平成18年02月23日中野区議会本会議(第1回定例会)
平成18年02月23日中野区議会本会議(第1回定例会)の会議録
平成18年第1回定例会本会議第4日(2月23日) 1.平成18年(2006年)2月23日、中野区議会議事堂において開会された。
1.出席議員(41名)
  1番  いでい   良  輔        2番  伊  東  しんじ
  3番  佐  野  れいじ         4番  北  原  奉  昭
  5番  久  保  り  か        6番  酒  井  たくや
  7番  奥  田  けんじ         8番  近  藤  さえ子
  9番  小  堤     勇       10番  大  内  しんご
 12番  きたごう  秀  文       13番  吉  原     宏
 14番  高 橋   ちあき        15番  やながわ  妙  子
 16番  平  島  好  人       17番  むとう   有  子
 18番  はっとり  幸  子       19番  長  沢  和  彦
 20番  か  せ  次  郎       21番  山  崎  芳  夫
 22番  小  串  まさのり       23番  若  林   ふくぞう
 24番  市  川  みのる        25番  岡  本  いさお
 26番  こしみず  敏  明       27番  飯  島  きんいち
 28番  佐  伯  利  昭       29番  佐  藤  ひろこ
 30番  来  住  和  行       31番  岩  永  しほ子
 32番  篠     国  昭       33番  柿  沼  秀  光
 34番  伊  藤  岩  男       35番  斉  藤  金  造
 36番  大  泉  正  勝       37番  斉  藤  高  輝
 38番  江  口  済三郎        39番  藤  本  やすたみ
 40番  昆     まさ子        41番  江  田  とおる
 42番  池  田  一  雄
1.欠席議員(1名)
 11番  伊  藤  正  信
1.出席説明員
 中 野 区 長  田 中 大 輔      助     役  内 田 司 郎
 収  入  役  山 岸 隆 一      教  育  長  沼 口 昌 弘
 区 長 室 長  寺 部 守 芳      総 務 部 長  石 神 正 義
 総務担当参事   橋 本 美 文      区民生活部長   本 橋 一 夫
 子ども家庭部長  田 辺 裕 子      保健福祉部長   菅 野 泰 一
 保 健 所 長  清 水 裕 幸      都市整備部長   石 井 正 行 
 拠点まちづくり推進室長 石 橋   隆   教育委員会事務局次長 金 野   晃
政策計画担当課長 川 崎    亨
本会の書記は下記のとおりである。
 事 務 局 長  山 下 清 超      事務局次長    高 橋 信 一
 議事調査担当係長 大 谷 良 二      書     記  黒 田 佳代子
 書     記  永 田 純 一      書     記  荒 井   勉
 書     記  岩 浅 英 樹      書     記  菅 野 多身子
 書     記  廣 地   毅      書     記  西 田   健
 書     記  鳥 居   誠      書     記  杉 本 兼太郎
 書     記  松 本 桂 治      書     記  吉 田 哲 郎

 議事日程(平成18年(2006年) 2月23日午後1時開議)
日程第1 第4号議案 平成18年度中野区一般会計予算
     第5号議案 平成18年度中野区用地特別会計予算
     第6号議案 平成18年度中野区国民健康保険事業特別会計予算
     第7号議案 平成18年度中野区老人保健医療特別会計予算
     第8号議案 平成18年度中野区介護保険特別会計予算
日程第2 (17)第139号陳情 改正介護保険法による施設介護利用者等の居住費、食費の自己負担増について、中野区独自の負担軽減策を検討することについて

      午後1時01分開議
○議長(高橋ちあき) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。
 本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。
 昨日の会議に引き続き一般質問を続行いたします。

 中野区議会議員 佐 野 れいじ
 1 中野区職員の意識改革について
  (1)地方公務員法と「分限制度」について
  (2)「ながら条例」について
  (3)採用計画と職員の世代間構成について
 2 平成18年度中野区予算と10か年計画について
3 中野区の防災対策について
 4 地下鉄丸ノ内線のバリアフリー化等について
 5 その他

