平成22年09月27日中野区議会決算特別委員会の会議録 1.出席委員(41名) 1番 内 川 和 久 2番 ひぐち 和 正 ○酒井委員 そうですね。すなわち、教育委員、監査委員は議会の同意で、選挙管理委員だけは我々議員が選挙して選ぶと。これはどうしてなのかなと私も思って、担当さんにもいろいろ調べていただいたり、私も確認したんですけども、随分古くにさかのぼっても、なかなかどういった理由かはわかりませんでした、実際には。行政委員は特別区報酬審議会の勧告も受けないと。費用に関してですね。そして、行政委員の中で唯一、選挙管理委員だけ議員が選挙で選ぶことができるというふうになっているんですね。すると、選挙管理委員の報酬の適切さ、なかなか皆さんにお尋ねしてもお答えすることが難しいんだろうと思うんです。その中で、このような給与面や選出方法、それから他自治体の動き、そしてまた時代の流れとともに似つかないところもあるのかなというふうなのを私自身は感じております。 この件は今後、我々の議論も求められてくるんだろうと思っておりますので、報酬や選出方法、それから他自治体の動きなどの問題提起、こちらに関してはさせていただきまして、この項の質問を終わらせていただきまして、私のすべての質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○いでい委員長 以上で酒井委員の質疑を終了します。 次に、[1]内川和久委員、質疑をどうぞ 。 ○内川委員 おはようございます。よろしくお願いいたします。自由民主党の立場で総括質疑させていただきます。 質問は通告どおり1番、住基カード不正取得について、(1)として危機管理分野の関わりについて、(2)として危機管理費決算について、大きな2番、都市計画費決算について、大きな3番、中野駅周辺再開発について、(1)として西口南北自由通路について、(2)として中野駅周辺まちづくり推進会議について、(3)タウンマネジメントについて、大きな4番で桃園川緑道について、5番のその他はございません。 それでは、1番の住基カード不正取得についてお聞きしたいと思います。 我が会派のひぐち委員も一般質問で触れておりました。また、私の友人がたまたまこの不正取得の被害に遭ったということで、今回質問をさせていただくことになりました。 住基カードは、身分証明等に広く利用されております。携帯電話の契約、銀行口座の開設にも使われています。区役所で住基カードを申請する際には運転免許証の提示が必要で、即日と翌日交付が選べる仕組みになっています。本年6月ごろから住基カードの不正取得が都内で相次ぎました。手口はいずれも偽造運転免許証で他人になりすますというやり方で、携帯電話会社や信販会社では運転免許証番号をチェックするなど審査が非常に厳しいんですが、比較的チェックの甘い役所、区役所がねらわれました。杉並区では住基カードの悪用と見られる、買い物など身に覚えのない請求が届くなど、具体的な被害状況が明らかになっています。被害は都内でも30件近くに上り、残念ながら中野区でも7月下旬に私の友人も含めて2名の方が被害を受けております。まず今年度、住基カードの交付状況はどのようになっていますでしょうか。 ○浅野区民生活部副参事(戸籍住民担当) 今年4月から8月末までの住基カードの交付件数は1,866件でございます。 ○内川委員 1日に直すと大体何件ぐらいの方が申請してくるんでしょうか。 ○浅野区民生活部副参事(戸籍住民担当) 時期的に非常に多い時期と少ない時期とがございますが、大体平均にならしますと1日20件程度でございます。 ○内川委員 そうすると、比較的交付に際しては1件1件時間をかけて交付ができるという状況だったんですか。 ○浅野区民生活部副参事(戸籍住民担当) 即日交付の場合ですが、大体1件発行するのに要する時間が15分から20分程度でできるようになってございます。 ○内川委員 即日と翌日交付をやるんですけれども、どちらが多いんですか。 ○浅野区民生活部副参事(戸籍住民担当) 即日交付のほうが多うございます。 ○内川委員 即日交付、今回これがねらわれたんですね。免許さえ持っていけば、その場で住基カードが取得をできて、それが悪用されたということでございます。それで、私の友人が7月下旬に被害に遭われまして、すぐ役所のほうに相談に行かれました。そのとき区側としてはどういった対応をとりましたでしょうか。 ○浅野区民生活部副参事(戸籍住民担当) 委員の質問にお答えする前に事件の概要を簡単に述べさせていただきたいと思います。委員の友人の方の名前をかたりまして、偽造した運転免許証を持って、私どもの窓口で住基カードの交付を受けました。その住基カードを持ちまして、ゆうちょ銀行のほうにその者が行きまして、その友人の方の名義で口座開設の申請を行ってございます。ただ、申請を受けた後にゆうちょ銀行のほうで、その申請書類の中に記載ミスがございました。そこで、その訂正をということで委員の御友人の方に連絡が入りまして、そこでそういった口座開設をした覚えはないと。どういう書類を使って口座開設をしたかを友人の方が確認したところ、住基カードが使われているということで、私どものほうに参った次第でございます。その際、ゆうちょ銀行の方も一緒に区役所のほうに見えましたので、私どものほうでは、まず、ゆうちょ銀行に対しまして事情を説明しまして、今回の口座開設の申請は取り消していただくということでお願いをいたしました。また、友人の方につきましては、私どもの担当者が野方警察署のほうへ同行いたしまして、今後、住基カードを別の形で使われた場合の被害があった場合の対応策等について警察のほうからの助言をいただきました。 また、区としての対応でございますが、直ちにこの住基カードを無効にする旨の告知を行いますとともに、先ほど委員が申し上げましたように6月下旬より23区内で住基カードの不正というのが非常にふえておりますので、23区内ではそういった形で被害に遭った場合に、その使われた運転免許証番号については各区に知らせるというふうなことをしております。直ちに今回使われた運転免許証番号については他の区に知らせるとともに、また東京都のほうにも被害に遭ったということを報告いたしました。また、野方警察署のほうにも私どものほうの被害届を提出しております。以上のようなことを当面行いました。 ○内川委員 丁寧な御答弁ありがとうございました。区のほうも被害者と同様に警察に被害届を出されたということですよね。それはその住基カードを区もだまされてとられたということですよね。 ○浅野区民生活部副参事(戸籍住民担当) 本来とれないような、要するに偽造した免許証を使っての住基カード取得ですので、公文書偽造という形になりますので、私どもとしても被害届を警察のほうに出させていただいております。 ○内川委員 被害に遭った方は、区が大して慎重な審査もしないでカードを発行したことに対して、区が本人と同じく被害届を出すというのはちょっとおかしいと。友人いわく、区も加害者ではないかと、こんな感情を持っているんですね。こういった件を受けまして、現在窓口ではどのような対策をとっていますか。 ○浅野区民生活部副参事(戸籍住民担当) 今回、委員の御友人の方が被害に遭われたのは、先ほど中野区で2件住基カードの不正取得があったといううちの2件目でございます。1件目が起きたときに、私どものほうではそれまでの確認方法では不十分だと考えまして、窓口に申請してきた方に際して、その方の本籍地、それから前住地、戸籍の筆頭者、これの聴聞をさせていただいておりました。しかしながら、残念ながら、それも防げなくて、住基カードを不正取得されてしまいました。そこで、今回の委員御友人の方の不正取得という件を踏まえまして、私どもといたしましては、運転免許証の確認はもちろんでございますが、それに加えまして、保険証ですとか年金手帳、そういったものとして御本人の確認できるものをもう1点提示させていただいて、それによって本人確認を厳密に行おうというふうに取り組んでおります。また、あわせまして、やはり本人あてに確認通知を送付いたしまして、確実に御本人が住基カードを手に入れているかどうか。その確認をさせていただくことにいたしました。 ○内川委員 免許証以外にもう1点提出してもらうということですよね、身分証明書を。でも、まあ、その身分証明書もこれまた偽造だったら防御がないということになってしまいますよね。それで、被害に遭った方から6件ほど区のほうに対して質問をしてくれということが来ていますので、ちょっとお聞きしたいと思います。これは実際に被害に遭った方の意見です。 1番目として、被害に遭ったのは、いずれも住基カードを即日交付している区で、他区では危機管理の一環として即日交付を行わない区もあると聞いているが、即日交付の利便性と安全確認のどちらを優先するのか、区の考えをお聞かせください。 ○浅野区民生活部副参事(戸籍住民担当) 利便性を優先するか、安全確認を優先するかは、なかなか順位をつけるということは難しいというふうに私ども判断しております。中野区といたしましては、やはり即日交付を希望される方も多いというような現状もございますので、今回の事件、残念ながら2件そういった不正取得という被害に遭われた方がいらっしゃいますけども、今申し上げましたような確認方法を厳格に行いまして、不正受給を防ぐという形で、即日交付については実施していきたいというふうに考えております。 ○内川委員 これは先日の新聞なんですけれども、やはり被害に遭った杉並区ですね。当分の間、即日交付を中止すると。杉並区はですね。プラス専用ソフトがあるんですね、偽造免許証を見分ける。そのソフトの導入。こういった二重のチェック体制で犯罪防止に取り組みたいということが新聞に載っておりました。これに対して中野区はいかがでしょうか。 ○浅野区民生活部副参事(戸籍住民担当) 先ほど申し上げました中野区の2点、要するに運転免許証のほかにもう1点提示していただくという方法は、他区ではそこまではまだやっていない状況がございます。また、今、委員おっしゃられたソフトですけども、そのソフトについても、やはり今後、住基カードの交付申請等がふえていった場合も想定いたしまして、私どもとしてはうまく活用していきたいというふうに考えております。今どういう形でソフトをうまく活用していくか。それも含めてチェックをさらに厳重にしていきたいというふうに考えております。 ○内川委員 次に、二つ目の質問として、偽造免許証による不正取得は既に6月に練馬区や他区で発生していました。中野区での事件発生時には実際その対策がとられていたのかということをちょっとお聞きしておきます。 ○浅野区民生活部副参事(戸籍住民担当) これまで区といたしましては、住基カードの申請があった場合に、運転免許証等が御本人確認の書類として使わせていただいていましたが、住基カードの使い道、これは公的個人認証といいまして、例えばそのカードを使って転居する場合に区役所に直接手続に行かなくてもできる方法がありますが、そういったような公的個人認証として使いたい場合、それからあと、特に身分証明書として使いたいという場合には、これは運転免許証等でも十分身分証明書として役に立ちますので、そういった趣旨をちょっと御説明させていただいて、それでもということで申請があれば受けるというふうな形をとってございました。また、6月下旬から各区でそういう不正取得が行われた。先ほど申し上げましたように23区内では不正取得があった場合に、その不正取得に使われた運転免許証の番号についてお互い知らせ合うというふうな形をとってございます。したがいまして、そういった番号については控えをとるとともに、窓口に来られた方の運転免許証、それと見えないような形でございますけども照合しながら、そういった対応を行ってございました。23区内でのそういったお互い番号を知らせ合うということで、これはほかの区でございますが、他区で不正取得した住基カードを別の区で使おうとして現行犯逮捕もできたというふうな事例もございます。ただ、残念ながら今回、中野区であった被害はその番号が使われていなかったという状況でございます。 先ほど1件目が不正取得を受けた後と申し上げましたが、本籍地の確認等をさらに加えまして、本人確認をしましたが、残念ながら2件目についてはそれも普通に答えられてしまったということで、不正取得を防ぐことはできませんでした。 ○内川委員 結果としてこの事件を防げなかったことは非常に残念だと思います。それで、他区では区役所のホームページのトップページ等で事件の概要とか注意喚起を行っているんですね。中野区では現在どういうことを行っているでしょうか。 ○浅野区民生活部副参事(戸籍住民担当) ホームページの掲載は少し時期は遅かったなというふうに今、反省してございますが、現在、ホームページの注目情報のほうに偽造運転免許証による住基カードの不正取得が発生したということと、それに対する区としての対応策、そういったものを掲げました。また、例えば身に覚えのない請求等が来た場合等については、危機管理分野、あるいは戸籍住民分野への連絡、警察への通報等をその中に盛り込んでございます。あと、10月20日に区報のほうでもまた掲載をさせていただく予定でございます。 ○内川委員 この前、中野区のホームページをチェックしました。9月17日でしたか、ようやく載せていただいたのが。事件の発生が7月末で、ようやく区のホームページに載ったのが9月17日ということで、1カ月半ぐらいたっていたんですね。何でこれだけおくれちゃったのか、ちょっとお聞きしたいんですけど。 ○浅野区民生活部副参事(戸籍住民担当) ホームページの中で、要するにトップページからまた少しめくっていかなければならないんですが、住民基本台帳カードのページというのがございます。そこのほうには申請のための必要な書類を加えたという旨は8月のときに出させていただいたんですが、9月17日ということでは、やはりちょっとそこら辺の周知の仕方についての認識が私どもに十分ではなかったということで、これは危機管理分野のほうからもいろいろ助言指導を受けまして、ちょっとおくればせという形ではありますけども、9月17日に載せさせていただいたという経過でございます。 ○内川委員 ここに他区のホームページ、プリントアウトしたものがあるんですけれども、結構大田区、江戸川区、中央区、丁寧に出ているんですね。特に大田区なんかでは、先ほど御説明いただいたとおり、その概要とか状況とか今後の対応策ですね。しっかり載っているんです。中野区の場合はちょっと、注意くださいという一言ぐらいですので、もう少し丁寧な内容を載せていただきたいなと思いますけども、いかがでしょうか。 ○浅野区民生活部副参事(戸籍住民担当) 今回、他区のそういったホームページの掲載状況、私どもも全く無視していたわけではございませんが、やはり載せ方につきましては、これからも十分、今回を教訓にいたしまして、もしこういった事件が不幸にして起きた場合の周知の仕方、もう少し私ども自身、しっかり認識を持って公表していきたいと思っております。 ○内川委員 それで、被害に遭われた方から先ほど来質問が出ていると言いましたけれども、その最後に、注意喚起も含めて事後的な対応が不十分と言わざるを得ない。どうも対応が区の内部を向いて練られているようで、区民の目線でのサービスとはほど遠い。住民の個人情報を守りつつ、リスク管理を今後どのように行っていくのかと言われていますけど、いかがでしょうか。 ○浅野区民生活部副参事(戸籍住民担当) 先ほど来の御答弁とちょっと重複いたしますが、窓口に申請に来られた方の確認方法を運転免許証のほかにもう1点提示していただくという方法、それからまた、先ほどソフトのお話がございましたが、そういったものも加えた確認ということで、本人確認をこれまで以上に徹底していきたいというふうに考えてございます。また、それぞれの窓口に出る職員に対しましても、やはり今後そういった部分を十分周知いたしまして、対応にばらつきのないよう気をつけていきたいというふうに考えております。また、区民への周知に当たりましても、やはりタイミングを失しないような形で速やかな対応を考えていきたいというふうに考えております。 ○内川委員 将来的にまちのコンビニで住基カードを使って住民票とかとれるようになるわけですよね。住基カードというのはパスポートの新規発給にも使われるそうなんですね。当然クレジットカードもつくれますし、金融機関の新規口座もつくれます。そういった意味で、今の対策では万全じゃないと思うんですね。今後ますますこの交付に対しては万全な対策をとっていただきたいと思います。これは要望にしておきます。 次に、今回の事件に関して危機管理分野がどのようにかかわったのか、お聞きしたいと思います。他区の被害状況について事前に情報収集をきちんとされたんでしょうか。 ○髙橋経営室副参事(危機管理担当) 他区の被害状況につきましては、マスコミ報道等で承知しておりましたが、中野区で被害が生じましたのを受け、改めまして各区の被害状況を調べたところでございます。 ○内川委員 じゃあ、知ってはいたけれども、何の助言もしなかったということですか。 ○髙橋経営室副参事(危機管理担当) 私のほうから助言しましたのは、中野区で被害が発生した後でございます。 ○内川委員 危機管理としてはちょっと、すみませんが、情けないのかなと思います。ここで、中野区危機管理ガイドラインというものについてお聞きしたいと思います。こちらが平成22年9月に改定になったものですかね。中野区危機管理ガイドラインというものがございます。まず、これの目的と危機の定義についてお聞きしたいと思います。 ○髙橋経営室副参事(危機管理担当) 危機管理ガイドラインの目的でございますが、区民の安全と安心を脅かす事態を未然に防止し、また、災害や事件、事故が発生した場合には、被害をできる限り最小限に食いとめる対策を構築することを目的としております。 それから、危機の定義についてお答えいたします。危機とは、自然災害や大規模な事故または事件、事故の発生により具体的に生じました事態のことを申し上げます。 ○内川委員 今、未然に防ぐという言葉があったと思うんですけれども、今回は全然それがなっていなかったということですよね。このガイドラインなんですけれども、配布先はどちらなんですかね。 ○髙橋経営室副参事(危機管理担当) 庁内各分野に電子媒体で提供しまして、必要に応じましてプリントし、活用を図っていただいております。また、区民の皆様にはホームページで全文を掲載し、ごらんいただいているところです。 ○内川委員 じゃあ、当然先ほどの戸籍住民分野の方もこれは目を通しているはずだということですよね。それで、この危機管理ガイドラインの中に危機のレベルとかカテゴリーがあるんですね。今回はカテゴリーでいうと、行政運営上の事件・事故、これはカテゴリー4というふうになっています。その危機のレベルとしてはレベル2でしたかね、たしか。区民生活及び区の行政運営に及ぼす影響が大きいものということなんですが、それでよろしいですか。 ○髙橋経営室副参事(危機管理担当) 今、委員お話しのとおりレベル2というふうに認識しております。 ○内川委員 このレベル2になりますと、部対策会議というものが行われるということなんですけれども、どのようなものが行われたんでしょうか。 ○髙橋経営室副参事(危機管理担当) 今回の件につきましては、戸籍住民分野のほうで区民生活部長、部長のほうにきちんと話を持ち上げて、今回の対策については練ったというふうに聞いておりますので、対策会議という名称のものを起案して設置したというところまではいかないと思いますが、対策に当たる会議、打ち合わせをきちんと行ったというふうに聞いております。 ○内川委員 このガイドラインでは、基本方針で、「平常時から事務事業の執行に伴い想定できるリスクを把握し、備えができていないリスクや対策が不十分なリスクに対してリスク管理を行います」とあるんですけれども、今回はできていましたか。 ○髙橋経営室副参事(危機管理担当) 住基カードの不正取得のほかに、虚偽の住民登録を防止するため、窓口における本人確認基準を設定し、窓口の受付において徹底することで対応してきたというふうに戸籍住民分野からは確認をしております。しかし、結果として不正取得を防ぐことができておりません。この点につきまして危機管理分野としては、今回のケースでは事前の備え、あるいは対策の準備という意味で、平常時のリスク管理が適切だったのかどうか。このあたりにつきましては、これから戸籍住民分野とともにきちんと検証を行いたいと。その上で評価すべきというふうに考えております。 ○内川委員 また、「職員のリスク管理意識の醸成と危機への対応力の維持向上のため、計画的に研修と訓練を実施します」とあります。現状はいかがでしょうか。 ○髙橋経営室副参事(危機管理担当) 6月末から他区でなりすましによる住基カードの不正取得が発生しているという連絡を受けまして、今回の住基カードの申請に際しましては、戸籍住民分野のほうでは運転免許証番号の確認、申請理由の確認などを徹底しておったというふうに聞いております。ただ、結果として未然防止には至っていないというところでございます。 ○浅野区民生活部副参事(戸籍住民担当) 戸籍住民担当のほうの対応をお答えさせていただきます。 これまで戸籍住民の窓口では、今回、住基カードの不正取得というのがございましたが、それまでも虚偽の住民登録申請、そういったものを行いまして、不正に健康保険証を取得したりとか、そういった例も過去にございました。そういったものに対する対応策といたしまして、平成18年度に一応対応マニュアルというものを策定しまして、それを各いろんな機会に徹底をさせていた次第でございます。今回、住基カードの不正取得ということも起きましたので、そういったマニュアル自体についてさらに改定を進めていこうというふうに考えてございます。 ○内川委員 それでは、ガイドラインの件の質問はこれで最後にしたいと思いますが、この中に、「危機管理担当部長は、平常時、緊急時を問わず、区の事業活動に伴うリスクや社会の危機情報を把握し、各部にリスク管理・危機管理に関する適切な助言を行います。また、危機に際しては、リスク管理・危機管理の最高責任者である区長に対して、リスク管理・危機管理の対策全般について、適切な助言を行います」とありますけれども、部長は区長に対してどのような助言を行ったんでしょうか。 ○清水危機管理担当部長 危機管理につきましてはですね……。質問をもう一度お願いします。 ○内川委員 当然部長なんですから、危機管理ガイドラインを読んでおられますよね。その組織の役割のところに、いいですか。経営室危機管理担当部長という項があるんです。危機に際しては、リスク管理・危機管理の最高責任者である区長に対して、リスク管理・危機管理の対策全般について適切な助言を行います。要するに部長は区長に対して助言をするんですね。どういった助言をしたんですか。 ○清水危機管理担当部長 今回のこの件については、助言等はしておりません。 ○内川委員 ああそうですか。わかりました。 ○川崎経営室長 危機管理全般を統括する立場の経営室室長としてお答えをいたしますが、今、委員がおっしゃられたとおり危機管理担当部長を置きまして、危機の未然防止、そしてまた危機が起きたときには適切に対応する。また、区長への助言というような役割を設けているところでございますが、今回の件につきまして、先ほど来、危機管理担当副参事と戸籍住民の副参事がお答えをしているとおり、そのような対応をとってきたわけですけども、その対応の過程におきまして、危機管理担当部長としての助言を行ってきたということで、区長には直接助言する場はなかったということでございます。 ○内川委員 やっぱり危機管理がどうも形骸化しているんですよね。やはり区民の目線に立った対策をしっかり庁内を挙げて取り組んでいただきたいと思います。 それでは、危機管理費についてちょっとお聞きしたいと思います。決算の説明書で当初、組織内危機管理として40万円計上されておりましたけれども、実際の執行額が9万8,000円余ということで、非常に執行率は低いですね、24.7%。これについてお答えください。 ○髙橋経営室副参事(危機管理担当) 9万8,718円という決算額でございますが、内容としましては、危機管理研修の講師謝礼、それに書籍、コピー用紙の購入費、以上の合計が今お話しした9万8,718円となっております。 ○内川委員 執行率が低い理由を教えてください。 ○髙橋経営室副参事(危機管理担当) 執行率が約25%と低くなっておりますが、主な理由としましては、危機管理ガイドラインの改定版や中野区政のBCPの検討、周知、こういったものに当たりまして、予算編成時では紙資料での印刷というのを想定しておりましたが、実施段階ではそういったものはできる限り行わず、電子媒体を活用することによりまして、極力経費の節減を図ったものでございます。 ○内川委員 研修を行ったということなんですが、研修1回って書いてあるんですね。たった1回の研修で庁内全般の危機管理、本当に大丈夫なのかなと思いますけど、いかがですか。 ○髙橋経営室副参事(危機管理担当) こちらの分野で実施しております、直接実施しております危機管理研修としては、御指摘のとおり1回だけでございますが、各部もさまざまな危機管理にかかわる研修を実施しております。また、外部機関が実施する研修にも職員を参加させております。これらの研修全体をまとめますと、21年度で延べ2,400人ほどの職員が参加しておりまして、研修の効果は上がっているものというふうに考えます。 ○内川委員 いや、きょうお話を聞いていると、上がっていないですよね、全然効果は。それで、22年度の予算のほうもちょっと見させてもらったら、組織内危機管理、また40万となっているんですね。これは何をやるんですか。 ○髙橋経営室副参事(危機管理担当) 22年度も同様に危機管理研修、こちらのほうはしっかり行わせていただきたいというふうに考えております。また、予算計上そのものはやっておりませんが、不当要求防止責任者講習会、こういったものも危機管理分野で実施しております。これは警視庁職員等に講師を依頼している関係で、経費が一切かかっておりません。 ○内川委員 じゃ、この項の最後の質問とさせていただきます。主要施策の成果ですね。こちらのほうには施策の目標として、「すべての職員の危機管理意識が醸成され、事案発生時は迅速かつ適切な対応がなされている」。これ、ここに書かれているとおり目標達成できたと思いますか。 ○髙橋経営室副参事(危機管理担当) 今回のように実際に事件が発生したときの事案の危機管理対応につきまして適切だったかどうか。これは主管分野の対応とともに、私ども危機管理分野のフォローという部分が十分であったかどうか。このあたりは十分に反省すべき点、今後に生かして検証すべき点があるというふうに存じます。このあたりはぜひ改善を加えまして、今後の危機管理事案に適切に対応したいというふうに考えます。 ○内川委員 ありがとうございました。次の質問に入らせてもらいます。 2番として、都市計画費決算についてお伺いをいたします。 執行率が70.1%と低いんですが、理由をお聞かせください。 ○相澤都市整備部副参事(都市計画担当) 都市計画費に占める割合が比較的高い印刷に係る経費の不用額が生じたため、結果として執行率が御指摘のようになったものでございます。 ○内川委員 確かにそうなんですね。不用額のところがほとんど印刷絡みで、例えば中野区都市計画マスタープラン、契約額が80万円余、中野区用途地域及び日影規制指定図印刷代として83万、そのほかにも60万、54万と続いているんですね。これ、何でこんなに実際の執行額と不用額で差が出てきてしまうのかなと思って不思議なんですが、そんなに予算を立てる段階で難しいんですか。 ○相澤都市整備部副参事(都市計画担当) 今、例として出されました都市計画マスタープラン、あと用途地域、そういった図面、あと都市計画概要図などの印刷の経費の落札額、これが当初予定していた価格とかなり安くなったということでございます。 ○内川委員 毎年同じようなことを繰り返していますよね。20年度の決算でもやっぱり不用額が出ていまして、印刷関係で63万、180万出ているんですね。余ったから不用にして、また戻せばいいんじゃないかという考えじゃなくて、例えば今回、一般質問でも出ましたけれども、区民公益活動助成とか、少ないと言われている学校予算、そういったものに回してもらいたいと思うんですね。そこら辺はいかがですか。 ○相澤都市整備部副参事(都市計画担当) これは都市計画費というようなもので見ている予算なので、そういったものに回すものではないというふうに考えます。 ○内川委員 そういう意味じゃなくて、もっと予算を組む段階で精査していただいて、不用額がなるべく出ないようにしてくださいと言っているんです。 ○相澤都市整備部副参事(都市計画担当) 予算積算の段階では複数の業者から見積もりなどをとってございます。しかし、実際に契約してみますと、実際の落札金額と予定価格では一定の差が生ずることもございます。 ○内川委員 だから、その差が大き過ぎるので、もう少しきちんと予算を組んでくださいと言っているんです。10万円あれば、地区委員会のミニリーダーキャンプでバス1台借りられて、キャンプへ行けるんですよ。