平成18年11月28日中野区議会本会議(第4回定例会)
平成18年11月28日中野区議会本会議(第4回定例会)の会議録
平成18年第4回定例会本会議第2日(11月28日) 1.平成18年(2006年)11月28日、中野区議会議事堂において開会された。
1.出席議員(42名)
  1番  いでい   良  輔        2番  伊  東  しんじ
  3番  佐  野  れいじ         4番  北  原  奉  昭
  5番  久  保  り  か        6番  酒  井  たくや
  7番  奥  田  けんじ         8番  近  藤  さえ子
  9番  小  堤     勇       10番  大  内  しんご
 11番  伊  藤  正  信       12番  きたごう  秀  文
 13番  吉  原     宏       14番  高  橋  ちあき
 15番  やながわ  妙  子       16番  平  島  好  人
 17番  むとう   有  子       18番  はっとり  幸  子
 19番  長  沢  和  彦       20番  か  せ  次  郎
 21番  山  崎  芳  夫       22番  小  串  まさのり
 23番  若  林  ふくぞう       24番  市  川  みのる
 25番  岡  本  いさお        26番  こしみず  敏  明
 27番  飯  島  きんいち       28番  佐  伯  利  昭
 29番  佐  藤  ひろこ        30番  来  住  和  行
 31番  岩  永  しほ子        32番  篠     国  昭
 33番  柿  沼  秀  光       34番  伊  藤  岩  男
 35番  斉  藤  金  造       36番  大  泉  正  勝
 37番  斉  藤  高  輝       38番  江  口  済三郎
 39番  藤  本  やすたみ       40番  昆     まさ子
 41番  江  田  とおる        42番  池  田  一  雄
1.欠席議員
      な  し
1.出席説明員
 中 野 区 長  田 中 大 輔      助     役  内 田 司 郎
 収  入  役  山 岸 隆 一      教  育  長  沼 口 昌 弘
 区 長 室 長  寺 部 守 芳      政策担当課長   川 崎   亨
 総 務 部 長  石 神 正 義      総務担当参事   橋 本 美 文
 区民生活部長   本 橋 一 夫      子ども家庭部長  田 辺 裕 子
 保健福祉部長   菅 野 泰 一      保 健 所 長  浦 山 京 子
 都市整備部長   石 井 正 行      拠点まちづくり推進室長 石 橋   隆
 教育委員会事務局次長 金 野   晃
1.本会の書記は下記のとおりである。
 事 務 局 長  山 下 清 超      事務局次長    高 橋 信 一
 議事調査担当係長 大 谷 良 二      書     記  黒 田 佳代子
 書     記  永 田 純 一      書     記  荒 井   勉
 書     記  岩 浅 英 樹      書     記  菅 野 多身子
 書     記  西 田   健      書     記  廣 地   毅
 書     記  鳥 居   誠      書     記  杉 本 兼太郎
 書     記  岡 田 浩 二      書     記  松 本 桂 治

 議事日程(平成18年(2006年)11月28日午後1時開議)
日程第1 第94号議案 平成18年度中野区一般会計補正予算

      午後1時03分開議
○議長(高橋ちあき) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。
 本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。
 昨日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。

 中野区議会議員 はっとり 幸 子
 1 経営改革に向けた区の取り組みについて
  (1)外部の人材登用について
  (2)ローカル・マニフェストの位置づけについて
  (3)区民との協働をすすめるための取り組みについて
  (4)その他
 2 図書館の今後の取り組みについて
 3 炊きたての米飯給食について
 4 その他

○議長(高橋ちあき) 最初に、はっとり幸子議員。
〔はっとり幸子議員登壇〕
○18番(はっとり幸子) はっとり幸子です。2006年第4回定例会におきまして、一般質問をいたします。
 最初に、経営改革に向けた区の取り組みについて伺います。
 ここのところ、来年度から「財政再建団体」となることが決まっている北海道夕張市についての報道を幾つか目にしました。財政が破綻し、民間でいえば倒産状態となり、国の厳しい監視の下で住民は行政サービスの低下や増税にさらされることになり、世帯によっては年5万円を超える負担増となり、市の職員の平均年収は4割減となる見通しで、小・中学校11校は2校に、施設使用料は50%引き上げなどを余儀なくされることから、将来的に不安を感じる住民が多く、人口流出の兆しもあり、地域の崩壊を危惧する声も出ていると、先週土曜日の新聞の特集記事で報じられていました。
 こうした夕張市の報道に接するたびに、今から七、八年前の中野区の状況を思い出します。御承知のように、中野区の1999年度(平成11年度)決算は、一般財源の経常収支比率が101.7%と100%を超え、公債費比率は23区の平均が11.6%だったこの年度に中野区は15.5%で、20%を超えれば起債制限団体になるという、23区最悪の財政破綻寸前の状況でした。人件費比率は、1998年度35.1%で、翌年には33.6%に回復しましたが、2000年度(平成12年度)は職員給の4%削減の臨時的措置を取らざるを得ない状況で、議会においても財政の再建をどうするのかが焦点でありましたし、区民の間でも「中野区はお金がない貧乏区になったらしい」と、逼迫した財政の状況があちこちで話題になっていました。
 田中区長は、財政再建への区民の期待を担って、就任以来これまで4年余りの区財政立て直しの先頭に立って取り組みを進めてこられました。2005年度(平成17年度)決算では、ようやく13年振りに公債費比率は7.4%と、毎年返す借金の割合を5年前の半分に減らし、財政調整基金は、5年前の29億円から107億円、全部の基金残高は5年前の約57億円から約176億円と、区の貯金はふやしました。しかし、23区ではまだこれまでの3番目からようやく4番目で、これから必要になる学校の建てかえにも足りないという、決して安心できる状況ではありません。このようにどん底の財政を立て直しつつ、民間の力を活用して新しい時代のニーズにこたえ、区民サービスを充実させてきたことは十分評価できることだと思います。こうした区の現状を区民にもっと周知すべきです。お考えを伺います。
 2002年度以降、区長は新しい公共経営に基づき、顧客満足度の向上、区民との協働、説明責任の徹底、成果の重視、権限の委譲、市場原理の活用などの視点から、区役所を抜本的に変える取り組みを進めてきました。すべての行政活動が「区民にとっての価値の向上」に向けて行われることと、目標と成果による「区政経営の基本的あり方」を定めました。また、予算の編成から執行管理、組織の意思決定など、できる限り権限を委譲し、責任を持って柔軟かつ機動的に区政目標の達成を目指す仕組みとして事業部制を導入するなど、すべての行政活動の見直しと改善を進める行政経営システムをスタートさせました。
 こうした中野区の新しい時代に先駆けた持続可能な自治体として子どもたちの世代に引き継いでいく幾つもの取り組みのこれまでの成果や、これからのさまざまな施策の展開の必要性などについて、区民や職員に十分に理解されているのでしょうか。区長御自身はどのように受けとめていらっしゃるのか、伺いたいと思います。私は、区民への周知はもとより、職員への説明責任が本当に果たされているのか、対応が十分とは言えないのではないか、そんな思いが強くあります。
 地方分権が進み、自治体の役割が大きく転換され、行政革新を着実に進めなければならないからこそ、新しい公共経営に取り組むということを区民や職員にもっと理解してもらうことに工夫と努力をすべきだと思います。職員とは徹底した議論が特に大切だと思います。どのようにお考えでしょうか、御見解を伺います。
 次に、外部の人材登用について伺います。
 区の経営革新5か年プランでは、複雑・高度化する行政ニーズに速やかに対応するため、内部では得られにくい高度な専門的知識や経験を持つ外部の人材を区政運営に生かすとしています。サンプラザ問題をはじめとして、これまでの区政運営では予想もつかなかった対応が求められる事業の展開は、今後ますますふえてくると考えられます。区民やNPO、企業などとの協働を進める経営改革に向けても同様です。現在、どのような部署のどのような役職にいつごろから外部の人材登用を検討されているのでしょうか。また、今後についてのお考えも合わせてお答えください。
 次に、ローカル・マニフェストの位置付けについてお聞きします。
 区長は今年6月、第2回定例会における施政方針説明で、区長選挙のみずからのマニフェストについて触れ、新しい中野をつくる10か年計画で示した四つの戦略と行政革新を着実に進めるために、2期目の4年間で具体的に取り組むべきことを今回の選挙で区民の皆さんに示したと述べられました。
 国政選挙においては、政党のマニフェストは公職選挙法に規定されていますが、地方選挙においてはいまだ規定されていませんから、公に頒布ができず、区長個人のホームページに載せただけですから、多くの区民は区長のマニフェストの存在を知らないと思います。
 第2回定例会で佐藤議員が、「2期目の4年間で区長が取り組もうとしていることを区民に伝える必要がある。マニフェストをつくっている首長はその自治体のホームページなどに載せている。区長はマニフェストを区民に伝える手だてをどのようにとられるのか」という質問をしました。その際、「ホームページなどでも明示できるように工夫していきたい」と答弁されています。
 また区長は、マニフェストは候補者の公約の一部であり、行政組織としての区を直接拘束するものではない」と答弁されていますが、選挙のときには個人のマニフェストであっても、当選後は首長と有権者の契約事項ととらえられ、自治体の施策として遂行されるべきだという考え方に立つ首長が多くなっています。改めてお考えを伺います。
 また、さきの答弁に続けて「区長としてはマニフェストに基づいて施策を展開していくに当たって、庁内での議論や区民の議論、あるいは議会での議論と議決を必要とするものであります」とお答えになっていますが、それは当然のことだと思います。2期目がスタートして5か月、区長がこの4年間で取り組むべくマニフェストに書かれた内容を区民にわかるように知らせるために実行してきたことは何だったんでしょうか、お答えください。
 次に、区民との協働を進めるための取り組みについて、伺います。
 NPO法人などの民間非営利組織で構成される市民センターが、より市民から信頼され、期待されるセクターとしてその役割を果たしていくための課題を検討する「市民セクター全国会議2006」が11月24日、東京商工会議所と三菱エムプラスを会場に開かれました。「『民』だからできること、『民』にしかできないこと」をテーマにした分科会の議論を聞いてきました。
 行政の下請けにならないようにするための行政との対等性や距離の保ち方について、市民から共感を得るためには渦中にいる人のことを考えることや、人間としての共感性を大事にし、地域の中で必要とされる資源となること、また「民」本来の機能をどう追求していくのかなど、さまざまな視点による現場からの事例報告やグループワークが行われました。熱い議論を聞きながら、協働とはということや新しい公共をつくり出すことなど、私自身、認識を深めることができました。
 最近、多くの自治体で市民と協働を進めていくときの原則やガイドラインをつくっています。千葉県我孫子市は「NPOとの協働を実りあるものにするための7つの原則」を定めて冊子をつくり、全職員に配付し、基本的な考え方を共有しています。佐賀県唐津市でも同様の取り組みをしています。
 「根本的な自治体改革の実現には、「市民との協働」が不可欠です。公共のサービスを行政がすべて受け持つという時代は終わりました。「公共」を行政が独占してきた明治以来の方式は、社会に一定の安定と安心感を与えてきたのは事実ですが、同時に、行政の中に膨大なむだと非効率を蓄積してきました。また市民の中には、行政に対して要求と批判さえしていればよいという「行政依存」体質を生み出してきました。市民と行政の関係を根本から変えて,市民と行政がよりよいパートナーシップを築き、それぞれが自分の責任をしっかりと果たしながら、「協働」のまちづくりを進めていきたい。」と我孫子市や唐津市の考えが明示されています。
 ガイドラインや原則づくりなど、今後、中野区において小さな区役所を目指した施策の展開をしていく上で、職員の協働への理解をより進めるためにも必要な取り組みだと思います。区のお考えを伺います。
 また、研修の充実についてですが、講師を招いて話を聞くだけではなく、現在は休止しているようですが、民間企業への職員の派遣を行う際に、NPOなど非営利団体へも対象を広げて、現場での体験などで理解を深めることなど必要ではないでしょうか。お考えを伺います。また、職務以外でも住んでいる地域での活動の実践なども奨励すべきです。新しい公共をともにつくっていくために、市民感覚を理解できるようにしていくことが大切だと思います。
 このほど、NPO活動支援コーナーが区役所1階に設置されることになり、運営はNPO中間組織に委託すると聞いていますが、NPOへの活動支援だけでなくて、職員への支援も視野に入れた運営を期待して、この項の質問を終わります。
 図書館の今後の取り組みについては、危機管理のみ伺います。
 中野区の図書館のあり方については、図書館の役割や図書館を取り巻く新たな環境を踏まえ、これまでの機能を維持し、さらに充実させていく考え方に基づいて、2002年から検討が進められ、ことし3月に中野区が目指す図書館像など、今後の区の考え方がまとめられています。
 区立図書館は、中央図書館の入館者数の平均は1日3,874人、地域図書館を合わせると、毎日少なくても約6,500人を超える区民が利用しており、幅広い年齢層が利用する施設です。昨今、予想外の事件が起きることが多くなっている中、学校などでの危機管理についてはさまざまな形で取り組まれていますが、図書資料をはじめ、利用者・職員などを守るための区立図書館の危機管理についてのお考えを伺います。
 図書館に限らず、危機管理の方法については、危機が起こらないように備えること、起きてしまった危機に対して被害が拡大しないように最小限に食いとめることがあると思います。トラブルや災害を予想して出し合い、そのトラブルに対してどのようにすべきか、また他の図書館の実際に起きた事例を集めて参考にし、自分たちの図書館だったらどのような対応をするかなどについて話し合うことで、危機管理に対する職員の意識も高まります。
 野方・江古田の地域図書館が昨年夏の水害で床上浸水の被害を受けています。そのときの対応などについても、危機管理の事例としてまとめてあるとは思いますが、地域館の被災体験から、これからの危機管理について検討などされたでしょうか、お尋ねします。
 今後、危機管理マニュアルの作成など考えていく必要があると思います。だれかがつくるのではなく、図書館で働く人たちが一人ひとりの役割などについて意見を出し合っていくのが、使える危機管理マニュアル作成の一歩だと思います。危機管理マニュアルをつくることについてどのようにお考えでしょうか、お尋ねします。
 最後に、炊き立ての米飯給食についてお聞きします。
 昨年7月に施行された食育基本法に基づいて、現在、国を挙げての取り組みが進められています。健全な食生活が失われつつある子どもたちの食をめぐって起きているさまざまな問題への対応については、これまでも中野区として、学校給食の中で、保健福祉センターや児童館などにおける乳幼児の保護者に対する栄養指導や食育の取り組みがなされてきています。しかし、危機的な状況の解決につながる道筋はなかなか見えてこないのが現状です。
 昨年9月に区の教育委員会は、食育推進に取り組む基礎資料とするために、区立小・中学校児童・生徒のうち、小学4年生、中学1年生1,108人を対象に、食に関する実態を把握するアンケート調査を実施しました。その調査報告書によれば、朝食をほとんど食べない、また食べないことが多い子どもたちは13.9%。そして、いわゆる孤食と呼ばれるひとりで食べることが多い子どもは7.3%という結果でした。
 今月24日に閣議決定された国の2006年度の「食育白書」では、「欠食」が10代後半で12.4%、20代で27%、30代で20%、「個食」は小学生で20%、中学生で40%を超え、中野区と同様の現状が示されています。「欠食」や「孤食」の実態が子どもたちに広がっていることに焦点が当てられ、健全な食生活が失われつつある実態を問題視しています。
 現在、区は、食育基本法に基づいて、来年6月の計画決定を目指し、「「(仮称)子どもの育ちを支援する食育の推進計画」の策定に向け、先週開催された青少年問題協議会で委員から意見を聞くなど、検討を始めています。
 今後、家庭・地域・学校など、区全体が共有する計画の目標や取り組みについて、第4期中野区食品安全委員会での議論も含め、広く区民との意見交換などが必要だと思います。問題の解決には区民の理解、地域の力が欠かせません。この計画の期間と構成、期間内の獲得目標、検討体制やスケジュールなど、どのようにお考えでしょうか、伺います。健全な食生活が失われつつある子どもたちの危機的状況を救うためには、教育の問題だけではなく、さまざまな社会的環境の問題ともつなげ、横断的な対応が必要だと思います。それだけに大変難しい、中野区だけでできることの限界もありますが、ぜひそうした観点からの取り組みを期待しています。
 現在、高知県南国市の小学校で、家庭用の自動炊飯器を使い、炊き立て御飯を子どもたちに食べさせる試みが成果を上げています。もともと南国市では食育に力を入れてきた経緯がありますが、ほかほかのおいしい炊き立て御飯は食べ残す子どもがほとんどなく、給食全体の食べ残しも大きく減ったそうです。
