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平成19年02月21日中野区議会本会議(第1回定例会)の会議録
平成19年第1回定例会本会議第2日(2月21日)
1.平成19年(2007年)2月21日、中野区議会議事堂において開会された。
1.出席議員(41名)
1番 いでい 良 輔 2番 伊 東 しんじ
3番 佐 野 れいじ 4番 北 原 奉 昭
5番 久 保 り か 6番 酒 井 たくや
7番 奥 田 けんじ 8番 近 藤 さえ子
9番 小 堤 勇 10番 大 内 しんご
11番 伊 藤 正 信 12番 きたごう 秀 文
13番 吉 原 宏 14番 高 橋 ちあき
15番 やながわ 妙 子 16番 平 島 好 人
17番 むとう 有 子 18番 はっとり 幸 子
19番 長 沢 和 彦 20番 か せ 次 郎
22番 小 串 まさのり 23番 若 林 ふくぞう
24番 市 川 みのる 25番 岡 本 いさお
26番 こしみず 敏 明 27番 飯 島 きんいち
28番 佐 伯 利 昭 29番 佐 藤 ひろこ
30番 来 住 和 行 31番 岩 永 しほ子
32番 篠 国 昭 33番 柿 沼 秀 光
34番 伊 藤 岩 男 35番 斉 藤 金 造
36番 大 泉 正 勝 37番 斉 藤 高 輝
38番 江 口 済三郎 39番 藤 本 やすたみ
40番 昆 まさ子 41番 江 田 とおる
42番 池 田 一 雄
1.欠席議員(1名)
21番 山 崎 芳 夫
1.出席説明員
中 野 区 長 田 中 大 輔 助 役 石 神 正 義
収 入 役 沼 口 昌 弘 教 育 長 菅 野 泰 一
区 長 室 長 寺 部 守 芳 政策担当課長 川 崎 亨
総 務 部 長 助役事務取扱 総務担当参事 橋 本 美 文
区民生活部長 本 橋 一 夫 子ども家庭部長 田 辺 裕 子
保健福祉部長 金 野 晃 保 健 所 長 浦 山 京 子
都市整備部長 石 井 正 行 拠点まちづくり推進室長 石 橋 隆
教育委員会事務局次長 竹 内 沖 司
議事日程(平成19年(2007年)2月21日午後1時開議)
日程第1 第1号議案 平成18年度中野区一般会計補正予算
第2号議案 平成18年度中野区国民健康保険事業特別会計補正予算
第3号議案 平成18年度中野区老人保健医療特別会計補正予算
第4号議案 平成18年度中野区介護保険特別会計補正予算
日程第2 第5号議案 平成19年度一般会計予算
午後1時00分開議
○議長(高橋ちあき) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。
本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。
これより日程に入ります。
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日程第1 第1号議案 平成18年度中野区一般会計補正予算
第2号議案 平成18年度中野区国民健康保険事業特別会計補正予算
第3号議案 平成18年度中野区老人保健医療特別会計補正予算
第4号議案 平成18年度中野区介護保険特別会計補正予算
(委員長報告)
○議長(高橋ちあき) 日程第1、第1号議案から第4号議案までの計4件を一括議題に供します。
平成19年(2007年)2月20日
中野区議会議長 殿
総務委員長 伊藤 正信
(公印省略)
議案の審査結果について
本委員会に付託された下記議案は、審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので、中野区議会会議規則第78条の規定により報告します。
記
議案番号 |
件 名 |
決定月日 |
第1号 |
平成18年度中野区一般会計補正予算 |
2月20日 |
平成19年(2007年)2月20日
中野区議会議長 殿
総務委員長 伊藤 正信
(公印省略)
議案の審査結果について
本委員会に付託された下記議案は、審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので、中野区議会会議規則第78条の規定により報告します。
記
議案番号 |
件 名 |
決定月日 |
第2号 |
平成18年度中野区国民健康保険事業特別会計補正予算 |
2月20日 |
第3号 |
平成18年度中野区老人保健医療特別会計補正予算 |
2月20日 |
第4号 |
平成18年度中野区介護保険特別会計補正予算 |
2月20日 |
○議長(高橋ちあき) 総務委員会の審査の報告を求めます。伊藤正信総務委員長。
〔伊藤正信議員登壇〕
○11番(伊藤正信) ただいま議題に供されました第1号議案、平成18年度中野区一般会計補正予算、第2号議案、平成18年度中野区国民健康保険事業特別会計補正予算、第3号議案、平成18年度中野区老人保健医療特別会計補正予算、及び第4号議案、平成18年度中野区介護保険特別会計補正予算に関しまして、総務委員会における審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。
第1号議案、平成18年度中野区一般会計補正予算は、退職者増の対応、新型インフルエンザ等ウイルス拡散防止テントの購入、野方駅舎整備のための株式会社設立出資金などのため、歳入歳出にそれぞれ60億4,550万円を追加計上するとともに、特別区債の補正を行うものです。
第2号議案、平成18年度中野区国民健康保険事業特別会計補正予算は、歳入歳出からそれぞれ17億9,538万1,000円を減額するものです。
第3号議案、平成18年度中野区老人保健医療特別会計補正予算は、歳入歳出にそれぞれ4億9,880万円を追加計上するものです。
第4号議案、平成18年度中野区介護保険特別会計補正予算は、歳入歳出からそれぞれ8億7,572万5,000円を減額するものです。
本議案は、2月20日の本会議において当委員会に付託され、同日、委員会を開会し審査を行いました。
まず、審査の進め方として、第1号議案から第4号議案、4件を一括して議題に供した後、理事者から補足説明を受け、その後、質疑を行いました。その主な質疑応答を紹介します。
初めに、退職手当の増加について、見積もりの人数に対して勧奨退職が2倍、普通退職が1.5倍とのことだが、一般的には仕事をし続けたいと考えると思う、何か特別な理由はあるのかとの質疑に対し、勧奨退職の対象に団塊の世代が多いためであり、出現率は大きく変わっていない。勧奨は退職理由を聞いておらず、普通退職については、自己都合によるもので、退職理由は例年と変わりないとの答弁がありました。
次に、特別区税増の主な理由と金額について質疑があり、所得割納税義務者の増加により3億700万円余、株式等の譲渡所得分離課税分が3億6,000万円余、老年者関係の税制改正影響額の見込み差が1億9,700万円余、調定額でそれぞれ増となっているとの答弁がありました。
これに対し、税制改正の影響では、定率減税の半減や高齢者の非課税措置の廃止などにより、増税による増収となった一方、基金への積み立ては、当初、年度末224億円と言っていたのが280億円になる。なぜ年度途中であっても区民の負担増に対する声に応えた施策を実施しなかったのかとの質疑に対し、政策の実施は安定的に行わなければならない。区民の求める事業を財政運営とあわせて実施するのが区政運営の基本であるとの答弁がありました。
次に、見込み差という表現について、制度が変わったことによる影響も見込み差と言ってしまっては対策が立てられない。大きな落差が出たのは、必要な人に必要なサービスが提供されていなかったからではないのかとの質疑があり、ニーズの把握やPRに不十分な点もあったかと思う。予算編成時には、行政評価を通して着実に見直しを行っていく。また、必要な事業に対しては、財政調整基金の活用も考えていくとの答弁がありました。
以上が主な質疑応答の内容です。
その後、委員会を休憩して取り扱いを協議した後、委員会を再開し、さらに質疑を求めましたが、質疑はなく、質疑を終結しました。
次に、意見の開陳を求めましたが、意見はなく、意見の開陳を終結しました。
次に、討論を求めたところ、1名の委員が本議案に反対する立場から、年金課税などの税制改正による区民の負担増に対して、区は少しでも痛みを和らげる施策実施をすべきであったと考える。また、昨年度予算が42億円余ったことを踏まえ、今回の補正では61億円の基金積み立てとなっている。当初、区長が言っていた年度末基金残高224億円を大きく超え、昨年度末からでは100億円を超える積み立てである。区民のための仕事を行うのが区の役割であり、こうした状況は認められない。よって、本議案には反対であるとの討論を行いました。
さらに討論を求めましたが、討論はなく、討論を終結しました。
その後、第1号議案、平成18年度中野区一般会計補正予算について、挙手による採決を行ったところ、賛成多数で可決すべきものと決しました。
次に、第2号議案、平成18年度中野区国民健康保険事業特別会計補正予算、第3号議案、平成18年度中野区老人保健医療特別会計補正予算、及び第4号議案、平成18年度中野区介護保険特別会
計補正予算を一括で採決したところ、全会一致で可決すべきものと決した次第です。
以上で第1号議案から第4号議案、4件に関する総務委員会における審査の経過並びに結果の報告を終了いたします。
○議長(高橋ちあき) ただいまの報告について御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(高橋ちあき) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
これより討論に入ります。
小堤 勇議員から討論の通告書が提出されていますので、通告議員の討論を許します。小堤 勇議員。
〔小堤 勇議員登壇〕
○9番(小堤 勇) ただいま上程されました第1号議案、平成18年度中野区一般会計補正予算に対して、日本共産党議員団の立場から反対討論を行います。
当初予算では、税制改悪により定率減税の半減で約10億円、年金課税で約4億5,000万円の区民税の増収を見ていました。この補正では、年金課税などの見込み差により、さらに1億9,700万円がふえるなど、区民への増税によって歳入増となっています。一方、特別区交付金の増額は大変なもので、大企業が史上最高の利益を上げていることの反映です。
区民への増税、負担増は年度当初からわかっていたことで、6月以降にその影響が一挙に噴出しました。当然、それに対する対応策をとるべきでした。例えば、自立支援法の施行により、障害者の1割負担の軽減策と施設報酬減に対する支援を求める声や、木造家屋の耐震補強工事助成に応えませんでした。その結果、歳出では61億3,000万円を基金に積み立てしています。
こうして2006年度だけでも100億円を超えるため込みにより、基金残高は本年度末には281億円になる見込みで、これは田中区長就任時の58億円に比べ223億円増、4.84倍になっており、この間の基金の積み増しは、納税義務者一人当たりでは23区トップです。今、国の悪政により社会的格差と貧困が広がり、中野区民一人当たりの所得が、2000年度の412万円から、2005年度388万円と毎年下がり続ける中、生活保護世帯は、10年前の2倍と増え、小・中学校就学援助を受ける生徒は4人に一人となっています。
区民が大変な暮らしに追い込まれている今こそ、身近な区政は、区民を守る防波堤の役割を発揮すべきです。補正予算にはそれだけの財源があったにもかかわらず、区民の痛みを尻目に、区民サービスを削り、警察大学校等跡地を含む中野駅周辺や東中野駅などの大規模再開発を目指してのため込みを目指すものとなっています。
改めて、国政や都政からの痛み押しつけ政治に対し、中野区政が住民福祉の増進という自治体としての役割を今こそ果たすことを強く求めます。
以上を述べまして、2006年度一般会計補正予算に対する反対討論とします。
○議長(高橋ちあき) 他に討論がなければ、討論を終結いたします。
これより、第1号議案と、第2号議案から第4号議案までの計3件とに分けて採決いたします。
初めに、第1号議案について、起立により採決いたします。
上程中の第1号議案を委員長報告どおり可決するに賛成の方は、御起立願います。
〔賛成者起立〕
○議長(高橋ちあき) 起立多数。よって、第1号議案は可決するに決しました。
次に、第2号議案から第4号議案までの計3件について、一括して起立により採決いたします。
上程中の第2号議案から第4号議案までの計3件を委員長報告どおり可決するに賛成の方は、御起立願います。
〔賛成者起立〕
○議長(高橋ちあき) 起立多数。よって、第2号議案から第4号議案までの計3件は、可決するに決しました。
この際、お手元に配付の一般質問一覧表のとおり、大内しんご議員、久保りか議員、長沢和彦議員、酒井たくや議員、佐藤ひろこ議員、きたごう秀文議員、岡本いさお議員、かせ次郎議員、伊藤正信議員、岩永しほ子議員、佐野れいじ議員、北原奉昭議員、むとう有子議員、奥田けんじ議員、近藤さえ子議員より質問の通告がありますので、これを順次許します。
中野区議会議員 大 内 しんご
1 特別支援教育の推進体制について
2 子どもを守る地域安全マップの充実について
3 野方駅北口開設とバリアフリー設置の進捗状況について
4 中野駅南口のまちづくりについて
5 本町二丁目郵政宿舎跡地について
6 その他
○議長(高橋ちあき) 最初に、大内しんご議員。
〔大内しんご議員登壇〕
○10番(大内しんご) 平成19年2月21日、第1回定例会におきまして、自民党・民社クラブ議員団の幹事長として質問をいたします。
1、特別支援教育の推進体制について、2、子どもを守る地域安全マップの充実について、3、野方駅北口開設とバリアフリー設置の進捗状況について、4、中野駅南口のまちづくりについて、5、本町二丁目郵政官舎跡地についての質問をいたします。
最初に、特別支援教育の推進体制についてお伺いをいたします。
平成19年4月から、いよいよ特別支援教育が本格的にスタートをいたします。中野区は、平成17年6月に、中野区特別支援教育検討会を設置し、中野区における特別支援教育の推進の基本的な方向について検討を行い、平成18年度には、区立小・中学校1校を中野区特別支援教育モデル校に指定をし、中野区における特別支援教育の推進について実証的な研究を進めているとお聞きしているところであります。
去る1月31日に、特別支援教育のモデル校となっている桃園小学校と第三中学校が実践してきた取り組みについての報告の発表会が教育センターで開かれ、私も出席をいたしました。その発表会は、午後と夕方の2回行われ、午後の部は区立小・中学校の教師を対象に、モデル校の取り組みの成果の発表と参加者の研修を兼ねた実践的な発表会であり、約80名が参加をいたしました。私は、保護者を対象にした夕方の部の発表会に出席しましたが、60名ほどの出席がございました。
モデル校の取り組みは、校内委員会を中心とした校内体制づくり、特別支援教育コーディネーターの役割と実務の流れ、教師の「気づきから支援へ」その流れと具体的な取り組み、巡回相談を中心とした関係機関との連携についてお聞きをいたします。
特別支援教育を推進していくためには、保護者や区民の理解や地域の支えが大事でございます。小学校PTA連合会及び中学校PTA連合会も、特別支援教育に向けた独自の研修会など計画的に取り組んでいるところであります。
最近の例では、中学校PTA連合会が、平成18年11月7日に中野ZERO西館小ホールで、東京都立あきる野養護学校の校長で、臨床発達心理士でもある池田敬史氏を講師に招き、「特別支援教育を知る」を開催いたしました。
また、19年2月15日には、小学校PTA連合会が、永田直子さんの「地域で生きる」との講演後、テーマごとの分科会に分かれ、特別支援教育について、中野養護学校PTA及び中野養護学校との合同研修会を養護学校で開催したところでございます。
PTAとしては、特別支援教育について研修を重ねているところでありますが、特別支援教育を推進していくためには、保護者や区民のさらなる協力が不可欠です。
今後、保護者や区民への理解や啓発はどのように行っていくのでしょうか。その中で、特に中野区における特別支援教育を推進する上で四つの点について質問いたします。
第1は、全小・中学校で校内委員会の設置及び特別支援教育コーディネーターの指名は既になされているのか、お聞きをいたします。
学校全体で特別支援教育を推進していくために在籍する児童・生徒の実態を把握し、支援を要する児童・生徒の指導方法について、全校体制で取り組む組織として、平成19年4月までに整備することになっています。各校における体制の整備は重要なことと思いますが、学校での体制は整っているのでしょうか。
次に、教師への研修体制についてお聞きをします。
学校生活において、学習面あるいは行動面で何らかの理由によりつまずいている児童・生徒について、教師の気づきとその児童・生徒一人ひとりに応じた支援がとても大切であると言われています。教師の気づきの感度とその専門性を高める必要があります。気づきから理解へと、そして支援へと、一人ひとりの児童・生徒の様子や状況に応じたきめ細かな個別指導計画の作成へと発展していきます。そのために研修は不可欠なことと思います。教師への研修はどのようになっているのか、お尋ねをいたします。
三つ目に、校内委員会などで学校をサポートする巡回相談はどのように行われているかお聞きをします。
18年度は、モデル校や要請のある学校において、専門知識や技能を有する臨床心理士や医師が巡回し、支援を要する児童・生徒の個別指導計画を作成するための助言を行っています。モデル校の発表によると、臨床心理士による巡回相談は大変効果があったと評価をされていました。また、校内委員会の取り組みにおいても、専門家によるアドバイスは非常に有意義であったとのことでした。特別支援教育の推進のために、巡回相談の体制の確立は重要なことと思います。巡回相談の仕組みについてお聞きをいたします。
さらに、今後保護者や区民への理解啓発、先ほどもお聞きいたしましたけれども、しっかりと行っていただきたい。
特別支援教育の推進体制についての質問は以上で終わります。
次に、子どもを守る地域安全マップの充実について質問いたします。
中野区では、平成16年度に、中野区次世代育成支援行動計画を作成し、その中で、地域点検を通して子どもの安全にかかわる意識向上と安全対策の充実をねらいとし、平成18年3月に、中野区環境安全マップをまとめています。この中野区環境安全マップは、各青少年育成地区委員会が地域を調査、点検し作成されたと聞いております。地域の実情に合い、子どもたちの目線に合った環境安全マップになっていると受けとめています。また、この環境安全マップをもとに、親子で安全な帰り道を確認するなど、子どもたちの安全のために効果を上げていると認識しています。
しかし、このようなよいところを持ち効果を上げている中野区環境安全マップですが、全体を通して見ると、子どもが逃げ込める子ども110番の協定の家や危険な場所を示す表示等が統一されていない状況が見られます。
例えば、先日見学をしてまいりました三鷹市におきましては、地域安全マップを見ると、市内15小学校ごとに作成されており、青色は安全を、赤色は危険を、そして黄色は交通事故の危険を示すよう統一され、さらにマップ中の注意を促す文言も統一され、全地域で共通の視点を持っていることがわかります。これが三鷹市における統一の安全マップでございます。
