平成20年06月05日中野区議会本会議(第2回定例会)
平成20年06月05日中野区議会本会議(第2回定例会)の会議録
平成20年第2回定例会本会議第2日(6月5日)

1.平成20年(2008年)6月5日、中野区議会議事堂において開会された。
1.出席議員(40名)
  1番  内  川  和  久       2番  ひぐち   和  正
  3番  白  井  秀  史       4番  平  山  英  明
  5番  つぼい   え  み      6番  いながき  じゅん子
  7番  林     まさみ        8番  山  口  かおり
  9番  せきと      進     10番  いでい   良  輔
 11番  伊  東  しんじ      12番  佐  野  れいじ
 13番  北  原  ともあき     14番  南     かつひこ
 15番  小  林  秀  明     16番  の  づ  恵  子
 17番  奥  田  けんじ      18番  近  藤  さえ子
 19番  牛  崎  のり子      20番     欠  員
 21番  吉  原     宏     22番  大  内  しんご
 23番  伊  藤  正  信      24番  きたごう  秀  文
 25番  久  保  り  か     26番  やながわ  妙  子
 27番  酒  井  たくや      28番  佐  伯  利  昭
 29番  むとう   有  子     30番  長  沢  和  彦
 31番  か  せ  次  郎     32番  山  崎  芳  夫
 33番  斉  藤  金  造     34番  篠     国  昭
 35番  市  川  みのる      36番  岡  本  いさお
 37番  飯  島  謹  一      38番  江  口  済三郎
 39番     欠  員        40番  佐  藤  ひろこ
 41番  来  住  和  行     42番  岩  永  しほ子
1.欠席議員
      な  し
1.出席説明員
 中 野 区 長  田 中 大 輔      副区長(経営室) 石 神 正 義
 副区長(管理会計室) 沼 口 昌 弘    副区長(政策室) 西 岡 誠 治
 教  育  長  菅 野 泰 一      区民生活部長   大 沼   弘
 子ども家庭部長  田 辺 裕 子      保健福祉部長   金 野   晃
 保 健 所 長  浦 山 京 子      都市整備部長   石 井 正 行
 拠点まちづくり推進室長 佐 藤 幸 一   教育委員会事務局次長 竹 内 沖 司
 計画財務担当課長  長 田 久 雄     経営担当参事   川 崎   亨
1.本会の書記は下記のとおりである。
 事 務 局 長  山 下 清 超      事務局次長    奈 良 浩 二
 議事調査担当係長 大 谷 良 二      書     記  荒 井   勉
 書     記  永 田 純 一      書     記  河 村 孝 雄
 書     記  菅 野 多身子      書     記  松 本 明 彦
 書     記  丸 尾 明 美      書     記  鳥 居   誠
 書     記  土 屋 佳代子      書     記  杉 本 兼太郎
 書     記  岡 田 浩 二      書     記  竹 内 賢 三

 議事日程(平成20年(2008年)6月5日午後1時開議)
日程第1 第47号議案 平成20年度中野区一般会計補正予算

      午後1時00分開議
○議長(市川みのる) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。
 本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。
 昨日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。


 中野区議会議員 岡 本 いさお
 1 自然エネルギーの導入と省エネルギーの促進について
  (1)自然エネルギーの導入について
  (2)省エネルギーの促進について
  (3)温暖化対策の担当について
 2 情報化施策と区民サービスについて
  (1)情報化推進計画について
  (2)情報化施策と区民サービスの向上について
  (3)水害などの情報提供について
  (4)学校の情報化と緊急地震速報システムについて
 3 南部地域の子育て拠点づくりについて
  (1)本郷保育園廃園後の保育計画について
  (2)保育園と発達障害支援センターとの合築について
  (3)その他
 4 その他
  (1)携帯電話による子どもの被害対策について
  (2)その他

