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平成19年11月29日中野区議会本会議(第4回定例会)の会議録
平成19年第4回定例会本会議第3日(11月29日)
1.平成19年(2007年)11月29日、中野区議会議事堂において開会された。
1.出席議員(42名)
1番 内 川 和 久 2番 ひぐち 和 正
3番 白 井 秀 史 4番 平 山 英 明
5番 つぼい え み 6番 いながき じゅん子
7番 林 まさみ 8番 山 口 かおり
9番 せきと 進 10番 いでい 良 輔
11番 伊 東 しんじ 12番 佐 野 れいじ
13番 北 原 ともあき 14番 南 かつひこ
15番 小 林 秀 明 16番 の づ 恵 子
17番 奥 田 けんじ 18番 近 藤 さえ子
19番 牛 崎 のり子 20番 小 堤 勇
21番 吉 原 宏 22番 大 内 しんご
23番 伊 藤 正 信 24番 きたごう 秀 文
25番 久 保 り か 26番 やながわ 妙 子
27番 酒 井 たくや 28番 佐 伯 利 昭
29番 むとう 有 子 30番 長 沢 和 彦
31番 か せ 次 郎 32番 山 崎 芳 夫
33番 斉 藤 金 造 34番 篠 国 昭
35番 市 川 みのる 36番 岡 本 いさお
37番 飯 島 謹 一 38番 江 口 済三郎
39番 藤 本 やすたみ 40番 佐 藤 ひろこ
41番 来 住 和 行 42番 岩 永 しほ子
1.欠席議員
な し
1.出席説明員
中 野 区 長 田 中 大 輔 副区長(経営室) 石 神 正 義
副区長(管理会計室) 沼 口 昌 弘 副区長(政策室) 西 岡 誠 治
教 育 長 菅 野 泰 一 区民生活部長 大 沼 弘
子ども家庭部長 田 辺 裕 子 保健福祉部長 金 野 晃
保 健 所 長 浦 山 京 子 都市整備部長 石 井 正 行
拠点まちづくり推進室長 谷 村 秀 樹 教育委員会事務局次長 竹 内 沖 司
計画財務担当課長 長 田 久 雄 経営担当課長 川 崎 亨
選挙管理委員長 小 澤 哲 雄
1.本会の書記は下記のとおりである。
事 務 局 長 山 下 清 超 事務局次長 髙 橋 信 一
議事調査担当係長 大 谷 良 二 書 記 黒 田 佳代子
書 記 永 田 純 一 書 記 荒 井 勉
書 記 菅 野 多身子 書 記 廣 地 毅
書 記 松 本 明 彦 書 記 丸 尾 明 美
書 記 鳥 居 誠 書 記 杉 本 兼太郎
書 記 岡 田 浩 二 書 記 松 本 桂 治
議事日程(平成19年(2007年)11月29日午後1時開議)
日程第1 第59号議案 平成19年度中野区一般会計補正予算
第60号議案 中野区職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例
第61号議案 中野区行政財産使用料条例の一部を改正する条例
第62号議案 中野区議会議員及び中野区長の選挙における選挙運動の公費負担に関する条例の一部を改正する条例
日程第2 第63号議案 中野区地域センター条例の一部を改正する条例
第64号議案 中野区勤労福祉会館条例の一部を改正する条例
日程第3 第65号議案 中野区立児童館条例の一部を改正する条例
第66号議案 中野区立学童クラブ条例の一部を改正する条例
第67号議案 中野区プールの衛生管理に関する条例の一部を改正する条例
第68号議案 中野区立高齢者会館条例の一部を改正する条例
第69号議案 中野区奨学金貸付条例の一部を改正する条例
日程第4 第70号議案 中野区自転車駐車場条例の一部を改正する条例
第71号議案 中野区立公園条例の一部を改正する条例
第76号議案 特別区道路線の認定について
日程第5 第72号議案 中野区立少年自然の家条例の一部を改正する条例
第73号議案 中野区立体育館条例の一部を改正する条例
第74号議案 中野区もみじ山文化の森施設条例の一部を改正する条例
第75号議案 中野区区民ホール及び芸能小劇場条例の一部を改正する条例
午後1時00分開議
○議長(市川みのる) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。
本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。
昨日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 山口 かおり
1 障害者福祉について
(1)障害者自立支援法の利用料負担軽減について
(2)グループホームの整備について
(3)障害者の就労支援について
2 高齢者福祉について
(1)ショートステイの整備について
(2)小規模多機能施設の整備について
(3)区独自のホームヘルパー度について
3 中小業者支援について
(1)公契約制度について
(2)小規模事業者登録制度について
(3)その他
4 多重債務者救済対策について
5 住宅の耐震補強工事の助成について
6 その他
○議長(市川みのる) 最初に、山口かおり議員。
〔山口かおり議員登壇〕
○8番(山口かおり) 2007年第4回定例会に当たり、日本共産党の立場から一般質問を行います。
初めに、障害者福祉についてお聞きします。
昨年の10月から全面施行された障害者自立支援法については、中野区議会として前回の定例会で、抜本的見直しについての論議を国に求める意見書が採択され、また国会では、サービスの応益負担中止と事業者などへの支援を柱とした改正案が審議されようとしています。同法が本格実施されてからわずか2カ月後には、法改正に匹敵するような内容の利用料の負担軽減などの特別措置が実施され、さらには1年も経過しないうちに、法の改正案が国会で審議されている事態は、改めてこの法律が深刻な問題を抱えていると言わざるを得ません。
我が党議員団は、繰り返し、国が軽減施策を実施する前から、区として応益負担の軽減策を行うべきではないかと質問し、要望もしてきました。これに対して区は、国の軽減策が講じられたばかりだと、国の施策を追認する答弁にとどまっています。ここで言う政府の特別対策とは、08年まで通所在宅の福祉サービスにかかる利用者1割負担の上限額を、2分の1から4分の1にまで引き下げるものです。しかしながら実際には、中野区における国の軽減施策の対象者は、利用料負担が発生しない生活保護の方を除いた支給決定者781人のうち373人のみと、半数にも達していません。非常に不十分な措置です。
そもそもこの特別措置は、2年間の限定的な措置であり、応益負担の制度はそのまま残されています。我が党が実施したアンケート調査では、応益負担は廃止すべきという声が9割に上っています。障害のある人の労働権、生存権を侵害し、生活実態を無視した応益負担の実施は、基本的人権の観点からも許されるものではありません。
千代田区、台東区、中央区では、非課税世帯のホームヘルプ利用料1割負担を半額まで軽減する、独自な措置をとっています。国の動向待ちではなく、中野区の利用者の実態から、区として独自に利用料の負担軽減に踏み切るべきです。お答えください。
次に、グループホームの整備状況についてお聞きします。
障害のある方が地域で自立生活を営むための施設基盤を整備していく上で、グループホームは要の施策です。このグループホームの施設整備については、現在区では、知的・身体障害者のグループホームが7カ所、31人。そして精神障害者に至っては、たった1カ所、5人しか入れない状況にあります。精神障害者の家族会の全国組織であった全国精神障害者家族会連合会のアンケート調査では、会員の9割の方が高齢の両親と同居し、高齢者家族の方にその生活が全面的にゆだねられている実態が示されていることからも、要望の強い施策と言えます。
第1期中野区障害福祉計画では、今年度身体・知的1カ所、精神1カ所ずつ、グループホームをふやすという目標を立てていますが、いまだ達成されていません。事業所がグループホーム事業を行う上で一番のハードルは、土地や建物など場所の確保であり、積極的な区の関与なしには事業の実施は大変厳しい状況です。具体的にどのように整備していくのか、答弁を求めます。
次に、障害者の就労支援についてお聞きします。
障害のある方を一般就労に結びつけるための施策として、ジョブコーチの制度があります。障害者自立支援法の施行により、地方自治体レベルでの雇用促進の取り組みが求められています。受け入れ先である企業にも、障害者の雇用の促進等に関する法により、法定雇用率達成に向けた指導や支援策の強化が図られており、就労機会が以前より開かれつつあります。
現在中野区では、障害者福祉事業団でジョブコーチ制度を実施しており、今年度の一般企業への就労者数は32人とのことです。既に就労した先での継続的な支援をしている人が130人とのことですから、160人余りの人を支援していることになります。第1期中野区障害福祉計画では、4年後の平成23年には一般就労する障害者を50名までふやすという目標を立てており、毎年増加させていく計画です。来年であれば、就労した人を定着させるための継続支援を160人以上に行いながら、かつ新規就労を拡大していくことになります。
これを支える職員の体制は、常勤が二人、非常勤が3人と、計5人です。今後5人でこれだけのケースを受け持ち、新規就労を行っていくことは、至難のわざとなってきます。計画目標を達成させるためにも、支援の実態に見合っただけの職員体制の拡充が必要です。現在非常勤の職員は1年契約であり、一定経験を積み、専門性を身につけたあたりで、民間企業に正規社員としてヘッドハンティングされ、やめてしまうという状況もあります。また、民間企業側でもジョブコーチを配置するようになってきていることが背景としてもあります。経験の蓄積を行うためにも、常勤雇用とし、体制を強化してはどうでしょうか。答弁を求めます。
また、先日事業者が決定した区役所内の食堂の事業者募集では、障害者雇用の観点は全く考慮されていませんでした。区内の作業所に対して募集のお知らせも働きかけもなく、事業者選定の際に障害者の法定雇用率について考慮した項目もありませんでした。また、江古田の森保健福祉施設における障害者雇用は、区民の期待にこたえ切れていません。取り組み状況がどうなっているか、お答えください。
こうしたことは障害のある方の就労支援を促進する区の姿勢が問われています。区の事業を民間に委託するような場合の事業者選定の際には、障害者の法定雇用率について必須項目とすべきと考えますが、答弁を求めます。
次に、高齢者福祉についてお聞きします。
中野区では、ひとり暮らしの高齢者が6,709人、要介護4、5の高齢者は2,278人在住されています。区民に向けた保健福祉に関する意識調査のアンケートでは、特に力を入れてほしい保健福祉施策の1番に、高齢者への支援が上がっています。3年前の東京都の調査によれば、中野区内の施設待機者数は1,200人余りとなっており、施設の基盤整備は待ったなしの課題と言えます。入所施設に入りたくても、同居者がいる場合は、どんなに介護者が高齢であってもBランクとなるため、なかなか入ることはできません。施設待機者の介護は多くが家族に依拠しています。特に老々介護は深刻な問題です。
初めに、そうした在宅介護を支えるショートステイの整備についてお聞きします。
2006年度の介護保険サービス実態調査によれば、ケアプランを立てる際に中野区内で不足している介護サービスは何かと、ケアマネジャーに聞いたところ、そのトップにショートステイが挙げられていました。家族の介護負担を軽減するために、なくてはならない事業でありながら、区内には7施設、70人の定員数と、需要に対しては圧倒的に数が足りていません。予約しようとしても、予約できるのは2カ月、3カ月先など、すぐには利用できず、それより早く利用したい人は、中野区では予約がとれないため、新宿区、渋谷区、杉並区など、他区の事業所にするか、三多摩など車で1時間程度もかかる遠方の施設を選ばざるを得ません。
区民から強い期待が寄せられていた江古田の森保健福祉施設では、職員体制が確保できていないため、ショートステイ事業の実施ができていません。今後ショートステイの数をふやすために、区としてどのような手だてを考えているか、お聞きします。
また、送迎サービスの利用については、事業所によって利用料の自己負担が変わってきます。ショートステイは介護事業所が送迎事業を実施することが原則ですが、この事業は職員と車の確保ができないことから、実施している事業所が7カ所中3カ所のみとなっています。介護事業所で送迎サービスがない場合、介護タクシーを利用しますが、介護保険がきくタクシーの台数は限られており、早目に申し込みをしないと使えません。介護保険外の有料の介護タクシーを使うと、1回四、五千円かかります。事業者に対して送迎サービスを実施するよう働きかけるとともに、事業所による事業が実施されるように、独自の補助を行うべきです。見解を求めます。
次に、小規模多機能施設についてお聞きします。
入所施設の基盤が十分に整備されない中で、地域密着型事業である小規模多機能施設の開設が待ち望まれています。この事業を実施している、沼袋にあるふくろうの家を見学してきましたが、大規模施設ではとてもできないような、家庭的なサービスが実施されていました。ショートステイを実施する事業者が1カ所しかない南中野地域では、こうした事業を身近な地域で実施してほしいという声が区民から上がっています。
しかし、この事業を始めるには、土地や建物が持ち出しであることや、経営も大変であることなどから、事業所が手を挙げにくい状況があります。区として、この事業を展開していく上で、どういった手だてをとっていくおつもりか、お答えください。
次に、区独自のホームヘルパー制度についてお聞きします。
介護保険制度の改正後、同居親族がいる場合は、家事援助のサービスがほとんど受けられなくなっています。同居親族がいる場合にサービスを行った際は、ケアマネが不正を行っていると見なされ、罰せられる例もあります。家事援助のサービスは採算が合わないことから、サービスの実施自体を敬遠する事業所もあります。
渋谷区では、介護保険法改正で認められなくなったサービスを区が独自に提供するサービスを、来年1月から実施する予定です。介護保険法改正による給付抑制が区民に影響を与えていることから、区の施策としてホームヘルプサービスを充実することで、引きこもりをなくし、認知症の予防や孤独死を減らしていくことがねらいとされています。
法改正により、1回当たりの利用時間が1時間半に制限されたサービスを、2時間から2時間半にすることや、現行では認められない通院の付き添いや散歩の外出介助、同居者の食事の準備など、生活実態に合わせてサービスが提供される仕組みです。中野区がこのサービスに踏み出せば、どれだけの在宅の高齢者の地域生活を支え、喜ばれるでしょうか。ぜひとも実施していただきたいと思います。答弁を求めます。
次に、中小業者支援についてお聞きします。
初めに、公契約制度について伺います。
中野区では新たな入札、契約制度に関しての検討が進められています。その中で以下の観点から区の検討状況についてお聞きします。
一般競争入札における総合評価入札制度の導入は、高齢者や障害者の雇用、ISO規格の取得、防災協定への参加など、社会貢献の要素が評価項目として検討されており、評価できることです。この中に地元業者を優先的に指定している業者や、地元労働者の雇用比率の高い業者など、地域経済を活性化する観点から、地元を優先する項目を検討すべきではないでしょうか。
また、労働者の直接雇用比率の高い業者、二省協定労務賃金に見合った賃金を労働者に支払っている業者、下請け業者に指導している業者など、労働者への賃金確保への取り組みについても項目に入れるべきです。見解をお聞きします。
現在の公共工事では、元請業者に発注すれば、その後は民民の取引関係で、発注官庁は関知しないとされていますが、公契約工事は税金を原資としており、発注官庁は税金が正しく使われていることを監視する義務があります。公共事業における行政指導で有名な函館方式では、公共事業の発注政策の中に、労働者の雇用政策をしっかりと位置付け、取り組んでいます。公共工事設計労務単価など、具体的な基準を明示した指導を実施し、受注業者の日給を明示し、適正な賃金払いを指導しています。さらには建設業退職金共済制度などの社会保険制度への監視姿勢も明確にしています。足立区、武蔵村山市、大阪府や川越市などでは、公共工事の受注者に向けて、元請・下請関係の適正化などについて、通知文書を出しています。元請業者への指導強化のために、法令遵守を盛り込んだ指導文書を契約の際に周知徹底することが必要と考えます。見解をお聞きします。
また、適切な指導を行うためには、自治体に専門の技術系職員を確保し、育成していくことも必要です。見解をお聞きします。
公共工事の質は、直接区民の命にもかかわってくる問題です。良質な公共事業を確保し、行き過ぎた競争を是正し、適正な工事執行を確保するためには、公共サービス現場で働くすべての労働者に対し、条例による労働条件の基準を保障する自治体公契約条例の制定が必要です。現在37都府県議会を含む全国541地方議会において、公契約制度の必要性を認めた意見書が出されています。中野区議会でも国に対して意見書を提出しています。区としても公契約条例制定を検討すべきではありませんか。答弁を求めます。
