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平成19年02月22日中野区議会本会議(第1回定例会)の会議録
平成19年第1回定例会本会議第3日(2月22日)
1.平成19年(2007年)2月22日、中野区議会議事堂において開会された。
1.出席議員(40名)
1番 いでい 良 輔 2番 伊 東 しんじ
3番 佐 野 れいじ 4番 北 原 奉 昭
5番 久 保 り か 6番 酒 井 たくや
7番 奥 田 けんじ 8番 近 藤 さえ子
9番 小 堤 勇 10番 大 内 しんご
11番 伊 藤 正 信 12番 きたごう 秀 文
13番 吉 原 宏 14番 高 橋 ちあき
15番 やながわ 妙 子 16番 平 島 好 人
17番 むとう 有 子 18番 はっとり 幸 子
19番 長 沢 和 彦 20番 か せ 次 郎
22番 小 串 まさのり 23番 若 林 ふくぞう
24番 市 川 みのる 25番 岡 本 いさお
26番 こしみず 敏 昭 27番 飯 島 きんいち
28番 佐 伯 利 昭 29番 佐 藤 ひろこ
30番 来 住 和 行 31番 岩 永 しほ子
32番 篠 国 昭 33番 柿 沼 秀 光
34番 伊 藤 岩 男 35番 斉 藤 金 造
36番 大 泉 正 勝 37番 斉 藤 高 輝
39番 藤 本 やすたみ 40番 昆 まさ子
41番 江 田 とおる 42番 池 田 一 雄
1.欠席議員(2名)
21番 山 崎 芳 夫 38番 江 口 済三郎
1.出席説明員
中 野 区 長 田 中 大 輔 助 役 石 神 正 義
収 入 役 沼 口 昌 弘 教 育 長 菅 野 泰 一
区 長 室 長 寺 部 守 芳 政策担当課長 川 崎 亨
総 務 部 長 助役事務取扱 総務担当参事 橋 本 美 文
区民生活部長 本 橋 一 夫 子ども家庭部長 田 辺 裕 子
保健福祉部長 金 野 晃 保 健 所 長 浦 山 京 子
都市整備部長 石 井 正 行 拠点まちづくり推進室長 石 橋 隆
教育委員会事務局次長 竹 内 沖 司
1.本会の書記は下記のとおりである。
事 務 局 長 山 下 清 超 事務局次長 高 橋 信 一
議事調査担当係長 大 谷 良 二 書 記 黒 田 佳代子
書 記 永 田 純 一 書 記 荒 井 勉
書 記 岩 浅 英 樹 書 記 菅 野 多身子
書 記 西 田 健 書 記 廣 地 毅
書 記 鳥 居 誠 書 記 杉 本 兼太郎
書 記 岡 田 浩 二 書 記 松 本 桂 治
議事日程(平成19年(2007年)2月22日午後1時開議)
日程第1 第5号議案 平成19年度中野区一般会計予算
第6号議案 平成19年度中野区用地特別会計予算
第7号議案 平成19年度中野区国民健康保険事業特別会計予算
第8号議案 平成19年度中野区老人保健医療特別会計予算
第9号議案 平成19年度中野区介護保険特別会計予算
午後1時02分開議
○議長(高橋ちあき) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。
本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。
昨日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 岡 本 いさお
1 健康づくり増進について
(1)冊子、チラシ、ホームページの活用について
(2)区民健診の充実について
2 図書館サービスについて
(1)今後の中野図書館のあり方について
(2)ICタグ、自動貸出機の導入について
(3)中野区子ども読書活動推進計画について
(4)学校図書館との連携について
3 木造建築の推進について
(1)区立小中学校校舎内を木床、木廊下、木壁にすることについて
4 障害者施策の充実について
(1)地域自立支援協議会の設置・充実について
5 その他
○議長(高橋ちあき) 最初に、岡本いさお議員。
〔岡本いさお議員登壇〕
○25番(岡本いさお) 平成19年第1回定例会に当たり、公明党の立場から一般質問を行います。
健康づくり増進について、図書館サービスの向上について、木造建築の推進について及び障害者自立支援の充実について質問いたします。
初めに健康づくり増進について伺います。
ことしの新年号の区報には、健康づくりの特集が掲載されました。このことは、国にとって一番の関心事が健康であることを示しているのではないでしょうか。私も健康については特に関心を持っている1人でございます。2007年のテーマは「ストップ!メタボリックシンドローム」とし、1月は中野区健康づくり月間と銘打って、さまざまなイベントや講習会を開きました。1月28日に開催されたゼロ小ホールでの講演会は、メタボリックシンドローム、生活習慣病予防、椎名誠さんのトークなど、大変に好評であったと伺いました。今後は大勢の区民が気軽に健康を増進するための具体的な改善への取り組みが求められています。中野区がつくった冊子は、文字が小さいものの、メタボリックシンドロームの解説、セルフチェック、食生活や運動のワンポイントアドバイスなど、よくできていると思います。この冊子は1万部作成し、イベントで、また各関係機関や書店等へ配りましたが、この冊子の活用とフォローの取り組みが見えてきませんが、どのようになっているんでしょうか、伺います。
私は、活字をもう少し大きくして整理したチラシを作成し、区民の集まるところだけでなく、商工会や中小企業団体、法人会など、中高年の男性の多い企業や事務所などに配布してはいかがでしょうか。この際思い切って全戸配布するくらいの取り組みをすべきだと思いますがいかがでしょうか、伺います。そのシートで健康チェックを行い、医療機関などで個別相談やアドバイスが受けられる仕組みをつくれば、改善への具体的な行動や取り組みがされるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。中野区は、平成17年8月に大変詳しい健康意識調査を実施しました。その調査を踏まえて具体的な健康増進施策が進められなければ意味がありませんが、どのように取り組まれているのか伺います。
区のホームページをリニューアルする予定ですので、この際ホームページの活用を積極的に行うべきだと思います。飯田市のホームページには、健康づくりプラン「健康いいだ21」が掲載されています。そのチェックシートにより、自分の健康状態を知るとともに、生活習慣病予防を、栄養食生活、運動身体活動、こころの健康、アルコール、たばこ、歯の健康の6つのポイントの目標を設定しています。私もやってみましたが、イラストも多く、大変にわかりやすくなっています。中野区は個々の状況に合った健康づくりを支援する「健康づくりプログラム」を策定中です。この策定に合わせて、区のホームページのトップページからメタボリックシンドローム対策などのページが直接開けるようにしてはいかがでしょうか。Web上のチェックシートを使い、身長や体重をインプットし、ロールプレイング式で自分の健康状態を知り、さらに生活習慣病予防、食生活改善へとつながるようになれば、皆が関心を持ち、健康に関する意識が高まるのではないかと思います。そのようなホームページを作成してはいかがでしょうか、伺います。
先日、藤沢市で行っている国保ヘルスアップ事業について視察してきました。平成14年度から3年間、厚生労働省のモデル事業として、生活習慣病予防や改善が必要な人などを対象とした個別健康支援プログラムの開発・実施・評価を行ったものです。この事業の対象者4,570人、その中で個別支援者の979人は、個別健康相談・食生活支援・健康づくりトレーニングを加えた3コースがあり、それぞれ3年間で健康結果の評価を行ったものです。参加者主体であること、個人と集団とを組み合わせて生活習慣改善の支援効果を上げたこと、参加者を的確に効率よく管理するために、専用のコンピュータシステムを開発したことが特徴です。3年間のモデル事業終了後も引き続き個別健康支援プログラムに基づいて実施しています。市民健診にメタボリックシンドローム検診もあり、18年度から腹囲の測定も行っています。毎年40歳以上の5万名がこの健診を受けています。
平成20年度から医療保険者に対し、生活習慣病予防に着目した特定健康診査・保健指導が義務づけられることになります。中野区は区民のメタボリックシンドロームをストップさせることがことしのテーマですから、あらゆる機会をとらえて、区民の皆さんにメタボリックシンドロームについての啓発をし、意識を高め、さらに健診体制と改善策を図らなければ、テーマは絵に書いた餅になってしまうのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
また、健康づくりについて欠かせないのが食の改善です。インターネットで料理のレシピを配信しているクックパッドは、若い女性に大変人気が高く、ものすごいアクセスがあり、最近食に対する関心が非常に高まっています。中野区は、食育推進計画を策定する予定ですが、区内の生活協同組合では、食育の地域展開を大きく図っています。都立中野工業高校には食品工業科があります。さらに長年口腔ケアに取り組んでいる歯科医師会など、これらの関係機関と連携して協議して計画を策定すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
次に、区民健診について伺います。
昨日久保議員が質問した中で、乳がん検診に超音波検診、いわゆるエコー検診と、男性特有の前立腺がん検診について、1点だけ質問させていただきます。乳がん検診については、マンモグラフィ検診とエコー検診については、検診の性格が異なり、マンモグラフィ検査で発見できなかった乳がんがエコー検査で発見できるとの報告もされています。したがって、乳がんの発見・治療にエコー検査が有効だと言われています。また、中高年男性に多く発生をする前立腺がん、その前立腺がん検診、PSA検査は、血液を調べる検査でできると言われ、区民の皆さんから、適当な検査があれば受けたいとの声が多く寄せられています。区の健康意識調査でも、健康づくりや疾病予防の支援に関して、区がどのようなことに力を入れてほしいと思うかとの問いに対し、がんなど生活習慣病についての健康診断と答えた人が一番多かったと報告されています。
エコー検診と前立腺がん検診、PAS検査について、区長はどのようなお考えをお持ちになっているのか伺って、この項の質問を終わります。
次に、図書館サービスの向上について伺います。
私は平成4年及び平成8年の決算特別委員会で、図書館行政について及び学校図書館についての総括質疑をさせていただきました。その後も開館日や会館時間の増加や延長、リファレンスサービス、パソコン活用のコーナーの設置など、図書館サービス向上に向けてたびたび質問をさせていただきました。図書館の機能や役割も、時代とともに少しずつ変化しています。図書の貸し出しサービスだけでなく、地域に愛される図書館へ、また生涯学習館や情報館、さらに未来創造館とするなど、名称も変え、機能も変わってきています。図書館の館、つまり「やかた」として、人と本を結びつけるだけでなく、集まってくる人と人とを結びつける、人が運んでくる情報をブレンドして共有化する、また静かに読む場所や学習室、話し合う場所、展示コーナー、児童コーナーなど、情報創造館的な機能がふえてきていることを、さまざま視察して実感しています。
まず、中野区の図書館は今後どのような方向、どのような役割や機能を持たせようとお考えになっているのか、お聞かせください。
中野区の健康づくり月間に合わせて、区内のあおい書店や明屋書店が健康づくり関連図書コーナーを店頭に配置してありました。本屋に入っただけで健康というキーワードが飛び込んできます。図書館から区民に関心や話題性のあるもの、例えば健康づくり、団塊の世代、就業に関する情報など、積極的に発信するコーナーを設け、区民とともに歩む図書館を明確にイメージしてはいかがでしょうか。
一昨年にオープンした山中湖情報創造館と、昨年にオープンした富士河口湖町の生涯学習館を視察してきました。山中湖情報創造館は、「あなたの“知りたい/創りたい/伝えたい"」をキーワードにして支援しています。図書館からの情報発信と市民からの情報を受けるコミュニティの機能を十分に持たせています。山中湖をながめながら、新聞雑誌を閲覧するブラウジングコーナーや閲覧室、自動貸出機の活用、広い学習室、情報コーナー、研修室が2部屋もあります。休館日は毎月月末と元旦だけですから、年間わずか13日間だけです。また、富士河口湖町の生涯学習館は、周囲の環境とも実にマッチし、人が集まりやすい工夫があちこちに施されています。生涯学習館である図書館はつり天井構造で、中央部には柱が1本もなく、広々とした空間が広がっています。さらに学習室や学習コーナーは、窓に沿って外のすばらしい景色が見える環境のよい場所に設置してあり、本当にうらやましい限りです。また、生涯学習に関する事業として、資料の収集及び提供、講座の開催、学習ボランティア等の養成、指導者の育成など、生涯学習活動を総合的に支援しています。
今後中野の図書館も、図書の貸し出しだけでなく、情報を享受し創造する拠点、閲覧コーナーや学習室を工夫し、また幼児から高齢者までコミュニティの輪が広がり、地域に愛される図書館を目指すべきではないでしょうか。中野区も、開館時間や開館日を拡充してきました。千代田区では5月から平日午後10時まで開館時間を延長するとしています。利用者のサービスを考え、思い切って中野中央図書館は原則通年開館と位置づけるようにして、いつでも利用できる図書館にすべきではないかと思いますが、あわせてお考えを伺います。
次に、図書へのICタグ付与及び図書自動貸出機の導入について伺います。
区立図書館の盗難に遭う図書や書籍が、紛失も含めて年間約1万4,000冊で、全蔵書数の1.4%にものぼっています。中央図書館だけでも昨年度7,258冊、1日平均20冊が図書館からなくなっていることになります。平均1冊1,700円としていますので、区全体で年間2,400万円近くの財産が消えていることになります。20年度には、現システムのリースが切れます。その際、区内の図書にはすべてICタグをすべきだと思います。盗難などの防止効果も大きく期待できます。お考えを伺います。
同時に、自動貸出機の導入を図るべきではないでしょうか。先ほど紹介した2つの図書館には、自動貸出機が設置してありました。富士河口湖町の生涯学習課には、子ども用、大人用と2台設置してありました。視察しているとき、4歳ぐらいの子どもが自動貸出機を使って1人で貸し出し手続をしていました。自動貸出機は、手続が瞬間にできることと、プライバシーを守るという大きなメリットがあります。ICタグ付与と同時に自動貸出機の導入を図るべきだと考えますが、いかがでしょうか。
次に、子ども図書の充実について何点か伺います。
昨年5月にオープンした新宿区の子ども図書館を見てまいりました。平成16年3月に策定した新宿区子ども読書活動推進計画事業の一環として、新宿区立中央図書館2階を改修して、子ども図書館を独立して開設しました。子どもの目線でやさしい書架の配置になっています。幼児用トイレも、親の目の届くように工夫されています。ここを拠点として、病院や地域、学校、関連施設と連携して、子ども読書活動事業を積極的に行っています。子どもと本とのかかわりを深めるために、条例をつくって取り組んでいます。また先日、区内にある財団法人東京子ども図書館を視察してきました。児童文庫を始めたときから数えると50年以上の歴史を持ち、児童と読書に関するさまざまな取り組みを積極的に行ってきています。
初めに中央図書館の児童コーナーについて伺います。
子ども読書活動推進計画の策定に伴って、中野中央図書館の児童コーナーを児童図書室として位置づけてはいかがでしょうか。さらに児童図書専門員などの増員を図り、東京子ども図書館などとさらに連携協力を図るなどして、中央図書館が子ども読書活動の推進センター的な機能を持たせるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
次に、感想文などの表彰制度について伺います。
新宿区では、読書感想文「けやき」の全作品の中から最優秀作品を区長賞として表彰しています。中野区も教育委員会で表彰を行っていますが、一層充実させるとともに、区長賞など新たな表彰制度を設け、区報にも紹介してはいかがでしょうか。
次に、子ども読書活動を推進する人材の育成について伺います。
中野区には子どもの読書活動にかかわる地域の人材がたくさんいらっしゃいます。東京子ども図書館では、ストーリーテリングなどの人材育成を積極的に行っています。それらの活動を評価するとともに、さらに活動しやすい環境を整えるべきだと思います。ボランティア、教員などへの研修会や連絡会を行い、地域の団体や人材を育成する仕組みを明確につくる必要があると考えますが、いかがでしょうか。
次に、たびたび議会で取り上げてきたブックスタートです。
乳幼児と保護者の読書の楽しみや大切さを説明しながら絵本を手渡すブックスタート事業を中核としている区がある中、中野区は幼児向けのブックリストの配布だけです。初めて子どもを持ったお母さんにとって、子育て支援に必要な事業です。ブックスタートとリストを併用して行ってはいかがでしょうか、伺います。
この項の最後に、学校図書館と区立図書館の連携について伺います。
子ども読書活動推進計画では、学校図書館の地域利用の拡大を図ろうとしています。私は、学校図書館のIT化を整備すべきだと思います。さらに、区立図書館と学校図書館とのイントラネット整備をすべきだと思います。その整備で、中央図書館と相互に利用することも可能となり、児童・生徒の読書活動が大きく広がるとともに、どの図書館や学校図書館からもあらゆる情報が発信でき、共有されます。また、このことで学校図書館の地域利用の拡大が一層進むと考えますがいかがでしょうか、お考えを伺って、この項の質問を終わります。
次に、木造建築の推進について伺います。
先日視察した富士河口湖町の生涯学習館及び子ども未来創造館の内部は、ふんだんに木材を使っていました。建物に入った瞬間、思わず深呼吸したくなるような新鮮な空気を感じました。木造建築については、あらためて見直しがされています。シックハウスがなくせる、いやしの空間がつくれる、室内の結露を防ぎ、湿度を調整する、音の反響や光の反射を和らげる、優しさとぬくもりがある、安全で木の温かさ、感触をいつまでも感じ、木と自然の恵みを長く感じられるなどのメリットがあります。先日教室の床をPタイル床から木床にかえた区立十一中を見てまいりました。学校再編に伴い、工事を3年に分けて普通教室、特別教室、職員室の床を木床にかえる事業です。既に普通教室はすべて木床にかえてありました。しかし、もっとよい材質を使うべきだと感じました。教室の雰囲気が変わることによって、生徒の落ち着きが出てきているとの説明がありました。当初は廊下も木床にする予定でしたが、予算の関係で廊下はビニール製になるとのことです。耐震補強工事を行った場所の壁は、既に良質な木材を使用してカバーされていました。廊下はビニール製、教室は長持ちしそうもない木床、何ともバランスが悪く、木造活用には一貫性がありません。学校再編に伴い、今回の整備で今後の教育環境が決められる大事な整備ですので、中途半端な改修をして、将来に禍根を残さないようにすべきだと思いますがいかがでしょうか、伺います。
中野区立小中学校は、防災の避難所となっているために、耐火建築構造にしなければなりませんが、新築や大幅な改修を伴う場合、教室、図書室、音楽室、体育館の床、壁、廊下など、校舎内に木造建築を取り入れるべきだと思いますがいかがでしょうか。
東京子ども図書館にも、床や壁に良質の木材を使用していました。100年間はもつ図書館にしたいとの児童図書指導員の思いがきちっと反映されています。区内の知的障害者通所施設「ふらっと」も見てきましたが、建物内部の床や壁など、すべて木づくりでした。落ち着きがあり、本当にいやされるようでした。今後、障害学級や子ども関連の施設についても、改修や改築の際には、建物内部は木材を活用した建築を積極的に取り入れるポリシーをしっかり持って計画を立ててはいかがでしょうか、お考えを伺って、この項の質問を終わります。
最後に、障害者自立支援の充実について伺います。
