平成21年10月01日中野区議会決算特別委員会
平成21年10月01日中野区議会決算特別委員会の会議録
平成21年10月01日決算特別委員会(第5日) 1.平成21年(2009年)10月1日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。
1.出席委員(40名)
  1番  内  川  和  久        2番  ひぐち   和  正
  3番  白  井  秀  史        4番  平  山  英  明
  5番  つぼい   え  み        6番  いながき  じゅん子
  7番  林     まさみ         8番  山  口  かおり
  9番  せきと   進          10番  いでい   良  輔
 11番  伊  東  しんじ        12番  佐  野  れいじ
 13番  北  原  ともあき       14番  南     かつひこ
 15番  小  林  秀  明       16番  の  づ  恵  子
 17番  奥  田  けんじ        18番  近  藤  さえ子
 19番  牛  崎  のり子        21番  吉  原     宏
 22番  大  内  しんご        23番  きたごう  秀  文
 24番  伊  藤  正  信       25番  久  保  り  か
 26番  やながわ  妙  子       27番  酒  井  たくや
 28番  佐  伯  利  昭       29番  むとう   有  子
 30番  長  沢  和  彦       31番  か  せ  次  郎
 32番  山  崎  芳  夫       33番  市  川  みのる
 34番  斉  藤  金  造       35番  篠     国  昭
 36番  岡  本  いさお        37番  飯  島  謹  一
 38番  江  口  済三郎        40番  佐  藤  ひろこ
 41番  来  住  和  行       42番  岩  永  しほ子

1.欠席委員
      な  し
1.出席説明員
 中野区長    田中 大輔
 副区長(経営室)石神 正義
 副区長(管理会計室)          沼口 昌弘
 副区長(政策室)西岡 誠治
 教育長     菅野 泰一
 政策室副参事(企画調整担当)      田中 政之
 政策室副参事(基本計画担当)      髙橋 信一
 政策室副参事(予算担当)        志賀 聡
 政策室副参事(区民の声担当、調査研究担当、平和・人権・国際化担当) 小田 史子
 政策室副参事(情報政策担当、地域情報担当) 平田 祐子
 政策室副参事(情報化推進担当)     藤井 康弘
 危機管理担当部長清水 流作
 経営室参事(経営担当、契約担当)    長田 久雄
 経営室副参事(サンプラザ関係事業担当、サンプラザ地区再整備担当) 田中 謙一
 経営室副参事(広報担当)        戸辺 眞
 経営室参事(人事担当)         尾﨑 孝
 経営室副参事(健康管理担当)      村田 宏
 経営室副参事(財産管理担当)      安部 秀康
 経営室副参事(用地・管財担当)     冨永 清
 経営室副参事(危機管理担当)      石濱 良行
 経営室副参事(防災担当)        鳥井 文哉
 管理会計室副参事(評価改善担当)    篠原 文彦
 管理会計室副参事(経営分析担当)    相澤 明郎
 管理会計室副参事(税務担当)      青山 敬一郎
 会計室長    村木 誠
 区民生活部長  鈴木 由美子
 区民生活部参事(区民生活部経営担当、地域活動担当) 遠藤 由紀夫
 区民生活部副参事(南地域担当)     松原 弘宜
 区民生活部副参事(中部地域担当)    小山 真実
 区民生活部副参事(東地域担当)     辻本 将紀
 区民生活部副参事(北地域担当)     伊藤 政子
 区民生活部副参事(西地域担当)     中井 豊
 区民生活部副参事(戸籍住民担当)    今 恵里
 区民生活部副参事(産業振興担当)    高橋 昭彦
 区民生活部副参事(環境と暮らし担当)  横山 俊
 区民生活部参事(ごみ減量・清掃事業担当、ごみ減量担当) 橋本 美文
 清掃事務所長  齋木 正雄
 子ども家庭部長 竹内 沖司
 子ども家庭部副参事(子ども家庭部経営担当、男女平等担当) 瀬田 敏幸
 子ども家庭部副参事(子育て支援担当)、子ども家庭支援センター所長 浅野 昭
 子ども家庭部副参事(中部地域子ども家庭支援センター担当、
           南部地域子ども家庭支援センター担当) 天野 秀幸
 子ども家庭部副参事(北部地域子ども家庭支援センター担当、
           鷺宮地域子ども家庭支援センター担当)波多江 貴代美
 子ども家庭部副参事(子ども健康担当)  町田 睦子
 子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当)、幼児研究センター所長 白土 純
 保健福祉部長  金野 晃
 保健所長    田原 なるみ
 保健福祉部副参事(保健福祉部経営担当) 野村 建樹
 保健福祉部副参事(保健予防担当)    山川 博之
 保健福祉部副参事(生活衛生担当)    古屋 勉
 保健福祉部参事(健康推進担当)     岩井 克英
 保健福祉部副参事(福祉推進担当)    伊東 知秀
 中部保健福祉センター所長        鈴木 郁也
 北部保健福祉センター所長        大橋 雄治
 南部保健福祉センター所長        高里 紀子
 鷺宮保健福祉センター所長        大石 修
 保健福祉部副参事(障害福祉担当)    朝井 めぐみ
 保健福祉部副参事(生活援護担当)    黒田 玲子
 保健福祉部副参事(保険医療担当)    柿内 良之
 保健福祉部副参事(介護保険担当)    遠山 幸雄
 都市整備部長  石井 正行
 都市整備部副参事(都市整備部経営担当、都市計画担当、住宅担当) 登 弘毅
 都市整備部副参事(都市計画調整担当)  田中 正弥
 都市整備部副参事(交通・道路管理担当) 滝瀬 裕之
 都市整備部副参事(公園・道路整備担当) 石田 勝大
 都市整備部副参事(建築担当)      豊川 士朗
 まちづくり推進室長           川崎 亨
 まちづくり推進室副参事(まちづくり推進室経営担当、地域まちづくり担当) 上村 晃一
 まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 松前 友香子
 まちづくり推進室副参事(中野駅周辺整備担当) 秋元 順一
 まちづくり推進室副参事(地域まちづくり担当) 角 秀行
 まちづくり推進室副参事(地域まちづくり担当、西武新宿線沿線まちづくり担当) 萩原 清志
 教育委員会事務局次長          田辺 裕子
 教育委員会事務局参事(教育経営担当)  合川 昭
 教育委員会事務局副参事(学校再編担当) 吉村 恒治
 教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 寺嶋 誠一郎
 教育委員会事務局指導室長        喜名 朝博
 教育委員会事務局副参事(生涯学習担当) 飯塚 太郎
 教育委員会事務局中央図書館長      小谷松 弘市
 選挙管理委員会事務局長         奥山 功
 監査事務局長  服部 敏信
1.本会の書記は下記のとおりである。
 事務局長     山下 清超
 事務局次長    奈良 浩二
 議事調査担当係長 大谷 良二
 書  記     長﨑 武史
 書  記     荒井 勉
 書  記     河村 孝雄
 書  記     菅野 多身子
 書  記     丸尾 明美
 書  記     土屋 佳代子
 書  記     鳥居 誠
 書  記     杉本 兼太郎
 書  記     鈴木 均
 書  記     岡田 浩二
 書  記     竹内 賢三
1.委員長署名

      午前10時00分開議
○いでい委員長 定足数に達しましたので、ただいまから決算特別委員会を開会します。
 認定第1号から認定第6号までの計6件を一括して議題に供します。
 昨日の理事会の報告を行います。
 本日の運営について、総括質疑の順番は、1番目に市川みのる委員、2番目に平山英明委員、3番目にせきと進委員、4番目に山崎芳夫委員、5番目にやながわ妙子委員、以上の順序で5名の質疑を行うことを確認しました。
 以上が理事会の報告ですが、質疑はありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○いでい委員長 ただいまの報告のとおり、委員会を運営することに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○いでい委員長 御異議ありませんので、そのように決定します。
 次に、要求資料の配付についてですが、昨日要求した文教98の資料をお手元に配付してあります。これをもって要求した331件の資料すべてが提出されましたので、御承知おき願います。
 ただいまから総括質疑を行いますが、答弁される理事者は答弁前に大きな声ではっきりと職名を述べるようお願いします。
 それでは、質疑に入ります。市川みのる委員、質疑をどうぞ。
○市川委員 6年ぶりに総括質疑――久しぶりですので、私、今回の決算特別委員会設置されまして、建設分科会に所属をしているわけですけども、総括的に中野駅の周辺のまちづくりについて、この6年間さまざま動きがあったと思いますし、私自身も建設分科会、建設委員会にも久方ぶりに戻ったものですから、また分科会で深く突っ込んだ議論はさせていただきますけども、全体的な姿というか、あるべき姿というものを皆さん、全委員のいらっしゃる前で一応共通の認識を持ちたいと思って、中野駅周辺のまちづくりを質疑通告とさせていただきました。
 質疑通告順に質疑をしてまいりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 名乗り忘れましたが、自民党の市川みのるです――いや、副参事の顔を見ると、随分知らない人がいるから、僕のこと知らない人大勢いるのかなと思って言っておくけど、よろしくお願いいたします。
 最初の質疑でございますが、中野駅周辺のまちづくりについてでございます。
 まず初めに、「中野駅地区」という文言が最近出てきました。この中野駅地区の整備に関して、中野区はこれまでどのような取り組みをしてきたのか、お尋ねをいたします。
○秋元まちづくり推進室副参事(中野駅周辺整備担当) 中野駅地区のこれまでの取り組みでございます。比較的新しいところから申し上げますが、平成17年度に中野駅周辺まちづくり計画を策定いたしまして、その考えに基づいて、平成18年度には駅前広場、平成19年度には南北通路と中野駅の改札口の配置のあり方等などについて検討いたしまして、平成20年度にはこれらの検討を踏まえまして、中野駅地区整備構想素案をまとめたわけでございます。この9月にはパブリックコメントを実施いたしたところでございます。
○市川委員 今のお話のような順で進んできているということも最近伺いましたが、ついせんだっても、取材をしている最中に、私としては警察大学校の跡地が今から、大体ことしから数えて5年ぐらい後に完成をするんであろうというお話をしましたら、「いやいや、違いますよ」と、「もう3年後ぐらいにはかなりでき上がりますよ」というお話を伺いました。随分と早く進むんだなということを感じたわけでありますが、このあと3年のうちに形になるという予定を伺いましたけども、それまでに今、副参事がお答えになった中野駅地区の整備というものは間に合うんでしょうか。
○秋元まちづくり推進室副参事(中野駅周辺整備担当) 中野駅の周辺まちづくりでございますが、これは区のまちづくりを牽引いたします役割を担ってございまして、さまざまなまちづくりを展開しながら、区全体が発展することを目指しているものでございます。中野駅地区の整備に当たりましては、これらの駅周辺のまちづくりと連携を図りながら、その進捗にあわせて取り組むことが重要であると考えているところでございます。警察大学校等跡地の開発につきましても、そのスケジュールを視野に入れながら、開発規模等に応じた駅地区の整備を計画的に進めていきたいというふうに考えてございます。
○市川委員 具体的な整備に入りますと、地元への影響が大きく働くわけでありまして、中野駅地区の整備というものについて、そんなに近い将来であるならば、地元の例えば商店街だとか、その地域の皆さん、それからもちろん地元の産業界などについて、いろいろ協議の場を設けなきゃいかんと思うんですね。そういうものがどうなっているのかということをお尋ねします。
○秋元まちづくり推進室副参事(中野駅周辺整備担当) 中野駅周辺整備のあり方につきましては、多くの方にさまざまな影響を及ぼすとの考えから、地元の商店街を含みます産業界に対しましても、延べ11回の意見交換会等を実施いたしまして、360余名の方の参加を得るなど、産業界からもたくさんの御意見・御要望をお伺いし、検討を進めてまいりました。今後、より具体的な整備計画等の検討過程におきましても、さまざまな機会をとらえまして計画等の周知を図りますとともに、地元をはじめといたします幅広い区民等の御意見をいただきながら、よりよい中野駅地区の整備につなげていきたいというふうに考えてございます。
○市川委員 中野駅地区の整備について、例えば地元の中野駅の北口のサンモール商店街の店主に、会員の方に聞きますと、中野駅の北口の改札口がどういうふうになるのかということはまだ知らないわけですね。それから、西口の改札口がどのような形ででき上がるのかというのは、まだ知らないわけですね。そういうことが、今3年というような時間で大体でき上がってくるんだということになったときに、まだ知らないという状態では僕はいけないと思うんです。もっともっと頻度を高くして、回数をふやして、商店街や地元、特に地元の皆さんに対しては、御理解をいただくように働きかけてほしいと思います。これは要望しておきます。
 中野駅の今北口のお話をいたしましたが、中野駅の周辺の二丁目、三丁目、四丁目、五丁目という街区は、特に四丁目は警察大学校の跡地を真っ白なキャンパスにして、そこに新しいまちをつくっていくから、これは一つわかります。それから、三丁目側も今、丸井さんが新しい店舗をつくって、高層階を第二本社ビルにするんだという話ですから、あちらの三丁目側もそういったものを一つ引き金にして、新しいまちに変わっていくだろうし、それから、西口の改札口の三丁目側のおり口ができるわけですから、それを当然受けとめる施設が必要になってくるということで、そのまちづくりも、後ほど触れますけれども、これも必要になってくる。二丁目側については、駅前の住宅を含めた二丁目側の再開発の準備組合がもう立ち上がって、その話が進んで、事業コンサルを交えて行政側とも交渉しているわけですから、中野区も地権者の一員ですから、当然これは大きく様変わりをする。これもわかります。
 ところが、中野五丁目側、今お話を出したサンモール商店街とかブロードウェイ商店街とか、一番街をはじめ二番街とか、三番街とか、五番街とか、狸小路とか、商店街がありますよね。こちらのほうのまちというのは、かなりもうハード面ではまちができ上がっているわけでして、今後はソフト面での支援というものが大切になってくるんですね。これは、秋元副参事よりも産業振興のほうにお尋ねをしたいんですけども、警察大学校が以前ここにあったときは、北口の飲食街というのはある一定の風紀というか秩序というものが保たれていました。お店にも特色がありまして、ここは岡山県警のお店とか、ここは鹿児島県警のお店とか、ここは熊本のお店とか、そういうふうにお店があったんですよ。危機管理官の清水さんはそういうことをよく知っていると思うんだけどね。警視庁だからね。それで、そういうふうなお店がそれぞれの特色を出して、それぞれのお客さんを、しかもそういったお客さんですから、抱えていました。ところが、警察大学校が移転した後、そのようなお店がだんだん店をクローズしまして、もちろんオーナーの高齢化も手伝いまして、それをクローズして、だんだん形が単身者、学生、それから若い若年層の人たちをねらった大衆の居酒屋さんというのがふえてきているんですね。それと同時に、キャバクラだとかそういったような、何というのかな、要するに客引きが必要なお店というのが次第とふえてきているんですね。それで、皆さんも歩いてよくおわかりだと思うんですけども、夜歩きますと客引きに引っかかって歩きづらい。それからやっぱり、安心して安全に暮らせるまちというような観点からすると、昔はそんなことなかったんだけども、警察大学校が移転をしてから、どうもこの北口の商店街、特に飲食街のほうが、夜安心して女性が一人で歩けない。それから、子どもが一人では歩けないといったまちに変わってきてしまいました。ハード面での整備というのはなかなか難しいわけで、ソフト面での支援というような形の中に、今、加入促進条例というのがあるんですけども、えてして客引きを置いているようなお店は、地元の商店街組織に加入していない事例が多いんですね。そういったお店もきちんと商店街の中に位置付けて、加入して、会員になって、それでやっぱりその商店街に対しての貢献とか、地域に対しての貢献というのをするような形を促すような条例、例えば、その加入促進条例をさらに進化させたようなものが必要になってくるんじゃないのかなと思うんですけども、既存のそういう五丁目のようなかなりでき上がっているまちに対してのソフト面での支援、これを産業振興分野としては、施策としてどんなようなことを考えていらっしゃるか。もしあったら、御紹介をいただきたいと思います。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 商店街の魅力づくり、そういったことについて、また、委員御指摘の昨今の状況を改善するということについては、事業者の相互協力である商店会の組織基盤強化が重要であるというふうにとらえてございます。また、特に北口の商店街につきましては、加入率自体は80%という現状でございますが、さらにその加入率を上げるというところも必要かと。こういった組織力をもって臨んでいくということが必要かということで認識をしてございます。
○市川委員 加入促進条例をさらに進化させるということがどんなことかということをお尋ねしたんですけども、何かありますか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 現状で具体的に加入促進条例をさらに変えていくということは、検討してございません。
○市川委員 商店街が、例えば会費というのを徴収しますよね。この徴収権というのを担保してあげて、それを条例で担保してあげて、加入を促進するというだけじゃなくて、さらに一歩前に進めて、例えば中野駅の北口の商店街の商業圏を一つのテストケースとして始めましょうといって、区域をきちんと限定して、区内70ある商店街全部じゃないですよ。北口にあるこの商業圏を一つのテストケースとして、加入促進条例をさらに一歩進化させた形の中で、会費の徴収権というようなものを区側が担保してあげましょうと。そのかわり、会費をしっかりと徴収するんだから、その費用をきちんと充当して、防犯パトロールに人を配置してくださいとか、そういったことを商店街で自主的に取り組んでくださいとか。それから、これは武蔵小山、連続立体交差事業で特別委員会で視察に行ったようですけども、東急線の武蔵小山の駅前にあるパルム商店街なんかは、見ますと、商店街を法人化しているけれども、その商店街の中に社員というか職員が20人も常勤でいるんですよ。それで、駐車場を経営したり、保育所を経営したり、もちろん防犯パトロールを実施したり、そういったような事業を展開して、その商店街に見えるお客さんに対してのサービスというものもそこから支援していくというか、まち全体のグレードを上げていくためのソフト面での支援というのを、自分たちの自助努力で――会費も確かに高いですよ、だけども、それを自分たちで自助努力で展開をしているという事例もあるわけですね。そういったような会費の徴収権のようなものを担保するような条例というのは、当然議会での議決というものも必要になるわけだから、そういった手続をとれば正当性というのは十分担保されるし、ある一定の反発もあるかもしれないけども、そういったところに踏み込んでいくことも僕は大事だと思うんだけども、そのような考え方については、どんなふうにお考えですか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 商店街の活性化に向けましては、現在も協働してさまざまな取り組みを行うため、資金を分担し合って集客の向上に努めているという認識はまずございます。そのためには、商店街の加入、そして資金となる会費納入というのが欠かせない条件になってくるかなということも認識してございます。経済状況がこういう形で厳しく、競争も激化している中で、人を引きつける商店街づくりを進めていくことは容易ではないということで考えてございますけども、委員御提案の徴収権、そういったことも踏まえながら、時代に合った新しい手法の研究・調査に取り組んでいく必要があると認識をしてございます。地域の方々のさまざまなまた御意見もあるかと思います。委員の御提案も参考にしながら、持続可能な魅力のある商店街づくりに取り組んでいきたいというふうに考えてございます。
○市川委員 じゃあ、もう一点ですね。これは後ほど大内委員のほうから商店街のところで触れると思うんだけども、「にぎわい」と最近よく使うんだけども、今、中野区の思っている「にぎわい」の定義というのは何ですか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) にぎわいにつきましては、まちの魅力、新しい活力が次々と生み出されて、人が集い、活発に活動している状態というふうに認識しております。中野に住みたい、住み続けたい、中野に行きたい、中野で商売をしたいというふうに思っていただけることが重要でありまして、そうしたまちの魅力をつくり出していきたいと思っていますし、またそのためには、安心・安全、快適さ、楽しみがある、人との交流がある、そうした要素が重要であるというふうに考えてございます。
○市川委員 どうもありがとうございました。
 もう一回、中野駅地区整備についての質疑に戻ります。
 駅地区の整備に当たっては、もちろん中野区民全体に大きな影響があると思います。整備のスケジュール、先ほど秋元さんのほうからいろいろ、るる答弁がありましたけども、具体的な整備のスケジュールとかこれからの整備の手順を区民に早く示すべきだと思います。いつごろ、どのような形で示していくのかを伺います。
○秋元まちづくり推進室副参事(中野駅周辺整備担当) 区といたしましても、同様の認識を持ってございます。中野駅地区整備につきましては、今年度、より具体的な中野駅地区の整備計画案、これをまとめることとしてございます。この計画案の内容等につきまして、議会や区民の皆様にお諮りする段階で、整備スケジュール等につきましてもお示しをしていきたいというふうに考えてございます。
○市川委員 中野駅地区の整備というと、もちろん地元も大事なんだけども、当然JR、駅そのものの所有者であるJR東日本との協力が欠かせないと思います。今現在、JR東日本との協議はどういうふうになっていますか。
○秋元まちづくり推進室副参事(中野駅周辺整備担当) JRでございますが、JRには平成19年度より参加をしていただきまして、中野駅地区整備構想策定の検討を一緒にしてまいりました。今年度よりJRとともに中野駅構内等の調査も行うこととしてございまして、今後はさらに具体的な整備計画の策定に向けて、JRとの協議を深めていかなければならないという認識を持ってございます。
○市川委員 駅地区の整備には、JRの負担ももちろん含めた上での整備費というのが相当な経費を要すると思いますね。それで、全体でどのぐらいの事業費になるのかというのはなかなか難しい質問だと思うんですが、答えられる範囲で結構なんですが、全体の事業費、大体どのぐらいか。それから、補助制度を活用します。これがありますよね。それから、JRの負担というのがあると思うんですね。それから、地元の、例えば自治体の負担とか、あると思うんですね。そういったようなものをもし、説明できる範囲で説明していただければ、お願いをしたいんですけど。
○秋元まちづくり推進室副参事(中野駅周辺整備担当) 中野駅整備に要する経費でございますが、これにつきましては、今年度の中野駅地区整備計画の検討の中で、その想定額などについても検討していきたいというふうに考えているところでございます。その中で、補助制度につきましても、採択要件や補助内容などを比較いたしまして、これらの組み合わせなどにつきましてもさまざまな検討を行うことによって、区の負担軽減につながる、そういったような方法を最大限工夫していきたいというふうに考えてございます。
 また、負担割合でございますが、今年度、JRと行う基礎調査等の結果に基づきまして、負担割合等の検討も行うことというふうに考えてございます。
○市川委員 もうちょっと具体的に答えてほしかったんだけども、JR東日本、JRは、駅前整備をするときに、例えば新宿駅の南口に今人工地盤をかけていますよね。あのペデストリアンデッキ、あの人工地盤をかけて、南口へ新しく高島屋をつくったり、マイクロソフト社が戻ってきたり、小田急かな、ホテルができたりしていますよね。あの人工地盤をかけるのに、JRはほとんどお金を出していない。経費を出していない。負担は、あの両側にある事業者がほとんどの負担をしているという話しを僕は聞いたことがあるんだけども、あれを事例にしたときに、JRの負担というのは、全体の総事業費のうちのどのぐらいを持っているかというのは御存じですか。
○秋元まちづくり推進室副参事(中野駅周辺整備担当) 各都市で行っているJRとの整備、これにつきましては、なかなかJRは手ごわいという情報はいただいております。そういったことから、私どもの検討に当たりましても、一自治体だけではなくて、国、あるいは東京都、こういった方との連携を組んで、JRと協議を進めていく。そんなような心構えでいるところでございます。
○市川委員 今、秋元さんおっしゃったのはもうそのとおりだと思うんですね。だから、手ごわいというのが最初から頭に入っちゃうと。例えば南北自由通路をつくるでしょう。西口の改札口のところにね。それは、四丁目側から三丁目側に渡る。三丁目側から四丁目側に渡る。これは行き来が自由になるんだけども、この幅員がたしか、今18メートルで考えているんですよね。そうすると、例えばですよ、それ一つとっても、もしできるならば、その幅員は50メートルあったほうがいいよね。広くとれるわけですから、いいんですよね。だけど、それだけすると、費用がかかるわけですよね。そうすると、それによって利便を供する事業者は、その分応分の負担をしなきゃいけない。地元の自治体も負担をしなきゃいけない。もちろん、JRも負担しなきゃいけない。それがネックになって、あのいわゆる南北自由通路を設けるような新しい西口の改札口のつくりだとか、中野駅そのものの駅舎の改良工事そのもののスケールが小さくなっていってしまうということに対して、僕はすごく危惧の念を抱くんです。そういうことというのは、一つ跳ね返すような力強さを持ってほしいんですけども、JRのそういったような負担の割合が、今現在ある中野駅の駅舎の改良工事、改札口の新しい新設工事についての足かせ手かせになるようなことはありませんかね。
○秋元まちづくり推進室副参事(中野駅周辺整備担当) 整備計画を検討していくに当たりまして、やはり必要性のある整備、こういったものを心がけていくべきではないかというふうに思ってございます。と申しますのは、補助制度、こういったものにつきましても、あまり過分なものをつくることによって補助採択が得られない。そういったような問題がつきまとうわけでございまして、そういったものを十分勘案しながら、最大限中野区民にとって利用しやすい駅にしていくことが私たちの責務であろうというふうに思っているところでございます。そういった意味で、行政としてできる最大限の努力をしながら、最大の効果、JRの中でも非常にすばらしい駅となるような取り組みをしていきたいというふうに思っているところでございます。
○市川委員 駅地区整備というのは、今さっきもお話ししましたように、民間の事業者を巻き込んで、それでかなり大がかりな事業体制というものができてくると思うんです。もちろん、大がかりな事業なんですね。そのような体制をどういうような形で実現を図っていくつもりなのか、お答えいただきたいと思います。
○秋元まちづくり推進室副参事(中野駅周辺整備担当) 中野駅地区整備でございますが、これは駅前広場等の公共施設整備が主体となるわけでございまして、こういったものについては、区が主導的に計画・整備を行う性格の事業であるという認識を持ってございます。区といたしましても、これまで経験のない大事業でございます。執行体制につきましても、今委員の御指摘のあった民間の活用、こういったものも含めて、さまざまな工夫をしながら取り組んでいかなければならないんだろうというふうに思っております。
○市川委員 それでは、話をちょっと角度を変えまして、四丁目の警察大学校等の跡地についての質疑を進めていきたいと思います。
 この中野駅周辺のまちづくりを進める中で、警察大学校等の跡地の開発は大きな契機になります。もちろん、これがリーディングプロジェクトになっていくんだと私は考えておりますし、皆さんも承知のとおりです。この開発の成否というものが今後のまちづくりにも大きな影響を及ぼしてくると、こういうふうに思います。警大跡地開発の区の中での今、中野区の中での位置付けというのがあると思うんだけども、これを教えていただきたいと思います。
○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 警察大学校跡地、こちらの開発は、現在改定作業中の「新しい中野をつくる10か年計画」、この中におきましても、東京の新たな活動拠点を形成する戦略の中に位置付けているものでございます。また、中野区は、持続可能な社会、これを目指しているわけですが、その実現に向けたまちづくりのプロジェクトでもあり、駅周辺のまちづくりを牽引するだけでなく、中野区全体の活力や経済にも大きな影響を与えるものと認識をしてございます。
 こういった、このようなプロジェクトを適切に誘導することによって、周辺のまちの活性化、あるいは防災対策の推進など、区民生活の向上に寄与することが期待されるものでございます。今後も着実に推進をしてまいりたいというふうにとらえております。
○市川委員 新しい統合中学校――今度、中央中学校と九中が一緒になって新しい統合中学校が誕生する予定ですけども、その南側に位置する財務省の宿舎の計画、あれは現在どうなっていますか。
○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 統合新中学校、それとおっしゃる国家公務員宿舎用地、これを含む街区は「区域3」というふうに呼んでございます。この区域3につきましては、建築計画の具体化を図るための地区計画の変更、これに向けて関係者と調整を図っているところでございます。
○市川委員 財務省の国家公務員宿舎の動きというのは、つかんでいますか。
○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 私どものとらえている計画としましては、本年度は設計というふうな予定を承知しているところでございます。そういった中で、調整をさせていただいているというところでございます。
○市川委員 ということは、中央中学校の南側に国家公務員宿舎が建つんだということをもう今前提で、後で区長に、政権交代したからどうなっていくのかという質問は最後にするんだけども、今のところでは、国家公務員宿舎は今の中央中学校の南側の用地にでき上がるということを想定して、計画して、頭の中に描いて話を進めていっていいんですかと聞いているんだけども。
○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 現在のところは、その計画どおりの予定で調整をしているというところでございます。
○市川委員 それでは、先行している事業者がいます。その先行している事業者の開発状況というのは、どうなっていますか。
○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 明治大学、帝京平成大学、そして中野駅前開発特定目的会社、こちらが先行している3事業者というところになります。こちらは、地元説明会を行った上で、現在区画道路の整備の工事に着手しているところでございます。