次に、小規模工事希望者登録制度についてお聞きします。
この制度は、競争入札参加資格のない地元の業者に、小規模で簡易な工事などの受注を希望する者を登録し、区が発注する小規模な建設工事や修繕の受注の機会を拡大するものです。地域の経済を活性化することが目的とされています。10月26日付の全国商工新聞調査によれば、実施自治体は355と、全自治体数の2割に広がっています。中野区議会でも小堤議員が取り上げ、区としても来年4月からの実施に向けて検討が行われております。区は事業者の登録条件については、税金滞納がないことを登録者の要件として検討しているとお聞きしました。まず仕事があり収入があって、初めて税金を納入できるのであり、税金滞納者をなくす取り組みとしても、この要件は緩和すべきではないでしょうか。滞納分は期日を設けて返済することを条件とするなど、柔軟な対応を求めます。お答えください。
次に、多重債務者救済対策について取り上げます。
国は貸し金業法改正後、多重債務者に対する自治体の役割などを示した、多重債務問題改善プログラムを策定しました。多重債務の問題は、税金の滞納、保育費・給食費などの教育関連の滞納、公営住宅家賃の滞納の問題など、自治体が対応すべき問題に直結する状況を抱えていることが多くあります。そのため過払いを取り戻し、多重債務問題を解決することで、住民の生活を再建することを、差し迫った課題として取り組み始める自治体がふえています。
東京都も関係部局と専門家などによる対策協議会や庁内連絡会議を設置し、多重債務者の発見から相談、法的に成立する流れの中で、連携して生活再編につなげる仕組みづくりに動き始めました。また、多重債務者向けの返済相談に取り組む「生活サポート生活協同組合・東京」に対して、融資資金など10億円を超える出資を検討するなど、自治体として積極的な融資、相談体制に向けた取り組みが始まっています。
足立区では多重債務者の救済のため、庁内で連携して取り組みを進めています。多重債務問題について、職員向けの研修を実施し、区の消費者センターを事務局に、福祉や子育て、教育委員会などで構成する連絡会議を設置しています。連絡会のもとに作業部会を設置し、個人情報を本人の同意を得て共有化し、根本的解決に結びつけています。
世田谷区では、多重債務者支援マニュアルを策定し、江戸川区では滞納整理のための再建管理関係課長会を設け、多重債務者の発見に向けて、全課に協力を依頼しています。中野区の消費者センターに寄せられる多重債務の相談件数は128件、ローンやサラ金に関する相談が68件と、合わせて昨年度データで196件、全体の相談件数の1割に及び、年々増加しています。中野区としても関係部署の担当官を集めて、多重債務について弁護士などから研修を受けることや、庁内横断的に関係する部署の連絡協議会を設けるなど、全庁的な取り組みが必要です。区のお考えをお聞きします。
また、消費者センターで多重債務専門の無料相談日を設けることや、専門の相談窓口を常設することなどの取り組みをしてはいかがでしょうか。
また、こうした取り組みを実施するためにも、職員体制の充実を検討してはいかがでしょうか。答弁を求めます。
次に、住宅の耐震補強工事の助成についてお聞きします。
我が党区議団は23区の中で中野区だけが行っていない住宅の耐震補強工事の助成を繰り返し求めてきましたが、区の考えは、個人の資産価値を高めるものは実施しないというものです。この考え方は典型的な個人財産である住宅の保全は自己責任であり、税金による支援を行うべきでないという、国の基本的方針に沿ったものです。
しかしながら、今月初め、この国の基本方針に大きな方向転換が見られました。全会一致で可決成立した改正被災者生活再建支援法です。同法は、これまで震災被災者の悲願であった住宅本体への支援を可能とし、個人保障と住宅保障実現に向けて支援するものです。住民の命を守ることは、自治体の役割です。区としても耐震診断によって補強が必要とされる住宅に対して工事ができるよう、耐震補強工事費助成制度の実現に踏み出すべきではないですか。答弁を求めます。
その他の項目ですが、昨日、東京高等裁判所で判決が出されました区立保育園の非常勤保育士の解雇の問題について質問いたします。
平成16年3月末、民営化に伴い非常勤保育士28名を解雇した件で、判決は原告の訴えを一部認め、東京地裁に引き続き、損害賠償の支払いを被告である中野区に命じました。今回の判決は、地方公共団体といえども、解雇権乱用法理に反するような雇いどめを行うことは、違法性が強いものであると判断しています。非常勤保育士の職の廃止については、その経済効果は小さく、再任用拒否の必要性に疑問があるとしています。平成11年度以降、急激に財政状況は好転しており、平成16年3月末時点で非常勤保育士の職を廃止する必要性がなかった可能性が高いとしています。違法な点はないとして控訴した中野区にとっては、さらに厳しい判決が下されたわけですが、区は判決の内容を真摯に受けとめて、原告の訴えに即した対応をすべきではないでしょうか。お考えをお聞きします。
以上で私の質問を終わります。(拍手)
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 山口議員の御質問にお答えいたします。
まず、障害者自立支援法に関する改善策をという御質問でありました。国では所得や資産に着目して、負担軽減が必要な層に支援策を実施しているというところであります。今後国が自立支援法の見直しを検討しているところであり、区が独自に利用者負担軽減策を実施する考えはありません。
それから、グループホームの運営補助と整備についての御質問がありました。障害者グループホームは、生活基盤の確保の手段として、障害者の地域生活移行を支える基礎的なサービスでありまして、計画的に拡充をしていきたいと考えております。グループホームの土地や建物の確保は、事業者が行うのが基本と考えておりますが、区といたしましても、情報提供をはじめ、さまざまな形で支援をしていきたいと考えています。
それから、障害者の就労支援に関連してであります。ジョブコーチについては、障害者福祉事業団の雇用促進事業委託の中で、事業団が配置をしているものであります。今後障害者の雇用促進策については拡充が必要なことから、ジョブコーチによる就労支援のほか、企業による採用増などについてとり得る方策を考えていきたいとしているところであります。
それから、食堂運営事業者の募集に関してであります。食堂運営事業者の募集方法については、各事業者に直接お知らせをする方法で行ったのではなく、広く中野区報、ホームページ、ポスターなどを通じて行ったところであります。障害者雇用につきましては、参入事業者が障害者雇用の推進に取り組んでいるか、障害者を雇用する考えでいるかを、選定評価項目の一つに入れて選定をしたところであります。
それから、江古田の森保健福祉施設での障害者雇用についてであります。江古田の森保健福祉施設では、現在2名の障害者を雇用しているところであります。江古田の森保健福祉施設では、今後障害者の雇用を拡大するというふうにしているところと聞いております。区といたしましては、障害者の雇用について引き続き推進していただくよう、法人に要請をしていきたいと考えております。
それから、区が民間に事業を委託する際の雇用率の問題であります。区の事業を民間や事業者に委託する場合は、価格面のほか、事業者の業務執行能力や障害者や高齢者の雇用状況、環境面の配慮など総合的に評価をして、事業者を選定する総合評価方式の導入を検討しているところであります。
昨日の高等裁判所の判決につきましては、内容をよく読んで、対応を考えていきたいと考えております。
私からは以上です。
〔副区長石神正義登壇〕
○副区長(石神正義) 私からは、中小業者の支援ついてお答えさせていただきます。
まず、総合評価の項目についての御質問でございます。現在総合評価方式の導入に当たりまして、先ほど山口議員も言われましたように、業務の執行能力、障害者や高齢者の雇用状況、環境面、こういったことにあわせまして、本店・支店が区内にあるかどうか、こういった地理的条件などについても検討しているところでございます。
次に、労働法の法規の遵守についての御質問でございました。現在でも工事請負契約の元請業者、また警備委託、運送等の請負契約の業者に対しては、下請契約における代金の適正化、下請取引の適正化などについて、法令遵守を要請する文書を配布してございます。労働者の公正な賃金、労働条件の確保のための周知を行っているところでございます。
次に、労働法規等に熟知した専門技術職員の育成ということでございます。労働関連法規の重要性につきましては、発注者としての責務を十分に認識しているところでございます。区の技術者につきましては、専門資格の必須要件でもございます労働関連の法規については、必要な知識を有しているというふうに思っておりますが、さらに能力の向上のための研修などに取り組んでいきたいと思ってございます。
次に、公契約条例の制定でございます。当区では公共事業の入札及び契約の適正化の促進に関する法律、この附帯決議に伴って、国土交通省から通知が来ておりますが、この内容に沿って元請受注者に対して短期雇用労働者の共済制度の加入、また下請契約における代金支払いの適正化について、適正に対応しているところでございます。現在のところ条例化については考えてございません。
次に、小規模工事の登録制度についてでございます。現在小規模工事登録制度の創設、この検討を行っているところでございます。登録業者の要件といたしましては、公平性の観点ということから、特別区民税を滞納していないこと、これを項目の一つとして考えているところでございます。
以上でございます。
〔保健福祉部長金野晃登壇〕
○保健福祉部長(金野晃) 高齢者福祉についての質問にお答えいたします。
まず、高齢者のショートステイの整備についてでございます。ショートステイのベッド増ということでございますが、このベッド増につながる新たな施設開設としては、小規模特養ホームの導入がございます。しかし、現在のところ事業者による具体的な参入予定はないという状況でございます。既存の施設では、空床利用を含め、最大112床の利用が可能な状況でございますので、有効活用を事業者に働きかけているところでございます。
また、ショートステイの送迎についての補助の御質問がございました。ショートステイの送迎については、各施設が実施の可否や内容を定めているところでございます。これは介護報酬の対象となる事業でございまして、区の独自補助は考えていないところでございます。
次に、小規模多機能型施設の整備についての質問でございます。小規模多機能型施設は中野区の第3期介護保険事業計画――これは18年度から20年度まででございますが――区内4カ所の整備を計画しております。現在は北部圏域に1カ所開設済みでございまして、他の地域でも設置の動きが出ております。現在、平成20年度の参入に向けた事業者の募集の準備を進めております。この導入に当たりましては、国・都の補助制度を活用しながら、整備経費等の支援を行う考えでございます。
次に、独自のホームヘルプ制度についての御質問でございます。渋谷区が実施しようとしている新しい施策につきましては、その詳細は未定と聞いておりまして、区としても評価できる段階ではないと考えております。介護保険では介護予防の重視という観点から、ホームヘルプの利用条件が変更されましたが、必要な方には必要なサービスが提供されているものと考えております。
〔区民生活部長大沼弘登壇〕
○区民生活部長(大沼弘) 多重債務相談に関する御質問にお答えいたします。
多重債務問題に関する取り組みについては、既に必要に応じて庁内の各担当間の連携をとっているところでございます。今後事例研修を行い、職員の共通認識を高めるなど、一層の強化を図りたいと思います。
次に、消費者センターで受けた多重債務の相談は確実に専門機関へ結びつける対応を行っており、さらにきめ細かい対応を進めていきたいと思います。また、相談窓口の案内や解決の手だてなど、区民への啓発を積極的に行っていきたいと思います。職員体制については、現体制でも連携の強化など取り組みの充実を図ることにより、対応していきたいと思います。
以上です。
〔都市整備部長石井正行登壇〕
○都市整備部長(石井正行) 私からは、住宅の耐震補強工事の助成につきましての御質問にお答えをさせていただきます。
国が今回改正した内容につきましては、現に大地震で倒壊が起きてしまった場合への生活再建という趣旨の中での考えでございます。区といたしましては、その考えをそのまま取り入れまして、従来の姿勢を崩すと、あるいは変更するという考えはございません。区では平成19年4月から木造住宅建てかえ助成、それから耐震補強工事を行う場合への補強設計費一部助成、これを始めてございます。耐震化の促進をそういうことで図っていくというところでございます。
また、資産活用型耐震改修助成制度につきましては、区による直接の貸し付けあるいは年齢制限貸付金額等、これらにつきましてより利用しやすい制度にするよう、現在見直しをしているというところでございます。
○議長(市川みのる) 以上で、山口かおり議員の質問は終わります。
中野区議会議員 吉原 宏
1 期日前投票のあり方について
2 なつめ公園(中央5丁目)について
3 電算システムの将来像について
4 道徳について
5 その他
○議長(市川みのる) 次に、吉原宏議員。
〔吉原宏議員登壇〕
○21番(吉原宏) 自由民主党中野区議会議員団の立場から一般質問を行います。
最初に、期日前投票のあり方についてお伺いします。
ことしは12年に1度の選挙の多い年となり、4月には統一地方選挙、7月には参議院議員選挙がそれぞれ執行されました。これらの選挙における中野区の投票率は、東京都都知事選挙が51.99%、中野区議会議員選挙が41.71%、参議院議員選挙が55.43%と、それぞれ前回の投票率を上回った結果となったようです。
しかしながら、都知事選挙と参議院議員選挙の投票率を東京都全体の平均値と比較してみますと、いずれの選挙においても若干下回った結果となっており、中野区における投票率向上にはまだまだ課題も多いようです。選挙管理委員会では、選挙時における啓発活動などを積極的に行っており、投票率向上に向けた努力をされていることは承知していますが、投票率向上には啓発活動もさることながら、区民の投票しやすい環境を整備することも大切だと、私は考えています。
さて、中野区では、現在40の投票区があり、それぞれ小・中学校や地域センターを中心とした投票所を設けています。これらの投票所は、区民への利便性を考えれば、投票区の中心に位置していることが望ましいわけですが、なかなかそのようにはなっていないのが現状のようです。中野区選挙管理委員会に投票区設置の経緯を確認したところ、投票区は戦後間もなく各出張所を単位として、町丁別に11の投票区を設定したのが始まりのようです。そして昭和36年には、投票所までの距離や各投票所における有権者数を考慮に入れ、投票区域を原則学区域として全面改正を図ったとのことです。その後は各投票区における人数バランスなどを考慮した上で、順次投票所数をふやしたり分割したりして、現在の40カ所という投票区になったことを確認しました。
最近の投票所を増設した例としては、第7投票所の本郷小学校が、有権者から投票所までの距離が遠い点や、当時は有権者数が8,300人と、区内で最も多かった点などから、一部を分割し、第8投票所として、東京文化学園を新たな投票所として新設した事例が挙げられます。
そこで、今回、区内の各投票区における投票所から最も離れている選挙人までの距離がどれぐらいあるのかを調べてみたところ、約500メートル程度離れている投票所が相当数あることがわかりました。500メートルといえば、高齢者や車いすを利用される方にとっては、大変厳しいものであり、一たび投票日に雨でも降ろうものならば、投票を棄権したくなるような距離にも匹敵するのではないかと、私自身は痛切に感じております。最近私の近所に住む御高齢の方からも、自宅から投票所までが遠く、投票に行くのが不便でならないなどの声も寄せられています。
そこでお尋ねします。選挙管理委員会では現在の投票区についてどのように感じているのでしょうか。また、今後この投票区の位置を見直すことは考えていないのでしょうか。御見解をお伺いします。
あわせて、期日前投票所の増設について質問します。これに関しましては、第3回定例会で公明党の江口済三郎議員が質問をされておりました。先ほど中野区における投票率は、前回に比べて増加していることを申し上げましたが、その裏には期日前投票者数がふえている点が見逃せません。期日前投票は平成16年から開始されましたが、以前の不在者投票と比較して投票が簡単になった点もあり、年々利用される区民の数は増加傾向にあると聞いています。
