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平成19年11月28日中野区議会本会議(第4回定例会)の会議録
平成19年第4回定例会本会議第2日(11月28日)
1.平成19年(2007年)11月28日、中野区議会議事堂において開会された。
1.出席議員(42名)
1番 内 川 和 久 2番 ひぐち 和 正
3番 白 井 秀 史 4番 平 山 英 明
5番 つぼい え み 6番 いながき じゅん子
7番 林 まさみ 8番 山 口 かおり
9番 せきと 進 10番 いでい 良 輔
11番 伊 東 しんじ 12番 佐 野 れいじ
13番 北 原 ともあき 14番 南 かつひこ
15番 小 林 秀 明 16番 の づ 恵 子
17番 奥 田 けんじ 18番 近 藤 さえ子
19番 牛 崎 のり子 20番 小 堤 勇
21番 吉 原 宏 22番 大 内 しんご
23番 伊 藤 正 信 24番 きたごう 秀 文
25番 久 保 り か 26番 やながわ 妙 子
27番 酒 井 たくや 28番 佐 伯 利 昭
29番 むとう 有 子 30番 長 沢 和 彦
31番 か せ 次 郎 32番 山 崎 芳 夫
33番 斉 藤 金 造 34番 篠 国 昭
35番 市 川 みのる 36番 岡 本 いさお
37番 飯 島 謹 一 38番 江 口 済三郎
39番 藤 本 やすたみ 40番 佐 藤 ひろこ
41番 来 住 和 行 42番 岩 永 しほ子
1.欠席議員
な し
1.出席説明員
中 野 区 長 田 中 大 輔 副区長(経営室) 石 神 正 義
副区長(管理会計室) 沼 口 昌 弘 副区長(政策室) 西 岡 誠 治
教 育 長 菅 野 泰 一 区民生活部長 大 沼 弘
子ども家庭部長 田 辺 裕 子 保健福祉部長 金 野 晃
保 健 所 長 浦 山 京 子 都市整備部長 石 井 正 行
拠点まちづくり推進室長 谷 村 秀 樹 教育委員会事務局次長 竹 内 沖 司
計画財務担当課長 長 田 久 雄 経営担当課長 川 崎 亨
1.本会の書記は下記のとおりである。
事 務 局 長 山 下 清 超 事務局次長 髙 橋 信 一
議事調査担当係長 大 谷 良 二 書 記 黒 田 佳代子
書 記 永 田 純 一 書 記 荒 井 勉
書 記 菅 野 多身子 書 記 廣 地 毅
書 記 松 本 明 彦 書 記 丸 尾 明 美
書 記 鳥 居 誠 書 記 杉 本 兼太郎
書 記 岡 田 浩 二 書 記 松 本 桂 治
議事日程(平成19年(2007年)11月28日午後1時開議)
日程第1 第59号議案 平成19年度中野区一般会計補正予算
午後1時00分開議
○議長(市川みのる) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。
本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。
昨日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 斉 藤 金 造
1 鈴鹿市(庁舎の建替え、まちづくり、行政情報化基本計画)、高浜市(アウトソーシング)の視察を通して見た中野区の取り組みについて
2 法人二税の配分見直しについて
3 組織改正と職員体制について
4 私立保育園の園舎等について
(1)私立民営化保育園の耐震診断について
(2)老朽化した園舎の計画的な建て替え助成制度について
5 その他
○議長(市川みのる) 最初に、斉藤金造議員。
〔斉藤金造議員登壇〕
○33番(斉藤金造) 平成19年第4回定例会に当たり、自由民主党の立場から一般質問をいたします。
質問は、鈴鹿市、高浜市の視察を通して見た中野区の取り組みについて、法人2税の配分見直しについて、組織改正と職員体制について、私立保育園の園舎等についての順番で行います。
今月の1日、2日と三重県の鈴鹿市と愛知県の高浜市を視察させていただきました。鈴鹿市は、一般会計の予算が、本年度539億円余、主な産業は自動車産業、ホンダ自動車工業で、昨年の8月に総工費106億円余で新庁舎が完成され、バリアフリーを導入し、多目的トイレやわかりやすい案内表示を設置する等、来庁舎の方に利用しやすい庁舎となっているようでありますし、太陽光発電、自然換気、また雨水をトイレの洗浄水や植栽の散水に利用し環境にも配慮されたようです。また、防災拠点としてもヘリコプターの緊急救助スペース(ボトリングスペース)を設置するなど、大震災などの震災時には防災の拠点として整備されている15階建ての新庁舎です。しかし、10数年かけて60数億円の建てかえの基金を積み立てていたとはいえ、おおむね市民の皆様には、こんな立派過ぎるものをつくってと不評とのことであります。
帰路、名鉄の鈴鹿市役所駅で、同僚の公明党の飯島議員が、「斉藤君、駅前の商店街が20数軒ある中で営業しているのは数軒、駅ビルもテナント募集中との張り紙が相当古くなっており、これでは地方との格差が広がっているので自民党、公明党が今夏の参議院選挙で地方で大敗したのもわかるよな」と感想を述べられ、そこにいた駅員さんに、「いつごろから駅前はこんな状況なんですか」とお聞きしたところ、「10数年前からこんな状況ですよ。私が七、八年前に転勤してきたときも駅ビルは既にテナント募集をしていましたので、何年も変わっていません」とのことでした。主産業の自動車産業は鈴鹿市でも「とくだ地域」とのことで、市庁舎のある地域が市としてのまちづくりがおくれている印象はあるものの、市庁舎と近隣の商店街とのあまりのギャップに驚きました。
そこで区長に質問しますが、中野区でも将来、区庁舎の建てかえに当たりどのような配慮をされるのか、その建設資金をどのように考えられているのか、また区民への理解をどのように進めていくかの3点をお聞きいたします。
さらに、中野駅を中心とした整備も10か年計画にあるように、本当に重要な課題でありますが、中野区の顔としての位置付け、商業活動の基点、交通アクセスの基点等々に対する区長の決意を改めてお尋ねをいたします。
次に、鈴鹿市の地方都市行政視察の目的、鈴鹿市行政情報化基本計画を参考にしてお聞きいたします。
鈴鹿市では、新庁舎建設に伴って情報通信ネットワークの再構築を行い、情報システムごとに複数存在した庁内の情報ネットワークを結合してパッケージシステムを採用しての一元管理を実現したとのことです。また、ITを利用した行政運営の効率化を図るため、税、住基の基幹業務系システムを見直し、汎用機からオープン系へのサーバーへの移行などにより、5年間で15億円の運用コストを約8億円に削減することを目指しているということでもあります。
中野区でも住民情報系システム全体最適化計画(案)の中で、中央電算システムの再構築について、現在、ホストコンピュータの上で動いているプログラムをそのまま転換をしてオープン系のサーバーに移行する方法(リホスト)で大幅なコスト削減を実現するとしていますが、これによって5年間の運用経費の削減額はどのくらいになると見込んでいるのか。経費の削減だけではなく、リホストを採用することのメリットを追求し、将来のシステム全体適正化計画(案)を構築するための人員の育成、充実をどのように図られていかれるのかをお尋ねいたします。
なお、区民の方にも中野区の将来がどのような方向を目指していくのかも示さなければならないと思いますが、区長のお考えをお聞かせください。
翌日の高浜市では、アウトソーシング(外部委託)戦略について視察を行いました。
高浜市は、人口4万3,000人余、予算規模は、一般会計で118億円余でやはり交付税不交付団体であります。産業は、こちらはトヨタ系輸送機関連産業を中心に展開されているとのことであります。
行政改革への取り組みとして、昭和60年、行政改革大綱を策定し、その重点項目として、当区と同様に、1、公共施設の管理運営の合理化、2、幼稚園、保育園の運営の見直し、3、施設の管理運営を推進し、実現を図るために高浜市総合サービス株式会社、これは高浜市の全額出資、資本金5,000万円を平成7年3月31日に設立し、4月より委託を始めたとのことであります。会社の経営方針は、1、時代をとらえた事業の展開、2、行政と市民のすき間に入った事業の展開、3、多様な人材の確保、育成により質の高いサービスの提供、4、市民ニーズに沿った心の通うサービスの提供となっております。役員は、取締役が11名、監査役が2名で、いずれの方も無報酬で働いておられるとのことであります。
事業を紹介いたしますと、1、公共施設管理サービス、2、医療事務サービス、3、給食サービス、4、用務員サービス、5、市役所窓口サービス、6、国保をはじめとする事務支援サービス、7、水道事業サービス、8、公用車運転サービス、9、交通防犯サービス、10、清掃サービス、11、物販サービス等々多岐にわたっております。売上高は、平成7年、初年度でありますが、2億4,000万円余より、平成18年には6億4,000万円余と高成長を遂げております。利益もここ数年4,000万円以上と、順調に推移しているとのことであります。
高浜市の総合サービス株式会社へのアウトソーシングによる効果は、1、財政面で年間3億9,500万円、2、定員管理での効果は95人、3、雇用創出面での効果は227人である説明を受けました。
そこで区長にお尋ねしますが、高浜市が行っている、1、みずから実施すべき必要性を検証し、2、コスト比較、効率性、費用対効果の分析、3、サービスの質の確保、4、法令を遵守しつつ事業を細分化して適正な事務執行を確保しつつ、1階の市民課はもちろん、どのフロアでも制服を着用しているのは総合サービス株式会社の社員とスーツの市役所職員が混在して仕事をしていました。中野区としても職員の2,000人体制への取り組みの中で参考にして積極的に進めるべきだと考えますが、お尋ねをいたします。
なお、間近に計画しています地域センターの地域での管理委託にも、高浜市の総合サービス株式会社のような取り組みが取り入れられないかというのもお聞きをいたします。
次に、法人2税の配分見直しについてお尋ねをいたします。
政府税制調査会は、11月5日の総会で、社会保障の安定財源として消費税引き上げなどを柱とする2008年度税制改正答申の骨格を固めたと一部マスコミから報道されました。この答申では、都市、地方の財政力格差是正、証券優遇税制の廃止、道路特定財源の本来の税率より高い暫定税率維持も入れ、11月末をめどに福田康夫首相に答申を提出する予定であります。
首相は、社会保障の安定財源を確保し、将来に負担を先送りしないのは政治の責任とし、国民の目線に立つ審議を要請いたしました。この08年度税制改正答申では、地方法人2税、いわゆる法人事業税と法人住民税の配分方法を見直す方法が盛り込まれています。この見直し方針の内容は、法人2税を国が一括徴収し自治体の人口や事業所数、従業員数に応じて企業の進出が少ない地方の自治体への配分をふやし、東京都などの大都市圏と地方の財政力の格差を是正することが目的とされています。
自由民主党の地方活性化特命委員会の委員長で、我が党の税制調査会顧問の野田毅氏は、10月22日、地域間の税収格差是正のため地方法人2税の見直しについては、2008年の税制改正の中心課題の一つで、年末の与党税制改正大綱に盛り込みたいと述べ、地域間の格差是正の具体策を言及する考えを示しています。さらに、同氏は、10月29日のある新聞社のインタビューで、2008年の格差是正は、とりあえず都道府県を優先し、行く行く法人2税は地方自治体全体の共通の財源とするとして、年末までに検討するべきとしています。
この税制改正が財務省で検討されている法人2税を国は一括徴収し、地方の自治体へ再配分する方法で行われた場合、東京都の影響額は1兆円を超えると試算されています。また、仮に総務省が主張する法人2税と消費税の税目交換をする方法で行われた場合でも、東京都の影響額は5,000億にもなるとされています。こうした国の動きに対して東京都は10月、都市地方の共倒れを招く法人2税の格差是正策に対して反論しています。
先日、石原都知事とお会いしました。知事は、国が強引に法案を作成するなら告訴も辞さない。我が党のこの地域から出ております松本代議士も、区民、都民のために大いに地方議員と戦ってくれとはっぱをかけていました。
都はその反論の一つ目で、現在の地方財政の困窮は、国がバブル経済崩壊のツケを地方に押しつけた結果であると言及し、国は三位一体改革に名をかりて、3年間で5兆1,000億の地方交付税を削減し、地方から財源を奪い、さらに国庫補助負担金改革による財源移譲を行ったが、結果、地方の財源が1兆円も削減され、地方への権限移譲となっていません。
また二つ目で、都市から地方へと税を再配分する小手先の手法は、地方財政を困窮させた国が地方全体の財源を召し上げるものであり、都市と地方にとって利点がないとしました。この背景には、地域間の税収の偏在は既に地方交付税によって調整済みで、その偏在は長期的に縮小しているとしています。
三つ目では、日本を牽引している都市の衰退は国全体の衰退につながるとし、その理由として、東京が日本を牽引していくためには、道路や空港、港湾、それにまつわるインフラ整備など取り組む課題があることや、また東京が抱える膨大な財政需要を放置することにより東京の活力が奪われ、国全体が疲弊するとしております。
そして最後に、東京都から、地域を活性化し地方が自立することこそが目指す方向として五つの提案がされています。
一つが、国が責任を持って地方の真の意味での自立化をし、活性化させるための総合的な振興策を立案し、実行すること。
二つ目に、分権改革を先延ばしせず早急に実現するため、1、国の関与は原則廃止、2、国の二重行政を廃止し地方に原則すべて移管すること。
三つ目に、小手先の対策ではなく、真に地方が財政的に自立できるよう、1、消費税の引き上げ、国と地方の配分について抜本的な検討に入ること、2、地方の実態を踏まえた必要かつ十分な地方交付税の原資を確保すること。
四つ目に、緊急的、臨時的な措置として、三位一体改革の名のもとで削減した5兆1,000億の地方交付税を、国の責任と財源で最大限回復すること。
最後に、東京都は、志と意欲を持って努力をしている自治体と手を携え、地域の活性化のためにともに知恵と努力を続けていくとしています。
そこで初めに、こうした法人2税をめぐる国や政府税調の動き、そしてそれを受けた東京都の反論について、区長はどのような見解をお持ちか、お伺いをいたします。
次に、こうした国や政府税調の動きや都の反論に呼応して特別区の区長会、議長会の果たす役割も重要となってきています。特別区長会は本年の6月、真に見直すべきは国と地方の関係として、東京富裕論に対しての反論をしています。
また10月25日には、特別区区長会として総務大臣、財務大臣、そして自由民主党東京都支部連合会に、地方税収格差問題への対応について要請を行っています。この中で仮に一方的な税制改正が行われれば、特別区は防災対策をはじめとする膨大な大都市需要に対応できなくなるばかりか、区民からの要望が強いセーフティーネットの維持のための福祉施策にも甚大な影響をもたらすとしています。また、そもそも景気の影響を受けやすい法人2税を、現在の好調な税収をとらえて大都市の財源を地方に再配分することは、特別区だけでなく地方の将来に向けた財政運営に支障を与えるおそれがあるとし、東京固有の財源を地方間の格差是正の財源にすることを見直すことを求めています。そして、本来は国と地方の役割分担に実質的な見直しを行い、権限と財源の移譲が行われることを要請しています。
一方、議長会においても10月18日には、法人住民税の税収の配分方法の見直しに反対する決議を行っています。この中でも、本来、地方財源の確保は国の権限と財源の地方への移譲などにより行うべきものであるとし、国の責任を東京をはじめとする大都市財源に転嫁させるものであり、断じて容認することはできないとしています。
こうした中で東京都は11月9日、国の地方分権改革推進委員会の丹羽宇一郎委員長に対して、地方分権改革の推進についての提言を行いました。この提言の中では、地域間の格差是正の論議があるが、地方間の税財源の配分を見直すことで豊かな地域社会を実現できるわけではないとし、地域の活性化を図るために地方の役割を積極的に拡大をし、それに見合った安定的な税財源をまずは講ずるべきであり、地方がみずからの判断と責任において施策を展開できるようにすることが不可欠であると、国の責任を強く訴えています。
私は、一昨年以来、国の補助金は年々削減される中、特別区の収入の基幹的な財源である特別区民税や都区財政調整交付金などの顕著な増により、10数年ぶりに区の基金残高が約300億円を超えたことになったことに一定の安堵をしていたところでありますが、こうした国の動きが現実的なものとなった場合、今後の区財政にもたらされる影響を大変懸念しているところであります。特に、都区財政調整交付金の大きな原資である法人住民税が、国が一括徴収し地方の財源に転嫁されることになれば、そもそも地方交付税すら交付されていない特別区の財政は破綻の一路を歩むことになるとも言わざるを得ないと思います。
このことは、実際の数字で見てみればその影響は明らかであります。19年度の都区財政調整の当初算定結果では、市町村民税法人分は約7,400億円を見込まれており、そのうち調整税に影響する額は約4,140億円と言われています。この4,140億円の55%、約2,280億円が特別区に影響する額で、中野区の交付金は、現在のシェアで約78億円の影響を受けることになると試算されています。
中野区は、今後新しい中野をつくる10か年計画の推進、区の施設や道路などの社会資本の再整備、中野駅周辺や西武線の連続立体化に伴うまちづくりなど、多大な財源を投じなければならない事業がありますが、2008年の政府税制改革大綱に盛り込まれた法人2税の格差是正策が仮に実施された場合、区の財政計画はもちろん、10か年計画自体も大幅な修正を加えなければならないと思われます。
区が、平成19年の1月に策定した財政運営の考え方の中にも、昨今法人税を中心とした税制改革の動向次第では、特別区交付金の大幅な減少が懸念される。こうした不安定要素による影響を最小限に抑えるため、強固な財政基盤の確立が求められているとしていますが、税制改正が現実的な問題となっている今、早急に強固な財政基盤の確立を具体的に進めるべきだと考えますが、区長のお考えをお伺いいたします。
最後に、東京都の法人2税の格差是正策の反論でも、見直しが実行された場合は、東京都は数年以内に財政再建団体に転落すると述べられており、東京都に財政面での依存度の高い特別区においても、結果、東京都と共倒れになる可能性があります。こうした国の法人2税の格差是正策については、その撤回と、そもそも地方財源の確保は国と地方の役割分担の実質的な見直しを行い、権限と財源の移譲を行うべきであることを、東京都や都議会、特別区の区長会、議長会が連携を密にして国に強く要請していくべきと考えますが、区長の御決意を伺い、この項の質問は終わります。
次に、組織改正と職員体制についてお伺いをいたします。
田中区長が就任以来、中野区では毎年のように組織改正が行われています。大きくは平成16年度の事業部制の導入から始まり、今年度は経営本部体制を導入するなど、毎年のように組織改正が行われてきました。組織改正は、職員の仕事の効率を上げることや職員総体が仕事をしやすくなることはもちろんですが、言うまでもなく、地方公共団体の組織目標が住民福祉の増進であり、区民にとってサービスの向上や区民にとってわかりやすい組織というのも重要な視点だと考えております。そうした視点から幾つかお伺いをいたします。
まず、事業部制を導入することによってどのようなねらいがあり、どのような成果があらわれたのかをお伺いいたします。
また、事業部制をとられて3年たつわけですが、これをどのように総括、検証されて今回の経営本部体制を導入されたのかをお伺いいたします。
また、その総括、検証の上で今回導入された経営本部体制は、どういったねらいがあって導入されたのかを改めてお聞きをいたします。