昨日佐藤議員から同趣旨の質問がありましたので、要点を絞って質問させていただきたいと思います。区は19年度に障害者サービス会議とも言われる自立支援協議会を設置するとの答弁がありました。区長の前向きの答弁を評価したいと思います。問題は、その自立支援協議会の中身です。ここで、自立支援協議会が目指すべき内容や機能について確認しておきたいと思います。
1、障害者一人ひとりのプロセスが見え、情報と課題の共有化ができるようにする。
2、個別な蓄積から地域課題が見えるようにする。
3、新たなサービスの創出や福祉計画への適切な提言ができるようにする。
4、チームアプローチにより協働体制が構築できるようにする。
5、地域資源の役割分担とサービス評価につながるようにすること。
などの効果が着実に上がる自立支援協議会にするよう強く要望しておきます。
次に、自立支援協議会で特に重要なのは、事務局、つまり相談支援者ワーカーです。障害者自立支援法が施行されて、ワーカーの任務が、事務処理にかかわる時間がふえ、本来の相談支援などに手が回らないと言われる中で、支援協議会の事務局機能が十分に果たせるのか、関係者は危惧を抱いています。ワーカー同士の報告会を基本とした事務局を設置し、テーマを挙げて関連機関との会議を持つ事務局の体制ができないと、自立支援協議会を設置しても、共生と自立していける地域づくりはできないと思います。中野区は、関連機関と協議して、地域自立支援協議会を設置する方針を出されましたので、その際障害者支援に取り組まれている関係機関と十分に話し合うとともに、特に事務局体制を強化することを強く求めて、私のすべての質問を終わります。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 岡本議員の御質問にお答えをいたします。
健康づくり月間での「ストップ!メタボリックシンドローム」を例に挙げての健康づくり推進についての御質問がありました。健康づくり月間では、メタボリックシンドロームの理解とともに、自分の健康に関心を持って生活習慣を見直してもらう、そういったことから、行動変容が始まるということを目標に、幅広い取り組みを行ってきたところであります。小冊子の配布も、その一環として行ったものであります。19年度は、こうした健康づくりをさらに強化をして、乳幼児から高齢者までの各年代の特性を踏まえた目標や取り組みを、健康づくり行動プランにまとめるとともに、区民の自覚的な健康づくりに役立つ健康づくりプログラムを区民向けに作成することを予定しているところであります。
そういったことの中で、民間を含めた健康づくりの多様な事業やメニューを紹介しながら、また区としてのさまざまな事業を組み合わせながら、区民の行動変容をサポートしていきたい、こう考えているわけであります。今回の小冊子につきましても、そうした活動の中で活用をしていきたいというふうに思います。
そして、もっとわかりやすいチラシに整理してというような御提案もありました。健康づくりのPR方法については、今後もさまざまに工夫をしていきたいというふうに考えております。冊子の中でありました健康セルフチェックですけれども、これについては、先ほど言いました健康づくりプログラムの中でもぜひ取り入れて、医療機関での相談などでも活用していただけるように、医師会などとも十分に協議をして取り組んでいきたいというふうに思っております。
それから、ホームページの活用も図るべきではないかという、そういった趣旨の御質問もありました。健康づくりプログラムについては、ホームページ上にも取り入れながら、十分周知を図って活用を働きかけていきたいというふうに思っているところであります。ホームページに取り入れる以上、ホームページの中で区民にとってわかりやすく、またそこで実際に自分のデータを入れて検証できるといったような、そういった工夫もできるように検討していきたいというふうに思っております。
また、今度健康診断が保険者に義務づけられるといったような動きの中で、健診のあり方についても検討していかなければいけないということでありますけれども、その中でも当然一番大きな課題として挙げているのが、メタボリックシンドロームを少なくしていくといったようなことでありますので、そういった観点を重視した特定健診、国保で行う特定健診、特定保健指導といったあり方を検討していきたいというふうに思っております。
それから、健康づくりに関連して、食育という考え方が大変重要だということでの御質問もありました。区もそういった認識から、現在食育推進計画を策定をしているところでありますけれども、食育については幅広く区民運動として、地域にその活動連携の輪を広げていくということが重要だと考えているわけであります。今後、食育にかかわる地域活動団体やボランティアの方などの御意見も伺いながら、実効性のある食育推進計画を策定していきたいと考えているところであります。なお、この計画案については、青少年問題協議会において協議検討していただいているという経過となっております。その検討をしていただくために、今期の青少年問題協議会では、構成員にも工夫を加えているところでありまして、医師会のほか歯科医師会、また生活協同組合の方にも構成員として参加をしていただいているところであります。
また、今後中野工業高校や区内には大学、短期大学あるいは専門学校といった食物・栄養などに関連する教育機関も多数存在するわけでありますので、そうした教育機関との連携なども、今後追求をしていきたいというふうに思っております。
それから、区民健診の充実について、乳がんの超音波検査、それから前立腺のPSAについての御質問がありました。区が実施をするがん検診については、区独自での検査方法の有効性に関する検証を行うということがなかなか困難ということがありまして、区としてはやはり国が示す指針、国は全国的にデータも集めて専門的な分析を行っているということでありますので、国が示す指針に基づいた検査方法によって実施をするということを基本にしているわけであります。乳がんの超音波検査につきましては、一定の年代については有効という意見もありまして、この辺について注目しなければいけないというふうに考えているところであります。そうした乳がんの超音波検査のことについても、有効性、検診としての有効性について、国が今後検討する予定といったようなことを聞いているわけであります。区としても、この超音波検査について、今後国の研究と対応に注目していきながら、対応がおくれることのないようにしていきたいというふうに考えております。
それから、前立腺のPSAの方でありますけれども、がん検診実施の前提といたしましては、検査によって適切な治療に結びつく、治療までの判断といったようなことが幅広く確立されているということが前提になるわけであります。前立腺がんについては、検診後の対応でありますとか治療の効果といったようなところについても、現時点でまだ議論が残されている、その人や症状等によって判断をしていかなければいけないといったようなことで、集団検診としてどう取り組めるかといったようなことについての議論が残されているというふうに聞いているわけであります。前立腺がんのPSA、これは特異抗原検査というわけですけれども、PSA検査は、検診としての評価が保留というふうにされているところでありまして、国の指針もまだ策定されていないというのが現状であります。そうした中で、なかなか前立腺がん検診の実施というところまで取り組めないというのが現状ということであります。そうした議論の動向あるいは国の指針の策定といったようなことについても、十分に注意をしていきたいというふうに思っているところであります。
私の方からは以上でございます。その他はそれぞれ担当の方からお答えをさせていただきます。
〔教育長菅野泰一登壇〕
○教育長(菅野泰一) 図書館サービスについてお答えいたします。
初めに、今後の図書館のあり方でございます。
今後の方向、役割、機能ということでございますが、今後の図書館は区民の知的満足を高め、知る権利、学習する権利を保障し、交流や地域の文化を育む共有の場となることを目指していきます。また、地域館ごとに特色のある蔵書収集を行いまして、区全体の蔵書構成の充実を図ってまいります。
次に、情報発信コーナーの充実という御質問でございます。
図書館におきましては、これまで中野区ゆかりの作家、文化人や中野の産業などのテーマを設定し、コーナーの設置や特設展示を実施しているところでございます。今後も区民の期待にこたえる話題性のある展示を実施するとともに、より一層のPRに努めてまいりたいと思います。
それから、原則通年開館すべきであるという御指摘がございました。今後、業務委託のあり方や職員体制の問題も含め検討いたしまして、通年開館を視野に、開館日の増を図ってまいりたいと思います。
続きまして、ICタグ、自動貸出機の導入についてでございます。
ICタグは、蔵書管理の効率化の面でも、また紛失・盗難防止対策の点からも有効な手段であると考えておりまして、他自治体でも徐々に採用が進んでいるところでございます。今後コスト等の問題点を精査しつつ、導入に向けて具体的に検討してまいりたいと思います。自動貸出機につきましては、ICタグの導入とあわせて検討してまいりたいと思います。
それから、子ども読書活動推進計画についてでございます。
まず子ども読書活動のセンター的な機能と東京子ども図書館との連携についてお話がございました。子ども読書活動の推進に当たりましては、中央図書館に児童図書の専任者を置きまして、地域図書館や図書館業務受託者等と連携を図りながら取り組んでいるところでございます。また、東京子ども図書館とは、これまでも図書館運営協議会委員や研修講師を依頼するなど、連携を図ってきているところでございます。
それから、読書感想文優秀作品の表彰について、検討してはどうかということでございます。中野区では、読書感想文・感想画などの優秀作品につきましては、「私たちの読書記録」や「中野の子ら」という冊子の中で掲載しているところでございます。区長賞など、顕彰制度につきましては、今後設けていきたいというように考えております。
それから、地域人材の育成の仕組みについてでございます。
これまでも区立図書館と学校図書館の合同研修会を実施しているところでございます。今後新たにボランティア団体相互の情報交換や研修の機会を設けることとしておりまして、これらの事業を通じて人材の育成を図ってまいります。
それからブックスタートでございますが、中野区では乳幼児向けブックリストを乳幼児検診の際に配布するとともに、実物の図書を展示するなどして、乳幼児からの図書に親しむ機会づくりに努めているところでございます。
それから、学校図書館のIT化でございます。
学校図書館の地域開放のあり方や区立図書館の連携のあり方について、検討を進める中で、学校図書館のIT化について、あわせて検討を進めたいと思います。以上です。
〔助役石神正義登壇〕
○助役(石神正義) 私からは、学校の施設の整備に当たっての木材活用についてお答えいたします。
現在進めております学校再編に伴います整備工事に当たりましては、廊下の床につきましては、雨などによる濡れ、それから生徒の頻繁な歩行などによりまして、教室よりも高い耐久性が必要になるということから、今回の改修に当たりましては、教室の床を木質化し、廊下は塩化ビニール張りとしてございます。今後、施設の改修や改築に当たりましては、木材等の良質な素材を適時使用していきたいというふうに考えております。質の向上を含めて取り組んでいきたいということでございます。
〔保健福祉部長金野晃登壇〕
○保健福祉部長(金野 晃) 障害者の地域自立支援協議会の充実についてのお尋ねにお答えいたします。
協議会を意義あるものにするためには、広い関係者、福祉だけではなくて、教育・雇用・医療などの関係者や障害当事者の参加が必要というように考えております。現在、個別ケア会議として2月から区や障害者地域生活支援センターなどが参加をして、課題を出し合う会議をしております。こうしたことを踏まえまして、関係者の意見を聞いて事務局体制をつくり、地域自立支援協議会の立ち上げを推進してまいりたいと思います。
○議長(高橋ちあき) 以上で岡本いさお議員の質問は終わります。
中野区議会議員 か せ 次 郎
1 小児救急医療について
(1)小児2次救急の再開について
(2)医師不足の解消のための「ドクターバンク」の創設について
2 警大等跡地再開発について
3 桃丘小学校廃止問題について
4 区民健診について
(1)乳がん検診にエコー検査を導入することについて
(2)前立腺がんPSA検査を導入することについて
(3)肝ウイルス検査を節目年齢で実施することについて
5 中野駅の改善について
6 その他
○議長(高橋ちあき) 次に、かせ次郎議員。
〔かせ次郎議員登壇〕
○20番(かせ次郎) 2007年度第1回定例区議会に当たり、日本共産党議員団の立場から一般質問をいたします。
まず、小児救急医療について伺います。
初めに、小児2次救急の再開について質問します。
医師会の協力のもとで中野総合病院で実施されてきた平日・準夜間小児救急医療が新年度から土曜・日曜にも拡大されることは評価できます。ところが小児科医の不足から、中野総合病院の小児科病棟が閉鎖され、中野には緊急時に乳幼児が入院できる小児2次救急病院がなくなってしまいました。これでは安心して子どもを産み育てることはできません。せんだって中野総合病院をお訪ねしました。これまで大学病院の医局との連携で医師体制を整えてきたが、医師不足が深刻ということで、医局から派遣されていた医師を引き上げてしまった。残された医師の負担が大きくなり、やむなく小児病床を閉鎖したと語っておりました。医師不足を招いた原因は、政府与党の社会保障の切り捨て政治にあります。政府はこの四半世紀、医師がふえれば医療費が膨張すると宣伝し、医学部定員の削減を閣議決定までして医師の養成を抑制してまいりました。04年に導入された新臨床研修制度は、研修医に幅広い研修を義務づけ、力量アップを図るというもので評価できます。しかし、大学病院以外の指定病院でも研修できるようになり、大学病院の研修医が減ってしまい、医局には医師を派遣するゆとりがなくなってしまいました。これでは、大学の医局に任せておけばよかったが、医師の確保や人件費が大変で、1病院の努力で小児二次救急を再開するのは難しいと言っておりました。
そこで伺います。小児二次救急の再開を目指して、中野総合病院と話し合いを持つべきではないでしょうか。その際、募集経費助成や人件費補助などの助成制度の創設も検討すべきと思いますがいかがでしょうか。
次に、医師不足の解消のためのドクターバンクの創設について伺います。
従来の大学病院頼みが通用できなくなった今、医師不足の地域や診療科に必要な医師を派遣・確保する新たな公的な仕組みが必要になってまいりました。長崎県では、医師を県職員として雇用し、離島に派遣する。研修や代替医も県が保証する。北海道でも道と大学、民間病院の協力で、医師の不足地域や診療科に派遣、紹介する仕組みをつくっております。東京都でも公募などで医師を確保するプール制やドクターバンクなどを創設すべきです。小児科医の約3割は女性であり、結婚・出産を契機に退職し、機会があれば復帰したいと思っている方も多いとも聞いております。都に働きかけるとともに、国に対し十分な財政支援を行うよう働きかけるべきです。見解を求めます。
ところで、警察病院との協議はどうなっているでしょうか。2月19日、私は日本共産党区議団の一員として、飯田橋の警察病院をお訪ねし、新病院で小児二次救急医療を実施するよう申し入れを行ってきました。副院長は、小児救急の必要性は認識している。問題は医師不足だ。やらないと言っていないが、将来の課題だと話しておりました。警察病院は東京都から毎年3億円強の補助金を受けて運営されている病院です。その立場にふさわしく、地域の切実な医療要求に責任を負うべきです。新病院で小児二次救急医療を実施するよう、強く求めるべきです。答弁を求めます。
次に警大等跡地再開発について伺います。
2月15日、中野区都市計画審議会が開かれ、「中野四丁目地区地区計画の決定について(都決定)」と、「東京都市計画公園(中野中央公園)の変更について(区決定)」が諮問されました。諮問に先立って行われた広告・縦覧では、区決定の都市計画公園の変更について、390通の意見書が寄せられましたが、3分の2は反対の意見です。いずれも貴重な意見であり、時間をかけて慎重に審議すべきものです。ところが、わずか2時間ほどの大半を報告で使い、1時間足らずの審議で合意の答申を出してしまったことは余りにも拙速です。12月14日の都計審では、桃園地域の都市計画マスタープランの一部修正が報告されました。都市計画法では、市町村の定める都市計画は基本方針、都市計画マスタープランに即したものでなければならないとし、基本方針を定めようとするときは、あらかじめ公聴会の開催等、住民の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものと定めております。それだけ大切なものが、区民の意見も議会への報告も、都計審での議論もなく変更される、しかも重大な変更であるにもかかわらず、一部修正で済ませることなどとんでもありません。これまでの都市計画マスタープランでは、賑わいの心は中野通りに沿った地域です。これでは警大跡地に超高層の商業業務ビルを持ってくるには無理があるため、強引に変更しただけではありませんか。新年度予算では都市計画道路と中央公園の用地取得で86億円、都市計画道路整備費に3,000万円も計上しています。これまで区は開発者負担の原則を声高に言ってきました。しかし、結局区が土地を買い、整備することになってしまったではありませんか。このまま事業を進めたとき、区が負担する開発費用はどのくらいになるのか。また、開発者からの負担金はどのくらいになるのか。またその保証はあるのかをお聞きします。
次に、警察庁宿舎用地の問題です。
05年8月に東京都、中野区、杉並区が関東財務局に要望した警察大学校等移転跡地土地利用転換計画案の見直しでは、中学校用地として、現在の中央中学校の南側に都市計画道路に沿って配置されていました。ところが財務省の土地処分方針では、中央中学校の南側に警察庁宿舎用地が割り込んできました。囲町にあった宿舎を移転して、区画道路を確保したと言っていますが、区民の目から見れば、教育環境を犠牲にして道路と中央公園に面した一等地を警察庁宿舎に提供したとしか思えません。校庭の日陰、ビル風の発生など、教育環境を著しく悪化させ、防災公園と一体となった校庭の利用も、広域避難場所への避難経路も遮断してしまう。こんな計画では困るといった意見が、学校関係者を含む区民から出されています。
一方財務省は、23区内の公務員宿舎についての有識者による会議で、23区内の公務員宿舎について、都心部からの移転、跡地売却にかかるグランドデザインを策定するとし、中野の警察庁宿舎は今回保留となっています。学校行事として確保するよう、財務省に交渉すべきです。見解を求めます。
次に、桃丘小学校廃止問題について伺います。
来年の4月には仲町小学校、桃丘小学校が廃校になり、桃園第3小学校が統合新校として桃花小学校に生まれ変わる予定です。この統合計画については、仲町小学校の父母や住民から議会に見直しを求める陳情が出されていました。地域の文化と交流、防災の拠点としての学校が失われ、小さな子どもを遠くの学校に通わせることへの不安からのものでした。こういった声に耳を傾けず、強引に計画が進められてきましたが、今また中野三丁目の住民から、桃が丘児童館がなくなり、桃丘小学校まで廃止されたのでは、桃丘地域に子どもの居場所がなくなってしまうといった声が上がっています。
そこで伺います。桃丘小学校施設に子どもの居場所、地域の交流と活動の拠点としての場所を確保すべきと思いますがいかがでしょうか。
次に、区民健診について伺います。
まずは、乳がん検診にエコー検査を導入することについて質問します。