中野区では現在区役所及び南中野、江古田、鷺宮の3地域センターと、合計4カ所の期日前投票所を設置しています。今後ますます利用者数が増加すると見込まれる中で、私はさらに期日前投票所をふやす必要があるのではないかと考えています。先ほどの質問でも述べたとおり、投票区や投票所の変更を実現することも、区民への投票環境整備の視点から大切ですが、これだけ期日前投票が区民に浸透してきた現在において、26万を超える有権者を有する中野区として、4カ所のみというのは何とも寂しい気がいたします。区民への投票しやすい環境整備を整えることは、選挙管理委員会が区政目標に掲げる「有権者が自由な意思で積極的に投票に参加している姿」を実現することでもあります。区民のサービスの観点からも、早期に期日前投票所の増設を検討する必要があると考えますが、御見解をお尋ねいたします。
次に、なつめ公園につきましてお伺いいたします。
中央五丁目にあるなつめ公園に隣接する駐車場の利用者に、11月中に立ち退いてほしいという話がありました。地元住民の皆さんは建物が建つのではないかと心配をしております。この公園は道路に接している部分が1.8メートル程度しかなく、敷地面積は約330平方メートルで、公園敷地は奥まったところにあります。現在は駐車場となっているので、公園内が見通せる状況ですが、建物が建つと袋小路になってしまいます。このような公園は安全・安心の観点と公園の機能面から、駐車場の購入等を図るように努めるべきではないかと考えるわけですが、区の見解はいかがかをお伺いいたします。
もし袋小路の公園となってしまった場合は、公園の北側と南側が完全に見通しのきかないデンジャラスゾーンとなってしまい、防犯上の観点からも公園として開放しておくことが大変難しくなると思います。そうなりますと、先々閉鎖も余儀なくされ、事実上中野区から公園が一つ失われることにもなりかねませんので、誠意ある対応をお願い申し上げます。
次に、電算システムの将来像についてお伺いいたします。
アメリカのスタンフォード大学が推進し、世界じゅうのパソコン端末と某大手電機メーカーが参加するプロジェクト「Folding @ Home」が世界で最も強力な分散コンピューティング・ネットワークとして、ギネス世界記録に認定されたという発表が、11月1日にありました。このプロジェクトは、パーキンソン病やアルツハイマー病など、たんぱく質の異常な折り畳みによって引き起こされる疾病の原因を究明することを目的とするものですが、その解析には膨大な量の計算を要します。このため分散コンピューティングの仕組みにより、ネットワークを利用して、複数のコンピュータに計算を割り振ることにより、解析を行うことにしたものであります。
中野区でも電算システムの将来像を考える上で、このように大規模なものとは言いませんが、分散コンピューティングのこの仕組みを利用した事業展開を考えることはできないかをお伺いいたします。
次に、道徳についてお伺いをいたします。
今年度内の改定が予定されます学習指導要領で、文部科学大臣の諮問機関である中央教育審議会は、小・中学校の道徳の教科化を見送る方針を固めました。道徳は現在正式な教科ではないために、21世紀の日本にふさわしい教育体制を構築し、教育の再生を図っていくため、教育の基本にさかのぼった改革を推進する目的で設置された政府の教育再生会議が、ことし6月の第2次報告の柱として、徳育を教科化し、現在の道徳の時間よりも指導内容、教材を充実させると明記し、教科への格上げを提言していましたが、中央教育審議会は道徳は子どもの心にかかわるもので、教科書を使って教え込むものではないと判断したわけであります。
我が子の万引きを注意されて逆ギレする親がいるかと思えば、子どもと一緒に万引きする親、子どもに万引きを命ずる親まで珍しくない世の中になってきた現実を踏まえれば、安倍前首相の肝入りでつくられた教育再生会議が、道徳教育の教科化とともに、いわゆる親学の必要性も提言したというのも当然だと思われます。
現行の学習指導要領では、小・中学校がそれぞれ週1こま程度の道徳の時間を設け、文部科学省が配布している副教材「心のノート」や民間の教材会社などが作成した副読本やビデオを使って、思いやりの心を持つ、生命を大切にするといった内容が教えられています。ただ、正式な教科ではないために、教科書はなく、5段階などの数値評価も行われておりません。
しかし、日本人の規範意識の低下が指摘され、学校現場で道徳観や倫理観をもっと教える必要があるといった声が高まったことを受けて、教育再生会議が第2次報告で道徳を徳育として教科にするように、また多様な教科書を使うことも提案したわけであります。
一方、正式な教科にするには、一つ、児童・生徒を数値で評価する。二つ目、検定教科書を使用する。三つ目、中学校以上は各教科専門の教員免許を設けることが条件であり、中教審内でも道徳教育に関してこれらの条件がなじむなじまないなどの異論や慎重論もあったわけで、このため中教審では改定する指導要領では道徳教育の充実を掲げながらも、道徳を教科に格上げしない方針を固めたわけであります。そこで、中野区教育委員会ではこの中教審の方針をどのように受けとめているかをお尋ねいたします。
安倍前首相が最重要課題に位置付けた教育改革で、規範意識の育成は学力の向上と並ぶ重要な柱であったわけで、その目玉とも言える道徳の教科化について、中教審が見送りの方針を固めたことは、教育改革の行方が不透明になっていることを示しています。背景にはもともと中教審の審議でも教科化に慎重な意見が根強かったことがあり、加えて安倍首相が辞任を表明し、首相肝入りで設置された教育再生会議の影響力そのものが薄れていることを指摘する声も少なくありません。ただ、学校現場では道徳の時間が安易にほかの学校行事に振りかえられている実態があるのも事実であり、モラルや規範意識に欠ける行為が見受けられる一方で、地域や家庭の教育力が低下する中、学校現場には内容のある道徳教育を提供する工夫と努力が求められています。そこで、お尋ねいたしますが、中野区教育委員会は学校現場に対して、道徳教育を行う上でどのような工夫と努力をしているのかをお答えください。
そもそも道徳とは、広辞苑には第一義として「人の踏み行うべき道」とあります。ほぼ定説とされていることだけを取り上げて、大ざっぱに道徳の経緯をたどってみますと、孔子に始まる中国古来の政治と道徳の学で儒学にさかのぼります。当初、道徳の原点とされる、父母に孝行を尽くし、よく兄に仕えて従順であることが美徳とされた「孝悌」と、真心と思いやりがあること、忠実で同情心が厚いことを美徳とした「忠恕」の二つの概念がありましたが、この二つの美徳を一つにした孔子の理想的道徳とする「仁」という道徳観念が、「論語」という書によって示されるようになります。そして、儒教で人の常に守るべき五つの道徳として、やさしさ、王者の徳とする「仁」、人と正しい行い、うそをつくなとする「義」、「仁」と「義」を形にしてあらわすとする「礼」、何事もバランスが大切とする「智」、以上の「仁」「義」「礼」「智」の四つの道徳があって、初めて信用を得るとする「信」、この「仁」「義」「礼」「智」「信」を「五条の徳」とし、儒教の根本精神としたわけであります。
そして、時代が進み、我が国では鎌倉時代を迎え、武士という新しい階級が登場するわけでありますが、このとき武士階層に発達した道徳が誕生いたします。これが「武士道」という道徳であります。これは近世、江戸時代に儒教思想に裏づけられて大成をし、我が国各地で武士道を論じる書が編さんされるようになりますが、特に有名な書としては、九州の佐賀藩が藩主鍋島直茂を論じたとされる「葉隠」があります。この武士道という道徳は、定義とされているものがどういうものかといいますと、忠誠、犠牲、信義、廉恥――恥を知れということですね――礼儀、潔白、質素、倹約、尚武、名誉、情愛などを重んじるとするものであります。
ちなみにこの我が国の武士道とよく対比されるものとして、中世ヨーロッパで騎士という身分の台頭によって起きた騎士特有の気風として「騎士道」があります。この騎士道は道徳とは定義づけられありませんが、キリスト教の影響をも受けながら発達し、忠誠、勇気、敬神、礼節、名誉、寛容、そして女性への奉仕などの徳を理想とするものであります。
近年いろいろな方々が武士道を研究、分析しておりますが、大方の意見として、この武士道という道徳は、今現在の日本人の体の中にも、血液の一部として流れており、これからも末永く流れ続けるであろうというふうに言われています。
思想家、教育家として有名な新渡戸稲造は、英文で「武士道」という書を世に出しておりますが、その中で次のように記述しています。「約10年前、著名なベルギーの法学者、故ラブレー氏の家で歓待を受けて、数日を過ごしたことがある。ある日の散策中、私たちの会話が宗教の話に及んだ。『あなたがたの学校では、宗教教育というものがない、とおっしゃるのですか』とこの高名な学者がたずねられた。私が『ありません』という返事すると、氏は驚きのあまり突然歩みをとめられた。そして容易に忘れがたい声で、『宗教がないとは。いったいあなた方はどのようにして子孫に道徳教育を授けるのですか』と繰り返された。そのとき、私はその質問にがく然とした。そして即答できなかった。なぜなら私が幼いころ学んだ人の倫たる教訓は、学校でうけたものではなかったからだ。そこで私に善悪の観念をつくりださせたさまざまな要素を分析してみると、そのような観念を吹き込んだものは武士道であったことにようやく思いあたった」とあります。
我が国の道徳教育というものは、学校での教育はもちろん大切極まりないものですが、学校に入って初めて学ぶものでは断じてなく、我が国の道徳の経緯から見ても、学校に進学するしない以前に、家庭を中心として、地域、社会で学ばされているべきものであるということを、最後につけ加えまして、この項の質問を終わります。
その他、新中野駅の駐輪場について伺います。
このことについてはさきの第2回定例会でも一般質問を行っているところであります。新中野駅周辺においては、放置自転車が歩行者の安全を阻害し、まちの景観を大きく損なっている状況は変わっておらず、一日も早く駐輪場の整備を求めるものでありますが、区長の答弁によれば、杉山公園地下に駐輪場施設を整備するべく検討をしていると伺っています。
杉山公園は御存じのように、地域の皆さんが実施している夏祭りやもちつき大会などのイベント会場になっており、駐輪場の整備には賛成するものの、公園の使用が大幅に制限されるのではないかと心配している方々もおります。地域の皆さんにしっかりと情報提供や説明責任を果たし、理解を得ながら整備を進めていただきたいと思います。
そこで伺います。杉山公園の地下駐輪場設置の検討状況と今後の予定についてお聞かせください。
また、新中野駅の東側出入り口付近にも駐輪場を設置すべく用地を探しているが、いまだ確保できていないというふうに伺っています。こうした状況を踏まえ、駅東側への駐輪場整備について、今後区としてどのような対応を考えているのか、考えをお聞かせください。
次に、本町四丁目36番の旧国鉄清算事業団跡地に計画している高齢者世帯及びファミリー世帯向け住宅の整備についてお伺いいたします。
私は本年の第2回定例会の一般質問で、長年この土地は使い道が決まらずに放置されており、早急に住宅整備に着手すべきとの質問をいたしました。その際、区長からは定期借地制度を利用した民間事業者による建設を考えており、今年度中には何とかしたいという趣旨の答弁をいただきました。その後、建設委員会では報告されているようですが、現時点はどのような取り組みをされているのか。また、今後どのような予定なのか、お聞きしたいと思います。
よろしくお願いを申し上げまして、私のすべての質問を終了いたします。ありがとうございました。(拍手)
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 吉原議員の御質問にお答えいたします。
中央五丁目に所在いたします公園についての御質問でありました。区といたしましても、地形の悪い敷地の公園につきましては、公園の機能の問題だけではなく、防犯対策上からも見直すことが必要と考えているわけであります。当該公園のあり方についても検討が必要と考えているところでありまして、調査をしていきたいと思っております。
新中野駅の駐輪場についてであります。
まず、杉山公園の地下駐輪場の問題であります。区内14駅周辺で唯一、放置規制区域化が未実施であるのが新中野駅周辺であります。この放置自転車対策は区としても早期に取り組むべき重要課題と認識をしているところであります。幹線道路に面した市街地であって、新たな用地確保が大変困難であるということから、杉山公園の地下に自転車駐車場設置の整備を計画しているところであります。早期実現に向けて、現在は公園利用への影響でありますとか、設置位置、それから工期、公園の復旧整備など、公園と自転車駐車場施設が地域にとってより利用しやすいような総合的な検討を行っているところであります。地域の皆様にも必要な段階で御説明をし、御意見を伺っていきたいというふうに思っております。
しかし、一方、東側の自転車駐車場設置についても大きな問題ということであります。こちらの整備状況によっては、杉山公園の方の整備計画もまた変わってくるということもあるわけであります。この東側の自転車駐車場設置について、杉山公園地下の自転車駐車場整備とあわせて整備を行っていきたいと考えているところでありまして、現在適地を探っているという状況であります。
それから、本町四丁目の国鉄清算事業団跡地への住宅の整備についてであります。今般住宅整備に関しまして、基本方針を定めたところです。11月30日に事業者募集要項を公表する予定でおります。今後のスケジュールといたしましては、1月に事業者の応募受け付けを行い、今年度中には事業者を決定したいと考えております。その後、建物の完成と入居の開始ということになりますが、入居の開始につきましては、平成22年度の予定ということでございます。御理解をいただきたいと思います。
私からは以上です。
〔副区長西岡誠治登壇〕
○副区長(西岡誠治) 私からは、分散コンピューティングを利用した事業展開について御説明申し上げます。
分散コンピューティングは、複数のコンピュータに並列処理を行わせることで、一台一台の性能は低くとも、高速に大量の処理を実行できるようになる仕組みというふうに理解しております。ビジネス利用や学術研究など、多くの可能性が模索され、さまざまな試みが行われていますが、現時点では、先生が御指摘の事例のように、高度な科学技術処理に実績が上がっている模様だというふうに理解しております。安価で高度な処理が可能になるという利点の反面、ネットワークへの負担が大きくなる点やセキュリティー面での課題も指摘されております。今後区の情報化の展開においていかなる処理が必要になるか見きわめながら、分散コンピューティングの適用可能性についても考えていきたいというふうに思います。
以上でございます。
〔選挙管理委員長小澤哲雄登壇〕
○選挙管理委員長(小澤哲雄) 初めに、選挙管理委員会の職務に対しまして、日ごろから議員各位の御理解と御指導に対しまして、心から感謝を申し上げたいと思います。この場をおかりしまして、お礼を申し上げます。
吉原議員の質問に対しまして、早速ですが、お答えしてまいりたいと思います。基本的には二つのテーマであったかと思いますので、順を追ってお答えしてまいりたいと思います。
一つは、投票区の見直しについてのお尋ねでございます。投票区は議員御指摘のように、過去からの長い積み重ねの中で決定を見てきたものであり、現在の投票所は多くの区民にも浸透されているものと認識している次第です。選挙管理委員会としては、今後区内における人口動向の推移なども注意深く見守りながら、対応をしていきたいと思っております。
二つ目のテーマは、期日前投票所の増設についてのお尋ねであったかと思います。期日前投票所については、平成15年に江古田地域センターを増設したことで合計4カ所となり、区内の地域別の構成比はバランスよく配置されているものと認識しています。しかし、昨今の選挙における期日前投票における割合は増加の傾向にあることから、その対応について選挙管理委員会の中で積極的に議論を重ねていきたいと思っております。
以上でございます。
〔教育長菅野泰一登壇〕
○教育長(菅野泰一) 道徳につきましてお答えいたします。
初めに、中教審の方針では道徳を教科とすることは見送られたが、そのことを中野区教育委員会としてはどう思うかという御質問でございます。教科とすることは見送られましたけれども、規範意識や公共の精神、生命を尊重する態度などを養うための道徳教育の重要性というのは変わらないことと考えております。
また、中野区教育委員会としては、学校に対して道徳教育を行う上でどのような工夫と努力をしているのかという御質問でございます。道徳の時間の適正な実施を指導することはもとより、学校への訪問指導の際に各学校の実態に応じまして、道徳教育の内容を充実させるための指導、助言を行っているところでございます。道徳教育は各学校が道徳の時間を含め、あらゆる教育活動の中で場面をとらえまして、工夫、努力をしながら行っているところでございます。道徳授業地区公開講座など、年1回以上の道徳授業の公開を通しまして、教師一人ひとりの道徳の授業力の向上を図るとともに、家庭、地域、学校が子どもたちの道徳性の育成につきまして一緒に考えて、相互啓発し合い、実践できるよう工夫しているところでございます。