 また、この3事業者の中でも最も計画が進んでおります中野駅前開発特定目的会社、こちらは、建築紛争予防条例に基づく建築計画の近隣説明会を先ごろ実施したところでございます。今後は、建築計画等の手続を経て、建物の工事に着手をしていくというようなことになります。
○市川委員 最も進んでいる特定目的会社はいいんだよ。最も進んでいない明治大学があるじゃないですか。明治大学、中身決まっていないでしょう。それは、そういう情報はもちろんつかんでいますね。
○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 明治大学の計画につきましても、随時担当者から情報は得ているところでございます。
○市川委員 その情報というのは、どの程度のものですか。
○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) まだ具体的な学部等も定まっていないというようなところでございます。
○市川委員 そうでしょう。明治大学は、用地は購入したんですよ。それで、周辺の区画道路についても協力をしてくれて、それで今あそこに位置しているわけだ。けれども、あれは理事長が交代しちゃった。そうしたら、今何か内情をいろいろとお話を伺っているうちに、理事会や教授会の承認なしにあの用地を買ってしまったような話が聞こえてくるわけですよ。「ええっ」と、こう思うわけ。そうすると、あの中身を決めていくのは、これから大変なことなんだなと、こう思うわけですよ。そうすると、間違っても明治大学がこれを転売しますなんていうことになってしまうと、これは大変なこと。だけど、それだけの足かせをきちんとかけているから、足かせという物の言い方は悪いけども、きちんとしたそういうルールをつくっているから、簡単に転売なんていうのはできない。けれども、そういったことまでも考えてしまうんではないのかという心配を抱いてしまうというのが私たちの側の立場なんですよ。だから、やはりそこのところの情報をうんと密にして、それで明治大学の側に区の側から積極的に働きかけをして、やはり一日も早く内容を決めて、それで、この整備に取りかかってほしい、いわゆる内容を明らかにしてほしいというようなことね。努力していただきたいと思います。これは要望です。
 また、区が整備する、責任を持って整備をする公園とか道路の開発状況とか、これのスケジュール。これはどうなっていますか。
○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) まず、都市計画公園でございますが、こちらは現在、基本設計中でございます。年度内には実施設計を完了させて、来年度、平成22年度に工事を着工し、平成23年度末までに完成をさせるという予定でございます。
 また、道路につきましては、現在、下水道整備の工事中でございます。道路及び電線共同溝の実施設計を現在行っておりまして、平成22年3月から順次工事に着手し、こちらも平成23年度末には完成するという予定を持っているところでございます。
○市川委員 そうすると、23年度末までに公園と道路の整備が大体終わりますと。これは区が責任を持ってやりますよと、こういうことですが、その一つひとつの街区の中にできる建物がありますよね。そういうものがその整備と並行して進んでいくというイメージでいいの。
○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 先行する3事業者、こちらにつきましては、建物の竣工予定として私どもの承知しておりますのは、平成23年から24年度にかけての竣工を目指しているというところでございます。したがいまして、中野区で整備する公園と道路、それとほぼ時期を等しくして、建物のほうも順次竣工がされる予定であるというところでございます。
○市川委員 竣工というのは、完成だよね。そうですよね。
○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 建物自体が立ち上がるというところでございます。
○市川委員 ということは、平成25年をめどにして、ことし、今、21年だから、あとおよそ4年をめどにして、この警察大学校の跡地のまちが大体完成をするというふうに考えておいていいですか。
○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 大学といわゆる東京建物が開発をいたします業務ビル、そういった主要な建物については、おおむね25年の春ぐらいまでには建物も建ち、人も集まってくるというふうに認識をしております。
○市川委員 では、この新しく進出してくる、先ほど明治の内情のお話がありましたけれども、明治大学、それから帝京平成大学、それから早稲田は外国人留学生の宿舎だったかな。そうすると、特に帝京平成と明治かな。これとの産・学・公の連携を進めるという話がありますよね。これについては、10か年の計画の中には、そういう話は落ちていないんだよね。あの素案の中にありましたか。これについて、もしあったらそれも紹介してほしいんだけども。産・学・公の連携というものを。25年に完成するわけだ。そうすると、25年に大体みんなが仕上がって、そこからというと、向こう10年の間にはもちろん産・学・公の連携というものが出てくるわけだから、その取り組みは今どういうふうになっていますか。10か年計画抜きでもいいですから。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 産・学・公連携につきましては、現在、早稲田大学さんとは、あちらは留学生の寮ということなんですが、1階の部分については学習機能を持ったスペースということで活用ができないかというお話をいただいていまして、我々としては産業人材の育成ということでの連携ができるということで、具体的な方策等について同大学の社会連携室と協議を進めてございます。明治、帝京平成大学については、今後調整を進めていきたいと考えてございます。
○市川委員 はい、わかりました。警察大学校等跡地のエリアマネジメントというのが、今後出てくるわけですね。この跡地を運営していくということですね。こういうエリアマネジメントというものが検討されているのかどうかをお尋ねします。
○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 警察大学校等跡地、こちらは道路や公園といった公共施設に加えまして、開発事業者のほうから拠出される公共空地というものがございます。公園と合わせますと、約3ヘクタールのオープンスペースができるというものでございます。こちらにつきましては、一体的な運営管理に関するマネジメントが必要だというふうに認識をしているところでございます。いわゆる維持・管理といったマネジメントに加えまして、こういったオープンスペース、にぎわいの形成といった視点からも、相乗的な利用促進を図っていきたいというところを視野に入れているところでございます。このため、現在、こういったエリアマネジメントの導入に向けた検討を行っているところでございます。
○市川委員 まだ検討ですよね。それじゃあ、まだまだ具体的なものは出てこないと思うので、これはこれぐらいにしておきますが、警察大学校等の跡地開発については、いつまでも今の呼び名でいいんだろうかと。何とか跡地というね。今回、一般質問の質問通告書を見ても、何とか跡地はたくさんあるんですよ。例えば、NTT宿舎跡地とか、郵政省の宿舎跡地とか、ありますでしょう。この警察大学校等跡地といっても、これいつも跡地、跡地になっているんだけども、そろそろそうやって将来像が見えてきたし、25年には完成するんだから、何かこのプロジェクトのネーミングを考えてみてはどうかと思うんだけど、そういうことは検討したことありますか。
○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 冒頭でもこのプロジェクトの重要性、認識は十分に大事なものだというところでお話をさせていただきました。また、区の内外にもこういった開発の発信力を高めていくためにも、いわゆるそのプロジェクトネーミング、これは非常に必要だというふうに思っております。こちらにつきましては、民間事業者の意見等も聞きながら、考えてまいりたいというふうに思っております。
○市川委員 それは早く考えて、やったほうがいいと思いますね。あまり聞きながらやっていても、なかなかできないからね。だから、ある程度リードしたほうがいいんじゃないですかね。
 それでは、次に、囲町のまちづくりについて伺いたいと思います。
 これは、平成17年2月8日に受理された陳情で、これは採択されたんですけども、囲町町会から出された陳情ね。17年2月8日に出された陳情で、中野駅周辺まちづくり特別委員会にかかった陳情なんですけども、この陳情が全会一致で採択されたんですね。それに基づいて、囲町という街区にこの警察大学校の跡地が、いわゆる国から払い下げを受けたときに、囲町のいわゆる町に、街区に道路が接道するように、西側から入っている区画道路を、外周道路を限りなく今の国家公務員宿舎、現在の国家公務員宿舎、今までのものを、あれを動かして、限りなく真っすぐの形にしてくださいという内容の陳情だったんですね。それまで中野区は、あの国家公務員宿舎はどかなくていいんですと。そこをよけるような形でS字のような形で道路が中野駅に向かってくる計画になっていたわけ。ところが、もうこの財産を処分するわずか3カ月か4カ月前に、地元の自民党の松本文明さんが、これだけの陳情が、この警察大学校の払い下げにあわせて、全会派一致で採択をされているんじゃないかと。この国家公務員宿舎を移転してくれと中野区は言ったのか。いや、どうも言っていないらしい。これは言うべきだと。やっぱり、中野区ではなかなか財務省には物を言えないみたいだよというようなやりとりがありました。今まで10何年にもわたって、土地利用転換計画案を立てて、南側の区画道路はこれでいいんですとずっと来たから、今さら言えませんよといって、どうもこれは陳情が採択はされていても、そのまま棚上げにされてしまうだろうというような空気が漂っていました。ところが、松本文明さんが一生懸命努力をして、汗をかいて、財務省とかけ合ったんですよ。それで、もちろん区長も行った。もちろん、区議会のほうからも、当時の自民党の幹事長も行った。もちろん、区長を支援している会派の幹事長さんのお力もかりた。都議会議員の先生方の力もかりた。そうしたら、本当はできないはずだったものが、この国家公務員宿舎を動かしますと。そのかわり、この中野の駅の警察大学校の跡地の中からは外せませんよ。だから、どこか移転する場所を区のほうで見つけてくださいと言われて、この陳情に基づいてそういう動きになったんですよ。それで、その動きになって、国家公務員宿舎が、さっきの話のように、中央中学校の南側に行ったわけですね。
 さて、そこで囲町町会は、この全会一致で採択された陳情が、そのような形で道路付けができる。自分たちの街区に道路がつくんだということで、もう大喜びをしたわけですね。囲町というのはもともと、道路がないまちで有名なんですよ。あそこは、杉並の環状七号線から補助221号線という道路が一本入ってきているんだけど、あれが材木屋さんの前で行きどまりになっている。あれより東側は、もともと国鉄用地。それから、囲町町会のあの街区より北側は、警大なの。周りはみんな国鉄と、今のJRね。国鉄と警大に囲まれてしまっていて、中野駅に来るのに、公道を通って中野駅まで来られないというまちが囲町だったんです。だから、道路というものに対して、すごく囲町町会の人は長い長い歴史を持っているんだけど、非常に敏感な部分がある。その囲町町会の人たちが、その働きかけ、政治の力によって、この道路が自分たちのまちに接道したんだということになったので、大喜びをしました。それで、このまちの中に、その自分たちのまちもまちづくりをしようという、それがインセンティブとして働いたわけです。この警大の跡地の開発で整備される予定の区画道路なんですけども、この囲町地区では今、接道問題でもう非常に皆さんいろんなことを言って、大もめにもめています。いろんなことを言う人がいる。設計のミスだという人もいれば、これはペテンだという人もいる。でも、真実は一つなんですよ。最後は、あそこは道路になるんですよ。けれども、そこまでの暫定措置なんですよ。あの道路を早期につくっていかないと、この用地を取得した事業者が建物建たないでしょうということをやはりきちんと説明をする必要があったと思うんです。ところが、そういう説明がやや若干欠けていた。そういう向きもあるので、非常に混乱しています。それで、自分たち、囲町に住んでいる人たちの居住環境と関連して、非常に不安に思っている方々もいるようなんだけれども、区画道路と既存の市街地との関係はどうなっているのか。それから、区は事業者とどのような協議をしてきているのか。その点についてお尋ねをします。
○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 囲町地区についてでございますが、こちらは今現在、地元組織としてまちづくりの協議会が立ち上がったところでございます。区といたしましても、その準備段階からずっと支援を行ってきているというものでございます。
 また、この区画道路、こちらは先ほども申し上げましたが、事業者のほうでもう整備に着手をしている段階でございます。この区画道路と囲町の市街地、この間には若干の土地が生じてしまうという形で整備が進むことになります。ただ、こういったできてしまう土地に対しましては、区と事業者で覚書を取り交わしておりまして、既存市街地への配慮ということで、将来この市街地のまちづくりが進んだ際には、きちんとそのまちづくりに協力をするものとするというきちんとした約束を取り交わしているものでございます。
 したがいまして、この道路と市街地の将来のまちづくり、まさに今、地元でそういった組織も立ち上がっておりますので、その中のお話し合いでどのようなまちがふさわしいのかといったような方向性が定まってくるだろうというふうに思っております。したがって、このまちの抱えるさまざまな、その道路問題でありますとか、そういったものもその方向性が定まることによって解消がされていくものだろうというふうにとらえているところでございます。
 区としましては、そういった段階に入ったときには、事業者に対して、そういった今生じている土地がきちんと協力されるように、そういった働きかけをきちんとしてまいるというところでございます。
○市川委員 それでは、しっかりと緩衝、いわゆるあけている土地だよね。そのことについては、しっかりとした説明をして、お互いの信頼関係を壊さないようにしてください。
 それから、1件、最近こんなことの相談がありました。囲町町会全体でまちづくり協議会を立ち上げているんだけども、あれは、話の進め方としては、東側のブロックと西側のブロック、どうやら二つに分かれて進んでいくような気配があるんですね。その西側のブロックに位置している、いわゆる警察大学校の跡地に面している、それも明治大学の持っている敷地に面しているお宅が、二世帯同居住宅を建てたいということになったんですよ。それで、そのお宅は、あの囲町のまちのことを御存じの方はわかると思うんだけど、ちょうど真ん中におまつり広場のようにして区道が、あれは幅12メートルありますかね。16メートルぐらいあるのかな。広い道路が、区道が1本入っているんですね。線路から北に向かってね。それで、その突き当たりに警視庁の宿舎があったわけですね。あの区道と、いわゆる明治大学の敷地の角地にあるんですね。そのお宅が、二世帯同居住宅を建てたいというので、3階建てを計画したわけ。ところが、北側が隣地があるでしょう、その緩衝帯があるから。もともとそこが道路であれば、北側の斜線をとらなくてもいいんですよ。ところが、隣地があるから、25センチ。北側の斜線をとらなきゃいけないわけ。そうすると、3階の部屋がそれだけ小さくなるんですね。コンパクトになっちゃう。これはどうしたらいいんだろうかと。将来、道路になるんだから、暫定的に道路とみなしてもらって、この3階建てを北側の斜線をとらないで建てることができないんだろうかという相談を僕は受けたんですよ。そういったことを、1軒だけで対応してしまうわけにはいかないんだと。やっぱり、今この囲町という町にまちづくり協議会という組織があるんだから、それを通じて交渉しましょうねといって、その人はわかって納得してくれたんだけども、だけども、全体のまちづくりの中で、その人は家を建てかえます。二世帯同居住宅をつくります。しかも、後からきっと事業にかかるであろう西側に位置しています。もちろん、自分は、開発をするときには、それに対して協力をしますと一筆もちゃんと入れます。そのときに、床の権利変換にちゃんと応じます。こういうふうに言っている人があらわれたときに、中野区としては、何とか北側の斜線をとらないで済むような方途がとれないだろうかということを考えるんだけど、この点についてはどう思いますか。
○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 区といたしましては、囲町全体について、そのまちづくりの課題をもろもろ解消するためにも、いわゆる事業者の区画道路との間のそういった道に対しては、将来のまちづくりに協力するものという覚書を取り交わし、明治大学につきましても、同様の覚書を取り交わしているところでございます。
 したがいまして、委員のおっしゃっているそういった事例に対しましても、いわゆる道路の問題と解消となりますと、個別に対応するという形ではなくて、まちづくりの視点の中でそういった対応をしていきたいというふうに考えているところです。
○市川委員 それでいいと思います。それで、個別じゃなくて、みんなで対応する。そのかわり、建てかえてもいいんだけど、開発をするときには協力してくださいとちゃんと一筆入れるような覚書を交わすようなことでいいと思うんです。やっぱり、そうでもしないと、どうも今も建てかえしたいらしいんだよね。そこのお宅は、もう50年以上経過して、大分建物が老朽化して、雨漏りがしているんだそうです。これをじゃあ、囲町の開発を待って、それができ上がるのを待ってということになると、とてもじゃないけど耐え切れないということから、こんな相談があったんですが、そういった点は十分に留意をしていただきたいと思います。
 それでは、次に――会派には60分の約束でやっているので、あと9分ですから、急ぎますよ。
 中野四丁目西地区、サンクォーレの西側です。丸井本社とサンクォーレの西側。あの街区は、中野区中野四丁目5番になるのかな。5番か6番ですね。このまちづくりについて、区はどのように考えているのか、お尋ねをします。
○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 中野四丁目西地区と呼んでおります、いわゆる中野四丁目6番及び7番の街区でございます。こちらにつきましては、この春に改定をいたしました都市計画マスタープラン、こちらの中においても、商業・業務系の複合都市空間を図っていく、そういう街区に位置付けをしているところでございます。ただ、現状は、この街区につきましては、道路やオープンスペース等の公共基盤が乏しく、この駅近くという立地を十分に生かした土地活用はまだ進んでいないというような認識をしているところでございます。
 したがいまして、区といたしましては、住民の意向を把握しながら、まちづくりの働きかけを行ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
○市川委員 先日の建設委員会でも私が質問したんですけども、あの当該地区からは、既に過去2回要望書が出ていましたね。その要望書が出ていたので、何とか早くまちの中に入り込んで、皆さんとお話をしてほしいということを申し上げました。そういったようなことを、なぜこのまちを、例えば用途の変更、都市計画の変更が必要なのか、そういったこともきちんと説明した上で、皆さん方とまちづくりについての協議をしていただきたい、勉強会を開いていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 四丁目の西地区については、東地区の再開発が完成した時点で、かなり熱心に取り組んでいた人がいたんですよ。それがもう今から14年も前の話なんです。その当時まだ、年配の人たちは、私たちの目が黒いうちはだめだと言っていた。だけど、14年もたつと、もうだんだんみんな変わってくるんですよ。だんだん御高齢の方がいなくなってきたの。そうすると、だんだんまち全体のまとまりというのがつくようになってきたんですよ。だから、随分と早くに要望書を出した方たちの意見が、大分趨勢を占めてきたということだと思うんですね。大勢を占めてきた。だから、そこいらのところは、四丁目の6番の街区については、7番の街区や区域3と連動させて考えてあげていただきたいと思います。要望です。
 それでは、三丁目と二丁目の側についての質問に移ります。
 桃丘小学校跡地の問題は、数多くの委員の皆さんが取り上げています。桃丘小学校跡地の計画を改めてここでどうなっているのかということを伺う予定だったんですが、もうこれは伺いません。わかりましたから、大体ね。また、桃丘小学校の跡地の活用と、駅西側の南北デッキとの関係がどうなるのか。これについては伺いたいと思います。
 南北デッキができます。さっき言った、幅員はまだ18メートルで、私にとっては不足です。けれども、これが南北を結ぶ動線になるわけです。今まで、一々ガードの下を通らなければ南北つながらなかったものが、空中で向こうに行かれるわけだから、こんな便利なことはないわけですね。おおよそ区役所とサンプラザの間を走っている、この区道の突き当たりぐらいのところにできるのかな。向こうの側は桃園通りぐらいになるのかなというようなことを、絵にみんな描いています。この南北デッキと、駅の西側の南北デッキの、要するに三丁目側の受け皿というものが当然必要になってくるわけですね。これは、桃丘小学校跡地を活用して、この受け皿づくりとかいうものが進んでいくと思うんですけども、そういった点はどのようにお考えか、伺います。
○秋元まちづくり推進室副参事(中野駅周辺整備担当) 中野三丁目地区でございますが、こちらのほうには南北通路の接続可能な公共用地がございません。したがいまして、その接続については、周辺まちづくりと連携して用地を確保する必要があるというふうに考えてございます。桃丘小学校跡地につきましては、この区域における重要な公共用地でございます。こういった三丁目地区のまちづくりでの活用につきましては、跡地の活用計画との整合を図りながら、今後検討してまいりたいというふうに考えてございます。
○市川委員 二丁目側の話に移ります。二丁目の再開発事業の計画は今どうなっているのか。中野区は、この事業に対して何を期待しているのか。それを伺います。
○秋元まちづくり推進室副参事(中野駅周辺整備担当) 中野二丁目地区でございますが、現在、再開発の準備組合が設立されまして、事業計画の策定に向けて検討を進めているというところでございます。その一環といたしまして、準備組合のほうでは、参入可能性のある事業者と導入機能などのヒアリング、こういったものを実施してございます。その結果では、あの地区に業務機能の導入などについても可能性が高いというような判断をしているようでございまして、区といたしましても、にぎわいに資するという、駅至近のところにあるにぎわい、こういったものを確保していただく観点から、この準備組合の取り組みに対しまして、期待をしているところでございます。
○市川委員 中野区は、今秋元さん言ったように、この南口の活力基盤として再開発事業でも事業所の導入、例えば線路側の北側の施設については、事業系・業務系の施設の導入を期待しているわけですね。この業務系が参入してこないというような話を最近聞くんだけども、その現況、現在状況はどんなふうになっているのか。また、この業務系が参入してこないときはどういうふうに考えるのか。中野区として、南口のこの活性化の機能・基盤整備というものをどこまで考えているのか。その点をお尋ねしたいと思います。
○秋元まちづくり推進室副参事(中野駅周辺整備担当) 今、委員の御指摘がございましたように、すぐ駅の南側の街区といったことから、やはりあの再開発事業に対しましては、商業・業務といったものを導入していただくようなことを期待しているわけでございます。その中では、社会情勢上、非常に厳しい状況にはあるとは言いながら、直近で行った準備組合での参入可能性のある事業者とのヒアリング、この結果に期待をして、取り組んでいきたい。中野区としても、そういった取り組みに対して支援をしていきたいというふうに考えているところでございます。
○市川委員 業務系のオファーというか、その様子を聞き取っているでしょう。そういったものは、手ごたえというものが、今、準備組合の側にあるんでしょうかね。わかるところだけでも。
○秋元まちづくり推進室副参事(中野駅周辺整備担当) 今申し上げましたように、参入可能性のある事業者とそういう密なヒアリングをやっているというふうに聞いてございます。その中では、立地性の観点から、業務機能の導入につきましても非常に可能性があるということを私ども、準備組合のほうから聞いてございます。そういった状況でございますので、私どもはそれに期待をしているというところでございます。
○市川委員 非常に再開発事業と連携している南口広場のことについてもお尋ねをしておきたいと思います。
 この南口の駅前広場は、今あるあそこのスポーツジム、ティップネスのビル、あの一画まで全部広がるというふうに聞いています。この計画はどんなような計画を考えているのか、伺いたいと思います。
○秋元まちづくり推進室副参事(中野駅周辺整備担当) 現在の南口の駅前広場でございます。これは、非常に面積も狭く、歩行者、バス、自動車、こういったものを集積する交通結節点としての機能、これが十分確保されていないという状況にございます。そこで、私ども区といたしましては、現南口駅前広場に隣接する二丁目再開発事業と連携をいたしまして、南口駅前広場の整備について一体的に計画することによりまして、安全な歩行空間が確保できないか。こういったことを再開発事業組合と協議をしているところでございます。商店街等地元には、ある程度、これらの検討が深まった段階では、丁寧な説明等をしてまいりたいというふうに考えてございます。
○市川委員 地元の商店街は、あそこのティップネスのあるビルが、あれはノイビルか、あの一画が全部含まれた形の中で南口の駅前広場が広くなるんですよということは、もちろん御存じなんですよね。そういった大まかな、アバウトな説明はしてあるんですよね。
○秋元まちづくり推進室副参事(中野駅周辺整備担当) 現在の段階では、再開発準備組合の事業計画、これがまだ定まってきていないという状況がございまして、どの程度の規模の広場としての整備が可能なのかどうか、そこまで具体的な詰まった話ができてございません。ただ、大筋で、一定の部分を南口と一体的に、南口の広場と一体的に整備をするということでの話は、協議はしているところでございますが、もう少し具体的な詰めが必要になってくるのかなというふうに思ってございます。準備組合との協議の結果、経過としての計画、こういったものもある程度深まってきた段階で、地元に対しては詳細な説明をしていきたいというふうに思っております。
○市川委員 わかりました。それで、今後のこととして、やはり地元の皆さん、特に南口の駅前商店街の皆さんね。南口駅前商店街とサンロード桃商会と、それから千光前通り商店街があるのかな。特に、この商店街の皆さんは、今南口は本当に閑古鳥が鳴いていますよ。丸井さんが工事をしているこの期間中は、本当に地盤沈下しています。本当に人通りがないんですよ。もう夕方過ぎてしまうとね。お勤めから帰って来る人は、あっち側はみんなバスに乗っちゃうから、歩かないんですよ。それで、5差路の向こうに、ほとんど住宅はないんですね。住んでいる人が少ないんですね。だから、北口の区役所かいわいから見ると、信じられないぐらい暗くなってしまう。そういうことをやっぱりよくよく考慮して、やはりこうなりますよ、こうなるんですよという説明をいつも皆さんとお互いに交換し合って説明をしておくということは、僕は大事なことだと思うの。何にも聞かされないんだよという声をよく聞きますから、その点気をつけていただきたいと思います。
 次に、三丁目についてでありますが、この三丁目の地区については、まちづくりの議論というのが大変活発に行われています。昔、以前に、大京が国家公務員宿舎、これは農林水産省の宿舎の跡地を購入して、あそこにマンションを建てるときに、ヘビ玉道路をうまく活用して、それで前面6メートルの道路をとって、8階建てのマンションを建てようという計画を立てました。当時、桃園町会の皆さんが、このマンションの建設に対して、ヘビ玉道路の有無とかいろいろと議論をして、やっとの思いであのマンションができ上がったということを懐かしく今思い出しています。三丁目は、以来、こういったまちづくりの議論が活発に行われるようになりました。僕もそのときに、その方たちの中に入って、あの前面道路がヘビ玉道路として6メートル、いわゆる建物の前だけ6メートルにするんだなんていう便法を使うということを、今後皆さんなくしていきたいならば、自分たちで桃園町会のこのまち全体に地区計画の網をかけるような勉強会をしなきゃだめですよという話はしました。けれども、なかなかそこまで今まだ行っていないんですね。そんなこんなしているうちに、丸井のB館の跡地、あそこを野村不動産が購入して、今度高さ110メートル、それで31階か30階のマンションが、メガマンションが登場することになった。これも引き金になって、今まちづくりの議論が活発に行われています。それで、5差路から線路に向かうあの一方通行の通称桃園通りは、三丁目の住民にとっては、もう重要な生活軸であります。地域の商店街の今後の活性化とか、安心・安全な基盤としての歩行者の優先道路であるというような考えを地域の皆さんは活発に議論をしています。区は、このような地域の声をどのようにとらえているのかというのが1点目。
 それから、中野区は、企業のインキュベーション、そういったものを促進するだけではなくて、商店とか空き店舗の利用促進の手だてというものを、この三丁目の桃園通りあたりを中心にして、どのような手だてを考えているか。これが2点目。この二つの質問をします。
○秋元まちづくり推進室副参事(中野駅周辺整備担当) 私のほうからは、御質問の前段のほうに御答弁させていただきます。
 桃園通りでございますが、この道路につきまして、三丁目地区のにぎわいの軸というお話がございました。そういったことから、区としても主要な生活道路としてとらえているところでございます。しかしながら、桃園通りの現状でございますが、歩行者、自転車、自動車、こういったものが錯綜してございまして、歩行者が安心して、安全に歩ける、そういった構造にはなっていないという状況にございます。そこで、区といたしましては、桃園通り沿道のにぎわいをより高めていくためにも、沿道建物の壁面後退等の手法を活用いたしまして、歩車分離を図り、歩行者が楽しく安心して歩ける空間を確保するような、そういった整備のあり方を地元には提案しているところでございます。今後とも地元とは密に連携を図りながら、協議を進めていきたいというふうに考えているところでございます。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 三丁目の商店街、そして企業のこれからの誘導に関しましては、三丁目の地域性を踏まえまして検討していきたいと思ってございます。具体的な検討につきましては、まちの方の御意見も大いに聞きながら進めてまいりたいと思ってございます。
○市川委員 桃丘小学校の跡地の活用について、桃園町会から要望書が出ているんですね。これは担当者はよく御存じだと思いますが、地域コミュニティの拠点として、桃丘小学校の教室を開放してほしいというような要望があるんです。あれは5項目ぐらいあったと思うんです。その中の一つに、桃丘小学校の跡地、桃丘小学校に残されている校舎の教室をコミュニティの拠点の施設として欲しいんだと、貸していただけないだろうかといったような要望書が出ているんですが、この要望書に対しての回答がいまだに、しっかりとした回答が桃園町会の人たちの側に返っていないんですね。あれ、どうしちゃったんだろうかと、こうなっているんです。
 それと相まって、最近、パワーポイントなどを使った三丁目地区のまちづくりの説明会、意見交換会の中に出てくる資料の中の、例えば道路の幅員とか、今秋元さんが答弁してくれたように、壁面後退して設けるその空間を歩行者空間と呼ぶんだけども、いわゆるそれを全部パワーポイントの図面上、絵の中で見ると、道路を拡幅するんだというように見えてしまうんですね。そういったようなことを話し合いたいんだけども、話し合う場を行政の側がなかなか持ってくれないといって不満を述べているんですよ。だから、三丁目、桃園のまちづくりプロジェクトというのかな、あの皆さんとの協議の場を持っていただくようにしていただきたいと思うんですが、いかがお考えですか。
