平成20年02月19日中野区議会本会議(第1回定例会)
平成20年02月19日中野区議会本会議(第1回定例会)の会議録
平成20年第1回定例会本会議第2日(2月19日) 1.平成20年(2008年)2月19日、中野区議会議事堂において開会された。
1.出席議員(40名)
  1番  内  川  和  久        2番  ひぐち   和  正
  3番  白  井  秀  史        4番  平  山  英  明
  5番  つぼい   え  み        6番  いながき  じゅん子
  7番  林     まさみ         8番  山  口  かおり
  9番  せきと      進       10番  いでい   良  輔
 11番  伊  東  しんじ        12番  佐  野  れいじ
 13番  北  原  ともあき       14番  南     かつひこ
 15番  小  林  秀  明       16番  の  づ  恵  子
 17番  奥  田  けんじ        18番  近  藤  さえ子
 19番  牛  崎  のり子        20番     欠  員   
 21番  吉  原     宏       22番  大  内  しんご
 23番  伊  藤  正  信       24番  きたごう  秀  文
 25番  久  保  り  か       26番  やながわ  妙  子
 27番  酒  井  たくや        28番  佐  伯  利  昭
 29番  むとう   有  子       30番  長  沢  和  彦
 31番  か  せ  次  郎       32番  山  崎  芳  夫
 33番  斉  藤  金  造       34番  篠     国  昭
 35番  市  川  みのる        36番  岡  本  いさお
 37番  飯  島  謹  一       38番  江  口  済三郎
 39番     欠  員          40番  佐  藤  ひろこ
 41番  来  住  和  行       42番  岩  永  しほ子
1.欠席議員
      な  し
1.出席説明員
 中 野 区 長  田 中 大 輔      副区長(経営室) 石 神 正 義
 副区長(管理会計室) 沼 口 昌 弘    副区長(政策室) 西 岡 誠 治
 教  育  長  菅 野 泰 一      区民生活部長   大 沼   弘
 子ども家庭部長  田 辺 裕 子      保健福祉部長   金 野   晃
 保 健 所 長  浦 山 京 子      都市整備部長   石 井 正 行
 拠点まちづくり推進室長 谷 村 秀 樹   教育委員会事務局次長 竹 内 沖 司
 計画財務担当課長 長 田 久 雄      経営担当課長   川 崎   亨
1.本会の書記は下記のとおりである。
 事 務 局 長  山 下 清 超      事務局次長    髙 橋 信 一
 議事調査担当係長 大 谷 良 二      書     記  黒 田 佳代子
 書     記  永 田 純 一      書     記  荒 井   勉
 書     記  菅 野 多身子      書     記  廣 地   毅
 書     記  松 本 明 彦      書     記  丸 尾 明 美
 書     記  鳥 居   誠      書     記  杉 本 兼太郎
 書     記  岡 田 浩 二      書     記  松 本 桂 治

 議事日程(平成20年(2008年)2月19日午後1時開議)
日程第1 第1号議案 平成19年度中野区一般会計補正予算
     第2号議案 平成19年度中野区国民健康保険事業特別会計補正予算
     第3号議案 平成19年度中野区老人保健医療特別会計補正予算
     第4号議案 平成19年度中野区介護保険特別会計補正予算
日程第2 第5号議案 平成20年度中野区一般会計予算

      午後1時00分開議
○議長(市川みのる) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。
 本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承を願います。
 これより日程に入ります。
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日程第1 第1号議案 平成19年度中野区一般会計補正予算
     第2号議案 平成19年度中野区国民健康保険事業特別会計補正予算
     第3号議案 平成19年度中野区老人保健医療特別会計補正予算
     第4号議案 平成19年度中野区介護保険特別会計補正予算
(委員長報告)

○議長(市川みのる) 日程第1、第1号議案から第4号議案までの計4件を一括議題に供します。

           平成20年(2008年)2月15日

中野区議会議長 殿

    総務委員長 吉 原  宏
          (公印省略)
    議案の審査結果について

本委員会に付託された下記議案は、審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので、中野区議会会議規則第78条の規定により報告します。

         記
議案番号 件    名 決定月日  
第1号 平成19年度中野区一般会計補正予算 2月15日  
第2号 平成19年度中野区国民健康保険事業特別会計補正予算 2月15日  
第3号 平成19年度中野区老人保健医療特別会計補正予算 2月15日  
第4号 平成19年度中野区介護保険特別会計補正予算 2月15日  

○議長(市川みのる) 総務委員会の審査の報告を求めます。吉原宏総務委員長。
      〔吉原宏議員登壇〕
○21番(吉原宏) ただいま議題に供されました第1号議案、平成19年度中野区一般会計補正予算、第2号議案、平成19年度中野区国民健康保険事業特別会計補正予算、第3号議案、平成19年度中野区老人保健医療特別会計補正予算、及び第4号議案、平成19年度中野区介護保険特別会計補正予算に関しまして、総務委員会における審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。
 第1号議案、平成19年度中野区一般会計補正予算は、歳入歳出にそれぞれ79億2,665万1,000円を追加計上するものです。これにより、既定予算との合計額は1,095億3,269万円となります。
 第2号議案、平成19年度中野区国民健康保険事業特別会計補正予算は、歳入歳出からそれぞれ7億3,604万8,000円を減額するものであります。これにより、既定予算との合計額は323億395万2,000円となります。
 第3号議案、平成19年度中野区老人保健医療特別会計補正予算は、歳入歳出からそれぞれ2億4,644万6,000円を減額するものです。これにより、既定予算との合計額は227億8,955万4,000円となります。
 第4号議案、平成19年度中野区介護保険特別会計補正予算は、歳入歳出からそれぞれ2億1,451万7,000円を減額するものです。これにより、既定予算との合計額は159億5,148万3,000円となります。
 以上の4議案は2月15日の本会議において当委員会に付託され、同日委員会を開会し、審査を行いました。
 まず、審査の進め方として、第1号議案から第4号議案の4件を一括して議題に供した後、理事者から補足説明を受け、質疑を行いました。その主な質疑の内容を紹介します。
 初めに、補正予算全般につきまして、事業実施におくれが生じた場合の予算の補正のあり方について、迅速な意思決定による事業の推進と経費縮減の重要性について、事業費の執行残額を補正予算で減額する手続についてなどの質疑がありました。
 次に、一般会計歳入につきましては、特別区民税の納税義務者がふえた理由についての質疑がありました。
 次に、子ども家庭費につきましては、本郷保育園仮設園舎のリース契約に関する予算を債務負担行為とする理由についての質疑がありました。
 次に、保健福祉費につきましては、後期高齢者医療制度施行準備経費が減額された理由について、国民健康保険事業特別会計繰出金の増額により特別会計の不足分を補てんすることの問題点及び保険料方式を維持することについての質疑がありました。
 次に、都市整備費につきましては、警察大学校跡地整備における都市計画道路及び都市計画公園用地取得費が大幅に増額された理由についての質疑がありました。
 次に、公債費につきましては、一時借入金利子が減額された理由についての質疑がありました。
 次に、諸支出金につきましては、基金の積立額とその推移についての質疑がありました。
 以上が主な質疑の内容です。
 その後、委員会を休憩して各議案の取り扱いを協議した後、委員会を再開し、さらに質疑を求めましたが質疑はなく、質疑を終結しました。
 次に、意見の開陳を求めましたが意見はなく、意見の開陳を終結しました。
 次に、討論を求めたところ、1名の委員が第1号議案に反対する立場から討論を行いましたので、紹介します。
 警察大学校跡地整備における用地取得費のさらなる増額は、民間の参入が土地の高騰を招いたのではないかとの懸念をぬぐい切れない。区民が緑豊かな広い公園を望んでいた中、開発のための都市計画道路、狭小な都市計画公園用地の取得は認めがたい。また、基金残高は363億円にも達し、区民生活の実態を踏まえれば、現在の財政運営で特徴的なため込みは問題である。予算は区の顔であり、区民の生活や福祉を向上させる立場で適正に計上することが求められる。よって、本議案に反対するとの討論を行いました。
 さらに討論を求めましたが討論はなく、討論を終結しました。そして、第1号議案について挙手による採決を行ったところ、賛成多数で可決すべきものと決しました。
 続いて、第2号議案、第3号議案及び第4号議案について順次簡易により採決を行ったところ、いずれも異議なしで可決すべきものと決した次第です。
 以上で第1号議案から第4号議案までの4件に関する総務委員会における審査の経過並びに結果の報告を終了いたします。
○議長(市川みのる) ただいまの報告について御質疑ありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(市川みのる) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
 これより討論に入ります。
 岩永しほ子議員から討論の通告書が提出されておりますので、通告議員の討論を許します。岩永しほ子議員。
     〔岩永しほ子議員登壇〕
○42番(岩永しほ子) 日本共産党議員団の立場で、上程されました第1号議案、平成19年度中野区一般会計補正予算に対する反対討論を行います。
 第1の問題点は警大跡地などの開発予算が増額したことです。警大跡地計画道路などの取得費が当初予算の1.5倍以上になり、45億9,900万円余も増加し、その結果132億3,500万円になりました。財源は、国・都からの交付金が73億円余、区の起債が50億5,000万円としています。起債分については財調で交付されるから区税での負担がない、昨年購入していれば交付金対象にならず、割高になったなどと区は開き直っています。しかし、交付金は税金であり、住民福祉の増進を図るべき自治体のあるべき行財政運営に照らしても、その使い方は慎重にすべきであることに違いはありません。2年前に算出した価格のままに予算化し、民間先行取得という区の開発計画が異常な地価高騰を招きました。まさに税金の使い方が問われる事態になっています。
 問題点の第2は、事業執行における見込み違いなどによる減額です。事業に見込み差が生じることは当然ですが、見込み違いで減額された区民健診、補装具給付、障害者施設支援、介護サービス給付などは利用対象がかなり把握できる状況ですから、制度が変わることで区民が必要なサービスが受けられているのかなどを検証し、自己負担の軽減策や制度の改善、区民へのPRなどの手だてをとるべきでした。また、小・中学校体育館耐震補強については、昨年の4定ではC、Dランクが繰越明許となりましたが、今回の補正ではBランク施設の設計委託料を減額しています。予定どおり23年度までに工事を完成するというものの、新年度予算案ではBランクの設計委託費は計上されていません。早期の耐震化を求める区民の期待を裏切るものです。当初の予算化は十分な検討が行われたのかが問われ、区と教育委員会の姿勢の不誠実さを指摘します。
 第3は基金への積み増し方です。補正での積み増しについて、区民サービスを提供するために必要な財源があったにもかかわらず、計画的な剰余金の生み出しと、そのための行政需要の押さえ込みを繰り返し私たちは指摘してきたところです。今年度の最終補正では34億7,000万円余を積み増し、合計は73億7,000万円余となり、年度末の基金総額は過去最高の363億6,000万円余となります。歳入では、増税の影響などにより区税が4億円以上の増、財調交付金は30億円の増となり、これらは区民生活を支えるために還元されるべき増収でしたが、基金の原資になっています。
 基金への積み立てという会計処理は必要なこととはいえ、今の中野区政において基金を増額するために区民生活に必要なサービスを削り、使わず、余らせることを目的としたため込み優先だと指摘せざるを得ません。他の自治体では独自の介護サービスの実施、障害者自立支援の負担軽減、子育て支援の現金給付を進めています。23区平均よりも所得が低い中野区においては、こうした自治体よりもまして区民へのきめ細かい対応が必要となっています。改めて税金の無駄遣いに踏み出す大規模再開発のまちづくりを見直し、区民生活を区政運営の基本とすることを求めて、反対討論を終わります。
○議長(市川みのる) 他に討論がなければ、討論を終結いたします。
 これより議案ごとに分けて採決をいたします。
 初めに、第1号議案について起立により採決をいたします。
 上程中の第1号議案を委員長報告どおり可決するに賛成の方は御起立を願います。
      〔賛成者起立〕
○議長(市川みのる) 起立多数。よって、第1号議案は可決するに決しました。
 次に、第2号議案ついて採決をいたします。
 上程中の第2号議案を委員長報告どおり可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(市川みのる) 御異議ありませんので、さよう決定をいたします。
 次に、第3号議案について採決をいたします。
 上程中の第3号議案を委員長報告どおり可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(市川みのる) 御異議ありませんので、さよう決定をいたします。
 次に、第4号議案について起立により採決をいたします。
 上程中の第4号議案を委員長報告どおり可決するに賛成の方は御起立を願います。
       〔賛成者起立〕
○議長(市川みのる) 起立多数。よって、第4号議案は可決するに決しました。
 この際、お手元に配付の一般質問一覧表のとおり、山崎芳夫議員、南かつひこ議員、長沢和彦議員、佐伯利昭議員、伊藤正信議員、小林秀明議員、せきと進議員、北原ともあき議員、江口済三郎議員、かせ次郎議員、伊東しんじ議員、ひぐち和正議員、佐藤ひろこ議員、むとう有子議員、近藤さえ子議員、つぼいえみ議員、いながきじゅん子議員、林まさみ議員より質問の通告がありますので、これを順次許します。

 中野区議会議員 山 崎 芳 夫
 1 財政運営について
  (1)財政運営の考え方について
  (2)道路特定財源について
  (3)その他
 2 特別区の今後のあり方について
  (1)第二次特別区制度調査会報告について
  (2)道州制について
  (3)その他
 3 その他