○議長(市川みのる) 以上で、吉原宏議員の質問を終わります。
中野区議会議員 大内 しんご
1 野方駅とまちづくりについて
2 教育問題について
3 地域間交流について
4 その他
○議長(市川みのる) 次に、大内しんご議員。
〔大内しんご議員登壇〕
○22番(大内しんご) 第4回定例会におきまして、自由民主党議員団の立場から質問させていただきます。
最初に、野方駅とまちづくりについて質問をいたします。
野方駅の南北自由通路整備と駅舎改築について、中野区と西武鉄道は、当初はことしの3月に合意するはずでしたが、両者の協議や調整に時間がかかり、半年ほどおくれてしまいましたが、この10月に合意に達し、いよいよ着手することになりました。地元の方々、また区議会や関係機関の皆様と一緒に、この野方駅整備に全力を挙げて取り組んでまいりました私としても、実現に向けて大きく動き出したということ、感慨深いものがございます。
さて、この野方駅整備ですが、駅・まち一体改善事業を活用して行われます。南北自由通路については中野区が整備し、駅舎部分については中野区と西武鉄道の双方が出資して設立する第三セクターが、国の補助金を得て、駅舎部分を改築することになります。そして、この第三セクターは野方駅整備株式会社という名称となったそうですが、10月25日に第1回取締役会を開催し、10月29日に法人登記されて、正式に設立されたと聞いております。いよいよ本格的に始まる段階となったわけであります。完成は平成22年度前半の予定となっておりますが、当初の予定より半年おくれてしまいました。一日も早く実現していただきたいと思います。
この新しい野方駅舎と南北自由通路が完成すると、北口にも南口にもエレベーターとエスカレーターが設置され、バリアフリー化されます。また、大きいとは言えませんが、現在より広い駅前広場もでき、車寄せのスペースも確保できる予定図ができ上がりました。野方のまちのイメージもこれによってよい方向にさらに変わっていくと思います。その意味からいいますと、この野方駅の整備は、単に駅舎の建てかえと自由通路の建設ということではなく、これからの野方のまちを考えていく中で非常に大切だと考えております。これを契機に今後の野方駅と周辺のまちづくりについて、しっかりとした絵をかいていく重要な時期に来ていると、私は考えております。
そこで、この中野区全体の中で野方駅周辺まちづくりの位置付けを私なりに少し触れてみたいと思います。現在の都市計画マスタープランでは、野方駅周辺を住宅地と調和した区北部の中心とする「交流の心」として育成すると書かれていますが、野方WIZの再開発ビルの建設以降、あまり進展していないように感じます。最近の中野のまちづくりはどちらかというと、中野駅周辺に重点を置いて取り組んできたと思いますが、これからはその他の鉄道駅にも目を向けて取り組んでいくことも必要ではないかと思っております。
平成17年に策定された新しい中野をつくる10か年計画の中「10年後の中野の姿とめざす方向」の項で「緊急な整備が必要な野方駅北口の開設を進めるとともに、西武新宿線と連続立体交差化をめざし、あわせて各駅周辺のまちづくりの取り組みを進めることが求められています」と書かれています。今後は駅の中でも二つの鉄道路線が交錯する東中野駅や中野坂上駅をはじめ、またバス利用者の多い野方駅といった場所については、にぎわいの中心地として、中野駅に準ずる取り組みが必要な地区と、新たな位置付けがされてもよいのではないでしょうか。特に区北部の中心として、野方駅周辺は商店街としてにぎわいのあるほか、駅の乗降客やバスの利用者も多く、交通結節点としても重要な拠点となっています。また、将来の西武線の連続立体交差事業でも視野に入れて、魅力ある野方のまちをつくっていくことも期待をされています。
そこで、1点、 野方駅とまちづくりで質問をいたします。中野全体の交通や地理的バランスを考えると、野方駅周辺を中野の北部地域におけるにぎわいの拠点として位置付けて、今後のまちづくりに取り組んでいきたいと思いますが、区長の所見をお伺いいたします。
次に、教育問題の中でいじめの問題について質問いたします。
文部科学省が11月15日に報道発表した、平成18年度における児童・生徒の問題行動等の状況では、いじめの定義が見直されております。これにより実に小学校で平成17年度で約5,000件だったものが、18年度の報告では6万件と約12倍、中学校では1万4,000件だったものが5万1,000件と約4倍に、高等学校では2,000件から1万2,000件と約6倍に、特殊教育諸学校では71件から384件、合計は約2万件から12万5,000件に達しました。これは平成18年度から公立学校に加えて国立・私立学校も調査対象となったとしても、大幅な件数の増です。
そして、いじめの態様の調査の中で、今回初めて記載された項目の、パソコンや携帯電話での誹謗・中傷の件数は、小学校では500件、中学校で実に2,700件となり、改めていじめの方法の多様化、さらに陰湿化が浮き彫りになりました。
今回の調査では、文部科学省がいじめの定義を見直した結果、このような件数の増につながったと分析をされています。平成17年度までの定義では「マル1自分より弱い者に対して一方的に、マル2身体的・心的な攻撃を継続的に加え、マル3相手が深刻な苦痛を感じているもの。なお、起こった場所は学校の内外を問わない」としています。「なお、個々の行為がいじめに当たるか否かの判断を表面的、形式的に扱うことなく、いじめられた児童・生徒の立場に立って行うこと」というものでした。
これが平成18年度からは、「いじめとは当該児童・生徒が一定の人間関係のある者から心理的、物理的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているもの」との定義に変わりました。これだけの定義の変更で、平成17年度2万件から、18年度12万5,000件と、これほどの件数増になるとは、とても信じられない気がいたします。当然中野区のいじめの報告でも大きな差があったと記憶しています。いじめの定義が変わったとしても、平成17年度までの調査がいじめの実態をとらえることができていたのか、疑ってしまうのは私だけではないと思います。改めて17年度と18年度の文部科学省へ報告した児童・生徒の問題行動等の状況のうち、中野のいじめの数をお聞きしたいと思います。
次に、文部科学省が8月21日に報道発表したものによると、24時間いじめ相談ダイヤルには、ことしの2月7日開設から8月6日までの6カ月間に、実に4万6,000件もの相談が寄せられたそうです。そして、この相談により迅速な対応につながった例としては幾つかありますが、例えばいじめの被害と担任の不十分な対応について、小学生の保護者から相談があった。都道府県教育委員会から市町村教育委員会へ連絡し、学校において保護者及び児童との話し合いが行われ、いじめの実態について共有化できたことにより、加害児童に対して適切な対応が行われたなどがあります。こうした事例はまさに氷山の一角であると、私は思います。まだまだ陰湿ないじめに遭い、実際に相談もできない児童・生徒の数は想像がつかない状況であると、私は確信しているところであります。
そこで、お伺いいたします。中野区も教育センターにこども110番を開設していますが、開設以来、この直近まで何件の相談があったのか。また、その成果をお教えいただきたいと思います。
昨年10月19日に文部科学省から各都道府県の教育長にいじめ問題への取り組みの徹底についての通知がされております。この通知では、一つ目にいじめの早期発見・早期対応について。二つ目にいじめを許さない学校づくりについて。三つ目に教育委員会における支援についてという内容になっております。そして別に、いじめ問題への取り組みチェックポイントがあわせて示されておりますが、具体的にどのような成果がこの1年であったのか、お聞きいたします。
次に、山崎幹事長が第3回定例会の総括質疑で質問しようと思ったんですけれども、多少時間がなくてできなかったことに関連をして質問させていただきます。
大阪樟蔭女子大学の学長で、いじめや不登校問題のスペシャリストと呼ばれる森田洋司さんという方がおります。森田学長は、いじめの定義について、いじめとは同一集団の相互作用過程において優位に立つ一方が、意識的にあるいは集合的に他方に対して、精神的、身体的苦痛を与えることであるとしています。そして、キーポイントとしては、一つ目に、いじめには力関係による差、アンバランスが見られること。二つ目に、いじめにはあいつをいじめてやろうという意識性があること。三つ目に、いじめにはいじめ、いじめられる関係だけで成立するのではなく、彼らを取り巻く観衆、傍観者が集合的に存在することと、森田学長は定義づけております。
文部科学省の定義からすると、1対1の関係とのみ読み取れますが、森田学長の論説では、1対1の関係と、取り巻く観衆、傍観者が集合的となって存在するとしています。この森田学長の定義についてまず教育長に御見解を伺いたいと思います。
また、森田学長の指導方針の内容は、いじめにはいじめっ子、いじめられっ子、見て見ぬふりをする傍観者、おもしろがってはやし立てる観衆の4層が存在し、この4層が固定的ではなく、見えにくい構造を持っているといういじめ集団の4層構造理論を強調しています。教育委員会としてはこうしたいじめ集団の4層構造理論についてどのような見解をお持ちなのか。また、こうした集団を今後どのように指導されていくのかをお聞きいたします。
最後になりますが、この項の最後で、各自治体の教育委員会ではさまざまないじめ撲滅対策が講じられております。そして、その対策がもはや学校や教育委員会だけでは対応できないものになっております。区民や地域、関係機関との連携や協力、支援を受け、区全体の運動として取り組んでいく必要があると、私は常日ごろから考えております。
そこで、区として例えば「いじめゼロの中野の教育」などのスローガンを掲げ、区長が先頭に立ち、区を挙げていじめの撲滅運動を推進してはどうかと考えますが、区長の御決意をお伺いし、この項の質問を終わりますが、最後に昨年11月に、当時の伊吹文明文部科学大臣が子どもたちに呼びかけた文章を紹介いたします。
「未来ある君たちへ。弱いたちばの友だちや同級生をいじめるのは、はずかしいこと。仲間といっしょに友だちをいじめるのはひきょうなこと。君たちもいじめられるたちばになることもあるんだよ。後になって、なぜあんなはずかしいことをしたのだろう、ばかだったなあと思うより、今、やっているいじめをすぐにやめよう。いじめられて苦しんでいる君は、けっして一人ぼっちじゃないんだよ。お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん、きょうだい、学校の先生、学校や近所の友達、だれにでもいいから、はずかしがらず、一人でくるしまず、いじめられていることを話すゆうきをもとう。話せば楽になるからね。きっとみんなが助けてくれる。」ぜひ勇気を持って、身近な方あるいは教育委員会、いろんなところに相談をする勇気を持っていただきたい。皆さんを助けを待っている人が必ず身近にいます。ぜひ勇気を持って相談をしてください。
次に、地域間交流について、区の施策の進捗状況をお伺いいたします。
地域間交流は、現在総務省や農林水産省、文部科学省においても、来年度の国の概算要求でもさまざまな取り組みが計画をされています。現在過疎地域をはじめとする地方では、人口減少と高齢化の進展などの厳しい状況にあります。一方、都市圏では、大量退職時代を迎えた団塊の世代をはじめ、環境に恵まれた地方での生活へのニーズが高まっています。そこで、地域の活性化を図るとともに、都市住民のニーズに的確に対応するため、都市から地方への移住、交流の促進を図る必要があると、私は以前から主張してまいりました。
こうした背景から、私は昨年の平成18年6月30日、第2回定例会の一般質問におきまして、地域間交流について何点か御提案も含めて質問をさせていただきました。この質問では、初めに自治体間交流について、今後区はどのようなスタンスで臨んでいくのか、基本的な考えをお聞きいたしました。区長からの答弁は、行政レベルが主体となる、行政中心となるということではなく、民間レベルにおけるさまざまな分野の住民による主体的な交流が重要であると考えている。そして、地方との連携によって、農業生産地と消費地との協力によるリサイクルの推進であるとか、自然エネルギーの利用などの環境事業への取り組み、また野菜や魚などの産地直売による産業振興など、地域の活性化につながるさまざまな地域間の交流に取り組んでいきたいという、積極的な御答弁をいただいたところです。
しかしながら、平成19年度予算ではこうした取り組みの予算が編成されておりません。来年度に向け、区として今後どのように取り組んでいかれようとお考えなのか、初めに区長のお考えをお伺いいたします。
私の昨年の質問では、地域間の交流を通して、両自治体の産業の活性化や雇用の創出を図っていくべきではないかという質問もしています。この質問に対して区長から、友好都市をはじめ、地域間交流を今後は民間を含め、人・物・経済が具体的に動いていく交流、こういった形にしていくという方針である。個々には中野まつりや商店街、それから地域の中でも、例えば上高田地区と群馬県妙義町との交流など、イベントを接点とした取り組みはこれまでさまざまに区内で行われてきたところであるけれども、こうしたイベント的な交流を相互の地域振興につなげるような継続的な仕組みにしていくという必要性について、十分認識をしているし、可能であるとも考えている。他の自治体等の取り組みも参考にしながら、事業主体やあるいはビジネスモデルのあり方など、相互の地域振興に寄与するトータルな視点で検討を進めて、中野区としての取り組みをつくり出していきたいと考えている。雇用創出といった課題についても、その中で一定の成果が出てくるものと期待をしているといった答弁がありました。
この答弁の中で、相互の地域振興に寄与するトータルな視点で検討を進めているとの内容がありましたが、現在具体的にはどこまで検討が進んでいるのでしょうか。お聞きをいたします。
私は最近、ある会合で区内の産業団体の役員の方とたまたま同席した際に、地域間交流を契機とした商店街振興や経済交流についてお考えをお聞きしたことがあります。役員の方からは、商店街を中心として、人・物・経済が具体的に動いていく交流が成功している事例として、例えば板橋区の大山商店街など、地域間交流の取り組みを進めることにより、商店街の活性化につながると思うが、具体的に区はどのように支援してくれるのか。また、どの地域と連携することが好ましいかといった情報が少ないし、また区からの情報も少ないので、いま一歩踏み出すことができないといったお話を伺いました。
実際こうした取り組みは、単に催し物に参加するのではなく、地域間の交流を通して、両自治体の産業の活性化や雇用の創出を図っていく必要があり、それは自治体中心の交流ではなく、市民や民間レベルの交流を基本とし、それを自治体が積極的に支援する仕組み、システムとすることで、末永い交流につながると考えます。私はこれからの地域間交流は、区と民間がそれぞれの役割分担を明確にし、民間主導の取り組みが十分に機能するよう、区の支援策、役割を明確に示していく必要があると考えますが、お考えをお伺いします。
次に、自治体間交流についてお聞きをいたします。
区は、国内であれば福島県田村市――平成18年に常葉町など周辺5町が合併し、名称が変更したところでございます――また海外では:中国北京市西城区との友好姉妹都市提携を締結し、今後は大韓民国ソウル特別市陽川区とも関係を構築する方向でいるものと推測をしています。私は昨年の質問の中でも触れましたが、現在の友好姉妹都市との交流は、どちらかといえば自治体中心、主導型の交流を進め、その結果市民レベルの自主的な交流はどこまで進んだのかという指摘をさせていただきました。特に田村市では、毎年小・中学生が移動教室や夏季学園などで訪問し、地元の方々にお世話になっていますが、地元の児童・生徒、農家の人とその後の交流は皆無に近いのが現状との指摘もさせていただきました。実際田村市との交流は、単に中野まつりや花と緑の祭典などの催し物に参加することが主体となっているように思えてなりません。真の自治体間交流とは、市民・民間レベルの交流を基本とし、それを発展させる政策が必要であると思いますが、あわせて御答弁をお願いいたします。
最後に何点か御提案を含めて、質問をさせていただきます。
初めに、昨年の質問の際、中野区と地方の市町村との間で地場産業の名産品、特産品の流通システムを構築し、(仮称)中野市場などの定期的または恒常的な市場を開き、中野に来れば交流のある各地の名産品が手に入ることをPRし、中野に人を呼ぶことで区や地方の市町村の地域振興に寄与できるとの提案をさせていただきました。この提案では、区内商店街の空き店舗の活用や販売協力店、いわゆるアンテナショップの協力など、要するに区内に眠っている社会的資源を地域振興に活用していくべきであるというものです。そこで改めてお伺いいたしますが、区は今後どのような事業を進めていくのか。実施時期も含め、具体的なお考えをお伺いいたします。