その中で三鷹市の場合は業者への委託による作成、中野区は各地区委員会の取り組みによる作成と、作成の方法は異なりますが、今後、環境安全マップの作成に当たり、各地域共通の視点を持って表示の仕方を統一した環境安全マップをつくることで、これまで以上にわかりやすい環境安全マップになると考えます。地域で子どもを守る取り組みがさらに広がることになると考えます。このようなことから、中野区環境安全マップの充実を求めます。この件についての区長の見解を求めます。
三つ目に、野方駅北口開設とバリアフリー設置の進捗状況についてお伺いをいたします。
第4回定例会においても質問いたしましたが、私が今期の議員活動で最も力を入れてまいりました野方駅北口開設による開かずの踏切解消とバリアフリー型の駅舎の整備の進捗状況について、改めて質問をいたします。
最初に、野方駅北口開設の絶対的条件である線路北側の用地取得について、現在の状況と今後の見通しをお伺いいたします。
先の議会の一般質問でも申し上げましたが、野方駅北口の町会所有の神輿倉庫の移転につきましては、既に移転先における建築図面もでき、建築確認申請までこぎつけております。しかしながら、もう一方の住宅兼店舗の用地の取得は、いまだ合意に至っていない状況であるということをたな子さんからもお聞きしております。その理由としては、移転補償費などについて、区側が提示する額と地権者、店子さんが想定している額にかなりの乖離があるというものです。区側の補償額は東京都の補償基準に準じて算定されたもので適正な額であるとしていますが、あの場所で永年にわたり居住し、商売を営んできた方々にとっては、幾ら大金を積まれても離れたくないというのが本心ではないでしょうか。
所管の分野の言い訳では、あくまでも東京都の補償基準に準じて算定しており、住民に説明できない上乗せはできない。今後の他のまちづくりなどの用地取得にも少なからず影響があるとしていますが、野方駅を利用する住民の長年の夢をかなえるために、ある程度の負担は区民も納得するのではないでしょうか。
2005年の野方駅の1日の乗降客は、約2万2,000人、そして踏切を渡る地元の住民の方々を加えれば、実に1日3万人以上の方の利便を供することになります。区の用地買収の補償に関する考え方はある程度は理解できますが、常識を逸脱しない範囲で補償額の上乗せを検討し、そしてその考え方をきちんと区民に説明して理解を得る努力も行うべきと考えます。一日も早い野方駅北口開設のために、この補償の算定について、区長の見解をお聞きいたします。
次に、南北自由通路の整備と自由通路及び駅舎のバリアフリー化についてお伺いをいたします。
私は、昨年の第4回定例会の一般質問でも、地元の町会や商店会、関係団体の役員をメンバーとする、例えば野方駅舎改善連絡協議会などを組織し、さまざまな意見交換を行う時期にきていると提案させていただきましたが、何の進展もございません。昨日上程されました補正予算の野方駅北口と自由通路、駅舎の整備に関して、第三セクターの出資金がありましたが、本来はそうした連絡協議会の中で第三セクターの設立であるとか、西武鉄道との交渉状況を報告し、地域と区、西武鉄道が一体となって駅舎の整備、南北駅広場の利用方法、そして駅周辺のまちづくりや駅前商店の共同ビル化などについて、具体的な検討を行う時期にきていると考えます。
区長は、第4回定例会の私の質問に、駅周辺一帯のまちづくりについて、幅広く地元の皆さんと議論をしていきたいと答弁していますが、具体的にいつまでにどのような組織をつくってこの問題に対処していこうとしているのか、明快で実効性のある御答弁をお願いいたします。
四つ目に、中野駅南口のまちづくりについて質問いたします。その中で、今近々の課題として、中野駅南口にある丸井中野本店の閉鎖についてお聞きをいたします。
中野駅周辺のまちづくりは、警察大学校跡地の開発を契機に、北口と南口が一体となって相互に連携をしながら進めていくことが重要と考えます。中野駅の北口にある警察学校跡地については、現在、都市計画の手続が進められており、来年度からは道路や公園の用地取得など、本格的なまちづくりがスタートしようとしています。こうした中にあって、南口の商業やにぎわいの中心である丸井中野本店の閉鎖の話があり、中野駅周辺のまちづくりにはかり知れない影響があると思っております。
そこでお聞きをいたします。
丸井本店の閉鎖の話を聞いた際、区はどのように対応しようとしたのか伺います。また、多くの区民や周辺の商業者等からは、丸井本店の閉鎖によりまちのにぎわいや魅力が失われるのではないかという不安の声が聞こえてきます。その一方で、跡地にできる新たな施設に期待する声が寄せられています。跡地の開発に当たっては、周辺のまちづくりに寄与するものとなるよう区としては積極的に丸井に働きかけるべきだと考えますが、区長の御見解をお聞きいたします。
最後に、本町二丁目の郵政宿舎跡地について質問いたします。
本町二丁目郵政宿舎跡地についてお伺いをいたします。
区立桃園小学校の東側の道を下ったところにあった本町二丁目郵政宿舎が廃止になり、現在は約6,000平米の更地となっております。地元である弥生地域の町会からは、この土地の利用に関して、今定例会に陳情が出されております。区としても、財政運営の状況に関する資料等を見ると、当該土地利用に関して前向きに検討しているようです。しかし、これまで区は、当該地域についてどのようなまちづくりを展開してきたのでしょうか。かつてこの地域は、台風や集中豪雨等により、神田川が頻繁にはんらんし被害が発生してきた地域であります。現在は、環七地下貯留施設ができたことや、河川改修が行われたことから水の被害は減少し、河川沿いの景観もよくなっているようです。また、中野坂上地区は、市街地再開発により商業業務の拠点となり、現在においては、中央環状新宿線や環状六号線山手通りの整備等が進められている地域であります。このように、この地域を取り巻く環境は整備されてきておりますが、本町二丁目の郵政宿舎を含む地域全体では、積極的なまちづくりが展開されたとはいえず、道路、公園等の都市基盤の整備は進んでいないように思われます。幹線道路の整備や河川改修など区は東京都と協力して整備に取り組んでおりますが、郵政宿舎跡地のある本町二丁目あるいは三丁目一帯のまちづくりについてはどのように進めているのか、お聞かせください。特に、6,000平米余りの郵政宿舎跡地については、区としてどのような活用を考えているのか。当該地域の課題や検討経過を含め、今後のまちづくりとあわせ明確にお答えをください。
さらにもう1点お尋ねをいたします。今回の郵政宿舎の廃止と同様に、昨年国家公務員宿舎の廃止、跡地利用が話題となりました。区内の国家公務員宿舎も廃止の対象となる宿舎が多くあると聞いております。今後具体的なスケジュール等が示されるのでしょうか。そうであれば、廃止対象となる宿舎の跡地利用については、今後は区が取得するしないにかかわらず、まちづくりの観点から検討し、活用方針を定める必要があるのではないかと思います。この点について区長の見解をお聞きをいたします。
以上ですべての質問を終わります。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 大内議員の御質問にお答えをさせていただきます。
まず、子どもを守る地域安全マップの充実についてという御質問であります。区といたしましては、平成17年度に、子どもの安全を守る地域ぐるみの活動の一つとして、青少年健全育成地区委員会に、環境安全マップづくりを委託したわけであります。これによりまして、地域への安全への意識向上がかなり図れたというふうに考えているところであります。こうした安全マップづくりの取り組みというものが有効であるといったようなことを区としては評価をしているところでありまして、これからも推進をしていく考えであります。
今後、この環境安全マップの作成に当たっては、主に協力をしていただいている青少年育成地区委員会などの御意見を十分に伺うということも当然必要であります。しかしながら、また、こうした環境安全マップづくりについては、専門家がかなり充実した研究あるいは安全マップづくりの方法についての研修なども行われているというところであります。そうした専門家の意見でありますとか、最新の知識なども踏まえながら、区内でこの安全マップづくりについて共通の視点を持って、また地図の表示などについても共通の考え方に基づいた、そうした安全マップづくりができるように工夫をしながら充実を図っていきたいと考えているところであります。
それから、野方駅北口開設とバリアフリー設置の進捗状況、北口開設の用地の取得についてという御質問であります。
御質問の中にもありましたように、区が公共用地を取得するに当たっての補償額は、東京都の事業施行に伴う損失補償基準、これを準用して算出することにしているわけであります。こうした事業用地は、いずれも公共のためにぜひとも必要であるという中での交渉になっていくわけであります。この用地の取得に当たりましても、こうした算出基準に基づいて、区民に理解の得られる算出をしていかなければならないというふうに考えているところであります。
この取得に当たって、今さまざまに交渉をさせていただいているところですが、そうした区民の理解を得られるという基準の中で、地権者、借家人のさまざまな条件にも相談に乗ってきているところであります。そうした交渉を引き続き粘り強く誠意を持って続けてまいりたい、こう思っております。
それから、北口開設に関連して野方駅周辺まちづくりについても、関連づけて取り組みを進めていくべきではないかという御質問であります。第4回定例会でもそういった御質問がありまして、私も、基本的にそうした方向で進めていきたいというふうにお答えをさせていただいているところであります。
経過といたしまして、野方駅北口の開設の整備概要について、昨年の7月、それから9月に、地域並びに商店会への説明会を開催してまいりました。その後、西武鉄道との交渉あるいは調査などを今行ってきたところであります。今後、設計や工事などの説明会の中で、駅周辺のまちづくりのあり方あるいは地域の検討組織をこれからつくっていくという、そのつくっていく方法などにつきましても、町会や地元商店会、地域の皆さんと幅広く意見交換を行い、まちづくり全体についても、地域の皆さんと協議をしながら、野方駅北口開設を進めてまいりたいと考えております。
丸井本店の閉鎖に対する対応という御質問もございました。
昨年の10月初旬ですけれども、丸井の方からお話がありまして、本店の閉鎖というようなことでありましたので、直ちに私が丸井本社に赴いて、青井社長とお話をさせていただきました。その際、本年、2007年でありますけれども、本年の8月に本店を閉鎖し建てかえを行うこと、また、その建てかえ後は引き続き自社で活用をして、第2本社的な利用を行っていきたいということ、また、まちのにぎわいにも配慮をして、低層階には商業施設を予定しているといったようなことなども説明を受けたところであります。あわせて、開発に当たっては、区と十分協議をしていくといった回答を得てきたところであります。その後、丸井の方での計画についての直接的なお話は区の方になかったわけでありますが、区といたしまして、この丸井の跡地の開発、また周辺のまちづくりについて重要な問題意識を当然持っているわけでありますので、丸井について、去る16日に要望を行ったわけであります。丸井の本店というのは、昭和の時代から長きにわたって中野の顔として親しまれて、中野駅周辺の商業のシンボル的な存在でもありました。こうしたことから、跡地の開発に当たっては、引き続き南口のにぎわいの核として、さらには周辺市街地の活性化やまちづくりに寄与する魅力と集客性のある商業施設の導入、また地域の回遊性の向上に資するような歩行者主体の動線の確保などが望ましいと考えているわけであります。去る16日の要望においては、こうした内容を要望したところであります。
今後、議会や地元の区民の皆様などの御協力をいただきながら、この要望の実現が図られるように努力をしてまいりたいと考えております。
それから、本町二丁目の郵政宿舎跡地に関連して御質問がありました。
本町二丁目地区でありますけれども、本町二丁目地区の都市基盤の整備状況ですが、地形的には、この地域は南北の高低差が大きいという特徴があります。また、大変狭隘な道路や行き止りの道路が多く、道路基盤が脆弱な地域でもあります。公園につきましても、この郵政宿舎の跡地に隣接しております総合公園でありますとか、朝日が丘公園など、小規模な公園しかない地区でもあるわけであります。土地利用につきましては、住居系を中心とした木造家屋率が75%と極めて高い状況であります。といったようなことから、当該地区は、火災危険度、避難危険度ともに区内でも危険度の高い地区であるという認識を持っております。こうしたことから、火災危険度や避難危険度などの弱点を解消するまちづくりの取り組みが必要というふうに考えているわけであります。こうしたまちづくりをしていくに当たりましては、郵政宿舎の跡地についての利用、活用といったようなことも視野に入れてまいりたいと考えております。
それから、区内の各所にございます国家公務員宿舎の廃止、跡地利用についての御質問もありました。廃止利用の国家公務員の宿舎跡地につきましては、さまざまな範囲にかなりの面積で分布をしているということでありますので、区といたしましては、安全、安心なまちづくり、あるいは地域の活性化といった観点から、重要な関心を持っているところで、検討を行っているわけであります。
今後、民間利用ということになった場合でも、質の高い住宅供給などにあわせて、地域のまちづくりに寄与できる方向で誘導できるような、そうした計画を定めていきたい、こう考えているところであります。
私の方からは以上です。教育に関しましては教育長の方からお答えいたします。
〔教育長菅野泰一登壇〕
○教育長(菅野泰一) 特別支援教育につきましてお答えいたします。
まず、保護者や区民への理解促進について、でございます。
小・中学校の保護者や区民を対象に特別支援教育についての理解促進と協力の要請を行うため、パンフレットなどの資料を作成いたしまして、またホームページへの掲載を行います。また、学校におきましても、機会をとらえまして、学校の取り組みを説明しながら、保護者へのきめ細かな対応を図ってまいりたいと思います。
続きまして、特別支援教育の推進体制について、でございます。
まず1点目、校内委員会の設置、それからコーディネーターの指名でございますけれども、今年度末までに全校で完了する予定でございます。
また、これまで全校を対象に特別支援教育の理念や今後の方向性等につきまして、年間を通して研修会を実施するとともに、校内委員会やコーディネーターの役割、個別支援計画の作成、事例研究会等の研修を行ってまいりました。今後、こうした研修会の充実を図っていくとともに、来年度からは、臨床心理士等による学校の巡回指導を実施いたしまして、そうした事例を通しまして、教師の専門性を高めてまいります。さらに、夏季休業中に全職員を対象に研修会を実施する予定でございます。
それから、巡回相談の仕組みでございます。
学校をサポートする体制といたしまして、教育委員会に、仮称でありますが、支援スタッフを設置いたしまして、小・中学校の支援を行ってまいります。仮称支援スタッフは、非常勤の臨床心理士や必要に応じまして、医師や教員等により構成されまして、定期的に学校を巡回し、指導したり、必要に応じて個別に指導するなど、専門的な支援を行ってまいります。
○議長(高橋ちあき) 以上で大内しんご議員の質問は終わります。
中野区議会議員 久 保 り か
1 区長の施政方針について
2 学校施設整備について
(1)学校施設のバリアフリー化について
(2)芝生の校庭について
3 安全・安心なまちづくりについて
(1)防災行政無線について
(2)情報配信メールについて
(3)安全パトロールカーについて
4 区民健診の充実について
5 西武新宿線鉄道立体交差化事業と踏切対策について
6 その他
○議長(高橋ちあき) 次に、久保りか議員。
〔久保りか議員登壇〕
○5番(久保りか) 平成19年第1回定例会に当たり、公明党議員団の立場から一般質問をさせていただきます。
質問は、1番目に、区長の施政方針について、2番目に、学校施設整備について、ここでは、学校施設のバリアフリー化について、芝生の校庭についてなどを伺います。3番目に、安全・安心なまちづくりについて、ここでは、防災行政無線や情報配信メール、安全パトロールカーなどについて伺います。4番目に、区民健診の充実について、ここでは、がん予防対策推進計画、乳がん検診、前立腺がん検診などについて伺います。5番目に、西武新宿線鉄道立体交差化事業と踏切対策について、6番目に、その他として、住民参加のまちづくりについて伺います。
初めに、区長の施政方針説明について伺います。
今回の施政方針は、田中区長も2期目に入って、改革の進展とともに含みの多い表現が目立ったという印象を持っております。例えば、10か年計画の推進の裏づけとなる財政運営の見通しの作成と着実に推進する基盤が確立できたと述べた直後に、「新しい日本の社会をリードする自治体となり得るのか、それとも時代から取り残され、停滞の道を歩むのか、中野区にとってことしは分水嶺とも言うべき重要な意味を持つ年になると考えます。」と述べて、あたかも計画推進をはばむ要素がどこかに存在するかのようなニュアンスをにじませています。この文脈を通じて明らかに示したいことは何なのか、改めて伺います。
次に、19年度の区政の方向を示された点について、まちづくりのテーマについて伺います。
ここでは、区長は、「企業の区内への立地促進や創業、事業拡大にこたえるような都市基盤の整備や産業振興策が求められています。」と経済的観点からの言及に終始しているように感じられました。この点の重要性は当然のこととして、やはり中野区のまちづくりとしては、住宅の視点を欠くことはできないと思います。これまで手がけられなかった経済的視点からのまちづくりを強調するためとは思いますが、述べられなかった住宅まちづくりについてもお考えをお持ちと思います。お聞かせください。
平成17年度の決算総括質疑の国家公務員宿舎廃止における区への影響についての質問に対し、区長は、「この宿舎の再編ということによる動きが将来の中野にとって夢を持てるような、持続可能なよりよい地域社会をつくっていく一つのきっかけとなるような取り組みをしていかなければならないというふうに思っております。」とお答えになっています。公務員宿舎の跡地利用を含めてお答えください。
次に、中野駅周辺のまちづくりですが、「中野駅周辺のまちづくりの効果が中野区全域に広がり、その経済活動が活性化することを目指しています。」と述べられました。しかし、中野駅周辺のまちづくりの効果が経済面だけでないことは当然です。文化、教育の発信地として、また、中野区内のみどりのネットワークの芯として、中野というまちの象徴と言えるエリアではないかと考えます。この点についてのお考えも伺います。
元気いっぱい子育てでは、子育て支援策の充実から区長の意欲が伝わってきます。特に、中学3年生まで通院、入院とも無料となる医療助成の充実や、妊婦健康診査の助成回数の増加、私立幼稚園保護者補助の増額、新たな認証保育所などの利用の保育料補助など、我が党の提案してきたことが大きく反映されています。また、準夜間小児救急医療体制を、中野総合病院、医師会の御協力もあり、平日のみから土日、休日を含む通年実施へと充実を図るとされました。どれほどのお母さん、お父さんたちの不安の解消に資するか、想像にかたくありません。あとは、区内の2次救急までの小児救急体制を完結させるため、警察病院で小児救急医療を行っていただくよう粘り強く働きかけるべきと考えます。お考えを伺い、この項の質問を終わります。
