平成18年11月27日中野区議会本会議(第4回定例会)
平成18年11月27日中野区議会本会議(第4回定例会)の会議録
平成18年第4回定例会本会議第1日(11月27日) 1.平成18年(2006年)11月27日、中野区議会議事堂において開会された。
1.出席議員(42名)
  1番  いでい   良  輔        2番  伊  東  しんじ
  3番  佐  野  れいじ         4番  北  原  奉  昭
  5番  久  保  り  か        6番  酒  井  たくや
  7番  奥  田  けんじ         8番  近  藤  さえ子
  9番  小  堤     勇       10番  大  内  しんご
 11番  伊  藤  正  信       12番  きたごう  秀  文
 13番  吉  原     宏       14番  高 橋 ちあき
 15番  やながわ  妙  子        16番  平  島  好  人
 17番  むとう   有  子       18番  はっとり  幸  子
 19番  長  沢  和  彦       20番  か  せ  次  郎
 21番  山  崎  芳  夫       22番  小  串  まさのり
 23番  若  林  ふくぞう       24番  市  川  みのる
 25番  岡  本  いさお        26番  こしみず  敏  明
 27番  飯  島  きんいち       28番  佐  伯  利  昭
 29番  佐  藤  ひろこ        30番  来  住  和  行
 31番  岩  永  しほ子        32番  篠     国  昭
 33番  柿  沼  秀  光       34番  伊  藤  岩  男
 35番  斉  藤  金  造       36番  大  泉  正  勝
 37番  斉  藤  高  輝       38番  江  口  済三郎 
 39番  藤  本  やすたみ       40番  昆     まさ子
 41番  江  田  とおる        42番  池  田  一  雄
1.欠席議員
      な  し
1.出席説明員
 中 野 区 長  田 中 大 輔      助     役  内 田 司 郎
 収  入  役  山 岸 隆 一      教  育  長  沼 口 昌 弘
 区 長 室 長  寺 部 守 芳      政策担当課長    川 崎   亨
 総 務 部 長  石 神 正 義      総務担当参事   橋 本 美 文
 区民生活部長   本 橋 一 夫      子ども家庭部長  田 辺 裕 子
 保健福祉部長   菅 野 泰 一      保 健 所 長  浦 山 京 子
 都市整備部長   石 井 正 行      拠点まちづくり推進室長 石 橋   隆
 教育委員会事務局次長 金 野   晃
1.本会の書記は下記のとおりである。
 事 務 局 長  山 下 清 超      事務局次長    高 橋 信 一
 議事調査担当係長 大 谷 良 二      書     記  黒 田 佳代子
 書     記  永 田 純 一      書     記  荒 井   勉
 書     記  岩 浅 英 樹      書     記  菅 野 多身子
 書     記  西 田   健      書     記  廣 地   毅
 書     記  鳥 居   誠      書     記  杉 本 兼太郎
 書     記  岡 田 浩 二      書     記  松 本 桂 治

 議事日程(平成18年(2006年)11月27日午後1時開議)
日程第1 第94号議案 平成18年度中野区一般会計補正予算
 追加議事日程
日程第2 同意第1号 中野区教育委員会委員任命の同意について

     午後1時06分開会
○議長(高橋ちあき) ただいまから平成18年第4回中野区議会定例会を開会いたします。
 本日の会議を開きます。
 会議録署名員は、会議規則第121条の規定に基づき、議長から御指名申し上げます。20番かせ次郎議員、24番市川みのる議員にお願いいたします。
 次に、会期についてお諮りいたします。本定例会の会期は、本日から12月8日までの12日間といたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(高橋ちあき) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
 本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。
 この際、一般質問の時期の変更についてお諮りいたします。一般質問は議事に先立って行うことになっておりますが、別な時期に変更し、質問を許可いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(高橋ちあき) 御異議ありませんので、さよう進行いたします。
 これより日程に入ります。
 お諮りいたします。この際、本日の日程を追加し、日程第2、同意第1号、中野区教育委員会委員任命の同意についてを先議するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(高橋ちあき) 御異議ありませんので、さよう議事を進行いたします。
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 同意第1号 中野区教育委員会委員任命の同意について

○議長(高橋ちあき) 日程第2、同意第1号、中野区教育委員会委員任命の同意についてを上程いたします。
 区長の説明を求めます。
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) ただいま上程されました同意第1号、中野区教育委員会委員任命の同意につきまして御説明申し上げます。
 この同意案は、中野区教育委員会委員に高木明郎さんを任命いたしたく、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第4条第1項の規定に基づき議会の同意をお願いするものです。
 高木さんは、昭和62年に武蔵大学を卒業された後、国際学園国際短期大学に勤務され、同短期大学において総務部長、常務理事、法人本部長を経て、理事長及び学長を務められています。また、日本私立短期大学協会の監事や社団法人東京都私立短期大学協会の理事を務められており、私立短期大学の振興と発展に活躍をされています。
 さらに、二人のお子さんの保護者でもあり、第六中学校・第十一中学校統合委員会の副委員長や中野区立第十一中学校の学校評議員のほか、野方消防少年団育成会の会長などを務められており、地域における教育活動に活躍されています。
 このように教育に関するに豊富な経験とすぐれた識見を備えておられる高木さんは、中野区の教育委員にふさわしい方であり、この際、委員として本区における教育行政の進展に御尽力いただきたいと考えた次第であります。
 本件につきまして、何とぞ御同意くださいますようお願い申し上げます。
○議長(高橋ちあき) 本件については、質疑、委員会付託、討論を省略し、直ちに採決いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(高橋ちあき) 御異議ありませんので、これより採決いたします。
 上程中の同意第1号に同意するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(高橋ちあき) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
 この際、お手元に配付の一般質問一覧表のとおり、大内しんご議員、やながわ妙子議員、池田一雄議員、佐伯利昭議員、はっとり幸子議員、小串まさのり議員、飯島きんいち議員、小堤勇議員、伊藤正信議員、斉藤高輝議員、伊東しんじ議員、いでい良輔議員、むとう有子議員、奥田けんじ議員より質問の通告がありますので、これを順次許します。
      
 中野区議会議員 大 内 しんご
 1 行政改革と今後の財政運営について
 2 子ども医療費の無料化について
 3 野方駅北口開設と駅周辺まちづくりについて
 4 いじめ問題について
 5 その他

○議長(高橋ちあき) 最初に、大内しんご議員。
     〔大内しんご議員登壇〕
○10番(大内しんご) 平成18年11月27日、第4回定例会におきまして、自由民主党・民社クラブ議員団のトップバッターとして質問させていただきます。
 私は、平成15年4月27日に行われました区議会議員選挙において四つの約束をいたしました。
 一つは、職員の削減や内部改革、民間活力の導入としての「行政改革の推進」、二つ目は、「江古田の森」保健福祉施設の早期整備としての「福祉の向上」、三つ目は、学校選択制の導入や開かれた学校とする「教育改革」、そして四つ目は、私が今期の議員活動で最も力を入れてまいりました「野方駅北口開設」による開かずの踏切の解消とバリアフリー型の駅舎の整備であります。このことを踏まえて質問に入らせていただきます。
 最初に、中学生までの子ども医療費の無料化について、通告の順番を変えて質問させていただきます。
 2番目に、野方駅北口開設と駅周辺まちづくりについて、3番目に、いじめの問題について、そして、4番目に、総括として、行政改革と今後の財政運営についての質問をいたします。
 子ども医療費の無料化についてお伺いをいたします。
 昨年、平成17年は、我が国で統計をとり始めて以来、初めて出生率が死亡数を下回り、人口減少社会が到来したと言われております。出生数は106万人、合計特殊出生率は1.25といずれも過去最低を記録しています。ところが、国の統計平均値よりも中野区はさらに下回り、合計特殊出生率が0.75です。この0.75という数値は、都内で下から3番目であり、ということは、全国の自治体の中で下から3番目という超少子化の自治体となっていることになります。この少子化傾向がこのまま続くことは、中野の地域の活性はもちろんのこと、ひいては区政にも多大な影響を与えることになります。今、出生率の低下に歯どめをかけるために抜本的な対策を行っていくことが、それぞれの自治体に真に求められている大きな課題だと思います。このための対策としては、幾つかさまざまな施策を組み合わせる必要がありますが、安心して子どもを生み、育てられるという実感が感じられる施策でなくてはなりません。そのための手だてとして、第1に、子育て世帯の経済的負担の軽減が挙げられます。
 そこで、私ども自民党民社クラブ議員団は提案をいたします。中野区の子育て世代への新しい支援策として、子どもが病気やけがなどのときに安心して治療を受けることができるように、中学校卒業までの子どもに対して、思い切って医療費を全額無料としてはいかがでしょうか。中野区は、昨年度から小学生の入院費を無料にしていますが、少しずつ施策を拡大していくのではなく、思い切った施策を展開することも時には必要な決断であると思います。都内ではまだそれほど進んではいない中学生までの医療費の全面無料化を他区に先駆けて実施し、中野区独自の少子化対策を明確に打ち出すべきという立場から、幾つかの質問をいたします。
 東京都は、先ごろ、都議会自民党、公明党の強力な要請を受け、中学生までの医療費の一部助成を行うという考えを発表しましたが、これは全額無料化というわけではありません。まず最初に、都の制度の概要や、これを受けて他区はどのように検討しているのか、状況をお聞かせください。
 そして、さきにも触れましたが、改めてお聞きをします。中野区は、子ども医療費助成について、都や他区に先んじた施策を行ってきましたが、少子化対策のために東京都の示した助成の範囲にとどまらず、中野区独自の拡充をすべきだと考えます。この際、思い切って中学生までの医療費の無料化の実施について、区長の決断を求め、お考えをお聞きいたします。
 さらに、お聞きをします。区内の中学生までの医療費の負担を解消するために、健康保険の自己負担分を全額助成しようという決断がおありであるならば、手続的には今後どのように進めていくのでしょうか。実施方法は、乳幼児医療費助成のように現物支給ではない、区民にとって利用しにくいものとなります。来年度に向けて中学生までの医療費の無料化を実施する場合は、今後の予定として、条例案や予算案などの手続はいつどのように提案される考えなのか。実施方法の具体的な考えがあるならばお答えをお願いいたします。
 2番目に、野方駅北口開設と駅周辺まちづくりについてお尋ねいたします。
 先週、野方駅北口の町会所有の神輿倉庫の移転先について、区から地元町会と若者睦会に提案があり、野方駅北口の開設はさらに一歩先に進みました。
 私は、今期の議員活動の中で、この野方駅北口開設と教育問題については区議会の一般質問でまたかと思われるほどしつこく、毎回のように質問をさせていただきました。
 さて、7月に行われた地元説明会では、マル1野方駅舎の橋上化とあわせた北口の開設、マル2南北の自由通路の整備、マル3自由通路及び駅舎のバリアフリー化、マル4北口用地の既存区道のつけかえの四つの整備概要が示されましたが、その後、何ら地元に対して計画の進捗状況の説明がありません。用地の取得が進まなければ計画も進まないという区側の意向があるかもしれませんが、地元の機運を持続させるためにも、せめて月に1回程度は進捗状況の説明を行うべきであると考えます。本来は、地元の町会や商店街、野方若者睦会や近隣の関係団体の役員をメンバーとする、例えば「野方駅北口開設連絡協議会」などを組織し、さまざまな意見交換を行う時期に来ていると考えます。そして、この連絡協議会の中で、町会や商店街の役員から店子さんの移転先の情報を得るとか、駅舎の整備、地域のまちづくりの全体像についての具体的な要望を取りまとめるなど、地元と区、そして西武鉄道と連携を深め、スムーズな計画の進展を図るべきだと考えますが、理事者のお考えをお伺いいたします。
 次に、駅舎整備について、前回に引き続きお伺いをいたします。
 野方駅の南口交番については、来年度にも建替えの計画があるとお聞きしましたが、駅舎が橋上となった空間の活用も早急に西武鉄道とともに検討し、野方の顔となるような整備をするべきと提案をいたしました。その後、この交番の建替えについて具体的な日程などは示されたのでしょうか。もしまだであれば、南口の空間に交番を設置するよう、警視庁や西武鉄道に申し入れることも検討したらいかがでしょうか。せっかく駅舎を改善するのですから、それぞれがばらばらに整備するのではなく、同時に行うことで一体性を持った機能的な駅舎にするべきと考えます。
 また、あわせて、野方駅北口のエレベーターとエスカレーターの下の空間の活用も考えるべきだと思います。空間にはちょっとしたスペースを整備し、祭りやイベントの際や町会の交通安全期間の居場所とすることも検討するべきと考えますが、いかがでしょう。区長の見解をお聞きいたします。
 三つ目に、いじめの問題についてお伺いいたします。
 この11月に入ってから、相次いで子どもの自殺の記事が新聞紙上に掲載されています。特に、伊吹文部科学大臣に届いた自殺予告の手紙に端を発し、11月16日までに22通の自殺予告の手紙が届くなど、異常な事態となっております。こうした事態を受け、文部科学省では、いじめを原因とする自殺予告の手紙を公表し、手紙の内容や筆跡から差出人に心当たりがある場合は連絡をいただくよう異例のお願いをしています。ここで、実際に文部科学省に届いた手紙を読み上げてみます。
 東京都千代田区丸の内251。文部科学省伊吹文明大臣様。
 これはコピーでございますが、同じような手紙が、クラスのみんなへ、そして教育委員会、校長先生、担任の先生、クラスのみんなの保護者、そして両親あてに送られた手紙でございます。読ませていただきます。
 「今回手紙を書いた理由は、生きていくのがつらいからです。いじめた人達は何もバツをうけていませんでした。先生に言ったのにも先生はなにもしませんでした。両親にも言ったのですが「がまんしろ」としか言いません。なんとか親が学校の校長先生や教育委員の方に連絡してもらったのですがなにもかわりません。なのに親や先生は、「お前の性格がわるい。」や「がまんしろしか言わない。」ので11月8日の水曜日までになにもかわらなかったら「いじめが原因の自殺証明書」どおりに自殺をします。場所は、学校でします。みんな信用できないので文部科学大臣の伊吹文明大臣に書きました。僕の名前は11月11日土曜日に自殺のニュースでみんなに知らせてください。お願いします。」
 このような文章が出されました。これによって、各小・中学校は、この土曜日に一般の立ち入り等を厳しく、入ることができないようになったと聞いております。
 この文章自体の信憑性とは別にして、そのような手紙が多数文部科学省等に送られているということは事実だと思います。
 今、読み上げましたが、「先生に言ったのに何もしなかった」、「親から学校に相談しても親身ではない」、「校長先生に言ったのに注意しなかった」という内容であります。
 本年の10月19日、文部科学省初等中等教育局長から都道府県の教育委員会委員長あてに出された「いじめの問題への取組みの徹底について」の通知では、いじめの問題への取り組みについてのチェックポイントを参考に、新たに一度総点検を実施するなど、さらなる徹底を図ることが示されております。このチェックポイントの中には、学校の指導体制、教育指導、早期発見・早期対応、家庭・地域社会との連携、教育委員会からの学校の取り組み支援などが示されております。
 また、いじめで悩んでいる子どもの電話相談を受ける「チャイルドライン」、これは港区にあるNPO法人「チャイルドライン支援センター」が全国の民間団体と協力して実施していますが、11月6日からの1週間で2万7,622件もの電話があったそうです。
 区教育委員会では、「いじめ等で悩んでいる子どものための電話相談(子ども110番)」を開設し、月曜日から金曜日の午前9時から午後5時まで受け付けをしているようですが、相談を受け、適切な調査と処理がどのように行われているのか疑問が残ります。いじめに悩んでいる子どもで、実際に電話相談ができる、そういった子どもはほんの一部であると私は思います。実際に、先生に「いじめに遭っている」と打ち明けたとしても、表面的ないじめはなくなっても、その後、無視をされたりする陰湿ないじめになる可能性もあります。
 そこでお伺いをいたします。各区立学校では、児童・生徒の生活実態について、聞き取り調査や質問表調査などの方法によりきめの細かないじめの把握を行い、早期発見・早期対応の具体的な取り組みを図る必要があると考えます。各学校では、児童・生徒からの悩みや相談の体制はどうなっているのでしょうか。現在の取り組み内容についてお聞きをします。また、教育委員会の支援はどうしているのかもお尋ねをいたします。
 次に、いじめの問題の根絶のため、学校、家庭・地域との連携に対してお伺いをいたします。
