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平成19年10月02日中野区議会決算特別委員会の会議録
平成19年10月02日決算特別委員会(第5日)
1.平成19年(2007年)10月2日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。
1.出席委員(42名)
1番 内 川 和 久 2番 ひぐち 和 正
3番 白 井 秀 史 4番 平 山 英 明
5番 つぼい え み 6番 いながき じゅん子
7番 林 まさみ 8番 山 口 かおり
9番 せきと 進 10番 いでい 良 輔
11番 伊 東 しんじ 12番 佐 野 れいじ
13番 北 原 ともあき 14番 南 かつひこ
15番 小 林 秀 明 16番 の づ 恵 子
17番 奥 田 けんじ 18番 近 藤 さえ子
19番 牛 崎 のり子 20番 小 堤 勇
21番 吉 原 宏 22番 大 内 しんご
23番 伊 藤 正 信 24番 きたごう 秀 文
25番 久 保 り か 26番 やながわ 妙 子
27番 酒 井 たくや 28番 佐 伯 利 昭
29番 むとう 有 子 30番 長 沢 和 彦
31番 か せ 次 郎 32番 山 崎 芳 夫
33番 斉 藤 金 造 34番 篠 国 昭
35番 市 川 みのる 36番 岡 本 いさお
37番 飯 島 謹 一 38番 江 口 済三郎
39番 藤 本 やすたみ 40番 佐 藤 ひろこ
41番 来 住 和 行 42番 岩 永 しほ子
1.欠席委員
な し
1.出席説明員
中野区長 田中 大輔
副区長(経営室)石神 正義
副区長(管理会計室) 沼口 昌弘
副区長(政策室)西岡 誠治
教育長 菅野 泰一
計画財務担当課長長田 久雄
区民自治推進担当課長 小田 史子
調査研究担当課長(政策研究機構副所長) 区民自治推進担当課長兼務
情報化推進担当課長 白土 純
平和・人権・国際化担当課長 区民自治推進担当課長兼務
政策室特命担当課長 奈良 浩二
経営担当課長 川崎 亨
経営室契約担当課長 経営室特命担当課長兼務
報道・秘書担当課長 浅野 昭
人事担当課長 合川 昭
財産管理担当課長豊川 士朗
用地・管財担当課長 冨永 清
危機管理担当課長志賀 聡
防災担当課長 危機管理担当課長兼務
経営室特命担当課長 篠原 文彦
評価・改善推進担当課長 田中 政之
経営分析・公会計改革担当課長 相澤 明郎
税務担当係長 中井 豊
未収金対策担当課長 若槻 磐雄
管理会計室特命担当課長 伊東 知秀
管理会計室特命推進担当課長 管理会計室特命担当課長兼務
会計室長 村田 宏
区民生活部長 大沼 弘
区民生活部経営担当参事 服部 敏信
地域活動担当課長中部地域担当課長兼務
南地域担当課長 波多江 貴代美
中部地域担当課長遠藤 由紀夫
東地域担当課長 横山 俊
北地域担当課長 戸辺 眞
西地域担当課長 鳥井 文哉
戸籍住民担当参事奥山 功
産業振興担当参事鈴木 由美子
環境と暮らし担当課長 納谷 光和
ごみ減量・清掃事業担当参事 橋本 美文
清掃事務所長 斎木 正雄
車庫長 清掃事務所長兼務
子ども家庭部長 田辺 裕子
子ども家庭部経営担当参事 榎本 良男
子育て支援担当課長 馬神 祥子
子ども家庭支援センター所長 子育て支援担当課長兼務
子ども健康担当課長 原田 美江子
中部保健福祉センター所長(保健福祉部兼務)鈴木 郁也
北部保健福祉センター所長(保健福祉部兼務)中部保健福祉センター所長兼務
南部保健福祉センター所長(保健福祉部兼務)深山 紀子
鷺宮保健福祉センター所長(保健福祉部兼務)嶋﨑 江美
保育園・幼稚園担当課長 藤井 康弘
幼児研究センター所長 保育園・幼稚園担当課長兼務
幼児教育担当課長保育園・幼稚園担当課長兼務
子ども育成担当課長 野村 建樹
地域子ども施設連携担当課長 吉村 恒治
男女平等担当参事子ども家庭部経営担当参事兼務
保健福祉部長 金野 晃
保健所長 浦山 京子
保健福祉部経営担当参事 岩井 克英
保健予防担当参事本保 善樹
結核予防担当参事保健予防担当参事兼務
生活衛生担当課長飯塚 太郎
健康・高齢担当課長 尾﨑 孝
地域ケア担当参事保健福祉部経営担当課長兼務
中部保健福祉センター所長 鈴木 郁也
中野地域包括支援センター担当課長 中部保健福祉センター所長兼務
北部保健福祉センター所長 中部保健福祉センター所長兼務
南部保健福祉センター所長 深山 紀子
鷺宮保健福祉センター所長 嶋﨑 江美
障害福祉担当課長辻本 将紀
障害施設担当課長大橋 雄治
生活援護担当課長瀬田 敏幸
保険医療担当課長柿内 良之
介護保険担当課長今 恵里
都市整備部長 石井 正行
都市計画担当課長登 弘毅
南部地域まちづくり担当課長 角 秀行
中部地域まちづくり担当課長 上村 晃一
北部地域まちづくり担当課長 市川 求
土木・交通担当課長 遠山 幸雄
公園・道路担当課長 安部 秀康
建築担当参事 佐藤 幸一
住宅担当課長 都市計画担当課長兼務
拠点まちづくり推進室長 谷村 秀樹
拠点まちづくり担当参事 秋元 順一
中野駅周辺整備担当課長 松前 友香子
西武新宿線沿線まちづくり担当課長 都市整備部北部まちづくり担当課長兼務
教育委員会事務局次長 竹内 沖司
教育経営担当課長小谷松 弘市
教育改革担当課長青山 敬一郎
学校教育担当課長寺嶋 誠一郎
指導室長 入野 貴美子
教育センター所長指導室長兼務
生涯学習担当参事村木 誠
中央図書館長 倉光 美穂子
選挙管理委員会事務局長 柳澤 一平
監査事務局長 石﨑 新一
1.本会の書記は下記のとおりである。
事務局長 山下 清超
事務局次長 髙橋 信一
議事調査担当係長 大谷 良二
書 記 黒田 佳代子
書 記 永田 純一
書 記 荒井 勉
書 記 菅野 多身子
書 記 廣地 毅
書 記 松本 明彦
書 記 丸尾 明美
書 記 鳥居 誠
書 記 杉本 兼太郎
書 記 岡田 浩二
書 記 松本 桂治
午前9時59分開議
○吉原委員長 定足数に達しましたので、ただいまから決算特別委員会を開会します。
認定第1号から認定第5号までの計5件を一括して議題に供します。
初めに、前回の委員会終了後に開かれた理事会について報告します。
1点目は、本日の委員会運営についてです。前回は、山崎芳夫委員の質疑まで終了しましたので、本日は、1番目に江口済三郎委員、2番目に小堤勇委員、3番目に酒井たくや委員の順序で3名の質疑を行うことを確認しました。
なお、江口委員の質疑予定時間が124分ですので、正午を過ぎることが見込まれますが、その場合も質疑は中断しないで行うことを確認しました。
2点目は、資料要求の追加についてです。お手元の決算特別委員会資料要求一覧(追加分)に記載されているとおり、資料要求することを確認しました。
追加分
◆総務分科会関係
108 本庁舎レイアウト変更関連工事を含む改修費用の推移(現年度までの5年間) <民>
109 平成16年度以降の主な組織変更 <民>
○吉原委員長 以上が理事会についての報告ですが、質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○吉原委員長 なければ、ただいまの報告のとおり行うことに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○吉原委員長 御異議ありませんので、さよう決定します。
それでは、昨日に引き続き総括質疑を続行します。
江口済三郎委員、お願いします。
○江口委員 おはようございます。
朝一で私の質問で、理事者の人はきょう1日重い気持ちになるかもしれませんけれども、前期は2年間総括ができなかったものですから、新人のように緊張もしていますし、またきょう、楽しい思いで区民の声を皆さんに伝えたいと思っていますので、よろしくお願いします。
それでは最初に、災害対策について伺いたいと思います。
この問題は、本会議でもそれぞれの委員からも出ておりますし、きのうは箱根で震度5の地震が発生したということで、日ごろ区民の間では、いつ来るのかという不安の中できているわけでございます。
初めに、これは災害対策としては通告しておりますけれども、きょう、今地震が起きたという想定で前半質問しますので、いきなり防災担当以外の方に質問をします。それは、職員との役割ということで、一つは職員マニュアルを持っていただいて、職員の立場としてどう災害時対応するかということは日ごろ皆さん方は訓練をされています。私は議員になってからこの災害対策、特に職員の役割というのは非常に重要だということを言ってまいりましたし、また、区民にとって職員が非常に心強いということも何度か皆さんにお伝えしているわけであります。まず、災害と職員の役割についてお尋ねしたいと思うんですが、一つは、今地震が起きて中野に――あってはならないでしょうけれども、被害が起きたというと、対策本部が設置されるわけですね。その対策本部長は区長がされるわけですけれども、そこに副本部長として副区長、教育長がいらっしゃいます。もし区長が職務の関係でそのときにいない場合でも、やはりこの副本部長が対策本部を設置していくわけですけれども、これは順番がありまして、石神さんが先かな。その次に沼口さんかと思うんですが、新副区長が就任されたから3番目と。もう1人、教育長がここに入っているんですね。教育長は、区長がいないときに副本部長という本部長代理ですね。その場合に、どういう責務を持っているか、お答えいただきたいと思います。
○菅野教育長 災害対策本部長として災害対策について統括する役割を持つと思っております。
○江口委員 よくわからない。
○菅野教育長 災害対策本部の統括をする役割を持っていると思っております。
○江口委員 そうすると、この本部というのは本部室があって、非常に大事な中枢機構ですから、ここからすべて決定、結論が出されていくわけですけれども、四つの災対部が置かれていますね。これは部長がつくわけで、4人の部長はどなたになりますか。
○菅野教育長 災対本部の下に災対総務部、災対福祉部、災対教育部、災対区民部、四つありますので、それぞれの部長が担当していると思います。
○江口委員 今お答えになったように、災害時というのは非常に緊迫感も出てきますし、教育長がもし区長だけに頼っているとしたら、今の場合、教育長が担当されたときに、果たして本部室が機能するかというのは非常に不安です。これ以上聞くつもりはありませんけれども、しっかり副本部長も自分自身の責務、区長がもしその場におられない場合は、どう指揮をとっていくのかということはいつも描いておいていただきたいし、まず自分の身を守らなければいけないということがありますので、その後災対本部が設置されてということをぜひわかっていただきたいと思います。
次に、2人の課長に聞きたいと思うんですが、人事担当課長の責務は何ですか。
○合川人事担当課長 災対総務部の人事班の班長でございます。
○江口委員 どういうことをされるか。区民に向かって説明してほしいんですが。
○合川人事担当課長 まず、職員の参集状況を把握して、それを集約すると。それから、職員の給食ですね、夜間、朝食、昼食、これらの手配をすること。それから、職員自体の被災状況、中野区等に住んでいる方がいらっしゃいますので、そういった職員の被災状況を把握すること。それから、公務災害等、こういった保障に関すること。それから、他自治体へ人的な派遣を要請すること、これらが任務になっております。
○江口委員 ありがとうございます。しっかりとお答えになられて、合格点でございます。
最後に我が地域の方ですから、南部地域担当課長、あなたはどういうお仕事をされるでしょうか。
○波多江南部地域担当課長 地域調整班の統括副班長として、南中野、弥生、鍋横管下の地域本部との連絡調整に当たります。
○江口委員 南部統括副班長というお仕事で、三つの仕事を統括すると。そうすると、皆さん課長の上に地域本部長がいらっしゃいますよね。この方がどなたなのか。どういう連絡を災害時にとられて、課長の場合は、もし庁内にいるときはどこにいるんですか、勤務時間中だったら。
○波多江南部地域担当課長 本部地である南中野地域センターにおります。(「部長は、上の」と呼ぶ者あり)区民生活部長は区役所におります。
○江口委員 ありがとうございます。結構です。
皆さん担当の方全員に質問したいんですけれども、2時間の時間枠ですから。ぜひ皆さん方、管理職として異動もあるし、いろいろ厳しいものはあるんでしょうけれども、しっかり自分自身の役割というものを日ごろから訓練し、つかんでいただいて、区民の安心安全のためにぜひ陣頭指揮をとっていただきたい、そういう意味で質問させていただきました。
それでは、具体的な質問に入りたいと思います。
次に、中野区は災害協定を34団体と、覚書を1団体と締結をしているわけでございまして、本会議でも小林議員が中野区薬剤師会との協定について質問をしました。代表者が変わっていたり、現在の区長じゃない場合もありますが、修正が必要な協定が多分見られると思うんですけれども、毎年どのようにこの協定に対して確認しているのか、お答えいただきたいと思います。
○志賀危機管理担当課長 災害協定につきましては、見直しも含めまして内容の確認作業等をしているところでございますけれども、修正等が必要だと思われるものや未修正のものにつきましては、協定の締結の相手方とよく内容を確認しながら取り組んでいきたいと思います。
また、代表者の変更等でございますが、協定団体との協定書の継続につきましては、内容等に修正がない場合には、このまま毎年自動的に更新するということになってございます。
○江口委員 見直すという部分はぜひ見直してほしいんですけれども、私が質問しているのは、毎年のように確認するというのはどういうふうにしているかというと、代表者が変わっても、多分区の方に連絡が来ないと、団体によっては。そういう場合もあろうかと思うんですね。その場合のことを踏まえて、例えば代表が変わったら連絡くださいよという話はどこにもないわけでありまして、やっぱり毎年、新年度入るときにはきちんと34の団体と、これからも結ばれようとする団体とか、覚書も一つあるわけですけれども、そういうことを確認すべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○志賀危機管理担当課長 委員御指摘のとおり、協定の中身、あるいは代表者の変更等につきましては、毎年の確認作業が必要だと考えております。
○江口委員 ぜひお願いしたいと思います。協定自体は継続するようになっておりますけれども、やっぱり団体の長が変わった場合、団体の長自身が知らなかったとか、そういうことがあった場合に、やはりそれが生かされてくるかというと、そうではない。毎年確認することが大切だと思うので、ぜひお願いしたいと思います。
もう一つ、協定団体に建設業協会がないんですね。これは例えば建物の崩壊等で、一番中野区内でお願いをし、協力していただくというふうに私は思うんですけれども、要請というのはされているんでしょうか。
○志賀危機管理担当課長 地域防災計画に載っております協定の内容を確認いたしましたところ、委員御指摘の建設業協会というのは、中野区内小規模建設事業者団体連合会のことかと思われますので、その団体とは救援資機材の提供、それから公共施設の応急復旧につきまして、あるいは民間の住居の簡易な改修について協定を結んでいるところでございます。
○江口委員 小規模建設業協会というのはよくわからないんですが、私たちがよく理解しているのは、中野区建設業協会と。それとは違うんですか。
○志賀危機管理担当課長 内容的には同じというふうに認識しております。
○江口委員 わかりました。それではそういう形で、さまざまな形で協力してもらうと。
災害時の輸送車両についてちょっと伺いたいと思うんですけれども、さまざまな協定の中で、物品の輸送というのは中野区がやることになっていますね。例えば、お米屋さんとの協定とかさまざまな協定で、搬送は区がやるという。大体協定はほとんどそういう形になっているわけですけれども、多分、区有車ではその車両は足らないというふうに思うんです。そういう場合、土木協会とかトラック協会、建設業協会、車両を提供してくれるという協定を結んでいる団体がありますよね。ところが、今まで協定は全部各団体との協定で一本化されていないんですね。だから、車両が明確に出ているのはトラック協会。これは各社が何トン車1台とか2台とか、明確になっています。しかし、ほかの協会は車両を提供するというだけで、実際にはどういう車両が現在あって、出動してくれるのかというのがありません。各団体との協定はいいんですが、車両に関してはぜひ、その3団体とか4団体を一本化して、緊急時の車両の要請のときには体制を組むということはどうなんでしょうか。
○志賀危機管理担当課長 現在、トラック協会につきましては、約71台の車両の供給の協定を締結しているところでございます。また、土木防災協力会につきましては、主に資機材の調達、それから道路警戒、あるいは瓦れきの処理といったことを役割としておりまして、それぞれの担う役割が違うことから、トラック協会、あるいは土木防災協力会と協定が分かれているわけです。
あと、輸送に関して言いますと、小型自動車、軽自動車を所有しております赤帽、それから区内にございますリサイクル協同組合さん、そちらもトラック等を所有しておりますので、車両の協定関係でいいますと3団体、土木防災協力会と合わせると4団体ございます。そういった意味で、車両の供給の一本化はできると思いますが、土木防災協力会さんとの統一ということにはちょっと役割が違うので、ならないのかなというふうに考えております。
○江口委員 大体車両の内訳等はつかんでいる部分があるんでしょうけれども、機材という言葉が今出ました。しかし、土木にしても建設にしても、重機だとかそういう機材というのはリースがほとんどだと思うんですね、区内の場合は。自社で所有するというのは大変経費がかかるので、工事を請け負ったときにリースするというケースが多いし、さまざまな建設現場へ行っても、トラックなんかのリースも結構多くて、そういう形でやっているんですけれども、機材の所有とか、例えば出動車両が、先ほどトラック協会は71台という答弁をされましたけれども、地域別に分類されて、このトラックはこっちの方へ動いてもらうとか、そういう形にはなっているのかが1点と、トラックの場合、要請した場合はどこに集合するんですか。
○志賀危機管理担当課長 輸送等の必要になった場合におきましては、災対総務部長の判断によりまして、それぞれの各物資を輸送するための日時、場所、要請の内容をトラック協会の方に提示いたしまして、それによってトラック協会が各事業者の方々に参集場所をお示しし、搬送していただくというような形になろうかと思います。そのために、エリアについてはトラック協会の中である程度、南北、中央とエリア分けがされていると思いますし、集合場所というのも要請の内容にどこどこ小学校、どこどこ中学校の備蓄倉庫ということで要請をするようになってございます。
○江口委員 今のお答えを聞くと、整っているのかなと思うんですけれども、実際には各協会の人たちは備蓄倉庫の位置だとかをいつも確認されているのかというと、私はそうではないと思うし、水害のときにたまたま出動要請してやったときに、北の方の業者に要請があって、中野区役所に来たと。機材を積んで集合と。行った先が妙正寺川流域なんですね。そうすると、自分たちからすれば、どこどこに行けと指示をされた方がよっぽどスピーディーに行きやすいと。なぜ1回区役所に来なければいけないのかという話を聞いたときに、多分その体制ができていないので、一度役所に集合させてそこから指示すると。
ところが、震災時の場合は道路状況とか非常に厳しくなっていますから、地域のことに詳しいそういう人たち、地元の人たちは、地元に基本的に参集して動く方がより効果的だと思っているんです。ですからそういう意味で、その辺はきちんと分散した体制を築いた方がいいのではないかということで質問していますが、いかがでしょうか。
○志賀危機管理担当課長 この内容につきましては、先ほど委員から御指摘がございましたように、関係機関との協定の見直し、あるいは確認作業の中でそういったことにつきましても検討して、各事業者さんと検討して中身を詰めていきたいと思います。
○江口委員 ぜひ協定を結んでいただいている団体の人たちのためにももう少し具体的に、わかりやすい出動体制を組んでいただきたい、そのように思います。
また、その団体の人たちが出動したときに、例えばユニフォームだとか、腕章だとか、そういうことが識別できるようなものは配付をされているのか。なぜかといいますと、土木防災協力会の協定には、そういうことがわかるような格好をしなさいという形を言っているんですけれども、何だかよくわからないんですね。ところが、他の団体にはそういうものがありません、協定の中には。ですから、どの人が避難所に来られたのか、何のために来ているのかもわからない部分があるので、このことはきちんとされているんでしょうか。
○志賀危機管理担当課長 災害時におきましては、大変混乱している中でさまざまな人たちが活動しているわけで、区民の方々が見たときに、一目でこの方々が何を担当されている方々なのかわかるように、本来であれば例えば腕章的なもの、そういったものをつけていれば目印になろうかと思います。そういったことも含めまして、先ほどと同じ答弁になってしまうかもしれませんが、これにつきましてもあわせまして関係団体と、既にそういった配備がされている協会もあろうかと思いますので、改めて確認してまいりたいと思います。
○江口委員 ぜひお願いしたいと思います。避難所に出入りするときに、例えば三師会とか、そういう方々はわかると思うんですけれども、それ以外の方々については、わかりにくいという部分があるので、そこはしっかりと識別ができるようにした方が混乱は避けられるというふうに思っております。
もう一つ、次の避難所のことで、訓練時に医師会に対して費用弁償を払うことが覚書でされているんですが、経費が払われるわけですね、訓練。もちろん本番のときにも払われるようになっているんですけれども、他の団体にはなぜ払われていないんですか。
○志賀危機管理担当課長 総合防災訓練のときに、中野区の医師会、歯科医師会、それから薬剤師会、接骨師会、獣医師会、あるいはトラック協会、先ほど申し上げました土木防災協力会の参加していただいた方々には費用弁償を行っているところでございます。
○江口委員 医師会の場合は、覚書をきちんと取り交わしているんですね、協定当初に。先ほど出た三師会、それは覚書の中には載っていないんですね。協定書の中には、災害時に出動した場合は実費精算すると、すべての団体。そういうふうには載っているんですけれども、訓練時に出るとはどこも書いていないんです。
そういう意味で、出ているんでしたらきちんと、一つひとつ覚書に添えて、幾ら出ているのかと。医師会の場合はきちんと明確に出ていますから。お医者さん、看護師さん、事務、きちんと区民から見てわかるようになっているんですけれども、他の団体は、それがどこにもないんです。この辺はきちんと計画書の中に、覚書の中に入れるべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
○志賀危機管理担当課長 協定の覚書につきましては、関係機関と協議いたしまして、覚書等の中に費用弁償等の費用につきまして明記する必要があるということであれば、そのようにしていきたいと思います。
○江口委員 ぜひお願いしたいと思います。
次に、避難所の場合、運営主体は地域防災会というふうに現在の計画では言われているんですけれども、地域防災会は避難所を運営する形で総合訓練の中で出動していくわけですね。運営の役員でもあるわけですね。この地域防災には費用弁償って払われていますか。
○志賀危機管理担当課長 地域防災会のメンバーの方々には、費用弁償等は行われておりません。
○江口委員 おかしいじゃないですか。実際には訓練に参加していただくということで、さまざまなところにそういうお金が払われているのに、一番の避難所の運営主体である、これがいいか悪いかは後でまたやりますけれども、現在まで運営主体である防災会の役員には費用弁償が払われていないですよね。なぜですか。
○志賀危機管理担当課長 地域防災会の皆様方は、日ごろから地元に住んでいらっしゃって、災害時においては避難場所に集合し、そこで避難所を開設し、運営するという役割を担っているわけですけれども、そういったところで費用弁償は特に行っていない。経費的に特にこれまでも必要としないという判断で、費用弁償を行っていないというところでございます。
○江口委員 実際には訓練時、避難所訓練でやりますよね。私はもともと区の職員が担当していただいて、警察、消防だとか三師会、そういう人たちが中心の避難所運営の役員だと思っていたんですけれども、どうも避難所の運営は防災会がやるというふうになっているようなんですね。これは私、後で無理だという話をしますけれども、そういう中でやってきた現状で、さまざまな団体には費用弁償が実費として払われているのに、防災会の役員には払われていないんですよ。これ、矛盾しませんか。
○志賀危機管理担当課長 関係事業者、あるいは三師会、四師会に対しましては、それぞれの事業者に対する費用弁償ということで行ってきたわけですけれども、地域防災会の皆様方には自主運営ということで考えてございます。
○江口委員 自主運営ということは、地域防災会が勝手に避難所の指揮をとっていいということ、そう解釈しますよ、そういうお答えになると。そうじゃなくて、きちんと運営会議をつくって、訓練する場合にも事前に協議をして、どういう協議がこのまちに必要か、この避難所に必要かとやってきたと私は思っているわけです。そこの中の運営主体者に費用弁償がなくて、それに参加する職員の人は給与という形で出ているわけですし、ガスだとか水道というのは会社から職員として出ているわけで、たまたま市民だけが対象になっていない。払えという意味じゃなくて、公平の原則からすれば、きちんとそれなりの対応をすべきだという意味で質問しましたので、ぜひこの辺は、これ以上やると時間がないので、検討していただきたいというふうに思っています。
次に、医薬品の備品なんですが、例えば一例として、糖尿病患者の方なんかは、避難所へ避難した場合、インシュリンがないと非常に危険な状況になるわけですけれども、自宅から避難して、それから途中で避難をしてという場合に、持ち歩くことはないかもしれない、持っていないかもしれないということも含めて、いわゆる被災者の常備薬ですね、これに対する医薬品の備蓄が必要だと私は考えているんですけれども、その辺はいかがなんでしょうか。
○志賀危機管理担当課長 持病をお持ちの方々の医薬品の備蓄でございますが、基本的に防災、私たちが日ごろから啓発している中身といたしましては、持病をお持ちの方々につきましては、災害時のことも想定して、ある程度のストックをしていただきたいという啓発をしてございます。また、区といたしましては、現在、災害に使用する医療7点セット、あるいは救急かばん、そういったものに対する、そのときに使用する医薬品につきましては備蓄しているところでございますが、それ以外の医薬品につきましては、流通経路に乗らないとか、それによりまして期限が切れたら廃棄し、また新たなものを購入するというようなことがございますので、大変不経済ということでもございますので、医薬品の備蓄は行っていないところでございます。
○江口委員 非常に大切な問題なので、薬剤師会と協議をして要はストックヤード、備蓄倉庫を薬剤師会としての管理ができるかどうか。例えばインシュリンなんかは常時使われている薬ですから、そういう意味では回転というか、どんどん使用していけるわけですね。そういう形でずっと、そこに2年だったら2年置いておくのではなくて、通常の営業の中で薬剤師会に使っていただいて、不足分は補給するという形で、区に言われたものは常時備蓄をしていくと。
ただ、薬品ですから、簡単に倉庫をつくるというわけにいかないので、それなりに温度の調整だとか、きちんとしたものをつくらなければならない部分はあるんですけれども、通常そういう形で薬剤師会と協定を結んでおけば、これとこれの薬だけは用意しておいてほしいと。ふだんは実際の流通の中で使うけれども、必ず区から言われたものだけはストックしておきますというような協定は結べないんでしょうか。
○志賀危機管理担当課長 医薬品の備蓄につきましては、本会議でも御指摘ございました。中野区薬剤師会、あるいは薬業協同組合との協定の見直しということがございますので、その中で改めて中野区薬剤師会とその内容について詰めていきたいと考えております。
○江口委員 ぜひお願いします。
それからもう一つは、避難所で多分使用されると思われる注射針、特にこの注射針というのは分別して処理しなければならないんですけれども、現在どのような対応になっているかお聞かせください。
○志賀危機管理担当課長 これまで注射針の処分等につきましては、検討等は行っていなかったところでございます。
○江口委員 どういうふうにされます、今後。
○志賀危機管理担当課長 注射針につきましては、医療廃棄物でもございますので、適正な廃棄処分が必要だということから、他の医療7点セットですとか医療救急セット、そういったものも使用後の問題がございますので、今後医師会と相談の上、どういった処理をしていったらよいのか確認してまいりたいと思います。
○江口委員 ぜひよろしくお願いします。大変大事な問題なので、取り組んでいただきたいと思っています。
次に、避難訓練のときによく体育館を使用して、先日行われた訓練も、仕分けをするとか、そういうことをやられたようですけれども、意外と教室とか給食室というのは訓練に使っていないんですね。これは何ででしょうか。
○志賀危機管理担当課長 災害時におきまして、まず初めに避難する場所といたしまして体育館が想定されますことから、通常の訓練におきましては、体育館を中心に考えているところでございます。
また、給食室の使用につきましては、衛生管理上の問題もあります。また、翌日の給食に影響が出るといけませんので、炊き出し訓練等には使用していないところでございます。
○江口委員 例えば、私の地元は桃園小学校が近くにあるんですけれども、短期で収容すると3,800人という想定の数が出ているんですね。長期が1,900人。体育館にこれだけの人数は入らないわけでして、確かに訓練のときは各防災会少ないですよ、参加がね。だから体育館で収まるかもしれないけれども、やはり訓練も、避難所として、学校側との協議の中で教室も分散して入るとか、そういうことも含めてふだんからやっておかなければならないと思って、私はそういう意味で質問しています。
それから給食の場合も、ライフラインが生きている場合は、給食室が使えるんですね。あえて炊き出し用のかまをセッティングして、石油を使ってボイラーでお湯を沸かす必要はないと私は思うんです。ただし、ライフラインが寸断された場合のことを考えて最悪の訓練をされているわけですけれども、もしもその避難所がライフラインが生きている場合には、給食室は使えるんですよ、炊飯に。そういう意味では、今民間に委託をされているところが多くなってまいりましたので、ぜひ業者と連携をとって、そういう場合には給食室を使って炊飯をするというふうに考えるべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○志賀危機管理担当課長 訓練での給食室使用につきましては、今後の訓練の内容とあわせまして教育委員会、あるいは地元の防災会の皆様方と協議して、使用についてどのようなことの訓練ができるか、内容も含めまして検討していきたいと思います。
