平成22年09月17日中野区議会本会議(第3回定例会)
平成22年09月17日中野区議会本会議(第3回定例会)の会議録
平成22年第3回定例会本会議第3日(9月17日) 1.平成22年(2010年)9月17日、中野区議会議事堂において開会された。
1.出席議員(41名)
  1番  内  川  和  久        2番  ひぐち   和  正
  3番  白  井  秀  史        4番  平  山  英  明
  5番  つぼい   え  み        6番  いながき  じゅん子
  7番  森     たかゆき        8番  山  口  かおり
  9番  せきと      進       10番  いでい   良  輔
 11番  伊  東  しんじ        12番  佐  野  れいじ
 13番  北  原  ともあき       14番  南     かつひこ
 15番  小  林  秀  明       16番  林     まさみ
 17番  の  づ  恵  子       18番  近  藤  さえ子
 19番  牛  崎  のり子        20番     欠  員
 21番  吉  原     宏       22番  大  内  しんご
 23番  きたごう  秀  文       24番  伊  藤  正  信
 25番  久  保  り  か       26番  やながわ  妙  子
 27番  酒  井  たくや        28番  佐  伯  利  昭
 29番  むとう   有  子       30番  長  沢  和  彦
 31番  か  せ  次  郎       32番  高  橋  ちあき
 33番  山  崎  芳  夫       34番  市  川  みのる
 35番  斉  藤  金  造       36番  篠     国  昭
 37番  岡  本  いさお        38番  飯  島  謹  一
 39番  江  口  済三郎        40番  佐  藤  ひろこ
 41番  来  住  和  行       42番  岩  永  しほ子
1.欠席議員
      な  し
1.出席説明員
 中 野 区 長  田 中 大 輔      副  区  長  金 野   晃
 副  区  長  阪 井 清 志      教  育  長  田 辺 裕 子
 政 策 室 長  竹 内 沖 司      経 営 室 長  川 崎   亨
 管理会計室長   尾 﨑   孝      区民生活部長   鈴 木 由美子
 子ども家庭部長  長 田 久 雄      保健福祉部長   田 中 政 之
 保 健 所 長  田 原 なるみ      都市整備部長   服 部 敏 信
 まちづくり推進室長 遠 藤 由紀夫     教育委員会事務局次長 合 川   昭
 政策室副参事(企画調整担当) 小 田 史 子 経営室副参事(経営担当) 篠 原 文 彦
1.本会の書記は下記のとおりである。
 事 務 局 長  山 下 清 超      事務局次長    石 濱 良 行
 議事調査担当係長 佐 藤   肇      書     記  荒 井   勉
 書     記  河 村 孝 雄      書     記  菅 野 多身子
 書     記  東   利司雄      書     記  丸 尾 明 美
 書     記  土 屋 佳代子      書     記  鳥 居   誠
 書     記  細 川 道 明      書     記  鈴 木   均
 書     記  岡 田 浩 二      書     記  竹 内 賢 三

 議事日程(平成22年(2010年)9月17日午後1時開議)
日程第1 第52号議案 平成22年度中野区一般会計補正予算
     第53号議案 平成22年度中野区用地特別会計補正予算
     第54号議案 平成22年度中野区介護保険特別会計補正予算
日程第2 認定第1号 平成21年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について
     認定第2号 平成21年度中野区用地特別会計歳入歳出決算の認定について
     認定第3号 平成21年度中野区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について
     認定第4号 平成21年度中野区老人保健医療特別会計歳入歳出決算の認定について
     認定第5号 平成21年度中野区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算の認定について
     認定第6号 平成21年度中野区介護保険特別会計歳入歳出決算の認定について
日程第3 中野区の財政の健全化判断比率について

      午後1時00分開議
○議長(伊藤正信) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。
 本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。
 昨日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。

 中野区議会議員 平 山 英 明
 1 高齢者が安心して住み続けられる区内の住宅整備について
  (1)区営住宅のバリアフリー化について
  (2)UR野方団地建て替えについて
 2 野方駅舎整備と商店街振興について
  (1)環境にやさしい駅舎整備について
  (2)駅舎整備にあわせた商店街振興について
 3 中野区教育ビジョンの改正について
  (1)中野区教育ビジョン(第2次)推進のための実施計画策定について
  (2)確かな学力の定着について
  (3)その他
 4 熱中症対策について
 5 その他

○議長(伊藤正信) 最初に、平山英明議員。
     〔平山英明議員登壇〕
○4番(平山英明) 平成22年第3回定例会に当たり、公明党議員団の立場から一般質問をいたします。
 質問は、通告どおり、1、高齢者が安心して住み続けられる区内の住宅整備について、2、野方駅舎整備と商店街振興について、3、中野区教育ビジョンの改正について、4、熱中症対策について、5のその他では私立保育園の耐震化について伺います。区長・理事者におかれましては明快な御答弁をお願いいたします。
 初めに、高齢者が安心して住み続けられる区内の住宅整備について伺います。
 本年4月に内閣府が発表した「高齢者の地域におけるライフスタイルに関する調査」によると、60歳以上で孤独死を身近に感じる割合は42.9%、ひとり暮らしに限ると60%を超えたとしています。これを仮に中野区に当てはめると、60歳以上の区民のうち、約3万5,000人の方が孤独死の不安を感じていることになります。今後、急増する区内の高齢者の安全・安心のため、とりわけ生活の基本となる住宅について、安心して住み続けられるための対策は喫緊の課題です。
 そこで、伺います。順番を変え、先にUR野方団地の建てかえについて伺います。
 UR都市機構は、国の独立行政法人整理合理化計画を受け、「UR賃貸住宅ストック再生・再編方針」を策定しました。その中で、昭和34年に建てられた野方五丁目にある野方団地は、地域の整備課題、住宅需要等に応じて大規模な再生事業の実施の対象となる、団地再生の中の全面建てかえの計画となっており、建てかえは平成30年度までに行うとされています。
 先日、野方団地の建てかえについて、UR都市機構に電話で確認をしたところ、全面建てかえの計画だが、当該地域の道路付けや用途地域についての問題もあり、団地別整備方針策定に至っていないとの話を聞きました。区長は、野方団地の建てかえについてどのような認識をお持ちでしょうか。もうすぐバリアフリー化される野方駅から商店街、バスロータリー、野方WIZを含む野方駅を中心としたまちづくりについて、URをメンバーに入れ、推進すべきです。区長のお考えを伺います。
 その際、さきに触れたように、高齢者用の住宅整備についての視点は欠かせません。医療、介護等の生活支援がついた高齢者専用賃貸住宅の推進について、ことしの第2回定例会一般質問で我が会派の飯島議員が、今定例会でやながわ議員も取り上げましたが、国は高齢者等居住安定化推進事業を都も東京都医療・介護連携型高齢者専用賃貸住宅モデル事業を来年度以降大きく進める計画です。UR野方団地建てかえに際しては、医療、介護等のケアつき高齢者専用賃貸住宅を建設すべきです。0.7ヘクタールの敷地内に保育園や介護施設などを併設し、住宅棟の低層階はケアつきの高齢者専用賃貸住宅に、高層階は子どもや若いファミリー用の住宅としてはいかがでしょうか。お考えを伺います。
 次に、区営住宅のバリアフリー化について伺います。
 高齢者の安全・安心のためには区営住宅についてもバリアフリー化は当然です。昨年の3月、国土交通省は、自治体に対し公営住宅等長寿命化計画策定指針を示し、平成25年度中に計画の策定を義務付けました。中野区はこの公営住宅等長寿命化計画をいつまでに策定するおつもりでしょうか。平成23年度中までには策定すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。
 この指針によると、建てかえの対象とする住棟は、昭和30年代ストック及び木造の昭和40年代ストックのうち、需要が見込め、かつ高度利用の必要性・可能性が高い住棟とされており、昭和40年代に建てられた野方六丁目アパートを含む区内の区営住宅は対象になりません。建てかえを行わず、補強・改修で維持するのであれば、加齢、病気等によって日常生活に身体の機能上の制限を受けるとなった方などについての住みかえの制度を検討すべきです。その場合、中野区内の区営住宅のストックのみでは戸数の確保が難しく、都営住宅も含めた制度とすべきと考えます。都営住宅を区営住宅に移管する際に定められた都営住宅特別区移管実施要綱第21条では、都営住宅と区営住宅間における住宅変更は可能であるとしていますが、その対象を区移管前から引き続き居住しているものに限るとしています。これまでこの条項を活用して区営住宅から都営住宅に住みかえた事例は何件あるのか、伺います。
 住みかえの対象については、区移管前から引き続き居住している方だけではなく、区移管後の居住者も住みかえ対象とすべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。
 同要綱の第22条では、区営住宅を建てかえる際には都営住宅に仮入居が可能である旨が示されていますが、建てかえだけでなく、補強・改修の際も都営住宅への仮入居を認めるべきと考えます。お考えを伺います。
 また、住民と相談の上でのエレベーター設置を含めたバリアフリー化計画を公営住宅等長寿命化計画にあわせて策定すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺って、この項の質問を終わります。
 次に、野方駅舎整備と商店街振興について伺います。
 初めに、環境にやさしい駅舎整備について伺います。野方駅北口が完成し、地元や利用者の方々に大変喜ばれています。朝の通勤時には、南口の駐輪場に自転車を置き、わざわざ踏切を渡ってエレベーター、エスカレーターのある北口を利用する方も目にします。現在工事中の南口と南口駅前広場も12月には工事が終わり、12月19日に新しい野方駅が完成します。
 そこで、伺います。
 中野区は、地球環境へ配慮し、自由通路部分に太陽光パネルの設置や壁面緑化を行いますが、CO2の削減量、電力消費の削減量、温度低減効果はそれぞれどれくらい見込まれているのでしょうか。伺います。効果をさらに上げるために、自由通路部分だけでなく、橋上駅舎部分も太陽光パネルの設置や壁面緑化を行うよう西武鉄道に要請したのでしょうか。まだであれば、正式に要請を行うべきではありませんか。伺います。
 区は、南口広場での環境意識啓発イベントや、区民50組程度による飯能の森を活用した体験型自然教育ツアーを企画していますが、環境意識啓発イベントとは具体的にどのようなものですか。伺います。
 野方駅は区内で初めて太陽光パネルの設置や壁面緑化が行われる駅であり、また野方商店街は区内で初めて街路灯のLED化を行った商店街です。商店街を含む野方駅周辺を中野区の環境対策シンボル地域と位置付け、商店街に太陽光パネルや風車のついたLED街路灯を順次設置していくなど、商店街などを巻き込んだ環境対策への取り組みを計画的に行ってはいかがでしょうか。街路灯への太陽光パネルと風車設置により、環境対策だけでなく、災害時に停電した場合でも明るい商店街として地域の安全を図ることができます。お考えを伺います。
 次に、駅舎整備にあわせた商店街振興について伺います。
 野方商店街振興組合は、野方駅舎整備完成にあわせて、ことしの9月から来年の2月までの5カ月間、さまざまなイベントを企画して商店街の活性化を図ろうとしています。しかし、私の知る限り区の野方駅舎整備完成にあわせた産業振興事業はありません。これでよいのでしょうか。
 スマートフォンの普及により顧客の情報収集の手段が変化し、商店街一帯に無線LANを整備し、店舗のホームページやタイムセールの案内などを行う無線LAN商店街が各地に誕生しています。野方も、駅を中心に野方商店街を含む一帯で公衆無線LANサービスが行われ、商店街の情報等、地域情報の発信が行われるようになれば、地域活性化の取り組みとなります。野方駅一帯の公衆無線LAN化を視野に置き、まずは野方WIZと野方駅で公衆無線LANサービスを行ってはいかがでしょうか。西武鉄道も鷺ノ宮駅で公衆無線LANサービスを行っています。野方駅にもぜひ公衆無線LANの環境を整備するよう、西武鉄道に求めるべきです。また、野方WIZも公衆無線LANサービスを行い、ホールでの公演の案内等、情報発信を行ってはいかがでしょうか。伺います。
 駅が新しく生まれ変わるこのとき、区として「環境」と「ユビキタス」をキーワードにした野方駅周辺の活性化のための計画を策定し、地域や商店街の皆様と一体となって地域の活性化のための取り組みを行うべきと考えます。いかがでしょうか。伺って、この項の質問を終わります。
 次に、中野区教育ビジョンの改定について伺います。
 初めに、中野区教育ビジョン(第2次)推進実施計画の策定について、提案を含めて伺います。
 本来であれば、本年2月には計画決定し、平成22年度からスタートするはずであった中野区の教育振興基本計画に当たる中野区教育ビジョン(第2次)が、本年7月に素案が示され、11月から12月には計画案の決定、平成23年1月から2月に計画決定のスケジュールで進められています。素案に示されている計画期間は平成22年から平成31年までの10年間となっており、そのうち実施計画とされる期間は平成22年から平成26年までの5年間とされています。経過から見て、本当に実現可能な計画なのか、不安を覚えます。計画期間を平成23年からにする必要はないのでしょうか。教育長の御見解を伺います。
 中野区教育ビジョン(第2次)は、実施計画に当たる「教育ビジョン実行プログラム」を盛り込んだものとするとされていますが、素案には「今後5年間で重点的に進める取組」は示されているものの、184の取り組み項目について年次計画もありません。さらに、重点的に進める取り組みの絞り込みと具体的なプランが必要ではないでしょうか。お考えを伺います。
 中野区教育ビジョン(第2次)素案にある八つの目標達成のために、横断的に最重点的に取り組む内容を「幼児教育の充実」、「学力・体力の向上」、「発達支援教育の推進」、「魅力的な図書館の整備」として年次計画を示した3年間の実施計画を別途策定し、中野区教育ビジョン(第2次)を着実に推進すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。
 次に、確かな学力の定着について伺います。
 小・中の学びの連続性を確保するための取り組みとして、今後5年間で「一部教科での小中一貫カリキュラムの作成・試行」とあります。一部教科とは数学を予定していると聞きましたが、一教科では少ないのではないですか。連携・一貫カリキュラムの作成、実施が大幅におくれていることを考えると、国語も含め、せめて2教科の作成・試行とすべきと考えます。伺います。
 また、すべての教科での一貫カリキュラムの完成は何年度を目途にされているのでしょうか。伺います。
 小・中学校での土曜日の活用について、東京都教育委員会は、今年度、公立小・中学校土曜日補習の充実に係る外部指導者活用支援事業を創設し、確かな学力を身につけさせるために支援を開始しました。事業の内容は、教員OBも含む外部指導者による土曜日補習を新たに開始する場合、外部指導者へ支払う報償費の2分の1を上限1時間1,250円まで都が負担するというものです。中野区では、外部指導者を活用した土曜日補習を行っている学校は中学校3校のみです。新学習指導要領の全面実施に向け、教育委員会もこの事業を活用し、区立の全小・中学校で外部指導者による土曜日補習を実施されてはいかがでしょうか。伺います。
 その他として、学級人数が引き下げられた場合の学校施設の状況について伺います。
 文部科学省が示した新・公立義務教育諸学校教職員定数改善計画(案)が平成23年度から実施された場合のシミュレーションはできているのでしょうか。伺います。
 新しい中野をつくる10か年計画(第2次)では、今後も学童クラブやキッズプラザが学校内に設置されていきます。学校によって教室が不足するようなことはないのでしょうか。伺って、この項の質問を終わります。
 次に、熱中症対策について伺います。
 ことしも記録的な猛暑が続き、熱中症による死者の数は過去最高となりました。熱中症対策は、もはや単なる情報提供や注意喚起だけでは不十分で、中野区としても具体的な対策を講じる必要があるのではないでしょうか。都市の温暖化抑制、ヒートアイランド対策等はもちろんですが、来年度に向けての緊急的な対策として何点か伺います。
 区は、リアルタイムに区民への熱中症に対する注意喚起情報を提供するため、環境省が発表する暑さ指数(WBGT)等を活用し、熱中症注意情報の基準を定め、防災行政無線等での告知を行ってはいかがでしょうか。熱中症は短時間で症状が悪化することから、救急車が来るまでの応急対応が重要となります。職員への熱中症に対する応急対応方法の周知とともに、区有施設にスポーツドリンク、氷嚢を準備しておいてはいかがでしょうか。
 以前、区内の公園のパーゴラやジャブジャブ池のフェンスへはよしずが敷設されていたと聞きます。夏休みに公園で遊ぶことを楽しみにしている子どもや母親のために、よしずやそれと同効果のものを区内の公園のパーゴラやジャブジャブ池のフェンスへ敷設させるべきです。お考えを伺います。
 最も大事な高齢者のための対策についても伺います。
 毎年6月、7月に、民生児童委員による、70歳以上単身世帯と75歳以上高齢者のみ世帯について訪問調査が行われています。今年度は70歳以上のひとり暮らし高齢者が約1万人、75歳以上高齢者のみ世帯では約3,000人の方とお会いでき、熱中症に対しても注意喚起を行ったと聞きました。区内の高齢者が熱中症に対し正確な情報を持ち、万が一熱中症で搬送された際、適切な治療が受けられるよう、来年度の訪問調査の際は、声かけとともに、環境省が発行している熱中症対策のリーフレットと熱中症予防カードの配布を行ってはいかがでしょうか。伺って、この項の質問を終わります。
 5番のその他として、私立保育園の耐震化について伺います。
 先日、我が会派が区内の私立保育園園長会と懇談した際、区立保育園の建物をそのまま活用し民営化を行った4園のうち3園の園長先生方から、それぞれの園で耐震診断を行ったが、診断結果は3園すべて耐震基準に達しないものであったとの話がありました。区は、残り1園に対し耐震診断の実施を求めるとともに、既に結果の出た3園の耐震改修を速やかに進めるべきです。
 東京都が平成20年から社会福祉施設等の耐震化促進事業を始めましたが、私立保育園の耐震診断に対する助成は平成23年度まで、耐震改修に対する助成は平成25年度までとしています。区はこの制度を活用した3年間の耐震化計画を策定すべきと考えますが、いかがでしょうか。既に耐震改修を行いたいと考えている園もあると聞きます。各園と協議の上、来年度の耐震改修の目標をまず1園と定め、3年間で基準に満たないすべての園の改修を完了させるべきと考えますが、いかがでしょうか。伺って、私のすべての質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 平山議員の御質問にお答えいたします。
 野方団地建てかえについての認識であります。UR都市再生機構は、平成19年12月に閣議決定された独立行政法人整理合理化計画を踏まえ、UR賃貸住宅ストック再生・再編方針を策定いたしました。この中で、野方団地は全面建てかえによる団地再生と位置付けられ、団地再生は平成30年度までに約半数について着手することとしていることについて承知をしているところであります。
 野方のまちづくりと野方団地の建てかえについてであります。野方駅周辺地域につきましては、住民がまちづくり勉強会を立ち上げ、地域まちづくりの検討を行っております。UR野方団地建てかえについては、具体的な年次建てかえ計画が明らかになっていない段階でもあり、こうしたまちづくりの動きも踏まえながら、区としても、野方駅周辺まちづくりの検討を進めていく中でURとの関係についても考慮に入れ、対応していきたいと考えております。
 同じく建てかえについてであります。UR賃貸住宅ストック再生・再編方針では、将来の人口・世帯減少などに対して高齢者の安心居住や福祉・医療などの地域の多機能拠点としての活用について新たな方向性を検討することとしております。こうしたことも踏まえ、御提案のあった住宅のあり方等、当該団地についてもその検討の推移を見守ってまいりたいと思っております。
 それから、区の公営住宅等長寿命化計画はいつまでに策定するのかという御質問であります。国の公営住宅等長寿命化計画策定指針に基づいて、平成24年度までに策定をしていきたいと考えております。
 都から移管された区営住宅で、加齢や疾病に伴って身体機能が低下したため、1階への住みかえを希望する方、そうした方についての御質問であります。御指摘の、都営住宅特別区移管実施要綱に基づいて、区移管前から引き続き居住している方で都営住宅へ住宅変更を行った件数は現在までで3件あります。
 区移管後の居住者をも対象とした住みかえ制度を検討するべきではないかといったようなことであります。加齢や疾病による日常生活に支障が生じた場合の住みかえについては、区移管後の居住者であっても一定の要件を満たした入居者に対して、区営住宅条例に基づいて、区営住宅間での住宅変更を行ってまいりました。こうした中で住宅変更の希望に対応できるように努めてまいりたいと考えております。
 それから、建てかえの際には都営に仮入居できますけれども、大規模改修・修繕の場合にも同様にするべきではないかと、こういった御質問がありました。区営住宅の大規模な補修・改修の際に住みかえが必要になった場合、これは都営住宅との連携が不可欠であると考えます。23区の共通課題として認識しているところであり、東京都へ働きかけを行ってまいります。
 それから、区営住宅のバリアフリー化についての御質問もありました。区営住宅のバリアフリー化については、構造等さまざまな課題があると認識をしております。今後策定いたします公営住宅等長寿命化計画の中でどのぐらい取り組めるのか、そのことを検討していきたいと思っております。
 それから、野方駅の整備と商店街振興について、環境にやさしい駅舎整備に関連しての御質問であります。
 野方駅の自由通路に設置する太陽光発電は、一般家庭2軒分の年間消費電力を賄える計算となります。一般家庭の賄える電力というのが1年で4,700キロワット時と想定をしての計算ですけれども、こうしたことになります。また、CO2の削減量については年間2.7トン程度あるだろう、こう考えております。
 壁面緑化によって得られる断熱効果ですけれども、これはエアコン使用を前提とした電気量換算で1年間でおよそ240キロワット時の削減効果があると見込んでいるところであります。CO2の削減や温度低減効果もあると考えておりますが、設置規模が限られていることもあって数値的な算出は難しいと思います。
 環境にやさしい駅舎整備について、設計段階で西武鉄道に要請をしてきた経過がありますが、西武鉄道としてはこうしたことについて国庫補助金の活用が図れないということから野方駅では見送りになったと聞いております。
 それから、イベントの関係ですけれども、野方駅整備の完成にあわせて南口広場を活用して、太陽光発電等の環境施設の紹介、また地球温暖化の現状の映像パネル展示を想定しております。また、親子50組程度を対象として、専門家の案内による西武線沿線の森林での自然散策、下草刈りなどの森林管理体験を予定しているところです。
 商店街を含む野方駅周辺の環境対策等の取り組みについての御質問もありました。野方商店街が街路灯のLED化を行うなど、熱心に取り組んでいることは評価をしているところです。商店街として今後どのような取り組みをするのか、区として応援できることがあれば考えていきたいと考えております。
 駅舎整備をきっかけとした商店街振興ということであります。区は意欲的、先駆的な取り組みをする商店街にはこれまでも支援を行ってきています。それらが区の商店街振興の牽引役になっていただくよう期待しているところであります。地元商店街では、野方駅舎整備の完成にあわせて街路灯にペナントをつけるなど、まちを盛り上げるさまざまな取り組みを計画していると聞いております。活性化に向けたそれらの取り組みに対して区としても可能な支援をしていきたいと考えております。まち中での公衆無線LANサービスを含めて、ユビキタス、こういった考え方をまちの活性化にどのように生かしていくのか、引き続き研究をしてまいりたいと思っております。
 それから、旧区立保育園の園舎を引き継いだ私立保育園の耐震改修についての質問であります。耐震診断の実施及び耐震改修計画の策定は保育園を設置・運営する社会福祉法人が判断するものであります。区は、10か年計画において、私立幼稚園の快適で安全な保育環境を整備するために改築などの支援を行うとしております。社会福祉法人が実施した耐震診断の結果を踏まえ、改修計画についての社会福祉法人からの依頼があれば、東京都が実施している補助制度も活用しながら支援を検討してまいります。
 私からは以上です。
     〔教育長田辺裕子登壇〕
○教育長(田辺裕子) 中野区教育ビジョンの改定についての御質問がございました。
 まず、計画期間の御質問です。中野区教育ビジョン(第2次)は、新しい中野をつくる10か年計画(第2次)との整合性を図っているため、計画期間も10か年計画とあわせ22年度からの計画としていく考えでございます。
 また、重点的に進める取り組みを絞り込んで年次計画を含む5カ年の実施計画を立てるべきではないかという御質問でした。教育ビジョンにおける重点は八つの目標としてお示しをしているところでございますが、教育委員会として特に重点的に推進すべき取り組みを明らかにし、周知を図っていく考えでございます。また、年次ごとに進捗状況などを検証しながら進めていきたいと考えておりまして、年次計画などを示す実施計画を別途策定するということは考えてございません。
 次に、確かな学力の定着についてです。算数・数学だけではなく、国語を含めた2科目の小・中一貫カリキュラムを策定すべきではないかということでございますが、学習指導要領は小学校と中学校の接続を踏まえて系統的に作成をされております。より円滑な接続のために、特に課題のある教科等について取り組む必要がございます。算数・数学は学習の積み重ねが特に重要だという特性がございます。そのため円滑な接続による成果も明らかにされやすいということでございます。そうしたことから、まずは来年度をめどに算数・数学において一貫カリキュラムを試行し、その成果を踏まえ、他の教科についても段階的に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、学力向上の視点から土曜の補習授業の拡充を都の事業を活用して実施したらどうかという御質問でございました。学力向上の観点から、土曜日の補習にとどまらず、土曜授業の実施が必要だというふうに考えてございます。御提案の施策につきましては、区の負担も生じるということもございますので、学校の実情を踏まえながら研究してまいりたいというふうに考えてございます。
 次に、文部科学省が示しました新・公立義務教育諸学校教職員定数改善計画の案についてシミュレーションをしているのかということでございます。この計画をもとに平成23年度からの学級数についてはさまざまな要素を加味しながら一定の予測は現在行っているところでございますが、この計画案につきましては不確定な要素も多いというようなこともございまして、今後引き続きその動向を注意深く見守っていきたいというふうに考えております。また、この計画案どおりに実施されたというふうに仮定しますと、学校によりましては学級数が多少増加するということは否定できないというふうに考えておりますが、教室不足になるということは現在のところは想定をしてございません。
    〔保健福祉部長田中政之登壇〕
○保健福祉部長(田中政之) 私からは、熱中症対策に関する御質問のうち、防災行政無線等を使っての区民への告知について、職員周知と区有施設での備えについて、それから民生児童委員による熱中症予防啓発についての3点について、お答えをいたします。
 まず、防災行政無線等での告知についてであります。区は、ホームページで熱中症予防を呼びかけるとともに、御指摘の環境省ホームページへもリンクを張りまして、日々の予防に役立てていただくよう熱中症暑さ指数の情報も提供しているところでございます。また、区といたしましては、防災行政無線放送における告知が有効なものかを含めて検討していきたいと考えてございます。
 次に、職員周知と区有施設での備えについてでございます。ホームページでは既に熱中症の応急対応に関する情報も提供しておりまして、庁内各部署に対して熱中症予防に関する注意喚起を行ったところでございます。来シーズンの職員周知の際は御指摘のような応急対応の周知も行うように心がけていきたいと考えてございます。また、区有施設におきましては、どういった対応ができるのか、検討してまいりたいと考えてございます。
 最後に、民生児童委員による高齢者への熱中症予防啓発についてでございます。来年度の訪問調査時には民生児童委員にリーフレット等配布の御協力をお願いしてみたいと、このように考えてございます。
 以上でございます。
    〔都市整備部長服部敏信登壇〕
○都市整備部長(服部敏信) 私からは、熱中症対策のうち、公園等の対応についてお答え申し上げます。
 公園のパーゴラでございますが、利用者から日陰が欲しいとの要望がございまして、今年度、平成22年度江古田の森公園と江古田公園の2カ所についてよしずをかけてございます。また、ジャブジャブ池におきましては従前からビーチパラソルを配置しておりまして、天候に応じ広げておりまして御利用いただいてございます。今後とも利用状況などを考慮しながら設置を検討していきたいと考えてございます。
 以上でございます。
      〔平山英明議員登壇〕
○4番(平山英明) 4点、再質問をさせていただきます。
 まず、高齢者のための住宅の件で一つ、野方団地の件で、確かに事業主体はURですので、URがこれからどうするのかという計画を立てるということなんですが、UR自体はもろもろの外的な要因もあって計画が前に進んでいないというような話もされていたので、これは区のほうから積極的にURに働きかけてはという趣旨で御質問を申し上げました。野方駅周辺で0.7ヘクタールにも及ぶ大きな土地がこれからどうなっていくのかということに関しては、区もURの動きを見てどうするかというだけではよろしくないのかなというふうに思っていますので、改めて御答弁を求めます。
 それで、区営住宅の件で、都営とのいわゆるやりとりの中で、改修の際には都営住宅も使えるように東京都に働きかけるとおっしゃっていたんですが、しかしながら、住みかえについては区営間だけでやるというような御答弁だったんですが、区営間だけでは到底ストックが足りないと。それで、現実的にそういう状況があり、この前もそういう御相談を受けて、一人動けない区民の方もいらっしゃいます。そういうことを考えると、こちらに関してもあわせて東京都に働きかけていただければと思うんですが、こちらも改めて御答弁を求めます。
 あと、野方の商店街活性化のための施策としてユビキタスを含む計画をということを申し上げましたが、野方WIZに無線LANをつける──今、公的施設、中野区の区有施設にはまだ無線LANのサービスができていないと思うんですが、このWIZについてはすぐにつけることもできるので、これはぜひつけていただきたいなと思っているんですが、WIZも含めて検討するということなのでしょうか。改めて伺います。
 最後、教育ビジョンのところにつきまして別途実施計画を策定してはということを申し上げましたが、別途実施計画を策定するつもりはないと、年次計画はないんですけども、年間ごとに取り組むべきこと、項目を示してそれを検証していくというようなお話をされたんですが、そもそも年次計画がないと検証も難しいというふうに考えているので申し上げているのであって、年次計画も立てないで、だけど、年間ごとの検証というものが果たして可能なのかということを含めて、改めて年次計画が必要なのではないかということを思っておりますので、これに対しても御答弁をお願いいたします。
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) UR野方団地についてであります。区のほうから積極的に検討して働きかけをと、こういう御趣旨でありました。確かに0.7ヘクタールというのは野方の地域の事情を考えると大きな面積であろうかというふうには思います。区内全域を見ますと、他にまとまった団地の問題もさまざまあるところでもあります。地域で進んでいくまちづくりの状況を勘案しながら、またURの検討状況なども勘案しながら、必要な働きかけは区のほうからも行ってまいります。
 それから、改修のときの区営、都営のことの働きかけはわかったけれども、加齢や疾病による転宅について区営から都営に移れるように東京都に働きかけをするべきでないかと、こういった重ねての御質問でありました。現時点では、区営の住宅の中での転宅で何とか問題が解決できるかといったような認識を持っていたところですが、そういうことでどうしても賄えないという状況になるのであれば、東京都のほうの状況も調べた上で働きかけを行うことを検討してまいります。
 それから、WIZの無線LANですけれども、WIZに無線LANを敷設するかしないかという問題ではなくて、中野区としてユビキタスなまちづくり、こういうものをどういうふうに考えていくのか、区役所なんかの問題もありまして、区立の施設をどのように考えていくのか、そういう中で全体的に位置付けしていきたい、このように思っております。
     〔教育長田辺裕子登壇〕
○教育長(田辺裕子) 教育ビジョンについて、5年間毎年毎年進捗状況を公表していくに当たって年次計画がなければそういうこともできないのではないかという御質問で、年次計画を策定すべきであるということだと思いますが、5年間重点的に進める取り組みにつきまして具体的な手法等もこれからお示しをし、財政状況やそれからさまざまな要因も検討しながら個別の事業を進めていきたいというふうに考えておりますので、今のところ年次計画ごとに実施計画をつくるということではなく、5年間の中でどこまで進めていくかというものを毎年毎年公表しながら、その状況に合わせて進めていきたいというふうに考えております。
○議長(伊藤正信) 以上で平山英明議員の質問は終わります。