区民の方々から、組織が毎年変わってどこに行ったら自分の用件が足せるのかわからないという声をよく聞きます。また、組織改正はあくまで行政の都合であり、区民の立場になって考えられていないとも言われております。そうした区民の声に対してどのように考えていられるのかをお尋ねいたします。
いずれにいたしても、2期目に入りました田中区政ですが、新しい中野をつくる10か年計画も半ばに差しかかろうとしている状況の中で、たび重なる組織改正を続けることは、区民にとっても、職員にとっても混乱を生じる結果となると考えます。しっかりと地についた組織の中で10か年計画の着実な実現を進めていただきたいと思います。
次に、職員体制についてお伺いをいたします。
21世紀を迎え、少子・高齢化、住民の価値観の多様化、環境に対する関心の高まりなど、社会経済状況が大きく変化する中で、地方公共団体に対する行政需要は今後とも一層増加することが見込まれていると考えております。中野区においても新しい中野をつくる10か年計画に示されている施策の実現のためには、投入すべきところはしっかりと職員を投入し、着実なる実現に向けて努力していかなければならないと考えます。
中野区では、10年後に職員体制2,000人体制を掲げております。職員の採用を最小限抑制している状況にありますが、また決算特別委員会の資料によりますと、平成26年には、職員の半数以上が50歳以上の職員となるという結果が出ています。職員一人ひとりが生き生きと意欲を持って仕事をしている活力ある職場づくりという観点からしても、この職員の高齢化も大きな課題となってきています。こうした状況の中で職員のやる気を高め、10か年計画の着実な推進が図られるのか、お伺いをいたします。
私は、10か年計画の着実な推進を図り、今後予想される多様な行政需要に的確に対応するためにも、10年ぐらいのスパンで職員採用を含めた職員定数管理計画を定めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。このことをお聞きしてこの項の質問を終わります。
最後に、民営化保育園についてお尋ねをいたします。
全国各地で大地震が頻発しており、東京でもいつ大地震が発生してもおかしくないと言われる中で、私立保育園の老朽化が進行しており、壁が落ちた、亀裂が入っている園が複数あり、大変危険な状況とお聞きしました。中野区が保育園の民営化を進める中で園児たちに被害が出る前に一刻も早く耐震強度を把握し、対応しなければならないと思いますが、調査費用等の補助を区ではどのようにお考えかを、区長にお聞きいたします。
次に、園舎の建てかえについてお聞きします。
私立保育園の老朽した園舎の建てかえには、1園、約2億5,000万円程度かかると言われていますが、総事業費の8分の1程度が保育園の負担となる補助制度を区として考えられないのかもお尋ねをいたします。
民営化後は区は関与しないというわけには、保育園の制度上も考えられないと思いますので、区としての考えを、民間保育園に対する施設改善、建てかえの計画などを、区民にも民営化保育園等にも示すべきだと思われますが、区長にお伺いをいたします。
次に、認定こども園についてお聞きをいたします。
平成19年、幼児総合施設変換計画を策定し、それをもとに平成22年度開園に向けて、今定例会に区立幼稚園2園、やよいとみずのとうの認定こども園の転換に伴う改修工事の設計委託の予算内示が会派に示されました。改修費の総額は、2園で3億6,000万円超とお聞きをしました。認定こども園開園に当たり、民設民営のもと、建物は有償譲渡、土地は20年間の有償貸与、国の補助を受けての経営となるようですが、やよい幼稚園も築26年、みずのとう幼稚園も築32年を経過している施設であります。将来の建てかえや経営等に区の対応を、区民にも、運営される業者の方々にも示さなければならないと思いますが、区長のお考えをお聞きいたします。
以上で私のすべての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 斉藤議員の御質問にお答えをいたします。
まず、庁舎の建てかえについてであります。区庁舎の移転、建てかえについては、中野駅周辺整備や施設の再配置に伴い今後計画化をしていく予定としております。庁舎の建てかえに当たっては、来庁する方だれもが利用しやすく、また環境への負荷を極力抑えた人と環境にやさしい施設の設計が不可欠であると考えているところであります。
建設資金につきましては、現庁舎の不動産資産活用方法、あるいは民間活力の利用を含めた新庁舎の建設手法について調査、研究を行い、可能な限り一般財源の負担を減らす方向で考えていきたいと思っております。
中野駅周辺のまちづくりにとりまして区庁舎の移転、建てかえは必要であり、大変重大な事柄になってまいりますので、こういったことについて区民の皆さんによく御説明をしていきたいと、こう思っております。
中野駅周辺の整備についてであります。中野駅周辺は、区の中心に位置をし、区内随一の交通結節点として、中野の顔となるべき地区と位置付けているところであります。中野駅周辺につきましては、商業・業務、住宅、教育等の多様な機能の集積を図るとともに、文化、芸術、緑の拠点として、中野の顔にふさわしいにぎわいと環境、そして防災機能の調和した安全なまちの実現を目指すこととしているわけであります。
都市型産業の誘致や、また既存産業の経営革新など、新たな時代の要請に十分こたえられる産業集積を図り、中野区全体の産業の活性化を牽引するなど、商業活動等の基点としても整備をしていきたいと考えているところであります。
また、駅周辺への多様な機能の集積に対応して、駅前広場の整備によるターミナル機能の確保や中野駅の駅舎、連絡通路の整備などによります交通結節機能の強化、歩行者ネットワークの確保、充実など、中野の顔にふさわしい交通アクセスの基点としての整備も推進をしてまいりたい、こう考えているわけであります。
続いて、中央電算の再構築に関連して御質問がありました。
現在検討しておりますリホストによります中央電算システムの運用経費削減効果というのは、5年間で約8億3,700万円を見込んでいるところであります。この再構築のための初経費が約5億4,500万円を見込んでいるわけでありまして、この分を差し引きいたしますと、5年目には約2億9,200万円の削減効果が出るというふうに試算をしているところであります。
中央電算システムの再構築のねらいは、現在の特定の機器に依存して成り立っているシステムを、ウィンドウズやリナックスなど幅広い機器やソフトウエアに対応できるようにオープン化するところにあります。今回その作業に当たりましてリホストという方式を採用することのメリットは、最短の期間、そして最小の費用でハードウエアをオープン化できるということにあるわけであります。この方式によりますれば、再構築後も職員がシステムの開発運用を行うことができるわけであります。まずパッケージをこの段階で導入したという場合に比べれば、安いコストで迅速、的確にプログラム改修が行えるという形になるわけであります。まずそうした形をとった上で、次にオープン化の第2段階といたしましては、ソフトウエアについても特定の企業の技術に拘束されないパッケージの導入を考えているわけであります。そのため多様なシステムのあり方に対応できるような職員を継続的に育成して、システム開発運用のレベルを維持するということが重要になってまいります。また、外部の専門家も十分に活用し、その時々の政策課題や改修ニーズに対応していくといった対応も必要になってまいります。したがいまして、外部人材の活用の方策の充実とあわせて、今後とも職場での教育や専門研修の受講を計画的に進めるなど、こうしたシステム関係の職員の育成、充実を図っていきたいと考えております。
将来、中野区の住民情報系システムにつきましては、国が推進をしております地域情報プラットホームに準拠した情報システムに移行していくことを考えております。この地域情報プラットホームにつきましては、現段階開発中ということでありますので、その動向について十分に見きわめをしてまいりたい。その見きわめをしていく間、リホストの方向で再構築を行っております電算システムのオープン化を行っていくという形になっております。
この地域情報プラットホームに準拠した情報システムに移行いたしますと、これによりましてオープンな環境での競争が起きまして、特定のIT事業者への依存から脱却できることが期待できるわけであります。また、業務サービスの円滑な連携によります区民サービスの向上や、他の自治体の情報システム、あるいは民間のサービスとの連携によりますワンストップサービスの実現も期待できるというわけでありまして、今後このような中央電算の再構築全体の考え方についても広く区民に御説明をし、理解を得ていきたいと考えております。
続きまして、高浜市の総合サービス株式会社の事例を引いての中野区の取り組みについての御質問がありました。
中野区といたしましては、公共施設の管理や小・中学校の給食サービスなど、民間が担うことができる領域については、競争を基本として民間委託を推進をしてまいりました。民間が担うことができる部分については民間にゆだね、官は民によるサービス提供の質を確保することを通じて小さな区役所を目指す、小さな役所を目指すという発想の部分では、この高浜市の発想と中野区の発想も共通するものがあると考えております。職員2,000人体制に向けて費用対効果でありますとか、適正な事務執行の分析を行い、参考にできる部分については、この高浜市の事例も参考にしていきたいと考えております。
(仮称)区民活動センターについては、地域自治の拠点でありまして、さまざまな地域活動を自由に発展させる目的で、地縁団体からの推薦者等で構成される運営委員会にその業務の基本的な部分を委託したいと考えております。都内には行政の業務をさまざまに受託する団体が複数存在しておりまして、運営委員会、この区民活動センターの運営委員会の事務を担当する事務局スタッフについては、民間事業者も活用できるということを想定をして今準備を進めているところであります。
続きまして、法人2税の配分見直しについての御質問がありました。
地域間格差の是正には、財源と権限を国から地方に移し、地方がみずからの責任による努力と発想によって、多様で活力あふれる地域をつくるという地方分権改革の推進こそが重要と考えているわけであります。その点、議員の御質問の趣旨と全く同感であるわけであります。
しかし、今回の法人2税の議論というのは、財源移転が国から地方ではなく、地方同士の税収格差の問題へと議論がすりかえられてしまったわけであります。また、受益に応じた負担をするという税制の基本原則をも崩しているものでありまして、これらは分権改革の趣旨をゆがめることであり、まことに遺憾だと考えているものであります。
現在検討されているような財源移転が仮に実施されたとした場合には、区の歳入に非常に大きな影を落とすことになるわけであります。場合によっては、区民サービスの低下が避けられない状況も起こり得るということになるわけであります。区といたしましては、こうした議論の動向をしっかりと見きわめるとともに、今以上に税、保険料等徴収金の徴収努力などによります歳入確保や、あるいは業務の効率化による経費削減を進めるとともに、基金の計画的な積み立てなどを総合的に進め、財政基盤の強化に努めていく必要があると考えているところであります。
いずれにいたしましても、この問題、地方交付税を含めますれば、区や都が他の自治体よりも財源が潤沢という事実はありません。格差の是正は、都市部の実態を無視した一方的な見方であり、容認することはできないと考えております。私ども中野区が区議会の皆さんと大いに議論をし、大きな決断を持って実施をした中学生までの医療費の無料化、こういった施策も国の資料などによれば、あり余る財源を使った無駄な福祉のような取り扱い方をされているわけであります。東京という都市の、中野区などのような都市部の行政需要についてきちんと認識をしていただくということが何よりも重要であると考えているわけであります。
国と地方の役割分担の見直しを通じた権限と税源の移譲を行い、都市と地方、双方にメリットのある地方分権化を推し進めますように、引き続き議会をはじめ、都あるいは区長会全体とも歩みを一つにして国に対して強く主張をしてまいりたいと考えております。
組織改正と職員体制についての御質問もありました。
事業部制は、経営に関する権限を事業部に移譲することによりまして部門の活動を活性化し、状況の変化に迅速に対応する組織運営ができることをねらいに導入をしたものであります。この事業部制の導入によりまして各部の部長は、みずからの判断で部の目標体系を設定し、目指すべき目標に向け、人、物、金とよく言います経営資源の配分を行うなど、戦略的な部経営を行うことができるようになったと考えております。
しかしながら、その事業部制の導入によって部の独立性あるいは自主的な経営判断が強まったということの一方で、やはり縦割りの弊害というものもあるわけでありまして、事業部制の導入だけでは部を超える課題に対する取り組みといった縦割りの弊害が解決できないといったような現状もあったわけであります。このため、事業部制の役割と権能を明確化をし、時代の変化に即応した経営判断のできるPDCAの区全体の経営サイクルを強化した経営本部体制をとることとしたわけであります。
組織改正は、行政の都合に偏ってはならないという御意見、御質問もございました。組織改正につきまして、区民の方に利用しやすい区役所とするために、そういった区の組織改正、経営改革の中でも、おもてなし運動や窓口の改善を行ってきたところであります。
課制、係制を廃止をしたということから、わかりにくいとも言われているわけでありますが、事業を進めていく中で事業担当を明確にすることでありますとか、窓口をワンストップサービス化するなど、一元化していくなど、さらに改善に努めてまいりたいと考えております。
それから、職員の定数管理計画を定めるべきだという御質問もありました。
10か年計画の中で、10年後に職員2,000人体制を掲げているわけでありまして、そうした定数管理について一定のまとまった考え方を持つということは、大変重要だと思っております。職務に必要な職員については、計画的に採用していかなければならないということは私どもも考えております。区の職員が公務員として行わなければならない区の基幹的な業務、公務員でなければできない業務というのがどのくらいあるかということをきちんと見きわめながら、適正な職員数を確保していく必要があるというふうに考えております。
また、専門性の高い業務に関しては、年齢構成も考慮しながら、任期つき職員の採用や経験者採用などによって適正な人材確保に努めていきたいと考えております。
こうした考え方をまとめた職員定数管理計画については、現在策定に向けての取り組みを行っているところでありまして、一定程度まとまった段階でお示しをしたいと考えております。
それから、私立保育園の耐震診断等についての御質問がありました。
区では、既に区立保育園の耐震診断を行っておりまして、施設を継続使用して民営化した保育園につきましては、Aランク3園及びBランク1園と評価をされているところであります。既に耐震診断済みのこうした民営化保育園が改めて耐震診断を行うという場合には、原則として園負担で実施をしていただきたいと考えております。
耐震化対策工事につきましては、現在、国の社会福祉施設等施設整備費国庫補助金制度がありまして、この補助金の対象になれば、工事費の2分の1が補助されることになるわけであります。
区では、耐震改修促進計画を踏まえた区有施設の耐震改修計画の中で、Bランクの保育園を23年度までに改修に着手することを検討しているわけであります。民営化保育園のBランク施設の耐震化対応につきましても、区立保育園の改修にあわせて適切に支援をしていきたいと考えております。
それから、園舎の老朽化に対応する建てかえの問題についての御質問もありました。
平成17年度以前の社会福祉施設等施設整備費国庫補助制度においては、国2分の1、都4分の1、区が8分の1の負担とされていたわけであります。事業者はこれでいきますと8分の1ということになっていたわけでありますが、実は、補助基準単価と実際の経費は差があったのが実態でありまして、おおむね建設費の2分の1を国と区で補助を行って、保育園が、事業者自身が残りの2分の1を負担する形となっていたわけであります。国のこうした補助制度が変わりまして、他区では私立保育園の施設整備に関する区単独補助を行わないところもある中、中野区では、建設費総額の2分の1相当額を限度に補助を行うこととしているわけであります。
それから、老朽化した園舎の計画的な建てかえ助成制度について、建てかえ計画に関する区の考えを区民等に示すべきという御意見でありました。民営化した保育園も含め、民間の保育園の施設改修や建てかえに対しては、現在も支援制度が、先ほど申し上げましたように、あるわけでありまして、その内容について各園へも伝えているところであります。
支援の内容につきましては、今後の財政状況や保育需要も踏まえて、必要に応じて見直しを行っていきたいというふうに考えております。
それから、認定こども園の建てかえについての御質問もありました。
区立幼稚園から認定こども園へ転換した後の園舎につきましては、運営事業者へ譲渡するため、原則として運営事業者みずからの維持管理となります。ただし、築年数に応じた老朽箇所の補修やメンテナンス工事などについては、20年度、21年度に実施をすることを予定をしておりまして、譲渡後も20年間程度は現園舎を使用するのに支障がないというふうにしていきたいと考えております。将来の建てかえにつきましても、事業者みずからの判断が原則となるわけでありますが、土地を区から賃借をしているということでありますので、建てかえに際しては区と協議をしていただくことが必要となります。
また、現在のやよい幼稚園の園舎については、地域センターとの複合施設でありますので、建てかえの時期を含めて運営事業者と協議をしていきたいと考えております。現在、事業者を募集しているところでありますので、事業者説明会においてこうした運営や建物等に関する区の対応の概要をきちんと説明をしてきたというふうに考えているところであります。適切に対応を行い、適切な事業者によって認定こども園を準備してまいりたいと、こういうふうに思っております。
○議長(市川みのる) 以上で斉藤金造議員の質問は終わります。
中野区議会議員 平 山 英 明
1 子どもたちの健康と体力向上について
(1)体力向上プログラムについて
(2)校庭の芝生化について
(3)歯・口の健康について
2 新交通システムについて
(1)高齢者等のための新交通システムについて
(2)その他
3 施設使用料について
4 野方駅北口開設とバリアフリー化について
5 私立幼稚園保護者補助金について
6 高齢者困りごと支援事業について
7 その他
○議長(市川みのる) 次に、平山英明議員。
〔平山英明議員登壇〕
○4番(平山英明) 平成19年第4回定例会に当たり、公明党議員団の立場から一般質問をさせていただきます。
質問は、通告どおり1、子どもたちの健康と体力向上について、2、新しい交通システムについて、3、施設使用料について、4、野方駅北口開設とバリアフリー化について、5、私立幼稚園保護者補助金について、6、高齢者困りごと支援事業についての計6項目です。7のその他はありません。
初めての質問ですが、理事者の皆様におかれましては、誠意ある御答弁をよろしくお願いいたします。
初めに、中野区の未来の宝である子どもたちの健康と体力向上について伺います。
養老孟子氏の本には、いわゆる知育、徳育、体育のうち、知育は入力、徳育は演算、そして体育は出力の作用があり、外遊びや体を動かす行為は、子どもの脳の発達に必要不可欠とあります。子どもたちの体力向上は、健康のためだけではなく、子どもの能力を伸ばし、知力の向上にもつながるものと思われます。
そこで伺います。区は平成11年に、ぜんそく、肥満など健康面の悩みを抱えた子どもたちが健康の回復と体力づくりに取り組む館山健康学園を廃園いたしましたが、そうした子どもたちの健康対策については、今後は各学校において取り組むとされていたようです。具体的にどのように取り組まれたのでしょうか、伺います。
