平成18年9月29日決算特別委員会(第5日)
1.平成18年(2006年)9月29日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。
1.出席委員(40名)
1番 いでい 良 輔 2番 伊 東 しんじ
3番 佐 野 れいじ 4番 北 原 奉 昭
5番 久 保 り か 6番 酒 井 たくや
7番 奥 田 けんじ 8番 近 藤 さえ子
9番 小 堤 勇 10番 大 内 しんご
11番 伊 藤 正 信 12番 きたごう 秀 文
13番 吉 原 宏 14番 高 橋 ちあき
15番 やながわ 妙 子 16番 平 島 好 人
17番 むとう 有 子 18番 はっとり 幸 子
19番 長 沢 和 彦 20番 か せ 次 郎
22番 小 串 まさのり 24番 市 川 みのる
25番 岡 本 いさお 26番 こしみず 敏 明
27番 飯 島 きんいち 28番 佐 伯 利 昭
29番 佐 藤 ひろこ 30番 来 住 和 行
31番 岩 永 しほ子 32番 篠 国 昭
33番 柿 沼 秀 光 34番 伊 藤 岩 男
35番 斉 藤 金 造 36番 大 泉 正 勝
37番 斉 藤 高 輝 38番 江 口 済三郎
39番 藤 本 やすたみ 40番 昆 まさ子
41番 江 田 とおる 42番 池 田 一 雄
1.欠席委員(2名)
21番 山 崎 芳 夫 23番 若 林 ふくぞう
1.出席説明員
中野区長 田中 大輔
助役 内田 司郎
収入役 山岸 隆一
教育長 沼口 昌弘
区長室長 寺部 守芳
経営改革担当課長奈良 浩二
経営改革推進担当課長 経営改革担当課長兼務
政策担当課長 川崎 亨
政策推進担当課長政策担当課長兼務
調査研究担当課長政策担当課長兼務
調査研究推進担当課長 政策担当課長兼務
総務部長 石神 正義
総務担当参事 橋本 美文
広聴広報担当課長浅野 昭
平和人権担当課長広聴広報担当課長兼務
平和担当課長 広聴広報担当課長兼務
人権担当課長 広聴広報担当課長兼務
財務担当課長 篠原 文彦
営繕担当課長 豊川 士朗
人事担当課長 長田 久雄
情報化推進担当課長 白土 純
防災担当課長 中井 豊
危機管理担当課長斎木 正雄
税務担当課長 遠藤 由紀夫
未収金対策担当参事 総務部長兼務
区民生活部長 本橋 一夫
区民生活部経営担当課長 登 弘毅
地域活動担当課長区民生活部経営担当課長兼務
南中野地域センター所長 角 秀行
弥生地域センター所長 南中野地域センター所長兼務
東部地域センター所長 柿内 良之
鍋横地域センター所長 南中野地域センター所長兼務
桃園地域センター所長 東部地域センター所長兼務
昭和地域センター所長 横山 俊
東中野地域センター所長 昭和地域センター所長兼務
上高田地域センター所長 昭和地域センター所長兼務
新井地域センター所長 東部地域センター所長兼務
江古田地域センター所長 戸辺 眞
沼袋地域センター所長 江古田地域センター所長兼務
野方地域センター所長 江古田地域センター所長兼務
大和地域センター所長 鳥井 文哉
鷺宮地域センター所長 大和地域センター所長兼務
上鷺宮地域センター所長 大和地域センター所長兼務
戸籍住民担当参事榎本 良男
産業振興担当参事鈴木 由美子
環境と暮らし担当課長 納谷 光和
ごみ減量・清掃事業担当参事 服部 敏信
ごみ減量担当参事ごみ減量・清掃事業担当参事兼務
清掃事務所長 市川 求
子ども家庭部長 田辺 裕子
子ども家庭部経営担当課長 合川 昭
子育て支援担当課長 馬神 祥子
子ども健康担当課長 大久保 仁恵
中部保健福祉センター所長 鈴木 郁也
北部保健福祉センター所長 中部保健福祉センター所長兼務
南部保健福祉センター所長 深山 紀子
鷺宮保健福祉センター所長 嶋﨑 江美
保育園・幼稚園担当課長 竹内 沖司
幼児教育担当課長藤井 康弘
子ども育成担当課長 大橋 雄治
子ども家庭支援センター所長 子ども育成担当課長兼務
男女平等担当課長子ども家庭部経営担当課長兼務
保健福祉部長 菅野 泰一
保健所長 浦山 京子
保健福祉部経営担当課長 寺嶋 誠一郎
保健予防担当参事深澤 啓治
結核予防担当参事保健予防担当参事兼務
生活衛生担当課長飯塚 太郎
健康・高齢担当課長 今 恵里
地域ケア担当課長保健福祉部経営担当課長兼務
中野包括地域支援センター担当課長 中部保健福祉センター所長兼務
障害福祉担当課長田中 政之
障害施設担当課長辻本 将紀
生活援護担当課長瀬田 敏幸
保険医療担当参事奥山 功
介護保険担当課長冨永 清
介護保険基盤整備担当課長 介護保険担当課長兼務
都市整備部長 石井 正行
都市整備部経営担当参事 尾﨑 孝
都市計画担当参事都市整備部経営担当参事兼務
土木担当課長 遠山 幸雄
公園・道路担当課長 野村 建樹
建築担当参事 佐藤 幸一
建築行政担当参事建築担当参事兼務
住宅担当参事 岩井 克英
地域まちづくり担当参事 住宅担当参事兼務
拠点まちづくり推進室長 石橋 隆
拠点まちづくり担当参事 秋元 順一
警察大学校等跡地整備担当参事 拠点まちづくり担当参事兼務
中野駅北口周辺整備担当課長 安部 秀康
中野駅南口周辺整備担当課長 上村 晃一
西武新宿線沿線まちづくり担当課長 中野駅南口周辺整備担当課長兼務
副収入役 村田 宏
教育委員会事務局次長 金野 晃
教育経営担当課長小谷松 弘市
教育改革担当課長相澤 明郎
学校教育担当参事大沼 弘
指導室長 入野 貴美子
教育センター所長指導室長兼務
生涯学習担当参事村木 誠
生涯学習推進担当参事 生涯学習担当参事兼務
中央図書館長 倉光 美穂子
選挙管理委員会事務局長 柳澤 一平
監査事務局長 石﨑 新一
1.本会の書記は下記のとおりである。
事務局長 山下 清超
事務局次長 高橋 信一
議事調査担当係長 大谷 良二
書 記 黒田 佳代子
書 記 永田 純一
書 記 荒井 勉
書 記 岩浅 英樹
書 記 菅野 多身子
書 記 西田 健
書 記 廣地 毅
書 記 鳥居 誠
書 記 杉本 兼太郎
書 記 岡田 浩二
書 記 松本 桂治
午前10時01分開議
○伊藤(正)委員長 定足数に達しましたので、ただいまから決算特別委員会を開会いたします。
認定第1号から認定第5号までの計5件を一括して議題に供します。
初めに、昨日の委員会終了後に開かれた理事会の報告をいたします。
1点目は、本日の委員会運営についてであります。本日の委員会は、さきに御確認いただいておりましたとおり、1番目に久保りか委員、2番目に岩永しほ子委員、3番目に佐伯利昭委員、4番目に伊東しんじ委員の順序で4名の総括質疑を行うことを確認いたしました。
また、委員会の開会及び再開、休憩、終了目途等については、既に御確認いただいておりますとおりとすることを確認いたしました。
2点目は、資料要求の追加についてであります。お手元に配付いたしました決算特別委員会資料要求一覧(追加分)に記載されておりますとおり、資料要求することを確認いたしました。
◆区民分科会関係
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25 有料ごみ処理券取扱店舗数地域別一覧(一般取扱店とコンビニエンスストア)(前年度) |
<公> |
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26 シルバー人材センターの事業実績(過去3年間)と主な受注内容 |
<公> |
○伊藤(正)委員長 以上が、理事会の報告でありますが、何か御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○伊藤(正)委員長 それでは、ただいまの報告のとおり委員会を運営していくことに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○伊藤(正)委員長 御異議ありませんので、そのように運営させていただきます。
なお、追加資料の要求の締め切りについて念のため申し上げます。
本日の委員会終了後に開かれる理事会が資料要求の整理を行う最後の理事会となります。したがいまして、追加の資料要求がある場合には、本日の午後1時までに提出をお願いいたします。
それでは、昨日に引き続き総括質疑を続行いたします。
久保りか委員、お願いいたします。
○久保委員 おはようございます。
決算特別委員会にて公明党議員団の立場で総括質疑をさせていただきます。初めての決算総括でございます。理事者の皆様には、わかりやすく、前向きな御答弁をいただきますようどうぞよろしくお願いいたします。
初めに、特別区税と江古田の公務員宿舎の問題について伺います。
平成17年度特別区税の調定額に対する収入率の23区ワースト6は、23位の練馬区から始まって荒川区、葛飾区、足立区、19位の中野区、そして新宿区ですが、特別区税収入額の対前年度伸び率はそれぞれどのくらいですか。
○遠藤税務担当課長 お尋ねの6区の特別区税収入額の対前年度伸び率は、練馬区が3.0%、荒川区が2.0%、葛飾区が3.6%、足立区が3.6%、新宿区が4.7%、中野区が0.3%となっております。
○久保委員 中野区がここ3年間程度同じワースト6グループにいる6区の中で、対前年度伸び率が0.3%と格段に低いのはどのような要因によると分析していますか。
○遠藤税務担当課長 収入額の対前年度伸び率の低い要因といたしましては、調定額の伸びが低かったことが大きいと考えております。
特に、特別区税収入額の約90%を占めます区民税現年度分の調定額の伸びが23区平均が6.0%、御指摘の5区平均では4.0%でございました。これに対しまして中野区は0.8%と、他区に比べて低くなっております。
○久保委員 本会議での決算提案説明の「これは、景気は回復傾向にあるもののその影響が家計に波及するのがおくれたことによる」との説明が意味することは何でしょうか。
○遠藤税務担当課長 平成17年度予算では、当初、景気回復傾向がある中で課税対象となります16年の所得が伸びると予想しておりました。
しかしながら、一人当たりの総所得金額は、23区平均で0.3%伸びたのに対しまして、中野区では0.6%の減少という結果になっております。これは景気回復の動きが中野区民の所得を伸ばすまでには至っていなかったというふうに考えております。
○久保委員 特別区税の対調定額に対する収入率の伸びが、最下位グループの5区の中にあってさえ格段に低いのではないでしょうか。
○遠藤税務担当課長 17年度の収入率が、対前年度比1.0%と他区の伸びが1.7%に対して低くなっております。中野区の納税義務者の傾向を見ますと、納税義務者数が増加しておりますのは、総所得金額が比較的少ない30歳代と60歳以上であります。最も担税力の高い50歳代が減少しております。このことが調定額に伸びが見られない要因と考えております。
○久保委員 中野区は三位一体改革などに伴う国庫補助負担金の見直しの影響と住民税税率のフラット化による税源移譲との差し引きではプラスになるとされていますが、現実に収入されなければ、かえって財政的には厳しいことになるおそれもあるのではないでしょうか。
○遠藤税務担当課長 御指摘のように、税源が移譲されましても、それが収入されなければ財源となりません。税源移譲分について収入が確保できなければ、区の財政に影響を及ぼすことになると考えております。税源移譲されました税額を安定的に確保していくことは、区の財政運営にとって重要なことと考えておりますので、全力を挙げて税収の確保に努めてまいります。
○久保委員 約15万人の納税義務者の階層を見ると、6割が課税標準額200万円以下であり、フラット化は、まさにこの層には増税になるのではないでしょうか。フラット化による特別区税の収入率の動向についてはどのように見込んでいますか。
○遠藤税務担当課長 フラット化によりまして、住民税がふえましても、所得税は減るということになりまして、納税者の方の税負担がふえるということではありませんが、所得税と住民税の徴収方法が異なるため、住民税徴収に困難が生じることは予想されます。特に、納税者が期別に納めます普通徴収の場合、納税時の負担感は大きいものになると思われますので、制度を御理解いただいて、税収確保に努めていきたいというふうに考えております。
○久保委員 国家公務員宿舎廃止を文字どおりに受けとめると、それが実施された場合の区税に与える影響については、どの程度と考えていらっしゃいますか。
○遠藤税務担当課長 人事院によります国家公務員のモデル給与を参考に、一人当たりの区民税額を現行の制度で計算いたしまして、その廃止による影響額というものを推計いたしますと、約3億円と考えております。
○久保委員 およそ3億円と。区税収入の1%強というのは、直接的影響ですが、近隣商業への影響など間接的なものまで入れると容易ならざる打撃と考えられるのではないでしょうか。
○鈴木産業振興担当参事 江古田地区の国家公務員宿舎、大きくは江古田三丁目と四丁目にかたまっているというふうに思ってございます。私ども、商圏分析のデータソフトというのがございまして、いろいろ中野区内でのマーケティングに活用しようということで導入しているシミュレーションのソフトがございます。それでちょっと試算をしてみたんですけれども、例えば、江古田三丁目のところの宿舎を中心に、半径500メートルの商圏域を設定します。その中で、日常的な買い回りのお店がどれだけのお客さんを相手にしているかというところから見ますと、大体500メートル圏域では2,500世帯があるんです。その中で、三丁目の宿舎がざっと約400でございますので、全体の顧客の16%を占めているということです。年間のその方たちの消費額というのが、日常の買い回り品で、大体この地域で23億円あるんです。ですから、そのうちの16%を占める方々が、年間大体3億7,000万円、1世帯当たり、日常の買い回りで92万円ぐらいなんです。ですから、世帯分のそういった単価がなくなれば、そういった購買力がなくなるというふうに私どもは考えてございます。
○久保委員 宿舎に入居している世帯の家族構成なども勘案すると、幼稚園や小・中学校の児童・生徒の人数も大きく予測と変わってくるのではないでしょうか。宿舎がある地域の被るそうした影響について、担当分野は検討されているのでしょうか。
○相澤教育改革担当課長 現在、情報収集に努めておりますが、国家公務員宿舎の移転、再配置計画による中野区立小・中学校の児童・生徒数は影響があるというふうに考えてございます。各区が確保しようと考えている学校規模への影響が直ちにあるというふうには受けとめてございませんが、平成20年度に予定しております学校再編計画の改定の際には、そういった児童・生徒数の推移も勘案することにしており、その中で検証していきたいというふうに考えてございます。
○久保委員 これらの影響が特に大きいと考えられるのが、江古田の合同宿舎ではないかと思いますが、その敷地規模と入居世帯はどのくらいとなっているでしょうか。
○尾﨑都市整備部経営担当参事 江古田合同宿舎の敷地面積でございます。約3万3,000平米でございまして、290世帯。その北に隣接する中野宿舎A棟外というのがございまして、そちらの敷地面積は約1万4,000平米で、99世帯でございます。
○久保委員 平成4年度に江古田周辺のまちづくりに関する調査が実施され、国立医療所中野病院跡地に導入する施設の構想が策定されました。その際、隣接する江古田の合同宿舎を含めて住宅と防災、緑を中心に置いた周辺のまちの基本性格が、旧基本構想と長期計画によって与えられています。
しかし、新基本構想、10か年計画では、特にこの地域を指しての性格規定はありません。都市計画マスタープランの改定についての本会議での質疑がありましたが、住宅と防災、地域活性化に加えて、交流人口の増加とオープンスペース確保を融合した福祉とスポーツによる健康のまちとして、新基本構想に基づいて改めて性格規定をすべきと考えますが、いかがでしょうか。
○尾﨑都市整備部経営担当参事 江古田の森一体は広域避難場所に位置付けられております。防災まちづくりの視点から、避難路の整備やオープンスペースの確保が必要でございます。
また、住宅の建て替えにつきましては、耐震性を重視した建物で、かつ多様な世代が居住するファミリータイプが望ましいと考えております。区として、地域の活性化に結びつき特色のあるまちづくりとなるよう検討してまいりたいと思っております。
○久保委員 その際の整備について、これまでにない手法、例えば日本を代表する建築家である安藤忠雄さんのような方を起用して、東京オリンピックも意識して、青年を中心に幅広い層が利用できる広域避難場所にもなるグラウンドを含めたスポーツ施設と、民間や都市再生機構がかかわる多様な家族構成の人々が暮らす住宅が融合したまちづくりを目指すべきと考えますが、いかがでしょうか。
○尾﨑都市整備部経営担当参事 民間による開発にいたしましても、土地利用のあり方につきましては、地域の活性化や周辺の環境との調和に寄与するなど、区として地域特性を生かしたまちづくりとなるよう方針を定め、誘導ができるよう庁内で調整し、検討していきたいと考えております。
○久保委員 資料によれば、全区的にも大きな影響を与えると思われる場所があります。それぞれの地域特性を踏まえたまちづくりの方針などが早急に示される必要があると思いますが、いかがでしょうか。また、地理的状況などによっては、区として用地確保を検討すべき箇所も出てくると思います。最後に、この課題についての区長の基本的考えと、それを総合的に担当する組織について区長に伺います。
○田中区長 先ほどの質疑の中にもありましたように、この国家公務員宿舎の再編というのは、ある意味では、私たちの今のまちにとってピンチの状況でもあるというふうに言えると思いますけれども、私は常々、ピンチはチャンスだという考え方で、常に前向きに行政を進めていく、まちづくりを進めていくということが大事だというふうに思っておりまして、この宿舎の再編ということによる動きが、将来の中野にとって夢を持てるような、持続可能なよりよい地域社会をつくっていく一つのきっかけとなるような取り組みをしていかなければならないというふうに思っております。
庁内でも、さまざまな所管がかかわることでもありますので、そうしたものを総合的に調整を行っていくという役割をしっかりと定めた上で進めてまいりたいと思っております。
○久保委員 ぜひ前向きに進めていただきたいと思います。
次に、バリアフリー整備構想の実行計画について。バリアフリー重点整備地区の具体的なスケジュールなどについて伺います。
平成17年度策定の中野区バリアフリー整備構想では、交通バリアフリー法に基づき、駅及び駅舎を中心として半径500メートル圏内にある主要な公共施設や商業・文化施設を結ぶ歩行空間のバリアフリー化を、区民及び公共交通事業者などと連携・協力しながら実現していきます。また、10か年計画との整合性を図り、個別基本計画の一つとして位置付けると示されています。
そこで伺います。重点整備地域における平成17年度から平成26年度の実現に向けての特定事業は、スケジュールどおり可能なものなのでしょうか。
○尾﨑都市整備部経営担当参事 重点整備地区5カ所ございますけれども、その選定及びスケジュールの策定に当たりましては、緊急性にあわせ都市計画道路の整備方針、あるいは都市再開発などまちづくりの動きを勘案して策定しております。
よって、実現可能なスケジュールであると考えておりますし、17年度スタートでございます10か年の計画で、構想で整備を進めておりますので、またこれを、実現を目指していかなければならないと、そのように考えております。
○久保委員 バリアフリー化を実現するためには、事業費が莫大なものになると思いますが、この計画の実現の目途は立っているのでしょうか。主要施策の成果、着実に進める都市施設の5年後の目標には、区内の交通バリアフリー対象地区12地区のうち2地区の整備が進んでいると記されております。この2地区はどこなのでしょうか。個別の事業についての財源の見通し、国や都、鉄道事業者との負担割合などはどう考えているのでしょうか。例えば、23年度に整備予定の野方駅などはどうなっているのでしょうか。
○尾﨑都市整備部経営担当参事 今、主要施策の中で2地区というお話でございます。これについては、新中野地区及び東中野落合地区でございます。
それから、駅舎の関係等がございますけれども、野方駅の例をとりますと、これにつきましては、事業スキームとして、我々の事業として都市再生交通拠点整備事業と、鉄道事業者が行う鉄道総合改善事業を同時に採択する、駅まち一体改善事業を想定しているところでございます。これは、杉並区でもそういった形で西武鉄道と行っています。その場合、駅舎に対する事業負担の割合は、国が5分の1、区が5分の1、鉄道事業者が5分の3となっているところでございます。
なお、東京都が入っていないのは、野方駅の改修計画は大規模改修に当たりまして、その場合の都の補助金はございません。都の場合はエスカレーターとかエレベーター、小規模なものになります。
○久保委員 この際、バリアフリー重点整備計画に関する事業スキームや計画の財政フレームを示すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○尾﨑都市整備部経営担当参事 整備構想に基づき、公共交通事業者や道路管理者などが手法や財源を含め整備計画を策定することになっております。その中で明らかにしていくということでございます。
また、区の10か年計画では、地域におけるさまざまな事業にバリアフリーを位置付け整備を進めることとしておりまして、整備手法が定まらない段階では、事業費の算定も難しいと、そう思ってございます。
○久保委員 中野区内各駅比較データの基礎データの取りまとめによると、鷺ノ宮駅エリアの高齢化率が最も高く19.17%となっています。2位が新江古田で17.67%、3位の野方17.33%と比較しても、1%以上鷺宮の高齢化は進んでいます。駅の北側にはエレベーターがついていますが、高齢者施設のある南側にはエレベーターの設置はありません。踏切を利用せずに南北通路を通り抜けて移動するためにも、南側にもエレベーターを設置すべきであると思います。交通バリアフリーの第一歩は、駅のバリアフリー化であると考えておりますが、いかがでしょうか。
○尾﨑都市整備部経営担当参事 交通バリアフリー構想では、駅を中心にエリアを定めております。当然、駅舎のバリアフリー化は推進していく必要があると考えております。
また、鉄道事業者は、対象駅について目標年次、バリアフリー法では2010年というふうになりますが、1系統以上のバリアフリー化が求められているところでございます。鷺ノ宮駅につきましては、既に北口にエレベーターが整備されており、バリアフリー対応ができているというところでございます。委員の御指摘のとおり、必要性は理解しておりますけれども、直ちに南側にエレベーターを設置するという考えは現在のところございません。将来の課題として認識し、受けとめさせていただきたいと思います。
○久保委員 整備構想が発表されているわけですから、当然駅はバリアフリー化されるべきだと私は思います。鷺ノ宮駅と沿線の他の駅との違いは、建設資料14にあるように、平面構造の駅ではないということです。駅の南側から車いすでの移動円滑化はできない状況です。南側にもエレベーターの設置を検討されるべきであると思いますが、もう一度お尋ねいたしますが、その点いかがでしょうか。
○尾﨑都市整備部経営担当参事 先ほど申し上げましたけれども、現在のところ、バリアフリー化を1系統、それもない駅がございます。そこを中心にして整備を図ってまいりたいと思います。問題意識は当然ありますので、将来の課題にさせていただきたいと思います。
○久保委員 第2回定例会で、重点整備構想に関連し、バリアフリーマップの作成について伺いました。ホームページ上で閲覧可能なデジタルバリアフリーマップを作成されるという御答弁でしたが、進捗状況はどうなっているのでしょうか。
○浅野広聴広報担当課長 現在、中野区のホームページには「施設案内」という項目がございます。その施設案内のところに地図が添付されてございますが、今年度はその地図自体を、今までは少しそれが見にくいという御批判がありましたので、見やすいものに改めまして、さらに携帯電話からの検索も可能なデジタル化を図っております。
さらに、その中で、地図の中ではないんですが、上の欄に、その施設についてのバリアフリーの整備状況、それが掲載できることになりましたので、現在、それを各施設の方からバリアフリーの整備状況をお聞きしまして、それを掲載をする作業を進めてございます。現在、業者の方の通過作業を行いまして、最終的な画面デザインを掲載しているところでございます。
○久保委員 作成する時点でバリアフリーマップを利用される高齢者の方や障害者の方、また子育て中の方の意見が大変重要であると考えます。利用者のモニタリングはされたのでしょうか。検索方法などは簡単で、だれにでもわかりやすい仕組みになっているのでしょうか。
○浅野広聴広報担当課長 施設に関する整備状況ですので、今回、高齢者の方ですとか障害者の方、子育て中の方へのモニタリングということは行ってございません。
検索自体は、地図の上にその整備のいろいろなものをマークで示してございますので、見やすいかというふうには考えておりますが、実際ホームページ上に掲載した場合には、見た方からの御意見をいただくような形にして、必要な改善は順次行っていきたいというふうに考えております。
○久保委員 今回のバリアフリーマップの作成は、ネットマップ上に施設のバリアフリー設備の情報を示しただけのものということです。それだけでも大きな進歩であると思います。バリアフリーの視点は、点から面への発想に変わってきています。例えば、利用する方が最寄り駅から目的とする施設まで移動円滑ルートもわかるようなバリアフリーマップを作成するべきではないかと思いますけれども、考えはいかがでしょうか。
○浅野広聴広報担当課長 そういう視点も確かに必要だとは考えておりますが、現状、ホームページの中では、先ほど申し上げましたような施設案内という形での地図を掲載してございますので、これは今後の課題であるというふうに認識しております。
○久保委員 歩いて暮らすことが可能なバリアフリーな中野の町を1日も早くつくっていただきますように、最後に区長の御決意をお聞かせください。
○田中区長 社会や施設、建物、全般にわたってそのバリアフリー、障害を取り除いていくということ、だれもが同じように行動ができたり、社会参加ができたりという、そういうユニバーサルデザインの社会をつくっていくということも、私たちに課せられた大変大きな使命だというふうに考えております。行政という形で、あるいは地方自治体という形でしっかりと進めていく、そうしたビジョンや、あるいは理念を持たなければ、この問題は進んでいかないというふうに思っております。こうしたことについて、着実に進めるよう運営をしてまいりたいと思っております。
○久保委員 次に、住宅マスタープランと建て替え予定の都営鷺の宮アパートについて伺います。
次世代育成支援対策推進法に基づき策定された中野区次世代育成支援行動計画は、計画に掲げた目標の達成状況について地域住民が検証できるよう、区が毎年計画に基づく施策の実施状況について公表しなければならないとされています。中野区次世代育成支援行動計画17年度事業実績には、取り組みの内容14、子育て家庭の家族の人数や生活スタイルに応じた住環境が得られ、豊かな暮らしが営まれている。指標1には、現在の住宅に満足している子育て家庭の増加とあります。しかし、実施した事業の例が何も示されていません。指標にありながら、この分野に関しては何も事業実績がないのでしょうか。
○岩井住宅担当参事 御指摘の取り組みでございますけれども、平成17年度は新規事業、または拡充事業は特にございませんけれども、18歳未満の子どものいる世帯を入居の資格要件としております、区民住宅を9棟、162戸運営しております。
○久保委員 この区民住宅には空き室が出ていると思いますが、現在空いている室数、空いている期間の家賃の総額はどれぐらいになっていますか。
○岩井住宅担当参事 9月末現在でございますけれども、162戸のうち9戸が空いております。それらの部屋が空き室になった月からの家賃--入居者が負担する家賃の総額でございますけれども、所得区分が一番低い方が入居されたということを想定いたしますと、約1,280万円でございます。
○久保委員 空いている間の家賃という1,280万円は、区が負担をしていらっしゃるわけですか。
○岩井住宅担当参事 借り上げ住宅でございますので、区がその分の家賃の借り上げをしているということでございます。
○久保委員 本会議での飯島議員の質問に対して、区民住宅のPR方法を検討されるということでしたが、PRももちろん大事ではありますが、私は、問題はそれだけではないのではないかと思います。子育て支援住宅を望むニーズは高く、区民住宅を申し込みたいが、条件が合わずにあきらめたという声もあります。区民住宅入居の要件の緩和や家賃の見直しをされるべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○岩井住宅担当参事 ことしの11月に、区民住宅の空き家募集を予定をしております。これまでは、区報であるとかホームページなどによりまして周知を図ってきたところでございますけれども、今回から、この入居者の募集を指定管理者が行うことになります。そのため、指定管理者のホームページなども活用していきたいというふうに思っております。
また、このたび、区民住宅などの事業内容を掲載しました「住まいのしおり」というものを作成しまして、区民の閲覧用としまして、相談窓口などに備えているところでございます。
こうした広報の周知方法などの工夫によりまして、応募状況がどのように変化するか、そのようなことも見ながら、今後入居者の資格要件などについても考えていきたいというふうに思っております。
○久保委員 PRを十分されてもなかなか応募者が募られない場合というのは、今後、要件の緩和ですとか、家賃の見直しをしていくという、そういう考えもあるということでしょうか。
○岩井住宅担当参事 まず、PRの工夫というのを第一に考えていきたいと思っております。その中で、先ほども答弁いたしましたけれども、その状況などを見ながら、資格要件ということについても検討する必要があるというふうに思っております。
なお、家賃の問題でございますけれども、この区民住宅は、国や都の補助制度を活用して運営しているところでございまして、入居者の家賃の見直しということになりますと、区の独自の取り組みということになりますので、その家賃入居者の負担額の軽減策につきましては考えておりません。
○久保委員 今後、区が次世代育成支援住宅を推進する場合、どのような住宅を推進していくおつもりでしょうか。最低居住水準を確保するレベルのものにするのか、都市居住、誘導居住水準を目指すのかでは、全く水準の違うものになると思います。一番子育て世代から望まれるのは、子どもの居住を確保できる十分な居住スペースに手ごろな家賃で居住できることだと思いますが、いかがでしょうか。
○岩井住宅担当参事 10か年計画では、住宅ストックの広さや質の向上などを図るために、誘導居住水準を満たす住宅の割合というものを成果指標として掲げているところでございます。この目標の達成に向けまして取り組んでいく必要があるというふうに思っております。
なお、先ほども答弁いたしましたけれども、家賃負担の軽減策につきましては、特に考えてございません。
○久保委員 住宅マスタープランに示された居住水準の目標は、「2010年までに最低居住水準未満の世帯の割合おおむね15%を目指します。誘導居住水準をおおむね35%の世帯達成することを目指します。」と示されています。現在の状況はいかがでしょうか。具体的にはどのように達成を目指し、計画を進めてきたのでしょうか。
○岩井住宅担当参事 最低居住水準未満の世帯の割合、また誘導居住水準以上の世帯の割合でございますけれども、これは5年ごとに調査をいたします住宅土地統計調査で把握をしているところでございます。1998年(平成10年)と2003年(平成15年)の調査結果を比較いたしますと、最低居住水準未満世帯の割合は、25%から19%に減少しております。また、誘導居住水準以上の世帯の割合ですけれども、19%から21%に上昇しているところでございます。これまで、共同住宅の建築主に対します建築指導であるとか、建て替え助成などの支援、また都営住宅や公社住宅の建て替えに当たり、ファミリー向けの住宅の整備を要望すると、このような取り組みによりまして、最低居住水準の解消であるとか、それから誘導居住水準の向上に努めてきたところでございます。
○久保委員 住宅マスタープランには、「都営住宅の建て替え、大規模修繕などの際に、多様な世帯向けの住宅の整備を要望していきます」とあります。第2回鷺宮アパート建て替え説明会では、ファミリー世帯住宅を増加しましたとして、1DKや2Kの住宅の一部を2DKや3DKのファミリー世帯向け住宅に変更したとの報告がありました。建て替え予定の都営鷺宮アパートの計画変更について、担当課としてはどのように思われましたか。
○岩井住宅担当参事 子育て世帯の区内居住というものを支援するためには、ファミリータイプの住宅供給というのが非常に重要なことであろうというふうに思っております。都からは、ファミリータイプの戸数増を図るという変更案というのが示されたところでございます。ただ、この内容は、2DK、3DKのファミリータイプが約3割程度ということでございます。小規模世帯、または家族世帯がバランスよく入居できるというようなことのために、さらなる都の検討を要請する必要があると思っております。
