平成19年06月22日中野区議会本会議(第2回定例会)
平成19年06月22日中野区議会本会議(第2回定例会)の会議録
平成19年第2回定例会本会議第2日(6月22日) 1.平成19年(2007年)6月22日、中野区議会議事堂において開会された。
1.出席議員(42名)
  1番  内  川  和  久        2番  ひぐち   和  正
  3番  白  井  秀  史        4番  平  山  英  明
  5番  つぼい   え  み        6番  いながき  じゅん子
  7番  林     まさみ         8番  山  口  かおり
  9番  せきと      進       10番  いでい   良  輔
 11番  伊  東  しんじ        12番  佐  野  れいじ
 13番  北  原  ともあき       14番  南     かつひこ
 15番  小  林  秀  明       16番  の  づ  恵  子
 17番  奥  田  けんじ        18番  近  藤  さえ子
 19番  牛  崎  のり子        20番  小  堤     勇
 21番  吉  原     宏       22番  大  内  しんご
 23番  伊  藤  正  信       24番  きたごう  秀  文
 25番  久  保  り  か       26番  やながわ  妙  子
 27番  酒  井  たくや        28番  佐  伯  利  昭
 29番  むとう   有  子       30番  長  沢  和  彦
 31番  か  せ  次  郎       32番  山  崎  芳  夫
 33番  斉  藤  金  造       34番  篠     国  昭
 35番  市  川  みのる        36番  岡  本  いさお
 37番  飯  島  謹  一       38番  江  口  済三郎
 39番  藤  本  やすたみ       40番  佐  藤  ひろこ
 41番  来  住  和  行       42番  岩  永  しほ子
1.欠席議員
      な  し
1.出席説明員
 中 野 区 長  田 中 大 輔      副  区  長  石 神 正 義
 副  区  長  沼 口 昌 弘      教  育  長  菅 野 泰 一
 区民生活部長   大 沼   弘      子ども家庭部長  田 辺 裕 子
 保健福祉部長   金 野   晃      保 健 所 長  浦 山 京 子
 都市整備部長   石 井 正 行      拠点まちづくり推進室長 谷 村 秀 樹
 教育委員会事務局次長  竹 内 沖 司   計画財務担当課長  長 田 久 雄
 経営担当課長   川 崎   亨
1.本会の書記は下記のとおりである。
 事 務 局 長  山 下 清 超      事務局次長    髙 橋 信 一
 議事調査担当係長 大 谷 良 二      書     記  黒 田 佳代子
 書     記  永 田 純 一      書     記  荒 井   勉
 書     記  菅 野 多身子      書     記  廣 地   毅
 書     記  松 本 明 彦      書     記  丸 尾 明 美
 書     記  鳥 居   誠      書     記  杉 本 兼太郎
 書     記  岡 田 浩 二      書     記  松 本 桂 治

 議事日程(平成19年(2007年)6月22日午後1時開議)
日程第1 第38号議案 平成19年度中野区一般会計補正予算

      午後1時00分開議
○副議長(やながわ妙子) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。
 本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表どおりでありますので、さよう御了承願います。
 昨日の会議に引き続き一般質問を続行いたします。

 中野区議会議員 奥 田 けんじ
 1 「自治体間“共生"の時代」について
 2 「自転車の似合う街・中野」について
 3 「コミュニティ・スクール」のモデル校設置について
 4 その他

○副議長(やながわ妙子) 最初に、奥田けんじ議員。
     〔奥田けんじ議員登壇〕
○17番(奥田けんじ) 20期最初の中野区議会に当たりまして、民主クラブを代表させていただきまして、一般質問をいたします。
 さきの中野区議会議員選挙におきまして、私たち民主党としては23区で初めて民主党の公認候補者が統一したマニフェストを掲げて戦った選挙でございました。マニフェストにも盛り込む要素、もちろん期限、財源、工程表など、あるいは議会マニフェストの実現性など、いろいろな論点として議論があるのは承知しているところではございますけれども、少なくともあらかじめ統一の政策を掲げ、有権者と約束する、これは少なからず価値あるものとして、私たちは少し前進したのかなというふうな自負を持っている次第でございます。
 中野区、この財政的にいまだに厳しい状況、これは予断を許さない状況がまだまだ続いているわけですけれども、中野駅周辺をはじめ中野の未来を具体的に描いていく、これが不可欠でございます。マニフェストに掲げた子どもたちを支える仕組みづくり、あるいは公正な社会づくり、安心・安全のまちづくり、こういったこのマニフェストに盛り込ませていただきました政策実現を目指して、未来志向の議会運営に寄与していきたい、このような思いでございます。
 それでは、質問に入らせていただきます。
 自治体間の共生の時代について質問をさせていただきます。
 技術革新等が進みまして、世界的にグローバル化、世界が一つになっていく、こうした動きが進んでおります。EUに象徴されるような統合の動きが世界各地で起こっております。経済の分野に目を落としますと、巨大企業が市場に対して事実上の標準、いわゆるディファクトスタンダードというようなものを掲げ、市場を支配しているような状況もよく見られるようになってまいりました。しかしながら、一方で世界的に分離独立といった動きも加速しているのは事実でございます。また、世界的な競争力のある国や地域の多くは、数十万、あるいは数百万といった小国、例えばアイスランドやフィンランドのような小さな国が競争力を持っているというのもまた事実でございます。
 先日NHK特集、この中で日本の長寿企業、長く存続している企業をテーマに取り上げた番組がございました。世界中に200年以上続いている企業がどの程度あるのか御存じでいらっしゃいますでしょうか。NHK特集によりますと、日本においては3,000以上現在あるということです。ところが世界に目を落としてみますと、ドイツで500程度、オランダで200、中国、台湾、アメリカなどで10前後という、そういった数字が出てまいります。つまり極端に日本に長く存在している企業というのは集中している、こういった状況がうかがわれるわけです。この特徴というのを分析して、その番組の中で紹介されておりましたのが、特に個性を徹底的に生かす、そして家訓を持つ、経営理念をしっかりとするということですね、そして長い目で考える、目先の成果にこだわり過ぎない。ある程度の遊びがあるというような表現もされておりました。例えばナンバーワンの発想、つまり強者の立場に立つということであれば、勝者がすべてを取っていく、ウィナー・テイクス・オールというような形でやっていく選択肢も場合によってはあるかもしれません。しかし、それができない、あるいは望まないということであれば、日本の長寿企業、もしくは競争力を発揮し続けている小規模国家を私はこの中野区も見習っていく必要があるのではないか、このように考えている次第でございます。
 行政運営、あるいは地域経営の視点でも、自治体間競争、あるいは地域間競争という言葉が最近は使われるようになってまいりました。この発想は、先ほど申し上げましたナンバーワンの発想、あるいは強者の発想を是とする発想でございます。しかし、中野区が本当に強者になっていく必要があるのかどうか、あるいは可能かどうかといったことも含めて、私は大変に疑問に思っております。私は目指すべきはオンリーワン、これは自民党の山崎さんがよくおっしゃる。私も全く同じような意見を持っています。中野らしさ、これを生かしていく、私は非常に大切だと思っております。経営理念をしっかりと持ち、目先の成果にこだわり過ぎないで、徹底的に強みを伸ばす、これが私は中野のこれからのあり方だと思っております。自治体がそれぞれの立場で他との競争ではなく、それぞれのよさを認め、共生、ともに生きる、こうした視点が、私は不可欠だと思っております。
 さて、それでは中野らしさ、これを語る際に、二つの視点が必要だと、私は思っております。一つには、中野駅周辺、中野を象徴する顔でございます。商業、あるいは産業の視点でいいますと、今グランドデザインを中野区が描いているような形で、象徴としてこの駅周辺をらしさとして描き出していく必要があります。しかし、一方でもう一つ忘れてならないのが、区内全体を見渡したときに、住宅都市としての顔、中野らしさ、住みやすいまちとしての中野らしさ、これが描かれてくる必要が、私はあるだろうというふうに考えております。
 まず、一つ目の視点として、今、中野駅周辺まちづくりグランドデザインが描かれようとしております。この駅周辺について申し述べさせていただきます。このグランドデザインの中で、キーワードとしてIT・コンテンツ、ヒューマンビジネス、人を集める、区内に限定すれば、こうしたキーワードはふさわしいなというふうに、私も印象として持っております。しかし、これはよく考えてみれば、都会らしさという言葉を集約したものであって、果たして中野らしさを強調するものかどうか、少し疑問に思っております。
 いよいよ用地の売却先が決まり始め、具体的なまちづくりが始まってまいります。今示されている姿は、商業地として新宿、あるいは渋谷の姿だと言われても、全く違和感がないわけです。つまり都会らしさから中野らしさをもっと抽出していく、これが必要だと私は思っております。そうでなければ、先ほど申し上げました同じ都会らしさというものを競い合っていく、まさしく自治体間競争、あるいは都市間競争に、私は陥ってしまうと思っております。この視点について、まずは御所見をお伺いさせていただきたいと思います。
 そして、詳細な計画ではなく、コンセプト、らしさの定義、これは実際に用地の活用、こういったものを業者等と話し合っていく、議論をしていく中でも、現状で既に不可欠になっているはずです。早急にそれを形として示していくべきだと、私は思っておりますが、いかがでしょうか。現状でこうした中野らしさ、駅周辺が顔としての中野らしさの抽出がどの程度進んでいるのか、もし進んでいて、どのような形があるのかお示しいただけるのであれば、お示しください。
 そして、私が何よりも大切だと思っているのが区内全体を表現する住環境としての中野らしさです。こちらこそ私は区民にとって重要な視点だと思っています。災害に弱い、あるいは緑が少ない、これまであまり中野の住環境は積極的な言葉で語られてこなかったというふうに感じております。既に私たち中野に住んでいる市民として、中野らしさ、つまり中野に住んでよかった、あるいは新しく中野に住もうと思っている方、だからこそ中野に住みたいんだ、こうした思い、中野駅周辺、これは顔ですけれども、住環境、ライフスタイル、中野で実現できる生活様式です。これが選択の重要なキーワードになってくると思います。中野区はもっと住環境、ライフスタイルのらしさを提案していくべきであると私は思っております。御所見をお伺いいたします。
 現状で、住環境、ライフスタイルのらしさ、これを表現するなら、どういった言葉になるでしょうか。お持ちであればお答えいただきたいと思います。
 私は、中野の積極的な側面に光を当てていく、この中で答えを導き出せるのではないかと考えております。中野の積極的な側面、一体何でしょうか。私は強みと弱み、これは表裏一体のものだと思っております。例えば徳島県の上勝町、2年ほど前に私は視察をさせていただきました。最近はさまざまなメディアに取り上げられるようになりましたので、既に御承知の方も多いかもしれません。わずか2,000人のいわば過疎の村です。若者がほとんどいなくて、高齢者と山、自然、これがあるのみだというふうに一般的には表現されておりました。しかし、これを大きく転換した。山しかない、これを山がある、そして高齢者しかない、これを地域の地理を熟知している方がいる、こうした置きかえを、発想の転換を行ったわけです。今や山から産出される資源、具体的には山の葉っぱ、あるいは花、そういったものを高級料亭などに納める、そういった産業が地域の世帯を潤している。世帯年収で1,000万円を超えるというケースも珍しくなくなっているのが現状でございます。まさに弱みを強みに変えたいい事例だというふうに私は思っております。
 中野区議会議員として4年間、あるいは世帯を持って3年たちました。中野区のらしさを常に私は探し続けている立場でございます。商業、産業の地、近隣の新宿、渋谷とよく比較をいたします。住宅地として近隣の杉並や世田谷とよく比較しております。こうした要素、いずれの視点においても、何かどちらつかずな印象、あるいは中途半端な印象を受けることが少なくありません。しかし、これは弱みなんでしょうか。私は一見弱みに見えるものは、必ず強みに転換できる、これこそらしさだというものを描き出せると考えております。
 それでは、なぜどっちつかず、あるいは中途半端な印象があるのか私は考えてみました。住宅都市である世田谷や杉並といったところ、あるいは商業地、産業の都市である新宿、渋谷のまさに地理的に間にあるんですね。このどちらつかずな立地、私はこれを何とか展開できないか、発想の転換ができないかということを考えてまいりました。住宅地でありながら、産業、商業地の距離が近い、中野区の住環境、ライフスタイルを区内に完結させる、これは私は必要ないと思っているんです。つまり中野区がぽっかり島として浮かんでいるなら別ですけれども、中野区は多くの隣接した自治体がある。だとすれば視野を広げて考えたときに、中野区の新しい姿が見えてまいります。中野区の住環境、ライフスタイル、これは近隣自治体のまちが近くにある。これが強みだ。共生させる、ともに生きるという発想を持ったときに、初めて強みとして私は描けるんであろうというふうに思っております。
 中野駅周辺であっても、私は中野区民として商業、産業の選択肢の一つでしかありません。もし中野がぽっかりと浮かんだ島であれば、恐らく商業、産業の選択地として、中野駅周辺ということになると思いますけれども、私は逆を言えば、この中野駅周辺であっても、中野においてはにぎわいの中心ですけれども、ほかの近隣の都市と同じ顔をしていたら、それは選んでいただくことはできないと、私は考えております。
 例えば、私は弥生町の川島商店街中ほどに住まわせていただいております。新宿、原宿、渋谷、もちろん中野駅周辺、高円寺、さまざまな都市に自転車で実はアクセスが可能です。生活の起点が中野区にあること、これは非常に魅力的なんです。既存の交通網の必要が前提ですと、実際にはそれほどアクセスはよくありません。特に南北交通、これについては電車も車も非常に動きがとれない状況が続いております。最近私は家族で自転車で出かけることが多くなりました。自転車のペースは非常にゆっくりで、発見も非常に多いんです。新しい町並み、近隣の商店、川島商店街だけでも、新しい店を発見する。南台商店街、鍋横商店街、自転車であれば気軽に行くことが可能です。ちょっとした荷物も苦にはならない、これだと私は思いました。自転車の似合う街・中野、私は環境、健康、安全、地域商業の活性化、住宅地としての魅力、こうした四つの視点から質問させていただきます。
 一つ目の環境、6月6日から8日、G8、ドイツで行われたサミットで諸外国が合意した事項、2050年までに地球環境での温室効果ガスの排出の半減を目指す、あるいは6月9日、中野で環境まつり2007が開催されました。環境リサイクルプラザ、私も足を運ばせていただきました。環境CMコンテスト、これに区長も出席されまして環境負荷を減らす取り組みの大切さ、これに触れられて、生き延びるための感性を持つ区民をふやしていきたい、こうコメントされております。自転車通勤をされ、区内の移動はもっぱら自転車であると聞いております。私はそうした実践の伴った発言は大変すばらしいなというふうに思っております。