 中野区議会議員 北 原 ともあき
 1 平成21年度決算と今後の財政見通しについて
 2 熱中症対策について
 3 地域防災力の強化について
 4 その他

○議長(伊藤正信) 次に、北原ともあき議員。
     〔北原ともあき議員登壇〕
○13番(北原ともあき) 平成22年第3回定例会に当たり、自由民主党議員団の立場から質問いたします。
 初めに、平成21年度決算と今後の財政見通しについて、次に、熱中症対策について、最後に、地域防災力の強化について、お尋ねいたします。
 それでは初めに、平成21年度決算と今後の財政見通しについて、お尋ねいたします。
 政権交代以降この1年、政府の経済政策の失政は日本経済をはじめ、東京都、さらには中野区にも財政運営の上で大きな影響を与えています。
 8月30日、政府・日銀は円高・株安、さらに景気の下支えをするために約30兆円規模の追加の経済・金融対策を相次いで決定しました。しかし、翌8月31日の東京金融市場は、アメリカの景気減速懸念などから再び円高・株安が進み、円高による輸出企業の採算悪化などが嫌気され、日経平均株価は今年の最安値を更新しました。一昨日の政府・日銀の単独為替介入により、今度は急激な円安に触れ、株価は上昇しているものの先行き不透明感はぬぐえず、景気回復に今なお不安を残しております。今日の急激な円高・株安は、民主党政権の経済・金融・為替対策の遅れであり、まさに現政権下の政策不況であり、その責任は重いと考えます。
 中野区の景況調査を見ても、平成21年7月から12月、本年22年1月から6月の12カ月間、大きく下降となっております。
 中野区の財政白書、平成21年度決算の状況によりますと、平成21年度決算普通会計で特別区税は約313億円、前年度比約3億円減であり、中野区の納税者1人当たりの所得額も23区平均を年間40万円以上下回っています。また、特別区交付金は約319億円で、特別区財政調整交付金の主たる原資となる市町村民税法人分が急激な景気低迷の影響で減収となり、中野区の交付額は前年比約34億円もの減収となっております。今年度も平成21年度の都税収入が1年で1兆円の落ち込みとなったことから、平成22年度都区財政調整区別算定結果(当初算定)に大きく影響し、中野区への普通交付金額は、前年度、平成21年度当初算定比8.3%の減となりました。さらに、今なお景気低迷懸念は払拭されず、今後の見通しは厳しいと思います。
 平成20年度決算の概要では、平成20年度の歳入決算額は約1,043億円、歳出決算額は約964億円で、翌年度に繰り越すべき財源を差し引いた実質収支は25億円、実質収支比率3.2%、経常収支比率81.2%、公債費比率8.6%。さらに、この概要の分析では、中野区は、中長期的な財政見通しの中で計画的に財政運営を行っており、財政の弾力性を確保していると述べております。わずか1年前のことであります。
 平成21年度決算の概要によると、平成21年度の歳入決算額は約1,230億円、歳出決算額は約1,213億円で、実質収支は10億円、実質収支比率1.3%、経常収支比率87.5%、公債費比率9.3%であります。その分析では、厳しい経済状況に対応し、区民に必要な行政サービスを提供するためには、今後も中長期的な財政見通しの中で計画的に財政運営を行い、継続的な経常経費の削減への取り組みが必要と述べております。
 財政指標で過去3年間を比較すると、実質収支比率は、平成19年度は4.1%、20年度3.2%、21年度1.3%。経常収支比率は、19年度79.9%、20年度81.2%、21年度87.5%。また、公債費比率は、19年度8.0%、20年度8.6%、21年度9.3%と、まさに負の足取りであります。
 そこで、お尋ねいたします。
 一昨年からの景気低迷は区の財政にも大きく影響しており、特別区民税、特に都区財政調整交付金が著しく減少しております。こうした財政状況にあって、中野区の財政白書、平成21年度決算の状況によれば、単年度収支は平成18年度から4年連続でマイナスの状態が続いております。単年度収支が4年間もマイナスの状態であることは前年度の剰余金を食いつぶしている状態であります。さらに、単年度収支から基金への積み立てなど実質的な黒字要素や基金からの取り崩しのような赤字要素を除いた実質単年度収支が平成21年度は平成14年度以来のマイナスとなり、マイナス額は14億円となっております。財政的観点から危険水域と言わざるを得ません。区はこのような決算をどう分析、評価しているのか、正直にお答えいただきたい。
 次に、特別区民税の徴収率、国民健康保険料の収納率はいずれもここ数年23区平均を下回っており、その差は拡大傾向にあります。納税者1人当たりの所得額についても23区平均を下回っていることから、歳入確保を徹底していくことが必要であります。徴収率、収納率向上に当たって区はどのような取り組みをされているのか。後期高齢者医療保険料の収納率は99.16%で、中野区は23区中ナンバーワンだと聞いています。こうした分野がある中で、特別区民税の徴収率、国民健康保険料の収納率の向上に向けた取り組みはどのようになっているのか、お尋ねします。
 また、施設の老朽化に伴う施設改修費、公園整備費を含むまちづくり経費、すこやか福祉センターへの転換経費や学校の統廃合に係る整備経費など、新しい中野をつくる10か年計画(第2次)の中で既に財政フレームの検討を行っていると思いますが、区の財政見通しはどうなっているのか。確実に増加が予想される扶助費など、平成21年度決算状況を踏まえ、厳しい経済状況の中で時代の変化に対応し持続可能な財政運営をどう実現していくのか、区の見解をお聞きいたします。
 この項の最後に、今後の財政見通しの中で計画化された資産の売却についても着実に進める必要があると思いますが、区の見解をお尋ねいたします。
 次に、熱中症対策について、お聞きいたします。先ほど平山議員からも同様の質問がありましたが、加えてお尋ねします。
 気象庁は、9月1日、この夏、6月から8月が観測史上最も暑い夏だったと発表しました。特に8月は全国の主要観測所154地点のうち半数の77の地点で平均気温の最高記録を更新したそうです。東京も同様に記録的な猛暑となり、都心における7月1日から9月12日までの74日間で、最高気温35度以上の猛暑日は11日、最高気温30度以上の真夏日は51日、最低気温25度以上の熱帯夜は実に61日と、いずれも史上最高を記録しました。
熱中症による死者は7月17日から8月30日までで全国で約500名との報道もあり、野方消防署長の言葉をかりれば、まさに熱中症災害とでも言えましょう。東京都監察医務院の調査によると、東京23区での熱中症による死者は梅雨明け7月17日から8月6日までの間で100名を超え、統計をとり始めた1946年以来最多になりました。8月7日以降も猛暑が続いたこと、熱中症との合併症による死者数などを合わせると、その数は大きく上回ります。中野区においても同様で、区内の死者数も二けたに上ると推測されます。同じ東京監察医務院の調査によりますと、東京23区で熱中症により死亡した人のうち、65歳以上の高齢者は全体の90.6%。家族構成で見ますと、家族がいないひとり暮らしが74%。また、死亡場所は住居内が95.8%、死亡時間帯は不詳者を除くと約40%が夜間でありました。
 また、野方消防署の調査によりますと、東京消防庁全救急隊による熱中症搬送人員対比は、8月31日現在の速報値で、7月は平成21年が359名に対し22年は1,660名、約5倍。8月は平成21年が305名に対し、22年は2,138名、7倍であります。中野区内で発生した熱中症、または熱中症と疑われる救急搬送人員等の対比は、同じ速報値で、7月は平成21年が8名に対し、22年は91名、約11倍。8月は平成21年が2名に対し、22年は53名、約26倍。搬送者の高齢者率は約60%となっています。9月に入っても猛暑が続いたため、上旬は同様の搬送が続いたと聞いております。
 また、中野区医師会の先生方からも、今年は熱中症による受診者が際立って多かったとも聞いております。地球温暖化の中で来年の夏も猛暑が予想されます。また、ひとり暮らしの高齢者が増え続ける中で、区としては早急に熱中症対策を検討しなければなりません。
 そこで、8月5日発行の「なかの区報」に熱中症予防の記事が掲載されたのは承知しておりますが、熱中症予防に関する区民への周知はどのようにされたのか、お尋ねします。
 次に、熱中症にかかってしまった方の緊急搬送は消防署、在宅等で亡くなっていた方の状況把握は警察署ということかもしれませんが、区はそのような実態をどの程度把握しているのか、お聞きします。
 また、熱中症にかかる危険性が高いひとり暮らしの高齢者や認知症高齢者のために、区が現在緊急予防的に特別養護老人ホームのベッドを活用している高齢者緊急一時宿泊事業などを夏季だけの期間限定で活用し、熱中症に対応することはできないのか、区の考えをお聞きして、この項の質問は終わります。
 最後に、地域防災力の強化についてであります。
 地域防災会と地域の事業所との災害時協力協定の締結についてお尋ねします。
 今月5日、恒例の中野区総合防災訓練が実施されました。訓練は、桃園地域と新井地域の地域防災会を中心に、区役所や消防署、消防団、警察署などの関係機関のほか、中野区医師会や東京都トラック協会中野支部など、中野区と災害時の協力協定を結んでいる多くの団体が参加しました。現在、中野区は66の団体と災害時の協力協定を締結し、今回の防災訓練には8団体が参加し、これから実施される災害救護医療訓練には四つの団体の参加を予定しています。関係者が一堂に会して訓練を行うことで災害に対する中野区内のネットワークが構築されると思います。
 一方、区内の各地域では地域防災会が中心となって防災訓練が行われています。土日を中心に地域にある公園などを会場に、消防署、消防団や区役所の協力を得て、災害時に備え消火器や軽可搬ポンプの操法訓練を実施しています。また、避難所となっている区立小・中学校で避難所の開設・運営訓練などを行っている地域もあります。今後も地域の防災力の核は地域防災会であると思います。しかし、地域防災会が地域防災力の中心を担うといっても、役員などの高齢化が進み、災害時の初動態勢などへの危惧があります。消火活動における軽可搬ポンプの搬送には軽車両や運転手の手配も必要です。
 そこで、区が関係団体と災害時協力協定を結び、また総合防災訓練に参加を得ているように、区内の各所で地域防災会が地域の事業所、例えば、軽トラックを所有する電気屋さん、建築屋さん、あるいは水道屋さんなどと協定を結びます。そして、災害時はもとより、日ごろの訓練の中でも協力してもらう、そうした関係をつくることで地域防災会を中心としたネットワークが各地域に構築できるのではないでしょうか。また、協定に参加した地元事業所と地域住民とのきずなも強まり、長い目で見て地域の事業所や商店街の活性化にもつながると思いますが、区の見解をお伺いいたします。
 次に、地域防災会と地域内の災害時要援護者関係施設との避難協力協定についてお尋ねします。
 今年度の総合防災訓練では、災害時要援護者対応が重点項目とされました。今回から新井小学校の会場で中野区福祉団体連合会の参加もあったと聞いております。この災害時要援護者への対応については、地域防災会の中には既に地域内にあるこうした施設と災害時の避難誘導に関する協定を結んでいるところもあるようです。災害時にこうした施設に通所する障害者の皆さんを防災会のメンバーが安否確認を行い、いざというときには避難所などに誘導するという約束は災害時要援護者への対応という重要課題に地域で対応するものです。通所の障害者の方については、基本的には住んでいるところで中野区のいわゆる手上げ方式に登録している方が多いと思います。しかし、災害はいつ起きるかもわかりません。通所先での災害発生に備え、各防災会との協力関係も欠かせないものと考えます。このような取り組みについて、区の御見解を伺います。
 この項の最後に、地域防災会が中心となって行う避難所開設・運営訓練に関してお尋ねします。
 現在、中野区内には区立小・中学校を中心に50カ所の避難所があります。この避難所の運営は、地域防災会、学校長などの施設管理者、そして区職員の三者で行うこととされております。その中核は地域防災会です。地域防災会の活動は多岐にわたりますが、この避難所開設・運営訓練はその中でも重要なものであり、また公的な避難所の運営を担うためのものでもあります。しかし、災害に対する意識啓発を常に継続する中で参加者の確保に苦労する一面もあります。一般の参加者が増えるよう一生懸命工夫しておりますが、防災グッズなど何か訓練参加者に配るようなものを確保できないのかと思うこともあります。
 そこで伺います。
 地域防災会には世帯数に応じた区の補助金があります。この補助金に、例えば、避難所開設・運営訓練を行う場合の加算額を設けるなどして避難所開設・運営訓練の促進を図ってはいかがでしょうか。区の見解をお尋ねして、私のすべての質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 北原議員の御質問にお答えをいたします。
 21年度決算と今後の財政見通しについてという御質問であります。決算状況をどのように見るかということであります。単年度収支というものは当該年度の実質収支から前年度の実質収支を引いたもので、決算剰余金の増減の変化を見るものであります。また、実質単年度収支は、単年度収支から将来の黒字要因である基金積み立てや赤字要因である基金取り崩しを除いて比較をしたものであります。この実質単年度収支というものの動きが大変重要というふうになると思います。この実質単年度収支が21年度決算ではマイナスの14億円になったということで、21年度の決算の厳しさといったものをあらわしているというふうに思っております。
 この原因というか、要因でありますけれども、当然ながら景気低迷の影響によって歳入が当初想定を下回ったと、このことが大きいと、こう考えております。単年度収支や実質単年度収支は各年度の経済動向や財政規模などによって変動するものでありまして、一定期間の推移を見ながら財政運営を行っていく必要があると、こう考えております。単年度収支等がマイナスになっている、こうしたことを踏まえて、今後とも財政指標の動向を注視し、的確に将来の財政状況を予測し、より計画的に財政運営を行っていかなければならない、こう考えております。
 こうした中での徴収率向上の取り組みが大事ではないかということであります。平成20年11月に区債権の収納率向上対策を策定し、おおむね23年度までの中期的な目標を掲げて収納率向上に取り組んでいるところであります。今年4月からは区本庁舎夜間窓口での特別区民税、国民健康保険料等の収納業務を行っているところです。また、今年の12月には特別区民税のコンビニエンスストアでの収納を実施する予定であります。また、区の主要債権であります特別区民税、国民健康保険料については、全庁を挙げて、これは先日のことでありますけれども、休日訪問徴収を実施して、これと連動して電話催告や納付相談窓口を開設して徴収強化を図っているところであります。引き続き努力をしてまいります。
 区財政の今後の見通しということであります。すこやか福祉センターの開設、施設改修、学校統合などに係る経費については、新しい中野をつくる10か年計画の財政フレームに基づいて計画的に執行をしてまいります。財政運営に当たっては、基本的に収入を中・長期に見積もり、一般財源の支出については常にその範囲でおさまるよう、経常的な経費、一般的な支出の経費については一般財源の範囲でおさまるように、新規拡充の事業についての財源は在来の事業を見直すことによって生み出すこと、こうしたことをまず徹底していくということを心がけております。その上で、景気変動に対しては年度間調整のための財政調整基金の節度を保った活用、それから投資的事業については、特定目的基金や公債費負担に配慮した上での起債の活用などによりまして計画的な財政運営に努め、持続可能な区政運営を行ってまいります。
 計画化された資産売却についてであります。用地等の売却予定については、10か年計画で定めているところであります。この計画にのっとって売却を着実に進める必要があると考え、売却を行っているところです。
 それから、熱中症について、区民への周知であります。熱中症については、毎年区報やホームページ等を活用して周知を行っているところですが、特に今年は区ホームページのお知らせ欄や暮らしのガイドへの掲載のみならず、トップページの注目情報欄への掲載やケーブルテレビの活用など、さまざまな周知を行ってきたところです。
 救急搬送等の状況について把握しているかということであります。救急車により搬送された熱中症患者数につきましては、中野区内の状況について、先ほど議員のほうからも御紹介のありました、ああいったデータに基づいた報告を受けているところであります。しかしながら、区民全体の熱中症患者数の把握というものは、搬送に至らないものも当然あるわけでありまして、なかなか難しい状況であると考えております。
 一方、熱中症にかかるリスクの高い高齢者の状況についてでありますが、一定程度把握しているとはいうものの十分とは言えない、こう思っております。今後、地域支えあい活動の中で、地域の中での声かけや見守りなどの取り組みによってきめ細かな状況把握に努めていくことが重要だと考えるわけであります。
 それから、支援が必要な高齢者の熱中症対応についてということで、高齢者緊急一時宿泊事業を活用することはできないかと、こういう御質問でありました。緊急一時宿泊事業につきましては、確保しているのが1床、1ベッドであります。施設の空き病床を活用するなどの方法で仮に臨時的に増やすとしても、やはり多くの需要があった場合に応えられる状況ではありません。在宅で通常自立とされている方への対応については、民生児童委員からの情報なども踏まえて、見守り、声かけを基本に行っていきたいと、こう考えております。
 それから、地域防災会と地域の事業所との災害時協力協定の締結についてであります。地域防災会が災害に備えて地域の事業所と協定を結び防災訓練にも生かすという、この考え方は地域防災会を中心とした地域防災力のネットワーク強化につながるものと考えております。区といたしましても、地域でのそのような取り組みが広まるように積極的に働きかけてまいりたいと、こう考えております。
