平成22年06月29日中野区議会本会議(第2回定例会)の会議録 1.出席議員(40名) 1番 内 川 和 久 2番 ひぐち 和 正 3番 白 井 秀 史 4番 平 山 英 明 5番 つぼい え み 6番 いながき じゅん子 7番 森 たかゆき 8番 山 口 かおり 9番 せきと 進 10番 いでい 良 輔 11番 伊 東 しんじ 12番 佐 野 れいじ 13番 北 原 ともあき 14番 南 かつひこ 15番 小 林 秀 明 16番 林 まさみ 17番 の づ 恵 子 18番 近 藤 さえ子 19番 牛 崎 のり子 20番 欠 員 21番 吉 原 宏 22番 大 内 しんご 24番 伊 藤 正 信 25番 久 保 り か 26番 やながわ 妙 子 27番 酒 井 たくや 28番 佐 伯 利 昭 29番 むとう 有 子 30番 長 沢 和 彦 31番 か せ 次 郎 32番 高 橋 ちあき 33番 山 崎 芳 夫 34番 市 川 みのる 35番 斉 藤 金 造 36番 篠 国 昭 37番 岡 本 いさお 38番 飯 島 謹 一 39番 江 口 済三郎 40番 佐 藤 ひろこ 41番 来 住 和 行 42番 岩 永 しほ子 1.欠席議員(1名) 23番 きたごう 秀 文 1.出席説明員 中 野 区 長 田 中 大 輔 副 区 長 金 野 晃 副 区 長 西 岡 誠 治 教 育 長 田 辺 裕 子 政 策 室 長 竹 内 沖 司 経 営 室 長 川 崎 亨 管理会計室長 尾 﨑 孝 区民生活部長 鈴 木 由美子 子ども家庭部長 長 田 久 雄 保健福祉部長 田 中 政 之 保 健 所 長 田 原 なるみ 都市整備部長 服 部 敏 信 まちづくり推進室長 遠 藤 由紀夫 教育委員会事務局次長 合 川 昭 政策室副参事(企画調整担当)小 田 史 子 経営室副参事(経営担当)篠 原 文 彦 選挙管理委員会委員長 池 田 一 雄 1.本会の書記は下記のとおりである。 事 務 局 長 山 下 清 超 事務局次長 石 濱 良 行 議事調査担当係長 佐 藤 肇 書 記 荒 井 勉 書 記 河 村 孝 雄 書 記 菅 野 多身子 書 記 東 利司雄 書 記 丸 尾 明 美 書 記 土 屋 佳代子 書 記 鳥 居 誠 書 記 細 川 道 明 書 記 鈴 木 均 書 記 岡 田 浩 二 書 記 竹 内 賢 三 議事日程(平成22年(2010年)6月29日午後1時開議) 日程第1 第34号議案 中野区テレビジョン放送の受診障害の解消に関する条例を廃止する条例 第35号議案 中野区職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例 第38号議案 中野区職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例 第39号議案 中野区行政財産使用料条例の一部を改正する条例 第40号議案 中野区特別区税条例の一部を改正する条例 第41号議案 防災行政無線デジタル化等整備工事請負契約 第42号議案 丸山小学校体育館等改築工事請負契約 第43号議案 机及びいすの買入れについて 第44号議案 遺贈の放棄について 第51号議案 和解及び損害賠償額の決定について 日程第2 第45号議案 中野区国民健康保険条例の一部を改正する条例 第46号議案 中野区すこやか福祉センター条例 第47号議案 中野区仲町就労支援事業所条例 日程第3 第48号議案 中野区立学校設置条例の一部を改正する条例 第49号議案 中野区立小学校及び中学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災 害補償に関する条例の一部を改正する条例 日程第4 議会の委任に基づく専決処分について 午後1時00分開議 ○議長(伊藤正信) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。 昨日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。 中野区議会議員 南 かつひこ 1 施政方針説明について (1)西武新宿線連続立体交差化事業に伴う沿線まちづくりについて (2)介護支援ボランティア制度について (3)その他 2 自転車の交通安全対策について 3 子育て支援について (1)不妊治療について (2)妊婦健康診査について 4 その他 (1)江古田の森公園のホタルの飼育について (2)区立北江古田公園のトイレについて ○議長(伊藤正信) 最初に、南かつひこ議員。 〔南かつひこ議員登壇〕 ○14番(南かつひこ) 平成22年第2回定例会に当たり、公明党の立場から一般質問を行います。区長並びに理事者の方々には、明快なる答弁をお願いしたいと思います。 初めに、施政方針説明について伺います。 施政方針説明では、西武新宿線連続立体交差化事業にあわせて沿線のまちづくりの進め方について触れられておりますが、区民のための活力あるまちづくりとなるよう願って、幾つか質問をいたします。 初めに、西武新宿線連続立体交差化事業に伴う沿線まちづくりについて伺います。初めに、沼袋駅周辺地区のまちづくりについて伺います。 沼袋駅は、内側2線の通過線を持った相対式ホームの構造を持つ幅の広い駅であり、西友という商業施設が隣接している立地的にも特色のある駅です。この沼袋駅が連続立体交差化事業の地下化により、駅としての存在感がなくなるのではないかと懸念されますが、中野区として、連続立体交差化事業の進展とともに、将来的な沼袋駅のランドマークとしての機能について、どのように考えられているのか、伺います。 沼袋駅周辺での自転車放置率は21.8%で、約100台の放置自転車が確認されております。今後、駅前広場や駅舎の整備がなされ、駅周辺のまちづくりが進展していく中で、沼袋駅への利便性が図られれば、自転車の利用が増加すると予測され、放置自転車の増加も懸念されます。 連続立体交差化事業の地下化により、鉄道の上部空間を活用して、駐輪場として整備すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。 次に、沼袋商店街通りについて伺います。 西武新宿線の新井薬師前駅及び沼袋駅周辺地区において、現況測量の調査が始まりました。沼袋周辺地区においては、西武新宿線沿線まちづくりニュースの中で、沼袋商店街通りである主幹10号線でのバス路線の相互通行が示されました。沼袋商店街の住民の方々からは、突然の提示に戸惑う声が多く上がっております。 区としては、主幹10号線を拡幅して都市計画道路として決定される考えなのでしょうか。また、沼袋商店街を基点として、西武新宿線の北側の沼袋地域一帯に地区計画を定める方向で検討されているのでしょうか。伺います。 主幹10号線が拡幅され、相互通行化による交通量の増加が予測される中、商店街として安心して買い物ができなくなることが懸念されますが、区として沼袋商店街の将来像について、どのように考えているのか、伺います。 商店街通りは交通量も多く、歩行者空間の安全を確保するためにも、まちづくりを進める上で、電線類の地中化を推進すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。 現在、区内で路上喫煙禁止地区が指定されているのは、中野駅周辺のみですが、西武新宿線連続立体交差化事業へ向けた沿線まちづくりの一環として、西武新宿線沿線の各駅前を基点として、路上喫煙禁止地区の指定をしていくべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。 次に、介護支援ボランティア制度について伺います。 施政方針説明では、高齢者の在宅支援について、小規模多機能型居宅介護施設やグループホームの整備を通して、地域密着型サービスの充実を図り、だれもが安心して住み続けるまちをつくっていくとの趣旨を述べられています。 介護施設の整備を図ることも必要と思いますが、2007年に稲城市で始まった介護支援ボランティア制度を導入することで、高齢者への支援が充実されると考えます。 介護支援ボランティア制度は、ボランティア活動を行うことでポイント数が付与され、それに応じて介護保険料軽減のための交付金が支給される制度です。65歳以上の高齢者が対象となり、社会福祉協議会に参加登録をすれば、介護支援ボランティア手帳が交付されます。介護施設などで配膳やレクリエーションのお手伝いをすることでポイントが付与されます。ポイントはスタンプ方式で集めることができ、年一回の活用申し出により、1ポイント1円で最大5,000円まで交付金に交換できる仕組みです。 稲城市が同制度の導入をしたきっかけは、一つ目には、高齢者人口の増加に伴う介護保険料が高騰したことによります。また、二つ目には、高齢者の社会参加の促進による介護予防の推進ができることです。現在、高齢者人口の約2.7%を占める381人が登録。3月末日までに208人に対して計70万9,000ポイントが付与されています。このうち、84人が最高の5,000ポイントを受けています。 介護支援ボランティア制度は現在、全国で30近い自治体で導入されており、さらに広がる傾向にあります。昨年10月には、政令指定都市では初めてとなる横浜市が同制度をスタートさせました。 横浜市では、「よこはまポケット」というICカードを導入することで、ポイント履歴を電子情報として記録でき、多くの人口を抱える都市でのポイント管理を可能にしました。 これからの高齢者化社会を考えれば、介護保険を利用せずに元気に過ごした高齢者にポイント制度を創設し、集めたポイントで介護保険料やサービス利用料の負担軽減を図れるような仕組みをつくるべきであると考えます。 中野区では、ボランティア団体活動等への参加者とサービスを必要としている人たちとを結びつけ、活動を行う区民自身の意欲向上のため、支えあいポイント制度の創設を推進しようとしています。支えあいポイント制度の仕組みとして、ICカード化を視野に入れながら介護支援ボランティア制度を取り入れるべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。 次に、その他で、成年後見制度の充実について伺います。 施政方針説明では、健康・生きがい戦略について述べられていますが、高齢化がますます進む中、認知症や知的障害などの理由で判断能力が衰えた人を法律面や生活面で保護し、支援を行う仕組みの充実が必要であります。こうした面をサポートする仕組みに成年後見制度があります。 昨年の第4回定例会での私の一般質問の中で、市民後見人の養成講座の必要性を述べた質問に対して、区長は、「区独自の養成講座につきましては、社会貢献型後見人の活動の場の用意、活動環境をまずつくるということも大事でありますことから、今後の実施時期を考えていきたいと考えております」と答弁されております。 そこで、伺いますが、中野区として、市民後見人の養成講座の進捗状況はどのようになっているのでしょうか。伺います。 市民後見人は、他人の人生を背負う大きな責任が伴う仕事であり、介護や福祉の問題において、知識だけでなく、交渉する調整能力やコミュニケーション能力、事務能力なども必要となります。現場での問題もさまざまであり、臨機応変の対応も求められます。市民後見人には、受け皿となる自治体のサポートが不可欠であります。後見人を監督するとともに、後見人が判断に迷うときには、いつでも専門的な助言ができる独立した組織の体制づくりが必要と考えますが、いかがでしょうか、伺います。 後見人が司法書士や弁護士、社会福祉士といった専門職の場合には、申し立て時の手数料に加え、月額3万円から5万円ほどの報酬料が必要となります。低所得者にとっては大変大きな負担となります。中野区として、低所得者に対して申し立て手数料や報酬料の助成を実施すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。 次に、連携教育について伺います。 施政方針説明には、「区立小中学校の再編については、計画を着実に進め、保育園・幼稚園と小学校、小学校と中学校などの連携教育を推進し、充実した教育環境の実現を図ってまいります」と述べられております。 緑野中学校は、平成20年4月1日に中野区立第六中学校と中野区立第十一中学校が統合し、開校しました。また、今後の学校再編計画の中で、平成23年4月に丸山小学校と沼袋小学校が統合し、丸山小学校の位置で開校することが決定しており、統合委員会において校名候補を「緑野小学校」と選定されました。丸山小学校の位置で開校する統合新校は、緑野中学校と近接した場所にあり、定期的な授業交流や教員組織の連携、合同行事などの連携を深めることのできる条件が整っていると考えます。丸山小学校の位置で開校する統合新校と緑野中学校を施設分離型連携校の小中一貫教育のモデル校として整備できると考えますが、区としての見解を伺って、この項の質問を終わります。 次に、自転車の交通安全対策について伺います。 自転車の交通事故による被害状況を見ると、他の乗り物と比べて深刻な被害を生じるおそれのある頭部損傷の割合が高く、ヘルメットの着用は重要になっています。特に、幼児・児童については、頭部の質量比率の高いことから、転倒時に頭部の損傷の割合が高くなっており、また、頭骨が十分に形成されていないこともあって、ヘルメットの着用が大変重要になってきます。 警察庁交通局の調査によると、平成19年中、自転車による交通事故の発生状況は、6歳未満の幼児では、他の年齢層と比べて頭部を負傷する割合が44.2%と一番高くなっており、6歳から15歳でも15.9%と、他の年齢層に比べて高くなっています。 自転車の交通事故から頭部を負傷する割合の高い幼児を守るためには、ヘルメットの着用が不可欠であると考えます。現在、中野区では、幼児用ヘルメットの着用状況をどのように把握されているのでしょうか。伺います。 京都府では、平成20年4月1日より自転車の安全な利用の促進に関する条例が施行され、自転車同乗幼児のヘルメット着用の義務化が定められました。自転車の交通事故から子どもの安全を守るためにも、条例により自転車同乗幼児へのヘルメット着用の義務化をすべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。 自治体によっては、児童・幼児の自転車乗車用ヘルメットの普及を図るため、一部助成を行っているところもあります。大田区や練馬区、文京区では、対象年齢に違いがありますが、2,000円の助成を行っています。また、浦安市では、希望される方には購入割引券を発行しています。自転車事故による幼児の安全対策を考える上で、中野区としても幼児用ヘルメットの助成を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。 次に、自転車道について伺います。 国交省は、自転車と歩行者が接触する人身事故が増加傾向にあることから、自転車の専用道の整備拡大を図っているところです。自転車が走れる道路のうち、専用道は全国で2,500キロメートルと、わずか3%しか整備されておりません。 中野区では、自転車専用道の整備の現状はどのようになっていますでしょうか。伺います。 自転車道の種類としては、車道の端に通行レーンを設ける方式と、車道の端を柵で仕切り、専用道にする方式、また、歩道を自転車用と歩行者用に分離する方式の三つのパターンがあります。中野区内には、早稲田通りや新青梅街道のように一定区間に路肩が広くなっている道路がありますが、その路肩部分に色塗装して、自転車専用道として整備ができるように、中野区として東京都に働きかけをすべきと考えますが、いかがでしょうか。伺って、この項の質問を終わります。 次に、子育て支援について伺います。 初めに、不妊治療について伺います。 不妊治療は、段階を追って高度な治療に進んでいきます。初期のタイミング療法などは健康保険の適用がなされ、自己負担も比較的軽くて済みますが、高度生殖医療と呼ばれる体外受精や顕微授精では保険の適用外となるため、負担も多く、治療費か高額となります。 不妊治療患者の支援に取り組んでいるNPO法人「Fine」が不妊治療患者を対象に高額な治療費の実態調査を行い、「不妊治療の経済的負担に関するアンケート」を実施、現在不妊治療を受けている、または過去に受けていた男女1,111人から回答を得ました。その結果、不妊治療患者の8割が経済的負担を理由に治療を断念している実態がアンケート調査により明らかになりました。 調査では、体外受精の1周期当たりの治療費は、30万円から50万円未満が54.0%で最も多く、50万円以上かかった場合では15.9%ありました。さらに高額となる顕微授精では30万円から50万円が最も多く、48.2%、50万円以上が30.1%となっています。また、治療費の総額では、200万円から300万円が12.1%、300万円から500万円までが8.8%、500万円以上が3.2%となっており、約4人に1人が200万円以上の治療費をかけていることになります。 国は、2004年度より体外受精などの保険が適用されない不妊治療に対して、「特定不妊治療費助成制度」をスタートさせました。これは1回15万円、年2回まで支給され、通算5年利用できる制度です。東京都でもこの国の制度に準じて、「特定不妊治療費助成制度」を行っていますが、東京都としての独自の制度はありません。中野区としても東京都に対して独自の不妊治療費の助成制度を創設するよう働きかけるべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。 「特定不妊治療費助成制度」を利用したとしても、治療費にかかる費用が余りにも高額なため、この制度だけでは十分とは言えません。高額な治療費の負担に加え、治療費以外にも交通費や宿泊費などもかかってきます。こうした中、独自の支援策を設ける自治体もふえています。渋谷区では、治療費1回につき10万円を限度に、年2回、通算5年まで支給されます。また、千代田区、港区、品川区、目黒区、世田谷区、練馬区、葛飾区などでも不妊治療費用の一部を助成する制度を行っています。中野区としても独自の不妊治療に対する助成制度を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。 また、文京区では、不妊治療の支援策として、今年の4月より不妊治療費の融資制度をスタートさせました。1回50万円を上限に通算5回まで融資が受けられ、返済期間は5年ですが、利子の一部を区が負担する仕組みです。中野区としても不妊治療に対して融資制度などの支援を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。 次に、妊婦健康診査について伺います。 中野区では、平成20年4月より妊婦健康診査において、公費による助成が5回から14回に拡充されました。我が会派としても力強く推進してきたところです。 近年の不妊治療の進歩により、多胎児妊娠が増加しており、単胎妊娠より妊娠中毒症や合併症の確率が上がるとされ、リスクが高いときには、妊婦健康診査の回数をふやし、慎重に経過を見ることが多いとされています。多胎児の妊婦健康診査の回数は、単胎妊娠より1.5倍から2倍くらいふえると言われています。多胎妊婦には経済的負担や不十分な公的支援、多胎児情報の乏しさ、育児が忙しいことによる身体面での負担やストレスによって、精神面に関しても負担が重なるなどの悩みを抱えているとされます。 こうした中、浜松市や鳥取県の大山町では、多胎児の妊婦には妊婦健診受診票を5枚追加して19回の妊婦健康診査の助成の拡充を行っています。区としても、多胎児の妊婦健康診査の助成を図るべきと考えますが、いかがでしょうか。区の見解を伺って、この項の質問は終わります。 次に、その他で、江古田の森公園でのホタルの飼育について伺います。 今年も江古田の森公園でホタルの飛翔が始まりました。私も昨晩見てまいりました。過去2年のピーク時をはるかに超えるおよそ百数十匹以上のホタルが羽化し、ホタル独特の幻想的な光を放ちながら飛翔する光景に大変感動いたしました。 6月24日付の東京新聞では、中野区のホタル復活事業としての取り組みが紹介され、親子連れの方々が鑑賞を楽しみにしているとありました。今年は計画の最終年で、自生が成功しても成虫になるのは少数と見られ、引き続き幼虫の補充が必要なことが指摘されていました。 中野区は、平成20年度よりホタル事業を江古田の森公園で開始し、3年間で自然羽化を目指すとしております。今年度で3年目となりますが、過去2年間のホタル事業の成果をどのように分析されているのでしょうか。伺います。 池や水路の周辺には、ホタル事業の開始当初と比べると、江古田老人クラブをはじめとする江古田の森ホタルの会のボランティアの方々の努力もあり、ビオトープとしての環境は少し改善されたように思われますが、本来のホタルの生息の環境を考えれば、区としてさらなる環境整備が必要であると考えますが、いかがでしょうか。伺います。 江古田の森ホタルの会のボランティアの方々のホタルへの思いや、多くの区民の方々が毎年ホタルの飛翔する光景を楽しみにしていることを思うと、3年間での自然羽化にこだわらず、人工飼育などの手法も考えながら、今後もホタル事業を継続していくべきであると考えますが、いかがでしょうか。伺います。 最後に、区立北江古田公園のトイレについて伺います。 区立北江古田公園では、ゲートボールや消防団の操法大会、またはその練習会場として使用されたり、公園の周りには周遊コースもあり、ジョギングや散歩のコースとして利用されるなど、区民の利用頻度も多い公園です。この公園の北側にかなり老朽化したトイレがありますが、悪臭がひどいなど不衛生な上、大便器の利用は日中でも真っ暗で怖くて使用できないとの声が上がっています。自然豊かな江古田の森公園が隣接しており、環境衛生的に改善する上からも、多目的トイレなど多機能でだれもが安心して使用できるトイレに全面改修すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺って、私のすべての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 〔区長田中大輔登壇〕 ○区長(田中大輔) 南議員の御質問にお答えいたします。 西武新宿線の連続立体交差化事業に伴う沿線まちづくりの関連で、駅のランドマーク機能についての御質問がありました。 平成21年11月に策定した西武新宿線沿線まちづくり計画では、地区の特性に応じた駅周辺の魅力化や交通環境の改善等をまちづくり方針として掲げております。今後、この方針に基づき、鉄道事業者や地域の皆様へ働きかけながら、まちの玄関口としてふさわしい景観形成が図られるよう誘導してまいりたいと考えております。 鉄道の上部空間の活用による駐輪場の整備についての御質問もありました。 平成19年8月に策定した中野区自転車利用総合計画の中で、駅周辺の駐輪場の整備については、鉄道事業者にも積極的な協力を求めることとしております。今後、駐輪場の将来的な需要を勘案し、鉄道敷地の活用を含め、適正な位置や規模の検討を行ってまいります。 商店街の通りの拡幅についての御質問もありました。 本年1月に策定しました「西武新宿線沿線まちづくりにおける基盤施設の整備方針」では、沼袋駅周辺については、バスの相互通行化や歩行者空間の確保など、交通の安全性、利便性の向上を図ることとしております。この方針に基づいて、道路などの基盤施設については、都市計画施設として定め、整備を図ることとしております。また、区といたしましては、都市計画道路の整備に当たっては、電線類の地中化により無電柱化を図る、そうした考えでおります。 それから、西武新宿線の各駅路上喫煙禁止地区にしていくべきではないかと、こういう御質問がありました。 各駅の歩行喫煙防止対策については、区民からもさまざまに声が寄せられているところです。