 11月11日の読売新聞の朝刊に、昭和61年に区立富士見中の鹿川君事件を取材した教育評論家の宮川俊彦さんの取材記事が掲載されていました。この取材では、「いじめる側もいじめられる側も、教師や周りの大人が状況に合った言葉、問いかけをすることにより、多様な立場、見方に気付かせ、視界が開けていくこともある」と訴えていました。このいじめの問題は、えてしては、学校は穏便に校内だけで片付けてしまおうというこれまでの風潮がありましたが、やはりいじめを根絶するためには、学校とPTA、地域の関係団体がいじめ問題について協議する機会を設け、地域ぐるみの対策を推進していく必要があります。そのためには、教育委員会としては、日ごろから各区立学校の実情把握に努め、児童・生徒や保護者からいじめの訴えがあったときは、的確な学校への支援や当該児童・生徒や保護者の対応に万全を尽くすことが求められます。教育委員会のいじめの根絶に向けた今後の取り組みについてお伺いをいたします。
 最後に、「中野区の行政改革と今後の財政運営」について、来年度の予算編成もあります、そういったことも念頭に置きまして、質問をさせていただきます。
 区は、平成13年度からの「行財政5か年計画」、そして「経営改革指針」、「行政革新プラン」などにより、職員の削減や区の業務の民間委託の推進などに積極的に取り組み、急速に財政の健全化を果たしました。我が会派としても、この5カ年間の区長のリーダーシップによる区の経営の健全化や職員意識の改革には一定の評価をするものであります。
 まず、区長にお伺いをいたしますが、この行政改革、そして革新に取り組まれた区長自身としての総括、成果について、率直な見解をお伺いいたします。
 区は、平成17年度決算において、この時期空前とも思える約42億円の実質収支を生み出しました。また、職員定数も計画的に削減を図り、同じく17年度決算においては、人件費比率も30%を下回る28.5%となったほか、基金積み立ても積極的に行い、新しい中野をつくる10か年計画も財政的な裏付けのある実効性の高いものとなっていると考えます。
 しかしながら、我が会派としては、さきの第3回定例会における斉藤金造議員の質問にあったように、中野区の財政は景気の動向に大きく左右される他力本願的な体質であり、この体質から脱却しない限り、真の持続可能な財政運営を推し進めることはできないと考えます。
 国は、当面の経済状況を、企業収益については今後も順調に推移するとする一方、個人消費は低迷するとしています。このことは、依然として国民の所得は伸び悩み、ここ数年の団塊の世代の大量退職で区民税は今後も大きな伸びが期待できないと考えます。特に、平成19年度からの住民税のフラット化による区税収入の伸びも、所管課の見解をお聞きしたところ、大きな増収は期待できず、逆に増税感からの滞納もふえることも予想され、予断は許されない状況のようです。
 こうしたことからも、今後の財政運営に当たっては、計画的な基金の積み立てや公債費の管理、歳入の確保が肝要となります。そして、行政改革・革新も緩めることなく、常に内部努力や職員削減、民間活力の一層の推進により、新たな施策の展開が必要となると考えます。
 区長は、こうした今後の予測が難しい社会経済状況の中、持続可能な財政運営のため、新たな視点での行政改革・革新の取り組みを進めるべきであると考えますが、具体的な取り組みの内容とその目標・成果についてお伺いをいたします。
 来年度から実施する予定の「市場化テスト」だけでは、実効性のある行政改革、そして革新になるとは思えません。全く違う視点からの取り組みが必要と考えますが、いかがでしょう。
 次に、今後の財政運営についてお伺いをいたします。
 恐らく、来年度予算には警察大学校等跡地の道路・公園用地の取得や、区立学校の再編による施設整備費、そして子ども医療費の助成などの大型予算が計上されることになると思います。当然、これらの予算編成に当たっては、起債や国や都の補助金を活用し、編成されることになると考えますが、当然起債は借金であり、後年度にボクシングのボディブローのように、じわじわと区の財政を苦しめることになります。
 また、子ども医療費の助成などは、一度制度化をすれば年々義務的経費である扶助費が伸び、職員人件費の削減額では追いつかなくなり、結果、新たな事業展開のための財源を食うことになることは火を見るよりも明らかなことでございます。
 区の財政は、現在は法人住民税の伸びにより、都区財政調整交付金の増収分を基金に積極的に積み立てを行うことにより、一見財政は健全化しているように思いますが、このままでは一体いつまで持つのか、私としては大変危惧するところでございます。
 区立の保育園や幼稚園など子ども施設の民営化を推進し、その余剰財源を新たな子ども施策に還元することも考えられますが、それもやがて限界が来ると思います。
 第3回定例会の斉藤金造議員のこれからの財政運営の質問に対して、区長は「中長期的な財政需要や収入要因を的確に把握した上で、計画的な基金・起債の活用や、経常経費の増加の抑制などを行い、不透明な経済環境にあっても着実に成果が上げられるよう、新たな財政規律に基づく政策実行型の財政運営を行っていく考えである」と述べています。この新たな財政規律とは、これまでの財政運営をどのように変え、どういった規律を設定するのか、具体的な内容をお聞きします。そして、その規律が今後の財政運営にどのように寄与するのか、区長のわかりやすい答弁をお願いをいたしまして、質問を終了いたします。
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 大内議員の質問にお答えいたします。
 まず、子ども医療費の無料化についての御質問であります。都や他区の状況あるいは助成拡充についての考え方、制度化するといった場合の手続等についてお答えをさせていただきます。
 東京都の方では、義務教育就学期の児童の医療費の自己負担額3割のうち1割分について助成する制度を来年10月から実施をする予定であります。各区においては、現物給付、いわゆる医療証による給付ですけれども、現物給付の範囲など、都と関係機関との調整の動向も踏まえつつ、区民にとって利用しやすい制度となるよう独自施策の付加も視野に入れて検討しているという状況であると聞いております。
 子育て家庭の経済負担の軽減として、医療費の助成というのは重要だという認識を持っております。これまでも独自に小学生の入院にかかわる医療費について助成を実施してきました。この制度の趣旨をより効果的に実施するため、区として独自に、中学生までの入院・通院にかかる医療費の自己負担額全額についての助成を来年の10月から実施する方向で、その場合の拡充する財源の確保策なども含めて検討しているところであります。
 実施する場合には、そのための経費を来年度予算案に盛り込むとともに、条例についても整合性を図り、第1回定例会に提案することとしていくことになります。
 また、実施に当たりましては、区民の利便性などを考慮しまして、医療証による現物給付の方向で検討しているところであります。
 それから、野方駅北口開設と駅周辺のまちづくりについてというところであります。
 野方の駅周辺の中での北口開設の問題は、長年の懸案ということでありまして、議員のこれまでの活動も含め重要な課題というふうに考えているところであります。
 区は、西武鉄道と協議をしながら基本設計に着手をして、北口や自由通路、駅舎等の位置関係の調整を進めているところであります。ことし7月に地元におきます区民や商店街、町会などへ概要説明をいたしました。その折に申し上げましたように、現在進めております基本設計がおおむねまとまった段階で地元説明会を開催するという予定でいるところであります。説明会については、今後ともきめ細かく行いますとともに、駅周辺のまちづくりや産業活性化という視点も含めて、地元商店街や町会、地域の皆さんの御意見を伺う場を設けるといったようなことも考えていきたいとしているところであります。
 交番の建替えについてでありますけれども、建替えの日程等については現在のところ聞いていないという状況であります。今後、計画を進める段階で警視庁と協議をしていきたいと考えております。
 北口の階段やエスカレーター下の空間を活用するべきだということなんですが、その活用について今後検討してまいります。
 それから、行政改革に取り組んできた成果についての考え方という御質問でありました。私が区長に就任以来、目標と成果による管理の視点に立った新しい行政経営の考え方に基づいて、区政目標の明確化と行政評価の推進、事業部制による部の権限強化、組織階層の簡素化など、組織体制整備と民間活力の活用の推進を進めてきたところであります。このような構造改革の取り組みによりまして、持続可能な区政基盤を確固たるものとする、そうしたことができるような財政基盤と区民サービスの不断の財政基盤の確立と区民サービスの不断の向上を目指してきたものであります。
 そうした結果、人件費や公債費などの固定的な支出の削減と民間の力を活用することによる区民サービスの確保、向上を一定進めることとなりまして、成果を上げることができたと考えているところであります。
 これまでの改革を踏まえても、さらに実効性のある行政改革・革新が必要ではないかといった御意見もございました。今後は、経営改革指針の考え方を踏まえた目標と成果による区政運営をさらに進め、民間にできることは民間に任せるとともに、区の役割はセーフティーネットづくり、地域社会のあり方を設計していくといった役割、また公正性・公平性がしっかりと保たれているかといった監視に重きを置き、最小の職員で高い価値を提供できる小さな区役所の実現を目指しているところであります。
 行政革新5か年プランでは、市場化テストを含めて小さな区役所実現に向けた区政経営の構造改革、職員の意識改革を進めるための具体策を盛り込んだところであります。ICTを活用した業務革新のさらなる前進や、戦略的な人材育成の仕組みづくりなど、新たな行政の姿をつくり出すことを目指しているところであります。
 事業部制の実施の中で明らかになってきた、いわゆる縦割り行政の弊害を克服し、経営意思決定の迅速化と事業の評価、見直しの徹底、そして施策の総合的推進を可能とするための経営本部体制の確立などにも着手をしていきたいと考えているところであります。
 今後の財政運営に関して、財務規律とは何か、また今後の財政運営をどう考えるかといった御質問もございました。
 新たな財務規律といいますのは、投資的事業の実施に当たって、長期的な施設の維持補修や改築、あるいは想定される施設建設などのコスト、また運営経費や金利などをトータルに見たライフサイクルコストの把握など、将来的な財政需要や、あるいは補助金、交付金などの収入要因、これらを的確に把握をした上で、基金、起債の活用計画を確立をして、常に中長期的な財政見通しに基づいて財政運営を行うということであります。
 また、経常的な経費については、中長期的に財政規模の拡大は見込まず、事業のレベルアップや新たな投資に伴う経常経費の増加分、先ほどの子ども医療費の拡充といったようなことなども新たなレベルアップに加わるわけでありますが、そうした場合におきましても、常に事業の見直しの中でその財源を中長期的に着実に確保し、経常的な支出を一定の枠内に抑制をするということにしているわけであります。こうした財務規律を確立することによりまして、計画的な投資と不断の事業の見直し、改善によります区民サービスの着実な向上が可能になると考えているところであります。
 私の方からは以上であります。
     〔教育長沼口昌弘登壇〕
○教育長(沼口昌弘) いじめ問題についてでございます。
 まず、各学校での相談体制や取り組み内容、あるいは教育委員会の支援についてでございます。
 いじめの問題につきましては、この辺について適切に対応していくために、各学校では担任がもちろん注意を払う、これは当然のことでありますけれども、そのほか養護教諭や心の教室相談員、スクールカウンセラー等、子どもや保護者がいつでも、だれにでも相談できる体制をとっているところでございます。
 ただ、いじめの問題につきましては、子どもの側からの発信を待つだけではなくて、学校では状況に応じましてアンケートあるいは面接によります調査も行って、対応しているところでございます。
 いじめが発見された場合は、その内容に応じまして対応方法や指導方針を確認いたしまして、学校全体で取り組んでいるということでございます。
 また、教育委員会では、各学校で起きた、このいじめの情報、これを得た場合は、その状況を把握するほか指導主事や学校指導相談員等の学校訪問による指導、助言を行っているところでございます。事例によりましては、児童相談所等の関係機関とも連携をとって対応しているところでございます。
 このいじめの問題につきましては、当然、教員研修--教師の認識が非常に大切なことになりますので、教員研修の中でも重点的な課題として取り上げて実施しているところでございます。
 また、いじめの根絶に向けての取り組みについての御質問でございますが、これを根絶させるというのはなかなか難しい問題だと思っておりますが、いじめたり、いじめられたりする問題を少しでも減らしていくためには、やはり家庭の役割が大きいと考えております。家庭の協力を得て、関係機関と連携を図りながら取り組みを進めていく必要があると考えております。
○議長(高橋ちあき) 以上で、大内しんご議員の質問は終わります。

 中野区議会議員 やながわ 妙 子
 1 子育て支援の充実について
 (1)子ども医療費助成の拡大について
 (2)妊婦健診の充実について
 (3)乳幼児健診のあり方について
 (4)保育サービスの充実について
 (5)放課後子どもプランについて
 (6)その他
 2 いじめ問題について
 (1)相談窓口の簡素化について
 (2)相談員の対応のあり方について
 (3)相談後のフォロー体制づくりについて
 3 身近な環境問題の取り組みについて
 (1)中野区環境基本計画の改定について
 (2)中野の街を花と緑でいっぱいにすることについて
 (3)江古田の森公園を区民が活用できることについて
 (4)学校の芝生化について
 (5)地方都市との交流について
 4 高齢者の困りごと支援について
 5 男女共同参画基本計画の改定について
 6 その他

○議長(高橋ちあき) 次に、やながわ妙子議員。
     〔やながわ妙子議員登壇〕
○15番(やながわ妙子) 平成18年度第4回定例会に当たり、公明党区議団の立場から質問いたします。
 項目は、子育て支援の充実について、いじめ問題について、身近な環境問題の取り組みについて、高齢者の困りごと支援について、男女共同参画基本計画の改定についての質問を行います。
 初めに、子育て支援の充実について伺います。
 最初に、子ども医療費助成制度の拡大について伺います。
 私たち公明党は、小・中学校の児童・生徒について、入院・通院を含めた医療費の助成について、これまで数回にわたって制度化を要望してまいりました。昨年、区は、子ども医療費の助成制度を創設し、12歳までの入院費の助成が実施されました。ことしの第3回定例会では、区長は現行の子ども医療費について、「制度の充実についても検討していきたい」と前向きな答弁をされました。その後、都議会の自民、公明両党の強い働きかけにより、都は「義務教育就学児医療費助成事業」として、来年10月から中学生までの医療費の自己負担分の1割を助成する方針を打ち出しました。
 こうした動きもあり、我が区議団は、さきに、区長に対し19年度の予算要望を行う中で、会派で取りまとめた条例案を示し、要請いたしました。
 また、このほど、総支部が中心となり、「中学生までの医療費を無料に」という要望について、11月初旬から署名活動を行いました。短い期間でしたが、20日までに1万5,388名の協力を得ることができました。議員団は、22日の夕方、区長にお届けし、重ねて要望いたしました。
 さきほど区長は、大内議員の質問に対し、中学生までの無料化を実施する旨の大変積極的な御答弁をされました。大いに評価し、歓迎しているところでございます。そこで、私は、実施に必要な新たな提案を含め何点か質問させていただきます。
 初めに、確認の意味で伺います。中学生まで入院、通院を含めた医療費の助成を10月から医療券を発行した現物給付、つまりその場では一たん支払い、後で区に申請することにより助成されるという手間暇のかかる方法ではなく、医療証を提示するだけで済むという保護者にとっては極めて簡素な方法で実施するお考えのようですが、再度御答弁をいただきたいと思います。
 また、私どもが区と条例案の調整協議を行った中では、4億円程度予算がかかると想定されました。財政的にも区として十分対応できるのかということも含めて伺います。
 さらに、区長にお渡しした条例案では、入院にかかる食事代は区の財政状況から判断して今回は外してありますが、このことについて区長のお考えもあわせてお答えいただきたいと思います。
 次に、実施する際には、区民や多大な苦労をいただく医療機関等への周知が不可欠と思われます。予算編成や条例の改正、あるいは制定、広報等の一連のスケジュールはどのように考えているのでしょうか、お聞かせください。
 次に、制度の一本化について伺います。
 今、課題になっている医療助成については、現在「乳幼児医療費の助成に関する条例」と「子ども医療費の助成に関する条例」の2本の条例を根拠に運用されています。区長の英断により、この制度の拡大を図ろうとされています。現行の二つの制度を整合ある制度として運用するため、条例の一本化などの整備をされてはいかがかと提案いたしますが、区長のお考えを伺います。
 子ども医療費の拡大について、さきの議会運営委員会で改正条例の提案予告が自民、公明、共産の3会派からありました。多大な予算を伴う条例案となります。したがって、区長の予算編成権との課題が出てまいります。私ども公明党は、自民党さんとともに、単なる政治的パフォーマンスを避けるため、そして真に区民のための制度拡充を図るため、区側と真剣な協議と調整に努力しています。このことに関する区長のお考えを伺います。
 次に、妊婦健診の充実について伺います。
 現在、多くの方から妊娠中の無料健診の拡大を求める要望を聞いております。中野区の無料健診は、妊娠前期後期1回ずつの計2回と、35歳以上の高齢出産を対象にした超音波検査となっています。このうち妊娠後期の健診は、回数も多くなり経済的負担も大きくなっています。そうした実情に応じた支援を検討する時期に来ていると思います。福井県では、第三子以降の妊婦健診をすべて無料にしています。また、同県越前市では、35歳以上の妊婦の無料健診を5回にふやしています。福井県は、唯一出生率がアップしている県でございます。中野区も、子育て支援策としてより必要性の高い妊娠後期の無料健診をまず2回とするなど、制度の充実を図るべきではないでしょうか、お考えを伺います。
 次に、乳幼児健診について伺います。
 中野区は、3カ月健診は保健福祉センター、6カ月と9カ月健診は医療機関、1歳6カ月と3歳健診は保健福祉センターで実施しています。しかし、健診の記録を母子手帳に記入するだけで、区としてだれがどれだけ継続して健診を受けているのか、実情把握できていません。