 それから、地域防災会と災害時要援護者関係の施設との避難協力協定についての御質問もございました。障害者が施設に通所している際に災害が発生した場合に、まず施設管理者において避難誘導などに対応していただくことにはなっております。これに加えて、御質問の中で御紹介のあった地域の中での支援の取り組み、こうしたことが行われているということはまことに大変心強く感じるところでございます。区としてもこうした協定に基づく防災訓練を支援してまいりたい、こう考えております。
 それから、避難所開設・運営訓練についての御質問でありました。避難所開設・運営訓練において参加者に配布する防災用品については、地域防災会助成金の対象経費としているところであります。基本的にはこの助成金の中で工夫していただきたいと考えているところでありますが、避難所開設・運営訓練というものが大変重要な訓練でもありますので、区としても参加促進策について今後とも検討してまいりたいと思っております。
 以上です。
○議長(伊藤正信) 以上で北原ともあき議員の質問は終わります。

 中野区議会議員 吉 原   宏
 1 子ども手当について
 2 中野区共同住宅等建築指導要綱の条例化について
 3 その他

○議長(伊藤正信) 次に、吉原宏議員。
      〔吉原宏議員登壇〕
○21番(吉原宏) 平成22年度第3回定例会に当たりまして、自由民主党の立場から一般質問を行います。
 質問は通告順、1番目、子ども手当について、2番目、中野区共同住宅等建築指導要綱の条例化についてを伺います。その他はございません。
 まず最初に、子ども手当について伺います。
 厚生労働省は、先月末に平成23年度予算の概算要求を発表しました。財源確保をめぐって大きな焦点となっている子ども手当については、金額は現行どおりの1万3,000円とし、総額で1兆7,375億円を要求、上乗せ分は事項要求として金額を示していません。しかも、地方自治体や企業の財源負担分についてはそのまま残すこととしております。民主党の子育て支援策のかなめと称する子ども手当が昨年度から二転三転し公約違反を繰り返しているのは周知のことですが、改めて見てみると、昨年の衆議院選挙の政権公約では、平成23年度から2万6,000円、全額国庫負担と明記していました。ところが、今年7月の参議院選挙の公約では、2万6,000円満額支給は断念、1万3,000円に上積みするとし、その上積み分は保育所の定員増や保育料の軽減、給食の無料化など現物給付を検討するとしました。そして、さらにそのわずか2カ月後、8月末の概算要求では冒頭述べたとおりの事態となっております。
 そこでお伺いいたしますが、中野区における給付状況、また区の負担分はどの程度になるのでしょうか。お伺いをいたします。
 私は、前回、第2回定例会の場において、子ども手当に関するさまざまな問題点、制度の不備から来る不公正や不公平について指摘いたしました。特に、海外に子どもを残して日本に来た外国人には支給され、日本に子どもを残して外国で働く日本人には支給されないという問題点は、まさに詰めの甘いずさんな制度であるということを露呈するものであります。海外別監の証明書類の説明や審査のために地方自治体の職員は多大な労力と時間をとられ、トラブルも発生しているとの報道がありましたが、中野区においてはどのような状況があったのでしょうか。お伺いをいたします。
 長妻厚生労働大臣は、9月8日の厚生労働委員会で、平成23年度から子どもの国内居住要件を課すと述べたとのことであります。これで問題は一見解決したように思えますが、決してそうではありません。子どもを日本に置いて海外で働く保護者が支給要件から外れるという問題の解決にはなっておらず、そればかりか、海外で暮らす子どもを対象から外すということは、子どもが海外留学など何らかの理由で海外にいる場合は保護者が日本にいても支給されないという新たな不公平を招くことになります。民主党の言う「次代を担う子ども一人ひとりの育ちを社会全体で応援する」という制度の趣旨として大いに問題ありと指摘しておきます。
 子ども手当の財源確保については、民主党は、所得税・住民税の扶養控除や配偶者控除の廃止と行財政改革の断行によって生み出すとし、子ども手当創設にあわせて年少扶養控除の廃止を決定しています。しかし、民主党子ども・男女共同参画調査会では、夫婦2人と3歳未満の子ども1人の世帯をモデルに子ども手当が現在の1万3,000円のままで控除が廃止された場合、年収が300万円世帯で月1,000円の負担増、年収が500万円世帯で月2,000円の負担増、年収が800万円世帯で月6,000円の負担増、年収が1,500万円世帯で月1,000円未満の負担増と、すべてのケースで負担増になるという試算結果を発表しました。負担増をなくすためには、子ども手当月6,000円の増額、総経費1兆2,000億円を必要としています。政府・民主党は、上乗せをしないと公約違反になるばかりか、負担増になる世帯を生み出してしまいます。しかし、月1,000円上乗せすれば2,000億円必要となるわけであります。どこにそのような財源があるのでしょうか。
 今後、予算編成過程でまたまた議論が噴出し、結論が二転三転することが予想されます。現行子ども手当法は今年度限りのもので、23年度に向けては新たな法案を成立させなければいけません。現行子ども手当の正式名称は「平成二十二年度における子ども手当の支給に関する法律」、2010年度のみの時限立法であります。前回のように成立が遅れて、しかも不備だらけでの内容で実務を担う地方自治体に多大なしわ寄せを押しつけることがないように願うばかりでありますが、残念ながらそうなる可能性が強く懸念されます。そうなると、私たち中野区をはじめ、すべての地方公共団体はたまったものではありません。はた迷惑とはまさにこのことであります。
 そこで最後に、区長に改めて子ども手当に関する見解を伺いますとともに、ぜひ国に対して厳しい態度で要望をされるべきかと考えますが、御見解をお伺いいたしまして、この項の質問を終わります。
 次に、中野区共同住宅等建築指導要綱の条例化について伺います。
 中野区は、人口密度が日本国内で常に1位、2位を争う非常に人口が過密なまちとなっており、具体的には1平方キロメートル当たり2万人となっています。これはもう少しわかりやすく言いますと、1辺が100メートルの正方形の敷地、これは平均的な区立小学校の敷地よりも少し広いものとなりますが、この中に実に約200人もの方がお住まいになっていることになります。土地の有効な利用がされているという言い方もできますが、特に中野区の場合、非常に狭い道路が多かったり、古くて防火性能が不十分な木造住宅が多いという状況の中では、特に大地震等の災害時には危険性が高いということがこれまで指摘され続けているのは皆様御承知のとおりであります。
 そして、土地がこのように高密度に利用されていることは、裏を返せば、住宅のかなりの割合のものが戸建ての住宅ではなく、アパートやマンション、社宅等のいわゆる共同住宅となっているということになります。これらアパートやマンションは、その規模や内容も千差万別ですが、中には1住戸の専有面積が極端に狭く、住環境としては好ましくないものも見受けられます。また、それらアパートやマンションの中には、周辺環境との調和に十分な配慮がされずに計画されたために、周囲と紛争を起こす事例もあります。さらに、でき上がった後も建物の管理が十分でないために、ごみ出しや夜間の騒音など、近隣が迷惑を被っている事例も多く見受けられます。何らかの効果的な解決策が求められるところであると考えます。
 そのような状況の中で、さきごろ、中野区住宅政策審議会より、中野区共同住宅等建築指導要綱の条例化に際して盛り込むべき内容についてとの答申が区長になされました。現在運用をされている中野区共同住宅等建築指導要綱について、区は今後、この答申で示された内容を十分に検討した上で条例化を目指しているものと理解をいたしております。
 そこで、この中野区共同住宅等建築指導要綱の条例化について、ただいま申し上げた現状の認識を踏まえながら、何点か質問をいたします。
 まず、区として区内の共同住宅についてどのような点が問題であると認識をしているのでしょうか。また、そのような問題を解決するために現在の中野区共同住宅等建築指導要綱が運用されているものと理解しますが、この指導要綱はいつから運用を開始されたのでしょうか。そして、現在運用されているこの指導要綱について、実際に運用をしてみて不備な点、あるいは不十分な点は何でしょうか。お伺いをいたします。
 そして、このたび、この共同住宅等建築指導要綱については条例することが示されましたが、これにはどのような経緯があったのでしょうか。伺います。
 また、条例化に当たっては、現行の指導要綱の主にどのような点を見直しすることが予定されているのでしょうか。あわせてお伺いをいたします。
 それから、もう少し具体的な内容についてお伺いいたします。
 まず、区内のあちこちで、特に小規模なアパートやワンルームマンションからのごみ出しについて近隣とのトラブルが多く発生しています。区としても何らかの対応が必要であると考えますが、今回の指導要綱の条例化に当たっては、この問題に対応する規制内容をぜひ含めるべきだと考えますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。
 次に、今年度は国勢調査が実施をされる年ですが、国勢調査の調査員となられている区民の方々にお話をお伺いすると、マンションやアパートなどで郵便受けに名前がなかったり、アパート・マンションの部屋の入り口に表札がなかったり白紙のままだったりで、御本人の居住の確認に非常に苦労しているという切実なお話を伺いました。また、表札がないと中にだれが住んでいるのかがわからず、それが高齢者の場合、例えば震災による家具の倒壊などで重症を負ったり、そして発見が遅くなれば死に至るといった可能性があるかもしれません。今回の条例化に当たっては表札の掲示等を盛り込むべきと考えますが、いかがでしょうか。
 さらに、最近インターネットの普及が著しく、多くの人がネットショッピングを利用するようになりました。これに伴い、購入した商品を配達する宅配便などの貨物自動車をまち中で多く見かけるようになりました。ところが、中野のまちは道路の幅が狭い場所が多く、これら配達の車が商品の配達のために停車すると他の車の通行が難しくなる場所がかなり多いと思います。このことにより、特に救急車や消防車などの緊急車両が一時的であれ通行できなくなるとすれば、場合によっては人命にかかわることもあるかもしれません。ぜひ解決すべき問題だと思いますが、今回の指導要綱の条例化に当たり、この点について何らかの対策はとれないものなのでしょうか。お尋ねいたします。
 それからもう一つ、共同住宅については、特に小規模なものを中心に、ごみ出しなどについて近隣とトラブルになっている事例が多いのは先ほど述べましたが、その根本的な原因としては、共同住宅の管理の責任の所在がはっきりしていないものが多いことではないでしょうか。管理者の連絡先が不明であったり、入居者への必要な情報伝達が不十分であったりすることが多いと思います。トラブル発生時の連絡先の明示や管理人室の設置、管理人の配置や適切な巡回など、条例の中にしっかりと盛り込むべきだと考えますが、いかがでしょうか。お伺いをいたします。
 最後に、今回の指導要綱の条例化については、実際に共同住宅を建築する事業者がその内容を十分に理解しなければ、たとえ条例ができたとしても、その実効性は非常に乏しいものになると思います。そういった意味では、区内の建築関係業者や不動産関係業者などの協力が不可欠となります。条例化に当たっては、区民の意見を広く求めるのはもちろんのこと、このような区内の建築関係業者や不動産関係業者などにも十分な説明をし、あわせて意見を求めるべきと考えますが、いかがでしょうか。お伺いをいたしまして、私のすべての質問を終了いたします。ありがとうございました。(拍手)
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 吉原議員の御質問にお答えをいたします。
 子ども手当についての御質問であります。
 まず、現状のほうですけれども、平成22年8月末現在、本区で認定をしている受給者総数は1万7,160人、児童数でいいますと2万5,408人ということであります。この平成22年8月までの給付額の合計は6億3,832万6,000円となっております。平成22年度予算における給付見込額は36億4,000万円と見込んでおりまして、そのうちの区の負担分については3億9,327万8,000円と想定をしているところであります。
 さまざまな問題が指摘されているという中で、海外で暮らす子どもを監護している、そうした方に対する対応ということについての御質問がありました。海外で暮らすお子さんの監護状況を確認するために提出していただく資料はかなり細かく定められております。窓口において説明をして内容を確認するのに、1件1件相当な時間をとられる状況にあるということであります。また、聞き取りの過程で判断に苦慮する事例もありまして、国や東京都へ照会をしながらの対応ということにもなりますために時間を要する一因となっているところであります。しかしながら、大きなトラブルというものは今のところは起きておりません。
 この子ども手当の見解ということであります。国全体で平成22年度の子ども手当の給付費総額は2兆2,554億円と見込まれているということであります。そのうちの国庫負担金は1兆4,980億円ということでした。税収が落ち込んで公債費が大幅に増大している我が国の財政状況を考えますと、子ども手当の支給がやがてその子どもたちに大きなつけを回すことになるのは明らかであります。実施上のさまざまな問題点、また所得制限を設けず全員に給付をしているといったようなあり方からも、こういった赤字を垂れ流すかのような施策については即刻廃止すべき事業だと思っておりますが、来年度ももし実施されるということであれば、そのような誤った方向性の事業のために自治体を巻き込むようなことがなく、全額国庫負担でお願いをしたいと、このように考えているところであります。
 共同住宅の建築指導要綱についての御質問がありました。区における木造の共同住宅の戸数割合が高く、狭小なものが多いので、家族世帯向けの住居としては不十分な状況であります。また、小規模な共同住宅の中にはごみ出しなどによる近隣とのトラブルが発生しているものもあるわけであります。そうした問題点を解決していくといったようなことが大変大きな課題であると、こう考えております。
 現行の指導要綱の運用の開始は平成3年4月1日からであります。その後、改定を重ねて、現在の内容のものは平成16年4月1日から運用を行っております。指導要綱という性質上、法的な位置付けが不十分であることが挙げられます。また、ワンルームマンションの規制内容が家族世帯向け住宅供給を促すようなレベルになっていないこと、また近隣とのトラブルの防止等を図るためには十分な内容とはなっていない、こうしたことが挙げられると考えております。
 そこで住宅政策審議会の答申と、こうなってきたと理解をしておりますが、本年3月に改定した新しい中野をつくる10か年計画において、多様で良質な住宅の誘導・確保を目指す主な取り組みの一つとして、ワンルームマンションの抑制と共同住宅の居住環境の向上を掲げているところであります。これを踏まえて、今年の2月に中野区住宅政策審議会に対して指導要綱の見直しについて諮問をいたしました。審議会で調査・審議をしていただき、8月23日、指導要綱は条例化を目指すこととして、また見直しの考え方についても具体的に示されたところです。ファミリータイプ住戸の戸数割合の引き上げでありますとか、最低住戸面積の引き上げ、それから環境負荷低減や高齢者居住対応など新たな課題への取り組み、それから地域課題発生の予防などについて見直しをするようにということで答申が示しているところであります。区といたしましては、この内容に沿って今後見直し内容を検討したいと考えております。
 さらに詳細にわたりましては、担当のほうからお答えをさせていただきます。
    〔都市整備部長服部敏信登壇〕
○都市整備部長(服部敏信) それでは、私のほうからは指導要綱の条例化にかかわりまして、条例に盛り込むべき項目について何点かの御質問がございました。お答え申し上げます。
 まず、ごみ出しに対するトラブル等への対応の御質問がございました。現行の指導要綱におきましては、ごみ出しのルールの入居者への徹底とか表札の明示等を指導しておりますが、今回の答申では、小規模な集合住宅の管理上の規定を新たに設けまして地域課題に対するべきであると示されてございます。区といたしましては、この条例化に対しまして、こうした答申内容の趣旨に沿いまして、ごみ出しルールの徹底や表札の提示などについても盛り込む方向で検討したいと考えてございます。
 次に、サービス車両の駐車、ネットショップの関係のスペースの確保の御質問もございました。今回の答申では、一定規模以上の集合住宅を建築する場合にはサービス車両が駐車するスペースの確保を求めるものと示されてございます。今後の条例化に当たりましては、サービス車両の出入りに対する頻度の高い一定規模以上の集合住宅に対しましては車寄せなどのスペースを設けるなどの規定を盛り込む方向で検討したいと考えてございます。
 さらに、管理体制の基準についての御質問がございました。現行の指導要綱におきましては、対象となります共同住宅につきまして管理人室の設置や管理体制の規定を設け指導してございますが、今回の答申におきましては、これらの基準を見直すとともに、従来指導対象となっていなかった小規模な集合住宅につきましても管理上の基準を守るよう努める旨を示してございます。区といたしましても、この内容に沿って検討を進めてまいりたいと考えてございます。
 最後でございますが、条例化に当たりまして、関係者の意見聴取はという御質問がございました。中野区住宅政策審議会の委員には関連の深い業界団体の方々も含まれてございまして、それぞれの御立場で活発に御論議いただいた上でこの答申がまとまったものと認識してございます。今後、こうした関係する方面への説明や意見の求め方等につきましても工夫していきたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(伊藤正信) 以上で吉原宏議員の質問は終わります。
 議事の都合により、暫時休憩いたします。
      午後2時44分休憩