昨年の第4回定例会で池田議員が、40歳に引き上げた検査開始年齢をもとの30歳に戻し、乳がん検診に超音波検査を導入するよう求めましたが、国の指針に従い実施していると冷たい答弁でした。ところが厚生労働省研究班主任研究員大内憲明東北大教授の研究で、マンモグラフィと視触診併用の乳がん検診を受けても、40歳代では3割近くが乳がんを見落とされている可能性があることがわかりました。日本では、乳がんにかかる人は40代が最も多い。しかし、乳腺密度の濃い40代は、マンモグラフィに腫瘍が写りにくい。一方エコー検査は、乳腺の濃さに影響されにくく、20代から40代の乳がん発見に効果が高いというものです。大内教授は、40代の女性の乳がん死亡率を減らすには、エコーを使った検診が有効だと指摘しております。マンモグラフィに比べエコーの普及率がはるかに多く、受診しやすいこと、X線の被爆が心配ないという点でも、優れた検査法です。そこで伺います。乳がん検診に超音波検査を導入するとともに、検査年齢を30歳に戻すべきと思いますがいかがでしょうか。
次に、前立腺がん、PSA検査を導入することについて伺います。
厚生労働省が発表した平成17年人口動態統計概数によれば、昨年度男性のがん部位別死亡数では第8位、9,268人の方が前立腺がんで亡くなっています。これは女性の乳がんの死亡数1万720人とほぼ同じです。欧米ではさらに高い割合で、厚労省も、日本でも2020年には肺がんに次いで第2位になると予測しています。前立腺がんは、既に転移している場合には、5年生存率は約20%、10年生存率は10%未満と言われています。一方では、早期に発見し適切な治療をすれば予後もよく、100%助かると言われています。PSA検査は血液による検査で、苦痛も少なく安全な検査であり、区民や医師から注目されている検査です。女性に乳がん検診があるように、男性にも前立腺がん検査として、前立腺PSA検査を導入すべきではないでしょうか、伺います。
次に、肝ウイルス検査を節目年齢で実施することについて伺います。
02年度から始まったC型肝炎ウイルス検査は、40歳を起点に5歳ごとの節目年齢で、70歳までを対象に、1人1回についてのみ実施されてきました。C型肝炎ウイルスは、感染しても目立った自覚症状もないため、気がつかないうちに慢性肝炎になり、肝硬変や肝臓がんに進行しかねない恐ろしいものです。現在では、かつてのような点滴による感染事故は少なくなってきたものの、既に感染し、気づかないままの持続感染者を発見することは、引き続き重要な課題です。新年度予算では、これまでの検査で一巡したとして、節目年齢の検査はやめて、40歳のみにしようとしていますけれども、これでは検査を見送った人や、区外から転入してきた人をフォローできません。これまでどおり節目年齢での検査を継続すべきです。答弁を求めます。
次に、中野駅の改善について伺います。
私は9月議会で、中野駅南口の水たまり問題と北口改札口の段差対策について質問しました。JRに申し入れしたという答弁でしたけれども、昨日は北口改札問題で前向きな答弁がありましたが、水たまり問題はどうなったかお聞きします。
北口改札の段差解消の問題で、JRは19年度に昇降機かスロープの設置を検討しているとの答弁でした。中野駅利用者の会などが駅舎改善の署名運動を行っていますが、障害者の方や高齢者の方、ベビーカーを押した若いお母さん方からは、昇降機よりもスロープの方が使い勝手がいいといった声が聞かれます。私は、こういった要望に従い、早期実現に向けた交渉をすべきと思いますが、改めて答弁を求めます。
ところで、中野駅には障害者用トイレもありません。交通バリアフリー法の趣旨からしても、JRに設置を求めるべきです。あわせて伺います。
以上、誠実で端的な答弁を求め、私のすべての質問を終わります。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) かせ議員の御質問にお答えをいたします。
小児救急医療についてであります。中野区としては、区内に小児二次救急指定医療機関がなくなったことは、大変残念なことと考えているわけであります。これまで小児二次救急医療再開に向けて、関係機関に働きかけを続けてきたところであります。今後とも、東京都、中野区、医師会等の関係機関と十分協議をしながら、東京警察病院を含め、実施の可能性のある区内関係病院に積極的に働きかけ、区としてできる最大限の努力をしてまいりたいと考えているところであります。
それから、医師不足解消のために長崎県や北海道云々といった事例の御紹介もありました。東京都におけるドクターバンクの創設についてということであります。医師の確保については、全国的には各地域の実情によってさまざまな方策が講じられていると認識をしているところであります。東京都内においても、国や都がそれぞれ確保に向けた検討を行っているということであります。区としても、できる方策に努めていきたいと思っております。
それから、警察大学校等の跡地の問題であります。
区が負担する開発費用等についてであります。警察大学校等跡地の都市計画道路及び都市計画公園の用地取得につきましては、過去の取り引き事例を参考に、来年度の予算案では約86億円あまりを計上したところであります。都市計画公園につきまして、1ヘクタール以上の都市計画公園について、都市計画交付金の交付が可能となるといったようなことがありますので、こうした特定財源の確保といったようなことから、区の負担といったようなものも、その面で軽減もされるというふうに考えております。
また、中野駅周辺のまちづくりに当たっては、開発者負担の原則に基づいて、開発者等に任意の寄付金である開発協力金を負担していただくということで考えているわけであります。負担額も含めた全体の枠組みについては、できるだけ早い時期に固めていきたいと考えております。
この協力金につきまして、今後財務省の売却条件の中に盛り込んだり、早い時期から周知徹底を図るということなどを通じまして、開発者等の理解と協力が得られるものと考えております。
それから、中央中学校の南側の用地についてであります。当該土地につきましては、昨年3月に決定された財務省の土地処分方針で、国が利用することになっております。今後この処分方針に沿って、地区計画の都市計画決定を行うこととしているわけであります。
桃丘小学校の廃止をめぐっての御質問もありました。桃丘小跡地につきましては、10か年計画におきまして、新しい産業関連施設、文化芸術の活動拠点などとしての活用を図ることとしているわけであります。これらの機能と施設内容を具体化すべく検討しているところであります。
私からは以上であります。そのほかはそれぞれ担当の方からお答えをいたします。
〔保健福祉部長金野 晃登壇〕
○保健福祉部長(金野 晃) 区民健診についてのお尋ねにお答えいたします。
まず、乳がんの超音波検査ですが、国の指針では、乳がん検診については、40歳以上の女性に視触診検査とマンモグラフィ検査を併用実施することになっております。現在はその考え方に基づいて行っております。超音波検査について、新たな考え方が出ているという報道がございますが、まだ国の見解とはなっておりません。注目をしていきたいと考えております。
次に、前立腺がんのPSA検査についてでございます。この前立腺がんPSA検査につきましても、検診としての国の評価が保留となっております。したがって、現段階では前立腺がん検診の実施は考えておりません。
次に、肝炎ウイルス検査の節目年齢についてのお尋ねでございます。
肝炎のウイルス検査は、成人健診受信者の40歳から70歳の節目年齢の方を対象として、平成14年度から18年度までの5年間実施し、対象者全員に受診機会を提供しております。今後も健診の未受診者で肝炎ウイルス検査を受けたことがないという方につきましては、希望があれば年齢にかかわりなく、肝炎ウイルス検査を実施することにしております。したがって、新規の対象者として通知をするのは40歳だけになりますが、検査の必要な方についてはだれでも受けることができるということになっております。
〔都市整備部長石井正行登壇〕
○都市整備部長(石井正行) 中野駅の改善について、2点ほど御質問いただきました。
まず、南口の水たまりについての御質問でございました。これにつきましては、JRは平成17年度に南口の改修工事、これを実施をしております。この御質問の点について、区としてJRに改修をするよう再三申し入れをしているところでございまして、今後JRの対応を待っていきたいと考えております。
それからもう1点、北口スロープの設置と障害者用トイレの整備でございます。北口改札前の階段、これにつきましては19年度をめどに、スロープもしくは階段昇降機で小階段の解消を検討しているというふうに聞いております。
また、多機能トイレの整備でございますが、これにつきましても再三設置の申し入れをしておるところでございますけれども、駅舎の大規模な改修が必要であるというようなことから、現在実現までに至っていないというところでございます。JRに対し整備に向けた再度の要請をしてまいりたいと考えております。
○議長(高橋ちあき) 以上でかせ次郎議員の質問は終わります。
中野区議会議員 伊藤 正信
1 教育問題について
(1)ゆとりの教育について
(2)校庭の芝生化について
(3)放課後子どもプランについて
2 「新中野駅」周辺のまちづくりについて
3 その他
○議長(高橋ちあき) 次に、伊藤正信議員。
〔伊藤正信議員登壇〕
○11番(伊藤正信) 平成19年第1回定例会に当たり、自由民主党・民社クラブの立場から一般質問をさせていただきます。
質問は通告順に従い、初めに教育問題についてのゆとりの教育について、校庭の芝生化について、放課後子どもプランについて。そして2番目に、新中野駅周辺のまちづくりについて。そしてその他の項で、耐震補強の促進についての順番で行います。
最初に、教育問題のゆとりの教育について質問をいたします。
先月の24日に、政府の教育再生会議は、教育再生のための基本的な考え方や当面の取り組みや今後の課題などの第一次報告を決定しました。この第一次報告の公教育再生の基本的な考え方では、いじめや不登校、校内暴力、学級崩壊、指導力不足の教員、そして事なかれ主義とも言われる学校や教育委員会の責任体制のあいまいさなどの現状を指摘しています。そして、多くの公立学校が、学力をしっかり身につけてほしいとか、いじめや暴力のない安心して勉強できる環境などという、保護者の切実な願いに的確に対応しているとは言えないとし、公教育の機能不全と言っても過言ではないとまで指摘しております。これでは私も娘を公立学校に通わせる保護者として、一抹の不安を覚えますし、今、盛んに言われています公立学校離れもうなずけるものであると、改めて認識をいたした次第であります。
教育再生のための七つの取り組みの中では、教育委員会のあり方そのものを抜本的に問い直す。これは、教育再生のためには教育委員会の再生が不可欠とし、その存在意義をも原点に立ち返り、根本的に見直すとしております。このため、今通常国会に地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正案を提出するとしております。この改正の内容は、一つに、教育委員会は地域の教育に全責任を負う機関として、住民や議会の評価・検証を受けること。二つ目に、教育委員会は、いじめや校内暴力に正面から向き合い、迅速に対応すること。三つ目に、文部科学省、都道府県、区市町村の教育委員会、そして学校の役割分担と責任を明確にし、それらの権限を見直すこと。四つ目に、第三者機関による教育委員会の外部評価を導入すること。そして五つ目に、小規模自治体の教育委員会を広域的に処理するため、統廃合を進めることが予定されています。
そこで最初に伺いますが、このように教育委員会は大きな変革の時期を迎えることになることは、既に明らかになっております。教育委員の任命権をお持ちの区長にお聞きいたしますが、こうした教育委員会の実態についての評価と、今後の中野区の教育委員会の再生について、どのようなお考えをお持ちなのか、お伺いをいたします。
さて、教育再生のための七つの取り組みの中には、ゆとり教育を見直しし、学力を向上させるといった取り組みが上げられております。これは、基礎学力強化プログラムのもとで、授業時間の10%の増、基礎・基本の反復、徹底と応用力の育成などの学習指導要領を改訂することや、全国学力調査の実施、伸びる子どもは伸ばし、理解に時間のかかる子には、ていねいにきめの細かな指導を行う、習熟度指導の拡充。さらに体力の向上や学校選択制導入などの提言が盛り込まれております。2月7日に開催された文教委員会において、ことしの4月から2学期制が実施される小学校の報告がされております。桃園第二、桃園第三、鷺宮、向台、新井、大和、若宮、丸山、武蔵台、上鷺宮の10校で実施され、既に実施されている啓明、沼袋、野方、北原、仲町の5校と合わせると15校になり、平成20年度からは、全小学校が2学期制に移行するとされております。そもそもこの2学期制の導入は、これまで固定的にとらえられていた教育課程の改善を図り、よりきめ細かな指導と評価を行うなど、子どもたちにとってより充実した教育活動の展開を目指して、2学期制の導入を進めていくこととしています。
このため、夏休み等の長期休業日を短縮し、授業日数をふやすことによって、特色ある学校づくりがより推進し、よりよく生きていくための生きる力を定着させることができるとしております。この2学期制の導入については、平成16年度に開催された文教委員会や小・中のPTA連合会との説明の中で、その導入の必要性や有効性について、さまざまな議論があったと聞いておりますが、結果的には教育委員会側が押し切って実施したというようなお話を聞いております。
そこでお伺いいたしますが、教育再生会議で提言されたゆとり教育の見直し、学習指導要領の改訂により、授業時間が10%増加するなど、今後教育環境が改善されることが予想されますが、区立小学校で予定されている2学期制の導入との関係ではどのようになるのかお教えください。端的に言えば、2学期制の導入を進める必要があるのか、お考えをお聞きいたします。
次に、校庭の芝生化についてお伺いいたします。
この質問は、我が会派の同僚議員であります、いでい議員もたびたび質問をされております。平成19年度の予算案に、区立小学校の校庭の芝生化の予算が計上されております。先行的に若宮小学校の校庭の芝生化が行われ、私もつい先ごろ拝見させていただきました。本当に子どもたちにとっては教育上最良な環境であると実感してきました。19年度の実施校の決定は、いわゆる手挙げ方式で行った結果、区の北部地区の武蔵台小学校となったと聞いております。区の南部地域の小学校からは手が挙がらなかったと聞いて、大変残念に思っていますが、校庭の維持管理や地域の協力体制の確保問題や芝生の養生期間の対応などから、校長さんが手を挙げたくても、教員などからの反対で、やむを得ずあきらめた学校もあると聞いております。
しかし、同じ区内の小学校で、一方は教育上最良な環境がつくられ、一方では、これまでと同じダスト舗装の校庭という格差が生じていることには違いはありません。区の教育委員会が、公園・道路分野などの協力を得て、学校の校長先生が安心して手が挙げられる維持管理体制、支援の仕組みをつくり、学校の芝生化を進めていくべきであると考えますが、教育委員会のお考えをお伺いいたします。
教育問題の最後に、放課後子どもプランについてお伺いいたします。
この放課後子どもプランは、区の教育委員会、当区の場合は子ども家庭部になるのでしょうか。そこが主導して福祉部局と連携を図り、原則としてすべての小学校区域で放課後の子どもの安全で健やかな活動の場を用意し、総合的な放課後対策として実施するものとされ、区の19年度予算にも21小学校区の予算が計上されています。この事業については、文部科学省の放課後子ども教室推進事業と厚生労働省の放課後児童健全育成事業を一体的、連携して実施するものです。文部科学省の事業については、平成16年度からの3カ年の緊急事業として、地域の方々の協力を得て実施されてきたものと聞いております。残念ながら、私の娘が通う区立中野本郷小学校区域では、こうした取り組みは行われておりません。しかし、江原小学校、北原小学校、江古田小学校の各学校区では、週の何日間か、土曜日などに地域の方が主体的に卓球教室や工作、ゲームなどの取り組みを実施していると聞いております。他の区では、全児童を対象とした品川区のすまいるスクールや、葛飾区のわくわくチャレンジ、また学童クラブを利用した放課後対策事業を実施しています。
中野区でも20年度から塔山小学校区に仮称キッズ・プラザの導入を進め、順次開設していくと聞いています。そして当面の放課後子どもプランの実施は、区の委託を受けた育成団体が児童館や学校と連携して事業を実施するという説明を伺いましたが、こうした事業実施経験のある育成団体がない地域は、学童クラブや児童館、学校が地域と連携して事業を行い、育成団体そのものを育てていく必要があると考えますが、区長と教育委員会に御見解をお伺いいたします。
国は原則としてすべての小学校区域で放課後の子どもの安全で健やかな活動の場を用意するとしているわけですから、地域によって格差の生じることのないよう、十分御配慮して事業を推進していただきたいと思います。
次に、新中野駅周辺のまちづくりについてお伺いいたします。
昨年の第4回定例会においても、東京メトロの新中野駅を中心とした商店街振興の質問をさせていただきました。今回は駅周辺のまちづくりについて、質問や御提案をさせていただきます。
新中野駅の周辺は、幹線道路である青梅街道、中野通り、もみじ山通りが交差し、東京メトロやバス便が豊富であり、交通の利便性が高い地域であります。この鍋横地域の特徴は、新宿に近いことから、若い人が一時停留型で居住する一方で、戦前からの古い住宅街として高齢化も進んでおります。しかし、新中野駅の利用しやすさや、バリアフリー問題や駅周辺の放置自転車、青梅街道、中野通りの交通渋滞などの多くの問題を抱えております。また、本町四丁目、六丁目の生活道路は、行き止まり道路や狭隘道路が多く、歩行者、自転車利用者の安全な通行をはじめ、緊急車両などの円滑な通行を確保するためにも、その整備を体系的に進める必要があると言われております。特に青梅街道の沿道の商店街は歩道も狭く、放置自転車も数多くありまして、高齢者や障害のある方の安全の確保が求められております。このため、青梅街道及びもみじ山通り沿道は、幹線道路沿道の土地利用を進めるとともに、店舗の共同化などを誘導し、ゆとりある空間の創出や、青梅街道の拡幅による歩行者空間の整備を進め、安全で快適な買い物空間を確保するという考え方が、区の都市計画マスタープランに述べられております。
そこでお伺いいたしますが、新しい中野をつくる10か年計画には、新中野駅周辺のまちづくりについて、具体的な計画が示されていませんが、今後この地域のまちづくりについて、どのように展開されていくのか、お考えをお聞きします。
平成19年度の当初予算案に、都市計画マスタープランの改定の予算が計上されていますが、この改定は21年度に公表される予定であると聞いておりますが、それまでの間は新中野駅周辺の整備は棚上げになるのでしょうか、あわせてお考えをお聞きします。
歴史ある鍋屋横丁の名を次世代に引き継ぎ、東京メトロの新中野駅を中心としたにぎわいのある街として再生し、店舗の共同化などにより、公共空間をふやし、ゆとりをもって買い物ができる環境の整備が急務であると考えます。
次に、新しい中野をつくる10か年計画でも計画されている、本町四丁目の高齢者向け優良賃貸住宅の早期開設についてお伺いをいたします。
10か年計画では、ステップ3で整備・誘導という計画になっています。聞くところによりますと、19年度には事業者の募集、20年度には設計工事着工、22年度内には開設という年次計画で整備されるということですが、現在どのような状況になっているのでしょうか。本来であれば、地元や近隣の住民に具体的な整備計画をお示しする時期を既に逸しているように思います。事業者募集の前にきちんと地元の町会や近隣住民に説明し、意見や要望を聞くべきではないでしょうか。具体的な施設規模がどのようになるのかは不明ですが、近隣も含めた共同住宅化も検討する余地があるのではないでしょうか。
そして、低所得の高齢者の住居はもちろん、ある程度のファミリー層向けの住居も用意する必要があると考えます。できれば、ファミリー層の誘致のため、一定期間の家賃補助制度もあわせて検討してみてはいかがでしょうか。
最後に、その他の項目で1点、耐震補強の促進について御質問をいたします。