○久保委員 ところで、16年度に続いて17年度決算での都営住宅地元割当募集94万円、全額未執行の理由はどのようなことでしょうか。
○岩井住宅担当参事 都営住宅の募集、これは年4回行われるわけでございますけれども、地元割り当てという仕組みがございます。その地元割り当てがあった場合の経費としまして、申込書の印刷経費などを計上したところでございますけれども、平成17年度はこの割当分がなかったために、全額未執行になったということでございます。
○久保委員 では、中野区内の募集が1件もなかったんでしょうか。
○岩井住宅担当参事 この地元割当分の仕組みでございますけれども、東京都の募集戸数の約1割程度を地元割り当てとして各区市町村に配分するというようなことを聞いております。その各区の空き戸数によりまして、その10分の1の数字が一定の数字に達するかどうかということで東京都として判断しているということだろうと思っております。
○久保委員 これは東京都が決めることなんでしょうか。例えば、中野区から1戸しか空きがない。この1戸を地元割り当てにしてもらいたい、そのような要求はできないことなんでしょうか。
○岩井住宅担当参事 これまで都営住宅の建て替え等に当たりまして、地元割当分についての要望をしたところでございますけれども、既存の住宅についての対応はこれまでしてきておりません。そういう方法があるのかどうかにつきましては、確認をしてみたいと思っております。
○久保委員 今後、この都営鷺宮アパートの建て替えの際には、地元割などはどのようになっていくんでしょうか。
○岩井住宅担当参事 都営住宅の建て替えについてでございますけれども、都営住宅の建て替えはあくまでも事業用の建て替え、ほかの住宅の建て替えに当たる転居先というふうな位置付けと聞いております。都営鷺宮アパートについては、中野区内でも建て替え時期を迎えている団地が幾つかある、そういう住宅の建て替えに当たってのそれらの住宅の入居者の移転用、転居先という位置付けでございますので、新たに東京都が新規に入居者を募集するというようなことは考えていないということでございます。
○久保委員 先ほどファミリー世帯向けが3割というのは、まだまだこの住宅に対して少ないのではないかと、それに対して要求もしていきたいというような御答弁だったと思うんです。ということであれば、こういった住宅の確保というのが、この建て替え時期に中野区としても当然要望されるべきではないかと私は思います。
今、住みかえ用の事業用地というようなことで、位置付けということでございますが、すべてがそれで埋まってしまうかどうかもこれからだと思いますので、今後さらに、地元割り当て、例えば空き戸数があるような予定がある場合には、何とかこの分を地元割り当てにしたいという、そのような意欲を中野区として見せるべきではないかと思いますが、いかがですか。
○岩井住宅担当参事 東京都の建て替え計画、先ほども答弁申し上げましたが、あくまでも都内の他の住宅の建て替えに当たる事業用ということが第一義的な考えというふうに聞いております。そういう事業用の住宅の中で、どういう形で区としての要望が伝えられるのかについては、確認をしてみたいと思っております。
○久保委員 都営アパート建て替えに関する区の要望はまとまったのでしょうか。特に、川沿いにある団地が14階建てに変わるということについて、沼地であり、高層な住宅が心配であるといったような声を聞くことがあります。そのような心配が本当にあるのでしょうか。
○岩井住宅担当参事 鷺宮アパートの建て替えに当たりまして、東京都からは今後、地盤調査を行うというふうに聞いております。その調査結果に基づきまして、十分に安全性が確保できる基礎構造にしていくという説明を受けているところでございます。
○久保委員 また、要望に当たっては、地域の人にも活用できるような集会室や単身者や高齢者の利用しやすい店舗、高齢者の方の見守りも視野に入れた管理人の配置、あらゆる角度で要望を行っていただきたいと思います。特に、678戸という非常に大所帯の団地になるのですから、災害時にも、ほかの場所に避難することなく、安心して自分の住んでいる場所でそのまま暮らしていかれるだけの整備が望まれます。区としては、いつまでに東京都に対し要望を行っていくのでしょうか。
○岩井住宅担当参事 鷺宮アパートの建て替えにかかわります区の要望につきましては、入居者の安全性とか、快適性だけではなく、その地域一体の広域避難場所機能の維持向上、また地域住民の利便性、緑オープンスペースなどの住環境、このようなことを視野に入れながらまとめているところでございます。できるだけ早い時期に要望書を提出したいというふうに思っております。
○久保委員 居住者の転入や転出に当たって、区として環境整備を検討しなくてはいけないようなことはないのでしょうか。
○岩井住宅担当参事 先ほどの質問にもございましたけれども、都の変更案によりますと、鷺宮アパートの建て替えによりまして、住宅戸数が約260戸程度ふえるということでございますけれども、区の各種施設運営に大きな影響を与えることはないというふうに考えております。
○久保委員 ありがとうございました。
次に、施設の再配置計画と鷺宮地域センターの耐震化について伺います。
今年度は鷺宮地域センターなどの2カ所で耐震精密診断が行われていると思いますが、どのような診断結果だったのでしょうか。
○豊川営繕担当課長 今、委員、御指摘の耐震精密診断につきましては、本年度、鷺宮地域センターと野方図書館の2施設を対象に実施をしておりますが、最終的な結果はまだ出ておりません。
なお、両施設ともに平成8年度、もしくは平成9年度に耐震診断を実施をしておりまして、東京都が定めた耐震診断の評価--これはAランクからDランクまでございますが、この中では、下から2番目のCランクとなってございます。
近年、耐震診断基準が改定をされまして、より実情に即したものとなったこと、また、Cランクの建物にありましては、さらに精密な耐震診断の実施が推奨されていることなどから、より有効な補強方法を検討するために、本年度、当該建物について改めて精密耐震診断を実施したものでございます。
○久保委員 この結果というのはまだ報告がないということですけれども、途中経過でこの精密診断 はどのような状況なんでしょうか。今おわかりのことで結構ですので、御説明ください。
○豊川営繕担当課長 この平成8年度、あるいは9年度に診断をして以降、特に構造上の改修等は行っておりませんので、基本的には同様のCランクの状況の耐震性能というふうに把握をしております。○久保委員 精密診断においてCクラスという、そういった結果が出た場合の危険度はどのようなものなんでしょうか。
○豊川営繕担当課長 先ほど申しましたように、東京都が定めた耐震診断の評価には、AランクからDランクまでの4段階がございます。これは1978年に起きました宮城県沖地震程度の大きさの地震を想定いたしまして、十分な耐震性能を持っているものがAランク、それから、耐震性能は比較的高いが補強した方がよいものがBランク、それから、耐震性能が一定レベルに達しておらず補強が必要である、もしくは精密診断をさらに行い対策を検討する必要があるものがCランク、それから、耐震性能がかなり不足しており、大規模な補強、もしくは改修が必要なものがDランクとなってございます。したがいまして、鷺宮地域センターの建物はCランクということでございますから、今後とも現状で使用し続けるとすれば、利用者の安全を考えた場合、耐震補強は応分の実施は必要であるというふうな判断になろうかと思います。
○久保委員 諸証明発行合計が3万765という数からもうかがえるように、窓口が一番利用されている地域センターであることや、併設された鷺宮図書館のことを考えると、多くの区民の安全を守るためにも、耐震改修についてより早い検討をされなくてはならないと思います。耐震補強工事などを行うのであれば、工事費用、工事期間、改修時の業務への影響など、さまざまなことが考えられると思いますが、どのようになると思われますか。
○豊川営繕担当課長 今回の耐震診断の結果が最終的に出ておりませんので、どのような工事になるか、あるいはその工事による日常業務の影響等は、今のところは不透明な状況でございます。しかしながら、この耐震診断の結果を見まして至急検討したいと考えてございます。
○久保委員 課長も以前、鷺宮地域センターの所長でいらしたと思いますが、鷺宮地域センターの所長をしていた時代に、この老朽化した施設に対して非常に不安であるとか、また施設の改修を行う必要があると思われたようなことはないんでしょうか。
○豊川営繕担当課長 私は建築技術者でございますから、建築技術者の目から見れば、やはり耐震改修は必要ではないかというふうに考えております。
○久保委員 行政として区有施設を管理する上で区民のために最優先されるべきことは、利便性、機能性などもですが、安全性が第一であると思います。その意味からも、早急な耐震改修などを行うことが必要であると思います。しかし、今後の施設の再配置計画によっては二重、三重投資になる可能もあります。私は、建て替えも視野に入れた検討がされるべきではないかと思っておりますが、建て替えは検討はされないのでしょうか。
○川崎政策担当課長 鷺宮地域の施設配置につきましては、学校再編の計画の中で中後期となっております鷺宮、あるいは西中野小学校の統合問題、こういったこともあわせて考えていかなければならないということで、今現在、具体的な配置の検討はできていないところでございますが、この鷺宮地域センターの建て替え問題につきましては、今営繕担当課長の方からお話をしましたように、今診断結果を見て、これから具体的な対策を講ずるということでございますので、その内容も含めて検討していかなければならないというふうに考えております。
○久保委員 例えば利用率の低い南側の自転車駐車場に建て替え中の--これは建て替えを想定した場合なんですが、建て替え中の地域センター業務を行う仮設の施設を設置し、現在の地域センターの場所で建て替えを行い、その後、南側の自転車駐車場に図書館を整備する。図書館、体育館、公園、運動広場による水と緑の文化スポーツゾーンを配置する。建て替え後の地域センターに自転車駐車場のスペースを設け、放置自転車対策を行うなど、さまざまな可能性を探り、計画を立てていくべきであると思いますが、今私が提案したような案はいかがでしょうか。
○川崎政策担当課長 先ほど申し上げましたように、具体的な耐震対策、鷺宮地域センターそのものについてどうするかというのを考えた上でということになりますが、その折には、これまで重ねて御意見いただいておりますように、鷺宮地域の全体の施設配置ということも念頭に置きながら考えていくということになるかと思います。その折には、今かなり具体的な地域施設の配置、あるいは土地利用の状況なども含めて御提案をいただきましたが、そういったことも十分念頭に置きながら検討を進めたいというふうに考えております。
○久保委員 政策担当課長も、かつて鷺宮地域センターの所長でいらっしゃったと思います。課長がいらっしゃったときには、大分前だとは思いますが、このときに鷺宮地域センターの改修が必要であるというふうなことを思われたことはなかったでしょうか。
○川崎政策担当課長 私が在任中も、耐震診断Cランクというようなことで結果が出ておりましたので、これについてはできる限り早急に対策が講じられればというふうに思っておりました。
○久保委員 例えば耐震改修を19年度に行うのであれば、今年度じゅうに決定をしなければならないと思います。いつごろまでに結論は出されるのでしょうか。
○豊川営繕担当課長 今回の耐震診断の最終的結果、あるいはただいま政策担当課長が申し上げましたお話、こういったものを踏まえまして、今後、来年度予算編成に向けた作業の中で至急に検討し、結論を出したいと考えております。
○久保委員 ぜひとも前向きな結論を出していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、地域交通整備、コミュニティバス「なかのん」について、さらなるサービスの充実として運行時間の延長、混雑時のバスの増車、待合いすの設置、日よけ、雨よけ、全天候型バス停への改良について伺います。
「主要施策の成果」によれば、コミュニティバスは民間の路線新設という位置付けであるが、さまざまな補助、助成を行っている以上、何らかの指標を設定する必要があるとの外部評価結果を受けています。これに対して区の考え、的確な指標を検討し、設定していきたいとなっています。17年度には成果指標などは立てていませんが、コミュニティバス「なかのん」の新設は、効果の高い事業として認められると思います。区としてのこの事業に対する評価はどのようになっているのでしょうか。
○遠山土木担当課長 「なかのん」は、中野区の上鷺宮や鷺宮、区の北西部に中野駅に直接乗り入れる路線がなかったということから、新たなバス路線を求める声が強く、関東バスが開設する新規路線に中野区が補助金を支出するという形で運行開始したものでございます。現在、利用客も一定程度ございますし、当初の目的は達したものと考えてございます。また、利用客からもおおむね好評をいただいているということでございます。ただ、採算ベースで考えますと、いま少し届いていないのかなということで認識しているところでございます。
○久保委員 新バス路線もようやく地域でも認知をされて、利用者も増加をし、事業実績は伸びてきているとは思います。ただ、採算ベースにはまだ乗っていないということです。14シートしかないコンパクトなバスは、すぐに満席になってしまいます。混雑時の統計を出し、利用者の多く見込まれる時間帯にはバスを増車するなど、検討すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○遠山土木担当課長 「なかのん」の、これまで昨年の12月から本年の8月末までの9カ月で申し上げますと、述べ14万1,000余強の御利用をいただいてございます。また、1日の往路、復路、計51便運行してございますが、1日平均516人、1便当たり平均10人の方に利用されているという実態でございます。今委員のおっしゃった朝の満員状態といいますか、混雑状態でございますが、中野駅行きの朝の2便につきましては、確かにそういう状況があるということは事業者からも伺ってございます。混雑時の増便につきましては、運行後1カ年が過ぎますと、検証、協議をすることになってございますので、この増便についても協議をしていきたいと考えてございます。
○久保委員 バスの運行時間を決定したのはバス事業者でしょうか。それとも中野区なんでしょうか。お互いが協議をして決めた結果のことでしょうか。また、現在の時間に運行時間を設定したのはどういった理由からでしょう。サンプラザ、ZEROホールなどは多くの高齢者の方たちも利用され、夜の講演が終わると9時近くになる場合もあります。夜間などの利用を望む声もたくさん聞いていますが、検討されるべきではないでしょうか。
○遠山土木担当課長 「なかのん」の運行時間につきましては、区とバス事業者との話し合いで決定したものと承知してございます。当初、事業者側の提案といたしましては、中野駅の発着で言いますと、最初の到着が午前9時を想定していたということでございますが、終発が中野駅発が午後6時ごろの御提案であった。朝の部分につきましては、午前8時台に2便中野駅着の便をふやしたという経過がございます。また、昼間の時間帯につきましては、運行開始の状況等も考えて、利用客の需要が昼間も多く見込まれるということから、この時間帯を設定したものと考えてございますし、また、これから開設が見込まれております警察病院などの利用者の需要を見越して時刻表を決定したものと認識してございます。今委員がおっしゃいました、早朝、夜間のバスダイヤの変更といいますか、増便を望む声も承ってございますので、先ほどと答弁が重なりますが、協議の中で事業者と相談をしていきたいと思ってございます。
○久保委員 バスの間隔が長いため、バス停にいすを望まれる声も聞かれています。実際に近隣の方や利用者の方がいすをバス停に設置されています。かつてほかの路線で置きっ放しのいすが老朽化して邪魔である、撤去してもらいたいというような苦情をいただいたこともありました。JR山手線新宿駅などに設置をされている折り畳み式の待合いすなどを設置することはできないでしょうか。ガードレール側に設置し、利用するときのみ広げるのであれば、あまり場所をとらず便利であると考えますが、いかがでしょうか。
○遠山土木担当課長 ただいま委員の方から折り畳み式ベンチの御提案がございました。基本的にはバス事業者の負担で、手続的には交通管理者である警察署、それから道路管理者、それから付近のお店とか地域の方々の了承を得ての設置ということになろうかと思います。区といたしましては、このようなお話があるということは事業者に投げかけてはございます。検討していただいているということでございますが、現段階では設置費用、それからメンテナンスの関係からなかなか厳しいという声は承っているところでございます。
○久保委員 それから、全天候型の上屋のあるバス停も、歩道の復員がとれる場所には関東バスとして設置する考えがあると、以前にも伺ったことがあります。その後、検討はされたのでしょうか。
○遠山土木担当課長 上屋の設置につきましても、先ほどのベンチと同様、事業者には投げかけてございます。これも同様の、道路の復員の関係とかバス停の置かれた状況等の関係もあるとは思いますが、なかなか事業者としても厳しいというお声は聞いてございますが、答弁の繰り返しになって恐れ入りますが、1カ年の検証、協議の中でこういった要望がありますということで事業者と協議をしてまいりたいと思ってございます。
○久保委員 17年度決算では、地域交通整備として4,403万7,900円、バス会社への運行費の補助やバスの車体購入費などが含まれております。3カ年の事業補助の予定であると思いますが、その後のバス事業への区のかかわり方はどのようになるのでしょうか。
○遠山土木担当課長 17年度の決算額につきましては今委員から御紹介のように、4,400万円余でございます。これにつきましては初期投資として車両の購入費、それからバス停などの道路環境整備費がございます。それから、一月125万円の運行補助ということが出てございます。これからは運行経費の補助ということになろうかと思いますが、補助金の交付要項に従いまして、3カ年ということで、平成20年10月までの支払い、支出で終了ですることとなってございます。これ以降につきましては、現在のところ特段の定めはしてございません。その後の運行につきましては、バス事業者と協議をすることになろうかなとは思ってございます。
いずれにいたしましても、現在のところは採算ベースに乗っていないので、一人でも多くの利用者がふえるように、いろいろな御要望も踏まえながらバス事業者と一緒になって区といたしましてもPR等の協力をしながら利用者をふやしていきたいと、このように考えているところでございます。
○久保委員 採算ベースに乗っていないということで、この運行経費、3カ年で区の方が補助をしないということになった場合に、関東バスの方でこの路線に対しての打ち切りというようなことは考えられることなんでしょうか。
○遠山土木担当課長 現段階では、そのようなお話は承ってございません。通常、一般論で恐縮でございますが、バス事業としては、通常新設した場合は5カ年は運営といいますか、運行するというふうな話は一般論としてはお聞きしているところでございます。
○久保委員 現在の「なかのん」は、上鷺宮や鷺宮から中野へ向かうということが利用者の目的のメインであると思います。上鷺宮には観光産業資源とも言える自然や農地があります。六本木ヒルズの屋上農園や人材派遣会社パソナの地下農園などを見学に行ったことがありますが、都会人は作物の恵みや太陽や土、草や野に出会うことによって小さな自然環境にも喜びを見出せるものだと感じました。中野版グリーン・ツーリズムとしてふだんの生活で味わえない自然体験を少しだけ体験をしてみる、そのような上鷺宮に対しての企画というのも区では検討されてはいかがでしょうか。
○野村公園・道路担当課長 上鷺宮地域の生産緑地ですとかこういったものは、地域の重要な、貴重な資源である。緑の資源でもあり、地域の資源でもあるというふうに思っております。こうした環境の保全につきまして、ただ土地所有者の方の維持管理経費ですとか、税上の負担ですとか、こういったものが大きな障害になっているのかなというふうに存じております。
そこで、こういった都市の貴重な緑を残すという観点で、国へ税制上の猶予の制度ですとか、それから区が買い取るような場合の財政上の支援ですとか、こういったことを要望しております。今後も国、都への要望活動を含めまして、この地域の自然を味わえる緑の保全、こういったものに取り組んでまいりたい。それがまた、この「なかのん」の利用客の増加ということにつながるものとなれば幸いというふうに思っております。
○久保委員 ありがとうございました。次に、地域災害情報システムについて伺います。
10か年計画には防災のための情報提供システムの充実、新たな情報伝達システムを導入するとともに、地域防災無線のデジタル化を進めますとあり、ステップ2で、地域防災系無線のデジタル化に向けた準備となっております。港区では、大規模地震や大雨に備え、災害情報を伝達、収集する地域災害情報システムを2008年春を目途に再構築すると発表しました。防災無線を従来のアナログ方式から大容量通信も可能なデジタル方式に切りかえることが柱で、区役所と避難所間などの連絡がスピードアップし、画像送信やパソコンの活用で被害情報の集約も正確、迅速になるという計画です。中野区の10か年計画で予定をしているのも、港区と同様のシステムでしょうか。
○中井防災担当課長 防災行政無線の運行につきましては、平成23年の5月に現行のアナログ方式が使用できなくなります。そのため、デジタル方式への移行は必須ということでございます。デジタル方式のメリットにつきましてですが、通信チャンネルを多チャンネル化できることによる通信の輻輳の軽減、それから電話と同様な双方向通話が可能になることによる情報の交換速度の向上、それからメール情報や画像情報の処理が可能となることなどが挙げられると思います。こういったことで、災害時の情報の通信性、それから共有性、迅速性などが向上するというふうに考えてございます。そういった意味では、港区と同様のメリットを享受できるというふうに考えてございます。
○久保委員 港区では、関連経費として約15億3,000万円を見込んで、今年度じゅうにも設計に着手し、2008年春を目指し、3カ年をかけて再構築するということです。2010年を目指してデジタル無線通信システムを整備する予定の中野区としては、どのような計画を立てているのでしょうか。
○中井防災担当課長 現在、災害時の通信のあり方など基本的な考え方の精査をしている段階でございます。平成19年度におきましてシステムの構築の基礎となる事項についての調査の検討を行っている段階であります。
○久保委員 今、調査段階ということでございます。デジタルシステム構築の際には、情報化推進などの専門分野と合同でシステムづくりを行うべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○中井防災担当課長 専門知識を有する分野、それから、運用により影響を受ける分野などとは密接に連携をとり、システム構築を進めていきたいというふうに考えてございます。
○久保委員 17年度決算の災害対策組織の整備、運用の一斉防災情報伝達、収集システム、運用委託について伺います。このシステムと委託内容とはどのようなものでしょうか。
○中井防災担当課長 一斉情報伝達情報システムにつきましては、気象情報、地震情報、火災情報、それから緊急情報など、災害時及び災害が予見される場合に、区の職員、それから議員、医師会、歯科医師会、薬剤師会、接骨師会、防災会、消防団に携帯メールにより防災情報を配信、受信するものであり、今現在約380名の方が登録しているところでございます。
○久保委員 このシステムを活用して、区民対象の災害時のメールニュースを配信することはできないんでしょうか。この点につきましては、前定例会でも緊急情報が即座に携帯電話に送信される杉並区のメールニュースを例に質問させていただきました。中野区も同じようなシステムを利用しているのではないかと思います。緊急時のみの送信であれば、現在のシステムの拡大を図るだけで十分に可能なのではないでしょうか。
○中井防災担当課長 区民への災害情報の伝達は、行政といたしまして重要な課題だというふうに認識してございます。それを踏まえまして、携帯メールによる配信方法につきましても早急に検討していきたいというふうに考えてございます。
○久保委員 ぜひ早急に対応していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
次に、10か年計画と民間活力の導入について伺います。10か年の持続可能な行財政運営のために人事システムの改革、職員2,000人体制の構築では、民間の活力を生かした業務改革を推進することにより職員定数の削減を進め、10年後の職員2,000人体制の実現を図りますとなっています。10か年の計画で削減される500人という職員の数は、そもそもは不必要な人材であったわけではないはずです。
そこで伺います。10か年計画の職員2,000人体制の根拠はどのようなことでしょうか。区が区民の信託に基づき、行政を進める上で適正規模な人数、この職員の人数というのが職員2,000人なのでしょうか。
○奈良経営改革担当課長 職員2,000人体制の根拠といったことの御質問でございます。職員2,000人体制は、小さな区役所を目指すことでありまして、その中では行政の仕事というのが行政にしかできない仕事に絞り込んでいくといったことになります。その一方で、公共サービスにつきまして民間のさまざまな活動にゆだねるといったことで、サービスの向上ですとか多様化を図ってまいりまして、民間の方に移していくといったことを進めてまいります。
2,000体制は、こうした行政の仕事のあり方ですとか職員の役割を新しい時代にふさわしいように見直していく中で目指してまいります、10年後の26年度を目標として掲げたものでございます。
○久保委員 今言われましたように、官から民へといっても官でなくてはできない事業、また、地方自治法上公務員でなくてはできないことなど、さまざまあると思います。区長のお考えになる区の職員の理想像、また、職員でなくてはできない業務はどのようなことなんでしょうか。
○田中区長 行政に期待される役割というものは、成長型の社会にあっては行政がやっぱり拡大傾向にならざるを得ないと思うんですけれども、成熟型社会であったり低成長、マイナス成長の社会になっていくという中では、やはりおのずと行政そのものの大きさも縮小傾向というものが求められてくるというふうに思うわけであります。その中で、縮小--行政は小さくなるんだけれども、少子高齢化ということで求められるサービスは多くなっていく、そうした傾向も当然あるわけでありますので、そういう意味では、公務員の数を減らして行政そのものの大きさは小さくしながらも、その分で、あるいはそれを民の力を活用するなどの方法をもってより大きなサービス、よりよいサービスが提供できるようにしていくという流れになっていくんだというふうに理解をしているわけであります。
おっしゃったように、じゃあ、そのような中で公務員というのはどういう仕事をするんだということなんですけれども、行政の役割というのは社会を設計していくということ、それから、法秩序を守るという役割、それから、セーフティネットをしっかりとつくって弱者の保護をしていくという、そういう役割があるわけです。具体的にそれを実現する過程で、直接手を下す人が公務員であるのか民間であるのかというのは時代の変化に応じて随分変わっていくだろうというふうに思っております。
最終的に公務員として、どうしても公務員でなければできないことというのは、例えば具体的にそうした社会の制度を設計していくとか、秩序を守るとか、セーフティネットをつくるということについての意思決定をしたり、あるいは責任持ってこうした議会の皆様と対応するとか、あるいは住民の皆さんと対応したり、一緒に区のあり方というものを考えていくとか、また、行政という権力を背景にして区民の皆様の権利を制限したり、新たに義務を課したりするといったようなことについての責任ある対応を行うとか、そういったことが究極的には公務員でなければできないという仕事になっていくだろうというふうに思っております。
じゃあ、具体的なプロセスではどうなのかということでありますけれども、具体的な業務については、現在いる公務員は今仕事をやっていて、その仕事が必要だからいるわけでありますから、その仕事をどういうふうに変化させることができるのかということを見合せながら、公務員の数を減らしていくということになっていくということだと思っております。具体的な業務、直接手を下す仕事については、公務員の仕事というものはこれからも変えていく。民間でできる仕事は民間にやっていただくという形を追求するのが望ましいと思っております。
○久保委員 歳出決算高の構成・性質別では、人件費の抑制は図られているが、保育園の委託など民営化が進めば扶助費の伸びにつながっているということです。義務的経費の割合は変わりません。こうしたやり方の意図するところは何でしょうか。
○篠原財務担当課長 お尋ねの性質別構成の理想的なバランスと言われる点につきましては、財政運営上、特に定めはございません。一般的には義務的経費の割合が高くなれば、他の投資的経費に与える財源の余裕がなくなりまして、弾力的な財政運営ができなくなるというふうに言われております。しかし、保育園の民営化につきましては、同じ義務的経費である人件費の削減部分、こういった多くが保育委託費として扶助費にカウントされるというようなことになります。そうしたことから、義務的経費内でのバランスはとれているというふうに考えております。
また、民営化の付加価値といたしまして、休日保育や時間延長、それから保育サービスの質が高まっているというような相当な効果も得られているということから、扶助費の伸びが直ちに財政運営上バランスを欠くというふうには認識をしてございません。
○久保委員 7月17日付の朝日新聞の「今日の論点」で、区長は区立保育園を全園民営化する方向がいいと思うと答えられていますが、区は全保育園を民営化する予定なのでしょうか。
○竹内保育園・幼稚園担当課長 具体的な予定ということでございますれば、10か年計画の中で定めているとおり、既に終了したものを除きますと、今後平成26年度までに区立保育園7園を私立保育6園に移していくというものでございます。基本的な考え方につきましては、既に一般質問の中で区長から御答弁をさせていただいておりますけれども、民間で行う方が柔軟に対応でき、サービスの向上やコストダウンできる事業については民間に任せた方がよいというふうに考えておりまして、保育園についても同じように考えていくべきであると認識しているところでございます。
○久保委員 今、10か年計画の中で26年までに区立保育園7園を私立保育園6園にというようなお話しありました。私が今伺ったのは、今後全園を民営化する予定があるのかどうかということでございますが、その点はいかがでしょうか。
○竹内保育園・幼稚園担当課長 いつまでにどの程度の規模を区立保育園を民営化するのかということについては、10か年計画以外のものについては決めてございません。
○久保委員 ということは、区長は全園を民営化する方向が望ましいとは思ってはいらっしゃるけれども、計画上はまだ全園を民営化するということは決定はしていないということですか。
○竹内保育園・幼稚園担当課長 10か年計画の中では決めてございません。
○久保委員 10か年計画ではなくて、全園ということで伺っているんですが、要するに、10か年計画の外のものに関しては計画としてはなっていないので、全園民営化の考え方そのもの--すみません、私の聞き方が悪かったのかと思いますが、全園民営化という考え方、これは決定をしたものかどうかということを伺っております。
○竹内保育園・幼稚園担当課長 保育園についても民営化が望ましいということについては、区長から御答弁をしているとおりでございます。
○久保委員 民間事業者は区の職員よりも低賃金でありながら、さまざまな点で質の高さを求められています。根拠のない非難中傷にさらされるときもあります。委託した区の責任として民間事業者のサービス供給の円滑化を支援する仕組みも検討されるべきではないでしょうか。また、業務の安定のためには十分なスタッフの確保がされていなくてはいけません。保育を担う保育士、看護師の確保など、区としての協力体制はどうなっているのでしょうか。
○竹内保育園・幼稚園担当課長 私どもの保育園・幼稚園分野の中に、私立保育園の担当のセクションを設けて、経費の支払いをはじめさまざまな相談ですとか支援に当たっているところでございます。また、私立保育園に対する苦情等の窓口にもなっておりまして、私立保育園の皆さんとともに問題の解決に当たっているところでございます。
それから、私立保育園の職員の確保ということでございますが、これについても私ども御相談を受けて御協力させていただいておりまして、例えば区のアルバイトの登録者の中で有資格者がいれば御紹介をさせていただいたり、また、区の保育士や看護師を通じて求職者を探したり、さらに、特に看護師についてはなかなか探すのが大変という状況がございますので、人材会社ですとか看護学校への紹介を行うというような御協力をさせていただいているところでございます。