そういったことをきちんと考えてやってもらいたいなと思います。結構です。 次に、3番として、中野駅周辺開発についてお聞きします。 まず、西口南北自由通路についてお聞きします。過去、駅西口整備に伴い、南北自由通路の接続については幾度となく質問をさせていただきました。その中で南北自由通路の接続は北側も南側も同時に行うと区長さんからも回答をいただいております。確認をさせてください。 ○秋元まちづくり推進室副参事(中野駅周辺まちづくり担当) 西側南北自由通路につきましては、まちの回遊性向上を目的に整備するものでございます。こういった趣旨を踏まえますと、駅とまちとの接続は南北同時期が原則となるというふうに考えてございます。しかしながら、現在、中野三丁目地区には駅前広場等の公共空地がございませんで、南北通路の受け口の確保、こういったことが課題となってございます。長期的には中野三丁目駅直近のまちづくりの中で駅前広場空間を創出していくこととして考えてございますが、南北通路整備の時期と合わせまして、まちと接続できるよう、さまざま工夫してまいります。 ○内川委員 具体的にその南北自由通路の南側の接続点が決まったとして、都市計画素案から都市計画決定、そして実際の工事着手まで大体年数はどのぐらいかかりますか。 ○秋元まちづくり推進室副参事(中野駅周辺まちづくり担当) 南北自由通路につきましては、都市計画事業として整備することの適否、こういったことも含めまして、都市計画決定の方針を検討している段階でございます。一般的には都市計画の原案の説明会から決定までに要する期間、これは約6カ月、さらに都市計画決定後、事業認可を得るまでに約90日程度、こういったものを期間が要するものというふうに思われてございます。こういったスケジュール感を念頭に置きまして、西側南北自由通路につきましては平成27年度末の完成を目途といたしまして、工事着手していく必要があるなというふうに思っております。 ○内川委員 ですから、どのぐらいの期間、準備期間に必要なのかなと。それによってはそろそろ中野三丁目側の接続点の具体的な場所を決めて、もし民間の土地であれば、そこを取得するような計画を立てなければいけないと思うんですが、いかがですか。 ○秋元まちづくり推進室副参事(中野駅周辺まちづくり担当) 中野三丁目側におけます広場の確保につきましては、中野駅直近の地権者等の皆様と駅地区整備の計画等についてタイミングを図りながら説明を行ってきてございます。JRとの基本的な調査、こういったものが終了した現段階での用地取得ということでございますが、これについてはまだ時期尚早というふうに考えてございまして、自由通路とまちとの連結のあり方、こういったものがある程度明確になった段階で、駅直近のまちづくりとの整合を図りながら対応していくことが重要であろうというふうに考えてございます。 ○内川委員 中野三丁目側の民間の土地の取得が難しい場合、JRの今の敷地内に臨時的に南側の接続点をつくるということは可能ですか。 ○秋元まちづくり推進室副参事(中野駅周辺まちづくり担当) 西側南北通路のおろし口につきましては、中野三丁目のまち側に整備することが基本であるというふうに考えてございます。しかしながら、そういった整備が難しいというような判断がされるような段階では、JR敷地も含めまして柔軟に検討する必要があるのではないかというふうに考えてございます。 ○内川委員 わかりました。次に、今、使われておりません旧桃丘小学校跡地についてちょっとお聞きします。こちらは来年度から約5年間ですか、民間にプロポーザルで貸すんだというような計画が立っていると聞いております。来年度から5年間というと平成27年になるわけですが、ちょうどその時点が西側西口南北自由通路の南側の接続の年なんですね。区としては、旧桃丘小学校の跡地にその西口南北自由通路の南側の接続点を持ってくるという、そういったお考えはあるんでしょうか。 ○秋元まちづくり推進室副参事(中野駅周辺まちづくり担当) 桃丘小学校、ここに南北自由通路のおり口というような御質問かと思いますが、少し位置的には離れているのかなということはございます。したがいまして、もし仮に桃丘小学校の跡地、これを利用するとすれば、中野三丁目側の駅直近のまちづくりの中でそういった広場創出のための用地として活用していくことは十分考えられるのではないかというふうに思っております。 ○内川委員 ありがとうございました。それでは、小さい2番目の中野駅周辺まちづくり推進会議についてお尋ねいたします。今回、東京の新たな活動拠点にふさわしい魅力あるまちづくりを推進するために、中野駅周辺まちづくり推進会議を設置するというふうにあります。これが中野駅周辺地区ということなんですが、どのぐらいの範囲までを考えていらっしゃるのか。今、区のほうでは駅周辺約110ヘクタールのところまでを駅周辺と位置付けておりますけれども、そういったことでよろしいんでしょうか。 ○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) このまちづくり推進会議で対象として考えている範囲といたしましては、中野駅周辺まちづくりグランドデザインで策定をしております四丁目を含む約110ヘクタールが対象になろうかというふうに考えております。 ○内川委員 それと、今回また同時に、中野駅地区整備景観等検討会というのができるんですね。これと先ほど申し上げた中野駅周辺まちづくり推進会議、この二者の違いをちょっと御説明ください。 ○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) まず中野駅地区景観等検討会、これにつきましては、主に第1期整備事業にかかわります広場整備等の景観やデザイン等の技術的な視点から検証を行って、これを基本設計等々に反映することを目的としております。一方で、まちづくり推進会議でございますが、これはまちづくりグランドデザインVer.2、これで示した内容をより具体化するために、幅広い立場の方々から御意見をいただくと、そういうものでございます。 ○内川委員 この二つの推進会議、もう一つは検討会、これはなかなか非公開の部分が多くて、非常に残念だと思っています。特に検討会のほうには地元の住民の代表は全く入っておりませんし、推進会議と検討会は、これはそれぞれ独立した会議体でなければいけないと私は考えています。独立性を重視するためにも、この二者の構成メンバーは重複しないようにしたほうがいいと思いますが、いかがでしょうか。 ○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) まちづくり推進会議につきましては、まだ構成委員はすべては固まっておりません。ただ、現在お願いしている学識経験者につきましては、この推進会議と景観等検討会、これはメンバーが重複してはおりません。 ○内川委員 例えば、これは二者とも中野駅を中心とした周辺等の景観等とか開発の推進会議とか話し合う協議体なんですけれども、例えばこの二者の意見が分かれた場合ですね。具体的な事案に関して、この二者がそれぞれ違うような意見を出した場合、どちらを優先するのか。どちらの会議体が上位なのか。そういった関係があるのかどうか、ちょっとお聞かせください。 ○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) この二つの会議体につきましては、先ほども述べておりますとおり、その趣旨、対象とする内容も違っております。したがいまして、どちらの会議が優位なのかといったような関係性にはならないというふうに認識をしております。 ○内川委員 ありがとうございました。それでは、タウンマネジメントについてお聞きいたします。 私は、タウンマネジメントは、まちを商品化して新たな財源を獲得する。このことに尽きると思いますが、区のお考えをお聞かせください。 ○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 10か年計画の第2次の中では、中野駅周辺を東京の新たな顔として位置付け、にぎわいの中心になるよう考えてございます。中野駅周辺のまちの魅力、価値を向上させることによりまして、区外から人を集め、企業を呼び込んで活気を生み出し、それを起爆剤として区全体の活力につなげていきたいと思っているところでございます。そのためには、ハードもソフトも含め、まち全体をマネジメントする視点、いわゆるタウンマネジメントの視点を持ってまちづくりを進める。そのことが必要だと考えてございます。 ○内川委員 そうですね。これからのまちづくりというのはやっぱり開発だけではなく、その後の維持管理、マネジメントが非常に大事だと思います。警大跡地の開発が大分形が見えてきましたので、これからはいよいよソフトの部分、タウンマネジメントをしっかりとやっていく、取り組んでいくということが重要だと考えています。 そこで、10か年計画(第2次)の中にステップ1、タウンマネジメントのしくみづくりとありますけれども、どのようになっているでしょうか。 ○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 現在は、先行事例の情報収集などを行いながら、中野の実情に合ったタウンマネジメントの仕組みのあり方について鋭意検討を進めているところでございます。 ○内川委員 中野の実情に合ったタウンマネジメントとはどういうことでしょうか。 ○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) やはり中野の特性をうまく伸ばしていくことがタウンマネジメントの必要な部分かと思います。中野の地権者、地域の方々の御意見、そういったところをうまく引き出しながら主体的に動いていく仕組み、そういったものをつくるためにはどうか。先行事例、さまざまいろんな例がございます。それを研究しながら中野に合ったものを形づくっていきたいというふうに思っております。 ○内川委員 先ほどからソフトとか特性とか言われていますけど、それを具体的にちょっとお聞きしたいですね。中野の特性ってどういうことですか。 ○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 中野の特徴、まず中野の特徴は、住宅地を背景に中野駅の周辺、特にそこの部分が中野の多様性を持ったところだと思っております。中野の……。失礼しました。ちょっと説明になっていなかったかもしれませんが、中野のよさというのは、いろいろな側面を持っている。一つの事業が集中しているということではなしに、物づくりもなくはなく、またソフトの部分、ICTコンテンツといった部分もあり、また若者たちが多く住み、表現活動、そういったものが行われている。そういったほかにはない多様性を持ったところが中野の特徴というふうに思ってございます。 ○いでい委員長 ほかに答弁される方はいませんか。 ○鈴木区民生活部長 今、中野の特徴、特性というふうなことのお尋ねでございます。今、副参事のほうから御答弁させていただきましたけれども、中野は基本的には住宅地という発展を遂げてきました。しかし、それを支える商業の活動が活発であるというふうなことと、またそういった成り立ちを持ちながらも、さまざまな人が、やはり人口の移動が激しいということもありまして、そういった人口流動が激しさゆえに刺激があったりというふうなことでは一面、文化活動でも独特な発信をしているというふうに認識しています。産業構造では、大きな企業は少のうございますけれども、それぞれチャレンジャー、チャレンジ精神に富んださまざまな活動をしている企業がここ近年ふえてきているというふうな認識を持っているところでございます。 ○内川委員 ありがとうございます。部長にもう1点お聞きしたいんですね。やはり同じく10か年計画の中に、10年後のまちの姿、現状と課題というところに、まちのにぎわいを創出し、都市のブランド力を高めることにより、新たな企業や個性的な店舗、来街者を呼び込み、区内産業とまちを活性化していくことと、商店街の再編や新規開業者の誘導など、それぞれの地域の特性に応じた魅力的な商店街をつくっていくことが求められる。ここでいう都市のブランド力って何ですか。 ○鈴木区民生活部長 一言で言いますと、やはりそこのまちにしかない魅力だというふうに考えてございます。 ○内川委員 じゃあ、部長としては中野のどの魅力を伸ばしたいですか。 ○鈴木区民生活部長 多様性のものを引き受けていけるというふうなことと、またこれからの駅周辺の開発に進みまして、新しい発信を中野はそういった特徴をバックにしていきたいというふうに考えてございます。ということから、拒まないまちといいますか、いろいろなものが中野の魅力に引きつけられて、そこでチャレンジをしていける。そういう何というんでしょうかね、先ほど来申し上げている多様性で活気のあるというところがやはり中野のまちの魅力につながっていくんではないか。そのような認識を持ってございます。 ○内川委員 拒まずということで、来る者は拒まず、去る者は追わずと。そういうふうにも私はちょっと今、聞こえてしまったんですけれども……。(「ほかの区の魅力を聞いてみろよ。ほかの区、どんな魅力があるのか」「他区だ、他区」「他区」と呼ぶ者あり)今、政調会長のほうからちょっと出ましたけど、例えば中野でいうと、中央線沿線の新宿、杉並、ちょうど間に挟まれて、新宿も中野も杉並もそれぞれ全く違う土壌にあると思うんですね。例えば新宿の魅力、(「ブランド力って何よ」と呼ぶ者あり)新宿のブランド力、杉並のブランド力、ちょっと部長の考えをお聞かせください。 ○鈴木区民生活部長 新宿につきましては、やはり東京の中というよりか、日本、それから世界から見ても大規模な商業集積と、それからビジネスの拠点があるというふうな認識をしてございます。そこで、何を新宿に求めるかというのはいろいろあるかと思いますけれども、あそこに行くと、やはり多様なものが展開されていて、それぞれの暮らしの豊かさでありますとか、そういったものが満たされるというような、娯楽も含めて一大、代表的な魅力のある都市というふうに言えると思います。杉並もでしょうか。(「杉並もだよ」と呼ぶ者あり)はい。杉並はやはり住宅地として一定の快適性のあるまちというような評判といいますか、そういうのが一般的な受けとめ方をされているというふうに思います。中野の隣ではございますけれども、規模的にも広うございますし、緑も中野に比べればたくさんあるというふうなことで、居住環境としては一定レベルのブランド力を持った地域というふうに、そのような考え方でございます。 ○内川委員 すみません。突然に振りまして申しわけありませんでした。 ここでちょっと関連する決算についてお聞きしたいと思います。新産業創出費、企業立地推進の決算については、たしか昨日、長沢委員のほうもお聞きしたと思いますけれども、執行率が48.9%。この低い理由としては、(仮称)起創展街会社の設立コンサルタント業務委託等未執行、これが約500万もあったんですね。これが丸々使われなかったということで、昨日の答弁ですと、庁舎内で、部内でその情報収集を今行っているということでございました。具体的にその情報とはどんなことを収集してきたのか、お答えください。 ○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 先ほど先行事例の収集とも御説明させていただきましたが、具体的にはタウンマネジメントの実績のある自由が丘、あるいは大丸有、そういったところに視察を行ったり、あるいは関連の文献を研究したり、そんなところで研究、調査を行っているところでございます。 ○内川委員 ぜひ起創展街会社ですね、にぎわい創出に、そしてタウンマネジメントに即つながるものですから、引き続き取り組んでいただきたいと思いますけれども、起創展街会社、これの今後の予定はどのようになっているんでしょうか。 ○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 現在、地域の住民、あるいは商業者、企業、それから地権者の方々が意識の共有をしながら主体的に動ける、そういう仕組みを鋭意検討しているところでございますが、その仕組みについて現在検討しているところでございます。 ○内川委員 20年度決算では、起創展街会社関連のロゴマークですとか、PR用品作成というのは、にぎわい創出費に入っておりました。ところが、21年度決算を見ると、起創展街の関連が新産業創出費というところに変わっているんですが、それは何か理由があったんでしょうか。 ○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 起創展街という言葉でございますけれども、平成20年度に作成いたしました中野区イメージアップ3か年戦略の中で、中野の魅力、あるいは未来の姿をあらわすためのコンセプトワードとして設けたものでございます。平成20年度につきましては、にぎわい創出費の中で、中野が目指そうとする姿をあらわしたこの起創展街という言葉を折々に用いてPR発信、対外的な中野の認知度を向上させることで取り組みを進めてきたところでございますが、平成21年度につきましては、さらに今、委員お話しのタウンマネジメントを進めるために起創展街会社という形で予算を確保したところでございます。この起創展街会社という名前につきましては、あくまで仮称でございますが、中野駅周辺の持続的な価値向上をするための仕組みということでございます。この仮称の起創展街会社につきましては、駅周辺の開発整備とあわせまして、企業立地、そういったことも視野に入れて、幅広い観点から検討を行いたいということで考えてございまして、新産業創出費の中に予算として位置付けたということになります。 ○内川委員 実は22年度の予算の説明書を見てみますと、今度は新産業拠点費というのが出てくるんですね。そこににぎわい創出として300万の予算が組んであるんですけれども、内容はどんなものでしょうか。 ○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) その内容につきましては、中野区伝統工芸展の補助金として40万円、その他、にぎわいをつくり出すためのイベントでございます、にぎわいフェスタの開催などに260万ということで計上をしてございます。それが内容でございます。 ○内川委員 それで、22年度の予算説明では、今出てきた、21年度にありました新産業創出費が22年度ではゼロとなってしまっているんですね。これは新産業創出がなくなって、それが新産業拠点というものに変わったと理解してよろしいんですか。 ○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 実は目標体系の見直しを一部行ってございまして、ICTコンテンツなどの都市型産業の立地などを行っていた新産業創出、それと中野の個性、魅力を発信してイメージ向上を目指したにぎわい創出、この二つを一体化いたしまして、平成22年度から新たに新産業拠点というものを設けて整備いたしました。御指摘のあった新産業創出費につきましては、目標体系の見直しを行った際、にぎわい創出費と合わせて新産業拠点費の中に組み入れてございます。 ○内川委員 ありがとうございました。きちっと理解するようにこれからも勉強していきたいと思います。 タウンマネジメントの部分の最後の質問で、区長は中野駅周辺を東京の新たな活動拠点とすると述べていらっしゃいます。しかしながら、オフィスやテナントの空室率とかは現在非常に深刻で、ますますこれから激化する都市間競争に中野が勝ち抜くためには、今起きている問題、そして将来起こり得る問題を迅速に解決し、まちの魅力、価値を高めていく必要があると私は考えます。区のお考えはいかがでしょうか。 ○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 中野の今ある資源、そして可能性を生かしながら、その中野らしさを伸ばしながら、中野の身の丈に合った形で、ほかの都市にはまねのできない差別化を図りながら、中野らしさをつくっていくことが大切だと思っています。そうすることには住民、地元企業などがまさに燃えて、盛り上がっていくことが必要かと思っています。まち全体が主体的に動き出し、活動をし続けていけるよう、タウンマネジメントの手法を用いまして、まちづくりを進めていく。そのことについて区としても支援していきたいというふうに考えてございます。 ○内川委員 やはりこれからの中野のまちづくり、生かすも殺すもタウンマネジメントが非常に重要となってくると思いますので、しっかりとした体系づくりをよろしくお願いしたいと思いまして、この項の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 それでは、最後の質問にさせていただきます。4番、桃園川緑道についてでございます。 私も第2回の一般質問でさせていただきましたけれども、実は桃園川緑道は道路でも公園でもない、単なる広場として位置付けをされておりました。そこに自転車やオートバイが非常に多く駐車をしております。警察も手を出せない。区のほうも手を出せない。そういう状況でございます。質問の中に、こういったオートバイや自転車の駐輪に何とか対応してくれと質問をさせてもらったんですけれども、その後の進捗状況はいかがでしょうか。 ○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) 現在の桃園川緑道の状況でございますが、特に自転車、バイクの駐輪対策につきましては、現状では単なる広場でございますので、都市公園としての位置付けを何とかしようじゃないかということで、現在調整中でございます。 ○内川委員 ぜひですね、東京都とうまくかけ合っていただいて、きちんと公園告示をして、その条例の中でそういったいろんな問題に対応できるようにしていただきたいなと思っています。結果のほうは4定のほうでまた質問させていただきますので、今回は早くお体を治していただいて、備えていただきたいと思います。 それでは、多少時間が残りましたけれども、これですべての質問を終わりとさせていただきます。ありがとうございました。 ○いでい委員長 以上で内川和久委員の質疑を終了します。 次に、岡本いさお委員、質疑をどうぞ。 ○岡本委員 おはようございます。公明党の立場から、21年度の決算の総括質疑を行わせていただきます。質疑を始める前に、6番目にその他があります。その他の(2)の学校でのマイボトルについては今回割愛させていただきますので、よろしくお願いします。 時間の配分の関係で、順序を大幅に変えて質問したいと思います。初めにその他から入りたいと思います。次に文化・芸術のまちづくり、その後は順番どおりしたいと思っております。 その他として、1点目に実施設計業務委託仕様書について伺いたいと思います。中野区は、区内業者を優先して設計や工事を発注してきています。しかし、本議会でも指摘があったように区内業者へのさらなる優先発注の改善が求められます。発注額の大小にかかわらず、仕様書には工事内容が明確に記述していなければ、受注する業者もよい仕事ができないと思います。仕様書の業務内容の書き方については何か規定があるのでしょうか。 ○柿内経営室副参事(財産管理担当) 特に区としては決まりはございませんが、東京都の設計業務委託仕様書を参考に作成しているものでございます。 ○岡本委員 ほんの一部ではないかと思いますが、区内業者への設計仕様書の中にあいまいな表現が見受けられました。ある仕様書に記載された業務の内容が1から6まであり、1から5までは明確な業務内容が示されています。ところが、最後の6にその他設計に必要な業務としています。別な仕様書には、建設工事、電気設備工事、機械設備工事の最後の項にそれぞれその他と記述がされています。業務の委託内容にその他という記述はふさわしくないと思いますが、いかがでしょうか。また、このような記述はよく使うのでしょうか、あわせて伺います。 ○柿内経営室副参事(財産管理担当) 契約書に定めのない事項につきましては、必要に応じまして区と事業者が協議して定めることとしてございます。数は少しでございますが、仕様書にその他という項目を設けることもあることでございます。 ○岡本委員 普通、私どもの常識で仕事をしてもらうときに、例えばこの部屋の掃除をお願いしますと言った後に、その他もね。なんていう、こんなお願いはないわけです。その他まではいかなくても、「○○等」や「○○に伴う工事」という表現も極力使わないようにすべきだと思います。仕様書については、事前に区と受注予定業者と質疑で明確にしていると聞いていますが、いかようにでも解釈されるような記述は仕様書に使うべきではないと思います。あいまいな表現の仕様書は発注する側の資質が問われると思いますが、いかがですか。 ○柿内経営室副参事(財産管理担当) 案件によりましては、契約する時点で改善に与条件が定まっていない場合もございます。仕様書にその他の項目を設けざるを得ないというのが実態でございます。しかし、そのような項目を設けることによりまして、事業者側に過度に負担を求めるものではないというふうに考えてございます。 ○岡本委員 それもよくわかりますけど、特に東京都から移管された築年が大きく経過している既存建築物については、図面が不十分だったり、増築した際の内容が不明であるものも承知しています。その建物の改修工事、増築工事、設備工事などの場合には、受注者に作業内容が十分理解できるように説明すべきだと思います。今やっておられるということではありますが、もし発注費に不明な点がある場合には、実態が把握できた段階で追加仕様があり得ることを特記事項として入れておくべきだと思いますが、いかがですか。 ○柿内経営室副参事(財産管理担当) 最初から追加工事を想定するような仕様書を作成することは難しゅうございます。追加工事等が必要になった場合につきましては、事業者とも十分に協議して対応したいと思ってございます。 ○岡本委員 今、質疑をさせていただきましたけど、区内業者の方に仕事がふえていくことは大変好ましいことでありますが、本当にいい仕事をしてもらうためには、仕様書の書き方についても十分に配慮をされた書き方で進めていただきたいということを要望しておきます。 次に、このその他の最後の被災者情報の一元管理システムについて伺います。首都直下地震が起きた場合、東京都は最悪で都内の約50万棟が全壊し、半壊を含めた全被害は数百万棟に及ぶと推定しています。中野では建物全壊が1,855棟、焼失が2万113棟、負傷者4,202名に及ぶと想定されています。大地震が密集した地域で起きた場合、行政が扱う被災者情報は膨れ上がり、救済手続が滞る可能性があります。被災した人が支援を受けるには罹災証明書が必要とされますが、なぜ罹災証明が必要なんでしょうか伺います。 ○鳥井経営室副参事(防災担当) 委員お尋ねの罹災証明でございますが、災害で罹災をした方に対しましては、さまざまな措置がございます。生活再生支援金の支給、あるいは住宅資金の貸し付けといった公的融資、それから租税、保険料等の免除、あるいは仮設住宅の入居の資格、さらには義援金の配分やそれぞれの掛けた保険金の受け取りにもかかわっているところでございます。 ○岡本委員 大地震の経験のもとに開発された被災者情報の一元化したシステムが開発をされています。中越沖地震で被災した新潟柏崎市等に協力する中で開発したシステムで、柏崎市で検証した結果、罹災証明書を発行する事務量が手作業に比べて7分の1に抑えられたと報告があります。つまり、1週間で行われる作業が1日でできる、できたという検証がされていたということでございます。災害時の被災者支援には、今お話がありましたように国の生活再生支援金、義援金、保険金などがあり、いずれも受け取るには罹災証明書が必要です。しかし、被災者が多いと発行の事務作業が膨大になります。発行がおくれると、被災者は必要なときに必要な支援が受けられないことになります。迅速な発行は阪神・淡路大震災以来の課題でございました。 システムの評価は、詳細は省略しますが、このシステムを導入されると二つの特徴があります。迅速に罹災証明書が発行できることと救済漏れを防ぐ効果があることです。中野区は被災者に対し、罹災証明書を発行する際、現状では手作業で照合することになるんでしょうか伺います。 ○鳥井経営室副参事(防災担当) 罹災証明書の発行の現状でございますが、被災者の方の申請に基づきまして、区の職員が行います被害実態調査結果、これに基づきまして手作業で発行事務を行うということになります。 ○岡本委員 人口密度が一番高い中野区でございますので、このシステムの導入に向けて研究、検討してはいかがでしょうか、区のお考えを伺います。 ○鳥井経営室副参事(防災担当) 現在導入を検討してございます防災情報システムの中では、罹災証明の発行支援機能を導入するということを考えていきたいというふうに考えてございます。 ○岡本委員 この質問はこれで終わらせていただきます。 次に、文化・芸術のまちづくりについて伺います。 初めに、ロビーコンサートについてお聞きします。