また、本年2月、厚生労働省から、公共的な空間において受動喫煙を防止する取り組みを積極的に推進するよう通知が出ていることもあります。検討が必要だと考えております。 区民等の意識や社会的マナーの向上を図ることを第一に、地域の方々とも連携して行ってきた啓発活動や、あるいは路上喫煙禁止地区としてきた中野駅周辺地区の検証、これらを踏まえ、総合的に検討していきたいと考えております。 それから、介護支援ボランティアの制度の検討と、ポイント制度に対してICカードの活用をと、こういう御質問でありました。 介護支援ボランティアにつきましては、支えあいポイントの検討の中で取り組めるよう検討してまいりたいと思っております。支えあいポイントにつきましては、当初は紙ベースでの導入でスタートしますけれども、将来的にはICカードの導入を検討してまいります。 成年後見制度に対する区の取り組みについてであります。 今年度から社会福祉協議会への委託事業として、社会貢献型後見人の養成に取り組んでおります。 東京都の基礎講習を活用して、今年度中に2名を養成する予定であります。社会貢献型後見人の相談の受け皿といたしましては、区の補助事業として、社会福祉協議会のアシストなかので実施しております後見監督業務の中で実施いたします。 区では、平成20年度に区長申し立てによって成年後見人を選定された場合について、低所得者に対する後見人報酬の補助制度を整備いたしました。これまで助成した実績はありませんが、ニーズは増加する傾向にあると思っております。今後、社会情勢など勘案しながら、事業内容をより利用しやすくなるよう見直しを検討してまいります。 それから、自転車乗車中の幼児用ヘルメットの着用の普及についてであります。 東京都が平成20年7月に行った調査では、幼児の保護者の84%がヘルメットを保有していると聞いております。一般的には普及しているものと認識したところです。また、ヘルメットの保有者のうち、必ずかぶせているのは44.3%だったと、このようにも聞いているところでありまして、区といたしましては、今後も幼児用ヘルメット着用の着実な普及啓発を推進していきたいと考えております。 それから、自転車専用道の整備の現状についてであります。 区内の自転車専用レーンとしては、現在東京都が山手通りで整備を行っているものがあります。現時点では、大久保通りとの交差点付近の220メートル、早稲田通り以南の220メートル、合計440メートルが完成したところであります。山手通り全体の整備計画の総延長は8.8キロメートルですが、中野区部分は約2.3キロメートルであります。今年度末に完成する予定となっております。 現在、東京都におきましては、早稲田通りや新青梅街道などを含め、中野区内でのさらなる自転車専用道の整備は計画化されていないという状況でありまして、現状ではこれらの通りへの自転車専用道の整備は困難だと認識しているところであります。 私からは、以上です。 〔教育長田辺裕子登壇〕 ○教育長(田辺裕子) 小中連携教育についてお尋ねがございました。 緑野中学校と統合新校に予定されております丸山小学校は、隣接しているということもありまして、これまでもさまざまな形で連携を行ってきてございます。また、地域の協力などもあり、今後さらに連携が進むものと期待してございます。こうしたことを踏まえまして、これからの連携教育の発展性について検討してまいりたいと考えております。 〔子ども家庭部長長田久雄登壇〕 ○子ども家庭部長(長田久雄) 私からは、子育て支援についての御質問にお答えいたします。 まず、不妊治療の支援策についてでございます。 現在の補助制度は、治療1回につき上限15万円、1年度に2回まで申請可能であり、通算で5年度まで利用できるため、最大150万円の助成が受けられるものとなっております。今後、補助の対象や範囲、治療方法や内容など、基準を明確にすることが必要と考えております。さらに、不妊治療患者の自己負担が多いことから、治療方法や内容などの基準を明確にした上で、医療保険の適用について国に働きかけをしていきたいと考えてございます。 それから、次に、多胎児に関する妊婦健診についてでございます。 今後、多胎児の出現率や受診状況などを調査しながら、今後の支援のあり方について検討してまいります。 以上でございます。 〔都市整備部長服部敏信登壇〕 ○都市整備部長(服部敏信) 私からは、その他の項の2点につきまして御答弁申し上げます。 まず、江古田の森公園のホタルの飼育につきまして、この2年間の取り組み、分析評価、また、環境整備、さらに今後の方向ということで御質問いただきました。 初年度の成果としては、50匹程度のホタルの姿を1週間確認できました。見学者は約1,000名となってございました。昨年度は1日最大50匹程度を10日間以上確認できまして、見学者は約500名でございました。また、御質問にもありましたけども、地域のボランティアの活動も活性化してございまして、良好な動きでございますが、ヘイケボタルの自然繁殖が確認されていないことが今後の課題であると認識してございます。こうしたホタルの飼育は特殊なものであるために、専門業者のアドバイスを受けながら、今年度も水路の改修や下草の植えつけなど環境整備を行ってございます。 今後3年間の経過をトータルにとらえて、この事業についてどう評価するか、検討を行っていきたいと考えてございます。 次に、区立北江古田公園のトイレの改良についてでございます。 この区立北江古田公園は、1987年に開園いたしまして、トイレの築年数は既に23年たってございます。そのため、今後、便器等のリニューアルや屋根の改良など、明るいトイレとなるように検討しているところでございます。 以上でございます。 〔南かつひこ議員登壇〕 ○14番(南かつひこ) 再質問させていただきます。 沼袋商店街通りの主幹10号線の拡幅についてですけれども、都市計画道路として整備されていくという方針であるということなんですが、それと付随して、駅前広場の整備もしていかなくてはならないと思いますけれども、沼袋の駅前広場のスケジュール、どういうふうに今なっているんでしょうか。それを教えていただきたいのと、あと、沼袋商店街通りが拡幅され、バスの相互通行化ができるようにということで、拡幅されるということなんですが、商店街の方々からすれば、自分の店の上に線を引かれてしまうということで、自分の店がどうなるのか、また、商売がやっていけるのかどうなのかといったさまざまな不安を抱えていらっしゃると思うんです。そういったことを考えたときに、商店街通りの、また、沼袋地区のまちづくりを進めていく上で、住民の方々の合意を図っていかなければならないと思うんですけれども、その点について、どのようにお考えなのか、お聞きしたいと思います。 以上、2点、よろしくお願いいたします。 〔区長田中大輔登壇〕 ○区長(田中大輔) 沼袋の駅前広場の整備スケジュールについてという御質問でありました。 駅広場もこの道路の拡幅あるいは一体のまちづくりとあわせて整備をしていくことが必要と、こういう認識であります。当然都市計画施設としての広場ということになっていくわけであります。整備の時期については、鉄道の地下化の時期と整合を持たせながら整備していくことになりますけれども、現時点では、地域の中でどのようなまちづくりをしていくのか、そうした方向性についての地域での十分な話し合いと住民の合意形成といったものが先行しなければならないのかというふうに考えておりまして、具体的な年次を切ってまでのスケジュールというところまでは描けていないのが実情です。 また、道路に面した商店の方たちが大変不安な思いを抱かれるのではないかと、こういった御質問もありました。そのとおりだと思っております。こうしたまちづくりは、さまざまな方に影響を及ぼすということでもあります。また、それぞれの方のまちがよりよいまちになったり、まちとして繁栄していく大きなきっかけでもあるわけであります。 そういう意味では、地域の皆さんと将来のビジョンを共有しながら、どういう形でまちづくりを進めていくことが最もいい形なのか、そのことを十分に話し合いを行いながら、合意形成を図って進めてまいりたいと思っております。 ○議長(伊藤正信) 以上で、南かつひこ議員の質問は終わります。 中野区議会議員 伊 東 しんじ 1 自治体財産の有効活用について (1)施設白書について (2)新しい中野をつくる10か年計画(第2次)について 2 地域支えあいネットワークについて 3 区民公益活動に関する助成制度について 4 その他 ○議長(伊藤正信) 次に、伊東しんじ議員。 〔伊東しんじ議員登壇〕 ○11番(伊東しんじ) 平成22年第2回定例会に当たりまして、自由民主党議員団の立場で一般質問をさせていただきます。 最初に、田中大輔区長、3期目の御当選、まずはおめでとうございます。 これからの4年間、田中区政の総仕上げ、これについて、この議場において十分に議論ができますように、私も頑張ってまいりたいと思います。よろしくお願い申し上げます。 それでは、質問に移らせていただきます。 質問項目は、1、自治体財産の有効活用について、(1)施設白書について、(2)新しい中野をつくる10か年計画(第2次)について、2、地域支えあいネットワークについて、3、区民公益活動に関する助成制度について、その他はございません。 今回の質問項目は、中野区の将来の財政や自治の姿を展開していく上で大変重要な項目と私は考えております。ですから、区長をはじめ、理事者の皆様におかれましては、わかりやすく、そして前向きな御答弁をよろしくお願い申し上げます。 最初は、自治体財産の有効活用についてお伺いいたします。 自治体財産とは、自治体の所有する不動産、いわゆる土地・建物のことになります。その有効活用とは、不動産の所有あるいは維持・運営に当たり、財政負担に着目し、検証すると同時に、現在の社会環境に照らして、その所有自体についても再検討を行い、持続的財政運営に必要な最適な不動産の維持・管理あるいは活用・処分について検証・実践していくことになります。 こうした検討は、現在、国土交通省において、かねてから所有する施設の適正な保全並びに延命化に向けた検討と同時に、今後、どの程度の資産規模を保持し、毎年どの程度の管理運営コストを投入するかを戦略的に実践する必要性が求められてきました。その背景には、国・地方が所有する不動産は、昭和30年代に始まった高度経済成長に合わせて拡大の一途をたどり、現在では国・地方合わせて490兆円に上ると言われております。この成長がとまると同時に、維持費や更新のための費用が財政を圧迫し始めてきたことに起因しています。 先日の報道でも、来月7月に閣議報告予定の国土交通白書によれば、道路や橋、それと港といったいわゆる「社会インフラ」は、今後急速に老朽化が進み、公共事業の投資額が現在と同じ場合、27年後には維持管理と更新だけで手いっぱいになり、新しい事業ができなくなるとのことです。そうした原因は、「社会インフラ」が高度成長期に集中的につくられ、今後急速に老朽化が進み、維持管理と更新にかかる費用が年々ふえるためです。 試算では、公共事業の投資額が現在と同じ場合、27年後の2037年度には、維持管理費と更新費が投資額を上回って、新しい事業ができなくなるとしています。さらに来年度からの50年間にインフラの更新に必要な費用は、総額で190兆円に上り、このうち30兆円が不足して更新ができなくなると指摘しています。 一方で、それぞれのインフラで定期的に点検・診断をして、致命的な欠陥があらわれる前に改修を行う「予防保全」の取り組みを強化した場合は、寿命を大幅に延ばすことができ、50年後の不足額も6兆円まで下げられると分析し、厳しい財政や人口減少を考慮した上で、効率的な「予防保全」の取り組みを行う必要があるとまとめられています。 こうした国における「社会インフラ」の実情同様、中野区が維持管理する施設においても、こうした課題が生じており、加えて耐震補強なども対策を求められております。さらに、中野区においても著しい社会環境の変化による施設の設置目的、量などの見直しも必要となってきております。 現在の日本においては、国、地方を問わず、大胆な行政改革と保有不動産の延命化、有効活用を不断に行うことが財政を再建するために必須の取り組みとなってきております。こうした状況を踏まえて、国土交通省は、平成21年、自治体向けに「PRE略を実践するための手引書」を作成、今年さらに改訂版が作成されました。今回の質問は、この手引書に基づき質問いたしてまいります。 ちなみに、「PRE」とは、パブリック・リアル・エステートの略で、公的不動産を指しております。 さて、この手引書では、PRE戦略導入の基本はR2P2と説いています。これは、リサーチ(調査)のR、プランニング(計画)のP、プラクティス(実行)のP、レビュー(評価)のR、この頭文字を取っているものです。戦略のプロセスでは、これらを七つのステップに分け、展開することを進めております。 ステップ1・2が最初のR、リサーチ(調査)で所有不動産の現状把握と有効利用度評価を行います。 続くステップ3・4・5は、プランニング(計画)です。状況把握と有効利用度評価を踏まえ、今後の施設整備需要や統廃合の見通し、財産の売却想定などから、当該の自治体が持つにふさわしい不動産の量、すなわち最適保有量を検討してまいります。これら不動産の活用判断の基本方針、整備・維持管理・売却などの方針をまとめ、その後、個別不動産ごとの有効活用法を検討するように求めています。 ステップ6がプラクティス(実行)で、さきのステップで検討した有効活用法を実践してまいります。 最後がステップ7、レビュー(評価)で、実践結果を評価するとともに、維持を続ける不動産については、年度ごとに有効利用度の再チェックを行うことが求められています。 さて、このPRE戦略を中野区において実践していく場合、「施設白書」と「新しい中野をつくる10か年計画(第2次)」といった格好の資料が存在します。特に施設白書については、PRE戦略のステップをならった分析が多用されています。この白書をまとめるに当たって、大変な量の情報を収集、分析し、10か年計画という計画につなげたことは大変すばらしいことと思います。 しかし、PRE戦略では、こうした調査・分析・計画と同時並行して、各部署における最善の管理・運営を不断に実践していくこと、そのために収集した情報を活用しやすいようにデータベース化し、毎年の評価に活用し、更新していくことが求められています。 そこでお伺いいたします。 まず、中野区では、施設白書を策定する際に収集された情報をその後の各施設の管理運営に十分活用しているかをお答えください。 また、最善の管理・運営に資するためには、各不動産における基礎的情報や有効利用度評価などをデータベース化し、毎年度更新を図るべきと考えますが、区の御所見を伺います。 また、白書において策定が予定されている長期保全計画も大変重要と考えられます。策定の進捗状況についても御答弁をお願いいたします。 続いては、「新しい中野をつくる10か年計画(第2次)」についてお伺いいたします。 10か年計画の巻末には参考資料として、10年後の施設配置が示されています。こうした資料は、戦略におけるステップ5の継続使用・用途転用・賃貸・売却などの有効活用法を検討した結果をまとめたものに当たります。また、10か年計画では、この検討を実践に移さない場合、10年後に財源不足に陥ることも示され、実践の重要性についても説明されています。 しかし、現実には、区有財産を売却あるいは賃貸に供することは容易でなく、さまざまなハードルが存在します。実際に上野原の運動施設用地の売却に長い時間と労力を費やし、館山の健康学園の土地・建物は、引き合いはあったものの不調となり、現在も区が所有しております。本年度はまた、箱根のシェモア仙石が売却のため、一般競争入札に付されましたが、結果は不調だったようです。 こうした実務的なハードルのほか、自治体所有の財産は地方自治法において「行政財産」「普通財産」に区分され、私権の設定が禁止されるなど、厳格な運用が義務付けられております。こうした自治体所有の財産を処分・活用していく上で、地方自治法・補助金適正化法など、諸法による制約もございます。不動産の利活用における課題も多々あろうかと思われます。 そこで、お尋ねしてまいります。 平成18年の地方自治法の改正で、「行政財産」の目的外使用が緩和されたと聞いておりますが、中野区においては実質的利活用の方策はどのようになっているのでしょうか。また、補助金適正化法によっても、処分・転用が制限されているはずです。こうした課題を克服する手だてについて、御答弁をお願いいたします。 また、不動産売却や活用についてのノウハウの蓄積のない中野区が、今後実際に財産を処分・活用する上で、現時点で想定される具体的な手法について、御答弁をお願いし、この項の質問を終わらせていただきます。 続いて、地域支えあいネットワークについてお伺いいたします。 この制度の変遷は、平成16年、高齢者見守り支援ネットワーク「元気でねっと」事業の実施、平成20年、「元気でねっと」事業の低迷を踏まえて、「(仮称)地域支えあいネットワーク構築に向けた3か年重点プロジェクト」の作成、平成22年には「地域支えあいネットワーク」事業実施に向けて、推進体制の構築並びに「(仮称)地域支えあいネットワーク推進条例」の策定が目指されております。 こうした経緯を踏まえ、質問してまいります。 まず、高齢者見守り支援ネットワーク「元気でねっと」事業についてですが、この事業は、ひとり暮らしなどの高齢者を対象に、地域住民などが見守りや声かけを行うことで、日常の安否確認をするとともに、早期の異常の発見・通報により、高齢者の住みなれた地域での自立生活の継続を目的としてスタートしたものでした。また、この事業は、区が在宅介護支援センターを中心に事業の推進を目指し、担い手として公募による協力員のほか、民生委員、民間協力機関、団体協力機関、公的協力機関などが協力機関として挙げられておりました。 しかし、事業の理念・目的については、当時一定の共感が得られたものの、その推進体制については、「元気でねっと協力員」の役割と協力機関として挙げられた民生委員の方々の職務が重複することと、当時の説明が不足したことから、民生・児童委員や町会・自治会といった既存組織の理解・協力が十分に得られず、スタート後4年を経過した平成20年の時点で、登録者2,300余人に対して協力員78名という低迷ぶりでした。 そこでお伺いいたします。 「元気でねっと」事業スタート時、基幹型在宅介護支援センター並びに地域在宅介護支援センター、現在は地域包括支援センターに改組されておりますが、こうした機関が負ってきたそれぞれの役割、事業内容について、反省を踏まえ、御報告をお願いしたいと思います。 また、民生委員が行うとされていた「ひとり暮らし高齢者確認調査」、「元気でねっと登録申請書の保管」や在宅介護支援センターとの連携、制度PRなどは実際にどのように機能してきたのでしょうか。御答弁をお願いいたします。 さらに、さきに挙げた協力機関の登録は約70機関と報告されております。その協力体制はどのようなものになっていたのでしょうか。具体的にお答えください。 続いて、20年10月に示された「地域の支えあい活動を推進していくための考え方」の中の「(仮称)地域支えあいネットワーク構築に向けた3か年重点プロジェクト」について伺います。 この重点プロジェクトは、行政内部の取り組み指針として、また、区民、関係団体等に対して区の取り組み姿勢を示すための材料として位置付けられ、20年度から22年度にわたり、三つの重点プロジェクトを段階的かつ強力的に進めるとされていました。記載内容は詳細であり、これらの取り組みを確実に区が推進するとともに、その進捗状況を体系的に、また詳細に区民ないし協力機関に情報提供していくことで、支えあい活動への理解と協力が得やすいものになるかと思われます。 しかし、地域支えあいネットワークの事業化が目されているにもかかわらず、区みずからの取り組みであるこのプロジェクトの進捗が区民・議会に示されていないことは、極めて遺憾です。 そこで、この重点プロジェクトの主な取り組みの具体的な進捗状況と今後の区民・議会への説明についてお答えをお願いいたします。 この項の最後に、地域支えあいネットワークの全体像並びに推進条例についてお伺いいたします。 区は、ネットワーク構築に向け、見守り、支えあいの仕組み、活動内容について、区民協力機関に示すとともに、これらをつなぐネットワークの充実を目指しています。これらの施策展開には、区の率先した取り組みと区民や関係機関の理解・協力が必要不可欠であり、こうしたことは、これまでの「元気でねっと」事業において痛感しているはずです。そのため、区は関係機関に対し、説明会を催し、意見の聴取を行ってきたと聞いています。しかし、区がどこまで具体的に説明を行ってきたのか、その説明を受ける区民、関係機関にどれだけその仕組みが理解・浸透しているのか、疑問を感じざるを得ず、さらに説明の必要性を感じております。 一方で、区は事業実施に先立ち、個人情報保護の観点からか、推進条例の制定を急いでおります。 この条例には、事業を推進するために、個人情報である名簿の提供先として、いわゆる町会・自治会、民生委員、児童委員などの団体名称が挙げられております。こうした町会・自治会、民生委員、児童委員などの具体的な表記がある以上、こうした団体との十分な合意が得られていない場合については、いかに必要な条例といえども、議会として認めがたいと言わざるを得ません。 そこで、お尋ねいたします。区が(仮称)支えあいネットワーク推進条例の制定を急ぐ理由について御答弁をお願いいたします。 この項の最後に、この制度の成否には協力者のインセンティブが欠かせないものと思われます。その一つとして、10か年計画に示されている「支えあいポイント制度」が挙げられます。そこでお伺いしますが、10か年計画にある「支えあいポイント制度」、その検討状況はどうなっているのでしょうか。また、「支えあいポイント制度」自体、制度として容易に想像しがたいものです。こうした制度の参考となる先進自治体事例について、差し支えがなければ御披見をお願いいたします。 続いて、最後の項の質問に移らせていただきます。 6月の半ば、22年度の区民公益活動政策助成の審査の結果が発表されました。発表と同時に、区民の方々から、今回の審査結果について不満の声が私をはじめ同僚議員のもとに数多く寄せられました。寄せられた声は、特に「子どもと子育て家庭を支援するための活動」について申請された方々から多く、今回の政策判断について疑問を生じざるを得ませんでした。 そこで、区民公益活動に関する助成制度についてお伺いしてまいります。 この助成制度は「区民公益活動推進基金からの助成」と「区民公益活動に関する政策助成」とによって構成されておりますので、最初に今回問題となっている「区民公益活動に関する政策助成、いわゆる政策助成について伺います。 この制度に対して、今回寄せられた声については、「申請書類の記載事項」と「交付決定額」に関する不満の声が多々ありました。「申請書類の記載事項」については、本年度の申請から過去2年間の助成の実績を詳細に記載し、その事業の自己評価の記載まで求められるなど、申請の際の負担の増加でした。 また、「交付決定額」に対する声も、今回、申請に対し、4割もの助成額の削減があり、事業自体、各団体が再検討を余儀なくされたとの声でした。確かに、申請書類の記載事項の中には、「助成金申請額を減額して助成金の交付を決定した場合、事業の実施の可能性」について、可・不可を問う項目があります。しかし、これも不可の場合は交付対象になりませんとあえて事前の説明がされており、申請者はいや応なく可と記入せざるを得ず、今回の審査結果、4割もの助成額の削減が言い渡されるとは、申請者の方々は想像していなかったため、こうした困惑の声が私どものもとに届けられたものだと思っております。 