 環境負荷を減らしていく、3Rという言葉がよく使われます。リデュース、リユース、リサイクル、発生抑制が何よりも大切です。自転車は移動手段として発生を極限まで抑制した手段です。例えば1キロの移動、徒歩であれば45キロカロリー必要になります。自転車で一人移動すれば9キロカロリーで済むんです。一方で自動車の場合は1,600キロカロリー、実に自転車の180倍ものエネルギーが必要になってまいります。これは自転車博物館サイクルセンターの資料によるものですけれども、実にこの自転車が環境負荷の少ない移動手段だということがわかってまいります。自転車の利用を促進していく、これは環境面において非常に効果的だというふうに、私は考えております。区長の御見解を伺いたいと思います。
 そして、2点目、健康、安全の視点からお伺いいたします。他の交通機関に比べて自力での移動が健康促進につながってくる、これは区長も実践される中で、十分に御認識されていると思います。学校の再編により、子どもたちが通学時に幹線道路の横断を余儀なくされる、こんなケースも出てまいります。保護者の方の不安の声も聞こえてまいりました。先進諸外国で歩道、そして車道、ともに自転車が通っている、これを許している国はございません、日本だけです。1970年代以降、日本は両方合法的なものとして認めてしまったんです。車に遠慮して自転車が歩道に上がってしまっている、こうしたケースが非常にふえています。自転車の事故の増加がさまざまなメディアで取り上げられるようになってまいりました。自転車道、例えば環六に新しく設置される、こうした方向で進んでおりますけれども、私は車道を仮に抑制してでも自転車道を確保していく、これが必要ではないかというふうに考えております。実行可能性を含め、御所見をお伺いいたします。
 そして3点目、地域商業の活性化の視点です。条例上さまざまな施設には付置義務、新しくつくる施設に対しては自転車をとめられるスペースをつけなければならない、こうした条例ができておりますけれども、この条例ができたのがまだ新しいということで、現実には各商店に自転車をとめるスペースが十分にないケースがたくさんございます。鉄道に関しても法的な義務、こうしたものはございません。だから罰則がないわけです。ですから、放置自転車という形で撤去する、こうした作業を区は続けているわけです。区内の商業地でもこうした既存の交通網、例えば鉄道のようなものから遠い立地というのも当然ございます。私はこうしたさまざまな施設、もちろん条例ができて既に自転車がとめられるということであれば構いませんけれども、この中野区の中で現実的に建てかえをすべて進めていくということは、必ずしも簡単ではない。あるいは商店街に自転車で行こうと思っても、とめた瞬間にそこが公道上であれば、違法状態になってしまう。新しくお隣の商店街まで足を伸ばそうと思っても、それが違法ということでは、なかなか商圏が広がってまいりません。商店街活性化、あるいは地域のお店、商業を発展させるという意味でも、商圏を拡大させる上で、非常にこの自転車が区内全域でとめられるという環境整備は、私は非常に重要になってくると思っております。まち中に多くの駐輪スペースをつくる、これが不可欠だと思います。例えば公道上に自動車用のパーキングスペースがございます。私は場合によっては、そういうスペースを自転車用に変換していく、あるいは諸外国の事例を見ますと、ポールを1本立てて、そこにチェーンをかけられる、そういった簡単な施設をつくって、さまざまな施設の横、あるいは道路の横、駅前にとめられるような環境をつくっている事例がございます。中野区でも実施可能な範囲で行うべきだと思っております。実現可能性を含めて御所見をお伺いいたします。
 そして、最後に住環境、住宅地としての魅力の視点です。常に私はこのどちらつかずという立場、これが弱みになっている。これを転換したときに見えてくる姿、ライフスタイルとしてここに住んでいればさまざまな都市に出かけていけるこれは非常に魅力です。私はこの中野で世帯を持って3年たって、ようやく気づいた視点ですが、中野区にお住まいの皆さん、既に気づかれている方がたくさんいらっしゃる。私はこうしたことを少しずつ体でわかっていく、そのためにも経験が非常に重要だと思っているわけです。だからこそこうしたことを行政としてしっかりと支えていく仕組みづくりをしていくのが、私はこの中野の顔をつくっていくという視点でも、あるいは環境、健康、安全、商業の視点でも効果的だというふうに考えております。御所見をお伺いいたします。
 最後に、民主党としてマニフェストに掲げましたコミュニティスクールモデル校設置についてお伺いいたします。既に第1回の定例議会の総括質疑でもさせていただいたものですけれども、大きくこのコミュニティスクール成功事例を二つに分類できるというふうに申し述べました。もともと地域に素地がある、地域に力があるところがコミュニティスクールという看板を掲げただけというケース、あるいはキーパーソンがいて、校長先生、あるいは地域の名士の方がぐっと引っ張っていく、こうしたこの二つのケースがコミュニティスクール成功事例として中心的に私が見た範囲ではございました。しかし、これは必ずしも汎用性がないということも、あわせて申し述べさせていただいたところです。汎用可能性、つまり中野区内の学校どこでも実践できる、これがやはり必要です。
 だとすれば、私は参考事例としてお隣の杉並の和田中学校が非常に参考になるんではないかということで、具体的にこの和田中学校を取り上げて、要素を三つ御紹介させていただき、成功要因を三つ御紹介させていただきました。一つ目がよのなか科、そして二つ目が土曜寺子屋、三つ目が地域本部でございました。一つ目、これは本来はメディアで取り上げられているのが、子どもたちに生きる力をつけさせる、そうした目的の授業内容ではございますけれども、コミュニティスクールという視点ですれば、これは人を引きつける外部の人、あるいは地域の人、学生を引きつける、人を引きつける機能としてコミュニティスクールの中では位置づけができるものです。そして二つ目の土曜寺子屋、これは地域と学校を結びつける、こうした機能、中野区内でも同じように行われつつある、こうしたことを申し上げました。そして3番目、地域本部、仮想の地域社会を学校の中につくっていく、地域の力に学校間、あるいは地域間に差があるというのは、当然でございます。しかし、地域に力があるところだけやっていただければいい、こうした環境ではないはずです。中野区内どの学校に行っても子どもたちが安心して学力をつけていただける、そんな環境をつくっていく。そのために仮想の地域社会を学校内に醸成していく、つくっていく、これが肝になってくるのではないかという分析を私はさせていただいたわけです。
 総論としてこの総括の質疑の中で賛同いただいているわけですけれども、実際に私はこの中で和田中学校を見てほしいというふうに申し上げました。なぜならメディアで取り上げられている内容がよのなか科、つまり生きる力をつけるための授業といった授業の中身にフォーカスが当たっているからです。実際コミュニティスクールという視点で現場を見てほしいというふうにお願いいたしました。教育長にお伺いいたしますけれども、実際に現場を見ていただくことが既にされていますでしょうか。そしてコミュニティスクール成功の要因を分析していただくこともあわせてお願いいたしております。現状をどのような分析がされているでしょうか、そして中野で成功させるために、あるいは広げていくために、私はまずは実際に中野区で実施可能性の高いところをモデル校として設置し、これが果たして汎用性があるかどうか、汎用性を持たせるためにどうしたらいいか、こうした検討を進めていくことが必要だと考えております。具体的な分析等含めて、御所見をお伺いさせていただきます。
 以上で私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 奥田議員の御質問にお答えさせていただきます。
 自治体間の共生の時代ということでの御質問がありました。自治体間競争ということではなく、それぞれがそれぞれのらしさを出しながら、共生できる時代というような御意見でありました。競争という言葉で言いますと、単純にどこかが栄えて、どこかが滅びるということになるわけでありますけれども、市場というんでしょうか、圏域が共通している中で、お互いに競争していくということは、それはそれぞれ自分のらしさ、それぞれが得意な分野を伸ばしていてくということの中で、結果として競争がエネルギーとなって、お互いに共生をし、共存共栄ができるという形になっていくものだというふうに思っております。そういう意味で、中野は新宿とも違う、渋谷とも、杉並とも違う。そういう中野という歴史的な文化土壌を持っているわけでありますので、そういうものをどうやって未来志向でさらに発展をさせていけるのかということが、中野駅周辺のまちづくり、これを中野らしさの象徴としてとらえていくとすると、大変大事なことだというふうに思っております。
 そういう意味での中野らしさというコンセプトをつくっていくという作業が大事だということで、昨年はまず第一歩として中野駅周辺まちづくりグランドデザインというのをつくってまいりました。これをさらに磨き上げて、本当に中野らしい、中野の新しいまちのコンセプトというものをつくるという作業を行っているところであります。中野のまちは、若者が多く住んでいたり、あるいはよく言われるように、若手のお笑い芸人の人たちが、お互いに交流をしたり、活動をしたり、あるいは劇団が非常に多く活発に活動していたりといったような、そういう意味でのらしさといったようなものが、私たちが言っているITやコンテンツ、そういった新しい産業の中にうまく生かしていくようなことができないのか、そういったエネルギーをそういった新しい動きに生かしていくことはできないのかといったようなことなども検討をしているわけであります。
 中野駅と言いましても、東西南北それぞれの地域が、それぞれにまた違った色合いを持っておりますので、そうしたものをうまくつなぎながらそれぞれの地域の個性が全体として豊かなまちをつくっていくといったようなことを目指していきたいと思っております。
 それから、中野らしさという意味では、住宅都市としての側面についても触れられたわけであります。おっしゃるように中野は大変狭いところに多くの方が住んでいる、これもまた一つの中野の強みでもあるわけであります。しかし、一方でやはり中野の商店街に買い物に行くこともできれば、新宿に行ったり、渋谷に行ったりすることもできるという中で、中野の商業環境が常に他地域との競争環境にさらされ、そういう中で商業の売上高が減ってきているといったような状況もあるということであります。そういう意味で住宅街であるけれども、住宅だけではないさまざまなコミュニティの要素、買い物ができるということもそうかもしれないし、歩いて買い物ができたり、あるいは歩いて交流ができたり、歩いて支え合いのできるといったような、そういった中野らしさをつくっていくということも重要なのではないかというふうに考えております。
 それから、自転車の似合う街・中野ということであります。私も公用車を廃止して、自転車で移動をしております。個人的には健康づくりの意味もあって、最近はジョギングをよく行っておりまして、そういう意味では自転車よりもさらに緩やかな速度で中野じゅうを見るという経験が多いわけであります。そういう意味で中野の魅力というのは、本当にこのまちからあのまちがすぐ近い、議員で言うと何とか議員が住んでいるまちだなと、町会長で言うと何とかさんがいるまちだなというようなまちからまちへ、すぐ移動ができて、それぞれの個性が大変違っている、そういう魅力がこの中野にはあるというふうに思っているわけであります。
 自転車で移動できるということも大変いいと思いますけれども、実はこれからの高齢化が進んでいく時代の中では、自転車ということだけよりも、やはり歩いて移動のできる、歩いて暮らせるまちということが大事になってくるのかなというふうに思っております。歩いて暮らせるまちというところで考えますと、現在は道が狭いということが第1の原因ではありますが、自転車はもはや歩いている方に対して脅威という存在になりつつあるというような状況だと思っております。そういう意味で自転車の走行環境を整えるということも一方でやらなければいけませんし、その一方では自転車のマナーをきちんと徹底をしていく、放置をしないことはもちろん、歩道を走る場合にはよほど注意をして歩道を走っていただくというようなことを徹底していくことが大事なのかなというふうに思っております。
 そういう意味でいろんな形で置ける、駐輪をできるスペースという御提案もあったんですけれども、それも大変同感なのですが、区内でいいますと、本当に住宅街の津々浦々でも自転車が放置されて困っているということが多いというような状況であります。それは本当に物理的にスペースがなくて置くことができないということであります。そういう中でここになら置けるよという場所をなかなか決められないのが中野の現状であるかなと思っております。現在の仕組みの中で、駅周辺以外でも商業施設とか、集客施設においては駐輪場の設置が義務づけられています。アパートやマンションなどでも、当然適正規模の駐輪施設は不可欠であるということであります。基本的にこうした民間のなすべきことを適切に誘導していくというのが、公共政策の大きな役割であるかなというふうに認識をしているところであります。
 私の方からは以上です。
     〔教育長菅野泰一登壇〕
○教育長(菅野泰一) コミュニティスクールに関しまして御質問にお答えいたします。
 まず1点目が、杉並区の和田中学校に視察に行ったかということでございます。年度当初4月18日の水曜日でしたけれども、公開授業をやっておりまして、それを見にいきました。その後校長ともいろいろお話をさせていただいたところでございます。
 それから、そういった事例を分析し、中野区でモデル校の設置をというふうな御質問でございました。これからの学校は地域に開かれた運営を進めていく中で充実を図っていく必要があると考えております。他区の事例でございますとか、中野区の中でも先進的な取り組みがございますので、それらを研究分析した上で、今後さらに地域に開かれた学校運営の充実が図れるよう検討を進めてまいりたいと思います。
     〔17番奥田けんじ登壇〕
○17番(奥田けんじ) コミュニティスクールのところで、現状分析を進めていきたいということで、それは進めていただければなと思っているところですけれども、実際に区内でどう実施するかといったことを分析する際には、対象が具体的にあった方が分析が進めやすいのではないかというふうに思っています。モデル校設置という部分で、区内で非常に活性化されている、地域との連携がうまくいっているという、名前がついていないだけでも、ほとんどコミュニティの醸成が行われているというところも実際あるわけで、そういったところをコミュニティスクールという視点を入れていくということで、じゃ広げるにはどうしたらいいか、あるいはその学校ではできるけれども、ほかではできない、その理由は何かといった、対象があって初めて分析ができてくるだろうというふうに思いますので、具体的にモデル校設置について検討される、これは可能かどうか、あるいは今後の状況をどのようにお考えかということですね、改めてお伺いいたします。
     〔教育長菅野泰一登壇〕
○教育長(菅野泰一) 中野区内でも沼袋小学校でございますとか、四中とか、そういった地域の中でかなり地域の力を利用していろんな活動をしている学校がございます。そういったところが基本的には先ほど言いましたように先進的なところだと思うんですけども、中野区といたしましては、これからスクールサポーター制度というのをつくりたいと思っております。これは地域の中で学校の運営にかかわっていただけるような方を養成、それから募集をいたしまして、そういった方を登録し、学校の方のニーズと合わせて、学校の方に派遣ないしは学校の方に行っていただくというようなことで、そういうようなことを制度化して、その一つの学校だけではなくて、中野区内の学校であれば、基本的にはそういうことは全部できていけるような、そういうような形で中野区としてはこれから全校におきますコミュニティスクール化を図っていきたいと、このように考えております。
○副議長(やながわ妙子) 以上で奥田けんじ議員の質問は終わります。