○久保委員 委託をした私立園に対しても、区は苦情窓口などをしっかりと設けて全面的にバックアップをしているということでしょうか。
○竹内保育園・幼稚園担当課長 私立保育園が新しく参入されてきておりますので、そうした中で、きちんと私立保育園の皆さんが中野区の中でよりよい保育を実施していただくために、私どもも一緒になって取り組んでいるところでございます。
○久保委員 東京福祉ナビゲーションの福祉サービス第三者評価で公表されている評価結果によると、民営化への評価はいずれも高く、区立保育園のときには行うことのできなかった保育や幼児教育もされていると感じました。しかし、現在は社会福祉法人も株式会社も良質なサービスを提供できる安心な事業者に委託ができていると思いますが、この先、委託するにふさわしい事業者がどの程度あるのかと心配をしております。本当にふさわしいと思われる委託先が見つからない場合には民営化をしないという決断をしなくてはならない場合もあると思いますが、その辺はいかがお考えでしょうか。
○竹内保育園・幼稚園担当課長 運営する保育園を、できればふやしていきたいというような、こういった保育事業者のニーズというのは、私どもとしてはかなりあるというふうに考えてございます。こうした事業者の皆さんが参入しやすい状況を整えるということが、まず何よりも大切であるというふうに考えてございまして、私どもとしても一つひとつ着実に実績を積み重ねていきたいというふうに考えております。応募をした結果、募集をしていただいて、私どもの方で審査をさせていただきますけれども、その結果、区立保育園のレベルに達していないというような事業者があれば、再募集等の手続をとっていくというふうに考えてございます。
○久保委員 募集の手続を再度されるということですか。私が伺ったのは、探してもない場合、委託先が見つからない場合は、その場合は民営化をできないというようなこともあるかと思うんですが、そういった場合はどうするのかということを伺っているんですが。
○竹内保育園・幼稚園担当課長 再度の御答弁になりますが、まずは参入しやすい状況、これはある意味かなり条件次第というところがあろうかと思っておりますので、やはり他の区と比べて遜色がないといいますか、よりよい状況を中野区としてつくれるということであれば、やはり参入事業者というのは手を挙げてくると。よりより事業者が多く集まるということだと思いますので、参入者がないということを前提に考えるのではなく、私どもとしては参入しやすい状況を条件づくりをきちんとしていくというところに努めるべきだというふうに考えております。
○久保委員 認定こども園について、中野区としてはどのような想定をされているのでしょうか。現在は区立幼稚園2園を転換していくとされていますが、イメージをされているのは幼稚園型、保育園型、どちらでしょうか。また、区立保育園や民営化園でも検討はされているのでしょうか。
○藤井幼児教育担当課長 認定こども園についてお答えします。認定こども園につきましては、保育、幼児期教育に対する多様なニーズに対して、保護者の就労の有無にかかわらず、教育、保育を一体的に提供する機能と、地域において子育て支援を行う機能を総合的に提供する施設であると認識しております。
区立幼稚園2園の認定こども園への転換につきましては、現時点では特定の類型に定めず、事業者募集の際に幅広く提案を受けまして、最もよいと判断したものを採用したいと考えております。
保育園については、現在、3歳以上の入園需要がほぼ供給量と見合っている状態でありまして、現時点での認定こども園化は困難であるというふうに考えておりますが、今後の需要や事業者の参入状況、あるいは人数の動向などを見ながら検討していく必要があると考えております。
○久保委員 今、類型を定めずに最もよいと言われる事業者があらわれてから、区としては保育園型とか幼稚園型という、またその他の類型というのを決めるんでしょうか。区がまず始めに幼稚園とか保育園とかという形で決めて、それから認定こども園はどういった形にするかと。それで事業者を募るという、そういう発想はないんでしょうか。
○藤井幼児教育担当課長 認定こども園につきましては、国が四つの類型を定めております。その四つの類型に対して、区として特にこの類型が一番好ましいとか、この類型については好ましくないというふうには現時点では考えておりませんので、実際に4類型どの形であってもよりよい幼児教育、あるいは地域の子育て支援機能を提案した事業者を選択したいというふうに考えております。
○久保委員 「主要施策の成果」によれば、5年後の目標、乳幼児を持つ親は待機することなく保育園を利用することができるとなっています。成果指標にもあるように、認可保育園の待機児童数の減少43人、達成度105%となっていますから、現時点では待機児童ゼロにはなっていません。私のもとにも、毎月のように保育園に入りたいという御相談があります。地域や年齢によって待機状況は違うようです。民間保育園に入園できなかった方の中には、認証保育園、家庭福祉員、どちらも利用することができずに、幼稚園の預かり保育を毎日利用しながら入園を待っている方もいます。このような待機状況をどのようにお考えでしょうか。
杉並区では、認証保育園を利用する保護者に対して、負担軽減策として補助金の制度などがあるとも伺いました。以前、担当課長に伺ったところ、中野区においては待機児童対策が進んでいるので、そうした補助金は検討されていないと伺いました。本当に待機児童対策は進んでいるのでしょうか。利用したいときに入園できなければ、待機児童対策が進んでいるとは言えないのではないでしょうか。場合によっては、待機をしながら認証保育園を利用する保護者への負担軽減策を検討されるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○竹内保育園・幼稚園担当課長 確かに保育園への入園を希望されて、あきがないために入園できないということで待機をされている方がいらっしゃいます。その中で、民間保育園に入園を申し込み、資格があるにもかかわらず、あきがないために、必要に迫られて認証保育所を利用している方の負担と、現に民間保育園を利用できている方の負担との間に格差があるというのは事実でございます。これにつきましては、私どもとしてもこの解消策については検討を始めているところでございます。
○久保委員 ぜひとも検討を進めていただきまして、来年度から何か負担軽減策を考えていただいて実行していただくとよいと思いますが、いかがでしょう。
○竹内保育園・幼稚園担当課長 実現に向けて努力をしたいというふうに考えてございます。
○久保委員 ありがとうございました。次に、奨学金について提案を含めて伺います。
歳入の性質別内訳を見ると、諸収入には一般財源と特定財源があり、平成17年度は一般財源としての諸収入はゼロに、特定財源の諸収入は対前年度1.5倍の27億円余になっております。一般財源の諸収入は競馬組合の配当金だそうですが、その他の諸収入が特定財源とされているのはなぜですか。
○篠原財務担当課長 中野区では、諸収入のうち使途が特定されていないものにつきましては一般財源としております。それ以外のものを特定財源としているということでございます。
○久保委員 特定財源として事業に当て込まれるのは、奨学金の場合も同じでしょうか。
○篠原財務担当課長 同じでございます。
○久保委員 その場合、当該年度の歳入が、当該年度の事業予算に当て込まれるのでしょうか。
○篠原財務担当課長 事業にかかわる財源の内訳、また財源の所在ということでは、当該年度の事業に当て込まれているということになっております。
○久保委員 厚生72の資料を見ると、平成10年度から平成13年度までは返還金の実績が予算額を上回っています。特定財源の歳入がその財源を使って行う事業の歳出を上回った場合は、どのような処理になるのでしょうか。補正を組むなどの必要はないのでしょうか。
○篠原財務担当課長 歳入予算につきましては、その当初の計上額を超えて収入することが可能であるというふうにされております。
また一方、歳出予算につきましては、計上額を限度といたしまして、議会が執行機関にその執行を許したことになりますので、予算額を超えた執行につきましては、補正予算というような手続が必要となります。
なお、中野区の場合につきましては、この歳入が当初の見込みよりもおおむね1,000万円を超えた場合につきましては、補正要因として所定の手続をしているということになります。御理解をいただきたいというふうに考えております。
○久保委員 現在の奨学金事業は、特定財源で実施していることを明確に意識して実施するとともに、それとは別に、独立した基金を設けて人材育成のための特色ある中野区の奨学金制度を創設すべきと考えますがいかがでしょうか。青年層を中心にした人材育成のため、メニューも固定化しないで、対象者を広く、また基金の財源についても、税金だけでなく民間の寄附なども合わせた弾力性のあるものとして制度設計をしてはいかがでしょうか。
○川崎政策担当課長 新しい基本構想では、「自立してともに成長する人づくり」ということを掲げていまして、生涯を通して自己を高める教育の機会が保証されるというようなことをうたっております。また、地域を活性化をし、発展をさせていくためには、さまざまな分野での人材の活躍が求められております。そういった意味では、人材育成というのは重要な課題であるというふうに考えております。
その中で、ただいま御提案がありましたような新たな発想に基づく奨学金の制度、これにつきましても、その人材育成の方策の一つとして今後研究をしていきたいというふうに考えております。
○久保委員 ぜひとも検討をしていただきまして、何とか前向きな対処をしていただきたいと思います。
高齢者情報データベースと情報一元化システムの導入について伺います。
事業メニュー、地域包括ケアシステム、地域包括支援センターシステム2,037万円について伺います。このシステムとはどのようなものでしょうか。
○寺嶋保健福祉部経営担当課長 地域包括支援センターシステムは、同センターの業務遂行を支援するものとして三つの機能、すなわち高齢者の相談内容を記録する機能、それから介護予防ケアプランを作成する機能と地域支援事業のケアプランを作成する機能を備えてございます。そのシステム構成といたしましては、区役所本庁と8カ所のセンターに機器を配置しますが、ネットワーク化は行わず、独立するものとなってございます。
○久保委員 保健福祉総合推進計画によれば、2015年には介護認定率が19.1%まで拡大し、認定者数は1万2,000人を超えるものと見込まれています。今後、地域包括支援センターの役割はますます重要になり、多岐にわたることが予想されます。横須賀市では、「横須賀市壮快システム」という名称で、高齢者の情報をデータベース化し、市と在宅介護支援センターを光ファイバーで結び、場所を問わず、すばやく正確な相談を行える最先端のシステムを導入しています。インターネット情報通信網技術を活用した全国初の高齢福祉台帳機能、介護予防プラン支援機能、総合相談機能を備えたシステムになっています。導入効果としては、迅速かつ正確な高齢福祉サービスの提供と介護予防プランの作成、相談業務におけるサービス受給可否判定のスピードアップと、案内文や申請書のプリンタ、出力による利便性の向上などです。中野区との大きな違いは、光ファイバーの接続とデータベースの一元化であると思います。効果の高いこうしたシステムを導入されてはいかがでしょうか。今回のシステム開発の中で、この点について中野区としての検討はされたのでしょうか。
○寺嶋保健福祉部経営担当課長 まず、検討過程におきましては、高齢者情報を一元化しまして、それをネットワークでつなぐというようなことも考えましたけれども、検討の結果、個人情報保護の観点から、システム接続は行わないというふうにいたしました。
そういった経過から、現段階では、高齢者情報をデータベース化して光ファイバーなどでシステムをつなぐということは難しいというふうに考えてございます。
○久保委員 検討の結果から個人情報保護の観点でというお話がありましたけれども、これはいつまでもこういった状況になっていくんでしょうか。どのようなことがネックで、光ファイバーの接続ですとか、データベースの一元化はできないんでしょうか。
○寺嶋保健福祉部経営担当課長 先ほど申し上げましたように、現段階では、個人情報保護、つまりさまざまな住基情報からもたらされる情報、それが漏えいするおそれがなかなか払拭し切れないということで、現段階では接続は難しいというふうに判断してございます。
○久保委員 先ほど民間活力の導入の点で区長にもお伺いいたしましたけれども、先ほどの区長のお考えであれば、民間の地域包括支援センターに対してこういった光ファイバー接続を行っていくということも可能なことではないかと私は思うんですが、この辺に対しては改善はされないんでしょうか。
○寺嶋保健福祉部経営担当課長 技術的にも可能でございますし、方法としてもそういった方向も大いに考えられるところでございます。その点につきましては、情報化推進分野と関係部と今後十分に話し合っていきたいというふうに考えてございます。
○久保委員 地域包括支援センターでの相談業務に、区で行っている福祉サービスの案内が加われば利用者にとって非常に快適なのではないかと思います。主要施策の成果の施策に、安心してサービスを利用する区民の5年後の目標には、「保健福祉の総合相談や支援がワンストップで対応され、区民は安心してサービスを利用している」と掲げられています。あちこちの窓口をたらい回しにされることなく、ワンストップでサービス情報を入手できるというシステムに早急に改善をすることができないのでしょうか。例えば、地域包括が引き取りで台帳作成を行う際に、ケアプランだけではなく、その人の利用できそうな福祉サービスで利用可能であるようなものも検索でき、ケアプラン作成時に、他のサービスの申請書類も作成することができれば、あとはその用紙を役所の窓口に提出するだけで済みます。高齢者の方にとって、自分に必要なサービス情報を入手でき、申請書類も作成してもらえれば、困難で負担の重い作業からも解放され、すばらしいサービスの向上が図られると思いますが、いかがでしょうか。
○寺嶋保健福祉部経営担当課長 現在、相談業務に必要な情報につきましてはマニュアル化したり、定期的に最新情報を電話とか、そういったような形で提供しております。申請書も備えておりまして、その場で申請もできるというようなことになってございます。こうしたところで、可能な限りワンストップでサービスを提供できるように工夫はしているところでございます。
御提案のようなシステム改善につきましては、なかなかコスト的に難しいという点も考えられますが、今後の検討課題として受けとめさせていただきたいと思います。
○久保委員 システム改善そのものが困難なんでしょうか。今手作業で行っているのだと思いますけれども、これをデータを一緒に入れて、申請書類がそのままその場で、聞き取り調査をしながら出せるというような、非常に効率性のいいものだと思いますが、再度、御検討いただくようお願いしたいと思います。
○寺嶋保健福祉部経営担当課長 そのようなシステム、他自治体でもありまして、非常に効率的なシステムかと思いますが、やはりシステムを改善しなければならないというところがあります。その辺で、コスト面、そのほかでさらに検討を要する課題というふうに考えてございます。
○久保委員 検討を要するというのは、それはシステム改善に多額な費用がかかるという点で言われているんでしょうか。
○寺嶋保健福祉部経営担当課長 細かくは積算してございませんが、少なくとも現在のパッケージになったシステムをつくり変えるということですので、かなりのコストがかかるというふうに考えてございます。
○久保委員 つくり変えるということは、今のシステムを拡大するだけでは全く無理である。今回、システム開発を17年度予算で行ったばかりであるから、現状では見直しは不可能というようなことで今おっしゃっているんでしょうか。
○寺嶋保健福祉部経営担当課長 現状では、不可能ということではなくて、一つの検討課題として受けとめさせていただくということでございます。
○久保委員 以上で、すべての質問を終了いたします。どうもありがとうございました。
○伊藤(正)委員長 以上で、久保りか委員の質疑を終了いたします。
次に、岩永しほ子委員、お願いいたします。
○岩永委員 おはようございます。よろしくお願いします。
2005年度決算に対し、日本共産党議員団の立場から総括質疑を行います。
まず最初に、お断りをさせていただきます。質疑通告をしておりました10か年計画についての (3)認定子ども園については、次回にさせていただきます。今回は割愛をいたします。
それでは、最初の子育て支援についてお聞きいたします。まず最初の子ども医療費助成の拡充についてをお聞きいたします。
資料の総務32、05年度決算の区民一人当たりの区民税を見ますと、中野は23区平均に対して1996年度に109%だったものが、昨年度、決算年度は100%に減少しています。これを見ますと、やはり区民の所得が減っているということが明白です。
一方、それでは、税金が区民一人当たりにどれだけ使われていたのかということを見ますと、同じ資料で、1996年度は96%だったものが、やはり昨年の決算年度91%に減少しています。私ども日本共産党議員団は、積立金のことを問題にしておりますけれども、やはりこうした歳出状況を見ましても、42億円もの剰余金を出しているという背景にはこうしたことがあると言えます。ぜひとも、区民生活を支えるために必要な使い方をしていただきたいというふうに思います。
さて、今日、23区では、現金給付は時代おくれどころか、次々と子育ての経済支援に踏み切っております。千代田区では、児童手当の所得制限撤廃をしております。そして、18歳までの独自上乗せがあります。ほかにも、中央区、新宿区、品川区など、独自にこの児童手当には上乗せをしております。子育てをするなら中野区と言われたこともありましたが、今日では、せめて深刻な中野の少子化に歯どめをかけ、安心して子育てができるような施策の展開が区民から強く求められています。区は、2005年度の行政評価に対して、5年後の目標に、子育ての負担が軽減されている子ども医療費として、まず経済的支援を受けることで負担を軽減し、そして出産と子育てに希望と展望を持っていることを挙げています。このことは、子育て支援の施策の中で要望の声が一番高くなっている経済支援の声を反映して、子育て医療などにも取り組んでいくということではありますが、残念なことに、この成果の目標値は5年後も同じ数字です。具体的に取り組んでいかなければ、成果は生まれてきません。区の姿勢が本物かどうかは、具体的に踏み出すことでためされます。
そこで、お聞きをいたします。区の子ども医療費助成は、この決算年度に開始をされております。実績は、予算額517万7,000円に対し、執行額は79万9,500円、執行率は14.5%、助成件数は18件です。区は、当初の見込みをどのように立てたのかお聞きします。
○馬神子育て支援担当課長 17年度の予算額算定に当たりましては、乳幼児医療費助成の実績をもとにいたしまして国民健康保険のデータですとか、他区の状況などを参考に算出いたしました。
○岩永委員 そのもとになっております乳幼児医療費の助成の執行率は、決算年度99%です。行政評価目標の達成度を見ましても105%という結果になっております。この乳幼児医療費助成の結果についてはどのように見ますか。
○馬神子育て支援担当課長 乳幼児医療費助成につきましては、今対象者のうち98%の方が受給者になっていて、制度的にも非常に定着をしているということがあると思います。
○岩永委員 子育て医療費は始めたばかりですので、まだ全体像が見えてこないということはあります。しかし、他区の状況を見ますと、何らかの形で小学生以上への医療費助成は23区中18区になっております。そのうち通院も助成している区は、来年4月から実施を予定している豊島区を含めて9区になります。さらに、中学3年生まで実施をし、来年足立区も予定をしているということですから、通院ではこれで11区になります。所得制限なしで医療費、入院費、食事療養費を助成するという完全無料化の区は、ことしの12月から世田谷区が実施をしますが、その世田谷区を含めて3区になります。現在、未実施区が5区ありますが、そのうち杉並区、荒川区も、今議会等の動きを含めて実施の動きがあります。
区長会では、都に対して所得制限の撤廃を19年度要望しておられます。ニュースでは、都も中学3年生までの年齢拡大を検討すると報じられています。現在、3歳未満児までの医療費の負担は、区も都も2割ですけれども、これも08年4月からは就学前までに引き上げられるということで、区の負担も軽くなりますし、東京都の試算では23億円も軽減されるというふうに見込んでいるようです。こうした各区の動き、都の動きを見て、その見通しに立って、中野区の子ども医療費の年齢の拡大と通院費を助成対象にすることに踏み切る時期に来ていると思いますけれども、いかがでしょうか。
○馬神子育て支援担当課長 区としては、まず特に小学生が入院した場合の負担が重いという判断から、子ども医療費助成を制度化いたしました。利用実績につきましては、高額療養費など、他の制度との統制などもありまして、まだまだ申請が上がってきていないというところもございます。引き続き制度の周知に努めて、この制度についての定着をまず図りたいと考えております。その状況を見、また実績なども踏まえながら、今後について検討してまいりたいと思っております。
○岩永委員 制度の周知をして、区民がこの子ども医療費を頼りにするということになるというのは支援にもなります。先ほど私が紹介させていただきましたように、23区の中で、本当に早いスピードで年齢の拡大も進んでいますし、通院も対象にするという動きがあります。そういう中で、この間、当区では、一貫して検討をするという態度なんです。年齢の拡大等含めて、検討のニュアンスが若干前向きかなという気もしますけれども、いよいよこれから予算を決めるという時期に入ってきます。そういう中で、やはり今、担当のところがどういう姿勢に立つのかということで、この予算も決まってくると思うんです。そういう意味では、ぜひ担当のところでは、年齢の拡大や通院については積極的な姿勢を持っていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○馬神子育て支援担当課長 子どもの医療費の経済的負担の軽減につきましては必要性を認識しております。都ですとか、国の動きが出ております。そういったところもしっかりと情報を集めまして、影響などもよく分析して検討してまいりたいと思います。
○岩永委員 しつこくて申しわけないんですが、もう検討という時期は、他区の様子を見てももう満ちていると思うんです。お月様で言えばまん丸お月様になっている、もうそんな時期なんですね。だから、それをもう検討ではなくて、具体的にどう踏み出すのかという、その具体的な方向をぜひ示していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○馬神子育て支援担当課長 先ほど申し上げましたとおり、今いろいろな動きが出ております。他区の状況なども、よくうちでも情報を収集しております。そういったものも踏まえまして検討を進めてまいりますので、お願いいたします。
○岩永委員 何度聞いても、検討の域は、その言葉は変わらないのかなと思いますが、検討というのは実施の方向に向けて踏み出す、そういう検討だということで、私はぜひ受けとめさせていただきたいというふうに思いますし、ぜひ担当課長は、予算確保などのプレゼンなどでも積極的に、前向きにぜひ取り組んでいただきたいというふうに思います。
それで、乳幼児医療費助成と子ども医療費助成の実施の方法に違いがあると聞いていますが、どのように違うのでしょうか。
○馬神子育て支援担当課長 乳幼児医療費助成は、区が発行した医療証を医療機関に提示することによりまして、保険診療の自己負担分の支払いが不要になります。それに対しまして、子ども医療費助成は、医療機関で自己負担分をまず支払い、後日、区に申請して払い戻しを受けるという点が異なります。なお、乳幼児医療費助成の場合でも、都外の医療機関にかかった場合は医療証は使えませんので、払い戻しを受けるということになります。
○岩永委員 先ほど制度の周知の徹底ということも言われました。今、もう各区でどんどん年齢の拡大、通院等も広がってきて、さらに東京都の動きもあります。私は、ことしの第1回定例会の本会議におきまして、この乳幼児医療費助成と子ども医療費助成を統合して使いやすくする、その方がより区民にとっていいのではないかということで、この改善を求めました。ぜひ検討していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○馬神子育て支援担当課長 子ども医療費助成につきましては、中野区独自の制度でございまして、都内共通の乳幼児医療費助成と統合するということになりますと、医療証の取り扱いなど医療機関への周知の徹底など非常に課題が多いのかなと考えております。現在の実施方法の周知を図りつつ、ただ区民の方の負担についてはできるだけ軽くするということもございますので、事務の簡素化等についても検討して、利用しやすい制度となるように努めてまいります。
○岩永委員 ぜひ使いやすい、統合して一つの、例えば中学3年生までは一つの医療制度で安心してお医者さんに行けるようなことができるように、ぜひ実施の方向で検討をお願いしたいと思います。
区長は、食事療養費の助成につきましては、日常に支出する経費なので実施しないという態度をとり続けておられます。しかし、既に23区の中で14区が実施している。このことを私どもは繰り返し紹介してきました。入院療養費は、日常食事とは違いまして、治療の一環であるということは、これは病院の方の明確な見解です。入院費用の負担を軽減する支援策となっているということもありまして、この14区では実施をしております。ぜひ中野でも実施することを強く求めたいと思います。
以上で、この子ども医療費助成のことについては終わります。
次に、小児救急医療体制の確保についてお尋ねいたします。
04年度決算総括におきまして、かせ議員の小児救急医療を安定的に継続するために都への財政的支援を求めたことに対して、区の答弁は、「都は二次救急医療が整っていない他の区に補助金を広げるので、運営が確立している中野は今のシステムを続ける」と答えられました。しかし、今年度、18年度は、医師の確保ができていないということから、二次救急医療はできないということになりました。ことしの予特厚生分科会では、その打開の方策を求めておりましたが、そのときは医師の確保など、都や中野総合病院、区内の医療機関などと相談して方策を考えるとのお答えでした。この間、今日までどのような努力をされたのでしょうか。また、その見通しはいかがでしょうか。
○大久保子ども健康担当課長 この間の区の努力についてでございますが、二次医療救急の整備を担当している東京都に御相談をしながら、関係病院、関係機関への働きかけを重ねてきているところでございます。
そして、その見通しについてでございますけれども、小児科医師が不足している中で、さらにその中でも小児の二次救急医療を担当する医師の確保は非常に難しいところとなっております。東京都内においては、この一、二年の間に五つの大きな病院が小児の二次救急医療の実施を続けられなくなり、やむを得ず、東京都の二次救急指定を取りやめている厳しい現実がございます。医師確保が困難な状況は尋常ではなく、見通しは非常に厳しいと言わざるを得ない状況でございます。
○岩永委員 今、お答えいただきましたように、お医者さんの確保をどう目当てを立てるかということでは、さまざまな取り組み、これはそれぞれの自治体も含めた取り組みが必要になってくると思います。ぜひ区としてもできることを検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○大久保子ども健康担当課長 区としてできることといたしましては、二次救急医療整備の担当行政機関が東京都でありますことから、中野区ができることは限られておりますけれども、関係医療機関等への救急医療に関する行政情報の提供、関係病院が二次救急医療を実施しやすいような環境整備に関する調整等に動きながら、中野区としての切実な要望を関係機関にお伝えし、お願いと御相談を続けていくことであると考えております。
○岩永委員 そうした取り組みもぜひ続けていただきながら、この二次救急医療を含めて、私どもは、現在建築中の中野警察病院は小児科の開設をする予定になっているので、ここでの実施も求めてきました。区や医師会も小児救急医療の実施を求めています。実現に向けて努力をしていただきたいと思いますが、その決意はいかがでしょうか。
○大久保子ども健康担当課長 できれば、ぜひ区民の身近に小児二次救急医療をと考えております。区内において小児の二次救急医療体制を整えることは、警察病院も含めまして非常に難しい状況であると認識しておりますが、中野区の子どもと家庭がより安心できる医療体制を目指し、引き続き区として最大限の努力をしてまいりたいと存じます。
○伊藤(正)委員長 岩永委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。
午後1時まで休憩いたします。再開時間は午後1時です。
委員会を休憩いたします。
午前11時58分休憩
午後 1時01分開議
○伊藤(正)委員長 委員会を再開いたします。
質疑に入る前に追加資料の配付について申し上げます。
要求した資料につきましては、お手元に配付のとおり、2件の資料が追加提出されております。
したがいまして、これまで要求いたしました資料はすべて提出されたことになります。資料の作成に当たられた職員の皆さん、ありがとうございました。
それでは、質疑を続行いたします。
○岩永委員 では、同じ子育て支援の3番目、保育料の軽減策を実施することについてお聞きします。
区内に住む20代、30代の子育て世帯の多くは、借家住まい、そして家賃が高いという状況にあると言えます。こうした子育て世帯への経済支援は、23区の中でも最も深刻な状況にある中野の少子化対策につながることは区も認識しているところだと思います。区は次世代育成支援と子育て世帯の負担軽減を目標にしていますが、その施策として保育料の軽減策を拡充していただきたいと思います。
それで、まず保育料の軽減についてお聞きします。保育園入園児のうち第三子以降の保育料は無料です。第二子には3割、4割、5割の減額率があります。今年度からは所得がふえなくても、定率減税の半減や住民税の非課税制度の廃止などによって、保護者、扶養義務者の住民税、所得税額が上がりました。来年からは、住民税の10%フラット化でさらにその影響を受けることになります。所得は上がっていないのに税金がふえるということは、若い子育て世帯にとっても厳しく、子育て世帯への支援は一層必要です。資料の厚生80にあります板橋区では、その減額率を中野区よりもさらに1割ずつ上で6割、5割、4割というふうになっています。中野区でもそのように第二子の保育料の軽減率を拡充していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○竹内保育園・幼稚園担当課長 保育料につきましては、これを負担していただいている方の間での公平というものが大変重要であるというふうに考えておりまして、委員からも御指摘でございますけれども、私どもとしては、第二子に対する軽減率について、これをこれ以上拡大するという考えは持ってございません。近隣6区の状況を見てみましても、板橋区以外は中野区とほぼ同様の状況でございますし、むしろ第三子を無料にしているという点につきましては、中野区は他区よりも充実しているというふうに考えているところでございます。
○岩永委員 それは承知しています。しかし、先ほども言いましたが、少子化の状況を見てみますと、23区の中でも中野区は一層深刻です。そういう意味でいえば、やはり子育て世帯への支援策、特に働きながら子育てをしている世帯への支援策としては、保育料の減額率ということもあるだろうと思いますので、これはぜひ今後も検討していただきたいというふうに思います。
続きまして、幼稚園の保育料の軽減策についてお尋ねをします。
教育委員会の幼稚園条例施行規則では、保育料の軽減策には、生活保護世帯は全額、財政困難のため減額が適当と判断された場合は5割、教育委員会が必要と認めた場合は全部又は一部の減免という規則があります。この実績は、04年度24人、05年度20人、今年度9月25日現在12人となっていると聞きました。この財政困難や教育委員会が必要と認める場合という、その判断基準は何でしょうか。
○竹内保育園・幼稚園担当課長 現在、区立幼稚園の保育料につきましては、生活保護の適用を受けている世帯、それから区民税が非課税の世帯、それから区民税の所得割が非課税の世帯について免除をしております。5割減免ということについては適用をしておりません。
それからまた、昨年度は水害被害世帯のうち住民税の納期未到来税額の全部を免除された世帯についても保育料の免除の対象といたしました。