そこで、お伺いしてまいります。 まず、申請書の記載内容についてですが、過去の助成についての記載を申請時に求めることについては、私は大きな疑問を感じております。その理由として、申請し、交付が決定された団体は、いずれも詳細な事業実施報告書の提出が求められております。その事業報告書は、担当分野に保管されているはずで、そうしたデータに事業コードなどを付し、整理・分析・評価していれば、申請時には付された事業コードのみを記入することで、事務手続は目的が達成され、評価の判断はそうしたデータの蓄積からの読み込みで可能なはずです。 また、申請者の立場にしてみれば、子ども会など団体によっては毎年役員がかわり、過去2年の事業の分析について記載を求められるのは非常な負担となっているのは事実です。こうしたことから、申請事務の改善を求めます。 次いで、助成金総額の減額について質問いたします。 助成総額について、このたび、私は調べさせていただきました。地区委員会の啓蒙事業を除いた数値で比較しますと、21年度予算で1,420万円であったものが、本年度1,136万円に減額され、率で20%の助成がカットされていました。このことは、一昨年の世界同時不況による中野区の歳入が大きく落ち込んだことに起因していることは言うまでもありません。 22年度予算編成においても、幹部職員による事業査定が行われ、聖域なし事業費の削減が行われたことは聞き及んでおります。その結果が20%の助成金カットになったとはいえ、284万円の削減が与えた区民への波紋は非常に大きかったと言わざるを得ず、今回の配分などについて疑問を感じざるを得ません。 そこで、お尋ねいたしますが、活動領域ごとの助成総額について、19年度から22年度に至る推移を御答弁いただくとともに、そうした政策決定を行った理由について御説明ください。 続いて、21年度の申請・交付決定の内容から、活動領域ごとの助成額の配分や評価点についてお伺いさせていただきます。 21年度の助成の結果を調べると、活動領域によって申請件数や1件当たりの申請額、交付率(助成額ベース・件数ベース)、評価時の配点にばらつきが生じていることがわかりました。申請件数が多いのは、「子どもと子育て家庭を支援するための活動」が著しく多く、申請153件に対し、134件が交付、不交付は19件で、交付率は件数ベースで87.58%となっております。 ちなみに、この分野の平均申請額は8万6,207円、評価点平均は22.4点、交付率は助成額ベースで97.74%になっております。逆にほかの8領域は申請件数が少なく、ゼロ件の領域もあり、多い領域でも14件という結果が出ております。申請額の平均も、他の8領域は少ない領域で11万643円、多い領域では18万2,667円となっております。この申請自体は上限額は1事業につき20万円ということで、それを申し添えておきます。 この分析で気になるのは、子育て領域の評価点平均が22.4点であるのに対して、ほかの8分野は評価点平均がいずれもそれよりも低く、逆に助成額平均では子育て分野よりも高くなっている点です。 子育て領域の申請件数がけた外れに多く、区民からの需要が高い領域でありながら、実際の施策展開上は十分な分析・配慮に欠けているように感じられます。 そこで、お伺いいたします。 22年度の政策助成の助成総額を減額し、分野ごとに配分した際は、こうした分析がしっかりと行われたのか、具体的にお答えください。 以上、政策助成に関して質問してまいりましたが、すべての住民がみずからの創意工夫により豊かな暮らしを築いていくために必要な公益的な活動の支援は、田中区政の大きな柱と思われます。財政難を理由に、助成額を一刀両断的に削減することや、定量的評価に資するとの理由をもって評価従事者本位であり、申請者にとっての過重な申請事務の押しつけは改善されるべきと考えます。区長の御見解をお尋ねします。 最後に、「区民公益活動推進基金からの助成」についてお伺いいたします。 この事業は18年度からスタートし、現在に至っておりますが、この間の助成事業の内容、変遷並びに基金の推移についてお伺いいたします。あわせて、業務委託提案制度の推移、現状、課題について御答弁をお願いします。 区民公益活動に関する助成制度について、以上、質問させていただきました。政策助成制度、業務委託提案制度、これらについては、10か年計画において制度の改善がうたわれております。中野区にとって重要な制度ゆえの改善と思われます。そうした改善が区民の公益活動にとっても改善につながるように願いを込めまして、質問させていただきました。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 〔区長田中大輔登壇〕 ○区長(田中大輔) 伊東議員の御質問にお答えいたします。 PRE戦略に基づいてつくりました施設白書についてですけれども、小中学校の統合によります施設の再編、認定こども園やキッズ・プラザ開設などの施設の転・活用整備、あるいは学校の耐震補強工事などについては、おおむねこの施設白書で示されたとおりに実践してきております。この施設白書作成に当たって収集した情報をデータベース化して、毎年の評価に活用するべきではないかと、しているのかと、こういう御質問であります。 白書作成時の資料をもとにデータベースをつくっておりまして、各施設単位で保存データの分析を行い、毎年行っている施設点検業務において、劣化度評価の指標等として活用しているところであります。 長期保全計画の進捗状況についてですけれども、従来から取り組んできました大規模施設の改修については、施設劣化が著しい上鷺宮特別養護老人ホームや障害者福祉会館などで進めているところであります。その他の中小規模の施設については、建物本体と比較して、耐用年数が短い空調設備やエレベーター設備などを中心に、各部位別での保全を計画的に進めているところであります。 それから、行政財産目的以外の実質的利活用、この目的外利用が緩和されたということについての御質問であります。 平成18年の法改正によって緩和された行政財産の目的外使用に当たる案件は、今のところ該当するものがないという状況であります。 それから、補助金適正化法によっても、さまざまな形で処分、転用が制約されるだろうと、こういった御質問でありました。 補助金適正化法には、当該補助金を所管する省庁の承認を受けないで補助金交付の目的に反した使用譲渡、交換、貸付などを行ってはならないと規定されております。補助金を受けた施設を処分したり転用する必要が生じると、こういう場合があるわけですけれども、こういった場合には、関係省庁とも協議を行いながら進めているところであります。 それから、売却等の処分、活用に当たっての具体的な手法はと、こういう御質問であります。 売却処分に当たっては、一般競争の方法によるのが一般的であり、そのような形で行っております。また、暫定的な活用にあっては、将来、本来用途に供する時点で支障がないように設定した駐車場でありますとか資材置き場などの用途で、借地権が生じない形での貸し付けを行っております。 それから、地域支えあいネットワークに関連して、「元気でねっと事業」についての御質問がありました。 「元気でねっと事業」の事業の詳細について、反省を踏まえて報告をと、こういうことであります。 区は、当時の基幹型在宅介護支援センターを中心に、元気でねっと協力員の募集、登録、受付、研修などのほかに、協力機関連絡会議の開催や地域型在宅介護支援センターの支援、指導を担当しておりました。また、当時の地域型在宅介護支援センターでは、見守り希望者の受付、見守りプランの作成、実態把握のほか、協力員情報交換会開催などの役割を担っておりました。「元気でねっと」では、協力員の確保がなかなか進まず、見守り希望者と協力員の数のバランスが合わない状態が続いたため、うまく組み合わせることができなかったということであります。結果として、制度としては大きな成果を上げることができなかったと、このように考えております。 協力員の負担感の大きさでありますとか、日常的なつながりとは離れたところでの見守りといったようなことが積極的な参加を得られにくい原因ではなかったのかと考えているところであります。 民生委員によりますひとり暮らし高齢者確認調査の結果表についての保管は、福祉推進分野で行っております。また、緊急連絡カード兼元気でねっと登録申請書の保管は、地域包括支援センターで行っているところであります。平成20年度のひとり暮らし高齢者確認調査の対象者数が7,300人であることを勘案いたしますと、登録見守り希望者が2,300人余りということは、この元気でねっとの事業についての一定程度の周知そのものはできていたと考えるわけであります。 制度のPRそのものよりも、やはり制度そのもののつくり方に問題があったと、このように考えるべきかと考えているところであります。 それから、協力機関の協力体制についてであります。 協力機関との連絡調整は、現在、福祉推進分野が担当しておりまして、協力機関連絡会議を開催して意見交換などを行ってきたところであります。しかし、元気でねっと事業が事業としては活性化しなかったため、実質的には協力体制も余り機能はしなかったというのが実態であります。 それでは、この地域支えあいネットワーク構築に向けた3か年重点プロジェクトの進捗状況についてはどうなんだと、こういう御質問であります。 3か年重点プロジェクトの進捗状況ですが、プロジェクト全体としては、すこやか福祉センターの開設など、おおむね計画どおりに進んでおりますが、一部地域と行政との情報提供、共有の仕組みなど、予定よりおくれているものもあります。 重点プロジェクト1、活動しやすくするための環境づくりという点ですけれども、主な取り組みの11項目とも着手済みであります。しかしながら、21年度実施を予定していた支援に必要となる個人情報を共有するための仕組みづくりと、それから、医療関係機関との連携については、今年度中に実施を予定しているところです。 それから、重点プロジェクト2、地域の支えあいネットワークづくり、これの主な取り組みの5項目とも着手済みとなっています。しかし、20年度の実施を予定していた地域懇談会の開催は、スケジュールから1年おくれて21年度から実施しております。また、平成21年度を予定していた元気でねっと事業の発展的解消は、23年度から支えあい活動開始地域から順次実施を予定しているところであります。 それから、重点プロジェクト3、支えあいが広がる主な取り組みの8項目とも着手済みとなっております。しかしながら、(仮称)区民活動センターとの連携ということについては、現在、具体的な連携方法について、庁内で検討を行っているという段階であります。 これらの取り組みにつきましては、元気でねっと協力員会議等で随時御説明をしているところであります。また、プロジェクト全体としては、なかなか包括的に御報告する機会というのが持てていなかったわけでありますが、個々の取り組みの動きについては、随時、地域での話し合いなどを通じて、地域の皆様に御説明したり、議会でも報告をしてきているところだと、こう考えておりますけれども、この3か年重点プロジェクトという取り組み全体の進捗が大変重要な意味を持っているということで、今後、プロジェクト全体の進捗についての報告や、あるいは議会への報告や、あるいは区民の皆様に対する御説明などを行ってまいりたいと、このように考えております。 それから、こういう中で、(仮称)地域支えあいネットワーク推進条例の制定を急ぐのはなぜかと、こういう御質問であります。 地域支えあいにおける情報共有の仕組みとして、区では、支えあい活動を行う町会等への対象者の名簿の提供を予定しております。地域によっては、既に独自の支えあい活動に取り組んでいるところや、あるいは支えあい活動実施に向けた準備を行っていただいているところもありまして、区としては、その支援のための情報提供の仕組みや共有の仕組みの構築も考えているところであります。また、すこやか福祉センターもこの7月から発足するという中で、地域支えあいの中で区が果たしていくべき積極的な役割、区の責任もきちんと明確化していくということが今後の展開を考える上では大事なことだと考えておりまして、そうしたことから、条例を制定して、一定のルールのもとに個人情報を取り扱うなど、体制を順次つくっていく必要があると、このように考えているところであります。 それから、支えあいのポイントについての御質問がありました。 支えあいポイントについては、平成23年度からの実施に向けて、詳細について検討しているところであります。 参考となるような先進事例についてということでありました。例えとして杉並区の例であります。平成21年度から長寿応援ポイント事業として、高齢者の地域貢献活動に対してポイントを配布しております。長寿応援ポイント事業では、高齢者団体が地域での地域貢献活動、健康増進活動、生きがい活動に参加した際にポイントを付与して、集めたポイントは杉並区内共通商品券と交換しているというところであります。 こういったさまざまな事例も出てきているところでありますので、十分に参考としながら検討を進めていきたいと思っております。 それから、私からの最後で、区民公益活動に関する助成について、1点、財政難を理由に、やみくもに助成を削減したり、あるいは申請事務は過重な事務を区民団体に押しつけるといったようなことについて見解を尋ねたいという御質問でありました。 区民が主体となる区民公益活動の充実・発展は、今後も大事な取り組み、大切な取り組みだと考えております。助成予算額の縮小につきましては、限られた財源をより効果的、効率的に執行していくため、予算査定の中で判断したというものであります。 財政状況の中で歳入が大幅に減少していく、こういう中でやむを得ざる判断というものはあるわけでありますが、最低限というか、区民の活動そのものが先細りになってしまうような、そうした削減にまではならないように十分に配慮しなければならないと。その上で、十分御協力をお願いしたいと、このように思っております。 また、事務の関連ですが、公正・公平な助成の決定ができるように、必要な情報はこれまでどおり把握する必要があると、こう思っておりますけれども、御質問の中にありましたように、報告でいただいているものをさらに申請のときに記述を求めるといったようなことについては、実績報告の活用なども含めて手続全体を改めて点検して、簡素化につながるように改善に努めていきたいと、こう思っております。 私からは、以上であります。 〔区民生活部長鈴木由美子登壇〕 ○区民生活部長(鈴木由美子) 私のほうから、区民公益活動に関する政策助成、それから、基金助成に関してのお尋ねにお答えいたします。 まず、申請事務の負担増についてでございます。 これまでも過去2年間の実績というのは、簡単な総額というふうなことでの実績報告をいただいておりました。今年度少し詳細に御記入をお願いしたところであります。それが負担感がふえたというふうな御指摘でございますが、公平・公正な助成を決定できるような必要な情報というものは的確に把握したいと思います。ただ、御指摘の点も踏まえまして、内部事務の合理化や重複する記載内容の簡素化など、改善や工夫をしてまいりたいというふうに考えてございます。 また、各領域の予算の推移についてのお尋ねがございました。 19年度から21年度まで、総額としましては1,700万円をずっと推移してございまして、今年度削減枠というふうなことで、大幅な縮小になったということでございます。ただし、地区委員会の啓発事業につきましては、別枠で別事業に移行したというふうなことで、実質20パーセントの予算の減ということで執行させていただいてございます。 各領域ごとにつきましては、前年度の実績というようなことで案分させていただいています。そういう意味では、比較的当初から大きな枠の変遷はございません。最初から子ども関係の活動の領域は、ほかに比べて多かったというふうな経緯はございます。ただ、領域によっては実績がないものもございますので、そういったところは枠を縮小して、逆に調整部分として、子ども関係のところに当て込むというようなことも中では調整させていただいた、そのような経緯がございます。 それから、助成制度のうちに、さまざま審査に当たっては、これまでの領域ごとに配分するときのバランスなどの分析を行ったかというふうなお尋ねがございました。 今回の審査に当たりましては、これまで若干領域間のバランスがあった、そういうところを是正する意味で、評価の適正化により努めたところでございまして、採点基準の明確化など、一定の分析を行って改善を図ったところでございます。 次に、基金助成のほうの内容、それから、変遷、基金の推移についてのお尋ねがございました。 区民公益活動推進基金からの助成の事業につきましては、平成18年度スタートして、毎年10数事業の応募がございます。これを区民公益活動推進協議会による審査を経まして、毎年度、各9事業に交付してきた実績がございます。交付事業の内容は、いろいろに分かれてはございますけれども、やはり全体としては、子育て支援でありますとか、健康や障害者への支援といった保健福祉関連の事業が多い傾向が続いてございます。 また、基金でございますけれども、当初300万円からスタートいたしまして、毎年度の事業助成への充当と一般からの寄附を基金へ積み立ててきてございまして、22年の5月末現在の基金残高は約182万円となってございます。 最後に、業務委託の提案制度についてのお尋ねがございました。 業務委託の提案制度も、やはり平成18年度から開始したものでございます。4年間で提案総数は21件でございます。そのうち、採用させていただいた業務は2件で、採用のない年度もございました。今年度もこの6月末の締め切りで募集しているところでございます。 この業務委託の提案制度につきましては、区長の附属機関であります区民公益活動推進協議会から、区が区民や区民団体に対して、必要な助言や情報をもっと積極的に提供し、制度の趣旨の理解、促進に努めるよう、もう少し働きかけなさいというような御意見をいただいてございます。こうした御意見を踏まえて、庁内で十分議論を深めて、この制度の運営を推進してまいりたい、このように考えてございます。 以上でございます。 〔伊東しんじ議員登壇〕 ○11番(伊東しんじ) 再質問させていただきます。 まず、PRE戦略について、施設白書に関連した収集した情報のデータベース化、区の実情について御答弁いただきました。 御答弁を聞く限りでは、建物、要するにハードの維持に関してのデータベース化というように聞き取れたんです。私は、質問の中に申し上げましたように、有効利用度評価、施設の運営面に関して、どれほどその施設が効率的な運営がされているのか、それから、区民の需要に対してどれほど貢献しているのか、そうしたものも、これからは施設を維持・運営していく上では必要ではないかという質問をさせていただきまして、それも含めてデータベース化したらいかがでしょうかと求めているわけです。ですから、そういう意味で、今後、そういうことを検討していくのかいかないのか、既にもう着手しているのか、それについてお伺いしたいと思います。 それと、もう1点、補助金の適正化法について、一々慎重に取り扱っているという御答弁をいただきました。それは結構なことだと思うんですけれど、場合によっては、やむなくこの法律に照らして、補助金を返還せざるを得ない場合も一部生じてくるんじゃないか、そういう心配をしているわけで、それをしないことにこしたことはないわけで、その辺については、区のお考えはどうされているのか、御答弁をお願いしたいと思っております。 それと、最後、区民の政策助成について、いろいろな分析を行ってきた。なおかつ、申請業務について公正な評価を行う上で必要だという御答弁もありましたけれども、減額された上になおかつ申請書類が煩雑になるということは、区民にとっては二重の痛みであります。今後、業務内容、事務内容を精査して、なるべく負担が少ないように、そして、助成としては、公平な助成が行われるように、再度、そうした強い姿勢を御答弁いただきたいと思っております。 以上で再質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。 〔区長田中大輔登壇〕 ○区長(田中大輔) 再質問にお答えいたします。 施設の有効利用度についての評価、適正にかつ区民にとって効果的に利用が図られているどうかといったことについての評価をデータ化しているかということなんですけれども、そこまでの評価のデータ化というものまでは、現在のところできておりません。必要な観点と思いますので、今後どのように取り入れていくか、検討してまいります。 それから、補助金適正化法にかかわらず、実際には返還してでも施設の処分・転用等をする場合があるのではないかと。おっしゃるとおりでありまして、補助金を返さなければいけないから、活用できないということでもない場合もあり得るというふうに思っております。転用する目的が差し迫っていたり、あるいは補助金を返還するということについて、それ以上に効果のある使い方ができると、そういったこともあり得るわけでありまして、そういった場合には返還するということも含めて、柔軟な対応を行っていきたいと考えているところであります。 私からは、以上です。 〔区民生活部長鈴木由美子登壇〕 ○区民生活部長(鈴木由美子) 再質問にお答えいたします。 区民公益活動の申請時のさまざまな事務の負担につきまして、今回、改正したことが負担感を増長させたというふうなことで、私どもの工夫が不足していたかなというふうに考えてございます。 さまざま御指摘いただいたことを踏まえまして、内部での引き続き合理化、重複するものの改善について速やかに対応してまいりたい、そのように考えてございまして、引き続き、区民の公益活動が活発に行われるように支援してまいりたい、そのように考えてございます。 ○議長(伊藤正信) 以上で、伊東しんじ議員の質問は終わります。 議事の都合により暫時休憩いたします。 午後2時38分休憩 午後3時00分開議 ○議長(伊藤正信) 会議を再開いたします。 この際、申し上げます。 議事の都合上、会議時間を延長いたします。 一般質問を続行いたします。 中野区議会議員 内 川 和 久 1 中野駅周辺開発について 2 第九中学校・中央中学校統合新校について 3 桃園川緑道について 4 その他 ○議長(伊藤正信) 内川和久議員。 〔[1]内川和久議員登壇 〕 ○1番(内川和久) 平成22年第2回定例会におきまして、自由民主党議員団の立場で一般質問をさせていただきます。 質問は、通告どおり、1番として、中野駅周辺開発について、2番として、第九中学校・中央中学校統合新校について、第3番目として、桃園川緑道について、4番目のその他はございません。 それでは、早速、質問に入らせていただきます。 改めまして、田中区長、再選おめでとうございます。今回の区長選挙の一つの争点として、中野駅周辺開発が取り上げられました。田中区長以外のすべての候補者が開発の中止・見直しを掲げ、私としても大変気をもみました。結果、2位に2万票もの大差をつけ、区長は再選され、引き続き中野駅周辺開発は無事に続けられることになりました。私も大変安心しております。 新聞に掲載された区長の抱負には、「厳しい財政状況ではあるが、この4年間で具体的な道筋をつくる。中野駅北口広場再整備はできるだけ早く動かさないといけない」と強い意欲を見せておられました。しかしながら、区長の残り任期は最後の4年間と短く、駅周辺の開発を見届けるには余りにも短いと感じます。 「新しい中野をつくる10か年計画(第2次)」によりますと、区長任期の4年後、ステップ2までには、警察大学校等跡地第1期・第2期整備、区役所・サンプラザ地区の再整備構想策定、区役所移転計画の策定、中野二丁目再開発事業等支援、中野三丁目地区まちづくり計画策定、中野四丁目西地区まちづくり方針案策定、中野駅西側南北連絡通路整備等々、やることは山積みであります。 