 中野区議会議員 吉 原 宏
 1 放置自転車対策について
 2 新中野駅のバリアフリーについて
 3 桃園第三小学校の工事の概要について
 4 未利用地の今後の予定について
  (1)本町4丁目旧国鉄清算事業団跡地
  (2)本町4丁目旧消防署跡地
 5 教育基本法改正後の区教育委員会について
 6 コムスン(介護保険事業者)の不祥事による影響と対応について
 7 はしか流行による現状と対応について
 8 その他

○副議長(やながわ妙子) 次に、吉原宏議員。
      〔21番吉原宏登壇〕
○21番(吉原宏) 自由民主党議員団の一員としての立場から一般質問を行わせていただきます。
 まず最初に、放置自転車対策、東京メトロ新中野駅周辺の放置自転対策についてお伺いをいたします。
 昨年西武新宿線新井薬師前駅周辺に南北2カ所駐輪場が設置されました。そして本年1月から規制区域を指定し、即時撤去を実施いたしており、放置自転車対策が進んでいると聞いております。駐輪場が未設置で規制区域を指定していない駅は、新中野駅のみでありますが、放置自転車が歩行者の安全を阻害し、まちの景観を大きく損なっているわけでありまして、私は放置自転車がさらにふえているのではないかと憂慮しているわけであります。ちなみに昨年10月の東京都の最新の調査では、新中野駅周辺に655台の放置自転車が確認をされております。
 そこで質問いたしますが、新中野駅周辺の放置自転車の実態は今現在どうなのか。また、杉山公園の地下を利用した駐輪場設置の検討はどこまで進んでいるのか。近くの自治体で現に実用化されている地下駐輪場の事例というのが、三鷹市の事例が非常に有名でありまして、どのような地下駐輪場かといいますと、直径7メートル弱のスペースで地下10メートルの深さの工事、エレベーター式で合計144台収容できる地下駐輪場というのが三鷹市と、そして世田谷区で既に実用化されております。規模が1基当たりの建設費用が約1億円、それも国に整備事業としてお伺いを立てれば2分の1を助成してもらえると、工期は約2カ月という、非常に早い期間で1億円の地下駐輪場、144台収容できるのが実用化されております。ちなみに中野坂上の地下駐輪場は建設当時のコストが約8億円前後と聞いておりますので、非常に時節柄コストの安い、効率のいい地下駐輪場が実用化されているわけであります。新中野駅東口の鍋屋横丁口なんですが、そちらの駐輪場の用地の確保の見通しはどうなのかをまた重ねてお伺いをさせていただきます。
 新中野駅周辺に一日も早く駐輪場を設置していただくことを強く希望するとともに、駐輪場が設置されるまでの当面の間、放置自転車を1台でも減らす抑止効果がある対策の一つとして、千代田区が実施している施錠式イエローカードをぜひ新中野駅周辺で実施することを提案いたしたいと思います。これは昨年末から東京メトロ末広町駅周辺等の放置禁止区域内で実施されており、駐輪違反車と書かれたイエローカードを自転車のハンドル部分にワイヤーで取りつけ、鍵をかけるものであります。つけたままでも乗ることはできますが、そのまま乗り続けるのはかなり目立つもので、開錠は区役所か指定の自転車保管場所で行い、持ち主には再発防止の誓約書を提出してもらうことになります。実施の効果は大変大きく、報道によれば以前は1日90台以上もあった放置自転車が、二、三十台程度に改善されたということであります。抑止効果が大いに期待されると考えられますが、区の見解をお伺いいたします。これらの努力によりまして、放置自転車が1台でも2台でも少なくなれば、それはそれで十分ではないかと考えるわけであります。
 次に、新中野駅バリアフリーについてお伺いをいたします。
 平成12年に、いわゆる交通バリアフリー法が成立して以来、鉄道の駅ではエレベーターやエスカレーターがふえてきていますし、バスでも低床バスが次第にふえてきております。高齢者や障害者の多くが電車やバスなどの公共交通機関を利用しており、こうしたバリアフリーの施設や、設備の早急な普及が求められていると思います。高齢者からは駅は階段が多くてきついとか、バスのステップが高くて乗り降りが大変だといった話もよく聞きます。私もまだ年寄りではございませんが、全くもって同感であります。
 そこで中野区内の地下鉄の駅のバリアフリー化を見ますと、都営の大江戸線については、中野坂上駅、東中野駅、新江古田駅の3駅ともエレベーターとエスカレーターともに一定程度は整備されております。これに対して、中野の南部地域の大半の住民は東京メトロを利用しておりますが、こちらの駅については、立ちおくれている現状があります。こうした現状の打開のため、我が自由民主党の衆議院議員である松本文明代議士もさまざまな場面でこの課題に取り組んでいるところでもあります。さて、東京メトロの各駅ですが、落合駅や中野富士見町駅においては、既に取り組まれており、また中野坂上駅では西口を新設して、エレベーターやエスカレーターを設置する予定と聞いております。そこで私の地元の新中野駅についてですが、下り方面の荻窪駅方面については、エレベーター工事が完了間近となっております。予定では本年9月10日工事完了予定と聞いております。それでは上り方面については、どのような進捗状況となっているのか、お伺いをしたいと思います。
 2カ月ほど前、上り線のエレベーター用地を東京メトロが確保したという情報も、松本文明事務所の方から入っておりますので、その点もよろしくお願いをいたします。
 次に、桃園第三小学校の工事の概要についてであります。
 中野区立小中学校再編計画に基づいて、現在進められている統合新校の整備工事について伺います。
 平成17年10月に策定された中野区立小中学校再編計画では、学校のあるべき姿として、一定規模の集団で活動することを通して、子どもたちに確かな学力、豊かな心、健康、体力などを確実に身につけさせ、自立した人間の育成を目指す教育の場であるとしています。集団での活動や、友達とのかかわりの中で、同じ価値を共有したり、自分と違う考え方や、個性に出会ったりする経験を通して、互いが切磋琢磨し、ともに成長することができるのだと思います。一方、現在の中野区立の小中学校の状況を見ますと、児童生徒数の大幅な減少による小規模化が進んでおります。このことにより集団教育のよさが生かされにくくなり、教職員の配置数の減少とあわせて、学校運営や児童生徒の指導に難しさが生じます。
 このような問題意識のもと、学校教育の充実を目指すという教育的視点から検討を重ね、区民議論を経て中野区小中学校再編計画が策定されました。この中では、教育環境の必要な整備として、ゆとりあるスペースの確保、自然や生命を大切にすることを学ぶ環境の整備、集団の活力を生かして、コミュニケーション能力の基礎となる力を育成する整備、健康、体力の増進のための校庭や運動施設の整備などについて実施するとしております。この中野区小中学校再編計画に基づき、現在区立小中学校の再編整備が計画的に実施されつつあると認識をしております。
 そこでお伺いいたしますが、この中野区小中学校再編計画に具体的に示された再編対象校のうち、冒頭に示されている桃園第三小学校、仲町小学校、桃丘小学校の3校を統合して整備する統合新校の整備工事について、どのようなねらいで整備するのか、整備工事の期間、整備工事の内容について、具体的にお聞きいたします。
 この統合新校の整備は、今後区立小中学校の再編整備を進めていく上での先駆けとなるもので、今後の再編整備の方向性を具体的に示す重要なものだと思われますので、明快な御説明を求めます。
 次に、未利用地の今後の予定についてお伺いいたします。
 現在鍋横地域には、長年未利用なっている区の用地があります。まず本町四丁目36番にある旧国鉄清算事業団用地ですが、ここは土地の形や出入り口の関係はあまりよくありませんが、敷地面積が約640平米ほどあり、近隣商業地域となっております。場所としてもまずまずだと思います。しかし、土地を約8億円で購入してから10数年もそのままになっています。その間に区はかつての長期計画や、行財政5カ年計画などで、高齢者在宅サービスセンターや高齢者用住宅をつくりますと言ったかと思うと、やっぱり延期しますとか、またさらによく検討しますとか、いろいろ言っております。財政状況もあり、なかなか進まなかったという事情はあるにしても、もう少し早くできたのではないかと感じています。地元でも何が建つのかよくわからなくなっています。いっそのこと公園にでもしたらという声も上がっているほどであります。田中区政ももう5年も経過いたしました。やる気さえあればとっくに何か建てられたはずであります。この本町四丁目の土地については、早急に活用を図るべきだと思います。そこでお伺いいたします。この本町四丁目用地の活用については、現在どのように考えているのか、また今後の予定についてもあわせてお答えをいただきたいと思います。
 次に、本町四丁目旧消防署跡地についてお尋ねします。
 ここは旧消防署跡地で、産業情報センター、高齢者会館建設目的で取得した土地です。現在のところ民間駐車場に貸し出し、暫定利用に供されております。計画では高齢者会館、インキュベーションオフィスの整備用地、また民間活力を活用した民間住宅の整備を予定していますが、これらの計画について具体的な動きは始まっているのでしょうか、お聞かせをいただきたく思います。
 次の質問は、教育基本法改正後の区教育委員会についてであります。
 区教育委員会の姿勢についてお尋ねいたします。安倍内閣が掲げる教育再生の原点とも位置づけられている教育基本法の改正が昨年12月に国会で成立し、公布施行されました。私はこの教育基本法の改正により、我が国の教育再生に向けた新たな第一歩が踏み出せたものと思っております。さきの法改正により、前文と11条からなる教育基本法は、新たに前文と4章18条の構成へと変わりました。大きな変革の第一歩だったと思います。一方で個人の価値を尊重しつつ、その能力を伸ばし、志ある国民を伸ばして、品性ある国民による品格ある国家・社会をつくるために、教育が重要であることはいつの時代も変わるものではありません。
 さて、昭和22年に制定された旧教育基本法のもとで、戦後の教育は国民の教育水準を向上させ、豊かな経済社会や安心な生活を実現する原動力となるなど、戦後の社会経済の発展を支え、多くの成果を上げてきたことも事実であります。しかし、制定以来既に半世紀以上が経過し、冷戦構造の終焉と、不毛なイデオロギー対立は消滅しましたが、科学技術の進歩、情報化、国際化、少子・高齢化、家族のあり方など、我が国をめぐる状況は大きく変化し、教育においてもさまざまな問題が生じております。
 このため、改正された教育基本法では、これまでの教育基本法が掲げてきた普遍的な理念を継承しつつ、道徳心、自律心、公共の精神など、日本人が持っていた規範意識を大切にし、それらを醸成してきた伝統と文化の尊重など、まさに今日求められている教育の理念などについて規定しております。
 具体的にはその前文で個人の尊厳を重んじるべきことなどを引き続き規定する一方、新たに公共の精神を尊び、豊かな人間性と創造性を備えた人間の育成を期するとともに、伝統を継承し、新しい文化の創造を目指す教育を推進することを規定しました。さらに、第2条の教育の目標では、豊かな情操と道徳心を養うこと、自主及び自律の精神を養うこと、伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛することなどが規定されました。いずれも日本人としての規範意識の大切さと、その背景となる我が国の伝統と文化、それらをはぐくんできた我が国の郷土を愛することの大切さをあらわしたものと言えるでしょう。それらがあって他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うことができるのではないでしょうか。
 また、新たに第10条で家庭教育が、第13条で学校・家庭及び地域住民等の相互の連携協力が規定されたことも注目されます。第10条では、父母その他の保護者は、この教育について第一義的責任を有するものであって、生活のために必要な習慣を身につけさせるとともに、自立心を育成し、心身の調和のとれた発達を図るよう努めるものとするとあり、第13条では学校・家庭及び地域住民その他の関係者は教育におけるそれぞれの役割と責任を自覚するとともに、相互の連携及び協力に努めるものとするとあります。教育における家庭や地域の大切さが改めて確認されたものと言えると思います。
 この改正は、将来に向かって新しい時代の教育の基本理念を明示する歴史的意義を有するものであります。この改正された教育基本法の精神にのっとり、個人の多様な可能性を開花させ、志ある国民が育ち、品格ある国日本をつくることができるよう、教育再生を推進しなければなりません。そのためには新たな教育基本法の趣旨についての理解を深めるとともに、法の精神をさまざまな教育上の課題の解決に結びつけていくことにより、具体的な教育上の取り組みを着実に進めていくことが大切であります。
 そこでお伺いをいたします。この教育基本法の改正を受け、中野区の教育委員会としてはどのように法の精神を生かし、中野の教育再生に取り組んでいこうとしているのか。確かに基本法の改正なので、いきなり個々の施策までに結び付くものではないにせよ、やはり前向きな姿勢を示してほしいと思いますので、御答弁をお願いいたします。
 次に、コムスン(介護保険事業者)の不祥事による影響と対応についてであります。
 昨日の一般質問で公明党の飯島議員、そして区長の行政報告でも触れておりましたが、あえて重ねて質問をいたします。
 厚生労働省は6月6日に、株式会社コムスンについては、全国的な監査等において5都県8事業所において不正な手段による指定申請を行ったことが確認されたと発表しました。また、そのうち青森県内及び兵庫県内の指定訪問介護事業所等の不正な手段による指定申請は、新規指定及び更新の欠格事由である不正または著しく不当な行為に該当するとして、同社のすべての種類の介護サービス事業所において、新規指定及び更新はしてはならないとする旨を都道府県に通知しております。これは実際には雇っていないホームヘルパー等が、あたかもいるかのように装うなどして申請していたことが判明した上に、監査の実施中や指定取り消し処分の手続中に、廃止届を提出して処分を逃れようとするなど、悪質と言われても仕方ない事実に基づいて行われたものであります。
 このことは大きな衝撃を持って各方面に伝えられ、その後マスコミ等でも連日のように取り上げられ、今日に至っております。コムスンの事業所数は19年5月末現在で2,081事業所、利用者数はおよそ6万5,000人余とのことですから、その影響は多大であると考えざるを得ません。今回の処分の厳しさが、いわゆる介護難民を生じさせるのではないかとの懸念の声や、また福祉に名をかりてとことん営利を追求するやり方への批判の声なども聞こえてきます。
 そこでお伺いします。今回のコムスンの不祥事について、区ではどのように受けとめているのでしょうか。また、一番心配なのが、我が中野区民の皆さんへの直接的な影響であります。区内のコムスン事業所の状況と、区が今後どのような対応策を進めていくおつもりなのかをお答えいただきたいと思います。
 次の質問が、中野区におけるはしか流行の現状と対応についてであります。
 はしかは正式には麻疹というそうであります。本年1月ごろより、関東地方で例年にない麻疹の流行が見られ、新聞、テレビ等でも頻繁に取り上げられております。隣の練馬区、多摩の東大和市、町田市の高校では集団発生があり、大学においても4月に創価大学、5月に入り早稲田、慶応など多数が休校したとの報道がありました。区内でも4月に入り、保育園、小中学校、高校等で数名の患者が発生していると聞いております。また、都立中野工業高校においては、麻疹集団発生が起き、臨時のワクチン接種を行ったとも聞いております。報道によりますと、ことしの流行の特徴は、高校、大学の学生を含む成人の麻疹患者が多く、その中には一度はワクチンを接種している成人もいるようであります。
 そこで中野区内における麻疹の流行の現状をどう把握しているのか、また成人に流行している理由についてお尋ねをいたします。
 また、麻疹の大流行阻止には、予防接種の未接種者を減らすことが効果的であるが、現行法による定期接種、1歳児と小学校就学前1年間の2回接種以外は有料のため、保護者等への勧奨には限界があります。また、麻疹は、発熱、せき、鼻水等の症状があらわれますが、初期の症状は風邪の症状とよく似ているため、診断が難しい場合もあります。一方、感染力は強いために、患者発生時には患者が所属する集団に感染が拡大しないよう、迅速な対応が必要と言われております。事例としては8,000人に一人が肺炎や脳炎などを併発するとも言われております。
 そこで中野区における麻疹流行時における予防接種対策と、集団発生を予防する対応についてお伺いをいたします。
 そして、これは昨日入った情報ですが、中野区内の小学校ではしかが集団発生をして、9日間学級閉鎖を決定したとの情報も聞いておりますので、その辺のところもあわせて細かく詳細に御説明をいただきたくお願いいたします。
 以上をもちまして、すべての質問を終了いたします。ありがとうございました。
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 吉原議員の御質問にお答えいたします。
 新中野駅周辺の放置自転車対策についての御質問がありました。
 まず状況でありますが、新中野駅周辺には約700台程度の放置自転車があるというわけであります。その放置状況ですが、駅を中心にした道路沿いの西側におおむね6割、東側の方には4割といった割合で、長く分布をしているというような状況であります。
 自転車対策といたしましては、平成20年度に杉山公園地下におおむね300台規模の自転車駐車施設を整備するべく計画を進めているところであります。その整備の手法といたしましても、吉原議員の方からの御紹介がありましたような、そういった地下型の自転車駐車場といったようなものも視野に入れながら検討を行っているということであります。この新中野駅周辺の自転車駐車場整備については、西側の杉山公園地下でもかなりの規模が確保はできるわけですけれども、やはりその東側の自転車利用者の利便性も考慮をして、東側での整備用地の可能性についても、用地を探すといったようなところで、今検討を行っているところであります。
 それから、千代田区で実施をしているわけでありますが、ハンドル部分にワイヤーでイエローカードを取りつけると、そういう方法が最近出てきたということであります。この場合、その開錠は区役所に来てもらうか、自転車保管場所に行ってもらって、開錠をしてもらうということなわけですけれども、開錠の手続に来ずに、何らか自分の方法で外してしまって、そのカードを持ち逃げするというんでしょうか、そうなってしまったとか、あるいはそのままその場所に放置をされてしまうと。あって通行の邪魔になっているからやめてくださいという警告をするのですが、その警告をしたがために、逆にいつまでも放置されてしまうというようなことにもなっているということもありまして、運用上の課題がやはり多いのかなというような実感でいるところであります。現在は月2回程度長期間放置されているものについての撤去を行っております。駐輪場があって規制がかけられていれば、即時撤去をしているわけですけれども、駐輪場がないということで長期間放置されたものの撤去を月2回程度行っております。現状では引き続きこの対応での実施ということで続けてまいりたいと思っております。
 それから、エレベーターについてであります。新中野駅の下り方面のエレベーターについては、ことしの9月に開設予定というふうに聞いているところであります。上り方面については、平成19年3月、ことしの3月に設置の用地が確保できたということで聞いているところであります。青梅街道から追分通りの方に分かれていく三角形の先端の部分の土地、あそこが設置の用地だというように聞いているところであります。今年度中に設計を終えて20年度着工、22年度完成の予定というふうに聞いているところであります。
 それから、桃園第三小学校の再編に伴う整備工事についてであります。整備のねらいといたしましては、既存校舎の保全のみならず、子どもたちの活動を支援する機能整備を行うということもはじめといたしまして、バリアフリーの対策、それから防犯対策、耐震性の強化、あるいは省エネルギー対策など、さまざまな観点から安全で快適な施設整備を目指しているわけであります。
 この間工事も始まっておりまして、工事の期間、内容についてお話をいたしますと、平成18年度から20年度まで夏休み期間を中心に整備工事を実施しているところです。18年度につきましては、外壁やアルミサッシの改修、また屋上の防水改修など、校舎の外周りを中心に整備を実施したところであります。今年度19年度については、教室の床の改修でありますとか、電気、あるいは給排水設備など、設備関係の改修などを行い、校舎内部の整備を実施するということであります。20年4月には統合新校の使用、供用が開始をされるわけですけれども、それから以降に体育館の改築などを実施する予定というふうになっております。
 それから、本町四丁目の旧国鉄清算事業団の用地であります。この用地については、新しい中野をつくる10か年計画におきまして、民間活力を活用して、高齢者向けの住宅とファミリー向けの住宅の整備を計画しております。現在は定期借地制度を活用して、民間事業者による住宅の建設、運営という手法を考えているわけですが、今年度中に事業者募集を行い、事業者の決定をし、平成22年度には入居ができるというふうにしていきたいと考えております。
 それから、本町四丁目の旧消防署の跡地についてであります。これについても10か年計画で一定の位置付けを行っております。中野にふさわしい産業を創出の視点からのインキュベーションオフィスのあり方、インキュベーションオフィスのつくり方とか、あるいはつくってからの運営の仕方とか、そういったもののあり方によってうまく機能したり、あるいは機能しなかったりといった例もそれぞれにあるわけでありまして、どういった産業をといった視点から、あるどういう形での運営をすることが一番うまくいくのかといったようなこと、さまざまに今検討を行っているところであります。
 それから、また同じ敷地に高齢者会館も併設をするということでありますので、健康づくりとか、あるいは住民による運営といった住民の参加を得た新しい高齢者会館のあり方といったようなものも考えながら、高齢者会館の計画について今検討を行っている状況でございます。
 私からは以上です。
     〔教育長菅野泰一登壇〕
○教育長(菅野泰一) 教育基本法改正後の区教育委員会についてお答えいたします。
 教育基本法は我が国の教育を推進する上で、最も基本的となる法律であると認識しております。昨年度この法は60年ぶりに改正となったわけでございますけれども、今後その改正を踏まえまして、学習指導要領などの改正なども予定されております。教育委員会としては、法の趣旨を踏まえ、適切に対応してまいりたいと思います。特に、このたび新たに盛り込まれました規範意識の涵養でございますとか、伝統と文化の尊重などにつきましては、十分に取り組んでいく必要があると考えております。
    〔保健福祉部長金野晃登壇〕
○保健福祉部長(金野晃) コムスンの不祥事に関するお尋ねについてお答えいたします。
 まず、受けとめ方でございますが、今回明らかになった、コムスンが人員配置基準を満たしてなかったということは、サービスの質の低下に結び付くとともに、介護保険制度を揺るがしかねない、許されない行為であると考えております。今回の処分の理由は、区内での直接の不正行為ではございませんが、介護保険制度では不正があった場合は、すべての事業所が処分対象になる仕組みになっております。今回の処分もそうした趣旨で行われたものでありまして、当然の対応であると受けとめております。
 次に、コムスンの区内事業所の状況でございます。現在区内には2カ所のコムスンの事業所があり、それぞれ居宅介護支援、訪問介護、介護予防訪問介護の3事業を実施しております。ただそのうちの1カ所は6月30日で統合閉鎖の予定ということになっております。この利用の状況ですが、本年3月分のコムスンの利用件数はケアプランの作成などの居宅介護支援事業が70件、ヘルパーが居宅を訪問して行う訪問介護事業151件、介護予防訪問介護25件で、計246件となっております。今後の対応でございますが、区としては来年3月までは残る事業所に引き続き安定したサービスを提供していくよう求めていくことにしております。
 また、コムスンの事業終了に伴って、区民が不利益をこうむることなく、サービスが円滑に移行できるよう、地域包括支援センターと連携をして取り組んでまいります。特に、コムスンに対しましては、利用者に不安を生じないよう、丁寧な説明を求めるとともに、区としても相談等に対応し、この件についてのチラシを作成して、窓口などで利用者に配布する予定でございます。
 さらに、区としても事業者の法令遵守等についての研修指導、監視を強化してまいります。この6月13日から18日にかけましては、区内82カ所の居宅介護支援事業所管理者を対象に、法令等の確認、チェックシートを活用した自己点検等の集団指導を実施したところでございます。
     〔保健所長浦山京子登壇〕
○保健所長(浦山京子) 中野区における麻疹の発生状況及び成人に流行している理由についてお答えいたします。
 中野区内においては、本年3月中旬ころから小中学校で1校当たり二、三人の散発的な麻疹の事例が発生しており、その後も現在まで保育園4園、小中学校15校、高等学校7校、専門学校2校等の合計で29の散発事例が発生しておりまして、4月下旬には区内の都立高等学校で集団発生事例がございました。現在も区立小学校1校で集団発生の疑いがあり、保健所医師、保健師が麻疹対策会議において発生時対応に関して指導しているところであります。
 今年の麻疹の流行の特徴は、成人ではしかの予防接種を1回受けた者にも発症していることでございますが、この理由ははしかの予防接種率が向上し、近年はしかの小流行が発生する年が少なくなり、これによる免疫の強化が生じていない成人がふえたからと考えられております。
 次に、麻疹の発生に対する区の対応でございますが、中野区では麻疹の流行が拡大する以前の19年度当初から、予防接種法で定められた麻疹予防接種の接種期間以外に90カ月までの麻疹予防接種を区の独自施策として公費で行っておりましたが、その後麻疹流行拡大の状況を受けまして、公費負担の対象を小中学生まで拡大しております。区においては、麻疹の流行の兆しが見られた本年4月から、中野区医師会と協議いたしまして、医師会全員が麻疹患者を診断した場合には、保健所に1例でも通報していただき、迅速に対応しております。また、患者が保育園、学校等集団に属するものであれば、1例発症であっても、学校ごとに麻疹対策会議を必ず開催し、状況の把握と対策を協議し、その後の感染の波及拡大を防いでおります。
 なお、中野区における都立高校の集団発生事例では、患者発生の実態調査や、東京都教育庁、中野区医師会とも協力しながら、職員を派遣して緊急予防接種の支援を行ったところであります。
 以上です。
○副議長(やながわ妙子) 以上で吉原宏議員の質問は終わります。

 中野区議会議員 白 井 秀 史
 1 高齢者等の安心住み替え支援について
 2 子育て支援拠点となる新たな保育園開設について
 3 障害者政策の拡充について
 4 区民の健康増進について
 5 その他

