平成21年06月05日中野区議会本会議(第2回定例会)
平成21年06月05日中野区議会本会議(第2回定例会)の会議録
平成21年第2回定例会本会議第3日(6月5日) 1.平成21年(2009年)6月5日、中野区議会議事堂において開会された。
1.出席議員(39名)
  1番  内  川  和  久        2番  ひぐち   和  正
  3番  白  井  秀  史        4番  平  山  英  明
  5番  つぼい   え  み        6番  いながき  じゅん子
  7番  林     まさみ         8番  山  口  かおり
  9番  せきと      進       10番  いでい   良  輔
 11番  伊  東  しんじ        12番  佐  野  れいじ
 13番  北  原  ともあき       14番  南     かつひこ
 15番  小  林  秀  明       16番  の  づ  恵  子
 17番  奥  田  けんじ        18番  近  藤  さえ子
 19番  牛  崎  のり子        20番    欠  員
 21番  吉  原     宏       22番  大  内  しんご
 23番  伊  藤  正  信       24番  きたごう  秀  文
 25番  久  保  り  か       26番  やながわ  妙  子 
 27番  酒  井  たくや        28番  佐  伯  利  昭 
 29番  むとう   有  子       30番  長  沢  和  彦
 31番  か  せ  次  郎       32番  山  崎  芳  夫
 33番  斉  藤  金  造       34番  篠     国  昭
 35番  市  川  みのる        36番  岡  本  いさお
 37番  飯  島  謹  一       38番  江  口  済三郎
 39番    欠  員           40番  佐  藤  ひろこ
 41番  来  住  和  行       42番  岩  永  しほ子
1.欠席議員
      な  し
1.出席説明員
 中 野 区 長  田 中 大 輔      副区長(経営室) 石 神 正 義
 副区長(管理会計室) 沼 口 昌 弘    副区長(政策室) 西 岡 誠 治
 教  育  長  菅 野 泰 一      区民生活部長   鈴 木 由美子
 子ども家庭部長  竹 内 沖 司      保健福祉部長   金 野   晃
 保 健 所 長  田 原 なるみ      都市整備部長   石 井 正 行
 まちづくり推進室長 川 崎   亨     教育委員会事務局次長 田 辺 裕 子
 政策室副参事(企画調整担当)田 中 政 之 経営室参事(経営担当) 長 田 久 雄
1.本会の書記は下記のとおりである。
 事 務 局 長  山 下 清 超      事務局次長    奈 良 浩 二
 議事調査担当係長 大 谷 良 二      書     記  長 﨑 武 史
 書     記  荒 井   勉      書     記  河 村 孝 雄
 書     記  菅 野 多身子      書     記  丸 尾 明 美      
 書     記  土 屋 佳代子      書     記  鳥 居   誠
 書     記  杉 本 兼太郎      書     記  鈴 木   均
 書     記  岡 田 浩 二      書     記  竹 内 賢 三

 議事日程(平成21年(2009年)6月5日午後1時開議)
日程第1 第44号議案 中野区特別区税条例及び中野区特別区税条例の一部を改正する条例の一部
を改正する条例
第45号議案 児童デイサービス施設建設工事請負契約
第46号議案 白桜小学校施設整備工事請負契約
第47号議案 災害対策用備蓄物資の買入れについて
第48号議案 清掃車の買入れについて
第49号議案 机及びいすの買入れについて
日程第2 第50号議案 中野区国民健康保険条例の一部を改正する条例
日程第3 第51号議案 指定管理者の指定等について
日程第4 議会の委任に基づく専決処分について

      午後1時00分開議
○議長(伊藤正信) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。
 本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。
 昨日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。

中野区議会議員 いでい 良 輔
 1 新型インフルエンザ対策について
 2 保育行政について
  (1)待機児童の解消について
  (2)その他
 3 緊急経済対策について
 4 その他

○議長(伊藤正信) 最初に、いでい良輔議員。
      〔いでい良輔員登壇〕
○10番(いでい良輔) 平成21年第2回定例会に当たりまして、自由民主党議員団の立場から一般質問をさせていただきます。
 まず初めに、新型インフルエンザ対策について質問します。
 ことしの4月26日に麻生太郎首相が検疫体制の強化や在外邦人への情報提供などの体制を指示し、厚生労働省や自治体に電話相談窓口が開設されました。日本時間28日にWHOの緊急委員会の会合で警戒水準をフェーズ3からフェーズ4に引き上げられたことにより、政府は新型インフルエンザの発生を宣言し、内閣総理大臣を本部長とする全閣僚参加の対策本部を設置いたしました。中野区でも4月27日、健康危機管理対策本部を設置し、区長を本部長として警戒を強め、区民の健康被害を最小限にすべく連休中もその対応に努めてこられたと聞いております。
 世界中で目まぐるしく変化する感染状況には区民の多くも報道などによりそれを知り、不安な毎日を過ごしているのが現状です。今回の新型インフルエンザにおいては6月5日現在で日本人の感染者は410名と発表されており、感染者の多くは弱毒性ということもあって重篤な状態ではなく、快方に向かっているとも聞いております。新聞報道によると早い段階で中野区民も濃厚接触者としてリストに挙がりましたが、現在は感染国からの入国者健康監視件数として628名が追跡健康調査を受けており、そのうち濃厚接触者は9名ということですが、感染はいまだ確認されていないようです。また、東京都健康安全研究センターの発熱外来からの検体持込のPCR検査においては4名が疑いありということでしたが、いずれも陰性ということで、区内においては新型インフルエンザの発生が確認されておりません。しかし、昨日の報道では、お隣の杉並区でも海外から帰国された方の感染が確認されましたし、状況は刻一刻と変化しています。
 その中でも、私は、中野区は修学旅行の延期など迅速な対応に努めて、流行の拡大阻止のために体制を整えつつあることは大変に評価できるものと考えております。一方では、修学旅行は学生時代の大事なイベントの一つでもあることから、何とか開催してほしいという区民の声にこたえることは重要なことでありますので、その対応にはさまざまな角度からの情報収集は今後も必要になってくることと思います。
 昨年の9月に行われました第3回定例会におきまして、私は新型インフルエンザについてさまざまな観点から質問をさせていただきました。当時はWHOも警戒レベルがフェーズ3であったこともあり、新型インフルエンザの流行は余り現実的なものではないというような御答弁でしたので、しつこく再々質問までさせていただきましたのは同僚議員並びに理事者の皆様もご記憶に新しいものと思っています。私は、中野区でも医療従事者や社会機能維持者に向けてマスクを備蓄し、被害を最小限に抑え、区民の安心・安全を図る必要があると質問をさせていただきました結果、区は昨年度新たにマスクを6,000枚購入し、今年度予算で1万枚、さらに4月末からの警戒レベルアップに伴い、予備費で10万枚のサージカルマスクを備蓄されました。防護服においては570着、N95マスクは約5,000枚、抗インフルエンザ薬は400箱など、昨年に比べて相当な数が備蓄されたことは、当時私が質問させていただいたことによっての対応だと深く感謝もしております。学校においては、発生時を想定し、全生徒1万3,000人分、1万3,000枚あまりを各学校に備蓄されていることは子どもを持つ親としても安心の要素の一つです。
 区は昨年3月に新型インフルエンザ対応マニュアルを策定し、発生を想定した訓練や対応などを39ページにわたり細かく決めましたが、この中に今後の状況の変化に伴って適宜改定するものとあります。このマニュアルは強毒性の鳥インフルエンザを想定していましたから、行動の制限などにおいても厳しくガイドラインが設定されています。今回のインフルエンザは弱毒性ということもあって、そのマニュアルどおりにはいかなかったにしろ、想定の範囲の中では特に大きな混乱などは見られなかったのではないかと評価もしています。しかし、今回のウイルスは秋に向けて変異し、強毒性のウイルスになることが懸念されております。その来るべきときに備え、区は区民の健康被害を最小限に抑え、なおかつ不安を取り除くためにはさまざまな手段を講じてその対策に全力を傾けなければならないと強く思います。
 そこで伺います。区は新たな危機に向けて新型インフルエンザ対応マニュアルを改定し、非常時を想定した体制を整えるべきだと考えますが、どのようなお考えをお持ちでしょうか。また、仮に区民への感染が拡大し、区内に設置した発熱外来に対して中野区医師会から医療従事者を応援派遣するような事態を想定した場合に、こうした医療従事者に対する身分の保証や万が一の新型インフルエンザへの感染事故についての補償は検討されているのでしょうか。さらに、治安や救急業務、ライフラインなど、社会機能を維持する業務の従事者確保も大きな課題です。保育園などの休園措置がとられた場合、そうした社会機能維持に従事する方々の子どもについての緊急保育など、新たな問題も浮き彫りになっていますが、どのように対応されていくのでしょうか。あと半年以内に新型のウイルスが発生すると言われていることも考えますと、いつまでにどのようにされるかということに区長のリーダーシップが問われることと思いますので、ご見解を伺います。
 次に、保育行政について質問いたします。特に待機児童の解消について伺います。
 保育園の入園に当たっては、いつでもだれでもどこでもといったところが理想ですが、現状は極めて厳しいものがあります。育児休業制度が社会に普及し、産後の子育てをして職場に戻ろうにも、子どもを預ける場所がなく、必死の思いで何とか預かってくれる場所を見つけたとしても、そこが認可外施設で法外な保育料がかかったりと、働く親にとって安心して子どもを預ける場所がないということは切実な問題であり、安心して子どもを育てられないといったことから、少子社会により拍車をかけるようなものだと考えています。
 区長も行政報告の中で、日本は今後ますます高齢化し、少ない就労人口で多くの高齢世代を支える国になっていき、だれもが安心して暮らしていくためには、年金、医療、介護、福祉などの社会保障制度が安定して暮らしの基本を支え、しっかりとしたセーフティネットを形づくることが求められています。現在はさまざまな要因からそうした社会保障制度の安定的な持続が危ぶまれる状況ですと、少子高齢化社会が進む中で労働人口の確保がますます社会に求められていると危惧されています。保育園の入園待機児童の解消は単に自治体の子育て分野の話だけではなく、今後の日本社会のあり方まで左右しかねない重要な課題となっています。
 4月24日現在の待機児童の総数は、新定義で190名となっております。これは4月1日入所申し込み児童数に対して入所児童数などを引いた数であり、現在の申し込み状況などはインターネットで見ることができます。しかし、申し込みをしたいと思っている親御さんは、この申し込み状況を見て入所ができそうにないと判断したとき、申し込みをされなければ待機児童数にはカウントされません。私は、数字にあらわれない潜在的な待機児童の数は190名をはるかに超えるものと考えています。
 そこで伺います。区では、昨今の待機児童の増加とその解消についてどのようなお考えをお持ちでしょうか。そして、潜在的な待機児童数と保育園に入所させたいニーズに対してはどのように把握されているのでしょうか。特に育児休暇を終えて復職を希望されている方は1歳児の親御さんが多く、待機児童数の半数以上がその対象者です。私は、母子手帳を交付されたときに保育園入所の希望など、ニーズの調査を含めて申し込み予約の制度を新たに開始することを提案しますが、それについてもお答えください。
 このような状態に対応するために、平成21年度は認可保育所の分園開設や認証保育所の開設などを考えているようですが、今後の長期的視野に立脚した保育施策をどのように展開させていこうとお考えでしょうか。また、昨年の第4回定例会におきまして山崎芳夫議員からも、保育行政については民間事業者の参入の環境を整備し、セーフティネットの構築が急務だという質問がございました。区は平成15年度から区立保育園の民営化、さらには指定管理者園の導入などを行ってきましたが、保育園民営化の流れの中で区立保育園のあり方については今後どのようなビジョンをお持ちでしょうか。
 本日の読売新聞では、目黒区が、保育園に入園できなかった児童のいる家庭を対象に子ども1人当たり24万円の助成金を交付することを決定したとあります。対象者は、年間の課税所得363万8,000円未満の家庭に限るということです。また、港区でも、5年間の暫定的な保育施設を整備するために1億4,500万円の補正予算を提出し、待機児童解消の政策を打ち出しています。中野区としても他区と同様に新たな待機児童解消の施策を展開するべきなのではないでしょうか。区のお考えをお聞かせください。
 次に、緊急経済対策について伺います。
 アメリカのサブプライムローンの破綻に端を発した金融危機は、世界同時不況「100年に1度の不況」を招き、日本国内においてもあらゆる分野の企業が危機に直面している状況にあります。4月23日に、IMFは日本についてことしの経済成長率見通しを1月時点のマイナス2.6%からマイナス6.2%に下方修正し、ことしの日本の景気後退が当初予想よりも深刻化するとの見解を表明したところです。また、政府は、国際的な経済危機に伴う景気の急激な悪化を受けて、2009年度の実質国内総生産成長率を過去最悪となるマイナス3.3%に下方修正をしました。
 内閣府の5月の月例経済報告においても、先行きについては「当面、雇用情勢が悪化する中で、厳しい状況が続くと見られるものの、対外経済環境における改善の動きや在庫調整圧力の低下、経済対策の効果が景気を下支えすることが期待されるとしながらも、一方で生産活動が極めて低い水準にあることなどから、雇用情勢の一層の悪化が懸念されています。加えて、世界的な金融危機の影響や世界景気の下振れ懸念など、景気をさらに下押しするリスクが存在することに留意する必要がある」としています。
 このような状況下において、政府は国民生活と日本経済を守る観点から、当面は「景気対策」、中期的には「財政再建」、そして中長期的には「改革による経済成長」という3段階で経済財政政策を進めることとしています。このうちの当面「景気対策」では、「21年度の実質GDP成長率を2%程度押し上げ、1年間で需要拡大による40万人から50万人程度の雇用創出が期待されているところです。
 中野区では、昨年末の政府の経済対策を受け、中野区独自の施策として平成20年度には6,500万円余、21年度には15億9,000万円余りの緊急経済・雇用対策事業を迅速に打ち出し、対応したことについては大いに評価できるものです。
 そこでお伺いします。昨年の中野区が実施した緊急経済・雇用対策は、区内中小企業者の経済効果を高め、雇用の面では雇い止めや派遣切りといった人たちへの就労にもつながったのではないかと考えますが、効果のほどはどのような状況になっているのでしょうか、お聞かせください。
 また、政府が打ち出している第2弾の緊急経済・雇用対策のための補正予算では、当面景気対策を最優先で進めるため、総額75兆円程度の経済対策を着実に実施するとしています。加えて、景気の底割れを絶対に防ぐ、雇用を確保し、国民の痛みを軽減する、未来の成長力強化につなげることを目的として、4月10日、国費15.4兆円程度、事業費56.8兆円程度の「経済危機対策」を取りまとめました。これらの対策により、景気を下支えする効果が期待されるとしています。この第2弾の緊急経済・雇用対策事業については今国会において可決されましたので、さまざまな情報が内閣府からも発表され、報道もされているところです。今回の経済対策においても、中野区の迅速な対応と独自の経済効果がある対策を講じていただきたいと考えますが、現在どのような緊急経済・雇用対策事業が想定されるのでしょうか、お答え願います。
 以上で私の質問をすべて終わります。ありがとうございました。(拍手)
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) いでい議員の御質問にお答えをいたします。
 新型インフルエンザ対策に関しまして、対応マニュアルの適切な改正を行うべきではないか、見直しに着手するべきではないかといった御質問でありました。
 区は今回の新型インフルエンザについて、平成20年3月に策定をした対応マニュアル、これをそのまま適用するということはせず、国内での患者発生状況や患者症例の蓄積などにより明らかになってきた特徴に合わせて、柔軟に対処を行ってきたところであります。これまでの新型インフルエンザ対応マニュアルについては、強毒性鳥インフルエンザからの変化を想定したというものでありまして、そのまま適用できない部分があったというのは御質問の中にもあったとおりであります。今後、国の行動計画や基本対処方針等との整合を図りつつ、今回の対応状況、経験を踏まえて、医師会等とも意見交換を行いながら、弱毒性への対応項目の追加や、さらに強毒性対応についても修正や補強などの改定を行う予定であります。
 医療従事者に対する補償制度も検討するべきではないかと、こういった御質問がありました。
 今回の新型インフルエンザ対応では、保健所に設置をします発熱センターを電話による発熱相談に特化した発熱相談センターとして運営し、トリアージ検査は発熱外来が対応することとしたため、対応マニュアルで想定をしている医師会への医師の派遣要請は行っておりませんでした。今後の可能性としては、発熱外来の医師だけでは対応しきれない状況となった一定期間については医師会からの派遣をお願いすることも考えられるのであります。現在、こうした新型インフルエンザ対策へ協力する派遣医療従事者に対する補償制度はありません。区としては、こうした場合に区の派遣要請に基づく医療従事者を区の非常勤職員として位置付け、仮に被害があったような場合に公務災害規程を適用できるか、このことを検討していきたいというふうに考えております。なお、新型インフルエンザ対策従事者につきましては一定の基準を定めて国としての補償制度も必要になると考えておりますので、今後、国に対して制度創設を要望していきたいと考えております。
 それから、社会機能の維持のために必要な職員の確保のための保育園の対応ということについての御質問がありました。
 新型インフルエンザの感染拡大防止のために保育施設の臨時休業を行うと、このことを考えると、緊急時の保育については限定的で、かつ感染防止ということに十分留意をして対応する必要があると、こういうふうに考えております。医療関係業務に従事する保護者等でどうしても保育サービスの利用が必要となる場合に限って、各保育園で少人数の保育を実施する、この基本的な方針を健康危機管理対策本部会議で確認をしてきたところであります。
 次に、保育行政について、待機児童の解消に関連して待機児童の解消策と、それから潜在的な待機児数をどう考えているかという御質問がありました。
 待機児童の解消対策は、これまで区立保育園の民営化による認可保育園の定員増や認証保育所の開設誘致、家庭福祉員の増員など、さまざまな対策を組み合わせて総合的に行っているところであります。潜在的な保育ニーズの把握、これもまた必要なことでもありまして、これについては次世代育成支援行動計画――後期計画ですけれども、この策定にかかわる子育て支援アンケート調査結果をもとに、現在推計の作業を行っているところであります。
 それから、待機児童に関連して、母子手帳の交付の際に入所希望をして予約制度をつくるべきではないかと、こういう御質問がありました。
 仮に予約をするということになりますと、行われている保育の定員にあきをつくっておかなければならないという状況になってしまいます。現在のように、現に実際待っている人が多くいるという状況の中で、あきをそのままつくっておくということがなかなか難しいと考えておりまして、現状ではまだこの予約制度というものの導入は難しいのではないかと考えております。
 今後の待機児童の解消についてどう考えているのかと、区立保育園の民営化の流れの中で、区立保育園についてはどう考えているのかといった御質問もありました。
 お子さんの数は引き続き減少傾向にあるわけですけれども、昨今の経済状況を反映して、ここ数年は保育需要の高まりが予想されるわけであります。区立保育園については、保育需要に対応するとともに、保育施設の改善を推進する観点からも、さらに民営化が必要と考えているところであります。
 区立保育園の今後の方向性ということですけれども、民営化を中心としていきながらも、残る区立保育園もあるわけでありまして、これがいつまで、どのぐらいの数残っていくべきなのか、その中でどういう役割を果たしていくべきなのか、こうしたことについて現在検討しているところでありまして、まとまり次第明らかにしていきたいと思っております。
 それから、緊急経済・雇用対策の経済効果と雇用創出はどのような状況であったかという御質問がありました。
 中野区で取り組んだ緊急経済・雇用対策事業としては、20年度の補正予算と21年度の当初予算においてお示しをした、投資的事業や省エネ化、環境対策事業等の事業の前倒しにより、その経済波及効果、実際に行われた効果ですけれども、5月末で9億7,600万円余りの実額投資や、それから中小企業の資金調達のための資金が92億7,800万円余、これが実際に発動されたということであります。この対策によります雇用創出効果は、概算推計したところですけれども、1万5,600人/日を超えるものになると、このように考えております。
 第2弾の緊急経済・雇用対策を行うべきであるという御質問であります。
 政府が今国会に平成21年第1号補正予算として上程し、成立した経済危機対策については、景気浮揚の原動力として期待をしていきたいと考えております。この内容については、現在各省庁において具体的な方策を詰めているところであると、このように聞いております。区としては、各省庁からの情報を的確に収集をすると同時に、区としても、中野区にとって効果のある対策を打たなければならないということで、前回の緊急経済対策のときと同様に、迅速で的確な対応をとれるように準備を進めるとともに、効果のある対策を検討しているところであります。
 以上であります。
○議長(伊藤正信) 以上で、いでい良輔議員の質問は終わります。