また、給食調理の委託をしている事業者との協定でございますが、相手があることですので、災害協定として協定締結できるかちょっとわかりませんけれども、教育委員会と給食調理業務委託をしているところでございますので、また教育委員会とも相談しながら、協定に向けて検討してまいりたいと、このように思います。
○江口委員 ぜひきめ細かい対策をとっていただきたいと。活用できるものはどんどん活用していく。例えば、給食室なんかは四、五百人分の食事を一気につくれるし、それこそ米飯給食というか、米飯を炊くこともできるわけですので、非常食を使わなくても可能だということも考えられるので、ぜひこの辺は詰めていただきたい。
次にはトイレの問題です。過去の災害では、トイレの問題が指摘をされています。特に新潟中越沖地震の調査、最近の一番新しい被害の起きた地震ですけれども、トイレを我慢するために水分を十分とらない、特に女性や高齢者が多かったということで報告されております。
そこで伺いたいんですけれども、ライフラインが寸断されて、避難所のトイレを使用することが大変困難なことは想定されます。そのために避難所で使用するための簡易トイレが用意されているわけですが、簡易トイレ、よく訓練で組み立てをしますし、私どもも経験をさせていただいておりますけれども、ふん尿が満杯になると、その容器を処理するか交換をしなければならないわけです。そんなに大きな容器ではないので。しかし、見てみて非常に重い、重くなると想定されるようなことが考えられます。ところが、避難所には重機がないんですね。人間の手であれを運ぶというのは非常に無理だと。その場合、重機がないのは非常に不自然だと。ただそこに簡易トイレがありますよというだけで、一度満杯になったらそれで終わりですという、そんな感じがしてならないんですけれども、重機の配備はどうなっているんでしょうか。
○志賀危機管理担当課長 簡易トイレの便層が満杯になった場合でございますが、とても人力で運べる重さではございません。そのために重機等の使用をしながらそれを搬送するということになろうかと思いますが、便層等はクレーンでつり上げるか、ユンボで引っかけてつり上げるかしなくてはならないかと思いますが、その辺につきましては、協定団体の対応や関係機関の御協力によりまして配備していきたいと、このように考えております。
○江口委員 もちろん配備しないとどうしようもないんですよ。だけど、訓練のときにそういう重機が来ているわけではないですから、区民の人たちとか、避難所に来た人たちはただ簡易トイレを一生懸命組み立てるだけの作業で、そこまで気づいていないものがあるんですね。そういう意味で、そのことも一緒にして、基本的には地域防災会の人たちが組み立てているわけですけれども、重機も来て、例えば満杯にしたという――水でも入れて想定して、これはこうやって重機でどかすんだという、それはやっぱり訓練上やっておかなければいけないんじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○志賀危機管理担当課長 訓練の資機材等、日ごろから訓練のたびに地域の防災会の皆様方に使用していただいておりますので、そのたびに使用方法、あるいは処理の方法等を周知しているところでございますので、訓練の内容といたしまして、その一つとして取り組んでまいりたいというふうに思います。
○江口委員 ぜひお願いしたいと思います。
次に、避難所の開設について伺います。参集した職員、それから施設管理者、これは校長先生ですね。それから区の一般の職員、地域防災会のもとに避難所の開設、運営となっているわけですね。そこで、桃園小学校を特定して伺いたいと思うんですけれども、避難所を開設する場合、避難所班の出動があるわけですが、勤務時間内と勤務時間外の体制と人数を教えていただきたいし、管理職はそこにつくのかどうか。
○志賀危機管理担当課長 まず、避難所でございますが、班長、副班長、それから班員合わせて6名ないし7名の体制で、平日夜間の昼夜関係なく、職員が避難所に配置されるというようになってございます。また、避難所につきましては、管理職の配置はございません。
○江口委員 6名か7名ということで、例えば勤務時間外で職員が帰途に向かっているという場合に、果たして何名集まるかということになると、非常に不安な部分があります。なぜかというと、最初に申し上げたように、地域の住民の人たちは大変職員の人を頼りにしておりますし、やはり職員中心に動くべきだと私は思うんですけれども、現在は先ほど言ったように防災会の自主運営だということになって、基本的にはお手伝いという形でいるだけだし、まして管理職では今の数では足らないと。さまざまな担当についていますから。そういう意味で、本当に避難所班長というのは大変きつい仕事だなと思っているんですね。
そこで、特に施設管理者は校長先生になっているわけですが、班長は区の職員ですよね。現在の計画では、先ほど言ったように地域防災会が避難所運営を行うわけですけれども、それでは、防災会で昼間活動できる人と、夜活動できる人は多分分かれていると思うんですね。両方できる人もいらっしゃいます。だれが運営し、だれが出動されるか。運営会議等開いているわけですからおわかりだと思うので、できれば名前を教えていただきたいんです。桃園小学校の場合です。
○志賀危機管理担当課長 避難所運営会議におきましては、昼間参加される方、夜間参加される方ということで防災会の役員の方、それから施設管理者である学校長さん、それから区の職員の班長、副班長が参加をしまして、避難所運営会議を開催しているわけですけれども、参加される地域の方々の参加者の名簿につきましては、避難所運営マニュアルに記載しているところでございます。
なお、委員お話の今お名前をということでございますが、今、資料が手元にございませんので、すぐお答えすることはできません。
○江口委員 実際にそういう形で地域防災会が昼間はだれ、夜はだれということが明確に名簿に出ているというのは、私は信じがたいというふうに思っています。それはなぜかというと、訓練のときにそれだけのメンバーがそろわないというのは結構あるんですね。それから、防災会というのは皆さん新しい中野をつくる10か年計画の防災の中で言われているように大変高齢化されていて、次の若手の後継者を育成しなければいかんということは区側も承知した上で自主防災会というのに頼っているわけです。それは事実なわけです。
そういう意味で、運営主体が防災会であるならば、ここをきちんとしておかないと、防災会の負担というのはすごく重くなるんですね。まして地域だけじゃないんですね、避難所の場合は。なぜかというと、桃園小学校の場合は、中野坂上という地域に大変な数の事業所があります。そこで働く方々は、十中に行く場合もあるし、桃園小学校に来る場合もあるでしょうし、そういう意味では、帰宅困難者が避難所に来る場合もあるということで、連携というのがとりにくいんですね。町会の人たちが来ればそれはわかるんですけれども、そうじゃない部分があると。ぜひその辺はきちんとしたものをつくって、やはり地域と区民にそれがしっかりとわかるような体制づくりをお願いしたい。これは要望しておきます。
避難所というのはさまざまな想定がされるけれども、これは経験していないわけですから、どんなパニックが起きるかわからない。そういう意味では、今まで訓練の前に事前に打ち合わせしたりというので、年に1回か2回程度と聞いているんですが、やはり運営会議というのは、大変でしょうけれども、二、三カ月に1回やられて、しっかりと自分たちの任務ということをつかんだ上で連携をとると。それとコミュニケーションもとれていくわけですから、そういうことを考えるべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○志賀危機管理担当課長 避難所運営会議の開催回数につきましては、各避難所によって差があるかと思います。また、夜間であったり、昼間開催したり、地域によっていろいろ違うところでございますけれども、避難所運営会議につきましては、各地域にお任せをしているところでございます。回数増等につきまして地域防災会の皆様方、あるいは地域本部である地域センターの方に話をしていきたいというふうに考えます。
○江口委員 ぜひその辺はきめ細かくやっていただきたいというふうに思っているのと同時に、先ほどから再三言っているように、地域防災会に自主運営で避難所運営をお願いするのは非常に負担でかわいそうだと思います、私は。基本的には区の避難所班長を中心にとか、施設管理者を中心に指揮をとるという形にしなければ、大変なパニック状態が起きると私は思っています。
なぜかというのは、何も権限がない中でやるわけですから、自主防災の方たちは相当な負担になることが予想されるので、ぜひその辺を改めてほしい。すぐに改めるわけにいかないでしょうから、順次やってほしいんですけれども、一つは、中野区の場合は、消防団の方は日ごろ大変訓練されて、通常の火災にも出動していただいて、それこそまちの中でのプロですよね。そういう中で、消防団が運営会議に入っていないと思うんですけれども、この辺は考えるべきだと思うんです。消防団というのは、初期消火ということをまずやります。しかし、避難訓練、避難誘導も消防団の任務として入っているわけですね。消防団というのは日ごろから訓練を受けています。そういう意味で、運営会議の中核になってもらわなければいけないんですけれども、これが入っていない理由と、これからどう考えられるか、お答えください。
○志賀危機管理担当課長 消防団につきましては、災害時におきましては消防署の指揮命令下に入るということでございまして、避難所運営体制に組み込まれるかどうかは難しいところだとは思いますけれども、避難所運営会議に参加したことによりまして、避難所開設の訓練ですとか、先ほど委員お話しのとおり避難誘導ですとか、そういったところで日ごろの役割、平常時の役割の中で大変活躍が期待できるかと思いますので、今後防災会の方々、それから消防署、消防団の方々と協議をしてまいりたいというふうに考えております。
○江口委員 ぜひその辺を担っていただくためにお願いをしていただきたいと思います。
それから、避難所の場合、特に新潟中越沖地震なんかを見ても、保健の相談とか被災者の健康対策だとか高齢者、要支援者に対するきめ細かい支援というのが大変必要になってくるわけですね。今、やりとりしていて、現時点での役員体制で避難所というのは運営できるんでしょうか。
○志賀危機管理担当課長 ことしの総合防災訓練から避難所運営、開設を中心とした訓練を実施しているところでございますけれども、現在避難所運営を行うに当たりまして、各避難所運営会議の中にそれぞれの物資調達であったり、運営本部であったり、救護救援部であったり、各部に分かれて組織化されております。そういったところでは各役割が位置付けられているところでございますので、それをもってすべてできるかといったら、なかなか難しいところがございますけれども、避難された住民の方々と協力し合う中で、そういったことができていくのではないかというように考えております。
○江口委員 中野区の防災計画というのは、確かに読んでいくと大変すばらしいんですね。しかし、現実的なことを考えていくと、本当に不安だらけ。実際にさまざまな、新潟の場合もそうだし、阪神・淡路もそうだけれども、本当に避難所というのは大変な役割を持っていて、またすごいパニックが起きたり、一つひとつの判断が非常に難しかったり、そのことによって避難所に避難した人たちの死に通じちゃう場合もあるという、非常に大切なところなんですね。そういう意味では、もう少しきちんとしたものをお願いしたいというふうに思っています。
避難所のことでもう一つ、これもいつも質問してきたわけですけれども、動物への避難対策は今どこまで検討されているんでしょうか。
○志賀危機管理担当課長 災害時におけますペットの同行避難のことかと思いますが、地域防災計画にも記載されているところでございますけれども、現在区と獣医師会とで災害時の対応や避難所における動物の適正な飼育について、飼い主への啓発に努めるということの確認をしているところでございます。
また、保健福祉部が現在主催しておりますペットと共生を考える懇談会におきましても、議題の一つしてとらえているところでございます。
委員御指摘のように、避難所のペット同行避難につきましては、一定程度のルールづくりというのが必要かと思いますので、今後とも引き続き中野区の獣医師会と協議してまいりたいというふうに思います。
○江口委員 特に犬の場合なんかは事前登録を徹底させるとか、狂犬病の予防接種をするとか、大変これ、予防接種の率が悪いわけでして。それからケージ等の義務ですね、同行避難の場合。そういうような条件をきちんとつけて、ペットが避難できるんだということを検討していただきたい。
災害の最後に、昨日から緊急地震速報が実施されたわけでございます。飯島議員も本会議で質問しましたけれども、もう一度、緊急速報の徹底は区民にいつどのように伝えるのか、その内容は何か、教えてください。
○志賀危機管理担当課長 緊急地震速報につきましては、本会議一般質問の中でも区長の方からお答えしたところでございますけれども、10月20日号の区報、それからホームページによりまして区民の方々に周知してまいりたいというふうに考えております。また、地域防災会に対しましても、印刷物を配付するなどして対応していきたいというふうに考えております。
また、内容といたしましては、ホームページの中におきましては、御自宅にいた場合の緊急地震速報を認知といいますか、テレビの放送等を受けまして確認した場合の避難――心身の保護というんですか、頭を保護し、大きな家具から離れて丈夫な机の下などに隠れてくださいといったもの。それから、不特定多数の人の出入りをする施設におきましては、その場で頭を保護して揺れに備えて身構えてくださいですとか、そういった中身のお知らせをしております。
また、緊急地震速報の簡単な仕組みでございますが、地震のP波、S波というものが伝わってきて地震をお知らせする仕組みですよ的なものがホームページ、あるいは区報の中でお知らせされるものでございます。
○江口委員 特に直下型の地震の場合は、役に立たないと言われているわけですね。もう一つは、今まで東京消防庁は、地震だというと火を消せという方針でずっときましたし、訓練もそういう声を出しながらみんな訓練に参加したという記憶があるんですが、今回の場合は、数秒か数10秒ということで、まず身の安全ということが先になりました。身の安全を図って、それから落ち着いたら火を使っている場合は消すと。それは新潟中越沖地震なんかでも、いきなり火を消したということでやけどの被害が結構あったということも含めて、やっぱりその辺を改めなければいけないということから、今度はまず身を守れと。それから火の始末となっているんですけれども、この辺はきちんとした形で伝わるんでしょうか。
○志賀危機管理担当課長 緊急地震速報が発令されてから何秒後に来るか、主動波がですね。地震が起きるかということにもよるかと思います。5秒ないし10秒以内であれば、身を守る、身を保護するということしかできないかと思いますが、例えばそれが15秒、20秒とあれば、当然火を消すこともできますでしょうし、何らかの、先日も当委員会におきましてお話がありましたが、例えばはだしでいる児童であれば靴を履く、さらに服を着る、あるいは頭を保護した上でさらにテーブルの下に隠れるという行動ができると思います。そこまで細かく今回の区報、あるいはホームページには記載してございませんが、今後そういったことにつきましても啓発の一環として周知してまいりたいと考えております。
○江口委員 課長、ありがとうございました。以上で災害については終わらせていただきます。
次に、犬との共生について伺います。またかという方もいらっしゃいますけれども、この体制ができるまで質問し続けようと思っています。
もう最初に質問したのが5年以上前ですが、検討する、検討すると言いながら五、六年がたったという。行政の場合、大体検討して早くて3年ぐらい、これからしっかり検討しますで5年、重い感じで検討するというと10年ぐらいかかるというのは、32年の議員生活でよくわかっておりますけれども、そんな難しいことはないんですよ、このことはそんなに。ルールさえつくれば。それがなかなかできない。非常に古い考えをそのまま持ち込んでいらっしゃるような気がするんですけれども、新しい議員もいらっしゃるので、なぜ江口が犬との共生をこんなにやるんだということも含めて、もう一度確認の意味で、同じような質問になりますけれども、したいと思います。
これは本会議でも質問しまして、区長からお答えいただいて、中野区の公園は157カ所、そのうち144カ所に犬が公園に入れませんということが看板に掲示されておりまして、犬が入れませんという看板は、中野区の中で144カ所ついているんですね。動物は入れませんではなくて、犬が入れませんということを指定しているわけですけれども、これは何を根拠に指定されているんでしょうか。
○安部公園・道路担当課長 中野区公園条例第3条10項、他人に迷惑を及ぼす行為をすることと、第13条、区長は公園管理のために必要があると認めるときは公園の利用を制限し、または禁止することができるというのを根拠としております。
また、公園運営協議会等のある公園については、協議会の定めた公園利用ルールに基づき禁止としている場所もございます。
○江口委員 それでは、具体的にお聞きするので、他人に迷惑を及ぼす行為というのは、具体的にどういうことなんでしょうか。それで規制しているわけですよね。だから、迷惑を及ぼす行為ということは、どういうことですか。
○安部公園・道路担当課長 公園の設置状況や利用者の行動などいろいろある中で、ふんの始末が悪かったり、ほえられるとか、これはまれにですけれども、かまれるというようなトラブルが起きております。そういう中で、他の利用者の利用に差し支えるというふうに考えて禁止しているものであります。
○江口委員 そうしますと、条例に基づいて公園を使用する場合、迷惑を及ぼさなければいいということですね。
○安部公園・道路担当課長 迷惑ということでございますけれども、利用者の方が迷惑と感じてしまうと、愛犬家の方が犬を連れて来られるそのこと自体は迷惑ということではないのかもしれないんですけれども、利用者の方が犬がいる、子どもが怖がるとか、そういうふうに感じて我々のところに連絡がまいります。そういうことで、基本的に犬が公園に入ることを禁止しているということでございます。
○江口委員 その辺が私、よくわからないんですけれども、例えばリードを持って散歩して、途中で公園の中にベンチのないところもありますよね。そこで犬と一緒に休憩したいと、休みたいという場合に、しつけができている犬はきちんと座ったり、伏せをしたり、「待て」という言葉で犬というのは従うわけですね。そうすると、だれが見たって、人がいて、犬がそこに座っていて、ほえるわけでもないしという場合に、どこに迷惑がかかるんですか。犬が嫌いだから迷惑という、そういう判断ですか。
○安部公園・道路担当課長 確かに委員おっしゃるとおり、ちゃんと犬のマナーといいますか、そういう訓練ができている犬をお連れの方もおられますというか、そういう方が多くおられるんだと思うんですが、なかなかそういうふうにマナーを守っていただける方だけではないという中で、公園の近くにお住まいの方とか、その他区民の方の見方が、犬は怖いとか、ほえられる、ふんをするというような見方をしておられるのかなと思います。そういう中で、我々も公園に犬を入れていいですよと、今委員おっしゃられた訓練が行き届いた犬ばかりではないものですから、なかなかその辺の区別がしにくいということもございまして、犬を入れることに踏み切れないということでございます。
○江口委員 本当に理解できないのは、なぜ犬だけ限定するのか。前にも質問しました。ハトはいいんですかとか、猫はいいんですかとか、いろいろこういう質問が出ちゃうわけですね。じゃあ、そんなのはいないけれども、馬を連れていっていいのかとか、ワニは連れていっていいのかとなったときに、要は、公園条例を使われて禁止しているのはわかるわけです。そうすると迷惑行為、これ、犬のことじゃなくて、公園の中で迷惑行為をした場合には公園の使用はできないし、区長は使用を差し止めることはできるわけですよね。そういうことでいいのではないかと思うんですけれども、あえて入口に必ず「犬は入れません」と、赤いバッテン印が入っているわけです。そういう形になっている。そうなりますと、猫は放し飼いですから、公園の中に自由にいますよね。犬もそこで放し飼いにした場合は、動物愛護条例の中で飼い主の責務というのが出てくるわけじゃないですか。そうやって犬の場合はさまざまな形で法律で規制されている部分があるんですね。そういう意味で迷惑をかけないようにできれば、本来自分たちの公園ですから利用してもいいんだけれども、一向に入ることができない。それが不思議なんです。
では、具体的にこの1年間で、公園で、名前を挙げていただいて、どういうことが迷惑行為で起きたのか。それから、そこに職員が行ってどういう対応をしたのか、その2点、お聞かせいただけますか。
○安部公園・道路担当課長 18年度の1年間で、我々が記録しているもので20件ございます。非常に軽微なもので、電話ですぐ対応したようなものは記録していないものもあるかと思いますが、対応したものについては20件ございます。それでその内容でございますが、1件ずつ読み上げます。これは平成18年度でございます。
4月1日多田公園、犬を入れないでの注意看板を設置してほしい。こういうのが多いんですが、現在、先ほど委員御指摘になられたとおり、144カ所に看板がついておりますので、ほとんどあるんですが、もっとつけてほしいという要望が多いです。
それから4月13日八成公園、犬をつないだまま本人がどこかへ行っている。4月22日塔の山公園、犬を入れないでの注意看板を設置してほしい。4月28日北江古田公園、ホームレスが飼っている犬がうるさい。5月8日上高田台公園、犬のブラッシングをしてそのままだ。5月11日城山公園、犬の連れ込みを注意したら逆に怒られた。5月30日高根公園、犬を入れないでの注意看板を設置してほしい。6月8日北中野公園、犬の連れ込みを注意したが、聞き入れてくれなかった。6月9日中央西公園、犬の連れ込みが多い、どうにかならないか。6月12日上高田台公園、同じく犬の連れ込みが多い、どうにかならないかというものでございます。それから6月20日新井薬師公園、犬の連れ込みを注意したらけんかになった。6月27日丸山公園、犬のふんが多い、どうにかならないか。7月10日なかの坂公園、犬のふんが多い、どうにかならないか。7月20日北江古田公園、ホームレスが飼っている犬が怖い。それから7月25日上高田台公園、犬のふんを始末していかない、放し飼いにしているなどマナーが悪い。8月3日北江古田公園、犬のふんが目立つ、マナーを訴える看板を設置してほしい。8月25日新井薬師公園、犬を入れないでの注意看板を別に設置してほしい。1月11日みずのとう公園、犬の放し飼いがひどい。2月19日栄町公園、犬を入れないでの注意看板を設置してほしい。3月28日上高田台公園、同じく犬を入れないでの注意看板を設置してほしい。それから、平成19年度については、9月現在で7件、似たような内容のものがきております。
もう一つの御質問でございます、苦情が来たときに職員が立ち合って対応したかということでございますけれども、こういう苦情の場合、ほとんど電話がありまして、その当事者の方が帰られてしまうんですね。こういう状態だよということがあって。それで、我々職員が現地に行ったときには、だれもいないというような状況になっております。例えば、看板がないから設置してくれという場合には、それでも場所を聞いてさえおけばわかるわけで、看板がほかにもあるのに、確かにわかりにくいというようなことであれば、そこで設置するというような場合もございますし、看板だらけになってしまうんじゃないかという場合は、ご意見がありましても設置しないということがありまして、直接トラブルが起きた場合に、当事者同士の間に立って職員が何らかの処置をするということはほとんどありませんでした。
○江口委員 今の話を聞いて、例えばふんの問題というのは確かに問題があることは事実ですし、マナーという問題、これは一番多いと思ったら、ほとんど公園に入れないでほしいとか、公園に看板をつけてほしいのが圧倒的じゃないですか。好き嫌いの問題ですよね。だけど、実際に動物というのは好き嫌いがあることは当然だけれども、条例上迷惑を及ぼさないということであれば、何らかの解決策ができるんじゃないかというふうに思うのは、先ほどのホームレスの犬がというのは、ホームレス対策すればいいじゃないですか、そんなのは。犬の問題じゃないじゃないですか。なぜかといったら、飼い主が責任を持たなければいけないんだから、ホームレスが飼い主であれば、その責任者として対応すれば簡単に解決できることでしょう。
そういう意味で、この辺の考えは、私は犬が一歩でも踏み込んだ段階ではもうだめだという中野の定着ができているから、住民の間に。だからいけないんだというふうになるから通報があるわけでしょう。今言った公園というのは、看板が設置されていると思うんです。それで看板をつけてほしいというのは、入口が幾つかあってつけてほしいということになるのかもしれないけれども、行政の今のあり方が、犬は公園に入れないということを徹底している関係でそういう電話がくるという形で、公園条例からすれば、迷惑をかけなければ入れるということが一つ。
もう一つは、私が言っているように、区が前向きにこの方向を考えていくならば、例えばグループ貸しをするとか、公園使用という形で申し込めば、時間、使用料という形で取られるわけですけれども、グループで借りた場合、例えば2時間だけ貸してもらいたいという場合に、公園使用の場合というのは、条件幾らでもつけられるわけですね。例えばリードをしなければだめだとか、ふんの始末をしなければいけないとか、全部つけて貸すことができるわけです。そういう場合の貸し方をしながら、地域住民の人たちに犬との共生というのを見てもらうというのを見てもらうということも大事なんですけれども、現在そうやっておとなしい犬だって、公園に入った途端に今みたいな苦情が来るわけで、入れないんですよ。だから、地域の人たちにそうじゃない、迷惑をかけない動物もいるんだということを伝えることはできないんですよ、入れないから。入っちゃいけないんですから。そういう意味からすれば、やはりこの辺はもう少し前向きに考えていかないといけない。今のままだったら、中野の場合不可能と私は思っているんですけれども、ドッグランなんかつくらなければどうしようもなくなりますよ。これからもっと愛犬家というのはふえてくる可能性が強いし、そういう場合、ドッグランをつくる場所なんか中野にありますか、ないと思うんですね。だから、そういう意味では、公園を時間貸しするとか、例えばきちんとした登録制ができていなければだめだとか、狂犬病予防接種していなければだめだとか、そういう条件をつけながら少しずつ公園開放していくことによって、私は理解をできて、犬との共生が可能になると思うんですけれども、それはいかがでしょうか。
○安部公園・道路担当課長 今現在、犬を連れて公園に入っていいという公園は、江古田の森公園の北江古田公園部分、それから平和の森公園の第一期開園部分の2カ所あるわけですけれども、比較的広いということもありまして、ここについてはルールとしてはリードをつけて、要するに放し飼いをしてはいけないということだけで、ほかに特にルールはございません。
今委員が御指摘になられたように、公園がよくしつけをされた犬でも利用できないというところについては、愛犬家の方と地域の方々、そういう方々の相互理解といいますか、そういうものが必要なんだろうと思います。そういう中で、地域の公園でも愛犬家の方が公園を利用する。でも、ちゃんと始末するものは始末するというようなことが地域の方々からも御理解をいただいていければ、公園に何らかの形で犬が、今委員おっしゃいましたようにちょっと休むとか、できるようになるのではないかなというふうには考えます。
そういう中で、区としては今、マナー教室というのを仮設の囲町公園で実施しておりますが、こういうものをもっとほかのところでも実施する。今は愛犬家の方だけおいでいただいていますけれども、ちょっとどういう方法があるか考えつきませんけれども、愛犬家の方以外、地域の方もこんなふうに訓練しているんだというものをごらんになっていただけるような方法を考えるとか、そういうふうにしていって、地域の方と愛犬家の方との相互理解を深めるということについて区としても努力をしていって、何らかの形で共生ができるにようにしていきたいというふうに思います。
○江口委員 今のお答えですと、また5年先ぐらいにこういう質問をしなければいけないような感じで、きちんとマナーを守って、本当に動物を大事にするという人はたくさんいるんですね。やっぱりその辺の評価もしていかないと、ただ単にそういう電話が来るからこうなんだというだけの対応で果たして本当にいいのかというふうに思うんです。ましてこういう形でふえているということは事実だし、ますますこれからペットという形でのことはふえていく可能性が強い。これは本会議で言いました少子化と何か並行しているらしいんですね。子どもの数が少なくなるほどペットがふえていくという、そういう傾向が出ているというデータが出ている。これは心配なので、子育て支援策をとっていただければペットは減る可能性はあるということもあるんですけれども、実際には2万4,000頭ぐらい犬がいるんですね、中野は未登録が結構いますから。そういう意味ではぜひこの辺、前向きに検討していただきたいと。
次に、狂犬病予防、未接種が相変わらず、1年たっていないからというので、8,095頭が登録しているんだけれども、実際にはこの間の3月31日現在5,649頭。これ、どうしますか。
○飯塚生活衛生担当課長 確かに委員おっしゃったように、18年度の登録数は8,095頭と。そのうち予防接種を受けている頭数は最終的には5,651頭ということで、接種率70%という現状でございます。これにつきましては、毎年7月に集合注射を実施するんですが、その際には全登録者に通知を発送してございます。さらに、未接種犬、そのときに受けていただかなかった方については拾い出しまして、10月にさらに勧奨通知を発送しているということでございます。このほかに、未接種犬の飼い主に対しまして区報とホームページ等で受けてくださいというPRもしているわけでして、本年度は5月5日号でしたか、集合注射が終わった段階で、受けていない方は受けてくださいと区報に載せてございます。
それから、しつけ方教室というのも区役所で実施しているわけですが、そういうところでこの辺について、受けていない方はぜひ受けてくださいという勧奨もしております。あるいは、狂犬病の怖さが忘れられているということが非常に大きいと思っていますので、狂犬病についての意識啓発も行っているところでございます。さらに機会をとらえて予防接種未接種犬の減少を図っていきたいというふうに考えてございます。