平成14年度から18年度までの区立小学校及び都内公立小学校におけるぜんそく、肥満等児童の比率によると、小学校1年生のぜんそくの児童数の比率は、東京都は1.42%の伸び対し中野区3.75%の伸びと、中野区の伸び率は東京都の倍以上です。一方、肥満傾向の児は、小学校6年生では、東京都は1.51%の減少に対し中野区は逆に1.23%の伸びとなっており、東京都では肥満傾向が年々減少しているにもかかわらず、中野区では年々増加との結果が出ております。これらは他の学年でも同様の結果が出ており、ちなみに、近隣区の新宿、渋谷、杉並、練馬、豊島の5区の平均も調べましたが、やはり中野区が突出した結果となっております。今の中野区の子どもたちの健康維持と向上のためにその基盤となる基礎体力をつけることは、緊急の課題と考えますが、いかがでしょうか。区の見解をお尋ねいたします。
次に、体力向上プログラムについて伺います。
教育委員会は、昨年策定した中野区教育ビジョンの中で、子どもたちは健康の大切さを理解し、心身ともにたくましく育っていることを学齢期の目標の一つとしています。さらに今年度、具体的な対策として、区立の全小・中学校で体力向上プログラムを策定して、来年度から全校一斉に実施することとしています。しかしながら、さきに教育委員会が策定した体力向上プログラムのガイドラインでは、児童・生徒の到達目標や各校の取り組みを新体力テストで判断するとなっております。テストの内容は、握力、反復横跳び、50メートル走、ソフトボール投げといった身体能力の測定結果と生活習慣のアンケートのみで、このままでは体力向上プログラムが身体能力を高める方向のみに向かう危険性があります。今、区内の子どもたちにとって大事なことは、健康な体づくりであり、ぜんそく、肥満児童の減少など健康面での具体的な数値を目標に加えるべきと考えますが、いかがでしょうか。
また、来年度から全校実施するに当たり、中野区としての共通メニューや取り組みのスタンダードが示されないことは、各校での取り組みに温度差を生じ、その結果として子どもたちの体力向上に格差が出る懸念を生じさせます。そうならないために区として共通のメニューをつくってはいかがでしょうか。
先日、今年度からモデル校として先行実施している江古田小学校と第七中学校を訪問し、校長先生や体育の教師にお話を聞きました。知恵を絞りながらさまざまな工夫をされていますが、その中の一つに、全校集会のうち1回を体育集会とし、縄跳びなど体を動かす運動の実施がありました。この際、区としての共通メニューとして、小学校で朝の健康運動を取り入れ、ラジオ体操や文部科学省が推奨しているダンス・エクササイズ「アイーダ アイダ」を全校で行ってはいかがでしょうか。朝の運動は脳の活性化も促し、授業効率も上がり、学力の向上にもつながります。御見解をお聞かせください。
次に、校庭の芝生化について伺います。
中野区では、校庭の芝生化を新しい中野をつくる10か年計画の地球温暖化防止戦略の中に位置付けています。もちろん温暖化防止としての緑化推進は重要なことです。しかしながら、学校の芝生は、何よりもそこに学ぶ子どもたちの大切な教育環境です。芝生の上を子どもたちがはだしで駆け回る、さきの養老先生の学説のとおり、子どもの健康の面からも、また脳の発達や知力の向上の面からも非常に重要なことです。
そこで伺います。区は、校庭の芝生化を環境対策というよりも、むしろ子どもにとって大切な教育環境の整備として位置付け進めるべきであると考えますが、いかがでしょうか。
また、平成20年度の主要施策の中で校庭の芝生化を計画的に行うとしていますが、具体的な目標は定まっているのでしょうか。各学校の状況をかんがみた上で、区として年度ごとの具体的な数値目標と計画を打ち出し、その上で学校や地域とよく相談をしながら推進すべきと考えますが、いかがでしょうか。
次に、歯と口の健康づくりについて伺います。
今年度から区立第五中学校では、中野区学校歯科医師会とともに、生活習慣病予防を目指した歯・口の健康づくり調査研究事業が行われています。先日の発表会では、この事業に関心を持った生徒が、自発的に虫歯菌検査のキッドや潜血検査キッドなどを利用し、口の中を調べることも行っているなどの報告がありました。学校歯科医の先生からも、歯茎の血管から歯周病が全身に回り心臓病や糖尿病のリスクを高めるなど、歯をはじめ口の中の状態は全身の健康をも左右するという発表がありました。こうした第五中学校の取り組みを生かし、区としての歯と口の健康づくりを小・中学校において推進すべきではないでしょうか。お考えを伺います。
中野区歯科医師会学校歯科部からは、学校での給食後の歯磨きについて、歯ブラシとコップの管理が難しい、蛇口の数も少ない、お昼休みが短いなどの問題はあるが、中野区も含め実施している学校も多数あり、問題点をその都度改善しながら学校内で給食後の歯磨きができることを勧めると提案されています。正しい指導を受け、食後の歯磨きを行うことは大変重要なことであると考えます。例えば歯ブラシとコップの管理については、教室に歯ブラシケースを設置することで解決できます。また、お昼休みや給食の時間が短く歯磨きの時間がとれないのであれば、給食時間の延長はできないのでしょうか。給食時間が延長されれば、歯磨きだけでなく食育の点からも推進している、ゆっくりとよくかんで食事をとることも可能になり、早食いの習慣を防ぐことでメタボリックシンドロームの予防にもつながります。実際に足立区の学校では、給食の時間の後に5分間の歯磨きの時間を設定し、歯磨きを可能にしました。子どもたちの生涯にわたる健康づくりのために歯磨きのできる条件を整備し、歯科医師会や学校歯科医と連携をとりながら給食後の歯磨きを推進すべきと考えますが、いかがでしょうか。
以上でこの項の質問を終わります。
次に、新しい交通システムについて伺います。
新しい中野をつくる10か年計画の中では、「なかのん」への支援のほかに、高齢者、障害者など一人での移動が制約される人たちが気軽に利用でき、目的地にスムーズに移動ができるような新しい交通の仕組みの導入を目指すとあり、具体的には、利用しやすい交通環境の推進の実現へのステップ3で、新しい交通システムの導入とあります。
現在、オンデマンド交通システムの基本計画の調査、研究が行われているとのことですが、どのような調査、研究を行っているのか、伺います。
先日、新しい交通システムについて対象的な二つの取り組みを視察してきました。一つは千葉県の酒々井町です。路線バスの廃止に伴い平成16年度からオンデマンド交通システムを利用した「ふれ愛タクシー」を実施しています。自宅の玄関から目的地の前まで、まさにドア・ツー・ドアで利用できるこのタクシーは年々利用者もふえ、ご高齢の方々にも大変喜ばれていました。しかしながら一方で、全体の運用経費の3分の2を町の補助金で賄っており、今後に課題を残しています。
また、オンデマンド交通システムについては、都市部の成功事例がまだありません。まだまだ課題が多く、中野区としてもさらなる調査、研究が求められます。しかし、私は、区内の高齢化が進む中、歩いて暮らせるまちづくりのために区としてのオンデマンド交通システムの実現が必要と考えます。区として調査、研究を行っているオンデマンド交通システムの実現について、どのようにお考えか、お聞かせください。
また、具体的な実施目標の年度があればお教えください。
もう一つは、日の丸自動車興業株式会社が、丸の内などで行っている無料巡回バスです。本来、人がいない場所にあえて巡回バスを走らせ逆に人を呼び込む。また、バス料金は利用者が負担をするのではなく、地域の企業や店舗が負担をし、利用者には無料のバスに乗って地域に来てもらってお客様になってもらう。まさに逆転の発想で行われているこの事業は、地域の活性化を見事に実現しています。最初に取り組んだ丸の内地域は、本来であれば、土日はビジネスマンがいなくなり閑散としていましたが、現在ではこの無料巡回バスの利用者は年間20万人を超え、まちが活気を取り戻しています。
そこで伺います。中野区も中野駅周辺まちづくりが行われれば、大学生や買い物客など区内産業にとって新たな顧客が生まれます。そうした方々を中心に、区内の名所や商店街などに足を運ぶことができる新しい交通システムを区内の産業支援の一つとして取り組むよう検討されてはいかがでしょうか。中野に足を運んだ方々の区内の滞留時間が長くなり、区内全体のにぎわいの創出になると考えますが、いかがでしょうか。
千代田区では、桜の時期に千鳥ケ淵を訪れる多くの方々に対して、花見の前後に区内のスポットに足を運んでもらえるよう、期間限定の無料巡回バスを走らせています。中野区もまずは桜まつりや中野まつり、江古田の獅子舞など、区や地域のイベントの時期に合わせて、期間限定の取り組みを行ってはいかがでしょうか。お考えを伺います。
以上でこの項の質問を終わります。
次に、施設使用料について伺います。
区は、現在の施設使用料の見直しを進め、本定例会において条例改正を議案として提出しています。あわせて、減額、免除制度の見直しと使用料の助成制度について検討をしています。
初めに、施設使用料の見直しについて伺います。
区は、施設使用料の見直しの考え方において、その積算方式を現行の施設管理維持経費のみを使用料の原価として算出する方式から、施設維持管理経費に職員人件費と減価償却費を加える方式として改定予定額を算出しています。
そこでまず、職員人件費について伺います。
今後の行政改革の推進によって施設の維持管理にかかわる職員人件費が削減された場合、施設使用料に反映され減額するのでしょうか。
また、想定使用料が現行使用料よりも1割以上下がった場合には、改定年度を待たずに当該施設の使用料の見直しを行うこととしています。改定年度は3年ごとでありますが、1割以上下がっているのか否かを確認するため、毎年最低1回は施設使用料の根拠である所要経費の算出をすべきだと考えますが、いかがでしょうか。
次に、減価償却費について伺います。
使用料の原価に算入する経費としては、1件500万円以上の施設の修繕のための工事費は含まないという趣旨の記述があります。一方、すべての資産価値を高める改修費は含むとなっています。案における改修費についての記述があいまいであり、修繕費、改修費はすべてを原価に含むとするのが正しく、パブリックコメントにもかけた施設使用料案に誤解が生じているのではとの懸念さえ覚えますが、いかがでしょうか。
本年より減価償却の税制改正があり、法定耐用年数内で処理を行うか、または改修費用は本体とは別に新たに減価償却を行うとの選択をすることが会計処理のあり方になりました。改修費用を原価に算入するのであれば使用料の大幅な増額となります。私は、改修費用を新たな法定耐用年数で割り、建物本体の残りの法定耐用年数分だけを算入すべきであると考えますが、御見解を伺います。
区は、使用料の見直しによる急激な負担増の緩和のため、引き上げ率の上限を現行使用料の1.5倍と設定しています。私は、最大50%の値上げは急激な負担増と思います。1.5倍は急激な負担増ではないのでしょうか。区の見解を伺います。
次に、減額、免除制度の見直しと使用料の助成制度について伺います。
区は、現行の登録団体に対して減額、免除をしている制度を原則的に行わないこととし、団体の活動内容に着目した新たな助成制度に切りかえようとしています。区民の皆様の中では、区の考えについて幾つかの疑問があるようで理解しにくいとの声を聞きます。
そこでお尋ねします。団体の活動内容は、具体的にどのように確認をするのでしょうか。書類への事前の記載と事後の報告の記載のみでの確認であれば、活動実態を正確に把握したとは言いがたいと思いますが、いかがでしょうか。区民の申請や報告を信じるのは当然のことですが、それでは現行の減額、免除制度でも問題はないはずです。
また、指定管理者などが管理する施設では、区の職員による確認はどのように行われるのでしょうか。区から渡される項目に照らし、指定管理者が実際の活動内容をきちんと把握できるのでしょうか。今後地域センターが区民活動センターに移行した際にはさらに困難が予想されます。仮に施設使用後、その活動が助成対象に当たらないとなった場合、実際には支給されていない助成金を返還させるのでしょうか。実際の助成金のやりとりは会計上処理をされるのみで、申請団体に手渡されるわけではありません。助成金の返還を求められても、実際にはもらってもいないお金を返還しなければならず、区民に理解を得がたいと考えますが、いかがでしょうか。
以上でこの項の質問を終わります。
次に、野方駅北口開設とバリアフリー化について伺います。
初めに、この問題について、先輩議員の皆様方がこれまで長年にわたって要望を続け、やっとここまでこぎつけてくださったことに深く感謝を申し上げます。その上で私も野方の地域に住む区民の一人として、また地域の人々の声を代弁する者として取り上げさせていただきます。
区長のプレスリリースを受け、11月21日の日経新聞に野方駅舎整備の記事が掲載されました。地域住民の皆様にとっては喜びの反面、完成まで2010年まで待つのかとの複雑な気持ちをお持ちのことと思います。
本年10月29日、野方駅舎整備のための第三セクターがやっと設置をされ、今年度基本設計に入ると聞いておりますが、用地の買収についてはいかがでしょうか。現在の進捗状況をお聞かせください。
また、今後について、完成までのスケジュールを具体的にお教えください。
第3回定例会決算特別委員会での大内議員の総括質疑の中で、当初予定より半年計画がおくれているが、これ以上おくらせないでほしいとの質問に、区長は、地域の重要な課題として最大限早く実現をしていきたいと答弁されています。工期をさらに短縮することができないか、区としても最大限の努力を行い、西武へも強く要望してほしいと思いますが、いかがでしょうか。
また、より使いやすい環境を整備するということも重要です。現在の計画では、南北に上り用のエスカレーターがそれぞれ1基設置予定ですが、野方駅利用者の状況をよく調査した上で、高田馬場駅のように、朝夕の時間によって上りと下りに切りかえる方式を採用してはいかがでしょうか。利用者の利便性をさらに向上できるよう取り組むべきだと思いますが、いかがでしょうか。
以上でこの項の質問を終わります。
次に、私立幼稚園保護者補助金について伺います。
先般、我が会派と中野区私立幼稚園連合会、中野区私立幼稚園父母の会連合会との懇談を行い、さまざまな御要望をいただきました。中野区の私立幼稚園入園に際しての入園料補助金が今年度から3万円となり大変感謝をされていましたが、それでも区内の私立幼稚園の入園料の平均は8万8,000円です。一方、区立幼稚園の入園料は2,400円で、入園料補助を差し引いたとしても、およそ20倍と大きな格差となっています。入園料については、さらに格差是正の取り組みが必要です。
御存じのとおり、入園料は、実態としては園児たちの教育環境の整備に使われているようです。安全、安心の向上のため耐震診断の助成はありましたが、その結果としての園舎の改修も必要です。
そこで、子育て支援と園児の教育環境の充実のために、来年度以降も私立幼稚園の入園料補助金の増額を続けるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
以上でこの項の質問を終わります。
最後に、高齢者困りごと支援事業について伺います。
これは、我が会派が提案し、区としても事業化に向け、平成19年度にひとり暮らし高齢者など困りごと支援調査を予算化しました。現在の調査の結果をお教えください。
先日、社会福祉協議会にお邪魔しこの件についての話を聞いてきました。本年5月、このサービスの実施が可能かと中野区から問い合わせがあり、7月に社会福祉協議会としての回答を出したと伺ってきました。社会福祉協議会には、ほほえみサービスやファミリーサポート、ボランティアセンターなど、これまで積み上げてきたボランティア支援のさまざまなノウハウがあります。このノウハウを生かしながら具体的に中野区独自の新しい事業として取り組むべきと考えます。そのためにも社会福祉協議会としっかり連携を取りながら進めるべきです。区としてのお考えを伺います。
また、この事業の取り組みの中で地域のために頑張ってくださっているボランティアの方々の存在を改めて区民の皆様にPRする機会をつくってはいかがでしょうか。
今後ますますふえていく高齢者のためのサービスは、近隣の助け合い、地域の力が不可欠となっていくことは間違いありません。この事業を単に高齢者のちょっとした困りごとの解決とするのではなく、町会や民生委員、シルバー人材センター、地域センターのボランティアコーナーなどと連携をしながら、地域の力を生かしていくものとすべきであると思いますが、いかがでしょうか。
以上ですべての質問を終わります。大変にありがとうございました。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 平山議員の御質問にお答えをいたします。
新交通システムについてであります。オンデマンド交通の調査、研究、どのような内容かといったようなことでありました。オンデマンド交通は、乗客のデマンド、需要に合わせて走行する次世代の交通システムということで準備をしているわけであります。現在、無作為抽出をした区民2,000人を対象に、現状の交通行動や公共交通の課題の把握、また交通機関に対する要望などを調査項目といたします区民交通実態調査を実施をしているところであります。あわせて、どのようなサービスをだれに提供するのか、費用はどのくらいなのか、またバスやタクシーなど既存の交通事業者との調整をどうするかといったさまざまな課題について検討をしているところであります。
具体的な実施年度についてでありますが、今年度は、区民交通実態調査を実施をし、来年度については、システム構築や費用などの検討を行っていきたいと思っております。その結果を見まして、21年度以降の導入を考えていきたいとしているところであります。
また、地域活性化のための無料巡回バスについての御質問もありました。無料巡回バスについては、中野の中でということになりますと、地元企業や事業者の分布状況から、かなり負担が大きくなることが懸念されまして、実現はかなり難しいと思います。しかしながら、イベントに合わせたバスについては、多様な企業や事業者の協力が得られる方法がないのか、関係団体とも話をしてみたいというふうに思っております。
施設使用料についてであります。施設使用料の人件費が削減されれば減額されるのか、また毎年経費の算出をするべきではないかといった御質問でありました。執行方法の工夫などによりまして、施設の維持管理にかかります職員人件費が削減された場合には、使用料の原価に算入する経費が削減されることになるわけでありますので、施設使用料の算出額が下がることになるわけであります。
改定年度を待たずに経営努力の結果が区民に還元できるように施設使用料の算出は毎年度定期的に行って、想定使用料が現行使用料より1割以上下がった場合には、改定年度を待たずして当該施設の使用料の改定を行っていくこととしております。
それから、修繕費の原価への算入の話であります。施設使用料の原価計算の考え方では、減価償却費に算入するべき資産価値を高める改修工事費と資産形成につながらない施設修繕のための工事費を500万円を基準として分けることとしたものであります。
また、減価償却費の算入のあり方でありますが、今後、発生主義会計の導入に合わせて、改修部分を含めた資産の減価償却費の算出方法について確立をしていきたいということで、現在検討中であります。
それから、施設使用料の値上げ幅の上限についてであります。1.5倍というのは急激な負担増ではないのかという御質問でありました。本来負担していただく金額と施設を利用する区民の急激な負担増を避けることなどを勘案いたしまして、改定予定額の上限を現行料金の1.5倍までとしたものであります。利用者に御負担いただける範囲内の改定額であると考えております。
それから、減額、免除から助成制度への転換についての御質問で、活動内容の審査という御質問がありました。助成金交付申請書に活動内容を具体的に記入をしていただくと、記入しやすいような様式を考えていかなければならないわけですが、そのことによりまして助成対象に該当する公益活動かどうか審査をしていきたいと考えております。施設の利用後には実際に行った活動内容を御報告いただいて、申請時の内容と食い違いがないかどうか、適切に確認をしたいと考えております。