○副議長(やながわ妙子) 次に、白井秀史議員。
     〔白井秀史議員登壇〕
○3番(白井秀史) 公明党白井秀史でございます。区民の皆様、支持者の皆様の御支援を賜り、今回初当選をさせていただきました。若造ではございますが、一生懸命に努めてまいる所存でございます。諸先輩の皆様、御指導のほどをよろしくお願い申し上げます。
 それでは、平成19年第2回定例会に当たり、公明党の立場から元気一杯に初めての質問をさせていただきます。何とぞよろしくお願いいたします。
 はじめに、高齢者等の安心住み替え支援についてお伺いします。
 先日、地元の御高齢の方から、次のような御相談をお受けしました。住んでいるアパートの更新を断られ、部屋を探しに不動産屋さんへ行ったが高齢者だからと敬遠された。何軒も探し歩いたが、なかなか住むところが決まらずに本当に困っているとの深刻な御相談でした。この方だけでなく、高齢者であるとの理由から、住み替えに困っている方々はたくさんおられます。また障害者も同じ問題を抱えています。このような方々への支援策、周知方法、相談窓口等について質問いたします。
 区は、この問題に対し、高齢者世帯、障害者世帯の住み替えの支援として、昨年の8月から債務保証サービスと、見守り支援の二本柱からなる居住安定支援事業を実施しております。しかしながら、この支援制度を利用し、契約を締結した事例は債務保証サービスの1件、見守り支援は0件だそうです。支援制度を利用したい方は大勢いるはずですが、スタートして8カ月も経過しているのに、わずか1件しか事例がないというのは問題です。取り組み自体は評価しつつも、高齢者等の不安を払拭するには、まだまだ改善が必要だと考えます。
 まず、一体どこに相談していいのかわからないとの御相談を耳にします。現行は区の担当窓口にて住み替え支援事業協力店である不動産店の一覧の情報提供を行っておりますが、相談体制として拡充し、区役所にて宅建業協会等による専門家の住み替え相談窓口を開設してはいかがでしょうか。現在、宅建業協会等により行われている住宅の新築増改築の相談、この窓口にあわせての設置であれば、無理なく対応できると考えます。宅建業協会の方に、この件につき御意見を伺ったところ、積極的に協力したいとのお話をいただいております。御見解をお伺いいたします。
 さて、この担当窓口にて紹介される不動産店とは、支援制度に御協力いただける不動産店を事前に登録し、「中野区住み替え支援事業協力店」とのステッカーが添付されているものを指します。現在、登録されている不動産店は100店あまりあります。区の職員の方々が1軒、また1軒と開拓されたとも伺いました。担当者の御努力と協力不動産店の皆様には頭の下がる思いです。
 しかしながら、この協力店に配付されている実物のステッカー、きょうは持ってまいりました。こちらになります。大変小さいものなんですけれども、地味でわかりにくいと思います。これでは住み替えに困った高齢者等がこのステッカーを頼りに不動産店に駆け込むとは考えにくいものがあります。住み替えに困った方が目印となるような、新しく名称、イラスト入りの図柄、色、大きさ等々を改善し、さらに親しみやすく、明るく目立つステッカーに創意工夫すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
 さらに、現在、協力不動産店のみに添付されているこのステッカーを、御協力いただいた個々の住宅物件にも添付してはいかがでしょうか。この5月より東京都において、公明党の提案により、とうきょうハートフル民間賃貸住宅制度が始まりました。バリアフリー化や高齢者の入居を制限しない物件の建設改修には、優遇金利を適用する施策であります。この施策とも連動することにより、さらに認知度が上がると同時に、協力店、協力物件が増すと考えますが、いかがでしょうか。
 そもそも高齢者等の住み替え支援制度があるということを知っている人が少なすぎます。圧倒的に広報やピーアールが不足しているのではないでしょうか。区報、銀のしおり、ポスター、ホームページ等々を積極活用し、支援制度の周知徹底に力を注ぐべきだと考えますが、お伺いいたします。
 高齢者への情報提供は、ホームページになじまないとの考えもありますが、周囲の方からの情報提供には十分期待できると考えます。特に、区のホームページは、トップページにさまざまな項目が掲げられておりますが、全体として関連のリンクの貼りが少なく、わかりづらいものがあります。この点は昨年度の行政評価の指摘とも重なります。「高齢者」との項目があるものの、個々の施策の内容へは直接つながっておりません。トップページでの紹介、ないしは2回までのクリックで探す内容に到達できるよう、さらなる工夫が必要であると考えますが、いかがでしょうか。
 住み替え契約締結時には、債務保証サービスとして1万5,000円を上限とし、初回保証料の2分の1の助成を行っておりますが、そもそも物件価格の高い我が中野区においては、さらなる支援策の拡充のため、補助金の限度額の引き上げや、契約締結時に住宅物件提供の大家さんへ謝礼等を検討してはいかがでしょうか、御見解をお伺いし、この項の質問を終わります。
 次に、子育て支援拠点となる新たな保育園の開設についてお伺いします。
 先日(仮称)東中野五丁目保育園の新設・運営予定である社会福祉法人龍美が運営する南つくし野保育園を同僚議員と視察してまいりました。この園は0歳児から5歳児までの乳幼児を対象とした定員90名規模の保育園です。施設の隅々に至るまで、乳幼児の目線から見た細やかな配慮がなされていました。また、保護者がいつでもインターネットを通し、我が子の保育の様子をリアルタイムで見ることができる設備があり、安心して預けられるよう気配りがなされていました。保育事業の特徴として、延長保育、一時保育、出前保育、親子体験保育なども積極的に実施していました。さらに第三者評価の手法を積極的に取り入れて、保護者からも、地域からも改善が見える保育園を目指していました。また、民間保育園ならではの多様な保育サービスの実施は、今後の保育事業、保育園のあり方に考えさせられるところが多々ありました。
 私は(仮称)東中野五丁目保育園でも、多様なニーズに対応可能な一時保育や、子育てひろば事業等は園児を通わせている親御さんだけの支援策ではなく、在宅で子どもを育てておられる親御さんへの支援策としても、体制を整えるべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。特に、需要の高い一時保育については、実施する園がまだ少ないため、定数枠に限りがあり、利用条件が付されております。理由を問わず一時保育を利用することが可能となれば、地域の子育て支援としての大きな柱となります。(仮称)東中野保育園の一時保育を今後の中野区の一時保育のモデル事業として、中野区の全域で展開すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
 この際、今後の展望も踏まえ、一時保育のネーミングをわかりやすく、親しみやすいリフレッシュサービスやママほっとサービスなどと検討してはいかがでしょうか。また、気軽に利用できるように、そのサービス券を母子手帳と一緒に交付し、子育て支援をさらにバックアップする施策を実施すべきではないかと考えますが、あわせてお伺いいたします。
 さらに、親子ひろば事業については、だれもが利用しやすいように、施設や場所としてのハード面と、内容としてのソフトの両面から拡充すべきではないでしょうか、お伺いいたします。
 次に、開園にあわせた周囲の環境整備についてお伺いいたします。
 通園時には自転車等に子どもを乗せた保護者でにぎわうことが予想されます。園の正面入り口は坂道となっています。この坂道を雨が降っても滑りにくい舗装等にする措置や、坂の下の交差点に子どもや高齢者用の思いやり信号を設置すべきではないかと思いますが、御見解をお伺いいたします。
 最後に、開園までの取り組みとして、中野区は社会福祉法人龍美と連携し、地域の関係者に対して、保育園の取り組みなど、親切に説明することが必要だと思います。強く要望いたします。
 また、南つくし野保育園への見学会が大変好評であると伺っております。引き続き取り組まれることもあわせて要望いたしまして、この項の質問を終わります。
 次に、障害者政策の拡充についてお伺いいたします。
 障害者の自立生活を促す障害者自立支援法と障害者の就労機会をふやすため、事業者に対し従業員数の一定比率の障害者雇用を義務付ける改正障害者雇用促進法の施行から1年あまりが経過しました。働きたいと願う障害者の就労移行の機会が徐々に広まりつつあるものの、社会全体としてはまだまだ進んでおりません。
 しかし、さまざまな自治体が障害者の就業支援に取り組み始めています。文京区では、就業支援の拠点となる障害者就労支援センターを開設、就労に関する相談のほか、福祉作業所と連携して、職業訓練を実施予定です。また、町田市では福祉施設の作業場で働く障害者が、一般企業で就労することを支援する数値目標を策定しました。また、障害者雇用の実績がある企業、ハローワーク、福祉施設、養護学校などの関係者でつくる障がい者就労・生活支援推進協議会を設置し、障害者の雇用の促進に向け連絡体制を整えました。障害者の就労機会は、多くは身体障害者です。知的、精神、発達障害者等を取り巻く就労機会の環境は依然として厳しいものがあります。このような中、鳥取県倉吉市では、全国的にも受け入れが難しいとされる自閉症の男性と、知的障害者の男性を臨時職員として図書館勤務、民俗資料館勤務として雇用しています。また、去る6月19日の都議会にて、公明党の代表質問に東京都として初めて知的障害者を雇用する旨の答弁がありました。
 中野区においても、精神、知的、発達障害者の正規、臨時、チャレンジ、トライアル等のさまざまな雇用形態を含めて、具体的な取り組みを検討する必要があると考えますが、御見解をお伺いいたします。
 障害者雇用について、昨日も区長から障害者の雇用促進につき、今年度中に一般就労を主とし、取りまとめる旨の答弁がありました。政策のアウトライン、また障害者の雇用促進を政策研究機構の三つの研究テーマの中の一つに取り上げられておられます。本年10月には中間まとめが出るようですが、区長の障害者雇用の促進についてのお考えをお伺いいたします。
 次に、視覚障害者の情報取得支援についてお伺いいたします。
 視覚障害者の中で点字が利用できない方は、全体のうち約9割であると言われております。視覚障害者の大半が点字を利用できないというのが現状です。大変失礼なんですが、田中区長の名刺、いただいたものがあります。点字が付されております。さらに我が党の幹事長、飯島の名刺も点字が付されております。視覚障害者への配慮として、点字が付されておりますけれども、約9割の視覚障害者の方が利用できないこととなります。視覚障害者は、日常生活の必要情報や、プライバシー情報を得ることが大変困難な状況であります。いわんや点字が利用できないならば、さらに情報取得は困難を極めます。すべての区民が等しく情報を得ることができるように、視覚障害者の情報格差の解消、情報のバリアフリー化を推進することは、重要な施策であると考えますが、いかがでしょうか。
 視覚障害者の情報、意思疎通に大きく寄与する手段として、平成15年度から日常生活用具の給付種目に音声情報、いわゆるSPコードを読み上げる視覚障害者用活字文書読み上げ装置が導入されました。SPコードとは、しゃべる印刷物として、紙に掲載された情報をデジタル情報に変えるものです。縦横わずか18ミリ四方に約800文字のデータが記録できます。さらに、このSPコードをつくる手段として、フリーソフトが提供されております。無料でダウンロードができ、取得ができます。操作もワンクリックで作成できます。ちなみに私は試しにつくっていただいたんですけど、自分の名刺、同僚議員にSPコードをつけていただきました。このぐらい小さいところに、これは名刺だけなんですけども、本当は800字の情報が入ります。現在中野区において、このSPコードが添付されている書類は、障害者福祉のしおり、ただ一つだけであります。読み取り機については、担当窓口に一つだけしか置いてありません、区民にとって必要だと思われる資料、情報の書類、冊子等には、すべてSPコードを添付すべきだと考えます。また、窓口すべてに読み取り機を設置すべきだと考えますが、いかがでしょうか、御見解を伺い、この項の質問を終わります。
 次に、区民の健康増進についてお伺いします。
 毎年、ある生命保険会社が主催し、開催されている企画コンクールに、サラリーマン川柳というものがあります。景気や流行語など、その年の世相を反映しながら、サラリーマンの悲哀や夫婦関係をユーモアたっぷりに、また皮肉たっぷりに読まれたものが多く、世の中の動向をかいま見ることができます。近々に読まれた川柳の中には、健康について読まれたものも多く、健康への関心の高さがうかがえます。幾つか紹介してみます。「脳トレをやるなら先に脂肪取れ」、「たまったなお金じゃなくて体脂肪」、「おれだって診断結果はちょい悪だ」などなどが続きます。
 さて、昨年の平成18年10月から、一連の医療制度改革の実施が始まっております。明年の平成20年4月には残りの特定健診、特定保健指導や、新たな高齢者医療制度、高額医療、高額介護合算制度、乳幼児の患者負担軽減措置、高額医療費の自己負担限度額が実施されることとなります。中でも医療費適正化の施策としての特定健診、特定保健指導の義務化は、予防へと重点を置きかえたものです。従来の医療制度改革は、診療報酬における個人負担割合の見直しのように、治療に重点を置いています。今回は治療から予防へと大きくかじを切ったことが特徴です。特定健診、特定保健指導の概要は、メタボリックシンドロームを中心とした生活習慣病の対象者を健診によりスクリーニングし、リスクに応じて対象者を階層化し、保健指導を実施することを義務付けております。さらに健診及び保健指導の結果に基づき、後期高齢者支援金を増減させることとなります。保険者競争時代の始まりと評する専門家さえいます。中野区においても、年齢特性を踏まえた健診体制を整備、拡充させ、健診結果の活用や情報提供をさらに充実させる必要があると考えますが、いかがでしょうか。受診率の向上や導入検討などがされている健康自己管理システムのICカードなどを含め、どのように取り組まれるのでしょうか、お考えをお伺いします。
 次に、がん対策推進についてお伺いします。昨年、がん対策基本法が成立し、がん対策推進協議会を経て、今月の15日にがん対策推進基本計画が閣議決定されました。概要は、75歳未満のがんの死亡率を10年以内に20%減らす、患者・家族の苦痛を軽減して生活の質を上げるとなっています。国立がんセンターの試算によりますと、死亡率20%のうち10%は自然減が寄与する。残りは、喫煙率の半減で1.6%、がん受診率5割で3.9%、がん医療水準の底上げで4.9%の減少ができるとしています。計画案では現在13から27%と低迷するがん検診の受診率を、5年以内に50%以上に引き上げ、早期発見の重要性と検診の質の向上を強調しています。がん検診だけで3.9%の減少、これを人数に直すと約1万2,000人となります。