公明党がかねてから行政サービスの一環として提案した庁舎ロビーでのコンサートが平成20年12月21日を第1回として、これまで年に2回のペースで実施されてきました。庁舎1階でのコンサートの参加者は毎回100名を超え、収容スペースからいって適当な集客状況ではないかと思っています。毎回楽しみに来られる区民の方も大勢いらっしゃいます。これまで取り組まれた関係者には敬意を表したいと思います。 平成21年第1回定例会の一般質問で、私は、今後、演奏も区民が主体で行うようにするとともに、定期的なロビーコンサートをすべきだと質問しました。それに対して当時の区民生活部長は、区民の演奏家も参加でき、区民の皆様に親しまれるようなコンサートを定期的に開催していきたいと思いますと積極的な御答弁をされています。定期的にとおっしゃっているんですから、年2回ではなく、もっと回数をふやすべきではないでしょうか。 ○瀬田区民生活部副参事(区民生活部経営担当) ロビーコンサートにつきましては、来庁者へのおもてなしの一環として、生演奏を親しむ機会となりますように、会場や予算の制約の中ではありますが、工夫して開催をしてきているところでございます。また、区役所のロビースペースという場所ということで、年間を通じてさまざまなPRですとか、事業実施の場としても使われてございます。また一方では、1階ということで転入転出者の手続も、通常の業務も傍らで行われているということから、そうした業務への影響なども考慮して進めてきてございます。こうしたさまざまな制約等がございますが、区役所ロビーでのコンサートの実施回数につきましては、現状を基本に工夫して実施してまいりたいと考えてございます。 ○岡本委員 定期的というのは年2回を言っておるのかなという今、御答弁かと思いますが、もう少し年に4回とかいう形、開催回数をふやすような工夫をぜひともしていただきたいと思います。 それから、区民生活部長の御答弁にありましたけど、区民の演奏家も参加できるようにコンサートを行いたいとおっしゃっているわけですから、区民の演奏家の参加を積極的に取り組むべきだと思います。中野のプロアーティストの方からぜひとも演奏させてほしいという声をたくさん聞いています。その人たちも積極的に活用されてはいかがですか。 ○瀬田区民生活部副参事(区民生活部経営担当) 実はこれまでも、平成21年度でございますが、開催したロビーコンサートの中で、区内音楽家を招きまして開催をしてございます。このときの演奏家の方は、国外の音楽コンクールに入賞された方などをメンバーに加えまして演奏していただきました。制約の多い条件の中ではございますが、そうしたことを御理解いただいた上で、参加していただける音楽コンクールの入賞者など、区内の音楽家、演奏会の皆さんへ今後呼びかけてまいりたいと考えてございます。 ○岡本委員 際立ってそういうコンテストで優秀なという方だけにこだわらずに、たくさんの区民の中で演奏されている方がいらっしゃいますから、そういう方をぜひともお呼びし、お願いをして、演奏をしていただく必要があると思うんです。要するに私は、このことが進まないのは、ロビーコンサートのときも質問をしましたけど、アーティストバンクというのを中野がちゃんと持っていれば、いかようにでも演奏者をお願いしたり、その段取りをすることができると思っているんですが、もっとそういう特化した演奏家ではなくて、たくさんいる方が、自分たちの仲間がそこで演奏するという、そういう流れの中でのロビーコンサートをぜひともすべきだと思いますが、もう一度その点をお答えください。 ○瀬田区民生活部副参事(区民生活部経営担当) 区内にもさまざまな御活躍の方もいます。また、そういったプロのレベルということではないまでも、さまざまな演奏家の方もいらっしゃると伺っていますので、しっかり情報収集をいたしまして、今、委員の御指摘の点も十分参考にさせていただきながら、努めてまいりたいと思ってございます。 ○岡本委員 それから、庁舎1階でのロビーコンサートですが、なかなか雰囲気づくりが難しいのかなと思いますけど、もう少し何か雰囲気を工夫されてはいかがでしょうかね。例えば照明をうまく工夫するとか、あるいは演奏者の位置を少し高くするだけで随分雰囲気が変わりますので、そのような工夫もぜひともしていただきたいと思いますが、いかがですか。 ○瀬田区民生活部副参事(区民生活部経営担当) ロビーコンサート、今、本庁舎の1階で開催をしてございますが、昼休みの時間を利用させていただいております。通常業務の来庁者の方への御配慮もしながら開催するといったような必要も一方でございまして、例えば音量で申しますと多少抑制した演奏もお願いしているところでございます。庁舎スペースや配置などにおいては若干制約が多いということもございますが、ロビーを使ってのコンサートという、そうした制約の範囲内で、また予算の範囲内ではありますが、演奏効果の工夫を今後図ってまいりたいと考えてございます。 ○岡本委員 何もそういう立派なコンサートの会場のようなことを考えるんじゃなくて、ちょっとした照明なんかを移動して持ってくればいいわけですから、何か前向きな検討をしていないみたいなふうに私は受けとめてしまったんですが、ぜひともそういう雰囲気づくりもやっぱり区民の方のそういう来庁者に対する一つの行政サービスの一環になるんではないかと思いますが、それはよろしくお願いします。 それから、もう何回か重ねてきていますので、節目の記念のコンサートにはもう少し大きな会場で、もっと多くの区民が参加できるような企画も考えてはいかがですか。 ○瀬田区民生活部副参事(区民生活部経営担当) ロビーコンサートにつきましては、気軽に楽しめる身近な区役所のロビーを活用いたしまして、コンサートを楽しんでいただきたいとの趣旨でこれまでも開催してきてございます。ロビーコンサートとしては、新たな場所を確保して、ロビー以外の場所でのコンサートといったような企画開催については考えてございません。 ○岡本委員 少なくともZEROホールとか、そういうところというイメージになってしまっているかもわかりませんが、記念のコンサートを同じ場所でも結構ですから工夫して、そのロビーコンサートが着実に回数を重ねて、区民に親しまれているということがわかるような、そういう節目のコンサートをぜひ開いていただきたいと思いますが、そのようなことはできますか。 ○瀬田区民生活部副参事(区民生活部経営担当) 現在のロビーコンサートの形で節目の周年行事として何か工夫を加えてということは今後考えてまいりたいと思ってございます。 ○岡本委員 ロビーコンサートについては以上で終わります。 次に、中野区の文化・芸術のまちづくりについて伺います。この前の金曜日、24日、我が党の久保委員が文化・芸術振興プログラムや組織体制について質問をしましたので、文化・芸術の総合的な推進体制について1点、区長に伺いたいと思います。 先進的に取り組んでいる自治体を視察して感じることは、まず行政のトップが文化・芸術に対する熱き思いがあること。そして、必ず文化・芸術の担当部門があり、そこに造詣の深い人材がいることです。私どもは平成7年から文化・芸術振興に関する質問と提案をたびたびしてまいりました。例えば文化・芸術振興条例の制定、区の組織に文化・芸術振興担当セクションの設置、(仮称)中野文化賞、文化奨励賞などもそうです。伝統文化の子ども教室の開催、学校コンサート、文化・芸術振興基金、教育委員会という枠を超えて、21世紀にふさわしい中野の文化・芸術振興策を策定すべきだ等々を提案させていただきました。 特に平成16年第2回定例会の一般質問で、文化・芸術振興の効果について次のように述べました。第1に、人間性を豊かにし、人に感動を与え、そしてまちを元気にする。第2に、新たな文化の歴史がつくられ、中野らしさを生み出す。第3に、理解の輪、友情の輪、そして何よりも平和の発信ができる。第4に、人々を互いに近づけ、区民との新しい協働が生まれる。このような思いで文化・芸術の振興については質問させていただいてきております。区長はその都度、前向きな御答弁をされています。特に文化・芸術の推進体制についての平成18年第2回定例会一般質問に対し、区長は、中野らしい文化・芸術が創造発信されるような、また新しい産業への刺激となるような取り組みが進められるよう、区として総合的な推進体制ができるように区長部局での対応とすることを視野に入れて検討したいと御答弁されています。この御答弁から3年半が過ぎ、既に検討されていると思います。現在、目標体系の見直しをされているチャンスでもあり、来年度には区長部局に総合的な芸術推進ができる組織をぜひおつくりになってはいかがでしょうか。区長の積極的な御答弁を求めます。 ○田中区長 文化・芸術の振興というのは、今、委員の御質問にもありましたように教育でありますとか社会教育、生涯学習、また文化財の保護といった側面もありますし、また、まちづくりでありますとか産業振興、それからにぎわいを創出していくといったような行政の中でもさまざまな働きにかかわっているという面を持っているというふうに思っております。これについて、かつてはそういったさまざまな仕事の面の中で文化・芸術をきちっと位置付けて推進していくということがなかったということで、区長部局の中でも特に産業振興を中心に、にぎわいであるとかまちづくり、そうした面での産業振興をきちっと位置付け直して取り組むことと、こういうふうにしてきたところであります。それでは、教育であるとか、さまざまな場面を全体的に総合調整するような、そういう文化・芸術に限ったセクションをどこかに設けることができるかというと、これはなかなか難しい面があるだろうなと思っております。それは先ほど言いましたように行政のさまざまな活動のいろんな場面にかかわることだというふうに思っているからであります。そこで現在、総合調整ということで位置付けをすると、政策室の企画調整担当が総合調整を行うと。こういう考え方で進めてきているところであります。この目標体系の見直しの中でと、こういうことであります。目標体系見直しをしていく中では、やはりこの文化・芸術といったようなことを、そういう側面をさまざまな仕事の中にどういうふうに位置付けていくのかといったようなことも改めて検討していくというか、位置付け直す必要があるだろう。こういうふうにも考えております。そうした中で御提案の趣旨も含め、どういうふうに考えていくか検討していきたいと思います。 ○岡本委員 今までの御答弁とあまり変わってはいないような、積極的に取り組むという工夫をしたいと思います。といいますのは、文化・芸術のことについていろいろお尋ねしますと、それは教育委員会じゃないかとか、それは産業振興の分野でないかというふうに、どうも一元的に取り仕切っている部署がないためか、非常に私どもがわかりにくいんですから、区民の方はもっとわかりにくいんじゃないかと思うんです。ぜひともそういう政策局といいますか、そこにしっかり一元的に、中野の文化・芸術振興のまちづくりといったらいいのかどうかわかりませんが、そういう部署を置いて、区長が前にも御答弁されているように区長部局で対応するというようなことを、近々そういう体制をつくっていただきたいと思いますが、来年度に向けての積極的な取り組みは行いますか。 ○田中区長 御提案の趣旨も含めて目標体系の中で検討してまいります。 ○岡本委員 これで文化・芸術のまちづくりについては終了いたします。 ○いでい委員長 岡本委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。 午後0時00分休憩 午後1時00分開議 ○いでい委員長 委員会を再開します。 休憩前に引き続き総括質疑を行います。 岡本いさお委員、質疑をどうぞ。 ○岡本委員 午前中の質疑に続きまして、総括質疑をさせていただきます。 通告の1番目の平成21年度決算について伺います。 初めに、普通会計決算について質問します。今月に出された中野区財政白書、これですけど、に示されているとおり、21年度の実質収支は10億円、財政運営状況を示す実質収支比率は1.3%、おおむね3~5%の範囲内が望ましいとされていますが、その範囲よりも極めて低い比率になっています。また、財政構造の弾力化を示す経常収支比率は前年度比6.3%増の87.5%となり、70~80程度が望ましいとされる比率から見ると硬直化に近い状況になってきています。また、翌年度の財政運営、特に歳出規模の緊縮に大きな影響を与える単年度収支は15億4,500万円余の赤字、実質単年度収支は13億6,200万円余の赤字となり、平成14年度に赤字になって以来の赤字となりました。財政白書には、厳しい経済状況に対応し、区民に必要な行政サービスを提供するためには、今後も財政見通しの中で計画的な財政運営を行い、継続的な経常経費の削減への取り組みが必要であると指摘されています。特にこの数年間の財政状況が年ごとに厳しくなってきていますが、この原因と今後の財政運営状況の見通しはどのようにお考えでしょうか、伺います。 ○志賀政策室副参事(予算担当) 厳しい財政状況の原因分析と財政の見通しについてのお問い合わせでございますが、この間の厳しい財政状況の原因といたしましては、平成20年度秋以降の世界経済の失速に始まりまして、それによります日本経済も大きな打撃を受けたことから、区の財政につきましても主要財源でございます特別区民税、そして特別区交付金が大幅に減少したことが主な要因でございます。今後の財政見通しといたしましては、景気の回復とともに、特別区交付金の原資である法人住民税につきましては、一定程度の回復基調にあると考えておりますが、一方で特別区税につきましては、課税対象人口の減少、それからたばこの値上げによりますたばこ税の減収なども想定されておりますので、現状を維持できればというふうに考えているところでございます。しかしながら、いまだに経済状況の不安定要因が払拭されないことから、先行きが不透明であるというふうに考えております。また、他の一般財源につきましては、税制改正等がございますので、若干の増を予測しているところでございます。 ○岡本委員 次に、区民税の徴収率と国民健康保険の収納率について伺います。財政白書の7ページには、納税者1人当たりの所得額の推移がグラフで示されています。23区平均と比較して、21年度の中野区民の納税者1人当たりの所得額は41万1,000円低いと出ています。注目すべきは、毎年この格差が広がっていることです。過去5年間について調べてみますと、23区平均との格差が17年度からそれぞれ6.3%、7.1%、8.5%、9.5%、9.6%と確実に中野区の納税者1人当たりの所得額が23区平均と比較して格差が広がってきています。23区の中で中野区だけが特別な社会状況にあるとは思いませんが、どのように分析されているのでしょうか伺います。 ○青山管理会計室副参事(税務担当) 23区平均の納税者1人当たりの所得につきましては、一部の所得の多い区が全体の平均を押し上げておりまして、中野区を含め過半数の区は平均を下回っているという状況でございます。しかし、その中でも中野区は比較的所得の低い層の構成が多く、納税者1人当たり所得額が伸びておりません関係上、23区平均との差が開いているという状況でございます。 ○岡本委員 1人当たりの所得額については、社会的状況の要素もあり、にわかに所得額がふえるということは考えにくいと思います。一方、特別区民税の徴収率や国民健康保険の収納率の向上については、取り組み次第では改善させられると考えますので、この点について伺いたいと思います。財政白書8ページ、図7、区民税徴収率現年課税分の推移を17年度から21年度までについて見ますと、中野区の徴収率がどの年度でも23区平均より低いことについてどのように分析されているでしょうか。 ○青山管理会計室副参事(税務担当) 中野区の人口構成の特徴といたしまして、若年で定住しない層が多いことですとか、比較的所得の低い層が多いということがございます。こうしたことが特別区民税の徴収にとって厳しい条件の一つであるというふうに考えてございます。 ○岡本委員 所得額が少ないから徴収率も下がるという因果関係はなかなか結びつけられないと思いますが、そのような分析をされているということでいいんでしょうか。 ○青山管理会計室副参事(税務担当) 所得の低い層の方につきましては、住民税につきましては前年度の所得に対する課税ということで、例えば景気が悪化した場合、前年度、比較的所得があったときのものに対して翌年度課税されてくるということで、その時点では所得が低下しているということで、納付が難しくなっていると。そういったような状況がございます。 ○岡本委員 徴収率の推移について見てみますと、17年度から19年度までは23区平均よりも区の徴収率が0.5%低い推移でしたが、20年度では0.65%、21年度は0.9%と差が大きくなってきています。この17年度から3年間だけでも、23区平均と比べて徴収率の格差が1.8倍に広がってきていますが、このことについてはどのようにお考えですか。 ○青山管理会計室副参事(税務担当) ただいま御指摘の期間のうち、特に19年度から21年度につきましては、19年度に住民税の税率フラット化がございまして、区内の多くの納税者の税率が上がったということがございます。また、20年からの経済不況で、先ほど御説明しましたように前年よりも所得が大きく落ち込んだといったことで、より徴収が厳しくなったというふうに考えてございます。 ○岡本委員 ただ、23区の平均を見ますと、20年度から21年度にかけて0.1%上昇しているのに対して、中野区が20年度から21年度まで0.2%ダウンしている。これは、今、中野区の徴収率が下がったということの説明はわかるんですが、この20年度、21年度の分析はどのようにされていますか。 ○青山管理会計室副参事(税務担当) 先ほど御説明したことをよりちょっと詳細に申し上げますと、19年度、税制改正があって、住民税率がフラット化いたしました。その際には各区が軒並み収入率を下げたと。ほとんどの区にとって住民税率が変わったということの影響がございました。翌20年度になりますと、それぞれの区の特性に応じて収入率の増減に格差が出ている。そういったような傾向がございます。さらに21年度につきましては、先ほど申し上げましたように不況によって20年から21年の所得低下ということがございましたが、こうした影響をより強く受けるのは比較的所得の低い層の方々でございまして、こうした方たちにとって、より税の納付が厳しくなったということで、中野区に関しましては下がってしまったというふうに考えてございます。 ○岡本委員 公務員1人当たりの所得額のことについては、ほかのある区で非常に所得額が多いから、23区平均を押し上げているという理屈はよくわかりますが、収納率というのは率ですから、中野区だけが下がった、あるいは23区が上がったのに、どこかの区が幾ら収納率を上げたって平均はそう簡単に上がるものじゃないんですが、その辺は今の御答弁だけですと、23区との格差が開き、23区は徴収率が上がり、中野区はさらに下がるということの原因がよく理解できないんですが、その点はいかがですか。 ○青山管理会計室副参事(税務担当) 収入率の点につきましても、平均と比較いたしますと、それを上回っている区のほうが少ないといったような状況がございます。中野区は残念ながら平均より下回っているということで、これについては先ほど来申し上げている要因がございますが、私どもとしましても、そういった状況だけのせいにしておくというわけではございませんので、徴収の努力といったものももちろん引き続きやっていきたいというふうに考えてございます。 ○岡本委員 次に、国民健康保険の収納率、現年分の推移について見ますと、財政白書の19ページの図24の国保収納率の推移によれば、同じように23区平均に対して中野区の収納率は下がり、さらに年々格差が広がってきていることについて担当分野ではどのように分析されているでしょうか。 ○角保健福祉部副参事(保険医療担当) 収納率の低下の原因についてお答えさせていただきます。23区との平均につきましては、23区それぞれ人口構成、定住率などの条件がありますために、一概に要因を特定するということは難しいと思いますが、中野区の事情としましては、20代、30代、単身世帯が多く、また、いわゆるフリーターの方が多いというようなこともありまして、昨今の経済不況の影響をもろに受けていることも要因の一つではないかというふうに分析しております。 ○岡本委員 毎年の決算時に的確な対応策によって徴収率の向上が急務とか、保険料の収納率向上に向けた取り組みを強化しなどと指摘されていますが、今、御答弁いただきましたけど、23区平均よりもそれぞれが年々下がり続けていることについて、もっと厳密にというか、分析と対策が必要ではないかと思っています。 私はかつてメーカーで新製品の開発を担当させていただいた時代があり、当時、会社でQC手法を盛んに取り入れて、課題や問題点の解決に取り組んだ経験があります。問題点や目標が達成されなかったなどの原因を関係者でなぜできなかったかをブレーンストーミングを行って、主な原因を五つ取り上げ、それらについてそれぞれPDCAを回して解決する方法でした。区もさまざまな徴収率や収納率アップへの取り組みを行っていますが、その結果が目標達成に至らないという事実を深く受けとめて、確実にPDCAを回すべきだと思います。そこで、具体的にどのように取り組まれたのかということについて伺いたいと思います。例えば1年前の20年度の決算で明らかになった徴収率や収納率からどのように分析され、21年度の取り組みに反映されたのでしょうか。主な点について簡単にそれぞれの分野からお答えください。 ○角保健福祉部副参事(保険医療担当) 平成20年度につきましては、不納欠損などが歯どめがかかっていないというような状況がございまして、平成20年度は特に滞納処分の強化に取り組むというところで、財産の差し押さえなどの処分件数をふやしてまいりました。ちなみに処分件数につきましては、前年比8割増しの219件という実績を伸ばしてございます。また、納付の能力がありながら払う意思のない滞納者の方につきましては、21年度も引き続き、こういった滞納処分を強化して、こちらの件数的にも前年度を上回る処分というものを行ってございます。また、あと、支払いやすさというところでは、口座加入率の向上ということにつきましても取り組みをさせていただいております。区報やホームページなどの広報媒体を通じて加入勧奨を行うとともに、年2回、口座加入促進キャンペーンというのを行いまして、平成20年度に大きく落ち込みました口座加入率について、0.5ポイントではございますが、平成21年度には回復したというものでございます。以上が主な取り組みでございます。 ○青山管理会計室副参事(税務担当) 引き続き、私からは税務分野におけます20年度決算の分析と、それから21年度の取り組み状況について御説明させていただきます。20年度決算におきましては、特別区民税のうち、その大部分を占めます現年度分の収入率の低下に歯止めがかからなかったということが全体の収入率を下げた大きな原因であるというふうに考えております。21年度につきましては、この結果を受けまして、前年後半からの経済不況の影響で、より徴収が厳しくなると考えまして、納期限が過ぎても納付のない納税者に対しまして、従来より早期に催告などのアプローチを行うとともに、特に高額の納税者につきましては、担当を割り振って納付状況の進行管理を行ったというところでございます。 ○岡本委員 それぞれ大変な御努力、対策をとられているわけではありますが、21年度の収納率、徴収率がそういう結果だったということです。さらに、この21年度までの分析を行って、22年度の改善策が講じられていると思いますが、現時点で見通しはどのような状況か、お聞かせください。 ○青山管理会計室副参事(税務担当) 21年度の結果を受けまして、特に先ほど申し上げました現年度分につきましては、直ちに強制的に徴収するということが難しい状況ではございますが、財産調査を含め、さらに徴収の強化に取り組んでいるところでございます。この特別区民税現年度分の収入率につきましては、ことし8月末時点では昨年の同時期を上回っておりまして、今後も徴収努力を続けて、さらに収入率を向上させたいというふうに考えてございます。 ○角保健福祉部副参事(保険医療担当) 21年度の結果を踏まえた22年度の策につきましては、22年の8月末現在の収納率でございます。まず現年度分が18.96%、滞繰分が7.38%という結果になってございます。現年分、前年同期と比べましてマイナス0.03ポイント、滞繰分がマイナス0.79ポイントということで、かなり厳しい状況になってございます。そういった中、今年度の取り組みにつきましては、第3日曜日の休日相談窓口の開催に加えまして、毎週火曜日に夜間相談窓口というのを開設させていただいておりますが、この4月からこれまでの開設時間を夜の7時から8時まで延長してございます。こういった時間にも夜間の電話催告というのもあわせて取り組みをしてございます。また、滞納処分につきましては、滞納者に対する財産調査を一層強化しております。なお、昨年度は調査件数が4,016件だったんですけども、9月現在でそれを上回ります4,558件の調査を実施しているという状況がございます。こういった財産調査の実施によりまして、滞納している方の実態を明らかにするとともに、能力がありながら納付意思のない、いわゆる悪質な滞納者に対しては年度の後半に向けて差し押さえを積極的に実施していきたいというふうに考えてございます。 ○岡本委員 引き続き徴収率や収納率の向上に向けて御努力していただきたいと思います。 次に、行政の広告収入について伺います。まず、21年度の広告収入について、総務の資料32、広報担当の広告収入実績が出ていますが、目標と実績についてお聞かせください。 ○松原経営室副参事(広報担当) 21年度の目標値ですけれども、広告掲載推進戦略では、広報担当における目標値を1,066万円に設定いたしました。それで、収入額は1,747万円で、60%を上回ることができました。 ○岡本委員 区全体の広告掲載収入についてはどのようになっているでしょうか伺います。 ○松原経営室副参事(広報担当) 同じく推進戦略では、全庁での目標値を2,436万円に設定いたしました。それに対しまして収入額が3,004万円で、20%を上回る成果を上げることができました。 ○岡本委員 年々、広告収入がふえていることに関係者の努力に敬意を表したいと思います。 これまで私は広告収入についてはたびたび質問をしてきました。横浜市での具体的な広告媒体の例を示し、さらに中野区として広告収入の可能性のある媒体について20を超える具体的なアイテムや場所を提案するとともに、目標設定についても提案させていただきました。区長の前向きな御答弁もあり、今お話がありましたように昨年から広告掲載推進戦略が全庁的な取り組みがされております。5月には区報への広告募集もされています。これまでホームページや区報、「ないせす」などについてはかなり積極的に取り組まれ、これらの広告収入もふえてきています。一方、推進戦略には従来の印刷物に限らず、あらゆる区有財産に広告掲載の可能性を検証し、実施していくと表明されていますが、特に野外広告はほとんど目につきません。現在、区施設や野外広告も含めた新たな広告媒体を検討しているものがありますか。 ○松原経営室副参事(広報担当) 今、委員御指摘の横浜市の事例でございますけれども、あらゆる事例、資産を活用して広告収入を得ているということにつきましては、私どもも非常に参考にすべき部分が多いというふうに考えております。現在、中野区のこの推進戦略に従いまして、紙媒体のほか、例えば区役所の1階の内壁を利用した広告板ですとか、あるいは電子掲示板の導入に向けた検討を進めているところでございます。 ○岡本委員 私は、行政が行う広告事業についてはアピール性のある取り組みが必要だと思っています。これまでもその広告収入を各分野にある程度返すとか、あるいは特定の目的に使うことを提案させていただきましたが、なかなか区としてはそういう取り組みが難しいという御答弁も承知しております。何か工夫して一歩踏み出さないと、区の広告事業は拡充していかないと思います。ちょっとした工夫で区民にもアピールし、広告を出す側にも励みとなると思いますが、何か工夫されているものがありますか。 ○松原経営室副参事(広報担当) 例えば広報担当が発行しております「わたしの便利帳」では、印刷経費の一部を協賛企業の広告費で賄われている、その旨を記載してございます。こういったささやかではございますけれども、表記については工夫ができると考えております。 ○岡本委員 また、広告担当分野だけでなく、区のあらゆる分野で印刷物などに広告を入れる取り組みや、広告収入の物品寄贈の取り組みなどを行ってはいかがでしょうか。そうすれば、その分野に関係する企業などからの広告もとりやすくなると思いますが、どうでしょうか。 ○松原経営室副参事(広報担当) 例えば21年度から広告掲載を始めました障害福祉担当の「障害者福祉のしおり」ですとか、あとは戸籍住民担当、あるいは税務担当における広告入りの封筒、あるいは図書館の広告入りの貸し出し袋や図書館カレンダーでのこういった寄贈を受けている事例もございます。