○議長(市川みのる) 最初に、岡本いさお議員。
     〔岡本いさお議員登壇〕

○36番(岡本いさお) 第2回定例会に当たり、公明党の立場から一般質問をさせていただきます。
 質問に先立ちまして、ミャンマーのサイクロン及び中国・四川大地震で亡くなられた方の御冥福をお祈りするとともに、被災者の皆様に心からお見舞いを申し上げます。
 それでは初めに、自然エネルギーの導入と省エネルギーの促進について伺います。
 まず、自然エネルギーの導入についてお尋ねします。
 5月13日、宮城県の自然エネルギー等の導入及び省エネルギーの促進に関する基本的な計画について視察をしてきました。平成14年7月に策定した自然エネルギー等・省エネルギー促進条例に基づいて審議会が設置され、諮問・答申がされて、その基本的な計画が18年3月に策定されました。
 この条例で宮城県が取り組む14のエネルギーなどを定めています。主なものは太陽光発電、太陽熱の利用、風力発電、水力発電、波力、潮汐発電、地熱発電、バイオマス燃料、燃料電池発電、工場等の排出熱発電、天然ガスなど、可能性のあるものはすべて盛り込まれています。しかも、すべてその取り組みがされています。
 18年4月には、公共施設等への自然エネルギー等の導入指針を策定しています。また、地域で温暖化対策が難しいと言われる温泉街、商店街、工業団地で、方言を使って「ダメだっちゃ温暖化」とのスローガンを掲げて、地域の温暖化防止運動を行っています。
 本年の区議会第1回定例会で、区民風車の建設計画をめぐってさまざまな議論がされました。5月に策定された中野区環境基本計画には、本年度中に区民風車に関する基本プランを作成するとしています。私は初めから区民風車に限定するのではなく、環境基本計画に示されている(仮称)地球温暖化防止条例の中に、宮城県のように自然エネルギーの導入の指針などを示すべきだと考えますが、いかがでしょうか。その上で、個別具体的な区民風車の基本プラン、太陽光発電や他の自然エネルギーの基本プランを作成して事業を進めるべきではないかと思いますが、区のお考えを伺います。
 また、自然エネルギーの導入に当たっては、地球温暖化対策へ向けて啓発し、わかりやすく、またシンボルとなるような取り組みが欠かせないと思います。かつて私は学校を太陽光発電所にしてはと提案したことがあります。
 山梨県の都留市では、市役所前に小水力市民発電所「元気くん1号」を17年10月に建設し、年間最大10万8,000キロワットアワーの発電で、市庁舎電気使用量の18%を賄っています。建設の財源はNEDO補助金が1,500万円、市民参加型ミニ公募債が1,700万円、一般財源が1,100万円です。市民参加型のミニ公募債にはユニークな名称がついています。都留市の都留の名前を生かして「つるのおんがえし債」と銘打って実施したところ、関心が高く、目標枠の4倍の申し込みがあったそうです。
 市庁舎を訪れる市民は、玄関正面に水車が回る水力発電所があり、その発電量を知ることで、自然エネルギーに関心を持つようになります。川越市では、市役所前の交差点に風力と太陽光のハイブリッド発電による時計つき街路灯を設置し、通行人にも関心を持ってもらうようにしています。
 行政がリードして自然エネルギーを導入する際、都留市や川越市のように目に触れて実感し、関心を示すような取り組みを行うべきだと思いますが、いかがでしょうか。さらに区民公募債については都留市の例も参考にして、自然エネルギーの導入に大いに関心を示すような取り組みを行ってはいかがでしょうか。また、自然エネルギーの導入についてはあらゆる工夫を講じて進めるべきだと思います。太陽光発電、風力発電に限らず、水力発電、風力発電など、またてんぷら廃油を活用した軽油代替燃料なども可能ではないかと思います。
 例えば、平和の森公園の地下には中野水再生センターがあり、その処理水が妙正寺川に勢いよく流れ出ています。その排水を活用して水車を回し、小規模水力発電所を東京都と連携して進めてはいかがでしょうか。また、サンプラザ横などのビル風を活用したミニ風力発電所も検討してはいかがでしょうか、お考えを伺います。
 中野区として自然エネルギーを導入する場合、区独自で実施することは不可能だと思います。幸い区内には自然エネルギーの導入に長年積極的に取り組み、地域エネルギー事業として実績を持つNPO法人環境エネルギー政策研究所もありますので、この法人の知恵をおかりし、またタイアップするなどして進めてはいかがでしょうか、お考えを伺います。
 次に、省エネルギーの促進について伺います。
 温暖化対策として、自然エネルギーの導入と表裏一体となっているのが省エネルギーの促進です。環境基本計画では的を絞った省エネルギー計画を立てていますが、区として省エネルギーの促進方針などを示すべきではないでしょうか。
 この項の最後に、区の温暖化対策の組織について伺います。
 本年4月からごみ減量分野と環境と暮らし分野のトップが兼務となりました。区の地球温暖化対策は極めて大事な戦略で、10か年計画でも重要な位置付けがされています。そのトップが他の分野と兼務では、どうして重要な新規事業がやり遂げられるというのでしょうか。板橋区では資源環境部の中に地球温暖化対策係を設置しています。中野区としても、今後大きなプロジェクトを実現するためには、明確に地球温暖化対策の担当を設置すべきだと思いますが、区長のお考えを伺い、この項の質問を終わります。
 次に、情報化施策と区民サービスについて伺います。
 初めに、中野区の情報化推進計画についてお尋ねします。
 中野区はこれまでさまざまな情報化の推進計画を策定してきました。平成5年に中野区情報化推進計画、6年に中野区テレトピア計画、14年に電子区役所実現3か年プログラムを策定、さらに本年3月に地域情報化推進計画が策定されるなど、計画が次から次へとつくられてきています。新たな情報推進計画の策定は時代の要請とも言えますが、それぞれの計画の成果を踏まえて新たな計画を策定しないと、木に竹を接ぐような計画になってしまうおそれがあります。
 5月23日、岡山市の情報化計画について視察をしてきました。岡山市では昨年の9月に4カ年の情報化計画を策定しました。その際、以前の計画の成果を踏まえて策定しています。したがって、市の情報化計画に一貫性や継続性が図られているように感じます。
 そこで伺います。中野区地域情報化推進計画の策定に当たっては、これまでの計画の成果を踏まえてPDCAを回しているのでしょうか。区はその計画の成果を経営改革指針や行革指針の進捗状況の中で示していますが、情報化推進計画そのものについての進捗状況や成果をきちんと検証すべきだと思いますが、いかがでしょうか。また、計画には目指すべき情報社会のイメージ図が示されていますが、総務省や東京都のイメージ図をそのまま掲載しているものが多く、一体どこの情報化推進計画なのかと疑いたくなります。区が進める情報社会のイメージ図を作成して掲載すべきだと思いますが、いかがでしょうか。また、計画の担当分野と大まかなスケジュールは示しているものの、具体的な取り組みやプランがよく見えません。それらを実現するには、通常はアクションプランを立てて推進するのが筋だと考えますが、いかがでしょうか。
 次に、情報化施策と区民サービスの向上について伺います。
 区の情報化施策の最大の目的を、区民の利便性の向上としていることは大事なことで、区民のためにという視点を忘れてはならないと思います。情報化推進分野の役割は、区民とかかわる事業を円滑に効率的に、また仲間づくりが広がるように展開するための基盤整備やツールの支援をする立場でなければならないと思いますが、お考えをお聞かせください。
 さらに私は情報化計画の目標を、もっと区民の身近な課題を取り上げて取り組んでいくべきだと思います。岡山市の情報化計画の基本目標は、「安全・安心なまちづくりと地域力向上を目指して」としています。計画の目標に、住民のごく身近でかつ大事な課題を掲げているところに注目をしています。
 岡山市ではテレビ画面を使っての高齢者の安否確認サービス、ケーブルテレビ回線を活用した児童の登下校の見守り情報サービス、警察署管内ごとの防犯・不審者情報、緊急防災情報など、実施に向けて取り組んでいます。さらに総務省の「eまちづくり交付金」を活用して、地域情報の共有化、地域コミュニティの活性化を促進するために電子町内会を全市的に立ち上げています。家庭のリビングからもインターネットを活用して、町内会等の活動情報や意見交換ができる電子コミュニケーションシステムです。細かい事業内容は省きますが、5月現在で単位町内会数1,589のうち、3分の1以上の587町内会が参加、会員数は5,078人、各町内会会長が電子町内会の会長になる仕組みです。町内会組織がしっかりしていることと岡山市が事務局を担っていることから、町内会をSNSの実証の場として選んだそうです。
 中野区のホームページによれば、連合町会も含めてホームページを立ち上げている町会は既に46に及んでいます。中野区にも地域SNS計画がありますので、岡山市の例を参考にして、中野区町会連合会とも協議して町内会の活性化、地域力アップなどを図るために電子町内会として立ち上げてはいかがでしょうか、お考えを伺います。
 次に、水害などの情報提供について伺います。
 区の地域情報化推進計画にも、「区民が防災情報にアクセスしやすい環境を整え、防災情報の積極的な提供を図ります」と述べています。3年前の妙正寺川や内水はんらんなどの水害情報について、区民の方から、「部屋の中にいても、地域の災害情報を明確に伝えてくれる方法を考えてほしい」と強く要望されたことをきのうのことのように覚えております。
 昨年10月から、国の方針で緊急地震速報システムが導入されました。現在、さまざまな方式のシステムが開発されています。緊急地震速報など、防災行政無線を通じて住民に直接音声で伝える全国瞬時警報システム(J-ALERT)の導入を、三鷹市や武蔵野市で試行的に検討を行っています。私はこの音声告知システムを中野区の災害情報のシステムに応用できるのではないかと考えています。このシステムなどを活用し、JCN回線を利用し、家の中に受信機を設置すれば、防災センターからの水害などの情報を特定のエリアの方に音声で伝えられると思います。そうすれば、防災無線放送や区有車によるスピーカーの音が聞こえにくいという課題が解決すると思います。区としてこれらのシステムの研究・検討を行ってはいかがでしょうか、お考えを伺います。
 次に、学校の情報化と緊急地震速報システムについて伺います。学校の情報化についての質問は別の機会にしたいと思います。
 この項の最後に、学校に緊急地震速報システムを設置することについてお尋ねします。
 中国・四川大地震によって、四川省だけでも授業中に被災し、6,000人以上の子どもが亡くなりました。学校では多くの未来を担う子どもたちが大勢暮らしています。学校にこそ真っ先に緊急地震速報システムを導入すべきだと思います。このシステムを使って、校長室などからの一斉放送で日ごろから地震発生までのカウントダウン訓練を行うなど、地震に備えることは極めて大事であると思います。区は3年後に導入するとしていますが、いつ起こるかわからない、また起こる可能性が指摘されている昨今です。このままでは中野の危機管理体制が問われてしまいます。学校再編で可能なところから導入すべきだと思いますが、区のお考えを伺って、この項の質問を終わります。
 次に、南部地域の子育て拠点づくりについて伺います。
 初めに、本郷保育園廃園後の保育計画についてお尋ねします。
 これまで中野区の子育て支援策は、区のリーダーシップにより着実に前進してきています。中学生までの子ども医療費の無料化、妊婦検診の公費負担の大幅な拡充、新生児訪問事業、一時保育、子どもショートステイ、病後児保育、子育てサポートルームなど、着実に充実してきています。
 一方、子どもの発達・療育支援事業は、療育センターアポロ園を中心に取り組んできました。しかし、中野区全体を考えると、南部地域に発達障害支援の拠点を拡充することが必要で、やながわ議員の提案によってアポロ園の分室を南部地域に設置する取り組みの検討がされています。また、弥生町二丁目にある本郷保育園は耐震診断の結果、地盤調査などのため移転を余儀なくされ、弥生町五丁目に仮設園舎として本年9月ごろ開園することになっています。しかし、この仮設園舎は21年度末には閉園するとしています。
 本年2月6日に受理された7号陳情、本郷保育園についての主旨の第1項、「本郷保育園の地盤調査などの後も、現在の保育園の場所又はその近くに保育園を存続させてください」については、3月13日の厚生委員会において全会一致で採択すべきものと決し、同21日の本会議で採択されています。この陳情の採択を重くとらえ、区は仮設園舎閉園後もこの近辺に引き続き保育園を存続させる努力をしなければなりません。そのためには新たな保育園建設の計画を早急につくらなければならないと思います。遅くとも今年度中にその計画をつくらなければタイミングを失ってしまいますが、いかがでしょうか。
 次に、保育園と発達障害支援センターとの合築について伺います。
 区は子育て支援の一つとして、区内4カ所に地域子ども家庭支援センターを設置する計画です。南部の地域子ども家庭支援センターは、中野富士見中跡地に予定されるすこやか福祉センターにあわせて設置されることになっています。
 去る3月に山口市富田原町にある知的障害児通園施設、発達支援センター愛を同僚議員と視察してきました。この施設は保育所と合築し、共用の園庭や中庭、ホールなどを活用するユニバーサルデザインに基づく施設です。したがって、発達支援センターと保育所との連携が緊密になされ、特に障害のある子が保育所の集団に参加する統合、いわゆるインクルージョンが行われ、また逆方向の統合、リバースインクルージョンが既に実現しています。さまざまな行事等での交流を通して、新しい形の発達支援事業や子育て事業が実施されており、本当にすばらしいと感動しました。これから進める中野の子育て支援に生かしたいと思いました。
 やながわ議員は、療育センターアポロ園の分室も含めて、子育て支援の拠点を南部地域につくるべきだと長年提案を続けてきましたが、問題は場所です。10か年計画ではおおむね平成二十一、二年度を目途に、中野富士見中跡地はすこやか福祉センターと民間住宅となっています。しかし、療育センターアポロ園分室を南部に設置する際、子ども発達障害支援センターとして保育園との交流ができる新たな子育て拠点も中野富士見中跡地に設置すべきだと思います。南部地域では中野富士見中跡地こそが適地であり、この場所を除いてほかに適地はないと思います。子育ての拠点を中野富士見中跡地に建設することについて、区のお考えを伺います。その際、保育園と子ども発達障害支援センターとは合築して、共用のスペースで交流や保育園児と障害のある子との統合なども行える中野の新しい子育て拠点をつくるべきだと思います。中野の子育て支援の充実のために、この地に新たな子育て拠点を設置するよう強く区長に求めて、この項の質問を終わります。
 その他として1点、携帯電話による子どもたちの被害対策について伺います。
 最近、携帯電話による子どものいじめや事件、犯罪などが著しくふえてきています。携帯電話による危険は、保護者の頭越しに知らない人と犯罪につながることです。また、遠隔地からの犯罪、性別や年齢に関係なく起こる犯罪に、保護者や教師も関係者もこれらのことで振り回されているのではないでしょうか。
 NPO青少年メディア研究協会、通称「ねちずん」は、なぜインターネット機能つきの携帯電話に注意が必要かについて、自殺を指南するサイトがある、援助交際など出会い系サイトがある、児童ポルノ、麻薬・ドラッグなどを販売するサイトがあるなど、犯罪につながる情報があふれているからとしています。このような危険を免れるためにと、政府の教育再生懇談会は5月26日、小・中学生が携帯電話を所持しないよう求める提言をしています。しかし、携帯電話の普及率は小学生で20%、中学生で50%、高校生で90%と言われていますが、実態はもっと普及していると思われます。携帯電話所持のメリットもあり、直ちに所持しないとの提言には賛否が分かれるところです。
