園を4園とも存続する必要はないと考えると説明してきました。その結果、10か年計画では、近隣に私立幼稚園の設置が少ない2園を存続させ、2園は幼児総合施設へ転換すると発表いたしました。幼児総合施設は、多様な幼児教育・保育の機会の提供、乳幼児のいる家庭への相談や支援などを行う施設であり、これからの子育て支援の拠点となる施設であるとの説明がありました。この幼稚園から幼児総合施設への転換をどのような手順で行うのでしょうか。
 ここ数年間、区立保育園は順次数園ずつ民営化されています。民営化された保育園は評判もよいそうです。この保育園の民営化の手順は、区立保育園を廃止して、同時に民間事業者に土地を貸与、建物は譲渡して民営化をしています。幼児総合施設への転換もこの保育園の民営化の手順と同じなのでしょうか。
 また、民営化には、委託や指定管理者制度による公設民営と、全く民間が行う民設民営があります。区内の幼稚園がほとんど私立であることや、より柔軟な運営ができることから、幼児総合施設の場合も民設民営で行うべきだと考えますがいかがでしょうか。
 区長は、10か年計画の検討の中で、どの子どもも同じ教育・保育を提供すると言ってきました。この説明には負担のあり方も同じだという考えが含まれているのでしょうか。区立幼稚園は私立幼稚園に比べ保護者の負担が少なく、公費、つまり税の負担が余りにも大きい状況です。16年度決算では、区立幼稚園の運営に、園児1人当たり年間33万円余りかかっているのに対し、保護者の保育料は年間9万4,800円であります。すなわち1人当たりの区立幼稚園児の税負担は24万円近くになります。一方、私立幼稚園に通う保護者に対する税の負担は、保護者補助金の10万8,000円だけです。これからも格差は倍以上と歴然としています。これから区内のほとんどの子どもは私立幼稚園に通うことになるわけですから、公私格差は早期に解消すべき課題です。区は今後、幼稚園の公私格差をいつまでに、どのように解消していくおつもりなのか。具体的なスケジュールが必要だと思います。考えをお示しください。
 また、私は、区の施設や事業というものは、広く区民の意見を聞きながら総合的に判断していくものだと考えます。これから子どもを産もうという区民や、保育園に子どもを預けている区民など、区立幼稚園から幼児総合施設への転換については、当然、将来入園を希望する区民の声など、いろいろな立場の意見を参考に進めていくべきと考えます。当然、納税者という立場も判断の中には欠かせない材料です。区長はどのように考えているのか、お伺いをします。
 2番目に、野方駅北口開設とバリアフリー化についてお聞きをいたします。
 野方駅北口開設及び駅舎のバリアフリー化に関しては、あらゆる機会を通じ何度となく質問を行ってまいりました。その甲斐がありまして、新しい中野をつくる10か年計画においても、だれもが利用しやすい交通環境を整備する目標を実現するために、野方駅北口の開設を盛り込んだ計画案が示されました。
 今回提案されている18年度予算案では、野方駅北口開設に関し、新たな跨線橋を設置し、交通バリアフリーに配慮した北口を開設するための用地取得や、北口開設に伴う道路等の整備、基本設計費など、合わせて2億1,000万余が計上されています。区は現在、北口予定地の権利者との協議を行っていると伺っていますが、さらに努力をしていただき、地域の長年の悲願である野方駅の北口開設及び駅舎のバリアフリー化が少しでも早い時期に実現に向け、努力を惜しまず進めていただきたいと考えております。
 そこで質問をいたします。区は、野方駅北口開設という目標に向け、平成18年度の1年間、どのように取り組み、どのような成果を上げていくおつもりなのでしょうか。答弁については、平成18年度の前期(上半期)と後期(下半期)で区としてどう取り組み、どのような成果を上げていくつもりなのか、明確にお聞きをいたします。
 また、北口の開設の実現ということは、繰り返しになりますが、地域の長年の悲願であることから、地域住民へのきちんとした情報提供や説明会を実施し、早期に住民の理解を得る必要があると思います。区の見解をお聞きします。
 さらに、北口開設のインパクトは、野方駅周辺のまちづくりにも大きく影響するものと考えています。北口開設にあわせ、駅周辺のまちづくりや、産業の活性化を図るべく、駅周辺の商店街関係者、あるいは地域住民との意見交換の場が必要と考えます。区の見解をあわせてお聞きをいたします。
 3点目の教育行政につきまして、何点か質問と提案を含め申し上げたいと思います。
 1点目は、第六中学校の跡地を活用した中高一貫校の誘致についての御提案です。
 教育委員会では、昨年、学校再編計画の前期再編校の保護者や関係者に対して説明会を開催しております。第六中学校につきましては、第十一中学校に統合後は、野方小学校の建てかえの際の暫定利用がされ、その後の用途は売却も含め検討すると説明をしています。仮に売却となる場合、民間業者が大規模マンションまたは建売住宅として開発されることを考えられると、教育委員会は地域の説明会において述べたとお聞きをしております。この考えは、学校の統合を進める中で、地域住民の合意を全く無視した考え方であります。仮定の話においても、統廃合そのものを行うべきかどうかという根本的な問題にも発展してまいります。統合さえすれば、その跡地については地域の意見を無視し、勝手に売却を決めていくということになれば、学校再編の必要性の観点から判断した適正配置の大きなブレーキになります。まさに当初の考え方からは許されない説明であります。
 第六中学校の周辺は、御存じのように住宅地が密集し、道路もしっかりと整備されていない環境であります。そこで大規模な開発が行われれば、住環境の悪化が懸念をされます。
 そこで、私からの提案でございますが、第六中学校の南側には都立中野工業高校がありますが、中野工業高校と第六中学校の用地を合体し、現在、都内に設置が始まった都立の中高一貫校、いわゆる中等教育学校の誘致を都に打診してみたらいかがかと考えております。都立中野工業高校は都立学校の統廃合の対象ではないと思いますが、生徒数は年々減少していると聞いております。現在の第六中学校の用地に一貫校の校舎を建設し、南側の中野工業高校の用地に校庭を設ければ、区内でも有数のグラウンドになると思いますし、大規模震災時などの際の避難場所としての活用も期待できます。ぜひ再編後の第六中学校の用地を普通科の中等教育学校とするよう、東京都教育委員会に働きかけていただきたいと思います。区民の貴重な財産をこれからの子どもたちのために活用していただきたいと考えます。
 我が会派といたしましても、教育委員会に全面的に協力・支援してまいりたいと考えております。ぜひ教育委員会の前向きな答弁をお聞きしたいと思います。
 2点目は、図書館行政について質問をいたします。
 区立の図書館は一昨年に民間活力を導入し、開館日の拡大や開館時間の延長を行うなど、サービスの向上に努めてきたことに対しましては、一定の評価をいたします。しかしながら、地域館につきましては、窓口サービスなどは改善していますが、まだ各館が地域の特性に沿った特色を持つ図書館にはなっておりません。例えば野方図書館や鷺宮図書館は駅に近いということもあり、サラリーマンなど、働く方々のニーズを満たすような蔵書構成や、開館時間などの運営方法の改善をしていくことはできないのでしょうか。
 現在、図書館の開館時間は午前9時から午後7時となっています。土曜日・日曜日の開館時間は少なくしても、平日の開館時間を通勤客の時間に合わせて午後10時ごろまで延長するなどの柔軟な対応が必要であると考えます。せっかく民間の活力を活用しているのですから、積極的に対応するべきと考えますが、いかがでしょうか。
 次に、図書館の民間活力の活用に関連いたしまして、地域館を完全に民間委託または指定管理者への転換について提案をいたします。
 現在、野方図書館もそうですが、各地域館には区の常勤職員が館長として配置されています。先日、なぜ常勤職員の館長を置いているのか職員に尋ねたところ、窓口でのトラブル対応や、都立図書館などからの配本のため、常勤職員が配置されていることが必要であるという趣旨の説明を受けました。都立図書館などからの配本のためであれば、各地域館を中央館の分館とすることで解決できるのではないでしょうか。また、窓口のトラブル対応は、別に委託業者でも十分対応できるはずであると考えます。現に区では区立保育園などを指定管理者への委託としております。保護者とのトラブル対応のため園長に常勤職員を配置していることなどは行っていないわけですから、思い切った見直しをするべきであると考えます。
 地域館7館に配置している職員の人件費も、仮に1人当たり800万円としても、約6,000万円近い額を削減することができるはずです。18年度当初予算の復活で、教育委員会から、児童図書の充実などのため、700万円の不可解な図書費の増額がありました。もっと同じ図書館の運営を工夫することで数千万円の増額ができるということも十分考えられます。お考えをお聞きいたします。
 最後に、図書館に関連いたしまして、小・中学校の図書室の充実についてお伺いをいたします。
 現在、各小・中学校の図書室には非常勤の指導員の方が週数日、半日程度勤務をされておりまして、調べ学習の指導、そして休み時間や放課後の児童・生徒の対応など、その成果は大きいものがあると思っております。
 また、10か年計画でも示されておりますが、小学校への児童館機能の導入を進めていくなど、学校図書室の利用は今後増大、多様化していくことが十分予想されます。しかしながら、現在の非常勤の指導員の方の勤務内容では、今後の需要に十分こたえていくことは困難でありますし、かといって常勤職員を新たに採用することも現実性がありません。
 そこで、先ほども提案いたしましたが、地域図書館の完全民営委託化にあわせて、学校の図書室も地域館を委託した民間事業者に委託をし、学校が開いている時間すべてに人を配置することを考えるべきではないでしょうか。そのことにより、子どもの図書習慣の醸成や、授業の援助、そして放課後の児童・生徒の居場所の確保、さらには学校と地域図書館の連携の強化につながるものと思います。いかがお考えでしょうか。お答えをお願いいたします。
 最後に、その他の項で2点ほどお聞きをいたします。
 まず、特別区の財政運営に大きな影響を及ぼすことになります都区財政調整制度についてお伺いをいたします。
 特別区区長会は、2月10日の臨時区長会総会において、いわゆる都区財政調整主要5課題について都と合意をしたと、2月14日の議長会に報告をしております。しかしながら、その合意内容は、大きな論点であった大都市事務の役割分担については、都区共同で設置する検討会において引き続き協議をするといった、議論の先延ばし策にうまく乗せられた結果と言っても過言ではありません。
 また、清掃関連経費や小・中学校改築経費、都市計画交付金の問題は、結果的に都側からの200億円の特別交付金という「手切れ金」を受け入れたものとなっております。
 さらに、三位一体改革の影響額に伴う都区間の調整率引き上げの課題も、一定の率の引き上げに関して都側との約束を取り付けたように報告をされていますが、まだ確実なものではなく、結果、平成19年財政調整協議に先延ばしをされた形になっております。
 私ども自由民主党といたしましては、議長をはじめ、各議員により、都知事や都議会自由民主党に対しまして足しげく要請を行うなど、区長会に多大な協力をしてまいりました。しかしながら、区長会はそうした議会にすら何ら相談することなく、安易な形で都と合意をしたことは大変遺憾に感じております。
 区長は、昨年9月の第3回定例会の山崎芳夫議員の一般質問、そして11月の第4回定例会における斉藤金造議員の主要5課題についての一般質問に対し、安易な政治決着はもちろん、区民に説明責任を果たせない決着は避けるべき、最終的に合意できなければ18年度財調は決裂も辞さないという決意で臨み、議長会とも十分連携をしていきたいといった趣旨の答弁をしておりました。
 今回の決着は、区長会という合議体の中で多数派の意見が通ってしまったという状況も理解できますが、今回のこの決着に当たり、区長はどのような意見を区長会で表明をしてきたのか、またどのように今回の決着を総括しているのか、見解をお聞きをいたします。
 その他で最後に、警察大学校等の跡地のまちづくりについて質問をいたします。
 中野を魅力と活力のあるまちにしていくためには、中野の顔である中野駅周辺のまちづくりを積極的に推進することが重要であります。とりわけ中野区に残された貴重な空間である警察大学校等の跡地を活用した開発は、その周辺地域への波及効果が大きく、中野の産業の活性化や、まちづくりの起爆剤となることが期待される重要なプロジェクトであります。
 この警察大学校等の跡地の開発につきましては、中野区が東京都などと協力をして、土地利用転換計画案の見直し案を作成し、昨年の8月に国に要望を行い、四者による協議会が設置されるなど、関係者間で調整が進められていると聞いております。
 さきの第4回定例会では、警察庁中野南宿舎を移転させ、囲町との境に東西道路を整備すべきとの質問に対し、区長は、囲町のまちづくりを進めるといった観点からその方向が望ましいと答えております。
 そこでお伺いをいたします。こうした地元の強い要望を踏まえ、協議会等において、東西道路の実現に向け、どのような調整が図られてきたのか、お伺いをします。
 2点目に、来年度から、警察大学校等跡地等を含め、国有地の処分に当たって地方自治体への優遇措置がなくなると聞いております。そうしたことからも、この開発に当たってはまず区が都市計画道路や防災公園の用地を取得し、開発者負担を求めながら整備を図るべきではないでしょうか。区長の見解をお伺いをいたします。
 以上で質問を終わります。
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 大内議員の御質問にお答えをいたします。
 まず、次期区長選挙に向けての決意ということであります。就任以来これまで持続可能な区政の基盤を確固たるものとする構造改革や区財政の立て直しに取り組み、一定の成果を上げてまいりました。また、昨年制定された基本構想を実現するための「新しい中野をつくる10か年計画」の策定をしたところであります。そうした実績を踏まえ、新しい中野の歩みを着実に進めることが私の使命であると考えております。引き続き区政を担当し、責任を果たしていく決意であります。
 幼児総合施設への転換の手順、手法についてであります。
 幼児総合施設への転換に当たりましては、保育園の民営化の手順なども十分に参考にしていきたいと考えております。幼児総合施設については、就学前の子どもに適切な幼児教育・保育の機会を提供し、地域の乳幼児親子への支援機能を果たす施設として、民設民営を中心に、民間の活力を最大限に生かせる方法で転換の手順等を選択をし、決定をしてまいりたいと考えております。
 幼稚園の公私格差についてであります。
 公私や、それから幼稚園、保育園の別なく、すべての子どもが幼児期に適切な教育・保育を受けることが必要であります。その際の負担につきましても、同様の基準によって均衡が図られていることが重要だと考えております。19年度以降の区立幼稚園保育料の引き上げと、私立幼稚園保護者補助金の増額を行うことによって、段階的に公私格差の解消を図る考えでありまして、18年度についても予算案の中で私立幼稚園保護者補助金の引き上げについて御提案をする予定であります。
 幼児総合施設への転換に当たっての区民の意見をどう聞いていくかということであります。
 区の施策や事業を決定し実現していく場合に、幅広くさまざまな立場の区民の意見を聞きながら、総合的に判断をしていくということが大切だと考えております。幼児総合施設への転換につきましても、保護者や関係者への説明のほか、区民の皆さんとの意見交換の場を設ける予定でございます。
 野方駅北口の開設とバリアフリー化に関連しての御質問であります。平成18年度には、上半期において地権者との交渉を精力的に行い、北口用地を取得するということを目指したいと考えております。
 また、西武鉄道との間で野方駅北口整備にかかる基本協定を締結し、下半期には基本設計にも取り組んでいきたいと考えているところであります。
 また、北口整備に当たりましては、北口予定地に隣接する住民を初め、駅利用者や商店街関係者の理解が欠かせないところであります。こうした地域の方々を対象に、適宜、説明会、意見交換会を開催していきたいと考えております。
 また、駅周辺のまちづくりや、産業活性化という視点を含めて、関係者へのきめ細かな説明も考えていきたいと考えております。
 区長会におきます財調主要5課題の決着についてのお尋ねもありました。
 主要5課題につきましては、区長会としても断固として交渉に臨んできたところであります。しかしながら、都区の認識の違いが大変大きく、その溝を埋めるには至っておりません。私といたしましては、この問題は単に金額をめぐる過不足の議論といったことに終始してはならず、区民、都民の自治の推進という立場から、お互いに果たすべき役割を明確にし、対等の関係で分担を定め、そこから配分率を導き出すというプロセスが必要であると考えているところであります。そうしたことから、都が一方的に区の需要を算定し、不足分を交付するという都側の認識を改めさせることが重要だと強く主張をしてまいりました。このことは区長会全体の共通認識でもあるというふうに考えているところであります。
 2月10日の区長会におきましても、区側の基本的な立場を貫いた決着であるべきだと、こういう立場から交渉に当たりました正副議長に対して、経過をただしたところであります。その経過の中で、三位一体改革の影響については都側の譲歩が見られたという経過があり、これを一つの成果として固めておくべきであるといった判断が一つあったわけであります。
 また、重要な論点での議論は、今後改めて協議の場を設けて整理していくことが必要であって、これについてはより幅広く自治制度全体を視野に入れた協議の場をつくるということで一致をしているところであります。
 都議会を含めて、関係者のぎりぎりの努力の結果として、一定の決着の形が必要であると、こうした交渉経過を踏まえた会長の判断については、私どもとしましても、会長に対して一任をしているといった経過を踏まえ、了とせざるを得ないというふうに考えたものであります。
 しかし、依然として区を都の内部機関とみなすかのような都の認識に対しては、強い不満を持っているところでありまして、今後、大都市事務の課題等を都区共同の組織で検討する中で、区側の考え方を強力に主張していきたいと考えているところであります。
 警察大学校等跡地の問題であります。
 まず、東西道路につきまして、跡地地区の整備に当たりましては、隣接する囲町地区のまちづくりを進める上で、その境の部分に東西道路をつくることが望ましいと考えております。また、地元からはこの趣旨の陳情が出されまして、昨年の第3回定例会おいて全会一致で採択をされているところでもあります。
 こうしたところから、警察庁宿舎の移転について要請をしてまいりました。そのため、警察庁宿舎の統合新校予定地付近への移転も想定をし、中野体育館を含めた公共公益ゾーンにおける統合新校等の施設配置のあり方の見直しを行ったところであります。その結果として、当該道路の囲町地区との境目への整備、それから宿舎の移転及びその跡地の活用について、関係者の合意が得られたところであります。