 炊き立て御飯を学校給食にという取り組みは、昨年からことしにかけて行われている各地の市長選挙のマニフェストにも掲げられるなど、食育の取り組みに重きを置かれるようになった今、大変注目を集めています。
 中野区の子どもたちに教室で炊いた炊き立ての御飯のおいしさを味わってもらうことによって、家庭へ発信するとともに、子どもたちの健全な育ちを応援し、子どもたちの青年期、壮年期、そして老齢期における健全な食への突破口にと考えます。さらに、中野区の大きな課題である区立小・中学校の給食の調理段階での残渣と子どもたちの給食の残渣、食べ残しなど、年間で約26万5,361キログラム、265トンの生ごみを減らす効果をもたらすと考えます。それこそ「もったいない」現状です。炊き立て御飯の給食について、区はどのようにお考えでしょうか。現場のクリアすべき課題は何かということも含めて、導入に向けての区のお考えをお聞きします。
 具体的な御答弁をお願いし、以上で質問を終わります。ありがとうございました。
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) はっとり議員の御質問にお答えいたします。
 区がこの間経営改革に取り組んできた、その成果やあるいは目標、そういったようなものについて、区民や職員に十分浸透していないのではないかという御趣旨の質問でありました。区の経営全般にわたって新しい公共経営の考え方に基づいて改革を行ってきているところであります。新しい取り組みについて理解を得るには、ねらいをしっかりと説明していくとともに、そこで出てきた具体的な成果をお示しするということが重要だと考えているわけであります。
 この間進めてまいりました目標と成果による管理、区政経営におけるPDCAサイクルの確立、また、区の施策推進の中では区民公益活動の推進など、そういったさまざまな取り組みについて、区民の代表である議会の皆様との議論をしながら御理解をいただきながら、今日まで進んできたというふうに考えているところであります。
 職員の意識につきましても、こうした取り組みを進めてくる中で、目標管理の考え方、あるいは民間との協働といったようなことについての認識など、さまざまに進化してきているというふうに考えているところでありますけれども、必ずしもこの状況で十分というふうには考えていないわけであります。今後とも十分に説明を行い、議論をしながら区政経営・運営に当たっていきたいというふうに考えております。
 それから、外部人材の登用についての御質問もありました。内部では得られにくい専門的な知識や民間企業での有用な職務経験を持つ人材を登用する制度として、任期付職員制度でありますとか、経験者採用制度というのがあるわけであります。これもこの数年の間で23区の中でもできるようになってきたというような取り組みであります。高度化、多様化する区民ニーズに的確に対応するためには、これらの採用制度も活用しながら多用な人材の確保を図っていく必要があると考えているわけであります。どの分野、どの職務ということではなく、区政のあらゆる場面でその可能性を追求していくということになると考えているところであります。
 それから、マニフェストについてであります。区長2期目のスタートに当たって10か年計画の着実な推進をベースとして、マニフェストの実行を約束させていただいたということであります。今日まで耐震診断推進のための全戸訪問、あるいは障害者の地域生活支援事業の無料化など、着手をしてきたところです。また、来年度に向けては地域子ども家庭支援センターの開設やプラスチック製の容器包装の回収地域の拡大などについての検討も進めてきているところであります。
 このように、マニフェストは区の政策として具体化する過程では常に区民に理解を求め、議会での御理解や、あるいは必要な議決をいただきながら進めていくということであるというふうに考えているわけであります。選挙時のマニフェストという政治家個人の公約をそのまま区の公式ホームページに掲載するということについては、私自身、依然としてそういう形でできるのかどうかということについてはいささか疑問を持っているところであります。いずれにいたしましても、区長としての私の考え方をお示しするという意味で、このマニフェストの取り扱いについてもさらに研究をしていきたいというふうに考えております。
 それから区民との、区民団体、NPO団体等との協働に当たっての幾つかの御質問であります。
 区民公益活動の推進に関する条例という条例が議決をしていただいているわけでありますが、ここでうたわれている精神に基づいて、区民団体、区民の皆さんとの協働ということについて全庁で取り組んでいるところであります。御提案のありました職員のための協働マニュアル、ガイドラインについては、職員育成と区民団体支援の両面から実施内容等について研究をしていきたいと思っております。
 それから、職員派遣をNPOへという御質問、御提案もありましたが、当面、NPOへの派遣として派遣先として該当するような団体も想定されないことから、派遣を前提とした検討は、現在は難しいというふうに考えております。また、公益活動情報コーナーを設置していくわけですが、その運営の中で得られる経験やノウハウについて、職員の育成にも生かす方向で検討をしているところであります。
 食育推進計画についての御質問もありました。計画の期間は、平成19年度から23年度の5年間、目標については現在検討中ということでありますが、食育について幅広い区民の運動として中野区内で展開をしていくということが重要でありまして、これがどういう形で展開されていくかといったようなことで目標を考えていくべきであるというふうに考えております。
 庁内の検討体制といたしましては、子ども家庭部、保健福祉部、教育委員会などを中心といたしまして、食育推進計画策定の検討会を設置して検討をしているところであります。
 青少年問題協議会などでも議論を行っていただくということであります。平成19年1月に素案を作成いたしまして、その後、区民意見交換会などによりまして区民の意見を反映して、3月には計画案を公表、6月ごろ決定にしたいというふうに考えているところであります。
 私からは以上であります。
  〔教育委員会事務局次長金野晃登壇〕 
○教育委員会事務局次長(金野晃) 図書館についてのお尋ねと、米飯給食についてのお尋ねにお答えいたします。
 図書館の危機管理のお尋ねですが、施設にとりまして、安全は大変重要な課題でございます。水害の経験を踏まえまして、夜間や休館日も含めた連絡体制を整備しているほか、対策ができるところにつきましては、受けた被害が再発しないよう対策を講じたところでございます。また、現在図書館におきましては、各館における実際のトラブル事例をもとに、受託者も含めて打ち合わせ会などの機会を活用して、対応策の検討や統一的対応の徹底を図っているところでございます。危機管理マニュアルという御質問ですが、これらを取りまとめて対応していきたいと考えております。
 次に、米飯給食についてのお尋ねでございます。
 中野区における米飯給食は、ガス自動炊飯器により、児童・生徒の給食時間に合わせて調理をし、炊き立て御飯に近い形で提供しているところでございます。教室での炊飯器による炊飯ということになりますと、衛生管理の課題、また設備の問題など解決しなければいけない課題があるというように考えております。家庭用炊飯器を使うということにつきましては、学校の考え方や保護者の意見を聞いてみたいと思います。
○議長(高橋ちあき) 以上ではっとり幸子議員の質問は終わります。

 中野区議会議員 小 串 まさのり
 1 「21世紀を託す子どもたちのために、今われわれ大人がやらなければならないことは何   か。」について
  (1)いじめについて
  (2)家庭教育、地域の役割について
  (3)少子化対策について
  (4)その他
 2 その他

○議長(高橋ちあき) 次に、小串まさのり議員。
     〔小串まさのり議員登壇〕
○22番(小串まさのり) 21世紀を託す子どもたちのために、今、我々大人がやらなければならないことは何か。というテーマで一般質問を行います。私は、数年前にも同じようなテーマで質問をさせていただきましたが、今回、質問の機会をいただきまして、なぜかそのときと同じような心境に今なりましたものですから、このようなテーマのもとに一般質問をさせていただきたいと思います。
 小泉前首相が、その就任演説で構造改革の必要性を説く上で取り上げた、米百俵の話。戊辰戦争の敗北で窮地に立った長岡藩に隣藩から送られた見舞いの米百俵で学校を建て、将来の復興のための人材の育成に当たったと言われる小林虎三郎の話。また、行政改革の父、上杉鷹山公が藩政改革に取り組むに当たり、まず優秀な人材育成が必要であるとの考えから、そのための人材育成の場として興譲館という藩校を創設したという話はあまりにも有名な話であります。あるいは維新後に明治政府がいち早く義務教育の現実に取り組み、短期間で日本の近代化に成功し、今日の反映につながっていることはだれもが否定できない事実ではないでしょうか。このように将来の日本をしょって立つ人材の育成とは、いつの時代でも重要な政策の根幹をなすわけでありますが、今、連日のように報道されておりますいじめによる自殺などをめぐるさまざまな教育現場の混乱に、今、我々大人は将来の日本社会への深刻な不安を抱かざるを得ないのであります。
 そこで、このようなテーマで改めて質問をさせていただきたいと考えたわけでありますが、細目につきましては、一つはいじめ、あるいは自殺についての私なりの見解を述べさせていただきながら、区の考えを聞きたいと思っております。さらには関連をして、よく家庭、学校、地域が協力して子どもの教育、育成に当たらなければならないなどと言いますが、それではこの三位一体論の家庭、学校、地域のそれぞれの役割とは何なのであるか。中でも家庭の役割とは何であるのか、地域にできることはどのようなことであるのかなどについて、私なりの見解を述べさせていただきながら、中野区、区の見解を聞かせていただきたいというふうに思っております。さらには、区の少子化対策の問題についての考えもお聞きいたしてまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。
 それでは、まず初めに、いじめについて考えてみたいと思います。いじめとは、人それぞれの感じ方によってとらえ方も違うと思うのですが、そもそもいじめとはどういう定義になっているのでしょうか。10月20日の教育委員会資料によれば、中野区の平成17年度のいじめはゼロとなっておりますが、この調査におけるいじめの定義というのは、一つには自分より弱い者に一方的に、二つ目として身体的・心理的な攻撃を継続的に加え、3、相手が深刻な苦痛を感じている者となっております。確かにそのような狭い意味での、狭い定義でのいじめはなかったということを信じるとしても、広い意味でのいじめは至るところに存在すると考えた方がむしろ間違いがないと思うのですが、いかがお考えでありましょうか。
 最近読んだある書に、西郷隆盛、西郷さんの時代、鹿児島で行われている郷中教育のことが書いてありましたけれども、その郷中教育では「うそを言うな」「負けるな」「弱い者をいじめるな」の精神が徹底的に重視されたと書いてありました。逆にこれを読めば、この時代からいじめは存在したのでありましょう。恐らくもっと古い時代からいじめというものは日本の社会の中に存在していたことだとは思います。
 また、私自身の小中学校の記憶をたどってみても、いじめはありました。特に、40年も前の話になるわけですけれども、中学校のときの一時期、これは私の経験ですが、いじめゲームのようなものがはやりまして、学校に行くときに、きょうはいじめる側に回されるのか、あるいはあすはいじめられる側になるのかということで、朝起きると非常に嫌な気分になったことを今でも思い出します。
 このように、むしろいじめはどこにでもある、いつ起きてもおかしくないことなのではないかというふうに思っております。そういう前提に立ち、しかし、いじめの芽が大きくならないうちにしっかりと対処していくのだという、その基本的なスタンスが肝要であると思うのであります。したがって、教育委員会としては、いじめを隠さず、まずオープンにすること、いじめの報告がゼロであるということを評価するのではなくて、むしろいじめの報告、そういう件数が多い学校こそよくやっている学校であるとの前提に立って、いじめにどう向き合っているのか、あるいは即座に対応しているかということをしっかりと評価し、したがって、いじめを解決した実績の多い学校こそが評価されるべき学校だというような認識に立って、そういう前提に立って学校などを評価していけばいいのではないかというふうに思っておりますけれども、いかがお考えでありましょうか。見解をお聞かせいただければというふうに思っております。
 関連いたしまして、これは私自身のことなんですが、私は、上智大学というカトリック系の大学の出身であります。その大学での授業で、今はあるのかどうかわかりませんけれども、人間学という必修科目がありました。そこで、自殺とは人を殺すこと、すなわち他殺よりも悪であるというふうに教わった記憶が今でも鮮明に残っております。確かにカトリックの世界ではみずから命を絶つことは人を殺すことよりも悪ということ、絶対的な悪なのであります。ところが一方、日本社会では伝統的に、武士の時代が切腹などは潔い死にざまととらえられてきた面もあります。今の時代、まさか自殺を善だと考える人はいないと思いますけれども、今の日本人の平均的な考え方として、自殺についてはどのように考えているのか、私にもよくわかりませんけれども、小学校、中学校ではそれぞれどのように自殺について教えているのでありましょうか。ある程度の年齢までは、むしろ教えない方がいいとの考えもあるかもしれませんが、どのような対応をされているのか、あわせてお聞かせいただければというふうに思います。
 さらに関連して、いじめの問題ばかりでなく、子育て、教育全般について、家庭・学校・地域が協力してという言い方を我々はよくいたしますが、もちろん協力することは当然いいことであるわけですが、しかし、それぞれにはそれぞれでしかできない、言い方がどうも適当かどうかわかりませんけれども、役割というものがあるんだろうというふうに思っております。
 そこで、特に家庭、地域の役割について考えてみたいというふうに思いますが、11月19日の読売新聞朝刊に興味深い世論調査の記事が掲載をされておりました。それは、読売新聞社が実施した世論調査でいじめが原因と見られる子どもの自殺が相次ぎ、いじめが大きな問題となっている背景を八つの選択肢の中から選んでもらったところ--回答については複数でいいということでありましたが、「親が社会のルールを教えていない」、これが65%で最も多かった。続いて、「他人の痛みを思いやることができない」、これが55%。「親が子どもの悩みを把握できていない」、これが52%の順で、家庭での教育の問題がむしろ大きいと考えている人が多かった。4位、5位は、「教師の指導力や資質に問題がある」、これが48%。「学校が責任逃れをして問題を隠す」、これが45%であったという記事が一面に「いじめ 家庭教育に問題」との見出しのもとに掲載されておりました。ごらんになった方も多くおられると思いますので、この世論調査に補足することはないと思いますが、家庭、学校、地域が連携することはもちろん重要なことではありますが、まずは子どもにとって一番大切なのが温かい家庭であることを忘れてはならないと思います。家庭には家庭にしかできないこと、家庭教育でこそやらなければならない教育、しつけがそこには必ずあるはずであります。また、そのことを行政はメッセージとして区民に発信する必要があるとも考えます。貧しいながらも楽しい我が家とよく言われますけれども、そのことが現代社会で忘れられているのではないでしょうか。家庭教育の本来果たすべき役割についての区の考えをあわせてお聞かせいただければと思います。
 次に、地域について考えてみたいというふうに思います。地域といえば、地区委員会や子ども会などを指すことが多いと思います。地域の教育力をアップするには、ますますこれらの団体の強化、育成を図っていかなければなりません。そのことに対する区の考えはお聞きしておかなければならないと思います。いかがでありましょうか。しかしながら、地域とは、広く考えれば我々が住んでいる場所すべてを指す言葉であります。そこにはさまざまな人が住み、いろいろな会社やお店、事業所などが存在しています。これらの人々のはかり知れないエネルギーを生かし、広い意味での教育力をうまく引き出すことに区として取り組んでみてはいかがでしょうか。
 ここで、青少年育成、これは昭和地区委員会のミニリーダー講習会の中でここ2年間行っているカリキュラムについて御紹介をさせていただきたいというふうに思いますが、子どもたちがミニリーダー講習会の中の一つの1日の授業として、子どもたちが地域探検隊のようなイメージでふだん日常生活を行っている地域の中にある事業所などを訪ねて回るという企画を設けております。その中で、去年は東中野の消防署、地域の猿寺さんというお寺さんなんですが、猿寺として親しまれているお寺さん、さらにはトラベルジャーナルという専門学校、明大中野の、これは相撲部の稽古場です--相撲部の御協力をいただき、ぞれぞれの場所の見学と、それぞれその場でお話を子どもたちにしていただきました。これは去年です。今年はJRの中野電車区の区長さん以下皆さんの御協力をいただき、約50名の子どもたちがおりましたけれども、車庫のとまっている電車の中に御案内をいただきまして、そこの運転席、前後2カ所ありますけれども、そこに子どもたち一人ひとり全員を座らせていただいて、運転席のことについての御説明を丁寧にしていただきました。子どもたちは全く初めての経験でありましたので、その感激というものは私にも伝わってくるものがありました。
 また、東京工科専門学校、これは自動車の整備士さんを養成する専門学校でありますが、こちらにもお伺いさせていただきまして、そちらでお話等をお聞きした後、いわゆるモンキーバイク、ものすごく小さいバイクですが、モンキーバイクのようなミニバイクに、本当に小さいバイクなんですが、これに子どもたち一人ひとりを運転させていただきまして、そのときの子どもたちのはしゃぎようというものが今でも目に浮かびます。誤解のないように言っておきますけれども、学校の校庭で行っておりますので、免許証がなくても子どもでも道路交通法的には、公道じゃありませんので違反にはなりませんので、御心配は要らないと思います。
 本当にそのときの子どもたちのはしゃぎようというのかな、喜びようは今でも覚えているんですが、それぞれの事業所にはほとんど飛び込みのような状態で役員がお願いに上がっていますけれども、皆さんそれぞれ子どものためですからと、本当に好意的に迎えてくれました。ちょっと手前みそのようで恐縮ではありますけれども、このことが地区委員会が地域の教育力、こういうものを引き出したということになるのではないかというような自負も、実は持っております。