 中野区議会議員 飯 島 謹 一
 1 行政報告について
  (1)10か年計画をめぐる諸課題について
  (2)環境対策について
  (3)その他
 2 緊急経済対策と入札制度の改善について
 3 高齢者施策について
  (1)介護施設の課題について
  (2)高齢者生活支援について
  (3)その他
 4 (仮称)中央部防災公園について
 5 その他
  (1)道路整備等について
  (2)その他

○議長(伊藤正信) 次に、飯島謹一議員。
      〔飯島謹一議員登壇〕
○37番(飯島謹一) 平成21年第2回定例会に当たり、公明党の立場から一般質問いたします。
 初めに、区長の行政報告について伺います。
 この項の質問の第1に、「10か年計画」の改定と「基本構想」について伺います。
 この問題については、私は既に本年第1回定例会でも質問をいたしたところでございます。その際には明示的にはお答えのなかった本質的とも思える修正が、今回の行政報告では区長から提示されたものと受けとめました。予算議会での施政方針の説明では語られなかったことが、行政報告で示されるというのはいかがかとは思います。が、それはさておき、区長は行政報告で「基本構想」に示された「10年後のまちの姿」について、「状況の変化に即応して」必要な修正を行い、新たな10年後に対応した基本構想として「区民に認知していただく」ことが必要としています。新たな10年後に対応した基本構想として区民に認知していただくためにとるべき手段、プロセスについて、議会への対応を含めて、区長はどのようにお考えなのでしょうか。まず、この点について伺います。
 次に、なぜこの段階で新たな10年後に対応した基本構想としなければならないのか、その理由をお答えください。基本理念や展望は、目標年次を延ばしても特に大きな変更は考えていないというのですから、目標年次を5年延ばした「10年後のまちの姿」が、果たして大きな変更を必要とするのでしょうか。にわかにはそうとは言い難いのではないかと思います。変更を必要とする「状況の変化」とは何であるのか、お答えをいただく必要があると思います。これまでの担当副参事からの報告や議会答弁の流れからは腑に落ちない気がいたします。率直に区長のお考えをお述べください。
 3番目に、基本構想とその財政的、政策的裏付けとなる10か年計画とを「一対のものとして確立する」とはいかなる意味でありましょうか、具体的にお考えをお示しいただきたいと思います。一体的に、あるいは一体のものとしてという表現はありますが、一対とは違います。あえて「構想と計画を一対のものとして確立する」と表現されたことの意図は、「言葉のあや」では片付けられるほど簡単ではないと思います。あえて「一対」とした区長の意図するところをお答えください。
 第2に、「自然エネルギーの活用」について伺います。
 家庭部門におけるCO2削減の取り組みを持続的に促進するための「自然エネルギー活用のための事業モデルの考え方」が議会に示されました。その核心部分は、区立施設の太陽光発電と風力発電により、得るところの収益等を積み立てるとした、仮称「環境基金」の創設がうまくいくかどうかであります。そして、そのための留意点は、施設設置のための資金ファイナンスをいかに効率的に組み立てるかであると思います。地方の連携都市への風力発電施設の導入については議会のコンセンサスはいまだ得ているとは私には思えず、立地可能性も見えていない段階ですから、これはひとまず置くとして、全小中学校を含む区立施設への太陽光発電機器などの設置からの取り組みがまず第一になると思います。
 社会的にも、風車よりは太陽光発電に風は吹いているといえるのではないでしょうか。最近、ある大手ビール会社の「うまい!を明日へ!」プロジェクトの取り組みを知りました。これは、そのビール会社が東京都や区市町村と連携して、都内の小学校に太陽光発電設備を設置するというプロジェクトであります。事業規模も、3カ年のプロジェクトで都内20カ所程度、1億2,000万円の寄付を見込んでいるというものであります。平成21年度は6自治体、7校を予定しているそうでありまして、そのうちの荒川区の場合を見ますと2校で約3,000万円、当該ビール会社が費用の2分の1、そして残りの2分の1を一般社団法人新エネルギー導入促進協議会がこの補助をするというものでありまして、自治体としての負担は年間10から15万円程度の維持管理費で済むようであります。聞くところによると、来年度の協力先自治体として中野区が既にリストアップされているようでありますが、事実でしょうか、伺います。私は、事実とすれば、ぜひ実現するよう積極的な働きかけをするべきと考えますが、いかがでしょうか。そのためには、全小中学校を含む区施設への太陽光発電装置の設置計画と、仮称「環境基金」の早急な創設を時期を明示して決定すべきと考えますが、いかがでしょうか。また、事業モデルに示された「エコポイント制度」、これについては、エコと介護を結びつけたシステムを検討するなど、幅の広いものとする取り組みの検討をすべきと考えますが、いかがでしょうか。
 以上でこの項の質問を終わります。
 次に、緊急経済対策と入札制度の改善について伺います。
 区長は、行政報告の中でもこの点に触れ、「今後、政府の経済対策を踏まえ、さらに区独自の経済雇用対策を講じて、区内経済の活性化を進める所存です」と述べています。また、その直前には、スピード感のある緊急的な経済雇用対策を打ってきたことを述べられて、現在の区政には速度が求められることを明確にしておられます。
 そこで伺います。国の第1次補正予算が成立したことを受け、中野区として、政府の経済対策を踏まえた中野区独自の経済雇用対策を早急に打つべきではないでしょうか。
 最近の企業倒産件数の動向と公共工事請負金額の推移というデータがありますが、2009年3月には倒産件数が危険水域の1,500件を超えていたものが、4月には1,300件台へと落ち着きを見せ、一方、公共工事請負金額は09年3月、前年比15.3、4月には20.5と、大幅に公共工事をふやしていることが見てとれるデータでありますけれども、経済対策がきいてきていると指摘するエコノミストがこのデータを見て発言をしております。こうしたことから私は、前回の異例とも言える臨時会の取り組みがもう一度あってもよいのではと考えております。区長の決意と意欲を伺います。
 次に、中野区独自の経済雇用対策については、具体的にどのようなメニューを検討されているのか伺います。
 何をやるかだけではなく、どうやるのかも中野区独自の取り組みでは重要であります。私は、財源とあわせ未来志向で考えると、既に提案したことがあります全小中学校の地上波デジタル放送対応テレビへの切りかえなどを先行前倒しする場合などは、テレビの購入先を地元中野区の家電販売店として、学校長が学校のある近くの地域の家電販売店から購入する仕組みで行うなど、地域の活性化に本当につながる取り組みとすべきだと思います。こうした地元優先の考え方を明確にして、中野区独自の取り組みメニューを検討すべきと考えます。中野区独自の経済雇用対策のメニューについてお考えをお聞かせください。
 また、入札制度についても、このような視点に立って改善すべきだと思います。
 中野区内の中小企業の経営はさらに厳しさを増す状況となっています。こうした事態を受け、中野区は、本年度当初予算で3億4,000万円の融資制度新設・拡充予算を計上したほか、公園や道路の改良工事、街路灯のLED化などの公共工事案件で7億3,000万円余を計上しています。
 これらの緊急経済・雇用対策の工事案件については、その趣旨に照らし、本来は区内事業者優先で事業者を選定すべきだと思います。近隣区の対応を見れば、締め出されているのは中野区の事業者との構図が浮かんできます。中野区が他の自治体に先駆けて本年度から全工事入札案件に総合評価型一般競争入札方式を導入して、工事の質を高めるとともに、より透明性の確保を図っていることは大変高く評価はいたしますが、区内の事業者が疲弊しきっては本来の趣旨が生かせないのではないでしょうか。
 そこで、工事案件については、日本経済が以前のように回復するまでの期間、議決案件ではない1億8,000万円未満の工事については区内と区内に支店がある事業者による入札とし、1億8,000万円以上の工事案件については総合評価の地元加点分を5点から7点に、区内に支店のある事業者の3点を4点にするなど、区内事業者優先の対応を図るべきであると考えますが、いかがでしょうか。
 さらに、今後行われる警察大学校跡地の道路や公園整備などの大型事業の入札では、区外の大手事業者と区内事業者のジョイントベンチャー方式を義務付け、区内事業者の参入の機会をふやす仕組みとすべきと考えますが、区長、いかがでしょうか。それはまた、中野区独自の経済雇用対策であると思います。区内の事業者については、この不況下、1社も倒産させないんだという、そうした決意に立った取り組みが今求められていると思います。それが区内雇用確保の対策につながっていくと思います。区長の英断の御答弁を求め、この項の質問を終わります。
 次に、高齢者施策について伺います。
 初めに、介護施設の諸課題について伺います。
 平成20年6月に実施された、内閣府による「国民生活に関する世論調査」によれば、今後、政府が力を入れるべきと思うものとして、医療、年金等の社会保障構造改革が72.8%と最も高くなっていますが、2番目に挙げられたものは物価対策や景気対策ではなく、「高齢社会対策」57.2%であったということは、現在の日本社会の基底部を成す問題が何であるかを象徴していると私には思われました。特に、大都市での割合が高くなっていることは、問題の所在を国民が明らかに認識していることを示しています。
 中野区の「2008中野区区民意識調査」でも、区への施策要望のベスト5の推移にもこのことがはっきりと出ています。平成17年、18年には第4位であった「高齢者福祉」は、平成19年には第2位に、そして平成20年には第1位になりました。中野区にあっても、高齢者施策の充実を図る新たな局面を迎えていると思われます。
 そこで、区民意識調査と同じ時期に策定された「第4期中野区介護保険事業計画」の介護基盤整備の重点方針について伺います。事業計画では、「介護老人福祉施設」について、100床程度の規模で「南部・中部圏域」での整備を目指すとしていますが、現在はどのような状況でしょうか。その際は、方策として公有地の活用などが中野区保健福祉審議会の答申にも、また事業計画にも書き込まれています。これらを含め、取り組みの現状をお答えください。
 また、介護療養型医療施設の平成23年度末の廃止を考えると、このまま手をこまねいていては、いわゆる「介護難民」の発生を防ぐことができません。現在、中野区内には2施設195床の介護療養型医療施設がありますが、これら施設事業者の介護老人保健施設への転換の意向についてはどのように把握しているのかお答えください。
 なお、「介護保険事業計画」によれば、中野区民の介護療養型医療施設の利用はおおむね270人程度となっています。これらの方々の受け入れ先について、検討なども早急に行い、確保に向けた取り組みを進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。現状をお聞かせください。
 次に、今後増加が予想されるひとり暮らし高齢者の安心につながる、見守り・緊急通報システムについて伺います。
 現在、中野区では、東京消防庁による直接方式の登録が73人、委託方式のペンダント緊急通報が188人、ライブセンサーによる見守り通報が115人の、合計376人の方が登録されていますが、70歳以上ひとり暮らし高齢者の方がおおよそ5,000人、この数字に高齢者のみ世帯を加えて考えると少ない気がいたしますが、この点についてどのように評価をされているでしょうか。最近、私の周りで孤独死、死亡してから何日もたってから発見された方が相次ぐようなことがありました。安否確認システムは、コミュニティが希薄になっている地域では高齢者にとって安全・安心の命綱になりつつあるのではないでしょうか。
 そこで伺います。見守り通報システムは「元気でねっと」に登録されていることが前提ですが、「元気でねっと」自体、見直すべき点があることを考えると、現在のシステムが果たして最善であるかどうか、検証する必要があるのではないでしょうか。現状と今後の取り組みについてお聞かせください。
 この項のその他として、長寿健診の実施の問題について伺います。
 同僚が、「長寿健診の申し込みがインターネットでできるようになっていますが、これって適当じゃないですよね」と、ダウンロードした紙を見せながら話しかけてまいりました。私も、75歳以上の人を対象にした健診申し込み申請がインターネットというのは、少し未来を先取りし過ぎ、もっと言えば、「違うだろう」と思いました。一方、「健診申し込みの用紙が送られてきませんが」という問い合わせを受けた同僚もおります。希望する人が対象の申請主義とはいえ、新たな制度の発足であったことや、中野区にとっては、我が会派の要望にこたえて健診内容の充実を図った初年度ということであるならば、丁寧な案内があってしかるべきではないでしょうか。今月6月から長寿健診の受け付けが始まりましたが、受診票そのものを75歳以上の方すべてに発送して周知徹底を図るべきだと考えますが、いかがでしょうか。
 以上を伺い、この項の質問を終わります。
 次に、仮称「中央部防災公園」について伺います。
 端的に言って、利・活用についての方向は定まったのでしょうか。既に私どもとしては、消防団の訓練活用、高齢者のゲートボール、若者のフットサルの3点活用について要望している区民の皆様の声を代表して設計での工夫を申し上げてきたところであります。いよいよ基本構想から基本設計へと進む段階になりました。利・活用の方向についてはどのようになっているのか伺います。
 次に、その他で2点伺います。
 初めに、道路整備について伺います。
 中野区では、平成15年度から「路面下空洞調査」、つまり道路の下の空洞調査を実施しています。これまで決算額で6,500万円余をかけて調査し、189件の空洞を発見し、86件を東京都下水道局が、65件を中野区が3,000万円余の費用をかけて補修しています。この事業はいつまで実施し、幾ら予算を見込んでいるのか伺います。
 中野区の道路については、メンテナンスに関する苦情をよく聞きます。道路補修のガイドラインがどうなっているのかお答えください。
 私道についても、私道舗装の補助をしたところについては、補修についてのガイドラインを作成して維持補修を図るべきだと思いますが、いかがでしょうか。陥没などで転んだ高齢者からの相談も結構な件数に上ります。御本人の苦痛はもとより、骨折などによる社会的マイナスは補修費用を上回ることもあるでしょう。区内の道路の維持は重要な課題であると考えております。
 最後に、国の補正予算、法改正に関連して伺います。
 国土交通省の補正予算で箇所付けがされたものに、東京メトロ新中野地区今回補正分4,600万円、JR東中野駅地区今回補正1億4,000万円があります。事業進展の期待とともに、残された課題もそれぞれにあります。新中野地区では追分通りのカラー舗装がバリアフリー重点整備として残されていますし、東中野駅地区では駅前広場整備の形状では不利益をこうむりかねない周辺住民の方々の件などであります。これら残された課題に早急に取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
 最後に、法改正について伺います。
 都市再生特別措置法・都市開発資金貸付法の一部改正が開会中の通常国会で可決成立したとの報道を見ました。これにより、無利子貸付制度の創設や、対象地域へのまちづくり交付金が現行の40%から45%に引き上げられるなどの改正内容が示されています。一部を除いて8月末から9月初めの施行とのことですが、中野区への影響はどのようなものが考えられるか、その点について伺い、私のすべての質問を終わります。(拍手)
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 飯島謹一議員の御質問にお答えをいたします。
 行政報告に関連する幾つかの御質問にお答えをいたします。基本構想の区民への認知手段等について、ということについてであります。
 基本構想は、法で定められた議決事項の中でも最も重い意味を持つものと考えております。変更の内容の程度も見定めた上で、自治基本条例に基づいて区民参加の手続を踏まえるとともに、議会にも十分にその背景や考え方について情報提供した上で、御議論を尽くしていただきながら案をまとめて審議に付していきたいと考えておりますので、よろしく御理解を賜りたいと思います。
 10年後に対応した基本構想とする理由はどういうことなのか、また、基本構想と10か年計画を「一対の」と表現したことについての御質問もありました。
 10か年計画は、基本構想の実現を財政的・政策的に裏付けるものとして、基本構想の目標年次と計画スパンを整合させて策定をしてまいりました。当初は、5年後の改定はその後の5年間をスパンとして、10か年計画のみを改定することを想定していたものであります。しかし、学校再編をきっかけに施設の再編が大きく動き出していること、また、西武新宿線の連続立体交差に伴うまちづくり、区南部におきます3公園の整備とそれに伴うまちづくり、中野駅周辺まちづくりなど、今後5年間のスパンだけでは、事業の進捗においても財政運営でも他の施策との整合性においても、十分に展望を描き切れない現状が出てまいりました。そこで、10か年計画を、まずこの後10カ年のスパンを見通したものに改定する必要があるとの認識に至ったものであります。さらに、基本構想の10年後のまちの姿を計画の目標として策定している10か年計画でありますから、単独で計画スパンとなる期間はつくるべきではないと考えております。また、基本構想の10年後のまちの姿にいたしましても、5年経過し、さまざまな状況が変化した現在、長期的展望を補強して、より明確な区政の指針とすることが望ましいと考えたところであります。他の多くの自治体でも、行政の理念的基本指針であり、議会の議決によって明確に自治体の意思として定める基本構想と、それを実現するための行政の基本計画をセットで定め、一定の期間で両方とも改定、ローリングしていく総合計画方式をとっているところが多く見られるところです。新しい行政経営の手法が定着した現在では、この形がより妥当性があると考えているところであります。こうした考えについて議会で御議論をいただき、可能性を追求していきたいと考えているところであります。
