平成22年12月03日中野区議会本会議(第4回定例会) 平成22年第4回定例会本会議第3日(12月3日) 1.平成22年(2010年)12月3日、中野区議会議事堂において開会された。
1.出席議員(41名)
  1番  内  川  和  久        2番  ひぐち   和  正
  3番  白  井  秀  史        4番  平  山  英  明
  5番  つぼい   え  み        6番  いながき  じゅん子
  7番  森     たかゆき        8番  山  口  かおり
  9番  せきと      進       10番  いでい   良  輔
 11番  伊  東  しんじ        12番  佐  野  れいじ
 13番  北  原  ともあき       14番  南     かつひこ
 15番  小  林  秀  明       16番  林     まさみ
 17番  の  づ  恵  子       18番  近  藤  さえ子
 19番  牛  崎  のり子        20番     欠  員
 21番  吉  原     宏       22番  大  内  しんご
 23番  きたごう  秀  文       24番  伊  藤  正  信
 25番  久  保  り  か       26番  やながわ  妙  子
 27番  酒  井  たくや        28番  佐  伯  利  昭
 29番  むとう   有  子       30番  長  沢  和  彦
 31番  か  せ  次  郎       32番  高  橋  ちあき
 33番  山  崎  芳  夫       34番  市  川  みのる
 35番  斉  藤  金  造       36番  篠     国  昭
 37番  岡  本  いさお        38番  飯  島  謹  一
 39番  江  口  済三郎        40番  佐  藤  ひろこ
 41番  来  住  和  行       42番  岩  永  しほ子
1.欠席議員
      な  し
1.出席説明員
 中 野 区 長  田 中 大 輔      副  区  長  金 野   晃
 副  区  長  阪 井 清 志      教  育  長  田 辺 裕 子
 政 策 室 長  竹 内 沖 司      経 営 室 長  川 崎   亨
 管理会計室長   尾 﨑   孝      区民生活部長   鈴 木 由美子
 子ども家庭部長  長 田 久 雄      保健福祉部長   田 中 政 之
 保 健 所 長  田 原 なるみ      都市整備部長   服 部 敏 信
 まちづくり推進室長 遠 藤 由紀夫     教育委員会事務局次長  合 川   昭
 政策室副参事(企画調整担当) 小 田 史 子 経営室副参事(経営担当) 篠 原 文 彦
1.本会の書記は下記のとおりである。
 事 務 局 長  山 下 清 超      事務局次長    石 濱 良 行
 議事調査担当係長 佐 藤   肇      書     記  荒 井   勉
 書     記  河 村 孝 雄      書     記  菅 野 多身子
 書     記  東   利司雄      書     記  丸 尾 明 美
 書     記  土 屋 佳代子      書     記  鳥 居   誠
 書     記  細 川 道 明      書     記  鈴 木   均
 書     記  岡 田 浩 二      書     記  竹 内 賢 三

 議事日程(平成22年(2010年)12月3日午後1時開議)
日程第1 第65号議案 平成22年度中野区一般会計補正予算
日程第2 第66号議案 中野区組織条例の一部を改正する条例
     第76号議案 中野区教育に関する事務の職務権限の特例に関する条例
     第77号議案 中央本線東中野駅西口連絡設備及び線路上空開発事業に伴う工事委託契約
日程第3 第67号議案 中野区消費生活センター条例
日程第4 第68号議案 指定管理者の指定について
     第69号議案 指定管理者の指定について
日程第5 第70号議案 特別区道路線の認定について
     第71号議案 特別区道路線の認定について
     第72号議案 特別区道路線の廃止について
日程第6 第73号議案 指定管理者の指定について
     第74号議案 指定管理者の指定について
     第75号議案 指定管理者の指定について
日程第7 議会の委任に基づく専決処分について

      午後1時00分開議
○議長(伊藤正信) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。
 本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。
 昨日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。

 中野区議会議員 せきと 進
 1 ごみ減量と家庭ごみ有料化について
  (1)家庭ごみ有料化について
  (2)プラスチックの焼却と資源化について
 2 区立保育施設の増設による待機児童解消について
  (1)旧桃丘小学校の保育施設活用について
  (2)国有地の活用について
 3 地域ささえあい活動の条例化について
 4 沼袋駅前商店街通りの拡幅について
 5 その他
  (1)沼袋小学校廃校によって起こる諸課題について
  (2)その他

○議長(伊藤正信) 最初に、せきと進議員。
      〔せきと進議員登壇〕
○9番(せきと進) 2010年第4回定例会におきまして、日本共産党の立場から一般質問を行います。
 ごみ減量と家庭ごみ有料化について。
 家庭ごみの有料化について伺います。
 中野区は家庭から出る燃やすごみを有料化しようとしており、その時期は、新しい中野をつくる10か年計画(第2次)によれば、2012年度か2013年度とされます。中野区廃棄物減量等推進審議会の試算では、家庭ごみ有料化による収入は年7億8,000万円、支出は年5億円、差し引き2億8,000万円の黒字となっていますが、別の試算では、黒字どころか大幅な支出増になると指摘されていて、ごみ審議会の数字をうのみにすることはできません。
 労働者の賃金も年金の支給額も下がり、税や社会保険料の値上げと相まって、区民の生活は年々苦しくなっています。共産党議員団が実施した区民意識調査でも、暮らし向きがよくなったと答えた方はほとんどおりません。ごみが減ろうが減るまいが、区民に新たな負担を押しつけるのは認められません。家庭ごみの有料化を実施しないよう求めます。御答弁ください。
 負担の公平を言うのなら、区民にではなく、拡大生産者責任の見地で製造業者にごみ処理費用の負担を求めることこそが必要であります。ごみが出にくい商品を消費者が選べもしないのに、ごみを出すたびにお金を取られるなんて、こんな不公平がありますか。
 ごみが減るかどうかは捨てる人の意識にかかっています。家庭ごみの有料化も、区民に対する啓発の一つにすぎません。ごみの出し方が乱れているのは若い人に多いと言われますが、中野区はその若い人が多く住むまちであります。区はこれまでも特別の若年者対策をとってきましたが、見るべき効果は得ていません。それは引っ越しが多いのもありましょうが、啓発に至らなかった、区の努力が若い人の心に届かなかったというのが一番の理由だと思います。ごみ審議会の答申は、若い人対策が有料化の課題の一つだとしておりますが、これは有料化による若い人への意識改革はあまり期待できないとみずから認めたも同然ではありませんか。どだい関心がない人にしてみれば、これまで無料だったものが有料となるのは、いわれのない搾取でしかありません。
 有料化によっても啓発されない人が、隣の区へ捨てたり、公園やお店に捨てたりと、こぞって抜け道探しに走れば、区は適正排出の啓発のほかに、不正廃棄防止の啓発ないし監視にも乗り出さなければならなくなりますが、この点について区の見解をお聞かせ願います。
 以上のようなことを20代の人に話したところ、若い人のごみの出し方が乱れているとはいささか心外だと言われてしまいました。自分はごみをしっかり分けているつもりだし、できることはしたいと思っている。しかし、前に住んでいたところとごみの分け方が違うし、中野に住んでからもプラスチックや金属の分け方が変更になって、正しい分け方が身についているかと言われれば自信はない、そう語ってくれました。
 若年者へのごみ啓発は、繰り返し行うしかありません。分け方が不明だと言われてしまうのは、はんらんする情報に埋もれ、区からのお知らせを見ていない人が多いことを示します。しかし関心はあるのだから、手をかえ、ただし有料化を除きますが、品をかえ啓発すれば、きっと効果はあります。郵便受けに入れてもなかなか読んでもらえないことから、集合住宅のドアノブに啓発やお知らせをつり下げて回った発想はすばらしいと思いますし、「ごみのん」はかわいらしいと評判なので、出番をふやしたらよいとも思います。
 ごみの出し方が乱れる原因の一つは、変更になったごみの分け方が定着していないことにあります。この上、有料化が始まってごみ袋の入手方法が大きく変われば、ごみの出し方がわからない人をますます混乱させるだけではないでしょうか。中野区がごみ減量のために今取り組むべきは、現行ごみの出し方を繰り返し周知することであると考えます。お答えください。
 プラスチックごみについて伺います。
 ごみを減らす手だてには法律で優先順位がつけられていて、1に発生抑制、2に再使用、3に資源化と決まっています。おなじみスリーアールでありますが、こと容器包装に関しては、資源化を省いたツーアールというのを近ごろ耳にするようになりました。
 2008年第1回定例会でも申しましたが、容リ法、容器包装リサイクル法の2006年度改正は、資源化経費の7割を占める収集等費用を自治体負担から事業者負担に変えましょうねと話が進んでいたのに、土壇場で日本経団連が反抗したため、引き続き自治体が負担することになってしまいました。生産者責任拡大が阻まれた結果、資源化に使う税金がかさんだばかりで、環境に配慮した製品設計はちっとも進んでおりません。
 ツーアール運動は、容リ法に書かれた5年後、すなわち2011年の再見直しをきっちり実行させ、今度こそ拡大生産者責任を法制化するよう求めています。3番目の資源化を外したのは、2006年度来、資源化が大量生産の免罪符になっていること、資源化だけではごみも二酸化炭素も減らないことなどが挙げられています。
 区は私の一般質問に対し、容リプラの資源化経費は事業者負担の拡充が必要だと考えている。今後とも他の自治体と連携を図りながら、国や関係団体に働きかけていきたいと答弁しました。いつどのように働きかけましたか。また、2011年の容リ法改正を目前に控えた今こそ働きかけていただきたいと考えますが、いかがでしょうか、お答えください。
 ごみの分け方が変わり、廃プラスチックを焼却するようになって1年半がたちました。清掃一組、清掃一部事務組合は、この9月に廃プラ焼却の効果と影響を公表しましたが、2009年度の実績値を、分け方が変わる前、2006年に試算した数値と比べると、実際に出た温室効果ガスの排出量は試算の28倍もあり、一組のごみ焼却事業による排出量は2割も増加したことがわかりました。実施前の試算では、埋立地から出るメタンガスが減る分と、発電量をふやして挽回する分があるから、廃プラ焼却による温室効果ガス排出量は差し引き微増で問題ないと言っていたのに、これではまるっきり話が違います。
 廃プラスチック焼却は、中止を検討すべきであると思います。お答えください。
 6月から9月にかけ、4清掃工場の焼却炉が相次いで停止しました。原因は、ごみに大量の水銀が混入したためで、復旧に3億円近く費やしています。これまで私は中野区に対し、使用済み蛍光灯の拠点回収と資源化を求めてまいりました。区は、蛍光管を集積しておく場所がないからやらないとお答えになりましたが、数平米で足りるのだから、どうか前向きに検討してください。