 また、整備手法についてであります。警察大学校等跡地の開発は、民間の活力を導入してまちづくりを進めることとしているところでありまして、道路、公園等の都市基盤整備については、開発者負担の原則で実施することとしているところであります。
 こうしたことを念頭に置いて、想定される整備の手法の中で、諸状況等を勘案いたしまして、最もふさわしい方法を検討してきたところであります。その結果として、事業主体としては区が施行者となり、まちの骨格となる都市基盤の整備を行うことといたしまして、開発者からは、それぞれの利用状況を勘案しつつ、応分の負担を求めるという方法が最も適切であると判断をしたところであります。こうした取り組みによりまして、安全で、にぎわいと活力のあるまちづくりを早期に、着実に実現できるものと確信をしているところであります。
 私からは以上であります。
     〔教育長沼口昌弘登壇〕
○教育長(沼口昌弘) 教育行政についてお答えいたします。
 まず、学校再編後の区立第六中学校の跡地と都立中野工業高校の用地を一体化しまして、都立の中高一貫校を誘致したらどうかというお尋ねでございますが、現在、中野区では、学校の規模、つまり生徒数、これを適正に確保できるように、区立小・中学校の再編を進めている状況があります。区内におきます都立の中高一貫校につきましては、東京都の計画では、都立富士高校で行うものと理解しているところでございます。
 次に、図書館の運営に関しての質問にお答えいたします。
 地域図書館の運営につきましては、サラリーマンなどのニーズにも対応できるよう、蔵書構成の改善を図るとともに、駅に近い図書館の開館時間の延長につきましては、利用実態を見ながら対応してまいりたいと思います。
 また、運営形態につきましては、当面、現在の委託方式、これを安定・充実させるべく努力をしているところでございますので、今後は指定管理者の導入も検討していきたいと思っております。
 次に、学校図書館の体制充実についてでございます。
 今後、学校図書館の地域開放、これを検討していく予定でございますので、その検討にあわせまして、民間委託も含めまして、どのような運営方法がよいか、よく考えていきたいと思っております。
     〔大内しんご議員登壇〕
○10番(大内しんご) 再質問をいたします。
 まず最初に幼稚園の公私間格差のところですけれども、お答えがちょっと短かったので、よく理解できなかったんですけれども、公私間格差については今に始まったことではなく、かなり前からその是正には努めていくということのお話だったと思います。平成18年度予算案で示されたことは見ればわかるんですけれども、では平成19年度、20年度、10か年計画の中における第一ステップ、第二ステップ、第三ステップ、そういった中でいつごろを目安に、ある程度の保護者の不満が出ない程度のところの落としどころというんですか、公私間格差の是正に努めていきたいのか。ある程度の目標というものを据えないで、ただ単に1年ずつ、少しずつやっていく、仮にそうした場合、いつごろを大多数の方が納得できるところまで、合意に達するところまでしたいのか。公私間格差の是正、いつごろを目標にというものが全く見えてこない。すなわち具体的なスケジュールが見えてこないというのが一点。
 あと、教育委員会の方で、第六中学校の方で質問をした内容が、ちょっと事前の私の通告がよくなかったのかもしれませんけれども、富士見中と、あと富士高のことの一貫校はわかります。それは知っています。私が言っているのは、中野工業高校もそのように提案したらどうかと。東京都の方に働きかけをしてみたらどうかということを聞いているんであって、それについてのお答えがなかった。あるいはごまかされたのかもわかりませんけれども、全然入っていません。
 それと、地域説明会の中で、マンションや、あるいは建売住宅として開発されることも考えられるといった教育委員会の説明があったということについて、後段が結び付いているんですけれども、追加の質問になるとあれなので、言い方が難しいんですけれども、そういった絡みがあって後段の質問になっているので、ぜひ答弁の中に、第六中学校の跡地問題については、私たち会派としては中野工業高校の一貫校としていけば、あの用地がいろいろな意味で防災にも役に立つし、地域の方も納得する形で残るんじゃないかと提案を申し上げているのであって、富士見中のことを聞いているのではありませんので、もう一度、跡地のことも含めてお答えをお願いしたいと思います。
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 再質問にお答えをいたします。
 幼稚園の公私間格差の是正についてでありますが、幼稚園の保育料については、18年度中にさまざまな施設の使用料の見直しの中の一環としての検討をしなければならないという日程となっているところであります。そうした中で他の使用料等との均衡も図りながら、幼稚園の保育料の水準というものを定めていかなければならないということであります。
 また、結果として出てきた適正という保育料に対して、急激にそれにするということができるわけでもありませんので、一定の激変緩和措置も必要になってくるということで、どのぐらいの幅になるのか、激変緩和としてどのぐらいの期間が必要なのかといったことについては、18年度におきます検討を待たなければ、この場でのお答えができるだけの日程はまだ決めかねているというのが実情でございますので、御理解をいただきたいというふうに思っております。
     〔教育長沼口昌弘登壇〕
○教育長(沼口昌弘) 再質問にお答えいたします。
 まず、中野区といたしまして、今、区立学校の再編といいますか、適正規模、児童・生徒数の適正な確保を行う努力をしている最中でございますので、新しい中学校を含めた中高一貫校ができることについてはいかがなものかという見解は持っております。
 また、東京都の方といたしましても、今、教育改革が進められていると思いますけれども、その中で、少子化によりまして、都立高校の規模と配置の適正化、そういうものを計画して、進めているところでございます。その中で都立高校の削減も図りながら、一方ではまた中等教育学校や中高一貫教育校の開設を進めているわけでございます。
 中野工業高校につきましては、都立高校の見直しの中では、今現在、先ほどの御質問にありましたように、残っているわけでございます。東京都といたしましては、この一貫校につきましては全都的なバランスをとりながら進めているというふうに聞いておりまして、全都で10校、今、計画をされているということでございます。そういうことをいろいろ考え合わせますと、御提案の趣旨についてはなかなか難しいかなというふうに理解しているところでございます。
     〔大内しんご議員登壇〕
○10番(大内しんご) まず公私間格差のところでもう一点。平成18年度の中でそれこそいつごろを目標にそういうことを検討するというか、平成18年度中に、公私間格差の是正に関しては平成20何年を目標に取り組んでいく、そうしたことを検討していくという理解でよろしいのか。
 あと、教育委員会にお尋ねしているのは、東京都の話を聞いているのではなくて、東京都の見解を聞いているのではなくて、中野区としてはそういった動きをしたらどうかと。第一次に入らなくても、中等教育学校というものが第二次が動いたときに、中野区としていち早くそういった場所を提供する準備があるということを提案したらどうか。東京都が第一次の今やっている10校の中に入っていない、だからだめなんだということを言っているのではなくて、中野区が自ら東京都にそういう働きかけをしたらどうか。少なくともこれは小・中学校の再編計画といった、そういったものとは全然別の話でありまして、あの敷地を、少なくともあの地域にああいった形で残せる方法を区としては考えていくべきではないかということを含めて聞いていますので、東京都がどうのこうのではなく、まず中野区として、第一次ではあれですけれども、第二次の新しい中等教育の一貫校ができた場合、いち早く名乗りを事前に上げておくということをしてみたらどうか。
 中野区のスタンスとして、あの学校はまだ少なくとも6年ないし8年近くはあのままであると思っていますので、その後の考え方として、中野区として提案してはいかがかということを聞いていますので、もう一度お願いいたします。
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 幼稚園の公私間格差の是正でありますが、御質問の中にもありましたように、18年度における使用料・手数料等の見直しの中で幼稚園の保育料についても明らかにし、それを踏まえた形で18年度中には公私間格差是正の具体的なステップといったようなことを想定していきたいということであります。
     〔教育長沼口昌弘登壇〕
○教育長(沼口昌弘) 先ほども最初にお答えいたしましたけれども、今、中野区として学校再編を進めているところでございます。その理由は、中野区の区立中学校の適正な生徒数、これを確保していきたいということで、学校数を今、見直しているところでございます。再編をした学校の跡地にまた、都立中学になると思いますけれども、都立の中学が入ることによって、また生徒の奪い合いといいますか、そういう現象も起きなくはないということが考えられますので、区といたしましてはこれは非常に慎重にならざるを得ない。そのようなことを最初に申し上げたわけです。
 また、東京都の方としましても、高校数を減らしながらそういう一貫校をつくっていく、そういう状況がございます。ですから、今回の見直しでも中野工業高校は存続という形で残っているものを、それを廃止して普通科の高校にして中高一貫校にするということは、なかなか難しい問題ではないか。そういうふうに我々は理解しているところでございます。
○議長(高橋ちあき) 以上で大内しんご議員の質問は終わります。

 中野区議会議員 岩 永 しほ子
 1 区長の政治姿勢について
  (1)所信表明について
  (2)憲法9条発言について
 2 「10か年計画」と‘06年度予算案について
 3 都区財政調整協議について
 4 教育行政について
  (1)教育行政における区民参加に関する条例について
  (2)区立図書館図書資料購入費の増額について
  (3)教育環境の整備について
 5 介護保険制度と障害者自立支援法について
  (1)地域包括支援センターについて
  (2)障害者自立支援法実施にあたって
 6 その他
  (1)東大海洋研究所移転について
  (2)本郷通り歩道改善について
  (3)その他

○議長(高橋ちあき) 次に、岩永しほ子議員。
     〔岩永しほ子議員登壇〕
○31番(岩永しほ子) 2006年第1回定例会に当たり、日本共産党を代表して質問をさせていただきます。
 まず、区長の政治姿勢について、施政方針説明についてお聞きをいたします。
 区長は2年前の施政方針説明で国の構造改革をリードすると述べ、今年は、官から民への改革や、規制緩和への批判の声も聞こえるが、それでも官から民への流れを変えるべきではないと述べています。この流れをつくった小泉内閣の構造改革は、区民に何をもたらしたでしょう。公的年金等控除縮小、老年者控除の廃止、定率減税の廃止、住民税非課税制度の廃止などによって、高齢者や低所得者に新たな負担を押し付け、中野では新たに7,000人の高齢者が課税対象者になりました。住民税が非課税から課税になることで、医療、介護、福祉の負担が雪だるま式にふくらみ、その影響ははかり知れないものがあります。勤労世帯にも定率減税の廃止など、重い負担がのしかかります。
 介護保険にホテルコストを導入し、食費や居住費などの徴収が始められました。一方で、公費で実施してきた高齢者の保健・福祉事業を、介護保険の地域支援事業として取り込み、国庫負担7,000億円の削減を行おうとしています。区長は、小泉内閣が改革と称して進めている大増税と社会保障制度の改悪によって、高齢者や障害者、低所得者が生きていけないという声を上げていることをどのように受けとめておられるのか、お聞きします。
 規制緩和によってつくり出された雇用不安が深刻な社会問題となり、国民の暮らしを疲弊させています。厚生労働省が1月末に発表した有効求人倍率の資料によれば、1年前より正規社員の募集が0.65倍に減少したのに比べ、パートタイム社員は1.41倍と、正社員から非正規雇用への置きかえがさらに広がることを示しています。
 区民1人当たりの所得も毎年減り続け、04年度はその3年前に比べ、23区平均では6万6,000円、中野では倍の12万円以上になります。非正規雇用の平均年収は133万4,000円ですから、生活することもままならない状態に置かれています。
 特に青年の雇用状態は最悪の事態になっています。非正規雇用の結婚率は14.8%、100万円以下の年収が10%という状況では、生みたくても生めないという問題から、結婚したくても結婚できないという事態へと進み、青年の中に常態化しています。中野区は青年の比率が高いだけに、この問題は区にとっても深刻な問題であるはずです。この事態は自然現象ではなく、小泉政権が進めるリストラ奨励策と、労働法制の改悪、規制緩和の国の政策にあることは明らかです。区長は、ルール違反にはペナルティの作動をと言っておられますが、行き過ぎた規制緩和こそがこれまで作動していたルールを破壊しているのです。こうした規制緩和を当然だとするのですか。見解をお聞きします。
 区長は、平成13年度末の基金残高が68億円であったのに対し、18年度末には224億円になると自慢しています。5年間で実に3.3倍にもふやしたことになるわけです。伸び率は23区の中では1位です。私たちが基金のため方を問題にすると、基金の絶対額はまだまだ足りないという答えが返ってきますが、区のため込み方は群を抜いています。
 区長は施政方針で、警察大学校等跡地や中野駅周辺を開発して、東京を代表するまちにすると描いています。そのためにどれだけの財源を必要とするか明らかにされませんが、短期間に異常なスピードで基金をため込んだ目的は、こうした大規模再開発を誘導するための資金づくりにあると言えます。そのために施設の統廃合を強行し、さらに区民から求められる福祉や教育施策を見直し、10か年で切り捨てようとしています。今すぐ暮らしを支えてほしいと願う区民の切実な声には冷たく、中野を東京を代表するまちにすることは、自治体としての基本的な役割を放棄することにつながります。見解をお聞きします。
 区長は、選挙で形骸化していると指摘していた区民参加と区政への閉塞感、田中区長のもとで払拭されたでしょうか。基本構想のワークショップに参加して熱心に議論された区民からは、提案はほとんど無視され、自分たちの取り組みは何だったのかという声が上がりました。対話集会は当初は歓迎されましたが、今では評判がよくありません。区長には何を言っても言い返され、これが対話集会かという声が直接届いているでしょう。参加者より区長と幹部職員の数の方が多いことがしばしば起きてもいます。
 職員参加はどうでしょうか。区長は、幹部職員による偽装打刻事件、非常勤保育士裁判という二つの裁判の被告であり、現在、係争中です。その一方で、庁内情報を外部に漏らしたと、氏名不詳のまま全職員を野方警察に告発しています。
 職員から、区長の指示が次々と変わり、仕事は必要以上に過密になっているとの声が聞こえます。健康を害する職員もふえています。自分の仕事が区民生活の向上に役立っているという満足を得られなくて、喪失感が広がっているようです。区長が実効ある住民自治と職員参加を大事にするならば、このようなことは起きないはずです。見解をお聞きします。
 憲法9条の問題を含め、改憲が議論されているときに、区長の施政方針説明で、平和の問題に一言も触れておられないのは残念です。これまでに区長は憲法の9条2項は変えるべきと発言され、日本共産党議員団はこの発言の撤回を繰り返し求めてきました。
 憲法を守ろうという国民の動きは広がっています。ノーベル文学賞の大江健三郎さん、哲学者の梅原猛さん、作家の澤地久枝さん、故三木首相の夫人睦子さん、日本ペンクラブ会長の井上ひさしさんなど、日本の代表的な9人が呼びかけ人となり、日本と世界の平和な未来のために日本国憲法を守るという一点で手をつなぎ、思想信条や立場を超えてあらゆる努力をしようという趣旨で「九条の会」を結成されました。従来の保守、革新、護憲の枠でくくれない結集をして、全国で4,000を超える会が結成されています。金閣寺の住職は「宗教者九条の会」の呼びかけ人の一人です。
 「九条の会・中野」もまた、その趣旨にのっとって結成された中野地域の会です。中野区は、この「九条の会・中野」から提出された設立1周年記念講演会の後援申請を却下しました。却下の理由は、特定の政治的立場に基づく活動に類するので、後援することは適当でないというものでした。憲法を守ろうとの活動を特定の政治的立場に基づく活動とすることは、区の基本から見て間違いです。中野区の憲法擁護・非核都市の宣言と、平和行政条例は、区議会の全会派が賛成して制定されたものです。これに基づき「憲法をくらしに生かそう 中野のまちに」の横断幕が庁舎に掲げられています。
 憲法99条には、公務員に憲法の尊重、擁護義務を課しており、区長も同じです。自ら憲法を守ることはもちろんのこと、区の宣言と条例の立場で、憲法を擁護する区民の活動を支援するのは当然ではないでしょうか。見解をお聞きします。
 昨年11月22日に開かれた自民党の結党50年記念党大会で、新憲法草案が発表されました。焦点になっている9条は、1項を残し、2項を変えて、自衛軍を持つということにしています。この自民党の9条改訂内容と、政治家としての田中区長の改憲の考えは同じかどうか、お聞きします。
 次に、10か年計画と06年度予算案についてお尋ねをいたします。
 区は、行財政5か年計画で、中野区独自の施策をほとんど廃止し、保育園の民営化などを進めてきましたが、10か年計画で官から民への流れを一層強めようとしています。耐震偽装問題で区の建築確認や、検査、指導体制の強化が求められているときに、建築設計部門まで委託を強化しようとしています。さらに、施設の統廃合、徹底した民間委託、民営化を進めようとしています。
 この計画により10年の間に、地域センターの廃止、七つの児童館の廃止、遊びの機能と学童クラブを学校に移転、七つの保育園の民営化、二つの区立幼稚園の廃園、八つの小学校と五つの中学校の統廃合などが進められようとしています。
 共産党議員団は、財政効率だけを優先させる乱暴な施設の統廃合や、区民福祉の切り捨てを批判し、見直しを求めてきました。区民からも多くの反対意見や要望が出されています。それでも区民の同意と納得は得られたとお考えでしょうか。お答えください。
 例えば保育の民営化は安上がり保育の見本です。人件費を削るために大半が1年契約の保育士になり、集団としての経験が蓄積できないとの指摘には、区が培ってきた取り組みを民間に還元すればよい、行政で実施している方がサービスを硬直させると居直っています。このまま進めば中野の行政として持たなければならない保育の貴重な蓄積が失われてしまいます。決定されたからといって、区民は到底受け入れられません。児童館の遊びの機能と学童クラブを学校に移行するということでは、学校の施設が受け入れられる状況にないことや、いまだに具体的な内容が示されず、多くの問題を残したままです。