 (仮称)環境基金の設置についての御質問がありました。
 環境基本計画で掲げました小中学校全校や区立施設への太陽光発電機器への設置や(仮称)環境基金については、自然エネルギー活用の事業モデルの策定過程において、基金の活用対象や太陽光発電による売電、あるいは節電ということにもなりますが、相当額の見込み等のスキームを検討しているところであります。考え方について早期に取りまとめ、10か年計画の中に位置付けていきたいと考えております。
 エコポイント制は、単にエコだけではない幅の広い取り組みとするべきではないかという御質問もありました。
 支え合いなどの福祉活動に対するポイントでありますとか、何らかの形での商店街のポイントなどとの共通化を図ることを視野に入れて制度づくりを行っていきたいと考えております。
 次に、緊急経済対策についてであります。
 今議会の冒頭で報告をさせていただいた行政報告の中でも申し上げたとおり、政府の今国会において平成21年第1号補正予算として成立した緊急経済対策を踏まえて、区独自の経済雇用対策を講じて、区内の経済活性化を進めるべく考えているところであります。その具体的内容については、現在、国の施策についての情報収集を行っているところであります。内容をよく精査し、中野区の経済雇用対策として効果的な対策案を取りまとめ、その早期の実施方について議会にも御相談をしてまいりたいと考えております。
 緊急経済対策と入札制度の改善についてということであります。
 区内事業者への優先的発注につきましては、すべての工事について総合評価落札方式を取り入れておりまして、区内事業者に対しては配点に加点を加えて配慮をしております。そのうち、緊急経済・雇用対策事業につきましては、さらに区内事業者に加点をするなどして配点に配慮をしているところであります。
 ジョイントベンチャー方式についてでありますが、建設共同企業体取扱要綱におきまして対象工事を金額により指定して実施をしております。対象とする工事の規模や工事の管理の方法など、適正な競争を確保しつつ、工事の質を高め、区内事業者の育成にもつなげられるような運用が図られるように検討をしていきたいと考えているところであります。
 私からは以上です。
     〔教育長菅野泰一登壇〕
○教育長(菅野泰一) 環境対策のうち、ビール会社の太陽光発電設備寄贈プロジェクトにつきましてお答えいたします。
 ビール会社が東京都を通じて公募いたしました平成22年度東京都公立小学校の太陽光発電設備寄贈校にかかる事業につきまして、中野区といたしましては第1次選考を通ったとの通知を受けております。この事業につきましては、ビールの売り上げによりまして事業規模が増減するものでございまして、具体的内容につきましてはこれから決まっていくものであります。今後、2次選定に向けて説明会の実施が予定されておりますので、情報収集に努めていきたいと思います。
    〔保健福祉部長金野晃登壇〕
○保健福祉部長(金野晃) 高齢者施策についての質問にお答えいたします。
 まず、介護老人福祉施設の整備についてでございます。
 介護保険事業計画で計画している介護老人福祉施設といたしましては、特別擁護老人ホームの広域型を一つ、小規模一つを整備する計画でございます。この施設は、事業者が参入する際の用地確保が難しいということがございますので、公有地について可能なものがあれば提供したいとの考え方を持っております。区全体の施設配置の考え方との調整を進めていきたいと思っております。
 次に、介護療養型医療施設の転換についての御質問でございます。
 意向の確認ということでございますが、区内の介護療養型医療施設に対しましては、これまで転換の意向について確認してまいりました。いずれも22年度の診療報酬の改定内容を見定めた上で、どの形の施設に移行するのか考えたいということでございます。多くの利用者がいることを考えますと、介護療養型医療施設には介護老人保健施設等への転換を働きかけてまいりたいと思います。万一、転換ではなく施設が廃止となってしまうような場合には、他の施設での受け入れや在宅での生活支援について、区としても調整を図りたいと思います。
 次に、高齢者の生活支援について、見守り緊急システムについてのお尋ねでございます。
 まず、緊急通報システム等についてでございますが、ひとり暮らしの高齢者や高齢者のみ世帯で希望する方にはセンサーを設置しております。また、身体の慢性疾患等により日常的に見守りを要する方、こうした方にはセンサーの設置に加えて無線発報ペンダントを貸与しているというところでございます。登録者数が少ないのではないかということですが、必要としている高齢者に十分周知されていない点もあると思いますので、今後ともさまざまな機会をとらえて周知に努めたいと思います。
また、現状で「元気でねっと」との関係の御質問がございました。現在のところ、「元気でねっと」に登録していない方も利用できると、そうした取り扱いをいたしております。今後の考え方ですが、今後はユビキタスなどの新しい情報技術の活用や、地域の支え合いネットワークとの連携など、制度のあるべき方向について研究してまいりたいと思います。
 次に、長寿健診についてのお尋ねでございます。
 長寿健診につきましては、受診票送付というお尋ねでございますが、これまで成人健診におきまして申し込み制を採用していたという経緯もあり、区民の間でおおむね定着してきていたということから、長寿健診の開始に当たってもこの申し込み制を継承してきたところでございます。この申し込みにつきましては、区役所を初め、保健福祉センター、地域センターでも受け付けております。ただ、周辺区の状況を見ますと、申し込み制を採用している区のほか、直接受診票を送付している区もあるというような状況でございます。長寿健診をより一層受けやすくするため、対象者全員に対して申込書や受診票を送付するということについて検討いたします。
    〔都市整備部長石井正行登壇〕
○都市整備部長(石井正行) (仮称)中央部防災公園の利用についてのお尋ねがございました。
 (仮称)中央部防災公園につきましては、5月に行いました意見交換会の意見も踏まえながら、基本計画を策定いたしたところでございます。この意見交換会等でもさまざまな利用要望等が出されており、今後、広場等については、だれもが憩える空間として、また、広域避難場所の中心に位置すること、街区一体の環境や景観との調和といった諸点に配慮しつつ、さまざまな利用に耐えられるよう基本設計の中で検討してまいりたいと考えてございます。
 次に、道路整備等についての御質問がございました。
 路面下空洞調査でございますが、これは道路陥没を未然に防ぐという目的で、区内全域の区道を10年間で実施をする計画で進めておるところでございます。今後、平成24年度まで調査を行いたいということでございます。経費については4,500万円を見込んでいるものでございます。
 それから、区道の舗装の打ちかえの工事でございますが、おおむね35年を1サイクルということで考えてございます。年間およそ2万8,000平方メートルの打ちかえを目標に実施をしているというところでございます。また、交通量が多いために道路が特に傷んでいる場合には、随時部分補修工事等を実施しているという状況でございます。
 また、私道につきましては、基本的にその所有者が維持管理を行っていくべきものというふうに考えてございます。既に区の私道舗装の助成制度、これによりまして整備をしている私道舗装につきましても、老朽化等により再整備が必要になった場合には、15年以上経過した場合であれば再度の助成制度の活用も可能というふうに現在なっております。
 なお、区はこれまで、道路陥没等で緊急に補修が必要とされる場合には、所有者等の了解を得た上で補修を行ってきているという状況でございます。
 次に、国の補正予算関連の御質問で、追分通りのカラー舗装、それから東中野駅前広場整備事業に関する御質問がございました。
 新中野駅周辺につきましては、中野区交通バリアフリー整備構想で重点整備地区ということで位置付けをしております。この追分通りにつきましても、この方針に沿ってカラー舗装などの整備を進めてまいりたいと考えてございます。
 それから、東中野駅の駅前広場等の整備に当たりましては、これまで広場の南側に隣接する街区の方々と、共同化など、いろいろと話し合いを進めてきたところでございます。しかしながら、地域では合意に至っていないという経緯がございます。この点については、今後とも機運が高まってくれば支援をしてまいりたいと考えてございます。
 それから、無利子の貸付制度の創設、それからまちづくり交付金の拡充の影響という御質問がございました。無利子貸付制度は地域住民や企業等が主体となったまちづくり活動、これを資金面から支えていくための制度であり、そうした民間主導のまちづくりが促進されるというふうに考えてございます。また、まちづくり交付金の上限の引き上げにつきましても今後のまちづくりの促進に役立つものと考えており、今後、内容をよく精査した上でこれらの制度の活用を図ってまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
      〔飯島謹一議員登壇〕
○37番(飯島謹一) 何点かについて再質問させていただきたいと思います。
 初めに、基本構想と10か年計画の改定についてでありますが、区長の御答弁、改めて再確認をさせていただきますけれども、御答弁のとおりだとすると、これまで取り組んできた10か年計画の改定その他については工程スケジュールは示されておりましたけれども、今一度これは組み直しにならざるを得ない。さらに、区長は改めて、場合によってはというよりも、むしろかなり高い確率でといいますか、その方向に進むだろうという思いはしますけれども、この基本構想の議案を議会に対してお出しになる予定。それで取り組まれているというふうに思われたんですけれども、そのような受けとめでよいのかどうか、1点確認をさせていただきます。
 それから、エコポイントについて、支え合いの部分も含めて幅広く検討するということがありました。当然、支え合いということの中には地域との関係ももちろんありますけれども、介護の問題ももちろん含まれているのかなと思いますので、その点の確認をさせていただきたいと思います。
 それから、緊急経済対策における入札制度の改善でありますけれども、現行のいわゆる緊急経済対策として実施した分については、我々が理解しているすべての事業、緊急経済対策として先ほど私は幾つかカウントしましたけれども、しかし実際に加点・配点がされているような事業については限定的であります。そういうことについて、中野区内のこの仕事に携わっている事業者の皆さんの、中野区の対応については高い評価を得ているというふうに私は到底思えない。むしろ、もっと積極的に区内業者の育成、産業振興を図ってほしい、こういう思いが強いのだろうと思っています。1億8,000万円というラインを示したのは、私は、1億8,000万円以上は議決案件ですから、そこに一定の線を引いて、行政の側としてもむしろ主体的に積極的に、産業振興あるいは区内の産業の育成に取り組める、そういう意味合いでラインを示したつもりでおりますので、今一度その辺については、もう少し踏み込んだ区長のお答えをいただければ大変ありがたいと思っております。
 それから、太陽光発電に関連して、いわゆる事業会社がいろいろ社会貢献をしようということで取り組んでいることについてお尋ねをしました。中野区も1次審査を通ったということでありますが、教育長は別に他意があってそういう御答弁であったとは思いませんけれども、情報収集に努めていくということと2次審査を通ろうと努力をするということでは随分違うんだろうと思います。今のままでは非常に他人事のように、まあ情報を集めてみましょうかみたいなことであって、それはもちろん売れ行きによってどうのこうのと、それはビール会社の問題でありまして、そういう資金があれば積極的にこれを活用して、新しい時代に向けて中野区の学校施設を整備していくんだと。本来、一般財源を充て込もうと思っていた。いろいろな補助があるにせよ、そういう制度を活用しても一定の限度の一般財源の負担があるわけですから、それがないような、そういう企業の皆さんの社会貢献があるならば、これは積極的にそれを活用して、そして浮いた分をさらに学校施設の充実に充てていくんだと、こういうような積極的な教育長の姿勢がなければこれからの中野の教育はよくならないと、私はそんなふうに思います。極めて何か冷静にお答えいただいているのはそれはそれで結構なんでしょうけれども、この情報収集だけの話ではありませんので、もちろん第2次審査に受かるような努力を進めるお気持ちがあっての上だと思いますけれども、これは言葉にならなければ議会の場というのは確認のしようがありませんので、もう一度お答えをいただきたいと思います。
 それから、いわゆる長寿健診に関する申し込みについては検討されるということですから、ぜひそういう方向で、漏れのないように、とにかく手厚く丁寧にやっていくことが大事なんだと、そういう部長の姿勢が感じられるようなことでしたので、これは評価をしたということにしておきます。
 それに引きかえ、この中央部防災公園、仮称でありますけれども、この広場のことです。基本構想は固まった。基本設計に入る。しかし、具体的な要望についてどうなのかについてはなかなかお答えが出ない。これは、苦しい御立場も理解できないではありませんけれども、ようやくちょっとだけそういうニュアンスが感じられる答弁もありましたけれど、改めて確認します。さまざまな要望に耐えられるような基本設計をされるということだとすれば、私が申し上げた3点活用についてもさまざまな要望に耐えられる中身だというふうに私は受けとめましたが、そのようなことなのかどうか、再度御答弁をお願いしたいと思います。
 以上、再質問いたします。
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 再質問にお答えをいたします。
 基本構想の改定をめぐっての再質問の関係であります。これまで行ってきました10か年計画の改定の作業工程が組み直しとなるのではないかと、こういう御指摘がありました。実は、2定において素案をお示ししたいと言っていた、これも今回お示しできていないというようなことも含めて、一定作業工程は組み直さざるを得ない状況にはなっております。しかしながら、これまで行ってきた作業の上にこれからの検討を重ねていくということでありますので、そのことによって大幅におくれるとか手間取るとか、そういったようなことはしないということで考えているところであります。効率的に検討を進めた上で、議案としてこれも提出させていただくということを前提に、内容について議会にも事前に十分御相談をしながら検討を進めてまいりたい、こう思っております。
 それから、エコポイントについてですが、介護も含むかということです。介護も含めて、さまざま幅広く中野区の支え合いというものが広がっていくような、人々の支え合いの意識や行動が広がっていくような、そういった制度づくりをしていくことが重要であると、こう考えております。
 それから、経済緊急対策と区内事業者の育成に関連する御質問であります。緊急対策で加点されているのは限定的だったのではないかと、こういったような御質問でありますが、やはり私どもとしては、区内事業者の仕事を守るということも第一に考えたいというところであることは当然でありますけれども、やはり工事の質あるいは競争性、また、それを踏まえた上での区内事業者の技術力・工事能力の育成といったようなことまで十分考えた上での加点になっていかなければならないと、こういうふうに考えているところであります。そうした視点も踏まえ、経済対策としてさらにどう踏み込んでいくのかということについて検討をしていきたいと、こう思っております。
     〔教育長菅野泰一登壇〕
○教育長(菅野泰一) 言葉足らずだったかもしれません。企業の社会貢献活動の一環とはいえ、このように太陽光発電装置を学校に寄贈していただけるということは大変ありがたいことだと思っております。ぜひ2次審査を通りますように努力してまいりたいと思います。
    〔都市整備部長石井正行登壇〕
○都市整備部長(石井正行) 再質問にお答えをいたします。
 先ほど私御答弁申し上げたところでございますが、これ、さまざまな利用に耐えられるようということで御答弁申し上げました。要望に耐えられるようということではございません。ただ、御質問にあった内容も含めて、いろいろな活動を想定してこの検討をしてまいりたいというふうに考えております。
○議長(伊藤正信) 以上で、飯島謹一議員の質問は終わります。
 議事の都合により、暫時休憩いたします。
      午後2時15分休憩

      午後2時35分開議
○議長(伊藤正信) 会議を再開いたします。
 この際申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。
 一般質問を続行いたします。

 中野区議会議員 北 原 ともあき
 1 新しい中野をつくる10か年計画の見直しについて
 2 (仮称)区民活動センターと(仮称)地域事務所への再編について
 3 学校再編について
 4 政策研究機構について
 5 壁面緑化について
 6 その他