○議長(市川みのる) 最初に、山崎芳夫議員。
      〔山崎芳夫議員登壇〕
○32番(山崎芳夫) 質問に先立ちまして、昨年暮れに急逝されました藤本やすたみ議員、並びに今月亡くなられました小堤勇議員を悼み、ここに哀悼の誠をささげるものでございます。
 お二人とも志半ばで御逝去されたことにつきましては、まことに御無念であったことと思います。区民の立場に立ったよりよい区政という点におきましては、私どもと同じ思いでございました。議会での議論を通じて、区政の活性化に尽くされたお二人の御逝去はまことに痛恨のきわみでございます。ここに深く哀悼の意を表し、謹んで御冥福をお祈りいたします。
 質問に入らせていただきますが、質問の順番については通告をしていた順番で質問させていただきますので、よろしくお願いを申し上げます。なお、その他については割愛をさせていただきます。
 それでは、まず初めに財政運営についてお伺いをさせていただきます。
 区が20年度予算の策定と同時に発表されました財政運営の考え方について、お伺いをしたいと思います。
 この財政運営の考え方は、昨年の同じく1月に「新しい中野をつくる10か年計画」の実行を裏付ける財政計画として作成され、中に盛り込まれた中長期のフレームについては、その時々の経済状況や計画の進展などを踏まえて毎年見直すことが予定されております。我々自由民主党中野区議団といたしましても、区長とともにこの10か年計画を推進する財務規律として大いに評価をしているところでございます。
 区財政は、ここ数年の好調な企業収益の増や個人消費の伸びなどの影響で、特に都区財政調整交付金は未曽有の伸びにより、毎年当初算定を大幅に上回る交付金が区に交付され、財政調整基金についてもこの3年間につきましては毎年30億円もの積み増しを行い、20年度当初は180億円もの年度間調整のための基金が計上されることになっております。ただ、この財政調整交付金は景気の変動に大きく左右される不安定な財源でありまして、また、昨年暮れの政府税制調査会の議論にあったように、法人2税の今後の動向によりましては大幅な減収にもなりかねません。平成11年度の区財政において、特別区交付金が前年度に比べて37億円も一遍に減少して、一般財源10カ年平均に対する増減比較でも57億円も一気に減少した経験を決して忘れてはならないと思っています。こうしたことから、昨年の財政運営の考え方にはこうした不安定要素による影響を最小限度に抑えるため、強固な財政基盤の確立が求められているとしております。
 その一方で、ことしの1月18日、特別区長会臨時会で20年度の都区財政調整協議の結果を了承いたしております。この協議におきましては、包括的算定の解釈が最大の争点になったそうでございます。区側が提案した包括的算定の5項目のうち2項目が交付対象になりましたが、都側は包括的算定と受けとめておらず、都区の解釈の違いが顕在化いたしました。この議論はいずれ別の機会にさせていただくことといたしまして、今回の結果は、当初フレームといたしましては交付金総額が何と1兆円を超え、過去最高額を記録したとの報道を目にいたしました。区はこの当初算定を受けて、19年度比35億円余、11.1%増の351億5,000万円もの特別区交付金を計上いたしました。これは、我が会派といたしましても、また東京都議会の川井しげお先生をはじめ、大変喜ばしいことで、一様に安心をしているところでございます。
 しかしながら、この経済状況は一体いつまで続くのでしょうか。アメリカのサブプライムローンの破綻から始まりました世界同時株安や、終わりが見えない原油高による企業収益の減退、個人消費の先細り、さらに円高の進展など、年が明けても明るい話題は一向にございません。
 参議院では野党が過半数を占める中、来年度予算と税制改革法案は確実に成立させる必要がございます。ガソリンに係る暫定税率の取り扱いが障害となって成立がおくれ、国民生活に混乱が生じるようなことになりますれば、政治の混迷を理由に市場の不安感がさらに強まりかねません。国はこうした経済状況を注視して、我が国の経済財政見通しの20年度の経済指標を下方修正することも検討しているとの情報もあり、企業収益も19年度がピークではないのかとの憶測も流れているところでございます。
 20年度の財政運営の考え方では、こうした経済状況を受けてか、都区財政調整交付金は21年度以降、毎年0.5%の減として26年度までのフレームを計上しております。しかし、果たして0.5%程度の減でおさまるのでしょうか。私は場合によっては1割程度の最悪の事態も想定したフレームを視野に入れておくべきと考えている一人でございます。特に法人2税の動向によりましては都区財政調整交付金に与える影響ははかり知れないものになります。
 そこで、まず区長にお伺いをいたしますが、区の基幹的な都区財政調整交付金や特別区税に影響を与える我が国の経済状況の推移について、どのように分析し、どのような御見解をお持ちなのか、お聞かせいただきたいと思います。また、平成19年1月に策定した財政運営の考え方に示されました、決算剰余金は可能な限り基金に積み立てるとした方針に変更はないのでしょうか、お伺いをしておきます。同時に、300億円を超える基金残高についてもどのような御認識をお持ちなのか、お伺いをしておきたいと思います。
 さて、財政運営の考え方の基金・起債を活用する事業一覧には、その事業規模が数十億円となる事業が多く含まれているところであります。特に21年度は、まちづくり関連では、中野駅地区整備で約20億円、(仮称)南部防災公園整備には55億円、本町二丁目用地が43億円など、21年度だけで約130億円、20年度から22年度の合計では174億円余となります。これに区立学校の再編や耐震補強などの施設整備費を加えますと、総額で300億円を超す事業費を来年度からの3カ年で費やすということになります。当然、どの事業を見ても必要な事業であり、それなりの国や東京都の交付金、補助金が期待されるもので、決してその事業を否定するものではございませんが、3年もの間で約190億円の起債を起こすことについて一抹の不安を覚えるのは私だけではないと考えております。
 ただ、この起債は、財産費という名目で都区財政調整交付金が充当されるとの説明をせんだっての総務委員会で受けました。法人2税の見直しや都区財政調整交付金の財源の減収によっては、予定した額が本当に充当されるのかどうか明確ではございません。聞くところによりますと、23年度以降も大型事業が予定されているようですけれども、既存事業の大幅な見直しや毎年伸び続ける扶助費の抑制、一定のセーフティ経費を確保しながら財政運営を行うことは、私は大変難しい困難なことだと考えている一人でございます。今後のコスト管理の徹底については、財政運営の考え方の中で、事業経費の見積もりや事業実施に当たっては正確な経費の把握に努めるとともに、区民サービスに直接必要な経費のほか、人件費を含めた経費や事業のライフサイクルコストなどもトータルに把握した上で執行上の工夫に努め、効率的な事業実施を行うとしております。企業との広告連携やトヨタ改善方式の一例にあります削減目標を10%ではなく50%に定めることにより、発想の転換を促して業務改善を図るなど、言葉や記述は簡単ですが、具体的にどのようにしてコスト管理を徹底するのか、大変難しい状況にあると私は考えております。このコスト管理の徹底について、区長の決意を改めてお伺いさせていただきます。
 以前、区長が行政改革担当課長の際に、中野区行財政5か年計画を策定し、身の丈に合った財政運営という言葉を再三再四お聞かせいただきました。中野区の身の丈に合った財政運営をぜひお願いして、この項の質問を終わります。
 次に、道路特定財源問題についてお伺いをしたいと思います。
 この道路特定財源問題は、御承知のように民主党の税制調査会という不認知の会が地方の実情を無視する形で、一方的に政府や国民に提案したことで、議論を呼んでいるところでございます。当然、地方六団体と呼ばれる全国知事会、全国都道府県議長会、全国市長会、全国市議会議長会、全国町村会、全国町村議会議長会は、地方財政を一層危機に陥れる暫定税率の廃止に強く反対する緊急共同声明を発表しております。民主党は勝手な道路特定財源制度改革のビジョンを策定し、半世紀以上前にできた硬直的な制度を廃止し、財源を一般自主財源化するとしています。そして、暫定税率を廃止しても地方の財源は確保し、大都市と地方の負担格差を縮小するとも言っておりますけれども、全く絵にかいたもちどころではございません。実現性のない机上の空論とも言える内容で、地方の財政状況を理解していないビジョンであると言っても過言ではございません。黙っちゃいられないのは民主党ではなくて、私たち良識ある区民なのではないでしょうか。特に地方六団体の緊急共同声明でも、暫定税率が廃止された場合、地方における税収の減が約9,000億円、地方道路整備臨時交付金制度が廃止されれば合計で1兆6,000億円の減収となり、道路の新設どころか、着工後の道路の整備も継続できなくなり、地方の行政サービスは著しい低下をするなど、国民生活に甚大な影響を与えるとしております。そして、地方六団体の緊急共同声明の最後に、責任ある政党として、もう一度繰り返しますが、責任ある政党として、暫定税率を維持する法案の年度内成立を強く要請すると結んでおります。
 我が責任ある自由民主党といたしましては、都市部の道路整備や橋梁整備、そして今後、中野区で行われる西武新宿線の連続立体交差事業のためにも、貴重な道路財源であるガソリン税等の暫定税率の廃止を阻止する決意でございます。
 区長会といたしましても、仮に暫定税率が廃止されれば23区全体で313億円の減収となり、都市基盤整備に甚大な影響を及ぼすことになることから、2月に当然に暫定税率の維持を責任ある自民党、公明党の両党と、無責任政党の民主党に要望しております。この暫定税率の廃止は、中野区においても決算ベースで6億円もの減収になると試算されています。ここで責任ある自治体の長である田中区長に、仮に暫定税率が廃止された場合の中野区に与える影響について、具体的にお答えをいただきたいと思います。
 また、区長には民主党の道路特定財源制度改革ビジョンについての御見解をお伺いいたします。
 2月に出された特別区長会事務局資料によりますと、田中区長は2月4日、月曜日に民主党に緊急要請に行かれたことが写真入りで報じられました。民主党案にはっきりと反対の姿勢を表明されてきたかどうか存じ上げません。いかがでしょうか。
 本日より国会において道路特定財源問題の議論が始まったようであります。選挙のための政策ではなく、国民のための政策議論になってほしいと祈りまして、この項の質問を終わらせていただきます。
 次に、都区制度改革の今後のあり方についてお伺いをします。
 2月5日の総務委員会におきまして、第二次特別区制度調査会の報告を受けました。この報告は、昨年の12月に「都の区」の制度廃止と「基礎自治体連合」の構想と題して特別区制度調査会から報告があったもので、今の特別区と名実ともに完全な基礎的自治体へ構築をしていく改革構想となっています。
 初めに、この第二次特別区制度調査会の報告について、区長の御見解を幾つかお伺いさせていただきたいと思います。
 まず、第一次特別区制度調査会の報告におきましては、特別区を市へ、都を府へ転換する方向が示されて、その背景として行政の一体性を柱として構想されていましたが、第二次報告では基礎自治体の横断的な関係を、行政の一体性から基礎自治体間の新たな対等・協力の関係をもとに再検討し、新たな姿に変化させた報告となっております。この行政の一体性から対等・協力の関係への転換は、大変大きな意義を有していると私は考えています。
 平成12年の地方分権一括法により、国、都道府県、市町村の間の関係が、上下・主従の関係から対等・協力の関係に転換をされました。時に中野区議会議長は篠国昭議員、副議長には藤本やすたみ議員をいただいておりました。しかし、都と区の関係は地方自治法の改正、これは平成12年度改正とも呼ばれておりますけれども、これにより東京大都市地域においての基礎的な地方公共的団体とされ、現在でも都区の役割分担や財源の配分についてはいまだに決着を見ておりません。いわゆる特別区を基礎的な地方公共団体としての足かせをはかせて、大都市行政の一体性、統一性の確保という名のもとに、特別区の自主性あるいは自立性を幾分強化したにすぎないものと私は考えております。平成12年の地方分権一括法にいう対等・協力の関係は、いまだ不十分なものであると思いますが、東京都という一つの行政主体が区にかわって一体的に事務を行う限り、都と区の間に対等・協力の関係は生じないと考えております。
 そこで区長にお伺いをいたしますが、現在の行政の一体性から脱却して、23区が本当の意味での自主・自立をかち取り、都と対等・協力の関係に向かっていくべきと考えます。そのためには、確かに特別区間の財源の偏在や行政需要の違いなどがあり、各区間の水平調整など克服すべき課題は数多くあると思います。そこで、特別区長会としては今後この課題を乗り越えて、どのような取り組みをしていく方針をお持ちなのか、お尋ねをしておきます。また、区長はさきの第2次特別区調査会の報告を受けて、今後、区長会などにおいてどのように発言をしていくのか、現段階でのお考えと決意をお伺いしておきます。
 最後に、道州制について若干お尋ねをさせていただきます。
 国は都道府県を廃止して、道州制を導入することを現在検討しております。第2次特別区制度調査会報告にもこの道州制について若干触れられており、この道州制が都に適用された際の問題点が述べられております。
 道州制の仕組みは日本国内を7から10程度の政府のようなものができることで、道州とは幾つかの都道府県を合わせた規模で、広域的な地方自治体のことを言っているとされています。そして、この広域的な地方自治体単位に地方政府をそれぞれに置きまして、地域のことはこの政府に任せて、より地域の特性に合わせた政策を展開できるようにしようという制度だと理解をしております。
 仮に首都圏道という道州につきましては、東京都、埼玉、神奈川、千葉の各県の4都県で構成する政府が法律や制度を決め、日本の首都の特性を生かした政策を展開しようというものであります。しかし、この道州制は、現在の都道府県を合併し、広域行政権や財政運営の権限、そして立法権を与えることなどが検討されていますが、立法権を与えるということになりますと憲法改正が必要不可欠となり、国民生活に与える影響の大きさなどから国民の幅広い論議など、相当の時間をかけて十分検討される必要があると考えています。すなわち、政治家や官僚、地方公共団体などの特定の人たちだけが議論していくのではなくて、国民一人ひとりがこの道州制に関心を持ち、世論を築いていくことが必要だと言われております。この道州制の議論は国や政治、行政分野で高まりつつあるものの、まだ国民的議論にまでは発展しておりません。道州制の議論は中央集権というシステムから、新たな国の形を決めるという非常に大きな改革の一つでございます。そして、それはすべての国民に大きな影響を与えるもので、国民不在のままで済まされない問題でございます。
 国民はこの道州制という言葉すら聞いたことがない方がほとんどであると思いますが、一部の道県ではホームページなどでこの道州制の基本的な考え方や、今なぜ道州制が必要なのかを紹介しております。今後さらに道州制について、国民レベルでの活発な議論が期待をされるところでございます。
 そこで区長にお伺いをいたしますが、この道州制については、いまだにどのような形になるのかは不明ですが、その意義や必要性についてどのようにお考えなのでしょうか。また、今後区民論議をどのように行っていくのか、区長の御見解をお伺いして、私のすべての質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 山崎議員の御質問にお答えをいたします。
 まず、財政運営の考え方についてであります。
 我が国の経済状況についてでありますが、内閣府が発表したGDP速報値によりますと、2007年の年間ベースでの実質成長率は2.1%となり、昨年12月までの日本経済は底堅く推移したことがうかがわれるわけであります。しかしながら、国内の個人消費の伸びは相変わらず鈍く、企業収益も原材料高や円高で先行きの不透明感が増している状況にあるわけであります。また、中国や産油国向けの輸出が今後も堅調であるというふうには楽観することができず、またアメリカ経済の減速の影響というものが、これから本格的に日本経済にも波及するであろうというふうに認識をしているところでありまして、この日本経済の動向については大変心配をしながら注視しているところであります。
 そうした中での財政運営にあって、基金残高に対してどういう認識を持っているかということであります。決算剰余金につきましては、今後とも可能な限り基金に積み立てる方針に変更はありません。区民サービスを安定的に提供し、投資的事業に計画的に資金を投入するためには、基金を有効に活用することが欠かせないわけであります。また、特別区税や特別区交付金の減少など、一般財源の景気変動リスクというのは、今申し上げたように大変憂慮される状況でもあるわけでありますから、そうしたことに対応していくためにも、基金というのは極めて重要であると認識をしているところであります。今後の経済状況でありますとかさまざまな施設更新経費、あるいは中野区の町の将来を見通した新しい投資、必要な投資といった財政需要を考えた場合に、現在の残高でもまだ十分であるとは言えないわけであります。そのような認識を持っております。
 それから、事業経費における徹底したコスト管理が必要ではないかという御意見でありました。最少の経費で最大の効果を生み出すというのが、私どもの行政運営にあって課せられた責務であります。そのためにはコスト管理が重要ということであります。これについてはPDCAサイクル、計画、実施、評価、改善という経営サイクルをきちんと区政運営の中で位置付けて、事業について、全体について評価を行いながら見直しを行っているところであります。今後、発生主義に基づいた公会計改革を進めて、一層正確なコスト把握に努めて、それを行政評価に反映しながら事業の見直し、改善に活用して、経常的な経費の抑制、経常的な経費が拡大しないように、その中で必要なサービスをしっかりと確保していくといった区政の体質をつくり上げていきたいと、こう考えているわけであります。
 道路特定財源についてであります。道路特定財源については、平成20年度予算案ベースでは歳入については地方譲与税、自動車取得税交付金及び国からの補助金を合わせまして約5億円ほど算入をしているところであります。ですから、道路特定財源がなくなれば、これが5億円減になるわけであります。また、歳出につきましては、道路、橋梁改良などの道路補修整備費に影響いたしますほか、警察大学校跡地整備に充当しているまちづくり交付金の減額など、国や都の支出のほうの心配も出てくるわけであります。さらに連続立体交差事業の中断といった、あってはならないような事態への懸念も心配されるということでありまして、甚だこのことについては憂慮しているという状況であります。
 自動車関係諸税というのは目的税でありまして、受益者負担の原則に沿って特定財源としているわけであります。特別区の区域では交通集中によります道路や環境への負荷が高く、大都市特有の膨大な行政需要となっているわけであります。暫定税率を廃止した場合に、特別区全体で約310億円の歳入欠陥を生じるということになるわけでありまして、使途の特定でありますとか暫定税率の維持による財源の確保、これは妥当なことだというふうに考えております。
 2月4日に特別区長会として民主党のほうにこの旨を要望しに参りました。そのときには私も区長会長等と同席をして要望してきたものであります。区長会ではそのほか各政党に同趣旨の要望を行っております。
 民主党の対応といたしましては、税財政制度の責任者である藤井裕久代議士、また地方自治担当の原口一博代議士が対応されたわけであります。その中で暫定税率を廃止し、道路特定財源を廃止した場合に、道路整備等のインフラ整備等についてはどのようになっていくのかといったようなことについてお聞きいたしましたところ、国の事業は縮小するが地方の事業は維持できるようにするといったようなお考えのようでありました。また、地方への財源措置については、地方交付税を主として考えておられるような御説明でもありました。我々、不交付団体としてどのような対応があるのかということについては不明だったわけであります。
 そうしたさまざまな議論をしながら、特別区長会として道路特定財源と暫定税率の維持について強く申し入れを行ったところですが、意見の内容としては物別れという状況でございました。そのほか国民新党への申し入れも行いまして、国民新党からは道路特定財源と暫定税率の堅持をするという区長会あての丁寧な御返事がございました。そのほか石油高騰に対する対応策なども区長会にお示しをいただいたところであります。
 つけ加えますれば、自由民主党におかれましても適切な対応をお願いいたしたいというふうに思っているところであります。(「公明党は」と呼ぶ者あり)当然、政府・与党の一角であります公明党におかれましても適切な対応をいただけるものと信じているところであります。
 それから、第二次特別区制度調査会の報告についてであります。特別区は平成12年の自治法改正の趣旨にのっとり、名実ともに住民に最も身近な政府として自治権を拡充していく必要があるわけであります。調査会の報告は、12年度改革をさらに進めるという立場に立ったものであると考えております。内容につきましては、基礎自治体連合でありますとか共有税といった考え方につきましては、地方自治の諸原則でありますとか、住民の意思の明確な反映、わかりやすさなどの面から、十分な検証が必要というふうに考えております。報告を契機に議論を深め、基本的に特別区はどうあるべきか、特別区のあり方について区長会の認識を一致させることが必要でありまして、区長会に働きかけをしていきたいと、こう思っております。
 今後、大都市の一体性、都の役割、基礎自治体のあり方といった論点について幅広く議論をし、道州制も視野に入れながら、住民自治を担える基礎自治体としての区、新たな広域自治体としての都のあり方等についてさまざまいろんな考え方があると思いますので、どういった事柄についてもタブーを設けることなく議論してまいりたいと、こう思っております。
 道州制についてであります。道州制は地方分権の受け皿として、権限移譲によって自律的な基盤を確立する仕組みということであります。国や都道府県、市町村が同じ事業に対してそれぞれに事業費を持つとか、あるいはそれぞれの考え方がそれぞれにそこに働くといった二重行政、三重行政を避けて、都道府県が道州という形のより強力な広域自治体に再編をされるということによって、地方分権の受け皿となって地方独自の行政を行うという、そうした分権改革を進めていく上では避けられない議論であるというふうに考えているところであります。
 東京都並びに特別区についてでありますが、道州制の議論を踏まえますと、東京都が現行のような市の機能を内包したままというわけにはいかないと思うのであります。特別区もまた分権の担い手として、これまで以上に大きな責任を果たしていかなければならず、みずからの自治体としてのあり方も含めてその議論を進めていく必要があると思っております。
 特別区においては、特別区と都の関係でありますとか特別区のあり方はこれまでも継続的に議論を重ねてきているところでありまして、こうした議論と道州制の議論と重ね合わせるべき点は重ね合わせ、きちんと整理して区分けするべき点は区分けをしながら、区民の皆さんにわかりやすい議論を進めていくことが重要であるというふうに考えているところであります。
 以上であります。
      〔山崎芳夫議員登壇〕
○32番(山崎芳夫) 再質問を1点だけさせていただきます。
 道路特定財源の質問ですが、私の質問の中では決算ベースということで6億円ちょっとの話をさせていただきましたが、予算ベースでは5億円というお話をいただきました。具体的に影響をということで御答弁をいただきましたら、まちづくり交付金あるいは連続立体交差の事業にそれぞれ財源が来なくなりそうですよというお答えだったと思いますが、来なくなった場合どうなるんだろうかと。まちづくり事業あるいは西武線の連続立体交差に向けて協議会等と事業を開始しましたけれども、そうした事業がとまってしまうのか。交付金が来なければ一財をつぎ込んで事業を続投するのか、その辺のところのお答えをいただきたいなと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 中野区が行いますまちづくり事業、あるいは東京都が行います連続立体交差の事業、それらの事業につきましても、国からの特定財源が事業の組み立ての中で前提となっている要素であります。その特定財源の交付がないということになれば事業そのものがストップせざるを得ないのではないかと考えるわけであります。
○議長(市川みのる) 以上で山崎芳夫議員の質問は終わります。

 中野区議会議員 南 かつひこ
 1 西武新宿線連続立体交差化事業に伴うまちづくりについて
 2 障害児の環境整備について
  (1)療養センターアポロ園の移転について
  (2)障害児の通学等支援について
 3 国家公務員宿舎跡地の利活用における住宅整備について
 4 自転車の交通対策について
 5 成年後見制度の充実について
 6 その他
  (1)CO2排出削減について
  (2)その他