次に、学校施設整備について伺います。
既に通達されている文部科学省大臣官房文教施設部の学校施設バリアフリー化推進指針は、既存学校施設のバリアフリー化に関する整備計画を早急に策定し、計画的にバリアフリー化を推進していくことの必要性があると指摘されています。特に、円滑に利用できるトイレの整備、校内を円滑に移動するためのスロープやエレベーターなどの設置が重要とされています。前期学校再編計画では、7校の統合新校のうち、5校は既存の校舎の改修を行っての施設利用です。現在の校舎は、スロープやエレベーターの設置はありません。当然バリアフリー化を推進するべきです。19年度予算案では、第十一中学校のエレベーター設置が計画されています。その他の学校の計画はどのようになっているのでしょうか。また、学校再編とは別に、建築後50年を経過し、改築期を迎える学校については、改築計画はどうなるのでしょうか。前期の再編の対象校である第六中学校は、平成28年に築50年を迎えます。平成21年から23年の間は仮校舎としての利用が予定されていますが、その後の利用については決定したのでしょうか。統合新校が設置されていない統合対象校それぞれの中期的な利用について現在の検討をお答えください。
中野区では、中野区立学校校舎の将来像について調査、検討し、再編計画に基づく校舎の改築などを円滑に進めるための校舎のあり方検討会が設置されています。世代を超えた地域のコミュニティの拠点としての学校のあり方として、体力のない高齢者や障害のある高齢者が円滑に利用できるよう、学校施設全体のバリアフリー化を図ることが重要です。この考え方は防災拠点となる学校施設という意味でも重要な視点です。エレベーター、スロープなどの設置による移動円滑化は当然として、バリアフリーな「だれでもトイレ」の設置は最低限どの学校にも必要です。このあり方検討会での検討か、あるいはそれとは別に検討するかはともかく、中野区の21世紀のスタンダードを定めて、計画的学校施設の改築や学校のバリアフリー化を実現するべきだと思いますが、いかがでしょうか。今後の学校のあり方として、福祉施設や社会教育施設、コミュニティ施設などの複合施設としての利用が考えられていますが、その際には、交流を行う領域を明確化し、適切な動線を確保するなど、管理運営を考慮した整備を行うことが重要です。必要に応じ、来校者の増加に乗じた不審者の侵入の防止など、防犯に留意した管理運営に対応できる整備がされなければなりません。併設施設として予定されている図書館や学童クラブと教室への出入り口は別に設けるなど、防犯や管理運営上の整備が不可欠と考えますが、検討内容をお聞かせください。
この項の最後に、芝生の校庭の開放事業について伺います。
昨年、芝生開きを行った若宮小学校では、ヒートアイランド対策、児童の体力向上、けがの防止、環境教育など、さまざまな効果を発揮しています。しかし、芝生のメンテナンスのために校庭の使用ができないなど、地域のスポーツ団体からは、利用についての心配の声も上がっています。児童・生徒の体力向上にしても、学校の授業時間や自由時間の活用だけで進められるものではありません。今後の校庭の芝生化に当たっては、地域の青少年のスポーツ活動支援のためにも、利用のできない期間に活動のできる施設を提供することを検討すべきではないでしょうか。
19年度に芝生化が予定をされている武蔵台小学校は、近隣に19年度から、チャレンジスクールになる四谷商業高校や都立武蔵丘高校、北中野中学などがあります。芝生の校庭を進める東京都の協力を得て、都立高校のグラウンド利用や工事期間中のスポーツのできる場の確保を図るべきではないでしょうか。
この項の質問を終わります。
次に、安全・安心のまちづくりについて伺います。
初めに、地域防災無線の空白地域の解消について伺います。
先日、子どもたちの下校時の見守りを御協力いただいている方より、4時に流れるお帰りチャイムが聞こえないという苦情がありました。防災担当に尋ねたところ、その地域が、防災行政無線を受信するパンザマスト、いわゆる学校などに設置されている大型スピーカーの空白地域であることがわかりました。しかも一番近いパンザマストは、近隣の苦情などにより小音量に設定してあるということで、なおさら当該地域では防災無線が聞こえない状況にあるとのことでした。以前より防災無線が聞こえないという意見は多く、一昨年の集中豪雨の折にも問題になっておりました。しかし、聞き取りにくい原因が、防災無線を配信するパンザマストが設置されていないことにあることはあまり知られていないのではないでしょうか。区内には、ほかにもこの地域のようにパンザマストの設置がされていないエリアが幾つも存在しているということです。区内には何カ所こうした防災行政無線の空白地域があるのでしょうか、伺います。
私は、防災無線のブランクエリアは早急に解消しなければならないと思います。区としての取り組みを伺います。
防災行政無線の運行は、平成23年のデジタル方式へ移行されますが、これによりパンザマストによる地域防災無線の改善は図られるのでしょうか。平成19年度にシステムの構築の基礎となる事項についての調査を行うとのことですが、現在のパンザマストの設置のあり方についても調査が必要であると考えます。高層な建物により音声が遮られ、聞こえにくいエリアもふえています。デジタル方式移行以前にパンザマストの増・移設を行い、防災無線の空白難聴地域を解消すべきと考えますが、いかがでしょうか。
次に、携帯メールによる災害情報の配信について伺います。これについては、昨年の定例会や決算特別委員会でも質問し、早急に検討していきたいとの回答をいただいていますが、検討結果はどのようになっているのでしょうか。19年度予算案に示されているメール配信の導入というのは、この検討の結果なのでしょうか。どのような情報配信をお考えなのか、伺います。
防犯対策としての青色灯防犯パトロールカーの運行について伺います。
昨年の4月より運行開始となった安全パトロールカーは、区民にも好評で、児童の見守りや空き巣ねらいやひったくりの犯罪の抑止力としても効果が高いとの評価を得ているようです。さらに時間延長を図り、夜間にも運行することにより、仕事帰りの女性をねらう痴漢や通り魔の抑止のためにも活用すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。これについて伺い、この項の質問を終わります。
次に、区民健診の充実について伺います。
19年4月1日より、がん対策基本法が施行されます。がん対策の総合的かつ計画的な推進、研究、予防、検診、療養生活の質的向上などの取り組みも重要な課題です。こうした基本法を背景に、東京都福祉保健局の19年度予算案では、新たながん対策の展開として、区市町村がん予防対策推進計画の策定支援として、区市町村が独自に策定する予防対策、検診受診率向上などに関する計画策定を支援することが盛り込まれています。中野区でも、がん予防対策推進計画を策定するべきだと考えますが、いかがでしょうか。
中野区保健福祉総合計画では、健康づくり達成指標、がん精密検査受診率は、乳がんが95%以上、胃がん、肺がん、大腸がん、子宮がんはいずれも90%以上となっています。この指標は、登録者に対する受診率ということで、受診対象者全体ではありませんが、中野区の現状は、いずれも60%台です。がん検診の目的は、受診率を向上させることにあるのではなく、がんの予防や早期発見にあるのは言うまでもありません。昨年から、子宮がん、マンモグラフィによる乳がんの区民健診の対象年齢は拡大されたものの、受診については隔年で、利用している区民からは、毎年の検診を望む声が聞かれます。早期発見を目的にするのであれば、毎年の受診を進めるべきではないでしょうか。受診率の向上という点では、通年受付、通年受診によるサービスの拡大を図るなど検討すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
さらに、区民健診の土日や夜間などの受診を可能にすべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
また、乳がんの検診については、マンモグラフィによる精密検査を行っていますが、超音波による精密検査も導入し、受診者の状況によりマンモグラフィと超音波のどちらかを選択できるようにすべきではないでしょうか。
次に、前立腺がん検診の導入について伺います。
前立腺がんのPSA方式による検査の検討はされたのでしょうか。国の検診制度の見直しの動向を踏まえながら課題を精査していきたいということでしたが、どうなっているのでしょうか。警察病院の開院にあわせて導入すべきと考えますが、いかがでしょうか。
成人歯科検診拡充について伺います。
歯の健康は、早期受診と長期管理が重要であると言われています。最近では、歯周病の低年齢化も心配されています。8020運動を推進するためには、若いときからの歯周疾患予防やケアが大切です。20歳、25歳、30歳などの節目の歯科検診を導入すべきではないでしょうか。隗より始めよということで、まずは職員の健診に歯科検診を取り入れてみてはいかがでしょうか、見解を伺います。
歯の健康に関連して、小・中学校での食後の歯磨きについて伺います。
現在、ほとんどの幼稚園、保育園では、食後の歯磨きの指導を行っています。しかし、小学校に入学すると、ほとんどの学校で給食後の歯磨きを行わなくなってしまいます。幼稚園や保育園、私立の小学校で行っていることがなぜ公立の小・中学校ではできないのでしょうか。学校の流しやトイレで一斉に歯磨きをすることができないなどの理由により、小・中学校での歯磨き指導は無理であると言われたことがありますが、原因は施設面にあるのでしょうか。歯磨きは虫歯予防だけではなく、口腔衛生として、風邪やウイルス感染の予防につながります。小・中学校での歯磨きを推進すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
次に、西武鉄道連続立体交差化事業と踏切対策について伺います。
2月3日、待ちに待った西武新宿線下井草駅の北口改札が開設され、利用者の方からは、本当に便利になった、安全になったとの声が聞かれます。北口の改札が開設される以前は、通勤、通学時に踏切待ちをする人の中に、おりた踏切を無理やりに横断する人の姿が見られ、大事故が心配されていました。先日も、東武東上線で、踏切内の女性を助けようとした警察官が亡くなるという事故がありました。踏切問題は、歩行者や車の足をとめるだけではなく、大事故を招くことから、鉄道会社や地元自治体としても対策が急がれる重要な課題です。西武鉄道の踏切対策、鉄道立体交差化事業については、施政方針説明の中でも、西武新宿線沿線まちづくりでは、西武新宿線と道路の連続立体交差化事業を目指し、東京都及び西武鉄道などと連携を図るとともに、沿線まちづくり計画策定に向けた調査、検討を行いますとあります。この鉄道立体交差化事業について、東京都は、地域の声が反映されたまちづくりの提案を重視しているとのことです。中野区では、区内全線地下化を目指し東京都に働きかけを行っていくことは、以前にも区長の決意を確認させていただきました。その後の進捗状況はどうなっているのでしょうか。東京都あるいは西武鉄道から手ごたえのある答えは返ってきているのでしょうか。東京都が事業主体となっての事業が決定したとしても、現実に踏切がなくなるまでには10年、20年の期間を要します。その間の対策を区としても真剣に検討すべきではないでしょうか。特に、鷺ノ宮駅南口のエレベーター設置、踏切のおりている時間の一番長い都立家政駅の自由通路の設置、区内にあるすべての踏切について、計画的に改善するべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
1月にも西武線のおくれにより、鷺宮第3踏切が40分近くおりたままになり、北中野中学の生徒や西中野小のしらさぎ学級の児童の通学の足をとめました。車の渋滞もあり、大変危険な状態であったと伺いました。通学路のための歩道橋の設置はできないのでしょうか。通学路の西武新宿線の踏切対策を検討すべきであると考えます。御見解を伺います。
この項の質問を終わります。
住民参加のまちづくりについて伺います。
昨年末から、上鷺宮地域では、地区計画にかかわる道路の拡幅について、拡幅予定の沿道の方たちを中心に、上鷺宮を守る会が発足され、区のたたき台案に対して反対の署名活動や、上鷺宮のまちづくりを巡って大きな議論が巻き起こりました。今回の騒動の原因は、地区計画案として示された、到底実現不可能で、しかも適切とは思えない既存道路の拡幅計画にあります。これについては、上鷺宮住み良いまちづくりを考える会からも異論があったところです。さらに、区からの十分な説明が住民になかったことや、住民の感情を無視した一方的ともとれるような計画案の提案の仕方により沿道の方たちを不安にさせ、混乱させたことは、区側の説明責任を問われるべきものであると思いますが、区長はいかがお考えでしょうか。
この地域の課題解決のために長い間ずっとかかわり取り組まれてきた地域住民、今回の問題を機に関心を持たれた住民、上鷺宮地域のために協力をしてくださった考える会の皆さん、それぞれの立場、考えや意見は一律ではありません。しかし、こうした住民の貴重な声を生かせる機会がまちづくりには一番重要なのではないでしょうか。2月14日の区長との対話集会では、この問題に関心を示す方が200名以上も上鷺宮小学校を訪れました。この会で、地域住民の合意が図られない限り、区として計画を推し進めることはできないことは、区長も明言されていらっしゃいましたが、2点確認をさせていただきます。
一つ目は、今回たたき台として提案された道路の拡幅計画は、地区計画を検討する上でのあくまで案であり、このままの形で進められることはないこと、二つ目は、18年度内策定を目途に進められてきた上鷺宮の地区計画の決定は、今年度には決定しないということです。お答えをお願いします。今回の教訓を生かし、住民参加型のまちづくりの一定のルールを区として定めるべきではないかと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
私の質問は以上でございます。どうか区長並びに理事者の皆様の明快で前向きな御答弁をよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 久保議員の御質問にお答えをさせていただきます。
施政方針演説の10か年計画の推進に関する御質問であります。
新しい日本の社会をリードする自治体となり得るのか、それとも停滞の道を歩むのかといった私の表現のニュアンスをめぐっての御質問でありました。10か年計画というのは、事業の消化が自己目的化されがちだった従来の計画行政から脱皮をして、目標に見合った成果を上げていくことを明確に意識したものであります。10か年計画が目指す成果を得られるか否かというのは、目標と成果による区政運営のあり方にかかっているわけであります。そういう意味で、適切にPDCAサイクルを機能させて施策の効果を実現させていくというのが、この計画を推進していく上で欠かせないわけであります。この計画について、平成19年度には、第2ステップと位置づけた時期を迎えるわけであります。第2ステップでは、施策が検討や準備の段階から実行段階に移行するものが多く出てまいります。そうした重要な実行段階に移るというところで、それ以降、よりよい施策実施のサイクルをつくり出していくということの中では、この段階で着実に進捗しなければその後の成果になかなかつながりにくいというようなことがありまして、この19年度に行うさまざまな事業というのは、極めて重要な意味を持っているというふうに認識をしているところから、御指摘のありましたような表現をしたところであります。
それから、住宅の視点からのまちづくりについての見解を求める御質問でした。
区の住宅まちづくりに関する施策については、まちの活性化や子育て支援など、今後の地域社会を形成していく上で重要なテーマと考えているところです。誘導居住水準を有する質の高い住宅の確保でありますとか、防災、環境などへの配慮といった観点から、総合的に住宅まちづくりを推進する必要があると考えているところでして、平成20年度を目指して第3次の住宅マスタープランの策定を行うこととしているところであります。
それから、国家公務員宿舎の跡地利用の検討状況についてであります。
国家公務員宿舎の跡地利用に当たりましては、安全・安心なまちづくりなど持続可能なよりよい地域社会に向けて取り組んでいかなければならないと考えているところであります。区として、安全・安心なまちづくり、あるいは地域の活性化といったような観点から検討を行っているところでありまして、民間利用の場合であっても、質の高い住宅の供給とあわせて地域のまちづくりに寄与する方向で誘導できるよう計画をつくっていきたいと考えているところであります。
それから、中野駅周辺のまちづくりの効果について、経済面だけではない面もあるのではないかという御指摘であります。まことにそのとおり、区としても考えているところでありまして、中野駅周辺まちづくり計画や、中野駅周辺まちづくりグランドデザインでは、民間の活力を活用して、商業、業務、住宅、大学等の多様な機能を集積するとともに、文化や緑の拠点として、また新たな中野の顔にふさわしいにぎわいと環境の調和したまち、そして安全なまちを実現することを目指しているわけであります。
小児救急体制についてであります。
中野区といたしましては、区内に小児2次救急指定医療機関がなくなったことは大変残念なことと考えております。これまで、小児2次救急医療再開に向けて関係機関に働きかけを続けているところであります。今後とも、東京都、中野区医師会等の関係機関とも十分に協議をしながら、東京警察病院を含め実施可能性のある区内関係病院等に積極的に働きかけをして、できるだけ区としてでき得る最大限の努力をしていきたいと考えております。
それから、防災行政無線のパンザマスト、大型のスピーカーであります。これについて聞き取りにくい場所があるということでありますが、防災行政無線のデジタル化に当たりましては、聞き取りにくいという問題が解決できるよう、配置の問題も含めて十分に検討していきたいと考えているところであります。
現時点でのパンザマストの増設についてでありますが、これは、設置当初から数が足りなかったということではなく、設置した後に、先ほど御質問の中にもありましたように、建物が建って遮へいされる、反射が生ずるといったようなことから、聞き取りにくくなった場所が出てきているというふうに理解をしているわけであります。そのそれぞれの状況を確認をして、緊急に対応が可能かどうか、こうしたことについて調査を行いたいというふうに考えます。
災害時における携帯メールの配信につきましては、現在、住民防災組織や関係機関に行っているところでありますけれども、そうした情報配信の充実といった取り組みの一つとして、登録をしていただいた区民の皆さんにも配信できるように準備を行っているものであります。
それから、青色灯防犯パトロールカーの運行時間の延長についてであります。