活動実態の把握ですけれども、これまでの施設利用においてもほとんどの利用者が正しい利用をされてきたという実態があるわけであります。書類の事前記載と事後報告によって審査を行うことは可能だと考えております。
それなら減免制度でも問題ないのではないかという御質問もあったわけですけれども、減額、免除につきましては、利用に当たっての便宜としてのとらえ方をされやすい。そうしたことから公共公益活動の支援という本来の趣旨を明確にする必要があると考えたものであります。
また、減額、免除では会計上公金の支出としてあらわれません。その経費が明確にあらわれないということで、それに対応して助成金という形で支援の量や程度が見えるようにする必要があると考えているわけであります。
指定管理者等による審査は可能かということであります。指定管理者が十分できると考えております。今後、地域センターが区民活動センターに移行した場合には、区民活動センターの施設管理をしていただく方との協議を十分に行って適切な制度運用を図っていきたいと思っております。
それから、活動が助成制度に当たらないとなった場合には、助成金を返還させるのかということであります。申請をして事業を行うわけであります。申請と異なる活動を行った場合には助成対象外となりますので、助成金の交付の取り消し、すなわち返還にも御理解をいただけるものと考えております。
〔教育長菅野泰一登壇〕
○教育長(菅野泰一) 子どもたちの健康と体力向上につきまして、お答えいたします。
各学校での健康にかかわる取り組みにつきましてどのようなことをしているかという御質問でございました。教育委員会では、学校医、学校歯科医の代表などをメンバーに加えました学校健康づくり推進委員会を設けまして、児童・生徒全体の心と体の健康づくりについて協議しているところでございます。各学校におきましては、定期健康診断や生活習慣病健診を実施いたしまして、健康上指導を要する児童・生徒に対しましては、学校医や家庭とも連携、協力して、健康相談や指導を実施しているところでございます。
また、食育や生活習慣病予防をテーマにいたしました講演会を開催いたしましたり、学校保健委員会では、望ましい生活習慣のあり方や学校保健の具体的な取り組みにつきましての話し合いなどを行っているところでございます。
それから、基礎体力をつけることについて、重要ではないかという御質問がございました。
教育ビジョンの目標にも掲げておりますように、健康を保ち、体力を高めることは子どもたちが健全に成長するために重要であると認識しているところでございます。
それから、健康な体づくりについての指標、あるいは共通のメニューを持つべきではないか、あるいは朝の健康運動を全校でやったらというような御質問がございました。中野区の体力向上に当たりましては、運動、体力、健康にかかわる生活や行動の三つの側面におきまして、具体的な到達目標値を定めているところでございます。このうち、健康にかかわる生活や行動の目標値の一つといたしまして、御提案がございましたような指標につきまして、適当かどうか検討してみたいと思っております。
それから、知、徳、体のバランスのとれた子どもの育成に効果的な教材の一つといたしまして、体力や成長段階に応じましてバランスよく全身の運動能力を高めるとともに、チームプレーや反射神経などを楽しみながら養えるよう体系化されているものがフラッグフットボールというスポーツだというふうに考えております。教育委員会といたしましては、このフラッグフットボールを共通に学校で取り組むものとしているところでございます。
それから、朝の健康運動についてでございます。区といたしまして、全校一斉に実施するというふうには考えておりませんけれども、実際には、朝の運動や健康運動の実践につきましては、ほとんどの区立小学校で取り組まれているところでございます。
それから、校庭の芝生化につきましての御質問にお答えいたします。
校庭の芝生化は、地球環境保全に重要でございまして、環境教育の一環としても意義が大きいものでございますけれども、子どもたちが伸び伸びと遊び、安全に運動できる教育環境という面からも推進していきたいと考えているところでございます。平成20年から5カ年ほどで全小・中学校の校庭を芝生化したいと考えております。学校再編計画を踏まえ、5カ年ほどで全小・中学校で実施できるように、年度別の具体的な数値を示していきたいと考えております。
それから、給食後の歯磨き指導についてでございます。子どもたちが歯や口に関する理解を深めることによりまして健康の大切さを認識し、健康的な生活習慣を自発的に確立していくことは、大切なことであると考えております。給食後の歯磨きにつきましては、御指摘がありましたように、さまざまな制約がございますので、課題を整理しつつ、その可能性について検討してまいりたいと思います。
〔都市整備部長石井正行登壇〕
○都市整備部長(石井正行) 私からは、野方駅北口開設とバリアフリー化についての御質問にお答えをいたします。
まず、用地買収の件でございますが、現在、事業用地の取得に向けまして権利者と鋭意協議を進めているところでございます。
また、スケジュールでございますが、今年度から来年度にかけまして実施設計を行い、来年度中には工事に着手をしたいということでございまして、平成22年度の上半期の完成を予定をしております。
それから、工期の短縮でございますが、工期についてはできるだけ短縮できるように西武鉄道に対しまして要請もし、早期完成を目指してまいりたいと考えてございます。
それから、エスカレーターの件でございますが、一般的にエスカレーターが1基の場合につきましては、上りで運行している事例が多いということでございます。上り、下りの切りかえにつきましては、利用の状況も見ながら検討をしていくことになるだろうと考えております。ただ、北口、南口、それぞれにエレベーターを設置いたしますことから、これで十分な対応ができるものというふうに考えております。
〔子ども家庭部長田辺裕子登壇〕
○子ども家庭部長(田辺裕子) 私立幼稚園の保護者補助にかかわります入園料のお尋ねでございました。
現在、区では、幼稚園、保育園も含めました幼児教育保育の質の向上と適切な教育、保育を受けることができるよう、負担の公平を目指して施策を実施してございます。私立幼稚園保護者への補助につきましては、現在、保護者補助金の段階的な増額を行っていくということで、こうした考えは区民の方々にも御説明をしているところです。この幼稚園保育料の公私格差を是正することを優先とさせていただいておりますので、入園料に優先して保育料の公私格差是正を計画的に進めていく考えでございます。
〔保健福祉部長金野 晃登壇〕
○保健福祉部長(金野 晃) 私からは、高齢者困りごと支援事業についてお答え申し上げます。
高齢者の困りごと支援に関しましては、9月から11月にかけて、高齢者やサービスの担い手であるボランティア、民生委員に対してアンケート調査を実施したところでございます。現在、このアンケートの回収、集計中でございますが、現在、集まっている限りでは、困りごと支援事業が開始されれば利用が見込まれるという回答が半数以上あるという状況でございます。
困りごと支援についての社会福祉協議会との連携をという話でございます。困りごと支援については、社会福祉協議会とも協議をしておりますが、この社会福祉協議会の考えも参考にしながら、区としての事業実施について検討を進めているところでございます。また地域での支え合いのネットワークをつくるということが大切でございますので、区民のボランティア活動のPR等に今後も努めるとともに、この事業の検討に当たりましては、地域の団体やボランティアと連携できる仕組みとなるように考えていきたいと思います。
〔4番平山英明議員登壇〕
○4番(平山英明) 子どもたちの健康と体力向上について御答弁いただきましたが、再質問をさせていただきます。
まず第1点目、子どもたちの健康維持と向上のために、健康対策のためにさまざま取り組んでいる事例を御紹介していただきましたが、実際にデータとして、ぜんそくと肥満の数が近隣区ではふえていないのに中野区が突出してふえているという現状がございます。これについて、教育委員会としてどのようにお考えになっているか、お答えいただきたいと思います。
もう1点、健康面での具体的な数値を体力向上プログラムに加えてみてはという提案でございまして、例えば、肥満やぜんそくという例で挙げさせていただいているのでありまして、何も肥満やぜんそくを数値に入れることを検討していただくことを質問させていただいたわけではございません。改めて子どもたちの健康面での向上が見られるような数値を目標に入れられるようにぜひ御検討いただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
最後に、給食の歯磨きについてでございますが、これまで我が会派のほうでも何度か質問させていただいて、当然、さまざまな状況について研究、調査をされながら検討をこれまで進められてきたのかと思います。きょうの御答弁でも、いろんな条件を整備できるかどうか検討していきたいということでございましたけれども、これまでどういう検討を進めてきて、現状、どういうふうに判断をしていらっしゃるのかということをお答えをいただいて、できれば前進をしていただきたいと思っておりますので、前向きな御答弁をお願いいたします。
〔教育長菅野泰一登壇〕
○教育長(菅野泰一) ぜんそく、肥満の数がふえているというか、中野区が多いということにつきましては、ちょっと私も具体的にどのような原因かということについて詳しく知っているというか、わかるわけではないんですけれども、やはりぜんそくについては、ハウスダストでありますとか、さまざまな要因があると思うんですが、そういったものも含めまして、中野区が多いということにつきましては、やはり何とか学校教育の中でも対応しなければいけないとは思っておりますし、肥満の子どもが多いということについては、やはりこれも、数字はそのとおりでございましょうから、区といたしまして、先ほど言いましたようなさまざまな取り組みの中で解決を図っていきたいというふうに考えています。
それから、指標の話でございますが、おっしゃるように、肥満やぜんそくを指標にするということだけでなく、やはりいろんな指標があると思いますから、その辺につきまして、健康面での指標ということにつきましては、十分検討していきたいと思っております。
歯磨きでございますけれども、先ほどからお話がございましたようなことも、いろいろ学校との話し合いの中では出ております。いろいろな形の中で、学校の養護教諭でありますとか、学校歯科医とか、こういった方々のお話を聞いたりする中で、なかなかまだすぐ全校において取り組めるというような状況にはないということもありますので、もう少し検討を進めていきたいというふうに考えているところでございます。
○議長(市川みのる) 以上で平山英明議員の質問は終わります。
議事の都合により暫時休憩いたします。
午後2時40分休憩
午後3時00分開議
○副議長(やながわ妙子) 会議を再開いたします。
この際申し上げます。議事の都合上会議時間を延長いたします。
一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 岩 永 しほ子
1 後期高齢者医療制度について
2 高齢者会館等の入浴事業の廃止について
3 認定こども園について
4 保育園で起きている問題について
5 障がい児の送迎支援実施について
6 (仮称)区民活動センター転換の考え方について
7 東京メトロ駅舎改善と安全確保について
8 その他
○副議長(やながわ妙子) 岩永しほ子議員。
〔岩永しほ子議員登壇〕
○42番(岩永しほ子) 2007年第4回定例本会議において、日本共産党議員団の立場から一般質問を行います。
最初に、後期高齢者医療制度についてお聞きいたします。
来年4月から75歳以上を対象にした新しい医療制度、後期高齢者医療制度が実施されようとしています。高齢者の年齢を理由に医療保険制度を変えるところはほかにありません。そもそもこの制度は、医療費削減のみを目的として、2006年6月に自民、公明が強行した医療制度改悪の柱の一つとして創設されたものです。保険料は、扶養している75歳以上の家族を社会保険などから独立させ、すべての人から徴収し、年金から天引きすること、保険料を払えない高齢者から保険証を取り上げること、あわせて70歳から74歳までの窓口負担を1割から2割に引き上げることなど、高齢者とその家族の生活を破壊する制度として国民の批判が大きくなっています。私たちは、この制度の実施中止を求める国民運動をともに取り組んでいるところです。そうした中、今月20日に、実施主体となる東京23区と市町村が一つになって設置した後期高齢者医療広域連合の議会が開かれ、関係する条例が多数決によって可決されましたので、保険料についてお聞きいたします。
年間保険料は、均等割額を3万7,800円、所得割率を総所得の6.56%で算出した額にすることで合意しています。その結果、平均保険料は10万2,900円となり、国の試算を大きく上回っています。連合議会では、今よりあまりにもひどいので軽減策をとらざるを得ず、9万円程度にするとしています。それも08、09の2年間だけです。均等割額は国民健康保険料より2,700円も高く、住民税ではなく総所得から算定する所得割額という問題によって重い負担となります。特に、低所得者にとって、保険料が払い切れず病院に行けないとか、保険証が取り上げられるという事態が起きてきます。保険料が幾らになるかは死活問題となり、わずかな年金から新たに高額の保険料を徴収することは生存権を脅かすことになります。都に対し区長会が低所得者の軽減策に必要な財政支援を求めていますが、その実効ある対応で低所得者対策を講じ、区民の負担が現在より高くならないようにすべきです。区長の決意をお聞きします。
保険料が高くなる最大の要因は、5割という国の低過ぎる財政負担にあり、調整交付金などによって実質的には5割に達せず、結果的に保険料が高くなる仕組みです。国や都の財政措置がなければ保険料は高くなり、区民の受診抑制にもつながります。自治体にとっても重大な問題です。だからこそ、国に対し制度の見直し、来年4月実施の凍結、中止を求める意見書などが広がっており、300近くの地方議会から意見書などが出されています。都、埼玉、千葉の広域連合議会は、国に財源措置を求める要望書を提出しています。また、東京都広域連合議会や特別区長会、市長会、町村会長が連盟で、都知事と都議会各会派に対し、低所得者対策や一般財源投入にかかわる必要な財政支援などを求めています。区長も国に対し財政措置を求めることが必要だと思います。見解をお聞きします。
保健事業についてもお聞きします。
この制度によって75歳以上の健診は広域連合が実施することになり、一人500円負担と言われています。現在の区民健診では、70歳以上は無料です。その考えを継続し、新たな負担とならないよう区の助成を求めます。お答えください。
次に、高齢者会館などの入浴事業を継続することについてお聞きします。
区は、新年度予算の中で、高齢者会館などの入浴事業を廃止する検討をしています。この事業の目的は、ふれあいと相互交流ですが、実際の利用実態はそれと乖離しているため廃止し、今後は高齢者会館を活用した介護予防としていきいき事業を拡大するとのことです。昨年度の事業実績は、高齢者会館では延べ1万1,300人以上、六つの高齢者集会室などでは延べ7,000人以上が利用しています。廃止後は、自宅にお風呂のある人には手すりなどを改修し使用してもらうといいますが、冬は高齢者の風呂場での事故を防ぐため、一人だけの入浴は避けようと言っていることと逆行します。風呂のない人は公衆浴場やデイサービスの活用をといいます。しかし、高齢者会館を活用している人はほとんど介護サービスを必要としません。中野一丁目のさくら館では、利用者の多くは風呂がなく、住んでいる近くに公衆浴場もありません。厚生委員会に報告されたアンケートでは、利用者の8割が単身者や高齢者世帯であり、年齢も70歳以上が8割を超えているとのことです。利用する理由の一番は、無料であるということになり、職員の配慮があることも3番目、高齢者会館だけの入浴は2割近くとのことです。喉頭がんの手術を受けたひとり暮らしの男性は、公衆浴場に行けず、お風呂に入れるところを探し、高齢者会館のそばにアパートを借りました。この人にとっても、高齢者会館だけの入浴であり、お風呂だけでなく、暮らしのことなどの相談もでき、生きていく上で欠かせません。今、高齢者に増税などが次々と襲いかかり、大事にされていないと不安になっています。そうした高齢者からこの事業まで奪うのでしょうか。いきいき事業を拡大することで入浴利用者がふえることも考えられます。廃止の検討は取り下げ、継続すべきです。見解をお聞きします。
この来年度予算に向けた検討内容には、保健福祉部のほか、区民活動センター問題の区民生活部、中野駅周辺開発を掲げる都市整備部、認定こども園などの子ども家庭部、学校統廃合問題の教育委員会など、一つひとつが区民に及ぼす影響の大きいものや議論になるものがあります。それが一堂に集まって3カ所の説明会で済ますのでは不十分です。各部が必要な説明会などを実施することを求めます。お答えください。
認定こども園についてお聞きします。
区は、区民から出された幼稚園教育がどのように生かされていくのか、保育環境がどのように確保されていくのか、なぜ公立を廃して民間なのかなどの声に十分に答えないまま、2010年度からやよいとみずのとうの二つの区立幼稚園を廃止し、民間の認定こども園にするために事業者募集を行っています。12月から1月にかけて書類審査、ヒアリングなどを行い、子ども家庭部で構成する利用者選定委員会で事業者を決定しようとしています。区はどのような類型の認定こども園になるかは選定事業者次第と言います。子ども家庭部は、教育の専門ではないのですから、教育的視点に関する教育委員会のかかわりが必要です。利用者選定委員会に教育委員会を加えるべきです。また、その選定過程が公正に行われるよう区民も加えるよう対応を求めます。お答えください。
そもそも認定こども園とは、幼児総合施設として保育園と幼稚園を一体化させたものを命名し、昨年10月に発足しています。類型に、幼稚園型、保育園型、幼稚園・保育園連携型、地方裁量型の4パターンがあります。いずれも認定基準は幼稚園の設置基準や保育園の最低基準より低く、その施設基準は国の最低基準を維持するためのガイドラインだけです。保育園の最低基準は、1948年に制定されて以来ほとんど改善されず、国際的に見ても非常に貧しい基準だと指摘されていますが、それさえ守っても守らなくてもいいとしています。
東京都は、企業参入を促進するためハードルを下げ、国のガイドラインより低い認定基準を作成しました。施設の類型によっては、職員資格は認証保育所並みに6割以上が常勤保育士であればよいとか、施設基準は、新設も既設も幼稚園か保育所のいずれか低いほうを満たせばよいとか、子どもの定数に対し保育士と幼稚園教諭の配置は、現在のものより緩和されているとか、調理業務は3歳以上だと外部搬入もよしとなっています。明らかに保育水準の低下です。また、保育料は自由設定ですから、認証保育園並みに高くなります。事業者が経営しきれないという事態が起きれば、子どもと保護者を不安にし、区は新しい事業者を募集することになりかねません。
このように、認定こども園にはさまざまな問題点が指摘されていますが、区はどのようにとらえておられるのか、見解をお聞きします。
区は、認定こども園として保育に欠ける子ども、欠けない子どもを合同し、認可保育所制度の中に認可外保育施設を滑り込ませ、保育の公的責任を空洞化させようとしています。こうしたことのどこに保育の公的責任を果たそうとする姿勢があるでしょうか。あるのは、ただ子どもに対する必要な整備や財政的措置を担おうとしない国に追随し、児童福祉法が定めた子どもの権利保障の最低基準すら放棄する姿勢です。