 またちょっと話が変わりますけれども、最近では子どもたちが仕事を通じて遊び、学ぶ施設のキッザニアが人気になっております。私の子どもが行きたいというのでちょっと調べてみましたら、約半年先まで予約がいっぱいの状況でありました。そういうことで、当分行きたくてもいけないというような人気でありますけれども、そのキッザニアに行かなくても、中野区内にはさまざまな会社、お店、事業所があります。それらの力をかりて広く地域の教育力のアップを図るようにしてはどうか思うのですが、いかがなものでありましょうか。いずれにしましても、地域の果たすべき役割とは何かについて改めて考え、地域の教育力を引き出す努力も行政として重要であると思うのですが、いかがお考えでありましょうか。
 最後に、少子化について考えてみたいと思います。昨日の大内質問にもありましたが、中野区の合計特殊出生率が0.75で都内自治体で下から3番目、ということは全国でワースト3であるということであります。この現実は直視しなければなりません。
 数年前の新聞に、こういう記事が載っておりましたのを思い出します。新年の風景として、子どもがお年玉をもらう。そのお年玉の額がふえているという記事であります。最近は少子化で子どもの数が少ない。他方、親戚のおじちゃん、おばちゃんである両親の兄弟は独身で、甥・姪をとてもかわいがってくれるし、お年玉の額も自然にふえてくる。子どもは喜び、満面の笑みという記事であります。ところが、数十年後、両親をはじめおじさん、おばさんたちが老後を迎えたときには立場は逆転し、一人の子どもが両親はじめ親戚のおじいちゃん、おばあちゃんの面倒を見る時代が来るのだと。決して、この一見ほほ笑ましい光景は笑っていられる場面ではないという、そういう記事でありました。21世紀を託す子どもたちのために、今我々大人がやらなければならないこととは何か。これの究極的な回答は、少子化を解消することと言っても過言ではないというふうに思っております。国、東京都も中野区もこの少子化の解消に向けての行動を起こしていることは承知をいたしておりますが、これは平成不況から我々がなかなか脱出できなかったように、いや、むしろそれ以上に今の若い人たちの人生観、あるいはライフスタイル、これを変える方向に持っていくようなことですから、なかなか一筋縄ではいかない根気の要る施策展開が必要かなとも思っております。現在、中野区では少子化対策として、私立幼稚園保護者補助金の拡充や、昨日の大内、やながわ両議員の質問で前向きな答弁がありましたけれども、子ども医療費の拡充、あるいは妊娠中の検診費用の助成の拡充等の施策を進めようとしておられるようであります。その他、不妊治療の助成、あるいはファミリー世帯への住宅政策での支援など、考えられるありとあらゆる施策展開が必要であると思います。これらについての御所見をお聞かせいただきたいというふうに思いますが、しかしながら、私はそれだけではまだ不十分ではないかというふうに考えております。なぜなら、若い世代の人たちの人生観なりライフスタイルを変えてもらわないとならないということは相当に難しいことであるからであります。
 ただ、手をこまねいているばかりではなく、そのためのアクションとして、まず区長が20代、30代の未婚の男女、人々との話し合いの機会を持つでありますとか、20代、30代の未婚の男女へのアンケート調査などを実施することから、そのヒントなりアイデアが生まれてくるのではないでしょうか。また、子育てはつらい、つらいばかり言うのではなく、私も子育て真っただ中でありますけれども、実際には子どもとの触れ合いは結構楽しみながらやらせていただいております。そういうことをもっとよく知ってもらうために、すなわち子育てとは結構楽しいんだということをもっと知ってもらうために、楽しく子育てをしている人たちと未婚の男女の人々との交流の場などを設けてみるというのも、一つには大変おもしろい施策なのではないかというふうにも思っております。
 いずれにいたしましても、合計特殊出生率、これが0.75で日本全国でワースト3であるということを直視し、その現状分析からスタートをしたら、案外中野区が他の自治体をリードする少子化解消の先進自治体になるということもあり得るのではないかというふうに考える次第であります。いかがでありましょうか。以上についての見解をお聞かせをいただければというふうに思っております。
 以上で私の質問をすべて終了させていただきます。御清聴どうもありがとうございました。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 小串議員の御質問にお答えをいたします。御質問と答弁の順番が多少入れ違ってまいりますが、御容赦いただきたいと思います。
 まず、家庭教育の果たす役割についてという御質問であります。子どもの人格、人間の人格や個性の一番もとになるものを養うのは、当然家庭であり、親の養育といったようなものであります。家庭が子どもの養育や発達について第一義的な責任を負っており、子どもの健全な成長のためには、まず親が確かな養育力、そして教育力、しつけの力といったようなものを身につけて、自信と責任感を持って子どもを育てることが大切であると考えているわけであります。
 しかしながら、近年は、子どもに責任を持って養育をしていくというだけの力が不十分な親もあるといったようなことが感じられるわけであります。親の養育力を向上させながら、家庭教育の責任を十分果たせるように支援をするといったようなことも必要となってきているのかと考えるわけであります。地域全体で子どもの育つよりよい環境をつくっていくこと、そうしたこともあわせながら、家庭教育の重要性といったようなことを周知していきたいと考えております。
 それから、地区委員会、育成団体などの強化についてということであります。地域ぐるみで家庭や子どもを支援する取り組みを進めて教育力を高めていくという、そのためには、青少年育成地区委員会などをはじめといたします地域の育成団体の皆さんが果たしていただいている役割は、大変大きいというふうに考えているわけであります。そのため、今後設置を予定しております地域子ども家庭支援センターでありますとか、U18プラザなどでは、育成団体への情報提供、また研修、あるいは人材育成なども行いながら、地域活動の支援の強化をしっかりと果たしていきたいというふうに考えているところであります。
 それから、地域の会社やお店などの力をかりて子どもが学べる、そんな地域の教育力のアップを図ることについてという御質問がありました。地域の中で商店や事業所等の力をかりて、家族以外のさまざまな大人と交流するということは、子どもにとりまして社会を知る機会となるとともに、社会性の育成に大きな役割を果たすと考えるわけであります。
 御質問の中にありましたキッザニア、私もテレビで見ただけでありますけれども、大変工夫されておもしろくでき上がっているようには思いましたが、地域の会社や、あるいはお店といったようなところは、これは本物でございまして、本物の持っている教育力というものの重要性というものも十分認識するべきではないかと思っているわけであります。育成団体がこうしたことを視野に入れた取り組みができるように、商店等との連携や情報提供の機会などもつくっていきたいと考えております。
 それから、地域の果たすべき役割、行政が地域の教育力を引き出すといったようなことについてであります。時代の進展によりまして、子どもを取り巻く状況や問題、課題が変わってきているというわけであります。地域で活動される方々に適切に情報を提供して自信を持って子どもたちとかかわれるという状況をつくっていかなければならないというふうに考えているわけであります。そのため、地域のさまざまな育成団体相互に連携をしていくことも大切だというふうに思っているわけであります。今後、地域子ども家庭支援センターを中心に、育成団体のネットワークなども進めながら、地域の子育てコミュニティの中核拠点としての機能を果たすことを目指していきたいと考えているところであります。
 それから、少子化対策についてということであります。
 少子化対策を進めるについては、その背景にあります人々の意識を問い直して家族の重要性を再確認すること。また、若年層の子育てに対する不安感の解消などに取り組むために、社会全体で進めていく必要があるというふうに考えているわけであります。そのため、行政で行うべきこと、家庭や地域で行うべき役割などをよく見きわめながら、行政としてはさまざまな施策を組み合わせて総合的に推進をしていくことが不可欠であると考えているわけであります。
 その前提といたしまして、20代、30代の若い人たちの意識を十分に把握していく必要があるのではないかということにつきまして、私も当然同感でございます。やはり今の時代の若い人たちがどういう価値観を持っていられるのか、あるいは人生どういうところに価値や意味、生きがいを求めているのかといったようなことについて、やはり私どもがしっかりと実感を持って把握をし、分析ができるという状況にならなければならないというふうに考えているところであります。そうした意識の把握にも努めていきたいと思っております。
 また、子育てはつらいとばかり言うのではなく、楽しい子育て、楽しく子育てをしている人たちの交流なども必要ではないかという御意見であります。
 子育ての時期というのは、やはり家族の状況やさまざまな条件によりまして、困難な場面もあるわけでありますが、折に触れて子どもが成長している姿が見られたり、あるいは子どもと触れ合っている一瞬、そういうときなどに大変大きな喜び、達成感を味わうことができる。これもまた本当に確かなことなわけであります。
 こうした経験を仲間と共有するといったようなことも大切なわけでありまして、乳幼児親子の交流の場を拡充していくでありますとか、親子の触れ合いの機会、また地域ぐるみで子どもたちと交流する場といったようなことをさらに拡充をしていく必要があるというふうに考えているわけであります。
 特殊合計特殊出生率が0.75で全国ワースト3であるという、この中野区であります。少子化の原因や背景、さまざまあるわけでありますが、先ほどの若い人たちの意識といったようなことに加えて、地域が固有に持っておりますさまざまな諸条件、現状に対する分析も大切だというふうに考えているわけであります。そうした中から、中野区として必要な施策展開を検討してまいりたいと考えております。
 私からは以上であります。
     〔教育長沼口昌弘登壇〕
○教育長(沼口昌弘) いじめの問題につきまして、御答弁申し上げます。
 まず、いじめの認識についての御質問でございます。中野区からの報告で、いじめがゼロということがあったわけでございますけれども、文部科学省のいじめの定義の中に、一方的ですとか継続的に行われるということがございまして、それらを厳密に解釈し、結果的に、例えば各学校で指導した結果、解決した場合にはいじめというカウントをしなかった。そういった点に問題があったと、そのように考えてございます。
 人間が集団で生活していく以上、いわゆるいじめというのはいつでもどこでもあるものでありまして、中野の学校にも実態としていじめがあった。今でもあると、そのように認識してございます。それを少しでも減らす努力、これが必要だと、そのように考えてございます。
 それから、いじめの報告がゼロであるということを評価するのではなくて、いじめにきちんと向き合っている学校が評価されるべきであるということでございます。確かにお話しのとおりでございまして、いじめがあること自体が必ずも教師の指導力不足や、あるいは校長の評価に結びつくものではありません。いじめを見抜けなかった、あるいは適切な対応を怠ったということが問われるべき問題であると思います。いじめが自分の学校や学級でも起こり得るという認識を全教職員が持ち、児童、生徒の発するサインや小さな変化を見逃すことのないよう、各学校を指導してまいりたいと思います。
 また、自殺に関する教育についてでございますが、現在、自殺を直接のテーマとした授業は行われていませんが、各小中学校では、道徳や学級活動をはじめといたしました教育活動のさまざまな場面をとらえまして、生命の大切さや生きることのすばらしさ、これを認識させまして、自他の生命を尊重する態度を育てる指導に努めているところでございます。
 以上でございます。
○議長(高橋ちあき) 以上で小串まさのり議員の質問は終わります。

 中野区議会議員 飯 島 きんいち
 1 23区区域の再編を含む都区のあり方について
 2 学校教育の諸課題について
 3 税対応も含む住宅まちづくりについて
 4 もみじ山通り道路環境の整備について
 5 子育て支援事業の推進について
 6 電子自治体構築と歳入確保について
 7 総合奨学金制度について
 8 健康自己管理システムについて
 9 行政の重要情報の周知について
10 その他

○議長(高橋ちあき) 次に、飯島きんいち議員。
〔飯島きんいち議員登壇〕
○27番(飯島きんいち) 公明党議員団の立場から、区長並びに理事者に質問いたします。なお、行政の重要情報の周知については、機会を改めて伺います。
 初めに、23区の区域の再編を含む都区のあり方検討会の取りまとめ報告について、区長の見解を伺います。
 かつて、23区を幾つかの政令指定都市に再編する研究が行われたことがありました。今回は、検討の枠組みが示され、都区の二層制を前提に、現行の都区制度を出発点として議論をする。そして、議論の状況によっては、事務配分及び税財政制度については国に法改正を求めていくこともあり得るとしています。
 そこで伺います。都区の二層制を前提に、現行都区制度を出発点とした議論のいかなる状況になったときに、国に対して、地方自治法と想定されますが、どのような法改正を求めていくことが想定されているのでしょうか。検討の枠組みに示されているのですから、今の段階でもある程度想定されるものがあると思われます。区長の研究の成果も踏まえてお考えをお示しください。
 次に、23区の再編を含む区域のあり方について議論が必要であると、「取りまとめ結果」に明記されていますが、検討の枠組みなどからすると、いかなる再編が議論されようとしているのでしょうか。現時点での区長のお考えをお聞かせください。ある中心区の区長さんの見解もこれあり、区域の再編問題に対する中野区としての考えもいずれ明確にする必要があると思います。
 検討の組織は、幹事会と検討委員会からなっているようですが、その構成についてはどのようなものでしょうか、伺います。極めて重要な検討課題であり、この問題について、住民の視点、議会の意見等の反映についてはどのように担保されるのでしょうか、伺います。
 次に、学校教育の諸課題について伺います。
 さきの第3回定例会で、私は「中野の教育」の再構築という主張をさせていただきましたが、現下、焦眉の急の問題は、「いじめ」への的確な対処であります。既に多くの同僚議員から質問がありましたが、少し角度を変えて取り上げさせていただきます。
 「いじめ」の問題については、まず、「いじめ」は断じて許さない、将来ある命を絶つようなことは断じて防いでいくという、これまで中野区で積み重ねてきた関係者の揺るぎない姿勢とメッセージを明確に伝えることが大事だと考えます。
 最近行われた教育委員会の会議で、いじめについての議論が行われたようです。その中では、文部科学省のいじめの定義とゼロ報告についての疑問、「いじめ」はどこの学校でもあり得るという認識に立っての対処、「いじめ」があるという報告をすることによる担任や校長先生の自己評価へのマイナスの影響を恐れずに早目に対処すること、子どもを守ろうとしないで自分を守ろうとすることを超えられるような仕組みを考えることの必要性、口先での呼びかけだけでなく、具体的な取り組みの提案などが率直に語られたようです。
 建前ではない、このような本音の教育委員会委員の議論と姿勢を、そしてそのメッセージを教育委員会の外に示すことが大事と考えます。それこそ議論だけではない、メッセージ発信の具体的方策についてはどのように考えているのか、お聞かせください。
 また、早期の相談体制の重要制が議論されたと聞いています。先進諸国の中では最も「いじめ」の発現率が高いとされている英国では、365日24時間の体制でメールによる相談のシステムが効果を上げているとの報道がありました。心理的抵抗の低い、いつでも可能な、そしてここが大事なところでありますけれども、秘密厳守のメールによる相談体制について仕組みを構築することが、この議論の具体化ではないかと考えますが、いかがでしょうか。
 次に、学校再編が教育環境の整備につながる取り組みについて伺います。
 統合という性格上、通学距離が従来よりは長くなる児童・生徒が出てくるのは当然であります。したがって、通学路の安全の確保が重要になってきます。この問題について、保護者、そして住民の方からの要望は、既に区長と教育長にはお伝えをしたところでありますが、交通標識、カーブミラーなどの交通安全施設整備などは、教育委員会だけではなく、区長部局の協力で実効性を上げることが求められます。
 通学路の交通安全の問題については、同僚議員から西武新宿線の横断歩道橋の提案がありましたが、その後の働きかけについては、具体的、現実に行われたのでしょうか。学校再編に伴う通学路の安全確保については、教育委員会だけでできることではありません。区長部局との連携が不可欠です。そこで、区長部局としてのお考えを伺います。
 次に、具体的に、統合新校が置かれる桃園第三小学校の体育館の改築について伺います。
 学校の教育環境整備の上からも、防災対策の上からも、桃園第三小学校の体育館の改築はぜひとも実施する必要があると思います。学童クラブへの対応も含めるということになれば、当然、校舎の建築基準法における既存不適格への対処が求められます。この点についてどうされるお考えなのか、伺います。敷地分割などというこそくな手段ではなく、校舎についても、中期的見通しで改築して既存不適格を解消する計画の第1段階として体育館の改築を行うという正面からの取り組みをするべきではないでしょうか。
 財源の問題もありますが、小学校と中学校の大規模改修に充てる板橋区の住民参加型市場公募債の例もあります。10か年計画の枠外の事業については、こうした財源対策も検討すべきではないでしょうか。あわせてお考えを伺います。
 また、学校校舎のあり方について検討が行われていますが、学校は、すべての児童と生徒に開かれているという意味で、バリアフリーが前提であるとの基本を定めることが第1と考えます。校舎のあり方に中野区の教育の基本がうかがえる、そうした学校でありたいと思いますが、いかがでしょうか。