 二つの区立幼稚園の廃園は、保護者への説明からわずか3カ月で決定しています。中野のこれからの幼児教育のあり方を協議する場もなく、廃園だけが説明される。このようなことでは保護者や区民の納得を得られるはずがありません。しかも、入園の募集をするのかどうかは秋にならなければわからないというのでは、まさに区民不在の姿勢です。財政効率最優先の考えが子育ての上に覆いかぶさる計画だから、こんな中野から引っ越したいという声が出てくるのです。中野区政が自治体としての責務である福祉の増進に取り組むことを放棄し、合意もなく、区の一方的な考えで子育て施策の根本を変えることは許されません。見解をお聞きします。
 地域センターの職員配置と窓口サービスについてお聞きします。
 区長は就任当時の議会答弁で、地域センターと住区協議会構想は参加の区政の仕組みとして地域住民に根付いており、同時にそうした活動を受けとめていく区の政策的なスタッフとして所長が配置されている、これからもしっかり見つめて果たしていくようにしたいと述べておられましたが、その態度を百八十度変えてしまいました。
 この間、地域からの声、区議会に出されている陳情などに押されて、区は、職員を引き上げ、窓口サービスをしないという当初の計画を変え、複数の職員を配置し、住民票などの交付をするということにしました。証明書などの交付は、電話予約を受けた場合でも、窓口で申請書を書いた上で渡していますから、職員を配置する以上、プライバシーを守り、不便を解消するために、区職員が窓口サービスを行うのは当然です。
 また、地域センターのオンラインシステムを廃棄するとの考えがあるそうですが、とんでもないことです。多額な費用をかけて設置したシステムは今後も生かすべきです。
 これらのことを含め、地域センターに関してはあまりにも多くの問題があります。もう一度白紙に戻し、改めて検討すべきです。見解をお聞きします。
 計画で修正された一番大きな変更は、10か年の財政フレームと積立金の額です。18年度から3年間にわたる安定化期間に見る基金は、新たに設けられたまちづくり基金に毎年度5億円を積み立てるほか、年度末に残った翌年度への繰越金も積み立てることにしています。既に18年度の予定5億円を、今年度の繰越金を見込んだ6億円に増額しています。また、今年度末補正では、都から来る再調整の交付金21億円のうち16億円を積み立てました。
 基金の原資は、リストラなど、住民の我慢と痛みの上につくられている税金です。国や都が区民にさらなる負担を押し付けようとしているときこそ、何でもかんでも積み立てるのではなく、まず今の区民に何が必要かを中心に考えるべきです。まず区民サービスに使うという立場に立つべきです。見解をお聞きします。
 2006年度予算案についてお尋ねします。
 これまで区長は現金給付の施策を否定してきましたが、住民生活が苦しくなり、子育てが難しくなる中で、全国の自治体で現金給付的な事業が広がっています。区民にとって拡充しなければならない施策は多くあります。少子化対策は緊急の課題であり、さまざまなニーズ調査で経済支援を求めていることがはっきりと示されています。ほかの自治体では、特に子育てに関係する予算を増額し、新たな施策に取り組んでいます。医療費助成だけでなく、練馬区では第3子に誕生祝金、千代田区では次世代育成手当、板橋区では1時間800円で乳児家庭へのヘルパー派遣などの子育て支援策を拡充しています。
 中野区は合計特殊出生率が0.75という深刻な事態に直面しているにもかかわらず、少子化対策に効果を上げる新たな施策が見えません。02年の文部科学省「子どもの学習費調査」には、小学生1人で30万円かかるという結果が出ています。教育費の父母負担は大きく、所得が減少しているため、区の小・中学校就学奨励受給者は10年前の15%から25%に増加しています。こうした区民の状況にこたえるために、区はどのような子育て支援を進められるのかお聞きします。
 私は、乳幼児医療費助成と子ども医療費助成を拡充していただきたいと思います。予算案では助成対象人数が減少しているものの、助成件数は増加しています。今年度の予算額は不足するだろうとの見込みです。それだけにこの事業が必要とされることになります。
 23区の中で次々と制度を改善され、中学3年生まで、通院・入院・食事代が無料は3区、小学6年生まで1区、小学3年生までは2区あります。入院を中学3年まで助成している区は1区、入院・食事代の助成を6年まで実施している区は1区、中学3年までが1区となっています。乳幼児からの食事代助成は合わせて14区になりました。子ども医療費助成を通院まで広げること、順次でも年齢を中学生まで拡大すること、入院、食事代の助成をすること、この際、乳幼児医療費と子ども医療費を統合して、使いやすくするよう改善を求めます。
 以上の4点についてお答えください。
 調査費・委託費についてお聞きします。
 昨年12月21日付の平成17年度財務監査の結果報告では、まちづくり関連事業において当初予算に計上していた委託事業を未執行とし、異なった委託事業に組み替えて実施したものがありました。調整により事業が進められることを斟酌しても、当初見込んだ内容によらず大きく予算の内容を組み替えたことは充分に検討されず、基本的方向付けがないままに予算計上したためと指摘しています。
 さらに、その手続が所管部内での起案処理のみで行われ、事業部制導入により、予算執行にかかる権限が広がったとしても、安易に変更すべきではないとも指摘しています。
 警大跡地などの地区計画作成や、中野駅周辺まちづくりなどにかかる7事業名と、調査・委託費を4事業に修正して執行しています。その修正した事業のうち、二つの事業は未執行です。これらの予算は必要がないと、私たちが減額修正を求めたものです。警大等跡地の調査をめぐっては、昨年度も丸投げが指摘されています。今回の監査委員の指摘は当然です。指摘どおりに今後はやめるべきです。見解をお聞きします。
 私たちは、新年度の当初予算内示のとき、まちづくり関連をはじめとした調査・委託費が計上されていることに対し、復活要求の中で、警大等跡地や中野駅地区など約2億円ほどの不要不急と思われる調査費の減額を要求しました。改めて予算計上をやめるよう求めます。見解をお聞きします。
 都区財政調整協議についてお聞きします。
 2月9日に開かれた区の財政制度調査特別委員会へ、都区財調5項目の課題が報告されました。都からの提案について、2月8日付朝日新聞に、「妥協できる見通しが出た」という区長会会長のコメントがありましたので、委員会でただしたところ、区長会が話し合った方向ではないこと、大都市事務の解決なくして主要5課題の解決はなく、区長も安易な決着はしないと言っている、今後も議会への情報提供は適切に行いたいとの答弁でした。
 ところが、翌10日には区長会の臨時総会が開かれ、都区の役割分担や調整率の決着を先送りして、都の提案を受け入れることを確認し、夕方には課長会まで開かれ、説明が行われています。
 14日に開かれた臨時議長会では批判や不満の声が上がったとのことでしたが、16日の都区協議会において決定してしまいました。これは一体どうしたことでしょうか。議会に何の報告も相談もなく決めたことは重大です。
 都の協議が決裂した場合でも、通常の52%調整で交付金が交付されます。だからこそ決裂も辞さないとの表明があったのではなかったでしょうか。このような事態になったことの説明を求めます。
 都区の役割分担を明確にしないまま問題を先送りした上、12年度から17年度分の清掃関連や学校改築などの精算金として特別交付金200億円を受け取ることは、いわば新しく始める19年度協議に向けての手切れ金です。新たな協議の場というものもどのようになるのか。見通しは不明です。
 都の不当な姿勢に屈し、これで決着することは、これまでの区側の主張を弱め、新たな都市再編に進もうとする都の動きを許してしまうのではないか。調整率の引き上げは、都が示した54%か1%程度の上乗せで決着し、三位一体改革によって区が受けるマイナスの影響をさらに大きくしてしまうのではないかと危惧します。区民にとっても財源確保ができるかどうかの重大問題です。こうした問題を解決するために今後どのようにされるのか、区長の基本姿勢をお聞きします。
 教育行政についてお尋ねします。
 中野区には教育行政における区民参加に関する条例があります。これは中野区の教育委員準公選制が廃止されたことを契機として制定されたものです。今日この条例は制定の趣旨どおり生かされているでしょうか。教育委員会が、やよいと、みずのとう幼稚園を廃止し、民間の幼児総合施設に転換すると文教委員会に報告したのは10月17日。区立幼稚園保護者でつくっている「よつば会」に説明したのが10月28日でした。驚いた保護者の方々は、それから教育委員会交渉、区長や議会各会派への要請、さらに議会への陳情や、2万7,000を超える署名など、短期間の間に幼稚園の存続を求めるさまざまな活動に取り組んでこられました。文教委員会の傍聴も繰り返し行われましたが、教育委員会が区民に説明してからわずか3カ月後の今年1月31日、区長は計画を策定しました。計画決定後も、教育委員会の説明には納得がいかず、合意もないままです。
 この条例は、教育行政を推進するに当たっての区民参加の原則を確認し、もってよりよい教育の実現を図ることを目的としており、区民参加を促進するため、区民の自主的な活動を支援するとともに、区の機関が保有する情報を積極的に区民に提供し、その意思決定過程についても公開するよう努めなければならないとしています。一度もこの条例に基づく検討がありませんでした。
 今日、少子化が進み、幼児教育、保育の問題は、安心して子育てができる環境を整える課題として、これからの中野区にとっても極めて重要な問題です。しかし、そのことの協議もないまま、廃園ありきで、いきなり進めようとしています。このような大事な問題が行政の一方的な都合と判断で決められるのは間違いであり、この条例の主旨が生かされたとは到底思われず、教育委員会に責務を課した条例を明らかに無視したものと指摘せざるを得ません。教育委員会の見解をお聞きします。
 さらに、教育委員会のホームページには、こうした条例があることを知らせるという積極的な姿勢すら見られません。この制度の活性化について、区長は、自治を進めていく取り組みの成果であり、区民の意思が教育に反映されますよう周知に努めるとの立場を表明しています。改善が必要です。対応をお聞きします。
 区立図書館図書資料購入費の増額についてお聞きします。
 私は機会あるごとに図書資料購入費の増額を求めてきました。新年度予算を見ますと8,500万円で、今年度より1,000万円増額されています。最悪の平成14年の3,700万円と比べれば、4年間で4,800万円ふえてきましたので、繰り返し要求してきた効果が多少はあったかと思っています。しかし、教育委員会は、中央図書館の窓口サービスの委託と、七つの地域図書館の業務委託による財政効果を2億4,500万円と試算しました。その財政効果を、すべてと言わないまでも、図書資料購入費や、各種サービスの充実に充てられるのは、委託するときの区民や議会への説明に照らして当然です。図書館の魅力は、サービスの質の高さとともに、蔵書内容の豊かさと、更新する機会の多さが決定的です。改めて資料購入費の増額を強く求めたいと思います。いかがでしょうか。
 あわせて、視聴覚資料の購入に関してお聞きします。
 現在、視聴覚資料は区民からの受け入れはあるものの、図書館が購入することは停止したままです。そのため、CDは申し込んでも6カ月待ちという事態が起きています。中学生や高校生は区内の図書館で借りるのをあきらめて、杉並区や新宿、渋谷の図書館に出かけてCDを借りています。他の自治体から転入された人は、予算ゼロに驚いています。近くに地域図書館がありながら、他区の図書館へ行くというのでは残念なことです。
 私は03年の予算特別委員会でこの問題を取り上げて、改善を要求しました。図書館には視聴覚資料の充実を求める要望が区民から寄せられています。01年に文部科学大臣名で告示された公立図書館の運営上の望ましい基準でも、視聴覚資料の充実に努めるものとされています。中学生や高校生が図書館に通うことが楽しみになるよう、視聴覚資料の購入を復活させることを求めます。お答えください。
 教育環境の整備についてお聞きします。昨年10月に、中野区立小中学校再編計画がまとめられました。サブタイトルが「よりよい教育環境を目指して」となっています。そして、教育ビジョンには、「ゆとりあるスペース、自然や生き物とふれあい場、子どもたちが十分に体を動かせる運動施設を備えた学校が望まれる」と書かれています。大都市の中でもともと狭いスペースしか取れていないのに、学校を統合して子どもの数をふやせば、教育環境が悪くなるのは目に見えています。だから関係者は大変心配しています
 ところが、教育環境の改善をどのような手段で実現するのかという具体的なプランはどこにも示されていません。新年度予算で(仮称)区立学校校舎のあり方検討委員会の予算が計上されていますが、どのような検討をされるのか。具体的にお答えください。
 次に、特別教室の冷房化を求めることについてお聞きします。
 普通教室の冷房化が実現し、関係者から大変喜ばれています。ここ数年間の異常な暑さを考えれば、子どもたちに必要な対策をした決断だったと改めて思います。学校現場からは、特別教室の冷房化を実現してほしいという要求が強く出されています。普通教室は冷房が必要で特別教室は必要ないという理屈は成り立ちません。ぜひとも実現すべきと思いますが、どのようにお考えですか。お聞きします。
 子どもたちの体格が向上するとともに、教科書がB5サイズからA4サイズに変わるなど、大きな変化がありました。子どもたちが日常使う机や椅子は昔のサイズのままです。現場の先生方からせめて机や椅子を実情に合うものに変えてほしいとの声があります。見直しをするべき時期に来ていると思いますが、いかがですか。お聞きします。
 この項の最後に、給食の食器の改善を求めます。
 学校給食の食器をメラミン食器から強化磁器に更新してきましたが、財政事情を理由に凍結されたままになっています。給食で毎日使う食器が改善された学校と改善されない学校があり、そのまま放置されているのは問題です。当該の文教委員会でも繰り返し改善を求めていますが、改めて早急な改善を求めます。考えをお聞きします。
 次に、介護保険制度と障害者自立支援法についてお聞きします。
 介護の社会化は深刻な家族介護の実態を解決すると期待されましたが、利用すれば負担が家計に重くのしかかり、介護の必要性ではなく、幾ら払えるかで受けるサービス内容を決めざるを得ないという状況が起きています。この4月から新しく実施される介護保険制度は、自立自助を徹底したものになり、こうした状況に拍車をかけることが心配されます。区が利用料の負担を軽くし、サービス提供体制を整えることがますます重要になっています。
 新しく創設される地域支援事業は、現在、国の補助事業で行われている紙おむつ、機能向上、配食サービス、訪問指導、相談などの介護予防地域支え合い事業と、区の独自事業を再編したものです。再編することにより、国はこれまでの国庫負担金を削減してくるため、自治体や住民の介護保険料にはね返るとか、充実しても値上げになるという問題を抱えてしまいました。無料だった保健・福祉サービスに利用料が必要になるのではないかとの不安があります。
 一方、介護保険サービスだけでは地域の高齢者生活を支えるには不十分で、独自の福祉事業がますます重要になります。新年度予算案には、介護・保健・福祉に必要なサービスとして、これまでのように1年間の必要額を見込んでいます。区民に負担を転嫁せず、区の責任を果たす立場を堅持し、基本的にはこれまでのように新たな負担が生じないようにすべきです。区の見解をお聞きします。
 地域包括支援センターについて二点お聞きします。
 介護保険制度になってから、介護サービスの提供から撤退するだけでなく、高齢者に関する相談、助言、訪問活動などもケアマネに丸投げし、高齢者の保健福祉に対する公的責任を放棄する自治体が多くなったため、地域における高齢者の生活を支える体制も再構築をする必要に迫られ、地域包括支援センターが設置されました。
 このセンターは直営を原則にしていますが、中野区は1カ所だけ直営にし、ほかは委託の道を選びました。センターは担当する地域において要介護認定の申請、軽度者のケアプランの作成・点検などのすべてにかかわる、地域の福祉・医療・介護の連携の拠点になります。さらに、要介護認定の代行は、介護施設から原則として地域包括支援センターになることで、申請手続が難しくなり、介護サービスの利用を抑制してはいけません。そのためには、しっかりした運営ができる地域包括支援センター運営協議会の役割が重要です。運営協議会がその役割を果たせるよう、民主的な運営に努めるべきです。いかがですか。
 センターは、二、三万人に1カ所の設置としています。中野では10カ所程度ということになりますが、介護保険運営協議会答申では、面積が狭く、8カ所が適切としています。1カ所の新予防給付対象者見込みは350人から500人、介護予防対象者は200人から250人です。今でもケアマネの50人は多いと言われているのですから、センターの3人では大変になることが予想されます。
 そこで、地域高齢者の様子を把握して活動するためには、住民からの相談を受けて集約し、包括センターにつなぐ窓口としての支所のようなものの設置と、各センターが住民を細やかに支えるために、センターごとの運営協議会の設置が望ましいと思います。その他改善に取り組んでいただきたいと思います。お答えください。
 4月から新しくなる障害者自立支援法の実施に当たってお聞きします。
 3年前に障害者支援費制度が実施され、落ち着いてきたかと思うと、今度は自立支援法です。私の質問は、準備上で心配されていることについてお聞きし、詳しくは明日、池田議員が行います。
 まず、制度の説明、手続の仕方、相談についてです。
 私の知り合いから、障害者施設に入所している娘の国保加入を施設のある自治体に移してほしいと言われたと電話がありました。国保担当では、そのような指導はしていない、自立支援法による所得調べに関することではないかということで、中部保健福祉センターに問い合わせ、そのとおりだということがわかりました。短期間で多くのことを進めなければならず、当事者も職員も困惑しています。ましてや省令はまだ明らかにされていませんから、毎日多くの相談があり、職員も目が回るようだと聞きます。
 現在の支援費利用者は4月から9月まではみなし扱いでサービスを受けられますが、そのための申請が必要です。申請しなかったということがないようにすることが重要です。周知だけでなく、一人一人がどうなっているかまで気を配り、不利な申請が起きないようにすべきです。いかがですか。
 サービスを受けるためには、本人の必要度とは別に、障害程度区分を決め、それによって受けることのできる支援の内容と量が決まります。なれ親しんだ施設が利用できなくなる、必要な量のホームヘルパーが活用できなくなるといったことが起きる可能性があり、個々の支給決定が必要度に応じたものであるか、きちんとはかられなければなりません。