区長は、昨年7月の朝日新聞紙上において、経費削減のために区立保育園をすべて民営化する方向がよいと表明し、児童福祉法に定められている行政責任は民営化されても区が責任を負う立場は変わらないとも述べています。これは、責任はあるが、それを果たすのは行政ではないということであり、公立の役割の軽視にとどまらない責任放棄と言わざるを得ません。それで中野の子どもを守れるでしょうか。公的保育制度がなく、保育の市場化を先取りしているアメリカでは、保育職は将来性のない職業と呼ばれています。区が児童福祉法24条の責任を果たすためには、低い基準の施設に子どもを入れて保育料を助成するより認可園での保育を行うことです。区は、さらに認定こども園をふやそうとしていますが、これ以上区立幼稚園や保育園を転換すべきではありません。見解をお聞きします。
次に、保育園で起きている問題についてお聞きします。
区は、10か年計画によって、08年度末に新井保育園を閉園し、民設民営園に転換しようとしています。そのため、現在の保育園児を09年度から沼袋保育園に転園させ、2010年度は民間園やその他に移すなど、子どもたちの保育環境がくるくる変わります。ホールが保育室になるなど、沼袋の園児にとっても大きな影響が生じ、保育園での園舎が不足する分は沼袋高齢者会館を改修して使おうとしています。お昼寝や雨の日の活動に必要な場所が十分確保されるのか、新井と沼袋の保護者に説明し、合意が得られているのかが問われます。また、新井、沼袋、二つの保育園での募集を中止することになり、待機児問題が起きないようにすべきです。お答えください。
新井保育園の建てかえは予定どおり認可保育園にすることを求めます。お答えください。
本郷保育園は、耐震化対策に伴い、来年度の募集を中止して対応するとのことですが、園児の保育をどのように行うのか、問題になっています。本郷保育園の耐震診断結果は、10年前にCランクと判明し、現場から指摘されていたにもかかわらず、補強工事を計画に盛り込まず放置してきたことに問題があります。とにかく、別のところで保育を実施することだけが説明された保護者は、どのような保育が実施されるのか、耐震化された本郷保育園に戻れるのか不安になっています。区は、どこかに臨時の集合ステーションを確保し、一定の時間内に登園した子どもをバスに乗せ、08年度は廃止されても建物が残っている東中野保育園舎へ、09年度は学校に仮園舎としてある桃が丘保育園跡に移動することを検討しているようですが、2歳児から5歳児がたらい回しの毎日を過ごすなどとんでもありません。南部区民ホール建設地として確保した土地に今年度内に補正予算を計上してでも仮園舎を建てて保育すべきです。そうすれば、子どもたちの不安や保護者の負担を軽くできます。また、募集の停止をしなくても済みます。お答えください。
区は、新しく保育園を建てる場合は民間でとの方針を持っているため、これを機会に本郷保育園を廃園してしまうのではないかと心配しています。本郷保育園は効率が悪いといって民間園や認証を考えることは許されません。区立園としての必要な対応を求めます。お答えください。
障害児の送迎支援の実施についてお聞きします。
現在、学童クラブに登録している障害児は57人です。そのうちボランティアセンターなどの送迎を活用している児童は、4割から5割と推計されています。学校から自宅などへの送迎も含め、要望は年々増加の傾向にあります。例えば、中野ボランティアセンターでの8月の状況では、学校から学童クラブへ、バスポイントから学童クラブへ、学校から自宅へなどへの依頼が15人ありましたが、対応できるボランティアが見つからず調整した人は3人、対応困難などは2人、取り下げ一人でした。中野ボランティアセンターに限らず、地域ボランティアセンターでも協力し合って希望にこたえようとしていますが、人がいないことが悩みです。一人の児童に二人が一緒に送迎する場合や、1週間を何人も交代で送迎しています。また、障害の専門知識がある人ばかりではありませんから、緊急時などへの不安があるとも聞きます。この質問をするに当たり、障害児童・生徒の送迎状況を把握している部署が庁内にないことを知りました。区として、新年度から、こうした要望にこたえられるよう対策を立てるべきであり、地域生活支援事業の活用、人材の確保、ボランティアの資質向上への希望に対応できるような講習の実施などの支援が必要です。お答えください。
送迎が無償のところがありますが、中野ボランティアセンターでは、1時間1,000円です。毎日のことですから、保護者の負担は大きくなります。義務教育期間でもあり、区として助成すべきです。お答えください。
次に、地域センター廃止と(仮称)区民活動センターについてお聞きいたします。
区は、地域センターを廃止して、区民活動センターにするために、転換に向けた運営の考え方の案を出しました。来年1月にはその考え方を正式に策定し、11月には区民活動センターの条例を提案、09年の4月には運営委員会準備会を設置し、3カ月後の7月には運営委員会を設立し、区民活動センターの開設をしようとしています。
私たちは、地域センターを区民活動センターに転換することに区民合意が得られておらず、地域自治の取り組み支援と区民サービスの後退につながるため見直しを求めています。今回の考え方でも、運営委員会が公正で公平な運営を行い、遵守事項が守られているのかなどを検証するのは、報告書の提出とパイプ役の職員が行うと説明されますが、住民の視点がありません。また、運営委員会の役割と区の役割などはこれから協議をするとのことですが、リスク分担や情報保護の問題などがどのように確保されるのか不明です。
この考え方は、これまで区民から出されている問題点に答えるものとのことです。しかし、地域住民にとって重大な問題であるにもかかわらず、区が担い手として期待している町会、自治会の役員には説明をし、協議をし、地域住民に対する説明は、方向が決まった後の来年9月に予定されている条例化の意見交換会を予定しています。その進め方には問題があります。協議する内容に地域住民の声が反映される必要があります。そのほうが協議する上でも中身のあるものになります。早い段階で区民説明を求めます。見解をお聞きします。
高齢化に伴い、行政サービスの窓口がより身近にあることが望まれます。現在は区役所を含めた1カ所当たりの対象人口は1万9,000人弱ですが、統廃合されれば5万人になります。また、1カ所の範囲が1キロメートルから2.6キロメートルへと長くなります。23区で中野区と同じような人口規模の区と比較しても、対象人口や距離がこれだけのところはありません。財政効率が優先され、行政窓口を廃止して3億円以上投資したオンラインシステムの撤去、新たな税金投入で自動交付機を設置するといいます。機械の操作になじめない人、尋ねたいと思っても対応する人がいない、混雑することなどが心配されます。複数の職員が配置されるのですから、オンラインシステムを活用して、職員が対応するほうが効率的です。見解をお聞きします。
最後に、東京メトロ駅舎改善についてお聞きします。
地下鉄中野坂上駅から方南町駅間の各駅について、町会、地域住民、利用者、時には杉並区の住民とも共同してホームからの2方向避難路確保、ホームの排煙設備、段差の解消やバリアフリー対策、男女別トイレへの改善、自転車駐輪場の確保などについて要望をしてきました。私たちは、今月の7日にもメトロ本社に出かけ要望してきました。東京メトロは、住民の声と韓国の地下鉄事故の教訓により安全対策を急ぎ、改善が具体化してきました。長い間の取り組みでしたが、ようやく中野坂上駅では、2方向避難路の確保にあわせた出入り口とエレベーターやエスカレーターの整備、排煙設備の整備、中野富士見町駅は、バリアフリー化の完成、2方向避難路確保とトイレ改善の工事が進んでいます。中野新橋駅は、エレベーターや多機能トイレ整備などのバリアフリー対策、2方向避難路と排煙設備などが計画化され、東京メトロが実施した説明会には80人以上の地域の方々が参加されました。こうした改善と安全対策が計画される一方で、中野新橋駅では、ホームから直行できるエレベーターの設置、新中野駅など各駅の自転車駐輪場の整備などが課題として残っています。東京メトロは、将来この区間への乗り入れ車両を6両編成にしたいとの意向があると聞いています。区としても、計画の早期完成と課題の早期解決について、東京メトロに引き続き求めていただきたいと思います。お答えください。
10月23日、都営大江戸線で停電による電車の停車、1,300人が車内に閉じ込められる事故が起きました。送電を管理する司令部は、3日間も不具合に気がつかなかった人為ミスでした。車内に閉じ込められた乗客は、運転席の非常用扉から線路におり、最寄り駅まで歩き、全員が避難を終えるのに2時間近くかかっています。運転席のドアからの避難を原則にしているとのことですが、ワンマン化のため避難誘導は運転手しかいません。中野坂上から方南町駅もワンマン化されています。ワンマン化計画か持ち上がったとき、車掌がいなければ事故などに迅速に対応ができないと安全対策を求めました。万が一事故が起きた場合、線路上に避難することにもなります。丸の内線は電車の線路に沿って高圧電流を送電する第3軌条があり、そのそばを避難することになります。利用者の中には、第3軌条のことを知らない人もいます。区は改めて東京メトロに対し、安全対策を求めていただきたいと思います。お答えください。
以上で私の質問を終わります。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 岩永議員の御質問にお答えをいたします。
後期高齢者医療制度についての御質問でありました。低所得者対策を講じるべきだということであります。11月20日に広域連合の議会で決定された保険料は、既に審査支払い手数料や財政安定化基金の拠出金、それから予定収納率の分、これらについて各区市町村の一般財源を投入し、また、葬祭事業費については広域連合の事業から外すという、全国他に例のないやり方で保険料を低く抑えているものであります。後期高齢者医療制度は、東京都内一体で運営される制度であります。中野区独自でこれ以上の低所得者対策を講じるということはできないと考えております。
それから、国や都に対して支援を求めるべきではないかということであります。
特別区といたしまして後期高齢者医療制度に対する財政支援について、既に国や都に求めているところであります。また、広域連合におきましても、国に対して制度の改善や都に対して財政支援などを要望しているところであります。
それから、健診費用の自己負担についてであります。この自己負担について、区として独自に助成すべきではないかということであります。広域連合といたしましては、健診事業の自己負担額を500円として保険料を計算しているものであります。この考え方に沿って運営してまいりたいと思っております。
それから、高齢者会館の入浴事業の廃止についてということでの御質問がありました。この高齢者会館での入浴事業につきましては、利用が一部の方に限られているといったようなことから、高齢者相互の交流という高齢者会館本来の目的、また介護予防、健康づくりといった目的に必ずしもつながっていないという実態があるため事業を見直すものであります。現在の利用者の方には、必要に応じて介護保険制度の中での入浴サービスの利用でありますとか、さまざまな形で個別にきめ細かく対応をしていきたいと考えております。
それから、20年度予算に向けての主な取り組みについての意見交換会のことであります。全体だけでなく各部単位でもやるべきだと思うがどうだろうかということであります。区民との意見交換については、対話集会に加えまして、区の北部及び南部、それぞれ1カ所ずつで地域説明会を開催して区民の声を反映する、そうした機会といたしたところです。各部におきましても、事業の必要に応じて個別に意見交換を行っているところであります。
それから、認定こども園についてであります。選定委員会に教育委員会や有識者、区民等を入れるべきではないかという御質問でありました。選定委員会については、保育園の民営化における選定方法に準じまして、区の職員で構成をし、区民等は予定をしておりません。しかし、区の職員の中には、教育委員会の職員も含めた構成を考えているところであります。また、財務関係の専門的分析につきましては、専門家に委託して、報告書を提出してもらい、それに基づいて総合的に判断をする予定であります。
認定こども園は、既存の保育園、幼稚園の基準をもとに拡充された制度でありまして、認定こども園になることで、現在運営をしている幼稚園、保育園としての基準がなくなるわけではありません。区内の幼稚園、保育園等が保護者の多様なニーズにこたえる幼児総合施設へと機能拡充をし、区内で保育されている乳幼児も含め、どの子も必要に応じて適切な幼児教育、保育を受けられることを目指すという将来展望を、6月に策定をいたしました幼児総合施設総合推進計画で示しているところであります。
これ以上区立の幼稚園や保育園を認定こども園に転換していくべきではないということでの御意見もありました。幼児総合施設への取り組みの一環として、区立の今回対象としていない保育園、幼稚園も、将来、環境が整った段階では、幼児総合施設としての機能拡充を検討していく必要があると考えているわけであります。
それから、新井保育園について幾つかの御質問がありました。建てかえ中は、沼袋保育園に合流をするということで、沼袋保育園で園児がふえても雨の日の活動やお昼寝の場所等の確保はできるのかといったようなことであります。増加後の園児数に対応するため、沼袋保育園の給食室やトイレの改修などを行うほか、併設する沼袋高齢者会館の一部を改修をして保育室として利用する、そのことによりまして、十分な保育環境の整備を図っていきたいと考えております。
両園の保護者の合意は得られているのかといったような御質問もありました。現在、両園の職員が転園受け入れ後の沼袋保育園の運営がスムーズに行えるよう、施設の利用方法や園の交流についてもさまざま検討をしているところであります。これまでも両園で保護者説明会を開催をしてきておりますが、今後もその検討内容については、沼袋保育園、新井保育園の両園の保護者の皆様にお示しをし、要望や御意見をお聞きしながら進めていきたいと考えております。
園児募集が停止されている間待機児対策は考えられているのかといった御質問でありました。認証保育所の誘致と家庭福祉員の増員を進めていくとともに、認可保育所における定員の弾力化も検討して対応していきたいと思っております。
また、新井保育園の廃止、取り壊し後の用地には認可保育園を設置すべきだと考えるがいかがかということでありました。新たに建てかえ民営化により認可保育園を開設する計画を新しい中野をつくる10か年計画で示しているところであります。現在、準備を進めているところであります。
本郷保育園についての御質問もありました。改修をする間の対応についての御質問であります。仮園舎の設置も含め改修等への対応を検討しているわけでありますが、現園舎の状況調査の結果によりまして、この対応につきましては、できるだけ早い時期にしていきたいと考えております。
また、例え現在の園舎が取り壊しとなったとしても、区立園として存続させていくべきだという御質問もありました。本郷保育園を存続するかどうかについては、今後の保育需要の動向と保育施設全体の定員の見通し等を勘案しながら、民間活力の活用を含め検討をしていきたいと考えております。
それから、障害のあるお子さんの学童クラブへの送迎についての御質問がありました。区として実施をいたします移動支援策のあり方につきましては、その費用負担の問題も含めまして現在検討を進めているところであります。
〔区民生活部長大沼 弘登壇〕
○区民生活部長(大沼 弘) (仮称)区民活動センターへの転換に関する説明会についての御質問にお答えいたします。
(仮称)区民活動センターの運営は、町会、自治会を中心に構成される運営委員会にその業務を委託する考えであることから、まず、地区町会連合会との意見交換を行っているものであります。あわせて、(仮称)区民活動センターの運営についての区民への説明も開催する予定であります。
次に、(仮称)区民活動センターでの窓口サービスの意義についてでございます。(仮称)区民活動センターに配置する職員は、業務が円滑に展開されるまでの措置であり、区と地域とのパイプ役で窓口業務を行うものではありません。
〔都市整備部長石井正行登壇〕
○都市整備部長(石井正行) 東京メトロ駅舎改善と安全確保についてのお尋ねがございました。東京メトロでは、駅舎改善やバリアフリー化に鋭意取り組んでいると聞いております。この中野新橋駅につきましては、駅舎の構造的な問題から、一部階段昇降機の対応となっております。区といたしましても、東京メトロに対しまして、一層の改善を求めているところでございます。
なお、自転車対策につきましては、区への協力を強く要請をしているところでございます。
また、東京メトロからは、列車運行時の事故によりまして、乗客が線路上を歩く事態となった場合には、送電をストップするとともに、駅員の対応を呼ぶなど、安全に誘導できるよう各種マニュアル等に基づく対策を実施するというふうに聞いております。
○副議長(やながわ妙子) 以上で岩永しほ子議員の質問は終わります。
中野区議会議員 きたごう 秀 文
1 防災問題について
(1)南台地域の防災まちづくりについて
(2)都市防災不燃化促進事業に関するアンケートについて
2 (仮称)南中野区民活動センター建設計画について
3 教育問題について
(1)不登校について
(2)民間のフリースクールについて
(3)その他
4 総合防災訓練について
5 商店街支援について
(1)商店街設置街路灯の維持管理について
(2)商店街の防犯カメラ設置について
6 古紙の集団回収について
7 その他
○副議長(やながわ妙子) 次に、きたごう秀文議員。
〔きたごう秀文議員登壇〕
○24番(きたごう秀文) 平成19年第4回定例会に当たり、自由民主党議員団の立場で一般質問をいたします。次の項目についてお尋ねいたします。
1番目に、防災問題について、2番目に、(仮称)南中野区民活動センターの建設計画について、3番目に、教育問題について、4番目に、総合防災訓練について、5番目に、商店街支援について、6番目に、古紙の集団回収について、7番目に、その他でございます。
それでは最初に、防災問題についてでありますが、1番目の南台地域の防災まちづくりについてお尋ねいたします。
先日、東大附属中等教育学校西側道路の拡幅、電線の地中化工事が完了いたしました。11月13日には、西側道路の相互通行の開通式が行われ、中野警察署をはじめ関係機関の方や地元の町会の方、そしてまたもちろん区長も御出席をいただき一緒にお祝いをしたところであります。この取り組みは昭和50年代から始まり、長年の地域要望がやっと実現されました。
あの阪神・淡路大震災から12年10カ月が経過しました。防災意識の低下が懸念される中、南台一、二丁目の地域は、防災街区整備地区計画により、道路整備と建物の不燃化が進められてまいりました。その計画の進捗状況を見ると、地区計画道路の整備率は約40%、補助事業による不燃化住宅への建てかえも済み、南台一、二丁目地域の不燃化領域率は約52%に改善されました。しかし、広域避難場所の安全性を考えると、周辺地域である南台一、二丁目の不燃化領域率は70%に高める必要があると伺っております。
平成18年度、建物の不燃化に対する助成をしてきた都の防災生活圏促進事業が終了し、19年度には避難路である地区道路等を整備している国の密集事業が終了します。そんな中で、密集事業の期間延長と国の都市防災不燃化促進事業の21年度導入に向け準備を進めていると聞いておりますが、現在の進捗状況はどうなっているのか、お伺いいたします。また、(仮称)南部防災公園の整備ですが、今後用地取得に向けて取り組んでいると聞いていますが、どこまで進んでいるのかお聞かせください。
2番目の都市防災不燃化促進事業に関するアンケートについてお伺いいたします。