これについては、現行の体制で1年が経過をするところでありまして、その成果等を検証しているところであります。運行体制の問題などもありますので、今後より効果の高い運行形態について検討をしていきたいというふうに考えております。
それから、西武新宿線の鉄道連続立体化事業と踏切対策についてであります。
中野区内の西武新宿線は、16年に東京都が策定をしました踏切対策基本方針で、鉄道立体化を検討すべき区間と位置づけられているものであります。そうした状況を踏まえて、区としては、西武新宿線沿線まちづくり及び踏切対策検討会を設置をして、東京都や西武鉄道と連携をしながら、この事業の推進に向けてまちづくりや鉄道立体化の検討を進めているという状況であります。区内の西武新宿線各駅で、まちづくりの勉強会も行われているところであります。また、沼袋駅や新井薬師前駅の周辺においては、区が考えますまちづくりについてのたたき台のようなものも提示させていただいて、区民の皆さんと検討をさせていただいているという状況であります。
こうした状況の中にあって、東京都においては、踏切対策基本方針に基づいて、次期事業化の対象区間をどのように選択するのか、そうした検討を行っているというふうに考えているところです。区といたしましては、次の対象区間にぜひとも入れてもらえるように、沿線まちづくり計画の具体化、これをさらにピッチを上げて努めていきたいというふうに思っているところであります。
また、西武鉄道の方でありますけれども、西武鉄道については、区と同様な立場で、連続立体交差化事業の推進に向けて取り組んでいるというふうに聞いているところであります。
それから、踏切対策についてであります。事業が仮に連続立体事業が実施できるとしても、かなりの期間を要すということであります。そうしたことから、区といたしましては、例えば、沼袋とか、あるいは今回実現に向けて前進をしている野方駅などのように、駅や踏切について一つひとつ改善を行ってきているところでもあります。今後とも、踏切の改善について、西武鉄道とできることは何なのか、協議をしていきたいというふうに考えております。
歩道橋、跨線橋の設置につきましては、立地条件などさまざま、地域によりましてさまざまな課題があるということであります。通学に関連しては、学校再編の動向も見ながら検討をしていきたいというふうに考えております。
それから、上鷺宮のまちづくりについての御質問もありました。
上鷺宮のまちづくりについて、今回区の素案をめぐりまして、地域で大変大きな話し合いの輪ができていると、地域の皆さんがかなり問題意識を持っておられるということについては、これまでの区の検討や計画素案のお示しの仕方等について、必ずしも十分でなかった取り扱いもあったかというふうにも反省をしているところであります。しかしながら、まちづくりというのは、その地域の置かれている状況や住民の意識もさまざまでありますので、画一的にこのルールを決めたらこれにのっとって行っていけば御納得いただけるといったようなことでもあるわけではないというふうに考えているところであります。
今回の上鷺宮のまちづくりについてですが、土地区画整理事業を施行すべき区域といった土地利用上の制約があったり、そういう中でまちが自然発生的に町並みが形成され始めているといったような課題があるわけでありますので、適正なまちづくりが必要というふうに考えております。
今回提案をさせていただいた素案について、現在のところ全く地域合意が得られていないという状況にあるわけでありますが、現状を第一歩として、粘り強くまちづくりを進めていきたいというふうに考えております。そして、その素案の取り扱いなどについて確認の意味での御質問もありました。素案については、あくまでもたたき台でありまして、今後の議論を踏まえて、変更や修正を行って、住民の皆さんが納得し、合意できるものとなるように内容を改めていきたいというふうに考えております。
また、期限等について定めることはないということを明言するべきだということであります。上鷺宮のまちづくりについては、地権者や住民の合意に基づく地区計画を策定して進めていくべきと考えているわけでありまして、そのためには当然地域で十分に議論されなければならないわけであります。現在、そうした地域での議論に、検討に期限を定められるような段階ではないということは十分に認識をしているところであります。
それから、区民健診で、歯科健診を職員健診の中にも導入してはどうかといったような御質問もありました。職員健診の項目については、労働安全衛生法に基づいて事業所が行う健康管理ということで行っているわけであります。そうした基準に基づきますと、歯科というものが位置づけられていないといったようなこともありまして、現時点では歯科健診を導入するということは考えておりません。
その他の御質問につきましては、それぞれ担当の方からお答えをさせていただきます。
〔教育長菅野泰一登壇〕
○教育長(菅野泰一) 学校施設整備につきましてお答えいたします。
学校施設のバリアフリー化でございますが、学校校舎内でも利用頻度の高い玄関や昇降口、1階トイレ等を優先いたしまして、順次バリアフリー化を進める計画でございます。エレベーターの設置につきましては、障害学級があり、施設に余裕のある十一中で実施いたしますけれども、ほかの学校については、施設の状況に余裕がなく、難しいと考えております。
あと、学校の改築計画であります。
築50年を超える学校につきましては、当面、10年間の延命措置を加えてまいります。今後の学校再編計画の改定を考慮に入れながら、改築計画については検討してまいりたいと思います。
それから、学校の地域利用等に関しまして、出入り口等の配慮をということでございます。
防犯や管理運営を考慮すれば、学校自体の利用と地域利用がスムーズにいくよう双方の動線を配慮した施設配置が望ましいと考えております。それぞれの学校の状況に応じまして検討してまいりたいと思います。
それから、校庭の芝生化に伴うスポーツ団体への配慮ということでございました。
芝生化の工事やメンテナンスの期間につきましては、当該校の利用は制限されますけれども、他の区立小・中学校でも校庭開放を行っておりまして、そちらの利用ができます。
それから、都立高校につきましては、難しいとの返事を得ております。他の学校での開放の状況や団体利用の実態などにつきまして、こちらで調べて、その団体等に情報提供し、他校の利用の際の便宜を図りたいと考えております。
それから、区民健診の充実に関しまして、給食後の歯磨きの推進をという御質問がございました。
学校給食の時間は、給食時間を含めまして、小学校で40分から45分、中学校で25分から30分と短いので、各学校とも実施が困難な状況にあるということでございます。
〔保健福祉部長金野 晃登壇〕
○保健福祉部長(金野 晃) 区民健診の充実のうち、区によるがん予防計画の策定のお尋ねがございました。がん対策基本法に基づき、都道府県にはがん対策推進計画の策定が義務づけられたところですが、市町村計画については示されておりません。区としては、都がこれから計画策定を行いますので、その状況等を注目していきたいと考えております。
次に、乳がん、子宮がん検診の毎年実施についてのお尋ねでございます。
乳がん、子宮がんにつきましては、国の示す指針が16年度から変更され、2年に1回の実施とされたものでございます。区では、医師会とも協議し、18年度から隔年実施としたものでございます。これを毎年に戻す考えは持っておりません。
次に、区民健診の通年受付、通年実施のお尋ねでございます。
区民健診は、中野区の医師会等に委託し、5月から11月の期間で実施しております。健診は毎年変更点がございますので、委託する医師会との話し合いや健診実施医療機関への説明など一定の準備期間を必要といたします。また、健診終了後、医療機関からの受診状況報告と請求を受けての支払い事務、精密検査、受診状況の調査などを引き続いて実施いたします。こうした事情の中で、期間を限定した実施となっているものでございます。
次に、土日、夜間健診ができないかというお尋ねでございます。成人健診などの個別健診は医師会に委託し、個別の医療機関で実施しております。利用機関によっては、休日や夜間の健診も実施しているところでございます。また、集団検診、胃がんや肺がんなどの集団検診につきましては、19年度に休日実施を施行できるよう現在検討しております。
次に、乳がんに関して、マンモグラフィと超音波検診の選択実施のお尋ねでございます。
国の指針では、乳がん検診は40歳以上の女性に指触診検査とマンモグラフィ検査を併用実施するというものでございます。一方、超音波検査は、指触診検査の中で必要に応じ医師の判断で行うものでございまして、超音波検査を受けてもマンモグラフィ検査が不要ということにはならないと考えております。
なお、超音波検診の有効性につきましては、新たな考え方が出ているということがございますので、まだ国の見解とはなっておりませんが、注目をしていきたいと考えております。
次に、前立腺がんPSA検査の導入についてのお尋ねでございます。
区のがん検診は、国の示す指針を基本として実施することにしておりますが、前立腺がんのPSA検査につきましては、検診としての国の評価が保留ということでございます。したがって、現段階では実施を考えていないところでございます。
次に、歯科健診で、対象の拡大についてのお尋ねでございます。
老人保健法では、40歳、50歳、60歳、70歳を成人歯科健診の対象としておりますが、中野区では、対象を拡大して35歳以上65歳までの各年齢と、70歳の方を対象に実施しております。対象をさらに拡大することは考えていないところでございます。
〔助役石神正義登壇〕
○助役(石神正義) 私からは、再編対象校である第六中学校の用地の利用、また、統合新校が設置されていない学校の利用方法について、また、バリアフリー計画の作成についてお答えします。
まず、第六中学校跡というか、今後利用が考えられていない用地でございますが、本格的に活用するのは、平成23年4月以降ということから、現在のところ、その後の具体的な利用については定めてございません。また、統合新校が設置されていない学校の具体的な利用方法については、10か年計画で示している整備活用方法に基づいて、機能や具体的な整備日程について検討しているところでございます。
次に、バリアフリー計画の作成についてでございますが、区有施設のバリアフリー化につきましては、平成16年、このときに対策基準というのを策定してございます。年次別の改修計画をその中で策定いたしておりまして、その計画に基づいて現在順次対応してきているところでございます。また、今後新たに整備する施設につきましても、この対策基準に基づいてバリアフリー対策の計画を策定して対応していく考え方でございます。
○議長(高橋ちあき) 以上で久保りか議員の質問は終わります。
中野区議会議員 長 沢 和 彦
1 施政方針説明と新年度予算案について
2 国民健康保険制度の短期証、資格証明書の発行について
3 区の施設使用料の値上げ問題について
4 介護保険制度について
5 児童館・学童クラブについて
6 その他
○議長(高橋ちあき) 次に、長沢和彦議員。
〔長沢和彦議員登壇〕
○19番(長沢和彦) 2007年第1回定例会本会議に当たり、日本共産党議員団を代表して質問を行います。
初めに、施政方針説明と新年度予算案についてです。
施政方針説明では、「経済の拡大にかかわらず、消費の動きが鈍いことで、景気回復の実感は得られないという声も多く聞かれる」と述べています。しかし、景気回復がなぜ国民、区民に実感されず、消費動向に結びついていないかについての理由は述べられていません。その上、経済の拡大を社会全体に波及し、新たな成長路線を目指す課題だとしているのは、新しい産業分野への期待と自己開発や再チャレンジの機会のみで、これでは新たに競争をあおり、自己責任を強調しているだけではありませんか。国と自治体が行うべき責任と役割は何ら示されていません。なぜですか、お聞きします。
社会保障制度についても、負担と給付の議論に基づいた持続可能で安心な制度づくりが求められているといいます。しかし、この間、持続可能の名で行われてきたことは、区民の負担増とサービスの給付減です。しかも、幾つかあげつらった課題を解決するには、これまでの規制緩和などの構造改革、官から民への改革などをさらに推進するとまで述べています。ところが、ここでも実際に国と区の構造改革が多くの国民、区民にもたらしたものは、貧困と不安でしかありません。ことしはとうとうセーフティーネットさえ語られなくなりました。健康で文化的な生活を保障した憲法25条の立場に立って区政運営を行っていくことが、区長の口からきちんと述べられるべきでした。見解を伺います。
今日の政治社会の大きな問題である貧困と格差の拡大について述べられていないことも見過ごせません。そもそも国とともに自治体には貧困と格差を是正する役割があります。この問題に言及しないのはなぜでしょうか。現在の区民の暮らし向きに触れず、国の政策方針によってどれほどの痛みが区民に押しつけられ、苦しみと不安を感じているのか、そういった認識は全く示されませんでした。区長、あなたには、貧困と格差にあえぐ区民が目に入らないのですか、見解を伺います。
新年度予算案についてお聞きします。
区は、今年度だけでも100億円を超える基金のため込みを行いました。年度末には281億円にもなります。計画的な積み立ては必要と強調しますが、昨年の施政方針説明の際に、224億円と言っていたのに、はるかに多い積立額となっています。財政を健全化させたといいますが、どうやってため込んだのかが厳しく問われています。大企業の空前のもうけによる特別区交付金の増額、一方、区民には2年間にわたっての定率減税の縮小、廃止と年金課税などの増税です。さらに、増税に連動した負担増です。高齢者で言えば、年金収入が減ったにもかかわらず、区民の多くも賃金、所得が減っているのにです。しかし、そうした区民に手を差し伸べることなく、区民に必要な税や負担の軽減策をやるでもなし、歳出で福祉、暮らしを応援する施策、事業をするでもなし、やるべき仕事をやらずに基金にため込んだと言えます。この一部を使うだけで増税と負担増から区民を守ることができます。予算でそのことを第一に取り組むべきではないですか、お聞きします。
さらに、ため込んだ基金を何に使うのかもいよいよはっきりしてきました。新年度予算案の中で、警察大学校の道路用地取得などに86億円ものお金を使うことにしています。区民合意がないどころか、多くの区民が求めている跡地利用とは全く違った大企業呼び込みの計画です。しかも、開発者負担の論は既に破綻しています。区民に偽ってこうした計画をつくってきたことについて反省すべきです。大規模開発優先を改め、区民の暮らしと福祉優先の予算を求めます。
私ども日本共産党議員団は、区民の苦難を取り除くために二つの視点から区の姿勢をただすものです。
その第1は、現行制度のもとで区民の利益を守るというものです。現制度のもとでも各種控除の仕組みを最大限活用し、高齢者の暮らしを守ることが必要です。住民税納税通知書を送った区民すべてに申告書類を送付すること、また、年金収入のみで新たに住民税が課税になった区民に対しては、申告すれば税が減額になることを通知することを求めます。要介護認定を受けた高齢者の障害者控除の活用も大事です。各地でこの控除制度を周知徹底する取り組みが広がっています。同時に軽度の要介護高齢者を控除対象から排除しないことが必要です。介護認定を受けた高齢者は、みずからの自立度を区に問い合わせない限り知ることはできません。区報やしおりだけ見て、障害者控除を自分が受けられるかどうかを判断することは無理な話です。控除を受け、減税できる可能性があるにもかかわらず、障害者控除認定書にまでたどり着けないのが問題です。障害者控除を受けられるよう対象者を把握し、周知するなどの改善をすべきですが、どうですか、見解を伺います。
第2に、国が行った税制改悪であっても、区独自に区民の負担を抑える努力が必要です。今年度に高齢者を襲った増税と負担増に対しては、激変緩和の措置を設けただけで、根本的な手だては打たれていません。本来、国の税制改悪によるものですが、少しでも痛みを取り除くことは、住民福祉の機関である自治体として当然行わなければならないはずです。そこで、区民税の非課税限度措置を区条例に盛り込むことを提案します。65歳以上の高齢者で前年の合計所得が125万円以下の場合は区民税を非課税にするというものです。高齢者は年金収入は減るのに税金は上がるという不条理のもとに置かれています。国が廃止したものを区独自に復活させることで、高齢者への負担増を抑えることになります。見解を求めます。
子育て世代への負担増に対する軽減も大切です。昨年の定率減税の半減により、所得が変わらないのに保育園保育料が値上げとなる保護者が出てきます。保育料値上げを抑えることが必要です。新年度にどのくらいの保護者が保育料値上げの影響を受けることになるのか伺います。そして、値上げを抑えることを求めます。お答えください。
次に、国民健康保険制度の短期証、資格証明書の発行について伺います。
短期証と資格証明書の発行件数は、ことしの1月末現在で、短期証が3,437件、資格証明書は2,174件にも上ります。他の自治体に比較して異常に多い件数ですが、その根本には、生活の厳しさと高過ぎる国保料の問題があります。ことしの9月が一斉更新の時期に当たります。滞納者の納付相談に結びつけるための通知や取り組みが必要であると思いますが、いかがですか、お聞きします。
また、連絡なき者は悪質といった一律のとらえ方をするのではなく、国で示した老健法の規定や、公費負担医療などの措置の対象外を区の判断によって広げ、除外規定を設けることが必要ではないでしょうか。65歳以上やひとり親家庭、子ども医療費を受けている世帯に対しては、短期証、資格証明書の発行をせず保険証を交付することを求めます。お答えください。
次に、区の施設使用料の値上げ問題について伺います。
区は、施設使用料の値上げ案を第2回定例会で示し、第3回定例会で再検討するといって引っ込めました。その後、しばらくたつわけですが、これは撤回したと理解してよいのですか、お聞きします。もしそうでないとしたら、なぜ議会と区民にその後の検討状況が示されないのでしょう。しかも、区は今回の使用料の値上げは、これまでの3年ごとの見直しではないとしています。そうであれば、制度設計の段階から議会と区民の前に明らかにしないのは、日ごろ標榜する積極的な情報提供と区民参加に反するのではないのですか、お答えください。
人件費と減価償却費を原価算定の根拠に盛り込むのであれば、どう検討しようと値上げは避けられなくなります。区の施設は住民自治と住民生活の向上に役立つものとして利用されなければなりません。つまり、だれもが等しく使われること、そのための環境を整備しておくことは区の責務です。団体やサークル活動に携わっている方からは、自分だけのためにやっているのではないと話されます。団体やサークルは、スポーツや文化、芸術の活動を通じて、住民の生きがいと自治の発展に寄与しています。本来的に区が行わなければならない社会教育や生涯教育などに取り組んでいるのです。それを誤った公平論をぶち上げ、金がかかっているのだから使用している者が払えといった市場原理を当てはめること自体、横暴であり、区が公的責任を投げ捨てていると言わざるを得ません。撤回すべきです。見解を伺います。
介護保険について伺います。