 次に、学力の向上と体力の向上の取り組みについて伺います。
 体力向上については、プログラムの策定のための施行が小中学校それぞれ1校で行われています。その検証と具体的プログラムの策定について、今後の行程表とメニューについてお答えください。
 一方、学力については、体力向上プログラムのような取り組みが示されていません。中野区にはマイスター制度がありますが、この制度が学力向上とどのようにかかわるのか、具体的なお考えを伺います。
 京都大学の西村和雄教授は、学力向上のためには教科書の改善も必要と指摘していますが、英語、数学などについては、教科書についても考えることが重要と思われますが、いかがでしょうか。具体的手法で学力向上を目指す取り組みが必要と考えますが、いかがでしょうか。お答えを伺います。
 この項の最後に、昨日も質問がありました、校庭の芝生化について伺います。若宮小学校の芝生の校庭を見ると、教育環境の豊かさとは何かということを痛切に考えさせられます。東京都はオリンピック招致のこともあり、今後10年間で都内の全公立小中学校の校庭を芝生化することを決めたようです。費用は地元が半分持たなければならないようですが、優秀な維持管理計画を立てた学校には全額東京都が負担するとされているようです。
 財調算定の展望もありますが、この際、中野区として造園業界の協力も仰いで、維持管理計画の工夫で費用負担を軽減して推進してはと考えますがいかがでしょうか、お考えを伺います。
 次に、税対応も含む住宅まちづくりについて伺います。
 最近、共同住宅の建築が盛んであります。ワンルームマンションの建設計画も、100戸を超える規模のものが出てくるなど、住宅まちづくりの環境に注意信号がともっているように思えます。
 平成17年度の共同住宅指導要綱受付数は総戸数が2,430戸、そのうち39平米未満の戸数が1,607戸に上っています。平成18年度は、10月現在で総戸数1,105戸、39平米未満の戸数が628戸になっています。2005年の国勢調査によると、都内の持ち家比率は23区平均で45.8%に上っていますが、中野区は33.9%と、最も低い持ち家比率になっています。また、単身者が多いということもデータから見られますが、ワンルームマンションの供給が多いとなれば、それもまた当然の結果と言えるでしょう。
 そこで、良質な住環境の創出という地域まちづくりの方針を定めて、国の宿舎問題などに取り組むとともに、望ましい住宅供給を誘導する強い行政手法を検討する必要があると思います。その一つが、税制による対応だと思います。税対応というと、豊島区で実施している狭小住戸集合住宅税、いわゆるワンルームマンション税が思い浮かびます。住生活基本計画に当たる中野区の住宅マスタープランの改定にあわせて、誘導居住水準以上の住環境を持つ質の高い住宅を供給するための誘導を図る、住宅まちづくりに向けた行政手段として、新税創設を行政手法の一つとして検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 ただし、豊島区型の税制には課題もあります。豊島区の狭小住戸集合住宅税の納付状況は、平成16年度で1億400万円余、平成17年度は29件、4億5,800円余に達していると聞いています。抑制効果が発揮されているというよりは、納税によりワンルームマンションの建設に正当性を与えかねない懸念があります。抑制効果が発揮される税制とするには思い切った検討が必要になるでしょうが、そうした取り組みが、中野区のまちづくりに対する姿勢をアピールすることになると思います。
 かつて中野区でも、「法定外新税に関する研究会」が設置されて、自主課税制度の活用の研究が行われました。そろそろ自治の中でも今後の課題とされる課税自主権の行使である地域課題に着目した新税創設の検討に着手すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 次に、補助220号線、もみじ山通りの道路環境整備について伺います。
 もみじ山通りは、中野区が道路管理者の道路で都市計画を持っている中で延長が3,100メートルと、最も長いものであります。このもみじ山通りと大久保通りの交差点で電線地中化の工事が行われています。施工延長が135メートル、歩道設置工事、電線共同溝設置工事、配水管工事が行われています。
 一方、最近、もみじ山通りの疲弊によって沿道の住民からの苦情が多数寄せられています。そこでこの際、電線類地中化の計画がある区道のもみじ山通りについて、都の任意の交差点改良工事に合わせて青梅街道方向へと電線共同溝設置等の工事実施を検討してはいかがでしょうか。地下鉄新中野駅周辺は、バリアフリー整備の重点推進地域でもあります。いかがでしょうか、お考えを伺います。
 あわせて、鍋横交差点付近の放置自転車対策として、青梅街道の三角形の駐車場を利用することを真剣に検討すべきと思います。自民党の吉原議員からも質問がありましたが、三角形の駐車場、立体的利用で自転車駐車場を整備していただくことを申し入れてはいかがでしょうか。まちづくり交付金や補助金等のこともあるのですから、駐車場経営事業者の事業として、2層制の自転車駐車場を設置することについて打診してはいかがでしょうか、取り組みを伺います。
 次に、子育て支援事業、特に育児支援事業の推進について伺います。
 本定例会で、子ども医療費をめぐるやりとりがあり、子育て支援策の中の経済支援については一定の段階に近づきつつあると思われます。生産年齢人口減少の中、今後は子育て支援の中でも、仕事を持ち、出産を機に育児休業をとった人たちへの育児支援事業を推進することが重要になってくると思われます。育児休業自体については、男性、女性を問わず取得しやすくなるような法整備が進められていますが、育児に直面した人への支援策が推進されるには、解決しなければならない課題があります。
 育児支援ヘルパー、休日保育、ファミリーサポートセンター等の事業の中には執行率のかなり低いものがあり、事業としての有効性はあっても、それが利用者に伝わらない恨みがあるということでしょう。
 そこで、育児支援サービス体験チケット事業を実施してはと提案いたします。育児に取り組むすべての家庭を対象に、育児支援事業を気軽に体験することができ、不安を解消し、育児サービスの情報をみずから取得する機会を提供することができるのではないでしょうか。この体験チケットは、母子手帳交付時に例えば1万円分を配付するとすれば、平成17年度の妊娠届出数は2,388件ですから、2,400万円程度の予算があれば可能ということになります。
 実は本年度、子育て支援分野でこの程度の一般財源の余裕が出そうです。第3回定例会で補正予算を組んだ児童手当でありますが、見込件数に比べ、1,200人程度少ない申請になっているということであります。この分で体験事業を実施することは可能でしょう。財源も当てがあるところです。区長、ぜひ体験事業を検討してはいかがでしょうか。お考えを伺います。
 そして、この際、育児支援事業の一つとして、育児休業をとった人々の最も不安に思っている職場復帰支援サービスを民間の活力を利用して実施してはいかがでしょうか。既に、民間で職場復帰を支援するサービスと同時にネット利用でEラーニングを組み込んだサービスを展開しているところがあります。このビジネスモデルは、法人と契約してその会社の社員が育児休業をとった際の職場復帰を支援するものですが、私がその代表に伺ったところでは、自治体を契約対象としてその利用を区民にオープンにすることは可能としています。この事業を自治体の事業としてニーズに対応してカスタマイズすることも可能なようです。育児支援事業も、仕事を持った人たちの必要を意識した事業スキームとして考える必要があると思います。
 幼児総合施設についても、長期にわたる育児休業中の第1子への対応ということが正面に取り上げられていいのではと考えます。
 また、意外に少ないのが仕事を持っている人への妊娠、出産、子育ての情報提供手段です。例えば中野区内の駅に限定した仕事を持つ女性へのこうした情報誌を、ノウハウと情報を持つ民間の力を活用してフリーペーパーの形で出すことなど、新しい視点での取り組みを検討してはいかがでしょうか。中野区では、本気で仕事を持ちながら育児に取り組む人を支援していきますという明確なメッセージを発信することになるでしょう。育児の喜びをかみしめ、不安なき職場復帰も果たせるという、キャリアな女性にも安心して住める地域として、新しい基本構想に示された中野区の将来像に合致する取り組みと考えますが、いかがでしょうか。区長のお考えを伺います。
 次に、電子自治体構築と歳入確保について伺います。
 電子自治体構築への取り組みの一つが、電子申請、あるいは電子申請と連動したマルチペイメントの実施です。マルチペイメントは、電子申請に限らず幅広い公金納付が想定されています。ネットバンキングやコンビニのATMから24時間の支払いが可能で、公共料金や税金の支払い、収納ともに区民へのサービス向上と事務の簡素化など、プラスの効果が想定されています。難点としては、従来より指定金融機関の手数料が若干高いという点であります。
 現在の電子申請のシステムでは、ネット上で申請はしても、手数料はお金を持って支払いに行くということになりかねません。本年度予定の取り組みは順調に進んでいるのでしょうか、進行状況について伺います。
 また、税源移譲が本格化する19年度からは、これまで以上に歳入確保への取り組みが税金等の支払い方法についても求められる情勢となっていますが、この点についての見解を伺います。
 総務省が実施した調査によれば、税金等について回収不能とみなして決算に損失として計上する不能欠損は、この6年間で地方税では26%ふえたとされています。また、税収に占める回収不能額の割合は、全国レベルでは6年間の平均で0.61%とのことでした。中野区の場合は、時期は1年ずれるのですが、特別区民税で見ますと、2000年から2005年の6年間で毎年およそ3億円から4億5,000万円までの範囲で不能欠損が発生しています。割合にして、平均1.55%です。単純な比較でありますけれども、全国の市町村の2.5倍になろうかという数字です。この数字についてどのようにお考えでしょうか。
 また、不能欠損処理決定は、だれがどのような基準でしているのか、伺います。この数字を見て、マルチペイメント導入について、改めて意識的な取り組みの必要を感じるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 次に、基金方式で財源を確保し、多彩な人材育成に活用することで人づくりに力を入れる地域の気風の旗印とする「総合奨学金基金制度」について伺います。
 中野のまちには、実現したい夢を持っている人が年齢や性別を超えてたくさん住んでいます。しかし、残念ながらその夢を実現する経済的手段を持ち得ず、現状に甘んじている人たちもまた、多くいらっしゃいます。意欲と現実的なプランを持っている人たちを応援する大人も対象にする総合奨学金基金制度の必要性を感じ、提案をいたしております。中野区としても、この総合奨学金基金制度については、さきに同僚議員からの質問に答えて、早速研究したい旨の御答弁をいただきました。そこで、現段階では研究はどこまで進んだのか、伺います。そして、かつては文化に1%の予算をつけるという時代がありましたが、同様に、発足当初は年間中野区への寄附金の1%を奨学金基金に積み立て、事業を開始するべく、研究から検討へと取り組みの段階を進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。御見解を伺います。
 次に、健康自己管理システムについて質問いたします。
 第2回の健康づくり連携推進会議も開かれようとしており、ICカードを活用した健康自己管理システムが具体化される段階を迎えています。
 最近は、民間でも生活習慣改善にインターネットを使ったビジネスの取り組みが始められています。例えば、毎日の食事を写真に撮って専用サイトに送信すると管理栄養士からのアドバイスが届くとか、加速度センサーを組み込んだ生活習慣記録機を身につけて歩くことで運動データを正確につかめ、データサイトに送ることで指導コメントが送られてくる等のサービスであります。
 また、サッカーのJリーグが介護予防事業に参入するという動きもあります。世の中では、多彩な健康への取り組みが始まっているようです。中野区の健康自己管理システムは、自己管理という性格からしても、こうした民間の取り組みを十分に生かしたものとして検討すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
 あわせて、健康保険証をめぐる問題についても伺います。現在の中野区の健康保険証は、カードとはいってもペラペラの紙ですが、厚生労働省では今後、カード化を図る健康保険証には二次元バーコード、いわゆるQRコードをつけることを義務化する方針です。
 健康保険証は、現在は郵送で送られていて、第3者による取得のリスクをぬぐうことができません。現に、他人に健康保険証を取得され、不正に利用されるという被害があった例もあるようであります。二次元コードが義務化されることで、さらなる個人情報にかかわるリスクが発生しないとも限りません。この健康保険証の交付方法について工夫すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 その他の項で1点伺います。
 丸井本店の閉鎖についてであります。丸井は1931年創業、本店が現在の位置に開店したのは1936年だそうであります。既に皆様御存じのように、2007年8月には閉鎖して現在のビルを取り壊し、新ビルを建設し、オフィス、マンション、テナントビルとして運用を検討するようであります。中野駅南口の商業への影響は大きなものが想定されますが、この丸井本店の閉鎖が南口を中心とする中野駅周辺の商業に与える影響の程度についてはどのように考えているのか、伺います。中野駅周辺のまちづくりに与える影響の大きさを考えたとき、本格的なマーケティング調査等を実施して、影響の正確な見通しをつけるべきと考えますが、いかがでしょうか。
 以上伺って、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 飯島議員の質問にお答えをいたします。
 まず、都区のあり方検討会につきましての御質問であります。都区のあり方に伴う法改正というのはどういったものを想定されているのかということであります。現在の特別区制度というものは、地方自治法によって定められているわけでありまして、財調制度の問題でありますとか、都区の役割分担などについて議論をいたしますれば、その多少の変更ということになりましても、多くの場合、法改正が必要となってくるといったようなことだという認識をしているところであります。
 特に財調制度については、都側と特別区側とではかなり認識が異なる部分があります。財調の財源であります財調3税は、区固有の財源であって、都が区側の需要を算定して不足分を交付するという東京都の考え方に対して、特別区側としては、これは23区の共通の財源であるから、23区の配分割合については23区側で自主的に調整を行うべきだといった考えも強く出されているところであります。
 そうした考え方に基づいて、仮にそうした意見のとおりにしようとすると、地方自治法で都税とされている調整3税の取り扱いのあり方が変わってくるといったようなことにもなりますので、そういう意味では、財政調整のあり方などの議論なども、当然この都区のあり方検討会では区長会側としては強く打ち出していきたいというふうに考えているところでありますので、法改正が当然大きな課題となるというふうには想定しているところであります。しかしながら、現在議論は枠組みが整理された段階でありますので、現時点で具体的にこういった法改正をということまでは想定できないのが現状ということであります。
 それから、23区の区域の再編を含む都区のあり方についてということであります。こういった再編を含む区域のあり方についても検討委員会で議論することというふうになっているわけであります。これは都側の求めが強く、こうしたことがこのまとめの中にも反映されてきたというふうに考えております。私どもといたしましては、23区側といたしましては都区の役割分担をしっかりと議論をしていく中でそうした必要性が出てくれば、そうした議論も当然排除するところではないといった考え方から、こうした枠組みに合意をしているということであります。
 私自身の考え方ということでありますが、再編については、これは特別区の区民の自治権拡充と、そして地域の発展を考える上でよりよい選択になるという再編であるならば、再編の議論を避けるべきではないというふうに考えるものであります。
 都区のあり方検討会の構成であります。都区のあり方検討会を、検討委員会をまず都区協議会の下に設置をするとしております。この検討委員会については、都側は副知事3名と総務局長、区長会側は会長及び副会長2名と事務局長で構成をされているところであります。幹事会の構成員については、都または特別区長会の推薦に基づいて委員会が指名するということになっているわけですが、その内容については、現在調整中であります。
 このあり方検討会についての住民の皆さんや議会の意見の反映についてであります。都区のあり方は、区の自治の根幹にかかわる問題であります。また、区民の生活にとっても大きな影響を与える問題でもあります。今後、そうした検討に当たっては、議会、区民の皆様に適切に情報提供をして、必要な場面ではその意思を確認しながら議論を進めていきたいと考えております。
 それから、学校再編に伴う通学路の安全確保についての考えということであります。学校再編によります新しい通学路の交通安全施設の整備やスクールゾーンの設定などの交通安全対策につきましては、教育委員会や交通管理者とも十分に協議をして進めてまいりたいと考えております。
 また、桃園第三小学校の体育館の改築についての御質問もありました。桃園第三小学校の体育館の改築については、さまざま検討すべき課題がありますけれども、それらを解決しつつ着実に実施をしたいと考えております。また、体育館機能のほか遊び場機能や学童クラブ等必要な機能についても、きちんと検討した上で盛り込むべく具体的な改築の手法を考えていきたいと考えております。
 それから、住民参加型の市場公募債についての御質問もありました。住民参加型市場公募債については、引き受け金融機関の手数料でありますとか金利が高く設定されている傾向にございます。また、償還期間も5年間で満期一括償還といった制限があるものであります。したがいまして、簡単にはこの公募債は使いにくいと考えているところでありますが、この特質を生かした活用方法ということについても、今後とも検討をしていきたいと考えております。