      午後3時05分開議
○議長(伊藤正信) 会議を再開いたします。
 この際、申し上げます。
 議事の都合上、会議時間を延長いたします。
 一般質問を続行いたします。

 中野区議会議員 佐 藤 ひろこ
 1 支えあいネットワークについて
 2 障害を持つ子どもへの支援について
 3 その他

○議長(伊藤正信) 佐藤ひろこ議員。
    〔佐藤ひろこ議員登壇〕
○40番(佐藤ひろこ) 第3回定例会に当たり、一般質問をさせていただきます。
 まず、支えあいネットワークについてです。
 100歳以上高齢者の所在不明問題、たび重なる子どもの虐待事件は、人のきずなが弱くなった社会の問題を浮き彫りにしました。中野区の100歳以上高齢者は、ことし7月1日現在105名で、全員医療保険や介護保険を利用しており、存命が確認されているということです。しかし、そのうちひとり暮らしの方が4分の1もいらっしゃり、現実となった超高齢化社会への対応を急がなければなりません。
 また、昨年度の中野区における子どもの虐待に関する相談は113件と最多の状況でした。事件になるのを未然に防ぐためにも自治体の支えあいの仕組みづくりが求められております。
 先日もNHKテレビで、中野区の町会の高齢者への訪問活動や、条例化がされれば全国で初めてとなる中野区の支えあいの仕組みづくりについて報道されました。人々のきずなが弱まっている時代、きずなをつなぐ支えあいの仕組みづくりは重要な政策の一つです。しかし、担い手の側にも、対象となる区民の側にも、支えあいの仕組みについてよく伝わっていません。
 今議会で提案予定であった地域支えあい活動推進条例案の提案が見送られました。名簿提供先にありきではなく、区としてどのような体制で臨むのか、町会などでどのような支えあいの活動ができるのか、その話し合いのほうが先ではないかと厚生委員会でも意見を出してきましたが、地域の方々としっかり話し合いがされていないのではないかと思います。条例をつくっても機能しないものになれば意味はありません。支えあいの仕組みがしっかり動くものになるように区民の方々との話し合いを深めていただきたいと思いますが、どのように考えているのでしょうか。
 東部地域のある町会を対象に、昨年末からことし3月にかけて、試験的に当時の中部保健福祉センター職員8人がチームに分かれて、70歳以上の単身高齢者と75歳以上の高齢者のみ世帯への戸別訪問を行いました。延べ61件を回り、ほとんどの方々に区の職員が来てくれたととても喜ばれたそうです。地域と直接かかわることの少ない保健福祉センターの職員にとっても高齢者の生活実態を知ることができ、大変学ぶことが多かったそうです。職員でケースを検討し、そのうち7件の見守りが必要なケースについてだれがどのような見守りを行えばいいのか、関係者で話し合ったそうです。民生委員の見守りが必要なケース、ヘルパーや銭湯や配食サービスの方に見守りをお願いするケース、町会の防犯パトロールで見守られるケースなど、日ごろやっていることで見守ればいいのだということが具体的にわかってよかったと町会長さんはおっしゃっていました。このように具体的な取り組みから始めてみること、関係者をコーディネートする職員の役割が重要だと思います。
 東部地域では、区民活動センター運営委員会の中に支えあい部会を置き、重要な活動として支えあい活動を行うそうです。東部ボランティアコーナー、配食サービスを行うボランティアグループなど、支えあい活動を既にしている区民活動センターだからこそ地域の支えあい活動の拠点になります。その区民の力をしっかりと結びつけてコーディネートする支えあい担当職員を区民活動センターに配置してはいかがでしょうか。
 区長はどのような支えあい活動が必要だと考えているのか。条例はなぜ必要なのか。どのような体制で機能できるようにしようと考えているのか。支えあいの中心拠点として機能する予定のすこやか福祉センターや支えあいの地域拠点となる区民活動センターの役割と連携について、コーディネーターとなる支えあい担当の職員の配置について、まだよく見えません。どのように考えているのか、お伺いいたします。
 次に、障害を持つ子どもへの支援についてお伺いいたします。
 発達障害や障害の重度化など、障害を持たざるを得ない子どもたちがふえていると思います。しかし、総合的にその支援ができているようには思えません。区は障害を持つ子どもたちの実態をどこでどう把握しているのでしょうか。
 障害を持つ18歳までの子どもや家庭への支援は、子ども家庭支援センターと地域子ども家庭支援センターとすこやか福祉センターで担当しているそうです。しかし、障害を持つ子どもや家庭への総合的な支援が積極的に展開できているようには見えません。特に母親は、地域に出かけられる場所や機会が少なく、孤立感を持ち、不安や悩みを抱えながら子育てをしており、支援が必要です。子ども家庭支援センターで障害を持つ子どもや家庭を支援するための政策をトータルに考え、地域子ども家庭支援センターなどで発達支援相談担当を置き、相談はもちろん、講座や仲間づくりなどの支援事業をもっと積極的に行うべきです。また、すこやか福祉センターでは、保健と福祉と子育ての総合相談機能や障害者相談支援事業所の専門的な力を生かして、さらに積極的な取り組みが展開できると思います。どのように考えているのでしょうか。
 7月に開設された中部すこやか福祉センターは子育て支援と障害者支援の両方の機能があるので、障害を持つ子どもを総合的に支援できる場として期待しておりました。重度の障害児も利用できるように整備してほしいと要望しても参りました。しかし、小学生になったばかりの重度の身体障害を持つお子さんとその親の方々と一緒にすこやか福祉センターを見学に訪れたとき、子どものおむつをかえるために多目的トイレを利用しようとしたのですが、車いすを入れるとおむつがえシートを倒すことができず、介助の人も入ることができず、利用できませんでした。そこで、おむつがえのために子育て広場に行ったのですが、ここは赤ちゃんのためのスペースなので利用できないと言われました。何とか頼み込んで使わせてもらいましたが、すこやか福祉センターには、障害児がおむつをかえることができるトイレも、横になれる場所もなかったのです。本当にショックでした。ハード面にあらわれているように障害児の支援が仕事の中身からも抜け落ちているのではないでしょうか。改善を図るべきと思いますが、いかがでしょうか。これから整備するすこやか福祉センターなどの区の施設には、だれもが本当に利用できる多目的トイレや体を横たえることができるスペースを設置し、本当にユニバーサルデザインと言える施設にするべきと考えますが、いかがでしょうか。
 また、特別支援学校や特別支援学級に通学する子どもたちがキッズプラザやU18を利用できるように、障害児のおむつがえもできる多目的トイレなどの施設整備や、親がついていなくても利用できるように相談支援をするべきだと考えますが、いかがでしょうか。
 先日、渋谷区立の民間法人が運営する児童デイサービス施設「はぁとぴあキッズ」を見学しました。1歳から就学前までの障害を持つ子どもが通園しております。4・5歳児で毎日通園するのは3人ぐらいで、ほとんど保育園や幼稚園に通っており、週1回ほど専門的な訓練に「はぁとぴあキッズ」へ通園します。渋谷区の保育園では、医療的ケアを必要とする重度の子ども以外は空きがある4・5歳児クラスで受け入れているそうです。子どもたちが地域の中ではぐくまれるように、幼児期こそ保育園や幼稚園への障害児の受け入れを進めるべきと考えますが、どのように考えていますか。
 毎年、アポロ園の親の会から、保育園や幼稚園にもっと受け入れをしてほしいという要望が出されております。ことしは特に幼稚園、保育園に入りづらく、アポロ園の年長クラスがいっぱいになっています。私立幼稚園や私立認定こども園にも区の補助金をつけるなど、受け入れを進めるべきだと考えますが、いかがでしょうか。また、4・5歳児クラスは空きがある保育園もあるので、障害の程度や人数の制限を緩和し、受け入れを進めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。また、幼稚園や保育園への就園を進めるための情報提供や相談に積極的に努めるべきだと考えますが、いかがでしょうか。子どもたちが地域でともに育っていける環境を用意するべきだと考えます。障害のある子どもとその家庭への支援に対する区長の基本的考えを最後にお伺いして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 佐藤議員の御質問にお答えいたします。
 支えあいネットワークについて、地域との話し合いということであります。支えあいネットワークについては、地域の方々と区がよく話し合い、互いに協力し合いながら進めていくことが肝心だと考えております。今後も引き続き丁寧に話し合ってまいります。
 住民の支えあい活動を行政がサポートしたりネットワークしたりする中で盛んにしていくことで、行政だけでは発見できないような小さな異変や対応すべき事態の発見がより円滑にできるようになり、さらに地域で暮らす区民の安心度が高まるという状況をつくっていくことができると考えております。行政は、地域内で支援をする人の情報をすべて把握し、行政としての定型的な支援はもちろんのこと、区民同士の関係で区民の対応が困難な場合は必ず行政が対応するという信頼感を形成することによって必要な支援体制を整備していきたいと考えております。
 この条例については、地域で支えあいを必要としている方に対して区がとるべき対応とそれを補っていただく住民同士の支えあい活動を明確に位置付け、区と区民が連携・協力してだれもが安心して住み続けられる地域づくりを行うための基本的条件を定めるものと考えております。その中では、地域での支えあい活動に必要な情報を求めに応じて町会、自治会などに提供するといった内容も盛り込みたいと考えております。
 すこやか福祉センターは、地域における保健福祉活動ネットワークの拠点として、また区民活動センターは地域の自治活動の拠点として機能していくものであり、さまざまな形で連携が必要な場面があると考えております。すこやか福祉センターが生活圏域での情報の集約や発信、支えあいのための機関や団体との連携の確保など、ネットワークのかなめとしての役割を果たします。より身近な地域にある区民活動センターには、支援を必要としている区民の状況を常に把握しながら必要な支援を行うとともに、支える人、支えられる人を結びつけるコーディネーター役の職員を配置することを検討しているところです。
 障害を持つお子さんへの対応についてであります。障害を持つ子どもたちの実態については、子ども家庭支援センターで把握をしているところであります。子ども家庭部の子ども家庭支援センターを中心に保健福祉部やその他の担当が連携をとりつつ、支援を行っております。
 子ども家庭支援センターは、障害を持つ、または発達支援が必要なお子さんへの施策の立案や全体調整を所管し、障害福祉担当や学校教育担当と連携をして取り組んでおります。
中部すこやか福祉センター及び地域子ども家庭支援センターにおいては、職員のスキルアップ研修を実施し、身近な地域で各種の相談に対応できる体制を整えてきました。今後はそれぞれの地域のニーズや実態に合わせて各種の講座やグループの育成支援などの実施に向けて専門職の配置という強みを生かして具体的に検討してまいります。
 すこやか福祉センターについては、総合相談窓口としての組織の強みを生かして、さらに包括的な地域支援に積極的に取り組んでまいります。
 中部すこやか福祉センターの多目的トイレは、東京都福祉のまちづくり条例の基準に適用するよう整備しておりますが、重度の障害のあるお子さんが利用できなかった事例がありました。重度の障害の方でも利用できるよう、設備等、施設運営面で工夫をしていきたいと考えております。また、障害のあるお子さんが休憩のため横になれるよう、会議室を利用される際に床に敷くマットを用意しております。今後のすこやか福祉センターの整備に当たっては、利用者にとってより使いやすい施設となるよう障害者本人やその家族の意見、要望を直接お聞きする機会も設けてまいります。
 新設する武蔵台や学校の体育館に設置する桃花、丸山などのキッズプラザについては、大人用のベッドまで整えたものではありませんけれども、障害者に対応したトイレは設置する予定であります。施設面積等の制約から、全介助に対応できるトイレは整備できない場合もありますが、他の部屋等の利用を工夫するなど、運営上の最大限の配慮でユニバーサルな施設運営としてまいります。また、既存の施設においても施設改修にあわせてユニバーサルデザインを進め、障害のあるお子さんの利用支援を図ってまいります。
 保育園での障害のあるお子さんの受け入れについてであります。障害のある子どもが地域の中で育つ環境づくりは区として進めていく必要があると認識をしております。保育園では定員に応じて各園2人から3人まで、安全に保育が行われるかについて判断をして受け入れを行っております。こうした受け入れ体制の充実に努めてまいります。
 私立幼稚園については、個々の園により障害のあるお子さんの受け入れについての判断が異なるため、園側の意向を踏まえて区の支援のあり方を検討してまいります。障害のあるお子さんの受け入れに対する情報提供をしっかりと行ってまいります。
 このことについての基本姿勢についてであります。何らかの障害のあるお子さんについて初期の相談から一貫した支援が提供できるよう、中部すこやか福祉センターなど総合的な支援の体制をつくってまいります。中野区では、今年度から全国でも先駆的な取り組みとして、発達支援を必要とする学齢期の児童について、保護者の意向を踏まえながら、小学校とすこやか福祉センター、地域子ども家庭支援センター、学童クラブなどが協議をして支援計画を作成する取り組みを始めたところであります。今後とも障害の有無にかかわらず、ともに地域で過ごせるよう、必要な支援体制の整備に力を尽くしてまいります。
 以上です。
○議長(伊藤正信) 以上で佐藤ひろこ議員の質問は終わります。

