平成20年10月06日中野区議会決算特別委員会
平成20年10月06日中野区議会決算特別委員会の会議録
平成20年10月06日決算特別委員会(第6日) 1.平成20年(2008年)10月6日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。
1.出席委員(40名)
  1番  内  川  和  久        2番  ひぐち   和  正
  3番  白  井  秀  史        4番  平  山  英  明
  5番  つぼい   え  み        6番  いながき  じゅん子
  7番  林     まさみ         8番  山  口  かおり
  9番  せきと      進       10番  いでい   良  輔
 11番  伊  東  しんじ        12番  佐  野  れいじ
 13番  北  原  ともあき       14番  南     かつひこ
 15番  小  林  秀  明       16番  の  づ  恵  子
 17番  奥  田  けんじ        18番  近  藤  さえ子
 19番  牛  崎  のり子        21番  吉  原     宏
 22番  大  内  しんご        23番  伊  藤  正  信
 24番  きたごう  秀  文       25番  久  保  り  か
 26番  やながわ  妙  子       27番  酒  井  たくや
 28番  佐  伯  利  昭       29番  むとう   有  子
 30番  長  沢  和  彦       31番  か  せ  次  郎
 32番  山  崎  芳  夫       33番  斉  藤  金  造
 34番  篠     国  昭       35番  市  川  みのる
 36番  岡  本  いさお        37番  飯  島  謹  一
 38番  江  口  済三郎        40番  佐  藤  ひろこ
 41番  来  住  和  行       42番  岩  永  しほ子
1.欠席委員
      な  し
1.出席説明員
 中野区長    田中 大輔
 副区長(経営室)石神 正義
 副区長(管理会計室)          沼口 昌弘
 副区長(政策室)西岡 誠治
 教育長     菅野 泰一
 計画財務担当課長長田 久雄
 区民の声担当課長(調査研究担当課長、平和・人権・国際化担当課長) 小田 史子
 情報政策担当課長平田 祐子
 情報化推進担当課長           藤井 康弘
 政策室特命担当課長(基本計画担当課長) 髙橋 信一
 危機管理担当部長清水 流作
 経営担当参事  川崎 亨
 広報担当課長  戸辺 眞
 人事担当課長  合川 昭
 健康管理担当課長村田 宏
 財産管理担当課長安部 秀康
 用地・管財担当課長           冨永 清
 危機管理担当課長(防災担当課長)    志賀 聡
 経営室特命担当課長(契約担当課長)   篠原 文彦
 評価改善担当課長田中 政之
 経営分析担当課長相澤 明郎
 税務担当課長  中井 豊
 会計室長    榎本 良男
 区民生活部長  大沼 弘
 区民生活部経営担当課長(里・まち連携推進担当課長、地域活動担当課長) 遠藤 由紀夫
 南地域担当課長 波多江 貴代美
 中部地域担当課長吉村 恒治
 東地域担当課長 横山 俊
 北地域担当課長 伊藤 政子
 西地域担当課長 鳥井 文哉
 戸籍住民担当課長今 恵里
 産業振興担当参事鈴木 由美子
 ごみ減量・清掃事業担当参事(環境と暮らし担当参事) 橋本 美文
 清掃事務所長  齊木 正雄
 子ども家庭部長 田辺 裕子
 子ども家庭部経営担当課長(育成活動支援担当課長、男女平等担当課長) 瀬田 敏幸
 子育て支援担当課長(子ども家庭支援センター所長、地域子ども施設連携担当課長) 浅野 昭
 子ども健康担当課長           原田 美江子
 保育園・幼稚園担当課長(幼児研究センター所長、幼児教育担当課長) 白土 純
 地域子ども家庭支援センター担当課長   野村 建樹
 保健福祉部長  金野 晃
 保健所長    浦山 京子
 保健福祉部経営担当参事         岩井 克英
 保健予防担当参事(結核予防担当参事)  本保 善樹
 生活衛生担当課長古屋 勉
 健康推進担当参事尾﨑 孝
 福祉推進担当課長伊東 知秀
 中部保健福祉センター所長
 (中野地域包括支援センター担当課長、北部保健福祉センター所長) 鈴木 郁也
 南部保健福祉センター所長        高里 紀子
 鷺宮保健福祉センター所長        大石 修
 障害福祉担当課長辻本 将紀
 障害施設担当課長大橋 雄治
 生活援護担当課長黒田 玲子
 保険医療担当課長柿内 良之
 介護保険担当課長飯塚 太郎
 都市整備部長  石井 正行
 都市計画担当課長(住宅担当課長)    登 弘毅
 都市計画調整担当課長          田中 正弥
 南部地域まちづくり担当課長       角 秀行
 中部地域まちづくり担当課長       上村 晃一
 北部地域まちづくり担当課長(西武新宿線沿線まちづくり担当課長) 萩原 清志
 土木・交通担当課長           遠山 幸雄
 公園・道路担当課長           石田 勝大
 建築担当課長  豊川 士朗
 拠点まちづくり推進室長         佐藤 幸一
 拠点まちづくり担当課長         松前 友香子
 中野駅周辺整備担当課長         秋元 順一
 教育委員会事務局次長          竹内 沖司
 教育経営担当課長小谷松 弘市
 学校再編担当課長青山 敬一郎
 学校教育担当課長寺嶋 誠一郎
 指導室長    入野 貴美子
 生涯学習担当参事村木 誠
 中央図書館長  倉光 美穂子
 選挙管理委員会事務局長         奥山 功
 監査事務局長  服部 敏信
1.本会の書記は下記のとおりである。
 事務局長     山下 清超
 事務局次長    奈良 浩二
 議事調査担当係長 大谷 良二
 書  記     荒井  勉
 書  記     永田 純一
 書  記     菅野 多身子
 書  記     松本 明彦
 書  記     丸尾 明美
 書  記     河村 孝雄
 書  記     鳥居  誠
 書  記     土屋 佳代子
 書  記     杉本 兼太郎
 書  記     岡田 浩二
 書  記     竹内 賢三
1.委員長署名


      午前9時59分開議
○吉原委員長 定足数に達しましたので、ただいまから決算特別委員会を開会します。
 認定第1号から認定第5号までの計5件を一括して議題に供します。
 初めに、10月3日の理事会の報告を行います。
 本日、総括質疑4日目は、1番目に飯島謹一委員、2番目に北原ともあき委員、3番目に佐藤ひろこ委員、4番目にむとう有子委員、5番目に近藤さえ子委員、6番目にいながきじゅん子委員、7番目に林まさみ委員の順序で、7名の質疑を行うこと、また、本日、質疑時間が午後5時を過ぎることが見込まれますが、その場合も質疑を続行することを確認いたしました。
 次に、要求資料、区民25の資料について差しかえの申し出があり、これを了承しました。お手元に配付してありますので、御確認ください。
 それでは、前回に引き続き総括質疑を行います。
 飯島謹一委員、お願いします。
○飯島委員 公明党の立場から、総括質疑をさせていただきます。
 初めに、資料をたくさんお願いいたしましてつくっていただきました。ありがとうございました。御礼を申し上げておきます。
 今、世界経済は、金融危機等、これが実体経済に及んできて、今後の経済動向はどうなっていくのか、大変厳しいところに来ていると思います。そういう時期であればあるほど、税金1円の使い方が問われる、そういう時代だろうかと思いますので、そうした視点に立って質疑をさせていただきたいと思っております。
 初めに、補正予算の諸問題について伺います。
 流用について、初めにお尋ねいたします。平成19年度の中野区の一般会計予算、それから、中野区の老人保健医療特別会計、これの一般会計は第5次の補正、老健は第1次の補正によりますと、繰出金は1,416万円余の減額で、補正後の予算額は15億4,714万円余でありました。しかし、つくっていただきました資料、総務の107の10ページを見ますと、予算現額、それから決算額ともに16億円余に変わっております。我々は15億円余の議決をしたと思っておったんですけれども、このように予算額がふえているのはなぜでしょうか。
○長田計画財務担当課長 お答えいたします。
 減額補正後、一部流用させていただいたということが原因でございます。
○飯島委員 監査委員の意見書というのがありまして、その3ページに実は書かれていることがそういうことなんだろうと思いますが、ここには流用した老健の繰出金のことだけが書いてありますけれども、どこから繰り出したか書いてありません。どこのお金を流用したんですか。
○長田計画財務担当課長 老健への繰出金への流用の流用元でございますが、一般会計の5款保健福祉費、8項保険医療費、3目国民健康保険事業特別会計繰出金からでございます。
○飯島委員 意見書のほうには繰り出された側が書いてありませんでしたけれども、できればそこまでお書きをいただきたいなと思っております。それはさておき、この国民健康保険事業特別会計の繰出金が流用されなかったとしたら、一体どういうことになっていたんでしょうか。
○柿内保険医療担当課長 お答えいたします。
 流用しなかった場合、老人保健医療特別会計の歳入が不足し、赤字決算が生じるものと思われます。
○飯島委員 場合によっては、繰上充用になったりとか、そういうことになったんだと思いますけれども、この流用はいわゆる款項目節の目、この繰出金は、老健も、それから国保も、この目ということの流用ですよね。この目と目との間の流用については、中野区の予算事務規則の20条だったかと思いますが、「歳出予算の経費の金額は、各目の間及び各節の間において相互にこれを流用することができない。」こういうふうに規定をされています。これをあえて流用されたというのは、その後に2項、3項というのがありまして、執行上やむを得ない場合には流用することができる、こういう規定になっているわけです。
 保険医療担当課長がお答えになったように、赤字になってしまうということがありますから、やむを得ない理由にこれは当たるんだろうとは思いますけれども、その場合、さまざまな流用の手続規定があります。この手続規定に定められているとおりの手続は行われたんでしょうか。そして、その行われたという記録はありますか。
○長田計画財務担当課長 お答えをいたします。
 委員御質問の老人保健医療特別会計の不足に伴います流用につきましては、これを計画財務担当課長の統括管理者の協議が必要でございます。これについては正しくその協議をした後、流用の手続をとってございます。
○飯島委員 流用した側はそういうことですけれども、流用された側も、同じく10ページでこれを見ますと、国民健康保険事業特別会計繰出金、これも繰出金の中から流用されているんですけれども、この予算現額、決算額、執行残というところを見ますと、3億9,700万円余、約4億円近い執行残を残しています。こちらは増額補正をして、繰出金として出てきたものをさらに流用されて、しかも、なおかつ執行残を残している。しかも、流用された額に比べると、この執行残は大変大きな額です。
 私は、意見書が指摘するように、予算積算上の問題、あるいは執行の問題ももちろんあるんだと思いますけれども、そういうことを考えるとすると、繰り出された側の国民健康保険事業特別会計への繰出金のほうにも同じようなことが、つまり、予算積算上の信頼性の問題云々ということがあるのではないか、こんなふうに思うんですけれども、この執行残というのは最終的にどうなるんですか。
○長田計画財務担当課長 まず、増額補正をした経緯から御説明をさせていただきますが、増額補正をする際の予算上の見込みといたしましては、保険料収入や共同事業交付金などの減収を見込んで、繰出金の増額の補正をさせていただいたものでございます。ただし、結果といたしましては、委員御指摘のとおり、一般会計からの繰り出すべき額を下回った給付の内容になっているということから、その残を見ているものでございます。これにつきましては、剰余金ということになるものでございます。
○飯島委員 剰余金になって、次の使い方が考えられている。それはそれで、そういうことなのかもしれません。しかし、ここに積算をきちっとしていれば、使われることができる一般財源の余裕があったということにもなります。ですから、そういう点で、ぜひこの監査委員の意見書で指摘されているようなことについては十分取り組みをきちっとしていただきたいと思います。
 この同じ意見書の38ページには、予算流用状況というのが一覧表になっております。それを見ますと、こんなに流用しているのかなというぐらいの数の流用が、もちろん人件費を含めてでありますけれども、行われています。しかも、18年度と19年度を比べると、19年度のほうが流用の数が非常に多い。流用というのは、当初組んだ予算の範囲の中で、事業が予定よりオーバーしてしまう。あるいは特別な事情によってこれをこちらに組みかえたほうがより執行上速やかであるとか、予算を組んだときの人的配置の上から言えば、人が4月に動くわけですから、そうすると、その人の給料が違ってきたりということで、人件費の流用というのは十分考えられることなんですけれども、それにしても、非常なふえ方というか、そういう気がしてならないんですけれども、統括管理者としては、こういう事態についてどのようにお考えですか。
○長田計画財務担当課長 委員御指摘のとおり、やはり流用はあくまでも例外であるというふうに考えてございます。ただし、委員の御指摘の中にもございましたように、施策を新たに積極的に展開するために、当初の予算の定める範囲の中で、一部流用させていただくということも必要かというふうに考えてございます。そのほかに、現実には予算編成時の見積もりの中で、規模の見込み差、それから、一部積算漏れ、それから節の誤りなども見られているというふうに考えてございます。こういったことに関しては、予算の積算の作業に当たりましては、より精緻で適切な見積もりを行うよう、今後も統括管理者として指導を徹底してまいりたいと考えてございます。
○飯島委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 次に、予備費の充用で、防犯用ブザーの電池の問題について伺おうと思いましたけれども、これは非常に時間がかかるので、分科会に回します。
 次に、補正予算の諸問題についての2番目として、減額補正、特に予算額全額を減額してしまう、そういう減額補正について伺います。
 同じく総務の107の資料によりますと、平成18年度においては、PCB機器処理委託、それから、西武新宿線野方駅北口の開設、これが全額減額になってゼロになった。それから、平成19年度では、またPCB機器処理委託、これが前年に続いて全額減額になる。そして、税総合システムの導入が全額減額、警察大学校等跡地道路整備、さらに東中野駅前広場整備が全額減額になっています。計画財務の分野担当、財務だけではなくて、計画も所管しているわけですから、こういうことについてはいかがお考えですか。
○長田計画財務担当課長 確かに事業計画という形で、施策の選択の判断をし、それを予算という形で議会には議決をしていただくということからすれば、本来、こういった事態はあるべきではないというふうに考えてございます。ただ、個々の事案を見ますと、それぞれ当初私どもが事業計画を策定しましたときの事情と異なる事情の変更等がございます。こういったことから、やむなく委員御指摘のような形に全額の減額の補正ということで、最終的に予算を整理させていただくという立場から補正を組ませていただいた次第でございます。
○飯島委員 執行のめどが立たないんですから、そこに予算を張りつけておくというわけにはいきませんから、当然そういう措置は財務方としてはするでしょう。しかし、計画方としてはどうなのか。この二律背反する仕事を1人でやっているわけですから、御自分の内面では、非常に矛盾があったり何かするんでしょうけれども、一つ気になるのは、PCBの機器処理、これは18年度も事業を計画してだめだった。19年度もだめでした。20年度も予算が組んであると思いましたが、これは執行の目途は立ちそうですか。
○安部財産管理担当課長 お答えいたします。PCBの処理につきましては、PCBを処理する機関が何カ所かございます。PCB含有物からPCBを取り出して処理するという機関でございますが、そこができるといいますか、処理をする機関が技術の開発の中でできるという話が我々に連絡が参ります。それでPCBの処理が可能だということで、PCB廃棄物自体は本庁舎の地下に厳重に保管してあるわけですが、それの処理が可能だということで予算をつけております。ところが、実際に執行する段階になって、またPCBを処理する機関と相談すると、ちょっと今年度はまだ間に合わなかったというような答えが返ってきてしまって、全額執行残というような形になっているわけですが、今年度につきましても、来年度は何とかいけるというふうに答えをもらっておりますので、予算を要求しているところでございます。
○飯島委員 要求しているのではなくて、要するに今年度も、では、ひょっとするとできない可能性がある。来年度の予算も要求している、こういうことですか。早々と、ことしはもうだめかなと、そういうことなんですか。
○安部財産管理担当課長 処理機関がうまくできるというふうに言ってくるんですけれども、いざとなるとできないということに、PCBの含有物が全国的に大量にあるものですから、なかなかそれの処理に間に合わないというようなことと、あと技術的な開発が思ったよりうまくいかないというようなこともあるようで、なかなか思うように進まないという現状でございます。
○飯島委員 私は、現状の御説明はさっき聞いたので、ことしもだめなんですかと。来年にこれは回さないとだめかなと、今そういう状況判断なのかどうかだけお答えください。
○安部財産管理担当課長 今のところ、できるかどうかまだわからない状況なものですから、もしかして、来年度に回るのではないかというふうに想定しております。
○飯島委員 ありがとうございました。これ以上聞いても、これ以上のことはないんでしょう。ただ、事業が執行される、そういう前提で我々は予算を――予算というのは、区長が編成権を持っているんです。お出しになる。我々はそれを議決をします。もちろん、修正することも一部あったりしますけれども、それは当該年度内に事業が執行される、そういう前提に立って議会は議決しているんじゃないんですか。それが、事業見通しがなかなか立たない。3年目です。ぜひ年度内に事業ができるように努力をしていただきたいと申し上げておきます。
 そこで、次に行きますけれども、この同じ19年度の減額をされている補正で、目それ自体は、これは全額でゼロになっているわけではないんですけれども、事業資金調達支援事業というのがあります。これは800万円の減額になっていますが、どのような事業内容で、平成19年度の実績はどのようなものでしょうか。
○鈴木産業振興担当参事 お答えいたします。事業資金調達支援事業というのは、三つの事業がございます。一つは、産業経済融資の融資あっせんの利子補給でございます。二つ目が、公衆浴場の設備の改善の資金の助成。もう一つが、NPO法人が事業資金を借りた場合の一部利子補給。この三つから成り立っているわけでございます。
 1番目の産業経済融資の利子補給は、昨年度、年間を通じて件数は1万3,742件で、利子補給額は1億1,040万7,000円でございます。
 2点目の公衆浴場の改善の助成金につきましては、助成件数が11件で、額が5,380万円でございます。
 最後のNPOに関しましては、これは実績がない。以上が19年度の実績でございます。
○飯島委員 そうすると、この800万円という丸まったお金ですから、NPOの利子分ぐらいのことなのかなと思ったりしますが、同じ事業ですけれども、平成18年度も2,100万円が減額をされております。これも同じような事情ですか。
○鈴木産業振興担当参事 事業内容としてはそのようになってございます。
 先ほどの答弁で数字の間違いがございました。公衆浴場の資金の助成総額が530万8,000円でございます。
○飯島委員 ちょっとけたが違っていたかなと思います。
 事業の組み立てで、前年、そして、その翌年と、続けて同じような減額措置がある。見積もりは同じようにきっちりとする必要があるんだろうな、あるいは執行の組み立てを工夫する必要があるんだろうなというふうには思います。
 つくっていただいた資料に登場しない、つまり、補正予算で減額措置をとらないで事業が未執行のものはほかにありますか。
○長田計画財務担当課長 それはございます。資料といたしましては、決特の資料の総務81に掲載されているものが、今お答えしましたものに該当するものでございます。
○飯島委員 一方では、補正で減額措置をする。一方では、全額未執行とかそういうようなことで事業はやりませんでしたと、そのままになっている。財務の統括責任者としては、この二つのことがあっていいんだ、こうお考えですか。
○長田計画財務担当課長 最終補正で減額補正をさせていただきました理由は、先ほど御答弁させていただいたように、予算として整理をする必要があるというふうに認めたためでございます。今回、今の御質問にございます全額執行残があるものについてでございますが、執行残が見込まれる額がそう多額ではないということから、減額補正の対象とはしなかったというものでございます。
○飯島委員 あらかじめ掌握をされているということですから、結構とは言いませんけれども、そういうことの中で、御自分として把握をされている範囲ということになると思います。
 ところで、一つ伺わなきゃいけないのは、予算事務規則の9条にはこうあります。「政策室担任副区長は、前条第1項の予算見積書等を調整し、特別区債及び一時借入金の限度額並びに歳出予算各項の経費の金額の流用の限度に関する資料とともにこれを区長に提出し、その査定を受けなければならない。」この意見書にありました流用状況表の数字は、限度のうちのものと理解していらっしゃいますか。
○長田計画財務担当課長 そのとおりでございます。
○飯島委員 そういうことであれば、今ここではそれがどうだと証明する手段がありませんので、先に進ませてもらいますけれども、同じく補正予算の諸問題について、警察大学校等跡地関連のことについて伺います。
 資料の建設の25によれば、平成18年度測量及び区画街路基本設計等委託が行われています。一方、平成19年度には、さきに触れたように、道路整備予算が全額減額補正がされています。なぜですか。
○石田公園・道路担当課長 お答えします。警察大学校跡地の都市計画道路の整備のために、平成19年度、詳細設計、いわゆる実施設計でございますが、当初予算として計上させていただいたわけでございます。当初、開発事業者とその道路の中身について調整を行いながら、19年度中に詳細設計に入れるという見込みであったわけでございますが、開発事業者の決定が当初の5月ごろから7月末にずれ込んだこと、また、事業者が直ちに具体的な施設計画に着手しなかったために、平成19年度の予算執行が困難ということになりまして、減額補正を行ったものであります。
○飯島委員 見込みは見込みですから、相手のあることですから、さまざまあるんでしょうけれども、既に基本設計というか、要するに区画街路基本設計は委託しちゃっているわけですから、ぜひ取り組みはきちっとされていただきたいと思います。
 道路及び公園の用地取得の補正予算は、45億9,000万円余に達する巨額のものであります。これにより予算現額は132億円を超えたものになりました。平成19年度の当初予算に計上した額と実際に取得に要した金額との違いは何によるものですか。
○松前拠点まちづくり担当課長 道路及び公園用地の取得額についてでございます。当初の予定予算算定につきましては、直近の取引事例でございました東京警察病院、その用地取得の単価を用いて予算を計上したものでございます。ただ、その後の地価の上昇等により増額となったというものでございます。
○飯島委員 その後の地価の上昇ということですけれども、それは地価が幾らになったかといういわゆる不動産鑑定等を行って確認をして、そして、この補正予算になった、こういうことですか。
○松前拠点まちづくり担当課長 実際の用地購入に当たりましては、不動産鑑定評価を行ったところでございます。
○飯島委員 用地の取得ということになると、用地取得のどの段階かはともかくでありますけれども、なるべく近い範囲での不動産鑑定をして、その上下の価格の範囲の中で予算を決める、こういうことになるんだろうということですね。わかりました。それはいいです。
 用地取得のために発行した特別区債の発行条件はどういうものですか。また、これは何年償還ですか。
○長田計画財務担当課長 利率は0.8%でございます。償還方法は、元利均等方式、償還期間は5年でございます。
○飯島委員 平成20年度財調の当初算定が行われました。当該の財産費は措置されましたか。
○長田計画財務担当課長 措置されてございます。
○飯島委員 財政運営の考え方、2008年改訂版がありまして、この起債計画についてでありますけれども、この補正予算の起債額等はこの起債計画に反映をされていますか。
○長田計画財務担当課長 当初見込みとして反映をしてございます。
○飯島委員 その部分、つまり、警大の用地費の起債にかかわる部分、これは、かつて山崎委員も指摘をしたいわゆる10%を超えて12%にはね上がっている、この部分に相当する。こう考えていいですか。
○長田計画財務担当課長 そのとおりでございます。
○飯島委員 そうすると、この平成20年度に補正を組んだりしたことや、今後の用地取得の予定等々も見込みで出していくということになりますと、今後の中野区の用地取得の計画に沿って、この起債計画、毎年改訂することになるんですが、今度の改訂は、この起債計画の公債費負担比率にはね返ってくる可能性がある。場合によっては、15%に近いような数字になるんじゃないかと私なんかは見込んでいるんですが、いかがですか。
○長田計画財務担当課長 委員御指摘のとおり、今後の用地取得の状況にもよりますが、現在想定をされております本町五丁目用地を取得する。その取得方法として、土地開発公社から一括買い戻しによって取得するということを前提として考えますと、これは見込みでございますが、平成23年度の公債費負担比率は、一時的ではございますが、14%を超えるというふうに想定をしているものでございます。
○飯島委員 大変経済状況が厳しい中ですから、財政のかじ取りは極めて重要な局面を迎える可能性もある。ぜひその辺に万遺漏のないことをお願いしておきます。
 それで、財調の財産費なんですけれども、総務の106で見るように、景気による変動の影響を非常に受けるとされる市町村民税法人分が40%を超える比重を占めています。基準財政需要額に財産費が算定されても、経済状況によっては全体でこれは基準財政需要額に算定するのであって、真水でその分がふえるということを保証されているわけではありませんから、財産費は算定されているけれども、その他全体の調整の枠の中でということで、この分だけがふえて財産費が財調として来るというような構造にならないことも理論的には考えられるのではありませんか。
○長田計画財務担当課長 委員御指摘の財産費の算定でございますが、当該年度の支払いの額の実績をもとに基準財政需要額に算定をされると、まずそういう仕組みを持っているものでございます。そういう意味で、財調交付金は確実にふえるということが言えます。ただし、特別区の財政調整交付金は都区の財政調整方針に基づく算定の見込み、いわゆるフレームというふうに申し上げておりますが、これを財源として、各区の基準財政需要額から基準財政収入額を引いた額を交付する仕組みでございます。そのことによって、今後調整3税が減少に転じた場合は、財源に不足を生じ、需要額が割り落とされることがあり得るという、そういう仕組みになっているものでございます。
○飯島委員 それから、警大のことを伺ったので、関連して警大のことで伺います。今、旧囲町公園のところで仮駐車場工事が行われているようであります。当然先般の質問にもありましたけれども、非常に広い開放された空間ですけれども、雨水浸透貯留施設の設置等については、当然事業者に申し入れているんでしょうね。
○松前拠点まちづくり担当課長 旧囲町公園用地につきまして、今暫定の駐車場利用ということでそういった整備に入っているところでございます。雨水流出、そういったことが生じないように今後指導してまいりたいというふうに思ってございます。
○飯島委員 まだ言っていないんだったら、ぜひ話をきちっとつけるようにしていただきたいと思います。
 補正予算をめぐる問題について、最後に四半期ごとの事業報告について伺います。
 補正予算をめぐって何点か質疑をさせていただきました。その中で明らかになったのが、事業執行について、きちっと掌握をしながら、各事業部の部長は事業部制の実を上げるためにかじ取りをしていく必要があるんじゃないのか。そうじゃないと、補正予算を組みました。増額にせよ、減額にせよ、補正予算を裏切るような執行結果になってしまう、こういうことがあるわけでありまして、そういう意味で、この監査委員の意見書の中に、実はおもしろい資料がありました。それは、四半期ごとのお金の入り方、それから、執行の仕方を表にしてあるものがありました。
 それをもとにして、実は総務の108、109の資料をつくっていただくようにお願いしました。それは事業部ごとにどうなっているのかというのを見ていったわけであります。ここからわかることは、第3・四半期までに70%ぐらいの事業ができていないところは、この出納閉鎖期間にお仕事をしなきゃいけなくなっちゃっているという、こういう全体のありようでありまして、特に目立つところがありますが、都市整備部なんかは、仕事の性格上、最後のほうになってしまうということもあったりするようであります。
 ただ、この資料の限界が実はありまして、それぞれ個々に伺ってもいいんですけれども、時間がありませんからやめておきます。これは、当該年度に行った仕事がいつやったかという割り振りでありまして、最初に計画をしていた当該年度の予定していた事業が行われたかどうかについては表現をしているものではありません。したがって、これから補正予算をめぐってさまざまなことがあるとすれば、この際、予算化されている事業の四半期ごとの事業実績、事業報告、こういうようなことが必要になってくるんじゃないのかなと、私はこう考えています。
 かつて区長も、CAOなどということについてここでお話がありました。そういう説明責任がある方の仕事は、年間が終わってからのことではなく、四半期ごとにそうした事業がどこまで進んでいるのか、そういうことをきちっと御報告をされる、そういうことが必要なのではないかなと思いますが、担当の副区長はいかがお考えですか。
○沼口副区長 今お話に出ましたCAO、これは管理会計責任者でございますけれども、この大きな役割は、やはり財務会計規律、これを統制していくという役割になると思います。お話がありましたような補正に適切に対応するという意味でも、四半期に関します実施状況、これの執行計画については、CAOについても会議をしていく必要があると思います。
 ただ、これはある意味で行政マターの進行管理でございますので、行政マターの問題になると思いますけれども、必要なものについて、重要なものについてはいろいろと報告をしていくということにもなると思います。いずれにいたしましても、これはPDCAで言えば、全体的な問題にかかわってきますので、今後経営本部の中で議論をして、適切な対応をしていきたい、そのように思っています。
○飯島委員 適切な対応をされるのは当然のことでありますけれども、既に予算事務規則には、予算の執行ということで、12条から15条まで、特に「執行状況の把握 第15条」「部長は、予算の執行状況を常に把握しなければならない。」あるいは「執行計画の策定」「部長は、速やかに年度間の予算執行計画を作成し、政策室担任副区長に提出しなければならない。」等々の規定が既にあるんです。したがって、これに基づいてやっていれば、今自分たちの部がどの辺の仕事をしているのか、どの辺のことまでなっているのか、四半期ごとにそうしたことをまとめるのはそんなに難しいことではないはずなので、ぜひ取り組み方をよろしくお願いをして、次の項に移ります。
 緑のまちづくりについて伺います。
 中野区緑の実態調査第4次の結果が本年3月12日に建設委員会で報告をされております。その中で、緑地率が前年度の5.44%から5.29%に低下した、そういう内容での報告がされていますけれども、それはなぜですか。
○石田公園・道路担当課長 お答えします。御指摘のとおり、緑地率は平成18年の5.44%から平成19年度に行いました緑の実態調査の報告書では5.29に減っております。委員の御指摘のとおりでございます。これは、実態調査におきまして、河川区域の面積を河川の幅として測定し、河川管理用通路などを算入していないためでございます。このことが原因で緑地率が減少したことになったものでございます。今後は、その河川区域の面積の測定方法を統一し、緑地面積を算定してまいります。
○飯島委員 これは緑の基本計画等々に反映されたり、都市計画にかかわる重要な部分になりますよね。川の幅なのか、管理用通路なのか、緑地なのかどうなのか、これがまちまち、ばらばらでは、これは話にならん。ぜひきちっとしていただきたいと思います。
 次に、生産緑地について伺いますが、同じ建設の24の資料によりますと、現況では、2万7,120平米、それでも先般の質疑でさらに減少しているということが明らかになりましたが、一方、この24を見ていただいて、枠の中にある10か年計画策定時の目標量、こういうのを見ますと、何と2万9,700平米にふえていることになる。中野区で生産緑地がふえる要素というのは、僕はほとんどないと思います。こうふえているというんですけれども、ふえる想定で大丈夫なんですか。