○江口委員 やっぱり公園利用なんかが、予防接種しますとできますよとなれば、ふえる可能性がありますよ。よくその辺努力してほしいし、せっかくそこに座っていただいたので、保健所が基本的には共生の中での法的なものというのは一番強いわけですよね。そういう意味で、保健所というのは犬に対してすごく冷たいんですよ。この間本会議で言ったように。なぜかというと、ホームページを見ますと、猫の飼い方、地域のつき合い方というのはきちんと載っているんですね。犬のところには載っていないんです、それが。おもしろいなと思ったんですよ。
それからもう一つは、犬の種類とか毛色を登録するんですね。もちろん登録料を払うわけ。そうすると予防接種の通知がくるんですね。すると、犬の種類が全然違うというか、飼い主からすれば納得がいかない種類になっていて、毛の色も全然違ってきているので、犬の犬種、犬の毛色を直して接種に行ったら、受付で怒られたそうです。変えたら困りますと。飼い主からしたら、これが正確な登録ですと言っているんだけれども、怒られたということで、非常にそういう点ではルーズな部分があるんですね、犬に対して。だから、全体的な姿勢が犬に対しては、犬にかわって言えば、冷たいんじゃないかと。いかがでしょうかね。
○飯塚生活衛生担当課長 私ども犬に対して特に冷たいというふうには全然思っておりません。ただいまの犬の種類、正確に書かれていないという点についてでございますけれども、登録のシステムというのは狂犬病予防法に基づくものでして、まず予防接種を徹底して狂犬病の蔓延を防ぐと。そのために行っているものでございますが、そのためにはいわゆる野良犬を出してはいけないということで、万一行方不明になった場合に探さなければいけないとか、迷い犬がいた場合には、直ちに捕獲して飼い主を割り出さなければいけないという必要があるわけでございます。そのためにこういった登録を行っているわけでございまして、この場合、犬の種類についても今非常に種類が多いわけでございますが、代表的なものを挙げまして、そういったものを登録していただいて、毛の色も代表的なものを挙げまして、こういう犬がいないかという問い合わせをするとか、例えば、白い犬がつかまったんだけれども、お宅には覚えがないかというようなことを他の自治体とやりとりしているということでございます。詳細な情報につきましては、犬の特徴を記入する欄というのが設けられておりまして、例えば白ではあるけれども多少青みがかっているとか、そういうことを書いていただけるようになっておりますので、さらに突き合わせようと思えば、そういうところを利用できるのではないかと、そのように考えてございます。
○江口委員 僕が言いたいのは、何で変えなければいけないんですか、正規な犬種であり、正規な色を。へ理屈なんですよ。いなくなったときには、その犬種を言いながら、毛色も言いながら、もう一度どんな感じの毛の色ですかとか確認しながら保健所だとか動物の管理のところへ連絡して、それで発見する例というのが多いんですけれども、それはそれなりにちゃんとやっているので、きちんと。愛犬家からすれば、自分の犬の犬種が大ざっぱにされる、毛の色が違う、血統書付きの犬なんかは困るんですよ、それは。そういう意味では、先ほど言ったように、犬に対しては非常にルーズというか、考え方が甘い。これ以上時間がないので結構ですけれども、本当は犬を連れてきて。そばによると犬はその人が犬が嫌いだというのがわかりますから、一度私の犬も保健所に連れて行ってみますから、ぜひ犬との共生というのはもう少し前向きに、懇談会もできたのでお願いしたい。結構です。
時間がもうなくなってきて、全部できなくなっちゃう可能性がありますので、早めにいきます。歩行喫煙の禁止について。
本年度決算では、まちの美化啓発費として749万3,623円が支出されました。事業実績では、ポイ捨て・歩行喫煙等防止啓発活動で303回、すごい数ですね。路上喫煙禁止啓発・指導業務委託で547万云々と。この問題、本会議でも質問がありましたけれども、私が過去の決算総括で歩行喫煙を何とかしろと、お願いしたいということでこの条例を提案し、17年4月1日から中野駅周辺を路上喫煙禁止区域ということで決めていただいたわけですけれども、その際にも言ってありますけれども、私は全域という言い方しているんですが、2年経過しましたけれども、現状を簡単に。
○納谷環境と暮らし担当課長 中野駅周辺の路上喫煙禁止地区の状況ですが、路上喫煙の率ということで申し上げれば、指定前3.7%が昨年度は0.8%まで減少していると。また、今年度も若干でございますが、減少の傾向にございます。
○江口委員 条例の中に、このポイ捨て禁止条例に過料を取ることがうたわれているんですけれども、実際に今、取っているわけじゃないんですね。きょう、千代田区が1,000円ですか、2,000円、テレビでは1,000円と出ていたけれども、強制的に取るということで、次から次にお金を取っていくというのをテレビで報道していましたけれども、中野区は取らない理由、なぜなんでしょうか。
○納谷環境と暮らし担当課長 過料については、条例で規定しているところでございます。この条例の改正に当たりまして、議会、あるいはパブリックコメント等、区民からさまざまな意見がございました。条例の改正のポイントは、規制・取り締まりではなくて、まずマナーの向上であるということがメインでございました。このようなことから、過料につきましては啓発の効果を十分見てから、啓発の効果を十分図って、その効果がないようであれば、その適用について判断するとしたものでございます。
先ほど答弁しましたように、中野駅周辺については一定の効果が見られているということで、現在その施行は考えてございません。
○江口委員 わかりやすいのは、私はすべての駅周辺の路上喫煙を禁止するということを決めちゃった方が、区民ももちろんそうだし、中野区を利用する人たちも、中野はすべての駅周辺歩行喫煙禁止だと。別に過料を取らなくてもいいわけですけれども、区はいつも啓発運動をやってから、やってからという言い方をしますけれども、まず決めちゃってから。そこで一つひとつ、ここはそういう形で禁止になっているということが徹底されていけば、当然皆さん守らざるを得ないわけです。さっきの犬の話じゃないけど、条例というのができる中で決めていけば。そういう意味では一気に、中野区の駅周辺は、歩行喫煙はできないんですということにした方がより鮮明になるというか、わかりやすいというか。またそのことを区民の間に徹底することによって、喫煙問題というのは相当解決してくるという部分もあるのではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○納谷環境と暮らし担当課長 禁止の考え方ですが、やはりたばこを吸う人は他人の身体、あるいは財産に被害を与えないようにする。特にそういう意味では、人通りが多い、通勤、買い物客等が多い地域を指定すべきだという基本的な考え方を持っています。
また、人の行動を規制するわけですから、必要最小限の地域であるべきであろうという考え方もあわせて持っているところです。しかしながら、中野駅周辺、一昨年から規制をして効果が見られているということもあります。この辺の中野駅周辺の効果、あるいは問題点等を改めて点検整理し、これからあるべき対策の方向を考え直す時期にきているなと思っております。このようなことを踏まえまして、各駅周辺についてもその実態、あるいは区民の意見等もございます。そういうことも踏まえて考えていく時期にはあろうかなというふうには考えております。
○江口委員 さっきの犬のことも聞いていただいたとおり、相当苦情が来るたびに犬が悪いんだみたいになっていますよね。たばこの問題だって、歩いてたばこを吸わせてくれなんて人よりも、困るという苦情の方が多いはずなんですよ。乳幼児を連れている方とか、高齢者とか。それは区は十分承知しているんですから、そういうことからすれば、圧倒的にそういう声があるはずなので。そういう条例があるんだから、私はやるべきだと思っていますので、時間がないから、これはぜひ検討していただきたいということが一つです。
それからこの中に、犬の問題で大変失礼なんですけれども、犬に関する条文が二つ入っているんですね。これはポイ捨てですね。ポイ捨てって何だと思ったら、ふんのポイ捨て。あれをポイ捨てと言うのかどうかちょっとわからないんだけれども、これから犬に関してさまざまなルールをつくっていくために、動物に関する条例というのは別立てにして、きちんと飼い主の義務だとか、ここに入れるというのは、私はちょっと不自然だと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○飯塚生活衛生担当課長 現在、ペットとの共生に関しても懇談会でいろいろ論議をいただいているところですが、ペットとの共生に関して条例が必要であるか等につきまして、今おっしゃられましたマナー等のルールを確立する必要があると思っております。その検討の中で考えたいというふうに考えてございます。
○江口委員 次に、中野坂上周辺のまちづくりについて伺います。
東京メトロ中野坂上駅の西口改札が、建設委員会で22年完成ということで報告がされたようでございます。これについては、本会議でも言いましたように、この西口改札ができるのは本町側でございまして、その際私たち、飯島議員ともども地域の皆さんの声を集約して区長に要望したのは、青梅街道に歩道橋がかかっておりまして、これを撤去してもらって横断歩道と信号機をつけてほしいと。バリアフリーのことを考えれば、今歩道橋を渡らなければ向こうに行けない。中央側にはオリンピックという大きなスーパーがあります。そういうことで、買い物等も含めたり。
もう一つは、他区から来た場合に、中野坂上でおりて、そのまま南へ行くと宝仙寺がございまして、宝仙寺の葬儀に来るときにわからないまま来るものですから、そこで渡ってしまう、渡らざるを得ない。本当は宝仙寺の前に信号があるんですけれども。そういう点で、区長も道路管理者と話し合ってもらったけれども、利用実態が撤去目安を大幅に上回っておりますと。現時点での撤去は困難なことであるというのは東京都が言っているんですけれども、当然これがあるから、なければ渡れないんですよ。あと200メートル南北に行かない限り横断歩道がなくて大変なものですから、高齢者の皆さんも大変我慢して行く。自転車の場合はそのまま乗って行けるので、宝仙寺前と中野坂上交差点を渡るんですけれども、もう今、歩道橋の時代じゃないのは当然わかっているわけじゃないですか。だから、これは22年に開設するわけですから、その間にしっかり地域の方と意見をまとめながら第三建設事務所に話を、これは東京都建設局ですか、やっていかなければ。
あそこは横断禁止なんですね。ですから、歩道橋を渡らなければならない。現在、開設工事の関係で本町側の一本の階段は撤去しています、工事車両を入れるために。ですから、そのまま撤去しているんだったら、全部撤去しちゃうという考えで私はいるんですけれども、区としては、あそこの現状というのは多分わかっているんでしょうけれども、今後東京都建設局が言っているように利用実態が撤去目安を大幅に上回っているからそのままずっと続けたいということなのか、私どもがお願いしているように横断歩道と信号にしたいというふうに考えているのか、お答えいただきたいと思います。
○登都市計画担当課長 青梅街道の今の歩道橋の件につきましては、撤去も含めまして関係機関、それから地元の意向を踏まえて協議をしていきたいと思っております。
○江口委員 ですから、区としてはどういうふうにしたいという、するという方向を決めたのか。ただ協議するだけなんですか、地元の意見を聞いて。
○登都市計画担当課長 区としましては、地元の意向、これが大事でございますので踏まえまして、関係機関と協議してまいりたいと思います。
○江口委員 地元の意向は、私や飯島議員は伝えました。それは地元の意向ではないんでしょうか。
○登都市計画担当課長 そういった御意見も一つの地元の意向というふうに思います。
○江口委員 端的に聞きます。歩道橋の方がいいんですか、横断歩道の方がいいんですか、お答えください。
○登都市計画担当課長 歩道橋というのは、バリアフリーという観点から見ますと、ちょっと問題もあるのかなというふうに思っております。ただ、子どもが広い通りを横断するよりは、歩道橋を使った方が安全だという面もございます。ですから、そういったことも踏まえまして、地元の意向等々を勘案しながら協議してまいりたいというふうに思います。
○江口委員 本当に人のためにというか、区民のためにという行政の姿勢ではないという感じがします。安全性のことからすれば、じゃあ、全部に歩道橋をつけなければならないじゃないですか。違うんですか。昔はそういう形で児童・生徒の通学路ということで考えたけれども、それはきちんと教育の中の指導で大丈夫だということで、だんだん歩道橋というのはもう時代にそぐわないということで撤去をしてきているんですね。
それから、まちの美観的な問題も含めてそれを考えていると。やっぱり行政というのは、区民の立場で考えていくことが大事なので、必要ないものだったら必要ないとはっきり言うべきだと思います。それがないんだったら、私たちもしっかり警視庁、東京都に働きかけていきたいと思うんですけれども、その辺区民の立場、高齢者、障害のある方、乳幼児の方、まして今、あの地域というのは高齢者が大変ふえてくるところで、だれもがあそこを渡るのはきついんだと。ところが、向こうに行く用がある。今度は改札ができたら、中央からどんどん改札に移動してくるんですよ。なぜかというと、一番後ろなんですね。JR等を使う場合は、皆さん後ろに乗りたがるんです、近いですから。そういうことからすると、大変利用者が増えてくる前に、今から考えるべきだと。そのことは要望しておきます。時間がないので。
それから、坂上の風害の問題。これは何度言っても、東京都の問題なんでしょうけれども、どういうふうに計画をするのかというのがなかなかわからない。図面上ではここに樹木を植えるとかという形になっているんですけれども、先日中央側の住友ビルだったかな、歩道の脇が植栽されているんですね、たまたま自転車で通りましたら。ところが、そんな話何も都からきているわけじゃない。青梅街道側です。多分都は、三建は環六のことだけを考えているから。あそこは環六も青梅街道も風害対策ということで樹木をしっかり植えていかない限り――今の工法ですよ。それだけでも防げると思っていませんけれども――やらざるを得ないんだけれども、もう植えているのに話がないんですよ。そういう意味では、東京都とどういう話になっているんですか。情報を含めて。
○登都市計画担当課長 東京都と環六でございますけれども、平成21年度には植栽工事をやりたいというふうに聞いております。
○江口委員 そうじゃなくて、青梅街道の今言った、よく聞いておいてくださいよ、進んでいるんですよ、もう植栽が。歩道の整備をしながら。これはどういうことですかということです。我々住民、地域にはそういう説明がありませんから。あのところは、風害対策としての植樹をしなければいけないという地域なはずなので、いかがでしょうか。
○登都市計画担当課長 申しわけありません、青梅街道については、私、承知しておりません。
○江口委員 しっかり三建の方か建設局になるのか、三建でしょうね。言って、もう一度風害対策というのは地域からの要望ですし、この間の台風だって、台風が去った後、センターラインにビニールの壊れた傘が飛んでいました。よく実態を知ってほしいんです。そのために高い管理費を使って地下道もつくっていただいたんじゃないですか。そのことを承知でつくった環六の地下道でしょう。そういう意味では区が積極的に都と協議しながらやっていかないと、基本的には都の意向で、はいはいで終わってしまうという感じがするので、ぜひお願いしたい。
もう一つは、あそこのバス停なんですね、青梅街道も含めてです。環六も含めて。これは大変です、風害が発生したとき。この間「なかのん」の話で出ましたけれども、区長はサンプラザの前だってすごい大がかりなことを考えて無理なことを言っているけれども、要は風と雨を防ぐためのバス停を築くだけでいいので、その辺はそろそろ利用者のために考えるべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○登都市計画担当課長 バス停につきましては、今後東京都、あるいは関係者と調整の上、バス会社に対して何らかの対策を要請していきたいと思います。
○江口委員 間もなく地下の高速が開通しますし、その後本格的に歩道を改修するという形になるわけですから、ただ単に東京都の考えどおりでなくて区としても、サンプラザと区役所のことだって経験しているわけですから、風害は。そういう意味で積極的な樹木、どういう木を植えれば育ち、耐えられるのか、風が防げるのか。これは本当に木を植えただけでは風害というのは防げないんですけれども、せめてそのぐらいの姿勢を示して、横断歩道で自転車が、それこそ乗っていてすっ飛んじゃうというそんな地域ですから、やっぱり安心安全のために、もうそろそろどういう形を、計画を都がとるのかということを議会に報告できるように、しっかり都と協議していただきたいんですけれども、いかがでしょうか。
○登都市計画担当課長 情報提供につきましては、その都度行っていきたいと思います。
○江口委員 ありがとうございました。
次に、政治活動と選挙活動についてという、なかなか議会でこれをやるのは非常にやりにくい部分があるんですけれども、あまりこの問題に触れられたことがないままきています。
確かに、政治活動と選挙活動というのは、我々長い間議員やっていますけれども、非常に難しい。なぜかというと、公職選挙法は俗に言うざる法だと言われて、いろいろな抜け道があるということでわかりにくいし、区民にとっては最もわかりにくいんですね。まして選挙の前になると非常に微妙な判断になりますし、ちょうど統一選が終わって約5カ月になりましたし、次の改選までには約3年半ぐらいありますので、ぜひきょうこの席を使って、選挙管理委員会に区民、また我々当事者としてきちんと判断すべきところは判断していただいて、公平に選挙ができるようにということで質問をさせていただきたい、こういうふうに思っています。
この4月の私たちの区議会議員選挙で、公示後に選管に入った違反とか苦情だとか、その情報があれば教えてください。
○柳澤選挙管理委員会事務局長 4月の区議選での苦情の状況でございますが、問い合わせ的なものが苦情になったのを含めまして、100件程度と思っています。具体的なものを幾つかお示しいたしますと、告示後の政治活動用ポスターのはがし忘れがあるというようなものですとか、選挙運動用自動車の音量が大きくてうるさい。また、午後8時以降に演説を行っているのではないかというようなものでございます。
○江口委員 100件近く入った中で、選管の方で処理できる問題と、例えば取り締まりという場合には所轄の警察というふうになると思うんですね、取り締まりは警察ですから。その場合、そういう内容を示唆した中で警察に報告するという場合に、その辺の件数というのはどのぐらいあるんですか。
○柳澤選挙管理委員会事務局長 今御指摘があったような、かなり法的に問題がありそうだという程度が強いもの、警察と連携を取らなければいけないということでございまして、これにつきましては30件程度というふうにとらえております。
○江口委員 その結果というのは、選挙管理委員会に警察から処理の問題でくるんでしょうか。
○柳澤選挙管理委員会事務局長 多くは取り締まり機関が判断し、その対応をするわけですが、個々的にすべて選管の方にこういうふうにしたよというようなお答えがあるわけではありません。
○江口委員 そうなると、選挙管理委員会に問い合わせ等をしても非常に微妙な部分というか、選挙に関しては政治活動と選挙活動ということで問い合わせても、なかなか答えられない部分が出てくるんでしょうけれども、例えば、公平な選挙を運営するという立場で、開票の問題だとかそういうことを除いて具体的にお聞きします。これはなぜかというと、やっていいのか悪いのか、私たちもわからないままやっている部分があるんですね。みんながやれば怖くないという。
それから、警察の判断も、何人かやっている場合はしようがないという判断もあります。だけど、ここですぐに結論は出ないにしてもはっきりしておきたいのは、区民から見ていいのか悪いのかという問い合わせが私たちにきたときに判断しにくいので、例えば選挙前に不特定多数の人の前で自分の名前の入ったたすき、たすきがけで活動はできるのか。これについてはどうでしょうか。
○柳澤選挙管理委員会事務局長 氏名が記載されたたすきでございますが、本来はこれは告示後に行われる選挙活動でございますから、告示前に行われた場合については、事前運動になるおそれが強いと。
○江口委員 できないんですか。
○柳澤選挙管理委員会事務局長 難しいところは、最終的に警察がこれを取り締まるかどうかという判断する、そういう機関は警察でございますから、即これが全く違法だというふうにもなかなか言いにくいところがあって、答弁が少しはっきりしないんですけれども、かなりそういうおそれがあるのではないかというふうに考えております。
○江口委員 では、これは本当に今、確かに微妙な部分があるので、答えにくい場合は次の選挙までかかってもいいですから。警察と協議してやらなければいけないのは、例えば自分の名前の旗、掲示しますね、選挙前に街頭なんかで。それとたすき、両方含めたもの。旗も事前運動というふうな解釈になるわけですか、自分の名前の。
○柳澤選挙管理委員会事務局長 旗もたすきも同様な考え方でございます。
○江口委員 そうなると、ほとんどの人が違反をしているということになるので、この辺、もう一度明確に選管として打ち出す、議会との相談も必要ですけれども、やった方がいいと思いますね。
次に、選挙期間中は、自分の名前の旗は掲示できるのか、できないのか。これも私たち非常に悩みます。選挙中に旗を立ててやるんですけれども、これはいかがですか。
○柳澤選挙管理委員会事務局長 期間中でございますが、立てられる旗は、例えば街頭演説が行われる場合につきましては、選挙運動用自動車に立てる旗についてはよろしいんですが、1本別に立てているということについては、違法な行為だというふうに考えております。
○江口委員 その辺も多分、みんな聞いていてわからないと思います。何本までならいいんでしょうか。
○柳澤選挙管理委員会事務局長 旗をそういうふうに選挙自動車以外に掲げるという行為そのものがよろしくないということですから、1本でも、ある意味そういうことでございます。
○江口委員 ほとんどみんな選挙違反をしちゃっていますよね。だからこれ、選管がきちんとそういう見解を出していない、説明をしていないと、例えば選挙の立ち合いの説明のときにそういうことまで言っていかないからわからないので、何が違反だかわからないんですよ、それで今質問しているんです。例えば期間中、街頭での活動がありますよね。候補者がいない場合に、候補者の名前を書いた旗を掲げた場合、活動ができるんでしょうか。候補者いないんです、その場に。
○柳澤選挙管理委員会事務局長 旗を掲げる場所は、先ほど言ったような自動車等に掲げるわけでしょうけれども、演説そのものは腕章をつける人が演説する分については、候補者の有無にかかわらず、これは可能だというふうに考えてございます。
○江口委員 それから、これも非常にわからないのは、街頭でのマイク使用。選挙の場合は午前8時から午後8時というふうになっているんですが、通常私たちが私設宣伝カーだとか街宣カーの申請をしますと、午前8時から夜7時という警察の道路使用許可が出てくるんですね。ところが、これも明確になっていないものですから、何時からやっていいのかもさっぱりわからない。例えば駅頭で、このルールで私たちは長い間やっていると、あした駅で政治活動したいという場合、8時と思っていたのが7時半ごろからがんがんやっている人もいるし、7時ごろからやっているところもある。この辺がわからないんです。この時間というのはどういうふうに決められているんですか。
○柳澤選挙管理委員会事務局長 告示後につきましては、午前8時から午後8時というふうに決まってございます。それから、告示前の宣伝カーなんですが、これは都条例がございまして、午前8時から午後7時までの間でできるというふうに定めてございます。
○江口委員 それは宣伝カーということで。例えばハンドマイク等を使用して移動する、道路使用の許可をとらなくてもいいような活動の場合も同じですか。
○柳澤選挙管理委員会事務局長 音量の関係の話でございますので、同様に考えております。
○江口委員 多分ここにいる委員の皆さんは、厳しいなという感じがするでしょうけれども、この辺がぜひ、聞いてもなかなかわからなかった部分であるし、全員いるところで確認をしていった方がいいのかなということで聞かせていただきましたので、この辺明確に、きちんとやっていかなければいけないのかなというふうに思っています。
それから、今度の選挙で感じたことで、いいのか悪いのか、これも参考までに知りたいんですけれども、運動員以外が隊列を組んで活動をされた候補者がいるんですね。運動員というのは腕章が決められて、限定されていますよね。それ以外が隊列を組んで。このことは法に触れないんでしょうか。
○柳澤選挙管理委員会事務局長 運動員15人以内で腕章つけるわけですが、その他の方が一緒になって徒党を組んで歩くということになりますと、これは公選法に違反をするというふうに考えてございます。
○江口委員 違反ですね。わかりました。
次に、これも事例です。今でも掲げられているようですけれども、企業等の広告看板に候補者の名前が記載してあるんですけれども、それはいいんでしょうか。
○柳澤選挙管理委員会事務局長 企業看板に人の名前が入っているということは通常見られる状況でございます。ただし、例えば選挙の直前に看板が立ったりですとか、そういう選挙目当てではないかと思われるような場合については、違法性が問われるのではないかと思います。
○江口委員 ありがとうございます。
今、政治活動と選挙ということで聞いたんですけれども、選挙管理委員会のホームページには、このことに関して掲載されていないんですね。ところが、他区の自治体、例えば新宿区なんかは明確に選挙活動は何、政治活動は何、それでもさっき言ったようになかなかわからない部分があるんですけれども。ただ、それを区民が見ればわかるようになっているんですが、中野のホームページにはそのことが載せていないんですけれども、今後載せていただきたいと思っているんですけれども、その考えはありますか。
○柳澤選挙管理委員会事務局長 私も少し気になったところがあるので、早急にこれについては書き込みたいと思います。
○江口委員 もう一つは、公平な選挙ということで、特に区議会議員の選挙の場合には期日前投票所、これは今4カ所ですか、ふやして。ところが、東京都議会の選挙だとか国政選挙の場合とは違って、私たちというのは地域選挙をやっているわけですね、正直申し上げて。そうなりますと、期日前投票所が自分の地域にあるかないかによって相当違ってくる、投票率が。これは公平の原則からすれば、本当にもっとふやしていかないと、不公平ではないんでしょうか。例えば、不在者投票というのと違って、期日前投票という新たな制度になった場合は、なおさらそれをやるべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○柳澤選挙管理委員会事務局長 中野区は期日前投票所を徐々にふやしてまいりまして、私たちの認識としますと、現在のところ区内の4カ所、バランスよく配置されていますので、当面の間はこの数でまいりたいというふうに思っております。
○江口委員 当面と言っていても3年半後の選挙のときにぜひふやしてほしいのは、どこがバランスいいんですか。南中野地域センターと中野区役所の間にどこにもないんです、私の方は。これ、バランスいいって言うんですか。やっぱり全部の15カ所の地域センターで本当はやってほしいんだけれども、そういうわけにいかない部分もあるのかもしれないけれども、今、バランスという言葉が出た以上は、もう少し間をとって、それこそ気軽に投票に行く、そのことで投票率アップにつながっていくわけですから、地元にあることによって気楽に行ける。
今、私の地域は本町を中心とした地域ですけれども、皆さんどこに行くかというと、大体中野区役所に行く方が多いんですね。そういう意味で、例えば鍋横だとか弥生地域センターのどっちかにそれができるとか、その真ん中当たりにどこかできるとかということも、北も含めてふやしていくことによって、私は投票率が絶対アップするということは間違いないのと、区議会議員選挙の場合、本当に露骨に言っておりますけれども、地域選挙ですから、投票所があるかないかによって、本当に厳しい状況が続く場合もあるんです。その公平性を考えたときには、やはりふやす方向で考えるべきだと思いますが、再度お答えをいただきたいと思います。
○柳澤選挙管理委員会事務局長 投票率のアップというのは、私たちも重要と考えているところでございます。御指摘の点も踏まえまして、今後選挙管理委員会の中で議論を重ねていきたいというふうに思っております。
○江口委員 ぜひ検討していただきたいなと思います。
それから、これは選挙管理委員会がお答えになるのか、道路の関係が答えるのか、これも選挙のときです。道路上に歩道も含めて政策看板を掲げたり、置いたり、自分で持っていたり、自転車につけるんじゃなくて、きちんとしたものに差して置いておくということは、基本的には道路使用、道路占用、この辺はどういう判断をすればいいのか。自由に置けるのか。
例えば道路占用の場合に、道路法からいくと、のぼりだとか看板というのは道路占用許可をとらなければいけないと。これは継続的な問題なんですけれども、商店街なんかでよく出ていてることを注意しますよね。お金を取ろうとしますよね。これはどういうふうに判断すればいいんですか。そのままやっていいのか、道路占用料というか、道路使用の許可をとらなければいけないのか、どっちなんですか。
○遠山土木・交通担当課長 道路占用という視点からでございますが、看板等を固定し、表示する行為は道路法上から見て違法行為になります。撤去の対象になります。固定していない一時的な表示行為はその対象にならないという解釈でございます。
○江口委員 そうすると、そういう形で置いても構わないという解釈でいいですか。具体的に言うと、のぼりだとか看板だとか、そういうものを置いて街頭の活動をやっていいということですね。
○遠山土木・交通担当課長 道路占用という立場から見ますと、いわゆる継続的に固定して置いていないので、道路占用の申請、許可の対象にはならないという意味であります。
○江口委員 もうちょっとわかりやすく、やっていいんですか、悪いんですかということです。
○遠山土木・交通担当課長 道路自体は、御案内のとおり公共交通のための空間でございますので、それに阻害するようなものは別な視点から交通の妨げになるということで撤去、あるいは指導の対象になるものと、このように考えてございます。
○柳澤選挙管理委員会事務局長 道路使用の観点から今お答えをいたしました。選挙といいますか、公選法の観点から申し上げれば、先ほどるる旗なんかのことも説明しておりますが、それと同一で、違法のおそれがある行為だというふうに思います。
○江口委員 ありがとうございました。