○秋元まちづくり推進室副参事(中野駅周辺整備担当) 中野三丁目地区につきましては、かつてのにぎわいのあった桃園通り沿道、こういったもののありようについて、やはり今後とも三丁目の地区の皆様方とお話をしていく必要があるだろう。それで、この桃園通りの沿道のにぎわい、こういったものは、実は中野駅周辺全体のまちづくりにかかわってくるという重要な位置付けにあると私ども考えてございまして、そういった立場から、やはり三丁目地区にお住まいの方と十分に協議をしていく必要があるだろうというふうに考えております。
○市川委員 それでは、よろしくお願いします。頻繁に、住民の側から要求があればすぐに出向いて、お話し合いの場を持つというようなことも、よろしくお願いしたいと思います。
 この項の最後に触れておきたいのが、区長に直接お尋ねをしたいことでございます。先ほども触れたように、さきの衆議院選挙によりまして、民主党の大勝によって政権が交代をいたしました。政権が交代いたしまして、今、鳩山首相をはじめ閣僚がさまざま発言をしておりますし、本当にマニフェストどおりにやるんだといって、何の説明もなく、一方的に、頭ごなしに来ている問題がたくさんあるんですね。それで、思うんですか、この中野駅周辺のまちづくりというもの、先ほど私も紹介いたしましたが、地元の自民党の代議士が一生懸命汗をかいてなし得た問題もあったんですよ。そのときに、民主党の代議士は何をしたかといったらば、一切その問題については触れなかったわけですよ。ですよね。だけどもね――そういうのってあるんですよ。やっぱりそういった問題に、ここ国有地でしたからね、かかわりを持っているということを僕はすごく大事にしている。そういうことを大事にしているという人が国政に、場に参加をしているということは、とっても大事な、大切なことだと思うんです。まして、これだけ大きな事業ですからね。だから、今後、今、この地元から選出されている代議士は、どこの党派であれ、この問題には積極的にかかわらなきゃいけないと、こう思うんです。けれども、政権が交代した今、中野駅周辺のまちづくり計画には、何かしらの大きな影響というものが及ぼされると思うんですね。今、区長が御自身でお考えである中で、どのような影響というものをお考えなのか。お話のできる範囲で伺いたいと思います。
○田中区長 今回の政権交代に伴って、国の政策の考え方というものが大きく変わっていくというのを日々ニュースなどで実感しているんですけれども、まちづくりなんかで我々が考えておりますいろんな事業の仕組み、国の補助制度でありますとか、国の関与の仕方、そういったようなことも、どこからどこまで変わっていくかわからないなというのが正直言って私の実感であります。したがいまして、私たちが今まで組み立ててきたような事業の進め方ができるかできないかというようなことも、もしかしたらわからないんじゃないかというような状況にもあるのかなと、そんなふうにも思っております。
 ただ、その一方で、中野区が目指しているまちづくりというこのあり方そのものは、これはどこの政党が政権をとろうと、私は必要なまちづくりだと、こういうふうに思っております。民主党の政策、子ども手当のことですとか、高校の授業料の問題ですとか、高齢者医療についても国費を大幅に投入するであるとか、もうさまざまに国の支出をどんどんふやしていこうという政策になっているように思います。財源のほうはこれから検討されるということらしいんですけれども、いずれにしても、私たちのまちの、国全体の経済活力というものが十分に発揮できる状況にならないと、そんな負担には耐えられるわけがないということでもあります。
 また、25%のCO2削減の問題をとりましても、環境立国ということを考えていくときに、こういった都市のまちづくりを環境と活力がきちんと調和した形での新しいまちにつくりかえていく、このことも避けて通れない、こういう課題であると、こういうふうに思っております。そういう意味で、このまちづくりというものが持っている大きな意味は、政権がどうなろうと私は変わらないと、こういうふうに思っておりますし、そういう地域の自治政府としての中野区の考え方、これはもちろん民主党も地域主権の国家をつくるということで、大事にしていくんだということは言っているわけですし、そういった地域主権の国家をつくるために、地方側との協議の場をつくりますよと、こういうことも言っているわけですから、そういった形で中野区のまちづくりが政権が変わったからといってできなくなっていくというようなことがないように、ないだろうと思っておりますし、ないように私どもは議会の皆さんと一緒に動いていかなければならないと、そんなふうに思っております。
○市川委員 そうですね。大いに自治の精神を発揮して、地方主権国家を築くと言われているわけですから、そうしていただきたいし、それが本当かどうかは何年かすればわかることなんだけれども、たまたまきょうは都民の日であります。都民の日は、なぜ都民の日がきょう制定されたかということを御存じの方はたくさんいらっしゃると思いますけれども、もともと明治22年にさかのぼりますけども、市制とか町村制というのが施行されて、それで東京市と京都市と大阪市は置いてきぼりを食ったんですね。何でかと言ったら、当時の中央集権国家は、東京と京都と大阪に市並みの権限を与えると膨大な力を発揮して、中央集権のこの国家を崩してしまうんではないかといって、ひとつのおそれをなしたわけですね。そのときに、この三つの市だけは市制特例法という法律をつくって、いわゆる東京府の府知事が市長を兼務する、大阪府の府知事が大阪市長を兼務する、京都府の府知事が兼務するということで、明治22年にこの市はスタートしているんですね。ところが、明治31年の10月1日に、大阪の市長と東京都の市長が連名で、この市制特例撤廃法という法律を意見書として上げて、法案を上げてもらって、これを時の政府が取り上げて、この三つの市が、いわゆる自治を獲得した日がきょうなんですね。以来、そこから数えて111年たっているんです。まさに今、地方自治の時代ですから、この東京市が誕生したきょうこの日は、これから今区長が答えられたような地方自治の原点であるということもよく踏まえた上で、国政の政権交代がいかにあろうとも、中野区の姿勢は不変であるというような力強い決意を持って取り組んでいただきたいと思います。
 それでは、質疑通告の2点目に移ります。
 道路整備と土地の有効活用について、やらせていただきます。
 建築基準法の一般的な規定の中に都市再開発諸制度、これは高度利用地区とか特定街区とか総合設計などの制度があるんだけども、それらの制度を総称した都市再開発諸制度といった制度によらなくとも緩和ができる建築を、建築する建物の容積が緩和ができる仕組みがあると聞いていますけども、具体的にこれを示していただきたいと思います。
○豊川都市整備部副参事(建築担当) 特定道路による容積率制限の緩和という制度がございます。建築基準法の規定によりますと、その敷地の指定されております容積率、これについては、その敷地の面します前面道路の幅、これによって低減、少なくなります。今申し上げました緩和制度は、この少なくなる容積率を緩和するというものでございます。具体的には、幅が15メートル以上ある道路を特定道路というふうに位置付けをしまして、この特定道路から敷地まで幅6メートル以上の道路が接続する場合には、この敷地の容積率の低減を緩和すると、そういった制度でございます。
○市川委員 その今お話しの特定道路なんですけども、これにかかわる容積率の緩和について、中野区で実績はありますか。
○豊川都市整備部副参事(建築担当) この制度、いわゆる特例許可ではございませんで、通常の建築確認として処理をするという関係で、あと、民間の建築確認機関等の取り扱いもありますので、具体的に件数の集計はできておりませんが、事前相談等の状況から考えますと、恐らく中野区内で数件のみであろうということでございます。
○市川委員 中野区で実績がない一番の原因はなんですか。
○豊川都市整備部副参事(建築担当) 特定道路による容積率の緩和制度といいますのは、先ほど言いましたとおり、高い容積率が指定されていながら、敷地前面の道路幅が狭いことによる容積率の急激なダウンと、そういったものを緩和することが目的でございますけども、中野区内、そもそも高い容積率があまり指定されていないと、そういったこともありますけども、もしこの特定道路の緩和が受けられる地区であったとしても、この特定道路から敷地までに至る6メートル幅の道路、これが確保できていない場合が非常に多うございまして、こういったことから、容積率緩和の事例が少ないと、そういったことが考えられます。
○市川委員 中野区内に、特定道路となる道路、これはどのくらいあるのか。また、幅員が6メートル以上の道路はどのくらいありますか。
○豊川都市整備部副参事(建築担当) 特定道路でございますけども、まず、東西方向の道路でいいますと、南から、方南通り、青梅街道、早稲田通り、新青梅街道、それから目白通り、千川通りでございます。南北方向の道路といたしましては、環状六号線、中野通り、それから環状七号線、以上9路線でございます。
○市川委員 特定道路による容積率の割り増しが適用できるのは、具体的にはどのあたりになるのか教えてほしいんですけど。
○豊川都市整備部副参事(建築担当) 例えば、東中野駅の南北の山手通りに近い場所ですとか、それから中野駅南口の5差路付近の街区などが考えられます。ただ、今後、例えば中野駅周辺地区などにおきまして6メートル幅の道路、これが整備された場合には、適用場所はふえるものと考えられます。
○市川委員 道路の幅が6メートルを切ることによる法律上の制限は、ほかにありますか。
○豊川都市整備部副参事(建築担当) 例えば、東京都建築安全条例、これの規定によりますと、延べ床面積が3,000平方メートルを超えて、かつ高さが15メートルを超える。こういった建築物につきましては、前面道路の幅員が6メートル以上要求をされます。また、一定規模以上の車庫を有する建築物の場合でも、敷地前面の道路の幅が6メートル以上ということでございます。さらに、例えば客席定員が300人を超える劇場・映画館、そういったところも同様の趣旨でございます。また、さらに、総合設計という制度がございます。この中でも、道路幅員が6メートル以上、そういった規定もございます。
○市川委員 つまり、幅が6メートル以上の道路を連続してきちんと整備すること。さっき、中野駅周辺まちづくりの三丁目のところで、ヘビ玉道路の話をしたんだけども、今の答弁の中には、そのヘビ玉道路の該当するようなことが答弁の中に含まれているわけですよね。連続して6メートルの道路をきちんと整備することが、その土地の有効利用に関しては極めて重要であるというふうにとらえていいんですか。
○豊川都市整備部副参事(建築担当) 御指摘のとおりでございます。
○市川委員 要するに、中野三丁目のことを言いたかったんです。それで、例えば中野駅周辺のこのまちづくり、特に三丁目側に当てはめれば、中野通りなど、また大久保通りなど、幹線道路の整備はこれ、重要なんですね。それだけではなくて、まちの内側の道路、これについても、特に桃園通りなどは6メートルの幅があるところとないところがあるわけですけども、6メートル以上の道路を連続的に整備することによって、法律上の建築物の高さなどの制限が緩和される上に、床面積の拡大だとか、容積率の割り増しが受けられる場合もあります。土地の有効利用の観点から効果が高いということであることは、もう承知のとおりなんです。
 ここで、土地の有効利用といっても、やみくもにただ高い建物をつくればいいとか言っているわけでは決してないんです、私は。やっぱりゾーニングが必要だし、例えば、桃園通りを例に出せば、南口の5差路から線路に向かう、その桃園通りの東側は業務・商業ゾーンとか、西側は教育・文化・創作・居住ゾーンとか、そういったようなゾーニングをして、ある一定の高さの制限を地域のルールとして設けることも必要だと思いますし、そういったようなことに取り組んでいくために、このやっぱり6メートル道路の必要性。また、先ほど秋元さんの答弁にもあったように、できるだけこの建物の高さが上がれば、その周りの敷地があくわけですから、それが道路との一体性を持たせて、その道路の幅員がさらに6メートル以上の幅が設けられるといった周辺環境の向上に大きく寄与することができるわけであります。このように、6メートル道路の整備というものは、中野駅周辺の先ほどのまちづくりのお話の中でも、非常に防災上の安全性が高まってきて、日常の利便性も増してきます。土地の有効利用の観点からも効果が大変高いということが今の答弁からもわかっているんです。でも、中野区というのは、なかなかそこに手がつけられないわけですね。だから、現状今ある連続している6メートル幅の道路、沿線に、その今お話ししたようなことがうまく適用できるように、そして、道路を使ってその地域に対して大きく貢献するものをつくっていくように期待をいたします。このような現実的な道路整備を今後大きく期待をして、この項の質問は終わります。
 あと、ペットとの共生条例でありますが、これについてはもう時間もありませんので、一つだけ伺います。
 一つだけですから、古屋さん、一つだけね。たくさん取材してもらったけど、ごめんね。
 ペットとの共生条例制定に向けて、今、議会でもいろいろ議論をしていますが、飼い主のいない猫の問題を何で条例の中に入れちゃうの。それを聞きたいんです。
○保健福祉部副参事(生活衛生担当) ペットに関しましては、飼い主のいない猫というのは、かつてはペットだったんですけども、それが遺棄されて飼い主のいない猫になったとか、そういう経緯がございます。私ども、条例の中には、ペット及び飼い主のいない猫、その他の動物ということで、その対象にしているところでございます。
 それで、住民間、あるいは地域におきましては、このような動物につきまして、いろいろな問題が発生しているという状況がございます。ついては、特に、飼い主のいない猫につきましては、えさやりにつきまして非常に問題になっているという現実がございます。これについては、私ども一定のルールが必要であろうというふうに考えておりまして、ただし、このルールにつきましては、地域の皆さんが話し合いとかあるいは合意をつくっていく必要があるという、そういう面も持っております。条例の内容については、区民の対立を解消していくという、そういう問題もありますので、その解決に資するように条例を制定していきたい、このように考えているところでございまして、したがって、飼い主のいない猫もこの条例の中でしっかりと規定していきたい、このように考えております。
○市川委員 そういうのは、私が思うには、地域のルールとか、それからそういうものをつくっていくということを今先ほどおっしゃったけども、それは何もかも上から大きなものをはめてしまうというんじゃなくて、その地域地域にある特性というものを生かしたものでルールというのはできると思うんですね。だから、それのガイドラインをつくるとか、その要綱を設けるとか、そういう形で取り組んでいったほうが僕はいいと思うんですね。そこいらのところをよく検討をしていただいて、今後この条例制定に向けて、飼い主のいない猫についての問題については、特段の御配慮をいただきたいと思います。
 その他の項でもう1点、質問を用意しておきましたけど、鳥井さんごめんね。きょうはもう時間これでおしまいだから。
 以上で私の質疑は終わります。どうも皆さん御静聴ありがとうございました。
○いでい委員長 以上で市川みのる委員の質疑を終了します。
 次に、平山英明委員、質疑をどうぞ。
○平山委員 公明党の3番バッターとして総括質疑に立たせていただきます。
 質問は、通告どおり質問を行わせていただきます。最後のその他について、二つ質問を準備をしております。これは時間によって、取材させていただきましたけども、質問を行うか行わないかは判断させていただきます。
 まず、1点目といたしまして、平成20年度予算執行上の問題について伺います。
 初めに、流用について伺います。
 平成20年度の決算について、監査委員から3点にわたる指摘がなされています。一つ目は、特別区民税、国民健康保険料、介護保険料の徴収について。二つ目には、先般我が会派の小林委員も質問いたしましたが、不用額、特に国民健康保険事業特別会計拠出金の不用額について。そして、三つ目が予算流用についてです。
 そこで、予算流用について伺います。今回の指摘は、教育費において、区立小・中学校校内LANの整備にかかわり3件、合計1億5,840万2,000円の予算流用があったというものです。監査委員の意見書には、執行節云々の文言がありましたが、改めてこの件について説明を求めます。
○合川教育委員会事務局参事(教育経営担当) 区立小・中学校におけます校内LANの整備につきましては、備品購入費から一般需用費、委託費、工事請負費へ流用したものでございます。
○平山委員 当初予算積算の際、予算流用を想定されていたということですか。
○合川教育委員会事務局参事(教育経営担当) 小・中学校におけます校内LANの整備におきましては、教育委員会といたしましては、当初、リースで5カ年で全校設置する予定でございましたけれども、予算編成の最終段階で、学校間での格差を生み出さないためということで、平成20年度中に全校に買い取りで一斉導入をすることにしたものでございます。期間的に予算編成のぎりぎりのところでありましたので、財政担当との調整の上、やむを得ず備品購入費に全額3億円を計上したものであり、結果として流用せざるを得なかったというものでございます。
○平山委員 パソコンを購入されて、LANの工事をされる。工事費がかからないとか、そういうことというのは当然想定されにくいことだと思うんですが、先ほど財政当局と相談をされたということなんですが、教育委員会からの予算案について、財務当局は指導をなされなかったんですか。
○志賀政策室副参事(予算担当) 最終査定段階での時期的な状況から判断いたしますと、予算編成段階ではやむを得ない対応であったというふうに認識しております。
○平山委員 当該事業は、本来、学校の夏休みに実施の予定であったものが、工事請負費、備品消耗品費ともに全額未執行で、繰越明許となりました。平成20年度中に子どもたちに最新の教育環境を提供するために組まれた予算であるにもかかわらず、結局平成20年度は工事も行わず、パソコンも購入できずに、平成21年度への繰越事業となっています。本事業について、平成20年度第4回定例会で補正予算を提出し、繰越明許費としていますけども、債務負担行為や継続費ではなく繰越明許とされたのは、いかなる理由ですか。
○志賀政策室副参事(予算担当) 校内LANの整備につきましては、繰越明許の要件であるとしたものでございます。その理由といたしましては、1点目が、当該予算が当初予算に計上済みであること。また、2点目といたしましては、予算成立後の事由におきまして、年度内の経費の支出が終わらない見込みであること。この2点に該当したということから、繰越明許として第4回定例会で議決をいただいたものでございます。
 また、債務負担や継続費につきましては、財政の効率的運用を図るため、会計年度独立の原則を例外的に緩和する措置として設けられているものでございますけれども、いずれも当該年度の予算額及び翌年度以降の予算額を明確に区分した上で、各年度ごとに予算を計上する仕組みになっておりますので、本事案におきましては、既に経費の全額が予算計上されていることや年度ごとの支払う経費の区分け、そういったことが困難であったと。そういうことで、自治法が定める措置としては繰越明許が最も適切であるといった判断でございます。
○平山委員 先ほどの御答弁の中で、その流用について、今回の事案の場合やむを得ずというような、流用を想定して組まれたような答弁も聞こえましたが、そもそもこの流用の定義について、教えていただけますか。
○志賀政策室副参事(予算担当) まず、予算の科目のうち、款、項につきましては議会の議決の科目でございます。また、目、節につきましては執行の科目でございます。地方自治法220条第2項におきましては、「歳出予算の経費の金額は、各款の間、または項の間において相互にこれを流用できない」としております。ただし、「歳出予算の各項の経費の金額は、予算の執行上の必要がある場合に限り、予算の定めによるところにより、これを流用することができる」と定められているものでございます。中野区では、これに基づきまして、各項に計上いたしました給料、それから職員手当等共済費にかかわるものに限りまして、予算額に過不足が生じた場合には流用ができる旨を予算総則で定めまして、議会の承認を得ているものでございます。
 またさらに、中野区の予算事務規則上では、自治法上の制限よりもさらに厳しく定められておりまして、「歳出予算の経費の金額は、各目の間、各節の間において、これを相互に流用することはできない」としているところでございます。また、ただし、これに対しましては、部長が執行上やむを得ないという判断をした場合に限り流用ができるとしたものでございます。
○平山委員 中野区の予算事務規則では、自治法よりもさらに厳しい形で、各目間及び各節の間において、相互にこれを流用することができないという大前提を定められていらっしゃるわけですよね。今回は、節間の流用であったということだと思うんですが、今後、このようなことを起こさないために、財務規律の面から、どのように考えられますか。
○志賀政策室副参事(予算担当) 予算は、議会の詳細な審査を受けた上で議決されております。また、区民の方々にも公開されているわけでございますので、予算の流用につきましては、必要最低限にとどめなければならないという認識に立ってございます。このことから、予算は議決されたものを執行するのが本分で、新たな課題に対応するためには、やはり補正予算に計上して実施するべきものであるというふうな考えも持ってございます。また、財務規律の面からも、いたずらに流用を行うことは認められることではございませんので、財政運営上の問題からも問題にならないように、今後は流用はできる限り抑制し、所管部におけます十分な審査を行うとともに、私ども予算担当といたしましては、協議の段階で安易な流用は認めないというような十分な内容の確認を行っていきたいというふうに考えております。
○平山委員 ぜひ、予算担当として、厳しいチェックと指導をよろしくお願いしたいと思います。
 次に、不用額について伺います。
 資料の総務111、不用額が1,000万円以上の事業一覧に示されている不用額の動向について、財務担当としてどのようにお考えですか。
○志賀政策室副参事(予算担当) 不用額につきましては、事業執行に伴います契約落差、それから執行残、そういったもので、ある一定程度の割合において発生するものでございます。事業規模が大きければ、不用額が1,000万円を超えるような事業もあるというものでございます。
○平山委員 不用額には、今おっしゃったような事務改善とか執行上の工夫などによる、いわゆるプラスのものと、積算の甘さや見込み違い、執行時期のおくれ、過大な見積もりなど、いわゆるマイナスのものがあるんではないですか。
○志賀政策室副参事(予算担当) 委員御案内のとおりでございます。
○平山委員 不用額を含めた事業の評価が必要ではありませんか。
○篠原管理会計室副参事(評価改善担当) 不用額につきましては、さまざまな要因があるというふうに考えております。各部においては、毎年、行政改革の一環としまして、自己評価を行っております。こうした中で、不用額、これにつきましても十分検証を行いまして、その検証結果が次年度の予算要求に反映させる、こういった仕組みが十分機能すること、これが必要だというふうに考えてございます。そういった面では、我が所管としましても、十分進行管理をしてまいりたいというふうに考えております。
○平山委員 よろしくお願いします。
 不用額は、予算減額と執行済額の差ですか。
○志賀政策室副参事(予算担当) そのとおりでございます。
○平山委員 不用額と歳計剰余金との関係は、どのようなものになりますか。
○相澤管理会計室副参事(経営分析担当) 歳計剰余金、これは収入済歳入額から支出済歳出額、翌年度繰越財源充当額を差し引いたものでございます。したがいまして、不用額は、歳計剰余金の額につながるものでございます。
○平山委員 不用額がそのまま全額未執行事業となっているものがあることが、御提出いただいた資料、総務の89と111からうかがわれます。地域情報化の計画的・総合的な推進事業は、次年度は廃止となったんですか。
○平田政策室副参事(情報政策担当) 当該予算につきましては、平成20年度、調達ガイドラインの初年度ということもございまして、外部評価の委託料、主な予算としましては1,500万円を計上させていただいたものでございます。その事業につきましては、結果としまして、執行がなかったということになります。
 当該事業につきましては、21年度、規模を見直しまして、同じく引き続き事業メニューとしては存在してございます。
○平山委員 1件約500万円で、その評価を見込んでいて、20年度は全くありませんでしたと。全額未執行でしたと。21年度は、規模を縮小して500万円ぐらい組まれていらっしゃいますよね。1件ということだと思うんですが、当該事業、どうなっていますか。
○平田政策室副参事(情報政策担当) 現在のところ、執行はございません。
○平山委員 この事業については、また分科会で詳しくやらせていただきたいと思っておりますが、全額未執行のものの中には、補正で減額修正されたものもあります。補正で減額するかどうかについては、どのような基準で行われるんですか。
○志賀政策室副参事(予算担当) 通常、最終補正におきましては、一定額、原則として1,000万円以上でございますけれども、この1,000万円以上の増減のある事業経費につきましては、予算の整理を行っております。また、その各所管に対しまして、補正対象事業の有無について調査を行っているところでございます。今回、例えば今の話題に上がっております地域情報化の計画的・総合的な推進につきましては、当該調査において把握できなかったものでございます。
 また、PCBなどの執行できないことが確実になったものにつきましては、全額補正をしたものでございます。
 また、年度末まで事業が継続しているものや特別会計の繰出金など、年度末にならないと金額が確定しないもの、そういったものについては、見込額で減額補正をしているものでございます。
○平山委員 先ほどの事業で、3件見込んでいて、1,500万で、12月の時点ではその減額にするものはあるかといって、出されなかったわけですよね。それについてはまた分科会でやらせていただきますけども、最後に、財政規律の緩みは、ますます許されない時期を迎えています。一層の厳格な取り組みが必要かと思いますけども、いかがでしょうか。
○志賀政策室副参事(予算担当) 取り組みといたしましては、予算編成段階での積算の甘さや執行管理の不徹底といったようなこともあろうかと思いますので、今回の決算での分析を踏まえて、予算編成作業をはじめ各所管部における適正な進行管理、それから、各所管における執行管理を徹底するよう臨んでいきたいと考えているところです。
○平山委員 よろしくお願いをいたします。
 次の質問に移させていただきます。
 2番として、新型インフルエンザ対策について伺います。
 一昨日の報道によると、9月14日から20日の東京都内のインフルエンザ定点医療機関当たりの報告数が注意報レベルに達し、4週間以内に大流行が発生することが予測されるとして、都は9月26日、小児科病床を持つ医療機関を対象に、緊急説明会を開いた。この中では、都側は、小児病床数が不足していることを明らかにした上で、入院医療体制の整備を要請したとあります。具体的には、1、小児科病棟が満床であっても、中学生以上は内科医師の協力を得て、内科病床に入院させる。2、インフルエンザ以外で入院している小児患者のうち、他科病棟での管理が可能な患者を転棟させる。3、入院患者の受け入れに対応できるよう、小児科はもちろん、病院全体で、通常にも増して入院期間の短縮を図るとともに、検査入院や待機的手術の延期などにより、可能な限り入院受け入れ能力を確保するなどです。今回の新型インフルエンザ(H1N1)は、通常の季節性のインフルエンザと異なり、若い世代、特に子どもの重症化・致死が懸念をされています。ことさら危機意識をあおるつもりではなく、中野区から、子どもたちをはじめ一人の死者も出さないとの思いで質問をいたしますので、どうか真摯な御答弁をお願いいたします。
 それでは、お尋ねをいたします。
 決算説明書の保健予防費で、健康危機管理用防護用品等購入として345万5,000円余が執行されています。これは、新型インフルエンザ対策と思われますが、何をどれだけ購入されたのですか。具体的に教えてください。
○山川保健福祉部副参事(保健予防担当) 新型インフルエンザ対策といたしまして、さまざまな防護用品を購入いたしております。防護服、あるいはラテックスの手袋、こういったものは手袋にしては1,150組とか、あとN95マスクというのがございます。こういったものを1,000。あと、抗ウイルス用のサージカルマスク、これはN95よりも若干一般の方向けという考え方もございますが、それが1,400。また、抗インフルエンザウイルス薬、タミフル、リレンザ、それぞれを100錠。その他、ヘアキャップとか、エプロンとか、ハンドスプレー、あるいは廃棄処理用の処理袋とか、そういったものをさまざまに購入いたしております。
○平山委員 平成21年度も当初予算、その後の補正予算で新型インフルエンザ対策を講じています。これについても、具体的に内容を教えていただけますでしょうか。
○野村保健福祉部副参事(保健福祉部経営担当) 本年度の当初予算、こちらで執行を予定しているものでございますが、発熱外来、この体制を強化するというようなこともございまして、防護用品、これを3,000セット。それから、先ほども出てまいりましたがN95のマスクでございますが、これを3,000。それから、サージカルマスク、こちらを1万ということで、当初予算については執行してございます。
 なお、御質問の補正でございますが、これにつきましては、手・指の消毒用のアルコール製剤、これを1,400本、それから、新型インフルエンザ相談センター、旧来発熱相談センターというふうに称してございましたが、こちらの電話対応の体制を強化するというようなことのための整備費。それから、備蓄品の倉庫、これの整備費。こういったものを補正で組んでございます。
 なお、このほかに予備費、これを充当いたしまして、サージカルマスク、これを9万5,000ほど調達してございます。
○平山委員 9万5,000のマスクを予備費で調達済みということでよろしいんですか。
○野村保健福祉部副参事(保健福祉部経営担当) はい。
○平山委員 これまで講じられてきた対策というのは、いわゆる鳥インフルエンザ(H5N1)を想定されたものではありませんか。現在流行中の豚インフルエンザ(H1N1)に対しての対策を区として打つべきではありませんか。区が行う対策の中で最も重視すべきことは、感染対策を防ぐことです。そのためには、ワクチンの接種はもちろんですけども、基本であるうがい、手洗いとマスクの着用が重要と考えます。
 そこで伺います。区立小・中学校にマスクを準備されていますけども、どの程度準備されているのか、お答えください。
○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 区立小・中学校児童・生徒全員に対して、緊急対応用として教育委員会が購入して、現在学校に備蓄してございます。約1万2,000個でございます。
○平山委員 1万2,000個というと、大体区立小・中学校の生徒数と同じですから、1日分というふうに考えてよろしいですか。
○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) はい、そのように考えております。
○平山委員 私立も含めた小・中学生全員へ1週間分のマスクを用意するとすればどのくらいの量になるのか。また、区としてのマスクの備蓄、先ほどお伺いしましたけど、合計すると10万ぐらいあるんですかね。これについてもどのくらいあるのか、正確な数字を教えていただけますでしょうか。
○野村保健福祉部副参事(保健福祉部経営担当) 区内の学齢期の児童・生徒数ということでございますが、大体1学年2,000名というところでございますので、その9倍、1万8,000名。それから、七日分ということですと12万6,000枚。この程度が想定されるかというふうに思ってございます。
 なお、私どもとして備蓄をしておりますサージカルマスクの枚数といたしましては、先ほどの区立学校の小・中学生用以外のところでは、約9万7,000枚というところでございます。
○平山委員 区の職員や公共施設に携わる方がマスク着用を義務付けられるような基準というのは、ありますでしょうか。また、それはどういう状態になったときでしょうか。