○議長(高橋ちあき) 最初に、佐野れいじ議員。
〔佐野れいじ議員登壇〕
○3番(佐野れいじ) 第1回定例会に当たり、自民・民社の立場から、次の項目について一般質問をさせていただきます。
 1番目、中野区職員の意識改革について、2番目、平成18年度中野区予算と10か年計画について、3番目、中野区の防災対策について、4番目、地下鉄丸ノ内線のバリアフリー化等について、以上についてお尋ねをさせていただきます。
 まず1番目、中野区職員の意識改革について、お尋ねをさせていただきます。
 最近、改革という言葉が、社会的にも政治的にもいろいろなところで使われておりますが、果たして本当の意味での改革とは一体何なのでしょうか。単に箱物の見直しや、既存する制度・システムの改廃・解体をもって、よりよいものをつくり上げることが改革なのでしょうか。私は、改革・改善を行うのは人であり、その人の意識が重要なファクターであると思っております。したがって、本当の改革、真の改革とは、まず人の意識を変えることではないかと思っております。
 中野区でも、現在、多くの改革・改善が必要とされております。また、中野区長自身も「しっかりと改革に取り組む」と、しばしば発言をされております。そこで、真の改革は、まず我々の意識改革から行う必要があるとの視点から質問をさせていただきたいと思っております。
 1番目、最初に、「地方公務員法と分限制度」についてお尋ねをいたします。
 地方公務員法の第27条、分限及び懲戒の基準では、「すべての職員の分限及び懲戒については、公正でなければならない」と記載されております。そしてまた、「職員は、この法律で定める場合でなければ、その意に反して免職はされない」となっております。したがって、地公法27条では、任命権者や経営者の裁量では、免職等は行うことができないこととなっており、これが世に言われる、一般の民間会社に比べて公務員の身分保障が強いと言われるゆえんでもあります。
 一方、同法28条では、反対に、「職員が左の各号に該当する場合においては、その意に反して、これを降任し又は免職することができる」とあります。1号では「勤務実績が良くない場合」、4号では「職制若しくは定数の改廃又は予算の減少により廃職又は過員を生じた場合」となっております。27条では、分限及び懲戒を公正でなければならないと規定しつつも、反対に28条では、本人の勤務成績が極端に悪かったり、予算の減少による廃職や過員を生じた場合には可能との規定になっているわけですが、なぜかこの28条は、どこの自治体でもこれまで事実上「封印」されてきておりました。
 昨年10月6日の読売新聞によれば、「地方分権改革」とのタイトルで、元大阪府の副知事で現在和歌山県知事・木村良樹さんの記事が載っておりました。それによると、「個々の公務員の質を高める公務員制度改革も避けては通れない現状になってきている。能力主義の導入が不可欠である。従来、公務員は「横並び体質」が強かった。民間では当然のことだが、一生懸命仕事をした人が報われ、仕事をしない人は、給料を下げたり、やめてもらう仕組みが必要になってきている。和歌山県では3月、能力が劣るという理由で、全国でも初めての「分限免職」を実施して辞めてもらった。また、客観的な勤務評定を前提に、能力の低い職員の階級や給与を下げる「分限降任」、みずから役職の重圧に耐えられないと申し出る人の降任を認める「希望降任」を人事制度に組み込むこととした。逆に、仕事のできる職員や果敢に改革に取り組んだ職員には、ボーナスの加算制度を設けた。改革意欲の強い職員、能力の高い職員の抜擢人事も含めて、国に先駆けて、能力・実績主義を徹底させ、職員の質を高めていきたい。各自治体が、「質の高い職員」からなる「効率的でスリムな政府」を目指して競い合ってこそ、分権改革は国民から大きな支持が得られるだろう」と書かれておりました。
 従来、公務員は「横並び体質」が強かったわけですが、時代は刻々と変化をしております。今や仕事をしない人は、給与を下げたり、辞めてもらう仕組みも必要です。辞めさせることが決して目的ではなく、「一生懸命働く人がバカを見ない制度」、ノーワーク・ノーペイを原則として、全職員があすの労働意欲につながるシステムの構築こそが、真の改革につながると私は思っております。この分限制度について、田中区長の見解をまずお示しいただきたいと思います。
 次に、「ながら条例」についてお尋ねを申し上げます。
 地方公務員法52条から55条の2で、職員団体の行為や制限についての規定があります。中野区も例外でなく、地方公務員が勤務時間内に給与を受けながら職員団体活動、いわゆる一般に言われる組合活動を行うことができる条例が制定され、団体交渉や事務折衝、給与を受けながら職員団体のための業務を行う活動が認められているわけです。しかし、「適法な交渉」とは団体交渉のみでありますが、勤務中の執行委員会等もこの「適法な交渉の為の準備」として条例化しているのが実態でもあります。これについて、ことし1月18日、総務省より、調査の結果、「職員団体のための職員の行為の制限の特例条例や組合休暇等について、不適当な制度又は運用が見受けられました」として、都や23区に対して「見直しが必要」であるとの指摘・指導がありました。
 その中で、中野区の「適法な交渉の総時間と延べ人数」を調べましたら、たったの5時間・12人であり、それに対して「適法な交渉以外」の総時間は6,174時間・1,397人という膨大な数字でした。なぜ、地公法で守られている「適法な交渉」の中で行えないのでしょうか。これまでの慣行や労使の習慣だとすれば、ここにも私は改革が必要だと思っております。
 民間では、時間内組合活動は、ほとんどの企業で現在賃金カットの対象となっております。私が民間で労務交渉に当たっていたときには、健全な労使関係があればこそ、その企業は大きく伸びると言われておりました。労使双方がお互いにその存在感や価値観を認め合い、なれ合いではなく、一定のルール化のもとに、緊張と協力を保ちながら交渉を行っていくことが大切ではないでしょうか。
 そこで、お伺いをさせていただきます。
 マル1、中野区の条例では「適法な交渉」に加え、その準備を行う場合も含めて規定していますが、条例準則の範囲を超えてはいないのでしょうか。また、何ゆえ「適法な交渉」の範囲内だけで組合活動ができないのでしょうか。
 マル2、平成18年1月18日付のこれに対する総務省の通知、「職員団体の活動に係る職務専念義務の免除について」を中野区はどう考えておられるのでしょうか。さらに、「適法な交渉」以外の範囲をより明確にする用意はあるのでしょうか。
 マル3、ほとんどの民間企業では、労使間で労働協約を締結し、健全な一定のルール化を図っております。地公法58条1項では、一般職員について労組法は適用されないとなっておりますが、区として労働協約についてどう考えているのでしょうか。
 マル4、憲法では、28条で労働者の団結権・団体交渉権・争議権、いわゆる労働三権が認められております。しかし、公務員は同15条で、全体の奉仕者として、労働基本権は大幅に制約されているのが現状であります。この労働三権が保障されないことを言いわけにして、労使ともにぬるま湯的な労使慣行の環境の中にとどまっているのではないかと私は思っております。
 私は、今後、公務員改革を進めていくためには、官においても民同様の厳しい交渉を重ね、妥結点を見出すべきであると考えております。民間では、企業の存続にかかわる事態では解雇も辞さない場合があります。そしてまた、業績が下がればボーナスも支給されません。ましてや、私の経験からすれば、就業時間中に組合活動が堂々と行えることなど考えようもありません。民間の経営者が労組と厳しい交渉を行うのと同じように、中野区もこれまでの労使慣行にとらわれない交渉を行う考えがあるのでしょうか。
 最後に、区長の見解を求め、この項の質問を終わります。
 次に、3番目として、採用計画と職員の世代間構成について御質問をさせていただきます。
 「新しい中野をつくる10か年計画」の中で、区は、「民間の活力を生かした業務改革を促進することにより、職員定数の削減を進め、10年後には約2,000名の職員体制の実現を図ります」と言っております。さらに、採用については、今後退職不補充を原則として、新規の採用を抑えていくことを表明しております。昨年9月の決算総括質疑でも、私はこの点について質問をさせていただきました。また、先日、2月9日の財政制度調査特別委員会でも、10か年計画の財政フレームの中の職員数と人件費についてお尋ねをいたしました。それに対して区は、17年度職員数、約2,900名、人件費255億9,000万円に対して、10年後には2,050人、人件費200億円を予定しているということの発表がございました。このまま推移すれば、額にして、10年後には人件費が55億9,000万円減となり、そのときの予算規模にもよりますが、仮に1,000億円で予算規模が組まれたとすれば、17年度予算で30%を切り、ようやく29.8%となった人件費比率が、驚異的にも20%程度になるという回答でございました。
 民間では、一般的には人件費は30%を超えるとレッドライン、25%以上イエローライン、20%から25%が普通であると言われております。ようやく中野区では、10年後には青信号の仲間入りをするわけです。しかし、実際は財務面では、非常な努力により青信号になっても、そこには組織上・構成上の問題が新たに発生をしてまいります。このままいけば、間違いなく中野区職員の構成は10年後には逆ピラミッド現象が起こります。
 現在の中野区職員の平均年齢は45.0歳であります。23区中2番目の高さであります。ただでさえ高い年齢構成の中で、今後10年間推移した場合、10年後の26年度には50.4歳となってしまいます。恐らく23区中、ダントツの年齢となることでしょう。50.4歳、これでは斬新な発想は生まれません。年齢が高いから悪いと言っているわけではありません。一定の偏り、硬直した制度やシステムになってしまうのではないかということを危惧するわけであります。世代間の構成バランスがあってこそ、初めてバランスのとれた組織体制となります。人件費を落とすことと採用計画とは表裏一体であり、不可分の関係にあります。そこには、各企業とも工夫を凝らしているのが現実であります。現在の中野区は、原則退職不補充のもと、中途も含め10名から15名程度の人を採ってきているやに聞いております。10年先を見据えた、人件費と職員構成とがバランスのとれた採用計画をすべきだと思います。そこで伺います。
 マル1、現在の中野区職員構成、約2,800名のうち、50歳代が35.8%、40歳代が37.1%、30歳代が22.2%、20歳代3.4%となっており、20歳代が極端に少ない人数になっております。この職員構成をどう考えるのでしょうか。
 マル2、さらに、今後10年間の採用計画をどのように考え、どうするつもりなのでしょうか。
 マル3、10年後に職員約2,000名体制となる一方、職員の平均年齢が50.4歳にはね上がることについて、この現実をどう判断していくのでしょうか。
 マル4、つい先日、平成18年2月11日の朝日・東京両新聞によれば、「千代田区は、職員削減について区としての強い意思と区民に決意を示す意味で、2004年度当初予算より約2割減らし、2009年度には1,020人にするという削減目標人数を区条例に明記し、「強く不退転の決意を示す」として、今区議会に条例の一部改正案を出す」との報道がありました。中野区も、職員削減に向けて、これくらいの強い信念を持って改革すべきだと私も思いました。
 2,000名体制を10か年計画の中にしっかりとうたっているわけですので、田中区長の強い姿勢を示す意味でも、職員数の削減の条例化についてどのように考えるか、お聞かせください。
 次に、大きな項目の2番目として、平成18年度中野区予算と10か年計画について、お尋ねをいたします。この問題は、この後の予算特別委員会で議論になろうと思いますが、あえてここでもお尋ねをさせていただきたいと思います。
 1番目、まず財政規模についてお尋ねをさせていただきます。
 ここ数年の一般会計当初予算額を見ますと、当初予算が大体870億から890億、年度途中に補正予算を計上して、歳入決算額が920億から930億になるというのが、ここ数年の中野区の財政規模となっております。私は、こういう予算規模でいいのだろうかという、率直な疑問を最近持っております。
 歳入を予測しながら積み上げていくという総額の枠組みが、おのずとこれでは決まってしまいます。それを配分して歳出に振り分ける、その際、どうしても支出しなければならない義務的経費が最優先されてしまいます。そして、残りが投資的経費に回されるという結果が生まれてしまいます。毎年、同じような規模の財政計画の繰り返しでしかありません。伸びていくのが、私は決していいとは言っておりません。どうしても必要な経費があって、歳出枠が大きくなれば、当然基金からの取り崩し、あるいは起債を活用してでも歳入をふくらませて区民の期待にこたえていくというような、積極的な予算の組み方ができないのかというふうに思っております。毎年同じような規模で推移していると、今年度はこれに力を入れるというような戦略的な意図が見えないのではないでしょうか。そこでお尋ねいたします。
 1番目、ここ数年、ほとんど同規模の財政規模にとどまったのは、財政の構造に問題があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 2番目、10か年計画で四つの戦略を掲げていますが、これに即して18年度において戦略的に取り組むとして計上した事業と、その経費はどのようなものがあるのでしょうか。
 次に、歳入についてお尋ねいたします。
 特別区税収入は、17年度当初予算に比べて伸び率4.3%、282億9,000万円と見込んでいますが、果たして的確に見積もられているのでしょうか。17年度当初予算では271億1,300万円計上しながら、約4億円もの減額補正をしようとしております。減額分はすべて特別区民税です。景気が回復基調を強めているからと、17年度当初予算では特別区民税を前年に比較して約11億円ほどの増としたのではないでしょうか。歳入の3分の1を占める特別区税を的確に見積もることは、大変重要なことだと思っております。そこで伺います。
 1番目、特別区税収入は過大な見積もりになっていないでしょうか。特別区税を相当な増額計上した理由についてお答えください。
 2番目、景気は上向きになっていると報じられております。特別区交付金には、はっきりと景気上昇の影響を見込んで、対前年8%もの伸びを見ているようですが、特別区民税算定に当たっては景気の動向をどう予測しているのでしょうか。それを織り込んでいる部分があるなら、その数値及び17年度の収入率の実績予測と18年度収入率見込みをお答えください。
  次に、義務的経費について御質問をさせていただきます。
 人件費、扶助費、公債費をあわせた義務的経費は、前年に比べ減となっております。しかし、依然として高い比率になっていることは事実であります。人件費については、職員削減や給料表改定による給与の減があり、特殊勤務手当については大変な努力をされ、どこよりも先がけて整理された点は評価いたしますが、まだまだ人件費比率は23区平均27%には及ばない、高い数値にあることは事実だと思います。また、超過勤務手当は、通常の時間当たり単位の割り増しで支給されることを、超過勤務を命ずる管理者の方々は認知されているのかという観点から、私はたびたび質問をさせていただきました。10か年計画の中でも、超過勤務手当を5%減らすと明示しております。そこでお伺いいたします。
 マル1、18年度予算で計上している超過勤務手当は幾らなのでしょうか。人件費のうち、それは何%を占めるのでしょうか。また、職員数は減っているのに、仕事は減らないのではないかと思います。各部超過勤務手当を減とするためには、どのような手だてを考え、構築をしているのでしょうか。
 この項の最後に、財政計画についてお尋ねを申し上げます。
 区の財政計画は、何をもって知ることができるのでしょうか。単年度は、予算書がこれに当たると思いますが、中長期のものは10か年計画の中の財政フレームがこれに当たるのでしょうか。「平成17年度行政評価結果に対する区の仕事の見直し報告書」が出されており、これを見ましたら、財務分野のところでこのような記述がありました。「現在の財政状況を考えるなら、健全な財政になるまでは財務分野はしっかりと旗振り役に徹する必要がある」という外部評価委員の指摘に対して、区の考えは、「事業部制を推進している上では、後方支援の立場しかとれない」ということでした。また、「細かい経費節減の積み重ねを財務分野として示していく必要がある」という指摘に対して、「予算編成の権限が各事業部にあるため、細かな見直しまで助言することが非常に困難な状況にある」というふうに答えております。このような認識で果たしていいのでしょうか。実際の予算編成や10か年フレームづくりはどう行われているのか、我々にはわかりづらい面がたくさんあります。
 一方、平成17年6月に区からいただいた事業概要では、財政担当係長の事務内容として、「区の年間財政計画を作成する。この計画に基づき、区の年間予算を編成する」とされております。そこで伺います。
 マル1、区の予算編成についての権限と責任は、一体どこにあるとお考えでしょうか。事業部制のもとで、財務分野の後方支援という役割はどういう意味なのでしょうか。また、具体的にどのような作業を行うとしているのでしょうか。
 マル2、単に財務分野が旗振り役を務めたとは思いませんが、10か年フレームの作成はどこが責任を持ってまとめたのでしょうか。基金の積み立て・繰り入れ計画についてもお答えをいただきたいと思います。
 3番目、起債をどのようにしていくのかが見えません。起債の活用計画を区分ごと、発行年度ごとに、何に充てる計画なのか、明らかにすべきだと思います。
 以上でこの項の質問を終わりますが、私は、区全体の財政計画策定と財政運営に関する権限と責任は、財政担当が負うべきだと考えております。政策担当との連携や、各事業部との協議は欠かせないとしても、予算編成の後方支援などではないと思っております。大切なこの予算を組むことについて、私自身の考えを最後に述べさせていただきまして、この項の質問を終わらせていただきます。
 続きまして、大きな項目として、中野区の防災対策についてお尋ねをさせていただきます。
 本年1月15日発行の「なかの区報」では、第1面に「いつ起きるかわからない大地震に備えを」と大見出しをつけております。リード部分で、「過去の地震災害を教訓に、各ご家庭で、震災に備えましょう」と載せております。また、本文では、「東京都区部を震源にマグニチュード7.2クラスの直下地震が発生した場合、中野区では約1,700棟が全半壊、約3,500人が負傷、約500人が死亡するとされている」と、東京都の調査報告を引用し、さらに非常用持ち出し品のイラストを添え、「みなさん一人ひとりが、日ごろから震災に備えておくことが必要です」と区民に訴えております。確かに、区民に日ごろの備えを訴えることは必要かつ重要です。しかしながら、被害を少しでも食いとめるのはあくまでも行政の責任であって、区民の備えが万全なら地震災害が防げるという問題では決してありません。そこで、まずお尋ねいたします。
 区報では、「昨年9月に中央防災会議が公表しました首都直下地震対策大綱に基づき、今後、中野区の被害想定や地域防災計画を見直す予定」とありますが、現在どのような問題点があって、それをどう見直すのか、具体的にお答えください。
 防災問題の一環として、私は老朽化マンションの建てかえについて、一昨年の第2回定例会の一般質問でお尋ねをいたしました。そのときの質問の趣旨は、現在中野区においては築30年以上、昭和49年以前の分譲マンションが115棟あり、また用途地域見直し等で建ぺい率や容積率が変更となり、既存不適格マンションとされている建物が163棟あり、老朽化したマンションを建てかえようと思っても、用途地域変更により、現在住んでいる建物がそのままの大きさに建てられない現実にぶつかり、建てかえを断念しているのが現状であります。総合設計制度が改正されましたが、マンション建てかえの場合、前面道路の幅員が6メートル以上必要で、また一定規模以上の面積がないと有効ではなく、かつ、それらを満たしたとしても日影規制のため有効な運営ができないのが現状であります。現在の不適格マンションを、すべて総合設計制度で建て直すことは大変に困難であります。建てかえがスムーズにいくように、中野区が率先して容積率や日影制限を思い切って緩和すべきだと思っております。区としては、これまで老朽化した建物の建てかえについて、どのように取り組んできたかを改めてお答えください。また、私の質問した一昨年6月以後、総合設計制度で建てかえがなされたマンションの件数をお知らせください。
 一昨年の第4回定例会の一般質問で、私は、「東京都は現在、環六の内側をセンターコア再生ゾーン、環七の内側を都市環境再生ゾーンに位置付けていますが、中野区においても環七まで高度利用を推進するセンターコアに繰り入れられるようにすべきだ」と提案しました。これに対して区は、「ゾーンを直ちに移行させることは難しいが、区における土地利用については幅広く検討していく」との回答でした。その後、この問題について、区はどのように検討されてきたのでしょうか。明確にお答えください。
 最後になりましたが、4番目の大きな項目として、地下鉄丸ノ内線のバリアフリー化等についてお尋ねをさせていただきます。
 1番目、新中野駅・中野新橋駅及び中野富士見町駅のエレベーター・エスカレーター化、並びに新中野を除く出入り口(二方向避難口)について、2番目、中野坂上駅の宝仙寺側出入り口の開設について、これらの問題は、これまで私を含め再三にわたって同僚議員の多くの方々からも質問が出されております。その後の進捗状況も含めてお答えいただきたいと思います。
 以上をもって私の今回の質問はすべて終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 佐野議員の質問にお答えをいたします。
 労働意欲につながるシステム構築として、分限制度についてとらえていくべきではないかという御質問でありました。
 公務の能率を維持したり、公務の適正な運営を確保していく、また職員の働く意欲を引き出すというためにも、分限処分制度というものが適切に運用されるということが必要だというふうに私も考えているところであります。
 しかしながら、分限処分は職員の意に反した不利益処分でありまして、最後の手段、伝家の宝刀とも言うべきものだというふうにも思うわけであります。したがいまして、そうした事態に至る前に、職員に十分指導を行ったり、支援をすることが必要だというふうに考えているところでありまして、そうした対応をとっているわけであります。その結果として、みずから職務に耐えがたいといった場合などで自主退職となっているケースもあるということも、御報告をしておきたいというふうに思います。
 それから、「ながら条例」についての質問がございました。