 蛍光管の資源回収は、水銀の有害さと再利用の有用さを広く知ってもらう効果も期待できます。ひいては清掃工場に水銀が混入する事故の再発防止にも間接的に役立つことからも、使用済み蛍光管の資源回収を開始するよう求めます。
 資源化品目の拡大と分別の徹底は、ツーアール運動と対立するものではなく、ごみ減量における重要な方策の一つであることに変わりありません。引き続き推進なさるよう申し添え、ごみの質問を終わります。
 次に、待機児童解消について伺います。
 11月22日の読売新聞に、政府が2013年度から幼稚園と保育所を統合した「こども園」を導入しようと進めている議論が、関係者の反発を招いていると報じました。私立幼稚園の保護者と園長による恒例の大会で、こども園に反対する異例の緊急声明を採択したとあります。
 14日には保育関係者や父母が5,000人規模の集会を開きました。政府案は保育の質を低下させ、保育に対する国や自治体の責任をなくすもので、幼稚園と保育園それぞれが担ってきた役割を顧みない幼保一元化は認められません。
 保育園に入れない子は全国で2万6,000人、旧定義なら5万人近くおります。潜在的には100万人とも言われ、多くの保護者が仕事と育児に大変な苦労を負っています。
 区内365人の待機児童対策が強く求められているのに対して、中野区は、区立保育園の民営化による定員増、認証保育所の誘致、家庭福祉員の増員、認可保育所の定員の弾力化などにより解消を図っていくとしていますが、ここには区民が一番望んでいる認可保育園の増設が入っておりません。きちんと位置付けて認可保育園をふやしていくよう求めます。いかがでしょうか。
 旧桃丘小学校の認可保育園は2009年3月で終了しましたが、わずかに手直しすればすぐ再開できる状態にあります。区は旧桃丘小学校を一民間事業者へ5年間貸し付け、表現・文化活動を展開させるとしています。12月上旬にも跡施設活用基本方針を策定し、2月には運営事業者の決定と議会に報告しましたが、なぜこんなにも実施時期を前倒しするのか、納得のいく説明はありません。
 旧桃丘小学校の跡地利用をめぐっては、中野三丁目に地域住民交流の公的な拠点を確保してほしいとの陳情が採択され、跡地の活用が迫られています。区が10月から11月にかけて実施した地域説明会では、子どもの居場所となる部屋や乳幼児の親が交流する場を確保してほしい、待機児童の解消策として保育園の継続を検討してほしい、校庭を開放してほしいなどの意見が出ていますし、学童クラブの存続を願う声も上がっています。
 旧桃丘小学校に要求の高い認可保育園を開設するよう求めます。お答えください。
 財務省は2010年6月、保育所、介護施設、障害者福祉施設等の整備に対し、未利用の国有地や宿舎等を地方自治体に貸し付けると発表しました。3月の参院厚生労働委員会で、日本共産党の議員が国有地の保育所活用を求めたのに対し、国が検討すると答弁したことなどによるもので、世田谷区がこの制度を活用し、2カ所の私立認可保育園が2012年に開園する予定になっています。
 区内の国有地を調べたところ、現在、未利用で保育園を建設し得る広さの国有地は、弥生町に1カ所ありました。また、江古田四丁目に幾つかある国有地の一つは、用途が凍結されていて、国の結論次第では未利用地になり得ます。
 そこで、財務省と協議して、未利用国有地に認可保育園を増設するよう求めます。また、東京都も都有地活用を行っており、東村山市への認可保育所誘致が進んでいることから、都有地の活用も図ってください。いかがでしょうか。
 政府の「待機児童ゼロ特命チーム」は、11月30日までに待機児童対策案を取りまとめました。自治体が保育所を整備する際の補助金要件を緩和し、地方交付税不交付団体も補助率かさ上げ対象にすること、都市部で土地を借りて保育所を整備する場合に土地の借料を補助することなどを盛り込みました。
 来年度は試行実施であるため、待機児童が300人以上いる20の自治体に限られており、中野区は該当しませんが、急がれる保育待機児童解消に、国も認可保育園の増設支援へ踏み出さざるを得なくなったと言えます。国の動向を見据え、認可園の増設を検討するよう再度求め、この質問を終わります。
 次に、地域ささえあいの条例化について伺います。
 孤独死が深刻な社会問題となり、無縁社会なる言葉が生まれました。その背景にあるのは、近所づき合いは煩わしく、そんなのないほうが気が楽だからと、人との結びつきを嫌がる風潮が長く続いてきたのが一つと、親を大事にする孝の心が薄れてしまったことが指摘されています。
 昔の中国では、身代金目当てにだれかを誘拐するときは年寄りをさらいました。子や孫が大勢いるから身代金が多く集まるのもありますが、生まれたときから親は大切と教え込まれている儒教の国だから、奪われたら一番悲しがられる祖父や父親が、今はわかりませんが、昔はねらわれたのであります。
 この儒教思想は5世紀ごろ日本にも伝来し、日本の精神形成へ大きく寄与しました。
 話を戻しますが、孤独死の増加は、介護保険制度の導入を機に、老人福祉に対する行政の責任が大幅に後退したことも要因の一つと言えます。
 独居老人の安否確認は、熱中症による死亡者が急増した問題や、所在不明老人が多発した問題もあって、いよいよ急がれます。中でも行政による見守りと支援の体制強化が迫られております。
 中野区は、地域支えあい推進の体制づくりを2008年度から進めており、当初はことし6月に条例案を議会へ提出する予定だったのが、10月となり、さらに来年2011年へと送られました。拙速な条例制定は厳に慎み、十分な検討を加える必要はあります。条例提案がおくれている理由は何か、また、年明けには条例提案できると考える根拠は何か、お答えください。
 1月から2月にかけて実施された意見交換会では、町会が課題のある人に対応するのは無理ではないか、名簿の管理や個人情報保護に対する不安や重責感が口々に語られました。
 また、名簿に登録するかしないかを本人に確認するのは障害者に限定しており、高齢者は拒否を申し出ない限り自動で登載されてしまうのは、なぜ訪ねてきた、どこで知った、そっとしておいてほしいのに余計なお世話だなど、後に火種を残すことになり、絶対に認められません。見守り対象者名簿に記載するに当たっては、だれであれ本人の許可を得るよう改めるべきだと考えます。対象者全員を訪問し、支えあい推進活動というのが始まります、あなたのおうちにも定期的に人が来て声をかけていきますが、お嫌ではございませんかと、拒否の申し出がないか聞いて回るのが望ましいと考えます。いかがでしょうか。
 次に、沼袋駅前商店街通りの拡幅について伺います。
 西武新宿線中井・野方間の踏切が除却されると、南北の分断が解消します。しかし、商店街通りが現行の6メートルから14メートルへ拡幅されると、今度は東西に分断されてしまいます。
 9月の住民説明会でも意見が出たように、バスは一方通行のまま、歩行者の安全確保に必要な最小限度の拡幅にとどめてほしいという声は根強くあります。それを押し切って、2011年度中に駅前広場や関係道路の都市計画決定をねらうやり方に反感を抱く区民も数多くおります。
 決定時期や幅員といったものは、住民と協議する中で弾力的に変化して当然だと考えますが、いかがでしょうか。
 バス相互通行の意向が初めて示されたのは、2010年1月の西武新宿線沿線まちづくりにおける基盤施設の整備方針においてでありました。その2カ月前に策定された西武新宿線沿線まちづくり計画では、バス相互通行までは踏み込んではおらず、駅への連絡道路の確保だとか、歩行者や自転車の安全にとどまっております。
 また、西武新宿線沿線まちづくり計画が示す沼袋駅周辺地区のまちづくり方針では、商店街の魅力向上や活性化を掲げていますが、目抜き通りを相互通行に拡幅して商店街は活性化するだろうかと、だれもが疑問を持っております。まちづくりは、30年、50年後のことも展望しなければならないことは言うを待ちません。今住んでいる人、将来暮らす人双方が栄える道を目指して活発な議論が繰り広げられることを願って、この質問を終わります。
 次に、沼袋小学校廃校によって起こる諸課題について伺います。
 中野区が進めている小・中学校の再編により、来年3月をもって沼袋小学校が廃校となります。区は、跡地にすこやか福祉センターを設置する考えを示していますが、その時期は2016年度以降としか明かされておらず、区内に四つ整備されるすこやか施設のうち、沼袋は最後の4番目とあって、今後の財政事情などによっては時期が変更されることもないとは言い切れません。暫定活用については、沼袋西保育園が2013年度までに現地建てかえを行う間の代替保育施設に使うことだけが決まっています。
 沼袋小学校跡地活用については、障害者福祉作業所が校舎を使いたいとたびたび要請しておりますし、校庭を利用したいとの声も上がっています。地域や団体とよく協議して、できるだけ要望に沿った活用計画をつくっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 学校とともに沼袋西児童館及び沼袋学童クラブが今年度末限りで廃止となり、野方と丸山に統合され振り分けられますが、野方も丸山も定員を超すおそれが大変大きく、学童クラブに入れない待機児童が避けがたい事態を迎えました。保護者からも要望が出ているように、現在の沼袋学童クラブを、丸山改め緑野学童クラブの分室、または野方改め平和の森学童クラブの分室として残すことを検討する必要があると考えます。廃校後の沼袋小活用はあり得るのかどうかもあわせてお答えください。
 最後に、中野駅地区整備について、その他で伺います。
 中野区は、平成24年春に完了予定の中野駅地区第1期整備に乗り出しました。段差が解消されるものの、平成27年完了予定の第2期整備、平成30年完了予定の第3期整備は、駅舎開発、区役所・サンプラザ開発と一体の事業であり、財政の見通しが不確かな中で区の負担が増大しかねない開発となります。見直すべきだと考えますが、1期、2期、3期に予定されている事業費はそれぞれ幾らかお聞きします。
 以上で私の質問を終わります。(拍手)
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) せきと議員の御質問にお答えいたします。
 家庭ごみ有料化の是非についての御質問であります。中野区はこれまでごみの減量、資源化の推進に積極的に取り組んでまいりました。今後もごみの発生抑制に向けた対策を一段と強化する必要があると考えているところです。また、平成20年8月に中野区廃棄物減量等推進審議会から、ごみの発生抑制について、有料化を実施すべきとの答申もいただいたところです。家庭ごみの有料化によって、ごみの処理にかかわるコストについての認識が高まり、家庭におけるごみの減量につながるものと考えております。
 それから、普及啓発の徹底といった趣旨の御質問もありました。ごみの問題や、ごみと資源の適正な分別と排出のルールについては、区民に十分に周知をし、理解を得ることが大切であって、力を入れて取り組んできたところです。お話にありましたけれども、家庭ごみを有料化すると不法投棄がふえるということですが、そうした確かなデータについては私どもは承知しておりません。ごみを出す量にかかわらず、すべての経費を税金で賄うということについて、不公平感を持っている区民も多いということを感じているところです。
 仮に有料化ということになった場合に、適正排出指導を個別に強化することも可能な形で進めることが考えられます。全体として、不正排出の減少に結びつけられる可能性もあると考えているところです。
 それから、分別区分をよく周知をするべきだということであります。ごみ減量化の重要な対策の一つに周知啓発の徹底があると考えております。平成20年10月の分別区分の変更の際にも、大小さまざまな規模の説明会の開催や、区報、ホームページへの掲載、リーフレットの各戸配布等によって継続的にPRを行ってきた結果、大きな混乱はなく制度が定着しているところです。