 先日視察した滋賀県大津市では、乳幼児健康カードをつくって、一人の子どもが小学校を卒業するまで健診の受診や健康状況、発達状況を詳細に把握しています。このことが発達障害の早期発見や子ども虐待の芽を摘むのに有効な取り組みともなります。中野区も受診を母親任せにするのではなく、受診の継続管理を工夫し、受診率のアップを図るべきだと思います。御見解を伺います。
 また、新産婦新生児訪問について、中野区は保健師や委託の相談員、助産師が対応していますが、ばらばらでわかりにくく、訪問数が100%ではありません。私の調べた習志野市では、母子保健推進員に一本化した仕組みをつくり、母子手帳交付のときに、その推進員さんたちの顔写真を見せ、「この人が訪問します」と伝え、100%訪問しています。また、4カ月後に訪問して成長を確認しているそうです。中野区として、現在の訪問のあり方を見直し、すべての新産婦新生児を訪問する体制をつくるべきと思います。お考えをお聞かせください。
 母子手帳の交付についても、中野区は地域センターや保健福祉センター、子ども総合相談窓口で配付していますが、ただ渡すだけではなく、すべての母子の訪問につながるような工夫をする必要があるのではないでしょうか。子育て支援のスタート時になる対応は極めて大事です。御見解を伺います。
 次に、保育サービスの充実について伺います。
 特に要望の強い延長保育について、区は順次拡充を図ってきていることは評価いたします。この際、全保育園で延長保育を実施し、区民が等しくサービスを受けられるようにすべきではないでしょうか、お考えを伺います。
 病後児保育、一時保育、年末・休日保育については、地域的な格差が存在しています。身近なところでサービスを受けられるよう、さらに充実を図るべきです。御見解を伺います。
 認証保育園は、認可保育園を補完する重要な役目を果たしています。しかし、保育料の格差があまりにも大き過ぎます。同じ税金を払っている区民が同じような負担で保育サービスを受けられるよう、格差をなくす具体的な支援が必要です。御見解を伺います。
 最後に、放課後子どもプランについて伺います。
 このプランは、文部科学省と厚生労働省が来年度予算の概算要求の中で示したものです。中野区が10か年計画の中で取り組むとした小学校を活用した遊び場機能の導入の考え方と同様の趣旨と思われます。区は、今後、国の「放課後子どもプラン」の事業を基盤とし、補助金等を活用して遊び場機能の推進に努めるべきです。区の検討状況や実施の見通しはどのようになっているのでしょうか、伺います。
 先日、大阪府守口市の「児童クラブ事業」を視察してまいりました。全小学校で1年生から6年生までを対象に、学童クラブも含めて学校施設を活用した「もりぐち児童クラブ」を開設しています。異年齢の子どもたちが生き生きと活動している姿が印象的でした。教育委員会が実施主体になっているため、学校の協力も得やすく、この事業が順調に運営されている大きな理由となっていると思われました。中野区は、子ども家庭部が所管して事業を進めていますが、実施場所は学校ですから、教育委員会も実施主体として進めていかなければ成功しないと考えます。学校への説明や関係者への調整など、教育委員会も実施主体として責任をしっかりと果たしていくべきと考えますが、教育委員会の御見解を伺います。
 その他として、1点。小児救急医療体制について伺います。
 中野総合病院で実施していた小児救急医療体制の二次救急が崩れ、区民の皆さんは大変に不安になっています。私たち公明党区議団は、建設される東京警察病院に小児の救急医療体制が整備されるよう再三にわたって要望してまいりました。現在の進捗状況をお聞かせください。
 さらに、今後とも、区として関係機関に小児救急体制が整備されるよう強く要望すべきだと思います。区長のお考えを伺って、この項の質問を終わります。
 次に、いじめ問題について伺います。
 先月25日に、公明党代表代行の浜四津敏子参議院議員が、中野の「子ども110番」の事業について視察に来られました。私も一緒に参加させていただきました。中野区は、20年前の事件以来、長年この問題について取り組んでこられましたが、課題がたくさん見えてきました。
 私は、いじめについて、どんな理由があろうとも、いじめた側が100%悪いという考え方に立つべきです。そこで、いじめの相談の周知と相談しやすい体制をつくる必要があると思います。
 まず、相談窓口の体制について伺います。
 昨年度と今年度の相談件数は何件あったのでしょうか。そのうちいじめの相談は何件だったのでしょうか。また、区立小学校のいじめの件数は何件あったのでしょうか。あわせてお聞かせください。
 視察の際にも指摘されたことですが、教育センターでの相談窓口や子ども家庭部の相談窓口があって非常にわかりにくい状況にあります。今クローズアップされているいじめの問題の相談窓口は、区として一本化すべきではないでしょうか、お考えをお聞かせください。
 さらに、夜間の相談体制についても、実施に向けて検討すべきです。近隣区と共同して「夜間いじめコールセンター」として実施することも検討してはいかがでしょうか。
 次に、相談窓口の連絡先の周知について伺います。
 中野区では、子どもたちに、カードに中野の相談窓口の電話番号を記入させたり、ポスターで周知したりしていますが、相談が極めて少ない現状です。一方、テレビ等で紹介されている電話相談やファクス、メールでの相談には、非常に多く寄せられています。現実には、私たちが想像している以上にいじめが存在しているはずです。そのことを踏まえて提案いたします。テレビで紹介されている「夜回り先生」は、顔の見える信頼関係があることから、非常に多くの相談が寄せられています。中野区も、相談員との信頼関係をつくるべきではないかと思います。区の電話相談員は、現在11名おります。その相談員が小・中学校に出向いて自己紹介し、児童・生徒に知ってもらい、フェイス・トゥ・フェイスの顔の見える相談体制ができれば、安心して相談が寄せられるのではないかと思いますが、お考えをお聞かせください。
 さらに、メール等も相談手段として活用してはいかがでしょうか。児童・生徒の大半が所持している携帯電話に相談窓口の電話番号を登録したり、QRコードの活用を図り、即時に電話番号やメールアドレスを登録し、そこに相談を受ける方の写真や、あるいはイラストを入れてはいかがでしょうか。
 最後に、相談後のフォロー体制について伺います。
 私は、いじめに関して具体的に相談が寄せられた場合、いじめが解決するまで取り組みを続けるべきだと思います。しかし、教育委員会だけで解決しようとするには限界があります。総合的、全体的なフォロー体制の仕組みをつくる必要があると思います。区として、いじめを解決する総合的な体制づくりを検討すべきだと思いますが、区の御見解を伺って、この項の質問は終わります。
 次に、身近な環境問題について伺います。
 私は、環境問題は区民一人ひとりが身近な問題として日常生活の中で真剣に取り組む必要があると考えています。
 中野区環境基本計画は、平成13年度に策定され、既に5年余が経過しています。この間、緑の減少やごみ問題、また有害物質の問題など、引き続き解決すべき課題がありますが、地球温暖化防止に向けた京都議定書の発行やヒートアイランド現象の進行など、新たに取り組まなくてはならない課題も生じています。
 区では、現在の環境基本計画を改定する作業を進めています。この中で、特に地球温暖化防止やヒートアイランド現象の取り組みを含めることが重点事項になると思います。この環境基本計画を具体的に進めるため、実行計画を策定するという、第3回定例会での区長の答弁がありました。
 環境計画を具体的に取り組むために、実行計画を策定することは極めて大事であると思います。ケニアの環境副大臣ワンガリー・マータイさんが、日本の「もったいない」という言葉の意味することに非常に感銘を受け、国連での講演の中で、「もったいない」をこれからの環境保護に取り組むキーワードとして紹介されました。世界に向けて「もったいない運動」が提唱されて以来、日本国内だけでも「もったいない」を環境の取り組みのキーワードに掲げた自治体やその関連団体は18都道府県に広がっています。宇都宮市ではロゴマークをつくり、「もったいない」の心を市民に啓発し、その中でごみの排出量を市民一人当たり“りんご1個分"を減らす「宇都宮りんごダイエット作戦」を実施しています。神奈川県では、一人ひとりができる10項目を盛り込んだ「マイアジェンダ」(私の実践行動)もったいない版作戦を実施しており、大阪府や京都市でも、環境教育の実践目標などに「もったいない」を取り入れています。区民が共有する合言葉として、また、環境への取り組みの共通の目標として、これほど適切なキーワードはないと考えます。中野区も、実行計画の中に、区民共通のキーワードとして「もったいない」を掲げてはいかがでしょうか、御見解を伺います。
 次に、「新しい中野をつくる10か年計画」では、地球温暖化防止戦略を定め、柱の一つに“みどりを増やす"展開を示しています。そのステップ1で「花とみどりを増やす新しいしくみの検討」をするとしていますが、どのような検討が行われているのでしょうか、お聞かせください。
 また、中野区は住宅密集地です。区内の住宅地を歩きますと、自宅の庭やベランダに花や木々が植えられたり、飾られたりしている光景が多く目につきます。ガーデニングを楽しんでいる家庭がふえてきたと実感しています。私も足をとめてつい見入ってしまうことがあります。区内の緑が確実に減少している中、大規模な緑の確保も重要ですが、一朝一夕にはできません。この住宅都市の特性を生かした、それぞれのお宅の玄関先や庭、またマンションのベランダなど、身近なスペースを有効に活用した“みどりを増やす"取り組みの施策に重点を置くべきです。
 町の緑は、地表の建物の熱負荷を改善し、ヒートアイランド現象の緩和に効果があるだけではなく、二酸化炭素の吸収など、地球温暖化防止に役に立つ身近な取り組みとなります。それこそ、区長の言われる戦略的な取り組みになると思いますが、区のお考えをお聞かせください。
 また、みどりを増やす取り組みとして、川崎市では、市民による10万本植樹運動を平成17年度から始め毎年1万本の植樹を行っております。「一つの種から、一人の手から、まちに広がるみどりの輪」をキャッチフレーズにして、「わがまち花と緑のコンクール」を開催しています。
 さらに、ガーディナー養成講座を実施するなど、市民がコンクールに参加しやすいような事業展開を図っています。
 中野区でも、「花と緑の祭典」を毎年開催していますが、みどりを増やす啓発にとどまっています。もっと区民が参加し、区民みずからの取り組みを促す必要があります。中野区も、区民の自主性を生かした身近なみどりを増やす取り組みとして、区民ガーディナー養成講座や区民が参加しやすい「花とみどりのコンテスト」などに取り組んではいかがでしょうか。区と区民、区民同士が協働して推進する仕組みになると考えますが、御見解をお聞かせください。
 また、先日、(仮称)北部防災公園が、区民からの公募によって「江古田の森公園」と命名されました。長い月日をかけ、区民が事業計画に参加してでき上がった公園です。この区民とともにつくった公園を、さらに区民とともに守り、育てる公園として活用してはいかがでしょうか。
 広島県三次市では、市の花や木である“桜やもみじ"の苗木を、市民の思い出記念植樹として公園などに市民植樹を実施すると聞いています。この事業は、市民提案としての事業化が図られたそうです。「江古田の森公園」において、この記念植樹事業の展開を進めてはいかがでしょうか。中野区も思い出を記念する植樹を公募するなど、植樹の仕組みや方法はいろいろありますが、区の花、木、また「江古田の森公園」にふさわしい樹木なども植樹してはいかがでしょうか、御見解を伺います。
 次に、校庭の芝生化について伺います。
 東京都は、2016年までの10年間で、都内の全小・中学校の校庭芝生化の事業を進める計画を公表しました。
 中野区の10か年計画では、既に実施した若宮小学校も入れて5校程度となっています。東京都の事業計画の詳細はこれからだとは思いますが、中野区においても事業計画を再検討し、全校芝生化に向けた計画にすべきだと思いますが、御見解を伺います。
 この項の最後に、地方都市との交流による環境保全の取り組みについて伺います。
 中野区は、区長のマニフェストでも示されていましたが、中野の区民と地方の市民が身近な取り組みを通して交流を広げ、協働による事業の展開を進める考えです。私もこの取り組みには賛同しています。
 現在、中野区は、地域との交流による事業として、既に学校給食の残渣を銚子市の農業関係団体に送って、先方が堆肥化し、活用していると聞いています。送り先の農業団体は、この堆肥を使用した農産物の区の購入を求めているようです。
 北区は、全校に堆肥化の設備を備え、給食の残渣を一次発酵させ、群馬県甘楽町へ送り、農産物を区内で販売しています。また、一部を茨城県で二次発酵し、堆肥したものを区民向けに販売しています。
 中野区も、学校給食の生ごみを堆肥化し、地方に送り、地方からは野菜等を購入するなど、また堆肥を区内の緑をふやす区民に提供するなど、リサイクルの仕組みをきちんとつくってはいかがでしょうか、お考えを伺い、この項の質問を終わります。
 次に、高齢者の困りごと支援について伺います。
 高齢化の進展に伴い、中野区は単身の高齢者世帯や、高齢者の夫婦世帯の割合がますます増加してきています。既に介護保険が制度化され、介護が必要な高齢者にはヘルパーをはじめとした各種サービスが提供されています。しかし、大半の高齢者は、その制度の対象にはなっていません。ところが、ひとり暮らしの高齢者世帯などでは、例えば「高い棚にあるものを自分でおろせない」とか、「重い家具を移動させることができない」、あるいは「蛍光灯や電球の交換ができない」など、ちょっとした困りごとが高齢者の日常生活の中にはあります。
 しかし、ほほえみサービスセンターやシルバー人材センターの家事援助サービスに頼るまでもない、いわば「ちょっとした困りごと」に対し、迅速に対応してくれるサービスがあったらどんなに高齢者は喜ばれるでしょうか。
 私たち公明党中野総支部では、このほど、この「ちょっと困りごと」への支援の実施についての署名活動を実施したところ、わずかな期間にもかかわらず1万6,176名の区民の皆さんから賛同が寄せられました。その署名を区長にお届けしたところです。この支援の実施について、区長の御見解を伺います。
 他の自治体では、ボランティアのパワーを生かしてこのような支援サービスを実施しているところもあります。ただ、ボランティアの力をおかりするにしても、そこにもう一つ工夫が必要だとも感じています。中野区長はこれまで、私たち公明党の質問に対し「エコマネー」、いわゆる地域通貨を活用した地域活性化についてさまざまお考えを示していただいていますが、こうしたエコマネーも高齢者のちょっとした困りごとをはじめ、ボランティア活動の活性化に寄与すると思いますが、あわせて区長のお考えを伺います。
 最後に、「男女共同参画基本計画」の改定について伺います。
 今後ますます少子高齢化が進む中、積極的に取り組まなければならないことは、女性も男性も仕事と子育てや高齢者介護などを両立させ、自分らしい生き方を選択できる社会を早期に実現することです。働き方の見直しを含むワークライフバランス(仕事と生活の調和)を推進し、企業への働きかけなどこれまで取り組んでこなかった分野へも力を注いでいかなければなりません。国の方でも「仕事と生活の調和推進基本法」の制定に向かって動いていると聞いています。
 私は、これが新しい中野区の男女共同参画基本計画の根本に据えられるべきだと考えますが、区はこうした視点を中心に計画に盛り込んでいく考えはあるのでしょうか、伺います。
 既に、他の自治体では、育児休業を取得する従業員のいる中小企業に代替要員派遣制度や中小企業主が育児休業や子どもの看護休暇等を利用した場合に「子育て支援奨励金を支給する制度」、また父親子育て応援企業の表彰等の両立支援の具体的な取り組みが始まっています。中野区としても、区民や事業主が理解できるような具体的な取り組みを示す必要があります。あわせて御見解を伺います。
 以上で、私のすべての質問を終わります。御清聴大変ありがとうございました。
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) やながわ議員の御質問にお答えいたします。
 まず、子ども医療費助成の拡大についてということであります。
 中学生までの入院、通院にかかる医療費の自己負担額3割分全額について助成をするという方向で検討しているところであります。実施の方法といたしましては、医療証による現物給付を考えているところであり、来年10月から実施をするという方向での検討を進めているところであります。
 また、こうした事業を実施するに当たっての財源の問題が大きいのではないかという御質問でもありました。おっしゃるとおりでありまして、実施の際必要となる経費については、短期的には充当するべき財源はないのが実情であります。
 したがいまして、当面は、臨時的な対応が必要となると考えているところであります。中期的に、子ども施策全体の中で、保育園の民営化や経常経費の見直しなどにより生み出していくことを考えているわけであります。
 入院にかかる食事代につきましては、食費は入院、在宅の場合とも共通する経費でありまして、費用負担の公平化を図るという観点から、助成対象とする考えは今のところ持っておりません。
 実施に向けてのスケジュールあるいは条例、予算の関係等、一連の動きをどう考えているかということであります。
 実施をする場合には、予算案及び条例案を来年の第1回定例会に提案することになると考えております。その後、区民や医療機関への周知、医療証の発行といった作業があるわけでありまして、10月にできるよう準備を進めていくことになると考えております。
 また、条例についてですが、現在、乳幼児医療費助成と子ども医療費助成と二つに分けている条例について、整合を図って一本化をするということが現時点では適当だろうというふうに考えているわけであります。
 改正条例の提案もあるようだけれども、多大な予算を伴う条例案としてどう考えるかということであります。
 子ども医療費助成の拡大に当たりましては、先ほども申し上げましたように、多大な支出を伴うものでありまして、区としては、中長期的な財政見通しを持って、他の政策との関係も踏まえて、区政運営全体の中で判断しなければならないと考えております。そうした財政的、予算的な裏付けも当然条例を制定する前提として必要であるというふうに考えるわけであります。
 区議会としても、こうした状況を十分に御理解いただいた議論をしていただいているということは、現実的によりよい区政を目指すという立場から歓迎をしたいと考えております。
 財政の計画的運営を無視して事業拡充のみを議論する中からは、責任を持った区民サービスの向上は生まれないと考えているものであります。