最後に、これは選挙のときのことだったものですからここで質問させていただいたんですけれども、政治活動として使われている建物が昨年10月に違反建築物と摘発されました。これはたまたま私が12月に住民から、あの建物は違反ではないのかということで、私は判断できないものですから行政に問い合わせたところ、もう住民の方からそういう電話が入っていて、行政指導しているということなんですけれども、こういう例は具体的にあったんでしょうか。
○佐藤建築担当参事 ことしの3月中旬でございますけれども、マンションの屋上といいましても2階部分ですけれども、プレハブ建築物に大勢の人が出入りしていると。避難のための階段も狭くて危険ではないかと。違反建築でないか調査してほしいという文書による陳情を受けております。
屋上のプレハブ建築物につきましては、以前から倉庫として無届けで設置されておりましたので、撤去するような指導をしておりました。今回事情を聞きますと、しばらく使用されていなかった倉庫を、倉庫とか打ち合わせの場所として借りているという回答がございました。違反建築物ということでは変わりありませんので、ことしの10月までに撤去を前提とした是正計画を出すように指導しておりまして、10月に入りましたので再度連絡をとり、是正について話し合う予定でございます。
○江口委員 本来、いつその建物ができ上がったか私もわからないんですが、たまたまそういう住民情報の中で問い合わせたことでわかったので。
違反建築物というのは、中野区というのは結構厳しく摘発し、また撤去しているわけですよね。これ、なぜ今まで、10月まで放置をするという、その理由は何なんですか。はっきり申し上げましょうか。議員だからできなかったんですか、所有者が。
○佐藤建築担当参事 借りている方が議員ということでどうこうという判断はしておりません。あくまで違反建築物の撤去指導ということで指導しております。今回たまたま使用されていなかった倉庫を打ち合わせの場所として使っていたということで、再度撤去の是正指導をするということで、多少の期間といいますか、撤去ということですので期間を置いたものでございます。
○江口委員 私が課長の方に確認したときは、選挙が近いので今すぐ撤去はできないと。選挙が終わったら撤去するのでということで了解してほしいというふうに、私もそういう行政の処置の仕方の報告を受けたような気がしているんですね。ところが、選挙が終わってから5カ月ですよね。そういう中で、じゃあ、選挙が終わってすぐに取り壊すという話だったのに、5月か6月にはそういう指導というのはされたんですか。
○佐藤建築担当参事 陳情が入りましたのが3月中旬でございまして、再度調査したわけでございますけれども、その後、4月、5月とどうするかという事情聴取をして、指導もしてまいりました。その中で、撤去ということでございますので、少し期間をいただきたいという中で、うちも10月ごろをめどにということで、そういった話をしていたものでございます。
○江口委員 議員の立場で法律を犯すということは決していいことではないし、住民からそういう苦情があったということに対して、行政がその対応をとるのはやっぱり行政不信、議会不信となるわけですので、ぜひ早急に対応していただきたい。これは要望しておきます。時間がないので、これはこのままにしておきます。
次に、もう時間がないので、スポーツ施設の確保を最後にします。後の問題は、大変申しわけないんですが。
新しい中野をつくる10か年計画では、区民のだれもがそれぞれの体力や年齢、技術、目的などに応じてスポーツに親しむことができる環境が整っていますとの目標を掲げております。その成果目標として、週に1回以上のスポーツをする割合を26年度までに40%に引き上げると言われております。目標値に掲げておりますそのための主な取り組みとしては、地域スポーツクラブの設立、支援というふうになっているわけですが、中野の場合はスポーツ人口というのは大変多いんですが、種目によっては利用できる施設が不足しているわけですね。また、施設も使われ方が偏っておりまして、大変地域バランスがとれていない。区内に新しい施設を整備することも困難な状況の中であるわけですが、ぜひ現在使われている施設の総点検をしていただいて、それぞれの施設にふさわしいスポーツ施設は何かを改めて検証していただいて、既存のスポーツ施設を種目にとらわれない、実現可能なさまざまなスポーツが区全体としてバランスよく配置できるよう、特に中野体育館の移転などを視野に入れながら計画化し、着実に実現できるように努力すべきだと思いますが、いかがですか。
○村木生涯学習担当参事 体育館や運動施設など、専用のスポーツ施設が少ない当区にありましては、これまで学校の校庭ですとか体育館の開放をはじめ、場合によっては地域センターや勤労福祉会館なども活用してきているという実態がございます。
一方、これらの施設では、そのときどきの御要望や需要に応じた種目を受け入れてきたといった経過などもございますことから、新たな需要などになかなかこたえ切れていないという側面もございます。当区におけます今後のスポーツ振興に向けて、新たな専用施設を整備するということは困難な状況の中で、現在検討を進めております地域スポーツクラブは、こうした課題を解決する方策の一つではございますけれども、あわせまして区内施設全体の実態把握を行って、既存の利用団体や地域住民、学校関係者、体育関係団体等、多くの方の御意見もお伺いをしながら、より望ましい利用のあり方や方法などを検討してまいりたい、このように考えております。
○江口委員 これから地域スポーツクラブの設立ということがうたわれておりまして、仲町小学校跡がその予定地となって、今後広げていこうということなんでしょうけれども、今まで行政でできなかったスポーツ施設のあり方、例えば行政ではこれをやったらまずいなというのでできていないのは、例えばバッティングセンターだとか小さなゴルフ練習場、そういうものがないんです。ところが、これから学校の屋上等を利用すればそういうことが可能になる、騒音のことも考えなければいけないですけれども。そういう点なんかは、今度地域スポーツクラブになれば可能だと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○村木生涯学習担当参事 民間と競合するような種目等については、なかなか難しいとは思いますけれども、そうした点も含めて、どういったスポーツ種目が可能かにつきましては、これから検討していきたいと考えております。
○江口委員 中野のスポーツ全体を検証していただくのに申しわけないんですけれども、バッティングセンターって、中野区内にないんですよね。隣のまちとかへ行けばあります。それから、ゴルフ練習場も一つはありますけれども、そんなにない。民間と競合するようなものは、室内的なものはあるんですけれども、そんなにあるわけじゃないので、ぜひその辺をしっかり見きわめていただいた中で、中野のスポーツ人口が増えて、中野のまちというのはいいなと言われるよう考えていただいて、つくり上げていただきたい。そのことを要望しまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○吉原委員長 以上をもちまして、江口済三郎委員の質疑を終了いたします。
委員会を休憩いたします。
午後12時05分休憩
午後12時59分開議
○吉原委員長 委員会を再開いたします。
午前中に追加要求を確認しました資料2件について提出を受けましたので、お手元に配付しています。御確認ください。
それでは、休憩前に引き続き総括質疑を行います。
小堤勇委員、お願いします。
○小堤委員 2007年第3回定例会に当たり、日本共産党議員団の立場から決算総括質疑を行います。
質問項目は、1番目に地域経済の担い手、中小企業・中小業者の振興施策の充実について。2番、国民健康保険制度について。3番、青年の暮らしと雇用への支援について。4番、地域交通の充実について。5番、平和資料展示室の改善・充実について。6番、上鷺宮まちづくりについて。7番、その他といたしまして、区役所内展示販売の存続について。以上について質問を行います。
まず最初に、地域経済の担い手、中小企業・中小業者の振興施策についてお伺いいたします。
中野区では、2001年に1万4,868あった事業所数が3年間で1,000以上も減り、2004年は1万3,796です。さらに、4名以下の小規模事業者は全体の67.3%、9人以下では84.8%を占めています。そして、区内の産業構造、業種別事業所数において、卸、小売り、飲食店40.7%、サービス業30.4%、不動産業12.1%になっており、その多くが小規模事業所であり、商店街で営業し、また雇用の場を提供しています。区内の商店街数は減り続け、1987年96商店街であったものが、2007年には70商店街となり、空き店舗のより目立つ状況です。
そういう中で、新元気を出せ商店街事業によるイベント数も、平成15年度は48、平成16年度は55、平成17年度は57と伸びてきましたけれども、平成18年度には50と減りました。そこで伺います。区内産業にとって重要な商店街のこの現状を、区としてどのように認識していますか。
○鈴木産業振興担当参事 区内商店街の状況でございますけれども、商業統計などで小売りの状況を見てみますと、中野駅周辺でありますとか本町中央、そういった地域では販売額が著しく伸びている。一方で、北の地域、野方周辺等々では減少額が大きいなど、一つの特徴が見られます。
また、商店の小売りの店舗の数でいいますと、50年代の最盛期には8,000であったのが、現在2,700という店舗数になっているというような減少を見られるということと、店舗の形態、業種の変化の波に飲み込まれながらも、集客数を伸ばしている商店街もあるというふうな認識をしてございます。
また、商店街から物販の店舗が減ってきて、いわゆる美容室でありますとかマッサージであるというようなサービス業が台頭してきているというのも見てとれるところでございます。全体的には来街者の減少や廃業の増加、担い手の不在、そういったところから、長年培ってきた商店街の運営の方法では対応が困難な状況が見られ、積極的な営業努力がなかなかわいてこない状況にあるというふうに認識してございます。
○小堤委員 そういう厳しい状況を今報告されました。そこで私は、区の商店街支援の姿勢についてお聞きしたいんです。
例えばイベント事業ですけれども、48、55、57と伸びてきましたけれども、平成18年度は50に減りました。まず、この落ち込みをどのように考えていますか。
○鈴木産業振興担当参事 昨年度、東京都主催の商店街グランプリを受賞するようなすばらしいイベントをこの区の中でも行っている商店街がある一方で、委員の御指摘のとおり、全体のイベント数は減少しております。その一つの理由として考えられるのが、いわゆる元気を出せ商店街事業の東京都の補助なんですが、平成18年度から、昔でしたらば歳末大売出しだとか、サマーセールとかといったものに対しても補助があったんですが、商店街のコミュニティ機能の向上を充実していくという方向にのっとりまして、そういった売り出しのみのイベントは対象外とするという補助基準を設けたということがあろうと思います。そういうふうな中で、コミュニティに配慮したイベントをやるというふうなことで人的負担、そういったことも実際に企画内容とともに、商店街にとっては若干負担ができてきているのかなというふうに認識してございます。
○小堤委員 今、担当参事の方から、商店街自身の体力が弱っているという問題と、行政からの負担の問題、これが指摘されました。この行政からの支援の問題、例えばイベント事業に対する商店街の負担が相変わらず大きいということなんです。例えば100万円以下のイベント、これでは平成17年度、これまでは区の負担がなくて、東京都が3分の2、商店街が3分の1と。ですから私は、この商店街の負担を軽くするために区の負担を求めてまいりました。
そういう中で、平成18年度、今お答えありましたけれども、補助基準が変わって東京都が2分の1、そして区が6分の1、また商店街は同じ3分の1ということになっております。そうしますと、平成18年度、商店街がどれだけ負担したかといいますと、1,522万円なんですね。これを単純に50のイベントで割りますと、一つのイベントが30万円強の負担になります。これが重いんです。ですから、体力の弱い商店街ほど、こうしたイベントに参加できないという状況にあります。ですから私は、現在の区の6分の1、そして商店街の3分の1、この部分は半々にして、区が4分の1、商店街が4分の1、このように変えるべきだと思いますが、いかがですか。
○鈴木産業振興担当参事 補助基準が一つ変わってきたというふうなことで、昨年度、それから今年度もそうですけれども、商店街の方でもいろいろ取り組みの工夫を始めているというふうに認識しています。経費のやりくり、人のやりくり、それから自分たちでできる範囲での効果的な取り組みを工夫してボランティアを募ったり、あるいは中高生を参加させたりというふうな、今まで参加してこなかった人たちに声をかけるなどの新しい取り組みの展開が工夫されているということもございます。
商業活動というのは、いろいろな経済の影響を受けますけれども、基本的には商店街や個店が主体的に取り組むということがまず欠かせないだろうというふうに思います。そういった主体的な取り組みの意欲を削ぐような過分な補助ということは、私たちは控えてしかるべきだというふうに思っておりますので、現在のところ、この補助の見直しについては考えてございませんけれども、関係団体と意見調整をしながら、よりよいイベントの仕掛けの仕方等々については、十分御相談に乗りながら検討してまいりたいというふうに考えております。
○小堤委員 今、担当参事の方から、補助をふやすと商店街の創意自主的な取り組みを阻害するみたいな発言がありましたけれども、それは違いますよ。あくまでも商店街の主体的な取り組みが中心ですよ。そういうものを励ますためにも、このイベントに対する補助はふやしてください。これはお願いいたします。
次に、区の商店街支援について二つ目にお聞きしたいのは、区はこの間、平成15年に経済勤労課を産業振興課にし、平成16年には商店街支援担当を置き、職員3名を配置いたしました。ところが現在、この商店街支援担当がないんですね。これはなぜですか。
○鈴木産業振興担当参事 私どもの目標体系の見直しをさせていただきました。現実には商店街支援担当をしている職員は3名引き続き配置してございます。ただ、それが目標体系の表現の中からは見えにくくなったというふうな御指摘であろうかというふうに理解してございます。物の流れや売り買いのやり方がすごく変わってきた中で、店を開ければお客が入ってきた時代ではなくなっているわけでございます。そういった商店街の未来ある姿を地域の産業活性化の中で位置付けて、地域の価値が向上するコミュニティゾーンを形成したい。そういうような考えから、商店街支援を含んだ施策名として、私どもは地域産業活性化としたものでございます。
○小堤委員 名は体をあらわすという言葉があるんですよね。私は中野という町だからこそ、そういう町だからこそ、やはり産業振興の中で商店街支援ということが必要だと思います。中野は良好な住宅地として反映してまいりました。そして、こういう地域住民の暮らしを支えるために商店がつくられ、商店街を形成し、この商店街が地域住民と一緒になって中野の町をつくってきたんです。コミュニティをつくってきたんです。ですから、こうした商店や商店街の活性化を産業振興のかなめに据えるということは繰り返し主張してまいりましたし、そういう点からもこの商店街支援という言葉、名前に入れてしっかり位置付けていただきたいというふうに思います。
続きまして、この支援の姿勢についてお聞きしたいのは、中野区の産業振興費、この推移と23区との比較なんですね。
実は、この流れを見る上で、平成14年度に産業経済振興融資の預託金が10億円なくなりましたから、これはさっ引いて見なければいけないんですけれども、それ以降、例えば平成16年度、この年の産業振興費は8億9,439万円。一般会計に占める予算では1%なんですね。これが年々減っているんです。平成17年0.71%、平成18年0.69%、平成19年0.59%、まずこれはどうしてなのかということと、もう一つ、平成19年中野区が0.59%、これは23区の平均1.79%と比較すると3分の1なんですよ。中野は最下位ですよ。そして、この率から見て22番目、これは板橋区の0.82%なんですけれども、産業経済費自体は13億4,900万円ですよ。こういう点から見ると、もう23区から見れば、中野区は初めから産業振興に対しては腰が引けていると、こういうふうに見られるんですけれども、この点いかがですか。
○鈴木産業振興担当参事 まず、1点目のお尋ねでございます。平成16年度から現在まで微減しているというような御指摘でございますが、平成16年度はたまたまこの1年間、組織が少し膨らみまして、現在の産業振興以外に消費生活であるとか住宅、そういった分野も取り込んだ予算計上の経費になっておりますので、16年度については瞬間でしたけれども、ちょっと目標体系から違う要素が入ってきたというふうな年でございました。それから後、17年、18年、19年度につきまして、いろいろ経費節減の努力というふうなこと、それから勤労者サービスセンターへの出捐金、そういったことを任意団体にしたというふうなこともございまして、この間、わずかですけれども減少してきたという状況でございます。
2点目のお尋ねで、23区との比較なんですけれども、なかなか予算規模も違うので、一概に額だけでは比較できないんですけれども、よその区では、私どもでは平成14年に引き上げた融資の預託金10億円とか30何億円、そういったものを引き続き予算の中に組み込んでいる区が非常に多うございます。わあ、すごい金額だなというふうに私どもも思っているんですけれども、よくよく調べてみると、そういった預託金の額が経費の大半を占めるというふうな区もございます。
それともう一つ、特徴的なのは、先ほど勤労者サービスセンターを任意団体に私どもはしてきたというふうな経緯をお話し申し上げましたが、よその区では中小企業センターとか公社、こういったものを設置している区がございまして、それらへの補助金、それらが予算的には多くなっているというふうに認識してございます。
○小堤委員 一般会計に占める産業振興費の割合が全都平均の3分の1ですから、この率を言ってください。そして外部評価では、この産業振興に関しては、6段階あるうちで一番下のCなんです。大変残念なことなんですよ。しかし、この産業振興費の額を見れば、立派なCだというふうに見なければならないんです。これではね担当参事としても思い切ったこと、新しい事業がなかなかできづらいんじゃないんですか。いかがですか。
○鈴木産業振興担当参事 連続してCをとっているということでは、私も内心じくじたるものはございます。それもこういった時代の大きな変化の中で、産業振興、それから商店街振興、こういったものを本当にどこを動かせば、一番将来にわたっても活力が見出せるのか。その答えがなかなか、正解があるとは思っていませんけれども、中野の中でどうすればいいのかというところが見出せないでいるというのが正直なところでございます。
初めに額ありきというよりか、やはり初めに何をすべきか。そこのところの構築が一番重要であるというふうに考えてございます。
○小堤委員 そういうふうに答弁されるとね、今年度から初めて行うというんじゃなくて、ずっと流れがあるんだから。ちゃんと答えてください。
次に移ります。(仮称)産業振興ビジョンについてお聞きします。
過去、1994年なんですけれども、この年に産業振興ビジョンが作成されました。今度のビジョンは、どこをどう変えるのかお答えください。
○鈴木産業振興担当参事 今、委員が御質問の中で指摘された中野区の産業振興ビジョンというのは、平成6年、1994年に中野区産業活性化懇談会、有識者から成る懇談会が区に提言をしたものでございます。区としては、この懇談会の提言を受けとめまして、具体的には中期計画でありますとか、そういうところに生かすということで提言を受けとめてございますので、産業ビジョンを策定したというような形にはなっていないということをまずお断り申し上げたいというふうに思います。
したがいまして、どこをどう変えるかというよりか、私どもとしては中野区の基本構想、それから新しい中野をつくる10か年計画、さらには中野区の産業まちづくり調査会の報告というのを数年前にいただいていまして、これが産業ラーニングシティという構想を提案しておりますので、こういったものを踏まえ、産業振興全般にかかわる取り組みを体系化するというものをつくるということで、産業振興ビジョンという表現をさせていただいております。ビジョンという名称を使っていますが、内容的には異なるというふうに考えてございます。
○小堤委員 田中区長は、ことしの新春に区商連の情報という中で、年頭の所感というのを載せているんですね。この中で区長は、このビジョンは中野区に新しい産業の創出と地域経済、これを支える区内企業の活性化を図ることをねらいとしていますと。この中で、先導プロジェクトとして、商店街を核とした地域産業の活性化、これを掲げることとしていますと。こういうことなんです。もう一度確認したいんですけれども、ここで言う商店街というのは、何も駅周辺の商店街だけではなくて、中野全域というふうに理解してよろしいですか。
○鈴木産業振興担当参事 はい、そのとおりでございます。
○小堤委員 それでは、先導プロジェクトと、これはどういう意味でとらえればいいのかということと、この商店街を産業ビジョンの中でどういうふうに位置付けていくんですか。
○鈴木産業振興担当参事 先ほども御答弁の中で触れさせていただきましたけれども、地域産業の活性化というのは、商業集積のあり方でありますとか雇用創出との関連、それから大きくはまちづくりとの関連、そういったものが不可欠で、互いに関連し合って実現するものだろうというふうに考えております。そういう意味で、人口密度の高い中野は、暮らしに密着した商業経営のあり方が町の発展や活力に影響を及ぼすであろうという基本的な認識を持っておりますので、時代の変化に対応でき、また消費者に新しい価値ある提案ができる、そういう町並みとしての商店街になることが重要である、そういうような認識を述べさせていただいたものであり、またビジョンの中でもそういった点を十分踏まえて検討してまいりたいというふうに考えております。
○小堤委員 区は3月に中野区産業環境基礎調査を出して、これを踏まえて(仮称)産業振興ビジョンをつくるというふうにしています。この調査の中で、例えば企業の立地アンケート調査ですね。これでは中野駅周辺の再開発地域への転入意向について回答した区内外企業201社のうち、本社機能については、積極的に移転したいという企業はたった1社なんです。そして、将来的には移転先の候補の一つとして考えたいという企業は23社、わからない48社、そして移転先としては考えにくいという企業は110社にも及んでおります。大変厳しい結果だと思うんですけれども、まずこのアンケート調査結果、どのように見ていますか。
○鈴木産業振興担当参事 ただいま御指摘いただいた中野駅周辺立地アンケート調査に限って申し上げますれば、アンケートを配付した先にはもう既に自社ビルを持っていたり、あるいは移転して間もない企業の回答も含まれています。それから、中野の近辺だけでなく、関東近郊にも送ったというふうなこともございますので、そもそも中野というところに何らかの関心があるというふうなところばかりではないということが前提としてございます。
そういう中で回答していただいたところでは、積極的にというのはたまたま非常に少のうございますけれども、やはり駅周辺の大規模な開発、それについては関心を示すというふうな含みもあって、期待値、可能性を感じている企業もあるというふうに私どもは認識してございます。
○小堤委員 かなり楽観的というか、期待性を強く持っているなという感じがします。そして、例えば移転した際、当該エリアに求める機能として、一つは従業員のための飲食施設やリフレッシュ施設、二つ目に低利な融資や助成金など、行政等の支援、三つ目に従業員などの人材確保の仕組みが占めているわけなんです。
つまり、飲食施設の充実のためにも、飲食店が出店している商店街の活性化、そしてチェーン店の商店街への加入での町の魅力の増加、これが必要です。そして、低利な融資や助成金には女性起業家や若者の創業を促す使いやすい融資、NPOなどの取り組みを進める助成金、この拡充が必要です。そして、人材確保についても、中野は青年が全国平均の1.45倍もいます。こうした青年層の就労支援や定住を促す施策、これが求められております。
つまり、現在ある商店街の活性化のためにも、これから進出しようとしている企業にとっても、これらの施策をさらに充実させるということが必要と考えますが、いかがですか。
○鈴木産業振興担当参事 企業活動においても、それから地域の産業の活性化においても、やはりさまざまな経済活動が濃い密度を持って展開されるということは、期待されるところというふうに認識しております。それからまた、昨今の雇用状況などをかんがみますと、やはりより多くのよりよい労働力をどのように調達するかというのが、地域にとってもまた自治体にとっても一つの課題であろうというふうに認識しておりますので、引き続き私どももそういった方向についての施策の充実、検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
○小堤委員 次に、空き店舗対策についてお聞きします。
中小企業庁はことし8月、全国8,000の商店街を抽出して調査表を送り、約2,600の回答を得て実態調査の結果を発表し、全体の70%が衰退していると、このことを明らかにしました。この調査によりますと、商店街は平均59店舗で形成されているが、廃業などで平均5店舗は空き家、そして20以上の空き店舗がある商店街も5%に上っています。中小企業庁は、状況は依然として厳しく、空き店舗の有効利用など、活性化が必要として支援を急ぐ考えです。そこでお聞きします。中野区内70商店街の空き店舗の状況は一体どうですか。
○鈴木産業振興担当参事 区として空き店舗の状況を全区的に把握、調査したことはございません。ただし、先般、昨年度、中野区商店街連合会が個店にアンケート調査をし、その結果、五つのモデル商店街というのを御自分たちで提案していらっしゃいます。その五つのモデル商店街について、私どもまだ全部ではないんですが、四つほど、職員が目視によって空き店舗状況を把握しているのが9月の冒頭でございます。
○小堤委員 ですから、区として区内の商店街の空き店舗の状況というのを調べていないということなんですよ。実際調査なくして空き店舗の対策は進まないんです。狛江市では、議会での質問をきっかけに、つまり議員が質問しても理事者が答えられなかったんです。それを受けて、市の職員が市内の商店街を訪問し、空き店舗が72あることを把握し、いろいろな施策に生かしています。その一つが、売り上げを伸ばしてこれ以上空き店舗をつくらないということで、商店宅配事業を行いました。そして、市の産業生活課を窓口に店が登録し、チラシで全世帯に利用を促しています。現在の窓口は商工会ですけれども、市が空き店舗を調査することによって具体的な施策が生まれ、軌道に乗るまで市が窓口になった。このことが成功につながっているんです。そこでお聞きしたいんですけれども、中野区で空き店舗対策で行っている事業は何ですか。
○鈴木産業振興担当参事 区が現在行っている空き店舗対策は、商店街、あるいは事業主やNPO、そういった方々が空き店舗を活用して地域のコミュニティに資する事業運営をする場合に、かかる経費の一部を補助しているという事業がございます。
○小堤委員 中野区にはコミュニティ等推進事業というのがあります。この中身と、5事業行われておりますけれども、その紹介をお願いいたします。
○鈴木産業振興担当参事 まず、商店街が取り組んでいるコミュニティ推進事業というふうなことでは、川島商店街のコスモステーションカワシマげんき村ということで、商店街の中に空き店舗を、一つの交流の広場として活用するという取り組みを平成18年度から始めております。同じように、商店街が取り組んでいるということでは、南台商店街が商店街の中にある空き店舗を活用した南台夢ひろばというふうなことで、ここでもさまざま地元の人に開放したり、展示を行ったりというようなことで事業運営を今年度も実施しております。
それから、コミュニティのこういう事業をやりたいというふうなことで、公募によって私どもは選定して、家賃補助の対象にしているのが現在2カ所ございます。一つは沼袋振興会の中に位置して、ランチボックスといって親子カフェをやっている取り組み。それから、間もなくですけれども、都立家政の商店街の方でスタジオ・ドリームということで、子どもの絵本、洋書、読み聞かせといったことを展開して、コミュニティの核にしたいというふうなことで現在対象になって、家賃助成をしてございます。
○小堤委員 今紹介ありました沼袋にある親子カフェ、ランチボックスですね。ここに私も行ってまいりました。本当に子どもとママが安心して交流できて、子育てにとって貴重な空間です。おもちゃや絵本でくつろぎ、会話も運び、平均2時間滞在するんですね。月1回の読み聞かせも好評で、区の子育て支援施策に本当に貢献しているんです。しかし、経営的に大変厳しいんですね。平均2時間もいられるとなかなか商売的には大変と。お客さんにとっては非常にいいんですけれども。
また、区の職員の方も折を見てこの店に来てコーヒーを飲んでいただいていると大変感謝しておりました。しかし、家賃補助が4分の3ありますけれども、最長2年で終わるんですね。そして経営者の方は、これがなくなれば経営的に厳しいと、こういうふうに語っております。収益性は低いんだけれども、公共性の高いこうした事業には継続して実施できるような補助制度の見直し、これを検討してはどうですか。
○鈴木産業振興担当参事 このコミュニティの事業をやる前の3年間は、いわゆる空き店舗にどういった御商売でもいいから出てきてどうぞというふうなことで、家賃補助が2分の1で1年間限りの空き店舗対策というのを中野区はやってまいりました。それとまた違って、今度はこういったコミュニティに重点を置いた対応をしているところでございます。収益性が低いということを十分私どもも承知して4分の3の補助にしたり、また、補助の期間も延ばしているというふうなこともございます。二つの事業主さん、いろいろ意欲的ではございますけれども、先立つものというような御苦労もあるというふうに聞いておりますので、これも今後の課題として、よりやる気のある人たちがいい地域の中での展開をしてもらえるような工夫について考えてまいりたいというふうに思っております。
○小堤委員 この間、18年度は5事業ですね。そのうち空き店舗のは3事業なんですよ。取り組みがありますけれども、これではとても空き店舗対策にはなっていないというふうに見なければなりません。
そういう中で、神奈川県の商店街支援会議というところが、商店街活性化のための空き店舗活用マニュアルを出しました。その一つに、空き店舗対策は、商店街活性化という大きな枠組みの中で位置付けることが大事だと。これはそのとおりだと思うんです。そして二つ目に、家主の理解が不可欠。家主が安心して貸せる制度を考案する。三つ目に、商店街組合員の意識改革に役立てる。そして、短期間、試験的に店舗を運用してもらうために、チャレンジショップとかフリーマーケットというものを提案いたしております。