 条例準則の適法な交渉の範囲だけで労使関係を進めていくべきではないかということであります。総務省の条例準則には、適法な交渉という規定がありますけれども、準備行為を認めるという規定はございません。中野区としては、準備行為は適法な交渉に随伴をして、直接関係を持つものとして条例に規定されているというふうに理解をしているところです。しかし、総務省から適正化を指導されたことについては、区としても厳粛に受けとめる必要があり、この点、改善していくべきだと考えております。労使関係の透明性を図るために、適法な交渉として認められる時間内組合活動、この範囲についての明確化もあわせて行っていく必要があるだろうというふうに考えております。
 労働協約について、どう考えているかということであります。
 地方公務員は、公権力の行使や政策形成にかかわるという職務の特質から、労働基本権が制約をされているわけでありますが、労働協約が締結できないのもその一つであるというふうに考えております。職員の労働条件につきましては、労使間の妥結のみで効力を発生する労働協約とは異なりまして、議会で定める条例で定めることが必要というものであります。こうした制度の趣旨を勘案いたしますれば、民間の労働組合の場合よりも一層厳密な労使関係であらねばならないのが公務員の立場であるというふうに考えております。適正な交渉と、その情報開示に努め、区民に納得が得られる労使関係を築いていきたいと考えているところであります。
 これまでの労使慣行にとらわれないで、職員組合との関係をきちんとつくっていく、そうした考えはあるのかどうかということであります。
 これまでも、私は労使関係においても一切の聖域を認めず、前例にとらわれない姿勢で交渉に当たってきたつもりであります。しかしながら、長い経過を持つ事案も多く、改革に満足できるまでには至っていないのも実情であります。今回、総務省から適正化の指導を受けました「ながら条例」の問題など、労使間のルールで今後見直しすべきものについては、一層毅然とした態度で取り組んでいきたいと考えております。
 職員の定数削減下における採用計画と職員の世代間構成についての御質問がありました。
 かつては、毎年100人以上の職員採用を行ってきたわけでありますが、この10年間というものは民間の力を活用したり、仕事の見直しや事務の効率化を図る中で職員採用を抑制してきているわけであります。このため、若年層が少ない世代構成となっているのは御指摘のあったとおりです。社会全体の動向から見ても、労働力の高齢化というのは進んでいるところでありまして、この傾向そのものはある程度やむを得ないと考えているところであります。
 今後の職員採用について、一定数の新規採用を確保していくこと、また、任期付き職員あるいは経験者、専門知識を持つ者の採用など、多様な任用形態を取り入れることによって、活力のある柔軟な対応が可能な状態をつくり出していきたいと考えているところであります。
 また、今後、人材育成計画を策定していく中で、年齢層の高い職員も含めて、あらゆる年代の職員に自己開発とキャリアアップの機会が提供できるような、そうした人事システムを構築すると、そのことによりまして職員が新鮮な発想とやる気を持って働ける、年代にかかわらずそうしたことができると、それで達成感が得られる職場となるような、さまざまな環境整備を進めていく必要があると考えているところであります。
 それから、職員数削減の条例化を検討してはいかがかという御質問もありました。
 10か年計画で2,000人体制の実現を掲げて、さまざまな取り組みを行っていくということであります。また、策定中の行政革新5か年プランの実行によって、目標達成を目指して取り組みを進めていくわけでありますが、職員の定数条例は、任用するべき職員の上限を定めるもので、その年度ごとに条例改正をしていただいているのが実態ということであります。何年間分かまとめて条例化をしておくといったようなことと、その時期に応じて業務の増減が生じるといった現実の動きと、さまざま勘案をいたしますと、この削減計画について10か年計画で明確にしていく、また、その内容、実行していくプロセスについて行政革新5か年プランで明らかにしていく、そうした形の取り組みが望ましいのではないかと私は考えているところであります。
 それから、予算の規模がこの数年、ほとんど同じ規模であると、財政の構造に問題はないかという御質問であります。
 バブル崩壊以降の財政悪化を受けまして、この数年は公債費や人件費、扶助費などの義務的な経費の圧力が、御指摘にもありましたとおり、極めて高かったわけであります。そうしたことから、投資的事業に取り組むための区の自由財源が非常に乏しく、投資的事業に取り組みにくい財政の構造であったわけであります。その結果、投資的事業があれば、それに伴って起債でありますとか、補助金、交付金でありますとか、臨時的な財源が予算規模を拡大するわけでありますが、そうした臨時的な財源を伴うような投資的事業がなかったというようなことが、収支ぎりぎりの予算規模で推移した結果がこうした数年間だったということであります。
 そして、この数年間、さまざまな改革をした取り組みの結果として、一定の財政構造が改善を見てきたというところでありまして、10か年計画の中で新しい中野をつくるためのさまざまな取り組みについて計画的に取り組んでいくといったような状況となってきているということだと理解をしております。
 この当初3年間は、財政健全化期間という形で、注意深く運用することとはしておりますが、そうしたこともこの10か年計画におきます、新しい取り組みをしていくための取り組みであるということで御理解をいただければというふうに思っております。
 それでは、この10か年計画で四つの戦略を掲げている、18年度に戦略的に取り組んだ経費というのがどのぐらいなのかということについて、お答えをしたいと思います。
 10か年計画で掲げました四つの戦略を受けまして、18年度に戦略的に取り組むこととした主な事業といたしましては、まち活性化戦略では、中野駅周辺整備、野方駅北口開設、(仮称)産業カレッジなどで約4億3,000万円、地球温暖化防止戦略では、事業者環境マネジメント促進事業、それからグリーン電力証書制度の導入、それから(仮称)北部防災公園整備などで約4億1,000万円、元気いっぱい子育て戦略では、小・中学校や保育園等における安全対策、体力向上プログラム、区立学校の再編などで約11億7,000万円、それから健康・生きがい戦略では、地域包括支援センターの設置、認知症高齢者グループホーム、小規模多機能居宅介護拠点の整備などで約5億6,000万円などでございました。
 特別区民税が過大な見積もりになってはいないか、特別区民税を増額計上した根拠は何なのかという御質問がありました。
 平成18年度の特別区民税の予算額については、定率減税の半減によりまして約10億円、それから老年者控除の廃止や65歳以上の方にかかわります公的年金等控除額の引き下げなどによりまして約4億2,000万円、それから老年者非課税措置の廃止で3,000万円など、制度改正の影響額により約14億5,000万円の増を見込んだものであります。
 景気の動向その他、どう見込んでいるのかということと、それから収納率の実績かつ見込みはどうなっているかという御質問もありました。
 特別区民税の算定については、納税義務者数の増減見込み、それから東京都の賃金統計によります平均収入額、また区内におきます所得額の動向、税制改正の影響などをもとに積算をしているところであります。
 平成18年度の特別区民税の予算額につきましては、納税義務者数は若干増加するものの、各種のデータから、都全体の動向に反して区内では所得の伸びが見込めない傾向が見られることなどから、主に税制改正の影響による増収分について見込んだものであります。その結果、23区平均では10%の伸びが見込まれているわけでありますが、中野区においては4.4%の伸びにとどまったということとなりました。
 また、平成17年度の収納率でありますが、これは現年度分で97.4%、特別区民税全体では90.7%を見込んでいるところであります。平成18年度の予算においては、現年度分では98%、特別区民税全体では92%の収納率を見込んだというところでございます。
 それから、18年度予算の中で人件費の総額はどのぐらいか、また超過勤務手当の額はどのぐらいかといった御質問がありました。
 常勤や再任用など、超過勤務手当支給対象者の人件費のうち、超過勤務手当の占める割合は2.4%であります。人件費の総額が260億7,000万円余であります。超過勤務手当の総額は6億3,000万円余でございます。その割合が2.4%ということでありました。超過勤務につきましては、その必要性を吟味して、必要最小限の時間で成果を上げることができるように勤務命令をしているところであります。職務執行の見直しでありますとか、臨時職員の活用、また委託などの民間活力の活用などの工夫を徹底し、さらに人件費、超過勤務手当の削減に努めていきたいと考えているところであります。
 それから、財政について、予算と10か年計画の関係で、財政フレーム、財政計画はどこで見られるのかといったようなこと、また財務担当者の役割というのは一体何なのかといったような御質問がありました。
 財政フレーム、財政計画については、10か年計画の財政計画の中で見ていただいているところであります。しかしながら、今後、起債の考え方、基金の考え方など、あわせて財政運営の考え方を取りまとめていく予定としているところであります。
 財務担当の役割ですが、財務担当の役割は経済状況の的確な把握や財政分析、それから年度間をまたがる財源の管理など、区全体の財務計画を立てた上で各部の財務的支援を行うところにあります。
 なお、区の予算編成については、財務担当が長期的な視点に立った財務計画等に基づいて、当該年度の歳入規模と政策的な財政需要を見きわめて、部枠を作成いたします。各部はその枠を受けて、各部の責任において予算の編成をしているところであります。そして、各部のつくった部予算の案は、財務担当が政策的かつ財務運営の適正化という視点から再度総合調整を行って、区予算案を作成するものであります。また、その予算案について最終的に区長である私がまとめるという形になっているところでありますので、財務担当者の役割というのは、今申し上げたような大変大きな意味を持つものであるというふうに考えているところであります。
 10か年のフレームについてどうなっているのかということであります。財政フレームの考え方、また基金の管理、起債計画、起債の管理といったようなことが財務担当の重要な業務であるということは、さきに申し上げました。10か年計画のフレームにつきましても、財務担当が区長室の協力を得てまとめたものであります。各年度の起債の活用については、基金計画とあわせて、今後まとめていくこととしております財政運営の考え方を詳細にしていく中でお示しをしていきたいというふうに考えております。
 それから、中央防災会議の発表に基づく中野区防災計画の見直しについての質問であります。
 中央防災会議が公表しました首都直下地震対策要綱をもとに、先ごろ、東京都防災会議が都内の被害想定について中間報告を発表したところであります。3月には、風速15メートルの事態ということを想定した上での最終報告があるところでありまして、中野区の防災計画の18年度の修正に反映をし、見直しをしていきたいというふうに考えているところであります。
 それから、マンション建てかえの支援策についてであります。
 区は、これまで老朽マンション建てかえ促進のための相談を行ってきたところでありますけれども、築30年以上のマンションを対象に、道路や敷地規模等の一定条件のもと、容積率や斜線等の割り増し緩和が可能な共同住宅建てかえ誘導型総合設計制度等の適用を促進するとともに、こうしたものだけでやり切れないさまざまなケースなども含め、地区計画などによる周辺地域を含むまちづくり支援の中で、マンションの建てかえも推進をしていきたいと考えているところであります。
 総合設計を適用したマンションの建てかえにつきましては、平成16年6月以降はありません。しかしながら、区民からの相談は来ているところでありまして、こうした制度のさらなる周知や必要な支援を行っていきたいと考えているところであります。
 それから、土地利用方針に関連して、東京都のセンターコアに繰り入れられるように考えるべきでないかという御質問でありました。
 東京都は、21世紀にふさわしい魅力とにぎわいのある国際都市への転換を図るために、平成16年4月に東京全体の土地利用の方針を定め、環状六号線の内側については高度利用を推進するセンターコア再生ゾーンとして、商業系、住居系の高容積メニュー等の活用によって新たな産業や都心居住を目指すとし、環状七号線の内側については、狭小住宅の集約化や狭街路の拡幅整備などによりまして、木造建築物が密集する地域の改善など、安全な市街地として再生を目指す都市環境再生ゾーンと位置付けているところであります。
 したがいまして、環状七号線の内側について、道路等の都市基盤整備の状況や土地利用の現況などを勘案しますと、全体をセンターコア再生ゾーンに移行させることは難しいと考えているところでありますが、中野駅周辺まちづくりを始めといたしまして、東中野駅前広場の整備、西武新宿線沿線まちづくりなどについては、現実的な土地利用のあり方や地域の環境などを勘案すると、センターコア再生ゾーンで想定される新産業の立地、にぎわいの創出、まちの利便性の向上などが求められる環境にあるわけでありまして、実現に向けた10年間のステップを明らかにしてきたところであります。
 それから、丸ノ内線の各駅におけるバリアフリー化及び二方向避難経路の確保についてであります。
 中野新橋駅につきましては、東京メトロによれば、平成20年度に予定している駅舎のリニューアルにあわせてエスカレーターの設置及び駅舎と歩道の段差解消を行う予定と聞いております。中野富士見町駅につきましては、エレベーターの設置を目指して18年度に工事に着手をして、19年3月の完成を目途に整備をする予定であります。また、新中野駅につきましては既に工事中でありますが、平成19年5月を目途に、荻窪方向ですけれども、下りホーム西側にエレベーターを整備することになっているところであります。
 それから、地下鉄の二方向避難経路の整備については、中野坂上、中野新橋、中野富士見町の各駅について、それぞれ二方向避難経路等の確保に向け検討を進めているところと聞いているところですが、なかなか進んでいない現状であります。区としても協力をしていきたいと考えているところであります。
〔佐野れいじ議員登壇〕
○3番(佐野れいじ) 時間もありますので、ここで再質問をさせていただきたいというふうに思っております。二、三お伺いをさせていただきます。
 まず、第1点目ですけれども、「ながら条例」についてでございます。
 お話をお聞きして、非常に区長のかたい御決意、一層毅然とした態度で臨みたいというお言葉をいただき、ぜひそれを実行していただきたいというふうに思っております。
 区長も答弁の中でおっしゃいましたように、適法な交渉の範囲と、それをするための準備行為というものが今、条例化されているわけです。国からの指導は、準備行為は適法な交渉の中に含めるべきであるというような指導であります。それを今、毅然とした態度で臨みたいとおっしゃっているわけですから、当然そういったものを解決する方向に向かいたいということだと思います。
 そこでお伺いいたしますけれども、東京都は既に総務省のこの提案を受け入れまして、組合との交渉の場を設定しまして、適法な交渉の範囲内ということの条例化が進んでいます。中野区は、今、区長がおっしゃった毅然とした態度で臨みたいということであれば、具体的にどういうふうにしてその条例化を進めていくつもりなのか、あるいはどうするのか、具体的にお話をいただきたいと思います。もちろん、これは相手があることですから、非常に簡単なことではないし、理解をしていただく、大切なことだと思います。そういうものを含めまして、区長として毅然とした態度で臨みたいという具体的な内容をお知らせいただきたいというふうに思います。
 2点目としまして、今年度の採用計画のことですけれども、ことし出されました10か年計画の中で、私が申し上げましたように今現在45.0歳、これが原則採用不補充としますと50.4歳になってしまうと。今、区長の御答弁の中では、社会全体がこういうような傾向にあるので、止むを得ない部分があるだろうというふうにおっしゃいました。確かに少子・高齢化になります。そしてまた、団塊の世代がかなりいらっしゃいます。そういったことからすると、確かにやむを得ない現象は事実だと思います。しかし、ここでどういうふうな採用計画を立てていくかによって、中野区の10年後の将来が決まってくるわけです。
 したがって、止むを得ない現象だからいいということではなくして、今、私がいただいた資料の中では、退職不補充としながらも、現在10名から15名の採用やっているわけですね。その人たちの年齢構成を見させていただきましたらば、その人たちをずっと採り続けていった場合に、全然採らなければ50.4歳になってしまいますけれども、10名から15名、大体20歳代を採っていったときには49.5歳になるという区側の資料がございます。それを見ますと、やはり10名から15名採っていっても49.5歳になってしまうと。たしかに、人件費比率は落ちますよ。人件費比率は落ちますけれども、そういう現象になるということ、こういった、単に社会現象がそういう傾向だからということでは済まない問題が10年後には来るということ、それを踏まえますと、やはり私は10名から15名の採用をしていったときに、20歳代を採っても結果としてそういう現象になるということをもう一度、区長としてどう考えるかを御答弁いただきたいと思います。
 簡単に言いますと、今、2,800名、10年後に800名がいなくなるわけですね。10名ずつ採ったとしたって、15名ずつ採ったっていいです。10年で150名採ります。ということは、750名なり650名が減になって、その分が人件費比率でいうと落ちるわけですよね。そういうことからすれば、簡単に言いますと、例えば退職者の平均給与はわかりませんけど、700万、800万の人が退職されますと、新人採用は300万から400万だと思います、年収が。そうすると、二人採れるわけですね。ところが、一人ずつ採っていったとしたって、結果として賃金的には落ちるわけですよね。そういうような工夫ですよね。そういうようなことをすれば、人数的には一人採ることになりますが、二人分の賃金が一人分でカバーできる、そういうような工夫といいますか、考え方をいろいろやはり10年後に向けて区は考えるべきだと思いますけれども、その辺についてもう1回御答弁をいただきたいというふうに思います。
 それから、もう1点、私の質問の中で、起債の活用計画について、毎年発行年度割りで何に充当したのかを明らかにしてほしいという質問をしたと思いますけれども、起債についてどういうふうにお考えになっているか、ちょっとよくわからなかったんですけれども、起債の活用計画について、私は各年度ごとに、起債をするということは借金をするわけですから、当然その理由というものを承知した上で借りるわけですよね。その理由が各年度ごとに明らかになってない中で、どのような理由でお借りしているのかということをいただきたいという質問をしたと思うんですけれども、ちょっとその辺について、よくわかりませんでしたので、もう1回御答弁をお願いしたいというふうに思います。
 それから、もう1点、地下鉄の丸ノ内線のところですけれども、今、中野富士見町の駅につきましては18年度工事着工というようなことでの御報告がございました。長年の夢でありました。中野富士見町がそういうことになれば、きっと周辺地域の人たちは喜ぶことと思います。しかし、場所は一体どこなのか。中野富士見町は御存じのように大変狭うございます。その中で、エレベーターを設置するとなると、どこか場所が確保されてなければならないと思いますけれども、その辺についてもしご承知ならばお話をいただきたいというふうに思います。
 以上、何点か御質問をさせていただきましたけれども、再質問ということでよろしく御答弁をお願いいたします。
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 「ながら条例」について、具体的にどうしていくつもりなのかという御質問でありました。
 まず、条例の中で準備行為が含まれているといったことの改善をしなければならないだろうというふうに思います。さらに、適法な交渉の範囲ということも明確化をしていかなければならないということでありまして、そうした作業をしっかりと踏まえつつ、早急に条例を提案させていただきたいというふうに思っております。
 それから、採用についてであります。
 20歳代の若い職員を、賃金の高い職員が辞めたのに対して若い職員を採ると、人件費全体としては少なく済むということでありますが、各年代にわたって職員がいるわけでありますので、そういう意味では、そのとき雇った職員がだんだんにまた給料が高くなっていくという構造であるということもあります。また、区の仕事の中で、基幹的に職員が中心になってやっていくべき業務というものが将来的にどうなっていくのかといったようなことの見定めも必要であるだろうというふうにも考えているところであります。
 そういった中でも、やはり区の業務を中心的に担う部分として、10人とか15人とかいった採用は必要だろうということで計画をしているところであります。それよりもさらに多く採れるかどうかといったようなことについては、私はやはり基本的には10年間で2,000人を目指していきますと、10人から15人の採用が上限という感じなのかなというふうに思っているところであります。
 いずれにいたしましても、そうした年齢の構造が変わるということは、仕事の組織のあり方とか、職員の働き方もおのずと役割が変わってくるわけであります。ピラミッド型の組織をつくっていくという形はできずに、それぞれの職員が担当する仕事に責任を持って行っていくといったような形の働き方にもなっていくということでありまして、先ほど御答弁いたしましたように、あらゆる年代の職員がいつも自分が進歩、発展できる、そういう中で能力をいつも発揮できるような場が得られると、そういう組織のあり方というものをつくっていくということも大事なのかなというふうに思っております。
 それから、起債の充当先を明らかにするべきだということであります。
 起債は、もともと現在は許可制になっておりますので、目的、充当先、すべて明確に予算の中でもお示ししているところであります。問題なのは、やはり、ここで起債をするといつになったらどのぐらい償還が必要になってくるのか、先々の事業を見通して、何年には何のためにどのぐらい起債をするのかという起債の計画というものが必要になってくるといったようなことだというふうに考えているわけであります。そうした、主な起債の充当先なども、先行きを見定めた上で考え方といったようなものをまとめていきたいと考えているところであります。
 それから、地下鉄中野富士見町駅のエレベーターの設置箇所でありますが、佼成病院の用地の一部を利用するという形で整備をするというふうに聞いているところであります。
○議長(高橋ちあき) 以上で佐野れいじ議員の質問は終わります。