 学校裏サイトについて、横浜市の教育委員会での調査では、市立中学校145校のうち、7割を超す105校で裏サイトがあり、そのうち15校で裏サイトの書き込みがいじめや不登校につながったことが判明しています。中野区教育委員会として、区内の学校の生徒指導担当教諭などからインターネットサイトに関するアンケートをとり、まず実態を把握すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 教育委員会としても、さまざまな検討や対策がされていると思います。セーフティ教室での警察による安全指導の際に、冊子「ファミリーeルール」を配布していますが、この内容だけではインターネットによる児童・生徒への危機や、どう具体的に対策をとったらいいのかがよくわからないと思います。
 ここに福岡市教育委員会が発行したDVD「インターネットの有害情報への対応」、サブタイトルとして「有害情報から子どもを守るために」があります。この中には子どもたちが関心を寄せるサイト、犯罪に巻き込まれるケース、ネットのいじめの実態、出会い系サイトの実態、有害情報、チェーンメール、いわゆる不幸メール、自殺サイト、薬物や危険物の購入について、保護者が知らない実態を実際に送られたメールやイラスト等を使ってわかりやすくリアルに説明しています。また、子どもを守れない環境が出現していることに対し、保護者の対策、子ども自身が情報モラルで判断しなければならないサイト、フィルタリングの方法、さらに健全なサイトの入手方法などが解説されています。
 子どもを守るための取り組みとして、学校や家庭での情報モラル教育を行うことを勧めています。正しい判断や望ましい態度、安全に生活するための知識、態度や10項目のチェックシートで確認することなども示されています。
 インターネットなどの有害情報から子どもを守るために、福岡市教育委員会のDVDなどを参考にして、子ども家庭部と中野区教育委員会とが協力・検討して、有害情報の危険性や対策法をわかりやすく示した資料やDVDを作成して配布するとともに、特に保護者に対する情報モラル教育を行うべきだと思いますが、区のお考えを伺ってすべての質問を終わります。ありがとうございました。
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 岡本議員の御質問にお答えをいたします。
 自然エネルギーの基本プラン、自然エネルギーの活用促進についてであります。
 (仮称)地球温暖化防止条例の制定を検討しているわけですけれども、この条例においては、温暖化対策を進めるに当たっての基本理念や長期的な目標、区民、事業者、区の責務や取り組むべき基本的な方向などの規定を検討しているところであります。御提案のあった自然エネルギーの活用等についても、基本的な方向として触れていきたいと考えております。
 区民風車の関連であります。幅広い自然エネルギーの活用を基本的な考え方として示すべきではないかということであります。現在検討を行っております区民風車の基本プラン、これは必ずしも区民風車だけのプランということではありませんので、風力発電だけではなく、多様な自然エネルギーの活用について基本的な考えを示していく予定であります。あくまでも風力発電は、その自然エネルギー活用の方策の一つであるという位置付けになると考えております。
 それから、自然エネルギーの導入とその活用については、区民の積極的な取り組みが何よりも重要であります。そのためにはさまざまなキャンペーンを行ったり、シンボル的な事業などを行っていくことが必要であると考えております。区施設など、目につくところに自然エネルギー施設を設置するといったようなことも、一つの大きな象徴的な効果になるのかというふうに思っているところであります。
 中野水再生センターの排水で、小規模水力発電装置はつくれないかといったような御提案がありました。水量の関係でなかなか難しいのではないかと考えておりますが、さまざまな自然エネルギー活用手段を検討していきたいと考えているところであります。
 それから、区内のNPO法人のお知恵を借りたりタイアップするなどするべきではないかという御提案であります。御指摘のNPOの理事長も、第2期の環境審議会の委員として参加をしていただいております。また、さまざまな場面で知識やノウハウを区の施策検討に反映をさせていただいているといったような協力関係をつくっているところであります。
 省エネルギーの促進の方針、それから温暖化対策の担当についての話であります。現在検討しております地球温暖化防止条例では、事業所の二酸化炭素の削減計画でありますとか、一定規模の建築物の建設に当たって、省エネルギー性能や自然エネルギーの利用を促す指針といったことの作成も考えているところであります。
 それから、区の組織のほうの問題であります。ごみ減量担当、それから環境と暮らし担当、これらは、ごみ減量担当のほうはごみ減量という中で、地球温暖化への取り組みを大きく進めていく担当であります。また、環境と暮らしの担当は、地球温暖化防止全体の推進を担当しているものでありまして、このそれぞれの仕事は地球温暖化対策を実行する担当であるということもあって、責任者である統括管理者がこの二つの担当を兼務することによって、より大きな効果が期待されるというふうに考えておりますので、現行の組織で積極的に進めてまいりたいと思っております。
 それから、地域情報化推進計画について御質問がありました。今回の計画の策定に当たりましては、これまでの計画の進捗や社会状況の変化などを踏まえて策定をしてきたところですが、前計画については、検証できるような形での目標が明確ではなかったといったようなことがありまして、具体的な検証というような形では行ってまいりませんでした。この現在の地域情報化推進計画は、おおむね3年に1回に改定を予定しております。その段階で計画自体の進捗状況や成果の検証を行って、改定する計画に反映をしていきたいと考えております。
 それから、借り物のイメージ図が多いではないかという御指摘がありました。個々の計画の中には、法令の改正であるとか国の計画等に沿いまして、各自治体共通に取り組んでいくものがあるわけであります。昨年度の計画策定の段階では、そういった計画については総務省や東京都が作成したイメージ図を使用しているわけでありますが、中野区でこのそれぞれの事業を具体化していくわけでありまして、その具体化する区の事業イメージということをつくっていく中では、独自のイメージ図などを作成しながら、中野区発の事業という形にしていきたいと考えております。
 それから、アクションプランが明確ではないといった御質問がありました。地域情報化推進計画の推進に当たりましては10か年計画の改定とあわせて、各事業の具体化を図っていきたいと考えております。
 それから、区民とかかわるさまざまな事業を支援する体制としての情報化推進担当の役割等についての御質問がありました。地域情報化を進めるに当たりましては、区のそれぞれの事業部が区民とかかわる中で個々に取り組んでいく。区民の暮らしをより豊かに、より便利にしていくという立場でさまざまに情報化を進めていくわけでありますけれども、そういった将来の情報化の進んだ中野区の姿といったものを構想していくことも重要だと考えております。各部での取り組みを誘導する、あるいはリードする、そうした情報化の新しいあり方、ユビキタス社会における地域社会のあり方といったようなことについて、政策研究機構の短期の研究テーマとして一つ取り組んでいるところであります。また、今年度は情報政策を担当する分野を独立させて、民間からCIO補佐官とIT専門支援員を雇用したところでありまして、これらも各事業部のシステム構築に当たっての支援体制を充実してきたところです。
 このように、政策立案の強化、また事業部のシステム構築の支援、さらに事業が動き出していく中での情報化推進分野の事業部への支援といった形で、情報化を強力に進めていきたいと考えております。
 それから、電子町内会についての御提案がありました。パソコンや携帯を利用したインターネットによる電子情報の活用は、情報処理スキルの高い団塊世代、よく話題になっております地域での活躍が期待をされている団塊の世代の皆さん、こういった方が地域に参加するに当たって、大変効果があるのではないかといったことも考えているわけであります。また、町会・自治会の情報共有や、さまざまな人的交流が進むということからも地域力の向上に結びつくと考えておりまして、今後検討していきたいと考えております。
 それから、JーALERTについてであります。JーALERTの運用については、地震、風水害などの情報の伝達方法の手段として有効な手段であると考えております。ケーブルテレビ回線を利用した視覚や音声によります新たな情報伝達手段として実現できるかどうか、JCNと内容について調査・研究を行ってまいりたいと思っております。
 それから、学校への緊急地震速報システムの導入であります。緊急地震速報システムについては区立学校や本庁舎など、各施設への導入に向けて検討を行っております。また、緊急地震速報が発せられた際、各施設において利用者、あるいは児童・生徒の安全を確保するための行動マニュアルについてもあわせて検討を行っております。こうした検討を進めながら、できるだけ早い時点で導入を可能にしてまいりたいと思っております。
 それから、本郷保育園の廃園後の新園の建設についての御質問がありました。南部地域では平成22年度に区立やよい幼稚園が私立の幼保連携型認定こども園に転換をする予定であります。この認定こども園の認可保育園の部分の定員は99人になる見込みであります。このため、平成21年度末で本郷保育園の仮園舎の使用が終了した場合でも、認定こども園の定員で対応できると考えているわけでありますが、今後の保育需要の動向なども十分に把握しながら検討していきたいと思っております。
 それから、発達障害支援センターに関連する御質問であります。まず、アポロ園であります。
 南部地域におけるアポロ園の機能の展開を今後検討していく予定であります。アポロ園の機能が北部だけということでは今後の需要にこたえられないという考え方でありまして、南部地域における展開を検討しております。この具体的な事業実施場所や事業実施内容などにつきましては、今後の障害児の動向、あるいは区の施設配置全体の検討などを踏まえて、考え方を定めてまいりたいと考えております。
 私からは以上であります。教育に関連しまして、教育長のほうからお答えいたします。
     〔教育長菅野泰一登壇〕
○教育長(菅野泰一) 携帯電話によります子どもの被害対策についてお答えいたします。
 まず、学校裏サイトの実態把握についてでございます。
 毎月の生活指導主任連絡会におきまして、各学校のインターネット被害等、問題行動の状況の把握に努めているところでございます。また今年度、保護者や児童・生徒を対象といたしましてアンケート調査を実施する予定でございまして、その中で入れてまいりたいというふうに考えております。
 次に、啓発あるいは情報モラル教育ということについてお答えいたします。
 インターネットなどの有害情報から子どもたちを守るために、セーフティ教室などの機会に子どもたちを指導するとともに、地域と家庭の役割について共通の理解を深める取り組みを行っているところでございます。さらに被害実態の具体例や対処法などを示しました資料を保護者に配布するなど、情報モラルの啓発に努めてまいりたいと思います。
     〔岡本いさお議員登壇〕
○36番(岡本いさお) 何点か再質問いたします。初めに、地球温暖化対策の組織についてであります。
 人事とか組織については、私ども議員があまり口を出すものではないんですが、ごみ減量分野と環境と暮らし分野は、確かに自然エネルギーとか省エネルギーが合わさったものですから、兼務をしているという意味はわかるんですが、具体的に例えばそのトップの人に何か相談をしようとしたときに、片や庁内にいる、あるいは清掃事務所にいる、どこにいるかわからないというようなことが、実は細かいことですがしょっちゅうあったわけです。普通兼務となると、左側にAという事業、右側にBという担当分野があって、その真ん中にいて兼務というのはわかりやすいんですが、そのトップの人にいろいろな相談をすると、今こちらで忙しいのでという意味のことが時々出てまいりましたので、これでは兼務の意味がないなということを強く感じていましたので、すぐとは言いませんが、これだけ大きな、今、区民風車だけとっても大変な事業になるわけですので、しかも今、区長が答弁されたように、たくさんの自然エネルギーの活用等も検討していることですから、きちっと明確にトップとなるべき人がそれぞれの分野のトップとして仕事ができるようにしていただきたいと思いますが、御答弁ください。
 それから、答弁がなかったものの一つに、自然エネルギーのところですが、区民公募債のことで都留市の例を使って、その自然エネルギーの導入に大いに関心を示すような取り組みを行ってはどうかという質問をしましたが、これについての御答弁がなかったように思います。
 それから、情報化施策と区民サービスのことで、先ほど区長の答弁がよく聞き取れなかったんですが、計画の中にはその達成度とか検証ができないような計画もあるのでとおっしゃったのは、そういう計画はあっていいのかなと思っていますので、そういう計画がやっぱり地域情報化推進計画の中にはあっていいのか。僕はどんな計画でもやっぱりそれが達成したか、あるいは検証するということはしなきゃいけないようなふうに思っていますが、私の聞き方が間違っておれば訂正しますが、そういう聞き方を私はしてしまいましたので、その辺を明確に御答弁いただきたいと思います。
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 再質問にお答えをいたします。
 ごみ減量の担当と環境と暮らし担当の統括管理者の兼務についてでありますが、他の統括管理者においても、出先事業所や事業所を幾つか抱えているといった管理者がおるわけでありまして、肝心なのは、その管理者の業務量がカバーできる範囲を超えているかどうかということだというふうに思っております。スパン・オブ・コントロールと、こんなふうな言い方をしますけれども、それが現在のごみ減量担当と環境と暮らし担当を兼務しているというところで、超えているというふうには判断をしておりませんので、どこにいるかわからないといったようなことがないように仕事をさせていきたいと、こう思っております。
 それから、区民公募債についてであります。住民参加型ミニ公募債と言われる資金調達手段、これは施策に対して区民が区政に対して参加意識を持っていただくという上での有効性があるというふうに考えているところであります。しかしながら、資金調達手段そのものとしては、このミニ公募債への参加の一番主たる動機は金利が高いと、こういうことでありますので、調達する側から見れば調達コストが高くなると。こういうことにもなりかねないわけでありますので、決してミニ公募債を否定しているわけではありませんけれども、取り扱い方には慎重を要するのではないかという立場で行っているところであります。
 それから、地域情報化推進計画について、検証できるような目標を示していない計画というのはあるんだろうかというような御疑問のようでありましたけれども、それでいいというふうに決して思っているわけではございませんけれども、この計画については、そういった形で検証可能な数値目標を明示した計画でなかったということが、現実にそういう状況でありましたので、そういう状況ではいけないというふうには思っておりますけれども、お答えをさせていただいたところであります。
     〔岡本いさお議員登壇〕
○36番(岡本いさお) 再々質問ですが、兼務の件はよく理解ができたと思います。私は中野区でも、地球温暖化対策係というのは中野区ではないんでしょうが、そういう名称できちっと窓口なり、それから対応する分野があってもいいんじゃないかと思いますが、その件についてはどのように思っておられるかお答えください。
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 環境基本計画という環境政策全体を計画し、推進していくという役割の中で、大きな役割が地球温暖化対策ということであります。その環境政策全体をコントロールしていく担当が環境と暮らし担当ということでありますので、担当としては明確に設けられているということであります。その担当が、実際にかなり大きなシェアを占めております事業部門であるごみ減量の担当と兼務をすることで、より一層地球温暖化対策の推進を強めていきたいと、こういった考え方で今回の組織をつくっているわけであります。
○議長(市川みのる) 以上で岡本いさお議員の質問は終わります。