実際、長崎県の諫早市本町商店街では、九州経済産業局の補助交付金で、商店街が仲介して、商店街の活性化と新規開業者の育成のためのチャレンジショップ、これは約2坪のミニショップ、これを8店舗出店させると。その出店した中で、4人がこの商店街の空き店舗で営業を開始したと。こういうことがあります。こうした取り組みにも学んで、区としても産業振興に責任ある立場として、能動的な取り組みをぜひ空き店舗対策でも実行していただきたいというふうに思っております。
次に進みます。新しい中野をつくる10か年計画のステップ2で、(仮称)商店街活性化協議会を設置するというふうになっております。この目的と取り組み状況はいかがですか。
○鈴木産業振興担当参事 先ほど来申し上げているとおり、従来型の商店街の延長というよりか、一つ新しい発想を持った商店街づくりというふうな思いを込めて、生まれ変わる商店街というような名称をつけさせていただいております。これについては、現在一つの商店街が自分たちがこれからのことを考えた新たな取り組みをするというふうなことで勉強会、それから商店街以外のメンバーを加えた話し合いというのを始めているところでございます。
○小堤委員 今、一つの商店街ということですけれども、それはどこかお教えください。
○鈴木産業振興担当参事 モデル商店街の一つであります、薬師あいロード振興組合でございます。
○小堤委員 これは手を挙げてそういうふうになったというふうにお聞きしました。実は、テレビの「出没!アド街ック天国」が新井薬師の中で、薬師あいロード商店街を報道した9月1日の翌日の日曜日、商店街には通常の3倍の人出があったということなんです。そして、この商店街の後ろ側には新井薬師梅照院を控えて、知名度のある地域なんですね。私は全体的な商店街の底上げとともに、こうした先進商店街の活性化を両面から図っていくということが必要と考えますが、いかがですか。
○鈴木産業振興担当参事 商店街が存在する地域、後背地には梅照院もそうですし、場合によっては無形文化財とか、ああいったもの、文化財の存在というのもこれから人を引きつけたり、あるいは地域の人が自分たちの誇りと思うのにふさわしいものであろうというふうに私どもも認識しております。
したがいまして、商店街の活性化、町の活性化のときには、そういった視点が非常に地域資源を活用して大事にしていくということを忘れてはならないというふうに考えております。
○小堤委員 そういうことを含めて、現在区商店街連合会、これとのやりとり、連携ということがあれば、お知らせください。
○鈴木産業振興担当参事 連合会とのやりとり、毎月連合会さんは定例的に役員会を開催しております。私どもも必ずそこには出席させていただいて、今商店街で何が起こっているのか、それから区の方からはこんなことを考えているんだというような情報交換は非常に密にやっているというふうに考えております。
先だっても加入促進でありますとか、高齢者の親切相談員、どういうふうに商店街で取り組もうかというふうな全体会議で活発な意見交換が行われたところでございます。
○小堤委員 ことし3月に区商連は中野区商業環境実態調査の報告書を出しました。そして、商店街として主体的に現状を分析し、商店街アンケート調査、消費者グループミーティング、モデル商店街での経営環境分析ワークショップ等に基づいて今後の問題の検討、これを本当に行っているんです。区としてこの報告書をこれからどのように生かしていきますか。
○鈴木産業振興担当参事 厳しい内容ではございますけれども、これからの中野の活性化を考えるには、やはり直視しなければいけない内容がぎっしり詰まっているというふうに考えております。私どもも詳細の報告書以上に詳細のクロス分析等々、一部お借りして進めているところで、これを確実に生かしていきたいというふうに考えてございます。
○小堤委員 次に、にぎわいの創出、これについてお伺いしますけれども、今、中野ブランドづくりについて議論されていますけれども、この取り組みを紹介してください。
○鈴木産業振興担当参事 抽象的なブランドづくりと言っても、なかなか形をどうするのかというところで今非常に議論をしています。中野のブランドというのは、中野の魅力を内外に広く浸透させることができるもの、そういうものを中野ブランドとしようではないかというふうに職員間では議論していますが、どのようなものがあるかについては、先ほど来さまざまな地域資源もあり、それからこれからつくる中野にふさわしいブランドって何だろう、そういったような議論もして、情報収集を進めて、効果的な発信について検討しているところでございます。
○小堤委員 新井薬師の梅照院は天正14年に開山し、かつては東の浅草寺、西の新井薬師と並び称された方の名刹なんですね。毎月8のつく日には縁日を開催。毎月第1日曜日にはマニア必見の骨とう市も開かれています。また、都民の日の制定30周年記念の新東京百景には17位で選ばれています。中野ブランドの観点で言えば、この有名な新井薬師をブランドにした企画など、区商連や地元商店街の取り組みをともに強力に進めていく、このように考えておりますけれども、いかがですか。
○鈴木産業振興担当参事 先ほども生まれ変わる商店街の取り組みであいロードが一足先に勉強会を始めておりますけれども、梅照院のひざ元であるというふうなことで、自分たちだけでなく、近隣の五つの商店街にも声をかけて、新井薬師さんを一つの起爆剤として活性化をできないだろうかというふうなことを検討しているというふうに私ども聞いてございます。梅照院さんに限らず、これから何がヒットするかということもございますので、さまざまアンテナを張りめぐらせて活用してまいりたいというふうに考えています。
○小堤委員 静岡県の磐田市では、磐田の商品、サービスを磐田ブランドとして認定し、インターネットなどを活用して全国に紹介し、販売しています。地元の皆さんにも磐田の商品が再発見されると。そして、商品購入では地域応援ポイントがつき、これが地域での社会活動の拡充につながっております。
実は、これが磐田ブランドのチラシなんですね。そして、最初に紹介しておきますけれども、このお問い合わせ先が磐田市商工観光課なんですよ。この中で磐田の味ということで、お酒とかお菓子、磐田の自然ということではお茶に関するもの、スポーツの町、ここはサッカーのJ1のジュビロ磐田がありますから、サッカーグッズの商品、そして磐田の逸品ということを紹介しているんです。こうした取り組みは、東京でも練馬区とか北区で逸品の取り組みがあるということです。中野でもこういうことを検討したらいかがですか。
○鈴木産業振興担当参事 いい物は多分、探せば探すほど出てくるというふうに思っていますし、実際にあるというふうに考えてございます。そういったいい物を発信し、そのことで新たなファンをとらえて、その人たちが来街者になっていただくということが一つの起爆剤になるというふうなことも含めて、検討してまいりたいというふうに考えております。
○小堤委員 今紹介したこうした取り組みがあるのも、中小企業振興策がしっかりしているからなんです。一昨年の暮れに中野区商店街の活性化にかかわる事業者の相互協力等に関する条例ができました。この条例の実効性を高める努力がされていますが、区としては中小企業振興という全体の立場から条例の整備、これが求められております。2年前に産業活性化基本条例を制定した板橋区は、これまでの商工業振興課を産業経済部に昇格させて職員を7名増員し、産業振興を区の機関施策としてより積極的に取り組んでいるんです。改めて中小企業振興基本条例の制定を求めます。いかがですか。
○鈴木産業振興担当参事 これからの中野をつくるというふうなことで、産業振興を十分考えて骨太に展開していく必要があるというふうな課題認識は十分持っております。そういった骨太がどこら辺が一番屋台骨になるのかというふうなことを見きわめながら、それを担保するために必要な規制としての条例、そういう考え方もあろうかと思いますので、大変申しわけございませんけれども、初めに条例ありきということではないのかなというふうに考えているところでございます。
○小堤委員 担当参事、どうもありがとうございました。私は引き続きこの中小企業振興基本条例の制定を求めます。
ヨーロッパでは、2000年の6月に小企業は欧州経済のバックボーンであり、雇用の源であると。小企業が政策課題のトップに掲げられてこそ成功を収めるものであるという書き出しで始まる欧州小企業憲章、これが加盟15カ国で調印されているんですね。つまり、小企業を繁栄させることが自国の経済を発展させるという考えです。ですから、ヨーロッパでは大型店の出店でもいろいろなルールをつくって、市街地では実質的に出店できないようにしています。日本の事業所は圧倒的に中小企業であり、そこで働く勤労者は7割を超えております。中野も同じ状況です。ですから、中野区に適した産業振興や商店、商店街の活性化、これへの継続的な支援を求めてこの項の質問を終わります。
次に、国民健康保険制度についてお聞きします。
社会的格差と貧困が進む中で、今、国民健康保険制度のあり方が問われています。中野区は、1998年をピークに毎年区民の平均所得は減り続ける一方、増税や負担増が大きくなっています。そして、保険料を払わなければ保険証の取り上げで、命の格差、これが進んでいきます。ですから、マスコミも深刻な社会問題として取り上げております。私は、払えるのに払えない人のことを問題にしていません。払いたくても払えない、そして、結果的に保険証を取り上げられる、このことを取り上げています。
そこでお聞きしますけれども、中野区の2007年8月31日現在の国保加入世帯と滞納世帯数、これをお答えください。
○柿内保険医療担当課長 お答えいたします。
本年8月31日現在の国保の世帯数、加入世帯数でございますが、8万4,899世帯、滞納世帯につきましては2万4,136世帯でございます。
○小堤委員 実に滞納世帯が28.43%もあるんですね。そして、払いたくても払えないほどの高い保険料となっています。そして、無理して払っていると。集まれば話題になる問題であります。
この背景にあるのは一体なんでしょうか。所得が下がり続けているのに、保険料が10年間で約2倍、こうなっているんですね。中野区の資料によりますと、1993年、区民の平均所得は416万円です。それが、2004年度、398万円、マイナス18万円ですよ。しかし、国保料はどうかといいますと、1993年、所得割は100分の107と、均等割が1万6,800円。それが、2004年度、これは、所得割は100分の208、均等割は3万200円、倍増になっているんですよ。こういう厳しい現実があるということを御理解いただきたいというふうに思います。
それで、課長にお伺いしたいんですけれども、短期保険証と資格証明書の、この発行基準、これを説明してください。
○柿内保険医療担当課長 資格証明書につきましては、短期証、資格証明書を交付している方で、過去1年以上納付実績がない世帯を対象として資格証明書を発行してございます。また、短期証につきましては、前年度、保険料の納付実績が年間保険料の5割未満の世帯に対して短期証を発行してございます。
○小堤委員 それで、2004年度から2006年度までのこの短期証と資格証の発行数、これをお答えください。
○柿内保険医療担当課長 平成16年度から18年度までの短期証と資格証の発行件数でございますが、平成16年度、短期証が7,004世帯、資格証が0世帯でございます。平成17年度につきましては、短期証が1万1,331世帯、資格証につきましては1,945世帯、平成18年度につきましては、短期証が7,914世帯、資格証が1,587世帯でございます。
○小堤委員 今お答えがあったんですけれども、実に、この資格証、2004年度がゼロだったものが2005年度には1,945世帯と、急激にふえているんですね。これはどういう理由からですか。
○柿内保険医療担当課長 国保の収納率の低迷を受けまして、また、平成17年度の一斉更新を受けまして、資格証を積極的に活用した結果、このような形になったかと思ってございます。
○小堤委員 それで、2005年の2月に厚労省が「収納対策緊急プラン作成等について」と、こういう通知を出したんです。これはどういうものですか。
○柿内保険医療担当課長 これにつきましては、全国的な収納率の低下を受けまして、各自治体に向けて収納率の対策の緊急プラン等で収納率を上げられるような形のものをやってくださいというようなことで、委員御指摘のとおり、2月15日に通知があったものでございます。
○小堤委員 このプランの中身もちょっとお聞きしたかったんですけども、先に移ります。
それで、この2005年度の1,945という資格証、これが今、9月に一斉更新されたというんですけれども、その前の2月にこの通知があったんですよ。2月に通知があって、9月の一斉更新で急にふえたと。この通知との関係というのはあるんですか。
○柿内保険医療担当課長 やはり、全国的な収納率の低迷ということでございますので、この「収納対策緊急プラン策定等について」という文書も踏まえまして、一斉更新のときに資格証明書を活用したものでございます。
○小堤委員 ちょっと紹介しますと、収納率が88%未満の保険者にあっては収納担当職員の増員または応援体制の実施を図ること。1年以上の未納世帯数が1,000世帯を超える保険者にあっては滞納処分専門分野を設けると。あるいは、資格証明書を発行していない保険者にあっては発行基準を作成し、資格証明書の発行に努めると。そして、夜間電話催促、夜間訪問等、徴収等、効果的に行えと、こういうことがこのプランの中で書かれてあるわけです。
次に進みたいと思います。
実は、本定例会の本会議で長沢議員が短期証、資格証の発行が23区の中でも突出していると、こういう質問を出したところ、突出していないという答弁だったんですね。しかし、調べるとちゃんと、2005年度、被保険者世帯数8万5,414に対して、短期証、資格証発行合計数1万986は12.9%で、23区で1位なんです。2位が葛飾区の9.6%、3位が足立区の8.6%なんです。そこで、さらに進めていきますけれども、今度の厚生資料64、これでは、2007年度の9月の一斉更新数値、これが出ております。これで計算しても中野区は12.78%なんですよ。つまり、被保険者世帯数8世帯に1世帯以上が短期証、資格証の発行、極めて多いんです。こうした世帯の暮らしの現状、これを一体どのように考えていますか。
○柿内保険医療担当課長 現在の国保資格証の発行率につきましては、他の区に比べ特に突出しているとは考えてございません。中野区では収納率が低いということから、先ほどからるる述べてございますように、ある程度短期証、資格証を発行することはやむを得ないと考えてございます。短期証、資格証を活用いたしまして、滞納世帯の納付交渉等の機会をふやしまして、滞納の解消に努めているものでございます。
○小堤委員 やっぱり、この資格証、短期証が多いんですよ。
それで、資格証明書についてお聞きします。例えば、資格証明書が発行されたら、この方がもし病院に行ったら、医療機関の窓口はどういうふうになりますか。
○柿内保険医療担当課長 資格証明書の方につきましては、医療機関で資格証明書を提示して医療を受けた場合につきましては、一たん医療の全額を医療機関にお支払いいただくことになります。支払った金額のうち保険診療の一部負担金に相当する金額を療養費として請求していただく形になります。その際には滞納分の保険料について納付相談をしていただくような形になってございます。
○小堤委員 つまり、10割払うんです。そして、領収書をもらって役所に申請。2カ月から4カ月かかって保険給付分が戻るということなんです。そもそも、保険料を払えない方が窓口に行って10割払えますか。払えない現実があるんですよ。そのことが受診を抑制するということにつながっていくという問題があるんです。全国の保健医療専門団体連合会が平成17年度に実施した資格証明書交付者の受診率は、一般の被保険者の受診率に比べて、例えば神奈川県では32分の1、福岡県では113分の1、京都府では200分の1と、こういうふうに受診抑制が起きているんです。また、全日本民主医療機関連合会の国保死亡事例、この調査では、05年、06年の2年間で、この資格証、無保険で受診がおくれ、亡くなった方が25人にも及んでいるんですよ。
そこでお聞きしたいんです。こうした事例が中野でも起こっているとも限らないんです。保険証を取り上げられた人に一体どのような影響が出ているのか、そういう調査をしたことはありますか。
○柿内保険医療担当課長 医療の受診抑制の影響につきましては、特に調査してございません。
○小堤委員 ですから、事は命にかかわる問題でもあるわけなんです。ぜひ区としても中野区医師会だとか区内の病院と連携して、やはり調査をすべきですよ。いかがですか。
○柿内保険医療担当課長 資格証明書は受診を抑制することを目的として発行しているものではございません。あくまでも滞納者の相談の機会をふやし、滞納の解消を図るねらいのものでございます。繰り返しの御答弁になりますけれども、区として調査することは考えてございません。
○小堤委員 私の前段の質問を聞いていないですね。ぜひ調査をする、そんなに難しいことじゃないんですよ。区として中野区医師会だとか区内の病院、ここにそうした調査を依頼すればいいんですよ。すると約束してください。
○柿内保険医療担当課長 再びの御答弁になりますけども、資格証明書が受診抑制の段階の目的として使われているわけではございませんので、私どもとしては、やはり調査することは考えてございません。
○小堤委員 そこで、私は、やはり事例を紹介したいんです。例えば、32歳の男性、気管支ぜんそくの発作を繰り返していたが、保険証がないために受診せずに売薬のみと。夜間に激しい発作で救急病院に搬送されたが、翌朝亡くなられた。もう一つは55歳の男性です。自営業です。腹部や背中の痛み、倦怠感があったが、保険料35万円を滞納しており、保険証が取り上げられて、受診せず、市販の薬だけを飲んでいた。ようやく受診したときには既に膵臓がんが肝臓に転移していた状態で、2カ月後に亡くなったと。こういうことが皆保険の日本で起きているんですよ。これは国会での質問です。きちんと見てください。
質問を続けます。こういう中で、国や都からの収納率アップの通知の中でも、資格証明書を発行していない、こういう自治体があります。そして、資格証明書を出さないことで、還付金などのペナルティーがあるけれども、平成19年度も出さないという立派な首長もいるんです。そういう状況にあります。そういう中で、ぜひ中野でも、保険証を取り上げるという、区のそういう姿勢、これをぜひ変えていただきたいと、そういうふうに思います。
そして、この資格証明書の発行では除外規定というのがあって、「特別な事情」というのがあります。この「特別な事情」というのはどういうことですか。
○柿内保険医療担当課長 国民健康保険法第9条第3項の方で「その他政令の定める特別な事情」という要項がございます。これにつきましては、施行令の方にございまして、世帯主がその財産につき災害を受け、または盗難にかかったこと、また、世帯主またはその者と生計を一にする親族が病気にかかり、または負傷したこと、一、世帯主がその事業を廃止し、または休止したこと、一、世帯主がその事業につき著しい損失を受けたことなどがございます。
○小堤委員 そのとおりなんです。病気にかかったときも除外規定に当たるんですよ。しかし、資格証明書のために受診しづらいでは矛盾しているじゃないですか。この除外規定というのは区が独自に決めるもので、国も認めていることです。区としてはさらに具体化して、生活保護に準じるような恒常的な生活困窮世帯はもとより、不祥事に関わり代わって返済等をすることで滞納している世帯、あるいは、現在通院している世帯などからも、こうした適用、これを広げるべきだと思いますが、いかがですか。
○柿内保険医療担当課長 昨日もちょっとお答えいたしましたけども、資格証明書を発行するに当たりましては、あらかじめ弁明書というのをお送りして、その弁明書の中でいろいろな事情をお聞きするということでございますので、その中で御相談を受けたことで納付状況等を相談しながら、その後の対応を図っていきたいと思ってございます。
○小堤委員 冒頭に述べたように、なぜ滞納世帯がふえ、保険証が取り上げられるのかということです。その一つは、国保料が本当に高いということなんです。例えば、飲食店を営むAさん、売り上げは1,500万円、所得360万円です。これはいい方ですよ。そして、4人家族、子ども2人で、税金は150万円以上かかるんですよ。国民年金34万円、所得税、住民税で23万円、介護保険料7万円、消費税、簡易課税を選択しています、30万円。その他ありますけれども、国保料が一番重くて40万円なんですよ。月平均17万円の生活ですよ。そこから家賃も払うんですよ。本当に今の国保料というのが住民のそういう負担能力、これを超えていると思いませんか。
○柿内保険医療担当課長 国民健康保険の保険料につきましては、皆さん満額を払っているわけじゃなくて、一定の減額制度がございます。保険料につきましては、加入世帯全員にかかる均等割と住民税に応じた所得割とで計算されまして、非課税の世帯につきましては均等割のみとなってございます。また、所得の低い方に過重な負担がかからないというように、所得が基準以下の世帯につきましては均等割保険料を5割または7割減額しているものでございます。
○小堤委員 高過ぎる保険料につきましては、例えば、厚生労働省の国保課も、私たちとの交渉の中で、負担の限界は個人によって違うが保険料が高いと感じていると、こういう回答があるということも紹介しておきます。
続きまして、やはり、国がこの責任を放棄しているということを指摘しなければなりません。国保料の引き上げの最大の理由は、国が市町村国保への国庫負担を84年以来49.8%から34.5%に減らし、国の責任を後退させたからなんです。そもそも、国保の加入者というのは年金生活者、中小業者が主でしたけれども、今の経済情勢を反映して、失業者、不安定雇用などの労働者も加入して、所得の低い人、そういう方々の制度になっているんです。しかも平均の所得は165万円ですよ。ですから、国民健康保険というのは国の手厚い援助があって成り立つ制度であるということをきちんと認識してもらいたいと思います。
次に、減免制度、これについてお伺いいたします。
公的保険制度で掛金の減免制度があるのは、この国保だけなんです。これは、国保の加入者の多くが所得が低いということと、前年度の所得に基づいての保険料額であるということからきているんです。
ここでお聞きしますけれども、区民が利用できる制度、これを紹介してください。
○柿内保険医療担当課長 お答えいたします。
国民健康保険料の減額制度というものと、申請に基づく減免制度というものが保険料についてはございます。
○小堤委員 それで、国の法定減免の7割~5割、これは申請の必要がなくて、2割減額の応益割が45%に達していないために、中野区は該当しないんです。こうなりますと、区の申請減免、これが非常に重要になるんです。
そこでお聞きしたいんですけれども、この申請件数、04年から06年の実績、これはどうですか。
○柿内保険医療担当課長 申請減免につきましては、2004年度が申請件数8件、05年度が345件、これは水害があった年でございますけども、06年が4件ということでございます。
○小堤委員 じゃあ、続いて、申請減免の実績、04年から06年、どうですか。
○柿内保険医療担当課長 ただいま申請ございました件数、04年につきましては、8件につきまして8件が申請どおり、05年につきましても、345件の申請につきまして決定が345件。06年も、4件の申請につきまして決定が4件ということで、いずれも認められたものでございます。
○小堤委員 つまり、申請件数と申請減免の数が同じなんですよ。これはおかしいじゃないですか。どうしてこういうふうになるんですか。
○柿内保険医療担当課長 御相談をいただきまして、その結果こういう形になったということで、申請件数と決定件数がイコールになっても、特に違和感はないと思ってございます。
○小堤委員 普通は、申請があって、その中で精査して、減免を行うというのが普通なんですよ。そういうことがないから、言うなれば担当の方のそういう判断で申請減免が行われるということで、実際、数が少ないんですよ。そして、今、報告がありました。05年、これは345件です。これはすべて火災・水害です。この年は9月5日に大雨があって、こういう処置が行われたわけなんです。しかし、過去3年間で見れば、火災・水害9件、このほか事業不振が3件のみなんですよ。これは、今の中野区民の暮らしの実態から比較して、本当に少ないじゃないですか。ですから、この申請減免というのは使われていないんですよ。こういう認識を私は持っていただきたいと思うんです。
そこでお伺いしたいのは、申請減免制度の周知、これは現在どのように行われていますか。
○柿内保険医療担当課長 申請減免の周知方法でございますけども、毎年6月に国民健康保険の当初賦課決定をお送りしますが、それに「みんなの国保ガイド」というのを同封してございます。これは加入している全世帯に送付しているものでございますけども、その中に掲載して周知してございます。
○小堤委員 その他、あるでしょう。
○柿内保険医療担当課長 あと、大規模な水害のときに、過去ですけれども、区報でも他の減免制度とともに周知をしておりますし、地域センター等でも、水害、火災等などがあった場合については、制度とともに案内しているものでございます。
○小堤委員 「国保だより」というのはどういう頻度で発行されて届けられているのか。この中にも触れているのを見ているんですけども、そういう点ではいかがですか。
○柿内保険医療担当課長 申しわけありません。そちらのものについても、減免についての一定の記述がございます。
○小堤委員 それと、減免の一つの基準として生活保護基準の115%、こうありますけども、低過ぎると思います。国分寺では1.5倍までを基準にして、こういう減免をつくっています。こういう点で拡充する気はありませんか。
○柿内保険医療担当課長 特に現行の制度を変えるつもりはございません。
○小堤委員 そこで、私は冒頭、やはり、区民の方の厳しい現状、所得が下がるのに税負担が重いという問題、数字を挙げたんですよ。こういう申請減免の中身については各自治体で決めることなんです。例えば、大阪府の八尾市、3人世帯、これで285万3,000円まで該当する。あるいは山口県宇部市、ここも生活保護基準の1.5倍以下、東京でも国分寺がそうなんですよ。ぜひこういう拡充、これをしっかり求めていきたいというふうに思います。
それと、「中野区のしおり」、この国保欄に減免の周知がないんですよ。一番見られるものじゃないですか。なぜ減免は書いていないんですか。
○柿内保険医療担当課長 委員がごらんになっている書類がちょっとわかりませんので、それについてはちょっと時間をいただきたいと思います。
○吉原委員長 休憩します。
午後2時08分休憩
午後2時08分開議
○吉原委員長 委員会を再開します。
○小堤委員 あわせて、窓口負担の減免ですけども、一部負担金の制度の説明をすると、この場で減免の周知、これはどう行っているのか、お答えください。
○柿内保険医療担当課長 一部負担金の減免制度につきましては、本人の申請に基づきまして、災害や失業など特別な事情によって一時的に生活が困難になったときに、状況に応じまして、医療機関での窓口での負担を一部減免するものでございます。周知方法につきましては、先ほど申しましたけども、「みんなの国保ガイド」に掲載して周知しているものでございます。
○小堤委員 そして、この申請用紙が窓口に置いていないんですね。これはなぜ置いていないんですか。
○柿内保険医療担当課長 これにつきましては、先ほど申し上げましたように、災害その他の特別な事情ということでございますので、その事情をやはりお聞きしなければならないということがございますので、その方についての事情をお聞きしながら用紙を交付しているものでございます。
○小堤委員 それはやっぱり行政の立場なんですよ。過去に、業者の方が窓口でこの申請減免の用紙をもらいに行ったら、ないと言われた。いつくれるんですかと言ったら、わからないと言われた。それで、そこでストップしてしまったんですよ。ですから、置いてあれば渡して説明もできるんですよ。荒川区をはじめ少なくない自治体で、この窓口に申請用紙が置いてあります。ですから、この減免制度の周知とともに、この用紙もきちっと置いていただきたいと、このことは要望いたします。
どうも課長、ありがとうございました。
○柿内保険医療担当課長 先ほどの「中野区のしおり」でございますけども、先ほど委員が持っていたものでございますが、毎回申請の減免等についてふだんPRしているわけじゃなくて、折に触れてということでございますので、特に、一斉更新のときにもPRとかをしますので、そういうときにおいてするということでございます。たまたま委員のお持ちの中から、最後恐らくなかった号をごらんになったのかと思っております。
○小堤委員 たまたまじゃなくて、よく利用される「中野区のしおり」ですから、毎回入れてください。それは確約できますか。
○柿内保険医療担当課長 今後、中野区の書類についてそういう形が必要だということで考えてございますので、その部分については記載を工夫しながらやっていきたいと思ってございます。
○小堤委員 どうも課長、ありがとうございました。
次に、青年の暮らしと雇用への支援についてお聞きします。
厚生労働省は、8月28日、住居を失ったインターネットカフェなどに常連的に寝泊まりするネットカフェ難民に関する初めての実態調査結果を公表しました。全国で5,400人、うち23区では2,000人と推計され、このうち4,700人が住居を失っています。20代、30代が主で、50代も多いと。就労形態は、5割強が日雇い派遣や日雇い労働などの非正規雇用、4割が失業者。そして、非正規労働者の月平均手取りは、東京では11万3,000円で、生活保護の基準以下です。4割が相談できる人がなく、アパートに入るお金もなく、保証人もいません。中野区は25歳から34歳の構成比が全国平均よりも1.45倍も高く、人口30万人のうち6万3,000人、5人に1人、これが青年です。
そこで伺います。区は区内におけるネットカフェ難民の実態についてどのように確認していますか。
○鈴木産業振興担当参事 委員が今おっしゃいました、ネットカフェをオールナイトで利用するという方々の実態については把握してございません。
○小堤委員 私は区内におけるネットカフェの調査を行ったんです。中野では15店舗あり、チェーン店が13店舗。中野北口には6店舗が集中しています。全席完全個室でテレビ・パソコンが完備の店から、隣との仕切りのないいすだけの店、また、会員制で公的身分の提示を求めるところと全くフリーな店など、いろいろです。しかし、常連客をつかむためのサービス、これには工夫していました。ソフトドリンク、シャワーが無料、ゆで卵2個まで無料、1時間以上でカップめんが無料、こういうのがあるんです。そして、どこでも深夜パックがあり、安いところでは、深夜0時から朝方6時まで980円、高いところでは6時間1,680円、平均は大体6時間で1,300円、7時間で1,380円と、こういうところなんです。