次に、関連して人的資源の活用の観点から、御提案も含めて質問いたします。
区内商店街の空き店舗を活用などの社会的な資源を運営していくには、その販売や物流、在庫管理などに従事する人材が欠かせません。こうした担い手として、現在区内の未就業者、ニート、障害のある方、高齢者、生活保護受給者、そして来年以降に定年を迎える団塊の世代の就労先として確保できるものではないかとも提案をさせていただきました。区は本年度から調査研究機構の研究テーマに障害者の雇用対策を示して、現在研究されているとお聞きをしています。障害者や高齢者の雇用創出のため、積極的に事業者を募集し、支援していくべきだと考えますが、区長の御見解をお伺いいたします。
この項の最後に、館山市と旧館山健康学園用地について、改めて質問させていただきます。
昨年の質問の際に、旧館山健康学園用地につきましては、売却せずに、もし仮に中野区と館山市の交流が実現するならば、双方の活動や交流の拠点として活用してはどうかという提案もさせていただきました。区長からは、現時点においてはやはりこの用地について売却の方針を撤回するという段階ではない。引き続き売却に努力をしていくとの答弁があったところです。
所管に聞くところによると、区長の述べたとおり、鋭意努力はしているが、現在も買い手がなく困っているとのことでした。私も昨年、健康学園の施設がどのようになっているのかを視察してまいりましたが、現在も当然廃止時のままになっているそうです。この際売却は潔くあきらめ、売却という方針を早目に撤回し、施設の整備を行えば、大規模な施設改修をしなくても、例えば学校のセカンドスクールや中学校の運動部などの部活の合宿所、臨海学校の宿泊先として活用できると思います。さらに中野区民と館山市民の地域間交流を通して、経常経費がかからない運営方法を検討してみるのもよいと思います。来年4月に統合となる区立第六中学校はもちろんですが、ぜひ区民の貴重な財産を有効に活用してほしいと思います。区長の御英断をお伺いいたします。
最後になりますが、ことしは昨年の一般質問の提案を繰り返す質問に終始いたしましたが、これは地域間交流が実際どのように進んでいるのか、わかりにくい状況にあるため、再度質問させていただきました。今回の質問を受けて、区としての取り組みを早急に明らかにされ、来年の当初予算の際に、地域間交流等事業費が何らかの形で計上されることを大いに期待いたしまして、すべての質問を終了させていただきます。(拍手)
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 大内議員の御質問にお答えをいたします。
野方駅周辺のまちづくりについてであります。野方駅周辺は、区内北部を走る西武新宿線と環状7号線の交通結節点であります。また、かねてより商業施設や公共施設などが立地をしていたという地域でもあるわけです。また、将来の連続立体交差事業もあるわけで、今後野方駅周辺につきましては、連続立体交差の事業と一体となったまちづくりを進め、活力と魅力に満ちた地域として推進をしていくという考え方で取り組んでいくわけであります。
それから、いじめの問題について、区を挙げて取り組むべきではないかという御質問であります。いじめの根絶には、家庭、学校、地域など、すべての関係者がそれぞれの役割を果たして、一体となって取り組むことが必要であります。今後、地域子ども家庭支援センターを中心とした子育てネットワークの中で、地域ぐるみで子どもたちを見守り、支える活動を広げることによって、いじめのない地域社会づくりを進めていきたいと考えております。
地域間交流の取り組みの検討状況についての御質問もありました。この取り組みについて御質問をいただいてから、はかばかしい検討が進んでいないのではないかといったような御趣旨でもありました。私も遺憾に思っているところでありまして、鋭意取り組んでまいりたいと思っております。今年度区民生活部の部内に、里・まち連携担当を設置いたしまして、地域間交流の全体の枠組みについて取りまとめながら検討を進めてきているところであります。現在市民が主体となった地域間交流を推進するための組織づくりや事業の具体的な進め方、また交流の可能性のある自治体に関する調査などを行っているところです。
この中での区の役割といったようなことについての御質問もありました。今後の地域間交流については、区と民間の役割や機能を明確にした上で、民間の活力や創意工夫が生かせるように、民間主体で人・物・経済が動くような具体的な手法を構築していく必要があると考えているわけであります。それぞれの地域の市民が暮らしのレベルから息の長い取り組みができ、相互の地域で継続的に展開できるような、そんな取り組みをしていきたいというふうに考えております。
事業の進め方、時期等についてですが、中野区内でも関係をしていただくべきさまざまな団体があるというふうに思っております。区商連等、区内の関係団体や、あるいは交流を想定する相手方先の関係者との協議の場を設けるなど、具体的に事業を進める準備をしていきたいと考えております。
また、雇用の創出も視点に入れるべきではないかという御質問もありました。私もそう考えております。障害者や高齢者などを含め、雇用の創出という観点からも、可能性のある分野だと思っておりますので、その点も積極的に検討を進めていきたいというふうに思っております。
それから、旧館山健康学園の用地についてであります。この用地については、やはり現時点で売却という方針を変更するというところまでの判断はできないと考えております。旧館山健康学園の用地につきましては、当初建物を含めた価格で売却する予定ということで行っているわけでありますが、どうもこの条件では売却が困難な状況となってきているというふうに考えております。今後売却条件の見直しを含めて検討していきたいと思っております。
私からは以上です。
〔教育長菅野泰一登壇〕
○教育長(菅野泰一) 教育問題につきましてお答えいたします。
初めに、中野区のいじめの件数でございます。文部科学省に報告した中野区のいじめの件数は、平成17年度は小・中学校ともゼロ件。定義の変わりました18年度は、小学校58件、中学校35件、合計93件でございます。
それから、こども110番といじめ問題への取り組みチェックポイントにつきましての御質問にお答えいたします。
教育相談室のこども110番の開設は平成6年12月でございますけれども、平成13年度までのデータにつきましては、教育相談室の電話相談と合わせてカウントしたものとなっておりまして、単独のデータといたしましては、カウントできるのは平成14年4月からでございます。その平成14年4月から本年11月26日までの電話総数でございますが、90件でございます。相談者に対しましては、アドバイスを行うとともに、学校、氏名が特定されるものにつきましては、すぐに学校とともに対応に当たっておりまして、いじめが深刻化せずに済んだケースなどがございます。
いじめ問題への取り組みチェックポイントにつきましては、各学校に配布いたしました。これに基づき各学校は、指導体制や相談体制、家庭、地域との連携等の見直しを図ったところでございます。また、教育委員会といたしまして、各学校の取り組みへの点検指導、いじめ等の問題にかかわる教員研修の充実、相談体制及びその周知方法の見直し等を図ったところでございます。
それから、大阪樟蔭女子大学の森田学長の定義についての見解ということでございます。いじめについての見解はさまざま示されておりますけれども、やはり周囲の子どもたちについても、いじめを深刻化させる要因となっていることもございます。したがって、いじめは周囲の子どもたちの存在も含めて考える必要があると思っております。そうした4層構造に基づく分析と指導方法の考え方につきましては、傾聴すべきものがあるというふうに考えております。
〔大内しんご議員登壇〕
○22番(大内しんご) 2点ほど、いじめの問題で再質問といいますか、もうちょっと力強いお答えをいただきたいと思います。
まず最初に、区として例えば「いじめゼロの中野の教育」そういったスローガンを掲げ、区長が先頭に立って、区を挙げていじめの撲滅運動を推進してはどうか。こういったスローガンを立ち上げるぐらい、やはり中野としては真剣に取り組んでいると、そういった姿勢を打ち出したほうがよろしいんではないかと、そのように思っております。このところの御答弁がちょっとはっきりしていなかったものですから、もう一度お願いをいたします。
それと、いじめの4層構造理論について、教育長の傾聴すべきというお言葉をいただきましたけれども、私、傾聴されてどうなのかと、要するにどのような見解をお持ちなのかとお尋ねしましたので、傾聴されているという言葉だけではちょっとわかりません。また、こうした集団を今後どのように指導されていくのか。その4層の構造のいじめっ子、いじめられっ子、見て見ぬふりをする傍観者、おもしろがってはやし立てる観衆の4層、こういったものはやはり複合的にいろいろ絡み合って、いじめの集団といいますか、そういった雰囲気をつくっているということだというふうに、この森田学長の本では述べております。これについてもっと具体的に、要するにこういった傾聴するけれども、教育委員会としてはそういった方針ではやらないのか。今までどおりでやるのか――今までどおりという言い方でいいのか、ちょっと言い方はわかりませんけれども――そういった4層理論というものを少し考えて、新しい指導の中に入れていくべきではないかと思いますので、改めてその2点について御質問をいたします。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 再質問にお答えいたします。
いじめに関しまして、被害に遭う側も加害の方の側につきましても、家庭に起因する問題でありますとか、虐待でありますとか、いろんな家庭に起因する問題が一つの原因を形成しているという場合がかなり見られるように思います。そうしたことが原因となって、結果が学校で起きていることに対して、学校がすべて対応し切れるかというと、そこでの難しさが学校側にはあるんだろうというふうに思っているわけであります。
したがいまして、そうした子どもが育っていく主たる環境である家庭、そしてその家庭を取り巻いて、家庭を支えるべき地域、行政といったようなものの取り組みということが、大変重要になってくると、こういう認識で答弁を申し上げたものであります。したがいまして、いじめということを明確に認識をしながら、地域での子育て支援の強い取り組みをしていきたいという考えでありますので、御理解をいただきたいと思っております。
〔教育長菅野泰一登壇〕
○教育長(菅野泰一) いじめに関します森田学長の説について傾聴すべきものがあるというふうにお答えしましたけれども、その中でやはりどのように指導していくかということにつきましては、基本的にやはりいじめというのは、いじめた子といじめられた子をいろいろ指導したりするだけではなく、そういったいじめを許さない、そういった雰囲気というものを基本的に学校の中に構築する必要があるというふうに考えております。いじめを許さないということにつきましては、やはり人を思いやる心でありますとか、みんなで他人を気遣う、あるいはそういった全体の中でのきちんとしたことが行われていることについて、みんなで考えていくというようなことにつきまして、そういった一部の子だけでなく、すべての子どもについてきちんとした考えのもとに指導していくということが必要だと思っております。いじめ問題につきましては、さまざまな形で、いろんな側面から取り組む必要があると思っておりますけれども、教育委員会といたしましては、総合的ないじめ対策というのをこれから構築いたしまして、明らかにしていきたいと思っております。
○議長(市川みのる) 以上で、大内しんご議員の質問は終わります。
議事の都合により暫時休憩いたします。
午後2時43分休憩
午後3時05分開議
○議長(市川みのる) 会議を再開いたします。
休憩前に引き続きまして、一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 佐藤 ひろこ
1 高齢者等の住宅施策について
(1)24時間ケアと協働型の住宅誘導策について
(2)住み替え支援について
(3)住宅マスタープランの改定について
2 多文化共生施策について
(1)子ども達の日本語学習支援について
(2)多文化共生推進のための計画策定について
3 その他
○議長(市川みのる) 佐藤ひろこ議員。
〔佐藤ひろこ議員登壇〕
○40番(佐藤ひろこ) 第4回定例会に当たり一般質問いたします。
1番、高齢者等の住宅施策についてです。
まず、24時間ケアと協働型の住宅誘導策についてお伺いいたします。
ひとり暮らしで体が不自由になっても、安心して地域で暮らしたい。これはだれもが願うことだと思います。その願いを実現している、新潟県長岡市にある高齢者総合ケアセンターこぶし園に、やながわ議員をはじめ数名の議員の方々と行ってまいりました。
こぶし園はもともと、障害者の入所施設と特別養護老人ホームを運営している社会福祉法人です。小山施設長の「施設は自宅で住めなくなった人の一時避難場所である。特養の機能を分解すれば、住まいと3食の食事サービスと定額制の24時間のケアサービスの提供である。住まいにそれらのサービスを運べば、地域で住めるようにできる」という考えのもと、施設からの脱出計画として、100人定員の特養から、まず15人をサテライト型居住施設に地域移行させたのをはじめ、24時間ケアサービスや3食毎日の配食サービスなど、フルメニューをそろえたコンビニ型やネットワーク型のサポートセンターを長岡市中に数多く展開し、その人らしい普通の暮らしを支えるためのサポートセンター構想を進めつつあります。その最新のものがコラボレート型で、バリアフリー住宅を建設する住宅会社と、食事や介護サービスを提供する介護事業者が協働でつくる、24時間365日サービスつきの高齢者住宅です。
長岡市は、この取り組みを支援するために、在宅支援型住宅整備費補助金交付要綱をつくり、介護サービス事業所に近接し、介護事業者と連携して、介護や食事、入浴のサービスを提供し、終日、緊急時の対応ができる住宅を整備する会社に、1,000万円を上限とする補助金を交付し、低廉な家賃で要介護3から5の高齢者が住める高齢者住宅を整備していく計画です。
中野区でも24時間ケアと協働型の住宅の誘導策を検討し、特養を利用しなくても、要介護高齢者が地域で暮らせる高齢者住宅の整備を進めるべきだと考えますが、いかがでしょうか。
次に、住み替え支援についてです。
今後、福祉住宅は民間での整備を促していく方針とのことで、高齢者優良賃貸住宅など、よりよい環境の住宅を整備し、そこへの住み替え支援が必要です。区は昨年度、住み替え支援のために家賃債務保証料の一部助成などを行う居住安定支援事業を始めましたが、成果はあったのでしょうか。今後どのように見直していくのか、お伺いいたします。
また、バリアフリーな高齢者優良賃貸住宅への住み替え支援の促進や低所得者への家賃補助策について、どのように考えているのか、お伺いいたします。
次に、住宅マスタープランの改定についてです。
2001年に策定された第2次住宅マスタープランを、少子高齢社会に対応できる住宅政策を盛り込み、つくり直す必要があります。10か年計画では高齢者向け住宅の必要数を1,900世帯の2分の1の950世帯としています。2分の1としたのは、福祉的施設への入所や区営住宅への入居を勘案してとのことですが、入所施設より住宅への必要性が今後高まることなども考え、また、防災への対応も考え、高齢者専用の共同住宅整備よりも、ファミリー住宅などとのミックス型の住宅整備も望まれており、計画の見直し、民間活力の誘導策などを検討するべきだと考えます。来年度住宅マスタープラン改定が予定されていますが、どのように検討されているのか、お伺いいたします。
以上、高齢者等の住宅施策について、区長のお考えをお伺いいたします。
2、多文化共生施策について。
まず、子どもたちへの日本語学習支援についてです。
この夏行われた中野区国際交流協会の夏休み子ども日本語クラスの修了式での約40人の子どもたちの日本語の発表会には、大変感動いたしました。学ぼうとする意欲と、母国と日本のかけ橋になりたいという夢など、子どもたちの熱い思いが伝わりました。子ども日本語クラスの新規登録者は2002年の10数人だったときから、現在約50人とふえ続けているそうです。
この子どもたちに日本語を教えているのが、国際交流協会のボランティアさんたちです。この秋、文化庁委嘱地域日本語教育支援事業として、中野区国際交流協会が行った日本語ボランティア・スキルアップ連続講座を時々聴講させていただきました。受講生は大会議室いっぱいで、講師は大学教授、多文化共生センターの方や他区の日本語学級の先生方、そして最終回の講師は中野区の小・中学校の校長先生方で、教育行政が取り組まなければならない課題について、貴重なお話を伺うことができました。