 そのためには、審査会の構成が重要です。制度全体に適切な専門的知識を持ち、かつ、障害者の立場に立てる複数の人たちにメンバーになってもらうこと、二次審査には、必要に応じて当事者意見が反映できるような仕組み、例えば当事者意見の聴取の機会を設けることが必要と思います。以上の二点についてお答えください。
 その他の項で二点お聞きします。
 東大海洋研究所移転についてお聞きします。
 平成17年修正の中野区地域防災計画では、東大附属中学校一帯に防災公園を整備すると計画しています。東大海洋研究所の移転がなかなか進まないまま時期が過ぎています。そうした中で、東大側から土地の処分についての動きがあったと伝わってきました。10か年計画では、海洋研究所跡などの利用計画がありません。しかし、この計画は長年の懸案であり、跡地取得は全体の合意事項となっています。防災公園の整備のために移転後の跡地を確保する姿勢を明確にすべきです。いかがですか。
 次に、本郷通り歩道改善についてお聞きします。
 1月21日に降った雪は、思いのほか積もりました。その日の夜に開かれた地域の新年会で、本郷通りの歩道が狭く、車道につながる歩道の傾斜が大きく、滑りやすくて危ないので何とかしてほしいと訴えられました。
 本郷通り沿道には私立幼稚園、小学校、民間の障害者施設、区立保育園などがあり、障害者や高齢者の方、保育園に急ぐお母さんからも、歩道の改善ができないかと言われています。将来の道路拡幅計画に合わせるというのではなく、早急に改善に取り組んでいただきたいと思います。
 以上の2点についてお答えください。
 以上で私の質問を終わります。
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 岩永議員の御質問にお答えをいたします。
 まず、国の政治の関係で、社会保障その他についての御質問がありました。急激な人口構成の変化によりまして、日本ではこのままでは社会保障制度を維持することができなくなっていくだろうということであります。持続可能な安定した社会保障制度を築くためには、新たな経済の活力を高めるとともに、負担と給付のあり方について適切な見直しを行うことが必要と考えているところであります。
 規制緩和についての考え方ということであります。規制緩和は、民間の自由で多様な活動によりまして、暮らしのニーズに合ったサービスをふやし、経済を安定的に成長させる上で必要であると考えております。社会の活力や経済の活性化を考えれば、努力する人が報われることは健全な社会のあり方であると考えているところであります。努力の機会や成果の分配が公平であるということが必要だというふうに考えます。一方で、支援が必要となった人に対して適切なセーフティネットが必要である、このこともまた重要であります。
 所信表明に関連をいたしまして、基金の積み立てについての御質問がありました。施設設備の維持補修や更新でありますとか、退職手当の引当など、単年度予算にあらわれない支出要因というものは必ず存在するわけであります。また、経済の変動の中、年度による税収の増減、これも必ず生じるものであります。こうしたことに対して適切な基金の積み立てが行われないことが、これまで政府部門の財政悪化の最大の要因となってきました。基金の積み立ては、自治体を取り巻く経済情勢が依然厳しい現在、区政の持続と新たな施策展開、このために欠くことのできないものであると考えております。
 平成18年度は、区の総合的なまちづくり事業に対応するために、まちづくり基金、また、計画的な道路・公園施設の改良が行われるように、道路・公園整備基金を創設したいと考えております。これらは安全で快適なまちづくりにとって必要な基金であるというふうに考えているところであります。今後とも基金の適正な水準を実現し、維持したいというふうに考えております。
 中野駅周辺のまちづくりに関連しての御意見もありましたが、中野のにぎわいの核として、このまちづくりを整備することによりまして、区全体の産業、商業、文化を活性化することにつながり、区民や区内事業者の暮らしを支え、豊かにしていくために、欠くことのできない取り組みであると考えているところであります。
 区民参加や職員の参加についての御意見もありました。区民意見交換会で区民の皆様からいただいた御意見については真摯に受けとめ、総合的な判断のもと、着実に施策に反映をしてきたところであります。そのままには取り入れられなかったといった御意見についても区の考え方を明らかにし、説明責任を果たしてまいりました。職員については、目標を掲げ、その達成を目指して働き、成果が適正に評価されることによって、区政運営への参加の達成感が得られ、士気も高まっていくものと考えているところであります。
 「九条の会」という団体の催しへの後援名義使用の件についての御質問がありました。憲法改正問題については、日本という国の形のあり方をめぐる国政の重要な課題であると認識をしているところであります。さまざまな立場からのさまざまな議論が活発に行われることが大事だと考えているところであります。憲法のある部分の内容をとらえて、一定の主張をするための会の催しに対して、区の立場でその趣旨に賛同したり、あるいは後援したりするというのは適切ではないと考えているところであります。
 それから、政党の中で憲法改正草案が出てきた、私の考えと比べてどうかという御質問がありました。御指摘のあった政党の中で行われている議論の中での一つの案に対しまして、私が論評する立場にはないと考えております。私の考えはあくまでも私の考えでありまして、他の考えと比較をしようとは思っておりません。
 それから、10か年計画の区民合意についてということであります。10か年計画につきましては、検討素材の段階や、計画素案、また改定素案のそれぞれの検討段階において議会や区民に対してお示しをし、十分な意見交換を重ねてきたところであります。また、パブリック・コメントの手続も行った上で策定をいたしました。
 今後、計画は、目標と成果の達成状況を十分に検証しながら進めていくこととしているところでありまして、そうした検証に当たって、区民や議会とも十分に意見交換を行っていくこととしていきたいと考えているところであります。
 地域センターを現行どおりにすべきだという御意見でありました。地域センターを地域住民の活動の拠点とするために、10か年計画に基づいて、(仮称)区民活動センター、これへの転換を着実に進めていきたいと考えております。地域センターで行っている窓口サービス機能については、区民の方の利便性を確保しながら集約化を進め、小さな区役所の実現を目指していきたいと考えているところであります。
 17年度都区財政調整で再算定された交付金の活用についての御意見もありました。基金の必要性についてはさきに述べたとおりであります。再算定された交付金につきましても、今回の補正予算で定めたとおり対応していきたいと考えております。
 それから、子育て支援策の拡充ということで、子ども医療費の助成の拡大をという御意見でありました。医療費にあっては、特に小学生が入院した場合の経済的、精神的負担などが重い状況にあるとの認識のもとに、子ども医療費助成を制度化したものであります。現時点では通院への拡大や年齢の拡大は考えておりません。
 食事代については、どなたであっても日常的に支出する経費であるということでありますので、これの助成を行うという考えはありません。
 それから、駅周辺等のまちづくりの調査費に関連しての御意見がありました。まず、17年度の監査で御意見のあったところであります。16年度の委託調査に関連する部分であります。まちづくり調査を行うに当たっては、まちづくりの検討の段階や状況に応じて、必要不可欠なものについて実施をしているところであります。御指摘のありました調査の執行方法の変更については、予算の趣旨を損なうものではなく、所期の事業目的を達成する上で必要な対応であったと考えているところであります。
 また、平成18年度予算案について予定をしている調査についての御意見もありました。平成18年度予算案において予定をしています調査については、地域の現況把握や課題の整理、まちづくりの方針や計画案の検討など、まちづくりを進める上での基本となるものであって、効果的かつ効率的に執行をしていきたいと考えております。
 区長会における財調主要5課題の決着についても御質問がありました。協議の最終段階で会長に一任したということについては、機会をとらえて議会にも報告をしてきたところであります。この主要5課題については、区長会としても断固とした立場で交渉に臨んできました。しかし、都区の認識の違いは大きく、その溝を埋めるには至らなかったものであります。
 私も、2月10日の区長会では、区側の基本的立場を貫いた決着であるべきだという立場から、交渉に当たった正副会長に経過をただしたところであります。三位一体改革の影響について、その協議の過程で都側の譲歩が見られたという経過があり、これを一つの成果としてかためておくべきだという判断があったということであります。
 また、都議会を含め、関係者のぎりぎりの努力の結果がここの時点で来たわけでありますので、一定の決着の形は必要であるということについて、交渉経過を踏まえてきた会長の判断であります。さきに申し上げましたように、協議の最終段階では会長に一任をしたという経過もあるわけでありまして、そうした会長の判断については私どもも了とせざるを得ないと考えたところであります。
 しかしながら、依然として区を都の内部機関とみなすかのような都の認識については、強い不満を持っているところでありまして、今後、大都市事務の課題等を、都区共同の組織で検討する中で、区側の考えを強く主張していきたいと考えているところであります。
 私からは以上であります。その他についてはそれぞれ担当の部長の方からお答えをいたします。
  〔教育委員会事務局次長金野晃登壇〕
○教育委員会事務局次長(金野晃) 教育行政に関する質問にお答えいたします。
 まず、区立幼稚園の問題に関して、教育行政における区民参加に関する条例が形骸化しているのではないかというお尋ねでございます。
 区立幼稚園の配置の見直しにつきましては、基本構想と10か年計画の策定作業の中で、それぞれの段階で、教育委員会としても、区全体としても意見交換を行ってきたところでございます。昨年の10月に10か年計画改定素案の中で具体的な園名をお示しした後には、教育委員会として保護者との意見交換会、また教育委員との対話集会を実施してまいりました。
 この改定素案を示した後に、10か年計画全体の策定作業の中でも区民との意見交換会が行われ、パブリック・コメントの手続が踏まれてまいりましたが、この中でも区立幼稚園のあり方について多くの区民の意見をいただいてきたところでございます。こうしたことから、中野区の教育行政における区民参加に関する条例に沿って進められてきたものと考えております。
 次に、教育委員会のホームページで、この条例などが見にくいのではないかというようなお尋ねでございます。教育委員会のホームページでは、トップの例規・要綱通知集というところから条例を検索、閲覧できるようになっております。教育委員会のホームページ全体をわかりやすく使いやすいものに改善していきたいと考えております。
 次に、図書館の図書資料等の購入予算についてのお尋ねでございます。図書館の図書資料購入費につきましては、毎年増額を図ってまいりました。今後も図書などの資料の充実に努めてまいりたいと思います。
 また、視聴覚資料の購入についてお尋ねがございました。視聴覚資料につきましては、視聴覚資料の媒体ですとか、提供方式の多様化など、状況が変化してきております。そうした状況の変化を踏まえて今後のあり方を検討しているところでございます。
 次に、教育環境の整備について何点かお尋ねがございました。
 まず、区立学校校舎のあり方検討委員会、来年度、どういう検討を考えるのかということでございます。この検討は、小・中学校再編に伴う校舎の全面改築に向けて、望ましい校舎のあり方、機能や役割などを調査・検討する予定にしているものでございます。
 次に、特別教室の冷暖房についてのお尋ねでございます。特別教室につきましては、音楽室、図書室、それからコンピュータ室等の教室には、既に冷暖房装置を設置しております。そのほか、特別教室の中でも騒音の対策の点、または通風が悪いなど、特別な事情がある場合については対応を図っているところでございます。特別教室をすべて冷暖房化することは、現状では考えていないところでございます。
 次に、児童・生徒用の机、椅子の買いかえについてのお尋ねでございます。児童・生徒用の机、椅子の買いかえに当たりましては、子どもの体格などを考慮して対応してきております。今後も子どもの体格などを十分考慮して、適切な机や椅子を整備していきたいというように考えております。
 次に、給食用の食器についてのお尋ねでございます。学校給食の食器につきましては、現在、小・中学校27校で強化磁器を導入しており、残りの16校はメラミン食器で対応しているという状況でございます。このメラミン食器につきましては、平成16年度にすべて新しい物に買いかえを行ったところでございます。当分の間はこれを使用してまいりたいと思います。
    〔保健福祉部長菅野泰一登壇〕
○保健福祉部長(菅野泰一) 介護保険制度につきまして、地域支援事業の利用者負担の御質問がございました。地域支援事業のうち、介護予防特定高齢者事業につきましては、介護保険の新予防給付と同様の事業でございまして、利用者には1割の自己負担をお願いすることとしております。
 そのほか、18年度において既存事業から地域支援事業の移行に伴います負担の内容に変更はございません。
 それから、地域包括支援センターでございますが、運営協議会の運営につきまして御質問がございました。国の定める基準におきましては、介護保険サービス事業者を地域包括支援センター運営協議会の構成メンバーとすることとされております。また、中野区地域包括支援センター運営協議会設置要綱の中で、判定の案件につきまして、利害関係のある委員につきましては退席を求めるということができる旨の規定を設けており、公正な議事の運営が図れると考えているところでございます。
 それから、地域包括支援センターの評価基準につきましては、地域包括支援センター運営協議会に諮りながら決めていきますけれども、地域包括支援センターの活動内容が十分反映でき、制度の趣旨に沿った福祉の地域振興が進むようなものにしてまいりたいというふうに考えております。
 それから、地域包括支援センターの数、それから運営協議会の数でございますが、国の基準では人口二、三万人に1カ所設置するとされておりますけれども、中野区は人口密度が高いため、平成18年度は8カ所の体制でスタートいたします。これで十分かどうかにつきましては、今後、実施状況を見ながら考えてまいりたいと思います。
 それから、地域包括支援センター運営協議会でございますが、地域包括支援センターの選定、変更、運営の評価等の協議を行うため、保健所単位に設置するものでございまして、各地域包括支援センターごとに運営協議会を設置するということは考えてございません。
 それから、障害者自立支援法につきまして、幾つか質問がございました。
 地域生活支援事業の利用者負担でありますが、地域包括支援事業の利用者負担につきましては、国の示す指針やサービスの内容、それから、提供形態などを勘案しながら、今後検討してまいりたいと思います。
 それから、申請手続の周知徹底と、相談など、きめ細かく対応してほしいということでございます。現在、サービスを利用しています区民に対しましては、全員、郵送によりまして、手続の御案内を送付したところでございます。また、法制度改正のあらましや手続につきましては、区報、ホームページに掲載したほか、地域での区民説明会を3回にわたり実施いたしました。
 申請状況の確認については随時行いまして、未手続の方につきましては、個別に区から電話連絡いたしまして御相談に応じるなど、漏れのないよう、きめ細かく対応しているところでございます。
 それから、障害程度区分の審査会につきましてでございます。審査会の委員につきましては、障害者の実情に通じた、障害保健福祉の学識経験を有し、中立かつ公平な立場で審査・判定の行える方を選任してまいりたいと思います。また、身体障害、知的障害、精神障害の各分野の均衡に配慮した構成となるよう考えてまいります。
 審査会は、区のサービス支給につきまして意見を求められた場合、関係機関とか、障害者、その家族、医師等に意見を聞くことができるということになっておりまして、当事者の意見も十分反映できるというふうに考えています。
    〔都市整備部長石井正行登壇〕
○都市整備部長(石井正行) 私からその他の項で2点お答えを申し上げたいと思います。
 初めに、南部防災公園の整備につきましてでございます。これにつきましては、昨年末、東京大学から、海洋研究所移転計画の具体化を図るため、跡地の取得について打診がありました。区といたしましては、今後、防災公園の整備のあり方につきまして検討しながら、東京大学とも十分協議をしてまいりたいと考えております。
 それから、本郷通りの歩道の改善についての御質問がございました。この本郷通りの歩道につきましては、来年度に測量などの現況調査を行い、改善手法を検討した上で、順次整備をしていくこととなってございます。
     〔岩永しほ子議員登壇〕
○31番(岩永しほ子) 再質問をさせていただきます。調査委託費につきましては、監査委員会の指摘というのはぜひ真摯に受けとめていただくべきではないかというふうに思いますが、時間がありませんので、二点だけお尋ねをします。
 一点は、乳幼児医療費、子ども医療費です。そうしますと、拡大の考えはないということになりますと、区としてはこのままでこれを進めていく。今はそういうことを考える状況にはないと、そういう必要はないという、そういう立場で徹底するんでしょうか。今の状況を見てみますと、とにかくこの制度が求められているということは、区としても否定できない状況になってきていると思います。今後どうしていくのかという検討などに入っていくべきではないかと思いますので、もう一度このことについてお答えください。
 それから、教育委員会の教育行政参加条例ですが、パブリック・コメントで意見をもらったということなどを出されていますけれども、教育委員会のホームページを見ても明らかで、パブリック・コメントとの扱いは別になっています。ですから私はお尋ねをしているのであって、この条例に基づいてどうしたのかということをお尋ねしたんですが、先ほどのような答弁というのは大変残念です。
 再質問は、この改善です。条例を閲覧するということは、条例があるということを知っていなければそこにたどり着けないんです。周知に努めるというのは、知らない人が、そういうことがある、自分たちにそういう場が保障されているということをまず知る、そういうことまで含んでいるはずです。ですから、条例をクリックしなければわからないというのではなく、ホームページの表紙のところにこういうものがありますよということがわかるような改善が必要だと思ってお尋ねをしておりますので、再度お答えをください。