○議長(市川みのる) 次に、南かつひこ議員。
     〔南かつひこ議員登壇〕
○14番(南かつひこ) 平成20年第1回定例会に当たり、公明党の立場から一般質問を行います。
 初めに、西武新宿線連続立体交差化事業に伴うまちづくりについて伺います。
 西武新宿線の連続立体交差化事業として、中井駅から野方駅間での新規着工準備採択が国の予算案として異例のスピードで行われました。これにより南北の交通の分断を解消するとともに、まちづくりの一体化や活性化が図られます。連続立体交差化事業は抜本対策であり、事業完成までには10数年以上もの長期間を要します。それまで踏切対策として速効対策が必要です。さまざまな方法がありますが、地域の合意を得た上で区として速効対策をとる必要があると考えますが、いかがでしょうか、伺います。
 その速効対策の一つとして、国土交通省は東京都、中野区、西武鉄道及び地元ボランティアの協力を得て、都立家政駅で駅構内通路を利用した、開かずの踏切対策に関する実証実験を行いました。今月初め、私は同僚議員とともにその状況を見てまいりました。北口及び南口の各改札で駅構内通行券をボランティアの方から受け取り、踏切の迂回路として駅構内の通路を通行できるというものです。そのときの駅構内通行券がこちらです。踏切問題の速効対策としては、安全性の向上や交通の円滑化を図る手段として大変有効であると思いました。駅構内通行券を利用した取り組みについて、都立家政駅をはじめ、沼袋駅や新井薬師前駅など南北に改札口があり、駅構内に通路がある駅で実施すべきです。中野区として西武鉄道に申し入れや支援のあり方の検討などをすべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
 また、駅構内通行券を人手の削減や通行の円滑化、不正乗車の防止の観点からICカード化も考えられると思いますが、いかがでしょうか、伺います。
 また、国土交通省は1月の下旬に野方駅の第1号踏切で踏切遮断時間表示システムの実証実験を行いました。これは踏切に設置された情報表示板に踏切待ちの時間、電車の接近状況、さらに迂回路が表示され、踏切利用者の不満やイライラを解消するシステムです。踏切時間の表示されるこの踏切遮断時間表示システムと駅構内通行券の利用を組み合わせることで、踏切対策の相乗効果が期待できると考えます。実証実験の結果を踏まえて導入の推進を図るべきです。中野区の見解を伺います。
 次に、西武新宿線沿線の駅前商店街のまちづくりについて伺います。
 連続立体交差化事業に伴い、商店街の活性化を含めた沿線のまちづくりを進める必要があります。中でも沼袋商店街の通り、主幹10号線は道幅が狭く、歩道が明確になっておらず、そこを一般車両や路線バスが通行しているため、買い物客や沼袋駅を利用する歩行者にとって危険だけでなく、まちのにぎわいを半減させています。このような道路交通状況の対策として、自家用車などの一般車両を制限して、バス、タクシーなどの公共交通の利便性を高め、市街地を活性化させるために、歩行者専用道路トランジットモールを設ける手法があります。
 那覇市ではこのトランジットモールをテスト導入した結果、車の渋滞の緩和や排気ガスの減少による通りの環境の改善が見られ、買い物客も多く集まるという大きな効果が得られました。その結果、2007年の2月から毎週日曜日の午後に固定化して本格導入をしています。
 那覇市と同様に一般車両の進入を規制するとともに、日曜日の午後に固定化して沼袋商店街の通りを中野区版のトランジットモールの地区として指定して検討してみてはどうかと考えますが、区の見解を伺います。
 次に、西武新宿線沿線での路上喫煙禁止地区の指定について伺います。
 会社やお店などでは分煙や禁煙の考え方が定着してきました。今や時代の流れであると思います。連続立体交差化事業へ向けたまちづくりの一環として、西武新宿線各駅前を中心とした地域に喫煙場所を確保した上で、路上喫煙禁止地区を設けるべきと考えますが、いかがでしょうか。御見解を伺って、この項の質問は終わります。
 次に、障害児の環境を取り巻く施設整備と通学等支援について伺います。
 初めに、療育センターアポロ園の移転改築について伺います。
 現在の療育センターアポロ園は、建物の老朽化により耐震対策として建てかえが決定しており、江古田四丁目の区職員住宅の跡地へ移転することになります。どのような施設に生まれ変わるのか、区民の関心は高まっています。
 私は先月末に日韓友好議員連盟の一員としてソウル市の陽川区を訪問しました。盛大な歓迎に大変感動いたしました。その訪問の2日目に3カ所の施設を視察しました。その中の一つに障害者総合福祉館がありました。館内にはおもちゃライブラリーや障害の度合いに応じて光や音で刺激を与えて療育する部屋や水泳運動での活動補助ができるプールなどが整備されてあり、利用する人たちの立場に立った施設に非常に共感するものがありました。陽川区の職員の方の話では、日本でいろいろな施設を見て回ったことを参考にしてこの施設をつくられたとのことでしたが、逆に私としてはアポロ園の改築に当たって中野区としても学ぶべきことがたくさんあったように思います。田中区長もこのすばらしい障害者施設をごらんになられていますが、区長の率直な御感想をお聞きするとともに、中野区として新たに建設する療育センターアポロ園の療育内容や施設の設備について、どのようにすべきであると考えられているのか、お聞かせください。
 次に、療育センターアポロ園の基本設計について伺います。
 平成20年度より基本設計に入る予定になっていますが、設計段階で利用者をはじめ、区民の声が反映されるようになっているのでしょうか。例えば新施設への要望などのアンケートを実施することで設計に生かしていくべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
 療育センターアポロ園は、平成22年の4月から指定管理者により運営が開始されることになっておりますが、区として障害児へのかかわり方はどのようにされるのか。また、発達支援の相談の対応はどのようにしていくと考えられているのか、伺います。私はむしろアポロ園に発達障害児支援センターとしての機能を持たせるべきではないかと考えますが、区の見解を伺います。
 療育センターアポロ園は区内唯一の障害児療育施設であり、地理的には北部地域に当たります。移転先の敷地面積は、これまでのアポロ園と比較するとかなり狭くなっています。近年急増している障害児の需要に対応し、サービスの向上を図るためには、南部地域にもアポロ園の分室として障害児療育施設が必要であると考えますが、いかがでしょうか、伺います。
 次に、障害児の通学等支援について伺います。
 中野区社会福祉協議会が発行する広報誌の「そよかぜ通信」には、毎回障害児の送迎サポートの依頼が掲載されており、送迎サポートの依頼の需要はますます高まってきています。義務教育における障害児の通学等支援の事業が20年度予算に計上されたことは大変に喜ばしいことであります。事業実施に当たってヘルパーの人材の確保はヘルパー事業者との委託契約で行うと聞いております。区としては利用する保護者が安心して利用でき、子どもたちにとっても安全でなければなりません。障害児のさまざまなケースに対応するためにも、区として業務マニュアルを作成すべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
 また、障害児の通学等支援の適用範囲を区内のみと規定されておりますが、利用者の都合による区外への適用も考えるべきと思いますが、区の見解を伺って、この項の質問は終わります。
 次に、国家公務員宿舎跡地の利活用における住宅整備について伺います。
 区内における国家公務員宿舎の廃止予定は20カ所で、敷地単位で見た場合は13敷地となっています。このうち、19年度に廃止となった江古田三丁目にある中野宿舎及び江古田合同住宅等の敷地は4万3,775平米、290戸数で最大規模となるものです。区の利活用方針では、この地区の活用策として防災機能の確保や周辺環境への配慮、質の高い住宅の供給、そしてまちの活性化など、まちの機能を高める方向で検討されています。
 現在、保育所の併設という付加価値をつけたマンションがふえてきています。子育て世代からすれば、送迎の時間が省けて危険な道路を通わずに済むという、価値的でかつ子どもの安全性が確保されるという利点があります。また、待機児童の解消対策としても有効です。
 また、最近医師の開業がふえていることから、ベッド数が20床未満のクリニックなどの診療所の開設が増加しています。その理由としては、勤務医の過重労働が原因で開業を選ぶ医師がふえたことによります。今、こうした開業する専門医を1カ所に集めて、医療モールとしてクリニックを併設するマンションがふえてきております。病院のように1カ所で複数の専門医の診察を受けられる利点があり、子どもの病気が心配なファミリー層にとっては安心感が得られます。ぜひ国家公務員宿舎跡地の活用策の一つとして、保育所の併設や医療モールとしての機能を持たせた住宅を整備すべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
 また、この地区には江古田小学校や第七中学校が近接しており、教育環境面の充実を図る上からも、江古田小学校や第七中学校での校庭の芝生化はぜひ推進すべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
 また、この地区に隣接する道路には、江古田の森公園の自然とのバランスや歩行者の安全確保のために電線類の地中化が必要不可欠と考えます。ぜひとも電線類の地中化を推進すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。
 以上でこの項の質問は終わります。
 次に、自転車の交通対策について伺います。
 京都府では昨年9月に、自転車に同乗する6歳未満の幼児にヘルメットの着用を義務付ける条例が議会で議決し、本年の4月より施行の予定となっています。違反しても罰則はないとのことですが、府民から公募した自転車安全利用推進員による指導で啓発を行い、また自転車の小売業者にはヘルメット着用の説明を義務付けるなどによって推進しています。自転車の転倒時に幼児が道路の縁石や突起物に衝突した場合には致命傷を負いかねません。ヘルメットの着用は、子どもの自転車による転倒事故から守るには大変有効であると思います。中野区しても、子どもたちを自転車の転倒事故から守るためにも、子どものヘルメット着用を義務付ける条例を制定すべきであると考えますが、いかがでしょうか、伺います。
 次に、駐輪場の利用率向上の対策について伺います。
 各駐輪場の年間利用率を個別に見ますと、40%台のところや30%台の駐輪場もあります。さらに低い10%台や20%台の利用率の駐輪場も数カ所あります。この低い利用率を上げるためには、何か付加価値をつけなければならないと考えます。例えばICカードを使用して、使用回数に応じて加算されるポイント制にしてはどうでしょうか。たまったポイント数に応じて次回の駐輪場使用料を無料にしたり、区内の商店街共通商品券に交換ができるようにすれば駐輪場の利用率も向上し、放置自転車対策になるのではないかと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
 また、利用率の低い駐輪場では、利用率の向上のために最初の2時間を無料にしたり、また月に数日無料デーを設けるなどして対応すべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
 また、放置自転車対策の一つとして、幅員の広い歩道などを利用して、コイン式の駐輪機材を設置して駐輪スペースとして活用すべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
 以上でこの項の質問は終わります。
 次に、成年後見制度の充実について伺います。
 中野区でもこのたび(仮称)中野区成年後見人センターを開設し、成年後見制度の普及や後見人の養成に本格的な運営を開始すると聞いております。まず初めに、(仮称)中野区成年後見人センターの運営主体として、どのような組織での運営を考えられているのか、伺います。
 次に、制度の普及について伺います。
 成年後見制度をもっと理解しやすくするために、広報に工夫を凝らすことが必要であると思います。例えば、中野区報で大々的な特集号を組むとか、漫画を取り入れたわかりやすい解説書を作成するなど工夫をすべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
 次に、後見人の養成について伺います。
 世田谷区では区民による区民の後見を目標に、2005年度より一般向けの後見人養成の準備に入り、区の社会福祉協議会に成年後見支援センターを設立し、2006年春より研修講座を始めました。研修講座は約70時間で、福祉や法律の知識に加え、専門職に同行する現場研修もあり、1年間をかけて行います。これまでに30人が研修講座を修了し、4人が後見人となって活動を始めています。現在、東京都でも2005年の秋から、一般公募と区市町村推薦の二本立てで後見人の養成講座を行っています。この2年間で116人が研修を修了し、町田市で3人、品川区、板橋区でそれぞれ1人が後見人として認定を受けました。後見人の需要に対応するためには、行政講座の修了生を人材バンクに登録させ、区として実務研修などをして育成することで後見人への養成の充実が図られると思います。そのためにもぜひ(仮称)中野後見人バンクを設置し、将来へ向けて成年後見制度の充実を図るべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
 高齢化社会が進む中、今後ますます後見人の需要はふえてきます。その結果、弁護士や司法書士などの専門職だけではカバーし切れなくなっているのが現状です。一般からの市民後見人としての育成の必要性がますます重要となってきています。
 市民後見人には、他人の財産を扱い、介護や福祉の問題で将来の人生を左右する重大な責任が伴います。また、認知症など回復の見込みが低く、本人が亡くなるまで後見人としての責任は続きます。後見人にとって行政のサポート体制は絶対に必要であると思います。後見人を監督するとともに、後見人が判断に迷うときにはいつでも専門的な助言ができるような支援体制づくりが必要と考えますが、いかがでしょうか、伺います。
 次に、平成19年度版の中野区保健福祉部事業概要の中で、区長申し立てを必要とした被後見人のうち、後見人等の報酬の負担が困難な低所得者に対する助成制度を実施しているとありますが、その実績と内容を伺って、この項の質問は終わります。
 次に、CO2排出削減について伺います。
 中野区環境基本計画(素案)では家庭版なかのエコチャレンジの推進が掲げられ、なかのエコチャレンジシートを作成して、区民の省エネ型ライフスタイルによってCO2削減の意識の啓発を高めるとあります。私はなかのエコチャレンジシートの中に、省エネだけでなく、カーボンオフセットの考え方を取り入れるべきと思います。例えば、なかのエコチャレンジシートに家族で長距離ドライブをした場合や、テレビを消し忘れて寝てしまったときなどのCO2排出量とそのオフセット料金を表示することで、区民のCO2削減に対する意識を高めることができると考えますが、いかがでしょうか、伺います。
 また、将来に環境基金を設立したときには、希望する区民がオフセット料金を支払いできるような仕組みをつくるべきと考えますが、区の見解を伺います。
 また、なかのエコチャレンジ・コンテストを実施するとありますが、コンテストの結果をもとに、区役所や地域センターでの展示会や中野まつりで環境をテーマにしたイベントを開催して、区民の意識啓発を図るべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
 次に、バイオ燃料について伺います。
 東京都はCO2の排出を削減するため、従来のバイオ燃料よりも高い混合率で利用できる、第2世代バイオディーゼル燃料を使用した都営バスを昨年の10月より試験的に導入しました。現在、第2世代のバイオ燃料を使用した都営バスは2台が運行されており、CO2の排出も従来よりも25%削減が可能となりました。また、都営バスでは従来のバイオ燃料を使用して65台の運行を実施しています。中野区でもCO2排出削減の取り組みとして、区有車やコミュニティバスの「なかのん」などにバイオ燃料の導入を図るべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
 その他として、まず出産費用の無料化について伺います。
 このたび、妊婦健診の公費負担を5回から14回に拡充することが区の予算に盛り込まれたことは、大変にすばらしいことだと思います。妊婦健診の公費負担の拡充は、我が会派が常々主張してきたことでありますが、妊娠、出産、育児のセーフティネットの確立の重要性を考えるとき、さらなる子育て支援を進める必要があると思います。国では公明党の政策により、妊娠、出産に係る経済的負担を軽くするため、国民健康保険から支給される出産育児一時金が、平成18年の10月から30万円から35万円にアップされました。中野区では先駆けて平成10年4月から35万円を支給しています。しかしながら、出産費用の総額は、分娩、入院、その他の費用を加えると約50万円かかるとされております。そこで子育て支援の一環として、中野区で出産育児一時金の支給額と出産費用総額との差額分を助成して、出産費用の無料化に踏み切るべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
 最後に、子育て支援カードの事業について伺います。
 東京都は子育て中の家庭に、商店街などで買い物をした際に割引や特典が付加される子育て支援カード事業を子育て応援都市東京・重点戦略に位置付け、都の包括補助金のメニューに入れて、20年度より区市町村に対して随時支援していく方針を打ち出しました。現在、島根県では各市町村と協力して、「コッコロ」という子育て応援パスポート事業を実施しており、また松本市でも「わいわいパス」という名称で子育て世帯割引カードの事業に取り組んでいます。お隣の杉並区では子育て事業として杉並子育て応募券を配布し、大変喜ばれています。こういった事業の取り組みは、子育ての経済的負担を軽減させるとともに、商店街にとっても活性化やイメージアップにつながると大変好評です。中野区としても子育て支援カード事業の実施に向けて、中野区商店街連合会と連携を図りながら具体的な事業として取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
 以上で私のすべての質問は終わります。御清聴、まことにありがとうございました。
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 南議員の御質問にお答えをいたします。
 まず、西武新宿線連続立体交差事業に伴うまちづくりについての項目の中での、開かずの踏切対策用の実証実験の拡大についてという御質問であります。
 今回行った実証実験の取り組みについて、区としても注目をしているところであります。国として今回行った取り組みについて今後取りまとめをしていくということでありますので、区としてはその成果を見守って、取れ入れられるものについては取り入れていくよう働きかけをしていきたい、こう思っております。
 それから、沼袋商店街についてであります。沼袋のバス通りについては北から南への一方通行でありまして、一般車両も入りまして、特に踏切の付近では車、人、バスといった形で、自転車も含めてですが――という形で、大変混雑をしている状況にあるということは認識をしているところであります。その周辺一帯の道路の交通状況、道路状況なども大変狭い一方通行が多く、大変難しい状況にあるということでもあるわけであります。このことにつきましては地域の皆さんや交通管理者などとも相談をしながら、どういった対応ができるのか考えていきたいというふうに考えております。
 それから、西武新宿線各駅周辺での路上喫煙禁止地区の指定についてということであります。西武新宿線の各駅周辺では地元の町会や商店会と連携をして、歩行喫煙の防止でありますとかポイ捨て防止の啓発活動に取り組んでいるところであります。そうした結果、着実に効果が上がっているという状況にあるわけであります。今後、この取り組みを一層推進していくこととしておりまして、路上喫煙禁止地区の指定ということについては現在のところ考えていないわけであります。
 それから、療育センターアポロ園に関連して幾つかの御質問がありました。陽川区の障害者福祉施設についての御質問がありました。私ももちろん一緒に見学をさせていただきました。意欲的に新たな取り組みを取り入れておりまして、その効果に注目をしたいというふうに考えております。ああいったそれぞれの取り組みが行政の中でのほかの分野、教育でありますとか生活支援など、他の施策全体とどのように連携しているのかなど、そういったトータルな面でのケアということについて把握をし、よい点があれば学んでいきたいというふうに考えております。
 アポロ園についてであります。近年、アポロ園については通所サービスであります児童デイサービス、それから保育園、幼稚園の在園児に個別対応いたします個別指導や相談などの利用者が増加をしております。建てかえに当たりましてはこうした状況を踏まえ、事業の拡充に対応できる施設内容といたしますとともに、緊急一時保護や交流の機会など、保護者への支援の機能も強化していきたいと考えております。限られた施設面積ではありますが、さまざまに工夫を凝らしていきたいと考えております。
 施設設備につきましては、他自治体の施設なども参考にしながら、バリアフリーや環境への配慮も含め、十分検討をしていきたいと考えております。
 それから、施設の設計に当たって利用者区民の声が反映されるようにということであります。保護者への説明会やアンケート調査を実施してきたところであります。今後、施設設計等について、利用者と意見交換をしながら進めていきたいと考えております。
 指定管理者となった場合の区のかかわりはどうなるのかといったようなことであります。指定管理者にはアポロ園におきます日常生活にかかわる相談や児童デイサービス、個別指導等の直接対応をお願いいたします。区といたしましては、(仮称)すこやか福祉センター等におきます学齢期以降を含めた障害や発達に課題のあるお子さんの発達段階に応じた相談支援やサービス調整など、障害を持つお子さんへの施策全体にしっかりと責任を持ってかかわってまいりたいと考えているところであります。
 また、アポロ園の事業の南部地域への展開ということであります。南部地域への施設展開については、新施設開設後の障害児の動向でありますとか、すこやか福祉センターにおける事業実績などを見きわめながら研究をしていきたいと考えております。
 それから、障害を持つお子さんの通学等の支援についての御質問であります。この事業は保護者にかわって居宅介護支援事業者が通学や学童クラブ利用児童の移動を支援するものであります。児童の確実な受け渡しについて、手順でありますとか確認事項といったようなことをきちんと明確にして、安全には十分に配慮していきたいと考えております。また、事業をやっていただきます事業者に対しましても安全確保に対して十分な指導をしていきたいと考えております。
 適用範囲で区外での利用も認めるべきではないかという御質問もありました。この事業は自宅と区内の学校、学童クラブ、養護学校のバスポイント等の間の利用を対象としているところであります。これ以外の利用については、現時点でこの事業の対象とすることは考えておりません。臨時的、短期的なものについては他の事業で対応することが可能な場合がありますので、十分に相談に応じていきたいというふうに考えております。
 それから、江古田三丁目の国家公務員宿舎の跡地の利活用についての御質問もありました。この宿舎跡地は独立行政法人都市再生機構が取得をする方向で現在国と協議中と聞いております。区といたしましては、国家公務員宿舎跡地利活用方針で定めておりますとおり、周辺が広域避難場所であること、それから貴重な緑が豊富に存在している地域でありますことから、防災機能の確保や良好な居住環境を有する住宅地を主体に整備していくよう申し入れをしているところであります。保育施設やあるいはクリニックモールなどの日常生活の利便施設等につきまして、具体的な内容につきましては、今後都市再生機構と協議を行っていきたいと考えております。
 それから、電線類の地中化についての御質問もありました。区としては、広域避難場所の周辺でありますとか大規模な面的な整備に当たりましては、電線類の地中化が必要であると考えているところであります。当該跡地におきましても電線類の地中化を進めるべきであると考えております。事業方法や進め方などについて、今後、独立行政法人都市再生機構と協議をしていきたいと考えております。
 私からは以上であります。そのほか、それぞれの担当部長等からお答えをいたします。
     〔教育長菅野泰一登壇〕
○教育長(菅野泰一) 江古田三丁目の国家公務員宿舎跡地活用につきまして、近接しています江古田小学校や第七中学校の校庭の芝生化もすべきではないかと思うがどうかという御質問でございます。区といたしましては、今後5年間で区立小・中学校全校の芝生化を実施していく予定でありまして、その中で当該校の校庭につきましても芝生化をしていく考えでございます。
    〔都市整備部長石井正行登壇〕
○都市整備部長(石井正行) 私からは、まず自転車の交通対策の中で幼児のヘルメット着用についての御質問がございました。
 平成19年6月に成立をしました改正道路交通法におきまして自転車に関する規定が見直され、児童または幼児を自転車に乗車させるときのヘルメット装着の努力義務が保護者に課せられるということになったわけでございます。ヘルメット着用など、道路交通法改正に伴う区民への周知につきましては、4月5日号の区報で交通安全や自転車利用等の関連記事、これを総合的に掲載し、PRする予定になってございます。今回、京都府での条例化につきましては、府下全域での広域規制を前提としているものでございますけれども、東京都では今のところ、条例化に向けた検討はされていないというように聞いております。中野区といたしましても、今後この都の動向を見てまいりたいというふうに考えております。
 次に、自転車駐車場の利用率向上につきましてでございます。現在、中野区内の自転車駐車場の平均利用率は81%と増加傾向にございます。その結果、放置率は年々減少傾向にございまして、こうした状況を踏まえまして利用の少ない駐車場を見ますと、周囲の状況は必ずしも放置率が高いという状況にはないということでございます。したがいまして、今後は地域の必要性に応じた駐車場の整理・統合とともに、利用率向上のための方策も検討していきたいというふうに考えております。
 次に、歩道上の自転車駐車場設置についてでございます。現在、区では道路上に整理区画といたしまして、自転車駐車場を4カ所設置している状況でございます。国のほうでは路上自転車・自動二輪車等駐車場設置指針、これをつくり、示されておるわけでございますけれども、放置規制区域内で駐車場を必要とする区道並びに都道にはこの指針に当たる有効幅員を満たす場所は現在ほとんどないというような状況でございます。
 それから、その他の項でCO2排出削減に関しまして、区有車、それから「なかのん」にもバイオディーゼル燃料の導入をしたらどうかというお尋ねでございました。現在のところ、揮発油等の品質の確保等に関する法律に基づく第1世代のバイオでございます、FAME5%混合軽油の供給体制が現在整っていないということから、区有車や「なかのん」に直ちに導入することは困難でありますけれども、今後の供給体制の整備状況、これを見据えながら対応を考えてまいりたいと思います。
 以上でございます。
    〔保健福祉部長金野晃登壇〕
○保健福祉部長(金野晃) 成年後見制度の充実についての御質問にお答えいたします。
 まず、予定している成年後見センターの設置ですが、センターは区が設置し、運営は中野区社会福祉協議会に委託することを検討しているところでございます。
 また、制度の普及や周知についてでございます。区報では特集を組んで周知していきたいと考えております。また、区の窓口でのパンフレット等の配置や普及啓発事業を開催し、その内容もわかりやすいものにしていきたいと考えています。成年後見センターが設置された後には、成年後見制度の普及、PRをセンターの活動の柱に位置付けて、積極的に推進してまいりたいと思います。
 次に、後見人バンクについてのお尋ねでございます。現在、センターの設置、運営等に関しましては、法律や福祉などの関係団体からの参加を得て、成年後見制度推進機関検討委員会を設置して意見を聞いているところでございます。後見人の養成についても意見を聞いております。この中で何人かの現在都の講座修了生が社会福祉協議会で実習をしているという例があるわけでございますが、区独自に後見人バンクをつくるということにつきましては、まだ条件が整っている状況ではないと受けとめております。
 次に、後見人のサポート体制でございます。一般の後見人に対するサポートにつきましては区としても必要と考えておりまして、後見人への支援も視野に入れた相談会の開催、またセンターのスタッフである弁護士や社会福祉士等による個別のサポートなどについても、検討委員会の意見を踏まえて取り組んでいきたいと思います。
 次に、低所得者への助成でございます。平成20年の1月末までに、これまで累計35件の区長申し立てを行っているわけですが、後見人報酬の助成が必要となって行った例はまだございません。
 以上でございます。
    〔区民生活部長大沼弘登壇〕
○区民生活部長(大沼弘) カーボンオフセットの導入についてお答えいたします。
 エコチャレンジの中でカーボンオフセットの考え方に基づいて、排出者自身が二酸化炭素(CO2)排出に見合った緑の増加策を講じるような取り組みに結びつけられていけばよいと考えています。里・まち連携事業で考える都市と地方の交流を推進する中で、その方策を検討していきたいと思います。
 環境配慮基金の設立に当たっては、カーボンオフセットのような仕組みも視野に入れて検討していきたいと思います。
 コンテストでの効果のあった取り組みやユニークな取り組みは、さまざまな媒体や機会を通じて紹介していきたいと考えています。
 以上であります。
   〔子ども家庭部長田辺裕子登壇〕
○子ども家庭部長(田辺裕子) 私からは、出産費用の助成につきましてお答えをいたします。
 出産に係る支援につきましては、妊娠中からの体系的な情報提供、出産後、すべての家庭への助産師等の訪問などに取り組むとともに、経済的な支援につきましても、妊婦健診助成を現行の5回から14回に拡大するため、20年度予算に計上したところでございます。まずはこれらの事業の周知と利用拡大を図り、安心して出産に臨める環境づくりに努めてまいりたいと考えております。
 次に、子育て支援カード事業の御提案でございました。安心して子育てできる環境を整えていくために、一時保育などの子育てサービスを拡充するとともに、地域ぐるみで子どもと家庭を支える仕組みを構築することが区として優先すべき課題だと認識をしております。区は現金給付的な事業よりも直接子育て支援の効果のある具体的なサービスを中心に子育て支援施策を推進していく考えでございます。
○議長(市川みのる) 以上で南かつひこ議員の質問は終わります。
 議事の都合により、暫時休憩をいたします。
      午後2時38分休憩