 それから、ワンルームマンションへの課税についての御質問であります。
 御質問の中にもありましたが、区内に建築されたここ数年間の共同住宅の実態を見ますと、ワンルームマンションなど小規模な住宅が半数を超え、その割合も高まっていく傾向にあるわけであります。家族世帯用の住宅の供給戸数が少ないわけでありまして、こうしたことが区として一つの課題であるというふうに考えております。生活の利便性を求めて転入してくる単身の若者などの住宅ニーズもありますが、区としては、誘導居住水準以上の住環境を持つ質の高い住宅供給の誘導を図る必要があると考えているわけであります。まず、中野区共同住宅等建築指導要綱の実効性について、現在の状況等を踏まえながら検証を行って、より効果的な方策を検討していく必要があると考えているところであります。
 今後、新税の創設についても念頭に入れる必要があるというふうに考えているところではあります。しかし、例示のありましたワンルームマンション税については、他の建築主との公平性や事業の効果なども含めて、実行性についても検証していく必要があると考えているわけであります。ワンルームマンション税を払ったことが免罪符になってワンルームマンションが建設できるといった状況になってはならないというふうに思うわけであります。
 それから、電線類地中化についての御質問もありました。もみじ山通りの大久保通りから新中野駅にかけての電線類の地中化をという御質問でありました。電線類の地中化については、まず都市計画道路の事業化に合わせて実施をするところから取り組んでいきたいと考えているわけであります。もみじ山通りにつきましては、中野駅周辺整備計画の中野駅南口地区の進捗に合わせて、もみじ山公園下の交差点からJRガード下までの区間を優先的にというか、先行して事業化をしていきたいと考えているわけであります。したがいまして、電線類の地中化についても、こちらの区間が先になるというふうに考えているところであります。
 それから、鍋横交差点付近の自転車対策についてであります。
 新中野駅周辺の放置自転車対策といたしましては、東京都の事業として計画をされています中野通りの交差点改良事業、そうした事業を踏まえまして、杉山公園の地下を利用した自転車駐車場の設置を検討しているところであります。まず、この自転車駐車場の設置の検討を行い、その上で、新中野駅周辺の放置自転車対策としてさらに必要性があるのかどうかといったようなことを見きわめながら、対策を講じてまいりたいと考えております。
 それから、育児支援事業の推進、職場復帰支援サービスの実施についてという御質問でありました。育児休業をする方に対して、育児支援事業の周知をするべきだという趣旨の御質問であります。すべての子育て家庭が必要な支援の情報を得られるように、母子手帳の交付時や、あるいは母親学級、両親学級などの際に十分な周知の手段を講じていくことが重要であるというふうに考えております。
 育児支援サービス体験チケットにつきましては、幅広い育児支援の対策を考えていく中で、その選択肢の一つとして研究をしていきたいと考えております。
 また、職場復帰支援サービスに民間の活力をということであります。今後、区として積極的に子育て支援の取り組みを行う区内の事業者を支援していく考えであります。区内の事業者がまず子育て支援の認識を持ち、育児休業などもとれるようにといったような状況をつくっていくということがまず大事な取り組みと考えているわけであります。職場復帰支援の取り組みについても、その一環として視野に入れていきたいと考えております。
 それから、妊娠、出産、子育て情報の提供手段について、フリーペーパーの形など新しい視点での取り組みを検討するべきではないかということであります。妊娠、出産、子育てに関する情報につきましては、これまでホームページの改善や子育て支援ハンドブックの毎年度更新に取り組んできたところであります。
 ことしの9月から情報通信メディアを活用した「中野子育て応援メールマガジン」を毎月1回配信して、より積極的な情報提供に努めているところであります。このメールマガジンの内容については、子育て家庭のみを対象としたものではなく、働く女性にとって必要な情報となるように今後とも工夫をしていきたいと考えているところであります。
 私からは以上であります。
     〔教育長沼口昌弘登壇〕
○教育長(沼口昌弘) まず、いじめ問題に関しまして、メッセージの発信についてでございます。
 このいじめ問題につきましては、教育委員会でも意見交換をしているところでございますが、こうした議論も含めまして、いじめ問題の改善、解消に向けまして、教育委員会、学校、家庭、地域が連携し、全力で取り組んでいくという姿勢を示すメッセージを発信する必要があると考えております。そのための具体的な方策を検討したい、そのように考えてございます。
 また、相談体制についてでございますが、子どもたちがいつでも安心して秘密が守られ、相談できるという相談体制を充実していきたいと考えてございます。こうした視点から、メールによる相談受付についても検討してまいりたいと思います。
 それから、通学路の安全性に関しまして、西武新宿線の跨線橋についてのお尋ねがございました。鉄道事業者にも跨線橋の話をしてみましたけれども、積極的な回答は得られてございません。教育委員会といたしましても、この跨線橋を設置する場合の設置場所につきまして、現地も調査したところでございますけれども、周辺の住宅状況などから跨線橋の設置はなかなか難しい問題と考えてございます。
 次に、校舎のバリアフリーにつきましてでございますが、今後、建てかえていきます新しい校舎のあり方につきましては、教育環境をよりよいものとするため、専門家も含めました検討委員会、これを設置してさまざまな視点から検討しているところでございます。その中の一つといたしまして、バリアフリーにつきましても大切な問題と、そのような認識でございます。
 次に、体力向上プログラムにつきましてでございます。現在、学識経験者の協力のもとに、各試行校での体力向上プログラムと、それと並行いたしまして、各学校の指針となります中野区全体としての基本的プログラム、これをまとめております。今年度中に策定する予定でございます。2校の試行校につきましては、来年度からこのプログラムをもとに体力向上への系統的な取り組みを実施する予定でございます。他の区立学校全校につきましても、平成19年度中に体力向上プログラムを作成いたしまして、順次取り組んでいく予定でございます。
 次に、学力向上に関しまして、教育マイスターと教科書に関する御質問がございました。高い指導力と専門知識、技能を有します教育マイスターのすぐれた教材や指導方法などを、授業公開や研修会の講師として広め、継承していくことによりまして、他の教員の授業力の向上を図っていくものでございます。こうしたことが学力向上に結びつくと考えております。
 また、教科書につきましては、教育委員会として中野区の子どもにとって最適なものを採択いたしまして、学校ではその内容を十分こなしていくことが大切なことであると考えてございます。
 それから、芝生化にかかわります維持管理経費の問題でございますけれども、全校の芝生化につきましては、都の計画の詳細を把握した上で検討してまいりたいと思いますが、実施していく場合は、今年度負担としてかなりの維持管理経費の発生も予測されます。そういったことから、学校、PTA、あるいは地域や利用団体などの協力を得ながら、維持管理コストの節減を図りながら進めて必要があると、そのように考えてございます。
 以上でございます。
     〔総務部長石神正義登壇〕
○総務部長(石神正義) 電子自治体構築と歳入確保について、お答えいたします。
 まず、進捗状況ということで、マルチペイメントの取り組み状況についてですが、平成17年1月から住民票の写し、また特別区民税、都民税の課税証明書、納税証明書、軽自動車税の納税証明書などの電子申請を実施しているところでございます。電子申請に伴う手数料などの納付につきましては、マルチペイメントネットワークを利用した電子納付ができるように、来年2月の実施に向けて準備をしているところでございます。
 また、不能欠損額についてでございますが、中野区では積極的に滞納整理を進めて、滞納者の財産調査、こういうものを行いまして、差し押さえや公売、こういったことを行い税収確保に取り組んでいるところでございますが、人口の流動性が高い当区におきましてはさらに対策を立てなければいけないというふうに考えてございます。また、この不能欠損の処理については、滞納処分をすることができる財産がないとき、滞納処分をすることによってその生活を著しく窮迫させるおそれがあるとき、滞納者の所在が不明であるとき、こういったことを基準に行うものでございます。不能欠損の最終の決定は、中野区の事案決定規程に基づきまして、私が行っているところでございます。
 また、マルチペイメントでこういう対応を図ったらということでございますが、このマルチペイメントというのは、納税できるチャンネルを充実させるということになります。しかし、それを普及させるためには、さらにさまざまな対策が必要になるというふうに考えてございます。
     〔区長室長寺部守芳登壇〕
○区長室長(寺部守芳) 総合奨学金基金制度についてのお尋ねにお答えをいたします。
 御提案いただきました総合奨学金基金制度につきましては、現在、他自治体における関連制度の調査を行っているところでございます。区への年間寄附金額は、おおむね2,000万円から3,000万円ほどございますが、御提案の趣旨を踏まえてさらに研究をしてまいりたいというふうに考えております。
    〔保健福祉部長菅野泰一登壇〕
○保健福祉部長(菅野泰一) 健康自己管理システムにつきまして、お答えいたします。
 健康自己管理システムにつきまして、民間の取り組みを生かせという御質問でございます。現在策定中の健康づくり行動プラン及び健康づくりプログラムでは、区民が自分のライフステージに合わせまして主体的に健康づくりに取り組めるよう、多様な民間事業者等の活用も視野に入れながら検討していきたいと考えております。
 続きまして、健康保険証の交付方法につきまして工夫をという御質問でございます。
 国民健康保険証の更新に当たりましては、現在、普通郵便で送付しておりますけれども、個人情報保護等の観点から、配達記録郵便で送付することを検討しております。保険証への二次元コード装着が義務化されましても、配達記録郵便でありますれば、安全、確実に送付できるため、個人情報保護上の問題は生じないと考えております。
    〔区民生活部長本橋一夫登壇〕
○区民部長(本橋一夫) 丸井本店の閉鎖に伴います周辺への影響についてのお尋ねがございました。丸井からの説明では、建てかえ後の新ビル建設につきましては、低層階には商業機能を配置し、中層階以上で本社機能の拡充と社員の研修の場として活用を考えているとのことでありました。こうしたことから、新ビル建設による新たな経済効果もある程度期待できるものと考えております。
 建てかえによる周辺商店街などへの影響につきましては、現在調査を行っているところであります。その結果は、今後の地域活性化策やまちづくりの検討に活用していきたいと考えております。
○議長(高橋ちあき) 以上で飯島きんいち議員の質問は終わります。
 議事の都合により、暫時休憩いたします。
      午後2時53分休憩

      午後3時19分開議
○議長(高橋ちあき) 会議を再開いたします。
 この際申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長します。
 一般質問を続行いたします。

 中野区議会議員 小 堤   勇
 1 大増税からの「いたみ和らげ施策」の実施について
 2 コミュニティバス「なかのん」の運行改善について
 3 鷺ノ宮駅南口エレベーター設置と踏切の安全通行について
 4 都営鷺の宮アパート建替えについて
 5 自立支援法の応益負担見直しと施設の報酬減への支援について
 6 青年雇用促進に関する区の支援について
 7 学童クラブの待機児童解消と施設拡充について
 8 商店・商店街支援について
 9 放置自転車撤去費用(5,000円)の引き下げについて
10 その他

○議長(高橋ちあき) 次に、小堤勇議員。
      〔小堤勇議員登壇〕
○9番(小堤勇) 2006年第4回定例会に当たり、日本共産党議員団の立場から一般質問を行います。
 質問項目は、1、大増税からの「いたみ和らげ施策」の実施について、2、コミュニティバス「なかのん」の運行改善について、3、鷺ノ宮駅南口エレベーター設置と踏切の安全通行について、4、都営鷺の宮アパート建替えについて、5、自立支援法の応益負担見直しと施設の報酬減への支援について、6、青年雇用促進に関する区の支援について、7、学童クラブの待機児童解消と施設拡充について、8 商店・商店街支援について、9、放置自転車撤去費用(5,000円)の引き下げについてです。区民の願いにかなう答弁を期待します。
 それでは、大増税からの「いたみ和らげ施策」の実施についてお聞きします。
 日本共産党区議団の行ったアンケートには、切実な声が寄せられました。その中には、「うつ病の治療中で仕事ができず、息子は就職活動中で収入がなく、残り少ない貯蓄で生活しています。都営住宅は何度も落選。20年近く働いてきて、病気になったためにこのような生活を強いられるのは、自己責任なのでしょうか」また、「昨年子どもを産みましたが、中野区がこんなに子育てしにくいとは思いませんでした。子どもが生まれてから新聞やテレビのニュースに敏感になりました」あるいは、「ただでさえ出費が多く、貯蓄できずに生活しているのに、増税なんてとんでもない。年齢を重ねていけばいくほど、とても住みにくくなる社会が悲しいです」などです。
 こうした声を集めた全体の統計では、「あなたの暮らしぶりは」苦しくなった63%。「定率減税の廃止や税制改正による本格的な増税には」反対75%。「224億円の基金のため込み」を知らないが88%など、暮らしを守る政治への願いが数多く寄せられています。
 今、庶民が実感できない景気回復が言われています。それはバブル期の1.5倍もの大もうけを上げている大企業の収益に、リストラ黒字と言われる本来労働者に支払われるべき賃金が還元されていないからです。
 区民から最も身近な政府である中野区が、国と一体となって住民・弱者を切り捨て、大増税や社会保障制度の改悪をお先棒を担ぐのではなく、「住民の犠牲の上にある財源は、住民の暮らしを支えるために使う」立場で区民施策を行うべきです。基本的な姿勢について答弁を求めます。
 6月には、区役所に6,000件を超える区民から苦情や問い合わせが殺到しましたが、区民税だけでも一世帯当たり1万円を超す増税です。これに連動して国保料や介護保険料も上がり、負担は大変なものになっています。
 私が8月に受けた減税についての相談は、要介護2の方でした。区役所2階介護保険窓口10番で調べると、特別障害者控除に該当することがわかりました。その日のうちに、1階障害福祉窓口と税務署に行き、更生の請求を行うと、所得税が3万2,000円ほど安くなり、住民税も安くなりました。
 こうした制度を知らない区民がたくさんいます。以前、区民から国民健康保険の減免申請用紙が課の窓口に置いていないことが指摘されました。今回、中野区のホームページを見ると、国保で「国民健康保険所を名乗る不審な督促状に御注意ください」とありますが、減免制度の紹介は見当たりませんでした。住民税も同じです。
 新宿区のホームページでは、住民税・国民健康保険料・介護保険料とも減免制度をわかりやすく紹介しており、杉並区も同様です。中野区も今まで以上に制度を周知徹底し、制度に該当する人がそのことを知らなかったことで不利益にならないように改善すべきです。答弁を求めます。
 「非課税」から「課税」になり、行政サービスを受けるための負担がふえたり、必要なサービスが受けられなくなった住民を救う措置を講じる区がふえています。しかも、低所得者にきめ細かい対策をしているのが特徴で、例えば新宿区では、成人検診で今回課税対象になった70歳以上の方243人の検診料を免除。がん検診も、年齢制限なく1,270人が免除。紙おむつも最高8,000円まで区が負担しています。中野区でも、大増税による痛みから区民の暮らしを守るいたみ緩和策を講じるべきです。答弁を求めます。
 次に、コミュニティバス「なかのん」の運行改善についてお聞きします。
 「なかのん」は、運行開始からちょうど1年が経過し、多くの利用があります。長年にわたる住民の要望とそれにこたえたバス会社と区の努力で実現しましたが、住民の皆さんは大変喜んでいます。利用者数は順調に伸び、7月は1日平均566人と最高を記録しましたが、8月に入りますと、526人、9月は588人、10月は同じ588人と横ばいです。ただ、10月の土日祝日の1日平均は610人と、平日利用を含め過去最高です。この10月は、7日、8日と中野まつりがあり、地元からも「なかのん」に乗ってたくさん参加したということを言いたいわけです。いつかは横ばいが来るわけです。こうしたときこそ運行形態を検討し、さらに利用されるよう改善・拡充が求められています。
 増便で、現在の25分間隔を15分にしてほしいとの要望は、区にもバス会社にも届けられています。道路事情でバスの定時運行がなされず、35分、40分とあくときは、なおさらその感を強くします。
 10月31日に関東バス本社に行き、要望書を渡し、懇談しましたが、担当者は「バスが1台ふえれば、20分感覚以内は可能」と述べ、自社でバス購入は無理との立場を示しました。そこで、区として1台購入に向けて検討することを求めます。前定例会では「そのためのコストを利用者でない区民全体がどこまで負担できるかという政策判断にある」と答弁されましたが、2008年開設予定の警察病院など、利用者層は広がります。区民の目線で判断し、購入に向けて検討すべきです。答弁を求めます。
 「なかのん」は現在、幹線道路を走っていますが、バス会社に、より身近で利用しやすい路線の検討を求めたところ、「いまの路線が最終のものとは考えていない、より利用されるコースにしていきたい」とこたえられました。コミュニティバスは、交通弱者と言われる高齢者、小さい子どもや障害者、あるいは交通不便地域の住民の交通機関としての役割があります。また、ミニバスであることも住宅地の狭い道路に対応してとのことです。上鷺宮には多くの区民が暮らしており、住まいから近くにある停留所は住民の願いにこたえるもので、利用者数の増加にもつながるものです。