 それから、妊婦健診の充実についてであります。
 妊娠出産期の支援につきまして、経済的支援のあり方について、拡充が必要かどうかといったようなことなど、今後検討させていただきたいと考えております。
 それから、乳幼児健康カードの作成と、お子さん一人ひとりをしっかりと把握した情報管理ということについての御質問がありました。
 中野区におきましては、母子管理カードといったようなものをつくっておりまして、妊娠期からの相談経過を含めて、就学前までの乳幼児健診の状況、発達状況等を把握をして継続管理をしているところであります。それぞれのお子さんの状況をしっかりと区として把握しながら、支援につなげていくことが重要だというふうに考えているところであります。
 健診を受診すべき対象児全数を把握をしているわけでありまして、3カ月児健診、1歳6カ月児健診、3歳児健診の受診がない場合には、それぞれ受診勧奨を行っております。
 また、受診がない場合には、家庭訪問等によります対象となるお子さんの健康状況の把握に努めて、支援に取り組んでいるところであります。
 今後とも、こうした仕組みや体制、さらに工夫を重ねて、関係機関との連携のもと、より有効な支援のあり方を検討し、推進をしてまいりたいと考えております。
 それから、新産婦新生児訪問の実施体制等についての御質問もありました。中野区の新産婦新生児訪問につきまして、現在、保健福祉センターの事業として行っているわけですが、名称等わかりやすく工夫をして一貫した支援につなげていくように、大変重要なポイントでありますので、ここのところをしっかり強化をしていきたいと考えております。
 また、訪問の内容につきましても、今年度から「産後うつアンケート」というものを導入をいたしまして、産婦の育児不安をよりきめ細かに支援するといったことに力を入れているところでもあります。訪問率の向上に向けまして、母子手帳交付時のPRなど、工夫する点はあると考えているところでありまして、事業の充実をさらに図ってまいりたいと考えております。
 それから、保育サービスの充実についての御質問もありました。
 保育園の延長保育は、民営化の実施にあわせて順次進めてきたところであります。来年度も区立保育園5園において延長保育を開始する予定であります。これによりまして、全保育園での実施が実現することとなります。
 病後児保育、一時保育、また年末・休日保育等についての充実についてであります。
 これら各サービスにつきましては、今年度は病後児保育の実施場所の拡大、また休日保育の実施日の拡大を行うなど、充実を図ってきたところであります。今後、利用実績なども踏まえて、子育て家庭が必要なときに子どもを預けることができ、安心して子育てできる環境づくりに向けて、さらに実施方法などの工夫をしていきたいと考えているところであります。
 それから、認証保育所保育料の補助についてであります。
 認可保育所の入所資格があるにもかかわらず、そこに入所できずに認証保育所を利用しているという方もいらっしゃるわけであります。そうした方の中には、認可保育所よりもかなり高額の保育料を支払っている場合があるということも認識をしているところであります。こうした方々の負担を軽減し、安心して認証保育所を利用できるように補助のあり方などを現在検討しているところであります。
 それから、放課後子どもプランの推進についての御質問もありました。
 区としましては、子どもたちが放課後小学校施設を活用して多様で幅広い活動を行うことができ、あわせて地域の育成活動も取り入れて実施をする(仮称)キッズプラザ事業の実施に向けて検討しているところであります。
 これは、御提案のありました放課後子どもプランと同趣旨でありますので、この補助制度を活用して実施する考えであります。
 来年度から小学校1校で児童館と学校の連携によりこの事業をスタートさせるための準備をしているところでありますが、他の地域におきましても、児童館と学校、地域の連携を推進しながら、早期に全小学校で(仮称)キッズプラザ事業を実施できるよう、教育委員会はじめ関係者と協議をしてまいります。
 それから、小児救急医療についてであります。
 東京警察病院をはじめ中野区で小児二次救急医療を実施できる可能性がある病院の展望や支援について、東京都に相談をし、今後実施への可能性を期待したい病院へお願い、相談を重ねてきたところであります。しかしながら、現在のところ、中野区の中で小児二次救急医療を実施できる病院の見通しは立っていないのが現状であります。
 東京警察病院におきましても、移転前の現在の病院において、「今まで取り組めていない小児救急医療を実施することは無理である」との病院としての見解を表明されているところであります。中野区民の要望にこたえられるように、引き続き関係機関との相談、あるいは東京警察病院への要望を続けてまいりたいと考えております。
 いじめ問題について、いじめがあった場合の相談体制、教育委員会や学校だけでない取り組みが必要ではないかという御質問でありました。
 学校や教育委員会だけで解決が難しい、そういった事例も、御質問のようにあるわけでありまして、教育委員会、子ども家庭部におきましては子ども家庭支援センターが中心になって、また児童相談所や少年センターなどの相談担当者など、さまざまな機関の参加を得て、ケース会議等、学校を含めた協議の場を設定し、いじめの解消に向けて協力をする、そうした体制をとっているところであります。
 身近な環境問題の取り組みについてという御質問の中で、環境基本計画の実行計画のキーワードとして、「もったいない」というのを掲げるべきではないかという御質問がありました。
 地球温暖化防止などに向けましては、区民、事業者一人ひとりの省エネルギーや省資源の実践的な取り組み、一人ひとりの取り組みが重要になってくるわけであります。そうした一人ひとりの行動につなげていくためには、省エネや省資源についてわかりやすく、共感できるキーワードがあるということが効果的であると考えております。御指摘のありました「もったいない」という言葉も、その一つとして検討していきたいと考えております。
 それから、花と緑をふやすための施策についてであります。
 花と緑をふやす仕組みといたしましては、敷地内地上部の緑化あるいは屋上、壁面の緑化など、建築時等の緑化面積について拡大するよう総合的な施策の努力をしているところであります。また、今後は、地区計画など、まちづくりの施策と連携した緑化の手法を検討してまいりたいと考えております。
 また、住宅地での緑の拡大について、区民の協働あるいは区民ガーディナー養成講座など取り組んではどうかといった質問もありました。
 住宅地での緑の拡大は、町を美しくする取り組みとしても重要だと考えております。区としては、区民の身近なところで緑をふやすために、「花と緑の祭典」や「緑の教室」などで寄せ植えや園芸、剪定などの講習会を開催をし、また緑化相談では、ガーデニングについても区民からの相談にお答えをしているところでもあります。今後、これらの取り組みをさらに充実させるとともに、区と区民との協働あるいは区民同士の連携による緑づくりを強化をしていきたいと考えております。その核となる区民ボランティアの養成講座の実施などについても検討してまいりたいと考えております。
 それから、江古田の森に関連しても、記念植樹事業についての御質問がありました。
 江古田の森では、現在、既存の樹木植生をできるだけ生かした、既存の自然を生かした公園づくりを行っているところであります。
 また、新たな植栽の樹種につきまして、公園整備検討会での区民提案を受けて、当地の歴史や由来を踏まえた樹種を選定してきた経過があります。来年の開園時には、アメリカハナミズキの植樹式も計画をしているところであります。
 それから、生ごみの堆肥化と地方都市との交流についてという御質問がありました。
 御質問の中にもありましたように、大都市における暮らしと地方における暮らし、それぞれに過密で自然を生かすことができない、自然が乏しいといったような課題、もう一つ、地方の方では、過疎あるいは自然を生かしたくても十分なそれだけの消費が見込めないといったようなことから、都市も地方もそれぞれに行き詰まっているといったような現状があると考えております。そうした都市と地方が、お互いの暮らし方、生き方のレベルからしっかりと交流をし、連携をしていくことが、これからの地域の発展あるいは環境問題の解決、そうしたさまざまな面で効果が発揮できるのではないかというふうに考えているわけであります。
 そうした中の一環といたしまして、地方都市との間の「生ごみ堆肥化活用」についても、食の安全や経済の豊かさなどを実現するための取り組みの一つとして有用であるというふうに考えているところでありまして、今後、充実をしていきたい、区と地方都市とのさまざまな交流の中で検討していきたいと考えております。
 それから、高齢者の困りごと支援についてであります。
 社会福祉協議会やシルバー人材センターでは、御提案のようなひとり暮らし高齢者等の単発の支援にも現在対応することができるわけであります。必要に応じて利用案内をしているところであります。こうしたサービスについて、なかなか十分に周知されていないという現状もあることから、さらにPRを図っていきたいと考えております。
 さらに、そうした困りごと支援を充実していく上で、「エコマネー」の活用なども考えてはどうかという御質問がありました。
 地域ボランティアの一層の活性化を促したり、参加のすそ野を広げるというためには、エコマネーの導入というのも有効な手段の一つであると考えているわけであります。エコマネーについては、これから新しい地域社会における人々の行動と豊かさが結びついた新しい地域社会のあり方をつくっていく上で、有用な一つの手段であると考えているわけであります。
 先ほどお話の出ました環境行動でありますとか、こうしたちょっとした困りごとの支援といったような際にエコポイントを発行して、そのエコポイントがさらに区内での共通商品券や、あるいは商店のポイントなどとも互換性があるといったような形で、人々の志のある行動が物の形でも流通をしていく、あるいは行動と行動がお互いに流通をしていくといったエコマネー、地域通貨の仕組みをつくっていくことが有効だというふうに考えているわけであります。
 今後、このような地域通貨の導入に向けての課題を整理をして、ボランティア関係団体等とも連携、協議をしながら取り組みを進めてまいりたいと考えております。
 私からは以上であります。
     〔教育長沼口昌弘登壇〕
○教育長(沼口昌弘) 放課後子どもプラン推進にかかわる教育委員会の対応についてでございます。
 放課後の子ども事業、これを円滑に進めていくためには、主な展開の場所となります学校の協力が必要になります。教育委員会といたしましても、学校が積極的に協力し、幅広い活動ができるよう努めてまいりたいと思います。
 それから、いじめの問題でございます。
 まず、17、18年度の相談の件数とそのうちのいじめの相談件数についてでございます。
 平成17年度、子ども110番を含む教育センターへの相談件数は、延べで3,144件でございますが、そのうちいじめに関する相談件数は10件でございます。また、スクールカウンセラーへの相談件数は、延べ7,195件、そのうちいじめに関する相談は69件でございました。平成18年度につきましては、教育センターへの相談の件数は、10月末現在1,823件、うちいじめに関する相談は42件でございます。
 なお、スクールカウンセラーについては、毎年度末に集計を行っていますので、現時点では集計してございません。
 なお、学校から教育委員会へ上がってきたいじめの問題で、教育委員会が学校に指導、助言をした件数、これにつきましては、平成17年度は9件、今年度は現在のところ25件となってございます。
 次に、相談窓口の簡素化でございますが、子どもに関する相談につきましては、学習や不登校の問題、あるいは子育ての悩みや子育てサービスなど、いろいろそれぞれの目的によりまして多様な窓口を用意することが必要であろうと考えてございます。その上で、それぞれの窓口で多様な相談の中で出てきました学校でのいじめの問題があれば、教育委員会で情報を受けて対応しているところでございます。
 いずれにいたしましても、基本的には、子ども110番を電話で気軽に相談できるいじめ専用の相談窓口として位置付け、子どもたちへ周知を図ってまいりたいと思っております。
 次に、夜間の相談体制についてでございますが、これにつきましては、東京都児童相談センターの東京子どもネットや、東京都教育相談センターのいじめ相談など、夜間相談を受けている機関がございますので、子どもたちに広く周知していくことで対応してまいりたいと思います。
 次に、相談員の顔が見える安心した相談体制についての御質問でございますが、このいじめの相談に当たります相談員につきましては、心理職や教育経験者等、子どもたちと信頼関係をつくり相談を進めることができる人物を配置しているところでございますけれども、子どもたちに相談員の顔などを知ってもらい、安心して相談できる方法について検討してまいりたいと、そのように考えてございます。
 次に、メールによる相談についてでございますが、いじめで悩んでいる子どもたちから、できるだけ幅広く相談が受けられるようメール相談の仕組みをどのように用意できるか、検討してまいりたいと思います。
 最後に、校庭の芝生化についてでございますが、この件につきましては、東京都が公表いたしました全校芝生化の計画につきまして詳細に把握した上で、10か年計画に掲げました身近な緑の拡充という目標実現に向けて検討してまいりたいと、そのように考えてございます。
   〔子ども家庭部長田辺裕子登壇〕
○子ども家庭部長(田辺裕子) 男女共同参画基本計画の改定につきまして、両立支援、ワークライフバランスを推進してはどうかという御質問でございました。
 先ごろ終了いたしました男女共同参画基本計画審議会におきましても、豊かで活力ある21世紀の社会を実現するためには、男性、女性がともに家庭、地域、仕事に参画し、責任を分かち合っていくことが必要であるという認識が前提となりまして、審議をされました。こうした審議を踏まえまして、計画づくりにも反映させていきたいというふうに考えております。
 また、企業へ両立支援の具体的な取り組みを進めてはどうかというような御質問でございました。
 これにつきましては、区民や事業主に対して実現可能な取り組みの提案など、地域全体で推進していけるような計画として進めていきたいというふうに考えております。
○議長(高橋ちあき) 以上で、やながわ妙子議員の質問は終わります。
 議事の都合により、暫時休憩いたします。
      午後2時38分休憩

      午後3時03分開議
○議長(高橋ちあき) 会議を再開いたします。
 この際、申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。
 一般質問を続行いたします。

 中野区議会議員 池 田 一 雄
 1 子ども医療費助成制度の対象を中学3年生まで拡充することについて
 2 介護保険の軽度高齢者への介護ベッドなどの低額貸付制度創設について
 3 深刻化するいじめ問題について
 4 乳がん検診に超音波検査を導入することについて
 5 タイムカード不正打刻事件地裁判決に服し控訴を取り下げることについて
 6 溜め込み財政について
 7 警察大学校等跡地開発計画について
 8 入札問題について
 9 エイズ対策について
 10 その他

○議長(高橋ちあき) 池田一雄議員。
      〔池田一雄議員登壇〕
○42番(池田一雄) 06年度第4回定例会に当たり、日本共産党議員団を代表し、質問を行います。
 まず第1に、子ども医療費助成制度の対象を中学生まで拡充することについてお尋ねいたします。
 このことにつきましては、党議員団は、今まで議会において再三にわたって提案、質問を繰り返してまいりました。また、毎年度の予算要望書でも一貫して取り上げるとともに、区長に対しての申し入れもたびたび行ってきたところであります。
 さらに、本日、議会運営委員会に党議員団として中学生までの医療費無料化を実現する条例改正案を提起したところでございます。
 我が党区議団としてことし3月に行った区民アンケート調査には、818通の回答が寄せられました。この中で、「子どもの医療費助成を中学生まで広げることをどう思うか」との問いに、77.4%の方が「賛成」と答えられています。
 現在、中学3年までの完全無料化を既に実施しているか、または来年4月以降実施を表明しているのは、北区、港区、台東区、世田谷区、葛飾区、杉並区、新宿区、文京区など8区に上っております。このような状況のもと、東京都は「義務教育就学児医療費助成制度」を創設し、来年10月から医療費自己負担額3割の3分の1を助成することを発表しました。この新たな状況のもと、党区議団は、10月27日、改めて医療費助成の拡大を区長に申し入れたところでございます。
 先ほどの質問に対し、「来年10月からの中学3年までの通院費、入院費の無料化実施の条例案を来年の第1回定例会に提出する」との答弁がありました。大いに歓迎するところであります。
 そこで、条例提案に当たって、次の2点の検討を望みたいと思います。
 現在、我々の条例提案と区長との提案の差は、4月1日実施を私どもの提案では申し上げておりますけれども、この点の差だけになっているわけでありますが、さらに、第1に、所得制限を設けないこと、第2に、党議員団として本会議などで改善を求めてきた乳幼児医療費制度との統合を行うこと、この件については先ほどの区長の答弁でも触れられていたようでありますが、確認の意味で御答弁をいただきたいと思います。
 次に、介護保険の軽度高齢者への介護ベッドなどの低額貸付制度についてお伺いをいたします。
 介護保険制度の改悪で、ことし4月から要介護1以下の軽度の高齢者は、介護ベッドなどの貸与が受けられなくなり、今まで利用していた方たちへの経過措置も9月末が限度とされ、利用者の不安が高まっていました。我が党は国会においてこの問題を重視し、政府の対応を改善するように迫った結果、「軽度であることを理由に機械的に貸与を中止させない」との厚生労働省通知を出させることができたため、無理な貸しはがしは避けられました。第3回定例会では、小堤議員がこのことで質問し、区からも機械的な給付中止は行わないとの答弁がされています。その後9月27日には、東京都が介護ベッドの購入に対し、助成制度を設けることが発表され、党区議団は、10月27日、区長に対する緊急要望の中で、都の制度よりもっと区民が活用しやすい制度をつくることを提案したところでございます。
 今度の補正予算では、対象者はことし3月末時点でベッドの貸与を受けている人に限られ、しかも購入する場合だけです。貯金の全くない人が人口の4分の1を超すというもとで、助成の対象となっても購入することができない人が出てくることは十分予想できます。