 これに加えて、民間事業者の協力も得て、若者が多く立ち寄る商業施設での掲示でありますとか、リーフレットの配布など、区民全体に十分浸透するようPRを強化しているところであります。
 それから、容リ法の改正に向けた働きかけはどういうふうにしているかという質問でありました。特別区長会として毎年行っております国の施策及び予算に関する要望書の廃棄物処理対策の強化の中で、事業者の応分の費用負担や、事業者主体のリサイクルシステムの確立などの方策を講じることを求めてまいりました。また、全国市長会や全国都市清掃会議を通じても同様の働きかけを行ってきております。
 それから、廃プラスチック焼却、いわゆるサーマルリサイクルと言われていることですけれども、これについての御質問がありました。中止を検討すべきではないかということです。埋め立て処分場の延命化や経費の項目については、試算を上回る効果が出ており、清掃一組としては、最終処分場の延命化と資源の有効活用──熱エネルギーを利用しての有効活用ですね──といった廃プラスチックサーマルの目的については、十分に達成できたと評価しております。したがいまして、23区として、廃プラスチックのサーマルリサイクルを中止することは考えておりません。
 今後、ごみの焼却により発生する熱エネルギーの利用の高度化や、機器の省エネ化を進める中で、CO2対策についてもより強化をしていくこととしております。
 それから、廃蛍光管の資源回収を開始するべきだという御質問でした。資源化率の向上のためには、既に資源として回収を行っている品目の分別を徹底することと、新たな品目を追加することが考えられます。新たな品目の追加については、排出量、分別や回収のしやすさ、経費、社会的な関心度などを総合的な観点から十分な検討を行った上で、優先順位をつけて取り組んでいく考えであります。当面、廃蛍光管を資源として回収する考えはありません。
 私からは以上です。
   〔子ども家庭部長長田久雄登壇〕
○子ども家庭部長(長田久雄) 私からは、保育施設及び学童クラブに関しての御質問にお答えをさせていただきます。
 まず、旧桃丘小学校の保育施設活用についての御質問がございました。保育園の待機対策につきましては、将来の保育需要について一定の予測を行い、その対応として、区立保育園の建てかえ民営化による定員増を基軸に認証保育所の誘致や、その他の手法を活用し、進める方針としているところでございます。桃丘小学校跡施設につきましては、保育園としての活用は考えてございません。
 それから、国有地の活用による認可保育園の増設の御質問がございました。国が平成22年6月18日、閣議決定をいたしました新成長戦略において、子育て支援施設への未利用国有地の定期借地権を活用した貸し付けや、庁舎、宿舎の空きスペースの貸し付け等の実施を明記していることにつきましては承知をしているところでございます。区立保育園を建てかえ民営化するに当たり、建てかえに際しての代替地として、未利用国有地等を活用することにつきましても、可能性について検討しているところでございます。
 最後に、学童クラブ分室としての沼袋小学校跡施設の活用についての御質問がございました。平成23年4月、沼袋学童クラブが緑野学童クラブと平和の森学童クラブに統合され、それぞれの学童クラブ利用者の増加は予想されるところではございますが、それぞれの学童クラブの定員の範囲内でおさまるというふうに見込んでいるところでございます。なお、沼袋小学校跡施設につきましては、分室としての活用は考えてございません。
 私からは以上でございます。
    〔保健福祉部長田中政之登壇〕
○保健福祉部長(田中政之) 私からは、地域支えあい活動の条例化に関する2点の御質問にお答えをいたします。
 まず、条例の提案についてお答えをいたします。(仮称)地域支えあいネットワーク条例につきましては、地域との話し合いを十分に行い、区としての推進体制を構築した上で条例の提案を行うことが必要だと考えております。現在、地域の町会・自治会に区の職員が伺い、地域の御理解を得ることに努めているところでございます。また、同時に来年度に向け、区としての地域支えあいの推進体制の整備を進めているところでございます。それらの進捗状況を踏まえ、今後できるだけ早い時期での条例提案を行いたいと考えているところでございます。
 次に、支えあい名簿への登載についてお答えをいたします。
 町会・自治会での支えあい活動に伴う名簿への登録については、情報提供を行う前に、対象となる方に書面による通知を個別に行い、高齢者については、登録を希望しない方には返信していただく予定でございます。また、障害者につきましては、登録に同意する方には返信していただく予定でございます。手続自体は書面で行いますけども、事前周知を十分に行うとともに、お問い合わせには丁寧にお答えしてまいります。
 私からは以上でございます。
  〔まちづくり推進室長遠藤由紀夫登壇〕
○まちづくり推進室長(遠藤由紀夫) 私からは、沼袋駅前商店街通りの拡幅、それと中野駅地区の事業費についての御質問にお答えいたします。
 まず、沼袋駅前商店街通りの拡幅についてでございます。当該計画は交通利便性や安全性、防災性の向上など地域課題の改善を図り、沿線地域の将来像実現のため、連続立体交差事業とあわせたまちづくりの一環として計画しているものでございます。
 西武新宿線の地下化につきましては、可能な限り早期に実現したいということは、沿線住民並びに全区民の一致した願いであると考えております。したがいまして、現在お示ししているスケジュールで推進してまいります。お示ししております幅員につきましても、交通利便性や安全性、まちの商業活性化など、さまざまな観点から検討してきたものでございます。この幅員が妥当なものと考えております。
 次に、中野駅地区整備の事業費についてでございます。中野駅地区整備につきましては、その内容、時期、整備手法などを検討しているところでございます。事業費につきましては、整備の内容を明らかにする中でお示ししてまいります。
 私からは以上です。
     〔政策室長竹内沖司登壇〕
○政策室長(竹内沖司) 沼袋小学校の跡利用についての御質問にお答えをいたします。
 沼袋小学校跡のすこやか福祉センターの開設予定は、ステップ4、平成28年度以降としております。その間の暫定活用については、沼袋西保育園仮園舎の工事、すこやか福祉センターの整備、地域スポーツクラブの設置などを考慮し、現在検討を行っているところでございます。
○議長(伊藤正信) 以上でせきと進議員の質問は終わります。

 中野区議会議員 内 川 和 久
 1 中部すこやか福祉センターについて
 2 桃丘小学校跡施設利用について
 3 桃園川緑道について
 4 その他

○議長(伊藤正信) 次に、内川和久議員。
      〔内川和久議員登壇〕
○1番(内川和久) 平成22年第4回定例会において、自由民主党議員団の立場で一般質問をさせていただきます。
 質問は通告どおり、1、中部すこやか福祉センターについて、2番、桃丘小跡施設利用について、3番、桃園川緑道について、4、その他については、住基カードの普及についてお聞きします。
 それでは1番、中部すこやか福祉センターについてお伺いいたします。
 中部すこやか福祉センターは、身近な地域の保健・福祉・子育て相談の拠点として、ことし7月26日に開設しました。中部圏域5万5,000世帯を対象とし、平成20年3月に閉校した仲町小学校跡地を利用したその建物の中には、保健福祉相談から子ども家庭相談、高齢者相談、障害者相談まで多岐にわたった窓口が整えられ、来年1月には「地域スポーツクラブ」も同じ建物内に開設する予定であります。
 そしてまた、来年4月には「スマイルなかの」の「精神障害者社会復帰センター」も移転予定であり、児童館、学童クラブ、キッズ・プラザ、U18プラザも所管する、地域における支えあいのネットワークづくりを行う拠点として、区長の肝いりの総合公共サービスセンターであります。私も、自分の住む地域にできた「すこやか福祉センター」でありますので、地元説明会や開所式、地区懇談会等何度となく足を運ばせていただきました。区内を四つに分けた日常生活圏域で初めてできた施設でありますので、失敗は許されない重要な意味を持つ施設であります。先日行われました第九中学校区地区懇談会は「すこやか」内にて行われ、地域の関係者、学校関係者、近隣の保育関係者等が集まり、「すこやか」の機能の説明と役割、その後、施設見学もさせていただきました。その中で、出席者より幾つかの要望、質問が出されていましたので、そのことについて質問させていただきます。
 まず初めに、施設の利用状況についてお聞きします。当日は、平日昼間ということもあり、人影もまばらで、各窓口、相談室、会議室ともに閑散としていました。「待つより、外に出ていく運営を目指す」との説明もありましたが、出席者からは、このきれいで立派な施設をもっと区民に利用してもらうべきとの意見が出されました。今後、区として「すこやか」の周知徹底、相談窓口や会議室の利用率のアップについてどのように考えているのか、お考えをお聞かせください。
 次に、中部すこやか福祉センターは住宅街の中心に位置しており、場所が非常にわかりづらい、来るのに迷ったという人もいました。今後このアクセスの問題、案内看板等どう対処していくのか、区のお考えをお聞かせください。
 次に、当日参加していた近隣の保育関係の方々からは、グラウンドや会議室など気軽に保育や運動会など行事に利用できるとありがたいという意見が出されていました。園庭のない保育所にとっては、大変魅力的なようです。地域保育の連携について、区のお考えをお聞かせください。
 次に、平日夜間や土曜日には、区全域から母子手帳をもらいに来る夫婦が後を絶たないそうであります。特に遠方から来所する区民には、中部すこやかは場所がわかりづらく、身近な地域でとれるようにしてほしいとの要望がありますが、区のお考えをお聞かせください。
 次に、職員の配置体制についてお聞きします。夜間や土曜日は2名体制で業務を行っているとのことですが、職員のローテーションを組むのが難しいとのことでした。また「子育てひろば」においては、1日平均20組もの来所があり、臨時職員が急に休んだりすると、正規職員が何とかやりくりしながら対応しているそうです。さらには、土・日も開いてほしいとの要望が地域より出されていますが、対応はできていません。24時間365日サービスを目指す区としては、職員の配置体制の強化が必要と考えます。区のお考えをお聞かせください。
 また、「子育てひろば」は、すこやかの機能と役割から考えても子育てサポーター養成講座修了者の活動の場として考えられます。区のお考えをお聞かせください。
 次に、地域スポーツクラブについてお聞きします。中部すこやか福祉センターに隣接するこの施設は、子どもから高齢者まで気軽にスポーツや健康管理ができる環境を整え、さらには学校運動部活動の支援まで行うとあります。地域としてもこのクラブの一日も早い開設が望まれます。その運営は、まず任意団体を立ち上げ、その後、委託業者を探すというプロセスをとりますが、来年1月のオープンに本当に間に合うのか、現在の進捗状況をお聞かせください。
 次に、2番として、桃丘小学校跡施設利用についてお伺いいたします。