 がん対策推進基本計画を受け、今後各都道府県がこれをもとに地域の計画づくりを始めることとなりますが、区においてもなお一層がん対策に努めてなければならないことは必須です。現在東京23区において、各種がん検診に前立腺がん検診を導入している自治体は16区にも及びます。さらに導入を検討している区は2区あり、これを含めると約8割の区が導入予定、導入済みとなります。検診費用の自己負担の割合、検診実施の年齢等はさまざまではありますが、大半の区が導入済みの状況です。我が中野区においても、区民の健康増進として、さらなるがん対策が必要であると考えます。前立腺がんの検診も含めて、区長の御見解をお伺いいたします。
 その他として、東中野小学校の跡地の利用についてお伺いいたします。
 平成21年に東中野小学校は再編され、閉校となります。その後の利用について、10か年計画では小規模多機能型居宅介護施設として活用となっています。この地域には高齢者用の施設がありません。ぜひとも高齢者の元気を支える施設の計画推進をお願いします。詳細は別の機会で伺いたいと思いますが、現段階では施設の規模、事業の内容はどの程度のものが検討されているのでしょうか、お伺いします。
 また、東中野小学校の跡地のすべてが小規模多機能型施設になるわけではないと思います。この施設以外の利用計画についてお伺いします。小学校の校庭の真下は教職員寮があり、また集会場が備わっています。本年夏以降に教職員寮の耐震診断が行われますが、この診断結果によっては、校庭、集会場への影響も考えられます。この取り扱いについては、いかがお考えでしょうか。
 その他の跡地の利用については、全く白紙であると伺っております。この場所には子どもたちから高齢者の方々まで多彩な希望があります。地域の実情、要望を踏まえた上での計画の策定でなければならないと考えます。計画の策定はいつまでに行うのか、取りまとめのプロセスの説明を求め、以上ですべての質問を終わりにします。大変にありがとうございました。
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 白井議員の御質問にお答えをいたします。
 高齢者の安全安心、住み替え支援ということで御質問がありました。この住み替え支援につきましては、区といたしましても、大変有効な施策ではないかというようなことで取り組んでいるところですが、御質問の中にもありましたように、事業実績そのものがまだあまり進んでいないというようなことで、実施上の課題もあるのかなという認識を持っているところであります。
 まず、相談窓口についてでありますけれども、住み替え相談にこられた高齢者や障害者の皆様には、担当窓口では御質問にもありました住み替え支援事業の協力店をまず御紹介をするということも行っております。また、御自分で探すことができないという方に対しては、区が協力店の協力を得て、住み替え住宅のあっせんなども行うということとしているところであります。御提案のありましたような事業者の方による窓口については、実施上幾つかの課題があるところもありまして、当面現在のやり方での事業の効果を高める方法を考えていきたいというふうに思っております。
 それから、住み替え事業協力店のステッカーということであります。実物をお示しいただいたわけですけれども、おっしゃるように確かに小さくて、地味だというようなことはあるかと思います。不動産のお店の店先というのは、店先いっぱいに物件情報等の広告が一面に張られているということでありまして、なるべく張ってもらうためには、なるべく小さくしてしまうという、そういうようなことがあったものですから、ああいった形になっているという点もあるというふうに思っております。大きさですとか、デザインですとか、そういったようなものにつきましても、協力店とも話し合いをしながら、今後張りかえの際には、改善をしていきたいというふうに思っております。
 それから、事業のPRについてであります。このPRも区報やホームページでのPRのほかに、協力店とか、そういった入居先のアパートそのものも確保しなければいけませんので、宅建業者の方とか、それから相談にこられた区民の方にも、PRを積極的に行ってきたつもりではございます。今後は民生委員の皆さんに御協力をお願いしてPRをするでありますとか、あるいは高齢者の方の集まる施設等に頻繁にチラシを配布するとかいったような工夫もしていきたいというふうに思っております。
 区報やホームページの掲載につきましても、御指摘のありましたような工夫をしていかなければならないと思っているところであります。
 それから、保証料の助成金額の問題であります。家賃の債務保証サービスというのは、高齢者の方々などが民間賃貸住宅への入居を促進するために、家賃の滞納が仮に生じてしまった場合に、保証会社から家主に補てんされるという仕組みであります。区では平成18年度から一定の要件に該当する高齢者、そのほかの皆さんに、その保証料の一部助成を行っております。この保証料の額ですけれども、助成の額は保証料の2分の1で、かつ1万5,000円を限度にしているところであります。中野区の現在の実勢家賃との比較でいかがなものかという御質問もあったわけでありますが、事業開始からまだ1年ということでもありまして、現時点で直ちにこの内容を変更するというところまでは考えてはおりません。今後必要に応じて、見直しは行っていきたいというふうに思っております。
 それから、家主さんに対しての謝礼ということですが、この事業で入居者に支援をすることによって、家主さんにとっても大変経営安定化のメリットというのは高いというふうに思っておりますので、それに重ねて謝礼をするということは考えておりません。
 それから、仮称の東中野五丁目につくる保育園のことであります。皆様に大変御期待をいただいている面があって、区としても力を入れて準備をしていかなければいけないと思っているところであります。この保育園では、子育て支援拠点としての性格を持った保育園ということで、一時保育でありますとか、親子ふれあい事業といったようなことの展開も考えているところであります。さまざまな取り組みを事業者にやっていただくということですので、区としてもしっかりそれを支援しながら、子育て支援拠点としての機能を高めていきたいと思っております。
 それから、一時保育についてであります。ここでモデル的に東中野五丁目の保育園で一時保育を行うわけでありますけれども、一時保育につきましては、既存の保育園における拡充でありますとか、認定こども園の推進などによりまして、区の中でサービスをさらに向上していく必要があると考えております。こうした基盤をしっかりと整備をしていくという、そういった整備が進んでいく中で、それを利用していただくための利用促進の方法などについても考えていきたいと思っております。
 それから、同じく東中野五丁目の保育園の入り口付近の交通安全の確保についてであります。坂道の滑りどめ対策でありますとか、信号機の工夫といったようなことについては、利用者等の要望をしっかり踏まえながら、交通管理者、警察署なわけですけれども、交通管理者の権限に属することでもありますので、それらと十分協議をしながら整備を進めるようにしていきたいというふうに思っております。
 それから、開設に向けて しっかりとした取り組みをすべきだということであります。この開設までの経過では、平成17年11月にこの計画を発表して以来、在園児の保護者説明会を10数回開催をいたしました。さまざまな御意見をいただきながら、御理解をいただくよう進めてきたところであります。現在は保護者、事業者と区が三者協議会を開催しながら準備を進めております。園の運営や園舎の計画案などについて、新園の具体的な説明、協議を行っているところであります。近隣地域への説明会も2回開催を行いました。今後希望される保護者と子どもたちが安心して新園に移れるよう、引き継ぎなど区としても必要な支援を最大限行って、地域に密着した地域の子育て拠点となる新たな保育園づくりを進めていきたいと考えております。
 それから、障害者の雇用促進についてどう考えているのかということであります。障害者の雇用については、昨日もお答えいたしましたが、地域の中で自立して暮らすということを考えますと、やはり生計を立てることが前提となるような一般的な就労を拡大していくということが大事だと思っております。その前段での福祉的な就労とか、あるいは訓練とか、そういったようなことは当然必要なわけですけれども、雇用のゴールというのか、本当の雇用という意味での一般的雇用の拡大を何とか進めていくというのが、大きな課題であるというふうに考えているわけであります。
 今、政策研究機構で研究をしているわけでありますけれども、その一つの視点としては、障害者、それから事業者も当然その雇用の義務を負っているけれども、なかなか雇用が進みにくいというような事情も抱えているわけですから、障害者、事業者の双方にメリットがあるというような雇用形態、あるいは雇用先となる事業体の創設、特例子会社といったような考え方もありますけれども、そういった特例子会社の考え方をさらに幅を広げていったり、応用をしたりといったようなことも含めて、事業体の創設の方策などについても視野に入れて研究をしていきたいと思っております。
 それから、区の障害者雇用についてであります。特別区の場合には、正規職員の採用試験は特別区人事委員会が共同して実施をしております。この採用試験においては、身体障害の方を対象とした試験を実施しているところですけれども、知的、あるいは精神障害者の方を対象とした試験は現在は実施されていないという状況であります。そうした知的障害者、精神障害者、発達障害者などを含む障害者の雇用形態について、厚労省でチャレンジ雇用といったような取り組みが推進をされているところであるわけであります。区といたしましても、こうしたさまざまな事例、他自治体での事例なども踏まえながら、雇用の推進についてさらに研究を進めていきたいというふうに思っております。
 それから、視覚障害者への音声情報の提供ということで、SPコードについての御紹介がありました。SPコードは本当に印刷物の端にちょっと印刷されているだけで、800字でその内容を知らせることができるということで、大変便利なものだというふうには思っております。視覚障害者の情報提供手段として、テープ化や点字化のほかに障害者用の拡大読書機というものや、それから活字文書読み上げ装置といったようなものが使われているわけであります。活字文書読み上げ装置が比較的ふえてきているわけですが、SPコードについては、日常生活用具の中でもあまり利用の拡大が進んでいないという状況にもあります。これはソフトが普及しなければ、機械の方も普及しない。逆に機械がないからソフトも普及しないと、両方の要素があるわけでありますので、区としてもさまざまな印刷物等にSPコードを掲載するなど進めながら、拡大を図っていきたいというふうに思っております。
 それから、特定健診の実施計画の策定状況ということであります。特定健診、特定保健指導は、新しい医療保険制度の中で発想が転換された健康づくり重視、予防重視というようなことの重要な柱ということでありまして、大変大きな意味があるというふうに思っております。区といたしましても区民の暮らしの質を高める、あるいは地域社会のお互いの結び付きを強めるといったようなことも含めて、みんながいつまでも健康で暮らせると、そういう社会をつくっていくことが大事ということでありまして、特定健診以外にもさまざまな健康づくりの取り組みをしていく必要があるというふうに考えているところであります。特定健診等実施計画では、糖尿病等の生活習慣病の発症や重症化予防を図ることを目指して、平成20年度から5年間の年度ごとの特定健診、特定保健指導の実施率や実施方法、それからメタボリックシンドローム等の該当者、予備軍の減少率の目標等を設定していくわけであります。きのうもお答えをしておりますけれども、国の政省令がなかなか出てこないということで、やや私どもとしても心配をしているところはありますけれども、近く示されるということでありますので、これを踏まえて区としての枠組みを定めていき、10月には実施計画の案を示させていただきたいと思っているところであります。
 それから、東中野小学校跡地の活用についての御質問もありました。おっしゃった中にもございましたように、地域の中ではこの東中野小学校の跡地について、さまざまな御期待や御要望、その地域に独特の御要望といったようなものもあるところであります。現在区として明確に定まっているのが、小規模多機能の施設というところでありますが、それ以外のあり方につきましても、今年度中には区としての案をつくりまして、それをもとに地域の皆さんと協議をさせていただきたいというふうに考えております。教員寮のことも含めて、そういった案をつくっていきたいと思っております。
 私からは以上です。
    〔保健福祉部長金野晃登壇〕
○保健福祉部長(金野晃) 私からは、まずがん対策についてのお尋ねにお答えいたします。
 区では、がんの早期発見、早期治療に結び付けるために、大腸がん、胃がん、肺がん、子宮がん、乳がん、喉頭がんの6種類のがん検診を実施しております。このがん検診の実施、どういう種類で実施するかということに関しましては、国が科学的に効果の検証された検診方法をがん指針として示しておりますので、これを基本に行っているところでございます。区民の健康づくりのためには、検診を有効に活用することが必要であり、東京都が今年度中に策定するがん対策推進計画の策定状況を見ながら、がん検診の充実を図っていきたいと考えております。
 次に、東中野小学校跡地の中で予定されております小規模多機能型居宅介護施設についてのお尋ねです。この小規模多機能型居宅介護事業所の基準があるわけでございますが、この基準は利用者が安心して自宅で生活できるよう、通いを中心としたデイサービス、それから利用者の状況に応じた訪問サービス、通いと泊まりを組み合わせたショートステイサービスを提供するというものでございまして、利用登録定員の上限は25名ということになっております。施設規模ということですが、特に施設規模としては定められておりません。ただ施設の内容といたしましては、居間、食堂、台所、宿泊室、浴室等を設けることとされております。また、居間及び食堂の合計面積は通いサービス利用者一人当たり3平米以上、宿泊室につきましては、一人当たり7.43平米以上を確保することになっております。
○副議長(やながわ妙子) 以上で白井秀史議員の質問は終わります。
 議事の都合により、暫時休憩をいたします。
      午後2時58分休憩