 ところで、都の助成制度が発表される前に、既に多くの自治体で福祉用具貸与対象外となる軽度認定者に対しての介護ベッドなどの貸与を制度化する施策が次々と発表されています。豊島区、新宿区、中央区など8区に加えて杉並区も都制度だけではなく独自のレンタル助成に踏み切り、荒川区も都制度の活用ではなく独自のレンタル制度を行うことを明らかにしました。これで区独自施策を行うところは10区となりました。さらに、葛飾区も何らかの助成策を実施する意向を示しています。港区の場合、レンタル料は月500円で、これなら利用者の負担も軽く、必要な人が利用できる制度として生かされます。
 そこでお聞きします。介護保険の福祉用具貸与対象外となる要介護1以下の軽度認定者を対象とした電動式特殊寝台や車いすの安い料金でのレンタル方式や、普通寝台の購入を希望する対象者への助成制度を区独自施策として創設することを提案しますが、見解を求めます。
 次に、いじめ問題についてお聞きします。
 自民・公明の与党は、16日、衆議院本会議において教育基本法改悪案を単独強行採決しました。日本共産党をはじめ野党は、タウンミーティングにおける「やらせ問題」、世界史未履修問題、さらにいじめ自殺という痛ましい問題について、文部科学省の関与と責任を明らかにした上で徹底審議が必要だと強く求めてきました。にもかかわらず、衆院での強行採決に引き続き、「毒を食らわらば皿までも」と参議院でも単独で特別委員会設置を決めました。まさに、歴史的暴挙であり、我が党区議団も強く抗議するものであります。このことをまず申し上げて質問に入ります。
 いじめを苦にした児童・生徒の自殺や自殺予告が相次ぎ、校長先生までが自殺する事件が発生するなど、学校におけるいじめが教育と社会の深刻な問題となっています。北海道大学の伝田健三助教授のグループが行った調査によると、小・中学生の中でうつ病になる危険性のある「抑うつ傾向」が平均で13%もあり、学年が上がるにつれて比率も上昇し、中学3年生では30%にもなっているとしています。「生きていても仕方がないと思う」という問いに、4%が「いつもそうだ」と答え、「時々そうだ」を合わせると、実に18.8%に達しています。伸び盛りの子どもたちの中に、「生きていても仕方がない」、「何をしていても楽しくない」など、ストレスによる深刻な抑うつ傾向が広がっているのです。
 この問題は、1998年、国連児童の権利委員会が、日本の教育制度について「児童が高度に競争的な教育制度のストレス」によって、「発達障害にさらされている」と指摘し、是正を勧告したという経緯があります。2004年には、「勧告について、十分にフォローアップが行われなかった」、「子どもの肉体的及び精神的健康に悪影響を及ぼしている」として、国連児童の権利委員会から再び是正が勧告されるという状況です。
 いじめの問題や教師に対する小・中学生の暴力行為、さらに親や家族を子どもが殺害するなどの事件の背景に、子どもたちを常に競争に追い立て、成績によって序列付ける過度の競争主義、成績主義があるのではないでしょうか。教育委員会はこの事態をどのように考えているのか、お伺いします。
 教育は、先生と子ども、あるいは子どもたち同士による協力と協同によってつくられるものではないでしょうか。互いに助け合い、教え合う中で、子どもたちの学力が育ち、人間関係がつくられていくものです。競争主義、成績主義は教育の基本的あり方を崩すものです。このことについて教育委員会の見解をお聞きします。
 2003年に中央教育審議会はいじめを「5年間で半減」などの数値目標を示しました。以来、全国の教育委員会や学校で、いじめ問題を隠す動きが急速に強まり、多くの教育委員会で「いじめゼロ」の報告がされるようになっています。子どもが成績で競争させられるように、教師や学校もまた数値目標で成績を競わせられる、その実態とその弊害が出ているのではないでしょうか。
 いじめを苦にして自殺した児童が、遺書でいじめを告発しているのに、学校当局はいじめによる自殺であることを認めようとしないという事態がマスコミで報道されましたが、これはその典型的な事例です。このことがいじめの実態を的確につかみ、解決していくための努力を困難にする要因になっていることを指摘しておきたいと思います。区教委は、このいじめの実態をどのようにつかんでいるかお聞きします。
 いじめは、子どもが成長していく過程で子ども集団の中で生じるものです。いじめがあってもおかしくないのです。そのことを的確につかめるような学校になっているかどうかが大事な問題なのです。いじめが認められたときに、いじめられている子どもの人権を守り、あわせていじめている側の子どもに対する指導がいかに適切に行われるかが重要なのです。教育現場は、さまざまな問題を抱えており、対応が十分でない場合、いじめが起き得るのは事実です。そのために、現場からの報告や事後処理の追及だけでなく、教育委員会が学校に出かけ、一緒になって問題解決に当たる支援が必要です。教育委員会は、どのような援助を行っているのかお聞きします。
 次に、具体的な問題で3点にわたり提案かたがたお聞きします。
 まず、子どもの立場からのいじめの実態調査を求めたいと思います。
 国分寺市の教育委員会が、小学校4年生から中学校3年生を対象にいじめのアンケート調査を行いました。その中で、平均8%の子どもがいじめに遭っていると答えております。この調査は、実態を子どもの立場から正確につかむという姿勢を示しており、その結果とともに、貴重な成果だと思います。中野区においても、実態を正確につかむ努力が必要です。その上に立ち、適切な対応策を検討する必要があります。国分寺市のような調査も含め、実態を正確につかみ、中野区の対応策を検討すべきだと思います。見解をお聞きします。
 さらに、学校選択制の導入を中止することを求めます。
 教育委員会は、学校を自由に選ぶことができる学校選択制について、今のところ導入を見合わせています。これは、学校選択制を導入して新入生が極端に少なくなった場合、都教育委員会が教師を配置しない可能性があることから見合わせたものにすぎません。学校の統廃合計画に学校選択制がかぶされば、新入学児童・生徒がふえる学校と極端に少なくなる学校が生まれてきます。選択制が実施されていない現在でも、既に廃止になる学校が敬遠されていることを見れば明らかなことです。23区でも、学校選択制を導入したところで、新入生がゼロの学校が幾つも生まれているのが実態です。そのことで、学校や子どもがさらに地域の住民がどんなに辛く、悲しい思いをすることでしょうか。学校間に競争の原理を持ち込むことで、学校がよくなるとの主張は、公立学校が果たすべき役割を無視するとともに、教育行政に責任を持つ教育委員会の役割を放棄することにつながるものです。学校選択制の導入については、正式に中止の方向を出すべきです。お答えください。
 三つ目に、来年実施を予定している全国一斉学力テストに参加しないことを求めます。
 区教委は、これまで独自に2回の学力調査を行ってきました。教育委員会は、「学校の教育指導に資するためのものであって、成績による序列を学校につけるものではない」と、繰り返し答弁してきましたが、その成果についてはまだ検証されたとは言いがたい状況にあります。
 さて、国が来年4月に計画しているのは、小学校6年生と中学校3年生を対象に国語と算数・数学の一斉学力テストを行うものです。その結果を公表し、自治体と学校に序列をつけるもので、いずれ成績によって予算配分にも差をつけるというものです。これは、学校に一層の成績主義を持ち込み、義務教育に重大な弊害をもたらすものと言えます。犬山市は、全国一斉学力テストへの参加を保留にし、議論を重ねて結論を出す姿勢を早くから表明しています。競争原理に基づいて学力の向上を図ろうとすることには問題があるというのが、犬山市の考え方です。今後も、私学の多くは参加しない方向であり、市町村でも参加しない自治体が出ることが予想されています。中野区においても一斉学力テストへの参加を見合わせるべきと思いますが、見解をお聞きします。
 乳がん検診に超音波検査を導入することについてお伺いします。
 乳がん発生率が高まっています。乳がんだけで見ると、全国統計では40代半ばが最も発生率が高くなっています。乳がんで亡くなる女性は、年間1万人に達し、40歳から50歳代にがんで亡くなる女性の23%も占めています。マンモグラフィによる乳がん検診は、乳がん死亡率を減らすという意味で有効であることが科学的に確認されています。厚生労働省も2004年度からマンモグラフィ検診を40歳以上の隔年に実施するよう通達し、当区でも今年度から40歳以上で隔年に実施されています。
 ところが、マンモグラフィは、乳腺組織の豊富な閉経前の乳房に対してしこりが発見しづらい欠点があります。しかし、超音波検査はそこを補ってくれます。と同時に、細かな石灰化見つけるのが難しいことや、動く画像を見ながら病変を探すので、検査をする人の力量に左右されやすいとの問題点もあります。けれども、超音波検査と視触診との併用で、視触診のみの検診の3倍の発見率が得られるとされていることから、一般検診にも有用だとの見解が広がっています。このように30歳代から40歳代の検査では、超音波検査が力を発揮しますので、中野総合病院などでは人間ドックの乳がん検査に導入されています。
 マンモグラフィ検査は、今年度4,951人分が予算化されていますが、機器が少ないこともあり、検診率は40歳以上女性人口7万9,700人で計算すれば受診率6.2%と低い状況です。超音波検査機器は、マンモグラフィに比べ普及度が高く、医師・検査士の研修が進めば、飛躍的に検診数を増加させることが可能です。超音波検査の導入を図るべきだと思いますが、お答えください。
 乳がんの30歳代での発生率は、胃がんや肺がん、子宮がんなど、他の部位のがんと比べて4倍以上もの高い値を示しています。したがって、今まで厚労省は、その指針で乳がんの検診開始年齢を30歳以上としていました。ところが、マンモグラフィ導入で予算がふえるためか、乳がんの若年発生という事態は何も変わっていないのに、04年の指針では検診開始年齢を40歳以上に引き上げてしまいました。このようなもとでは、区において30歳からの超音波検診も実施すべきと思いますが、お答えください。
 次に、タイムカード不正打刻事件の東京地裁判決に服し控訴を取り下げることについてお伺いします。
 東京地裁は11月2日、この件について住民側の主張をほぼ認める判決を下しました。被告である区長の「有給休暇の承認及び休職処分は適正であり、これを前提として超過支給分を計算、返還しているので財政的に問題ない」との主張に対し、判決は「有給休暇の取得の効力は生じていない。また、過去にさかのぼって休職させた部分は無効である」と明確に述べ、それに基づいて82万4,000円、損害賠償請求の返還額を決めています。
 この問題については、2回にわたり住民監査請求が行われ、監査委員会は不適性なやり方でタイムカードを扱い、職員を出勤扱いにして生じた損害を05年2月13日までに補てんせよとの区長への勧告を行っています。それから1年半を経過し、裁判でも同じ結論が出されたわけですから、これ以上、区民の貴重な税金を使って判決を覆そうとするような行為は、区民の不信を募らせるばかりです。区民の信頼を回復するためにも、直ちに控訴を取り下げるべきです。見解をお聞きします。
 溜め込み財政についてお聞きします。
 05年度決算において実質収支42億円の剰余金がつくり出され、このうち30億円程度、今年度、06年度で基金に積み立てると聞いています。今年度当初予算では44億円の積立金が計上されており、年度末基金残高は224億円になりますから、それに積み上げること250億円を超す基金残高となるわけであります。
 一方、このところの大企業の経営実績が上向きになったことにより、財調交付金は再調整で10億円を超すのではないかと見られています。これをさらに積み立てに回したりすれば、今年度は05年の基金積立額51億円をはるかに上回り、一般会計総額の1割になんなんとする80億円を上回るものとなります。まさに異常なまでの溜め込み主義です。区民の暮らしにくさが増すばかりのときに、区民福祉の向上に努めず、大規模まちづくりのための溜め込みに精を出すことは、自治体としての役割を果たしているとは言えません。
 このような異常な溜め込みを可能にしているのは、区長が進める区民福祉を強引に削り込む構造改革路線の強行と一般財源である区民税や財調交付金の増加によるものです。国の庶民生活切り捨ての路線に対し、本来ならば区民の暮らしを守る防波堤の役割を果たすために使われなければならない財源を、臨時的経費として溜め込んでいくことはやめるべきです。お答えください。
 さらに、基金の積み立てに何の計画性もないのが中野の特徴です。1月に10か年計画を発表し、その2年目も終わろうとしているのに、発表されている財政フレームも、基金の積み立て繰り入れ計画も、そして起債の活用計画も極めて不十分で、実態ともかけ離れています。中野区は今までにも中期計画などを何度も発表してきましたが、私の記憶では、こんなにいいかげんな計画は初めてです。したがって、基金の積み立てには何の計画性もなく、ただただ無理やり剰余金をつくり出し、できたものはどんどん積み込むという目先だけしか見ていないやり方になっています。来年度は警察大学等跡地の公園・道路用地の取得のために40億円の起債を発行すると聞いていますが、これも発表されている財政計画とは全く符合しません。中野駅周辺のまちづくりには、これから一体どれほどの財源を必要とするのか、予測をつけることもできないでいるではありませんか。羅針盤もなく、荒れ狂う大海原に船をこぎ出し、中野区民もろとも難破させかねないような区政運営はやめていただきたい。見解を求めます。
 次に、警察大学校等跡地開発計画についてお聞きします。
 11月16日、都知事から、警大跡地開発計画の原案が示されました。中野区案に沿った内容となっていますが、もとを正せば、04年3月、中野区が新都市建設公社に委託し、東京都が深くかかわりつつ、公社が株式会社日建に丸投げしてつくった報告がもととなっています。
 防災公園を中心とした2001年計画とは異なり、1.5ヘクタールの小さな公園の南側に高さ110メートルの超高層ビルを建ち並べ、100年以上も生い茂ってきた緑を生かすことにつながらない計画です。住民参加と言いながら、その実、住民が最も望むことについてはなおざりにして、聞く耳持たずでつくってきた計画です。東京都の都市再生路線にすっぽりはまったこの計画は、いまや名実ともに区の手を離れて、区民から遠い存在の東京都庁でこれからは事業が進められていきます。中野のまちづくりと言いながら、実際には区と区民の手の及ばないところで進められていくのです。こんな結果をもたらしたものが、どうして区民参加のまちづくりなどと言えるでしょうか。私はきょうこの段階で、改めて区の進めてきた区民不在のこのようなまちづくり計画は間違いであり、計画をもとに戻すべきだとの考えから質問します。
 都内での都市再生事業としては後発で、成功の見通しも暗い大規模開発ではなく、中野区民に唯一残された最大の緑の広場こそ区民にとって必要な社会資源だからです。
 さて、第1に、計画づくりの最初から住民参加はなおざりにされてきました。区民検討委員会なるものをつくったのは、報告づくりの委託を受けた新都市開発公社であって区ではありませんでした。そこで出されたたたき台は、都庁幹部職員が天下りしている新都市開発公社のつくった大規模再開発の内容を基本とする計画案でした。それに対する区民からの批判を受けとめることなく、04年3月には今の計画の原案とも言うべきものが提出され、5月にはその報告書とほとんど違いのない中野区原案がつくられ、最終的に、05年5月に計画を強引に決めてしまいました。だから、最終段階で寄せられた324人からのパブリックコメントも、中野区の「計画案の内容でそれらは満たしている」と庁議記録でもすべてを切り捨てています。これらの経過で一体どこに区民参加が保障されていたというのでしょうか。具体的にお答えください。
 第2に、2001年計画が01年7月に財務省に提出された後、具体的な実施の体制づくりのため、財務省、都、中野区、杉並区、都市基盤整備公団などで「跡地利用連絡調整会議」がつくられ、「防災公園街区整備方式」の導入を前提に検討が始まりました。しかし、02年6月、田中区長就任前後から、いつの間にか断ち切れになってしまったようです。ここまで具体的になっていた協議を中野区として真剣に進める努力がなかったのではないかと思われます。跡地を2001年計画に沿って取得するためにどんな努力をしてきたのか、具体的にお答えください。
 第3に、都原案及び都案の内容については、住民から問いただされて初めて文書の意味を説明するような今までのやり方ではなく、正確に住民に伝えるべきです。どのように実施をするつもりですか、具体的にお答えください。
 第4に、10か年計画の中心的な事業でありながら、その財政計画は極めて不明瞭です。来年度では、道路・公園用地取得のために40億円の起債を発行すると聞いていますが、その後の財政計画は一体どうなっているのですか。仮にも、長期計画で既に2年目も終わろうとしているのに、長期計画の名に値する財政計画も発表できないなどということは自治体として考えられないことです。ただただでかい規模のまちづくりをやりたい一念だけが先走って、その具体化を東京都に任せてきたツケが回ってきているようです。この事業全体を通じて、中野区の負担分はおおよそどの程度になるのですか、お答えください。
 また、跡地処分の段階で、開発者に公共施設に対する財政負担をさせるので、中野区の用地取得の負担分は少なく済むと区は言い続けてきました。その処分時期も間近に迫ってきているもとで、開発者が一体幾ら負担してくれるのか、めどがついたのでしょうか、お答えください。
 第5に、都原案では「都市計画公園1.5ヘクタールと公共空地1.5ヘクタールの整備に当たって、一体的に利用可能なまとまった空間となるよう配慮する」としています。この「配慮」という言葉がくせ者です。この配慮は何によって担保されるのですか。
 第6に、囲町公園の移設に伴いほとんどの緑が活用されないと聞いていますが、100年、200年生い茂ってきた警大跡地の緑はどのように残されるのですか。「極力残す」とされた警察病院用地の緑は、いわゆるF型道路と接する駐車場の南端の一筋だけの緑になってしまいました。「極力努力する」というだけでは当てになりません。緑を残す具体的な方策をお答えください。
 第7に、今後の計画スケジュールを明らかにしてください。まず、国の跡地処分の時期はいつになるのですか。次に、都原案は抽象的な内容で、区民には何がどうなるのかさっぱりわかりません。建物、施設の種類、内容、規模、位置などはいつ区民に示されるのですか。以上、お答えください。
 8番目に、入札問題についてお聞きします。
 最近、知事が天の声となって不正な入札が行われるなど、役人、企業幹部が逮捕される官製談合のニュースが次々と報じられています。中野区では、監査委員会から16年度工事監査報告、17年度工事監査報告と二度にわたって競争入札における契約落札率が極めて高いことについての指摘がされています。最近の積算業務の電子化や事後の予定価格の公表などから、確率の高い入札価格の設定がやりやすくなっているとはいえ、不正行為につけ入れられるようなすきがあってはなりません。天の声や談合が関与できるようなシステムであってはなりません。これらに対して、現在どのような手だてがとられていますか。