直下型地震がいつ来るかわからないと言われております。阪神淡路大震災の教訓として明らかになったのは、倒壊した住宅や倒れた家具の下敷きになった犠牲者が極めて多数あったということです。この教訓から、住宅の耐震補強を進めるための施策が、国、都を含め多くの自治体で取り組まれるようになりました。中野区では、この耐震補強の促進にいち早く取り組み、対象となる木造住宅全戸の戸別訪問など、他に例を見ない施策の実行によって、耐震診断の件数でも、耐震補強の実施件数でも、23区で最も多い実績を上げていることは評価すべきと思います。
ところで、中野区では直接耐震補強に助成を行っていません。住宅の安全は自らの責任で守るべきであるという点や、個人の財産に税金を投入することの難しさなど考えれば、この考え方を一概に否定することはできないと思っております。それでも、他より実績が上がっているのは、中野区の取り組みの熱心さの成果だと思います。しかしながら、この耐震補強の助成について、助成以外に税金の減免があることを御存じでしょうか。この減免は、自治体の助成を受けないと対象にしてもらえない仕組みになっています。区としては、そのような制度に不満はあるでしょうが、中野区の施策の考え方によって、他の自治体では税の減免を受けられるものが受けられないとしたら、区民にとっては不利益なことになってしまうのではないでしょうか。この耐震改修助成と税の減免について、区としてはどのように考えているのか、何か対策は講じないのか、お尋ねをいたします。
以上で私の質問は終わりますが、区長さん並びに理事者におかれましては、前向きな御答弁を期待いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 伊藤議員の御質問にお答えをいたします。
まず、教育委員会の再生についてということであります。
今日の教育委員会の評価についてということであります。現在の教育委員会は、現在の地教行法、地方教育行政の組織及び運営に関する法律でありますけれども、その法律によりまして、教員の人事権また基本的な所属が東京都にあるということでありまして、学校の先生の人事権は都教委が持っているというようなこと。また、実際には非常勤の5人の委員の方が、現実の教育行政の運営を直接行わなければならないというふうなこと、そういったさまざまな制約、条件の中から、区民や、あるいは区民に直接選挙をされた議会あるいは首長、そういった現実に目まぐるしく動いている現実の場面。そういったものを背景にしたさまざまな要請に、機動的かつ効果的にこたえられる仕組みになっているかどうかといったような点について、私は正直いささか疑問を持っているというところであります。そうした教育委員会のあり方について、さまざまに議論がある、制度上の問題についても議論があるということも、承知をしているところでありまして、私といたしましても、国などでの議論の行方を見定めていきたいというふうに思っているところであります。
それから、放課後子どもプランについてであります。
区は学校・地域連携事業として、全児童館が地域の育成団体や地域の方々と連携して、学校施設を活用して、子どもの健全育成事業を行っていくことを計画をしているわけであります。このため、子どもたちの育成にかかわる人材の発掘や育成、そして育成団体への支援といったようなことが、今後の児童館の重要な役割になるというふうに考えております。この事業については、国の放課後子どもプラン推進事業の補助金を活用して実施をするということにしているわけでありますが、区内全域で取り組めるように、全児童館が学校・地域と連携をして事業の推進に努めていきたいというふうに考えております。
それから、新中野駅周辺のまちづくりについてであります。
新中野駅周辺のまちづくりについては、具体的には、自転車駐車場の整備・推進が喫緊の課題であるというふうに考えております。現在、東京都による杉山公園交差点の拡幅整備事業と合わせて、駐輪場を地下に整備することを検討しているということであります。そのほか、新中野駅周辺につきましては、交通バリアフリー整備構想の重点整備地区に位置づけて、駅舎のバリアフリー化、また周辺道路のバリアフリー化を進めることとしているわけでございます。こうしたことのほかにも、議員の御質問の中にもありましたように、青梅街道の問題、あるいは鍋屋横丁と呼ばれる通りの問題など、商店街の活性化や通行の安全確保、さまざまな課題があるということについて、区としても認識をしているところであります。そうした認識に基づいて、新中野駅のまちづくりについて、可能な取り組みについて、着実に実施をしていかなければならないというふうに考えているところであります。
都市計画マスタープランについてでありますけれども、都市計画マスタープランは、都市計画を実施していく際の指針となるものであります。しかしながら、もととなる基本構想が改定をされたといったようなこともありまして、今後都市計画マスタープランも改定をしていくわけでありますけれども、その基本構想に沿った考え方に基づいて、まちづくりについては、都市計画マスタープランの改定を待たなければならないということではなく、必要な取り組みは行っていかなければならないというふうに考えているところであります。
それから、本町四丁目の高齢者向け優良賃貸住宅の開設についての御質問であります。
本町四丁目の区未利用地につきましては、民間事業者によって、国の補助制度を活用した高齢者向けの賃貸住宅を整備するほか、ファミリー向け住宅の併設も計画をしているところであります。現在、整備方針のほかに整備費の助成要綱などの策定作業を進めているところであります。事業者による整備を進めるに当たりまして、事前に周辺の区民の皆様の御意見等を聞く機会を十分に設けてまいりたいというふうに考えております。
また、隣接の敷地との共同化についての御提案もありましたけれども、以前に関係地権者と協議した経過もあるんですが、結果的には合意に至ることができませんでした。現在は区有地単独での住宅整備を考えております。
また、入居するファミリー層への区独自の家賃補助という考え方でありますが、これについては他に先行的に実施した事例などを見ましても、必ずしもよい成果が上がっているというふうには評価ができているわけではありませんので、区といたしましては現在のところ考えていないということで御理解をいただきたいと思います。
それから、耐震補強の促進についてという御質問もございました。耐震補強の促進は大変重要な課題ということでありまして、区として重点的に取り組んで成果を上げてきたわけであります。区の助成がないがゆえに、税の減免が受けられないということについて、都や国にも改善を申し入れているところでありますが、それがなかなか受け入れてもらえないわけであります。区といたしましては、来年度から、これまで耐震診断で工事するに当たっての施工方法の補強計画まで含めて実施をしてきたものをさらに拡充をして、工事のための耐震設計の一部について、補助として執行することとしたところであります。これによって、今後補強する方については、税の減免は他の区と同様に受けられるようにしてまいりたいというふうに考えているところであります。
私からは以上です。そのほかについて、それぞれ担当の方からお答えをいたします。
〔教育長菅野泰一登壇〕
○教育長(菅野泰一) 教育問題についてお答えいたします。
初めに、2学期制導入の必要性ということでございます。
2学期制の導入は、授業時間数を確保すると同時に、長期的に継続して課題を解決する学習活動計画を立て、じっくりと学習に取り組むことができるようにすることなどを目指したものでございまして、今後とも導入を進めてまいりたい、このように考えております。
続きまして、校庭の芝生化推進の支援ということでございます。
平成19年度の実施校の選定に当たりましては、学校ごとの条件によって芝生化が比較的容易なところと制約が多いところがございます。今回、南部地域からは残念ながら選定できる学校がなかったということでございます。今後につきましては、これらの条件を改善していくことによりまして、芝生化の円滑な推進に努めてまいりたいと思います。
続きまして、放課後子どもプランでございます。
放課後子どもプランにつきましては、区長部局が中心となって進める事業でございますけれども、教育委員会としても連携して推進してまいりたいと思います。
○議長(高橋ちあき) 以上で伊藤正信議員の質問は終わります。
中野区議会議員 岩 永 しほ子
1 障害者自立支援法の「改善策」について
2 耐震補強工事助成の実施について
3 山手通り問題と郵政宿舎跡地などについて
4 地域センター廃止計画について
5 幼稚園障害児介助員などの対応について
6 その他
○議長(高橋ちあき) 次に、岩永しほ子議員。
〔岩永しほ子議員登壇〕
○31番(岩永しほ子) 2007年第1回定例区議会本会議におきまして、日本共産党議員団の立場から一般質問を行います。
最初に、障害者自立支援法の改善策についてお聞きをいたします。
昨年実施された障害者自立支援法は、応益負担見直しを求める全国的な運動によって、法施行後1年もたたないうちに、政府と厚生労働省は改善策を出さざるを得ませんでした。これは、利用料の上限額引き下げと食費負担のさらなる軽減、課税世帯のうち、住民税所得割が10万円以下の世帯への負担軽減、事業者が日払い方式で受けた減収分の保障を9割に引き上げるなどの激変緩和と、民間作業所などが新制度に移行するための経過措置となる特別補助の実施です。しかし、利用料の軽減策や事業者の減収保障対策は、今年度分には遡及しないものです。中野区は、今回の見直しを知らせる案内を関係者に送り、軽減の対象者や対象世帯の把握に努めていると聞きます。新たな軽減対象となる世帯は、4月から6月までに所得割10万円未満の認定を受ければ、今後2年間は有効、7月からは住民税のフラット化による影響で、16万円までが対象になることなども早目に知らせ、一人ひとりが不利益を講じないようにするべきです。お答えください。
上限額が引き下げられたとは言え、利用料の1割負担をしなければなりません。23区では半数以上の区が障害者とその家族を支援するために、1割負担を軽減する方策を実施しています。区長は、障害者支援の拡充が必要と施政方針で表明しているのですから、1割負担の軽減策を実施すべきです。お答えください。
事業者への日払い方式により生じた減収保障と通所施設の送迎サービス助成は、国が包括的な基金制度をつくり、都が実施主体となって07、08年度に実施されます。減収への補助率は9割ですから、1割分は補助されません。事業者が減収を理由に運営を継続できなくなることは、利用者のみならず区にとっても重大です。そうした事態が起きないよう、都と区の対策を求めます。お答えください。
自治体にとっても影響は深刻なことから、全国市長会や全国知事会は、地域生活支援事業の財源措置、障害者程度区分認定の改善、負担軽減と所得保障などを国に求めています。今回の改善策は、法の枠組みを守りつつ、3年後の見直しまでの措置という期限つきですから、応益負担による制度の根本解決にはなりません。事業者にとっても、安定的に事業を継続し、新体系に移行する保障となるのか。3年後はどうなるのかという新たな不安をつくり出しています。区として真の障害者自立支援のために、応益負担の見直しを求めるべきと思います。見解をお聞きします。
次に、耐震補強工事助成の実施についてお聞きします。
先日墨田区のまちづくり公社と地元住民などが参加する京島地区まちづくり協議会がつくった「命を守る簡易耐震改修のモデルハウス」を見学しました。築70年になる呉服屋さんだった空き店舗を有料で借り受け、その建物に地元大工さんなどが実際に5種類の工法を実施し展示してあります。逃げ道を確保できるよう、家の壁と天井に添わせたいのちの門となる門型フレーム、強さ約3倍と書いた筋交い補強、1階の天井、2階の床を補強する構造用合板、ダンパーを使用した壁の補強など、それぞれの仕組みがわかり、予算と工期も示され、各家の事情や予算に合わせて実施できることがわかります。大がかりな工事をしなくても、耐震工事を実施できることが実感できます。
ちなみに、モデルハウスは商店街の休憩所や公共トイレとしても提供されています。このモデルハウスの工事費用100万円は国の補助金を活用しています。中野区でも区内の建設関係者などと相談し、墨田区のように空き店舗などを活用し、区民が目で見てわかり、耐震の取り組みが一層進むよう働きかけてはいかがでしょうか、お聞きします。
中野区が実施している耐震診断助成の一般診断では、今年度200件の予定数を超え、補正を組んだ対応で11月までに337件の実績を上げています。補強工事は自己資金ですが、58件実施されています。耐震対策の計画も、助成範囲の中でしたら、耐震工事に結びつきやすいのでしょうが、さらに工事助成があれば、もっと工事が進むでしょう。04年4月から06年8月末までの耐震診断助成の実績では、985件の木造簡易耐震診断が実施されています。うち建築基準法が定める、一応安全レベル1.0以上のものは1割しかなく、9割が一応安全レベルに達していません。私たち議員団は、これまでも簡易耐震工事、いわゆる「ほどほど耐震」など、耐震化への工事助成を提案してきました。23区では20区が耐震工事助成を実施しています。残る3区のうち、既に千代田区は高齢者などへの工事助成を実施し、練馬区は新年度から実施します。いよいよ個人財産への補償は問題と言い張っている中野だけが何もないということになってしまいます。まちづくりを強調するならば、まず災害に強いまちにすることが優先されます。区政世論調査を見ても、防災に対する強い要望があります。
国は昨年7月に、耐震改修促進計画の策定と補助制度整備の促進を求める通知を出しました。耐震化促進のために、個人の特別減税も創設しています。都は住宅マスタープランや地域防災計画の素案に、住宅の耐震化と家具転倒防止策の促進を盛り込みました。練馬区の耐震改修促進計画素案では、個々の住宅や建築物は都市を構成しており、耐震性の向上は災害に強いまちづくりを行う上で不可欠であるとしています。国、都、22区の取り組みは、耐震工事助成は災害に強いまちづくりのために不可欠なことを示しています。個人財産への補償は問題という中野区は、時代から取り残されてしまいます。耐震化の特別減税は、改修工事をした場合の住宅120平米までの固定資産税を2分の1減額し、所得税では費用の10%、上限20万円の控除申告ができます。この所得税控除は、自治体に工事助成制度がないと申告できません。このままでは中野区民は耐震補強工事の助成がないだけでなく、自己資金で行った工事の税金控除すら受けられないことになります。中野区も直ちに耐震改修工事助成を実施すること、積極的に耐震改修促進計画を定めることを求めます。お答えください。
山手通り問題と郵政宿舎跡地などについてお聞きします。
山手通り地下の首都高速道路新宿線の工事がおくれ、高速5号線熊野町から高速4号線につなぐ西新宿ジャンクションまでをことし12月、その先高速5号線への目黒大橋までは09年度中に開通を予定しています。これまで東京都や首都高速が説明してきたアセスメントと車の交通量推計は、全線開通を前提にしたものでした。しかし今回の計画では、中野本町出入り口は全線が開通するまでの2年間、新宿で合流する高速4号に乗らない車の出口となり、池袋方面に向かう車や近隣の混雑を避けようとする車の入り口となり、車が集中し、そのために本郷通りや山手通りが渋滞するのではないか。本町一丁目の相生通りに車が流れ込むのではないかと、ますます不安になります。先日首都高速の人たちと話しましたが、状況が変わったことによるアセスなどは実施していないとのことでした。地元へは昨年の「山手だより」の配布でお知らせされただけです。山手通り問題に関係する地域住民や団体は、排気ガスや換気塔対策、歩道の確保、バス停の改善などについて運動してきました。山手通りの整備もおくれ、沿線住民の工事被害は長期化しています。区は、公団とともに今までの説明と違ってきた現状についての住民説明会を実施すべきです。お答えください。
私は、昨年の決算特別委員会において、本町二丁目の郵政宿舎跡地を区が取得するよう求めました。地域からも取得を求める陳情がなされています。持ち主の共済組合連合会は、今後は測量や土地管理などの調査をすること、独自に鑑定し、公表しないが、売却の予定価格を決め、一般競争入札に先立ち当該自治体の意向を聞き、合意できれば区と随意契約を結ぶことになると話していました。区は、08年度に当該用地を取得する意向を示しました。整備などには地域が参加する検討会を設置することが肝要です。地域住民の願いにこたえて取得できるよう、時期的な対応もあわせた努力を求めます。お答えください。
地域センター廃止問題についてお聞きします。
区は10か年計画において地域センターの職員を引き上げ、行政窓口サービスは南中野、東部、野方、江古田、鷺宮の5カ所に統合する。オンラインシステムを廃止して、区役所に電話などで申し込んだ住民票をコンビニで受け取る。区民活動センターの管理は、地域の町会、自治会などでつくる運営委員会に委託し、自主運営とする考え方を示しました。しかし、区民からは強い反発が出され、見直さざるを得ませんでした。その後、地域調整をする職員の複数配置、コンビニ委託はやめ、区民活動センターの運営委員会が雇った人が住民票などを受け渡す。運営は地域の自主運営ではなく、区が一定の運営マニュアルをつくるなど、考え方がくるくると変わってきました。私たちは、施設に職員を配置する以上、職員がオンラインシステムを使って行政窓口サービスを実施することが、プライバシー保護の問題でも、無駄のない現実的な対応であることを提案し、見直しを求めてきました。改めて区の対応を求めます。お答えください。
区が委託先と考えている町会との話し合いでは、区民活動センターへの転換目的がわからない、区は町会に仕事を押しつけようとしている、といった声をはじめ、運営委員会に責任を持たされても困る。職員行政が主体となって担うべきだと、区の考え方に批判的です。さらに町会は、自主団体であり、会員のための組織であるとか、窓口サービスの集約によって、住民サービスの低下を招くのではないかなどの意見も出されていますが、当然のことです。しかし区は、新年度に区民活動センターへの転換に関する予算を盛り込みました。問題の解決がなく、当初からの計画が変わり、今後の見通しもはっきりしないまま、計画を進めることはやめるべきです。他区でも、地域への委託が失敗している例があります。それらを教訓として、区の計画を白紙に戻し、区民が納得できるものに検討をし直すべきです。見解をお聞きします。
最後に、幼稚園障害児介助員などの対応についてお聞きします。
区立幼稚園の障害児介助員は、通年介助として13名が予算化されています。現実にはアルバイトで対応しているため、半年ごとに変わり、安定した介助体制ではありません。幼稚園の現場からも、通年対応が要望されています。教育委員会は、介助時間が短時間であり、夏休みが1カ月あるので、アルバイト以外の対応は難しいと言います。しかし、小中学校の介助員は任期付き短時間勤務員が適用され、保育園でも2時間の任期付き勤務員制で、150人ほど配置されています。通年での安定した体制がとれれば、だれからも喜ばれます。何らかの工夫をして、幼稚園での改善を求めます。お答えください。
さらに、学童クラブでの障害児対応について、昨年の決算特別委員会において改善を求めました。新年度はアルバイトで対応し、数十円程度の引き上げをしたと聞きますが、根本解決にはなりません。早急に改善すべきです。お答えください。
以上で私の質問を終わります。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 岩永議員の御質問にお答えをいたします。
障害者自立支援法についての御質問であります。
今回実施される軽減策について、障害者の皆さんに対して御案内をする際に、一人ひとり不利益が生じないように十分に配慮をするべきだという御質問でありました。この点については十分に配慮をしてまいりたいというふうに思っているところであります。