○岩永委員 そうした災害罹災世帯への対応と同じように、一定の調査や基準というのは必要になるだろうとは思うんですが、倒産、リストラなどで急激に収入が減った場合も減免できるようにできないでしょうか。
○竹内保育園・幼稚園担当課長 保育料の減免ということについても、大変厳密に行う必要があるというふうに考えております。そうしたことから、これを拡大するという考えは現在持っておりませんが、保育料の納付が、今言われましたようなことで困難というような状況になった場合には、納付期限の延長などの対応を行っていきたいというふうに考えてございます。
○岩永委員 この幼稚園の関係で、やはり先ほど保育園のときにお聞きしたように、第二子以降の児童についてですが、区立幼稚園に二人以上通園している児童は、お聞きしたところ、今年度、今現在14世帯あると聞きました。こうした第二子以降の軽減策として、区立幼稚園、私立幼稚園ともに何らかの軽減策をとっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○竹内保育園・幼稚園担当課長 区立幼稚園の保育料は、保育園の保育料と異なりまして、幼稚園利用の対価として、その便益を受ける利用者に応益的に負担をしていただいているものでございます。こうしたことから、その額については区立幼稚園を利用している子どもさんの数とか、保護者の経済的な状況など、そういった応能的な考慮をもって定めるべきではないというふうに考えていることから、私どもとしては、第二子だからということで軽減策を設けるということは考えてございません。
それから、私立幼稚園につきましては、これは現在、保護者補助金、それから就園奨励費補助金を保護者に交付しているところでございますけれども、就園奨励費補助金、これは国の制度でございますが、これについては第二子以降に加算をする部分がございます。それから、保護者補助金につきましては、これは中野区としては一律の額を子どもさんの数に応じて交付しているわけでございまして、今後、公私格差の是正という考え方に基づきまして増額することを予定しておるということで、対応していきたいというふうに考えてございます。
○岩永委員 これも同じように、ぜひ第二子以降の軽減策を考えていただきたいと思います。
続きまして、私がちょっとここの場に来れていなかったときに、既に久保委員の方からも出たということを後で聞きましたが、私も準備しておりましたので、そのとおりお聞きをしたいと思います。認証保育所の保育料の軽減策です。
厚生資料の12では、区内の六つの認証保育園の入園児についてが出されています。ほぼ定員に達していて、特に11月ごろからは100%を超えているという状況がこの資料から見受けられます。認可園での産明けと、乳児への対応が不足をしているからではないかというふうにうかがえます。こういう状況を改善するためにも、さらに認可園での産明け等の対応を拡充していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○竹内保育園・幼稚園担当課長 認証保育所の補助の話につきましては、認可保育園に入園を申し込んで、資格のあるにもかかわらず空いていないがためにその必要に迫られて認証保育所を利用されている、こういった方の御負担と、現に認可保育園を利用できている方の負担との間に格差があることは事実ですので、この解消策については、私どもとしても検討を始めているところでございます。
それから、認可園の産明けの拡充ということにつきましては、これはやはり特に基準に基づきます保育室の広さ等の限界がございますので、私どももこれまで、できるところについては取り組んでおりますけれども、なかなかそれを拡充できる状況には、今現在ないということであります。
○岩永委員 保育料の軽減策については、お聞きする前に先に答えていただきましたので、それはぜひ、来年度から対応できるようにしていただきたいと思います。
なお、産明け等の対応につきましては、確かに、施設、人員等々のことが一番かぎになりますけれども、ぜひその改善も努力していただきたいというふうに思います。
それでは、学童保育の保育料の軽減策についてお尋ねをいたします。
まず、この学童保育料のことについての最初に、中野区では学童保育に入っている児童で、兄弟、姉妹の入会について、これは資料が予特のときに出されています。それを見ますと16年度は62組となっておりますが、17年度、そして今年度の今現在はどのぐらいになっているか、わかったら教えてください。
○大橋子ども育成担当課長 17年度は84組ございまして、18年度も同じ84組でございます。
○岩永委員 そうしますと、この予特の資料などから見ても、児童が減っているという中でも学童クラブでは兄弟・姉妹が入っている数字というのは割と多いかなというふうに思います。
それで、この条例が提案されたときに、第2子以降の減免制度をどうするのかということが大きな議論になっておりました。他区では、厚生の80の資料にもありますとおり、保育料の徴収をしていないとか、それから、軽減策がとられているというような状況も出されておりましたが、中野区には第2子以降の保育料についての軽減策がありません。ぜひ第2子以降の軽減策をとっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○大橋子ども育成担当課長 中野区におきましては、児童世帯の所得に応じ、保育料やおやつ代の免除は既に行っております。学童クラブについては、希望者をできるだけ受け入れるなど条件や基準の改善に努めているところでありまして、第2子以降に対する軽減措置は現在のところは考えておりません。
○岩永委員 これも同じように、ぜひ、少子化対策というような観点も含めまして、今後検討をお願いしたいというふうに思います。
それでは、以上で子育て支援については終わります。
それでは、10か年計画についてお尋ねをいたします。
まず最初に、児童館・学童クラブについてお聞きをします。
現在の検討状況について、この特別委員会への資料要求しようと思いましたが、これからの常任委員会に報告を予定しているとのことで、資料は要求しませんでした。私たちは、この10か年計画の児童館・学童クラブのことについては、これまでも機会あるごとに議会で取り上げてきました。そういう中で、いよいよ、この児童館・学童クラブについてをどうするのかという状況になってきておりますので、改めて、学校統廃合に関する地域の検討会なども始まっている状況がありますだけに、それから、今度、国で新たな子どもプランが出されたというような状況もありますだけに、ここでお聞きをしておきたいと思います。
この間、児童館・学童クラブの今後について検討されているけれども、児童館職員などから、だれが参加してどんな検討がされているのかわからないという声を聞きました。現場のこと、子どものこと、地域のことを一番よく知っているのは、それぞれの児童館にいる、そして、直接児童館事業に携わっている職員だと思っています。その職員が、自分たちの声が反映されないまま今後のことがあと半月後に開かれる常任委員会に報告されるということになれば、納得いくだろうかというふうに思います。職員参加の保障はどこにあるんでしょうか。また、なぜこうした状況になっているんでしょうか。
○大橋子ども育成担当課長 児童館・学童クラブの今後の展開につきましては、新しい中野をつくる10か年計画においてお示ししているところでありまして、計画の具体化に向けて現在取り組んでいるところでございます。これまでも、児童館長をメンバーとするPTの設置や、保育園、幼稚園、児童館などの子ども施設の職員による意見交換の機会、また、教育委員会との協議、校長会の説明など、幅広く職員関係者の参加を得て具体的実施へ向けた検討を進めているところでございます。
○岩永委員 私がお聞きした意図と今お答えをいただいた中身に隔たりがあります。現実にこれからどうしていくのかということで私たち職員の声が反映されていないと思うという声があります。確かに、10か年計画に計画化されるまでは一定の職員参加があっただろうと思うんですが、その10か年計画に基づくことも含めてこれからの児童館をどうしていくのかということについて、先ほど言ったように、一体職員参加の保障がどこにあるんだろうかというようなことが聞こえてきますので、お聞きしたんですが、もう一度お答えください。
○大橋子ども育成担当課長 今後の児童館・学童クラブの展開につきましては、計画を、今、具体化に向けて取り組んでいるところですが、今後、その具体的な肉付けにいたしましては、館長会によるメンバーによるPTの設置と職員参加を得て進めていくことを考えております。
○岩永委員 方針が決まって肉付けされて具体的に取り組むのは、やはり直接児童館事業に携わっている職員だと思います。そうした職員が、自信を持ってと言えるかどうかは別にして、責任を持って対応していくためには、職員の参加、職員の声をきちんと反映させていくことが欠かせないと思いますので、ぜひそれはその姿勢でやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○大橋子ども育成担当課長 そのような状況をつくって職員参加を得て、進めていくところは進めていくようにいたします。
○岩永委員 では、10か年計画という大きなくくりでの計画ではありますが、具体的には今後の児童館・学童クラブをどのようにしていくのか、この時点で紹介していただけるものがありましたら紹介してください。
○大橋子ども育成担当課長 10か年計画の中で全体像はお示ししているところでありますが、児童館は、地域のすべての子どもと子育て家庭を支援するために、仮称でございますが、地域子ども家庭支援センターの組織と一体化し、子どもと家庭の相談対応、また、地域の育成団体と連携した取り組みの拡充を進めていく、あわせて、順次、小学校施設を活用した遊び場機能等を展開する事業を学童クラブ事業とともに実施していく、このようなことを計画しております。
そして、こうした取り組みを進めることにより、子どもに関する課題や状況を関係機関などが共有することができ、子どもや家庭の支援の拡充につながると考えております。
○岩永委員 今御紹介をしていただきました事業を展開するに当たって、例えば、10か年計画では児童館の廃止館が具体的な名前が挙がっていて、それは7館ありますが、全体、今後、今言われたような事業を展開していくということの上に立って、児童館などはどういう数になるんでしょうか。
○大橋子ども育成担当課長 10か年計画の中では、新しい児童館というものと小学校に順次入っていく子どもの遊び場機能と学童クラブという今後の方向性が示されております。ただ、10か年計画の範囲の中では、最終的な計画、特に、数がどうなるのかというところは描かれておりませんので、それを今後想定しながら進めさせていただきたいと思っております。
○岩永委員 先ほど、どういう取り組みをしていくのかということを紹介していただきましたが、そうしますと、今のお答えからいけば、将来的には児童館は10か年で7館という数が出ておりますけれども、それ以外は児童館としては続けていくと、そういうふうにとってよろしいんでしょうか。
○大橋子ども育成担当課長 これまでの児童館というあり方から、これまでの経験等を踏まえまして、その特色を持った新しい児童館というものをつくっていく、そして、先ほども申しましたように、特に、全児童対応と申しますか、小学校の設備等を使って、子どもが地域の方々の御協力を得て遊び等々をして健全育成を図る子どもの遊び場機能、そして学童クラブを小学校の中に入れていくと、そういうところでございます。
○岩永委員 新しい児童館をつくるというのは、7館以外で残った児童館を新しい児童館にするのか、それとも、そうではなくて、別に新しい児童館を幾つかつくっていくのか、その当たりを紹介していただけますか。
○大橋子ども育成担当課長 建物としての新しい児童館をつくるという予定はございません。これまでにある児童館の建物を、新しい児童館としてその機能を特徴付けて運営していくものでございます。
○岩永委員 今、28の児童館があります。それで、10か年計画で七つの児童館の名前が具体的な廃館名として挙がっています。それを引きますと、今の現状で言えば21館という数になるだろうと思うんです。そうすると、この21館が新しい児童館の役割を担っていくことになるんでしょうか。
○大橋子ども育成担当課長 新しい児童館の機能を特徴付けていくものといたしましては、今後、学校再編に順次あわせて進めていくことになりますが、中学校区に大体一つ程度というふうに考えております。そして、小学校に入っていく遊び場機能と学童クラブが入っていくのは、小学校の再編にあわせて順次入っていきますので、将来的には残る小学校の数になっていくかと考えております。
○岩永委員 中学校区となりますと、例えば、統廃合をしなくても14校、中学校は今14校です。教育委員会は、中学校の統廃合を考えていますから、9校を考えています。そうすると、場合によっては9の新しい児童館ということになるんでしょうか。今、区民の間からは、この間一貫して児童館は減らさないでほしいという取り組みがされましたし、今現在でもそれは区民の中でネットワーク化されて、児童館の活動を広げていこうというふうに取り組まれています。それを例えば中学校区に1館ということになると、こうした区民の意向とますます離れていく、区民の意向を無視するということにならないでしょうか。
○大橋子ども育成担当課長 児童館の今後の展開につきましては、先ほど申しましたように、(仮称)地域子ども家庭支援センターと一体となって、子ども家庭への支援や地域の活動団体と連携した取り組みを行っていく考えであります。子どもたちの放課後や長期休業中の活動拠点として小学校の中で展開することにより、これまでの児童館が進めてきた異年齢交流や地域との連携をさらに展開させていくことになります。今後の計画の具体化に向けては反対の方もおいでになるというお話でございますが、地域の中で今後の展開について意見交換を始め、各関係団体への説明を行うなどわかりやすい説明をして、新しい児童館を展開していきたいと考えております。
○岩永委員 この新しい児童館についてはこれからまた大きな争点になってくるだろうと思います。きょうのこの場では時間もありませんから、この問題についてはここでひとまずとめますが、これは本当に、児童館の活動を広げていきたいという区民にとっては全くひどい話だというふうに言わざるを得ません。
それで、具体的には、再来年には塔山小学校への移行が行われるということで今準備が進んでいるというふうに聞いておりますが、それ以降、学校再編との関係でどういうふうにその移行が進んでいくのかということがよくわかりません。特に、学童クラブの移行につきましては、休養室など必要な施設設備の確保は大事だということを一貫して私たちは主張してきておりますし、それについては子ども家庭部の方でもその立場に立ってきていただろうというふうに思うんですが、その保障が今日現在でも示されておりません。一体、そうした必要な施設設備を具体的に保障できるんでしょうか。
○大橋子ども育成担当課長 学童クラブは児童が安心して放課後の時間を過ごすことができる場所であり、また、そういう中でぐあいが悪い児童が出た場合には、児童が安心して休めるスペースが必要なことはもう明らかなことだと考えております。現在、学校に学童クラブが入っている施設につきましても休養スペースは確保しており、同じ考え方で、その考え方に基づいて、現在、塔山小学校との話し合いを進めておりますが、それと同じ考え方をもって対応していくように考えております。
○岩永委員 御紹介いただきました今現在の小学校の休養スペースというのは、例えば、東中野小学校、それから新井小学校なども見てきました。それから、厚生委員会では世田谷のボップ事業なども見に行きました。いずれも共通しているのは、独立した休養スペースではなくて、保育をしている一角をそういうスペースに、畳二、三枚を敷いて、そこが休養スペースということになっております。この問題については、一貫してそれは今の状況から見て後退につながるということを私たちは指摘をしてきました。
昨年の決特の総括質疑において、児童福祉法が定めております放課後児童の情緒安定などのための整備、例えば今の休養室のようなものですね。それから、設備・運営の向上、そして、最低基準を理由にして設備・運営の低下をしてはならないという決まりがあります。そのことについて区の姿勢をただしたところ、当時の課長は「児童が安心して放課後の時間を過ごせることが優先順位だ」というふうに答えられました。この立場から見ますと、学校に入れたスペースが今のようなやり方であれば、それは後退したというふうに言えるのではないかと思います。どういうふうに今のような独立した子どもたちが安心して情緒を安定していられるかということを検討されたんでしょうか。
○大橋子ども育成担当課長 そのあたりにつきましては、最近の子どもを取り巻く事情を見ますと、まず、子どもの安全・安心が最優先になっていることはだれもが認めているところだと思います。そういう点で、学校内で放課後健全育成事業を実施することについては、児童が、放課後、学校内の学童クラブに、そこで安心して放課後の時間を過ごすことになるという、それが最優先だと考えております。そういう中で、子どもがもしぐあいが悪くなった、そういう状況がありましてもきちんと休養できるスペース、それを学童クラブ室の中に確保していきたいと。それは必ず今後もそういう対応を図っていきたいと、そのように考えております。
○岩永委員 繰り返しませんけれども、今の課長のお答えは、こうした定めが--児童福祉法というのは毎年毎年のように随分いろいろ変わっているんですが、今私が紹介したところは変わっていません。調べてみました。そうしたら変わっていないんです。変わっていないということは、大事なことなんですね。だから、そういうことが、学校に入れるというのであれば、今の状況を後退させないで、こういうふうにして保障しますということが明確に示されないと、学校に移行するということにはならないというふうに思っております。そういう立場でこの問題をずっとこれまでも取り上げ、その問題点を指摘してきたところです。今の課長のお答えから見ても、残念ながら納得できるものではないと言わざるを得ません。そのことを指摘しておきたいと思います。
さて、こうした中で、文科省と厚労省の事業である放課後子どもプランが8月29日に出されました。放課後の児童対策は、小学生の安全な遊び場の確保を目的にした全児童対策事業、これが展開されてきました。04年度からは、文科省が3カ年計画で、今年度が最後になりますが、地域の養育力の向上を目的に、子どもの居場所づくりプラン、これを開始しています。一方、この厚生労働省管轄になる学童クラブは、就労支援から、かぎっ子対策として、子どもの安全確保を主にして、家庭のかわりになる保育という事業として展開をしてきました。
今、問題になっているのは、行政の財政負担を軽減するために、こうした事業を統合して学童クラブをなくし、全児童対策に縮小することがいろんな自治体で起きているという、ここが今問題になっています。しかし、厚労省は学童クラブと全児童対策事業は異なるものだという見解を従来から示しておりますし、文部科学省も、居場所づくりプラン、これは今年度までのことですが、こうしたものは学童保育を縮小する意図でやっているものではないとの、そうした見解も示されています。このたびできました放課後子どもプランも、連携は示していますが、学童クラブ等を含めた統合を目的にはしておりません。中野区がこれまで進めてきた児童館事業、学童クラブ事業、そして今度の新しい放課後子どもプランの事業というのは、それぞれの目的を持った事業であり、そのために必要な設備・運営等の整備をするということを明確にした事業だし、そうした事業として展開をしていくべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○大橋子ども育成担当課長 文部科学省が考え方を示した放課後子ども教室につきましては、すべての子どもを対象とし、安全・安心な子どもの活動拠点を設け、地域の方々の参画を得て、子どもたちとともに勉強やスポーツ、文化活動、地域住民との交流活動等の取り組みを推進するものであるとされております。また、国は、区の放課後子ども教室と厚生労働省の放課後児童健全育成を連携して総合的な放課後児童対策事業として実施する考えで、放課後子どもプランとして概算要求しているところであります。この事業と現行の児童館・学童クラブとの関係がいまだ明確にされていないため、現段階では明確なお答えをするところは、そういう状況にはございません。
○岩永委員 ぜひそれぞれの目的を持った事業として取り組んでいただきたいと思います。
次に、学童クラブは、その待機児をなくすということで、定数を超えて、最初は5人まで受け入れるというふうになっていたんですが、現在は10人までは受け入れるというふうに各学童クラブはなっています。実態は定数があってもなきがごとしという状況ではないかと思っています。しかし、それでも、新井学童のように、待機児童が解消されずに児童館の2階で学童クラブを臨時的に開かざるを得ないと、こういう状況にもなっています。こうした中で、定員制がなくなるのではないかという声もあるんですが、それはどうなんでしょうか。
○大橋子ども育成担当課長 年々増加する傾向にある中で、できるだけ希望する児童が学童クラブを利用できるようにこれまでも努力してまいりました。今後も希望される方が多い場合は、施設の条件や人員の確保などが整備できれば、受け入れの拡充に努めていく考えであります。こうした考え方から、各施設ごとの定員は柔軟に運用していきたいと考えております。
○岩永委員 今のお答えいただいたような方向で、一定の定数の中できちんとした対応をしていくという、そうしたことが貫かれないと、結果的には、職員の配置だとか施設利用などに問題が起きて、子どもたちにしわ寄せが行くというふうに思います。
全国学童保育連絡協議会では上限を40人に設定することを求めて運動しています。すし詰めでは、情緒安定という状況や、また、子どもたちと遊ぶというんですか、子どもたちのそうした活動を保障するということにはなりにくいという状況が生まれます。少子化と言われていても、学童クラブの利用申請状況を資料などで見ましても、決して減っているという状況ではありません。定員数を外すのではなくて、区として必要な体制をとって待機児を受け入れ解消していくということを貫くべきだと思うんですが、再度お答えをお願いします。
○大橋子ども育成担当課長 これからもそういう点では柔軟な運用をしていく、その中で、全ての学童クラブが定員を超えているわけではございません。特定の地域の学童クラブが定員を超えている状況にあるところです。ですから、そういうところに対しては、定員につきましては柔軟に運営をしながら、また、ほかの手段により定員オーバーの解消に努めていくと、そのようなことを検討していきたいと思っております。
○岩永委員 ぜひ区の責任でこうした学童の待機児を解消していくように取り組んでいただきたいと思いますが、それは区が直営で責任を持ってやっていくということで対応をお願いしたいと思います。
この項の最後になりますが、障害児対応のことでお聞きをいたします。
決算を見てみますと、学童クラブ運営費で児童館・学童クラブ臨時職員賃金の不用額が随分あります。これはなぜでしょうか。
○大橋子ども育成担当課長 アルバイトにつきましては、そのほとんどが障害児対応ということで採用させていただいております。その不用額につきましては、障害児に対応していただくアルバイトの方の勤務時間等の関係で、こちらが募集をかけてもなかなか応募をいただけないというようなこともありまして、不用額として出てきているものだと受けとめております。
○岩永委員 その障害児対応のアルバイトの募集条件はどうなんでしょうか。
○大橋子ども育成担当課長 もちろん学童クラブですから、放課後、障害のあるお子さんがいる時間帯、ですから、低学年であれば1時半からになったりしますので、その状況に応じて、大体5時間とかそういうことで募集をさせていただいております。
○岩永委員 6カ月の臨時職員採用として募集をするんですね。どうですか。
○大橋子ども育成担当課長 これは私どものところで行いませんので、アルバイトの採用については区の制度に基づいて採用しております。ですから、3カ月が期限でして、1回更新ができるということで最長6カ月という採用になっております。
○岩永委員 実は、中野区は非常勤職を廃止しているために、障害児担当のアルバイトの配置も、今お答えいただいたように6カ月で採用せざるを得ないという状況があります。一方、現場の職員の方からは、障害の程度の判断によっては1人の人が複数の障害児童を担当するという場合もあるというふうに聞いております。現在、障害児担当のアルバイトは6カ月の臨時採用で配置されていて、1年間の対応をする場合には複数のアルバイトを探さなければ確保できないという状況で、各学童クラブ・児童館は年じゅう人探しに走り回っている、知り合いにつてを頼んでみたりいろいろやって。この質問をするに当たって、人事担当の方からもそうやっておりますというふうにお聞きして、本当に苦労しているんだということがよくわかりました。それで、毎年障害児は受け入れていますし、資料を見ても何人と各児童館に障害児がおります。一番問題になっている臨時職としての配置を改めて、1年を通して対応できるようにしていただきたいと思います。また、1時間の賃金なんですが、聞くところ、23区では下から2番目ということで、言ってみたら、近隣区の賃金単価のいいところに行ってしまうという問題も起きている状況もありますから、この時間単価も引き上げていただきたいと思います。そして、こうしたことを改善して、障害児担当の配置は現場の判断が大事にされるような形で行うことができるように改善していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○大橋子ども育成担当課長 アルバイトの雇用期間または賃金については人事担当の分野の方との関係になると思います。私どもといたしましては、本当に、アルバイトの採用に当たっては、応募の増加に向けて募集方法を工夫し、区報やホームページへの掲載のほか、大学や専門学校の募集ポスターの掲示依頼を行ったり、また、これまでアルバイトをしてくださった方にまたやっていただきたいという、そういう積極的な応募を依頼したりしております。今後もそういうところでは進めてまいりたいと思っております。
○岩永委員 よろしくお願いします。
次に、学校統廃合と放課後子ども教室の関係でお聞きをします。
教育委員会は、10か年計画で学校統廃合を進めるということで、特別教室等を普通教室に転換する取り組みをしています。今の質疑でもお聞きしたように、そこに加えて学童クラブや児童館の遊び場機能が移行されようとしています。今でも十分とは言えない学校の施設状況にありますが、この計画の推進によって一層子どもたちへのしわ寄せになるということで、私たちはこの見直しも求めてきました。先日の本会議でもこのことを指摘しております。
ところが、それに対する答弁は、学校の再編は集団教育のよさを生かしたものだと。学校を望ましい規模にする、これは40人学級が望ましい規模という意味に私はとりましたが、それが目的であって、それ自体が教育環境の向上につながるとか、それから、施設設備については、学校教育に必要な教室数は、これは普通教室ではなくて特別教室だとすると、いろんなことができるのかなと思うんですが、確保しますという区長のお答えがありました。
実際に一番早く実施をされる、これは統廃合ではありませんけれども、塔山小学校には学童クラブと児童館の遊び場機能が入ってきます。ここでは、例えば、塔山小学校は、文教17の資料を見てみますと、児童会室があります。多目的室があります。障害児学級対応の教室などもありますが、こうした教室は、今、もう既に、子どもたち、PTA、それから、例えば地域の評議員会などなどを含めた中で、いろんな形で使われているんだろうと思うんですが、これらは確保できるんでしょうか。
○相澤教育改革担当課長 まず、学校再編により統合新校をつくる際には、これまでの余裕教室の活用により使用していた幾つかの部屋、例えば、資料室でありますとか、幾つか多目的室があるわけですけれども、それを普通教室に戻すことになります。再編計画は将来の児童数を見込んで策定しておりまして、学校と十分調整した上で、少人数指導、特別支援教育、学校教育に必要な教室は確保してございます。また、学校再編の対象とならない小学校の遊び場機能の導入でございますが、先ほど委員が言われました塔山小学校、これについては現在協議をしているところですけれども、余裕教室の活用により使用していた部屋のうち、例えば資料室でありますとか教材室を充てるということで学校と調整しており、学校教育に必要な教室は確保できると考えてございます。
○岩永委員 学校にある教室数、施設規模というのは限られていますから、今お答えいただいたように、何らかの形で対応しないことには学校運営はできませんから、そういうことになります。私がお聞きをしているのは、現実に資料室になっているのは、何にも置くものがないから資料を置いてあるというわけではなくて、学校にはいろんな資料があります。それから、例えば、学校によっては地域の備蓄倉庫になっているというようなところもありますが、いずれにしても、学校や地域の実情でそれが必要だ、そういうふうに使おうということでやってきているわけです。ですから、そういうことが引き続ききちんと対応できるんでしょうかとお聞きしているんですが、いかがでしょうか。
○相澤教育改革担当課長 ちょっと全体的なお話を申し上げますと、小学校の児童数というのは昭和33年には3万3,000人おりました。それが、平成18年度の数字で言いますと9,200人余になっているわけで、ピーク時の3割以下まで減少しているわけでございます。その当時と、いろいろ教育指導のあり方とか、そういうのも変わってきまして、例えば、特別教室でも、第2図工室とか、そういう活用もあると思いますが、すべてのそういった教室を学校教育のためだけにということではないと思います。先ほど言いましたように、余裕教室として使っている部分で学校教育に支障のないものについては、やはり、地域の学校、広い意味では地域のコミュニティーの核ということもありますので、有効に使わなければいけないというふうに考えております。この件につきましては、学校と十分調整した上で、学校教育に必要なものはきちっと確保した上で調整しておりますので、そういうようなことはないというふうに考えてございます。
○岩永委員 私がお聞きしているのは、考えているかどうかではなくて、ちゃんと対応していただけるんでしょうかということなんです。今のお答えを聞いていて大変えっと思ったんですが、教育委員会ですね。学校教育のためだけにはしない、それだけを考えていくというのはいけないんだという部分がありました。私は、少なくともせめて教育委員会は、学校については学校教育のために頑張るという姿勢が何といっても今必要なときだと思っています。それで、その立場に立っていただいた上で、そういう10か年計画の中でこうしなきゃいけない、ああしなきゃいけないという区長部局の側から来る話と対応しなきゃいけないと思うんですが、それはそうではないんですか。
○相澤教育改革担当課長 申すまでもなく、私は教育委員会事務局の課長でございます。学校教育法に、「学校施設は、学校教育に支障のない限り、社会教育その他の公共のために使用することができる。」ということでございます。学校教育に必要なものは教育委員会事務局としてきちっと確保していくということを前提に、その上で余裕教室の活用があれば調整していくという意味で申し上げてございます。
○岩永委員 訂正をしていただいてよかったなと今思っているんですが、この文教17の資料にあるように、それぞれの学校はそれぞれの地域を含めた活動も含めて必要だということでこの間使ってきたと思います。これは本当に学校教育に必要な部分だけですから、地域活動等に必要な部分というのはほかにもあるだろうと思うんですね。ですから、もう繰り返しませんけれども、学校教育に必要なものは何か、それをどうするのか、今よりもさらに教育環境は多様化をしていくわけですから、先ほど言われたように、そうしたものに学校としてこたえていく、施設設備をどうするべきなのか、そういうことが私たちにはいまだに示されていません。中野の学校教育をどうしていくのか、そのためにはどんなことをどういう設備でやっていくのかということなども含めて、私たちにぜひ見えるようにしていただきたいと思いますし、今、10か年計画があるからということで、教育委員会としてそれを最優先するということではないだろうというふうに思います。教育委員会としてのきちんとした立場を、私から見れば、学校について言えば、学校教育を充実させるという立場でぜひ頑張っていただきたいというふうに思います。
先ほども触れましたが、来年度から実施できる放課後子どもプランは小学校の余裕教室を使って行う事業です。中野区では、私は教育委員会が所管するのかと思っていましたら、子どもの居場所づくりプランなどとのこれまでの取り組みは子ども家庭部が所管をしていたので、これも子ども家庭部の所管になるのではないかというふうに思って聞きました。これは文部科学省、厚生労働省の補助金がついています。私が心配するのは、こうした補助金を目当てにして無理に学校の中にこれを実施していこうとするのでは問題だと思っているんですが、それはいかがでしょうか。