昨年の介護保険制度の改定で、保険料が値上げとなりました。区においては、8段階をとることで低所得者への軽減が一定図られています。しかし、昨年の税制改正により、これまで非課税だった高齢者がおよそ7,000人も課税となりました。そのため、保険料段階が上昇しました。区は激変緩和措置をとっていますが、そのことは来年度も再来年度も保険料が上がることを意味します。税制改正の影響が一番大きかった旧第2段階から本人課税の新第5段階になった人は約4,800名います。年金収入は減っているにもかかわらず、来年度は保険料8,200円の値上げで5万2,400円に、本則となる2008年度は、今年度から見て1万6,500円の値上げで、6万700円にもなります。
そこで、保険料負担の軽減について3点伺います。
1点目、介護保険の発足時に給付費の25%と低く抑えられた国庫負担の割合を引き上げることが必要です。当面、全国市長会や全国町村会が、給付費25%の確実の配分と調整交付金の別枠化を求めているように、25%から30%に国庫負担割合の引上げを国に求めるべきです。
2点目、現行の保険料8段階をさらにふやし、より低所得者への負担軽減を図るべきです。
3点目、政府が不適切とするいわゆる3原則の一つ、保険料減免分に対する一般財源の投入に従う義務のないことが国会答弁で明確にされています。一般財源を繰り入れ、保険料負担の軽減を図るべきです。御答弁ください。
介護が必要とされても、利用できない異常事態をなくすことを求め伺います。
門前払いやたらい回しで、サービス利用に必要なケアプランを作成してもらえない人がふえています。明らかに権利侵害であり、問題の解決が急がれます。この根本に介護報酬の改悪があります。特に不安の声の多いのが訪問介護の家事など生活援助について、1時間を超える分の加算が廃止されたことです。昨年の4月から、生活援助は事実上短時間に限定されてしまいました。生活援助によって何とか生活を保ってきた高齢者の実態を無視したものです。介護報酬の見直しなど、高齢者の生活を守るために、国が責任を果たすよう求めるべきです。同時に、区においても実態把握を行い、きめ細かな対応を含め、例えば区によるヘルパー派遣など、独自の支援策を行っていくことを求めます。
さらに、地域包括支援センターの体制強化など、自治体の努力でできることがあります。区は来年度予算を増額しましたが、十分ではありません。しかも、区内8カ所では少な過ぎます。ふやすべきです。体制も充実すべきです。御答弁ください。
介護ベッドの購入費助成は、我が党が繰り返し求めてきたもので、実施を評価します。同時に、都の制度にとどまっているため、購入費助成だけで今年度限りというものです。例えば、住民税非課税の世帯の高齢者が12万円でベッドを購入すると、限度額は10万円なので、まず2万円の負担、半額助成なので5万円が追加となり、一度に7万円の負担になります。低所得者のことを思えば、港区や調布市のように、月額500円か700円程度のリース代の助成が望ましいと言えます。また、新たな介護軽度者への助成対象の拡大を図るべきです。答弁を求めます。
1割負担の利用料の軽減策も必要です。ここでも、都の制度内にとどまっています。独自の軽減策は23区のうち11区が行っています。中野区において、少なくとも自己負担とされた食費、居住費の負担軽減を行うことを求めます。お答えください。
次に、児童館、学童クラブについて伺います。
10か年計画で示された児童館、学童クラブのあり方をめぐり、一定の考え方が示されたもとで、保護者や関係者、区民の中で不安と危惧する声が広がっています。児童館を28館から9館に減らしてしまうことで、乳幼児の保護者は、近くにあったから通えた、これからはどこに行けばよいのかと憤っています。学童クラブを学校内に移すことは、施設基準や職員体制についてきちんと説明されていないと、納得が得られていません。塔山小学校の場合は3教室としていますが、小学校内の遊び場機能を含めて、3教室などで済むのでしょうか。学校によっては、それさえできないことも考えられます。
区は、教育委員会といまだ調整中だとしていますが、少なくとも子ども家庭部側から、計画や基準等を示し、子どもたちが安全に安心して過ごせるようにすべきとの声が出ています。しかし、何ら明らかにされていません。こんなことでは子どもたちの放課後の遊びと生活を保障することなどできないではありませんか、計画の見直しを求めます。
以上で私のすべての質問を終わります。ありがとうございました。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 長沢議員の御質問にお答えをいたします。
まず、施政方針説明についての御質問でありました。
健康で文化的な生活を保障して、また、貧困や格差を固定化させないといったようなことを進めていくためにも、国全体の経済の安定と活性化が不可欠ということであります。
長く低迷を続けました日本経済を建て直すために、国、地方公共団体、民間を挙げて、各分野における構造改革に取り組んで、その成果がようやくあらわれてきているわけであります。経済の低迷で本当に疲弊してしまったままの社会で、健康で文化的な生活が保障できるわけではないのであります。日本経済をさらにそうした意味で安全な社会として持続させるためには、さらに発展させていくためには,新たな経済の牽引役が必要であるということを申し上げているわけであります。また、国民がその能力を生かして、だれもが働くことができる環境を整える、だれもが再チャレンジできる環境を整えていくことが大切だということを基本認識として申し上げているところであります。
そうしたことを踏まえながら、自治体として特に力を入れるべき施策について、子育て支援策の充実なども含めて具体的にお示しをさせていただきました。
また、御質問の中で、基金を積み立てるということについての強い御批判があったわけであります。一時的に発生した収支差額、これを経常的な軽費の方に振り向けてしまう、基金の積み立てを批判する一方で、さまざま経常的な事業の御提案があったわけですけれども、一時的に生まれた収支差額を経常的な経費の増加に充てていく、そうしたことを繰り返すから財政の赤字がどんどんふえていって、最終的には財政破綻が生じるわけであります。そうしたことにならないように健全な財政運営を行っていく上では、行政運営の中で、財政運営の中で、ようやく生まれてきた貴重な収支差額を臨時的な支出、一時的な支出に備える、将来の支出に備えることが大変重要なわけであります。そうしたことをすることによって、子育て支援や福祉など区民の暮らしをしっかりと将来的にも守れる区政をつくっていけるというふうに私は考えているわけであります。
それから、開発より福祉優先の予算とするべきだという御質問もありました。まちづくりと福祉を対立的にとらえる考え方を私はとりません。何度も申し上げているように、福祉を持続させる、区民の福祉を充実させるためにも、まちの活力というものは欠かすことができないわけであります。持続可能な活力のあるまちをつくることによって区民の福祉を充実させ、守ることができるわけであります。そうした考え方から、中野駅周辺のまちづくりについても、区民の雇用の機会の拡大につながるような産業の集積、また産学連携や情報受発信を発揮する大学等教育機関の立地誘導、防災拠点としての機能を図って、安全、安心なまちの形成などを行っていくという考え方であります。
なお、警察大学校跡地の用地取得に86億円ものお金を使うといった御質問がありましたけれども、これについては都市計画事業として行うものでありまして、国の補助金、都の負担、都市計画交付金、その他の特定財源が充てられるという見通し、またそれに加えて、開発者負担も求めていくということで、持続可能な区政、そしてまちづくりの前進が図れるというふうに考えているわけであります。
住民税の減額をするべきだということでありました。医療費控除など所得控除の制度につきましては、住民税納税通知書に同封してお送りをいたします住民税のお知らせの中で詳しく説明をしているところであります。
それから、控除制度の周知をということであります。介護認定を受けた高齢者が障害者控除を受けられることにつきましては、窓口配布用の手引き書、銀のしおりにも掲載をしているところであります。税の申告時などには、区報などを通じて、控除の適用範囲のわかりやすい周知に努めているところであります。
それから、区独自の非課税限度措置という御提案もありました。地方税の賦課徴収は、地方税法に基づいて行うものであります。非課税措置については、法律によって全国画一的に取り扱うものとして定められているところであります。国の法律については国会で議論するものというふうに私は認識をしております。そうしたことから、区で独自に規定できるかのような御議論には同意できないのであります。
定率減税の半減による保育園の保育料への影響ということであります。定率減税の半減の影響を受ける人数については、在園児童3,000人中1,000人ぐらいの方に影響があるというふうに考えられております。区の保育料につきましては、もともと国の徴収基準と比べて低く設定しているところであります。また、多子に対する保育料も、国の基準以上に軽減をしているところであります。
税の額に基づいて保育料を賦課をするといったような考え方に基づきまして、定率減税に対応するための保育料の改正というものは考えておりません。
そのほかの内容につきましては、それぞれ担当の方からお答えいたします。
〔助役石神正義登壇〕
○助役(石神正義) 区の施設使用料の改定についてお答えいたします。
施設使用料の再検討というのは、改定内容を精査する必要性から見直しをするということにしたものでございます。撤回するというものではございません。現在、施設の設置目的などを考慮いたしまして、税で負担すべき経費の割合と利用される区民の方から負担いただく経費の割合などについて、一定の基準を設けることが必要だということから、慎重に検討しているところでございます。この内容がまとまり次第、区民、関係団体の方に十分な説明をしていくこととしてございます。
〔保健福祉部長金野 晃登壇〕
○保健福祉部長(金野 晃) まず、国民健康保険の短期証、資格証明書の交付の考え方についてお答えいたします。
保険料の滞納者には、督促や早期催告により納付を促すとともに、納付困難な事情があれば相談するよう呼びかけているところでございます。この催告や納付相談とあわせて、長期の未納者には、短期証や資格証明書を交付して、収納確保に努めているところでございます。また、公費負担医療受給者などにつきましては、資格証明書の対象とならないということでございますが、その範囲は、国民健康保険法で定められているところでございます。区として独自に範囲を広げる考えはございません。納付相談において、個々の状況を把握し、対応していくことにしております。
次に、介護保険制度についての一連のお尋ねにお答えいたします。
まず、介護保険の保険料負担の考え方でございますが、介護保険につきましては、国に必要な要望をしておりますが、制度の大枠の変更を求めるような要望につきまして国に行う考えは持っていないところでございます。
また、保険料のさらなる負担軽減についてのお尋ねでございます。昨年、所得の低い方に配慮をして、段階別保険料額を設定したところでございます。これまでの6段階から8段階にして、料率も見直しております。保険料の段階をさらに増すことは考えておりません。
次に、保険料の減免分を一般財源からというお尋ねでございます。介護保険制度の趣旨から、保険料の減免分につきまして、一般財源から繰り入れる考えは持っておりません。
次に、介護サービスの利用実態を踏まえて、ヘルパー派遣制度を独自にというお尋ねでございます。介護保険制度の改正では、利用実態を踏まえ、訪問介護のうち生活援助に当たるものにつきましては、長時間利用について適正化が図られたところでございます。介護保険の基本理念である自立支援をより徹底するという観点から、区単独の家事援助ヘルパー派遣制度の創設は考えていないところでございます。
次に、地域包括支援センターについてのお尋ねでございます。箇所数については、中野区のような面積の地域におきましては、設置箇所数は、現行の8カ所で適当であるというふうに考えております。
また、地域包括支援センターの体制充実でございますが、今後の高齢化の進展に伴って職員体制の充実を目指すという考えから、平成19年度予算案では、地域包括支援センターの運営委託用の増額を盛り込んでいるところでございます。
次に、介護用特殊寝台の助成についてのお尋ねでございます。軽度者につきましては、特殊寝台は、原則対象外となったところでございますが、制度改正前から利用していたものが特殊寝台を買い取る場合は、平成18年度中に限り、その経費について助成をしているところでございます。区としてはリース代の助成については考えておりません。
次に、利用者の負担軽減策で、居住費、食費等について独自の負担軽減をということでございます。改正介護保険法は、在宅と施設の利用者負担の不均衡是正という観点から、施設入所者等の居住費、食費を保険給付の対象外としたものでございます。低所得の方につきましては、負担限度額を設けるなどの対策が講じられているところでございます。こうしたことから、区独自の軽減策を講ずる考えは持っておりません。
〔子ども家庭部長田辺裕子登壇〕
○子ども家庭部長(田辺裕子) 児童館、学童クラブにつきます御質問にお答えいたします。
区は、10か年計画に基づき地域で子どもと家庭を支える仕組みづくりを計画をしております。児童館を28館から9館に直ちに減らすということは考えておりません。乳幼児の親子の利用につきましては、今後区内での実施場所を拡充していく考えでございます。地域子ども家庭支援センターでは、乳幼児親子の集いの場を提供するとともに、子育て講座などの開催を行います。また、U18プラザでは、いつでも利用できる乳幼児親子専用の交流の場を整備する予定でございます。このほか、今後開設されます民営の保育園や認定子ども園でも、地域の乳幼児親子も利用できる施設として拡充していく考えです。
こうした施設配置が完了するまでは、各児童館におきまして、引き続き御利用いただくとともに、地域団体の御協力を得ながら、各事業の拡充に努めていきます。
学校内での施設基準、職員配置でございます。キッズプラザにつきましては、標準として3教室程度といたしましたが、児童数や学童クラブの登録児童によりまして規模も違ってくるというふうに考えております。教室の確保の困難な学校につきましては、改築や増築時に検討していきたいというふうに考えています。子どもたちの活動や安全確保のために必要な職員は適切に配置をしていきます。
教育委員会との調整でございますが、今後の事業展開に向けまして、現在、教育委員会、校長会代表、子ども家庭部の三者で検討の場を設け、検討を進めてございます。この検討を踏まえまして、導入が予定されている各小学校におきます詳細な基準や事業運営の内容を調整いたしまして、区民に周知をしていく考えでございます。
○議長(高橋ちあき) 以上で長沢和彦議員の質問は終わります。
議事の都合により暫時休憩いたします。
午後2時59分休憩
午後3時22分開議
○議長(高橋ちあき) 会議を再開いたします。
この際申し上げます。
議事の都合上会議時間を延長いたします。
一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 酒 井 たくや
1 東中野5丁目17番用地活用(東ノランド)について
2 区長の所信表明について
3 その他
○議長(高橋ちあき) 酒井たくや議員。
〔酒井たくや議員登壇〕
○6番(酒井たくや) 平成19年第1回定例会におきまして民主クラブを代表し、質問させていただきます。区長並びに理事者におかれましては、わかりやすい御答弁をお願い申し上げ、質問に入らせていただきます。
先日、東京マラソン2007が約3万人の競技、市民ランナーの参加のもと盛大に開催されました。国内では、最大規模で、ニューヨークやベルリンマラソンなどと並ぶ日本初の大都市マラソンの開催を大変うれしく思いました。私の友人も参加し、フルマラソンを完走したそうです。口では言いあらわせない達成感、充実感だったそうでありますが、区長もホノルルマラソンを完走されたことがあるそうですが、どのような気持ちだったのでしょうか。マラソンの醍醐味は、太陽、空気、水といった普段当たり前にあるもののありがたみを実感、再認識することができる、また、おのれとの戦いに打ち勝った達成感だとも言われております。
平成15年4月にスタートいたしました中野区議会第19期も、4月で任期満了で、今回が最後の議会となります。4月のスタート地点に立てるよう、日々の日常に感謝し、おのれに打ち勝って、また皆さんと一緒に区政改革というゴールに向かい、全力疾走をしてまいりたいと思っております。
それでは質問に入らせていただきます。
今回、質問まず1点目に、東中野五丁目17番用地の活用について、現在の東ノランドと駐車場の場所なんですけれども、子どもたちの遊び場という観点からお尋ねします。そして2点目に、区長の所信表明、施政方針説明について、そして3点目にその他といたしまして、学校の再編についてお尋ねいたします。
それでは1点目、東中野5丁目17番用地活用(東ノランド)について。
中野区は、平成18年1月に、新しい中野をつくる10か年計画を策定し、現在、その実現に向け全庁一丸となって取り組まれております。
さて、私が住む東中野の地域について、新しい中野をつくる10か年計画ではどのような計画になっているのか。実現へのステップごとに、その主だったものを見てみますと、ステップ2において、民間保育所の新設、これが東中野五丁目17番の用地に新設されるわけでありますが、それに伴い区立保育園の廃止、東中野と住吉保育園です。そしてステップ3において、統合新校の開設、中野昭和小学校と東中野小学校で1校、統合新校には、中野昭和小学校の位置に設置されます。ステップ4では、仮称東中野区民活動センターの移転整備とあります。これも東中野五丁目17番のところでございますが、現在、東中野地域では、この計画が動き出しており、東中野地域センター発行の「コミュニティ東中野」の昨年、2006年12月号において、東中野五丁目17番の用地に平成20年4月に保育園が開設されますという見出しが唐突に掲載されました。その記事の中に、「東ノランドはどうなるの、東ノランドはこれまで乳幼児親子事業や子どもの遊び場、高齢者のグランドゴルフ場などに利用させていただいてきましたが、保育園建設に伴い、来年4月からは保育園用地部分が使用できなくなります。残った駐車場部分との間のスペースは、地域センターが移転するまでの間は、今後も地域の方々に引き続き使用していただける予定です。」とあり、東ノランドの縮小が報じられております。
区からは、東ノランドの縮小に伴い、小学生の遊び場を統合されるまでの間、東中野小学校校庭を活用するとの説明もされています。このようなことから、今後、東中野地域の遊び場がどうなっていくのかについて、以下、何点か区長にお伺いしたいと思います。
民間保育所建設のため、縮小した形で東ノランドを運営するという現状の区の考え方を進める中では、今後の職員配置や、小学校校庭での授業、学童クラブとの兼ね合いなど、どのような形態、方法で運営していくお考えなのか、まずお聞かせください。