○議長(伊藤正信) 北原ともあき議員。
     〔北原ともあき議員登壇〕
○13番(北原ともあき) 平成21年第2回定例会に当たりまして、自由民主党議員団の立場から質問いたします。
 質問項目は、初めに、新しい中野をつくる10か年計画の見直しについて。
 次に、(仮称)区民活動センターと(仮称)地域事務所への再編について。
 3番目に、学校再編について。
 4番目に、政策研究機構について。
 5番目に、壁面緑化について。
 6番目の、その他はありません。
 初めに、新しい中野をつくる10か年計画の見直しについて質問いたします。
 10か年計画は、おおむね5年、または区を取り巻く社会経済情勢が大きく変化した場合に改定することとしております。中野区は、平成20年度より前期5年間についての目標と現状、達成度を検証し、区民ニーズの変化、医療制度の改革やまちづくりの進展といった社会経済状況の変化などを踏まえ、10か年計画に示している後期(平成22年度以降)の目標と施策の展開について、改定のための検討を行い、本年12月に改定計画の決定を予定しております。計画の推進に必要なものは、財政力あるいは人材力、組織力や指導力といった力と、それらをつなぎ合わせた行政力であると思います。
 そこで質問をいたします。初めに、持続可能な地域社会の実現のために、についてお尋ねいたします。
 昨年からの経済不況は、区財政へ与える影響も大きいと行政報告などで伺っております。日本経済の動向はまだまだ不透明で、徐々に回復していくにしても、区の歳入が今後大きく増加することを見込むことは難しく、区の財政も弱体化の一途をたどりかねないというふうに考えます。そうした中で、真に豊かで持続可能な地域社会の実現、基本構想や10か年計画が掲げる将来像を実現していくためには、一過性の経済対策だけではなく、中長期的に区の財政を豊かにしていく施策が必要であると考えられます。10か年計画の改定にあたっては、こうした施策も盛り込んでいく必要があると思いますが、区長の見解をお尋ねします。
 次に、10か年計画の推進について、であります。
 区はこれまで、職員2,000人体制の実現に向けて、職員の能力開発や民間活力の導入など、改善・効率化を進めてきていることに対しては評価をしております。10か年計画を推進し、基本構想で描く将来像を実現していくためには、区長のリーダーシップ、職員の能力開発を含めた組織力の向上、区民の力や民間活力の活用、財政基盤の強化など、これまでの取り組みをさらに強化していく必要があると考えますが、いかがでしょうか。
 3番目に、区民の活力の活用について、であります。
 中野区は自治基本条例を定め、区民参加を重視した区政運営を行っています。ただし、基本構想や10か年計画で示す「区民が発想し、区民が選択する新しい自治」を実現していくためには、地域における自治の機運を一層醸成していくことが重要であると思います。改定にあたっては、これら区民の活力を向上させ、活用していくための施策を強化する必要があると思いますが、いかがでしょうか。区長の御見解をお尋ねして、この項の質問は終わります。
 次に、(仮称)区民活動センターと(仮称)地域事務所への再編についてお尋ねします。
 中野区は、地域自治の推進と行政サービスの充実を目指すとし、「新しい中野をつくる10か年計画」に基づき、現行の15地域センターを15の(仮称)区民活動センターと5か所の(仮称)地域事務所に再編するとしております。平成21年、本年7月の再編方針の策定から平成23年7月の再編を目指すための再編スケジュールが示され、意見交換会が5月25日から6月2日にかけて15地域センターで開催されました。再編方針(案)の中の基本的な考え方で、区民みずからの話し合いや行動を生かした地域自治の推進は理解できるにしても、区民満足度の高い「小さな区役所」による質の高い行政の実現とくると、理解はなかなか難しいと思います。この再編案が示されたのは平成18年で、その後、地区町会連合会や議会での論議を経て修正を重ねてきました。足かけ4年、賞味期限か消費期限ぎりぎりの時期にあると思います。区の進め方の悪さを指摘せざるを得ません。ぜひとも基本構想で描く真に豊かで持続可能な地域社会を実現するものであってほしいと思います。そこで、何点か区の御見解をお尋ねします。
 初めに、(仮称)区民活動センターの運営は、町会・自治会を中核とした運営委員会に中心的役割を担ってもらう方向で考えているとしておりますが、今日の町会・自治会は、まさに「行政下請け百貨店」と言われるほど行政関連の事業が多く、さらなる負担は町会・自治会活動全体の活動低下になりかねません。また、区内における新しい住民の増加と共同住宅化やマンション化による住環境の変化は、全く加入強制力を持たない任意団体である町会・自治会の組織率の低下を招き、役員不足、さらには役員の高齢化などの原因にもなっております。早急に町会・自治会の恒常的かつ安定的な組織化を図るべきであります。住民相互の交流の活性化に力を入れるため、町会・自治会への加入を促す条例の制定を検討したらいかがでしょうか。既に中央区と豊島区では、マンションの町会・自治会などへの地域参加を促す条例を定めております。区の御見解をお尋ねします。
 次に、(仮称)区民活動センターを兼ねる5か所の(仮称)地域事務所は、新たな需要に対応しつつ、区民の利便性を高めるとしております。5か所については行政サービスの向上が見込まれるものの、10か所の(仮称)区民活動センターでは、現行の地域センターより証明書の発行種目が減少し、相談窓口が縮小する以上、サービスの低下と思われても仕方がありません。地域センターで提供してきた行政サービス、いわゆる窓口サービスについては、その取扱量や提供方法などを精査・工夫するとしておりますが、説得力に欠けます。利用状況の数値を明らかにする必要があります。さらに、交通利便性についてもその調査・研究を行い、早急に示すべきだと思いますが、区の御見解をお尋ねします。
 次に、この計画の中で、区は諸証明の発行のために自動交付機を新たに配置するとしております。配置場所は、(仮称)地域事務所、(仮称)区民活動センター、(仮称)すこやか福祉センター、駅などの交通結節点で、自動交付機による利用時間の延長や土日にも利用を拡大するなどとして、サービスの利便性の向上を図るとしております。駅などの交通結節点に配置するとなると、どこの駅なのか、何カ所なのか、さらに民有地の設置となるため、設置許可あるいは土地使用料も考えられます。自動交付機のソフト開発費、交付機の設置費や維持管理費など、区の財政負担についても御見解をお伺いします。
 いずれにしても、この再編が、地域住民によって築き上げられてきた今日の地域自治の後退につながってはならないこと、高齢化や多様なニーズに応えられるサービスの確保につながることを申し上げて、この項の質問は終わります。
 3番目に、学校再編についてお尋ねします。
 中野区立小中学校再編計画のもと、平成20年4月に桃花小学校と緑野中学校、平成21年、本年4月には白桜小学校と南中野中学校が統合新校として開校しました。計画どおりに2年続けて4校の統合新校が開校できたことは評価すべきことでありますが、再編に伴う負の部分も見えてきました。このことを踏まえ、今後の再編は、再編に伴う負の部分を最小限にとどめることが求められます。まさに行政の責務であると思います。学校再編は再編対象校だけでなく、その周辺校はもとより中野区内の全域・全校に、さらには中野の教育全体に影響を及ぼすものであります。再編を共有し、理念を忘れぬ再編をしなくてはなりません。
 そこでお尋ねいたします。これまで、前期の再編を進める上で、計画時には将来的な推計値をもとに再編を進めてきていると思いますが、今年度、想定された学級数規模に至らなかった統合新校があるようですが、教育委員会としてどのように考えているのかお尋ねします。
 次に、再編を進めていくに当たっては、統合再編校の、現在ある特別支援学級についても一緒に統合新校に移っていくことが原則であると考えていいのでしょうか。区全体で考えていくことも必要であると思いますが、いかがでしょうか。
 次に、統合再編に向けては、普通教室の確保などのための改修工事や子ども家庭部が進めているキッズプラザ設置など、さまざまな部署が関係して進められています。児童・生徒や学校に負担がかからないように、関係部署と情報を共有しながら、縦割りにならないよう進めるべきであると思いますが、いかがでしょうか。
 次に、平成23年4月に統合再編する野方・沼袋小学校の統合後の新校として、平成28年度には法務省矯正研修所東京支所等の跡地を用地取得し、新校舎を建設・移転するとしておりますが、現在の状況はどのようになっているのでしょうか。
 さらに、平成24年4月に統合する第九中学校・中央中学校の統合後の新校として、平成26年度には警大跡地の一部を拡張し、新校舎を建設・移転するとしておりますが、この区域は中野駅周辺まちづくりとの整合性を図ったものとする必要性があります。まちづくりの視点から、計画どおり進んでいるのか、また、現在の状況はどのようになっているのかお尋ねして、この項の質問は終わります。
 4番目に、政策研究機構についてお尋ねします。
 中野区政策研究機構は、基礎自治体としての政策形成能力を高める目的で、平成19年4月、23区で初めての自治体シンクタンクとして設立され、政策研究や基礎調査研究に取り組んでいます。その後、23区においては、平成19年4月に世田谷区、平成20年4月には新宿区に、ほぼ同様の自治体シンクタンクが設立されております。5月15日発行の「News PRINC」第7号によりますと、平成19年度に取り組んだ「建替え促進による中野区の住環境の向上に関する研究」が、法政大学主催の「第6回地域政策研究賞」優秀賞に輝きました。大変結構なことであり、評価すべきことであると思います。
 そこで質問いたします。調査研究の成果は、その性格上、中・長期的にさまざまな形で政策に反映されることが望ましいが、中野区政策研究機構で取り組む研究テーマはどのようにして決定されているのかお尋ねします。
 次に、今申し上げたように、政策研究の成果はすぐに実現されるという性格のものではありません。その成果は、区政の中に徐々にあらわれてくるものであると思います。この「住環境の向上に関する研究」や「障害者の雇用促進」に関する研究は、現場である事業部の職員とともに研究したものであると伺っております。現場の職員は本来の業務を抱えた上で研究に取り組むものであり、今後、政策研究機構において研究を継続的に続けるためには事業部との連携が重要であり、そのためにも研究にかかわる職員の負担の軽減を考えていかなければなりません。区長の御見解を聞いて、この項の質問は終わります。
 最後に、壁面緑化についてお尋ねいたします。
 なかの区報--5月20日発行でありますけれども、特集「環境に優しい生活 始めてみませんか」の中に、壁面緑化(緑のカーテン)が紹介されました。
 地球温暖化、大都市のヒートアイランド現象の対策として、10年ほど前から建築物の緑化が徐々に始まりました。現在では建物に限らず、高速道路や鉄道路線の高温化対策、また、建物内のホールでの環境対策など、さまざまな場所を緑化する動きが出てきています。既に東京都では、壁面緑化の普及に向けた「壁面緑化ガイドライン」を作成し、壁面緑化による快適な生活空間の創出事業をスタートさせています。さらに東京都は、温暖化対策として、2020年までに二酸化炭素(CO2)排出量を大幅に削減する目標を掲げ、今年度から都内の区市町村の地球温暖化対策を後押しするための補助制度を導入する。今年度から3年間で55億円を投じ、区市町村を巻き込み、都が進める温暖化対策を加速するねらいであります。都が目指す環境施策に寄与する事業に助成するとし、建物の屋上や壁面緑化への補助金も含め、温暖化対策として各区市町村に年間3,000万円を目安に資金面で支援する。そのため東京都は、今年度に18億6,000万円の関連予算を策定しました。
 中野区においては、他区に先駆けて温暖化対策と環境教育の一環として、今年度中に区立小中学校全校で壁面緑化を行うことになっています。しかしながら、壁面の緑化面積が少ないため、ヒートアイランド対策としては不十分であり、維持管理を含め、今後に課題を残しております。
 壁面緑化の効果は、ヒートアイランド現象緩和効果、室内環境緩和効果及び省エネルギー効果、建物保護効果のほかに、植物ならではの二酸化炭素を吸収し酸素を排出するという、太陽光パネルにはない作用を持っております。また、新たな自然環境の創出、学校などでは教室の高温化防止とともに食育への活用、人に優しい緑のカーテンなど、壁面緑化のメリットは大きいと思います。
 そこでお尋ねします。今年度すべての区立小中学校で取り組む壁面緑化は高く評価するものであります。また、一部の公共施設では、独自に緑のカーテンを設置していると聞いております。今後、他の公共施設にも壁面緑化を導入したらいかがでしょうか。
 次に、屋上緑化や壁面緑化等の技術の進歩はめざましいものがあります。中野区では、現在「みどりの基本計画」を策定中であり、民有地の緑化を啓発推進するためにも、中野区主催で緑化にかかわる企業や諸団体の参加による「緑化見本市」を開催してはいかがでしょうか。区長の御見解をお伺いして、私のすべての質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 北原議員の御質問にお答えをいたします。
 10か年計画の改定に関連して、持続可能な地域社会の実現のためにという御質問がありました。
 基本構想や10か年計画で掲げる将来像を実現して、持続可能な地域社会をつくり上げていくためには、中長期的な視点で財政運営をしていくことが必要であります。御指摘のとおり、10か年計画の改定にあたっては、区の財政を豊かにしていけるような取り組み、これも盛り込んでいく必要があると考えております。中野駅周辺の魅力的なまちづくりと区のイメージアップの取り組みなどを通じて、中野区に住み続けたい、住みたいという人たちを呼び込み、人口を増加させていくこと、また、区内産業の活性化や雇用の創出などを通じて区民の暮らし自体をよりよいものにしていくことなどによって、将来の財源を増加させていく施策展開を10か年計画の改定の中に盛り込んでいきたいと考えております。
 それから、計画を進めるための職員の能力開発を含めた組織力の向上などの取り組みを進めていく必要があるのではないかと、こういう御質問がありました。
 基本構想や10か年計画の推進のためにこれまでの職員の能力開発を一層推進するとともに、職員の専門能力を活用できる仕組み、複線型人事といったようなことを考えていますが、そうしたことをつくるなど、職員の能力を最大限に発揮できる組織づくりを進めていきたいと考えております。また、発生主義会計を導入した財務分析を進め、PDCAサイクルを活用し、限られた財源で最大限の効果を生み出す施策を展開するとともに、中長期の財政運営の健全性を確保して10か年計画の推進を図っていきたいと考えております。
 区民の活力の向上・活用についての御質問がありました。
 地域における自治をさらに発展させていくために、町会・自治会を初めとする団体がさまざまな団体との連携を深めながらさらに活発に活動できるよう、その拠点となる(仮称)区民活動センターの設置を推進し、支援も充実をしていきたいと考えております。また、区民ニーズに対してさらにきめ細かく対応していくため、必要に応じて業務民営化や民間委託など、民間活力の導入を進めるとともに、区民等の公益活動が一層地域に密着したものとなるよう,10か年計画の改定の中で考えていきたいと考えております。
 次に、町会の加入を促す条例の制定についての御質問もありました。
 多くの住民が町会・自治会に加入し、会員が増加することは、町会・自治会の組織力の強化につながり、これが地域力の向上に資するものであります。中野区といたしましても、他の自治体における取り組みなどを参考にしながら、町会・自治会の組織基盤の強化を図るための方策について検討をしていきたいと考えております。
 それから、(仮称)地域事務所の開設地域の問題であります。
 地域における行政サービスは(仮称)地域事務所を開設し、取り扱い業務を充実するほか、証明書の発行は自動交付機を設置し、住民税の納付はコンビニ等を活用することといたしました。また、保健・福祉・子育ての相談・支援を充実するため、(仮称)すこやか福祉センターを開設するなど、展開を充実させていきたいと考えております。(仮称)地域事務所の5カ所の開設地域は、地域センターでの窓口サービスの取り扱い量や位置・交通の利便性を勘案して、南中野、東部、江古田、野方、鷺宮としたところです。15地域センターで取り扱っている窓口サービスの総量は、件数で23万4,052件であります。そのうち(仮称)地域事務所を設置する5か所の地域センターの合計は12万2,266件ありまして、これらで総数の52.2%を占めている。これは2007年度の数字を取り上げたものでありますが、そういった結果となっております。
 それから、自動交付機の設置場所等についての御質問がありました。
 自動交付機については、区役所、(仮称)地域事務所、(仮称)区民活動センター、(仮称)すこやか福祉センターのほか、駅等の交通結節点などの利便性の高い場所への設置を予定しているところですが、現在、実地調査などによりまして具体的な検討を進めております。必要経費につきましては、システム開発が22年度になりますことから、今後運用の内容ですとか導入の台数、設置場所などを検討・精査をしながら、予算編成の中で積算をしていきたいと考えております。
 学校再編の関係で、法務省矯正研修所東京支所の跡地になる部分についての御質問がありました。
 法務省では、平成25年度までに立川基地跡地昭島地区に移転できるように、昭島市や東京都と移転に向けて準備を進めていると聞いております。区といたしましては、統合新校の用地として取得をしたいと、この意向を伝えてあるところであります。国有財産の処分が決まり次第、取得に向けて協議を前進させていきたいと考えております。
 学校再編と中野駅周辺まちづくりとの整合性についての御質問もありました。
 警察大学校等跡地の一体的開発を進めるために、中野四丁目地区地区計画を平成19年に決定をしているところです。その際、中央中学校の南側に土地を買い足し、統合新中学校を建設することを前提に土地利用のモデル設定をしております。また、統合した中学校の新校舎建設は平成25年度末までに完了し、平成26年度にも新校舎への移転をする考えであります。今後、統合新校の建設を進めるには、周辺で施設建設を予定している財務省や警視庁とも調整を図りながら、規定の地区計画に追加事項等を定める都市計画手続が必要となります。スケジュールに遅れが出ないように、万全の努力をしていきたいと考えております。
 次に、政策研究機構についての御質問もありました。
 まず、研究テーマの決定ということであります。中野区政策研究機構では、区政の将来を展望するために必要な長期的予測や、区政の課題につながる事象のうち、幅広く学術的見地からその背景や原因、解決の方向を論及することで、有効な政策形成に寄与することができると考えたものをテーマとして研究に取り組んでおります。政策研究とともに行っている基礎調査研究は、区政全般のデータを網羅的に分析することにより、区の現状と課題を明らかにし、区のさまざまな部門や分野で施策検討を行う際の基礎的資料として活用することを目的としております。この政策研究のテーマですが、単年度で取り組むテーマについては、事業部にも提案を求めた上で全庁的に調整を行って決定をしているところです。こうした政策研究の成果を生かしながら、中長期にわたって中野区政の政策能力を高めていく、また、よりよい政策を生み出していく、そのような形に結びつけてまいりたいと思っているところです。区政に対応したより実践的な研究をする、このことも大事でありますので、現場である事業部と研究機構との連携が重要であると考えております。研究の過程において現場の職員と情報交換をしたり、議論を重ねることで研究の質も高まっていくと考えております。研究に事業部からの参加も求めているところでありまして、事業部から参加する研究員には、本来の業務にはできるだけ支障のない形で行えるよう研究の進め方を配慮するとともに、事業部の所属においても研究をバックアップするような体制をとることとしているところであります。
 次に、壁面緑化の関係でお答えをいたします。
 小中学校については、今年度に緑のカーテンを設置いたします。他の区有施設につきましても、可能な壁面緑化の方法を実施することによって地域の緑化の見本となるようなものを整備していきたいと考えております。この屋上緑化や壁面緑化、地域の皆様にもぜひ推進をしていただかなければいけない、力を入れていかなければいけないと認識をしているところでありまして、本年、第2回目の「花と緑のコンクール」においては、緑のカーテンをコンクールの対象としたところであります。
 御提案の中で、見本市のようなものもつくって実施してはどうかといったような御質問の中身がありましたけれども、見本市のような行事については、場所的な制約とか準備に時間がかかったりということでありますので、これは少し時間をかけて検討させていただきたいと思っております。他の方法も含めた啓発のイベントの充実を進めてまいりたいと考えております。
 私からは以上です。
     〔教育長菅野泰一登壇〕
○教育長(菅野泰一) 学校再編につきましてお答えいたします。
 想定された学級数に満たない統合新校があったが、どのように考えるかということでございます。本年4月に統合新校として開校いたしました白桜小学校におきましては、他地区の学校に進学する児童が想定より多かったということで、想定する学級数に至らなかったということがございました。ただ、新しい学校の存在でありますとか、その取り組み内容が定着いたしまして、評価されるに従いまして児童数は増加してくると考えております。教育委員会といたしましては、今後も統合のメリットを生かした魅力ある学校づくりに努めてまいりたいと思います。
 それから、統合に伴います特別支援学級の設置についてでございます。
 特別支援学級を設置している学校を統合する場合には、統合新校に引き続き設置することが原則としておりますけれども、全体的な地域バランスとか校舎の収容能力等を勘案いたしまして、必要に応じまして近隣の学校に移設するということとしております。平成23年度再編予定の沼袋小学校の情緒障害学級につきましては、特別な支援を必要とする児童が増加傾向にある中で、区全体の特別支援学級の配置等を勘案して、沼袋小学校から配置を変えまして、上高田小学校と若宮小学校2校に増設するということといたしました。
 それから、学校再編に伴います関係部署との情報共有ということでございます。
 統合再編に伴う校舎の改修工事等につきましては、できる限り児童や学校に影響がないよう、夏休み期間を中心に行っているところでございます。今後も改修工事等を行う場合には、児童や学校に負担のかからないように適切な時期に実施するとともに、関係部署とも十分連携しながら進めてまいりたいと思います。
     〔北原ともあき議員登壇〕
○13番(北原ともあき) 2点について再質問させていただきます。
 まず、1点は、(仮称)区民活動センターのことでありますけれども、この利用数の数値を示していただきたいという質問をしたと思いますが、その数値、以前の数値は示されたようでありますけれども、ぜひ、もう少し15の地域センターについて、現在どのような利用度になっているのかということを改めて示していただきたいと思いますが、その件について再質問します。
 それから、もう一つは学校再編でありますけれども、再編をしていく上でまず大事なこととして学級数規模を確保するということがあったと思うんですけれども、統合新校について、これから学級数が確保できるというふうな遅れた対応ではなくて、新校が開校するときにしっかりと学級数規模を確保するというような情熱を持った取り組みを教育委員会はしていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。改めて教育長の御見解をお伺いしたいと思います。
 以上です。
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 再質問にお答えをいたします。
 地域センターの窓口サービスの取り扱い件数ですが、申し上げたのは2007年度の数値でありますので、持っている統計としては新しい数字であると、このように思っております。さらに少し詳しい数字で申し上げますと、取り扱い件数の多い順で見ていきますと、鷺宮が3万1,800余りであります。次が、南中野で2万9,200余りであります。3番目が野方でありまして、2万2,800余りです。4番目が東部でありまして、2万2,707ということであります。5番目が弥生でありまして、1万9,200余りとなっています。6番目が沼袋、1万5,800余り、7番目が江古田、1万5,660余りといった数字であります。15カ所読み上げるのも多少時間がかかるかと思いますので。そういった状況であります。この中で1番目から4番目までは五つの中に入っております。しかし、五つの中に入っている江古田が7番目という数字が出てきております。これは、センターの周辺にお住まいの方の交通の利便性といったようなことに配慮をして比較・考慮した結果の5カ所と、こういうことで御理解をいただければと思っております。
     〔教育長菅野泰一登壇〕
○教育長(菅野泰一) これから再編・統合を進めるに当たっての気構えということだと思いますけれども、おっしゃるように適正規模を目指すためにさまざまな努力をしていかなければならないと思っております。今回の白桜小学校につきましては、我々といたしましてもさまざま説明責任を果たすべく努力をしたところでございますが、やはり結果的に足りない部分もあったと思っております。これから再編する学校につきましては、その辺のところをきちんと初めからやった上でお話しして御理解をいただき、適正規模の学校をつくっていくと、このように考えております。
○議長(伊藤正信) 以上で、北原ともあき議員の質問は終わります。