 1997年10月に中野区が行ったバス需要調査で一番要望のあったコースは、新青梅街道から上鷺宮の中に入り、さくら通り、とちの木通り、アカシア通りを回り、新青梅街道に出るコースでした。地域の中心までコの字型に回り、比較的道幅もあり、上鷺宮地域センター前を通るコースです。住民の要望を多面的に取り上げ、地域合意を十分に行う上でも、今から検討を始めるべきです。答弁を求めます。
 次に、西武新宿線鷺ノ宮駅南口エレベーター設置と踏切の安全通行についてお聞きします。
 「らっきーだ あかずのふみきり いまあいた」これは今月17日、18日に行われた西中野小学校の西中野展で、3年生の「大すき! 白さぎの町 かるた」の1枚です。あかずの踏切対策は、立体交差化によって根本的な解決が図られますが、具体的な事業計画は示されておらず、数10年先の課題になっています。こうした中で、駅と踏切の改善が求められています。
 鷺ノ宮駅南口は、多くの方が利用しますが、エレベーターがありません。また、駅南側には、保育園・幼稚園・鷺宮高齢者福祉センター、しらさぎ特別養護老人ホームなどがありますが、駅南口の階段は41段で、傾斜が急で、中間にある2カ所の踊り場は狭く危険です。とりわけ、高齢者や障害のある方、小さい子ども、妊婦の方は階段の上りおりが大変です。10月12日に西武鉄道本社に行き、話し合いをいたしました。この中で西武は、「土地がないので困難。入手できればエレベーター設置も可能」と述べ、傍らの空地確保について「区が指導性を発揮してほしい」とも述べています。中野区として、土地取得を含めて検討し、エレベーター設置に向け西武鉄道と交渉すべきです。答弁を求めます。
 鷺ノ宮第2号踏切は、近くに大きなスーパーや鷺宮体育館・プール、運動広場があり、自転車通行も含め、よく利用されていますが、線路と道路との高低差が急勾配で、子ども・高齢者、障害者にとって大変危険です。また、自転車の転倒も少なくなく、安全への改善が必要です。
 鷺ノ宮第3号踏切は、2方向の道路が交差した踏切です。車の通り抜けにも利用され、遮断時には車が渋滞し、踏切内の歩道幅が狭い中で、歩行者は大人でも危険です。西武鉄道との話し合いの中で、「道路が広くなれば、踏切も広くする」と述べており、事故が起こらないように改善すべきです。あわせて答弁を求めます。
 次に、都営鷺の宮アパート建て替え問題についてお聞きします。
 建て替えについての東京都の近隣住民への説明会は、5月22日、6月26日、9月18日の3回で、基本的なところでの合意が得られぬままで、年内に解体工事の予定です。住民の皆さんは、「既成事実を説明するだけでなく、住民の意見を取り入れた計画を立てるべき」と強く要望しています。住民の声をもとに幾つか質問いたします。
 建物の高さは、14階、40メートルと変わらず、「周囲にこんな高い建物はありません。風の影響など、建設後には想像以上の環境に変化があるのでは」と危惧しています。40メートルもの建物が扇状に連なり、ビル風や輻射熱、圧迫感、景観・日照の阻害、電波障害、あるいはプライバシーの侵害など、さまざまな障害が考えられます。街並みとの調和がとれておらず、来年度に改定される都景観条例の趣旨とも整合性がとれません。住民は、現在の4階から6階建てを基本に計画の検討を求めていますが、こうした声を都にしっかり伝えるべきです。
 今回の建てかえに当たり、都は近隣小規模団地の集約を行うためにの「建てかえ事業用」として、建築戸数を418戸から678戸と大幅にふやしています。中野区内の都営住宅の今後のあり方について具体的な説明もない中で、高層化につながる戸数に住民は納得していません。また、高齢者や小家族用の1DK34%、2K34%中心では、ファミリー世帯が少なく、子どもたちの元気な声の聞こえる多様な世帯の住むまちづくりはできません。
 さらに東京都は、1人世帯は1DK、2人世帯は1DKか2Kという基準を定めていますが、これでは入居者のこれまでの生活を維持することはできません。世帯人数による規制を緩和して、従来の広さを確保できるように都に要望すべきです。
 鷺の宮アパート建てかえを浸水対策、まちづくりの一環としてすすめる上では、現計画のように安易に建物の高層化を進め、残りを調節池とするやり方では不十分です。貴重な都有地の有効利用をするために、調節池の上部利用をするなど高層化を避ける工夫をし、親水公園の創設などを検討すべきです。
 住宅建設と同時に計画されている幅員6メートルの外周道路部分は、現在は車の通らない、緑の多い閑静な道です。完成後は通過交通可能な道路になり、今までにない騒音や交通事故のおそれなど、生活環境の変化を心配する多くの住民がいます。一方通行など頻繁な通過交通を避ける対策をし、緑道や遊歩道の設置など地域の環境を考慮し、憩いの道となる計画にすべきです。
 以上、あわせて答弁を求めます。
 続いて、自立支援法の応益負担見直しと施設の報酬減への支援についてお聞きします。
 1割の応益負担が導入され、大幅な利用者負担増による施設からの退所や「サービス利用の手控え」、報酬単価の引き下げと「日払い方式」への変更による収入減が施設運営を困難に直面させています。障害者の苦難を軽減するかどうか、自治体のあり方が根本的に問われる問題です。
 中野福祉作業所、弥生福祉作業所、こぶし園、障害者福祉会館の利用者負担の平均は、昼食代を入れると約1万4,000円、負担の高い人は約2万2,000円になります。ところが、平均賃金は6,500円から9,400円です。ある保護者の方は「作業所に通うだけで、月の工賃を大きく超える負担になる。作業所はかけがえのない働く場であり、社会参加の大事な場所です。安心して通い、また経済的理由で退所することのないように、軽減策がぜひとも必要です。」と語っています。
 国は、「みんなで支える」といって障害者に定率1割の負担を押しつけていますが、実際は「支える」どころか障害者自身の生活を破壊するものであり、また、収入の状況から見て、とても自己決定や自己選択ができる制度ではありません。
 応益負担の導入による新たな利用者負担の総額は、厚労省の最近の試算によると約860億円で、国と自治体の財政負担がこの分だけ減るのです。また、公費負担の仕組みも変更になり、区市町村は2分の1負担から4分の1負担になり、これだけでも確実に財源が生まれ、障害者の生活を守るための財源として使えます。
 応益負担を撤回する以外に障害者とその家族の苦難は解決できません。利用料の負担軽減では、区民の声にこたえ、食事代の助成が実現し、施設利用料の減免を求める議会への陳情は採択されました。
 そこで伺います。少なくとも区は、撤回されるまで障害者の1割負担の軽減策を講じるべきです。答弁を求めます。
 障害者施設・事業への報酬単価が従来の「月払い方式」から「日払い方式」に変更され、大きく減額になったため、施設運営が深刻な事態になっています。7人いる知的障害者のグループホームの給付金は、月額5万円の減額で、「給付金のほとんどが人件費なので大変困っています」と語っています。ある杉の子作業所の方は「日額制で安定した運営ができない」「今いる職員数は新制度で1人いなくなる。国が削るなら区が手当してほしい」と嘆いていますが、施設事業の存亡にかかわる事態になりかねません。
 また、今出されている議会への陳情には、利用者へのサービスが後退することのないよう中野区の助成をお願いします」と訴えています。報酬減による影響を軽減するための方策を講じるべきです。答弁を求めます。
 次に、青年雇用促進に関する区の支援についてお聞きします。
 「ワーキングプア」と言われ、懸命に働いても生活保護水準以下の収入しかない人々が急増し、社会問題化しています。これは財界の要請に基づき雇用規制が緩められ、派遣・契約、偽装請負を蔓延させ、低賃金で劣悪な雇用を急速に広げてきた結果であり、「ワーキングプア」根絶には、こうした政治の大もとを変えることが必要です。しかし、事態の深刻さから、区としても具体的な対応が求められています。
 日本銀行が10月16日に発表した「生活意識に関するアンケート調査」では、1年前と比べて「ゆとりができた」と答えた人はわずか4.4%、逆に「ゆとりがなくなった」と答えた人は44%です。全体として収入減になった人が45%となり、国民生活の苦しさが増しています。
 中野区民の賃金は、2005年度税務概要によれば、2001年に比べて年間16万円も減り、23区の中でも平均所得が低く、その理由として高齢者と青年が多いことが指摘されています。この青年層の失業率が高く、しかも勤めていても2人に1人は賃金が安く、労働条件の悪い非正規雇用です。
 区は、昨年、勤労者支援担当を3名配置し、取り組みを始め、再就職や求職活動中の区民を対象に「求職活動支援セミナー」を2回、延べ7日間開催し、また、「ニート、フリーターにならない・させないために」をテーマに保護者も対象にした講演会を開いています。参加者数については、一層の努力が必要ですが、こうした取り組みの中で、中野区の青年雇用の実態をどのように把握しているのか。また、ハローワークと共同した就職面接会、相談会をはじめ、就労の援助を自治体が積極的に行うための体制の強化が求められており、区は早急に相談窓口の設置を行うべきです。答弁を求めます。
 青年雇用の受け皿は、民間企業によるところが大きいのですが、自治体も雇用をふやすことが大事です。公務の公共性と専門性に依拠し、「住民福祉の増進」を目指す仕事の継続には計画的な雇用が求められています。
 また、区アルバイトの時間給は、事務系で800円ですが、23区内のブロックの中では一番低い状況です。そもそも税金を使った雇用で低賃金労働者をつくることに批判があります。どのような努力をしているのか、答弁を求めます。
 福祉施設で介護補助の派遣社員をしている27歳の女性は、朝礼の場で突然、時給20円の値下げを通告され、「経営が苦しい」と説明されました。納得できずに、都産業労働局が発行している無料冊子「ポケット労働法」を同僚4人と休憩時間に読み合わせ、パートにも労働基準法が適用されること、会社の都合で勝手に労働条件を変えられないことを学び、翌日、労働基準監督署を訪れ、実態を訴えました。すると、次の日の朝礼で会社は、「時給20円の引き下げは凍結する」「有給休暇も出す」また、来年3月までの身分保証、就業規則の提示を約束しました。法律を知ってこそ権利が守られ、安定した雇用環境でいい仕事もできます。
 ポケット労働法の普及を求めてきましたが、ますます重要になっています。都の版権を無料で使用できるのですから、来年の成人の日の配布を含め、区施設、関係施設で活用すべきです。答弁を求めます。
 学童クラブの待機児童解消と施設拡充についてお聞きします。
 2005年度は、八つの学童クラブで62名の待機児がいましたが、今年度は、11月1日現在で9名になっています。これは定員枠をふやしたからです。例えば新井学童クラブでは、昨年定員50名で22名の待機児童がいました。そのため、今年度は児童館の2階を学童クラブの分室にして、定員枠をふやしました。
 今後、区は待機児童の解消を、事実上定数があってなきがごとくの状態で対応していき、「10か年計画」によって学童クラブを児童館の遊び場機能とあわせて小学校へ移転するとしています。これでは児童と保護者の願いにそむき、すし詰め状態の学童クラブにさらになっていき、子どもの安全を確保することや情緒安定の環境確保などができなくなります。まさに子育てに対する区の責任が問われています。
 全国学童保育連絡協議会では、上限を40人に設定することを求めて運動し、厚生労働省の外郭団体のこども未来財団の調査研究では、「適正規模は30人」としています。現場の声は「すし詰めでは子どもが落ちついて友達との交流や職員とのかかわりが希薄になり、情緒的にも不安定になりやすい」ことを指摘しています。
 区が子育ての責任を果たすためには、すし詰め状態をつくり出し、施設・設備を後退させる計画を見直し、現在の学童クラブで生じる待機児童は、今の施設を基本に、緊急避難的な対応としては適切な施設を活用して、児童福祉法で定める設備・運営の向上を図るべきです。そのために必要な対策をとって、待機児童の解消に努めるべきです。答弁を求めます。
 毎年、待機児童をたくさん出している新井学童クラブでは、来年度に民間事業者による学童クラブの新設を行うとしています。空き店舗を利用して、待機児の解消を図ろうとしていますが、運動スペースの確保もなく、必要な設備が整うことになるか、きわめてあいまいです。まして、区の学童クラブ指導員でなく、ここで初めて民間事業者に任せるなどは、あまりにも乱暴です。さらに、これを皮切りに区の学童クラブを民間委託に進めようとすることは間違いです。答弁を求めます。
 次に、商店・商店街支援についてお聞きします。
 個人消費の落ち込みや大型スーパー、チェーン店の進出により、廃業の増加、商店街の停滞・荒廃が進む中で、区商連は能動的な取り組みをしています。「商店街沈滞の原因や問題点を抽出し、活性化のための対策を企画する」として、商業環境実態調査を実施し、地域の核として安全・安心なまちづくりを目指し、2006年4月より高齢者しんせつ相談員制度の立ち上げや、子ども何でも相談員の設置、商店街単位のフラッグの作成、共通商品券の期限付き新券発行計画など、組織一体となって取り組んでいます。こうした動きを支援し、加速をつけさせることが今求められています。区の支援について、幾つか質問いたします。
 区商連は、この間、「中野区商店街の活性化に係る事業者の相互協力等に関する条例」を推進すべく、120名の加入促進推進委員の登録や、商店会加入促進マニュアルの作成、宅建協会への協力要請などを行い、9月25日には「商店街加入促進条例推進委員会全体会合を開き、活動交流を行いました。
 この中で「ふた昔前に比べて一緒に仕事をするという気持ちが薄らいでいる」「加入にすぐ行っても聞いてもらえない」「外国人の店がふえている」「眼鏡のチェーン店に七、八回行っているがだめ。店長がかわったら行こう」「チェーン店は親企業が拒んでいる」など、厳しい状況が出されました。区商連は、加入要請に応じない店に対しては、行政と協力した働きかけや、スーパー、チェーン店などの本部機能を有する店舗には区長名の協力依頼文を求めています。世田谷区での、区長を先頭にした区の働きかけが加入促進に大きく作用していることは、ことしの第1回定例会の中で紹介しました。こうした要請に対して積極的にこたえていくべきです。答弁を求めます。
 サンプラザ前の広場を利用しての地方物産展には多くの区民も訪れ、新たな交流の場になっています。また、中野まつりにも多くの地方から出展があり、まつりを盛り上げました。こうした出会いを「商業まつり」として地域でも行い、区内商業の活性化につなげてはいかがでしょうか。生鮮三品をはじめとしてすべてのものがそろう買い物、これが商店街の魅力です。対面方式で購入できる地元商店街、これをさらに元気にしていかなければなりません。欠けている商品を提供するなど、消費者、住民と出会いを商店街活性化とまちづくりに生かすべきです。区商連でも、区内各商店街と行政が連携模索し、まつり実現を検討していますが、にぎわいある中野への挑戦であり、区が地方自治体や関係団体との調整役を果たす必要があります。答弁を求めます。
 女性・青年起業家への支援が求められています。
 業者婦人の団体である東商連婦人部協議会は、10月17日、「全国業者婦人実態調査」をもとに、中山新宿区長と懇談しました。区長は「新宿が元気なのは事業所数が変わっていないから。もちろん廃業や撤退はありますが、一方で新規開業する人がいて、結果として減っていない。私が区長になってから始めた女性のための起業講座で、金融や資金の使い方なども含めてやっています」と区の施策を説明しました。
 高円寺北中通り商店街にリサイクルショップ「素人の乱」という店があります。28歳の青年が民商で古物商の免許取得や開業のノウハウを学び、インターネット上の商売をしていましたが、商店会の役員から「空き店舗があるけど入ってくれないか」と勧められ、開業。役員は「3分の1が65歳以上でイベントもできなくなっていた。このままではマンションがふえ、商店街でなくなってしまう」また、「空き店舗がふえ、夜の明かりが消え、物騒になっていた。深夜1時まで開いているので防犯にもなる」と喜び、「これを機会にもう一度地域を守り、生活を支える商店街になりたい」と大歓迎しています。区商連との懇談でも、「中野区が主体となった若手交流会の場の接点を設けてほしい」と要望しています。
 2005年度中野区の創業者で一番若い方は、男性で25歳、女性で28歳。2006年度は、9月末現在で創業者数は昨年と同数で、男性は30歳、女性は33歳ですが、女性の割合が全体の3割です。意欲ある女性・青年の新規開業は、区の産業振興に新たな活力を生み出します。起業講座や特別融資、商店会と連携した誘致対策など、具体的な検討をすべきです。答弁を求めます。
 最後に、放置自転車撤去費用(5,000円)の値下げについてお聞きします。
 中野区の放置自転車撤去料は、1台5,000円と23区の中で最高です。この高過ぎる撤去料が、区民を苦しめています。年金生活の方から「高い撤去料を何とかならないか。自転車がないと困るが、年金支給日まで、不便でも引き取りに行けない。ぜひ引き下げてほしい。それができないなら、せめて分割払いにしてほしい」との相談を受けました。
 区は、撤去料を平成13年7月に3,000円から5,000円に値上げしました。このことによって、撤去車の返還率が、平成12年は63%であったものが、5,000円に引き上げた後の平成18年8月時点で45%になっているように、毎年下がり続けました。
 23区の撤去料は、5,000円が4区、4,000円が4区、3,000円が8区、2,500円が1区、2,000円が5区、1,000円が1区です。ディスカウント店で新車を7,000円、8,000円台で販売している中では、高過ぎる撤去料は現実の姿とは合わないのです。高過ぎる撤去料を引き下げるべきです。さらに必要な方には、分割払い方法も導入すべきです。答弁を求めます。
 自転車は、日常生活の中に組み込まれており、なくてはならない存在となっています。そこで大事なことは、モラルを向上させる啓発活動と、自転車置き場などの拡充を行うことです。区商連との懇談会では、「商店街の近くにある行政施設の一部利用や、商店街での駐輪場確保へ助成」を求めていました。自転車利用が日常の社会生活と調和し、他人やみずからの生活に支障のないように対策を講じていただきたいと思います。答弁を求めます。
 以上で、私のすべての質問を終わります。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 小堤議員の御質問にお答えをいたします。
 景気の回復によって、法人の税が上がったと。そういった財源を区民のために振り向けるべきではないかという御質問であります。税を含めた区の歳入は、最も適切な方法で区民生活の向上のために活用しているところでございます。