○大橋子ども育成担当課長 放課後子どもプランの実施につきましては、中野区が10か年計画でお示しした子どもの遊び場機能を学校に、そして学童クラブを主に小学校にという方向性とは一致しております。ただ、これからもっと詳細な情報をつかみながらその方向が実現できるものであれば、積極的に活用して実現させていきたいと、そのように考えております。
○岩永委員 以上でこの項の質問は終わります。
では、続きまして、指定管理者制度についてをお聞きいたします。
打越保育園はことしの4月から指定管理者園になりました。指定管理事業者はピジョンです。その担当者が、議会で議案が決まった直後に、保護者への説明会で、いずれは子会社に事業を任せるような、そういう可能性があるという発言をしておりました。こうしたことは区は承知していましたか。
○竹内保育園・幼稚園担当課長 昨年の6月に打越保育園の指定管理者の決定をいたしました。それ以降、保護者の皆さんと、それから事業者、それと区とで3者協議会という場を設けております。その中で、特に保護者の方の中から、現在のピジョンの職員の皆さんの就労の形態、これについて1年の有期限の契約社員となっていることについて、そういった状況を改善し、安定した雇用ができるようにすべきではないかというふうな御質問がされました。
それに対するお答えとして、担当の方のあくまでも個人的見解という断り書きを述べた上ですけれども、現在のピジョンはあくまでも就業規則が製造業の就業規則であって、保育事業のものとなっていないので、期限のない正社員化というのはなかなか難しいんだと。それに対してピジョンハーツというのは、これは100%ピジョンの子会社でございますけれども、そちらの方は正社員化になっているということでございまして、将来の方向としては、そのハーツの方に持っていければいいというふうに考えているというようなお答えをしたといった経緯でございます。
○岩永委員 中野区は、ピジョンを10年間の指定管理者に指定をした直後に、今課長が紹介をしてくださった話をしていたということですね。だから、それを承知して今日まで来たんでしょうか。
○竹内保育園・幼稚園担当課長 今月の初めに、ピジョンの保育園の担当の責任者が来て、現在ピジョンでは、子育て支援事業をピジョンと、それからピジョンハーツという子会社ですが、その両方で行っている。この親子の間の2社に分散している組織というのを統合したり、統合の手法としては、会社法に定めるところの会社分割というものを使ってピジョンハーツの方に包括的に承継させたいということを言っております。ついては、中野区では指定管理者としての議決をいただいているので、検討をしていただきたいというようなものでございます。
○岩永委員 そうしますと、区が知ったのは、今月初めにピジョンが来て、会社を統合するので、中野区として考えてほしいというふうに来て初めて知ったと、こういうことですか。
○竹内保育園・幼稚園担当課長 正式なお話としては、そういったことでございます。
○岩永委員 正式というのをどうとるかというところがありまして、内々には知っていたけれども、正式に来たから正式に問題にしたと、こういうことですか。
○竹内保育園・幼稚園担当課長 そういうことではございませんで、会社としての意向として、きちんとした形で中野区に検討してほしいということでお話をされたのは9月の初めということでございます。
○岩永委員 その統合してというのは、ピジョンはもう統合してしまったんでしょうか。そのピジョンハーツに保育部門を統合してしまったんでしょうか。それから、そういう話があったことに対して、区はどのように対応されたんでしょうか。
○竹内保育園・幼稚園担当課長 統合の時期については、来年の4月をめどに行っていきたいというお話でございます。
区といたしましては、これは会社分割という会社法上の仕組みでやっていきたいということですが、これは営業の全部または一部を包括的に承継させる法律上の制度でございまして、委託契約などの場合には、契約者としての地位の承継という法的な効果が認められているものでございます。しかし、行政処分については、このような地位の承継ということが私どもとしては予定されていないものだというふうに思っておりますので、もし、これを中野区としても認めていくということであれば、条例上の手続ですとか、議会の議決との関係について検討しなければいけませんので、それについて私どもとしてきちんとした検討を進めているところでございます。
○岩永委員 今分割した場合の紹介がありました。少し戻って、この条例との関係なんですが、条例の定めに従って、区は私たち議会にピジョンを打越保育園の指定管理者にして、その期間は10年間にするというふうに議案を出されました。その議案を審査した厚生委員会では、課長が、ピジョンはどんなに優良な受け手かということを紹介されています。
私たち日本共産党議員団は、保育園の企業による民営化や指定管理者にすることには問題を一貫して投げかけてきております。江東区では、指定管理者を含む民営化は、民間業者に資産の所有から経営方針まですべてにおいて権限を移譲するために、業務の性格は公共性を離れ、民間事業者そのものの業務になると言っているそうです。私たち日本共産党議員団は、この区立直営園を企業に任せる議案に反対をしました。しかし、10年間ピジョンを指定管理者にするということが決まって現在に至っているわけです。
この中野の条例の定めに従えば、今度ピジョンが事業を譲り渡そうとしているピジョンハーツは、指定管理者として応募する資格があるんでしょうか。
○竹内保育園・幼稚園担当課長 もちろん、ピジョンハーツとしての申し込みはなかったわけですから、そういったことは考えられていないというふうに思っています。
それから、今御質問の趣旨が十分酌み取れない部分がございますけれども、もしピジョンハーツとピジョンとの間の会社分割ということが先に行われていた場合には、当然にピジョンの実績も含めて引き継ぐわけですので、ピジョンハーツとしての申し込みはできたというふうに考えてございます。
○岩永委員 この打越保育園を指定管理者にするために、事業募集をしました。そのときには、ピジョンハーツには応募する資格があったんでしょうか。
○竹内保育園・幼稚園担当課長 その段階ではピジョンとピジョンハーツは別でございまして、ピジョンハーツは主に認証保育所を中心に事業運営をしておりました。そういったこととすれば、ピジョンとしても、ピジョンハーツで申し込むつもりもなかったでしょうし、私どもは認可保育園の運営というものを条件にしていましたので、そういった意味ではピジョンハーツということだけでは条件はかなっていなかったというふうに思っております。
○岩永委員 ピジョンハーツには応募する資格がなかったんです。それは、今課長が言われたように、認証保育園は運営していましたけれども、区がこの打越保育園を指定管理者にするためにかけた募集には、認可園二つ以上の運営ということですから、ピジョンでしかなかったんです。そのピジョンと、それから将来はどうなるかわかりませんけれども、今時点でのピジョンハーツというのは、たとえ子会社であろうと別法人ではないんでしょうか。
○竹内保育園・幼稚園担当課長 法人格としては別でございます。
○岩永委員 中野区の保育園条例施行規則第6条には、指定管理者の指定の申請方法が定められています。第9条には、指定管理者からの管理運営に関する書類の定めがあります。また、保育園条例の第7条は、候補者の選定基準が定められています。こうした条例に照らしてみれば、この子会社は指定管理者になれる資格があるんでしょうか。
○竹内保育園・幼稚園担当課長 御質問の趣旨がはっきりと酌み取れませんが、現実に子会社としてのピジョンハーツとして申し込みをいただいておりませんので、それについてどうこうということはお答えができないのかなというふうに考えてございます。
○岩永委員 資格がないから申し込めないんです。今度、ピジョンがピジョンハーツに指定管理者がえをしたいと言ってきたというわけですね。もう話は9月にあったという話ですから、この時点でピジョンハーツが指定管理者を受けられる資格はあるんでしょうか。
○竹内保育園・幼稚園担当課長 今は何しろピジョンとして、こういうことを考えています、今ピジョンで指定管理者として指定をされている中で、できるんでしょうか、できないんでしょうか、御検討をいただきたいということを言われている段階でございますので、私どもとしては、できる、できない、それから、中野区にとって何が最もいいのか、また、利用者にとってどうすべきなのかということを基本にきちんと考えていくということであろうというふうに考えてございます。
○岩永委員 もし指定がえをするということになると、条例を変えるかどうするか、条例の話が先ほど出ました。ピジョンとして10年間の指定を受けているにもかかわらず子会社に事業を任せようとする。これは、企業の論理ですね。企業活動の原則は、どうしたら利益が生み出せるかというところにいつもあるわけです。そのために、必要であれば会社の形態は変わる。活動内容は変わる。それは、企業としては当然のことだと思います。そういう企業を指定管理者として任せるということを考えた場合には、条例などでそういうことに対しても当然注意をしているというのか、警戒をしているというのか、そういうことがあり得ると想定しているのか、そういうことがあってしかるべきだったのではなかったかと思っているんですが、今回のことを通して、区はどのように考えているんでしょう。
○竹内保育園・幼稚園担当課長 企業として、きちんと会社の経営を行っていくという中で、合併ですとか分割ですとか分社化ですとかということを企業の戦略上いろいろなことがあると考えられているのは当然のことだというふうに思っております。ピジョンといたしましても、職員の方の雇用の安定と雇用の確保、それから、専門会社化することによる保育の質の向上、それから安定的な運営ということを目指して、こういったことを考えられているというふうに思っております。それはそれで、企業の方の考え方でございますので、私どもとしては、指定管理者であるから何もできないとか、何も行わないと最初からそういうスタンスに立つのではなくて、保育園の利用者の皆さん、それから、中野区にとって、先ほども申し上げましたけれども、どうすべきか、それがどうしたら一番いいのかというところをきちんと考えていくということで今検討を進めているところでございます。
○岩永委員 先ほど言いましたように、企業の活動というのは企業の当然のとるべき道というのがあって、私はそのことを批判しているわけではないんです。ただ、区としてどうであるのかという問題があったのではないかということと、今後どうしていくのかということになるわけですから、今後のことについては、またそういうふさわしい場所で議論をしたいと思いますので、この問題についてはここまでにしたいと思います。
続きまして、地域包括支援センターについてお聞きします。
地域包括支援センターの運営協議会の予算に対する執行率は約5割という決算報告があります。運営協議会の開催回数は4回ということです。こういう結果になったのはなぜでしょうか。
○寺嶋保健福祉部経営担当課長 お答えいたします。18年度からの介護保険制度の改正に伴って、地域包括支援センターを設置する。そのための選定に当たって、運営協議会を設置する、開催するということでしたので、制度の改正ということで不透明な部分もあったということでございます。
○岩永委員 地域包括支援センターは、介護保険制度の見直しによって始まった事業です。具体的な活動は今年度から始めています。自治体が高齢者の実態を知り、公的責任をケアマネジャーや介護支援事業者に丸投げをしないようにという、そうした意図もあってつくられている仕組みです。そして、介護と医療、福祉の包括ケアを住んでいる身近な地域で展開できるようにということが期待され、その立場は中立公平に運営をする、そして、質の向上に努めるということが望まれています。本来は、自治体が運営することが望ましいということでしたが、中野区は直営1カ所、委託7カ所でスタートしています。スタートして半年になります。先ほど紹介しましたこうした期待されている役割が果たせるような状況になっているのかどうか、現時点での評価はいかがでしょうか。
○寺嶋保健福祉部経営担当課長 お答えいたします。
半年たった現在、各センターとも限られた人的資源のもとに一生懸命頑張っていただいているところです。例えば高齢者の相談件数につきましては、昨年度の同時点、これは地域在宅介護支援センターでしたが、同時点で比べますと9,211件だったのが、今年度は1万1,242件と相談件数はふえてございます。また、虐待等の困難ケースにつきましては、地域包括支援センターを中心として、関係機関と連携が進んでいる。したがいまして、地域包括ケアのための取り組みが進んでいるというふうに評価いたしております。
○岩永委員 1カ所ある直営のセンターはどういう役割を果たしているんでしょうか。
○鈴木中部保健福祉センター所長 区では、直営の包括支援センターとして、中野地域包括支援センターを中部保健福祉センターの中に設置して運営してございます。これは、8カ所ある地域包括支援センターの一つということで、ほかのセンターと業務の違いはございません。ただ、地域包括支援センターは、今般の介護保険制度改革の大きな目玉でございまして、高齢者の地域での生活を支えるための中核機関としての役割が期待されております。
1カ所区がみずから運営することによりまして、介護予防ケアマネジメントや地域包括ケアのノウハウの蓄積、それから検証、こういったことを区が直接行うことができるため、それを今後の高齢者に対する保健福祉の向上や地域でのネットワークづくりに生かしていきたいというふうに考えてございます。
○岩永委員 まだ半年ですから検証ということにもならないわけですが、期待される直営としての役割をぜひ果たしていただきたいと思いますが、地域での包括ケアがワンストップで行われる。そうしたサービスを展開するかなめになるのは、包括支援センター担当の保健師、ケアマネジャー、社会福祉士です。中心的にはこの3職種ですが、こうした3職種の人たちが効果的に連携をしていくこと、また、8カ所の包括支援センターの連携も大事だと思いますが、どのようにしていますか。
○寺嶋保健福祉部経営担当課長 連携につきましては、毎月包括支援センターの担当者会議ということで、8カ所についてお互いのそれぞれ情報交換をいたしているところでございます。
○岩永委員 この包括支援センターには、区民からの相談だとか、それから解決するのには困難なケースなどもあります。一方、センターの人手が足りないというふうにも聞きます。個別ケアに追われ、福祉、医療などとの連携を含めた地域ケアのシステムを構築する取り組みに本腰で取りかかれない状況にあるとも聞いています。中野区は、事業者委託だからこそ、こうしたことを事業者任せにせず、そしてまた、地域任せにせず、さらに包括支援センターを新予防給付の中心というような形に矮小化せずに、区民に責任ある対応をするということが大事です。そのためには、区が担う役割分担、これを明らかにして、人手が足りないのであればそれを解決するとか、そういう体制の問題など必要な対応をしていくべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○寺嶋保健福祉部経営担当課長 確かに制度が始まったばかりということもありまして、要支援の方の介護予防ケアプランの方に力をとられているという、これは一部にはそういうところもございます。ただ、今後の推移を見てということですが、本体たる地域包括ケアの実現に向けての包括支援事業につきましては、先ほども申し上げましたとおり、事業者間の情報連絡をいたしております。また、本庁の地域ケア部門というところで支援しているところでございます。そういったところで十分な支援をしているというところでございます。
区とセンター、もちろん区は直営ではありませんけれども、委託しております。区が責任を持って委託してございます。さらにセンターの活動を支えるという点で、区はきちんと責任を持ってやっているところでございます。
○岩永委員 一つの包括支援センターが担当する対象人口はすごく多いです。在介支援センターがあった数が八つになっていたということなども含めて、その対象人数が多いということがあります。また、その位置ですけれども、言葉だけ言うとわかりづらいので、図をつくってみました。なるべく見えるようにつくったんですが、これは8カ所の包括支援センターのエリアもかいてみました。そのエリアのどこにあるのかというのは赤丸でかいてみました。
そうしましたら、どれもこれもと言っていいほどに端っこなんです。この北の鷺宮、上鷺宮の方たちは練馬と共有するんではないかと思いますし、東中野の方に行くと新宿とか、もっとすごいのは、本町の方と弥生町、南台、くっついているんです。端っこにあって、それがくっついちゃっている。一体これは何なんでしょうか。どうしてこういうことになったんでしょうか。
○寺嶋保健福祉部経営担当課長 利用者、受託事業者の本拠地、例えば24時間対応のための特養がそばにあるとか、そういったような観点からそういった場所に結果としてなったということでございます。
○岩永委員 そうなんです。結果としてなってしまった。だけど、大事だったのは、こうならないように、それこそ区が委託したわけですから、区としては区民の利用にこたえるような形でこの開設場所もちゃんとしなければいけなかったんです。ところが、結果的にこうなってしまって、一番不便を感じているのは区民ではないかと思うんですが、いかがでしょう。
○寺嶋保健福祉部経営担当課長 そのような場所ということではございますが、地域包括支援センターは、地域のネットワークづくりということを使命としておりまして、当然地域との連携ということを重要な役割としています。したがいまして、来所していただくばかりではなく、センターの職員が積極的に訪問するということも重視しておりまして、現に相談全体の4割が訪問によってなされているという実績もございます。そうは申しましても、場所的なものはございます。そういったことについては、今後、区有施設の再配置の際にセンターの場所を確保するといったようなことを視野に入れて検討いたしたい。
○岩永委員 地域包括支援センターは、独立、中立、公平ということです。本来であれば、事業所から離れて独自に地域包括支援センターとして事業を展開してもよかったというふうに思います。そういう意味で言えば、結果的にこうはなったけれども、これを改善する必要がありますが、区有施設の再配置ということでは、それはある意味ではいつになるのかという問題や、それでいいのかという区民の感情なども残ります。
ですから、早急にとは言いたいところですが、この場所、区の責任で、区民の便利さと言ったらいいんでしょうか。特にここに行く方たちは高齢者です。介護保険の申請などにも行きます。そればかりではなくて、大体入院したときのおむつ代の申請などなど、いわゆる包括ケアですから、いろいろな形で行くわけです。そういうことを考えると、こうした交通の便も不便ではないかと思えるような場所よりは、もう少し区民が行けるような、そういうところに移すということは必要なのではないかと思うんですが、施設の再配置にこだわらないで、改善をする必要があると思います。いかがですか。
○寺嶋保健福祉部経営担当課長 先ほど訪問ということも申し上げましたが、一般的な高齢者の相談、あるいは介護保険の申請書を出すということは、管轄区域に限らず、また、例えば隣の区域でセンターが近いという場合であれば、そこへ出すことも可能でございます。そういった形で距離的なものはある程度克服はしているというふうに思います。
ただ、場所そのものにつきましては、先ほど申し上げましたとおり、再配置の中で検討していきたいというふうに考えております。
○岩永委員 区としては、管轄地域というふうなエリアを持っているわけです。ましてや、区が考えている生活圏から見ても、やはり不便と言わざるを得ませんので、早急に改善する対策をとっていただきたいということを要望しておきます。
あわせて、先ほど直営センターのことをお聞きしました。本当に区がノウハウを含め区民の実態を知るというためには、さらに直営のセンターをふやす必要があると思っています。そういう意味で、少なくても南北もう1カ所ずつ直営センターを増設をするということなども必要になってきます。これをお聞きしようと思いましたが、時間がありませんので要望にします。
私の本会議での質問に、部長は、将来そういうことについて必要かどうかということなども検討していきたいということでしたから、ぜひ直営でふやしていくということも検討していただきたいということを要望して、終わります。
では次に、図書館施策の拡充についてお尋ねします。
まず最初に、学校図書館についてお尋ねをします。教育委員会は、今年度に子どもの読書推進計画を策定すると聞いています。この計画は、15年度から5年間取り組む自治体が多いようですが、中野はようやく策定をするのかという、これは個人的な思いがあります。しかし、つくるからには、通り一遍のものではなくて、よい計画にしていただきたいと思っています。区の計画期間や内容などはどのように考えているんでしょうか。
○倉光中央図書館長 中野区における子ども読書活動推進計画の策定についてでございますが、この計画では、子どもの自主的な読書活動を推進する。そのために必要な環境整備を行っていくという観点から検討したいと考えております。具体的には、家庭あるいは地域、さらに図書館、学校など、子どもの読書を取り巻くさまざまな場面で行政及び関係機関などが果たすべき役割について検討し、盛り込んでいきたいというふうに考えております。
○岩永委員 都道府県レベルの策定状況を見てみますと、東京都は、子ども読書活動推進計画という計画名ですが、例えば京都は、「読書ではぐくむ京の子ども夢・未来」、こういうテーマもついています。福島は、「いのち輝く「小さな読書人」育成プラン」、こういうサブテーマと言ったらいいんでしょうか、副題がついています。こうした副題があるかないかということは本題ではありませんけれども、それなりの意気込みが感じられます。特に学校図書館の位置付けにつきましては、司書職の配置を含めて、充実をしていくというような内容が盛り込まれています。中野区の計画には、先ほどお答えいただきましたが、これまで大きな成果を上げている学校図書館指導員の継続だとか、図書館の活動が、読むだけではなくて、子どもたちの調査活動などにこたえられる学校図書館として拡充した施設設備、蔵書等を含めて位置付けていただきたいと思いますが、いかがでしょう。
○倉光中央図書館長 計画の策定に当たりましては、学校図書館の役割についても検討し、盛り込んでいきたいというふうに考えております。また、御指摘がありましたとおり、読むだけではなく、学習の一環としての調べ物などにも現在学校図書館が利用されているところでありますので、このような機能を踏まえつつ計画の策定に取り組んでまいりたいと考えております。
○岩永委員 具体的な問題としまして、文教資料7にありますが、小学校の図書資料購入費は04年度、05年度、中学校は03年度から減り続けています。この理由は何でしょうか。
○小谷松教育経営担当課長 学校の図書の費用、図書購入費でございますけれども、その減り続けているということの前に、算定の方式でちょっと申し上げたいと思います。小学校には現在一律13万円、それから、中学校に対しては一律26万円、それから、各学校につきましては校割予算をもってそれぞれ学校の特色を生かすような形で予算編成をお願いしてございますけれども、そういった一律の予算にプラスして、各学校で校割予算の中からいろいろ創意工夫をしながら、図書購入費を計上してございます。そういった意味で、全体として見れば、多少減額になっている部分はありますが、大体ここ数年ほぼ横ばいの形で、各学校もそれぞれ確かに多いとは言えませんが、与えられた限られた予算の中ではありますが、いろいろ創意工夫をしながら、図書の充実に努めてきているというふうに思ってございます。
○岩永委員 学校の校割予算の中でも工夫をして、蔵書資料等の対応をしているということでありますが、学校図書館の充実というのは、国の方でもずっと取り組んでいて、そのための予算要求なども文部科学省は毎年増額要求をして、今度も19年度の概算要求が出ています。そういう中で、私はぜひ図書資料購入費を上げていただきたい。校割予算ではなくて、学校図書館費用として上げていただきたいということや、その内容の拡充を求めたいと思っているところですが、文教資料の58にあります学校図書館の蔵書が文科省の水準に達しているかどうかという表があります。これを見ますと、未達成校が小学校でも中学校でもあります。少なくてもこの未達成校はどうされるんでしょうか。
○小谷松教育経営担当課長 全体として小・中学校を見ますと70%がこの文科省の定めた基準を達成しているということで、ただ、これは全国的な基準とかと比べてみますと、中野区の場合、小・中合わせて70%でございますけれども、例えば小学校全国平均で見ますと38%、中学の場合32%と、必ずしも多くの学校で基準に達しているという状況にはございません。
中野区でも、先ほど申しましたけれども、必ずしも潤沢な予算というわけではございませんが、それぞれ各学校の中でいろいろ工夫をしながら、この図書の充実には努めてきたところでございます。この文科省基準というものも一つの物差しとしてございますので、これを一つの指標という形で、その達成を目指しながら、できるだけ速やかにこれを少なくともミニマム水準というふうな意味合いは持っていると思いますので、できるだけ早目にこの基準を達成するような形で図書の充実に努めていきたいというふうには思ってございます。
○岩永委員 全国規模で考えると、全国の自治体、いろいろな状況がありますから、全国の自治体と比べるのは私はあまり意味のあることだと思っていないんです。中野区として、その水準をどうしていくのかということになりますので、教育委員会の努力は私は本当に大変な努力をしているということは承知していますが、一層そのために努力をしていただきたいと思います。
あわせて、学校の図書館を読む蔵書だけでなく調べ物ができるように充実をする。それから、テーマごとに展示ができるスペースをつくる。こういうことも大事だと思うんですが、いかがでしょうか。
○入野指導室長 学校図書館に調べ物ができるような図書の整備をというお話と、そういうスペースをというお話でございますが、実際学校図書館に行ってみますと、そのようなスペースをとっている学校もございます。といいますのは、今、学校図書館に求められている機能といたしましては、学習情報センターといいますか、情報を受けるセンターとしての役割とか、調べ学習に対応できる役割ですとか、読書活動に対応できる役割ということを求められておりますので、学校によってはそういうようなスペースをきちっととっている学校がある状態でございます。
○岩永委員 私も何校も見せていただいて、今、室長に御紹介いただいたように、かつての特色ある教育の中でそういうところに力を入れた学校等とありますが、教育委員会として、学校がそういう活動にこたえられるように整えていくということが大事だと思うんです。学校任せではなくて、教育委員会としてそれを整備していくということが大事ですので、ぜひそういう姿勢で取り組んでいただきたいと思うんですが、いかがでしょう。
○入野指導室長 調べ学習の蔵書等につきましては、今、学校におきましては、同じ種類のものを全部置いておくというふうなものでは大変機能的ではないということもありまして、教育委員会としましても、区立の図書館との連携を図りながら、調べ学習に対応できるような貸し出しの仕方ですとか、対応の仕方等々を行っているところでございます。
○岩永委員 区立図書館との連携はとても大事なことですし、一層の充実が求められると思います。しかし、同じ蔵書を例えば1クラス40冊置いてもらいたいとか、そういうことを言っているわけではなくて、いろいろな多岐にわたって調べていくというようなことに耐えられる、そういうことをぜひ含めて検討していただきたいということです。
私はこれまで学校図書館を子どもたちの居場所にできないかということを提案もしてきました。特に中学校ですが、現在はどのようになっているでしょうか。
○入野指導室長 中学校の学校図書館が、基本的には生徒がいるまでは使えるような状態にはなっております。
○岩永委員 中学生になると、受験ということになると、塾に行ったり、もっといろいろにもなるんでしょうが、それでも学習をしたいとか、調べ物をしたいということは、小学生よりも大きい意欲になっていると思うんです。そういうときにこたえられる図書館になっていれば、もっと学校図書館が身近なものになります。例えば土曜日の開館だとか、休日の開館時間などに踏み切る、そういう対策を立てていただきたいと思うんですが、いかがでしょう。
○入野指導室長 保護者の方や地域の方の協力を得て、土曜日ですとか休業日に学校図書館を開館している学校もあると聞いております。それぞれ生徒の要望にこたえて学校は柔軟に対応できるようにしているようでございますが、放課後の使い方といいますか、学習に使えるという意味では、学校図書館も教室も含めて、学校がいろいろな形で推進を図っておりますので、一層の充実に教育委員会としても努めてまいりたいと思います。
○岩永委員 学校図書館などへのボランティアの参加というのは大事なことだと思います。しかし、ボランティア頼みになると限界があります。石川県の金沢で活動している学校図書館を願うボランティアネットワークというところで、学校図書館でボランティア活動をしている限界ということが言われています。ボランティアの限界としては、何といってもこれに尽きるということで言われているのが、学校図書館らしい形はつくれても、機能を果たすことはできない。子どもたちの一人ひとりの求めに応じて資料を提供することができない。これがやってみた限界だというふうに言われています。ですから、ボランティアの活動、ボランティアの方たちの協力とあわせて、ぜひ教育委員会も積極的に図書館のある場所の問題等を含めて対策を考えていっていただきたいというふうに思います。これは要望にしておきます。
区立図書館の拡充についてお尋ねをいたします。文教資料61に、区立図書館が各学校等へのブックトークを実施している回数が載っています。今は窓口業務等の委託などによって、中央図書館がブックトークを一括してやるという形になっております。この実施状況は各学校からの要請等もありますが、いっときよりは回数が減っております。中央図書館から行くということになりますと、中央図書館の職員の体制などにも問題がありますが、このあたりはどういうふうに考えておられるでしょう。
○倉光中央図書館長 学校を訪問してのブックトークについてのお尋ねかと思いますけれども、現在委員がおっしゃいましたように、中央図書館で一括して要請を各学校からお受けしているという状況になってございます。具体的には、私どもの職員の方が各学校の要請に応じてお邪魔するということでございます。
回数につきましては、もちろん各学校における授業時間数ですとか、時間の兼ね合い等もあるかと思いますが、私どもとしてはできるだけ各学校の要請にはおこたえしていきたい、このような考え方でおります。
○岩永委員 必要な体制をとって、各学校等、幼稚園だとか保育園だとか、これからいろいろな形で展開がされてくるだろうということも期待されますので、ぜひそういう体制にこたえていっていただきたいと思います。
あわせて私の知り合いが東大附属中学校にいるんですが、中野の図書館はすごいというふうに言われたのが、学校で、団体として借り出したいと100冊リクエストをしたんです。本当に短期間に100冊をよくそろえてもらえたなというふうに言っていました。メーリングカーで持ってきて、それは中野の図書館がこれまで築き上げてきたそういう中でこたえていきたいというふうな、そういう意欲があらわれたのかなと思って、すごいねと言っていたんですけれども、一層そういうことにこたえられるように、学校図書館との連携に必要な蔵書など、児童書をはじめとした蔵書なども中央図書館で拡充していっていただきたいと思いますが、いかがでしょう。
○倉光中央図書館長 資料費につきましては、この間鋭意努力を重ね、毎年増加を図っているところであります。今後も引き続き児童部門も含めて資料費の確保には努めてまいりたいと考えております。
○岩永委員 その資料費ですが、第8期中野区図書館運営協議会からの提言があります。多分私の記憶では、具体的に図書資料購入費を幾らというふうに書いたのはこれが初めてかなと思うんですけれども、十分な資料費という中に、資料費は当面年間1億円を目標として充実を図る必要がありますと図書館運営協議会から具体的な提案があるんですが、中央図書館としてはどのように受けとめますか。
○倉光中央図書館長 図書館運営協議会につきましては、協議会委員の方が図書館について自由に討論、御議論いただく場という形の位置付けになっております。ただ、その中で、図書館の側に対して、例えば資料費の現状についてですとか、そういったお尋ねは当然議論の中であったかと思います。私どもとしましては、1億円という額につきましては、恐らく過去からの経緯等々を勘案の上、運営協議会の方から御提案いただいたものというふうに考えております。