中野区議会議員 佐 藤 ひろこ
 1 基本構想と10か年計画の改正について
 2 新型自立支援センター(仮称)中野寮について
 3 退院促進支援について
 4 (仮称)区民活動センターについて

○議長(伊藤正信) 次に、佐藤ひろこ議員。
     〔佐藤ひろこ議員登壇〕
○40番(佐藤ひろこ) 第2回定例会に当たり、一般質問をさせていただきます。
 まず、基本構想と10か年計画の改正についてです。
 昨年からの急激な経済・雇用状況の悪化で、税収がかなり厳しくなると見込まれます。しかし、10か年計画の改定の主な視点に財政予測が入っていません。現行の10か年計画では特別区民税などの伸び率を0%にしていますが、税収の大幅な減を考えなければならないと思います。今後の税収等をどのように予測し、計画を裏付ける10カ年の財政フレームをいつ示せるのかお伺いします。
 区長の行政報告の中で、「10か年計画の改定と合わせて基本構想の改正を行いたい」と述べられています。後期5年間の基本計画の改定をするためには、10年後の目標を見据える必要があること、そのためには、計画のもとになっている基本構想も目標の年次を10年後に合わせる改正をしていくというやり方は、経済的にも制度的にもさまざまな変化がある現在の状況に、しっかり対応した政策を進めていくためには必要だと思います。一方、今回は後期5カ年の修正だけにとどめるという考え方も成り立ちます。区長の任期があと1年だからです。あえて基本構想までも変えたいという理由をわかりやすく説明してください。
 全国市議会議長会の2007年時点での調査結果によると、全市町村のうちの100自治体が、自治体の最上位計画である基本構想と基本計画を合わせた総合計画を議決事項としています。さらに最近は、条例で基本計画を議決事項とする自治体もふえてきています。二元代表制としての議会の決定権を明確にするためです。中野区では基本構想のみを基本計画と分けて議決しましたが、基本計画の目標年次を10年後に変え、同時に基本構想を改正する提案をするのであれば、この際、基本構想と基本計画を合わせた総合計画としての提案にするか、または基本構想と同様に基本計画も議決事項にし、議会の決定権を位置付ける必要があるものと考えます。区長はいかがお考えでしょうか。
 2番目に、新型自立支援センター(仮称)中野寮に関連して4点お伺いいたします。
 まず、地域生活移行支援事業についてです。
 区は5年前から、路上生活者に、臨時の仕事と3,000円のアパート入居を支援する期間2年の地域生活移行支援事業に取り組み、昨年度で事業が終了しました。何人を路上から脱出させることができたのか、この事業の成果とその要因、残る課題について、また、現在はどのような事業として継続しているのかお伺いします。
 2点目に、巡回相談事業についてです。
 社会福祉法人に委託して、路上生活者の巡回相談が行われています。区内の現在の路上生活者の状況と、相談の現場から見えてくる課題についてお伺いいたします。
 3点目に、新型自立支援センター「(仮称)中野寮」に関する検討委員会報告について。
 23区を5ブロックに分け、各ブロックに路上生活者緊急一時保護センターと自立支援センターを1カ所ずつ、各区が交代で5年間の期限で設置することになっています。中野区は、2011年から設置する番になります。中野区が設置する新型自立支援センターは定員70人で、緊急一時保護センターと就労支援を行う自立支援センターが一緒になったものです。設置に当たり、区は昨年度、町会や商店街の代表者や学校長、公募の区民なども含めた検討委員会を設置し、検討を重ねてきました。ことし1月にまとめられた検討委員会の報告書では、「自立支援センター利用者のホームレス状態からの脱却は、地域の方々による理解が重要であり、地域社会の一員として受け入れることが自立への大きなステップになる」と、人権教育や啓発活動、地域住民の理解の大切さが書かれています。区は報告書の内容をどのように受けとめ、今後の事業展開に生かしていくのかお伺いいたします。
 最後に、啓発活動と協議会の設置についてです。
 4月から用地の選定に入りましたが、予定地は決まったのでしょうか。施設整備に当たり、近隣の理解を得ていく取り組みが欠かせないと思います。練馬区にある緊急一時保護センター練馬寮を見学しました。練馬寮も設置に当たり近隣の反対があり、清掃活動やパトロールなど、地域に貢献できる提案などもしたそうです。また、町会長、学校長、PTA代表など地域の代表者と設置者である特別区人事・厚生事務組合、都、区、運営法人でつくる地域協議会を設置し、施設のあり方を協議していっています。杉並区にある自立支援センター杉並寮も開設前から地域協議会を行い、開設して4年目に入りますが、今まで問題はなく、近隣との関係も良好になりつつあるとのことです。他区にある施設の見学会、ホームレス支援に携わる方などの講演会、映画の上映会など、地域の方々と共催で行ってはいかがでしょうか。中野区でも、建設時からの地域協議会の設置、また、清掃や地域パトロールなどの地域貢献や安心対策を提案されてはいかがでしょうか。お伺いします。
 3番目に、退院促進支援についてです。
 群馬県にある「静養ホームたまゆら」の火災では、都内の介護が必要な生活保護受給者の行き場のない実態が明らかになりました。こうした高齢者がふえる背景の一つには、社会的入院を減らすために退院を促進しても、地域の受け皿が不足していることがあると指摘されています。「退院促進支援」は重要なことですが、地域の受け皿づくりがさらに必要だと思います。今回は、精神疾患のある方の場合に絞ってお伺いいたします。
 厚生労働省の2007年度予算では、2兆6,000億円の生活保護費の約半分が医療扶助費です。医療扶助費のうちの約6割が入院費です。入院費のうちの約4割が精神疾患の入院費です。精神病床入院患者のうち、地域での受け入れ条件が整えば退院可能な社会的入院と言われる患者は約2割(7万人)いるという調査結果もあります。中野区における医療扶助費の状況と、退院可能な患者の状況についてお伺いいたします。
 厚生労働省は、2011年度における退院可能精神障害者数の減少目標値を盛り込んだ「生活保護精神障害者退院促進支援計画」を各自治体において策定することとしています。中野区の計画策定はどうなっているのでしょうか。
 中野区保健福祉総合推進計画において、生活保護受給者への「長期入院入所者地域移行支援プログラムの構築と推進」とあります。退院促進のためには、相談支援機関、自立体験施設、ショートステイ、グループホームなど、地域での受け皿づくりが必要です。民間団体とも協働して進めていく組織体制が必要です。退院促進のシステムづくりを中心になって行う担当がどこなのか、中野区では不透明です。組織体制をどのように考えているのかお伺いします。
 生活保護受給者の約2割近くが精神疾患を抱えているそうです。うつや引きこもりで仕事に就けず、生活保護を受給せざるを得なくなる若い人が最近ふえてきていると聞きます。中野区ではどのような状況と傾向にあるのでしょうか、お伺いします。精神疾患を持つ方々への自立支援策は大変難しいと思いますが、どのような取り組みを考えているのでしょうか。うつなどに陥る前の支援策も必要と思いますが、どのような対策を考えているのかお伺いいたします。
 最後に、(仮称)区民活動センターについてです。
 地域センターの(仮称)区民活動センターと(仮称)地域事務所への再編方針(案)についての地域意見交換会が15カ所の地域センターで行われました。地域ごとにどのような意見があるのかを知るために、あちこちの地域意見交換会に参加しました。しかし、思ったよりも参加者が少なく、運営の担い手として世話人会に携わっている地域の方々の参加も少なく、その方々がどのような意見をお持ちなのかもわからず、残念でした。区民の活動センターを区民自身の手で運営することは、あるべき姿だと思います。区は「地域自治の主体である住民みずからの意思と力によって運営・活用される」ことが、(仮称)区民活動センターの開設に当たり重要だとしています。しかし、地域の方々の関心が余りなく、地域自治の主体である方々の姿が余り見えない状態の中で区民による運営を進めることができるのかと、不安に思います。意見交換会の持ち方やお知らせの仕方に問題があるのではないでしょうか。いかがお考えでしょうか。
 また、区の説明が非常にわかりにくいと思います。初めて聞きましたが、特に要となる運営委員会についての考え方がよくわかりません。5回目くらいの意見交換会で私もようやくわかったくらいです。よくわからない方が多いのではないでしょうか。どうすれば伝わるのかを考える努力が足りないと思います。いかがお考えか最後にお聞きしまして、質問をすべて終わらせていただきます。ありがとうございました。
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 佐藤議員の御質問にお答えをいたします。
 10か年計画では、実現可能となる財政的な裏付けが欠かせません。そのため、今回の経済危機の影響を踏まえた歳入額の中長期的な見通しや、今後の施設の維持・更新にかかる経費及び投資的経費、また、それらに関する特定財源など、歳入、歳出の両面にわたって慎重に見きわめていく必要があります。そのため、今回は素案の決定を見送ったところであり、3月の定例会の前までにはお示ししたいと考えております。
 10か年計画は基本構想の実現を財政的・施策的に裏付けるものとして、基本構想の目標年次と計画スパンを整合させて策定してきました。当初は、5年後の改定はその後5年間をスパンとして10か年計画のみを改定することと想定していました。しかし、学校再編をきっかけに施設の再編が大きく動き出していること、また、西武新宿線の連続立体交差に伴うまちづくり、区南部における3公園の整備とそれに伴うまちづくり、中野駅周辺まちづくりなど、今後5年間のスパンだけでは事業の進捗においても財政運営でも他の施策との整合性においても、十分に展望を描き切れない現状が出てきたわけであります。そこで、10か年計画を、まずこの後10か年のスパンを見通したものに改定する必要があるとの認識に至りました。さらに、基本構想の10年後のまちの姿を計画の目標として策定しております10か年計画でありますので、単独で計画スパンとなる期間はつくるべきだはないと考えました。また、基本構想の10年後のまちの姿にしても、5年経過し、さまざまな状況が変化した現在、長期的展望を補強して、より明確な区政の指針とすることが望ましいと考えたところであります。多くの自治体でも、行政の理念的基本指針であり、議会の議決によって明確に自治体の総意として定める基本構想と、それを実現するための行政の基本計画をセットで定め、一定の期間で両方とも改定・ローリングしていく総合計画方式をとっているところが多く見られるところであります。新しい行政経営の手法が定着した現在では、この姿がより妥当性があると考えております。こうした考えに基づいて議会で御議論をいただき、可能性を追求していきたいと考えているところであります。
 なお、任期と計画スパンは一致するものではありませんし、たとえ任期が何年であっても中長期的展望に立った区政運営をするのが私の信念であります。
 基本計画であります10か年計画は、基本構想に掲げる10年後のまちの姿を実現するためのプロセスを明示したものであります。今回の10か年計画の改定にあたっては、このような体系を保持しつつ、所要の修正を行いたいと考えております。一定の柔軟性や状況即応性を保たなければならない行政運営の指針としての10か年計画は、区の意思として重い意味を持つ議会の議決にはなじまないと考えています。予算編成や日常の行政判断に影響を及ぼす総合計画を議決することは、いわば長の責任ある行政運営に支障となる場合も想定されることから、総合計画方式の自治体でも行政計画まで議決することはなじまないのではないかと考えているところです。あくまでもセットで、議会と執行機関側がともに作業し、上位の意思を議会に決めていただいた上で、行政計画は執行機関が責任を持って決めるのがよいと思っているところです。
 ホームレスの状況と支援策についてであります。特別区の地域生活移行支援事業によりまして中野区にアパートを借りた方は約80人です。残念ながら路上生活に戻った人もいますが、全体の1割以下であります。成果は上がっていると考えています。現在、中野区内のホームレスの数は、平成21年1月路上生活者概数調査では35人となっています。こうした対象者について粘り強く、病気の相談や自立支援について丁寧な説明を継続的に行うことが重要であると考えております。
 自立支援センターの委員会報告ですが、施設の必要性、施設整備のあり方、地域理解の促進方策などの提言がされ、適切な内容となっております。人権や啓発については重要事項なので、各地域で行った説明会でも理解の促進に努めてきたところです。用地につきましては、都や特別区人事・厚生事務組合と協議をした上で、決定次第報告をしたいと考えております。また、地域とは準備の中で十分話し合い、開始後も必要に応じて協議の場を設けていきたいと考えております。
 それから、生活保護受給者の退院促進です。中野区の医療扶助は、20年度決算見込みで生活保護扶助費の42%、約47億円を占めております。330人ほどの入院者のうち、精神疾患の方は90人程度、うち退院の可能な方はおよそ50人です。21年度に策定することとしております長期入院入所者地域移行支援プログラムは、国の生活保護精神障害者退院促進支援計画にあたるものであります。生活保護受給者を対象としたプログラムでもあります。所管は生活援護担当であります。障害・高齢の方については、それぞれの担当部署や関係機関と連携してあたってまいります。中野区の生活保護受給者の精神疾患の割合は20%です。ケースワーカーの業務支援として、精神科嘱託医への相談や主治医との連携に加え、精神疾患の生活保護受給者については、緊急時の対応や入院先の相談などを行うプログラムを実施しているところであります。
 (仮称)区民活動センターについては、運営委員会の世話人会と意見交換会を行い、続いて区民との意見交換会を行いました。意見交換会においては、内容が十分伝わるよう、わかりやすい資料を用意して説明をしてきたと考えております。今後実施に移る段階では、地域ごとに必要に応じ話し合いの機会を持ってまいりたいと考えております。
 以上です。
○議長(伊藤正信) 以上で、佐藤ひろこ議員の質問は終わります。

中野区議会議員 むとう 有子
 1 消費者行政の活性化について
 2 居住安定支援事業について
 3 中野駅周辺及び警察大学校等跡地について
 4 区長の選挙公約について
 5 その他