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長〔田中大輔〕 再質問にお答えいたします。
 子ども医療費の関連の再質問でございますが、子育て支援についての考え方ということをお尋ねになりたいのかなというふうに思いました。子育て支援については、次世代育成支援計画でありますとか、それから、10か年計画におきましても、元気いっぱい子育て戦略という中で、戦略的に取り組んでいかなければならない課題だというふうに考えております。子育ての過程でさまざまに生じる支援が必要な状態、そうしたことに対して幅広くさまざまな施策を工夫して、実施をしていきたいというふうに考えているところであります。
  〔教育委員会事務局次長金野晃登壇〕
○教育委員会事務局次長(金野晃) 教育行政における区民参加に関する条例でございますが、この条例は個々の制度を定めたものではなくて、教育行政における区民参加の重要性、また区民参加の原則を述べたものでございます。そうしたことから、さまざまな形で取り組んできたということで、この条例に沿った進め方をしてきたものというふうに思っております。
 また、ホームページでこういう条例があることがわかりやすいようにということでございますが、ホームページにつきましては、その内容がわかりやすいように、また、そこにたどり着きやすいように、さまざまな形で検討しておりますので、その中で考えていきたいと思います。
○議長(高橋ちあき) 以上で岩永しほ子議員の質問は終わります。
 議事の都合により、暫時休憩いたします。
      午後2時56分休憩

      午後3時21分開議
○副議長(江口済三郎) 会議を再開いたします。
 この際申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。
 一般質問を続行いたします。

 中野区議会議員 大 泉 正 勝
 1 施政方針説明について
 2 財政運営について
 3 教育問題について
 4 産業振興について
 5 その他

○副議長(江口済三郎) 次に、大泉正勝議員。
      〔大泉正勝議員登壇〕
○36番(大泉正勝) 平成18年第1回定例会に当たり、公明党の立場から一般質問を行います。質問は、施政方針について、教育問題について、財政問題について、最後に産業振興についての順番で行います。
 なお、公明党から私の後にこしみず議員、そして久保りか議員が、地元鷺宮駅周辺のまちづくりと地域センターの課題について質問する予定になっております。久保議員の質問はテレビ放映されませんので、ここで紹介だけさせていただきたいと思います。
 それでは、質問に入ります。最初に、施政方針説明について、八点、質問をいたします。
 施政方針説明の経営改革の項で「引き続き改革をリードし続ける存在でありたいと考えています」としていますが、これはこの6月に行われる予定の区長選に対する意欲の表明と考えていいのかどうか、お伺いをいたします。
 また、関連して、施政方針でお述べになった18年度予算案の性格について伺います。18年度予算案については既に内示を受け、また、議案も送付を受けています。だれの目にも本格的な予算であることは明らかであります。本格的でない予算案という言葉があるのかどうかは別にして、かつて区長選挙を控えた年度の予算案については、骨格予算として予算案を編成して、選挙後、補正によって予算を詳細化するということがあったと記憶いたしております。
 当時、骨格予算としての提案は、選挙による区長の交代の可能性に対する誠実な取り組みとして言われていました。これに対しては、一方では区民福祉の維持向上の観点からは、予算案は当然本格予算であるべきだという考えも示されています。
 そこで伺います。平成18年度予算案を本格的なものとして編成し、提案されたことについての、区長のお考えを伺います。お答えが区長選挙にわたるものとしても、遠慮なくお答えいただきたいと思います。
 次に、都区の財政調整制度について、まず区と都が対等な関係において、おのおのの事務配分と持つべき財源について検討し議論することの必要性をお述べになっていますが、国全体の分権改革のあり方を視野に入れた本格的かつ根本的な議論とは、いかなる内容を想定しての発言でしょうか。区長の見解をお尋ねいたします。
 新たな23区のあり方を暗示している部分や、自治の枠組みなどの言葉もありました。そして、議会と一体となって取り組んでまいるとの表明をされましたが、具体的にどのように議会と一体で取り組むのでしょうか。区長の明快なお答えを伺います。
 次に、10か年計画の推進の項があります。このことについてお伺いをいたします。
 区民生活に大きな影響のある四つの課題について戦略をまとめ、中野のまちからこれらの課題を解決し、日本の社会の流れを変えるとしていますが、その決意はともかく、中野区の発展の可能性を秘める警察大学校等跡地について、さまざまな憶測的情報が流れているようです。私は、道路、公園などの都市基盤整備はやはり地方公共団体の仕事であると考えております。処分の価格や補助金など、地方公共団体であるがゆえの優遇も考えられます。
 かねて会派として主張しているように、2ヘクタール程度の都市計画公園の用地取得と道路等の基盤整備については開発者負担から切り離し、都市環境整備の部分で開発者負担を求めるなど、柔軟な手法の採用を図るべきであると考えますが、いかがでしょうか。お答えいただきたいと思います。国の考え、財務省との交渉を踏まえて、今後の事業推進の見通しについてもお答えください。
 次に、子どもたちの安全について、地域ぐるみの取り組みを支援する中野区としての施策の中で、相変わらず経費増につながるとして、人的配置や取り組みについては否定的です。本気で子どもたちの安全を考え、図るとするのであれば、人的配置についても実施を開始すべきではないでしょうか。なぜ予算化されなかったのか、お伺いをいたします。
 最近の新聞では、他区の18年度の事業についてさまざま報道されています。いずれも思い切った事業展開を図る内容であります。23区間格差が言われていますが、寂しさがないではありません。
 2年前の施政方針説明では、区長は、「各部門の長が執行上のさまざまな工夫や見直しを行い、予算枠が縮小する中にあっても、新規事業や拡充事業の創出に積極的に努めました」とお述べになりました。
 今年の方針では、18年度から3か年は財政安定化期間とすることから、「新規事業や大型事業の実施については慎重に取り扱う」と方針説明されました。「積極的に努めた」と「慎重に取り扱う」では差があり過ぎます。今年は10か年計画を策定し、さあ、新しい中野区がスタートすると思いきや、そうでもなさそうかなとの区民の声に、思わずうなずきそうであります。
 財政構造の面から理解はするものの、住み続けたい、選びたいと言われる中野区を本当につくってくれるのかどうか。区長の御見解、抱負、決意、目算などをお答えいただき、施政方針説明についての質問を終わります。
 次に、教育問題についてお伺いをいたします。
 中野区行政の長期にわたる重要課題の一つは教育です。その中でも小・中学校の再編問題は計画策定の段階から実施の段階を迎えています。今後は子どもたちにとってよりよい学校教育の環境を整えることにつながる再編とするための決意と取り組みが求められています。
 我が会派は、教育問題については格別の思いを持っております。次の課題は、義務教育期間と、それにつながる幼児教育の問題であることは明らかです。幼児教育の問題は、子育て支援というよりは、人間形成過程にあって最も重要と言われる幼児期の教育を、さらに、乳児期からの対応により、子どもの成長発達の過程を切れ目なく取り扱おうとするもので、当然と言えば当然の取り組みと言えます。
 昨今は、小学校1年生の問題、いわゆる小1問題により、幼小の連携と幼保一元の問題として語られることが多いのですが、事の本質は、人を育てるという観点に立っての取り組みが喫緊の課題となっているということです。
 先日、我が党の語り部を初め、何人かの会派の同僚が、武蔵村山市にある村山中藤保育園に視察に行ってまいりました。ある同僚は目からうろこの思いがしたと、自身の子育てを反省をいたしておりました。同園の保育の考えは、乳児期には保育所保育指針に沿ってこの育ちを重要に考え、そしてそれを土台に、幼児期には幼稚園教育要領も併用して保育を行うといった考えです。
 中野区では、区立の二つの幼稚園を幼児総合施設へと転換する計画が、10か年計画に記載をされています。この計画をめぐって12本の陳情が議会に提出され、審査が行われて今日に至っております。ようやく一定の結論が示されようとしていますが、この際、幾つかの観点から質問をいたしておきます。
 3年間の区政の到達点が新しい基本構想と10か年計画です。さて、その中で幼児教育にかかわった成果指標と目標値についてはどのように示されているのでしょうか。
 既に述べましたように、子どもの発達に沿って保育指針から教育要領の併用は自然の流れです。当然、成果指標と目標値もこの流れに沿うべきであります。しかし、あるのは保育にかかるものばかりで、幼児教育にかかわるものは見当たりません。幼児総合施設への流れを踏まえるとき、これは適当ではないとの指摘にいかがお答えになるでしょうか。お答えいただきたいと思います。
次に、需要充足による幼稚園の廃園という問題についてお伺いをいたします。
 10か年計画は、「区全体を見ると就園事業は満たされた状態にあります。区としては、公立、私立、幼稚園、保育園を問わず、幼児教育全体の質の向上を図っていきます。この考えに立って区立幼稚園2園を、保護者の就労の有無等にかかわらず、多様なニーズに応じた幼児教育・保育の機会の提供、子育て家庭への相談支援、乳幼児親子の交流の場の提供などを行う幼児総合施設へと、民間活力を活用して転換していきます」と訂正をいたしました。
 この記述からは、幼稚園が余ってきたから幼児総合施設に転換するとの考えは伝わってこないのではないでしょうか。むしろ幼児教育の質の向上を図る上から必要とされる、一貫した乳幼児の保育と教育の具体的内容を構築するために、先導的に取り組む事業としての転換のイメージが強いのではないでしょうか。
 役割論による区立幼稚園の廃園認識にけりをつけて、21世紀に必要な幼児教育の質の確保を目指す取り組みとして、区立幼稚園の転換を位置付けるべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。異例ではありますが、設置者ということから、区長のお考えを伺います。
 そのためには、(仮称)「中野区幼児教育・保育の基本について」とでも言うべき指針の策定が不可欠です。保育園、幼稚園、幼児総合施設、さらには公立と私立などの施設間の配置と、乳児保育・幼児教育へのかかわりや、質の充実・向上プログラムが明らかに示されてこそ、安心して将来の施設転換の説明を受け入れることができるのではないでしょうか。
 どのような組織や顔ぶれであるかは今後の検討に任せるとしても、10か年計画で実施されるという幼児教育・保育推進プログラムの中身を示す(仮称)「中野区乳幼児教育・保育の基本について」を、教育委員会が中心になって策定すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 少なくとも現在、区立幼稚園の事務の一部は区長部局へ補助執行とされているのであって、委任ではないこと、また、教育要領という委任するに適当かどうかについては一考を要するものも含む内容が、今後、区長部局を中心として検討されることが果たして適当であるのか等を勘案すると、区立幼稚園の転換プロセスは慎重に検討されるべきだと思います。
 その意味で、最終段階の10か年計画の記述の変更は極めて重いものがあり、入園募集の停止をまず想定して検討に入ることは適当でない状況だと思います。どのような転換手法が望ましいかは、どのような総合施設を目指すかで変わってまいります。予断を持っての取り組みではなく、十分な検討が行える立場であることが必要であると思います。お考えを伺います。
 また、区の計画で2カ所の設置を言うのであれば、設置主体が区なのか、それとも民間なのか、運営での民間活力を生かす方策はどうなのか。固定的観念ではなく、幅広い検討に取り組むべきであると考えますが、いかがでしょうか。
 現在の文部科学省の想定している幼児総合施設については、所管の初等中等教育局幼児教育課によれば、現段階の検討では、3月には閣議決定を受け、通常国会に、就学前の子どもに関する教育保育等の総合的な提供の推進に関する法律などの関連法案を提出するとしています。
 制度の枠組みについては、現段階では、就学前の子どもに幼児教育・保育を提供する機能、及び地域における子育て支援を行う機能を備える施設を、都道府県知事、一定の場合においては都道府県の教育委員会が、「認定子ども園」として認定するものとされています。職員配置など、国が定める指針を参酌して、都道府県が条例で設定する認定基準に合致するものになるようです。
 施設対象の類型は、幼稚園と保育園が連携して一体的な運営を行うことで「認定子ども園」としての機能を果たす幼保連携型、幼稚園が機能を拡充させることで「認定子ども園」としての機能を果たすタイプの幼稚園型、保育園が機能を拡充させることで「認定子ども園」としての機能を果たすタイプの保育所型、そして、幼稚園・保育所のいずれの認可もないが、地域の教育・保育施設が「認定子ども園」としての機能を果たすタイプの地方裁量型の4種類です。
 注意すべきは、「認定子ども園」は幼稚園でも保育所でもない、第三の施設類型ではなく、果たすべき機能に着目し、幼稚園や保育所等がその性格を保持したまま認定を受ける仕組みであるため、国はこの4類型に応じて、現行の補助制度に基づき財政措置をするとしていることであります。
 その内容は、「認定子ども園」の認定を受けた施設については、学校法人、社会福祉法人を問わず、経常経費及び施設整備費を助成するとともに、保育所の定員規制を、定員10人でも認可可能としていること、保育所の利用は直接契約によることとし、利用料も基本的に施設で決定するスキームを考えているようです。
 そこで伺います。中野区の考えている幼児総合施設は、国制度に準じて検討されているのでしょうか。類型ではどのタイプを想定しているのでしょうか。お伺いをいたします。
 国の幼児総合施設についての検討内容を踏まえると、幼小の連携について、地域の小学校との連携や第三施設でないこと、地域裁量型の場合、経費は一般財源で対応とされていることなどから、既に申し上げたような検討を改めてすべきでないかと考えますが、いかがでしょうか。答弁を求め、この項の質問を終わります。
 次に、財政運営について、特に東京都及び国との制度の問題について、策定された10か年計画の第4章「持続可能な行財政運営のために」の財政フレームの問題と絡めてお伺いをいたします。
 10か年計画では、財政フレームの策定の前提条件として、三位一体改革による税源移譲を19年度から見込んでいます。案の段階では20年度からとしていました。時期のずれだけではなく、額も変更されています。
 すなわち、計画における平成19年度から21年度までの特別区税の額は、案と比べると、およそ70億円低い額になっています。平成22年度から26年度では、その差はおよそ180億円に達しようとしています。合計すると10か年でおおむね250億円近い下方修正になっています。
 そこで伺います。この下方修正を行った理由は何でしょうか。計算違いかと思われるような額ですので、フレームという性格を踏まえてはいますが、踏み込んでお答えください。
 また、この下方修正により10か年計画はどのような影響を受けたとお考えでしょうか。状況によっては、かつての長期計画のような財政上の問題が懸念されないとも限りません。財政フレームを踏まえて、計画上で対処したことについてを含めて、区長の御見解を伺います。
 財政フレーム策定の前提条件では、次のような記述もあります。「特別区交付金については、主要5課題の協議が整っていないため、伸び率を0%としました」というものです。計画は、案よりも特別区交付金については増額しています。18年度当初予算額と整合を取っているのは当然のことですが、その額は19年から3年間でおよそ46億円の増額になっています。また、22年度から26年度では、およそ76億円余の増額で、合計でおおむね122億円の上方修正となっております。
 しかし、これでも特別区民税の下方修正分を相殺することはできません。そのため、一般財源ベースの財政フレームは、計画では案と比べて、19年度からの3年間では57億円の減額、22年度から26年度では167億円余の減額になり、合計で220億円に達する下方修正になっています。
 すなわち、10か年計画は、今回調整したとされる東京都との主要5課題にかかる問題がどのように決着するかが、その達成の大きなかぎを握っていたということになります。また、10か年計画だけではなく、中野区にとって持続可能な行財政運営のためには、主要5課題が特別区として主張する内容で決着を見ることが不可欠であったと思われます。この点に対して区長はいかがお考えでしょうか。
 しかも、都と特別区の財源配分などについては、特別区にとっては当然の内容を主張していること、自治体間の信義に基づいて主張していることは当然であり、その意味では東京都のこの問題に対する対応は不誠実極まりないと言わざるを得ません。これまでの交渉過程と今後の対応について、区長の御見解をお尋ねいたします。
 財政フレームの三点目は、歳出です。
 フレーム策定の前提で変更されているのは、生活保護費などの扶助費について、補助事業分の伸びを6%から5%に下方修正したことだけで、ほかにはありません。そこでお伺いをいたします。この下方修正の理由は何でしょうか。
 19年度から3か年、及び22年度から26年度の下方修正額は、当然、さきに申し上げた歳入額と同額です。扶助費の補助事業分の修正だけでは吸収できるものではありません。新規・拡充経費では、19年度から3か年で、案からの修正は500万円の増加になっていて、計画されている事業にはほとんど手を付けていません。どこで工夫されたのでしょうか。また、実効性ある工夫なのでしょうか。責任ある答弁をお願いいたします。
 繰出金の減額について、案と計画の差はかなりの額に及んでいます。案の段階でも根拠を持って計算したのでしょうから、19年度から3か年でおよそ15億円になんなんとする下方修正です。果たしてこれが可能なのかどうか、その根拠をお示しください。
 平成6年度から当初予算では18年度まで、決算では17年度までの国民健康保険特別会計への一般会計からの繰り出しを見ると、予算段階では一般会計当初予算に占める国保会計への繰出金の割合はおおむね6%から7%台ですが、決算ではここ3年間で8%に達しようかという数字になっています。10か年計画における繰出金の減額は可能なのでしょうか。国保会計に限ってでも結構ですから、現実的なお答えをお聞かせいただきたいと思います。
 この項の最後に、10か年計画策定と同時に提出されるべきであった財政計画はいつ提出されるのか。また、どのようなイメージを持った計画なのか。あわせて答弁を求め、この項の質問を終わります。
 産業振興についてお伺いいたします。