今後、全庁でさらに広告導入が推進されるよう取り組んでまいりたいと考えております。 ○岡本委員 この広告収入は単に収入確保だけではなくて、区内の産業振興、あるいは国への情報提供といった観点などからも、行政の広告事業は積極的に行うべきだと思います。私は、区の積極的な取り組みが区民に区財政の厳しさを理解してもらう大きなチャンスになるとも考えています。改めて広告事業に対する基本的な姿勢と取り組みについて伺います。 ○松原経営室副参事(広報担当) 財政が厳しい折、収入の可能性がありますさまざまな広告掲載可能スペースの活用につきましては、貴重な区民財産の有効活用というふうに言えると考えます。こうした広告収入に向けた取り組みにつきましては、より一層しっかりと励んでまいりたい。このように考えております。 ○岡本委員 以上で広告収入についての質問は終わります。 2番目の学校のICT教育の充実について伺います。 初めに、これまでのICT教育の取り組みと課題について伺いたいと思います。これまでさまざま他区に先駆けてICT教育環境を整えてきました。そして、具体的には昨年度からICT教育がスタートしたと思っております。私は、平成19年第4回定例会、20年の予算総括質疑及び21年の第1回定例会の一般質問で、このICT機器が整備された後の取り組みと十分な活用によって、わかる授業と確かな学力向上、情報化活用能力の育成、校務の情報化の推進、教員の指導力、情報モラル教育、人材の育成などを図らなければ、無用の長物になってしまうおそれがあると指摘させていただきました。まず指導室としてICT活用の基本方針や計画はつくられたのでしょうか伺います。 ○喜名指導室長 ICT活用の基本方針等ということでございますけれども、教育委員会事務局として、ICT活用に特化した教育基本方針ですとか計画はまだ作成に至っておりません。ただ、昨年度から中野区教育委員会学校教育の指導目標の重点といたしまして、ICTを効果的に活用した事業を推進するというふうに基本方針を示しております。これを受けまして、各学校では授業におけるICT活用について自校の教育課程に盛り込んでいるところでございます。 ○岡本委員 私は、それぞれの質問の際にも、きちっとしたICT活用の基本方針や、あるべき姿が明確に計画づけられていなければならないという質問をさせていただきましたが、まだ十分にそれはできていないということがわかりました。 次に、教員のスキルアップ機能について伺います。ICT教育のポイントは、教員のICT活用能力と授業の指導力にあります。子ども文教の資料106にもありますが、21年度及び今年度における教員のスキルアップに対する取り組みについて簡単にお聞かせください。 ○喜名指導室長 御指摘の資料の106にもございますけれども、昨年度は教員の希望によるコンピュータの研修会を8回実施いたしました。延べ211人が参加をしております。内容といたしましては、授業におけるICT機器の活用、授業デザインの方法でございます。また、学校におけるICT活用の核となりますICT教育担当教員を対象といたしました研修会も年間3回実施しております。内容は、昨年度の内容でございますけれども、モデル校でございましたが、新井小学校の研究実践を通した研修ということでございます。今年度も同じような内容で進めているところでございます。 ○岡本委員 去る9月3日、第八中学校で行われたICT教育担当教員連絡協議会に参加させていただきました。Intel○RTeachプログラム公認トレーナーの講師で、思考支援型授業を実現するスキルアップ研修の講義と演習でした。内容は、大型パソコン画面とホワイトボードを使い分けて、地域基礎社会を生きる力の育成、またキャリア教育をICT教育推進で育成する教育を実現しようとするかなりレベルの高い研修でした。問題は、受講した教師が自分の学校でその演習を生かす環境になっているかどうかです。各学校ではこのような研修を受けた後のフォローはどのようにされていますか。また、学校管理者への研修も必要だと思いますが、どのようにされているんでしょうか、あわせて伺います。 ○喜名指導室長 研修会実施後の校内での伝達、周知についてでございますけれども、参加しておりますICT教育担当教員にこの研修の趣旨を十分に理解させるとともに、各校での指導的立場になるためにも、みずから積極的に活用して校内で範を示すように指導しているところでございます。また、学校に対しても、学校の管理職に対してもそのような場を設けるように伝えているところであります。また、管理職の研修でございますけれども、管理職は情報管理者という立場でございますので、情報セキュリティー等の研修を実施しております。また、校内での研修会の充実について指導しているところでございます。 ○岡本委員 演習後のフォローについてはまだ十分でないような御答弁でしたので、今後、大事な研修や受けた方が自分の学校でフォローできるような体制をぜひともつくっていただきたいと思います。 次に、ICT教育支援員について伺います。子ども文教資料の106の下段に簡単に示されてありますが、21年度は年度途中の11月から5カ月間、ICT教育支援員が小・中学校とも月3回出向いて指導されていますが、学校側や指導室ではどのような評価をされているのか、伺います。 ○喜名指導室長 昨年度の途中からでございますけれども、このICT支援員の配置によりまして、各学校での教員のICT機器を活用した授業がふえております。また、活用の技術の向上等も成果が認められているところでございます。これは学校も同様の評価をしております。 ○岡本委員 このICT教育支援員派遣制度は国の緊急雇用対策の一環として、21年度から2年間、10分の10の国庫補助で実施している事業です。したがって、今年度で期限が切れます。大きな教育効果が出ており、校長会からもぜひとも存続してほしいと強い要望が出されています。委託されているベネッセ株式会社では年間の支援計画を立てておりまして、また中野区で使われている教科書も熟知し、授業で行うための教材等を準備して臨んでいますので、担任の先生と同じ、全く違和感なしに授業が進められています。このICT教育支援員制度は来年度も中野区独自で存続させ、実施すべきだと考えますが、いかがですか。 ○喜名指導室長 委員御指摘のとおり大変に効果のある制度だということは十分に認識をしておりますけれども、今年度の予算規模ですと2,000万円超ということでございまして、これを区独自で存続することはかなり難しいことだというふうに考えております。今後はこれまでの成果を踏まえまして、ICT担当教員による校内での研修の活性化など、教員の指導技術の向上に努めてまいる所存でございます。 ○岡本委員 10か年計画(第2次)の110ページには、第2ステップまでICTを活用した指導方法の開発実施や充実が掲げられていました。どのような取り組みをされようとしておるんでしょうか。 ○喜名指導室長 これまで校内LANの設置、それから大型テレビ等の導入によりまして、ICT教育の環境が整ってまいりました。今後はこれらを活用した授業を推進することによりまして、児童・生徒の学力向上に努めてまいります。特に研修の機会をふやすことや研修の内容の充実を図りまして、すべての教員がICT活用による授業ができるようにしてまいりたいと思っております。 ○岡本委員 今、ICT教育についていろいろ伺っていますと、もう既にICT教育の取り組みで差が生じています。ベネッセのICT教育支援員と懇談した折にも、学校によっては既にかなりの温度差が生じているとはっきりおっしゃっていました。私は、それらの温度差を解消するためにも、教育センターの役割をしっかり持つべきだと考えています。19年の第4回定例会でも、当時の教育長は今後のあり方について検討していきたいと御答弁されていますので、このことについて何点か伺いたいと思います。 私は、ICT教育は指導室の支援体制を強化するとともに、教育センターにICT教育を推進する機能をきちっと持たせるべきだと思っています。そうでないと、ばらばらな取り組みとなり、学校間の格差がさらに広がってくるおそれがあるからです。私は、教育センターに教師のICT授業の指導力アップのための研修機能、またICT学習コンテンツの収集と編集及び配信機能、さらにICT教育推進の研究機関、そこにICT教育を推進する人材を配置する。これらの機能を持たせた教育センターを構築すべきだと思っています。今、学校でいろいろ聞きますと、ICTコンテンツ収集が着実に進んでいるところもあります。教育委員会として一元化して、学年別、教科別に収集、編集、管理して、配信するべきではないかと思っています。教育センターにこういう学習ICTコンテンツを収集して、ライブラリーとしてそろえ、各学校から必要なときにいつでも活用できるようにすべきだと思いますが、教育委員会のお考えをお聞かせください。 ○喜名指導室長 教育センターにICTセンターの役割を持たせることは大変有意義なことだというふうに思っております。ただ、施設設備の充実を伴うものでございますので、長期的な計画の中で考えていかなくてはならないと思っております。 ○岡本委員 次に、普通教室に大型52インチテレビの活用について伺います。学校現場で改めて教室で52インチのテレビを見ますと本当に大きく、補助黒板が1台設置されたような感じがします。既にどの教室でもすべての教科にわたって、書画カメラの活用やパソコンと連動したICT教育授業が可能となっています。9月13日、新井小学校での授業を見させていただきました。1年生はコンピュータ教室でプリントソフトを使って、マウスだけで運動会のお知らせをつくる授業でした。どの児童も見ているうちにマウスの使い方がどんどんなれてくるのがわかります。前方には大型スクリーンでお手本の文字や生徒の作品を表示して活用していました。2年生、3年生は国語やけたの大きい数字を理解させるのに、書画カメラを使って大型テレビに表示し、黒板と併用して授業が行われていました。そのほか、社会や理科、あるいは体育館で大型スクリーン等を使ってのICT教育が進められております。 今、大型のテレビについての活用の一例を示しましたけど、中野区で小・中学校でのテレビ活用の状況についてはどのような状況でしょうか。 ○喜名指導室長 大型テレビにつきましては、御指摘のように書画カメラと接続をいたしまして、子どもたちのノートですとか、それから教材を投影するということに日常的に使われております。これまではスクリーンを準備したり、プロジェクターを準備するといったことが必要でありましたけど、この大型テレビになったことで日常的に活用ができるようになってまいりました。また、パソコンとつなぐことでインターネットの情報をダイレクトに提示することができるということもございまして、モニターとしての活用が進んでいるところでございます。 ○岡本委員 区立の小・中学校すべて52インチのデジタル対応テレビと思っていましたら、白桜小学校と南中野中学校は学校再編の関係で早目に整備されたんですが、37インチになっているということもわかりました。37と52インチではテレビの画面がちょうど面積が2倍違います。今後はどうされるんでしょうか伺います。 ○喜名指導室長 御指摘のように統合校につきましては、今般のデジタル化に伴いまして、他校に先駆けて平成20年度に37インチのテレビを設置したところでございます。昨年度残りのすべての学校の普通教室に52インチのテレビを設置いたしました。あわせて、白桜小学校については4台、南中野中学校については3台、52インチを設置して、あわせて活用しているところでございます。 ○岡本委員 教育のテレビについては一斉放送ができるようになっておりませんし、校長先生とかの一斉放送や緊急地震速報システムなどもこのテレビを活用して、そういうことができる整備をしていくと思いますが、お考えを伺います。あわせて、教育委員会として特別支援教育も含めて、今後のICT教育の取り組みについて伺いたいと思います。 ○喜名指導室長 校内一斉放送でございますけれども、放送設備の老朽化によりまして、障害は少しございますけれども、現在のシステムでも使用することができるということでございます。また、緊急地震速報でございますけれども、その緊急性から考えまして、校内放送での対応が適切であるということから、既に設備を導入済みでございます。また、今後のICT教育への取り組みということでございますけれども、一般質問でも御回答いたしましたけれども、特別支援教育におけるICT活用については、文字認識ですとか音声言語認識、空間認識等を支援するために大変有効的だというふうに思っております。いわゆるマルチメディアDAISY教材についても今後研究してまいりたいというところでございます。また、特別支援教育も含めまして、個に応じた指導の充実、授業改善の方策としてのICT活用、それから子どもたちのメディアリテラシーの向上に努めてまいりたいと思います。 ○岡本委員 以上でこの項の質問は終わります。 次に、4番目の障害者の生の芸術「アール・ブリュット」について伺います。 アール・ブリュットとは、日本語に直訳すると、生の美術、加工されていない美術とされています。既存の文化や流行に影響されることなく、自身の創造力をよりどころに制作された作品を指し、そのつくり手の多くが精神や知的に重度の障害があるという特徴があります。英語では、アウトサイダー・アートと訳されています。 現在、フランスのパリ市立アル・サン・ピエール美術館で、ことしの3月からアール・ブリュット・ジャポネ展が開催されています。この美術館はモンマルトルの丘のふもとにあり、世界じゅうからパリを訪れる観光客のメッカと言われる場所にあります。日本人の作家によるアール・ブリュット展が芸術の都で開催されることは画期的なことです。しかも、当初は半年間の予定が4カ月間会期を延長するほど盛況で、世界の各地から多くの観光客が訪れています。これには日本人63名、約800点のアール・ブリュット作品が展示されております。この63人の中に中野区民がいるのは御存じですか。 ○小田政策室副参事(企画調整担当) 中野区民の作品が展示され、高い評価を受けているということは承知しております。 ○岡本委員 今、このアール・ブリュット・ジャポネ展について、さまざまなマスコミからも報道されていまして、5月10日付の週刊朝日でも「アウトサイダー・アートの世界」、孤独の感性という形で、この中にも中野区民の作品と活動が紹介もされていました。私は、アール・ブリュット・ジャポネ展の紹介と、そこに区民の作品が出品されていることを区報やホームページなどに工夫して、区民にお知らせしてはどうかと思いますが、いかがですか。 ○小田政策室副参事(企画調整担当) 区民の方々のさまざまな御活躍につきましては、これまでも区報やホームページで御紹介してきたところでございます。毎月20日に発行しておりますなかの区報に「中野のちから」といいます中野で活躍する方を取り上げているコーナーがございます。このコーナーなどでPRができるかどうか、検討していきたいというふうに考えております。 ○岡本委員 先月、滋賀県近江八幡にあるボーダレス・アートミュージアムの美術館を見学してきました。昭和初期の町家を改修して、2004年6月に開館し、滋賀県社会福祉事業団が運営する全国でも例のない公的ミュージアムです。滋賀県と近江八幡市から設立のための支援、家賃補助などを受けております。ここにも中野区民の方の作品がございました。しかし、このミュージアム、大変場所が近江八幡駅から遠いとか、あるいは美術館と思えないほどの質素で小さな施設でした。私は、日本の首都である交通至便の東京にアール・ブリュットの作品を展示する美術館があれば、日本の各地からだけでなく、海外からもどれほど多くの訪問者があるか、はかり知れないと感じました。 私は、アール・ブリュットの紹介や展示を通して、多くの区民が鑑賞できる環境を整えることは、さまざまな人が集まる交流の場となり、まちの活性化、生きた教育の視点からも大きな効果があると思っています。例えば庁舎のロビー、ZERO小ホールの美術ギャラリー、まちのコミュニティ広場等を活用して、アール・ブリュット美術の紹介と作品の展示を行ってはいかがでしょうか。区として積極的な支援を行ってはいかがでしょうか、伺います。 ○小田政策室副参事(企画調整担当) まちの活性化につながるような具体的な御提案があれば、区として支援について検討していきたいというふうに考えております。 ○岡本委員 また、区内には障害のある人たちとの創作活動がアトリエ・パンゲアで進められてきています。施設所属の利用者だけでなく、一般就労している障害者、障害児、引きこもりや発達障害児者、諸事情で社会参加ができない障害者などが参加して創作活動を行っています。ここでの作品を展示するための情報提供を行ってはいかがでしょうか。 ○朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当) 障害のある人たちの創作活動が広く知られていくことは、障害のある人とない人との交流や理解につながっていくと考えております。御指摘の作品につきましても、区役所1階ロビー展示への参加の呼びかけや作品の展示場所として活用できる施設についての情報、作品の展示や普及についてさまざまな相談などを行っていきたいと考えております。 ○岡本委員 現在、民間助成団体では、日本国内に今後10カ所のアール・ブリュット美術館を設置する構想を持っていると聞きました。美術館というと、先ほど言いましたように立派なつくりで広々としたイメージを持たれるでしょうが、民間助成団体が目指しているアール・ブリュット美術館は、基本的には古い民家等を改修して、美術、福祉、建物、まちづくりの四つの視点をスタンスとして考えています。近江八幡にあるNO‐MA美術館はまさにそうでした。中野区内にそのような美術館を設置しようとする計画があるとも聞きました。中野は東京のど真ん中、東京のへそとも言われています。もし設置されたら、ボーダーレスのまち中野、共生のまち中野のイメージは大きく一変すると思っています。さらに地域再生、活性化にも大きく貢献すると考えられます。私は、東京の中野から世界の中野に変わるとさえ思っています。バリアフリーとボーダーレス、生きた教育、垣根のない文化、地域再生、活性、まちづくりに大きく貢献するものと考えています。また、若者のまちという視点からも、大学3校が誘致される中野にとって、アール・ブリュット美術館は極めて大きな意味を持つと考えています。適当な場所や既存の建物があれば、改修や設置の費用は民間助成団体が持つと聞いています。区としてそのための情報提供や協力を行うべきと考えていますが、区長のお考えを伺いたいと思います。 ○田中区長 アール・ブリュットは、人間のこれまで評価されてこなかった新しい可能性とか、美術の世界での新しい可能性を持った大変すばらしい美術であると、このように考えております。区といたしましても、そうしたアール・ブリュット美術館の設置ということについて、できる限りの協力はしていきたいと、このように思っております。設置をする団体等のさまざまな条件などもあるようですので、区としても情報交換しながら、できる協力を考えていきたい、こう思っております。 ○岡本委員 私、近江八幡のNO‐MA美術館に伺ったときも話は聞きましたけど、特にこのアール・ブリュット美術については若い人が大変興味がある。また、その中で女性の方が非常に多く訪れているということを伺いましたので、中野にとって若者のまちという観点からも、また地域の再生、障害者のそういう視点からも、このアール・ブリュット美術館の存在意味は大きいと考えていますので、今、区長が前向きな御答弁をされていますので、具体的なそういう段階になりましたら、ぜひとも協力をお願いしたいと思います。 最後に、地域猫活動と地域力について伺います。 今日、地域のコミュニケーションが希薄となり、地域に住む人の顔や家族が見えなくなっています。このような状況下では、騒音やにおいなどの煩わしさに対して忍耐できにくくなり、その結果引き起こされるさまざまな問題が解決しにくくなっています。その一つの例が、区内でも頻繁に見られる飼い主のいない猫に関する問題です。この問題を解決するためには、単なる住民同士の意見対立や苦情の問題としてとらえるのではなく、地域の問題としてとらえ、住民同士が話し合い、協力し合うことが重要だと思っています。この問題を解決することによって地域力の輪も広がっていくとの思いから、この質問をすることにいたしました。 初めに、飼い主のいない猫をふやさない対策について伺います。中野区に寄せられる飼い主のいない猫に関する苦情は、厚生の資料4にあるように苦情件数がふえるばかりです。既にこの問題に着手している他区、例えば新宿区や千代田区は苦情が減り、内容が地域猫活動についての相談に変わってきています。これらの区に比べて対策がとられていない現状をどのようにお考えでしょうか伺います。 ○宇田川保健福祉部副参事(生活衛生担当) 区としましては、これまで愛猫手帳の作成や配布、猫の飼い方教室の開催など、飼い主に対するルールやマナーの啓発を行ってまいりました。また、区民の皆さんから寄せられる苦情、相談へのきめ細かな個別対応を中心に取り組んでまいりました。今後につきましては、苦情、相談から見えてきている現状や課題を踏まえまして、飼い主への普及啓発だけではなく、飼い主のいない猫対策について地域で理解が得られるよう広く情報提供を行っていくことが必要というふうに考えております。 ○岡本委員 苦情がふえ続けているということは、ある意味ではそういう今、御答弁いただいたようなことが十分に地域で取り組まれていないということの証拠ではないかと思っています。 次に、施行されている動物愛護及び管理に関する法律や環境省による住宅密集地における犬猫の適正飼養ガイドライン、さらに東京都の動物の愛護及び管理に関する条例に対して、中野区ではそれらを遵守させるためにこれまでどのような対策をとられたのでしょうか、具体的にお聞かせください。 ○宇田川保健福祉部副参事(生活衛生担当) 動物愛護及び管理に関する法律、それから環境省によるガイドライン、東京都の条例が規定するルールなどは、先ほど申しました愛猫手帳にも盛り込み、猫の飼い方教室でも必ず取り上げ、それから、ホームページでも掲載するということで、飼い主の皆さんを対象に普及啓発を行ってきております。また、飼い主のいない猫に係る苦情、相談を受けた場合には、職員が地域を訪問し、飼い主の皆さんやえさやりをやっている方などへ法律や条例、それからガイドラインに基づいた助言、指導等を行ってきております。平成22年度につきましては、広く周知をするために5月の区報で特集記事を掲載いたしました。また、7月にペットの遺棄・虐待は犯罪ですというポスターを作成し、すべての区のお知らせ板に掲示をいたしました。 ○岡本委員 今、るる対策なり啓発等をされているという御答弁でしたけど、しかし、他区と比べて極めてその対応というか、その啓発のあり方に大きな格差が中野区にあると私は認識しています。飼い主のいない猫対策は、飼い主のいる猫から始まるわけです。飼い主のいない猫問題を引き起こす原因の一つである不適切な猫の飼い方として、捨て猫をする、室内飼育をしない、不妊去勢手術をしないなどがあり、これらに対してどのような対策をされてきたのでしょうか伺います。 ○宇田川保健福祉部副参事(生活衛生担当) まず、不適切な飼い方についてですけれども、これを行うことがないよう、やはり飼い主の皆さんに対して愛猫手帳や猫の飼い方教室、区報、ホームページ、ポスター、チラシなどにより、正しい飼い方の普及啓発を行ってきております。また、先ほどの御答弁と重なりますけれども、苦情、相談への対応として、飼い主の皆さんやえさやりを行っている方へ職員が出向き、必要な助言、指導等を行ってまいりました。 ○岡本委員 地域猫活動の中で大変重要な、飼い主のいない猫に対する不妊去勢手術に対しての助成制度は、23区中20区が既に実施済みですが、これについてはどのようにお考えでしょうか伺います。 ○宇田川保健福祉部副参事(生活衛生担当) 不妊去勢手術でございますけれども、飼い主の皆さんに普及啓発をきめ細かく行うことが大切ということで、これまで取り組んでまいりました。手術費用の助成につきましては、普及啓発活動、それから地域での取り組みなどを連動しながら有効に活用できる助成の仕組みが必要というふうに考えております。普及啓発を進め、飼い主のいない猫対策に係る地域での取り組みや対応について理解が広まる。そういう中で見きわめを行ってまいりたいというふうに考えております。 ○岡本委員 もう既に23区中20区が実施しているわけですから、いろんな取り組みの中でというふうなことをおっしゃらずに、早急に実施する方向で検討していただきたいと思います。 次に、地域猫活動について伺います。飼い主のいない猫は地域の問題であり、決して個人の問題ではありません。人と人のトラブルが大きな問題です。それは地域で解決しなければなりません。地域の問題は地域で道筋をつけるべきで、このことについては既に環境省や東京都が示しているとおりです。区としても取り組むべきです。地域力があっても、その対策を知らないで誤解をしています。その対策をきちっと示すのが区の役割ではないでしょうか。いかがでしょうか。 ○宇田川保健福祉部副参事(生活衛生担当) 飼い主のいない猫の取り組みにつきましては、地域の中で誤解が生じている例があるということは把握をしております。委員御指摘のとおり環境省のガイドブックや都のハンドブックなどで示されている対策を広く周知することは区の役割というふうに考えております。チラシ、パンフレット等を作成し、広く地域の皆さんに情報提供を行っていく予定でございます。 ○岡本委員 地域猫についていろいろ言い方はありますが、私はこのようにとらえています。地域の合意を得て飼い主のいない猫を不妊去勢手術の徹底、えさの管理、ふんの清掃、周辺美化など、地域のルールに基づいて適切に飼育管理し、飼い主のいない猫の数をこれ以上ふやさないで、一代限りの生を全うさせることで周辺住民の認知が得られた猫のことを言っていると思います。地域猫活動の内容については、それを誤解のないよう正しく理解し、地域住民全体が共通の情報を共有することが非常に大事なポイントとなります。地域住民、ボランティア、そして行政が三者協働の体制で臨むことが必要です。その際、行政の役割については、この地域猫についての認識を高めるため、普及啓発、連絡調整、適正指導が求められます。それらについてはどのように取り組もうとされているのか、お考えを伺いたいと思います。 ○宇田川保健福祉部副参事(生活衛生担当) 現在、地域でどのような取り組みができるか検討を行っております。この検討の中で地域における普及啓発、連絡調整、適正指導といった区の役割についても考えてまいりたいと思っております。 ○岡本委員 私は、この地域猫の活動について町会とのかかわりが非常に大事だと思っています。新宿区の中山区長は、町会の活動に、そこに地域猫活動が加われば、そうした人も取り組むことで地域コミュニティが広がっていくと述べています。飼い主のいない猫のトラブルを人と猫、人と人だけで解決しようとするのではなく、地域の問題としてとらえ、中山区長の言うように町会を交えて解決する仕組みを示すべきです。解決の第一歩が、区が行う連携調整による地域での話し合いの場を設定することです。その際、町会への働きかけも区が積極的に行うべきだと思いますが、いかがでしょうか。 ○宇田川保健福祉部副参事(生活衛生担当) 委員御指摘のとおり、飼い主のいない猫につきましては地域の問題としてとらえております。現在、地域でどのような取り組みができるか検討を行っておりますので、この中で考えていきたいというふうに思っております。飼い主のいない猫対策に取り組む動きがある町会、自治会とは意見交換等を行っていきたいというふうに考えております。 ○岡本委員 10か年計画の第2次、155ページには、ペット飼養に関するルール等の確立と飼い主のいない猫対策のルールの確立が掲げられ、ステップ1、ステップ2で実施するとしています。本来であれば、これらのルール等の啓発や指導はとっくに取り組んでいなければならなかったものだと思います。平成18年の環境省が示した指針には、飼い主のいない猫に対するえさやりを認めた上で、動物の愛護と管理の両立を目指すことのできるガイドラインを作成することを通告しています。これから進めるに当たって、チラシやパンフレットが欠かせません。ルール等の確立としていますが、普及啓発、連絡調整、適正指導を徹底するために、イラスト入りのカラー刷りでわかりやすい、使いやすい、かつ長く使えるチラシや冊子をつくって取り組むべきだと思います。新宿区では、パンフレットの活用だけで大きな効果を上げています。チラシ等を早急に作成すべきだと思いますが、いかがでしょうか。 ○宇田川保健福祉部副参事(生活衛生担当) 飼い主のいない猫対策について、地域の皆さんに正しく理解していただくためにパンフレットの作成につきましては既に予定をしているところでございます。皆さんに利用していただけるよう、予算の範囲内で工夫して作成してまいりたいと思っております。 ○岡本委員 千代田区の石川区長は、地域の課題は行政だけではないことがたくさんあります。飼い主のいない猫の問題もその一つ。区とボランティアが連携して、活力と魅力あるまちづくりができないか、さまざまな計画を立案中です。地域猫の活動については、その一例として大いに注目していますと述べています。飼い主のいない猫の問題が解決しなかった理由は、えさやりの問題、人と猫、個人と個人の問題としての対策しかやらなかったことにあると思います。この問題を地域の問題として、きちっと地域で解決する仕組みを区が示し、コーディネートすることです。そうすれば、ボランティアの協力を得て地域住民による平和的な解決ができるだけでなく、住民自治が一層充実し、地域コミュニティが広がり、地域に新たな地域力として見守りや支え合いの輪が広がっていくと思っていますが、区長のお考えを伺いたいと思います。 ○田中区長 飼い主のいない猫にかかわらず、ペットの飼養や、あるいは野生動物の愛護、動物の愛護に関するさまざまな事象でさまざまなトラブルが生じたり、あるいはさまざまな迷惑をこうむっている方がいらっしゃるということが事実だと思っております。そうした中で、そうしたトラブルをなくして、ペットと共生できる地域社会をつくっていくということは、これはやはり行政がもちろん役割を果たさなければならないと思いますし、地域の問題として取り組んでいけるような、そうした体制をつくっていくことが大事だと、このように思っております。しかしながら、こうした取り組みというのは、御本人が、区民の方それぞれさまざまな考え方の方がいらっしゃるわけですから、そういう方々の中に御自分が望むことを控えていただくとか、あるいは御自分が望まないことを受容していただくとか、そういったこともさまざま含んだ形になっていくというふうに思います。そういった取り組みができる基盤としては、私はペットの飼養に関する、ペットと共生できる地域社会をつくっていく上で、地域全体の合意をつくれるような条例をつくることが必要と、こう考えて条例の提案をさせていただきました。今後ともこの考え方で進んでまいりたいと思っております。 ○岡本委員 区長、地域のこの地域猫活動については、考え方が行政側の考え方にのっとっているんだろうと思いますが、どこの区でも条例なしで、しかも新宿区はパンフレット一つで大変、地域猫に関する理解を深め、そして苦情も本当に減って、区に寄せられるものは苦情から、そういう地域猫に関する相談、そういうふうに変わってきているわけです。ですから、条例で進めるというやり方、ずっと区長は一貫して条例の提案もさせてきましたけど、実はきょうは条例のことは質問する予定は全くなかったんですが、区長から御答弁いただいたので、いろいろな考え方があるから、地域でいろいろな問題があるんですが、まず行政としては、そういう話し合いをする場も、そういう連絡調整の役割をしっかり持っていかなければ、猫の嫌いな人、好きな人、そして町会等も含めて、ボランティアの方が中心になって、なかなか最初は話し合いはできないと思います。しかし、少しでも話し合いが進むように努力するための場のつくりを少なくとも区が設定して、そういう段取りをしていただくだけで、この地域猫活動は物すごく大きく前進をすると思っています。ですから、どこの地域でも同じようなことをするという考え方は、私は地域活動じゃないと思っていますので、それぞれの地域でいろいろな問題があり、苦情があったところから、実は区が一つひとつかかわって、そしてどうしたらその問題が解決するかというふうに取り組むことこそ大事で、条例をつくって、それで進めるというやり方は、この地域猫問題については、私はいかがなものかという思いで、これは個人的にそう思っているわけですが、そういう意味で、まず今まで中野区がこの問題について進まなかったことの原因をもう一度整理をしていただいて、条例がないからではなくて、そういう地域の問題を地域ぐるみの問題としてとらえるために、どう区がかかわるかということに、そういう原点に立って取り組んでいただかないと、これはいつまでたっても、どこの区よりも中野区は取り残されてしまうような気がしております。区長は条例が否定されたからできないとおっしゃっているかもわかりませんが、そうではないと思います。 まあ、ちょっとここで私のそういう自分の思いだけでは質問になりませんので、ぜひとも担当分野もそうですが、あるいはこれから地域センターにいろいろ中心になって、活動センターでの取り組みも、そこにコーディネーターをする人員配置もできますので、そういう人の意識をまず変えていただいて、そしてこの地域猫活動が冒頭に言いましたように地域力の輪が拡大していくような、そういう取り組みをぜひしていただきたいということを要望しておきます。 これで質問は終わりますけど、ちょっと時間の配分でアール・ブリュットのほうの質問については半分以上質問を省略してしまって、用意していただいた理事者の皆さんには失礼をいたします。私は、こういう決算もそうですが、これからかかわる大事な点について質問させたと思っております。どうか今後ともいろいろ御答弁、前向きの御答弁もありましたが、本当に中野に住んでよかったと言える、そういう地域をつくるため、またアール・ブリュットについては障害者の一つの作品ではありますが、このことが大きく中野区のいろんな子どもさんから高齢者まで、また産業振興まで含めた大きなそういういい意味での取っかかりになることを確信しておる関係で質問をさせていただきました。最後は感想みたいになってしまいましたが、以上で私の総括質疑を終わります。ありがとうございました。 ○いでい委員長 以上で岡本いさお委員の質疑を終了します。 次に、山口かおり委員、質疑をどうぞ。 ○山口委員 第3回定例会に当たり、日本共産党議員団の立場から総括質疑をいたします。 初めに、区民の命、健康を守る施策についてお聞きします。 まず、国民健康保険事業についてです。国民健康保険事業は、国民健康保険法第1条で、社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とすると冒頭にうたっています。国民皆保険を支える制度でありますが、保険証取り上げの問題など、社会保障の機能が揺らいでいるという問題も起きています。まず保険料の収納率についてお聞きします。国においても既に9割を割り込んでいますが、中野区においての収納率はどうなっているでしょうか。 ○角保健福祉部副参事(保険医療担当) 収納率の状況についてお答えさせていただきます。国民健康保険料、21年度の現年度分が80.89%、滞納繰越分が21.17%でございます。 ○山口委員 納付率は年々低下傾向になっています。この理由はどのように見ていらっしゃいますか。 ○角保健福祉部副参事(保険医療担当) 近年につきましては、特にリーマンショック以降の影響で景気は低迷しているといったものでございます。こういったことで収納率がここ数年下がり続けてきているというふうに考えてございます。 ○山口委員 厚生27、国民健康保険料ランク別収納率一覧、この資料を見ますと、所得と収納との関係では、低所得者層ほど収納率が低くなっています。これはどのように見られていますか。 ○角保健福祉部副参事(保険医療担当) 平成21年度の状況では、先ほど委員が御指摘いただきましたランク別収納一覧でお示ししてございますが、例えば保険料10万円未満の低所得者層の方の収納率が70.68%と区の平均よりも低くなってございます。もう少し分析しますと、そのうちに区民税の未申告世帯というのが含まれてございまして、実はこの区民税未申告の方の収納率というのが45.12%と極めて低くて、この保険料10万円未満の層の収納率に大きく影響を与えているという結果がございます。こういったことを受けまして、区民税の未申告世帯を除くと、保険料10万円未満の低所得者層の収納率というのは76.11%になります。平均よりは若干悪い状況でございますが、こういったことをとらまえますと、低所得者ほど一概に滞納する率が高いと即断できないものと考えてございます。 ○山口委員 即断はできないというお答えだったんですけれども、政府調査によりますと、1世帯当たりの保険料負担は年々上がり続け、低所得者ほど負担率が高く、所得150万円未満の世帯では保険料負担の割合が所得の1割を超えているということです。滞納がふえている要因の一つに、保険料を払えない方に対しての減免制度が十分に活用されていないのではないかと思います。ことし4月から離職者に対して非自発的失業者軽減制度が開始され、区内での申請が1,000件を超えているとお聞きしています。しかし、保険料を払えない方に対しては、軽減ではなく免除する以外にありません。厚生資料46、23区における減免件数一覧を見ますと、他区との状況に相当のばらつきがございます。厚生資料28、国民健康保険料滞納件数・減免措置件数一覧を見ますと、中野区では平成20年度から社会保険を離脱し、後期高齢者医療制度に加入していた世帯主の被扶養者で、国保に加入している被保険者の減免によって200件以上、それまで2件、4件というものがあふれておりますけれども、このうち条例による減免は以前とあまり変わっていない。ほとんどないとお聞きしています。23区同一方式をとっているのに、なぜこのように減免件数に違いが生じているんでしょうか。 ○角保健福祉部副参事(保険医療担当) 23区でそういった減免の件数にばらつきがあるということでございますが、これは例えば生活保護の受給が決定した方に対して保険料の減免を行っている区があると聞いてございます。これは保険料を支払う見込みがない世帯に対して事務処理上の手続の一環として行われていると考えられます。こういった件数の突出した区はこういった減免も含まれるものと思われます。 ○山口委員 生活保護を受給するに当たって、それまでの滞納分は減免するという制度を渋谷区などが実施していることはお聞きしていますが、それにしてもかなりのばらつきがあると思います。平成20年度に1,000件を超える減免を行っている足立区の納付相談担当にお聞きしました。そうしましたら、納付相談時に減免制度を紹介して、積極的に相談に応じているというお話でした。中野区では減免制度を納付相談時にどのように御紹介されているんでしょうか。 ○角保健福祉部副参事(保険医療担当) 減免制度の周知につきましては、納付相談の中でその要件について詳しく御説明をさせていただきまして、該当をすれば、そういった申請の手続の説明を重ねて行っているというものでございます。 ○山口委員 説明されても申請にまで至っていないのか、あるいは対象者として認定がされず、減免されていないということでしょうか。かつて自営業者の方が急激な売り上げ減、所得減で減免されたケースもあるとお聞きしています。滞納する区民が役所に納付相談に行ってみようと思うように、督促状を送付する際に減免制度があることをわかりやすい形で周知するよう工夫されてはいかがでしょうか。 ○角保健福祉部副参事(保険医療担当) 督促時の減免制度の御案内についてでございますが、区としては督促状にはまず納付相談に来庁していただくことを第一にお知らせしてございます。減免制度には、先ほど言いましたが、一定の要件があるために、誤解のないよう来庁し、納付相談をする中で減免の案内をしている状況でございます。チラシの同封については、今後相談者の状況をさらに分析してみたいと考えてございます。 ○山口委員 国保ガイドなども送付して、お知らせはされていると思うんですけれども、確かに冊子の後半部分には出てくるんですが、どれだけの方がこれを見られているのか疑問です。ほかの議員の方の質疑の中で、滞納処分の強化などもお話がされていました。東京板橋区の29歳の男性のケースですけれども、仕事がうまくいかず、国保料が払えず、差し押さえもあり得るという厳しい督促状が毎月のように届いて、役所で分納する約束もしたけれども、結局払えなくて、ついに保険証を取り上げられた1カ月後に自殺したケースもございました。その部屋に督促状の山があったということです。督促状が単なるおどしの文句とならないように、減免も可能だということをわかりやすいチラシなどを入れて、ぜひ納付相談に来られるように周知していただきたいと思います。 次に、資格証明書の発行について伺います。全日本民医連の調査によりますと、昨年、資格証明書が発行され、医療費が払えなくて病院に行けず、命を失ったケースが区内で2件ほどありました。資格証明書、短期証の発行について、過去3年の動きはどうなっていますでしょうか。 ○角保健福祉部副参事(保険医療担当) 短期証、それから資格証明書の発行件数につきましては、短期証のほうが平成19年度9,925件、平成20年度3,724件、平成21年度1万74件でございます。資格証明書につきましては、平成19年度916件、平成20年度490件、平成21年度786件という実績でございます。 ○山口委員 既に高校生までの子どもがいる世帯については、法改正によって短期証の発行が実現しています。2009年1月には、子どもに限らず、経済的に困窮し、医療が必要な人には短期保険証を交付するという答弁書が閣議決定されています。2009年9月には、経営難や失業など特別な事情がある場合は資格証を出してはならない。滞納理由を丁寧に把握するよう自治体に要請。ことし3月には、払えるのに払わないと証明できた場合以外は慎重な対応をと大臣が答弁しています。区は、資格証明書の発行が納付相談につながると、これまでしてきましたけれども、実際に資格証を交付した世帯のうち、3割しか納付相談には応じていません。本来は、資格証を発行する前に、こうした納付相談をやるべきですけれども、納付相談に応じていない7割についてはどのように滞納理由を把握されているんでしょうか。 ○角保健福祉部副参事(保険医療担当) 今の国からの通達、要請につきましては、短期証、それから資格証明書については納付交渉の機会を得るという趣旨で運用しているものと理解しております。中野区では一律機械的に発行しているわけでなく、国の通達、要請に反しているとは考えてございません。なお、資格者証を発行しても反応がない7割の方の滞納理由につきましては、残念ながら把握してございません。 ○山口委員 区と接触機会がなく、かつ滞納理由も不明なこの7割の滞納世帯に対して、先ほど通達等にございました経営難や失業など特別な事情はない。かつ支払い能力はある。そして、払わないという意思が本人にあるという判断をして、資格証を発行していることになりますけれども、これは慎重な対応と言えるのでしょうか。 ○角保健福祉部副参事(保険医療担当) 当然区がまず支払いが滞った方に対しては短期証、それから資格証明書というのを、一足飛びに資格証明書というのを発行するわけではなくて、まずは短期証に切りかえて、そこでの納付交渉の機会を得るというところで交渉できる機会を求めているというものでございます。そういった方に対しても1年以上何らの納付もない。それから、意思表示もないという方に対して、次のステップとして資格証明書を発行しているというものでございます。なお、そういった資格証明書の発行に対しては、必ず弁明書とか手続を言った中で、一度こちらのほうに来てくださいというようなことで通知を送ってございます。そういった通知の返戻がないということでございますので、そういったことでは、その方は区のほうに納付の相談の意思がないというふうに判断せざるを得ないというふうに考えてございます。 ○山口委員 区として納付相談に来るようには努力されているということだとは思います。厚生資料33を見ますと、滞納率約2割と中野区と変わらないお隣の渋谷区では、資格証の発行件数、平成21年度9件、平成20年度13件のみと、ほとんど発行がされていません。担当に話を聞いたところ、渋谷区では給付と保険とを切り離して考えていて、滞納があるからといって給付にペナルティーを課すのはおかしいという考え方が以前からあるということでした。収入が少ない方は対象外とし、長年全く連絡がとれない、あるいは財産調査した上で、本当に悪質な場合のみの発行とされているようです。区においても厚労省通達の厳格な実施を求めたいと思います。 次に、来年度の保険料についてお聞きします。ことしは平均6,000円の負担増となりまして、区民から共産党議員団に、高過ぎる。年金も減っているのに本当に大変だというような苦情の電話も入っております。さらに来年度は保険料の算定方式が旧ただし書き方式に変更となり、負担増となる世帯が出てくるとお聞きしています。区長会で具体的な案を示して議論がされているそうですけれども、その内容を議会に示してほしいと思いますが、いかがでしょうか。 ○角保健福祉部副参事(保険医療担当) 来年度の保険料算定につきましては現在検討中でありまして、現段階ではお示しできない状況にございます。こういった保険料の料率算定が決まり次第、適宜適切、区議会のほうに情報提供していきたいというふうに考えてございます。 ○山口委員 今お決まり次第とおっしゃったんですけれども、区長会は協議機関であって、法的な決定機関ではございません。決定する前に議会に情報を開示して、議会での議論を保障していくことが必要かと思います。直接の影響がある住民に対しても意見を聞く場があってしかるべきではないでしょうか。中野区ではどういった階層がどれだけの負担増となるのか、試算はされているのでしょうか。 ○角保健福祉部副参事(保険医療担当) 来年度の保険料算定につきましては、23区全体の検討の中で旧ただし書き方式の移行に伴います負担増となる世帯の試算をしております。中野区でもこういった世帯が有効なものというふうに考えてございます。 ○山口委員 具体的にどういった階層というのはされているんですか。 ○角保健福祉部副参事(保険医療担当) なかなか検討中の内容なので言えませんけども、例えば均等割非課税の世帯だとか、所得が100万円とか所得が200万円とか、そういったある程度の収入状況を換算しまして、今の住民税方式との差によってどういった軽減措置をするのが望ましいとか、そういったことを検討しているという状況でございます。 ○山口委員 報道の範囲でも、扶養控除世帯など低所得者中心に影響があるのではないかと言われております。そうなってきますと、世帯の構成人数がふえればふえるほど負担増となります。また、扶養控除がなくなれば、障害者世帯など負担が急増するのではないか等、懸念がされます。旧ただし書き方式に変更となるモデルケースでは、これまで各区の一般財源で見ていた高額医療費を経過措置、経過措置終了後の保険料率のほうに算入し、計上もしているようですけれども、こうした高額医療費を保険料に算定、計上を前提として検討は進められているのでしょうか。 ○角保健福祉部副参事(保険医療担当) 本来、高額療養費につきましては、保険料の賦課に算入できるというものでございますが、特別区は23区として政策的に入れていないというのがこれまでの経過でございます。ただ、今回の軽減措置の財源等のことを考慮しまして、今、委員が御指摘になりました高額療養費の算入については来年度の保険料算定の中で検討しているという状況でございます。 ○山口委員 これまでは政策的な判断があって、算定はされていなかったということなんですけれども、当然保険料に算定されることになりますと、保険料の引き上げは必至です。負担増とならないように区としてやはり努力していただくようにお願いしたいと思います。引き続きこの問題についてはただしていきたいと思います。 次に、特定健診・がん検診事業についてお聞きします。まず、特定健診についてです。決算では、受診率により、見込み差によって補正で6,000万円ほどの減額がされています。かつ不用額も4,000万円余生じています。そのうち委託費の残が2,500万円余、予算当初との見込み差が1億円生じていますが、この理由は何でしょうか。 ○岩井保健福祉部参事(健康推進担当) 平成21年度の国保特定健診の受診率につきましては50%と見込み、所要経費を計上したところでございますけども、結果的に40.2%にとどまったのが主な原因でございます。 ○山口委員 決算で執行率は89%、約9割となっておりますけれども、これは減額のためであって、当初予算額から見た場合の執行率は77%、8割を切るような状況です。それだけ受診率が低かったという結果だと思います。中野区特定健康診査等実施計画によりますと、区は、特定健診の受診率の目標を平成21年50%、平成22年55%、平成23年60%、平成24年65%と、毎年5%ずつ上げていく方針です。一方で、厚生7の資料を見ますと、平成20年度、対象者数に対し受診率40.6%、今お答えのありました平成21年度40.2%と上がっておりません。既に平成21年度、計画との差が10%出ております。この結果はどのように分析されていますか。 ○岩井保健福祉部参事(健康推進担当) 国保の特定健診の未受診者に対しまして、個別に受診勧奨をするなどの取り組みを行っているところでございます。平成21年度の受診者数ですけれども、20年度に比べまして1,400人ふえているところでございます。しかし、その一方、国保の特定健診の対象者自体も平成20年度より21年度は約4,000人増加しているというようなことから、平成21年度の受診率につきましては、20年度の受診率を下回ったという現象になっているというふうに思っております。 ○山口委員 受診者もふえたけど、対象者の数もふえているというお答えでした。2009年度、区が行った保健福祉に関する意識調査報告書によりますと、ここ数年、健康診断を受けなかった理由で、「忙しかったから」が最多の33%、「費用がかかるから」が29%、「面倒だから」25.5%となっています。意識啓発、個別の働きかけももちろん必要ですけれども、費用的な面での軽減も受診を促すためには必要だと思います。 厚生資料の45、23区における国保特定健診の自己負担費を見ますと、費用徴収しているのは練馬区と中野区だけです。あとは無料になっています。お金を取ることで区民の健康への意識が高められると区はこれまでしてきましたけれども、その根拠は何でしょうか。受診率向上にどう役立っているのでしょうか。 ○岩井保健福祉部参事(健康推進担当) 区民の皆さんが一定の負担をした上で健診を受けるという、そのことがみずからの健康をみずから守るという意識づけにつながるというふうに考えております。 ○山口委員 意識づけにはつながっているかもしれませんが、受診率向上にどう役立っているかが不明です。やはり具体的な方策が必要かと思います。健診に行かない理由を見ましても、費用負担が受診抑制になっています。受診率向上のために無料化を検討されてはいかがかと思いますが、どうでしょうか。 ○岩井保健福祉部参事(健康推進担当) 負担の公平性であるとか、先ほど申し上げました自分の健康、みずからの健康をみずから守る。このような意識づけのために一定の負担をお願いしたいというふうに思っております。 ○山口委員 資料によりますと、300円の費用を取っている練馬区では、住民税非課税の方については無料としています。中野区ではそうした軽減策もやらないのでしょうか。 ○岩井保健福祉部参事(健康推進担当) 自己負担金につきましては、先ほども御答弁したとおり、住民税の非課税世帯を対象とする免除制度を設ける考えもございません。 ○山口委員 国民健康保険事業の住民税非課税世帯は全体の3割強の世帯となっています。低所得者に対しての何らかの配慮をすべきであることを要望したいと思います。また、受診率向上の具体的方策をぜひ低所得者対策を含めて早期にとっていただくよう要望いたします。 次に、がん検診事業についてお聞きします。区は、平成15年度に大腸がん検診を除くがん検診を有料化し、平成18年度からは大腸がん、眼科検診、成人歯科検診の全面有料化をしてきました。有料化した年は受診率も軒並み下がりました。その後どのように有料化した結果を検証されているのでしょうか。厚生7の資料を見ますと、近年の受診率の傾向は横ばい、もしくは低下傾向にあります。大腸がん検診は、有料化以降、約1万2,000人受診者数が減少しています。こうした点をどのように分析されているのでしょうか。 ○岩井保健福祉部参事(健康推進担当) 例えば大腸がん検診でございますけれども、平成20年度の医療制度改革によりまして、社会保険加入者の検診につきましては、それぞれの医療保険者が行うということになりました。失礼しました。例えば大腸がん検診につきまして、これまでは医療機関で区の成人検診と同時に実施することが可能でありましたけれども、先ほども御答弁しましたように医療制度改革によりまして、社会保険加入者の検診はそれぞれの医療保険者が行うということになったため、例えば大腸がん検診などについては単独での受診ということになったことが受診率減少の一因であろうというふうに考えております。 ○山口委員 がん検診の受診率の向上は国の方針でもあります。決算では、がん検診全体で8,000万円の不用額を出していますが、大腸がん検診を無料化しておつりが出るほどの額です。23区でのがん検診の実施状況を見ますと、一部自己負担を導入している区を含め、原則無料としているところが3分の2に及んでいました。受診率を向上させるためにも無料化、減額を検討されてはどうでしょうか。 ○岩井保健福祉部参事(健康推進担当) がん検診でございますけども、がん検診は勤務先と単に受診の機会がない方を対象に行っているところでございます。区の検診を受ける方と受けない方との負担の公平性を確保する意味からも、一定の負担をお願いしているところでございます。 ○山口委員 保健福祉事業概要には、健康の自己管理を行う区民と記載されていますけれども、区民が健康を自己管理する上でも積極的な経済支援を含め要望しておきます。 次に、各種ワクチン予防接種への助成についてお聞きします。まず子宮頸がんについてです。子宮頸がんは年間3,500人が命を落とし、毎年1万5,000人の感染者を新たに出しています。感染前の予防接種で予防できる唯一のがんと言われています。3回の接種で5万円程度の自己負担が必要です。高額な費用が障害となって、なかなか受診率が上がっていません。ワクチン接種への助成については、区長に日本共産党議員団として8月31日付で緊急要望でも早期実施をお願いいたしました。既に東京都でも自治体への助成が行われていますが、国も来年度予算概算要求にワクチン接種助成を盛り込んでいます。全国で実施する自治体がふえる中で、都内では杉並区が中学校1年生に対して全額助成、渋谷区が10歳から19歳に対して一部助成、江戸川、中央区が中学生を対象にそれぞれ全額助成と、実施を始めています。区においても早期実施を求めますが、いかがでしょうか。 ○山川保健福祉部参事(保健予防担当) 区といたしましては、子宮がん対策として持続的な制度構築のための財源確保は非常に重要であると考えております。今後示されます国の補助内容の具体的な内容、またそれを受けた東京都の現在の補助制度の方針等を踏まえた上で判断すべきと考えております。 ○山口委員 議会に区民から陳情も出されておりますし、委員会で引き続きこの問題は議論していきたいと思います。 次に、高齢者・小児肺炎球菌ワクチンへの接種助成についてお聞きします。肺炎は死因の4番目、年間10万人以上の方が亡くなっており、肺炎で亡くなる方のうち、65歳以上が95%を占めています。全国で既に300近い自治体が公費助成をしていますが、23区の中でも自治体での助成の動きが広がっています。江戸川、豊島、目黒、大田区、葛飾区、品川区などで実施がされ、1回につき3,000円から4,000円の補助が行われています。また、小児肺炎球菌ワクチンも、ヒブワクチンと同様に細菌性髄膜炎の感染予防に有効とされていまして、千代田区ではことし4月から小児の肺炎球菌ワクチンの接種助成が開始されました。1回につき約1万円の費用負担に対して、区が半額程度の6,000円を補助するというものです。中野区としてもぜひ実施すべきと考えますが、いかがですか。 ○山川保健福祉部参事(保健予防担当) 肺炎球菌ワクチンに関しましては、国の予防接種部会のもとに専門家からなる作業部会が先月立ち上がったというふうに聞いております。これによって個別具体的検討が進むというふうに考えております。区としてもその動向を注視していくというふうに考えてございます。 ○山口委員 今申し上げました子宮頸がん、また高齢者・小児肺炎球菌ワクチンの各接種については、がん予防対策として医療費の削減効果が大きく期待できるものです。ぜひ早期実施を求めて、この項の質問を終わりたいと思います。その他についてはございません。 次に、保育園施策についてお聞きします。 まず、待機児童の解消についてお聞きします。区は、待機児解消の柱に、民営化を行い定数増を図ると言ってきました。この間、民営化が進められてきましたが、待機児が解消されるほどには保育園の受け入れ定数自体はふえておりません。その間、認可保育園の待機児童が今年度343人にまで増加しています。必要な定数枠を確保すべく、区として対処をされてきたのか、保育需要をきちんと見積もっていたのか、区の責任が問われます。この点いかがでしょうか。 ○海老沢子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 認可保育園の定員は、平成19年度から平成22年4月までの間に、区立保育園の建てかえ民営化による定員増のほか、区立のやよい幼稚園の認定こども園化や私立の保育園、陽だまりの丘保育園分園の開設などによりまして、208人増加しております。このうち、区立保育園の建てかえ民営化のを抜き出しても51人の増加、定員増が図られているところでございます。一方で、保育需要につきましては、ゼロ歳児から2歳児を中心といたしまして、平成20年度以降に急速に増加をしておりまして、平成21年4月に190人の待機が生じたところから、平成21年度中の保育需要の増を踏まえまして、333人の定員増を行っております。しかしながら、これを上回る申込者があったため、新定義では、平成22年4月には136人の待機が生じたというところでございます。 ○山口委員 一言で言って、供給が需要に追いついていない状況にあると思います。その意味で、需要をいかに正確に把握するかが重要だと思います。区は今後5年間の保育需要についての見積もりを資料として出されていますが、これを見ますと、3歳未満児の保育需要数がことし、1,852人から来年、1,935人、プラス83人となっています。しかし、前年、平成21年度からことし、平成22年度にかけては164人もの数がふえていました。来年はその半分の数しかふえないという予測になっています。昨年よりも減るとした根拠は何でしょうか。 ○海老沢子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 推計につきましては、平成21年度から平成22年度にかけての保育の需要の増加が非常に大きかったというふうに認識しておりまして、保育需要の推計につきましては、平成20年度から保育需要が大きく増加しているということをとらまえまして、20年度から22年度まで3カ年の保育需要の伸びを平均化いたしまして、毎年1%程度需要が増加するということで推計をしたというところでございます。 ○山口委員 毎年1%ずつの伸びという見積もりですけれども、昨年だけ急増したという見方自体は甘いのではないかと思います。景気好転の兆しは見えておりませんし、共働きでないと生活できない世帯はふえています。待機児が多いという報道で、申請自体がかなり抑制されています。あきらめている現実がございます。潜在的な需要を勘案して保育需要を見積もるべきではないでしょうか。 ○海老沢子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 平成22年1月に国が発表した「子ども・子育てビジョン」におきまして、潜在的な需要も含めて保育需要の上限を44%と持ちまして、その通過点としまして、26年度には35%に達するだろうというような推測がなされているわけでございます。区の推計におきましても、子ども・子育てのアンケート調査から見ましても、平成26年度に保育需要が同程度になるというふうに推計しておりまして、決して甘い見積もりではないというふうに考えてございます。 ○山口委員 これまでも人口動態のみで見積もってきたなど、定数不足を招いてきた要因が区にあったかと思います。やはり具体的に、例えば母子手帳を交付する際にアンケートをとるなど、実態を正確につかむ努力をしていただきたいと思います。 次に、補正予算で出されてきた待機児対策についてお聞きします。中部保健福祉センター跡地に区立の保育室を開設するということですが、これで待機児解消ができるのか甚だ疑問です。資料、子ども文教18を見ますと、9月時点で既に333人の待機者が出ています。昨年、平成21年度の9月時点を見ますと272人ですから、61人多く出ています。これからまた冬に向かってふえていくことになります。そこで改めてお聞きしますが、なぜ旧桃丘小学校跡地施設を使わないのでしょうか。施設がそのまま残っているのではないですか。 ○海老沢子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 旧桃丘小学校跡は、新しい中野をつくる10か年計画(第2次)におきまして、表現・文化活動施設で活用するという計画が進められているわけでございまして、保育事業に活用するということはできないと考えてございます。今年度の待機児童対策といたしましては、当初予算に計上されている南江古田保育園の民営化による定員増、認証保育所2園の新設、家庭福祉員の増員とともに、今定例会において補正予算化されております旧中部保健福祉センター跡を活用した保育室事業の実施、認証保育所2園の追加募集によって行いたいというふうに考えてございます。 ○山口委員 旧桃丘小学校跡地についてですけれども、保育施設として施設改修工事費用に平成20年度決算で2,500万円余の税金投与がされています。本来用途が別にあるということですけれども、これも前倒しの実施をするものであって、まだ始まっているものでもありません。区の姿勢一つで変更できる事業です。町会から再三、子どもの居場所として開放をと要望もありました。また、地域からもコミュニティづくりのための拠点施設としてほしいという陳情書が上がり、趣旨採択となっています。緊急性から言えば、この要望、陳情書とも合致し、かつ経済的な負担も少なくて済む保育施設としての活用を本来用途を延期してでも行うべきではないでしょうか。 ○海老沢子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 繰り返しになりますが、桃丘小学校跡は新しい中野をつくる10か年計画(第2次)において、表現・文化施設としてもう既に着々と準備が進められているということでございますので、保育室対策につきましては別の建物を活用した施策という形で計画を進めさせていただいてございます。 ○山口委員 これから施設活用に関して地域、関係団体に説明をして、意見聴取をするということでございます。そこで出された意見や要望をぜひ真摯に受けとめて、柔軟に施策を展開していただくように要望して、この質問を終わります。 次に、認証保育園保育料の保護者補助についてお聞きします。補正で出されてきた待機児解消に認証保育所をさらに2カ所増設誘致するということです。私たちは、認可保育園の定数増、増設を繰り返し求めてきましたけれども、区は子ども文教資料21を見る限りでは、今後も認可保育園をふやす気はないことがわかります。待機児解消の対策としている認証保育所は、これまでも問題点をさまざま指摘してまいりました。園庭もない。狭くて給食も質が担保されていない。保育士も資格や経験年数の点で課題が大きい。破綻すれば閉園になる。中でも区民の所得が減る中では、特に大きな問題は保育料の格差です。区の2万円の補助を受けても、利用料の平均額の差は認可との間に2万円存在しています。そこでお聞きしますが、現状では区内で上限2万円の支給を受けている方は申請者何名中何人になるでしょうか。 ○海老沢子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 平成21年の実績によりますと、支給対象者延べ2,664人のうち、延べ2,166人、約81%の方に対して限度額である2万円を支給してございます。 ○山口委員 81%ということですから、それ以外の2割の方については認可保育園と同額の利用料負担が補助されているということになります。しかし、この8割のかなりの方に関しては、補助されても認可保育料よりも高い保育料を負担しなければならないということになっています。例えば保護者補助の申請者のうち、申請者数が2番目に多い所得階層はD5、前年分所得課税額が6万円以上9万円未満の方ですけれども、この方のケースですと、月額保育料が認可保育園であれば、3歳児未満だと1万9,100円で済むところ、認証保育所だと平均6万1,000円支払わないといけません。2万円の補助を差し引いて、月々4万1,000円の負担となります。認可との差が月額差し引き2万2,000円ほど生じてきますから、年間にすると26万円の差が生じます。 子ども文教の資料109を見ますと、23区の認証保育所に対しての保護者補助の一覧がございます。これを見ますと、4万円補助をしている区が多く、中野は金額からいいますと、大体真ん中ら辺に位置しているようですけれども、他区の例も参考にしながら、認可との差ができないように補助の拡充ができないでしょうか。 ○海老沢子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 補助の拡充につきましては、今後、子ども手当など国による新たな給付の動向が計画されているところから、これを見ながら総合的に判断していきたいというふうに考えてございます。 ○山口委員 ぜひ積極的な検討をお願いしたいんですけれども、D5のケースを今申し上げましたが、それ以下の収入の方はもっと重い負担の格差が出てきます。住民税非課税世帯の方は昨年度何名が申請されていますか。 ○海老沢子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 住民税非課税世帯の方に対しまして、平成21年度では14人が申請したところでございます。 ○山口委員 認可保育園であれば保育料が無料となるところが平均6万円の負担です。補助をもらっても月々4万円は負担しなければなりません。年間にしますと48万円の負担が認可保育園との格差が出てきます。少なくとも非課税世帯、低所得者について上乗せ拡充は検討できないでしょうか。 ○海老沢子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) この問題につきましても、いずれにいたしましても、今後の子ども手当など、国の新たな給付の動向を見て、総合的に判断していきたいというふうに考えてございます。 ○山口委員 区が認可をつくらないこと。未整備のためにこういった格差を生んでいるという認識は持っていただきたいと思います。保護者補助のあり方として、年に2回の方式だと、保護者の持ち出しが大きな負担となっているという声をお聞きしています。3カ月に1回とするなど回数をふやすことはできないでしょうか。 ○海老沢子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 現在、保護者補助につきましては、4月から9月の支給分を11月に、10月から3月の支給分を5月に行っているわけでございます。支給の都度、認証保育所に対しまして、在園状況や保育料の支払い状況を照会いたしまして、支給額、支給対象に合致するかどうかということを決定しているということであるため、年3回以上の支給を行うことにつきましては、認証施設の事業者の事務負担が非常に大きくなるということで、現状としては難しいというふうに考えてございます。 ○山口委員 保護者補助を申請している所得階層で最も多いのは、前年度の所得税課税額が90万円以上の世帯、つまり一番お金を持っている世帯です。現実にはお金がないと、なかなかこの前払い、支払いができない。認証保育所に預けることができないという現状がございます。少しでも区が低所得者への負担を軽減するように格差を埋めるようにお願いして、この項の質問を終えたいと思います。 次に、保育園給食の異物混入事件についてお聞きします。4月に民間事業者に業務委託をしたもみじやま保育園の給食で、食事中にゴキブリの卵が見つかった事件、再発防止策は当然必要ですけれども、そもそも委託事業者に問題がなかったのか検証が必要です。仕様書どおりに事業者はやっていたんでしょうか。違反はなかったんでしょうか。 ○海老沢子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 業務仕様書におきましては、委託業務の安全・衛生管理の項目におきまして、業務責任者は、調理業務に関して異物混入等の事故が起きないよう、食材の点検及び衛生管理の徹底を図り、業務従事者に注意を促すことと記載しております。事業者には十分な衛生管理を行うことを義務付ける一方、園長が点検・検査を行うこととなっているという仕組みになってございます。事故の発生につきましては、この対応が十分でなかったというふうに考えてございまして、再発を起こさないよう作業手順の改善を図るとともに、保育園全園についても同様の可能性があるということから、保育園全園に対して徹底を図ったというところでございます。 ○山口委員 業務委託する上で質を落とさないということで仕様書があるわけですから、きちんと履行されていないのでは意味がありません。区の対応についてお聞きします。区は事件直後2日間、仲町保育園に委託事業者の調理員を出向させ、仲町保育園の調理場で調理を行って、できた給食をもみじやま保育園に運んだとのことです。本来、請負業務であれば、履行する場所や使用する調理器具等についても、仕様書や契約書で何らかの指定をしているものですが、その点問題はないのでしょうか。 ○海老沢子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 仕様書に記載している事項でございますが、委託業務につきましては、当該園の施設を使用して行うことになっておりますが、今回、調理室の使用が一時的に不可能になるという事故が発生しましたため、区は児童への給食提供の責任を果たすために緊急的な措置といたしまして、受託者に他の区立保育園の調理室を使用するように指示したものでございます。仕様書におきましては、事故発生時には、受託者は区の指示に従うということになっておりまして、契約上の問題はないというふうに認識しております。 ○山口委員 しかし、指定している以外の直営の保育園に業者が入ること自体は問題であると考えます。今回は緊急対応ということですが、区のほうで業者がほかの園に出向く以外に対応はできなかったんでしょうか。区側の財産を使って対応するなど、できなかったんでしょうか。 ○海老沢子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 調理場所の指定に当たりましては、夏の暑い時期ということもありまして、給食の運搬ができる、できるだけ時間がかからない近隣の保育園の調理室を使用するということを最善と考えまして、仲町保育園の調理室を指定したわけでございます。仲町保育園では、それぞれの園分の給食を別々に調理するという形で、業務責任者の管理のもとに委託業者が調理したもので、区の職員との共同作業で行ってはいないということで、問題はないというふうに考えてございます。 ○山口委員 この問題を起こした業者に対してのペナルティーはあるんでしょうか。 ○海老沢子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 事業者に対しましては、事故当日に使用できなくなった食材につきまして、買い取りを行わせたということでございます。 ○山口委員 それ以降の事故はなかったんでしょうか。 ○海老沢子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 区は、委託仕様書どおり作業が行われるよう、事業者に対して文書で厳重注意を行ったというところでございまして、事業者はこれを受けまして、事故の検証を踏まえた作業マニュアルの改定を行うとともに、この実施について特別対策といたしまして、現場の指導監督をする職員を8月下旬から事業者側は1名増配置をいたしまして、従事者の指導を続けているというところでございまして、そういった中におきましては、仕様書の中で記載されている事項の十分な取り組みをしているというところでございます。 ○山口委員 すみません。体制強化を図ったということなんですけれども、それ以降に事故はなかったんでしょうか。 ○海老沢子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 業務の手順の中で幾つかの手順のミスといいますか、手順の違いがあったというふうに聞いてございます。 ○山口委員 どういった手順の違いがあったのでしょうか。 ○海老沢子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 作業の中でアレルギー等に対応する食事を取り違えてしまったということはございましたが……。 ○長田子ども家庭部長 異物の混入の事故があった後でございますが、1件、宗教上の理由から、食材については仕分けをして、食事の提供については仕分けをして提供すべきであった事例がございましたが、これについては作業の手順を一部誤りをいたしまして、提供したという、そういう事例がございます。 ○山口委員 今、宗教上の理由で混入したものがあったというお話だったんですけれども、先ほどの答弁ではアレルギー食の配膳ミスというお話もございました。これは2回あったということですか。 ○長田子ども家庭部長 お子様に提供する段階での現象、事柄ということで申し上げると、宗教上の理由から食べさせないことを保護者の方から希望していたものについて、お子様に提供があったということでございます。 ○山口委員 では、宗教除去食というのとアレルギー食というのは同じ事件であるということですか。 ○長田子ども家庭部長 事案といたしましては、宗教上の理由から提供すべきでないものがお子様に提供されたということが1件あったということでございます。それ以外については、お子様に提供されたと。つまり、具体的な健康上の被害に至るような、そういう事案についての発生はございません。 ○山口委員 宗教除去食のほうに混入事件があったということはお聞きをしています。これは子どもが気づいて、保育士に伝えたということです。また、別に2歳児のアレルギー食に関しても、間違えて調理師のほうが配膳をして、保育士のほうが気づいたというふうに、どちらも特に健康上の問題に至っているという事例ではないんですけれども、これ、気づいたからいいようなものの、実際にアレルギー食の配膳ミスというのは大変深刻な問題であると思います。重症な場合は発疹や嘔吐のみでなく、呼吸困難になることもございます。事は重大であると思います。それ以外の事件は特になかったということですか。 ○長田子ども家庭部長 今、委員から御指摘がございましたが、もみじやま保育園においての対応ということで申し上げますと、それ以外のものはございません。 ○山口委員 この問題自体、大変きちんと御報告していただけないのが遺憾なんですけれども、それ以外にもシリコン製トングという調理器具の先端破損部分の混入というのもお聞きをしています。こうした一連の問題ですけれども、時系列的にはどのような時点で起こっているんでしょうか。このゴキブリの卵が混入した事件の直後に起こっているんでしょうか。 ○海老沢子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) ゴキブリの卵の事件以降に発生したものでございます。 ○山口委員 大体どれぐらい後に発生したんですか。 ○海老沢子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) ゴキブリの卵の事件が8月29日に発生しておりまして、それ以後の8月中に起こったものでございます。 ○山口委員 8月中に立て続けにこれだけの問題を起こしているという、この会社なんですけれども、調べてみましたら第五中学校、緑野中学校とも契約をされています。今回、保育園についていえば、契約解除に匹敵する問題ではないかと思いますが、いかがですか。 ○村木経営室参事(契約担当) 契約の解除権という問題として私とらえまして、御答弁を差し上げます。 本件は、区立保育園給食調理・用務業務委託契約に関するものでございますけれども、その約款の中で、甲、すなわち区の解除権につきましては第18条に規定されています。その4項で、乙、すなわち受託者が自治法施行令第167条の4第1項に該当すると判断したときと定められております。この施行令の同条項は、競争入札参加資格を有しない要件に該当する場合を規定したものでございまして、今回の案件はこれには該当はいたしません。したがいまして、今回のケースは委託者による安全衛生管理の改善指導の問題、このように解されます。 ○山口委員 契約解除に匹敵するような問題ではないと区のほうが判断されているということはわかりました。では、厳重注意の内容というのはどういったものなんでしょうか。 ○海老沢子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 文書により厳重注意を行ったところでございますが、その内容につきましては、その衛生上の管理というのをきちっと今後行うということに対しての記述になってございます。 ○山口委員 そもそも民間業者への委託によって質が上がるということだったかと思います。3,000万円余の経費削減で保育園給食の質が下がったことは認めるべきですし、きちんとその結果を検証していただくようお願いして、この項の質問は終えます。 ○いでい委員長 山口委員の質疑の途中ですが、3時になりましたので、休憩に入ります。 午後3時01分休憩 午後3時20分開議 ○いでい委員長 委員会を再開します。 休憩前に引き続き総括質疑を行います。 山口委員、質疑をどうぞ。 ○山口委員 保育園施策の4番目の項、私立保育園の耐震補強工事の助成についてお聞きします。区が建てかえをせずに民間保育園に施設譲渡した4園、あけぼの、七海、中野みなみ、野方さくら保育園について、区はこれまで耐震診断の結果、園に対して問題はないとしてきましたけれども、3園が独自に診断を行った結果、耐震性に問題があり、補強工事の必要性があるとのことです。区の防災計画で二次避難所としても挙げられていますが、避難できる状況ではないと園側は言っております。耐震診断の結果について園からの報告はあったのでしょうか。あったのであれば、どのようにお答えされていますか。 ○海老沢子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 区立園の建物を社会福祉法人に譲渡した私立保育園4園につきまして、譲渡当初に区が内部的に行った耐震診断の結果に基づきまして、安全であると判断いたしまして、譲渡を行ったものでございます。譲渡した4園のうち3園につきまして、昨年度から本年度にかけまして、社会福祉法人が都の補助、制度を用いた耐震診断を実施したところでございます。うち、2園につきまして、実施の結果、補強が必要な箇所が発見されているという報告をいただいている段階でございます。 ○山口委員 区として園に対してどのようにお答えをされているのでしょうか。 ○海老沢子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 現在のところ報告をいただいて、報告の説明をいただいているという段階でございます。 ○山口委員 診断をされた園では、保護者の方に耐震診断の結果をお知らせして、早く改修のめどをお知らせして、保護者の方を安心させてあげたいと切望されています。区が助成するといえば、すぐに着手したいというのが園側の意向のようです。また、4園のうち1園は耐震診断さえやっていない状況ですが、これは補強工事ができるかどうかのめどが立っておらず、耐震基準が危険な園に子どもたちを通わせているということを保護者にお知らせができないという懸念からです。早急に3園については耐震補助を区として行い、残りの園も安心して診断ができる条件をつくるべきと考えますが、いかがでしょうか。 ○海老沢子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 耐震診断の実施と、それに続きます耐震改修計画の策定につきましては、保育園を運営する社会福祉法人が判断することになるというふうに考えてございます。当該法人からの意向を踏まえまして、現在東京都が実施しております補助制度を活用することも含めて支援を検討していきたいというふうに考えてございます。 ○山口委員 もちろん事業者側の判断によるというのは当然ですけれども、どの園も要望されています。ぜひ早急に財政的支援を区のほうで図っていただきたいと思います。 次の質問ですけれども、順番を変えます。保育園施策についてはこれで終わります。 乳幼児親子の居場所については割愛させていただきます。別の機会に質問させていただきます。 次に、障害者雇用について伺います。 今年度新規に始めた、障害者を雇用する企業に対して助成金を出す制度ですけれども、実績のほうはどうなっておりますでしょうか。 ○朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当) 今年度から始まった雇用奨励金の申請につきましては、まだない状況となっております。 ○山口委員 この理由はどのようにとらえていらっしゃいますか。 ○朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当) 区内の企業関係団体との懇談会で奨励金についてのPRをするとともに、障害者福祉事業団の就労支援活動において企業実習や企業開拓を行う際に奨励金の案内をしていますが、今年度から始まった事業でもあり、もう少し様子を見てみたいと考えております。 ○山口委員 障害者の就労を支援するという制度でありまして、200人以下の事業者が対象ということです。福祉事業団とも連携して、ぜひ対象の絞り込みなどを行いながら、さらに働きかけを強化していただきたいと思います。 障害者福祉計画の就労目標数からすると、来年度は50人が目標ということですが、平成21年度時点、既に就労46人という実績、累積で260人となっています。就労実績の目標にかなり近づき、大変頑張っておられると思っております。就労支援対象者数は、平成21年147人、支援件数は一貫してふえていまして、当該年度は件数が大きく伸びて5,606件となっています。これに対してジョブコーチの体制はどうなっておりますでしょうか。 ○朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当) 障害者福祉事業団のジョブコーチは、常勤2名と非常勤6名で行っているという状況でございます。 ○山口委員 そうなりますと、お一人につき単純計算しても600件以上は持っていることになってまいります。3年前にジョブコーチの体制拡充を議会で求めた際は、常勤が2名、非常勤3名と5人体制であり、改善はされていると思います。しかし、今、精神障害者の就労に区は力を入れていくと計画の中でもうたっており、精神保健福祉士の有資格者もいたほうがよいのではないかと思います。その意味では中心となる職員の体制を強化すべきであり、非常勤の常勤化を有資格者を処遇する上で検討はできないでしょうか。 ○朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当) 障害者福祉事業団のジョブコーチも、精神保健福祉士の資格の取得などについて熱心に取り組んでいるというふうに聞いております。事業団の常勤職員が資格を取得する。そういったことを目指していくことについても期待をしていきたいというふうに考えております。 ○山口委員 採用する上で、やはり常勤職員のほうが有資格者を求めやすいという条件はあると思います。ぜひ積極的な検討をお願いいたします。 商工会館に特例子会社が誘致されて1年以上がたちますが、この間の採用状況はどうなっておりますでしょうか。 ○朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当) 区民の雇用についてはふえていないというふうに聞いております。 ○山口委員 区民の雇用はふえていないということですけれども、区外からの採用はされているんですか。 ○朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当) それについても特には把握していない状況です。 ○山口委員 現状において中野区民、いまだ1人しか雇用されていないということですけれども、今後も区民を採用する予定はないのでしょうか。 ○朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当) 区民の雇用については、今後も区としても積極的に働きかけ、区民の採用をしていってもらいたいというふうに考えております。 ○山口委員 実習については何人受け入れているんでしょうか。実習から雇用に結びつくように働きかけは行っているんですか。 ○朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当) 企業実習の受け入れについては、正確な人数を把握しておりませんけれども、積極的に受け入れをしているというふうに聞いております。企業実習後、その実習の成果を活用して、雇用につながるよう企業に働きかけていくことは大変重要であると考えております。今後も当該の会社についてはそういったことを地道に働きかけをしていきたいというふうに考えております。 ○山口委員 昨年も同様の質問をさせていただきましたけれども、なかなか実績が上がっていない状況です。