○野村保健福祉部副参事(保健福祉部経営担当) 私どもが職員に求めていますところでは、2種類あろうかと思ってございます。一つは、職員の家族・親族、同居の者の発症による濃厚接触、こういったときについては、基本的には休みがとれれば、その濃厚接触者も自宅で待機ということが望ましいと思ってございますが、勤務の状況等やむを得ないことで勤務を継続するといった場合は、他に感染させる危険性といいますか可能性がなくなるまでの間、マスクを着用して執務することということを求めてございます。
 また、その職場を維持管理していくという観点では、その職場内といいますか職員、あるいは利用者の集団発生が見られた場合については、マスクを着用することといったようなことを基準として定めてございます。
○平山委員 要するに、公共施設全体として一斉にマスクを着用するというような基準は設けていらっしゃらないということでよろしいですか。
○野村保健福祉部副参事(保健福祉部経営担当) 今後、区内あるいは都内の蔓延期を迎えた場合、この場合については全職場とも一斉にマスクを着用するということになろうかというふうに存じてございます。
○平山委員 なろうかと思いますではなくて、それは決まってはないということですか。
○野村保健福祉部副参事(保健福祉部経営担当) 基本的には、その方針で臨みたいというふうに思ってございます。
○平山委員 区民の皆様にうがい、手洗いとマスクの着用を励行する基準というのは、設けていらっしゃいますか。
○野村保健福祉部副参事(保健福祉部経営担当) うがい、手洗いにつきましては、帰宅時に励行するように、それから、マスクの着用につきましては外出時、特に人込みに入る場合にマスクの着用ということで、それも御協力ということを要請してございますが、基準というものは設けてございません。
○平山委員 東京大学の田中助教授らの計算によると、新型インフルエンザの患者一人が他人にうつす数、人数を1割減らすだけで、国内感染者の総数は4分の3にとどまり、ワクチン1,600万人分の効果に匹敵するとしています。マスク着用など、患者のちょっとした心がけで蔓延防止に大きな効果を生むことを示す結果です。区として、マスク着用励行のガイドラインを、先ほどちょっとあいまいな感じを受けましたが、早急に設けるべきではありませんか。
○野村保健福祉部副参事(保健福祉部経営担当) この新型インフルエンザ、感染症の予防の上では、個人個人がこういった予防対策を講じていく、これが蔓延防止の基本的なところであろうというふうには存じてございます。区では、そのため、せきエチケットですとか、手洗い方法ですとかいったことについて周知・啓発を図ってきているところでございます。ただ、これらは、ある一定の段階からということではなく、日常的に励行されていくということが基本となるべきものというふうにも考えてございますので、区独自にガイドラインといったようなものを定めるといったような考えは持ってございません。
○平山委員 とらえ方がですね、これからのインフルエンザの流行を考えて、もう少し危機感を持たれたほうがよろしいんではないかと思いますが、ちょっと時間の関係もありますので、あと二つの質問をまとめて質問させていただきます。
 区立、私立も含めた全小・中学生の1週間分のマスクを備蓄し、学校などを通しての配付体制をつくるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 もう1点。医師会などに協力をお願いし、インフルエンザ陽性の反応が出た場合に対し、区が1週間分のマスクを提供できる体制も同様につくるべきだと思いますが、いかがですか。簡潔な答弁をお願いいたします。
○野村保健福祉部副参事(保健福祉部経営担当) 簡潔にでございます。
 一つは、9月20日号の区報でもお願いをしてございますが、日用の必要物資、それからマスク、こういったものについては、各御家庭で備蓄をお願いしたいというのが私ども区の立場でございます。
 それから、陽性反応が出た患者、これらについての配付ということでございますが、発症された方については、自宅で加療・療養されるということが最適というふうに考えてございますので、こういったものについても、個別に配付をするといったようなことは考えてございません。
○平山委員 前回、インフルエンザの発生が起きて、マスクをつけて、大分今は危機意識が薄れているというふうな現実は十分認識をされていると思います。それに対して、実は新型のインフルエンザの進行というのは非常に進んでいるし、報道よりも非常に危険な可能性があるという危機意識を持って、ぜひこれからも臨んでいただきたいと思いますし、マスクの備蓄・配付に関しては改めて検討をお願いしまして、この項の質問を終わらせていただきます。
○いでい委員長 平山委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。
 1時まで委員会を休憩します。
      午後0時01分休憩

      午後1時00分開議
○いでい委員長 委員会を再開します。
 休憩前に引き続き、総括質疑を行います。
 平山英明委員、どうぞ。
○平山委員 それでは、引き続き質問を続けさせていただきます。
 3の入札制度の改善について、伺います。
 区は、一昨年の秋以降、迅速な緊急経済雇用対策を打ち続けてきております。その中で、区内事業者保護の観点からも、緊急経済雇用対策にかかわる事業については、入札に当たり、区内事業者への一定の優遇措置を行っているところです。しかしながら、依然厳しい経済情勢の中で、もう一歩踏み込んだ対策が必要と考えます。
 そこで伺います。今後3年間程度にわたり、現在区が緊急経済雇用対策にかかわる事業について行っている区内事業者への優遇措置をすべての入札に適用すべきと考えますが、いかがでしょうか。
○長田経営室参事(契約担当) 現在、緊急経済雇用対策に係る工事案件につきましては、総合評価落札方式の評価の基準点におきまして、区内事業者については、営業拠点の所在地、区内事業者、区内に本店を所在しているものにつきましては、5点の加点をいたしまして、区内事業者への配慮を行っているところでございます。この緊急経済雇用対策の適用以外の案件につきましても、現在の中野区の総合評価落札方式におきましては、区内事業者への配慮をしてございまして、本店を区内に所在しているものにつきましては、3点の加点がございます。また、ほかの項目につきましても、工事成績による配点など、区内事業者には十分配慮しているというふうに考えているところでございます。
 この工事案件の関係につきまして、すべての工事案件につきまして5点というような高い配点をいたすということになりますと、場合によっては、実質的に区外事業者を中野区の契約案件から排除するというようなことにもなりかねないということが懸念されてございます。総合評価落札方式、これは一般競争入札ということを前提に行うものでございまして、一般競争入札として設定をいたします本来の趣旨・目的でございます広く事業者の公募を行い、価格、品質で総合的にすぐれた事業者を選定するという意味からも、適切ではないと考えているところでございます。
○平山委員 厳しい経済情勢を踏まえて、そのことも十分かんがみた上で、質問させていただいておりますので。
 続きまして、総合評価の中の災害協定について伺います。
 現在、企業の信頼性、社会性への評価である各自治体との災害協定締結は1点が配点されていますが、中野区と災害協定を締結している場合は、地域貢献としてさらに1点の配点を行われてはいかがですか。
○長田経営室参事(契約担当) 先ほども総合評価方式の趣旨・目的等を御説明させていただきましたが、これは事業者としてすぐれたものを設定をしていく。そのことによって、中野区が価格と品質ですぐれた工事を確保するということでございます。そういった意味から申し上げますと、区外事業者であっても、地元自治体と協定を結んでいれば、その企業の社会性、信頼性という観点からは評価に値するものというふうに考えてございます。このために、中野区としては、配点の中に地元自治体との協定ということで1点の加点を配慮しているものでございまして、さらに中野区との協定についての1点加点するということについては、考えてございません。
○平山委員 社会貢献をかんがみてということは別に否定しているつもりではなくて、あそこの項目は、地域貢献と社会貢献が含まれたカテゴリーの中にあるものですので、あえて地域貢献の部分を一つ見直されてはいかがですかということを申し上げているつもりなんです。ぜひ御検討をください。
 続いて、入札の指名基準について伺います。
 一昨日、総合評価方式導入の目的の一つとして、不良不適格業者の排除というような答弁がありましたが、入札参加業者の経営事項審査については、どのように利用されていますか。
○長田経営室参事(契約担当) 中野区で入札参加事業者となるためには、まず前提といたしまして、東京電子自治体の共同運営を行ってございます電子調達サービスにおきまして、入札参加資格の申請を行いまして、この登録を行うという必要がございます。この共同運営に登録するためには、事業者は事前に、今御質問にございましたように、経営事項審査を受けていなければなりません。この共同運営の事業者情報から経営事項審査の内容を確認でき、必要に応じて私どもも確認しているところでございます。
○平山委員 その確認されている経営事項審査の内容、これも評価に反映する制度にすべきだと考えますが、いかがですか。
○長田経営室参事(契約担当) 私ども、先ほど御説明させていただきましたように、入札参加資格の申請に係る登録の手続として、これを採用させていただいてございます。先ほど御質問にございました不良不適格事業者の排除という観点からの配慮といたしましては、私どもとしては、例えば事業者の倒産情報など事業者に係る情報につきましては、別な角度から情報の把握をしているところでございます。
○平山委員 この項の最後の質問で、入札価格についてもお伺いをいたします。
 緊急経済雇用対策の効果を最大限に生むためには、業者が無理をした受注による人件費の削減などを避けなければなりません。入札予定価格や最低制限価格も検討する必要があると思います。特に、最低制限価格について、この一定期間引き上げを検討すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○長田経営室参事(契約担当) 御質問の中の問題意識として、ダンピングの防止、それから不良不適格者の排除という意図が込められていたかと考えてございます。こういったことに関しては、先ほど来御説明させていただいてございますように、総合落札方式を導入することによって、その効果が上がっているというふうに考えてございます。
 なお、最低制限価格につきましては、現在、入札予定価格から一定の基準に基づきまして算出をしてございます。こういった最低制限価格について、東京都は、昨年11月にこの改定を、東京都の最低制限価格の改定をしてございます。こういったものを参考に、中野区としても引き続き検討してまいりたいと考えてございます。
○平山委員 先ほど僕から申し上げていますとおり、昨今の経済情勢をかんがみた上で、とにかく今すべてのいわゆる中野区で行うさまざまな工事について、これは緊急経済雇用対策であるという認識をもとで質問をさせていただきましたので、どうかよろしくお願いをいたします。
 それでは、4番目の質問に入らせていただきます。
 学校教育現場の問題と、これからの中野の教育について伺います。
 初めに、区立小・中学校での環境衛生検査について伺います。
 改正学校保健安全法第5条では、児童・生徒等及び職員の心身の健康保持・増進を図るため、毎年定期的な環境衛生検査の実施を、同第6条では、適正を欠く事項の改善を義務付けています。
 そこで伺います。平成20年度の決算説明書には、学校保健運営費の中に空気環境調査委託、飲料水・プール水水質検査委託、簡易専用水道検査委託がそれぞれ予算執行されています。照度検査の費用はお幾らだったのでしょうか。
○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 照度検査につきましては、学校薬剤師として委託した業務の中に含まれてございます。したがいまして、その学校薬剤師の報酬の中で賄われているというところでございます。
○平山委員 2項目めの質問で、照度の検査についての指摘事項等々をお伺いしようと思いましたが、きょう要求をしておりました資料がまいりまして、文教98が提出されましたので、これについてちょっと1点だけですかね。
 一つは、この照度について、結構指摘事項が少ないのかなという気がするんですが、それはまた別の機会にとして、この照度検査だけがなぜか改善件数がこの指摘件数と一致しないというか、ほとんど改善されていないように思えるんですが、これはなぜでしょうか。
○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 照度検査、つまり照度が足りないということでございます。それは、簡単なものは蛍光管などを取りかえれば済むということもありますし、備品等の配置を変えるというところでも大丈夫ということがありますが、その照度を上げるためには照明設備を新たに増設しなければならないと、そういったようなことがございますので、すぐには改善できないというのが実態でございます。
○平山委員 例えば、平成17年の指摘がいまだに改善されていない。これも放ったらかしにされている状態なんでしょうか。その上で伺いますけども、照度検査については、教育委員会が直接薬剤師会にこれを委託されていらっしゃるんですか。
○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 17年度のものがずっと引き続き改善されていないということではありませんで、改善されたものもあり、この数字の中では改善されたところ、また新たに改善指摘が出たところということがございます。
 それで、直接ということでございますが、学校薬剤師として委嘱してございますので、個々の委託契約ということではございません。
○平山委員 改善されたのかどうなのか、よくわからないような御答弁だったんですが、この委嘱状の中に、職務内容として、学校保健安全法施行規則第24条によると、ありますよね。これは、24条というのは、まさに具体的な環境衛生検査を定めたものだと思っているんですが、これで委嘱されているのにもかかわらず、直接教育委員会が委託をされていらっしゃるわけではないということですか。ということは、教育委員会は、この照度の検査の結果とかということに関して、報告とかは受けていらっしゃるんですか。
○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 教育委員会として直接環境衛生検査を民間業者に委託しているということもあります。この学校薬剤師の方にお願いしている分につきましては、基本的には学校に、学校薬剤師の方には学校に報告していただき、その学校の中で軽微なものであれば改善するということでございます。したがいまして、直接教育委員会のほうには報告はございません。
○平山委員 直接教育委員会が委託をして、教育委員会が報告を受けるべきではないですか。本年4月1日から改正学校保健安全法が施行されまして、地方公共団体と学校設置者の責務が示されました。今年度から、照度を含む環境衛生検査について、教育委員会が検査実施の結果を受け、不備な点があれば遅滞なく改善すべきです。また、改善については、校割予算ではなくて、別途予算措置を行うべきだと思いますが、いかがですか。
○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 委員御指摘のように、学校保健安全法というのが改正されまして、旧法にはなかった地方公共団体の責務、あるいは学校の設置者としての責務が明確に規定されたというところがございます。このような趣旨を踏まえまして、環境衛生検査の結果、改善を要するところがあれば、改善していくと。教育委員会として、改善していく努力を進めてまいります。
 あと、改善のための予算のあり方については、検討させていただきます。
○平山委員 予算がないから、なかなか学校として改善できないというところもありますので、ぜひよろしくお願いをいたします。
 次に、連携教育について伺います。
 平成18年9月4日には、文教委員会で、学識経験者、学校、教育委員会で構成される中野区立学校連携教育調査研究会の設置について報告がなされ、設置期間を平成18年7月から平成20年3月までとし、平成19年度中に最終まとめが提出されることになっておりました。
 そこで伺います。中野区立学校連携教育調査研究会からはどのようなまとめが提出されましたか。
○喜名教育委員会事務局指導室長 御指摘の中野区立学校連携教育調査研究会は、平成18年7月に発足いたしまして、連携教育について実態調査や研究を行ってきております。連携教育について検討を重ねる中で、社会の要請として一貫教育について検討する必要性が生じてまいりましたので、課題を再整理するために、同研究会は休止することとして、報告書の作成に至っておりません。
○平山委員 じゃあ、研究会は途中でやめられちゃったということですね。
 次の質問にまいります。
 本年5月には、教育をめぐる課題を検討することにより、中野が目指すこれからの教育の方向を明らかにするため、区立小学校と幼稚園、保育園、区立中学校との連携した教育に関すること、区立中学校と高等学校との連携した教育に関すること、地域との連携に関することなどを検討する「これからの中野の教育検討会議」の設置に関する要綱を定め、6月29日にこの「これからの中野の教育検討会議」が設置をされました。今回の要綱には、委員の任期が定められておらず、また、結果の取りまとめについても記されておりません。いつまでに検討結果を出すのでしょうか。また、結果の取りまとめは行うのでしょうか。
○喜名教育委員会事務局指導室長 まずは任期の件でございますけれども、設置要綱第4条に「検討会議は、この要綱の施行日から1年を超えない期間で設置する」とございますので、委員の任期もこの1年というふうになります。
 報告でございますけれども、現在の予定では、平成22年2月に報告という形で出される予定でございます。
○平山委員 新しい中野をつくる10か年計画(第2次)の素案には、連携教育のほか、小中一貫校の設置の検討と、我が会派の要望を受けての積極的な内容か盛り込まれています。しかし、第2章にも、第3章にも、実現のステップに落とし込まれておりません。「これからの中野の教育検討会議」の報告結果を取りまとめ、実現のステップに明示すべきではありませんか。
○喜名教育委員会事務局指導室長 今お話しいたしましたように、この検討会の報告が2月に出されますので、この報告を受けまして、教育委員会として方針を協議・決定する予定でございます。その後、22年度中に事務局内で具体的な実行プログラムを検討する予定ということでございますので、この10か年の計画には現時点では落とし込めないかなというふうに考えております。
○平山委員 わかりました。次の質問に移ります。
 5番の区内薬局との協力体制について、伺います。
 初めに、DOTS事業について伺います。
 近年、区内の結核罹患者率は、依然全国平均や東京都平均と比較しても高い状態です。また、20代、30代の罹患率が全国や東京都の中でも高率になってきており、23区の中で6区しか行っていない取り組みである薬局DOTSの事業への期待は大きいものがあります。
 そこで伺います。平成19年度と比較して、実施人数は2倍近くに増加しているにもかかわらず、この来局・訪問の延べ件数がDOTS事業について減少しているのはなぜでしょうか。
○山川保健福祉部副参事(保健予防担当) 薬局DOTSは、直接服薬支援が必要な方に対して、服薬の確認を行う重要な事業でございます。ただ、この事業については、週6回など非常に高い頻度で服薬支援が必要な対象者の方が、20年度はその方々の中で感染のリスクを考慮して保健所が直接服薬確認を行った方、また、退院後地域に戻らず施設等に入所された方が複数いらっしゃったことによって、そういった方々が薬局DOTSの対象にならなかったということが一つの要因であると考えております。
○平山委員 執行額が60%と低調なのは、前年度も50数%だったと思いますけども、これはどのような理由でしょうか。
○山川保健福祉部副参事(保健予防担当) 一つは、対象となる塗抹陽性患者、たんの中に結核菌が認められている患者さんですけれども、その方の増減が1年単位で過去10人程度の増減がございます。また、個別の対象者の重症度と生活背景などがさまざまでございまして、必要な支援頻度が一人につき月1回から週6回との幅があることが主な要因と考えてございます。
○平山委員 この事業の財源構成は、どのようになっていますでしょうか。
○山川保健福祉部副参事(保健予防担当) 制度として、全額国の補助金で補償されている事業ではございませんけれども、実施開始から2年間については、結果的に事業費全額に当たる国補助が交付されたものでございます。
○平山委員 来局によるDOTSについて、現場の薬剤師の方から、本来、週1回来局すべき患者が、もちろん本人の御希望や御都合もありますけども、月1回の来局になってしまっている例が多く見られるというようなお話を聞きました。薬剤師会と来局DOTSに対し1回500円の委託料で契約をなさっていますけども、週1回の場合と月1回の場合では、単純に薬剤師の方の作業量が4倍になります。国からの補助金交付に関して、薬剤師の委託について何か基準のようなものがあるのでしょうか。ないのであれば、事業の永続性をかんがみ、例えば1回の来局ではなく、月ごとの来局実績に応じた委託料を検討されてはいかがでしょうか。
○山川保健福祉部副参事(保健予防担当) 委託料の基準につきましては、特段設けられてございません。事業の実施に当たっては、定期的に薬剤師会と連絡会を持つなど、連携に努めております。御指摘の点など、薬剤師会の意見等も聞きながら、よりよい事業にしていきたいと思います。
○平山委員 よろしくお願いをいたします。
 財源構成について、もう1点お尋ねをします。要求しました厚生52の資料を見ると、平成19年度・21年度予算には、一般財源と特定財源が約半分ずつとなっています。一方、決算では、結果的に全額特定財源で賄われております。平成19年度の予算作成の際、先ほど100%ではないとおっしゃいましたが、国からの補助率というのは確認されたんですか。
○山川保健福祉部副参事(保健予防担当) 予算編成の際、国からの補助率が定額ということについて確認いたしております。
○平山委員 この実績を見ると、19、20年はすべて特定財源で賄える額が国から来ているということでございますよね。その上で、20年度は予算では、一般財源の予算は組まずに、特定財源だけ組まれています。それで、21年度、改めて一般財源と特定財源を半々にされた理由は何ですか。
○山川保健福祉部副参事(保健予防担当) 1点目は、予算編成の前に、国から交付要綱の変更がある旨、連絡がございました。その後の21年度の予算積算の時点では、まだその具体的内容は示されておりませんでした。また、事業対象者の方は、長期の服薬が必要な方で、年度を越えた継続的な支援が必要なことから、一つは事業継続を最優先として考えました。
 また、事業開始当初は、先駆的事業の取り組みとして実施を始めましたけれども、事業が3年目に当たり、定着しつつあるとの国の評価なども想定し、事業費の全額を特定財源として計上した場合、認められない可能性もあるということで、当初予算として一般財源2分の1を充てたものでございます。
○平山委員 補助率が変わるような話があったと。3年たつので、安定した事業ということで、国からの補助率というか補助額が今までどおりあてにすることができないかもしれないというような御答弁でしたけど、しかしながら、この初年度に関しては、実際の予想していた金額以上の金額が国から出てきているわけですよね。その上で、平成21年度というのは、この「財政運営の考え方」の中で、国・都の補助金について、最大限その活用を図ると。新たな補助対象となるものがないか検討する。確実な補助金の確保に努めるというふうに「財政運営の考え方」に記されています。区としても、厳しい経済状況の中で当然というふうに考えますが、これを踏まえられて、もう一度御答弁をお願いします。
○山川保健福祉部副参事(保健予防担当) 22年度に向けましては、国の補助の考え方が本事業については10分の10であるということが示されました。今後とも、その10分の10ということで要求してまいりたいと考えております。
○平山委員 22年度はまた10分の10になりましたと。結果として、国の補助金がそうやって来るということで、一般財源を当て込まなくていいことになるわけですから、非常にいいことだと思うんですが、21年度はこの91万6,000円とはいえ、一般財源をそこに計上したということ。それが全体のさまざまな事業に与える影響というのはゼロではないというふうに思いますので、そういう意味で、事業の組み立て、制度設計、予算の積算、財源の確保など、DTOS利用については中野区が成功事例のモデルとなることを期待して、次の質問に移らせていただきます。
 続きまして、休日当番薬局の体制について伺います。
 現在、区は、中野区薬剤師会に委託し、休日当番薬局を区の南北に各1カ所ずつ、計2カ所配置をしております。しかしながら、現状、休日当番薬局の場所が、必ずしも休日当番医の病院に近いとは言えず、御病気の方、御高齢の方にとって、さらに利用しやすいサービスが求められると考えますが、いかがでしょうか。医師会などや薬剤師会と、大枠での休日当番体制に地域的な考慮を図れるようにしてはいかがでしょうか。
○岩井保健福祉部参事(健康推進担当) 休日診療につきましては、当番医は南北各3カ所ずつ、また当番歯科医は各1カ所ずつ開設をしているところでございます。病気の方や高齢者にとってより利用しやすいサービスということでございますけども、休日薬局については、南北各1カ所ずつ開設をしているところでございますけども、すべての当番医療機関に近い薬局を休日当番薬局という形で開設することは難しいというふうに考えております。仮に、当番医の近くにそれぞれ当番薬局を開設ということになりますれば、数をふやすということになるわけでございます。ただ、休日に開いている薬局も、区が把握しているだけでも10軒程度ございますので、休日当番薬局をふやすというようなことも考えておりません。
○平山委員 区として、休日当番薬局というのを設けていらっしゃって、もちろんそれ以外の薬局もあいている場合もあるんでしょうが、南北、それは6カ所と2カ所ですので、数が違いますので、すべてに近くということは当然できないとは思うんですが、病院と離れたところでぽつんと休日当番薬局が行われている場合もありますので、あえて申し上げさせていただきましたので、ぜひ協議を図っていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 次の質問に入らせていただきます。
 さきの一般質問で、我が会派の白井議員が、休日診療の体制について、新たな中野方式として、区内病院の診察室を利用した固定式休日診療所の創設を求め、財源の問題が解決できれば実施を検討との前向きな答弁がありました。ぜひ早期の実現に向け検討を進めていただくとともに、その際、病院に隣接する薬局での休日当番体制についても、中野区薬剤師会と協議の上、財源問題が解決されれば実施すべきと考えますが、いかがでしょうか。
○岩井保健福祉部参事(健康推進担当) 固定式の休日診療所の開設につきましては、医師会からもお話をいただいているところでございます。休日診療の観点から、医師会とも協議をしていきたいというふうに思っております。
○平山委員 ぜひよろしくお願いをいたします。補充薬局の問題もありますので、これまで以上に医療品管理センターの在庫の積極活用が必要とも考えます。あわせての検討をお願いし、この項の質問を終わります。
 その他として、一つ目に、防犯カメラの整備について伺います。
 区は、防犯設備の整備にかかわる補助金交付要項を定め、本年度から事業を開始しました。これは、地域団体で設置する防犯カメラ、防犯灯、防犯ベルなど、防犯設備などの整備費用の3分の2、上限600万を助成するものです。商店街のほかに町会の防犯担当もこの事業に興味を示し、地域合意を図った上で、区の担当部局へ相談に訪れる地域もあると聞きます。私の地元でも、町内に交番がない、犯罪がふえているなどの理由で、区とも相談しながら、防犯カメラの整備を目指しております。平成20年度、同事業について、相談に訪れた団体、また安全・安心まちづくり推進地区へ選定を行った団体はそれぞれ何団体ですか。
○石濱経営室副参事(危機管理担当) 防犯設備の整備に関する補助事業は、安全・安心まちづくり推進地区として選定された地区内の地域団体が実施する防犯設備の整備に関して補助をいたすものでございます。平成20年度にこの事業について相談に訪れた団体は、13団体でございます。安全・安心まちづくり推進地区に選定した地区は、7地区でございます。
○平山委員 結構な団体が相談に来られて、この安全・安心まちづくり地区の選定も行われたということなんですけど、これ主要施策の成果でも、防犯設備の整備が取り上げられておりますけども、予算現額2,400万円に対して、支出済額は420万円、執行率はわずか17.5%となっています。平成20年度の実績は何団体だったんでしょうか。
○石濱経営室副参事(危機管理担当) 平成20年度の実績は、1団体でございます。
○平山委員 現在、当該事業の補助率は、都が3分の1、区が3分1となっていると思いますけども、地元の方から、まだ防犯カメラ整備の費用というのは非常に高額ですので、自己負担3分の1というのがネックになっているというようなお話も聞いております。この都の補助もいつまで続くかわからない状況の中で、区としてはぜひ事業推進のために補助率のアップをされてはと思いますが、いかがでしょうか。
○石濱経営室副参事(危機管理担当) 来年度以降、都からの区に対する補助について未確定の要素もございますので、今後の補助については、事業の執行状況、それから都の補助の推移、こういったものを見ながら決めていきたいと考えております。
○平山委員 よろしくお願いします。
 最後、もう1点、取材をしていただいて、質問を準備しておりましたが、それはちょっとまたの機会にさせていただきます。時間が11分残りましたが、これで私のすべての質問を終わらせていただきます。大変にありがとうございました。
○いでい委員長 以上で平山英明委員の質疑を終了します。
 次に、せきと進委員、質疑をどうぞ。
○せきと委員 2009年第3回定例会決算特別委員会に当たり、日本共産党の立場から、総括質疑を行います。
 初めに、警大跡地大規模再開発の問題について伺います。
 私たちは、これまで警大跡地の大規模再開発は、中野駅周辺の巨大開発の呼び水であり、開発が開発を呼ぶ、とめどない開発の連鎖によって、区の費用負担は際限なく膨らむのではないか。だから、警大跡地の再開発に踏み出してはならないと繰り返し主張してきました。
 まず伺います。警大跡地の事業費総額は幾らになりますか。
○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 警察大学校跡地の整備費ということで、まず中野区が整備をいたします都市計画公園と道路がございます。都市計画公園につきましては、現在設計作業中でございます。ちなみに、この都市計画公園と道路、用地取得につきましては、約132億円を要したところでございます。整備費につきましては、現在設計作業中でございまして、具体の数値は現在お示しすることはできません。
○せきと委員 では、中野駅地区の事業費総額は幾らになりますか。
○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 中野駅地区についてでございますが、こちらは今年度中に具体的な整備の計画でございます。中野駅地区整備計画案を作成する予定でございます。整備費につきましても、この検討の中で深めてまいりたいと思っております。現時点では、そちらにつきましても、具体的な数値でお示しすることはできません。
○せきと委員 全体の規模がいまだ明確でないものに突き進もうということであります。
 次に、開発協力金について伺います。
 2008年度決算に関連いたしまして、財政運営の考え方(2008改定)の中で、2008年改定の説明で、2008年度、開発事業者から40億円の開発協力金が入る見込みと承りましたが、これは支払われましたか。
○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 平成20年度でございますが、こちらについては開発協力金、これはまだ御協力をいただいてございません。
○せきと委員 なぜ入ってこなかったのですか。