 桃丘小学校は、学校再編に伴い、平成20年3月をもって閉校いたしました。これまで保育園、学童クラブ、桃花小学校体育館代替として利用されてきましたが、このたび平成23年度以降の跡施設活用の基本方針が明らかにされました。桃丘小跡施設は、中野駅周辺まちづくりの中で、「文化的なにぎわいと暮らしが融合した新しい個性を発信するエリア」と位置付けられています。既にこの地域ではミニシアターが開業するなど、表現・文化活動に発展可能性の芽生えが見えてきています。このたび区は、この跡施設を普通財産として民間事業者に貸与し、民間の専門性、活力を生かした施設事業運営を行うと発表いたしました。公設民営ではなく、民設民営でそこから賃料収入を上げるというやり方は唐突感もありますが、この厳しい区財政のことを考えるといたし方ないとも思えます。しかしながら私は、桃丘小跡にできるこの施設は、地域にしっかりと受けとめられ、根付き、地元とともに発展していくようにしなければならないと思っています。地域との関係が深まるほど、この事業は活発化し、成功するものと確信しています。
 これまで区は何度となく地域説明会を行ってきました。私も11月11日に開かれた説明会に参加させていただきましたが、当日、さまざまな質問、要望が出されていましたので、確認の意味も含めて幾つか質問させていただきます。
 まず初めに、地域のコミュニティづくりのための専用スペースは確保しないが、その機能を確保するために運営事業者の公募時に提案事項を設定するとあります。今回は民設民営であるため、本当に事業者がこの提案内容を守ってくれるのか、一度貸してしまえば事業者の考え方次第となるおそれがあると考えますが、実効性も含め区のお考えをお聞かせください。
 次に、説明会では、乳幼児親子のための事業の実施など、子育て世代を支援せよとの意見が多数出されていました。今後の展開について、区のお考えをお聞かせください。
 次に、今回の方針では、校庭は貸し出しの対象に含めず、区が管理するとのことですが、地域からは、子どもたちが安全に遊べるスペースとしてほしいとの意見が出されていました。区としては、常時開放はせず、イベントなどの臨時的使用であれば可能であるとのことですが、私は、自主管理による貸し出しを一歩進めて、広く地域に開放してはどうかと考えますが、区のお考えをお聞かせください。
 次に、賃料についてお聞きします。区は基本的に、桃丘小跡施設を現状の形態のまま引き渡すとのことです。改修や修繕、日常的な維持管理もすべて事業者が行うとのことです。賃料は事業者から収支・資金計画の中で提案させ、事業内容とあわせて総合的に評価するとのことですが、耐震Cランクの体育館補強工事には約1億円かかると聞いています。その費用負担について、区はどのように考えているのか、お考えをお聞かせください。また、1年間の賃料は幾らくらいと想定しているのか、お考えをお聞かせください。
 次に、貸与期間は5年間とし、期間終了後においても活用可能な状態にある場合には、引き続き貸与について協議できるものとするとあります。また、貸与期間終了後の桃丘小跡施設の活用のあり方については、中野三丁目のまちづくり整備の中で明らかにするとのことです。この活用可能な状態とは具体的にどういうことなのか、中野駅西口南北自由通路との関連についても区のお考えをお聞かせください。
 次に、区は起創展街と言いながらも、今まで具体的な取り組みはできていませんでした。今回の桃丘小跡施設の取り組みがどう中野区の特徴を生かし、どう持続的に中野を活性化させていくのか。特に中野駅南口地区の発展にどうリンクさせていくのか、区のお考えをお聞かせください。
 3番、桃園川緑道についてお伺いいたします。
 桃園川緑道は、下水道幹線として、ふたかけ後の昭和42年から順次遊具や植栽が施され、主に遊び場として利用されてきました。その後、快適な道とするために昭和60年から平成6年まで再整備が行われました。中野区を横断する形のこの緑道は、延長2,302メートル、面積に換算すると、実に1万5,000平方メートルもあります。下を流れる下水は都が管理をし、ふたかけの道の部分は区が管理をしています。平成14年3月に下水道局と当時の神山区長との間で「下水道用地使用許可書」が結ばれています。この中には、はっきりと「区立公園用地として使用しなければならない」と明記されていますが、区が都市公園として位置付けると管理上の問題があるとの下水道局からの指摘があり、公園告示を断念した経緯があります。現在でもこの桃園川緑道は、1万5,000平方メートルもある「単なる広場」でしかありません。残念なことに、自転車やオートバイの駐輪が後を絶たず、区としても警告札の張りつけ後、数回警告を行い、その後に撤去を行っておりますが、なかなか効果があらわれていないのが現実です。私も今年度第2回定例会一般質問において、また第3回定例会総括質疑においても、この問題について取り上げさせていただきました。その後の区の取り組みと進捗状況について、幾つか質問させていただきます。
 まず初めに、緑道の位置付けについて、現状では東京都との「下水道用地使用許可書」により、区では緑道の維持管理のみを行っている状態は改善すべきと考えている、区としては、都市公園として公園告示が可能となると、区立公園条例を根拠にして対応できるようになることが望ましい、そのために、土地の所有者である下水道局と都市公園として位置付けられる方向で協議するとの答弁を6月29日に行われた第2回定例会においていただいております。
 また、9月27日に行われました第3回定例会総括質疑においても、都市公園としての位置付けを何とかしたい、現在調整中との答弁をいただいておりますが、その後の進捗状況はどうなっているのか、お答えください。
 次に、緑道に駐輪している多くの自転車やオートバイは歩行者の障害になっているだけではなく、特にオートバイは重量も重く、転倒などした場合には歩行者が大けがをする事態が想定されます。緑道にオートバイが乗り入れできないよう規制区域化も含め早急に対策をとるべきと考えますが、区のお考えをお聞かせください。
 4、その他、住基カードの普及についてお伺いいたします。
 1点だけ質問をさせていただきます。区は現在、区内15カ所にある「地域センター」を15カ所の「(仮称)区民活動センター」と5カ所の「(仮称)地域事務所」に再編する予定です。現在、地域において意見交換会が開催されています。地域間の温度差はあるものの、来年23年度7月には一斉に「(仮称)区民活動センター」を開設する予定です。(仮称)地域事務所と併設されない「(仮称)区民活動センター」では、今までのような「地域センター」で受けられた、いわゆる「窓口サービス」がなくなり、住民票と印鑑証明は、近くのコンビニエンスストアの端末より発行されることとなります。そして、このときに必要となってくるのが「住基カード」です。現在、中野区の有効な住基カード所有率は5.5%と低く、今後コンビニエンスストア端末を利用してのサービスに支障を来すおそれがあります。他の自治体、三鷹市、千葉の市川市、渋谷区では無料で住基カードを発行するなど、カードの普及に力を入れておりますが、中野区としては今後どのようにこの住基カードの普及を進めていくのか。また、カードの不正取得についても、より一層本人確認の厳格化を行うべきと考えますが、区のお考えをお聞かせください。
 以上ですべての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 内川議員の御質問にお答えをいたします。
 中部すこやか福祉センターの利用状況とその向上策についてということであります。中部すこやか福祉センターにおきます来所相談は、現在のところ月300件程度にとどまっております。また会議室の利用登録団体ですが、11月末現在で18団体、利用件数は11月では30件といったようなところで、確かに来所あるいは利用が少ない現状にあるということは確かだと思っております。今後、目標体系見直し等の中で、このすこやか福祉センターでの事業展開について充実をしていくということで、組織的にも事業的にも体制を強化していく中で、区民の皆様の利便性が増し、利用がふえていくと、こんなふうに考えているところであります。
 それから、場所がわかりづらいということで、どう対処していくかという御質問であります。中部すこやか福祉センターまでの経路の案内表示につきましては、青梅街道側では既に信用金庫や設計事務所などから民地への案内板の取りつけについて御了解をいただきました。大久保通り側でも御協力いただける民地が確保され次第、案内板を作成し、掲示をする予定であります。また、あわせて施設近隣の電柱類の設置事業者へも案内板の取りつけを依頼することにしているところであります。
 それから、地域スポーツクラブの屋外運動広場の利用についてであります。地域スポーツクラブは、地域住民がスポーツを通じて交流することや、体力や競技力の向上を目的としておりまして、保育園等の事業や行事に使用することは想定しておりません。
 また、地域スポーツクラブの進捗状況です。地域スポーツクラブにつきましては設立準備委員会を立ち上げ、開設に向けて検討を行っているところであります。仲町小学校跡施設については、最初の拠点施設ということでありますので、開設準備に時間を要しているところです。当初予定していたより開設時期はおくれそうでありますけれども、平成23年の可能な限り早い時期に開設したいということで、教育委員会と調整を行っているところです。
 それから、平日夜間の母子手帳などの地域子ども家庭相談の窓口開設時間を拡大するべきではないかといったような御質問であります。来年4月以降の体制といたしましては、中部すこやか福祉センター以外の地域子ども家庭支援センターにつきましても、すこやか福祉センターに再編することで窓口サービスの格差を生じないようにしてまいりたいと、こう思っております。
 それから、子育てひろばの運営についてであります。子育てひろばの土・日開設につきましては、人員、あるいは事業予算の拡大といったことを伴ってまいりますので、今後、予算編成などの中で検討していくべき課題であると、このように考えております。
 また、現状の運営での職員配置につきましては、施設配置職員全体の中で必要な人員を確保できていると考えております。
 また、子育てサポーター養成講座修了者の活用についてでありますけれども、子育てひろばで活躍していただくといったようなことなどにつきましても、地域の方と協議をしながら、さらに検討してまいります。
 それから、その他の項目で、(仮称)区民活動センターの関連で、住基カードの普及についての御質問がありました。今後コンビニ交付の開始に合わせて、必要となる住基カードについて、区報やホームページでの周知に加え、さまざまな機会を活用して案内、PRの強化を図るほか、普及策をさらに検討してまいりたいと考えております。
 住基カードの交付に当たりましては、申請時において運転免許証や保険証など、2点の証明書類で本人確認を厳格に行っているところです。さらに確認証明書の一つであります運転免許証については、偽造をチェックできる機械を導入して、さらに厳格化に取り組む予定でおります。
 私からは以上です。
   〔区民生活部長鈴木由美子登壇〕
○区民生活部長(鈴木由美子) 私からは、桃丘小学校跡施設の利用について何点かお答えいたします。
 まず、地域コミュニティづくりのための機能確保を区はどのようにするのかというお尋ねでございました。区は運営事業者との間に、施設運営にかかわる諸条件に関しまして、基本協定を締結する予定でございます。区は開設後も運営事業者と緊密な連絡をとり合いまして、当該施設が地域と良好な関係を築き、ともに発展していけるよう調整や適切な働きかけをしてまいりたいというふうに考えてございます。
 また校庭部分を一般開放したらという御提案でございましたが、旧校庭部分につきましては、建物に囲まれた空間となるわけでございます。利用に当たっては、利用者の安全確保、隣接する住宅等への影響を踏まえることが必要なため、一般開放とする考えは持ってございません。自主的な管理のもとでの利用を前提として、事例ごとに利用の可否を判断して御利用いただけるようにしてまいりたいというふうに考えてございます。
 また、体育館の耐震補強についてでございます。体育館につきまして、工事に要する期間や費用対効果、改めて総合的に検討しました結果、耐震補強工事は原則として区は実施しないというふうに考えてございます。ただし、運営事業者が利用する場合には、事業者みずからの責任で耐震補強工事を行うことについて、一定の条件を付した上で許可できるというふうに考えているところでございます。