○石田公園・道路担当課長 お答えさせていただきます。平成20年の4月1日現在の生産緑地の面積は2万7,120平米でございました。委員御指摘のとおり、緑地の計画目標量、これは新しい中野をつくる10か年計画のバックデータとなるものでございますが、平成21年度、26年度の生産緑地面積は2万9,700平米となっております。この目標値の考え方でございますが、これは平成16年度時点で策定しました10か年のベースでございますが、平成16年度の生産緑地面積が2万9,700平米であったわけですが、それが減少することなくそのまま推移すると想定していたものでございます。
 御存じのように、都市計画としての生産緑地、これは原則として30年間の営農義務がございます。したがって、16年から26年度に向けて、営農義務をなくすというのは、一般的には、営農者が亡くなるということでございますので、ですから、そういうことは想定していないということでございます。
 現在でございますが、現時点では2万5,900平米になっておりますので、10か年計画の見直しの中では、現在のデータに基づきまして目標値を決めてまいりたいと思っておるところでございます。
○飯島委員 長い御答弁ありがとうございます。
 30年間営農するということだったでしょう。70歳ぐらいの人だったら、どうなりますか。減少しないという前提でいること自体、浮き世離れしたお話ではありませんか。それは、そう言ったって、そうなんだと。これは10か年の見直しだから見直すというのではなくて、当然都市計画というのは机上の空論みたいなことでは困ることなんです。現に人が住んでいる、その場所についてそのまちをどうするかということなんですから。
 話がほかに行ってしまうようなおそれがあるのでやめておきますけれども、この10か年の見直しの担当としては、当然そういうことが想定をされているということで、これはどこかで伺いますから結構です。
 そこで、今おっしゃったように、生産緑地については、基本的にはずっと続いていく。でも、相続等の問題が発生する。そのときには減少の危機が高まるわけです。しかも、もう既にある一定の2万5,000平米ぐらいになっている。2万5,000平米という現状に見直して10か年の計画にリンクするんでしょうけれども、する以上は、それが維持できるような仕組みを考えなければ無理でしょう。ですから、御答弁で東京都がどうのというのがありましたけれども、そうではなくて、中野区は、方向として、解除の申し出があって、中野区で買い取ってくれませんかということがあったときには、生産緑地に関しては買い取るんだ、そういう方向をぜひきちっとお決めになったほうがいいと思いますけれども、いかがですか。
○登都市計画担当課長 生産緑地は年々減少しておるわけでございますけれども、すべてこれは相続によるというものでございます。御指摘のように、生産緑地を区が買い取るというのは、これは本来生産緑地法の原則でございますけれども、財政状況等から、なかなか直ちにというのは困難なところがございます。そういったこともございまして、今年度、特別区長会のほうで、東京都や国に対しまして、生産緑地の買い取りに対する財政支援を要望したところであります。区としましても、こうした状況を踏まえまして、今後の対応を考えていきたいというふうに思います。
○飯島委員 そういうどうなるかわからないようなことを当てにしながら都市計画なんかを進めてもらっては困るんです。むしろ自治体の責務として、中野区としてどうするんだと。これ以上減らしていいのか。しかも、2万5,000平米です。ほかの区のような広い生産緑地を持っているというなら話は別ですけれども、財政上もどのぐらいの地価になるのかわかりませんけれども、そう大きな負担にはならないだろうし、一遍にそういうことが発生するということがあるかどうかわかりませんけれども、いずれにしてもそういう方向をきちっとお決めになっていただきたいと思います。
 それで、名古屋市の都市緑地法に基づく緑化地域制度が10月31日から始まるということで、関係者の間で非常に関心を集めています。全国初ということもありますけれども、あわせて、この名古屋の制度に合わせて地元の名古屋の銀行や信用金庫がこの制度に対応した住宅ローンの取り扱いを始める。あるいは市民の取り組みを認定してあげて、認定のランクによってはさまざまな支援をするというインセンティブを用意する反面、名古屋市の緑のまちづくり条例では、罰則規定や、区長の指示による立入調査の規定もあって、実効性を確保したという、その点が注目されていますし、さらにこれは横浜市でもやろうかというふうなことになっているようですが、そうした動きについては御承知でしょうか。
○石田公園・道路担当課長 緑化地域制度の件でございますが、これは都市緑地法の改正に伴いまして、平成16年6月に創設されたこと、また、緑化地域制度そのものについて、今委員の御指摘の名古屋市が、今月31日から施行、横浜市は来年の4月1日から施行される予定であるということは存じ上げております。
○飯島委員 中野区にもみどりの保護と育成に関する条例というのがあります。でも、これは名古屋市のような条例の持っている一種の強制力あるいはインセンティブ、こういうものはありますか。
○石田公園・道路担当課長 中野区の場合でございますが、みどりの保護と育成に関する条例に基づき受けられる助成レベルでございます。例えば生け垣等の助成はありますが、名古屋市でやっておられるような銀行の金利の優遇措置みたいなインセンティブは現在のところありません。
○飯島委員 中野区の場合、建築確認申請のときに一定規模の敷地については緑化計画書を提出する、こういうことになっています。その実行については、建設23の資料をつくっていただきました。ごらんになっていただいたらわかるように、提出された計画がすべて実行されているわけではありません。半分以下の実行の率になっています。この際、中野区でも条例改正をして、法に基づく緑化地域と緑化率を指定して、区内の緑化に本気で取り組むべきではないかと思いますけれども、いかがですか。
○石田公園・道路担当課長 緑化地域制度の件でございますが、これは都市計画として定めることになるわけでございます。したがいまして、今名古屋市、横浜市でそういう状況ではありますが、東京都並びに特別23区でこの都市計画上の位置付け等については議論はされていますが、まだ導入するまでには至ってはおりません。今後、先発である名古屋市の実効性とか有効性を見ながら、研究してまいりたいと存じます。
○飯島委員 研究から検討、こういうことが必要になると思いますし、ぜひ取り組みをきちっと進めていただきたいと思います。
 今都市計画の話が出ました。そこで、ちょっと気になっている質疑、答弁がこの決算特別委員会の場でございました。それは、都市計画審議会、このみどりの基本計画もそうですし、都市マス、それから住宅マスタープラン、これは3点セットで物を考えてほしいと私は申し上げているんですけれども、中野区の都市計画審議会条例、あるいは同施行規則、あるいはもともとの都市計画法の77条の2に、市町村の都市計画審議会の規定があるんですけれども、そこには意見具申という言葉は一言も使われておりません。都市計画審議会委員の意見を聞くということと、意見具申ということは全く別のものではないかと私は思っています。
 その意見具申に近いようなことが書かれているとすれば、関係行政機関に対して建議することができる。ただし、この建議ということになりますと、都市計画審議会としての建議になりますから、なかなか手続上の問題も発生したりする。どなたがお答えになったのかと思いましたら、都市マス担当の方が委員の質問に対して、意見具申ですねという質問に対して、意見具申ですというふうにお答えをしていたように私は記憶しているんですが、中野区における都市計画審議会の意見具申というのは何ですか。
○登都市計画担当課長 厳密な意味で申し上げたのではなくて、都市計画審議会の委員の皆さんの御意見を伺うという意味で使用したものというふうに思われます。
○飯島委員 思われますと、あなたが答えたのではないでしょう。意見具申というのは、委員の意見を聞くということと違うんです。都市マスに関しては、過去にこういう委員会で発言をした等々のことで不毛の議論や何かの時間を経過しているんです。意見具申というなら、僕は別に意見具申を反対しているのではないんです。だとするなら、そういうものとしてこの都市マスの改訂に当たっては、担当の方は認識をされているんだなと。そうではないというならそうでないとしておかないと、あの決算特別委員会のあのときに、あなたは意見具申と言ったじゃないですかという話になるんです。当該答弁者はどうお考えなんですか。
○田中都市計画調整担当課長 お答え申し上げます。先日の本決算特別委員会におきまして、都市計画マスタープランについて、都市計画審議会に諮問をするのかしないのか、そういう御質問の中で、都市計画審議会に対しまして、都市計画マスタープランについて諮問という形式はとりませんけれども、都市計画審議会に対しまして随時報告をさせていただき、御意見を伺って改訂に反映させてまいります、そういうふうにお答えをしたところでございます。
○飯島委員 その後だって、「意見具申ですか」「意見具申です」と、あなたはおっしゃったではないですか。
○田中都市計画調整担当課長 御意見をお伺いして改訂に反映させていただきます、そういうふうにお答えを申し上げたところでございます。
○飯島委員 答弁の修正ですか。僕がした質問ではありませんから、当該質問された委員の方がどう思うか知りませんけれども、いずれにしても、これにかかわっていたのでは時間がなくなりますので、私は、この都市計画審議会の中に、現行の条例その他、施行規則その他には意見具申という言葉はありませんね、したがって、意見具申とおっしゃるとすれば意見具申は何ですかという問題は提起しましたので、その後どうするかは当該質問された方、あるいは皆さんでよく御検討ください。結構です。ありがとうございました。
 次に、震災時の事業継続計画、いわゆるBCPということの策定について伺います。
 私は、この点について、平成19年第3回定例会で質問をいたしました。その後、事業継続計画の策定についてはどのようになっておりますか。
○志賀危機管理担当課長 お答えいたします。中野区地域防災計画、19年修正の中で、事業継続計画の策定について定めてございます。その中では、都が作成するBCPを踏まえ検討すると記されてございます。地域防災計画では、予防から応急対策、そして、復旧、復興までが定められておるところですけれども、震災時には使用条件が制約されたライフライン、または限られた人員での震災対策とあわせ、中断することのできない福祉などの通常業務、それから、情報システムなどについて一定水準を確保する必要性があることから、この事業継続計画は大変重要なものであると考えております。都の素案、都政BCPが先月策定されましたことから、区といたしましても、全庁的な組織での区政のBCPの検討を行いまして、計画作成に向け取り組んでまいりたい、このように考えているところです。
○飯島委員 総務省も、ICT事業分野の事業継続計画のガイドラインとかというちょっと分厚いもの、東京都の素案もありますし、最近では、角度は違うんですけれども、新型インフルエンザの流行、パンデミックに対応した事業継続計画、これは荒川区が策定をした。大変注目を集めています。本体を持ってこようと思ったんですけれども、分厚いので、きょうはやめました。この新型インフルエンザ対応の事業継続計画についても担当のところでおつくりになる、こういう考えでよろしいんですか。
○志賀危機管理担当課長 現在、鳥インフルエンザのBCP計画につきましては、保健所を中心といたしまして、鳥インフルエンザに対するBCP計画を庁内調整をして、組織体系、それから業務内容につきまして調整をした上でBCP計画を策定するということで、調整会議を開いて検討しているところでございます。
○飯島委員 荒川のものを見ますと、保健所で対応して、もともと鳥インフルエンザ、新型インフルエンザですから、そういうことはそうなんだと。しかし、荒川区のものは、事業継続計画ですから、一つひとつの事業についてA、B、Cに分けちゃって、これはどうだとかこうだとかというふうになっているんです。これは、今の策定体制で果たして全庁の事業について、これは要するに地震の後に速やかに役所の機能を回復していくというのとはちょっと違って、抑えていこうということですから、性格がちょっと違う
 いずれにしても、中野区本体の事業について十分熟知していないと、それと、いわゆるインフルエンザの流行をどう防いでいくかということをリンクさせるという意味では、もちろん保健所は絡むんですけれども、その辺の視点がないと、策定するのは難しいのではないのか。したがって、保健所が、つまり、いわゆる危機管理の本部に合わせたような策定体制では十分かどうかという心配があるんですけれども、その点はどなたに伺っていいのかわからないんですけれども、どうなんでしょうか。
○志賀危機管理担当課長 委員お話しのように、全体的な調整という面では、危機管理のほうで担当するということで考えております。それで、都政のBCP計画ができましたように、区政全体のBCP計画の策定が必要だと思ってございます。また、その中で各個別の事案、委員のお話がありましたITの関係、あるいはパンデミックの関係、そういったものについて、個々具体的な内容をそれぞれが定めていくという形をとりたいというふうに考えております。
○飯島委員 大事なことですし、災害をどう減らしていくか、その後の2次災害、3次災害をどう防いでいくのか、パンデミックなんかの場合、大流行にどう対処するのか、非常に大事な、しかも、役所の機能が問われる、そういうことなので、ぜひ策定を進めると同時に、遺漏のない計画にしていただきたいと思っております。
 それで、昨年の12月に、気象業務法というのが改正されて、緊急地震速報というのが予報、警報として、いわゆる正式に位置付けられたということになっているようであります。警報は一般の人にNHKを通じて放送される。また、特定の利用者に対して予報ということで、これは気象庁だけではなくて、気象庁が認めたそういう予報を出す事業者が予報を出していく。こういうことになっているようなんですけれども、私たちが言うところの行政に緊急地震速報を導入しなさいという場合は、こちらの特定利用者に対する予報ということになろうと思います。
 警報のほうは、一般にはもう行っちゃっていますから、ですから、そういうことを指すわけですけれども、この予報の緊急地震速報についてはさまざま導入すべきだと主張してまいりました。ほかの委員の方からも指摘がありました。そのときにまだ検討するとか考えるというか、研究をするということもありましたけれども、もう段階としてはこの導入を図らないと、実際の対応が難しい。そして、それを前提とした対応マニュアルをつくっておかないと、いざというときに非常に困ったことになる。特に学校現場や何かの問題もあったりしますし、その辺のことを考えますので、早急に導入をして、マニュアルをつくり始める。こういうことの必要が今高まっていると思いますけれども、いかがお考えですか。
○志賀危機管理担当課長 お答えいたします。区では、緊急地震速報の導入に向けまして取り組みを進めているところでございます。内容といたしましては、現在さまざまある緊急地震速報のシステムの情報収集、それから、導入経費の調査を行っているところでございます。また、気象庁が策定いたしました緊急地震速報の活用の手引、それを参考に、導入後の施設における緊急地震速報が発表された場合の対応策、あるいは施設内の安全な場所の確保、掲示、そういったところの避難誘導方式を定めましたマニュアルの案を策定いたしまして、現在導入に向けた施設との調整を今後行うというところまで来ております。
○飯島委員 そうすると、導入の方向はもう決めた。取り組んでいるんですから、導入するという、そういう方向で今進めている。そういうふうに理解してよろしいんでしょう。いつを目途に導入をされるお考えなのか。それはまだ決まっていないのか、決まっているのか、いかがですか。
○志賀危機管理担当課長 現在、導入の方向で検討しているということで、時期についてはまだいつということでのお答えはできませんが、導入の準備は着々と進めているということで御理解いただきたいと思います。
○飯島委員 それ以上は答えづらいということなんでしょう。なるべく早い時期といえば、来年度ですよね。補正を組んで導入でもいいのかもしれません。できれば、そのぐらいのつもりでいていただきたいし、マニュアルの作成、あるいはそういう検討状況にもよるのかもしれませんけれども、いたずらに導入して、さあ、どうするんだということが決まっていなければどうにもなりませんから、なるべく早く、あるいは一日も早く、ぜひ導入をお願いしたい。これは申し上げておきます。
 最近、品川区では、区内の企業を対象に実施した調査、震災に備えていますか、どうですかと、そういうことの実態調査をされたそうであります。その結果、品川区内の多くの企業は、地震の対応、防災への対応をしていないところが非常に多かった、こういう結果になっていたようであります。中野区でも、この際、区内の企業の皆さん、企業と言ってもいろいろありますけれども、皆さんが災害に対して、特に地震災害に対してどのような取り組みをしているのか、こういうことについて、改めて調査をされてはどうか、このように考えているところであります。
 なぜかというと、中野区というのは、JR中野駅は特別快速のとまる駅ですから、この駅周辺は非常に利用者が多い。いざというときには、帰宅困難者が発生するおそれもあるし、中野区内にだって昼間の人口は結構来るわけです。警大ができたりなんかする、そういうことももろもろ考えたりすると、区内の企業の皆さんの協力なしには、帰宅困難者対応というのはできない。それぐらいシビアなことを考えなきゃならない。
 新宿で帰宅困難者、でも、帰宅困難者の人たちは、距離から言ったって、何とか中野まではたどり着きそうだとかという感じになります。そうなると、区内の企業の皆さんがどのような対応をされているのか。これは非常に大事なことになってきますので、この際、中野区内の企業の皆さんの防災対策に対する対応、このことについてぜひ調査をされてはいかがかと思いますけれども、どうですか。
○志賀危機管理担当課長 品川区で実施いたしました調査、企業者向けと従業者向けということで、震災対策の2項目を調査したとお伺いしております。やはり事業者の責務といたしまして、防災対策について万全を期すということで、帰宅困難者対策なども含めまして、十分対策を講じていただきたいというのは防災計画にも載っているところでございますし、私たちの役割として、そのような支援、指導をしていくという立場にもございます。そういった観点からも、また、啓発の意味合いからも、事業者向けの調査、こういったことについては実施していきたいというふうに考えております。
○飯島委員 ぜひよろしくお願いします。
 次に移ります。保育園入所待機児対策について伺います。
 厚生83の資料をつくっていただきました。これをただ漫然と眺めているとよくわからないんですけれども、気がついたことがあります。これは何かというと、定員はあるんです。例えば平成16年度なんかは、ゼロ歳、定員が303ですが、申し込みが210、だけれども、待機児は12発生している。つまり、需給のミスマッチ、ここじゃないとだめなんだとか、こちらの保育園ではだめなんですとかということがあって発生する待機児の時代もありました。
 だけれども、ずっと見ていくと、明らかに平成18年度ぐらいを境にして、需要と供給のバランスが崩れてきている。つまり、需要が供給を明らかに大幅に超え始めている。こういう現象が起きつつあるのではないかなというふうに思っています。ですから、先ほど生産緑地の話ではありませんけれども、10か年のさまざまな計画を策定するときに使っていたバックデータみたいなことが、だんだん平成18年度ぐらいを境に通用しなくなってきている。現状が変化してきている。こういうようなことが考えられるわけですけれども、私はこういう数字を眺めて、そういう感想を持ったんですが、これについてはいかがですか。
○白土保育園・幼稚園担当課長 委員御指摘のように、現在の待機児発生の状況でございますが、地域的なミスマッチというような状況ではなくて、特にゼロ歳、1歳の保育需要に対して、保育所側の供給が追いついていないという需給のギャップがベースにあるというふうに考えてございます。
○飯島委員 国の雇用均等基本調査というのがこの前発表になりました。それによれば、女性の育児休業の取得率は、平成17年度、72.3%から、平成19年度の89.7%へと増加をしている。男性はあまり増加していなかったという指摘もありましたが、このことは、産休から育休を取る。育児休業は、いずれ1年とか、長いところで3年とかありますけれども、育児休業明けの1歳のお子さん、このお子さんの年度の途中なんかでの保護者の方が職場に復帰をするために発生する1歳児の年度途中などの保育需要の増加、これも傾向としては1歳児がふえてきている状況の背後にあるのではないかな――もちろん、それがすべてではありませんけれども――と私は思ったりいたしておりますけれども、いかがですか。
○白土保育園・幼稚園担当課長 育休明けの1歳児の保育需要、これが増加している一員として、委員御指摘のとおり、育休取得率が向上しているということがあるというふうに考えてございます。また、ゼロ歳児、1歳児の保育需要が伸びているのは、平成17年の4月1日から施行された育児休業法の改正によりまして、1歳6カ月までの育児休業期間が延長されたことなどの影響もあるというふうに考えてございます。
○飯島委員 そうすると、そういう変化を前提に、今後の保育の行政のあり方、これも考えていかなければならないのではないかと思っています。待機児ゼロを達成しよう、こういうふうに考えるときに、これまでは両親の就労等によるいわゆる保育に欠ける、こういうことが基本であったわけですけれども、今の社会状況等を考えますと、いわゆる育休明けとか、介護の必要が出てきた。御自分あるいは御主人や奥さんの両親の介護等々の問題が発生してきた。あるいはDVなどによる、こういう他の育児困難理由によっての保育が必要とされる、そういう児童の数がふえてきていることを指摘される方もいます。こういうことにも対応しなきゃいけないのかなと思ったりしますが、その辺についてはいかがお考えですか。
○白土保育園・幼稚園担当課長 待機児が急激にふえた原因の分析でございますが、社会経済状況や社会背景、あるいは各種の統計を含めて、今後行っていく予定でございますけれども、委員御指摘のように、さまざまな保育需要が発生しているということで、的確に把握するための調査を行う必要があるというふうに考えてございます。今年度、次世代育成支援行動計画の後期計画の策定のためにニーズ調査を予定しておりまして、その中で保育需要についても調査する予定でございますので、的確に保育需要が把握できるように、調査項目等を工夫していきたいというふうに考えてございます。
○飯島委員 それはいつ実施される予定ですか。
○白土保育園・幼稚園担当課長 この10月以降に実施する予定でございます。
○飯島委員 そうすると、どのぐらいのサンプルをとって、どう調査するか。調査の概要についてはもう既に組み立てられている、そう理解していいですか。
○白土保育園・幼稚園担当課長 これは国のほうの正式な通知がまだでございますけれども、準備は進めておりますけれども、規模等について一定の想定をしながら準備を進めているという段階でございます。
○飯島委員 つまり、国が云々というのは、国がやることをこの際利用して中野区としてもやろう、そういうことなんですか。それはどういう意味ですか、もう少し詳しく教えてください。
○白土保育園・幼稚園担当課長 この次世代育成支援計画につきましては、国が方針を示して、それに基づいて市町村が調査をして策定するということでございます。正式な通知がまだ国のほうからは来ておりませんけれども、一定の想定のもとに準備を進めているということでございます。
○飯島委員 そうすると、そういう通知が来なければいつまでもできないようなことになってしまいかねないような話ですけれども、それはないだろうと思いますが、しかし、私が心配しているのは、こういうことについては既にもう今この時点に気がついたことではないはずなんです。少なくとも1年ぐらい、あるいは1年半ぐらい前から、保育の入所待機児については動向が変わってきているんじゃないのかなということはお気づきになっていたんだろうと思うんです。気づかないわけがないんで、実際にいろいろなことを見ればわかるわけですから、また、こうした資料をつくってもらえれば、少なくても19年度、もしくは当該年度の予算をどうするかとかいうことを考えるときには、おおむねこうしたことについての把握は進んでいたんだろう。
 とすれば、次世代育成計画云々ももちろんあるんですけれども、同時に、中野区の保育という分野を担当する所管のあなたとしては、当然そういうことを目線に置いた中野区としてはどうなんだと。地域特性も一面ありますから、そういうことも踏まえて、よく把握をされる、そういう必要があったんじゃないのかなと思います。ですから、それはこれでおやりになるのはわかりますけれども、私は、ある意味、定期的に理由については調査をしていかなきゃならない。3年に1遍ずつぐらいは保育需要の調査をやりながら、定員の枠、これは大きなものを1カ所どこかにつくればいいというわけではないわけです。1カ所つくったからといって、地域的なミスマッチの問題ももちろんあるし、それぞれのところでそれぞれが待機児を生み出しているわけですから、そうすると、既存のそういう保育資源を使って、どうその時々で揺れ動く中で枠に納めていくのかということを考えなければならないわけですから、そうなると、的確な需要をつかむということは極めて大事な話、ですから、そういう調査のあり方も今後の保育行政を考える上で必要だと思いますが、いかがですか。
○白土保育園・幼稚園担当課長 確かに待機児発生の原因につきまして、いろいろな角度からの調査分析、これが不可欠だろうというふうに思っております。中野区の状況ということで、これは他区の事例と異なる地域的な特性、これも十分に考慮しながら、中長期的な観点に立って保育行政を進めなければいけないというふうに考えてございます。
○飯島委員 この厚生83の資料からずっと見てきますと、平成20年度の数字をベースに考えますと、定員については全体で現状より250人程度拡大しないと待機児は吸収できない。年齢別の構成はいろいろあります。だけど、大枠、マクロで見るとそういう感じだなというふうに見えます。今後、私立の認可園、それの建てかえの時期や、あるいは認証保育所の今ゼロ歳があいているのでその分1歳を入れてあげてどうのこうのと、いろいろな弾力的なことに取り組んでいる部分があります。
 ただし、認証なんかの場合は、そういうことをすれば認証保育所側の負担がふえてしまう。したがって、ゼロ歳と1歳の補助金のギャップをどう埋めていくのか、そういうことについて取り組んでいる区も既にあるやに聞いています。ですから、そういう建てかえをする私立の認可園があるとすれば、中野区としての定員枠の確保のための補助等々もこれから考えながらやっていく必要もあるだろうし、そうした認証の弾力的取り組み方を支援しないと、年度途中ですから、さまざまな要因があったりして、一律に物は決められない部分もありますので、そういういわば需要のバッファみたいなものをつくっておく必要がある。
 したがって、そういうことについて御担当としての今後の定員枠の確保については弾力的な取り組みで、弾力的ではあるけれども、やはり確保しなきゃならない。数字は大体200人ぐらいは今のところ規模としては想定される、こう私は考えているんですが、そういうさまざまな手法について、研究検討をされていることはありますか。
○白土保育園・幼稚園担当課長 中長期的に見てどの程度定員の枠を拡大していく必要があるのかということに関しましては、先ほど来申し上げておりますように、保育需要調査の結果、それから、国が予定しております大都市圏の待機児に関する調査の結果、あるいは統計資料なども参考にしながら、保育需要の増加量を見きわめつつ判断していきたいと思っております。
 その上で、中長期的な定員の拡大策といたしましては、区立保育園の建てかえ民営化、それから、私立保育園の建てかえに伴う定員の拡大、それから、認可保育園、認証保育所の定員のさらなる弾力化、あるいは委員御指摘のような弾力的な運用、それから、待機児が多い地域への認証保育所の開設誘致、連携保育所の導入と、家庭福祉員の増員、それから、私立幼稚園の認定こども園――これは幼稚園型になるかと思いますけれども――への転換の促進、これらの対策を総合的に実施してまいりたいというふうに考えてございます。
○飯島委員 ぜひ待機児に対する対策、具体的なものをおつくりになって、待機児の減少、そして、ゼロを目指す施策を進めていただきたいと思います。保育園の待機児の問題は、こういう経済状況になってくるとますます深刻になってくる可能性がありますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、自然エネルギーの活用について伺います。
 2010年には、オイルピークだという説も実はあったりします。いずれにしても、これから脱石油文明への転換が迫られているということは事実なんだと思います。総務112の資料を作成していただきました。作成の過程では大変御苦労があったように伺っておりますけれども、この資料は、ちょっと見ると「おや」と思うことがあります。それは、提出をしているところが経営室財産管理担当、管理会計室経営分析担当、この二つの担当から出ていますし、中身的に言うと、さまざまなところにわたっています。全庁ではなくて、区役所全体としての使用料のまとめをしていただきました。そもそもこういうところを担当する部署はどこですか。
○安部財産管理担当課長 お答えいたします。この資料をつくるに当たりましては、区役所本庁舎につきましてはすべて財産管理でやっておりますので、財産管理の資料を使いました。それから、それ以外の主な施設というものにつきましては、管理会計室の経営分析担当でまとめておりますので、両方で協力してつくったものでございます。
○飯島委員 その上で伺います。ISO14001の取得についていろいろやりとりもあったと思いますが、この14001の取得の成果は出ていますか。このデータに基づいて示してください。
○田中評価改善担当課長 お答えをいたします。資料に基づいてという御質問でございますので、それに沿ってお答えをいたしますと、長期的な視点で見る必要があるというふうには考えてございますけれども、本庁舎のエコオフィス活動、これはISOの環境マネジメントシステムに基づくものでございますけれども、それによりまして、昼休みの消灯など、さまざまなエコ活動を行うことによりまして、電気、水道について申し上げれば、ISO導入前の平成17年度と比較をいたしまして、平成18年度、19年度とも、使用料、料金、いずれも減少してございまして、一定の効果があったというふうに考えてございます。
○飯島委員 私が何で料金ではなくて使用料でデータをまとめていただいたかというと、使用料によってCO2の削減が概数ですけれども、換算ができる。これからは金額から使用料に環境問題に関してはその視点を移していく必要があるだろうなと、こう思うんですが、使用料を今お答えになりました。この削減をした数字、使用料が出ていますから、電気の場合、CO2換算でいくとどのくらいになりますか。
○安部財産管理担当課長 お答えいたします。本庁舎につきましては、18年度から19年度にかけて、3,479キログラム減っております。約3.5トン減っているということです。それから、この表に載っております本庁舎を含む主な施設全体では5万127キログラム、約50トン減っております。本庁舎については、この間、特別効率的な機器等の交換というような工事はやっておりませんので、28度設定とか、そういうことではいろいろな昼間の消灯なんかで職員の皆さん、お客様に協力していただいている結果かと思います。
 それから、本庁舎以外の施設につきましては、幾つか冷房機器が老朽化して取りかえるというような工事もやっております。こういう場合、15年から20年ぐらい前の機器に比べますと、最近の機器は二、三割効率がよくなっておりますので、そういう効率がよくなったということもあるかと思いますが、それで50トンも減りませんので、やはり利用者の方に御協力をいただいた結果かと思います。
○飯島委員 ところで、中野区として、地球温暖化対策で、この前、環境基本計画がありました。中野区の区民の皆さんすべての取り組みとしての目標値は出ていました。中野区としての削減目標も、こうやって計算していくとどのぐらい削減したかが計算できるわけですから、中野区の行政として目標を定めていらっしゃると思うんですが、それは幾つですか。何トンか。
○橋本ごみ減量・清掃事業担当参事 環境基本計画では、区役所の二酸化炭素排出プロジェクトというのを組んでおりまして、平成29年度までに二酸化炭素排出削減目標を約3,000トンというふうに示してございます。
○飯島委員 それは、京都議定書みたいな話になりますけれども、いつの時点から3,000トンですか。1年間に中野区役所本庁舎は、さっきの数字のお示しだと、単純に計算していったら、いつの数字になっているんでしょうか。
○橋本ごみ減量・清掃事業担当参事 二酸化炭素の排出削減目標につきましては、16年ベースを基本にしまして削減目標を掲げてございます。したがいまして、16年度、2004年度から比べて、2009年度につきましては、先ほど申しましたように3,000トンの削減というふうに計画上は示してございます。
○飯島委員 それは大丈夫なんですね。
○橋本ごみ減量・清掃事業担当参事 ISO14001、こういったものを積極的に活用しながら削減に努めていきたい、このように考えてございます。
○飯島委員 ですから、達成可能な目標となっているんでしょうね。
○橋本ごみ減量・清掃事業担当参事 達成しなければいけない目標というふうに認識してございます。