区内雇用を促進する前提のもとで誘致したところですから、区として引き続きの働きかけをお願いして、この項目の質問を終えたいと思います。 次に、杉山公園駐輪場の利用料についてお聞きします。 ことし4月から杉山公園の地下駐輪場が開所されていますが、建設9の資料では利用状況が開設当初の5月2割であったのが、8月に入っても3割とあまり伸びていません。その理由はどのように分析されていますか。 ○滝瀬都市整備部副参事(交通・道路管理担当) 杉山公園地下自転車駐車場でございますが、ことし4月20日に開設をいたしました。6月には新中野駅周辺を放置規制区域化したところでございます。また、これらに関連いたしまして、自転車駐車場利用案内や放置自転車の即時撤去を継続して行ってきているところでございます。利用率は3割程度といった御指摘につきましては、放置規制区域化後3カ月程度といったこともございまして、今後さらなる自転車駐車場利用案内と放置自転車の撤去を強化していきたいと、このように考えてございます。 ○山口委員 まだ3カ月ということで、長い目で見てくれということかもしれませんが、放置自転車対策として開設されたものですけれども、放置自転車の状況自体はどうなっているんでしょうか。 ○滝瀬都市整備部副参事(交通・道路管理担当) 新中野駅周辺の自転車放置規制区域化前の放置状況でございますが、日常的に700台前後ございました。放置規制区域化後のことし8月の調査でございますが、230台前後と半数以下に減ってきている状況でございます。理由といたしましては、杉山公園地下及び鍋横自転車駐車場の利用増、それから同駅周辺への自転車乗り入れ台数の減といったものを考えるところでございます。 ○山口委員 放置自転車対策としては一定の効果があったということであるかと思います。利用されている方からは、ほかの駐輪場よりも1日利用、定期利用ともに高く、他の駐輪場並みにもう少し安くできないかという意見も出ています。せっかくつくったのに使われなければ意味がありません。区民が利用しやすいように利用料の引き下げを検討されてはいかがでしょうか。 ○滝瀬都市整備部副参事(交通・道路管理担当) 利用料の設定につきましては、他の自転車駐車場の利用料との関係、それから地下機械式駐輪機のコスト、駅からの距離、利便性等を勘案しているものでございます。なお、利用料の引き下げにつきましては現時点では考えてございません。 ○山口委員 考えていないということですけれども、どのように稼働率を上げていくかという観点で、利用料も含めて区民にとって使いやすくなるような手だてをぜひ具体的にとっていただくようにお願いします。いかがでしょうか。 ○滝瀬都市整備部副参事(交通・道路管理担当) 放置自転車の撤去、それから利用率の向上というのは相関しているわけでございますが、こうしたことを含めまして、利用率の向上につながるように放置自転車の撤去の強化をしていきたいと考えてございます。 ○山口委員 わかりました。この項の質問を終えます。 最後に、一般開放の中学校プールの利用時間、料金についてお聞きします。 南部地域に住む区民からは、鷺宮プールのようなプールが近くにあればという要望が出ています。中野富士見中学校跡地に地域スポーツクラブが予定されていますが、ここにプールはできるのでしょうか。 ○飯塚教育委員会事務局副参事(生涯学習担当) 富士見中学についてはプールは予定してございません。 ○山口委員 なぜ予定されていないんでしょうか。ニーズ等の調査を行ったんでしょうか。 ○飯塚教育委員会事務局副参事(生涯学習担当) 富士見中跡地のプールにつきましては、プールそのものが非常に荒れておりまして、しかも、屋外だということがございます。開放で使うような状態になっておりませんので、これについては使わないということにしたわけでございます。 ○山口委員 そうなりますと、南部地域で一般区民が使えるプールというのは、一般開放されている第二中学校のプールのみということになってくるかなと思うんですけれども、この一般開放の二中のプールを利用する区民から、利用する上で利用時間が2時間ごとに入れかえ制となっていて使いにくい。他区では高齢者は無料にしているという意見がございました。調べてみますと、近隣区では2時間入れかえ制をとっている区はありません。渋谷区では小学校、中学校で1校ずつプール開放をしていまして、学校が利用する日は小学校、中学校ともに中野区より利用時間を長くとっています。来たときから時間が記録され、そこから2時間の利用ができるようになっています。また、利用料については中野区と同様ですが、60歳以上の方は無料となっています。杉並区のケースですが、小学校1校でプール開放を実施しています。利用時間は学校が利用しない時間は原則、朝9時から夜9時まで利用ができます。利用料は1時間250円と中野区より高い設定ですが、60歳以上の方は利用料が半額の軽減策があります。 ほかに利用者の方に、二中のプールですけれども、直接意見を聞きに行ってみました。2時間入れかえ制は規則だから仕方ないという意見や、やはり来たときから入れたほうがよいという両方の意見がありました。また、平日昼間の利用ができたほうがよいという意見も聞かれました。利用時間についてですが、利用者が来たときから利用できるようにできないでしょうか。 ○飯塚教育委員会事務局副参事(生涯学習担当) 2時間で利用者を入れかえているというのは、利用者の安全を確保するという趣旨と、それから、可能な限り多くの区民の方に利用していただくという趣旨でございます。2時間枠の中で御利用いただいておるわけでございまして、特に今申し上げましたようなふうに利用方法を変更するというようなことは考えてございません。 ○山口委員 ぜひ利用されている方の利用者のニーズも考えて、検討していただきたいと思います。 利用料についてですが、高齢者の方の利用がふえていて、足腰のリハビリ等で来られている方が多いということです。やはり無料化を要望する意見が聞かれました。利用料の軽減や無料化の検討はできないでしょうか。 ○飯塚教育委員会事務局副参事(生涯学習担当) 二中のプールにつきましては、御利用しやすい料金を設定しておると考えてございます。高齢者の措置等は考えてございません。 ○山口委員 ぜひ考えていただきたいんですけれども、教育財産を一般区民に開放する上ではさまざまな課題があると思います。しかし、国においても学校施設のスポーツ振興に寄与するような活用が議論されています。別途新しいプール施設の開所の見込みがない中では、ぜひ利用者が使いやすい運用管理改善を求めます。 以上で私のすべての質問を終わります。 ○いでい委員長 以上で山口かおり委員の質疑を終了します。 次に、のづ恵子委員、質疑をどうぞ。 ○のづ委員 民主クラブのづ恵子、平成21年度決算特別委員会におきまして、総括質疑をさせていただきます。 ここに通告してあります、少し入れかえさせていただきまして、1番の安心・安全なまちの(1)防災の中に(5)のその他、犬のケージについてを入れさせていただきます。そして、6番のその他は幼稚園における障害児の受け入れについてです。よろしくお願いいたします。 21年度決算の一般会計の歳出は、多少減額はあるものの、ほとんどが増額になっていました。少しでもニーズに沿ってむだのない使われ方がされていたでしょうか。そこで、安心・安全なまちについてお伺いいたします。 初めに、防災についてです。先日、障害者防災シンポジウムという講演会に参加させていただきました。ここでも何人かの議員の方が参加されていました。一つ目の事例は、埼玉県越谷市での障害の方たちが防災を意識してライフラインを全部とめて、電気、ガス、水道を全部とめて、携帯電話も使えない状況の中で学校に泊まる体験をしたというお話でした。その日は食事は防災の炊き込み、トイレも組み立て。組み立てただけでなく、使用をして、そして水も防災用の袋入りを使い、リヤカーを組み立て、荷物を運び、発電機も使い、もしもという実体験の報告でした。災害が起こったときに体育館に避難するとどうなるのか。不自由な方たちが体験することは、そのときの状況で、ふだん学校に入ったこともないということもあって、状況がよくわかったそうです。この場合はリヤカーを組み立てたのは、備蓄倉庫が学校になかったので、避難所にあったほうがいいという感想とか、いろいろな人と使い方を通じて話ができて、障害の子どもたちにも温かい声をかけてもらえて、落ちつくのが早かったとか、体育館は寝ていて足音が気になるとか、本当に実体験ならではの報告でした。 もう一つは、横浜市中区の防災マニュアルづくりでした。大勢の人が集まるのが苦手な人、そして聞こえない人、見えない人、障害には障害別にヒアリングを行って、そして現状と課題を調べて、障害者マニュアルをまずつくり、そしてその後、災害時の要援護者マニュアルをつくられたそうです。町内会で行われている避難訓練にも積極的に参加されて、そして避難所運営委員会にも加わり、障害者にとって必要な訓練を一緒に考えたそうです。 この二つの事例を伺って、鍋横地域では10年もこの学校に泊まる体験というのをわくわく大作戦という名前でしていました。そのときは多少イベント化はしているんですけれども、毎回防災を意識して、煙体験や起震車体験、そして段ボールのハウスをつくり、トイレは組み立てはしました。非常食を使ったり、ことしの異常な暑さで、校庭ではできずに初めから体育館で段ボールハウスを体育館につくりました。この段ボールハウスは10年間も毎年やっていたのに、障害という視点に立ったことがなかったように気がつきました。地域内の学校には、第二中学校のI組さんの支援学級もあり、何よりも本郷小学校には2年前から視覚障害の通級クラスができたのです。そのいろいろな中で地域でつながりを持って、当たり前に障害者がいるということを意識して、本当に障害のない方のほうから逆に一緒に参加の呼びかけをしたら、非常のときだけでなく、平時に体験していただけるということで参加をお誘いすべきと、来週反省会があるんですが、そのときに提案をしてみようとも思っております。 それで、中野区は9月5日に新井小と九中で総合の防災訓練を行いましたけれども、そのときに初めて福祉団体連合の障害者の方たちが参加したとお聞きしましたけれども、それは新井小の場合だと思います。当日の様子をお聞かせいただけますでしょうか。 ○鳥井経営室副参事(防災担当) 9月5日の総合防災訓練でございます。新井小学校の会場で中野区福祉団体連合会の御参加がございました。テントのところでコーナーを設けました。障害者交流体験ということでございます。内容的には簡単な手話、それから筆談、車いすを押す、目の不自由な方の誘導、それから知的障害者の方の災害時の理解というような体験コーナーでございました。福祉団体連合会の方が、障害のある方、ない方を含めてですが、10名御参加。それから、障害者の一般の参加者が30名、その交流体験をした方がおよそ120名ということで伺っております。 ○のづ委員 このような福祉連合団体のほかに、ほかの団体とこういう災害時の防災協定というのをしてあるところはどのぐらいあるんでしょうか。 ○鳥井経営室副参事(防災担当) 災害時の協定でございますが、66団体と締結をしてございます。 ○のづ委員 その協定というのはどういう形で協定をされるのですか。それともう一つ、新しく日本防災士会というのができたと思います。主要な施策の成果にあるところで連携をということが書いてありましたけど、その辺も教えてください。 ○鳥井経営室副参事(防災担当) 協定はさまざまございます。自治体間の友好都市との協定もあれば、医療活動の支援、また物資供給、物資の輸送等、さまざまでございます。協定の締結のきっかけでございますが、例えば私立学校を避難所に提供していただくというような場合には、私どものほうから学校のほうに働きかけをいたしまして、締結をお願いしているところでございます。また、昨年度新規に締結いたしました業界団体でございますが、これにつきましては、そちらの団体のほうから、区にこうした重機やトラックが提供できますよということでお話がございまして、締結をしたというような場合がございます。 ○のづ委員 今もう一つ、日本防災士会との連携をお伺いしたのですけど。 ○鳥井経営室副参事(防災担当) 失礼いたしました。日本防災士会の中野区支部というところが7月に結成をされてございます。その団体とのことでございますが、私どもといたしましては、そのような勉強をされた、学習をされた、資格をとられた方々が地域防災会や事業所の中で事業所の防災担当者として活動していただけることを願ってございます。 ○のづ委員 区のほうからお誘いするというわけじゃないんですね。 ○鳥井経営室副参事(防災担当) 災害時の協定というお話かと存じます。今申し上げたとおり、そういった資格をとられた方につきましては、防災会や事業所の中で活躍をしていただきたいと願ってございます。そういうことで、特に協定締結ということは考えてございません。 ○のづ委員 障害者の防災委員会というのは、2005年の妙正寺川の氾濫のときに川があふれて広報車が回ったときに、聴覚障害の方がその言っている車の内容が聞き取れなかったということから結成されたそうです。昨年、避難誘導訓練でシミュレーションをこの会も行ったようですけども、そこから見えてきた課題とかというのは区と共有されているのでしょうか。 ○鳥井経営室副参事(防災担当) 今、委員から御紹介がございましたのは、中野区障害者防災委員会主催の防災訓練かと存じます。ことしの3月に旧桃丘小学校の施設で障害者の方を中心にした防災訓練を行ってございます。区や消防署も支援をいたしましたものでございます。私どもといたしましては、障害者の方や支援者の方の訓練に加えまして、地域でともに暮らす障害者の方も健常者の方も一緒に訓練していくというような機会も重要であるというふうに考えております。そういったこともございまして、今年度の総合防災訓練の重点事項として、災害時要援護者対応ということを内部では検討してございました。その3月の訓練の際に、終わりの閉会式のごあいさつでございますが、障害者団体の方から、22年度の総合防災訓練の参加が次の自分たちの課題であるという意味でのお話がございました。その後に区長がごあいさつを申し上げてございますが、その際、そのように内部でも検討しているので、そのように進めるので、区長からお答えをしてございます。そういった経緯がございまして、今年度の総合防災訓練の参加が実現したということでございまして、そういったことが今回の3月の訓練から得られたものかなというふうに思ってございます。 ○のづ委員 その今回の総合防災訓練に参加した障害者の方たち、結構人数は多かったと思いますけれども、その反省とか聞き取りというのはする予定があるのでしょうか。 ○鳥井経営室副参事(防災担当) 中野区福祉団体連合会から実行委員会の方も出ていただきまして、新井地域の実行委員会に参加していただきました。今週の金曜日に次の実行委員会がございまして、それが反省会という形になりますので、その実行委員の方からも自分たちのほうで意見なり、感想なりをまとめて出したいというふうに伺っております。 ○のづ委員 区では障害者の災害時の安否確認というのはどういうふうにされているんでしょうか。 ○鳥井経営室副参事(防災担当) 障害者の方を含めまして、災害時要援護者の方への対応ということでございますが、いわゆる手上げ方式を設けまして対応してございます。名称は、非常災害時救援希望者登録制度ということでございまして、障害者や高齢者の方々からあらかじめ申請し、登録をいただきます。そういう方の名簿を地域防災会にお配りをいたしまして、災害時には安否確認等に当たっていただくような体制になってございます。 ○のづ委員 今のは新井小学校でいろいろと行われたものですけども、私は九中のほうに参加したので、今の部分は見ていないんですけども、九中では通訳ボランティアという方の参加がありましたけど、これも協定した団体なんでしょうか。 ○鳥井経営室副参事(防災担当) 御指摘の第九中学校でございますが、中野区国際交流協会が訓練参加をしておりまして、その関係で通訳ボランティアの方がいらっしゃっていたというふうに聞いております。特に中野区国際交流協会と区が協定を締結しているというものではございません。 ○のづ委員 今度は羽田が国際化されますけれども、羽田の地域のタクシーの運転手さんなんかには、言語のコミュニケーションボードというのが配られたそうです。防災の場でも言葉を補う意味での英字のカードとか、指さしボードというのがありますけれども、それは使われたんでしょうか。 ○鳥井経営室副参事(防災担当) 今回の総合防災訓練、第九中学校と新井小学校でございますが、コミュニケーションボードというものでございますが、ちょっと見えにくくて恐縮でございます。これを訓練で初めて使用してございます。これは災害時用にということで、これもつくっている財団法人の許可を得まして、中野区用にちょっと編集いたしまして使いました。絵がございまして、例えば名前とか住所とか電話とか痛いとか手当とか食べるとか、いろんなことがイラストとか、これは英語と日本語でございますが、書いてございまして、これを両会場で使ってございます。 ○のづ委員 いろいろボードとかの提示ありがとうございました。とってもそれ、必要なものだと思いますので、いろんな場所で使われたらいいのかなと思っています。本当に混乱しているさなかですから、障害のあるなしにかかわらず、わかりやすいというのは必須だと思います。横浜市で行われたときには、要支援の方が黄色いバンダナ、そして支援ができる方は緑のバンダナをつけての参加ということでした。一目瞭然で、これは区内でぜひ共有されるといいかなと思いました。中野区医師会の方は、おそろいのベストに背中にかなり大きく「医師会」と明示してありました。ほかの部分でもこのような工夫ができたらと思いますけれども、中野の場合にはいかがでしょうか。 ○鳥井経営室副参事(防災担当) 今、委員から御紹介いただきましたものでございますが、総合防災訓練のときに中野区医師会のメンバーの方が着用していたベストでございます。これは災害時に15カ所の拠点医療救護所というのを設けまして、医師会のメンバーの方々に医療救護活動を行っていただくようになってございます。その際にわかりやすいようにということで着ていただくということで、平成20年度に区のほうで作成をしたものでございます。こうした形で、特に災害時の医療は時間を争うという部分もございますので、そのメンバーの方がわかりやすいということで、従事される方がわかりやすいということでつくってございます。医師会以外にも歯科医師会、薬剤師会、接骨師会にも、色は違いますが、作成をしているというもので、このような形で活用していきたいというふうに思ってございます。 ○のづ委員 医師会の方とか、そのときにすぐ対処していただくには、本当にわかりやすいベストというんですか、ビブスという、そういうものでしたけれども、ほかの部分にも、中区のように支援してもらいたいと思っているけど、言葉に出せないというような方、それから私は支援できますよという方、そういう共通の色分けというのがこれからは考えてもいいのじゃないかと思いますので、その辺は要望としてお願いをいたします。 主要施策の成果にも書いてありましたけれども、全体から見えてきたものは毎年新しい取り組みがふえているとはいえ、高齢者や障害者などの災害時の要支援者のフォローというのがまだ希薄のように思います。災害は本当に不安を抱えて手間取ったりするものですので、大切な情報は言葉で具体的に伝えたり、文字や絵で視覚によって訴えたり、必要な配慮は一人ひとり違います。そこで失敗は血肉になるというふうにこの講演会の経験者はおっしゃっていました。体験できればやっぱり違うという多くの声がありましたけれども、中野区の防災の参加率というのは10.9%ということでしたから、これからは参加者のいろいろな障害者の方も含めてですけれども、参加をしたことで本当に自分が体験できるということが必要なんだという啓発もお願いしておきたいと思います。当事者目線に立つということも要望としてお願いいたします。 その先ほどの(5)のその他の関連のことですけれども、新井小のほうでは犬のケージの用意をされたそうですけども、同行訓練についての様子をちょっと教えてください。 ○宇田川保健福祉部副参事(生活衛生担当) 9月5日の新井小学校におけるペットの同行避難訓練についてお答えいたします。少し詳しくということで、答弁に少しお時間をいただくことになるかと思いますが、お許しいただきたいと思います。 9月5日の防災訓練で犬の同行避難訓練は、災害時における区と獣医師会との協力に関する協定に基づいて、東京都獣医師会中野支部の皆さんに協力をいただいて実施したものでございます。災害時にどのような対応が必要か。また、災害時に備えてどのような対策が必要かということを区と獣医師会と地域で見きわめ、検証していく必要があるということで、試行訓練という位置付けで実施しております。20年度は防災訓練が雨天で中止となったため、ことしで2度目の実施ということになりました。 当日参加するペットにつきましては、試行訓練のため、犬に限定して、事前に申し込み制というふうにいたしました。地元の町会や獣医師会の皆さんにお声かけして申し込みいただき、当日6頭参加をしていただきました。当日は公園に集合して、避難犬の受け付けを行い、新井小学校まで徒歩で避難いたしました。避難所開設とあわせて避難所受け入れ受け付けというものを実際に体験し、あとはケージに保護して、約2時間過ごすというものでございました。この間、獣医師会や当日参加してくださった動物愛護協会の皆さんが犬の様子を観察しながら、参加者の方にチラシやパンフレットを配布して、あとパネル等も使って、同行避難に必要なしつけや準備などについて普及啓発を行ったということでございます。 ○のづ委員 すみません。詳しくありがとうございました。家族とも言える犬の避難ですので、多分犬を自分たちで自己責任でというのは、ケージを持ってくるというのは、区報の5月ぐらいでしたかね、ちょっと小さい形で犬がケージに入っているのを見かけたんですが、そこだけでは多分啓発になるのは難しいのかなと思いました。この自分でまずは主体的に持つということを、例えば狂犬病の注射のときとか、ほかのときにもっと訓練の折とかに啓発する必要があると思いますけれども、どう思いますか。 ○宇田川保健福祉部副参事(生活衛生担当) PRにつきましては、5月5日のなかの区報の特集では、ペット用の防災用品について若干のお知らせをいたしました。今回の防災訓練のためのPRというのは特に行いませんでした。ですが、日ごろから準備が必要ということで、獣医師会の協力を得て、「災害から愛するペットを守るために」というチラシをつくっております。また、愛犬手帳、愛猫手帳というものにも防災時の安全確保について記載しておりまして、狂犬病の予防接種の際ですとか、あと獣医師会の先生方の病院に置いていただいたり、地域センターに置いて普及啓発を行っております。特に目立たせるということが必要ということで、今回、愛猫手帳と愛犬手帳には折り込みチラシを入れるという形をとることにいたしました。 ○のづ委員 また、飼い主とかからはぐれるというような犬もあるわけですから、人が危害を加えられないように避難所にもケージの用意というのがある程度必要のように思いますけども、その点に関してはどうでしょうか。 ○鳥井経営室副参事(防災担当) 現時点では、飼い犬用ケージにつきましては、区立小・中学校等の避難所におきましては、飼い犬を連れて避難してくる飼い主の方の責任でこれを御用意いただくものというふうに考えてございます。 ○のづ委員 と思いますが、そのところを先ほど言ったように自分だけとか、それからまた飼い主がいない場合もあるわけですから、獣医さんのほうで少しの用意があると言っていましたけれども、少しぐらい、もうちょっとそういう用意が必要なんではないかなと思いましたので、それは要望としておきます。ありがとうございます。 2番目のアスベストについてお伺いいたします。世界では2006年禁止、そして日本では規制のおくれが出ていましたけれども、区立の小・中学校のアスベスト対策は終了したのでしょうか。中野区での建物のアスベスト対策はどう進んだか、現状と課題をちょっと教えてください。 ○豊川都市整備部副参事(建築担当) アスベスト対策でございますが、まず区立小学校につきましては、平成21年度までに処理を終了するところでございます。なお、区内の一般の建築物につきましては、アスベストを含有した吹きつけ材を使用している可能性があります昭和31年ごろから平成元年ごろに施工された主に鉄骨造の建物につきまして、平成18年度に調査を実施いたしまして、吹きつけアスベストの使用の調査確認を求めたところでございます。今後ともこの調査結果をベースに、アスベストの飛散防止について周知徹底を図っていきたいと考えております。 また、建物解体時にアスベストが飛散する可能性もありますことから、法律上届け出の義務があるものから、法律上届け出の義務がない小さな建築物を含めまして、すべての建築物の解体工事につきまして、工事の届け出を求めまして、吹きつけアスベスト含有建築物の解体工事にあっては、アスベスト除去工事の計画の提出を求めまして、法令の基準の遵守等、必要な指導を行っているところでございます。 ○のづ委員 阪神・淡路の大震災から15年たちました。本当に私もその2カ月ぐらい後に行ったんですけども、倒壊した建物から飛散したアスベストによって中皮腫や肺がんになる関連の疾患が顕著化していて、その2008年の3月に解体の従事をした35歳の方がアスベストに起因をする病気の認定を受けました。通常30年ぐらいの発症と言われている発症が15年で起こったわけです。阪神大震災のもうもうとした粉じんの中を無防備で活動していたボランティアや従事者の方も多く見受けられました。アスベストの飛散について情報を知らなかったか、備えがなかったかということで、被害をなくすることというのはできないかもしれませんが、少なくすることはできます。震災時に従事する職員とかボランティア用にアスベスト用の防じんマスクを常備することが被害を少なくする滅災ということになると思います。区としてのお考えを伺いたいと思います。 ○鳥井経営室副参事(防災担当) 大震災の際に建物が倒壊などをいたしまして、アスベストを含めまして粉じんが発生すると。そういったことで防じんマスクが必要になる場合があるとは考えてございます。御提案いただきましたようなさまざまな場面での防じんマスクの備蓄、区の職員、あるいはボランティアの方、そういうことにつきましては今後研究してまいりたいと考えております。 ○のづ委員 その携わる方だけじゃなくて、避難者用としても公的施設に配備するべきかと思いますけど、その点もあわせて考えていただければと思います。その辺はいかがですか。 ○鳥井経営室副参事(防災担当) 先ほど阪神・淡路大震災のときに御紹介がございましたが、解体現場で働くような方、あるいはそういった現場で人命救助に当たる方という方と、それ以外でまた状況は異なるかとは思ってございますが、今後研究してまいりたいと思ってございます。 ○のづ委員 新型のインフルエンザの大流行の折に、かなりの数、皆さんが足りなくなったということもあって、区ではことしかなり用意をしていると思いますけれども、清掃の現場の方にお伺いしたときには、ごみの収集のときに飛散するウイルスが怖いと思いながらも、マスクが足りなかったということのお話をお聞きしております。アスベストのこの防じんマスク、いろいろ種類があるんですが、ぴったりとフィットする形とか、コンパクトな三角のこういうマスクですけれども、横があいているマスクではいけないということで、ただ、これもインフルエンザに対応することができますので、これからインフルエンザ用としてだけじゃなく、こういうマスクも医療の拠点とか清掃局には常備が必要と思いますけど、どう考えますか。 ○鳥井経営室副参事(防災担当) 防災担当からちょっとまとめて御答弁させていただきますが、今、委員からも御指摘のようなさまざまな場面も含めまして、先ほど申し上げましたが、今後研究してまいりたいと考えております。 ○のづ委員 じゃ、先ほどアスベストの状況というのを教えていただきましたけれども、建物は除去でなく保護の対策というのをとっているのが多いと思いますので、震災時とかの倒壊の建物は本当にいつということがわかりませんので、アスベストに対処するのを無用にそういうことに近づかないとか啓発が必要と思います。また、家庭でも防災グッズの中にこちらの簡単なマスクですね。それを持ち出しリュックの中に用意をするとか、PRをすべきと思いますけれども、いかがでしょうか。 ○鳥井経営室副参事(防災担当) ただいま委員から御指摘をいただきました啓発や、あるいは区民の皆様の防じんマスクの備蓄のPR、こういったことにつきましても検討したいと考えております。 ○のづ委員 ありがとうございます。ちょっと時間があれなので、次に耐震改修のことについてお伺いいたします。公立の学校の耐震化の経費が補助が引き上げられてから、耐震化率が58.8%と低かった中野区は、補正予算を組んで対処してから現在81%と聞きました。