 中野区議会議員 むとう 有 子
 1 保育園給食・学校給食について
 2 清掃工場の水銀問題について
 3 その他

○議長(伊藤正信) 次に、むとう有子議員。
     〔むとう有子議員登壇〕
○29番(むとう有子) 区民の方からお寄せいただいた御意見をもとに質疑いたします。
 1番目、保育園給食と学校給食について、お尋ねいたします。
 去る7月29日、もみじやま保育園の給食に黒ゴキブリの卵が混入するという、あってはならない事故が発生しました。4月から区立保育園4園で調理業務が民間委託されましたが、もみじやま保育園はその中の一つです。4歳の園児がわかめスープを食べているときに異物を発見し、保育士に示したとのことでした。幸い、園児たちの健康状態に変化はなく、一安心しています。
 黒ゴキブリの卵は約1.5センチの赤黒い小豆大の大きさです。保健所の検査により、卵は加熱されておらず、調理中ではなく、調理後の配膳過程で混入したものであることが判明しました。混入経路については特定できないものの、食事を盛りつけた食器を載せたワゴンを一時保管する受け渡し口内の配膳カウンター棚の裏面に付着していた卵が落下して混入した可能性が高いとの見解が示されています。
 そこで、先日、もみじやま保育園を見学し、ワゴンの受け渡し口を廊下側から見たところ、引き違い戸のたてつけがゆがみ、戸の上部で5ミリ、戸の下部では1センチものすき間が空いていることに気づきました。これではゴキブリが出入り自由です。なお、ゴキブリは90度角のところに卵を産みつけ、約1カ月卵のままその場に付着しているそうです。このことから、棚の裏面を目視し、定期的に掃除をすれば事前に卵を除去することは可能でした。また、棚板は卵を産みつけやすい木製であり、裏面には補強のためのはりが何本も打ちつけられているため、90度角の凹凸面が増えていました。
 再発防止策としては、配膳棚をチェック表に加え、棚の裏を含めた清掃を行う。発生状況に合わせて害虫駆除を行う。給食を盛りつけた食器を載せているワゴンも1段ごとにラップで覆うことになりました。しかし、ラップはパラッと全体にかけるだけで一皿ごとに密閉されてはいません。
 この事故を機に、もみじやま保育園だけではなく他事業者の調理委託園と調理直営園を見学いたしました。どの園も程度の差こそあれ、受け渡し口の引き違い戸にすき間があります。今回の事故が清掃・衛生管理の徹底を指示した仕様書に対する受託事業者の違反行為であったことは言うまでもありませんが、老朽化が著しい調理室の補修整備を怠った区の責任も免れません。年に1度、保健所の食品衛生監視員が立ち入り検査を実施しているにもかかわらず、なぜ見落とされてきたのでしょうか。調査のあり方に問題はなかったのでしょうか。お答えください。
 この際、すべての区立保育園調理室を検査点検し、せめて受け渡し口扉のたてつけを修理する、あるいはサッシに変える、配膳棚だけでなく受け渡し口全体を卵がつきにくいとされるステンレス製に改修する、さらに扉つきの密閉型ワゴンに変更するなど、早急なる検討と改善を求めます。お答えください。
 1997年に厚生労働省が作成した大量調理施設衛生管理マニュアルに基づき、望ましいと記載されている事項、例えば、調理過程ごとの作業区域の明確な区画分離やドライシステム化などは中野区の保育園ではほとんどできていません。10か年計画では、建てかえ民営化が予定されていますが、10年後も建てかえ予定のない園が残ります。今現在在籍している園児のために望ましい調理室へと、順次、改修計画を立て改修すべきではないでしょうか。お答えください。
 また、定めがないため、調理委託園では自主的にマスクをつけていましたが、直営の調理員はマスクをつけていません。7月に保健所が保育園調理従事者を対象に行った講習会でマスクの着用を促したそうですが、成果が出ていません。区として調理員にマスクの着用を義務化すべきではないでしょうか、お答えください。
 1996年に猛威を振るった病原性大腸菌O157の集団発生を機に、2003年、学校給食衛生基準が一部改正され、施設の新築、改築、改修に当たっては調理室の床面を乾いた状態で使用するドライシステムにすることが定められました。また、ドライシステムを導入していない調理室においてもドライ運用を図ることになっています。ところが、東京都教育委員会が毎年まとめている「学校給食の実態」2009年度によれば、23区中、中野区、中央区、葛飾区の3区だけがドライシステム施設を導入していません。計画的に小・中学校の調理室にドライシステムを導入するよう、検討を求めます。お答えください。
 次に、清掃工場の水銀問題についてお尋ねいたします。
 去る7月20日、東京23区清掃一部事務組合は、足立、板橋、光が丘、千歳清掃工場の焼却炉で水銀を含んだごみを燃やしたことから自己規制値を上回る水銀が検出され、炉を停止したことと、微量ながら煙突から水銀を排出したことを公表しました。しかし、実際には、足立は6月11日に、板橋は7月1日に、光が丘は7月8日に、千歳は7月18日には、既に炉を停止していました。国に法規制値がない中、一組が排ガス中の水銀濃度の自己規制値を定めて管理していることは高く評価いたします。しかし、足立は、異常な水銀濃度の上昇により測定不能に陥り炉を停止し、さらに煙突から水銀を排出する事態を招いたにもかかわらず、その事実をなぜ1カ月以上も公表せずにいたのでしょうか。速やかに公表すべきでした。最初の足立の事故をすぐに公表することで、その後の事故を防げたかもしれません。公表がおくれたのはなぜなのか。きちんとした説明と今後の速やかな公表を一組に求めるべきではないでしょうか。オーナーである区の見解をお答えください。
 ヨーロッパには水銀濃度の法規制値があり、現在日本は国際的観点から有害金属対策のあり方を検討中と聞いています。そこで、23区が一丸となり、国に対して排ガス中の水銀濃度の法規制値制定を求めるべきと考えますが、区の見解をお答えください。
 このたびの水銀事故は、その濃度から、各区が収集する家庭ごみではなく、民間の一般廃棄物収集運搬業者が持ち込んだ不適正ごみと一組は判断し、最も被害が大きかった足立清掃工場に搬入された事業系一般廃棄物の経路を中心に収集運搬業者と排出事業者への聞き取り調査も行いましたが、原因者の特定には至らなかったことが9月10日に公表されました。被害額は足立だけで2億8,000万円です。既に焼却済みで物的証拠がないため、持ち込みを認める業者が出るはずもありません。
 なお、収集運搬業者に区内排出事業者の廃棄物を収集することの許可を出している各区の責任も甚大です。この件で、中野区内の排出事業者1,654件に対して、区はたったの16件にしか聞き取り調査に行っていません。そして、中野区が許可を出している収集運搬業者253件に対しては2件だけです。
 報道によれば、またしても足立工場から水銀が検出され、昨日から炉が停止しています。この際、計画的に収集の現場に出向き、排出事業者と収集運搬業者両者に対して現場調査及び指導を行うことを求めます。区の見解をお答えください。
 また、プラスチックを可燃ごみに変更したことで分別区分があいまいになり、ごみ質が大きく変わり、その結果、排ガス中の水銀濃度が上昇していることは一組のデータで明らかです。よって、家庭ごみに含まれる水銀の分別も重要です。水銀は、強い神経毒性を持ち、極めて低い濃度でも中枢神経や腎臓、肝臓に障害をもたらします。特に妊婦や乳幼児にとっては有害です。区は水銀の危険性をしっかり広報するとともに、ごみの出し方の指導徹底が急務です。しかし、区が各家庭に保存版として配布している「資源とごみの分け方・出し方」には問題となった水銀を含む体温計や温度計、血圧計などの出し方がどこにも書かれていません。ホームページだけではなく、新たなお知らせを作成し配布すべきと考えます。お答えください。
 命や健康にかかわる食の安全や環境問題に対してしっかり取り組むことを区に求め、すべての質問を終わります。
     〔教育長田辺裕子登壇〕
○教育長(田辺裕子) 学校給食につきましてドライシステムの導入について、お答えをいたします。
 既存の給食施設をドライシステム化するためには、新たに独立した部屋や設備を設けるなど施設面積の拡大が必要となるため、現状では困難な状況でございます。既存の給食施設であっても排水溝やエアコン等の設置により給食室を乾燥した状態に保つなどして、衛生管理の徹底を図ってまいります。
    〔保健所長田原なるみ登壇〕
○保健所長(田原なるみ) 私からは、保育園の食品衛生監視員の立ち入り調査についてお答えいたします。
 保健所は、食中毒の発生を予防するため、年1回区内保育園を対象に立ち入り調査を実施しております。この際、調理場の手洗い設備や消毒装置など衛生確保に重要な設備につきまして国の衛生管理マニュアルに基づき監視指導を行い、あわせて保存食の細菌検査を実施しております。施設面につきましては、東京都の条例の基準により監視指導を行っておりますが、御指摘の扉のすき間については規定がございません。
 なお、今回の異物混入事件後、直ちに全区立保育園を対象に緊急監視を実施し、聞き取り調査、殺虫消毒の実施記録の確認などをもとに指導を行っております。
   〔子ども家庭部長長田久雄登壇〕
○子ども家庭部長(長田久雄) 私からは、保育園給食に関する3点の御質問についてお答えをいたします。
 まず、異物混入事故防止策についての御質問でございます。今後、このような異物混入の事故が再発しないように全園に徹底していく所存でございます。具体的には早急に改善策として、害虫駆除の徹底、清掃手順の見直し、配膳時の異物混入防止策をとったところでございます。今後、配膳方法の改善や最適な器具類の導入を進め、安全性を高めていく考えでございます。
 次に、保育園給食室の施設改善についての御質問がございました。保育園給食室の衛生管理は清掃、消毒を徹底することによって行ってございます。作業内容に応じまして調理室内で区分けをして作業を実施しておりまして、作業後の清掃を徹底しているところでございます。
 床のドライシステムにつきましては、区立保育園24園のうち8園が改修済みでございます。未改修園につきましては、今後の建てかえ民営化にあわせましてドライシステム化を進めてまいる所存でございます。
 最後に、職員のマスクの着用についての御質問がございました。保育園調理従事者のマスク着用につきましては必要に応じて行うということになっております。必要に応じた着用を用いてまいりたいと考えてございます。
 私からは以上でございます。
   〔区民生活部長鈴木由美子登壇〕
○区民生活部長(鈴木由美子) 清掃工場の水銀問題についてお答えいたします。
 今回の水銀による清掃工場焼却炉の停止につきましては、23区清掃一部事務組合から報道機関への情報提供は7月21日にありましたが、足立清掃工場の停止につきましては、6月25日に23区清掃一部事務組合のホームページに概要が掲載されておりました。その後の清掃工場の停止及び再稼働につきましても、その都度ホームページで公表されたと承知してございます。
 今回の水銀による清掃工場焼却炉の停止の件にかかわらず、必要な情報の公表や報道機関への提供につきましては、23区清掃一部事務組合の判断で適切に行われているものと認識してございます。
 排ガス中の水銀濃度規定値の制定についてでございますが、現在大気中の水銀等につきましては、確かに法的な拘束力はございませんが、指針値が定められて、事業者による自主的な排出抑制が求められているところでございます。この9月に中央環境審議会において取りまとめました「今後の有害大気汚染物質対策のあり方」におきましても、こうした対策に係る基本的な考え方の変更は予定されていないというふうに承知してございます。ここ10年ほどの調査結果を見ましてもこの指針値を下回っておりまして、区としては法的規制を求める考えは持ってございません。
 また、事業者への指導につきましては、こうした水銀など不適正な排出物の持ち込みを防止するための対策につきましては、23区と清掃一部事務組合とで連携して新たな防止策について検討することとしてございます。
 また、区民への正しい分別の周知ですが、水銀を含むごみの出し方については現在ホームページ上で注意喚起をしてございます。今後、やはり区報への掲載とかさまざまな機会をとらえて、適正な分別や排出に向けてわかりやすく周知を行ってまいりたいと考えてございます。
 以上です。
○議長(伊藤正信) 以上でむとう有子議員の質問は終わります。

 中野区議会議員 近 藤 さえ子
 1 目標体系等の見直し方針について
 2 公教育の充実(中学校における武道の必修化)について
 3 その他

○議長(伊藤正信) 次に、近藤さえ子議員。
     〔近藤さえ子議員登壇〕
○18番(近藤さえ子) 無所属の近藤さえ子です。よろしくお願いいたします。
 目標体系等の見直し方針について。
 中野区では、約8年前から新しい基本構想と新しい中野をつくる10か年計画を策定する計画が進められ、多くの区民の参加を求めてワークショップが開かれました。
 私が新人議員であった当時、新人議員と理事者との顔合わせの懇談会がありました。そのとき、私が、「10年も先の計画を立てるのは社会情勢が不透明な現状では難しく、有効性がないのではないでしょうか」という趣旨の質問をしましたところ、理事者側からは、「長期の計画は計画であり、細かい事業はその都度きちんと見直していくので問題ありません」との回答でした。
 そして、10か年計画は2005年7月に素案、10月改定素案、11月に案がつくられ、多くの時間と労力を要し、2006年1月に計画ができ上がりました。しかし、その後、10か年計画の改定が決まり、2009年8月、10か年計画(第2次)素案が発表されました。区民からは、もとの計画の十分な検証や評価もなしに改定作業を進めないでほしい、区民や外部有識者も計画作成に参加して評価、見直しを進めることをお願いしたいと陳情が出され、議会で議論もしました。しかし、区長選を目前にした2010年3月、新しい中野をつくる10か年計画(第2次)ができ上がりました。
 3期目の区長は、区民サービスの向上に向けて、改定された10か年計画(第2次)に沿っていよいよ具体的な計画を進めていくところであると考えていたところ、今度は「(仮称)目標体系等見直し検討のための方針について」の作業を始めるということを伺いました。歳入の減少、扶助費等の増加等、財源も職員もともに減っていく現在の中野区の状況下で、いつまでも目標や体系などの設定作業に多くの職員の労力を使っている場合ではないと感じています。
 そこで、何点か伺います。
 目標体系を見直すと言いますが、見直す前の目標体系はどのようなもので、一体何を見直すのでしょうか。
 新しい中野をつくる10か年計画(第2次)改定の時期には、PDCAサイクルや外部評価など、これまでのやり方で問題ないとしてきた区が、今回改めて真に必要な事業を絞り込み、最大限効率的に達成できるように区政の目標体系のあり方や今後の組織運営の改善を図っていくと言います。これらは新しい中野をつくる10か年計画(第2次)改定の時期にやっておくべきではなかったのでしょうか。
 見通しの甘い計画を作成しては、状況が変わったと計画をつくり直す。この繰り返される計画づくりこそ、時間と職員の人件費等の行政コストの無駄であると区民は感じています。最近では、評判も悪く、成果も期待できそうにない中野区の政策研究機構による調査研究に5,000万円の費用をかけました。基本構想と2006年の新しい中野をつくる10か年計画、2010年の改定基本構想と新しい中野をつくる10か年計画(第2次)には、人件費、冊子等、それぞれどのぐらいの行政コストがかかっているのでしょうか。
 今回の(仮称)目標体系の見直し検討のための指針に多くの職員がかかわると考えられますが、行政コストはどの程度と考えられているのでしょうか。
 (仮称)目標体系の見直し検討のための指針については、区民から見れば無駄と思われる事業を削っていくためにも、国の事業仕分け同様、区民から見える形で作業が行われることが必要ではないでしょうか。
 区長は、民間でできることは民間に、区民ができることは区民がやっていく方針を進めてきました。多くの区民サービスは民営化されました。自治活動は高齢化への懸念もありますが、今後、公益活動をやっていきたいという頼もしい区民も大勢います。今後は、行政が公の責任をしっかり果たし、スリム化した中で担い手が効率よく働いていくことが求められます。
 今回の目標体系の見直しは、なぜ今なのか、などと多くの疑問を感じますが、行政の無駄が徹底的に、かつ効率的に改善されていくこと、さらに多くの区民の声が反映されることを希望して、この項の質問を終わります。
 中学校での武道の必修化について。
 2012年度全面実施の新学習指導要領において、中学校保健体育科で武道が必修化されることになり、武道の種目としては柔道、剣道、相撲の3種目が明記されています。これに伴い、中野区の中学校の体育の授業でも武道の授業が必修となります。武道の必修化については過去にも質問がありましたが、安全性の面から私も質問させていただきます。
 武道は、「礼に始まり、礼に終わる」日本古来の武道精神を会得し、相手を思いやる心を育て、心身を磨く教育の一つであると私は考えています。自分の子ども達にも武道を体験させ、それぞれの成長過程で多くのものを得たことを感じており、子どもたちが武道の精神を学ぶことはよいことであると思っております。しかし、一方で、特に柔道による子どもたちの事故が多発していることも事実であり、大変心配されるところです。
 武道が既に選択制で行われている区内中学校で、柔道による事故やトラブルの事例を耳にしましたが、区内中学校で武道を行っている学校は現在何校ぐらいあり、過去に事故等は何件ぐらいあったのでしょうか。
 中高生の柔道における事故は、他のスポーツに比べて大変多く、死亡につながる重大事故が多発しています。柔道を部活動としてみずから選択した生徒の事故だけでも、過去27年間で死亡者は110名にも上ります。愛知県教育大学内田良講師の資料によります。ことし7月にも小学1年生と中学1年生が柔道の練習中に亡くなり、直近15カ月の間だけを見ても10名もの子どもが柔道で命を落としています。
 一方、現在日本より柔道人口が3倍も多いフランスを含む欧米では、過去10年間、柔道による18歳未満の死者はゼロです。これは安全対策が徹底しているからにほかなりません。これを踏まえて、全国柔道事故被害者の会は、ことし7月、柔道事故安全対策専門家プロジェクト設立のお願いを文部科学省に提出しております。中学校の武道の必修化に当たり、授業として柔道を指導するのであれば多様な生徒たちが対象となります。区ではどのような安全への配慮を行っていくつもりなのでしょうか。
 また、武道の精神や相手を思いやる気持ちというものは一昼夜で身につくものではありません。実際、ことし、区内中学校で発生した柔道授業後のトラブルでは、ある生徒が柔道授業中に自分が痛い思いをした腹いせに相手を呼びつけ暴力を振るうという、武道精神とはあまりにもかけ離れたものでした。まずは相手を思いやる気持ちを持つことから教育しなければ、体力に任せての暴走を引き起こし、逆にいじめや事故につながることにもなります。
 例えば、中野区にある東亜学園高校は、昭和39年から「礼に始まり、礼に終わる」武道精神を生徒たちに指導し、授業で男子は柔道か剣道、女子はフェンシングが必修授業となっています。
 この高校では、入学直後に1週間の集団訓練を行います。訓練といっても行進やマラソンなど単純な運動ですが、クラスが一つにまとまるまで何度も何度も繰り返して行われます。個人の足の速さ、遅さの能力は問題視されず、ひたすらクラス全体の行進がまとまっていたか、マラソンでは落ちこぼれた生徒を出さないように全体のペースを調整できたか、個々の力の差を克服して全体がまとまることが唯一のゴールであるという訓練です。これから始まる高校の集団生活に当たって、仲間を尊重しなければ何事も始まらないことをまず身体を使って体験させ、そこから技術を伴う武道への授業へと移行し、成果を上げています。
 平成24年度中学校授業に必修化される武道で、生徒たちに武道精神を教え、心身を鍛え、事故のないように指導する体制を築くことは簡単ではないと思いますが、中野区としてはどのような御見解をお持ちなのでしょうか。
 これで私のすべての質問を終わります。ありがとうございます。
     〔教育長田辺裕子登壇〕
○教育長(田辺裕子) 中学校における武道の必修化について、お答えをいたします。
 柔道、剣道の選択とけがの発生状況につきまして、平成24年度の新学習指導要領の全面実施までダンスと武道が選択でき、21年度は10校で武道を選択し、その10校すべてが柔道を選択しております。
 平成21年度から現在に至るまで、柔道の授業中のけがの発生状況は5件でございました。うち、1件は骨折、他は打撲でございます。
 武道の必修化に伴う安全配慮についてです。畳の配置等、環境設定上の配慮をしていくとともに、準備運動や受け身等の指導を十分行うことで安全を確保しております。さらに、わざの段階的指導や禁じわざの徹底等、起こり得る危険等についての事前指導を丁寧に行っているところでございます。
 また、武道の精神面の指導についてでございます。御質問にもありましたように、武道は「礼に始まり、礼に終わる」ことを基本にしており、授業の開始や終了時の礼、乱取り相手への礼等を徹底して指導しております。
 また、武道の精神や具体的な指導方法につきましては、研修を通じて担当教員の資質、能力の向上を高めているところでございます。
     〔経営室長川崎亨登壇〕
○経営室長(川崎亨) 目標体系の見直しについて、お答えをいたします。
 まず、その見直しの対象でございますが、区政目標体系の見直しにつきましては、急激な経済状況の悪化に伴い、中・長期の財務見通しも踏まえ、次の時代につけを残さないために基本的な歳入の身の丈に合った財政規模とすること、また、そうした経済状況にありましても、必要な事業を着実に進めていくため、目標や事業執行体制のあり方を抜本的に見直すものでございます。
 次に、10か年計画の改定と目標体系の見直しの関連でございますが、この目標体系の見直しは、新しい中野をつくる10か年計画(第2次)を最も効果的、効率的に実現をし、区の財政力に対応した区政運営を行うための取り組みであり、第2次の10か年計画がスタートした今の時点で行うべきものと考えております。
 続きまして、基本構想の改定などに係る人件費などのコストはどうだったかというお尋ねでございます。
 まず、人件費でございますが、これは全庁で規定の職員数の中で行ったものであり、新たなコストとしての算出はしておりません。
 なお、平成15年度から準備作業に入りました新しい基本構想や10か年計画の策定に関する費用といたしましては、冊子の印刷や事務費など497万4,000円でございました。また、このたびの基本構想及び新しい中野をつくる10か年計画(第2次)の改定作業にかかった経費につきましても同様に冊子の印刷費や事務費など148万8,000円でございました。今回進めております目標体系の見直しに係る経費につきましても事務費程度ということで考えております。
 最後に、目標体系の見直しへの区民参加についてでございます。今回の見直し作業は目標体系や組織執行体制を抜本的に見直すことから、部分的な作業で事業の適否を評価をする、いわゆる事業仕分けといった手法を導入する考えはございません。
 なお、見直し案を11月上旬に取りまとめ、議会に報告後、区民の皆様と意見交換の機会を設け、広く意見をお聞きし、12月下旬には方針として決定することとしております。
 以上でございます。
     〔近藤さえ子議員登壇〕
○18番(近藤さえ子) 再質問を1点させていただきます。
 基本構想と新しい中野をつくる10か年計画、2006年と2010年のコストということで人件費はかかっていないということだったんですけれど、やはり人件費というものが今一番大変なコストであって、この人件費を教えていただきたいということで質問をしたんですが、人件費というものは、次の質問でもそうでしたけれど、ほとんどかかっていないという認識でよろしいのでしょうか。
     〔経営室長川崎亨登壇〕
○経営室長(川崎亨) お答えをいたします。
 先ほど私が申し上げましたのは、コストがかかっていないということではなくて、規定の職員数の中で全庁を挙げた取り組みであるということから、新たなコストとしての算出はしていないということで申し上げました。当然行政が事業を進めていく上では人件費もそれはコストということで、行政評価などではそのコストについてはお示しをしているところでございます。
○議長(伊藤正信) 以上で近藤さえ子議員の質問は終わります。