 中野区議会議員 久 保 り か
 1 鷺ノ宮駅周辺まちづくりについて
 2 その他

○議長(高橋ちあき) 次に、久保りか議員。
〔久保りか議員登壇〕
○5番(久保りか) 平成18年第1回定例会に当たり、公明党議員団の立場から一般質問をさせていただきます。
 鷺宮地域センターの建てかえを初め、鷺ノ宮駅周辺のまちづくりのさまざまな課題について伺います。
 初めに、鷺宮地域センターの耐震性能の状況について伺います。
 平成17年第2回定例会での斉藤高輝議員の「耐震診断並びに補強工事が終了していない施設はどこか」という質問に対し、総務部長は、「沼袋地域センター、鷺宮地域センター、野方図書館、もみじ山文化センター西館及び南台三丁目アパート。保育園では本郷保育園、南江古田保育園、新井保育園、桃が丘保育園及び野方保育園」という具体的な施設名を答えられています。その後、これらの施設への対応はどうなさったのでしょうか、伺います。
 昭和47年に建築された地域センターは、もちろん新耐震基準を満たしてはいませんし、建物の老朽化が目立ち、メンテナンス費用も工事履歴によれば7,000万以上かかっているようです。利用者の方たちからも、「センターの中にいるときに地震があったら、外に逃げましょう」と言われ、心配をされているほどです。
 18年度、鷺宮地域センターについては、耐震精密診断を行う予定であるとも伺っていますが、精密診断とはいかなるものなのでしょうか。また、いつごろ実施して、結果についてはいつわかるのでしょうか。この精密診断は、耐震補強工事を目的としたものなのでしょうか、伺います。
 次に、鷺宮地域センターの建てかえについて、提案を含めて質問いたします。
 鷺ノ宮駅周辺の利用可能な用地に、仮設の施設を設置するなどして、地域センター機能を立地させ、鷺宮地域センターは現地で区民活動センターとして建てかえてはいかがでしょうか。用途容積や日影をシミュレーションして、利用可能な延べ床面積を試算してはいかがでしょうか。現状より広くなる可能性もあるのではとも思います。
 そして、新たな施設に、鷺宮保健福祉センター及び子ども家庭支援センターを併設させてはいかがでしょうか。子ども家庭支援センターは、保健福祉センターと一緒に設置されることにより、機能を十分に発揮できるのではないでしょうか。
 地域センターの4、5、6階の鷺宮図書館は、鷺宮体育館、運動広場、公園による水とみどりの文化・スポーツゾーンを構成するように立地を図ってはいかがでしょうか。御見解を伺います。 
 1月26日には、改正耐震改修促進法が施行されました。平成17年修正版「中野区地域防災計画」には、東京都の計画をもとに中野区の「耐震改修促進計画」を策定し、計画的に耐震診断、耐震改修を行うとあります。計画は18年度内には策定されるのでしょうか。また、区有施設について、促進計画で具体的な耐震工事や建てかえの時期についても示されるのでしょうか。
 「中野区地域防災計画」で、鷺宮地域センターの耐震改修については、国の住宅・建築物耐震改修事業の助成を受けることは可能でしょうか。
 私は、17年第3回定例会で、鷺宮地域センター、特に鷺宮図書館の建てかえについて伺いました。教育委員会次長からは、「将来的に建てかえをしなければならない施設でございますが、その建てかえの位置や時期につきましては、併設している施設など、他の施設の配置計画とあわせて取り組んでいきたい」とのお答えがありました。
 災害の発生は予測がつきません。いつ起きるかわからない地震に備え、地域センターの建てかえ、あるいは耐震補強工事の計画が急がれるのではないでしょうか。耐震補強工事の費用がどの程度かかるものなのか、耐震補強に多額な費用を投じたとしても、地域センターは何年使用可能なのか、その際の費用対効果を考えたとすると、学校再編とは関係なく、早期建てかえという決断をするべきと考えますが、いかがでしょうか。
 次に、住宅施策と学校再編について伺います。
 中野区の北西部、特に鷺宮を中心としたエリアは、10か年ではまるで動きのない、何の計画もない、取り残された地域になっているのではないでしょうか。「10か年計画」には、区内四つの生活圏が設定されています。それぞれの生活圏に、学校再編などにより統合された学校の跡地に(仮称)総合公共サービスセンターが設置されるということですが、鷺宮エリアを除く3カ所のサービスセンターの計画しか示されていません。地域子ども家庭支援センターに関しても、ステップ2では鷺宮児童館に設置、その後、総合公共サービスセンター内に設置・移行となっていますが、鷺宮児童館からの移行は計画上明記されてはいません。その後の計画がないままです。鷺宮エリアは学校再編が中後期まで予定されていない地域です。人口動向によっては、学校再編も統合新校ではなく、学区域の見直しで済まされるケースも出てくるかもしれません。
 鷺宮地域センターエリアの住宅状況を考えるとき、ことしから建てかえの始まる上鷺三丁目の都営住宅、白鷺一丁目の都営鷺宮アパート、平成25年までに建てかえと言われる西住宅など、大規模な住宅の建てかえが予定をされています。団地だけではなく、建設予定のマンションもあり、人口増が見込まれるエリアです。児童・生徒の数が増加する可能性もあります。ファミリー世帯の入りやすい住宅を建てることが重要な課題です。まだまだ、そうした住宅を建設し、人口増、世帯増を図れる可能性が鷺宮地域にはあります。
 平成16年第4回定例会の私の次世代育成支援行動計画についての質問に対し、都市整備部長は、「区有地の活用による民間住宅の整備、それから民間の土地活用による良質なファミリー住宅の誘導といったことを図ってまいりたいと考えている」、また、「できるだけ早い時期にお示しをしたい」と答えられています。早い時期ということですが、もうお示しくださってもよいのではないでしょうか。いつになりますか。鷺ノ宮駅周辺で低利用地の整備などで民間活用のファミリー住宅の可能性は検討されたのでしょうか。
 区長も、施政方針説明において、「中野区が住み続けたい、選びたいと言われるような、豊かさと魅力を兼ね備えた自治体となっていかなければならないと考えています」と言われています。住み続けるには、住む家を確保しなくてはいけません。ファミリー世帯の増加があれば、学校再編の中後期以降の計画も変わっていくのではないでしょうか。計画策定の流れについて、お考えを伺います。
 次に、鷺宮地域の公園計画について伺います。
 中野区みどりの基本計画を見て、大変驚いたことがありました。それは、鷺宮地域が、町別の一人当たりの公園面積が中野区で最低であるということです。平成12年度の調べによれば、区部平均値4.48平方メートル、中野区1.07平方メートル、鷺宮一から六丁目は0.259平方メートルと、区内最低です。また、人口の変動によって変化しない公園地率は、23区の平均値は5.81%であるのに、中野区は2.09%と低く、鷺宮は0.441%と、中野区で最低の公園地率となっています。また、歩いていける半径250メートル誘致圏範囲の公園の設置も計画はありません。
 10か年計画には、区立若葉公園に隣接する鷺宮詰所の廃止が計画されています。この詰所を公園として整備していただきたいとの鷺宮地域の皆様の署名を添えて、要望書を区長に届けさせていただきました。緑被率はともかく、公園は狭小であるこの地域に公園を拡幅する必要があると考えます。詰所を若葉公園とあわせて整備することで、改善を図っていくべきではないでしょうか。
 10か年計画の中には、みどりのネットワークの重要性が示されています。しかし、公園はみどりだけではなく、子育てや健康づくり、地域コミュニティなど大きな役割を担っています。中野区の公園整備推進の計画はどうなっているのでしょうか。新しく整備される予定の北部防災公園、みなみ公園、警察大学校等跡地の防災公園、拡張整備予定の囲桃園公園、上町公園、本一公園以外の公園は、整備予定はないのでしょうか。
 次に、まちづくり交付金を活用した鷺ノ宮駅周辺のまちづくりについて伺います。
 鷺宮のまちづくりを考えるときに、西武新宿線の踏切問題、立体交差化事業と、都市計画道路補助133号線の整備は解決が迫られている大きな課題です。鷺宮・都立家政まちづくり検討会でも、解決までには20年を要すると言われる西武線問題に真剣な話し合いがなされ、さまざまな提案がされています。また、踏切問題で言うならば、1月にも鷺宮2号踏切で死亡事故がありました。踏切問題は早急に解決しなくてはならない問題であると感じています。また、中杉通りの踏切の南北のバス停の問題は解決が図られたのでしょうか。
 16年、17年の予算総括でも、私は西武新宿線と133号線の問題について取り上げております。その後、補助133号線の整備に向けては、事業化の時期など具体的な動きはあったのでしょうか。杉並側は、早稲田通りの北側も既に拡幅がされ、中野区との境界線まで工事が進んでいます。杉並側が整備されれば、中野との差は歴然です。なぜ、都市計画道路の整備は中野側がおくれているのでしょうか。
 17年度の予算総括質疑で、現道の扱いについて質問をしたところ、都市整備部経営担当参事は、「都と区の役割分担を明確にして、連携を図りながら整備等々を進めていきたい」とお答えになっています。現道の中杉通りの将来の姿を明確にした上で、歩道の整備や段差の解消、電線類の地中化など、早期に解決すべき問題に着手すべきではないでしょうか。
 まちづくり交付金の交付対象の提案事業には、西武線の立体交差や拡幅整備される133号線を視野に入れ、駅周辺の施設の再配置や公社の建てかえ、民間住宅の導入など、さまざまな要素を盛り込んだまちづくり計画を立て、まちづくり交付金を導入して事業を推進するよう計画を策定するべきではないでしょうか。お考えを伺います。
 鷺ノ宮駅周辺のまちづくりの交通問題に関連して、最後に伺います。
 昨年11月30日から、待望のコミュニティバス「なかのん」が走り出し、上鷺宮・鷺宮地域から中野への足の確保ができたことで地域の方からは大変喜ばれております。私も、毎日のように利用させていただいております。
 ただ、運行開始前から心配をしていたことではありますが、新青梅街道の渋滞によりバスの時間がおくれ、運行状況がわかりにくいという問題があります。私も先週、2度ほど、バス停で20分以上待ってもバスが来ないことがあり、結局ほかの交通ルートを使って中野へ向かいました。
 平成16年第4回定例会で、私は「バスロケーションシステムの導入について」質問いたしました。区長は、「バスロケーションシステムは、バスの接近情報を利用者に知らせるというものでありまして、有効な手段というふうに考えています。必要性を認識しているところでありまして、要望していきたいということで考えているところです」とお答えになりました。現在も、関東バスではバスロケーションシステムを導入していないようですが、その後、バス会社に対し要望はされたのでしょうか。この際、関東バスのバスロケーションシステムの導入、第1号を「なかのん」にしていただくよう強く要望し、私の一般質問を終わります。
 鷺宮地域の発展につながる、前向きな御答弁をよろしくお願いいたします。(拍手)
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 久保議員の御質問にお答えをいたします。
 耐震診断や補強工事が未実施の施設への対応についての御質問がありました。
 耐震補強等の対策を要する施設のうち、4施設、南江古田保育園、新井保育園、桃が丘保育園、野方保育園につきましては、建てかえ等により対応を図ることとしているところであります。その他の5施設につきましては、施設の利用実態や建物の保有強度等を勘案いたしまして、順次対策を進めていくこととしております。
 来年度におきましては、耐震改修のための実施設計を1施設、これは沼袋地域センターであります。実施設計に移行するための精密診断を2施設、これが鷺宮地域センターと野方図書館であります。なお、南台三丁目アパートについては、耐震診断を実施した結果、1階東棟の一部、これが評価Bの2でしたが、これを除いてA評価と判定をされているところであります。
 それから、鷺宮地域センターの精密診断についてであります。
 鷺宮地域センターについては、耐震診断を行った結果、その性能が建物の補強が必要とされるC評価とされたことを受けまして、耐震改修に向けて有効な補強方法を探るために精密診断を行うものであります。この精密診断については、できるだけ早く実施をした上で、どういうふうにしていくべきなのか、一定の結論を得たいというふうに考えているところであります。
 それから、鷺宮地域センターの建てかえについてであります。
 建てかえ等につきまして、今後、来年度実施予定の耐震の精密診断を踏まえて、それらの内容も踏まえて鷺ノ宮駅周辺の全体の公共施設の配置のあり方を考えていくと、そういう中で、鷺宮地域センターについても最善の方法を探っていきたいと考えているところであります。
 それから、耐震改修促進計画についてであります。
 平成18年度に策定される東京都の耐震改修促進計画、これを勘案した上で、中野区としての耐震改修促進計画を同じ年度、18年度中に策定をしていきたいと考えております。耐震改修促進計画に盛り込む内容は、重点的に耐震化すべき区域の設定、それから優先的に耐震化に着手すべき建築物の用途設定などでありまして、個々の建築物の耐震改修工事や建てかえの具体的な時期を記載するというものではないわけであります。したがいまして、区有施設の耐震改修工事や建てかえの具体的な時期につきましては、別途検討をしていくことになります。
 鷺宮地域センターにつきましては、耐震改修促進法に基づく耐震改修計画としての認定要件を満たした場合には、国の住宅・建築物耐震改修事業の助成を受けることは可能であると考えているところであります。
 私からは以上であります。その他は、それぞれの担当部長の方からお答えいたします。
〔都市整備部長石井正行登壇〕
○都市整備部長(石井正行) 私から、ファミリー向け住宅の整備誘導策につきましてお答えを申し上げたいと思います。
 新しい中野をつくる10か年計画では、民間活力を活用し、区の未利用地や施設の再配置計画から生み出されます用地等に民間住宅を整備誘導していきたいということとしてございます。また、その際には良質なファミリー住宅、これを組み込んでいくことということにしてございます。また、区は民間事業者等との連携のもとに、民間が有します知識、それから専門技術、こういったものを生かした居住環境に係るさまざまなニーズに応じる住宅まちづくり総合支援といったような仕組みづくりを進めておるところでございます。そうした仕組みの中でも、子育て世帯が暮らしやすい住宅を確保していきたいと、こう考えてございます。
 お尋ねにございました鷺宮地域におきましても、同様にファミリー向け住宅の確保、これに努力をしていきたいと考えてございます。
 それから、次に鷺宮詰所の用地利用と公園整備の計画ということでございますが、新しい中野をつくる10か年計画では、鷺宮詰所廃止後について、売却または今後必要となる施設への転用を行う施設と位置付けをしてございます。まだ、この具体的な対応については考えてございませんので、今後これについて検討をしてまいりたいというところでございます。
 それから、新しい中野をつくる10か年計画では、その計画上でいきますと、(仮称)南部防災公園、これの整備に向けた検討を行うということにしているところでございます。
 それから、鷺ノ宮駅直近のバス停問題等についてのお尋ねでございました。
 道路管理者でございます東京都に対しまして、交通渋滞や歩行者の安全対策のために、バス停の整備に関し、さまざまな機会を通じ申し入れを行ってきてございます。東京都は、整備の必要性については認識をしておるところでございますけれども、事業適地の確保などの問題から、現時点で整備を決定するというところまでには至っていない状況でございます。
 次に、補助133号線につきましてでございますが、都市計画道路の第3次優先整備路線に位置付けられておるところでございます。しかしながら、現在のところ事業化など具体的な動きはございません。区としても東京都に対しまして働きかけを強めてまいりたいというふうに考えてございます。
 また、現道の中杉通りでございますが、この将来の姿、形でございますが、これにつきましても補助133号線の整備内容と当然関連付けた検討をしていく必要があるだろうというふうに考えてございます。
 それから、鷺ノ宮駅周辺のまちづくりについて、まちづくり交付金を活用して総合的に行っていったらどうかと、お尋ねでございます。
 鷺ノ宮駅周辺のまちづくりに当たりましては、将来のまちの姿をきちんととらえるとともに、民間活力の活用や、東京都あるいは国との連携を図りながら、さまざまな角度から検討してまいりたいと考えてございます。当然に、整備に当たりましてはまちづくり交付金の活用も図ってまいりたいと考えてございます。
 それから、最後の御質問、バスロケーションシステムについてでございます。
 バスロケーションシステムの導入につきましては、区としても要望を行ってきたところ、関東バスでは平成18年、ことし3月から、来月になりますが、2種類のバスロケーションシステムを導入する予定であるということになってございます。一つは、携帯電話、iモード等を利用して、接近情報を検索できるシステム、それからターミナル駅、中野駅も含むわけでございますが、その駅においてバス停に発車予定時刻を電光表示をしていくと、この電光表示とあわせて音声メッセージを流すというものでございます。「なかのん」も、この携帯電話のシステムの検索対象にはなっておるというところでございます。
 なお、来年度以降も設置可能な停留所に対しまして、この設備を設置していく方向であるというふうに聞いてございます。
 以上でございます。
〔教育委員会事務局次長金野 晃登壇〕
○教育委員会事務局次長(金野 晃) 学校再編に関連しまして、ファミリー世帯の増加などの変化があった場合、どうかというお尋ねがございました。
 学校再編計画につきましては、平成20年度に計画の改定を考えておりまして、中期に再編を予定している学校につきまして再編の時期や統合新校の位置を定めることにしております。この計画の改定は、児童・生徒数などの推移を見た上で行う考えでございます。
〔久保りか議員登壇〕
○5番(久保りか) 3点、再質問をさせていただきます。
 一つは、要するに有効な補強方法を探るということですね。一定の結論を見た場合に、その後耐震補強を行うのか、場合によっては建てかえもしなくてはならないのかということだと思います。その場合に、この全体の公共施設のあり方を考えていく中で、新たな地域センターの位置ですとか、建てかえとか、また併設される施設といったようなことを考えられるというようなことなんでしょうか。
 私は、大変心配をしておりますのが、精密診断を行って非常に危険であるという結果、また有効な補強という、その工事の方法が見つからなかった場合には、建てかえをしなくてはならないということもあると思います。その場合には、いつの段階で全体的な公共施設のあり方を考えていくおつもりなんでしょうか。その時期を教えていただければと思っております。
 それから、都市計画道路の整備のことで、都市計画道路の整備は中野側がなぜおくれているのかということを伺いました。その辺が、もし具体的に中野側がおくれている理由というのがおわかりでしたら教えてください。
 バスロケシステムのことでございますが、3月からバスロケを導入するということで、来年度以降もバスロケを随時拡大していくということですが、この場合、この「なかのん」に対してもバスロケーションシステム、これはバス停に電光表示のされる、そういったバスロケーションシステムが設置されることが可能かどうかを伺います。
 以上3点でございます。よろしくお願いいたします。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 鷺宮地域センターの耐震のあり方ですけれども、調査を行った結果として、どのぐらいの工事が必要なのか、またそれにどのぐらいの経費がかかるのかといったようなことが明らかになってくるだろうというふうに思っております。そうした経費や、工事の方法、可能性といったようなことをまず踏まえなければ、鷺宮地域センターをどうしていくのかということが、一つは決まらないということであります。
 その一方で、御質問の中にもありましたように、全体の公共施設がどうなっていくのかがよく見えてこないという問題が、これもやはりあるわけでありまして、学校の問題でありますとか、そのほかさまざまに施設の関係の配置、再配置の可能性といったようなことも検討していかなければならないわけでありまして、鷺宮地域センターをどのようにするかということと、それから、それによって地域センターに対して施さなければならない対策といったようなことを明らかにした上で、鷺宮地域全体の施設の配置のあり方についても整理をしていきたいというふうに考えているところであります。
〔都市整備部長石井正行登壇〕
○都市整備部長(石井正行) 再質問にお答えをしたいと思います。
 最初に、都市計画道路133号に関連してのお尋ねがございました。
 これにつきましては、東京都は第3次の優先整備路線ということに位置付けをしておるところでございますけれども、その事業実施の具体的な計画がいまだ立っていないという状況から、着手がされていないというふうに理解をしてございます。これについても促進を図るような働きかけを行ってまいりたいと考えております。
 また、「なかのん」の停留所でございますが、先ほどお答えをしました携帯によりますサービス、これは対象になっておるところでございますが、現在のところは電照型の停留所ではないということから対象にしていないというところでございます。しかしながら、今後その辺につきましても要望はしてまいりたいということで考えてございます。
○議長(高橋ちあき) 以上で久保りか議員の質問は終わります。
 議事の都合により、暫時休憩いたします。
      午後2時36分休憩

      午後3時01分開議
○議長(高橋ちあき) 会議を再開いたします。
 この際、申し上げます。
 議事の都合上、会議時間を延長いたします。
 一般質問を続行いたします。

 中野区議会議員 吉 原   宏
 1 林野庁跡地(中央5丁目)の活用について
 2 駐輪場対策について
 3 区の街路灯の照度について
 4 地域センターの分煙について
 5 その他