これはわかれば教えていただきたいんですが、私立の学校の場合の耐震化率というのはどうなっていますか。 ○豊川都市整備部副参事(建築担当) 区内の私立の小・中学校でございますが、これはあまり数がございませんが、現在、改築工事中のものを含めますと、これが完成すれば耐震化はおおむね対応済み、そういったことを聞いております。 ○のづ委員 震災のときには、保育園とか学校は二次避難場所として利用することが見込まれていますけれども、山口委員の先ほどの質問もありましたけれども、特に民営化された四つの保育園は古い建物が多くて、改修とか改築の必要性があるというのは前々からわかっていたことだと思います。都の財政支援である補助金の16分の13を、向こうの言われたらということよりも、区のほうからも積極的に促して、そして改修をする必要があるのではないでしょうか。 ○海老沢子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 区から譲渡いたしました4園につきましては、うち3園について昨年度から今年度にかけて耐震の診断をしたところ、2園について補強が必要だという箇所が発見されているという報告をいただいてございます。区といたしましては、耐震改修工事の東京都補助に関する通知等の説明には努めているところでございまして、耐震診断の実施、耐震計画の策定につきまして、保育園を運営する社会福祉法人が判断をするということになりますので、社会福祉法人の意向を踏まえまして、補助制度の活用も含めた支援の検討をしていきたいというふうに考えてございます。 ○のづ委員 先ほど山口委員も意向はあるとおっしゃっていました。保育園の担当の方からもそういうふうにお聞きしております。地域における子育て支援ということで、保育園の役割を子育て広場とか、いろいろ担うことをお願いしていることもありますけれども、子どもは本当に私立、公立、色分けをせずに、しっかりと補助金の活用をして、安心の場を図っていただきたいと思います。 それともう一つ、以前要望しましたけれども、老朽化に伴う施設の維持管理の更新費用というのはかかってくるのはわかっております。将来の世代負担率が上昇しないように民主クラブとして施設修繕基金の創設を考えてということをお願いしたことがありますけれども、それについてはいかがでしょうか。 ○志賀政策室副参事(予算担当) 中野区では御案内のとおり財政調整基金を三つの役割に振り分けてございます。内訳といたしましては、年度間調整分、それから退職手当分、そして施設改修分でございますから、そのことからいたしますと、施設修繕経費に伴います新たな基金の創設は考えてございません。 ○のづ委員 次にまいりたいと思います。バリアフリーについてです。施設のバリアフリーというのは年齢に関係なく、ユニバーサルの視点が重要だということはもうおわかりだと思います。最近、くねくね手すりというのを見かけるようになりましたけれども、御存じでいらっしゃいますでしょうか。衆議院会館、参議院会館ではありましたので、ちょうど足が痛かったときに使ってみたのですが、上がるときにはすごく力がかかって上がりやすいんですけれども、おりるときには少し不安定でもありました。でも、手すりは以前に比べると、どこでも握りやすい大きさと材質になっております。ただ、中野区の場合は木製ではないので、足が痛いときには冬とか冷たいとか、握りが太いとかというのはありますけれども、ほとんどが今、手に優しいということで木を使用していると思います。手すりがあるのが当たり前になってきていますけれども、新築のさつき寮のときも思いました。それから、中部すこやか福祉センターでの施設見学に伺ったときにも、手すりの位置には本当に気になるところが多くありました。必要なところになくて不必要なところにあるという。施策の目標にはユニバーサルデザインを視野に入れてとありましたけれども、設計施工の段階でどういうチェックがされているのでしょうか。 ○岩井保健福祉部参事(保健福祉部経営担当) 中部のすこやか福祉センターの廊下の手すりでございますけども、東京都の福祉のまちづくり条例の考え方に基づきまして設置をしているところでございます。 ○のづ委員 当然手すりの位置というのは壁の補強も含めて工事をするわけですから、余計な出費というか、普通のただ手すりを取りつけるよりは工事費としてかかっているというふうになりますけども、その施設を設計する方とどういうふうに打ち合わせをしたのかなというふうに正しい情報が、この施設には、例えば母子寮ですけれども、2階には障害者の方が入るというのに2階に手すりが上がった途端にありませんので、そういう施設の使われ方ですね。それから、すこやか福祉センターの場合には、本当にいろんな方がいらっしゃるということを含めて、その情報が正しく伝わっているのかどうか、ちょっと疑問に思っているんですが、その辺お知らせください。 ○伊藤子ども家庭部副参事(子ども家庭支援センター所長) さつき寮の手すりについてお答えいたします。さつき寮の1階につきましては、ショートステイ等の部屋も設備してございまして、不特定の利用の方があるということを想定して手すりをつけてございます。二、三階につきましては入所者の居室ということになっておりまして、現在のところ手すりはついておりません。エレベーターを設置しておりまして、階段等には手すりはつけてございます。今後の課題とさせていただきたいというふうに思っております。 ○のづ委員 ありがとうございます。中部すこやか福祉センターのサイン計画ということになると、本当にちょっと困ったかなということに私は思ったんですけども、依頼の仕方に問題はなかったかどうか。設計から施工まで一貫してやったということで、お任せになってはいなかったかということが気になっております。例えば部屋の掲示板ですけれども、学校を改良しているので長い廊下ですけれども、救命具という指示はあるんですが、どの部屋がどの部屋なのかということの横に出るような指示板がないので、本当にそのお部屋の前に行くまでどんな使われ方をしているかわからないということがあります。それから、情報ボードも子育て広場は本当に情報の宝庫ということになりますけれども、この間はいろいろな方たちが参加をして、情報を大きい紙に張ってきたんですけど、それを窓側に張るということになってしまいました。窓側になぜ張っているかというと、壁側には張ることができなかったからです。本当に情報をというふうに考えるんでしたら、そこにコルクボードとか、ボードがあるということを考えなかったのかなと、ちょっとそれも不思議に思いました。そして、いろいろなことが後から気がつくのは本当にいいことだと思いますけれども、2階の広場に窓に大きく、1階の入り口から動物のマークに従って入ってくださいと書いてあるので、玄関を入りまして動物のマークを探したんですけど、どこにもありませんでした。しようがないので、ちょっと受付の方にお聞きしたら、20段ぐらいある階段の途中の上がり段にこのぐらい小さく動物のマークがついていましたけど、それでは外に張ってある意味、中ではもちろん、ここからお入りくださいとか、こちらですよという案内はされているようですけども、そういうふうに書いてあるからには、そういう指示があってもいいのかなというように、これからだとは思いますけれども、それは本当に福祉の中枢というイメージで、ここに来れば何でも相談でき、そして何でも解消できるのかなというようなイメージがありましたので、人に優しい施設であってほしいと思っています。その辺というのは、設計から施工までお任せだったということはないでしょうか。 ○岩井保健福祉部参事(保健福祉部経営担当) この施設の整備に当たりましては、今、御質問がございました設計施工の一括発注方式という形で進めてまいりましたけども、区がその辺の全体の進行を管理するという形で進めてまいったところでございます。 ○のづ委員 そういう中で足りなかったところは、これからでも結構ですけど、あと三つ、そういう施設ができるわけですから、前にもサイン計画のお願いをしたことがありますけれども、その辺というのは十分に注意して図っていただきたいと思います。 それからもう一つお願いなんですが、この間、区長が一般質問の中で、外部から町中にあるので道案内をというときに、そういう方向でということをおっしゃっていましたけれども、道案内のこちらですというだけではちょっと難しいというのもあるので、小さい簡単な地図なんかもつけていただけたらと思います。よろしくお願いいたします。ありがとうございます。 2番目に民生委員さんについてお伺いします。足立区で端を発した消えた高齢者の話題がテレビ、新聞で数多く報道され、民生委員さんという地域の監視に努めてくださっている様子が取り上げられています。中野区の民生委員さんについてお伺いします。テレビの中では位置付けとして、厚生労働省の委嘱とか無償ボランティアというような話がありましたけれども、中野区の場合をお願いいたします。 ○平田保健福祉部副参事(福祉推進担当) 中野区だけではなくて、民生委員は、先ほど委員から御紹介がありましたように厚生労働大臣から委嘱される特別職の地方公務員でございます。任期は3年。今年度は一斉改選の年に当たっております。 ○のづ委員 中野は305人ですか、民生委員さんがいらっしゃるということですけども、1人の受け持ちの人数というのはどのぐらいなんでしょうか。 ○平田保健福祉部副参事(福祉推進担当) 単純な割り算でございますが、担当区域内の人口は約1,100、担当区域内の世帯数が約660でございます。 ○のづ委員 仕事内容なんですけれども、いろいろ多分あるので、新しく提携というか、振り込め詐欺被害防止アドバイザーですか、という委嘱があったり、高齢者の調査確認はもとより、警察と災害時の要救援者の情報提供の覚書を結んだりということで、いろいろな役割があると思いますけど、それは中野区の場合によるんでしょうか。 ○平田保健福祉部副参事(福祉推進担当) ただいま委員から御紹介のありました協定の締結とは中野区独自のものでございます。 ○のづ委員 この305人というのは、欠員があるというので305ですか。 ○平田保健福祉部副参事(福祉推進担当) 305名は定数でございます。現員といたしましては、民生委員が272名、主任児童委員26名でございます。 ○のづ委員 欠員というのは地域によってあるんですか。 ○平田保健福祉部副参事(福祉推進担当) はい。やはり全員定数がそろわない地域というものはございます。 ○のづ委員 ということは、これから中野区の場合、かなり民生委員さんにお願いをしてというか、民生委員さんのほうが積極的にやってくださっているのが多いと思いますけれども、よく長妻議員がおっしゃるように高齢者は15年後には3人に1人、25年後には肩車方式で2人なんて言っておりますけれども、本当に民生委員さんだけに頼っているということでは、この高齢者の時代を乗り切れないように思います。その辺のすみ分けを区としては考えているんでしょうか。 ○平田保健福祉部副参事(福祉推進担当) 民生・児童委員さん、現在でも非常に多くの活動をしていただいております。中野区としましては、これ以上、民生・児童委員さんの負担をふやすこともなかなか難しいというふうに考えてございます。現在、区では地域支えあいネットワークの仕組みづくりに取り組んでおりまして、多重的、多層的に支援の必要な方を支えていく仕組みを構築したいと考えております。 ○のづ委員 ということは、民生・児童委員さんも、この支えあいネットワークとの連携というのは入っていないということですか。 ○平田保健福祉部副参事(福祉推進担当) 民生・児童委員さんは既に支え合い活動をしているというふうに考えてございます。ですので、現在取り組んでおります地域支え合いの中では民生・児童委員さんの働きも含んでございます。 ○のづ委員 ごめんなさい。最後ちょっと聞こえなかったんですが。 ○平田保健福祉部副参事(福祉推進担当) 支え合いネットワークの活動の中には民生・児童委員さんの活動も含んだ形で考えております。 ○のづ委員 本当に今、子育て支援をしていて思うのは、今までは老老介護ということが問題になりましたけれども、結婚年齢が上がって、子育てをしながら介護という問題がもう出始めています。本当にこれからの高齢者の問題というのはいろいろなことが浮上してくると思いますけれども、その辺というのは例えば成年後見制度の啓発とか利用をしてということも考えていらっしゃるんでしょうか。 ○平田保健福祉部副参事(福祉推進担当) 成年後見制度につきましては主に認知症の高齢者の方々を支援する仕組みでございます。ですので、民生・児童委員の活動としましては、それらの普及啓発に当たるということになります。 ○のづ委員 それでは、行政との役割分担ということを考えて、民生委員さんも本当にパンクしそうな状態にありますので、その辺もお考えいただけたらと思います。ありがとうございました。 3番目の保育園職員の研修についてです。 毎年、保育園の研修の要望にこの項がありました。去年も私が質問させていただいたときには、区のお答えとして、保育園の研修は合同研修が10回あるので、区としてはやっているということをお答えいただいたと思います。それなのにまたそういう要望なのかと思いまして、よくお話をお聞きしますと、開催している時間帯に参加をできないことが多い。そして、自治体として当然の内容ばかりでなく、幅が広く価値も上がるような研修を希望しているというようなことがありました。参加すればいいのではなく、一人ひとりが取り組めるようにということで、本当に民営化していくならば、もっと一人ひとりの資質が向上するように考えたらと思いますけれども、研修を受けたい時間帯とか、それから内容というのをもうちょっと考えていただくということはできないのでしょうか。 ○海老沢子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 私立園の職員が参加できる研修の回数及び参加人数は年々増加しておりまして、平成20年度は11回で103人だったところが、22年度はまだ途中でございますが、15回、9月現在で96人が参加しているというところでございます。また、保育園の保育の内容につきまして、区立、私立間の情報交換や、公私立の職員の交流研修なども行ってございまして、実際の仕事の中で資質向上を図れるような機会の充実に努めているわけでございます。実施時間につきましては、午後2時以降に設定するなど、現状の中で保育にできるだけ支障のない時間帯として設定しているところでございます。また、研修の内容につきましては、保育に必要な知識の習得を目指しているところでございまして、仕事のキャリア等を選ばない内容であるというふうに認識してございます。しかしながら、保育内容について私立園からの要望を集約して、改善できるものについては行っていきたいというふうに考えてございます。 ○のづ委員 ありがとうございます。本当にその改善を図って、要望にこたえるようにしていただけたらと思います。保育士の専門性を高めるためにも区の研修に多くの参加ができるようにと思っています。公立と私立というのは、中野区の場合には公立のほうが少ないですから、そういうことも……。(「よそもそうだよ」と呼ぶ者あり)はい。逆に、でも本当に少ないので、希望をかなえていただいて、格差をなくしていただきたいということをしていきたいと思います。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。 4番目は子育て支援についてです。一つ目は、子育ての巡回指導と二つ目は相談窓口においての託児についてお伺いします。 巡回指導ですけれども、早期の助言やアドバイスの必要がある子どもを見受けられたときに、アポロ園の巡回指導が心強いということがありました。そういうことができるようになってからですが、でも、保育園には年に1回とか2回しか巡回指導が行われていないというのが現状です。この発達の著しい乳幼児期に適切な指導を受けてもらうにはどういうふうに対処したらいいか。その回数はふやせないのかということをお伺いしたいんですが。 ○伊藤子ども家庭部副参事(子ども家庭支援センター所長) 区民の方が運営していらっしゃる子育て広場で巡回の御要望があるということでしたら、早期発見、それから支援につなげるということは大変重要なことですので、御要望におこたえしていきたいというふうに思っております。なお、小さいうちからお子様の発達に関する課題に関して、なかなか認識を持つということが時間がかかる保護者の方もいらっしゃるという状況ですので、個人情報等の扱いには十分注意しながら対応していきたいと思っております。 それから、2009年度の巡回訪問の実施状況ですけれども、72園に延べ208回伺っております。対象児童にしますと579名ということになりますけれども、少ないというようなお話でしたけれども、そこから保護者の方の需要ができれば、アポロ園の通園しての相談につなげていくというようなこともしておりますので、今は御要望におこたえしている状況というふうに思っております。 ○のづ委員 それは相談件数ではなくて、ここの3年間の子ども文教の表にあったんですけども、21年度は区立幼稚園、私立幼稚園1点幾つぐらいのあれですね。それまでは2とか3とかというふうにありましたけど、それは件数がふえた。ここから見ると対象児童がふえているわけではなく、人数的に足りないということにはならないんですね。 ○伊藤子ども家庭部副参事(子ども家庭支援センター所長) 足りないということではなく、巡回させていただいて、保護者とうまくつなぎができましたら、その後はアポロ園の継続指導につなげていくということをしております。 ○のづ委員 本当に児童館とかでは身近なところでの指導というか、相談は受けてくださっているんですが、専門的なことはなかなか難しいということがありますので、よろしくお願いしたいと思います。ありがとうございました。 その二つ目の相談窓口においての託児ですけれども、先日、民主クラブのお部屋に4人の子どもの子育て中のママがいらっしゃいました。その日は相談をしたいということで、たまたまパパにお休みをとってもらって、2人をパパに預け、田舎からおばあちゃんに来てもらって2人を預けということで、その方は長岡に住んでいて、5歳の一番上の子を中野で育てて、それから長岡に行ったので、長岡はとても子育ての支援が行き届いていて、4人になったそうです。その中で、本当に子育てに相談しに来るのに預けていかなければいけないという中で、申し込んでおけば一時緊急の形で支援を受けることができると思いますけれども……。一番下が0.5歳で、一番上は5歳なので、 部屋の中では、民主クラブの中では、そういう意味ではちょっとおこたえすることができなかったと思うんですが、例えば区の中でそういう子連れの相談に来たときに保育を受けながら話せるところがあるということは考えられているでしょうか。 ○伊藤子ども家庭部副参事(子ども家庭支援センター所長) 現在、3階にございます子ども総合相談窓口には、お子様が靴を脱いで少しゆっくりとおもちゃや絵本で遊べるスペースというのは用意してございますけれども、今、委員の御質問にありましたような託児というような制度はしておりません。 ○のづ委員 松山市に視察に行ったときに、お声かけください、保育しますという大きな張り紙がありました。そこでちょっとお部屋を見せていただいたんですが、そんな大きい部屋ではないんですけども、それがあるだけでもうれしいというような気持ちの上での支援があるように思います。もし3階の相談窓口にある、ちょっと小さな遊び場を拡大してみてはどうかなと思うことと、例えばイメージですけれども、思い切って1階のロビーによくデパートにあるようなですけれども、親子で待っているとき、ここで見かけるのはお父さんがベビーカーを押しながら、お母さんが相談を受けているということもありますので、1階のロビーにちょっとイメージを変える意味で、そういう交流の、ほかの待っている方たちの交流ができるようなコーナーを設けるというのはどうでしょうか。 ○戸辺管理会計室副参事(管理改善担当) 1階のロビーでの広場的なスペースというような御提案でございます。1階のロビーにつきましては、ワンストップ等の窓口の整備、それを予定してございます。現在、1階のレイアウト等の検討も行っているところでございます。御承知おきのとおり、ああいう状態の中で消費者センター等のレイアウトも考えなくてはいけないということで、スペース的にゆとりがなく、実現については難しいという考えでございます。 〔「スペースだけの問題じゃない」と呼ぶ者あり〕 ○のづ委員 そうです。スペースの問題ではなくて、本当に1階のイメージを変える意味でも、そこに来て新しくフロアレディーさんもいらっしゃいますけれども、明るい感じが中野区はないというふうにも聞いております。子育て支援というのは本当に見えないところでの気持ちのフォローが大事だと思います。その方もおっしゃっていました。児童館に来たときに、大きくなったねとか声かけていただくことがどんなに毎日の励みになるかということですので、そういう気持ちを大切にしていただいて、1階のいらっしゃっている方たちも笑顔がふえるんじゃないかと思います。職場体験の折にでもそういう実験をしたらいいのかなとも思っております。どうもありがとうございました。 若者の雇用についてお伺いします。 6月に生活保護の受給者が190万人を突破したというふうに聞いております。経済状況の厳しさが毎月ふえ続けて、中野においても扶助費も年々増して、8.2%の伸びだと思います。ことし3月に大学卒業予定者の就職率は前年度を下回る91.8%となり、過去最低の11年度の91.1に次ぐ水準になりました。昨年で34.1%、若者層で31.7%、3人に1人が非正規雇用になります。ワーキングプアと言われるゆえんになっていると思います。だれがこの3分の1の非正規雇用のいすに座らなくてはいけないのかということが個人の努力ではない問題だと思っております。私の周りにもこういう若者がたくさんおります。片や正社員の労働時間の延長でゆとりがない。そして、それはまさに家庭の縮図にあると思います。働かない、買わない、子どもを生まない。そういう選択肢が広がっているようにも思います。国では新卒者の緊急雇用対策をとっていますが、区としても積極的に行うべきと考えますが、どのような取り組みをしていますでしょうか。 ○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 若者の雇用、就労対策につきまして、区では就労支援サイト「ぐっJOBなかの」による求人情報の提供、離職者等相談窓口でのワンストップサービスの提供などを行っているところでございます。また、9月9日に行った合同就職面接会におきましては、対象を39歳以下の若年者に設定するなど、若者の就労機会の確保に努めているところでございます。 ○のづ委員 私のところにも相談が来た例があるんですけれども、芝居とかアート系の方って意思が強いということもありますけれども、本当に支援を受けたくてということで参りました。でも、ここの2階で相談したときに、よい支援が受けられなくて、本当に困ってしまったというか、どういうふうにしていいかということがありました。そのときにですけれども、生活困窮者がふえている中で、仕事に意欲を示すものであれば、生活資金の貸し付けの支援策があるということですけれども、失業して、失業の証明書がないと、それを受けることができないんですね。芝居とかアートの方は失業するという判こをもらうことも無理だということですけれども、この既存の支援策では救済できない場合というのは、個別によく相談に乗ってくださるという必要があると思います。今の窓口体制では個別の相談に限界があると思いますけれども、区ではこういう場合どういう対応をされているのでしょうか。 ○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) ただいまの御質問の中で、離職者の相談の中ではなかなかそういった仕事の中身によっては相談がしづらいというようなことがあったということでございます。しかしながら、私どもで行っております相談につきましては、あす食べることができるかどうかといったようなところも含めて御相談を受けておりますが、その方の仕事の選択の仕方等に、例えばコミュニケーション能力でございますとか、自分の適性がなかなか見出せない。そういったときには、就労支援員を配置しておりまして、その就労支援員がさまざまな悩みを聞く中で、新たに働く意欲がわくですとか、仕事の選択の幅を広めるといったようなことについて、きめ細やかに面接を心がけるようなことをしております。 ○のづ委員 相談窓口の生活保護相談員さんとかケースワーカーの方の存在は大きいと思います。ただ、1人で考えていても答えは見つからないし、先ほどのアートの方ですと、本当に働きたいけど、今の生き方をやめなくてはいけないという選択が厳しい中ではある。本当にこれ、笑えない状況で、(「みんなそうだよ」と呼ぶ者あり)そう。そのぐらいに厳しい状況にあります。そのときにアドバイスをいただくときに一緒に出口を見つけてくれるアドバイスをしてくれる方が大きいというのは、短期間でも自分が生きるために生活保護を受けなくちゃいけないということも含めて、いろいろなアドバイスをしてくださるというのは重要かとも思います。それと同時に、対策の改善もお願いしたいと思います。ありがとうございます。 最後に、幼稚園における障害児の受け入れについてお聞きします。 一つの相談の中で、私立幼稚園に入園してからアスペルガーの障害がわかったということです。下にお子さんもいらっしゃることから、私立園で介助を受けようとするとかなりの金額になってしまいますので、転園を考えたいというふうにおっしゃっておりました。でも、区立幼稚園というのは抽選になりますので、以前は障害児枠というのがあったように思いますけれども、それがなくなってしまったという経緯は教えていただけますか。 ○海老沢子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 区立幼稚園の障害児受け入れにつきましては、以前、規模が大きい余裕のあるやよい幼稚園のみ設定されていたということで、この枠によって他の3園につきましては、障害児の受け入れを行っていなかったという経緯がございます。その後、中野区全域から利便性を考え、受け皿を広げるためにこれを廃止いたしまして、区立幼稚園全園で受け入れを可能にしたということから、現在では障害のあるなしにかかわらず、抽選により選考を行っているというところでございます。 ○のづ委員 それはほかの幼稚園での受け入れの箇所を広げたということになりますけども、今は区立幼稚園て2園ですよね。そうすると、前はパイを広げたにもかかわらず、また狭まってしまったということになりませんか。 ○海老沢子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 障害児枠を設定してしまうと、常に枠の定員をあけておかなきゃいけないという必要が出ることや、枠を越えた応募があった場合に、その中で抽選を行っていくということになりまして、障害児が入りにくくなることが予想されるということですから、枠は設けず全体で公平に抽選を行っているということでございます。 ○のづ委員 でも、区立幼稚園2園ですよね。もしその抽選に当たらなかった場合にということで、その方が困ったのはその部分だと思います。下にお子さんがいらっしゃるので、じゃあ、仕事に出たら保育園に入れますよと。保育園ならそういう補助をつけることも可能ですというふうにお聞きしたそうなんですが、保育園に入るのも、下のお子さんが0、1、2歳だと、また入るということも難しくなっていると思います。本当に結果としては区立の幼稚園に入れたということがありますけれども、保育園に障害児枠をつくっても、なかなか加配ができなかったりということもありますので、その辺を安心して通わせたいということで、保育園に通っていないところの障害児の方を持っているお母さんたちに有効な手だてというのがあるのでしょうか。 ○海老沢子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 保育園の入園につきましては、障害児の受け入れの判定を行った後に全体で入所の判定をするということで、入所の判定に当たりましては、就労の条件等を加味いたしまして、指数で評価しているということで、保護者の保育に欠ける状況を判断して、優先順位をつけて、入所の判定を行っているということでございます。 ○のづ委員 ありがとうございます。これから多分障害児の受け入れということではいろいろな対応が迫られると思います。その制度の見直しも含めて柔軟に考えていただきたいと思います。ありがとうございます。 以上で私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○いでい委員長 以上でのづ委員の質疑を終了します。 以上で本日の総括質疑を終了します。 次回の委員会は、あす、9月28日(火曜日)午前10時から当委員会室において開会することを口頭をもって通告します。 以上で本日の決算特別委員会を散会します。 午後4時42分散会 |