地元東中野四丁目、五丁目は、子どもたちの遊び場が非常に少ないのが現状です。駐車場でドッジボールをしている子どもたちもよく見かけます。また、山手通りと線路を越え、高根公園の方に遊びに行っております。東中野の公園は規模が小さく、学校を除くと東ノランドだけが子どもたちが思いっきり走ったり、飛んだりはねたりできるところです。そして、東ノランドでは、地域のさまざまな活動も展開されております。防災訓練や友愛クラブの皆さんのグランドゴルフ、地区まつり等です。仮に小学校の校庭開放等を遊び場等に活用するとしても、学校との調整や子どもの年齢に応じた使い方、高齢者の活動などへの制約があって、今までの地域での活動が支障なく展開されるかどうかが心配でありますが、この点はいかがでしょうか、お聞かせください。
区内では、東中野小学校だけが児童館がありません。30数年前から、地域の方々の間で、児童館をつくってほしいという声が多数上がっておりました。当時、行政は土地がないということで、ずっとこの話は進展しませんでした。東中野五丁目17番、現在の東ノランドと駐車場の土地は三井造船の社員寮でありました。そういった地域の切実な声を聞き、当時地元の区議会議員でありました川上進先生が、参議院議員の柳田錬造先生と何度も何度も三井造船さんに足を運び、何度も何度もお願いし、ようやく譲っていただくことになったそうです。
区は、平成7年の3月に、この土地をやっと取得してくださいました。そして、平成7年の6月25日号のコミュニティ東中野の紙面に、東中野地域センター、保育園、児童館の複合施設を建設します、10数年来待ち望まれていた施設の建設がいよいよスタートと掲載されています。地元の皆さんは大変喜ばれたことだと思います。それから43名の地域の方々による東中野の複合施設建設検討協議会を設け、類似施設の見学会や勉強会、意見交換会が何度も行われました。そして、区は、協議会の要望書をもとに、東中野複合施設基本計画をまとめました。平成10年の1月25日号のコミュニティ東中野の紙面では、東中野複合施設の目玉は緑と光と交流です、間もなく基本設計がまとまりますと大きく掲載されております。当時の地域ニュースを見ると、夢と希望にあふれんばかりの紙面であります。
しかし驚くことに、その1カ月後の2月25日号のコミュニティ東中野に、東中野複合施設の実施設計は延期と書いてあります。理由は、厳しい財政状況を反映してだそうですが、私はびっくりしてしまいました。つい1カ月前の地域ニュースの1面は夢と希望にあふれていたにもかかわらず、ふたを開けると計画は延期、新規の施設建設を一斉に停止と掲載されているではありませんか。約2年もの間検討を重ねてきた地元の待望の施設計画が一瞬にして消えてしまいました。地域や関係者の方々のお気持ちはどのようなものであったのでしょうか。
そして現在、東中野複合施設の跡地の東ノランドも縮小され、行く行くはなくなってしまう。東中野小学校も学校再編により統合され、廃校となります。学校の再編に関しても、当時、もしも児童館ができておれば、東中野小学校も廃校にならなかったかもしれません。結局、平成10年の悪夢がずっと引きずられているのです。どうしてここ東中野四丁目、五丁目の方々ばかりが我慢をしなければいけないのか。中野区の隅の区境にあるからなのでしょうか。
ここで私が申し述べたいことは、今現在、東ノランドは水曜日、金曜日の午前中にちびっこタイムという乳幼児向けのさまざまな事業が区の職員の方により行われ、大変好評であります。また、土曜日には、地域の自主的なグループの方々により東ノランドを開放されております。そしてさまざまな地域の活動もされておる。地域にとっても、子どもたちにとっても、東ノランドはなくてはならない場所なんです。私は何でも反対反対、残してくれと言っておるのではありません。現在の東ノランドの隣には駐車場があります。この駐車場は、東中野複合施設の計画が頓挫して、暫定利用で使用されております。暫定であるならば、東ノランドを隣にそのままスライドして、子どもたちのため、地域のため、使用することができないでしょうか。そういった議論はあったのでしょうか。民間保育園の建設工事現場のすぐ隣で子どもたちに遊んでもらうのは危険であり、しのびありません。ここ暫定利用の駐車場を東ノランドとして運営していただきたいと考えますが、いかがでしょうか、お聞かせください。
また、最後に、民間保育園の開設に伴い廃止される住吉保育園の跡の活用策はどのようにお考えなのか、活用計画を明らかにすべきであります。現在、東中野駅周辺の開発計画が進められておりますが、それとの関連はどのようになっているのかお尋ねし、この項の質問を終わります。
次に、区長の所信表明についてお尋ねします。
所信表明では、副区長制についてと防犯について、それから都区のあり方について、3点お尋ねさせてください。
昨日、区長は力強く施政方針説明をなされました。その文中の経営改革のところに、「昨年末に議決していただいた新年度からの経営本部体制と相まって、計画を推進する基盤が確立できたと考えています。」とあります。第4回定例会で賛成多数により議決された中野区組織条例の一部を改正する条例、及び中野区副区長定数条例を指しているんだと思います。
まず、この副区長制度についてお尋ねします。
自治法の改正により、4月から助役、収入役を廃止し、自治体がそれぞれの規模や財政力に応じ、相当数の副区長を置けるということであります。そういった中、中野区では、新たに特別職を実質1名から3名に増員するということに、我が会派は昨年の第4回定例会において反対いたしました。理由は、厳しい財政状況のもとで、職員体制を3,400名から2,000名に移行している最中に、トップ体制の特別職だけをふやしていくのは、行革の精神に反し、区民の理解、現場の職員の理解も得ることができないという観点からであります。
そこで2点お尋ねします。
まず、副区長の定数条例について、他区では、第1回定例会、今議会ですね、第1回定例会に提案されておりますが、なぜ中野区は他区に先駆けて第4回定例会に提案されたのか。急ぐ理由はどこにあったのでしょうか。
2点目、また、近隣の杉並区や練馬区では、副区長1名を予定しております。人口規模も、財政規模も両区よりはるかに小さな中野区で、なぜ副区長3名が必要なのでしょうか。例に挙げさせていただきました近隣区の現状も踏まえて再考すべきだと考えますが、いかがでしょうか、お聞かせください。
次に、防犯についてでありますが、私の地元では、月に3回、夜10時から1時間防犯パトロールを行っております。実際に放火の現場にも出くわしました。幸い大事には至らず、自分たちのまちは自分たちで守ることを実践できたことをうれしく思ったところであります。しかしながら、住民自主防犯組織だけでは限界があり、警察、行政との連携は必要不可欠であることは言うまでもありません。数年前では考えることができなかったような凶悪な事件が頻繁に起こっている現状を見るにつけ、区民の皆さんも、今そこにある危機を肌で感じているのではないのでしょうか。
そういった中、2006年の区民の方からの施策への要望の1位は防犯でありました。2004年も1位であったんですが、防犯については所信表明の中では記述されておりません。しかし、行政の防犯対策により、区内の犯罪発生件数は抑制されているとお聞きしますが、現状はどのようになっているのか。ここ最近の犯罪は、我々の想像をはるかに超えて、変化、多様化していく中、時代に沿った対応、手だてが求められているのは言うまでもありません。中野区の将来の安全、安心のため、今後はどのような対策をお考えなのかもお聞かせください。
次に、都区のあり方についてお尋ねいたします。
昨年11月、都と区長会は、大都市の一体性を確保するために、都が行う事務を除き都から区に事務移管を進めると合意し、現行の23区体制では、区の人口、財政力の差が大きく、再編を含む区域のあり方について検討委員会を設置して具体策を議論するとされました。そして先月の1月31日に、第1回都区のあり方検討委員会が開催され、会議では、冒頭、会長である横山副知事が、都から区への事務移管をさらに進めるため、これまで全く議論してこなかった23区のあり方を議論することが必要とあいさつされました。財源配分だけではなく、踏み込んだ23区再編の議論がいよいよ始まります。区長は、施政方針説明の中に、自治権の拡充というふうに都区のあり方について触れられておりましたが、これはどういう意味なのか。また、23区再編については、現在どのようにお考えなのか、お聞かせください。
以上で施政方針説明についての質問を終わります。
最後に、その他といたしまして学校再編計画についてでございます。
19年度より検討、策定が始まる学校再編計画の改定についてでございますが、対象校などを拝見いたしますと、幾つかの疑問があります。例えば、環状七号線などの主要幹線や鉄道などの生活分離帯をまたがる通学区域があることはいかがなものなのでしょうか。各分野の所管にまたがりますが、通常時における通学路の安全確保や災害時における避難路の確保、安全上の観点からも、総合的に考えるべき問題だと思います。また、局地的集中豪雨やさきの護岸崩壊に見舞われた中野区としては、異常気象の頻発する昨今、現在の都市における豪雨対応能力を考えなければなりません。将来における河川流域の調節池の確保の問題や今後の多様な活用を想定し、河川流域などにある学校の校庭などの活用可能とも考えられる広い公共地のことも考慮されているのかどうか。中野区としても、これだけ大がかりに再編成を行うのですから、未来の中野区を見据えた計画を策定していただきたいと思います。防災、安全、安心の意味からも、どのようにお考えなのか、お伺いします。
また、私の地元の東中野小学校の件を例に出し1点お尋ねしますが、平成21年度に東中野小学校は昭和小学校と統合され、統合新校は中野昭和小学校に設置されます。そういった中、本来ならば、東中野小に通学していた小学校1、2年生の足では、統合新校への通学は、約30分ほどかかると予想されており、また、早稲田通りと拡幅された山手通りの幹線道路を2本渡り通学しなければいけないという現状があります。地域の親御さんが車両による事故の心配と、目の届かない点から、子どもがねらわれる犯罪に巻き込まれる心配と、対物、対人の両面で大変心配されております。実際に今回、統廃合の影響から、来年度、本来東中野小に行くはずであった子どもが7名ほど新宿区の小学校に指定校変更されました。もちろん保育園や幼稚園からのつながりなども、そういった理由もあるのでしょうが、中野区の子どもたちが他区の小学校に転出されることは、非常に寂しいものであります。今後もこういった事例がふえる可能性があると思いますが、行政として、統廃合後の通学路の安全や他区に転出されない手だてについて、何か取り組んでいく必要があるのではないのでしょうか、お聞かせください。
以上で私の質問を終わります。皆さん御清聴ありがとうございました。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 酒井議員の御質問にお答えをいたします。
所信表明についてであります。
副区長の定数条例についての御質問がありました。さきの第4回定例会で議決を既にいただいたものについて、考えを再考するべきかという御質問でありましたけれども、議会は一事不再議の原則があるというふうに私は認識しているものでございます。提案をして、議決をいただいたという立場で、改めて提案の理由、その他についてこの議会で申し上げることは差し控えさせていただきます。
防犯についてであります。
中野区内の犯罪件数は、平成16年以降減少傾向を示しております。この3年間で約20%減少をしているところであります。このことは、ここ数年で、区民によります自主的な防犯パトロール団体が区内の各地域において結成されたといったことや、警察や区の取り組みが一定の成果を上げてきたということが寄与しているというふうに考えているわけであります。区民の力、警察の御努力、そして区の取り組みといったことが一定の成果に結びついてきたということで、この点に関しては大変うれしく思っているわけであります。区といたしましては、こうした成果に気を緩めることなく、犯罪に関する危機管理体制の強化を図るとともに、今後とも地域、警察、行政が連携をして安全対策に取り組んでいくことは必要だと考えているわけであります。
それから、都区制度のあり方についてであります。
都、区の問題というのは、三位一体改革の議論の発展としての道州制といった議論を抜きにして語れるわけではないというふうに思っております。国、地方の形のあり方、その中で特別区が基礎的自治体としての役割、機能をしっかり果たしていくことができるように、自治権拡充を目指していくということが大事だというふうに思っております。そうした道州制などこれからの分権のあり方の論議をしっかりと視野に入れ、都と区の役割、それぞれに変わってくるとすれば、そうしたことがどうなっていくべきなのかとったようなことを見きわめていくことが大変重要だと考えております。そうした立場に立った上で、特別区の区民の自治権拡充、そして何よりも地域の発展を考える上で、よりよい選択にするのならば、再編の議論も避けるべきではないと考えているわけであります。
私からは以上です。そのほかはそれぞれ担当の方からお答えいたします。
〔子ども家庭部長田辺裕子登壇〕
○子ども家庭部長(田辺裕子) 東中野五丁目の用地につきましてお答えいたします。
この東中野五丁目の用地、通称東ノランドでございますが、施設建設までの間の暫定的な御利用として、子どもたちの遊び場あるいは地域での活動の場所として御利用いただいてまいりました。今後、区は、小学校施設を活用いたしまして、学校、地域と連携して、子どもたちの居場所づくりを推進することとしておりまして、東中野小学校につきましても、この居場所、遊び場の機能が展開できるよう、学校と話し合いを進めているところでございます。
また、高齢者の地域活動にも支障のないよう、小学校のほか公園等も含め対応していく考えでございます。
さらに、20年度に開設いたします民間の保育園でございますが、子育て広場事業や一時保育の専用スペースを設けるなど、地域の乳幼児親子も利用できる施設となる予定でございまして、それまでの間、地域センターや東ノランドの一部を利用して、乳幼児親子の交流の機会を提供していく考えでございます。
職員配置や学童クラブの運営につきましては、今年度と同様に考えております。
子どもたちの活動の場所などにつきましては、以上のような取り組みを行う考えでございまして、管理上の問題などから、駐車場の場所を活動場所とする考えはございません。
住吉保育園の跡地の利用でございますが、この跡地につきましては、区の施設としての転用は考えてございません。売却もしくは民間への貸与という形で活用を図ることになりますが、現時点では具体的な計画は持ってございません。
〔教育委員会事務局次長竹内沖司登壇〕
○教育委員会事務局次長(竹内沖司) 私からは、学校の再編にかかわる御質問についてお答えをいたします。
まず、幹線道路が通学区域を横断することについてでございますが、学校の再編に当たり、中野区の実情からは、すべての通学区域から幹線道路や鉄道の横断をなくすのは極めて困難でございます。通学の安全確保については、それぞれの再編対象校の実情を踏まえ、必要な措置を講じていきたいと考えております。
なお、今後20年度に予定しております計画の改定に当たりましては、人口移動を踏まえての適正規模や地域のさまざまな状況などを勘案して、再編の具体化を進めることとしております。その際、通学区域についても、再度検証が必要な場合もあると考えているところでございます。
次に、防災の観点からの御質問ですが、学校再編計画は、学校教育の充実を目指すという教育的視点から区民論議を重ね、策定したものでございまして、改定に当たっても、同様の視点を持って臨みたいと思っております。
学校及び学校跡地の防災上の活用につきましては、区の防災計画の中で位置づけていくものと考えております。
最後に、東中野小についての御質問ですが、中野昭和小学校の位置に設置します統合新校については、再編により確かに通学距離が長くなる地域もございますが、徒歩で通学可能な範囲だと考えております。ただし、山手通りを横断することとなるため、通学の安全確保につきましては、安全誘導のあり方なども含め、万全の措置を検討していきたいと考えております。
〔酒井たくや議員登壇〕
○6番(酒井たくや) 再質問をさせていただきます。
一事不再議ということで御答弁いただけなかったんですが、一事不再議というものは、同一定例会中の同一議案についてであり、定例会が変わっての答弁としては不適切であると思いますので、再度御答弁いただきたいと思います。
それと、もう1点答弁漏れがございまして、なぜ4定に出されたのか、急ぐ理由はどこにあったのかというのが、答弁漏れがあったと思います。
それで、実は、23区の中で副区長を3名置いているのは中野だけなんです。ほかはほとんど1名というふうにやっておる中で、区長が施政方針説明の中で、4ページでしょうか、「新しい日本の社会をリードする自治体となり得るのか、それとも時代から取り残され停滞の道を歩むのか、中野区にとってはことしは分水嶺とも言うべき重要な意味を持つ年になる。」というふうに書かれておるんですけれども、これだけ見ると、本当に取り残され停滞の道を歩んでしまうんじゃないかというふうにも、私は思ってしまうので、もう一度御答弁の方をお願いいたします。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 再質問にお答えをいたします。
一事不再議の原則の解釈の仕方について御答弁を申し上げたのではなくて、まず、提案をして、議決をしていただいた立場として、直近のこの議会で、その提案を再考する気持ちはないかと聞かれたので、その気持ちは全くございませんということを申し上げる趣旨で申し上げたものであります。
それから、なぜ4定なのかということでありますが、中野区は他の区と異なりまして、厚く副区長に新しい役割を期待をしている、そうした組織をつくっていくという、そうした準備の都合といったようなこともあって4定で提案をさせていただきました。他の区がどのような考え方かはつまびらかにしておりませんけれども、かつての助役と同じようなことをそのまま副区長にしてもらおうと考えているのであれば、組織の変更も役割の変更もないわけでありますから、そうした自治体では、1定で提案することで十分に時間が間に合うのだろうというふうに思っております。かつての助役制の評価については、私は法改正の趣旨も踏まえ、否定的な考え方を持っております。
〔酒井たくや議員登壇〕
○6番(酒井たくや) 再々質問をさせていただきます。
実は、再質問の中で質問したかったのがもう1点あったんですけれども、抜けてしまいまして、先ほど区長が、直近の議会で答えるものではないというふうにお答えになっておりましたが、それから中野は、そういった経営体制が違うと、そういうふうにおっしゃられましたけれども、ほかの区でもさまざま、それぞれ大きな事業は抱えておると思うんです。どこを見ましても、近隣の区を見ましても、本当に練馬が1名ですね。はるかに中野より人口も多く、そして財政規模もある。それから杉並ですね、杉並の方も1名であると。それで私、思うんですけれども、そういった中で、特別職を少なくして区政運営をしていくのが区長の腕の見せどころじゃないのかなと思うんです。そういった他区の状況を見て、もう一度、どのようにお考えかお聞かせください。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 既に提案をして議決をしていただきました議案について、その提案理由を再考する考えはございません。
○議長(高橋ちあき) 以上で酒井たくや議員の質問は終わります。