○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 開発協力金につきましては、御協力いただく時期等につきまして、開発事業者と協定を結ぶこととしてございます。平成20年度はまだそちらの協定を結ぶ段階に至っていなかったということでございます。
○せきと委員 2007年改定の財政運営の考え方でも、同じように2007年度、19年度中に入金見込みと書かれていたものが入ってこなくて、結局20年度に回ったものであります。
 それでは、ことし21年度、2009年度は入ってくるのでしょうか。
○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 現在、開発事業者とこの協定につきまして協議をしているところでございます。
○せきと委員 開発者負担の原則というのが最初に議事録にあらわれるのは、2003年6月でありました。道路や公園等の都市基盤の施設整備につきましては、開発者による整備の手法を追求していきたいと区は述べておりました。途中から、中野区も開発者の一員であるとの見解が示されるなど、形を変えてきた開発者負担の原則ですけれども、最終的には2006年12月に開発協力金として条例と要綱がつくられました。開発協力金の問題点については、任意の寄附金に過ぎないこと。金額が妥当かどうか、検証するすべが何もないこと。警大跡地の開発事業者が支払う協力金であるのに、その協力金は警大跡地では使うことができないことなど、これまでも指摘をしてきたところであります。警大と中野駅の事業費、まだ未定というお答えをいただきましたけれども、今後はそれに加えて区役所やサンプラザと、開発がどんどん波及していって、開発の総額がどれほどに膨らむかは想像もつきません。改定されましたグランドデザイン、バージョン2、全体構想の第2版を見ますと、策定範囲をこれまでの80ヘクタールから110ヘクタールへと大幅に拡張してしまっております。これは、私たちが指摘してきたとおり、開発の規模がどんどん膨らんでいくということの証左だと思っております。
 一方、その財源はというと、2年続けて開発協力金の見込みが外れた問題ですとか、今後の区役所整備には国や東京都の交付金が期待できないなど、将来、区民に負担が転嫁されることは間違いないのであって、到底認めることができません。
 さて、グランドデザイン、バージョン、全体構想のこの第2版では、10か年計画の改定素案にも見られますけれども、これまで「中野の顔づくり」としていたのを、「東京の新たな活動拠点」と、範囲だけではなく、その志も大きく拡張しております。第2版で区は、次のように述べています。「中野駅周辺は、(中略)多摩方面からセンターコア再生ゾーンへ向けたにぎわいの玄関口を形成している」、このように書いてあります。この描写が本当にふさわしいのは中野駅周辺だろうかと疑問に思います。大半の人が「多摩方面からの玄関口」と聞いて思い描くのは、新宿ではないでしょうか。大体、玄関口は敷地内になければおかしいのであって、中野駅はセンターコア再生ゾーンの外にあるのですから、玄関口という位置付けは間違っております。玄関先が正しい描写であります。東京の新しい活動拠点は、身の丈に合わない大風呂敷であり、区民の理解は得られないと思いますが、いかがでしょうか。
○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) グランドデザインにつきましては、これまで数多くの意見交換会を実施させていただきました。その中で、区民の方々からは、期待をする声も大変多くちょうだいしているところでございます。私どもは、この中野駅周辺のまちづくりを通じて、東京の新たな活動拠点となることで、より力強く中野区全体の経済や活力を牽引するものだというふうにとらえております。グランドデザインで示したまちづくりを着実に進めることで、実現できるものと考えております。
○せきと委員 玄関口は新宿がよりふさわしいのではないかということを申し上げましたが、その新宿で、新築ビルの空室が今大変に目立って仕方がありません。都心の五つの区における業務施設の空室率は18カ月も悪化を続け、ことし8月にようやく横ばいの7.57%となりました。ただし、新築に限った場合、空室率は25.11%になります。中でも新宿は見るにたえない惨状を呈しており、区全体で8.74%、新築の場合は何と48.35%、人ごとながら、本当に心配になってしまいます。警大跡地に建築される業務・商業施設について、区は入居率をどれぐらい見込んでいるのでしょうか。土地所有者である中野駅前開発特定目的会社は、つくった建物の入居率まで面倒見るのでしょうか。その責任はありますか。空室が余りに多かった場合、どういうことになりますか。お答え願います。
○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 特定目的会社の事業責任等についてでございますが、民間企業が建設する建物、その入居率ですとか、空室が多く出た場合の対処、これにつきましては、各企業の事業性にかかわることとなってしまいます。これについて、区としてはお答えできるものではないというふうに考えております。
 ただ、事業者は、この厳しい環境下におきまして、懸命に戦略を練り、みずからの責任や判断で計画を推進しているものでございます。警大跡地の開発につきましては、まさに中野区の活力を牽引するリーディングプロジェクトだという認識を区も、事業者も持っているところでございます。よりよいまちづくりを目指して、ともに計画を推進しているというところでございます。
○せきと委員 区は、来年度早々にも第三セクターを設立すると言っております。よその自治体を見る限り、貸しビル業が失敗した際には、このタウンマネジメント、まち管理会社が責任を負っております。この例が当てはまるならば、警大跡地の事業不振のツケは、結局中野区に回ってくるということではありませんか。新宿で半分しか埋まらないものが、中野で埋まるとはとても思えません。
 区が警大跡地に超高層建築を呼び込もうとしていることについて、我々は機会あるごとに見直すよう求め、立ちどまるよう忠告してきました。開発者負担の原則や、際限なく広がる事業規模と中野区負担の問題は、2003年から何一つ解決しておりません。そればかりか、経済危機にまつわる空室の問題など、問題はむしろふえる一方なのではないでしょうか。このまま突き進んではならないことを声高に訴え、この項の質問を終わります。
 次に、雇用と住宅の施策について伺います。
 米証券大手のリーマンブラザーズが破綻したのは、昨年9月15日、リーマンショックから1年が経過しました。内需を壊し、外需に頼った日本経済のゆがみが顕現した1年でもありました。2008年10月~12月期における国内総生産の落ち込みについて、日・米・独・仏・英5カ国を比べますと、日本13.1%の減少、アメリカ5.4%減、ドイツ9.4%減、フランス5.5%減、イギリス7.0%減、震源地の米国よりも日本のほうが大きな損失を出したことがわかります。聖域なき構造改革路線が、極端な外需頼み、外貨依存の道をたどりました。よく「アメリカがくしゃみをしたら、日本が風邪を引く」と言いますが、風邪で済まない体質にみずから改変してしまったため、外貨が崩れたあのとき、ただならぬ打撃をこうむったわけであります。
 厚労省によれば、派遣切りや雇いどめに遭った人は、昨年10月からの推計で23万人にも上ります。寮を追い出されて住居を失った人は3,400人、緊急対策が迫られる中、本日10月1日から厚労省が設置した「失業した人に住宅手当を支給する制度」が始まりました。これはどんな制度なのか、御紹介ください。
○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) 国の住居喪失離職者などに対する支援の概要について、御説明をいたします。
 国の制度は、三つの支援策が柱となっております。第1の支援策は、住宅手当特別支援措置事業といいまして、先ほど委員が説明をされましたように、離職者であって、就労能力及び就労意欲のある方のうち、住宅を喪失したり、または喪失のおそれのある方に対して住宅手当を支給するということで、住宅及び就労の機会の確保を目的としたものでございます。また、この支援については、就労相談員を配置しまして、生活や就労の支援を行うといったものでございます。
 次に、第2の支援策としまして、先ほどの住宅手当を支給すると説明いたしましたが、この住宅手当を支給するまでの間に生活費が必要な方には、臨時特例つなぎ資金といった制度で資金の貸し付けを行うといったことも行います。
 また、第3の支援策としましては、総合支援策として、就職が決まるまでの生活支援費や一時生活再建費を貸し付けるといったようなものもございます。
 この第1に御説明しました住宅手当を支給するものにつきましては、市区町村の福祉事務所が中心となって担い、第2、第3の生活資金の貸し付けなどにつきましては、社会福祉協議会が担うという仕組みとなっている制度でございます。
○せきと委員 ありがとうございます。この制度は、9月20日の区報でも紹介されておりますが、問い合わせは多いのではありませんか。
○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) 問い合わせは多く、就労相談員を1名配置しておりますか、その相談員とあらかじめ就労面接を行うことになっております。この面接の予約も、もう既に二日ほどいっぱいとなっております。
○せきと委員 もう大変問い合わせも、予約もいっぱいであるということであります。離職によって、住居を喪失、またはそのおそれのある方へ住宅手当緊急特別措置事業、こういう制度でありますけれども、区はこれをどのように評価していらっしゃいますか。
○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) 生活困窮に陥る前の方を対象とした新たなセーフティネットの施策としての構築は、評価に値するものと考えております。区としましては、こういった動きと連動しまして、今年度補正予算のほうで区の単独事業として入居初期費用の給付についても実施したところでございます。
○せきと委員 緊急一時の施策とはいえ、いよいよ家賃補助に踏み切らざるを得ない状況が生まれたと言えます。蕨市のように、ネットカフェへ寝泊まりする人へ、その店の住所で住民票を置くことを認める自治体もあらわれました。こうしたせっかくの救済措置も、安定雇用をふやさない限り、長続きはしません。
 そこで、就労支援について伺います。
 まず、生活援護の窓口へ就労関係の相談がふえているのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) 就労関係の相談はふえておりまして、厚生28の資料をごらんになってください。それをお示ししながら御説明したいと思いますけれども、稼働者の離別や手持ち金の減少といったようなものはふえております。こういった項目の中に、就労の相談業務がふえているということがございます。
○せきと委員 この厚生28の資料を見ましても、相談件数全体がぐんと上がっているとともに、手持ち金の減少が相談原因であるといった方の数もぐっと上がってきております。手持ち金がないということは、おそらく仕事がないということでありましょうから、こうした就労支援の緊急性がいよいよ高まっているのではないかと、このように思います。
 先日の総括質疑でも、幾ら探しても仕事につくことのできない社会状況が、この1年間で生活保護受給世帯が急増している大きな理由として挙げられる、こういう報告でありました。ことし7月の完全失業者数は、1年前と比べ103万人増の359万人であり、そのうち会社都合で失職した人は前年比2倍近くふえて121万人に上ります。完全失業率は、全体で5.7%でありますが、25歳未満では9.9%、25歳未満の男に絞ると12.0%、青年が多く住むまち中野区として深刻な事態であると言えましょう。中野区は、ことし2月、合同就職面接会を行いましたが、その結果をお聞かせください。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 2月13日にハローワーク新宿と共催で合同就職面接会を開催いたしました。会場は、勤労福祉会館となってございます。求人事業者は20社、人材確保に苦労する介護保険事業者を10社という内訳で、実施をいたしました。求職者は184人、採用人数は13名という結果でございます。
○せきと委員 半数が介護関係という話でありました。応募が184名という多さも驚きますけれども、そのうち就職に13名しか結びつかなかったという少なさも、大変な心配事であります。20年度の補正予算で、無資格者が訪問看護員の資格を取得するときに、中野区が10万円まで手当を出す制度ができました。今年度も続いておりますが、区民の利用状況はどうか、お知らせください。
○遠山保健福祉部副参事(介護保険担当) 当該の資格取得助成は、無資格者の新規採用、または資格を取得することを条件に新規採用の内定を行った介護事業者に対しまして助成を行うことにより、雇用を促進するというものでございます。昨年度の実績は、助成の活用をした人数は8名でございます。今年度は、9月末現在、5事業者、5名の申請を受けてございます。
○せきと委員 昨年度8名、今年度5名というお話しでした。昨年度の区が見込んだといいますか定員枠、予算をつけた人数は、昨年度、今年度、それぞれ何人ずつでしたか。
○遠山保健福祉部副参事(介護保険担当) 昨年度は10名で予算措置をしてございます。今年度は45名を想定して、予算措置をしてございます。
○せきと委員 昨年度は10分の8でしたけれども、今年度は、今のところですけれども、45分の5と、大変就職につながっていないと言わざるを得ない状況だと思います。就労希望者が多い一方で、介護の現場では人手不足が続いております。介護職の就労がふえない、あるいは長続きしない理由は何だと考えますか。
○遠山保健福祉部副参事(介護保険担当) 介護職の就労につきましては、夜勤があるとか、それから多忙な業務であるとか、労働条件が厳しい。その割には、他の業種に比べて賃金が安いのではないかということが一般的に言われていること。こういった実態がございまして、介護職の雇用、あるいは定着につながりにくい状況かなというふうに認識してございます。
○せきと委員 私もそのとおりだと思います。国の介護報酬が低過ぎることが、まず最大の原因だろうと思っております。また、介護労働現場がいかに過酷かと、こういう番組をこれでもかと放送しているテレビの悪影響もあるかもしれません。区として、この制度の周知や事業者への働きかけということはされておいでですか。
○遠山保健福祉部副参事(介護保険担当) この制度を活用して、その従事者をふやしていくということにつきましては、対象事業者にこの助成制度を活用するよう働きかけているところでございます。
 また、先ほど御質問にもございました合同面接会、昨年2名の実績がございますので、そういったことも期待しているところでございます。
○せきと委員 ありがとうございます。ますますの御努力を期待いたします。
 その就職面接会ですが、杉並は昨日、9月30日に就職面接会を実施いたしました。杉並区は、今年度合計3回、来年度はさらに回数をふやしたいと申しております。中野区としても、年1回と言わずに面接会を年度内に複数回開催すべきではありませんか。また、昨今の厳しい就労条件をかんがみるに、就労支援のさらなる体制強化が必要と考えます。お答えください。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 就職面接会につきましては、21年度、今年度につきましては2月に予定をしてございます。また、今後につきましても、ハローワークと調整をしながら、ミニ就職面接会の開催など、検討してまいりたいと考えてございます。
○せきと委員 ぜひ多くの方が就労につながるような施策の充実をお願いしたいと思います。
 次に、住宅施策に移ります。
 住む場所を失った人への家賃助成は、麻生政権、よくやったと思います。しかしながら、他方、生存権を保障する目的で新家賃を助成するのであるなら、住む場所を失ってからではなく、住む場所を失わせない施策こそがまことのセーフティネット(安全網)ではないかとも思うものであります。
 中野区住宅白書2008には、区民が中野区外へ引っ越してしまう転出の理由として、「家賃・地代が高いから」というのが第2位に挙がっていますが、家賃が高過ぎるために中野区に住んでいられなくなった人が多いと考えて間違いありませんか。
○登都市整備部副参事(住宅担当) 家賃そのものはいわゆる市場関係、マーケットメカニズムによって形成されておりまして、中野区内がほかと比べて特に高いというようなことは一概には言えないと思いますが、借りている人にとっては高いと感じている方が多いのかなと思います。
○せきと委員 中野区だけが特別高いというわけではないというのは、もちろん承知しております。都内23区が特に全国と比較しても高いという傾向は出ています。また、家賃が高いこと自身は中野区の責任ではありませんが、そこに住んでもらうためにいろんなことが考えられるのではないかと、このように思います。
 新宿区は、学生・単身勤労者向け家賃助成制度をやっておりますけれども、こうした制度はやはり必要ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○登都市整備部副参事(住宅担当) 学生ですとか、あるいは勤労単身者、若い層でございますけども、こういった方に対する家賃助成、新宿区がやっておりますけども、月1万円、30人の方に支給しているということでございますけども、中野区としましては、区独自でこういった家賃助成については考えていません。
○せきと委員 2008年の住宅土地統計調査が発表されました。空き家率は、平成15年の12.2%から13.1%に上昇し、過去最高。空き家が全体でふえてはいるが、家賃が安い住宅はむしろ不足と、このように出ております。神戸大学大学院の平山洋介教授は、次のように述べます。「家賃補助を制度化し、供給すれば、たくさんあいている家を住宅に困っている世帯に配分でき、大きな政策効果が上がると思う。欧米で家賃補助が拡大したのは、住宅ストックを有効に利用し、住宅保証に役立てるためである。日本政府が家賃補助制度に踏み切った意義は大きい。住宅施策の流れは、家賃補助の方向に向かっていくに違いない」と、このように考えております。
 さて、生存権を保障する上での家賃助成とは別に、子育て支援兼定住応援といった性質の家賃助成もあります。
 まず伺います。子育て世帯の人口動態、定住か、転出かといった傾向について、区は把握していらっしゃいますか。
○登都市整備部副参事(住宅担当) 中野区の動向でございますけども、18歳以下の子どもを持っている世帯、特に30歳代の世帯につきましては、転出が多いという傾向が見られます。
○せきと委員 第3次中野区住宅マスタープランにもそのとおりの記載がされておるとおり、区内へ引っ越してきた人、転入者よりも、出ていく転出者が多い。子育て世帯にはそういう傾向があると言えると思うんです。中野区住宅白書に戻りますと、30代男女の7割が「ずっと、または今のところ住み続けるつもり」と回答しているのに、実際には住み続けることができずに、子育て世帯は転出超過、転出のほうが多くなっているという様子になってしまっております。中野区は、子育て世帯の定住支援、住み続け応援のためにどんな施策を行っていますか。
○登都市整備部副参事(住宅担当) 定住への支援ですけども、住宅政策に限りますと、例えば区営住宅ですとか区民住宅のような、区が直接住宅を提供するという施策がございます。それ以外に、都営住宅や住宅供給公社の住宅の建てかえの際に、ファミリー向け住宅の供給の促進、これを要望しておりますし、また、現在区有地を活用して民活への供給ということにも取り組んでいるところでございます。
○せきと委員 先ほども指摘しましたが、家賃が高過ぎることが転出理由の上位であります。これらの人たちは、7割が住み続けるつもりだったのに、転出してしまったというわけです。
 賃貸住宅にお住まいの中野区民に、子どもが生まれたとしましょう。子どもは地域の宝であるし、親御さんにも先々地域活動の面で期待がかかります。こういう御家族が区外に出ていってしまうのを、ただ手を振って見送ってはいけません。どこかに引っ越そう、どこに引っ越そうかと考える際、中野区に住みかえ支援があったなら、中野区かそうでないかという二択が先に頭にあると考えます。北区、新宿区、台東区、豊島区、文京、目黒が子育て世帯に対し、家賃助成や同じ区内での住みかえに限り手当を支給する。所得制限等はありますけれども、こうした制度を実施しております。子育て支援、区内定住応援の観点は多分にあると考えます。中野区にはそれがないから、引っ越し先を考える人は、真っさらに近い状態で検討を始めていないだろうかと、このことであります。中野区も家賃助成を検討すべきと考えますが、いかがですか。
○登都市整備部副参事(住宅担当) 家賃は生活費の一部でありまして、区独自でそういったところに助成するということは、現在のところは考えておりません。
○せきと委員 今後とも、この問題については求めていきたいと思います。ありがとうございました。
 次に、資源化事業について伺います。最初に、蛍光管についてであります。
 私がことし2月20日の本会議質問で、蛍光管の資源化に取り組むよう求めたところ、区は、「不燃ごみとして家庭から排出される蛍光管は、清掃一部事務組合の不燃ごみ処理センターで資源の回収処理がされております。区としては、資源回収は考えていないところであります」とお答えになりました。蛍光管の物質構成を見てみますと、重量比でガラス92.2%、電極ほか3.9%、口金1.6%、このようであります。
 まずお尋ねします。経済産業省の品目別廃棄物処理リサイクルガイドラインでは、使用済み蛍光管についてどのように記述されていましたか。
○橋本区民生活部参事(ごみ減量担当) お尋ねの経済産業省の品目別廃棄物処理リサイクルガイドラインでございますが、そこでは「事業者は「3R」に配慮して設計を進め、蛍光ランプの小型化、長寿命化、水銀使用量の減量化を進めること」などが記されていることは承知してございます。また、自治体による回収・リサイクルの支援、広報普及活動の実施及びリサイクル技術の開発等の取り組みの推進なども記述されてございます。
○せきと委員 この自治体による回収・リサイクルとあるからには、一般家庭から排出される使用済み蛍光管を自治体が回収し、リサイクルすることが、経済産業省としては望ましいと考えているというふうに読み取ることができると思います。
 さて、清掃一組の不燃ごみ処理センターに電話で確認しました。ここで行っている資源回収とは、まず破砕して、次に自動選別機にかけて鉄とアルミを回収することであって、蛍光管の9割を組成しているガラスは一向に回収されません。蛍光管には口金にわずかにアルミが使用されているものの、これは全体で見ればごく微量であります。蛍光管の資源化とは何かと申しますと、日本電球工業会は、使用済み蛍光管の資源有効利用に当たっては、まず封入されている水銀の回収と、資源としてリサイクルすることが優先されなければならないとしております。ところが、清掃一組不燃ごみ処理センターでは、口金のアルミが回収されているかもしれないといった程度であって、電球工業会が優先されなければならないとした水銀はもとより、蛍光管の9割を占めているガラスさえも有効利用はされていないというのが実態ではありませんか。これで資源の回収がされておりますという御答弁は、本当に残念でなりません。
 そこで伺いますが、中野区環境基本計画が2008年5月に、中野区一般廃棄物処理基本計画が2006年にそれぞれ改定され、蛍光管の取り組みが大きく後退してしまっておりました。特に、一般廃棄物処理基本計画は、これまで「蛍光管や水銀体温計等の拠点回収及び資源化を検討します」と書いてあったものがそっくりなくなってしまいましたが、この理由をお聞かせください。
○橋本区民生活部参事(ごみ減量担当) 蛍光管の資源回収につきましては、回収したものを安全に集積しておきますストックヤードが必要なことから、区では清掃工場の建設計画の中で、こうした資源化施設の整備を考えてございました。しかしながら、工場の建設計画自体が見直され、資源化のための環境整備ができなくなったという経過がございます。こうした状況の変化や、蛍光管を行政が回収し、資源化することには財政負担も大きいことから、平成16年に改定しました一般廃棄物処理基本計画では、記述を削除したところでございます。
○せきと委員 日本電球工業会によりますと、この蛍光管に使用される水銀は無機水銀であって、人体への影響は少ないとされております。しかし、これが川や海に放出された場合、微生物によってメチル水銀に変化をし、食物連鎖を通じて魚介類に取り込まれ、行く行く人体へも影響を及ぼす。こういう指摘もされているところです。経済産業省が憂慮しているのは、水銀を回収してほしいということであります。国産の蛍光管に含まれる水銀の全体の量、総量は、国内年間需要の水銀量の23%という大きな比率を占めております。これを有効に活用し、再利用すればよいものを、このうち85%も埋め立て処分しているという状況であり、もったいないし、毒であると、このように私は考えます。
 蛍光管の資源化は、予算上の問題があるとおっしゃいましたけれども、私はそうは思いません。資源の曜日に集積所に出して、収集車がスプレー缶を集める要領で回収する。清掃事務所など拠点の角に蛍光管だけを一まとめにしておいて事業者に渡せば、それで済む話であります。品川区が集積所で、中央区は小学校、江東区は事業所で、蛍光管の拠点回収を行っております。中野区にも蛍光管の資源化の検討をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○橋本区民生活部参事(ごみ減量担当) それぞれの自治体では、資源化施設の整備状況、財政状況、それからごみの排出実態、こうしたものを踏まえまして、資源として回収する品目の優先順位を決めてございます。ストックヤードがない、資源化施設のない当区では、蛍光管の資源回収につきましては、費用対効果の面、それからごみ減量・資源化の推進という観点から、現時点では実施は適切ではないと考えてございます。
 なお、蛍光管の回収につきましては、基本的には拡大生産者責任のもとで、事業者などがリサイクルすることが望ましいとも考えてございます。
○せきと委員 私は、第2次10か年計画の素案に、ステップ2、段階2のところで「新たな資源回収事業の実施」とありまして、これに蛍光管が入ってくるのではないかと期待していたのですが、そうではなさそうであります。では、この10か年計画の素案では、どんな品目の新たな資源回収を検討しておいでか、御紹介ください。
○橋本区民生活部参事(ごみ減量担当) 10か年の素案では、厨芥類などの生ごみ、これを回収しまして、堆肥化とかバイオガス化、そういったものを現在想定してございます。
○せきと委員 それは10か年計画のところで、ステップ1ではないですか。私がお尋ねしたのは、ステップ2の「新たな資源回収事業の実施」でありますが、いかがですか。
○橋本区民生活部参事(ごみ減量担当) ステップ1では、モデル実施という形でもって進めまして、その試行・実証を受けて、ステップ2でもって事業化を進めるというふうに考えてございます。
○せきと委員 当会派としてたびたび取り上げてまいりました廃食用油の再資源化、それと、私が先ほど求めました蛍光管につきましても、検討を深めていただきたい。こうしたことをお願いしまして、廃食用油についての質疑は割愛いたします。
 次に、剪定枝葉について伺います。
 区道や区立公園で集めた木の葉、木の枝は、現在どのように処理していますか。
○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) 公園や街路樹の剪定は事業者へ委託しており、その使用についてはすべて民間リサイクル施設へ搬入するよう、仕様書で義務付けられておりまして、リサイクルされているということでございます。
○せきと委員 それでは、都道や都立公園ではどのようにされていますか。
○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) 都道や都立公園でも、剪定枝葉は民間リサイクル施設に搬入していると聞いております。
○せきと委員 ありがとうございます。一昨年の12月に、区が桜の枯れ葉から腐葉土をつくり、樹木の土壌改良剤として活用する取り組みを、明星大学吉澤教授らと連携して実施したとの報道があり、早速私もそのとき中野清掃車庫を見に参りました。堆肥づくりはうまくいったのか、どのように活用したのか、お答えください。
○齋木清掃事務所長 この試みは、清掃車庫内の樹木の落ち葉から腐葉土をつくり、これを敷地内の植え込みの堆肥として活用しているものでございます。
○せきと委員 ありがとうございます。この腐葉土を囲みの中で攪拌している作業中に私お邪魔いたしまして聞いたお話では、中野区花と緑の祭典等ででき上がった腐葉土については区民の方にお配りしたいというようなこともおっしゃっていたんですが、それはどうなりましたか。
○齋木清掃事務所長 よそのところへ供給するほどの量にはなりませんので、先ほど申し上げましたとおり、敷地内の植え込みの堆肥として活用していると、こういうことでございます。
○せきと委員 そのとき、現場の方がおっしゃっておりましたように、秋には枯れ葉を燃やすごみに出して、春には腐葉土を購入する。こうした区民が随分おりますけれども、こうした方々に枯れ葉から腐葉土をつくるのを一緒にやるような取り組みを区が行えば、区民が排出するごみがまた減るのではないかと思います。堆肥・腐葉土と聞くと真っ先に気になるのはにおいですけれども、私がかいだ限り、においは一切ありませんでした。吉澤教授は偉い、このように感服した次第であります。改定されたみどりの基本計画に、「落ち葉・剪定枝葉のリサイクル促進」として、「街路樹・公園から発生する剪定枝葉は、チップや堆肥にして公園等で利用するほか、区民や事業者も利用できるような仕組みづくりに努めます」とありますけれども、これはいつから実施するのですか。
○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) 委員御指摘のみどりの基本計画との関係でございます。今年度から試行的に、平和の森公園で落ち葉の一部を中野区造園緑化業協会の協力によりまして堆肥化し、先々花と緑の祭典等で一般の区民に無料配布をする予定をしており、既にこの取り組みを始めているところであります。このような取り組みをさらに広げていきたいというふうに考えているところでございます。
○せきと委員 みどりの基本計画は、今御紹介いただいた部分の、そこの続きなんですけれども、「また、地域住民との連携協力のもと、民有地の落ち葉等を堆肥にしてリサイクルするよう努めます」、このように書いておりますが、これは家庭系の落ち葉や剪定枝葉を今後は燃やすごみとしてでなく、資源として回収するような方策を研究なさると解してよろしいでしょうか。
○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) 現在、条例に基づく民有地の保護樹林から発生する落ち葉は、昨年から試行的に無料回収して、民間リサイクル施設に搬入しているところでございます。今後、今委員御指摘の一般民有地の落ち葉、もしくは剪定枝葉についても、例えば場所を特定し、その場所に持ち込んでいただくような仕組みといいましょうか、そのシステムを研究していきたいというふうに考えているところでございます。
○せきと委員 ありがとうございます。
 次に、その他として伺います。
 古紙や鉄くずの価格が暴落し、一部の資源化市場は食うや食わずの目に遭っております。要求資料の区民19、びん・缶、乾電池、ペットボトルの分別回収における経費と財源の内訳一覧を示します。アルミ缶・スチール缶の売却益が2007年度は6,100万円余であったのに対し、2008年度は4,700万円余、2割以上も減っております。では、回収量はというと、資料の区民20、2007年度と比べ、2008年度はアルミ・鉄とも1割前後ふえております。昨年秋、北京五輪特需の終了による大幅な値下がりと、さらに追い打ちとばかりに米国発の金融危機が起こり、価格が一気に暴落いたしました。鉄は10分の1、紙も2分の1という恐ろしい急落ぶりであります。伺いますが、区はこうした現状を承知しておられますか。
○橋本区民生活部参事(ごみ減量担当) こうしたリサイクル品目につきましては、市況が事業者に大きく影響を与えるということにつきましては承知してございます。
○せきと委員 中野区の古紙は、2007年度から全量集団回収に移行しており、業者にではなく、集団回収実施団体に対して区は報奨金を支払う仕組みになっていることは存じております。そうはいっても、相場の暴落によって、業者が倒れてしまわないよう、区として何か手だてを講じることはできないものかと思うのですが、いかがでしょうか。