日本語を母語としない外国から来た子どもたちは、会話は上達するが、漢字の読み書きは難しく、教科の授業についていけなくなると、進学、就職などにも支障を来す。社会から取り残されていく子どもがふえていくことは、日本社会の不安定さにも結びついていく。だから、日本語の学習支援が大切であるとのことです。校長先生方のお話でも、中野区の通訳派遣や適応指導では、時間数も不十分で、子どもたちには教科学習で読み書きができる日本語の学習支援と、保護者の相談や進路指導などへの通訳派遣の必要性も強調されていました。
日本語を教える講師派遣の仕組みもつくり、国際交流協会とも連携して、日本語学習の支援を充実させてはどうかと、第2回定例会でも質問いたしました。検討するとの答弁でした。学校現場からの切実な要望もあります。早急にこたえるべきだと思います。どのように検討されているのか、お伺いいたします。
次に、多文化共生推進のための計画策定についてです。
中野区では、2007年1月1日現在、外国人登録者数は100カ国にわたり、1万793人です。グローバル化の進展の中で、近年、外国から日本に働きに来て定住する人もふえてきています。国籍や民族など異なる人々が、互いの文化的差異を認め合い、地域社会の構成員としてともに生きていく、多文化共生の地域づくりの必要性が増していることから、昨年3月、国は地域における多文化共生推進プランを策定し、自治体が多文化共生を総合的に進めるための指針や計画を策定することを促しています。その中で、近年来日したニューカマーと言われる人たちへのコミュニケーション支援や生活支援などが、具体的な施策として求められており、施策を推進するために国際交流協会など民間団体と連携、協働することとしています。
さきに述べた、子どもたちへの日本語学習支援など、教育分野での取り組みをはじめ、生活支援の相談窓口の設置、ごみ分別など地域生活のルールをはじめ、保健、医療、福祉などの情報提供や災害時の対応など、各分野にわたる課題を抽出し、中野区においても多文化共生の指針や計画を策定し、国際交流協会などと連携して、総合的に施策の推進を図る必要があると考えます。区長の多文化共生施策についてのお考えをお伺いし、以上で質問を終わります。ありがとうございました。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 佐藤議員の御質問にお答えをいたします。
高齢者の住宅施策についての御質問でありました。施設から在宅へという大きな流れの中で、高齢者の安定的な居住を進めるとともに、ホームヘルプなどの24時間型のサービスやデイケア、ショートステイといった在宅支援のサービスを地域に普及をするということが、まず大事だというふうに考えております。また住宅の面では、区としては居住安定支援などを通じて、一定の居住水準の中で住み続けられるための各種の施策を充実していく必要があると考えているところであります。
この住み替え支援策について、区では昨年度から不動産事業者等の協力のもとに、家賃債務保証料の一部を助成する居住安定支援事業を開始しておりますが、なかなか実績が上がっていない状況にあります。事業としてはいい事業だと思っておりますので、この実績が上がっていない原因と対策について、現在検討を行っているところであります。
それから、高齢者世帯への家賃補助等について、生活保障施策との均衡や財政負担の問題などから、実施は難しいというふうに思いますが、高齢者の安定的な居住に向けてのさまざまな施策の推進が必要と思っております。
住宅マスタープランの改定を来年度予定しているわけですが、その中では、御質問にもありましたように、ファミリー世帯や高齢者向け住宅の供給に当たって、民間住宅の誘導策などを十分に示しながら、多様な世代が暮らせる良質な住宅ストックの形成を目指していきたいと考えております。
それから、経済の国際化の進展に伴いまして、地域の中での国際化というものもさまざまな問題を示すようになってきていると考えております。多文化共生への取り組みとして、ごみ分別のルール、災害時対応など、多言語での行政サービスを展開していくことが、具体的に今後重要になってくると認識もしているところであります。現在区では、こうした新しい時代の国際化施策のあり方について、国際化推進施策についての再構築を検討しているところでありまして、多文化共生社会の実現を目指してまいりたいと、こう思っているところであります。
私からは以上です。
〔教育長菅野泰一登壇〕
○教育長(菅野泰一) 日本語学習支援の検討状況につきましてお答えいたします。
日本語教育の支援の充実ということは、私も必要なことと思っております。その充実を図るため、現在実施しております日本語適応指導教室や通訳者派遣、帰国生徒受け入れ重点校のあり方につきまして、国際交流協会との連携を含めまして、見直しの検討を始めたところでございます。
○議長(市川みのる) 以上で、佐藤ひろこ議員の質問は終わります。
中野区議会議員 むとう 有 子
1 中学校に特別支援学級(知的障がい)を増設することについて
2 清掃事業においてカセットボンベやライターなどの危険物を別回収することについて
3 区民健診について
4 その他
○議長(市川みのる) 次に、むとう有子議員。
〔むとう有子議員登壇〕
○29番(むとう有子) 区民の皆様から寄せられました御意見をもとに質疑いたします。
まず最初に、中学校に特別支援学級(知的障害)を増設することについてお尋ねいたします。
今から3年前の2004年12月、2008年4月までに西中野小学校しらさぎ学級の卒業生が通う中学校の障害学級の増設を求める陳情を、中野区議会は全会一致で採択しました。当時も現在も中学校の知的障害学級は二中と四中の2校にしかありません。2004年4月に開級したしらさぎ学級の第1期生が、2008年3月に卒業します。しかし、卒業生にとっては、二中も四中も通うには遠過ぎます。築き上げた理解や友情が継続され、地域に根ざした生活を送るためにも、地域の中学校である八中もしくは北中野中学校に進学できるよう、障害学級の新設を望む陳情でした。
先日示されました2008年度予算で検討中の主な取り組み(案)には、中学校に新たに特別支援学級(知的障害)を増設することが記載されています。これを読んだときに、当然この陳情が実現されるのだろうと思いました。ところが、教育委員会に確認したところ、七中に2009年4月開設予定とのことでした。陳情が採択されてからこの3年間、しらさぎ学級の保護者の方々は、教育委員会との話し合いを積み重ねてきました。その保護者に何の説明もなく、突然七中に決定し、保護者の方々は寝耳に水で大変驚き、区に対する不信感を募らせています。
2007年4月、江原小学校にわかば学級を開級したので、北東部に位置する七中に新設することにはだれも反対をしませんし、その必要性も認めます。しかし、しらさぎ学級はわかば学級よりも3年も早く開級し、陳情が採択され、教育委員会に要望していたことが、全く反映されていないのはなぜなのか、納得できません。北西部にも新設すべきです。
学校教育担当課長は、北中野中は生徒数が多いので、無理、八中は四中との中期、後期の再編計画に組み込まれているので、やはり無理と、保護者に説明しているようです。しかし、再編の時期や新校の位置はいまだ未定です。未定だから設置できないではなくて、中学校はわずか3年で卒業ですから、検討している間でも学級を開設すれば、卒業生を送り出すことができます。心身ともに大きく成長する大事な3年間だからこそ、小学校に引き続き、地域の中で将来の基盤を築きたいと思う保護者の願いに、区はこたえるべきです。議会が採択した陳情内容を踏まえ、しらさぎ学級の卒業生が地域の中学校に進級できるよう、八中もしくは北中野中に知的障害学級の増設を直ちに検討するよう求めます。見解をお答えください。
また、一人で通学できるようにすることが学級目標になっています。現在上鷺宮地区から四中に通学する生徒は、間違って乗ってしまうのを避けるため、急行のとまる鷺宮駅を避け、歩いて下井草駅に行って、野方駅まで電車に乗り、駅から歩いて、約50分かけて通学している生徒もいるようです。せめてなかのんの始発があと1本早くなれば、通学にも利用でき、便利になります。なかのんは日中のお年寄りの足を想定していたようですが、障害のある生徒のために25分早い1便をふやすことを、バス会社に区長は全力で求めていくべきです。北西部に学級の開設がおくれている中で、せめて通学の利便を図るために、なかのんの始発便を早めることを求めます。見解をお答えください。
次に、清掃事業において危険物を別回収することについてお尋ねいたします。
11月17日、大和町二丁目で不燃ごみを回収していた収集車の積み込み口で、卓上コンロ用カセットボンベが爆発し、出火し、職員二人がのどや顔にやけどを負うという事故が発生しました。幸い命に別状はなく、やけどの跡も完治できそうとの情報にほっとしています。大事に至らず、不幸中の幸いでしたが、8月に足立区ではスプレー缶の爆発により収集車が大破するという大事故が発生しました。お鍋がおいしくなるこの季節は、ますますカセットボンベが不燃ごみとして捨てられます。区民は1本ぐらい大丈夫と思って安易に捨てるのでしょうが、その危険性は想像以上のものです。作業をする職員だけではなく、通りがかった人までも巻き込む大惨事に至る事故の可能性も否定できません。区民にその危険性を十二分に知らせ、中身を完全に使い切って捨てることの徹底を図らなければなりません。事故後その周辺だけにチラシを配布したそうですが、それだけでは不十分です。区報の1面で知らせたり、音声でのお知らせ方法を考えるなど、全区民へのPRが急務です。今後のさらなる取り組みについてお答えください。
また、中野区における収集車両の火災年度別発生件数は、2005年度が10件、2006年度が11件、2007年度は11月までで8件となっており、近年微増の傾向にあります。さらに近年、ごみを圧縮して大量のごみが積載できるように、収集車の性能が向上したことにより、摩擦熱が発生し、火災が発生しやすくなったのではないかと言われています。今後不燃ごみという分け方ではなく、スプレー缶やガスボンベ、ライターや蛍光灯などは危険物という認識を区民に植えつけるためにも、危険物として分別し、圧縮型のパッカー車ではない、平ボディーの車で回収するよう検討を求めます。安全な職場環境を整えるという視点から、区の見解をお答えください。
次に、区民健診の中で胃がん検診についてお尋ねいたします。
中野区では2000年度から血清ペプシノゲン検査を導入しました。この検査は採血して血液中のペプシノゲン濃度をはかることによって、萎縮性胃炎の進行度、つまり胃がん発生の危険度を推定するもので、がんを直接見つけるものではありません。血清ペプシノゲン検査を導入して7年が経過しましたが、その効果をどのように評価しているのか、お答えください。
また、2007年度版中野区保健福祉部事業概要によれば、血清ペプシノゲン検査で胃がんの危険性が高い陽性となった方の中で精密検査を受診された方は、わずか50%です。陽性の方は次の精密検査につなげなければなりません。精密検査受診率を向上させる方策について、予定していることがあればお答えください。
実は、区民の方から御指摘を受けて、気になる点が出てきました。それは区職員の胃がん検診との違いです。区職員の胃がん検診は、毎年エックス線検査であり、血清ペプシノゲン検査は導入されていません。どうしてなのでしょうか。金額的には血清ペプシノゲン検査のほうがエックス線検査より安価だそうです。また、厚生労働省の見解によれば、死亡率減少効果としては、問診とエックス線検査が有効だが、血清ペプシノゲン検査では胃がん死亡率減少効果を示す証拠はないとのことでした。東京都のがん検診精度管理評価事業の結果でも、血清ペプシノゲン検査は対策型検診として実施することは勧められない、検診方法を検討して実施せよと、中野区は指摘されています。これはどうしたことなのでしょうか。中野区は、国も都も効果がなく勧められないという検査を導入していたことになります。区民には安くて有効性の乏しい検査をして、区職員は高くて有効性のある検診をしていると非難されてもいたし方ない状況にあります。
そこでお尋ねいたします。区が血清ペプシノゲン検査の導入を決めたときには、国の指針がありませんでしたが、現在では指針があります。国も都も検診としては血清ペプシノゲン検査は勧めないと指摘しています。このことをどのように受けとめているのか、区の見解をお答えください。
また、国や都がエックス線検査を勧める中、中野区は区民健診においては独自路線を選択しています。血清ペプシノゲン検査のほうが安価で有効であるというならば、職員健診においても導入すべきではないでしょうか。そうでないと整合性がありません。区の見解をお答えください。
以上ですべての質問を終わります。誠意ある簡潔な答弁を求めます。(拍手)
〔教育委員会事務局次長竹内沖司登壇〕
○教育委員会事務局次長(竹内沖司) 特別支援学級についてお答えをいたします。
中学校の特別支援学級(知的障害)の増設につきましては、地域バランスを考慮し、区の北部地域に設置したいと考えているところでございます。
〔都市整備部長石井正行登壇〕
○都市整備部長(石井正行) なかのんの始発時間の繰り上げについての御質問がございました。このなかのんの始発時間を早めるという要望につきましては、これまでも事業者に伝えてきているところでございますが、事業者からは人件費の増大等となり、困難であるとの回答を得ているところでございます。引き続き要望をしてまいりたいと考えております。
〔区民生活部長大沼弘登壇〕
○区民生活部長(大沼弘) 危険物の回収についての御質問にお答えいたします。
カセットボンベ、ライターなど危険物は使い切り、別の袋に中身を明示して排出するようお願いしております。この排出ルールの徹底を一層図っていきたいと思います。
次に、収集についてでございます。危険物は清掃車の荷箱のポケットに積み込むなど、別途収集を行っているところであります。徹底していきたいと思います。
〔保健福祉部長金野晃登壇〕
○保健福祉部長(金野晃) 区民健診についてのお尋ねにお答えいたします。
胃がん検診における血清ペプシノゲン検査の効果についてですが、これまでの血清ペプシノゲン検査で陽性と判定された人が、精密検査を受けた結果、早期がんが発見されております。
また、精密検査受診の徹底ということですが、今後とも対象者には精密検査受診の意義と結果の報告について、理解と協力を求めていきたいと考えております。
また、この血清ペプシノゲン検査が国の指針に入っていないということでございますが、これまでの実績からも、がんの発見にもつながっておりますので、胃がん検診の方法につきましては、専門家の意見を聞いて、検討を行っているところでございます。
また、職員の健診についてのお尋ねもございました。職員の健診のあり方については、労働安全衛生委員会などの場もございますので、別途検討していきます。
〔むとう有子議員登壇〕
○29番(むとう有子) 再質問をいたします。
知的障害学級の設置なんですけれども、北部地域に設置したいというお答えでした。北部でも北東部なのか北西部なのかが問題なんです。北東部は七中です。保護者の皆さんが望んでいるのは、北西部、八中か北中野中にという御希望なんです。北東部の七中だけではなくて、北西部に設置してほしいということでお尋ねをしていますので、北部だけだと両方含んでしまいますので、答弁があいまいですので、そこはもう一度答弁をお願いしたいと思います。
それから、区民健診で、職員健診でございますけれども、当然職員健診はそれなりに法的に基づいて行われていることだというふうには思っていますけれども、区民健診で血清ペプシノゲン検査が成果を上げているということであるならば、そのほうが安価です。安い健診に切りかえていくべきではないでしょうか。検討をしていくということでしたけれども、どういう方向で検討をしていくのか。区民健診と歩調を合わせて、区の職員健診もペプシノゲン検査導入の方向で検討していくのか。その辺について端的にお答えください。
〔教育委員会事務局次長竹内沖司登壇〕
○教育委員会事務局次長(竹内沖司) 特別支援学級(知的障害)の学級の設置につきましては、特別支援学級に通われているお子さん全体、また将来通うこととなるお子さん全体を考えて、設置については判断しなくちゃいけないというふうに考えております。そうした意味から、地域バランスを考慮していくということが大変重要なことだろうというふうに考えているところでございます。そうした意味から、私どもはその地域バランスを考慮する中で、北部地域の中で適切な設置校を考えていきたいというふうに思っております。
○議長(市川みのる) 以上で、むとう有子議員の質問は終わります。
中野区議会議員 いながき じゅん子
1 広報について
(1)ホームページについて
(2)その他
○議長(市川みのる) 次に、いながきじゅん子議員。
〔いながきじゅん子議員登壇〕