中野区議会議員 佐 藤 ひろこ
1 高齢者・障がい者の地域生活支援について
(1) 地域ケア会議について
(2) 障害者自立支援協議会について
(3) 相談支援について
(4) その他
2 中野駅周辺のバリアフリー化について
3 子育て支援について
4 その他
○議長(高橋ちあき) 次に、佐藤ひろこ議員。
〔佐藤ひろこ議員登壇〕
○29番(佐藤ひろこ) 2007年第1回定例会一般質問をさせていただきます佐藤ひろこです。
1番目に、高齢者、障害者の地域生活支援についてお伺いいたします。
今年度、介護にかかわる予算が多額に余りました。見込みの差とその理由が説明されていますが、法改正の影響や、法の狭間にある人たちに対して、必要なサービスが形成されていないという政策の不十分さもあると思います。何日も入浴できない状態にいた高齢者の方、ヘルパーが派遣されていなかった重度の障害のある方、愕然とする実態に出会うことがあります。なぜそういう状態が放置されていたのでしょうか。実態が把握されていなければ、必要なサービスが届いていない、必要なサービスがつくられていないという政策の不備も見えてきません。セーフティーネットの網の目を細かくしていくことを求めます。
少子・高齢化がますます進んでいく中で、安心して暮らせる地域社会をつくっていくためには、コミュニティのさまざまな関係者の力を引き出し、生かし、つなぐ力が自治体政策に必要になってきています。一人ひとりが人として大切にされる地域社会をつくっていくためには、一人の人を多くの地域の資源で支援していくコミュニティのデザインが必要です。コミュニティの力をつなぐために、高齢者の支援では、地域ケア会議、障害者の支援では、地域自立支援協議会のあり方が重要な役割を担うと考えます。
まず、地域ケア会議についてお伺いいたします。
保健と福祉と医療の緊密な連携による地域型福祉システムの構築が従来から中野区において取り組まれ、四つの地域保健福祉センターがその拠点として位置づけられてきました。そして、サービス調整機能を果たすために、区全域を対象にサービス調整会議、地域保健福祉センターのエリアごとに、医療機関、福祉関係者などで構成されるサービス調整チームと地域ケア会議を設け、関係機関の調整や具体的な処遇の検討を行ってきたということです。現在、中野区保健福祉総合推進計画では、包括的な地域ケアシステムの構築が重要な目標の一つとして位置づけられています。連携の場として設定されているサービス調整会議、地域ケア会議は、現在どのような状態なのでしょうか。地域ケア体制の構築に向けて力が発揮できているのでしょうか、お伺いいたします。
法改正で今年度から新たに地域包括支援センターが8カ所設置されました。その目的は、総合相談、支援、介護予防マネジメント、権利擁護や虐待防止、包括的マネジメントとなっています。相談、支援の要望があればすぐに飛び出していく機動力、地域住民の中に入り問題を発見したり、住民のネットワークもつくる活動も求められており、現在の人員体制では大変で、充実が必要です。住みなれた地域で安心して暮らしていけるように、行政、民間、団体、個人などの多様な主体が連携し、保健福祉のネットワークの構築や包括的な地域ケア体制の確立のために、新たに地域包括支援センター運営協議会などが今年度設置されています。包括的な地域ケア体制でどの会議が中核となり、それぞれの会議はどのように位置づけられ、連携し合っていくのか、お伺いいたします。
次に、障害者地域自立支援協議会についてお伺いいたします。
障害福祉分野でのサービス調整会議はどのような状態なのでしょうか。一人の人を支援しているさまざまな地域の関係機関が、状況を報告し合い、課題を抽出し、解決するための政策を考えていくことが必要です。その場がサービス調整会議であり、そこから発展した自立支援協議会です。特別支援教育や障害者雇用、権利擁護センター、相談支援関係機関などそれぞれの分野ごとに設定されている会議体はあっても、それぞれの分野をつなぎ、現場から得られる課題を報告し、課題を共有し、政策立案に結びつける会議が中野区に必要です。区の障害福祉の24時間窓口を委託されている障害者地域自立生活支援センターとの会議も定期的に持たれていないようです。区として必要な政策をつくっていくためにも、相談支援の現場の方々と課題を報告し合う定例会議の場が必要です。現在はどのような状態なのでしょうか。来年度、地域自立支援協議会の設置が計画されています。地域自立支援協議会は、情報と課題の共有化ができる、新たなサービスの創出や福祉計画への提言が可能になるなどの効果が期待されています。効果ある協議会の立ち上げを目指して、まず行政職員と相談支援事業者が中心となり、準備のための会議を重ねていかれてはいかがでしょうか。自立支援協議会をどのように立ち上げようとしているのか、お伺いいたします。
次に、相談支援についてです。
必要な人に必要なサービスを行き届かせ、だれもが安心して暮らせるために相談支援は重要です。現在提案されている中野区障害福祉計画案においても、相談支援体制の整備が重点課題となっており、相談支援を充実していくためには、民間事業者の確保、育成が不可欠といえると、今後の課題を分析しています。特に、障害のある方一人ひとりのケアマネジメントを行い、継続的に見守れる相談支援の拠点が必要です。どのように考えられているのでしょうか。ヘルパー派遣事業所や通所施設など民間団体にも相談所を設置してはいかがでしょうか。来年度からどのように相談支援体制の充実を図っていくのか、お伺いいたします。
地域密着型の新たなサービスが高齢者にも障害者にも必要になってきています。地域活動支援センターについてお伺いいたします。
地域生活支援事業は、地域のニーズに合わせたサービスを自治体が独自に提供できる事業です。この事業をどのように展開するかで自治体の地域政策の力量が問われると言っても過言ではありません。中野区の地域生活支援事業の全国に先駆けた無料化や移動支援の拡充は大きく評価できるものです。しかし、地域生活支援事業のメニューの一つである地域活動支援センター事業は、現在のせせらぎや障害者福祉会館のデイサービスの事業の一部が移行した2カ所だけで、新たな設置が検討されていません。現在の通所サービスの形態に合わない人たちに対してのサービスを考え、展開できるチャンスです。高齢化などのために作業所には毎日通えない人、週2回ぐらいだったら外に出られる人など、その場を必要としている人たちも多いと聞いております。多様な場が選べるように、通所施設との併設や新たな設置も可能になるように、地域活動支援センターのあり方を検討するべきであると考えますが、いかがでしょうか。
小規模多機能型施設についてお伺いいたします。
介護保険法改正で、地域密着型サービスが創設されました。そのメニューの一つとして、身近な地域でヘルパー派遣やデイサービスやショートスティを行う小規模多機能型施設は、24時間、365日、きめ細かく在宅を支える拠点として期待されています。小規模多機能型施設の計画はどうなっているのでしょうか。介護報酬がグループホームに比べて低く、小規模多機能型施設を積極的に建設していこうという事業者があまりいないと聞きます。これから在宅ケアを進めていくためにも、身近な小規模多機能型施設の存在は欠かせません。中野区への誘導策をどのように検討されているのか、お伺いいたします。
2番目に、中野駅周辺のバリアフリー化についてです。
中野駅のバリアフリー化は、中央線近隣のどの駅よりもおくれてしまっています。駅の階段への対応、エレベーターの設置、車いす対応ができる多目的トイレの設置などについて、現在どのような協議をJRとしているのでしょうか。なかなか中野駅のバリアフリー化が進まない原因はどこにあるのでしょうか、お伺いいたします。
中野駅北口のバリアフリー化を警察病院開院にあわせ、来年度計画されているということですが、従来から要望がある南口のバリアフリー化もあわせて行うべきだと考えます。特に、南口の地下街の入り口で危ない目に遭った視覚障害の方々の声もあり、危険回避のための点字誘導ブロックの設置が早急に必要です。中野駅周辺のバリアフリー化に早急に取り組んでいただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
3番目に、子育て支援についてお伺いいたします。
アポロ園の親の会の人たちと久保議員と先日懇談いたしました。何点かお伺いいたします。
まず、情報提供と相談支援の強化です。最初に、相談できる総合案内窓口が身近にほしいということでした。子ども総合相談窓口、4カ所の地域保健福祉センターがありますが、的確な情報提供がされていない、相談につながっていないということです。それらの窓口を紹介した子育て支援ハンドブック「おひるね」を持っていない方々もいました。また、障害者・児の地域生活の相談に乗っている中野区で唯一の24時間窓口である障害者地域自立生活支援センターの存在はどなたも知りませんでした。「おひるね」にも載っていません。情報を伝え、的確な相談支援につなげることが必要です。どのように改善されるのか、お伺いいたします。
アポロ園で、障害のある子どもの一時保育がありますが、さらに一時保育ができる場所や情報が求められています。保育園での一時保育は、障害のある子どもは利用できるのでしょうか。介護人派遣のサービスも利用できると思いますが、一時保育ができる場をふやし、情報提供を進めていくべきだと考えます。いかがでしょうか。
保育園、幼稚園での障害児枠は具体的に何人拡大される計画なのでしょうか。また、従来から要望しております入園基準の緩和については、どのように検討されているのか、お伺いいたします。
アポロ園の冷暖房の設備も古く、遊具の改善も必要です。環境整備の予算措置も検討すべきと考えます。いかがでしょうか。
次に、保育サービスについてお伺いいたします。
認可外保育園に通う子どもたち対する支援を行うべきであると、従来からその格差是正を訴えてきました。認証保育園に通う子どもたちへの支援策が検討されていますが、待機児かどうかにかかわらず行うべきだと思います。どのように考えているのか、お伺いいたします。
また、認証にもならない小さな保育所に通う子どもたちも、同じ中野区の子どもたちです。その子どもたちへの支援策が何もありません。認可、認証保育園よりも厳しい環境の中だからこそ、そこで保育を受けている子どもたちが少しでもよい環境の中で保育されるように支援策が必要です。検討するべきであると考えますが、いかがでしょうか。
また、待機児ゼロに向けた目標がどう達成されたのか、多様な保育の充実はどう図られているのか、あわせてお伺いいたします。
出産に当たっての支援です。
健診時や出産時など、子どもを産むときの医療費の負担は大きく、子どもを産むときの経済的な支援策が必要です。現在どのように行われ、今後どのように拡大していくのか、お伺いいたします。
子育ての現場でも、介護の現場でも、新たなサービスが求められています。住民のニーズに基づいたサービスを市民の力を引き出す力、人と人を結びつける力、場をつくり育てる力、このようなコミュニティをデザインする力がこれからの中野の政策に必要であると考えます。
以上で私の質問を終わります。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 佐藤議員の御質問にお答えをいたします。
地域ケア体制の構築についてであります。
平成18年度新たに設置をした各地域包括支援センターを中心に、個別のケース支援会議、主治医などを含めたサービス担当者会議、センター管轄区域全体を対象とした地域懇談会といった会議体等を設置しているところです。こうした連携や協力を発展させながら、総合公共サービスセンターの整備とあわせて、高齢者、障害者、子どもたちを支援する地域連携のネットワークをつくっていきたいと考えております。
障害者自立支援協議会については、障害者地域自立生活支援センターをはじめ障害福祉に関係する相談窓口の担当者を中心として、事業者も含めた障害者個々の状況に応じた個別ケアの検討会議を2月から始めたところであります。
こうした会議や実践を積み重ねながら、個別ケア会議のメンバーやそこで出された課題といったようなことを土台として、教育や雇用、医療などにかかわる関係者や障害当事者など、幅広い参加を得て、来年度中には自立支援協議会を発足させたいと考えています。
相談支援体制について、それぞれの事業所のサービス利用者については、個別のサービスについての支援計画が事業所で策定されることになっております。障害者の生活を包括的に支援するケアマネジメントについては、総合公共サービスセンターに開設する相談支援事業所を拠点として実施することを考えているところです。新たな相談支援事業所が開設されるまでの期間は、関係機関の連携による個別ケアの検討を進める一方で、新たな施設を待つまでもなく、早期にケアマネジメント体制がつくれるよう適切な相談支援のあり方を検討してまいりたいと考えています。
地域活動支援センターについては、必ずしも障害福祉計画は上限を定めたものではありません。地域活動支援センターについては、23年度までに3カ所を見込んでいるところです。今後の設置については、サービスの利用状況や障害者の要望などを勘案して、必要性について判断をしていきたいと考えております。
小規模多機能型施設については、日常生活圏域ごとに計画的に整備をしていきたいと考えております。国の交付金等を活用するほか、区有地の貸与なども誘導策として考えていきたいと思っています。
中野駅周辺のバリアフリー化ですが、北口改札前の階段は、19年度を目途にスロープもしくは階段昇降機での段差解消を検討しているということです。多機能トイレの整備及びエレベーターの整備については、駅舎の大規模な改修が必要となるということから、申し出が実現まで至っておりません。JRに対して再度要請していきたいと考えております。
中野駅のバリアフリー整備は早急に対応が必要ということでありますが、交通結節点機能の充実などを含め抜本的な改修が必要ということになっております。抜本的な改修については、駅周辺のまちづくり事業との整合が図れることが必要というふうに考えております。
「おひるね」の配布方法等についてですが、「おひるね」は、隔年で全乳幼児世帯への配布を行っておりますが、全世帯への配布を行っていない年についても、区役所3階子ども総合相談窓口や保健福祉センター、地域センターなどに備え、新たに出産を迎えた世帯だけではなく、転入者が乳幼児医療証などの諸手続を行う際に配布をしているところであります。
それから、障害のある子どもの一時保育や介護派遣事業については、ホームページや子育て支援ハンドブック、今の「おひるね」などに掲載をして周知に努めております。次の改定時には、「つむぎ」も含め障害のあるお子さんの相談や支援について拡充を図ってまいります。
それから、保育園の入園に当たって、障害等級別の判定は行っておりません。集団保育が可能な障害児の人数として、1園につき3人までとしているところでありますけれども、現状でも、入園後に障害が明らかになる場合もあって、3人を超えている園もあるのが実情ということであります。障害児枠の考え方については、今後十分に検討をしていきたいと考えております。
幼稚園については、平成10年度から障害児枠を設けず、集団生活への適応が困難な場合を除いて、障害のない児童と同じ方法で園児募集をしております。
療育センターアポロ園の設備や遊具の更新についてであります。
施設設備の改善については、区全体の維持補修計画の中で優先順位をつけて行っているところであります。必要に応じた改善、更新をしてまいります。
認可外保育施設の保護者補助の関係であります。
認証保育所の保護者補助についてですが、運営状況の異なる認可保育所の入園と同等の手続を要件とすることはいたしません。しかしながら、保育に欠ける状況にあることが要件となるということは当然と考えております。また、認証、認可以外の保育施設についても、情報提供や保育者への相談などに努めているところであります。
待機児解消と保育の質の向上ということであります。
待機児については、平成18年4月では、約43名、率として1.44%となっております。老朽化した区立園を民営化しながら建てかえ、全体の定員数をふやしていくとともに、認証保育所の開設、誘致など、待機児の解消にさらなる努力をしてまいりたいと思っております。
延長保育については、来年度区立保育園全園実施、また、民営化した園では、2時間の延長保育や定員拡大を行っております。
さらに、一時保育や子育て広場など地域の乳幼児保育が利用できる施設としての保育サービスの拡充についても、民営化する園などを中心に充実を図っていきたいと思っております。
それから、妊娠、出産に関する経済的支援の実施であります。
国民健康保険では、被保険者が出産したときに出産一時金を35万円支給しております。出産予定日まで1カ月以内の方や、妊娠4カ月以上で早産によって入院し、費用を請求されている場合には、28万円まで無利子で貸し付けを行っているところであります。妊婦健診においては、妊娠前期健診1回と後期健診1回を公費で受けられる制度を実施しているところですが、19年度にはそれに加えて3回分の健診について、公費助成を実施するよう予算案の中で計上をいたしました。
○議長(高橋ちあき) 以上で佐藤ひろこ議員の質問は終わります。
中野区議会議員 きたごう 秀 文
1 防災問題について
(1)南台地域の防災まちづくりについて
(2)(仮)南部防災公園について
2 (仮)南部区民ホールについて
3 消防団員の確保について
4 教育問題について
(1)いじめ問題について
(2)教育SAT(教育緊急対応チーム)について
5 自転車の運転免許制度について
6 その他
○議長(高橋ちあき) 次に、きたごう秀文議員。
〔きたごう秀文議員登壇〕
○12番(きたごう秀文) 平成19年第1回定例会に当たり、自由民主党・民社クラブの立場で一般質問をいたします。
次の5項目についてお尋ねいたします。
1番目に、防災問題について、1点は、南台地域の防災まちづくりについてであります。2点目は、仮称南部防災公園についてであります。
2番目に、仮称南部区民ホールについて。
3番目に、消防団員の確保について。
4番目に、教育問題については、1点はいじめ問題について、もう1点は教育SATについてであります。
5番目に、自転車の運転免許制度についてお伺いをいたします。
最初に、防災問題について、南台地域の防災まちづくりについてお伺いをいたします。
ことしであの阪神・淡路大震災から早くも12年が、関東大震災から82年余りが経過し、東海、東南海地震が大きく取り上げられているなど、いろいろな意味で防災まちづくりが注目されています。最近の世論調査を見ても、区民の方々の防災に関する意識は、阪神・淡路大震災後と比較すると大きく低下していると言われています。2004年中野区世論調査においても、8割以上の方が大きな地震が起こるのではないかと不安を感じていると答えています。阪神・淡路大震災の印象では、多数の死傷者、建物の倒壊、避難所での生活を挙げた方が6割から7割いました。しかし、これに対して、家庭での備えでは、肝心の食料や飲料水、家具の転倒防止のための固定などの備えは3割程度であり、ましてや耐震化に対する意識の低さを見ると、大変憂慮されます。