ネットカフェ難民がマスコミで報道されて以降、協会からの指導があったようで、取材には苦労いたしました。ある店長は、週3回ほど来る人がいると。しかし、今では日雇いに便利な新宿あたりに多くいるのではないか。難民といわれている人は金が続かないので、マクドナルドなどのファストフード、こういう店にも行っていると。協会から指導があると、こう話してくれました。また、利用している人から聞くと、必ず大きなかばんを持っている客は二、三人はいると。こういう中で、厚生労働省は、来年度からネットカフェ難民向けの相談窓口を設け、職業紹介や無料の技能講習の紹介、これを始めるとしています。
そこでお伺いいたします。中野区での就労支援策と取り組みの状況、これについてお答えください。
○鈴木産業振興担当参事 ネットカフェを利用する方を対象にというよりか、就労全体の底上げを啓発していくという観点から、私どもは、就労支援セミナー、セミナーの形式でございますけれども、実施しております。また、今年度に限って申し上げれば、仕事を探す人、あるいは、求人を求めている人の出会いといいますか、情報提供するウェブ上の場として、就労支援サイトというのを開設したところでございます。
○小堤委員 平成18年度は、セミナーは3回予定のところを1回だけで、参加は27人。なぜ1回かとは聞きませんけれども。あと、就労する機関として、そういうふうに問い合わせがあれば、ハローワーク新宿や東京しごとセンターを紹介する程度ということなんですけども、実際、そういう問い合わせはないということなんですね、窓口がないから。
ここで、なかなか、セミナーとか講演会、就労機会の紹介では、就労には具体的に進まないと。そういう中で、この9月、中野区は、就労救人支援サイト「ぐっJOBなかの」、これを立ち上げました。まず、この「ぐっJOBなかの」の意味と目的、これを紹介してください。
○鈴木産業振興担当参事 中野区の就労求人支援サイト「ぐっJOBなかの」というのは、区内事業者の事業所の人材確保、それから、区民の就労、就職、それを支援することを目的として開設いたしました。「ぐっJOB」というのは、文字で書くと「ぐっ」というのが平仮名なんですね。「ぐつ」じゃなくて「ぐっ」という感じです。それから、「JOB」はアルファベットのJOBということで、いわゆる英語でいう仕事です。「ぐっJOB」というのは、英語でいえばいい仕事、あるいは、会話的には、いい成績だね、頑張ったねというような意味があるというふうに理解しておりますが、私どもは、文字どおりいい仕事とあわせて、仕事を探している人も、ぐっと力を入れて本気になって仕事をやるんだというような気構えの部分も入れ込んだ造語として、こういった名称にしたところでございます。
○小堤委員 私は、こうした具体的な支援策、これが求められていたというふうに思います。
それで、現在、何社が登録して、また、何社が募集に出しているのか、お答えください。
○鈴木産業振興担当参事 御利用できるのは9月20日からでした。その1カ月前から、こういった求人募集をする区内の事業所さんの登録を始めていまして、この10月1日現在で89社の事業者さんが登録しております。その89の中で求人情報が59、今サイトを見ると、1社で職種に違って募集しているのもカウントしていますので、59件の求人募集があるという状況でございます。
○小堤委員 そういう状況ですので、私はぜひ――ネットカフェにはインターネットがあるわけです。このサイトの紹介をぜひネットカフェのお店の方に依頼してはどうか。この点はどうですか。
○鈴木産業振興担当参事 このサイトを多くの人に見ていただくということが重要になろうかと思っています。若者が多分多く行くだろうというふうに思って、コンビニエンスストアでは一部PRの協力要請をしているところですけれども、こういったネットカフェといわれるようなところも若者の利用が多いというふうに認識しておりますので、できる範囲での協力要請についてしていきたいなというふうに考えております。
○小堤委員 世田谷区では青年雇用創出に力を入れており、月1回の青年就労相談をはじめ、特段の努力をして、渋谷のハローワークとの関係を深める中で、区内に渋谷ハローワークの分室、これを開設いたしました。中野区でもこうした分室の開設を視野に入れて、まず、区の窓口として、青年専用の就労相談、住宅相談や労働相談など、何でも相談、これを実施してはどうでしょうか。
○鈴木産業振興担当参事 現在、区としては、確かに就労の相談の窓口がないところでございますが、本年度、ハローワークと連携しまして、区内で就職面接会を初めて開催いたします。こういったことを契機に、やはり継続的な就労の窓口がどうあったらいいのかというふうなことを課題として私どもは認識しておりまして、関係機関との連携がどのように有効にできるかという視点も含めて、検討を深めてまいりたいというふうに考えております。
○小堤委員 中野はおくれているんですね。足立区の取り組みを紹介します。足立区のワークセンター、ここは区とハローワーク足立が共同して区役所の2階で開設し、月曜から金曜、午前8時半から午後5時まで行っていると。そして、自分で求人の検索ができるように、パソコン14台、これを設置して、仕事の相談、仲介、こういうのを行っておりますし、雇用保険の受給手続き、これについてはハローワーク足立、こういうものと連絡し、連携しているという取り組みです。さらに、足立では、「あだち若者サポートステーション」、これは、働くきっかけをつくるために、若者とその家族、これを応援しているところなんです。これも区内の東京芸術センターの8階で、月曜から土曜日まで、午前11時から午後7時まで、こういう取り組みをしておりますので、ぜひ中野も負けないでそういう取り組みをしていただきたいと思います。
次に、路上生活者の支援をしているNPO法人、自立生活サポートセンターのもやいには、4年前からネットカフェ難民の若者が相談に来ています。ここでの教訓は、就労支援だけでは解決は難しい。就能訓練の間の生活費、住居費をどうするかと言っています。そして、生活保護を適用すれば、アパート入居の初期費用と生活費のサポートをすれば、安心してハローワークに通うことができ、仕事が見つかり生活が安定すれば、生活保護からも抜けることができると、こういうふうに指摘しているわけなんです。
そこで伺いたいのは、自立できるまでの家賃補助、さらに困難な場合は、敷金・家賃の無利子融資、あるいは、日雇い雇用保険適用の関係機関への誘導など、こうした具体的な対策、これを行うべきと考えますが、いかがですか。
○瀬田生活援護担当課長 お答えいたします。
生活保護とは別の仕組みの形で生活費の補助といったものを直接支給する仕組みの創設については、なかなか難しいと考えてございます。ただ、一時的な生活困窮というようなことにつきましては、現在のところ、例えば、貸し付けの関係で、緊急小口資金、これは社会福祉協議会の方で無保証人という形でやっているものがございます。その他、ネットカフェ等から直接生活相談に来られた方々に対しましては、相談内容を十分お聞きした上で、また、御本人の同意等をいただいた上ではございますが、就労相談にとどめずに、緊急一時保護センター、あるいは、就労の自立支援を進める自立支援センター、こういったところに一定期間入所していただきまして、職業訓練ですとか、それから、さまざまなハローワークとの連携による就労に向けた取り組み、こういったものについてもつないでございます。今年度の上半期、ネットカフェ等からの来所相談が、実は何件か把握してございまして、6件の相談が具体的にはございました。そのうち3件を緊急一時保護センターの方におつなぎして、生活相談に当たってきてございます。ケースごとの状況でさまざまな対応が考えられますが、今後とも、生活上のさまざまな悩みや問題につきましては、十分相手のお話を伺った上で、できる限りの生活相談、あるいは、解決にむけてのサポートに努めてまいりたいと考えてございます。
○小堤委員 丁寧な回答をありがとうございます。
それで、中野には就労支援のNPOがないんですね。ただ、これから重要になってまいります。区内NPOとの連携についての取り組み、もしこれがあれば紹介してください。
○瀬田生活援護担当課長 現在、区内でのこういった関連でのNPO団体につきましては、特に把握をしてございませんが、ただ、ネットカフェ等からの方を含めたホームレス、あるいは、元ホームレスの方々の就労自立の推進のために、平成17年の9月に、東京ホームレス就業支援事業推進協議会、通称東京ジョブステーション仕事応援団という形の組織が立ち上がってございます。東京都をはじめ、特別区、NPO法人、労働団体、自立支援施設、福祉関係機関などの参画のもとに立ち上げたものでございます。区といたしましては、現在、ホームレス対策の一環として就労支援も大事な視点ということから、こうした団体との連携強化を図りながら事業展開を図っているところでございます。
○小堤委員 どうもありがとうございました。
順番を変えて、上鷺宮まちづくり計画について、この項を先にさせていただきます。
9月3日の建設委員会で、上鷺宮まちづくり計画についてどのように報告されたか、お聞きします。
○市川北部地域まちづくり担当課長 9月3日の建設委員会での報告内容についてでございます。趣旨は、区は住民の皆様が将来にわたって安全に暮らせる住環境づくりを目指し、今まで地域の皆様の御意見を聞きながら検討を進め、昨年10月に地区整備計画たたき台を提案したところでございます。しかし、地域の皆様からさまざまな御意見をいただき、この素案では地域の皆様の合意形成が難しいものと判断し、今回、全面的に見直しを行うこととしました。このことについて地域皆様や地権者の方々への周知を図っていくことを御報告いたしました。
○小堤委員 このお知らせでは何を言っているかわからない、責任者を明らかにしてほしい、そういう声が上がっているんです。具体的に何を言っているかわからないと言うので、住民の皆さんがこういうものをつくって各道路の塀に張ってあるんです。文書の内容はということをわざわざ説明しているんです。地区整備計画の素案は、マル1地域の合意形成が難しい。マル2全面的に見直す。マル3今後は地域の皆様と区が一緒になって話し合う。こういうことが書いてあるんですよということです。そして、全面撤回となりました御支援ありがとうございますと、こういうふうに書いてあるんです。区は全面的に見直しと言っているんです。住民の皆さんは全面撤回と、こう認識しているんですけども、これでよろしいのか。また、責任者の明記というのは住民の皆さんが話し合いの中で強く要望してきたことなんです。それがどうして「まちづくり担当」ということになったんですか。お聞きします。
○市川北部地域まちづくり担当課長 今回のそのお知らせの趣旨ですが、それについては全面的に見直しをしていきますという方向性と、今後は地域の皆様方の考えを十分に聞いていこうということでございます。区で必要なことは今後十分に説明をしていきたいという趣旨の文面で、このような形で配布させていただきました。また、白紙撤回と認識しているとのことでございますが、これにつきましては、これまで地元の方々の考える会、上鷺宮のまちづくりを考える会等と話し合いを通じながら、あるいは、協議等をいろいろしてきた事実がございますので、そのことまでを含めて白紙撤回ということではないと考えております。
最後に、その責任者名を明らかにしてほしいとのことでございますが、お知らせについては、区としての考え方、組織的に検討した中で、所管である北部地域まちづくり担当名ということで配布したものでございます。
○小堤委員 住民の皆さんは、9月に発行された、そのときのこのお知らせの責任者はだれなのかということをきちっと知りたいんですよ。ちゃんと区長までそういうことの了解をとっているというならば、その名前を出したっていいじゃないですか。きちっとしてください。
そして、この上鷺宮地域まちづくりの策定につけて、この平成18年度、予算額と執行額、これは幾らですか。
○市川北部地域まちづくり担当課長 予算額については、主に委託料ですけども、3,000万円でございます。執行額については980万6,394円でございます。
○小堤委員 結局、住民の皆さんの反対で計画は進めることができなかったんです。それでも3年間で見れば、1,588万円使っているわけです。そこでお伺いしたいのは、3年かけて議論してきたことがどうしてこうなったのか、どのように認識していますか。
○市川北部地域まちづくり担当課長 この間、区民の方々の御参加と御協力をいただきながら、検討を進めてきたところでございます。振り返ってみますと、検討の各段階において周知の方法とか、あるいは理解していただく努力ということについては十分ではなかったと考えております。今後、再スタートという思いで地域の皆様方に御周知申し上げて、まずは皆様の考えを十分に聞いていこうというのが今回の趣旨でございます。
○小堤委員 平たく言えば、住民との合意がないのに、あるとして進めてきたことが一番の問題なんです。ことしの2月14日、区長も出席した対話集会での区の説明は、まちづくり計画素案のたたき台はどのようなまちづくり計画が望まれているか、どのような合意形成を行っていくべきなのか。その話し合いの第一歩として提案したもので、何も決まっていない。このたたき台はまちづくりの合意のレベルでないと、こう説明されたんです。しかし、昨年10月、11月の住民への区民説明会では、アンケートや上鷺宮住みよいまちづくりを考える会等での議論を踏まえて、住民の85%からおおむね了解をいただいていると、こう報告したんです。だから、たたき台と言いながらも、道路拡張路線を示し、拡張部分については土地所有権は変更せずという表現で、土地の無償提供、これを求め、その上には建物は建てられないと、こう示したんです。これが何も決まっていない計画なんですか。進め方なんですか。
しかも、区民の合意を大切にすると、こう言いながら、この考える会の第10回の議事録、これには、区は初めから、ある意図を持ってこの会を運営しているように思えてならないという意見が出されているんです。今回、素案は撤回されました。あわせてこういうやり方も厳しく反省して、撤回すべきですよ、どうですか。
○市川北部地域まちづくり担当課長 繰り返しになりますけれども、この間の検討の進め方とか、周知の方法とか、やり方については、拙速なこととかいろいろありました。先ほど申しましたように、この計画の案では、地域の皆様の合意が得られないということで、全面的見直しを行うということでございます。
○小堤委員 それと、今後、この計画をどのように進めていくのか。今わかっている範囲でお答えください。
○市川北部地域まちづくり担当課長 今後のことでございますけれども、今後につきましては、地域住民の皆様や地権者等から、上鷺宮のまちの具体的な将来像をどのように考えていくかなど、改めて御意見を聞きながら、まちづくりについて地域と区が一緒になって話し合いを進めていきたいと考えております。
○小堤委員 課長、結構です。区は、この素案の白紙撤回を求めた住民の皆さんに対して、対話集会でも全く白紙に戻すことは何も議論しなかったことと同じになるとの立場です。しかし、この立場では、何がよみがえってくるかわからないという住民の皆さんの不安があるんです。この素案で大きく問題になっているのは、道路拡幅による地域環境の悪化と土地の無償提供です。少なくともこの点での不安を明確に解消して話し合いを進めていかなければなりません。これからのまちづくり計画では、住民の多数、多様な意見、要望が反映される体制で一から住民参加で進めていく。このことを強く求めます。
続いて、地域交通の充実についてお聞きします。
新しい中野をつくる10か年計画の地域交通の整備では、公共交通による区内の移動が難しい地域に新たな交通手段を確保することで、移動しやすい交通環境を整えるというふうにあります。そこでお聞きします。交通不便地域の定義と区内に何カ所あるか、お答えください。
○遠山土木・交通担当課長 まず、交通不便地域の定義でございますが、区では、鉄道駅から700メートルを超え、かつバス停より300メートルを超える地域というふうに定義付け、考えているところでございます。これによりますと、区内の5地域、14町丁がこれに該当するのかなというふうに認識しておるところでございます。
○小堤委員 また、10か年計画では高齢者、障害者など一人での移動が制約される人たちが気軽に利用でき、目的地にスムーズに移動できる新たな交通の仕組みについて導入を目指すというふうにあります。この点で、2007年度の新規事業としてオンデマンド交通があります。まず、このオンデマンド交通の性格と目的、これについて説明してください。
○遠山土木・交通担当課長 今、委員の御紹介いただきました10か年計画に盛り込まれている言葉が、ほぼそれに該当するのかなと思います。交通不便者が安心して移動できるまちづくりを目指しまして、その仕組みづくりと運営をサポートする交通システム、これを導入したいと、こういうふうに考えているところでございます。
○小堤委員 イメージとしては、ワゴンタクシーかなというふうに思っておりますけれども、今度お聞きしたいのは、高齢者対策ということなんですね。例えばこれは国とか都からの補助金がなくても、区はやるということですか。
○遠山土木・交通担当課長 補助金の関係でございますが、国の場合、直接の補助金はないのかなと思ってございますが、環境関連で可能性があると、私ども考えているところでございます。都の補助金につきましては、なかのんを導入した補助金、今年度から福祉保健基盤等区市町村包括補助事業というのがございますので、これに該当すると私どもは考えているところでございます。こちらの補助金を使ってシステム構築を目指していきたいと、このように考えてございます。
○小堤委員 あと、これはいつごろをめどとして進めているのか。そういうスケジュールがあればお答えください。
○遠山土木・交通担当課長 いろいろ詳細な検討はこれからしていきたいと思ってございます。本年度は、基礎調査の一環といたしまして需要調査を行いたいと。そして、来年度までに基本的な計画を固めていきたいなと思ってございます。現段階では、この新交通システムの実施状況をお示しするまでには至ってございません。
○小堤委員 交通不便地域からの区内移動は、何も中野駅周辺に限ったことはありません。なかのんのルートは、本来幹線バス路線として存在すべきルートでしたが、ないために東京都の福祉改革推進事業、これを活用し、実現し、喜ばれています。コミュニティバスは、幅広い意味で使われていますけれども、地域循環バスの性格を持ち、住宅地からよく行くところを円周する交通する手段です。統計によりますと、高齢の外出行動は、一つは商店、スーパーが16%、二つは公共施設が15%、三つは金融機関が13%、四つは病院が11%、そして五つが知人・友人が9%となっており、日常的な移動の範囲は遠距離ではなく、日常的な近距離の移動です。ですから、交通不便地域からの移動については、地域利用者の要望や他の交通機関との接続等を具体的に検討するということが必要です。また、この交通不便地域の解消は、既存バスの路線の延長やルートの変更、これでも解消することができます。
そこでお伺いします。全体的なことですけれども、交通不便地域の解消というのは都市整備部だけではなく、子ども家庭部や保健福祉部などを含めた庁内検討組織、これを立ち上げて区政の大きな課題として取り組むべきと、このように考えておりますが、いかがですか。
○遠山土木・交通担当課長 現在、庁内的には、今委員の御指摘のあったような都市計画分野も含めまして、健康・高齢分野、その他関連分野の実務者を中心にPTを立ち上げまして、これから本格的に検討に進めていきたいというふうに考えてございます。
○小堤委員 次に、なかのんについてお聞きします。
2006年度の利用実績、これを紹介してください。
○遠山土木・交通担当課長 なかのんの2006年度、平成18年度の実績でございますが、利用者は全体といたしまして1年間で19万6,227人でございました。1日当たりにいたしますと538人、1便当たり10.5人という利用がございました。
○小堤委員 この1日平均538人は、当初の調査からすると非常に健闘しているんです。1997年10月のバス需要調査というのがあります。ルートは違いますけれども、20分間隔で365人、30分間隔で255人と予測していたんです。現在の25分間隔ならば310人と、こういうふうに推定されて健闘しているんです。しかし、さらに利用者の増加、これを進めていかなければなりません。バスの延長時間については、地域からも議会からも要望が出されていました。そして、バス会社から始発の見直しは難しいが、終発は検討という報告を受けていました。しかし、1年後の検証する中で、人件費の問題等で困難とのバス会社の判断です。しかし、ここでとどまっていては先に進まないわけです。多くのバス路線というのは、朝夕の通勤・通学時間帯で稼ぎ、昼間の暇の時間帯をカバーし、1日の収益を確保しています。帰宅時間帯は稼ぎどきです。しかし、中野からの終発は18時10分で、同じコミュニティバスの荒川区の21時15分、杉並区の21時、港区の20時、文京区の19時40分、渋谷区の19時、武蔵野市のムーバスは19時と20時40分、これがありますけれども、これに比べても早いんですね。
そこでお伺いいたします。利用者の要望と収益増の見込まれる終発の延長の早期実現、これを強く要望すべきです。そういう姿勢で貫いていくべくだと思いますけれども、いかがですか。
○遠山土木・交通担当課長 増発便につきましては、総括質疑で久保委員にもお答え申し上げました。また、委員からも御紹介いただきましたように、事業者からは人件費の増大につながるということでなかなか難しいというふうな回答を得てございますが、確かに委員のお話のように、始発の通勤・通学といいますか、それから最終便につきましてはかなり混んでいるということもございますので、区といたしましても、これまでもそういった申し入れなり協議をしているところでございますが、そうした集中をする時間についての増便がさまざまな工夫でできないかどうか、今後とも協議をしてまいりたいと思ってございます。
○小堤委員 私がミニバスを走らせる会の皆さんと関東バスに行って懇談したとき、そして、運行25分間隔の短縮を求めたところ、今のままでも22分か23分なら可能と。それ以上は増員が必要と、そういうことだったんです。今でも夕方の中野発は初めから満員のときもあります。そして、25分を縮めてほしいという要望も出ています。また、この議会でも朝夕の時間延長、これが要望されております。そして、警察病院が開院すれば昼間の利用もふえます。ですから、職員の増員でいろんな要望にこたえることができると、こういうこともきちっとバス会社の話し合いの中で、そして今、区としてきちっと補助金を出しているわけですから、こういうときにしっかり伝えると、言うべきだと思うんですけれども、再度お願いします。
○遠山土木・交通担当課長 今のお話も十分理解しているところでございます。これまでもバス事業者と協議をしてまいりましたが、今後とも協議をしてまいりたいと、このように考えてございます。
○小堤委員 それで、平成18年度の1便の平均利用者人数は10.5人で、多い月は11.1人、少ない月は10人と、横ばいなんですね。これは今の運行時間、運行コースでは同じと推定されます。ですから、多くの利用者が望める時間帯の延長とともに、ルートの検討、これをやはりする必要があるというふうに思っております。
そこで伺いたいんですけれども、先ほどもバス利用調査で一番要望のあった上鷺宮地域の内側を回るコース、当時住民からも一番要望があったんです。これだと昼間の利用も期待できます。担当部署として、改めてこういうコースの検討をすべきと思いますが、いかがですか。
○遠山土木・交通担当課長 ルートの変更につきましては、なかのんの運行開始に当たりまして、いろいろ地域からさまざまな御意見があったというふうに承知してございます。なかのんのルート開設から約2年になろうとしてございまして、やっと地域に定着してきたということもございます。しかしながら、地域や交通管理者、それからバス事業者の車両運行上の課題等々もあると承知してございますので、これにつきましては検討してみたいと考えてございます。
○小堤委員 なかのんは現在、東京都の福祉改革推進事業を使っていないということですけれども、戻って確認したいんですけれども、車両の購入費、これは利用したんですか。
○遠山土木・交通担当課長 車両購入費については、都からの補助金に該当いたしてございます。
○小堤委員 それで、行政の運行補助も3年で、あと1年です。運行補助がなくても収支が改善されて、バス運行が継続されるということが望ましいわけですけれども、未定です。しかし、補助がなくなれば廃止では、住民の皆さんの願い、これは得られることはできません。大体要望して30年で実現して、運行して3年で廃止では、これは話にならないわけなんです。
そこでお伺いしたいんですけれども、もし仮に廃止の声が出たとき、あるいは出ていない――今からでもバス事業者には公共交通としての社会的責任があるんです。これを明確に伝えるべきなんです。このスタンスがないと弱いわけなんです。そして、私は費用なら区の新たな補助を含め、継続させる。このことを求めます。先般の答弁で、考えていないということですけれども、何も月125万円でなくてもいいわけです。そこが検討であり、交渉なんです。そういう点でいかがですか。
○遠山土木・交通担当課長 運行助成につきましては、先般、久保委員の御質問にもお答えいたしました。当初3年間、36カ月の運行助成というお約束がございます。次年度の予算にかかわるお話ですので軽々にお話しできませんが、お約束どおり来年の10月までは36カ月の助成というのを全うしたいと考えてございます。警察病院が開院することによって収支も改善されるのかなと、大いに期待されるところでもございます。現在のところは、運行助成についての延長というのは考えてございません。ただ、サービス充実についての中野区として協力できるようなPR等その他につきましてはサポートをしていきたいと、このように考えてございます。
○小堤委員 私は、バス会社には公共交通の社会的責任があると。これはそうなんですよ。全国のバス会社の半分以上は、はっきり言って赤字路線が多いんです。しかし、黒字の幹線道路の収益で克服しているというか、住民の足を確保するということで、簡単に赤字でもなかなか廃線しないという状況があります。そういう状況を説明しながらも、やはりこの路線はなくしてはならない。区の新たな補助を含めて継続に向けてしっかり考えていただく。区の主張の中でも、移動しやすい公共交通を整えるということがあるわけですから、この立場での区の対応をしっかり求めて、この項の質問を終わります。
次に、平和資料展示室の改善・充実についてお聞きします。
利用しやすい展示室についてお聞きします。利用者アンケートにも、「暗いので、初め入りにくかった。」「扇風機ぐらいあるといい。」というのがあります。展示室は、平和の森公園管理事務所1階にあり、こちらの職員2名が展示室の開閉のみを行っており、専任の職員はいず、入場者のカウントも行っていません。私が訪れた9月8日は暑い日でしたが、冷気もなく、ビデオ操作ができずに困っている高齢者がいました。クーラーはあるのですが、入れてなく、ビデオテープや絵本などが持ち出されてもわかりません。開店しているのに店員がいない。そういうお店なんです。
そこで伺います。管理事務所入り口ホールの照明を明るくしたり、ボランティアの配置などによるサービス管理、これを検討した方がいいと思いますけれども、いかがですか。
○小田区民自治推進担当課長 管理事務所入り口の照明につきましては、調査の上可能であれば、明るいワット数のものに変えたいというふうに考えております。また、ボランティアの方の配置などにつきましては、企画展示の期間などに交代で在室することができないか、区内の平和団体の方々などと御相談の上で、そういう配置ができないかを検討していきたいというふうに考えております。
○小堤委員 どうもありがとうございます。ぜひその立場で頑張ってください。
それで、アンケートには「子ども10歳と来ました。このような資料を展示する意味はとても大きいです。また、戦争を風化させないよう行政からも常にずっと働きかけてほしい。あるいは憲法擁護・非核都市の宣言をしている中野区は積極的にこうした平和運動に取り組まれたい。」とあり、期待は大きいのです。しかし、外部評価で「特に」という言葉を使って、「特に平和資料展示室についてはPR不足で設営意義が薄れている」という厳しい指摘があります。初めて訪れた方は、「展示室の見学とあわせて公園で遊んだり森林浴ができる。今度は孫と来てみたい。」こう話していました。この方は、中野に住んで25年になりますけれども、この展示室の存在を知らなかったんです。
そこで伺います。道路から建物を確認しづらく、通りすがりに容易にわかる場所でもありません。区のいろんな紙面やホームページ等での周知、これに努めるべきです。また、イベントのときには建物から垂れ幕などを垂らすなど、工夫をしたらどうでしょうか。
○小田区民自治推進担当課長 直近では、8月5日の中野区報で平和資料室の展示のPRを行っておりますが、今後はホームページなどに記載を充実させまして、区民への周知にさらに努めていきたいというふうに考えてございます。また、企画展示の際には、平和資料展示室の入り口右側のところに立て看板を置きまして、企画展をやっているという御案内をしているところではございますが、道路からやや奥まったところに建物がございますので、沼袋からのバス通りなどにやはり看板などを置きまして、周知の方を図っていきたいというふうに考えております。
○小堤委員 学童疎開の展示がありました。アンケートによりますと、「今、学校で勉強していてとても参考になりました。」「当時のものが実際に見れてよかった。」との小学生の声が多数寄せられていました。小学校として、この平和資料展示室の見学というんですか、そういうものを授業に取り入れているんでしょうか。もしそうであれば、あわせて子どもたちの感想なども紹介していただきたいと思います。
○入野指導室長 区立小学校におきましては、区内めぐりや、それから歴史の学習のために、数校が授業に取り入れているという報告を受けております。今年度は、学校として見学にという計画を立てているところは2校ございます。また、中学校におきましては、私どもがつくっております社会科副読本の中に調べ学習のできる区内の施設の一つとして挙げておりまして、グループ学習や個別研究などで活用している実践があるようでございます。
小学校の子どもたちの感想を幾つか挙げさせていただきます。
「焼けためがねや食器類を見て、今の自分たちは平和なんだなと思った。」「ゲートルを初めて見て、何だろうと思ったけれど、先生に教えてもらってよくわかった。」などの声が挙がったということでございます。
○小堤委員 今、平和を探求する声が非常に高まっています。展示物、イベント企画の充実など、区民の中で話題になり足を運ぶ、そういう展示内容、これにさらに努力していただきたいと思います。
そこでお聞きしたいんですけれども、年次計画作成ということを行います、このときに、区内の平和団体との協議、あるいは住民の意見、こういうものが当然挙がっていると思いますけれども、そういうものが年次の計画策定にどのように反映されているのでしょうか。