○議長(伊藤正信) 次に、むとう有子議員。
     〔むとう有子議員登壇〕
○29番(むとう有子) 区民の皆様から寄せられました御意見をもとに、質疑いたします。
 消費者行政の活発化について。
 食品偽装や耐震強度偽装事件など相次ぐ問題を受けて、5月29日に「消費者庁設置関連法案」が可決され、秋をめどに設置されます。消費者庁は消費者トラブルの情報を一元化し、その情報を発信したり、業者への立ち入り調査や是正勧告を行うとされています。
 また、昨年8月、東京都は「消費生活基本計画」を改定し、悪質商法撲滅のための特別機動調査班の強化や、情報収集と情報発信の強化、専門知識のある消費生活相談員の確保、休日の相談窓口開設などの緊急対策を打ち出しました。さらに都は、国からの「地方消費者行政活性化交付金」をもとに基金を設置し、今年度から3年間7億円を取り崩し、都事業を実施するとともに、区市町村に助成をすることになりました。基金を活用した事業メニューが示され、その中から一つを実施すれば、さらに区独自の事業が実施できることになっています。
 中野区は消費者行政をどのように活性化しようと考えているのか、また、都の示したどの事業メニューを実施するのか、さらにどのようなオリジナル事業を行うのか、お答えください。
 区としても情報発信や啓発事業の強化、消費者団体との協働・連携を強化すべきと考えますが、いかがでしょうか、お答えください。
 要となるのは消費生活相談員です。一人前の相談員になるには、最低5年が必要と言われています。しかし、相談員は全国的に1年契約の非常勤職員です。もちろん中野区でも1日5時間、月15日、1年契約の非常勤職員です。そのため参議院では、正規職員化を含め雇用安定化の促進が附帯決議されました。幸い中野区には勤続19年のベテラン相談員もいらっしゃいますが、当然1年契約ですから昇給はありません。相談員の処遇改善を検討すべきではないでしょうか、お答えください。
 さきに述べたように、国も都もその必要性に迫られ、積極的な取り組みを始めつつあります。その一方で、中野区の消費者センターでは、4月から経費削減のために委託業務内容から平日5時までの1階受付を廃止し、さらに清掃の日数を減らしました。その結果、人気のない入口となり、暗い無人ビルのような印象を来る人に与え、会議室の窓辺の棚はほこりだらけとなっています。受付の無人化に伴い、グループ活動室の施錠提案など、自由闊達な消費者団体の活動が狭められつつあります。区民のための施設が、区民にとって使い勝手が悪くなることは避けるべきです。職員が交代で1階受付室内で事務仕事をしながら受付業務を兼ねるなり、登録団体の協力を得るなど、無人状況を回避する手だてを講ずるべきと考えますが、いかがでしょうか、お答えください。
 豊島区は、公共施設貸出の際にバケツとぞうきんを利用者に渡し、使用後、簡単な拭き掃除を区民に求めています。このような工夫を取り入れるのも一つの方法ではないでしょうか。お答えください。
 消費者本意の消費者センターとなるよう活性化を求め、この項の質問を終わります。
 次に、居住安定支援事業についてお尋ねします。
 近年、都内の消費者センターには、家賃の滞納に関する相談や苦情が増加しています。失業者が増加する社会状況下で、やむなく家賃を1カ月滞納した方が保証会社から夜中に取り立てられ、その都度訪問料を課せられたり、延滞のたびに更新保証料を徴収されたり、保証会社が滞納分を立て替え払いをした際に、返済するまで昼夜を問わず何回も電話されたり、ドアに張り紙をされたり、荷物を出されドアのかぎをかえられたりと、まさにテレビ報道などで取り上げられているような相談が寄せられているそうです。国も都も、消費者契約法に反する可能性や、民事上の不法行為に該当する可能性がある条項を契約書から削除することや、賃借人の平穏な生活を侵害する行為を行わないよう家賃保証関係団体に要請しました。しかし、この事実が縦割り行政の中でどの区も区の住宅担当に伝えられていませんでした。消費者トラブル情報の共有化を進めるべきです。
 さて、中野区では2006年度より居住安定支援事業を行っています。この事業は、保証人がいないために賃貸契約ができなかった高齢者や障害者が、区と協定を締結した不動産店と債務保証会社を利用することにより、民間賃貸住宅への住みかえを支援する制度です。その際の保証料の2分の1、ただし1万5,000円を限度に区が助成します。制度としては、社会ニーズに合致しており必要な事業だと思いますが、事業開始以来、利用件数はわずか3件です。この実績は制度の周知徹底がなされていないことの結果だと言えます。また、不動産店が区の制度を紹介せず、独自の保証会社を勧めているのではないかと推測します。もしくは、申請手続が大変な割には助成金1万5,000円が少額なためかもしれません。ちなみに、品川区では5万円が助成されます。区はこの事業が利用されない原因がどこにあると分析しているのか、また、制度の趣旨を生かし利用しやすい事業となるよう改善策をお答えください。
 ことし2月、中野区が協定を提携している債務保証会社が深夜3時まで取り立てを行い、「未明までの支払い交渉は、生活の平穏を害して精神的苦痛を与えた」として、福岡簡易裁判所がこの債務保証会社に5万円の慰謝料の支払いを命じました。このことを区の担当は知りませんでした。また、区が協定を提携している債務保証会社の契約書に、国や都が見直しを求めている条項が含まれていることも区は知りませんでした。今後もこの事業を継続するのであれば、区は常に業者情報を把握し、慎重なる業者選定をするよう再考を求めます。区の見解をお答えください。
 次に、中野駅周辺及び警察大学校等跡地についてお尋ねします。
 区役所本庁舎は中野体育館の場所に移転することが計画されており、体育館の敷地に加えて2010年度中に0.39ヘクタールの国有地を購入することになっています。区長は、2006年2月の国有財産関東地方審議会答申により5年以内という購入期限があることを踏まえ、この土地を「2011年3月まで、つまり2010年度中に購入することが目途となる」と、ことし3月の本会議で答弁なさっています。しかし、ことし1月に示された「財政運営の考え方」の基金・起債を活用する事業一覧では、区役所用地取得は2012年度からの実施予定で、事業費約34億円と書かれています。
 審議会答申を踏襲するポーズをとりつつも、2年ぐらいおくれても大丈夫と考えているのでしょうか。なぜ2年も期限オーバーをする予定を示されたのか、お答えください。
 答申どおりに用地購入するのであれば、次年度予算に組み込まれなければなりません。国との調整状況をお答えください。
 新庁舎予定地には、庁舎以外に保健所と清掃車庫及び事務所を併設することになっています。庁舎建設の想定額をお答えください。
 また、国から無償で借りている北口広場にバス乗り場を含む中野駅新北口駅前広場をつくる計画を進めています。国有地であるこの土地をこのまま無償賃借または無償譲渡を受けることができるのか、それとも用地購入をしなければならないのか、その点を早い時期に明確にすることがこの開発を進める前提条件です。希望的にこのまま無料で使えると思っていて本当に大丈夫なのでしょうか。国との用地交渉はどのようになっているのでしょうか、お答えください。
 駅前広場や駅舎や南北通路の想定開設時期、設備費、整備費及び整備資本についてお答えください。
 身の丈を超えた開発が区民生活に支障をきたすことのないよう求め、この項の質問を終わります。
 最後に、区長の選挙公約についてお尋ねします。
 2002年の区長選において、区長は「2期8年まで」という選挙公約を掲げられて当選されました。そして就任後の第2回定例会での所信表明でも、「区長の任期は2期8年を限度とすべきである」と明快に述べておられました。その田中区長も、ちょうど1年後には2期8年を迎えます。
 そこで、田中区長にお伺いいたします。区長の任期についてのお考えに今も変わりはないのか、あるのか。また、お考えと行動に差異は生じないのか、お答えください。
 以上で私のすべての質問を終わります。誠実な答弁を求めます。(拍手)
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) むとう議員の御質問にお答えをいたします。
 一定の任期で交代するということは、時代に合った区政に変わっていくという意味で必要でありまして、2期8年という数字が妥当だと考えておりました。この公約は重いと考えています。一方、区長としての使命という観点から、これまでみずから区民と約束し、区民とともに手がけてきた仕事について、一定の基礎を固めなければならないという責任があると考えておりまして、これもまた重い責任であります。多選を制限するという政治的テーマについては、中野区自治基本条例で「連続して3期を超えて在任しないよう努めるものとする」としていることで、一定の決着がつき、成果をおさめたと考えております。現在の任期の後の行動については、現時点で申し上げるだけの考えは定まっておりません。
 私からは以上です。
     〔副区長石神正義登壇〕
○副区長(石神正義) 私からは、新庁舎の建設費についてお答えいたします。
 区役所移転の整備、これについては検討を始めた段階でございますので、現時点ではまだ建設費等については想定額を出してございません。
 以上でございます。
     〔副区長西岡誠治登壇〕
○副区長(西岡誠治) 私からは、警察大学校等跡地地区の区役所用地についてお答えいたします。
 新たな区役所用地の取得の時期について、財政運営の考え方で示している事業実施スケジュールは、当初10か年計画の中で想定された時期を示したものです。区役所用地の取得については、関係機関も含めた調整や事業内容の検討途上であるということから、時点修正を行っていないものでございます。国との調整においては、第1回定例会で区長が答弁しましたとおり、平成23年3月が目途となっておりますが、さらに関係機関との調整を進めつつ、十分な検討を行った上で、しかるべき時期に取得することとしたいと考えております。
   〔区民生活部長鈴木由美子登壇〕
○区民生活部長(鈴木由美子) 私のほうからは、消費者行政の活性化について幾つかの御質問にお答えします。
 まず、区はどういった活性化の方向を考えているのかというお問いでございます。
 相談員の相談対応力の強化や増加しているネット上の被害など、若者向けの啓発、それから高齢者などの悪質商法被害の防止など、そういった観点での消費者行政を充実してまいりたいというふうに考えています。
 東京都の基金活用事業メニューは、今年度、私どもは三つ考えてございます。消費者相談のレベルアップ事業、それから相談窓口の高度化事業、そして消費者センター機能の強化事業等の活用です。それともう一つ、オリジナル事業としては、やはり広く消費者相談を周知するためのさまざまな啓発のものを作成したり、あるいはパンフレット、それから教育用のDVDの購入など、そういったものを対象となる3カ年の間で進めてまいりたいというふうに考えています。
 それから、それ以外にどういったことを考えているのかということでございますけれども、消費者行政における市区町村、区の行政の役割としては、消費者相談の実施や、メーカーなどに比べて著しく商品情報などが不足している消費者への情報提供、それから消費生活の課題解決などに取り組む区民の自主的な活動の支援、そこにあると考えております。したがいまして、こういったことが広く区のホームページでももっとわかりやすくお知らせできるように工夫するとともに、相談業務の周知徹底を図ってまいりたいと思っています。また、効果的な実施活動・支援のあり方についても常に見直しを図ってまいりたいと思います。
 それと、相談員の処遇改善についての御質問がございました。
 現在の職のあり方で十分専門性が保たれ、また、事業の効果も上がっているというふうに承知してございます。
 それと、消費者センターが無人状態で、その状態を何とかしたらどうかというふうな御提案でございました。
 現在、1階のスペースが十分活用されているとは私どもも思ってございません。消費者センターの施設の中での再配置も含めて対応を考えてまいりたいと思います。
 それから最後に、清掃の工夫でございますが、清掃を含め、施設管理は区の責任で行いたいというふうに考えてございます。
 以上でございます。
○議長(伊藤正信) 以上で、むとう有子議員の質問は終わります。

 中野区議会議員 近 藤 さえ子
 1 犯罪被害者等基本条例について
 2 ごみ有料化の前にするべきことについて
  (1)不法投棄対策について
  (2)その他
 3 その他

○議長(伊藤正信) 次に、近藤さえ子議員。
     〔近藤さえ子議員登壇〕
○18番(近藤さえ子) 犯罪被害者等基本条例について。
 平成16年に制定された「犯罪被害者等基本法」を受けて、中野区には昨年4月、「犯罪被害者等相談支援窓口」ができました。担当部署は相談員を置き、被害者からの相談、犯罪を防ぐ啓蒙活動等に取り組んでいます。この1年余り、職員の皆様は熱心に取り組まれ、大変ありがたく思っております。私も、被害者の支援をしている多くの関係者や犯罪被害者の方々から、中野区にこの相談支援窓口ができたことを高く評価する声をいただきました。
 この窓口の記事が5月5日付区報の1面に掲載されました。それを見た方が相談に訪れ、窓口対応に大変感謝されたと伺っております。お子さんを通り魔殺人事件で亡くされた練馬区にお住まいの遺族は、「練馬区では、犯罪被害者に対する意識は低い」と言われ、中野区の被害者支援の素早い取り組みを大いに評価していらっしゃいました。
 また、昨年、区内の小中学生を対象に行われた授業も大変好評でした。犯罪で子どもを亡くした遺族の話、交通遺児による事故の恐ろしさを直接訴える話など、児童・生徒の心に響く「命の教育」となりました。保護者から継続して毎年行ってほしいという声をいただいたと伺っております。
 このように「相談支援窓口」は区内外に広く存在を周知されたと思いますが、その本来の趣旨である「犯罪被害者等基本法」が示す自治体としての責務を果たすという点では、中野区の取り組みはまだ不十分と言えるのではないでしょうか。その理由として、中野区には「犯罪被害者等基本条例」のような条例がいまだ策定されていないことが挙げられます。「支援窓口」のある他の多くの自治体では、まず条例をつくり、被害者の権利と保護を明確に住民に示し、自治体としての責務、住民の責務を明記し、支援施策に取り組んでいます。
 被害者遺族へのアンケートによると、犯罪直後から1年までの間で最も必要と思う支援内容は、女性の回答のトップは「身近な人からの精神的な支え」となっています。
 「犯罪被害者等基本法」が示す理念は、単に犯罪被害者に対する自治体の支援のみならず、だれもが犯罪に巻き込まれる可能性を持つ以上、被害者等は皆様と変わらない一市民であり、一区民であることを認識し、被害者に対する住民の偏見のない理解が責務であるとしています。そこには、最愛の家族を犯罪で亡くすという絶望と悲しみを負った隣人への支援を惜しまない地域社会をつくること、また、そのような犯罪を防ぐのは、ほかでもない住民たちであり自分自身であるという強いメッセージが込められているのです。この基本法の理念を理解し、被害者支援に取り組む自治体のほとんどが条例をつくり、自治体住民にしっかりと提示し、理解を求めています。しかし、残念ながら中野区にはまだ条例がなく、「中野区犯罪被害者等相談支援事業実施要綱」があるだけです。これだけでは、自治体として「犯罪被害者等基本法」が示す責務を果たせないと思いますが、いかがでしょうか。
 中野区では、「犯罪被害者等基本条例」等をつくる予定はないのでしょうか。予定があれば、それはいつごろを目標にされているのでしょうか。基本条例をつくる予定がないとすれば、それはどのような理由によるのでしょうか。
 先日、大阪府の摂津市の職員が、内閣府の犯罪被害者を支援するための会議に出席する前に私のところに立ち寄ってくださいました。摂津市は、犯罪被害者等への支援策が大変進んでいる自治体です。「犯罪被害者等が必要とする施策を総合的に推進し、被害者等が平穏な生活を取り戻すまで適切に途切れることなく支援が行われる」として、被害者に対し、1、相談・情報提供業務、2、見舞金の支給、3、日常生活の支援、4、家賃等補助、5、就業の支援を行っています。そして、内閣府も注目している6番目の支援、「被害者参加制度」出席のための旅費の補助を実施しています。私たちは、全国どこで犯罪に巻き込まれるかわかりません。裁判は、事件が起こった地方の裁判所で行われます。摂津市は、裁判に参加するときにかかる交通費3万円を限度に補助することを決めています。昨年12月から始まった、被害者が法廷内で意見を述べることができる「被害者参加制度」に犯罪被害者等が出席できるようにとの配慮です。
 中野区でも、まず条例をつくり、重大犯罪の被害者に対しての支援策、見舞金の支給、日常生活に対する支援、家賃等補助、就業支援、そして「被害者参加制度」出席のための旅費の補助、保育や介護に対する支援等を進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
 もちろん、犯罪被害者等がまず出ないことが私の切なる希望ですが、この支援を受けることになる人の数はごく限られていると考えられるため、自治体として多くの予算を割くものではありません。しかし、万が一のときに備えて制度を整えておくことが必要なのです。
 中野区では既に「裁判員制度」出席のための乳幼児保育、学童保育などの支援を決めています。さらに、他区に先んじて「検察審査会制度」への保育等支援も決めています。犯罪被害者等に対して、保育、裁判参加のための旅費の支援も当然考えられると思いますが、いかがでしょうか。
 昨年の犯罪被害者の会の大会に出席された前法務大臣、鳩山邦夫氏は、「日本では、被害者が置き去りにされたままの制度がずっと続いてきたことは根本的に政治の怠慢であり、間違いであった」と反省され、被害者の権利回復の必要性を強く語られました。いつだれがどこで巻き込まれるかもしれない犯罪、それを防止するには警察などの公的な力が必要です。しかし、最も大切なのは、自分たちのコミュニティ、例えば学校、職場、地域等から加害者も被害者も出さないという住民の決意であり、優しさです。「犯罪被害者等基本法」に明記された自治体と住民の責務、被害者たちへの思い、犯罪のない安全な社会にしようと願う多くの人々の願いを受け、中野区に「犯罪被害者等基本条例」の制定を求め、犯罪被害者等に対するさらなる支援策をお願いして、私の最初の質問を終わります。
 次に、ごみの有料化の前にするべきことについて。家庭ごみのルール違反な排出対策について伺います。
 ことし4月、常任委員会において配られた資料「『新しい中野をつくる10か年計画』の改定について」の別紙に、「ごみ出しルールの徹底や一層のごみ減量を図るため、家庭ごみの有料化に向けた条件整備を行っていく」とあります。これから中野区は家庭ごみを有料化していく予定ですが、その条件整備とはどのようなものなのでしょうか。
 家庭ごみに関しては、指定日以外にごみを出す、指定されたとおりのごみ分別をしない、カーペットなどの粗大ごみをそのまま置いていくなど、ゴミ出しのマナーの悪い人、ルールを全く無視した人が多く見かけられます。そのために、ごみ集積所近くの住民は大変迷惑をしています。私の家の近くの集積所でも、マナーの悪い人たちが勝手な時間にごみを置いていくので、集積所にいつまでもごみが置いてある状態が続いています。近隣の住民たちは、残されたごみをとりあえず自分の家に引き取ったり、置きっぱなしであったために散らかった生ごみを掃いて片付けたり、出された粗大ごみの引き取りを清掃事務所に依頼したり、大変苦労をしています。ルールをきちんと守り、ごみ集積所をきれいに保とうと努力している住民の意識によって一時は片づきますが、ごみ出しのマナーの悪い人やルールを守らない人は結局同じことを繰り返します。清掃の職員も苦労されていると思いますが、このごみ出しのマナーはなかなか守られません。この状態で今後ごみが有料化されれば、マナーやルール違反のごみがさらにふえてしまうのではないかと住民たちは大変心配しています。
 集積所の状況は実際にどのようになっているのでしょうか。区民からの苦情は寄せられていないのでしょうか。特に、小規模集合住宅に住む若い人たちにゴミ出しのルールが守られていないという周辺住民たちの声を聞きますが、ごみ出しのルールが認知されていないため不適切なごみ出しが放置されていることもあるのではないでしょうか。どのような対応をしているのでしょうか。
 中野区は「共同住宅等建築指導要綱」により、対象となる共同住宅の建築に当たっては、ごみ置き場やリサイクル資源集積所の配置などの基準を設けていますが、実際のゴミ出しの状況を把握した上でこうした基準を拡大強化し、条例化することも必要であると考えますが、いかがでしょうか。条例化すれば、既存の小規模集合住宅にも行政の指導は入りやすくなると思えます。
 また、最近、このゴミ出しの問題は高齢者の誤った行動にも見られます。高齢者の場合、指定日を間違えてしまう、区分ができない等のさまざまな問題があります。これは、それまでマナーを守り、周囲に配慮し、むしろきれい好きだった高齢者が、ある日突然、普通のごみ出しができなくなるのです。これに対しては、ごみの問題のみならず、さまざまな他の分野の協力が必要だと思われます。もちろんごみ出しのルールを守り、自宅の周辺をきれいに保つことを心がけているまじめな区民にとっては、この現状での「ごみの有料化」に納得することはできないことを伝えて、私の質問といたします。ありがとうございます。
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 近藤議員の御質問にお答えをいたします。
 犯罪被害者等基本法は、被害者等のための施策に関する基本理念や国及び自治体の責務などを定めているところです。区は、相談窓口及び専門相談員を設置し、関係機関との連携を図りながら、犯罪被害者やその家族などに対する支援を行っております。これは、法律に基づく自治体の役割として行っているところでありまして、現在のところ、条例で施策を根拠付ける必要性はないと考えております。
 お求めのありました支援の関係につきましてであります。
 犯罪被害者に対してどういった支援、特に生活支援のところにどう踏み込めるのかといったことなど、区の役割を明確にしていくよう検討を行ってまいりたいと考えております。
 ごみ出しルールの徹底についての御質問であります。
 地域ごとに定められたごみの種類に応じた排出ルールの守られていない集積所もやはり目にするところであります。しかし、昨年10月の分別区分の変更以来、粘り強い指導・啓発によりまして、新たなごみ出しルールは次第に定着をしてきていると、こう考えているところです。清掃事務所にはごみの出し方などの指導強化や集積所の適正管理など、日々さまざまな苦情や要望が寄せられていることも確かであります。区といたしましては、区報やリーフレット、ごみの分け方・出し方の全戸配布、また、集積所に設置した看板によるPRなどとともに、小規模集合住宅の居住者や管理者などを対象にきめ細かな指導を行うよう努めているところであります。
 共同住宅等指導要綱条例化に当たっての御質問でありました。
 ごみ置き場の適切な設置なども指導内容に含んでおります共同住宅等指導要綱については、今後条例化を検討する予定であります。検討に当たっては、ごみ出しルールの徹底なども念頭に置きながら検討を行ってまいりたいと考えております。
 以上です。
     〔近藤さえ子議員登壇〕
○18番(近藤さえ子) 犯罪被害者等基本条例について、再質問させていただきます。
 この犯罪被害者等基本法の理念を理解して犯罪被害者の支援に取り組む自治体がほとんどである中、本当にこれは住民たちに浸透させるということが一番の目的ですので、ぜひ条例をつくって、自治体・住民がしっかりと支えていくという体制をつくっていただきたいと思いますけれど、もう一度質問させていただきます。
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 再質問にお答えをいたします。
 法律的な根拠というものが基本法にあるということでありますので、十分に取り組みをしていくことができると考えております。
○議長(伊藤正信) 以上で、近藤さえ子議員の質問は終わります。