当区では、昭和59年に、南部地域防災まちづくり構想を策定し、この構想をもとに、南台四丁目地区では、平成4年に地区計画が定められ、防災まちづくり事業が始まりました。この事業においては、住民の協力と御理解をいただき、そして、区の努力によりかなりの成果が上がっていると聞いております。地震災害時に火災危険度が高いと言われている南台一、二丁目地区においても、平成5年から関連町会の勉強会が始まり、防災まちづくりに対する熱心な議論がなされてまいりました。
このような経過を踏まえ、平成11年度末に、防災街区整備地区計画として都市計画に定めることになり、平成12年2月に都市計画決定され、その後事業が開始されています。東大附属の西側道路の拡幅整備、南台二丁目の地区計画道路、これに伴う建物の建てかえ促進など、地域住民の皆さんの協力、そして区の努力により着実に事業が進んでいると思います。平成17年の第1回定例会で質問していますが、再度お伺いいたします。
当区では、今盛んに数値目標による管理を進めていると聞いておりますが、その後、南台一、二丁目地域では、どの程度改善が進んでいるのか、現在までのこの事業の成果をお示しください。
また、新しい中野をつくる10か年計画では、東大附属中等教育学校周辺地区の不燃化を図ると示しています。現在、南台一、二丁目の不燃化率は約44%と聞いており、広域避難場所の安全性という点から見れば、周辺の不燃化率を60から70%くらいまで高めていく必要があると伺っております。防災生活圏促進事業が18年度末で終了する中で、今後どのように取り組んでいくのか。また、南台一、二丁目に導入している国の密集事業は、平成19年度末で助成事業期間が終了すると聞いております。災害時の安全性や防災機能の確保を図るため、道路の整備や住環境の確保など、何としても進める必要があると思います。平成18年の第2回定例会で、この事業について質問しており、区長の答弁では、期間延長に向け検討していると答弁されているが、その後、国や都と前向きに交渉しているのか、成果があったのか、お聞かせください。
2番目の仮称南部防災公園についてお伺いをいたします。
南台地域の広域避難場所は、東大附属中等教育学校一帯、広町住宅と区外の立正佼成会大聖堂となっております。区民は、区内はもとより地域の中で周辺の安全が確保された広域避難場所を求めていると思います。東大附属中等教育学校は、平成10年3月に広域避難場所に指定されております。このほど、海洋研究所が千葉県柏市に移転するという動きがあると聞いておりますが、移転する時期はいつなのか。把握していたらお聞かせください。南部地域において、東大附属一帯のまちづくりの一番の課題は、海洋研究所にあると考えております。東大附属西側道路も着実に進んでおり、平成19年秋には完成すると伺っております。そして、南台二丁目の地区計画道路、中野通りから東大付属中等教育学校広域避難場所に向かって2本新設道路の整備事業が行われています。そのことからも、一日も早い防災公園の整備が必要と思います。中野区都市計画マスタープランにも、災害に強いまちづくりの推進策として、重点地区である南台地区の南部防災公園の整備方針が示されています。
ここで提案させていただきたいと思います。東大附属の西側道路の拡幅整備や中野通りから東大附属に向かって2本の道路整備事業を進めていることなどを考えると、防災公園は海洋研究所跡地ではなく、東大附属校舎側の敷地の南西部に整備すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。確かに、一朝一夕に進む課題ではないことは十分承知しております。この防災公園について、区は土地の取得を含めどのような姿勢で臨んでいるのか。
また、防災公園用地の取得に当たり、国や都の財源を確保することも必要であると考えます。聞くところによりますと、都市計画交付金の助成制度があるやに聞いております。どういう制度なのか、教えていただきたい。また、この制度を受けると、当区にとってどのようなプラスをもたらすのか、お伺いをいたします。災害はいつ来るかわかりません。早急に具体的な整備方針や整備スケジュールを含めた計画を示すべきだと思いますが、いかがでしょうか。再度お考えをお聞かせください。
次に、仮称南部区民ホールについてお尋ねします。
これまでにも何度か質問しておりますが、再度お伺いいたします。
現在、ある酒問屋に貸しているのは承知しておりますが、区民の方から、酒問屋に売却するのと聞かれますが、この土地は売却はしないと聞いておりますが、いかがですか。そもそもこの仮称南部区民ホール用地は、南部公会堂と手狭な南部青年館を併設にという計画で建設されることになっていたと思います。これまでにも、高齢者から子どもさんまで利用できる集会室、娯楽室、そして多目的ホールと南部の行政の窓口としての地域センターの統合した複合施設の早期実現をこの地域の区民は熱望しております。前回の質問に対する答弁では、民間活力を生かした具体的な手法を含め現在検討を進めていると伺っていますが、建設に向け前向きに進めているのか、お聞かせください。
また、南中野地域センターの賃貸契約も来年4月までと聞いていますが、その後はどうするのか。契約に当たっては、その後の計画に支障のないように所有者とよく話し合うべきと思いますが、お考えをお聞かせください。
3番目に、消防団員の確保についてお尋ねします。
1954年に全国で202万人いた団員が、近年では90万人に減少し、高齢化も進む一方で、国民保護法の施行により、有事の際の住民避難誘導という新たな任務も加わっています。大規模災害やテロなど、危機が多様化し、また地域の高齢化や社会環境も大きく変化しており、防災活動の必要度はさらに高まっていると思います。
このほど読売新聞の調査によりますと、団員の平均年齢が40歳を超える都道府県が10年前のほぼ2倍の21に上がっています。東京都の区部では49歳、中野区は48.6歳、市町村部では35.7歳と過疎地と都市部で団員の高齢化が進んでいます。阪神大震災からことしで12年たちますが、ピーク時の半分以下となった団員数の減少に歯どめをかけようと、総務省消防庁が2年前に導入した機能別団員と言うそうですが、など、新制度を取り入れる動きもまだ鈍いことが判明しております。そしてサラリーマンの団員も東京都では47.9%を占めています。中野消防団、野方消防団合わせて定員500人のところ、約18%、89人不足の状況と聞いております。大きな災害時を思うと大変憂慮するところであります。この団員数の現状をどう見ますか、お伺いいたします。
消防庁においても、新規消防団員募集のPRを通して団員の確保に努力していると聞いていますが、区としても、団員の確保に協力すべきではないかと考えます。私は今の現状からもっと積極的なPRが必要と考えますが、区としてどのような協力ができると考えているのか、お聞かせください。
4番目の教育問題についてお伺いいたします。
最初に、いじめ問題について伺います。
昨年を振り返ってみますと、暗いニュースの方が多かったように思います。子どもへの虐待、児童・生徒同士のいじめ問題、いじめによる自殺、さらに高学年では、必修科目の未履修問題など、子どもを取り巻く痛ましい事件や事故が日本のあちこちで多発しました。今、このような事件や事故をなくすために、社会は何をしなければならないのか、その対策が強く求められています。近年、公立学校はゆとりの時間を設けたり、道徳や心の問題を授業に取り入れるなど、教育現場ではさまざまな方法を取り入れて頑張っていただいておりますが、このような事件や事故が減少するどころか増加しているのが現状であります。また、我が国では、59年ぶりに教育基本法の改正があり、国民の大きな関心を集めております。戦後の教育から将来に向けた新たな教育のあり方、自分の国を愛し、世界を愛する心を持ち、世界に誇れる日本を担う、そんな人間を育成することが期待されていると言っても過言ではないと思います。
ある新聞の全国世論調査、これは面接式でありますが、いじめが原因と見られる子どもの自殺が相次ぎ、いじめが大きな問題となっている背景を八つの選択肢の中から選んでもらったところ、親が社会のルールを教えていないが65%で最も多く、次いで、他人を思いやることができないが55%、親が子どもの悩みを把握できていないが52%で、家庭の教育の問題が大きいと考えている人が多かったようであります。さらに、教師の指導力や資質に問題がある、48%、学校が責任逃れをして問題を隠すが45%と、大変危惧する数字が示されています。中野区の状況はどうなのか、また、これらの問題をどう考えているのか、お伺いいたします。
いじめは、家庭教育に問題ありと私は考えますが、教育委員会の御見解をお聞かせください。
2番目の教育SAT、教育緊急対応チームについて、お伺いをいたします。
全国的にいじめや自殺など学校現場を取り巻く社会問題が多い中、杉並区では、いじめなどの即応態勢をとろうと、ベテラン教員や医師などによる教育SATを編成し、問題が起きた小・中学校へ派遣するシステムをこの4月から導入する方針を固めたようであります。対象は、いじめ、学級崩壊、不登校、学習障害児などへの支援の4分野で、これまで問題が起きても現場の教員が日常業務に追われて対応し切れないこともある。そこで、ベテラン教員、校長OB、スクールカウンセラー、精神科医、教育委員会の指導主事など10人程度のチームを4分野に1チームずつ設置、緊急時に学校に駆けつけて現場の教員を支援する仕組みになっており、対策に取り組むようであります。
そこでお伺いしますが、中野区では、現在どのような対策を講じているのか、お聞かせください。また、昨年の一連の事件を見ますと、大変憂慮するところであります。今後、どのように充実していくのか、お伺いをいたします。
最後に、自転車の運転免許制度について伺います。
交通事故の増加や駅前への放置など自転車をめぐる問題に対応するため、東京都は、1月に、自転車の安全利用推進総合プランを公表しております。これによりますと、子どもへの交通安全教室の徹底や駐輪場の整備に加え、長期的な検討課題として、自動車と同様の反則金制度や、自転車販売へのデポジット制の導入などが盛り込まれています。総合プランでは、自転車のスピードの出し過ぎ、信号無視、二人乗り、そして飲酒運転と、事故増加の背景と指摘されている交通マナーの低下への対策として、また、子どもを中心にルールを守る意識を高めさせることが必要と、既に荒川区などで自転車専用の運転免許制度が実施されていると聞いております。
中野区においても、特に歩道での走行マナーが悪く、私も歩道を歩いていまして自転車にぶつけられたり、飛び出した自転車にぶつかりそうになって大変危ないなと思ったことがあります。皆さん議員各位もそうだと思います。大変危険と危惧いたしております。当区でも自転車専用の運転免許制度の実施を考えてみてはいかがでしょうか。また、信号無視や二人乗りなど、軽微と見られがちな違反についても、自動車と同じように反則切符を切って、反則金を納めさせるような制度を考えてみてはいかがでしょうか。御見解をお伺いいたします。
以上ですべての質問は終わりますが、区長並びに理事者の皆さんには、いつもながら前向きにわかりやすい御答弁をいただきたいと思います。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) きたごう議員の御質問にお答えをいたします。
まず、南台地域の防災まちづくりについてであります。
南台一、二丁目のまちづくりについては、新設道路が一部開通をしましたほか、東大附属西側道路の拡幅整備が進められているところであります。これらを含めますと、地区計画道路の整備率は40%に達したところです。また、補助事業による不燃化住宅への建てかえが16件あります。さらに、平成15年10月の新防火規制の導入などによりまして、昨年の10月末現在におきまして、建物の不燃化率が約52%に改善をされているところであります。広域避難場所であります東大附属中等教育学校一帯周辺に導入をしております東京都の防災生活圏促進事業は、今年度末で終了をするわけであります。区といたしましては、国の方の都市防災不燃化促進事業の平成21年度の導入に向けて準備を進めております。今年度は、導入の前提となります現況調査や住民の意識調査を実施しているところでありまして、現在、その取りまとめを行っているといった形で、導入に向けての準備を進めているということで御理解いただきたいと思います。
それから、国の補助事業であります密集事業の方ですが、これについては、事業期間延長に当たっては、ことしの7月ごろに想定されます外部委員によって構成される東京都の事業評価、これを受ける必要があるわけであります。現在、そうしたことを踏まえた上で、東京都と事前協議を進めているところであります。いずれも区のもくろみどおりに進むよう、これからも慎重かつ着実に事業を進めていきたいというふうに思っております。
それから、仮称南部防災公園に関連しての御質問であります。
東京大学の海洋研究所については、平成20年度末の完了を目途に、順次千葉県柏市への移転を進めていくというふうに聞いております。南部防災公園については、これまでの区の防災まちづくり事業との整合性などを踏まえまして、東大西側道路に接する形で、御質問の中にもありましたけれども、南側の敷地に整備をすることとしているわけであります。区といたしましては、海洋研究所移転後できるだけ早い時期に用地を取得をして、防災公園を整備したいというふうに考えているところでありまして、現在、東京大学と協議を進めているところであります。
それから、都市計画交付金についての御質問がありました。都市計画交付金については、これは本来、市町村税であります都市計画税を財源とする交付金の制度であります。東京都においては、他の地域と異なりまして、東京都が都税として集めるというような形でありますが、これまで、そうした本来市町村財源であるというものであるにもかかわらず、これまで都市計画公園については、2ヘクタール以上のものでないと交付の対象にしないという取り扱いを東京都が行っていたものであります。これが、19年度からは1ヘクタール以上のものが対象となることになったということで、長年、区長会で要望してきたことがようやく実現をしたというわけであります。中野区選出の都議会の議員の皆さんなどの御努力もあったというふうに聞いているところです。
そうした都市計画交付金なんですけれども、防災公園を都市計画決定をして、国の補助を受けて事業化をする場合、都市計画公園という事業として国の補助があるわけですけれども、その場合、用地の取得費及び整備費に充当をできるのが都市計画交付金というわけであります。この交付金の交付を受けまして、区の負担する分については、起債、区債を発行するということができるようになりました。また、その起債の発行分については、都区財政調整制度の方から需要額としての算定があるということで、都市計画交付金の適用が受けられるということによりまして、区の財政負担がかなり軽減されることになるわけであります。
それから、整備方針やスケジュールでありますけれども、これについては、用地の取得に向けた取り組みに加えまして、具体的なスケジュールも含めて整備方針などについて早急に検討を進めてまいりたいと思っております。
それから、弥生町五丁目の用地についてであります。弥生町五丁目の用地は、仮称南中野区民活動センター等の建設用地として活用を図ることとしておりますので、御質問の中にありましたように、他へ売却するということは一切考えておりません。
現在、引き続きその整備内容や整備手法を検討しているところでありまして、19年中に具体的な案をお示しさせていただきたいというふうに考えております。
南中野地域センターの契約に関連しましての御質問もありました。南中野地域センターは、10か年計画で、平成22年度までには現在の建物から移転することを予定しているというものであります。そのことを踏まえて、建物の所有者とも現在話し合いを行っているところであります。
それから、消防団員の確保についてであります。消防団員の確保が大変課題になっているという認識は私どもも強く持っているところであります。現在の消防団は、高齢化、サラリーマン化、サラリーマンの方が消防団員になられるということで、活動もなかなか難しい時間帯があるなど、さまざまな課題を抱えているというふうに認識をしているところであります。この団員の減少を防いだり確保をしていくために、都や消防署、また消防団と検討を重ねながら、区として団員確保のために何ができるのか、このことを見定めて団員確保に努めていきたいと、こう考えております。
私からは以上です。そのほかそれぞれの担当の方からお答えいたします。
〔教育長菅野泰一登壇〕
○教育長(菅野泰一) いじめ問題につきましてお答えいたします。
いじめなどの背景には、学校ばかりでなく家庭教育のあり方にも原因があると考えております。いじめ問題に限らず子どもの教育は保護者が第一義的な責任を有しております。学校では、家庭教育の自主性を尊重しつつも、家庭の役割と責任を果たしていただくよう求めていく必要があると考えております。
それから、教育SATにつきましてお答えいたします。
中野区では、指導主事、教育センターの生活指導相談員、教育相談の主任で構成いたします生活指導会議を毎月開催し、情報交換及び学校への支援策などを協議しております。いじめ等の緊急課題につきましては、さらに警察や児童相談所、子ども家庭支援センターなどの関係機関を加えまして、ケース会議を立ち上げ、対応しているところでございます。また、来年度から始まります特別支援教育のスタッフを活用するなど、さらに対応の充実を図ってまいります。
〔都市整備部長石井正行登壇〕
○都市整備部長(石井正行) 私から、自転車運転免許制度について2点お尋ねがございました。
まず初めに、運転免許制度についてでございますが、区内の小学校の半数以上では、警察署とタイアップをいたしまして講習会を実施をしております。主に3、4年生の児童に対しまして、受講証の交付を行っているというところでございます。このように、児童を通じた交通安全の意識が広く浸透していくことを期待をしております。
今後でございますが、お話にございましたように、荒川区の事例なども参考に、警察署と連携をして、さらに充実に努めてまいりたいと考えております。
その次でございますが、違反者には反則切符を切って反則金を納めさせたらどうかという御提案でございます。
現行道路交通法では、自転車の交通違反を取り締まるためには、刑事手続でございます交通切符、いわゆる赤切符しかございません。酒酔い運転や信号無視などの悪質、危険な違反者に対しましては赤切符を切った事例もあると聞いてございます。現在、国や東京都では、無灯火、それから二人乗りなど、比較的軽微な違反に対する新たなペナルティーの仕組みを検討をしておるところでございますけれども、区といたしましては、当面さまざまな機会をとらえまして、自転車の安全運転のルール、マナーの啓発など、警察署と協力をして安全対策を推進してまいりたいと考えてございます。
○議長(高橋ちあき) 以上できたごう秀文議員の質問は終わります。
お諮りいたします。議事の都合により本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(高橋ちあき) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
次の会議は、明日午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。
本日はこれをもって延会いたします。
午後4時45分延会
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