また、区長の施政方針説明の中には、「駅整備とあわせて、駅の北口及び南口の各地区で具体的なまちづくりの協議・調整を進めていきます」とはっきりうたわれています。警察大学校等跡地整備・北口広場整備だけでなく、きちんと南口にも目を向けて、駅周辺の開発を進めていかなければならないと考えます。改めて区長の抱負をお聞かせください。 次に、本年3月には、中野駅地区整備基本計画が策定されました。その中で第1期整備として、現北口駅前広場改修、東西連絡路の整備などが平成24年春完了予定となっています。非常にタイトなスケジュールと思われますが、第1期整備に向けて、現在の状況をお聞かせください。また、JRとの協議は一体どのようになっているのか、お聞かせください。 次に、新しい中野をつくる10か年計画(第2次)によりますと、ステップ2までには駅西側南北連絡通路整備とありますが、南側(中野三丁目)側の接続点はどのように考えているのでしょうか。JR用地の中には物理的に整備するスペースがないため、必然的に中野三丁目側に用地を取得するしか方法がありません。現在の状況をお聞かせください。 次に、JRも含めた「交通結節点整備あり方検討会」は、その内容が全く非公開であります。駅周辺開発には、JRの協力と理解が不可欠であります。JRは、この中野駅の持つポテンシャルをどのようにとらえているのか、また、将来的に駅ビルまで検討を行っているのか、現在の状況をお聞かせください。 次に、区役所・サンプラザ地区の再開発は、あくまでも一体の計画であると聞かされてきました。ところが、先日、特別委員会で示された案では、区役所とサンプラザ別々の開発案も示されました。これは駅周辺の動線計画に少なからず影響を与えることとなり、提案された「まちづくり中野21」と区との間できちんとコンセンサスがとれていないのではないのかと心配されます。区役所・サンプラザ地区はあくまでも当初の計画どおり、一体での再開発が望ましいと考えますが、区のお考えをお聞かせください。 次に、中野三丁目では、旧丸井駐車場後に超高層マンションの計画が進んでいます。区が定める商業エリアに100%住居のこのマンションには、地域住民からも反対の声が出ており、当初の計画よりおくれていると聞いています。商業地域のすぐ背後に住宅地が広がる中野駅周辺では、民間開発を進める上で、区の適切な関与・誘導が欠かせません。今後、このようなマンションの計画が出た場合、中野駅南口まちづくりとの観点から、どのように対処するのか、区のお考えをお聞かせください。 この項の最後に、第1回定例会総括質疑でも取り上げさせていただきましたが、まちの魅力と活力を高めていくためには、ハードの部分はもちろんのこと、ソフトの部分、タウンマネジメントが重要となってきます。区として、この2年間でその仕組みづくりをするとのことですが、第1回定例会総括質疑での答弁では、何ら具体的な方針は示されませんでした。今後の取り組み方についてお考えをお聞かせください。 また、我が会派の大内しんご議員も触れておりましたが、「食の逸品グランプリ」と「にぎわいフェスタ」は、民間や地域の協力を得ながら今後も続けていく方針とのことですが、まちのにぎわいという点で大切なことだと考えますので、軌道に乗るまで区のサポートをお願いしたいと思います。 2番、第九中学校・中央中学校統合新校についてお伺いいたします。 第九中学校・中央中学校の再編については、平成21年6月より現在まで8回の統合委員会を開催し、新校開校に向けて順調に準備が進んでいると聞いています。最近では、基本構想・基本計画も策定されました。いよいよ統合新校の建物の概要もほぼ決まり、地下1階地上5階、南向きに普通教室を配置し、一般開放できる温水プールや柔剣道場など、区内でも最新の設備を備えた、まさに中野区の顔となる中学校が誕生しようとしています。 今後は、統合新校の校名の検討、標準服についての検討等、平成26年度の開校に向けて、私も大変楽しみにしております。関係各位の努力に敬意を表したいと思います。 そこで、幾つか質問をさせていただきます。 私が平成19年第3回定例会一般質問で、統合新校の南側から通う生徒たちのために、南側からも学校へアクセスできないものかと質問させてもらった経緯があります。九中校区(南側)から通う生徒たちがわざわざ早稲田通りまで出なくても登校できるよう、南側からも学校へ入れるよう対処していただきたいと考えますが、どのような対策がとられたのか、教育委員会のお考えをお聞かせください。 また、今後、学校の再編が進むにつれ、児童・生徒の通学距離は伸びていきます。一部の統合新校ではバス通学を認めているところもありますが、教育委員会として、児童・生徒の通学の安全をどのように守っていくのか、また、通学の手段についてもお考えをお聞かせください。 次に、平成24年から26年までは現在の九中の場所で統合新校がスタートすることとなります。教育委員会としては、23年度から新しい校区に変更すると聞いています。これですと、九中直近に住んでいる子どもたちは十中が校区となり、非常に不便であります。24年度から26年度の2年間は指定校変更を柔軟にする必要があると考えますが、お考えをお聞かせください。 また、現在の第九中学校校区の東側が第十中学校の校区となりますが、第十中学校は第三中学校・第五中学校との再編の予定となっています。地域の子どもたちや保護者が中学校を選ぶ場合、再編される学校はなるべく避けたいと考えています。三・五・十中学校の再編計画は、当初の予定よりおくれているようですが、現在どのようになっているのか、お聞かせください。 次に、中央中が九中に統合される平成24年から平成26年の2年間、生徒数の増加はどのぐらいになると考えているのでしょうか。たとえ2年間でも生徒が不自由なく、授業や学校活動ができるよう、教室、校庭等必要な整備をするべきと考えますが、現在の計画をお聞かせください。また、特に騒音問題では、生徒数がふえれば、今以上に近隣との関係に気を使うことになりますが、校庭等どのような対策を考えているのか、お考えをお聞かせください。 最後に、この第九中学校・中央中学校の統合新校は、これからの中野の顔となるべき学校と考えます。内部の設計はもちろんのこと、外観、意匠も生徒たちが毎日通いたくなるように、新警察病院やこれから進出が決まっている私立大学等と同様に、地域と調和したデザインにするべきと考えますが、区のお考えをお聞かせください。 また、我が会派の高橋ちあき議員も触れておりましたが、統合新校の南側に隣接しています国有地は、将来的に公園として整備ができれば、統合新校の魅力の一つともなります。国が売却の方針を決めた場合には、ぜひとも中野区として、余り腹の痛まない方法で取得に向けた努力をしていただきたいと思います。 3番、桃園川緑道についてお聞きします。 桃園川緑道は、下水道幹線として、ふたかけ後の昭和42年から順次遊具や植栽が施され、主に遊び場として利用されてきました。その後、緑や花を楽しみながら歩ける快適な道とするために、昭和60年から平成6年まで再整備が行われました。 この緑道は、中野区を横断する形で、延長2,302メートル、幅員は平均で6.5メートル、面積に換算すると、実に1万5,000平方メートルもあります。通勤や通学に使われるだけでなく、散歩やジョギングなど幅広く区民の健康増進に一役買っています。緑道両わきには、ツツジやツバキをはじめ90種類にも及ぶ季節の花々が咲き、管理もよく行き届き、いやしの空間として、これからも区民の財産として大切にしていきたいと考えます。 ただ、一つ残念なのは、オートバイや自転車の駐車が多いということです。私もこの緑道の近くに住んでいますので、一体何台駐車しているのか数えてみました。実に164台であります。オートバイが意外に多いのに驚かされました。一時的にとめているものもあると思いますが、パイプと自転車をかぎでつないでいるもの、オートバイにカバーをかけているものなど、日常的・恒常的に駐車しているものと判断せざるを得ません。緑道には二輪車が入れないようにブロックが設置されているにもかかわらず、まるで自分の駐車場のように使用されています。先日、たまたま通りかかった警察官に問い合わせたところ、管轄外なので、違反や撤去はできなく、どうしようもないとのことでした。 桃園川緑道は、下を流れる下水は都が管理し、ふたかけの道の部分は区が管理するという形態をとっています。道の部分で何か不測の事態が起きた場合には、区の責任とのことです。当然のことながら、そこにとめてある自転車やオートバイに関しては、区が対応をとらなければなりません。 そこで、お聞きします。 現在、区では、このような自転車やオートバイの駐車にどのような対応をとっているのか、お聞かせください。また、撤去した場合に撤去料の5,000円を徴収できているのか、お聞かせください。 次に、この桃園川緑道には、神田川四季の道のように、通行に関する規則もなければ、妙正寺川公園のような特別な条例もありません。早い話、無法地帯となっているため、それを知っている人たちがこの緑道に勝手に駐車をしているわけです。 平成14年3月に東京都下水道局と当時の神山区長との間で「下水道用地使用許可書」が結ばれています。この中にははっきりと「区立公園用地として使用しなければならない」と明記されています。ところが、区が都市公園として位置付けると管理上問題があるとの下水道局からの指摘があり、断念した経緯があるそうです。現在この桃園川緑道の位置付けは、「公園的な維持管理を行う単なる広場でしかない」とのことでした。区内にはほかに2カ所の「単なる広場」が存在します。一つは上鷺宮緑地、それと三角広場です。面積はそれぞれ142平方メートル、134平方メートルで、1万5,000平方メートルを有する桃園川緑道とは全く状況が違います。 そこで、お聞きします。 区としては、桃園川緑道は「単なる広場」でしかないという現在の位置付けをどのようにとらえているのか、お考えをお聞かせください。 次に、隣の杉並区では、経緯は不明ですが、中野区とは違い、昭和40年代ごろから、この緑道に既に公園告示を行っていて、公園条例及び都市公園法を適用しています。この際、中野区においてもきちんと規則・条例等を制定できるよう、下水道局と協議をする時期であると考えますが、お考えをお聞かせください。 次に、区には「中野区自転車等放置防止条例」があります。指定地域以外の放置自転車撤去は難しいとのことでした。しかしながら、この条例の条文には「大量の自転車等の放置が認められる地域であること」または「継続して自転車等の放置を規制しなければ、前号に規定する状態になるおそれが大きい地域であること」との記述があります。桃園川緑道はこれに該当するのではないかと私は考えますが、区のお考えをお聞かせください。 最後に、前述した下水道局との「下水道用地使用許可書」は、平成19年3月をもって5年間更新されています。条文の中には、やはり区立公園として使用しなければならないと明文化されていますが、現在どのような状況になっているのか、お聞かせください。 これで、私のすべての質問を終わります。 御清聴、まことにありがとうございました。(拍手) 〔区長田中大輔登壇〕 ○区長(田中大輔) 内川議員の御質問にお答えいたします。 中野駅周辺のまちづくり、南口のまちづくりについても目を向けて開発を進めていかなければならないのではないか、こうした御質問でありました。 中野駅周辺まちづくりのグランドデザインでは、中野駅周辺は区の広域中心拠点として、また、東京の新たな活動拠点として、区全体の活力、まちづくりを牽引していく地区として位置付けをしているところであります。その中で、南口地区は、暮らしを彩る文化活動拠点、また、新しい個性を生み出す文化発信拠点として、目指すべきまちの姿を描いております。中野駅周辺の異なるまちの個性が一体となるように連携し、相互に価値を高めていくことで、まち全体のポテンシャルを高めていきたい、このように考えて、南口のまちづくりについても、しっかりと取り組みを進めてまいります。 中野駅地区整備の第1期整備に関する検討状況、また、JRとの協議の状況についてであります。 現在、中野駅地区第1期整備完了に向けて、現北口駅前広場及び東西連絡路等の整備にかかわる基本設計や仮設自転車駐車場などの整備の検討を行っております。JR東日本とは、現北口改札の改修に向けた具体的な協議を進めているところであります。 駅西側の南北通路の整備についての御質問がありました。 昨年度、「中野駅西側橋上南北通路、改札新設及び北口改修に関する調査」を実施いたしました。この調査の中では、南側のおり口について、JRの用地内、中野三丁目側など、幾つかの可能性を挙げて検討をいたしました。今後、この調査を踏まえて、整備内容の方向性について検討を進めてまいります。 それから、JR側の検討についてどうなのかと、JRは中野駅のポテンシャルをどのようにとらえているのかといったような御質問であります。 中野駅周辺のにぎわいや活力を高め、東京の新たな活動拠点を形成するためには、その核となる中野駅は重要な位置を占めております。JRの協力は欠かせないものと考えております。中野駅のポテンシャルについて、JRも一定の評価をしていると聞いております。しかしながら、将来の具体的投資計画に結びつくような見解まではまだ明らかにされておりません。 それから、区役所・サンプラザ地区の一体整備についての御質問がありました。 平成20年第3回定例会において議決をいただいた「サンプラザ地区にかかわるまちづくり整備の方針」では、中野区役所本庁舎の敷地及び中野駅北口広場並びに中野駅地区との一体的な計画により整備を行うものとすると定め、その方針に基づいて検討を進めております。 本年第1回定例会中の特別委員会において御報告いたしました「区役所・サンプラザ地区再整備等の考え方」の四つの案は、建物が分かれる案も含めて、一体的な計画により整備をすることを念頭に置いたものであります。この四つの案を四者択一ということではなく、今後の検討のたたき台としてつくられたものでありますので、今後さらに検討してまいります。 中野三丁目のマンション建設に関連しての御質問もありました。 現在建設中のマンションにつきましては、来街者等の安全な歩行者空間づくりを重視して、敷地をセットバックしたり、あるいは敷地内の歩行者通路の確保をするといった協力が得られたところであります。まちのにぎわいと活力を高める観点から、民間の建設計画について適切な働きかけを行うよう留意をしていきたいと考えております。 それから、中野駅周辺のタウンマネジメントについての御質問もありました。 タウンマネジメントにつきましては、中野駅周辺におきます良好な環境や地域の価値を維持・向上させることを目的に、事業主、地権者、住民等が一丸となって主体的に取り組むもので、地域の共有物の維持管理や快適性、安心・安全の維持向上、また、イベントの開催や情報発信などの活動を行うことを想定しております。現在、効果的なマネジメントができるよう、業務内容や組織体制、収益構造などについて検討しているところであります。こうした検討を踏まえ、地元事業者、企業、地権者などへ働きかけ、組織の立ち上げに向けて準備を進めてまいります。 また、中野駅周辺の関連で、にぎわいフェスタ等、地域のにぎわいをもたらすイベント等について引き続き区のサポートをという御質問がありました。 区といたしましても、地域のにぎわいを発信していく、そうした御努力に対して積極的に御支援をしていきたいと、こう考えております。 また、中央中・九中統合新校の関連のところで、南側の国有地について御質問がありました。 この南側の国有地について、国家公務員宿舎の建設が完全にないという状況になった場合には、区としては、公園用地として取得していきたいと、こう考えているところであります。公園用地として整備して、学校の教育環境を向上するとともに、まちの魅力、公園の機能も向上していきたいと、このような考え方であります。公園として取得するということになれば、都市計画公園の拡張用地ということになりますので、事業の補助金等の制度が活用できるということになるわけであります。 私からは、以上です。 〔教育長田辺裕子登壇〕 ○教育長(田辺裕子) 第九中学校・中央中学校統合新校についてのお尋ねでございました。 現九中通学区域から通学する生徒の安全対策でございます。統合新校として中央中の位置に建設される学校に通学するお子さんにつきましては、校地の南側に通学に利用できる門を設置し、現第九中学校区の通学区域から通学してくる生徒の利便性や安全性を確保していく考えでございます。また、学校再編により通学距離が伸びる児童・生徒の通学手段等につきましては、教育委員会として、個々の学校の課題について早期に安全対策を示すとともに、保護者や地域住民の意見を聞きながら、学校や保護者などと十分協議をしてまいります。 九中と中央中の統合新校につきましては、基本的には徒歩で通学できる範囲というふうに考えております。しかし、一部通学距離が長くなるお子さんに対しましては、学校長の判断でバス通学の許可をすることとしてございます。 次に、平成24年度の統合の際に第十中学校区への通学区域の変更に伴いまして、対象となる生徒への対応でございますが、統合新校が仮校舎として現在の第九中学校の位置にある間、通学区域が変更になる地域に居住する児童・生徒については、指定校変更の弾力的な取り扱いにより、統合新校への指定校変更を認め、また、新校舎移転後も引き続き通学できるようにする考えでございます。 次に、三中、五中、十中の再編計画のお尋ねがございました。 今後の再編については、引き続き小規模校を解消し、適正規模の学校を確保するという観点から、これまでの基本的な考え方とは変わりございません。中・後期の再編計画につきましては、教育環境の変化やこれからの中野の教育の検討会議の検討結果などを踏まえ、今後検討してまいります。 最後に、外観やデザインにも配慮した魅力ある学校をというお尋ねでございます。 生徒の可能性を大きく引き出す良好な教育環境として、生徒がのびのび学べる学習環境を、生き生きと過ごせる生活空間を基本コンセプトとしてつくってまいりたいというふうに考えております。また、中野駅周辺まちづくりガイドラインに基づき、既存樹木を生かしつつ、環境負荷や防犯、防災の観点にも配慮しながら、周辺建物との調和を図っていく考えでございます。さらに、中野の新しい魅力拠点の一つとして、また、地域のコミュニティの核としての学校としても、新校舎の外観やデザイン等について魅力あるものとなるよう検討してまいります。 〔都市整備部長服部敏信登壇〕 ○都市整備部長(服部敏信) 私からは、桃園川緑道につきまして、何点かの御質問にお答え申し上げます。 まず、緑道に置かれております自転車・バイクへの対応でございますが、無断でとめている自転車につきましては、警告札の張りつけ後、数回警告を行い、その後に撤去してございます。また、不法にとめられておりますバイクにつきましては、同様に警告を行っておりますが、なかなか効果があらわれないのが現状でございます。 次に、こうした撤去の手数料の関係でございますが、緑道の一部が中野区自転車放置防止条例に基づきます中野駅の規制区域内に入るため、返還の際には撤去手数料5,000円が必要となってございます。それ以外の区域はこの対象外でございます。 次に、緑道の位置付けでございます。現状では東京都との「下水道用地使用許可書」によりまして区では緑道の維持管理のみを行っている状態でございますが、改善すべきものと考えてございます。 次に、桃園川緑道の規制区域化についてでございますが、緑道につきましては、現在規制区域となっております地区を除きまして、鉄道駅または大規模商店街の周辺地域であること、また、公共の用に供する自転車駐車場が設置されていることの要件を満たしていないので、規制区域とすることはできないとなってございます。 最後に、下水道局との協議あるいは区立公園との使用の関係の御質問でございます。 都下水道局とは、現在、平成19年4月1日から平成24年3月31日までの間、5年間の使用期間の更新をしてございます。その中には、その目的が区立公園もしくは緑道となってございます。区といたしましては、都市公園として公園告示が可能となると、区立公園条例を根拠にして対応できるようになることが望ましいと考えてございます。そのために、今後、土地の所有者でございます都下水道局と都市公園として位置付けられる方向で協議するように検討していきたいと考えてございます。 以上でございます。 〔教育長田辺裕子登壇〕 ○教育長(田辺裕子) 第九中学校・中央中学校統合新校につきまして、答弁漏れがございました。大変申しわけございません。 現在の九中の校舎の施設整備に関連してでございます。第九中学校と中央中学校の統合時の生徒数は、第九中学校の通学区域の一部が第十中学校に変更になるため、おおよそ12学級程度を想定しております。なお、仮校舎で使用する第九中学校につきましては、普通教室を15教室確保するとともに、少人数指導にも対応できるよう良好な学習環境を確保するための必要な改修工事を行う予定でございます。 ○議長(伊藤正信) 以上で、内川和久議員の質問は終わります。 中野区議会議員 ひぐち 和 正 1 定住対策家賃助成について 2 (仮称)南部防災公園と(仮称)本町五丁目公園について 3 すこやか福祉センターの24時間365日の相談支援サービスの提供について 4 その他 ○議長(伊藤正信) 次に、ひぐち和正議員。 〔ひぐち和正議員登壇〕 ○2番(ひぐち和正) 平成22年第2回定例会一般質問におきまして、自民党の立場から質問させていただきます。 質問項目は、通告どおり、1定住対策家賃助成について、2(仮称)南部防災公園と(仮称)本町五丁目公園について、3すこやか福祉センターの24時間365日の相談支援サービスの提供について、4その他はございません。 それでは、定住対策家賃助成について御質問いたします。 現在、中野区に住んでよかったまちとして高い評価をされていますが、しかし、中野区行政も努力はしているものの、決して中野区の環境がいいからだとは言えません。中野区は新宿や渋谷に隣接して、職場への通勤や買い物に行きやすいなどの条件がいいため、生活の利便性が高いからだと思います。その利便性に甘んじないよう、これまで以上に中野区独自の魅力ある住みやすいまちをつくらなければなりません。 中野区も、統計によるグラフでは、高齢者層と若年者層が多くなっており、働き盛りの世代が少なく、ボトルネック状が続いています。これから団塊の世代が高齢化に向かい、ますます社会福祉が必要とされて、そのための予算をつくり上げなければならないと思います。また、世界的に急激な経済の変化が、区民も混迷し、人間の生活に欠かせない衣食住の基本的に必要なものの考え方から、住まいは安定しなければなりません。 このような高齢化社会にも、先を見越して中野区は税収を確保し、高めるには、安定的な企業の誘致や住民の定住が必要であり、中野区民にとって安住のまちにしなければなりません。 中野区長は、読売新聞の記事から、抱負として「区の経営力を強める」として、「税収が下がって厳しい状況だが、国や都に頼らない自治体の経営力を強める必要がある。そして、人員配置や政策目標も見直す必要がある」としています。中野区がこれから進める再開発の一環として、大学の誘致は、学生時代の住みなれた場所として生活し、若い働き手の定住を促す一つのチャンスと考えます。 中野区は、住みなれた地域で安心して自立した生活が送れるように、高齢者世帯と障害者世帯の住みかえ支援や見守り支援などで住居安定支援事業を支援し、助成しています。そして、子育て支援の環境の整備や活気あふれるまちの形成など、暮らしやすさの基盤には目が届きつつあるものの、10か年計画の中の子育て支援の中には、働き盛りの住居安定支援事業は含まれておらず、働き盛りの若い世帯で区内に住み続けることを希望しながらも、家賃の値段の高さが理由で中野区内に住みかえることができなくなったり、収入の減少などの理由、あるいは社会人としてスタートするのを機に、実家から独立して単身生活をしたいこと、結婚を機にもっと広い家に住みたい、子どもの成長とともにもっと広い部屋が必要となってきます。 