○小田区民自治推進担当課長 年次計画の際に、あらかじめ団体の方や区民の方から御意見を取り入れたことはないんですけれども、平成17年のときに、戦後60年平和記念事業という企画を行いまして、区民参加企画の募集をこちらで行いました。その際には、平和団体など7団体の方から御応募ありまして、このうち5事業を採用いたしまして、平成17年度の記念事業の中に取り入れました。○小堤委員 今、策定に当たって、そういう平和団体に呼びかけていないということなんですけれども、そういう展示とかイベントの企画について、やはり区民の中で何が求められているのか。そういうことは平和団体の方がよくわかっていらっしゃるんですよ。ぜひそういう方々の意見を聞く、そういう方法をとっていただきたいと思うんですけれども、いかがですか。
○小田区民自治推進担当課長 平和団体の方々とは、年に数度、懇談会などを設けておりまして、その中で出していただいた意見などにつきましては、私どもの方で検討させていただいてはおります。
○小堤委員 ぜひ平和団体とか住民の方のいろんな意見というものを反映していただきたいと思います。
次にお聞きしたいのは、今の展示室ですね。広さが61.75平方メートルと、20坪ないわけです。非常に狭くて、感想でも、「展示物が思ったよりも少なかった。」「もっと資料を集めればなおよかった。」との声が多くあります。そうした要望にこたえるには、やはり展示スペースの拡張、これが求められています。また、今のままでは、例えば区民の皆さんから資料を収集しても、展示する上で制限があるわけです。
そこで伺います。そもそも平和資料館の建設計画があったわけですけれども、行財政5か年計画で中止されました。改めて建設に向けて検討すべきと思いますが、いかがですか。
○小田区民自治推進担当課長 平和関係の資料を広く区民の方に知っていただくには、拠点施設で展示を行う以外でも、地域施設などを巡回しながら展示して、周知を図っていくという方法もあると考えております。
また、平和への区民意識の浸透にはさまざまな手段があると思っておりますので、必ずしも拠点施設を整備しないと平和への区民意識が浸透していかないというふうには考えてございません。今後もさまざまな方策を検討いたしながら、区民の方への周知を図っていきたいというふうには考えてございます。
○小堤委員 もう一つ、きのう質問があった歴史民俗資料館でしたか、あそこにもこういう平和関係の資料が展示されているんですけれども、こことの関係はどうなんですか。
○小田区民自治推進担当課長 現在のところ、特に連携して資料収集等を行っているということはございません。
○小堤委員 いや、お聞きしたのは、歴史民俗資料館の方でそういう平和の資料なんかが展示されているんですけれども、これと、この平和資料展示室との関係がどうなのかということをお聞きしたんですけれども。
○小田区民自治推進担当課長 一応原則的には、あそこの平和の森の管理事務所に、従前あそこのいろいろな遺跡物が置いてありまして、それが歴史民俗資料館に移転した後に、こちらの平和資料展示室の方を設置させていただいたという経緯がございますが、その後については、申しわけございません、ちょっと承知してございません。
○小堤委員 私の聞き方が悪かったと思います。分室という位置付けはないということで理解すればよろしいですね。どうも課長、ありがとうございました。
続いて、その他について質問いたします。
区役所の展示販売の存続についてというところなんです。実は、現庁舎ができて以来、庁舎2階食堂の横の通路で行われてきました展示販売が9月末で終了いたしました。この経過をお聞かせください。
○合川人事担当課長 展示販売の廃止の経過でございますけれども、区役所内の展示販売につきましては、中野区職員互助会が職員の福利厚生という面から目的に実施をしてきたものでございます。中野区職員互助会は、平成18年度に職員構成や、あるいはニーズに合った事業内容とするための事業の見直しを実施いたしました。この中で、展示販売事業につきましては、現在量販店などで安く物が買えること等により、年々売り上げの減少が見られること、また、職員の勤務時間内での利用ということが不可能であることなどの理由から、平成19年1月の理事会、あるいは3月の評議員会で廃止を決定したものでございます。9月をもって事業を廃止するということで、結論に至ったものでございます。
○小堤委員 今、売り上げか減少しているということを一つの理由に挙げました。しかし、売り上げが減って困るのは業者の方なんですね。その業者の方が、今回の処置に対して20数社、要望書、嘆願書、あるいは展示販売継続のお願いなど、数度にわたって展示販売の継続を区長や職員互助会、こういうところに要望してまいりました。同じく廃止を業者に通知した渋谷区や板橋区は、業者の要望を聞き入れて再開しています。しかし、中野区は閉鎖を一方的に通告するだけで、話は聞くが再考しないという姿勢なんですね。こうしたやり方に、業者の方は強い不満と怒りをあらわにしています。利用されてきた区民の皆さんからは、廃止を望まない、そういう声が出されているんです。中野区は、展示1コーナー、これについて1日2,000円と3,000円なんですね。ところが、文京区は1,000円、板橋区は年間4,500円、足立区は無料などと比べて、高い使用料だったんです。恐らく23区の中でこうした展示販売のない区は中野だけ、そういうふうに思います。そして、この販売コーナーの奥にある東京都の第3建設事務所所有のコーナーは、引き続き営業するというんです。
私は、そこで伺いますけれども、禍根を残したまま閉鎖すべきではありません。ですから、業者の方は繰り返し区との話し合い、特に区長との話し合いを今求めております。今後どう対応されるのか。それをお聞きします。
○冨永用地・管財担当課長 区としてというお尋ねでございます。区といたしましては、ただいま職員互助会が展示事業の廃止を決定したということを受けまして、通路としての機能、あるいは通路としの面積を確保していきたいというふうに考えてございます。
○小堤委員 ちょっと今の答弁はわからなかったんですね。禍根を残して閉鎖すべきではないと言ったんですよ、僕は。禍根を残しているんだから、話し合いをきちっとした方がいいと言っているんです。その点を答えてください。
○冨永用地・管財担当課長 昨年12月、そしてこの2月等については、展示事業者の皆さんに一定の説明をして、理解をしていただいているところだというふうに認識しているところでございますけれども。禍根を残すということについては、通路を確保するということを優先に考えてまいりたいというふうに思っておりますし、行政財産そのものは、行政の目的に沿った形での使用ということでございますので、行政財産の本来の目的に戻したいということでございます。
○小堤委員 ちょっとよくお伺いしていることがわからないんですけれども、そうした同じ互助会事業として行ってきた食堂、コーヒーショップ、売店、これは終了して、今度は庁舎管理として新しい運営業者で再開するということです。今までは職員互助会に行政財産使用許可を行っていたために、使用料というのは免除していたんですね。ただ、この展示販売については、展示業者には職員互助会に販売手数料として、平成18年度、ここでは年間88万7,000円払っています。庁舎管理後は、行政財産使用料条例に基づいて新たな使用料を徴収し、区の収入になっていくわけなんです。区は今回の運営業者募集の趣旨に、「区役所へ来庁された区民等に食事・飲食等のサービスを提供し、また、必要な物品を販売することにより、区役所の快適な環境の実現と、区民の利便性の向上を趣旨とする。」と述べているんです。そういう効果があるんですよ。このことは展示販売にも当てはまるわけで、中止の理由には正当性がないわけです。このことが解消されないから、業者の皆さんが怒り心頭で心がおさまらないということになっているんです。ですから、私は強くこの展示販売の再開を求めますが、いかがですか。
○冨永用地・管財担当課長 先ほど人事担当課長も御答弁申し上げましたように、展示販売で取り扱っている商品につきましては、現在の市場状況から見れば、必ずしも区役所の庁舎の中になくても区民の利便性は確保できるものと考えております。したがいまして、御意見ではございますけれども、展示販売を再開する考えはございません。
○小堤委員 非常に残念な答弁なんですね。現庁舎ができて以来、展示販売してきました。もちろん、賃貸関係ではないという側面は理解しているんです。しかし、長年この方々があそこで営業して、職員並びに区民の利便性にこたえてきたということがあって、業者の皆さんは再開を引き続き要望しているんです。そして、奥の方の第三建設事務所の方は引き続き行うんですよ。ぜひ再開、この検討を強く求めて、私のすべての質問をここで終わります。どうもありがとうございました。
○吉原委員長 以上で小堤勇委員の総括質疑を終了いたします。
3時休憩をとります。再開時刻は3時30分といたします。
午後3時08分休憩
午後3時29分開議
○吉原委員長 委員会を再開します。
休憩前に引き続き、総括質疑を行います。酒井たくや委員、お願いします。酒井たくや委員。
○酒井委員 よろしくお願いします。3年ぶりの総括質疑で、ここの独特の雰囲気に大変緊張しております。手がびちょびちょでどうしようかな、70分大丈夫かななんて思っておりますが、民主クラブの立場から元気に質問をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
質問は、通告どおり、まず学校再編について。そして2番目に東中野駅周辺のまちづくりについて。そして3点目に組織と人事について。 そして4番目の地域活動支援は、事情により割愛させていただきます。担当課長さん、申しわけございません。そして5番目の未収金対策が4番目となりまして、その他はございません。よろしくお願いします。
まずは、学校再編についてお尋ねいたします。
中野区では、よりよい教育環境を目指して、平成17年度に学校再編計画を策定されました。今まさに前期の計画が進められているわけでありますが、まずは学校再編の現在の進行状況を簡単に教えてください。
○青山教育改革担当課長 学校再編につきましてでございますが、中野区立小中学校再編計画に基づきまして、前期5カ年の学校再編は順調に進んでおります。具体的には、平成20年4月に統合予定の第六中学校、第十一中学校及び桃園第三小学校、仲町小学校、桃丘小学校につきましては、本年区議会第2回定例会におきまして、それぞれ統合新校として緑野中学校及び桃花小学校の設置の議決をいただいており、学校統合委員会での協議も最終段階に至っております。平成21年4月統合予定の第一中学校、中野富士見中学校及び中野昭和小学校、東中野小学校につきましては、今年度当初に学校統合委員会を立ち上げまして、統合新校の校名等について御協議いただいている段階でございます。また、新校校舎の改築を予定しております野方小学校、沼袋小学校の統合につきましても、学校統合委員会を立ち上げるなど、再編に向けての準備を進めております。
○酒井委員 ありがとうございます。私の地元地域の東中野小学校も、全学年が単学級で、今年度入学された生徒さんは19名だったんでしょうか、全校生徒数142名で、第2次ベビーブームの私なんかは本当に寂しい状況だななんて思うんですけれども、私も子どもたちは一定規模のクラスの中で、クラスがえをしながら社会生活を集団活動を通じて学んでいくということは必要なことだと思っております。学校再編の計画の基本的な考え、ねらいも、こういったところと同じなんだろうと思うんですけれども、そのあたりを次に教えてください。
○青山教育改革担当課長 今、委員のお話にありましたように、教育委員会では、子どもたちによりよい教育環境を提供するとともに、学校教育の充実を目指すという教育的視点を基本に、集団教育のよさを生かした教育を進めるため、学校再編に取り組んでおります。具体的には、再編によって一定の集団規模や学級数が確保されることにより、多様な子ども同士の触れ合いを通した社会性やコミュニケーション能力の育成、学校行事や集団活動の活性化、教職員数の確保による教育の充実などの効果をねらっております。
○酒井委員 ありがとうございます。
学校再編について、地元の東中野小学校に目を向け、何点か質疑をさせていただきたいと思います。
東中野小学校は平成21年度より中野昭和小学校と統合され、統合新校は上高田にある中野昭和小学校の位置に置くとされております。東中野小学校は、昔、この東中野地域が子どもがふえ過ぎて、昭和小学校の分校として昭和31年に、そして、昭和32年に東中野小学校として開校されました。先日も、開校50周年式典に区長はじめ議長も参加していただきました。本当にありがとうございます。そして、東中野小学校に通っていた東中野地域の子どもたちが統合新校に通う場合、早稲田通りと拡幅された環6の山手通り、2本の幹線道路を横断していかなければならないと。そして、距離も長く、低学年の足では40分から50分ぐらいかかるんじゃないかと、そういった質疑も各委員から本会議でも出たと思うんですけれども、そこでお尋ねしていきたいんですが、平成18年度の「主要施策の成果」別冊の「教育改革の施策目標」の中に、1、学校再編が順調に進み、適正な規模の学校に通う児童生徒の割合が着実にふえているというのが長期の生活指標にあります。これは、実は、昭和小学校に位置する統合新校に通うより、東中野の子どもたちは区境の新宿区の落合第二小学校に通う方がはるかに近いんですね。幹線道路も早稲田通りを横断するだけで済み、区域外就学をされている児童がここ2年ふえております。
そこでお聞きしたいんですけれども、この区域外就学、本来ならば東中野小学校に行く子どもたちが新宿の落合第二小学校に行っている、そういった状況というのはどのように把握されておりますでしょうか。
○寺嶋学校教育担当課長 お答えいたします。
どのように把握しているかというお尋ねでございます。区域外就学の場合には、他区の小学校に就学させたい場合には、例えば、お尋ねのような場合であれば新宿区の教育委員会の承諾が要るということになりますが、その新宿区の教育委員会の方でそういった申請があった場合には中野区の方に協議書というのが来ます。それによって把握することができます。ちなみに、19年度は7人、18年度は1人でございました。
○酒井委員 区域外就学のルールを先ほど述べられたと思うんですけど、もう一度ちょっと簡略化してお願いします。
○寺嶋学校教育担当課長 区域外就学と申しますのは、本来中野区に就学すべきお子様について、何らかの特別な事情によって他区に就学するということです。その場合には、そのお子様の保護者が、行きたい、例えば、新宿区の教育委員会の方にお出かけになり、そこで申請をされる。新宿区の方でそれが妥当であるというようなことで認められれば区域外就学をすると、こういったような手続になります。
○酒井委員 受け入れる際に妥当な条件というのがあったと思うんですけれども、それはどういった理由になるんでしょうか。
○寺嶋学校教育担当課長 この場合の条件といいますのは各区ごとの判断ということになっているかと思います。ただ、新宿から中野の方に協議が参ります。その協議書の内容から推測いたしますと、交友関係とか通学上の安全なども含めて、個々の事情によって承諾をしているように見受けられます。
○酒井委員 新宿区さんは交友関係だとか通学路の安全・安心だとか、そして、中野から受け入れる場合でしたら、例えば、ただ近いからという形では受け入れることはできるんですか。
○寺嶋学校教育担当課長 区域外就学と申しますのはあくまでも例外的な処理ということでございます。中野区の場合は、御指摘のように、単に通学距離が短いというだけでは承諾してございません。お子様の交友関係などで特段に配慮すべき事情がある場合とかです。既にお兄さんとかお姉さんが通われているなどの場合、教育上特に配慮が必要な場合に中野区では認めているところでございます。
○酒井委員 ありがとうございます。
ただ近いだけだという理由であるならばなかなか難しいと。そういった子どもの交友関係、保育園から一緒だとか、そういったところであれば大丈夫だということだと思うんですが、今年度も相談というのは来ておりますでしょうか。
○寺嶋学校教育担当課長 先ほど申し上げましたとおり、昨年度になりましょうか、年度の初めについては7人ということでございましたが、それから以降、今年度については特にそういったケースはございません。
○酒井委員 他区からの受付は2月からになると思うので、まだ来ないのかなとは思うんですけれども、今、現状、昨年が1名、今年度が7名ということで、中野の子どもたちが新宿区の落合第二小学校に通っていると、お世話になっていると。しかし、東中野小学校の真隣に落合ハイムという大きなマンションがあるんです。これは東中野小学校の真隣なんですけれども、実は新宿区なんですね。早稲田通りより南側にもかかわらず新宿区の大きなマンションがあるんですけれども、そこの子どもたちが東中野小学校に通いたいとなっても、そういった区域外就学の中野区の条件は、人間関係と交友関係は認めるが、ただ近いからという理由では区域外を認めていないと。それにより、過去、新宿の落合ハイムの方から中野に行きたいという子どもたちが受け入れていただけなかったという経緯もあるんですね。それを聞いたことが私はありまして、そして、本来中野に通うべき子どもたちが新宿の学校に流出していると。しかし、中野は、以前、新宿区からの受け入れを近いだけではなかなかできない。もちろん一定のルールは必要であることは私どもは理解しておりますが、先ほど挙げさせていただきました平成18年度の「主要施策の成果」の別冊の中の「教育改革の施策目標」、適正な規模の学校に通う児童生徒の割合が着実にふえているとは裏腹に、他区に流出することは憂うべきであり、こういった事態を改善していかなければいけないと私は思っております。統合新校は親御さんにとっても子どもたちにとっても通いたい、通わせたいとなるような、そういう魅力ある学校。安全・安心はもちろんで、そういうことを進めていかなければならないと思います。こういった事態をどう考えて、また、対策はなかなか難しいとは思うんですけれども、お聞かせください。
○寺嶋学校教育担当課長 区域外就学ということは例外的な取り扱いでございます。それをどうするかというのは、各区の教育委員会がそれぞれの基準に基づいて判断するということになろうかと思います。御指摘のような点について、区域外就学の観点から対策を直ちに考えるのは難しいかなというふうに考えております。
○酒井委員 区域外就学の点からは難しいと思うんですけれども、先ほど、その形式があったといいますか、やっぱり、中野の学校は、新しい統合新校がいい学校であったら、例えば行くわけだと思うんですよ。もしくは、新宿区の方から協議書が来ますよね、どういった理由で区域外通学をされたという。それを例えば分析するだとか、もうちょっと詳しくお答えいただきたいなと。
○寺嶋学校教育担当課長 おっしゃるとおり、区域外就学を希望される保護者の方の全部ではありませんが、中には事前に中野区の教育委員会の方に御相談に来られる場合がございます。そうした場合には、区域外就学の制度的なことをお話ししたりとか、例外的な処理であって、認めるのは新宿かもしれませんけれども、そういったような難しさをお話ししています。それから、内容ですよね。どのような理由かということで、やはり交友関係などの理由が主なものでございますが、そういったお話を聞きながら、基本的には制度的な説明をさせていただいているところです。先ほども申し上げましたとおり、なかなかこの区域外就学のところでやるというのは難しいので、魅力ある学校づくりの視点からのアプローチも必要かなというふうには感じてございます。
○酒井委員 ありがとうございます。
大体が距離だとか交友関係だと思うんですけれども、例えば、隣接区に行った場合に、こういう隣接区には魅力のある学校があるんだとか、そういう理由もあれば例えば参考になっていくんだと思うので、そういったところ、ぜひともよろしくお願いしたいと思います。ありがとうございます。
先ほど、魅力的な統合新校の構築、そして、通学路の安全・安心について述べさせていただきました。まずは、この通学路の問題について、お聞かせいただきたいと思います。
実は、区長が統合新校まで東中野小学校から歩いてくださったそうで、これは内川議員も本会議場で質問されました。本当にお忙しい中、地元の皆さんが心配されていることを身をもって実践されたことに本当に感謝を申し上げますが、本会議場の答弁で、たしか1.7キロをゆっくり30分ほどかけて歩いてくださったとお聞きしまして、感想は、歩けるかなというふうなことだったと思うんですけれども、例えば、小学1年生の足だとか、雨のときだとか、もうちょっと、――やっぱり、区長はホノルルマラソンを完走されておるので、歩こうと思えば幾らでも歩けると思うんですよ。そうじゃなく、子どもの観点に立った感想もちょっと入れていただいて、お答えいただきたいと思います。
○田中区長 歩ける距離だというのは確かに正直なところでして、東中野小学校ですと、今の東中野小学校の学区域で、上野原の区域も東中野小学校の学区域なんですね。それで、そこから東中野小学校までの直線距離と、東中野小学校から今の中野昭和小学校までの直線距離と、比べるとほとんど変わらないんです。今も上野原の人たちは環6を渡って東中野小学校まで通うというコースになっているわけでして、今、そこのお子さんが何人ぐらい東中野小にいるのか私は知りませんけれども、学区としてはそういうふうに設定されていて、そういうお子さんもいらっしゃったんだろうと思うんです。そういう意味で、距離として歩けない距離ではないということ自体は、私はそうだろうというふうに思っています。歩いた実感としては、確かに遠いのは遠いと思いますけれども、特に私が足が達者ということではなくて、多少歩けても、暑がりですから夏はつらいですから、特に私だから大丈夫ということではなくて、あの距離はそんなに――何というんでしょうか、お子さんが元気にあの距離を歩いて通学していただくことで、本当に元気になってもらえるなというぐらいの距離であろうというふうには思っているんです。ただ、おっしゃったように、1年生でも体格の随分小さいお子さんがいたりとか、多少障害のあるお子さんがいたりとか、そういうようなこともありますので、そういう意味では、そういうお子さんたちにとってはちょっと大変ではあるかなというような印象は持ちました。そういう中でも、本当に歩いていただいて、できる距離なのではないかとは思います。ただ、信号を、幹線道路を二つ渡るだとか、40メートル環6になったときの信号というのは、やっぱりきちんと指導して、その信号の渡り方ですとか、そういったような身につけていただくというようなことを配慮する必要もあるのかなというようなことで、どういうふうに配慮をしていくかということをこれから検討していくべきなのかなというふうに思ったところです。
○酒井委員 非常に丁寧にありがとうございます。
実は、私は淡路島の生まれで田舎でありますので、学校も非常に遠いところにあるわけで、田舎の子どもたちは何キロ、野を駆けて山を越えて学校に通うのに比べると、やっぱり都会の方では恵まれている環境はあるかもしれない。区長が先ほど述べられたような点は、私も思うところはあります。ただ、交通量が非常に多い幹線道路を横断する等、都会には都会の危険があるわけで、あるんだろうと思っております。そこで、地元ではさまざまな子どもたちの通学路の安全・安心の支援の話がおります。そういった支援についてのお考え、担当課長さん、お願いいたします。
○青山教育改革担当課長 通学の安全確保につきましては、御指摘のようなさまざまな条件を考慮しつつ、安全な通学路の指定ですとか通学方法のあり方について、関係機関との調整を図りながら、今後検討していくという予定でおります。
○酒井委員 中野の子どもたち、体力低下が叫ばれている中で、安全・安心をしっかり、行政、教育委員会、そして我々地域の大人が守ってあげて、そういった中で通学できる環境というのは大変に大事なんだろうなと、私も思っております。区長が歩いてくださって、また、時間があればお願いしたいと思うんですけれども、それは中々お忙しい中厳しいだろうと思うんです。そして、区長が統合新校の位置まで歩いてくださったとき、担当課長さん、それから、主査の方も歩いてくださったんでしょうかね。それから、PTAのお母さんの方や地域の方々も歩いてくださったんだと思います。そのとき出た意見で何かございましたら教えていただけますでしょうか。
○青山教育改革担当課長 先日、通学路、保護者の方ですとか、あるいは、児童の方、地域の方と一緒に歩かせていただいたわけでございますが、その際に、保護者の方からは、通勤・通学の時間帯は歩道に歩行者が多いということですとか、あるいは、今後、日が短い季節になった場合に、下校が不安であるということですとか、あるいは、東中野地域から現在より近く安全に通える道を通学路に指定してもらいたいといったような御意見が出されております。
○酒井委員 さまざま意見が出たそうで、そういった意見は大切なんだろうなと思うんですが、私は、何よりも、子どもの目線になって通学路の安全に取り組んでいただきたいと思っております。
そこで、これをちょっと出させていただきたいんですが、これはチャイルドビジョンというんですけれども、御説明させていただきますと、皆さん御存じの方はいらっしゃるかと思うんですが、スウェーデンのサンデルスの研究によると、幼児~6歳児の平均水平視野は90度程度だそうなんですね。垂直視野の平均は70度と報告されています。すなわち、大人より水平方向は60度視野が狭い。垂直方向は大人より50度視野が狭いと言われているそうです。ちょっとこういった観点も必要だろうと思っておりまして、委員長、かけさせていただいてよろしいでしょうか。
○吉原委員長 どうぞ。
○酒井委員 これをかけてみますと視野が狭くなるんだろうと私は思っておったんですが、大変な緊張感の中、青山課長しか見えず、視野が本当に狭くなったのか、もう一度ちょっと改めまして、かけさせていただきます。
かけるとやっぱり、今ですとのづ委員、奥田委員は見えるんですけど、かけるとやっぱり見えなくなってしまう。高さも大分見えなくなってしまうところがあるんですね。やっぱり、こういった観点は必要だろうと私は思っております。
それからまた、三重県の鈴鹿市の小学校をモデルに行われている研究で、小学1年生では何が危険かわかっていないと、そういう子どもが多いと。それで、学年が上がるにつれて危険に対する理解能力は高まると。例えば、横断歩道を渡っているとき、高学年の子どもは左折してくる車が危ないと答えたのに対し、低学年の子どもは赤信号でとまっている車が怖いと答えたそうなんです。状況に応じた判断というより、近いもの、大きいものを怖いと判断するだとか、そういった話もあるそうです。統合新校への通学路の安全・安心に取り組む中、まさにこういった視点も取り入れていただいて、取り組んでいただきたいなと思っております。
それからまた、ランドセルにしても、大人は軽いだろうと思っても、子どもは大変な重さだと思いますし、そういうことをぜひとも参考にしていただきたいと思います。そして、せっかく区長が歩いてくださったのに、せめて交差点のところでこういうものをかけていただくだとかをしていただきたかったなと私は思うんですけれども、今までこのようなことを取り入れて通学路の検証をなされたのか、そしてまた、今後はどのように取り組んでいただけるのか、お答えください。
○青山教育改革担当課長 今御紹介がありましたチャイルドビジョンにつきましては、通学路の検証に使ったということは今まではございません。
それで、先ほどお話ししました、先日、保護者の方、児童の方と一緒に通学路の実歩をしました、その後に、お一人の保護者の方から、今、委員が御紹介されたものと同じものを手渡されまして、今度はそれを使って検証してもらいたいというお話がございました。そういったものも使いまして、また、先ほどお話ししたように、今後、日が短くなったときの下校時間なども私は検証してみようと思っていますので、特に低学年の児童の視点に立った検証をやってまいりたいというふうに思っております。
○酒井委員 ありがとうございます。
それから、一つ変わりまして、中学校と小学校の統合委員会では随分と違う意見が出るそうでありますが、そのあたりをちょっと教えてください。
○青山教育改革担当課長 今お尋ねの御質問に関して、例えば、今年度設置いたしました第一中学、中野富士見中学、それから、中野昭和小学校、東中野小学校との比較でお話しいたしますと、中学校の学校統合委員会におきましては、主に、統合新校の標準服についての御意見ですとか、あるいは、部活動の充実、それから、特色ある学校づくりなど、統合新校をいかに魅力的なものにしていくかといった意見が出されております。一方で、小学校の統合委員会におきましては、先ほどからお話に出ておりますように、通学路の安全対策ですとか、あるいは、通学区域の変更等についての意見が主に出されております。
○酒井委員 中学校では部活の充実や特色ある学校、すなわち、魅力ある統合新校づくりの話が出て、小学校では通学路の安全・安心が主に出るというお話だったと思うんですが、このように違いが出てくるのは理解することができるんですが、一方で、我々地元地域では、最近、この通学路の安全・安心ばかりの話が出て、本来議論しなければならない魅力ある統合新校についてのちょっとされていないような心配が私の中であるんです。やはり、統合新校に、先ほど来述べさせていただいておりますが、親御さんも通いたい、通わせたいとなるような、そういう統合新校を築いていく、そのためにどうするかをしっかり統合委員会で議論していただくと。私は、施設の再編、また、新しい施設ができるときは、区民の皆さんにとって夢と希望を持てるような施設をつくっていかなければならないと思います。そういった中で、統合委員会でも担当課長が旗を振って、いかに魅力ある統合新校をつくるかを議論できるよう取り組んでいただきたいと思っておりますが、いかがでしょうか。
○青山教育改革担当課長 先ほどお話し申し上げましたとおり、小学校の保護者の方にとりましては、やはり、児童の安全な通学ということが大きな関心事ということでございまして、中野昭和小学校、東中野小学校の統合委員会におきましても、統合新校の校名などとともに、まず、通学の安全対策を検討することが求められております。しかし、もちろん統合新校を魅力的なものにしていくということも非常に重要なことでございますので、施設などのハード面に加えまして、新校のあり方についても、今後、学校統合委員会で協議してまいりたいと思っております。
○酒井委員 わかりました。その安全・安心を早急に保障してあげて、それで、今後の統合新校の魅力ある形を議論できるような形に進めていただきたいと思います。
そして、地域の方々を巻き込んでいって、地域、教育委員会、保護者が子どもたちのために一緒に魅力ある学校づくりに進んでいくのが必要であると私は考えております。そのような取り組みはお考えでしょうか。