 中野区議会議員 つぼい え み
 1 中野区の地震災害への備えについて
  (1)災害時のボランティア受け入れについて
  (2)中野区総合防災訓練への参加促進について
  (3)中野区の防災地図について
 2 その他

○議長(伊藤正信) 次に、つぼいえみ議員。
     〔つぼいえみ議員登壇〕
○5番(つぼいえみ) 平成22年第3回定例会において一般質問をさせていただきます。つぼいえみです。どうぞよろしくお願いいたします。
 一つ目の項目としまして、中野区の地震災害への備えについて、質問させていただきます。(1)災害時のボランティア受け入れについて、(2)中野区総合防災訓練への参加促進について、(3)中野区の防災地図について。二つ目の項目のその他はございません。
 まず、災害時のボランティア受け入れについて、伺います。
 中野区内で大災害が発生した場合、避難所の運営や家の後片づけなどでボランティアの果たす役割は大きいと思います。このボランティアの受け入れについて、中野区では中野区社会福祉協議会と協定を結び、その受け入れ調整をお願いしていると聞いています。社会福祉協議会とは、地域福祉の推進を目的に各市町村に設置された社会福祉法で位置付けられた民間団体であり、中野区と連携しながら町会、自治会、民生児童委員など多くの方々と協力してさまざまな事業を進めております。
 先日、その中野区社会福祉協議会へお話をお伺いに行ってきました。
 中野区社会福祉協議会では、中野区で2005年9月に水害が発生した際、初めて災害ボランティアセンターを立ち上げ、災害支援のボランティアをコーディネートしようと、水害から3日間で約240名のボランティアセンターの登録ボランティアにメール、ファクスでボランティア活動の依頼をしたそうです。しかし、そのうち返事があったのは4名という状況で、登録ボランティア制度が災害時に機能せず、大きな反省をしているといったお話を聞きました。現在では、災害時のボランティアとして68人と1団体の登録者の方々がいるとお伺いしております。しかしながら、ボランティア登録者の数が減少傾向にあるとも伺っております。中野区社会福祉協議会では、災害時の登録ボランティアとの関係が継続できるよう、2005年から2010年の約5年間で2006年と2009年に災害ボランティア講座を開催したそうです。内容は、避難所での生活、中野区における災害対策の現状、避難所生活における支援、非常食を食してみるなどです。
 そこで、お伺いいたします。
 中野区社会福祉協議会が災害ボランティアの人数を確保し、関係を継続していけるよう、災害ボランティアに対する研修について、区としても十分な支援が必要と考えますが、いかがですか。
 次に、中野区総合防災訓練への参加促進についてお伺いします。
 今月、9月の1日は防災の日です。防災の日とは、政府、地方公共団体等関係諸機関をはじめ、広く国民が台風、高潮、津波、地震等の災害についての認識を深め、これに対処する心構えを準備することとし、毎年9月1日を中心として、防災思想の普及、功労者の表彰、防災訓練等、これにふさわしい行事が実施されることを言います。
 9月5日の日曜日、中野区でも総合防災訓練が実施されました。桃園地域と新井地域でおよそ1,200人の方が参加されたと伺っております。ちなみに、私は新井地域に行ってきました。毎年多くの関係機関や団体が参加していますが、今年度は中野区福祉団体連合会や中野区社会福祉協議会が訓練会場には初参加だとお伺いしております。中野区福祉連合会に加盟する障害者団体が障害者交流体験コーナーを設置し、手話の体験、筆談の体験、車いすの体験、視覚障害者の誘導体験を行いました。100人以上の方々が障害者とのコミュニケーションの仕方、誘導の仕方を学びました。初めて障害のある人が乗っている車いすを押す体験をした方々が多かったとお伺いしております。また、中学生たちが視覚障害の人の誘導を体験し、視覚障害者の人の大変さを学び、いい体験ができてよかったと言っていることを知り、このような体験はすごく貴重で大切だと思いました。
 そこでお伺いします。
 中野区社会福祉協議会と中野区福祉団体連合会は今年度訓練会場には初参加ということですが、その経緯をお聞かせください。また、今後も訓練会場での参加を促進すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 次に、中野区の総合防災訓練では企業の参加がなかったようです。豊島区では、区役所と消防署が連携をとり、企業に対して防災訓練への参加呼びかけを積極的にされていると聞いております。
 そこでお伺いします。
 災害時に備えて、総合防災訓練への区内企業への参加呼びかけはしていないのでしょうか。また、今後どう進めていくおつもりですか。お聞かせください。
 また、多くの区民の訓練参加も重要と考えます。そのためにも、楽しくて、災害のときに役立つような訓練内容も必要ではないでしょうか。例えば、災害時に避難所で被災した区民が早く元気を取り戻すにはおいしい食事も重要と考えます。災害時に食材が少ない中で工夫して料理をつくる練習が必要です。また、応急手当の訓練も現在は用意されている三角巾を使用しています。しかし、実際災害時に三角巾のようなものがないケースがほとんどだと思います。そのときに備えて、例えば、訓練時には自宅で着なくなった衣類や布の持参や用意をし、手元にあるものでどのようにすれば応急処置ができるのかといった訓練を取り入れてはと思います。
 そこでお伺いします。
 このように、多くの区民の方々も参加しやすいよう内容の工夫も必要だと考えます。その中で、災害時に本当に役立つようなクッキング訓練や乳幼児用の簡単な離乳食づくり、また用意されている三角巾ではなく、手元にある衣類などを活用した応急手当の方法なども必要と考えます。お考えをお聞かせください。
 次に、中野区の防災地図についてお伺いさせていただきます。
 「中野の防災」(地震に備える)という区民の方々にお配りしている震災に関する区民向けの冊子は、現在区役所や地域センター、また防災訓練時に配布をされています。表面はカラー地図になっており、裏面は白黒で、日ごろの対策や万が一に備えてのことなどが書かれています。残念なことに地図が1万8,000分の1の縮尺になっており、とてもわかりづらく、また避難所の位置も他の色に比べると色濃く表示されていますが、避難所という認識がしづらいように思います。
 豊島区では、防災地図はサイズが中野区の2倍以上で、その縮尺は8,000分の1とかなり見やすく、地図上にはAED設置場所や消火器の場所など凡例数は33カ所もありますが、それに比べると中野区の凡例数は9カ所しか記載されていません。また、防災関係施設の一覧も警察署、消防署、電気、ガス、水道と11カ所のみです。それに比べ豊島区では、医師会、土木関係事務所、救急病院、区民集会室、障害者福祉施設、児童館などなど、大きな項目に分類すると23カ所に加え、備蓄倉庫の物資や資機材など、どこに何が幾つあり、町丁別割り当てや他区避難計画人口など、住所、電話番号まで細かく地図の裏面に記載されています。
 そこでお伺いします。
 防災地図を大きく見やすくし、防災関係機関や防災関係資材の場所等の記載も増やすべきと考えますが、いかがお考えでしょうか。
 次に、関連して2点伺います。
 まず、災害に備えてAED使用方法や消火器の使い方、応急処置法、備蓄物資はどこに何があるといった防災の手引きのようなものを作成し、避難所に避難してきた区民が直ちに活用しやすいようにしておくことが大切だと思います。
 そこでお伺いします。
 こうした手引きを作成し、避難所備蓄倉庫に備えておくべきと考えますが、いかがお考えでしょうか。
 次に、区の避難所の備蓄物資の一覧、そして防災会に配備している防災資材倉庫内の人命救助用資機材の一覧を拝見しましたが、その中にはマスクがありません。中野区社会福祉協議会の災害ボランティア向けのパンフレットの中では、災害ボランティアとして活動するときにみずから持参する物のリストにマスクが紹介されていました。さまざまな災害時に呼吸を守る避難用マスクが必要だとするのは、災害時は建物の崩壊等により粉じんが飛散しているため、それを防ぐことができるということと、防寒用にも役立つということやウイルス感染予防にもなるなどと言われています。また、建築年数等により建物にアスベストが含まれている場合があり、用意するマスクを防じん用にすることで倒壊した建物によるアスベスト被害から身を守ることができます。
 そこでお伺いします。
 区として、避難所の備蓄倉庫や防災会配備の防災資材倉庫に防じんマスクの備蓄をしてはどうでしょうか。また、家庭における避難用品の中に粉じんマスクを常備するようにPRしてはどうでしょうか。御見解をお聞かせください。
 初期消火や救出、救護等、地域防災活動の担い手である区民の皆さんに対して日ごろからの自助・共助の意識を高めることが必要不可欠だと考えます。さまざまな普及啓発活動に積極的に取り組んでいただきたいとお願いをして、以上で私のすべての質問を終わらせていただきます。御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) つぼい議員の御質問にお答えをいたします。
 地震災害の備えについてということで、社会福祉協議会の災害ボランティア研修に対する支援の御質問がありました。中野区社会福祉協議会の災害ボランティア研修に当たりましては、区職員を出席させ、区の災害体制や避難所運営などについて情報提供を行ってきたところです。今後とも中野区社会福祉協議会の災害ボランティア研修が充実したものになるよう、積極的に支援を行ってまいります。
 社会福祉協議会と福祉団体連合会の総合防災訓練の参加状況についての御質問であります。
 社会福祉協議会は、21年度まではスマイルなかのにおいてボランティア本部の立ち上げ等の模擬訓練を行ってきました。今年は新井小学校の訓練会場で災害ボランティアの受け入れ、参加ボランティアによる避難所運営支援や災害時要援護者支援の訓練を行いました。
 中野区福祉団体連合会からは、今年3月に総合防災訓練に参加したいとの要望をいただいたところです。これを踏まえ、実行委員会において、今年度の重点事項として、障害者などの災害要援護者の訓練参加を進めることを決定いたしました。実際に行って成果が上がったと評価をしているところであります。
 両団体とも来年度以降も参加の意向であり、積極的な参加を求めてまいりたいと思っております。
 それから、企業の参加促進についてであります。総合防災訓練には災害時協定を締結している業界団体の参加を得ているところではありますが、個別の企業としての参加はありません。協定団体以外の企業の総合防災訓練への参加呼びかけについても今後検討してまいります。
 それから、訓練内容の工夫ということで、クッキング訓練、簡単な離乳食づくり、あるいはあり合わせのもので使う三角巾などの御提案がありました。そうした御提案も踏まえ、訓練内容についてさらに工夫をしてまいります。
 それから、防災地図について、サイズが小さく情報量も少ないと、こういった御指摘でありました。定期的に改訂するものでありますので、改訂する際に御指摘の点を踏まえ検討してまいります。
 それから、避難所に備える手引きについてであります。避難所に指定をしております区立小学校等50カ所の避難所の備蓄倉庫には、地域防災会や施設管理者が避難所を開設する際に必要とする運営マニュアル、備蓄物資一覧などを置いております。御提案の一般の避難者向けの手引きについても、今後研究をして備えるよう検討してまいります。
 マスクの備蓄についてです。地域防災会に配備をしております人命救助用資機材の中に、出動場所の状況によっては粉じんの飛散も想定されることから粉じんマスクを加える方向で検討いたします。粉じんの飛散のおそれのない場合には通常のマスクで対応していただけるものと思いますが、一般の方へのPRについても粉じんマスクの必要性についても考えながら行っていくようにしてまいります。
 以上です。
○議長(伊藤正信) 以上でつぼいえみ議員の質問は終わります。

 中野区議会議員 いながき じゅん子
 1 持続可能な区政運営について
  (1)外部評価制度について
  (2)公共施設について
  (3)情報システムについて
  (4)観光政策について
 2 その他