中野区議会議員 つぼい えみ
 1 子育て支援について
  (1)家庭福祉員制度について
  (2)子育てに関する情報サイトについて
  (3)その他
 2 なかのにぎわいWEB起創展街について
 3 その他

○議長(伊藤正信) 次に、つぼいえみ議員。
     〔つぼいえみ議員登壇〕
○5番(つぼいえみ) 平成21年第2回定例会において一般質問をさせていただきます、つぼいえみです。よろしくお願いいたします。
 それではまず初めに、少子化対策の一つである子育て支援についてお伺いさせていただきます。
 「新しい中野をつくる10か年計画」の中の「元気いっぱい子育て戦略」で、戦略展開として大きく四つに展開をされています。一つ目は、「愛情と責任を持って子どもを育てる家庭」、二つ目、「虐待ゼロのまちをつくる」、三つ目、「地域が支える子どもと家庭」、四つ目に「豊かでたくましい心と体を育てる」とあります。その中でも一つ目の「愛情と責任を持って子どもを育てる家庭」の戦略展開に対してフォーカスを絞りたいと思います。「家庭の養育力の低下」・「子育て家庭の孤立化」と、大きく二つの解決すべき課題が書かれています。課題の解決のために、中高生など若者への保育体験や育児学習の機会を提供することによって、子育ての意義や家庭の大切さに対する理解を進める。乳幼児の育て方について支援等を行うことによって、子育てに対する不安を解消する。乳幼児や児童の一時保育・ショートステイを充実することによって、子育て家庭の暮らしを支援すると書いてあります。現在、10か年計画の見直しがされていますが、子育て支援に対してさらに力を入れていく必要があると思います。そこで何点かお伺いさせていただきます。
 1点目です。子育て家庭が必要なときに子どもを預けることができ、安心して日常生活を営むことができるよう、中野区は子どもショートステイや一時保育事業、病後児保育、休日保育、年末保育等のサービスを拡充し、子育ての不安や疲れを軽減するため、育児支援ヘルパーの派遣や相談体制を強化するとありますが、現在、待機児童の数はふえていると伺っております。現在、待機児はどのような状況なのでしょうか。今後、区長は待機児をゼロにする取り組みをどのようにお考えなのでしょうか。待機児ゼロにする年次目標もあわせてお答えください。
 子育て支援・子育てにやさしい環境づくりとして、例えばショートステイ、トワイライトステイ、一時預かり事業、育児支援ヘルパー、家庭福祉員などがあります。2点目に、この中で、施設をつくらなくてもすぐに取り組むことがでる家庭福祉員、いわゆる保育ママについてお伺いします。
 家庭福祉員とは、保育士や看護師、保健師、助産師、教員などの資格を持ち、児童の養育経験がある方を中野区が認定し、自宅の一室を保育室にして家庭的な雰囲気の中で保育をする制度のことです。この制度の利用に当たっては、保護者の就労等の理由により保育を必要とする生後57日から2歳児までの健康なお子さんで、中野区在住の方に限り、お子さんが家庭福祉員と3親等以内の親族関係にある方は利用できないといった条件があり、保育料金は前年所得の課税状況に応じて決定します。延長利用の場合は1時間当たり250円が別途かかり、その他お弁当、ミルク、おむつ代等は保護者の負担となります。現在、中野区内には9名の方が家庭福祉員をされています。地域によってばらつきはありますが、ほぼあきがない状態です。
 そこでお伺いさせていただきます。来年の4月から国の家庭福祉員制度が緩和され、本来なら、国の制度では保育士の資格のある方、東京都の制度は保育士・看護師・助産師等の資格のある方のみが家庭福祉員として認められていたのですが、資格がない方でもある一定時間の研修を受講することで家庭福祉員として働くことができるようになると伺っております。そこで中野区としては、家庭福祉員制度についてどのようにお考えでしょうか。
 もちろん、研修に参加して家庭福祉員として資格を得るにも時間がかかることですし、大切な命を預かるので簡単に取得できるような内容ではないようなお話も伺っております。しかしながら、認可保育所、認証保育所A型・B型、中野区認定保育室などを直ちに増設するのも難しいかと思います。経済の悪化に伴い、ワークライフバランスができる社会にしていかなければならない中、家庭福祉員に興味を持っている若いママさんのお話もよく耳にします。例えば、家庭福祉員になるには最低でも6畳以上の部屋を確保しなければならないことや、避難設備等が確保されていなければならない条件があります。しかし、その条件を満たすこともなかなか大変だと思います。また、1人で保育ママを自分の自宅でされるといったケースもいいですが、以前されていたグループで預かりができるような保育ママ事業を再度検討してみてはいかがでしょうか。来年の4月に向けて先駆けた家庭福祉員制度を今後どのように展開していこうとお考えなのでしょうか、お聞かせください。
 区長の子育て支援に関する意気込みをお聞かせください。
 この項の最後で、中野区のホームページで子育てに関する情報サイトについてお伺いさせていただきます。
 第1回定例会において、子育てに関する施設情報や子育てマップのサイトの質問をさせていただきましたが、区のホームページの再構築では提案された機能は含まれていないとの答弁でした。しかしながら、何度見ても文字が横並びに説明書きされていて、あっちこっちへとサイトが飛び、本当に見づらく、検索していくうちに何を調べていたのかがわからなくなり、いやになって面倒になってしまいます。中野区のホームページのトップに「食育・健康づくりプログラム」といった、かわいいウサギをキャラクターとした非常に見やすくわかりやすいサイトがあるのだから、そのサイトの中に子育てに関する情報を一緒に盛り込んでみてはいかがでしょうか。
 例えば、杉並区では認証保育園・認可保育園などの違いや保育ママ制度についての用語解説もあり、また、港区では子育て応援カレンダーというのも非常にわかりやすく、妊娠から9歳までの発達の目安や、それぞれの年齢に応じて事故に注意しなければいけないことや、検診・予防接種など、たくさんの情報が年齢別にカレンダーのような表でまとめられています。印刷をして、目のつくところに張りつけて活用しやすく考えられています。「安心子育てみなとマップ」というような地域別の地図も、カラーで細かくプリントアウトされるようにつくられています。また、練馬区では、ねりまキッズページといった、練馬区内のことを小学生が見てもすぐわかるようなサイトをつくっていて、練馬区内で小学校に配布されている情報誌が印刷できるようにされています。こどもの救急サイトといった、病気についての情報や病院情報もすぐ連絡できるようにまとめられています。このような各区のサイトを参考にし、「見やすい」、「わかりやすい」、「印刷可能なPDF方式」といった3拍子が可能になるような子育てに関する一つのサイトは絶対に必要だと思います。区長はいかがお考えでしょうか。誠意ある御答弁をお願いして、この項の質問を終わらせていただきます。
 次に、なかのにぎわいWEB起創展街についてお伺いします。
 中野区での10か年計画では、区が持続的な発展を続けるには、都市の発展と産業振興とが相互に支え、関連し合うものとの基本認識に立ち、まちの魅力と新しい活力を生み出す源泉となる「まち活性化戦略」を重点的な取り組みの一つとしています。首都圏における中野の地位を向上させる取り組みを推進するため、「中野区イメージアップ3カ年戦略」を定めました。中野のイメージとしては、「文化の発信地」、「小さいながらも魅力ある店があふれる街」、「今後の発展が期待できる」などの印象を持たれています。このような、中野のオリジナルな強みを踏まえつつ、これからの変化で生まれる新しい中野の魅力や「未来」の姿をあらわすコンセプトワードを設ける。コンセプトワードは、「まち活性化戦略」に比重を置いたものとし、中野の最先端をイメージすることができ、中野の目指す多種多様な魅力を表現できるものとして、「起創展街」を定めるといった内容が中野区のホームページの「にぎわいWEB起創展街」に記載されていました。このサイト内のエンタシティ中野では、5名の方が「にぎわいネットワーク」名誉会員に認定されています。このエンタシティ中野とは、中野区のエンターテインメントを盛り上げること。また、エンターテインメントによって中野区全体の活性化を図っていくこと。中野区のエンターテインメントネットワークの確立・発展を目指すこと。また、参加者同士の交流・コラボレーションなどを推進していくことだと書かれています。
 ここでお伺いしますが、名誉会員の方たちと今後どのように中野区の活性化に結びつけ展開していく予定なのか、具体的な案はあるのかお聞かせください。
 また、キングオブ芸人といったイベントをする予定であると伺っていますが、お笑いのまちだけではなく、若者のまちとして、ダンスによるまちの活性化を図ってはいかがでしょうか。エンタシティ中野でも取り上げられている「カリスマカンタロー」さんは、社長兼ダンス界のカリスマであり、エンタシティ中野の名誉会員として会員証が渡されたと聞いています。この方は、2009年5月から東京都教育庁からの業務委託契約をされ、公立高校を中心にストリートダンスのインストラクターの派遣をこれからされる予定です。ダンスで中野を盛り上げたいと、地域に貢献したいとおっしゃってくださっています。名誉会員はどのような基準で選ばれているのでしょうか。もっとふやしてはいかがでしょうか。名誉会員といった会員証をお渡しするだけではなく、カリスマカンタローさんのような名誉会員の方々に中野区でもっと活躍してもらってはいかがでしょうか。例えば、ZEROホールで行われるダンスイベントの拡大や、中野まつりや桜まつりなど、地域の行事にダンスイベントを盛り込んではいかがでしょうか。中野区内の若者やキッズたちの夢・希望があふれるまちづくりを目指して、区長の若者へ向けた御意見をお聞かせください。
 以上で私からのすべての質問を終わらせていただきます。御静聴ありがとうございました。(拍手)
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) つぼい議員の御質問にお答えいたします。
 待機児の状況ですが、本年4月1日現在で、認可保育所、認証保育所、保育室、家庭福祉員の利用ができないなどの理由で待機している児童数は190人であります。待機児解消対策は、区立保育園の民営化による認可保育所の定員増や、認証保育所の開設誘致、家庭福祉員の増員など、さまざまな対策を組み合わせて総合的に進めております。これらの取り組みによって、来年4月には待機児童の大幅な減少を見込んでいるところであります。
 家庭福祉員ですが、家庭福祉員の資格について、法改正の趣旨を踏まえ、要件緩和をよしと私どもは受けとめておりますが、要件を緩和したとしても、児童の安全を担保するための方策を設けて着実に対応していきたいと思っております。
 また、以前実施をされていたような宮園乳児室のようなグループでの預かりについては、利用率が低いことなどから東京都の補助が平成15年度末で廃止された経緯があり、現在考えておりません。お子さんを多数--多数というか、何人かで何人かのお子さんを集めるということで、管理の組織であるとか管理の事務などが手に余るというような状況にもなりやすいというようなことから、なかなかこのグループでの家庭福祉員というのは広がっていかなかったという実績があるところです。
 子育てサイトについてです。区では、ことしの12月を目途に、ポータルサイトであります中野区ホームページをリニューアルをいたします。その中で、子育て支援についても内容の充実を予定しておりまして、できるだけ見やすく、わかりやすく、手軽に必要な情報を選択し、印刷するといった手だても取り入れた、区民に利用しやすいサイトとして構築をしていく予定であります。
 にぎわいネットワークの名誉会員については、中野区にゆかりがある、エンターテインメント分野で活躍し、一定程度の実績がある、区が進める施策、エンターテインメントによる区の魅力づくりに賛同し、今後協力が得られる方々を認定しております。今年度実施をしておりますにぎわい創出イベントへの参加を初め、区が進めますエンターテインメントによる魅力づくりに主体的にかかわっていただくほか、まちのイメージアップのために、会員がさまざまな場面で中野の魅力についてPRすることについてお願いしているところです。ダンスは、お笑いや演劇とともに中野を代表するエンターテインメントの一つだと理解をしております。ダンスも含めて、中野の新たな魅力づくりを進めていきたいと考えております。
 以上です。
     〔つぼいえみ議員登壇〕
○5番(つぼいえみ) 再質問させていただきます。
 保育ママ事業のグループ預かりなんですけれども、考えていないというお答えでしたが、平成15年と今とでは経済状況も違いますし、その点も含めてもう一度考えていただければと思うんですが、よろしくお願いいたします。
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) グループでの家庭福祉員も、可能であればもちろん取り組むことにやぶさかではないのですが、ただし、やはり広い場所が必要であるとか、それから、何人かお子さんが集まるとそれに対する対応の事務の幅がふえるでありますとか、御負担がふえるというようなことがありますので、なかなか難しい状況ではあると、このように思っております。
○議長(伊藤正信) 以上で、つぼいえみ議員の質問は終わります。