 それから、介護保険や国民健康保険料の減免制度の周知についてであります。国民健康保険、介護保険、両制度とも、加入時及び毎年度の納付書の送付に当たり、制度の案内パンフレットを同封するなど、減免の制度についても適切な周知に努めているところであります。
 それから、新たに税を負担するようになった方、低所得者への配慮といった御質問であります。低所得者の方につきましては、さまざまな施策の中で対応を講じているところであります。税につきましては、我々の公共の財源というのが税であります。そうした税をお互いに負担し合いながら社会を維持しているわけでありまして、社会の持続可能性を維持していくために、一定の負担というのはやむを得ないと考えているところであります。税を負担していただいている中で、私たちの社会をお互いに支えているんだといったようなところを十分に御理解をいただければというふうに思っております。
 「なかのん」の運行改善についてであります。「なかのん」の運行一周年を迎えて、関東バスにさまざまな区民要望等を伝えてきたところであります。運転間隔の短縮は、困難ということであります。現在、「なかのん」の利用者はふえているという状況であります。さらに今後の定着状況を見守りたいと考えております。
 「なかのん」の運行コース、上鷺宮地域の中を通ることはできないかということであります。路線を検討する際に、上鷺宮地域の中を通るルートも検討しましたが、他の地区と比較して交通規制が厳しいこと、また、地域にバスが入ることに対する住民合意が得られないということから、現在の幹線道路の新青梅街道を通るルートに落ちついた経緯があります。
 鷺ノ宮駅の南口のエレベーター設置についてであります。鷺ノ宮駅には、既に北口にエレベーターが設置されており、1系統のバリアフリー対応ができているところであります。バリアフリー未整備の駅を優先すべきと考えているところでありまして、直ちに南側にエレベーターを設置する考えはございません。
 鷺ノ宮2号踏切の接続道路の勾配がきつい、改善をということであります。地形の問題から困難だと考えております
 鷺ノ宮3号踏切についてであります。踏切の拡幅が必要と考えるという御質問でありました。鷺ノ宮3号踏切の幅員は、接続する道路と同じ幅員ということであります。踏切の拡幅が必要とまでは考えておりません。
 都営鷺の宮アパート建てかえについてであります。14階建て、高さ40メートルの建築計画をこれまでの4階から6階を基本とした計画にするべきではないか。都に求めるべきではないかという御質問でありました。区といたしましては、都営鷺の宮アパートの建てかえに当たって、都に対して周辺の土地利用の状況を踏まえ、土地の高度利用による良質な住宅の供給等を要望したところでありまして、現状の規模での建てかえを求めるという考えはありません。
 それから、入居者の世帯人数による基準を緩和して、従来の居住面積を確保できるように都に要望するべきという御質問でありました。都営住宅につきましては、世帯人数により居住面積の基準が設定され、その基準に基づいて、都は建てかえ事業を進めているところであります。区として基準緩和を要望することは考えておりません。
 それから、鷺の宮アパート、調節池を設けるため住宅の高層化が計画されていると。調節池の上部を住宅用地として活用するべきではないかという質問でありました。区として、都営住宅の建てかえだけではなくて、調節池についても早期実現を望んでいるところであります。調節池内に住宅を建設するということを求める考えはありません。
 それから、6メートルの外周道路についてであります。緑道や遊歩道など環境に配慮した憩いの場になるようにするべきではないかという御質問であります。外周道路につきましては、緊急車両の通行や広域避難場所への避難路の確保などの観点から整備が必要と考えているところであります。交通規制等のあり方については、今後、関係機関と協議をしていきたいと考えております。
 私からは以上であります。
〔保健福祉部長菅野泰一登壇〕
○保健福祉部長(菅野泰一) 自立支援法の応益負担見直しと施設の報酬減への支援につきまして、お答えいたします。障害者自立支援法は、利用者が利用量と所得に応じた負担をするとともに、国と自治体が責任を持って費用を負担し、必要なサービスを確保、充実させ、障害のある人の自立を支えるものでございます。制度の趣旨から、利用者にも応分の負担を求めているところでございます。また、事業者におきましても、この制度の中で経営努力をしていただくということでございます。
 制度の実施に当たりまして、国、都におきまして低所得者への軽減策、あるいは事業者への支援策を実施しているところでございます。区におきましても、障害者通所施設利用者の食費負担につきまして激変緩和を図りますとともに、事業者の経営努力を誘導するという意味で支援を行っております。また、区立施設につきましても同様の考え方で実施しているところでございます。さらに、自治体が独自に実施する地域生活支援事業につきましては、原則無料ということでサービスを提供しているところでございます。
    〔区民生活部長本橋一夫登壇〕
○区民生活部長(本橋一夫) 私からは、青年雇用促進と、それから商店街振興についての御質問にお答えをいたします。
 まず、区内の青年雇用の状況についてですが、前回の国勢調査数値によりますと、20歳から34歳の層、この人口は区内人口の34.9%に当たりますが、そのうちの就業者は73.8%の7万2,615人という状況になっております。
 また、東京都が発行いたしました平成17年の「東京の労働力」と、この冊子の中で失業率を見てみますと、平成14年の5.6%をピークに徐々に低下しております。平成17年は、全体平均で4.7%になっておりますが、15歳から24歳で8.1%、25歳から34歳が5.6%と、他の年齢階層よりも高い状況になっております。
 就労に関する区の窓口設置についてのお尋ねがございました。区が独自に相談窓口を設けることにつきましては、情報量や求人実態などから難しいと考えております。区といたしましては、現在、就労支援セミナーの開催や関係機関と連携しての相談事業を行っておりますが、今後さらに、区内事業所の求人状況の情報などの提供に優先的に取り組んでいきたいと考えております。
 次に、ポケット労働法の配布についての御質問がございました。労働に関するルールや権利など、働く上での基本的な知識については、新規就職者を対象に実施しております新規就職者研修会で取り上げるなど、普及に努めております。お話しのポケット労働法は、区のホームページの仕事のコーナーからのリンクで見られるようになっております。このことを積極的にPRし、より多くの働く人に活用していただけるようにしていきたいと考えております。
 次に、商店街支援についてのお尋ねでございます。商店会加入促進への働きかけについてですが、各商店会では、個別に加入促進の取り組みを行っているところでありますが、区商連といたしましては、これまでの加入の呼びかけで苦労している事柄、あるいはまた説得に成功したことなどの情報交換、共有を行い、おのおのの取り組みに生かすなどをしておるところでございます。
 区といたしましても、加入になかなか応じない店舗などに対しまして、区商連の役員の方に同行して説明に当たるとともに、他区とも情報を意見交換して有効な働きかけを工夫してまいりたいと考えております。
 次に、物産展についての御質問がありました。区と地方都市との間で、人や物、暮らし方などの交流を通じてお互いに補い合いながら、地域の活性化を図る取り組みを進めていきたいと考えております。そうした交流の中で、中野まつりに参加している自治体の物産の産地直送販売などの取り組みにつきましても進められるよう、区商連と連携して検討しているところであります。
 なお、他の自治体との連絡等につきましては、区が窓口の役割を担っております。
 それから、創業者支援についてのお尋ねがございました。創業支援の考え方は、創業マインドの育成から始まり、創業相談、資金調達、具体的な事業計画の作成などが求められております。また、事業が軌道に乗るまでの5年間は、創業者の立場に立ったきめ細かいサポートが継続的に行われることが効果的だと考えております。今年度から、講座終了後、受講生の方々の交流会を開催しておりますが、人脈づくりや情報交換ができ、お互いに励みになると好評でございます。今後も、創業支援につきまして積極的な支援を行ってまいりたいと考えております。
     〔総務部長石神正義登壇〕
○総務部長(石神正義) 職員の新規採用、また、臨時職員の賃金についての御質問にお答えします。
 現在、職員2,000人体制を目指して計画的に職員の削減を行っているところでございます。しかし、将来の区政を担う若い職員の採用は不可欠であるというふうに考えてございます。行政革新5か年プランにおいてお示ししてございますように、平成19年度以降毎年15名程度の新規採用を予定しているところでございます。
 臨時職員の賃金につきましては、近隣区の状況、また、区職員の初任給の状況等を踏まえまして決定しているところでございます。中野区では、例えば事務について見てみますと、時給800円、この賃金以外に交通費を実費で日額2,200円を限度に支給しております。時給830円ないし880円で交通費を支給していない他の区と比べましても、決して低いと言えないというふうに考えてございます。しかし、今後も必要があれば見直しをしていきたいというふうに思っております。
   〔子ども家庭部長田辺裕子登壇〕
○子ども家庭部長(田辺裕子) 学童クラブの待機児解消と施設の拡充につきまして、お答え申し上げます。
 学童クラブへの入会希望者は、近年増加傾向にございまして、継続的に待機児が出ている学童クラブがございます。子どもたちが放課後を安心して豊かに過ごせるよう、区としましては、来年度から学童クラブの定員の弾力的な運用を図る考えでございます。この実施に当たりましては、都の設置基準に基づきまして、施設条件でありますとか対応する職員等につきまして、十分勘案していきたいというふうに考えております。
 また、民間事業者によります学童クラブのお尋ねもございました。施設的に定員の弾力的な運用が行えない学童クラブにつきましては、補助制度を創設いたしまして民間学童クラブを誘導していく考えでございます。民間学童クラブは、施設・設備などは区の施設と同様の基準により設置をするものでございます。運営に当たりましては、区が日常的に指導監督をしていきたいというふうに考えています。
 また、区が行っていない時間延長等、サービスの向上も期待できるところでございまして、子どもや保護者の要望に十分こたえられるものというふうに考えております。
    〔都市整備部長石井正行登壇〕
○都市整備部長(石井正行) 放置自転車撤去費用の引き下げについて御質問がございました。放置自転車の撤去手数料につきましては、平成13年7月から5,000円としているところでございます。これにつきましては、自転車の撤去や保管等に要した費用を原因者に負担していただくという観点からでございます。したがいまして、手数料を引き下げる考えは現在のところ持っておりません。また、分割支払い、これも事務経費負担の増につながることから、撤去手数料に影響するため困難であるというふうに考えております。
      〔小堤勇議員登壇〕
○9番(小堤勇議員) 私は、区民の願いにかなう答弁を期待しますと言って質問いたしましたけれども、そうなってはおりません。非常に残念です。二つ再質問させていただきます
 一つは、ポケット労働法なんですね。ホームページにあるからこれを利用してもらいたいということなんです。実は、昨日の本会議で我が党の池田議員がエイズ対策で質問いたしました。この中の答弁で保健所長は、成人式でエイズ撲滅の訴えをしたいという答弁でした。大変結構なんです。あわせてこのポケット労働法を配っていただきたいということなんです。手渡してほしいということなんです。この中には本当に大事なことが書いてあるんですよ。労働法の知識を知っていればトラブルにならずに済んだのではないか、これほど不利益をこうむることはなかったと。ぜひこういうものを活用してほしいということなんです。
 実は、版権については、東京都はただで使っていいということなんです。仮に1,000冊印刷しても、一部400円ですから40万円で済むんですね。ぜひそういうような費用を捻出して、このポケット労働法を成人式での配布を含めて、いろんな区の施設でこれを使ってほしいということを再度求めます。
 もう一つは、自立支援法なんですね。利用者に応分の負担をしていただくということです。前もそういう答弁だったんですけれども、実際、昼食代を含めて月1万4,000円から、高い方は2万2,000円かかるんですよ。ところが、平均の月の賃金は6,500円から9,400円であります。負担なんですよ。応分の負担を超えているんです。この点を変えていただきたい。そして、施設への補助を求めたところ、経営努力と言うんですね。この経営努力というのは、利益を出すときに好んで扱われる言葉なんです。しかし、こうした施設、障害者が人として生きていくための施設で最低限度必要なサービスを受けること、それを提供すること、それを益とする、そういう考え自体が根本的に間違っているんです。ですから、必要な利用者への補助、施設への補助、これを再度求めたいと思います。
    〔区民生活部長本橋一夫登壇〕
○区民生活部長(本橋一夫) ポケット労働法の成人のつどいでの配布ですが、成人となっていろいろなことを知ってほしい。そういった意味では、人権ですとか平和ですとか、さまざまな課題があります。そういう中での工夫としていろいろな、どういう形でもって情報提供するかというのは考えていかなくてはならないと思っているんですが、いろいろなパンフレット、冊子を配布いたしましても、成人の集いのときは会場に置いていかれてしまうという例も多いというふうなことで、もっといろいろ有効な方法での配布の仕方を工夫していきたいというふうに考えております。
    〔保健福祉部長菅野泰一登壇〕
○保健福祉部長(菅野泰一) 障害者自立支援法につきまして、やはり利用者でありますとか施設の負担が厳しいという声は、確かに出ております。それにつきまして、区独自の軽減策をということにつきましては、考えておりません。国におきまして、今、国会の中でさまざま軽減策について検討が始まっているというふうに聞いております。区といたしましては、この動向を見守っていきたいと思います。
○議長(高橋ちあき) 以上で小堤勇議員の質問は終わります。

 中野区議会議員 伊 藤 正 信
 1 地域間交流と産業振興について
 2 市場化テストについて
 3 環境マネジメントシステムISO14001認証取得について
 4 山手通り(環状6号線)の整備について
 5 子どもの食育について
 6 その他

○議長(高橋ちあき) 次に、伊藤正信議員。
      〔伊藤正信議員登壇〕
○11番(伊藤正信) 平成18年第4回定例会におきまして、自由民主党・民社クラブの一員として、一般質問をさせていただきます。一般質問は1年ぶりなので、大変緊張いたしております。精いっぱい与えられた時間を頑張ります。どうかよろしくお願いいたします。一般質問の順番は、通告どおり、1番目に地域間交流と産業振興について、2番目に市場化テストについて、3番目に環境マネジメントシステムISO14001認証取得について、4番目に山手通り、環状6号線の整備について、5番目に子どもの食育についての質問をさせていただきます。
 まず初めに、地域間交流と産業振興についてお伺いをいたします。
 地域間交流を推進し、魅力あふれる商店街づくりと中野の産業活性化を実現する観点から質問をさせていただきます。
 私の住まいがある鍋横商店街も、商店街を上げてさまざまなイベントを開催し、商店街の発展に向けた努力をいたしております。特に8月には、恒例の夏祭りも盛大に行われ、太鼓や阿波踊り、ゲームなどに多くの区民の方も参加され、商店街との交流が一層進展したと考えています。
 鍋横地域は、東京メトロの新中野駅を中心に、青梅街道の沿道は、商業や業務を中心とした中高層の建物が林立し、一方、中野通りやもみじ山通りは商業、住商共同の建物が多く見られる商店街です。しかしながら、鍋横商店街においても、他の商店街同様に個人消費の伸び悩みや後継者不足などにより空き店舗が見られるなど、衰退化が心配されております。こうしたことから、歴史ある「鍋屋横丁」の名を次世代に引き継ぎ、東京メトロの新中野駅を中心としたにぎわいのあるまちとして再生し、店舗の共同化により公共空間をふやし、ゆとりを持って買い物ができる環境の整備が必要と考えます。
 そこでお伺いいたしますが、「新しい中野をつくる10か年計画」において、第4ステップ、平成24年以降に計画されている本町四丁目の旧消防署跡地のインキュベーションオフィスの建設を前倒しし、鍋横商店の情報を区の内外に発信し、区内の商店街の活性化を図る取り組みを行うべきであると考えますが、御見解をお伺いいたします。
 次に、地域間交流による商店街の活性化についてお伺いいたします。
 板橋区の大山にあるハッピーロード商店街では、空き店舗を活用した交流都市のアンテナショップでの特産品の販売により、商店街を訪れる方が大幅に増加し、商店街が活性化したというものです。この事業は、板橋区と交流のある9つの市町村の特産品の販売や、観光情報を発信するアンテナショップとして、平成17年10月に全国ふるさとふれあいショップ「とれたて村」を開設し、商店街振興組合が運営しているものです。
 ふれあいショップでは、9市町村でなければ味わうことができない四季折々の特産品が約600点も販売しており、各地の観光土産品だけではなく、毎日の食生活に欠かせない商品を取りそろえているそうです。
 また、店内には、各地の観光パンフレットや地元の新聞もそろえられ、観光ビデオクリップの放映により、各地の観光スポットやイベント情報を即座に知ることができる仕組みにもなっております。そのほか、各地の団体と商店街の共催で、これまで30回以上の各地のふるさとイベントが開催されています。共催でイベントを開催することで、商店街におけるイベント開催経費や人の手配などは軽減され、逆に多彩なイベントを数多く開催することができ、結果、集客力が向上したそうです。
 商店街では、この事業の成果として、単なる集客機能だけではなく、商店街が主体となって運営することで、商店街事業との有機的な連携が可能となり、個店から商店街、いわゆる点から面への展開ができたとしています。
 中野区においても、商店街の中の空き店舗や本町四丁目の旧消防署跡地のインキュベーションオフィスの中に、早急に中野区と交流のある市町村のアンテナショップ的な事業を展開し、商店街の活性化を図るべきと考えますが、御見解を伺います。