      午後3時19分開議
○議長(市川みのる) 会議を再開いたします。
 この際申し上げます。
 議事の都合上、会議時間を延長いたします。
 一般質問を続行いたします。

 中野区議会議員 山 口 かおり
 1 障害者自立支援法について
  (1)利用料負担の軽減について
  (2)施設運営費減収分の補助について
  (3)新体系事業移行にともなう支援について
  (4)障害の重度の方の移動支援について
  (5)その他
 2 介護保険制度について
  (1)コムスンの問題について
  (2)利用料負担の軽減について
  (3)区独自のホームヘルパー派遣制度の実施について
  (4)介護認定にかかる日数を短縮することについて
  (5)その他
 3 小児二次救急医療制度について
 4 全国一斉学力テストについて
 5 (仮)南中野区民活動センターの計画について
 6 その他

○議長(市川みのる) 山口かおり議員。
     〔山口かおり議員登壇〕
○8番(山口かおり) 2007年第2回定例会に当たり、日本共産党議員団の立場から一般質問を行います。
 私は、これまで障害のある方と一緒に働く作業所に勤務し、その後障害者の運動団体の事務局で働いてきました。その間、当事者、関係者の反対の声を押し切って、障害者自立支援法が成立しました。障害のある方や、関係者が大変な影響をこうむっている現状から、政治を変えなければ障害のある方たちをはじめとする社会的に弱い立場に立たされている方たちの生活、働く権利を守っていくことはできないと痛感しています。こうした人たちの声を議会や予算に反映していくことが、自分の役割であると自覚しています。その立場から以下の諸問題についてお聞きいたします。
 まず、障害者自立支援法について伺います。
 2006年第2回定例議会で日本共産党議員団の質問に対し、区は障害者自立支援法が施行された後の影響や課題、利用者の実態把握に努めている、今後も努力する。また施設の収入については、区内事業者の状況を把握して、必要があれば国や都に対し制度の改善などを申し入れていくと答弁されています。その後どのような実態把握がなされたのか、お聞かせください。
 次に、利用料の負担軽減についてお聞きいたします。
 障害者自立支援法によって、応益負担が導入されて1年あまりが経過いたしました。関係者から負担軽減を強く求められ、現在区は食費に関しての独自の負担軽減策、及び地域生活支援事業については原則無料化をしております。国は自立支援法の応益負担の見直しが求められる中で、一定の見直しを行いました。しかし、応益負担による利用料がなくなったわけではありません。国の見直しがされた後の4月時点で、弥生福祉作業所では月額平均6,800円の工賃に対して、給食費が平均3,045円、利用料が平均6,703円、合わせて1万円近い本人負担、家族負担が発生しております。利用者は、働いて得た工賃がそのまま施設利用料として消えていく、働きにきているにもかかわらず、給食費含めれば工賃よりも高い負担を負わなければなりません。
 私たちは障害のある方たちとともに利用料負担の軽減を繰り返し求めていますが、区は利用者が利用料と所得に応じた負担をするとともに、国と自治体が責任を持って費用を負担し、必要なサービスを確保、充実させる制度という認識のもと、利用料の軽減策を拒否しています。区が言うように、利用者が所得に応じた負担をするということであれば、そもそも障害基礎年金に工賃を加えても、生活保護水準以下の所得、この所得を保障することから始めなければなりません。生活保護水準以下の所得から、さらに利用料を負担する仕組みそのものが、障害のある人の働く権利を侵害しています。利用料負担を決める基準となる所得は本人の所得ではなく、家族の所得であり、障害のある人を自立した大人として認めていない制度といえます。中野区として、国に対して障害者自立支援法の応益負担を撤回するように求めるべきです。お答えください。
 また、台東区では、通所授産施設の利用料を所得のいかんにかかわらず全員無料としています。また、杉並区では、児童デイサービスの利用料負担は無料とするなど、当事者の立場に立った独自の措置が各地でとられています。中野区としても、利用料負担の軽減策を講じるべきです。お答えください。
 次に、施設運営費減収分の補助について伺います。
 国の法の見直しによって、日払い方式による施設の運営費の減収分については、9割まで国によって補助されることになりました。しかしながら、1割分の減収については保障されません。中野コロニーでは、自立支援法が施行された2006年度、前年度比で約3,000万円の補助金が減収となったため、人件費を4,000万円以上削減せざるを得なくなりました。また、中野コロニーでは、就労継続支援事業への移行に当たり、これまで行ってきた有給休暇制度を廃止する、完全時給制にするなど、通所者の労働条件を低下させる条件を盛り込まないと、経営が持ちこたえられなくなっています。他の法人でグループホームを四つ抱えているところでは、地域生活分野の経営が約1,000万円の減収となりました。国が補てんしない1割の減収分は、経営、運営努力で賄うことと、区はしていますが、実際は施設運営費の減収によって、職員の人件費を削減せざるを得ない、処遇を切り下げざるを得ない、また利用者にとってもサービス利用の中身が変更となる事態が発生しています。結果的に施設運営が成り立たなくなっては、区にとっても重大問題です。足立区では日払い方式に変更になったため、減収になる知的障害者の通所施設の運営について、実態に見合い減収分をおおむね助成する措置がとられています。中野区としても、実態に応じて民間の事業所の運営費補助を検討すべきと考えます。見解をお聞きします。
 次に、新体系事業移行に伴う支援についてお聞きいたします。
 障害者自立支援法は、5年間かけて新しい施設体系に移行するとされています。しかし、移行して運営できるのかという不安と、財政的支援を求める関係者の取り組みで、新体系移行については、東京都による新体系移行支援事業が実施され、一人当たり月額1万9,600円の補助が出されるものとなりました。区としても東京都の制度を活用し、運営に支障を来さないよう支援すべきと考えます。お答えください。
 都の支援策は、小規模施設が主な対象となりますので、移行によって自立支援法の制度に入りますと、発生するのは利用料の負担と利用者が来た日数だけ事業者に報酬がなされる日払い方式の導入です。千代田区では区立福祉作業所が4月から法内施設、就労支援施設に移行する際、その利用料を現行と同じく無料としています。中野区としても、施設移行に伴い、利用者が利用料の発生のために通所が困難になる、あるいは施設の運営が立ち行かなくなるような事態を避けるため、積極的な支援が必要です。工房すばるなどでは、新体系に移行することで、利用者が利用料負担発生により施設利用ができなくなることがないようにと、工賃収入をふやす取り組みがなされています。区としても最低賃金が保障されていない施設利用者の所得保障に向けて、今以上の官公需の優先発注などの対策行うべきと考えます。区の対応をお聞きいたします。
 現在、すばる作業所に区から発注されている区民検診にかかわる下請の作業では、6時間働いて日給1,104円と、最低賃金が保障できない単価設定、内容であることは問題であると考えます。単価の引き上げをすべきだと考えます。お答えください。
 次に、障害の重度の方の移動支援についてお聞きいたします。
 区の独自施策である地域生活支援事業の無料化は、利用者の立場に立った、ほかの区に比べても画期的な制度です。しかし、一方で国の制度との間で深刻な矛盾も生み出しております。中野区では、移動支援事業が無料と、この制度によってなりましたが、この制度の対象者は身体介護を含まない障害の軽い方が対象です。一方で重度の方への外出支援は、行動援護、介護給付となりますので、有料となります。軽度の方が外出する分には無料で、重度の方が命をかけて外出するのに、回数を限られ、しかも有料というのは障害の重さゆえの格差と言えます。区として障害の重い方が無料で外出援助のサービスを受けられるような格差を埋めるような独自の補助を行うことを検討すべきです。お答えください。
 次に、介護保険制度について伺います。
 介護事業の不正行為で厚生労働省から新規の指定や更新を禁止されたコムスンの問題について伺います。今回の問題は、営利企業によるサービス提供を基本とした介護保険制度の根幹が問われています。政府は介護保険の導入に当たって、規制緩和の推進による多様な民間事業者の参入促進を掲げ、営利企業の参入を促す一方で、介護サービスの基盤整備の公的責任は後退させてきました。営利企業に依存し、公的保障を後退させた結果が数万の高齢者が介護不安にさらされる事態を生み出しました。
 政府内部からも伊吹文明文部科学相など、何でも規制緩和して民間にゆだねていいのかといった意見が出されています。中野区では介護保険制度実施に当たり、民でできるものは官でやらないという方針のもと、民間事業者に全面的に介護事業を依存してきた経緯があります。今回の事態を受けて、制度の運営者である保険者として、区は利用実態をどのように把握していたのかが問われます。中野ではことし3月時点で5カ所あったコムスンの事業所、ケアセンターが3月、5月、またこの6月と統廃合され1カ所となります。ここ数カ月で次々と撤退していき、市民にとっては事業所が取り消し処分になる前に、みずから事業所の廃止届を出して、処分逃れを図ったのではないか、不正が行われていた可能性が強いのではないかと、批判や不安の声が上がっています。民間事業者の不正の再発を防ぐためにも、監督指導をどのように実効性のあるものとしていくか、お聞かせください。
 3月時点でコムスンのサービスに対して、中野区内で246件の利用数がありました。現在の利用者の方たちに不利益を生じさせないように、区として努力することを区長は何度も行政報告の中でも述べられていました。ヘルパーがかわるだけでも利用している人は不安を覚えます。コムスンを利用している人が今後どうなるのかという不安を解消し、安心して介護サービスを受けられるよう、事業者任せにせず、区として必要な体制をとるべきと考えます。お聞かせください。
 次に、利用料負担の軽減について伺います。
 介護保険制度が改定され、施設入所者の食費や水光熱費負担が発生し、さらに昨年は要介護認定の軽度の方から介護補助器具購入が自己負担となりました。日本共産党は国に対して制度の見直しを申し入れ、地方自治体においても負担軽減施策の実施など要求し、一部助成がなされているところです。
 保険料については、非課税世帯からも、無年金の方からも徴収され、低所得者には負担の重い制度です。普通徴収での未納率は2割に達しています。住民税や社会保険料の引き上げなどで、生活に困窮している方がふえていますから、未納率の上昇は払いたくても支払えない人たちがふえているためと考えられます。地域からはこの介護保険の制度について、保険あって介護なしだといったような不満や苦情を多々お聞きいたします。保険料を納められず全額自己負担ができずに、サービスを受けたくても受けられない、あるいは保険料をやっと納めている状況なのに、さらに利用料を支払わなければならない、利用料が支払えなくて、利用回数を減らしたという方たちの声もよくお聞きいたします。例えば年収140万円の非課税世帯で要介護5の夫を介護している夫婦からお話を聞きました。訪問入浴、訪問看護の利用料負担で年間30万円が消えていきます。奥さんはショートステイのサービスを使いたいけれど、利用料が高くて支払えない。夫をいつもいつも介護して、外に働きにも行けない。自分の人生を削って疲れ切っていると、涙ながらに訴えられました。こうしした介護を受けたくても、利用料の支払いができないために受けられないといった方たちの負担を軽減することが必要です。利用料の1割負担を独自に軽減している区は、23区のうち半数近くに上っています。小金井市では住民税非課税世帯の高齢者を対象に、訪問介護の利用料を6%に軽減するといった措置をとっています。中野区として低所得者に向けた利用料の負担軽減策を実施することが、どうしても必要と考えます。見解をお聞きします。
 次に、区独自のホームヘルパー派遣制度について伺います。
 地域から法改正後に最もよく聞かれる不満は、介護認定の切り下げによって、サービスが受けられなくなったということです。ある区内の二つの事業所に聞いたところ、利用者の半数の認定が切り下げられていることがわかりました。リウマチを患っているが、自分でトイレに行けるからと、要介護3からいきなり1になり、訪問入浴のサービスが使えなくなった。71歳の脊椎損傷の夫は下半身不随で、身体機能が改善されるわけがないのに、前回より要介護認定が3から2に下げられた。ヘルパーのサービスが週1回2時間から1時間半になったが、買い物や掃除も満足にやってもらえない。こうした声や実態を区は把握しておりますでしょうか、お聞きいたします。
 日本共産党議員団は、区独自のヘルパー派遣制度を創設することを繰り返し要求し、質問もしておりますが、区は「介護保険制度の改正では利用実態を踏まえ、訪問介護のうち生活援助に当たるものについては、長時間利用について適正化が図られた。介護保険の基本理念である自立支援をより徹底するという観点から、区単独の家事援助ヘルパー派遣制度の創設は考えていない」という回答をされています。しかし、この適正化は利用実態を踏まえたものとなっておりません。
 介護保険の枠外で地域住民の協力員の方たちによってサービス供給がされている社協のほほえみサービスがあります。このほほえみサービスでは、2005年のサービス利用世帯数が670世帯であったものが、2006年では一気に110世帯も伸びて780世帯に増加しています。これはその増加分のほとんどが介護保険制度では使えない部分についての利用だということです。通院援助など、介護保険制度では使えなくなってしまった外出支援のサービス利用がふえ、2005年505件であったのが、改正後の2006年では1,048件と2倍にふえています。このほほえみでは、協力員が10人しかふえておらず、利用者がふえているのでスタッフの体制が厳しく、対応し切れないという状況が生まれています。介護保険ではサービスが使えない、さりとて民間事業者に頼むにも利用料が高くて支払えないという利用者が急増していることがうかがえます。
 住民には等しく介護サービスを受ける権利があります。現在の介護保険制度でサービスの利用ができない人たちがいる実態を、区として放置することは無責任であると考えます。生きていくために必要なサービスが受けられるよう、区として独自にホームヘルパー派遣の制度を設け、公的責任を果たすべきであると考えます。見解をお聞きいたします。
 次に、介護認定にかかる日数の短縮について伺います。現在介護認定に要する時間が30日以上かかっています。国の方針としても1カ月以内に終了するようにとありますが、1カ月たてば状況が変化するケースもあります。早期に認定が終了し、サービスを受けることができるような手だてを講じるべきです。また、申請件数が多過ぎて、これ以上の短縮が難しいということであれば、職員体制の強化を図るべきではないかと考えます。お答えください。
 次に、小児二次救急医療について伺います。
 現在休止となっている小児二次救急医療の再開に向けてですが、少子化の現在、保護者の不安を解消するためにも、この施策は子育て支援策として差し迫った課題といえます。前回の定例議会で区長は東京警察病院を含め、実施可能性のある区内関係病院等に積極的に働きかけをして、区としてでき得る最大限の努力をしていきたいと発言されています。その後どのような働きかけがされているかお聞かせください。
 また、東京警察病院が中野区で開業する上で障害となっていることは何か、区として何ができるかを、どのように区が認識し、必要な施策をとっていこうとしているのかをお聞かせください。
 次に、4月に実施された全国一斉学力テストについて伺います。私たち日本共産党は、全国一斉学力テストは、教育に競争原理を持ち込むものとして、中止を求めてまいりました。自治体の中には、今回の全国一斉学力テストに同様の理由で参加しなかった教育委員会もあります。テストが実施される前には、テストの点数を上げようと、まちぐるみで事前対策に当たる教育委員会が出るなど、弊害も出ていました。
 しかも民間企業に委託された採点作業で、解答の正誤の判断基準が変わるという混乱が起こっています。これはテストの採点作業が子どもたちの顔の見えない、学校現場や教育の専門家と切り離されたところで行われているために起こっている問題です。東京都の学力テストと同様に、全国一斉学力テストも採点業務は中学生についてはNTTデータに委託されています。今回不正を指摘されたコムスンの親会社であるグッドウィル・グループが、NTTデータに採点者を派遣しています。作業に携わる3,000人の労働者のうち実に2,700人が派遣労働者です。こうした委託業者によるずさんな採点業務については、伊吹文部科学相も不利益がないよう見直すように指示していると実態を認めています。
 第4回定例議会で区は、今回の学力テストの実施は文部科学省が国全体としての学力の実態を把握し、教育行政に生かそうというものであり、選別や学校差をつけるものとは受けとめていないということでした。今回のテストの結果は、いまだ国からどのように返されてくるかわかりませんが、採点結果の正確さそのものが問題となっており、学力の実態が正確に把握されるかどうかも怪しい状況です。こうした信憑性が疑わしい今回の学力ストの結果を公表する必要はないと考えます。お答えください。
 今後も実施される全国一斉学力テストに区が参加する必要もないと考えます。見解をお聞かせください。
 次に、(仮称)南中野区民活動センターについてお聞きします。
 同センターについては、区も区民の意見を聞きながら検討がなされてきたことと思います。地域住民の皆様からは、この施設が区民の文化施設として区民ホールを併設してほしいと、高い期待、要望が寄せられています。検討状況をお聞かせください。
 また、その計画案を具体化していくことについては、区民の声を聞き、検討する場を持つべきと考えます。お答えください。
 その他はございませんので、以上ですべての質問を終わります。
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 山口議員の御質問にお答えをいたします。
 障害者自立支援法に関連して幾つかの質問がありました。利用者の実態把握をしているのかという、そういった御質問であります。区といたしましては、障害程度区分の認定というのを行っているわけであります。そうした認定では、介護給付を受けるすべての人の状況把握をしているわけであります。また、利用料の月額上限負担額については、所得等を把握して設定するところでありまして、個々の利用者の意向なども窓口や相談を通じて承知しておるところであります。そうした中で、実態について、区としても把握をしているというところであります。
 それから、応益負担の撤回を国に求めるべきではないかという御質問でありました。この自立支援法は、だれもが地域の中で自立をして、誇りを持って暮らしていくことができる、そういう社会をつくっていくんだというところが目標になっているというふうに認識をしているところであります。すべてを措置型の福祉サービスで依存をするというようなことではなく、生活を支えていくような自立支援給付と、社会参加を保障し支えていくような地域生活支援事業、そして働く場をしっかりと確保していくような雇用の対策といったようなことが一体的、総合的に進んでいくことによって、この障害者自立支援法が目指す社会というものに近づいていくことができるというふうに考えております。
 必ずしも現状ですべてのもくろみがうまくいっているのかということで、認識をしているわけではありませんけれども、少なくとも障害者自立支援法の精神を前向きにとらえて、前進をさせていくことが必要というふうに考えているわけであります。障害者自立支援法は、利用者が利用料と所得に応じた負担をしていただくとともに、国と自治体が責任を持って費用を負担し、必要なサービスを確保充実させ、障害のある人の生活自立を支えるというものであります。こうした制度の趣旨から、国に対しサービス料と所得に着目した負担の仕組みそのものの変更を求めるという考えはありません。
 事業者の減収分についての補助策についての御質問もありました。今年度、国において法の円滑な運営を図るために、利用者負担のさらなる軽減、事業者に対する激変緩和措置などの特別対策を実施したところであります。区といたしましても、障害者通所施設利用者の食費の負担の軽減を図るための方策を実施しているところであります。
 新体系の事業移行に伴う支援について。新体系に移行する事業者については、移行を円滑に進め、安定した運営ができるよう、東京都の各種の支援策を活用しながら、支援をしていきたいと考えております。
 作業所の発注量の問題であります。区では封入作業や公園清掃業務など、作業所が受注可能な業務について発注をしているところであります。共同発注の仕組みの検討でありますとか、受注先の開拓などを通じて、作業所が仕事を確保できるように、これまで以上に努力をしていきたいというふうに考えております。
 すばる作業所の封入作業の単価の問題についてであります。すばる作業所の封入作業の単価については、他の事業所に発注している作業単価と比べて、同水準の単価であります。作業所利用者の所得を向上させるためには、区が特に高い価格で発注するというのではなく、受注の仕組みや仕事の内容を改善する、そうした構造的な対策によって対応していくべきことと考えているわけでありまして、それを支援していきたいというふうに考えております。
 それから、行動援護の利用者の負担の問題であります。行動援護は、自立支援給付の一つであります。この自立支援給付にかかわる利用者負担につきまして、この4月から一定の所得を超えない世帯について、上限額が4分の1となる新たな軽減策がとられたところであります。区としてこうした状況を見守っているところでありまして、さらに負担軽減策をとるということは考えておりません。
 それから、介護保険をめぐって、コムスンの問題で介護サービス事業者に対する監督指導をどのように行っていくのかという御質問がありました。事業者に対する調査指導については、17年度から計画的に行ってきているところであります。実施方法としては、事業所に出向いて調査指導を行う実地指導、あるいは書類の提出を求めて調査をする書面指導、事業所の種別ごとに一同に集まっていただいて行う集団指導などがあります。18年度は実地指導、出向いて行う実地指導ですね、実地指導だけで32件実施をしたところであります。
 コムスンの件をどういうふうに生かして取り組みを進めるのかというところであります。介護保険法の改正によって、区が指定をする地域密着型施設のほか、都が指定した事業所への区の立ち入り権の付与など、区としての指導監督の権限及び機能が強化をされてきました。事業者に法律遵守を徹底するため、今年度からは集団指導を実施しているところであります。今後、株式会社コムスンの不正行為が起きた背景や指導を強化するべき事項などを把握分析を行って、区としての指導に生かしていきたいと考えております。
 それから、利用者に対する手だてということであります。コムスンの利用者からの相談に適切に応じるとともに、利用者にチラシを配布いたしまして、相談先などの御案内をしているというところであります。
 それから、介護保険制度の利用料負担の軽減についてということであります。この制度では低所得者に対しまして、介護保険施設やショートステイの食費、居住費及び滞在費、これを軽減する制度を実施しているところであります。このほかに社会福祉法人や事業者が生計困難な利用者の負担を軽減した場合に助成する制度があるということであります。こうした対策が実施をされているということであります。
 それから、区独自のヘルパー派遣の実施についてであります。介護保険で必要なサービスについて、認定に基づいて必要なサービスが確保されているというふうに認識をしているところであります。介護保険のサービスになじまないニーズ、これについては例示もありましたけれども、ボランティア活動、有償ボランティアも含むボランティア活動でありますとか、他の民間サービスの利用など、さまざまな形での対応を進めていくことが考えられるというふうに思っているわけであります。区独自のホームヘルパーの派遣制度を設けることは考えておりません。
 それから、要介護認定の日数の短縮、認定に要する日数の短縮についての御質問がありました。認定に要する日数は、特別な場合を除いて30日以内とされているわけであります。この所要の日数については、年度ごとの認定件数の増減とか、あるいは認定基準等の変更に伴う処理時間の増など、さまざまな要素が作用してきました。昨年度は認定更新件数が集中する年度でもありまして、かつ認定区分の制度の変更があったといったようなことから、認定に要する日数が30日を超えるといった状況が生じてきたわけであります。今年度は昨年度のような特殊な事情はなく、昨年度よりも認定に日数の短縮が見込まれるものと考えております。
 私からは以上です。
   〔子ども家庭部長田辺裕子登壇〕
○子ども家庭部長(田辺裕子) 小児二次救急医療についてのお尋ねでございます。
 小児二次救急医療体制の実現に向けまして、警察病院を含め、区内で実現可能性のある病院に引き続き要請を続けてきております。警察病院につきましては、今年度に入りましても数回要望し、話し合いを持ってまいりました。全国的な小児科医の不足がある中で、医師の確保が最大の課題だと認識をしております。こうした中で、この4月から区医師会、総合病院の御協力のもとに、初期救急を拡充し、通年の準夜間帯の医療体制を実現しております。特に土日の利用が目立っておりまして、区民の御要望におこたえできているというふうに考えております。今後も引き続き実現の可能性に向けて努力してまいりたいと思っております。
  〔教育委員会事務局次長竹内沖司登壇〕
○教育委員会事務局次長(竹内沖司) 全国一斉学力テストについてお答えをいたします。
 国の全国学力・学習状況調査の結果の扱いということにつきましては、今後教育委員会で検討をしてまいります。学力の状況を国全体の状況と比較することは有効であり、中野区の教育の向上のためには、今後とも国の全国学力・学習状況調査は実施をしていく考えでございます。
    〔区民生活部長大沼弘登壇〕
○区民生活部長(大沼弘) (仮称)南中野区民活動センターの移転整備についての御質問にお答えいたします。
 (仮称)南中野区民活動センターの移転整備につきましては、弥生町五丁目の用地の活用を図ることとしております。整備内容、整備手法について検討しているところであります。
 以上です。
○議長(市川みのる) 以上で山口かおり議員の質問は終わります。

 中野区議会議員 酒 井 たくや
 1 東中野地域の子どもたちの遊び場について
 2 防犯について
 3 教育について
  (1)規範意識について
  (2)特色ある学校づくりについて
 4 その他