○議長(伊藤正信) 次に、いながきじゅん子議員。
    〔いながきじゅん子議員登壇〕
○6番(いながきじゅん子) 無所属のいながきじゅん子でございます。
 先の見えない不安定な経済状況が続いています。中野区は、今年度当初予算ベースで特別区税が前年度比8.2%の歳入減、特別区交付金は7.1%減となりました。来年、再来年度以降に区財政の根幹をなすこれらの歳入が急激に回復する可能性というのも、残念ながら現状では非常に低いと考えております。一方で、扶助費を中心とする削減できない歳出が増え続けることが確実です。大きな要因は急速に進む高齢化です。
 中野区の年齢別人口を調べてみますと、15歳から64歳までの生産年齢人口がこの10年でおよそ2,700人減少しているのに対し、65歳以上の人口は逆に1万人強増加しております。さらに、5年後の平成27年にはいわゆる「団塊の世代」と言われる方々が全員65歳以上となります。この生産年齢人口、すなわち労働人口が減少し、高齢者が増加するという構図が今後続くことは確実で、結果として消費が縮小し、税収が減り、その一方で社会保障関連の支出が右肩上がりで増えていくことになります。区長はさまざまな場で「持続可能な区政運営」という言葉を繰り返し使っていらっしゃいますが、このように景気の良し悪しとは関係なく、人口構成の変化によって収支バランスが悪化していくことが避けられない中、自治体のトップとして今後具体的にどのように「持続可能な中野区」を目指していかれるのか、伺ってまいりたいと思います。
 持続可能な区政運営のためには、歳入を増やし歳出を減らす努力をしていくしかありません。区長は職員数削減による歳出カットに力を入れていらっしゃいますが、それにも限界があります。歳出削減は必須ですが、執行部側の都合や視点のみで予算をカットしてしまいますと当然区民が求めるものとの間にギャップが生じかねません。では、今、区民が行政に求めていることとは何なのか。私は人件費に限らず、あらゆる分野で税金の使い方を徹底的に見直して無駄をなくし、必要なところに必要な分だけ使ってほしいということなのではないかと考えております。政府の行った事業仕分けが一定の評価を得たのは、「税金の使い方を見直し、無駄をなくします」という明確なメッセージが国民に伝わったことが一番大きかったのではないでしょうか。
 区長は以前から、「区は独自の外部評価制度を実施しており、事業仕分けは必要ない」と公言されていらっしゃいます。外部評価の結果が庁内での事業改善計画や予算編成時にフィードバックされ、最終的には議会の議決を経ることで自然と不要な事業や無駄が淘汰されていくというお考えのようですが、事業ごとの評価や削減コストが明確化される事業仕分けに比べ、今の外部評価制度の仕組みですと、評価後、結果的にどれだけ各事業の無駄が削減されたのか、業務内容が改善されたのかが区民には非常に見えにくいです。区長は、事業仕分けについて、「個々の事業がいいか悪いか見るだけ」という言葉で評価されていらっしゃいますが、区の外部評価制度も区民から見れば、各事業をいいか悪いか評価しているだけに見えてしまっているのではないでしょうか。外部評価制度を続けるのであれば、コスト削減額あるいは業務改善の具体的成果について、数字を交えてもっとわかりやすく区民に提示するべきではないでしょうか。行政側の運営改善努力をわかりやすく区民にアピールしていくことで行政への信頼性も高まり、結果として持続可能な区政運営のための行財政改革もよりスムーズに行っていけるのではないかと思います。
 また、歳出の面で今後大きな負担となってくるのが公共施設の維持管理です。区が平成20年に発行した施設白書では、今後20年間に見込まれる施設改修費の総額はおよそ764億円、改築経費についてはおよそ289億円であり、「現状の施設数のままでは、全てに対応していくことは極めて困難です。」と明記されています。しかも、すべての施設が算定対象に含まれているわけではありません。問題は、これだけの改修改築経費は今後払っていけないと白書で明らかにしながら、その後コスト削減策を含む具体的な改善計画が出てきていないということです。最近改定された10か年計画の中に「10年後の施設配置」の一覧という資料がございますが、これがすべて計画どおり実施されたとして、コスト問題がどこまで解決されるのかは不明です。財政状況が逼迫する中、具体的な改善計画を早急に策定し実行するべきではないでしょうか。なぜか今回の算定対象から除外されている区営住宅等についても、同じ区有施設として同様の維持管理計画を策定すべきです。
 また、一たん全施設について人件費などの運営費を含めたライフサイクルコストを算出した上、優先順位をつけて、そのまま維持するのか、用途転換するのか、運営方法を変更するのか、廃止せざるを得ないのか、いずれかに分類し、計画的に財政負担を減らしていく必要があるのではないでしょうか。現在の社会状況下でそれを先延ばしし、すべて同じ形のままずっと維持しようとすれば、借金を重ねるか、他のサービスを削減するか、利用者の金銭的負担を大幅に増やすしかなくなることは明らかです。できるだけそうしたことは避けるのか、あるいはそうしてでも今ある施設をできるだけそのままの形でずっと維持していくのか。つまり、箱物を重視した区政で行くのかそうでないのか、改定された10か年計画を見ましても区の公共施設に対する将来ビジョンや今後の考え方がいま一つはっきりしませんので、改めてここでお聞きしたいと思います。
 他に歳出額が大きいものとしてIT関連事業があります。情報システムの開発設計、導入、その後の運用支援や保守管理業務など、以前は庁内に専門知識を持つ人が少ないことやなかなか競争原理が働きづらい分野であるといった状況下で、業者さんの言い値ではないですが、委託費用が高どまりする傾向があったことは否めません。ただ、中野区は数年前から民間出身のCIO補佐官とIT支援員の協力を得ながら委託コストの大幅削減を着実に実行しているということで、これは大変すばらしい成果だと思っております。特に、IT支援員が各部署に出向き職員に直接アドバイスするという仕組みは、ユニークかつ効果的な取り組みとして他の自治体からも高く評価されていると伺っております。今年度は予算の都合上、IT支援員が5名から3名に削減されたそうですが、費用対効果をしっかり検証した上で人数も決めていただきたいと思っております。
 ただ、例えば、各部署に点在するサーバーを1カ所に集めて統合し共用化するなど、まだまだコストを大幅に削減できる余地があるとも思います。コスト削減に加えて、安くてよいシステムを継続的に使用し、職員の方々の生産性をさらに向上させていくためにも、この事業の見直しと改善についてはより一層力を入れて取り組むべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 さて、これまで歳出削減について申し述べてまいりましたが、歳入を増やしていくことについても考えていかなければなりません。例えば、現在、中野駅周辺再開発事業が進行しています。東京の新しい活動拠点を目指すべく、駅前と駅舎が再整備され、警察大学校跡地には防災公園のほかに大学や集合住宅、そして商業店舗が入ったオフィスビルができるということですが、現実的にはこれらの大規模施設が新たに整備されても固定資産税や都市計画税は東京都に入ることとなり、財政調整交付金算定の際にも区が再開発時に投資した経費などは考慮されません。また、以前も指摘させていただきましたが、通常大学には本や文具、その他の生活用品が割安で買える購買部や安く食事ができる学生食堂があります。さらに休日には在勤・在学者が基本的にいなくなります。駅利用者数を増やすだけではなく、いかに地元で消費していただけるようにするかが重要なわけですが、在勤・在学者や近隣からの来訪者に頼るだけでは限界があり、さらにその外に目を向けていく必要があると考えております。その方策の一つとして観光事業に力を入れていくべきではないでしょうか。
 まず、観光客の使うお金の額は一般の買い物客よりもかなり多いと言われています。例えば、7月からのビザ発給緩和でさらにその数が増加すると思われる中国人観光客の消費意欲はかなり旺盛です。中野は「第2の秋葉原」という位置付けで、中国などアジア諸国のみならず、欧米でもそれなりの知名度もあるようですし、観光ルートやオプショナルツアーに中野駅前のみならず、区内の別の場所を組み込んでもらえば安定した経済効果が見込めるのと同時に、ここでしか買えない中野ブランドの商品や新しい文化や産業、そして雇用も生まれる可能性があります。具体的にはやはり再整備事業にあわせて観光バスが停車できるスペースを設けるべきだと考えます。区は里・まち連携事業も行っていますが、観光バスを利用すれば各連携都市にも中野から行きやすくなりますし、あちらからの観光客も招きやすいのではないでしょうか。観光事業はイメージアップ効果もある非常に費用対効果の高い事業であり、今後のまちの発展と活性化のためには今後ぜひとも力を入れていくべき分野だと考えます。新しく来る大学の学生とも非常にコラボレーションしやすい事業だと思いますが、いかがでしょうか。
 以上をもちまして私のすべての質問を終了させていただきます。ありがとうございました。(拍手)
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) いながき議員の御質問にお答えをいたします。
 外部評価制度についてであります。外部評価は、施策、事業の必要性や有効性などを含め、区全体の目標に対してどのように貢献ができているのか、目標の設定の仕方は適切であるのかどうかといった評価を行っているところであります。必ずしも経費削減のみに結びつくものばかりではありません。今後、外部評価結果を踏まえて区の改善内容を明らかにする中で、経費節減効果など数値化できるものは外部評価結果とあわせて公表を行うなど、よりわかりやすいものになるよう工夫をしてまいります。
 私からは以上です。
     〔経営室長川崎亨登壇〕
○経営室長(川崎亨) 施設の維持管理に関する計画につきまして、お答えをいたします。
 現在、施設ごとの老朽化のデータを収集・分析をし、区有施設の長寿命化を視野に入れた長期保全計画の策定に向け取り組んでいるところでございます。
    〔都市整備部長服部敏信登壇〕
○都市整備部長(服部敏信) 私からは、区営住宅の維持管理計画にかかわります御質問にお答え申し上げます。
 区営住宅の維持管理につきましては、中野区公営住宅ストック総合活用計画に基づきまして、必要な維持管理を行っておりまして、その使用料の一部を将来の区営住宅の整備のために区営住宅整備基金として積み立ててございます。区営住宅の維持管理計画につきましては、平成24年度までに策定する公営住宅等長寿命化計画の策定の際に定めていきたいと考えてございます。
 以上でございます。
     〔政策室長竹内沖司登壇〕
○政策室長(竹内沖司) まず、区の施設についての将来的考え方ということについての御質問にお答えをいたします。
 施設白書などを見ても明らかなとおり、現有の施設をそのまま維持するのは困難でございます。今後は必要十分な施設数にしていきながら、存続する施設につきましては適正な保全を行い、施設の機能を維持し延命化を図り、区民にとって使いやすく親しまれる施設としていきたいと考えております。
 次に、情報システムについての御質問にお答えをいたします。
 情報システムの適正化を目的とするシステム評価については、今年度から常勤職員と役割分担しながらIT専門支援員の業務執行も工夫することにより、さらに充実させて実施をしております。今後も専門的、技術的なチェックも含めて、情報システムについて評価、見直しする調達ガイドライン制度を活用し、情報システムのより効果的な活用を図っていきたいと考えております。
   〔区民生活部長鈴木由美子登壇〕
○区民生活部長(鈴木由美子) 観光施策についてお答えいたします。
 中野区内には「サブカルチャーの聖地」とも呼ばれている中野ブロードウェイなど、日本だけでなくて海外からも着目されている観光スポットがあります。こうしたことに着目してまちに人を呼び込むことのできる、いわゆる都市観光の可能性については区も非常に重要なことだろうというふうに考えてございます。また、観光の足となる観光バスの発着場の実現の可能性につきましても研究してまいりたいというふうに考えております。それらを含めて、今後、観光に関する現状把握、将来可能性の検討を十分に行った上で、まちを訪れる人を拡大するための施策の充実を図ってまいりたいというふうに考えてございます。
○議長(伊藤正信) 以上でいながきじゅん子議員の質問は終わります。

 中野区議会議員 林   まさみ
 1 中部すこやか福祉センターの機能等について
 2 まちづくり条例について
 3 その他

○議長(伊藤正信) 次に、林まさみ議員。
      〔林まさみ議員登壇〕
○16番(林まさみ) 第3回定例会におきまして市民自治を広げる立場で質問いたします。
 まず、中部すこやか福祉センターの機能等について伺います。
 7月28日に都内最高齢とされていた111歳の高齢者がミイラ化していたことが発覚、その後全国で100歳以上の高齢者の所在不明が大きな問題となり、各自治体で高齢者の所在確認を行いました。その結果、高齢者と同居している家族にもさまざまな問題があることがわかりました。
 中野区内でも、先日、自宅で衰弱していた80歳代の女性が警察に保護され入院しました。最近姿を見ないとの連絡で民生児童委員が訪問しましたが、同居している50歳代の息子がなかなか家に入れてくれません。警察が来て、やっと対応しました。その男性自身引きこもっていたため家から出られず、母親の年金を銀行に行っておろすこともできず、食料が底をついていたそうです。その近所には、働かずに80歳代の父親を介護している50歳代の3人の兄弟も住んでいるそうです。このような事例はほかにもたくさんあります。なぜなら、高齢者でも障害者でもなく、しかし、社会とつながりのない人たちの相談、支援、見守りの制度が確立していないからです。
 そこで、1点伺います。
 「すべての区民が健やかに安心して、心ふれあうくらしを送ることのできる社会の実現」を目指すというすこやか福祉センターの基本方針が実現されるためには、ニートや不登校、リストラによる引きこもり、精神障害などで社会から孤立しながら今まで抜け落ちていた18歳から60歳の年代の人たちに対する相談や支援を強化していくことが必須です。区の見解をお答えください。
 2点目として、すこやか福祉センターでは、子ども家庭支援センターや包括支援センターなどと連携して、地域の人のセーフティーネット機能として24時間365日対応すると聞いていますが、具体的にどのようなニーズを想定しているのでしょうか。利用したい人にこのサービスが浸透するような広報はされているのか、お答えください。
 先日、厚生労働省社会援護局の「これからの地域福祉のあり方に関する研究会」のメンバーである住民流福祉総合研究所所長の木原孝久さんの講演を聞きました。木原さんによると、福祉には、自己努力である自助、近所の見守りや助け合いのよる共助、介護保険などの公助があるとのこと。一般的に共助と公助は車の両輪と言われていますが、介護保険などの公助が行われることで共助と自助が弱まったそうです。そして、公助の谷間に孤独死や虐待などの社会問題が起こるようになったと分析していました。弱まった共助を強化するには自助力を高めることです。自助力とは、例えば、他人に「助けて」とみずから言えることです。自助力を高めるためには地域の関係を密にしなければなりません。なぜなら、地域の関係がないのにいきなり他人に「助けて」とは言えないからです。そのためには常日ごろから地域の行事などに参加して顔の見える関係をつくることが必要です。
 中野区内には地域と関係をつなぐものの一つとして地域交流のためのさまざまなグループがありますが、参加者が固定化されている傾向にあります。今以上にいろいろな年代や立場の人が興味を持って気軽に参加できる場の仕掛けが必要です。例えば、科学の話を聞きながら語り合う知的好奇心を刺激するサイエンス・カフェや、男の料理・そば打ちの会、お勧めの本の話をする会など趣味的で1人でも参加できそうな企画や、夫在宅ストレス症候群の妻の会、うつの家族を持つ会など、みずからの境遇を共有できる会などを考えるべきです。
 また、愛知県安城市城南町では、高齢者の母親と中高年の息子のひとり暮らしなど、気になる家族を約15世帯発見し、息子同士の懇談会を開くことをしているそうです。このように参加を待つだけではなく一歩踏み込んだネットワークづくりも必要です。
 そこで、3点目として、すこやか福祉センターの機能である地域のネットワークの支援について、伺います。
 社会から孤立する人を少しでも減らすためには、地域ネットワークを拡充し、多様な人たちが地域の集まりに参加する仕掛けが必要と考えます。区の見解をお聞かせください。
 地域の見守りを強化するために、保健福祉センターを中心に、町会、民生児童委員の方たちなどと地域の情報を出し合いながら地域支えあいネットワーク会議を行い、見守りのための支えあいマップを作成していることは承知しています。しかし、区の作成している支えあいマップは見守る側の立場に立ったものです。近所のつながりを掘り起こすためには見守られる側に立つ住民も参加して支えあいマップをつくることが必要です。そうすることでより詳細な情報が共有でき、きめ細かな対応ができると考えます。この住民参加によるマップづくりを3年前から行っている江東区の地域では、今まで埋もれていた地域のつながりを発見することができ、マップづくりをきっかけに地域での交流も生まれているそうです。
 そこで、4点目として、助けられる人目線を反映するためにも支えあいマップづくりを住民参加で行い、その情報をもとに地域包括支援センターや介護サービス関係者、知人といった、その家に自然とかかわれる人と地域で見守る人とが情報を共有できるようすこやか福祉センターが間に入り、見守りのネットワーク網を強化することで孤独死や社会からの孤立を防ぐことができると考えます。住民参加の支えあいマップづくりとすこやか福祉センターの連携について、区の考えをお聞かせください。
 さらに、既存機能の延長にとどまらない、新たな拡充した機能の実現を目指すとのすこやか福祉センターの基本方針を実現するための決意もあわせてお聞かせください。
 この項の最後に、すこやか福祉センターの施設整備について質問します。
 平成20年に中野区は施設白書を作成しました。白書には、施設再整備時には維持管理経費、施設運営費の推計を比較検証し、トータルコストの縮減を行うとあります。
 そこで伺います。
 築42年の仲町小学校跡施設をすこやか福祉センターとする際、8億円かけて設計・施工一括発注方式で整備したと聞いています。この方式での工事を決めるとき、長期的視点に立って、他の方法、例えば、建てかえをした場合の維持管理経費、施設運営費の比較検証を行ったのでしょうか。行ったのであればどのような検証結果であったのか、検証されていないのであれば今後は検証されるのか、お答えください。
 以上でこの項の質問を終わります。
 次に、今年度中に策定を予定しているまちづくり条例について伺います。
 まちづくりとは、行政主導で行われるものではなく、地域住民の発意で行われなければなりません。そのためにも地域主権、地域自治を強化し、住み続けたいまちにしようと考える区民がまちづくりに参加しやすい条例とするべきです。
 練馬区などでは、施設管理型地区まちづくりを条例に明記し、公園などの管理や利用に関する事項を区民が決めるなど、まちづくり条例ができたことで区民が積極的にまちづくりにかかわっているそうです。
 そこで、まちづくり条例について、1点伺います。
 地方分権が加速する中、中野区が自立した自治体として中野独自のまちづくりを目指すのであれば、住民がまちづくりに自発的に参加し、行政が住民の望むまちづくり実現のために協働で取り組むことが必要です。そのためには、総合型地区まちづくりや、緑の保全や景観の形成実現のためのテーマ型まちづくりなど、地方自治体独自の制度を盛り込んだ住民参加を後押しする総合的な条例とするべきです。区のお考えをお聞かせください。
 以上で質問を終わります。
    〔保健福祉部長田中政之登壇〕
○保健福祉部長(田中政之) 中部すこやか福祉センターの機能等についての御質問にお答えをいたします。
 まず、ニート、引きこもり問題とすこやか福祉センター機能拡充についてでございます。若年層のニートや引きこもりの方々の中には、うつなど心の健康の問題や発達障害への支援のほか、就職、就労のための支援を必要としている方々がおります。そのため、すこやか福祉センターでは関係機関と密接に連携しながら対応してまいりたいと考えてございます。
 また、すこやか福祉センターの基本方針といたしましては、従来の保健福祉センターと子育て関連機能・機関の延長にとどまらず、ネットワークづくりやワンストップサービスの相談窓口の拡充など、地域福祉サービスの拠点として頑張ってまいりたいと考えてございます。
 それから、24時間365日の対応についてでございます。すこやか福祉センターでは、町会、自治会などによる地域の見守り、支えあい活動の取り組みにあわせまして、夜間・休日における支える側の人々からの緊急通報に対応できる体制を組むこととしております。現在も、要介護高齢者や障害者など支援を必要とする方々からの緊急連絡については、すこやか福祉センター内の地域包括支援センターと障害者相談支援事業所が対応しているところでございます。そのほかの緊急連絡や問い合わせなど、一般区民への対応につきましては、今後全庁的なコールセンターの取り組みにあわせましてあり方を検討し、地域での安全・安心な暮らしを確保していきたいと考えているところでございます。
 続きまして、孤立を防ぐ仲間づくりについてでございます。高齢者などの引きこもりを防止するための仲間づくりの場や同じような困難を抱える人々の交流づくりの場は大切であると考えてございます。御提案の取り組みにつきましては、区民活動としての取り組みになじむものが多く、そうした活動には公益活動の一環としての支援の可能性があると考えているところでございます。現在の事業体系の中で対応できると考えているところでございます。
 続きまして、支えあいマップづくりについてでございます。南部地域におきましては、支えあいのための地域懇談会のメンバーが中心となって、地域の社会資源を地図に落とすマップづくりに取り組んだ事例があると認識をしてございます。地域の見守りや支えあい活動を推進していく上で、地域の実情を把握する手法の一つとして支えあいマップづくりの活動は有効であると認識をしているところでございます。今後も先駆事例などを参考にしながらよりよい手法を地域の方々に紹介していきたいと考えてございます。
 それから、最後でございますけども、既存施設活用に関する検証についてであります。工事費、撤去費等の初期費用につきましては、改修と建てかえで概算比較を行ってございます。設備関係の維持補修経費や光熱水費等の運営費につきましては、改修、建てかえとも設備の入れかえを行いますので同等であると考えているところでございます。また、耐用年数でございますけども、建てかえの場合は50年となってございますが、改修の場合は少なくとも20年ぐらいは利用が可能であると判断をしたところでございます。建設費と改修費とこの使用年数を勘案して比較いたしますと、改修した場合のほうが少ない経費になるという判断をしてございます。地域住民になじみのある既存校舎の有効活用の視点も踏まえ、改修方式を選定したというところでございます。
 私からは以上でございます。
    〔都市整備部長服部敏信登壇〕
○都市整備部長(服部敏信) 私からは、まちづくり条例にかかわります御質問にお答え申し上げます。
 現在、区が検討してございますまちづくり条例につきましては、オープンスペースが少ない、建てづまりが解消できないなど、中野のまちづくりの課題を克服していく一つの方法として住民や地権者の立場で身近な地区のまちづくりを推進し、よりよいまちを実現していくための手続を定める条例を考えてございます。
 住民が望むまちづくりという御意見でございますが、住民は多くの立場があり、その利害や意見が衝突することもしばしばでございます。そうした中で、現在の住民の共通する利益や一致できる意見、また未来の住民にとっての利益など、さまざまな調整に基づいてまちのあり方に関する合意をつくっていくのがまちづくりだと考えてございます。御提案の総合型地区まちづくりもテーマ型まちづくりの意味合いも理解しかねるところはありますけども、住民の幅広い合意を形成していく過程で御意見は自由に出すことができると考えてございます。この条例は中野区独自の条例でございます。まちづくりは一部の人の意見や利害に左右されるものではなく、区全体としてのまちづくりの方針や公共、公益性に合致したものであるべきと考えてございまして、この条例はそうした住民のまちづくりへの参加を後押しするものと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(伊藤正信) 以上で林まさみ議員の質問は終わります。
 以上をもって質問は終了いたしました。
 これより日程に入ります。
──────────────────────────────
 第52号議案 平成22年度中野区一般会計補正予算
 第53号議案 平成22年度中野区用地特別会計補正予算
 第54号議案 平成22年度中野区介護保険特別会計補正予算