○飯島委員 なかなかここまで来た、ある限度まで行くと、そこから先に進むのは大変なことです。ですから、いろいろなことをお考えになって、ぜひ削減に取り組んでいただきたいと思いますが、平成19年度、区内の太陽光発電設備設置数は何基でしょうか。
○橋本ごみ減量・清掃事業担当参事 太陽光設備設置基数でございますが、東京電力によりますと、太陽光発電による売電契約、つまり、託送余剰電力受給契約と申しますが、これを結んでいますのは、平成19年度末現在で約280件とのことでございます。
○飯島委員 平成20年度当初予算歳出説明の中に、平成19年度、2007年の見込みが310基、そういう見込み予定なんだけれども、それには達していないということになるわけです。
 それで、最近、国も東京都も、太陽光発電並びに太陽熱の利用等について、補助事業をやろうと。補助予算を東京都も通ればそういうことになるわけですけれども、この際、中野区でも太陽光発電補助事業あるいは補助制度を創設して、区内における太陽光の発電利用を進めてはどうかと思いますが、いかがですか。
○橋本ごみ減量・清掃事業担当参事 将来にわたりまして、財源確保に配慮する必要がございます。こうしたことから、単なる現金給付的なものは結果として持続させることが難しいと考えてございます。そのため、効果も得られがたいことから、補助金という形での支援策は考えてございません。
○飯島委員 東京都の太陽光発電のシステム、制度のスキームは非常に変わっています。東京都は環境整備公社というのをつくって、そして、そこで太陽光発電を補助する。30万円、熱は20万円。熱のほうはこれから検討する必要があるんだそうですけれども、補助したうちから、今後10年間の環境価値を公社に寄附してもらっちゃう。寄附してもらった環境価値を公社はグリーン電力証書にしてこれを企業に売る、お金が入る、それで補助をする。こういう構造を考えているんだそうです。
 各地方自治体、だから、要するに東京都内の各区市町村にも一緒にやりませんかなんて言っているんです。ですから、場合によると、これは私の想定ですが、全くわかりません。東京都のその制度に中野区がもし出した場合、中野区もそういうことで、中野区が補助しているんだから環境公社から補助分のグリーン電力証書を下さい、あなたのところだってもらっているじゃないですか、うちもお金を出しているんだからうちにもちょうだいということにすると、中野区は予算でグリーン電力証書を買うことになっているから、そこの部分が埋められる。あるいはそういうことによって財源を生み出す可能性もある。こういうふうなことが、何となく思いつきに近いんですけれども、想定がされる。
 東京都がその事業の枠組みをつくっているとすれば、中野区はそれにのることによって、その枠組みを利用することだってできない話ではないんだろうと思うんですが、そういうことについて、東京都に聞いてみるとか、あるいはそういうことはどうなのかと御検討されたりということはありますか。
○橋本ごみ減量・清掃事業担当参事 ただいま委員から御紹介のありました東京都の環境整備公社を活用した事業スキームでございますが、東京都が90億円出捐して公社に基金をつくる。そこから補助をしていくという、そういう流れだというふうに聞き及んでございますが、詳細な制度設計はまだできていないという状況であります。一つの枠組みとして私どもは示されておりまして、これが委員御提案のようなそういったアイデアがそこで生かせるかどうか、この辺については不透明なところがございます。
 公社みずからも、21年度からの事業では、2カ年間の事業ではあるけれども、詳細がわからないのでまだ問い合わせは遠慮していただきたい、そういうようなことも申しておりますので、委員のお話も含めまして、今後研究をする価値があるのかなというふうには考えてございます。
○飯島委員 今後の環境面での取り組みの選択肢の一つとして、ぜひ研究をしてみてください。
 中野区の風車事業のイニシャルコストとか、附帯設備の整備とか、ランニングコスト、あるいは売電をして、また、さらに区内の太陽光発電に利用するというのが、環境対策特別委員会の資料に出されているスケジュールとスキームだと思いますけれども、単純にここに書いてあるコスト想定事業経費と、1基当たりということだけではなくて、附帯的なこと、つまり、発電したものを持っていくためにはもうちょっと物が必要だというようなこともあるようで、想定事業経費は若干変わるのではないかと思っていますが、それはどうですか。
○橋本ごみ減量・清掃事業担当参事 現時点では、いかほど事業経費がかかるかにつきましてはまだ推定ができません。これにつきましては、現在事業スキームと申しますか、事業モデルにつきまして検討しているところでございます。区民風車につきましては、単なる箱物というのではなくて、自然エネルギーの活用の一つとして、風力や太陽光などの活用を含めた多様な方法を組み合わせて、持続可能な事業として考えてございます。
 先ほど申しました事業モデルにつきましては、売電収入が最大になる風力発電のあり方とか、その売電収入を原資とした自然エネルギーを普及するための具体的な事業の枠組み、それから、効果、経済性、さらに区民が参加しやすい仕組みづくりなど、これからさまざま事業モデルの中で検討を重ねていかなければならないというふうに考えてございます。したがいまして、想定される金額、その他につきましては、今のところは明確にできてございません。
○飯島委員 明確にできないということですから、そういうことなんでしょう。ただ、明確にできないと、いつまでも明確にできなくても困るわけなのです。
 ちょっと一つ心配なニュースにめぐり合ってしまいました。それはどういうことかというと、つくば市と早稲田大学との間での訴訟であります。これは、簡単に言うと、早稲田大学が風車の計画をやる。予定どおりの発電ができなかった。それによってつくば市は環境省に補助金を返さなきゃいけなかった。同時に早稲田大学に対して損害賠償ということで訴訟した。だけど、全額ではなくて、つくば市だって大体見たらわかったでしょうということで、補助額が減額されちゃった。こういうようなことがありました。そういう意味では、この風車と、中野が想定している風車とはちょっと違いますけれども、しかし、場合によっては、この補助金というのは、その基本性能というか、補助金を申請したときの計画性能が達成されない場合、返さなきゃいけない。こういう性格のものですか。
○橋本ごみ減量・清掃事業担当参事 おっしゃるとおりです。
○飯島委員 それだけのリスクを負っているということになりますね。私は、この際、いろいろなことがまだよくわかっていない、これから積み上げなきゃならないとすると、当面中野区としては、太陽光発電等にこの際環境対策的な施策の分野では軸足をそちらにちょっと比重をかけたほうがいいんじゃないのかなと私は思うんですけれども、いかがでしょう。
○橋本ごみ減量・清掃事業担当参事 太陽光の普及促進につきましては、区として推進していく、そういう考え方を持ってございます。ただ、例えば支援の仕方として、補助金的なものにつきましては現在考えてございません。さまざまな太陽光利用にかかわります情報提供、それから、御相談に乗るとか、そういった形での太陽光の普及促進を図っていきたい、このように考えてございます。
○飯島委員 やはり機に応じて施策も考える、こういうことが大事なことなんだと思いますので、今打てる対策、そして、今やらなければならない対策、そういう分野としては、今日本全体として太陽光で閉塞状況を切り開こう、経済の活性化にもつながるんだ、こういうような方向もありますので、ぜひ太陽光の利用発電の分野に区としてもちょっと比重をかけて、そっち側のアクセルを踏んでいただいて物を考えていただきたい、このようにお願いをして、この質問は終わります。
 その他について伺います。時間の関係もあるので、順番を変えて、新型インフルエンザ対策についてからお伺いをいたします。
 これは、私は本会議場で、いでい委員の質問を伺っていて、本当にどういうことなのかなと思うことがございました。なぜかというと、私も第1回定例会の予算の総括質疑のときに、実はこの問題について質問をいたしております。そこで、平成20年度の予算云々でやったことなんですけれども、新型インフルエンザ流行対策等々の中身として、今の防護用品、それから、防護服等で1,000人分の体制、こういうふうに伺ったところ、担当参事は、1,000人分と申しますのは非常にディスポーザブルといいますか、使い捨てのものですので1,000人分ということで云々と、こうなっていらっしゃる。ところが、本会議場では35人になってしまった。1,000人から35人というのはちょっと差があり過ぎるのではないのか。延べ1,000人としても、300人ぐらいの差が出てくることになりますので、これはどういうことなのかお伺いいたします。
○本保保健予防担当参事 お答えいたします。新型インフルエンザに関しての備蓄の問題でございます。昨年度の予算編成の段階では、封じ込め期間を6週間と見込みまして、その期間の防護服等の備蓄量を約1,000セットとしたところでございます。一方、最近のパンデミックに至る期間の予測は従来よりも短く、新型インフルエンザが出現すると急速にパンデミックにまで拡大するというふうに考えられるようになってございます。このため、封じ込めの期間を3週間と短く見込みまして、防護服等の備蓄量は35セットということですけれども、トータルでは延べ700セットという数として予算の一部を優先順位が高いと考えられますマスクに備蓄を振り替えまして、サージカルマスクを現在6,000枚用意しているところでございます。
○飯島委員 そういうふうにお答えしないと、35人分しか対応していないようなお話になってしまう。また、35人でいいのかという問題はもちろんあります。20日間で700枚、みんな、700枚はマスクだと思っちゃった。そうではなくて、6,000枚のマスク、6,000枚が足りているのかどうか、これもまた非常に微妙な数字というよりも、むしろ全然それでは足りないだろうなという気がします。ですから、それぞれ状況に応じて変わってくるのは結構ですけれども、万遺漏のない、ここまでは最低限やらなきゃいけないんだ、今はとりあえずやっている水準の話です。ここまでは最低やっておかなきゃだめだ。区民の皆さんの分も、ある種震災対策用の備蓄資材と同じようにこれは考えておかなきゃならないんだと、こういう視点に立って、ぜひ取り組みを十分に進めていただきたい。このことはお願いですから、ぜひよろしくお願いします。結構でございます。
 次に、パソコンの事故件数について伺います。
 総務の110で、パソコン事故、故障件数の集計をいただきました。これを見ると、随分故障しているな、こういうふうに思います。年間で200件を超えるパソコンが故障している。ハードディスクがクラッシュしたりなんかすると、今のシステムの中ではどうしてもサーバーに残すというのは、面倒くさいとは言いませんけれども、非常に使い勝手が悪いという職員の実感があるようであります。大事なデータ、何かをつくるときにやっていたデータがなくなっちゃったという事故もあるようでございまして、中野区の区役所で取り組んできた知財が失われる、こういう心配もあるので、今後、この件数がこのまま続いていいとは思いませんので、どのような対策をおとりになる予定ですか。
○平田情報政策担当課長 お答えいたします。パソコンの故障件数は大体年間250件前後で推移しております。そのうちハードディスクの故障はほぼ一定程度ありまして、大体年間65件がハードディスクの故障になっております。
 委員御指摘のハードディスクの故障によってデータが失われるという件なんですが、そこはパソコンですので、ハードディスクのデータを救えないこともございます。ですので、情報担当としましては、以前よりサーバーへデータを保管するようにと指導してきたところでございます。ただ、サーバーの性能の面と、それから使い方の面との関係で、図面などデータの大きなものは確かにサーバーの保管には処理速度の問題で使い勝手が悪いということがございました。ただ、本年度、サーバーにつきましては、庁内情報はリプレースをしておりまして、今後は新しい機械によりますと処理速度は改善されると見込んでおります。
○飯島委員 せっかく積み上げてきたいろいろなデータ、いろいろなことをやって、皆さん職員の方が努力して積み上げたデータを一瞬のうちに失い、茫然自失してしばらく立ち上がれないということが我々の経験でもあります。ぜひそういうことのないように、また使い勝手のいいシステムを構築していただきたいと思います。ありがとうございました。
 時間がございますので、地デジにおける原因者負担金制度、それから、財政白書、ページ56の何でこんな介護保険の出資金が償却されるんだという問題については分科会で伺うことにいたしまして、私のすべての質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○吉原委員長 以上で飯島謹一委員の質疑を終了します。
 次に、北原ともあき委員、お願いします。
○北原委員 自由民主党議員団の一員として、また、議員団最後の質問者として総括質疑を行います。飯島委員の直後ということで大変プレッシャーを感じております。しかし、委員の精神を受け継いで質疑を行いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 項目のほうは、1番、職員数と行政サービスについて、2番、防災対策について、3番、古紙の集団回収について、4番、郷土資料の収蔵についての4項目でございます。
 時間の関係上、順番を一部変更いたしまして、最初に3番の古紙の集団回収についての質問をさせていただきたいと思います。質問の展開上、委員会における他の委員の皆さんと質問が一部重複するということがありますけれども、お許しを願いたいと思います。
 それでは、古紙の集団回収について御質問をさせていただきます。
 主要施策の成果、各分野の行政評価結果によりますと、目標、それから経費削減、総合の評価結果において、オールAの評価を得た分野があります。52分野ありますが、その中でこのオールAという評価をとった分野の一つは、戸籍住民分野であり、もう一つは、ごみ減量分野でございます。まず、オールAをとりました両分野に評価結果の要因と感想をお尋ねいたします。
○今戸籍住民担当課長 Aの評価をいただきましたことについては非常に光栄に存じております。外部評価の中でも挙げていただいておりますけれども、その要因の一つは、区民満足度の向上という視点で具体的な取り組みを進めたことにあるかというふうに思っております。例として、窓口での区民アンケート調査を実施し、それに基づいてきめ細かな改善に生かしていること、それから、派遣職員の活用や職員対応により積極的に窓口案内を実施していることなどが挙げられます。
 それから二つ目には、委託や派遣職員を活用した事務執行体制の見直しによりコスト削減に努めたことというふうに考えております。
 さらに前年度の外部評価結果を受けとめて、指標の見直しを行いまして、わかりやすいものにしたということがあるかと思います。これによって職員もより具体的、客観的に目標や課題を把握して、より主体的に取り組めるようになったのではないかというふうに思ってございます。
 戸籍住民の窓口はすべての区民にかかわるところでありまして、いわば区の顔にもなるところであります。これからも区民の利便性や満足度の高い窓口サービスを目指した取り組みを進めていきたいと考えております。
○橋本ごみ減量・清掃事業担当参事 感想ということですが、手前みそになってしまいますので、感想というより、評価の主な要因ということでお話をさせていただきたいと思います。
 区民の皆さんの努力の結果、1人当たりのごみ排出量が着実に減少し、一層の資源化が進められたことにあると受けとめてございます。これは、環境学習やごみ減量などの出前講座といった地道な普及活動や、早い時期からのプラスチック製の容器包装の回収に着手したことなどによる成果と考えてございます。
 また、町会連合会を中心といたしました地域の実践団体の皆さんが古紙の集団回収に積極的に取り組まれたことで、行政回収からの全面移行が実現できたことも大きいというふうに考えてございます。
 経費節減につきましては、民間の力を活用できる事業につきまして、計画的に委託化を進めてきたことが挙げられると思っております。
○北原委員 ありがとうございました。他の分野の方々も、このオールAというのが一つの目標になるかと思います。その評価に関しては、指標についてはいろいろな意見があるかと思いますけれども、ぜひ目標に頑張っていただきたいと思っております。
 ところで、中野区の古紙回収は、平成18年度までは行政回収と集団回収の二つの方式で行われておりましたが、平成19年度からは、地域団体による、これは町会を中心としたものになると思いますけれども、集団回収に一本化されております。また、回収量によって、区から地域団体に交付される集団回収報奨金、これは地域団体の活動費や運営費となって区民に還元されて、そして、この結果、区民の理解と協力が広がりを見せているというのが現状であろうと思っております。
 ところで、この9月中旬でありますが、区内の集団回収場所から新聞紙の抜き取り行為が委託回収業者によって目撃され、警察に通報されました。この件に関しましては、警察での事情聴取の後、本人の始末書の提出で一件落着となりましたが、委託業者の話によりますと、これは今日新聞紙を中心とした古紙価格の上昇にその原因があるというふうに話しておりました。そこで質問をさせていただきます。平成19年度と今年度分の月別の古紙回収量の推移をお伺いいたします。
○橋本ごみ減量・清掃事業担当参事 ことしの4月から7月までの回収量の合計は5,988トン、昨年の同時期の実績は6,048トンで、限られた期間ではございますが、ことしと昨年とを比べますと約60トン、率にして1%減ってございます。
○北原委員 本来ならば、19年度から集団回収に変わったということで、地域のほうも積極的にPR活動しておりますし、その結果、それぞれの回収場所に出る量というのはふえなければならないというのがこうして減少しているというのは何らかの要因があるということで、委託業者の話が100%というわけではありませんけれども、多分この抜き取りなんかということが一つの原因ではないかなと思うわけでありますけれども、区はこうした区内での抜き取り情報を把握しておりますでしょうか。
○橋本ごみ減量・清掃事業担当参事 区といたしましては、集団回収ニュースなどで、抜き取り情報の提供を呼びかけたり、集団回収の登録業者に聞き取りを行うなどして、抜き取り情報の把握に努めてございます。平成20年度、この間いただいている情報では、16件抜き取りがあったというふうなことで情報をいただいてございます。
○北原委員 16件という情報をいただいているということでありますけれども、恐らく私の地域だけではなくて、他の地域の方々も、どうも抜き取りが行われているらしいというようなこと、それから、契約業者、委託業者ではない車が、他のナンバープレートの車が入り込んでいるというようなことはよく耳にするわけでありますけれども、こういった現実がある。恐らく16件の情報提供のほかにもかなりあるだろうというふうに推測されますので、この辺はぜひもう少し耳を広げて、地域の声をお聞きになっていただきたいと思っております。
 それから、集団回収は他の区でも行われております。中野方式が注目されて、都市部での成功例として他の自治体や業界から視察が大変多いと聞いておりますけれども、他区との違いはどうなっているのでしょうか。
○橋本ごみ減量・清掃事業担当参事 ほとんどの区では、行政回収と集団回収が並行して行われております。集団回収の回収場所とか回数が行政回収より少ないという実態もございます。中野区では、町会、自治会等の御尽力によりまして、集団回収を行政回収と同等の回数、回収場所で実施したので、行政回収を全廃することができたというふうに考えております。他の自治体からの視察では、こうした点に関心が寄せられております。
○北原委員 よくわかりました。ところで、今回のこの事件、聞くところによりますと、警察署のほうに被害届を出すというような試みもあったそうでございますけれども、その中で、実際に犯罪として成立させるための構成要件が六つほどあるということでありました。その中で、四つの要件は満たすけれども、あと二つの要件が大変厳しいというような指摘を受けたそうであります。しかし、今回は抜き取りをした業者は過失を認めて始末書を提出したということでありまして、先ほど申し上げましたように、事件としては落着したわけでありますけれども、この二つの要件が満たせなかったということで、警察としても、皆さんの思いはよくわかるけれども、事件として扱うのはなかなか難しいということでありました。
 ところで、こういった集団回収については、どの区でも集団回収にかかる条例を定めていると思います。中野区の条例と、そして条例が厳しいと言われる世田谷区、あるいは隣接する杉並区の条例の差はどのようになっているのでしょうか。
○橋本ごみ減量・清掃事業担当参事 中野区の条例では、集団回収を対象に抜き取りを禁じており、他区にはない規定でございます。世田谷区、杉並区の条例は、いずれも行政回収に対する禁止規定となってございます。
○北原委員 警察でお伺いしたところ、中野区の条例と、比較的抜き取り行為がないという世田谷区には条例の差がありますと、特に罰則規定なんかのことをちょっと話されておりましたが、罰則規定については御存じないでしょうか。
○橋本ごみ減量・清掃事業担当参事 世田谷区につきましては、罰則規定を設けてございます。また、杉並区につきましても罰則規定を設けてございます。
○北原委員 今罰則規定は杉並も、それから世田谷も設けているということであります。しかし、この回収方式そのものが、片方は自治体が行っているということと、中野区は町会などの地域団体が行っているというところで、本質的な差があると思うんです。その辺で差があると思うんですけれども、しかし、ごみを資源ごみとして新聞やあるいは段ボールなんかを出している区民の側にとっては、これは行政回収であろうと地域団体が回収していようと、あまり差は感じないと思うんです。むしろ自分たちにそれが直接的に還元されている地域活動の報奨金というので恩恵をこうむっているということになりますと、より以上に関心が高いと思うんです。そのことにつきまして、ぜひ今後検討していただきたいなと思うわけでありますけれども、この罰則規定について、もう一度区のほうは検討することがあるかどうかということをお伺いしたいんです。
○橋本ごみ減量・清掃事業担当参事 なかなか難しい問題でありまして、中野区の場合は、集団回収ということで、民民の契約の中で成り立ってございます。そうしたことから、仮に罰則規定を設けたとしても、その実効性をどのように担保していくかということがまず残るのかなということです。ただ、今後こういった抜き取りが起きないようにということで、私たちも何らかの対応が必要だというふうには考えてございます。今後、町会、自治会などの実践団体の皆さんや回収事業者、それから警察など、関係団体と話し合って、実効性のある防止策につきまして検討していきたい、このように考えてございます。
○北原委員 古紙の抜き取りは、しばしば事件として新聞にも報道されます。そういうことで、裁判結果とか判例についてはどのように承知しているでしょうか。
○橋本ごみ減量・清掃事業担当参事 新聞等でも報道されてございますが、例えば世田谷区でございますが、世田谷区の事案では、抜き取り事業者、被告は、所定の場所という表現が罰則を適用する要件としては明確でないということで、無罪を主張してございました。ところが、最高裁では、看板などで集積所であることが周知されており、刑罰の要件として不明確であるとは言えないとの判断が示されまして、事業者の上告が棄却されたという経緯がございます。つまり、有罪になったということであります。
○北原委員 これも警察での話なんですけれども、傾向としては、摘発できるという方向にあるそうです。しかし、先ほど申し上げましたように、現時点での要件というのは大変厳しいからということでありました。
 ちなみに、今回の要件の中で満たされなかった二つがあるんです。それは、一つは、大体町会がネットみたいなものをかけておきます。ネットをかけて、その中に入った古紙、新聞紙だとか段ボール、これについては、そこに、これは何々町会の所有物ですということが明記されております。その結果、そこに入ったものについては、これは抜き取りをやりますと犯罪とみなされる。しかし、これがその網の中に納まらないで、後に来た人ははみ出たところに置いていっちゃったりするわけです。この件については所有権が特定できないということでありまして、これはずっと1年も続いていてもだめなんですかと言うと、やはりだめなんですという話であります。そういうことで一つは回答をいただいた。
 それからもう一つは、所有物に対して周知徹底を図らなきゃいけない。広報活動をやっているのかということが大事なんだそうです。例えば杉並区、世田谷区だと、行政が財産権を持っているわけですから、当然行政が広報活動をするわけです。例えば1カ月に2回とか、広報車で、ここに出された古紙については杉並区のものでありますということで、持ち去りは禁止されております、罰則がありますよということをきちっと周知徹底していっています。そういうことをすることによって、これから抜き去ったものについては裁判でも勝てるということになります。
 これが先ほど参事が申しましたけれども、主体が違うから、これは民民の差だからとおっしゃいまして、民民だから民民にお任せしますということになってしまいますと、これはなかなか厄介な問題になってしまうわけです。それこそ裁判に持っていくのも、その裁判を起こす側は、まさに所有権を持っている町会ということになってしまいますから、これは大変な労力が要ると思うんです。
 そんなことを含めまして、先ほど参事がおっしゃいましたけれども、抜き取りによる回収量の減少は地域団体の活動に影響を与えるばかりでなく、回収業者が撤退を余儀なくされ、他区に誇れるこのスキームが壊れかねない。対応策を検討すべきであると思いますが、改めて御見解をお尋ねいたします。
○橋本ごみ減量・清掃事業担当参事 民民の契約に基づきます集団回収でありましても、条例で罰則規定を設けることは可能だというふうに私どもは認識してございます。ただ、実効あるものとしていくためには、実践団体の皆さん、それから、回収事業者の皆さん、警察関係、こういったところと十分話し合って、防止策として一番適切なものは何なのか、この辺を十分検討しなければいけないというふうに考えております。今後の問題として、これにつきましては検討させていただきたいと思います。
○北原委員 ありがとうございました。
 私の時間はまだあるんですけれども、正午が近づいてまいりましたので、まさに他区に誇れる集団回収の仕組みは、今後中野区が存続できるかどうかという大きな課題も抱えております。この件に関しまして、ぜひ区長の御見解をお尋ねしたいと思います。
○田中区長 委員の御質問にもございましたように、この集団回収、全区の回収を集団回収でやっていただいているというこの中野区の仕組みというのは、まさに他に対して誇れる取り組みである。区民の皆さんの御努力やお力がそういうことを実現しているということは大いに誇っていかなければならないと思っておりますので、こうした回収方法をこれからもきちんと持続できるような対策というのは適時適切に講じていかなければならない、こう考えている次第です。
○北原委員 どうもありがとうございました。
○吉原委員長 質疑の途中ですが、この時点でお昼休憩をとります。
      午前11時58分休憩

      午後12時58分開議
○吉原委員長 委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き総括質疑を続行いたします。
○北原委員 午前に引き続き質疑を続けさせていただきます。
 先ほどの古紙の集団回収については、区長の御見解をいただきましたので、これで質疑を終わらせていただきます。
 次に、項目1番、職員数と行政サービスについてお尋ねいたします。
 毎年区の施策を着実に実行し、持続可能な中野をつくるために必要なものは、安定した財政力、それからもう一つは、基本構想にも掲げられております多彩なまちの魅力、支え合う区民の力、この支え合う区民の力と、そしてもう一つ必要なものは、ここにいる理事者を中心としたまさに公務員の改革力と言えるものであると思っております。財政白書によれば、中野区では、平成7年度から職員の採用を抑え、特に平成13年度と14年度は新規採用を行わないなど、職員数の削減に努めてまいりました。
 大内議員の一般質問にもありましたけれども、ピーク時、平成6年には3,450人、そして、平成19年には2,480人とかなりの削減数を見ております。平成19年4月1日現在、人口1,000人当たりの職員数は、中野区は8.38人、そして、23区は平均7.75人となっております。人件費の削減は財政の健全化に大きく貢献するとともに、組織改革やIT化、また民間活力の導入、区民との協働などにより多様なサービスに対応することも可能にしてまいりました。
 平成19年度主要施策の成果、別冊によりますと、新しい中野をつくる10か年計画に定めた小さな区役所を支える職員2,000人体制を実現するために、事務事業の委託化などにより、99人の職員数を削減した。多様な任用形態に基づく職員の一層の活用を図る観点から、平成19年度には新たに学童クラブ、幼稚園の障害児介助事業に任期つき短時間職員制度を拡充、導入した。また、専門性の確保などを目的に、幹部職員の一般任期つき採用を拡充した。さらに職員の新規採用に関しては、優秀でやる気のある人材を確保するために、中野区の魅力等を紹介する中野区職員採用サイトをホームページに立ち上げるとともに、中野区独自のリーフレットを作成するなどを行った結果、優秀な人材を確保でき、辞退者を減少させることができたとしております。
 ところで、平成20年、先月でありますけれども、9月21日付の読売新聞にこういう報道がされております。全国の自治体で臨時や非常勤などの非正規職員が占める割合が拡大している。47都道府県の知事部局と17政令市、東京23区、県庁所在地のうち、今年度分の非正規職員数を把握していた104自治体、これは38都道府県と66の市と区でありますけれども、非正規職員の割合が平均25.4%に達していることが読売新聞の調査でわかった。都道府県では平均15.5%であったが、市と区に限ると30.9%を占めていた。
 行財政改革の一環として、人件費削減を進める自治体が低賃金の非正規職員を雇用することで、行政サービスを支えている現状が浮かび上がった。さらに非正規職員の仕事は、市や区では、保育士、生活保護世帯の調査、要介護認定の調査、あるいは税だとか国民健康保険料などの徴収などにまさにかかわるということで、住民と接する業務が目立っていると伝えておりました。
 そこでお尋ねいたします。篠国昭委員もこの委員会で触れられておりましたが、中野区における平成19年度正規職員と非正規職員の数はどれほどでしょうか。また、その割合についても、さらに最近3年間の推移についてもお尋ねいたします。
○合川人事担当課長 お尋ねの正規職員と非正規職員の人数でございますけれども、正規職員につきましては、平成19年4月1日現在2,610人でございます。また、非正規職員につきましては、いろいろ定義はございますけれども、臨時職員と非常勤職員ということで限定をさせていただきますと392人でございます。
 全職員に占める非正規職員の割合につきましては、平成19年度は13.1%、18年度につきましては11.8%、17年度につきましては10.8%でございます。
○北原委員 そうしますと、読売新聞の調査による市と区に限ると30.9%を占めていたという報道があるわけですけれども、当区においては10数%ということでありますので、かなりこれを下回っているというふうに理解してよろしいでしょうか。
○合川人事担当課長 そのとおりでございます。
○北原委員 それでは、正規職員の年齢構成についてもお尋ねいたします。
○合川人事担当課長 決算特別委員会資料、総務の31に、年齢構成別の中野区の職員数ということで載ってございます。平成20年4月1日現在ですけれども、20歳代が3.7%、30歳代が15.3%、40歳代が39.4%、50歳代が38.1%、年度末年齢ということで換算をしてございますので、60歳代が3.6%ということでございます。
○北原委員 私どもがいろいろな人たちに話を伺ったり、あるいは業界の方たちとの意見交換なんかをいたしますと、専門性が求められている分野の職員数が少ないということで、なかなかはかどらないんだという話をよく耳にするわけですけれども、このことに関しましてはどのようになっているんでしょうか。
○合川人事担当課長 委員の御質問にもございますけれども、今区では2,000人体制ということで、いろいろ民間活用等を行ってございます。しかしながら、職務に必要な職員ということにつきましては、計画的に採用していきたいというふうに考えてございまして、委員の御質問の専門性や経験が求められる分野につきましては、経験者採用等の制度を活用して確保していきたいというふうに考えてございます。
○北原委員 職員数の削減も大変重要であるというふうに認識しております。少数精鋭による質の高い行政サービスということを今後目指していくならば、職員のバランスのとれた年齢構成は、さらに必要であろうというふうに思っております。現状に対する認識、それから、何か課題の解決に向けた方策があればお尋ねいたします。
○合川人事担当課長 年齢構成につきましては、先ほど述べましたように、採用抑制をしてきたということから、現在は40歳あるいは50歳代に偏った傾向にございます。今後は構成比の低い30歳代を中心に、先ほど申しました経験者採用等を活用することによりまして、バランスのとれた年齢構成を目指していきたいというふうに考えてございます。