○6番(いながきじゅん子) 無所属のいながきじゅん子でございます。本日はまず区の広報のあり方に関し、区長の率直なお考えを伺い、次に具体的な広報ツールとして、本日は時間の関係上、ホームページに絞って何点か御見解を伺います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
区政運営を円滑に行い、中野区をよりよいまちにしていくステップとして重要なことは何か。私はその一つとして、現在行政が取り組んでいる各施策、つまり行政の今、そして将来へのビジョンを効果的かつ積極的に区民に発信し、区民の共感を得ながら、内容の共有をしっかりと図っていくことが重要であると考えております。
現在区内でその仲立ちをしているのが、区報やホームページあるいはケーブルテレビ、各種の説明会や区長との対話集会といったものになるのでしょうが、私は区外に向けてもマスメディアなどを活用しながら、もっと積極的に区の情報を発信していくことが重要であると思っております。
なぜならば、地方分権の流れとともに情報化も進み、自治体間の比較が容易にできる現在、各基礎的自治体間では横並びの施策を脱却し、独自の区民サービスはもちろんのこと、地域イメージ、もっといえば地域ブランドを競い合う時代に来ているからです。言い方を変えますと、各自治体は積極的に選ばれる努力をしなければならない時代と言えます。そのためには内向きだけではなく、区外に向けても積極的なPRをして、一人でも多くの方に、中野に行ってみたい、住んでみたい、あるいはここで商売をしてみたいと感じてもらうことが重要です。
さて、この対外的なPRにマスコミをうまく活用すれば、結果的に区内住民へのPRにもつながるのではないでしょうか。なぜなら、人は自分の住んでいるまちの情報がマスコミに登場すると、ついつい気になって見てしまうものだからです。そういう意味では、目新しい施策にとどまらず、江古田の獅子舞ですとか地域のイベントなど、地域の話題もどんどんマスコミに取り上げてもらうような努力を行政はしていくべきであると考えております。
これは区政を区民にとってより身近なものにし、地域への関心を高めるきっかけにもなるのではないでしょうか。いい意味で有名になれば、中野区民が自分たちの住むまちに対し、もっともっと愛着や誇りを持つ可能性も高くなると思います。ちなみに今現在、全国紙の地方欄、中野ですと東京都のページになるわけでございますが、残念ながら中野区の情報が掲載される率が非常に低いと感じます。ほかの自治体と比較し、マスコミ対策に何か違いがあるのでしょうか。御見解をお聞かせください。
こういった内外へ向けてのPR活動を中心となって行う広報の役割は、行政において大変重要であり、さらに力を入れてしかるべき分野ではないでしょうか。区政運営を円滑に行うためには、区民と行政との信頼関係も非常に重要でございますが、その信頼関係を築くに当たっても、区民と行政をつなぐ広報の役割は大きいものです。行政側にとってあまり都合のよろしくない情報でも、スピーディーかつ誠実に公開していくことはもちろん、トップや広報課の方だけではなく、職員の方全員がビジョンを共有し、一人ひとりが中野区の広報マンとして、区の内外に向かって身近な言葉でわかりやすく、だれのために、何のために今、これをやっているのだと、これからこれをやっていくのだと、繰り返し訴えていく。顔の見える区政とはそういう姿勢から生まれてくるものであり、区民の共感も信頼も得やすいのではないでしょうか。
現在「協働」という言葉がよく用いられます。中野区も(仮称)区民活動支援センターの設立など、各施策の中で区民との協働を積極的に推進しようとしていますが、この協働の実現にも行政と区民との信頼関係が欠かせません。ここでも広報は重要な役割を果たすと考えます。これらの点について御見解を伺います。
続いて、区のホームページについてでございます。
平成19年度発表の総務省の最新の調査では、単身者世帯を含むパソコンの世帯普及率が74.1%、携帯電話とPHSの世帯普及率は86.8%と、高い数字を示しており、インターネット利用者も8,754万人と、過去最高を記録いたしました。こういった状況のもと、ホームページの充実は広報の最優先課題の一つであると考えております。その理由は三つでございます。
一つ目、インターネット環境の充実により、必要な情報を紙の媒体ではなくホームページから得ようとする区民は確実に増加していると考えられること。二つ目、現在区報は各戸配布され、ナイセスは新聞折り込みされておりますが、区報を投函できない集合住宅があったり、新聞を講読していない世帯がふえていたりと、全区民に広報紙を行き渡らせることは現実的に難しいこと。三つ目、中野区は人の入れかわりが激しく、ごみの出し方や災害避難所についてなどの基本的な生活情報や、刻々と変化する行政サービスの情報は、区報で一時的に伝えただけでは、新しい住民に十分伝わらない可能性があること。
以上のことから、24時間365日いつでも区の情報がチェックでき、紙の媒体に比べて更新が容易なホームページの充実は、区民の利便性向上において非常に重要なことだと考えます。もちろん区外の人に対する中野区の顔的存在であることも忘れてはなりません。
中野区のホームページで一番気になるのは、読み手の利便性を優先させ、コミュニケーションをとろうという姿勢があまり見受けられないことです。トップページのインデックスを見ても、わかりにくいタイトルだけが何の説明もなく並べられているだけで、なれない人には使いにくいと感じます。
一例として、公益活動情報コーナー等ございますが、通常の区民生活で「私は公益活動をしているんです」という言い方はほとんどしません。「ボランティア」や「NPO」「地域活動」など、ふだんからなじみのある言葉で説明をつけるべきだと思います。
もう一つは、検索プログラムの精度の問題でございます。
例えばこの公益活動情報コーナーに各町会の情報がたくさん載っていますが、「町会」という言葉で検索をかけますと、中野基本構想審議会の会議録が一番上に出てきてしまい、この公益活動情報コーナーのページまでなかなかたどり着けません。自分の知りたい情報にいかに早くたどり着けるかがホームページの命です。改善策として、ほかの自治体が使っている「namazu」や「グーグル」プログラムの導入などを検討されてみてはいかがでしょうか。
また、自治体のサイトとしては、目の不自由な方に対し音声読み上げソフトも用意してしかるべきです。中野区のサイトには今後導入予定があるのか、お示しください。
次に、個人情報保護方針、プライバシーポリシーの整備についてです。サイト上でメールを受け付けたり、ページによっては個人情報を入力させたりするものがあるにもかかわらず、入手した個人情報をどのように取り扱うかの方針が明らかにされていません。プライバシーポリシーは中野区がサイト上でうたっている個人情報掲載の制限とは違います。区の個人情報保護条例とは別に、サイトを経由して入手した個人情報をどう取り扱うかの方針は、サイトごとに明示する必要がございます。また、メールを含め個人情報の入力や送信という行為が発生するページには、すべて個人情報保護方針ページへのリンクをつける必要があると思います。これについて今後の方針をお示しください。
最後に、携帯電話サイトについてでございます。
せっかくこういったページを用意しているのであれば、既に普及しているQRコードを利用して、利用者の携帯電話ですぐにアドレスを読み取ることができるようにすべきではないでしょうか。これらはホームページ上に限った問題ではなく、区の危機管理体制や弱者に対する姿勢、情報公開への積極性そのものにつながる問題でございます。その点を踏まえて御答弁いただければ幸いです。
以上で私の質問を終了させていただきます。どうもありがとうございました。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) いながき議員の御質問にお答えいたします。
区のPR、区の施策のさまざまな意味でのPR、パブリック・リレーションズというのでしょうか。そういった中で外部の媒体への積極的な露出というものは大変大きな意味があるというふうに思っております。いいことでも悪いことでも、区の情報を区民に正しくわかりやすく知っていただくという意味で、外部の情報媒体への適切な情報提供、対応というものが非常に重要だというふうに考えております。また、中野区のイメージアップという意味からも、とにかく露出を多くするといったような意味も、私は必要なのではないかというふうにも考えております。
そういう意味で、昨年8月からは新たに定例区長記者会見というのを行って、報道機関に対する情報提供の機会をふやすなどの工夫もしているところでありますけれども、今後とも効果的なパブリシティ――報道機関への情報提供等の対応の活動を「パブリシティ活動」と呼んでおりますけれども――活動のさらなる充実に努めていきたいというふうに思っております。
それから、ホームページについてであります。近年ますますホームページの重要性が高まってきているというふうに思っております。多くの方がいつでもどこでもアクセスできる。また、情報の容量をほぼ気にすることなく、十分に情報を知っていただくことができるという媒体であるといったようなことから、ホームページについても大きな意味を持つということで、充実に努めているところであります。
それで、ホームページの見やすさといったようなことについては、かねてからさまざまな御意見をいただいているところであります。御意見をいただきながら、常に改善に努めているところでありますけれども、ある指摘をいただいて変えると、変えたからわかりにくくなったというようなこともあったりとか、まあそう言い始めたら切りがないような面があるところもありますけれども、やはり指摘をいただいて、きちんと点検をいたしますと、やはりもっともだという御指摘が多いというのも実態であります。
今回御指摘をいただきましたさまざまな事柄につきましても、改善をするべきだというふうに思っております。今後御指摘を受けた点についても改善をしながら、本当に使いやすく見やすい、わかりやすいホームページとなるように、さらに努めてまいりたいと思っております。
以上です。
○議長(市川みのる) 以上で、いながきじゅん子議員の質問は終わります。
中野区議会議員 林 まさみ
1 小中学校再編後の跡地活用について
(1)学校跡地を避難所とすることについて
(2)学校跡地利用に地域住民の声を反映させることについて
(3)その他
2 UR(都市再生機構)への委託内容について
3 その他
○議長(市川みのる) 次に、林まさみ議員。
〔林まさみ議員登壇〕
○7番(林まさみ) 中野生活者ネットワークの林まさみです。市民自治を広げる立場から質問いたします。
まず、大きな項目の一つ目として、小・中学校再編後の跡地活用に関して、大きく2点伺います。
一つ目は、今後も学校跡地を避難所として確保していくのかという質問です。
中野区では少子化などにより、平成17年から15年間の計画において、42校の区立小・中学校が29校になる学校再編計画を立てています。しかし、学校というところは、子どもたちの学ぶ場だけの役割をしているのではありません。災害時の避難所としての役割も担っています。中野区地域防災計画によると、前期の再編計画に関係する仲町小学校、桃丘小学校、第六中学校、中野富士見中学校、沼袋小学校、第九中学校、そして東中野小学校の7校分の短期の一時避難の収容人数は2万2,600人、長期の自宅での生活が困難な場合の避難の収容人数は1万1,300人になると書かれています。7校でこの人数です。13校になると、長期収容者はおおよそ2万6,000人となります。その上、平成18年5月、東京都に示された首都直下型地震による中野区の被害想定は、避難者数は震災1日後で4万5,063人から10万2,465人へと、倍以上変更となりました。以上のことを含めて、3点伺います。
1点目は、学校再編に関係する13校の区立小・中学校跡地は、従来どおり避難所として確保されるのでしょうか。
2点目は、避難所にしない学校跡地がある場合、避難所の代替地をどのように確保するのか、説明してください。
しかし、たとえ13校の小・中学校跡地を従来どおり避難所として確保可能であるとしても、学校という機能を遂行しなければ、住宅地にある体育館は違法建築となってしまいます。このことにより必然的に長期収容人数は減少することになります。この項目の最後の質問として、区は学校再編に伴い、減少が懸念される被災者施設収容予定人数を減らさないとする対策を検討するべきと考えますが、いかがでしょうか。考えをお答えください。
二つ目は、学校校舎と跡地活用に地域住民の声を反映させることについて、2点伺います。
前回の一般質問でも、東中野小学校跡地の利用方法について伺いました。区側としては、区の案をもって地域住民と協議するが、詳細は決まっていないとのお答えでした。しかし、学校校舎と跡地はもともと地域コミュニティの中心であり、地域住民の多大な理解と協力の上に学校再編は行われます。
そのことを踏まえ、1点目として、学校校舎と跡地利用に地域住民の声を大きく反映させる場をつくるべきと考えます。区の案が先行するのではなく、住民の声を受けとめ、新しい地域のコミュニティの場にできるような協議の場所を設定することが望ましいと思われます。区の考えをお答えください。
また、2点目として、区が学校校舎と跡地利用の計画を作成する場合、地域の実情を考慮することが必要と思います。今後、新しい中野をつくる10か年計画のもとで、地域センターや児童館が名前や役割を変え、また半数近くに縮小されていきます。東中野小学校区のように、区民サービスを受ける施設が少ない地域がこれからふえていきます。学校跡地活用を単独で検討するのではなく、区の公共施設全般の再編、再配置を検討したマスタープランを、地域住民の声とともに策定することを要望します。区の見解を求めます。
次に、大きな項目の2番目として、中野駅周辺まちづくりに係るコーディネート委託業務の質問に移ります。
区は、中野駅周辺まちづくりを一体的かつ総合的に進められるように、1億400万円をかけて必要な支援、誘導及び調整、その他のコーディネート業務を独立行政法人都市再生機構に特命委託しました。委託内容としては、中野駅周辺地区のまちづくりの連携や整合性を図るための検討を行うこととなっています。そこで4点伺います。
1点目は、区として都市再生機構にコーディネート業務を特命委託したことにおいて、どのような点がよくなるのか。どのようにお考えなのでしょうか。委託の53%を再委託している都市再生機構に区が委託する、具体的な効率や費用対効果を説明してください。区だけではできないこと、また都市再生機構に委託したことによる利点、区が期待していることをお示しください。
2点目は、本件の次年度の契約形態について伺います。都市再生機構は、中野駅周辺開発において、次年度に特命随意契約になるのでしょうか。都市再生機構と同じ独立行政法人である開発業者がないとの理由で、初年度に特命で契約すると、後に随意契約を結ぶ確率が高くなります。今後も特命で、また随意契約でお考えなのか、お答えください。
3点目に、特命随意契約の委託内容や委託費用が適正であるかの判断をどこでしているのか、お答えください。特命随意契約である場合、委託費用に競争原理が働かない上に、独占業者との交渉となり、委託内容や契約料など、委託先主導になりかねません。本来は発注者主導となるべきです。特命随意契約に対して、特に形式的に契約が進まないような体制の工夫など、お考えがあればお答えください。
最後に、中野駅周辺のまちづくりにおいての住民参加の場について質問します。
都市再生機構への委託業務の中には、地権者や地元の方々へのコーディネート業務はありますが、地域住民とのコーディネートに関しての記載が具体的にありませんでした。そこで質問します。区と都市再生機構との契約の中に、住民参加の場を考えているのでしょうか。区の考えをお答えください。平成17年度の行政評価でも、区民の意見や要望が区政に反映されていると思う区民は15.9%で、年々減る傾向です。このような評価からも、もっと地域住民にまちづくりのことを周知し、意見を聞き、それを反映させる場をつくるべきと思います。都市再生機構と市民が前向きに話し合う場をつくり、委託費の一部を使って、駅周辺まちづくりをコーディネートするNPOを立ち上げるなど、お考えをいただきたいと思います。
以上をもちまして質問を終わります。誠意ある答弁をお願いいたします。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 林議員の御質問にお答えいたします。
小・中学校再編後の跡地利用についてであります。避難所の必要数というものはきちんと確保しなければいけないというのは大前提でありまして、その学校再編後の避難所としての機能については、再編される地域の実情に応じて、個別に検討を行っているところであります。
それから、再編後の跡地利用について、地域住民の声を反映させる機会を設けるべきだという御質問がありました。学校跡地利用のみならず、区有施設の再編や地域課題の解決など、全体的、総合的に検討していく必要があると思っております。その中で区民の皆さんの意見や地域の実情について受けとめていく配慮をしていきたいと考えているところであります。