また、1割負担をさらに軽減する、あるいは応益負担の見直しを国に求めるべきではないか等の御質問もありました。障害者自立支援法は、利用者が利用料と所得に応じた負担をするとともに、国と自治体が責任を持って費用を負担し、必要なサービスを確保・充実させて、障害のある人の地域での自立した暮らしをしっかりと保障し支えるという制度であります。この制度の趣旨から、区は独自に定率負担を変更する考えはありません。また、国に対し、サービス料と所得に着目した負担の仕組みの変更を求めるつもりもありません。今回、国において、法の着実な定着を図るために、利用者負担のさらなる軽減、事業者に対する激変緩和措置などの特別対策が実施されることになりました。区としても周知を図って、着実に対応していきたいと思っております。
耐震補強工事についてであります。
区の耐震相談窓口では、安価で信頼できる耐震改修工法、装置の事例一覧集や、木造住宅の耐震リフォーム事例集などによって、簡易な補強事例、装置についても区民に御説明をしているところであります。木造住宅の耐震補強工法、装置等の展示会の開催については、これまでも実施してきているところでありまして、今後もこれまでどおり実施をしていきたいと考えております。
それから、耐震補強工事制度の工事についての助成をつくるようにということであります。
耐震補強工事については、みずからの生命財産を守る対策であり、基本的には区民みずからの責任で対策をとるべきと考えているわけであります。個人の財産に対して、他の方の税金を投入するといったようなことについての問題もあるというふうに考えているところであります。
税の減免について、国や都に申し入れを行っているところでありますが、税の減免が中野区の区民の方も受けられるように、耐震診断に続く設計の一部について、補助として執行することとしたものであります。
それから、山手通りの問題についてであります。
今回の段階的な供用開始によりまして、山手通りを通行していた車両の一部が高速道路を利用することになりまして、山手通りの交通環境が改善されるわけであります。このことにより、周辺街路への交通緩和にも寄与することも考えられるわけであります。環七通りからの中野本町出入り口の利用は、本郷通りだけでなく、方南通り、水道道路からの利用もあるため、本郷通り等に極端に集中するといったようなことは考えにくいと思っております。
説明会の開催要望につきましては、首都高速道路株式会社に伝えておきます。
それから、本町二丁目の郵政公社跡地の取得についての御質問がありました。
本町二丁目郵政公社の跡地につきましては、安心安全なまちづくり、地域の活性化などの観点から、その利用も視野に入れているところであります。なお、現段階においては、国家公務員共済組合連合会における当該用地の処分方法について、未定であると聞いております。
それから、地域センターの仮称区民活動センターへの転換についての御質問もありました。
地域センターで行っております窓口サービス機能については、区民の方の利便性を確保しながら、5カ所の仮称地域事務所に集約をすることで、小さな区役所の実現を図ることを目指しているわけであります。地域センターの窓口を現在の形でそのまま維持していくということは考えておりません。
それから、仮称区民活動センターへの転換については、19年度はどのようにしたら地域にとってより有効な運営ができるか、それぞれの地域で十分に話し合って、その具体化に取り組んでいきたいと考えているところであります。
それから、障害児対応の介助員についての御質問でありました。
現在、臨時職員で対応している幼稚園や学童クラブの障害児対応職員につきましては、職員配置の考え方などを整理していく中で、既に小中学校で配置をしております任期付き短時間勤務職員、この制度の導入を図っていくよう、現在事務的に条件を整理しているところであります。
○議長(高橋ちあき) 以上で、岩永しほ子議員の質問は終わります。
議事の都合により暫時休憩いたします。
午後2時55分休憩
午後3時17分開議
○議長(高橋ちあき) 会議を再開いたします。
この際、申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。
一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 佐 野 れいじ
1 平成19年度予算と今後の課題について
(1)歳入の長期的安定の確立について
(2)扶助費の増加について
(3)超過勤務手当について
2 駅のバリアフリー化及び丸ノ内線中野新橋駅の二方向避難口の設置について
3 中野区自転車利用総合計画について
(1)自転車法とマナーについて
(2)中野駅北口駐輪場について
4 その他
○議長(高橋ちあき) 佐野れいじ議員。
〔佐野れいじ議員登壇〕
○3番(佐野れいじ) 平成19年第1回定例会に当たり、自民・民社クラブの立場から一般質問をさせていただきます。
まず1点目に、19年度予算と今後の課題について、2番目として、駅のバリアフリー化及び丸ノ内線中野新橋駅の2方向避難口の設置について、3番目としまして、中野区自転車利用総合計画について、以上についての御質問をさせていただきます。
まず1番目の、19年度予算案と今後の課題についてお伺いをいたします。
17年度の決算状況を見ますと、財務指標上の健全性、弾力性を示すと言われる経常収支比率80.1%、実質収支比率6.3%、公債比率7.4%など、それぞれの改善の方向が見られてきております。また、各種基金への積み立てを増すなど、徐々に財政体力の向上が見えつつあります。そうした決算状況を踏まえてか、19年度一般会計予算は985億4,000万円、対前年比11.3%増と、ここ10年間になかった大きな予算を編成いたしました。しかし、警察大学等跡地のための経費分86億円など、今年度限りのいわゆる単年度的な事業がその中には含まれており、恒常的に今後もこうした予算が続くわけでは決してありません。今後は、学校再編に伴う経費や、老朽化した施設整備、少子化対策、そして年々ふえ続けるであろう扶助費の増加にどう対応していくかが、大きな財務上の鍵であると私は思っております。
また、今後の財務上の展開を考える上で、財政規模がどうなのかというのも、大切なことです。一例として、中野区の財政規模の23区比較では、17年度歳出決算額は23区中14番目、区民1人当たりの換算では、23区中19番目となっております。そういう意味では、決してよい数字だとは言えません。さらに納税者1人当たりの所得も、23区平均424万5,000円に比べ、中野区は397万8,000円と低く、特別区税の収入率も、23区平均97.7%に比べ97.2%と、いずれも低い数値となっております。また、2月16日付の都政新報によれば、平成19年度から導入される区民税のフラット化により、渋谷区は79億円の減収になる見込みであり、普通交付金が6年ぶりに交付対象区となる見込みであります。納税者の増税感が増すこともあり、中野区も今後の収入率の低下防止策の必要性があります。
そこで私は、こうした中野区の現状を見ていくと、長期的な歳入の確立、特に景気動向に左右されやすい不安定要因の強い交付金をあてにするのではなく、特別区民税をいかにふやしていくかを、長期的な視点に立って考えていく必要があるかと思っております。ここ10年間の予算(歳入)は、875億円から985億円前後であり、特別区税も262億円から306億円前後と、それを超えることなく推移してきております。また人口も、中野区はここ10年間30から31万の域を脱しておりません。これは一体どういうことなんでしょうか。ことし1月4日に行われました新年賀詞交歓会で、田中区長がみずから次のようなことを言っておられました。「中野区は、財政的には一定の改善を見るところまで好転してきました。人件費など恒常的な支出の抑制によって、新たな施策の展開も展望できるようになってきております。しかし17年度決算を見ると、個人の住民税は、都内の各区での伸びに比べ中野区の伸び率はわずかで、23区中最下位でした」と述べております。
この問題は、単に税収や税率の問題ではなく、中野区の今後の産業の導入、人口の増加をどう図るか、そのためのまちづくりや商店街の活性化、利便性、容積率の緩和など、幅広い角度からの検討が必要であろうかと思われます。特に昨年からの国の官舎移転、廃止問題では、住民税への影響として、税や財政サイドの分析では、約3億円の減収となる見込みが示されており、一層深刻な状況となってきております。歳入がふえ、より大きな予算が組めれば、区民により豊かなサービスが提供できるのは自明の理であります。田中区長は、ここ10年間さほどふえていないパイ、歳入の拡大について、どのように考えられておられるんでしょうか。また、中野区の人口と合わせて、特別区民税についても御見解をお伺いいたします。
次に、義務的経費の中の特に扶助費についてお尋ねを申し上げます。
御承知のように、皆さんの努力により人件費については19年度予算では約268億4,500万円と、かなりの削減が図られてきております。また、人件比率も予算ベースで27.2%と、30%を切る数値となっております。
一方、同じ義務的経費の中で、扶助費の歳出総額に占める割合は年々上がってきており、生活保護費や児童扶養手当など、全体経費を圧迫する要因となっております。17年度決算では180億円で、平成4年度の106億円と比べると実に74億円もアップしております。また19年度予算では199億円で、18年度予算と比べると8億7,000万円アップ、4,6%の増となっております。日本全体の時代の流れの中で、確かにどこの自治体も扶助費が増加している傾向にあるのは事実であります。23区を見ても、そうした傾向にあります。区が当初予算原案とともに示された財政運営の考え方でも、「職員数の削減により年々減少する人件費は、扶助費と繰出金の伸びに吸収されてしまう。減った人件費を新規拡充のための経費に振り分けることができない現状をあらわしているとして、平成19年度から平成20年度までの図表を用いて説明を行い、最後に区は、歳入の伸びが期待できない中、新規拡充経費をどう確保していくかが今後の中野の課題となっている」と記述しております。私も同感でございます。区として現状認識と課題をこれだけ的確にとらえ、危惧すら述べているのなら、早急に扶助費に対する対応策、今後中野区としてどうしていくのかを示すべきではないでしょうか。田中区長の見解をあらためてお伺いさせていただきます。
次に、19年度予算の中で、超過勤務手当についてお伺いをいたします。
私はこれまで、再三にわたってこの問題について質問をしてまいりました。ここ平成15年度から平成18年度までの決算上での超過勤務手当の額を見てみますと、決算では、平成15年度4億9,200万円、平成16年度5億100万円、平成17年度5億8,700万円、平成18年度予算では6億3,500万円と、いずれも年々増加の傾向にあり、この4年間で約1億4,300万円の増となっております。区は、新しい中野をつくる10か年計画の財政安定化期間とし、超過勤務手当については毎年今後5%の削減をするとお伺いをいたしました。また、財政運営の考え方の中の歳出の考え方の人件費の抑制の部分で、「職員2,000名体制を目指して、職員数の削減を進めているが、その削減効果は扶助費の伸びに吸収されているのが現状である。そこで、時間外勤務手当を縮減することにより、人件費の抑制を図ることとする。このため、ワークシェアリングを徹底する。また、仕事の内容に応じて勤務時間をフレキシブルに変えるなどの工夫を今後図っていく」とも述べております。
さて、今年度平成19年度予算の中で、超過勤務手当の予算額を見ますと、約6億円と対前年比約3,500万円のマイナスとなっております。また、職員数は前年から約100名減の2,600名体制となっており、田中区政になって初めて2,600名体制の中で、超過勤務手当の総額が下がる予算が組まれております。超過勤務の縮減は大切なことではありますが、これまで年間約5,000万円ずつもアップしてきたものが、一挙にどのようにして今年度は約3,500万円を落とすことができるのでしょうか。昨年から合わせて約8,500万円を考えていかなければなりません。5%減がありきではなく、事業部制の中での各部の経営判断の結果だと思いますが、超過勤務に対しての具体的な施策をお示しください。また、財政運営の考え方の具体的な取り組みの中で、非常勤職員や臨時職員の適正配置、仕事の内容に応じて勤務時間をフレキシブルに変える工夫とありますが、フレックスタイム制やコア・タイム制を入れるなど、具体的にどのようなことをお考えになっておられるのでしょうか。また、それはいつから実施をされるおつもりでございましょうか。
以上のことについてのお答えをいただきたいと思います。
次に、駅のバリアフリー化及び丸ノ内線中野新橋駅の2方向避難口の設置についてお伺いをさせていただきます。
国土交通省の指導では、平成22年まで5,000人以上の乗り降りがある駅についてはバリアフリー化の指導をしております。地下鉄の中野富士見町駅では、この2月にエレベーター化が実施され、中野新橋駅ではいまだに設置されておりません。あらためて私が平成18年第1回定例会で質問いたしました回答以後、どのように検討してきたかをお尋ねいたします。あわせて、2方向避難口についてもお答えをください。また、JR東中野駅環状六号方面への出入り口はバリアフリー化となっておりますが、東口にはいまもって階段だけです。環状六号口へは歩いてもホームのほぼ端から端までとなり、かなりの歩行を要します。どのように検討されているのかもお答えください。
次に、中野区自転車利用総合計画についてお尋ねをさせていただきます。
まず1番目として、自転車法とマナーについてお尋ねをします。
自転車法は、自転車の安全利用の促進及び自転車等の駐輪駐車対策の総合的推進に関する法律として、国が昭和55年11月に制定したものです。そしてその目的第1条には、「自転車などの駐車対策の総合的推進等に関し、必要な措置を求め、交通にかかわる事故の防止と交通の円滑化、並びに駅前広場などの良好な環境の確保と、その機能の低下の防止を図り、あわせて自転車利用者の利便の増進に資することを目的とする」とし、第2条5項では、「国及び地方公共団体は、第1条の目的達成のために、全般的な施策が有効かつ適切に実施されるよう、必要な配置をしなければならない」と記載されております。中野区は現在、自治体としてこの法をもとに、中野区自転車利用総合計画をことしの7月に向けて策定中でもあります。
この自転車法とマナーにつきましては、昨日我が会派のきたごう議員の方でも同じような質問をさせていただきました。やはりそれだけこの自転車とマナーについては関心が高いものであることは事実であります。そしてこの中野区自転車利用総合計画について、皆さんの意見を聞くために、区はことし1月29日を皮切りに、3回の意見聴取、説明会を実施いたしました。私も初回の鍋横地域センターに出席をいたしました。そこでは、自転車利用の現状と課題として、中野区の現在の駐輪場を含めたいろいろな問題点やその対応、そして自転車利用へのマナー対策など、大変勉強になった会でもありました。さらにこれまで自分が自転車に乗っていて知らなかったことを、たくさん知ることができました。例えば、一時停止違反、夜間無灯火、信号無視、これは5万円以下の罰金、3カ月以下の懲役。飲酒運転に至っては50万円以下の罰金、3年以下の懲役。2人乗りは、またその他ベルをむやみに鳴らした場合は2万円以下の罰金。歩道を通るときは常に徐行しなければならない。そして原則として車道を走ること。また、横断歩道では自転車を降りて引いていかなければならないなど、皆様も既に御承知の方もいらっしゃるかもしれませんが、なかなかわかりづらい面もありました。常識的なことを言われていながら、やはりそれが守れないという現実がここにあったことを、私は認知いたしました。
その一方で大変残念だったことは、その日の出席者がわずか10名でした。残りの2回の出席者を担当課にお尋ねしましたところ、2回目が8名、3回目が2名とのことでした。2名では間違いなく主催者の人数の方が多かったはずです。せっかくよい内容を少しでも多くの区民の皆さんに知っていただき、また意見を聞こうとしているのに、来場者が2名では、役所側も、そしてまた来場者側もどのような思いだったんでしょうか。これは費用対効果以前の問題だと私は思います。区民の意見を聞く場や周知徹底の方法などを、もう少し常識的に判断すべきではないでしょうか。今後の対応も含めて、お考えをお聞かせください。
さらに、こうした自転車利用の際のマナーやルールは、地元の警察、学校との連携も必要です。警察は現在のところ自動車に対しては取り締まりを厳しくしておりますが、自転車についても罰金や懲役があることをほとんどの人が知らない中で、徹底した周知をし、その上で厳しく対応を図ることが必要だと考えますが、区として今後どのようにすべきかをお考えでしょうか。具体的なお答えをいただきたいと思います。
2番目として、やはりこの自転車に関する問題として、中野区北口の駐車場についてお伺いをさせていただきます。
平成19年1月に自転車など駐車対策協議会が出した中野区への答申は、中野区自転車利用総合計画策定に当たっての基本的な考え方の中で、特に中野駅周辺の現状と課題と題して、「現在北口、南口を合わせて6,180台分の駐車スペースが確保されていますが、北口の2カ所、中央西の駐車場は100%を常に超え、オーバーユースの状態にあり、連日の撤去にもかかわらず300台近い放置自転車があります」との記述があります。過去3年間の利用者台数も、特に北口は年平均約300台近くが年々増加しております。そしてまたこれから春先に向けて、この自転車の増が見込まれてきております。さらに今後に向けての対策として、中野駅地区の整備計画、区役所、サンプラザ地区の再整備構想との整合を図り、駐車場を再配置するとなっております。サンプラザ地区の再整備構想実現までにはまだまだ時間を要します。現状でも、満車どきは建物外の広場花壇のところへも駐車をせざるを得ない状況が現在あり、飽和状態の中、対策は急務だと考えます。今後に向けてどのような対策を検討していくのでしょうか、お答えください。
また、北口中央、西の駐車場は、建物も古く、これまで継ぎはぎ継ぎはぎできております。構造上の問題として、現在どこからも出入りができます。自転車の放置や盗難・損害も頻発していると聞いております。またこの駐輪場は中野駅の目の前にあり、JRからもよく見え、言わば区の顔でもあります。それに対して建物も古く、駐車場としての看板も大きく目立たず、一体何があるのかわからないという声も聞こえております。もう少し美観を整え、お化粧をしたらどうでしょうか。清潔感を出すのもマナー身だしなみの一つだと思いますが、いかがでしょうか。
さらに、日中の管理運用面については、シルバー人材センターとの契約に基づき、管理運営を現在行っておりますが、自転車台数の増加に伴い、かなりのハードワークになりつつあるやにも聞いております。シルバー人材センターとも十分な連携をとり、働く人たちのコミュニケーションや管理運営面について、区としても十分な配慮をすべきだと考えますがいかがでしょうか。
この項の最後に、北口駐輪場に隣接している中野通りに面した公園に居住しているブルーテントについてお伺いをいたします。
これまで交渉している担当部署の御苦労もあるかと思いますが、特に中野の玄関口、中野の顔とも言うべきところですので、人の目にもつきやすく、1日も早く撤去すべきだと思います。また、この撤去に基づき、北口の駐輪場の拡大も可能となります。ぜひ区の対応、早急な姿勢をお伺いしたいと思います。
以上で私のすべての質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 佐野議員の御質問にお答えをいたします。
歳入の長期的安定の確立、歳入の拡大についてという御質問がありました。
今後区の財政を安定させていく、そしてまた区民サービスを着実に確保していくという上で、歳入を拡大をしていくといったようなことの重要性は、私も常々述べさせていただいているというふうに認識をしております。今後、少子高齢化の影響でありますとか税収の動向など見ておりますと、歳入の大幅な増大は見込めないという状況にあると考えております。このままではやはりいけないということでありまして、今後区税や保険料の一層の収入増対策の強化に加えまして、当面の対策ですけれども、そういったことに加えて、10か年計画のまち活性化戦略の中では、活気を生み出すまちづくりとしての企業誘致や都市基盤整備、また豊かで活力のある区内産業の支援、そして子育て支援の充実によるファミリー層の定住確保策など、そういった対策を総合的に推進していく中で、歳入の拡大も図っていきたいというふうに考えているところであります。