○北原委員 区民もいろいろな世代がいるわけでありますので、その思いを理解してそれを施策に反映していくには、それぞれの世代にふさわしい、そういう人たちがバランスよく職員の中にいるということが大変重要であろうと思っております。その辺は偏ることなく、区民の広い意見を吸い上げて行政に反映していっていただきたいと思いますので、その件についてはぜひ十分配慮しながら、今後も進めていっていただきたいと思っております。
 それから、中野区は、今話を聞きますと、非正規職員の割合が大変低いということでありますけれども、しかし、今後2,000人体制に向かっていくということになりますと、さらなる削減が求められているわけでありますから、非正規職員の採用に当たっても、質の高い職員が求められると思います。非常勤職員、そして、アルバイトの業務内容、あるいはこうした人たちの募集に対する応募状況についてお尋ねいたします。
○合川人事担当課長 非常勤職員につきましては、それぞれの専門性を生かした職員ということで毎年度採用してございます。また、臨時職員、アルバイトにつきましては、代表的なものとして、事務補助、それから保育園、児童館等の施設に勤務する保育等の補助でございます。資格を必要とする職種につきましては、必要数を確保するということが難しいケースもございますけれども、それ以外につきましては必要数を確保できているというふうに考えてございます。
○北原委員 応募状況ですけれども、例えば10人募集しますということを区のほうで流しますと、大体何人ぐらいの応募があるようなものなんでしょうか。それは、その分野でないとわからないとか、いかがでしょうか。
○合川人事担当課長 それぞれの分野で臨時職員については採用をしてございます。つまびらかではございませんけれども、先ほど申しましたように、少なくともその必要数については確保できているというふうに考えてございます。
○北原委員 必要数について確保できているということは、実際にアルバイトだとかあるいは非常勤職員を採用してもすぐやめないとか、仕事上全く支障がないとか、そういった一定の条件をきちっと満たして、質のよい臨時職員が採用されているというふうに理解してよろしいでしょうか。
○合川人事担当課長 少なくともそういった形で区政運営がちゃんと行われているというふうに考えてございます。
○北原委員 わかりました。それでは、繰り返しますけれども、今後中野区はさらに職員数の削減を進める。10年後に2,000人体制を目指すとしております。削減計画に反対する立場ではないものの、いささかの心配もあります。地域センターの(仮称)区民活動センターへの転換計画があります。現在の15地域センターの職員数、正規職員、それから非正規を含めまして、その職員数はどのようになっているでしょうか。
○合川人事担当課長 平成20年4月1日現在でございますけれども、正規職員が103名、再任用の職員が13名、非正規職員、アルバイトでございますけれども、これが5名ということでございます。
○北原委員 今正規職員が116で非正規が5ということでありますから、120ぐらいということになろうかと思いますけれども、転換によって地域センターを引き揚げる職員数があると思います。中野区の計画で、だから、予定でいくと来年の7月ということになろうかと思いますけれども、これは予定であるということですけれども、その当初、それから、一定期間後ということもありますけれども、これによって引き揚げる職員数についてもお尋ねいたします。
○合川人事担当課長 あくまでも現段階での計画ということでございますけれども、再任用職員を含め、当初につきましては32人程度、一定期間後につきましては45人程度の定数減を想定してございます。
○北原委員 当初は32人ということでありますから、15地域センターということになりますと、2人ぐらいということになるのかなと思っております。
 それから、一定期間後は45ということでありますけれども、当初32ということでよろしいでしょうか。
○合川人事担当課長 いわゆる(仮称)区民活動センターの部分につきましては、そのとおりでございます。
○北原委員 まず、我々というか、区民説明会の中では、2人を残して引き揚げるというような話がありましたけれども、これの数字と一致するんでしょうか。
○合川人事担当課長 当初、職員2名、それから、再任用職員1名ということで区民活動センターの転換ということを考えてございますので、それに合致した職員数ということでございます。
○北原委員 それでは、数字が一致しているということでありますから、そのことについてはこれで結構です。
 それでは、ここで実際に地域センターを引き揚げるということになる職員がいるわけですけれども、この引き揚げた職員の皆さんの活用についてはどのようになっているんでしょうか。
○合川人事担当課長 これにつきましては、区民生活部を含め全庁的に職員を活用していきたいというふうに考えてございます。
○北原委員 そうしますと、全庁的に活用するということでありますけれども、その活用に関して、来年の7月ということでありますから、活用について既に一定の議論はされているんでしょうか。
○合川人事担当課長 来年度の定数を今詰めているところでございます。その中で議論はされてございます。
○北原委員 今できていないようでありますし、この転換計画そのものが確実に実行されるかどうかというところもまだ疑問なところがあろうかと思いますけれども、区のほうははっきりした道筋をつけて、そして、こうだからこうなんだという区民に対する説明責任を果たしながら実行していかなければ、こういったことはなかなか進まないだろうと思うんです。というのは、この区民活動センターの転換ということは、そもそも地元のほうから上がってきたことではないわけです。中野区が将来を見据えてこうしていくということを区のほうから地域のほうに進めていくということでありましたので、その辺は、まさに施策の中でも最も身近な地域センターでありますし、中野区はある面では地域センター構想で区民自治を進めてきたという過去の経緯もありますから、その辺はより以上に丁寧にしていかないと、中野区のかなりの行政の分野に与える影響は大きいと思いますので、ぜひその辺はそういったことをしっかり念頭に置きながら進めていただきたいと思っております。
 それから、もう一つ重要なことは、これは単なる区民活動センターに移行するだけのことではありません。転換により窓口サービスや福祉サービスなどの変更が予定されております。その項目、そして、その内容についてお尋ねいたします。さらに、それらによって行政のサービス低下につながらないのかということについてもお尋ねしたいと思います。
○遠藤区民生活部経営担当課長 現在、地域センターでは窓口サービスといたしまして、住民票や税証明等の発行、住民異動関係、戸籍関係、税や保険料の収納、福祉・保険関係の届け出、福祉タクシー券等の交付等を行っているところでございます。これらにつきましては、基本的に(仮称)地域事務所で行う予定になっております。
 (仮称)区民活動センターでは、各種申請書等の配付や防災関係の取り次ぎ、車いす等の器材の貸し出しなどを行うとともに、ニーズの高い住民票や印鑑証明、税証明については自動交付機により交付をしたいと考えております。
○北原委員 今お答えになられました住民票だとか印鑑証明はニーズが高いから、自動交付機ですか、そんなようなものを使って対応していくということで、その他については地域事務所のほうに移すということであります。この地域事務所というのは五つと言われている地域事務所のことでよろしいでしょうか。
○遠藤区民生活部経営担当課長 現在予定しております5カ所でございます。
○北原委員 実は、だれかの質問にもありましたけれども、高齢化が進んでいくことは間違いないんです。私も地元なんかにいると、駅までは歩いていけるけれども、帰りは大変だというお年寄りの話をよく聞くわけです。そういうわけで、私は過剰な行政サービスがいいとは思っておりません。しかし、高齢化社会の中で必要なものは、身近なところにある行政サービスなんだろうと思うんです。これが確かに利用者があまりいないからというので理解できる部分もありますけれども、地域事務所に移す分野に関しましては、ぜひもう一回地域の人たちにも話を聞いて、区民の話を聞いて、それで地域事務所には、これとこれとこれらの分野を移す、そのほかの分野にはこれだけを残しますということをしっかり理解していただいて、そして、これはお金がかかるばかりでは中野の将来は明るくないと思いますので、その辺はぜひ理解をいただきながら、区民活動センターへの移行を果たしていっていただき、さらには窓口サービスとか福祉サービスがサービス低下になっちゃったと、せっかく変えたこの制度が後で気がついたらとんでもないことになっていたということにならないように、そのサービス内容についても、項目とか内容についてもう一回ぜひ議論していただきたい。地域の声を聞いていただきながら進めていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○遠藤区民生活部経営担当課長 区民の皆さんの理解が得られるようしっかりと検討し、説明してまいりたいというふうに思います。
○北原委員 この項の最後の質問になりますけれども、国の公務員改革、それから、税源移譲あるいは権限移譲などにより、今後基礎自治体の事業が増大することが予想されます。さきの一般質問で、我が党の伊藤正信議員が10か年計画の改訂に合わせた施設配置の検討を提言されました。同時に、時代に対応した持続可能な自治体となるために、中長期的視点に立って、総合的な職員数を含めた職員体制を検討すべきであると思いますが、御見解をお尋ねいたします。
○合川人事担当課長 昨年度、私ども職員2,000人体制の実現を図る基本方針ということで、職員2,000人体制に向けての方策を策定いたしました。今後の退職者の動向ですとか、民間活力の活用状況等を踏まえまして、これについては毎年度見直しをすることとしてございます。また、今後予定されている10か年計画の見直しですとか、国などの制度改正なども踏まえ、適切に対処できるよう必要な見直しは行っていきたいというふうに考えてございます。
○北原委員 区政のまさに進めていくかじ取り役は区長でもあるわけでございます。先ほど私は、安定した財政力と、それから支え合う区民の力と、もう一つは、公務員の改革力と言えるということを申し上げましたけれども、区長にこの一連の質疑についての御見解をお尋ねいたします。
○田中区長 自治体は区民に一番身近な政府ということで、中野というまちをこれからも安定的に、かつ活力を保ちながら運営していくという大変大きな責任を負っているわけであります。その中野区の経営資源の最大のものというのが職員、人材の力ということでありますので、人材の確保と養成ということについては、精鋭の一定規模の数にきちんと絞り込んでいきながらも、職員の資質を確保したり向上したりしていくという不断の取り組みということについては責任を持って行っていかなければならない、こう思っております。
○北原委員 公務員の改革力に期待をして、この項の質問を終わります。
 次に、防災対策についてお尋ねいたします。
 大災害や、それから身近なところで災害が発生しますと、人々の防災意識は高まります。しかし、それは時がたつにつれてどんどんしぼんできてしまいます。災害は繰り返し発生しますから、まさにその繰り返しでもあるわけであります。しかし、行政はいかなるときにも、区民の安全、安心のために、不測の事態に備えなければなりません。近い将来発生が予想される首都直下地震や、予測不能な都市型集中豪雨に対する万全の対策が常に求められているものであります。
 そこで、避難所についてお伺いいたします。中野区は区立小・中学校など50カ所を避難所に指定しております。平成19年度で学校機能を終えた仲町小学校、桃丘小学校、第六中学校の施設の現状はどのようになっているでしょうか。
○志賀危機管理担当課長 お答えいたします。旧仲町小学校、桃丘小学校、第六中学校につきましては、暫定的な活用を図るということから、引き続き避難所としての機能を維持しているところでございます。また、備蓄倉庫、資機材倉庫、災害用の井戸、無線機等は引き続き設置しているところでございます。
○北原委員 今施設はあるというふうにお伺いいたしました。というのは、これは実際に防災対策の部署だけではなくて、教育委員会、それから財産管理、それらと連携しながら、避難所というところは取り組まなきゃならない大きな課題だと思っております。特に六中みたいに、その使い方が変わっていってしまうということになってきますと、なかなか現場のほうでもそれに対応するということができないかなと思いますけれども、これらの現状でこれらの施設が、例えばいろいろなものが入っていてどうにもならないとか、あるいは水道が使えなくなっているとか、そんなようなことが決してないように、いついかなるときにも、避難所として機能するような施設をつくっておかなければならないと思っておりますので、若干移行に対して無理があったかなと思っておりますので、これ以上は聞きませんけれども、ぜひその辺は今後しっかり注意をして、スムーズに避難所が開設できるという施設にしておいていただきたいと思います。
 それからもう一つ、これは避難所は施設だけでは機能しません。これは皆さん御存じだと思いますけれども、避難所を運営する組織が十分機能してこそ、その役割を果たすものであります。中野区には、各避難所に避難所運営組織がありますが、仲町小学校、それから桃丘小と、それから第六中の避難所については、これは学校という組織がなくなっております。現在ある避難所運営組織の中には学校が含まれているということでありますけれども、学校を除いた運営組織の改編は現在なされているのでしょうか。
○志賀危機管理担当課長 避難所の運営につきましては、避難所ごとに避難所運営管理マニュアルというものを定めているところでございます。災害時におきます避難所の運営は、地域防災会、区の職員、そして、施設管理者が責任者としたメンバー、これが避難所運営を行うこととなってございます。委員お話しのあった3施設につきましては、この運営については、学校関係者を除いた運営形態に移行していくということでございますので、地域防災会と区、新たな施設管理者と協議いたしまして、改編をすることとしているところでございます。
○北原委員 そうすると、まだ現在は改編はなされていないというふうに理解してよろしいでしょうか。
○志賀危機管理担当課長 現在地域防災会の方々あるいは地域センターの方と、避難所運営会議開設を早急に実施して、この避難所運営の改編に向けて取り組んでいきたいという話を進めているところでございます。
○北原委員 このことは、既に学校再編が起こる前からわかっていることでありますので、まだ進んでいないようでしたら、ぜひ一日も早く地域の防災会あるいは地域本部、これは地域センターにあるわけですけれども、こことも深く関連するわけでありますから、この辺の皆さんと、その地域ごと、しっかり協議していただいて、一日も早くこの避難所運営組織が立ち上がるように要望しておきます。
 今年度で東中野小学校、それから中野富士見中学校が学校機能を終えるわけでありますけれども、これらも早急に対応策を検討すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○志賀危機管理担当課長 今年度で学校としての機能を終えます東中野小学校あるいは中野富士見中学校につきましては、関係する地域防災会、また地域センターと私どもを含めて早急に話し合いを進めていきたいというふうに考えております。
○北原委員 では、結構です。ぜひスムーズにしていただきたいと思います。
 次に、防災井戸についてお伺いします。この防災井戸というのは、委員の皆さん、それから理事者の皆さんも、時々まちの中で見かけることがあると思いますけれども、家の玄関のところに、昔あった井戸のマークをつけている家なんです。この防災井戸があるという表示板があるんです。古い家に多いです。新しい家にはあまりないんですけれども、古い家というのではなくて、歴史のある家にこの表示のあるのが多いわけですけれども、この防災井戸の目的はどのようになっているのでしょうか。
○志賀危機管理担当課長 防災井戸の目的といたしましては、災害時におきます火災発生時の初期消火としての役割、また、震災時におきます生活用水として使用することを目的としてございます。
○北原委員 それでは、中野区内の防災井戸の総数は現在何カ所あるのか。そして、その防災井戸の管理はどのようになっているのかお尋ねいたします。
○志賀危機管理担当課長 防災井戸につきましては、民有井戸が431カ所、避難所では48カ所、公園、防災広場には16カ所、それから区役所に1カ所、また、公衆浴場に34カ所となってございます。
 管理につきましては、民有井戸につきましては所有者の方々、避難所、学校等、公園につきましては、区が管理してございます。また、浴場につきましては、浴場事業者が管理をするということです。ただし、この民有井戸のポンプ部分につきましては区が管理するということになってございます。また、各学校の井戸の修理につきましても、区のほうで修理をするということになってございます。
○北原委員 今お聞きしますと、民有だけで431ということですから、かなりの数があるわけです。これが災害時に利用できる、利用できないというのは大変大きな問題であろうと思っております。特に飲料水として利用できるということになりますと、大変大きな力になるというふうに考えております。
 ところで、平成8年3月に発行されました地域防災地図というのがあります。個人の家の方が災害時に井戸水を提供してくれる防災井戸のある場所が表示されている、そういう地図であります。しかし、平成15年1月発行の地域防災地図には表示がありません。これはどうしてでしょうか。
○志賀危機管理担当課長 まず、地域防災マップにつきましては、地域防災会と地域センターで話し合いまして、地域の特性を生かした内容にしていこうということで、各地域センター管内ごとに防災マップの内容が違ってございます。また、平成8年度におきましては、調べましたところ、その当時に発行した地域防災マップは、新聞紙の半面の大きさということでございました。その地図の紙面が大きかったものですから、いろいろな表示等が記載できたのかなと思いますが、平成15年度の際には、地域ニュースの裏面を活用した大変小さなものになっております。その関係で、紙面の都合上もあろうかと思いますが、表示のほうを取りやめたのではないかというふうに推測されます。
○北原委員 それぞれのそのときの事情があったのかなと。そして、これが表示された地域と表示されない地域があったのかなと思うわけであります。その後の15年度発行ということになると、さらに紙面の都合上入れられなかったということになるのかなと思っておりますけれども、こうしたことを踏まえて、防災井戸と、それから、地域防災会との関係はどのようになっているでしょうか。
○志賀危機管理担当課長 民有井戸と地域防災会との関係でございますけれども、民有井戸につきましては、民有井戸個人と区との協定の締結をしているところでございまして、直接的に地域防災会との関係はないのかなとは思います。しかしながら、地域防災会によっては、地域の防災訓練の際に、初期消火訓練をこの井戸水提供の家でもって活用しているというお話も伺ったことがございます。区では、このような井戸水提供の家の情報を御案内しておりますので、地域防災会の方々には、ぜひこの場所の特定、把握をしていただきまして、防災訓練、あるいはいざ災害時において活用できるようにしていただきたい、このように考えてございます。
○北原委員 今後、防災井戸の所有者の中には、転居やあるいは取り壊しなど、状況の変化が見られております。それらへの対応というか、対策はどのようになっているでしょうか。
○志賀危機管理担当課長 実は、ことし防災井戸の調査を実施いたしました。これは文書による通知でございますが、この結果、家の建てかえですとか、代がわりによる転居、または売却といった実態が浮かび上がってきております。全体数がそれによって減少しているという状況にございます。調査の結果でございますけれども、回答があったのが329件でございました。このうち作動しないという回答が88件、また、未回答、住所不明のため返信されてきた件数も79件ございました。これらの実態に合わせまして、今年度、当分野で至急に実態調査をしていきたい、このように考えております。
○北原委員 先ほど民有のところの防災井戸の所有者が431であったという話であります。そのほかにもあるわけですけれども、329件が戻ってきた。その中で作動しないのが88件であったということで、その他、住所不明が79件ということでありました。これは、調べる年度が前と随分間隔があきましたから、地域の状況も変わったというふうに私も理解しておりますけれども、ちょっと遅過ぎるのかなと思いますけれども、今回、調査を実施したというのは大変結構なことだと思います。
 先ほど防災会と防災井戸の関係があまり明確ではないように感じました。地域防災会によっては、初期消火のところでこの井戸を利用しているというのがあったと、そういう話がありましたけれども、それはごく限られた件数にすぎない。大方はこの井戸があること自体をあまり知られていないとか、そういうことが多いと思いますし、防災会を抜きにしたところでは、この井戸の活用がなかなかこれはできにくいというような状況をつくり出してしまっているのではないかと思います。
 ですから、ぜひ今回の調査結果をもとに、この防災井戸をどう使うのかということを区と、それから地域防災会、それから防災井戸の所有者の皆さんとしっかりこの関係を確立して、明確な協定みたいなものをつくって、そして、できればそれがマップに入ると、個人情報のことがあるのかどうかわかりませんけれども、どこの家に何があるのかという、そういう詳しいところまでいくかどうかはわかりませんけれども、どこにその井戸があるんだということが明記できるような、表示できるようなこともぜひ検討していただきたい。そして、この防災地域マップをつくっていただきたい。地域防災マップの中の防災井戸のことを検討していただけたらと思っております。この項の質問は終わります。
 それでは次に、初動期の態勢についてお尋ねいたします。予測が難しくて、短時間で大きな被害を出す豪雨が増加するという中で、区は対応に苦慮していると思います。さきに伊東しんじ委員も質問されましたけれども、平成19年度と20年度で大変多くの注意報、それから警報が発令されているわけであります。特に20年度、今年度ですけれども、8月、1カ月で15回の注意報、それから、警報が9回出ているということであります。これは、総務の104の資料で明らかになっておりますけれども、風水害時に対する初動期の態勢の基準はどのようになっているのでしょうか。また、平成19年度と20年度の初動期の態勢、それから災害対策本部を設置するということがあると思いますけれども、その災害対策本部をとった回数は何回でしょうか。
○志賀危機管理担当課長 まず、水害時の初動期の態勢でございます。大雨洪水注意報が発表されまして、今後の気象情報に注意が必要となった時点で、まず防災、危機管理担当の職員によります当番職員2名で、気象情報を収集する夜間休日連絡態勢をとります。また、場合によっては、危機管理及び防災担当職員20名の職員体制ということもございます。さらに、風水害に対する注意が必要になった場合には、情報連絡態勢を発令いたします。また、その後の急激な雷雲の発生などで、気象状況の変化や大雨洪水警報の発令、台風の接近等によりまして、風水害が発生するおそれがある場合には、災害対策本部を設置する、このように態勢についてはなってございます。
 また、風水害態勢に対する回数のお問い合わせがございます。平成19年度は情報連絡態勢を6回、初動配備態勢を1回、第1次非常配備態勢を1回発令しております。このうち、夜間、休日に従事した回数でございますが、情報連絡態勢が4回、初動配備態勢が1回となってございます。
 続きまして、平成20年度でございますが、情報連絡態勢が10回、初動配備態勢は3回発令してございます。このうち夜間、休日の従事でございますが、情報連絡態勢が7回、初動配備態勢が3回となってございます。
○北原委員 そうすると、災害対策本部というのは、平成19年に1回ということになろうかと思います。夜間の分も教えていただきましたけれども、夜間はことしは7回、そして、3回であったということでございます。初動期の態勢となりますと、区役所あるいは地域センターなどに職員が参集することになると思いますが、どの施設に何人参集するのか、あるいは同時に区内を巡回するということもあろうかと思います。私どもも地域防災会として、サイレンが鳴りますと防災担当の役員が――私は妙正寺川の近くでありますから妙正寺川に行くわけでありますけれども、区内を巡回する職員の方もおられるのかなと思いますので、区内を巡回する体制はどのようになっているのか。
 また、これはきのうも伊東委員の質問にもありましたけれども、人員の確保、さらに参集時間について問題はないのか。また、この夏のように、夜間の風水害が続くと、実際に雨は降らなくても集まらなきゃならないということで、施設によっては、一部の職員に負担がかかってくるということで、負担のかけ過ぎということもあろうかと思いますけれども、その辺についてお伺いいたします。
○志賀危機管理担当課長 今委員のほうから4点ほど御質問がありました。
 まず1点目でございます。参集人員でございます。初動期の参集人員ということで、情報連絡態勢ということでのお答えとさせていただきます。情報連絡態勢につきましては、123名が参集することとなってございます。区役所には108名、15地域センターには各1名が参集するということになってございます。
 続きまして、区内に巡回する人員でございますけれども、情報連絡態勢では、参集した職員のうち、災対建設部、施設情報班が河川、公園を巡回いたしまして、被害状況や道路の冠水、あるいは急傾斜地、がけ地等の状況を調査することとなってございます。また、状況によりましては、施設情報班の職員が出動するまでの間、防災要員住宅の職員、または防災、危機管理担当の職員で青色パトロール等を活用した区内巡回を行っているところでございます。
 それから、初動期の参集時間に対するお問い合わせでございます。情報連絡態勢につきましては、班編制に当たりまして、区内及び隣接区在住の職員を中心に、原則として1時間程度で参集できる職員をもとに体制を組むこととしてございます。また、ことしからは、情報班に自宅からおおむね30分で参集できる区の職員を特別応急隊として編制いたしまして、区内を巡回する仕組みをつくったところでございます。
 次に、一部職員に負担がかかっているのではないかというお問い合わせでございました。夜間、風水害が続きますと、責任のある職員が態勢の中の中心に位置付けられているところもございます。確かにそういった意味では、一部職員に負担がかかっているケースもあるかと思います。しかし、風水害の状況にもよりますけれども、態勢内部での状況で可能な限り当番制による態勢を組むようにというようなことで柔軟に対応しているところでもございます。
○北原委員 ことし、総務の105の資料によりますと、7月29日、これは江原町三丁目で浸水被害が、床上、床下の被害がありました。それから、9月6日土曜日にも、これは東中野と江原町であったわけでありますけれども、このときに、これは恐らく大変な災害でありましたから、どのように対応されたのかということについて、確実におわかりになっていると思いますけれども、そのときの状況について、概略教えていただけないでしょうか。
○志賀危機管理担当課長 7月29日と9月6日の被害があったときの状況ということでございますけれども、そのときには、情報連絡態勢をとりまして、夜間、休日ということもありまして、職員の参集状況等はなかなかよくなかったんですけれども、それでもその少ない人数の中で、まず青色パトロールカーによります区内巡回をいたしまして、管内巡視を行いました。そして、被害があったというお宅に、夜間、10時11時ぐらいでしたか、土のう等の配備等の問い合わせがございましたので、すぐ青色パトカーでそのお宅に伺いまして、調査等について翌日実施する、あるいは消毒等も翌日の対応といたしますということで、1件1件回りまして、適切に対応してきたところです。この2日間の被害状況につきましては、いずれも適切にそのような対応をしてきたところでございます。
○北原委員 早速対応していただいたようですけれども、ゲリラ豪雨だから、なかなか難しいと思うんです。それは、先ほど申しましたけれども、各自治体とも大変手を焼いているというのは現実だと思います。そういう中でもしっかりとした備えをしておかなければならないのが、先ほど申し上げたように、行政の役割であると思っておりますので、今後、このことに関しましては、大変でしょうけれども、一部の人に過重がかからないような仕組みを考えていくということでございますので、ぜひその辺をしっかり念頭に置いて、この態勢を整えていただきたいと思っております。
 そこで、これは、初動期の態勢にかかわる人的なものにかかわることで、大切な要件であろうと思っているので質問させていただきます。
 区内在住職員数についてお尋ねをいたします。区内在住職員数は何人でしょうか。また、全職員に占める区内在住職員の割合はどのようになっているでしょうか。さらに、区内に住んでいる管理職の人数は何人かもお尋ねいたします。
○志賀危機管理担当課長 中野区の総職員数でございますが、2,494名となってございます。うち区内在住職員が588名、全職員に占める中野区在住職員の割合が23.6%となってございます。また、区内在住の管理職は9名ほどおります。
○北原委員 今2,495のうちで、区内在住職員は588という数字ですね。それで、そのパーセントが23.6%ということでありますけれども、これは、隣ですけれども、杉並区は、妙正寺川だとか善福寺川という河川を抱えておりまして、災害に関しましては中野区に非常に近いような区なんです。17年の豪雨のときでも、杉並、中野、合わせて相当な被害が出たわけでありますが、杉並区は、全職員に占める区内在住者の職員の割合は30%なんです。1,169人の職員が区内に住んでいるんです。これと比較しますと、中野はあまりにも少ないというふうに感じます。
 そして、管理職の皆さんで9人しか中野にいないというのは、大変寂しいことでありますけれども、住むところまで、あそこに来なさい、ここに来なさいというわけにはいかないでしょうけれども、やはり中野が魅力あるまちであれば、管理職の皆さんも、それから職員の皆さんも中野に住むということになろうかと思いますので、在住職員数をふやすというのは、まさに中野区政の根幹にかかわることでありますので、ぜひこれは進めていかなければならないと思っております。この中野区が23.6に対して杉並区が30%であるということをぜひ念頭に置いてこれからも考えていただきたいと思います。
 それからもう1個、防災用職員住宅というのを中野区は持っていると思いますが、これは何戸ありますでしょうか。利用状況についてもお尋ねいたします。
○志賀危機管理担当課長 防災要員住宅につきましては、中野区内に2カ所、宮の台住宅、それから沼袋住宅となってございます。宮の台住宅につきましては、単身者用が6世帯、世帯用が2世帯、沼袋につきましては、単身用が5世帯、世帯用が5世帯となってございます。
○北原委員 利用状況について。
○志賀危機管理担当課長 現在の入居率でございますけれども、単身用につきましては90.9%、世帯用が28.6%となっております。
○北原委員 これにつきましても、これは杉並も同じように防災用職員住宅を持っております。ここは、単身用が多いんです。単身用は19室ということでありまして、家族用は1なんです。ということは、今中野区の話を聞きますと、単身用は90%入っているんだと。これはほとんど入っているということです。90ということですから、このぐらいは仕方がないのかなとわかります。しかし、家族用が28.6で、これは7戸あるというのは、ちょっと利用率が低過ぎるのではないかなと思うわけです。これは、これから検討することであろうかと思いますけれども、入居基準というのを見直すべきだと。これはあけておいても何の得にもなりません。災害時には職員が来てくれるわけでもないですし、災害用職員住宅なのに空気が住んでいるわけですから、そういうわけではどうにもなりませんので、ぜひ家族用職員住宅というのは見直したほうがいいと思いますけれども、そんなようなことを含めまして、入居基準を見直すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○志賀危機管理担当課長 委員のお話しのとおり、沼袋の住宅につきまして2世帯の入居、宮の台についてはゼロということで、世帯の住宅につきましては、積極的な活用を今後とも図っていかなくちゃいけないというふうに考えております。また、管理職の職員も9人ということで中野区内に住んでおりますけれども、もっともっとふやす方向で考えていかなくてはいけないということでは、一定職員をここに指名的な形での入居をさせるというのも選択肢としてはあるのかなというふうには考えております。しかし、現在のところ、防災対策の必要性は十分踏まえて検討はしているところでございますが、入居基準等については変更する予定は今のところございません。
○北原委員 区民のほうには、あるいは議会側に対しては、効率化とか、そんなことをよく区はおっしゃるわけですけれども、こういうものに関しては、これはまさに効率が悪いと言われても仕方がないと思いますので、確かに仕組みを変えれば、そしてうまく誘導すれば、例えば杉並なんかはできているわけなんです。その辺をぜひ考えていただいて、このことについては、これも積極的に早急に解決するように努力していただきたいと思います。以上でこの項の質問を終わります。
 それでは、4番目の質問に移らせていただきます。郷土資料の収蔵についてであります。