 不正行為防止の一環として、現在、県や政令指定都市を中心に多くの自治体で予定価格の事前公表が行われています。現在、事後であれ、積算に根拠を与える予定価格が公表されている中野区の状況からいって、事前公表に踏み切るころ合いではないでしょうか。そうなれば、監査委員会の指摘の一端にもこたえられることになると思います。
 それらは、電子入札の導入と一体のものになると思いますが、区内中小業者の育成の立場に立ち、かつ公正さと透明性が強められた制度でなければなりません。無制限な一般競争入札では、大手が独占したり、工事の質を度外視した区外業者などの参入などが考えられ、区内業者は駆逐されてしまうことにもなりかねません。それらを考慮して、我が党は一貫して、条件付きの一般競争入札を提案しています。条件としては、大手が中小業者分野の工事に参加できないようにするための厳格なランク制の実施、希望する区内中小業者を優先し、入札参加者を限定すること、区内業者に偽装した区外業者の排除と区内業者の厳格な規定、施工の信頼性を確保するための有資格者名簿の公表、過去に不正を行ったり、瑕疵ある工事を施工した業者の入札参加禁止期間を現行よりも長くすることなどがあります。提案したそれぞれについての見解をお聞きします。
 また、工事の内容や規模によって指名競争入札が必要な場合も、指名選定と入札の公正さと透明性が保たれるような工夫が必要です。この点を含め、どのような点を考慮した入札改善についての作業が現在進められているのか、具体的にお答えください。
 エイズ対策についてお伺いします。
 11月16日から来月15日までの「東京都エイズ予防月間」が始まっています。東京のエイズは急速に増大しています。昨年05年度の東京都のエイズ患者、HIV感染者合わせて417件の届け出がありましたが、実数はもっと多いと見られています。98年以来、東京都のHIV感染者はウナギ登りにふえており、昨年は98年比で2倍を超えました。特に20代、30代のこれから社会を担っていく世代にHIV感染者が急増しているのです。都保健福祉局は、「感染が拡大し続ければ、社会的な損失が危惧されます」と訴えていますが、区もそのような見解を持っていますか。まず、お聞きします。
 このように感染は拡大し続けており、特に最近では性交渉による感染だけでなく、母子感染がふえていることも心配されています。
 日本医師会はポスターで「他人ごとではありません。エイズの脅威」と訴えています。それによれば、「人類の生存を脅かす病気として注目されたエイズに、このところなれ過ぎていませんか。特効薬が登場したわけでもなく、患者はじわじわ増加し、以前より深刻な状況になっています」と、警告を発しています。そして、予防は可能だとして、無防備なセックスを避けること、コンドームを使用すること、感染の疑いがあったらためらわず医師に相談することを強く進めています。この前提には、若い世代の性交渉の結果に対する知識の希薄さ、性病への知識がほとんどないこと、さらにその前提には性の持つ社会的な意義付けなどが希薄なことがありましょう。教育分野でどのような性教育をしていくのかが問われています。
 中野区教育委員会は一昨年チラシをつくりましたが、そこでは「早急な対策が必要、教育こそ最高のワクチン」と書いています。また、03年に行った区内の保護者へのアンケートでは、8,000人ほどの保護者の88.5%が、「わが国のエイズ患者、感染者の発生状況をどのように受け止めているか」との問いに対して、「心配」、「大変心配」と答えているのです。ところが、区教委のこれについての努力は、モデル校5校を設定して行った研究授業の期間でさえも、3カ年で70万円の予算でしかすぎません。ふだんやっていることといえば、A3裏表のパンフレットを配る程度です。そのパンフレットというのは、東京都教育委員会がつくったこういうA3、4ページですけれども。これで社会的な損失が危惧されるものに対する「教育こそ最高のワクチン」と言える内容になっているでしょうか。
 せんだって医師会と懇談を行ったとき、先生方から、学校に出かけていってお話をする機会が最近ふえてきて専門家としていろいろな話ができるので、子どもたちにも喜ばれているといったような経験をお聞きしました。このような外部の専門家の力をかりることももっと必要なのではないでしょうか。区教委として、今後、ワクチンになり得るエイズの教育をどう進めていくのか、具体的にお答えください。
 また、保健分野としては、エイズ相談、検査とともに、エイズキャンペーンがとりわけ重要でありますが、問題になるのは、どれほどそれらをこなしているかということです。家庭教育学級や保健所の健康教育で17年度何件実施したでしょうか。中学校のエイズ教育にNPOを紹介したとしていますが、どれほど利用されたのでしょうか。教育委員会や学校に対してどんな働きかけを継続して行っているのでしょうか、お答えください。
 また、今後、どのようなエイズ対策を進めるのか、具体的にお答えをいただきたいと思います。
 最後に、その他の項として、小児救急医療についてお聞きします。
 前定例会において、岩永議員が、小児二次救急についてただしました。現在、中野区医師会が行っている小児救急についてのアンケートでは、「このままでは、中野区は安心して子育てできる環境とは言えない」と指摘しています。区は、前定例会後どのような努力をしてきたのか、現状はどうなっているのか、お聞きします。
 以上をもって私の質問を終わります。ありがとうございました。
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 池田議員の御質問にお答えいたします。
 まず、子ども医療費の助成の拡充についてであります。
 いつ、どういう形でといったような御質問でありました。現在、10月から現物給付の形で実施することを検討しているということであります。この事業につきましては、義務的な経費が4億円といったような規模でふえていくという事業であります。この4億円という規模、概数で4億円というような規模でありますが、これは所得制限をしないということを前提に計算をしたというものであります。義務的な経費でそれだけの財政負担は、これから毎年負担となってくるといったような事業であります。将来的な財政運営の見通しをしっかりと踏まえて、こうした事業の拡充が盛り込めるような予算編成ができるよう、議会の皆様の協力をいただきたいというふうに考えているところであります。
 特殊寝台等のレンタル制度の創設についてであります。
 区として特殊寝台の貸与について現在考えておりません。それから、車いすについては、軽度者であっても真に必要な方には給付の対象とすることができることとなっているところであります。したがいまして、区独自の施策は考えておりません。
 それから、乳がん検診についてであります。
 がん検診については、国において専門家がさまざまな実証データの分析を行い、その有効性の検証が行われているところであります。その結果、平成16年3月に改定されました国の指針では、乳がん検診は40歳以上を対象に隔年で視触診検査と乳房X線検査を同時に実施することとなったわけであります。区は、今年度から、この指針に沿って実施をしているということであります。
 また、超音波検査につきましては、死亡率減少効果が確認されていないため、検診としての評価は保留とされているところであります。区としては、年齢引き下げ、毎年実施、超音波検査の導入は考えておりません。
 それから、住民訴訟にかかわります損害賠償請求事件の控訴取り下げについてという御質問であります。
 この件について、有給休暇の取得承認や休職処分はやむを得ない事情により手続がおくれたもので、それらは有効な処分等であると判断をしているところであります。
 したがいまして、有給休暇と休職処分を前提にした給与の支給は適正でありまして、区は損害は生じていないと考えているところであります。控訴審で改めて処分等の有効性を主張し、現判決の敗訴部分の取り消しを求めていく考えであります。
 それから、基金への積み立てを行わないようにというような御質問でありました。
 学校や区の施設の整備、まちづくりなど、将来需要というものは必ず発生するわけであります。また、不透明な経済状況にありましても、さまざまな施策は着実に実行できなければなりません。そうした財政運営を行うためにも、必要な積み立てを行っていくことはどうしても必要ということであります。ちなみに、17年度決算では、23区の中で基金残高は下から4番目という数字であります。これからの中野区民の暮らしを守っていく上でも、基金の計画的な積み立てはぜひとも必要と認識をしているところであります。
 小児救急医療について、中野区では小児二次救急医療を実施できる可能性がある病院の展望や支援について、東京都と相談をし、実施の可能性を期待したい病院に対してお願い、相談を行ってきたところであります。
 しかしながら、現在のところ、中野区の中で小児二次救急医療を実施できる病院の見通しは立っていないという現状であります。
 私からは以上です。
     〔教育長沼口昌弘登壇〕
○教育長(沼口昌弘) いじめの問題に関しまして、まず競争主義をどのように考えているかのお尋ねでございます。
 適切な競い合いやお互いの創意工夫、これを発揮していくことは教育の質を高め、また子どもたちの成長につながると、そのように考えてございます。
 また、いじめの実態についてでございますけれども、教育委員会といたしましては、いじめはいつでもどこでも起こり得る、そういう問題だと認識しておりまして、学校と協力しながら対応しているところでございます。具体的には、指導主事や生活指導相談員が学校を訪問して、指導、助言を行い、学校と一緒に子どもたちの問題に対処しているところでございます。事例によりましては、児童相談所等との関係機関とも連携をして対応しているところでございます。
 また、いじめの実態把握についての取り組みでございますけれども、いじめは原因や対応が複雑でございます。教育委員会あるいは学校といたしましては、できる限りこの実態を把握していくために、例えばふだんやっております随時の相談とは別に、一定の期間を定めてすべての子どもたちが話しやすい、相談しやすい先生をみずから選んで、いじめを含む悩み事や学校生活について教師と面談する仕組みを設けるなどの取り組みを拡大する、そういうことなどを考えておりまして、これによりましていじめの実態をさらに把握してまいりたいと、そのように考えております。
 それから、学校選択制についての質問もありましたが、現在、学校再編を優先課題として取り組んでおりますので、学校選択制については区民の理解を十分得て実施できるよう、今後の選択制の導入やその時期について論議してまいりたいと思います。
 全国学力調査についての御質問でございますが、これは文部科学省が国全体としての学力の実態を把握し、教育行政に生かそうというものであると理解しております。選別や学校差をつけるものとは受けとめておりませんので、調査には協力していく考えでございます。
 それから、学校におきますエイズ教育でございますが、中野区は平成14年から3年間にわたりまして、文部科学省の地域指定、これを積極的に受け入れまして、エイズ教育に取り組んできたところでございます。この実績をもとに、学習指導要領に基づきまして児童・生徒の発達段階に応じて正しい知識を身につけさせ、予防方法を理解させるとともに、エイズによる偏見、差別の払拭に向けた指導を充実させていく考えでございます。今後も、各学校の実態を踏まえながら学校医等の外部の専門家もさらに活用して取り組んでまいりたいと、そのように考えてございます。
  〔拠点まちづくり推進室長石橋隆登壇〕
○拠点まちづくり推進室長(石橋隆) まず、警察大学校跡地開発の住民参加についてであります。
 中野駅周辺まちづくり計画の策定に当たりましては、区民が参加した中野駅周辺まちづくり調査検討委員会や区民検討委員会などを設けまして検討を行ってまいりました。また、区民説明会の開催やパブリックコメントの実施などによりまして、広く区民の意見等を聞いてきたところであります。
 次に、警察大学校等跡地の用地の取得についてであります。
 警察大学校等跡地の都市計画道路及び公園につきましては、区が整備を行い、開発者に応分の負担をしていただく開発者負担の原則により実施することとしております。また、この整備に当たりましては、国のまちづくり交付金を導入するなど、区の財政負担の軽減を図ってまいりたいというふうに考えております。
 次に、具体的な建築計画の内容の説明についてであります。
 今回の都市計画では、都市構造上での位置付け、骨格的な都市基盤施設や公共施設の整備の状況等を勘案いたしまして、現行の容積率を緩和して容積率を想定しております。この容積率につきましては、将来の計画におきます有効空地の確保や地区基盤施設の整備等を評価した上で、都市基盤施設等とのバランスや周辺市街地との調和等を総合的に勘案いたしまして、さらに上乗せすることが可能であります。今後、土地取得者等が確定し、計画内容等が具体化した段階で、容積率や高さの限度などにつきまして地区整備計画の中で定めてまいりたいというふうに考えております。
 次に、今後の財政負担についてであります。
 区が負担いたします都市計画道路や公園の整備等につきましては、前提条件を整理した上で検討したいというふうに考えております。今後、平成19年度の予算の中でこれらを示していきたいというふうに考えております。
 次に、開発者負担についてでございます。
 警察大学校跡地等の都市基盤施設の整備につきましては、開発者負担の原則により実施をすることとしております。その基本的な考え方といたしましては、都市計画道路及び公園につきましては区が整備を行い、開発者等に応分の負担を求めるとともに、地区施設でございます区画道路や緑地等につきましては、開発者等の負担で整備を図りたいというふうに考えております。
 現在、こうした考え方に沿いまして開発者負担の仕組みの検討を年度内を目途に進めており、検討状況につきましては、逐次議会に御報告させていただきたいというふうに考えております。
 次に、3から4ヘクタールの空間と緑の確保についてでございます。
 警察大学校跡地との地区計画の案では、地区のほぼ中央部に1.5ヘクタールの都市計画公園を整備するとともに、その周辺に1.5ヘクタールの公共空地を確保することとしております。
 さらに、民間の大学等の敷地にオープンスペース等を設けるなどによりまして、3から4ヘクタールの空間を確保していきたいというふうに考えております。
 また、警察大学校跡地の既存樹木につきましては、できるだけ保存を図るよう国等に要望していきたいというふうに考えております。
 最後に、今後のスケジュールについてでございます。
 財務省からは、地区計画の都市計画決定後速やかに土地の売却手続を進めたいというふうに聞いております。その後、土地所有者が確定いたしますので、その段階で計画内容が具体化した段階で地区整備計画を変更いたしまして、容積率や高さの限度、地区施設の配置などを具体的に定めてまいりたいというふうに考えてございます。
 以上でございます。
     〔総務部長石神正義登壇〕
○総務部長(石神正義) 私からは入札にかかわる質問についてお答えさせていただきます。
 現在、予定価格の事前公表、総合評価制度の導入、電子入札制度の導入、また区内業者の取り扱いなど、さまざまな視点から契約事務を総合的に見直し、検討を進めているところでございます。早い時期に契約にかかわる基本方針を策定し、お示ししたいというふうに考えてございます。
     〔保健所長浦山京子登壇〕
○保健所長(浦山京子) エイズ感染拡大に対する区の見解に対してのお尋ねでございますが、日本のHIV感染者及びエイズ患者は1985年のサーベイランス開始以来ほぼ一貫して増加しており、平成18年10月1日現在、累計で約1万2,000人に達しております。近年のエイズ治療法の進歩により、HIV感染者の長期予後の改善は著しいものがありますが、一たん治療を開始した場合には、長期間継続する必要があり、長期の治療により医療費も高額になるため、HIV感染が拡大し続ければ、患者本人はもとより社会的にも大きな社会的損失になると認識しており、普及、啓発による感染拡大防止は区の重要な責務であると考えております。
 次に、保健所のエイズ対策に対するお尋ねでございます。
 平成17年度は、エイズをテーマとした家庭教育学級や保健所の健康教育の実績はございませんが、保健所のエイズ相談、検査の際に、個別の健康教育や保健指導を481件実施しております。また、中学校のエイズ教育に紹介したNPOの利用実績についてのお尋ねでございますが、北中野中学校において、平成14年度にはNPO法人セカンドカミングアウト、また平成16年度にはエイズ予防財団の講師による「エイズと人権について」の講演会が保健所の協力のもとに開催され、全校生徒が参加しております。
 次に、教育委員会との連携でございますが、性感染症としてのエイズ予防対策を推進するために、教育委員会や学校への情報提供や保健主任・養護教諭連絡協議会等への働きかけを通じて、エイズ予防知識の普及、啓発に努めてまいります。
 今後の若い世代へのエイズ対策につきましては、今年度は成人式においてエイズ予防キャンペーンを実施する予定でございます。また、来年度には、若い世代が集まるイベントの場を利用して、エイズ迅速検査や相談活動などを行う予定でございます。
 以上です。
      〔池田一雄議員登壇〕
○42番(池田一雄) 再質問いたします。時間がないので、絞ってお伺いしたいと思います。
 最初の子ども医療費助成については、さきに受け答えがありましたので、急遽私も原稿を変えたということから、区長もちょっと誤解をされたようですが、私は、我々の条例提案と区長の答弁との差は開始時期のところだけですねというふうに申し上げので、別に質問したわけではございません。
 それで、タイムカード不正打刻事件について、今後も争うという態度を明確にされましたけれども、実は、今度の裁判で、裁判所が一番問題にしたのは、この甲31及び甲36という証拠資料なんです。これは懲戒分限審査委員会の報告書なんですよ。それで、この報告書の中の内容を検討して、裁判所は事前に有給休暇の申請がされたという点は認められないという明確な判断をしているんです。ですから、その点を争おうとすれば、この分限委員会の報告及び聞き取り調査にはなかったことを新たに区側は言わなければならないということになってしまうわけで、大体、この有給休暇を申請したかどうかということが、この裁判の一番の問題点であったわけですから、そのことが分限委員会の報告書になかったということはあり得ないわけで、いや、実は聞いたんだけれども、報告書に書くことを忘れましたというような言い方でしか、この高裁では争うことができなくなるわけです。こんなばかなことを裁判所が認めるはずがないわけであって、仮にもしそのような証人の喚問の上での受け答えがあるとすれば、これは偽証をするようなことになるのではないかというようなことも今言われていることを私は聞いているわけでありまして、この東京地裁の明確な判決について、これを争うというようなむだなことを引き続いてやるということはぜひおやめいただきたいと。