○橋本区民生活部参事(ごみ減量担当) 御案内のとおり、古紙の集団回収は実践団体と、それから回収事業者との間での民民の契約で成り立っております。したがいまして、区が直接的にそこに入っていくということにつきましては、慎重になる必要があるのかなというふうには思っております。
 なお、将来にわたって集団回収が安定的・継続的に展開できるような、そういった方策、これにつきましては、回収団体、それから回収事業者、区を交えまして、どんな方策が考えられるのか、そういった話し合いの機会を設けていきたい、このように考えてございます。
○せきと委員 報奨金は、相場と連動しているわけでは決してないので、業者がお手上げをしてしまえば、行政回収へ後戻りとなりかねません。何よりも、暮らしと業者を、営業をにぎわすために、よろしくお願いしたいと思います。ありがとうございました。
 次に、哲学堂公園と野方配水塔について伺います。
 ことし2009年2月19日、区立哲学堂公園が東京都の名勝に指定されました。また、みずの塔の愛称で親しまれる野方配水塔について、現在、区は国の有形文化財への登録を申請中とのことであります。インターネットで「みずの塔」を検索すると、遠方から見物に来られる愛好家が随分いらっしゃることがわかります。哲学堂野球場の照明に照らし出される夜のみずの塔は荘厳で、とても美しいですね。中野区のみずの塔が建造されたのは1930年でありますが、翌年には板橋の大谷口にうり二つの配水塔が建造され、両者は同じ水かさを保って周辺を潤していたと言います。大谷口のみずの塔は2005年に解体されてしまっただけに、我らがみずの塔は長く残ってほしいと願ってやみません。
 さて、みずの塔は、空襲時の弾丸の傷跡を残す中野区の平和史跡であります。みずの塔公園内の説明板にもそう記載されております。
 まず伺いますが、みずの塔が被弾したとされるのはどの場所か、お答えください。
○小田政策室副参事(平和・人権・国際化担当) 野方配水塔の階段室部分に弾丸を受けたことを示す説明板をみずの塔公園内に設置してございます。この説明板は、2005年3月に、当時の平和担当が、空襲を実際に経験された方のお話を聞き取り、お伺いした上で、作成したものでございます。
○せきと委員 これがその説明板の――みずのとう幼稚園側に示されておりますが、これで間違いありませんか。
○小田政策室副参事(平和・人権・国際化担当) 当時、空襲を経験された方のお話を複数伺いまして、作成させていただいたものでございます。
○せきと委員 説明板には、これは拡大ですけれども、みずのとう幼稚園側というふうに書いてあります。ところが、みずのとうの愛好家がブログの内で、傷跡の位置について故障を申し立てているではありませんか。かれらによれば、幼稚園側ではなく公園側、ふすまの穴を補修したような幾つかの白い正方形こそが真の被弾箇所であると言っております。しかも、中野区教育委員会に問い合わせた回答であったと、こういうふうに書いてありました。2008年1月に教育委員会からそのような回答を得たと書いてありますが、教育委員会はこれに間違いありませんか。
○飯塚教育委員会事務局副参事(生涯学習担当) 中野区の歴史にかかわる質問というのは、生涯学習担当で答えております。御質問の件は、その一つとして電話で照会されたものであると思われます。ただ、その際に、弾痕の位置について、ここがそうであるというような断定的なお答えはいたしておりません。配水塔の銃弾の跡につきましては、地域で古くから言われていることでもありますし、これは事実だと思いますが、塗装されているということもありまして、その正確な位置につきまして、生涯学習では正確に把握していないということでございます。
○せきと委員 公園側ではなく、幼稚園側が正しいということでありました。
 さて、このブロガーは、みずの塔が、今お話にありました塗り直される前の30数年前にも訪ねており、そのとき塔の写真を何枚か撮影なさいました。教育委員会は、戦後から塗り直しまでの間のみずの塔の写真は持っておられないということだったんですが、このブログを書いた方は個人的に写真を撮って、保存しておるということでありました。これがその写真です。塗り直される前の写真を見ると、区が指している幼稚園側の2カ所は、銃弾跡とおぼしき傷は全く見当たらず、どうも区は旗色が悪いのではないか、このように思います。区はこの2カ所を指しておりますけれども、塗り直し前の同じ場所はのっぺりとしておって、そうした穴は一切あいておりません。また、塗り直し前の写真を見ると、区が指し示している場所からわずかに外れた場所に、小さな丸い穴が10個ほどついていて、こちらのほうがよほどそれらしい。現在の銃弾跡は、塗り直した際に銃弾跡らしくつけた模造ではないのかと、このブロガーは展開しておられるんです。その赤丸が区が指し示した部分であり、赤丸のところには穴はあいておりません。白く囲ってある部分は、塗り直し前には穴がたくさんあいていのが、塗り直し後はきれいになってしまっていると、こういうお話でありました。この点について、区はどのようにお考えですか。
○飯塚教育委員会事務局副参事(生涯学習担当) まず、私は、生涯学習としては把握していないと申し上げましたので、幼稚園側だというふうに申し上げてはございません。
 それと、この銃弾痕が確認できる当時の写真等、これは区では保管しておりません。保管されておりません。この30年前に撮影されたという写真につきましては、30年前に撮影されたかどうかも含めまして、確認はできません。
○せきと委員 確認は区としてはしようがないということだろうと思います。みずの塔が国の有形文化財に指定されれば、来年度にも補修の設定に入ると聞きました。そこで補修を機に、銃撃の跡を特定するとともに、復元して露出させ、文化価値を一層高めたらいかがかと思うが、どうでしょうか。
○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) 配水塔の補修設計は、原則として建造当時の姿に戻すということが前提でありまして、外壁の傷や穴は躯体への影響があるため、埋めるということを前提に考えております。具体的な方法につきましては、東京都の教育庁並びに文化庁の指導を仰いでまいりたいと、そのように考えているところでございます。
○せきと委員 先ほど来の区の説明を聞きましても、ここが銃撃を受けたというのは、近隣の住民の方からのお話によって推定したものであり、確認をすることは難しいという話でした。また、そうであっても、近隣の住民の方の話から、このみずの塔が米軍の銃撃を受けたという事実は間違いなかろうと。だからこそ、みずの塔は平和史跡に指定されているんだと思います。今後、そうした補修によって銃撃の跡が復元されることを私は望みますけれども、仮に埋められてしまったとしても、引き続き平和史跡としての位置付けは変えずにいただきたい、このように願っております。
 次に、哲学堂公園について伺います。
 このたび、哲学堂公園にワグナー・ナンドールの彫刻作品「哲学の庭」がやってくる運びとなりました。老子道徳経を愛読する者として、「哲学の庭」は老子が最前列、イエスや釈尊と並んで配列されているという点でも大歓迎であり、早く来ないかと心待ちにしているところであります。
 さて、第2次10か年計画の素案を開くと、哲学堂公園周辺の景観計画なるものが載っておりますが、これはどういったことか御紹介願えますか。
○田中都市整備部副参事(都市計画調整担当) 中野区では、御指摘のように、10か年計画の素案のところに記述をいたしました。魅力ある都市景観の形成を図るために、景観法に基づく景観行政団体となる。あるいは、景観計画を策定し、景観行政を進めていく。そういったことを目指しまして、取り組みを始めようと考えているものでございます。
 それで、先ほども御紹介ありましたように、東京都の名勝にも指定を受け、さらにナンドール氏の彫刻も新たに設置される哲学堂公園。さらに、国の文化財登録の予定をされている野方配水塔につきましては、中野区を代表する文化的な遺産、あるいは歴史的な遺産でございますので、中野区にとって景観上も重要な場所であるというふうに考えてございます。これらの遺産のすぐれた風致と、調和のとれた周辺の景観を保全し、あるいは整備をしていくために、計画策定を計画しているというものでございます。
○せきと委員 こうした景観計画を策定することによって、どういった効果が期待できますか。
○田中都市整備部副参事(都市計画調整担当) 景観整備を進めることによりまして、周辺の風致、あるいは潤いを高めることができます。それが地域の住民の方々、あるいは区民の誇りや愛着につながると思いますし、あるいはまちの魅力の向上につながること。さらに、区外から訪れる人たちが哲学堂公園に多く訪れていただく。いわゆる都市観光にもつながる等々の効果があると考えております。
○せきと委員 観光資源としても期待しているというお答えでありました。お話の中にも出てきましたが、確認しておきたいのですか、みずの塔公園もこの計画区域に含まれますね。
○田中都市整備部副参事(都市計画調整担当) 両公園ともにすぐれた価値を持っているということでございますし、互いに近くにございますので、訪れる方が回遊も想定されますので、これら両地区の周辺を一体的に取り扱っていくことが適当だろうと考えております。
○せきと委員 この質問に当たりまして、みずの塔の写真を撮ろうとしたんですけれども、必ず電線が入ってしまって、きれいに撮れません。景観上も電線はないに越したことはないと思いますけれども、この点はいかがでしょうか。
○田中都市整備部副参事(都市計画調整担当) 御指摘のように、電柱・電線は景観上の阻害の要因になっているというふうに言えるかと思います。景観の阻害要因を排除したり、あるいは潤いを高めて町並みを形成をする。あるいは、快適に歩けるような道づくりをしていく。そういったようなところは、検討の対象になるんではないかと考えております。
○せきと委員 電線のなくすことを検討の対象になろうかというのは、大変踏み込んだ御答弁だったと思います。しかし、哲学堂公園は、新宿区との区境でありますので、中野区だけで実現するものとはちょっと思えませんし、かなり難題がたくさんあるんではなかろうかと思います。
 景観のことで、もう一つ質問いたします。
 新青梅街道は、不動産の捨て看板が大変多く、これも景観を台なしにしている要因となっております。中野区の捨て看板対策は、回収処分作業委託と2008年度から始まった除却協力員制度があります。決算書を見ると、2008年度は約1万5,000の違反広告物を除却したと、このように書いてありました。それでも哲学堂公園の周りは、捨て看板が耐えません。対策を研究し、景観計画に明記していただきたいと思いますが、区の考えをお聞かせください。
○滝瀬都市整備部副参事(交通・道路管理担当) いわゆる捨て看板などの違反広告物の対策についてでございますが、区においてはこれまで、職員による道路パトロール、それから事業者への委託による撤去回収処分、さらには除却協力員により撤去・指導の対策を講じてまいりました。委員御指摘の点につきましては、今後パトロールの強化、また不動産業界等においては、既に自主規制を行っているところもございますけれども、申し入れを行うなど、さらなる促進を促していきたいと考えているところでございます。
 なお、哲学堂公園の東側の区道でございますけれども、新宿区の管理道路となってございます。新宿区へ撤去等の強化を促すとともに、連携を図った対策を講じていきたいと、そのように考えているところでございます。
○田中都市整備部副参事(都市計画調整担当) 景観計画への明記ということにつきまして、お答えをさせていただきます。
 捨て看板は、景観計画の対象に盛り込む以前に、東京都屋外広告物条例、あるいは軽犯罪法等の法令に違反している行為でございますので、防止されなくてはいけないというふうに認識をしているものでございます。
 それから、平成17年になるんですけれども、東京都屋外広告物審議会によりまして、東京における今後の広告物規制のあり方という答申が行われてございますが、その中で、捨て看板は景観を阻害するだけではなく、歩行者の安全を妨げるなどの交通安全上の問題も引き起こしており、根絶が必要と、そういった指摘がされているところでございます。
 これらを踏まえますと、哲学堂公園周辺の景観整備の計画を考えるときに、捨て看板も含めましたいわゆる屋外広告物の取り扱い、あるいは誘導といったようなところについて検討していく対象になるんであろうというふうに考えてございます。
○せきと委員 電線と電信柱がなくなれば、捨て看板も同時に大いに減るんだろうと思います。こうした電線をなくしていくといった事業は、せいのでみんな一遍になくすということはできません。必ずどこかから始まって、広がっていくという性質のものであります。それが必ずしも哲学堂公園周辺でなくてもよいのですけれども、哲学堂公園周辺の景観計画に大きく期待をしております。
 以上で私のすべての質問を終わります。その他はありません。ありがとうございました。
○いでい委員長 以上でせきと進委員の質疑を終了します。
 理事者より答弁訂正の申し出がありますので、これを許します。
○白土子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 1件、答弁訂正をさせていただきます。
 昨日の山口委員の待機児童数に対する質疑に対しまして、本年8月現在の待機児童数を旧定義で289人とお答えいたしましたが、289人は入所申し込み児童数でございまして、正しくは289人から入所児童数17人を差し引いた272人が8月現在、旧定義の待機児童数でございました。申しわけございませんでした。
○いでい委員長 山口委員、訂正を受けたということでよろしいですか。
     〔「はい」と呼ぶ者あり〕
 それでは、ここで休憩にしたいと思います。再開は3時ちょうどです。
      午後2時39分休憩

      午後3時00分開議
○いでい委員長 委員会を再開します。
 休憩前に引き続き総括質疑を行います。
 山崎芳夫委員、質疑をどうぞ。
○山崎委員 自民党の4番バッターで、質問を2項目についてさせていただきます。
 項目は、御提示をさせていただいた順番でさせていただきたいと思います。
 項目については、4番バッターということでございますけれども、大変地味な項目でございまして、派手な項目につきましては、次の大内しんご政調会長が華々しく質問をさせていただきますので、地味な質問ではあるけれども、大変重要だということで、皆さんにおかれましては、しっかり御答弁をいただきたい、こう思います。
 また、冒頭にお許しをいただきたいんですが、質問項目出させていただいた後に、新聞報道では、たしか日曜日の読売新聞に、鳩山総理が地方分権推進委員会について廃止をするんだ、それもことしじゅうにするんだというようなことが記事で書かれておりまして、私は大変ショックを受けました。というのは、この1項目めにございます地方分権改革の推進、この2番目の項目の中で、分権委の第1次、第2次、あるいはこれから出るであろう3次の勧告について質問をしたいと思って、実は土曜日、徹夜をして原稿を書いた朝に廃止ということが新聞に載りまして、ショックを受けております。しかしながら、総理がそういう御発言をなさったということで、それに基づいた質疑をしても少し意味がないことになるかなというようなことがございまして、2項目めの地方分権改革に関する基本的な理念と基本認識については、質問項目を出させていただきましたけれども、質疑はないということでお許しをいただきたいと思います。議会運営のルールでは、項目に出したことはしっかりやるということで、議会報なんかの便りにも載るのに、項目は出したけど質疑がなかったということで以前問題になったことがございますので、改めてお許しをいただきたい。このように思います。
 それでは、1番目の地方分権改革の推進について、御質問をさせていただきます。
 全国の市長会は、8月30日、衆議院議員選挙におかれまして民主党が過半数を上回る議席を獲得したことを受けまして、地方分権改革を求める声明を出されました。また、9月9日には、地方6団体の代表が民主党本部を訪ねられまして、国民生活の向上と安心を目指した国と地方の協議の早期開始についての要請を鳩山代表、菅代表代行に行ったと、こう新聞報道されました。民主党からは、法律に基づいた国と地方の協議の場を早期に設けたいとの意見が示されたと、これもネットに掲載されておりました。
 そこでお尋ねをいたしますが、地方分権改革の現状はどのようになっているでしょうか。先ほども冒頭ちょっと触れましたけれども、その現状についてお尋ねをします。また、今後のスケジュールはどうなっていくのか、大変心配でございます。御答弁をいただきたいと思います。
 御答弁につきましては、委員のほうから御指名はできないルールになっておりますけれども、できるだけ区長にお願いしたいと、このように思います。
○田中区長 地方分権改革の現状と、こういうことであります。地方分権改革を総合的・計画的に推進するために、平成18年2月に地方分権改革推進法が成立いたしまして、平成19年4月に地方分権改革推進委員会が設置されたところです。この委員会は、平成20年5月に第1次勧告、同じく12月には第2次勧告を行いまして、国と地方の役割分担の基本的考え方、国から地方への義務付け・枠付けの見直し、国の出先機関の見直しなどについて、内閣総理大臣に対して勧告をしてきたところです。この委員会は、引き続き調査・審議を進めまして、21年に第3次勧告として義務付け・枠付けの見直し、税財政改革、行政体制の整備などについて示すこととしているわけでありますけれども、今後のスケジュールは、第3次勧告を踏まえ、平成21年度中に地方分権改革推進計画を閣議決定し、新分権一括法案を国会へ提出するというスケジュールで動いているということになっております。それが、冒頭ありましたように、国会の構成も変わりましたし、内閣も変わりました。新しい考え方でこの分権についての議論が、どのぐらいやり直されるのかわかりませんけれども、進められるということだと思います。
 地方分権の推進ということ自体については、分権というよりもさらに一歩進めて地域主権だと、こういうことを標榜するという内閣でありますので、分権そのものの議論は今後とも進んでいくことになるというふうに思っておりますけれども、制度的なつくり方でありますとか考え方、そういったものがどうなっていくのかということについては、今後の動きを見ていかなければならない、こんなふうな認識でおります。
○山崎委員 現状について詳しいお話がありましたけれども、そうした現状を踏まえて、かなり想定外の動きになるかもしれないと、私もそんな感じを持っております。
 そこで、先ほども触れましたけれども、地方6団体の代表が民主党を訪ねた際に、国と地方の協議の場を法律に基づき設置をするんだということが、民主党のマニフェストにも書かれておりますし、全国市長会、あるいは地方6団体からの要望事項の中にも書かれていて、これは両方とも要望事項とマニフェストが一致をしているということで、この国と地方の協議の場が正式にこれから法律に基づき設置をされていくんだろう、こういう見方をしておりますが、どのような御見解をお持ちでしょうか。
○田中区長 言われておりますように、法律に基づいて国と地方の協議の場というものが公式に位置付けられるということになれば、そのことは私はいいことだと、こういうふうに思っておりますけれども、協議の仕方ですとか、そこでの議題の設定の仕方でありますとか、さまざまどういう形での制度にしていくかということが私どもにとっても大変重要だと思っておりますので、その辺の動きをよく見定めながら、必要な場面で、必要な発言もしていかなければならない、こんなふうに思っております。
○山崎委員 確かに私どももそういう感性でおりますが、その辺の部分については示されておりませんので、大変危惧をいたしております。区長のほうからもそうした御意見がございますが、私は国と、そして地方の協議の場、確かにさまざまな部分が示されておりませんが、しかし、少なくとも、今までの分権委員会の議論を踏まえた上で、基本的な理念はその協議の場に持ち込まれる前提として受け取っていただけるんだろうと、こんなふうに思っているんです。実は、国と対等の立場でこの協議の場をつくりたい。具体的には、地域の主権ということで区長さん、今御答弁ありましたけれども、基本的な場面からすると、地方自治について、ちゃんと立法権を持たせていただく。あるいは行政権も、機関委任事務、国から言われるんじゃなくて、自治体がみずから考えて行政権をしっかりと発動できる。あるいは、起債もできる。課税権もあるよ。こういうことが基本的に認められた上で、この協議の場に臨んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○田中区長 まさにこれからの時代の国のあり方とか、国民・市民の暮らしのあり方と、こういうことを考えるときに、いわゆる補完性の原理というのでしょうか。身近な地域の問題については、身近な単位で自己決定・自己責任を持って、それぞれの地域が、それぞれに主体性を持って地域を運営していく。その中で国全体が、それぞれのいい意味での競争の中で国全体が栄えていくと。こういう形になっていくことが当然望ましいというか、そうあるべきだというのが私どもの年来の主張ということであります。そういう意味で、今委員がおっしゃったように、権限も当然移譲されなければならないし、また、税財源も仕事の量に合った形で移譲されなければならないし、当然議論も対等という立場で進められなければならない、こういうことだと思っております。
 また、そうした制度の中で、どうしても地域の中で十分にその必要な財源が確保できないという、そういった地方も中には存在してくるわけでありますので、そういった地方の存在については、国が責任持って財源調整を行って、財源調整を行いつつ、きちんとした自治・独立性を担保すると。そういった制度をつくっていくことが必要であると。こんなふうな考え方で臨んでいくべきであると思っております。
○山崎委員 対等の関係をお尋ねしたんですが、もう少し踏み込んだ答弁をいただきまして、民主党さんのほうからも、当たり前だというような力強い野次も飛びましたので、期待を実はいたしております。
 今区長が触れました権限移譲に伴って、その財源についてのお話もございました。話を戻しますと、第2次の勧告等々でこの財源についても種々雑多な議論がなされたと、こう聞いております。その議論の中身は、地方税比率を上げなくちゃならんよというようなことが大前提に書かれていて、そのためには、地方税だけを上げるということではなくて、交付税、あるいは補助金等々についても総合的に税の一体改革を行った上で、地方間の財政力格差の是正等も含めて行っていくべきだというようなことで結ばれておりました。私は、この考え方は、今後どのような形で地方分権がなされるかわかりませんが、基本的には守らなくてはならない事項だと考えておりますが、いかがでしょうか。
○田中区長 現在、国と地方がそれぞれ仕事を行っている割合が6対4、あるいは7対3という方もいますけれども、そういった割合で地方のほうが多く仕事をしているのに、税金のほうは国のほうが6対4といったような形で多く集めていると。こういったアンバランスの中で、中央集権的な行政が進められてきたと、こういうことだと思っております。そのアンバランスの分が地方交付税でありますとか、補助金でありますとかそういう形で、国が主導して、その地方を規定するような形で分配をしていくというような構造になっている。この基本構造をどう直していくかということが一番大事なことでありまして、当面、仕事の割合も、税財源の割合も5対5ぐらいのところまで持っていくべきなんではないかといったような議論も行われていると、こんなふうに思っております。そうした税財源と権限、仕事の量、そうしたものとのきちんとした対応関係というものをつくっていくということが大事だというふうに思っております。
 また、その中で、地域地域の実情というものも、これも十分見られなければならないというところでありまして、大都市需要というのが、最近ともすれば東京一人勝ち論のように大都市の固有の行政需要というものが軽んじられて、全体に税収が少なくなっていく中で、東京からどこかに持っていけばそれで何とか賄えるんじゃないかというような議論にも傾きがちなきらいがあると思っております。そういったことについても、我々としては、大都市の固有の行政需要というものをしっかりと主張しながら、我々がきちんと責任持って仕事ができるような体制をつくっていくと、こういうことも大事だと思っております。
○山崎委員 大都市の財源についてお触れになりましたけれども、その前に、税財政の全体として今触れました交付税、補助金等々、一括で議論をしていくのが妥当だという私どもの考え方に区長も御賛同いただいたわけですが、そうはいっても、限られた財源の中で、地域間格差を含めて、この税制改正の中だけで、パイが決まっておりますので、地域間格差是正も含めて全部を処理するというのは基本的には無理なんだろうと、こう考えております。新たな財源というものをどこかに見出していくということになれば、地域間の格差ができるだけなくて、あるいは安定的に財源が確保できるというような視点に立ちますと、地方消費税の増税というものをどこかで基本的に考えていかざるを得ないだろう。これは感情論ではなくて、実態の問題として、現行5%のうちの1%という形ではなっておりますが、全体としてこの消費税の比率を上げていくと。したがって、地方消費税を上げることによって地域間の格差をなくして、同時に地方分権の財源にできると、このようなお考えはお持ちでしょうか。我々自由民主党といたしましては、基本的なその辺のところが今回の民主党さんとの選挙の中で違っておりましたので、明らかにしていただきたいなと。
○田中区長 普通に考えて、今やっている仕事の量、さらにもっともっといっぱいいろんなことでお金を配るということもあるわけですから、これまでの税収の規模のままでやっていける国だとは到底思えないと。そういう中で、税制全体を見直しながら、どのように安定的な財源を確保していくかという議論が欠かすことができない状況になっていると、このように思っております。
 地方の財源という議論になったときに、偏在性が少なくて安定的な、比較的安定的な収入が得られるという税目の考え方としては、地方消費税というものが最も妥当な考え方の一つだろうというふうに私どもも考えているところであります。
 したがいまして、税制全体の構造を変えていく中での一つでありますけれども、消費税の比率を高めて、さらにその中で地方消費税の比率を高めていくと。こういった動きは、私は欠かすことができないのではないかと、そんなふうに思っております。
○山崎委員 私どもと同じような考え方でございますので、区長会等々でそうした発言をいただいて、今後民主党が担います地方分権に向けて、そうした意見がしっかりと地方の声が民主党さんにも届くようにお願いをしたい。
 また同時に、先ほど大都市事務の財源についてのお話がございました。確かに、東京が大変豊かだというようなことで、その豊かさの分だけ地方の財政力を均等するための財源に調整に用いられたというような経緯が、私の記憶ですと、二、三年前でしたか、財調財源の一部が召し上げられて、地方に配られたというようなことがございますが、特別区はこれまでも、ただ単に黙って豊かになったわけじゃないんです。不断の努力をして、公債費をできるだけ少なくしよう、抑制を当区もしてきました。また、当区も2,000人体制ということで、人件費ができるだけかからないようにということで、血の出るような努力をした結果、少し豊かになり始めた。その分を召し上げられるというようなことについては、到底我々、伊藤正信議長を出しておりますけれども、議長会としても容認ができるものではないということを強く主張させていただきます。
 それで、2番目の地方分権改革に関する基本理念と基本認識については、先ほど申し上げましたので、割愛をさせていただきます。
 3番目の項目、第79回全国市長会議の決議についてお伺いをいたします。
 6月3日に行われました第79回全国市長会議の決議に、医療制度改革及び医師等確保対策に関する決議というものがあります。その中で、後期高齢者医療制度に関しましては、より円滑な制度運営を図るため一層の情報提供を行うとともに、保険料の軽減等の特別対策終了後のあり方については、国民に混乱が生じないよう、国の責任において十分な措置を講ずることとの記述がございます。この記述にのっとって、質問項目をつくらせていただきました。
 後期高齢者医療制度は昨年、御承知のとおりに、4月の制度開始からの大きな混乱を改革・改善をするため、さまざまな議論を重ねて、直すところは直してまいりました。また、当初の混乱が終息をし、安定的な運営が行われているものと私は理解をしております。したがって、保険料の収納率も、今回決算で示されましたけれども、20年度の決算を見ますと、収入率は99%を超える結果が出ており、大変評価できるものとなっています。このことからも、後期高齢者医療制度の担当職員が相当私は努力をしたなと、こう思っております。また、保険料を払っていただいて、収納率向上にお努めをいただいた区民の方々にも感謝をする次第でございます。
 そこで、区長は、この結果について、どのように評価をなさっているでしょうか。
○田中区長 制度発足当初の混乱というものがやはりあったわけですけれども、これを乗り切ろうということで、中野区独自のパンフレットを作成するなど、広報に工夫をいたしましたり、督促についても早目早目に行っていくといったような取り組みを行ったと、こういったこともあります。こういった区の取り組みが功を奏したという面もあると思っておりますけれども、やはりその対象となる被保険者の皆様、この皆様がやはりこの医療というものをこれからもしっかりと安定的に守っていかなければならないというこの制度の趣旨に対して御理解をいただき、御協力をいただいたと。このことが大変大きいというふうに思っております。
○山崎委員 収入率が99%を超えるというのは、私は大変なことだろうなと思います。さまざまな税金だ、保険だ、介護も含めてありますけれども、99%を超える収入率というのはなかなかないだろうなと。その理由は、今言ったような御努力もありますし、少し俗っぽい言い方になるかもしれませんが、ある程度の年齢の方々については、非常に責任感が強い。保険というものをしっかりと認識をして、社会に貢献をするんだというような意識を非常にお持ちなんだなと。だからこそ、99%を超えたんだなと。そういう意味では、高齢者の方々、特に後期高齢の方々には頭が下がる思いでございますし、後ほど保険料の収入ということにも触れますが、若い世代の方々には大変自分の保険についても御理解がないということで、お手本にしていただきたいなと、こんな思いでおります。
 新政権におかれましては、みずからの政党のマニフェストにも書いていたからと言いまして、当区選出の長妻昭厚生労働大臣は、7月17日の就任の会見で、後期高齢者医療制度廃止後の新制度への移行について、いきなり明言をし、担当課長にプランを策定するように指示したことが明らかになりました。当初考えていた老人制度に一たん戻すという案に対しましては、「常識的に考えると混乱が生じる可能性がある」と述べられまして、廃止後は新制度に移行させる考えもにじませたところでございます。
 また、同党の福山哲郎政調会長代理は、これはテレビ番組におきまして、1年から2年の間としていた制度廃止までの期間につきましては、「目途は早急につけたいと思うが、まずは現状把握と、それからの検討の結果を見ていきたい」と述べるに留まっておりまして、この制度の先が全く見えない状況であると思っています。
 一方、我々地方の意見といたしましては、選挙前ではありますが、全国市長会の森民夫会長は、8月25日にマニフェストで見直し廃止を主張する政党があることを指摘して、「相談なしになぜ書くのか。民間ならば考えられない。一方的な主張」と批判をしております。ただし、医療保険制度の一本化との関係にも同時に触れておりまして、「廃止が一本化につながれば、よいことだ」とのコメントも同時に出されております。さらに、全国市長会は、8月11日の臨時総会終了後に、自民党と民主党両党が、次期衆議院選挙に掲げている政権公約に対する要請活動を実施しています。自民党へは、後期高齢者医療制度の見直しについて求めておりますし、市町村の意見を尊重し、現場に混乱を招かないように求めています。また、同制度の廃止を掲げている民主党へは、その根幹だけは維持をすることを求めています。同様の考えを持って意見表明をしている首長は、私は数名いると思います。ましてや、意思表示をしていないけれども、多くの首長も同様の意見だろうと私考えています。地方の意見を聞くことも、民主党はマニフェストにしっかりと書いてあるはずであります。意見を聞く前に廃止ありきという態度は、マニフェスト違反ともとれると私は考えています。