 知の宝島、これは知識の「知」ですけれども、知の宝島と言われる図書館は、区民の多彩な生涯学習を支援するため、教養の向上、調査研究、資料や情報の提供の場として機能しております。区立図書館の図書資料購入額は、中野の図書館事業の報告書、これは平成19年度版によりますと、平成16年度は約5,700万円、それから、17年度が約6,200万円、18年度が7,700万円、19年度は9,300万円と、この図書購入額が増加されております。そして、今年度は1億円を超えているという現在であります。
 区立図書館8館を合わせて約95万冊の図書を所蔵し、蔵書の充実を図ってきております。しかしながら、最近の利用状況を見ますと、登録者数、それから、新規登録者数、それから、この二つはいずれも減少傾向にあります。これも資料で見させていただきましたが、それから、入館者数も、これは横ばいなんです。これでは図書館が区民ニーズにこたえているとは言えないと思います。中野区は、数年前から、中野区にゆかりのある作家、それから文化人に関する資料の収蔵、展示に力を注いでいると聞いておりますが、展示の回数、そして、内容とも十分だとは言えません。まさに資料なくして活用なしだと私は思います。
 そこで質問をいたします。郷土資料や中野区にゆかりのある作家や文化人などの資料の収蔵は、中野の図書館なくして考えられない大切な事業であります。図書購入額のうち、郷土資料や中野区にゆかりのある作家や文化人などの資料の購入額はどれほどになっているでしょうか。平成17年、それから18、19年度についてお尋ねいたします。
○倉光中央図書館長 お答えいたします。図書館では、中野区あるいは中野の地域を理解するために必要な資料を地域資料と定義して、これまで地誌、歴史資料、ガイド、地図などの郷土資料や、中野区が発行したすべての行政資料を収集してきているところでございます。地域資料の購入額についてでございますが、平成17年度は70万7,000円、18年度は26万8,000円、19年度は29万6,000円でございます。
 なお、このほかに中野にゆかりのある著作者に関係する資料といたしましては、購入額では、17年度7,000円、18年度が15万6,000円、19年度22万5,000円でございます。なお、ゆかりのある著作者につきましては、ゆかりの著作者としての購入のほかに、副本として一般書架にも置いてある分がございますが、これらについては集計の都合上除いてございます。
○北原委員 これは数年前からこの施策を進めているには、大変寂しい数字であると思います。17年度で購入額6,200万円のうち70万円ということであります。これは1割にも全然満たない。とんでもない数字であろうかなと思っておりますけれども、1%だそうですけれども、これは19年度で29万円ですよね。ゆかりのあるので22万円ということになりますから、それでも50万円ということでありますから、あまりにも少ないということでありますけれども、その収集点数、あるいは収集内容、概略で結構ですので、お尋ねします。
 それから、例えば22万円とか29万円ということになりますと、何か特別な資料をお集めになったかなということも考えられますので、そんなコレクションがありましたら、それについてもお尋ねいたします。
○倉光中央図書館長 地域資料の収集、点数でございますが、延べ3万3,285点でございます。また、中野区ゆかりの著作者のコーナーにございます資料が613点でございます。また、図書館では、区民出版物というコーナーがございまして、区民の方が自費出版された資料で寄贈いただいたものについて、特別なコーナーとして現在298点を所蔵している状態でございます。
○北原委員 わかりました。それでは、図書の購入につきましては、選書会議というのが開かれて決定されているというふうに聞いております。こうした資料、今の地域資料のことについてはどのようになっているのか。また、それらの収集基準はあるのかどうかお尋ねいたします。
○倉光中央図書館長 御指摘のございました地域資料についても同様に選書会議を経て、館長決定により受け入れをしております。また、中野区ゆかりの著作者に関しましては、収集基準を定めておりまして、ゆかりの人の著作及びその伝記やあるいは人物研究などを中心に収集を進めているところでございます。
○北原委員 文学者や文化人に関する古書、そして、資料は、一部の人を除いて大変少ないものであります。これは、文学者で言うと夏目漱石だとか森鴎外とか、たくさんあるんです。ところが、そうでない人たちというのは極端に少なくなってしまうんです。また、この中野区関係の歴史、郷土歴史資料も、これは流通が少ないというふうに言われております。
 東京都古書籍商業協同組合が運営する600万件のデータベースを有する古書検索サイトというのがあるんです。これは、なぜ私がここで申し上げるかというと、まさに専門書の古書検索サイトとしては日本最大のデータベースを持っているところであります。この検索サイト「日本の古本屋」というのがあります。この600万のデータベースで、戦前に発行されました中野の代表的な郷土史、これが三つあるんです。一つは「武蔵野方町史」、これは昭和2年に発行されております。それからもう1冊は「武蔵江古田片山総覧」、これは昭和6年に発行されております。それから「中野町誌」、これは皆さんもお見かけするかと思いますけれども、昭和8年に発行されております。この3冊の在庫状況を検索してみますと、「武蔵野方町史」はゼロ冊、それから「武蔵江古田片山総覧」はゼロ冊、「中野町誌」に関しては5冊がありました。
 ちなみに、中野の図書館8館での所蔵冊数は、全体で「武蔵野方町史」が4冊、それから、「武蔵江古田片山総覧」が2冊、それから「中野町誌」が6冊となっております。郷土資料は、その性格上、地元に存在することが多いと思います。区民からの寄贈制度もあると思いますが、平成19年度の寄贈件数は何件でありましたでしょうか。
○倉光中央図書館長 平成19年度に図書館に区民の方から御寄贈いただきました資料、このうちのいわゆる地域資料に当たるものといたしましては59件寄贈がございました。
○北原委員 59件の寄贈があったというのは、区民の皆さん、非常に意識が高いのかなと思います。自分のふるさと中野の資料は中野区に寄贈して、そして、区民の皆さんに見ていただきたい。そして、中野区の図書館に所蔵しておいてもらって保管していただきたい。次の世代に伝えていただきたい、そういう願いがあるから59件もあるのかなと私は思っております。しかし、その寄贈されたものが、また今の時代に合っているのかどうかとか、資料性が高いかどうかということについては別問題であろうと思っておりますので、そういう心はしっかりともらいながら、いただいたものに関しましては利用する形がいろいろあろうかと思いますので、それぞれうまく再利用していただくということが一番いいのかなと思っております。
 そこで、古書については、古い資料、郷土資料なんかについては死蔵してしまうということのほかに、代がわりとか建てかえ、あるいは転居などの機会に古い資料が失われていきます。寄贈制度をPRしたほうがいいと思うんです。今59件とありますけれども、意識が高い地域でありますから、ぜひこのPRを検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○倉光中央図書館長 図書の寄贈制度につきましては、委員御指摘のとおり、図書館としては、区民の方のありがたいお気持ちというふうにとらえてございます。しかしながら、一方で、委員御指摘のように、必ずしも図書館のニーズと申しますか、収蔵の方針と合致しないものもあったり、あるいは特に歴史的な文書に関して申し上げますと、保管のための設備や専門知識も必要であるということもございます。こうしたことから、これまで図書館では、一部の戦前の発行の貴重書とされるものを除きまして、いわゆる古文書的な資料につきましては、歴史民俗資料館において受け入れていただくなど、役割分担と工夫を重ねてきたところでございます。今後も図書館といたしましては、歴史民俗資料館との連携を図りつつ、区民に役立つ魅力ある図書資料の収集、そして、その提供に力を入れてまいりたいと考えております。
○北原委員 その辺の収集につきましては、図書館と歴史民俗資料館、しっかり連携をとりながら、それぞれの専門分野があろうし、収集の範囲もあると思いますので、その辺は今まで以上に連携をとりながら、この収集についてはぜひやっていただきたいなと思っております。
 それでは次に、先ほども申し上げましたけれども、中野区ゆかりの作家、文化人などに関する文化資料の展示は行われているものの、回数も内容も活発だとは言えません。その主な要因は、私は資料の収蔵にあると思っております。幸いなことに、中野区にゆかりのある作家や文化人が大変多いという地域にあります。まさに中野区としてかかわりの深い哲学堂を中野にプレゼントしてくれたというんでしょうか、東洋大学の創立者であります井上円了さん、この方は中野区にゆかりがあるわけですけれども、特にこの資料を見ていただきたいと思いますけれども、「不思議博士・井上円了」、こんなポスターをつくって、これは11月1日の土曜日から27日の木曜日まで、中央図書館、そして、中野ZERO、こんな共催で行うということであります。
 今回のこの「不思議博士・井上円了」は、生誕150年であります。生誕150年でありますから、今回の展示につきましては、東洋大学も同時に共催されているということであります。もちろん、本家本元の東洋大学のほうも特別のことをやるという予定になっておりまして、それは今月予定されているということでありますから、非常にタイムリーな企画であるし、特に私はこれに対して評価したいのは、私は中央図書館を見せていただきましたけれども、井上円了博士の著作で、原本と言われるものはなかったんです。ところが、今回この展示には、東洋大学のほうが、まさにその原本を展示するということになっております。こんな立派な「妖怪学」なんて、お化け博士とも言われた方ですから、非常に立派な哲学者でありますけれども、そんなものが展示されるということは滅多にないと思います。これはタイムリーな企画であると思って、図書館長に、すごいな、よくやった、感動したと、ぜひそうお伝えしたいところであります。
 これは井上円了博士でありますけれども、このほかに、皆さんに有名な林芙美子さんというのが、どこどこにお墓がありますよということがあります。そのほか、これは私が調べたんですけれども、もとになったのは「中野区史」とか、そんなような資料からなんですけれども、若き周恩来は東京滞在中に現在の東中野五丁目に下宿をしておりました。それから、二・二六事件の中心的人物である北一輝は、昭和10年、桃園町、現在の中野三丁目の敷地面積千数百坪の豪邸に住んでおりました。そして、これは他党のことを言うわけではありませんけれども、今話題の「蟹工船」の著者、プロレタリア文学の小林多喜二は、大正5年に上京、中野区上町に下宿しておりました。今の中央四丁目だそうです。
 そのほか、壺井栄、平林たい子、それから円地文子、瀬戸内晴美、芹沢光治良、伊藤整、福原麟太郎、水上勉、新しいところでは、丸谷才一、清水一行、こうした文学者、ほかには、今でもチャンチキ通りというふうに名前を残す三波春夫さん、この方もある面においては中野の文化人であろうというふうに考えております。このほか、まだまだ非常に多くの文化人が中野に住んでおりました。
 ちょっと研究の途中ですけれども、中野の中で文学地図をつくるとするならば、一番最初に文化的なところとしてまちが栄えていったという文化的な側面から見ますと、東中野周辺でありました。東中野周辺から落合にかけてというのが中央線の開通とともにその辺に広がっていく。それと同時に、東中野と中野駅周辺に文化人が住んでいきました。その後、西武新宿線が開通すると同時に、東京市が風致地区に指定しました関係上、野方地域、江古田から野方にかけてが風致地区に指定されましたので、野方文化村として大規模な分譲が進んでいったということがありまして、その辺に文化人が多く住んでいくようになったと、こういう経緯があります。これはまだ私の研究途中ですので、参考までに申し上げておきます。
 それで、このように多くの作家や文化人が中野に住んでいたということであります。中野区のゆかりの資料の収集はできるだけ、今回の展示でもありましたけれども、少なくても結構ですので、オリジナルをぜひ集めていただきたい。また、文書や書籍に限定することなく、中野区関連のポスター、結構これは戦前にまちで発行されたようなポスターはまだまだ残っていると思いますので、行政関連のポスターになるかと思いますけれども、そうしたもの、あるいは戦時資料、B29から落とされたビラなども多分残っているはずであります。そういったもの、あるいは商店街や映画館など、かつて中野区でかかわったこうした産業資料など、収集範囲を広げていくことを私は提案したいと思いますけれども、図書館長、いかがでしょうか。
○倉光中央図書館長 委員御指摘のとおり、図書館は図書資料のみならず、視覚に訴えるような資料、あるいは最近のさまざまなメディアも含めて幅広く区民に役立つ情報を提供していく場であるべきと、このように考えております。収集の範囲に関しましては、委員の御指摘も踏まえまして、今後中野区立図書館全体のあり方を考える中で研究、検討していければというふうに考えてございます。
○北原委員 どうもありがとうございました。結構です。
 それでは最後に、中野は教育文化の区なんだということを掲げて進んできたところがあるかと思いますけれども、文化都市中野を目指していくのに図書館の役割は大きいと思いますけれども、この一連の質問について、区長の御見解をお伺いしたいと思います。
○田中区長 中野というまちは、自然的な観光資源があるわけでもなし、名所旧跡といっても、それほど古いものがあるわけでもない。いいものはありますけれども、有名なものがあるわけでもないということでもあります。そういう意味では、中野に住んでおられた方、中野というまちではぐくまれた文化というものが中野にとっての大変大きな財産であるというふうに思うわけでございまして、今の質疑のやりとりを聞いておりまして、これまで区としてもつかみ切れていないというか、十分に認識し切れていないさまざまな資料等もあるんだなというようなことを実感いたしましたので、図書館のみならず、区としてそうしたものをどういうふうに取り上げて、中野区の特徴として、また中野区の他に誇るべき資源として育てていくか、守っていくかということを考えていくべきだと思っております。
○北原委員 図書購入費に占めるゆかりの資料の比率が非常に低いということは、その収集すべき資料がなかなか見当たらないということが原因であったというふうにも思われます。そうした意味で、図書館にはたくさんの資料があるわけですので、特に「中野区史」とか「庶民生活史料集成」、そのほかいろいろなところで発行された資料をもとに、中野区にゆかりのあるものは一体何なのかということは、図書館で調べれば図書館の担当者はわかるはずでありますから、ぜひその辺をしっかり調査研究をしていただいて、さらに新たな産業資料などを加えたものも収集範囲を広げていただいて、充実した郷土資料を収集していただいて、ただ、これも所蔵するだけではどうにもならないわけでありまして、その所蔵した資料をさらに活用するということが大変重要であります。そのさらなる活用を期待して、私のすべての質問を終わります。ありがとうございました。
○吉原委員長 以上で北原ともあき委員の質疑を終了いたします。
 次に、佐藤ひろこ委員、お願いします。
○佐藤委員 総括質疑をさせていただきます。大変文化的な格調の高い質疑の後ですが、時間がもしありませんでしたら、後半のほうの質問はカットさせていただくかもわかりませんけれども、よろしくお願いいたします。
 私が17年前に議員になりましたときに起こっていた問題が、上野原の学習スポーツ施設用地を買うかどうかという、そういう案件がちょうどかかっておりました。そのとき文教委員会におりました。その議論をさまざまさせていただいたところです。そして、一貫してそのスポーツ施設用地の購入については反対をしてまいりました。このたび、ようやくその用地が売却されました。その売却価格でいきますと、約10億円の損失ということになります。その重たさというのをしっかり感じ、二度とこういうことを行ってはいけない、そのためにはどうすればいいのかをしっかり考えていかなければいけないと私自身も強く今胸にとめているところです。
 将来の負担がどうなるのか。将来に向かって私たちはどういう方向で進んでいくのか。そのためのあり方をどう考えていくのかということで、このたび地方公共団体の財政の健全化に関する法律が施行され、将来の負担を把握し、そして、財政運営を行っていくということが国を挙げて行われております。そして、今回の決算で、今どこの自治体もそうですけれども、財政健全化指標、新しい四つの指標が問題になり、そして、決算議会で審議されている状態だと思います。
 監査委員がこの指標を審査し、議会に報告した上で住民に公表することが義務付けられました。10月5日の中野区報で、既にこの財政健全化指標が公表されています。また、区のホームページには、今お手元にあります財政白書の41ページに内容が詳しく書かれております。中野区の数値は、いずれも基準を下回っており、区の財政状況は健全段階にあるということです。指標の一つでも基準を超えると、早期健全化団体として財政健全化計画の策定など国からの改善が促されることになります。税収が乏しい上に、身の丈以上の借金を積み重ね公共事業を行ってきた自治体や、赤字の病院会計などを抱える自治体は、この指標が基準を超えることになり、これから大変な努力を強いられることになります。
 この健全化指標、中野区では下回っているということで、いわゆる記入が公債費以外はされておりませんが、この健全化指標の意味を区民にもっとわかりやすく伝える工夫をし、財政運営のセーフティネットとして活用することができるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○相澤経営分析担当課長 お答えいたします。いわゆる財政健全化法、これに基づく四つの財政健全化判断比率は、今年度から、委員のおっしゃるとおり、監査委員の審査を受けて、議会や区民に公表するとなった指標でございます。指標の持つ意味、また中野区の算出数値、また法令が定める早期健全化の値、財政再建基準値などを示すとともに、算出の結果、中野区の財政状況は健全段階にあるということを簡潔にわかりやすく区民に公表する必要があるというふうに考えてございます。概要については、10月5日号の区報で公表いたしました。ホームページ、財政白書の公表などで、その内容を示しているところでございます。
○佐藤委員 区民の関心は、赤字であるかどうか、借金がどの程度あるのか、貯金がどの程度あるのか、将来は大丈夫なのかという4点にあると思います。赤字であるかどうかは、実質赤字比率と連結実質赤字比率でわかります。ここに中野区では数値が出ておらず、すべての特別会計を連結しても、中野区では赤字がないことがここでわかります。借金がどの程度あるのか、貯金がどの程度あるのか、将来は大丈夫なのかというのは、新しい指標である将来負担比率で知ることができます。ただ、比率はその数値として出ておりませんので、その構成要素を説明することが必要だと私は思いました。そこで、将来負担比率の算出内訳を総務113で出していただきました。この資料をもとに、将来負担比率について説明していただけますか。
○相澤経営分析担当課長 総務の資料113でございます。ごらんいただければと思っております。この将来負担比率の特徴でございますが、一言で言うと、連結ベース、発生主義ベースも加えて、中野区の将来負担額、これを大きく見ているというところが特徴でございます。具体的には、そこの分子の地方債の現在高、これだけではなくて、そこの将来負担額のところにありますように、土地開発公社の用地取得費等の債務負担行為に基づく将来負担額でありますとか、また、一部清掃事務組合等負担と見込額というのは、東京23区の清掃事務組合等の地方債残高に対する中野区の負担見込額も入っているわけでございます。また、職員手当負担見込額というのは、発生主義ベースで見ました退職給与引当金相当分に当たるものでございます。そして、設立法人の負担額等につきましては、損失補償を行っている団体に対する負担見込額、そういったものが含まれている、そのようなものでございます。
○佐藤委員 この将来負担比率は画期的な指標とも言われております。全国で一律にその比較ができること、それから、想定できるすべてのさまざまな将来負担を連結していることです。中野区では、先ほどおっしゃった一部事務組合とか、それから、設立法人の負担、これは江古田の森がそれに当たると思いますが、そういうことがここに地方債現在高だけではなくて、将来発生するという負担額として示されているわけです。その合計額が約920億円です。そして、充当される基金というのが、充当可能基金がここに376億円、そして、基準財政需要額算入見込額761億円を足して、約1,138億円を支払い能力として今私たちは持っているので大丈夫であるということがわかります。
 このように内訳や基金を具体的に入れていくと、将来の負担を私たちがどういう状況で今持っているのか、どんなものを負担にしているのかというのがわかり、また、支払い能力の中では、充当可能基金、この基金が力になっていることもわかります。基準財政需要額算入見込額というのは、これから多分不安定になる要素だろうと思います。これから安定的なサービスが提供できるということでは、この基金をしっかり活用していくことが今後とも望まれるということがわかると思います。具体的に数値を示して伝えるとわかりやすいのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○相澤経営分析担当課長 まず、区民にはわかりやすく公表する必要があるということで先ほど御答弁しましたが、また、今言われているようなことも含めまして、あまり細かくなりますと、かえって何を言っているかわからないということもありますので、こういったものも入れていくようなことも考えていきたいというふうに考えております。
○佐藤委員 将来負担比率は、中野区のように数値が出なければ大丈夫だということはわかっても、どの程度大丈夫なのかという度合いを図ることができず、経年変化のデータをつかむことができません。多治見市では、財政の健全性を図ることに焦点を合わせて、独自に四つの財政判断指標を設定しました。償還可能年数、経費硬直率、財政調整基金充足率、経常収支比率です。将来負担に対応できる財政力がどのくらいできているかを経年変化でたどれる指標は償還可能年数ということになると思います。財政白書の82ページのところに、中野区としての償還可能年数のグラフが載っております。償還可能年数は年々低くなっておりまして、昨年は1.8年という数字になっております。中野区としても、将来負担比率と同じ意味を持つ経年変化が追いかけられる指標を何か考える必要があると思いますけれども、いかがでしょうか。
○相澤経営分析担当課長 区の財政状況、これは健全性を見ていくためには、多面的に分析しなければならないと考えております。例えば1年間の収支の状況、フローにより短期的な財政収支の健全性を見ていく。また、資産や負債の状況、ストックにより中長期的な視点に立ちました財政運営の健全性を図ることも必要であると考えております。そのような視点から、財政健全化指標の比率のほかに、区独自の指標を設けることで現在検討を進めているところでございます。
○佐藤委員 よろしくお願いいたします。健全化指標では、連結ベースでの負債の重さを判断するために、連結の対象となる外郭団体や第三セクターの財政状況が大きく影響してきます。外郭団体は公社などの法人、第三セクターは株式会社の形態をとるものを指して言うことが一般的には多いですけれども、定義付けははっきりしていないということです。神戸市では、外郭団体を市と人的、資金的及び業務内容において極めて強い関連性を有する法人と定義付けています。中野区では、まちづくり公社や文化スポーツ公社など外郭団体の整理を行ってきたので、以前よりも減りました。今、区が設立にかかわった外郭団体としては、土地開発公社と中小企業退職金共済会が残っております。一般的に区の外郭団体と言われるものは、ほかに社会福祉協議会や障害者福祉事業団、シルバー人材センターがあります。区設立法人ではないけれども、人件費の補助を出していたりするからです。
 中野区の財政白書の59ページに、第三セクターと言われる表があります。補助金や出資金を出しているところ、シティテレビ中野、まちづくり中野21などです。土地開発公社も入っております。また、南東北事業団には、先ほど出てきましたように、財政白書の61ページに、11億円の債務保証をしているという形で載っております。将来負担比率の算定には、南東北事業団に対する損失補償見込額、約2億5,000万円ですが、土地開発公社の用地取得費がカウントされており、連結バランスシートでは、外郭団体として、土地開発公社と中小企業退職金共済会が連結されております。なぜみんなのよく知っている第三セクター、シティテレビ中野やまちづくり中野21が連結の対象とならないのか、外郭団体や第三セクターの連結をする基準というのはどういうものなのか教えてください。
○相澤経営分析担当課長 まず、第三セクターや外郭団体、こういったものにつきましては、法的にその規定がされているわけではございません。第三セクターに関して言えば、総務省の通知により、地方公共団体が出資及び出捐を行っている民間法人及び商法法人ということになってございます。お尋ねの連結をしている外郭団体、三セクという御質問でございますが、現在区のバランスシートで連結している関係団体につきましては、区が50%以上出資している第三セクターのうち、区の関与及び財政支援の上で区と連携協力して行政サービスを実施するなど、密接な関係を有する業務を行っている団体、そのような基準で連結しているものでございます。
○佐藤委員 今後、出資比率がふえるとまちづくり中野21も連結の対象となるかもしれません。性格が異なる役所と企業が一緒に経営する第三セクターは極めて難しい行政技術だと言われております。将来負担比率、連結バランスシートなどでしっかりとチェックを行うことが必要だと思います。
 中野区は、江古田の森整備に当たり、日本で初めて福祉施設整備にPFIの手法を取り入れました。民間の力を生かさなければ、これだけの施設建設はできなかったと思います。しかし、現在江古田の森の経営状況は厳しく、債務保証をしている区はそのリスクを負うことにもなりかねません。また、利用者の家族会からは、法人では解決されない問題が区に要望として出されておりますが、区はPFI事業などで法人で責任を行ってもらうという返事で困っております。PFI事業のメリットとデメリットについて、この時期に検証する必要があると思います。
 また、中野区は、2003年、地方自治法の改正によって指定管理者制度ができたときに、その翌年、いち早く保育園に導入しました。当時は区民の方々から、本当に大きな反対の声がありましたが、今では、総務99にありますように、さまざまな施設に導入されております。スポーツ管理施設もそうですし、さまざまな施設に導入されております。最初に中野区で指定管理者制度を導入してから5年が経過しております。民営化している保育園、また保育園も指定管理者の保育園、そして、同じ保育園でも手法が違います。また、高齢者福祉センターは指定管理者になったり、業務委託になったり、何度も手法が変わっております。
 PFI事業、指定管理者制度、民間業務委託、民設民営化と、現在中野区ではさまざまな手法で施設運営が行われておりますが、民間活力の導入の手法について、今検証する時期に来ているのではないでしょうか。どのような事業にその手法が適切なのか、それぞれの手法の検証を行い、メリットとデメリットを比較評価し、改善につなぐ必要があると考えますが、いかがでしょうか。また、今後の適切な手法についても、政策研究機構なども活用しながら検討すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○田中評価改善担当課長 お答えをいたします。民間活力導入後の検証につきましては、重要な課題だと認識をしてございます。そのため、今年度の行政評価における外部評価で、指定管理者により行ってございます施設につきましては、特別に時間を設けてヒアリングを行うなどの取り組みを行ったところでございます。委員御指摘の手法そのものに限定した検証につきましては、一部の施設を除きまして、現在行ってございません。今後、手法のあり方につきましては、施設の対象範囲を拡大し、サービスの受け手となる利用者の視点を踏まえて検証するなど、民間活力の適切な活用についての改善の取り組みを充実いたしまして、公共サービスの質の向上につなげていきたい、このように考えているところでございます。
○佐藤委員 今、どこの自治体も指定管理者制度が導入されてから3年目ということで、さまざまな検証が今から行われているところです。ぜひ中野区でさまざまな民間活力の導入の手法、それをしっかり検証して、今後どういうあり方でやっていけばいいのかを考えていただきたいと思います。
 財政健全化指標が基準より上回り、財政破綻の赤信号、警告の黄信号がともった夕張市をはじめ、43市町村が9月30日に発表されました。病院事業会計や第三セクターの赤字を抱え、どう再建するのか、首長の覚悟が問われる正念場と言われております。23区では、将来負担比率がプラスになるのは3区です。土地開発公社への債務保証が大きい豊島区、再開発事業で借金が膨らんだ墨田区、公園の用地取得で借金をふやした目黒区です。
 10年前の中野区であれば、今よりも借金などの負担額は300億円ぐらい多く、また貯金などの充当財源は現在より300億円ぐらい少なかったので、将来負担比率は多分プラスになっており、23区の中では、その当時一番高かったかもしれません。中野区は、それ以降、厳しい行財政改革に取り組み、事業の見直し、そして、さまざまな施設の民営化、また指定管理者の導入をいち早く行い、住民サービスを維持しながら財政を立て直してきたと思います。
 リスクを放置し、改善策をおくらせると、住民サービスそのものが危機に陥ります。危機管理の専門家でもある立教大学大学院の福田秀人教授は、その著書「見切る!」の巻頭で、将来は正しく予想できない。ゆえに正しい意思決定というものはなく、経営は錯誤の連続となる。大事なことは、現実を直視し、失敗を認める勇気を持ち、見切りの決断力にすぐれることであると述べております。中野区は、将来負担比率はマイナスになったものの、これからの土地取得や施設の更新など、起債による公債費比率の上昇、江古田の森施設の損失補償や株式会社まちづくり中野21の不安要因など、注意を払うべきさまざまな要素を抱えていると思います。リスクを把握し、改善に向けた判断、危機を回避するための決断は、早ければ早いほどよいと思いますが、これからの区財政の危機管理について、区長の御見解をお伺いいたします。
○田中区長 経営改革を行いながら、区民のサービスを着実に進展をさせていくということが私どもの大切な務めということであります。そういう意味で、外郭団体等につきます経営上のリスクというようなことについても、十分に定量的なリスクを把握しながら適切な関与を行い、将来的な財政負担を着実に運営していきたい。将来的な財政負担のリスク回避というものを総合的に進めていく必要がある、このように認識しております。
○佐藤委員 世界的にも経済情勢が大変厳しい状況に今突入しております。財政運営における危機管理については、これから重要な問題になってくると思います。そのためにも、財政健全化指標など、さまざまな指標できちっと管理されていくことを望みます。
 次に、福祉避難所についてお伺いいたします。
 昨年、内閣府から出された災害時要援護者対策の進め方についての報告書によると、市町村は、災害時において、福祉避難所の積極的な設置活用が可能となるよう、平常時から必要な手続や訓練などを進めておくことが重要であると書かれております。中野区地域防災計画では、高齢者、障害者、乳幼児などのいわゆる福祉避難所は第2次避難所として、高齢者対象施設として特養ホームなど14カ所、障害者対象施設として中野特別支援学校などに5カ所、乳幼児対象施設としては保育園や児童館など26カ所を指定しております。その耐震化については、既に何人もの議員の方から質問があったので省かせていただきます。
 第2次避難所の備蓄物資というのはどういう状況になっているのでしょうか。避難者用にはどのように確保されているのかお伺いいたします。
○志賀危機管理担当課長 お答えいたします。災害時の2次避難所におきます備蓄物資でございますが、その被害想定に応じて備蓄しているところですけれども、基本的には中野区内48カ所の備蓄倉庫、学校避難所、こちらに備蓄してございます。2次避難所においては備蓄はしてございません。
○佐藤委員 2次避難所に備蓄していないことで、場所の問題もあると思います。避難した人たちがきちっと備蓄物資ということが確保できるように連携をとっていただきたいと思います。地域防災計画においては、要援護者の支援対策の項目で、消防署が区と協力して行う事業の中に、社会福祉施設と周辺地域の事業所や町会などとの間及び施設相互間における災害時応援協定の締結の推進とあります。応援協定の締結状況についてはどのように把握されているのでしょうか。
○志賀危機管理担当課長 消防ふれあいネットワークにつきましては、東京消防庁が所管している事項でございます。現在、町会、自治会、存在する地域内の社会福祉施設と災害時における相互間の応援を取り決めた協定を締結しているということでございます。内容の実態は把握しておりませんが、昨日、東京消防庁に確認いたしましたところ、中野消防署管内8協定、野方消防署管内におきましては6協定締結がされているというふうに聞いてございます。
○佐藤委員 消防署が中心になって進められていることですけれども、ぜひ中野区としてもしっかりと把握していかれるように、そして、各社会福祉施設、さまざまな2次避難所と指定されているところがきちっと連携がとれる状態にあることを確認していただきたいと思います。
 また、地域防災計画においては、防災住民組織を中心に、災害時要援護者に対する震災対策訓練を実施するとありますが、昨年度はどのくらい実施されたのでしょうか。