○議長(高橋ちあき) 吉原 宏議員。
〔吉原 宏議員登壇〕
○13番(吉原 宏) 平成18年第1回定例会に際しまして、自由民主党・民社クラブの立場で一般質問をいたします。
 質問は、通告どおり、一つ目が林野庁跡地(中央5丁目)の活用について、二つ目が駐輪場対策について、これは新中野駅周辺に関してであります。三つ目が区の街路灯の照度について、四つ目が地域センターの分煙についての通告順で行います。5のその他はございません。
 それでは、まず最初に1番目の林野庁跡地の活用について質問をいたします。
 まず、最初に、今回中野区が策定した「新しい中野をつくる10か年計画」は、10か年の中で新たに整備する施設や移転する施設、再編を行う施設、機能や運営方法を見直す施設についてまとめており、また施設の移転や再編により用途がなくなり、売却や他の施設への転用など、今後その活用方法を検討する施設を示すとともに、現在未利用になっている土地について、その活用方法を示したものですが、その中で、整備時期が非常に早い、ステップ2という極めて早期の段階で、桃園第三小学校、仲町小学校、桃丘小学校の統合新校の学校再編がございます。その内容は、桃園第三小学校の位置に統合新校を設置、仲町小学校は総合公共サービスセンター(仮称)と精神障害者社会復帰センター、地域スポーツクラブの活動拠点として活用。桃丘小学校は、新しい産業関連施設、文化芸術の活動拠点等として活用するとするものであります。
 また、学童クラブは、ステップ2から4の段階で、小学校への遊び場設置とあわせて順次小学校へ移転。橋場児童館を桃丘学童クラブ・桃園第三学童クラブ・仲町学童クラブの統合後の学童クラブ専用館として活用するとするものであります。
 しかしながら、この桃園第三小学校、仲町小学校、桃丘小学校の学校統合エリアの子育て中の父兄の多くから、児童館が減り、橋場児童館を学童クラブ専用館とするというこの案では、子どもたちの放課後の生活が大変心配であるという意見が多く寄せられており、昭和41年に建築され、築40年を迎えた橋場児童館においては、このエリアの学童クラブの児童が一度に集中したときに、床が抜けるのではないかという心配の声も聞いております。
 ところで、この統合新校となる桃園第三小学校の南側でありますが、極めて至近距離のところに、住所で示しますと中野区中央五丁目32番地になりますが、林野庁の跡地があります。ここは、中野区が以前林野庁から「母子生活支援施設の整備」という用途目的で譲り受けた土地であり、この用途目的どおり、さつき寮のこの土地への移転開設が予定されております。そこで、このエリアのPTAなどの子育て中の父兄からは、桃丘小学校エリアの子どもたちのためにも、この林野庁の跡地に母子生活支援施設を移転開設するのであれば、その一部を児童館にして学童クラブを入れ、子どもの居場所を確保してほしい旨の意見が出されております。また、児童館と学童クラブは、その性質上、分けるのが不自然という意見もあります。
 この件は、昨年12月26日に締め切られましたパブリック・コメントには、次のように出されました。「現在の橋場児童館は、不便であり、危険な通りもある。中央5-32の用地に母子生活支援施設を建て替えるのであれば、一部を児童館にして学童クラブを入れ、子どもの居場所を確保してほしい」とされたものであります。
 それに対する区の考え方が次のように回答されました。「中央5-32の用地には、母子生活支援施設を整備し、ひとり親等への養育・就労支援の拡充を図っていくとともに、地域の子育て支援への活用についても考えていきます」とするものであります。
 当初、この地は母子生活支援施設専用と私も聞いており、この「地域の子育て支援への活用についても考えていきます」とする区の考え方は、このエリアの子育て中のPTAや父兄にとりましても、その意向に一歩近づいた感があるわけでありますが、それでは、どのような地域の子育て支援への活用を考えているのか、その内容をわかりやすく説明をしてください。
 また、この地域においては、ほかにも方法が--問題点もあるのですが、考えられます。それは、統合新校の至近距離に児童館と学童クラブを集中させる配置であります。この林野庁の跡地に母子生活支援施設を建設するとした用途目的が決められたのは、この学校再編が具体化するかなり以前であると想定されます。母子生活支援施設の場所というのは、ある面、児童館や学童クラブほど統合新校の至近距離でなくともよいと考えられますので、この林野庁の跡地に児童館及び学童クラブ専用施設を建設し、築40年を迎え老朽化した橋場児童館を、あと10年はもつと思われるところを早目に解体して、ここに母子生活支援施設を建設する方法であります。
 もちろん、この方法は幾つかの問題点も残されており、まず1点目は、この林野庁の跡地は母子生活支援施設を建設するという用途目的で林野庁より譲り受けた土地でありますので、用途目的の変更がきくかどうかという問題があり、2点目は、老朽化しているとはいえども、耐用年数50年を待たずして橋場児童館を解体するという問題もありますが、桃丘エリアの子どもたちを初め、全体のバランスを考えますと、統合新校の至近距離でありますこの林野庁の跡地は、学校再編後の児童館と学童クラブの場所として最も理想的な場所であると考えられます。
 学校再編というのは、一度決まりますと30年から40年は変わらないと考えるのがむしろ自然でありますから、この点からも各施設の配置場所は最重要の検討議題になると思いますので、この方法に関しても区の所見を伺うものといたしまして、この項の質問を終わります。
 質問が変わります。2項目め、駐輪場対策についてであります。
 中野区も、かなり以前より放置自転車に大変悩まされており、そして一生懸命努力の結果、着実に成果を上げてまいりました。その成果も、中野区区政概要2005年版、最新版になると思いますが、そこに放置自転車対策としてその成果をまとめてあります。
 「便利で快適な自転車も、乗る人のマナーによって、他人に大きな迷惑をかけている。駅周辺などに大量に放置されている自転車は、歩行者などの通行を妨げ、街の美観を損なうばかりでなく、緊急自動車の通行を妨げるなど、交通安全、防災のうえでも危険な状態である。
 区では、自転車駐車場の整備を進め、放置自転車の撤去を行うとともに、地域の住民をはじめ警察等関係機関の協力により、放置自転車クリーンキャンペーンを実施している。
 昭和63年3月に「中野区自転車等放置防止条例」を制定し、条例に基づき同年10月に中野駅周辺を自転車放置規制区域として指定した。以降、順次区内各駅周辺に自転車放置規制区域を拡大し、現在9カ所の駅周辺を自転車放置規制区域とし放置自転車の即時撤去を行っている。平成16年度には放置自転車の即時撤去を強化した結果、前年度と比較して、区内各駅周辺の放置自転車の数は大幅に減少した」とされております。
 区内各駅周辺の放置自転車台数も明記されており、平成15年10月の調査によりますと2,180台あったところが、翌年、平成16年10月の調査では1,788台に減っているということであります。
 また、放置自転車撤去台数も平成15年度と16年度に分けて明記されており、放置自転車撤去台数、平成15年度3万7,045台から、翌年、平成16年度には3万3,667台と減少しており、規制区域内撤去台数も、平成15年度には3万3,119台、平成16年度には2万9,998台と減少しているわけであります。今後とも、引き続き自転車駐車場の整備を進め、放置規制区域化を図り、また、適正な自転車利用の推進を図ることに努める。なお、撤去した自転車で保管期限を経過しても、引取りのない処分対象の自転車の一部について、再利用を図っていく」と、区政概要には示されております。
 そこで、自転車駐車場がどれだけ中野区じゅうで整備をされてきたか、残念ながら新中野駅周辺はないのですが、そのほかでどれだけ中野区で整備されてきたかというのも一覧表に載っておりまして、これだけ来たんだなと、大変な努力だったなという感じがいたします。
 有料制の自転車駐車場では、まず中野駅北口中央自転車駐車場、ここが収容可能台数3,680台、データは昨年の10月1日現在のデータでありますが、次に中野駅北口西自転車駐車場1,100台、中野南自転車駐車場1,350台、東中野駅自転車駐車場1,030台、東中野南自転車駐車場590台、鷺宮南自転車駐車場1,406台、鷺宮東自転車駐車場400台、鷺宮北自転車駐車場248台、野方第一自転車駐車場140台、野方第二自転車駐車場260台、沼袋第一自転車駐車場、原付・バイク14台を含めて18台、沼袋第二自転車駐車場200台、沼袋地下自転車駐車場470台、都立家政南自転車駐車場370台、都立家政北自転車駐車場270台、中野坂上駅自転車駐車場1,130台、中野新橋駅自転車駐車場が250台と、以上が有料制の全17カ所の自転車の駐車場であります。
 次、登録制の場所として2カ所、新江古田自転車駐車場200台、中野富士見町自転車駐車場90台、それから整理区画として5カ所、東中野東自転車等駐車整理区域34台、野方東自転車整理区画(北)226台、野方東自転車整理区画(南)344台、沼袋南自転車等駐車整理区域250台、落合駅自転車等駐車整理区域120台、以上が、中野区が今まで一生懸命頑張ってきた、新中野駅周辺は含まれていませんが、自転車駐車場の総数であります。大変な努力があったと思います。
 以上のように、中野区全般的には放置自転車対策が着々と進められてきた努力の形跡がうかがえるわけでありますが、まことに残念なことに地下鉄丸ノ内線新中野駅周辺には、いまだ用地が確保できないままで現在に至っております。
 以前に、旧中野消防署跡地も自転車駐車場にいかがなものかという話も出たようではありますが、場所的にどう考えても中央側の人々が使用するとは到底考えられず、これといった場所がないわけですが、新中野駅の鍋横口と杉山公園口の間に、住所でいいますと中央四丁目3番地のところに青梅街道に面した広大なコインパーキングがあります。立地条件的にも、地下鉄丸ノ内線の上り線側にあるわけで、自転車駐車場として考えるならば、今現在理想的な場所であると思います。この場所に関しては、昨年の定例会で我が会派の伊藤正信議員も触れていましたが、そのときの区の回答が、「土地の所有者と接触していく」という内容だったと思います。今現在の進捗状況はいかがなのでしょうか。
 また、地元鍋横町会連合会のある町会長は、この場所に関して、「場所が一等地であるがゆえに、自転車駐車場だけでは大変もったいない。複合施設として考えていくべきという話が町連で言われている」と言っておりました。
 例えば、地下及び1階を自転車駐車場、それ以上の階には、そのときに高齢者福祉住宅が少なければそれもよいでしょうし、他の施設も含めて考えていくべきで、自転車駐車場だけではなく、それにプラスアルファとして考えていくべきであると思います。その方が、土地の所有者との交渉もやりやすくなるのではないでしょうかとも思いますので、このことに関しまして区の所見を伺いまして、この項の質問を終わります。
 質問が変わります。通告の3番目であります。区の街路灯の照度についてであります。
 次に、区が設置する街路灯について、幾つかお尋ねします。
 日中は余り気にとめて見ることもありませんが、夜、地域を歩いていますと、東京電力の電柱に取りつけられた街路灯や管理番号と思われる数字プレートのついた専用ポールの街路灯など、それなりの数の街路灯が区によって設置されていることは私も承知しています。また、区では、区道以外にも、地域要望に基づいて私道にも街路灯を設置しているとお聞きしておりますが、区内には区が管理する街路灯がどのぐらいあるのでしょうか。まず、区道と私道の別に、街路灯の設置数をお尋ねいたします。
 ところで、今お尋ねしたように、街路灯には区道上のものと私道上のものがありますが、これらを設置する際の基準といいますか、例えば街路灯と次の街路灯との間の距離、設置間隔ですとか、明るさなどについて、法律とまではいかないにしても、何か基準となる決めごとがあるのでしょうか。また、基準があるとすれば、それは区道と私道で取り扱いが違うのでしょうか。街路灯の設置基準についてお伺いします。
 さて、街路灯には、蛍光灯のものと水銀灯のものがありますが、単純に考えても設置費用にはかなりの差があるように思います。しかし、管球といいますか、蛍光管と水銀灯では寿命も違いがあるでしょうから、私はランニングコスト面で考えた場合は、かえって水銀灯を設置した方が経済的ではないかとも思いますし、明るさ、照度の面でも水銀灯の方が利点があると思います。区でも、水銀灯への切りかえに努力しているとは聞いていますが、ここ数年の財政事情ではなかなか更新が進んでいないようにも思います。この項の最後になりますが、街路灯の水銀灯への切りかえの進捗状況をお尋ねしておきます。
 街路灯は、これまで交通上の安全確保など、区民生活環境の向上に役立ってきましたが、最近ではひったくり事件などの路上犯罪が多発し、また小・中学生の塾通いも一般化していますから、地域に出ますとその年ごろのお子さんを持つ親御さんなど多くの区民から、道路をもっと明るくしてほしいとの切実な御要望をお聞きします。
 安全・安心なまちづくりには、街路灯の照度アップが欠かせません。街路灯の設置間隔を狭めることが無理だとしても、80ワット、100ワットの水銀灯をふやして中野のまちから暗がりをなくす取り組みがぜひとも必要です。私は、計画的な水銀灯への切りかえを要望して、この項の質問を終わります。
 質問が変わります。4番目、地域センターの分煙についてであります。
 先日、鍋横地域センターを利用されている方から、こういう話を聞きました。
 「鍋横地域センターの玄関付近にたばこを吸っている人がたむろしていて、その間を通って地域センターに入らなければならなかった。たばこを吸っている人たちは、地域センター集会室の利用者でした。施設の入り口付近でたばこの煙をふかしている人たちが何人もいるというのは、見苦しい感じがする。何とかならないか」という話でした。
 私は、たばこを吸う人間ですが、この方の気持ちもよくわかります。確かに、施設の玄関にたばこを吸う人がたむろしていて、その間を通らなければ中に入れないし、たばこのにおいも吸わなければならないのは嫌だと感じていると思います。しかし、たばこを吸う人の立場に立ちますと、建物の中で吸えないので、やむを得ず外に出て吸っているわけです。喫煙者はかなりのたばこ税を払っているのに、公共の場所から締め出されているという思いを持っている方々もいるのではないでしょうか。
 健康増進法では、多数の人が出入りするような公共施設では、受動喫煙防止のための措置をとることが義務付けられています。地域センターとしても、建物の中は禁煙とせざるを得ないことだと理解できます。私も受動喫煙を防止する必要は大いに認めています。そして、その対策を強めていかなければならないと思っています。そこで、できれば大勢の区民が利用する公共施設では、区役所本庁舎1階のように分煙室とか喫煙室とかいう場所をつくっていただきたいと思います。そうすれば、たばこを吸う人にもメリットがあり、吸わない人の健康も守られ、双方納得がいくと考えます。
 しかし、区民の多くが利用している15カ所の地域センターには、喫煙室が設置されているところは一つもありません。15カ所とも設置する場所が全然ないのでしょうか。地域センターによっては、設置できるところもあるのではないでしょうか。
 ただ、喫煙室をつくるのにはお金がかかるのも事実です。単にパーテーションで区切ればでき上がるというものではなく、喫煙室の煙や空気が喫煙室の外に漏れないようにしなくてはならないそうです。つまり、設備費がかかります。しかし、たばこを吸う人は、私も含め多額のたばこ税を払っています。年間約19億円にも上るとは思いますが、その税金の一部をこうした喫煙室整備の財源にしていただきたいと思っています。
 そこで、この件で1点御質問いたします。
 各地域センターの建物の中に、分煙室とか喫煙室と呼ばれる場所をつくっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。よいお答えを期待いたしまして、この項の質問を終わり、私のすべての質問を終了いたします。
 どうもありがとうございました。(拍手)
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 吉原議員の質問にお答えをいたします。
 まず、中央五丁目にございます林野庁跡地ですけれども、この活用についてという御質問でありました。
 この林野庁跡地につきましては、母子生活支援施設を整備し、母子家庭への養育や就労支援といったようなことを行っていくという予定でございます。あわせて、地域の子どもと家庭への支援機能の導入も検討して、安心して子育てできる環境づくりに取り組んでいくという考え方でございます。
 具体的な支援機能というのは、どういうものを想定しているのかという御質問でありますが、こうした24時間対応可能な施設という特徴を生かしながら、子育ての中でのさまざまな悩みごと、急いで相談をしたいといったようなときに対応できるような子育て相談とか、それから一時預かってほしいといったような状況に対応できるようなショートステイの機能とか、それから、日中とか、一定の時間、夜なども含めて一定の時間お預かりをするような一時保育とかというような形の支援機能を導入いたしまして、さまざま、子育て不安でありますとか、その不安が高じての児童虐待といったようなことも見られるような昨今の状況、そういった状況に対応していけるような施設をつくっていくことが大事であるというふうに考えているところであります。
 また、子どもたちの遊び場機能でありますとか、学童クラブについては、今後、小学校の施設を活用しながら、地域の協力と参加を得て展開をしていきたいというふうに考えております。桃園第三小学校の位置に新設をする統合新校の子どもたちを対象として考えますと、仲町児童館での事業展開、そしてまた小学校と連携しながら、校庭などを活用した居場所づくりとか活動支援といったような施策展開の中で、子どもたちの遊び場、あるいは健全育成といったようなことに努めていきたいというふうに考えているところであります。
 それから、自転車駐車場に関連する対策の御質問がありました。新中野駅周辺の自転車駐車場の設置ということについてであります。
 御質問にありましたように、自転車駐車場の整備をすることのできていない数少ない駅の一つが新中野駅という形になっているところであります。この青梅街道沿いの時間制自動車駐車場が利用できないかということでの御提案があったわけですけれども、土地の利用につきまして駐車場の所有者に打診をしているところでありますが、相手方からの御回答が、まだ得られない状況でございます。引き続き、駐車場の所有者に対しての働きかけを行っていきたいというふうに考えているところではありますが、こうした段階でありますので、お話があったようにさまざまな形での有効活用といったところまではまだ検討できる状況にはないということで、御理解をいただきたいというふうに思っております。
 私からは以上であります。
〔都市整備部長石井正行登壇〕
○都市整備部長(石井正行) 街路灯につきまして御質問がございました。
 まず、街路灯にはさまざまな役割がございます。区が設置管理をいたします街路灯は、交通安全、また防犯などのほか、緑道などではまちの景観づくりといった役割を果たすよう、必要な箇所にこれまで設置を進めてきているという状況でございます。
 お尋ねがございました街路灯設置箇所数でございますが、17年3月末現在、区が管理をしております街路灯は区道等の区管理道路で1万2,024基でございます。それから私道でございますが、これは3,865基となってございます。あわせまして1万5,889基という数になってございます。
 この街路灯の設置基準のお尋ねがございましたが、街路灯の設置につきましては、区道の場合には東京都建設局の道路工事設計基準というものがございます。これを参考にしてございます。また、私道につきましては、中野区私道街路灯の設置及び維持管理に関する規則という、この規則に基づいて設置を進めてきてございます。
 この街路灯の設置の間隔でございますけれども、区道、私道とも電柱に共架をしているというのが基本でございますので、この電柱の間隔、おおむね30メートル程度ということでございます。その間隔でございます。
 なお、光源についてでございますが、区道は、その道路の交通量等を勘案して設定をしてございます。私道については、蛍光灯20ワットということを標準に設置をしておるところでございます。
 また、水銀灯への切りかえでございますけれども、これまでに区道街路灯の7割、数にいたしますと8,493基、既に水銀灯に切りかえを行ってきました。18年度は、安全・安心対策としましても街路灯の新設のほか、照度アップのため、既設灯の水銀灯への切りかえ、これを行ってまいりたいと考えてございます。また、今後も順次、その水銀灯への切りかえを行ってまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
〔区民生活部長本橋一夫登壇〕
○区民生活部長(本橋一夫) 地域センターでの分煙についての御質問をいただきました。
 15の地域センターでは、受動喫煙防止のため、いずれも建物内を禁煙としております。このため、施設を利用される方がたばこをお吸いになる場合は、建物の外側で喫煙をするよう御協力をお願いしているのが現状でありますが、適切な喫煙場所を確保してほしいとの御意見、御要望があることも承知をしております。
 地域センターでの喫煙室の設置につきましては、建物の構造や設置スペースの確保などの問題がございますが、条件が整えば設置に向けての検討をしていきたいと考えております。
○議長(高橋ちあき) 以上で吉原宏議員の質問は終わります。