中野区議会議員 林 まさみ
 1 自治基本条例と区民参画について
 2 定額給付金について
 3 プレミアム商品券について
 4 その他

○議長(伊藤正信) 次に、林まさみ議員。
      〔林まさみ議員登壇〕
○7番(林まさみ) 第2回定例会において、生活者ネットワークとして、市民自治を広げる立場で一般質問します。
 一つ目として、自治基本条例による住民参画について2点伺います。
 地方分権の時代、地方のことは地方で、地域のことは地域住民の意思に基づいて、みずから治めることが重要になります。地方自治には、住民の積極的な「参加と協働による住民自治」と「行政による団体自治」の二つの自治があります。このように、従来の「住民」、「議会」、「行政」のうち、特に「住民」が大きくクローズアップされている点において、「地方自治の考え方」が基本的に変化しているのです。そして、住民参加の形式等を定めた「自治基本条例」を制定している自治体は、この地方自治の考え方の変化を受け入れていることであり、中野区も例外ではありません。
 しかし、地域の人たちが地域の課題を話し合い、決まったことをみずから治める「真の住民自治」の実現は容易なものではなく、他の自治体でも自治を広げるためにさまざまな取り組みが行われています。
 例えば、杉並区の柏の宮公園計画では、「区民の主体的な活動を一層支援し、みどりと水のまちづくりの展開を図る方針」により、住民が公園の政策立案から参加し、課題に関する情報を行政と共有することで、住民による公園の自主管理が行われるようになりました。杉並区内で植物の種類が区内で2番目に多い企業グラウンドの敷地を区立公園にする計画が持ち上がり、その敷地にあるホタルブクロやジュウニヒトエ、ネコハギなどの自生生物を保護する課題について、住民と行政が植物の専門知識を持つコンサルタントとともに植物調査・ワークショップ運営、計画・設計、自生植物保全計画を策定しました。このように、「自生生物の保護」という課題に対して、初期の段階から区民が公園設計や植物管理計画に参画することで、公園運営の責務を区民が持ち、現在、公園の植物管理者となる区民を得ることができました。このような取り組みは中野区でも行われていました。
 また、荒川区日暮里駅前開発において、駅構内にエレベーターがない駅舎や駅周辺を改善するという課題について、駅を利用している町会・商店街などの住民のほか、障害者団体に参加を呼びかけ、協議会をつくり、車いす等でまち歩きを1年近く行い、課題解決のために話し合い、その結果、歩道が設置できない狭い道路も高齢者や障害者等の利用者の立場で整備をするなど、その意見が交通バリアフリー基本構想に大きく反映され、工事が始まった今でも定期的に協議会を開いています。
 このように、多くの自治体では「区民の、区政への多様な参加」を保障するための行政運営が行われ、区民の意思に基づく住民自治が広がっています。
 中野区でも自治基本条例を制定したことで地方自治の考え方の変化を受け入れ、基本計画などに関する基本方針を定める条例の制定等に、意見交換会とパブリック・コメント手続を実施し、区政への区民参加を行っています。先月も、区が策定した「警察大学校跡地地区(仮称)中央部防災公園基本計画等(案)」や中野駅周辺まちづくりグランドデザインVer.2の意見交換会が行われましたが、公園も駅前開発もすべて区主導でまとめた案に対して意見を聞くもので、区民参加の手続はしていますが、条例の本旨である「区民が自ら行動し、自らが築くまちづくり」には結びついているとは言えません。
 1点目として伺います。
 中野区自治基本条例第1章第3条にある「区民は、区の施策の企画立案、検討、実施、評価及び見直しのすべての過程に参加する権利を有する」とあるように、意見交換会とパブリック・コメント手続をする「区民参加の手続」のほかに、公園やバリアフリーのまちづくりなど、区民生活に特に影響を及ぼす事例や制度について、政策の企画立案過程に区民が参画できる行政運営を整えることが「住民自治」につながると考えますが、いかがでしょうか。住民自治を実現するには地域住民の視点に立った行政運営が基礎自治体に求められます。区の考えをお聞かせください。
 次に、中野区における市民参画について伺います。
 市民参加の手法は、公募による市民会議やインターネットを通じた政策の募集など、時代とともに新たな参加の方法が模索されています。しかし、これまでの方法では参加の数が少なく、また、関心の高い一部の区民だけの参加になりがちであるなどの問題が挙げられます。そのため、多くの自治体で、市民参加を進めるための方策が行われています。
 和光市では、市民が参加しやすい場所や時間の工夫、審議会に応募した市民を登録しておく人材バンク的なものの設置など、市民参加促進のための環境整備を行っています。また、市民参加推進会議から「パブリック・コメントについても提出意見が少ない」との指摘を受けた後、「意見を出してもどうせむだ」と考える市民がいるのではないかと推定し、逆に「実際には高い割合で市民意見が反映されていること」を周知したことで、その後パブリック・コメントの意見数が増加したそうです。
 三鷹市では、参加層を拡大し、より広範な民意を把握するため、無作為抽出した市民を募り、地域の課題について討議する(仮称)「市民討議会」が実験的に行われています。
 このように、自治基本条例等を定めても、市民自治の主役である市民参加が進んでいないことを問題と挙げる自治体が多く見られ、対応し、改善しているところです。
 そこで、2点目として伺います。
 自治基本条例第6章第19条に「区は、この条例の趣旨が区政運営に適切に生かされているか検証する」とあります。丸3年となった中野区の自治基本条例。意見交換会、パブリック・コメント手続等の区民の参加人数の現状と、そのことから考えられる課題などから、自治基本条例の趣旨である「区民の自治活動の推進」と、そのための「区民の参加の推進」が行われているかについて検証がされているでしょうか。されているのであれば、検証から見えてきた課題、課題を解決するための方策をお示しください。検証をしていないのであれば、検証はどのような場合にどのような手順でされるのかお示しください。
 行政への市民参画・市民自治を進めるためには、区政に参加したことで意見反映がなされるなどの達成感を区民が享受することです。多くの区民が中野区の行政政策に参加し、地域の課題を行政と共有し、区民の意見反映がなされることで、区民は地域社会への責務を感じ、住民自治につながります。そのためには区民目線の行政運営が重要です。
 以上でこの項の質問を終わります。
 次に、定額給付金について2点伺います。
 23区で一番早くに給付された定額給付金。区からの給付が始まって2カ月がたちます。中野区では、18万世帯余のうち、今なお手続をしていない世帯が4万世帯あります。9月の受け付け締め切りまでにはまだ間がありますが、年齢別に検証すると、65歳未満では約7割の対象者が給付の手続を行っている中、65歳以上では9割を超える方が定額給付金を受け取る手続をしていると聞いています。高い給付率とはいえ、まだおよそ4,000人の高齢者の方に給付されていないことも事実です。
 そこで1点目として、これまで高齢者に向けてどのような広報や説明をされてきたのか、また、高齢者世帯への給付のための対策をしながら、申請または給付に至っていない4,000人余の高齢者に対して、今後どのように給付手続につながる対応をしていくのか伺います。
 また、当初、定額給付金の説明文書に記入例がない、裏面に記入箇所があるなどわかりにくく、必要な書類のない「添付不備」の状態である申請用紙が区の想定をはるかに上回る件数あったと聞いています。定額給付金の手続を行うに当たり、区の体制に問題はなかったのか。大量発送・大量申請を行う業務でありながら、その仕事のノウハウを持つ税務分野が今回定額給付業務に参加していなかったとも聞いています。そのことで税務分野では基本となる記入例等の書式の不備などにつながり、数万件の再発送を余儀なくされたと考えられます。
 2点目として、今回の定額給付金の事務手続からさまざまな問題点が明らかになってきたと考えられますが、これを前向きにとらえ、今後の事務改善にどのように生かし、どのように取り組まれるか伺います。
 3点目のプレミアム商品券については、今回質問いたしません。
 以上ですべての質問を終わります。
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 林議員の御質問にお答えをいたします。
 一層の区民参画を図るべきだという御質問であります。
 自治基本条例は区民一人ひとりが地域のまちづくりの主役として自治を営むことや、区民参加によって区政を運営していくことを定めたものであります。行政運営の区民参加は、区民との意見交換会やパブリック・コメントのほか、個別の意見を提出いただいたり、関係団体との意見交換などの方法によって、幅広く区民の意見・考え方を受けとめて進めてきていると考えております。
 また、地域の住民の皆さんが話し合って、まちの方向性でありますとか解決方法を考えていくといったような自主参加型のまちづくり等についても、西武新宿線沿線でも進めてきたところでもあります。そのほか、さまざまな場面で地域の方々が話し合ってそのまちの方向性を定めていくといったような動きは行われているところであります。また、地域課題に対して自分たちの力で解決をしていく、そうした自治のまさに主たる活動場所として(仮称)区民活動センターの整備を進めていきたいと、このように考えているところであります。
 それから、自治基本条例の趣旨は検証されているのかということであります。
 区政の基本でありますPDCAサイクルによって、常に執行方法の見直しを行うとともに、区民の参加する外部評価制度を毎年活用することで、自治基本条例の趣旨が適切に生かされているか検証し、改善を行っているところであります。
 それから、定額給付金の関係であります。
 定額給付金の事業開始に当たって、民生委員や町会長、また、区内高齢者入所施設の担当者、それから地域包括支援センターの職員などの皆さんに制度や手続を御説明し、高齢者への周知や相談についての協力体制を整えてきたところです。5月末から開始をされた、民生委員によります一人暮らし高齢者調査の際の声かけやチラシの配布などもお願いをしているところです。今後は、区報、地域ニュース、JCN中野、チラシ、ポスターなどで十分に周知を図っていきたいと考えております。 庁内の体制ですが、このたびの定額給付金事業は、区民生活部を責任の部門といたしまして、全庁的な応援体制を組んで取り組んできたところであります。区民の皆さんにわかりやすく、しかも正確な情報提供が何よりも重要であるということであります。区民からの視点で案内・説明を徹底することなどに努めてきたところですが、この業務に一定のきりがついた、この業務が収束をしたという時点では、この取り組みの経過などについても十分分析・評価をして次に生かしていきたいと考えております。
 以上です。
      〔林まさみ議員登壇〕
○7番(林まさみ) 地域の方々と一緒に話し合いの場を持ってくださっているというお答えでしたが、条例にも定められている、政策の企画立案過程にも区民が参画できるかということがお答えになかったと思いますので、その点についてお答えください。
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 積極的に情報を公開・提供していく中で、区政に御意見を寄せていただく、また、話し合いの場に参加して御意見をいただくということも参画の機会の一つだろうと、こう思っております。また、地域のまちづくりのための話し合いの場などで、まちづくりについての方向性を皆さんでお話し合いをいただくといったようなことも参画の場であると考えております。今申し上げた以外にも、さまざまな機会を設けていると考えております。
○議長(伊藤正信) 以上で、林まさみ議員の質問は終わります。
 以上をもって、質問は終了いたしました。
 これより日程に入ります。
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 第44号議案 中野区特別区税条例及び中野区特別区税条例の一部を改正する条例の一部を改正す
        る条例
 第45号議案 児童デイサービス施設建設工事請負契約
 第46号議案 白桜小学校施設整備工事請負契約
 第47号議案 災害対策用備蓄物資の買入れについて
 第48号議案 清掃車の買入れについて
 第49号議案 机及びいすの買入れについて

○議長(伊藤正信) 日程第1、第44号議案から第49号議案までの計6件を一括上程いたします。
 理事者の説明を求めます。
     〔副区長石神正義登壇〕
○副区長(石神正義) ただいま上程されました第44号議案から第49号議案までの6議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。
 第44号議案、中野区特別区税条例及び中野区特別区税条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例は、主に次の6点について規定を改めるものです。
 第1点目は、住宅借入金等特別税額控除を創設するものです。
 第2点目は、優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合における長期譲渡所得の課税の特例について、その適用期限を延長するものです。
 第3点目は、特定管理株式が価値を失った場合の株式等に係る譲渡所得等の課税の特例について、その対象となる株式を追加するというものでございます。
 第4点目は、上場株式等の配当所得及び譲渡所得等に係る税率の特例措置を延長するものです。
 第5点目は、公的年金等の特別徴収税額に給与所得及び公的年金等以外の所得に係る所得割額を加算して徴収する規定を削除するものです。
 第6点目は、地方税法の改正に伴う規定整備等を行うものです。
 この条例の施行時期は、第1点目及び第3点目につきましては平成22年1月1日、第2点目及び第4点目から第6点目までにつきましては公布の日ですが、第6点目の一部は平成22年1月1日、同年4月1日及び平成23年1月1日です。
 第45号議案、児童デイサービス施設建設工事請負契約は、療育センターアポロ園の建設工事を行うため、契約を締結するに当たり、議会の議決をお願いするものです。
 契約の方法は一般競争入札、契約の金額は2億1,315万円、契約の相手方は明成建設工業株式会社です。この工事の完了予定は、平成22年3月です。
 第46号議案、白桜小学校施設整備工事請負契約は、区立小学校の再編及びキッズ・プラザ事業の展開に伴う白桜小学校施設整備工事を行うため、契約を締結するに当たり、議会の議決をお願いするものです。
 工事の概要は、校舎の改修工事及び体育館の耐震補強工事、電気設備工事並びに機械設備工事です。
 契約の方法は一般競争入札、契約の金額は2億370万円、契約の相手方は稲葉建設株式会社です。
 この工事の完了予定は平成21年12月です。
 第47号議案、災害対策用備蓄物資の買入れについては、財産の取得に当たり、議会の議決をお願いするものです。
 取得する財産は、災害対策用の物資として備蓄するサバイバルブランケット2万1,000枚、毛布1万1,600枚、敷きマット2万2,000枚、便袋5万2,500枚、救護用ベッド8台などで、取得に要する金額は9,448万8,975円です。
 第48号議案、清掃車の買入れについては、財産の取得に当たり、議会の議決をお願いするものです。
 取得する財産は、一般廃棄物の収集・運搬に要する清掃車3台で、取得に要する金額は2,369万3,805円です。
 第49号議案、机及びいすの買入れについては、財産の取得に当たり、議会の議決をお願いするものです。
 取得する財産は、区立中学校における生徒用の机2,210台、いす2,210脚で、取得に要する金額は1,618万5,487円です。
 以上、6議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○議長(伊藤正信) 本件について、御質疑ありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊藤正信) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
 上程中の議案は、会議規則に従い、総務委員会に付託いたします。
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 第50号議案 中野区国民健康保険条例の一部を改正する条例

○議長(伊藤正信) 日程第2、第50号議案、中野区国民健康保険条例の一部を改正する条例を上程いたします。
 理事者の説明を求めます。
     〔副区長石神正義登壇〕
○副区長(石神正義) ただいま上程されました第50号議案につきまして、提案理由の説明をいたします。
 第50号議案、中野区国民健康保険条例の一部を改正する条例は、主に次の2点について規定を改めるものです。
 第1点目は、妊産婦の経済的負担を軽減し、安心して出産できるようにするため、緊急の少子化対策として、平成21年10月から平成23年3月までの間の出産に係る出産育児一時金の支給額を引き上げるものです。
 第2点目は、国民健康保険法施行令及び地方税法の改正に伴う規定整備等を行うものです。
 この条例の施行時期は、第1点目につきましては平成21年10月1日、第2点目につきましては公布の日ですが、一部は平成22年1月1日です。
 本議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますよう、お願い申し上げます。
○議長(伊藤正信) 本件について、御質疑ありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊藤正信) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
 上程中の議案は、会議規則に従い、厚生委員会に付託いたします。
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 第51号議案 指定管理者の指定等について

○議長(伊藤正信) 日程第3、第51号議案、指定管理者の指定等についてを上程いたします。
 理事者の説明を求めます。
     〔副区長石神正義登壇〕
○副区長(石神正義) ただいま上程されました第51号議案につきまして、提案理由の説明をいたします。
 第51号議案、指定管理者の指定等については、打越保育園の指定管理者を指定するとともに、指定管理者の指定の期間を変更するに当たり、議会の議決をお願いするものです。
 指定管理者として選定した団体はピジョンハーツ株式会社で、指定の期間は平成21年8月1日から平成28年3月31日までです。これに伴い、現在の指定管理者であるピジョン株式会社の指定の期間は平成21年7月31日までとするものです。
 本議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますよう、お願い申し上げます。
○議長(伊藤正信) 本件について、御質疑ありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊藤正信) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
 上程中の議案は、会議規則に従い、文教委員会に付託いたします。
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 議会の委任に基づく専決処分について

○議長(伊藤正信) 日程第4、議会の委任に基づく専決処分について報告をいたします。
 本件については、地方自治法第180条第2項の規定に基づき、6月3日付をもって区長からお手元に配付の文書のとおり報告がありましたので、さよう御了承願います。

      21中経経第540号
      平成21年(2009年)6月3日
 中野区議会議長 伊 藤 正 信 殿
         中野区長 田 中 大 輔
議会の委任に基づく専決処分について(報告)
 区を当事者とする和解及び損害賠償額の決定について、議会の委任に基づき次のとおり専決処分したので、地方自治法第180条第2項により報告します。
          記
【報告案件1】
1 和解(示談)当事者
 申 中野区民
 乙 中野区
2 事故の表示
(1)事故発生日時 平成21年(2009年)1月19日午前8時30分頃
(2)事故発生場所 東京都中野区東中野三丁目11番11号付近
(3)事故発生状況 乙の職員が、上記場所において燃やすごみの袋を清掃車に積み込もうとした際に当該袋に付着していた汚水が飛散して、清掃車横を通行中の甲の顔や衣類にかかり、甲所有のコート及びバッグを汚損した。
3 和解(示談)条件
(1)甲は、本件事故により、甲所有のコートのクリーニング費用として金1,575円及びバッ
グの物損費として金7万686円、合計で金7万2,261円の損害を被った。
(2)乙は、上記損害額について、賠償する義務があることを認め、本件示談成立後、当該コート
のクリーニング費用1,575円はクリーニング業者に直接支払い、当該バッグの物損費金7万686円は甲の指定する方法で支払う。
(3)以上のほか、本件事故に関し、甲と乙の間には、何らの債権債務がないことを確認する。
4 和解(示談)成立の日 平成21年(2009年)3月31日

【報告案件2】
1 和解(示談)当事者
 甲 《記載削除》
 乙 中野区
2 事故の表示
(1)事故発生日時 平成21年(2009年)3月12日午後3時15分頃
(2)事故発生場所 中野区清掃事務所(東京都中野区松が丘一丁目6番3号)
(3)事故発生状況 《記載削除》が、甲所有の車両で中野区清掃事務所に来所した際、当該清掃事務所出入口の門扉のレール部分で当該車両の下部を擦り、当該車両のマフラーを破損した。
3 和解(示談)条件
(1)甲は、本件事故により、甲車両のマフラーの修理費用として金33万5,600円の損害を
被った。
(2)乙は、上記損害額について、賠償する義務があることを認め、本件示談成立後、甲が指定す
る修理業者に直接支払う。
(3)以上のほか、本件事故に関し、甲と乙の間には、何らの債権債務がないことを確認する。
4 和解(示談)成立の日 平成21年(2009年)4月13日

○議長(伊藤正信) この際、陳情の取下げについてお諮りいたします。
 お手元に配付の文書のとおり、陳情の取下げの申し出がありますので、これを承認いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊藤正信) 御異議ありませんので、さよう承認することに決しました。

        陳情取下願
           平成21年3月31日
 中野区議会議長 殿
           陳情者 住所 中野区
   氏名 中野区民
 平成20年2月6日付をもって提出した次の陳情を取下げいたしますから、よろしくお取り計らい願います。

 (20)第9号陳情 高齢者会館入浴事業の継続を求めることについて

(取下げ理由)
  その他

○議長(伊藤正信) 次に、請願・陳情の常任委員会への付託について申し上げます。
 お手元に配付の請願・陳情付託件名表(Ⅰ)に記載の請願・陳情につきましては、記載のとおり、それぞれ所管の常任委員会に審査を付託いたします。

    請願・陳情付託件名表(Ⅰ)
《総務委員会付託》
 第4号請願 所得税法第56条廃止の意見書提出を求める請願書
 第5号陳情 中野3丁目にコミュニティづくりのための公的拠点を確保することについて

《厚生委員会付託》
 第4号陳情 細菌性髄膜炎に有効なワクチンの公費による定期接種化を早期に求める陳情書

○議長(伊藤正信) 本日はこれをもって散会いたします。
      午後4時50分散会