○岩永委員 そういう経過で1億円という具体的な金額が図書館運営協議会から出たわけで、図書館運営協議会というのは中央図書館長の諮問できちんと委嘱をされて、そして活動をしているわけですね。懇談会とは違うわけです。ですから、毎たび答申が出ます。第6期までは、割とこういう厚さでしっかりと、6期は21世紀を担う図書館活動へというすごい冊子になってきているんですが、7期、8期と少しというか、簡単になってきています。しかし、その図書館運営協議会がせめて1億円はというふうに提案をしたわけですから、積極的に中央図書館はそれを受けていく立場に立つべきだろうと思うんですが、いかがですか。
○倉光中央図書館長 図書館運営協議会は、利用者の方、利用者代表をはじめとする方々が図書館の運営に関してさまざまな御提言をいただく場だと認識しております。御指摘の資料費の充実につきましては、私どもも今後とも鋭意努力してまいりたい。図書館運営協議会の提言という形では一定の重みがあるものかと考えておりますので、今後も努力していきたいと考えております。
○岩永委員 ぜひ来年度予算にそれが反映されるようにしていただきたいというふうに思います。中央図書館としても頑張っていただいて、区長の方ともぜひ話を進めていただいて、来年の予算に実現をしたという形になるようにお願いしたいと思います。以上でこの部分についての質疑を終わります。
最後になります。地域課題ということで3点お尋ねをいたします。
まず1点目、地下鉄丸の内線中野坂上駅と中野新橋駅の改善についてお尋ねをいたします。丸の内線の中野坂上駅から方南町までの各駅について、バリアフリー対応や2方向避難路の確保などをこの沿線のかかわりのある杉並区民の方とも協働して何年も取り組んでまいりました。いよいよ中野坂上駅は2方向避難路の確保ということで、2008年度(平成20年度)に完成を予定しているという話が出てきております。
その形は、ホームの中野新橋寄りに避難路を設置することになりますが、しかし、ホームから1度地下におりる形をとり、それから地上に向かう階段式の非常口用のもので、エレベーターやエスカレーターというバリアフリー対応のないもの、そして、バリアフリーや出入り口対応は何年か先のことになって、今の段階では具体的な見通しは示せないというのが東京メトロの今日の状況だというふうに私は理解しているんですが、これでよろしいでしょうか。
○尾﨑都市整備部経営担当参事 中野坂上駅の改修でございますけれども、今回の整備は、委員がおっしゃるとおり、省令で定められております地下鉄駅の安全対策として、2方向避難経路を平成20年度までに整備することを目的としております。私どもが聞いているのは、その上でエレベーター、エスカレーターを設置した常時利用可能な西口出入り口をつくるような構想を東京メトロは持っているということをお聞きしております。
○岩永委員 いずれ出入り口とそういう話にはなるわけですが、少なくてもこの2方向避難路の新しくつくろうとするところにはバリアフリー対応はどうしても必要だと思います。階段状のものを下がって上って出るというのは相当大変で、高齢者の方や子どもたちにとっては、幾ら2方向目に避難路ができても使えないという、不安が解消されないということになるわけですから、ぜひ区として、避難路に対するバリアフリーの対策、それから、将来にわたっての出入り口等の整備を早期に明らかにして実施してもらうように東京メトロに働きかけていただきたいと思いますが、いかがでしょう。
○尾﨑都市整備部経営担当参事 先ほど申し上げたとおり、2方向避難路の整備を平成20年度までにしなければならないことになります。その後に、東京メトロはバリアフリー対応をするというような話になっております。バリアフリー、ここでは2010年を目標年次にしております。そういった中で、東京メトロとしてこの整備計画をつくり、着実に進めていこうというように工程を設定していると考えられます。
もう一方で、中野坂上駅は既に新宿方面寄りにバリアフリー対応ができております。こうしたことを考えますと、改めて東京メトロに要請するという考えはございません。
○岩永委員 先ほども言いましたが、たとえできた避難路でも、バリアフリーがないだけではなくて、そのでき方が、階段を1回下がって、また上に上がる、こういう状況になって、使える人が限定されてくるわけです。そういう東京メトロの立場に立つような答弁ではなくて、ぜひ利用者の立場に立って区としても働きかけていただきたいというふうにして、これは求めておきたいと思います。
中野新橋駅のエスカレーター設置は、同じように、2008年度(平成20年度)完成予定というふうに聞いております。しかし、改札口に出る階段がホームの上にあるという中野新橋駅舎特有の事情から、このエスカレーターも途中で切れる形などをとる整備になります。あそこの駅の状況で、エレベーターについての見通しは立っていないという今の東京メトロの見解です。この駅も避難路は1方向しかありません。東京メトロは2方向確保とエレベーターの設置に向けて用地確保の努力をしていると答えていますが、なかなか見通しは暗いという状況にあります。
そこで、私は、駅の裏にあります東京都の労働資料センター、これを活用できないかと東京メトロに働きかけたんですが、都からその了解は得られないというのが東京メトロの回答でした。区として、この中野新橋駅のエレベーター等を設置する、それから、2方向避難路を確保するという意味でも、駅舎改善に使用できるように東京都に働きかけていただきたいと思いますが、いかがでしょう。
○尾﨑都市整備部経営担当参事 中野新橋駅の改修ですが、平成20年度改装するというお話は聞いております。階段昇降機あるいはエスカレーターでバリアフリー化を図る。トイレの改修、あるいは駅舎と道路の段差がございますけれども、そういった出入り口の解消、そういったことを行うというふうに聞いております。確かに2方向避難路が整備されておりません。その必要があろうかと思います。東京メトロに聞くと、そのための用地取得、今当たっているというお話を聞いております。東京都にも交渉をしているというような話を聞いているところでございます。そういった状況ですので、私どもはその状況を詳細に承知しているわけではございませんけれども、もう少し推移を見させていただきたいと思っております。
○岩永委員 ぜひ何らかの対応で実現できるように区としても東京メトロ、場合によっては必要があれば東京都などにも働きかけていただきたいと思います。
次の山手通り問題と水害対策についてお聞きします。
山手通りの地下の高速道路、これは中野区内の部分は来年度末供用を目指して今工事が進んでいます。換気塔の問題などもありますけれども、今回は雨水対策についてお聞きをいたします。
地下高速の上の部分になる山手通りの整備は、この地下高速が完成してから1年ないし2年たって完全な形に整備をされるという予定です。ところが、この山手通りは、神田川に向かっては下り坂になっておりますので、整備された後は雨が降ると40メートルに広がった山手通りから一気に神田川に雨水が流れ込むようになります。歩道は透水性にするという対応になっていますが、車道は雨水対策は今のところありません。住民の皆さんと一緒に、この車道を透水性にしてほしいということを働きかけたり、それが無理であれば、中央分離帯や歩道の植栽部分なども活用して、雨水対策に取り組んでほしいと求めてきました。いっときそこに例えば50ミリ降った場合には50ミリ全部をためることができなくても、10ミリでも20ミリでもためれば、それだけ川に流れ込むということが少なくなりますので、そういうことを求めてきました。
環七地下、本郷通り地下の調節池等はありますが、まだ本郷通りの地下も100%完成しているという状況にはありません。去年の9月には、妙正寺川水害のとき、神田川についてもひやりとしました。そういうことでありますので、区として東京都に対し、この車道部分の雨水対策、どういう形になるかということまでは私は今ここで具体的には言いませんが、ぜひ雨水対策をするということを東京都に求めていただきたいと思います。いかがでしょう。
○尾﨑都市整備部経営担当参事 山手通りの歩道部分、確かに透水性舗装を予定しております。今御指摘の車道部分につきましては、工事の安全な走行を確保するためということで、排水性舗装を予定していると聞いています。排水性舗装というのは、しみ込むんですけれども、それが雨水ますを通じて下水管に流れる、そういった構造になると聞いております。ですから、直接的に川に流れ込むというようなことではありません。
そういう装置をつくって下水の方に流し込むというような形になりますので、今の段階では、車道下の調節施設については、御存じのとおり、地下構造物、高速道路があって、その下に地下鉄が走るというような、そういったものがありますし、埋設物がありますので、設置場所が十分に確保できないというようなこともありまして、地下に貯留施設をつくることは難しい。費用対効果から言ってもいかがなものかということがあります。
そこで、私どもは、雨水対策としては、下水道事業で和田弥生幹線の取水施設の整備を予定している地域でございますので、その整備を促進すべきだということで東京都と話し合いたいなというふうに思っております。
○岩永委員 車道部分に降った雨が下水管に流れる。それはそういうふうに首都高速株式会社も言ってきました。しかし、下水に流れた雨はそのまま川に流れてくるんです。ですから、どこから流れるかの違いであって、いっときためるとか、すぐに直接川の中に入っていかないような何らかの対応を必要だというふうに思っています。特に40メートルに広がる前は、いろいろあそこは植栽もありました。近隣にはいわゆるセメントで固めていないような土地もあって、地下にしみ込む部分があったんですが、今は流れるような状況になりますので、ぜひ区の方としても、その点を求めていただきたいということを要望しておきます。
最後になります。本町二丁目にあります郵政公社の住宅が現在取り壊されています。今年度中に地主である国家公務員共済会連合会に返還をするということです。この共済会連合会は、この土地は年金財源にするので返されたら一般競争入札にかけて売ることになると言っていました。しかし、その前に、6,200平米ありますので中野区の意向を聞くとのことでした。この土地は、あそこの場所柄、結構住宅地の中にありますし、この広さから考えましても、地域住民、それから、さまざま区民から、南部の方には施設が足りないというような声も出されておりますので、そういうことも含めて、区民が使えるように検討をしていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
あわせて、現在解体中ですが、いずれここは解体が終わって広い敷地になります。現在のこの工事の期間中、それから、こういう解体工事が終わった後のあそこへの安全対策です。ちょうど通学路にもなっています。そういう安全対策を講じていただきたいということをぜひ区の方からも求めていただきたい。
そして3点目は、樹木です。あそこにそんなに大きな保護樹木というのは確かにありませんが、特に今、南の方では、中野区の保護樹木が、マンションにするというようなこともあって、この間何本もなくなってきています。そういうことで、残す樹木、要するに全部切り倒して返還されるというようなことではなくて、残されるような、そういう働きかけをしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○川崎政策担当課長 ただいまの3点御質問ございました。
まず1点目でございますが、宿舎の売却の件でございますけれども、これにつきましては、さきの建設委員会でこの情報のお話がございまして、区としてもしっかり対応すべきという御意見をいただいておりましたので、区としても現在情報収集をしているところでございますが、現時点では、まだ具体的に区に対して照会は来ておりません。この用地を区民の皆さんに利用できるようにということでございますけれども、10か年計画の中では、新たな用地を求めて施設整備を図るということは予定をしてございませんので、ここに来て、6,000平米を超える土地をにわかに取得をして区民のためにということはなかなか難しい面があろうかと思います。
ただ、きょう、午前中議論がありました国家公務員宿舎の問題がございました。この宿舎についても、全区的な問題として区としてはとらえなければいけないということで、現在その情報を集めた上で検討しようということで進めているところでございます。
なお、その更地になった後の土地の管理のことでございますが、これは具体的な問題が生じた場合には、区として土地所有者に伝えていきたいというふうに考えております。
○野村公園・道路担当課長 お答えいたします。
先日、9月19日でございますが、まず郵政公社の方に連絡を入れました。敷地内の樹木の保存について善処願いたいということで要請をいたしましたところ、郵政公社としては判断できる立場にはないということで、国家公務員共済会連合会の方に引き続き9月22日に要請をしております。こちらの管財営業部でございますが、私どもとしては、売却先が決定するまでの間は少なくとも樹木を保存できないかどうかということで要請をいたしましたが、なかなか難しいという回答でございました。
25日になりまして、再び今度は共済会の方の管理課長が私どものところに来訪いたしまして、結果といたしましては、できるだけ有利な条件で売却を図りたい。それを公務員年金の原資に充てたいんだということで、なかなか難しいという回答でございました。
○岩永委員 時間も来ました。地域の区民の皆さん方にぜひ提供できるように区の方としても努力をお願いしたいと思います。
以上で私の総括質疑を終わります。
○伊藤(正)委員長 以上で岩永しほ子委員の質疑は終了いたします。
休憩をいたします。
午後3時01分休憩
午後3時16分開議
○伊藤(正)委員長 委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き総括質疑を行います。
それでは、本日の3番目、佐伯利昭委員、お願いいたします。
○佐伯委員 それでは、総括質疑をさせていただきます。
今19期では、もう総括質疑の機会はないと思っていたんですけれども、この12年間議論を重ねてきたテーマであります上鷺宮地域にかけられました区画整理を施行すべき地域という都市計画、それについて都が示したガイドラインに基づいて、地区計画にかえてまちづくりを進めるということで、平成16年夏から地域住民で構成する住みよいまちづくりを考える会で話し合いを進め、今決算の主要施策の成果、別冊の197ページにも、事業の進捗度117%とあるように、順調に進んできていたはずでした。ところが、ここへ来て、少々動きに異変を感じています。そのため、地域住民の皆さんへの約束を確実に実行してもらうため、藤本委員から30分時間を譲っていただきまして、会に参加してくださった方々に背中を押されながら、30分一本勝負で確認をさせていただきたく質問をいたします。
それでは、その後この事業の進行状況について、建設の資料19に基づいて説明をしてください。
○尾﨑都市整備部経営担当参事 上鷺宮の地区計画策定に向けた事業進捗状況につきまして御報告をいたしたいと思います。
建設19の資料についてということでございます。この資料につきましては、平成16年6月8日、建設委員会資料ということで要求がありましたので、今回提出させていただいております。
都の周辺区部における土地区画整理事業を施行すべき区域の市街地整備のためのガイドライン、この資料の一番下、あるいはタイトルの下に書かれておりますけれども、これに基づきまして、上鷺宮地域の土地区画整理事業を施行すべき区域を解除するため、地区計画の策定に向けたスケジュールでございます。
委員が今若干お話しになりましたけれども、資料では、平成16年度後半から、仮称まちづくり協議会となっておりますが、上鷺宮住みよいまちづくりを考える会が設立されまして、平成17年12月まで地域で協議をしてまいりました。居住者や地権者等の意見を把握するため、全戸配付のアンケートを実施し、さらに議論を深め、その結果を上鷺宮のまちづくりの考え方としてまとめております。
こうしたアンケートや、約1年半にわたるまちづくりを考える会での議論等を踏まえてまとまったまちづくりの考え方に関し、ことしの2月、再び全世帯全地権者にアンケートを実施しております。アンケートの結果は、今後の地区計画策定に向けたまちづくりの方向を示した上鷺宮まちづくりかわら版その3として、今年度早々、地域の全世帯及び全地権者の方に配付をいたしております。
その間でございますけれども、東京都とも、都のガイドラインを基本に、土地区画整理事業を施行すべき区域を解除し地区計画へと都市計画変更すべく協議を行っております。しかし、今年度の東京都との協議で、地区内に計画されている地域の西側にあります都市計画道路補助215号の整備が明確に位置付けられていないため、ガイドラインを満たしていないとの指摘がありまして、協議を続けてまいりましたが、いまだ解決に至らず、資料の示す今年度の地区計画素案策定やその提案がおくれてしまっております。
以上の事情から、区が当初予定していた都のガイドラインを満たし、土地区画整理事業をすべき区域を地区計画へと都市計画変更するスケジュールの進捗が停滞している状況にあります。
○佐伯委員 確かに今停滞をしてしまっているわけなんですけれども、今年度予算では、地区計画に向けた都市計画関係図書作成と、地区施設道路の設計、測量として予算化されていますが、その進捗状況はいかがでしょうか。
○尾﨑都市整備部経営担当参事 地区施設道路の設計、測量、あるいは都市計画図書づくり、そういった経費が今年度予算に盛り込まれておりますが、都との協議が長引いておりますので、地域との協議も進めなくてはならないというので、地域に地区計画のたたき台を来月にお示しいたします。これらをもとにしまして、これから都市計画関係図書作成及び地区施設道路の設計等を行う予定でおります。
○佐伯委員 今都との協議が難行している云々という話がありましたけれども、この問題に関して担当してきたのは、今尾﨑さん、それから、その前任が服部さん、その前が寺部さん、姿は見えませんけれども、細木さん、振り返れば山下さん、それぞれ部長になったり、局長、参事と出世しているわけです。その前の山岸さんに至っては収入役にまでなっている。職員の皆さんは出世をしているのに、地域は全然変わらない。これは地域としては納得できないところです。
それで、今尾﨑さんは215号線の問題を言いました。ただ、215号線に関しては、今回のこのまちづくりの会議でも、これは分けて考えていくんだということを再三服部さん、前任者の方が説明をしているわけです。この都市計画道路は東京都の所管でありますので、地区計画とは別途都市計画道路をどうするかという全体の中で検討していくべき課題と考えています。
さらには、2004年6月11日、都市整備部都市計画担当から出されているペーパーでは、都市計画道路補助215号は、現存状況のままで計画を策定する。将来的には住民要望を前提に、都市計画解除を東京都に働きかけていくということを書いているんです。言っているんです。それが、今になって東京都が215号線のことを言い出しているということは、結局これまでの詰めが甘かったということなんですか。
○尾﨑都市整備部経営担当参事 これまではあまり話題にならなかったというのが実態かと思います。都市計画道路はここが入っているんですが、その辺については、今年度協議するということで、お互いにある程度合意しているような雰囲気があったと思います。ところが、ガイドラインには整備完了水準というのがございまして、その中に都市計画道路整備率、これが完了しているかしていないかというのが1項目あります。
ここをとらえて、今回東京都は、第3次事業化計画、都市計画道路の優先整備路線、それにこの215号が位置付けられていない。そうしますと、平成27年までこの道路については事業を実施しない、そういった状況にあるというようなことになりまして、ここが完了しないではないかという指摘からガイドラインを満たしていないというような話になっているところでございます。
○佐伯委員 これまで話題になってこなかったからと、それを突然東京都が持ち出したから、それが原因で話が進まないというのは、これは納得できません。そもそも215号線というのは、計画されたのが昭和41年です。第3次計画に入っていないということは、昭和で言えば90何年まで実行されないということは、もし鉄筋の建物を建てたとしたって、50年以上たって建て替えの時期になっちゃうんです。そこまでほったらかしにしてきたものを理由に話を進めないというのは、これは東京都に対してもっと強く、さらには前任者との引き継ぎのときに、この問題がどういうふうになっていたのかということについて、私たちとしては不満に思うところですし、どうなっているのかと極めてふんまんやる方ないという思いです。
そもそも住みよいまちづくりを考える会、先ほどお話がありましたように、昨年12月まで13回会議が行われたわけです。この会議も、実際には住民合意を形成する手段について手をこまねいていた区に対して、それならば、地域の議員が地域をよく知るメンバーを推薦して会を立ち上げようと、鷺宮議員懇談会の議員の方から働きかけをしてつくられたものだったはずです。その動きを見て、区の担当者からは、強い決意でとか、この機会を逃したら二度とできない、ラストチャンスと考えている、ありとあらゆる言葉を使って地域の皆さんに何とか一生懸命やってくださいというような話が出ていたわけなんです。
一方で、参加した方の方からは、何度も何度も公募を繰り返すこのやり方に対して、いら立ちもあらわれて、この会では毎回同じような議論をしていると思われる。話が全然進展しない。新しくメンバーに入ってきた人やずっと休んでいた人たちに合わせて議論をしている。私は最初からずっと参加していて話し合いを積み重ねてきた。それなのにもとに戻った話ばかりになっている。これは区がつくった議事録にあることですから、別に私たちが考えて言い出したことではなくて、区がこういう発言があったということを記録として残しているわけですけれども、こういう思いをしながら、我慢に我慢を重ねてやってきたわけです。
それが今のように東京都が突然215号線のことを言い出したから云々、半年間何も動きがないということは、これは地域の住民の皆さんにとっては納得のできないことだと思いますけれども、ことしの3月、4月、担当がかわるときに、前担当者の方の方から、新年度早々には地域に入り、地権者と話をしたい、そういうふうに言っていたわけですけれども、実際今年度に入って何回地域に入っていただけたんでしょうか。
○尾﨑都市整備部経営担当参事 先ほどお話ししたような事情で、具体的に地域に入ったと言えませんけれども、今回9月13日に、上鷺宮地域まちづくりをテーマにした区長対話集会が開かれました。そういったところで上鷺宮のまちづくりについてお話をさせていただいている、そういったことがございます。
また、個別では、地権者の代理人の方といろいろとお話をさせていただいたり、そういったことはしております。
○佐伯委員 まさに今ありました9月19日に行われた区長との対話集会、その場では、計画表では既に地区計画の原案が策定されて皆さんにお話をしていかなきゃいけない、そういうタイミングだったんです。ところが、当日はといえば、新たに今上鷺宮五丁目にあったNHK跡地に9階建てのマンション建設計画が出たということで、何やら事を取り違えた皆さんが、この際区長が来るんだったらこれに反対しよう、そういう意見をぶつけてやろうと、大勢、何でこんなにこの対話集会にきょうは集まっているんだろうと私も思ったんですけれども、そんな状況になっていたわけです。でも、あのときに、区長は個別の問題についてはお答えできないときっぱり言った姿勢、あれは私は大変よかったと思います。
そういったことに関しても、このNHKの用地の問題にしても、実際問題としては、昨年の1月12日の考える会で、NHKの宿舎が建て替えを検討中とのことであるが何か把握しているか、地区計画に支障がないよう早目に対応すべきではないかという意見が出ているんです。だから、区の方が全然前に進まない、その間にも住民の皆さんはどんどん地域のテーマというものを持ち出して、早く解決をするために、そのために地区計画をつくろうということを発言しているわけです。前向きに考えているわけです。
そういったことで言えば、これからと言っておりますけれども、いつからと言っても、行政というのはなかなか腰を上げるのは重いとは思うんですけれども、本当にこれはきょうから動き出さなきゃいけないことだと思いませんか。
○尾﨑都市整備部経営担当参事 東京都との協議はまだ解決しておりませんけれども、それはそれとして、今後とも東京都との間でやりとりをしていきます。一方で、これだけいろいろと議論をしていただいて、一定の方向を打ち出して、まちづくりの考え方が出てきているわけですから、地域を無視したようなまちづくりの進め方を行政がするわけにはまいりません。10月から入ってきます。地域の中で、我々が提示する地区計画のたたき台、そして、地区計画の基本的な事項、計画策定を行って都市計画に向かって原案をつくるというような作業に入ってまいりたいと思います。そういった中で、地域の合意が前提でございますけれども、合意形成に努めながら、都市計画の手続をできる限り早く進めてまいりたいというふうに思っております。
○佐伯委員 そういう言い方だから、この間の対話集会でもそうでしょう。最初に、早急にと、そういうふうに言ったから、最後に参加者の方が、早急にとはいつまでやるんですかと言ったら、できるだけ早くになっちゃうんです。だから、住民は怒るんです。
あともう一つ、道路率も今問題になっています。今の段階では、区の皆さんとしては、口が裂けても地権者の方に、ただで道路用地を出してくださいなんていうことは言えないと思います。ただ一方で、今週の火曜日に、地域の方が担当のところにお邪魔したように、積極的に地権者の方に働きかけをして、地域のまちづくりのために区にその道路を引き取ってもらおうと。しかも、その道路ができていた部分以上に、その道路をほかの道路とつなげるためのその部分まで寄附してもらうような交渉というのは、地域の方がやってくれているんです。そういう状況で地域はまちづくりを進めていこうという体制に入っているんです。
ですから、こういう声があるということは、こういう寄附の申し出、地域の動き、積極的にこたえていくべきではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○尾﨑都市整備部経営担当参事 用地提供のお話は承っております。このような申し出につきまして、我々の都市整備部の中の土木分野で、道路用地としての寄附を受ける基準、そういったものが定まっておりますので、そういったところと調整しながら、上鷺宮の地区計画策定の推進のためにも前向きに考え、調整を図ってまいりたいと思っております。
○佐伯委員 調整を図ってまいるのもいいんですけれども、どのぐらい時間を要するものなんですか。こういったものというのはタイミングが大事だと思います。土地を譲ってくれる方だって、気持ちが変わってしまうことだってないとは言えません。そういったことを考えれば、これも早急に結論を出していかなきゃいけない問題だと思いますけれども、いかがですか。
○尾﨑都市整備部経営担当参事 この件につきましても、早急に部内の考えをまとめ、結論を出すようにいたします。
○佐伯委員 そこで、早急にという言葉が、時間がたつと、できるだけ早くということになってしまいますので、実は、このスケジュール表も、前任の方は記憶にあると思いますけれども、いつまでと期限を切らなかったら役所は動いてくれないから、ちゃんとスケジュールを示してくれと、そういう要求を出して、実際に日程が入って、こういうスケジュール案を出していただいた。こういった記憶があります。
そういう中で先ほどかわら版の話が出ましたけれども、これが全戸配付したかわら版です。これが第2号、第3号では、そのアンケートの結果なども掲載をされています。そうした中で、本当に早急にとか、できるだけ早くということですと、地域の皆さんに私たちもなかなか話しづらい、話ができない。そういったことで、このかわら版にあるように、今アンケートの意見集約まで終わりました。皆様方の意見を反映したまちづくり計画素案を提案します、地区計画の素案を策定します、地区計画の原案を策定します。どういうタイミングでいつまでにやっていくのか。もちろん、私たちの要望というか、要求としては、地区計画によるまちづくり、これを約束どおり来年の19年3月までにこの地区計画の策定をして、19年4月から、このまちづくりを行うということが大前提になるわけですけれども、具体的なスケジュールについて説明してください。
○尾﨑都市整備部経営担当参事 来年の4月にまちづくりを進めますというところで、それから逆算するようなスケジュールの立て方ということでお答えすれば、次のようになります。整備計画の素案の策定、これはたたき台を出して、素案の作成ということで来月を予定します。そして、地区計画原案の策定、これは11月。そして、都市計画の決定手続は12月から3月というふうになります。非常にタイトなスケジュールであることには間違いありません。
それで、私どもはいろいろとこれまでの経過、そういったものを聞いております。おおむね3年をめどに地区計画に向けたまちづくりを進めますというような議会答弁もあります。承知しております。一方で、新しい中野をつくる10か年計画、これでは第2ステップで都市計画決定をするというようなスケジュール表にもなっております。しかしながら、今の状況を見ると、担当としてできるだけ早くという言葉しかないんですが、地域に入って議論を積み重ねて、合意形成をして、そして、都市計画決定をできるだけ近い時期に決定をできるように最大限努めてまいります。
○佐伯委員 その合意形成については、先ほども言ったように、合意形成の方法に手をこまねいていた行政側に対して、鷺宮議員懇談会の方からこういうふうにやろうということでメンバーを推薦して、そして、その会の中でこういう方向ができてきたんですから、一定程度合意はできていると私は考えるべきだと思います。そうしなかったら、また1人2人が反対したから立ちどまるということでは、これは絶対にあってはならないことだと思います。
道路の整備というのは本当に大事なことです。例えばまちの中にバスを通してくれという要望もあります。そういう陳情も出ました。だけど、今のままで上鷺宮地域、あれだけ厳しい時間規制、さらには歩道もない道、厳しい車幅制限、そういった中でバスを通したらどうなるか。そういったことも考えて私たちは陳情への判断も示しました。歩道がないですから、車幅制限は極めて厳しいです。歩道がないところにバスを通したら、通学路、どうなるんですか。
そういったこともきちんと整備をしましょうということで、私たち会派としては意見を申し述べさせていただいているわけですけれども、今尾﨑参事も言われましたように、スケジュール表に示された3年と言ったのは、そちらからです。こちらが3年でやれとか、むしろ我々は2年でやれとか、1年半でやれとかまで言っていたわけですけれども、実際にこのかわら版でこの案を出すときに、私は当時の担当の方に言ったはずです。ここで頓挫したりスピードを緩めたら大変なことになりますよということを言いました。
つまり、今の建ぺい率40%、容積率80%をこのスケジュールに合わせて、建ぺい率50、容積率100になるということを地域の皆さんが知っていますから、今私が見る限りでも、建て替えというのが極端に減っています。というのは、1年待てば80平米しか建たないところが100平米建つようになるといえば、それはみんな待ちます。そういう状況にもあるわけです。逆に言うと、地域の建築業者さんの方はアップアップになっちゃうわけです。
ですから、こういうスケジュールを示して約束をしたわけですから、大変タイトなことだと言いましたけれども、この約束につきましては、今回の質問を30分いただきましたのはこれが目的ですので、確実に着実に全庁を挙げてでもやっていただく。そして、来年の4月には、建ぺい率、容積率の緩和が行われる。道路もしっかりと計画がされて、そして、極めて厳しい時間制限、そういったものもなくなって、いよいよバスも通せる。そういう環境づくりまで、そういったことまで考えられるようなところまで、まずはこの地区計画の策定ということを進めていただけることを約束いただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○尾﨑都市整備部経営担当参事 もともと地区計画の策定に至る過程で、3点セットというのがありまして、さっき言った土地区画整理事業を施行すべき区域、これの解消、そして、それにかわる地区計画の都市計画変更、そして、その中でまちづくりのルールとして、用途地域、そういった見直しがあれば、そこで反映させていくという3点セットでございます。
そのしょっぱなの通学区域について、若干東京都との間で解釈の違いがあり、今まだ一定の方向が見えていないというような状況にあります。しかし、その流れだからといって地区計画ができないというわけではございません。地区計画は中野区の都市計画決定でございます。東京都と調整を図るべきことは幾らでもありますけれども、決定は中野区です。ですから、地域に入っていろいろと議論を積んで合意形成をして、できるだけ早い時期に決定をするというようなことで努力してまいりたいと思います。