○志賀危機管理担当課長 お答えいたします。災害時要援護者対象の防災訓練ということでは、特にそれを対象とした実施はしてございません。ただし、中野区内で実施されております訓練には、中野区総合防災訓練、災害医療救護訓練、それから、地域防災会が実施する訓練等々、あるいはマンション管理組合、事業所が実施する訓練、年間408回、総参加人数は3万1,000人を数えております。
 この訓練につきまして、区と管内消防署が連携して取り組んでいるわけですけれども、その多くの参加者の中には、車いすで参加される方、高齢者の方、さまざまでございます。そのさまざまな参加者の方々に、災害時要援護者の希望登録制度に登録しているのかといったようなお問い合わせはしておりません。その意味からは、参加者で実数をつかんではおりません。今後とも、災害時要援護者登録希望者の方々につきましては、訓練の機会を通して参加を促していきたいというふうに考えております。
○佐藤委員 高齢化が進むとともに、今要援護者の避難訓練をどうしていくのかということが各地の自治体でも取り組まれているところです。せっかく要援護者の登録制度をやっております。そこを防災会の会長の方などに聞きますと、やはり登録されている登録名簿は持っているけれども、それをどういう場面でどんなふうに活用していいかわからない状態である。だから、実際に事が起きたらどんなふうにしていくのかすらも想定できないというお話も聞きました。また、登録されている方たちも、登録はしているけれども、それが本当にどんなふうに連絡が来るのかということもわからないということで不安に思っていらっしゃいます。登録制度がどんなふうに稼働していくのか、あるいは登録制度だけでなくても、要援護者に対してどんなふうに災害時に動くことができるのか、ぜひその訓練を実施していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○志賀危機管理担当課長 災害時要援護者の対策というのは、さきの他の委員の答弁の中でもいたしましたけれども、課題として大変重要な事項であるというふうには認識しております。ただ、地域で実施いたします訓練につきまして、すべてにおいてその参加者が災害時要援護者の方ということで皆様方にそれを伝達できるか、なかなか難しいところがございます。私どもが把握している災害時要援護者の登録していらっしゃる方につきましては、こういった機会を通して、訓練に参加してくださいということの御案内は差し上げていきたいというふうに考えてございます。
○佐藤委員 あくまでも訓練で、どういう実態、どんな課題があるのかということを探ることですから、ぜひ訓練の実施を要望させていただきます。
 最後に、施設と道路、これは道路ではなくて歩道ですけれども、歩道のバリアフリー化についてお伺いいたします。
 8月31日の総合防災訓練は中止になりましたが、中止になったことを知らずに車いすで避難所に行った人たちもいました。避難所の体育館や校舎には階段があり入れなかったということでした。少なくとも避難所の1階は車いすで入れるかどうかを点検し改善していただくように、これは要望だけさせていただきます。
 施設のバリアフリー化については、やはりさまざまな議員の方から今回質問がありましたので、省かせていただきます。
 毎回区役所に来るたびに腹立たしく思っていることがあります。区役所前の視覚障害者用の誘導ブロック、これは予算議会のときにも質問させていただきました。時計台にぶつかって途切れているじゃないか、なぜ区役所玄関前の誘導ブロックにつながっていないのか。そのことなどを事例に挙げて質問させていただきました。質問した数日後に、区役所前の歩道にバリアフリー歩道と書かれたマークが張られていました。皆さんもごらんになっていると思いますけれども、歩道の傾斜を解消する工事を行っただけで、同じ工事で掘っているにもかかわらず、誘導ブロックについては改善されていないのです。だけれども、シールだけは張られました。何かばかにされたような気分になりました。
 その後、中野駅からと警察病院側から誘導ブロック設置の工事が始まったので期待していたら、途中で工事がとまったままです。皆さんもたどってみればわかると思います。区役所に来るたびに、何でこの先、あとちょっとなのにつないでいないのかと思っております。何かやれない理由があるのでしょうか、やる気がないのでしょうか、お伺いいたします。
○石田公園・道路担当課長 中野駅周辺地区は、平成17年度策定の中野区交通バリアフリー構想に基づきまして、重点整備地区の一つになっているわけでございます。委員御指摘の当該ゾーンにつきましては、区としまして、平成20年春の警察病院の開院時期に合わせて、歩道の横断部の段差解消等の交通バリアフリー工事を行ったところであります。
 先ほど御指摘のありました場所についての点字ブロックでございますが、できるところから工事を行いたいと考えております。また、都道についても、東京都の第三建設事務所と十分に連携を図ってまいりたいと考えております。
○佐藤委員 とまっている理由を聞きましたら、東京都のところだけ工事が済んでいるんですよね。私が一番質問していた中野区が全く動いてくれていなかった、これは本当に残念に思いました。これは別に私からの要望ではなくて、従来から福祉団体の方たちがもう長年にわたって、ここだけの話ではなくて、中野駅周辺、南口も北口も、すべて要望をずっとされております。そのたびに、再開発があってからやりますで、もう本当に10年も待たされているわけです。今できるところから、何でわかっているのに始められないのでしょうか。
○石田公園・道路担当課長 今御答弁させていただきましたように、サンプラザの前の交差点から区役所の前の間の部分について、できるところからやらさせていただく所存でございます。
○佐藤委員 ぜひできるところから、そして、自分の部署だけで何かができるということは、まちづくりに関しても、いろいろなさまざまな事業に関してもありません。これからは相互に区民のサービスをどう充実させていくのかを考えるときには、さまざまな関係部署と連携をとる。この連携のとり方、コーディネート力が何よりもこれからの職員に求められていることだと思います。そして、区民にとって改善すべきことは改善することができるならばすぐ行う。そして、相互にしっかり連携をとる。そういったことを心がけてこれからも頑張っていただきたいと思います。ずっと見ておりますから、みんなも見ております。本当にさまざまな方からお声をいただきましたので、みんな見ておりますので、ぜひ3月までに実行していただきたいと思います。
 最後の質問については、時間が来ておりますので、赤ちゃん多目的ベッドのことです。トイレのことはのづ委員がおっしゃったので、多目的ベッドの導入についてお伺いいたします。いかがでしょうか。
○安部財産管理担当課長 委員の御質問は、多目的ベッドの設置ということだと思いますが、5年計画でそういう幼児が来るような施設については取り付けるように今計画を進めておるところでございます。
○吉原委員長 以上で佐藤ひろこ委員の質疑を終了いたします。
 この時点で3時休憩をとります。
      午後2時56分休憩

      午後3時20分開議
○吉原委員長 委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き総括質疑を続行します。
 次に、むとう有子委員、お願いします。
○むとう委員 区民の方から寄せられました御意見をもとに質疑いたします。理事者におきましては、機敏な動作、簡単明瞭、大きな声での御答弁を御協力よろしくお願い申し上げます。
 1番目、情報提供と情報公開の徹底について、この質問は、今から5年前、2002年第3回定例会、一般質問においても質疑いたしましたが、進展がないようなので、再度質疑いたします。
 中野区では、1986年に、区政情報の公開に関する条例が自治体としては早い時期に制定され、区が区政に関し区民に説明する責務を全うすること、区民の知る権利を保障することが明文化されました。しかし、窓口では、逆にこの条例を盾に、条例にのっとった正式な手続を踏まなければ情報が手に入りにくい状況に年々陥っているように感じています。区民と区との情報の共有化を進め、透明性の高い開かれた区政運営を実現するため、区が保有する情報を積極的に情報提供する。ただし、区政情報の中に個人情報や公開することが不適当な情報を含む区政情報の請求については、情報公開請求により対応するとの考え方を区は示しています。つまり、情報公開請求しなければならないのはごく一部の情報のはずなのです。
 ところが、実際には、窓口の職員は区民の求めに際して任意的な情報提供を避け、往々にして情報公開制度にのっとった公開請求の提出を区民に求めています。毎年度報告される区政情報の公開に関する条例の運用状況を読んでみても、公開請求を経なくても情報提供できる情報ではないかと思えるものが数多く含まれています。5年前の質疑でも、情報提供できる情報は情報公開請求を区民に求めることなく、速やかに情報提供するよう求めました。それに対し、職員の徹底を図っていきたいとの答弁でしたが、今もって職員の徹底は図られていません。
 一つ例を挙げます。ことしの7月、私が、区が民間委託したある成果物について教育委員会に情報提供を求めたところ、担当の係長は、それは区政情報なので情報公開で請求してくださいと答えました。このお答えに愕然としました。区民や議員が区に情報提供を求める情報はすべて区政情報です。区政情報以外に区に求める情報はあるんでしょうか。
 なお、この成果物をもとに既に区は区民説明会を行っていました。よって、区民に情報提供している内容の原本に当たるものなので情報提供できるはずであると粘ったところ、この担当係長は、情報公開担当にお伺いにいき、やっとのことで情報提供されました。私のように粘らなければ、既に公開されている情報であっても情報公開制度で請求しなければならないわけです。条例制定から22年が経過しても、今なお係長レベルにおいても、区民の請求による任意の情報提供と義務的情報公開との違いが理解されずにいるのです。
 改めてお尋ねいたします。区民の請求による情報提供と情報公開制度の基本原則を端的にお答えください。
○戸辺広報担当課長 お答えいたします。中野区の情報公開制度は、知る権利の保障、それから、区民と区の行政情報の共有による住民自治の推進、そうしたところを基本目標に定めておりまして、情報提供におきましても同様の考え方により進めているところでございます。
 委員の御質問の中にございましたように、ことし4月、運用の見直しをして、その情報提供についての考え方も確認したところでございまして、基本的には区で保有する情報については積極的に情報提供する。ただし、個人情報、その他公開に不適当だと思われる情報については、情報公開請求にしていただく。そういった考えのもと、今進めているところでございます。
○むとう委員 情報公開は事例を積み上げていくものですが、毎年報告される情報公開事務処理状況が多くの職員に読まれていません。情報公開事務の適正な運用が図られるよう、職務内容の徹底をどのような方法で図っていくおつもりなのか、具体的方策について、簡単明瞭、端的にお答えください。
○戸辺広報担当課長 今御質問がございました情報提供の具体的取り組みの方策でございます。日々の業務の中でも、また、今回のように運営の見直しの確認という作業の中でも、その都度業務の適正な執行というものについては周知を図っているところでございますが、一部そうした職員の不適切な対応があったという点につきましては、情報公開担当としても、その対応のあり方が不十分であったということで認識をしてございます。
 具体的な取り組みでございますが、区民に対する情報提供を徹底させるために、やはり職員研修の充実というものを考えていく必要があると考えます。従来は、職層研修の中で、こうした情報公開、それから個人情報の保護といった項目をカリキュラムとしてやっておりましたけれども、今年度から、対象者別に実務研修を実施して、その充実を図ってございます。今後ともこうした研修の充実を図っていくということを考えてございます。
 それから、第2点目といたしまして、情報公開制度の適正な運用というものにつきましては、条例の解釈、運用指針というものを区で定めてございます。職員の庁内情報ネットワークで、いつでも職員が見られる状態になっているところではございますが、今回条例施行規則の一部改正もございまして、その運用指針について改訂を加えました。こういったところをさらに充実させていくために、紙ベースの冊子として各分野に今後配付していき、より一層の徹底を図っていきたい、そう考えているところでございます。
○むとう委員 ありがとうございました。任意で情報提供するものまで区民に情報公開請求をさせることがないよう強く改善を求めて、この項の質問を終わります。よろしくお願いいたします。
 次に、順番を変えまして、中央中学校体育館の耐震補強についてお尋ねいたします。
 先日可決された補正予算の中に、耐震性能C、Dランクの15の小・中学校体育館耐震補強工事費が含まれていました。いつ発生してもおかしくないと言われている首都直下型の地震に備えて、耐震補強工事は早急に着実に進めていかなければなりません。しかし、現状の職員体制では、15校を一斉に行うのはかなり無理があるのではないでしょうか。落ち度のない仕事ができるのか、とても気がかりです。
 中野区が、23区中、公立学校施設耐震化率ワーストワンとの報道に慌てて、耐震改修工事をめぐる十分な状況把握もせずに無理をしての計画が、卒業式や入学式に間に合わないという事態を招いているのではないかと思います。耐震化率100%の6区は、阪神・淡路大震災直後から順次計画的に耐震補強工事を行っていたそうです。中野区もそうすべきでした。改めて区有施設耐震改修計画を読み返して気になる点があります。それは、耐震性能C、Dランクでも、再編対象施設は構造部材の補強や施設出入り口の補強を行うという応急補修しかしないと書かれていることです。
 そこでお尋ねいたします。Dランクの中央中学校はどのような応急補修が行われたのでしょうか。また、その応急補修によって耐震性能ランクはよくなったんでしょうか。端的にお答えください。
○安部財産管理担当課長 委員御指摘のとおり、中央中学校体育館については、将来の統合の予定がありますので、本格的な耐震補強はしない、応急補修をするということになっております。その応急補修の内容というのは、落下物が落ちそうなところは固定するとか、大きなものとしては、窓ガラスに飛散防止フィルムを張る。あとは出入り口が、昔の体育館は木製でガタガタなかなかあかないような出入り口になっているので、そこをいつでも避難できるようにサッシに変えるということをやっております。中央中学校につきましては、もうちょっと前から飛散防止フィルムと出入り口の改修はできておりましたので、それだけの工事になっております。いわゆるブレスを入れるとか、補強ということはやっておりませんので、耐震ランクはDランクは変わりません。
○むとう委員 Dランクのまま、中央中は今回の補強工事から外されています。しかし、九中との統合は早くとも2012年4月です。中央中はDランクのまま、少なくともこれから3年半も使用することになります。このことは、いつ大地震が起こるかわからないとの理由により、慌てて15校の補強工事をすることと矛盾しています。計画を見直し、直ちに追加の補正予算を組むべきではないでしょうか、お答えください。
○安部財産管理担当課長 今委員御指摘の区有施設耐震改修計画というのは、その上位計画がありまして、中野区耐震改修促進計画、これは、中野区有施設だけではなくて中野区の施設の耐震改修をこういう計画でやるという計画でございます。これにつきましては、区内の学校については平成27年度までに耐震改修が終わるというふうになっております。それをこの区有施設改修計画の中では、平成23年度までに終わるというふうに早めております。その中央中学校の体育館につきましても、24年になるかと思いますが、一時、九中に仮移転するようになりますので、平成23年度までに終わるという計画とリンクしましても、ほとんど使えないということになりますので、この中野区有施設改修計画について見直す考えはございません。
○むとう委員 C、Dランクは危ないということで、今回15校直すわけです。中央中の子どもたちは見捨てられちゃうんですか。幾ら統合新校するからといっても、3年半あるんです。これを知らん顔するという区の姿勢、私は憤りを持っていますので、これは、これから外に出て中央中の保護者の方にがんがんと言ってきます。これは何としてももう一度考えて、来年度の予算の中でもいいですし、補正予算を組むべきだということを再度主張させていただきたいと思います。ありがとうございました。
 次に、学校給食調理業務の委託についてお尋ねいたします。先日の一般質問での答弁を受けて再度お尋ねいたします。
 今からおよそ10年前、学校給食調理業務の民間委託導入の際、削減できた金額は学校給食の充実のために使う、調理水準のアップはあってもダウンはないと、当時の担当課長が区民に説明しました。そのことを1区民であった私は今でもはっきり記憶しています。当時の担当者は、残念ながら退職されましたが、行政は継続されているはずです。担当者がかわればこれまでのことが反故になるというのでは、行政は信用を失うばかりです。
 皆さんの中に、削減できた金額は給食の充実のために使うと説明したことを記憶していらっしゃる方はいらっしゃいますか。試しにお手を挙げてください。――いらっしゃらないんです。どなたもいない。
 行政の方向性が区民に説明もなく変更されてしまうというのは残念な結果です。いまだに食器が強化磁器に変わっていない学校もありますし、汁わんもなく、アレルギー除去食用の専用ガス台もなく、そのために携帯用ガスボンベ爆発事故が発生しています。夏場は40度を超える、いまだに冷房もない高温多湿の給食室で、食中毒と背中合わせの劣悪な職場環境の中で調理業務が行われています。このような状況からも、削減できたとする15億円、その計算方法には疑問がありますが、とりあえず15億円が給食の充実のために使われなかったことは一目瞭然です。今後、速やかに改善が図られるよう要望いたします。
 このたび、もと中野区の調理員であった方がパートで委託会社に雇われたことで、委託契約にある仕様書どおりの調理業務が行われていないことが発覚しました。7月15日に、元区調理員と栄養士と学校長の3人が教育委員会に報告をしましたが、なぜその場に学校教育担当課長は同席しなかったのでしょうか、お答えください。
○寺嶋学校教育担当課長 お答えいたします。当日、私は、会議等そういった場には出席しておりませんでした。
○むとう委員 軽く考えているなと思うんですけれども、学校長も含んで同席をして、本当に悩んで教育委員会のほうに相談に来たわけですけれども、係長クラスで課長が出席しなかったということ、これは給食について教育委員会の考え方がやはり甘いのではないかと私は思います。なおかつ、報告を受けて、20日後の8月4日に、教育委員会が委託会社の責任者に口頭注意指導を行ったそうですが、なぜすぐに対応しなかったのでしょうか、お答えください。
○寺嶋学校教育担当課長 そういったようなお話を学校から伺いまして、それで業者を呼びまして注意したところでございます。
○むとう委員 注意したというのは私が質問の中で言っているんです。7月15日に、校長も来て報告があった。だけれども、それから20日後です。8月4日になって、やっと業者に指導を行ったというにはあまりにも時間がかかり過ぎていませんか。なおかつ、その後、指導結果としての現状確認はその学校に配置されている東京都の栄養士に任せたままで、教育委員会が確認に行くべきだとする私の要望にはこたえていただけませんでした。どうやら都費の栄養士に遠慮されているようです。
 ところが、私の本会議における一般質問日当日、つまり、指導してから53日後の9月26日の午前中に、突然教育委員会の栄養指導担当者が当該校に出向かれたと伺いました。指導すれば済むということではなくて、指導した結果、直ちに翌日から改善されなければなりません。指導後、速やかに改善の確認をしなければ指導したことにはならないのではないでしょうか。ましてや、本件は都費の栄養士が配置されている学校での出来事ですから、その栄養士に確認を任せて済ませるという教育委員会の対応は納得できません。夏休みがあったとはいえ、なぜ53日間も確認せずにいたのかお答えください。
○寺嶋学校教育担当課長 53日間も確認しなかったということではなくて、そういった学校からの申し出に基づいて事実関係を調査したところです。さらにその委託の契約というんでしょうか、やり方どおりをちゃんと行っているかどうかというのは都費の栄養士の職務でありますので、当然都費の栄養士が確認するということです。
 なお、学校からそういったような特別なお申し出がありまして、私のほうからも注意いたしましたので、なお念のために教育委員会からもその確認をさせていただいたというところでございます。
○むとう委員 さらに理由はわかりませんが、委託会社のチーフが、9月29日に、突然違う人にかわったそうです。しかし、チーフがかわれば一件落着ということにはなりません。またゼロからのやり直しです。さらに、今回のことで調理業務従事者の代がえがあったときには、仕様書で定められている様式9の報告書を学校長あてに提出しなければならないことになっていますが、提出されていません。ここでも委託契約どおりに業務が遂行されていないことが発覚しました。
 委託会社は、仕様書どおりの調理業務を行うことを委託契約で結んでいます。仕様書どおりに業務が行われていない場合は委託契約違反に当たると考えてよいのでしょうか。一般的な契約という観点から、担当者の答弁を求めます。
○篠原経営室特命担当課長 お答えします。契約書に裏書きの約款に、本業務遂行に当たっては契約書、仕様書の内容に従って業務を遂行するということが明記されております。そういった事態があれば、直ちにそれが契約違反とは言いませんが、好ましいことではないというふうに考えております。
○むとう委員 さらにお尋ねしますが、委託契約違反を行った場合には、区は委託会社にどのような措置をとることになるのか、担当者の方、お答えください。
○篠原経営室特命担当課長 その違反の内容によりますが、一般的には契約不履行、もしくは一部不完全不履行、それから遅延という三つの契約の違反行為がございます。今回の場合におきましては、どれに当たるかということで私どもも詳細に調査する必要がございますが、もし、仕様書どおりに作業が行われていない。しかしながら、給食はちゃんと提供できているということであれば、作業手順が一部不備があるということから、業務改善報告等をもらう形になるかなというふうに考えております。
○むとう委員 本件については、口頭注意指導を行っただけで、委託会社に業務改善報告書の提出を求めていません。なぜでしょうか、お答えください。
○寺嶋学校教育担当課長 仕様書に反していると言いましても、さまざまな程度というものがございます。今回の程度は、私からは直接業者のほうに注意したということで、これになおかつ改善されないような場合であれば報告書の提出を求めるつもりでございます。
○むとう委員 仕様書と異なる取り扱いが一部見られたが、全体としては良好に業務が遂行されており、契約違反とは考えていないとの本会議答弁ですが、仕様書の一部で違った取り扱いがなされれば、それはそれで違反に当たるのではないですか。違反は違反でしょう。一部では違反にならないというのであれば、何をもって違反となるんでしょうか。一般的な契約という観点からお答えください。
○篠原経営室特命担当課長 厳密に申し上げれば、契約書の裏書きの約款にありますように、先ほど申し上げましたが、仕様書どおりに行うということが明記されております。したがって、その部分だけとってみれば、違反ということは言えるかもしれませんが、ただ、給食をつくる過程におきまして、一部作業手順が異なったということであれば直ちに違反になるかどうかについては、事実関係をしっかりと調査した上で判断するべきだというふうに考えております。
○むとう委員 どうも皆さん、違反という言葉にアレルギーをお持ちのようなんですけれども、日本語的に考えたって、仕様書どおりに行うことが契約書の中に書かれていて、そのとおり教育委員会の答弁でも、本会議で、一部仕様書と異なる取り扱いが見られたというふうに言っているわけですから、一部でも二部でも三部でも、違反は違反だと私は思います。今回、なぜ委託会社は仕様書と異なる取り扱いを行ったのか、その理由、原因を明確にお答えください。
○寺嶋学校教育担当課長 一部仕様書と異なる取り扱いが行われたということですが、なぜかと業者に問い合わせたところ、その辺が十分徹底していなかった、仕様書の取り扱いどおりやることが十分徹底していなかったということを案内されました。それでは十分徹底するようにというふうに注意申し上げたところでございます。
○むとう委員 この会社がこの学校の委託調理を受けて、たしか2年目ですよね。ですから、今まで仕様書の内容を十分知っていなかったということではないはずですよね。どうしてこのようなことが起きたのか。やはり再発を防止するためにも、何でこの業者、特にチーフなんですけれども、わかっていながら仕様書どおりの作業をしなかったのか。その原因、これはもう少し教育委員会のほうでも、なぜなのかということはしっかり業者に追及すべきことではないですか。
○寺嶋学校教育担当課長 おっしゃるとおり、前年から委託をしておるところでございまして、当然会社としては仕様書の内容を完全に把握している。その原因は、恐らく担当の調理の責任者が十分に注意していなかったということだろうと思います。それは、会社のほうの十分な人事管理の責任もございますし、そういったことも含めて会社に今後注意するように申し上げたところでございます。
○むとう委員 外部評価で、調理委託による経費削減を高く評価され、引き続き経費削減に努力していきたいと言っている場合ではないんです。世間を脅かす事故米やメラミン添加の危険な食品を回避できているのも、冷凍食品や加工品は使用せず、化学調味料なども使わず、天然の素材からだしをとり、カレーもルーからつくるなど、安全で安心な調理と献立になっているからです。安全で安心な質の高い給食を維持するのであれば、経費削減を過度に追求するのではなくて、素材から手づくりするという調理水準に見合う委託費を支払うべきです。
 確かな調理技術を身につけている人材を求めるのであれば、それなりの金額が必要です。例えばコロッケなどでも、ジャガイモをふかし、肉や野菜をいため、ジャガイモと合わせて一つひとつ形にする手づくりだから、中野区の調理は手間がかかるので受けたくないとの業者の本音も聞こえてきています。既に献立変更を求めている委託会社があるということも聞こえてきています。これでは調理水準の高い業者に委託が困難な状況になっていきます。安全で安心な現状の給食水準を堅持するために、委託金額の再考と、安ければよいとする入札方法の再考を求めます。お答えください。
○寺嶋学校教育担当課長 給食の水準は維持するように努めてございます。入札といいますのは、そうは言いましても、皆様にいただいた税金を効率的に運用しなきゃいけないということで入札という方法をとらさせていただいています。その際に十分にその辺を理解できるような仕様をつくっておりますし、適正な仕様のもとに入札が行われているというふうに考えております。
○むとう委員 いろいろな区でどんどん調理業務の委託が進んでいます。ですから、業者が足りなくなってきているような現状の中にあるわけです。よその学校給食の水準と比べて、中野の給食というのは、今るる述べましたけれども、一つひとつ手づくりで手が込んでいるんです。ですから、この金額では、やはりそれだけのことはやりたくないという思いもあって、結局手抜きがされていくわけです。
 ですから、今回のような仕様書に反するような安易な調理に変わっていくわけですから、これが本当に適正なのかというのは、さらに削減効率を求めていくなんてことではなくて、もう一回10年間委託してみてどうだったのか、これを維持するにはどうしたらいいのかということはやはりきちんと考えていく必要があるのではないかと私は思っていますので、再考はしないということですけれども、ぜひ再考をしてほしいと思いますし、入札の際に、安ければいいということではどんどん悪化していくんです。それなりの水準を求めるためには、入札の際にきちんと中野の給食水準、仕様書を周知徹底を図った上で、理解をしてもらった上で入札というようなことをしっかり徹底してほしいと思いますが、担当者のほうで何か入札の工夫はありますでしょうか、お答えください。
○篠原経営室特命担当課長 これまでも入札におきましては、学校給食の実績がある業者、これを有しまして入札をするという指名競争入札という形で行っております。したがって、これまでも業者選定におきましては適切に行われたというふうに私どもは考えております。ただ、今現在、私どもは工事契約と同じように、こういった給食をはじめとする一般委託案件、これにつきましても、総合評価、これは価格のほかに業者の実績であるとかチーフ、先ほどから出ていますチーフの経験、実績、そういったもの、あと環境の取り組み、それから会社としての社会性ということでは、例えば障害者雇用とか高齢者の雇用、そういったことを総合的に評価をして落札者を決める方式に来年度から改めていこうというふうに考えてございますので、いましばらくお時間をいただきたいというふうに考えております。
○むとう委員 では、ぜひしっかり取り組んでいただきたいと思います。たまたま元区調理員がいたことで発覚した今回のことは、この学校だけのことだとは思えません。本会議答弁では、既に行っているとする業務指導支援や検証調査では防ぐことができなかったという事実を謙虚に受けとめ、本事例から学んだこと、今後に向けて改善すべきことをお答えください。
 また、再発防止のために全校に本事例の情報提供と注意喚起をするなど、再発防止策についてもお答えください。
○寺嶋学校教育担当課長 おっしゃるとおり、これは大変いい機会だと思いますので、機会をとらえまして、情報提供していきたい。また、調理責任者の質の問題ということもありますので、そういったことは委託業者の業界団体もございます。そういうところにも働きかけてまいりたいと思います。
○むとう委員 仕様書どおりにきちんと作業基準が守られていないということは、先ほどの話に戻りますけれども、ちゃんと遅延しないで給食がつくられていればそれでいいじゃないかという安易なことではないんです。今回のことでわかったことも、本当は野菜を5回洗わなきゃいけないところを2回で終わっていたりとか、本会議でも言いましたけれども、使い終わった食器、おはしを本当はおはし、スプーン、フォークはそれぞれ分けて、きちんとそれぞれをこすり洗いをしていかなければいけないのが、ざるに入れたままガチャガチャと洗って終わっているんです。ですから、給食の時間にそのものができていればいいということではなくて、それでは安全の確保ということはできませんので、仕様書の徹底、しっかりしていただきたいというふうに思いますし、東京都の栄養士がいるということで安心をしないで、教育委員会としてもきちんとやっていただきたいというふうに思っていますので、よろしくお願いいたします。
 学校給食だけではなく、さまざまな分野で民間委託が進められています。そこで非常に気になることは、業務が契約どおりに履行されているのかを確認する人材が不足していることです。必要な人材は雇用すべきです。本件の学校給食についても、実はたった3人の職員で40校の業務遂行確認の指導と支援を行っています。中野区のこれまで積み上げてきた給食水準を知り尽くしているこの3人の給食の専門家が退職した後に、手抜き調理と献立へと音を立てて崩れていくことが予測されます。元区調理員がいたことで発覚した今回の仕様書の不履行を契機として、未来を担う子どもたちのために、命をつなぐ給食、それから、中央中の体育館など、学校施設には十分お金をかけることを要求したいと思います。とりあえず、ありがとうございました。
 1分ほどあるので、その他で1点質問したいと思います。
 決算説明書の222ページにあります母子家庭自立支援教育訓練給付金なんですけれども、これは2006年度から実施した給付金ですけれども、この2年間で毎年2人しか利用していません。利用されない原因はどこにあるんでしょうか。せっかくの制度なんですけれども、実は、これはすごく自己負担が多くなってしまうということもあって、負担が重過ぎてなかなか使われていないというふうに思っているんですけれども、せっかくの制度ですから、何か改善点は改善し、母子にとって利用できる制度としていただきたいと思います。
 すみません、時間がないので簡単にお願いいたします。
○浅野子育て支援担当課長 お答えいたします。この制度は、18年度から、先ほど委員がおっしゃったように始めましたが、やはりまだ区民に対する周知度が十分とは言えませんでした。そこで、昨年度、対象者が児童扶養手当受給者と大体重なるものですから、児童扶養手当の現況届というのが毎年8月に行われます。そのときに、こういった母子の自立支援に関する案内を一緒に同封いたしました。それによりまして、昨年度は30人ほど、これがすべて今委員がおっしゃった制度そのものにつながるわけではございませんが、母子家庭の方のさまざまな施策をもう一度こちらの職員から説明するという形でつながりました。
 19年度決算書上は2人ですが、現在19年度に既に受講をまだ継続されている方がお二人います。ですので、また20年度にその方が修了の見込みが立てばこの支援金を支払いますし、また、今年度も既に3人の方が申し込んでおられますので、徐々にですけれども、広げていきたいというふうに考えております。
○吉原委員長 以上でむとう有子委員の質疑を終結いたします。
 次に、近藤さえ子委員、お願いします。
○近藤委員 無所属の近藤さえ子です。よろしくお願いいたします。
 幻のスポーツ学習施設、上野原スポーツ学習施設について質問させていただきます。