 中野区議会議員 牛 崎 のり子
 1 介護保険について
  (1)介護保険料と利用料の軽減策について
  (2)介護従事者の人材確保について
  (3)その他
 2 業者婦人に対する支援策について
 3 生活保護行政について
 4 環境対策について
  (1)地球温暖化対策について
  (2)ごみの問題について
  (3)その他
 5 その他

○議長(市川みのる) 次に、牛崎のり子議員。
     〔牛崎のり子議員登壇〕
○19番(牛崎のり子) 2008年第2回定例会に当たり、日本共産党議員団の立場から一般質問を行います。
 初めに、介護保険について伺います。
 介護保険料と利用料の軽減策についてお聞きします。
 介護保険法が施行されて8年が経過しました。この間に法の改正が行われ、高い保険料、利用料や介護サービスの削減などによって、必要なサービスが受けられない状況が出ています。介護が必要な人を社会全体で支えるという法律の趣旨に逆行する事態に、利用者、家族からは悲鳴が上がっています。これでは保険料を支払っても介護保険を利用できない、保険あって介護なしという事態が一層激化し、高齢者介護が根底から崩れかねません。政府の責任が厳しく問われます。
 こうしたもと、各自治体ではさまざまな軽減策がとられています。中野区においても独自の軽減策を行い、負担を和らげ、必要なサービスが受けられる一助としていることは重要です。そこでまず、保険料について伺います。
 区は現行の第3期介護保険事業計画の策定の際に、これまでの保険料6段階を8段階に分け、さらに低所得者への軽減策も継続し、行ってきました。これは区民の経済的な負担感や不安を和らげる措置であると思います。
 昨年10月に厚生委員会に示された介護保険の運営状況を見ると、2006年度介護保険に関して区民から受けた苦情の件数が301件あり、このうち保険料に関してが251件と多数を占めています。これは税制改正による影響が考えられますが、2007年度の介護保険料の滞納状況を見ても第2段階の滞納額が最も多く、続いて第4段階の激変緩和対象外がそれに続きます。つまり低所得者ほど保険料負担が重くのしかかり、支払う能力を超えているということです。
 来年度からの第4期介護保険事業計画の策定に当たっては、一層の負担能力に応じた保険料設定が望ましいと考えます。既に港区や新宿区などでは2006年4月に保険料を10段階に分けています。現行の8段階をもっと細かく分けることが必要ではないでしょうか、伺います。
 また、低所得者に対する減額措置を講じていることは評価できますが、それでも利用者数は、昨年度1年間でわずか39人と、この制度を利用するためのハードルが高いと言えます。
 港区では減額措置対象者の世帯の収入基準を、1人世帯では預貯金は300万円以下、1人ふえると100万円を加算して非課税申告によって軽減し、家賃、地代を上乗せして、97万円を限度額に控除しています。北区では世帯全体で預貯金300万円以下と設定し、渋谷区でも1人世帯で預貯金350万円以下、1人ふえると100万円を加算しています。しかも預貯金の対象額だけでなく、さらに住民税非課税である第4段階以下の世帯に関しては、2割の保険料の減額制度を実施しています。第4期の計画策定に際し、こうした低所得者に対する保険料の減額措置策を拡充すべきであると思いますが、いかがでしょうか。
 二つ目に、利用料の軽減について伺います。
 介護保険改正後、それまで伸びていた介護サービスの利用が減っている傾向が全国各地で生まれました。中野区でも要介護認定を受けながら、介護サービスを利用していない人数が2002年に1,493人であったのが、2006年には2,134人にふえ、要介護認定者数全体の割合から見ても2割の方たちは利用していません。特に訪問介護事業を見ると、2005年に約6万3,000件あった利用件数が、法改正後の2006年には約5万件まで減少し、前年度対比で2割もの利用件数の落ち込みが見られます。また、通所介護や福祉用具貸与といったサービスも、前年度対比で14%の利用件数の減少が見られます。昨年度を振り返ってみても、予算に計上しながらサービス利用が大幅に落ち込んでいる実態が見てとれます。多くの高齢者のところで必要なサービスが受けられない事態を招いていることは問題です。現在、区が行っている利用に対する支援策だけでは不十分です。利用料の軽減を行い、少しでも利用者がふえるよう努めるべきです。利用料の軽減策の検討を求めます。お答えください。
 次に、介護従事者の人材確保について伺います。
 介護現場の7割以上の事業者が、だんだん運営が難しくなっていると感じています。そんな深刻な調査結果が介護サービス事業者らでつくる改定介護保険制度調査委員会でまとめられました。介護保険法改正後、職員の退職や転職が相次ぎ、特に東京23区や政令指定都市などの高い離職率が顕著になり、このままではサービスの低下につながるとして、国に制度改正の見直しを求めていくとしています。また、財団法人介護労働安定センターの調査によれば、介護職員の離職率は20%、実に1年間に5人に1人の割合で離職しています。介護福祉専門学校でも入学希望者が激減し、定員割れや募集停止、さらに閉校になった学校さえ出てきています。
 人材不足が起きている最大の原因は、低賃金をはじめとした劣悪な待遇にあります。身分不安定な非正規労働者の増大が日本社会の大きな問題になっていますが、介護職員で約4割、訪問介護では8割にも上っています。常勤者であっても介護職員の平均給与額は全労働者平均よりも低く、ワーキングプアと言える実態が浮き彫りになっています。
 もう1点は介護報酬の削減によるものです。制度施行から既に2度にわたる給付改定で、大幅な介護報酬の引き下げが行われました。介護福祉に従事する職員がふえない、ふやせない原因となっています。
 こうした深刻な事態を前に、政府・厚生労働省も動き出さざるを得なくなっています。14年ぶりに改善への具体的な中身に触れ、福祉人材確保指針を昨年8月に出しました。中野区議会ではさきの第1回定例会において、国と都に対して社会福祉事業従事者の確保対策を求める意見書を全会一致で採択しています。区としても人材確保のための財源措置を国と都に要求することを求めます。
 これまで述べたように、この事態を放置するならば、事業者ばかりか、一番の影響を受けるのは利用者と家族であることは言うまでもありません。関係者の苦労にこたえるために、区としても支援を検討するよう求めます。
 千代田区では4月から介護施設の非正規職員の正規職員格上げ、パート職員の時給引き上げなどの労働環境改善の措置などを行った場合、区独自の費用助成を行っています。施設が職員を確保し、定着しやすくすることが目的です。先進的な取り組みを参考に、実施に向けてぜひ検討してください。また、政府・厚生労働省は報酬改定を来年度に行う予定で作業を進めています。介護報酬の引き上げも欠かせません。国に求めてください。お聞きします。
 次に、業者婦人に対する支援策についてお聞きします。
 中小企業は地域に根差しています。中小業者を支援することは、中野区の地域経済を活性化することにつながります。中小企業は営業と生活の場が同じで、24時間市民とも言われています。その特徴を生かし、地域社会のコミュニティが有効に機能するために不可欠な役割を果たしています。その営業と暮らしを支える女性家族従事者と女性経営者、いわゆる業者婦人は家業を支え、家族を守り、地域社会の相談役としても大きな力を発揮しています。にもかかわらず高齢化が進み、東京商工団体連合会婦人部協議会の08年業者婦人実態調査では、60歳代が半数近くを占めています。商売の展望が持てない、将来にわたって生活が不安だなど、限られた収入でのやりくりに苦労し、子育て、介護に追われ、商売、資金繰りの不安や医療費などの負担が生活を脅かしている実態がはっきりと示されているように、業者婦人は大変劣悪な環境に置かれています。
 そこで伺います。区は業者婦人の担っている役割、置かれている状況についてどのように認識しているのでしょうか、お聞かせください。
 国は男女の均等な機会と待遇の確保の中で家族従事者の実態把握等を盛り込み、2002年に22年ぶりの実態調査を行っています。中小企業庁部長は調査は非常に意味があったと評価をし、歴代の経済産業大臣も「1回限りじゃなく、今後も行っていく。海外との比較なども踏まえて、より細やかな調査をしていきたい」と繰り返し述べています。
 2006年に中野区の担当者と中野民主商工会婦人部が懇談を行ったと聞きます。この中で切実な区内業者婦人の声や要望を聞いているはずです。中野区では業者婦人の健康、労働などの実態調査をこれまで一度も実施していません。業者婦人のこうした声に少しでもこたえる支援を検討するためにも、ぜひ実態調査を行っていただきたいのですが、見解を伺います。
 業者婦人は妊娠や病気、けがなどの休業所得補償がなく、税法上では1人の人間としての働き分が認められていません。そのため業者婦人は長い間、社会的・経済的地位の向上を目指して、傷病手当、出産手当を法的給付にしてほしいと運動しています。
 女性家族従業者が一人前の人間としてその働き分を経費として認められていない原因は、所得税法56条の「親族が受けた支払いの対価は必要経費に算入されない」との規定が重くのしかかっていることにあります。業者婦人にとって病気で仕事を休むということは収入が途絶えること、仕事を失うことを意味します。産休休暇も法定日数42日以下しかとれていない人が大半です。必要な休みもとれず、無理して働き続け、健康を損ね、医療費の負担に苦慮しているという深刻な実態が広がっています。
 高知県の業者婦人の要求が実って、高知県議会では国に対して所得税法56条の廃止を求める意見書が全会一致で採択されました。中野区はこうした切実な声や実態をどのように受けとめているのか伺います。また、所得税法56条の廃止を国に対して求めるべきものと思いますが、いかがでしょうか。
 次に、生活保護行政について伺います。
 政府の進める構造改革路線によって、大企業はバブル期を上回る空前の利益を上げました。労働者、国民の所得は減り、貧困層は拡大し続けています。中野区においても、10年前と比べると区民1人当たりの所得は30万円以上も減少し、生活保護受給者も1.7倍にもふえています。格差社会と言いますが、こうした貧困の拡大という面からとらえることが重要です。この貧困の拡大、とりわけ生活保護受給者の増大という事態を区はどのように認識されているのでしょうか、お聞きします。
 構造改革路線による貧困化が進行する中で、税制や社会保障の機能は年々弱まるばかりです。ですから、最後の命綱である生活保護行政がきちんとその役割を発揮することが何よりも重要です。しかしこの間、中野区も含めて多くの自治体で生活保護の法外援助施策が廃止になっています。しかしこの間、国は03年、04年の生活保護基準引き下げに続き、老齢加算を段階的に廃止し、削減をしてきた母子加算も来年には全廃の予定です。こうした事態の中で「これでは生きていけない」、「子どもを育てていけない」、「近所の葬式に行けず、居留守を使ったこともある」などの声が出ています。憲法25条で保障した健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を国が侵害しているとして、裁判に訴えるという事態もあちこちで起こっています。
 私がお聞きした上高田にお住まいの女性は、「食事と入浴と光熱費を削っている。米1合を炊いて、1日3回に分けて食べている」。また、新井にお住まいの方は、「日が暮れても電気はつけない。テレビの明かりを頼りにして夕食をとっている。食料は閉店間際の値引き品でしのいでいる。そして、親戚の葬式にも出られない。つらくて情けない」とおっしゃいました。
 私は生活保護の引き下げはもう限界だと思います。これ以上生活保護を引き下げられると、もはやセーフティネットの役割を果たせなくなるところまで落ち込んでいます。国はこれ以上の切り下げは行うべきではありません。区の認識を伺います。
 生活保護の切り下げが進む中、今度は厚労省は通院移送費を削減しようとしています。この移送費見直し方針は文字どおり受け取ると、これまで交通手段のない人が通院に使ったタクシー代などに支給されていた移送費を、災害現場からの緊急搬送などに制限するというものです。これでは利用者は生活保護費から交通費を新たに捻出しなければならなくなり、実質的な生活保護の切り下げです。しかも厚労省が提案の理由としているのは、北海道滝川市で起きたタクシー代の巨額不正支払い事件です。これは市と福祉事務所が、タクシー会社とぐるになった暴力団世帯の言いなりになって起きたことが明らかになり、住民監査請求が行われている事件です。
 東京都は、埼玉、千葉の3都県と横浜市など4市の生活保護担当課長と連名で、「通院移送費は最低生活上欠くべからざるもの。支給範囲の運用については、自治体の意見を聞いて慎重に検討して」とする意見書を上げています。厚労省の社会援護局長も、「基準を厳しくしたということではない」と述べています。一人ひとりのケースに沿った支援ができるようにすべきです。機械的に対応すべきではありません。答弁を求めます。
 この国民生活の最後の命綱である生活保護行政の分野で、全国あちこちで今無法が横行しています。北九州市では生活保護の申請さえ認めない水際作戦、道理のない非情な保護打ち切りによって3件の餓死・孤独死事件が相次いで起きました。北九州市を生活保護行政のモデルに考えていた国も、事の重大さから、生活保護が必要な世帯への給付漏れがないよう対策を強化することとしました。
 厚労省は生活保護の適正な実施の項目の中で、「生活保護を受けられるべき者が受給できるよう、漏給の防止について徹底を図るための対策を強化する」と明記する文書を出しています。また、3月に開かれた都道府県の担当者を集めた会議でも、申請権の尊重や一方的な生活保護からの排除を戒めています。
 全国的には生活保護を必要とする人で、実際に生活保護を利用している人の割合は2割前後にとどまっていると言われる中、大変貴重な、そして当然な方針だと思います。区としても、不正な生活保護受給が起こらないよう努めるのは当然ですが、生活保護を必要とする人がきちんと受給できるよう、より一層の努力が求められていると考えますが、いかがですか。
 人間らしい最低限度の生活を保障するためには、日常生活をサポートする生活保護のケースワーカーの仕事は大変だと思います。新規申請の処理、医療券をとりに来る人への対応、入院する病院を探す仕事、家庭内や親戚間でのもめごとの相談、給与証明書や収入証明書の提出の催促、転居の相談、就労のための同行などなど、そしてその都度すべてを記録に整理しておかなければなりません。個々のケースが本当に尊重されなければならない業務だけに、なおさらだと思います。生存権を守る最前線の職場の体制が量的にも質的にも保障されないと、業務の適正さも職員のやりがいも失われかねません。
 ところが中野区では現在、社会福祉法で定められた職員の標準数換算で3名不足しています。また、ことし3分の1もの職員が入れかわったと聞きました。これでは受給者ときちんと向き合うには不十分です。この間、全国で見られた、仕事をふやさないようにと生活保護の申請を不当に拒否したり、保護打ち切りを強要したりする行為が職員の側で意図しなくとも、その忙しさと経験不足のために起きかねませんし、不正受給も見抜けずに、不正受給数が増大することにつながりかねないのではと心配になります。適正な生活保護業務のために職員を増員すべきです。また、資格や経験のある職員が一定程度いることが望ましいと思いますが、いかがでしょうか。
 次に、環境対策の1番目として、地球温暖化問題について質問します。
 二酸化炭素の排出量は、2050年までに全世界で1990年時の半分以下に削減しなければなりません。この長期目標を達成するために先進国が牽引し、2020年までに1990年比で25から40%削減する中期目標を定めることが重要です。
 5月に開かれたG8、先進8カ国環境相会合で、日本が二酸化炭素排出削減の中期目標について具体的に提起をしなかったことは、世界じゅうから注目されていただけに批判も強く、サミット議長国として資質が問われる結果となりました。1月のダボス会議で福田首相が提起をした我が国の国別総量削減目標の取り組みの方向を、区長は評価していると本会議で答弁をしましたが、このセクター別アプローチ、業種別積み上げ方式だけでは国別総量目標は達成されないことが、同環境相の会合で事実上確認されています。業種別積み上げ方式は利潤追求の企業活動と相性がよいようですが、国際社会には受け入れられませんでした。区長の見解をお聞かせください。
 太陽光熱利用の促進について伺います。
 政府は昨年末、太陽光発電の普及を進めるため、一般住宅への太陽光パネル設置を2030年までに全世帯の約3割へ拡大する方針を明らかにしました。太陽光発電装置は初期費用が250万円以上とまだまだ敷居が高く、意欲があっても導入に踏み切れない人が多いのが実情です。
 中野区環境審議会が2006年に実施した区民環境行動・意識調査では、約半数の区民が太陽光発電機器の設置について、「関心はあるが、費用がかかり過ぎる」と答えています。現在、都内で太陽光発電の普及に助成金をつけている自治体は、品川区、杉並区、足立区、港区、武蔵野市、三鷹市、調布市、町田市、小平市です。中野区としても、区民の太陽光発電装置の導入に補助金をつけるべきだと考えます。来年度からでも実施できるよう努力することを求めますが、お答えください。
 また、東京都が昨年6月に策定をした東京都気候変動対策方針では、太陽光発電と並んで高効率給湯器などの普及促進、太陽熱市場の再生を掲げています。先ほどの区民環境行動・意識調査では、太陽熱温水機器の設置についても、約半数の区民が「関心はあるが、費用がかかり過ぎる」と答えています。そこで区民が太陽熱温水機器を設置することに、区として補助金をつけてはいかがでしょうか、お答えください。
 次に、ごみの問題についてお尋ねします。
 まず、家庭ごみの有料化についてです。
 9割以上の区民が、ごみの発生抑制やリサイクルに協力したいと思っています。一つの方策として、家庭ごみの有料化が盛んに議論されているようですが、2007年の第3回定例会でも言いましたが、私たちは家庭ごみの有料化は実施すべきでないと考えています。
 中野区廃棄物減量等推進審議会では、家庭ごみ有料化による区の手数料収入額は年7億8,000万円と試算しています。言いかえれば、区民の負担が年間7億8,000万円ふえるということです。23区では2009年度の推奨袋廃止に合わせて、一斉に有料化が実施されるのではないかと心配です。貧困の拡大、物価の上昇、増税、負担増、給付減の中でさらなる負担を強いることは認められません。
 東京都日野市は、1999年までに可燃ごみや不燃ごみに資源の混入が多く、資源化率は中野区の試算式で6%ほどでした。資源ごみの分別が進み、2006年度は24.5%まで伸びました。日野市のごみが減った直接の要因は資源化の促進であり、有料化はそれを後押しする間接的要因だったと思います。中野区はと言いますと、2006年度の資源化率が22%で日野市に近い数字が出ています。ですから中野区の場合、家庭ごみを有料化しても、日野市のような資源化の飛躍という形でのごみ減量は望むことはできません。
 さて、全国的な傾向として家庭ごみの有料化が実施されると、スーパーやコンビニのごみ量がふえることがわかっています。新潟県上越市のコンビニエンスストアチェーンでは、市がごみ有料化を実施した途端に、市内各店舗の可燃ごみが1.5倍から2倍にまでふえてしまいました。家庭ごみの排出先が集積所から店のごみ箱にかわるだけで、発生量はそれほど減っていないのではないかと指摘する声もあります。無料のごみ箱があれば、そこに捨てるのは無理もないことです。家庭のごみ有料化のこうした事態について、区の認識を伺います。
 次に、ごみの減量の手だてとして、以前から取り上げております生ごみについて伺います。
 三重県が行っているごみゼロプラン推進モデル事業は、自治体が住民や事業者、NPO団体などと協働して実施する、実験的、先駆的なごみ減量の取り組みに対して半額の補助を行うものです。生ごみの堆肥化に取り組む住民がふえたほか、商工会議所との協力で地域産業における需要調査を行うなど、地域活性化にも貢献しているそうです。
 東村山市では生ごみの集団回収を実施しています。5人以上で登録し、決められた集積場所に週1回、専用バケツに生ごみを入れます。市が委託した業者が回収し、堆肥化工場に運ばれます。2005年に始まり、現在は約200世帯にまで広がりました。生ごみの堆肥化は、できた堆肥の受け入れ先が見つかりにくいという出口問題がありますが、穀物価格の高騰に伴い、生ごみの飼料化が急速に脚光を浴びるようになりました。行政主導で全区的に実施するには課題が大き過ぎるかもしれない生ごみの資源化ですが、有志による小規模な取り組みであればさほど費用はかかりません。半額助成をはじめ、区が積極的にかかわって応援し、広げていただきたいと思いますが、区のお考えをお聞かせください。
 最後に、その他として区立小・中学校の給食について1点伺います。
 小麦や牛乳などの価格高騰が食材の値上げとなって、学校給食の現場を直撃しています。報道によりますと、足立区と中央区は内部努力だけでは諸物価の高騰に対応できないと、補正予算で不足分を賄うことにしたとあります。中野区としても給食の質を落とさず、保護者に負担を求めることにならないための緊急支援策を講じるべきと思いますが、御答弁をお願いいたします。
 これで私の質問をすべて終わります。ありがとうございました。
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 牛崎議員の御質問にお答えをいたします。
 介護保険料の段階の設定についてであります。
 現行の保険料段階については、それまで6段階であったものを、平成18年度より8段階として運用を開始し、2年を経過したところであります。今後の保険料については、第4期介護保険事業計画の中で定めることにしておりまして、運用の実態なども勘案しながら、どのような保険料設定が適当か考えてまいりたいと思っております。
 それから、介護保険料の軽減策についてであります。
 現行の介護保険料軽減制度は、第3段階までの方を対象に、最大で2分の1の軽減制度を実施しております。介護保険は利用者負担を除いて介護サービス費用の50%を公費で、残りの50%を被保険者が負担する制度であります。保険料の軽減は、他の被保険者の保険料の増加で補てんされることになるわけでありますので、軽減の範囲についてはさまざまな面から検討が必要であると考えております。
 それから、介護保険サービス利用料の軽減策についてであります。介護保険法には低所得者の利用料負担を軽減するため、介護保険施設入所者及びショートステイ利用者の食費、居住費及び滞在費を軽減する制度があります。このほか介護保険法の円滑な実施のための特別対策として、国、都、区、事業者が一定の負担をし、利用料の1割負担を軽減する生計困難者に対する利用者負担額軽減制度事業もあります。これらの制度について、事業者及び利用者の方に十分な説明をしてまいりたいと思っております。区独自の施策を講じる考えはありません。
 それから、介護従事者の人材確保のための介護報酬引き上げについてであります。介護保険事業者の経営状態が厳しいことや従事者が定着できないでいる大きな原因の一つに、介護報酬の問題があるということを認識しているところであります。区として介護報酬については、これまでも他の自治体と協力して都に対し、特に都市自治体の意見を十分踏まえて適切に報酬を設定するよう要望してきたところであります。今後とも、国、都に対する働きかけを行っていきたいと考えております。
 ただ、制度の趣旨から報酬の引き上げが介護保険料、または税など、何らかの形で国民の負担に影響することは避けて通れないと考えております。そうした国民生活に必要な給付を適切に確保していくための負担のあり方について、国民的に幅広く議論すべき時期が迫っているのではないかと考えているところであります。
 介護従事者の人材確保支援策についてであります。区では人材育成の観点から、介護従事職員のスキルアップ研修や事業所連絡会への支援等を実施しているところであります。区内の介護施設において、区独自に人件費の報酬加算などをする考えはありません。大都市の実態を踏まえた介護報酬の設定が必要というふうに考えているところであります。
 それから、女性家族従業者に対する区の支援についての御質問であります。商店など、自営業において女性家族従業者などは営業の重要な担い手であり、果たしている役割は大きいものと認識をしております。この実態調査については、国が全国レベルで平成14年に商工業等の自営業における家族従業者の実態の把握として調査をしているところであり、個別に実態調査を行う考えはありません。
 所得税法第56条については、社会状況や税負担のあり方等を見きわめつつ、国において対応していくべきものと考えております。
 生活保護の実態についてであります。全国的な生活保護の動向は平成7年まで減少傾向にありましたが、それ以後、今日まで増加する傾向にあります。中野区における生活保護は、平成3年が底になりました。生活保護率が0.77%から、平成20年2月現在は1.77%、生活保護者受給者数で言いますと、2,466人から5,545人と増加をしている状況であります。近年、伸び率の減少はあったわけでありますが、平成3年以降ということで見ると増加傾向ということであります。
 それから、生活保護受給世帯については高齢者世帯が5割を占めます。次いで傷病障害世帯の3割となっております。こうしたことから、生活保護制度は年金など社会保障制度とともに、国民生活のセーフティネットの役割を果たしていると認識をしているところであります。
 法外援護等の生活保護受給者への支援を行うべきではないかといったような御質問でありました。生活保護の基準については、最低限度の生活保障を満たすものとして設定をされているわけであります。給付を上乗せすることが制度の改善につながるとは限らず、就労や社会的自立といった支援策に区としては力を入れていきたいと考えております。
 それから、通院費の支給に関連してであります。通院費の支給について国からの通知が出されているところですが、今後区で運用基準を定めることになります。中野区においては、区外の通院の必要性などを考慮して取り扱いを定めていきたいと考えております。
 生活保護の適正化についてであります。中野区では生活保護法29条に基づいて保護の決定、または実施のために必要となる調査を適正に実施しております。生活保護の適用や廃止については、受給者の状況把握をして適切に対応しているところであり、今後とも適切に対応していきたいと考えております。
 それから、ケースワーカーの職員体制についての御質問もありました。ケースワーカーの職員数については、社会福祉法第16条で標準となる数が示されているところであります。業務の実態に応じまして必要な人事配置は行っているところでありまして、今後とも必要な人員配置を行ってまいります。
 それから、二酸化炭素削減の数値目標に関連しての御質問がありました。セクター別アプローチは、国別総量目標にかわるものとして議論されたわけではないわけであります。このセクター別にアプローチして削減量を積み上げる方式というのは、CO2排出削減の国別総量目標設定に有効であるということが、会議の結論として総括に示されたわけであります。
 それから、太陽光発電機器等への助成ということであります。区としては、今検討中でありますけれども、例えば区民風車などで得られる収入を原資とした太陽光発電機でありますとか太陽熱温水器など、自然エネルギーの普及促進を行う事業などを検討しているところであります。再生産可能な収入源を特定財源とするこうした施策の中では、場合によっては何らかの助成策を講じることもあるかとは思いますが、財源を考えない、単なる現金給付の補助金制度では予算額が普及の限界になるわけでありまして、結果として持続しない施策となりまして、効果は得られないと考えているところであります。
 私からは以上であります。そのほか、担当のほうからお答えいたします。
    〔区民生活部長大沼弘登壇〕
○区民生活部長(大沼弘) 家庭ごみ有料化に関しての御質問にお答えします。
 家庭ごみ有料化については、中野区廃棄物減量等推進審議会で検討していただいているところであり、不法投棄と不適正排出については、実施における課題と認識しているところであります。
 次に、生ごみ堆肥化についての御質問にお答えします。
 ごみの減量に当たっては、生ごみの削減はなかなか有効な手段が見出せずにいる大きな課題であります。現在堆肥化を含め、生ごみ削減の効果的な進め方を検討しているところであります。
 以上です。
  〔教育委員会事務局次長竹内沖司登壇〕
○教育委員会事務局次長(竹内沖司) その他の項目で、学校給食に関する御質問にお答えをいたします。
 学校給食法によれば、学校給食の食材費については保護者負担とされており、区で負担することは考えておりません。最近の食材の値上がりに対しましては、国や東京都の栄養基準を満たしつつ、献立を工夫して対応しております。
○議長(市川みのる) 以上で牛崎のり子議員の質問は終わります。