マスタープランという御提案もありましたけれども、こうしたさまざまな施策にかかわることについては、長期的な新しい中野をつくる10か年計画の改定の中で明確に位置付けていくべきものと考えております。
私からは以上です。
〔副区長石神正義登壇〕
○副区長(石神正義) 私からは、委託契約に対する特命随意契約、この価格の設定等の質問に対してお答えさせていただきます。これは手続の面から審査、チェック、こういった面をお答えさせていただきます。
特命随意契約につきましては、所管部でこういった業者との特命をしたいと、特命理由を示して、契約の依頼が契約担当の方に回ってきます。契約依頼が来た場合には、その内容が特命随意契約によらなければならない契約かどうかというものを、契約担当で審査を行います。その審査の結果、特命随意契約が適切だとした場合には、発注仕様書がつきますので、発注仕様書に基づきまして、業務執行能力、また予定価格の設定、その事業者の過去の業務の実績、それから他の自治体等における契約の内容、契約金額等を調査いたしまして、適正に審査をするということにしてございます。これは契約担当で行います。こうした審査をした上で契約をすることとしているわけでございます。
〔拠点まちづくり推進室長谷村秀樹登壇〕
○拠点まちづくり推進室長(谷村秀樹) 都市再生機構への委託の内容につきましての御質問につきましてお答えいたします。
まず、委託によります費用対効果、期待する成果についてでございますが、都市再生機構に委託することによりまして、中野駅周辺のまちづくりを一体的に推進することができます。これによりまして、事務量、職員数、人件費等の削減や、多様なまちづくりの実績を通して職員のスキルアップが図られるなど、多くの効果や成果が期待できるものでございます。
次に、特命随意契約についてでございますが、中野駅周辺まちづくりの総合的なコーディネート業務を委託する相手先としましては、さまざまなまちづくりの実績と経験を持ち、公平性、透明性を担保できる独立行政法人都市再生機構が最適の団体でございます。引き続きまして随意契約を予定しております。
それから、委託契約における住民参加の位置付けについてでございますが、中野駅周辺の各地区におけるまちづくりの勉強会や検討会、あるいは説明会など、地元住民との話し合いを進める場の設定や運営の補助及び資料作成などの業務をURに委託しております。そうした場を通じまして、住民の方の意見を反映するように行っております。
以上でございます。
〔林まさみ議員登壇〕
○7番(林まさみ) 1点だけ質問させていただきます。
学校跡地の避難所を個別に検討とおっしゃっていましたけれども、関係する学校が13校というのが決まっているのに、個別で間に合うものなのでしょうか。よろしくお願いいたします。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 再質問にお答えします。
間に合うように検討していきたいと思います。
○議長(市川みのる) 以上で、林まさみ議員の質問は終わります。
以上をもって質問は終了いたしました。
これより日程に入ります。
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第59号議案 平成19年度中野区一般会計補正予算
第60号議案 中野区職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例
第61号議案 中野区行政財産使用料条例の一部を改正する条例
第62号議案 中野区議会議員及び中野区長の選挙における選挙運動の公費負担に関する条例の一部を改正する条例
○議長(市川みのる) 日程第1、第59号議案から第62号議案までの計4件を一括上程いたします。
理事者の説明を求めます。
〔副区長石神正義登壇〕
○副区長(石神正義) ただいま上程されました第59号議案から第62号議案までの計4件につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。
第59号議案、平成19年度中野区一般会計補正予算は、歳入歳出にそれぞれ8,356万5,000円を追加計上するものです。これにより既定予算との合計額は、1,016億603万9,000円となります。
初めに、この補正の歳出予算の内容を説明いたします。
まず、保育園・幼稚園費ですが、みずのとう幼稚園及びやよい幼稚園を認定こども園に転換するために必要な改修工事に伴う設計費444万円を追加計上するものです。
次に、都市計画費ですが、不燃化促進事業の申し込み件数の増加に対応するための経費7,429万円を追加計上するものです。
次に、生涯学習費ですが、中野体育館主競技場の緊急改修に伴います指定管理者に対する休業補償のための経費483万5,000円を追加計上するものです。
この補正の歳入予算といたしましては、国庫支出金3,110万6,000円、都支出金1,635万2,000円、繰入金3,610万7,000円を追加計上するものです。
次に、債務負担行為の補正について説明いたします。
これはみずのとう幼稚園及びやよい幼稚園に関する認定こども園の設計費1,039万7,000円を追加計上するものです。
第60号議案、中野区職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例は、雇用保険法等の一部を改正する法律の改正に伴い、中野区職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例の施行期日を改めるものです。この条例の施行時期は、公布の日です。
第61号議案、中野区行政財産使用料条例の一部を改正する条例は、商工会館、消費者センター、環境リサイクルプラザ、南中野児童館、ふれあいの家、男女共同参画センター、社会福祉会館、高齢者福祉センター、障害者福祉会館、かみさぎこぶし園、弥生福祉作業所、野方図書館、地域生涯学習館及び区立学校の施設の使用料の額を改定するものです。この条例の施行時期は、平成20年7月1日です。
第62号議案、中野区議会議員及び中野区長の選挙における選挙運動の公費に関する条例の一部を改正する条例は、公職選挙法の改正に伴い、区長の選挙におけるビラの作成の公費負担について規定するものです。この条例の施行時期は、公布の日です。
以上4議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○議長(市川みのる) 本件について、御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(市川みのる) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
上程中の議案は、会議規則に従い、総務委員会に付託いたします。
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第63号議案 中野区地域センター条例の一部を改正する条例
第64号議案 中野区勤労福祉会館条例の一部を改正する条例
○議長(市川みのる) 日程第2、第63号議案及び第64号議案の計2件を一括上程いたします。
理事者の説明を求めます。
〔副区長石神正義登壇〕
○副区長(石神正義) ただいま上程されました第63号議案及び第64号議案の2議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。
第63号議案、中野区地域センター条例の一部を改正する条例は、洋室、和室、音楽室、調理室、多目的室及びテニスコートの使用料の額を改定するものです。この条例の施行時期は、平成20年7月1日です。
第64号議案、中野区勤労福祉会館条例の一部を改正する条例は、多目的ホール、体育室、談話室、会議室、展示コーナー等の使用料の額を改定するものです。この条例の施行時期は、平成20年7月1日です。
以上2議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○議長(市川みのる) 本件について、御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(市川みのる) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
上程中の議案は、会議規則に従い、区民委員会に付託いたします。
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第65号議案 中野区立児童館条例の一部を改正する条例
第66号議案 中野区立学童クラブ条例の一部を改正する条例
第67号議案 中野区プールの衛生管理に関する条例の一部を改正する条例
第68号議案 中野区立高齢者会館条例の一部を改正する条例
第69号議案 中野区奨学金貸付条例の一部を改正する条例
○議長(市川みのる) 日程第3、第65号議案から第69号議案までの計5件を一括上程いたします。
理事者の説明を求めます。
〔副区長石神正義登壇〕
○副区長(石神正義) ただいま上程されました第65号議案から第69号議案までの5議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。
第65号議案、中野区立児童館条例の一部を改正する条例は、桃が丘児童館を廃止するものです。この条例の施行時期は、平成20年4月1日です。
第66号議案、中野区学童クラブ条例の一部を改正する条例は、桃が丘学童クラブ、桃園第三学童クラブ及び仲町学童クラブを統合し、新たに桃花学童クラブを設置するとともに、北江古田学童クラブを廃止するものです。また、桃花学童クラブを設置した後に、その分室の位置を変更するものです。
この条例の施行時期は、桃が丘学童クラブ等四つの学童クラブの廃止につきましては、平成20年4月1日です。桃花学童クラブの設置につきましては、公布の日ですが、桃花学童クラブの利用開始は平成20年4月1日からです。桃花学童クラブの分室の位置の変更につきましては、平成20年6月1日です。
第67号議案、中野区プールの衛生管理に関する条例の一部を改正する条例は、学校教育法の改正に伴い、条例で引用している条文の番号を整備するものです。この条例の施行時期は、学校教育法等の一部を改正する法律の施行の日またはこの条例の公布の日のいずれか遅い日です。
第68号議案、中野区立高齢者会館条例の一部を改正する条例は、高齢者集会室、和室、洋室及び調理室の使用料の額を改定するものです。この条例の施行時期は、平成20年7月1日です。
第69号議案、中野区奨学金貸付条例の一部を改正する条例は、学校教育法の改正に伴い、条例で引用している条文の番号を整理するものです。この条例の施行時期は、学校教育法等の一部を改正する法律の施行の日またはこの条例の公布の日、いずれか遅い日です。
以上5議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○議長(市川みのる) 本件について、御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(市川みのる) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
上程中の議案は、会議規則に従い、厚生委員会に付託いたします。
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第70号議案 中野区自転車駐車場条例の一部を改正する条例
第71号議案 中野区立公園条例の一部を改正する条例
第76号議案 特別区道路線の認定について
○議長(市川みのる) 日程第4、第70号議案、第71号議案及び第76号議案の計3件を一括上程いたします。
理事者の説明を求めます。
〔副区長石神正義登壇〕
○副区長(石神正義) ただいま上程されました第70号議案、第71号議案及び第76号議案の3議案につきまして、一括して提案の理由を説明いたします。
第70号議案、中野区自転車駐車場条例の一部を改正する条例は、東京都から借り受けていた用地を返還することに伴い、その用地上に設置していた沼袋第二自転車駐車場を廃止するものです。この条例の施行時期は、平成20年4月1日です。
第71号議案、中野区立公園条例の一部を改正する条例は、学習室の使用料の額及び野球場、庭球場、弓道場、集会場等の利用料金の限度額を改定するものです。この条例の施行時期は、平成20年7月1日です。
第76号議案、特別区道路線の認定は、特別区道の路線を認定するに当たり、道路法第8条の規定に基づき、議会の議決をお願いするものです。この路線は、都営住宅の建てかえに伴い、東京都都市整備局が整備する道路を特別区道路線として認定するもので、区間は中野区白鷺一丁目600番から660番まで、延長は397メートルです。
以上3議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○議長(市川みのる) 本件について、御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(市川みのる) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
上程中の議案は、会議規則に従い、建設委員会に付託いたします。
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第72号議案 中野区立少年自然の家条例の一部を改正する条例
第73号議案 中野区立体育館条例の一部を改正する条例
第74号議案 中野区もみじ山文化の森施設条例の一部を改正する条例
第75号議案 中野区区民ホール及び芸能小劇場条例の一部を改正する条例
○議長(市川みのる) 日程第5、第72号議案から第75号議案までの計4件を一括上程いたします。
理事者の説明を求めます。
〔副区長石神正義登壇〕
○副区長(石神正義) ただいま上程されました第72号議案から第75号議案までの4議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。
第72号議案、中野区立少年自然の家条例の一部を改正する条例は、少年自然の家の使用料の額を改定するものです。この条例の施行時期は、平成20年7月1日です。
第73号議案、中野区立体育館条例の一部を改正する条例は、競技場、トレーニング場、会議室、プール等の利用料金の限度額を改定するものです。この条例の施行時期は、平成20年7月1日です。
第74号議案、中野区もみじ山文化の森施設条例の一部を改正する条例は、ホール、リハーサル室、多目的練習室、展示ギャラリー、学習室等の利用料金の限度額を改定するものです。この条例の施行時期は、平成20年7月1日です。
第75号議案、中野区区民ホール及び芸能小劇場条例の一部を改正する条例は、区民ホール及び芸能小劇場の利用料金の限度額を改定するものです。この条例の施行時期は、平成20年7月1日です。
以上4議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○議長(市川みのる) 本件について、御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(市川みのる) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
上程中の議案は、会議規則に従い、文教委員会に付託いたします。
次に、陳情の特別委員会への付託についてお諮りいたします。
お手元に配付の陳情付託件名表(Ⅰ)に記載の陳情につきましては、記載のとおり、防災まちづくり特別委員会に審査を付託いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(市川みのる) 御異議ありませんので、さよう決定します。
陳情付託件名表(I)
《防災まちづくり特別委員会付託》
第25号陳情 住宅の耐震化にむけた現行助成制度の発展・拡充について
○議長(市川みのる) 次に、請願・陳情の常任委員会への付託について申し上げます。
お手元に配付の請願・陳情付託件名表(Ⅱ)に記載の請願・陳情につきましては、記載のとおり、それぞれ所管の常任委員会に審査を付託いたします。
請願・陳情付託件名表(Ⅱ)
《厚生委員会付託》
第23号陳情 医師・看護師などを大幅に増員するための意見書を提出することについて
第26号陳情 妊婦健診助成制度の拡充を求めることについて
《文教委員会付託》
第5号請願 高校歴史教科書における「集団自決」の記述に関する意見書の提出について
第6号請願 高校歴史教科書に関する意見書の提出について
○議長(市川みのる) 本日は、これをもって散会いたします。
午後4時16分散会
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