そういったことの後に、建ぺい率、容積率、そういったものが出てきます。これについては、用途地域、地区の変更ということになりますので、決定権は東京都にあります。東京都の決定について、時期的な約束はできませんけれども、区としては地区計画に関する具体的な整備計画について、先ほど申し上げましたけれども、地域住民や地権者の合意を得るように努め、地域合意を前提に19年3月に都市計画決定ができるよう手続に入ってまいりたい、そのような決意でございます。
○佐伯委員 ありがとうございました。ぜひその勢いでお願いをしたいと思います。
実は、けさテレビを見ていましたら、歌手の藤圭子さんがアメリカの方で捕まったというようなことが出ていて、藤圭子さんは宇多田ヒカルさんのお母さんという紹介をされていたんですけれども、藤圭子さんが宇多田ヒカルさんのお母さんと紹介しないとわからない時代になったのかなと。我々は前川清の元奥さんみたいな感覚があるんですけれども、そういう年代、団塊の世代の方なんかはそういうことだと思うんですけれども、今地域で取り組んでいるのは、我々の世代にぜひこれはやろうよということ、だから、火曜日に担当にお伺いをしたときも、大体同じような我々の年代の方が来ました。
そして、私が見る限り、恐らく尾﨑参事も大体同じぐらいの年ではないかなと思います。そういったことで、ぜひ我々の年代でやりましょう。今までずっと先ほど言ったお歴々ができなかった。手がけたけれども、達成できなかったこと、時には都市計画の専門家が地域センターの所長だったこともありました。だけど、それでも進められなかったことですけれども、尾﨑さん、ぜひ一緒にやりましょう。その決意をお願いします。
○尾﨑都市整備部経営担当参事 大変難しい問題かと思いますが、私の大事な仕事でございますから、やらせていただきます。
○佐伯委員 どうもありがとうございました。
○伊藤(正)委員長 以上で佐伯委員の質疑を終了いたします。
次に、伊東しんじ委員、お願いいたします。
○伊東委員 17年度決算につきまして、自民・民社クラブの立場で総括質疑をさせていただきたいと思います。
私の持ち時間は147分ということですけれども、この147分をフルに使い切ってしまいますと、土日を挟んで2日にまるきり質疑が渡るということで、極力それは避けたいと思いますし、皆さんも総括3日目、そして、週末ということもございますので、5時を目途に頑張っていきたいと思いますので、理事者の皆さんにも御協力をいただきますようよろしくお願い申し上げます。
質問項目につきましてですけれども、子育て支援と教育行政についてということで通告させていただきました。本来でしたらば、子育て支援と教育行政については別項目で立てるべきことだと思うんですけれども、今回の中野区の改革を踏まえ、これからの連携というのをより一層強く打ち出していかなければならないかと思いまして、あえて項目を一つにさせていただきました。
なお、細目につきましては、多少順番を変えたり、二つの項目を一つにさせていただいたりして質問させていただきます。その辺をあらかじめお断りさせていただきます。
子育て支援策と教育行政について。この質問につきましては、一般質問におきましても、山崎委員、いでい委員が質問いたしまして、答弁をいただいております。私は私なりの視点で質問させていただきたいと思いますし、私は第1回の定例会におきまして、10か年計画を踏まえた子育て支援策のスキームについて質疑をさせていただきました。
その区長の御答弁をここで読ませていただきます。10か年計画に沿い、地域のさまざまな関係機関の連携をつくり、また、協力体制を再構築することによって、子育てに関する地域コミュニティの基盤をつくり上げていきたい。そのため、地域子ども家庭支援センターをつくり、児童館、学童クラブ、地域の子育て支援活動の子育てコミュニティの拠点としたい。同時に、児童館を学校施設に編入し、より専門的な機能を果たすとともに、子どもの教育、保育のサービスの整備や子育て支援相談を充実していきたい。こうしたスキームの中で、区は子どもや家庭の相談、処遇と、地域のネットワークの形成の中核をなすことを行う。さらに区は、子育て支援にかかわる区民の支援や人材養成をするとはっきりおっしゃっています。こうした考えに基づいて検討してまいりますという御答弁をいただいております。
それで、細目に沿いまして、まず1番目に、新しい中野をつくる10か年計画と、それから次世代育成支援行動計画について、2項をあわせて質問させていただきたいと思います。
10か年計画におきましては、四つの戦略の中で、元気いっぱい子育て戦略とうたいまして、その中、冒頭、「子どもたちは他者とのコミュニケーションをとったり、相手の気持ちを考えたり、我慢をするといった経験が不足し、社会性や規範意識、生命を大切にする心が育ちにくくなっています。」全くそのとおりだと思います。
また、「核家族化や近隣関係の希薄化によって、家庭や地域の養育力が低下し、子どもたちの社会性を養う基盤が弱くなってきている」「子どもたちは、みずからの考え方を伝え、相手の考え方を理解するなどの、コミュニケーション能力をより一層高め、社会の一員として自覚と責任、みずからの生き方に希望を持って、人生を切りひらいていける大人に育っていく必要があります。あすの中野を託す子どもたち一人ひとりを、家庭、地域、学校のそれぞれが連携・協力しながら、社会全体で大切に育てていきます」とされています。本当にこれが実現できればいいことだと思いますし、この10か年計画、具体策に乏しい部分がありまして、それをこれから積み上げていかなければならないのかなと思っております。そういう意味で種々質問をさせていただけたらと思います。
その中の展開1で、「愛情と責任を持って子どもを育てる家庭」ということで、家庭支援の部分についてうたわれております。中学生など、若者への保育体験、育児学習の機会提供により、子育ての意義、家庭の大切さに対する理解を進めていきたいということでうたわれていますけれども、保育体験、育児学習の機会提供の取り組みを紹介していますのはどこなんでしょう。また、その実施の実態とは、内容はどうなっておりますでしょう。
○大橋子ども育成担当課長 お答えいたします。所管は保育園・幼稚園担当であり、乳幼児ふれあい体験事業として実施しております。また、類似した事業といたしまして、私ども子ども育成担当の二つの児童館でも、「赤ちゃん・幼児と仲良くなろう!」という事業を実施しております。
その内容につきまして、まず、乳幼児ふれあい体験事業につきましては、乳幼児と一緒に遊んだり、触れ合ったりすることを通じて、命のたっとさを学ぶ機会とすることにより、将来の子育てに対する期待や意欲をはぐくむことを目的としております。その体験内容は、乳幼児の発達や特性についてまずオリエンテーションを受け、半日もしくは1日乳幼児から5歳児までの各クラスに別れ、乳児であれば、抱き方やあやし方、またもうちょっと年齢が高くなりますと遊ばせ方等を具体的に体験し、各体験者の感想などの意見交換をする、そのようなものになっております。
また、「赤ちゃん・幼児と仲良くなろう!」につきましては、中・高生の保育ボランティアを養成することを目的として、保育園の協力を得、乳幼児ふれあい体験事業とほぼ同様の内容で実施しております。
○伊東委員 ありがとうございます。実際には、そういう事業をすることに当たりまして、子どもの参加、要するに中学生、高校生の参加がなかなか得られないというような事例も聞いております。さっきの質問でも、教育委員会に対しての質問だったと思うんですけれども、中学校4校で同種の事業を実施したというような答弁があったように思うんですけれども、この部分に関しては、声かけだけでは物足りない。やはり学校現場の協力も全面的にいただかなければ、この事業というのは進んでいかないのかなと思います。先ほども言いましたように、連携という部分、教育委員会との連携はどうなっておりますでしょう。
○大橋子ども育成担当課長 まず、乳幼児ふれあい体験事業につきましては、区内全中学校、また区内の各高等学校に、乳幼児ふれあい体験事業のお知らせを送っております。そして、学校長を通じて、体験希望者については体験希望の保育園に申し込みをしてもらっている、そういう学校との連携を図っております。また、その中で、参加された方につきましては、中学校が16校で476人、高等学校が7校で226人、また小学校からも4校、56人が参加しております。
また、「赤ちゃん・幼児と仲良くなろう!」につきましては、その実施児童館、近隣の中・高校にお知らせを出しまして、それは、希望者に応募してもらって、実際体験をしていただいているというところです。中学校が2校で8人、高等学校が6校で15人、大学が1校、1人と、合計24人が体験いたしました。
○伊東委員 ありがとうございます。ぜひとも教育委員会の方も積極的にこの事業に対する理解を深めていただきまして、連携を進めて、さらに強く事業展開を進めていただきたいと、これは要望にしておきます。
続いて乳幼児の育て方について、支援等を行い、子育ての不安を解消する。10か年計画になっております。親準備教育、子育て講座というものが17年度の決算説明書の方にもあります。その内容と成果についてお聞きします。
○大橋子ども育成担当課長 まず、二つこの取り組みがございますが、一つ目につきましては、ゼロ、1、2、3歳子育て講座という講座を実施いたしました。これは、ゼロ歳から3歳の第1子を育てている親同士が話し合いながら自信を持って子育てができるよう学ぶ参加型の講座でございます。
講座は好評で、不安や悩みが軽くなったという感想が多く聞かれます。また、講座をきっかけに、修了者によるグループができて、交流を深めている、そういうことも聞いております。
次に、父親、夫婦参加型講座でございますが、これは講師から、父親に知ってほしい子育ての誤解などの講義を受けて、父親の子育て参加を考える機会として実施いたしました。これにつきましては、参加人数は少なかったのですが、参加者からは、育児の時間をともに共有できることが一番よかった。また、父親も子育てにかかわらないと子どもに影響があることがわかって、今後の参考になったというような感想が聞かれております。
○伊東委員 ありがとうございます。内容はもうちょっと多岐にわたったり、深く掘り下げていただいた方がいいかと思いますけれども、その中でグループが生じたりということで、一定の効果は出ているのかな。子育ての不安を解消と同時に、家庭における基礎教育、要するにしつけの重要性、家庭の役割について、子育て家庭に十分に伝えていくことを区として行っているのかという意味で質問させていただきました。詳細につきましては、また後ほど確認させていただきたいと思います。
続いて、一時保育、ショートステイ、家事、育児援助サービス等、子育てサービスについてお聞きしたいと思います。決算説明書でもいろいろな記載がございますけれども、まず一時保育についてですが、一時保育は17年度より拡充されております。前年度比608人増の1,569人の利用がありましたが、この利用増が一時保育の実施によるところなのかを確認する意味で、緊急一時保育と一時保育の内訳についてお聞きしたいと思います。
○馬神子育て支援担当課長 お答えします。緊急一時保育が1,123人、新しく始めました一時保育が446人となっております。
○伊東委員 わかりました。大幅に増の原因というのがここから読み取れると思うんですけれども、一時保育は、保護者の育児疲れやボランティア活動を理由に利用できることになっていますが、利用に際して、申請理由等についての届け出というか、申し込みはあるんでしょうか。
○馬神子育て支援担当課長 実際利用された方、内訳といたしましては、保護者の育児疲れの解消という理由で274人、あと就職活動のためという理由が124人、あと引っ越し等で子どもがいると危険なためという理由が33人、ボランティア活動9人、あとは冠婚葬祭等へ出席というのが6人ということになっています。
○伊東委員 理由は一々もっともだと思いますが、子育てしていて、それぞれの事情で、本当にちょっと預かっていただきたいという事情がよく酌み取れます。一時保育には区立保育園、私立保育園での保育のほかに、自主5団体による預かりもありますが、それらの利用実態と区としてのそうしたものの支援策、拡充策はどう考えていらっしゃいますか。
○大橋子ども育成担当課長 現在区が把握している自主活動でありまして、乳幼児の一時預かりをしている団体が5団体あります。その多くの方がこれを利用していると聞いております。
区の支援策としては、特に行ってはございませんが、こうした活動は地域の支え合いとして推進すべきものであると考えております。現在区民団体の公益活動に対する既存の助成制度の検討も行っていることから、その制度の適用なども考えていきたいと思っております。
○伊東委員 多分そういうお答えが返ってくるのではないかなと。公益活動も始まったばかりです。ただ、拡充策というのはまた別の話で、区長の一般質問への御答弁でもありましたように、人材育成だとかそういう部分はまた別にあると思います。これは行政の仕事としてしっかりやっていただきたいと思います。親のリフレッシュが子どもの幸せに直結しますので、ぜひともこういう部分を大切に、さらに拡充していっていただきたいと思います。
続いてファミリーサポートセンターについてですけれども、自主団体による一時保育のほかに、ファミリーサポートセンターの登録協力員による預かりや保育園の送迎がありますが、その違いといいますか、自主団体5団体の活動等の違いを明確にしていただきたいと思います。
○馬神子育て支援担当課長 自主団体による一時預かりが特に地域センターですとか児童館ですとか、そういった場所を使って日中の比較的短時間の預かりを実施しているところでございますが、ファミリーサポートセンターでは、協力会員と利用会員の日程が合えば、365日対応可能でございますし、利用時間も、朝夕をはじめ夜間の対応も行っているという状況がございます。
○伊東委員 先ほどもらってきたばかりですけれども、こういうチラシ、ファミリーサポートセンターというこういうものが総合窓口の方に置いてありましたけれども、区はファミリーサポートセンターへの事業委託をし、17年度会員登録数1,282名、援助活動回数が9,457回となっております。その援助の内容、今御披見いただきましたから、そちらの方がいいとしても、需要と供給のバランスについて御答弁いただきたいと思います。
○馬神子育て支援担当課長 需要と供給でございますが、登録会員の内訳としては、協力会員が223名、利用会員が923名、両方会員、利用もするし協力もするという会員の方が136名となっております。この数字だけを見ますと、利用会員の方が非常に多い状況ではございますが、必要に応じて協力会員の方がチームを組むなどの形で利用会員の要望に現在こたえているという状況でございます。
○伊東委員 この事態、区は委託を行っているんで直接関与できないことかもしれないんですけれども、このアンバランスを解決する手だてというのはないんでしょうか。
○馬神子育て支援担当課長 社会福祉協議会に委託しておりまして、社会福祉協議会の方でも積極的に募集を行っております。区の方でも、地域の方々、人材育成の活動をしておりますその方々にぜひともこのファミリーサポートセンターの活動にもぜひ協力していただきたいということで、養成講座等では御案内をしているところでございます。
○伊東委員 このパンフレットの裏面、協力会員の基礎研修、あるいはフォローアップ研修というんですか、たくさん講習を受けるということが必要なようです。また、活動依頼を受けたらば、それに沿って活動して、活動報告書を提出しなければならないとなっているんですけれども、それは面倒くさいものなんですか。
○馬神子育て支援担当課長 活動報告書というのは、例えば預かりですとか、そういったお子さんの状況をお母さま、保護者との間で連絡をとるというものですので、面倒くさいというか、専門的な知識とかそういういうことではございませんので、連絡を密にして、今後継続的な利用にもそれが益するというか、そういうところで使っております。そんなにそれが負担になってということではないと考えております。
○伊東委員 地域にはこういうことにできたら協力してみたいという方もまだ眠っていらっしゃると思います。できるだけハードルを低くして、協力会員がふえることを期待して、次に移ります。
同じくショートステイも17年度より対象を15歳まで拡大したが、単に対象枠を拡大する以外に、現行の利用3日前などの申し込み期限の短縮などについての工夫があった方がいいかと思うんですけれども、いかがでしょう。
○馬神子育て支援担当課長 ショートステイの申し込み、原則として3日前ということで御案内しております。ただ、実態といたしましては、利用者の方の状況、特に緊急の入院などというときには申し込みがございます。それについては区の方から直接施設と連絡をとって、前日とか急な場合、当日でも対応しているという状況でございます。
○伊東委員 それを聞いて、安心しました。あまり規則にとらわれてしまいますと、せっかくのいい制度も硬直化してしまう部分がありますので、弾力的な運用というのを心がけていただけたらと思います。
続いて、ひとり親家庭の支援についてということで記載もありますし、決算の説明書の方にもいろいろ御報告いただいています。17年度、中野区におけるひとり親家庭の数なんですけれども、ここ数年の傾向なんですが、中野区においていかがになっていますでしょう。
○馬神子育て支援担当課長 この子育てサービスにおけるひとり親家庭の把握でございますが、住民登録上、父親または母親と20歳未満の児童で構成されている世帯というものを対象に把握をしております。その数字によりますと、17年4月で世帯数は、母子世帯が3,111世帯、父子世帯が592世帯の計3,703世帯となっております。ここ数年では若干ふえる傾向にあるかというところでございます。
○伊東委員 私は、ひところ昔よりは、周りにひとり親家庭がふえているような気がしてならないんですけれども、これは中野区の状況を今御答弁いただきましたけれども、他区と比較したらばどうだか、わかりますか。
○馬神子育て支援担当課長 申しわけございません。他区との比較というのは特にとっておりません。全体の状況としては、減っているよりはふえている状況かなというのはございますけれども、数字はうちの方では把握しておりません。
○伊東委員 私は保護司なんかもしておりまして、いろいろな事例を取り扱うときに、やはりひとり親という部分が子どもの非行化につながるということに直面する部分も多々あります。ぜひともこの部分を減らすというか、減らすのは行政としてはなかなか難しいのかもしれないんですけれども、なってしまったものは、それを支える仕組みというのを充実していただきたいと思います。
子育て家庭の孤立化についてなんですけれども、子育て家庭の孤立化の実態把握というのは非常に困難だと思います。子ども総合相談窓口、これは子ども家庭支援センターと、まだよくわからないんですけれども、実際は一体なんですよね。そういうところに来る相談において、こうした問題が浮かび上がってきているのかということをお聞きしたいんです。
○馬神子育て支援担当課長 孤立化という面では、保護者の方とお子さんが、保育園などの関係機関ですとか、保健福祉センターですとか、そういったところと何らかつながりを持っていただいている場合には非常に把握しやいですし、こちらからもつながりを持ちやすいんですが、そういったつながりが一切ない方、家庭内にどちらかというと引きこもっていらっしゃるような状況の方の場合に、どのようにその状況を把握し、必要な支援に結びつけていくかというのが今一番大きな課題ではないかと考えております。
実際としては、子ども総合相談窓口では、まず初めに、妊娠期に母子手帳の交付がございます。その後も、お子さんがお生まれになった後、児童手当等手当の手続がございます。そういったところで来庁される機会を利用して、サービスを紹介したり、必要に応じては子ども家庭支援センターの相談員につなぐということを試みております。また、子ども家庭支援センターでは、そのほかにも、乳幼児健診の未受診の御家庭、それについては積極的に御訪問して、関係を築く取り組みを現在進めているところでございます。
○伊東委員 子ども総合相談窓口、これはワンストップサービスということで3階に設けられて、大変いいことだと思います。そこで用意されているこういう「おひるね」という冊子、これは表現は別としまして、もうちょっとわかりやすい表現というのはあるのかなと思うんですけれども、こういうものを積極的に活用すると同時に、こういうものをつくったからいいよというのではなく、どんどん事あるごとにPRに努めていただきたいと思います。
こういう部分というのは、こういうものがあっても知らないという方が多々いらっしゃる。それと、先ほどおっしゃっていましたけれども、本当の孤立化という部分は把握がしにくい。そのとおりだと思いますので、どんどんそれを把握できるように、手をかえ品をかえ工夫していただけたらと思います。
次に、この項の質問に変わりまして、展開2の「虐待ゼロのまちをつくる」についてお伺いしたいと思います。
子どもの虐待について、児童福祉法の改正により、児童虐待の通告受理を含め、児童福祉に関し、家庭その他からの相談に応じることが自治体に、児童相談所は専門的な知識及び技術を必要とする相談と市区町村の後方支援に--「区」は入っていなかったんですけれども、中野区の場合は区を入れないとしようがない。役割特化をされたということになっております。山崎委員の一般質問の御答弁にもありましたけれども、子ども家庭センターの虐待事例の御報告、御答弁もいただきましたし、区長の方からは、地域全体の感度を高めていかなければならないのではないかということで御答弁をいただいています。
それを踏まえましてお聞きしていきたいと思いますけれども、17年度子ども家庭支援センターに寄せられた相談件数は5,412名とあるが、その内容、虐待の被害の実態は、また、虐待と判明後の区の対応はと。先ほど言いましたように、児童相談所との役割に沿った事業展開の課題みたいなものはもう既に見えてきているのかどうかも含めまして、御答弁いただけたらと思います。
○大橋子ども育成担当課長 お答えします。まず、この相談件数5,412人とありますのは延べ人数でございます。そして、平成17年度に子ども家庭支援センターがかかわった子ども虐待は84人ございました。そして、虐待としてかかわったケースの内訳でございますが、ネグレクトが73.8%、そして、身体的虐待が35.7%、心理的虐待は39.3%ありました。また、緊急性や重症度が高く、施設入所となったものも含めた場合は虐待者との離別が12人ありました。
そして、次の児童相談所との役割に沿った事業展開の課題をどのようにとらえているかということでございますが、子ども家庭支援センターは、通告を受けた事例について、家族関係等周辺状況を調査し、緊急受理会議を開催し、緊急性や重症度を判断いたします。緊急と判断した場合は、杉並児童相談所へ連絡し、かかわりを依頼するということになっております。そして、その他の虐待と判断したケースで、関係機関と連携が必要なケースはケース検討会議を開催し、子どもとその家庭の情報を共有して、支援方針を定め、これに基づいた関係機関とそれぞれの役割に応じた支援を実施しております。
昨年の改正児童福祉法により、児童相談所は専門性の高い困難事例の対応や、区に対する情報の提供、また、その他必要な援助など、後方支援に役割が重点化いたしました。このため、子ども家庭支援センターは、身近な地域での児童相談の窓口として今後も適切な対応を図っていきたいと、そのように考えております。
○伊東委員 それぞれ類型別の虐待の割合というのも御報告いただきましたけれども、ぱっと足すと100%を超えるということは、幾つもの類型が重なって行われているという実態も非常に悲惨な実態だと思います。その関係機関との連携についてお聞きしようと思ったんですけれども、今ざっとその処遇について御報告いただきました。区の資料によりますと、保育園、幼稚園、児童館という部分は出ていたんですけれども、学校、それから医療機関についての連携という部分は、文章では見当たらなかったような気がするんですけれども、それについてはどう考えていらっしゃいますか。
○大橋子ども育成担当課長 昨年17年度の関係機関から通告は44件ございました。このうち保育園からの通告が10件と一番多く、そして、今委員からお話もありました小学校が9件でございます。そして、児童館が5件、保健福祉センターが5件など、そして、医療機関からも2件ございました。
中野区では、昨年6月に、児童福祉法に基づく要保護児童対策地域協議会を設置いたしまして、関係機関が情報や考え方を共有し、そして、適切かつ統一的な方針でケース対応をできるような体制を整えました。
○伊東委員 細かいことは一生懸命やっていただきたいという要望とさせていただきます。とにかくこういう連携を強めることによって、虐待は未然に防げる、早期発見につながると思っておりますので、お願いいたします。
虐待対策ワーカー、これは見守りサポートという表現も文章の中には見受けられたんですけれども、17年度、新たに配置され、養育支援訪問が展開されていると思いますが、そのワーカーの配置数、専門性、活動内容、1人当たりの処理件数についてお聞きしたいと思います。これは、まだ少ないスタッフで動いているかと想像してお聞きするんですけれども……。
○大橋子ども育成担当課長 今お話のありました虐待対策ワーカーは1名配置しておりまして、その職種は保健師が担っております。そして、活動内容は、虐待相談や要支援家庭訪問事業、また、児童相談所と連携した虐待事例の見守りなどを行っております。ですから、先ほど見守りサポートというお話もありましたが、見守りなどを行っていることがそういう表現になったのかとも受けとめております。
そして、虐待ワーカーが1人の配置であるために、虐待ケースにすべて対応するというものではなくて、地域担当の支援ワーカーとともに活動しております。
子ども家庭支援センターでは、子どもの虐待を未然に防止する視点から、養育が困難な状況が懸念される家庭を把握し、支援をしており、これらのケースも含めた平成17年度の1人当たりの対応件数は約80件となっております。ですから、虐待ワーカーが1人ですべて虐待に対応しているわけではなくて、地域の担当の支援ワーカーとそれぞれ役割分担をしながら、それぞれ80件ぐらいを担っているというところです。
そして、継続的にかかわる必要があるケースがふえている中で、適切な支援の実施が課題となっております。このため、今後展開される(仮称)地域子ども家庭支援センターが身近な地域の子育て支援機関となって、養育が困難な状況が懸念される家庭への訪問などを行い、その家庭の適切な支援に努めることを今検討しているところでございます。
○伊東委員 80件というのは、これは問題が虐待ということですので、そう簡単には処理できない問題だと思います。お聞きした概要ですと、心細いのかなと思っております。ぜひともこの辺は、区として、区長は積極的にその対策に乗り出していただけたらと思っております。
17年度関係機関、要するに保育園、幼稚園、児童館職員に実務研修を行ったそうなんですけれども、その内容は、関与職員の専門性の向上についてしっかり行われているんでしょうか。また、区の職員の方でしたらば、異動もあります。研修を受けた参加者のその後の活用についてのお考えをお聞きしたいんです。
○大橋子ども育成担当課長 この研修につきましては、臨床心理士などの専門家による相談対応能力の向上を目指した研修を行いました。内容といたしましては、相談援助の基本として、よく言われます積極的傾聴という言葉で専門的に言われるんですが、相手の方のお話の聞き方や、聞きながら何が問題なのか、問題を明確化していくこと、そして、またその中で、自分のところだけでは対応できない場合の他機関との連携など、そういう実習を交えた3回連続の講座を実施しております。
日々保護者とかかわる保育園など、関係機関の職員は、虐待の早期発見とともに、虐待の未然防止の視点から、保護者の身近な相談相手となることが必要であり、こうした面からも、研修で学んだ技術を活用しているところであります。ですから、異動等でまた園がかわったとしても、そういう研修を生かしながら、対応できる力というものを個人だけではなくその園としてつけていただけるようなことも進めております。
○伊東委員 人事異動という部分で、これは区の課題だと思います。その視点も含めましてですけれども、今後、児童館の運営体制で区の職員を減らす、地域の協力なんかもいただくということが考えられていると思います。また、一つの関係機関で保育園等とありますけれども、保育園も今民営化が進められております。こういった流れの中で、研修の継続、実態把握の機能維持に向けて、要するに相手は民間になることも想定されます。それについて区の取り組み、考えは……。
○大橋子ども育成担当課長 区では、これまでも子ども虐待防止にかかわる研修や講演会を開催しておりまして、特に区立ということのみに限ったわけではなくて、私立幼稚園や私立保育園等の民間事業者にも呼びかけて参加をいただいてきているところでございます。
平成17年度は虐待防止や養育支援家庭の発見のポイントや保護者への対応について研修を実施しておりまして、私立幼稚園や私立保育園など、民間事業者の職員の方にも参加をいただいております。今後もこうした研修を継続的に実施し、職員のスキルアップに努めていきたいと考えておりまして、公立、民間を問わず、必要と思われるところには声をかけて、このような研修を実施していくつもりでございます。
○伊東委員 この問題、行政だからやらなきゃならないという問題ではなく、社会全体として取り組んでいくことが必要だと思います。虐待を未然に防ぎ、家庭、社会から虐待を一掃することの重要性をかんがみて、実務に当たっては、関与職員の専門性と関係機関、あるいは区民との密接な連携が今後とも維持継続されることが重要と考えて確認させていただきました。
また同時に、十分なPR、虐待についてのPR、防止についてのPRというものも大切だと思います。今後とも力強い施策展開を期待して、次の質問に移ります。
展開3「地域が支える子どもと家庭」でございます。その中に、子育てサポーターについて記載がございますけれども、子育てサポートルームが開設され3年経過しているはずですけれども、その当初の設置目的、それから、3年間の子育て支援団体、御協力いただいている団体の推移はどうなっていますでしょうか。
○大橋子ども育成担当課長 設置の目的にいたしましては、乳幼児を抱えている親御さんにとっては、特に初めての子育ての場合、不安とかをお持ちの方が多くございます。ですから、そういうところを自分と同じような方々が集まれるところでちょっと知り合いになったり、そういう中で悩んでいるところを出していただいて、うちはこうだよとかいう話ができたり、そういうところで不安を解消できればと。また、これは自分の子どもばかり見ていると、発達がどうなのか、不安になったりすることもあると思うんですが、ほかのお子さんをごらんになると、いい意味での比較といいますか、皆同じようなのだなと思えるところもあって安心するということもございます。ですから、そのような場として設置しております。
子育てサポートルームの子育て支援団体は、平成15年度と16年度は5団体、平成17年度は4団体にお願いして実施しております。子育てサポーターの実施してくださる人数につきましては、平成15年度は延べで291人、16年度は延べで265人、そして、17年度は延べで176人ということでございます。
○伊東委員 団体数の推移ということでお聞きしましたけれども、これは向こうからお断りになる、要するにふえたり減ったりしております。わずか3年のことなんですが、これは18年度ですか、4団体ということで、当初15年度の内容と同じ団体は、2団体が重複しているように思うんですけれども、それについては……。
○大橋子ども育成担当課長 これは、あくまでも地域の団体の方にお願いして、月1回程度男女参画センターの保育室を使ってやっていただいているもので、団体の方の御事情もございまして、ほかの自分たちの団体の事業のことで忙しくなったとか、そういう御事情の中で、今までやってくださった団体がおやめになったりとか、そういう経過がございます。
○伊東委員 17年度の説明書の方にも、51回、1,550人の参加利用者の方がいらっしゃるということなんですけれども、そういう方から要望ですとか声というのはどのように届いていますか。
○大橋子ども育成担当課長 利用されている方々の中からの声といたしましては、このサポートルームにつきましては、結構リピーターの方が多くて、満足されているという声が聞こえております。そして、そういう利用されている方々の中からは、例えばもうちょっと時間を延ばしてほしいとか、もうちょっと回数をふやしてほしいとか、そういう声がございまして、今後の対応について検討していきたい、そのように考えております。
○伊東委員 確かに回数としては51回というと多いのかなと思うんですけれども、月に割ってみますと4回程度、毎週1回ぐらいの間隔なので、これがもうちょっと協力者がふえていただけると、あるいは場所がふえるといいのかなと思っております。
17年度にサポーターの養成講座が実施されています。それを受けた方というのは、その後どうなっていますか。こうした活動に継続参加されているんでしょうか。
また、区としてこうした人材育成ですとか、活動の援助についてのお考えもまとめてお答えください。
○大橋子ども育成担当課長 この第1期の方々につきましては、修了後に、修了された方々でグループを発足いたしまして、自主的な活動に向けて今準備をしていただいているところは一つございます。