 中野区議会議員 の づ 恵 子
 1 環境に配慮したまちづくりについて
  (1)資源回収について
  (2)「エコシティなかの」について
  (3)その他
 2 地域力について
  (1)地域の活動団体について
  (2)その他
 3 その他

○議長(市川みのる) 次に、のづ恵子議員。
      〔のづ恵子議員登壇〕
○16番(のづ恵子) 平成20年第2回定例会におきまして、民主クラブを代表して一般質問をさせていただきます。
 通告順に質問いたします。環境に配慮したまちづくりについて、地域力について、その他は広報についてです。
 議員として区民の皆様の声を聞き、中野区の行政を考えるという毎日で1年がたちました。区民としての目線を忘れることなく、生活の中からの課題に取り組んでまいりますので、よろしくお願いいたします。
 初めに、環境に配慮したまちづくりについて、資源回収についてです。
 エコキャップという言葉を御存じでしょうか。私は3月に「捨てるキャップが命を救う」という記事を見て初めて知りました。エコキャップというのは、NPO法人のエコキャップ推進協会が運動を進めています。
 ペットボトルのリサイクルが進む一方で、ふたの部分、キャップの部分は捨てられています。このキャップ800個、約2キロ分、20円で小児麻痺のポリオワクチン1人分を買うことができます。このキャップはエコキャップ推進協会が再資源事業者に売却し、コンパネと言われるようなコンクリートのパネル建材や質の高い素材としてリサイクルされています。そして、キャップの代金は「世界の子どもにワクチンを日本委員会」などの寄贈団体を通じて、ポリオワクチンとして東南アジアなどの子どもたちに送られています。小さなキャップでも分ければ資源になるのです。
 今までに2万5,000人分相当のワクチンに当たる2,000万個を回収したそうですが、各地に回収拠点が生まれ、活動を広げることが課題になっています。
 中野区では平成16年7月から、順次地域を拡大してきたプラスチック製の容器包装の回収がことしの10月から区内全域で実施されます。ペットボトルについては、約7,600カ所あるびん・缶の集積所を利用した分別回収になっていきます。それに伴い、これまで不燃ごみとして処理されていた容器包装以外のプラスチックなどは燃やすごみとして収集されます。この周知のための地域の説明会などはこれからと聞いております。
 そこで、このエコキャップの取り組みを皆さんに知っていただき、キャップは分別してもらう。地域センターの乾電池回収箱のように、特定の場所や区内の10カ所にあるペットボトル破砕機のそば、町会や学校、事業所など回収拠点をつくっていき、地域団体と協力して回収することはできないでしょうか。地域と行政の協働ができ、環境に対する身近な実践例になるのではないかと思います。中野区でも北中野区中学などが取り組みを始めたようです。そこで、区としてこのキャップの回収を支援することができるでしょうか。何ができるかお答えいただきたいと思います。
 ただ、本来はリサイクルの前に発生抑制、リデュースが優先されるべきと思っておりますが、ペットボトルのキャップは外すということが、ペットボトル本体の資源化率を高めることにもなります。6月は環境月間です。この取り組みが広がることを期待しております。
 次に、エコシティなかのについて。
 京都議定書の発効から3年、計画の点検や見直しを受けて目標達成の改定が行われました。東京都も太陽光や太陽熱の利用拡大のプロジェクトを提言、報告をしております。中野区でも区の目指す環境像として、脱温暖化の取り組みが根づいたエコシティなかのということを環境基本計画に盛り込みました。エコシティなかのをつくるために四つのプロジェクトがあり、それぞれの取り組み方向、アクションプログラムが示されています。
 先日、民主クラブで常陸太田市の里美地区の風車を見に行ってまいりました。市役所から車で四、五十分、標高七、八百メートルの広大なところに風車が立っていました。関東最大級の牧場の一角です。いろいろなお話をお聞きする中で、中野区が風車建設をするには送電線や発電所、電力会社の問題など解決に必要な課題が多くあり、まだまだ時間がかかると思いました。中野区内のNPOで北海道に風車を立て、事業を市民ファンドにより運営をしているという実践例もありますけれども、忘れがちな環境への意識を意識するということにおいては、実践例を日常の中でふやしていくことが先決と考えます。太陽光発電や風力など、自然エネルギーを活用した温暖化対策は、区民が直接目にできる身近なところで取り組むことを優先できないでしょうか、お答えください。
 次は地域力についてです。地域の活動団体についてお伺いいたします。2番のその他はありません。
 中野区では地域の活動がさまざまな形で幅広く行われているのを感じております。各施設に登録をしている団体から見ても、地域だけではなく、区内全域を活動場所にしているところも多くあります。
 19年2月に区役所1階奥にオープンした中野区公益活動情報コーナーのニュースレター「なかの百花」でも、毎回いろいろな団体が訪問インタビューの形で紹介されております。この公益活動情報コーナーでは情報収集と発信はもとより、ボランティアや社会貢献活動の相談から機材の貸し出し、施設紹介までやっております。
 昨年12月、公益活動情報コーナー主催の「NPO・地域活動フェスティバルinなかの」が勤労福祉会館で開催されました。参加団体は多かったものの、来場者は意外なほどでした。地域の団体がお互いを知り、また活動を知ってもらうよい機会でしたので、とても残念に思いました。
 そこで地域の活動団体にほかの団体との交流などについて聞いてみました。まず、公益活動という「公益」という文字にひっかかっていました。区の助成金の名称も「区民公益活動に関する政策助成」というものでしたが、名称の理解は立ち上げの若い団体ほど、自分たちはそれに該当しないのではないかという思いを持っていました。また、長年地域活動をされている方は、中野区でのイベントやほかの団体の活動にも関心を持たれているかもしれませんが、自分たちの活動以上に手を広げるのは結構しんどいという声も聞かれました。一方、助成金や補助金を上手に使ってステップアップしていく団体もあります。潜在的な地域の力を引き出していくには、活動団体がお互いの存在を知り、ネットワーク化することが必要ですが、それぞれの団体をリードしてつなげてくれる立場の団体や人も必要と思います。本来は公益活動情報コーナーがその一つだと思いますが、まだまだ身近な存在にはなっていないようです。これからいろいろな形で地域力が必要とされる場面があります。区として地域力の向上に向けてどのような取り組みをしていく考えなのか、お伺いいたします。
 また、活動を行っている団体でも、区がさまざまな形で支援を行っていることを知らない場合があります。区報やホームページ、チラシなどで情報が伝えられてはいますが、タイミングが合わなければそれを手にすることができません。必要とするときに必要な情報がつかまえられるには、お互いの努力が不可欠ですが、それには情報発信を恒常的に行い、キャッチできるような誘導が必要と思いますが、区の考えをお伺いいたします。
 その他は広報についてです。
 区報が新聞折り込みから戸別の配布になりました。それに伴い、印刷部数も13万部から19万部に、体裁もタブロイド判から冊子型にかわり、2色刷りになりました。変更して1年、区民の皆様の反応はどうだったのでしょうか、お伺いいたします。
 その区報が平成19年度の東京都広報コンクールの広報紙部門で賞をいただきました。最優秀は新宿区、1席は墨田区、それに続いて2席が中野区でした。私が知ったのはことしの4月の一般紙の地域情報紙です。謙虚な区はみずからの紙面では公表しておりませんでした。
 受賞理由は、巻頭特集の「なかのでエコライフを始めましょう」、この冊子型を生かした紙面構成といい、家庭を中心に発想した多面的な助言といい、読みごたえのある好企画。視覚的な表象も効果的。4面、5面のさまざまな地球温暖化防止のための取り組み紹介も、住民の視点に立ったものに仕上がっているという評価があります。「区内の取り組みが住民にわかりやすく企画編集されている。表現面でも、漫画、イラストを使い、あわせて漢字にはルビが振ってあり、幅広い年代層に普及を図っている。ほかの紙面でも視覚的な紙面展開が施された広報紙である」と、審査員の先生からの評は高かったようです。ファイルしてお手元にとってある方がいらっしゃれば、対象号の19年6月5日号を見直してみてください。
 広報のあり方は言うまでもなく情報を公平に伝える手段です。また、情報は双方向性が必要ですから、届けるというだけでなく、いかに手にとって読んでいただくかです。厳しい声の中には要らないという声もあります。集合住宅などでは読まないで捨ててあるのを目にしたりもします。なぜ要らないのかも考えなくてはなりません。それには手にとって読んでもらえる工夫やアピールが必要ですが、紙面をつくる側の区としてはどういうふうにお考えでしょうか、お伺いいたします。
 受賞はアピールのよいきっかけだったと思いました。私は区報を見て講座や講演会のチェックをして切り取る世代です。これからも充実した紙面づくりをお願いして、すべての質問を終わります。
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) のづ議員の御質問にお答えをいたします。
 ペットボトルのキャップ回収であります。
 区は御質問にありましたように、ペットボトルの拠点回収を始めるわけであります。この拠点回収におきましては、ボランティア団体等からキャップの回収箱を設置できるような申し入れがあった場合、それを可能にできるかどうか方策を検討していきたいと思っております。
 温暖化、太陽光発電等についてであります。
 環境基本計画では、小・中学校をはじめとする区有施設に、太陽光発電機器等の設置をするというアクションプログラムに盛り込まれた内容があるわけでありまして、区民への啓発、あるいは環境学習の教材として積極的に生かしていきたいと考えております。
 それから、地域力の向上についてという御質問であります。地域力を向上するために、御質問の中で御紹介のありました公益活動情報コーナーを設け、団体の活動の紹介や公益活動に参加したい人と公益活動団体との交流の場、さらに団体間のネットワーク会議などを行って、団体間の連携を強めることに努めているわけであります。また、公益活動情報コーナーのホームページでありますとか、地域センターの交流コーナーなどを活用しながら、団体支援に関する情報の提供に努めているところであります。それぞれ自主的な活動が公益性がある、公益的な自主活動を行うということが地域力を高めていくという観点から、必要な支援を行っていくべきであると考えているところです。
 それから、中野区報についての御質問がありました。A4型の冊子型に変更した後、昨年11月に読者アンケートを実施いたしました。合計280人からの御意見が寄せられました。字が大きくなった、レイアウトがすっきりした、図やイラストが多くなったといったことから、読みやすくなったという回答が232件で、8割近くを占めておりました。一方、デザインや文字の組み方が読みにくくなったという回答は、1割弱の21人から寄せられたということでありました。アンケートから見れば、よい反応だったというふうに言うべきだと思っております。今後も定期的にアンケート調査等を実施しながら、区民の皆様の御意見を生かして、より読みやすい紙面になるように工夫をしていきたいと考えております。
 さらに読んでもらう工夫を考えるべきだという御質問もありました。広く区民の皆さんに読んでいただくためには、表紙や目次の工夫、あるいは区民の皆さんに身近な題材を多く取り上げる、また区民の紙面への登場といったようなことも大きい効果があると考えておりまして、区民からの投稿の掲載なども含め、区民との双方向の情報交換を強めてまいりたいと考えているところであります。
 以上です。
      〔のづ恵子議員登壇〕
○16番(のづ恵子) 今、キャップの回収のことで、回収箱を考えられるというお答えをいただきましたけれども、方法として区のほうと組んでやっていくことというのはできるのでしょうか。お答えをお願いいたします。
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 具体的な回収方法等につきましては、それぞれ実施をされるボランティア団体等のお考えもあるというふうに思いますので、お申し入れがあった段階で検討していきたいと考えております。
○議長(市川みのる) 以上でのづ恵子議員の質問は終わります。
 議事の都合により、暫時休憩いたします。
      午後2時45分休憩

      午後3時05分開議
○副議長(やながわ妙子) 会議を再開いたします。
 この際申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。
 一般質問を続行いたします。