南台地区の避難場所である東大附属中等教育学校の安全性を高めるため、周辺、おおむね120メートルの範囲でございますけれども、その不燃化をさらに進める必要性から、平成18年12月に新たな不燃化促進事業導入に向けたアンケート調査を実施したと聞いております。まちの環境評価については、買い物など日常生活の利便性、まちの住み心地、近隣の騒音、静けさ、近所のつき合いはよい反面、延焼の危険性、建物の込みぐあい、日当たり、道路の安全性(幅員)などが突出して悪い評価となっております。他に樹木、緑の豊かさ、公園、広場や子どもの遊び場に関しても問題が指摘されております。
また、取り組んでいる防災対策については、一時集合場所や広域避難場所の位置及び避難経路の確認、非常用持ち出し袋や非常食などの用意、家具の転倒防止、家族で待ち合わせの場所や連絡をとる方法を決めるを挙げる方が多い中で、特に何もしていないという方も多く見受けられる。そして、災害に強いまちづくりを目指す必要な取り組みについては、ライフラインの耐震性強化、避難場所、避難路等の安全性の向上、建物などの倒壊防止対策、公園などの公共空地の確保などに強い関心を持っているようであります。また、南台一、二丁目地区の防災街区整備地区計画による防災まちづくりについては、建てかえにあわせて道路を整備していたのでは時間がかかり過ぎるので、もっと積極的にまちの改善、整備を進めていくべきであるとの意見が多い状況であります。
そこでお伺いいたします。これらのアンケート調査について、区はどのような見解をお持ちなのか、またどのような取り組みを考えていらっしゃるのか、お聞かせください。
以上でこの項の質問は終わります。
2番目に、(仮称)南中野区民活動センター建設計画についてお尋ねいたします。
そもそもこの(仮称)南部区民ホールは、かつての南部公会堂と手狭な南部青年館を併設にという計画で建設されることになっていると思います。高齢者から子どもまで利用できる集会室、娯楽室や多目的ホールと南部地域の行政の窓口としての(仮称)区民活動センターの統合した複合施設の早期実現を地域住民は切望しております。現在、年間約9,600万円の家賃を払っている南中野地域センターは、19年度中に賃貸契約が終了します。その後は二、三年の単年度の賃貸契約を結び、この間に複合施設を整備すると以前伺っております。前回の質問に対する区長の答弁では、現在、施設内容や整備手法を検討している、19年度中には案を示したいとおっしゃっております。現状はどこまで進んでいるのか、また、所有者との話し合いはどうなっているのか、お聞かせください。
次に3番目、教育問題について3点ほどお尋ねいたします。
最初に、不登校についてお伺いいたします。
文部科学省の学校基本調査で、06年度不登校だった中学生の割合は35人に一人の2.86%で、前年度比0.11ポイント増で、過去最高となっております。1学級に一人は不登校の生徒がいる計算で、10年前の60人に一人から大きく増加しております。小・中学生が不登校になったきっかけ、これは複数回答になりますけれども、最も多かったのは、無気力や非行など、4万6,320人、いじめは、中学生が3,929人、小学生が759人で、計4,688人となっております。同省が都道府県に不登校がふえた理由を分析してもらったところ、複数自治体が自殺に追い込まれるくらいなら学校に行かなくてもいいと考える保護者がふえた、また、スクールカウンセラーがいじめの被害を最小限にするための選択肢として不登校を進めるようになったなどと回答しております。この実態をどうとらえますか、区の御見解をお聞かせください。
2番目に、民間のフリースクールについてお伺いいたします。
今申し上げましたが、60人に一人が不登校だった10年前に比べ、不登校の中学生が大きく増加した背景には、昨年、ことしと全国で相次いだいじめ自殺のほかに、民間フリースクールなどの新たな居場所が生まれていることが挙げられます。自治体が設置した教育支援センターは、全国に1,164カ所、民間のフリースクールは500カ所に上るとされております。しかも、子ども、保護者の意識も、学校は何が何でも通うべきところではないと変わりつつあるようであります。
そこでお伺いいたしますが、当区にはいわゆるフリースクールは存在するのですか。他区、市を含め、通学している子はいるのか、教えていただきたい。また、中野区はどのような考えに立って不登校対策を行っているのか、お聞かせください。
3番目に、小学生の体力についてお尋ねいたします。
これについては、今、平山議員ですか、質問もされておりました。そしてまた我が会派のいでい議員も3定の一般質問で質問されておりますけれども、主題をいただきましたので、私からも質問をさせていただきたいと思います。
小学生の運動能力は20年前をピークに低下し始め、ここ10年間は低水準のまま推移していることが文部科学省が公表した「2006年度体力・運動能力調査」の結果で明らかになっております。今回の調査は特に小学生の体力が低下する経緯に注目して分析が行われております。それによると、小学6年生、11歳の男子が50メートル走、同6年女子のソフトボール投げ、また立ち幅跳びなどの他の種目も含め、20年前から10年前にかけて平均記録が急激に悪化した後に下げがとまり、最近10年間はほぼ横ばいの状態が続いているそうです。真っすぐ走れなかったり、飛んできたボールをよけ切れずにけがをしたりする子どもも多く、運動能力の低下傾向に歯どめがかからない最低限のレベルまで落ちてしまったこの現状に、同省は危機的な水準ではないかと指摘しております。原因としましては、ゲーム遊びや塾通いなどの運動不足の生活が定着してしまったことを挙げております。健康な心は健康な体に宿ると言われております。運動をして体力をつけることが非常に大事なことと私は思います。中野区においての現状はどうなっているのでしょうか。また、中野区としてはどのような取り組みをしているのか、お聞かせください。
4番目に、総合防災訓練についてお尋ねいたします。
本年も9月2日、中野区防災総合訓練が実施されました。今年度は、南中野地域センター、野方地域センター管内の全小・中学校が避難所を開設しての訓練でありました。午前9時23分に震度6強、マグニチュード7.2の直下型地震が発生の想定のもと、各地域防災会が訓練を開始、仮設トイレの設置、焚き出し訓練、要援護者のケアの訓練等、中野区役所防災分野の職員の協力により避難所の運営が行われました。私も消防団員として訓練に参加をさせていただきました。大変有意義な訓練であったと思います。
当日は、日差しが強く、残暑が厳しい中で行われたせいか、子どもたちの参加は少なかったように思います。学校でも毎月避難訓練をしていると伺っておりますが、どのような訓練なのかお聞かせください。
大勢の人の命を守るためには、速く、安全に、冷静にが避難する条件かと思います。危険が迫ったときに適切な行動がとれるよう訓練を繰り返し、いざというときに生き残れるように子どもたちに体で覚えさせることが必要なことと考えます。この総合防災訓練に大勢の子どもたちを参加させることが大変意義のある大事なことと思いますが、いかがでしょうか。
今回の訓練は初めての試みのせいか、防災会の方、一般参加の方、そして区職員との連携がうまくとれていなかったように見えました。総合防災訓練実行委員会が事前に何回か開かれたと思いますが、各避難所からいろいろと批判の声が上がっておりましたが、聞いておられるでしょうか。それは参加者が職員に尋ねても適切な指導ができなかったと伺っております。災害時には職員は職員の立場として、日ごろから対応する訓練をなされていると思います。区民にとって職員の存在は非常に強く、頼りにしていると思いますので、大変でしょうけれども、マニュアルにしっかり取り組んでいただきたいと思いますが、区長のお考えをお聞かせください。
次に5番目、商店街支援についてお尋ねいたします。
最初に、商店街設置街路灯の維持管理についてお聞きいたします。
昨今、商店街にとりましては、長引く経済の不況、規制緩和等により、区内商店会の運営状況は厳しく、多くの閉店などで商店会を解散せざるを得ないところもあり、財政的に非常に厳しいのが現況であります。
地域の安全、安心を守る商店街設置の街路灯の果たしている役割は非常に大きく、当初の設置費用や修理費用の助成、または電灯料の一部負担など、中野区としても協力しているのは認識しておりますが、解散時に街路灯の撤去費用も捻出できない商店会も散見されます。地域に貢献してきた商店会の街路灯の撤去費用の助成支援はないと聞いておりますが、どうなのでしょうか、お伺いいたします。また、撤去しなければならないのでしょうか、お伺いをいたします。
さらに、各商店会の街路灯は、設置以来相当年数が経過している街路灯もあると伺っています。維持管理について、十分な支援と対策を講ずる必要があると考えますが、区の御見解をお聞かせください。
2番目に、商店街に防犯カメラ設置についてお聞きいたします。
中野駅北口周辺の商店街において、警察大学校の転出以来、いかがわしい業種の進出や客引きの増加、けんかなど今までのクリーンな中野のイメージを損なうような環境の悪化傾向が強くなっていると聞いております。新宿にも近い中野駅周辺の環境悪化は次第に区内全域に蔓延していくおそれが十分にあります。カメラ設置の必要性は住宅街よりむしろ商店街や繁華街にあると思います。そこを利用する住民や外来者の事件、事故防止を強化し、安心して暮らせるまちづくりを醸成するには、本来、警察や行政が強力に対策を打ち出す必要があります。厳しい財政の中、既に一部では防犯カメラの設置が終了している商店会もあると伺っております。この商店会の取り組み、安全、安心なまちづくりを推進普及のため、早急なカメラ設置の助成対策を講じることが必要と考えますが、区の見解をお聞かせください。
次に6番目、古紙の集団回収についてお伺いいたします。
当区では、2004年2月、区の町会連合会が行政回収の混合は経費の無駄だから集団回収を進めてほしいと提案されております。これを受けて区は、翌年度から行政回収をしないモデル地域を定めて、徐々に範囲を広げ、本年4月、全域で行政回収を取りやめ、町会や自治会の集団回収にゆだねる制度に移行し半年が過ぎたところであります。4月のスタート時には小さな混乱はあったが、回収量がふえ、区民の協力でさまざまな効果が出ていると聞いております。それは、9月までの集計、これは速報値でございますけれども、によると、4月以降の古紙回収量は毎月1,500トン前後で推移し、前年比で月100トン前後上回っているようであります。また、住民側と業者が契約を結ぶことで、指定外の業者が勝手に持ち去る行為がやりにくくなったことも要因の一つであります。今年度は、全区域での実施に伴う回収増加量で、昨年度より3,000万円多い1億2,000万円の支出が見込まれております。しかし、前年度約1億3,100万円かかった行政回収の経費は、今年度はゼロになるため、差し引き1億円ほど行政負担の削減になります。そして、住民側から、集団回収を通して町内会に結束が出てきたという声もあり、まさにコミュニティ再生であります。
しかし、心配な点がございます。それは古紙の値段は、近年、お隣の中国等で需要が高まっている影響から、高値で推移しているようですが、下落したとき民間業者が引き取ってくれるかであります。これが今後の課題かと思います。そして、業者の赤字負担分を行政がどう穴埋めするのか、そのときのために先手を打つ施策が必要かと思いますが、考えておられるのでしょうか。考えていらっしゃったらお聞かせください。
その他で2点お伺いいたします。
最初に、中野区内の緑環境の保全についてお尋ねいたします。
中野区の環境に関する現状と問題では、緑を保全できる場として公園の機能が期待されますが、御案内のとおり、一人当たりの公園等面積が約1.31平方メートルと著しく少なく、さらなる緑環境の保全に力を注ぐ必要があると考えます。また、昨今の異常気象による風雨災害等防災の観点からも緑化樹木の必要性が叫ばれております。当区も、保全については、それなりの対策を講じておられると思います。屋上緑化、壁面緑化等、また中野駅周辺まちづくり計画の中での緑化計画のウエートアップ、さらに小・中学校校庭の芝生化であります。強化推進すべきと考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。
最後に、区内南部地域のバス路線についてお聞きいたします。
御案内のとおり、この経路は中野駅南口を起点として、鍋屋横町、中野新橋を経由して南台五丁目で折り返すルートでございます。平成17年9月16日運行開始、はや2年が経過いたしました。現在、1時間に1本の運行であります。利用される区民の方から、増発してほしい、例えば30分間隔という声がございます。高齢者の方からもたくさんの要望がございます。ぜひ事業者に行政から働きかけていただけないか、お伺いをいたします。
以上ですべての質問は終わりますけれども、いつもながら区長並びに理事者の皆さんには、わかりやすい御答弁をいただきたいと思います。ありがとうございました。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) きたごう議員の御質問にお答えをいたします。
まず第1、防災問題、南部地域の防災まちづくりについてであります。この南部地域の防災まちづくりに関しまして、密集事業につきましては、広域避難場所でもあります東京大学附属中等教育学校一帯までの避難経路等が未整備であります。今後も新設道路の整備や避難場所周辺道路の拡幅整備が必要であるわけであります。現在、東京都を通じまして国へ5年間の事業延伸を申請しているところであります。また、新たな都市防災不燃化促進事業の導入につきましては、昨年度実施をいたしました地域の建物等現況調査や、周辺住民の方へのアンケート調査を踏まえながら、具体的な導入方法について検討をしているところであります。
また、南部防災公園の整備について、取得に向けての取り組みはどこまでかということであります。
南部防災公園の整備につきましては、平成21年度の用地取得を目指しまして、現在、東京大学と交渉をしているところであります。今年度中に基本協定を締結し、(仮称)南部防災公園の位置等を固めていきたいと考えております。
都市防災不燃化促進事業に関するアンケートについても御質問がありました。今回のアンケートは、都市防災不燃化促進事業の導入に先駆けて、広域避難場所周辺に住む住民の皆さんの意向を確認するための調査であります。アンケートの回答では、まちづくりに対する関心は高いものの、家屋の耐震補強など実際に実行している人は少ない状況という結果でありました。また、南台地区のまちづくりについては、区の取り組みがよくわからないという指摘をする回答もあったわけであります。区といたしましては、今後さらに広域避難場所の安全性を高めるために、避難路等の整備とあわせて新たに都市防災不燃化促進事業を導入しながら、周辺地区の建物の不燃化を促進していきたいと考えているわけであります。このため、区民の皆様に対して、不燃化促進事業の周知と広域避難場所周辺地区の防火地域の変更や建物高さの最低限度など、用途地域地区の変更等について、よく説明をしてまいりたいと考えております。
それから、(仮称)南中野区民活動センターについてであります。現在の南中野地域センターが将来的に活動センターという形に変更するということで、こういった名称になると思いますが、これにつきましては、現在、整備の方針、整備構想を検討をしているところであります。前回の御質問でもこういった答えでありましたけれども、今しばらく検討の経過をお待ちいただきたいと思っております。
それから、現地域センターの所有者との話し合いについてであります。
次回の契約更新、これは平成20年の4月30日ということになるわけですが、この方針に向けまして、賃料の改定の問題、また今後の移転に伴います契約上の取り扱い、期間の問題などもあります。そうした契約上の取り扱いなどについて協議を行っているところであります。
それから、総合防災訓練について、子どもを参加させることが有意義だと思うという御質問でありました。御質問のとおりだと思っております。
南中野では、中野富士見中学校におきまして、ことしの総合防災訓練では、富士見中学校で中学生による防災隊が組織されているということで、この中学生の皆さんの参加があったわけでありまして、大変意義があるというふうに思っております。こうした形、またさまざまな形で子どもたちの参加がふえるように、防災訓練の主催をして、主に主催をしていただきます地域防災会でありますとか、関係機関と今後も連携を図っていきたいと考えております。
それから、今回の総合防災訓練で職員の指導、取り組みにやはり不十分な部分があったのではないかという御質問もございました。今回の総合防災訓練では、これまでの訓練のあり方と違いまして、各避難所を開設するという訓練を、それぞれの防災住民組織の皆さんに実施していただくという形での訓練でありました。区の職員もそれぞれに振られております震災時の役割を受け持って参加をしたわけであります。これまでのやり方と違うということで、さまざま戸惑いがあったという点では、住民自身の皆様にもそうだったかもわかりませんが、区の職員のほうにもそういった戸惑いがあったということは否定できないと思っております。こういった訓練を行っていく中で、職員が果たすべき役割について、区の側でも十分に学んでいきながら、適切に住民の皆様に対して御指導、お手伝いができるように、職員の力を高めてまいりたいというふうに考えております。
それから、商店街の街路灯の撤去及び維持管理についてであります。
先日の御質問にもありましたけれども、商店街を解散する際の街路灯の撤去ですけれども、街路灯の撤去については、原状回復をしていただくということでありまして、補助制度はないということで御理解をいただきたいと思っております。
仮に撤去をせずに区の街路灯として活用することはできないのかということでありますが、これについて、商店街の街路灯はそれぞれ形なども工夫されているということがありまして、特殊なデザインでありますとか、ワット数が大きいなど、区の街路灯と仕様がかなり異なっているわけでありますけれども、使えるものは使っていくべきだということもあると思っております。老朽度や移管後の維持管理費などを考慮の上、区の街路灯として活用できるかどうか、できないかどうか、そういったことについても十分に検討していきたいというふうに思っております。
それから、商店街灯のかなり年数が経過しているものも多いということで、維持管理に関する支援、対策についての御質問もありました。商店街の街路灯の維持管理につきましては、強度を増すための改修でありますとか、再塗装など、塗りかえなどですね、必要な改修に対して助成を行っているところであります。
それから、商店街の防犯カメラ設置について、助成措置を講じるべきではないかという御質問であります。商店街などが防犯対策の一環として取り組んでいる防犯カメラの設置について、区として助成を行ってまいりたいと考えております。しかし、一方で、防犯カメラの設置に当たりましては、個人情報の取り扱いなどの課題もありまして、条例などの必要性も検討しなければならないと、このように考えております。
それから、古紙回収について、市場の動向によって値段が下落したときの対策は考えているのかという御質問であります。古紙の集団回収を全域で実施をしていただいたということで、大変効果が上がっているということは、議員の御質問のとおりというふうに思っておりまして、これも地域の団体の皆様の御協力の大きな成果であるというふうに私どもも高く評価し、感謝をしているところであります。この古紙の価格についてでありますけれども、市場によって変動するという、こうしたものということで、従来からあるわけであります。現在、定めております報奨金、これは長いこと変わっていないわけでありますけれども、一定の市況の変動があることを踏まえた上での報奨金ということで設定しているつもりでありますので、この報奨金の範囲で一定の変動については対応をしていただきたいというふうに考えております。
それから、緑の保全、それから緑をふやしていくということであります。平成19年度条例改正によりまして敷地面積200平方メートル以上で緑化可能な建築物について屋上緑化、壁面緑化の義務化を行ったところであります。その効果を見ながら今後さらに協力が得られるような懸賞制度も検討してまいりたいというふうに考えております。