○青山教育改革担当課長 先ほどお話ししました学校統合委員会といいますのが、地域の方々、それから、保護者の方々、学校関係者の方々、それから、乳幼児の保護者の方、公簿で募集した保護者の方、こういった方から構成されております。そういった皆さんのお知恵をかりながら、魅力ある学校づくりについて協議を行ってまいりたいというふうに思っております。具体的には、例えば、新校に望むことというようなテーマで、地域にお住まいの児童ですとか、その保護者、それから、地域の方々、これから小学校へ入学する幼児の保護者の方々にアンケートを行って、幅広く御意見を伺って、統合新校のあり方を検討する材料としていく、そういったようなことが考えられます。
○酒井委員 例えば、通学路が遠いから、心配だから、統合新校ではなく区域外通学をする児童がもう今何人か出ていると。しかし、小学校から私立にいる子どもたちもたくさんいるわけで、1年生のときから満員電車に揺られて何時間かかけて通学すると。さまざまもちろん家庭の教育方針等あるんだと思うんですが、その先にあるのは、やはり、魅力ある私立高校、その私立高校に通わせたいんだというのがあるからだと思うんですね。すなわち、統合新校が魅力的であるならばその学校に通うはずで、何度も申し上げますが、通いたい、通わせたいとなる、そんな統合新校、そういった学校づくりにかける教育委員会の意気込みといいましょうか、思い、そして、どのような学校を思い描かれているのか、これもお答えいただけますでしょうか。
○青山教育改革担当課長 まず、統合新校に関するさまざまなことにつきましては、児童の安心・安全ということは基本として押さえなければいけないことだと思っておりまして、そのことから検討を始めているところでございます。しかし、統合新校が魅力ある学校になるように、地域ですとか保護者の方、学校関係者の方の御意見を伺いながら、中野昭和小学校と東中野小学校が長年築き上げてきた歴史を踏まえ、両校の特徴を生かした教育課程の策定などに学校が取り組めるよう、最大限の支援をしてまいりたいというふうに思っております。
また、平成21年の統合時だけではなく、統合後も末永く地域のお子さん方が通いたい、保護者の皆さんがお子さんを通わせたいと思っていただけるような、地域の核となるような学校にしていきたいというふうに思っております。
○酒井委員 ありがとうございます。
やはり、そういった歴史・伝統というのは、卒業した皆さんというのはそういったものを残していっていただきたいと思うんですね。そして、その二つの特徴を合わせて、そしてまた新しいものをつくっていくということは、私も大変にすばらしいことだと思います。しっかり取り組んでいただきたいと思います。
そして、非常に統合新校の話ばかりさせていただきましたが、最後に、公立離れが今叫ばれております。都内は私立の学校が非常に人気であり、中野も小学校から中学校に上がるときは、たしか3割か4割は私立の方に行くと。そういった中、公立学校全体の魅力のアップをやっていかなければならない。中野の学校で十分な教育が受けられるんだ、いじめもないんだ、中野の学校は魅力的なんだよという、全体の質の向上、魅力を出していくと。やっぱり、教育委員会が夢と情熱を持って、僕は取り組んでいただきたいと思っておるんですが、これは大変に大きな課題であると思いますが、最後に見解をお聞かせください。
○入野指導室長 公立学校の最大の特色は、中野区という地域と密接にかかわって、地域に密着した学校教育を行っているということだというふうにとらえております。その利点を生かして、すべての区立学校が子どもたち一人ひとりに確実に学力と規範意識を身につけた豊かな人間性を、そして、その基本となる体力と健康をしっかりと身につけさせて、次代の中野を担う子どもたちを育成していくことができるように、地域、家庭と協働して、各学校が信頼される学校づくりを進めていくことが重要であるというふうに考えております。そのために、教育委員会としましては、今後も選ばれる中野区の区立学校を目指して、環境、学習内容、それから、教育内容を含め、支援・指導を続けてまいりたいと思います。
○酒井委員 ありがとうございます。以上で学校再編については質疑を終了させていただきます。本当に公立離れが叫ばれている中、教育委員会の皆様にはしっかりと取り組んでいただきたいことを要望し、終了させていただきます。
次に、東中野駅周辺のまちづくりについてお尋ねいたします。
この東中野駅の西口の方は、都営地下鉄大江戸線の開通を皮切りに、山手通りの拡幅整備や、それから、ことしの12月に首都高速中央環状新宿線も開通されると。そして、今後区が取り組まれる駅前西口広場の整備等、新しい中野の玄関口として東中野が大きく生まれ変わろうとしております。これは本会議場でいでい議員も触れられましたが、そこで、まず、東中野駅周辺のまちづくりについてお尋ねいたしますが、決算説明書の353ページに、都市整備費に、東中野駅周辺まちづくり調査業務委託費が871万円余、そして、東中野のまちづくり協働化等指導援助業務委託費が252万円、それから、東中野西口自由通路調査設計費298万円余が計上されております。それぞれの内容と、その調査を受けての見解をまずお聞かせください。
○上村中部地域まちづくり担当課長 お答えいたします。
東中野まちづくりに関する調査委託等についての御質問でございます。一つ目の、東中野駅周辺まちづくり調査業務委託は、東中野駅周辺のまちづくりを進めるに当たり、地区の現状や特性、地域住民の意向等について調査を行ったものでございます。二つ目の東中野のまちづくり協働化等指導援助業務委託は、東中野駅前広場整備事業と連携した隣接した街区の再整備事業を誘導するため、権利者との勉強会に専門的指導・助言を行ったものでございます。三つ目の東中野西口自由通路調査設計委託は、JR軌道の上空活用を目指し、現地の調査や事業計画案の作成をJRと共同で行ったものでございます。今後、これらの基礎調査結果等を資料といたしまして、進行中の公共施設整備等を視野に、まちづくりの課題や望ましい方向性を検討し、東中野周辺のまちづくりの将来像を描いていきたいと考えてございます。
○酒井委員 ありがとうございます。
そこで、東中野駅の西口駅前広場と山手通りの拡幅整備、それからまた、駅周辺に関連したさまざまな問題点をお尋ねしたいと思います。
駅前西側の東中野三丁目地域なんですけれども、そこが、山手通りの工事に伴って、山手通りの部分が上がってしまい、非常に勾配ができていると。そして、そこの駅前から明大中野の中学校を通って、もみじ山通りの方に抜ける桜山通りというんですけれども、そこが非常に勾配がきつくなっているんですね。朝夕の通勤時間帯のみならず、その道路は1日約1万人の歩行者が行き交う道路で、大変歩行者の多い道路であります。もちろん、その道路、駅前でも歩行者が非常に多いので、車いすの方が通ることもあるでしょうし、高齢者、乳幼児を連れた親御さんを通行されることだと思います。支障を来す可能性もあるんではないかと。地元地域からも、この桜山通りの勾配についての心配される声が上がっているそうです。拡幅前の勾配と現在の勾配がどれくらいになっているのか、お聞かせさせていただけますでしょうか。
○登都市計画担当課長 桜山通りと山手通りの接点の勾配でございます。拡幅前は11.7%の勾配がありました。拡幅後、現在は9.4%の勾配でございます。
○酒井委員 拡幅前が11.7%できついということですかね。それで、拡幅後は9.4で緩くなったということですか。
○登都市計画担当課長 勾配については御指摘のとおりでございます。ただ、拡幅前と比べますと、拡幅後は、勾配を持っている区間の長さが長くなっているということでございます。したがいまして、感覚としては勾配がきつくなったという感覚もあるというふうに思います。
○酒井委員 感覚としてその勾配がきつくなったんだろうと。交通バリアフリー法に基づく基準では、歩道等の縦断勾配は5%以下のものとすると。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は8%以下にすることができるんだったと思うんですけれども、そういった意味で、この駅前の大変歩行者が多い道路というのは、もう少し見直していく必要があるのか。それとも、以前よりかは少なくなっているので、地元地域との話し合いもあるかと思うんですけれども、現在はどのようにお考えなのか、お聞かせさせていただけますでしょうか。
○登都市計画担当課長 事業者で、首都高の方とは、勾配が8%以下となるように調整をしようということで、今、検討しているところでございます。
○酒井委員 ありがとうございます。
また、なかなか地形の問題等々、勾配を緩めることによってお店が埋まってしまうだとか、そんな心配もあるんだろうと思うんですけれども、しっかりと話し合っていただきたいと思います。
一方で、地元でこの桜山通りの勾配が大変話題になっているんですけれども、東中野駅西口から早稲田通りへ抜ける銀座通りの方が歩行者が1日約5,000人も多く、そちらの方の勾配も気になるところであります。実際に目視すると桜山通りほどではないので、大丈夫なんだろうと思うんですけれども、東中野駅西口駅前が歩きやすく整備されることが必要であり、この銀座通りの勾配について、現状をどう把握しておるのか。それから、また、取り組みを教えてください。
○登都市計画担当課長 現在、銀座通りにつきましては、計画書は9.7%の勾配ということになっております。したがいまして、かなりあるということから、我々としても8%以下となるようにこれから調整をしようというふうに思っております。地元住民と首都高を交えまして、近々に話し合いを行うという予定になっております。
○酒井委員 ありがとうございます。山手通りが拡幅整備されて、今後、駅前の西口広場等が整備された場合、たくさんの人がより行き交ってくるんだと思うんです。大江戸線もどんどん乗降客が微増だと。JRの東中野駅もそういった状態だと思いますので、そういったところもしっかり調整していただきたいと思います。
次に、駅前西口広場についてでありますが、この駅前広場については区と地域の皆さんと協議の場が設けられたとお聞きしておりますが、どういった内容だったんでしょうか。
○登都市計画担当課長 地元といいますか、町会、自治会、商店会等々の方、あるいは、近隣住民の方と、東中野駅前広場検討委員会というのを設置いたしました。これは平成15年の12月から平成16年の5月の約半年間でございます。そこで検討を行ったということでございます。主な議論としましては、歩行者中心の駅前広場機能というのと、もう一方で、交通結節点という機能もございます。その機能をいかにうまく整合させるかということについて、中心的議論がなされたというふうに聞いております。
○酒井委員 この駅前西口広場の完成予定というんですか、それは何年度としておるんでしょうか。
○登都市計画担当課長 整備の予定としましては平成23年度ということでございます。
○酒井委員 そして、その協議の内容が、駅前広場のロータリーには公共交通機関であるバスとタクシーのみが変えるように検討されたとお聞きしておりますが、その認識でよろしいでしょうか。
○登都市計画担当課長 検討委員会のまとめでは、歩行者空間を最大限確保したいということから、公共交通機関ではバス・タクシーのみを広場内に入れると、そういうことで取りまとめたということでございます。
○酒井委員 ありがとうございます。どうしてそのような結果になったのかなと思いまして、JR東中野駅は1日約7万8,000人の乗降客が利用されており、その中で西口が圧倒的に乗降客が多いと。大江戸線は1日約2万3,000人と。この駅前広場の前には山手通りも走っており、さまざまな方がこの東中野駅にアクセスされるんだろうと思うんです。障害のある方が車で来た場合、また、乳幼児やお年寄りが車で送っていただいた場合に、駅前広場があるにもかかわらず山手通りで車をおりて横断歩道を渡って、駅を利用しなければならないというふうになるんだと思うんです。大雨の日はどうするんだとか、さまざま想定して考えていかなければならないと思います。平成15年から16年にかけて地元で協議されたそうでありますが、平成23年にできるものをなかなか思い描くことができない状況下で、出した答えを尊重するのではなく、駅前広場の、先ほど課長も述べられましたが、交通結節点機能を高めていかなければならないと。近隣住民の皆さんがより使いやすい東中野駅となり、そして、まちの活性化につながるようにしていくには、こういったことも柔軟性を持って検討していかなければならないと思いますが、いかがでしょうか。
○登都市計画担当課長 今後、駅前広場の実施設計等を行うわけでございますけれども、さまざまな意見が地元でも今はございます。そういった御意見、あるいは、関係機関との調整を図りながら、また、交通結節点というような重要な機能がございます。そういった観点から、一般車の乗り入れも含めまして、再度検討を行っていきたいと思っております。
○酒井委員 ありがとうございます。
次に、駅舎と駅前広場をつなぐ線路上空活用についてお尋ねしたいと思いますが、駅舎と駅前広場の間に人口地盤を張って自由通路を設け、駅舎から今後できるであろう駅前広場にまっすぐできるようにしなければ、駅の利便性、安全性が高まることはないんだろうと私は考えております。そして、そうでなければ駅周辺の活性化にもつながっていけないと。現在、JRとどのような協議を進められているのか。また、整備のスケジュールも教えてください。
○登都市計画担当課長 東中野駅の駅舎と駅前広場をつなぐ場所でございます。線路上空ということでございます。そこに人工地盤を張ることによって、駅舎から広場、それから山手通りとスムーズに動くことができるということから、まちの活性化、利便性を考える意味で極めて重要なものというふうに考えております。JRと昨年度、18年度でございますけれども、どのくらいの規模、どのくらいの経費がかかるかということで協議をしてまいりました。現時点では、経費負担の関係でJRといろいろ交渉しているというものでございます。
○酒井委員 スケジュールで、例えば何年、何年、何年というのはいつぐらいに――この駅前広場ができて、人工地盤が妥当かというのはまだ決まっていないんですか。
○登都市計画担当課長 工事の関係上、駅前広場と、今言いました線路上空の人工地盤でございますけれども、これはほぼ同時に工事をするということで、したがいまして、完成は23年度を予定しております。
○酒井委員 この人工地盤の設置に関して、中野区の負担が15億円だとか、変なうわさを私は耳にしたことがあるんです。現在、区として、こういったうわさが先行していくと、なかなか話もまとまらないような感じが私はするんですけれども、区としてこの人工地盤の設置に関してどれくらいの経費を考えて――お答えできないかもわかりませんけれども、もしお答えできるのでありましたら、お願いいたします。
○登都市計画担当課長 15億円だというのは、私も初耳でございます。中野区からもJRからも15億円という話は出ていないというふうに思います。人工地盤は、張るだけであれば恐らく12億円から13億円ぐらいというふうに見積もっております。ですから、そのうちJR側の負担がどのぐらいになるのか、あるいは区側の負担がどのくらいになるのかということが現在の交渉過程ということでございます。
○酒井委員 12億円から13億円だろうということだと思うんですけれども、先ほど課長もおっしゃられたとおり、この人工地盤設置に際しては、公共性・公益性が非常に高いので、JR側にも応分の負担を求めていき、そして中野区側の負担が少しでもなるように持っていかなければならないと思っております。そのあたりのお考えをお聞かせください。
○登都市計画担当課長 当然、この人工地盤は駅利用の利便施設という側面もございます。そういった観点から、当然JRの方にも応分の負担を求めていきたいと思っております。
○酒井委員 ありがとうございます。
変わりまして、山手通り、駅前広場の整備、それから日本閣の開発等々、東中野駅東口、北側の方も今、再開発の動きがあるそうで、駅前飲食店街のムーンロードというところなんですけれども、非常に味のある飲屋街で、たまに映画やドラマの撮影なんかもやっておるんですけれども、実は、この裏手には今年度で閉園となる住吉保育園と職員寮があります。住吉保育園の跡地の活用策は、区の施設としては転用は考えていないそうで、売却もしくは民間への貸与という形で活用するというふうに現在考えていると思うんですけれども、その場所も微妙に絡み合ってくるんだろうと思うんです。区は現在、こういった動きは把握されておるんでしょうか。
○上村中部地域まちづくり担当課長 今、通称ムーンロードと言われる東口北側の飲食店街でございますけれども、駅前商店街の一角に開発事業者が事務所を設置いたしまして、地権者等に用地交渉を進めていることは、情報として承知してございます。この地域は、レトロな飲食街として長く親しまれてきておりますが、狭小な敷地や狭い路地で構成されており、何らかの再整備が課題となっている地域というふうに認識してございます。
なお、委員から御指摘ありました住吉保育園跡地については、区としては現在、跡地利用については検討中であり、決まってございません。今後とも情報の把握に努め、周辺の動きにも注意していきたいと考えてございます。
○酒井委員 ありがとうございます。
それからまた、山手通りの方のことをお聞かせさせていただきたいんですけれども、山手通りが拡幅され、東中野駅から北の方角にある上落合二丁目の交差点までは、いち早く歩道が整備されました。広い歩道、幅員、それから自転車専用通行帯を設置しており、また、無電柱化により非常に歩きやすい歩道空間が完成しております。この山手通りの、今、東中野の部分はできておるんですが、中野区の部分は22年に完成予定で、ちなみに渋谷までは23年に完成するそうでありますが、最近、山手通りの歩道を歩いておりますと、自動二輪、オートバイの違法駐車が目につくのです。三丁目と四丁目なんですけれども、奥の方に入るとワンルームマンションがたくさんあるもので、最近、オートバイ置き場なんかはないからが理由なのかもわからないんですけれども、そういった意味からか、自動二輪の違法駐車が目につくと。これがあまりにひどくなっていった場合は、本来の目的であります歩きやすい歩道ではなくなってしまうおそれもあると思うんです。こういったところは現在把握されておるのか。それからまた、あまりにひどくなった場合、関係機関と連携して取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○遠山土木・交通担当課長 委員のお話のような、そのような状況があるということは承知してございます。今後の対策でございますが、山手通りの道路管理者である第三建設事務所、あるいは警察と今後協議してまいりたいと、このように考えてございます。
○酒井委員 もう時間配分の下手さかげんにびっくりしておりますが、最後に、東中野駅の全体像についてちょっとお尋ねします。
東中野駅は、駅近くのにぎわいのある商業地、それからまた、一歩裏手に入ると閑静な住宅街が広がっており、それが適度にまざり合っているのがいいんだろうなと。利便性も高く、非常に住みやすいまちでありますが、今、駅周辺の商店街では空き店舗が非常に増加しております。また、西口ばかりがクローズアップされ、西口と東口、それから南北でまちの活力、にぎわいに格差が出ているような感じが私は受けております。駅前西口広場整備をきっかけに商店街の活性化を図っていく。それから、東西南北の格差を解消し、中野の玄関口として東中野のまち全体が活性化するようなまちづくりをどのようにお考えなのか、最後にお尋ねいたします。
○上村中部地域まちづくり担当課長 委員から御指摘のように、地元商店街の売り上げや店舗数などの減少が見られ、人通りや施設などにおいて東西格差、南北格差などの現状がございます。しかしながら、東中野駅周辺及び山手通り沿道については、山手通りの拡幅や西口広場の整備などによりまして交通の利便性の向上が期待され、さらに、東側においても日本閣跡地開発など民間プロジェクトが動いておりまして、商業や業務地としての魅力は高まっていくと思われ、ポテンシャルは大変高いというふうに考えております。
そこで、魅力的なまち並みや商業、業務地としてのにぎわいづくりを実現するための施策が求められております。具体的には、駅周辺、山手通り沿道などによる土地の高度利用の促進や、環境整備しながら業務施設の立地、誘導を図っていくなどや、また、まちの魅力の向上に欠かせない商店街の活性化に向けて、諸周辺街路などの基盤整備、まち並みづくりに加えて、歩きやすく快適な歩行者空間の確保や魅力的な店舗の誘致などが課題であり、どう実現していくかが求められていると思っております。
いずれにしましても、東中野駅周辺、山手通り沿道につきましては、生まれ変わる大きなチャンスととらえております。中野区の東中野というだけでなくて、東京都全体における東中野というような位置付けで、大きく大所高所からまちづくりを今後考えていきたいと思っております。
○酒井委員 非常に力強い御答弁をありがとうございます。
次に組織と人事について御質問させていただきます。まだ興奮が冷めやりませんが、区は、平成16年度より組織編成し、事業部制を導入されました。16年度より18年度まで、この体制がとられたわけでありますが、まず、この事業部制のねらいは大きく三つあったんだと思いますが、その説明をお願いいたします。
○合川人事担当課長 事業部制のねらいにつきましては、事業執行から経営重視の組織への転換、また、現場への権限委譲、客観的な評価による成果の管理と説明責任の履行、事業部制導入による成果主義と権限委譲の徹底、目標による管理に基づく成果主義能力の人事。これに伴いまして部の再編を行いまして、中野の目標を六つの部門に再編をいたしました。また、部長は部の目標を定め、それぞれの目標達成を職員が果たせるような部の経営に当たることといたしました。少なくとも、部が目指すべき目標を明確に持ち、それに向けた戦略的な展開を図ることができるようになったというふうに認識してございます。
○酒井委員 子ども全般のことは子ども家庭部がやるんだと、3階にローカウンターの窓口をワンストップサービスで設けてくださったり、部を再編された。それから成果主義の徹底等だと思うんですけれども、この事業部制が導入されてはや3年が過ぎました。今年度の19年度よりは経営本部体制がしかれております。この経営本部体制のねらいもお答えいただけますでしょうか。
○合川人事担当課長 事業部制におけます縦割りの弊害、あるいは事業部を横断する課題、区全体としての方針の調整に弱い部分があるというようなことを踏まえまして、平成19年度から経営本部を設けまして、方針を出す経営本部側、あるいはその方針に沿った執行を事業部側が行うというような仕組みにいたしました。具体的には、トップマネジメントの強化、事業部制の強化、新しい中野をつくる10か年計画の積極的な推進、また、縦割り弊害をなくすこと、時代の変化に即応した経営判断をするというようなことでございます。
○酒井委員 要約いたしますと、事業部制をよりバージョンアップする、強化していくんだ。それからトップマネジメント体制の強化、そして縦割りの弊害をなくしていくんだということですよね。やっぱり区民の方にとっては、縦割りだとかそういったまたがり案件というのはわからないのであって、そういったことがこの経営本部体制がうまく機能していくことによって解消されていくんだというというふうな理解でよろしいんでしょうか。
○合川人事担当課長 そのとおりでございます。
○酒井委員 それで、時間がないのでちょっと飛ばさせていただきまして、この経営本部体制を進めていく中、事業部制からしいております成果主義の徹底、これは私は以前、平成16年の決算特別委員会の総括質疑義の中でもさせていただいたんですが、今、職員2,000人体制のもと、基本的には退職、それで新規採用を少量に抑えていくというふうにやっておるんだと思うんです。最小陣営で最大のサービスを提供する職員2,000人体制を平成26年に目指し、取り組まれております。民間活力の活用や、今後は市場化テストも取り入れていると。そして、2,000人体制を目指していくんだと思いますが、今現在どのようになっていのか、お聞かせさせていただけますでしょうか。
○合川人事担当課長 新しい中野をつくる10か年計画におきましては、今、委員御指摘の小さい区役所ということを目指しまして、区立保育所の民営化、あるいは学校再編、障害者施設の民営化、民間活力の活用等の方針を掲げまして、区民サービスの向上やサービスの多様化を図っていくということで目指してございます。平成16年の職員数につきましては2,870人で、平成19年4月1日現在で2,610人ということで、260人の削減を行っておりまして、着実に2,000人体制に向けて努力しているところでございます。
○酒井委員 ありがとうございます。
こうやって2,000人体制に向かっていく中、総務の資料26でしたか、「年齢構成別中野区職員数」を見ると、明らかに頭でっかちな組織、逆ピラミッドの組織になっていってしまうんだろうと思うんです。だれもがこの逆ピラミッドの人口分布というんですか、年齢別職員数の分布は皆さん指摘もされておりますが、そこで、事業部制の中でうたわれた成果主義、これをより一層強化していくのに、私は平成18年4月1日より人事の給与制度が改定されましたが、この内容をしっかり活用していくのが必要だと思うんです。まずは改正された内容について、簡単に御説明ください。
○合川人事担当課長 平成18年度からの改正でございますけれども、勤務成績がより適切に反映さされるように、普通昇給と特別昇給を統合いたしまして、いわゆる査定昇給制度へと改正を行ったものでございます。
○酒井委員 昔は、普通昇給と成績特別昇給ですかね、それを一括して4期に分かれていた昇給時期を4月1日に統一していくと。そして、その改正された内容はどういった内容か、教えていただいてよろしいですか。
○合川人事担当課長 今、御説明をいたしました再度に変えてございます。目標等成果による管理、提供協定を充実するということで、評定結果の本人開示ですとか、苦情処理体制などを盛り込んだ新たな人事考課制度により、これを運営してございます。
○酒井委員 昇給幅が、この内容は5段階であったと思うんです。A、B、C、D、Eと。そして、期末手当にもこの評定は影響すると。すなわちより一層の成果主義を実践していくんだという内容だと思うんですけれども、公務員の仕事は逆に、営業のように数字がいきなりぽんとあらわれる、新規のお客さんを幾らとったんだ、どれくらい売り上げただとか、そうではないと思うんです。そしてまた、職場単位でチームとして仕事に取り組む一面もあるのではないかと。それからまた、以前の成成績特別昇給は、本当につつがなく仕事をしていれば、私の言い方に語弊があったら申しわけないんですが、5年に一度昇給制度が回ってくるというふうな、そういうふうにとられる可能性もあるという点で、私は16年の総括質疑で指摘させていただいたんですが、こういった慣習や慣例が根強く残る、ここで、職員の皆さんのやる気を喚起する公正・透明な評価制度、これが必要だと思うんです。これに関してはどのように今取り組まれているのか、お聞かせください。
○合川人事担当課長 制度の理解を深めるために、いろいろな御説明をするということもございますし、先ほど申し上げましたように、評定結果については本人の方へ開示をするということ、あるいは苦情処理体制なども踏まえてこの制度を運営していくというふうに考えてございます。
○酒井委員 時間もありませんので、すみません。
それでは、この評定が5段階であったんだと思うんです、A、B、C、D、Eと。このA、B、C、D、Eの割合というのを教えていただけますでしょうか。
○合川人事担当課長 面積率でございますけれども、Aが15%、Bが10%、C、D、Eが75%ということでございます。
○酒井委員 C、D、Eが75%というのはどういう意味でしょうか。
○合川人事担当課長 C、D、Eで75%ということでございます。
○酒井委員 18年度からこれは実施されているんですよね。そして、18年度決算の中でA、B、C、D、Eのパーセンテージというのが出ていると思うんですよ。それをちょっと教えてください。
○合川人事担当課長 面積率に沿って協定をしているということでございます。
○酒井委員 課長、すみません、例えばAですと、極めて良好な評価があると。Bは特に良好、Cは良好ですね。これは今までの普通の昇給の仕方。A、Bは4月1日にそれ以上にちょっと上がると。D、Eのやや良好でない、良好でないというのは、今まで1年勤められた中で昇給するよりも少し幅が小さいと。それで、Eの良好ではないに関しましては、昇給しないんでしょう。そのD、Eの割合をパーセンテージで教えていただきたいんです。
○合川人事担当課長 18、19年度につきましては、経過期間中でございますので、0%でございます。
○酒井委員 それを最初にお答えいただきたかったんですが、すると、18、19年度は経過措置で0%ということは、これは20年度には、例えば23区横並びの制度ではなくて、各区事項になるということなんでしょうか。
○合川人事担当課長 これにつきましては、各区事項でございます。
○酒井委員 ということは、このD昇給の、1年たっての昇給より昇給幅が小さいもの、それから、E昇給の昇給なしですね、18年度、19年度は0%ですが、20年度からは各区事項で中野区の裁量でやっていけると。労使交渉の問題もあるかとは思うんですけれども、私は経営本部体制の中で事業部制の中で、より一層の成果主義を導入していくという中で、このD、Eにも場合によっては踏み込んでいかなければならないのではないかと考えておるんですけれども、担当課長の御見解をお聞かせください。
○合川人事担当課長 20年度以降につきましては、勤務成績、勤務評定の結果によりまして、D、Eということをあり得るというふうに考えてございます。
○酒井委員 また、この面積率40%というのも、20年度から変わるということですか。
○合川人事担当課長 20年度以降も、現行のままの面積率40%にするということで考えてございます。
○酒井委員 すなわちそれは、23区共通事項ということなんですか。その40%は各区事項なのか。
○合川人事担当課長 各区事項でございます。
○酒井委員 やっぱりこの面積率40%は、課長はこのままでやっていくというふうにおっしゃられましたが、あくまで上限の40%だと思うんです。すなわち、頑張った方がいらっしゃった場合は40%で、本当に、そうでなければこの数字が私は動いてもいいんだろうと。この数字が硬直化する、固定するのではなく、また、A、B、C、D、Eの5段階の評価の割合も、その時々で弾力を持って運用していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○合川人事担当課長 委員御指摘のように、弾力性を持って運営をしていきたいというふうに思っています。
○酒井委員 ありがとうございます。より一層の成果主義の導入に向けて、公正・公平な制度をつくっていただきたいと思います。
以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。
○吉原委員長 以上をもちまして、酒井たくや委員の総括質疑を終了いたします。
以上で本日の総括質疑をすべて終了いたしました。
次回の委員会は、10月3日(水曜日)午前10時から当委員会室において開会することを口頭をもって通告します。
以上で本日の決算特別委員会を散会します。
午後4時50分散会
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