      午後3時00分開議
○議長(市川みのる) 会議を再開いたします。
 この際申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。
 一般質問を続行いたします。

 中野区議会議員 長 沢 和 彦
 1 所信表明と2008年度予算案について
  (1)所信表明について
  (2)予算案について
  (3)緊急要望について
  (4)その他
 2 後期高齢者医療制度について
 3 人事政策と「官製ワーキングプア」等について
 4 青年の就労と生活支援について
 5 小・中学校再編計画と少人数学級について
 6 西武新宿線連続立体交差事業と野方駅の改善について
 7 その他

○議長(市川みのる) 長沢和彦議員。
      〔長沢和彦議員登壇〕
○30番(長沢和彦) 質問に先立ちまして、故藤本やすたみ議員、故小堤勇議員の急逝に当たり、哀悼の意をあらわし、謹んで御冥福をお祈りいたします。なお、我が会派の故小堤勇議員の逝去に当たりましては、区長、議長をはじめ、同僚議員、理事者の皆様の御厚情に深く感謝申し上げます。
 2008年第1回定例会に当たり、日本共産党議員団を代表して質問を行います。
 初めに、所信表明と2008年度予算案についてです。
 区長は所信表明の中で世界での大きな時代の枠組みの変化について述べられました。いわゆるテロとの戦いを一言述べ、アメリカでの国内経済の不安や大統領選挙への動きを紹介しています。しかし、経済情勢にだけ言及し、その背景にあるイラクやアフガニスタンの戦争に触れないのはなぜでしょう。なお、テロは根絶どころか逆にふえ続けています。今日、戦争でテロはなくせないことは世界の常識であり、再びインド洋に自衛隊を派兵し、イラク戦争においても派兵を続けている日本はアメリカ政府からは歓迎されていますが、世界からは孤立しています。
 今月10日には沖縄でまたもや米兵による女子中学生暴行事件が発生しました。政府がアメリカ側に綱紀粛正、再発防止を求めてもかなわないというのがこれまで繰り返されてきたことです。沖縄や岩国をはじめ、基地強化を許さず、基地の縮小・撤去を求める声が広がっています。日米同盟のほころびと破綻は明らかです。
 経済情勢については、サブプライムローンや原油、穀物の価格高騰の原因をたどれば、投機マネーの問題に行き着きます。アメリカだけでなく、日本国内においても影響を受け、その被害は一層広がることが指摘されています。曲がり角に立っているのは、物を生産することなく、お金を投機取引に振り向ける経済のあり方です。世界の動きについて論じるのであれば、平和の問題に触れないのはあまりにも寂しい限りです。新たな歴史のステージというのであれば、それこそ世界の大局的な流れを論じることがふさわしかったと思います。見解を伺います。
 所信表明では経済格差に対する不安や不満感も大きく、また年金や医療をはじめとする社会保障制度の将来に対する信頼感もなかなか回復することができないと述べています。食品や製品の表示偽装が続出するなど、企業倫理への不信も国民の意識に大きな傷を残している。これらが相まって、国全体の将来に対する不安を広げているとの認識も示されました。国の規制緩和がこうした事態を招きました。法的な規制や事前のチェック機能が弱められるもとで、命や安全が脅かされています。同時に、行き過ぎた規制緩和によるさまざまな事件・事故、違法・脱法行為があっても、区は立ちどまって見直すこともせず、旗振りを行ってきた責任はやはり免れないでしょう。昨年発覚したコンビニエンスストアにおける収納事故は、公金収納事務が利便性の名のもとに、いかにリスクの管理と回避を考えていなかったかを露呈しました。区民の信頼を損なう事件でした。
 区長、こうした事態が構造改革や規制緩和によってもたらされたことを自覚されていないのでは困ります。区が国や東京都と一緒になって進めてきた道、それが貧困の増大と格差を広げ、不安と不満を募らせた一番の原因ではありませんか。答弁を求めます。
 日本経済について、全体のパイの大きさが変わらない中で成長して利益が上がる業種や地域があれば、他は利益が下がり、格差につながるのは当然。一層の経済成長を実現することが欠かせないと言います。ここには大企業などがもっと利益を上げ、経済成長が伸びれば、それが波及して中小企業や国民にも回りますよといったトリクルダウンの考えが根底にあります。しかし、経常利益の過去最高を更新している大企業がある一方で、サラリーマンの平均給与は9年連続で減少し、企業の倒産件数は4年連続で増加しています。昨年12月に内閣府が発表したミニ経済白書でも、好調だった企業部門の一方で、景気回復の波及がおくれた家計部門について分析せざるを得ませんでした。家計の所得が改善せず、税と社会保障の家計への負担が重くなっているからです。大企業が栄えても国民生活はよくならない。この事実を政府も認めざるを得なくなりました。改めて区長の認識を伺います。
 また、新たな経済成長の実現を前提とした上で、国民が納得し得る形で一定の負担増にも踏み込むとも述べています。あたかも国民に負担を求めなければ、安定的な社会保障制度を確立することができないかのような提案は感心しません。そもそも大企業や大資産家への行き過ぎた減税政策を正す必要があります。10年前と比べて経常利益は2.2倍にもなっているのに、減税により企業の払う税金は変わっていません。応分の負担をしてもらうことは当たり前ではないでしょうか。それなのに厳しい国際競争の中でまだまだ改革や規制緩和が必要と、財界、大企業におもねる認識を表明されています。雇用や国民生活の安心・安全、子育て支援や介護、福祉など、幅広い面に配慮したきめ細かな政策が実行されることとも言いますが、本来、規制緩和とは相入れない政策課題です。しかも今日、政府は社会保障の抑制で国民を兵糧攻めにし、消費税増税への橋渡しまでしようとしています。こうした一層の区民負担の道を歩ませてはなりません。見解を伺います。
 所信表明では道路特定財源と暫定税率の維持が求められました。一方、道路特定財源の一般財源化と暫定税率の廃止を求める国民世論は多数を占めています。政府はこれまでの無駄と浪費の高速道路、大型道路の建設に無反省のまま、道路中期計画で際限のない大型道路建設を進めようとしています。そこでは通学路の安全確保やバリアフリー、防災対策が大事だと言いますが、59兆円の道路中期計画の中で通学路の整備は4%、防災防雪対策は2.5%、バリアフリー化は2.3%とむしろ少な過ぎます。住民の願いを大事にするなら、何より地方の裁量に任せることが大事です。高速道路よりも生活道路を優先する、大規模プロジェクトよりも住民の暮らし、社会保障を優先するなど、地方自治体と住民が予算の使い方を選択できるよう、一般財源化することこそ必要です。
 区長は所信表明の中で、国が財源や権限を集中的に握り、地方をコントロールしながら画一的に政策を進める形を批判し、地方分権を進めることをうたっているのですから、この問題でもその立場に立つべきではありませんか。改めて見解を伺います。
 予算案について、2点に絞って伺います。
 今も指摘したように、区民の暮らしと将来不安はますます深刻さを増しています。65歳以上の高齢者は、非課税措置廃止の緩和策も来年度はなくなり、またもや増税です。住民救済策が、特に高齢者、障害者、ひとり親家庭など、弱者や低所得者への救済策が必要です。
 区は税制改正に伴う介護保険料の激変緩和措置の延長については、来年度も継続実施することを決め、1月21日の厚生委員会にて報告しています。厚生労働省からの政令通知があったとはいえ、保険者、つまり区の判断として実施を決めたわけです。このような措置は、軽減措置の継続を決めた国民健康保険同様に歓迎するものです。しかし、財政運営の考え方(中長期財政フレーム2008年改定)では、事業の評価・改善のところで、「経常事業の中での新規・拡充に充てる財源は原則として既存事業の見直しによって確保し、経常的な事業費は一定の額に抑制する」と記しています。必要な事業を区民の視点からでなく、財政面からしか見ないやり方は間違いです。国や都がやめたら区もやらないといった姿勢ではなく、あくまでも区民生活に寄り添った予算とすべきです。所信表明で格差に触れながら、高齢者や障害者、子育て世代や青年層、こうした階層や低所得者など、弱者の実情について言及されないのはどうしてですか。何よりも暮らしを守り、支えることを最優先に取り組むことが求められているのに、なぜその決意が示されないのでしょうか、お尋ねします。
 もう1点、ため込みと開発優先の予算のあり方を改めることを求めます。
 今年度末に基金残高はおよそ363億6,000万円にもなります。これは区政史上最高の額です。額もさることながら、区民生活がいわば底が抜けてしまったような不安と危機に見舞われているこの時期のため込みです。
 警察大等跡地の用地買収では、起債発行など新たな負担が生じました。中野駅周辺まちづくりでは2008年度以降、本格的な大規模開発が予定され、東中野駅前広場と軌道上空活用にも多額の税金が投入されることになります。区民の厳しい暮らし向きをよそに、ため込みと開発が優先されていると言わざるを得ません。無駄を省き、不要不急な事業については見直しや先送りを行うことが欠かせません。例えば中野駅舎の改築は、事業者であるJRが責任を明らかにしないもとで慌てて行う必要はありません。見解を求めます。
 三つ目に緊急要望についてです。原油価格の高騰が国民の暮らしと営業、日本経済を襲っています。それに続き、電力・ガス料金の値上げ、食料品から日常生活品に至るまで価格上昇を招き、この動きは消費者物価全般へ波及しつつあります。区内業者からは消費の落ち込みに加えて、この事態に大変だ、厳しいの声が出ています。
 そこで伺います。一つ目、区として影響調査を行い、相談窓口を設けるべきではないですか。二つ目、低所得者や高齢者、障害者、ひとり親家庭世帯に福祉灯油券などの発行を考えてはいかがでしょうか。三つ目に、公衆浴場への燃料高騰分の補助の実施を求めたいと思います。公衆浴場設備助成事業の中で、クリーンエネルギー使用の場合に増額対応を行っています。しかし、それでは十分といえません。
 以上について答弁を求めます。
 次に、後期高齢者医療制度について伺います。
 後期高齢者医療制度の実施が近づいていますが、制度が知られるにつれて不安と怒りの声が広がっています。中止や見直しを求める意見書・請願を採択した地方議会が505議会にも上っています。それほど欠陥だらけの制度だということです。日本共産党は4月からの実施の中止・撤回を掲げつつ、制度の改善に力を尽くすものです。
 2月12日の東京都後期高齢者医療広域連合議会で、低所得者対策を講じた条例の一部改正が行われました。この結果、1人当たり軽減後の実質的な保険料は約8万9,300円となります。11月の広域連合議会で附帯決議が上げられ、当初と比べて低所得者の保険料の軽減が図られたことは一歩前進です。しかしながら、今年度の国保の保険料水準に比べ、なお高い状況にあります。
 区内の75歳以上の高齢者約2万8,000人のうち、今回の軽減策の対象となる人数は現時点では把握できないと言います。しかし、年金収入の高い人は現行国保より保険料が低くなりますが、年金収入370万円以下の人は軒並み負担増になります。国も東京都も、軽減策への支援は行わないとしています。国と都に軽減策をしっかりと求めるべきではありませんか。また、それが実施されるまでの間は区独自の支援策が必要と考えますが、いかがですか、お答えください。
 65歳から74歳で、寝たきりや障害のある人も後期高齢者医療制度の対象となり、制度に入るかどうかを選ぶことになります。区内には260人ほどの方がその対象となっています。しかし、国保の保険料が定まっていないことや診療内容が別体系であることから、今の時点ではどちらを選ぶかの判断が下せない状況にあります。区は対象となる方々が不利益をこうむることのないように、情報を正しく、かつ積極的に公開し、体制も整えて対応することが必要です。答弁を求めます。
 次に、人事政策と官製ワーキングプア等について伺います。
 職員2,000人体制に向けての方策が2月5日の総務委員会で示されました。10か年計画の行政革新の取り組みを強化するため、2006年の8月に出された中野区人材育成計画をより具体的に示した方針だといえます。その中心は人件費削減と新規採用の抑制です。そのために民間にできることは民間へと、民営化・民間委託を行い、残った職員には能力開発を進め、任期付職員や再任用を活用するというものです。しかし、民営化・民間委託を区民の反対を押し切ってまで強引に進め、区民サービスについては満足度といった物差しだけを当てはめて、何か事が起きてから対応するといった姿勢は問題です。ですから、きちんとした検証もされていません。
 また、職員に対しては少数精鋭の職員体制を構築するため、能力開発を行うとしています。そのために研修なども行うようですが、この間の研修の多くが、専ら公共性なり公務労働をゆがめる市場競争原理版であったことからして、区民が歓迎できるものではありません。しかも、成果主義の導入を一層進めるに至っては職員一人ひとりをばらばらにし、職員間の連携・協力が図られない事態を招きます。既にそうなりつつあると職員から悲鳴が上がっています。さらに職員の超過勤務の実態が改善されていないことも看過できません。要は安上がりな行政を行っていく、そのための方策でしかありません。区民福祉を守る自治体としての使命、役割からはかけ離れています。2,000人体制ありきの区政運営は改める必要があります。見解を伺います。
 次に、官製ワーキングプアについてお聞きします。
 有期雇用や非正規雇用の賃金等の改善を求め、伺います。
 アルバイトなど臨時職員の時給は、昨年度まで一般事務が800円、保育士が900円と23区で最低レベルでした。市町村を含めた東京全体の平均より大きく下回ってもいました。今年度になって改定され、一般事務が830円、保育士が920円となりましたが、やはり東京全体の平均一般事務850円、保育士955円を下回ったままです。しかも、2006年度との比較のため、さらに他の自治体との差が広がっていることも考えられます。
 今春闘では、連合や全労連の組合が最低賃金額として時給1,000円以上の引き上げを求めています。今や国民的な喫緊な課題であると考えます。区みずからがワーキングプアをつくり出している事態は改めなければなりません。さらなる時給のアップを図ることなどの改善に取り組むことを求めます。
 次に、民営化・民間委託によって受託した事業所で働く社員、職員の待遇と労働条件についてです。
 民営化・民間委託の目的が専ら財政削減にあることは明らかです。しかし、事業の安定と継続、専門性の問題の根底に安上がり労働の実態があります。区の事業を民営化・民間委託しても、公共性は喪失しません。また、失ってはならないはずです。したがって、区が実態把握に努め、適切な点検と指導を行うことが必要と考えます。同時に、事業によっては経営的に厳しい状況にあることを直視すれば、必要なサービスを量・質ともに提供できるよう、補助金などの支援をすることは自治体行政として当然です。答弁を求めます。
 さらに業務委託、請負契約が正しく行われているかお聞きをいたします。
 地方自治体の職場における偽装請負を是正させるための厚生労働省・地方労働局による指導が、2006年秋以降、相次いで報道されています。憲法や法令の遵守、社会的公正さが要求される地方自治体の職場の中にも、偽装請負、違法派遣のような違法不当な雇用が蔓延しています。中野区においてはどうでしょう。業務の民間委託問題に加え、受注先が違法・不当な雇用となっていないかが厳しく問われます。
 例えば、第4回定例会での学童クラブの民間委託にかかわる我が党議員の質問に対し、児童館の区職員と受託した事業者職員との日常的な連携関係の構築を言いながら、指揮命令権など、受託事業者の独立性を侵すことなく運営が行われると答えています。しかし、対象となるのは一人ひとり個性を持つ子どもたちです。委託業務内容を幾ら事細かに契約仕様に定めても、限界があります。また、連携関係を築くほどに、違法性が強まるといった矛盾に陥ります。現行の学校給食調理業務の委託についても同様です。指示系統を全く分離した運営となっているのか甚だ疑問です。少なくとも区が行っている業務委託、請負契約の実態を第三者も交えながら調査し、議会、区民に報告すべきではありませんか、お答えください。
 次に、青年の就労と生活支援について伺います。
 中野区の就労・求人支援サイト「ぐっJobなかの」が開設され、多くの方がアクセスしていることが見てとれます。また、ハローワークと連携した区内就職面接会が11月に開催をされました。企業、事業者の17のブースが並び、120名ほどの参加があったと伺っています。しかも、その1割程度の方々が就職に結びついたことは喜ばしいことです。来年度以降も続けていくと伺っていますが、1回だけとせず、回数をふやすとともに、求職者も事業者も一層参加できるよう、宣伝をはじめ、取り組みの工夫を求めます。お答えください。
 一方、こうした就職面接会でさえ敷居が高いと感じている青年がいます。次に、住居のない、いわゆるネットカフェ難民の対策を求めます。
 東京都は4月から住居喪失不安定就労者サポート事業を開始します。ネットカフェや漫画喫茶等で寝泊まりしながら、不安定な雇用形態で就業する住居喪失者に対してサポートセンターを設置し、生活支援、住居支援、さらにハローワーク等と連携した就労支援を実施することにより、安定した生活への促進を図ることを目的としたものです。区は関係機関との連携を強調してきました。このたびの都の事業に対しても積極的に情報を収集し、区の取り組みに生かすことを求めます。