それから、扶助費の増加についてであります。扶助費については、高齢化の進行に伴いまして、高齢者の生活保護の場面では、高齢者を中心とする医療扶助の拡大というものがかなり影響しているといったようなこともあるわけであります。そうしたもの自体は、言わばセーフティネットとして重要なものでありますので、これについてしっかりと運営できるように、財政をしっかりとしていくということも、大変重要なことだというふうに考えております。
また、貴重な財源の中で運営されているわけでありますので、扶助費についてはその運用のあり方とか執行方法について、常に検証をしながら最適化を図っていくこと、このことが重要だというふうに考えております。
また、繰出金でありますけれども、そういったものについては、国保などの保険料の徴収率を高める取り組みといったようなことも非常に重要でありまして、そうした取り組みも行っていきたいということであります。
それから、超過勤務手当の縮減についての具体策はという御質問であります。
民間委託の推進でありますとか、部内の応援体制や職員の柔軟な配置の仕方、それから事業執行方法の見直しなどを行いながら、超過勤務の縮減について、各部で努力をしていくということが一つであります。
それから、そういった中で御質問にありました勤務時間の柔軟な運用についてということも、一つの重大な手段というふうになっていくと思っております。これまで一部の職場を除いて、画一的に8時30分から17時15分の勤務時間が割り振られていたわけでありますが、これについて柔軟な勤務時間の運用を図るということであります。区民サービスに支障がないように、窓口開設時間の体制を考慮しながら、勤務時間の割り振りを変更することによって、各業務において機動的かつ最適な勤務時間を各部で設定ができるように検討をしているところであります。実施については、業務の実態に応じながら、導入を図っていきたいというふうに考えております。
次に、中野新橋駅におけるバリアフリー化、また東中野駅東口の問題であります。
中野新橋駅につきましては、平成20年度に予定をしております駅舎のリニューアルに合わせてエスカレーターの設置、及び駅舎と歩道の段差解消を行う予定であります。予定どおり平成19年度に設計を開始して着工をする予定と聞いております。ただし、工事は営業に支障がないように夜間工事が中心となるということでありますので、リニューアル終了までには2年程度はかかる予定だというふうに聞いております。この整備概要の内容につきましては、平成19年、ことしの夏ごろには具体的に方向性が見えてくるというふうに聞いているところであります。それから、2方向避難路については、整備期限であります平成20年度末を目指して、避難経路用地の確保を進めているというふうに聞いているところであります。
それから、東中野駅の問題でありますけれども、バリアフリー法では、連続した移動と円滑化された1経路以上の確保とともに、経路確保に当たっては、安全性や移動上の利便性にも配慮することとされているわけであります。東中野駅周辺は、東西の高低差があるわけでありまして、JR東日本に対しては、東口のバリアフリー化をあらためて要請をしていきたいと考えております。
それから、自転車に関連して1点だけ。シルバー人材センターの話がございました。自転車駐車場の管理運営については、これまでシルバー人材センターに委託をして、長い間適正な運営ができてきたところであります。今後とも円滑に運営ができるよう、シルバーと適切な連携を図っていきたいというふうに考えているところであります。
私からは以上です。その他につきましては、担当の方からお答えいたします。
〔都市整備部長石井正行登壇〕
○都市整備部長(石井正行) 区の自転車利用総合計画ついての御質問がございました。
まず初めに、意見交換会とその周知についてでございます。
区は区報、ホームページで周知をするとともに、自転車等駐車対策協議会委員、交通安全対策協議会委員、当該地域センター管内の町会長などに出席の呼びかけを行ってきたところでございます。また、区役所で説明会を実施をいたしましたのが夜間でございました。また、この実施につきましては、日中、お昼の時間帯で参加ができないという方のことを考慮したというところでございますが、当日は非常に寒かったということも原因の一つではなかったかと思っております。今後は、より大勢の方々に参加をしていただけるよう、周知方法を工夫してまいりたいと考えております。
また、自転車のルールについての御質問がございました。ルールが守られず、マナーが低下している現状は、十分認識をしておるというところでございます。警察も、悪質な違反者に対しましては厳しく取り締まりを行うということでございます。区といたしましては、区報、ホームページ、それからマナーキャンペーンの機会等を利用しながら、罰則規定を盛り込んだ広報を行うなど、周知の仕方を工夫をしてまいりたいと考えてございます。
続きまして、北口中央及び西駐輪場の再配置の件でございます。
この自転車駐車場につきましては、中野駅周辺まちづくりの中で、配置や整備のあり方を考えていくということにしてございます。この北口駐輪場につきましては、現有面積の中で有効利用を図るとともに、近距離からの利用者につきましては、自転車の利用を御遠慮いただくなどしながら、利用の適正化も図っていきたいと考えております。
次に、北口中央西駐車場の施設管理についての御質問がございました。
この中野駅北口自転車駐車場につきましては、平成16年度、17年度にかけまして、内部・外部にわたりまして、全面塗装の工事を実施をしてきたところでございます。今後も、御指摘もございましたように、看板の工夫等も含めまして、適正な維持管理に努めてまいりたいと考えております。
それから、北口広場のブルーテントの件でございます。
この件につきましては、従前より施設管理の適正化を目指して、関係機関と連携をとりながら、原因者に対します継続した自立支援及び警告指導を行ってきたところでございます。現在巡回相談事業に基づきまして、生活支援の相談に応じておりまして、この3月中の居宅アパート移行に向けて取り組んでいるという状況でございます。不法占有物の撤去につきましては、移行後速やかな原状回復を図ってまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長(高橋ちあき) 以上で佐野れいじ議員の質問は終わります。
中野区議会議員 北 原 奉 昭
1 避難所備蓄倉庫について
2 学校給食費について
3 区民優先宿泊施設「シェモア仙石」について
4 西武新宿線連続立体交差化について
5 その他
○議長(高橋ちあき) 次に、北原奉昭議員。
〔北原奉昭議員登壇〕
○4番(北原奉昭) 平成19年第1回定例会に当たりまして、自由民主党・民社クラブの立場から質問いたします。
質問は通告のとおり、1、避難上備蓄倉庫について。2、学校給食費について。3、区民優先宿泊施設「シェモア仙石」について。4、西武新宿線連続立体交差化についてであります。
初めに、避難所備蓄倉庫についてであります。
中野区では、災害時の避難先及び救援救護活動の拠点として、小学校など50カ所を避難所に指定しております。避難所では、情報の収集伝達、負傷者の救護、罹災者の収容などのほか、給水や給食、生活物資の配布を行うことになっております。そのため各避難所には、防災倉庫と備蓄倉庫があり、防災倉庫には組み立て水槽、医療資材、発電機、投光機、炊飯釜など、また備蓄倉庫には食糧や生活用品などのほか、仮設トイレ、車椅子、簡易ベッドや間仕切りユニットなど、避難所に必要な多くの物資が配備されております。災害時における避難所の運営は、防災住民組織を中心に、区、学校、PTA、各2名程度の人員を加えた避難所運営組織によって自主的に運営されております。災害の規模や発生時にもよりますが、限られた人員で避難所を開設し、機能させるために、備蓄倉庫の果たす役割は大きいと思います。
そこで5点質問いたします。
第1点は、50カ所ある避難所のうち、備蓄倉庫のほとんどが校舎の3階に設置されております。仮設トイレは大変重く、間仕切りユニットは数が多いのが現状です。3階の備蓄倉庫は非効率的であり、搬出時の事故も予想されます。学校再編を機に、また学校経営上大きな支障がないなら、備蓄倉庫の設置場所の変更を検討すべきだと思いますがいかがでしょうか。
第2点は、備蓄倉庫には、サバイバルフーズ2,000食、アルファ化米300食、粉ミルク12缶などの食糧があります。これらの消費期限はどのくらいか。消費期限の過ぎたものは入れかえていると思いますが、いつ入れかえるのか。また、処分についてもお尋ねいたします。
第3点は、避難所における給食は特に重要であります。食品メーカーは、非常食の研究・開発に力を注ぎ、新たな非常食も生まれてきております。食糧の配備を見直す考えはないでしょうか。
第4点は、停電のとき、ランタンに使用する乾電池200個や、ろうそく1,000本の使用期限と入れかえについてもお尋ねいたします。また、時代が変わる中、備蓄物資全体の見直しも検討すべきだと思いますがいかがでしょうか。
第5点は、避難者受付カードが配備されておりますが、書式がわかりにくく、記入欄が狭いのが現状です。また、ボランティア登録カード、避難者一時対処カードなどを新たにつくるなど、改善すべきだと思いますがいかがでしょうか。
以上でこの項の質問を終わります。
次に、学校給食費についてであります。
学校給食費の未納問題で、文部科学省は1月24日、初の全国調査結果を公表しました。調査は、昨年11月から12月、学校給食を実施する全国の小中学校で、学校側を対象に実施したものであります。調査結果によりますと、平成17年度、未納者がいた小学校は40%、中学校は51%で、未納総額は22億円を超えました。過去数年で未納が「ふえたと思う」は49%で、「変わらない」39.2%を上回りました。未納で不足した給食費については、納付された分でやり繰りしている学校が29%と最多でありました。本来徴収されるべき給食費に占める割合は0.5%でありますが、児童生徒数で見れば、100人に1人が未納している計算で、かなり深刻な事態と言えます。給食費について、学校給食法は「保護者の負担とする」と定めております。未納原因として、約60%の学校が保護者の責任感や規範意識を上げ、保護者の経済的問題33%を大幅に上回りました。経済的余裕があるのに納めないのか、困窮して納められないのか、線引きは難しいと思います。しかし今回の調査結果は、納められるのに納めないケースが主だと学校が考えていることを示唆しております。
そこで5点質問いたします。
第1点は、今回の調査結果を踏まえ、中野区立小中学校で給食費の未納者数は何校で何人でしょうか。また未納額についてもお聞きいたします。
第2点は、生活保護世帯やそれに準ずる所得層には、国や自治体が生活保護費や就学援助費に含める形で給食費を補助する制度がありますが、その制度を知らず活用していないことも考えられますが、啓発活動は行っているのでしょうか、お聞きいたします。
第3点は、未納があった場合、学校が他の会計から補てんしたり、給食の質を落として対応することもあると聞きますが、中野区でもこうしたケースがあるのか、お尋ねいたします。
第4点は、給食費の未納の督促は、主に都の事務と副校長が対応していると聞きますが、こうした方々のたゆまぬ努力があるからこそ、未納率の上昇が抑えられております。しかし、この件で時間をとられ、本来の業務に支障が出ております。このことについて教育委員会はどのような見解をお持ちかお尋ねいたします。
第5点は、区立小中学校の給食費の徴収はすべて口座振替であります。未納保護者への強硬措置や集金袋による徴収、1カ月、2カ月ごとのチケット制の導入など、徴収方法の見直しを図るべきだと思いますが、いかがでしょうか。
以上でこの項の質問を終わります。
次に、区民優先宿泊施設「シェモア仙石」についてであります。
中野区立の保養所でありました箱根の仙石原中野荘は、平成6年にリニューアルして「シェモア仙石」としてオープンしました。建設費に約33億円。豪華な施設で区民の人気が高い保養所でしたが、平成17年度に民営化され、現在株式会社四季リゾーツが経営する四季倶楽部の宿泊施設となっております。民営化後も人気があり、利用率はかなり高く、常に満室に近い状況であると聞いております。しかし、これは中野区民の利用者がふえたということではありません。中野区民は四季倶楽部の会員として、一般客より早く申し込みができるという優先利用があるにもかかわらず、区民の利用率は低下し、当初の50%から現在は20%という状態であります。この区民利用者の減少は、中野区民が四季倶楽部の他の施設を利用することがふえたということもありますが、テレビや雑誌で紹介されることが多くなり、一般客の利用者がふえたため、申し込んでも空きがないということも一因となっております。区立の保養所ではなく、民間の宿泊施設となった現在、当然の結果だと思われます。
そこで質問いたします。
シェモア仙石の民営化により、区の財政負担は大きく軽減されたと認識しております。民営化以前の平成16年度では、歳出が2億800万円、宿泊料などの歳入が5,800万円で、約1億5,000万円の財政負担がありました。民営化後、区の財政負担はどのようになっているのかお尋ねします。
次に、四季リゾーツへの貸付契約は、平成17年4月から平成22年3月までの5年間となっております。平成22年は、施設の竣工から16年、特に温泉施設は修繕改修費の増額が予測されます。区民の利用率の向上に向けた再度の財政負担は賢明ではないと思われます。また最近、時代の流れや財政負担を理由に、自治体が保養所運営から撤退する傾向にあります。シェモア仙石の起債残高は、今年度末で10億円、四季リゾーツへの貸付契約が終了する平成22年度末で6億円。償還の終了は26年度末となっております。
そこで質問いたします。
シェモア仙石には多額の建設費を投じ、現在も起債の償還を続けております。四季リゾーツへの貸付契約が終了するとき、更新を検討するだけでなく、繰上償還などを行い、施設の売却も考えるべきだと思いますが、見解をお尋ねいたします。
最後に、西武新宿線連続立体交差化についてであります。
昨日、久保議員からも質問がありましたが、中野区は平成16年1月、区内全線地下化を実現するために、西武新宿線踏切渋滞解消促進期成同盟を立ち上げました。その後、平成16年6月に策定された東京都の踏切対策基本方針の中で、区内2区間が鉄道立体化の検討対象区間に位置づけられています。新しい中野をつくる10か年計画では、西武新宿線沿線まちづくりと連続立体交差化によって、分断のない、安全で活力あるまちをつくるとしております。
そこで質問いたします。
第1点は、区内西武新宿線沿線5駅を中心としたまちづくり勉強会、4勉強会が発足し、早いところでは3年が経過しました。中野区は連続立体化の事業化に向けた取り組みの中で、まちづくり勉強会をどのように位置づけているのか。また今後どのように進めていこうとしているのか、お聞きいたします。
第2点は、平成13年2月東京都と西武鉄道による西武新宿線検討会が設置され、平成14年10月に中野通りを中心とした立体交差化の検討案、いわゆる4案の報告を受け、中野区、東京都、西武鉄道の3社による西武新宿線沿線まちづくり及び踏切対策検討会が設置され、検討が進められていると聞いております。平成17年4月1日現在、都内で小田急、東急、京成など、9カ所で連続立体交差事業が進行中であります。こうした箇所の都市計画決定は、平成4年から15年にかけて行われており、西武新宿線の連続立体交差化を実現するためには、今から準備を始めることが大切であります。西武新宿線の連続立体交差事業の実施に向け、何が必要で何が重要なのか、あわせて今後の見通しについてもお尋ねいたします。
以上で私のすべての質問を終了いたします。ありがとうございました。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 北原議員の御質問にお答えいたします。
まず避難所の備蓄倉庫の問題であります。
避難所の備蓄倉庫について、1階に設置されていない例が多いというのは、御質問にあったとおりであります。1階に設置されていることが望ましいということは確かだと思っておりますが、限られた校舎を有効活用する上では、やはり必ずしも1階に限定できるわけでもないというふうにも考えております。上部階に置いた場合でも、備蓄物資の搬出が容易にできるような工夫というのができないかということを検討していきたいというふうに考えているところであります。
それから、備蓄食糧の見直し、消費期限や廃棄のあり方ということであります。
食料品ごとに差異があるわけですが、最長のものでは10年が期限であります。廃棄につきましては、消費期限が切れる前に、児童生徒への啓発や地域での訓練、また保育園等での使用を推進をしているところであります。また、備蓄食糧、そういった品物の内容については、民間の製品開発の動向等を十分に勘案するべきだということでありまして、区といたしましても、切りかえに当たっては、新製品の動向に十分留意をして見直しを行っているところであります。
それから、乾電池式ランタン、ろうそくの使用期限ということであります。乾電池については3年程度であり、ろうそくについては使用期限はないというわけであります。また、災害時に必要とされる備蓄品について、時代とともに変化するということは、御指摘もあったとおりでありまして、内容の見直しを適宜行っていかなければならないというふうに考えております。
それから、書式の問題もございました。避難所運営会議などと協議をいたしまして、受付カードや、また御提案のあったボランティア登録カード、避難者一時退所カードといった必要な書式を検討し、整備をしていきたいというふうに考えております。
北原議員の所属されている防災会での避難所の宿泊訓練を私も見学をさせていただきまして、今回の御質問がまことに共感のできる内容であるということを実感をしている次第であります。
それから、シェモア仙石についての御質問もございました。
シェモア仙石については、民営化後も区は施設所有者として、躯体や所要設備の修繕経費を負担することになっているわけです。これと区民利用の助成金と合わせていきますと、現在17年度決算では区の財政負担は約800万円であります。区はシェモア仙石の建設に当たって、公的資金を借り入れております。御質問にもありましたとおり、平成26年3月までその償還が続くということになっております。それ以前に売却するとなると、繰上償還が必要ということであります。四季リゾーツとの貸付契約期間は、平成22年3月までとなっておりますので、その時点で契約を更新して保有し続けるか、あるいは売却するかといった判断を迫られることになるというふうに考えております。繰上償還であっても、あるいは満期まで償還し続けたといたしましても、起債の償還と、それから御質問にありましたように、施設の更新などが必要になってくるということで、かなり大きな施設保有コストも今後必要となってくるといったようなことでありまして、そういった点をさまざま判断をしながら、22年の3月までの間に適切な判断を行っていきたいというふうに思っております。
それから、西武新宿線連続立体交差化についての御質問であります。
連続立体交差事業を早期に実現するためには、沿線のまちづくりを積極的に進めていくことが重要というふうに考えております。西武新宿線の沿線につきましては、地元の方々と広範な意見交換を行うために、町会、商店会、そして中野区も参加をいたしまして、まちづくり勉強会が発足しているところで、熱心にまちづくりの検討を進めているところであります。昨年9月には、区が策定をいたしました新井薬師前、沼袋駅周辺まちづくり構想のたたき台を地元に御説明させていただき、こうした場で意見交換を行いながら、まちづくり構想の具体化を図っているところであります。区といたしまして、今後ともまちづくり勉強会等を通して、地元の意向の把握に努めながら、まちづくりを進めたいと考えております。