 それから、ついでにお聞きしますけれども、よもや弁護士を東京高裁の訴訟に動員をするというようなことはないと思いますけれども、確認をさせていただきたいと思います。
 もう1点あったんですけれども、時間ですので、これだけに限らせていただきます。
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 住民訴訟につきましては、私どもの主張を立証するべく必要な立証を行っていきたいというふうに思っております。弁護士云々という御質問もありましたけれども、訴訟の進め方については、これからさらに検討していきたいというふうに思っております。
○議長(高橋ちあき) 以上で、池田一雄議員の質問は終わります。

 中野区議会議員 佐 伯 利 昭
 1 区民が望む区政運営について
 (1)地域センターについて
 (2)児童館について
 (3)防犯・防災について
 (4)働きざかり世代への施策について
 2 コンプライアンスについて
 3 組織改正と副区長制について
 4 中野駅北口広場の文化の継承について
 5 その他

○議長(高橋ちあき) 次に、佐伯利昭議員。
      〔佐伯利昭議員登壇〕
○28番(佐伯利昭) 平成18年(2006年)第4回定例会に当たり、民主クラブの立場から一般質問をさせていただきます。
 質問項目につきましては、区民が望む区政運営についてとして、まず地域センターについて、次に児童館について、防犯・防災について、働きざかり世代への施策について、この4点についてお聞きをさせていただき、次にコンプライアンス(法令遵守)の取り組みについて、組織改正と副区長制について、そして最後に中野駅北口広場の文化の継承、具体的には中野駅北口で盛んな沖縄文化、こういったものの継承をぜひこれからも続けたいという思いから質問をさせていただきます。その他はございません。
 自治体の役割は、住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施することです。その過程では、常に住民の意思、要望を聞き、住民に無理難題を押しつけたりすることがあってはならないし、住民の意思、意向を確実にとらえた運営をしなければなりません。
 しかし、時に行政は、その考えがひとりよがりであったり、住民の要望とは見当違いのことを考えたりしていることも珍しくありません。2006中野区世論調査でも、「あなたは、現在区民の意見・要望などが区政に反映されていると思いますか」との問いに、「反映されている」、「どちらかといえば反映されている」が、合わせて14.7%だったのに対し、「どちらかといえば反映されていない」、「反映されていない」が、合計27.8%と、倍近い数字になりました。中でも「反映されていない」と言い切っている人が11.9%もいることは注視すべき問題です。そうした観点から、四つの項目についてお伺いいたします。
 1点目は、地域センターについてであります。
 地域センターを(仮称)区民活動センターとし、町会を中心とした住民の自主運営にするということで、各地域センターで町会、自治会の皆さんへの説明が始まっているようです。しかし、そこには大きな疑問があります。自主運営については「新しい中野をつくる10か年計画」策定の中で、議会からさまざまな異論が上がり、既にこれは放棄した考えととらえていました。議会の答弁の中で、区側は、「(仮称)区民活動センターには、複数の職員を配置する」と再三述べています。また、「10か年計画」の冊子の中でも、「地域住民の意思に基づいて運営される」とはありますが、「自主運営」という言葉はどこにも書かれていません。区が運営のお願いをしている町会、自治会はもちろんのこと、多くの区民が自主運営など望んでいませんし、既にこの考えは放棄されたものだと考えていました。ところが、区民生活部は、依然として「住民による自主運営だ」と強引に進めようとしています。
 現在行われている地域センターでの町会、自治会への説明会では、「各地域センターに住民による運営委員会をつくってもらい、そのスタッフの人件費を区が支払うから心配要らない」との説明がされています。しかし、各町会長からは「そんな人材を地区長連が確保するのは無理だ」、「人を雇えば責任問題も出てくるし、雇用問題も起きる」、さらには「なぜ町会が区立施設の運営の責任を負わなければならないのか」という声が上がっています。これに対して区からは、「人材は区が用意するから」とか「再委託してもよい」という説明もされているようですが、これでは運営委員会を単なる「トンネル機関」とするだけです。また、公の施設の管理運営の再委託については、ことし9月の埼玉で起きたプール事故を見てもわかるとおり、責任の所在に関し大きな問題があることは明らかです。現在説明されている区の計画は、無用な手間を地域に押しつけるだけです。人材を区が用意するならば、区が運営すればよいだけのことです。委託先に人材を派遣するなどということは、極めて奇妙な手法としか言いようがありません。また、初めから再委託を考えている委託契約は、それ自体問題があるのではないですか。それならば、区が最初からその再委託先と契約をすべきなのではないでしょうか。地域センターの自主運営には無理があります。地域住民の意向や議会での議論を踏まえて自主運営方式の導入を見直すべきと思いますが、お考えをお聞きします。
 私たち民主クラブでは、地域センターの運営をより効率的にすることについて何ら異論はありません。また、地域としてそれに協力することもやぶさかではありません。
 しかし、最初に地域センターの窓口の集約化や削減ありきでは区民は納得できません。地域センターは、これまで地域の中で大きな役割を果たし、住民の皆さんに親しまれてきました。したがって、まずは業務の一部を民間委託にしたり、人材派遣などを活用して、区自身で効率的な運営を図るべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 また、行われている説明会では、窓口業務の集約について、住民票等はセンターのプリンターで出力されることになっています。だとすれば、効率的な運営の中でこうした窓口機能は残すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
 以上のような考えから、来年度は地域センターの転換の準備を行うのではなく、これらの取り組みをまず考えていくべきと思いますが、お考えをお聞きします。
 次に、児童館の今後について伺います。
 児童館は、これまで地域の中で子どもの遊び場としてだけでなく、親子の触れ合いの場、運営委員会やおやじの会でのコミュニティづくりなど、地域でさまざまな役割を果たしてきました。また、利用者数も区内の施設の中でも極めて多い施設だと思います。まず、これまで児童館が地域で果たしてきた役割、機能に対する評価をお伺いします。
 さて、区の計画では、現在の児童館のうち4カ所を子育てに関する総合的な相談支援機能を持つ(仮称)地域子ども家庭支援センターに、9カ所を中高生向けの事業なども行うU18プラザに、ほかには小学校施設を活用したキッズプラザに転換することとされています。私は、これもまた区民の意向とはかけ離れた計画だと思います。今、子どもたちの放課後といえば校庭開放で遊ぶ子、公園で遊ぶ子、友人の家でテレビゲームを楽しむ子、そして児童館を利用する子などさまざまです。今回の計画では、そのうちの一つ、児童館という子どもたち、とりわけ小学校低学年にとっては貴重な遊び場を奪ってしまうことになります。そして、その結果、家に閉じこもり、大人がよく批判するテレビゲームなどにふけってしまう子どもをふやしてしまうことになるのではないかと危惧します。いかがお考えでしょうか。
 区は、現在の子育て環境や子どもたちを取り巻く環境が大変悪化していると見ています。そうしたことから、4カ所の児童館を(仮称)地域子ども家庭支援センターとし、相談業務を行うということですが、これを研修を受けた職員に行わせるということならば、現状の児童館の中で、例えば学童クラブに通う子どもたちが学校に行っている時間、つまり午前中などにこうした業務をこなせばより身近なところで相談ができ、悩みを持つ区民にとってはよりよいものになるのではないでしょうか。
 (仮称)キッズプラザ、学童クラブを学校の中に入れると言っています。その効果として、広い校庭や体育館を活用することで、子どもたちは遊ぶ時間と場所を確保でき、伸び伸びと学年を超え交流し、活動することができるとしています。しかし、子ども家庭部は学校の現状を御存じなのでしょうか。学校の6時間目が終わるのは3時過ぎです。ここで体育やクラブ活動をやっていれば、校庭や体育館は使えないのです。お隣練馬区のように広い校庭があれば別ですが、中野の小学校は決して広い校庭とは言えません。児童館や学童クラブを学校に入れれば、区の思惑とは裏腹に遊ぶ時間も場所も限られてしまう子どもがいることをよく考えるべきです。午後の学校の校庭や体育館の使われ方、現状の校庭開放事業も含め子ども家庭部はよく実態調査をされるべきと思いますが、いかがでしょうか。
 今回の考えの中では、地域に協力を求めるという姿勢が随所に見られます。もちろん納得できるものであれば、地域住民として協力を惜しむものではありません。しかし、初めから「地域の育成団体等の力を活用し」などと地域が協力するのが当たり前のような表現は避けるべきです。地域住民もそんなに時間に余裕のある人ばかりではありません。あくまで自発的な動きを待つべきです。いかがお考えでしょうか。
 さて、今回の計画で私が一番危惧しているのが、(仮称)キッズプラザと球技開放やPTAの体育館利用との関係です。昨年も、この件に関してはこの一般質問でお聞きしました。現在、私たちは、土曜日の球技開放日数の増加を求めています。もともと体育施設の少ない中野区においては、学校の校庭や体育館は貴重な施設です。また、間もなく12月になります。小P連のバレーボール大会や卓球大会も行われ、毎週保護者の皆さんは練習に励んでいるところです。この件について、昨年教育委員会から「調整をする」という答弁をいただきました。しかし、あまり調整がされているような様子はなく、今回も具体的なものは何も見えずにこの案が出されています。このまま時間切れで、子ども家庭部が教育委員会を寄り切るようなことがあれば、地域コミュニティは崩れ、それこそ区が期待する地域の協力などなくなってしまいます。昨年は教育委員会にお聞きしましたので、ことしは子ども家庭部に聞きます。どのように調整するのか、明解にお答えください。そして改めて、それが現在の球技開放やPTAの体育館利用を縮小することになることは絶対に認められないということを申し添えてお聞きします。
 次に、U18プラザについてお聞きします。
 現在ある九つの児童館を利用して中高生向け事業を行うとしていますが、私はこれもまた行政が机の上で描いているだけで、本当に中・高校生の望んでいるものとは思えません。こうしたことにお金を使うより、私たちが以前から提案をしている、中学校の部活に現役大学生を外部の指導員として迎い入れ、そしてそうした場面で中学生がより年の近い先輩に日常的なさまざまな相談をしたり、指導を受ける、その方がよほど効果があるのではないでしょうか。実際に、こうした計画をするときに中高生の話を聞いていますか。まして、親準備プログラムなどというものはおよそ行政のやることとは思えません。よく中・高校生の要望を聞いていただきたいと思います。できれば、区長自身が中学校に出向いて、区民と区長の対話集会中学生版なども行ってみたらいかがですか。提案をいたします。
 さて、この項の最後に、今回の案では児童館や学童クラブの機能を学校に入れることなど無理があることを改めて申し上げます。数や配置の問題は、今後の学校の再編にもかかわることと思います。まずは現在の児童館の機能の強化や効率的運営、その中から区民が望むものを組み入れていくことを考えるべきと思いますが、いかがでしょうか。
 次に、防犯・防災問題について1点御提案いたします。
 2006中野区政世論調査では、区に今後特に力を入れてほしい施策として、防犯、防災対策がトップを占めました。この傾向は、お隣練馬区でも同じようです。福祉や教育、子育て支援よりもこうした要望が強いということは極めて深刻な事態と思います。
 ところで、11月19日付中野区報には、平成19年度予算で検討中の主な取り組み(案)が掲載されましたが、ここには防犯、防災に対しての新たな施策の検討はありませんでした。世論調査であらわれた区民の要望に沿って、区民の生命、財産を守るため、より実践的な施策を検討すべきです。
 そこで1点伺います。現在、東京消防庁管内11の区市町で、東京消防庁の職員の派遣を受け入れているということです。これは防災のプロとして役所の中で働いてもらうことはもちろん、消防庁との連携強化、また自治体が新たに取り組む国民保護計画、これらのためにはぜひ必要な人材だと思います。区は現在人員削減に取り組んでいるところではありますが、特に区民の生命、財産にかかわる問題のセクションには、必要な人材は確保すべきだと思います。いかがお考えでしょうか。
 この項の最後に、働きざかり世代への施策について伺います。
 新しい中野をつくる10か年計画を見ても、我々働きざかり世代自身が直接期待を持てるものはほとんどありません。ことしの3月、私は上高田グラウンドで、我が中野区役所と鷺宮製作所の野球の試合を観戦しました。この試合が何の試合かといえば、中野区軟式野球連盟の昨年秋の大会の決勝戦でした。これほどグラウンドが不足しています。ことし10月、私たち上鷺少年野球クラブの5年生チームは、東京都学童軟式野球大会新人戦、いわゆる都大会に進出、板橋区営戸田橋グラウンドへ行きました。見渡す限りのグラウンドで、一体何面あったのかと後で板橋区のホームページを見ると、大人用グラウンドが11面、ほかに硬式野球にも使えるグラウンドが2面、さらに少年野球場も5面、また板橋区ではこのほかにも小豆沢に2面、城北に2面、徳丸に1面と働きざかりの大人を中心にスポーツができる環境が整っています。昨年、私は区内の大人がサッカーできる場所としての妙正寺公園グラウンドについて「本格整備はいつか」との質問をし、「本来は平成15年開設の予定であった」との答弁をいただきました。本格整備に向け、新宿区と協議をしたいと言っておりましたが、その様子は見受けられません。また、体育館についても、10カ年の間には建替えの計画もありません。私が通勤で毎日通る、かつての練馬自動車教習所前には、練馬区が今六つ目の体育館を建設中です。また、スポーツの面だけではありません。たまには音楽でもと思い図書館に行っても、CDは古いものばかり、とても借りる気にはなりません。まだまだ話をすれば切りがありませんが、区財政を支えるのは働きざかり世代です。この世代にもっと見返りのある施策、中野区に住み続けたくなる施策を考えるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 次に、コンプライアンスについて伺います。
 後を絶たない官製談合事件、職員の相次ぐ飲酒運転事故、病気休暇、休職の不正、公立高校における必修科目の履修飛ばしなど、公務員による倫理観に欠ける事件報道が社会をにぎわせました。11月12日付東京新聞には、「公務員の倫理観 官民評価にずれ」という記事が掲載され、それによると自分たちの倫理観が高くなっていると感じている国家公務員が全体の7割もいるのに対し、民間企業から見た場合、これが4割にも満たないことが人事院の倫理審査会がまとめたアンケート調査でわかりました。
 こうした中、我が中野区でも、現在、コンプライアンス(法令遵守)体制の取り組みを始めようとしているとお聞きしています。今なぜこれが必要と考えるのか、理由をまずお答えください。
 私たち中野区議会総務委員会は、去る10月25日、このコンプライアンスの取り組みを先進的に進める滋賀県近江八幡市を視察し、話をお聞きする予定でした。ところが、当日は、朝からの新幹線事故により時間に間に合わず断念しました。そこで、私は1週間後、再チャレンジというわけではありませんが、同市を改めて訪ね、説明を受けてきました。近江八幡市の場合、市立病院の職員が公営企業会計の資金を為替リスクの伴う投機的な金融商品に活用し、大きな欠損を生じさせていた上、決裁権を持つ管理職がそれに関する知識がなかったこと、また職員が職務上の因縁により、長年にわたり特定の市民から金品を要求され、それを支払っていたにもかかわらず周囲の職員は傍観し、組織的対応ができなかったことを契機とし、コンプライアンス体制の整備の動きが始まりました。
 近江八幡市では、職員の法令遵守、公益通報制度とともに、公正な職務の遂行のため、市民あるいは団体などからの不当要求行為があった場合の対応を条例として定めています。不当要求行為の具体的事例を挙げれば、入札に関する特定情報の提供要求や特定書籍の購入の要求などが挙げられますが、その対応のため、県と県警からそれぞれ職員の出向を受け、コンプライアンスマネージャーとして置いたところ、昨年1年で425件の相談が寄せられたということです。中野区においても、区政の透明性、説明責任を徹底するため、こうした不当要求行為に対する対応なども盛り込んでみてはいかがでしょうか。
       (発言取り消し)      。
 各地で談合事件が相次ぐ中、入札改革は急務であります。いわゆる官製談合はコンプライアンスの考えに反する最たるものです。入札改革の一環として、例えば予定価格の事前公表であるとか、バリューエンジニアリングを用いた最低落札価格を割った応札なども認めるような検討も必要ではと思いますが、いかがでしょうか。
 また、改めて入札や契約についての検討会を立ち上げてみてはと思いますが、いかがでしょうか。
 次に、組織改正      (発言取り消し)      について伺います。
 田中区長就任以来、中野区では何度となく組織改正が行われてきました。部や課の呼び名も変わり、現在では事業部制という執行体制もとられています。
 一方で、職員や区民からは、組織をいじり過ぎではないか、「区役所に来た区民から、これはどこへ行けばいいの」と聞かれてもわからないという職員の声すら上がっています。実際、私たち会派でも、組織をいじり過ぎという印象は強く感じています。これについて区長自身のお考えはいかがでしょうか。
 組織改正は職員の仕事の効率を上げること、仕事がしやすくなることはもちろんですが、区民や議会に対してもためになることでなくてはなりません。事業部制や新しい部門の導入により、意思決定が早くなる、あるいは会議の回数、時間が減るなど、具体的改善はあったかお答えください。