また、現在、それぞれ全くこういう経験がなくてサポーター養成講座に見えたという方ばかりではなくて、かなり自分の地域とかでいろいろな団体というか、育成団体等で活躍されている方がおいでになったりしておりますので、今でももちろんそういう地域での活躍をされていたりとか、また、新たに子育て関係の団体ができて活動が始まったところで一員となって活動されている方とか、また、サポートルームの子育て支援団体に加わり活動している方など、そういう意味では活動は広がっていると受けとめております。
そして、今後、仮称ですが地域子ども家庭支援センターや児童館、また、今後のことですが、認定子ども園などで子育て支援の取り組みを拡充していくことも考えており、子育てサポーター養成講座や、各施設への人材養成を推進して、区民相互の支援の促進を図る基盤づくりを進めてまいりたい、そのように考えております。
○伊東委員 ありがとうございます。想像はつきます。そういう講習があれば、意欲を持った方でしたら、その範疇にとらわれず積極的に参加して、それがまた地域に散らばるということは、決して悪いことではなく、かえっていいことだと思いますので、ぜひとも続けていただきたいと思います。
次に、児童館における事業展開についてなんですけれども、ホームページで児童館における事業展開について見ましたら、子育てひろば事業、子育てなかま作り支援事業、乳幼児親子ほっとルーム、乳幼児親子活動者ネットワーク、四つほど書かれていたんですけれども、これらは本当に名前が似通ったりして、また、ほかの事業との名称が似通っていたりする部分があって、内容が事業名を見ただけではわからないという部分は私も思います。その内容というのを、もう時間もないですから、簡単に、それと参加の実態はどうなんでしょう。
○大橋子ども育成担当課長 まず、子育てひろば事業につきましては、全児童館で実施しておりまして、乳幼児向けに遊具や絵本を設置して、平日の午前中を中心に、これは親子が自由に交流して自主的な活動ができるよう支援しているものでございます。
また、職員はそういう中で、言葉は悪いんですけれども、全くほうっておくということではなくて、例えば個別の相談にも対応したり、またその中で保健福祉センターや保育園の職員による事業なども時には行っている、そういうものでございます。
そして、次には、子育てなかま作り支援事業につきましては、乳幼児親子の集い、交流の場として、定期的な活動時間を設定し、これは児童館の方で設定しておりますが、利用者自身の意見、アイデアによって、体操やスキンシップ、遊具遊び、季節行事などを行っているというものでございます。
そして、乳幼児親子ほっとルームというものにつきましては、区内8カ所の児童館で、ここは専用として使っていただいているんですが、1日じゅう乳幼児親子が専用で利用できる部屋を開設しております。遊具などの利用や飲食も可能となっております。家の中で親子だけで過ごさなくても済むという、そういうことで喜ばれていたりもして、また、必要に応じてこれも職員が相談等に対応させていただいております。
最後に、乳幼児親子活動者ネットワークの内容につきましてですが、これは、乳幼児親子を対象としておりまして、そういう活動をしている方や、今後活動しようと考えている方を対象としております。子育て支援の活動をする人材を発掘し、育成し、そして、活動者のネットワークを図りつつ、活動の活性化を目指すことを目的に、活動者が自主的に交流会や学習会、例えば子育て講座、またはリラックス体操、親子ヨガなどを企画しております。また、活動者相互の情報交換の場となっているものでございます。
○伊東委員 ぜひともネーミング、もうちょっと考えて、わかりやすくしていただけたらなと思っております。こうした事業なんですけれども、先ほどもPRというのは大切だというお話をさせていただきましたけれども、こういう部分は積極的にやられているんでしょうか。例えば母子手帳の交付というような、それぞれの機会に多分やられているんだと思うんですけれども、実際にされているのか。
それともう一つには、地域が違うと、せっかくの事業についても、知っていても行かれないという部分が生じると思うんです。ですから、本当は地域単位、あるブロック単位で、積極的なPRがあった方がいいと思うんですけれども、その点についてのお考えは。
○大橋子ども育成担当課長 PRにつきましては、児童館を中心に、この四つの事業のパンフとかをつくってPRさせていただいておりますが、もっと積極的な必要なPRを進めてまいりたいと考えております。
また、ブロック単位と今お話がございましたが、この乳幼児親子活動者ネットワークは、ブロック単位で進めさせていただいておりまして、そういうところでは、地域を超えて乳幼児親子の方々の交流も含めて、情報交換もできる場となっているのかなと、そのように考えております。
○伊東委員 これから児童館の形が変わってまいります。またスタッフも変わってまいります。そうした中で、地域の子育てという部分、積極的に取り組んでいっていただくために、これから体制整備をよく考えていただけたらと思っております。それをお願いしまして、次の項の質問に移りたいと思います。
これは細目で言いますと、放課後子どもプランについてでございますけれども、それに先んじて、16年度から18年度、3カ年の事業としまして、文科省の方から、地域教育力再生プランとして、家庭教育支援総合推進事業と地域子ども教室推進事業、2本の事業が展開されております。この事業の中野区の実績と、それからこの事業を中野区はどのように評価しているのか、それについてお聞きしたいと思います。
○大橋子ども育成担当課長 まず、地域子ども教室推進事業の実績についてでございます。平成16年度は、これは開始の年度でございますが、事業数が15事業、そして、団体数が12、その実施していただいた回数が528回でございまして、参加者数は、幼児、小・中学生、大人も含めてということで7,038人、事業の協力者が3,124人というところです。
次に、17年度につきましては、地域子ども教室のほかにプログラムが加わって、例えば週末チャレンジ教室、また文化体験プログラムというものも含めまして、事業数が34、団体数が16、回数が912回、そして参加者といたしまして1万6,837人、事業の協力者が6,047人です。
次に、家庭教育支援総合推進事業の実績につきましては、16年度が団体数が7、実施回数が47、参加者数が815人、そして、17年度が団体数が8、回数が46回、そして、参加者数が1,067人、そういう実績でございます。
区はどのように評価をしているのかという点でございますが、まず、二つの事業とも事業協力団体などの御尽力により参加者数がふえていることがわかります。そして、子どもたちにとっては、家庭や学校では体験できないようなそういう経験や、学習、機能の習得が得られたと受けとめております。また、地域の中で、さまざまな人たちとの交流の場ともなったとも考えております。それが私どもの評価でございます。
○伊東委員 私もこの事業には参加しておりまして、今改めて御報告を聞かせていただきまして、大した事業だなと。これは、1万人を超える参加、また、それにもまして、6,000人を超える協力者の方々が動いている事業、拠点数は各地域にもっと展開してもいいのかな、欠けている地域もございますけれども、これが先々続くことが本当はいいことなのかなと思うんです。
この事業の課題についてはお聞きしようと思ったんですけれども、私は携わっていて、これは3カ年の限定事業ということ、これが一番の課題だなと。せっかく立ち上がったもの、皆さん、やられている方は悩んでいらっしゃる部分もあります。予算がつくからやろうという団体も確かになくはないかとは思います。これは、言い切れるわけではないんですけれども、同じ事業なんですけれども、他区の取り組みはいかがなんでしょう。
○大橋子ども育成担当課長 他区の取り組みにつきましては、17年度、地域子ども教室推進事業につきましては、中野区も含め、15区で実施されております。また、その内容といたしましては、伝承遊びや工作、また料理や将棋などの教室、スポーツ活動などが行われていると聞いております。
次に、家庭教育支援総合推進事業、17年度の他区の取り組みにつきましては、これは中野区以外では、中央区と新宿区が実施しているということでございます。主な内容といたしましては、中・高生の親準備講座や父親講座などが行われていると、そのように聞いております。
○伊東委員 それぞれのやり方があると思います。中野区の場合は、試行的にこういうやり方をやった。これは、一つには試金石としてはおもしろい試みだったのかなと思っております。ただ、先ほど言いましたように、3年度限りということで、中野区はこの事業に対してどのように取り組んでいくおつもりがありますか。
○大橋子ども育成担当課長 これらの事業の実績を踏まえまして、地域の自主的団体が今後もさまざまな形で子どもの健全育成活動を推進していただけるよう、担い手となる人材の育成、活動援助のための情報提供や助成のあり方を今検討する必要があると思っております。既存の事業の見直しや再構築を行う中で対応していきたいと、そのように考えております。
○伊東委員 せっかく地域に芽生えた子育て支援の活動、それを続けるために、ぜひともお骨折りいただきたいと思っております。
続いて、文科省、厚労省によります19年度の概算要求の放課後子どもプランについてお伺いしたいと思います。詳細につきましては、先ほど岩永委員が御質問されているので、概要についてお聞きしようと思いましたけれども、それは省略させていただきます。
この事業なんですけれども、放課後子ども教室推進事業と放課後の児童健全育成事業という2本の柱になっていると思うんですけれども、これはサービスを受ける立場としては、違いはどういうことになりますか。
○大橋子ども育成担当課長 まず、放課後子ども教室推進事業、これは、文科省の方が提案しているものですが、これはすべての子どもを対象としております。安全、安心な子どもの活動拠点を設けて、地域の方々の参画を得て、子どもたちとともに勉強やスポーツ、文化活動、地域住民との交流活動との取り組みを推進するものでございます。
そしてもう一つ、放課後児童健全育成事業につきましては、これは厚生労働省が今までもやっておりますが、それは共働き家庭など留守家庭のおおむね10歳未満の児童に対し放課後に適切な遊びや生活の場を与えて、その健全な育成を図っていくものでございます。
二つの事業とも、放課後の子どもの安全で健やかな活動場所を確保するという目的で事業を実施するものでございます。
○伊東委員 私としては、サービスを受ける立場としてということでお聞きしたんですけれども、全児童、文科省の方も、厚労省の方も、学童クラブは堅持していく。これは、制度も法体系も違いますしということで、ちゃんとうたっているので、それはいいとしまして、この事業を進めていく上で、今いろいろな要するに放課後子ども教室推進事業、全児童対象と言った方がわかりやすいと思います。全児童対象の事業についてなんですけれども、これをやっていくとなると、学校にということで言われているんですけれども、施設面、管理面での課題があると思います。
先ほど施設面について、学校としては余裕教室等を活用して取り組んでいく。まだ詳細は届いていないので、それに向けて努力するというような程度のお話しかいただいていないと思うんですけれども、学校の管理面という部分は、これは学童クラブもそうですけれども、児童館も学校の施設の中に置かれてくる。そうした管理面、学校運営との調整という部分について、既に世田谷は新BOP構想ということで、ちょうど同じような事業をやられています。それについての検証を含めて、どう考えていらっしゃいますか。
○大橋子ども育成担当課長 今委員からお話もありましたように、まだそういう意味では詳細は不明なところがある状況でございますが、この事業につきましては、区が進めようとしている小学校施設を活用した遊び場機能の展開と趣旨は同じだと考えております。今小学校施設を活用した遊び場機能の展開については、速やかな導入に向けて、関係分野、学校との調整を行っているところでございます。今のお話にもありました世田谷区の新BOPをはじめ、他区の事例も参考にしながら検討を行っている、そういうところでございます。
○伊東委員 まだ国や都の方針が明確に打ち出されていないという状況下で、あまり詳しいことは御答弁いただけないかと思うんですけれども、この事業、概要をさらっと見ますと、先ほど言いましたように、それを運営するスタッフ、そして、実際の指導に当たるスタッフというのが240日という実施を義務付けられるということなので、大切かと思うんです。退職教員ですとか、さっきの答弁でも、教員を目指す大学生さんの協力だとか、あるいは地域の人材を育成していく、保育士の資格を持つ人を活用していかなきゃならないのだとかいう問題はあると思うんです。団塊の世代、我が会派の斉藤委員の方からも、団塊の世代のこれからの活用を考えていかなきゃならない。教員においても、団塊の世代というのはたくさんいらっしゃると思うんです。そういう部分については、今実態はどうなっていますでしょう。
○入野指導室長 お答えいたします。教員につきましても、団塊の世代の比率が高くなっておりまして、先日の新聞報道でもありましたように、管理職の再任用というような部分も出てきております。
○伊東委員 今までも教員の方が退職されて再任用される。私は退職された先生が身近で地域活動だとかこういう活動に参加しているという事例をあまり見ていないんですけれども、実際はどういうところで活躍されているんですか。
○入野指導室長 退職して5年は、都費の再雇用という形で、本区におきましても、教育センター、それから、一般の教員におきましては各学校に配置されて、まだお仕事を5年間ぐらいはやっていらっしゃる方が多いかと思います。
○伊東委員 せっかく優秀な方々がいらっしゃって、再任用、そのまま天下りと言っては失礼かもしれませんけれども、もうちょっと地域の中に出ていただいて、持っているノウハウ、技術を十分に発揮していただきたいなと思います。同時に、大切なことで、地域の人材発掘、それから育成という部分をより重点的に区としても考えていただけたらと思います。これで、この項の質問を終わらせていただきます。
続いて、人材活用という部分で、区民公益活動の推進に関する条例について質問させていただきたいと思います。条例では、「「区民公益活動」とは、区民が自発的に行う不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与する活動であって、営利を目的としない」、こうした活動団体と区は連携協力し、事業を行い、同時に区は活動を行う団体を支援、助成するとなっております。一方で、地域では、新たに生まれる団体ではなく、既にこうした子育て支援活動を実際に取り組んでいる団体も多々あるわけです。区が把握する地域の子育て支援団体の概要についてお伺いしたいと思います。
○大橋子ども育成担当課長 お答えします。現在区が把握している地域の子育て支援団体は、まず青少年育成地区委員会でございます。そしてまた、子ども会、PTA、ガールスカウト、ボーイスカウト、スポーツ団体、あとNPO法人、ボランティアグループ、町会など、広く地域の子どもを対象に健全育成の取り組みを行っているものでございます。
○伊東委員 中野区には青少年健全育成等事業補助金というものがございます。さきの一般質問でもいでい委員が質問されていましたけれども、これらの団体、今御報告いただいた団体がこういう交付申請した状況、並びにそれに取り組んでいる内容については……。
○大橋子ども育成担当課長 17年度の交付状況は、青少年育成地区委員会、全地域でございますが、14、そして、子どもとともに進む会と、また子ども会が26、PTAが19、ガールスカウトとかボーイスカウトが4、スポーツ団体が25、そしてNPO法人2、ボランティアグループが20、そして、町会が2になっております。
また、事業内容は、自然体験事業、スポーツ交流事業、地区委員会が行う育成事業及び啓発事業、子どもの居場所事業、子どもの安全事業などでございます。
○伊東委員 ありがとうございます。それでは、公益活動の推進条例の方についてお聞きしていきたいと思いますけれども、条例が制定されまして、その後この条例に関しての施策展開はどうなっていますでしょうか。実際に団体の申請があったんでしょうか、ないんでしょうか。
○川崎政策担当課長 ただいまの御質問は、条例に基づく基金からの助成の申請ということでよろしいでしょうか。これにつきましては、8月に募集をしまして、13団体から応募をいただいております。
○伊東委員 応募が13団体ということで、それがすべてこの公益活動に認定されて、そのまま、要するに区としては認められた事業と思ってよろしいんですか。
○川崎政策担当課長 この基金への助成の申請に当たっては、公益活動に該当するというか、要項を示して募集をかけておりますので、基本的にはそうでございます。その上で、さらに推進協議会の方で公益活動の価値の高さに着目をして審査をしている、そういうことでございます。
○伊東委員 さまざまな分野での公益活動の基金の申請があったと思うんですけれども、子育て分野については、件数は何件でしょう。
○川崎政策担当課長 お子様のお預かりの事業が一つと、あと直接子どもに限定ということではないんですけれども、絵本の読み聞かせといいますか、そういった事業が来ております。
○伊東委員 さきに御報告いただいた地域での子育て支援活動団体、いろいろございましたけれども、それらの団体というのは、この条例の公益活動を行う団体として該当すると思いますか。
○川崎政策担当課長 公益活動推進条例は、活動に着目をして支援をするということでございます。先ほど子ども育成担当の方から御紹介を申し上げた青少年育成の補助金を交付を受けている団体、そういった団体の皆さんの活動はこういった公益活動に当たってくるというふうに考えております。
○伊東委員 時間の方も迫ってまいりまして、頑張ってまいります。何でこんな質問をしたのかといいますと、青少年健全育成と事業補助という部分をだんだんこれからそちらの方にシフトしていくというようなお考えをお持ちだと思うんですけれども、せっかくこうやって地域に根差した団体が既にある。その部分を施設をつくっていく中で財政難を理由にそういう活動が先細りになるというのは、区としては避けなければならないことだと思うんですけれども、それについて力強いお答えをいただきたいと思います。
○川崎政策担当課長 区民公益活動推進条例をつくりましたのは、今委員からお話がありましたような形で、地域のさまざまな活動をさらに発展をさせていこうということで考えておりますので、その趣旨にのっとって今後施策を進めたいというふうに考えております。
○伊東委員 いよいよ区長のお出ましをいただきたい。地域における子育て支援について、さまざまな角度からお尋ねしてきました。こうした地域や民間の活動支援が区の今後の施策展開について他分野にも共通して重要となると考えております。今後とも詳細な検討、検証を重ね、十分な説明と支援をしていかなければならないと考えています。区長のお考えをお聞きしたいと思います。
○田中区長 それぞれの個別の予算規模とかそういうものから見れば、小さい事業についても、今回はきめ細かく幅広く触れて質問していただいたというふうに思っております。その中で、子育て支援に関して、区が取り組んでいることの幅の広さとか、それから、ボリュームといったようなことの全体像がある程度見えるというようなことになったというふうに思っております。区も事業の大きさとか小ささとかというようなことで言えば、まだまだやらなければいけないことはたくさんありますけれども、現在でもかなりいろいろなことをやっているわけであります。また、地域の皆さんもさまざまな形でいろいろなふうに事業をやっていただいているわけであります。それぞれがやっていることが、全体としてきちんと連携し合って、地域全体が結びついて子育て支援の輪ができるという状況をつくっていくことが今求められているんだというふうに認識をしているところでありまして、元気いっぱい子育て戦略に基づいて、そうした子育てコミュニティをしっかりとネットワークしていくということに努めてまいりたいというふうに思っております。
○伊東委員 ありがとうございます。冒頭にも言いましたように、人材の育成と、そして連携、それは、行政内でも、教育委員会、子育て分野、子ども家庭部の分野の連携、あるいは自治体と地域の連携、事業者との連携、非常に大切だと思いますので、ぜひともその辺の部分、特に人材発掘、育成、そして支援、この部分をこれから一生懸命取り組んでいただきたいと思っております。
もう一つ項目が残ってしまいましたので、この項の質問はこれで終わらせていただきます。
○伊藤(正)委員長 伊東委員の質疑の途中ですが、5時なので、ここで委員会を休憩して、理事会を開会したいと思います。
委員会を暫時休憩いたします。
午後4時56分休憩
午後5時00分開議
○伊藤(正)委員長 それでは、委員会を再開いたします。
はじめに、ただいま開かれました理事会の報告をさせていただきます。
理事会においては、伊東しんじ委員の質疑を続行するとの確認をいたしました。
以上が理事会の報告でありますが、何かご質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○伊藤(正)委員長 それでは、ただいまの報告のとおり委員会を運営していくことに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○伊藤(正)委員長 御異議ありませんので、そのように運営させていただきます。
それでは、引き続き総括質疑を行います。
○伊東委員 それでは、質問最後の項になります。教育ビジョン並びに教育ビジョン実行プログラムについてお伺いしたいと思います。
さきにもどなたかおっしゃられましたけれども、天然資源に乏しい我が国、これはマンパワーこそ宝、資源だと思っております。また、この時代、行き過ぎた個人主義への偏重や、規範意識の低下を見直す機運も生じてきております。26日に召集されました第125回臨時国会におきましても、安倍新首相は、教育基本法の改定に意欲を示しており、教育基本法改正案には細かく教育目標がうたわれております。生涯学習、障害者への教育支援や義務教育、学校教育の見直し、さらには家庭教育、幼児教育の重要性や教育に関して、国、地方自治体、地域、家庭の役割に至るまで条文として新設されている案でございます。また、改正案に続く流れとして、学校、自治体の裁量拡大や、財源移譲が行われ、さらに幼児教育の重要性を踏まえ、義務教育化というようなことも取りざたされております。
また一方、教育の現場では、指導要領改訂によるゆとり教育、またその反動とも言える近年学力重視への方向転換のはざまで、学校、教育現場は苦悩していると感じられてしようがありません。こうした教育改革の中、中野の教育行政について伺いたいと思います。学校並びに自治体の裁量拡大について、区はどのように受けとめていらっしゃいますか。また、教育委員会の責務についてはどう考えていらっしゃいますか。
○相澤教育改革担当課長 お答えいたします。
自治体への裁量権の拡大は望ましいことであり、それぞれの自治体が地域の実情に合わせ、創意工夫により教育の質を高めていくために必要であるというように考えてございます。また、教育委員会といたしましても、学校が主体的に教育改革に取り組めるよう、学校へ権限移譲を進めていきたいと思っております。
教育委員会の責務についてのお尋ねでございますが、自治体の教育についての権限や裁量権が拡大することにより、教育委員会は今まで以上に多くの課題に取り組めることになる、そのように考えてございます。より主体性を持って教育行政を推進してまいりたいと考えてございます。
○伊東委員 教育委員会の立場につきましては、私は考えが違う部分があるんですけれども、またそれは後ほどとしまして、同時に義務教育費の国庫負担金が削減されて、税源移譲による一般財源化が進んでおりますけれども、これは東京都という組織がありますので、中野区への直接の影響についてお伺いをしたいと思います。
○小谷松教育経営担当課長 義務教育費国庫負担の改正についてでございますが、これは基本的には国と、それから教職員の給与等を負担いたします都道府県との関係になりますので、区への直接の影響はございません。
○伊東委員 続いて先ほども言わせていただきましたけれども、ゆとり教育から学力重視への方向転換、シフトを変えようとしておりますけれども、教育委員会としてどのように受けとめていらっしゃいますか。
○入野指導室長 いわゆるゆとり教育というものは、従来の詰め込み教育ではなく、一人ひとりの子どもたちに基礎基本をしっかり定着させるものであり、学力向上につながることを目指したものでありました。まさに今子どもたちがしっかりとした学力を身につけることは教育の大きな役割でございまして、同時に豊かな心、健やかな体を使い、これらをバランスよく育成することが求められていると考えております。 ○伊東委員 また御答弁も不本意……。ゆとり教育というのは、確かに必要な部分、創造性を培う部分では必要かと思いますけれども、今現状としては、基礎基本がないがしろにされていると思っております。その部分、また最後の方で触れさせていただきたいと思いますけれども、国の教育改革の流れとともに、同時に中野区はこの時期10か年計画あるいは次世代育成支援行動計画、教育ビジョンを策定してきているわけですけれども、そういう状況下で、保育、幼児教育の重要性を踏まえた子育て支援だとか、教育行政のあり方についての総合的な施策展開をお尋ねしてまいりたいと思います。
保育、幼児教育の重要性についてですけれども、保育と幼児教育について、まず区の考え方をお聞きしたいと思います。
○藤井幼児教育担当課長 保育と幼児教育の区の考え方についてですが、幼児期は人格形成の基礎となる重要な時期でありまして、その時期の教育については重要な意義を持っているというふうに考えています。教育の原点は家庭にあるものの、核家族化、少子化や地域社会でのつながりの希薄化などから、育児不安や孤立化を感じている保護者がふえておりまして、家庭や地域における養育力の低下が懸念されております。このため、区としては家庭や地域の養育力の向上を支援し、社会全体で子育てを支援し、中野区に暮らすすべての子どもが幼児期に発達に応じた適切な教育を受けられる環境を整える必要があると考えております。
○伊東委員 今の御答弁、もうちょっと踏み込んだ答弁をいただけないのかなと思っております。どこへ行っても、金太郎あめではないですけれども、同じような答弁ばかりをいただいて。では、飛ばします。今後、この分野について、区は(仮称)子育て幼児教育センターについてという構想を持っておられますけれども、その辺の具体的な内容についてお聞きしたいと思います。
○藤井幼児教育担当課長 子育て幼児教育センターにつきましては、外部の学識経験者ですとか研究機関、保育園、幼稚園等と連携いたしながら、三つの活動を行うことを検討しております。一つは、今後の子育て幼児教育に関する施策検討の基礎となる調査研究、二つ目に、中野区全体の幼児教育の質の向上を目指して、公立、私立を問わず、保育園、幼稚園等の参加を得て行う幼児教育内容の合同研究、三つ目に、地域の幼児教育、子育て支援に関する施設、グループなどの活動への助言、支援というふうに考えております。
○伊東委員 調査ですとか研究、助言、支援ということですけれども、このセンターにつきましては、幼児教育の重要性を広く家庭で子育てしている人たちに訴えるというPRのような機能は持っていないんでしょうか。同時に、教育委員会はこの部分のPRについてどう考えていらっしゃるんでしょうか。
○藤井幼児教育担当課長 家庭における幼児期の教育の重要性についての啓蒙、PRについては、現在保健福祉センター、保育園、幼稚園、児童館などを通じて行っております。(仮称)子育て幼児教育センターについては、この子育てや幼児教育の課題に関する調査研究の成果を講演会の開催ですとかパンフレットの形で提供するなど、幼児教育に携わっている施設や地域の子育てグループの活動を支えられるように検討していきたいというふうに考えております。
○伊東委員 PRの部分はまた別の関係機関でやるということで、この部分というのは非常に大切だと思います。幼児教育の基礎基本というのは家庭だということ、ただ、その子育てをしている家庭がその部分を認識していないという部分が多々あるのではないかと思います。ぜひこの部分を研究すると同時に、家庭に対して発信をしていっていただけたらと思います。
次に、地域に開かれた、地域とともに子どもをはぐくむ学校づくりについてお伺いしたいと思います。開かれた学校づくりにおいて学校の公開性、地域の学校支援ということがうたわれていますけれども、それとは別に、学校というのは地域に貢献することも大切ではないかと思います。その部分が今、区の文章としては欠落しているというか、希薄ではないかと思うんですが、相互扶助、相互補完という部分で区の御見解をお聞きしたいと思います。
○入野指導室長 教育は、委員お話しのように、家庭、地域、学校、それぞれが子どもにかかわりながら、社会全体で育てていくという視点で、相互に補完し合い、連携、協力して行うものであるというふうに考えております。現在、地域の行事への参加ですとか、ボランティア活動など、地域への貢献を学校が行っている例もございます。こういった取り組みはさらに充実すべきと考えております。教育委員会といたしましては、各学校の支援をしていきたいというふうに考えております。
○伊東委員 地域に培われてきた文化、伝統、こういうものを学校を通じて継承を訴えていくですとか、あるいは地域の児童・生徒たちが地域の一員であるということを認識してもらうために今おっしゃったような地域活動、ボランティア活動への参加を呼びかけるですとか、また、カリキュラムという決められた時限数の中で難しいかもしれませんけれども、放課後の活動に位置付けたりするといったようなことで、ぜひ地域にも貢献する学校という部分をこれから構築していただけたらと思います。
もう最後にさせていただきます。教育分野においても改革が求められ、自治体の裁量拡充や義務教育費の国庫負担金の削減、税源移譲といった大きな流れが訪れています。また、冒頭にも言いましたけれども、行き過ぎた個人主義への偏重、規範意識の低下が社会に蔓延しているのも事実です。このような変革の激流、社会状況下の今こそ、教育はその本質に立ち返り、基本基礎の学力の定着、そして、培われた知力をいかんなく発揮するための体力、持久力とともに、地域、文化、伝統の流れを子どもたちに再認識してもらう。また、公への寄与、貢献の姿勢をしっかりと培っていただきたいと考えます。家庭教育の役割の明確化、こうした部分を中野区教育行政の揺るぎない柱としてこの時期に確立して、明確な姿勢を教育委員会としては打ち出していただきたいと思います。
以上をもちまして、私の質問を終えたいと思いますが、最後に、教育長の御見解をいただきたいと思います。
○沼口教育長 戦後60年を過ぎまして、社会の仕組みも変わりましたし、また、人々の価値観も多様化しているという中で、いろいろな改革が進む。これは教育の分野でも必要なことだと思っております。ただ、不易という流行という言葉もありますけれども、やはり教育の部分では必ずどんな時代でも守っていかなければならない部分もあると思います。そういう意味で、昨年教育ビジョンを中野区の教育委員会でもつくりましたけれども、そこでは一人ひとりの可能性を伸ばして、そして、未来を切り開く力をはぐくんでいくんだということを中野の教育の理念といたしました。言葉をかえて言えば、自立と貢献、あるいは自立と共生、共生というのはともに生きるという意味ですけれども、そういったことが必要になってくるのではないかなと思っております。
子どもたち一人ひとりが自立して社会で生きていって、そして、その自分のできる範囲で社会にさまざまな貢献をする。あるいは1人では当然社会の中では生きていけないわけですから、ともに支えあって生きていく、そういうことができるような教育をしていきたい、そのように考えているわけでございます。
ただ、改革は当然そういう視点で進めていかなければなりませんけれども、ただ目立つ施策をやればいいとか、新しいことをやるというのではなくて、地に足の着いた施策展開、そういうこともやっていきたいと思います。また、今までの議論でもありましたように、教育というのは学校だけではなくて、家庭、地域、それぞれいろいろな分野といいますか、場面で行われなければいけないと思っておりますので、地域の力もかりながら、あるいは地域にも学校が協力しながら、お互いに力を出し合って、中野の教育に向けて、我々も全力で取り組んでまいりたいと思っております。
○伊東委員 ありがとうございました。教育につきましては、この後、篠委員という力強いストッパーがいらっしゃいますので、それにゆだねまして、私のすべての質問を終えたいと思います。申しわけございません、5時を回ってしまいました。お許しいただきたいと思います。ありがとうございました。
○伊藤(正)委員長 以上で伊東しんじ委員の質疑を終了いたします。
以上で本日の総括質疑を終了いたします。
次回の委員会は、10月2日、月曜日、午前10時から、当委員会室において開会することを口頭をもって通告いたします。開会時間につきましては、本日と同様厳守をお願いいたします。
以上で、本日の総括質疑を散会いたします。
午後5時17分散会