事業実現に向かっての見通しであります。中野区内の西武新宿線については、平成16年に東京都が策定をいたしました踏切対策基本方針で、鉄道立体化を検討すべき区間と位置づけられております。御質問の中で例示がありましたような、現在進んでおります連続立体交差化事業の次に行われる事業として採択されるということが、中野区としてはぜひ希望しているというところであります。区といたしましては、西武新宿線沿線まちづくり及び踏切対策検討会を設置して、東京都や西武鉄道とも連携をしながら、今事業の推進に向けてまちづくりや立体化の検討を進めているという状況であります。
こうした状況の中でありますから、東京都においては踏切対策基本方針に基づいて、次期事業化の対象区間の選択について、今後検討していくわけであります。そうした検討の中で、採択を着実に行っていただくためには、連続立体交差化事業は、鉄道駅を中心とするその周辺一帯のまちづくりを進めるということが重要であるというわけでありますので、区として沿線のまちづくり計画の具体化を図ることが、推進の上で絶対に欠かせないと考えているわけでございます。
そのほか、担当の方からお答えをさせていただきます。
〔教育長菅野泰一登壇〕
○教育長(菅野泰一) 学校給食費についてお答えいたします。
まず給食費未納の実態でございます。中野区における平成17年度の給食費の未納校と未納者数でございますが、小中学校で合わせて11校、39人でございます。また未納額ですけれども、合計で約140万円でございます。
制度のPRということでございますが、生活保護や就学援助制度の活用につきましては、新入学時におきます保護者説明会や、新学期におきます学校だよりなどを通しましてPRしているところでございます。また未納者につきましては、さらに個別対応をしているところでございます。
食材の質ということでございますが、中野区におきましては、他の会計から補てんはしませんけれども、食材の質にかかわるほど会計が逼迫しているという例はございません。
それから、給食費の徴収事務についてでございます。給食費の会計事務につきましては、学校運営上大切な事務でございまして、責任ある体制をつくることが必要であります。その際、学級担任や事務主事など、特定のものに過度な負担がかからないよう、取り組み体制を整えていきたいと考えております。
また、徴収方法の見直しをしたらという御提案がございました。給食費の納入につきましては、全体としては保護者の理解と協力をいただいているというふうに認識しております。比較的未納件数の多い学校につきましては、学校として責任を持って対応していくということでございます。
〔北原奉昭議員登壇〕
○4番(北原奉昭) 1点だけ再質問いたします。
備蓄倉庫のことであります。
3階ということで大変だと。これは区長も防災訓練や避難所開設訓練に参加されておりますので、少しはわかっていただけるのかなと思いました。当然、学校経営上支障を来すような備蓄倉庫というのは問題があろうかと思いますが、今後中野区は学校再編計画を持っているわけであります。来年度の4月にはもう開校されるというところもありますから、せめて再編計画の中にあって、統合新校のいく学校の跡地利用の中で、やはり1階は私は望ましいだろうと思っておりますので、その辺を含めて御答弁をいただたけたらと思います。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 再質問にお答えをさせていただきます。
可能であれば、当然1階ということですぐに出し入れができるということは必要だというふうに、私も認識をしているところでありますけれども、60年に1回か80年に1回かの災害のために、どれだけの面積を常に確保できているかについては、限られた施設面積の中で、私としては熟慮が必要だというふうに考えるわけでございます。そういう意味で、必ずしも1階に確保できずに上部階に確保した場合でも、簡易に避難物資を積み入れたり積み出したりすることができるという、そういった工夫の方が、私は優先されてしかるべきなのではないかというふうに考えているわけであります。
〔北原奉昭議員登壇〕
○4番(北原奉昭) 今、区長から再答弁していただいたわけですけれども、例えばエレベーターを設置するとか、もっと利便性がある、2階でもいいんですよ、そういうことが1階の方でなくてもいいというようなことをおっしゃられましたけれども、実はこれは恐らくそちらの方が相当なコストがかかると思います、区長の今、おっしゃられた2階の方にという。実際に現実として、体育館が避難所になるわけでありますし、その他簡易トイレを下ろすにしても、当然1階しかないわけなんですね、そこに。そういうことを考えたときに、私はやはりこれは……。確かに何十年に1回というわけでありますけれども、しかし、いつ来るかわからないということで、区の方も防災計画をつくっているわけでありますから、いつ来ても対応できるような、そういう避難所をつくっていくんだ、そのために備蓄倉庫がどこにあるべきかということは、大変重要な議論だと思います。ぜひ区長、前向きに検討していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 児童生徒の教育環境の充実ということについても、さまざまな御要望があるところでございます。私といたしましても、当然避難所の重要性、備蓄倉庫の利用勝手の重要性ということについては認識をしているところであります。そうしたさまざまな条件の中で、できる限り使いやすい条件を整えていくということを御理解いただきたいと思っております。
○議長(高橋ちあき) 以上で北原奉昭議員の質問は終わります。
中野区議会議員 むとう 有 子
1 学童クラブの時間延長について
2 区職員の健康状況と区民サービスの向上について
3 その他
○議長(高橋ちあき) 次に、むとう有子議員。
〔むとう有子議員登壇〕
○17番(むとう有子) 区民の方から寄せられました御意見をもとに質疑いたします。
1番目に、学童クラブの時間延長についてお尋ねいたします。
少子化が問題となっていますが、先日の「女性は子どもを産む機械」発言など、人権意識が欠如されている方がこの国の厚生労働大臣では、いつまでたっても若い人たちが安心して子どもを産み育てたくなる社会環境は整わないのではないかと思えてなりません。今、まさに子育て中の方々に対し、何に困っているのか、どんなサービスが必要なのかなど、具体的な意見を伺い、できるところから1歩ずつ区民が望む子育て支援策を講じることが急務です。
私のところにも、最近特に子育て中の区民の方々から、学童クラブの時間延長を望む御意見が多数寄せられています。現在中野区では、平日は6時まで、土曜日や夏休みなどの休み中は5時までとなっています。しかし、多くの保護者は6時には帰宅できないのが現状です。そのうえ国は多くの問題があり、少子化対策にも悪影響を及ぼすと思われる残業代ゼロ法案なるものを提出しようとしており、ますます定時に帰宅できない労働者が増加すると思われます。労働時間が長くなることは、決してよいことではありません。しかし、このような状況を踏まえ、夜7時までの延長を実施する区がふえてきています。中野区における待機児を出さないための努力は認めますが、次には区民要望の高い時間延長の実施を目指すべきです。そこで、希望者には平日・土曜日・休み中、いずれの日も夜7時まで延長できるよう検討を求めます。区の見解をお答えください。
次に、区職員の健康状況と区民サービスの向上についてお尋ねいたします。
2006年中における自殺者の総数は3万2,552人で、このところ毎年増加しています。相変わらず過労によりうつ病などで自殺に追い込まれる過労自殺が動機のトップとなっているようです。このため、心の健康対策が重要です。心身ともに健康でなければ、よい仕事はできません。中野区では、区役所7階の健康相談室に、本年度からは委託ですが、保健師さんが常駐し、区職員の健康相談にあたっています。2001年度から2006年度1月までの健康相談集計表を見て、実は驚いています。2001年度の相談延べ件数は505件、そのうち精神保健相談は32件でした。田中区政となった翌年の2002年度の相談延べ件数は約2倍の974件、そのうち精神保健相談は約5倍の168件に増加しています。その後もふえ続け、2006年度は1月末までの集計ですが、相談延べ件数は1,427件、そのうち精神保健相談は712件と、田中区政となってからの5年間で精神保健相談が22倍となっています。
この数字が意味することは何でしょうか。相談体制やカウント方法の違いはあるかとは思いますが、参考までに近隣区にお尋ねしてみました。中野区の職員数は約2,700人です。職員数が中野区と近い2,600人の渋谷区では、年度途中の今年度の精神保健相談は34件です。杉並区の職員数は約4,000人ですが、精神保健相談は81件です。このように他区と比較しても、中野区の精神保健相談延べ件数712件は、非常事態と言えるのではないでしょうか。
そこで区長にお尋ねします。まずこのような事実があることを御存じだったでしょうか、お答えください。さらに、精神保健相談延べ件数について、他区との比較も含めどのような認識をお持ちなのか。大変深刻な事態との認識をお持ちなのか。その原因についてはどのように分析しているのかお答えください。あわせて、田中さんが区長に就任してから急増した精神保健相談延べ件数について、区長の見解をお答えください。
この深刻な事態において、保健師お1人の設置では不十分ではないでしょうか。2007年度より精神保健専門の医師による相談を月1回から2回へとふやすそうですが、それにしても不十分に思えます。さらなる対応策を求めます。区長の見解をお答えください。
職員の健康管理をし、心身ともに元気に気持ちよく、持てる力を十二分に発揮して働ける職場環境をつくり出すのは区長の役目です。それは区民サービスの向上につながります。精神的な不安を抱えての職務従事では、区民に満足していただける仕事にはなり得ません。まして職員数を2,000人に削減するのであれば、なおさら心身ともに元気に働ける職場環境整備が、区長に課せられた責務であると言えます。この点についての区長の認識をお答えください。
職員の皆様には、さまざまな御苦労がおありかと思いますが、これからも区民の声に謙虚に耳を傾け、質の高い行政サービスの実現に向けて御尽力なさることをお願いいたします。
以上で、任期中最後となりました一般質問を終了いたします。誠意ある御答弁をお願いいたします。
〔助役石神正義登壇〕
○助役(石神正義) 職員の健康状況と区民サービスの向上についてお答え申し上げます。
社会情勢の変化に伴いまして、パソコンの導入など、職員の職場環境も大きく変化してきております。精神保健相談のニーズも増加しているというふうに認識してございます。これらは、社会全般の傾向と一致するというふうにとらえておりますが、他区の現状についても同様であるというふうに考えてございます。
平成14年3月に中野区安全衛生委員会から中野区職員のメンタルヘルスについての提言、これが出されましてから、平成14年度から相談体制をとってきております。相談体制につきましては、保健師による相談に加えまして、専門医また外からの産業医による相談を行うなど、充実させてきたところでございます。こうした相談環境が整備されたことによりまして、職員の健康に関する自己管理が促進され、相談件数が増加しているというふうに考えてございます。また、中野区の平成18年の4月から今年1月の状況では、相談する職員1人当たりの相談回数が平均14回ということになってございます。継続して相談する職員が多く、延べ件数が多くなっているというふうに考えてございます。
メンタルヘルス対策、この事業の強化につきましては、重点課題だというふうに認識してございます。19年度以降も強化をしていく考え方でございます。
〔子ども家庭部長田辺裕子登壇〕
○子ども家庭部長(田辺裕子) 学童クラブの開室時間の延長でございます。
現在の平日6時、土曜・長期休業日5時までの開設時間を、通年夜7時まで延長することは、現在考えてございません。
〔むとう有子議員登壇〕
○17番(むとう有子) 学童クラブの時間延長ですが、考えていないということですけれども、区民要望が高いということは御認識されていると思います。今、考えていなくても、今後区民ニーズにこたえるという意味で検討をすることを、重ねてお願いしたいと思います。再答弁を求めます。
〔子ども家庭部長田辺裕子登壇〕
○子ども家庭部長(田辺裕子) 一部の利用者にそういう御要望があることは存じておりますが、職員体制、それから子どもたちの放課後の生活時間等を考えますと、現在のところ検討しておりません。
○議長(高橋ちあき) 以上でむとう有子議員の質問は終わります。
中野区議会議員 奥 田 けんじ
1 全体最適を考えた区政運営について
2 これからの公会計のあり方について
(1)制度について
(2)人材育成について
3 教育について
(1)コミュニティ-・スクールについて
(2)教員の時間の使い方について
4 その他
○議長(高橋ちあき) 次に、奥田けんじ議員。
〔奥田けんじ議員登壇〕
○7番(奥田けんじ) 議長のお許しをいただきましたので、一般質問をさせていただきたいと思います。
まず1番目に、全体最適を考えた区政運営についてお伺いする予定でございましたけれども、その他の項から、中野区政のあり方を端的かつ継続的に伝える必要性について質問をさせていただきます。
田中区政は、明確なゴール、目標と成果による経営、新しい基本構想や10か年計画といったもの、あるいは全体最適を求めた動きとして、組織のフラット化、マネジメント体制の強化といったこと、あるいは継続的な改善として不断の経営改善の仕組み、PDCAサイクルマネジメントあるいは行政評価、こういったさまざまな明確な経営方針で運営されてきていると認識しております。しかし、ときにこの政策や意思決定がぶれているように私には見受けられます。例えば、副区長制度の導入に当たって、不必要な退職金が発生することに関して、あるいは目標と成果による意思決定ではなくて、上下の権力関係による意思決定が行われる、こういったことが非常に不明瞭に思える部分がございます。
すべての政策が先の理念に則って行われているはずと私は思っております。そうであるならば、このぶれているのはなぜなのか、ぶれているように見えるのはなぜか。私は、情報の発信の仕方に問題があるのではないかというふうに思っております。まずは、一貫した理念に基づき区政運営がなされていることが端的にいつでも見える、こういった状態をつくっていくことが、私は肝要ではないかと思っております。例えば、区政のあり方をイメージする図、または理念を文章化した、いわゆる企業で言うミッション・ステートメントというようなものを作成し、区のホームページや区報等で区民がいつでも、そして確認したいと思ったときどこでも確認できる、こういった状況をつくるのが理想です。
全体の理念と個別の政策判断が常に一貫したものであるということが、端的に理解される状態がつくられれば、さきのような理念からの乖離ととらえ得る、こういった状況が回避できるのではないでしょうか。御所見をお伺いいたします。
2番目に、これからの公会計のあり方についてお伺いいたします。これは、管理会計あるいは経営判断の視点でお伺いしたいと思います。
まず、制度面についてお伺いいたします。
私は一貫して区議会議員として、公会計の改善を求めてまいりました。この間、発生主義あるいはストックとフローの概念など、議論の素地ができつつあると認識しております。しかし、これが単なる民間手法の後追いであってはなりません。民間では、財政分析をする際、安定性・収益性・効率性の三つを問います。IRの立場からすれば、成長性の分析もあり得ますけれども、今回は管理会計に関してなので触れません。
さて、安定性に関して、ですけれども、民間手法の導入がこれに関しては非常に有効に機能いたします。バランスシートの発想、あるいは連結の概念、あるいは発生主義の概念も非常に重要だと思います。しかし、効率性の追求を同じように分析いたしますとやや問題がございます。民間手法の導入、可能ではありますけれども、個別部門の効率性の判断には機能しますけれども、全体の経営判断には不向きなところがございます。そしてもう一つ、収益性を分析する際に、大きな問題を持っております。経営判断にとって最重要な項目ではありますけれども、民間手法がここでは活用できません。つまり、利益率という分析ができないんです。そもそものゴール設定が違うんです。企業の場合、長期的な利益の最大化、これがゴールです。しかし、行政の場合は、最適な納税額に対する最大の保障あるいはサービスの還元がゴールとして求められます。ゴール設定を一元的な数字に落とし込めないのが、ここの難しいポイントでございます。
すると、優先順位をつけるという経営判断ができないということに陥るわけであります。しかし、単なるこの行政コストの分析で代替できるかというと、現在やっております行政コストの分析をしようという取り組みが、この代替手段としてとられようとしているわけですけれども、現在主流の企業の管理会計の弱点が、このコスト分析だけでは端的にあらわれてまいります。つまり、うまく機能しません。短絡的なコスト分析に陥りますと、かえって本来目指すべき区民サービスの最大化が遠ざかってしまう、こういった結果も起こり得るわけです。
例えば、以前地域センターの値上げの根拠として示されました個別のコスト意識が、かえって区民への還元から遠ざかる、サービスへの還元から遠ざかる結果となっておりました。これは、再検討という形で取り下げが行われましたけれども、なぜそういった提案がされたのか、改めて問い直したい、再検討していただきたいというふうに思います。
これを補いますのが、目標と成果による経営とPDCAサイクルによる改善の実施だ、このように私は理解しております。したがいまして、方針としての間違いはない、このように思っておりますけれども、この管理会計に関してはぜひ御参考にしていただきたいのが、このTOCのスループット会計という手法でございます。詳しくは述べませんけれども、こうした手法を参考にされながら、行政としてあるべき会計制度設計が必要と考えますがいかがでしょうか。
これに関連しまして、人材の育成に関しましてもお伺いいたします。制度導入についても、運用者の利用がなくては無意味なものとなってしまいます。また、行政としての独自性を先進的に研究する必要性もございます。職員の中で、企業会計の素養のある職員を選抜し、専門学校等で学ぶ、あるいは企業での受け入れを模索する等検討されてはいかがでしょうか。また、長期的には中野区設置予定のシンクタンクの重要テーマとして取り上げる必要もあると思いますがいかがでしょうか、御所見を伺います。
最後に、教育についてお伺いいたします。
子どもたちの教育について大切なことは、学校教師そして保護者・子どもたち、そして行政・教育委員会の三者がそれぞれ対立するのではなく、同じ方向、同じ目標、子どもたちの学びに向かっていく、これが大切だと思っております。そのためには、関係者がお互いに信頼関係を持つことが必要だと思っております。時間がございませんので、前半のコミュニティ-・スクールに関しては省略させていただきますけれども、この中で教員に対して、まずは誇りを持って仕事をしていただく環境整備が重要だと思っておりますので、この教員の時間の使い方についてお伺いいたします。
OECDの調査では、法定勤務時間に占める実際の授業時間の割合、これが日本は最低でございます。小学校30%、中学校25%という状況です。フィンランド、スコットランドなどは60%を超えてくる、こういう状況です。残業がほとんどないフィンランドの教師が、午後2時には帰宅してしまう、こういう状況がございます。2006年の12月、文科省の調査では、教員の意識の調査の中間報告で、授業に特化したい、あるいは業務を合理化してほしいという声が8割にものぼります。こういった状況を踏まえ、ぜひ教員にまずは時間的なゆとりをつくる工夫をされていただきたい。例えば会議時間の見直し、資料作成の簡素化、授業以外の事務の代行要員の確保。例えば、杉並区の和田中でやっております50分授業を45分にするといったような改善、さまざま考えられると思いますが、いかがでしょうか。御所見をお伺いいたします。