○議長(伊藤正信) 日程第1、第52号議案から第54号議案までの計3件を一括議題に供します。

          平成22年(2010年)9月15日

中野区議会議長 殿

   総務委員長 いでい 良輔
        (公印省略)

   議案の審査結果について

本委員会に付託された下記議案は、審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので、中野区議会会議規則第78条の規定により報告します。

        記
議案番号 件    名 決定月日
第52号 平成22年度中野区一般会計補正予算 9月15日
第53号 平成22年度中野区用地特別会計補正予算 9月15日
第54号 平成22年度中野区介護保険特別会計補正予算 9月15日

○議長(伊藤正信) お諮りいたします。上程中の議案に関する委員長報告は、会議規則第40条第3項の規定により、省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊藤正信) 御異議ありませんので、委員長報告は省略いたします。
 これより討論に入ります。大内しんご議員、せきと進議員から討論の通告書が提出されていますので、順次、通告議員の討論を許します。最初に、大内しんご議員。
     〔大内しんご議員登壇〕
○22番(大内しんご) ただいま上程されました第52号議案、平成22年度中野区一般会計補正予算、第53号議案、中野区用地特別会計補正予算について、自由民主党の立場から賛成の討論をいたします。
 東京大学教育学部附属中等教育学校は災害時の広域避難場所にも指定されており、大変貴重なエリアであります。この地域には老朽化した木造住宅が密集しており、公園などのオープンスペースも不足している上、狭隘道路や行きどまり道路も多く存在することから、災害時における火災危険度、避難危険度が大変高くなっています。このことから、この地域の住民にとっては大規模な公園の確保が長年の願いでありました。残念ながら、昨年度は東京大学との用地取得の交渉が決裂し、公園用地の取得には至りませんでした。本年度に入り、再度、東京大学側と協議をし、改めて用地取得に向けた交渉の場が設定できる環境が調い、この補正予算に用地取得のための経費と体育館移設のための移転補償費も計上されました。用地取得の交渉に当たっては、地域の安心・安全のために御尽力いただきたいと思います。
 次に、子ども家庭費ですが、長引く景気の低迷と社会状況の変化により保育需要が急激に増加しました。中野区においては今年度136人もの待機が生じ、特に低年齢児を中心とした保育需要は今後ますます増加することが見込まれます。子育て家庭の安心と確かな養育環境を確保するために、早急に将来の需要を見越した計画的な対応が不可欠であると判断し、我が党は8月5日に、中野区内の保育機会の待機の解消に向けた緊急的な保育施設の確保、認証保育所の誘致など中期的な展望に立った緊急対策をするよう、保育園の待機児童対策に関する緊急要望書を区長に提出させていただきました。その要望が早々に反映された形として、補正予算の中に区立保育室の設置と認証保育所の新規開設支援のための経費が計上されました。保育室事業の展開については、中野区としては初となる無認可の保育室事業を行うことに対しては緊急対応として理解できます。が、しかし、プレハブの期間を延長し、旧中部保健センターの跡地を活用したおおむね5年間の保育事業を実施する場所がなぜここなのかは理解に苦しむところです。今から2年前、平成20年8月から21年の3月までの8カ月間使用するために、一連の工事費6,000万円もの予算をかけて中野駅から近い旧桃丘小学校の中に保育施設を整備した旧桃が丘保育園の仮園舎があるにもかかわらず、この場所を活用しないということについてははっきり申し上げて疑問を感じざるを得ません。
 また、認可保育園と同様の保育サービスの展開を予定し、保育料についても認可保育園と同程度を設定するとしておりますが、ならばなおさらのこと認可保育室として整備され、子どもたちが伸び伸びと遊べる園庭も十分に確保できる旧桃丘小学校の保育室を5年間の緊急対応として活用するべきだと思います。さきの質問でも出ておりましたけれども、5年間、6年間、あるいは7年間、旧桃丘小学校を現在のまま活用するというような答弁もいただいております。大変疑問に思います。今回、この旧桃丘小学校の跡地利用は、表現・文化活動の拠点、区内産業の支援の拠点にするとのことで、頑として私たちの考えを受け入れない姿勢は甚だ遺憾でございます。同僚の議員の方も遺憾に思っている方も多いと思います。
 このようなことからすれば、この補正予算に賛成することにはちゅうちょしてしまう点もありますが、保育園の待機児童対策に関する緊急要望を区長に提出し、その要望が反映されたことを考えますとやむを得ないと判断するものでございます。今後も保育需要が増加し、同様の提案がなされるとしたならば、その際には旧桃丘小学校に整備してある保育室を活用すべきであると強く要望して、賛成の討論といたします。(拍手)
○議長(伊藤正信) 次に、せきと進議員。
      〔せきと進議員登壇〕
○9番(せきと進) 上程中の第52号議案、中野区一般会計補正予算に対する賛成討論を日本共産党の立場で行います。
 一般会計補正予算は、歳入歳出にそれぞれ15億7,200万円余を追加し、一般会計の総額を1,007億9,400万円余に改めるとともに、中野駅地区第1期整備につけた予算6億3,400万円余が年度内に終わらなくなったため、今年度と来年度とで予算を執行する繰越明許にしようというものであります。
 初めに、補正予算のあり方として、道路補修など、当初予算を大きく縮減してしまったために年度が始まってすぐ枯渇してしまった事業費について今回追加計上されなかった件など、施策の優先順位が問われたことは当然だと考えます。
 補正予算の中身を見てまいりますと、まず、中野駅地区整備のおくれは、区民や議会の意見を取り入れ、計画の一部を見直すことから生じたおくれでありますが、JRやバス会社ほか、関係機関とで行っている協議会を非公開とし、区民や議会を十分に巻き込まないできた計画の進め方に問題がありました。その結果、計画の根幹に小さくない変更を施すというのに、2012年4月に間に合うよう協議を調えなければならない、締め切りの事情が目下最優先となり、区民にとって納得のいくものに仕上がるかどうか、危ぶまれる事態を招きました。
 中野駅北口改札等改良工事に向け、JRが実施する基本実施設計経費の区負担金4,500万円は、区の負担率が3分の2と高過ぎる問題はありますが、事業内容は駅構内のバリアフリー化、障壁解消であり、区民要望にこたえたものと言えます。
 また、来年4月から区立保育室事業を開始するため、使われなくなった旧中部保健福祉センターを改修する予算が計上されております。保育待機児童の対策を区立施設の活用によって図ろうとする姿勢、また分類は保育室であっても認可保育園に準ずるという、今回の中身は評価します。しかし、保育施設はまだまだ足りません。旧桃丘小学校や旧住吉保育園など、我々が求めております廃止となった区施設の活用を引き続き検討するよう、強く申し述べます。
 経済危機によって急増した住居喪失問題では、今回、国の離職者向け、住宅手当緊急特別措置事業が拡充され、全額国庫補助金として8,300万円余が提案されました。制度開始時には6カ月間の家賃補助であったものが9カ月間に延長され、我々が要請した転宅資金も加わりました。また、無料低額宿泊所に対する是正については、内容は十分ではありませんが、是正への道が開かれましたので、今後ともどしどし追求してまいる所存であります。
 以上で賛成討論を終わります。(拍手)
○議長(伊藤正信) 他に討論がなければ、討論を終結いたします。
 これより議案ごとに分けて採決いたします。
 初めに、第52号議案について、起立により採決いたします。
 上程中の第52号議案を委員会報告どおり可決するに賛成の方は御起立願います
       〔賛成者起立〕
○議長(伊藤正信) 起立多数。よって、上程中の第52号議案は可決するに決しました。
 次に、第53号議案について採決いたします。
 上程中の第53号議案を委員会報告どおり可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊藤正信) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
 次に、第54号議案について採決いたします。
 上程中の第54号議案を委員会報告どおり可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊藤正信) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
──────────────────────────────
 認定第1号 平成21年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について
 認定第2号 平成21年度中野区用地特別会計歳入歳出決算の認定について
 認定第3号 平成21年度中野区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について
 認定第4号 平成21年度中野区老人保健医療特別会計歳入歳出決算の認定について
 認定第5号 平成21年度中野区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算の認定について
 認定第6号 平成21年度中野区介護保険特別会計歳入歳出決算の認定について

○議長(伊藤正信) 日程第2、認定第1号から認定第6号までの計6件を一括上程いたします。
 理事者の説明を求めます。
      〔副区長金野晃登壇〕
○副区長(金野晃) ただいま上程されました認定第1号、平成21年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について、認定第2号、平成21年度中野区用地特別会計歳入歳出決算の認定について、認定第3号、平成21年度中野区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について、認定第4号、平成21年度中野区老人保健医療特別会計歳入歳出決算の認定について、認定第5号、平成21年度中野区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算の認定について、認定第6号、平成21年度中野区介護保険特別会計歳入歳出決算の認定について、以上6件につきまして一括して説明いたします。
 初めに、中野区一般会計決算について説明いたします。
 平成21年度一般会計の歳入総額は1,069億5,025万9,102円、歳出総額は1,053億260万2,523円で、前年度と比較しますと、歳入で2.7%の増、歳出で9.4%の増となりました。歳入から歳出を差し引いた形式収支は16億4,765万6,579円となり、翌年度に繰り越すべき財源6億6,049万3,000円を差し引いた実質収支は9億8,716万3,579円となりました。
 それでは、歳入につきまして、主な款について説明いたします。
 第1款特別区税は総額313億円余で、前年度と比較して2億6,200万円余、0.8%の減となりました。これは譲渡所得等の分離課税に係る区民税の減などによるものです。
 第2款特別区交付金は総額319億1,500万円余で、前年度と比較して33億6,500万円余、9.5%の減となりました。これは交付金の財源である調整三税等のうちの市町村民税法人分の大幅な減収によるものです。
 第7款地方消費税交付金は、前年度と比較して2億400万円余、6.5%増の総額33億5,800万円余となりました。
 第13款国庫支出金は、定額給付金に係る国庫補助金が皆減となったため、前年度と比較して19億5,400万円余、12.1%減の総額141億9,400万円余となりました。
 第14款都支出金は、選挙経費や緊急雇用創出補助の増により、前年度と比較して6億6,300万円余、16.1%増の総額47億8,500万円余となりました。
 第15款財産収入は、用地売払収入の皆減などにより、前年度と比較して8,100万円余、19.2%減の総額3億4,200万円余となりました。
 第17款繰入金は、財政調整基金の繰り入れの増などにより、前年度と比較して10億7,300万円余、32.0%増の総額44億2,900万円余となりました。
 第18款繰越金は、前年度と比較して47億1,300万円余、147.9%増の総額79億円余となりました。
 第20款特別区債は、療育センターアポロ園や野方駅の整備に伴う特別区債の増などにより、前年度と比較して18億4,300万円、241.9%増の総額26億500万円となりました。
 これらの結果、歳入決算額の予算現額に対する収入率は96.7%となりました。
 次に、歳出につきまして、大きな増減があった主な款について説明いたします。
 第2款経営費は総額104億7,200万円余で、前年度と比較して8億200万円余、7.1%の減となりました。これは、株式会社まちづくり中野21の株式取得に伴う出資金の皆減や税源移譲に伴う住民税還付金の減によるものです。
 第3款区民生活費は、定額給付金の給付、緊急経済対策利子補給並びにプラスチック製容器包装及びペットボトルの回収の平年度化に伴う経費の増により、前年度と比較して47億1,200万円余、52.2%増の総額137億4,300万円余となりました。
 第6款都市整備費は、警察大学校等跡地地区都市計画道路や野方駅の整備、緊急経済・雇用対策事業に係る経費の増などにより、前年度と比較して16億2,500万円余、25.1%増の総額80億8,900万円余となりました。
 第8款公債費は、シェモア仙石に係る特別区債の繰上償還等により、前年度と比較して10億8,200万円余、18.8%増の68億4,100万円余となりました。
 第9款諸支出金は、基金積立金の減などにより、前年度と比較して14億5,500万円余、20.7%減の総額55億9,100万円余となりました。
 これらの結果、歳出決算額の予算現額に対する執行率は95.2%となりました。この歳出決算額を性質別に見ますと、人件費、扶助費、公債費を合わせた義務的経費は551億5,500万円余で、前年度と比較して3.5%の増となりました。また、投資的経費は112億9,600万円余で、前年度と比較して52.5%の増となりました。
 なお、平成21年度決算では、実質収支が9億8,700万円あまり生じ、前年度決算と比べ15億4,500万円余の減となりました。
 また、財政指標から区の財政状況を見ますと、前年度と比較して、実質収支比率が1.9ポイント下がり1.3%、経常収支比率が6.3ポイント上がり87.5%、公債費比率が0.7ポイント上がり9.3%となっています。これらの指標を23区平均と比較すると、経常収支比率が5.4ポイント、公債費比率が3.9ポイント、それぞれ上回っており、景気も依然として厳しい状況が続いている中、引き続き歳出構造の見直しと歳入確保に向けた取り組みが必要な状況にあります。
 一方、区は、新しい中野をつくる10か年計画(第2次)に掲げる取り組みを着実に進めていくとともに、区政の新たな課題に積極的に取り組んでいくことが求められています。さらに、老朽化した区の施設の大規模な改修・改築などの財政需要にも適切に対応していかなければなりません。こうしたことから、区としては、財政健全化をさらに進め、強固な財政基盤を確立していくことが重要であると考えています。
 以上が一般会計決算の説明です。
 続きまして、中野区用地特別会計決算について説明いたします。
 歳入歳出の決算額は同額で175億2,455万9,805円、前年度と比較しますと歳入歳出とも著しく増加しています。
 歳出は、第1款公債費が12億4,900万円余で、前年度より2億6,300万円余、26.7%増となりました。これは、療育センターアポロ園の建てかえ用地の売り払いに伴い、公共用地先行取得債を繰り上げ償還したことによるものです。
 第2款用地費は162億7,500万円余で、159億1,600万円余の著増となりました。これは、本町五丁目公園用地や中央中拡張用地等を取得したことによるものです。
 歳入の主なものは、第1款財産収入が12億1,100万円余で27.1%の増、第3款特別区債が162億2,500万円で158億6,700万円の著増となりました。
 次に、中野区国民健康保険事業特別会計決算について説明いたします。
 歳入総額は297億8,601万8,670円、歳出総額は297億566万5,402円で、前年度と比較しますと、歳入が2.1%減、歳出が2.2%の減となりました。これは後期高齢者医療制度に被保険者が移行したことなどによるものです。
 歳出の主なものは、第2款国保給付費が193億4,400万円余で、前年度より2億6,700万円余、1.4%の増、第3款後期高齢者支援金が43億700万円余で前年度より4億2,100万円余、10.8%の増、第5款老人保健拠出金が31万円余でほぼ皆減、第7款共同事業拠出金が33億7,400万円余で、前年度より5億5,700万円余、14.2%の減となりました。
 歳入の主なものは、第4款療養給付費等交付金が5億1,000万円余で、前年度より5億1,900万円余、50.4%の減、第5款前期高齢者交付金が41億5,000万円余で、前年度より4億8,200万円余、10.4%の減、第7款共同事業交付金が33億5,700万円余で、前年度より3億4,400万円余、9.3%の減、第8款繰入金が46億4,100万円余で、前年度より3億3,800万円余、7.9%の増となりました。
 次に、中野区老人保健医療特別会計決算について説明いたします。
 歳入総額は9,268万1,969円、歳出総額は8,270万2,769円で、前年度と比較しますと、歳入で95.9%の減、歳出で96.3%の減となりました。これは、老人保健医療制度にかわり平成20年4月から後期高齢者医療制度が創設され、平成22年までの経過措置として段階的に移行することによるものです。
 歳出の主なものは、第1款医療諸費が1,400万円余で、前年度より21億8,400万円余、99.3%の減となりました。
 歳入の主なものは、第1款支払基金交付金が1,000万円余で、前年度より13億4,900万円余、99.2%の減、第2款国庫支出金が2,500万円余で、前年度より6億8,500万円余、96.5%の減、第3款都支出金が1億5,200万円余の皆減となりました。
 次に、中野区後期高齢者医療特別会計決算について説明いたします。
 歳入総額は49億5,814万8,503円、歳出総額は49億2,987万1,903円となりました。
 歳出は、第1款広域連合納付金が49億2,200万円余で、前年度より3億700万円余、6.7%増となりました。
 歳入の主なものは、第1款後期高齢者医療保険料が27億3,300万円余、前年度より3,600万円余、1.4%の増、第2款繰入金が21億1,800万円余、前年度より1億4,100万円余、7.2%の増となりました。
 最後に、中野区介護保険特別会計決算について説明いたします。
 歳入総額は167億3,549万9,232円、歳出総額は166億4,716万8,419円で、前年度と比較しますと、歳入で0.9%の増、歳出で3.2%の増となりました。
 歳出の主なものは、第2款保険給付費が151億7,400万円余で、前年度より8億2,800万円余、5.8%の増、第4款基金積立金が1億4,000万円余で、前年度より3億4,200万円余、71.0%の減となりました。
 歳入の主なものは、第1款介護保険料が30億1,200万円余で、前年度より9,800万円余、3.2%の減、第3款国庫支出金が35億9,500万円余で、前年度より2億1,400万円余、5.6%の減、第5款都支出金が23億3,000万円余で、前年度より1億2,100万円余、5.5%の増、第7款繰入金が27億6,200万円余で、前年度より1億8,100万円余、7.0%の増、第8款繰越金が4億4,300万円余、前年度より1億2,500万円余、39.7%の増となりました。
 以上、平成21年度の各会計決算について説明いたしました。
 なお、詳細につきましては、お手元に送付いたしました「中野区各会計歳入歳出決算書・各会計事項別明細書」及び「各調書」、「主要施策の成果」並びに「中野区各会計歳入歳出決算説明書」によりまして御確認いただきたいと思います。
 また、監査委員におかれましては、本決算につきまして、7月22日から8月11日までの間、慎重に審査をいただき、別冊のとおり「中野区各会計歳入歳出決算審査意見書」の提出をいただきました。御指摘のあった点については十分に対処していく所存です。
 最後になりましたが、ここに平成21年度の決算につきまして議会の認定をお願いする運びになりましたことは、区議会の適切な御指導と御協力によるものと深く感謝を申し上げる次第です。
 以上、認定第1号から認定第6号までにつきまして、よろしく御審議の上、御認定くださいますようお願い申し上げ、平成21年度中野区各会計決算の説明とさせていただきます。
○議長(伊藤正信) 本件について御質疑ありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊藤正信) 御質疑がなければ、質疑を終結いたします。
 上程中の認定第1号から認定第6号までの計6件は、議員全員をもって構成する決算特別委員会を設置し、これに審査を付託いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊藤正信) 御異議ありませんので、上程中の認定第1号から認定第6号までの計6件は、議員全員をもって構成する決算特別委員会を設置し、これに審査を付託することに決しました。
──────────────────────────────
 中野区の財政の健全化判断比率について

○議長(伊藤正信) 日程第3、中野区の財政の健全化判断比率について、報告いたします。
 本件につきましては、地方公共団体の財政の健全化に関する法律第3条第1項の規定に基づき、区長から9月15日付の配付文書のとおり報告がありましたので、さよう御了承願います。
 本日はこれをもって散会いたします。
      午後5時15分散会