区営住宅や都営住宅に入居を希望しても、場所や条件が合わず、また、年齢などの理由で抽せんの対象にならないなど、働き盛りの世帯は住まいに苦慮しているところであります。働き盛りの世帯が中野区から比較的家賃の安い杉並区や練馬区に引っ越しをせざるを得ない傾向が見受けられています。 こうした中野区と同じ状況の中で、渋谷区では、今年の6月1日から定住対策家賃助成が実施され、世帯構成や総収入の規定や区内の民間賃貸住宅に住みかえるなどの制限があります。そして、募集世帯が多い場合には抽せんになります。その制限と助成金額の内容は、単身世帯では40歳以下で総収入金額が400万円以下では、助成金額は月額3万円、あるいは子育て3人世帯では、総収入金額が600万円以下で家賃が25万円以下である場合には5万円の助成などが受けられます。 それから、新宿区でも定住するための方策として、学生及び勤労者単身や子育てファミリー世帯を助成しています。募集状況は、21年度の募集世帯を上回ったので、公開抽せんにより行いました。助成金額は、学生及び勤労者の単身者は30世帯までの限定で月額1万円の3年間以内、あるいは子育てファミリー世帯は50世帯までで月額3万円で5年間以内の助成です。さらに新宿では、住みかえ住居継続支援を行い、民間賃貸住宅にお住まいの高齢者やひとり親世帯などが家主からその住宅を取り壊し、売却または賃貸事業の廃止などを理由に立ち退きを求められ、別の賃貸住宅に転居したときに支援する仕組みです。また、定住ができなくなったり、助成を受けることは、東京都内だけではありません。過疎化の進んでいる村などは深刻な問題です。 日本が高度経済成長に入った1960年代、それまで農業を営んでいた働き盛りの男性の中には、東京などまちへ出稼ぎに出る者、平日はサラリーマンで休日のみ農業を行う者も多くなり、こうして働き手を失った農村では、残されたおじいちゃん、おばあちゃん、お母ちゃんが農業を行うことになって、「三ちゃん農業」と呼ばれました。現在、村では若者定住祝い金として、結婚祝い金20万円、出産祝い金は第1子に7万円、第2子に10万円、第3子に30万円などの高額な補助金の定住対策を整えているところもあります。 三ちゃん農業とは形が違うにしても、若者の働き手を失うことは中野区も同じと考えます。 そこで、質問しますが、中野区の税収を年代層に分けた場合、どの年代層が多いのか、お聞かせください。また、そのデータから、区としては増収の先を見越して、ファミリー層の定住を図るべきと考えているのか、御見解をお聞かせください。 中野区では、中堅所得者ファミリー向けに区民住宅の空きの入居募集を行っています。世帯の人数が18歳未満の子どもを含む3人以上の世帯が対象です。これは、中野区に定住のためなのか、子育て支援のためなのかどうか知りたいところです。難しい判断ではあろうと思いますが、住居のためならば、区で建物を建てなくても、一般の建物への賃貸の補助の方法でもいいかと思いますが、いかがでしょうか。 中野区では、高齢者世帯、障害者世帯には住居安定支援事業を行っています。高齢者世帯と障害者世帯の住みかえ支援の内容は、どのような内容ですか。 高齢者は住みかえに敬遠されがちと言いますが、支援することによって状況はどのように変わっていますか。また、中野区で単身者や勤労者あるいは子育て世帯の家賃の助成金について問い合わせがあったでしょうか、お答えください。 この高齢者への支援が改善されていれば、働き盛りの世帯にも支援することは、住まいの心配も改善されて、さらに安心して住みやすい中野のまちができ、税収も上がると考えます。中野区としては、定住対策をどのようになっているのか、また、どのように考えているのか、お教えください。 若い働き手の世代に住居安定支援事業を行って、中野区内の不動産会社と連携をとり、定住の利点を周知させるとともに、若い働き手の世代が中野区のまちの活性化を促し、中野区の税収の増加の要因にもなると思われます。さらに、不動産業者のアピール戦略ともなって、まちの活性化が図れるかとも思います。中野区も働き手の定住対策に手厚い支援を行ってほしいと思います。 以上で、この項の質問を終わります。 次に、(仮称)南部防災公園と(仮称)本町五丁目公園について御質問いたします。 (仮称)南部防災公園は、公園の計画が始まって以来、計画の成果が見受けられない現状です。東京大学海洋研究所は既に引っ越しを完了しているものの、建物の解体なども始まろうとはせずに、建設現場のバリケードに囲まれて、人気がなく、何か不気味な気がします。また、東大附属学校の体育館の取り壊しも順次始まる予定のところが進んでいないようです。 本町五丁目公園や(仮称)本町二丁目公園は、暫定的に公園として現在は利用されていますが、(仮称)南部防災公園はいまだに進みぐあいがわかりません。どのような計画が進行なされているのか、お伺いいたします。 (仮称)南部防災公園の近隣には、道路の幅員の整備や用途地域の防火建物の規制がかかり、計画だけが先行しています。しかしながら、説明会とは裏腹に着々と進んでいないように見えます。 (仮称)南部防災公園は、「みどりの拠点」と位置付けていますが、どのような内容なのか、知りたいところです。また、広域避難・災害救援活動の拠点となる防災公園となっています。ふだんは公園として利用しながら、地域の消防団が練習場所として利用するための場所が確保できるのでしょうか、お尋ねいたします。 平成18年10月に完成した西側道路と南側の道路に接している住民にとっては、防災公園が公園に接しているので避難上有効に見られますが、東側の住民の避難については、直接には防災公園に接していないため、有効な公園とは言えません。 東側の塀と高低差のある土地については考えがあると聞きましたが、東大附属との交渉の中で、広域避難場所との位置付けから、避難路となる南側及び東側の周囲道路の整備と広域避難場所への出入り口については、どのようになっているのでしょうか。今後の予定を含めてお聞かせください。 公園の隣接する周囲の立地条件によって、公園への避難の方法も地域の住民の意識や期待が変わってしまいます。ステップ1では、防災公園の計画設計となっていて、ステップ3の平成26年から27年で整備することとなっています。ぜひこの流れを詳しく説明してほしいと思います。 また、(仮称)本町五丁目公園におきましても、今年から暫定的に公園の利用ができるようになりました。広域避難場所として、防災公園の機能をより効果的なものとして評価の高い公園であります。さらに、南側には神田川と比較的敷地の広い京王バスの車庫が2カ所あり、空地が広がっています。また、その先には、都立富士高校のグラウンドが広がり、それらの区域は広域避難場所として格好の立地条件となっていると思われます。 区で進めようとしている本町のまちづくりは、(仮称)本町五丁目公園を核とする広域避難場所の指定を目指す考え方で進めてはいかがでしょうか。お考えをお聞かせください。 この項を終わらせていただきます。 次に、すこやか福祉センターの24時間365日の相談支援サービスの提供について御質問いたします。 旧仲町小学校の跡地にすこやか福祉センターと地域スポーツセンター、そして精神障害者社会復帰センターを今年7月から開設する予定で、7月15日に工事業者から引き渡しがありました。旧校舎も模様がえされて、昔の校舎の面影はありません。グラウンドも人工芝が張られ、周りにはグリーンネットが張られ、テニスやバスケットなどの球技ができるようです。現状は、開設に当たり、準備に急がされていると思われます。仲町小学校の跡地の地域スポーツセンターの様子が現場を見ればわかります。 さて、すこやか福祉センターはどんなところなのか、先ほどのように目視で見ることができません。説明を受けなければ、その施設の内容がわかりにくい部分があり、少しでも区民にわかりやすくする必要があると思います。今後、どのように周知説明されるのか、お教えください。 高齢者から子どもまでの地域密着型の相談支援機関として、さまざまな相談窓口を四つに分けてつくる予定になっているようです。一つ目として、高齢者に関する相談は「地域包括支援センター」として、ひとり暮らしをしていて何かあったら心配なこと、食事や掃除、洗濯、身の回りのことができず困っていること、体力が落ちて寝たきりにならないように介護予防をしたいなどの相談窓口として開設します。 二つ目として、障害者に関する相談として、「障害者相談支援事業所」の設置によって、心身疾患で入院していたが、退院して仕事につきたいが、働く場所を紹介してほしい、疾患の後遺症で身体が不自由になり、自宅ではどんなサービスが利用できるのかなどの相談。 三つ目には、子育て・発達障害に関する相談は、「地域子ども家庭支援センター」として、母親が病院に行きたいが、子どもを預かってくれるところはないか、引きこもりやいじめなどの相談、発達障害によって子どもの行動が心配などの相談。 四つ目には、健康づくりに関する相談で、身体を動かし健康づくりをしたい、食生活の栄養相談など取り入れて、町会、自治会、市民団体、NPOなどさまざまな主体と連携、協働しながら、子どもや高齢者、障害のある人が住みなれた地域で安心して自立した生活が送れるよう、これまで取り組まれてきている地域での支えあい活動をより一層支援し、地域の支えあい力の向上を目指すために構成する組織と聞いています。 四つの構成からもう一歩踏み込んで、近隣のトラブルの相談窓口や、若者からお年寄りまでふえ続ける自殺や孤独死などに対応するための窓口として、どんな悩みごとでも、いつでも、どこでも相談の対応ができるシステムを確立してほしいと思います。区としては、どのように対応できるか、御見解をお願いいたします。 全国で生活保護を受給した世帯は、推計バブル崩壊前では約58万6,000世帯、7年間連続でふえ続け、2009年度には月平均で127万世帯に増加し、過去最多を更新しました。また、今年3月の速報値では、134万3,944世帯で、毎月増加の一途をたどっています。ちなみに、受給者数では186万6,157人です。 このような社会状況の中で、定年の単身高齢者の増加に加え、現役世代の間でも、不況による失業や収入の目減りで生活に苦しむ人がふえた影響としています。また、生活保護は中野区でも急増していると聞いています。現在は過去と比べてどのぐらいの区民がふえているのか、人数とその割合をお教えください。 生活保護を受給している世帯や生活困窮者が増加する課題は、区の扶助費などがふえることだけでなく、他の課題にも影響しています。 日本経済新聞の4月3日号には「所得の低いほど転びやすく、うつ病にもなりやすい」との調査結果が掲載されていました。生活保護や所得の低い人の増加は、新聞にあるように、精神的な不安を抱える人がふえることにもつながっています。こういったことを解決するためにも、私は、「いのちの電話」はとても大切なことだと考えます。 社会福祉法人やNPO法人が運営する「いのちの電話」では、自殺防止を掲げる電話相談員の人手不足が深刻です。その「いのちの電話」は無償ボランティアのため、経済的事情でやめる人が目立ち、新規募集も定員割れが相次ぐ、その一方で自殺が懸念される相談はふえ、長引く不況に草の根活動が停滞している状況だそうです。 中野区には、「いのちの電話」のような相談窓口があるのでしょうか。24時間265日の「どこでも区役所」で、区への手続や使用料、手数料、税金、保険料などの納付は便利になり、証明書は自動発行機などの利用によって機械的な作業になって、人のつながりのない、人の対話のないサービスになる懸念がされます。希薄な社会になっているからこそ、人と人とのつながった、心の通った言葉のサービスが必要だと思います。24時間365日の電話相談窓口の開設を提案いたしますが、いかがでしょうか。 既に各学校にも心の相談窓口やスクールカウンセラーを配置して、その効果は実証されていると聞いています。この相談窓口によって、子どもたちのトラブルや不登校など目に見えない心の病を解決することができて、成果を上げていると聞いています。どのように成果を上げているのか、お聞かせください。 電話で対応することが、その個人を助け、悩みごとやトラブルを防ぐことができます。東京都でもそのような対応をしていますが、区民には身近に感じることができず、また、身近な地域のトラブルにおいては、地域でなければわからないことがあり、東京都のような大きな器では対応はできないことが現状だと思います。 地域のことは、身近な地域で解決できることが最大の方法だと思います。心の相談ごとのほかに、世田谷区役所では、困りごとの相談が多く寄せられるため、「すぐやる課分室」をことし6月より業務を開始いたしました。いろいろな相談ごとを解決するために、区民にわかりやすい窓口が必要と考えたそうです。ちなみに、すぐやる課では、お受けした相談には誠意を持って対応するが、区としてできる範囲には限りがあり、例えば自宅の掃除や庭の草むしりなど個人的な依頼や近隣とのトラブルを解決することはできません。区によって相談の内容も違うとは思いますが、地域に密着した迅速な対応ができ、必要ならば応急措置ができるようです。すぐやる課とまでは申しませんが、解決できる糸口が見つかるように、いつでも地域に相談できる場所が必要と感じます。 そこで、お尋ねします。 困りごとに迅速に対応できるシステムを心の悩みごとの相談窓口とあわせて開設できないものでしょうか、お伺いいたします。 以上で、私のすべての質問を終わります。どうも御清聴ありがとうございました。(拍手) 〔区長田中大輔登壇〕 ○区長(田中大輔) ひぐち議員の御質問にお答えいたします。 定住対策家賃助成についての御質問の中での、税負担額の多い年代層はどのぐらいか、どういった年代層かという御質問であります。 平成21年度当初課税時点において、納税義務者1人当たりの区民税額が多いのは40歳代から50歳代、このようになっております。そのデータから、区として増収という先を見越して、ファミリー層の定住を図るべきではないかと、こういった御提案でありました。 税負担と住宅供給との関係は、必ずしも明確ではありませんけれども、多様な世代の区民が住み続けられ、良好な地域コミュニティが形成されることによって、活力あるまちづくりを進めていくことが必要だと考えております。新しい中野をつくる10か年計画では、国家公務員宿舎等跡地の活用など、大規模団地の建てかえ時におきまして、ファミリー向け住宅の建設の要請等を行っているところであります。 定住対策として家賃助成を行えばよいのではないかと、こういった御質問でありました。 区が生活費の一部である家賃を助成することは、区民の不公平感を助長するとともに、財政的な観点からも持続できないということでありまして、家賃補助については考えておりません。 また、居住安定支援事業ですが、連帯保証人がいない高齢者、障害者が民間賃貸住宅を住みかえる場合に、民間家賃債務保証会社の利用料の一部を助成するとともに、月一度、安否の確認を行う見守り支援も行っているところです。また、高齢者、障害者等が御自分で転居先の賃貸住宅を探せないという方には、区が住みかえ支援事業協力店の協力を得て、物件の情報提供を行っているところであります。住みかえ支援事業協力店の協力を得て、住みかえ住宅の情報を提供すること、また、居住安定支援事業を組み合わせることによりまして、高齢者の住みかえが円滑に行うことができると、このように考えております。 家賃助成について問い合わせがあるかということであります。ないとはいえないと思いますが、特に統計はとっておりません。 それから、定住対策は、どうなっているのかということであります。 定住対策につきましては、住宅の居住水準の向上の誘導、また、大規模団地の建てかえ等におきますファミリー向け住宅の建設の要請、良好な子育て環境の形成など、総合的に取り組んでいるところであります。今後とも多様な世代の住民が住み続けられ、良好な地域コミュニティが形成されることにより、活力のあるまちづくりを進めていくことができるよう、総合的に取り組んでいきたいと考えております。 (仮称)南部防災公園と(仮称)本町五丁目公園に関連する御質問がありました。 (仮称)南部防災公園、公園整備の進捗状況についてであります。 平成21年9月4日に公園整備の都市計画決定を行いまして、平成22年、今年の1月12日付で東京都から事業認可を受けております。現在、用地取得について、東京大学と交渉を続けております。東京大学のほうからは、今年度海洋研究所の取り壊しを行い、その後、野球場や陸上競技場、体育館などの運動施設の移設工事を順次実施すると聞いているところであります。 区といたしましては、今年度、(仮称)南部防災公園の基本計画を策定して、ステップ3、平成26年度、27年度に整備工事を行う予定であります。 (仮称)南部防災公園は「みどりの拠点」と位置付けられているけれども、どのような内容なのかということであります。 中野区都市計画マスタープランにおいて、中野区の都市の骨格として、潤いを生み出すグリーンインフラの育成強化を図ることが方向付けられています。その中で、江古田の森公園、哲学堂公園、平和の森公園、(仮称)中央部防災公園、(仮称)南部防災公園の大規模公園が防災やみどりの拠点として位置付けられているところであります。 (仮称)南部防災公園の基本的な考え方は、まちの緑と潤いを豊かにし、ゆったりとしたオープンスペースの中で憩うことができ、スポーツ活動の場を提供するとともに、ふだんは公園として利用しながら、消防団の訓練等の消防・防災訓練のできる場所として整備することとなっております。今後、具体的な設計に当たりましては、地元の御意見をお聞きしながら進めてまいります。 それから、東側の塀と高低差のある土地など、避難路となる南側や東側の道路整備についての御質問がありました。 東大附属中等教育学校の周辺は広域避難場所でありますことから、周辺道路は6メートルに拡幅整備いたします。その際に万年塀を撤去して、倒壊危険度の低いフェンスを設置するなど、工夫をしていきます。高低差のある土地については、広域避難場所へ避難できるよう、また、東側からの避難やしやすいように出入り口の設け方を工夫するなど、学校と協議をしながら整備を行ってまいります。今後、道路敷部分につきましては、土地開発公社で用地取得し、実施設計を行った後、今年度に道路整備工事を行う予定であります。 (仮称)南部防災公園の整備の流れですけれども、新しい中野をつくる10か年計画では、ステップ1で公園の計画設計、ステップ3で整備をすることになっております。これを受けまして、22年度は公園の基本計画を取りまとめます。また、大まかな日程といたしましては、25年度に基本設計、26年度に実施設計、27年度に整備工事を考えているところです。また、用地につきましては、現在交渉は続いておりますけれども、今年度中に用地特別会計で契約・購入を行いたいと考えております。一般会計のほうでは、平成23年度から国等の交付金を活用して、分割取得していくつもりでおります。 それから、(仮称)本町五丁目公園を核とする広域避難場所の指定についてであります。 (仮称)本町五丁目公園や第二中学校、都立富士高校などの用地を含めて、広域避難場所としての指定ができるならば、地域の地震災害に対する安全性が大きく向上することが期待できます。広域避難場所としての指定を含めて、安心・安全を実現できるまちづくりについて、今後、検討してまいります。 私からは、以上です。 〔教育長田辺裕子登壇〕 ○教育長(田辺裕子) すこやか福祉センターに関連いたしまして、心の相談、スクールカウンセラーの成果についてのお尋ねがございました。 スクールカウンセラーにおける相談件数はここ数年、1万件前後で推移しておりまして、児童・生徒や保護者の心のよりどころになってございます。 相談の内容は、児童・生徒から友人関係の悩み、いじめなどについて、保護者から不登校や子どもの行動、生活態度など多岐にわたった相談がございます。 〔保健福祉部長田中政之登壇〕 ○保健福祉部長(田中政之) 私からは、すこやか福祉センターの周知について、保健福祉の相談窓口について、それから、生活保護受給者の増加についての御質問にお答えいたします。 まず、すこやか福祉センターの周知についてであります。 すこやか福祉センターの機能や業務内容などについては、区報、ホームページに掲載するほか、高齢者会館や地域センターなどにおきまして、チラシの配布、ポスターの掲示等を行う予定でございます。各保健福祉センターにおきましては、お問い合わせに応じ、区民への説明をしてまいります。 次に、心の悩みごとの相談窓口についてでございます。 区は現在、保健福祉センターにおきまして、心の悩みや心の病に関するさまざまな相談に応じているところでございます。なお、東京都では、東京都自殺相談ダイヤルを開設してございますので、その御案内も行っているところでございます。 それから、24時間365日の電話相談窓口の開設についての御質問でございます。 すこやか福祉センターでは、高齢者や障害者、支えあい活動を行う地域住民からの急を要する相談に24時間365日対応できる体制の整備を図っていきたいと考えているところでございます。 次に、生活保護受給者の増加についてであります。どれくらいふえているのかという御質問でございます。平成18年度との比較でお答えさせていただきます。 まず、生活保護受給世帯でございますけども、平成18年4月1日現在で4,254世帯、平成22年4月1日現在で5,239世帯でございまして、23%の増となってございます。また、生活保護の受給者で申し上げますと、平成18年4月1日現在で5,373人、平成22年4月1日現在で6,106人でございまして、13%の増となってございます。 以上でございます。 〔管理会計室長尾﨑孝登壇〕 ○管理会計室長(尾﨑孝) 私からは、区民の困りごとに迅速に対応できる相談窓口について、お答えいたします。 区民からの御相談につきましては、区民の声担当で基本的に受けとめ、解決に向けて主管分野や、関係機関と連携するなど、迅速な対応を図っているところでございます。さらに今後、ホームページの活用や相談窓口の充実、新たに設置を検討しているコールセンターなどの活用により、24時間365日の相談体制の仕組みを構築してまいりたいと考えております。 ○議長(伊藤正信) 以上で、ひぐち和正議員の質問は終わります。 中野区議会議員 佐 藤 ひろこ 1 これからの区政運営の基本姿勢について 2 中野駅周辺のまちづくりについて 3 障害児(者)の日中一時支援事業の拡充について 4 広報戦略について 5 その他 ○議長(伊藤正信) 次に、佐藤ひろこ議員。 〔佐藤ひろこ議員登壇〕 ○40番(佐藤ひろこ) 第2回定例会に当たり、一般質問いたします。 まず、これからの区政運営の基本姿勢についてです。 今回の区長選挙で、田中区長は一番取り組みたいこととして、「地域での支えあいのネットワークづくり」を訴えました。重要な政策だと思います。これから行政は支えあいのかなめとして、公的責任を果たす役割が重要だと考えます。 中野区では、子育てや介護などの区民サービスの多くを民間法人や区民団体が担うように転換してきました。民間法人や区民団体に対して、安上がりな下請け、民間だけにお任せの考え方では、豊かな公共サービスをともにつくっていくことはできません。民間法人や区民団体の専門性や意欲が十分発揮できるように、区は財源や施設などの資源を適切に配分し、区民のニーズに即した公共サービスが展開できるようにコーディネートしていく力が求められています。区民や民間と連携して、「小さな区役所」で多様で豊かな、大きな区民サービスを展開していく政策力が必要だと考えます。 「支えあいの共同体」に向けた行政の役割について、区長のお考えをお伺いいたします。 