 また、職業訓練している間の生活保障が欠かせません。現在は生活援護分野が窓口になって、緊急一時保護センターや就労の自立支援を進める自立支援センターなどに一定期間入所して、職業訓練などの取り組みが行われています。しかし、現在の状況から見て十分とはいえません。都のサポート事業では住居相談業務が支援内容として行われます。速やかに結びつけることを求めます。同時に、家賃が手取り収入の半分を超える事態が中野区においても厳然とあります。区でも家賃助成や無利子貸し付けなどを検討すべきです。お答えください。
 我が党議員団は繰り返し青年の相談窓口の開設を求めてきました。関係機関との連携や調整を行う場になると思いますが、何より身近にあることが大事で、交通費などの出費を心配することもなく訪ねることができます。相談窓口の開設を改めて求めます。お答えください。
 次に、小・中学校再編計画と少人数学級について伺います。
 2月4日の文教委員会で、法務省矯正研修所東京支所等の移転に伴う学校用地としての活用についての報告がされました。矯正研修所の移転後の跡地を、野方小、沼袋小の統合校用地に活用するというものです。想定スケジュールでは、平成23年4月に野方小の位置で新校舎として統合することにしていました。それが平成28年4月に、矯正研修所跡地に新校舎として開校することになっています。現在の野方小を建てかえて狭い敷地での新校とするより、近くで広い場所を確保して新築するといった見直しは理解できるものです。そうであるならば現行のスケジュールをストップして、野方小と沼袋小の統合は平成28年4月として開校すべきではありませんか。もちろん、平成21年度から始まる丸山小と沼袋小の統合についても時期を改めることが必要となります。当然ながら、沼袋小の地域スポーツクラブの活動拠点への転換も見合わせることも必要です。要は子どもたちの最善の利益を考えることが何よりも大事です。子どもも親も、だれも好き好んで統合を受け入れているわけではないのですから、全く新しいところに学校がつくられるのであれば、教育活動の展開にふさわしい学校となるよう、専門家や関係者を交えた検討機関を設けて進めるべきではないでしょうか、お尋ねします。
 教育委員会では、来年度予算案の中で中後期の再編計画の検討を行うことにしています。ファミリー向けマンション建設など住宅事情が変わる中、地域での対象児童・生徒数にも変化が生じてくるでしょう。そもそも40人学級を前提とし、小学校18クラス、中学校15クラスを適正な規模としていることが教育環境の改善と言えるのでしょうか。さらに小規模校を認めないことは、区民の願いに反していると指摘してきたところです。費用負担のことがまず第一にあるため、子どものこと、学校のことは二の次になっています。教育に係る費用負担については国や都に及び腰のままです。東京都は依然として拒否していますが、今や少人数学級は全国で当たり前の流れなのにです。
 来年度予算案で習熟度別少人数指導の拡大を図ることにしています。しかし、習熟度別少人数指導の拡大で学力向上につながるのか。子ども同士の差別、競争をあおることにもなりかねないことを危惧します。1日の大半を過ごす学校においては、1学期を単位とした生活の場が自分の居場所として安心感を与え、大切であることは、学校関係者や識者からも指摘されています。一人ひとりの学力向上と個性の発揮は少人数学級でこそ実現できると思います。杉並区や足立区においても足を踏み出しました。中野区においても中後期の再編計画は白紙とし、少人数学級の実施を検討すべきではありませんか、伺います。
 次に、西武新宿線連続立体交差化事業と野方駅の改善について伺います。
 一つ目に、連続立体交差化事業についてです。
 西武新宿線の連続立体交差化が中井から野方駅の間について採択されました。野方から井荻駅間はどうするのでしょうか。区は一体的にとの解釈を示して、議会、区民に説明してきた経緯があります。また、設立した西武新宿線踏切対策渋滞解消促進期成同盟の目的からして、あくまでも地下化を求めるのではないのですか、伺います。
 区はこれまで西武新宿線まちづくりに関する調査を行ってきました。また、周辺まちづくり勉強会ではまちづくりに対する検討を行ってきています。これらは区のまちづくりの計画にどのように生かされてきたのか、また今後どのように生かされるのか伺います。
 二つ目に、野方駅の改善についてです。
 北口の開設とバリアフリーの実現に向けて動き出したことを歓迎するものです。南口の駅前広場の活用については駅前商店街に接していることもあり、地域住民の皆さんが憩える場所にしていただきたいと思います。現在でも駅前待ち合わせや幼稚園児の引き継ぎ場にしているところを見かけます。高齢者や子ども、買い物客などが憩える場所となることを望みます。あわせて、野方振興組合などがイベントなどを行う場としても活用できないか、西武鉄道に働きかけていただきたいと思います。答弁を求めます。
 以上で私のすべての質問を終わります。ありがとうございました。
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 長沢議員の御質問にお答えいたします。
 所信表明の中で平和問題について触れるべきではないかという御質問がありました。今日の世界の動きの中でさまざまな状況、経済やあるいは地域紛争、いわゆるテロとの戦いなども重要な要素と考えているところであります。所信表明のそのくだりについては、新たな世界の動きを概観的に押さえて日本の行くべき道を述べたかったものでありまして、お望みの内容になっていないのは、立場が違うわけですから当然のことだと思っております。
 それから、構造改革、規制緩和についてであります。日本が国際競争力を高めて持続的な成長を維持していく、そのような国になるためには、構造改革や規制緩和の一層の推進が必要であるということは述べているとおりであります。また一方で、その改革の成果を社会全般に波及していくように配慮し、国民生活を守るためのきめ細かな政策を実現していくことが必要だということも述べてきているところであります。
 それから、道路特定財源についてであります。地方自治体が使い方を選択できる一般財源化が必要ではないかといった御質問でありました。国が一般財源化したからといって、地方の自主財源に直ちになる保障はないのであります。特に地方交付税不交付団体においてはその見通しは小さいように感じられるわけであります。地方自治体においては生活道路整備にも道路特定財源が充てられております。着実に道路整備や維持・補修を行う上でも特定財源であることが妥当だと考えております。
 道路特定財源は受益者負担の原則に基づいて、自動車利用の基盤整備による国民生活の向上と、自動車による社会的な負荷に対する適正な負担を実現する仕組みであります。今日においても、なお道路や交通基盤の整備の必要性は多大でありまして、道路特定財源は今後とも必要だと考えているところであります。
 それから、既存事業の見直しについてであります。財政運営の考え方の主眼は、区民や地域にとって本当に必要な施策や事業は何かという区民の視点から事業を取捨選択し、選択した事業のために必要な財源を確保していくという政策主導で財政運営を行うことであります。何ら事業を見直すことなくいたずらに事業を拡大するということは、経常経費がどんどんふえて財政破綻につながるということでありますので、そうした考え方はとらないということであります。経常事業のPDCAサイクルを徹底し、事業を抜本的に見直すとともに、コスト管理を徹底することで区民サービスが向上し、区民に必要な施策が推進できるというふうに考えているわけであります。
 中野駅地区の整備についてであります。JRが責任を明らかにしないもとでは駅地区のまちづくりは慌てる必要はないという御質問でありました。本年4月に開院となります警察病院の利用者や、警察大学校跡地の整備に伴って増大する乗降客数への対応については、これは喫緊の課題であると考えております。駅施設、南北通路のあり方等、中野駅地区がどうあるべきか、JR東日本も含めてその具体化を図ることが急務であると考えているところであります。
 景気の動向が大変厳しいということで、区内事業者への支援についての御質問がありました。景気動向を見ると、厳しい状況であるということについては認識をしているところであります。相談窓口等について、現在の経営相談の中で十分対応できているものと考えております。
 公衆浴場への石油高騰についての燃料高騰分の補助の実施という御提案もありました。公衆浴場それぞれにおいて重油を用いたり、あるいはガスを用いたり、あるいは廃油を用いたりなど、使用している燃料が一律ではありません。そうした現行の状況の中で燃料高騰分、重油の高騰分の補助というのはなかなか実施が難しいと思っております。
 それから、低所得者や高齢者、障害者等に福祉灯油券の発行を考えてはどうかということであります。暖房もまた各家庭ごとにさまざまなやり方で行われているところでありまして、低所得者に対して灯油券の発行を行うという考えはありません。
 それから、後期高齢者医療制度についてであります。区独自の保険料の軽減策をということであります。後期高齢者医療制度の保険料賦課については、広域連合で統一的な考え方をとっておりまして、中野区独自に軽減策を行うことは考えておりません。
 障害認定者の後期高齢者制度への移行についてであります。老人医療受給資格の障害認定の取り下げを届け出ることによりまして、後期高齢者医療制度に移行せず、本人の負担が軽くなる場合もあります。対象となる方については、制度の趣旨を説明した文書を1月に送りました。障害認定の取り下げ等についてお知らせをしたところであり、個々の相談に応じているところであります。
 それから、職員2,000人体制について、2,000人体制ありきの区政運営は問題でないかということであります。職員を採用するということは、30年から40年の雇用を継続的に保障することにつながるわけであります。したがいまして、人事政策においても30年から40年スパンの展望を持って進めるべきであります。30年から40年先の社会を展望しますと、人口減少や高齢化がさらに進み、公的資源の財源の減少は避けられないわけであります。安定的な公共サービスを提供していくためには、そうしたことを見越した定数管理計画が必要となるわけであります。こうしたことを踏まえて、職員2,000人体制の早期に着実な実現を進める必要があると考えているところであります。
 それから、非正規職員の処遇についてとする質問であります。任期付職員については、公務員法の趣旨を踏まえて適切に対応していきたいと考えております。任期付短時間勤務職員の給料については、正規職員に準じて決定しているところでありますが、職務能力に応じた均衡を勘案して、来年度から改善を図るところであります。臨時職員の時給につきましても、平成19年4月から引き上げたところでありますが、今後も必要があれば臨機応変に見直しを行ってまいります。
 それから、委託先の職員の処遇に関連しての御質問であります。事業者が雇用する労働者の待遇につきましては、基本的には使用者と労働者の問題であると考えております。区といたしましては、過度な価格競争がサービスの低下につながるということが懸念されるということでありますので、サービスの調達に当たっては内容と価格の両面から事業者を選定いたしたり、あるいは入札において最低制限価格を設定するなど、その防止に努めているところであります。
 民設民営の保育園などについては、さらに必要なサービス水準を確保する観点から補助を行っているところであります。
 民営化・民間委託の目的が専ら財政削減にあるというふうに御理解されているようでありますが、サービスの質をよくしていく、そして財政の効率化に期するといったようなところ、多様なサービスでよりよいサービスを追求するということも目的であることをつけ加えておきたいと思います。
 それから、業務委託、請負契約の実態について、偽装請負等実態について調査をする必要があるのではないかということであります。区が発注をしております業務委託の履行確認は、現場で十分に把握しているところであります。業務委託、請負契約の実態調査を行う考えはありません。
 それから、西武新宿線の連続立体交差事業についてであります。野方以西の問題であります。今後とも中井・野方駅間の着実な推進とあわせて、野方駅以西の事業化に向けた取り組みを国や東京都に向けて、区民の皆さんとともに積極的に働きかけていきたいと考えております。
 それから、あくまでも地下化を求めるべきではないかという御質問であります。区としては沿線のまちづくりを進めていく観点などからも地下化が望ましいと考えているところでありますが、この方式については来年度の都の調査・検討の中で方向性が決まっていくわけであります。区といたしましても、真にあるべき立体化のあり方について検討をし、都や国に働きかけを行ってまいりたいと考えております。
 それから、計画策定にかかわる委託調査等の反映ということについての御質問もありました。駅周辺のまちづくり構想、これは区がつくったものであります。これを策定していく上で、過年度に行いました調査や、あるいは周辺のまちづくり勉強会での検討内容などを反映させてきたところであります。今後ともまちづくり勉強会の内容等について、沿線のまちづくりを区が責任を持って行っていく中で十分に検討の成果を生かしてまいりたいと思っております。
 それから、野方駅の南口にできる駅前広場についてであります。地域の区民の皆さんにとってもよりよい広場となるように、西武鉄道と交渉を行って一定の広場面積を確保したところであります。駅利用者や一般の方の待ち合わせ場所、また憩いの広場や地域のイベント広場としても利用できるよう考えているところでありまして、西武鉄道とさらに協議をしていきたいと考えております。
 私からは以上であります。そのほかはそれぞれ担当の部長等からお答えをいたします。
    〔区民生活部長大沼弘登壇〕
○区民生活部長(大沼弘) 青年の就労と生活支援についてお答えいたします。
 平成19年度はおおむね35歳以下の若年者を対象としてハローワーク新宿、杉並区と共催して実施しました。参加事業者は17社で、区内事業者2社も含まれていました。今年度の実績を踏まえ、ハローワーク新宿などと連携し、面接会の回数をふやすなど検討していきたいと思います。
 次に、住居喪失不安定就労者サポート事業についてはぐっJobなかのを活用し、情報の提供の拡充に努めていきたいと思います。
 次に、生活支援ですが、都が予定しているサポート事業については、区の生活相談窓口と十分に連携をとりつつ準備を進めていきたいと思います。また、青年層を対象とした区独自の家賃助成や、無利子貸し付けなどの新たな政策については現在のところ考えていません。
 相談窓口です。現在、就労や求人などの情報提供を積極的に行っており、相談窓口を開設する考えはありません。
 以上であります。
     〔教育長菅野泰一登壇〕
○教育長(菅野泰一) 小・中学校再編計画と少人数学級につきましてお答えいたします。
 法務省矯正研修所中野支所が移転した場合のスケジュールの変更につきまして、野方小、沼袋小の統合時期や沼袋小跡地の利用の見直しをしたらどうかというお尋ねでございました。
 学校再編は適正な規模の学校をつくり、集団教育のよさを生かした教育を行うことを目的に進めているものでございます。沼袋小学校は特に小規模化が著しく、早期に再編する必要があるため、前期再編計画の対象校としたものでございまして、統合時期の変更は考えておりません。また、統合の時期を変更しないため、地域スポーツクラブの活動拠点としての整備も計画どおりに進めていく予定でございます。
 また、専門家等を交えた検討機関の設置をということでございました。教育委員会では、区立小・中学校校舎の改築を円滑に進めるために設置いたしました学識経験者、また区民、学校関係者などで構成いたします検討会の報告を受けまして、昨年8月に学校施設整備の考え方を取りまとめたところでございます。野方小学校・沼袋小学校統合委員会ではこの考え方をもとにいたしまして、新校に取り入れていくべき機能を検討いたしまして、野方小学校・沼袋小学校統合新校校舎改築についての考え方というのを取りまとめたところでございます。今後、校舎建設に際しましては、この統合委員会で取りまとめた考え方を踏まえ、さらに地域や保護者、学校関係者などの意見をお聞きし、反映しながら、地域が誇れる魅力ある学校づくりを進めてまいりたいと考えております。
 それから、中後期再編計画を白紙化したらどうかという御質問がございました。学校行事などの集団活動を活性化し、多様な子ども同士の触れ合いにより社会性をはぐくむためには、学級数だけでなく、一定の集団規模を確保することが必要でありまして、そのため学校再編に取り組んでいるところでございます。中後期の学校再編につきましても、前期に引き続き小規模校を解消し、学校規模の確保を図ることを目的として実施いたします。このため平成20年度を目途に計画を改定する予定でございます。
 それから、少人数学級の実施をという御質問がございました。少人数習熟度別指導につきましては、教科の特性に応じまして、児童・生徒一人ひとりの習熟に応じたきめ細かな指導ができ、学力の向上に結びつくものであると考えております。少人数指導を推進してきております算数、数学におきましては、区の学力にかかわる調査結果では、目標値に達した児童・生徒の割合が増加しております。教科によりましては一定規模の学習集団が効果的なものもございまして、区としては少人数学級よりも少人数指導の充実に取り組むことがより重要であると考えております。
 以上であります。
○議長(市川みのる) 以上で長沢和彦議員の質問は終わります。