また、中野駅周辺まちづくり計画においては、都市の基幹となる公園や公共施設、敷地内の緑化、屋上、壁面緑化の推進によりまして、快適で緑豊かなまちの実現を目指すこととしております。
また、校庭の芝生化につきましては、5カ年程度を目途に計画的に全小・中学校の芝生化を図ることとあわせて屋上緑化や壁面緑化、また緑のカーテンづくりといった多様な緑化の仕組みを取り入れてまいりたいと思っております。今後さまざまなまちづくりの展開の中で、以上申し上げたようなこと、さらに緑の創出に努力をしてまいりたいと思っております。
〔教育長菅野泰一登壇〕
○教育長(菅野泰一) 教育問題につきましてお答えいたします。
まず、不登校の実態と区の対応についてでございます。中野区におきましては、近年、不登校児童・生徒は減少傾向にございましたけども、昨年は増加に転じております。中野区におきましても登校しないことを容認するというか、是認する親がいるなど保護者の意識が変わってきているということは感じているところでございます。
それから、フリースクールでございますが、中野区にも民間のいわゆるフリースクールは存在しております。また、中野区立学校に在籍している児童・生徒の中には、中野区以外のフリースクールに通っている子どももございます。家庭と連携しながら個に応じた対応によりまして登校できるようにすることが大切であると、区としては考えているところでございます。
小学生の体力の状況につきましてお答えいたします。
中野区の児童の体力の現状は、全国平均と同じように、長期的に低下の傾向にあります。今年度、全校が体力テストを実施し、子どもたちの体力の現状を把握した上で、体力向上プログラムを作成しておりまして、来年度からは到達目標を定めまして、体力向上に向けての具体的な取り組みを実施していくこととしております。
それから、総合防災訓練に関しまして、学校での避難訓練の状況につきましてお尋ねがございました。各幼稚園、小学校、中学校では、消防法に基づいた消防計画によりまして毎月避難訓練を実施しているところでございます。地震や火災、水害等の発生時におきます避難、誘導訓練を中心に、起震車体験や保護者への引き渡し、2次避難等、毎月ねらいや想定、内容を変えまして、関係機関や地域の協力を得ながら実施しているところでございます。
〔都市整備部長石井正行登壇〕
○都市整備部長(石井正行) 私からは、その他の項の中で南部のバス増便についての御質問がございました。南部高齢者会館・中野駅間のバス路線につきましては、議会からたびたび御要望をいただきました。その都度事業者に働きかけをしてきたところでございますけれども、事業者からは、乗客数はほぼ横ばいでございまして、採算は厳しく、今のところ増便は困難であるという回答を得ているところでございます。今後も粘り強く働きかけをしてまいりたいと考えております。
○副議長(やながわ妙子) 以上できたごう秀文議員の質問は終わります。
中野区議会議員 久 保 り か
1 安心して子育てできる中野のまちづくりについて
(1)中野駅周辺の課題について
(2)公園遊具の安全について
(3)学童クラブについて
(4)子育て支援住宅について
2 特定健診について
3 学校再編について
4 空き地・空き家対策について
5 鷺ノ宮駅周辺のまちづくりについて
6 障害者就労支援について
7 その他
○副議長(やながわ妙子) 次に、久保りか議員。
〔久保りか議員登壇〕
○25番(久保りか) 平成19年第4回定例会に当たり、公明党議員団の立場で一般質問を行います。
質問は、通告に従いまして1番目に、安心して子育てできる中野のまちづくりについて、ここでは中野駅周辺の課題について、公園遊具の安全について、学童クラブについて、子育て支援住宅について伺います。
2番目に、特定健診について、3番目に、学校再編について、4番目に、空き地、空き家対策について、5番目に、鷺ノ宮駅周辺のまちづくりについて、6番目に、障害者就労支援についてお伺いいたします。よろしくお願いいたします。
初めに、安心して子育てできる中野のまちづくりについて伺います。
まず、中野駅周辺の課題について伺います。
8月26日、中野駅南口の丸井本店が閉店をし、南口のにぎわいや人通りが減少をしています。特に子ども連れの買い物客は駅周辺に行きづらくなったとの声が聞かれます。丸井本店には子ども服売り場、雑貨売り場、玩具売り場など子ども向けの売り場が設置されていただけではなく、こうした利用客のための授乳スペースや着がえ、おむつがえのスペースがあったことにより、子ども連れでも安心して買い物に訪れることができました。しかし、丸井の閉店により、中野を訪れる若いファミリー層には中野駅周辺に行きたくても安心して子どもを連れて来ることができる環境がなくなってしまいました。中野駅周辺で唯一授乳室を設置している区役所は、土日が休みであり、買い物客が利用するのには不向きです。ブロードウェイやサンプラザ、駅周辺の商業地域と協力し、駅周辺の子ども連れでも入りやすい店舗などに、授乳スペースや子どもの着がえ、おむつがえなどキッズスペースの設置を推進すべきと考えますが、いかがでしょうか。
また、子育て世帯が安心して外出できるための情報提供を充実させるべきです。授乳スペースやおむつがえシートなどの設置した施設がわかる子育て安全、安心マップの作成や、現在の区のホームページ上の施設案内を、用途別の検索が可能なデジタルバリアフリーマップに改善すべきではないでしょうか。あわせて、民間施設の情報も検索可能なシステムに改善するべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。お考えを伺います。
公園遊具の点検と安全対策について伺います。
6月に起きた足立区でのタイヤブランコが落下し女児3人がけがをした事故により、区職員が業務上過失傷害の疑いで東京地検に書類送検されたとの新聞報道がありました。そのほかにも公園での事故については数多く報告されています。経済産業省と国土交通省、文部科学省では、公園の滑り台やブランコなどから転落したり、遊具に挟まれたりする事故が相次いでいることから、遊具の安全性に関する日本工業規格を今後3年間かけて策定することになっています。中野区の公園での遊具の安全管理や対策はどのようになっているのでしょうか。
先日、850万円の補正予算を組んで公園遊具に利用案内表示をつけると発表した板橋区に伺いました。区内の公園などの遊具、約1,200基に、利用対象年齢、安全な利用方法などについて、遊具業界で規格統一された専用のシールによって表示するほか、遊具の異常を発見したときの連絡先をシールによって表示するというものです。板橋区ではさらに昨年度より遊具点検資格を持つ委託者による遊具の一斉点検が行われており、この遊具点検にあわせ遊具ごとに表示内容を精査し、その結果に基づいてそれぞれの遊具の状況に適した表示をする予定になっています。新しく公園に設置をした遊具には、専用シールの表示があるということですが、中野区には専用シールの表示のある遊具は設置されているのでしょうか。遊具点検資格委託などによる一斉点検を行った上で、中野区でもすべての公園遊具に安全な利用を促すための専用シールの表示を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。
学童クラブの時間延長について伺います。
学童クラブの長期休暇期間などの時間延長について、第1回及び第2回定例会で我が会派から続けて伺っています。質問に対し、「学校休業日などの学童クラブの運営時間の延長につきましては、児童館全体の職員の勤務時間や勤務体制に影響がございます。こうしたことから児童館の会館時間、開館日との関係を含めて現在検討をしているところでございます」とお答えになっています。拡充に向けての検討結果はどうなったのでしょうか。
来年の4月になれば新1年生が学童クラブを利用します。今まで保育園で6時以降までいられた子供たちにとっては、4月からの環境の変化は大変大きな上、5時には一人で帰宅しなくてはなりません。保護者にとっても突然就労時間を変更することもできず、不安や戸惑いがあり、学校休業中の6時までの延長を望む声は常に聞かれているものです。1日も早い解決をすべきと考えますが、いかがでしょうか。
なかの区報特集号「子育てを応援!中野の保育園・学童クラブ」をごらんになった区民の方からは、民間学童クラブは平日8時まで、土曜日、学校休業日が午後6時までの延長保育がありうらやましいとの声もあります。このままでは民間学童クラブと区立学童クラブの利用者間においてサービスの格差が生じることとなってしまいます。
そこで伺います。なぜ区立の学童クラブでは延長保育を行うことができないのでしょうか。
本年10月から、谷戸学童クラブは民間事業者に委託予定です。次世代育成支援行動計画18年度実績の19年度以降の改善点として、民間活力を活用した学童クラブ運営の検討を行い、学童クラブ全体のサービス水準の向上を図るとしていますが、委託が進むことで職員の勤務時間や勤務体制が整い、区立児童館での開館時間の延長などが可能になっていくのでしょうか、伺います。
安心して子育てできる中野のまちづくりの最後に、子育て世帯支援住宅の推進について伺います。
20年度には第3次住宅マスタープランの策定が予定されています。今後の中野区の大きな課題は、住宅まちづくりにあると考えます。今後10年間の住宅施策の展開の方向性を示した、本年3月策定の東京都住宅マスタープランによれば、子育て世帯の居住支援として、都営住宅における子育て世帯の入居機会の拡大、都民住宅、公社住宅を活用した子育て世帯の居住支援が示されています。そして、目標に関連する施策指標では、子育て世帯の誘導居住面積水準達成率を、2015年までに50%が達成することを目指すとしています。こうした東京都のマスタープランに準じた中野区第3次住宅マスタープランを策定し、区としての子育て世帯向け支援住宅の推進計画を示すべきではないでしょうか。
現在、建てかえ完成間近のコーシャハイム・上鷺宮では、子育て世帯に対して当選確率が各居住区分(一般・地元)において、通常区分の5倍に優遇されることになっています。区内では都営住宅、公社住宅の建てかえが今後次々に行われる予定です。ミックストコミュニティを視野に入れた子育て世帯住宅の誘導を、都営、公社の建てかえにあわせて東京都とともに推進していくべきです。居住面積、誘導世帯数など具体的な目標を掲げて、当選確率の優遇や優先入居戸数の確保などの条件整備をしながら進めていくべきと考えますが、いかがでしょうか。
子育て世代が一時期に住むだけではなく、長くこのまちに住み続けたいと思わせるような良好な環境と良好な住宅がまちづくりの重要なポイントになります。第2次住宅マスタープランでは、地域高齢者住宅計画として、特に高齢者の住宅事情と住宅課題、高齢者の居住の安定を図るために展開すべき施策や供給計画などを整備すると示されています。子育て世帯が住み続けるためには、医療の充実、豊かな自然、質の高い教育などの環境が整っていることが重要です。また、集合住宅には公園や広場、子育て支援機能の設置も望まれます。したがって、第3次住宅マスタープランには、住み続けられる中野のまちの課題を整理した上で、子育て世帯の居住安定化を図るための施策や支援住宅についても計画として位置付けるべきではないでしょうか。
また、公共住宅を含めた住みかえシステムをつくるための賃貸住宅や、ファミリー向け分譲住宅の誘致など、年代が変わっても住み続けることができる中野の住宅まちづくりを進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
以上で安心して子育てできる中野のまちづくりについての質問を終わります。
次に、特定健診事業について伺います。
20年度よりメタボリックシンドロームに特定したという意味で特定健診、特定保健指導が実施されます。従来の区民健診が廃止され特定健診になることに伴い、健診項目についても現在検討が進められています。特定健康診査等実施計画(案)によれば、区は詳細な健診項目のうち、貧血検査と心電図検査を基本的な健診項目とした健診項目メニューを掲げています。しかし、区民健診として実施されていた項目から外されてしまったものもあります。例えば胸部レントゲンのように、中野区では、増加傾向にあると言われている結核感染などを検査するために有効なものは入っていません。現在の健診事業で実施されてきたものは、区民の健康を守るために必要という判断で行われてきたのではないのでしょうか。メタボリックシンドロームに着目した新たな健診項目を実施するとともに、従来の健診項目を継続すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
さらに、特定健診実施計画(案)の中野区の人口の現状には、年齢別では、特定健康診査、特定保健指導の対象となる40から74歳までの人口はほぼ横ばいですが、35から39歳と75歳以上の年齢層が毎年増加傾向にあると報告されています。既に第2回定例会で我が会派より質問がありましたが、この特定健診の対象ではない35から39歳、さらに75歳以上の区民の健診については、どのような方向を固められているのでしょうか、伺います。
また、特定健診の周知、案内方法は、健診受診対象者全員に毎年特定健康診査受診券、受診票を送付するとのことです。現在、区が実施しているがん検診は、自己申請型の手挙げ方式ですが、特定健診の周知案内とあわせてがん検診対象者にも案内を送付すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
特定健診実施計画(案)第6章には、「健診・保健指導対象者に限らず区民全員のセルフケアを支援できるような仕組みを健康づくり施策の中で検討していきます」とあります。国民健康保険の被保険者以外についてはどのようにお考えでしょうか。また、健康づくり施策は、実施計画案には示されていませんが、どのような施策が検討されているのでしょうか。健康状態の改善に役立てる健康自己管理システムの構築などについては、どのような検討がなされたのでしょうか。健診は特定保健指導の対象者を抽出する役割を担うこととなり、これからは保健指導にウエートが置かれるようですが、具体的な指導方法についてはどのように検討されているのでしょうか、伺います。
以上で特定健診についての質問を終わります。
次に、学校再編について伺います。
いよいよ明年、初めての再編校である緑野中学校と桃花小学校が開校します。それに伴い今後の中後期の計画が注目されるところとなってきます。今回の十一中と六中の統合では、廃校となる六中側の生徒数の減少という問題がありました。再編を進める中での課題については、きちんと分析を行っていくべきであると考えます。行事や授業や部活など、生徒たちへの影響はどうであったのか、伺います。
中後期の学校再編を進める前に、通学距離や生徒・児童の分布などから、適正な配置であるかどうかを現状の学校数のまま、まずは学区域の見直しをすることが先決ではないかと考えますが、いかがでしょうか。
現在の学区域についても、通学距離から見ると、指定校よりも近い距離にほかの学校があるなど、必ずしも適正な配置とは言えない場合があります。それぞれの地域の正確な状況と人口の推移など、将来予測を立てながら、じっくりと中後期の再編計画について見直しをするべきではないでしょうか、伺います。
学校施設のバリアフリー化について伺います。
第1回定例会の学校施設のバリアフリー化についての私の質問に対し、教育長は、「学校校舎内でも利用頻度の高い玄関や昇降口、1階トイレなどを優先し順次バリアフリー化を進める計画である」とお答えになっています。エレベーターの設置も含めた学校施設のバリアフリー計画を策定するべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
さらに、学校施設の改築計画については、「築50年を超える学校につきましては、当面10年間の延命措置を加えてまいります。今後の学校再編計画の改定を考慮に入れながら、改築計画については検討してまいりたいと思います」とお答えになっています。平成14年9月の中野区施設白書には、改築対象施設にかかわる経費の推計、2006年時点で耐用年数の残りが10年未満の施設は、学校以外で9施設、学校が5施設の計14施設で、現状の規模で改築するとした場合の経費を試算すると、全体では114億円余りの経費がかかり、うち一般財源は59億円必要としています。しかし、実際は10年間の延命措置を加えるということで、2006年度までには学校の改築は一つも行われていません。施設白書に示された学校以外の9施設というのは、どの施設を指しているのでしょうか、伺います。
白書作成当時とは施設の再編状況も異なっています。新しい中野をつくる10か年計画に基づいた施設白書を作成すべきではないでしょうか。その上で施設再編計画を策定すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
以上で学校再編についての質問を終わります。
次に、空き家や空き地の安全対策について伺います。
数年前から空き家となり、老朽化した住宅にごみが捨てられ、自転車やバイクまでが放置され、大変に危険な状態になっています。この空き家については、子どもたちの通学路の危険箇所にも挙げられ、保護者や地域のパトロールを行っている方たちからも対策を求められています。住宅街での老朽化した空き家や草ぼうぼうの放置された空き地は、防犯や火災の面からも大変危険と感じるとの御相談が多く聞かれています。個人の財産にかかわる問題であり、行政としての対応が難しく、持ち主に問い合わせ、許可をとった上、木の剪定や害虫駆除などを区としても行っている場合もあります。このような空き家や空き地に対して、持ち主への管理責任の指導や区の判断による木の剪定、放置自転車、ごみの撤去などが行えるようにすべきではないでしょうか。寒い時期を迎え、老朽化した木造住宅や枯れ草の放置された空き地には、放火などによる火災の心配もあります。速やかな対策が望まれます。
空き地の管理の適正化に関する条例、安全で安心なまちづくりを推進する条例などの改正により、空き地や空き家に対する指導や勧告など、区長の権限をさらに行使できるようにすべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。また、警察との連携だけではなく、消防署との連携についても、きちんと条例に明記するべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
以上で空き地、空き家に対する対策についての質問を終わります。
次に、鷺ノ宮駅周辺のまちづくりについて伺います。
私は、鷺宮の歩いて暮らせるまちづくりを推進する上で、最重要課題である駅舎や駅周辺のバリアフリー化についてたびたび質問をしてまいりました。特に、南口エレベーター設置については、階段東側の空き地の利用など具体的な提案を含めて行ってきました。しかし、現在ではこの空き地が駐車場として整備され、コインパーキングとして利用されていることから、エレベーター設置のスペースを確保することが困難となりました。そこで、まずは、鷺ノ宮駅南側の安全対策の緊急課題として、階段の中央部に手すりの設置をすることを提案いたします。南口の階段の両サイドには手すりが設置されていますが、階段の横幅が広く、しかも階段が急であり、北口の階段が43段なのに対し、南口は47段と長い階段です。利用者の中からは、せめて真ん中に手すりをつけてくれたら危なくないのにという声が聞かれます。早急に階段の中央に手すりを設置すべきと考えますが、いかがでしょうか、お答えください。
鷺ノ宮駅周辺のまちづくりについては、1点だけお伺いし終わります。
次に、障害者就労支援について伺います。
11月20日、厚生労働省の調査により、民間企業のことし6月1日現在の障害者雇用率は1.55%で、過去最高となったものの、法定雇用率の1.8%は依然として達成できていないことがわかりました。障害者雇用促進法では、従業員56人以上の企業に対し障害者を雇用するよう義務付け、毎年6月1日現在の雇用状況を報告することとしております。中野区内の雇用状況はどうなっているのでしょうか。