 この項の最後に、地域間交流の推進についてお伺いいたします。
 中野区の地域間交流は、現在、国内では福島県の田村市、旧常葉町と正式に姉妹都市提携を行っております。しかし、中野まつりには、実に多くの市町村から出店がありますが、単に祭りの参加だけで、その後、何ら交流がないのが現状です。せっかく中野まつりという交流の場があるのですから、積極的に区民や学校などと交流を進めたらどうでしょうか。
 都会の自治体と地方の自治体間での交流は、単なるイベントだけで終わってしまいますが、区民や子どもたちの交流、人と人の交流は永く続くことが多いと言われています。自治体同士が機会を提供し、人と人の交流のためさまざまな支援を行うことで、地域間の連携も深まり、災害時の応援のほか、子どもたちの体験活動、ファームステイなどの場も確保が可能となると考えます。
 ぜひ中野まつりに参加している市町村との間で、こうした人と人の交流のための取り組みを御検討いただきたいと思います。
 先ほど、中野区と交流のある市町村のアンテナショップ的な事業を展開し、商店街の活性化を図るべきとの提案をさせていただきましたが、この事業との連携を図ることで、さらに実効性のある交流になると考えます。
 区長の前向きな御答弁を期待申し上げ、この項の質問を終わります。
 次に、市場化テストについて伺います。
 先日の総務委員会において、平成19年度予算での主な取り組みについての報告を受けました。その中に、市場化テストの推進として、区の事業について区役所と民間事業者との間で公正な競争を行い、実施主体を決定する市場化テストを実施するとしています。
 総務委員会としても、10月26日に大阪府を訪問し、大阪府における市場化テストのガイドラインについて、担当者のお話を聞いてまいりました。大阪府における市場化テストの基本原則は、1、住民負担最小化・住民便益最大化の原則、2、民から進める地域の協働の原則、3、地方分権実質化の原則、4、行政責任堅持の原則、5、雇用の確保と行政効率化両立の原則という五つの原則のもとで行われるものです。
 区では今後、コストや品質を公平かつ適正に審査・評価できる仕組みとしての第三者機関を設置し、対象事業の選定を行うと聞いております。
 しかし、ここで問題となるのは、大阪府の視察でも論点となりました「官のコスト」の算出と、民に事業が移った場合の職員の処遇問題であります。
 官のコストの算出は、競争入札で民間と同じ基準で審査されることになると思われますので、詳細な内部コストの把握と開示が必要となります。
 また、職員の処遇問題では、民に事業が移った後も人員の配置が変わらず、委託料の分だけトータルコストが増加することでは本末転倒となることから、職員の処遇、他の職場で活用、または民間へ転職などについては、慎重に対応する必要があります。
 区は、来年度から市場化テストを導入するようですが、こうした問題をクリアしていかなければなりません。十分過ぎるぐらいの時間をかけて慎重に検討するべきと考えますが、御見解をお伺いいたします。
 次に、環境マネジメントシステムISO14001認証取得について伺います。
 区は、本年度からISO14001認証取得に向け、環境方針を策定し、全職員を対象とした研修を実施していると聞いています。
 私も、今期の選挙の公約として、「リサイクル等循環型社会を推進し、大気汚染を減らした住みやすい環境づくりを実現する」ことを掲げたことから、今回の区の取り組みについては大きな期待をしているところであります。
 現在、認証の取得に向けたさまざまな取り組みをしている中、水を差すわけではありませんが、ことしの8月9日付の読売新聞に気になる記事がありました。環境管理の国際規格のISO14001の認証を得た地方自治体が、3年間の認証期限終了後、認証の更新を見送るケースがふえているといった記事です。ISO14001と同様の環境管理を行っていることを自己適合宣言したり、独自の評価制度を導入したりすることもあるようで、理事者の方もごらんになられたことだと思います。
 理由としては、ISO14001の認証取得により、イメージアップや経費の節減効果はあるものの、外部の審査機関に支払う高額な審査費用が問題視されていることでした。これは、認証がビジネス面で有利に働く民間企業に比べ、自治体は環境負荷の低減をし、それを継続するということを内外にきちんと説明していれば、何も費用のかかる認証継続にこだわる必要がないからです。
 区も、今回ISO14001の認証を得たら、3年後には更新時に200万円もの費用が必要となります。看板をとるのか、実をとるのか、その両方をとるのかは区の判断になりますが、区がきちんと環境負荷の低減についての考え方を示し、着実に実行しない限り、認証を取得する意味はないと考えます。今年度は、認証取得のための取り組みがされていますが、3年後の更新時までには一定の結論をするべきであると考えますが、理事者の御見解をお伺いいたします。
 次に、山手通り、環状6号線の整備について伺います。
 環状6号線は、JR山手線外周に位置し、放射第9号、中山道より要町、中野坂上、大橋などを経て、放射第18号線に至る全長約20キロの道路です。渋谷区松濤二丁目から豊島区要町一丁目までの約8.8キロの区間を首都高速中央環状新宿線と一体的に整備されています。
 車道は4車線で歩道寄りに荷卸しなどに利用できる停車帯を設け、停車している車がもとで起きる交通混雑を防ぎます。主要な交差点では右折レーンなどを設け、スムーズに交通を流します。歩道はゆとりのある幅になり、自転車道がつくられます。電線類が地中化され、広々とした緑豊かな快適で優しい道路になります。
 その地下部の首都高速中央環状新宿線は、目黒区青葉台四丁目から板橋区熊野町までの約11キロの自動車専用道路で、高速3号渋谷線、4号新宿線、5号池袋線をお互いに結びます。この道路が完成すると、利用交通の分散により、都心環状線と都心環状線を先頭とする放射方向の渋滞等、東京線の渋滞が60%減少し、渋谷、新宿、池袋間を現在の50分から20分に短縮し、近くて遠かった東京の3大拠点を高速道路で直結し、交通混雑を減らし、都市機能を高めます。交通の流れがスムーズになると、車の排出ガスの量も減少し、地球温暖化の要因とされるCO2の排出量も大幅に減り、東京圏の環境改善にも貢献します。
 この山手通り、環状6号線の整備の質問は、2年前の平成16年第4回定例会でもいたしましたけれども、その当時の予定では、「地下部の中央環状新宿線では、平成16年9月現在は50%程度の進捗というふうに聞いているところであります。地上部の山手通りの整備も含めて18年度末の完成を目指して、東京都、また当時の首都高速道路公団が鋭意事業を行っていると聞いているところであります」と区長が答えております。来年の3月末までには完成する予定でした。しかし、工事の進捗状況が大幅におくれているようです。一体いつになったら完成するのでしょうか。整備スケジュールの変更があったのでしょうか。また、工事進捗状況がおくれている主な要因はどんなことがあるのでしょうか。区としてどのように把握しているのか、伺います。
 地上部の山手通りと地下部の中央環状新宿線と一体的に整備することとしておりますが、地下埋設物の移設や電線類の地中化、車道・歩道の舗装、植樹帯等の工事を考えると、一体的に整備するのは難しいのではないかと思われます。その辺も含めて工事の進捗状況を伺います。
 山手通り沿道の用地買収が行われて約15年以上か経過していると思います。沿道の住民や、沿道で御商売をやられている方々は、とにかく早く工事を終わらせてほしいという気持ちで毎日を過ごしていると思います。中野区としても、山手通り及び中央環状新宿線が早期に整備完成するよう、東京都や首都高速道路株式会社等に対して強く働きかけるべきだと思いますが、区長の御見解をお聞きいたします。
 最後に、子どもの食育について伺います。
 健全な食生活は、健康で豊かな人間性の基礎をなすものであり、特に子どものころに身についた食習慣を大人になって改めることは困難であると考えると、子どもの食育が大変重要であります。また、大人と異なり子どもの時期は食に対する考え方を形成する途上にあることから、適切な食育が行われることにより、日々の食生活に必要な知識や判断力を習得し、これを主体的に実践する意欲の向上を図ることはもとより、食を大切にし、これを楽しむ心や広い社会的視野を育てていく上でも大きな効果が期待できると思われます。
 成長期の子どもが健やかに育つためには、「よく体を動かし、よく食べ、よく眠る」という生活習慣が欠かせません。最近の文部科学省の調査では、夜10時以降に就寝する就学前の幼児は29%、朝食を食べないことがある小中学生は、小学生が15%、中学生は22%にも達しています。こうした生活習慣の乱れが学習意欲や体力・気力低下の要因の一つと指摘されています。
 そこで伺いますが、中野区の小中学校の子どもたちは、どのくらい朝食を食べているのでしょうか。先ほどはっとり議員からも、質問の中で取り上げておりましたけれども、そのデータは、全国的にくらべて高いのでしょうか、低いのでしょうか、教えてください。
 昨年公表された、国立教育政策研究所の調査では、毎日朝食をとる子どもほどペーパーテストの得点が高い傾向にあるほか、お手伝いをする子どもほど、道徳観や正義感が身についている傾向も明らかになりました。また、生活習慣の乱れと深刻化する少年非行の関連も指摘されています。恐らくいじめ問題なんかもそうであろうかと思います。
 こうした実態の関連を目指し、文部科学省が中心になって、「早寝早起き朝御飯」を個々の家庭だけではなく地域ぐるみの国民運動して、全国24団体を選び、活動の成果を調査し、今後に生かそうという取り組みがことし4月から始まりました。24団体の一つに選ばれた品川区鈴ヶ森小学校では、「朝食摂取100%、果物毎日1個」「給食の残り率10%、野菜手のひら一杯」「10時までの就寝率90%」などのスローガンとして、比較調査のため、6年の二クラスのうち一クラスで生活リズム形成のプログラムを実施し、ほかのクラスと比べます。同プログラムを行うクラスは、いつもより早い朝7時20分に登校し、ラジオ体操をした後、学校で朝食でとり、歯磨きをしてから授業。これを3週間続けました。体操は、全国ラジオ体操連盟のプロが支援、朝食は栄養士の指導のもと、ボランティアのお母さんたちがつくります。「いつもよりたくさん食べました」という女の子や、「おかわり」の争奪じゃんけんをする光景もあったようです。朝御飯の大切さ、食べればよいというものではなく、バランスのよさも大切、人とお話をしながらコミュニケーションも大切、早寝早起きの大切さ、早く寝なければ早く起きることができないし、早く起きれば夜更かししないものなど、いろいろと学ぶ貴重な経験ができたと、子どもたちやかかわった方々が感想を述べられております。ちなみに我が家でも、朝御飯は家族みんなで食べるようにしております。3週間の限定の取り組みでしたが、大変成果があったと聞いております。
 そこでお伺いいたしますが、中野区のどこかの小学校でも取り組んでみてはいかがでしょうか。PTAなどの御協力もちろん、学校関係者の理解も必要です。朝食は親の責任だ、なぜ学校がそこまでするのかという意見もあろうかと思います。健全な子どもをはぐくむためにも、家庭で朝食を食べるきっかけになればと思っております。区の御見解をお伺いいたします。
 以上で私の質問は終了いたします。御清聴ありがとうございました。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 伊藤議員の御質問にお答えをいたします。
 鍋横交差点付近の商店街等の問題であります。インキュベーションオフィスについてであります。本町四丁目に建設を予定しておりますインキュベーションオフィスは、区内での起業・創業を支援するために整備をするものでありまして、10か年計画では第4ステップでの取り組みとしているものであります。しかしながら、この起業支援、創業支援の考え方とか、あるいは時代におくれてはならないといったような取り組みというようなことで必要性が生じたというような場合には、第4ステップということにこだわらずに早期に取り組むということも考えなければならないと考えているところであります。中野区の経済活性化のための環境整備は、こうしたインキュベーションオフィス以外にも、できるものから取り組んでいきたいと考えているところであります。
 また、交流のある市町村のアンテナショップ的な事業の展開で商店街の活性化をという、そういう御質問もありました。そうした観点からの取り組みをぜひとも進めていきたいというふうに思っているところであります。
 区と地方都市の交流については、人や物、また暮らし方など、お互いにそれぞれの地域が持っている特性、足りないもの、そういったものを補い合いながらそれぞれの地域の活性化を図っていく、そうした取り組みとして取り組んでいきたい、進めていきたいと考えているところであります。
 中野まつりに参加をしていただいている自治体の物産のアンテナショップなどの取り組みにつきましても、こうした幅広い交流の中で進められるように、区商連と連携をして検討をしているところであります。
 地域間交流について、今申し上げたような考え方で進めようとしているところであります。都市と地方にそれぞれ強みと弱みがあり、双方で知恵を出し合い、互いに補い合うことによって、新しい意味での豊かな暮らし、これまでの日本になかった新しい地域のあり方といったようなものを見出すことができていくのではないかというふうに考えているわけであります。
 区としては、現在、地球環境を守る交流、食育・経済交流、また豊かな人間交流の三つのテーマを基本に据えて、人、物、経済が相互に動き、働きかけ合う地域間交流事業を検討しているところであります。中野まつりに参加をしていただいている多くの市町村とも、こうした視点で継続性のある多面的な交流をする、そうした取り組みをしていきたいと考えているところであります。
 それから、市場化テストについてであります。まず、市場化テストの前提条件となる事業のコスト把握については、民間と競争する上で適切な条件設計を行うことが必要であります。発生主義会計の考え方をもとに、人件費等も含めましたトータルコストを算定していきたいと考えております。
 職員につきましては、現在、職員2,000人体制を目標として職員数の削減を進めていくこととしております。こうした削減をしていく中で、市場化テストで必要なくなった職員数についても削減数の中に入っていくということで計画しているわけでありますが、中期的には市場化テストの効果が上がっていけば、職員数と業務量の不均衡が生ずる場合も出てくるわけでありますが、そうした場合には、職員の削減の計画を前倒しする等、あるいは計画の適切な見直しを行いながら、最終的には業務量に見合う職員数としていくように計画を進めていく考えであります。
 それから、環境マネジメントシステムISO14001の認証取得に関連しての御質問であります。ISO14001の認証は、事業全体を環境の視点からマネジメントするものであります。2004年度に規格の改正がありまして、認証の実効性がそれまでよりも高まっているということもありまして、この認証取得が環境改善のためにすぐれた手段であると考えているところであります。この認証を取得した後、区全体の経営サイクルの中に環境の視点を明確に位置付けて、継続的に環境改善を推進するという取り組みをしていくわけであります。3年間の期間の間でその効果について十分検証をした上で、取り組みを前進させるためにさらに認証の更新をするのがよいのか、あるいは別の手段で十分に可能なのか、その辺について見きわめていきたいと考えております。
 それから、山手通りと中央環状新宿線の関係であります。首都高速道路株式会社によりますと、中央環状新宿線につきましては、本年3月に工程の見直しが行われ、我が中野区の関係する区間につきましては、平成19年12月までに開通の予定ということであります。その後、地上部の山手通りにつきましては、歩道内の供給管の移設工事との競合や、電線類の地中化等が必要ということになるわけでありまして、工事着手から完成まで二、三年の工期が必要となるというふうに聞いているところであります。
 工事遅延の主な理由、主な原因であります。山手通りの拡幅に必要な用地の取得に予想以上に時間を要したこと。また、水道、ガスなど地下埋設物の移設にも、これも予想以上の時間を要したということであります。
 中央環状新宿線の現在の進捗状況でありますが、トンネルは既に貫通をし、換気塔についても東中野、本町とも本年度内に完了する予定と聞いております。
 山手通りについてですが、今年度内に大久保通りとの交差部の一部区間が完成する予定ということであります。また、中野坂上交差点付近の街路築造工事にも着手をしたいというふうに聞いております。今後ともこれらの工事、本当に長くかかっております。早期に整備ができるよう、東京都、首都高速道路株式会社に働きかけを行っていきたいと考えております。
 私からは以上であります。
  〔教育委員会事務局次長金野晃登壇〕
○教育委員会事務局次長(金野晃) 私からは、子どもの食育についてのお尋ねにお答えいたします。
 平成17年度に実施いたしました中野区の食生活に関するアンケート調査では、朝食を欠食する人、朝食をほとんど食べないという比率が、小学校の児童で1.2%、中学校の生徒で3.5%でございました。国との比較ということでございますが、国でも同じように、朝食をほとんど食べないという項目で聞いておりますが、これと比較すると、中野区の方がやや低い状況、やや中野区の方の状況がよいというようなことでございます。
 次に、「早寝早起き朝御飯」の取り組みについてのお尋ねがございました。学校で朝食をつくって食べさせるということにつきましては、さまざまな考え方がございますが、教育委員会として行うということについては考えておりません。それぞれの学校の創意工夫による取り組みで、朝食をきちんととるということを進めてまいりたいと思います。
○議長(高橋ちあき) 以上で伊藤正信議員の質問は終わります。
 お諮りいたします。議事の都合により、本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、これに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(高橋ちあき) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
 次の会議は明日午後1時より本会議場において開会することを、口頭をもって通告いたします。
 本日はこれをもって延会いたします。
      午後4時50分延会