これですべての質問を終わります。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 奥田議員の御質問にお答えいたします。
区政経営の考え方を区民にもう少しわかりやすく、端的に知らせていく必要があるのではないかということであります。私も、そうしたことの必要性について考えることがしばしばございます。さまざまな形でお知らせをしているつもりではありますけれども、おっしゃるように端的にわかりやすくお知らせするということについては、これからも不断に考え続けていかなければならないというふうに思っております。
それから、公会計改革のあり方ですけれども、区はこれまでより、より民間企業の会計基準に近づいたバランスシートでありますとか、行政コスト計算書などを作成し、資産やコストなど、経営状況の的確な把握分析を行うということを考えているわけであります。そうした中で、民間と共通な部分、行政に特有な部分、そうしたことをしっかり切り分けながら進めてまいります。
こうした区政経営を担う職員について、発生主義会計の検討や民間会計手法の研修などを実施することによって育成をしていきたいと考えております。
〔教育長菅野泰一登壇〕
○教育長(菅野泰一) 教師の時間の使い方ということでございますけれども、これからの学校はより開かれた運営を進めていく中で充実を図っていく必要があります。学力向上アシスタントの配置でありますとかスクール・サポーターの導入など、外部人材の活用を進めるとともに、校内LANなど情報基盤の整備などを進めまして、事務の効率化を図ることによりまして、教師の負担となっていたことの一部を軽減し、教育の充実を図れるものと考えております。
○議長(高橋ちあき) 以上で奥田けんじ議員の質問は終わります。
中野区議会議員 近 藤 さえ子
1 地域づくりにおける行政の役割について
2 公教育の充実について
3 子育て支援策について
4 その他
○議長(高橋ちあき) 次に、近藤さえ子議員。
〔近藤さえ子議員登壇〕
○8番(近藤さえ子) 質問の1番と2番を続けて質問させていただきます。
昨年の第1回定例会で、私は中学校のクラブ活動を例に挙げ、安定的に指導員を確保する仕組みを取り入れ、クラブ活動の充実を図るべきではないかと質問しました。また同時に、区が町会・PTAなどに、住民自治と称して仕事を何でもおろしてくれば、地域に無理が生じる。自治が育っていない地域には、地域の自治が育っていくためのステップを用意する必要があるではないかと質問をしました。その後、地域の受け皿は広がったのでしょうか。今後ますます高齢化する地域を支える仕組みは大丈夫なのでしょうか。組織そのものが高齢者に支えられていることが多い町会や自治会、人数が減って動きのとれないPTAや地域活動など、既存の組織に頼るシステム、あるいは地域における自治力が自然発生的に育つのを待っていたのでは、間に合わなくなりはしないでしょうか。
地域コミュニティ-と学校とは決して切り離されることはできないものだと思います。足立区の五反野小学校では「のびのびスクール」という土曜スクールや、図書ボランティアなどを展開していました。学校と保護者だけではなく、地域コミュニティ-が子どもたちを支え、三者の話し合いにより運営していました。地域活動も盛んです。しかし、このように幸いにも人材がいて、地域に連帯がある地域では、行政があえて人材を派遣しなくても、子どもたちに学校内外の支援をすることができるでしょう。しかし、自治の担い手の育っていない地域では、同じ区でも五反野小学校のような形のコミュニティ-・スクールはできていません。
昨年私も奥田議員と杉並区の和田中学校に行きました。和田中学校も多くのボランティアや学生、地域の人々に支えられています。全国から和田中を支える人々が集まってきているのです。和田中が多くの地域の人に支えられるようになった成立過程は、五反野小学校とは全く異なっていました。和田中の場合は、藤原先生の次の一言に集約されています。「今、地域は壊滅状態です。ですから、学校の中に擬似地域をつくったのです。」私はこの言葉に驚き、大変感銘を受けました。自治力を持たない地域の学校を、校長先生が公教育を充実させることに取り組んだ結果、自治力を持つ学校に変えてしまったのです。藤原校長先生は、昔は放っておいても子どもたちが地域社会で自然に学んでいたことを、地域がごっそり抜け落ちてしまった今、学校が教えなくてはならなくなったと言い、生徒たちときちんと向き合い、今を生きる生徒たちの学力のみならず、思考力を高めることに真剣に取り組んでいます。
一度でもその授業に触れた保護者や地域の方は、この学校のために何かお手伝いできることはないかと自然に考えるようになったのです。和田中では、この春新入学する1年生を対象に、算数ができないまま中学生になり、中学の数学で落ちこぼれてしまわないように、入学前の生徒に対し中学で補習をする予定もあるということでした。
今年度私立中学校の受験者は首都圏で5万人と言われます。小学6年生の6人に1人が私立中学校を受験したことになります。中野区でも確実に私立中進学がふえ、子どもたちが地域から離れ、保護者も自然と地域活動から遠ざかっています。和田中の入学者は、藤原氏が校長に就任した2003年は49人、その後年々ふえ、2007年には140人前後が入学する予定だそうです。約3倍に生徒がふえました。1人の民間人の起用により、学校も住民自治意識も変わっていく、そんな仕掛けづくりが教育委員会にはできるのです。中野区の教育委員会もぜひ、真剣に学ばせたい学校をつくるための仕掛けづくりに取り組んでいただきたいと思いますがいかがですか。
確かに藤原先生にはカリスマ性もあり、和田中のことは一例にすぎませんが、保護者が子どもを通わせたい学校のヒントがあります。教育長には一度和田中の取り組みを見ていただきたいと思います。地方からも、教育委員会の方がたくさん授業に参加されていました。
公立学校の存在する地域はさまざまです。そして、藤原先生のおっしゃるように、壊滅状態の地域も決して少なくないはずです。昔は子どもの数も多く、子どもたちの親を結んでいくだけで、地域にある程度の広がりが出てきました。今、少子化が進み、一つの学校の子どもの数は減り、学校と保護者でつくるPTAさえも成り立つのが困難な状況になっています。先生は授業以外にも多くの仕事を抱えて忙しく、子どもと向き合う時間がなかなか取れません。そんな中で課外活動は地域の皆さんでと言われても、何をどうすればよいのか、だれが何をすればよいのかわからないまま、子どもたちはその時間の中で成長していきます。教育委員会では、これまでもいろいろな制度をつくり、また現在国が指導する教育改革が進んでいます。制度を変えることに苦心し、それを受けて先生たちがさらに忙殺され、子どもたちと向き合う時間が減るようでは本末転倒です。もっと教師の仕事をシンプルにして、子どもたちと向き合う時間を多くつくるべきだと思いますがいかがでしょうか。
公教育が充実し、より多くの生徒たちが生き生き通う、学びたい学校、思い切りクラブ活動ができる学校が地域の中に存在すれば、学校を軸に地域のコミュニティ-は広がります。新しい教育長には、公教育の充実のために大いに尽力していただきたいと思います。
次は、子育て支援の子ども医療費についてです。
中野区はことし10月から中学生までの通院・入院にかかる医療費を、所得制限なしで無料化することを決定しました。子育て中の子どもを持つ世帯には大変ありがたい政策であると思います。私も中学になる子どもを持つ母親ですので、恩恵を受けることになり、心からありがたく思います。江戸川区のように、子育て支援が進んでいると言われている区でも、中学生の通院は2割の自己負担があります。子育て支援策として考えると大いにありがたいのですが、無料化による不必要な受診や時間外診療をふやす可能性もあり、結果医療費の増大につながるのではないかと心配の声もありますが、どのようにお考えでしょうか。子どもたちの健やかな成長と子育て中の区民の皆様の良心的な医療費の利用を心からお願いして、私の質問は終わります。
〔教育長菅野泰一登壇〕
○教育長(菅野泰一) 和田中の藤原校長の本を読んで、あとホームページとかビデオなどを見ておりますけれども、大体ああいったことはすばらしいことだと思っておりますので、私も中野区の中でそのようにしていきたいというふうに考えております。
学校は地域のコミュニティ-の核といたしまして、町会自治会との関係、学校教育への地域の人材活用、防災活動の拠点など、地域社会と密接に結びついておりまして、これまで多様な結びつきをさらに発展させていくことが期待されていると認識しております。
教師の負担軽減ということですけれども、先ほどもお話しましたが、これからの学校は地域に開かれた運営を進めていく中で、充実を図っていく必要がございます。学力向上アシスタントの配置やスクール・サポーターの導入など、外部人材の活用を進めるとともに、校内LANなどの情報基盤の整備などを進めまして、事務の効率化を図ることによりまして、教師の負担となっていたことの一部を軽減し、教育の充実を図れるものと考えております。
〔子ども家庭部長田辺裕子登壇〕
○子ども家庭部長(田辺裕子) 子ども医療費の助成の御質問でございます。
この子どもの医療費助成につきましては、子育て中の保護者の経済的負担を軽減するという趣旨で、区として少子化対策にかかわる重要な、必要な施策であるというふうに考えておりまして、19年度予算で御提案させていただいたものでございます。
○議長(高橋ちあき) 以上で近藤さえ子議員の質問は終わります。
以上をもって質問は終了いたしました。
これより日程に入ります。
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第5号議案 平成19年度中野区一般会計予算
第6号議案 平成19年度中野区用地特別会計予算
第7号議案 平成19年度中野区国民健康保険事業特別会計予算
第8号議案 平成19年度中野区老人保健医療特別会計予算
第9号議案 平成19年度中野区介護保険特別会計予算
○議長(高橋ちあき) 日程第1、第5号議案から第9号議案までの計5件を一括上程いたします。
理事者の説明を求めます。
〔助役石神正義登壇〕
○助役(石神正義) ただいま上程されました平成19年度各会計予算に係る第5号議案から第9号議案までの5議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。
初めに、第5号議案、平成19年度中野区一般会計予算について説明いたします。
第1条は歳入歳出予算でございます。
歳入予算の総額は985億4,000万円で、前年度に比べ11.3%の増となりました。大幅な増となった要因は、にぎわいと魅力のある中野の顔づくりに向けて、警察大学校等跡地に道路及び公園を整備するための用地取得費86億3,500万円余を計上したことです。この要因を除いた実質的な前年度比較では、13億7,100万円余、1.5%の増となります。
それではまず、歳入予算から説明いたします。
特別区税は、特別区民税の所得割納税者数がおおむね0.8%増加すると予測されることや、三位一体改革に伴う税源移譲、定率減税の廃止などの税制改正により、前年度に比べ7.3%増の303億4,200万円余を計上しました。
特別区交付金は、平成19年度都区財政調整フレームに基づき見込んだ普通交付金の額に特別交付金5億円を加え、前年度より5.1%増の316億3,900万円を計上しました。なお、平成19年度から、都区間の配分割合につきましては、特別区55%に対し東京都45%に変更されています。また、交付金総額に占める特別交付金の割合は2%から5%に変更されています。
地方譲与税は、所得税から住民税へ税源移譲がされるまでの暫定的措置であった所得譲与税が皆減となったことから、前年度に比べ67%減の5億3,700万円を計上しました。
地方特例交付金は、住民税の恒久的減税による減収を補てんする減税補てん特例交付金が18年度をもって廃止されることから、前年度に比べ72.4%減の4億8,300万円を計上しました。
その他の交付金につきましては、国や都の予算及び今年度の実績を勘案し、見込みました。
分担金及び負担金は、区立保育園の入園者自己負担金の増などにより、6.7%増の7億4,100万円余を計上しました。
使用料及び手数料は、道路占用料の増などにより、4.3%増の20億1,000万円余を計上しました。
国庫支出金は、警察大学校等跡地周辺整備に係るまちづくり交付金が皆増となったことなどから、30.2%増の149億2,900万円余を計上しました。
都支出金は、特別区交付金の都区間の配分割合の変更に伴い、乳幼児医療助成に係る都補助金などが一般財源化され、皆減となったものの、児童手当に係る都負担金や警察大学校等跡地周辺に係る都補助金の増などにより、21.2%増の45億7,900万円余を計上しました。
財産収入は、財団法人中野区勤労者サービスセンター及び財団法人中野区文化スポーツ振興公社の解散に伴う出資金返還金等が皆減となったことなどから、94.6%減の5,100万円余を計上しました。
繰入金は、基金計画に基づき、投資的事業に充当するため、義務教育施設整備基金やまちづくり基金などからの繰り入れを行うことにより、614%増の19億3,900万円余を計上しました。
繰越金は、18年度からの繰越金10億円を計上しました。
諸収入は、土地開発公社からの貸付資金返還金が皆減となったことなどにより、9.7%減の10億7,000万円余を計上しました。
特別区債は、警察大学校等跡地の整備に係る道路及び公園の用地取得費に充てる土地整備債並びに学校再編に伴う義務教育施設の改修工事費に充てる教育債の合計41億8,500万円を計上しました。
続いて、歳出予算の説明をいたします。
まず議会費ですが、議会広報経費の増などにより、1.8%増の8億1,700万円余となりました。
経営費は、平成19年度の組織改正に伴い新設するものです。これにより、総務費は皆減となります。したがいまして、増減の説明につきましては、便宜上平成18年度の総務費の当初予算との比較で御説明いたします。
経営費は、退職手当の増加に伴う職員人件費の増や、区有施設の耐震補強工事に係る経費の増などにより、13%増の98億8,800万円余となりました。
区民生活費は、集団回収の支援やプラスチック製容器包装の回収に係る経費の増などにより、1%増の84億1,200万円余となりました。
子ども家庭費は、児童手当、子ども医療費助成及び区立保育園の民営化に係る経費の増などにより、5.4%増の147億9,800万円余となりました。
保健福祉費は、生活保護費や国民健康保険事業特別会計への繰出金の増のほか、後期高齢者医療制度の導入準備に係る経費を計上したことなどにより、2.5%増の311億6,300万円余となりました。
都市整備費は、警察大学校等跡地に道路及び公園を整備するための用地取得費を計上したことなどにより、110.2%増の153億4,200万円余となりました。
教育費は、区立学校の再編に係る経費の大幅な増や、校舎等の耐震補強実施設計委託費を計上したことなどにより、12.8%増の100億5,700万円余となりました。
公債費は、区債の元金償還金及び利子支払いの減などにより、4.5%減の52億5,100万円余となりました。
諸支出金は、財政調整基金や減債基金への積立金の減などにより、38.6%減の27億900万円余となりました。
以上の歳出予算を性質別に見ますと、人件費が1.6%増、扶助費が4.6%増、公債費が2.3%の減で、これを合わせた義務的経費は522億7,400万円余となり、前年度より11億7,100万円余、2.3%の増となりました。
また、投資的経費につきましては、警察大学校等跡地整備に係る用地取得費、小中学校及び区有施設の耐震補強に係る経費並びに学校再編に伴う義務教育施設の改修工事費を計上したことなどにより、総額で128億400万円余となり、前年度より234.4%の大幅な増となりました。
その他の経費につきましては、334億6,000万円余で、前年度より0.4%の減となりました。
第2条は、債務負担行為について定めるものです。これは中野区土地開発公社の借入金に対する債務保証、税総合システムの構築、軽自動車税の収納委託などの債務負担行為を定めたものです。
第3条の特別区債は、起債の目的、発行限度額などを定めるもので、総額41億8,500万円を計上いたしました。
第4条の一時借入金は、その最高額を100億円といたしました。
第5条の歳出予算の流用は、職員の人件費に過不足が生じた場合、同一款内の各項間で流用することを御承認いただくものです。
以上が第5号議案、平成19年度中野区一般会計予算の概要です。
続きまして、第6号議案、平成19年度中野区用地特別会計について説明いたします。
第1条の歳入歳出予算の総額は2,400万円で、前年度に比べ166.7%の大幅な増となりました。
歳出につきましては、公債費として用地取得に係る区債元金に対する利子2,400万円を計上しました。
歳入につきましては、繰入金2,400万円を計上しました。
次に、第7号議案、平成19年度中野区国民健康保険事業特別会計予算について説明いたします。
第1条の歳入歳出予算の総額は330億4,000万円で、前年度に比べ9.4%の増となりました。
歳出につきましては、前年度の実績を反映して、国保給付費は1.4%減の202億2,300万円余、老人保健拠出金は、2%増の64億6,300万円余を計上しました。また、国民健康保険法の改正に伴い、保険財政共同安定化事業拠出金を計上したことなどにより、共同事業拠出金は415%増の35億600万円余を計上しました。
歳入につきましては、国民健康保険料は105億8,900万円余、国庫支出金は75億2,500万円余、療養給付費等交付金は48億5,400万円余、都支出金は15億3,800万円余、共同事業交付金は33億7,300万円余、繰入金は50億9,500万円余を計上しました。
第2条の債務負担行為は、国民健康保険料の収納委託を定めたものです。
第3条の一時借入金は、その最高額を10億円としました。
次に、第8号議案、平成19年度中野区老人保健医療特別会計について説明いたします。
第1条の歳入歳出予算の総額は230億3,600万円で、前年度に比べ1.1%の増となりました。
歳出のうち、医療諸費は、1.1%増の229億5,600万円を計上しました。
歳入につきましては、支払基金交付金は135億8,800万円余、国庫支出金は62億4,500万円余、都支出金は15億6,100万円余、繰入金は15億6,100万円余を計上しました。
次に、第9号議案、平成19年度中野区介護保険特別会計予算について説明いたします。
第1条の歳入歳出予算の総額は、161億6,600万円で、前年度に比べ0.4%の増となりました。
歳出のうち、制度運営費は2.3%減の7億7,700万円余、保険給付費は1.2%増の150億800万円余、地域支援事業は2.1%減の2億9,100万円余を計上しました。また、諸支出金につきましては、一般会計の繰出金が皆減となったことにより、97.3%減の400万円余を計上しました。
歳入につきましては、介護保険料は30億7,200万円余、国庫支出金は34億4,500万円余、支払基金交付金は46億6,000万円余、都支出金は22億3,000万円余、繰入金は27億3,400万円余を計上しました。
第2条の債務負担行為は、介護保険料の収納委託を定めたものでございます。
以上5議案につきまして、よろしく御審議の上御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○議長(高橋ちあき) 本件について御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(高橋ちあき) 御質疑なければ質疑を集結いたします。
上程中の第5号議案から第9号議案までの計5件は、議員全員をもって構成する予算特別委員会を設置し、これに審査を付託いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(高橋ちあき) 御異議ありませんので、さよう決します。
本日はこれをもって散会いたします。
午後5時05分散会
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