 これまでさまざまな角度から産業振興策の提案が議会でなされてきました。また、取り組む決意も語られてまいりました。しかし、実態はどうでしょうか。自治体としての基礎体力が問われる昨今、きれい事では済まない、本格的に汗を流す産業振興策の立案と実施が求められていると思います。
 そこで、実態認識の問題についてお伺いいたします。先ごろ東京都は、平成16年6月現在で実施した「事業所・企業統計調査報告」をまとめました。それによれば、平成13年の前回調査と比べて、東京都全体では事業所数は4万6,459事業所が減少し、従業員数も775万2,604人で、30万4,079人減少しています。また、業種でも、医療・福祉、教育・学習支援が増加し、卸・小売、製造業、金融・保険業が大きく減少して、産業構造の変化が起きているとの指摘があります。
 中野区では、事業数で1,072事業所、従業員数で4,457人の減少です。いずれも東京都の平均を上回っています。
 最近、中野区内の公衆浴場数がまた減少して、37件になったという報告を同僚議員から受けました。また、その際、中野区の公衆浴場支援は23区では下から数えて1番と言われたとも聞きました。今年の冬は寒さが厳しく、国際情勢から原油の値上がりと寒さで余計燃料消費がふえているとの実情指摘もありました。
 公衆衛生に寄与する公衆浴場への支援については、震災時の水の供給協定に関連して、非常用電源の整備の支援など、我が会派からの提案もあり、公衆浴場業界とも話し合うとなっていたところですが、それはどのようになっているのでしょうか。お伺いいたします。
 私は、それに加えて、燃料の値上がりと消費量の増加による経営圧迫に対する支援を検討してみてはいかがでしょうか。中野区として、公衆浴場の設備改善経費の一部を助成してきているのは、災害時における役割はもちろん、公衆浴場が公衆衛生その他、区民生活に対して、公衆浴場開放や健康づくりなど、公共的役割を果たしてきていることにかんがみてのことだと思います。そうした意味では業界ごとにきめ細かい支援振興策を検討することも必要かと考えます。
 ところが、公衆浴場の設備改善費については、最近の財政状況を反映して、50万円から30万円に引き下げたという現実があります。公衆浴場の経営環境を考えると、この際、50万円に戻し、さらに60万円程度にすることで振興を図る必要があるのではないでしょうか。お考えを伺って、私のすべての質問を終わります。
 ご清聴、ありがとうございました。
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 大泉議員の質問にお答えをいたします。
 施政方針説明に関連して、区長選に対する表明ということでございました。大内議員の御質問へのお答えでも申し上げましたように、私は、就任以来取り組んできた改革の成果を踏まえて、さらに基本構想の描く将来像の実現に向けて、策定をいたしました10か年計画を推進していく、このことが私の使命だと考えているところであります。引き続き区政を担当し、責任を果たしていく決意であります。
 また、今回の18年度予算案を本格的なものとして提案していることについてであります。区政運営は一刻の停滞も許されないわけであります。年度当初から1年間を見通した予算を編成をしたところであります。選挙後に仮に予算を変更する必要が生じるといったことがある場合には、補正予算によって対応していけばよいのではないかと考えているところであります。
 国全体の分権改革を見通した都区制度の将来についてという御質問でありました。国におきましては、社会経済情勢の変化に対応した、地方自治制度の構造改革のために、道州制のあり方について検討を行っているわけであります。そういった検討の中では、国と都道府県、あるいは、その後の形としての道州、そういった自治体の役割分担、あるいは自治体の規模や行財政の仕組みなどがさまざまに議論をされているところであります。この議論は必ずや都区のあり方についても大きな影響を及ぼすものと考えているわけであります。そうした議論の趨勢も見極めながら、特別区においても特別区制度調査会を設置して、都区制度のあり方について幅広く議論・検討を行っているところであります。
 そうした国、都、区など、自治のあり方全体に及ぶ議論を踏まえて、中野区民にとってのあるべき自治の姿、これを追求するという立場から、都と区の間でも本格的かつ根本的な議論をしていきたいというふうに考えているところであります。
 また、議会と一体となっての取り組みということについてであります。区議会の関係につきましては、これまで以上に十分情報を共有して、その意思を踏まえ、また御意見を受けとめながら、新しい自治のあり方をともに追求をしていきたいと考えているところであります。さまざま議論が出てくる、あるいは一致した行動が必要となってくる、そうした場面も想定されるわけでありまして、国や都への働きかけなどにつきましても、これまで以上に区議会との連携を強めていきたい。そう考えているところであります。
 また、10か年計画推進に関連して、警察大学校等跡地の問題がございました。警察大学校跡地等の地区につきましては、土地利用転換計画案の見直し案、これに沿いまして、地区中央部に防災の拠点となる防災公園1.5ヘクタールを整備したいと考えているところであります。この防災公園や都市計画道路の整備については、地方公共団体であります区が施工者となりまして、用地取得や工事等を行うこととし、開発者からそれぞれの土地利用状況を勘案しつつ応分の負担を求める、この方法が適切であると考えているところであります。今後こうした方法で整備を進めることによりまして、にぎわいと活力のあるまちを一日も早く実現させていきたいと考えております。
 また、国の考え、財務省等との交渉などを踏まえて、今後の見通しということであります。さきに開催をされました四者協議会などにおきましては、跡地の大部分のゾーンニングや、公共施設の整備方針、また、今後見込まれるスケジュール等が、関係者の間で確認をされたところであります。このスケジュールによりますと、国は国有財産中央審議会を開催した後、3月中には跡地の処分方針、基本的な方針でありますけれども、この方針の決定を予定しているところであります。このことから、区といたしましても、来年度中に地区計画の都市計画決定を行いたいと考えているところであります。
 また、子どもの安全についての人的配置はいかがかという御質問もありました。今回の予算案では、保育園、幼稚園にカメラ付きインターホン、電子施錠システム等を導入をして、また、小・中学校に防犯カメラ、正門等に施錠システムを導入するといったことを盛り込んでいるところであります。こうした対応によりまして、現状の人的な対応の工夫の中での安全確保が可能になっていくものと考えているところであります。
 また、パトロールカー仕様の区有車2台を導入いたしまして、警察官OBと職員が区内巡回運行するといったことも予定しているところでありまして、こうしたさまざまな取り組みの組み合わせの中で子どもたちの地域での安全を確保していきたいと考えております。
 また、地域でのパトロール団体への支援策の強化、あるいは地域での防犯相談や不審者情報の収集、小・中学校でのセイフティ教室の実施、こうしたことなどによりまして、総合的に地域の防犯力を高め、地域ぐるみで子どもたちの安全・見守りの取り組みを進めていくといった取り組みをさらに強化していきたいと考えているところであります。
 それから、10か年計画の中で幼児教育に関する指標を掲げるべきではないかという御質問がありました。幼児教育につきましても、保育につきましても、公立、私立、あるいは幼稚園、保育園など、施設の別なく、同じように質の高いサービスが、サービスの種類ごとに同じ基準で利用できるということが望ましいというふうに考えております。したがいまして、保育に関する指針と教育要領も相互に整合の取れたものとしていくことが重要と考えております。
 10か年計画の中での指標と目標値については、今後の施策展開の中で、保育所の保育の中での取り組みも含めて、幼児教育全体についての指標、このあり方を検討し定めていきたいと考えております。
 それから、区立幼稚園から総合施設への転換についてであります。幼児総合施設は、社会環境でありますとか、子どもたちの家庭の状況、こうしたことなどから、今後、私たちの地域においてぜひとも必要になっていく施設だという認識を持っているわけであります。そうした先導的な取り組みとして、区立幼稚園の幼児総合施設への転換を考えているというのは、御意見と一致しているところだと考えております。
 また、そうした転換を可能にする条件として、幼児人口の減少でありますとか、私立を含む区全体の幼稚園の現状があったということで認識をしているわけであります。
 この幼児総合施設を含む幼児教育・保育の指針についてでありますが、幼児教育・保育に関する検討は、子ども家庭部と教育委員会事務局が相互に主体性を持って連携・共同しながら行っていきたいと考えております。
 幼児総合施設の検討に当たって、入園募集の停止を前提としない検討をするべきではないか、また、幼児総合施設の設置主体や類型についてどう考えているのかといった御質問がありました。
 幼児総合施設につきましては、就学前の子どもに適切な幼児教育・保育の機会を提供する、また、地域の乳幼児親子への支援機能を果たす施設として、こういった施設として民設民営を中心に、民間の活力を十分生かせる運営を検討していくわけでありますが、そうした検討を進めていく中で、設置主体のあり方、あるいは施設の類型をどうとらえていくか、また、幼児総合施設への転換の手順といったようなことを選択し、決定をしていきたいと考えております。園児の募集停止を想定した検討ではなく、こうした検討を踏まえて、当該園の園児募集の考え方をお示しをしていきたいと考えているところであります。
 運営の継続性については、運営主体の変更が想定されるわけですけれども、運営主体の変更にかかわらず、継続性をできるだけ保てるような検討をしていきたいと考えているところであります。
 それから、財政運営に関連いたしまして、10か年計画で財政フレームの下方修正があった、このことについての御質問がありました。特別区民税につきましては、税源移譲の個人住民税の10%のフラット化に伴います都税分と区税分の配分割合の変更、これによりまして下方修正をしたものであります。10%の税率フラット化をして、そのうちの、当初は7%分が区税分であって、3%分が都税分であるという想定でフレームを組み立てておったわけでありますが、これが実際には6%を区税とし、4%を都税とするといった形になりましたために、特別区民税については下方修正を余儀なくされたということであります。
 こうした影響でありますが、これにつきましては、10か年計画の財政フレームといたしましては、特別区交付金の伸びを見込んだという部分がございます。それから、三位一体改革の影響額、これについては7%が6%になったということと関連もしているわけでありますが、区に対する補助金負担金の削減というものは、想定していたよりも少なかったというようなことがあるわけでありまして、影響額を精査した結果、当初見込みよりも減となったということでありまして、特別区交付金の伸びと、それから三位一体改革の影響額の精査によりまして、特別区民税の下方修正によります計画自体への大きな影響といったようなことはなかったということであります。
 それから、財政運営について、今後の安定した財政運営を行っていく上で、都区財政調整協議の動向というものは非常に重要だということでありました。御意見にもありましたように、都側の対応については私ども大変不満を持っているところであります。主要5課題について、結局、都区の認識の違いの溝を埋めるには至っていないわけであります。しかしながら、相互の役割分担を明確にし、その役割分担に基づいて配分率を導き出すというプロセスが必要であるということには変わりないわけでありまして、都と区の間でそうした役割分担についてきちんと議論をする場を設けるということも決めてきたわけであります。そうした議論が決着するまでの間の暫定的な配分率ということで、52%に加えて、三位一体改革の影響分を加えたものを、暫定的なものとして用いていこうというのが、都区間の合意というわけであります。
 したがいまして、今後の議論の中で役割配分を明確にし、かつ、区として必要な役割を十分に果たしていけるような配分率を確保するといったようなことが、ますます重要になってきているということだと考えております。こうした協議をしていく上でも、区を都の内部機関とみなすかのような都の認識といったようなことについて、強くただしていくような議論をしていきたいというふうに考えております。
 それから、10か年のフレームの歳出の中で、扶助費について補助事業分の伸び率を6%から5%にしたということについての御質問がありました。これにつきましては、17年度の決算見込みと、18年度当初予算で想定した伸び率、これらをもとに修正を行ったというものであります。
 それから、新規・拡充事業では、19年度からの3か年で、案からの修正は500万円の増加ということでありますが、案からの修正、どういった工夫があったのかといったようなことについての御質問でありました。これについては10か年計画の事業の若干の変更に対応して修正をしたものでありまして、特に大きな工夫をしたものではありません。
 また、繰出金の減額についであります。国保会計の繰出金の減額も含め、現実的にどうなのかということでありました。これについては、医療費の改定によりまして減額となったということと、それから、その後の保険料の徴収努力などについても盛り込んだ上で繰出金を見込んだということであります。
 また、財政計画についてどう考えるかということであります。財政計画の大枠については10か年計画の中でお示しをしてきたところであります。しかしながら、今後の財政運営の考え方について、きちんとした考え方を整理していく必要があると考えているところでありまして、区財政に大きな影響を与える三位一体改革に伴う税源移譲や都区財政調整制度への対応、また、税収の向上のための対策や、未収金対策、また、発生主義会計の導入や、義務的・経常的経費の見直し、そのほか基金の積立・繰入計画など、財政計画といった面できちんと整備をするべき課題が多々あるわけでありまして、これらを整備をしていきたいというふうに考えているところであります。
 私からは以上であります。その他の内容につきましては、それぞれ担当の部長の方からお答えをいたします。
     〔総務部長石神正義登壇〕
○総務部長(石神正義) 私からは、災害協力など、公衆浴場業界との話し合いの状況についてお答えさせていただきます。
 公衆浴場組合との災害協力につきましては、先ごろ当区で定例会に出向きまして、公衆浴場との供給協定に関する非常用電源の置き場所や維持管理、こういった問題、また、水害時などの一時避難場所として浴場が使えないかどうか、こういったことについて話し合いを行ったところでございます。今後も話し合いを継続して行っていきたいというふうに考えてございます。
    〔区民生活部長本橋一夫登壇〕
○区民生活部長(本橋一夫) 公衆浴場の設備助成についてのお尋ねがございました。公衆浴場につきましては、公衆衛生の向上・増進のため、その設備改善に必要な資金の一部助成を行っております。18年度予算案では助成内容は従前どおりとしたところでありますが、浴場数が減少していることも勘案いたしまして、今後の助成額につきましては、申し込み状況などを見ながら検討してまいりたいと考えております。
      〔大泉正勝議員登壇〕
○36番(大泉正勝) 再質問を一つだけさせていただきます。前からこだわっている財政計画なんです。どうして財政計画をおつくりにならないのかということが非常に疑問で、なかなか理解できないんです。答弁漏れはきょうは許すとして、財政計画だけはいかんとも納得できないので、恐縮ですがこれだけやらせていただきます。
 去年、私、決算の総括質疑に立たせていただきました。そのときにいろいろと長い質疑をさせていただいて、その中で財政計画についてもお伺いをしたんです。御答弁はこういうことだったんです。「御指摘のとおり、財政計画はまた別につくるものと私どもは考えておりまして、財政計画につきましても10か年計画とあわせて発表できるようにしたいと考えてございます」、こういう御答弁をいただいて、そのときはそれでつくってくれるんだなと。また別のものをきちんとつくってくれるんだなと。数字もちゃんと入れ込んでと思って安心して今日までいたんですが、区長の答弁を聞いているとどうもそうじゃないんですね。
 したがって、質問は、そのときの答弁は何だったのか、こういうことをぜひともお答えをいただきたいと思います。もし変更したなら変更した、その答弁からずっと検討した結果、こういうふうに変えました、やはり無理だということなってこうなりましたとか、それをやると計画が前の計画と同じようにきっちりしてしまうから嫌だとか、いろいろな考えがあるんだと思うんです。その辺をお答えいただきたいと思います。変えるなら変えるで結構ですけれども、どうして変えたのか。どうして議会に言わないで勝手に変えるのか。そういうことも含めて御答弁をいただきたいと思います。
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 再質問にお答えいたします。財政計画ということですけれども、10か年計画の財政フレームと、その中でお示しをしたこと、これらが財政計画を集約したものであるというふうに考えているところでありますが、今後の財政運営の中で考え方を整理したり、またさらに緻密化するというのでしょうか、分析を加えて精度を高めていかなければならないこと、そうした課題が幾つかあるわけでありまして、例えば三位一体改革による影響の問題でありますとか、都区財政調整の協議の行方でありますとか、それから、区の財務運営の中での発生主義会計の導入といった、予算会計制度そのものに対する検討の行方でありますとか、幾つかの課題があるというふうに考えております。
 今後、財政の考え方についての基本的なあり方、そうしたものをきちんと整理をしていく中で、そうしたことについてもさらに精度の高いものとして組み立てて、お示しをしていきたいということで考えているわけでありまして、現在、申し上げたような課題について組み込んだ形での財政計画というのは、昨年の答弁にかかわらず、現在はなかなかでき切らないという認識でいるところであります。
○副議長(江口済三郎) 以上で大泉正勝議員の質問は終わります。

 中野区議会議員 酒 井 たくや
 1 指定管理者制度について
 2 放置自転車の撤去手数料について
 3 教育について
 4 区長の施政方針説明について
 5 文化芸術振興について
 6 その他

○副議長(江口済三郎) 次に、酒井たくや議員。
     〔酒井たくや議員登壇〕
○6番(酒井たくや) 平成18年第1回定例会におきまして、民主クラブを代表し、一般質問をさせていただきます。まず最初に指定管理者制度、二点目に放置自転車撤去手数料について、そして三点目に教育について、四点目に区長の施政方針説明について、そして、五点目に文化芸術振興についてお尋ねさせていただきます。
 最初に、指定管理者制度についてお尋ねさせてください。