 中野区が使えないまま長年持ち続けた上野原の土地を売却することがことしの6月の総務委員会で報告され、その後、議会で売却が決まりました。区はこの土地を購入し、施設建設の目的も果たせず、ただ14年間維持し、売買代金だけでも9億円以上の損を出して売却しました。区民の多くは、上野原計画も知らないまま多額の税金を失うことになりました。なぜ当初の目的を果たせず、区民に多大な負担をかけることになったのかを検証し、そして、二度とこのようなことを繰り返すことがあってはならないことを確認したいと思います。田中区長が取り入れているPDCAサイクルのCの部分にきちんと取り組みたいと思います。
 この上野原問題を総括するに当たり、私には大変感慨深いものがあります。それは、昨年亡くなられた藤本議員、また、当時生活者ネットワークから出ていらした村守議員、そして、私の父、近藤正二らの議員は、当初からこの上野原土地取得に対して大きな声で反対を唱えていたからです。しかし、当時の神山区長のもと、オール与党体制であった議会は反対派の意見に耳を傾けず、圧倒的な多数で購入に踏み切りました。当時はバブル時で仕方がなかった、経済の変化は予測できなかったと解釈される方がいますが、上野原の土地購入に向けて動き出したのは1990年(平成2年)、その翌年、91年上旬には日本経済はバブル終結を迎えたと、翌92年、経済企画庁は公式に発表しています。
 そして、何よりこの問題は、この土地購入が時価の上昇を見込んで急いで購入したとか、財政的に潤沢だったので土地を買っておこうと思ったというようなバブル心理に乗じたものではなく、財政的に厳しい中野区が4年にわたりお金をかけて調査、検討し、議会で再三議論した結果の購入であったということです。その間に地価は下がり、経済全体も冷え込んできました。また、購入予定地の一部の持ち主であった会社は佐川急便事件に関係していたことも浮上しました。それでも区は区民がスポーツ施設を求めているからの1点で、一度動き出した計画はとめられないとでも言うように、調査開始から4年後、予定より1年おくれて購入した土地なのです。
 上野原スポーツ施設を建設しようとされた経緯を簡単に説明してください。
○冨永用地・管財担当課長 経緯につきまして簡単に御答弁させていただきます。
 中野区内にはスポーツ施設あるいは宿泊学習施設というようなところがないということで、多くの住民の要望を受けまして、多年にわたりまして候補地を探してきた区民の住民要望にこたえて、さまざまな議論を経た上で候補地を選定し、そして、用地取得に向かったものでございます。
○近藤委員 ことしの6月の総務委員会で報告がありましたけれども、平成6年に、上野原用地取得10億7,800万円、取得時の経費、鑑定料や委託料、現地の人に取りまとめをお願いするというような委託料が1,000万円、鑑定料を含めると3,400万円、維持保全経費1億3,000万円、支出合計は12億1,600万円と報告されています。収入は用地の売払金額1億3,310万円、神奈川県企業庁に近くの桂川しゅんせつの土砂置き場などの貸し出しで合計が3億9,000万円余りなので、収支合計12億1,600万円から3億9,000万円で、収支残高はマイナス8億2,000万円と報告されていますが、この報告には用地取得のために銀行で借りた金利分は入っていますか。
○冨永用地・管財担当課長 総務委員会で答弁申し上げましたのは、私の用地・管財担当というその業務の範囲内で申し上げましたので、金利についての負担は入っておりません。
○近藤委員 今までにかかった銀行で借りた金利分は幾らかかっていますか。
○長田計画財務担当課長 約2億6,600万円でございます。
○近藤委員 事前の調査費なども総務委員会で報告した12億1,600万円には入っていますか。
○村木生涯学習担当参事 入ってございません。
○近藤委員 事前の調査費は幾らですか。
○村木生涯学習担当参事 用地取得前の基本計画策定に向けて事前調査委託を行ってございますが、事務費を含みまして、平成2年度から6年度まで5,900万円余を支出してございます。
○近藤委員 それらを合計すると15億4,000万円から、そこから収入3億9,000万円で、11億5,000万円になります。総務委員会では8億2,000万円と報告されていましたが、人件費を除いても11億5,000万円もの区民の税金がこの上野原の土地を購入したことにより無駄に使われてしまったことになります。この認識でよろしいですか。
○冨永用地・管財担当課長 間違いございません。
○近藤委員 この土地を取得するに当たって、さまざまな議論が議会または区民の間でも議論されました。例えば国土法による県の指定で一般住宅や団地は建設できず、公共施設は建設可とされていた。新宿などにも売り込んだが断られた経緯もありました。砂利採掘跡地はすり鉢状で危険であり、地下には活断層もある。スポーツができる平地を整備するには給水施設をつくるにも経費がかさむ。調査開始2年後には土地の一部持ち主である会社は佐川急便事件に関係していたであることが浮上、野方警察にこの件を聞いてみたがわからないと言われたのでシロだろうという区長の答弁などもあります。これだけ多くの問題を抱え、現地を視察した区民は陳情を出して反対しました。中野区は佐川急便の債務を肩がわりするのかとマスコミにも注目されました。そのような不安定な要素を抱える状況で、どうしても上野原の土地を買わなくてはならなかった理由は何なんですか。
○冨永用地・管財担当課長 それでも買ったという質問でございます。当時の記録を今回の質問ということでつぶさに改めて確認をさせていただきましたけれども、平成5年の第1回定例会で、意見、討論を経て、採決の結果、賛成少数で修正案が否決されて、原案でありました用地特別会計での用地購入費が議会で賛成多数で可決された。冒頭近藤委員が御指摘なさったとおりでございました。区としては、多くの区民の意見を聞きながら、議案での御審議を経て取得手続に入ったものでございます。
○近藤委員 当初、平成5年に取得する予定であったと伺っていますが、1年購入は延びて、次の年の補正予算で購入しています。当時の新聞のコピーがあるのですけれども、土地購入が1年延びた理由をお聞かせください。
○冨永用地・管財担当課長 予算計上後は、地権者対応によるものでございます。すべての地権者から用地取得の同意書、承諾書というものをもらうんですけれども、その同意書をもらうのに時間がかかったというわけでございます。例えば所有権者の1人が契約直前に死亡したことによりまして、相続手続完了後でなければ正当な所有権者が確定しないことから、この所有権者の確定までに多くの時間を要した。例えばの一例でございます。地権者の同意に時間を要したということでございました。
○近藤委員 そのとき、本当にほかの会派の方たちも、慎重に慎重に検討をされていたと思います。私もこれを読み返したんですけれども、本当に各派皆さんが丁寧に丁寧に、本当に買っていいのだろうかということで質問を――これを見ますとほとんどの方が、上野原スポーツ施設のことを大丈夫なのかと確認しながら進んでいるんです。本当に見にいって、これでいいのかと、自民党も公明党も共産党も、みんなが言いながら議論に議論を重ねて買ったということなんですけれども、1993年の採決では、8名の議員が反対し、用地特別会計に修正動議まで提出しました。きちんと調査をして、買うべきではないと土地購入に反対した議員たちの声になぜ耳を傾けなかったのですか。
○冨永用地・管財担当課長 先ほども御答弁申し上げましたように、議会の審議を踏まえて、慎重な御審議をいただきました。その結論によりまして、区としては執行させていただいたということでございます。候補地を選ぶことについては、20数カ所の候補地をいろいろ調査研究しながら、教育委員あるいは議員の皆さんも現地視察、現地調査ということでございまして、候補地として、他の候補地よりは適当であるということで、上野原の当時は町でございましたが、その用地を取得に向かったという経緯でございます。
○近藤委員 そうしまして購入した土地です。区は多くの課題を残したまま土地を購入しました。それでは、なぜ区民のために絶対必要であった郊外スポーツ施設はつくることができなかったのですか。
○村木生涯学習担当参事 当時、区の財政状況が悪化する中で、行財政5か年計画で、施設建設などの投資的事業については区全体としてこの計画を見直すということになりました。その中で、平成14年12月20日に開催されました教育委員会におきまして、施設整備計画の廃止が決定されたものでございます。その後、15年1月に、計画の廃止を区として決定し、中野区経営改革指針の中で明らかにしたものでございます。
○近藤委員 上野原の土地購入後、区は課長と職員2名の上野原対策課を新設、現地には給水施設がないため、18個のポリタンクに水を入れて飲料水として、体育団体や子ども会の施設利用を始めました。地元の子ども会は、キャンプに何度かこの土地を使いました。利用者からは、何もなくて自然でよい環境だという声もありました。それすら継続できなかったのはなぜですか。
○村木生涯学習担当参事 御紹介がありましたキャンプ場としての暫定利用につきましては、平成9年度から13年度まで行っておりました。この平成13年度から、神奈川県企業庁が、この土地を活用してしゅんせつ土砂の受け入れということになったため、キャンプ場としての利用をした後、暫定利用をやめたというものでございます。財政状況が悪化している中、神奈川県企業庁に、当時この用地周辺の道路ですとか川の管理もしてもらえることと、歳入の確保、これが目的というものでございます。
○近藤委員 どうしてもスポーツ施設をつくりたいと言ってつくった施設ですから、立派なスポーツ施設をつくれなくても、例えばテニスコートや野球場、サッカーグラウンドだけの設備や、バブル終結後の気軽に家族で楽しめるアウトドアなどが流行しました。そういったキャンプ場などを使って、夏休み、家族が使うなど、そういったことも考えられたと思うんですけれども、なぜ企業庁のほうにすぐ考え方を移行してしまったんですか。
○村木生涯学習担当参事 当時の区の財政状況というのは極めて逼迫した状況でございました。その中で、このしゅんせつ土砂の受け入れ、14年度からは年間4,000万円、13年度につきましても、年度の途中からですが2,000万円という、この収入が区にとってこれは非常に大切な収入源であるといったことが一つの大きな理由になっております。
○近藤委員 当時の逼迫した状態といっても、逼迫しているから買うのをやめてくださいと言っていたわけです。それを買っておいて、買った途端に急に逼迫してつくれないから、少しでもお金を得るために貸し出すという考え方は、当初の目標がスポーツ学習施設をつくるという目標で動き出したわけですよね。そして、上野原スポーツ学習計画に対するこういう計画まで立てまして、皆さんに641人アンケートをとって、まず土地を取得する前に皆さんは言っているわけです。124億円はこの時期に負担が多過ぎる。こういう施設は近くでなければならない。限られた人しか行けないのではないか。そういったことが交通費まで払っては行かない。ランニングコストを明らかにせよなど、否定的なものが65%以上を占めていました。それは、教育委員会がとっているわけです。
 それなのに、財政が逼迫してと、急につくらなくなるということもおかしい。まずは買ったところもおかしいんですけれども、つくらなくなったことも、急に逼迫したわけではなくて、私が申し上げたように、経済企画庁は公表発表していて、もう91年の上旬には、日本経済はバブルの終結を迎えたと言っているわけです。そういったことは全然考えないで計画を立てたわけですか。
○村木生涯学習担当参事 多くの区民の利用に供しようということでこの計画を立て、その立てた計画を実施していく過程で、さまざまな要因で問題が生じてきた。その中で我々としてもできればつくりたかったんですけれども、そういったことが許されない状況になったということで、特に平成11年、中野区の経常収支比率が100を超えるという状況などもある中で、最終的な判断を先ほど申し上げました行財政5か年計画や改革指針の中で定めていったというものでございます。
○近藤委員 区民の方も、この時期に負担が多過ぎると言っていらっしゃいますし、大反対で、調査に調査を重ね、議論に議論を重ねて大変だと言っている人もいる中で、大変失礼な言い方かもしれませんけれども、あまりにもお粗末な前神山区長と、それを支える職員の計画だったと思われますが、いかがですか。
○村木生涯学習担当参事 私はそのようには考えておりません。
○近藤委員 では、どのように考えているんですか。
○村木生涯学習担当参事 必要なものを必要なところにつくろうとして、これは区民のためです。ただ、その過程でこういう問題が発生したということから、これを断念せざるを得なかったというのが教育委員会の考え方です。
○近藤委員 教育委員会はそういうふうには考えていないということを十分わかって、区民の皆様にお伝えしておきます。
 上野原スポーツ学習施設は幻に終わりました。航空写真を撮り、現地調査を始めてから実に18年の年月が流れました。購入代金、表面には出ない経費やかかわった人件費等、膨大な負の資産に対して、区民は負担を余儀なくされました。新しいスポーツ施設ができるという区民の夢も踏みにじられました。先日、この頓挫した上野原計画について、よく理解している区民の方々の集会に呼ばれた近藤正二は、その経過報告をしました。そして、結局皆さんの税金を無駄にする結果になってしまいました。私はできる限りのことをしてこの計画に反対してまいりましたが、力及ばず申しわけないと区民に謝罪しました。
 しかし、6月の総務委員会で、副区長は、目的が果たせなかったことは残念に思うが、当時の判断は間違っていなかったと述べられました。今、教育委員会も述べられました。この問題を残念という言葉で締めくくろうとされています。本当に残念なのは、多くの税金を事業に託して頓挫されてしまい、かわりのスポーツ施設さえ持てなかった区民であり、行政として土地購入に絶対反対した区民に対して申しわけないと思わないのですか。
○石神副区長 お答えいたします。事業を進めるに当たりましては、そのときの政治経済状況、すべてを把握した上で、また区民のニーズを把握した上で、その事業を議会とともに議論をし、予算をつけて進めていくものでございます。その段階では、私は、その当時判断したことについては誤りはないというふうに思います。ただ、現在の状況の中で、過去を振り返ってみると、こういったことをしたほうがよかったのではないかということは出てくると思います。今後、こういったことが起きないように、一つずつの反省に立って、いろいろな事業を進めていきたいというふうに思います。
○近藤委員 当初から買ってはいけない、必ず後悔すると言い続けた議員もいるのに、積極的にこの計画を推進し、税金をどぶに捨ててもきちんと区民に説明もしない区側の落差はあまりにも大きく、区政の主役が区民であることを忘れていると、大変失礼な態度だと私は思います。今回の上野原の土地取得のように、きちんと調査を重ねて、反対していた議員の声に耳も傾けず土地を取得し、結局目的も果たせず多額の税金を費やすということが二度とないよう、今後田中区長の経営本部体制のもとではどのようなチェック体制をつくっていくおつもりなのでしょうか。
 今現在も多くの問題があります。例えば10年後のCO2排出削減目標のためには、区民風車がベストの選択なのか、例えば中野駅周辺のまちづくりに絶対に必要というサンプラザはどうするのか、そのプロジェクトは本来の目的に合致しているのか、他に選択があるのではないか、職員はそのプロジェクトに熱意と自信を持って進んでいけるのか、今行政の仕事としてするべきものなのか、方向がずれた場合の見直しはどうすればよいのかなど、事業成功へのチェック項目を設け、行動を理由付ける根拠がだれにでもわかるように示すべきではないでしょうか。
○石神副区長 お答えいたします。先ほども言いましたが、事業を進めるに当たっては、行政側だけで物が進んでいくわけではございません。当然住民との意見交換をし、また、いろいろな要望をもらいながら、一つの施策を形成していくわけでございます。最終的には予算という形で議会の承認を得てそれを進めていくことになります。また、今後の進め方で、これまでの反省ということであれば、私は先ほど言いましたように、その事業自身が区民にとってどういうようなメリットを持つのか、そういったことを十分検討した上で提案をしていく必要があるかなと。また、その事業について、既存の事業との重複、類似性、そういった面から、既存の部分もあわせて見直し、また、官民での役割分担、こういうことも十分検証した上で実施していくことが必要なのではないか。さらには、財政的な将来的な必要経費、ランニングコストと言われる部分についても十分判断した上で、事業に取り組むべきだというふうに思っております。
○近藤委員 本当に区民は120億円、この時期に負担が大き過ぎると言っているんです。その声が届かなかったことは、本当に残念です。これからは区民の税金を無駄に使うことのないように、しっかりとした政策をつくっていきたいと思います。
 6月の総務委員会で、ある委員が、上野原の問題について、高い勉強代であったが、今後の政策に生かしていただければとおっしゃっていました。バブルだから仕方がなかった、計画がうまくいかず残念だったでは、総括になりません。まずかったこと、反省すべきことであっても、その結果に真摯に向かい合い、事実に基づいた検証をしなくては意味がありません。このあまりにも高い勉強代が生きてきません。この上野原問題を反面教師として、これからの課題に真摯に取り組んでいっていただきたいと思います。
 その他で、先日の一般質問で時間がなくて、副区長3人制についての再質問ができませんでしたので、この場を使いまして質問させていただきます。
 私は、一般質問で、副区長3人制について、中野区が職員2,000人体制を目指し、区民のほとんどが無償ボランティアで働いている中、副区長を3人も置く必要があるのか、経営本部体制はうまく機能しているのか、また、既に3人の副区長がいる現状を考えるならば、地方自治法に基づき、区長の権限を副区長に委任し、迅速かつ専門的な政策決定ができる体制にすべきではないかという質問をしました。そのときの区長の答弁は、総務部長、政策担当の部長がいないのは、23区で中野区1区であり、経費的には削減されているので、全体的に見ていただきたいという内容でした。
 経費、つまり給与の考え方としては理解できますが、私が申し上げたいのは、地方自治法の改正の意味、助役から副区長に職種が変わった意義を考えていただきたいということです。区長を助ける任務であった助役という役職ではなく、地方分権時代を地方自治体が生き抜くために、トップマネジメント強化ができる副区長という区長に次ぐナンバーツーの存在が新たに設けられたのです。もし、総務部長の仕事と政策担当部長職とも副区長の仕事では、あまりに多忙であり、逆効果ではないでしょうか。総務部長職、政策担当部長がいないので決裁がおくれる、政策決定が遅くなるなど、支障は出ていないのでしょうか。現場で働く職員たちから不満の声はないのでしょうか。
 ここに各自治体の新しい副市長を取り上げた新聞記事があります。その中には、横浜市、京都市、函館市の副市長が紹介されています。民間出身の副市長が豊富なアイデアや人脈を武器に、産業の更新や住民サービスの向上に取り組んでいる様子が書かれています。高齢化、少子化社会に突入し、財政が苦しいのはどこの自治体も同じです。今回の地方自治法の改正の趣旨を踏まえて、新しく権限が与えられた副区長職の力をフルに利用して、独自の生き生きした自治を行うこと、少ない財務負担で多様な住民サービスを充実することが必要になっています。現在の中野区の副区長3人制は、言うなれば3人の助役が誕生したようなもので、これまでの縦の流れがうまく流れず、逆に効率が悪いように感じられますが、いかがですか。
○川崎経営担当参事 お答えをいたします。今の御質問の中にいろいろな要素が含まれていましたので、一つひとつお答えをしたいと思いますが、まず、地方自治法の改正の趣旨に沿った組織をということ、副区長をということでございますが、この副区長を置くことになった地方自治法の改正のもととなる考え方というのは、第28次の地方制度調査会、ここでの議論、その提言がその基礎となっておりますけれども、そこで議論されていたことは、それぞれの地方自治体がみずからの判断で適切なトップマネジメントを行う。従来型の組織から大きく転換をすべきだと、そういった考え方に基づいて副区長を置くということでございます。したがいまして、その副区長がどういう役割を担うかということにつきましても、これは自治体の組織デザインの話かというふうに思います。
 その中で、総務部長あるいは政策担当部長の役割を担わせるということによって、副区長の役割が果たせないのではないかというお話もありましたけれども、区といたしましては、従来区長室長あるいは総務部長を置きまして、全体事業部の調整を行っていたわけですけれども、これを直接特別職である副区長が担うことによって、より効率的な運営ができるというふうに考えてそのような組織としているわけでございます。今委員がおっしゃいましたように、そうすることによりまして、生き生きとした自治、活性化された組織ができ上がっていく、そのように考えております。
○近藤委員 ぜひ地方自治法の改正の意味、副区長の職務ということを考えていただきたいと思います。少数精鋭で働く職員の仕事がスムーズにはかどり、住民の声がすぐに上がるシステムこそ、今の中野区に求められているものだと思います。
 これで私の質問を終わります。ありがとうございます。
○吉原委員長 以上で近藤さえ子委員の質疑を終了いたします。
 次に、いながきじゅん子委員、お願いします。
○いながき委員 無所属のいながきじゅん子でございます。本日、この場に立たせていただけることを感謝いたします。どうぞよろしくお願いいたします。
 さて、ことし8月の定例記者会見で、区長が、家庭ごみの有料化方針を公になさいました。10か年計画でも、ステップ3の段階で、家庭ごみの有料化実施が明記されております。しかし、清掃事業には既に年間50億円以上の区税が投入されております。その事業に対し、コスト削減によって区民の負担を軽減していくというのならともかく、手数料という名目であるにせよ、区民にさらに追加の金銭的負担を強いること自体にまず問題はないのでしょうか。現状のまま家庭ごみを有料化するのは増税と言ってしかるべきと考えます。ごみを減らし環境を守っていくことは大切ですが、いかなる理由があろうと、とりわけ昨今の日本の経済状況下で、増税とも言うべき家庭ごみの有料化を率先して実施し、区民の経済的負担をふやすべきなのか、慎重な議論と区民の合意が必要です。
 それに関連し、まず第3期中野区廃棄物減量等推進審議会で実施した区民アンケートのことについて伺います。
 答申附属資料には掲載されていなかったアンケートの中にこういった問いがございました。ごみ減量やリサイクルをさらに進めるために新たな負担がふえることについてどう思いますかという問いでございます。それに対し、分別などの手間がふえるのは構わないが、経済的負担がふえるのは嫌だという回答が68.2%もございました。有料化以外のことでごみ減量やリサイクルに協力したいという方々がこれだけの割合いらっしゃいます。お金を取ることが有料化の目的でないとすれば、この数字の高さは看過できないものなのではないでしょうか。この方々も含め、経済的な負担増に否定的な区民の割合が実におよそ76%もいたということがこのアンケートでは明らかになっています。
 また、同時期に区内の20代、30代の若者200名に対し、インターネット調査を行っています。回答率100%のこのアンケートで、若者たちは、有料化にはさらに否定的であるという調査結果が出ています。区は、これら有料化に対して否定的な数字をあえて答申附属資料から外したのでしょうか。また、この76%という高い数字についてどうとらえるかについてもお答えください。
○橋本ごみ減量・清掃事業担当参事 今御紹介のありました附属資料でございますが、審議会では答申を取りまとめるに当たりましては、答申の一部ということで附属資料も整理をしてございます。すべて審議会の中で審議の素材としたものを附属資料としたわけではございません。審議会の審議の過程の中で一定程度取捨選択しながら、わかりやすい資料ということで答申に添付した附属資料でございます。
 御紹介がありましたアンケート調査につきましても、審議会の中では、その結果から、リサイクルを含むごみ減量に関する関心の高まり、こういったことが伺える、そんな議論がなされたということでございます。
○いながき委員 では次に、区や審議会が有料化の話をするときに根拠としているなかのごみゼロプラン2006について伺います。
 このごみゼロプランでは、平成16年度時点で、区民1人1日当たりのごみ排出量713グラムを10年間で半減化、371グラムにするとした目標を立てています。今回の審議会では、この半減化という目標値を達成するためにも、家庭ごみ有料化が欠かせないという結論を出しているわけでございますけれども、区としては、このなかのごみゼロプラン2006が掲げている10年後にごみ排出量を半減化するという目標、そして、その必要性を認識している中野区民は現状どのぐらいいらっしゃると認識されていますか、お答えください。
○橋本ごみ減量・清掃事業担当参事 この間、さまざまな形でごみ減量のPRに努めてまいりました。分別区分の変更やプラスチック製の容器包装の資源としての回収、これの実施に当たりましては、昨年からことしの10月にかけまして、きめ細かな地域説明会を開催してまいりました。説明会では、ごみ減量の必要性とか区の姿勢などを繰り返しお話をしまして、減量目標についてもお示しし、理解を求めていったところでございます。また、あわせて区報の特集号あるいはホームページなどで十分な広報を行ってきており、多くの区民の皆さんに区のごみ減量の取り組みが理解されてきたのではないかというふうに考えてございます。
○いながき委員 ちなみに、町会、自治会関係者をはじめ、私は会う人会う人に確認してみましたけれども、このごみゼロプランと目標値371グラムを知っている人は皆無でした。実は、ほとんどの区民がこのごみ半減化計画やその意義を知らないのではないでしょうか。先ほどいろいろな形で区民に周知してきたとおっしゃいましたが、この半減化についても周知なさってきたとお考えでしょうか、お答えください。
○橋本ごみ減量・清掃事業担当参事 説明会などでは、区の目標につきましてお話をしてきてございます。そのほか、先ほども御紹介しましたが、区報の特集号、これは、この間の区報の特集号でありますが、それ以前からも区報やホームページで3R月間などにおける広報を行っております。それから、パネル展示などで積極的に減量に向けてのPR、それから、区の姿勢につきまして、区民の皆様の理解を求めてきたところでございます。
 委員もご存知と思いますが、横断幕を設置したり、それから、小学生向けのパンフレットの作成、配付、あるいは私どもは出前講座と申しておりますが、学校や町会、自治会、ことぶき大学、そういったところで対象の皆さんに応じた形で、ごみ減量につきまして訴えかけてきたところでございます。
○いながき委員 横断幕には、100グラム減量とは書いておりますけれども、半減化とは書いていないと思います。現実問題、こういった目標値を知らない方がほとんどだと思います。それなのに、あなたたちの努力に任せていてもごみ半減化達成は到底無理です、あとは有料化するしかありませんと、もし結論付けてしまうとすれば、それは少々乱暴な論理だと思います。そもそも10年で半減という目標値の設定自体そのものに無理があるのではないでしょうか。
 生産されたものは、基本的にすべてごみになります。生産者が生産量を減らさない限り、消費者がごみを減らしても、減った分がそのまま事業系ごみになるだけという可能性も否定できません。本当の意味でごみを半減しようとすれば、買い物を半分にする。食べるものも着るものも半分にするぐらいの勢いで取り組まないと達成は難しいのではないでしょうか。このごみ半減化目標の達成を有料化の根拠にすることに問題はないのかお答え願います。
○橋本ごみ減量・清掃事業担当参事 中野区はごみゼロ都市中野、これを目指しております。この目指す姿をイメージとしているんですが、ごみゼロに至るプロセスとして、ごみゼロプラン06では、まずは半減というわかりやすい目標を掲げ、さまざまなごみ減量施策を展開してございます。したがいまして、このごみ半減という目標自体が、つまり有料化推進の根拠になるものではございません。
○いながき委員 ただ、ごみゼロプランの半減化を達成するためにも、有料化が必要ですというふうに区長も審議会でもおっしゃって、審議会の中にも書かれていたと思いますが、いかがでしょうか。
○橋本ごみ減量・清掃事業担当参事 ごみゼロ都市中野という都市像、これを究極的な目標にしてございます。半減というのは、わかりやすいイメージというか、目標数字ということで示してございます。いずれにしても、それはごみゼロプラン06で到達しなければいけない、そのような目標というふうな認識でございます。
○いながき委員 次に、有料化で30%削減という数字の根拠をお示しいただきたいと思います。審議会では、日野市のクリーンセンターの職員の方を呼んで講演してもらうなど、日野市の事例をかなり参考にされているように思いましたが、この数字を含め、有料化計画は日野市をモデルにしていると考えてよろしいんでしょうか、お答え願います。
○橋本ごみ減量・清掃事業担当参事 審議会では、有料化とあわせましてごみと資源の分別などによります資源化率の向上など、幾つか想定した試算を行ってございます。この30%と申しますのは、一つのシナリオとして示したものであります。したがいまして、日野市を参考にしたとか、そういったものではございません。
○いながき委員 ただ、実際調べましたところ、中野区が有料化で想定している1リットル2円ぐらいの手数料を課している都内の有料化を先行実施している自治体の中で、30%ぐらいの減量効果を達成しているのは日野市と八王子市ぐらいであるということで、例えば平成16年10月有料化スタートの武蔵野市では、資源ごみを含んだ量で4%しか減っていません。資源ごみを含まない量で17%しか減っていません。そうなると、何を根拠に30%なのか、もう一度お答えをお願いします。
○橋本ごみ減量・清掃事業担当参事 さまざまなシミュレーションを使いながら、審議会の中では審議を重ねてまいりました。この30%がたまたまと申しましたら極端かもしれませんが、日野市の減量結果と合致している部分でございますが、そもそも日野市と中野区では地域特性が違います。一概に日野市でやっているからこれを中野区に導入して成功するとは考えてございません。私どもとしては、中野区の地域特性あるいは収集実態、こういったものを十分踏まえながら、仕組みをつくっていかなければいけないと考えております。その上で、仮に30%はということでもってここでお示ししましたのが一種のシミュレーションでございます。
○いながき委員 やはり区民の多くの方が心配されているのは、有料化を先行実施している多摩地区と中野区では、まちの状況が、おっしゃったように、かなり違うのではないかということを一番心配されているんです。ごみの問題に限らず、一般的に自治体ルールの徹底が厳しいとされている単身世帯、集合住宅、外国人の割合が中野区は日野市と比べて非常に高いと出ています。具体的数字を概算で申し上げますと、同年度比較で、単身世帯の割合が、中野区57%に対し日野市38%、集合住宅の割合は、中野区77%に対し日野市58%、外国人人口は、正式に登録している人数だけで中野区には日野市のおよそ4.7倍の人数がいるという数字が出ています。八王子市は日野市よりさらに単身世帯率や共同住宅率が低いです。ただ、30%が達成されているのは八王子市と日野市ぐらいだということで、やはりそれは考慮しなければいけない問題だと思うんです。
 また、日野市の有料化後のごみ減量化率が多摩地区の他の自治体よりも目立ってよかったのは、有料化だけが理由ではなく、24時間365日、ごみ出し放題のダストボックス形式から戸別回収に切りかえた効果が非常に大きかったということを担当者自身も認めています。スタート前の状況で、30%達成した日野市と中野区では大きく異なっているわけでございます。日野市とは違う、お手本にしたわけではない、たまたま重なったんだということをおっしゃっていましたけれども、それを抜きにして、有料化で本当に30%削減が実行できるのか、その点についてどう思うかお答えください。
○橋本ごみ減量・清掃事業担当参事 委員が今御指摘のとおり、中野区と日野市は、世帯構成、それから住居の形態が大きく違っております。中野区の特徴というのは、集合住宅が多い、単身世帯が多い、そういった特殊性がございます。それに応じた形で、私どもとしては、有料化に合わせてさまざまな併用策を展開しなければいけない。それによってできる限りの減量化を図っていく。多摩の状況につきましては、審議会の中で詳しい学識経験者がおりましていろいろ紹介を受けました。しかしながら、審議会の中では、都市部としてはどう対応するのか、そういったところが論点として議論されたところであります。日野市のお話を再三されますけれども、この30%につきましては、あくまで審議会でのシミュレーションという形でもってお示ししたものでございます。
○いながき委員 また有料化することで、ごみを多く出す人と少なく出す人との負担の公平化が図られるということを区はおっしゃっていますけれども、ルールに従って分別をし、きちんと対価を払って、ごみを出す人とそうでない人との負担の公平化はどのように担保されるのでしょうか。
 10月から全区的に分別ルールが変更されましたけれども、そのルールがしっかり守られるようになってからでないと、有料化の議論は始められないと思います。有料化を先行実施している自治体では、資源ごみを無料化しているところがほとんどですけれども、もし、分別ルールを徹底しないままに中野区が同様のやり方をすると、本来は可燃ごみや不燃ごみ扱いで有料となるべきものが無料の資源ごみに押し込められてしまう可能性が高いと考えられるからです。区は、ルール違反のごみをその場に置いていくことで対処するというふうにおっしゃっていますが、それだけでは近隣住民の方々の負担がふえるだけで、問題は解消しないと思われます。ルール違反をする人から毎回確実に料金を回収することはできますでしょうか。