 中野区議会議員 大 内 しんご
 1 野方駅の整備状況について
 2 学校再編と跡地問題について
 3 その他

○副議長(やながわ妙子) 大内しんご議員。
     〔大内しんご議員登壇〕
○22番(大内しんご) 平成20年第2回定例会におきまして、自民党議員団の立場から質問をいたします。
 最初に、野方駅の整備状況についてお聞きをいたします。
 野方駅の南北自由通路整備と駅舎改築については、これまでも本会議などで何度も質問いたしましたが、今回もまた野方に住む区民の立場で、現在の整備状況及び計画についてお聞きをしたいと思います。
 この野方駅の整備の取り組みですが、昨年10月にようやく中野区と西武鉄道が合意に達し、双方がそれぞれ300万円ずつを出資して、第三セクターである野方駅整備株式会社が設立されました。この会社は駅舎の整備を行うために設立されましたが、今のところ運営も順調で、今月には株主総会も開かれる予定と聞いております。
 完成後の新しい野方駅の姿ですが、以前行われました概略の設計によりますと 駅舎と改札口が2階に上がり、橋上駅となります。また、南北自由通路の南口と北口にそれぞれエレベーターとエスカレーターが1基ずつ設置され、さらにホームについてもエレベーターのほか、上りと下りのエスカレーターが設置されることになっています。エスカレーターもエレベーターも全くなかったこれまでの野方駅に比べますと格段に改善され、中野区北部の拠点にふさわしい駅になると考えているところです。
 この南北自由通路と駅舎の建設工事費は全体で約十七、八億円程度かかり、それを中野区と西武鉄道と国の3者で負担することになります。かなりの投資額になりますが、これによって駅のバリアフリー化が実現されるほか、駅前の空間にも余裕ができ、乗降客の皆さんの利便性や、野方地域はもちろんのこと、中野北部地域の活性化にとっても大いに役立つものと確信しております。
 さて、事業の進捗状況ですが、ことしに入りまして3月に地質調査が行われ、また懸案であった野方駅北口用地の買収も完了いたしました。そして、西武鉄道のほうも駅舎などの本格的な実施設計にいよいよ取りかかると聞いております。この実施設計に当たってはバリアフリーとともに、ぜひ安全面についても御配慮をお願いしたいと思っています。
 野方駅のホームは御存じのとおり島式のホームであり、また幅も狭いため、朝夕のラッシュ時には乗降客でかなり混雑しています。特に階段やエスカレーター、エレベーターの設置場所などについては、ぜひ乗降客の安全を第一にした設計をされるようお願いしたいと思います。
 また、野方駅北口用地として区が買収した店舗の交渉も無事終わり、地元ではいよいよ本格的な整備に取りかかる時期になってきたと感じられるようになってまいりましたが、その一方で商店街を中心に、これから始まる建物の解体撤去や建設工事の影響を心配する方もいらっしゃると思います。地元の方々への情報提供についても、十分御配慮いただけるようお願いいたします。
 そこで区長にお尋ねをいたします。買収した用地の中にある店舗や住宅などの建物は既に空き家となっていますが、これはいつ取り壊すのでしょうか。また、自由通路や駅舎、階段やエスカレーターなどの施設のおおよその配置計画ができる時期、そして着工時期はいつごろになるのでしょうか。あわせて新しい野方駅の完成時期についてもお答えをいただきたいと思います。
 次に、区立学校の再編と跡地問題について質問させていただきます。特に私の地元での課題を重点的にお聞きをしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 ことしの4月、区内中学校の統合第1号として区立第六中学校と第十一中学校が統合し、緑野中学校としてスタートいたしました。統合に当たっては、私も統合委員会の一人としてさまざまな意見を述べさせていただきましたが、おかげさまで学校運営も順調のようで、緑野中学校の保護者の一人として安心をしております。そこでまず初めに、4月からスタートした緑野中学校の現況と統合後の総体的な評価、また生徒たちの様子についてお伺いをしたいと思います。
 次に、第六中学校の跡地ですが、再編により第六中学校は現在閉鎖され、学校用品などの倉庫として活用されているようです。本来は廃校後には野方小学校の改築中の代替校舎として活用するため、本年度に小学校用に改修工事を行い、平成21年度から活用する予定でしたが、しかし新井にある法務省の矯正研修所が移転した場合の跡地の買い取り計画が昨年の末に浮上し、現在その結果待ちとなっております。この法務省の矯正研修所用地を仮に取得した場合、第六中学校の跡地をどう活用するかという問題が地域でも最近大きな関心事となっております。
 さきの文教委員会では、この新井にある法務省の矯正研修所用地については、その取得の可能性が高いことや、取得できた場合には、野方小学校と沼袋小学校の統合新校の建築を検討していること、また野方小学校と沼袋小学校の統合は予定どおり平成23年度中に統合するといった考えが示されたところです。私としても地域の状況がさまざま変わったことから、こうした手法もあり得るものと思いますが、なるべく早目に方針を定め、関係者に説明するべきと考えます。聞くところによりますと、現在矯正研修所の移転先である昭島市との協議が間もなく整うとの情報も得ております。まず、新井の矯正研修所の用地取得のめどについてお聞きをしたいと思います。
 次に、第六中学校の跡地利用計画ですが、平成18年の第1回定例会における私の質問に対して、区は「第六中学校については統合後、野方小学校の建てかえの際の暫定利用がされた後の用途は売却も含め検討する」と答弁されましたが、その後、現在まで一切の方針が示されておりません。御承知のとおり、第六中学校の周辺は住宅が密集し、道路も整備されておらず、小さな公園一つない環境でございます。もし民間企業などに売却され、そこで大規模な開発が行われることになれば、住環境の悪化が懸念されることから、私は平成18年の第3回定例会において、一般質問の中で都立の中高一貫校、いわゆる中等教育学校の誘致についての御提案と質問をさせていただきました。そして、現在の第六中学校の用地に中高一貫校の建設が不可能であれば、売却以外にどのような活用法があるのか、例えば、妙正寺川の遊水地機能を兼ねた中野工業高校のグラウンドの整備、地域の避難場所としての活用などについて、区の具体的な方針をお聞きしたところです。
 区長からは、「第六中学校を野方小学校の仮校舎として利用した後の具体的な活用方法については、現時点では定まっておりません。いずれにいたしましても大事な用地でありますので、地域の環境、あるいはまちづくり、地域に貢献できる活用方法を探っていくとしているわけであります。最終的にその用地が売却ということになるのか、区が保有し続けることになるのか、そうした活用方法によっておのずと定まってくるものでもあると考えております。御提案のありました中野工業高校のグラウンドの拡張用地とすることでありますとか、避難場所機能の確保といったようなことも念頭に置きながら検討していきたい」との答弁がありました。
 最近、都立中野工業高校の将来の統合計画について、私が調べたところによりますと、都立高校の統廃合計画の中には都立中野工業高校は含まれていないということがわかりました。さらに現在、妙正寺川の環状7号線より下流の護岸工事に伴う河川監視道路の確保については、都立中野工業高校の敷地の一部にかかるという計画になっており、都立中野工業高校としてもその対応に頭を痛めているという状態であることもわかりました。
 そこで再度提案いたしますが、今現在、法務省の矯正研修所用地の買い取り計画の動向がまだはっきりしていませんが、仮に中野区が学校用地として買い取ることになった場合には、第六中学校跡地をぜひ都立中野工業高校の敷地として東京都に買っていただくよう、売却の交渉をしてみたらいいと思いますが、どうでしょうか。区長の見解をお伺いいたします。さらに交渉の考えがおありなら、同時に学校周辺の道路整備と避難所機能を兼ね備えた都立学校とするよう、あわせて交渉していただきたいと思います。そうすれば地域住民の賛同も得られ、周辺住民の安全・安心に大きく寄与できることになると思います。よろしくお願いをいたします。
 しかしながら、もし東京都が高校用地として購入しそうもないときは、新井の矯正研修所用地の購入の計画のときにも提案させていただきましたが、ぜひ第六中学校跡地は、サッカーなどのできるグラウンド用地として整備していただけるよう検討していただきたいと思います。
 さらに質問を続けます。もう一つ問題なのは、第六中学校の暫定利用のことです。現在は第六中学校跡地利用方針が宙に浮いている状態ですので、地域に開放するためのグラウンドの利用方針さえ決められない状態だと聞いております。ことし統合した桃丘小学校は、桃花小学校の体育館建てかえの間の代替施設となっております。また、仲町小学校については、公共サービスセンターと地域スポーツクラブの基本計画が示されております。さらに来年3月に廃校となる東中野小学校についても、既に暫定活用案が議会や地域に示されていますが、一体第六中学校はどのようにするのか、地元に何の情報もないままさまざまな憶測が飛び交っているのが現状です。もし矯正研修所用地の購入計画が進むようであれば、地域の方々からも早急に第六中学校の暫定利用を望む声が出ているわけですから、以前より学校開放事業として行っていたのと同じように、せめて売却などをされるまでは地域に開放するべきだと思います。早急にこの第六中学校跡地の暫定利用計画について方針を決定する必要があると思いますが、いかがでしょう。ぜひ区長の前向きな答弁を期待して、次の質問に入ります。
 その他で1点、東中野小学校と中野昭和小学校の統合についてお聞きをいたします。
 今定例会に統合についての条例が提案されているわけでありますが、この統合については東中野小学校の保護者からさまざまな意見が届いております。その中で、通学路の安全確保という課題についてはできる限りの対応をしていかなくてはいけませんが、山手通りと早稲田通りの交差点、上高田中通りの通学路への心配が大きいと思います。山手通りと早稲田通りの交差点においては、信号機の横断時間の延長や人的配置、上高田中通りのガードレールの増設など対応すると聞いておりますが、その他まだまだ課題があります。ハード面の充実のほかに、ソフト面の充実もこの際大切だと思います。子どもたちにはしっかりとした交通ルールを守るよう教えなければいけません。例えば道路を渡るときは、右を見て、左を見て、また右を見てと、まず自分で安全を確保する。そういったことを各家庭において、交通安全についての教育をしていかなければなりません。そして、その上でハード面での充実はもちろんですが、各学校においての交通安全の教育を今まで以上にしっかりと行っていただく必要があると思います。見解を求めます。
 以上で質問を終わります。
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 大内議員の御質問にお答えをいたします。
 まず、野方駅の整備状況についてであります。
 西武新宿駅の駅の中で一つだけ北口がなく、またバリアフリーの工事もできていなかった野方駅がようやく橋上駅化をして、バリアフリーの施設もきちんと整うということになったわけであります。この日程ですけれども、野方駅の北口の事業予定地、購入をいたしました土地の部分であります。これについては現在解体工事の準備をしているところでありまして、この6月中には取り壊しを行う予定であります。
 それから、駅舎等の配置計画についてはどうなるかという御質問でもありました。南北自由通路や駅舎などのおおよその配置計画については、この7月ごろにはでき上がる予定となっております。それを踏まえまして、工事への着工はことしの年末ごろになる見込みであります。そして、新しい野方駅の完成時期でありますが、新しい野方駅の完成は平成22年の夏ごろの完成を目指して取り組んでいるところであります。
 それから、学校再編と跡地の問題ということで、第六中学校跡の活用についての御質問がありました。御質問にありましたように、新井地域にあります矯正研修所の移転についてはさまざまな情報がありますけれども、区の私どもの側が購入できるめどが立ったというところまでの進展ではないということでありますので、現時点ではそれを前提に直ちに六中をどうというお話はなかなかしにくいということを御理解いただきたいと思っております。したがいまして、矯正研修所の移転跡地の取得のめどが立ち、また中野工業の問題にいたしましても、東京都からの申し入れということが前提になると思いますので、かつ東京都からそのような申し出があった場合には検討をしてまいりたい、このように考えております。
 そういたしますと、第六中学校跡の暫定活用につきましても、そうしたことについて一定の結論というか、めどが立った時点で方針を決めることになるということで御理解を賜りたいと思っております。
 私のほうからは以上であります。
     〔教育長菅野泰一登壇〕
○教育長(菅野泰一) 学校再編と跡地問題につきまして、現在の緑野中学校の現況についてということでございます。
 緑野中学校は生徒数が増加いたしまして、各学年は3学級となりました。これにより、再編計画で目標としていました適正な規模の学校が実現できました。また、教員数も増加いたしまして、幅広い生徒の個性、ニーズに対応できる人的体制が充足いたしまして、学校運営、あるいは生活面、学習面での生徒指導につきましても充実が図られております。さらに部活動もクラブ数が15クラブになりまして、旧六中の場合と比べまして8クラブ、旧十一中と比べまして3クラブふえております。生徒の多様な選択肢の中からみずからの可能性を伸ばせる環境となりまして、伸び伸びと活動しているところでございます。また、生徒会活動や運動会などの行事におきましても、多様な個性が幅広く交流いたしまして、豊かな体験をすることができるようになっているなど、学校全体に活気を感じることができております。生徒は授業中も落ちついており、積極的に学習に取り組んでいると認識しております。
 続きまして、法務省矯正研修所東京支所の移転跡地の取得めどということでございます。昭島市では法務省の移転計画を受け入れた形の土地利用計画案を策定いたしまして、5月中に市民説明会及びパブリックコメント手続を行ったところでございます。今月の19日の立川基地跡地利用対策特別委員会におきまして、市民から出された意見を踏まえた計画案を報告いたしまして、これが了承されれば立川市、東京都を含めた協議会におきまして、調整した計画を今月中に国に提出すると聞いております。教育委員会といたしましてはこれを受けまして、野方小、沼袋小学校の統合新校用地としての取得を目指してまいりたいと思います。
 続きまして、東中野小、中野昭和小学校の統合に当たる交通安全教育でございます。
 両校の統合に当たりましては、子どもたちが交通ルールを守り、危険回避の対応能力を上げるよう、両校におきまして交通安全教育をきちんと行っていきたいと思います。その中で交流事業などを今年度行いますけれども、そうした中で東中野小から中野昭和小へ歩く機会などをとらえまして、あわせて安全指導をするなどの取り組みを進めてまいりたいと思っております。
○副議長(やながわ妙子) 以上で大内しんご議員の質問は終わります。


 中野区議会議員 久 保 り か
 1 中野区の教育課題について
  (1)教育ビジョン実行プログラムについて
  (2)小中一貫教育について
  (3)中学校区連携教育について
  (4)小学校での英語教育導入について
  (5)その他
 2 中野駅周辺のまちづくりについて
  (1)エコシティなかのについて
  (2)新・北口駅前広場について
 3 西武新宿線連続立体交差事業について
 4 ワンルームマンション税の導入について
 5 その他