 平成15年6月、第156回通常国会において「地方自治の一部を改正する法律」が成立し、平成15年9月に施行され、これにより公の施設の管理運営に関する指定管理者制度が導入されました。指定管理者制度とは、公の施設の管理運営、保育園やプール、公民館、病院などについては、これまでは公共団体、公共的団体、公共団体が2分の1以上を出資して設立された公共団体の出資法人に限定されていたわけでありますが、この法改正により、個人を除く営利企業やNPO法人、また地域団体等を含む民間事業者に公の施設の管理運営を任せることが可能になりました。つまり公の施設の管理経費の節減を図りつつ、住民に対してより良質な公共サービスを提供するというものです。
 この指定管理者制度が導入され、2年が経過しました。このあたりである一定のルールをつくる必要があると思い、質問をさせていただきます。
 我が民主クラブも強く推進してまいりました民間活力の活用でありますが、多様化する住民ニーズにより効果的、効率的に対応するため、民間の能力を活用しつつ、住民サービスの向上を図るとともに、経費の節減等を図ることができます。
 中野区におきましても、行財政改革の流れの中、民間活力の活用に取り組まれ、学校給食の調理業務委託により、年間約4億7,600万円の財政効果があり、学校警備に関しては年間約7億円の財政効果、そして、平成16年度からは地域図書館7館の業務委託と中央図書館の一部業務委託がなされ、財政効果は約2億4,600万円であり、それでいて開館日の増加と開館時間の延長等が図られました。
 指定管理者制度も、地方自治法改正により、宮園、宮ノ台保育園にいち早く導入され、延長保育・産休開け保育の拡充、一園当たり約5,000万円の経費の節減と、最少の経費で最大のサービスを区民の皆さんに提供しており、さまざまな効果と経費の節減が実証されております。
 この指定管理者制度の指定は、基本的には複数からのプロポーザル方式を取り、総合評価により決定し、議会の議決を経て、指定管理者に指定されます。選定基準は事業ごとに異なりますので、各部で行われ、金額はもとより、事業内容も選定の基準となります。金額だけなら非常にわかりやすいんですが、事業内容や理念等、なかなか数字にあらわしづらいところも選定基準にあり、ここにある一定の共通基準を設ける必要があるのでないかと考えます。
 例えば経営基盤など全事業に共通するチェック項目を設ける、また、各部が作成した選定基準について全庁でチェックすることにより、アンバランスが生じるのを防止できるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。お聞かせください。
 透明性、公平性が求められる選定過程において、応募者の企業のノウハウやプライバシーの問題等により選定過程を公開することができないのであれば、監査法人や外部委員などを加えることによって、審査の透明性、公平性を高める必要があります。御見解をお伺いします。
 現在、中野区では4施設において指定管理者制度をとっており、18年度からは17施設、計21施設が指定管理者制度になります。指定後は相互に綿密な打ち合わせ、コミュニケーションが必要であり、行政はあくまで監督する立場で、指定した事業者が適切に事業を展開しているかどうか、あるいは、経費節減による労働条件の悪化により、区民サービスが逆に低下することなどがないよう、書類だけではなく、現地確認等を行い、きっちりとチェックしていく必要があると思います。現在各部で御努力されていらっしゃると思いますが、このようなこともルール化する必要があると考えますがいかがでしょうか。お聞かせください。
 さきの議会の一般質問の中で、我が会派の佐伯議員が、区の外郭団体により管理運営されてきた区の施設が、指定管理者制度の導入により、民間の事業者も参入し、事業者は応募の際の有利な条件を得ようと、区の幹部職員OBを役員などに迎えようとしたり、あるいは、指定を受けている事業者が今後の運営のために区の幹部職員OBを社内に置きたがるという懸念が想像される中、天下り禁止条例の制定を提案させていただきました。区長は、公民の癒着の批判を受けることがないよう、職員の倫理基準を設ける必要があると御答弁されましたが、今現在、進展はあるのか。また、どのような倫理基準をお考えなのか。お聞かせください。
 官から民への行財政改革の中、福島県三島町では民から官へという逆転現象が起こりました。イベントホールやギャラリーを備える複合文化施設「交流センター山びこ」に公募で唯一手を挙げたビル管理会社に運営を任せたところ、開業して間もなく資金が枯渇し、運営の継続が困難になり、わずか3カ月で直営に戻しました。展望なき導入は負担をふくらます懸念もあります。公の施設は住民の福祉を増進するものであり、それを民間にゆだねる行政の責任は非常に重いと考えますが、このような事例を区長はどのようにお考えでしょうか。お聞かせください。
 この項の最後に、18年4月より、区の外郭団体である文化・スポーツ振興公社が管理委託をしておりました施設、中野体育館、野方区民ホール等、すべてにおいて指定管理者制度を導入されますが、これによる財政効果及び区民の皆さんにとってのメリットをお聞かせください。
 この項の質問を終わります。
 次に、放置自転車撤去手数料についてお尋ねします。「トラック1台分の薬よりも1台の自転車」ということわざがドイツにあるそうです。たくさんの薬よりも1台の自転車の方が健康にいいという意味であります。そして、自転車はガソリンも必要なく、排気ガスも排出しない、環境にもやさしい一番身近な乗り物であります。しかし、駅前や歩道に放置された自転車が歩行者やほかの交通の妨げになり、危険であるばかりでなく、緊急時の消防・救急活動にも支障を来すおそれがあります。
 数年前のJR中野駅周辺は、今では考えられないほど自転車であふれ返り、歩くのも困難でありました。しかし、行政の皆さんの御努力により、放置自転車の撤去を徹底的に進め、自転車駐輪場を設置し、見違えるように駅周辺はきれいになりました。全国的にも有名であった放置自転車の問題が、今では地方より中野区の放置自転車撤去施策を視察にいらっしゃるほどに改善されました。
 しかし、放置自転車の返還手数料が5,000円というのは、少し高額のように思えてなりません。撤去するに当たり、放置指導、撤去移送、保管場所運営、自転車処分の経費が、撤去した自転車1台当たりちょうど5,000円くらいであるのが理由だそうですが、撤去作業の経費であるというこの金額設定をなかなか理解することができません。
 私は友人から、中野区の返還手数料は高過ぎる、分割にしてくれないか、また、給料日払いで先に自転車を返してくれと、厳しく言われることもあります。実際に量販店では7,000円で自転車が販売されているときもあります。これなら、5,000円払い自転車を返してもらうなら新しい自転車を買おうとなる方も多々いらっしゃるのではないでしょうか。
 放置指導、撤去移送、保管場所運営、自転車処分の経費、この考えを差し引いて、自転車が7,000円で販売されている中、返還手数料5,000円は純粋に高いと感じるんですが、区長はどうお考えでしょうか。撤去された方の中には、被害者意識の方が強く、なぜ自分だけが撤去されたんだと怒る方もおり、それでいて保管場所に自転車を取りに行くと、返還手数料が5,000円と、火に油を注ぐような状態で、余計に怒り心頭となり、まくし立てる方もいらっしゃるそうです。
 現場の皆さんは非常に御苦労なさっております。以前、区長は清掃事業の現場体験をされましたが、自転車の保管場所でも一日所長として現場の御苦労と、区民の皆さんの返還手数料5,000円は高過ぎるというお声を体感されてはいかがでしょうか。
 返還手数料が3,000円から5,000円に、平成13年7月に改定されました。以前は63.3%の返還率であったのが、改定後の14年度は49.5%と、返還率が落ち込みました。15年度は49%、16年度は48%と横ばいであります。
 返還手数料が5,000円に改定された他区の返還率の状況を調べてみますと、台東区は返還手数料が2,500円から5,000円になり、返還率は58.4%から26.0%、荒川区は3,000円から5,000円となり、50.5%から29.1%となりました。豊島区は16年10月より5,000円と改定されたので、17年度の実績がまだ出ておりませんので、除いて考えますが、このように返還手数料が3,000円から5,000円になることにより、大きく返還率が下がっているのがわかります。
 16年度は2万8,861台の撤去、うち返還された台数が1万3,730台、そして、1万5,131台もの自転車が返還されませんでした。中野区はごみゼロ都市理念を掲げ、循環型社会を形成していくと打ち出していらっしゃいます。返還手数料を下げることにより、一台でも多くもう一度乗っていただくことこそが、ごみゼロ都市中野の理念を胸を張って言えるのではないでしょうか。お聞かせください。
 以上でこの項の質問を終わります。
 次に、教育についてお尋ねします。
 今、日本の子どもたちの学力、体力の低下が叫ばれております。子どもは国の宝であり、将来の日本の担い手である子どもたちをしっかりと育て教育していく責務が我々大人にあるのは言うまでもありません。
 私は、日本人として、教育に重要になのは国語教育であると考えます。もちろんほかの教科もそれぞれ重要でありますが、思考の基礎である国語教育、この国語教育の表現力がすべてにおいて基本であり、これが身に付かなければ全体的なレベルアップは望むことができません。
 そして、今、本当に日本語が、言葉がおかしくなっております。最近テレビや若者の間では短縮する言葉や理解不能な新しい言葉が蔓延しております。これは極端な例ではありますが、「これ、おいしいよね」というのが、「これ、おいしくなくない」となるそうで、「おいしくないよね」というのが、「おいしくなくなくない」というふうになるそうです。
 それから、敬語もおかしくなっております。学校の先生が生徒と友達のように話したりしていると聞いたこともあります。人生の先輩である年配の方、目上の方へのきちんとした言葉遣いができていないのは、尊敬と思いやりの考えや気持ちが失われているのではないかと思ってしまいます。
 そして、まちは片仮名、横文字だらけと、行政の資料も横文字が非常に多いです。日本人が正しい日本語を話すのは当たり前であります。やはりきちんとした日本語の使い方、言葉というもの、思考の基本である国語教育をしっかりとしていく必要があります。
 中野区の教育ビジョンの中でも国語の表現力の重要性を述べられており、区長も施政方針説明の中で触れられておりました。国の考えも同様であります。
 そこでお伺いしますが、それほど重要である国語教育、国語力の向上をどのように具体化されるのか。また、教育委員会の国語教育に対する御見解をあわせてお聞かせください。
 ゆとり教育が導入され、完全週休2日制になり、これまでの授業日数の確保ができておりません。それにより学力、体力の低下が叫ばれております。子どもたちの吸収能力は本当にすばらしく、だからこそ早々に取り組むべきです。土曜日の授業時間が確保できない中、国語教育はもちろん、全体的な学力向上のため、夏休みを活用し取り組むべきだと考えますがいかがでしょうか。お聞かせください。
 次に、部活動についてお尋ねします。
 少子高齢化の流れの中、子どもたちはどんどん減少しておりますが、教員の数は横ばいで、退職不補充などにより調整しておりますが、それにより若い先生が少なくなり、高齢の先生がふえ、運動部の実技指導がなかなかできない、そして、通常の業務が忙しいと、公立学校の部活はどんどん衰退しております。厳しい部活動を乗り越えたからこそわかること、そして忍耐力や根性、友情や相手を思いやる気持ち、先生、先輩を敬う気持ちや、試合を通じて他校との交流など、かけがえのない経験を積むことができます。だからこそ、子どもたち、保護者の方に関しても、学校を選ぶ際に部活動を重要視されております。
 しかし、中野区の中学校が部活動に熱心に取り組まれているとはなかなか思うことができません。優秀な人材が、希望する部活がないことにより、他区に流出してしまうことは非常に残念なことです。子どもたちの体力低下が危惧されている中、部活動に力を入れていけばこのような問題も解消されるはずです。このように部活動は子どもたちにとって非常に大切なものでありますが、まず中野区における部活動への取り組みに対するお考えをお聞かせください。
 各中学校の部活動を見てみますと、私の考えが古いのか、各校にあって当たり前だと思っていた、花形である野球部が、中学校14校のうち8校しかありません。グラウンド等の兼ね合いもあるのでしょうが、サッカー部は11校ありましたが、全体的に部活動が少ない印象を受けました。部活動の充実と強化をぜひとも推進していただきたいと思います。
 先日、我が会派で、部活動の活性化に非常に熱心に取り組まれております世田谷区教育委員会に視察に行ってまいりました。世田谷区では、部活動は中学生にとってスポーツ・文化等への関心や要素を高め、教員との触れ合い等を通して人間形成を図る貴重な場であるとし、部活動が中学生の教育課程の基準としての学習指導要領に示されておらず、学校が教育活動として取り組む裏付け、根拠が明確でないという考えを一新すべく、世田谷区立学校運営規則の中で部活動を規定されました。
 教員が通常業務で忙しい、技術指導できる教員が少ないという問題の解消には、指導体制を外部の人材の活用等により充実させる、顧問教員の勤務上、給与上の処遇改善を進めるなど、また、世田谷区内にある13の大学と連携をとり、技術指導や大会運営の補助をしたりと、さまざまな取り組みをしていらっしゃいます。
 中野区におきましても、部活動が教育課程の基準としての学習指導要領に示されていないのであれば、規則の改定や、技術指導をされる先生がいらっしゃらないのなら、外部指導員として、例えば沿線沿いである早稲田大学の学生さんを招き、インターンのような形で部活動の指導をしていただく。そして教職課程の単位の一つとして認定をいただくような、積極的な働きかけを大学側にし、外部の力を活用し、部活動の充実を図るべきであります。ぜひ前向きに検討していただきたいと思いますがいかがでしょうか。お聞かせください。
 また、学校再編の中で、再編することにより、子どもたちにとってよりよい環境が生まれなければならないというのは言うまでもありません。学校再編による部活動の充実に関してどのようにお考えかもお聞かせください。
 次に、教育現場への民間人の登用についてでありますが、教育ビジョンの中でも、学校の活性化を図るため、民間の人材や発想を生かしていく方策を検討するとあり、現に取り組まれてはおりますが、学校現場は一般の行政機関に比べずっと閉鎖的であると思います。22歳で大学を卒業し、教育現場に入る。人生経験が少ない中、つい数カ月前は大学で勉強していたのが、急に先生という指導する立場に180度変わってしまいます。本来ならば子どもたちにさまざまな生きる力を教えていく先生が、学校という特別な空間しか知らない。もちろん中には立派な方もたくさんいらっしゃるでしょうが、バランスが偏ってしまう懸念もあります。
 「三つ子の魂百まで」と言われるよう、幼少期の教育の影響は非常に大きなウエートを占めます。地元の民間で活躍された方をゲストティーチャーとして迎えることは、子どもたちにとって非常に勉強になると思いますし、また、それ以上に教職員にとっても大きな刺激になり、学校も地域も活性化するのではないでしょうか。ゲストティーチャーをほかの事業とのバランスを持って充実していくべきだと考えますが、いかがでしょうか。
 以上でこの項の質問を終わります。
 次に、施政方針説明についてお尋ねします。
 景気は回復されていると言われておりますが、それをなかなか肌で感じることはできません。そのような中、区民の皆さんは田中区政に大きな期待と希望を持っていらっしゃることだと思います。田中区長は強いリーダーシップを発揮され、さまざまな改革に取り組んでこられました。また、昨年は多くの区民の皆さんの参加と議会の議決を経て基本構想が策定され、この基本構想を具体化するための中野の10年後を描いた「新しい中野をつくる10か年計画」を策定されました。
 10か年計画にはさまざまな事業が盛り込まれておりますが、私は、計画というものは、こんなすばらしい施設ができるんだ、この計画が早く実現していただきたいなと、夢と希望を持てるものでなければ、感じられるものでなければならないと思います。区民が、職員が、そして議会が、中野の未来に対し夢を共有する、明るい未来があるからこそ、その目標に向かい邁進することができます。
 最近は本当に暗いニュースばかりで、先日も痛ましい事件がありましたが、施政方針も冒頭に少子高齢化の話題であります。そういう社会状況の中、仕方がないのかもしれませんが、トップである区長は、中野に対する夢と情熱と、そして明確な将来像を、区民に、そして職員に、議会に示す必要があります。それにより我々は痛みや摩擦を乗り越え、将来に向かい進むことができると考えますが、区長のお考えをお聞かせください。
 ここ最近のライブドアや耐震偽装の事件を見ると、悪いことをしてもばれなければそれでいいといった感じであります。日本人が一番大切にしてきた道徳心、和をもって貴しの心がなくなってきていると感じますが、区長はどう感じていらっしゃいますでしょうか。お聞かせください。
 この項の最後に、細かなところで一点だけお尋ねします。施政方針説明の経営改革の中、「分権時代において持続可能な区政運営を可能にするため、さまざまな改革に取り組み、公務員改革においても中野区が改革をリードする存在でありたい」と述べられております。
 私は、平成16年9月の決算特別委員会におきまして、人事制度においての一番の障害は23区の共通基準であり、各区基準をふやしていき、各自治体の裁量を発揮することができるようにしていく必要があるのではないかと質問させていただき、区長も改革を大いに発信していきたいと御答弁してくださいました。それ以降どのように取り組まれたのか。また、今後も変わらずそういった見解で人事制度において取り組まれるおつもりなのか。お聞かせください。
 以上でこの項の質問を終わります。
 最後に、文化芸術振興についてお尋ねします。
 先日、社団法人倫理研究所がサンプラザで開催しました地球倫理フォーラム「生きる力を高める」という講演に行ってまいりました。そこでDNA解明の権威、筑波大学名誉教授、村上和雄博士のお話の中で、筑波大学のプロジェクトチームと吉本興業が連携し、ユニークな実験を行われたお話がありました。糖尿病患者に1日目に「糖尿病について」という難しい講義を聞いてもらい、2日目に漫才を聞いてもらうというものです。漫才を聞いて大笑いした後の方が血糖値が大きく下がったという結果が出て、世間から注目を浴びたというお話です。
 人間の体の中にはナチュラルキラー細胞というものが存在し、体の中に入ってきた細菌や異物、がん細胞などを見つけ、早期に攻撃を行うそうです。人が笑ったり、いい気分になると、この細胞は活性化されます。大笑いまでしなくとも、笑顔をつくるだけでも効果があるそうです。また、人は一日に1,000回ため息をつくと、しばらくするとうつ病になるという研究発表も聞いたことがあります。まさに病は気からとはこのことであります。恐るべき笑いの力であります。