 また、賃借料をどのように考えるのかということでございますが、賃借料につきましては、私どもは提案によるものというふうに考えてございます。提案の事業内容や地域への貢献度など、そうしたものを総合的に勘案して決めてまいりたいというふうに考えております。
 あとは貸し付け、貸与期間終了後の引き続きの活用を具体的にどのような状態を想定しているのかというお尋ねでございますが、中野三丁目まちづくりの整備、それから南北自由通路整備を含む駅直近エリアのまちづくりの進捗の関係で、直ちに当該跡地の活用が生じない状況、そういった場合を想定しているところでございます。
 また最後に、これからのまちの活性化、特に中野駅南口地区への発展の寄与をどのように考えているのかということでございますが、この桃丘小学校跡での取り組みによりまして、新しい個性を生み出す文化発信拠点として活動が始まる。そういうことは中野駅南口地区への人の流れを生み出し、そのことは関連事業者の集積など、駅周辺地区全体の活性化へとつながっていくものと考えてございます。文化や芸術、そういったものの活動は小さなお子様から高齢者まで、世代を超えて人を結びつけ、住む人を元気にする効果があるというふうに考えておりますので、本施設の開設をきっかけとして、文化と活気にあふれるまちづくりを進めてまいりたい、そのように考えてございます。
 以上です。
   〔子ども家庭部長長田久雄登壇〕
○子ども家庭部長(長田久雄) 私からは桃丘小学校跡施設に関連いたしまして、今後の乳幼児親子の事業展開についての御質問にお答えをさせていただきます。
 桃丘小学校跡施設がございます当該地域におきましては、桃が丘さゆり保育園におきまして、子育てひろばを展開しているところでございます。また、桃花小学校のキッズ・プラザが来年の4月から開設ということになりますので、その施設の乳幼児親子の利用拡大を検討してまいりたいと考えてございます。
 私から以上でございます。
    〔都市整備部長服部敏信登壇〕
○都市整備部長(服部敏信) 私からは、桃園川緑道に関します御質問にお答え申し上げます。
 まず、都との協議の状況についてという御質問をいただきました。第2回定例会以降、東京都下水道局と協議調整を進めてきてございまして、下水道施設と緑道にかかわります維持管理協定を締結し、区が区立公園としての公園告示をすることの内諾を得てございます。現在、管理協定の素案を都下水道局が作成中でございます。
 また、当面の対策という御質問をいただきました。現段階では、緑道をオートバイ等の規制区域にすることはできませんが、オートバイが多い地域、多い場所におきましては、進入できないような何らかの対応を図ることを検討したいと考えてございます。
 以上でございます。
      〔内川和久議員登壇〕
○1番(内川和久) 時間もありますので、何点か再質問をさせていただきます。
 まず、すこやか福祉センターに隣接する地域スポーツクラブの開設でございますけれども、今でも、議会も地元も来年の1月オープンということで多分確認をしているはずでございます。先ほど区長の答弁で、延びるというお答えがありましたけれども、具体的にどのぐらいまで延びてしまうのか。また、その進捗状況はやっぱり議会のほうにもきちんと報告をしないといけないし、地域へもきちんと説明をしなければいけないと思いますけれども、そこら辺のことをもう一度お聞かせいただきたいと思います。
 それと、次に桃丘小学校の体育館の補強工事についてであります。当初、区としては体育館の耐震補強工事も区のほうで負担をして民間事業者に貸し出すという方針を打ち出していたと記憶しておりますけれども、先ほどのお答えでは、それは行わないという御答弁でしたので、その方針転換した理由をお聞かせいただきたいなと思っております。
 以上です。
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 再質問にお答えいたします。
 地域スポーツクラブですが、現在、教育委員会のほうで具体的な検討をしてもらっております。これにつきまして今年度中に、来年1月にということで、一番最初にはそういう形での検討をしてきたわけですけれども、具体的に事業内容でありますとか、組織のつくり方、そういったところについて検討を行っている段階でありまして、少なくとも今年度内での開設ということについては難しいだろうというふうに考えておりますが、できるだけ早い時期に開設できるよう準備を急いでまいりたい、こういう考えであります。
   〔区民生活部長鈴木由美子登壇〕
○区民生活部長(鈴木由美子) 再質問にお答えいたします。
 耐震工事の関係でございますけれども、これまで区が行ってきました耐震工事、やはり1年半、準備から実施までかかるというふうな、工期が長くなるということがございます。そうしたことを考えますと、実質的に御利用いただける期間も短いというふうなことから、その間、有効にやはり学校全体の教室も含めて、新しくこうした趣旨に沿った運営がされることを区としても期待したい関係から、体育館については運営事業者が使いたい場合にはみずからの責任で行うこととして、区としては耐震を行わないというふうなことで総合的に判断をさせていただいたところでございます。
○議長(伊藤正信) 以上で内川和久議員の質問は終わります。

 中野区議会議員 ひぐち 和 正
 1 プロポーザル方式の契約について
 2 若年者の生活保護受給について
 3 中野富士見中学校の跡地利用について
 4 その他

○議長(伊藤正信) 次に、ひぐち和正議員。
     〔ひぐち和正議員登壇〕
○2番(ひぐち和正) 第4回定例会におきまして、自民党の立場から御質問させていただきます。
 質問は通告どおり、1番目にプロポーザル方式の契約について、2番目に若年者の生活保護受給について、3番目に中野富士見中学校の跡地利用について、4、その他はございません。
 まず初めに、プロポーザル方式の契約について御質問いたします。
 中野区の入札制度において、受託業者や工事業者を選定するためには、総合評価方式や競争入札方式、あるいは建築設計のコンペ方式・随意契約方式・プロポーザル方式によって業者を選定する方式があります。
 国や自治体が公共事業を発注する場合は、原則として競争入札をしなければならないとし、売買・請負契約などにおいて入札情報を公告し、複数の契約希望者の参加申し込みを募り、希望者同士で競争に付して、最も有利な条件を示す者と契約を締結するため、内容や入札金額を書いた文書を提出させて、内容や金額から契約者を決める方法です。
 また、法令の規定で定められた特定の条件を満たしていれば、競争入札を行わず任意の業者と契約を結ぶこと、場合によっては、競争入札で落札せず不調に終わった工事など、予定価格に満たない場合、発注側と受注側の合意によって選任された業者と契約を結ぶ方式を随意契約、あるいは特命契約といいます。また、この随意契約については、過去に実績のある者を選定することが多いものの、公平性の観点から難しさがあります。
 建築設計などに用いられるコンペ方式は、建造物の設計者を決める方法として、募集した複数の設計者に設計案を出させ、その中からすぐれた案を選定する設計競技の方法であり、公平性を保つことや、能力のある新人にチャンスを与えること、すぐれた地域の人材発掘ができるなどのメリットもあると言います。
 中野区の入札方法で採用している総合評価方式は、公共工事における入札で、価格だけで評価していた従来の落札方式と違い、品質を高めるための新しい技術や、ノウハウといった価格以外の要素を含めて評価する新しい落札方式のことです。
 さて、中野区の業務の業務委託先を決める際には、業務遂行に要する価格の安いほうを提示した者を選定する競争入札方式が用いられることが多いと思います。しかし、学校給食や認定保育園などの指定管理者、あるいは中野駅再開発の資料づくりや学力調査など、調査立案などの専門性を要する業務などの場合、単に価格の安さだけで選定したのでは、期待した結果が得られないことなど生じてしまうことがあり、不備や欠落などによって無駄な委託になりかねないものです。
 そこで、プロポーザル方式やヒアリングで委託業者を選任することが必要となり、公募または指名によって複数の者から、その目的に合致した企画を提案してもらい、その中から企画提案能力のある者を選ぶ必要があります。
 しかし、建築工事のプロポーザル方式の契約では、複数の業者に企画立案させて、その案をヒアリングや企画書などによって受注業者を選定し、その提案書の選定の時点で競争が終了、契約することになります。
 問題なのは、その時点で競争が終了することで、調査の資料作成や業務委託のような委託はプロポーザル方式で適していると思われますが、建設工事のような設計と見積もりを必要とする請負工事については、設計と見積もりは連動するものであり、設計の内容によっては見積もり金額が変動し、見積もりの内容によっては設計が変わることから、一業者の手のうちによって設計と見積もりの両方が受注されることは、価格の面から見ても設計の面から見ても不透明で競争力が低下するおそれがあり、公平性に欠けた契約方法になりかねないと思います。
 競争入札をしない随意契約でさえも、設計図や仕様書をもとに見積もりを行い、完成された工事は設計図どおりのものが完成しますが、プロポーザル方式の請負は、仕様書も見積もり金額も不透明のまま競争が終了してしまうことになります。
 中野区では、一昨年から総合評価方式が始められています。総合評価方式は、技術的能力や技術提案の審査を実施することによって、公共工事を受注する建設会社の適切な施工や技術力の向上を高め、品質の向上、また施工計画によって、工事のコスト・環境問題・適正な工期などが期待されています。
 建設工事は一般的に設計と施工を分けて発注したほうが、効率的で公平な契約が成り立つと思います。設計を発注する段階で、プロポーザル方式の方法で設計者を選定し、設計者と工事業者との中間で、中立的な観点から中野区の行政がかかわり、指揮・指導するべきだと思います。プロポーザル方式の設計施工では、まるで丸投げ委託契約にほかならない状況です。
 そこで質問いたしますが、区では、民間の技術力を活用し、現職員の技術力や質の向上を高めるためにも、工事の内容をチェックして、工事業者の指導できるような技術者の質の向上に努めなければならないと思いますが、いかがお考えでしょうか。
 また、技術者の不足を補うためや技術力向上のために技術職員を増員する方向づけをしても、単に技術者を増員しただけでは技術力の向上につながるとは思えません。今後の技術力向上に向けて、区としてどのような体制をとって職員を教育していくのか、お聞かせください。
 プロポーザル方式と総合評価方式がより効果的に使われるように、この項の初めにも述べましたように、公平性を保つことや、能力のある新人にチャンスを与えること、すぐれた地域の人材を発掘することができるなどのメリットがあり、企画や設計は専門知識のある設計者をプロポーザル方式で選任することが大切であり、そして工事業者の選定においては総合評価方式を活用し、入札制度を用いるべきと思いますが、区としてはいかがお考えでしょうか。また、地域の意見や計画の説明についても、プロポーザル方式で選任された業者を交えて企画立案の説明を行うように進めなければならないと思いますが、いかがお考えでしょうか。
 ことし7月に開設された旧仲町小学校のすこやか福祉センターはプロポーザル方式で中野区が発注した建設工事です。旧仲町小学校がプロポーザル方式の契約になったことはどのような経緯からなったのか、お聞かせください。また、この工事の発注に際して、近隣区などにプロポーザル方式の実績などについて、事前調査の問い合わせをしたのでしょうか、お聞きいたします。請負金額もそれなりの金額で、発注金額としてはかなりの請負金額です。金額が大きくなればなるほど、設計と施工金額の余裕が広がってくる。要するに調整することがしやすくなるということでしょうか。