 中野区議会議員 伊 東 しんじ
 1 西武新宿線新井薬師前駅周辺自転車駐車場整備について
 2 子育て施策について
  (1)子育て支援策について
  (2)子どもの安全対策について
  (3)都市計画の視点からの子育て環境整備について
  (4)その他
 3 地域防災計画について
 4 その他

○議長(高橋ちあき) 次に、伊東しんじ議員。
〔伊東しんじ議員登壇〕
○2番(伊東しんじ) 平成18年第1回定例会に当たり、自由民主党・民社クラブの立場より質問をさせていただきます。
 質問項目は、1、西武新宿線新井薬師前駅周辺自転車駐車場整備について、2、子育て施策について、これにつきましては、(1)子育て支援策について、(2)子どもの安全対策について、(3)都市計画の視点からの子育て環境整備について、以上でございます。大項目に戻りまして、3、地域防災計画についてでございます。区長初め理事者の皆様には、丁寧な御答弁をお願い申し上げます。
 では最初に、質問項目の1番目、西武新宿線新井薬師前駅周辺自転車駐車場整備についてお尋ねいたします。
 この問題については、長い間の地域の懸案であり、私も区内鉄道駅でいまだ自転車駐車場整備がなされていない新中野駅、新井薬師前駅の2駅を取り上げ、再三質問し、また御提案もさせていただきました。平成17年度第3回定例会におきましても、周辺地権者への個別、定期的な情報提供、呼びかけを提案し、お願いいたしました。その折には、自転車駐車場確保に向け、再度、西武鉄道や民営駐車場の地権者に働きかけを行っていくとともに、駅周辺の適地となる土地情報の収集に努め、地権者に対し協力をしていただけるよう個別に打診することも積極的に行ってまいりたいとの前向きな御答弁をいただきました。また、駅周辺での駐輪マナーキャンペーンに参加いただいた担当課長にも、新井薬師前駅周辺の候補地を見ていただき、地域センターでは地域ニュースの情報提供の呼びかけも掲載していただきました。
 そうした区の取り組みを踏まえた上で、今回はその後の進捗状況についてお尋ねいたします。新井薬師前駅周辺での自転車駐車場確保の見通しについて、御答弁をお願いいたします。駅周辺住民の悲願でもあります。よろしくお願い申し上げます。
 続いて、子育て施策について伺います。
 田中区長の施政方針説明でも、「新しい中野をつくる10か年計画」に触れ、特に区民生活に大きな影響がある四つの課題の戦略の一つとして、愛情と責任を持って楽しく子育てできる家庭づくりと地域支援を盛り込んだ、「元気いっぱい子育て戦略」を挙げておられました。また、10か年計画に先立ち、平成17年3月には次世代育成支援行動計画も策定されています。これらの計画は、すべての子どもの安全で健やかな成長、子育ての基本である家庭の養育力の向上、子どもの育ちを見守る地域社会の形成、子育てをサポートする多様なサービスの提供、そして子育てに快適な住環境・生活環境の整備を柱としております。
 計画に基づき、18年度予算案では、保育園・幼稚園・児童館・児童遊園・小・中学校への防犯及び監視用設備の整備や、防犯パトロールカーの運行、地域防犯パトロール活動への支援、保育サービスの拡充など、区民生活費、子ども家庭費、教育費あわせ約7億5,000万円の事業が計上されました。
 こうした喫緊の課題に対応する一方で、長期的視野に立ち、10か年計画では児童館の遊び場機能並びに学童保育を小学校の施設内に編入するとともに、児童館施設を活用して区内4カ所に地域子ども家庭支援センターの整備並びに保育園への転用、中高生の居場所、幼児総合施設の整備をするとしています。
 現在、国、地方自治体あわせて800兆に迫る公債の償還や、破綻すると言われている社会保障制度、その対策としての増税並びにゼロ成長あるいは右肩下がりの経済成長といった社会情勢の中で、子育てを行っている世代の将来的不安はますます増加し、少子化にさらに拍車をかけることは必定です。今、このときに、国はもちろんですが、自治体として子育て施策の拡充が強く求められています。
 過去、区財政建て直しのために、行財政5か年計画で子育て・教育事業費を単年度計画概算値で約1億2,000万円削減した経緯も踏まえ、新たに組織された子ども家庭部を十分に活用し、10か年計画により仕切り直しをして、中野区の子育て施策を確たるものとしていただき、子育て中の区民あるいは子どもに光明を与えていただきたいと私は考えております。
 そこで、中野区の子育て支援策についてお尋ねしてまいります。
 中野区は、今後の子育て支援策として保育制度・施設の拡充を民間活力をもって行う一方で、地域子ども家庭支援センターを中核に、その傘下に児童館を置き、地域の子育て支援を行おうとしています。これらの事業展開の先には、我々区民の相互支援、いわゆる共助が不可欠になると予想されますし、中野区もそれを期待していると考えられます。現に、これらの事業説明資料には、地域連絡会や児童館・学童クラブ・中高生館の施設運営に関して、それぞれの運営委員会などの協議体と、その参加者に地区委員会、育成団体、PTA、町会・自治会、民生委員、高齢者団体、ボランティアなどの重複羅列がされており、これらの方々に協力を求めております。
 しかし、説明は施設、組織構想に終始し、そこで行われるサービス、区民に提供されるサービスの内容や、サービスの担い手が区であるのか、民間事業者であるのか、地域団体なのか、そうした説明には至っておりません。また、さまざまな子育てに関するニーズに対応したサービスの提供に際し、受益者負担の原則をどの程度導入するかも明らかにされていません。こうして、区の施設・組織を刷新した上で、地域にその協力を求める際には、既存の団体・協議体の現状を十分に認識し、その上に立ち、必要とする支援策もあわせて区民に示し、協力を求めるべきと考えます。
 地域では、町会・自治会、子ども会、地区委員会、PTA、地区教育懇談会、児童館運営協議会、学校評議員会など、ボランティアによる育成者、育成団体、協議体が多数ございます。ほかにも青少年委員、民生委員、保護司、体育指導員など、薄謝による協力者も子どもの育成に尽力をいただいておるところです。これらの育成者の方々は、仕事の合間を縫って幾つもの役職を兼務し、多忙を極めるとともに、後継者の発掘、育成まで行っております。
 しかし、協力者・育成者は固定化し、高齢化も進み、実際には後継者育成に困難を極めております。この先、10か年計画に基づく新たな子育て支援として、子育てサポーター、地域連絡会、運営委員会を立ち上げ、さらに地域協力をお願いするのであれば、既存団体、協議体の精査、再編、区としての育成者に対する支援策を明らかにするとともに、人材育成、何よりも受益者を含む多くの協力者、理解者を確実にふやす努力をすべきと考えます。
 ここに、中野区の子育て支援に対する姿勢をあらわし、今後の地域による子育て支援の実勢を占う一つの事例として、「地域子ども教室推進事業」というものがあります。この事業は、平成16年度から文部科学省が、子どもが関係する重大事件の続発、青少年の問題行動の深刻化、少子化や核家族を背景とした地域の教育力の低下等の緊急的課題に対応し、「子どもを見守る地域の目」をふやす目的で3カ年にわたり予算措置されまして、自治体に委託されました。
 他の自治体ではみずからが事業を行ったのに対し、中野区は地域の育成団体に事業実施の協力を求め、実質的に育成団体による事業により3年目を迎えようとしております。
 17年度の中野区地域子ども教室推進事業で見れば、事業費は1,100万円余、協力団体21団体、教室実施回数は800回以上、小・中学生の参加数1万3,000人以上、指導・安全管理に携わったスタッフ数は4,500人以上に上ります。この21協力団体は、ボランティア、NPO、PTAなど、既に地域で子どもの育成に十分に貢献してきた団体や、新たに立ち上げられた団体などです。スタッフは、安全管理に気を配りながら、さまざまな体験を子どもたちにと取り組んでまいりました。
 中野区のとった事業手法は、子育て支援団体育成には一定の功を奏しましたが、一方で、文部科学省の事業打ち切り後の事業継続に伴う運用経費の財源確保といった新たな問題を生じています。協力団体は、ボランティアか、あるいは受益者に負担を求め、事業継続すべきかのはざまで悩みながら、自分たちの活動が広がり、子どもの居場所がふえることを期待し、活動し続けています。
 こうした実情、事例を踏まえた上で、従前より地域で努力してきた育成者、育成団体をさらに強く支援し、新たに始まった取り組みの芽を育てることが中野の子育て支援策につながると考え、そのために区は何を行うのでしょうか。中野区は、10か年計画で目指す子育て支援策として、地域子ども家庭支援センターを中心に、児童館、学童クラブ、中高生館、幼児総合施設などではどのようなサービスをどのように提供するのか。また、おのおのの施設の運営や健全育成事業など、サービスの提供を区みずから行うのか、地域が担うことを求めるのか、地域が担っていくことを区が求めた場合、その育成者への支援はどう考えているのか、この場合の受益者の負担はどう考えているかについてお伺いをいたしたいと思います。
 続いて、子どもの安全対策について伺いたいと思います。
 先日も、第五中学校で生徒の在校中、不審者が門を乗り越え侵入し、気づいた生徒たちの声や教員の対応で、何もせず逃走の後、身柄を確保されたという事件がありました。近年、異常者による学校、幼稚園、保育園の施設への侵入による犯罪、あるいは通学路上での凶行が多発しております。
 18年度予算案では、さきにも申しましたように、子ども関連施設に防犯及び監視用設備の整備が計上されました。これらの設備整備は、犯罪抑止には一定の効果はあるかもしれませんが、実際には各施設でこれらの設備を運用するには、現在の職員配置では限界があるとの声を耳にします。現場としては、設備もさることながら、人的配置を求めております。
 区は、行財政5か年計画で、小学校の学童擁護職を廃止し、学校開放協力員の民間委託化を行い、経費削減を行う一方で、18年度防犯パトロール隊の支援を行うことや、わずか2台の防犯パトロールカーでの巡回でこれを補おうとしています。地域では、自助・共助として、PTA、町会・自治会、商店会が多くの地域で防犯パトロール隊を組織し、子どもの安全確保・犯罪抑止に努めていることは既に御承知でしょうが、仕事を持つ保護者は登校時の見守りが限界であり、町会・自治会のパトロールも下校時にあわせての見守りは大変困難なものがあります。
 さきの大泉議員の質問に対して、子どもの安全管理に対する区の強い姿勢は感じられませんでした。改めて、区に、防犯・監視用設備の設置や地域防犯パトロールへの支援に重ねまして、それらをさらに有効に活用するために人的配置を強く求めます。御答弁をお願い申し上げます。
 子育て支援策についての最後に、都市計画の視点からの子育て環境整備について伺います。
 中野区の人口構成・世帯構成は、20代から30代前半にかけての人口が23区平均よりも高く、単身者世帯が多く、これらの世代の人は移動率も高いとされています。また、中野区は都心に向かう東西方向の鉄道が発達し、区内であればいずれかの路線の駅まで徒歩10分で行ける、こうした極めて利便性のよい地勢とされています。また、こうした中野区の実情からか、住宅事情はいまだに古い木賃アパートが残り、新たに建てられる建物も単身者向け、あるいは夫婦が住むのにやっとの共同住宅が大変多く見受けられます。一方で、老夫婦が、子ども夫婦を近くに住まわせたいが、適当な物件がないとの声をよく耳にします。このことは、中野は単身者が暮らすには便利だが、子育て世代が暮らすための住宅供給が不足していることを物語っていると思われます。さらに、現在日本の女性の合計特殊出生率が1.2人台に対し、中野区は0.7人台という現象につながっていると考えます。
 中野区は、今述べた課題を踏まえ、2001年、住宅まちづくりに関する施策を総合的かつ計画的に推進するために、第2次住宅マスタープランを策定し、多様な世代や世帯が住み続けられる環境づくり、良質で多様な住宅ストックの形成を施策展開の方向として定め、さらに具体的に良質なファミリー向け住宅の確保をしていくとしております。そのために、さまざまな国・都の制度の活用による誘導や開発指導や、共同住宅等の建築指導などによる誘導により、良質なファミリー向け賃貸住宅の建設促進とともに、最低居住水準の確保並びに誘導居住水準の達成を目指すともしております。
 その指導による目指すべき住宅の水準ですが、中野区では住宅マスタープランに先立つこと10年前の1991年に、共同住宅等建築指導要綱を定めています。指導要綱では、一定の規模を超える共同住宅の建築に際して、全戸数の5分の1以上の住戸を39平方メートル以上とするように求めています。39平方メートルの住宅では、せいぜい1DKないしは1LDKの間取りしか望めず、したがってそこに居住できるのは単身者ないしは子どものいない夫婦となり、明らかに住宅マスタープランの目指す施策展開の方向と合致しておりません。
 区は、ファミリー向け住宅の確保、誘導すべき居住水準をどのように考えているのですか。住宅マスタープランが策定されて3年半が経過しています。指導要綱の見直しなど、具体的施策の展開の検討は進んでいるのでしょうか。
 依然として単身者向け狭小住宅の建設が続き、そこに居住する人が地域のコミュニティへの参加を拒み、自転車、オートバイを路上にとめ、ごみの分別を徹底せず、時間外にごみを出す。こうした事態は、自治体や地域への負担につながっております。
 隣接する豊島区では、法定外普通税を導入し、狭小住戸集合住宅税を区内に建築される床面積29平方メートル未満の住戸を有する集合住宅の建築主に、その住宅戸数1戸につき50万円を課税しています。この条例は、狭小住宅の建設抑制と、狭小住宅から生じる自治コストへの負担の分担あるいは誘導すべきまちづくりへの資金創出につながるかと思われます。そこでお尋ねいたします。
 中野区は、ファミリー向け住宅の確保に向けて、具体的な事業をどのように行っているのでしょうか。また、中野区が目指す誘導すべき住宅水準をどう確保するのでしょう。誘導すべき建設行為には優遇策を、抑制すべき建設行為にはそれに見合う負担を課すことも選択肢の一つと考えます。豊島区の条例を念頭に、中野区の考えと今後の施策展開をお答えください。
 子育て施策について、幾つか質問してまいりましたが、10か年計画の施策の流れには中野区が現在取り組んでいる自治体改革があり、子育て施策もその改革を進めるステップの一つと考えております。自治体改革は、とりもなおさず地方自治の拡充への準備であります。中央集権から地方分権の流れの中、自治体の自立に向けての仕組みづくりは非常に重要と考えます。
 長い中央集権の中で、補助金や交付金の制度に縛られ、依存してきた自治体と国の仕組みは、要求と供給の関係にあり、全国画一的な制度は過剰な供給を生み、政策や赤字の膨張・増大を招くとともに、自治体みずからの政策選択、決定意欲を萎えさせ、創造性を奪ってきました。地方分権と言われても、いまだに十分な財源や権利が移譲されない中、法定受託事務の多い段階ではありますが、今のうちから組織整備、財政の健全化を行うとともに、職員の意識改革が行われなくてはなりません。
 一方で、自治体と国との関係、要求と供給の関係、こうした土壌は住民にも浸透し、自分でできること、自分でしなければならないことに優先し、何事につけ要求する風潮が蔓延しております。これでは、自治体の財政は持ちこたえられず、目指す改革もとんざしかねません。もちろん、さきにも述べたように、みずからの力で区と対等に、そして共同して問題解決に臨もうとする区民も多くいますが、両者の意識乖離は非常に大きなものがあります。
 この辺が大切だと思うんですけれど、中央、国から自治体が自立しなさいとにわかに言われて、その準備ができていないままに地方分権、地域の自治体の自立と言われても、実際自治体が戸惑っているように、今、中野区がやろうとしていることは、明らかに納税者である区民に対して、国が行っているように、君たちは自立すべきだと、何ら区としての具体的な方策も示さず、一方的に負担を押しつけようとしているのではないでしょうか。
 このような状況を踏まえ、自治体として、そして中野区として改革を進め施策を展開するに際しては、昨日の区長答弁で、10か年計画の戦略実現には区民の知恵、人々のつながり、支え合いが重要とありました。しかし、そのように区民と中野区が協働して新しい自治を確立するに先立って、中野区は目標を明確にし、自治体として行うべきこと、いわゆる公助を明確に示し、その上で広く、そして強く区民に対し意識改革を訴え、自助・共助を求めるべきと考えます。決してやみくもに自助・共助を求めるのでなく、また一部の協力者に責任や負担を転嫁することがあってはなりません。
 区長が施政方針説明で述べられたように、中野区が住み続けたい、選びたいと言われるような豊かさと魅力を兼ね備えた自治体となるため、子育て世代が住み続けられる中野とするために、区と区民が協働してまちづくりを進めるに先立って、中野区にその施策の十分な説明を求めるとともに、区として行うべき事業の強化を求め、この項の質問を終えます。
 最後に、中野区地域防災計画についてお尋ねいたします。
 何度も触れていますが、新しい中野をつくる10か年計画が策定されました。その中には、施設の再編も数多く盛り込まれております。防災計画では、それらの施設を避難所として位置付けておりますが、その部分に対して、策定の過程でも申し上げてきましたが、いまだ十分な説明をいただいておりませんので、お尋ねいたします。
 防災計画では、避難所として、震災時自宅での生活困難者2人に対し3.3平方メートルの居室を確保するとし、区内29小学校、14中学校、ほか7カ所、合計50カ所の施設を避難所として位置付けています。また、避難所での生活困難者には、二次避難所として高齢者対象施設、障害者対象施設、乳幼児対象施設、病弱者対象施設として、合計45施設が指定されています。ちなみに、この二次避難所のうち26カ所は、保育園、児童館であります。