 中野区議会議員 佐 伯 利 昭
 1 区長の所信表明について
 2 区長の政治姿勢について
 3 人事行政について
 4 財政運営について
 5 教育問題について
  (1)校庭の芝生化とグラウンド利用について
  (2)学力低下と言われることについて
 6 介護サービスの第三者評価について
 7 改正建築基準法施行による影響について
 8 その他

○議長(市川みのる) 次に、佐伯利昭議員。
      〔佐伯利昭議員登壇〕
○28番(佐伯利昭) 質問に先立ちまして、亡き藤本やすたみ議員、小堤勇議員の御冥福を心よりお祈りいたします。藤本議員の逝去に当たりましては、区長、議長、同僚議員の皆様、さらには理事者の皆様よりいただきました御厚情に心よりお礼を申し上げます。
 2008年(平成20年)第1回定例会に当たり、民主クラブの一員として、区長並びに他の理事者に一般質問をいたします。質問の項目につきましては、通告しているものの中で所信表明に関連ある部分はそこで、また介護サービスの第三者評価につきましては別の機会にさせていただきます。
 まず、区長の所信表明と政治姿勢について伺います。
 今回、田中区長にとりましては8回目の所信表明となりました。これまでもさまざまな決意を述べられ、また区民の皆様への約束も述べられてきたと思います。また、区長はこれまでの2回の選挙でもさまざまな公約を掲げ、特に2回目の選挙ではマニフェストという形で公約を示し、区政を進めているところでもあります。
 そこでまず政治姿勢ということでお聞きしますが、今後もこれまで2回の選挙での公約、あるいは所信表明で述べたことを誠実に実行していくのか、決意をお聞かせください。
 次に、道路特定財源とその暫定税率について伺います。
 区長は所信表明においてこれらの維持、存続を強く訴えています。この問題をめぐる国会での議論も本格化し、地方六団体や各自治体の動きも活発になってきています。私は首長の立場としては、区長が所信表明で述べられたことについては理解できないわけではありません。ましてや今回の岩国の市長選挙で見られたような、マスコミでいうところの兵糧攻めなどというものを目の当たりにすれば、全国の首長がさまざまな思いをめぐらせるのも当然と考えます。そうしたことから、この問題についての区長の認識から伺いたいと思います。
 そもそも道路特定財源制度は、54年前、道路が未整備で緊急に道路をつくるためにできた制度であります。また、暫定税率の導入目的については、第1次オイルショックによって急騰した燃料の使用を抑制するため、税制による価格引き上げを図るとともに、これによって得た税収を経済対策に充て、景気回復を図ることでありました。この理由からわかるように、暫定税率は臨時、異例の措置であり、当初は2カ年限りの措置とされていたものが34年間も継続しているものであります。私はこの問題については、ゼロか100かの議論をいつまでも続けるべきではないと考えます。私たちも、開かずの踏切対策としての鉄道の連続立体事業、交通安全対策などは、緊急な課題として進めるべきと思います。
 一方で「清濁併せ呑む」という言葉がありますが、すべてを併せ呑むことにより、貴重な税金を無駄に使ってしまう結果になることは避けなくてはいけません。そもそも政府は道路公団民営化時に、当時既に基本計画を決定していた9,342キロメートルについて建設を進めるかどうかの点検を行いました。それからわずか4年後の昨年末、政府与党が決定した「道路の中期計画」では、前回点検した9,342キロメートルをはるかに上回る、昭和62年に閣議決定をした1万4,000キロメートルの整備を前提とし、これを含めて10年間で59兆円の費用が必要だと言っているものであります。こうしたことから、道路計画全体については、どこかで一度立ちどまって考えなくてはいけない問題として認識しています。
 そこでまず区長にお聞きしますが、今回所信表明で述べられた区長のお考えは、今議論になっている中期計画、1万4,000キロ、59兆円、10年間ガソリン1リットル25円加算というものをすべてよしと考えての上でのことかお答えください。
 次に、この財源について、無駄にならないように、その具体的な使途の評価や効果測定などは大いに議論すべきという反面、道路整備や関連事業の需要が全国にまだまだ多くあるとも言っています。そして、道路特定財源は直接の道路建設のみならず、鉄道の立体交差事業や市街地開発事業、土地区画整理事業、鉄道駅の改良などにも充てられるとした反面、道路事業そのものでいえば、会計検査院も指摘をした出口のないトンネル、さらには関連事業でいえば、区長が1期目の選挙の際に批判された大型箱物事業である地方の交流センター建設、民業圧迫と言われる道の駅など、建設官僚の一方的な解釈による使いみちの拡大、関連事業への天下り、随意契約による工事コストの増大、職員のための豪華宿舎づくり、職員のレジャー用品の買い入れからミュージカル、果てはアロマセラピーまで、これらについては触れられていません。その財源の使いみちとして、これまで不適切なものはなかったのか、無駄はなかったとお考えかお聞かせください。
 暫定税率の廃止で、西武新宿線の連続立体化工事やインフラ整備への影響が懸念されています。暫定税率廃止による地方の減収額は9,000億円と言われています。これに対しては、地方がこれまで義務的に負担していた「国直轄事業負担金」を廃止することで、十分対応可能と考えます。この国直轄事業負担金については、これまで地方六団体が繰り返し廃止を求めてきたものであり、平成18年6月7日に地方六団体から出された「地方分権の推進に関する意見書」でも、国直轄事業負担金については、自治体に対して個別に財政負担を課する極めて不合理なものであることからこれを廃止する。特に、維持管理費に係る国直轄事業負担金は、本来、管理主体が負担すべきことから、早急にこれを廃止するとしています。また、西武新宿線の連続立体交差事業については、私たちも緊急、不可欠なものであると考えていますが、一方で中井・野方駅間ということで、野方以西の住民にとっては強い不満も残るところを指摘しておきます。
 ところでこの工事は、ことし国の予算では着工準備の採択があったとお聞きしていますが、これまでの経験上、最低15年の期間は必要と思われます。まして野方以西については、さらに20年、25年ということも考えられます。なお、例えば開かずの踏切対策は、今後10年間に予定する整備計画の中でも、全体に占める割合は7%程度です。
 そこでお尋ねしますが、今回の中期計画では10年とされている暫定税率ですが、開かずの踏切対策としての財源としては、さらに暫定税率を続けるべきと考えるのか、それとも早い段階で新たな財源構成を考えるべきか、見解をお聞きします。
 さて、所信表明では、道路財源については固執するものの、一方では国が財源や権限を集中的に握り、地方をコントロールしながら画一的に政策を進める形では、真に日本社会の活力を取り戻すことはできませんとも述べています。この道路特定財源こそ、中央の地方コントロールの象徴ではないでしょうか。私たちはこうした財源は、地方の事情に合わせて、それぞれ用途を決められる一般財源化することを求めてきました。
 朝日新聞2月9日付の社説では、「道路と自治体、分権の視点はどこに」と題する中で、「権限と財源を自治体に移し、限られた予算をどう使うか、もっと住民に近いところで決めるべきだ。それが分権の考え方である。道路整備についても同じはずだ。地域が真に必要とする道路はどれなのか。福祉や教育、医療などの行政需要に比べ、どの程度の予算を道路に振り向けるのが適当なのか。自治体の長や議会の判断で決められるようにしてこそ、効率的で無駄のない使い方ができるようになる」とし、最後に、「知事や市町村長には、政府、与党の応援団に利用されるばかりでなく、分権の視点からもっと骨太の主張をしてもらいたい」と締めくくっています。小泉内閣では一般財源化の方向が打ち出されていたはずなのに、今、国の姿勢は後退をしています。地方分権という視点から、道路特定財源の一般財源化についての区長のお考えをお示しください。
 次に、人事行政について伺います。
 平成18年度の特別区人事委員会の勧告の中で、人事制度、勤務環境の整備に関する報告として、勤務時間における実際には実態のない休息時間について、各区において早急な見直しが図られるよう求められました。中野区においても勤務時間、休憩時間、休息時間については、あいまいな部分があることは否定できない問題です。
 中野区職員の勤務時間、休憩時間等に関する規定では、職員の正規の勤務時間については午前8時30分から午後5時15分までとし、正午から午後0時45分までを休憩時間、午前10時15分から10時30分までと、午後3時から3時15分までを休息時間としています。
 そこでまずお聞きしますが、休憩時間と休息時間についての違いをお聞かせください。また、現在庁内では午前8時30分、正午、午後1時、午後5時にチャイムが流されますが、これは何を示すものなのか。さらに規定と実態に相違があるならば、法の定める範囲で規定の改定を行うべきと思いますが、いかがでしょうか。また、平成18年度に各区に求められた勧告に対する他区の対応についてもお聞かせください。
 次に、職員の病気休暇・病気休職制度について、改めて質問させていただきます。
 昨年はこの病気休暇制度については、奈良市の職員が5年10カ月の間に8日間しか勤務していなかったにもかかわらず、約2,200万円の給与の支給を受けていたのをはじめ、神戸市の職員が5年間で720日も病気休暇をした上、その間、妻が経営するお好み焼き屋を手伝っていたこと、鳥取市の職員が病気休暇中にクレー射撃の全国大会に出場し、3位の好成績をおさめ、新聞に名前が掲載されたため不正が発覚するという事件も起こり、この病気休暇、病気休職制度に関心が起こりました。
 私は2004年第3回定例会において、100%の給与が支払われる病気休暇が180日間、80%の給与が支払われる病気休職が2年間という現在の制度について、あまりにも恵まれすぎた制度ではないかと問いました。もちろん、制度自体を否定するつもりはありませんし、これを廃止しろなどというつもりもありません。問題は、民間に比べれば明らかに異常な厚遇なのではないかということです。私の質問に対して区長からは、「中野区の制度は、国や他の自治体と比べて過大なものではない。民間と比べて恵まれすぎという印象は否めないが、公務労働の特性から長年の経過の上で労働条件として確立したもので、すぐに変更できる性質のものではない」としながらも、人事制度は職員が安心して仕事ができると同時に、区民に理解されるべきものでなくてはならない。区長として区民の立場に立って、不断の改善を進めていくと述べました。
 私たち民主クラブでは、先般の施設の使用料値上げの議論に際し、コストに人件費を算入するという区側の考えに、使用料の原価に人件費を入れるなら、行政側も区民の納得できないところからまず身を削れと主張し、質疑し、意見を述べてまいりました。平成18年度に病気休職中の職員に支払われた給与は総額6,052万円にも及びます。これにこの病気休職の前段に当たる病気休暇を取得した職員が227人、その延べ日数が9,173日であることから、病気やけがで休んでいる職員に対し、ゆうに1億円以上の給与が支払われていることが容易に推測できます。区民がみずからの健康増進、介護予防、健康保険の給付費の削減のため、スポーツにいそしんでいるその代金の一部が、結果として病気で長期間休んでいる職員の給与に回るのでは到底納得できません。
 そこでお聞きしますが、区長は中野区の制度を国や他の自治体と比べて過大なものではないと言われましたが、国家公務員においては給料が100%支払われる病気休暇期間は90日であり、80%の病気休職期間は1年間です。昨年問題になった奈良市をはじめ、地方の多くの自治体が国と同様の期間になっています。これについて区長のお考えをお聞かせください。また、区民に理解されるものでなくてはならないとも言っておりますが、現在の期間が区民に納得いただけるものと考えるか否かについてもお答えを願います。
 また、公務労働の特性という話もありましたが、これまで区が行ってきた仕事を委託や指定管理者などにより民間が担うことや、保育園や学校給食など、官民が競合する場面も多く出てきています。公務労働の特性などというのは、まさに区長が最初の選挙のときにシャットアウトと言っていた官の勝手、その理論にほかならないと思います。不断の改善を図るならば、まず民間の病気の際の休暇や休職制度について調査をすべきです。いかがでしょうか。
 さらにすぐには変更できないといったものの、既に3年以上が経過しています。また、区民の立場からこうした職員の制度のあり方というものをきちんと見ながら、改善を私が進んで行ってまいるという立場で行ってまいりますと力強く決意を述べました。この間、改善に向け何かアクションを起こされているかお答えをお願いします。
 東京都においても、この期間の見直しについて労使協議が始まったという都政新報の報道もありましたが、現在の都の検討状況、協議状況についてもあわせてお聞かせください。
 幹部職員の外郭団体への再就職について伺います。
 財団法人中野区中小企業退職金共済会が多額の退職準備金の不足に陥り、来年度3億4,000万円の事業費補助を税金から支出せざるを得ない状況になりました。現在の準備率は55.1%で、約10億円の準備金不足ということになるようです。これを補うために、来年度の3億4,000万円に続き、21年度にも3億5,000万円、22年度にも3億円を虎の子の基金から投入しなくてはなりません。中小企業の皆さんの退職金を守るため、やむを得ない措置ではありますが、納得できないのは、長年にわたり区がこの団体に区の事業に精通している、その能力と経験を発揮するためとして幹部職員OBを事務局長として送り続けてきたにもかかわらず、こうした状況になったことです。ほかにも、文化・スポーツ振興公社にも理事長、常務理事として幹部職員OBを送り続けてきました。文化・スポーツ振興公社では、平成15年に発生した職員の公金横領事件に際し出された調査報告、財団法人中野区文化・スポーツ振興公社のあり方についての第1次報告書で、公社経営陣が区職員OBや派遣職員であることから公社設立の目的が達成できず、当初期待していた自主性、独自性などの機能が阻害される結果となり、危惧されていた問題が現実となったと指摘されました。その文スポが管理運営していた施設では、今般指定管理者制度により、民間による管理運営が始まった途端に、鷺宮体育館では改修工事の期間が延長されたにもかかわらず、追加の休業補償を支払わなくてもよいほどの利益を上げています。
 区はこれまでの質疑の中で、こうした幹部職員の外郭団体への再就職は、団体の求めに応じて人材を推薦していると言っていましたが、まさに推薦ではなく、国でいうところの天下りのあっせんと同じ構造と指摘されても仕方ないのではないでしょうか。これまで行われてきた幹部職員の外郭団体への再就職の仕組みに対する区の見解を改めてお聞きするとともに、外郭団体も少なくなってきましたが、そこへの専従の役員は公募し、幅広く人材を求めるべきと思いますが、いかがでしょうか。
 財政運営について伺います。本年1月に公表された財政運営の考え方、中長期財政フレーム2008年改定では、今後の取り組みの方向としてコスト管理の徹底を上げています。当然のことであり、我が会派としても従来から主張してきたものであります。しかしながら、コストを意識し、それを何に使うかについては、今回の施設の使用料の議論の際に出されたように、値上げの理由のために使うことは好ましいことではありません。また、行政の仕事はコストだけで語れるものではないものもあります。厳格な管理によりコストを下げる。民間ならば3人でやっている仕事を5人でやっていないか。反面、コストを考えるばかりに過重な負担がかかったり、必要な事業を縮小してしまったりしているものはないか。そうしたことも検証する必要があるかと思いますが、いかがでしょうか。また、コスト管理も重要ですが、業務執行上の責任の明確化による無駄な支出を避けることも区民に対する重要な役割です。平成19年度財務監査結果報告書を見るだけでも目に余る事例があります。一度廃案になった起案を、架空ともとれる起案を再度起こして、当初の2倍の金額で購入していた問題、賃借料の支払いのおくれから無駄な延滞料を支払っていた問題、東京都との詰めの甘さや制度の調査不足から、都が負担するはずだった事業者への補助金を区が負担しなくてはいけなくなった問題、これらはいずれも本来支払わなくてもよかったはずの支出です。こうした無駄な負担を生じさせながらだれも責任をとらない。そればかりか、だれの責任なのかも公表されない。こうした体質が無駄遣いを生むのです。原因と責任を明確にすることも財政運営上必要と考えますが、いかがでしょうか。
 新たな財源の確保策として、広告収入をあらゆる媒体への適用の可能性を検討して、収入の拡大を図ることが掲げられています。ぜひ早急に進めてもらいたいと思います。田中区政になって以来、証明書類用の広告入り封筒の利用をはじめ、区報や区のしおり、ホームページなど、広告収入の増加は積極的に進めてきました。企業との広告連携という観点からいえば、区施設の命名権の譲渡などを積極的に進めるべきと思います。都内でも渋谷公会堂が渋谷シーシーレモンホールとなりました。区内の施設、あるいは新しくできる地域スポーツクラブなども、冠をつけることで備品や資機材の無償提供を受けることも可能と思いますが、いかがでしょうか。
 さらなる収入源として、庁舎の床面への広告スペースの貸し出しです。床面はインパクトもあり、駅の改札口を出たところなどでよく見られます。現在はプロジェクターを使って投影することで、工事も後片づけもない中で、広告が表示できる取り組みも都心のビルなどでは行われています。これならば広告主の交代も容易ですし、短期間の貸し出しも可能です。ぜひ区役所の庁舎においても検討願いたいと思いますが、いかがでしょうか。
 税や保険料の徴収率の向上もあげられています。来年度、新たな滞納整理支援システムの導入に向け、準備を始めるとのことですが、さらにプロによる納付の呼びかけを提案します。
 民主クラブでは昨年12月26日、プロのオペレーターにより滞納者への納税の呼びかけを行う千葉県の柏市納税促進センターを視察しました。柏市では、債権回収における民間企業の高度なスキルと専門性を活用し、債権回収の専門会社から電話オペレーター2名と管理者1名の3名の派遣を受け、昨年8月1日からこの事業を始めました。その結果、今年度の事業経費1,500万円に対し、わずか1カ月で1,500万円の収入増があったとのことです。この増収すべてがこの催告による効果とは断言できませんが、確実に効果がうかがえます。現在、債権回収会社は104社あり、そのうち6社が人材の派遣をしており、他は委託で同様の業務を行う場合もあるということです。派遣、委託ともそれぞれ長所、短所があると思いますが、直接担当者に行政から指示ができるという点で、派遣のほうが効果が高いと考えます。柏市の担当職員いわく、よい業者は早い者勝ちという話もありました。中野区でも民間のプロによる納付の呼びかけを検討してみてはいかがかと思いますが、区のお考えをお聞かせください。
 この項の最後に、施設改修計画の策定と施設改修基金の創設を提案します。
 財政運営の考え方では、区民施設等の施設改修について、20年度事業費を6億5,000万円とし、そのうち6億円を基金からの繰り入れとしています。さらに21年度、22年度の事業費をそれぞれ5億円、23年度から26年度の事業費は20億円としながらも、基金からの繰り入れは2億2,100万円ということになっています。21年度以降の基金からの繰り入れについては、その年の財政状況を見ながら財政調整基金からというお考えでしょうが、それではまさにこの考え方自身がいうように、結果として政策は二の次ということになってしまいます。必要な改修は確実に進めなくてはなりません。それが施設自体の延命にもつながります。施設改修計画を策定し、現在の財政調整基金の一部を施設改修基金とすることを提案しますが、いかがでしょうか。
 校庭の芝生化とグラウンド利用について伺います。
 「芝生の上で伸び伸びと子どもたちが遊べます」という区の説明とは裏腹に、昨年9月に芝生化された武蔵台小学校では、今後の芝生化に課題とも言える問題が見え隠れしています。まず第1に、地域説明会で校庭利用者から、先に芝生化されていた隣接の練馬区立中村小学校の校庭が長期間シートをかけて閉鎖されている状況について問われ、「中村小は冬芝を植えているからであり、こちらは芝生の種類が違うから大丈夫」という区の担当者の説明でした。しかし、実際のところ、私の見る限りでもかなりの期間、利用できない状況があるようです。
 そこでまずお聞きしますが、教育委員会として武蔵台小の校庭が使えなかった日数等をきちんと把握しているのでしょうか。もし把握しているとしたら、それは区の想定した範囲のものなのでしょうか。さらにそれは地域に説明していたことと違いはないか、確認したいと思います。
 次に、利用の方法自体について伺います。芝生化後、学校から一通の文書が配布されました。それには芝生ではしていけないこととして、サッカー、一輪車などが掲げられていました。これを見た親から話が違うとの申し入れがあり、さすがにサッカーは削除しましたが、この区の姿勢に親の間からは「中野区は子どもと芝生とどちらが大事なのだ」という声すら上がりました。開設早々なぜこのような文書がまかれたのか。明らかに地域との約束と違うのではないか。区は今後の芝生化においてもこうした使用規制をかけていく姿勢なのかお答えください。
 球技開放にも多大な影響が出ています。もともとスポーツ施設の少ない中野区の少年スポーツにとっては、学校の校庭は命綱といっても過言ではありません。その学校の校庭が工事期間、養生期間と使用できなくなるわけですから、当該校はもとより、近隣の学校の球技開放にも影響が出てくるわけです。この問題について、本会議の質問に対し教育長からは、「他の学校での開放の状況や団体利用の実態につきましては、こちらで調べてその団体に情報提供し、他校の利用の際の便宜を図りたいと考えております」との答弁がありました。この発言を聞いたとき、私はいかに教育委員会が現場の状況をわかっていないかという思いで怒りすら覚えました。中野区の学校の開放事業で、そんな余裕のある学校などありません。教育長は就任直後だったとはいえ、そうしたことは御存じなかったのでしょうか。あまりにも事務的な、現実から目をそらした答弁です。
 そこでお聞きしますが、他校の実態を調べて何がわかったのか。そして、何か有効な策は講じられましたか。既に来年度工事がうわさされる学校ではさまざまな心配の声があがっています。今後、複数の学校の工事に当たっては、しっかりとしたグラウンドの代替措置がとられることを求めますが、いかがでしょうか。
 これまで中野区は全面芝生化ということで進めてきました。しかし、これにより少年野球は実際に行えない状況になりました。こうした中、来年度工事が予定される啓明小学校をホームグラウンドとする中野フレンズ少年野球クラブから、区長及び教育委員長あてに要望書が出されています。この中でも同チームからは、整備の仕方次第ではチーム存続の危機とも言われています。教育委員会は芝生でも野球はできると言っていますが、実際にそこでボールを転がしたことがありますか。プロ野球のグラウンドのように、専門のグラウンドキーパーがいて整備をしていれば別ですが、現状の武蔵台や若宮の校庭ではとてもできる状況ではありません。実際に武蔵台小をホームグラウンドとするチームでは、守備の練習は校舎側のわずかな土の部分だけで行わざるを得ない状況です。しかし、そこはダイヤモンドをつくるほどのスペースなどは到底ありません。今後の整備に当たっては、都内各地の他の整備事例などを参考に、さまざまな利用を考慮して設計されることを望みますが、いかがでしょうか。
 また、武蔵台小学校では、地域で最大のサッカーチームがこの芝生の校庭は使用しない状況にありました。それがまたこの地域の球技開放のグラウンドの混雑に拍車をかけ、特に上鷺宮小、鷺宮小は影響を受けたわけですが、教育委員会はこうしたことを把握していましたか。しっかりとお答えください。