厚労省は、雇用が進まない理由として、障害者に仕事は難しいという先入観が企業に残っている、具体的にどのような仕事をさせていいのかわからない企業が多いの2点を挙げています。この点について、区では、障害者就労支援ネットワークの充実とジョブコーチによる支援により、他の地域よりは就労がスムーズに行われていると思います。障害者雇用を推進する上で、ジョブコーチの役割は非常に重要です。今後は、ジョブコーチの育成や労働条件の充実について、区としてもサポート体制を強化すべきと考えますが、いかがでしょうか。
ニコニコ事業団の法人化の目的の一つは、就労支援の拡大にありました。しかし、平成17年の法人化では、就労に関する業務を行えず、就労支援拡大という目的を達するには力不足の法人にとどまってしまいました。公益法人制度改革により、公益法人の規制緩和が行われることになっており、事業団本来の事業が財団法人としても行われるようになる見通しです。ニコニコ事業団の法人の転換に本格的に取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。
次に、民間作業所の充実について伺います。区内の何カ所かの民間作業所では、狭小なスペースのため活動の制限があり、移転地を探しているところもあります。区も高額な家賃補助を行っています。区の未利用地や空きスペースのある施設などを民間作業所のために活用すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
今年度設置された中野区政策研究機構では、初年度の三つの政策研究テーマの一つに、障害者の雇用促進を挙げています。厳しい障害者の雇用状況の改善をするために、障害者、事業者の双方にメリットがある障害者の雇用形態、雇用先となる事業体制創設の方策、雇用創出策など地域での障害者雇用を促進させるための政策を提示することを目的とするとしています。中野区政策研究機構での取り組みの成果には大いに期待しているところです。障害者の雇用促進の取り組みに対する区長の御決意をお伺いし、私のすべての質問を終わります。大変にありがとうございます。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 久保議員の御質問にお答えをいたします。
中野駅周辺の課題について、赤ちゃん用スペースの御質問がありました。ブロードウェイの商店街では、昨年トイレ改修を行いまして、女子トイレにおむつかえスペースを新たに設けたり、2階には多目的トイレを設置をして、車いす利用やおむつかえのスペースを整備して、だれでも利用が可能になっているという状況にもなっております。こうした子育て家庭への配慮というものは、商店側のイメージアップにもつながることでもありまして、区として普及に努めていきたいと考えております。
それから、デジタルバリアフリーマップの作成についてという御質問がありました。現在、ホームページのバリアフリー情報については、主に公共機関の施設について、スロープ、エレベーター、おむつかえシートなどの有無について掲載をしているところであります。これを民間も含めて用途別検索が可能になるように、その実施に向けて民間施設のバリアフリー情報の調査、収集を行うなど、マップの作成に取り組んでいきたいと考えております。
それから、公園遊具の安全管理の問題についてであります。
区内の公園で栄町公園のブランコ、また江古田公園のコンビネーション遊具については、御指摘のシールがついているなど、平成16年度以降に設置した遊具にはそのシールがついている状況であります。また、公園の遊具の安全管理につきましては、チェックリストによって職員が危険部位等ポイント部分の点検を各公園において、最低月1回の割合で行うとともに、総合的な点検を年末に全公園で実施をし、遊具の安全確保に努めているところであります。表示につきまして、御指摘のシールの貼りつけといった手法も含めて、遊具の安全な利用を促すための方策を検討していきたいと考えております。
それから、学童クラブの時間延長について、検討はどう進んでいるのか、難しい理由はどこにあるのかといった御質問であります。現在の区立学童クラブでは、現行の職員の勤務体系の中で、朝の預かり時間を早めてきたところです。今後、通年で午後6時まで保育時間を拡大するためには、少なくとも10数名規模で常勤職員の増員が必要となってまいります。職員2,000人体制に向けての取り組みを進めている現状ですから、こうしたことがかなり難しいということは御理解いただけると思います。今後、業務委託をする学童クラブの保育時間につきましては、最長で午後7時までと想定をしております。また、業務委託に伴う区職員の再配置によって直営のクラブにおいても、通年午後6時までの運営体制を確保するよう進めてまいりたいと考えております。
それから、子育て支援住宅に関連して、住宅マスタープランの改定に関する御質問等がありました。これまでファミリー世帯向け住宅の供給については、区が住宅を借り上げて運営する区民住宅による提供などを中心に進めてきましたが、住宅マスタープランの改定に当たりましては、民間の住宅の誘導による供給促進をさまざまな手法を用いて進めていくというようなことを盛り込んでいきたいと考えております。区といたしまして、都営住宅や公社住宅の建てかえに当たっては、これまでも、ファミリー世帯向けの住宅の確保を要望してきているところでありまして、今後も要請をしていきたいと考えております。また、子育て世代が住み続けるには、住宅だけではなくさまざまな生活環境が整っていることが大切だと考えております。住宅マスタープランの改定に当たりましては、そうした総合的なまちづくりの課題も踏まえて住宅施策の方向性を示していきたいと、こう思っております。
それから、特定健診について御質問がありました。健診項目についての御質問であります。特定健診の健診項目については、国が基準を示しております。その基準を踏まえて検討をしております。選択的に実施する項目のうち、貧血検査と心電図検査については、すべての対象者に実施をしていきたいと考えているところであります。胸部レントゲンについては、項目に入れないという考え方で医師会にお示しをして、医師会とは協議をしているところであります。
それから、特定健診対象者以外の健診についての御質問もありました。35歳から39歳の区民については、これまで区民健診の対象であったわけでありますので、これについては、区独自で健診を実施したいと考えております。なお、その健診項目については、国が定めた特定健診と同様の内容としていきたいと考えております。
それから、75歳以上の区民の健診については、各区市町村が広域連合から委託を受けて実施をいたします。健診項目については、国が定める項目で実施をする予定であります。
それから、がん検診について、特定健診の周知案内とあわせてがん検診の対象者にも同時に案内を送付するべきではないかという御質問がありました。これはやはり同時に送付することがいいというふうに考えているところであります。
しかしながら、20年度につきましては、国保中央会のシステム開発のおくれ等がありまして、特定健診の受診券等を送付する時期とがん検診の案内を送付する時期が一致できないわけでありまして、特定健診の対象者あての通知にがん検診の案内を同封するということは、20年度については困難と思われますので、御理解をいただきたいと思っています。
それから、健康づくりについての区民全員のセルフケアについての御質問もありました。いわゆるポピュレーション・アプローチというのでしょうか、区民全体の健康づくりについて、これも大変重要な課題だと考えております。すべての区民を対象にそれぞれの世代の特性に応じた健康づくりを働きかけ、区民の活動とも連携をして進めていきたいと考えております。区民が活用できる食や運動などについての健康づくりプログラムを策定するほか、区民の健康づくりの関心度に応じた事業の拡充を図っていきたいと考えております。
また、健康づくり施策と健康自己管理システムについての御質問もありました。区民の健康づくりのために健康づくり連携推進会議を設置をいたしまして、関係団体や区民と7回にわたって検討を行ってきているところであります。この結果のまとめを今行っているところです。この会議では、健康づくり行動プラン、これに盛り込むべき考え方を論議していただいているところでして、これを踏まえまして健康づくり行動プランの策定を進めているところであります。この行動プランの具体的展開に当たっては、健康づくりに取り組む区民を支援するため、毎年1月の健康づくり事業をはじめ通年で運動や食生活改善等に取り組めるように事業を展開したいと考えております。
区内の健康づくり関係団体や民間のスポーツ施設、調理教室などと連携をして取り組んで、区民のセルフケアを支援していきたいと考えております。
健診情報等をICカードに記録をして、自己の健康情報の把握と保健、福祉、医療との連携に役立たせるための健康自己管理システムについても検討を行ってきているところであります。健診データの電子化や電子レセプトの導入が進展をしているなど、健康自己管理システムを構築するための基盤が急速につくられつつあると受けとめているところでありまして、こうした動きを踏まえて、導入に向けての検討を進めていきたいと考えております。
それから、特定保健指導の具体的な保健指導、指導方法はどのように検討されているかということであります。国が示しております標準的な保健指導プログラムを踏まえまして、対象者を生活習慣病発症のリスクの度合いによって階層化いたしまして、リスクの高い人には個別支援による指導、それほどリスクの高くない人に対しては、グループでの支援や面接による個別指導などを検討しているところであります。この指導の中では、食生活の改善と運動指導を中心に、6カ月間実施をするという予定であります。
それから、障害者の就労支援について、政策研究機構の成果、取り組みについて決意を述べるべきという御質問がありました。障害者の雇用促進については、大変重要な課題だと認識をしているところであります。障害のある方も本当にみずから生きがいと誇りを持って地域で暮らしていく、そのためには、就労促進というのが大変大きな課題であります。働いてよかった、働いていると実感のできるような収入が得られるような就労を促進していくこと、このことが大変重要だと思っております。そうした政策を生み出していくために政策研究機構の研究を着実に進めてまいりたいと思っております。
〔教育長菅野泰一登壇〕
○教育長(菅野泰一) 学校再編につきましてお答えいたします。前期再編の課題検証についてということでございます。
第六中学校をはじめ少人数校におきましても、授業や行事、部活などさまざまな工夫を行いまして、質の高い教育活動が行われているところでございます。統合対象校に対しましては、今後も必要な支援を行うとともに、児童・生徒が安心して指定校に通うことができるようPRなどに努めてまいりたいと思います。また、これまで統合で出てきましたさまざまな課題につきましては、十分検証して今後の取り組みに生かしていきたいと、このように考えております。
それから、全区的な通学区域の見直しと中後期の再編計画についてということでございます。中期及び後期の再編計画の改定は、区民論議を経た上で、校舎の位置や時期等を定めることになっておりまして、通学区域の見直しにつきましても、その際にあわせて検討したいと考えております。
それから、学校再編にかかわる学校施設のエレベーター設置でございます。学校施設内にエレベーターを設置するということにつきましては、比較的広いスペースを必要とするため、改築や大規模改修時にあわせて設置を検討していきたいと、このように考えております。
〔副区長石神正義登壇〕
○副区長(石神正義) 私からは、施設白書に対する御質問と空き地、空き家対策についての御質問に対してお答えさせていただきます。
まず、施設白書、前回の平成14年に定めました施設白書で示されております2006年段階で耐用年数が10年未満となる施設、学校以外では具体的にはどこかということでございます。これは、北部保健福祉センター、さつき寮、職員研修センター、これは新井福祉作業所施設が併設されているところでございます。商工会館、本郷保育園、桃園地域センター分室、ここには橋場児童館が併設されております。橋場保育園、東中野保育園、療育センターアポロ園の9施設となります。
また、施設の白書を見直したらということでございます。御提案にもありましたが、来年度から10か年計画の改定に着手をしていくということになりますが、この計画に反映させるために、現在、施設白書につきまして、この改定に向けての作業を進めているところでございます。この改定では、区有施設の現状と最適な施設の維持のための保全計画、これを示すこととしております。また、これにあわせて施設の再編についても明らかにしていきたいというふうに思ってございます。
次に、空き地、空き家対策でございますが、既存にある条例、これを改正して指導、勧告など実効性のある条例にしたらどうかという御提案でございます。現在の空き地の管理の適正化に関する条例では、雑草の繁茂によります健康被害、また犯罪の発生抑止のために、雑草の除去について、勧告、措置命令、代執行まではできることとなっております。また、空き地対策につきましても、安全で安心なまちづくりを推進する条例によりまして、防犯上是正が必要であると認めたときには、空き家の所有者、管理者に対して適切な管理を行うよう勧告することとしております。この条例の適正な行使を行いまして、防火、防犯対策に対して取り組んでいきたいというふうに思っております。
また、安全で安心なまちづくりを推進する条例の中で規定しております警察等関係機関、この中には消防署も含まれているということでございます。
〔都市整備部長石井正行登壇〕
○都市整備部長(石井正行) 私からは、鷺ノ宮駅南口階段の手すりにつきましての御質問にお答えをさせていただきます。
国の移動円滑化整備ガイドプランですとか、東京都の福祉のまちづくり条例では、階段の幅、幅員4メートル以上の場合については中間の手すりを設置することとされております。鷺ノ宮駅南口階段は現在幅員が3.6メートル程度でございますが、これについて設置が可能かどうか西武鉄道と協議をしてまいりたいと考えております。
〔保健福祉部長金野 晃登壇〕
○保健福祉部長(金野 晃) 障害者の就労支援についてお答えいたします。
まず、障害者の民間企業における実雇用率についてのお尋ねでございますが、今回の国の発表では、中野区の数字が示されていないため、今年度の実雇用率というものは不明でございます。ただ、昨年度は1.74%でございました。
次に、ジョブコーチについてのお尋ねでございます。ジョブコーチについては、障害者福祉事業団への雇用促進事業委託の中で事業団が配置をしているものでございます。この委託業務の内容につきましては、ジョブコーチの研修費用も含めておりまして、就労支援スキルの向上に努めているところでございます。今後、障害者の雇用促進策については、拡充が必要なことでございますので、ジョブコーチによる就労支援のほか、企業による採用増の方策など、取り得る方策を考えていきたいと思っております。
次に、障害者福祉事業団の法人化についてのお尋ねでございます。現在、障害者福祉事業団は、事業の一部である居宅介護支援事業を社会福祉法人として運営し、そのほかの事業は任意団体として運営をしているところでございます。事業団は、経営基盤強化のため、法人化の検討を引き続き進めておりますので、区としても協議をしていきたいと思います。
次に、民間作業所の充実についてのお尋ねでございます。障害者の民間作業所の施設は、区立施設の貸与を受けたり、また民間から借り上げた場合の家賃を区が助成するなど、区の支援により運営されております。この施設が老朽化したり手狭になっていることから、事業の拡充が図りにくい環境となっております。今後、民間作業所が事業環境の向上を図り、障害者自立支援法に基づき、主体的で安定した運営を行うよう幅広い支援策を検討していきたいと思います。
〔久保りか議員登壇〕
○25番(久保りか) 再質問をさせていただきます。
まず、デジタルバリアフリーマップについてですけれども、民間のことも可能な検索にというようなことで、さまざま調整をしていただけるような御答弁でございました。これは現在のままのシステムでは、とても用途別の検索が可能なマップにはなっていかないと思いますし、また、現在のスタッフの体制では限界があるのではないかというふうに思われます。この辺のところもすべて改善を図るという方向で中野区のホームページについてはお考えなのかどうかを伺います。
それから、学童クラブの延長時間についてです。この10数名規模のスタッフが確保できないと延長できないというようなことで、こういったことでの御答弁がずっと続いていると思われます。20年度からは、この延長は無理なのか、逆に言ったら、20年では、いつになったら学童クラブを、例えば民間に委託をしていくことが進んでいくとかさまざまな要因によって、どういった要件が進んでいけば可能なものなのか、いつからできるというふうに区長はお考えになっていらっしゃるのか、その辺のところをお伺いいたします。
それから、施設白書についてですが、学校以外での9施設、この9施設の中には、10か年計画の中では示されていない施設もあったかと思います。この点については今後どのような形で、50年が経過をしていくと思われますので、その施設についてはどのようにされていくのか、お伺いいたします。
それから、鷺ノ宮駅南側の階段でございますけれども、この階段の手すり設置、4メートル以上ないと設置ができないのではなくて、4メートル以下でもできるのだと思われます。先ほども申し上げましたように、大変な急な階段でございますし、長い階段でありますので、3メートル60センチということで、40センチ足りない階段ではございますけれども、何とか手すりをつけるようにしっかりと西武鉄道と協議を行いながら、区として前向きに検討していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) バリアフリーマップの作成についてでありますが、システムの改修や、システムの大幅な改修というか、システムを変えなければいけないということもあるかと思います。そういう意味では、きちんとした取り組みをしてバリアフリーマップをつくっていきたいというふうに思っております。
それから、学童クラブの時間延長、いつになったら実現するのかという日程的なものを示されたいというような再質問であったと思います。
先ほど言いましたように、職員の数が一定増員のために割けるという状況にならなければ時間延長が進まないということであります。そのために民間の事業者の力を使っていくというようなことでありますので、委託がどのようなテンポで進んでいくかといったようなこととの見合いになっていくということでございまして、現時点で具体的に何年には幾つのクラブといったようなことでのお示しは御容赦いただきたいというふうに思っております。
〔副区長石神正義登壇〕
○副区長(石神正義) 先ほど言いました学校以外の10年未満の施設ですが、この施設のうち幾つかは10か年計画で言われておりますが、そうでない施設につきましては、当然この部分については、新しい改定の中に考え方、再編、また機能への変換等については反映していきたいというふうに思っております。
○副議長(やながわ妙子) 以上で久保りか議員の質問は終わります。
お諮りいたします。
議事の都合により、本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(やながわ妙子) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
次の会議は、明日午後1時より中野区議会本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。
本日はこれをもって延会いたします。
午後5時06分延会
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