 中野区では、今までで委託事業と建設工事のプロポーザル方式の契約をされたのは何件くらいあったのかお聞きします。このプロポーザル方式の契約は、それに参加する業者の選定が見えにくくわかりにくいことが指摘されかねない状況があります。また、これからもこの方式が採用されてふえるのも心配なことです。
 これから中野区内に新しくすこやか福祉センターを開設するに当たり、子どもから高齢者までの健康福祉の観点などから、特殊分野で専門性が必要とされていますが、専門性を把握して計画に反映するのは設計段階で計画するもので、プロポーザル方式と総合評価方式を有効に使い、今後の契約方式に取り組んでいただくようお願いをいたしまして、この項の質問を終わります。
 次に、若年者の生活保護受給について御質問いたします。
 私が心配することは、高齢者や障害者が生活保護を求めてくる方が増加することも心配ですが、学校を卒業した若年者が生活保護を求めてくることが大変気がかりです。この傾向は、バブル期に起こった負け組・勝ち組といった生活水準の評価とは全く違った社会現象が始まっていると思います。
 11月13日付読売新聞によると、来春卒業予定の大学生の就職内定率が「就職氷河期」と言われた1993年から2005年に比べてもさらに低い、10月1日の内定率は過去最低の57.6%で、2人に1人の内定率といった異常事態となっています。
 文部科学省によると、2008年10月の就職内定率は69.9%ですが、リーマンショックの影響から、昨年は7%低下し、さらにことしは4%以上下がり、2年間で10%以上、内定率のポイントが下がったことになります。学生たちからは、努力も限界との悲鳴も聞かれる状況です。
 また、景気低迷の影響により、若者や働き盛りの30代、40代にも雇用不安が広がり、ことに最近の傾向としては、正規の働く先のない若者や、就職先の求める人材に育っていない若者が増加し、自分で自立して生活するだけの収入がないといった人がふえ、高齢者や障害者などと同様に社会的弱者になっているといった、かつてない社会状況になっています。
 こういった中で、中野区の離職者の生活総合相談の窓口にも20代、30代、40代の人が、失職し、再就職がなかなかできず、生活に困窮し、多数の人が相談にやってくると聞いています。また、生活保護についても、20代から40代の働き盛りの人の仕事がなく、保護を受給する方が毎年増加する傾向にあります。
 生活援護分野の統計によると、昨年度からことしにかけて、20代から40代の受給者の増加は20%から30%の増となっており、他の年代の増加割合の10%と比べると、2倍から3倍の増加傾向となっています。
 こういった働き盛りの年代の人たちも、生活保護の受給が決定すると生活費の支給が始まり、何かと生活をしていくことができるでしょうが、疑問も残ります。生活保護からの自立という意味では、保護費を出しているだけでは、本人にとっての支援にはつながらないと思います。特に若い世代の受給者については、就職の支援や生活環境を改善する支援も必要であり、若い人だからこそ、なるべく早く生活保護から脱却し、自立した生活を行える支援策が必要と考えます。
 早目の支援は、結果的に、増加する生活保護の扶助費を削減することにもつながると思います。
 このようなことから、若者の生活保護受給について、区はどのような対策を講じているのかお聞きします。
 若者の就職率が過去最悪と言われる背景の中で、職業を選ぶ就職ではなく、会社を選ぶ就社だとも言われています。だとすれば、就職の口だけではなく、会社のあっせんも区として大切な業務になるのではないかと思います。
 職業安定法により、ハローワークでなければ具体的に会社をあっせんすることができないのであれば、区としてハローワークとより強化した連携をとり、生活保護を受給している若者の支援をすることが必要と考えます。区としてはいかがお考えでしょうか。
 新たな人生をスタートするに当たり、若者が真剣に取り組んでいるにもかかわらず、時代の背景から、思いもよらないことが起きています。若者の就職活動が報いられるように、自治体でも応援しなければならないし、これからも若者が希望を持てるように、区としても考慮していかなければならないと思います。
 続いて、生活保護受給者の自殺率についてお聞きします。
 ことしの4月の産経新聞によると、生活保護受給者の自殺率が10万人当たりで64人と、全国平均の倍以上となっていることが厚生労働省の調査で明らかになっています。生活保護受給者の自殺率は、調査した過去3年間で増加し続けており、低迷する経済情勢の中、生活弱者が心身ともに追い詰められています。この厚生労働省の調査では、中野区の生活保護受給者で自殺された方は、平成19年1月から21年の12月31日までの3年間で8人いらっしゃると聞いています。生活保護受給者は社会とつながりも希薄になりがちであるし、頼る人もないケースが多く、自殺の出現率も高くなっていると言われています。
 生活保護受給者の自殺予防としても、精神的なフォローの支援が必要と考えますが、区はこのことについてどのような支援策を講じているのか、お聞かせください。
 また、区は今年度より中部すこやか福祉センターでワンストップの相談窓口を始めていますが、高齢者や障害者などのほかに、低所得者層の生活相談、生活保護に関する相談にもどのような体制となっているのか、お聞きいたします。
 この項の最後になりますが、生活保護受給者が増加し、扶助費が増加していることは多くの方が質問をしているところですが、社会状況を含め、簡単に扶助費を削減できるとは思いませんが、若年層の生活保護受給者が増加している傾向を分析し、先ほども述べたように、今後の支援のあり方などを具体的に検討するべき時期だと思いますが、どのようにお考えなのか、お聞かせください。
 以上でこの項を終わります。
 次に、中野富士見中学校の跡地の利用について質問いたします。
 この質問におきましては、以前にも質問させていただきましたが、中野富士見中学校が閉校してから約1年と8カ月がたち、公共施設の誘致に期待が高まっています。過去に、南中野の公共施設であった青年館がなくなり、南部公会堂がなくなりました。また、南中野には総合体育館などの施設がないため、住民にとって中野富士見中の跡地にこのような公共施設ができないものなのか、期待しているところです。富士見中学校の跡地は、南中野の中心に位置し、中野通りに面し、交通の便や立地条件がよいことから、その期待度は高くなり、「今後どのような計画にしていくのか」など、富士見中学校跡施設の活用について、何点かお尋ねいたします。
 例えば、活用できる施設として、南中野の地域に鷺宮体育館のようないろいろなスポーツに使える総合的な体育館があれば、地域のスポーツ振興にもつながると思いますし、高齢化が進む中で、健康増進を図れることや、地域の子どもたちにスポーツやイベントなどの利用にも、子どもたちの教育に生かせる場所となります。そして万が一の災害のときには、体育館は有効な避難場所の建物ともなります。
 また、中野富士見中学校の跡地にはすこやか福祉センターができると聞いています。旧仲町小学校にそのモデルとなる「すこやか福祉センター」が7月に開設されましたが、中部すこやか福祉センターと中野富士見中学校とでは立地条件が違うため、同じような利用方法、公共施設になるとは思えません。
 富士見中学校跡地は居住者の人口密度も高く、交通の便がいいことから、富士見中学校周辺の特性なども踏まえた上で跡地利用を検討するべきと考えますが、区としていかがお考えでしょうか。
 そして、南中野地域センターが移転される計画の中で、富士見中学校の跡地には、すこやか福祉センター・地域スポーツクラブ・地域事務所のほかにも、プールなどの総合的な公共施設を視野に入れた計画はできないものなのか。南中野の住民にとっては貴重な場所と言える中野富士見中学校の跡地整備について、区としてどのような総合的な施設の構想を持っているのか、お聞かせください。
 それから、現在使われている南中野地域センターは、南部の行政機関の施設として有効に利用されています。利用期間の契約期限が切れたため、区では地域センターの契約期限を延長して、さらに地域センターの利用を継続しています。
 そこでお聞きしますが、現在利用している地域センターの家賃は幾らなのか、年間の支払いは幾らなのかお尋ねいたします。聞いたところでは、月々の家賃が高額なので、区の施設として長期にわたり使用し、高額な家賃を支払い続けることは、一時的に使用する施設と違って、積み重ねられた家賃が財政の負担となり、見直しの声が上がっています。このことを考えて区はどのようにお考えなのか、お聞かせください。
 現在の南中野地域センターを区の施設から撤退するときは、室内をスケルトンにして返却すると聞いています。建物を返却する場合に、その建物の用途が特殊なつくりになっているために、貸し主はその後の借り主を探すのも難しくなるかもしれません。しかし、逆に特殊なつくりだからこそ、特殊の分野での借り主が利用できるかと思います。例えば、一つの考え方として提案させていただきますと、専門学校の校舎にするとか、貸し事務所、イベントホール、または待機児童の解消のため、不足している認証保育所などの利用に委託業者をあっせんできないかと考えます。
 このような方法で施設の利用を考えて、その施設が核になり、南中野の商店街の活性化と待機児童の解消にも役立てればと考えます。現在の南中野地域センターの返却後の施設について、南中野の活性化や待機児童の解消なども視野に入れながら、その活用方法を区としても検討するべきと考えますが、いかがでしょうか。
 このことを考慮した上で、現在の南中野地域センターと旧中野富士見中学校の跡地利用を総合的に検討するべきと考えますが、区としてはいかがお考えでしょうか。
 設計企画の早い段階で近隣住民と話し合えることが、近隣住民の意識が高まり、自分たちのまちは自分たちの手でまちづくりに取り組む、安心して暮らせる地域社会ができ上がってくると思います。これからの計画を、南中野のへそとして有効利用できる施設を誘致してくれますようお願いと期待をいたしまして、私のすべての質問を終わらせていただきます。
 どうも御清聴ありがとうございました。(拍手)
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) ひぐち議員の御質問にお答えをいたします。
 契約に関連しての御質問です。技術職員の技術力を向上していく必要があるのではないかということです。日常的な仕事を通じてベテラン職員の経験や知識を引き継ぐ機会を設けたり、民間経験のある技術職員を活用するなど、技術職員の質の向上に努めているところであります。東京都に職員を派遣したり、あるいは特別区共同の専門研修や民間事業者のセミナーに参加するなど、さまざまな機会をとらえて最新の専門知識を吸収したり、技術力を更新していくといったようなことについて、今後とも引き続き取り組んでまいりたい、こう考えております。
 それから、契約方式についての幾つかの御質問がありました。まずプロポーザル方式、設計業務などについては、プロポーザル方式で契約すべきではないかということであります。設計業務委託契約につきましては、基準に基づいて指名競争入札により契約をしておりますが、大規模なものでありますとか、特殊な案件などについては、やはり一定の技術力を必要とするというところから、プロポーザルの導入なども検討していきたいと考えているところであります。
 それから、工事業者、施工のほうについては総合評価方式の入札制度を用いるべきではないかということであります。これにつきまして、中野区入札・契約制度改革基本方針に基づきまして、工事請負契約については、原則として総合評価方式一般競争入札によって契約をしているところであります。