○副議長(やながわ妙子) 次に、久保りか議員。
      〔久保りか議員登壇〕
○25番(久保りか) 質問に先立ちまして、ミャンマーサイクロン、四川省大地震の被害に遭われました皆様にお見舞いを申し上げるとともに、一日も早い復興を願い、お祈り申し上げます。
 平成20年第2回定例会に当たり、公明党議員団の立場で一般質問を行います。質問は通告に従いまして、中野区の教育の課題について、中野駅周辺のまちづくりについて、西武新宿線連続立体交差事業について、ワンルームマンション税の導入についてです。よろしくお願いいたします。
 中野区の学校教育の課題について伺います。
 初めに、教育ビジョン実行プログラムについて伺います。
 教育ビジョン実行プログラムは、教育ビジョンの目標達成に向けて、平成18年度から20年度までの3カ年の範囲内で実施する事業の内容を示したものになっています。3年ごとに新たなプログラムを策定し、ビジョンの推進を図っていくとなっていますが、21年度から新しい実行プログラムがスタートされるのでしょうか。
 第1回定例会予算総括質疑の「教育基本法17条の2には、『地方公共団体はこの計画を参酌して、その地域の実情に応じ、当該地方公共団体における教育の振興のための施策に関する基本的な計画を定めるよう努めなければならない』という規定があります。中野区としてはどうするのでしょうか。」との飯島議員の質問に対し、「教育ビジョンを改定するにあたりましては、国や東京都の動向も踏まえまして、教育基本法にいうところの教育振興基本計画と位置付けていきたい」と御答弁されています。私は位置付けるなどということではなく、この際教育ビジョンを見直し、法に定められたところの教育振興基本計画として策定すべきではないかと考えます。いかがお考えでしょうか、伺います。
 次に、小中一体型の一貫校の設置について伺います。
 過日、小中一体型施設の一貫校である、品川区の伊藤学園と宮城県登米市の豊里小・中学校を視察しました。現時点では、公立の一体型の小中一貫校は全国でも7校しか開校されていないということです。豊里小・中学校では弾力的なカリキュラムの実施や指導法の開発によって、知力を基盤とした確かな基礎学力の醸成を図っていくことを目指しています。また、この指導を推進する中で、「小4の壁」、「中1ギャップ」と言われる教育の課題をクリアしていこうと取り組まれています。
 現在の新学習指導要領では、小学校と中学校の学びの継続性が十分には表されていないと言われています。小学校側では、小学校で学んだことが中学でどのように発展していくのかが理解されていないと指摘をされています。一方、中学校側では、小学校で学んできたことを理解されていないという状況があるようです。
 伊藤学園、豊里小・中学校の両校とも、小中一貫教育のメリットを数多く挙げています。最も大切なことは、義務教育期間を小学校と中学校として分断せずに、9年間という時間の継続でとらえることです。その中で学びの継続を実現していくことを最重点の取り組みとしています。これは中野区がいうところの連携教育にとっても要の部分であると思います。中野区教育委員会としては、小中一貫教育を全校展開するとしているのですから、そのための研究を行うプロジェクトチームを教育委員会や校長会などを中心に立ち上げ、一貫教育推進の体制を整えるべきと考えますが、いかがでしょうか。
 視察に伺った両校ともが、施設一体型の小中一貫校での児童・生徒への教育効果の重要性、職員室を共にすることでの指導方法や情報交換における共有性のメリットをさまざま挙げられていました。中野区でも思い切って「通学区域フリー」の施設一体型の小中一貫教育拠点校を開校し、区内の小中一貫教育のモデルを示すべきと考えますが、いかがでしょうか。設置者である田中区長の御見解を伺います。
 次に、幼保小中の連携をスムーズにするための「中学校区連携教育」の取り組みについて、提案を含めて伺います。
 福井市では、同じ中学校区にある保育園、幼稚園、小学校、中学校が一体となり、計画的な一貫した指導を行う教育、地域の一員として将来にわたって地域づくりに貢献する子どもたちを育てていく教育を行うための「中学校区教育」を推進しています。中野区でも、現在の中学校通学区域の見直しを行った上で、中学校区における幼保小中や地域との連携教育を行うべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
 小中では9年間の継続した指導による一貫教育を行い、中学校区域では幼保小中の連携を図りながら地域コミュニティを重視した教育を行うという、一貫教育・連携教育という立て分けを明確にした上で取り組みを推進すべきではないかと考えます。お考えを伺います。
 次に、小学校での外国語教育の取り組みについて伺います。
 学習指導要領が改訂され、2011年度から小学5、6年で外国語活動が必修化されます。また、先日は教育再生会議から「小学校3年生からの英語教育の提案」がありました。中野区の外国語教育の現在の取り組みと今後の計画はどのようになっているのでしょうか。
 改訂後の指導体制については、学校担任の教師や担当する教師が行うこととし、ネイティブスピーカーや地域の実情に応じて外国語に堪能な地域の人々の協力を得るなど、指導体制を充実するとなっています。外国語ということで、英語教育には限定されていないように思えますが、実質的には英語教育であろうと思います。中野区教育委員会として、今後定める「(仮称)中野区教育振興基本計画」の中に外国語教育実施の明確な方針を示すべきと考えます。御見解を伺います。
 中野区教育委員会はホームページの平成20年度の展望の中で、学力の向上も大きな課題とした上で、「特に中学校においては公立離れが進み、自治体間での競争が激しくなってくる中、中野区は中野区としての特徴をきちんと出していかねばならない。そうした中で学力向上はキーワードであると思います」と発表されております。私はさまざまな制度の変化を待っているだけではなく、区として必要な取り組みは推進する、むしろ公教育において中野区が他の自治体をリードし、発信源となっていく選ばれる公立学校を創っていくとの強い決意を、教育委員会のみならず、区長が持つことが大事と考えます。中野区の教育課題について田中区長の明確な決意を伺い、この項の質問を終わります。
 次に、中野駅周辺のまちづくりについて伺います。
 初めに、中野駅周辺のまちづくりにおける環境問題への取り組みについて伺います。
 4月1日、待望久しい警察病院が開院し、いよいよ警察大学校跡地の開発が目に見える形で進行を始めます。
 5月20日、千代田区では中野区に移転してきた東京警察病院跡地など、2.5ヘクタールを対象としたJR飯田橋駅西口地区の市街地再開発事業で二酸化炭素の削減目標を明記した地区計画案を発表しました。再開発計画の特徴としては、このエリアのCO2削減目標を、千代田区地球温暖化対策条例のCO2削減目標よりもさらにハードルの高いものとしていることです。CO2削減のために、具体的には建物単位での取り組みとして、高断熱ガラス等による熱負荷低減、雨水貯蓄等資源の有効利用、省電力型照明の使用、緑化・保水性舗装等が提案されています。また、再開発計画敷地を中心とした街区外周辺に対する対策として、他街区で廃熱利用、地下水利用、地域グリーン電力、エリアエネルギーマネジメントが提案されています。この街区外エリアには、病院、大学、公共施設、オフィスビルがあり、今後開発が予定されている警察大学校跡地と共通した環境にあります。
 中野駅周辺まちづくりガイドライン2007には、環境負荷の少ないまちづくりとして、地球温暖化防止やヒートアイランド対策など、さまざまな政策課題が盛り込まれています。さらに環境保全型まちづくりのモデル地区として、パイロット事業等の実施を検討するとなっています。まずはガイドラインの対象区域の中でも、先行して開発が予定される警察大学校跡地を中野区環境基本計画に描かれたエコシティなかの地球温暖化対策モデル地区と定め、CO2削減目標の数値化やエリア内での具体的な対策を示すべきと考えますが、いかがでしょうか。環境悪化を招かない開発行為を担保することが重要であると考えます。
 中野区環境基本計画の環境に配慮したまちづくりのイメージには、屋上緑化、壁面緑化、太陽光発電、保水性舗装、再生水の利用、風の道の確保など、さまざまな事例が盛り込まれています。このまちづくりのイメージを警察大学校跡地の開発に当てはめ、計画を実現すべきではないでしょうか。御見解を伺います。
 また、環境基本計画にはありませんが、例えば車の走行の振動などで発電する圧電素子を利用した発電システムを、警察大学校跡地のメインストリートであるF字道路などに設置し、街路灯のエネルギーに利用するなど、新しい環境対策を進めてみてはいかがでしょうか。さらに区内初の試みとして、F字道路に自転車専用道を整備すべきではないでしょうか。
 中野駅周辺の計画にも、円滑な自転車走行のための環境づくりが明記されています。6月1日より改正道路交通法が施行され、自転車による歩道を通行できるための要件が明確化されました。自転車走行の環境づくりとして、自転車道を整備することが一番の安全対策ではないかと考えます。
 本年1月28日から2月6日までの10日間、中杉通り自転車道社会実験を東京都が行いました。結果報告によれば、自転車道整備の有効性は確認されたものの、交差点部における安全確保の課題や自転車道内における安全性の課題などが確認されたとなっています。車道に自転車レーンを設置しての実験風景を何度か見に行きましたが、既存の道路での難しさを感じました。中野区自転車利用総合計画には自転車利用の環境整備について、自転車の走行環境を向上するため、自転車走行レーンなどの整備に努めることが明記されています。エコシティなかのにふさわしい自転車専用道をF字道路に整備してはいかがでしょうか。御見解を伺います。
 次に、中野駅・新北口駅前広場の都市計画駐車場の見直しを提案いたします。
 公明党議員団では平成16年、中野駅周辺まちづくりの考え方をまとめ、提案させていただきました。その中で中野駅周辺まちづくりで策定が必要な計画として、中野駅周辺への自動車アクセス減少のための交通計画を提案しています。新北口駅前広場に地下一層180台の都市計画駐車場が昭和37年に計画決定されています。この計画が決定された段階では、現在のようにまちづくりにおける環境負荷はあまり問題ではなかったのではないかと考えます。
 中野区は1人あたりの自家用自動車の所有率は0.17台と極めて低い状況にあることや、交通機関が発達し、利便性が高いことを考えると、そもそも駅前に駐車場を整備・設置には疑問があります。駅前広場の駐車場はまちの安全性にも配慮を欠き、交通渋滞を招き、二酸化炭素の排出量も増加するなど適切な配置であるとは考えられません。都市計画変更や適切な配置への再検討をすべきと考えますが、いかがでしょうか。
 池袋では駅近くの駐車場に入るために駅周辺が混雑し、排ガスが多く出る原因となっている現状を改善し、自動車の流入を抑え、CO2排出削減を目指すために、高速、低騒音で移動制約者が乗降しやすい低床式車両のライト・レール・トランジットを導入することを検討しています。中野区でも駅周辺への自動車の流入を抑えるために、駅周辺の周遊バスなど、新たな交通システムを検討すべきではないでしょうか、お考えを伺います。
 今後、周辺の開発による駅利用者の増加を考えると、駅舎の改良とともに、駅前広場などオープンスペースの拡大を図り、安全・安心なまちづくりを推進することは最重要課題ではないでしょうか。180台の都市計画駐車場のスペースを、防災面を考慮した区民が集い、活動しやすい駅前地下広場へと転換すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 5月20日の中野区報には、「中野駅周辺まちづくりが動き出しました」のタイトルで特集が組まれています。この区報には、「中野駅周辺まちづくりグランドデザインは社会や経済情勢の変化などに合わせて見直し、より望ましい内容に改定するものとしています」と記されています。この際、改定作業が進められている中野駅周辺まちづくりグランドデザインに、地下広場についても盛り込むべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。以上をお伺いし、この項の質問を終わります。
 西武新宿線連続立体交差事業について伺います。
 4月18日、中野区西武新宿線踏切渋滞解消促進期成同盟決起大会が野方区民ホールで開催されました。この大会は4月の道路特定財源の暫定税率期限切れの事態を受け、連続立体交差事業が中断することのないよう、早期実現を求め開催されたものです。大会の中では西武新宿線踏切渋滞の解消を目指し、活動を進めてきた沿線住民の皆さんのこれまでの取り組みの報告もありました。こうした区民の皆さんの努力と願いをかなえるチャンスを逃してはならないと感じました。
 鉄道連続立体交差化事業を着実に推進していくためには、多くの乗り越えていかなくてはならない課題が予想されます。沿線住民の一人として、区は連立事業について不退転の決意で取り組まれることを望みます。
 暫定税率が復活し、道路特定財源問題も決着し、今年度の事業も進められるめどがようやく立ちました。既に建設委員会でも報告がありましたが、4月の暫定税率の廃止による中野区への影響がいかなるものであったのか改めて伺います。あわせて次年度以降、一般財源化された場合の連立事業への影響について、現時点ではどのようなことが予想されるのでしょうか、伺います。
 既に平成5年4月に都市計画決定されている西武新宿線の複々線化計画は、鉄道立体交差化事業が事業化決定された場合、どのようになるのでしょうか、伺います。
 次に、西武新宿線の今後のまちづくりの課題について伺います。
 都市計画マスタープランの段階では、西武新宿線の踏切による渋滞の緩和という発想にとどまり、連続立体化が実現した場合のまちづくりまでは検討されていません。改定される都市計画マスタープランには、沿線のまちづくりについて連続立体交差化事業をどのように位置付けられるのでしょうか。
 中野区と早稲田大学が、平成17年3月に協働して出された「西武新宿線踏切対策に伴う沿線まちづくり整備構想策定調査報告書」や、平成18年3月に早稲田大学によりまとめられた「西武新宿線沿線まちづくり調査報告書」には、線路の敷地の具体的な活用として、緑地・緑道、駐車場、防災拠点などの機能の導入を進めるとしています。跡地の有効活用は沿線のまちづくりでも期待の大きなものです。この線路敷の地権者はだれになり、どのような開発行為が可能なのでしょうか。伺います。
 地域勉強会など、これまで沿線まちづくりについて検討してきたことの実現の可能性を、鉄道事業者と十分に協議していく必要があると思います。
 先日、視察を行った東急目黒線の大岡山駅は、駅舎の上に東急病院が建設されています。日本初の線路上の病院として注目を集めていますが、線路の振動などを考慮した特別な仕掛けが線路下にはなされています。また、武蔵小山でも線路上の住宅などの提案があるようです。目黒線ではこうした開発行為は主に東急鉄道の事業ですが、西武新宿線沿線まちづくりを進める段階でさまざまな可能性を探るべきですし、そのための行政と鉄道事業者の交渉テーブルの設置と、地域住民からのまちづくりの取り組みのくみ上げの仕掛けが必要になると思いますが、いかがでしょうか。
 鉄道立体交差化事業の事業主体は東京都になりますが、沿線のまちづくりを進める事業主体はどこになるのかを明確にし、それぞれの役割や計画を今後どう進めていくのかをはっきりさせる必要があると思います。お考えを伺い、この項の質問を終わります。
 次に、ワンルームマンション税の導入について伺います。
 先日、全国で唯一、狭小住戸集合住宅税の課税、通称ワンルームマンション税を義務付けている豊島区に伺いました。豊島区は平成14年、法定外税検討会を設置、ワンルームマンション税と放置自転車等対策税の検討を始めました。その後、豊島区狭小住戸集合住宅税条例を平成16年6月に施行しました。
 豊島区の平成12年の世帯構成は、全世帯のうち単身世帯が約56%でした。一方では、区内の住宅で30平米に満たない集合住宅の占める割合は約40%にもなり、23区で最も高い状況でした。ワンルームマンション税は、一定戸数以上の狭小な住戸を有する集合住宅を建築しようとする建築主へ課税することにより、負担が重くなるという状況をつくり出すことで、1戸当たりの面積が少しでも広い住宅の供給を誘導していくのが狙いです。
 税構想時の収入見込み額は平年度ベースは3,750万円でしたが、5年目の現在の税徴収額は計11億8,000万円となり、予想外の税収を得た形になりました。条例設置の目的どおり、ワンルームマンションの建設数は減少したということです。また、徴収した税は普通税のため、税収の使途は明記されていませんが、「ゆとりある住宅、住環境の実現」を目的とした住宅基金に積み立てられています。
 「中野区住宅白書2008」によれば、単身世帯が毎年増加し、平成17年の国勢調査では全世帯の約57%を占めています。逆に5人以上の世帯は減少し、全世帯の約3%を占めているにすぎません。豊島区が条例制定を検討した当時よりも中野区の単身世帯率は高い状況にあり、加えて1戸当たりの延べ床面積別住宅の割合では、30平米未満の住宅の割合が高いという特徴が示されています。