 先ほども述べたように、組織改正により、ワンストップサービスの導入などのような区民にメリットをもたらすものがあれば好ましいことですが、ほとんどの場合、区民にとっては庁内で自分の行き先がわかりにくくなるというデメリットが多いというのが現状です。今回の組織改正で、庁内がどうよくなるのか、区民にどのようなメリットがあるのか、お尋ねします。
       (発言取り消し)      。 
 最後に、中野駅北口広場の文化の継承について伺います。
 11月7日、東京都において、第2回東京商店街グランプリの選考が行われ、昨年夏、中野駅北口を中心に行われた中野チャンプルーフェスタがイベント事業部門のグランプリを獲得しました。このイベントはことしの夏も盛大に行われ、地元の市川みのる議員には大変御苦労いただいていると聞いております。
 さて、大賞となった昨年ですが、中野サンプラザ前広場をメイン会場とし、都民のみならず近県から43の団体が参加し、エイサーや沖縄民謡などの円舞が行われました。同時に、北口の商店街を12のエイサー隊が、道ジュネーと言われるエイサーの練り歩きを行い、商店街の盛り上がりを図りました。もともと中野は沖縄文化を好む老若男女が集まるところ、毎日夕刻になると北口の広場にはエイサーの太鼓の音や三味の音色が鳴り響き、勇ましい掛け声も聞こえてきます。チャンプルーフェスタのほかにも、9月のアシバ祭や11月のチャランケまつりなど、古くから続けられてきた沖縄関連のイベントもあります。こうしたことも、練習や実際のイベントを行う場があってこそだと思います。
 そこでお聞きしますが、中野駅北口整備計画の中で、ぜひともこうした文化の継承できる場づくりをお考えいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 このチャンプルーフェスタを主催したのは、中野駅北口昭和新道商店街です。東京都が示したグランプリ受賞のポイントとして、「駅前のメインストリートを中心に、周辺の商店街を巻き込むことで、自分の商店街に多くの来街者を集め、不利な立地を克服した高い戦略性、飲食店中心の比較的小さな商店街であっても、可能性と潜在力を持つことを示した事業です」とされています。また、こうしたことを通して地元小学校では、体育の授業でエイサーが取り入れられるなど、地域への波及効果が大きいことも評価をしています。事実、区内の小学校の体育の授業や運動会で、このエイサーを行う学校もふえ、地区のお祭りや商店街のイベントでエイサー団体を招くことも多くなってきています。チャンプルーフェスタのスタッフからは、来年は中野通りの半分でエイサーの円舞をしたいとか、商店街の空き店舗を利用して36年にわたる中野での沖縄の歴史、活動を紹介する資料館をつくりたい、高円寺の阿波踊り、阿佐ヶ谷の七夕に負けないくらいの祭りにしたいなど、壮大な構想も語られていますが、まずは今回の受賞を広く区民や他の商店街にアピールするために、グランプリのトロフィーや表彰状、当日の写真などを区役所ロビーに展示してはいかがと思います。そもそもこの事業は、東京都の新・元気を出せ商店街の助成を活用した事業です。区内の他の商店街、小さな商店街もやればできるという元気を出してもらうため、ぜひ実現させていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 さて、昨年は、サンプラザ前では沖縄うるま市の商工会による物産の販売も行われ、さらに雰囲気を盛り上げました。うるま市というのは、沖縄本島中央、かつての具志川市、石川市、勝連町、与那城町の四つの市と町が合併して、平成17年4月に誕生した、比較的新しい市です。私も昨年、夏に先立ち4月に現地を訪れ、地元商工会、薬草組合の組合長さんにお会いして協力を要請しましたが、快くお引き受けくださいました。また、ことしの8月には、チャンプルーフェスタの事務局スタッフを務める、上鷺宮地域のエイサー団体「かみさぎパーランクーチャー」を中心とするメンバーが、うるま市宮城島を訪ね、三線の材料となるクロキを植える活動を始めました。この日のことは、8月14日付沖縄タイムズ紙に、うるま市宮城島、中野区「シンカ」--シンカというのは仲間という意味ですけれども--と交流、島民総出で芸能披露と写真入りで紹介されています。こうした民間の交流が既に始まっています。エイサーや三線、沖縄料理店や幾つものイベント、こうしたことが盛んな中野区だからこそ、行政もかかわる沖縄との交流を行えると思いますが、区のお考えをお聞きいたします。
 これで、私のすべての質問を終わります。
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 佐伯議員の質問にお答えいたします。
 (仮称)区民活動センターの運営方法の見直しについてということであります。
 今月11月から、地域センターの(仮称)区民活動センターへの転換について、各地区の地区町会連合会と話し合いを始めたところであります。これまでの(仮称)区民活動センターに関する論議の中で、区としても区職員を配置するなどの考えを打ち出しているところであります。また、施設管理のすべての責任を住民が負うという形ではなく、区との役割分担を前提にした住民主導の運営を進めていただきたいと考えているところであります。
 新しい中野をつくる10か年計画においても、地域の状況に応じて順次転換していくことを想定しているところでありまして、どのようにしたら住民によるよりよい運営ができるのか、それぞれの地域で十分に話し合って、工夫をしていきたいというふうに考えているところであります。地域の皆様にとって、より使いやすい活動場所であったり、あるいはより地域活動が円滑に行われるような、そういった支援が行われるといったようなことを具体化をしていくという観点から、こうした検討を進めているところであります。
 それから、地域センターの効率的運営と窓口集約化についてであります。
 地域センターの運営に限らず、区のあらゆる事業でアウトソーシングの推進などさまざまな手法を活用して効率化を図っていきたいと考えているわけであります。地域センターの窓口の集約化は、小さな区役所の実現のための重要なステップと位置付けているところでありまして、区民の皆様の理解を得ながら進めていきたいと考えております。
 区の窓口サービスについては、地域センターあるいは区民活動センターのみならず、さまざまな区の施設での証明書の取り次ぎ交付や、あるいは自宅への配送サービスなど、総合的な充実策もあわせて現在検討しているところであります。
 児童館の果たしてきた役割についてであります。
 児童館は子どもたちの遊びを通して交流の機会を提供し、保護者の触れ合い、地域の活動の拠点としての役割を果たしてきました。また、児童館運営委員会やおやじの会など地域団体は、地域の状況に応じて地域、家庭、学校という連携の中で子どもの健全育成を進めてきているところであります。
 しかしながら、利用者数の減少でありますとか、異年齢の子どもが相互に交流をしにくいなどの施設的な問題でありますとか、地域の子ども、家庭全体を視野に入れた事業展開とはなかなかなっていないといった課題も抱えているわけであります。そうしたことから、地域子ども家庭支援センターが中核となって児童館機能を見直し、地域全体の中で、児童館職員も含め子どもと家庭を支援している展開を今後行っていきたいというふうに考えているわけであります。
 子どもたちの遊び場についてであります。
 放課後、子どもたちの遊ぶ時間は短くなり、子どもたちが交流する機会も減っているという現状があるわけであります。子どもたちに遊びの機会を提供し、自由な活動が行えるようにキッズプラザを展開するということを考えているわけであります。今後は、このキッズプラザや児童館機能を拡充したU18プラザ、また公園や地域センターなどさまざまな地域施設が子どもたちに幅広く活用されていく、そうした地域のあり方を目指していきたいと考えております。
 児童館の相談機能についてであります。
 子どもや家庭に関する総合的な相談、そうした事業を行って、必要なサービスのコーディネートあるいは訪問相談を実施し、専門機関への紹介を行うなど、支援の機能につなげていく、そのような相談、幅広い支援の仕組みを地域子ども家庭支援センターを中心として整備をしていきたいと考えているところであります。
 学童クラブの職員の子どもたちが帰ってくる前の時間での取り組みでは、こうした総合的な取り組みにはなかなか不十分だと考えるわけであります。
 それから、校庭開放で十分に実態把握をしたり、あるいは学校開放との調整をしっかりと行わなければいけないのではないかという御質問でありました。
 おっしゃるとおりだと思います。遊び場開放は、実施方法も学校により違いもありますけれども、ここ数年、利用は減少傾向にあると考えております。今後、小学校にキッズプラザと学童クラブを導入するに当たっては、遊び場開放事業はキッズプラザに統合するとともに、具体的に展開していくに当たっては、学校ごとに球技開放、体育館開放との調整を行っていく考えであります。そうした中で、現在利用している地域の皆様とも十分にお話し合いをしていきたい、こう考えております。
 それから、地域の協力などというのは、役所から頼まれてやるものではない、そんな時間がある人はいないという御質問でありました。
 地域では、現在、さまざまな地域活動やボランティア活動が現に活発に行われているわけであります。そうした地域で交流や連携が深まっていると、こういう状況をさらにネットワークをより有効なものとして機能させ、そうした動きを尊重し、さらに活動を発展させていく、そういうことが地域社会をより発展させていくことになると考えているわけであります。
 そうしたさまざまな活動が身近なところで参加しやすい仕組み、あるいは充実したネットワーク、機会の提供が十分に行われるよう支援を進めていきたいと考えております。
 それから、U18プラザについてであります。
 児童館はゼロ歳から18歳を対象とした施設でありますけれども、開館日、開館時間や事業内容が中・高校生にとって利用しやすいものとなってはいない現状があるわけであります。そこで、児童館機能を拡充したU18プラザで、中・高校生の活動を支援するなど、中・高校生施策を強化をしていきたいというふうに考えております。
 親準備プログラムなど、行政のやることとは思わないと、こういう御質問でもありましたけれども、次代を担う中・高校生に小さい子どもへのいたわりの気持ちや命の大切さを伝え、子どもを生み、育てることの意義について考えるプログラムや機会を提供するということは、これから先の未来の地域社会で虐待やいじめなどの生じない、そうした社会をつくっていく上でも重要なことであると考えているわけでありまして、行政の重要な役割であるというふうに考えているところであります。
 また、中・高校生の話を聞いてみてはどうかということでありました。
 現在行っているハイティーン会議のメンバーとの意見交換会やアンダー18子ども編集員の取材を受けるといったような場面など、さまざま中・高校生と話をする機会も持ってきたと私は考えているところであります。U18プラザでの中・高校生に対する施設提供といったようなことについては、ハイティーン会議のメンバーなどからも求めがあったというようなことでありました。今後もいろいろな機会をとらえて中・高校生の話を聞いていきたいというふうに思っております。
 児童館の機能を強化するべきではないかということであります。
 現在の児童館においては、子どもや家庭の状況を把握し、それを専門相談や必要な支援につなげていく、そうした機能は必ずしも十分とは言えないと考えております。固定された児童館を拠点としての活動といった限界を持った施設のあり方であるからだと考えているわけであります。今後、地域子ども家庭支援センターと組織的に一体化をして、遊びや活動の中から相談や子育てサービスにつなげていく、そうしたことを進めながら、児童館あるいはその他の子ども関係施設全体で、地域全体の子ども家庭支援の機能を強化をしていきたいと考えているところであります。
 東京消防庁からの職員の受け入れについてであります。
 安全で安心な地域生活の実現のためには、防災の専門家の能力活用など、東京消防庁との連携強化が必要と考えているところであります。現在、東京消防庁と協議を進めているところであります。
 それから、働き世代への施策についての御質問もありました。
 質問の中にありましたスポーツ施設や図書館といった働きざかりの世代の方みずからが利用するサービスについても、学校跡地を活用した地域スポーツクラブの開設を10か年計画に盛り込んでおりますほか、図書資料につきましても、平成15年度から毎年購入費用の増額をしてきているところであります。働きざかりの世代は、中野の活力を支える重要な層でありますので、この世代が魅力を感じられるような政策展開についても、さらに充実を目指していきたいと考えております。
 コンプライアンスについての御質問もありました。
 コンプライアンスは、単に法令を守るということだけではなく、法の精神や組織倫理、社会規範などにのっとって組織を健全に運営していく。そして、職員一人ひとりの職務についての自覚、区民にとってよりよい区政を展開する上での自覚を高めていくということを明確にする上で重要な取り組みと考えております。職員が公正な職務を執行するためのよりどころとなります職員倫理原則を定めて、行動指針としていきたいと考えております。
 不当要求に対する御質問もありました。
 職員倫理原則を定める上では、不当要求に対する対応も重要な要素になると考えております。また、公益通報制度の条例での根拠ということですが、自治基本条例の中に根拠規定を置いているものであります。
       (発言取り消しに伴い削除)      。
 それから、入札制度の改革についてであります。
 入札制度につきましては、現在、契約事務の総合的な見直しの基本方針を策定するということで検討を進めているところであります。バリューエンジニアリングや企画提案型落札方式、総合評価型業者選定方式などの導入に当たりましては、各所管の状況などについて十分に調査検討することが欠かせないということでありまして、現在、その作業を進めているところであります。
 それから、組織をいじり過ぎではないかということであります。
 区のマネジメントのあり方、区の行政運営のあり方、これを大きく変えていくということが、この世紀、さらに持続可能な区政をつくっていく上で必要だというふうに考えているわけであります。そうした改革を着実に進めていく中で、組織についても必要な改正を行ってきたというふうに考えているところであります。
 組織条例      (発言取り消しに伴い削除)      についての御質問もありました。
 この組織条例の改正案      (発言取り消しに伴い削除)      については、今定例会に議案として提出をして審議いただくこととしているところであります。
       (発言取り消しに伴い削除)      。部長の権限のもとで事業部の事業執行にかかわります意思決定は早くなったと考えております。しかし、事業部間の調整にはいまだ多くの時間を費やしていると感じているところであり      (発言取り消しに伴い削除)      、こういった点のスピードアップを図っていきたいというふうに考えております。この経営本部体制をつくりましても、現在の事業部のあり方については、基本的にそう大きな変更はないということでありますので、区民の皆さんにとって、今よりもさらにわかりにくくなるといったようなことにはならないようにしていきたいと考えているわけであります。
       (発言取り消しに伴い削除)      。
 それから、北口広場の文化の継承についてということで、北口広場で現在行われている機能を北口整備計画に盛り込むべきではないかという御質問でありました。
 町のにぎわいを考える上で、その中心地に、例えば街頭芸のできるような場があることは一定効果があると考えているわけであります。駅周辺整備の全体を考える中で、そのあり方等を検討したいと考えております。
 チャンプルーフェスタのトロフィーの展示についてであります。
 中野北口昭和新道商店街が中心となって開催したチャンプルーフェスタが、ことしの東京都商店街グランプリのイベント事業部門で最高の評価、グランプリを得たということは、区として大変喜ばしいと同時に、中野区の商店街活性化への大きな励みにもなると考えているところであります。早速、12月中に区役所1階区民ホールでチャンプルーフェスタの紹介とトロフィー等の展示をして、グランプリの受賞と中野の商店街の元気をアピールするように準備をしているところであります。
 それから、沖縄県うるま市との交流についてであります。
 区はこれまで、住民同士の交流が契機となりまして、地方都市や外国都市との交流を深めてきたところであります。住民同士の交流が自治体間の交流に育ったものもあれば、違った形に発展したものもあるわけであります。今後、自治体間交流に発展し得るものなのかどうか、状況を見守っていきたいと考えております。
 以上であります。
      〔佐伯利昭議員登壇〕
○28番(佐伯利昭) すみません。1点だけ再質問させてください。
 地域センターの運営について、やっぱり説明をしていただいている方の立場としては、やはり「自主運営」という言葉が気になるんだと思います。すべて住民に責任を負ってもらうわけではないという答弁もいただきました。その「自主運営」ということにこだわるのか、「自主運営」というものはもう既に考えからなくなっているのか、その点だけちょっとお聞きしたいと思います。
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 「自主運営」という言葉をどういうふうにとらえるかということもかかわってくると思いますけれども、基本的には、公の施設としての活動センターの運営を委託をするということでありますから、それを「自主運営」という言葉でくくるというのはあまり適当ではないのかなというふうには思っております。
 しかし、そのセンター、区民活動センターとしての運営が、地域の住民の活動にとってより使い勝手がいいように、あるいは自分たちの意思がうまく働いて使いよく使えるようにというような形で運営されることが望ましいというふうに考えておりますので、そういう意味では、地域の団体の皆さんの自主性に基づいた運営ができる運営委託というふうに考えているわけであります。
○議長(高橋ちあき) 以上で、佐伯利昭議員の質問は終わります。
 お諮りいたします。議事の都合により、本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、これに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(高橋ちあき) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
 次の会議は、明日午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。
 本日は、これをもって延会いたします。
      午後4時53分延会