 また、地域での意見をお聞きしたり計画を説明する際に、プロポーザル方式で選任された業者を交えて進めてはどうかということでありますけれども、設計などでプロポーザルで選任した業者の場合には、当然同席をさせることが有効というふうに考えているところであります。
 それから、旧仲町小学校がプロポーザル方式、区のほうではこれを企画提案型設計・施工一括発注と、こういうふうに言っておりますけれども、これになった経過を聞かせてほしいということであります。旧仲町小学校のすこやか福祉センターへの転換に際しまして、民間事業者の技術、ノウハウを活用するため、総合評価方式の要素を取り入れた企画提案型設計・施工一括発注方式を採用いたしました。このことで、大規模改修工事にかかわります工期の短縮やコストの縮減が図られたと考えております。これにつきましては、先行自治体を視察いたしまして、その取り組み例なども参考にしながら、一定の技術レベル、そしてまた経費の節減といったようなことをあわせて実現するような、そうした契約方式といたしたものであります。
 今まで、この同じような方式は何件ぐらいやったのかという御質問がありました。これまで企画提案型設計・施工一括発注方式による契約というのは、この旧仲町小学校のすこやか福祉センターへの転換のための大規模改修工事1件だけということであります。工事に伴ってさまざまに事前に工事の調整、計画などでさまざまに時間がかかるといったような案件もございます。そういうような場合に、こうした方式をとることによって工期にかかわるさまざまな期間を短縮できたり、あるいは有効な技術力を導入できるといったようなことがある場合などには、今後も検討していく場合があろうかと考えております。
 それから、若者の生活保護受給者への対応策と就労促進についてであります。生活保護を受給する方につきましては、働くことが可能な場合は就労支援を強化し、病気などがある方については病気の治療を優先した対応を行っております。最近の生活保護の増加傾向を見ますと、年代層は必ずしも若者に限るわけではなく、各年代において増加していると考えております。若者だけというふうに着目した特別な支援は行ってはおりません。
 現在、区では若年離職者に配慮して、生活保護に至る前の段階での対応にも力を入れております。離職者の総合相談窓口において、就職相談や住宅手当の支援などを行っております。
 また、生活保護の受給者に具体的に会社を紹介するといったことも必要ではないかといったような御質問もありました。生活保護の若年者につきましては、就労支援の専門相談などを拡充して、ハローワークなどへの同行や面接のスキルアップなど、就労に向けた支援が強化できるよう検討を行っていきたいと考えております。
 それから、自殺に関連して、生活保護受給者の精神面での支援についての御質問がありました。生活保護受給者の精神面の支援として、精神保健福祉支援プログラムを実施しております。このプログラムは、精神的な疾患が疑われる人について、病院やクリニックにつなげたり、服薬指導などを通して、地域で生活するに当たっての不安を取り除く支援を行っているものであります。精神的な疾患を持つ受給者が増加している現状も踏まえ、来年度以降は内容の充実を図るよう検討を行っているところです。
 それから、すこやか福祉センターと生活保護の相談についての御質問もありました。すこやか福祉センターにおける総合相談では、保護受給中の精神障害者等については、生活保護ケースワーカーとも連携をとりながら、自立支援医療給付の手続などの必要な支援を行っているところであります。なお、生活保護の申請など保護の受給にかかわる相談につきましては、制度の説明にとどめ、生活援護分野での専門的な相談につなげるという形で実施をしております。
 それから、生活保護の今後の支援のあり方ということであります。不況によって雇用の機会が減少しているという影響も大きいと思います。また若者に関連いたしまして、最近では仕事に適応できない若者が増加しているといった報道も目にするところでもあります。若年層が生活保護に至った経過などについて、よく分析をして対策について研究をしていきたいと考えております。
 それから、中野富士見中学校の跡地利用についての御質問もありました。旧中野富士見中学校は中野通りに隣接し、方南通りにも近いということで、そうした地域性を踏まえて、跡地利用に当たりましては、すこやか福祉センターや地域スポーツクラブに加えて、地域事務所の併設も計画化をしたところであります。今後この中野富士見中学校跡施設について、すこやか福祉センター、地域スポーツクラブ、地域事務所の整備にかかわる基本計画づくりを行ってまいります。その中で施設内容等についてさらに詰めてまいりたいと思っております。
 それから、南中野地域センターの家賃がどのぐらいなのかということですが、月額593万円でありまして、年額7,472万円と、このようになっております。賃料は2年ごとに見直すことになっておりまして、本年5月の改定で、前年に比べ年額802万円、9.6%の引き下げを行いました。今後も市場の状況に合ったような適正な賃料とするよう交渉を行ってまいりたいと、このように考えております。
 それから、現在の南中野地域センターの返還後の施設についても、さまざまな御提案を含め御質問があったところです。区が積極的に利用方法を考えるという意味での用途でありますけれども、新しい中野をつくる10か年計画の中では、特にこの南中野地域センターについて、区としての用途で借りるという予定はありません。したがいまして、その跡地の活用につきましては所有者の方の検討されるべき問題であると、このように考えております。
     〔ひぐち和正議員登壇〕
○2番(ひぐち和正) 2点だけ再質問させていただきます。
 先ほど、プロポーザル方式で旧仲町小学校のすこやか福祉センター、中野区ではそういう経験がなかったというお話をしていただいて、一つモデルになるところがあると。どこか視察に行ったと聞いているんですが、その場所も聞きたいのと、それから、その場所を見に行って、先ほどから話を聞いていると、工期の短縮だとか、それから技術力の向上だとか、そういういいところばかり話をされました。公平性に欠ける点というのがすごく私も心配なんですが、この辺について、もう一度御答弁をいただきたい。
 二つ目は、中野富士見中学校の跡地利用の問題なんですが、南中野に、先ほども私、話の中で話しましたけれども、あの地域に南部公会堂という集会施設がありました。それから青年館といいまして、大人から子どもまでそういう集まる場所があったんですけれども、財政難のために売却をされたり、それからなくなったりした施設でございます。そういうものが南中野になくなってしまった。そのことをどんなふうに考慮していただけるのか、その辺の御回答ももう一度お願いしたいと思います。
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) まず、企画提案型設計・施工一括発注方式を採用するに当たって、どこを視察したのかという御質問であります。千葉県の市川市を視察してまいりました。視察の結果などもさまざま検討いたしまして、このやり方をとったわけであります。
 メリット・デメリットというようなこともさまざま検討をいたしました。先ほど言いました工期を短縮できるということが大変一つの大きな効果であるというふうに考えたところです。それから工法、どのような形の工法を選んでいくのかといったようなことにおいて、提案型という形で選びますので、透明性、公平性の確保が可能であるというようなことをメリットとしては考えたところであります。
 そのほか、設計工事が同一の業者の契約でありますので、質が確保しやすいというようなこと、それから経費の削減が期待できるといったようなことなどをメリットとして考えていたわけでありますが、デメリットといたしましては、業者選定に時間がかかる、また、プロポーザルにおける評価方法がなかなか難しくなるというようなことも挙げられているところであります。
 それぞれ長所、短所を比較検証しながら選んできたわけでありますけれども、こうした経験を踏まえ、デメリットをできるだけ少なくしながら、メリットを生かせる方法で、今後行うとしたらそういった形でやっていきたいと、こんなふうに考えております。
 それから、南中野地域センターで、南中野のさまざま施設の計画がなくなったり、施設が現になくなったと。どう考慮をしていくのかといったようなことでの御質問がありました。(仮称)南中野区民活動センターについては、かつての南部区民ホールを予定していた土地で建設をすると、このような予定をいたしております。そういう建設の中では、地域の皆様に集まって利用いただけるような多目的のホールといったようなものも盛り込んでいくような考慮をしていくなど、今後、施設建設の中で南中野の施設需要といったようなことについて十分考慮をしてまいりたいと、このように考えております。
 また、(仮称)地域事務所やすこやか福祉センター、それから地域スポーツクラブといった区内で4カ所、現時点では1カ所目、2カ所目ということになるわけですけれども、区内でも大変重要な拠点施設となる施設ができるというようなことでありまして、そういった点についてもぜひ御理解をいただきたいと、こう考えているところであります。
○議長(伊藤正信) 以上でひぐち和正議員の質問は終わります。
 議事の都合により暫時休憩いたします。
      午後2時53分休憩

      午後3時15分開議
○議長(伊藤正信) 会議を再開いたします。
 この際申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。
 一般質問を続行いたします。

 中野区議会議員 佐 藤 ひろこ
 1 幼保一体化と認定こども園について
 2 インクルージョン教育と特別支援教育について
 3 重症心身障害児の地域生活支援について

○議長(伊藤正信) 佐藤ひろこ議員。
     〔佐藤ひろこ議員登壇〕
○40番(佐藤ひろこ) 第4回定例会に当たり、一般質問させていただきます。
 まず、幼保一体化と認定こども園について、お伺いいたします。
 内閣府少子化社会対策会議の「子ども・子育て新システム検討会議」で、「子ども・子育て新システムの基本制度」が検討されています。政府は来年の通常国会に法案を提出する予定です。
 「基本制度案要綱」が6月に出され、子ども・子育てにかかわる財源の一元化や、幼稚園と保育園を「こども園」に一体化する考え方が主な柱として打ち出されました。しかし11月には、現行の幼稚園制度と保育園制度を存続する「認定こども園」と変わらない案も出され、「こども園構想」がトーンダウンしてきています。国の縦割りの組織や制度のはざまにある「認定こども園」は、自治体で実施されたばかりなのに、新システムではしごを外された感があります。まず、「認定こども園」の課題の把握から制度の改善を図るべきではなかったかと思います。
 新システムは、自治体の施策に大きな影響を及ぼすにもかかわらず、自治体の課題の把握や意見の聴取が不十分だと思います。大変不安です。利用者にとっては、園との個別契約になると、障害児や虐待を受けた子どもが排除されないか、また、保育料が一律になると負担が重くならないかなどの不安もあります。
 また新システムでは、子ども・子育て特別会計をつくり、こども園や児童館、妊婦健診、子ども手当も含めたすべての子ども・子育て関連の財源を一本化し、「子ども・子育て包括交付金」として、市町村に一括交付するとのことです。自治体は包括交付金等を歳入とする特別会計をつくって、子ども政策を行うようにとの考え方です。自治体の裁量による子育て施策ができるとのことですが、国が責任を持つべきこともうやむやにし、自治体の持ち出しがふえることにもなりかねない懸念があります。もっと自治体から意見を出していくべきだと思います。