 これらの避難所、二次避難所として指定されている施設は、10か年計画に基づき再編、あるいは用途変更されることになっていますが、避難所設置水準をいかに確保し、避難民を十分救済していくのかの説明はいただいておりません。明確な御答弁をお願い申し上げます。
 続いて、避難所設備についてお尋ねします。
 阪神淡路大震災や中越地震の教訓から、避難者の生活安定については給水と排便が重要との指摘があります。トイレの設置数の不足による長蛇の列により、生理に基づいた自然な排泄が困難になったり、衛生面の悪さから排泄を忌避したり我慢したり、そのために取るべき水分を我慢するなど、問題が指摘されています。水分を抑制することによるエコノミー症候群、心筋梗塞、脳梗塞の誘発も指摘されています。
 防災計画では、避難所に組み立て型トイレの備えを行っておりますが、数とその排泄物の処理に課題を抱えております。こうした事情を踏まえて、現在中野区では東京都下水道局と連携し、避難所周辺の道路にマンホールトイレを順次整備していくとしていますが、早急な整備が望まれます。整備計画を具体的にお尋ねしたいと思います。
 また、さきにも申したように、トイレとともに避難所での給水の確保も大変大切です。避難所における飲料水給水は、避難所等にある受水槽と区内1カ所の給水拠点である、みずのとうとの合計容量3,600トンとしています。避難所では、1日一人当たり3リットルの飲料水の給水を目指しているとされていますが、単純に30万区民の飲料水とするならば、3,600トンの水は4日分となります。区立施設の避難所受水槽だけで考えますと、避難所1カ所当たり、短期収容人員では平均で見ますと約1.5日しか持ちこたえられません。
 ちなみに、この給水計算に当たっては避難所の短期収容人員の合計15万人で計算しております。要するに、中野区の人口の半分、短期収容人員は30万に対して2分の1しか計算しておりませんので、逆に30万区民であったらば、避難所の給水施設の水であったらば0.7日強しか持ちこたえられないという計算になります。
 こうした実情では、震災時の給水体制に非常に不安を覚えます。中野区はどのように考えているのでしょうか。自治体によっては、避難所の水道管に循環式で鋼製の飲料水兼用耐震性貯水槽を設置し、避難所の給水に対応している事例もあります。こうした事例を参考に、中野区独自の事業展開あるいは東京都と連携した取り組みを模索して、十分な給水確保を目指してはいかがでしょうか。区の御見解をお尋ねいたします。
 以上をもちまして、私の質問を終わらせていただきます。
 冒頭にも申しましたように、区長を初め理事者の皆様には丁寧な御答弁をお願い申し上げます。
 ありがとうございました。(拍手)
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 伊東議員の御質問にお答えいたします。
 まず、新井薬師前駅の周辺におきます自転車駐車場の問題であります。
 新井薬師前駅の自転車駐車場の確保については、これまで長い間の懸案でございまして、いろいろな経過を経てまいりましたが、なかなか整備ができていないという状況が続いているわけであります。この駅周辺での自転車駐車場にふさわしい土地の情報収集というのは、御質問の中にありましたように心がけてきているところです。こうした中、現在、当該駅、この新井薬師前駅の近くにあります自動車駐車場の所有者に自転車駐車場として土地を借りられないか、具体的に交渉している箇所がございまして、この交渉を進めようということで準備をしているところであります。
 それから、子育て支援策に関連して、子どもの関連施設が提供するサービスやその担い手、またその担い手に対する支援策といったような御質問でありました。
 10か年計画においては、地域のさまざまな関係機関の連携をつくり、また協力体制を構築する--再構築といってもよいかと思いますが、構築することによって、子育てに関する地域のコミュニティの基盤をつくり上げていきたいということを掲げているわけであります。これを実現していくために、地域子ども家庭支援センターというものを区内に4カ所つくり、児童館、学童クラブ、あるいはさまざまな地域におきます子ども施設が、その子ども家庭支援センターを中心とする行政のネットワークの中で地域のさまざまな動きと連携をしながら、子育てコミュニティの拠点としての役割を果たしていきたいというふうに考えているわけであります。
 児童館には、子どもの遊び場としての機能、そういったものがあるわけですけれども、それを、一つは学校の中に取り込んでいくということの中で、児童館にはより専門的な機能を果たしていくといったこともあるかと思っておりますし、また、幼稚園、保育園といった子どもの教育、保育、さらに一時保育や子育て支援のための相談機能、そうしたさまざまな機能が区の用意をするさまざまなサービスとしてきちんと整備をされていくということが大切だというふうに考えているわけであります。
 また、そういった地域における子育て支援施策の中で、行政が行うべきことと、地域の皆さん、区民の皆さんの活動に期待を申し上げる部分と、それぞれにあるだろうというふうに考えているわけであります。子どもさんや家庭の個人情報にかかわる御相談でありますとか、それから処遇にかかわること、そういった行政でしかできないことは行政がしっかりと受け持つということもありますし、また、地域のネットワークの中心となって連携をしっかりとつくり出していくといったようなことも、行政が果たしていくべき役割なんだろうというふうに思うわけであります。
 また、地域で子育て支援にかかわっていただく多くの区民の皆さんに対するさまざまな支援でありますとか、そういった人材の養成といったようなことについても、行政が考えていかなければならない、そういったようなさまざまなことを地域の子ども家庭支援センターが中心的な機関となってコントロールしていくといったようなことが大切になってくるだろうというふうに思っております。
 育成団体初め、現在も担っていただいている多様な担い手の皆さんが、活動しやすいようなコミュニティの再整備というのでしょうか、再構築といったようなことも含めて、支援のあり方もこれから検討が必要だというふうに思っているところであります。そうした地域の皆様と一緒になった子育てコミュニティの基盤づくりについて、取り組んでいくこととしているところであります。また、そうした子育て支援サービスが、それぞれいろいろなサービスが想定されるわけですけれども、その中での負担のあり方といったようなことについても、これは今後検討していきたいというふうに思っているところであります。
 それから、子どもたちの安全についての人的な配置についてということであります。
 小・中学校への不審者侵入防止策として、防犯カメラ、それから正門等の施錠システムを導入することによりまして、現状に配置をされております人的対応の工夫の中で安全確保が可能になるというふうに考えているところであります。また、パトロールカー仕様の区有車2台を導入して、警察官OBと職員が区内を巡回運行すると、この2台による巡回運行でかなりの行動範囲がカバーできるというふうにも考えているところでありまして、児童・生徒の地域での安全を確保していきたいというふうに考えているところであります。 また、地域パトロール団体への支援策の強化や、地域での防犯相談、不審者情報の収集、小・中学校でのセーフティ教室の実施、こうしたことにも区としての取り組みを強めていくということでありまして、総合的に地域の防犯力を高め、地域ぐるみで子どもたちの安全見守りの取り組みを進めていきたいと思っているところであります。
それから、ファミリー向け住宅の確保策についての御質問もありました。
豊島区が導入をしました、いわゆるワンルームマンション税なんですが、ファミリー向け住宅の誘導策としての一つの手法であるとは思っているところですが、現状では一定の税収は確保され始めているものの、期待した抑制効果そのものはまだ発生していないように聞いているところであります。こうした事例も参考にしながら、中野区としての検討というものをしていかなければならないというふうに思っております。
10か年計画では、民間活力を活用して、区の未利用地や施設の再配置計画から生み出される用地等に民間住宅を整備誘導することとしているところですけれども、そうした際に良質なファミリー住宅を組み込んでいくということにしているところであります。
 また、区といたしましては、民間事業者との連携のもと、民間が保有している知識、あるいは専門技術を生かして居住環境にかかわるさまざまなニーズに応じる住宅まちづくり総合支援の仕組みづくりを進めているところであります。そうした仕組みの中でも、子育て世代が暮らしやすい住宅の確保等を図っていきたいと考えております。
 それから、避難所の問題であります。
 学校再編によって校舎利用しなくなった施設、学校だったところで校舎として利用しなくなった施設、そうした場合でもできる限り避難所としての活用を確保していきたいと考えているところです。そうはいっても、やはりできないという場面も出てくるわけでありますので、一方では都立高校や私立学校を避難場所、避難所の施設として利用できるように協定を進めているところであります。
 それから、マンホールトイレの関係でありますが、すべての避難所の周辺道路にあるマンホールをトイレに利用できるよう、つまりすべての避難所でマンホールトイレができるよう、3カ年計画によって整備を進めていくということでありまして、18年度から3年間で整備をしていきたいというふうに考えております。
 それから、給水の関係であります。災害時に早急な給水対応をするために、東京都の給水計画に加えて区施設の受水槽や公衆浴場との協定などによって、給水体制の充実を図っているところであります。現状で、さまざまな想定の中で予測をしております需要に対する給水、その給水事情に問題はないと考えているところでありますが、引き続き都と連携をしながら給水体制の充実に努めていきたい、こう考えております。
 以上であります。
〔伊東しんじ議員登壇〕
○2番(伊東しんじ) 区長みずから御答弁いただきましたことについて、何点か再質問をさせていただきます。
 先ほどの新井薬師前駅周辺自転車駐車場整備について、具体的な交渉に入っていただけたと、これは相手もあることですから、この先の進展、確実な整備を期待したいところでございます。
 仮に話がうまく進んだ場合には、ぜひとも予算措置、それからその後に続きます駅周辺の放置自転車取り締まりについての制度拡充を強く求めてまいりたいと思っております。
 再質問の項目なんですけれど、最初に質問させていただきました子育て支援策、10か年計画で制度、仕組み、組織等について発表されまして、地域子ども家庭支援センターを中心に事業展開を進めていく、その中で子育てコミュニティの拠点としてより一層地域を強く整備していきたいということだったんですけれど、実際に今の段階ではお答えできないのかもしれませんけれど、区民の皆さんにどういうような部分を担っていっていただくのか、それをいつの時点でどういうふうに示すのか。私が求めていますのは、なるべく早く、中野区がこうしたサービスを実際に実施します、そしてこれ以外の部分、こうした部分については地域の皆さんでお願いします、それに対して中野区としてはこういう支援を考えておりますと、そういうものをどのようなステップでこの先発表していくのか、お聞きしたいなと思っております。
 それともう1点、先ほども述べさせていただきましたけれど、多くの住民の方はよき理解者、そして協力者であると私は思うんですけれど、やはり一部の方で、すべてについて、まず何をしてくれるのと要求を突きつける方がいらっしゃいます。そうした方がいらっしゃるうちは、本当に地域で頑張っている方は非常に無力感を感じているのも事実でして、中野区が進めようとしている改革、自治体の自立、そして本当の意味での住民による自治の拡充という部分では、本当はこの部分が一番大切なんじゃないのかな、ボトムアップ、先ほども言わせていただきましたけれど、今の自治体は国からの押しつけの自立に対し戸惑っているのと同様のことが、今、地域で起ころうとしています。ですからその辺、区長の、区長選も近いことでございます。区長の任期、2期8年とおっしゃっていますけれど、その部分どう考えていくのか、自治拡充という部分、地域自治という部分で、私はその辺を聞かないことには納得できないなという気でおります。
 それと、住宅施策についてなんですけれど、中野区の共同住宅等の建築指導要綱、39平米という明らかな数字として基準が記されています。先ほども言いましたように、1DKあるいは1LDKという規模であってはちょっと心もとないな。豊島区の課税の話も例に出させていただきましたけれど、豊島区として目的とした狭小住宅の抑制という部分ではまだ効果が出てないと、それはむちとしてはちょっと甘かったのかな、むちとあめという言葉がよくございますけれど、指導要綱というのはあくまでもやっぱりむちの部分だと思うんですね。ですから、中野区としてもうちょっとその辺を突っ込んで、既に3年半経過していると、住宅マスタープラン策定から。その辺をもっと具体的に中野区として展開していく、指導要綱の策定のし直しですとか、そういう考えを具体的に御答弁いただけたらと思っております。お願い申し上げます。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 再質問にお答えをいたします。
 まず、子育てコミュニティを再編しながら、区としてどういうふうに、どういうサービス、どういう役割を果たし、区民の皆さんにはどういうことを期待していくのかといったようなことをどう示して、どういうステップで示していくのかという、まず第1点目の御質問なんですけれども、基本的に区としてやらなければならないこと、冒頭の御答弁でも申し上げていますけれども、施設をつくったり、あるいはサービスの基本的な仕組みをつくったり、その中で行政でなければ--直接区民の方にかかわる中で行政でなければ関われないようなことといったようなことについては、当然行政の役割だということであります。また、区民の方の活動に対する支援の体制をつくるとか、あるいは指導者養成をするとか、ネットワークをつくるとか、そういったようなことについても行政の役割だということで考えているわけでありますが、区民の皆様に対して、例えば学校を利用した遊び場の中での事業をどういうふうに展開していただけるのかとか、それから児童館の施設を使った事業について、どういう形でどういうふうにお願いしていくのかといったようなことについては、今の時点でいつ、どういう形でというところまで内容を詰めたものを持っている段階ではございませんので、18年度、さまざま検討していきながら、地域子ども家庭支援センターの準備も18年度から始めていくわけでありまして、そうした中で検討してお示しをしていきたいということで御理解をいただきたいと思います。
 それから、要求先行という形での意識の区民もいらっしゃったりするというようなことで、住民の皆さんの中には無力感が出てきたりすると。国が、例えば地方自治体に丸投げで何でも任せちゃうから、自分は身軽になっていきたいというような傾向が中野区でも起きているんではないかといったような趣旨の御質問でありました。中野区というのは、一番身近な、住民がつくる自治体、最初の政府であります。区に何をしてくれ、区が何をするべきだ、自分は何かを受けとめるべきだというような関係では、私はもう成り立たないし、続いていかないんだろうというふうに思っております。地域の皆さんにお願いすることも、区がやることも、これはやはり区民が決めることなんだろう。区民の皆さんが自分のこととしてお決めになっていく。区の限界があるとすれば、その限界は自分たちの限界なんだ。また、区がやらなければいけないこと、それは自分たちが多少ほかのことは我慢してでも区がやるような体制をつくらなければいけないんだと、そういう形で本当に区民の皆さんが自分の問題として区のことを考えていただく、そして自分の問題として身近にできることを自分たちでやっていっていただくというような体制をつくっていく、そういう区、そのことを本当に住民の皆さんの意を受けて、皆さんの手足となって動いていけるような区政になっていくということが大事なのではないかというふうに思っているところであります。
 それから、住宅の関係で、39平米の指導要綱の問題ということですけれども、確かに下限を決めるような形で決めていきますと、そうすると、これだけあればいいんだというようなお話に、逆のような形になっていくというような面もありまして、なかなかそれだけでは難しいというのは私も感じているところであります。むちがあるんだとすれば、むちとあめという言い方が適切かどうかわかりませんけれども、インセンティブの部分のようなものをどうやってつくっていくかというようなことも考えていく必要があるのではないかと。住宅で、ファミリー型の住宅を誘導していくための規制や、あるいはいろいろな制度ですね、そういったようなものの中でファミリー型の住宅のためのインセンティブをどうつくっていくのかといったような検討も、今後やっていかなければならないというふうに考えているところであります。
○議長(高橋ちあき) 以上で伊東しんじ議員の質問は終わります。
 以上をもって質問は終了いたしました。
 これより日程に入ります。
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 第4号議案 平成18年度中野区一般会計予算
 第5号議案 平成18年度中野区用地特別会計予算
 第6号議案 平成18年度中野区国民健康保険事業特別会計予算
 第7号議案 平成18年度中野区老人保健医療特別会計予算
 第8号議案 平成18年度中野区介護保険特別会計予算