今回、経営本部のあり方を見直し、副区長を3人から2人にしました。副区長という新たな制度に国の法改正がされた背景には、政治的任用職として責任ある判断ができるトップマネジメント体制をつくるという目的があります。行政革新のためには、政治的任用職の拡大が必要だと言われています。区長は、責任ある経営本部体制をつくるために、政治的任用職である副区長の3人体制をとったと思いますが、その見直しに当たり、政治的任用制の意義については、どのように考えておられるのか、お伺いいたします。 次に、中野駅周辺のまちづくりについてです。 現在の中野駅の利用者は約16万人で、警大跡地に防災公園、道路、業務ビルができる2012年春からは、駅利用者は現在よりも約7万人増加するとの予想だそうです。 駅利用者の増加に対応するために、第1期中野駅地区整備事業が2年後に完成します。北口改札がバリアフリー化され、中野通りを渡る東西連絡路にエレベーターがつきます。しかし、構造上難しいということで、ホームへ乗降するエレベーターは設置されません。ホームへのエレベーター設置は5年後に予定されている第2期事業の西口改札の完成を待つしかないとのことです。しかし、現在でも中野駅のホームへの乗降は大変混雑しており、車いす利用者は、駅員にエスカレーターを止めてもらって乗降しなければならず、エスカレーターが止まっている間は、他の乗客は片方の階段しか使えなくなり、人々が渋滞している状況をたびたび目にします。2年後には駅利用者が大幅にふえると、通学・通勤などに障害児(者)が中野駅を利用することはさらに困難になると予想されます。何とかしてエレベーターをもっと早く設置できるように、JRと協議するべきだと思いますが、いかがでしょうか。 中野駅周辺の整備について、各障害者団体にバリアフリー化の視点から点検してもらったり、意見を聞いたりする場を設置するべきです。特別委員会では、基本設計の段階で各障害者団体の御意見を聞き、設計に反映していくとの答弁でした。しかし、動きが見えません。いつごろ、どのような形で聞かれる予定なのでしょうか。 ベビーバギーを押す方々から、中野駅前の喫煙場所のたばこの煙による被害について、以前から苦情が寄せられ、喫煙場所の移動が要望されておりましたが、改善されていません。北口駅前広場の再整備の機会に、喫煙場所の撤去または移動を行うべきです。小林議員の質問への答弁で、総合的に検討するとのことでしたが、ぜひ前向きに検討してください。いかがでしょうか。 中野駅周辺の再開発に巨額の税金を投入するのに、福祉サービスの充実を要望しても、予算がないからできないと言われるのは納得がいかないという区民の声を聞きます。そのような苦情がないように、予算のせいにせず、必要な福祉サービスはしっかり実施するべきだと思います。 再開発は福祉と対立する概念ではなく、その目的が住民のニーズに合わず、持続可能な財源が確保されておらず、無駄な公共事業になることに問題があるのだと思います。再開発は、広い意味で区民福祉の向上に寄与するものでなければなりません。中野駅周辺地区整備事業の目的について、区長のお考えを改めてお伺いいたします。 中野駅地区整備事業費は、10か年計画で297億円と予定されています。財政が厳しい折、区の一般財源からの持ち出しは最小限にするべきです。財源の内訳はどのように考えているのか、お伺いいたします。 今年3月に株式会社まちづくり中野21から、「区役所・サンプラザ地区再整備等の考え方」が出されました。その後、サンプラザを売却すると聞いたが本当なのかと、区民の方々から心配する質問を受けるようになりました。なぜ売却と伝わっているのかわかりませんが、議会の議決を経たサンプラザ地区にかかわるまちづくり整備方針では、「中野区は、まちづくり中野21に将来にわたって同社の所有地を保有させる」となっており、売却しないことになっています。区長のお考えを改めてお伺いいたします。 まちづくり中野21からは、再整備計画案として四つのケースが提案されていました。計画案は、機能や建て方の提案だけで、整備主体はどうするのか、どのくらいの資金がかかるのか、資金調達はどうするのかなど、重要な諸条件が示されていません。取得時の条件である10年間の運営が終わる2014年時点での融資残高やA種優先株の未払い配当金の返済も含め、資金調達の方策や整備のあり方について、どう検討がされているのでしょうか。 また、この再整備計画には、区役所の土地や建てかえ資金のあり方が密接に関係してきます。区はどのように検討しているのでしょうか。お伺いいたします。 3月に中野五丁目51番にある区域に関する中野区の開発行為許可処分を取り消す裁決が東京都開発審査会からありました。権利者の同意の要件を満たしていないという理由からです。この区域には、防災上の観点から住宅を共同化し、良質な住宅を供給するために、中野五丁目地区優良再開発建築物整備促進事業として、1991年度に1,820万円、1995年度に7,076万円、計約8,900万円の補助金が執行されました。当時、議会でこの補助金についていろいろ議論がされました。区は、地権者の全員合意が大前提と言っていましたが、この区域は地権者も多く、全員の合意は得られていませんでした。事業は成立せず、結果的に補助金は無駄な支出となったと言えます。このことを教訓に、今後まちづくりに関する補助金の支出や開発行為の許可に当たっては、成立できる条件にあるかどうか、慎重に判断する必要があると思いますが、いかがお考えでしょうか。 3番目に、障害児(者)の日中一時支援事業の拡充についてお伺いいたします。 この件については、何度も質問させていただき、事業の充実を訴えてきました。日中一時支援事業が短期入所を行う施設2カ所で実施され、また、今年度から移動支援を使って送迎ができるようになり、少しずつ改善されてきたことは評価いたします。 しかし、現在も障害児(者)の保護者団体の方々が一番必要だと切実におっしゃっていることは、親が病院に行くときなど一時的に障害のある子どもを預かってもらえるところが欲しいということです。改善されてきたかもしれないが、利用しやすいものになっていないということです。保護者や当事者が必要なときにすぐ利用できるように、通所施設でも日中一時支援事業を実施するべきだと思いますが、いかがお考えでしょうか。 最後に、広報戦略についてお伺いいたします。 ある報道機関の記者の方の講演を聞いた折、自治体はもっと報道をうまく使うべきであるというお話がありました。一番うまく使っているのが千代田区で、毎日何回も報道機関に区政情報のファクスが来るので、必然的に報道が取り上げる回数も多くなっているとのことです。千代田区にお話を伺いに行くと、元東京都の広報課長だった区長の方針として、区政情報をわかりやすく発信することが大切だと、広報にとても力を入れているそうです。 中野区も、区政の動きをもっと区民に伝えるために、パブリシティに力を入れる広報戦略をとるべきだと考えますか、いかがでしょうか。 以上で、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) 〔区長田中大輔登壇〕 ○区長(田中大輔) 佐藤議員の御質問にお答えいたします。 支えあいの共同体に向けた行政の役割についてであります。 社会的な安全網としての施策を確実に実施していくことが行政に求められております。その実施に当たって、民間や地域活動団体などと連携しながら、多様な担い手による効率的で柔軟なサービスが提供されるべきであります。行政は、そうした活動が適正に行われ、区民から信頼されるものとなるよう、評価する仕組みをつくり、サービスの質と量を確保するため、監視・指導・支援を行っていくことが必要であると考えております。 政治的任用を拡大した意義についての御質問がありました。 特別職である副区長が3室を担任したことによりまして、政治的任用による立場から、事業部に対するより強いリーダーシップを発揮することができ、区政全体のPDCAサイクルを推進し、経営本部と事業部による区政経営の仕組みが確かなものにすることができたと、こう考えております。この成果をもとに、3室に室長を置いて以後、副区長としては政治的任用職として、区長の立場からの調整に積極的に関与してもらう、このような考え方でおります。 中野駅のバリアフリー化についてであります。 第1期整備の段階で北口改札を改修し、段差解消が図られることで、一定のバリアフリー化は達成いたします。西側エレベーターにつきましては、駅舎を抜本的に改修しない限り不可能でありますので、西側橋上駅舎整備の中で実現をしてまいりたいと考えております。 また、施設整備に当たって、障害者団体から御意見をいただけるような場を設けていきたいと考えております。 駅周辺の喫煙場所については、中野駅周辺のこの機会に、設置に際して通行人への煙の影響等について指摘された経過や、その後の区民の声を踏まえ、総合的に検討してまいります。 中野駅地区整備の目的と財源についてであります。 中野駅周辺のまちづくりは、区の広域中心拠点として、また、さらには東京の新たな活動拠点として、区全体の活力を牽引することで、持続可能なまちづくりを推進し、区民の福祉向上を実現するものであります。中野駅地区整備は、それにふさわしい、またそれを支えることができる区民や駅利用者、歩行者の利便性や安全性、快適性を確保する駅前広場等の基盤整備を確実に行っていくことを目的としております。 事業費につきましては、起債、基金繰り入れで約550億円を想定しております。残りを国の補助金等を充てることにしております。起債の償還財源につきましても、都区財政調整制度の中で需用額算定されることを見込んでおりまして、一般財源の負担は最小限に抑えております。 日中一時支援事業ですが、通所施設で実施することについて、移動支援を併用できるようになった効果などを見きわめた上で、拡大に向け、検討してまいります。 私からは、以上です。 〔まちづくり推進室長遠藤由紀夫登壇〕 ○まちづくり推進室長(遠藤由紀夫) 私からは、中野五丁目開発につきまして、お答え申し上げます。 中野五丁目につきましては、建物の老朽化、過密化などにより、防災上危険な区域内に居住する地権者の方から支援を求められ、地元の共同化、まちづくりの合意率が90%を超えたこと、区としても当地区のまちづくりを急ぐ必要があると判断し、対応したものでございます。その後、バブルの崩壊を経て、事業の採算性が大きく変わったことから、実を結ばなかったものでございます。 開発行為の許可につきましては、区は開発行為当初の地権者の数をもとに、相当数の同意があるとして許可したものでございますが、東京都開発審査会におきまして、許可時点の地権者の数とすべきとして、区の判断が取り消されたものでございます。 いずれにしましても、まちづくりにあっては、その実現可能性や制度運用の確かさなど、合規性や合理性に基づき、総合的に判断していかなければならないと考えているものでございます。 〔経営室長川崎亨登壇〕 ○経営室長(川崎亨) サンプラザ再整備と広報戦略についてお答えいたします。 初めに、サンプラザの売却についてでございますが、質問の中で引用されました整備の方針に変更はなく、売却は想定しておりません。 次に、サンプラザ再整備の資金調達などでございますが、2014年時点での融資返済等に充てる資金とあわせて、再整備に必要な資金調達につきましては、保有している土地等の資産価値を最大限活用し得る方策を検討してまいります。よりよい再整備が実現できるよう、整備主体についてもあわせて検討してまいります。 区役所の土地や建てかえ資金につきましては、区役所・サンプラザ地区再整備とあわせ、現区役所の資産価値を活用して充当することを検討したいと考えております。 次に、広報戦略でございますが、現在におきましても、区長の定例記者会見などを実施するなど、報道機関への情報提供に努めているところでございます。今後も区の事業や施策のほか、まちの話題などにつきまして、情報収集に努め、積極的に報道機関へ情報提供していきたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(伊藤正信) 以上で、佐藤ひろこ議員の質問は終わります。 中野区議会議員 むとう 有 子 1 区長選挙および区議会議員補欠選挙について 2 副区長3人制の評価について 3 母子生活支援施設について 4 その他 ○議長(伊藤正信) 次に、むとう有子議員。 〔むとう有子議員登壇〕 ○29番(むとう有子) 区民の方からお寄せいただきました御意見をもとに質疑いたします。 1番目、区長選挙及び区議会議員補欠選挙についてお尋ねいたします。 去る5月23日に行われた選挙に際して、選挙管理委員会はピンクブーを運行するなど投票を促す努力をなさいました。しかし、ともに投票率は約30%と、有権者としての権利を行使しなかった区民が70%に及ぶ大変深刻な結果となりました。 そこで、月日が経過しないうちに、例えば安価でできるインターネット調査などを実施し、選挙権を放棄した理由をリサーチして、有権者の権利意識を喚起するすべを探るべきではないでしょうか。具体的な方策の検討を求めます。見解をお答えください。 選管の皆さんは、有権者の貴重な一票を生かし、公明かつ適正な選挙が実施されるよう職務に専念されています。しかし、今回の選挙では、大変残念なことが発生いたしました。それは、選挙期間中の5月19日、区内のある高齢者の自宅に電話番号が印字されていない差出人不明の1枚のファクスが届いたことです。そのファクスには、公印が押されている2010年執行の区長と区議会議員補欠選挙の投票用紙に候補者氏名がそれぞれに書き込まれており、まさに投票箱に入れる前の本物とおぼしき投票用紙のコピーでした。 これは、同時に行われた二つの選挙を間違わずに、この人の名前を書いてくださいということを意図するものだと推測できます。選管にも警察にも届けましたが、これまでに例のない巧妙な行為であるとのことでした。期日前投票も含めて、投票所における持ち帰り票は、区議補選が4票あったものの、区長選挙はなかったことから、持ち帰っての行為ではないものと推測いたします。また、投票所における記載台での撮影は、立会人の目もあり、行いづらく、投票所での行為でもないものと推測いたします。そこで、考えられる投票日前に投票用紙を入手する方法としては、不在者投票があります。その際に投票用紙をコピーすることは可能だと推測いたします。 このたびのあるまじき行為であるファクス送付について、選管としてはどのような認識をお持ちなのか、お答えください。 さて、田中区長は、2期8年までとの公約を破り、3期目の当選を果たされました。御自身が制定した自治基本条例には、「区長の職にある者は、連続して3期を超えて在任しないよう努めるものとする」としつつも、「立候補の自由を妨げるものと解釈してはならない」とも規定されています。 このたびの施政方針説明では、「区長としての私にとって仕上げの4年間」との御発言もありましたので、念のため確認いたしますが、区長は今期を最後に職を退くと理解してよろしいのでしょうか、お答えください。 次に、副区長3人制についてお尋ねいたします。 区長の施政方針説明により、突然2007年度から取り組まれていた経営本部体制と副区長3人制を取りやめることが明らかになりました。導入時の説明では、「トップマネジメント機能の強化のため、3人の副区長に経営本部の政策室、経営室、管理会計室の3室の業務をそれぞれ分担し、さらに複数の事業部にまたがる課題や大きな政策課題を分担し、担当させる。そのために副区長が3人必要である」とのことでした。 ところが、昨年の決算特別委員会での私の質疑で、副区長に政策課題を分担し、担当させるという制度は2009年度からはやめてしまったことが明らかになりました。また、当初3人の副区長に3室の業務を分担させる理由として、「この3室は事業部の調整なども行うため、部長同士ではうまくいかないので、副区長でなければならない」と区長は力説されていました。さらに、当時の理事者は、従来の助役と収入役、総務部長と区長室長の4人で行っていた仕事を整理・統合して、3人の副区長で行うことになるため、人件費削減になると胸を張って答弁されていました。よって、今回の変更、つまり3室に部長級の室長を新たに設置し、副区長は2人とし、3室の担当を外し、区長を補佐する役割とする変更は、経営本部体制と副区長3人制導入の根拠を根底から覆すものと言えます。正直、うまくいかなかったということだと理解しています。 わずか4カ月前の予算特別委員会における飯島議員の質疑に対する答弁でも、「私の経験上、同じ部長職ではうまくいかない」と区長は力説されましたが、その後、新たな経験をお積みになられ、部長同士で調整が図れるように、何か改善策が講じられたのでしょうか。お答えください。 同じく4カ月前の答弁で、区長の権限をただ横に置いてサポートするだけの助役だと、盲腸になるという「助役盲腸説」を紹介くださり、「副区長という立場で、区長と同じ守備範囲を持った副区長だったら、いなくていい」とまで区長はおっしゃいました。この「助役盲腸説」と区長を補佐するという副区長の新たな役割に矛盾はないのでしょうか。お答えください。 副区長1人の区は23区中12区あります。有能な田中区長の補佐役は1人でも十分なのではないでしょうか。副区長を2人とする根拠をお答えください。 経営本部体制と副区長3人制は人件費の削減になるとしていましたが、今回の変更により2人の副区長と3人の部長とで5人にふえますが、人件費の増減額は幾らになるのでしょうか。お答えください。 最後に、母子生活支援施設さつき寮についてお尋ねいたします。 今春4月、総工費約4億円をかけた念願の新築施設にさつき寮が移転しました。心温かい行き届いた支援のあり方が利用者から高く評価されていた社会福祉法人が引き続き指定管理者となり、さらに充実した事業展開がなされることを期待しています。 昨年第4回定例会における母子生活支援施設条例の一部を改正する条例の審議の中で、建てかえ後の施設で本年度から新たな事業の一つとして、すべての子育て家庭を対象とし、午後5時から午後10時までの夜間の時間帯に子どもを一時的に預かるトワイライトステイを実施すると説明されていました。 しかし、先日、さつき寮を見学した際に、トワイライトステイの実施のめどが立っていないことを知りました。どうやら財政難を理由に予算がカットされたようですが、予算審議の際に見送られたとの説明はなされていないように記憶しています。区民のニーズもあり、トワイライトステイ事業を行う立派なお部屋が用意されているにもかかわらず、実施できずにいることは残念でなりません。 なお、来年度実施に向けて事業内容を検討されているようですが、現在実施している9区では、2歳から12歳を対象とし、午後1時から預かる区もあります。対象年齢や時間帯についても、ニーズにこたえ、充実した事業内容となるよう、実施時期も含めた進捗状況をお答えください。 また、完全独立型の寮となったことで、旧施設で自然にできていた利用者と職員との接触の機会が減り、利用者の心の変化を察知するのが難しくなったように感じました。心に傷を持って入所する母子が多い施設ですので、今まで以上のきめ細やかな支援策を講じるべきと考えます。区のお考えをお聞かせください。 区長は、「謙虚さと公正さを忘れることなく、多くの意見に対し、虚心に耳を傾け、正面から受けとめて議論をしていきたい」と施政方針説明で述べられました。ぜひ実行されるよう願っています。また、私に対しても、公正かつ誠実な答弁を強く求め、すべての質問を終わります。 〔選挙管理委員会委員長池田一雄登壇〕 ○選挙管理委員会委員長(池田一雄) むとう議員の御質問にお答え申し上げます。 まず、低調な投票率の件でありますが、投票率の向上は、委員会として重要な課題として認識しておりまして、今後ともさまざまに工夫をしながら、啓発活動等に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、ファクス送信の件でありますが、投票用紙と疑われる文書に関する御指摘の事案に関しましては、事実関係が不明でございますので、お答えは控えさせていただきます。 以上でございます。 〔政策室長竹内沖司登壇〕 ○政策室長(竹内沖司) 区長の在任期間についての御質問にお答えいたします。 御質問の中にもございましたとおり、区長の在任期間につきましては、自治基本条例において3期を超えて在任しないよう努めるものとし、ただし、その規定は立候補の自由を妨げるものと解釈してはならないとの規定がございます。区長の立場にある者といたしましては、条例の趣旨を十分に踏まえて行動しなければならないものと考えております。 〔経営室長川崎亨登壇〕 ○経営室長(川崎亨) 私からは、副区長に関する御質問にお答えいたします。 まず、副区長3人制の評価と新たな仕組みの考え方でございますが、特別職である副区長が3室を担任したことによりまして、事業部に対する強いリーダーシップが発揮され、区政全体のPDCAサイクルを推進し、経営本部と事業部による区政経営の仕組みがこの間確かなものとなってきました。 この成果を礎に、3室に室長を置き、実務レベルの連携調整を担わせ、副区長には区長の立場からの調整への関与に集中させることにより、副区長の機能もより効果的なものにしていきたいと考えているところでございます。この新たな仕組みの中で、副区長につきましては、2人置くことが必要だと区として判断したものでございます。 次に、新たな体制による人件費の影響でございますが、副区長3人の場合と副区長2人と室長3人の場合を単純に比較いたしますと、副区長任期の4年間で見ますと約8,500万円、年間で約2,100万円ほどの増となります。 なお、今回の3人の室長の配置に当たりましては、部長級職員をふやしたというわけではございませんで、人事異動により配置したものでございます。 以上でございます。 〔子ども家庭部長長田久雄登壇〕 ○子ども家庭部長(長田久雄) 私からは、母子生活支援施設についてお答えをいたします。 まず、トワイライトステイ事業についてでございますが、事業内容や実施方法について、現在検討しているところでございます。 続きまして、母子生活支援施設における支援についてでございます。 移転開設後もこれまでと変わりなく、職員と入所者の自然な触れ合い、また、就労や養育支援など、きめ細かく行われていると認識しているところでございます。 以上でございます。 〔むとう有子議員登壇〕 ○29番(むとう有子) すべての質問に的確に答えていただけないということで、大変残念に思っております。 選管、せっかく来てくださいましたから、具体的に意識調査などをしてはどうかというふうに尋ねましたので、調査をするおつもりがないのか、あるのか、そこは答えていただきたいというふうに思います。 それから、トワイライトステイなんですけれども、実施時期も含めた進捗状況を答えてくださいと言っているんですけれども、検討状況の中身について何も答えていただけておりません。 2点お答えをお願いいたします。 〔選挙管理委員会委員長池田一雄登壇〕 ○選挙管理委員会委員長(池田一雄) むとう議員の質問にお答えいたします。 意識調査の件でありますが、最近ではありませんが、かつて東京都選管などで取り組んだ結果もございますし、そういうものも参考にしていきたいと思いますが、中野区選挙管理委員会として、直ちに意識調査を行うかどうかにつきましては、十分検討させていただきます。 〔子ども家庭部長長田久雄登壇〕 ○子ども家庭部長(長田久雄) 再質問にお答えさせていただきます。 先ほど御答弁させていただきましたように、現在検討中ということでございますので、実施時期も含めまして、総合的に検討しているところでございます。御理解を賜りたいと思います。 ○議長(伊藤正信) 以上で、むとう有子議員の質問は終わります。 