 地域が不信を招く最大の原因は、区の閉鎖的な態度です。今回の啓明小学校の場合も、まずPTA会長の間でうわさが広がり、それが昨年私の耳にも入ってきました。武蔵台小学校の場合も、球技開放の利用者の代表には学校から秋には連絡が来ていたにもかかわらず、実際に説明会が開かれたのは年が明けてからです。そして、説明会のときには既にでき上がった図面を示し、それがさも決定のような説明をし、その上管理は地域にお願いしたいなどというのですから地域の人は怒るわけです。今回の啓明小、中野フレンズからの要望書にも、「校庭整備計画について予算を要望する前に、PTAや学校関係者のみならず、地域の少年育成に携わる利用団体に対し、説明責任をお願いします」とあります。なぜ図面をかき始める前に、地域事情や利用実態を考えながら地域と相談しないのですか、お答えください。
 今後5年間に区立の全小・中学校を芝生化するという答弁が先ほども教育長からありました。しかし、中学校はさらに慎重な整備が求められます。もし全面芝生にしたならば野球はもちろんのこと、サッカー、ラグビー、テニスなど、あらゆる競技の使用に制限がかかります。中学校における体育の授業や部活動でのグラウンドの利用は、小学校の利用頻度とは比べ物にはなりません。そうした中で、芝生が傷むからということで、利用の制限をしなければいけないような整備をするのではあれば、スポーツをやりたい子どもたちの区立離れは一挙に進むと思います。無論、経済的に余裕のある家庭であれば私立という選択肢もありますが、そうでない場合、その子どもの持つ素質をつぶしてしまう結果になる可能性もあります。私たちも、スポーツを愛好する子どもたちやその親から進路についての相談を受けることがあります。そんなとき、2年、3年先、中野の公立中学のグラウンドがどうなるのかを踏まえた上で話をしなければなりません。来年度の保護者説明会でも当然話題になることと思います。今後の明確な方針、予定をお示しください。
 次に、子どもの学力低下が叫ばれる中、OECDの生徒の到達度調査においてもはっきりと数字でそれが示されました。2000年、2003年、2006年の3回の調査を見ると、日本は科学的応用力が2位、2位、6位に、読解力が8位、14位、15位に、数学的応用力に至っては2000年に1位だったものが2003年には6位、そして2006年には10位となってしまっています。幼児教育の充実とか塾通いの低学年化など、教育を受ける機会はどんどん低年齢化しているにもかかわらず、こうした状況について教育委員会の率直な考え、感想をお聞かせください。
 こうした教育のランク付けの中で、昨年足立区での学力テスト不正事件など弊害も起こりました。少子化により学校を選ばなければ、おそらくはすべての生徒が大学に入学できるであろう時代が来る中、一方でより高いレベルの教育を受けようと競争は進み、親の負担もふえているところであります。そうした中で、学校全体のレベルアップという観点から、学校のブランドづくりを提唱したいと思います。
 今、大学では、スポーツ競技でのブランドづくりに取り組んでいる学校を多く見ます。箱根駅伝で優勝すると、翌年偏差値が上がるという学校も聞いています。また、今シーズンは残念ながら不祥事で途中出場辞退ということになりましたが、ラグビーで伝統校を倒し、優勝を重ね、名を上げた学校もあります。もちろんこれは極端な例ですが、中野の公立学校もそれぞれブランドをつくり、児童・生徒の全体のモチベーションを上げ、それが学力向上につながる。そうしたことを期待した取り組みをぜひお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
 公立中学校の教室を利用して、平日の夜と土曜の午前中、大手進学塾の講師が授業を行う、いわゆる夜スペが賛否両論ある中、お隣の杉並区で始まりました。民間出身の校長の発案ということですが、成績上位の生徒のみを対象とした授業であるため、教育の機会均等という視点からは疑問の声もあがっています。また、周辺の中学校で同じ学習塾に通わせている保護者からは、夜スペの授業料がこの進学塾の通常のものより安いため、「なぜあの学校だけ安い授業料でこの進学塾の授業を受けられるのだ。こんなことをするならば、他の学校で同じ進学塾に通う生徒にも補助金を出してほしい」という声すらあがっているようです。中野区の教育委員会として、この夜スペに対してのお考えをお聞かせください。
 次に、改正建築基準法施行による影響について伺います。
 構造計算偽装問題を契機とし、政府が取り組んだ改正建築基準法が昨年6月より施行されています。しかし、法の施行に伴って建築確認の厳格化による混乱が生じ、住宅着工が急速に落ち込んでいます。住宅関連産業をはじめ、地方経済に与える影響は甚大であり、日本経済の停滞の一因ともなっています。建築業界はすそ野が広く、多くの産業に関連し、国民生活や中小企業経営にも密接に関係しています。とりわけ建築の工事期間にかんがみれば、経済的影響が長期にわたる可能性も否定できません。国に対して大臣認定プログラムの早期制定及び普及促進などを求めることはもとより、自治体としてできる限りの努力をしなくてはなりません。
 そこでお聞きしますが、改正建築基準法施行後の中野区における影響をお聞かせください。また、審査手続がどのように変わったのか。それに対する区の対応は。さらに申請自体の件数が、これまで民間に流れていたものが区に戻っているということもお聞きします。件数がふえている上に審査が複雑化するということで、職員の体制は大丈夫なのでしょうか。以上、お答えください。
 その他で1件、裁判員制度の広報について伺います。
 選挙権を持つ人ならだれでも選ばれる可能性のある裁判員制度が、いよいよ来年の春から始まります。殺人や強盗などの凶悪事件の裁判に裁判官とともにかかわるわけですから、重要な役割であり、ただし裁判の際には直接その凶悪事件の被告人とも顔を合わせるわけですから、不安な面もあると思います。ところが、来年春から始まる制度にもかかわらず、住民にはほとんど内容が周知されていないのが現状だと思います。国がやる制度とはいえ、住民の身近な自治体として、区民に広く制度の内容について知らせる必要があると思います。
 そこでお聞きしますが、これまで区が裁判員制度について行った広報活動はあるのか。また、今後の予定は。さらに提案をしますが、例えば行政書士会の皆さんが地域に出て行政相談を行う際、この裁判員制度についての説明会を行っていただく、こういうような取り組みも考えてみてはと思いますが、いかがでしょうか。
 以上で私のすべての質問を終わります。
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 佐伯議員の御質問にお答えをいたします。
 公約、あるいはマニフェスト、所信表明で述べたことを誠実に実行していく決意かという御質問がありました。選挙公約でありますとかマニフェスト、また所信表明などでお約束したことについては、常に全力を持って実現に向けて取り組んでいるところであります。時代や状況の変化によって実現が困難になること、あるいは考え方の変更が必要となる場合もあり得るわけではありますが、そうした場合には率直にその内容や理由を示し、区民の理解を得たいと考えているところであります。
 次に、道路特定財源についてであります。道路特定財源は、自動車利用にかかわる受益者負担の原則によって、国民の生活向上と基盤整備を行ってきたものでありまして、我が国の経済社会を支える重要な仕組みであります。中野区における鉄道の連続立体交差事業をはじめ、基盤整備の需要は依然として高いわけであります。多くの事業がストップすることは、国民生活の向上や経済発展の大きな阻害要因となるわけであります。
 30年以上続いてきた暫定税率については、その必要性からこの際むしろ恒久化することが妥当であると私は考えているわけであります。不適切または無駄にならないように、個々の事業の評価や効果測定については大いに議論するべきであり、仕組みも工夫していくべきであると考えております。また、使途につきましても環境問題などに対応するなど、柔軟に運用するべきであるとも考えているところであります。
 一般財源化と地方分権に関連しての御質問もありましたけれども、一般財源化するというのは国が一般財源化するという話だと思います。そのことと地方分権とは別の問題だと思っております。特定財源と一般財源の違いというのは、一般財源というのは特定の目的に限らず使うことができるというわけであります。したがいまして、公債費で借金を返すとか職員の福利厚生に使うとか、さまざまな使い方ができるようになるというだけの話であります。一方、一般財源化して地方分権に資するのかという、その地方分権に資するための仕組みということについては、納得のいく説明は聞いていないところであります。
 それから、国の直轄工事に対する地方の負担の廃止ということについても議論があったところでありますが、直轄工事に対する地方の負担というのは、地方交付税で措置をされているところであります。負担がなくなれば、その分交付税がなくなるということにつながるのではないかと、こんなふうに思っているところであります。またさらに、そういうことで国が仮に道路整備や維持・補修を怠るということになったら、それは地方が直轄工事で維持・補修をするわけになるのでありましょうか。そうした財源についてどのように確保するのか、納得のいく説明がないところであります。
 休憩時間と休息時間についての御質問でありました。休憩時間は労働基準法に基づいて、職員が勤務時間の途中において勤務から解放されて、自己の時間として利用できる時間のことであります。休息時間は中野区職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例に基づきまして、正規の勤務時間中に付与される、いわゆる手休め時間のことであります。庁内のチャイムは、これは何を示すのかということですが、基本的に区の執務時間を示すために流しているものであります。現在、休憩時間における休息時間の運用として、休憩時間に休息時間15分を算入し、昼休みを1時間としているところであります。今後、勤務時間に関する特別区人事委員会勧告の動向や他区の実施状況を踏まえるとともに、職員の職務能力の向上や労働安全衛生等を勘案して、休息時間、休憩時間の見直しを検討していきたいと考えております。
 他区の対応状況としましては、大田区においては休息時間を廃止し、休憩時間を正午から45分までの45分間としているという例があると聞いております。
 病気休暇・病気休職制度についてであります。制度については現在23区の人事・研修担当課長会で調査・検討を進めているところであります。国の病気休暇・病気休職制度と同様に見直す自治体がふえておりまして、中野区においても区民の納得が得られるよう検討していきたいと考えております。
 東京都の状況であります。東京都におきましては国の制度と同様にするということで、既に労使協議がととのっており、本年4月から実施をすると聞いているところであります。
 それから、外郭団体への幹部職員の再就職に関連しての御質問でありました。外郭団体への再就職につきましては、2006年12月に中野区が人材支援を行う法人等への中野区職員の再就職に関する要綱を制定いたしまして、区が区政目標を実現するために、積極的に人材支援を行う団体として社会福祉法人中野区社会福祉協議会、それから社団法人中野区シルバー人材センター、また中野区障害者福祉事業団の3団体を明示しまして、この3団体からのみ退職する職員の人材に関する情報提供の要請があったときには、幹部職員に限らず、区として適切な人材を紹介することとしているところであります。これらの団体については、その沿革でありますとか事業の性質、成り立ちなどから、こうした支援が妥当と考えているところであります。
 なお、先ほど質問の中で例示がありました中退共(中小企業退職金共済会)については、現在は民間の方が常務理事を行っているという状態にあります。また、文化・スポーツ振興公社については、御存じのとおり解散をしたという状況にあるわけであります。また、外郭団体の採用に関する意思決定はあくまで団体自身で行うものと考えております。
 それから、コスト管理で人件費、職員の働き方の検証ということも必要ではないかということであります。区としては最少の人数で最大の効果を生み出して、質の高い行政サービスを提供できる小さな区役所の実現を目指しております。毎年PDCAサイクルに基づいて、人の働き方を含めた事業全体についての見直しを行っているところでありますが、1人当たりの労働コストについても十分配慮して、事業の効率化を図ってまいりたいと考えております。
 それから、監査指摘事項で原因と責任を明確にするべきでないかということであります。事務上の誤りにつきましては、職員の行為に瑕疵や不当なものがあった場合は、必要に応じて懲戒処分などを行っております。また、金銭的な損失に対する賠償につきましては、地方自治法に基づいて、職員の行為に故意や重大な過失などがあった場合に賠償を請求することになります。そのほか、刑事罰が相当な場合には告発も行っております。今後とも監査結果を真摯に受けとめ、原因を究明し、責任を明確にして、不適切な対応の改善に努めていきたいと考えております。
 広告収入の拡大についての御質問もありました。命名権の活用や庁舎内の広告スペース貸し出しなどの広告収入の拡大は、区の財産を有効活用して新たな財源を確保するとともに、区内産業を育成することにもつながるといった点からそのメリットがあるわけであります。また反面、広告スペースのデメリットということもあるわけでありまして、さまざまな分野がそうしたメリット・デメリットを十分評価し、さまざまな分野の可能性を積極的に検討していきたいと考えております。
 それから、徴収率の向上についてであります。国民健康保険につきましては、平成19年度から未納者への納付を促す電話催告を民間委託によって実施しております。税についても、国保の実施状況や先進自治体の効果を十分見きわめて検討していきたいと考えております。
 それから、施設改修基金の設置についての御提案がありました。現在、施設白書の改定を行っている最中であります。今後これをもとに、区有施設の長期保全計画を作成する予定であります。そうした中で、基金などの設置によりまして、その計画の実施を確実なものにしていくということも有効な方策であるとは認識しております。この基金の設置につきましてですけれども、この計画を踏まえること、そしてその一方で現在の基金の状況とか将来の区全体の財政需要、それからその後の基金残高の推移、あるいは経済状況などを総合的に勘案した上で、いつの時点でできるものか、その可否を検討していきたいと考えております。
 それから、裁判員制度の広報についてであります。裁判員制度につきましては、18年2月19日付の中野区報でハイティーン会議という、若い皆さんの区政参加の催しでありますけれども、ハイティーン会議の報告の中で取り上げたことがございます。その後は紙面編集の都合もあって、記事としてはまだ扱ったことはないのであります。裁判員制度のリーフレットの配布でありますとかポスターの掲示については随時行っております。来年度には東京地方裁判所の主催で、中野区役所において裁判員制度フォーラムが開催される予定となっております。これについては区に相談があり、区としても積極的に協力をするという立場で受けとめているところであります。当然、中野区報などでも積極的に広報していきたいと考えております。
 それから、特定の団体を挙げての契約につながるような御質問がありましたけれども、そういった契約にかかわるような御質問については回答を差し控えさせていただきます。
 以上であります。その他、担当のほうから回答をいたします。
     〔教育長菅野泰一登壇〕
○教育長(菅野泰一) 校庭の芝生化につきましてお答えいたします。
 校庭の芝生化でございますけども、地球環境保全に重要でありまして、また学校におきます環境教育の一環としても大いに意義があると思っております。また、子どもたちが伸び伸びと遊び、安全に運動できる教育環境の整備という面からも、区といたしましては積極的に推進していきたいと考えているところでございます。
 御指摘がいろいろございましたように、かなり課題もあります。しかし、やはり我々は学校の子どもたちが伸び伸びと心豊かに健全に育つ、そうした学校環境を整えていくということが極めて重要だと思っております。その中で校庭の芝生化でございますが、芝生化した武蔵台あるいは若宮小学校におきましては、芝生化してから外で遊ぶ子どもたちがふえた。あるいはけがが減った。さまざま、心が豊かになったんじゃないかと、いろいろその辺につきましても話はございます。落ちついてきたとか、いろいろ教育的効果があると思っております。したがって、我々は進めるわけですが、先ほどお話がございましたように、球技開放を御利用いただく団体等からはさまざまな課題が出ておりまして、私どももそういった声は十分に受けとめながら、例えば学校によりましてはすべて全面芝生ということを考えているわけではございません。さまざまな、例えば中学校におきましても、また後で答えますけれども、すべてそういった全面芝生化をするということを考えているわけではないので、こういったさまざまな課題にこたえつつも芝生化を進めていきたいと、こういう考え方でございます。
 武蔵台小学校の校庭が使えなかった日数等について把握しているかというお尋ねでございました。武蔵台小学校では昨年8月末の芝生開き以降、9月から12月までの間、球技開放として使用できる日数が26日ございましたけども、そのうち9日につきましては使用中止といたしました。その内訳ですけれども、オーバーシード、これは冬芝の種をまいて養生するというようなことの期間、これが4日間でございました。ほかは運動会の実施などによります芝生の傷みのため、応急対応として5日間休ませていただきました。当初想定していた、それで説明したときにはオーバーシード期間は約3週間ということで、3日ほどそのために使えなくなるというお話をしましたけども、実際には1カ月かかってしまったということで、1日多く使用できない日ができてきたということでございます。
 それから、芝生の使用規制につきましてですけれども、武蔵台小学校の校庭開放に関連いたしまして、最初に配布した文書の中に、「サッカーなどの球技を一切禁止する」というような、そういった誤解を生じるような表現がございまして、確かにそういったものがありましたので訂正させていただきました。それで、皆さんが気持ちよく芝生の校庭を使うために、スパイクで入るなどやってはいけないことでありますとか、芝生の傷んだ部分を保護するために、一時的に一部使用禁止にするなどというような措置については必要であると考えております。
 それから、芝生の工事期間中に代替措置をということでございます。武蔵台小学校校庭芝生化の工事につきましては、昨年5月中旬から8月までの期間に行いました。それに伴いまして、6月から9月の期間、近隣の鷺宮小学校、それから西中野小学校、上鷺宮小学校につきまして球技開放の枠をふやしたというような代替措置を行ったところでございます。今後もそういった代替措置をとるべきではないかということでありますけども、当然、今後の工事に伴います球技開放の利用枠の減少に対しまして各学校とも調整いたしまして、可能な限り利用枠の拡大を図ってまいる所存でございます。
 それから、芝生で野球はできるかというお尋ねがございました。確かに土の校庭とはバウンドなども違いますし、いろいろすぐ全く同じようにできるというわけではないけれども、しかし野球ができないということではございません。チームによりまして、それでは練習にならんというお話があることにつきましては十分承知しております。
 そういった野球などを含めたさまざまな利用を考慮して芝生化を進めるべきではないかという御質問でございます。芝生化につきましてはさまざまな御意見があることは承知しております。今後の整備に当たりましては、利用する方の意見や他区の整備事例なども参考に適切な整備を図ってまいりたいと思います。
 上鷺宮小学校に影響があったのではないかというお尋ねがございました。お尋ねのチームにつきましては芝生の完成後、同校の球技開放を利用していない時期がございまして、そのとき他の学校に影響があったということは承知しております。
 それから、地域説明のあり方につきまして御質問がございました。これまで芝生化に当たりましては説明会を開き、図面を示し、意見を求め、そこでの意見を踏まえて実施してまいりました。説明の時期についてはもう少し早目にというのは、私どももそう思いますので、今後は実施校をできる限り早く決定し、地域での利用実態や意見等も考慮した上で具体的な芝生化の範囲等を決めていきたいと思います。
 また、中学校の芝生化についてでございますけども、中学校でも全校で芝生化の実施を考えておりますけれども、中学校の場合、御指摘のように部活など、校庭の利用実態もございますので、そうしたことも考慮しながら対応を図ってまいりたいと思います。先ほどお話し申し上げましたように、すべて全面芝生を考えているわけではございません。学校の実情に合わせまして芝生化を図っていきたいと思っております。
 それから、学力の低下と言われることにつきましてお答えいたします。
 OECDの調査結果について、教育委員会の見解はというお話でございました。OECDの学習到達度調査、いわゆるPISAでございますけども、単にこれまで学習してきた知識を覚えているかどうかということを見るのではなく、その知識を実生活の中でどれだけ使えるかを調べることに主眼がございます。過去3回PISAがやられたわけですけども、その結果を見る限り、日本の教育の中では考える力や応用力が十分に育っていないという課題が明らかになっていると思います。子どもたちがみずから考え、問題を解決できる、いわゆる生きる力を育成することが重要であると考えます。また今回、前回もそうでしたが、PISAの意識調査というのがあるんですけども、その意識調査によりますれば、特に日本の子どもたちは、学習に対する興味とか関心が低いことが大きな課題であると思います。子どもたち一人ひとりに学習の目的や意欲を持たせる教育が重要でありまして、その視点で幼児教育を含め、社会全体で子どもの教育を見直す必要があると思います。
 学校のブランドづくりをしたらどうかというお尋ねがございました。中野区では、各学校が地域や子どもたちの実態や伝統に合わせた特色ある学校づくりを推進しております。教育委員会といたしましては、各学校が行っている取り組みの支援をさらに充実させるとともに、こうしたすぐれた取り組み内容を、外部に向かって十分に情報発信していくというようなことについて努力してまいりたいと思います。
 それから、杉並区の塾講師によりますいわゆる有料授業、夜スペというものについてどう考えるかということでございます。自治体がそれぞれ区民のニーズに応じまして、独自の施策を推進していくということは大切なことだと思いますけれども、杉並区で行っております御指摘の取り組みを実施するに当たりましては、義務教育の機会均等の確保でありますとか公立学校の施設利用、教育公務員の兼職・兼業など、さまざまな課題があると考えております。
 以上であります。
    〔都市整備部長石井正行登壇〕
○都市整備部長(石井正行) 私からは、改正建築基準法によります確認申請に関します影響についてにお答えをさせていただきます。
 まず、中野区における影響でございますが、区及び民間を含めました改正後の区全体の確認申請件数でございますが、これは前年と比較をいたしますと約2割の減少となってございます。改正後の6月20日からことしの1月末までの申請のうち、区への申請につきましては、前年の186件に対しましてことしは、この間は217件と、31件の増加という状況でございます。この変更点と対応でございますけれども、建築確認審査の手続の主な変更点につきましては、まず計画図書の申請に当たりまして法に適合しているか否か、これの記載漏れについてチェックをしなければならないということになったわけでございます。また、申請した図面を変更する場合については、図面の差しかえが禁止をされております。区では独自のチェックリストを作成いたしまして申請させております。申請も、これによって迅速化が図られているということでございます。また、窓口における事前相談の段階で指導を徹底するとともに、申請図書の記載例を作成し、説明することなどによりまして修正が減少しているということでございます。
 職員体制でございますが、今申し上げましたことなどによりまして、申請数の増加に対応して審査の迅速化を図ることができました。法に定められた期限内に確認処分を行っている状況でございます。また、審査の厳格化には、国あるいは東京都及び民間が開催をしております研修会等に職員が積極的に参加しております。適宜新しい情報を得ながら適切な審査を行っており、現在のところ職員体制に問題はないという状況でございます。
○議長(市川みのる) 以上で佐伯利昭議員の質問は終わります。