○議長(高橋ちあき) 日程第1、第4号議案から第8号議案までの計5件を一括上程いたします。
 理事者の説明を求めます。
     〔助役内田司郎登壇〕
○助役(内田司郎) ただいま上程されました平成18年度各会計予算に係る第4号議案から第8号議案までの5議案につきまして一括して提案理由の説明をいたします。
 初めに、第4号議案、平成18年度中野区一般会計予算について説明いたします。
 第1条は歳入歳出予算です。歳入歳出予算の総額は885億3,300万円で、前年度に比べ1.3%の増となりました。しかし、平成17年度の当初予算には、平成7年度に発行した住民税減税補てん債の借りかえに伴う元金の一括償還金9億1,700万円余が計上されていましたが、平成18年度では皆減となっていることから、この要因を除いた実質的な前年度比較では20億1,300万円余、2.3%の増となります。
 それでは、まず歳入予算から説明いたします。
 特別区税は、特別区民税の所得割納税者数がおおむね1.9%増加すると予測されることや、老年者控除の廃止、定率減税の段階的廃止などの税制改正により、前年度に比べ4.3%増の282億9,000万円余を計上しました。
 特別区交付金は、平成18年度都区財政調整フレームに基づき見込んだ普通交付金の額に特別交付金3億円を加え、前年度より8.2%増の301億1,000万円を計上しました。 地方譲与税、地方消費税交付金などにつきましては、国や都の予算及び今年度の実績を勘案し見込みました。

 地方特例交付金は、定率減税の縮小を反映したことにより、24.9%減の17億5,000万円を計上しました。
 分担金及び負担金は、区立保育園の入園者自己負担金の増などにより、1.4%増の6億9,400万円余を計上しました。
 使用料及び手数料は、もみじ山文化センター、中野体育館等における指定管理者制度の導入に伴い、それらの施設の使用料が利用料金として指定管理者の収入となることなどから、14.9%減の19億2,800万円余を計上しました。
 国庫支出金は、国の三位一体改革により、国民健康保険基盤安定負担金のうち保険料軽減分の財源が国から都へ移譲されたことなどから、1.7%減の114億6,600万円余を計上しました。
 都支出金は、国の三位一体改革による国民健康保険基盤安定負担金に係る財源の移譲や、(仮称)北部防災公園の整備に係る都補助金の増などにより、3.7%増の37億7,900万円余を計上しました。
 財産収入は、財団法人中野区勤労者サービスセンター及び財団法人中野区文化・スポーツ振興公社の解散に伴う出資金返還金等9億円を収入することなどから、309.0%増の9億5,200万円余を計上しました。
 繰入金は、財政調整基金から財源対策としての繰り入れを行わないことから、83.4%減の2億7,100万円余を計上しました。
 繰越金は、平成17年度からの繰越金10億円を計上しました。
 諸収入は、土地開発公社からの貸付資金返還金の大幅な減などにより、56.4%減の11億8,500万円余を計上しました。
 特別区債は、平成18年度に新規発行する住民税減税補てん債6億400万円を計上しました。
 続いて、歳出予算の説明をいたします。
 まず議会費ですが、議会運営費の増などにより、2.6%増の8億300万円余となりました。
 総務費は、土地開発公社からの用地購入費の大幅な減などにより、14.2%減の87億5,100万円余となりました。
 区民生活費は、職員人件費や、ごみ収集・運搬経費の減などにより、1.5%減の83億2,500万円余となりました。
 子ども家庭費は、指定管理者が管理を行う保育園や、男女共同参画センターの運営に係る経費の増などにより、2.6%増の140億4,200万円余となりました。
 保健福祉費は、高齢者デイサービス施設における指定管理者制度の導入等に伴う通所介護事業費の皆減、介護保険施設の事業者に対する支援費の減、国民健康保険事業特別会計への繰出金の減などにより、0.4%減の303億9,100万円余となりました。
 都市整備費は、(仮称)北部防災公園の整備費及び道路・橋梁改良費の増や、野方駅北口整備事業に係る用地取得費等を計上したことなどにより、15.5%増の72億9,900万円余となりました。
 教育費は、財団法人中野区文化・スポーツ振興公社の解散に伴う公社支援費の減、文化施設及びスポーツ施設における指定管理者制度の導入に伴う施設管理運営費の減、職員人件費の減などにより、0.4%減の89億1,400万円余となりました。
 公債費は、平成7年度に発行した住民税減税補てん債の借りかえに伴う元金の一括償還金が皆減となったことなどから、12.6%減の54億9,500万円余となりました。
 諸支出金は、財政調整基金や義務教育施設整備基金への積み立てがふえたことなどから、106.2%増の44億900万円余となっています。
 以上の歳出予算を性質別に見ますと、人件費が2.8%減、扶助費が1.7%増、公債費が10.0%の減で、これらを合わせた義務的経費は511億300万円余となり、前年度より10億8,500万円余、2.1%の減となりました。また、投資的経費につきましては、学校再編に伴う学校施設改修経費の増や、野方駅北口整備事業に係る用地取得費等を計上したことなどにより、総額で38億2,800万円余となり、前年度より10.5%の増となりました。その他の経費につきましては、336億円余で、前年度より5.7%の増となりました。
 第2条は債務負担行為について定めるものです。これは、中野区土地開発公社の借入金に対する債務保証、OA機器等の借り上げ、都知事選挙及び区議会議員選挙におけるポスター掲示場設置管理等委託などを定めたものです。
 第3条の特別区債は、起債の目的、発行限度額などを定めるもので、住民税減税補てん債6億4000万円を計上しました。
 第4条の一時借入金は、その最高額を100億円としました。
 第5条の歳出予算の流用は、職員の人件費に過不足が生じた場合、同一款内の各項間で流用することを御承認いただくものです。
 以上が第4号議案、平成18年度中野区一般会計予算の概要です。
 続きまして、第5号議案、平成18年度中野区用地特別会計予算について説明いたします。
 第1条の歳入歳出予算の総額は900万円で、前年度に比べ99.3%の大幅な減となりました。
 歳出につきましては、公債費として用地取得に係る区債元金に対する利子900万円を計上しました。
 歳入につきましては、繰入金900万円を計上しました。
 次に、第6号議案、平成18年度中野区国民健康保険事業特別会計予算について説明いたします。
 第1条の歳入歳出予算の総額は、301億8,800万円で、前年度に比べ4.3%の増となりました。
 歳出につきましては、療養給付費の増などにより、国保給付費は12.0%増の205億200万円余を計上しました。また、老人保健拠出金は、老人保健医療費の減を反映して13.7%減の63億3,900万円を計上しました。
 歳入につきましては、国民健康保険料は1.7%増の104億8,900万円余、国庫支出金は77億4,100万円余、療養給付費等交付金は48億5,900万円余、都支出金は15億4,500万円余、繰入金は47億3,800万円を計上しました。
 第2条の債務負担行為は、国民健康保険料の収納委託を定めたものです。
 第3条の一時借入金は、その最高額を10億円としました。
 次に、第7号議案、平成18年度中野区老人保健医療特別会計予算について説明いたします。
 第1条の歳入歳出予算の総額は、227億7,600万円で、前年度に比べ7.3%の減となりました。
 歳出のうち、医療諸費は7.3%減の226億9,600万円余を計上しました。
 歳入につきましては、支払基金交付金は136億5,000万円余、国庫支出金は60億3,000万円余、都支出金は15億700万円余、繰入金は15億700万円余を計上しました。
 次に、第8号議案、平成18年度中野区介護保険特別会計予算について説明いたします。
 第1条の歳入歳出予算の総額は、161億円で、前年度に比べ2.3%の増となりました。
 歳出のうち、制度運営費は24.9%増の7億9,500万円余、保険給付費は1.1%減の148億3,600万円余を計上しました。また、介護保険制度の改正に伴い、地域支援事業費を款として新設し、2億9,700万円余を計上しました。諸支出金につきましては、一般会計への繰出金の増により83.0%増の1億4,800万円余を計上しました。
 歳入につきましては、介護保険料は29億8,100万円余、国庫支出金は37億5,100万円余、支払基金交付金は46億8,200万円余、都支出金は19億3,900万円余、繰入金は27億1,300万円余を計上しました。
 第2条の債務負担行為は、介護保険料の収納委託を定めたものです。
 以上、5議案につきましてよろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○議長(高橋ちあき) 本件について御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(高橋ちあき) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
 上程中の第4号議案から第8号議案までの計5件は、議員全員をもって構成する予算特別委員会を設置し、これに審査を付託いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(高橋ちあき) 御異議ありませんので、さよう決します。
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 (17)第139号陳情 改正介護保険法による施設介護利用者等の居住費、食費の自己負担増について、中野区独自の負担軽減策を検討することについて
 (委員長報告)

○議長(高橋ちあき) 日程第2、平成17年第139号陳情、改正介護保険法による施設介護利用者等の居住費、食費の自己負担増について、中野区独自の負担軽減策を検討することについてを議題に供します。

○議長(高橋ちあき) 厚生委員会の審査の報告を求めます。
〔岩永しほ子議員登壇〕
○31番(岩永しほ子) ただいま議題に供されました平成17年第139号陳情、改正介護保険法による施設介護利用者等の居住費、食費の自己負担増について、中野区独自の負担軽減策を検討することについてに関しまして、厚生委員会における審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。
 本陳情の趣旨は、介護保険法の改正による施設介護利用者の居住費と食費及び通所介護利用者の食費の自己負担増について、中野区として独自の軽減策を検討することを求めるものです。
 本陳情は、平成17年11月18日に受理され、11月28日の本会議において当委員会に付託され、当委員会では12月1日及び本年2月8日に審査を行いました。
 本陳情については、1,816筆の署名が提出されました。
 また、本陳情の審査に関連して、1件の資料要求の提出を受けました。
 まず、審査の進め方として、本陳情を議題に供した後、委員会を休憩して陳情者から補足資料の提出と補足説明を受け、その後、委員会を再開して質疑を行いました。その主な質疑応答の内容を紹介します。
 初めに、平成17年10月の介護保険法改正により、利用者の負担が大きくふえることになったが、このことで施設の利用が困難になったというような苦情や相談を区では受けていないかとの質疑があり、制度改正に向け、区の説明会のほか、それぞれの施設や事業者ごとに説明が行われており、特にそのような苦情は受けていない。また、この時期に利用者が減少したということはないとの答弁がありました。
 次に、23区中3区で利用者の負担軽減策を独自に実施しているが、軽減策の実施について区はどのように考えているかとの質疑があり、当該区における利用者本人に対する軽減策は、平成18年3月までの経過措置として実施されているものである。中野区では、平成14年から社会福祉法人と一般事業者に対して、利用者負担額を軽減した額の一定割合を助成することにより、利用者の負担を間接的に軽減する措置をとっており、今回の制度改正にあわせ軽減対象を食費まで拡充したとの答弁がありました。
 次に、この陳情は施設介護における負担の軽減を求めているが、在宅介護の負担についてはどのように考えているかとの質疑があり、今回の法改正の趣旨の一つに、施設介護と在宅介護の負担の公平性を確保することが掲げられている。区の助成制度は施設サービスだけでなく、在宅サービスについても適用されるため、負担を公平に軽減できると考えているとの答弁がありました。
 次に、生計に困窮する区民に補助を行うとした場合、財源は何を充てるのか、また、区が独自に負担軽減策を実施するとした場合、どのような方策が考えられるかとの質疑があり、財源は区民の税金からなる一般財源となる。高齢者の負担軽減策について、国は個々に減額するのではなく、医療費なども含めた総合的な負担軽減策を検討している。区としてもこれに沿った対応を検討しているが、当面は社会福祉法人等の利用料減額により対応していきたいとの答弁がありました。
 以上が主な質疑応答の内容です。
 その後、委員会を休憩して、本陳情の取り扱いを協議した後、委員会を再開し、さらに質疑を求めましたが、質疑はなく、質疑を終結しました。
 次に、意見の開陳を求めたところ、意見はなく、意見の開陳を終結しました。
 次に、討論を求めたところ、1名の委員から、本陳情に賛成する立場から、介護老人福祉施設の利用者は多額の居住費と食費の負担を強いられている。中でも、年収150万円以上の場合、収入の半分近くを負担しなければならず、第4段階の負担区分では利用料は契約によることとなるため、さらなる負担の増大が危惧される。また、通所介護事業施設についても平均で678円の昼食代がかかることになり、極めて負担が重い。介護保険制度は、それぞれの自治体が責任を持って運営するものであり、区はこうした負担増に対して独自の軽減策を実施すべきであることから、この陳情に賛成であるとの討論を行いました。
 他に討論を求めましたが、討論はなく、討論を終結しました。
 そして、挙手による採決を行ったところ、賛成少数で本陳情を不採択とすべきものと決した次第です。
 以上で、平成17年第139号陳情に関する厚生委員会における審査の経過並びに結果の報告を終了します。
○議長(高橋ちあき) ただいまの報告について、御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(高橋ちあき) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
 これより討論に入ります。
 かせ次郎議員から討論の通告書が提出されていますので、通告議員の討論を許します。かせ次郎議員。
〔かせ次郎議員登壇〕
○20番(かせ次郎) 日本共産党議員団の立場から、ただいま上程されました平成17年第139号陳情、改正介護保険法による施設介護利用者等の居住費、食費の自己負担増について、中野区独自の負担軽減策を検討することについての賛成討論を行います。
 本陳情は、昨年10月から、介護療養型医療施設の居住費、食費が保険対象外とされ、全額自己負担となったことによる自己負担増の軽減策の創設を中野区に求めるもので、区内の保険医協会のお医者さんを初め1,816名の署名が添えられております。
 厚生労働省は、特別養護老人ホームや老人保健施設の室料や食費、いわゆる「ホテルコスト」について、「同じ要介護状態であれば、どこでサービスを受けても給付と負担が公平になるよう『居住』や『食事』に要する費用は、保険負担外にする」と説明いたしました。
 しかし、所得の少ない高齢者世帯にとっては、このような過酷な言葉はありません。ある施設の職員は、「高い食費は払えないから弁当を持ってきていいかとか、食事の後に来たいといった利用者の声がある、デイサービスの一番の楽しみは食事サービスなのにひど過ぎる」、こういったことを言っておりました。
 実際の負担額は、厚生労働省が示している所得に応じたモデルケースを基準とし、それぞれの施設が決定することになっています。厚生労働省モデルでは、住民税課税世帯で特養ホームの相部屋の場合、食費がこれまでの月2万6,000円から4万2,000円に、居住費が負担ゼロから月1万円に上がり、年間では40万円もの負担増になってしまいます。中野区の調査でも、特養ホームの場合は同様で、デイサービスや通所リハビリテーションなどの通所介護施設では、これまでに400円だったおやつ代を含む昼食代は、600円台が9施設、700円台が7施設、500円台が5施設で、最高額は960円になっております。
 10月実施からまだわずかの期間でしかないために、詳細な資料はありません。しかし、こういった負担増は、じわじわと利いてくるものです。今後、施設入所者や通所介護利用者に大きな負担をもたらし、施設への入所をあきらめる待機者、通所回数を減らすデイサービス利用者が多くなれば、それこそ介護保険制度の当初の理念であった「介護の社会化」が後退し、再び介護を家族に押しつけることになりかねません。
 しかも、06年度から適用となる税制改悪は過酷です。定率減税の半減や老年者控除の廃止、公的年金控除の縮小で非課税限度額が引き下げられ、新たに課税対象になる方は7,000人になります。この場合、国保料や介護保険料にもはね返り、区営住宅の家賃や高齢者のおむつサービス、見守り・緊急通報システムなど、負担増は雪だるまのようにふくれ上がり、耐えがたい痛みとなります。こういった痛みを少しでも和らげる手だてこそ必要ではないでしょうか。
 中野区では、「社会福祉法人の利用減額」をしているから、区独自の軽減策はとらないとしています。しかし、この制度を活用するか否かは社会福祉法人の任意によるもので、利用者にもさまざまな要件が規定されているため、使いにくいと言われているものです。
 こういったことから、23区内でも幾つかの自治体で負担軽減策がとられているのです。千代田区では、通所施設の食事代について、引き上げ分を区と事業者が分担し、現状を維持しています。また、荒川区では、第3段階の人を対象に、デイサービスと通所施設の食事代の25%を助成し、渋谷区でも住民税非課税世帯を対象に、通所施設とショートステイの食費、滞在費の25%を助成しています。
 中野区でも、介護保険法による施設介護利用者等の居住費、食費の自己負担増について、区独自の負担軽減策を検討すべきであります。
 以上、申し述べまして、第139号陳情の賛成討論といたします。(拍手)
○議長(高橋ちあき) 他に討論がなければ、討論を終結いたします。
 これより、起立により採決いたします。
 上程中の陳情を採択するに賛成の方は、御起立願います。
〔賛成者起立〕
○議長(高橋ちあき) 起立少数、よって、上程中の本陳情は不採択とするに決しました。
 本日はこれをもって散会いたします。
      午後4時58分散会