○議長(市川みのる) 次に、酒井たくや議員。
     〔27番酒井たくや登壇〕
○27番(酒井たくや) 平成19年第2回定例会におきまして、民主クラブの立場から一般質問させていただきます。
 1点目に東中野の地域の子どもたちの遊び場について、2点目は防犯について、そして3点目は教育についてお伺いいたします。
 まず1点目、東中野地域の子どもたちの遊び場についてでありますが、先ほど白井議員もお尋ねになられました東中野小学校の跡地についてを軸にお聞かせさせていただきたいと思います。重なる部分があるかもわかりませんが、地域の思い、ぜひとも区長、聞いてください。よろしくお願いします。
 それでは、質問に入らせていただきます。中野の子どもたちの環境が今後大きく変わる中、私の一番身近である東中野地域の子どもたちの遊び場、居場所の事例を出してお尋ねさせていただきます。東中野地域では、平成20年度から民間保育園の新設、(仮称)東中野五丁目保育園です。そして平成21年度には中野昭和小学校と東中野小学校が再編されます。そして、統合新校は中野昭和小学校の位置に置くとなっております。そして、東中野小学校跡地には、小規模多機能居宅介護施設が予定されております。
 こういった中、子どもたちの環境が大きく変わることにより、地域のコミュニティにも大きく影響を及ぼします。学校跡地がどのように活用されるのかは、地元地域にとっては大変な関心事であります。昨年の第2回定例会において、学校再編により未利用となった校庭の活用に関し、地域に開放するべきであるという私の質問に、区長は学校跡地については、それぞれの施設が地域コミュニティに貢献することが必要だというふうに考えている。また地域の防災活動の拠点として、地域全体の状況を踏まえて考えていかなければならないと御答弁されました。
 それから、1年が経過し、再編まで2年を切り、地元では統合委員会も立ち上げられております。しかし、今後の体育館も含めた校庭活用や居宅介護施設がどのようになるのかも示されておりません。まだ再編まで2年あるではなく、地元にとっては「あと2年しかない」なんです。学校は学び舎だけではなく、地域の催しごとや、防災活動の拠点、スポーツ振興など、さまざまな形で地域のコミュニティの核として、地域社会と密接に結び付いております。学校再編後の廃校になった跡地の活用、新しくできる施設に関しては、地域と一緒になって、地域の実情に合わせて進めていただきたいと思います。そこに住んでいるからこそ愛着もあり、歴史も知っており、地域を長期的に考えられるのではないでしょうか。学校再編後の校庭跡地、また耐震診断の結果、Aランクである体育館を子どもたち、地域に開放するべきであると考えますが、いかがでしょうか、お聞かせください。
 また、今後建設される小規模多機能型居宅介護施設の内容、整備に向けての進捗状況、どのようなものなのか、再編後の東中野小跡地の整備計画を早急にお示ししていただきたいと考えますが、お聞かせください。
 この問題は、学校再編の対象校全般に言えることであると思います。再編後の学校跡地整備計画は、地域にとって最大の関心事であります。近隣住民に早急にお示しされることも要望いたします。
 それから、新設される(仮称)東中野五丁目保育園の隣には、十分な空き地があります。この用地は平成23年以降に(仮称)東中野区民活動センターの移転整備とされておりますが、すなわちそれまでは空き地となっております。東中野四丁目、五丁目は本当に子どもたちの遊び場が少ないんです。そういった中、空き地となっているならば、子どもたち、それから地域の団体に開放する考えもあるのではないでしょうか。もちろん今後東中野小学校の校庭跡地との兼ね合いもしっかりと見据えていかなければなりませんが、いかがでしょうか、お聞かせください。
 この項の最後に、平成20年度に開設される(仮称)東中野五丁目保育園の乳幼児親子向け事業や、地域開放についてもどのような形になるのか、具体的な内容は明らかにされておりません。先ほど白井議員が南つくし野保育園に視察に行ってきて、そこで十分な地域交流がされているという、そういったお話もございました。地元に新しい施設ができるときは、皆さんの待望の施設となる、それからまた夢を持てるような施設になるよう、しっかりと地域の方々に御説明していただきたいんです。それからまた、統合新校である昭和小学校で行われるであろう学童保育、校庭の放課後開放事業などを考えると、学校再編により、今まで行われておった事業はどうなるのか、今後の東中野地域における子どもたちの遊び場、居場所の将来像をお聞かせください。
 そして、中野の子どもたちの遊び場、居場所の将来像もお聞かせください。
 以上でこの項の質問を終わらせていただきます。
 2点目は、防犯についてお伺いいたします。
 防犯の中では、1点目に防犯カメラについて、そして2点目は子どもを犯罪から守るため、それをお尋ねさせていただきます。
 まずは、防犯カメラの件でございますが、2003年7月に12歳の少年が起こした長崎の男児誘拐殺害事件では、商店街に設置された防犯カメラの映像が犯人割り出しの重要な手がかりとなりました。これを機に全国の商店街をはじめ、地方自治体などからは、犯罪抑制のための有効な手段として、防犯カメラへの関心が高まり、設置が進んでいます。路上強盗やひったくりといった私たちの身近で起こる犯罪が日夜多発しています。こうした中、安全で安心なまちづくりにおいて、防犯カメラの設置は犯罪抑制として、また映像という確かな証拠を残すものとして、有効性が社会的に認められております。
 現在、東京都の事業の中で、防犯カメラ等防犯設備の整備等に対する補助事業という制度があります。以前は防犯カメラの設置の補助は東京都の「新・元気を出せ!商店街」の事業の中で行われておりましたが、犯罪が頻発した平成16年にこの制度に移行されました。これは各自治体が要綱を定め、その要綱に沿い安全・安心まちづくり推進地区を選定し、選定された地域には犯罪の抑止、または犯罪被害の防止に資するための防犯カメラ、防犯灯もしくは防犯ベル等の機器の設置に補助金として限度額300万円、補助対象経費の3分の1を交付するものであります。補助金の申請に当たっては、各市町村が要綱を定め、安全・安心まちづくり推進地区を選定し、都に報告しなければなりません。
 しかし、中野区にはこの要綱がありません。すなわち地域から防犯カメラを設置したいんだ、防犯ベルを設置したいんだという声が上がっても、要綱がなく、安全・安心まちづくり推進地区を選定できないため、この制度を活用することができません。実は東京都23区の中で、中野、渋谷、荒川だけがこの要綱を制定しておりません。防犯カメラの設置に関しては、プライバシーの問題や管理社会を招く等、さまざま議論はあるかと思いますが、それは当該地域の方々、町会、自治会、商店会でしっかり話し合われることが必要であります。しかし中野区では、要綱を定めていないため、地域から防犯カメラを設置したいんだと、そういった声があった場合に、制度を活用できないとなると、私はいかがなものかと思います。
 他区では、平成16年からこういった制度に対応できる要綱を策定されております。そこでお尋ねしますが、地域からの声にしっかりと対応できるように、要綱の制定に取り組み、また財源措置の面でも十分に対応できる体制づくりを進めていただきたいと考えますが、いかがでしょうかお聞かせください。
 次に、子どもたちがねらわれる犯罪についてお尋ねいたします。
 先日中野サンプラザで行われました「子どもを犯罪から守るために、安全・安心のまちづくり」の講演に参加させていただきました。ちなみに講師は区長の母校である中央大学の藤本哲也教授でありました。そこで非常に興味深い内容が2点ありましたので、紹介させてください。
 1点目は、ここ最近の子どもが犠牲となった凶悪犯罪事件は、すべて学年が同じというものです。2004年3月、群馬県で起こった事件、2004年11月の奈良女児誘拐殺害事件です。それから、2005年11月の広島、2005年12月の栃木、2006年5月の秋田等、これらの凶悪犯罪事件はすべて小学1年生が被害者となっております。犯罪者の観点から見ると、1年生がねらいやすいというデータがあるそうです。1年生はランドセルカバーをしており、下校時間が早いため特定しやすく、そして上級生に比べると判断能力に欠け、言うことを聞かせやすいというのが理由でありました。
 それから、講演の2点目は、通学路の問題も非常に興味あることがありました。通学路は、対車両、すなわち交通安全の観点から考えられるのが主であります。逆に考えると、車通りの少ない、また人があまり行き交わない道となります。犯罪者の好む犯行の環境は、人気のないところで子どもが一人であるのが理想的と言われております。そこで通学路は大通りやスーパーに面した道や、ほどよく出していく考えも必要であるという講演内容でありました。このように今までならば対車両で通学路を考えていたのが、対人の観点からも子どもたちの安全を考えていかなければなりません。一昔前には想像もできないような、子どもたちがねらわれる凶悪犯罪が多発する昨今、犯罪もどんどん多様化しております。このような視点も取り入れ、子どもたちを犯罪から守る必要があると考えますが、見解をお聞かせください。
 また、各学校の子どもたちの安全教育の現状と今後の取り組みについてもあわせてお尋ねいたします。
 次に、3点目教育についてお尋ねいたします。
 1点目に規範意識でございます。規範意識を辞書で引きますと「相対的な現実の価値判断を超えて、あらゆる評価に対し、普遍的、絶対的な価値を規範として妥当させ、かつ担う意識。ある対象について、価値判断を下す際、その前提になっている価値を価値として認める意識」とあります。非常に高尚で正直質問に上げたことを私自身少し戸惑っております。おまえの規範意識はどうなんだと問われると、葛藤が出てくるかもしれません。それでも子どもたちを健全に育て、教育していくのは我々大人の責務であります。
 今、社会では、規範意識に欠けるようなことが頻発しております。少し前には給食費の未納問題が話題となりました。全国の小中学校の給食費未納額が計22億2,900万円に上ることが、文部科学省が調査してわかりました。未納者数は9万9,000人、児童生徒数で見ると100人に一人が滞納していた計算になります。未納理由について、学校側は約6割は保護者としての責任感や規範意識に問題があると見解されました。中野区は比較的少ないそうでありますが。また保育料の未納の問題。
 それから今月18日の読売新聞朝刊の一面では、驚くような記事が掲載されておりました。少し事例を上げさせていただきますと、うちの子には自宅で掃除をさせていないので、学校でもさせないでほしいと要求。授業中に生徒の携帯電話を取り上げた教師に対し、取り上げた時間の電話代を支払ってほしいと訴える。ピアノの技能はうちの子が一番なのに、合唱の伴奏が別の子なのはおかしいとしつこく抗議と、理不尽な親の要求や抗議に、学校、教育委員会が大変苦慮しているという内容でありました。
 このように今、親のモラルや規範意識の欠如が大変に問題になっております。親の教育が必要だと、よく言われておりますが、私はまだ独身で子を持つ親ではありません。早く身を固めなければならないと思ってはおりますが、ここは未来を担う子どもたちの規範意識の育成について、学校現場でどのように取り組まれているのか、お聞かせください。
 また、先ほど挙げさせていただいた事例のようなことは中野区でもあるのでしょうか、あわせてお答えください。
 このような権利ばかりで義務と権利をはき違えている者には、教育委員会は毅然とした姿勢で臨み、理不尽な要求をはねつける必要があると、私は思いますが、いかがでしょうか。
 また、保護者から執拗なクレームを受けた場合、教師はまず個人で対応されるんだと思いますが、最近ではうつ病になったり、休職したりする教師がふえているとも言われております。学校現場の負荷を少しでも減らし、子どもたちと教師が向き合う時間を確保するためにも、教育委員会が責任を持ってしっかりとフォローする体制づくりを強く要望し、質問を終わります。
 2点目は、特色ある学校づくりでございます。中野区では、各学校が創意工夫し、特色ある学校づくりに取り組まれております。特色とは、他校にない独自性を求めるのではなく、子どもが違えば生活している地域も違い、したがって、より弾力的に子どもたちに向き合うことが必要であり、それによりおのずと特色を持たなければなりません。私はこの特色ある学校づくりは、各学校が教育課題を定め、子どもたちとともに学校、先生、時には地域が一緒になって目標に向かい進んでいき、そのことを共有、共感することが大変にすばらしいことであると感じております。
 今年度も特色ある学校づくり重点校として、1,120万円予算が計上され、39校園が取り組まれておりますが、今年度がある一定の区切りの年度になるそうであります。教育委員会は特色ある学校づくりについて、どのように評価されているのか、また学校と家庭、地域社会が連携をとり、子どもたち一人ひとりに向き合えるこの特色ある学校づくりの仕組みを引き続き手厚く支援していくべきだと考えますが、いかがでしょうか、お聞かせください。
 以上で私の質問を終わります。皆さんありがとうございました。
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 酒井議員の御質問にお答えをいたします。
 まず東中野小学校の跡地の問題であります。先ほどの他の議員の方の御質問にもお答えをいたしましたけれども、東中野小学校の跡地につきましては、さまざまな状況の中から、地域で多くの要望や御意見が出ているということであります。多くの御意見の中には、もっともだというのでしょうか、確かにそういった事情にあるなという、そういった御意見もあるわけでありまして、地域の皆様の御意見を十分踏まえながら、よりよい活用の仕方を考えていかなければならないというふうに思っているところであります。今年度中には区としての案を持って地域の皆さんとも協議をしていきたいと思っております。
 小規模多機能施設の進捗状況については、民間活力を活用した小規模多機能型の居宅介護施設等として活用するということが決まっているわけであります。21年度以降の早い時期に整備ができるようにしていきたいと考えております。この施設は利用者が安心して自宅で生活できるように、通いを中心としたデイサービスや訪問サービス、あるいは通いと泊まりを組み合わせたショートステイサービスなど提供する地域密着型の施設ということであります。施設規模については、定員の上限が25人、規模については定めがありません。そうした地域の介護の施設として、皆様に御利用いただきやすいものをつくっていきたいということであります。
 それから、区民活動センター予定地、東中野五丁目の保育園等の建設予定地であります。この区民活動センター予定地につきましては、隣接の保育園建設工事の施工に伴いまして、工事用車両の出入りなどで、用地付近の交通量の増加が予想されることから、今後の開放は想定しておりません。
 それから、東中野地域の子どもたちの遊び場についてということであります。地域の小学生が学年を超えて交流し、活動できる場所として、学校内に(仮称)キッズプラザを順次整備をしていく。その前段として平成21年度からは中野昭和小学校でも遊び場事業を実施していくことを検討しているわけであります。将来は東中野地域の小学生はそこに参加することになるわけでありますが、東中野小学校の跡地を含め、この地域における育成活動でありますとか、乳幼児親子の活動の場所、そうした場所の確保や支援のあり方については区としても検討していきたいと考えております。
 それから、乳幼児親子の居場所や交流の機会としては、すみよし公園等での広場事業や、来年度開設予定の民間保育園等で、地域の子育て活動団体とも連携しながら実施をしていきたいというふうに考えているところであります。
 それから、防犯カメラ設置についてであります。地域での自助努力の一つとして、防犯カメラ等の防犯設備の設置は効果のある対策であるというふうに考えているところであります。区といたしましては、この設置に対し、東京都の防犯設備の整備に対する補助金といったようなものについて、活用を期待するという住民の団体があれば、そのお申し出に積極的におこたえしていきたいと考えているところであります。
     〔教育長菅野泰一登壇〕
○教育長(菅野泰一) 子どもにかかわる防犯につきましてお答えいたします。
 各学校におきます安全教育は、交通安全に関する指導が中心でございましたけれども、池田小学校におきます事件などを契機に、中野区といたしましても、そうした観点で多様な指導内容が行われております。不審者対応のためのセーフティー教室、IT犯罪防止教室、薬物乱用防止教室等、犯罪に巻き込まれないため、また加害者になることがないよう、指導内容の充実を図っているところでございます。子どもたちの安全を守るには、地域や関係機関などとの取り組みが有効でございまして、今後警察等の関係機関や、地域保護者との連携を深めまして、多くの視点を生かした安全教育を充実してまいります。
 次に、規範意識につきまして、お答えします。各学校では、道徳教育をはじめ、学校教育全体を通しまして、心の教育を充実させるとともに、さまざまな集団活動の機会をとらえまして、規範意識を身につけさせるための指導を行っております。また、家庭におけるしつけや、基本的な生活習慣の定着を保護者にお願いしているところでございます。
 中野区でも保護者からの要求や抗議の中には、要求にこたえることが不可能なことや、児童生徒の教育や学校運営上好ましくないような内容もございます。できないこと、すべきでないこと、学校が判断した場合には、その理由に対する説明責任を果たすとともに、毅然とした対応をとることも必要であると考えております。
 それから、特色ある教育活動につきましてお答えします。地域や子どもの実態に応じました特色ある学校づくりを全校で進めておりまして、中野区の学校教育の向上に寄与しているものと考えております。今後とも各校におきます創意工夫を生かした特色ある学校づくりの推進を図ってまいりたいと考えております。
    〔27番酒井たくや議員登壇〕
○27番(酒井たくや) 再質問させていただきます。
 ちょっと確認の意味も込めまして、防犯カメラの点なんですけれども、地域からそういった声が上がったときは、十分に対応していきたいという御答弁でありました。要綱も定めていくという、今すぐに要綱を定めていくんだということだったんでしょうかね。恐らく要綱を定めるんで、対応していくんだと思うんですが、ちょっとそのあたり確認させてください。
 それから2点目、東中野小学校跡地についてでありますが。今年度中にお示しされて、そして地域の声も聞いていくんだという、前向きな御答弁ありがとうございます。あそこの東中野小学校の土地は、数10年前子どもがふえて、東中野の四丁目、五丁目地域にも小学校をという、地域からの声が上がったときに、九鬼男爵というお殿様でしょうかね、そこのお屋敷の用地を地域の方がお願いして、そして九鬼男爵も子どもたちのためならばと、用地を譲ってくれた経緯もあります。そういったやはり歴史や伝統、文化を大切にしていかなければならないと思います。そういったことも含めて、今年度中の早目に、ぜひ東中野小学校の跡地の計画をお示ししていただきたいと思います。よろしくお願いします。
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 再質問にお答えをいたします。
 防犯カメラに関する都の制度活用につきましては、地域の団体の準備状況、御要望等に応じて遅滞がないように、要綱も含め対応をしてまいりたいというふうに思っております。
 それから、東中野小につきましては、御質問にあったように、今年度中できるだけ早く区としての案を固めていきたいと思っております。
○議長(市川みのる) 以上で酒井たくや議員の質問は終わります。

 中野区議会議員 伊 東 しんじ
 1 中野駅周辺まちづくりについて
 2 防災対策について
  (1)防災用井戸について
  (2)その他
 3 行政革新5か年プランについて
  (1)契約・入札改革について
  (2)IT(ICT)の活用について
  (3)その他
 4 その他