 しかしながら、政権は移ったわけで、このことを今さら議論をしたところで大変意義がないなと。選挙に負けるということは、大変こういうことなんだなと、深く心を痛めております。
 また、健康保険組合や医療機関等への影響も、私は同時にはかり知れないものがある、こんなふうに考えております。
 そこでお尋ねをいたしますが、当区におきましては、老人保健医療制度から後期高齢者医療制度に移行したときに、どのぐらいの準備を要したんでしょうか。
○柿内保健福祉部副参事(保険医療担当) 平成17年度に医療制度改革の考え方が示された後、適宜情報収集を行ってまいりました。また、平成18年6月に法律改正が行われた後、平成19年度には準備組織を立ち上げまして、保険料システムの選定や導入を行うなど、約1年半の間、制度開始までの準備を行ってきたものでございます。
○山崎委員 期間は約1年半かかったということですが、保険料システムの開発費、その他保守点検など、経費はどのぐらいかかったでしょうか。
○柿内保健福祉部副参事(保険医療担当) 保険料システムの開発経費につきましては、平成19年度に約5,300万円を執行してございます。また、平成20年度は、毎年発生いたします経常経費といたしまして、コンピュータのリース料とシステム保守料で年間約800万円を支出しているものでございます。
○山崎委員 昨年度は、国が途中で制度改正を行ったと思いますが、それに対しての経費はいかがだったでしょうか。
○柿内保健福祉部副参事(保険医療担当) 国や東京都独自の軽減策に対応いたしましたシステム回収の追加費用といたしまして、約1,400万円を支出したものでございます。
○山崎委員 そうしますと、今の御答弁ですと、5,300万、800万、東京都独自の軽減策のシステムの追加経費が1,400万で、トータルとして7,500万はかかっていると、このような理解でよろしいでしょうか。
○柿内保健福祉部副参事(保険医療担当) そのとおりでございます。
○山崎委員 仮に、仮にですよ、新制度に移行をしたからといって、後期高齢者医療制度への対応がなくなるものと考えていいんでしょうか。
○柿内保健福祉部副参事(保険医療担当) 既に廃止されております老人保健医療制度の対応につきましても、現在、引き続き区で行っているものでございますが、後期高齢者医療制度が廃止されたとしましても、廃止後、給付のために最低5年間、保険料の徴収で最低2年以上が必要と考えられるものでございます。
○山崎委員 そうすると、当然、廃止後も5年間は組織を維持していかなければならないと、このように理解してよろしいでしょうか。
○柿内保健福祉部副参事(保険医療担当) 新しい医療制度が施行されましても、区の事務がなくなることはないと考えてございます。
 また、政府の移行によりまして、後期高齢者医療制度も廃止されるとありまして、事務処理は引き続き行う必要があるというふうに考えております。
○山崎委員 今後については、先ほども区長と少しお話をしましたが、どういう形になるかわかりませんが、さりとて来年度はこのまま行きますと、保険証の更新というのが予定の中に入ります。あるいは、保険料の改定などというものも2年ごとの大きなイベントとして控えているところでございます。
 そこで、より区民に十分な広報活動を行う必要があると思いますが、区の対応をお聞かせください。
○柿内保健福祉部副参事(保険医療担当) 中野区では、21年度が始まる前に、全保険者あてに制度を紹介いたしましたオリジナルのパンフレットを作成して、送付したものでございます。来年度は、現在広域連合が検討してございます保険料の改定や保険証の更新も行われることになってございますので、広域連合として被保険者への広報を考えているものでございます。区といたしましても、昨年度同様にパンフレットを作成するとともに、さまざまな広報媒体を活用いたしまして、十分な広報に努めたいと考えているものでございます。
○山崎委員 そうした準備をなさっているという御答弁ですが、そのためのそちら側の予算措置というものが十分であるのかどうか。また同時に、区民に対する十分な周知ということからも、必要であればその財政の処置について補正予算でも対応をしないとならないのではないかなと、こんなふうに考えておりますが、いかがでしょうか。
○柿内保健福祉部副参事(保険医療担当) 十分広報を行うために必要な経費につきましては、今後予算担当とも十分相談してまいりたいと思います。
○山崎委員 一度つくった制度でございます。それも1年半もかけて、費用については、事務費についてだけですが500万をかけて一生懸命つくった制度を簡単に廃止をすると言いましても、自治体にとっての負担は大変大きなものになってくると考えています。廃止、廃止といっても、後期高齢者医療制度と新制度をパラレルで管理していかなければならない。相当な準備期間と体制づくりが必要になる、こう考えております。後期高齢者制度をつくり上げたときには、新聞・テレビ等々で準備期間が足らない、説明が不足であった、大合唱の非難を浴びたのを覚えています。そのためにも、そうしたことになりませんように、後期高齢者医療制度並びに鳩山政権下でつくられるであろう新医療制度に対しましては、区民が混乱をしないように、また医療の現場が混乱をしないように、十分な人・物・金を確保して、確実に対応する考えが必要だと思いますが、御決意はいかがでしょうか。
○田中区長 ここまでのお話の中でも何度か出てまいりましたように、この後期高齢者医療制度については、いつ廃止されるのか。また、どの時期に、どのような制度内容になるのか、全くわからないということであります。国は、そうした新たな制度の理念とかあり方とか、それから財源ですね。そういったようなことをきちんと明らかにした上で、その内容について国民に早期に示すべきだと、このように思っております。
 また、そうした内容を見ながら、実際に自治体がその事務にかかわらないということはまずないんだろうと思いますから、事務を担う自治体として、また地域の住民に対して責任を持つ自治体として、その改正に当たって、その案についてやはり十分に議論をする時間をとっていただきたいと、こんなふうにも思っているところであります。
 そうした上で、でありますけれども、制度がどうなったとしても、区民や医療の現場に混乱がないような体制づくり、これについてしっかり努めていきたいと、このように考えております。
○山崎委員 新政権のもとでさまざまな改革や審議会の廃止、立ち上げ等々が検討をされていると思います。それはそれで評価をせざるを得ない部分はありますが、こうした社会保障、とりわけ国民保険、あるいは介護保険といったような医療制度の根幹をなす部分について、特に地方自治体が主体になっている、こうした制度について、十分に国と協議をしていただかないと、今後のこうした制度が引き続いて安心したこの国の制度であるかどうかが疑問になりますので、自治体と十分に協議を進めていっていただきたいということを主張していただきたいと思います。
 先だって、まだ最近なんですが、9月20日に、全国後期高齢者医療広域連合協議会から、高齢者医療制度に関する要望書というのが出されておりますが、この要旨について、御答弁できるでしょうか。
○田中区長 要望書ということでして、9月30日に全国後期高齢者医療広域連合協議会から提出をしております。内容としては5点ほどありまして、一つは、制度設計の全体像を早期に示すということ。また、財源等についても明らかにしたり、あるいは必要な財源について、国民や地方に新たな負担を強いることがないようにしてほしいといったようなことが一つ。それから、先ほど来申し上げております、運営主体である市区町村等との開かれた議論を行って、その議論を十分に尊重することといったようなことがあります。また、国の責任によって制度説明を徹底して、混乱が生じないように配慮をしてほしいといったようなことであります。また、都道府県単位の財政運営によりまして、保険料負担の公平性や財政基盤の安定性といったようなことが、これまでの制度に比べてこの後期高齢者医療というのは図られているわけですから、そういった利点はきちんと引き継いでほしいといったようなこと。それから、電算システムの構築に当たって、不具合による混乱や実務への多大な影響といったようなことが生じないように、十分な準備・検証期間を確保して、安定した運用が可能なシステムにできるようにすることといったような内容を要望書として提出をしているというところであります。
○山崎委員 ぜひそうした要望書を出すだけではなくて、今後粘り強い要請活動をしていただきたいなと、要望しておきます。
 それでは、2番目の中野区の財政白書についてお伺いをします。
 財政白書についてですが、まず1番目に、特別区民税の状況についてお伺いをしたいと思います。
 これは、特別区民税ということを書かせていただきましたけれども、軽自動車税、あるいはたばこ税というのはあまりほとんど変わらないということで、この質問をつくった主眼については、特別区税の中の特別区民税ということで質問をつくりましたので、その辺ご斟酌をいただいて、御答弁をいただきたいと思います。
 歳入の現状の中で、特別区税の現状が説明されておりますけれども、区の歳入の基幹をなす特別区税の平成20年度の中野区の歳入状況はどのような状況であったでしょうか。
○青山管理会計室副参事(税務担当) 平成20年度の特別区税収入は、前年度比1.8%増の約316億円でございました。
○山崎委員 他区との比較で、中野区の特徴というのは何かございますでしょうか。
○青山管理会計室副参事(税務担当) 23区の平均でございますが、23区平均では前年比2.8%の増がございました。中野区は、これに対しまして1.8%の増にとどまっているという状況でございます。
○山崎委員 東京の平均値と約1%違うということでございますが、この1%について、どのような見解をお持ちでしょうか。
○青山管理会計室副参事(税務担当) 23区の平均と比較しまして、納税者一人当たりの所得額の伸びが少ないといった状況がございます。これは、中野区につきましては、人口構成が20歳代及び30歳代の前半がほかの区と比べて多いということで、これらの若い勤労者の所得が比較的低いということが影響しているというふうに考えてございます。
○山崎委員 こうした分析、後ほど国民健康保険のほうでも収入率についてお話をさせていただきますが、税だから、保険だからということではなくて、全般にこうした傾向に当区はあるんだというような認識に私は立っているところでございます。納税義務者数が約4,000人増加をしているということだと思いますが、この財政白書の14ページを見ると。これにはどんな背景があるとお考えになっていますでしょうか。
○青山管理会計室副参事(税務担当) 平成20年度の納税義務者数が増加いたしましたのは、20年度の課税対象となります、19年中に新規の就労者がふえたことによるものでございます。19年中は、まだ景気も上向きでございまして、団塊の世代の退職を補充するために採用状況も好調であったというふうに考えてございます。
○山崎委員 具体的には、どのぐらいな世代の就労がふえたのか。また、そのことによる影響はどうだったんでしょうか。
○青山管理会計室副参事(税務担当) 就労がふえたのは、主に20歳代でございます。この世代は、比較的所得が低いため、納税義務者数がふえた割には、調定額の伸びは大きくはなっていないという状況でございます。
○山崎委員 先ほどの御答弁でもありましたけれども、団塊の世代が退職をして、それを補充するような形で採用が好調であったというような見解をなさいましたけれども、同時に、私は団塊の世代、日本のこの給与制度の中で非常に高い給与の水準を得ていた人たちが退職を迎えた時期だということで、今後、この特別区税というのは、それに伴って若い人が就労についてくるけれども、全体としては調定額は大きく伸びない。したがって、税収は右肩上がりにはならないであろうなと、こんなふうに分析をしているんですが、素人の考えでしょうか。
○青山管理会計室副参事(税務担当) 確かに、今年度の当初課税の状況を見ましても、昨年度の当初課税の調定と比べまして、調定額は減少してございます。そういった状況がございますので、私どもさらに正確で公正な課税といったものに努めてまいらないといけないというふうに思っております。
○山崎委員 ぜひ頑張っていただきたいと思いますが、質問を続けます。
 財政白書では、平成20年度の特別区民税の収入率が96.1%と当区はなっております。前年度と比較をして、若干下がっております。23区の平均も下がっているというようにお見受けをしますが、どんな理由が考えられるでしょうか。
○青山管理会計室副参事(税務担当) 20年度後半からの経済状況の悪化によりまして、区民の皆さんの収入状況も悪化し、実際に税を納付する資力がなくなったというようなことですとか、あるいは納税の意欲が低下したというようなことが原因というふうに考えてございます。
○山崎委員 この20年度の予算を編成するに当たって、どのぐらい予算の上で収入率を積算したんでしょうか。
○青山管理会計室副参事(税務担当) 20年度当初予算の特別区民税現年課税分の収入率でございますが、97.2%で積算をしてございます。
○山崎委員 仮に、1%現年課税分の収入を上げるとすると、区の収入はどのぐらい増加をいたしますでしょうか。
○青山管理会計室副参事(税務担当) 仮に1%収入率が上がりますと、約3億円歳入が増加するということになります。
○山崎委員 そうしますと、単純に計算をしますと、予算は97.2%で組んだけれども、決算を見させていただくと96.1%ということで、約1%収納率は下がったということですよね。それを、1%を金額に換算すると3億円というようなことでございますので、実際には20年度の区税収入は3億円の歳入不足であったと、このように理解してよろしいんでしょうか。
○青山管理会計室副参事(税務担当) 先ほど来のお話のとおり、残念ながら、収入率は下がってしまいましたが、納税義務者数の増加ですとか、あるいは調査による未申告者への課税などの努力によりまして、決算時の調定額が予算時の調定額を上回ってございます。そのため、最終的な決算の収入額としましては、当初予算の収入額を約7億6,000万円ほど上回っている状況でございます。
○山崎委員 まず、よかったなと、こう思います。
 それから、現在の税金の収入率の向上についての取り組みと、同時に、今後の収入率向上に向けた取り組みについて、当局の決意のほどをお伺いします。
○青山管理会計室副参事(税務担当) 特別区税の収入率向上のためには、税収の大部分を占めます特別区民税の現年分の収入確保が最重要課題と認識してございます。このため、現年の滞納者に対しましては、夜間電話催告の回数をふやして、早期に納付を促し、それでも納付のない方や連絡のとれない方には訪問徴収を行います。そして、これらの取り組みにもかかわらず納付のない方には、財産の差し押さえを行うなど、段階を追って対応を強めてまいります。
 このように、単発の取り組みではなく、前回の結果を次回に生かしながら、徐々に輪を狭めていくような取り組みによりまして、現年分の滞納を翌年度に繰り越さないため、全力を尽くしてまいりたいと考えております。
○山崎委員 この収入率については、私も総務委員会でるる発言させていただきましたし、区会議員になって約15年ですけれども、何度も何度もこうしたらどうだろうかということで議論もさせていただき、電話による催促なんかも提案を受けて導入していただいたという経緯がございますが、なかなかこれだという決定打はないんですね。それだけに、皆さんの御努力に対して頭も下がりますが、だからといって、1%違うということになりますと3億円、今回については調定額にある意味での誤差が出てよかった結果になりましたけれども、予算の歳入に1%で3億円の歳入欠陥が当初から出てしまうということになりますので、引き続いて収納率、収入率については向上の努力を、これでいいんだということなく、していただきたいんですが、これは私、総務委員会で質疑をしたというお話をしましたけれども、コンビニで税金を払えないかというようなことも御提案しました。また同時に、若い方々はカードの時代だということで、カードで税金が払えないだろうかというような御質問をさせていただいて、そのときの御答弁は、コンビニについては、手数料というものが立ちふさがるけれども、検討の余地はあるであろうと。それから、カードについて、税金を払うということについて、もちろんカードの手数料も払う。それはコンビニで使うことになるとダブルで使用料が、入ってくる税額から中野区が取る分は引きますので、いかがかなと思う一方、カードは今ポイント制というのがございまして、ためると飛行機がただになるなんていう制度もございますので、うまいやり方をすれば、収納率の向上には十分に寄与するだろうというような思いでいるんですが、今のところこうしたものの検討状況はどのようになっているでしょうか。
○青山管理会計室副参事(税務担当) まず、御質問の中で、コンビニエンスストアにおける収納の関係でございます。これにつきましては、先ほどお話にございましたように、納付の場所ですとか時間を拡大して、納税者の方の利便性を向上させるということができます。特に、御指摘のあったように、若い方については非常に便利になるというふうに考えてございます。そうした関係もございまして、来年度中の導入を目途に、現在準備を進めているところでございます。
 それから、クレジットカードによる収納でございますが、これにつきましては、これも先ほどお話にありましたように、手数料の関係等さまざま課題がございますが、納付の利便性を高める一つの手段ということでございますので、こちらについては今後も他の自治体の情報を収集するなどして、検討してまいりたいというふうに考えてございます。
○山崎委員 なかなか区は検討、検討というと検討してくれないものだと思っていたんですが、来年度中にコンビニ収納については検討しているということで、大変うれしく思います。
 それから、少し後ろ向きの議論になって申しわけありませんが、こうした収納の努力をしても、なおかつ逃げ回るというような人は少なくないというふうに思っています。どうしても払えないという人たちとは別だなという考えを持っております。これは、私たち自由民主党の政調会長の大内さんが政調会を開いて決定をしたわけではございませんが、したがって、自民党の案ということではございませんが、私自身はこうした人々については、区のさまざま提供をするサービスに給付の制限をつけられないだろうかと。払わない――払えないんじゃない。払わない人には、区の受けるサービスに制限がかかる。こういうことは御検討していただいたことがありますでしょうか。
○青山管理会計室副参事(税務担当) 税の滞納がある方につきましては、区の行政サービスの制限を拡大するということも確かに考えられるところでございます。これにつきましては、法の規定ですとか、あるいは区の政策などに鑑みまして、今後慎重に検討してまいりたいというふうに考えてございます。
○山崎委員 いつも検討というお話しでしたが、慎重に検討ということなので、期待を抱いて、この項の質問は終わります。
 地味な質問で大変申しわけありません。もう少しですので、おつき合いをいただきたいと思います。
 扶助費についてお伺いします。
 扶助費についてですが、扶助費、御承知のとおりに義務的経費ということで、うちの佐野委員が特に項目を挙げて質問させていただきましたが、私は少し観点を変えてこの質問をさせていただきたい、このように思います。
 義務的経費であります扶助費は、毎年伸び続けております。これは佐野委員のときに御答弁いただきました。平成20年度は、前年度比6.2%の増で、総額200億円を突破したということでございますが、この理由は何でしょうか。
○相澤管理会計室副参事(経営分析担当) 雇用環境の悪化などによる生活保護受給世帯の増、また平成19年10月から始まりました子ども医療助成制度の平年度化、また保育委託事業の増加、これらの理由などによりまして伸びたというふうに分析してございます。
○山崎委員 23区と比較して、この扶助費の伸びはどうだったでしょうか。
○相澤管理会計室副参事(経営分析担当) 23区平均では、扶助費の対前年度比は5.2%の増となっておりますが、中野区はそれを1%上回ってございます。
○山崎委員 23区より高い伸びを示してきた、こういうことでございます。また、その理由については、景気が悪かったということも含めて、子ども医療費、これが平年度化されたのでということもございました。子ども医療費の助成については、我が党も主張をしてきたというような経緯がございまして、扶助費の伸びを抑えるためにこうした子ども医療費制度を制限をかけるだとか、あるいはシーリングをかけるというような質問はなかなかしにくい状況であります。
 ところで、扶助費のうち、区の単独事業や上乗せ事業は、例えばどのようなものがあったのでしょうか。それについて、どのように見直され、改善が行われたのでしょうか。
○瀬田子ども家庭部副参事(子ども家庭部経営担当) 子ども家庭部における扶助費のうち、主な区単独事業の例といたしましては、児童育成手当、子ども医療助成、ひとり親家庭医療費助成などが挙げられます。これらにつきましては、適正かつ公正な資格審査、またあるいは要件の審査を厳格に行うなどいたしまして、適正な事務の執行に努めてきているところでございます。
 また、上乗せ事業の例といたしましては、事業費としては少額ではございますが、母子家庭自立支援事業などが挙げられます。これにつきましては、窓口での申し込みや申請の際の内容審査、また自立支援に向けた講習などへの受講状況、支給状況の確認など、適正かつ公正な事務執行に努めてきているところでございます。
○野村保健福祉部副参事(保健福祉部経営担当) 保健福祉部の状況を御説明申し上げます。保健福祉費におけます扶助費の状況でございますが、保健福祉の約半分、148億円でございます。このうち大半、138億円ほどにつきましては、法令に基づきます生活保護ですとか、障害者の自立支援ですとか、あるいは予防接種事故の救済措置、こういったような経費となってございます。残りの7%程度、約10億円でございますが、これが委員おっしゃられる、いわゆる区の単独、あるいは上乗せと言われるような部分かというふうに存じます。
 これにつきまして、代表的なものを幾つか例示をいたしますが、決算説明書の299ページにございます高齢者施設措置費、これが約1億5,800万円ございます。これについては、老人福祉法がやむを得ない場合の措置ということで規定されているものでございますが、御本人のほうの自己負担というようなものもこれには裏付けとしてついてございます。
 それから、同じく説明書の313ページ、この上段のところにございますが、障害者福祉手当、これが5億4,200万円。それから、難病患者福祉手当、これが9,700万円でございます。こちらにつきましては、両事業とも所得制限ですとか、あるいは年齢による資格要件ですとかといったようなことの制限を設けてございます。
 それから、最後に、343ページにございますが、後期高齢者の葬祭費というものがございます。これが8,600万円でございました。この経費につきましては、長寿医療保険の被保険者の方が亡くなられた場合の葬祭費ということで、国民健康保険と同額の7万円というものを支給する制度でございます。
○山崎委員 詳しく例を挙げていただいたんですが、私全部が書き取れなかったんですが、そうした区単の事業、あるいは上乗せの事業を行っているということで、お話を伺いますと、なかなかこうした事業は必要があってやっていることですので、それを事業を見直したり、再検討したりするというのは、言葉では簡単ですけど、現実には大変難しい作業になるなと、こうは思っています。
 しかし、区は今までも、今回初めてではございません。私が平成6年に区議会議員に上がってから、事務事業の見直しというのをやったんですね。それからずっと改革、改善、見直し、検討をして、行財政を立て直すための御努力をなさってきた。そのときに、いつもコスト意識ということを確認しながら削減をしているんだというようなお言葉で、大変難しい事業を見直されている皆さんには敬意を表する次第でございますが、一方で、扶助費については、義務的経費のいわゆる人件費についても、ある程度の削減はできるけれども、それ以上の削減については、もう私はできない。人件費で出てきた財源を、もう扶助費が飲み込んでしまうというようなことが出てくる。公債費については、過去の借金ですので、これはもうどうしようもない。したがって、言い返せば、義務的経費を下げるのは大変つらいけれども、扶助費に切り込まざるを得ない。私はこんなふうに思っています。野村さんの話ですと、保健福祉部のほうでは、年齢や所得の制限をかけていると。大変なつらい決断だと思います。こうしたことをしかし事業を見てやっていかないと、扶助費は伸びるのを抑えることはできません。しかし、伸び率を鈍化させることは、私はできるんだろうと。その鈍化の中で、他の部分の努力でカバーをすることはできるんだろうと、こう思っております。
 したがって、今御紹介ありましたけれども、子ども家庭部のほうの子ども医療費なんていう話がありました。先ほども私触れましたけれども、これには所得制限の話がありませんでしたが、今すぐ私は所得制限を設けろというんじゃないんです。しかし、もう検討する時期に来ているんだろうと、こう思いますが、いかがでしょうか。
○志賀政策室副参事(予算担当) 今委員がお話がございましたとおり、基本的には各事業部が事業の組み立ての中で、その際に各事業の所得制限の導入、それからあり方、そういったものを検討するべきものだというふうに考えますけれども、区といたしましては、限られた財源を有効に使うという視点からも、区の財政規模に見合った所得制限を設けるなどの制度設計が必要ではないかというふうに考えているところでございます。
○山崎委員 志賀さんね、担当部のほうは、こうした事業を実際にやっている、事業部を抱えているんですよ。そうした事業部で、なかなか区民からの外部評価だとかさまざま各種団体からの要望だとかお聞きをいただく立場で、サービスの制限をかける。一部負担金を取るというような検討というのは、非常にしにくいんです。今も御答弁がありましたけれども、区の中でというようなことですが、ぜひ経営本部の中でそうした部分についてもしっかり今後検討していかないと、区政運営全体で行き詰まっちゃう。言いかえれば、悪役になってでもやるんだというぐらいの経営本部の決意がなきゃならんのだろうなと、こんなふうに思っています。特に、監査については、部側からも、うちの監査委員出しておりますが、帳簿上の監査の部分は出ます。そして、外部評価についても、こうしたらもっといい事業ができるんでないか、こうした人たちが抜けているんじゃないかという外部評価のお言葉をいただきます。それは当然なんですね。区民の側からの外部評価ですから、A・B・Cというのはある。しかし、区民にとって負のような、しかしこれからの中野区の経営にとって大切なこうした提言は、どこにも出てこない。どこにも役所の文書には出てこないし、委員会もないんです。区議会の中でも、なかなか言うのは勇気が要りますよ。だからこそ、皆さんが経営本部の中で将来に向かって御努力をいただきたいと思いますが、決意のほどはいかがでしょうか。
○志賀政策室副参事(予算担当) やはり、義務的経費につきましては、ある一定の規模の上限といいますか、区の財政規模から見まして、基準的なものを設けるべきではないかというふうには考えております。また、そういった意味では、私どもの経営本部、私は政策室でございますけれども、政策室の予算担当として、あるいは管理会計室の中にある経営分析、評価改善と、そういったところでそれぞれの視点に立って、そういったものの取り組みをしてみたいというふうに思います。
○山崎委員 それでは、最後の国民健康保険事業特別会計についてお伺いをします。
 特に、この会計については、繰出金について質問をさせていただきます。
 一般会計から国民健康保険事業特別会計に繰出金が43億円出ております。しかし、その繰出金43億円を分析いたしますと、法定負担分や区の事業として財源を負担するものがございまして、その負担を除いた部分、保険料の未収入の部分を補てんするということになっておりますが、この未収入の部分の補てんに充てた一般財源はお幾らだったでしょうか。
○柿内保健福祉部副参事(保険医療担当) 43億円のうち、法定負担分や区として財源負担するもの等で約32億円ございます。残りの約11億円が保険料の未収分の補てんということになります。
○山崎委員 法定負担分以外で区の事業として負担をしているというものは、今お話があった、高額療養費だとか、埋葬費だとか、出産育児一時金の法定分3分の1とか、3分の2とかいうようなものでしょうか。事業としては。
○柿内保健福祉部副参事(保険医療担当) ただいま委員御指摘の区の事業として負担するものにつきましては、高額療養費、葬祭費、出産一時金の支出額の3分の1のほかに、特定健診、特定保健指導の国・都・区の定率負担分を除いた分等がございます。
○山崎委員 私も厚生委員会が長いので、少しこの辺の造詣は持っているんですが、自治体によっては、国民健康保険の中で高額療養費を計上しているというところも他自治体ではあったように思います。したがって、それを負担するという側になりますと、非常に保険料が高くなる。逆に言えば、東京都、あるいは当区におきましては、こうした高額療養費等については健康保険から除外をされて算定をして、残った分について保険料として徴収をするということになりますので、東京23区、これは調整条例外れてはおりますけれども、統一料金になっておりますが、他地域に比べますと非常に安い金額に保険料がなっている。高いんだ、高いんだという人もいますが、そういう意味では低く抑えられていると私は理解をしているんですが、いかがでしょうか。
○柿内保健福祉部副参事(保険医療担当) ただいま委員御指摘のとおり、高額療養費につきましては保険料に算入するという自治体が多うございますが、23区は統一保険料方式ということで毎年設定しているわけでございますが、高額療養費等につきましては保険料に算入してございませんので、比較的保険料として低く抑えられているのではないかというふうに理解してございます。
○山崎委員 そうだと思います。
 それで、平成20年度は保険料の収納率が著しく低下をしていると、このように思いますが、どのような分析をなさっているでしょうか。
○柿内保健福祉部副参事(保険医療担当) 平成20年度につきましては、後期高齢者医療制度の施行に伴いまして、収納率の高い75歳以上の被保険者が脱退したことが大きな要因というふうに考えてございます。そのほかに、景気後退の影響が未納額がふえたことも要因になっているというふうに考えてございます。
○山崎委員 白書では、26ページになるんですが、現在、20年度については81.3%、東京23区は82.5%と、このようになっております。それで、理由については、お話がありましたけれども、未収の保険料の中で、保険料を払わない人たちの中で、年齢構成はどんな具合になっているんでしょうか。
○柿内保健福祉部副参事(保険医療担当) 現年度未収分の保険料につきましては、20代と30代で未収額の約48%を占める状況にございます。
○山崎委員 厚生の35を見ますと、これは今、未収金の年代層で柿内さんがお話をいただきました48%ということですけれども、保険料別に、これはどこの党派が請求したのかわかりません。ちょっと使わせていただきますが、10万円未満については70.8%、収納率ですよ。10万円から20万円未満が76.1%、20万円から限度額未満が83.2%、限度額いっぱいということになると92.5%。これは保険料が高くなるに従って、要はこの厚生35では収納率が高くなるというようなことで理解を、この表を読んでよろしいんでしょうか。
○柿内保健福祉部副参事(保険医療担当) この表につきましてはそのとおりでございますが、特に10万円未満につきましては、税の未申告者も含まれてございますので、その方たちの分もかなり収納率が低くなっているというものでございます。
○山崎委員 これも特別区民税のほうでお聞きをしたんですが、財調で責任収納率というのがございまして、恐らく皆さん御承知だろうと思いますが、算定される責任収納率が96%ということになっておりまして、当区は収納率が81.3%ということで、かなりかけ離れているんですね。財調を算定する需要額から計算をすると、離れている。1%違うと、繰出金はどのぐらい減りますか。
○柿内保健福祉部副参事(保険医療担当) 仮に収納率を1%上げた場合でございますが、平成20年度の決算ベースから見込みますと、約9,500万円というふうに想定されます。
○山崎委員 ということは、これは保険料の未収部分が、先ほどの御答弁では11億あったということですので、ざくっと計算をすると11%ということに、特別会計の中に繰出金を入れて11億、収納率で換算すると11%あげているんだと、こういうふうに考えてよろしいんでしょうか。
○柿内保健福祉部副参事(保険医療担当) 単純に計算いたしますと、そのように考えられるかと思っております。