 中野区議会議員 伊 藤 正 信
 1 地域ブランドについて
  (1)都市ブランドについて
  (2)子育て・教育ブランド化について
  (3)その他
 2 民生・児童委員制度の今後のあり方について
  (1)民生・児童委員制度の課題について
  (2)活動支援について
  (3)その他
 3 後期高齢者医療制度について
 4 その他

○議長(市川みのる) 次に、伊藤正信議員。
      〔伊藤正信議員登壇〕
○23番(伊藤正信) 平成20年第1回定例会に当たり、自由民主党の一員として一般質問をさせていただきます。
 質問に入る前に、私からも、故藤本やすたみ議員、そして故小堤勇議員のみたまに対して、心から御冥福をお祈り申し上げます。
 質問は、通告に従い、初めに地域ブランドについて、(1)都市ブランドについて、(2)子育て・教育ブランド化について。次に、民生・児童委員制度の今後のあり方について、(1)民生・児童委員制度の課題について、(2)活動支援について、最後に、後期高齢者医療制度についての順番で質問をいたします。
 初めに、地域ブランドについて、御提案も交えながら区のお考えをお伺いいたします。
 私は昨年の統一地方選挙、中野区議会議員選挙のマニフェストとして、「キラリと光れなかの」という標語を掲げ、「創ります!!なかのブランド、未来の世代のために」を訴えてまいりました。私が掲げたブランドイメージは、一つ目が将来を背負う子どもたちのための「元気一杯・子育てブランド」、二つ目に活動する高齢者のための「長寿ブランド」、三つ目に、地域再生化による「住み良い街ブランド」、そして四つ目にスリムで効率的な「中野区政ブランド」という四つのブランドイメージでした。
 一つ目の「元気一杯・子育てブランド」では、中学校までの医療費の無料化により、保護者の安心、負担の軽減を図ること、家庭、地域、学校、そして行政が連携して子育て子育ち支援を推進し、いじめのない地域をつくり出すこと、また、子どもたちの自然体験や、いろいろと議論がありますけれども、校庭の芝生化などによる環境教育を推進し、中野で育った子どもが社会で活躍できるような教育環境を整備することを重点施策として訴えてまいりました。
 二つ目の活動する高齢者のための「長寿ブランド」では、健康づくり公園の整備や指導員を配置し、高齢者の健康づくりを推進すること、地域のネットワークを構築し、高齢者の困り事の相談や見守り支援を実現すること、そして団塊の世代が退職後にこれまでの知識や経験を地域で生かせるよう、活動の支援を行うことを重点施策としています。
 三つ目の地域再生化による「住み良い街ブランド」では、私の地元である新中野駅周辺のバリアフリーや自転車駐車場を整備し、住み良い環境をつくること、あわせて商店街の活性化のため、空き店舗の活用や後継者の育成支援に取り組むこと、子育て世代にファミリー向け住宅を整備し、子どもの声が聞こえる活気あふれるまちづくりを推進することを同じく重点施策としています。
 最後に、四つ目のスリムで効率的な「中野区政ブランド」では、365日、24時間サービスを実現する区役所への転換や、行政コストの見直しによる区民福祉などのセーフティネットを堅持すること、そして保育園や児童館、高齢者施設の民営化を進め、多様なサービス形態を区民が選択できる仕組みをつくることを重点施策として、7日間の選挙運動期間中、街頭や選挙公報で区民の皆様に訴えてまいりました。
 これらの私が掲げた重点施策は、その多くが新しい中野をつくる10か年計画の中に盛り込まれておりますけれども、私はあえて「○○戦略」ではなく、ブランドという表現にいたしました。ブランドとは、単純な意味は「家畜などに焼印を押すこと」と言われておりますが、企業用語では、競合する他社の製品やサービスを識別して、区別・差別化して、その製品やサービスをシンボル化することで、その優位性を顧客に認識していただくことにより、企業にとっては顧客の安心感を獲得でき、自社のブランドに価値が生まれるものとなっております。
 私は10か年計画での戦略という言葉も否定はしませんが、区民にとってはサービスや事業の戦略よりも、サービスや事業のブランド、価値を高めるという言葉のほうがわかりやすいと考えてまいりました。
 昨年の6月28日から7月4日まで、ブランド総合研究所という株式会社が10代から60代の方、約3万5,000人を対象に、全国の782市と23区、195町村の評価調査、いわゆる「地域ブランド調査2007」を行いました。調査項目は各区市町村に対する評価、例えば魅力度、認知度、情報接触度、情報接触経路についての評価、そして観光、居住、産品に対する評価、例えば区市町村の観光意欲度、訪問目的、居住希望、産品購入度などの評価項目を設定して調査を行いました。この調査でわかることは、地域のベンチマーク、ポジションを知る。そして、地域のブランド傾向、何が評価をされたか。また、地域のファンを知ることができ、その結果、地域ならではのブランド戦略を策定することができるというものです。
 この調査結果は昨年8月に公表され、多くの新聞記事となっておりますが、例えば魅力度ランキング1位は札幌市、2位が京都市、3位が横浜市と、やはり観光的な要素が高いまちが上位を独占しております。また、まちのイメージランキングでは、歴史・文化は1位が京都市、2位が鎌倉市、学術・芸術では1位が京都市、2位が宝塚市、そのほか住民参加のまちでは1位が夕張市、2位が岸和田市、3位に杉並区がランクインしています。教育・子育てのまちでは、1位が文京区、2位が八王子市、3位が国立市、4位が世田谷区と東京の区市が独占しました。防災・防犯に強いまちでは、1位が網走市、2位が神戸市、3位が杉並区、生活に便利・快適のまちでは、1位が世田谷区、2位が渋谷区、3位が品川区と上位は東京が独占しています。そして、住みたいまちランキングでは、1位は横浜市、2位は鎌倉市、3位は神戸市となり、23区では6位に世田谷区、17位に目黒区、19位に港区、そのほか50位までに6区の、合計23区中9区がランクインしていますが、中野区の名前はありませんでした。
 区では平成20年度予算の内示の際に、中野ブランドの発信として里・まち連携推進事業やにぎわい創出事業、中野イメージアップ戦略、企業立地推進を掲げておりますが、こうした事業の推進が地域のベンチマークやポジションのアップにつながるのでしょうか。例えば、住民参加のまちであるとか、子育て・教育のまちのような住民にわかりやすいブランドイメージを設定すべきではなかったのではと考えますが、都市のブランドイメージについての御所見をお伺いいたします。
 次に、子育て・教育ブランド化についてお伺いいたします。
 先ほどの地域ブランド調査において、教育・子育てのまちでは1位が文京区、2位が八王子市、3位が国立市、4位が世田谷区となっておりましたけれども、教育的な視点からは、文京区には東京大学があり、八王子市には多くの大学のキャンパスがあるといったイメージがランクを押し上げた要素ではないかと私は考えておりますが、国立市はどのような要素から3位になったのか、この調査ではわかりません。また、世田谷区は子育て支援として新ボップという放課後活動支援事業がありますが、これが4位となった要素なのかも不明です。いずれにしても、ランクの背景がわかりませんが、区の所管分野では、教育・子育てのまちで上位にランクしている自治体の取り組みや要素を把握しているのでしょうか。もし把握しているのであれば、上位にランクしている自治体の取り組みや要素についてお答えをお願いしたいと考えます。
 中野区も今後、子育てや教育ブランドを高めるためにも、上位にランクしている自治体の取り組みや要素を把握し、ぜひ2008年の調査では10位以内を目指していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
 さて、教育・子育てのまちのランクアップのためには、全国に先駆けた斬新的な取り組みが必要であると思います。先ほども佐伯議員がおっしゃっておりました、ことしの年明けに新聞報道された杉並区の和田中学校の放課後・夜間塾などの取り組みは、恐らく2008年の教育・子育てのまちのランクの上位にランクインするのではないでしょうか。そのほか、品川区などの小中一貫教育も同様だと思われます。
 そこで御提案ですけれども、昨年の第4回定例会において、我が会派の大内議員からもいじめ撲滅対策についての質問がありました。その中で、いじめ対策はもはや学校や教育委員会では対応できないものになっており、区民や地域、関係機関との連携や協力・支援を受け、区全体の運動としていく必要があると述べ、区として例えば「いじめゼロの中野の教育」などのスローガンを掲げ、区長が先頭に立って区を挙げていじめの撲滅運動を推進してはどうか提案がありました。
 区長からは、今後、地域子ども家庭支援センターを中心とした子育てネットワークの中で、地域ぐるみで子どもを見守り、その活動を支えることで、いじめのない地域社会づくりを進めたいとの御決意をお伺いいたしました。確かに子育てネットワークがうまく機能すれば、いじめの減少につながると思いますが、広く全国に発信して、区長が先頭に立ち、区を挙げていじめの撲滅運動を推進することが教育面での中野区のブランドアップにつながると思いますが、いま一度区長のお考えをお伺いいたし、この項の質問を終わります。
 次に、民生委員制度について伺います。
 (1)民生委員・児童委員の課題についてであります。
 昨年の平成19年は民生委員制度創設90周年という節目の年でありました。初めに、中野区をはじめ、日本のさまざまな地域で日夜活動されている民生・児童委員の方々の御苦労に、心から感謝を申し上げておきます。
 19年度は3年に一度の民生委員・児童委員の改選時期に当たり、私も議会からの推薦で民生委員・児童委員の推薦会の委員として、公明党の飯島委員と推薦業務に携わっております。今回の質問は、推薦会で見えた課題や、私の地域で活躍する民生委員・児童委員から寄せられた意見や要望を踏まえ、さまざまな課題について区の見解をお伺いいたします。
 昨年の7月、全国民生委員児童委員連合会から民生委員制度創設90周年活動強化方策「広げよう 地域に根差した思いやり」と題して、100周年に向けた民生委員・児童委員行動宣言が行われました。その宣言の内容を御紹介いたします。
 1、安心して住み続けることができる地域社会づくりに貢献します。2、地域社会での孤立・孤独をなくす運動を提案し、行動します。3、児童虐待や犯罪被害などから子どもを守る取り組みを進めます。4、多くの福祉課題を抱える生活困窮家庭に粘り強く接し、地域社会とのつなぎ役を務めます。5、日ごろの活動を生かし、災害時に要援護者の安否確認を行いますといった五つの宣言のほか、90周年活動強化方策も同時に示されております。一つ目は、気がかりな人や身近に頼る人がいない地域住民を発見し、進んで声をかけ、相談に乗り、福祉サービスにつなぎ、見守るなど、継続して支援します。二つ目は、地域住民の立場に立って個人の秘密を守り、誠意を持って活動します。三つ目は、地域福祉の担い手として地域を耕し、専門職や福祉の実践者などとともに協働しますという強化方策です。どれ一つをとっても、これらの宣言や方策を、民生委員・児童委員の方が実践、行動することは大変なことであると私は思います。当然、地域の協力や行政の支援がなければ、到底実現することは困難であります。
 そこでお伺いいたしますが、民生委員は生活保護法、老人福祉法、児童虐待防止法に関する法律のほか、ホームレス自立支援、災害時要援護者避難支援、多重債務者問題解決の支援などの社会的な要素が高まっています。重要なことは、民生・児童委員の具体的な活動について、行政との間の意思伝達や情報提供の窓口を一本化して、確実に行政と連携・協働できる仕組みが必要だと考えますが、区としてはどのようにお考えなのかをお伺いいたします。
 また、あわせて現在の民生委員・児童委員の行動・活動費については年間約10万円程度、月に換算しますと9,000円に満たない額と聞いております。さまざまな、また複雑なケースに対応して、結果的に民生委員・児童委員の方々が自腹を切って対応したという話も聞いております。区は行動・活動費以上に、必要な経費についてもある程度は負担しているようですが、月に1万円にも満たない活動費では十分な活動ができるのか、大変疑問に思います。活動費を単に増額するべきなどとは申しませんが、説明のつく活動費については、区が単独でも制度化するべきではないかと考えますが、あわせてお答えをお願いいたします。
 次に、全国民生委員児童委員連合会の民生委員・児童委員行動宣言の中での課題として、適任者を得る推薦体制の確立について述べられております。民生・児童委員の方々は、適切な相談支援活動を行うためにはある程度の知識や経験が必要でありますが、この推薦に携わる人は、民生・児童委員の役割とその活動内容を十分理解し、適任者を探し出すことが求められているとされております。特に、平成17年に全国民生委員児童委員連合会が実施した「民生委員・児童委員活動および民児協活動に関する意識調査」では、新任委員の多くが、推薦時にその役割や活動内容を説明されていない事実が明らかになりました。単に月1回定例会に出席するだけでいいという説明を受けた委員さんが、積極的に家庭訪問することはとても難しいことと思います。また、新任研修に出て初めてその役割の重要性や困難性がわかり、自分にはできない、やめたいと申し出る委員さんも数多くいるそうです。
 そこで、地域の取りまとめを行う町会や自治会の役員の方々に対して、行政がわかりやすいチラシや文書を配布したり説明に出向くなど、地域の取りまとめ役が推薦しやすい環境を整えるべきであると思いますが、区の考えをお聞きいたします。
 次に、2007年10月23日の第24回地方分権改革推進委員会におきまして、平成19年度に改選期を迎える民生・児童委員の委嘱問題が議論されております。また、同年の11月には全国市長会も、平成19年度の国の予算に対する要望の中で、「民生・児童委員の配置基準についてはきめ細かな地域福祉活動が展開できるよう、地域の実情に応じた見直しを行うこと」といった要望も出されております。民生・児童委員の意識の向上、動機付けのため厚生労働大臣から委嘱されるという現在の仕組みは無駄も多く、地方に権限を委譲するという地方分権改革推進の精神からも疑問があると思いますが、区長は区が都知事に推薦し、厚生労働大臣が委嘱する現在の委嘱方式についてどのような見解をお持ちなのかお伺いいたし、この項の質問を終わります。
 最後に、後期高齢者医療制度について伺います。
 国民の医療費は平成17年度で約33兆円かかっており、そのうちの3割を超える費用が高齢者の医療費になっております。高齢者の医療費は年々伸びる傾向にあり、現役世代の負担と国の財政負担は増加していく一方です。
 東京都の年間1人当たりの老人医療費で見ると、75歳以上は約82万円になっています。そこで、このままでは国民皆保険制度が破綻してしまうので、予防医療を心がけ、医療費を抑えること、並びに公正な負担をしてもらうことを目的として、後期高齢者医療制度が創設されました。平成18年6月に老人保健法が高齢者の医療の確保に関する法律と改正され、昨年には東京都に初めて、地方自治法に基づいてこの医療制度の運営主体となる東京都後期高齢者医療広域連合が設立されました。この広域連合議会では、我が議会の市川みのる議長が議員の一人として選出され、昨年の11月並びにことしのさきの2月12日に行われた定例会で一般質問をされ、広域連合側から前向きな答弁を引き出すなど大いに活躍されているところでもあり、都政新報にもその内容が掲載されております。
 さて、後期高齢者の医療制度は、昨年も与党のプロジェクトチームにより高齢者の負担を軽減する措置が追加されるなど、さまざまな議論が行われてきました。この4月から始まるというのに、スタートが目前に迫っているのに追加の制度変更があり、区で担当されている職員の方々にはあらゆる面で知恵を振り絞り、システム改修などを行い、御苦労されていることに改めて敬意を表するものであります。
 そこで、この制度に対する区の準備状況について幾つか質問をさせていただきます。
 まず一つ目は、このたび広域連合議会で議決された東京都独自の低所得者対策によって、中野区が新たに負担しなければならない経費はどのくらいを考えているのか。また、区長はこの軽減対策だけで十分と考えているのか伺います。
 次に、この制度は2年ごとに保険料を見直すということを聞いておりますけれども、今回の保険料の算出に当たっては、2月12日に議決された低所得者対策以外にも、葬祭費を区市町村独自の事業としたり、審査支払い手数料や収納率上乗せ分、財政安定化基金分を除いて行うという東京都独自の算定を行っています。このことについて区長はどのように考えているのか、またどうあるべきと考えているのかお伺いをいたします。さらに国や東京都に対しても、財政措置を要望しているところはありますけれども、保険料負担がこれ以上ふえないように、また区市町村の一般財源の投入がこれ以上ふえないように、さらに強く財政措置について要望してはいかがか、区長の考えをお伺いいたします。
 次に、最初の2年間は経過措置もあったりするため、区民はこの制度を理解するために混乱を来すと思います。制度を説明するための職員体制を充実することはもとより、制度周知のための広報体制についても十分な体制を組むべきと考えておりますけれども、区長はどのように臨まれるつもりかお伺いをいたします。
 また、広域連合は各区市町村から派遣された職員で構成されていると聞いております。広域連合としては、より事業に精通した職員を派遣してもらいたいとの意向があるようですけれども、中野区としてその要望に沿うためには何が必要と考えておりますか。後期高齢者医療制度を安定的、効果的に運営していくために、広域連合としての人材育成、また各区市町村における人材育成はどのようにあるべきと考えておりますか。区長の考えをお伺いいたします。
 最後に、高齢者に配慮した区役所内のレイアウトについて、要望も含め質問をさせていただきます。
 現在、老人保健を担当している部署はエレベーターから遠く、体の不自由なお年寄りが申請等を行う際に、大変御苦労されているといったお話を区民からお寄せいただいております。お年寄りに配慮したレイアウトについてはどのようにお考えなのでしょうか。元気な方が来るセクションや職員のためのセクションよりも、優先してお年寄りや乳幼児向けのセクションを配置する。例えば、エレベーターの近くに集中させるとか、わかりやすい表示にするとか、待合いすを設置するとか、低いカウンターにするといったさまざまな工夫が必要と考えられますけれども、区役所内部は先ほど申し上げたように、あまり配慮されていないように見えます。そこで、おもてなし運動を推進している区長として、お年寄りに配慮あるレイアウトや設備を考えていただきたいと提案したいのですが、区長はどのように考えているのか、お伺いいたしまして、私のすべての質問を終わります。前向きな御答弁を期待して、終わります。
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 伊藤議員の御質問にお答えをいたします。
 まず、都市ブランドイメージについての御質問であります。伊藤議員の御質問ではまちの活性化、あるいは元気いっぱい子育て、あるいは高齢者の健康、生きがいといった、それぞれの行政の分野でまちの価値を高めて、それぞれの場面においてブランドイメージを高めていくべきだと、こういった御質問があったわけであります。ブランドイメージというものについて積極的に打って出て、広報、宣伝といったようなことでつくり出していくイメージと、それから仕事を行った結果、実績がじわじわと評価をされていって、実際に評価を高めていくといったような二つのあり方があるだろうというふうに思っております。例えば、企業誘致でありますとかまちの活性化、産業の活性化といったところでのまちのブランドというところでは、まあ言い方は悪いかもしれませんが、アドバルーンを上げていったり、いろんな意味で目立つ取り組みを行ってブランドイメージをつくっていくといった攻めの取り組みも必要なんだろうと、こう思っております。
 一方、子育て支援でありますとか高齢者の生きがい、こういったようなことについては、やはり実質、実績というものを着実に上げていくということで、多少時間はかかるかもわかりませんが、区民にとって本当に実感のできる価値のあるサービスが提供できるようになっていくということから、ブランドイメージが後からついてくると。そういったような考え方のほうがよろしいのではないかと、こんなふうにも思っているところであります。地球環境問題などではそうした実質と、あるいはイメージアップと、両方相まった取り組みが必要になってくるのかといったふうにも考えているところであります。そうした意味で、中野区においてはまずまちのイメージ、まちの活性化に向けたイメージアップというものが、積極的に取り組むべきだということで考えているところであります。
 中野区でも歴史的・文化的なものを含めて、観光資源は十分にあると考えております。また、区民が現在活動している中で、他の都市にはない特徴や、あるいはさまざまな活動を行っている。そうして全国に対して発信しているものもあるわけであります。そのような活動と今後の新しいまちづくり、これを組み合わせて、全国的に中野の魅力を発信するイメージアップ戦略に取り組んでいるところであります。こうした取り組みを通じて、積極的に打って出る中野のブランドをつくって定着させていきたいと、こう思っているところであります。
 一方、子育て教育ブランドの面の御質問もありました。このブランド総合研究所の調査方法の詳細については把握しておりませんが、全国自治体の認知度や魅力、イメージなどを調査したものというふうに承知しているところであります。教育・子育てのまちのイメージの設問では、文京区、八王子市、国立市が上位に挙げられているということであります。文京区には大学が10校、短大が3校、八王子市には大学が9校、短大が4校、国立市には大学が2校、短大が1校でありますが、国立市は昭和27年から建設省と東京都から文教地区指定を受けているといったようなことになっております。世田谷区は大学が9校、短大が8校ということでありまして、いずれも大学のキャンパスが多いということがまちの教育のイメージということにつながっているのではないかというふうに受けとめたところであります。
 中野区といたしましては、中野区がこれから力を入れていかなければならない、これまでも力を入れてきた幼児教育、保育や子育てサービスの充実を図るとともに、子どもたちの将来を見据えた質の高い施策を展開して、多くの人から中野は子育てがしやすいまち、子育てをするなら中野と言われるような取り組みを進めていきたいと、こう思っております。
 それから、いじめ対策について、ブランドアップにつながるのではないかという御質問もありました。中野区の現状についての認識で申し上げますと、いじめ撲滅運動、必ずしもそういう言葉ではないのかもしれませんけれども、そういった形で特別に運動を進めなければならないというほどの状況にはないというふうに考えております。逆に、そういう中でこういった発信をしますと、中野区はいじめが多いのかといったイメージにもつながりかねないということもありまして、考えどころかなと思っております。いじめは家庭や社会のゆがみが子ども社会に反映するものと考えておりまして、子どもたちが健全に育つ地域や家庭の環境づくり、相互に子育てを支え合える地域社会づくりを、これは私が本当に先頭に立って汗をかいて進めてまいりたいと、このように思っております。
 それから、民生委員・児童委員の制度の今後のあり方についてという御質問であります。民生・児童委員の皆さんは、本当にこれからの地域社会の中で求められている地域の支え合いの中心、地域福祉の担い手として大変立派に活動していただいておりますし、今後の期待も本当に大きいものがあるというふうに認識をしております。その活動でさまざまに御苦労されていると。御苦労されながらも大変献身的に活動していただいているということで、高く評価もさせていただいているところでもあるわけであります。
 この民生・児童委員の活動に対して、行政と連携・協力がきちんとできているかという御質問がありました。これについても大変重要な課題であります。区といたしましては、保健福祉部の地域ケア分野の中に民生・児童委員の担当がおります。この担当が窓口となって、民生・児童委員の皆さんと連携・協力をさせていただいているところであります。情報伝達の単位も、合同の民生・児童委員協議会や地区ごとの会議の場等多様に設けているところであります。他の部署との連携も重要でありまして、今後とも他の部署との連携も強め、区と民生・児童委員の協力を発展させていくように努めてまいりたいと思っております。
 それから、活動費の問題であります。民生・児童委員は、その委嘱の趣旨からして基本的に報酬がないというところであります。しかしながら、活動に関する実費については当然、支給しなければならないということであります。この活動費につきましては、都の要綱に基づいて支給をされています。この支給額に、さらに地区の会長、副会長の方に対しましては会議等の出席も多いということで、区独自で活動費の加算、わずかでありますけれども加算をしているところであります。その活動にかかわる民生・児童委員さん全体の活動の実態、経費の実態についても調査をしていきたいというふうに考えております。
 それから、推薦の中での活動の役割等の周知の問題についての御質問もありました。民生・児童委員の推薦に当たりましては、民生・児童委員の役割や活動について、推薦をお願いする地区の準備会委員に対して、よりわかりやすく丁寧な御説明をするようにしてまいりたいと思っております。
 それから、地方分権改革推進委員会での委嘱の主体の議論ということが御質問の中にありました。民生・児童委員は厚生労働大臣から委嘱をされているわけでありますが、地方の推薦を国が拒否した事例というのは過去5年間ありません。また、民生・児童委員に欠員が生じて、都に上げ、国に上げということをやっているということで、委嘱手続に時間を要しているといったようなことから、民生・児童委員の委嘱権限を都道府県または市町村に移譲すべきだとの議論があることは十分に承知をしているところであります。一方で、民生・児童委員の方の中からは、大臣から委嘱されているのが格下げのような感じになるのも、やはりちょっと評価にかかわるのではないかといったような見方もあるようでありまして、区としては地方分権の視点も大事ではありますが、その辺の民生・児童委員さんの意識も十分に踏まえながら議論していただくことが必要だと、このように考えております。
 それから、後期高齢者の医療制度についての御質問であります。東京都独自の低所得者対策によります中野区への影響額でありますが、2億8,711万2,000円と試算をしているところであります。この独自の施策によりまして、東京都の後期高齢者医療制度の保険料は全国的にも低い水準になっております。このことによって、軽減策としては大きな対応をしたというふうに考えております。制度導入に当たりまして、62区市町村全体でそれぞれの事情がある中で議論をした結果、こうした保険料の算定となったわけでありまして、現状ではこの考え方が妥当だというふうに考えております。今後、2年後の保険料の見直しに向けてさらにこうしたあり方、どう考えていくのか議論が必要だというふうに考えております。
 国や都に対する財政措置の要望についての御質問もありました。先ほども言いましたように、東京都の保険料は独自の施策によって全国的にも低い水準になったということであります。全国的に同じような制度というような意味もありまして、一般財源の投入競争ということになれば、この制度全体の行く末が危ぶまれることにもなりかねないというようなことにもなるわけであります。国が財源を投入するということになれば、また国の財政問題にもなるということでもあるわけであります。やはりこうした医療、社会保障制度の成り立ち、こういったものについて、国、国民全体で幅広く議論をしながら、次の保険料について見定めていくことが必要であるというふうに考えております。
 それから、この制度についての広報や職員の体制についての御質問もありました。後期高齢者医療制度を担当する部署を新設することにしております。区民への説明が十分できるような職員体制を整えてまいりたいと思っております。
 広報につきましては、国や広域連合の行う広報に加えまして、区報やホームページを活用するとともに、リーフレットを作成するなどして、制度周知にも努めていきたいと考えております。また、派遣の人材でありますが、後期高齢者医療広域連合の要請に応じて、それにふさわしい人材を派遣することとしているところであります。後期高齢者医療広域連合の人材育成の考え方につきましては、窓口を持つ区市町村と実務的な情報交換を図りながら、職員の人材育成に努めたいとの都の意向と承知をしているところであります。区におきましても、連合の人材育成に協力いたしますとともに、新しい制度を十分理解して、区民への丁寧な対応ができる区の職員を育成していきたいと考えております。
 また、お年寄りに配慮した区役所内のレイアウトについての御質問もありました。庁舎内のレイアウトにつきましては、区民が利用しやすく、サービスの向上が図れるよう努めているところであります。エレベーターから遠い点につきましては、レイアウト変更の際に改善をしていきたいというふうに考えております。ローカウンターなどきめ細かなサービスの向上が図れるよう、今後の事務のあり方も含め検討していきたいと考えております。
 以上であります。
○議長(市川みのる) 以上で伊藤正信議員の質問は終わります。
 お諮りします。議事の都合により、本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(市川みのる) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
 次の会議は、明日午後1時より中野区議会本会議場において開会することを口頭をもって通告します。
 本日はこれをもって延会いたします。
      午後5時30分延会