○議長(市川みのる) 次に、伊東しんじ議員。
     〔11番伊東しんじ登壇〕
○11番(伊東しんじ) 伊東しんじでございます。区民の皆様の御支援により、再びこの場に立たせていただきました。ありがとうございます。御支援にこたえ、区民の皆様の声を区政につなげるために、自由民主党議員団の一員として、頑張ってまいります。
 さて、質問項目ですが。1、中野駅周辺まちづくりについて、2、防災対策について、細目は防災用井戸についてでございます。3、中野区行政革新5か年プランについて、(1)契約・入札改革について、(2)IT(ICT)の活用について。いずれもさきの区議会議員選挙において公約として掲げたものでございます。理事者の皆様におかれましては、丁寧かつ的確な御答弁をよろしくお願い申し上げます。
 では、早速1番目の項目、中野駅周辺まちづくりについて質問してまいります。
 まず、警察大学校の跡地についてです。
 このことにつきましては、平成13年警察大学校等が移転、その跡地の利用につき、当初予定されていたごみ処理施設の建設が中止となり、一度策定された土地利用転換計画の根本的な見直しが必要となりました。また、中野駅周辺の交通対策や、住宅供給公社住宅を含むまちの更新なども課題として浮上してまいりました。平成17年5月、新たに中野駅周辺まちづくり計画が策定され、これに基づき中野駅周辺まちづくりグランドデザイン、中野駅周辺まちづくりガイドライン2007が策定され、同時に国有財産の払い下げの手続、都市計画手続が進められてまいりました。この6年間、紆余曲折はあったものの、区民の皆様をはじめ、中野区、杉並区、東京都、国、さらにはJRも含め、多くの議論がなされ、大変な御努力により中野駅周辺まちづくりがいよいよ現実のものとなろうとしています。関係各位の御尽力に改めて敬意を表したいと思います。
 さて、こうした流れを踏まえた上で、現在の進捗状況並びに今後のまちづくりを進めるために、確認を必要とする点について質問をいたしてまいります。
 まず、国有財産払い下げ手続の進捗状況ですが、中野四丁目の国有地、いわゆる警察大学校跡地の払い下げの対象、方法は大きく分けて次の3件になるかと思います。一つは中野区に対し道路、公園、中学校、庁舎のための用地を随意契約により、施設整備の時期に合わせて払い下げ。二つ目はガイドラインでいう教育・研究エリア、区域1、区域2の一部の都合3区画ですが、大学施設用地として学校法人に対し見積もり合わせの上、随意契約による払い下げ。最後は商業・業務・居住エリアの区域4、区域5を商業、業務及び住宅用地として、民間に対し一般競争入札により払い下げられることとなっており、既に一般競争入札の手続に入り、入開札日が6月27日、本定例会中でございます。落札者による契約締結日は7月27日までとされていますが、これに相違はないでしょうか、御答弁をお願いいたします。
 この区域4、区域5の国有地の一般競争入札についてですが、入札条件の中に開発条件が付され、さきに都市計画決定された中野四丁目地区計画、中野駅周辺まちづくりガイドライン2007、開発協力金ほかの遵守と、中野区との協議がうたわれております。入札を間近に控え、ガイドラインや、開発協力金について、応札予定者から区に対し問い合わせ等があるかと思いますが、その内容や反応について、入札に差し支えない範囲でお伺いしたいと思います。
 また、中野区や学校法人への払い下げの時期もあわせてお伺いしたいと思います。
 さて、跡地のまちづくりでは、公共施設整備の行政と開発事業者の間の役割の明確さと、中野区として財源の確保が大変重要になってまいります。そこで地区計画に位置付けられている公共施設整備等について質問いたします。
 地区計画に位置付けられている公共施設には、幅員20メートルの区画街路1号、2号、1.5ヘクタールの都市計画公園、1.5ヘクタールの公共空地、幅員12メートルの区画道路1号、2号、1,000平方メートルの緑地、500平方メートルの広場、幅員4メートルの歩行者通路1号、2号、3号があります。このうち区画街路1号、2号と、都市計画公園は本年度用地取得費と道路整備費が予算措置され、区により道路、公園の用地取得、道路整備が行われます。この財源や開発者負担について、昨日公明党の飯島議員より質問がありましたが、いま一度整理して御報告願います。
 次に、これら区画街路、都市計画公園以外の公共施設整備ですが、一般競争入札の開発条件の中で、区画道路並びに緑地は土地取得者により整備、その後区に移管。また、公共空地並びに歩行者通路は土地取得者により整備し、維持管理との条件に相違はありませんか、お尋ねいたします。
 また、区域1、区域2は随意契約により学校法人に払い下げられる場合に、公共施設整備や維持が条件に付されるかどうかについてもお伺いしたいと思います。
 また、中野駅周辺都市基盤整備に資する開発協力金ですが、区は中野区まちづくり基金条例、中野区まちづくり基金として積み立てる中野駅周辺地区都市基盤施設等整備に係る開発協力金の運用に関する要綱で開発協力金について開発前の協議、協定締結を求め、さらに入札条件でこの遵守を求めることで、スキームが確保されております。
 この都市基盤施設の中でも、とりわけ中野駅の改善、駅前広場や自由通路等の整備は、開発により新たに生じる中野駅の乗降客と、交通量の増加や、従前からのJRの改札問題、狭小で人車錯綜する駅前広場問題、駐輪、駐車スペースといった課題を解決するためだけでなく、跡地開発エリアや公社住宅への導入部であり、欠かせない施設となってまいります。中野駅を挟んで、北に跡地の開発、南に公社住宅の建てかえが時を同じくして整い、少しおくれて区役所、サンプラザエリアが開発され、一体化されることで、その間をつなぐ、駅、駅前広場、自由通路が立体的、機能的で、人々を引きつけるまさしく中野の顔として整備されることで、続くサンモール・ブロードウエイエリア、南口エリアの活性化、さらには囲町エリア、JRの操作場をも含むもみじ山エリアのまちづくりへの起爆剤になり得るのではないでしょうか。今後、区、開発事業者とJRなどの協力を得て、ガイドラインに示されているまちづくり協議会等で、こうした積極的な議論、提案が期待されるところであります。区の見解をお尋ねし、この項の質問を終わります。
 続いて、項目の2に移りたいと思います。
 昨日気象庁により、ことしの10月1日より緊急地震速報を一般の方への提供を開始するとの情報が発表されました。地震はいつ起こるかわからないからこそ日ごろの備えが大切で、今後その提供方法の工夫により、少しでも被害を抑えることができることを期待しています。できれば家庭電話や携帯電話で着信できるようになればありがたいと思います。
 さて質問ですが、これも災害に対する日ごろの備えとして、避難所の生活用水確保のための防災用井戸についてでございます。
 避難所において、飲料水の確保は重要ですが、同時に生活用水の確保も環境衛生上、精神衛生上、重要と考えます。区立小中学校等の避難所においては、そのため防災用井戸が設けられており、生活用水に充てられようとしています。しかし、一部の防災用井戸においては、水位の低下により、その水量並びに水質確保に支障を来しているとの情報を耳にしております。また、井戸用ポンプも設置後、年数が経過し、動作状況が芳しくないこと、修理のための部品の調達の困難さが考えられます。区は防災用井戸の水位調査並びに設備の動作確認を定期的に行っているのでしょうか。今後避難所における生活用水の確保のため、防災用井戸の掘削深度並びに設備の更新をどう考えているのか、学校施設再編を考慮しての区の見解をお尋ねいたします。
 続いて、項目の3、行政改革について質問してまいります。
 著しい日本の社会構造の変化と、国、地方の役割の見直し、地方自治体の自己責任、自己決定、自主財源の強化といった流れの中で、行政改革が求められています。
 また、IT、(ICT)の急速な発展と、電子政府、電子自治体の推進、e-japan戦略、u-japan政策といった国策によって、LGWAN並びに電子自治体共同運営など、自治体の外部、あるいは関連したネットワークへの接続や、情報処理の革新も求められております。
 一方で、入札談合や、落札価格の高どまり、あっせん、口ききといった悪い報道も後を絶ちません。また、設備投資や、業務のアウトソーシングにおいても、多大な仕様を求めたり、将来性や全体最適性、ライフサイクルを見据えた投資判断に欠けたりといった広視野、効率的な財政運営に欠ける点が見受けられてきました。これら行政の課題に対してどう取り組んでいくのか。中野区行政革新5か年プランは、こうした行政課題を反省し、小さな効率的公共経営や、新たな公共サービス構築のための指針として昨年3月策定され、本年度は新たな契約、入札制度の導入、税処理効率化のための税総合システムの導入が予定されています。
 そこで中野区行政革新5か年プランにある契約、入札改革、IT(ICT)の活用といった取り組みについて、行政改革の視点で順を追って質問してまいります。
 まず、契約・入札改革ですが、冒頭申し上げましたように、入札談合、あっせんといったたび重なる不正報道と、落札価格の高どまりなどで、入札・契約に対する区民の目、耳は殊さら敏感になっております。また、役所の調達コストは、随意契約にしても、どうしてこう高額なのかという区民の声は日常のこととなっています。今まで区はこうした課題改善に向け取り組んできたというものの、その効果はあらわれず、改善に至っていません。今回の契約・入札改革にしても、自治体の調達の目的である住民の税を用い、でき得る限り効率的に、できるだけ質のよい施設、サービス、物品を調達することを見失い、不正行為の排除や、入札関連業務の効率化、入札の透明性向上、品確法を見据えた総合評価、また落札制度の導入を柱とした単なる制度改革に終わってしまっては、行政革新とほど遠い結果になりかねません。
 そもそも自治体の調達が需要に即していて、過大な仕様などのむだがなく、かつ民間の目で見て、適正価格での調達であれば、予定価格に対する落札率が90%を超える高率でも、入札に対する区民の批判は多くないはずです。もちろん談合、あっせんといった不正行為に厳しい批判が集まることは当然でありますが。昨今は右肩上がりの経済成長の終えんや、就労人口の減少などから、税収の減少に対し、需要に対する過大な供給は少なくなっていますが、効率性という視点では改善の余地があり、特に予定価格の適正化ということにおいては、ほとんど手がつけられておらず、相変わらず民間における上代価格、あるいは設計価格の積み上げをもって予定価格とし、市場価格、実勢価格とは大きく乖離しているのではないでしょうか。調達コストの適正化を図るのであれば、入札に頼るのではなく、予定価格をこそ適正価格に近付ける努力が必要です。そこでお尋ねしますが、調達のための予定価格と適正価格、市場実勢価格に対する区の見解をお尋ねいたします。
 また、今回の契約・入札改革では、今まで手をつけられずにいた予定価格の適正化といった改革は目指されるのでしょうか。
 指名競争入札から一般競争入札に切りかえることや、電子入札制度の導入により、談合等による調達コストのつり上げはある程度抑えられたとしても、入札参加者の業務遂行能力等の的確な判断が課題となったり、価格を抑えるために、品質を落としたり、あるいは無理をして請負者の体力を疲弊させたりして、結果目的物より粗悪なものしか得られない事態が起きかねません。安かろう悪かろうであってはならないのです。
 例えば耐震偽装問題です。利潤追求に走るあまり、品質確保がおろそかになり、多くの被害者を生みました。できるだけ安くという命題、品質に不備があってはならないという命題、最近はさらに地球温暖化問題など、環境に配慮するといった命題などが加味され、こうしたはざまで最良の結果を生み出すための仕組みが常に模索されなければなりません。
 こうした課題への対策の一つとして導入が模索されている総合評価方式があります。総合評価方式は価格だけではなく、技術力、品質を評価の対象に加え総合的に評価する方式で、過剰な競争やダンピングを排除し、品質、性能を担保する制度として喧伝されています。この制度でも、求める品質に対する正確な価格情報が十分に収集、分析されていなければ、適正な予定価格が得られず、結果品質にばかり目が行ってしまい、効率的な調達の達成がかなわないだけでなく、新たな制度の形骸化を招きかねません。こうした点を踏まえ、いま検討をされている契約、入札制度に対する区の見解をお尋ねいたします。
 現在、技術の進歩著しい中で、将来をも見据えて、最良の性能、品質を選択することは大変難しい課題です。自治体のように広い範囲にわたり事業を遂行していくには、なおさらのことです。先ほど適正な予定価格を得るために、求める品質に対する正確な価格情報を十分に集積、収集、分析が必要と申し上げましたが、これだけでも膨大な情報と、それを分析する職員が必要となってまいります。ましてや自治体が発注者として調達すべきものの性能、品質を指定するのであれば、さらに広範な情報収集、情報分析が求められます。常に新たな技術の研さんにしのぎを削る民間の技術力に、自治体職員が比肩することは不可能と言っていいでしょう。
 そうした中で、最良のものを調達しなければならない自治体。こうした問題をクリアする方法として性能発注という制度があります。従来のように細かに仕様を定めて発注するのではなく、調達の目的とそれに伴う性能、予定価格を提示し、それに沿った形での価格を含めた提案を求める方式で、公募型プロポーザル方式と言ってもいいと思います。ここで言う予定価格は積み上げによる価格ではなく、財政フレームから決定した目標価格になります。
 この方式にしても、提案された仕様等について、当初目的とした性能が担保されているか、性能に見合った価格であるかを判断するには、先ほどの情報収集、分析といった仕組み、人材の確保が必要です。この情報の収集、分析のための仕組み、人材を第三者の評価と称して、完全に外部にゆだねてしまえば、プロセスの透明性は担保できても、情報の収集、分析など、ノウハウの蓄積が滞り、結果発注業務に支障を来してまいります。
 以上のことから、契約・入札改革を考える場合、常に最新の情報を収集する手段や、集めた情報を分析する人材育成を自治体として確保し得るか、あるいはそれにかわる制度を模索しなければならないかと考えます。区の見解をお尋ねいたします。
 続いて、行政革新5か年プランのIT(ICT)活用についてお尋ねいたします。
 5か年プランのIT(ICT)活用の取り組みでは、文字どおりIT、通信情報技術活用により、迅速な情報提供を目指すとともに、マルチペイメントネットワーク、いわゆるATM、電話、パソコン等の各種チャネルを利用して、公共料金等の支払いができる電子決済ネットワークや、電子申請のサービス拡充など、公共サービスの利便性向上を目指していると考えられます。このうち中野区が目指すマルチペイメントシステムとはいかなるものなのか、住民税、国民年金保険料、国民健康保険料などの国、関係機関の電子決済化の動向にあわせてお尋ねいたします。
 19年度、20年度で導入を目指した税総合システムについてですが、現在のシステムは昭和60年に導入され、システム自体が大変経年していること、さまざまな税制改革や、区民サービスにとって、その便利さを追求していく上では、新しいシステムが必要であるとのこと、このような理由で、導入を検討されたと聞いております。さきの質問との関係、いわゆる電子決済との関係が導入の経緯の一部と関係しているのではないでしょうか、お答えを願います。
 さて、今回そのシステム導入を一時凍結、コンサルによるシステムの再検討、システム導入ガイドライン策定のための補正予算計上をする予定とのことですが、その点について、そこに至る経緯についてお尋ねいたします。
 導入するシステム、あるいは業者の選定について、従来と同様内部職員により導入を目指してきたが、大規模な施設でもあり、内部職員だけではなく、客観的、かつ専門的な判断が必要であり、加えて中央電算システム以外に、部署によっては小さな住民記録のデータベースの乱立が目立ち、システムが複雑な状況、あるいは重複投資が発生している。こうした住民情報系システム全体最適性が実現されていないという事情と、さらに従来はシステム開発導入が中心で、手作業で処理するよりは、経費を比較すれば効果的と認められやすいという点に視点が置かれて、企画計画段階におけるライフサイクルコストによる費用対効果分析が厳格に要求されてこず、分析も行われてこなかったことを外部評価で指摘され、税総合システムだけでなく、住民情報系システム全体の最適化、効率化を検討すると同時に、システムの導入の企画の段階から、開発、廃棄の段階まで、調達プロセス全体を管理する標準的な手続や手順を定めるガイドラインを策定する、そうした必要性、そのために今回の補正予算の計上になったという認識でよろしいでしょうか。この件につきましては、補正予算ということもありまして、詳細は所管の総務委員会にゆだねるとして、概要につき御答弁をお願いいたします。
 以上、契約・入札の改革、IT活用について質問してまいりました。行政革新5か年プランでは、ほかにさまざまな目標を設けていますが、真の改革を目指し、市場化テスト、業務のアウトソーシング、費用対効果などの効率的で的確な判断をしていくためには、職員の意識改革並びに民間の提案を含めた事業計画を判断、分析するノウハウの内部蓄積、あるいはこれにかわるシステムを構築することは大変重要と考えております。区長の見解をお尋ねいたしまして、すべての質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 伊東議員の御質問にお答えをいたします。
 警察大学校跡地の処分先、また処分方法についての御確認という意味での御質問がありました。詳細厳密に上げての御質問であります。御質問のとおり相違がないということで、まずお答えをさせていただきます。
 それから、ガイドラインや開発協力金について、応札をする予定者からの問い合わせ等、反応があったかという御質問であります。入札が告示をされた後に10社を超える企業からの問い合わせがありました。問い合わせはガイドラインの内容でありますとか、他の事業者との建築計画の調整方法、また開発協力金の仕組み、さらに今後の地区計画の変更に向けた調整事項の確認といったことが主なものであります。各企業ともに用地取得の要望は高く、またガイドラインや協力金の要綱に示す区の考え方もよく理解していただいているという感触を得ているところであります。
 それから、区や学校法人への払い下げの時期についてであります。区の都市計画道路及び公園についての払い下げの時期は、今年度中を予定しております。5月に落札した大学については、7月末に国と契約締結するように聞いております。大学等学校法人への払い下げが予定をされております警察病院西側の区画、これは今回落札者が決まらなかったわけでありますが、7月以降再度公募する予定というふうに聞いているところであります。
 区画道路の公園等の整備の財源などについての御質問もありました。区画街路と都市計画公園の用地取得や整備の財源は、国のまちづくり交付金、都の都市計画交付金及び起債、それから一般財源を予定をしているわけであります。この起債につきましては、起債の償還額の元利償還分について、都区財政調整制度からの交付が得られるという見通しでいるわけであります。
 開発者負担に相当する開発協力金については、中野駅周辺に新たにさまざまに発生する負荷、交通負荷、あるいはさまざまな施設設備の必要性、そういったことに対応して、中野駅周辺の都市基盤施設の整備によって、著しい受益を受けるという開発業者でありますから、応分の協力を求めていくというわけであります。したがいまして、開発協力金につきましては、中野駅周辺のまちづくりで今後必要となりますさまざまな都市基盤施設の整備財源に活用させていただくことにしているわけであります。
 それから、公共施設の整備、整備の後の管理等に関する問題であります。区画街路と都市計画公園以外の公共施設整備につきましては、跡地の西及び南側に配置する区画道路と、囲町に接する緑地は、土地取得者が整備した後、区が移管を受けて管理することとしております。防災公園と一体的に整備をする公共空地や、歩行者通路及び区域4の南側の広場につきましては、土地取得者が整備並びに維持管理を行っていくということで、御質問のとおり相違ないものであります。区域1、2の学校法人につきましても、同じような条件が付されているわけであります。
 それから、JRとの協議ということであります。中野駅地区は、各地区での開発にあわせて、交通結節点、また中野のまちの玄関口、そして都市サービス機能を有するにぎわいの拠点として、また各まちを結ぶ回遊動線の結節点として、魅力あるシンボル性の高い地区として整備していく必要があると考えているわけであります。そのため、中野駅舎、自由通路及び駅前広場のあるべき姿を検討し、現時点における複数の整備構想に関する案をまとめたところであります。今後は今年度JRとの協議を含めて、より実現性のある構想案に高めていくこと、その案の作成と、計画の具体化に向けた検討を進めていきたいと思っております。
 それから、防災用の井戸の維持管理についての御質問がありました。
 防災用の井戸が設置をされております避難所は48カ所あります。水位調査については実施をしておりません。しかしながら、定期的に井戸水をくみ上げるということで、動作確認を行っております。現在5カ所について水の出が悪いという報告があって、調査を行っているところであります。掘削の深度ですけれども、防災用井戸の掘削の深度は、関東ローム層と礫層との間の水脈まで掘削することとしているわけでありまして、場所によって10メートルから20メートルの範囲ということで定めております。また、ポンプ等の設備につきましては、故障であれば修理を行い、更新が必要なものについては、適切に更新をするという方針で行っております。
 それから、調達のための予定価格、適正価格、実勢価格についてどう考えているのかという御質問であります。予定価格につきましては、国や東京都の示す最新の基準に基づいて、中野区として積算の標準及び単価を定めて積算を実施して設定をしているわけであります。こうした作業によって、予定価格が品質を保証した上で、経済合理的な適正な価格に限りなく近づくように努めているところであります。
 なお、その積算のもととなります各用材、諸経費の実勢価格につきましては、常に市場の動向を調査しているわけであります。今回の改革におきましては、今申し上げましたようなこうしたプロセスが十分に機能しているかどうかという観点からも点検をし、改善の必要があるか否か、検討していきたいというふうに思っております。
 それから、契約、落札制度改革に関連しての御質問であります。現在検討しております契約・入札改革は、入札・契約の過程における透明性の確保や、公正な競争の促進、談合その他の不正行為の排除の徹底によりまして、適正価格と品質の確保を目的としているわけであります。このため総合評価入札方式や、プロポーザルデザインビルドなどの多様な入札方式を検討しているところでありますが、こうした方式に対応できるように、最新の広報や技術の評価、市場動向の把握など、職員の技術レベルの向上が欠かせないと考えているわけであります。
 これまでの職員も、ただ単につくるものが何なのかわかればいい、その管理をしていけばいいというだけではなく、最新の工法、技術等について評価分析ができるといった技術を身につけていくことが大事であると考えております。さらに、それだけではなく、高度に専門的な発注など想定する場合には、必要に応じて専門家や経験者の採用、期限付きでの経験者の採用といった形で、区の中にそういった専門技術を一定蓄積させていくということが、民間の活用においても必要だと考えているわけであります。
 それから、マルチペイメントシステムについての御質問もありました。マルチペイメントは利用者等がインターネット回線を通じて、各種料金等の支払いができるようにするシステムであります。中野区では区民の利便性の高いサービスを実現するために、24時間365日納付できるマルチペイメントネットワークシステムを導入し、今後も積極的に拡大をしたいと考えております。既に電子申請に伴う使用料、手数料につきましては、本年2月からマルチペイメントネットワークシステムによる支払いを開始しているところであります。
 また、住民税や国民健康保険料については、平成21年度以降の導入を目途に検討を進め、他の納付金につきましても順次拡大に努めていきたいと考えております。
 税総合システムと電子決済の関係ということであります。税総合システムは、区民サービスの向上、また税制改正に伴うシステム対応、また効率的、効果的な事務処理体系の構築といったことを目指したものであります。この区民サービスの向上や、あるいは効率効果的な事務処理体系といった中では、マルチペイメントネットワークなど、新たな決済手段にも対応できるシステムとして検討をしてきたところであります。
 それから、第三者評価の実施と補正予算計上に至る経緯についての御質問もありました。税総合システムの導入につきまして、外部評価を実施しましたのは、税総合システムの導入を検討してくる中で、中央電算システムとの連携やデータ移行などを検討していきました。その結果、税総合システムのライフサイクルコストが、当初予定していたよりも大幅に増加をしたわけであります。そうしたことから、外部の専門家によってそうしたことの妥当性とか、あるいは費用対効果分析などをして、もう一度この調達について検証しようというふうに判断をしたわけであります。
 その結果として、今回のような補正予算という形になったのは、第三者評価の指摘、提言を踏まえまして、その指摘、提言の中では、やはり住民情報系システム全体がさまざまにコンピュータのシステムが変化、進歩をしてくる中で、現在の住民情報系システムが、最適を欠いているということが明らかになり、それが今回の税総合システムの導入の中で、明らかになってきたという経過もあることでありまして、住民情報系システム全体の最適化計画と、そしてそうした情報システムの調達を進める上での調達ガイドライン、全体最適を考えながら、ライフサイクルコストをしっかりと把握をしながら調達をしていくような、そうしたステップをきちんと確立をするという、調達ガイドラインを策定することが不可欠であり、それがまず必要であるというふうに考えたところから、今回のような形になったということでありますので、御理解をいただきたいと思っております。
 私からは以上であります。
○議長(市川みのる) 以上で伊東しんじ議員の質問は終わります。
 お諮りします。
 議事の都合により本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、これに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(市川みのる) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
 次の会議は、6月25日午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。
 本日はこれをもって延会いたします。
      午後5時09分延会