中野区議会議員 近 藤 さえ子 1 中野区の犯罪被害者等支援の取り組みについて 2 児童館廃止後の乳幼児の居場所について 3 その他 ○議長(伊藤正信) 次に、近藤さえ子議員。 〔近藤さえ子議員登壇〕 ○18番(近藤さえ子) 無所属の近藤さえ子です。 第2回定例会において一般質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。 中野区の犯罪被害者等支援の取り組みについて。 去る6月18日、千葉県庁において「平成22年度市町村犯罪被害者等施策担当課長会議」及び「犯罪被害者支援公開講座」が催されました。内閣府、千葉県、社団法人千葉犯罪被害者支援センターの共同主催で、これから犯罪被害者等支援施策に取り組む千葉県54市町村の担当者が集まりました。 「先進的な取り組みをしている中野区の事例を紹介してほしい」との千葉県職員からの依頼で、私は中野区の担当職員とともに千葉県庁に赴き、「犯罪被害者総合支援窓口設置と支援の現状」という題で講演をしました。 最初に、私が犯罪と犯罪被害者の立場について、また、2004年12月に成立した「犯罪被害者基本法」の「地方公共団体は、被害者救済の施策策定と実施の責務を有する」という内容を受けて、中野区に犯罪被害者等支援窓口ができた経過を説明しました。 次に、中野区の担当職員が、相談支援、付き添い支援、加害者も被害者も出さないための教育の取り組み、職員研修、区民向け講演会など中野区が現在行っている施策や取り組みについて、パワーポイントを使って紹介しました。参加していた千葉県の担当職員は、真剣な表情で食い入るように説明を聞いてくださいました。講演が終わると、中野区の職員と名刺交換をするために、多くの千葉県職員が集まってきました。 今回の講演会の中で、司会の千葉県職員や被害者支援担当職員は、「先進的な中野区の取り組み」と何度も繰り返し、中野区の取り組みを高く評価してくださいました。 私は、中野区の新しい施策が他の自治体の方にこれだけ強く関心を持たれ、高く評価されていることを大変うれしく思い、前例の少ない中で、手探りでこの施策に取り組み、成果を上げつつある職員の努力に感謝しています。 この状況を踏まえて、何点かお聞きします。 今回、千葉県の54市町村の担当者向けへの公開講座で、中野区の犯罪被害者救済対策の内容を披露する機会を得ましたが、このように他の自治体に中野区職員が赴き、中野区の取り組みを講演する機会は多いのでしょうか。また、中野区民には、実際にどのような内容の支援が行われているか、余り伝わってきませんが、これまで中野区ではどのような案件があり、どのような支援をしてきたのでしょうか。 内閣府が今年4月にまとめた「地方公共団体における犯罪被害者等施策に関する調査報告書」によれば、犯罪被害者等支援専門の窓口を設置している自治体は少なく、政令市を除く市町村では、その9割が「他のさまざまな相談を受ける共用の窓口」というのが現状です。その中で、犯罪被害者支援に対して、先進的な取り組みをしている杉並区や多摩市と連携をとり、勉強会などを開いていると伺いましたが、それはどのような内容のものなのでしょうか。 犯罪被害に遭い、あるいは被害者遺族となり、心に傷を負ったために、子育てや家事・介護ができなくなってしまった場合、一時も待てない問題が発生します。保育機関への連携、ホームヘルパーの派遣など、既存の区のサービスと連携し、被害者支援を充実させるべきだと思いますが、いかがでしょうか。 今年4月、重大事件の公訴時効を廃止・延長する法律が施行され、犯罪被害者等を取り巻く環境は少しずつでありますが、変化してきています。内閣府でも、地方公共団体における犯罪被害者等施策に力を入れるよう積極的な推進を図っています。このような流れの中で、各自治体では犯罪被害者等支援施策に積極的に取り組み始めました。 各方面から注目されている中野区の被害者支援策が、区民にやさしい取り組みとしてさらに育つことを願い、新しい体制でスタートした中野区に、このように外部から高く評価される事業がふえていくことを切望して、この項の質問を終わります。 2番目に、児童館廃止後の乳幼児の居場所についてを伺う予定でしたが、時間の関係で割愛させていただきます。答弁を用意してくださった職員の皆様、申しわけございませんでした。また別の機会に質問させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 その他の項で、副区長3人制についてお聞きします。 副区長3人制については、幾つもの質問が出ましたが、中野区のトップ体制の変化であり、区民も大きな関心を持っていることですので、多少重なる部分もありますが、私も質問させていただきます。 「副区長が3人いるのは23区で中野区だけであり、多過ぎる」という声に対し、これまで区長は、「経営本部体制には3副区長が欠かせない」と答えてきました。今回、副区長の数そのものが削減されたことは評価しますが、経営本部体制に3副区長が突然必要でなくなった理由、副区長の定数条例改正がいまだ検討中である理由、副区長3人制の評価でどうであったか等が、区民が納得できるようには伝わってきていません。中野区のトップ体制を大きく変えるのですから、区民にわかるように、副区長3人制の成果、新しい副区長体制の意義等を説明する責任があるのではないでしょうか。 施政方針説明では、「副区長を2人として、区長のスタッフとして補佐する」ということですが、これでは以前の助役的要素が多くなってしまいます。副区長がかつての助役的役割を担い、区長の補佐機能しか持たないのであれば、定数は1人で十分ではないでしょうか。 私は、以前もたびたび申し上げてきましたが、平成18年の自治法改正の副区長職が設けられた趣旨を生かし、副区長に権限を委任し、その役割を明確にすることで、地方分権時代にふさわしい効率的、効果的な区政運営を行うべきではないでしょうか。 中野区が地方分権時代にふさわしいマネジメント体制を築き、職員の能力が十分に発揮できる体制をつくっていくことをお願いして、私のすべての質問を終わります。ありがとうございます。 〔保健福祉部長田中政之登壇〕 ○保健福祉部長(田中政之) 中野区の犯罪被害者等支援の取り組みについての御質問にお答えいたします。 まず、担当職員の研修講師としての派遣についてでございます。平成21年度は、窓口を担当している職員が犯罪被害者都民センターのセミナーや内閣府などで計6回の講師を務めてございます。また、平成22年度につきましては、これまで東京都、千葉県、内閣府で計4回の講師を務めているところでございます。 また、実質的な勉強会についての御質問でございます。 中野区、杉並区、多摩市の専門支援窓口を持つ3自治体の担当者が自主的に集まり、毎月定例的に情報交換及び事例検討などを行ってございます。 それから、区の取り組みについての現状でございます。 区は、犯罪被害者等にとって最も身近な基礎的自治体として、専門相談窓口を平成20年度に開設し、さまざまな相談に応じるとともに、必要な情報の提供を行う体制を整備したところでございます。その中での相談の内容、実績について申し上げますと、平成21年度でおよそ450件の相談がございました。内容としましては、DV、傷害、性被害などに関する相談が多いという状況でございます。 今後でございますけども、民間資源等の活用も視野に入れながら、支援のあり方を検討していきたいと考えているところでございます。 以上でございます。 〔経営室長川崎亨登壇〕 ○経営室長(川崎亨) その他の項で、区の体制の見直しにつきまして、お答えいたしたいと思います。 今回の体制の変更につきましては、区民の代表であるこの議会の場におきまして、区長が所信表明という形でその考えをお示ししたところでございます。これまで、特別職である副区長が3室を担任したことにより、事業部に対するより強いリーダーシップが発揮され、区政全体のPDCAサイクルを推進し、経営本部と事業部による区政経営の仕組みが確かなものとなってきました。この成果を礎といたしまして、3室に室長を置き、実務レベルの連携・調整を担わせ、副区長には区長の立場からの調整の関与に集中させることによりまして、副区長の機能もより効果的なものにしていきたいと考えているところでございます。この新たな仕組みの中で、副区長につきましては2人置くことが必要だと判断したものでございます。 〔近藤さえ子議員登壇〕 ○18番(近藤さえ子) 再質問させていただきます。 犯罪被害者のところなんですけれども、今、中野区で取り組んでいるところが、案件としてはDVなどが450件あったということなんですけれど、どのような支援に結びついているかということがお聞きできなかったので、教えてください。 それと、あと、副区長3人制のところなんですけれども、今までも皆さんがその成果を聞いているんですけれど、とてもわかりにくく、それをやはり区民にきちっと説明する必要があるのではないかと言っているんですけど、必要はないということでよろしいのでしょうか。 以上、2点、お願いします。 〔保健福祉部長田中政之登壇〕 ○保健福祉部長(田中政之) 再質問にお答えいたします。 相談の中で、DVの相談が非常に多いということでございまして、傷害について2番目に多いという実態がございます。 DVについての支援でございますが、まずはDVの被害に遭われた方に対する相談、じっくりよく聞き、一緒になってその対策について考えるということを中心にやっているところでございます。 〔経営室長川崎亨登壇〕 ○経営室長(川崎亨) 再質問にお答えいたします。 3副区長制による成果について説明がないのかということでございますが、3副区長制のみならず、3副区長制と経営本部体制、そして事業部制、これによりまして中野区政を運営してきております。この3年間の区政の取り組み、これにつきましては、さまざまな形で、この間、区民の皆様にお伝えしてきたところでございます。その点について、御評価していただければと思います。 以上でございます。 ○議長(伊藤正信) 以上で、近藤さえ子議員の質問は終わります。 中野区議会議員 いながき じゅん子 1 区立小学校の外国語教育について 2 その他 ○議長(伊藤正信) 次に、いながきじゅん子議員。 〔いながきじゅん子議員登壇〕 ○6番(いながきじゅん子) 無所属のいながきじゅん子でございます。 今年度から文部科学省の新学習指導要領に基づき、小学校5・6年生で週1こまの外国語活動が必修となりました。これに伴い、区では小学校全校でネイティブのALT、アシスタント・ランゲージ・ティーチャー(外国語指導助手)をつけての英語活動を実施することとなりました。これは、一部の学校を除いて既にスタートされております。本日はこの小学校における外国語教育について質問させていただきます。 さて、必修となったとはいえ、実際に小学校で行われているのは外国語の授業ではなく、教科書や評定もない外国語活動というものです。しかし、貴重な時間と税金を投入し、公教育の一環として子どもたちに提供していくからには、一般的な授業同様、その内容をより充実させていくことは当然であると考えます。 聞く・話すを中心にしたコミュニケーション能力の育成を重視した外国語活動において、教材の質や時間数などももちろん大切でしょうが、一番重要なのは、やはり指導者なのではないでしょうか。 そこで、質問させていただきます。 現在は担任教員とALTがペアを組んでティーム・ティーチングを行っています。しかし、大学の教職課程において、英語やその指導法を学ぶ機会がほとんどなく、教員採用試験にも英語の科目がない区の小学校の先生方に急に英語教育をしなさいと、ネイティブのALTとペアでティーム・ティーチングをしなさいというのは、かなり無理があるのではないかと感じております。実際、不安を抱えていらっしゃる先生方も多いようですし、私自身、学校に見学に伺ったところ、担任の先生がほとんど英語を話さず、アシスタントであるはずのALTにほとんどお任せ状態であったり、子どもたちに、「これは英語で何と言うんだっけ」と堂々と聞いていたりといった状況でした。もちろん、たまたまだったのかもしれませんが、区は東京都と連携し、その辺のフォローを適切にしていく必要があるのではないでしょうか。小学校の先生方の英語力の現状と今後の方針についてお聞きいたします。 私は、充実した英語活動を実施するためには、教育委員会が最低これくらいはクリアすべきという英語力の基準を明確に提示し、それに満たなければ、そこに到達するまで何らかの形で先生方をきちんとバックアップするという体制が教育を受ける側の子どもたちのためにも必要だと思いますが、いかがでしょうか。 次に、ALTの雇用実態について伺います。 ALTは「指導助手」という位置付けとはいえ、子どもたちにじかに接する教育者であり、その採用については、正教員と同じくらい慎重に行われるべきです。我々日本人も日本語が話せるからといって、経験やトレーニングなしに外国人に日本語を的確に教えられるとは限りません。それと同様に、ALTも英語圏のネイティブスピーカーであればいいだろうという発想ではなく、外国語教育者としての資質や資格、能力を兼ね備えているかどうか、事前に適切な審査をすることが必要不可欠だと考えます。 しかし、中野区は今年度、プロポーザル方式である民間企業と業務委託契約を結び、ALTの人選はその会社に完全に任せることになりました。契約の形態上、教育委員会がこのような人材を求めるという要望を出すことはできませんし、犯罪歴や滞在資格の有無をはじめ、英語を母国語としない人に英語を教える国際的な資格、TESOL(英語教授法)などを持っているか否かなど、派遣されてくるALTのプロフィールを確認することすらできません。教室で子どもたちに英語を教えているALTがどのような経歴の持ち主かも、どのような人物かも全くわからない状況です。 例えば、私が区内の小学校で出会ったALTは、ワーキングホリデーで入国していると言っていましたが、教育委員会はそのような事実を了承していらっしゃるのでしょうか。ワーキングホリデービザですと、日本に滞在できるのは最大1年間です。いかなる理由があれども、教える人間がころころ変わることは、子どもたちへの教育上、余りよろしくないと思われます。実際に以前この企業と個別に契約を結んだ区内の小学校では、年度内に3度も企業側の都合でALTが交代したという話も聞いております。人選が委託先任せの今回のような契約内容ですと、期間の差はあれど、ALTが短期間で交代する可能性が高くなってしまうのではないでしょうか。 また、業務委託契約の場合、教育委員会や担当教員がALTに対して、指導内容や授業の進め方にかかわる具体的な指示や改善要求、業務評価をすることはできないとされています。これは、昨年8月の文部科学省からの通達でも明らかにされています。担当教員との事前打ち合わせや反省会もできません。教室の中でATLが不適切な表現を使うなど、子どもたちにとって好ましくない授業を実施した場合でも、基本的には担当教員が制止する権利がないのが業務委託契約です。このような状況で、本当に適切なティーム・ティーチングができるのでしょうか。お答えください。 また、価格のみで委託業者が評価・決定される入札とは違い、プロポーザルでは価格のほかに事業計画書が選定の大きなポイントとなるわけですが、基本的にその資料が教育委員会や学校に公開されることはありません。これは大きな問題なのではないでしょうか。現場がその内容を知らされなければ、契約した企業が具体的にどのような人材、どのような教育を提供できるのか、選定時のプレゼンテーションで区にアピールした約束をちゃんと果たしているのかどうか、今後、継続して事業を任せることができるのかどうかもチェックできません。プロポーザル内容は全面開示すべきではないでしょうか。 また、今回の業務委託契約の仕様書の業務内容の中に「学校行事や特別活動等の教育活動における英語指導及び児童との交流」とございますが、これは具体的には何を指し、何が実際に行われているのでしょうか。例えば、教室での英語活動以外の時間、すなわち給食の時間や休み時間において、ALTは子どもたちと交流できるのでしょうか。学校側にはALTの業務範囲がどこからどこまでなのか、何ができるのか、仕様書の具体的内容をちゃんと伝えていらっしゃるのかも含め、お答えください。 昨年、同じく文科省から、ALTの業務委託契約は派遣や直接雇用に切りかえるようにとの通達が出ています。今年4月、千葉県柏市の市立小中学校で教えていたALTが違法な「偽装請負」と認定され、教育委員会が是正勧告を受けたことにより、柏市の小中学校は7月まで英語活動及び授業が再開できなくなりました。私は、今回の業務委託契約も、一歩間違えれば「偽装請負」になりかねないリスクを多分に抱えていると感じておりますが、区の今回のケースは本当に問題がないのか、柏市との違いを明確にお示しし、御説明いただきたいと思います。 教育施策においては、特に「安かろう、悪かろう」があってはなりません。もちろん、ただお金をかければいいという問題でもないと思いますが、中野区が今回のALT導入にかけた予算額は、同事業を行っている23区のほかの自治体の中で一番低いです。中野区の今年度の業務委託契約額は、15名以上のALTが入って消費税込みで年間800万円強です。小学校数が中野区よりも少ないのに、この事業におよそ1億2,000万円、およそ14倍ものお金をかけている港区は別格といたしましても、中野区よりも少ない学校数で2倍、3倍、4倍の予算をかけている区が幾つもあります。 私は、この低予算かつ非常に制約が多い業務委託契約の中で質の高いALTを確保し、充実した英語教育を行うというのは、正直かなり無理があるのではと思っております。 ちなみに、担当教員とスムーズな意思疎通がしやすいとして、練馬区や足立区のように、今年度ネイティブのALTのかわりに英語が堪能な日本人の方に担当教員のアシストをしてもらっている自治体もあります。練馬区さんの話によりますと、協力員という形で区報で募集をかけたところ、予想以上の応募数・反響があったそうです。 そもそも、小学生にも英語をとぶち上げながら、実際、必修なのは5・6年生のみで、たった週1回35時間、教科書も評定もない外国語活動であり、いまだ法律上も、小学校教員の免許取得科目に外国語を加えず、採用試験にも外国語科目がない。つまり小学校できちんと英語を教えられる人材をまともに育てる体制も整えず、お金も出さず、とにかく自治体に丸投げといった外国語教育に対する国の非常に中途半端な姿勢が問題の根幹であり、自治体も大変だと思いますけれども、必修と決まったからにはやらなければなりませんし、子どもたちによりよい教育を行うという自治体の責務は果たしていかなければなりません。 東京にとどまらず、全国の市町村と比較しても、非常に低いALTの契約額は、区の外国語教育に対する姿勢のあらわれととらえてよろしいのでしょうか。お金はかけずとも、何か中野区独自の工夫をなさっているのでしょうか。 最後に改めて、小学校における外国語教育に対する区の認識を明確にしていただきたいと思います。 以上で、私の今回の一般質問を終了させていただきます。 その他はございません。どうもありがとうございました。 〔教育長田辺裕子登壇〕 ○教育長(田辺裕子) 区立学校におけます外国語活動についての御質問でございました。 小学校教員の英語力の現状と今後についてというお尋ねでございます。 従来から研修等を十分行いまして、備えてまいりました。ネイティブなALT、外国人の英語指導助手(ALT)でございますが、これは現在でも教員と意思疎通は十分図れているものというふうに考えております。今後も、英語活動研修会等で授業の内容の充実を図るほか、日常会話等コミュニケーションがとれることができるよう、研修内容を工夫してまいるつもりでございます。 次に、委託契約におけますALTの確保が安定しないのではないかという御質問でございました。 適切に授業を行っているというふうに認識しておりますが、万一、年度の途中で人材が変更になったとしても、授業に影響のないよう、委託会社に十分要望していく所存でございます。 次に、プロポーザルによる契約につきまして御質問がございました。 プロポーザルにより区の要望する内容に適した業者と契約できているものというふうに考えてございます。仕様書等で必要事項を明確に掲載するよう留意を図っております。 委託業者とは綿密に連絡をとり合っておりまして、契約内容を確実に履行させていく考えでございます。 委託契約による事業の難しさについての御質問もございました。 委託契約の仕組み上、学校が直接にALTに指示はできないということは当然のことでございますけれども、区が委託事業者と連絡をとり合い、ALTを効果的に活用できるようにしております。 それから、授業以外でのALTの活動につきましての御質問でございます。 授業以外に休み時間の交流や学校行事や学級での集会等、学校の実情に合わせて交流できるよう、多くの学校で交流が実施できているというふうに考えてございます。 それから、柏市の例を引いて、本区では問題がないかというお尋ねでございます。 柏市と異なり、中野区では副校長に対して説明会を実施するなど、区から学校に対して委託業務の内容について周知徹底して、確認してございます。区から委託事業者に対しましては、中野区の英語活動の内容とALTの業務内容の周知を図っておりまして、委託事業者でも英語等に訳して業務内容をALTに伝えるなど、適切に契約内容を履行しております。 最後に、予算額から見て、小学校の外国語活動について、中野区の意気込みはどうかという御質問でございました。 予算額につきましては、他区とは規模も委託内容も違うため、比較はできないというふうに考えております。ALTは補助的な支援を行うことが役割でございまして、本来、英語活動は教員が中心となり、授業を進めることができるということが重要であると考えております。今後も教員の資質向上を十分図っていきたいというふうに考えております。 ○議長(伊藤正信) 以上で、いながきじゅん子議員の質問は終わります。 中野区議会議員 林 まさみ 1 アスベスト対策について 2 東中野地域のまちづくりについて 3 その他 ○議長(伊藤正信) 次に、林まさみ議員。 〔林まさみ議員登壇〕 ○16番(林まさみ) 第2回定例会において、市民自治を広げる立場で質問します。 まず、アスベスト対策について質問します。 機械メーカー、建材メーカーなどアスベスト関連企業が健康被害を認めた2005年のいわゆるアスベストショック以来、深刻な環境汚染をもたらしたことが認識され、関連法が次々と制定されました。 空気中に浮遊し、人体に吸収されると、わずかでも健康被害を及ぼすアスベストは、建材として多数使用されてきました。建材に使用されたアスベストは大きく2種類。一つは、露出している吹きつけアスベスト、これは劣化により飛散するおそれが高く、そのため、除去や飛散防止対策が講じられています。もう一つは、曝露レベルが低いが、解体時、飛散リスクがあるアスベストの成形板。今後、2020年から2040年の間に区内建築物の解体や改造、補修工事がピークを迎える中、2005年11月に施行された「全ての建築物の解体工事の届け出制度及び解体工事に伴うアスベスト除去工事に関する要綱」に基づいて、当然指導が行われなければなりません。 中野区では、2005年8月、「中野区のアスベスト対策に係る基本方針」を策定、また、同年9月には、「中野区アスベスト会議」を設置、アスベスト除去工事に対して、融資の利子補給のあっせん制度が設けられました。しかし、2005年から始めているアスベスト除去の融資の利子補給の利用実績はありません。 国土交通省がまとめた全国の1,000平米以上の民間建物の吹きつけアスベストの使用実態の抽出調査によると、東京都の調査対象の約10%に吹きつけアスベストの使用が確認されています。また、アスベスト飛散防止条例を制定している練馬区では、2009年に吹きつけの届け出が44件、成形板が179件出されている中、同年、中野区では、「建設工事に係る資材の再資源等に関する法律」による解体工事の届け出491件中、アスベスト使用の届け出はたった13件で、届け出件数の3%未満となっています。 