 中野区でも平成12年に法定外新税研究会を立ち上げ、法定外新税の導入について検討した経緯があります。研究会の報告書は、「中野区独自で直ちに実現することは困難であるとの結論に達した。しかし、23区全体、あるいは隣接市、近隣自治体同士の共通の行政課題に着目した新税創設の実現性や意義は大きいとの認識も深めた。今後はそうした連携も図りながらこの問題について取り組んでいくことを提案して、本報告結びとする」と締めくくられています。
 当時、研究会ではワンルームマンション税の導入についての検討はされていません。現実に法定外新税を23区で導入したのは豊島区だけです。中野区では豊島区の事例を検証し、ワンルームマンション税についての検討はされたのでしょうか。また、現在改定が進められている都市計画マスタープラン、策定中の住宅マスタープランに中野区の住宅まちづくりの課題と解決策を明らかにし、一つの解決策として狭小住戸集合住宅税条例を制定し、ワンルームマンション税の導入を盛り込むべきと考えます。
 中野区の住宅まちづくりの課題として、コミュニティの不足による地域の互助機能の低下や永住意識の希薄さが挙げられます。住宅ストックのバランスを回復するためにも、ワンルームマンション税の導入に踏み切るべきと考えますが、お考えを伺います。
 以上が私のすべての質問です。前向きでわかりやすい御答弁をお願いいたします。ありがとうございました。
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 久保議員の御質問にお答えをいたします。
 小中一貫教育についての御質問がありました。通学区域フリーの施設一体型の一貫教育拠点校を開校し、一貫教育のモデルを示すべきではないかという御質問であります。
 小中連携教育を進めるためには、一貫校をつくるのが本来の姿であると考えているところであります。すべての小・中学校において、活動連携の形で実施していく方向で教育委員会が検討を行っているということについては、積極的に評価しているところです。検討を実現するプロセスの中で内容がある程度固まった段階では、一体型の一貫校をモデル的に立ち上げることも効果があるのではないかと考えているところですが、当面は教育委員会の検討結果を踏まえて一貫教育をスタートさせたいと考えております。
 それから、公教育において中野区が他の自治体をリードしていくべきだという御質問であります。特に中学校が選ばれる公立中学校となっていくということが、中野区の教育環境を守り、よくしていく上で大変重要なことだというふうに考えております。中野区の学校教育は、コミュニケーション能力の強化・育成でありますとか体力づくり、あるいは規範意識の涵養といった重点を設けて、積極的に取り組みをしてきているところであります。少人数教育でありますとか学校ボランティアといった多くの資源を活用しながら、よりよい中野区の学校教育をつくってまいりたいと考えております。
 警察大学校跡地の開発でのエコシティの取り組みについてであります。
 警察大学校等跡地の開発は、中野駅周辺まちづくりガイドライン2007で示しておりますとおり、地区一帯で環境負荷の少ないまちづくりを目指すこととしております。建築物における省エネルギーシステムの導入でありますとか緑化の推進など、さまざまな手法でその実現を図っていきたいと考えております。今後、開発協議会におきまして取り組みのルール化を図って、各事業者の実施設計段階において具体的な内容を検討していくこととしているところであります。中野区環境基本計画の趣旨に沿った対策等が実現できるよう、努力をしていきたいと思っております。
 それから、御提案として圧電素子を活用した街路灯のエネルギー利用などがあったわけですが、圧電素子を活用した高速道路等での実証実験を調査いたしましたが、通行量と発生エネルギーを比べてみますと、F字道路と言われているこの道路の交通量では十分な発電量は得られないので、道路の街路灯といったところまでのエネルギーに利用することは難しいと考えております。自然エネルギーの活用などさまざまな自然エネルギーの、再生可能エネルギーの活用を図ってまいりたいと思っております。
 それから、F字道路への自転車専用路の設置についてであります。
 F字道路に関しましては、昨年度末に事業認可を取得しました。全幅員20メートルのうち、歩道の有効幅員は片側4メートルとしております。この幅員で歩道の自転車走行も可能となるわけでありますが、より安全で、またエコシティにふさわしい安全なまちづくりを進めるという中で、自転車専用レーン等の必要性でありますとか設置可能性等につきまして、交通管理者とも協議をしていきたいと考えております。
 それから、新北口駅前広場内の都市計画駐車場についての御質問であります。
 昭和37年に決定された都市計画につきましては、今後の開発を見据えながら、その内容を見直す必要があると認識しています。今後の開発によります駐車場需要の変化等を検証し、公共側で整備するべき駐車場の規模、また適切な配置についても駅周辺全体の中で検討していきたいと考えております。
 それから、豊島区のライト・レール・トランジットを例に挙げまして、新たな交通システムを検討するべきではないかという御質問もありました。交通動線が現在でも集中しております中野駅周辺であります。開発によりましてさらに集中が予想されるわけでありまして、自動車の流入抑制を進めていくことは必要と考えているところであります。今後、自動車の流入抑制や歩行者の円滑な移動等について、中野駅周辺まちづくりの中で検討をしていきたいと考えております。
 それから、都市計画駐車場の駅前地下広場への転換についてであります。
 過年度に実施をいたしました中野駅地区整備検討では、歩行者広場を地上部分に整備し、警大跡地をはじめとする、各エリアのにぎわいの接点となるような地上部での空間創出を提案しております。その提案と比べますと、地下広場を整備することは、にぎわいの連続性や動線の確保といった視点から適切にはならないというふうに考えるわけであります。また、地下広場の場合の維持管理に多額の費用がかかるということもありますので、現時点では地下広場を設けることは考えておりません。
 それから、西武新宿線連続立体交差事業に関連して、暫定税率の期限切れの影響についての御質問もありました。暫定税率の期限切れによりまして、自動車重量譲与税及び地方道路譲与税の1カ月分、約1,800万円が減収となったところです。全体の動きですが、国は東京都に対して1カ月おくれの5月1日に連続立体交差事業の内示を行いました。これを受けて、中野区では執行を保留しておりました西武新宿線沿線まちづくり、この事業の推進を、5月に執行の保留を解除いたしました。
 それから、沿線まちづくりの計画策定に関する業務に、1カ月ほどの遅れが生じていることになるわけですが、今後委託業者の契約手続を早期に進め、契約後の適切な指示、指導を行うなど進捗を適切に管理いたしながら、影響を極小にとどめるよう努力してまいりたいと思っております。東京都のほうでは、今年度の事業進捗に影響を与えないよう配慮をしていくという回答を得ているところであります。
 それから、道路特定財源が一般財源化されるという予定になったわけでありますが、一般財源化された場合の影響についての御質問もありました。連続立体交差事業は道路事業に位置付けられているわけであります。しかし、一般財源化されても必要な道路は整備していくということは、与野党ともに繰り返し述べられているところであります。区といたしましては、連続立体交差事業は道路事業の中でも極めて優先度が高い事業だと認識をしているところでありまして、当然整備が進められるものと考えております。その実現に向けて、あらゆる機会を通じて関係機関に働きかけを行っていきたいと思っております。
 それから、ワンルームマンション税の導入と都市計画マスタープラン、住宅マスタープランの改定についての御質問もありました。
 ワンルームマンションの増加が喚起する問題といたしましては、地域における世帯構成の偏りによります地域コミュニティの弱体化、それから狭小な住宅の増加によります将来の住宅ストックの質的低下などがあるわけでありまして、区民の皆様からも不安の声が上がっているということを強く認識しているところです。区といたしましては、このようなワンルームマンションの増加には一定の抑制が必要であると考えているところです。税という手段をとるかどうかは別といたしまして、その適正な抑制策を検討していきたいと考えております。税という手段が最も有効かどうかについては、豊島区の例などもよく分析をしながら検討する必要があると思っております。税額によりましては、逆に負担することによって免罪符が得られるといったようなことにもなりかねないという側面もありますので、あり方をよく検討した上で、抑制策を考えてまいりたいと思っております。
 私からは以上です。
     〔教育長菅野泰一登壇〕
○教育長(菅野泰一) 教育問題についてお答えいたします。
 まず、教育ビジョン実行プログラムについてでございます。
 中野区教育ビジョンでございますけれども、教育ビジョン実行プログラムも含め、一本化した計画として、また教育基本法上の教育振興基本計画として位置付け、10か年計画との整合性を図りながら見直し、改定してまいりたいと、このように考えております。
 それから、小中一貫教育についてでございます。小中連携教育のあり方につきまして、これまで学識経験者や学校長を含めました内部の検討会で検討を進めておりまして、今年度中には検討の結果を取りまとめることとしております。その内容の具体化にあたりましては、校長会などの場を中心に進めてまいりたいと考えております。
 それから、中学校区連携教育につきましてお答えいたします。
 中学校区を単位に、保育園、幼稚園、小学校、中学校、さらに家庭や地域の連携を強固にしていくことは大変重要であると考えております。その意味からも、中・後期の再編計画を検討するにあたりましては、学区域の問題も視野に入れていきたいと考えております。中学校区におけます連携と小中の一貫教育につきましては、現行の保幼小や小中の連絡協議会の充実と、それから小中一貫教育との推進を整合させながら進め、さらに地域全体での連携の強化に発展させていきたいと考えております。
 続きまして、小学校の英語教育につきましてお答えいたします。
 現在の状況でございますが、平成15年度から毎年5、6校を国際理解教育推進校に指定いたしまして、外国語活動に取り組んできたところでございます。その他の学校においても、実態に即した国際理解教育を推進しております。
 今年度から小学校の教員を対象とした英語活動の研修会を実施するとともに、これまでの実践の成果を踏まえまして、英語活動に関する資料の作成に取り組み始めたところでございます。来年度から新学習要領への移行措置が始まりますので、全小学校におきまして外国語活動が充実して行えるよう整備をしていきたいと考えております。外国語活動につきましては、新学習指導要領の中で明確に示されているものでありまして、教育振興基本計画の中に規定するというようなものではないと思っております。着実に実施してまいりたいと考えております。
    〔都市整備部長石井正行登壇〕
○都市整備部長(石井正行) 私からは、西武新宿線連続立体交差事業についての中で、西武新宿線複々線化の都市計画上の扱いにつきまして、まず御答弁をさせていただきます。
 これにつきましては、今後、東京都が連続立体交差事業の具体化に向けた調査・検討の中で、複々線化の都市計画の取り扱いについての検討をするというふうに聞いておるところでございます。
 次に、都市計画マスタープランの改定と沿線まちづくりの関係についての御質問がございました。現在の都市計画マスタープランでは御指摘のように、西武新宿線の急行線地下化や幹線道路と鉄道の単独立体交差を前提としているため、西武新宿線沿線まちづくりという視点での方針を示しておらないというところでございます。西武新宿線の連続立体交差化にあわせまして、沿線まちづくりを一体的に進めることが必要であるというふうに考えております。今回改定いたします都市計画マスタープランは、西武新宿線の連続立体交差化とあわせて、沿線まちづくりを一体的かつ総合的に推進する方向を位置付けてまいりたいと考えております。
 次に、駅周辺の開発、それから線路敷の活用についてのお尋ねがございました。まず、線路敷の地権者につきましては、これは西武鉄道、鉄道事業者でございます。一般的に高架化した場合の鉄道敷の利用の仕方、これにつきましてはルール化が既にされております。このルール化されております高架下を、今度は地下化をした場合も、そのルールを援用しながら検討していくということになるというふうに考えております。今後、鉄道事業者や東京都とも十分に協議をしながら、地域に必要な施設は着実に整備され、よりよいまちづくりになるよう適切な対応を行ってまいりたいと考えております。
 それから、沿線まちづくりの事業主体と区の役割についてのお尋ねがございました。
 西武新宿線の連続立体交差事業に伴う沿線まちづくりにおきましては、さまざまな事業者がいろいろな形でかかわるということになると考えております。中野区が沿線まちづくりの計画を定めまして公共施設や市街地の整備を行い、無秩序な乱開発を防止し、安全で快適、かつ活力あるまちづくりを推進していくことが区の役割であるというふうに考えております。計画の策定にあたりましては、まちづくり勉強会や東京都、西武鉄道と情報交換をし、より望ましい計画を練り上げてまいりたいと考えておるところでございます。
 以上でございます。
      〔久保りか議員登壇〕
○25番(久保りか) 再質問をさせていただきます。教育の課題についてです。
 最初に、教育長の御答弁について、教育ビジョンと実行プログラムを一本化するというふうに私は受けとめたんですが、ということは、今あるこのビジョン、プログラムというのはいったん廃止といいますか、すべてを見直しをして一つのものに変えていく、そして、教育振興基本計画にする、ということなんでしょうか。その辺を明確にお願いいたします。
 それから、先ほど区長は、一貫教育を進める上では、一体型の学校というのが本来の姿であるというようなお話をされておりました。当面は研究結果を踏まえてということで、教育委員会のこの研究結果をお待ちになられているようにも私としては受けとめられました。また、通学区域の件で、中学校通学区域のことも、見直しというようなことも、教育委員会は検討されているようにも受けとめられたのですが、この辺のことは学校再編の中・後期の計画にも非常にかかわってくることではないかと思いますので、学校再編のこの中・後期の見直しを行うところでも、この教育内容に即した形での再編計画をお考えになるのかどうか、再質問させていただきます。
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) まず、一貫校については私の考えとして、小中連携教育を進めるには一貫校であることが本来の姿だと考えているということを申し上げました。またその一方で、教育委員会が今検討を行っている内容が、活動連携の形で実施をしていきたいんだという検討を行っているわけでありまして、これは連携教育を進めていく第一歩として積極的に評価をしているというのが私の考え方であります。したがいまして、教育委員会がこういう検討をしている段階では、直接一貫校をつくるというところまで踏み込んだ考え方を私が先行するということは望ましくないだろうと。現時点では教育委員会の検討を待った上で、一貫教育のあり方についてさらに前進をさせていきたいということであります。
     〔教育長菅野泰一登壇〕
○教育長(菅野泰一) 教育ビジョンでありますけれども、久保議員のおっしゃるとおり、中野区教育ビジョンの改定をする際に実行プログラムを一緒のものとし、しかもその教育振興基本計画の内容を兼ね備えたものにするということで、今回改定したいというふうに考えております。
 それから、小中一貫教育、連携教育でございますけれども、今度の中・後期の再編計画を検討するにあたりまして中学校区の内容を、学区域などを全くいじらないということではなく、そういうことも視野に入れながら、今後の推進にあたってどのように考えていくか、そういうことも視野に入れながら検討したいと、こういうような意味でございました。
○副議長(やながわ妙子) 以上で久保りか議員の質問は終わります。
 お諮りいたします。
 議事の都合により、本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、これに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(やながわ妙子) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
 次の会議は、明日午後1時より中野区議会本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。
 本日はこれをもって延会いたします。
      午後4時11分延会