 私は、17年第3回定例会におきまして、区内にたくさんの若手芸人が住んでいらっしゃり、そういった劇場もたくさんある中、まちの活性化、魅力あるまちづくりに、自治体として「笑いのまち中野」と、独自性を打ち出されてはどうかと提案させていただきました。区長は、まちの一つの魅力を高める要素、資源として活用していく必要もあるのかなと思うとお答えいただきました。
 その後、文化芸術振興に関する懇談会が6回開かれ、今回、報告書が出ました。芸術、演劇、マスコミ、お笑いと、バラエティーに富んだ懇談会の委員の皆さんが、中野のまちが元気になるよう、さまざまな意見を交換されたものです。拝見させていただきますと、胸が躍るといいますか、夢と希望にあふれているというか、本当にすばらしいものでありました。このようにすばらしい報告書はできました。しかし、これから実際にどう実現していくのか、絵に描いたもちに終わらせてはなりません。
 先駆的に文化芸術の振興に取り組む自治体も多数あります。廃校になった学校の体育館を劇場にしたり、若手アーティストの育成、地域の催し事や、学校へのアーティストの派遣、発表の場の提供等、また、文化芸術振興条例の制定など、さまざまです。区内には多くの団体が多種多様な文化芸術活動を行っております。こうした活動をまちの活性化に結び付けるため、区長は、文化芸術振興に関する懇談会の報告書を実現するために、どのようにお考えなのか。この報告書の感想もあわせてお聞かせください。
 また、文化芸術における実態調査の中で、区内で20年以上も活動されている文化団体が約6割もある中、現在全く連携を取っていない。このような団体と接点を設け、連携していく必要があるのではないかと考えます。若い方は区政に関心が余りなく、有名になり、お金持ちになると中野を出て行ってしまうことが多々ある中、若く才能がある方々を中野区に引きとめ、地域の活性化につながるよう、ずっと住んでいただくような魅力あるまちづくりをやっていかなければなりません。こういった方策についてはどのようにお考えか、お聞かせください。
 文化芸術と言っても数字であらわれるものではなく、行動様式や生活様式であり、心身ともに豊かな生活の中で感じるものだと思います。したがって、効果や成果がなかなかわかりづらいところもあります。るる述べました施策を実現していくためには、まずは中野区のイメージづくりが重要であると考えます。そのためには、具体的にインパクトのある中野区のイメージ、頭に残る、耳に残るキャッチフレーズを先行的につくり上げていく必要があるのではないでしょうか。こうしたイメージはどのようなもので、区はどうつくり上げていくおつもりなのか、お聞かせください。
 以上で私のすべての質問を終わります。ご清聴、ありがとうございました。
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 酒井議員の御質問にお答えをいたします。
 指定管理者制度の選定基準についてであります。指定管理者の候補者の選定に当たっては、応募する団体が提出すべき書類については、経営状況を説明する資料など、指定管理者の指定手続に関する条例の施行規則に基づいて共通のものが定められているところです。共通の基準のほかに何を選定の基準として付加するかについては、施設の設置目的に合わせて、施設を所管する担当が判断する部分もあるわけであります。こうした選考に当たっての基準について、区として共通化できるものは共通化していくといったようなことについて、取り組んでいきたいというふうに思います。
 それから、選定委員会についてであります。指定管理者選定委員会は必要に応じて職員以外の者を委員としたり、委員以外の者に会議への出席を求めることができることとなっているところです。また、有識者等、外部の者を選定委員に加えるといったようなことについても、その都度、必要に応じて判断ができるというふうに考えております。そうした意味で外部の方のノウハウを活用するといったようなことも考慮していかなければならないというふうに考えております。
 それから、指定管理者で運営されております施設に関する現地調査、確認についてであります。中野区では必要に応じて実地調査を行いますとともに、指定管理者との定期的な連絡会の開催や、巡回指導など、施設の特性に合わせた監督を実施しているところでありますが、調査等について、ルールとしてどうあるべきか明確にしていきたいと考えております。
 それから、指定管理者制度に関連して、天下り禁止についてのルール化といった御質問もございました。退職職員の他団体等への再就職については、民間の企業・団体への、区として相手方に対して強制を伴うような斡旋ということは行わないということであります。それから、団体から要請があって紹介したとしても、採用の選考に当たっては一切関与しないということも決めているところであります。また、区と契約関係にある民間企業には、たとえ求めがあったとしても、紹介は行わないといった対応を厳守しているところであります。
 それらのほかに、職員であった者が退職して企業に就職をするといった場合でも、公務員であった時代の守秘義務等は当然に継続している義務であるところであります。そうした中で当然守るべき倫理基準といったようなものについて、さらに検討していきたいというふうに考えております。
 なお、区の紹介で退職職員が他団体に再就職をするといった場合におきましても、退職金を支給されるようなケースはないわけでありまして、国や他の機関で批判されるような天下りの弊害が中野区で生じているとは考えていないのであります。
 それから、指定されている管理者の経営破綻というリスクについての御質問もありました。指定管理者が安定的に公の施設を管理していくことは重要なことであると認識をしているところであります。指定管理者の管理業務及び経理の状況については報告を求め、実地に調査をして、必要な指示をすることができるということになっているわけでありますが、経営状況が著しく悪化し、施設の適正な管理に重大な支障が生じ、またはそのおそれがあるといった場合などについては、速やかに指定の取り消しなど適切な対応をしていくこととしているところであります。
 それから、放置自転車の撤去手数料の関係であります。撤去手数料については、御質問にありましたが、平成13年7月から5,000円としているというところであります。この5,000円については、自転車の撤去や保管等に要した費用を原因者に負担をしていただいているというところであります。16年度決算から見ましても、1台当たり5,000円程度の経費がかかっているということであります。この手数料の額については、区民に浸透してきていると考えておりまして、これが一定の放置自転車の抑制効果にもなっているところから、妥当なものだと考えているところであります。
 保管場所の体験をしてはどうかという御質問でありますが、かつて私も放置自転車の対策を担当していた時期がございまして、保管場所においても、現地で撤去をする場面においても、区の窓口においても、さまざまな形で区民の皆さんと直接対応をさせていただいたところであります。そうした中で、撤去された方の苦情というのも大変多うございますが、放置自転車によって迷惑をこうむった方の苦情というのも当然あるわけであります。そうした方から、撤去にかかった手数料、放置したがために生じた費用に関して、自分たちの税金から負担させられることはとてもかなわないという苦情がございまして、私はそちらの御意見も大切にしなければならないというふうに思っているところであります。
 それから、手数料と返還率の関係でありますが、中野区よりも低い手数料であって、かつ中野区よりも返還率の低い区が9区あります。中野区よりも手数料が少なくて、中野区よりも返還率が高い区が10区あります。そうしたことから、この5,000円という手数料と返還率の関係というのは、余り他の区と比べて影響はないのではないかというふうに思っているところであります。
 また、返還できなかった自転車がむだになるではないかという御意見でありますが、これについては区内の自転車商やシルバー人材センターでリサイクルをして販売しておりますほか、古物商を通じての再利用を図っているところでありまして、乗車可能な自転車はごみにしない方法を講じているところであります。これからも御理解をいただければと思っているところであります。
 それから、10か年計画、あるいは基本構想を進めていく上で、夢が持てなければいけないということでありました。区民や議会、あるいは区役所職員が中野区の未来に対し夢を共有をし、同じ目標に向かって進んでいく、これは大変重要なことだというふうに思っているところであります。だれもが住んでよかったと思い、多くの人が選びたいと思う自治体、そこで暮らすすべての人が希望と生きがいを感じられるまちをつくっていくことが、区民すべての願いだというふうに思っております。その将来像と、それを実現していくための取り組みのステップというものを、さまざまな参加をいただきながら基本構想という形で制定していただき、10か年計画をつくって明らかにしてきたというところであります。
 そうした中で夢を実現させていくということだと思うわけでありますが、夢を実現するために区が何をしてくれるかではなく、自分たちが互いのため、まちのため何ができるかを語り合ったり、行動し合えるまちでありたいというふうに考えております。そのための区民の手足として、区民の思いを最も敏感にとらえ、最も素早く動ける、そうした区でありたいというふうに考えているわけであります。
 それから、さまざまな社会事象の例を挙げられまして、日本人の道徳心についての御質問がありました。これからの日本、人と人とのつながりが生み出す豊かさや幸福をみんなが考えていく社会をつくっていかなければならないというふうに思うわけであります。そのような社会では、自分の利益だけを追求するのではなく、一人一人の人権や幸福をみんなで守っていくという考え方が基本となると考えております。法に触れなければよいだとか、見つからなければ構わないといったようなことが行動基準になるのではなく、人として守らなければならない倫理、そうしたものをまず考えて、それを守るような社会といったことをつくっていく、そういう努力が大切であるというふうに考えているところであります。
 それから、人事制度改革のためにどんなことを行ってきたかという御質問がありました。中野区では、成績主義、能力主義を実現する人事制度とするために、他区に先駆けて一般職員への目標管理を導入したり、成績特別昇給や、級格付けの改善を行ってきたところです。これらが現在の人事給与制度見直しの中で、他区から見た参考事例となっているということを感じているところであります。
 また、それぞれの区が主体的に多様な勤務形態を実現していくというために、任期付短時間勤務職員の制度を導入したり、あるいは各区の事情や時代の変化に対応して、職員に生きがいのある働き方や職場を与えるための技能系職員の特例転職、こうしたようなことについては区長会で私が提案をして実現させてきたものであります。
 また、清掃派遣職員の身分切りかえ問題におきましても、区として独自の対応をとってまいりました。
 それから、特別区職員互助組合の改革についても、基本的に各区の福利厚生制度にゆだねるべきだという方向を私が強く主張して、現在の改革案となったものであります。
 今後も引き続き改革をリードしてまいりたいというふうに思っております。
 それから、文化芸術に関する懇談会の報告についてであります。懇談会報告にあります、「文化芸術を通して地域の活性化を図る」、「人とまちを文化が結ぶ中野」という基本テーマ、コンセプトは大変よい視点だというふうに考えております。
 中野区には20年以上も活動している文化団体があるにもかかわらず、必ずしも連携が十分ではない、若い人も力をつければ中野区から出ていってしまうといったような御指摘もあったところですが、若者などの多様な活動がまちの活性化につながっていくという効果は当然あると考えているわけでありまして、団体相互の協力や、中野の活動を中野から外に発信をしていくといったような仕組みを検討していく必要があるのではないかというふうに考えております。また、すぐれた才能のある人に、イベントなどを通して地域とのつながりを持ってもらうといったようなことも考えていきたいというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、中野区のまちを全国に発信するためには、イメージづくりが重要だ、これは御指摘のとおりだと思うわけであります。懇談会の中では、大変残念ですが、中野は印象の薄いまちだという指摘がされているところです。これから具体的でインパクトのある、わかりやすいイメージをつくるという方策を、幅広く皆さんと一緒に考えていきたいというふうに思っております。
 私からは以上であります。
  〔教育委員会事務局次長金野晃登壇〕
○教育委員会事務局次長(金野晃) まず、指定管理者制度に関して、文化・スポーツ施設の管理運営を指定管理者に移行する上での財政的な効果についてお答えいたします。
 指定管理者制度に移行することによって、施設の管理にかかわる区の歳出、17年度と18年度とを比較しますと4億円程度減ると考えておりますが、その一方で区に入っていた使用料の歳入、約3億円が区の歳入ではなくなるという形になります。差し引きで約1億円程度の財政効果があるだろうと見込んでおります。
 また、このメリットですが、民間のノウハウを生かして、これらの施設で行う事業の充実を図るということを初め、施設の有効活用などをするということにしております。
 次に、教育についての質問にお答えいたします。
 まず、国語教育の充実についての御質問でございます。国語教育、各学校では国語の学習はもとより、教育活動全体の中で、自分の思いや考え、あるいは学習してきたことを発表する場などを設定し、読む力、書く力や、発表する力など、伝える力の育成に重点を置いた指導を推進しているところでございます。
 国語教育の充実は、御指摘のとおり、各教科の学習の基礎となるもので、大変重要だというふうに考えております。充実を図ってまいります。
 また、夏季休業中の取り組みについての御質問がございました。区立学校では、夏季休業中に、現に小学校では7割の学校、中学校では全校で、補習や補充教室を実施しております。この夏季休業の期間中というのは、日ごろできない体験活動や、自分自身の興味・関心や、学校で学習したことをさらに掘り下げたり、深めたり広げたりすることができる機会でありますので、そうしたことを踏まえて今後とも休業中の取り組みの充実を図っていきたいと考えます。
 次に、部活動の推進についてのお尋ねがございました。部活動は、人間関係や社会性の育成、あるいは体力、技術、精神力の充実・向上など、重要な役割を担っていると考えております。大変大事なものと思っております。この部活動の推進について、いろいろ御提案をいただきましたが、学校再編との関係につきましては、学校再編によって学校の規模が大きくなることによって教師や生徒の数もふえ、部活動としては一層の推進・充実を図ることができるというように考えております。ただ、部活動は教師による対応だけでは困難でございますので、外部指導員のほか、今後、大学生の活用などを図って進めてまいりたいと考えております。
 次に、外部の人材の活用、ゲストティーチャーなどの活用についてのお尋ねでございます。中野の区立学校では、学校や地域の実態に応じ、例えば社会科の地域調べ、あるいは和楽器の指導など、地域や外部の方々からの、授業や部活動、校内学習、職場体験などの教育活動等への教育や支援を受けております。こうした地域の人や外からの協力というものは、特技や専門性を生かした充実した学習の実践につながり、また、多様な方々と交流することによる、子どもたちの社会性の育成といった効果を生んでおりまして、今後、各学校や地域の実態を踏まえて充実していきたいと考えております。
     〔酒井たくや議員登壇〕
○6番(酒井たくや) 自転車でちょっとお尋ねしたいんですが、実費が5,000円かかっているので、なかなか税金の投入は難しいということなんですけれども、撤去の内訳が、放置指導、撤去移送、保管場所運営、自転車処分とあるんですけれども、放置指導というのは、撤去された自転車以外も放置指導をしていますよね。例えば1台撤去される。ほかの自転車も並べたりだとか、そういう放置指導をされている中で、ほかの分までを1台の撤去されたものにかぶせてしまうのはどうなのか。それを差し引くと1台当たり2,224円になるんですけれども、ちょっとそのあたりは考え方の違いだとは思うんですけれども、それから、5,000円によって抑制効果があるとおっしゃっていましたが、私は、毎日撤去していると、それが根付いたことによって、皆さん、自転車を放置するのがなくなったと思うんです。ですから、5,000円じゃなく、毎日毎日撤去していることが放置自転車の解消になっていると思います。
 それから、放置自転車で返還されなかった自転車はシルバー人材だとか古物商が買って、また再利用されているというふうにおっしゃっていましたが、皆さん、自転車を取りに行かない、その中で中野の区民の皆さんはまた新しい自転車を買っていますよね。手数料を3,000円に下げまして、返還率を上げていくことこそ、私は、循環型社会を目指して、ごみゼロ都市の理念を掲げている中野区の姿だと思うんですが、もう一度御答弁をお願いします。
 以上で再質問を終わります。
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 放置の指導については撤去されない自転車への対応も含んでいるので、5,000円の中に含めるのはおかしいのではないかという御質問でありました。基本的には置かれている自転車に対する指導ということが、放置指導ということであります。したがって、いずれも撤去への一つのステップというのが放置指導でありますので、当然その中のコストの一部を形成しているということだと思います。
 それから、5,000円が効果なのではなく、毎日撤去することが効果なのだという御意見でありました。それもそのとおりだろうと思います。その効果もあるし、あるいは、実費を負担させられるということの効果もあるというふうに考えているところであります。
 それから、循環型社会形成のために、返還率が高まった方がいいだろうということについては、私もそう考えているところでありますが、先ほども述べましたように、返還率と手数料というのについては、余り強い相関関係が見られないというのが私の考え方であります。
○副議長(江口済三郎) 以上で酒井たくや議員の質問は終わります。
 お諮りいたします。議事の都合により、本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、ご異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(江口済三郎) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
 次の会議は、明日午後1時より本会議場において開会することを、口頭をもって通告いたします。
 本日はこれをもって延会いたします。
       午後5時6分延会