そこで、1点伺います。 今後、築年数の経過に伴い、アスベスト建材を含む建築物の解体等の増加が見込まれます。地域住民等がアスベスト被害に遭わないため、どう対応していくのか、区の考えをお聞かせください。 次に、融資の利子補給の利用実績がゼロということは、実情に即していないと考えられます。関係事業者が利用しやすいように、融資制度を見直すべきと考えます。アスベスト条例施行により、練馬区で行われている成形板の届け出の義務化の導入も検討すべきと考えます。区の考えをお聞かせください。 国土交通省の調査状況より、区内での届け出数が少ないことから、建築責任者が適切に届け出を出していないことも考えられます。沼袋では、アスベストの届け出が出されていない解体工事中、近隣住民の訴えにより調査したところ、周辺住居のベランダからアスベストが検出され、住民への補償交渉となった事例があります。その原因として、アスベストについて建築責任者への啓発不足が考えられます。銭湯の煙突や立体駐車場、また、鉄鋼づくりの建築物の解体など、アスベストの飛散の可能性が高いと思われる建物の建築責任者または解体業者などに対して、一歩踏み込んだ啓発や指導をすることが必要です。先ほどの練馬区でも、条例制定前に関係者に周知徹底を図ったそうです。区の見解を伺います。 最後に、中野区は、区内に民間建物のアスベスト除去の現状と課題を把握し、国に対して、現在のアスベストの分析費・除去費等の助成制度を実情に即したものに改善するよう働きかけるべきです。区の考えを伺います。 次に、東中野のまちづくりについて伺います。 中野区では、さまざまな地域でまちづくりを行っています。東中野地域でも、駅を含めた周辺92ヘクタールの地域を対象に、東中野地域まちづくり計画検討素案策定に向けて、2009年10月に東中野地域まちづくり検討会が設置され、6月上旬に、これまで4回行った検討会の中間報告が行われました。報告内容は、駅前を交流拠点とすることを踏まえて、土地の高度利用や山手通り沿道東側の用途地域の緩和など、2009年7月に策定された「東京都の都市づくりビジョン(改定)」や2008年改定した「都市再開発の方針」に沿った内容でした。 しかし、まちづくりの最上位計画は、多くの区民参加で策定された「中野区都市計画マスタープラン」であり、東中野地域のまちづくり方針は、その中にある地域別構想に示されています。その方針には、安らぎと潤いのある便利で住みやすい住宅地の整備、山手通り沿道地区の整備、小中学校跡地の有効利用、緑豊かなまちづくりなどが記されています。区としては、住みやすい住宅地の整備や緑豊かなまちづくりなど、地域の実情を踏まえ、地域住民の意見をまちづくりに反映させなければなりません。 そこで、東中野まちづくり検討会のあり方について質問します。 今後、2010年度に「東中野まちづくり検討素案」が作成され、意見交換会、パブリックコメントを行った後、区の計画になるとのことですが、まちづくりを成功させるためには、検討段階から、一部の人たちだけではなく、さまざまなできるだけ多くの立場の地域住民の参加が必要です。 しかし、現在の検討会の地域住民代表の構成メンバーは、町会、商店街、私立学校関係者中心で、公募区民はたったの2名です。すべて中高年の男性であり、男女の割合や年代別構成を考慮したものではありません。その上、検討会の傍聴もできません。 今後、検討会に多様な地域住民の声を反映させるためには、例えば、子育て世代、区立小中学校関係者、障害者、高齢者などの意見を求めるため、検討会の中にワーキンググループを設置することや、介護や福祉、在宅医療、防災や景観、環境などについて広く意見を求める場を設けること、さらに、地域住民に開かれた話し合いの場にするため、検討会の傍聴ができるようにすべきです。検討会のあり方について、区の考えをお聞かせください。 東中野のようにオープンスペースがなく、緑が少ないまちの課題を解決するためには、住環境の改善・向上と土地の有効活用が必要です。また、住み続けたい特色のあるまちにするためには、地域住民の参画とそのための仕組みづくりも必要です。 「新しい中野をつくる10か年計画(第2次)」の中にも、区として「区民みずからが主体的にまちづくりに取り組むための情報提供、専門家による技術的支援を行い、まちづくり事業を促進するための仕組みづくり、まちづくり事業を担う事業者の育成をする」と示しています。 そこで、伺います。 よりよいまちづくりを進めるために、区は具体的に今後どのような施策をとっていくのか、お聞かせください。 地域住民の意見を反映したまちをつくるには、地域住民がみずから主体的に取り組むことが必須です。そして、そのことが地域コミュニティ再生にもつながります。 最後に、まちづくりを成功させるため、住民の主体的な取り組みの促進、まちづくりの推進に向けた区の考えをお聞かせください。 その他として、副区長の役割について3点質問します。 1点目として、区長は施政方針説明で、副区長について、「区長である私をスタッフとして補佐する役割を明確にする」と話されました。そこで、伺います。「スタッフとして補佐する役割」とはどういうことなのでしょうか。区民にわかりやすい言葉で具体的に説明してください。 2点目として、副区長を2人とするようですが、役割分担などはお考えなのでしょうか。お考えでしたら、どのように役割を分担するのでしょうか。 最後に、「今まで副区長が担っていた経営本部の3室の『室』の担任を外す」との説明がされました。つまり部長としてのラインの仕事、また、PDCAサイクルを強力に回す仕事が副区長からなくなります。副区長の仕事がスタッフとして補佐する役割のみになり、明確な役割がないのであれば、副区長は1人でもよいと考えます。2人置く理由、根拠をお答えください。 以上で、質問を終わります。 〔都市整備部長服部敏信登壇〕 ○都市整備部長(服部敏信) 私からは、アスベスト対策につきまして、何点かの御質問にお答え申し上げます。 まず、区の対応の状況でございます。 区では、平成17年8月にアスベスト対策の基本方針を策定し、アスベスト対策を推進しているところでございます。また、区独自の取り組みとして、法に解体工事の届け出の規定のない床面積80平米未満の建物の解体工事につきましても、届け出を指導しているところでございます。今後とも一層の指導強化に努めてまいります。 次に、除去に関する融資制度の関係の御質問でございます。 アスベスト対策の工事費用につきましては、融資のあっせん制度がございまして、本人の負担利率を1.5%に抑えていることもありまして、現在のところ、見直すことは考えてございません。アスベストにかかわります相談並びに建築相談窓口である融資制度のPRに今後とも努めてまいります。 続きまして、抽出指導でございます。区では、吹きつけアスベストを使用した可能性があります鉄骨造の建築物につきまして、抽出指導を平成17年から18年にかけて行ってございます。今後とも一層の啓発指導、あるいはこういった指導につきまして効果的に取り組んでまいりたいと考えてございます。 最後でございます。国への要望でございます。アスベスト対策にかかわります要望でございます。 その危険性につきましては、かねてから指摘されてきたことでございますが、法規制等の国の対応が後手に回りまして、今日の事態を引き起こしているものと認識してございます。このような状況にかんがみまして、アスベスト対策にかかわります法制度の充実や財政的な措置など、他区や東京都などと連携しながら、必要な対応をとってまいりたいと考えてございます。 以上でございます。 〔区民生活部長鈴木由美子登壇〕 ○区民生活部長(鈴木由美子) 私のほうから、1件、アスベストの成形板の届け出の義務化の導入についてのお尋ねにお答えいたします。 アスベストを含む成形板につきましては、東京都の都民の健康と安全を確保する環境に関する条例に関する都知事告示や労働安全衛生法に関する石綿障害予防規則などによりまして、適正な作業方法等が義務付けられているところでございます。したがいまして、新たに区への届け出義務を課す意味はないというふうに考えておりまして、導入については現在考えていないところでございます。 以上です。 〔まちづくり推進室長遠藤由紀夫登壇〕 ○まちづくり推進室長(遠藤由紀夫) 私からは、東中野地域のまちづくりについてお答え申し上げます。 まず初めに、ワーキンググループの設置、会議の傍聴についての御質問でございました。 東中野地域まちづくり検討会は、地域全体の構想をつくるために、町会、商店会、各種団体の代表者、公募区民に学識経験者を加えて組織してございます。ワーキンググループのような小単位での話し合いになじむ段階ではないと考えております。 また、多様な地域住民の意見を幅広くお聞きするため、検討会の中間まとめの段階で意見交換会を2回開催したものでございます。 今後とも、検討を進めるに当たりましては、住民の皆さんの意見をお聞きするよう努めてまいりたいと考えております。 検討会の委員の方々に自由闊達な議論をしてもらうために、会議は非公開としてございます。 まちづくりに対する支援等の施策についての御質問でございました。 区では、これまでまちづくり情報の提供や住民の勉強会等への支援などを行ってまいりました。今後、区民みずからが取り組むまちづくり活動に対する支援やまちづくり事業を促進するための仕組みを構築してまいりたいと考えております。 住民の主体的な取り組みの促進についての御質問でございました。 まちづくりの事業実施やルールづくりには、地域の住民や関係権利者が互いに合意した共通の意思のもとに、みずから取り組むことが不可欠であると考えております。区民主体による身近な地区を単位とするまちづくり、区民発意によるまちづくりの支援など、区民のまちづくり活動を促進してまいる考えでございます。 以上でございます。 ○議長(伊藤正信) 時間がありませんので、以上で、林まさみ議員の質問は終わります。 以上をもって、質問は終了いたします。 これより日程に入ります。 ―――――――――――――――――――――――――――――― 第34号議案 中野区テレビジョン放送の受信障害の解消に関する条例を廃止する条例 第35号議案 中野区職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例 第38号議案 中野区職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例 第39号議案 中野区行政財産使用料条例の一部を改正する条例 第40号議案 中野区特別区税条例の一部を改正する条例 第41号議案 行政防災無線デジタル化等整備工事請負契約 第42号議案 丸山小学校体育館等改築工事請負契約 第43号議案 机及びいす等の買入れについて 第44号議案 遺贈の放棄について 第51号議案 和解及び損害賠償額の決定について ○議長(伊藤正信) 日程第1、第34号議案、第35号議案、第38号議案から第44号議案まで及び第51号議案の計10件を一括議題に供します。 理事者の説明を求めます。 〔副区長金野晃登壇〕 ○副区長(金野晃) ただいま上程されました第34号議案、第35号議案、第38号議案から第44号議案まで及び第51号議案の10議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。 第34号議案、中野区テレビジョン放送の受信障害の解消に関する条例を廃止する条例は、アナログテレビジョン放送の受信障害対策の終了に伴い、本条例を廃止するものです。 この条例の施行時期は、公布の日です。 第35号議案、中野区職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例は、雇用保険法の改正に伴い、条例で引用している条文の番号を整備するものです。 この条例の施行時期は、公布の日です。 第38号議案、中野区職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例は、すこやか福祉センターの設置に伴い、防疫等業務手当の支給対象者にすこやか福祉センターに勤務する職員を加えるため、規定の整備を行うものです。 この条例の施行時期は、平成22年7月26日です。 第39号議案、中野区行政財産使用料条例の一部を改正する条例は、中部すこやか福祉センターの設置に伴い、規定を整備するものです。 この条例の施行時期は、平成22年7月26日です。 第40号議案、中野区特別区税条例の一部を改正する条例は、主に次の3点について規定を改めるものです。 第1点目は、区民税に係る給与所得者及び公的年金等受給者の扶養親族申告書の提出について規定するものです。 第2点目は、非課税口座内の少額上場株式等に係る譲渡所得等の非課税措置に伴い、非課税口座内の少額上場株式等に係る譲渡所得等の金額とそれ以外の株式等に係る譲渡所得等の金額とを区分して計算する等の規定を設けるものです。 第3点目は、たばこ税の税率を改定するものです。 この条例の施行時期は、第1点目につきましては平成23年1月1日、第2点目につきましては平成25年1月1日、第3点目につきましては平成22年10月1日です。 第41号議案、防災行政無線デジタル化等整備工事請負契約は、防災行政無線のデジタル化等に伴う整備工事を行うため、契約を締結にするに当たり、議会の議決をお願いするものです。 工事の概要は、既存の移動系防災行政無線及び地域防災無線に係る設備を撤去し、デジタル移動無線に係る設備を整備するものです。 契約の方法は一般競争入札、契約の金額は3億2,251万6,825円、契約の相手方は東日本電信電話株式会社ビジネス&オフィス事業推進本部です。 この工事の完了予定は、平成23年3月です。 第42号議案、丸山小学校体育館等改築工事請負契約は、丸山小学校の体育館等の老朽化に伴い、丸山小学校体育館等改築工事を行うため、契約を締結するに当たり、議会の議決をお願いするものです。 工事の概要は、体育館棟、倉庫棟、エレベーター棟及び便所棟の改築工事です。 契約の方法は一般競争入札、契約の金額は3億8,745万円、 契約の相手方は協永建設株式会社です。 この工事の完了予定は、平成23年9月です。 第43号議案、机及びいすの買入れについては、財産の取得に当たり、議会の議決をお願いするものです。 取得する財産は、区立小学校における児童用の机3,816台、いす3,816脚で、取得に要する金額は1,817万4,844円です。 第44号議案、遺贈の放棄については、昨年12月に亡くなった区民から、区に対する遺贈がありましたが、これを放棄するものです。 遺贈財産は、土地205.64平方メートル及び建物68.76平方メートルで、土地については緑地その他社会福祉のための施設として役立たせることを希望するというものです。 区は、遺言者の死亡により、遺言書に基づく受贈者としての権利を取得したものですが、当該遺贈財産に係る土地に公園の整備または社会福祉のための施設の建設計画がないため、これを放棄することとしたものです。 第51号議案、和解及び損害賠償額の決定については、交通事故に伴う損害賠償について和解を成立させ、損害賠償額を決定するに当たり、議会の議決をお願いするものです。 この事故は、平成20年8月18日に、渋谷区内の路上で相手方の運転する自転車と清掃車が衝突したことにより、相手方が転倒し、負傷したものです。事故の態様から見て、区に過失があったものと判断し、相手方と交渉を重ねた結果、議案の和解条件により議会の議決を条件とする仮和解を本年6月18日に締結したものです。 和解条件の要旨は、相手方に生じた損害額を255万2,067円と定め、その全額について、区が負担するというものです。 以上、10議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。 ○議長(伊藤正信) この際、申し上げます。 第35号議案及び第38号議案の計2件については、地方公務員法第5条第2項の規定に基づき、お手元に配付の文書のとおり、特別区人事委員会の意見を聴取いたしましたので、さよう御了承願います。 22特人委給第126号 平成22年6月24日 中野区議会議長 伊藤 正信 様 特別区人事委員会 委員長 西野 善雄 「職員に関する条例」に対する特別区人事委員会の意見聴取について(回答) 平成22年(2010年)6月18日付22中議第435号で意見聴取のあった下記条例案については、異議ありません。 記 第35号議案 中野区職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例 第38号議案 中野区職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例 ○議長(伊藤正信) 本件について、御質疑ありませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(伊藤正信) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。 上程中の議案は、会議規則に従い、総務委員会に付託いたします。 ―――――――――――――――――――――――――――――― 第45号議案 中野区国民健康保険条例の一部を改正する条例 第46号議案 中野区すこやか福祉センター条例 第47号議案 中野区仲町就労支援事業所条例 ○議長(伊藤正信) 日程第2、第45号議案から第47号議案までの計3件を一括上程いたします。 理事者の説明を求めます。 〔副区長金野晃登壇〕 ○副区長(金野晃) ただいま上程されました第45号議案から第47号議案までの3議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。 第45号議案、中野区国民健康保険条例の一部を改正する条例は、国民健康保険法の改正に伴い、一般被保険者に係る基礎賦課総額の算定に係る規定を改めるとともに、その特例に係る措置を4年間延長するものです。 この条例の施行時期は、公布の日です。 第46号議案、中野区すこやか福祉センター条例は、すこやか福祉センターを公の施設として設置するとともに、その名称及び位置、事業、施設の使用に係る手続等を定めるものです。 なお、この条例の制定に伴い、中部保健福祉センターの廃止に係る規定の整備を行うため、この条例の附則で中野区保健福祉センター条例を改正するものです。 この条例の施行時期は、平成22年7月26日です。 第47号議案、中野区仲町就労支援事業所条例は、仲町就労支援事業所を公の施設として設置するとともに、その位置、利用資格、指定管理者による管理の基準及び業務の範囲等を定めるものです。 なお、この条例の制定に伴い、精神障害者社会復帰センターの廃止に係る規定の整備を行うため、この条例の附則で中野区社会福祉会館条例を改正するものです。 この条例の施行時期は、平成23年4月1日ですが、一部は公布の日です。 以上、3議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますよう、お願い申し上げます。 ○議長(伊藤正信) 本件について、御質疑ありませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(伊藤正信) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。 上程中の議案は、会議規則に従い、厚生委員会に付託いたします。 ――――――――――――――――――――――――――――――- 第48号議案 中野区立学校設置条例の一部を改正する条例 第49号議案 中野立小学校及び中学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関 する条例の一部を改正する条例 ○議長(伊藤正信) 日程第3、第48号議案及び第49号議案の計2件を一括上程いたします。 理事者の説明を求めます。 〔副区長金野晃登壇〕 ○副区長(金野晃) ただいま上程されました第48号議案及び第49号議案の2議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。 第48号議案、中野区立学校設置条例の一部を改正する条例は、区立小中学校再編計画に基づく区立学校の統合に伴い、野方小学校、丸山小学校及び沼袋小学校を廃止し、平和の森小学校及び緑野小学校を新設するものです。 この条例の施行時期は、平成23年4月1日です。 第49号議案、中野区立小学校及び中学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例は、公務災害による休業補償等に係る補償基礎額を改定するものです。 この条例の施行時期は、公布の日です。 以上、2議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますよう、お願い申し上げます。 ○議長(伊藤正信) 本件について、御質疑ありませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(伊藤正信) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。 上程中の議案は、会議規則に従い、子ども文教委員会に付託いたします。 ―――――――――――――――――――――――――――――― 議会の委任に基づく専決処分について ○議長(伊藤正信) 日程第4、議会の委任に基づく専決処分について報告いたします。 本件については、地方自治法第180条第2項の規定に基づき、6月23日付をもって区長からお手元に配付の文書のとおり報告がありましたので、さよう御了承願います。 22中経経第739号 平成22年(2010年)6月23日 中野区議会議長 伊 藤 正 信 殿 中野区長 田 中 大 輔 議会の委任に基づく専決処分について(報告) 区を当事者とする和解及び損害賠償額の決定について、議会の委任に基づき次のとおり専決処分したので、地方自治法第180条第2項により報告します。 記 1 和解(示談)当事者 甲 中野区民 乙 中野区 丙 中野区民 丁 中野区民 2 事故の表示 (1)事故発生日時 平成21年(2009年)3月28日午前10時10分頃 (2)事故発生場所 区立保育園内 (3)事故発生状況 区立保育園の3歳児保育室において、0歳児から5歳児までの混合保育を実施中、丙及び丁の子が、甲の持っていた玩具を取ろうと手を出したところ甲に拒否されたため甲の左頬部を引っ掻いた。これにより、甲は、左頬部に擦過傷を負い、極軽度の成熟瘢痕(傷跡)が残った。 3 和解(示談)条件 (1)乙は、和解金として慰謝料及び文書料の合計金51,300円を甲に賠償する義務があることを認め、本件示談成立後、甲の指定する方法で支払う。 (2)丙及び丁は、和解金として治療費と慰謝料の合計金10,420円を甲に賠償する義務があることを認め、本件示談成立後、甲の指定する方法で支払う。 (3)以上のほか、本件事故に関し、甲と乙、甲と丙及び丁並びに乙と丙及び丁との間には、何らの債権債務がないことを確認する。 4 和解(示談)成立の日 平成22年(2010年)6月4日 ○議長(伊藤正信) 次に、陳情の常任委員会への付託について申し上げます。 お手元に配付の陳情付託件名表(I)に記載の陳情につきましては、記載のとおり、それぞれ所管の常任委員会に審査を付託いたします。 陳情付託件名表(I) 《区民委員会付託》 第9号陳情 「(仮称)区民活動センター」への職員配置について 《厚生委員会付託》 第8号陳情 子宮頸がん予防ワクチン接種の公費助成について ○議長(伊藤正信) 本日はこれをもって散会いたします。 午後5時46分散会 |