 啓発チラシをその都度入れるだけでは、それこそごみになるだけで解決しない可能性が高いと思われます。ルールにのっとった分別をしない不適切排出者あるいは有料ごみにごみを入れない不法投棄者と、ルールにのっとってまじめに分別し、適切な日時に適切な対価を払ってごみを出す人との公平性の担保について見解を伺います。
○橋本ごみ減量・清掃事業担当参事 ごみ出しルールの徹底、分別区分の徹底、それから、資源化のより一層の推進、これが前提条件になると思います。審議会の議論の中でも、委員のお話にありましたいわゆる不適正排出、こういったことが議論になりまして、審議会では、例えば不法投棄、不適正排出の対策として、行政による指導員や監視員の整備、ごみアドバイザーといった区民中心の組織づくりなどによる公平で運用できる仕組みの構築の必要性などが提言されてございます。
○いながき委員 次に、この有料化が必要だという答申を出した第3期中野区廃棄物減量等推進審議会そのものについて伺います。
 この審議会には、委員長の東洋大学教授をはじめ3名の学識経験者委員が入っていらっしゃいます。こういった審議会においては、この道の専門家である学識経験者の考え方や意見が答申結果に非常に大きな影響を及ぼすものと考えます。この委員長とほかの2人の学識経験者の著作物やホームページ、過去のシンポジウムなどでの発言を読みますと、3名とも家庭ごみ有料化に非常に前向きといいますか、はっきり申し上げて、家庭ごみ有料化推進派の立場が鮮明であると言えると思います。この人選の段階で、既に有料化に肯定的な答申が出ることはほぼ確実だったと言えるのではないでしょうか。
 私は、今回の審議会の議事録をすべて読みましたけれども、やはりこのお三方が非常に積極的に有料化のメリットを強調し、他の参加者たちを強くリードしている印象を受けました。最初にお話ししたアンケートも審議会が内容を構成したということでしたけれども、正直申し上げて、この審議会は区の有料化の方針を正当化するために設置されたものではないかという疑念が生じてきてしまいます。万が一結論ありきで公明正大な議論が行われていない審議会のために800万円以上の税金が使われたとすれば、これは大きな問題だと考えます。この点について区の見解を求めます。
○橋本ごみ減量・清掃事業担当参事 審議会の構成は、御紹介にありました学識経験者、それから、町会、自治会、それから、収集の事業者、地域のさまざまな団体の方でもって構成をされてございます。ですから、一方に偏った議論というのは私はなかったというふうに受けとめてございます。
 審議会に対する諮問でございますが、これはあくまでもごみの発生抑制と減量化、資源の再利用を進めるための具体的な仕組みの考え方、こういったテーマを諮問したところでございます。
○いながき委員 では、最後に、この審議会に委員として参加された区民の方に直接お会いして実際に聞いたお話を御紹介します。その方を仮にAさんとします。そのAさんが審議会の委員を引き受けるときに、区の事務局の方から、Aさんは有料化に賛成なんですよねと念押しされたそうです。そう念押しした職員の方のお名前も伺っております。審議会が始まる前だったため、その方は現時点では賛成でも反対でもないと伝えたということです。まるで有料化に反対の委員が審議会にいると困るような発言だなと思った次第でございます。
 とにかく行政にお願いしたいのは、机の上だけで物事を決めないでいただきたいということです。審議会では、八王子市に視察に行かれていましたけれども、中野区内の視察はなぜ行わなかったのでしょうか。関係者の皆様におかれましては、ぜひ積極的に現場に出向いていただき、いかに各地の集積所、特に管理人さんのいない小規模アパートの状況がひどいか実際に見ていただきたいと思います。そして、近隣住民の方がいかに御苦労なさっているのか、肌で感じていただきたいと思います。分別もしていないぐちゃぐちゃのごみが収集日でない日に集積所にあふれている風景が日常茶飯事の状況で、有料化を進めたらどうなるのか。だれが不法投棄分の料金を肩がわりするのか。小規模アパートで戸別回収にしたところで、本当に問題は解決するのか。現場を見ていただいて、もう一度考えていただきたいと思います。
 また、現場で働く清掃事務所の職員の方々の生の声ももっと聞いていただきたいと思います。ごみ袋の中身をあけて個人を特定して何度指導しても追いつかず、不法投棄が減らない現実を知っていただきたいと思います。有料化の議論は、この不法投棄、不適切排出を徹底的になくしてから始めるべきものではないでしょうか、お答えください。
○橋本ごみ減量・清掃事業担当参事 先ほども申しましたが、ごみ出しルールの徹底、分別区分の徹底、それから資源化のより一層の推進、こういった条件が前提になるというふうに考えてございます。
○いながき委員 わかりました。ありがとうございます。
 次に、その他の項目として、中野区職員互助会への区の交付金のことについて伺います。
 資料、総務102の区交付金分の収支報告書についてお聞きします。区職員互助会への公金投入は長年にわたって行われていたにもかかわらず、資料請求の際、18年度以前の収支報告書は出せないと言われました。なぜ出していただけなかったのか、まずはその理由から教えてください。
○合川人事担当課長 お答えをいたします。18年度以前につきましては、区の交付金の考え方でございますけれども、職員互助会、いわゆる団体への補助ということから、こうした考え方のもとでどの事業に幾ら充てるかということについては不明のために、具体的な収支報告は公表してございません。
○いながき委員 ということは、18年度以前は、会員である職員の皆様の会費と区からの交付金を一緒くたにしてしまって、それまで投入された交付金、すなわち区税が互助会の何の事業に幾ら使われたか、すなわち互助会内でどのように税金が使われていたのかが全くわからなくなっているということですね。
○合川人事担当課長 団体への補助ということですので、個別の事業に対する補助という形でとらえてございませんでしたので、そういうことです。
○いながき委員 今年度の区互助会への交付金の予算約6,000万円に対して、4,300万円余の執行額ということで、差額は不用額とされていますけれども、では、それまで18年度までで、その年度で使い切れなくて余ったお金はどのような処理をなさっていたのでしょうか、お答えください。
○合川人事担当課長 18年度以前につきましては、先ほど申し上げましたように、団体への補助ということで、それまでは余った金額については繰越金ということで処理をしてございました。
○いながき委員 繰越金というのは、毎年プールしていたということですか。
○合川人事担当課長 使わなかった交付金につきましては、次年度の事業費として繰り入れをしていたということでございます。
○いながき委員 それは、毎年余った分をすべて次年度の事業に充てていたということでしょうか。
○合川人事担当課長 そのとおりでございます。
○いながき委員 では、今現在の状況では、繰越金といいますか、余ったお金というものはないということで、プール金はない、埋蔵金はないということでよろしいですか。
○合川人事担当課長 19年度から各事業への補助ということでとらえてございますので、今回、19年度の決算につきましては、使わなかったものにつきましては、そのところに戻入をするということで戻してございますので、いわゆる繰越金はございません。
○いながき委員 それでは、17年度決算では2,500万円強、18年度決算では2,600万円強だった交付金が、19年度決算では4,300万円強とかなり増額されています。この理由を教えてください。
○合川人事担当課長 従来までの職員福利厚生事業につきましては、職員互助会と特別区職員互助組合が実施してきた経緯がございます。平成18年度から、特別区職員互助組合事業が大幅に削減をされ、その分の職員の福利厚生事業につきましては、各区が責任を持って行うということになりました。そのため、互助会への区交付金が増額となってございます。
○いながき委員 その特別区職員互助組合の負担金の分が中野区職員互助会のほうに移ったということでよろしいでしょうか。
○合川人事担当課長 事業が移管をされたということでございますので、そのとおりでございます。
○いながき委員 ところで、この交付金額は何を基準に決定されるんでしょうか。互助会に関する条例によりますと、毎年会費の総額に相当する額を基準として区が負担するとありますが、これは、つまり会費と交付金の割合が1対1くらいということになるんでしょうか。また、今後この割合はどのようになっていくんでしょうか、維持されていくのか。
○合川人事担当課長 今委員が御紹介いただきました中野区職員互助会に関する条例施行規則の第5条に、互助会の運営に関して必要な経費として区が負担する額につきましては、互助会員の会費の総額に相当する額を基準として区長が定めるということになってございます。こういったことで、基本的には1対1の割合になっているということでございます。これにつきましては、従来からその交付金の額の削減に向けて事業の見直し等を行ってございますけれども、今後につきましても、さらなる事業の見直しを進め、その削減に努めていきたいというふうに考えてございます。
○いながき委員 削減とおっしゃいますと、要は、区のほうが会費より多い割合で補助金を出すということは今後ないということでよろしいんでしょうか。
○合川人事担当課長 先ほども御答弁を申し上げましたとおり、基本的には1対1の割合ということでございます。さらに19年度からにつきましては、各事業に対する交付金ということで性格を変えてございますので、そういったことでの交付金の削減ということにつなげていきたいというふうに考えてございます。
○いながき委員 この総務102の資料の中で、18年度の欄、クラブ活動助成118万9,000円とありますが、これは19年度ではどの事業に入るのでしょうか。ちょっと資料にある事業名では内容がよくわかりませんので、具体例を挙げて、それぞれの事業内容を簡単に御説明していただけますでしょうか。
○合川人事担当課長 19年度を基本に御説明をいたします。健康保持増進事業は、例えば人間ドックの利用助成ですとか介護、病児保育の補助、職場復帰訓練等の補助、インフルエンザ予防注射の助成などでございます。
 元気回復事業でございますけれども、職員のレクリエーション大会、例えばボーリング大会への補助、それから、バス事業などもこちらに入ってございます。
 自己啓発事業でございますけれども、今委員のお話がありましたクラブ活動助成あるいは退職者準備セミナー、資格取得の補助、ボランティア活動補助等でございます。
 最後の選択制福利厚生事業につきましては、19年度から職員のニーズに対応できる福利厚生事業とするということで、事業を転換してございます。これにつきましては、事業者に委託をいたしまして、職員のニーズに合わせた事業運営を行っているという中身でございます。
○いながき委員 この選択制福利厚生事業というところにかなりの交付金の額が投入されているんですけれども、これはいわゆるカフェテリアプランというものでよろしいですか。
○合川人事担当課長 カフェテリアプランを含めたアウトソーシングすべてをこの中で表現してございます。
○いながき委員 ちなみに、今後も互助会クラブ活動への助成を続けられる御予定でしょうか。
○合川人事担当課長 職員を取り巻く環境というのは非常に厳しくなってきてございます。職員が日々の疲れを癒し、健康で安心して職務に専念するという意味では、このクラブ活動助成につきましては非常に重要な事業というふうに考えてございますので、今後とも補助をしていきたいというふうに考えてございますが、今年度につきましては、いろいろな事業の見直しをしているということもございます。そうしたことも踏まえて、事業全体を見直しをしていきたいというふうに考えてございます。
○いながき委員 ありがとうございました。職員の皆様が加入できる福利厚生団体は中野区職員互助会、特別区職員互助組合、東京都職員共済組合の3段構えとなっています。19年度から特別区職員互助組合の税金の投入はストップされたものの、ほかの二つの団体への支出は続いています。もちろん、地方公務員法第42条を根拠とした職員の方の福利厚生事業への区税投入そのものには何の問題もないわけでございますけれども、三つの団体でメニューが重複しているものがまだまだありますし、その内容に対し私たち区民が十分納得できるようなものにするよう、今後も精査していっていただければ幸いです。ありがとうございました。
 以上をもちまして、私の本日のすべての質問を終了させていただきます。ありがとうございました。
○吉原委員長 以上でいながきじゅん子委員の質疑を終了いたします。
 最後に、林まさみ委員、お願いします。
○林委員 最後になりました。3回目の総括質疑となりますが、なかなかなれません。特に答弁のお声がよく聞こえないので、大きな声で私の目を見てお答えください。よろしくお願いいたします。
 まず、なぜ今エネルギーシフトが必要かという環境ジャーナリストの資料を見ました。地球温暖化が切迫しつつ、また、世界のピークオイルがいつ来るのか、今までは欲しいだけのエネルギーを得ることができたが、今後は欲しい量と供給できる量のギャップが拡大していくであろう。世界的に信頼されている地質学者のコリン・キャンベルの予測では、2010年にピークオイルが来るとも言われています。
 今後日本でも、その中でさまざまな再生可能エネルギーの使用が必要とされています。中野区では、その中で今区民風車ということが予算のほうで言われております。前回も質問させていただきましたが、今回もそのことについて、今現在の区民風車の進捗状況を教えていただけますでしょうか。
○橋本ごみ減量・清掃事業担当参事 区民風車の進捗状況、現在環境への負荷が少なく、区民参加により普及拡大のできる自然エネルギーの利用を進めるための基本的な考え方、それと、区民風車を活用して太陽光などの利用を促進できるような事業モデルにつきまして検討してございます。
○林委員 では、区民風車に関して、今年度風況調査をなさると計画にありましたが、場所はお決まりになりましたでしょうか。
○橋本ごみ減量・清掃事業担当参事 風況調査の候補地につきましては、現時点では決まっておりません。
○林委員 一応計画では11月と示されていました。では、まだ決まっていないということですが、私は、常陸太田市に視察に行きまして、そのときに出された資料の中で、関東のあたりだと風の吹くのは大体決まっているらしいので、大分絞られるという話は聞いたんです。ですので、そのうち進行なさるとは思うんですが、風況調査というのは立地調査はなさらないで、すぐに風況調査が入るのでしょうか。
○橋本ごみ減量・清掃事業担当参事 基本的な手順といたしましては、私ども、事業モデルをまとめ、その上で立地調査を実施した上で、風況調査の場所を確定する、このような流れを想定してございます。
○林委員 あと、予算の中で、1,200万円余の調査費が示されていましたが、この1,200万円余の調査費で何カ所ぐらい調査をなさる予定なんでしょうか。
○橋本ごみ減量・清掃事業担当参事 立地調査あるいは風況観測につきましても、箇所数につきましては現在決まっておりません。
○林委員 まだあまり決まっていないということなので、またお答えはいただけないかもしれないんですが、風況調査の場所が決まっていなくても、二、三というか、8個9個といろいろと心配な面があります。まとめて質問いたします。
 例えば風車というのは、今風車建設に当たって、まず環境アセスメントを行っているのか。
 今後、風車の耐震基準が厳しくなっているため、風車建設を見合わせている自治体があると聞いているが、中野区は大丈夫なのかが2点目。
 また、三つ目は、送電線を新しく引く。そのような場所になった場合はどうするのか。その費用はまた別に設けられるのか。
 また、電力会社への中継所をつくらなければならない。そういうような問題も出てきます。
 また、5番目に、風況調査をするところは、道路の通っているところか。ここには通っているけれども、ちょっと離れたところに通すという場合、また新たに道路をつくらなければいけないという問題があるそうです。
 また、風車はほとんどがヨーロッパ製で、常陸太田市もスペイン製とドイツ製でした。輸送費などもかかると思います。また、為替の差損なども考えられると思います。
 また、廃棄物の処分――つくる前から廃棄物の処分のことを言うのもなんですが、やはり最後まで環境のことを考えて、その費用などもきちんと試算されているのか。
 そして、特に違う自治体に立てるという観点から考えると、低周波による被害も今取り上げられています。中野のエネルギーを確保するために、遠くのところに立てて低周波で公害的なものがある、そのようなことがあるとよろしくないと思います。その方向でいろいろな検証はされているのでしょうか。
○橋本ごみ減量・清掃事業担当参事 委員が今御指摘いただいた点、これから検討を確認しなきゃいけない点も含めてさまざまあると思っております。それ以外にというお話であれば、例えば地形による風の乱れとか、あるいは既存の風車との相互の影響、こういったものも配慮しなければいけないと思っております。加えて申し上げれば、そこでどれだけの電力が生まれるか、発電量、それから、それが幾らぐらいで売れるか、売電額、こういった部分についても十分配慮しなければいけないと考えてございます。
○林委員 風況調査をして風車を立てることが進むと執行するということで、先ほどの上野原ではないんですが、もしかしたら、やめたほうがいいのかなということがとまらなくなってしまうこともあると思います。今後、このような風況調査などの状況によって、事業としてもし成り立たないというようなことが判明しました場合、風車事業を執行するかはきちんとPDCAサイクルにより庁内で検討して、中止もあるのでしょうか。
○橋本ごみ減量・清掃事業担当参事 さまざまな状況の変化、あるいはそれに準ずるような状態が生じれば、検討しなければいけない、そういう事態も想定してございます。
○林委員 区民の不利益になるようなことのないようにお願いいたします。
 次に、自然エネルギーの確保という環境施策に関しては、もっと地域の参加が必要だと感じます。自発的で自覚的な取り組みが大事なかぎとなります。私も近くに中野区の知り合いがいても、風車のことを知っている区民の人もなかなかいないような状況で、区民風車が未来の環境のために区民から支持を受け、地域の環境意識に根付くことができれば、自然エネルギーの利用や期待がますます膨らみ、地域の自然エネルギーまたはエネルギー施策まで変わってくるはずです。
 市民風車は、はまかぜちゃんというのが北海道に立っておりまして、それはグリーンファンドなどによる市民の支持を得た風力発電事業です。中野区の区民風車もそのような仕掛けが必要だと思います。先ほどからその仕組みづくりをという話をおっしゃっているんですが、10か年計画のステップ1にも自然エネルギー利用拡大のため区民ファンド設立準備、ステップ2に区民ファンド設立、また、環境基本計画に示されている基金の設立など、区民参加の仕組みをつくる方向にあると書かれています。中野区の考えている区民参加、それをどのようにしかけていくのか、区民ファンドなど、仕組みづくりについてお示しください。
○橋本ごみ減量・清掃事業担当参事 想定しています事業モデルでは、区民風車への資金面での区民参加の方法とか、グリーン電力証書などの活用によります太陽光利用促進など、区民参加の方策も示したいと考えてございます。
○林委員 行政側のトップダウンではなく、区民協働で環境施策が広がるようにしなければいけないと考えております。多くの区民の意見を聞く場がまた必要と思います。その位置をなすと思われる地球温暖化防止地域協議会というのが発足すると聞いていますが、ちょっとおくれているようだと聞いていますが、いつごろできるのか、また実際に構成メンバーなどはどういうふうになって、また、どういうような活動なのか教えてください。
○橋本ごみ減量・清掃事業担当参事 今御紹介のありました、仮称ですが、なかの地球温暖化対策地域協議会、これは環境基本計画の中に掲げてございます。環境像「エコシティなかの」の実現を目指しまして、区民、事業者、区が連携協働して、地域に根差した地球温暖化対策の取り組みを区民全体の運動として推進するために設けたいというふうに考えてございます。計画としてはできる限り早く、遅くとも年内中には設立をしたいというふうに考えております。
 構成といたしましては、町会連合会、友愛クラブ、小・中P連、区商連、工産会、商工会議所などなど、あまねく地域を敷衍するような団体の皆さんでもって構成をしたい、このように考えております。
○林委員 区民参加が広がるように、しっかりとした仕組みづくりをお願いいたします。また、提案として、東京都のほうで、太陽エネルギーの利用拡大スキームとして、太陽光発電の設置推進だけではなく、太陽熱利用などの設置促進などが挙げられています。地産地消であるエネルギーということも視野に入れ、環境基本計画の中に示されている9万トンのCO2を削減するという大きな目標を設置している中野区として、今後も環境が縦割りではなくいろいろなところに広がるようにしていただきたいと思います。ありがとうございました。
 次に、子どもの居場所について質問いたします。
 10か年計画の「未来への扉をひらく四つの戦略」の中に「元気いっぱい子育て戦略」があります。その中に「愛情と責任を持って子どもを育てる家庭」、また次に「虐待ゼロのまちをつくる」、「豊かでたくましい心と体を育てる」、そして「地域が支える子どもと家庭」とが示されています。また、「あすの中野を託す子どもたち一人ひとりを、家庭、地域、学校のそれぞれが連携・協力しながら、社会全体で大切に育てていきます。」とも示されています。
 そして、その中に、子どもと家庭を地域が支えるために解決すべき課題が五つ示され、その中の一つが「地域コミュニティの希薄化」、二つ目が「育成団体の活動力の低下とネットワーク不足」、三つ目が「子育て家庭の孤立化」、四つ目が「地域活動に参加しない子どもたち」、五つ目が「家庭・地域・学校の連携の弱さ」を挙げています。以上の五つの課題である中、子どもたちが地域の中で安心して育つ環境をつくるためにどのような施策をお考えなのか教えてください。
○野村地域子ども家庭支援センター担当課長 お答えいたします。少々長くなりますが、今委員御指摘の五つの課題に対してどういった施策かということでございますけれども、一つ目が、地域の育成活動ですとか、子育て支援活動と連携をした協力体制を強化していく。そして、区は子育てサポーターの養成など地域の活動を援助し、地域の養育力を高めていくということ。
 二つ目が、児童館の安全安心メールですとか、それから、地域のパトロールですとかといったようなことで、地域の安全性を高めていく。これも地域、学校と連携をしてということでございます。
 それから三つ目でございますけれども、関係機関の連携によって、地域に相談支援の体制を構築する。それから、そのことによって、子どもとその家庭の状況を把握しながら、地域の育成活動と連携できるような拠点を整備するということ。
 四つ目でございますけれども、家庭、地域、学校が情報や目的、これを共有しながら、子どもが安心して育つ環境づくりを行うということ、この今お示しをしましたような方向性を具体化するものといたしまして、地域子ども家庭支援センターの推進ということで取り組んでございます。
○林委員 では、U18事業というのも子どもの居場所としてお考えと思いますが、そのことについても説明していただきます。
○野村地域子ども家庭支援センター担当課長 U18でございますが、先般の他の委員からの御質問でもお答えをいたしましたけれども、これは児童館条例に基づくものであるということ、そういった意味で、児童厚生施設としての位置付け、これは何ら変わることがない。その中で、子どもたちの健全育成の場としての機能を強化していく。それから、乳幼児親子の交流を促進する取り組み、あるいは中高生の健やかな育ちと地域活動への参加を支援する機能を強化していく。さらに、地域の育成活動を支援する機能、あるいは子どもや子育て家庭からの相談に応ずる機能、こういったものを付加をして、地域、家庭、学校の連携によった地域づくり、ネットワークづくりを進めていくというものがU18でございます。
○林委員 U18事業の中にキッズプラザ事業があると考えてよろしいんですか。
○野村地域子ども家庭支援センター担当課長 子どもの健全育成の場というところでは、U18を担う児童館がその学校の中のキッズプラザ事業を担当しているということでございます。
○林委員 U18の中にキッズプラザ事業が入って、ゼロ歳から18歳までの居場所を見るということでよろしいんでしょうか。
○野村地域子ども家庭支援センター担当課長 すべての年代の子どもたちに対応していくというのがU18でございます。
○林委員 では、具体的に、今度東中野小学校が統廃合されて昭和地区にU18ができることになり、U18のほかにキッズプラザとして、昭和小学校の中に子どもたち、小学生が入るということになるということでよろしいんでしょうか。
○野村地域子ども家庭支援センター担当課長 来年度の取り組みとしまして今計画しておりますのは、現在の昭和児童館、ここが統合後の昭和小学校の後、白桜小学校ということになろうと思いますが、そちらのキッズプラザ事業を運営をするということでございます。
○林委員 3月に学校が閉校となってしまう東中野地域での子どもの居場所ということで、何点か問題点がありまして、例えば文教の36の資料では、小学校の第2、第4土曜日の遊び場の開放利用が、東中野では657人、また、教育要覧、平成19年、90ページにある校庭遊び場開放利用人数は6,884人とあり、近くに児童館もなく、大きな公園もないところの地域として、学校が居場所と位置付けられています。また、子ども育成団体が子どもたちの育ちを支援するというふうになっていますが、東中野地域のほうに子ども育成団体などの数はどのぐらいあるのでしょうか。
○野村地域子ども家庭支援センター担当課長 まず最初のほうで、文教の資料のところの657という数字がございますが、区内の小学校の土曜開放のところの平均的な数字なのかなというふうに認識してございます。それで、私どもが現在東中野地域でこういった小学生ですとか子どもの育成に協力をしていただいている団体といたしましては、特に東中野小学校を中心ということでございますと、2団体ほど、常時東中野の今執務室というのがございますが、そちらと連携をとらせていただいております。
○林委員 また、子どもの育成団体を支援していくようなシステムが、これから行政で行われていくと思いますが、やはり子どもの居場所づくりで、子どもに対応することに対して、もう少し区がかかわって育成を支援、後押ししながら、居場所づくりにかかわっていただきたいなと思います。また、この学校の再編によって、昭和地域U18は東中野地区、上高田地区、そして昭和地区という広い地域においての子ども支援を対象とすると思います。そのようなことでこのように広範囲な地域に対応し、また、乳幼児から18歳まで、多世代の子どもたちの対応をするということの対策や方向性みたいなものがあれば教えてください。
○野村地域子ども家庭支援センター担当課長 委員に御指摘いただきましたけれども、先ほど来御説明をしていますU18プラザ、こちらがそういった地域の育成活動団体を支援していくという機能を持ってございます。具体的に例えば東中野地域にも、来年4月以降、昭和児童館がU18プラザになるわけですが、こちらの職員がお邪魔をしながら一緒に協力をして取りかかっていくということになろうかと思っております。
 なお、広範囲になるということでございますけれども、基本的には範囲が狭かろうが広かろうが、U18プラザが地域の方々と連携をしながら取り組んでいくということについては変わらない。なお、この地域に対するアウトリーチ部分については、人的にもそういった役割を担う職員を配置していきたいというふうに思ってございます。
○林委員 ありがとうございます。今後、学校再編が進む中、新しく学校ができて、U18事業として展開する場所と、学校がなくなって児童館条例とともに児童館もなくなるというようなところが出てくると思います。東中野のことをいろいろ調べながら、これから導き出される問題として、10か年計画や、今、国から次世代育成計画をつくるようにという指示があると思いますが、次世代育成計画、また、児童館事業のU18の転換などが子どもの居場所施策の問題点の中に、学校再編統合による学校児童館の配置が変わるということがあまり明確に示されていないように思いますが、その点はきちんと盛り込まれているのでしょうか。
○野村地域子ども家庭支援センター担当課長 お答えいたします。先ほど来申し上げてございますけれども、地域子ども家庭支援センター、U18プラザ、これが学校の統合の有無にかかわらず、地域に出ていって、地域の方々と連携をして事業を行うというところでございます。そのことでございますので、学校の再編の有無ということについて、特にそのための特別な施策ということは現在まで考えてございませんが、今後、次世代育成支援行動計画につきましても見直しを行います。10か年計画についても見直しを行います。その中で、今までの取り組み、それから、今後の学校の再編統合、こういったことを踏まえながら、必要な箇所については見直しを行っていきたいというふうに思ってございます。
○林委員 また、キッズプラザ事業の中に学校という社会的資源を有効に活用するというように示されています。暫定活用の土地などに関して、例えば中・高生が集まりたくなるようなアンテナショップなどのようなものを展開するのはいかがでしょうか。今まで児童館となると小学校まででしたが、中・高生の居場所をつくるために、いろいろな調査をしなければいけないと思います。中野区としてはどのような調査をし、中・高生の居場所づくりに反映させようとお考えでしょうか。
○野村地域子ども家庭支援センター担当課長 先ほどちょっと触れましたが、次世代支援のこの計画、これの策定に当たりましては、必要なニーズ調査、アンケート調査というのも今後計画をしてございます。その中で、例えば中・高生を対象とする部分のアンケート項目を加えるとか、その辺については工夫をさせていただこうかというふうに思っております。
 なお、今御提案をいただきましたけれども、暫定利用のところで、中・高生の外での活動の場所というようなことの御提案がございましたが、その辺についても、今後次世代育成支援計画のところで必要なものについては取り組んでまいりたいというふうに思ってございます。
○林委員 では、そのように少子化のために学校の再編が余儀なくされています。ファミリー層の誘致を目標と掲げている中野区として、ファミリー層が住みたくなるようなまち、子どもの居場所、子どものいるまちづくりが必要と考えられます。特に学校や児童館がなく、公園などに恵まれないような地域など、そのようなところのまちづくりに対してどのようにお考えか。「元気いっぱい子育て戦略」にのるようなまちづくりとして、区長のお考えをお聞かせください。
○田中区長 基本的にお子さんの数が減ってしまって、お子さんの暮らす集団規模を大きくしていくということは、教育現場の学校の規模を大きくしていくということもそうだと思いますし、地域の中で子どもたちが遊んでいく社会集団の規模というものも、やはりある程度大きくしていくということが、子どもたちが育っていったり、あるいは子どもたちが集まって居場所という形で健全に成長していくということの中では、私は効果のあることだと、こういうふうに思っておりますので、基本的には学校が統合されたから児童館やキッズプラザのような事業を学校とは別に数を設けるべきだというふうな考え方には立っていないわけです。
 最終的には学校というものを子どもたちが遊ぶコミュニティの単位、学校区というものを考えていったほうがいいのではないか、こういうふうには考えているわけですけれども、今お話にありましたように、ファミリー層、子育てしやすい地域ということを考えていったときには、今の地域のあり方よりも、やはりもっと子どもたちが遊べる居場所でありますとか、それから、地域の育成団体が活躍しながら子どもたちを健全に育てていくような機会をつくっていくということが必要だと、こういうふうに思っておりますので、そうしたことが実現していけるように、U18プラザ、また、そのもとには地域子ども家庭支援センターというものを4カ所配置するわけですので、そうした行政の機能を地域の中で十分に発揮していくということが大事なのではないか、こう思っております。
○林委員 アウトリーチをしながら、育成団体の支援をしていただき、また居場所づくりに関しても、いろいろな目を行政として、また地域とともにしながら、子どもの声があるまちづくりをお願いしたいと思います。
 最後に、少子化を伴う人口減少として、現状を打開するために国にお膳立てをされて受け売りの少子化対策を講じるのではなく、地域住民のニーズに即した次世代育成支援を地域の実情に合った中長期的なまちづくりの中に政策の優先順位として見定めながら位置付けていただきたいということと、先ほど石神副区長も、区民の声を聞いてという話をなさいましたが、ぜひとも地域の声を聞きながらまちづくりに反映していただきたいと思います。特に子どもたちの声は漏れがちというか、子どもたちの声をなかなかうまく拾い上げられないような状況ですので、よろしくお願いいたします。
 以上で総括質疑を終わります。
○吉原委員長 以上で林まさみ委員の質疑を終了いたします。
 以上で総括質疑はすべて終了しました。大変お疲れさまでございました。
 ここで委員長から各委員にお願いがございます。7日からは、各分科会が予定されています。本日の委員会終了後、会場設営を行いますので、各委員がお持ちになりました資料は、机の中のものも含め、すべてお持ち帰りいただくようお願いいたします。
 次回の委員会は、10月14日(火曜日)午後1時から、当委員会室において開会することを口頭をもって通告します。
 以上で本日の決算特別委員会を散会します。
      午後5時30分散会