○山崎委員 これも仮にで大変恐縮なんですが、一般会計のほうから繰り出さないということになりますれば、どのような会計上の処理が可能でしょうか。
○柿内保健福祉部副参事(保険医療担当) 繰り出さないという形になりますと、繰上充用とか一時借入金ということも法的には会計上可能であるかというふうに考えてございますが、なかなか非常に難しいかなというふうに考えてございます。
○山崎委員 なかなか難しいのは存じ上げておりますが、しかし、そうした発想もあるというふうに私は理解をしております。現に、そうした処理を1回したことがございますよね。
○柿内保健福祉部副参事(保険医療担当) 過去に繰上充用を行った例はございます。
○山崎委員 要は、一般会計から見ますと、見方――特別会計からじゃなくて、一般会計から見ますと、特別会計が繰出金を入れてもらわないと国民健康保険事業が成り立たない状況になっているんですよ。11億円入らなかったら成り立たない。それもですよ、それも特別に医療給付費がふえた、インフルエンザがはやった、流行の病気になったということで一般会計から繰り出したんではなくて、経常的にもう金が足らない状況になる。去年も繰出金あったでしょう。一昨年もあったでしょう。繰り出さない年はあったでしょうか。
○柿内保健福祉部副参事(保険医療担当) 多分、繰り出さない年は、私が記憶する限り、ないのではないかというふうに理解しております。
○山崎委員 だから、非常に特別会計としては不自然な経営になっているんです。そのことに、繰出金を入れることによって、不自然な会計をしていることすらわからなくなってしまっていると、私はこう思っているんです。したがって、1回繰出金をとめると、出さないんだと。あるいは、キャップ制をかけて、これ以上出さないというようなことを御検討をしていただきたいなという思いでいるんですが、御答弁は先ほどと一緒だろうと、こう思っているんです。
 それで、一口に11億円と言いますけれども、なかなかこの11億円というのを、一般会計にもしあったら、どんな事業ができるんだろうか。これはいろんな事業ができると思いますが、特に保険料ですので健康に関することで、私医師会の友達と電卓たたいて、仮にですが、計算をしてみたんです。今回の一般質問でもほとんどの会派からそうした御指摘がありましたけれども、健診事業については、メタボの健診は法定ですので、長寿健診、健康づくり健診というのがありますね。長寿健診というのは75歳以上、健康づくり健診というのは、御承知のとおりに35歳から39歳まで。こうした健診は、対象者以外は受けないんですが、対象者以外も受けるようにしたらどうかというようなことを計算をしますと、これはあくまで私の試算ですから聞いていていただければいいんですが、長寿健診については、対象者を1万1,000人と仮定をして、健診事業の単価が1万3,716円で、自己負担が500円でありますので、それを差し引きます。それで、受診率、これを30%と仮定をしますと、この長寿健診については4,394万2,800円ですね。それから、健康づくり健診については、同様に試算をいたしますと、もう詳しくはお話をしませんが、約1億円かかるんですね。それから、被保険者の健診、いわゆる社会保険の家族の人たちにも国民健康保険と同じような健診項目をというのでさんざん議会からも質問が、我が党はありませんでしたけれども、やっていました。こうした人たちにも同じような健診をするということになりますと、これは安いんですね。430万ぐらいなんですね。眼科検診も、どちらかやっていましたね。それから、子宮がん検診も20歳から39歳の方々を対象にしてやったらどうか。これを全部やったとして、2億円なんです。2億円あったら、こうした事業は全部できるんです。それから、公明党さんからも御提案がありましたけれども、肺炎球菌ワクチン、これは肺炎というのは歯科でも関係ございまして、間違って飲んでしまって、口の中の細菌が肺に入って、肺炎で死ぬと。これは非常に多い疾患なんですが、自分の宣伝はともかくとして、肺炎球菌ワクチンの接種、現在8,000円かかっているんです。全額というのは、負担とサービスとによって全額は難しい。がん検診も一部負担金いただいておりますのでね。半分、4,000円補助するということになりますと、対象者が8,400人だそうです。したがって、3,000万ちょっとというようなことなんです。
 私は、なぜこんなことを申し上げたかというと、11億円黙って、黙ってじゃないかもしれませんが、意識を持たないで投入をすることよりも、キャップ制や何かの方策を講じて、その繰出金が少なくなる努力をしてできた財源で、保険給付費そのものが下がる――そのものが下がるんですよ、これ。医療費が下がる。そうした前向きな施策が、幾らでも手が打てる。だから、ぜひとも検討をしていただきたい。こう思っているんですが、これは経営本部のほうの皆さんの考え方をできればちょっとお聞かせをいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○沼口副区長(管理会計室) 保険料の徴収で、非常に徴収率が低いために11億円ほど余分に一般会計から繰出金を出している。その財源を使えばいろいろな施策に活用が可能だということでございます。そういった意味で、基本的にはもう徴収率を上げるしか、逆な意味ではないわけでございまして、そういう意味では、徴収率向上対策を国民健康保険についてもきっちりやっていかなければならないと、そのように認識しております。
○山崎委員 沼口さんおっしゃるように、これから最後に徴収率、収入率アップのための方策、議論するんですが、もう一つだけ方法はあるんです。もう一つだけある。保険料を上げるという方策があるんです。いや、これは現実問題として、初めから特別会計の中で歳入と歳出が成り立たないというようなことについては、どこかで保険料というものをきっちり算定をしていくということを考えないと、僕はならないんだろうと。そういう意味では、今回出された財政白書、どこが出されたんでしょうか、これ。管理会計室、経営分析担当の方が書かれたんだろうけれど、特別会計の中で、繰出金のところに非常に僕は大したものだなと思う記述が実は書いてあるんです。特別会計内の財政健全性を高める必要があると。これはまさしく僕が言った、具体的には書いてありませんが、保険料というものもどこかに入れながら、一時しのぎじゃなくて、ちゃんとやるべきですよと。僕はこう書いてあるんだろうと思いますが、私の読み方は違うでしょうか。
○沼口副区長(管理会計室) 保険料を値上げするということは、例えば一定の徴収率に基づいて、それで保険医療の給付のほうとの関係で保険料を算定しますので、給付がふえなければ、保険料は上げる必要は逆にないわけです。したがいまして、基本的にはやっぱり保険料を決めて、それを100%徴収するというところに基本的な課題があると、そのように我々は考えていますので、特別会計の中の健全性という意味でも、保険料の徴収はまず第一だと、そのように考えてございます。
○山崎委員 確かに本則はそういう話だろうと思いますが、確かにそのとおりだと僕は思いますが、しかし、現状の中野区の国民健康保険の収入率を見て、81.6%、他区から比べても低い。傾向としてもずっと下がってくる傾向にある。尋常じゃないんですよ。御承知のとおり、保険というのは、支えて、支えられる仕組みですから、ざくっと計算すると、2割の人が払わない。それで、税金を11億入れて成り立っているということで、このままでいいんだろうか。70%台にもし落ちたら、僕はね、保険方式はもう無理なんだろうと。保険という概念そのものがもう国民健康保険には通用しないんだろうと。そのぐらいな危機を僕は持っているんですが、沼口さんのお気持ちと、それと担当課のそうした認識をお聞きして、この項の質問を終わりたいと思いますが、いかがでしょうか。
○沼口副区長(管理会計室) お話のように、やはり保険料で事業をやっていくということになりますと、やっぱり一定の保険料収入、そこに入っている方々の協力がなければ事業として成り立たないと、そのように考えます。したがいまして、収入率が一定以下になってきますと、これはもう保険ではできないような状況になってくるんではないかと、そういうことが危惧されると。そのように考えております。
○柿内保健福祉部副参事(保険医療担当) 私どもといたしましても、やはり保険料を上げるということは非常に、23区統一保険料方式をとってございますので、厳しいものがございますので、これから保険料の収納率を上げるためにさまざまな方策を講じて、収納率の向上に努めていきたいというふうに、それをもちまして、保険制度を長く維持していくための努力を引き続き継続したいというふうに考えてございます。
○山崎委員 最後と言ったんだけど、すみません。収入率の話をしなくちゃなりませんでしたので、最後これに触れさせていただきますが、最終的にはその収入率をアップしていくということ、この議論は避けて通れないと思いますが、先ほど特別区民税の、特別区税でしたか、収納率のお話をしましたけれども、税のほうは、とりあえず現年度分は96.1%、国民健康保険料の収納率は81.3%と。どうしてこんなに差があるんだろう。区民税は払ってくれる――少し議論としてはおかしいかもしれませんが、両方払わないんだというなら、僕はそうでもないんですが、両方じゃないんですね。税金は払う。しかし、保険料は払わない傾向がある。このことにどういう御関心をお持ちでしょうか。
○柿内保健福祉部副参事(保険医療担当) なかなかそこら辺を分析するのは非常に難しいと思いますが、ある程度私見になりますが、税というのはやっぱり納税義務ということで、小さいころから税金を払わなきゃならないという教育がされている部分がありますが、保険料という部分はなかなか、保険税という考え方もございますが、私ども23区は保険料というのをとってございます。あとは、実務的に保険料を払わないと、最終的には私どもは資格証という事で10割負担をしていただくような形になりますが、実際には窓口などで、自分は健康で、全く医療保険を使う必要がないので入りたくないということをおっしゃる方がありますので、そういうことも多少考えられるのかなということで、やはり納税意識というか収納意識というものが、税と国民健康保険料に対するものが違うのではないかというふうに推測されるところでございます。
○山崎委員 さまざまなこれは御意見があると思いますし、私は副参事がおっしゃっている話もまんざら的外れではないかなと、こう思っています。特に、冒頭で触れていただいた部分、つまり税金は義務なんだと。これはみんな国民はそう思っているんですね。しかし、保険料については、僕は健康なんだから、入らなくても困らないんだ。入らなくても自分は困らないけれども、支えて、支えられる仕組みだということを知らないから、自分は健康だから構わない。そういう感性で払わない人が非常に多くいるんだろうと。自分で貯金すればいいじゃないか。そのときに、病気になったときに、短期証でももらいに行けば、くれるよ。万歳すれば大丈夫なんだ。だから払わないんだというや人々がいたとしたら、大変僕は残念だと思います。国民皆保険制度といって法律にのっとった制度ですので、私は入りたい、あるいは僕は健康でお医者さんに生涯絶対かからないから入らないんだというわけにはいかない制度なんだということが周知徹底していないんだと思うんです。
 それで、その国民の義務という話ですが、私が江古田小学校の校医をしておりまして、そこでさまざまな子どもたちと会ったり、中学生の患者さんが来たりしてお話をしますと、確かに柿内さんおっしゃるように、税金は義務なんだということを子どもながらに感じているんです。それは、学校の授業の中でも、大変先生御苦労がある中でやられているんですね。本当に徹底していますよ。それで、納税のコンクール、作文のコンクールなんていうのがございまして、「私、入賞したんです」と、江原町の女の子でしたけれども、持ってきまして、「先生、読んでください」と。サンプラザで表彰していただいたんだそうですが、僕は行きませんでしたけれども、そんなこともあって、非常に税の意識というのが高くなりつつあるなというのは僕も実感をしているんですが、それに引きかえ、保険料については、今言ったように、自分は元気なんだ。死ぬまで医者にかからないんだ。だからいいんだ。だからあなたはいいけれども、かからなくちゃならない人のために保険というのも同時にあるんだという教育がなされていないように思うんですが、これは所管は保健福祉のところじゃないので、教育委員会になるのかな。ごめんなさい、待たせておいてすみませんが、この辺の教育はどんなふうになさっているでしょうか。
○喜名教育委員会事務局指導室長 国民健康保険につきましては、中学校3年生の社会科の公民的分野で学習をしておりまして、内容につきましては、社会保障の仕組みの一つとして社会保険を扱っております。国民年金、厚生年金、介護保険等と並んで例示をされております。少子・高齢化社会等、現代の問題とあわせて公平負担について扱っているというところでございます。
○山崎委員 具体的に、どのぐらい授業を使って担任の先生がやられているのか、どういう形なのか。国の将来がかかった、本当は教育なんですよね。しかし、そういう意識がないような気がするので、少し詳しくお話しいただけますか。
○喜名教育委員会事務局指導室長 中学校3年生の公民の教科書では、社会保障という大きな、大きいというか小単元でございまして、その中に四つの柱ということで社会保険、公的扶助、社会福祉、それから公衆衛生が扱われております。その中で、国民年金について特化して扱うということではなくて、全体を扱っておりますので、あわせて1時間程度の学習ということになるかと思われます。
○山崎委員 これからもう少しその辺を増やしていくというような御予定はありませんか。今言ったのでは、これじゃあ、僕もわからないと思うな。いかがでしょうか。
○喜名教育委員会事務局指導室長 御指摘のように、社会保険は税金、働いている人の保険料、それから企業の保険料で賄われているということ。さらに、これからの、今現在もそうですけれども、高齢社会に伴いまして、費用が拡大していって、それぞれが負担しなければいけないという義務を負っているんだと。権利と義務の問題でございますけれども、その部分について重要視していきたいというふうに思っております。
○山崎委員 以上で私の質問をすべて終わります。
○いでい委員長 以上で山崎芳夫委員の質疑を終了します。
 次に、やながわ妙子委員、質疑をどうぞ。
○やながわ委員 三日目最後となりました。公明党4人目の総括質疑でございます。私も数年ぶりの質疑に立たせていただいておりまして、大変緊張をしております。御答弁は簡潔明瞭に、すっきりとお願いしたいと思います。
 それでは、質疑は通告どおりにやらせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 初めに、特別支援教育の推進について伺います。
 平成19年度からスタートした特別支援教育は、ことしで3年目を迎えました。平成20年度の取り組みと今後の課題を伺いたいと思います。
 特別支援教育を行うための体制の整備及び必要な取り組みとして、六つ挙げられております。1、校内委員会の設置、2、実態の把握、3、特別支援教育コーディネーターの指名、4、関係機関との連携を図った個別教育支援計画の策定と活用、5、個別の指導計画の作成、6、教員の専門性の向上が挙げられております。
 初めに、学校に配置されている特別支援教育コーディネーターについて伺います。
 先月、発達障害児を持つ二つの家族の親御さんから御相談を受けました。一人は、A小学校2年生、もう一人は、B小学校1年生に通う親御さんです。主な内容は、学校に相談体制がなく、相談窓口は担任の先生と校長先生だけであることでした。両方の親御さんから、特別支援教育コーディネーターのことは一言も話が出てきません。そういう立場の方がいることすら知らなかったと言っております。20年度には、特別支援教育コーディネーターが全校に配置・指名され、一人ひとりの教育的ニーズに応じて適切な教育支援が行われるように、校内外の関係者・関係機関との連絡調整や支援などを行うのが主な役割ではないでしょうか。伺います。
○喜名教育委員会事務局指導室長 特別支援教育コーディネーターの役割につきましては、今委員御指摘のとおりでございます。
○やながわ委員 20年度の特別支援学級や通級学級のない学校におけるコーディネーターの実態はどうなっているのでしょうか。また、このコーディネーターが親御さんからの深刻な悩みを聞き、それにこたえていないのではないでしょうか。私は形ばかりの配置になっているのではないかと思いますが、その点いかがでしょうか。
○喜名教育委員会事務局指導室長 特別支援学級を設置していない学校の特別支援教育コーディネーターは、その学校の特別支援教育を一人で牽引する立場にございますので、確かに背負うものがかなり大きいということは事実でございます。それへの対応といたしまして、研修の充実、それから教育相談員・巡回相談員の配置等によりまして支援をしておりますけれども、特別支援教育全体の意識の高揚というのか高まりが必要でございまして、教員への啓発を続けております。
 また、委員御指摘のような事例は、特別支援教育コーディネーターそのものの存在が保護者に十分周知されていないという実態があるかと思います。学校説明会、それから学校だより、保護者会等でこの役割について十分に説明して、特別支援教育コーディネーターの役割が果たせるように、校長を通して徹底してまいりたいと思っております。
○やながわ委員 障害児を持つ親御さんが知らない。一般のお子さんの親御さんが知らないというのとちょっと内容が違いますので、その辺、どういうふうに周知徹底というよりも、むしろそういうお子さんを持つ親御さんに、もう19年度から始まっておりますので、きちんと個別の対応が――この特別支援教育の根幹をなすものだと私は思っておりますので、その辺も教育委員会が積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 コーディネーターの資質、今指導室長おっしゃいましたように、資質向上と専任のコーディネーターの配置について伺います。
 コーディネーターは、校内で特別支援教育に関する取りまとめ役として位置付けられております。20年度及び21年度、コーディネーターの資質向上のための研修会の開催や内容はどのように行ってきたのでしょうか。簡潔に伺います。
○喜名教育委員会事務局指導室長 20年度、21年度の研修でございます。ほぼ同様の内容でございまして、大きく二つございます。特別支援教育コーディネーター連絡協議会、これは区独自で行っております。また、特別支援教育コーディネーター養成研修会ということで、これは新宿区、渋谷区とともに行っておりまして、合わせて年間10回程度でございます。この内容としましては、障害別の医学的理解・対応等でございます。講師としましては、大学の教授、それからNPOの方等にお願いをしてございます。
○やながわ委員 その研修を受けて、コーディネーターが校内委員会の運営や教職員に研修内容を伝えることになっておりますが、コーディネーターが中心になって行う校内委員会は、年間何回実施し、具体的に個別指導計画の作成やその活用はなされているのでしょうか。伺います。
○喜名教育委員会事務局指導室長 校内委員会でございますけれども、すべての小・中学校に設置しております。回数でございますが、対象となるお子さんの数、また状況によって異なっておりますけれども、昨年度につきましては、ほとんどの小・中学校で年4回以上の実施でございます。
 また、個別指導計画でございますけれども、昨年度はすべて年度末までに全校が作成しております。今年度につきましては、現在87%の学校がつくっておりますけれども、この直近の中ですべて作成の予定でございます。
○やながわ委員 87%、実は形は設置ができていると。こういう内容で今研修、またあるいは連絡協議会、養成、そしてまた年何回やっていると形はできてきてはあるものの、もう少しやはり内容が大きく子どもにとって影響が出るように、いい意味で、取り組んでいただきたいと思います。これは要望しておきます。
 今、指導室長がおっしゃったように、コーディネーターの任務は、先ほど私も述べましたが、本当にハードだと思うんですね。この日常の校務とほとんどの特別支援教育コーディネーターというのは実は兼務をしております。この兼務をすることによって、コーディネーターそのものの役割を果たすことは困難だと私は思っているんですが、いかがでしょうか。
○喜名教育委員会事務局指導室長 御指摘のように、特別支援教育コーディネーターにつきましては、担任・養護教諭が兼任をしております。常にフリーでいるということができませんので、委員が先ほどお話しあったように、実際に保護者からの相談に乗れないような場面も出てまいります。学校によりましては、サブコーディネーターということで指名をいたしまして、二人体制で連携をして対応しているというところもございますので、このような工夫を広めていきたいと思っております。
○やながわ委員 特別支援教育を推進するためには、実は専任の、本当はですね、コーディネーターを配置することが私は欠かせないと思います。この件について、教育委員会のお考えを伺います。
○喜名教育委員会事務局指導室長 特別支援教育コーディネーターは、その専門性から、正規教員を指名することになっております。東京都も専任としての位置付け、教員の加配がございませんので、今後特別区の指導室課長会を通して、特別支援教育コーディネーターの持ち時間の軽減、校舎配置などについても要望してまいりたいと思っております。
○やながわ委員 積極的に推し進めていただきたいと思います。
 次に、発達障害児支援の情報提供について伺います。
 中野区における特別支援教育についてのこの資料、これを見ると、中野区は、特別支援教育について、一見完璧な体制ができているように見えます。本当によく書かれていると。これなら安心だなというぐらい、見事に書かれているんですね。特別支援教育は何というと、こういうことなんだという、だれしもが「ほう」と思うんですね。ただ、発達障害児を抱えている親御さんが、日ごろから悩み苦しんでいる相談に対する、現在のところ支援体制は全くできていないと思います。この間も、また日々私もこの普通な訴えを聞いております。
 文部科学省、通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする全国の実態調査がありました。それによれば、6.3%のお子さんがそういう特別な教育支援が必要だと言われているお子さんが出ているということが発表されました。この6.3%によると、学校の一クラスに1名以上は存在していることになります。区は、このチラシというんでしょうか、パンフレットというんですね。教育委員会に問い合わせや相談する番号が、問い合わせ先電話番号が書いてあります。ここに電話をかけてきた相談は、この20年度何件あって、その内容はどんなものだったのでしょうか。伺います。
○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) このリーフレットに書かれた電話番号というのは、教育委員会5階の特別支援担当の電話番号でございます。相談件数は数件というところでございまして、内容は、担任の指導・対応方法に対する苦言とか、発達障害があると言われたけれども納得できないと、そういったような内容でございました。
○やながわ委員 今、副参事のお話のように、これはそういったお子さん、障害を抱える親御さんの悩みや、それをどうしたらいいのかと答える相談窓口ではないということがわかりました。その現場で、本当はそういうお子さんは、通わせている学校の中で適切な指導、あるいは訓練の仕方だとかさまざまなことを聞かなければ、要するに我が子であっても、なかなか教えられないわけですね。そういう仕組みを、相談体制の仕組みを、実はその現場の中できちんとつくるべきだと私は思うんですが、これは通告にはなかったんですが、いかがでしょうか。
○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) おっしゃるとおりさまざまな、例えば教育センターでの教育相談での相談ということもございますが、やはりお子さんが日常、日ごろ通っている学校の中で、そのお子さんの様子もわかっている中での相談というのが一番効果があろうかと思います。
○やながわ委員 現実は、その親御さんたちからは、必要な情報提供が全くないと。学習支援や医療ケア支援を求めているが、関係機関の情報が提供されていない。日々の具体的な悩みなど、どこへ相談したらよいかわからないということで悩んでいます。必要な情報は、発達障害児のいる親御さんたちからの口コミによって医療ケア機関や学習支援塾を知り、すがるような思いで相談に出向き、少しでも改善されるのであればと、何とか工面して時間と費用をかけているのが実情です。教育委員会としても、発達障害児を抱えている親御さんへの相談支援の安心情報の提供をすべきだと思います。その場合、学習支援、医療ケア等さまざまな問題に対して的確にこたえる相談体制をつくるべきと考えますが、いかがでしょうか。
○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 委員御指摘のように非常に相談体制は大切なことだと考えております。先ほども特別支援教育のコーディネーターのお話も出ましたが、やはり日ごろお子さんが通われている学校における特別支援教育コーディネーターが中心になって、保護者の方に必要な情報が届くようにするというのがやはり理想的なことかなと思います。そのために、教育委員会といたしましても、子ども家庭部等とも連携しながら、必要な情報を提供・支援していくつもりでございます。
○やながわ委員 発達障害児のいる親御さんの多くは、我が子の学習習得能力のことで大変悩んでいます。先ほどのB小学校の児童は算数が苦手で、夏休みの後、顕著に算数の授業についていけなくなってきています。しかし、そのついていけなくなっている状況でも、その支援策はありません。口コミで情報を得て、探し求め、民間の障害児の学習支援塾に通い始めました。A小学校のお子さんは、国語が苦手です。学級担任から「勉強がおくれてきているので、塾へ行かせてください」と言われたそうです。発達障害のため学習能力が伴わないのに、塾に行きなさいはないと思います。その方は母子家庭で、経済状況は大変に厳しいです。児童本人に私が「学校は楽しい」と聞くと、悲しそうに首を横に振りました。私まで悲しくなって、言葉に詰まりました。
 本来は、特別支援教育を推進するためにリソースルームを設置し、発達障害児等の学習に困っている児童の学習支援を行う体制が特別支援教育には求められています。10か年計画ステップ4には、各学校すべてに特別支援教室を設置することになっていますが、その前に専任の指導員の配置が欠かせないと思います。専任の指導員の計画はどのようになっているのでしょうか。伺います。
○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 特別支援教室を全校に配置するという計画でございますが、その指導員につきましては、情緒障害等の特別支援学級を拠点にいたしまして、そこから全校に設置された特別支援教室に指導教員を派遣し、そこで学習支援等を行っていくと。あわせて、そこの学校の学級担任への支援も行っていきたいというふうに、そういう予定でございます。
○やながわ委員 派遣をしてということなんですが、どのくらいの人数、専任の巡回指導員ですか、考えておられるのでしょうか。
○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 今後の特別支援教育についての取り組み、あるいはそのニーズにもよります。今のところでは、どのくらいという数字は持っておりませんけれども、今後十分に実態を見きわめ、考えていきたいと思っております。
○やながわ委員 先日、渋谷区へ行ってまいりました。既に全小・中学校に特別支援教室を設置するとともに、特別支援教育学習指導員を配置しております。全校にですよ。さらに、社会性が身についていない、コミュニケーションがうまくとれない、友達との関係や集団生活で誤解されやすい子どもに対し、人とうまくかかわる方法を個々に習得させるソーシャルスキルトレーニング担当を2名教育委員会に置いております。各学校を巡回して、個別に訓練しています。実に充実していました。学校での個別の学習支援体制ができるまでは、発達障害児等が区内外の民間の学習支援や医療ケア機関、あるいは療育機関に通わなければならない場合、区は一定期間経済的支援を行うべきです。その際、支援を受ける民間の機関でも、発達障害児との相性の問題もありますので、一定期間のトライアル無料クーポン券を発行し、その機関に通うことの効果があると認められるようになった場合には、その後は半額を助成するとか、具体的な支援策を講じるべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 特別支援を要する児童・生徒に対しては、まず学校教育の中で責任を持って対応していくというふうに考えております。御指摘の事情というのは理解できるところでございますけれども、今のところでは、民間施設利用に対して経済的支援を行うということはなかなか難しいのではないかというふうに考えております。
○やながわ委員 この項の最後に、今後、中野区は特別支援教育をどのような方向に持っていこうとしているのか、教育委員会の御見解を伺います。
○田辺教育委員会事務局次長 特別に教育的配慮、あるいは支援を必要とするお子さんにつきましては、そのお子さんの状況に応じて、学級の中で適切な教育が受けられるよう最善を尽くしていくのが本来の姿だというふうに思っております。特に、通常の学級におきましては、集団の中で適切な教育が受けられるよう教員の、先ほどもありましたけれども、資質を高めていく。また、その教員をバックアップする体制をつくっていくことが必要だと思っております。
 また、今後におきましては、将来の自立を目指して、一貫した支援や教育が受けられるよう、関係部署や関係機関と連携して、一貫した支援の体制をつくり上げていくことが必要だというふうに思っております。
○やながわ委員 ありがとうございます。
 先日、桃園小学校の運動会に行ってまいりました。特別支援学級ひまわり学級の子どもさんたちのリレー競技が大変印象的でした。今回、初めて全校児童の前での競技に、親御さんたちは当初心配されていたようでしたが、その不安は一瞬に払拭されました。バトンを一生懸命つなぎ、完走した子どもたちに、全校児童や保護者たちは、全身全霊で応援し、ともに喜び合っている姿に、校長先生は桃園小学校がやっと一つになれたと閉会式で話されていました。そのスピーチに、障害を持つ親御さんたちや私たちも感動しました。ここまで桃園小学校の教職員が頑張ってきた、これは努力のたまものだと私は思いますが、このことが実はインクルーシブ教育の一つだと思っています。私は、インクルーシブ教育の実現が、実は教育再生につながると実感しております。すべての子どもは将来でなく、今を楽しいと感じる権利を持っています。きのうが楽しくて、きょうも楽しくて、あしたも楽しい日であるならば、そして、それが続いていくならば、結局未来も幸せな日々になっていくことでしょう。目指すところは、子どもたちが健康な心を成長させていくことだと思っております。発達支援はそのための手段であって、目的ではないと。今質疑をさせていただいて、いかにこれからだということがはっきりわかりましたので、どうか特別支援教育が本当にうまくいくことがすべての子どもたちの教育に大きな力を与えていくと思いますので、どうか積極的に、前向きに取り組んでいっていただきたいことを要望しておきます。
○いでい委員長 やながわ委員の質疑の途中ですが、5時になりますので、今後の運営を協議するため、理事会を開会します。関係者は第三委員会室にお集まり願います。
 委員及び理事者の皆さんは、このまま自席でお待ちください。
 委員会を暫時休憩いたします。
      午後4時58分休憩

      午後5時01分開議
○いでい委員長 委員会を再開します。
 ただいまの理事会の報告をします。
 やながわ委員の質疑の途中ですが、本日の質疑は終了し、明日、やながわ委員の質疑から始めることを確認しました。
 以上が理事会の報告ですが、質疑はありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○いでい委員長 それでは、ただいまの報告のとおり委員会を運営することに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○いでい委員長 御異議ありませんので、そのように決定します。
 以上で本日の総括質疑を終了します。
 次回の委員会は、10月2日(金曜日)午前10時から当委員会室において開会することを口頭をもって通告します。
 以上で本日の決算特別委員会を散会します。
      午後5時02分散会