 新システムについて、国から意見を求められたときには、自治体や区民サービスにしわ寄せが来ないように、また自治体の課題から、国の制度の改善について意見を出すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 国の新システムの検討から出てくる問題点は、区の幼保一体化の取り組みにおける課題とも重なります。国に意見を出すためには、みずからの取り組みについての課題を検証し、把握する必要があります。
 区では、幼保一体化についてどのように考え、取り組んでいるのでしょうか。
 子ども家庭部と教育委員会を一緒にする今回の区の組織改正は、幼保一体化にどのような効果があると考えているのでしょうか。
 「認定こども園」も「こども園構想」と同じように、幼保一体化の議論から、「親の就労にかかわらず、すべての子どもに質の高い幼児教育、保育、子育て支援を提供すること」を目的に創設された制度です。中野区でも区立幼稚園を認定こども園に転換するとき、幼児教育はどうなるのか、保育はどうなるのかと厳しい議論がかわされ、ことし4月から、幼保連携型の「やよいこども園」、幼稚園型の「やはたみずのとう幼稚園」がスタートしました。「認定こども園」の取り組みを検証し、よりよい仕組みに改善を図っていきながら、必要な制度構築を提案していくべきだと思います。
 先日、この認定こども園2園を見学し、お話を伺いました。理事長さん、園長さんともに、保護者が働いているかどうかで区別されるのではなく、地域の子どもたちが一緒に質のよい幼児教育と保育を受ける場をつくりたいと、パイオニア精神に燃えていらっしゃいます。しかし、制度が幼稚園と保育園の二つに分かれたままで、幼稚園・保育園を単独で経営するよりも財政も厳しく、このままでは、今後、認定こども園に手を挙げるところがないのではないかと心配されています。認定こども園がよりよい幼児教育と保育の場になるように、区は支援をするべきです。
 そこで伺います。
 認定こども園の成果と課題について、どのように区は評価しているのでしょうか。
 また、認定こども園を今後どう進めていく考えなのでしょうか。
 また、認定こども園について、国や東京都に制度の改善を働きかける必要があると思いますが、区としてはどのように考えているのでしょうか。
 次に、インクルージョン教育と特別支援教育について伺います。
 2006年、国連で障害者権利条約が採択され、教育についても、「あらゆる教育段階におけるインクルーシブな教育制度を確保すること」とされました。日本は条約の署名を行い、現在その批准に向けて、国内関係法の整備を目指しています。条約が求めるインクルージョン教育と日本の特別支援教育との関係が重要な論点の一つになっています。インクルージョン教育は、だれをも排除しない教育という意味です。一人ひとりが違った個性や課題を持っており、すべての子どもを包み込む教育システムの中で、一人ひとりの特別なニーズに応じた教育援助を行うことを目指します。
 インクルージョン教育は、障害のあるなしにかかわらず、すべての子どもたちがさまざまな人とのかかわりの中で、豊かなコミュニケーションの力をはぐくんでいくためにも重要だと思います。中野区の教育ビジョンでは、特別支援教育の推進の項で、「今後、ノーマライゼーションをさらに推進していくために、交流内容の充実を図っていく。」との記載がありますが、インクルージョン教育についてどのようにお考えでしょうか。
 また、桃園小学校の知的障害特別支援学級ひまわり学級では、移動教室に一緒に行ったり、給食で交流の機会を持ったり、通常学級との交流や共同学習の推進を目指しています。行事の交流だけでなく、日常的な交流を進めていきたいとのことですが、なかなか難しいそうです。
 先日、大阪府高槻市の特別支援教育を視察してきました。医療的ケアを受けている子どものサポート教室があり、地域の学校に通っていると聞いたからです。高槻市では、ほぼ全校に特別支援学級が設置されていますが、朝の会や帰りの会、図工や音楽など、通常学級で一緒に学ぶことが多く、共同学習が進んでいます。中野区でも日常的な共同学習をもっと進めるべきだと考えますが、いかがでしょうか。
 交流や共同学習が日常的に進まない原因は何なのでしょうか。どうすればもっと進められるようになるとお考えでしょうか。
 また、特別支援学校との交流はどのように図っているのでしょうか。
 また、特別支援教室を今後、各学校に設置するとのことですが、どのような体制で行い、課題についてはどのように考えているのか、お伺いいたします。
 最後に、重症心身障害児の地域生活支援について伺います。
 中野区医師会からの区への要望の中に、今回初めて「在宅療養中の小児に対する地域生活支援についての要望」が取り上げられました。重症心身障害児、特に医療的ケアを必要とする子どもと親の地域生活を支えるためには、地域医療とのつながりが欠かせません。区としても、医師会のこの要望についての実現を図るよう取り組んでください。
 そこで、医師会の要望とも重なる、2008年第3回定例会での私の「医療的ケアを必要とする人への支援」の質問に対する、その後の区の対応についてお伺いいたします。
 4月から療育センターアポロ園が社会福祉法人全国重症心身障害児(者)を守る会に委託され、看護師が2名配置され、この秋から、要望していた医療的ケアを必要とする幼児の単独通園と、小学生までを受け入れる緊急一時保護が始まりました。単独通園では、初めて子どもを「行ってらっしゃい」と見送ることができたなど、母親たちからうれしい声が聞かれます。法人をはじめ関係者の努力に感謝いたします。23区での実施状況を調査したところ、緊急一時保護で受け入れているのは中野区だけで、先駆的な取り組みです。
 しかし、中・高生の子どもの緊急一時保護の実施はまだです。どのように検討しているのでしょうか。
 また、実態把握については「把握を進める」との答弁でしたが、重症心身障害児の実態把握について、どこの部署でどのように進めているのかお伺いいたします。
 また、「医療的ケアに関する施策や関係機関との連携について検討するために、医療機関や特別支援学級、障害者施設、区の関係分野などによる検討会の設置を」との質問に対しては、「施設関係者や医療機関との意見交換をしていきたい」との答弁でしたが、その後どのように検討されているのでしょうか。検討会の設置についてお伺いいたします。
 また、「看護師、医師などを対象とした研修会」について、「実施について検討する」との答弁でしたが、どのように検討したのでしょうか。
 以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 佐藤議員の御質問にお答えをいたします。
 幼保一体化と認定こども園について、子ども・子育て新システムに対する意見ということであります。国の少子化対策会議で決定したこの制度案要綱につきましては、すべての子どもへ良質な育成環境を保障するため、財源の一元化や幼保の一体化、多様な保育サービスの提供を目指したものと聞いているところです。今後の動向に注目いたしまして、必要があれば適切な対応を行ってまいります。
 幼保一体化に向けた区の取り組みについてであります。区では平成22年度に区立幼稚園2園を私立の認定こども園に転換いたしました。また、保育園、幼稚園が連携して幼児教育の質の向上を進めるために、他に先駆けて平成18年度から保育園事務と幼稚園事務を子ども家庭部で実施する体制をとり、同じ基準で施策を行っております。平成19年度に幼児研究センターを立ち上げ、保育園、幼稚園における共通した課題解決について取り組みを実施しているところでもあります。
 今回の組織改正では、教育委員会とも一体化することによって、保幼小連携や、さらに地域との連携も強固に推進することができ、地域における幼児施策を一体的に進める体制が整うというふうに考えているところであります。
 認定こども園の課題であります。認定こども園は幼稚園機能と保育園機能を一体的に提供する施設で、保護者の多様なニーズに対応でき、選択肢が広がったと考えております。認定こども園は、広く保護者のニーズを受けとめられることから、区としても推進したいと考えているところでもあります。しかしながら、文部科学省所管と厚生労働省所管という制度の壁が非常に煩雑な事務を生んでいるという課題があると考えております。そうした制度の壁を取り除きつつ、事業者が安心して取り組める制度となるよう、国や都に要望していきたいと考えております。
 それから、医療的ケアを必要とする障害のあるお子さんへの緊急一時保護の拡充についてであります。療育センターアポロ園では、医療的ケアのできるスタッフを配置するなど、体制を整備いたしました。しかしながら、中学生以上につきましては、現時点ではまだ人的資源や施設など、体制整備の問題があり、取り組むことができないでおります。今後の課題だと考えております。
 それから、重症心身障害児の把握について、子ども家庭支援センターで各種のサービスの利用状況や、特別支援学校在籍児童の状況調査等を行い、総合的に把握する体制を整備しているところであります。
 それから、医療的ケアの連携の機関ですけれども、関係機関を網羅した検討の場はまだつくることができておりません。引き続き関係者と協議をしてまいります。
 それから、医療関係者の研修会ですが、現在、「国のたん吸引等の実施のための制度に関する検討会」において、研修の実施機関や研修内容が検討されております。今後、その結果や国の動きなどを見据えながら、実施に向けて検討してまいります。
 私からは以上です。
     〔教育長田辺裕子登壇〕
○教育長(田辺裕子) インクルージョン教育の質問についてお答えいたします。
 インクルージョン教育は子どもたちが成長の過程でさまざまな人々と出会い、学ぶことで立場を超えて理解し合い、学び合う機会を持つという点で意義がございます。しかし、その教育的効果の検証や保護者の理解を得ること、必要となる教職員の確保や資質の向上策、支援体制の整備などの課題がございます。区立学校では機会をとらえて給食や音楽など交流や共同学習の場を設けております。区では障害のある子どもの自立や社会参加に向けた主体的な取り組みを支援するという視点に立ち、子ども一人ひとりの教育ニーズを把握し、その子どもの能力や可能性を最大限に伸ばすよう努めているところでございます。
 特別支援学校との交流では、副籍制度により、居住している地域の小・中学校と運動会などの行事や音楽などの授業に参加する直接交流を行うほか、学校だよりなどの交換を行うなど、地域とのつながりが保てるようにしております。
 特別支援教室の体制の課題です。特別支援教室は巡回指導を行う場として考えられています。子どもの状況によっては、教職員が通常の授業に入って指導することも考えられ、具体的な体制については今後検討していく予定です。
○議長(伊藤正信) 以上で佐藤ひろこ議員の質問は終わります。

 中野区議会議員 むとう 有 子
 1 ワンストップ型の総合窓口の整備について
 2 (仮称)区民活動センターへの転換について
 3 高齢者施策について
 4 その他

○議長(伊藤正信) 次に、むとう有子議員。
     〔むとう有子議員登壇〕
○29番(むとう有子) 区民の方からお寄せいただきました御意見をもとに質疑いたします。
 1番目、ワンストップ型の総合窓口の整備について。
 ことしの4月からスタートした第2次10か年計画には、「三つの重点プロジェクト」のうちの一つである「24時間365日どこでも区役所」の中で、「区役所本庁舎への来庁者に対しては、庁内を回ることなく1カ所ですべての用件が完結するワンストップ型の総合窓口を整備していきます」と記載されています。確かにこれが実現すれば、区役所内を慣れない区民が右往左往せずに済み、サービスの向上につながると思います。
 先日、朝日新聞の投稿欄に、死亡者の役所手続の簡素化を求める中野区民の方の御意見が掲載されました。その方は義母が亡くなり、国民健康保険、後期高齢者医療、介護保険と役所のフロアを移動しては、担当部署でそれぞれ同じような形式の書類を記入し、約1時間かかったそうです。死亡後の手続を1カ所の窓口で済ませるようにできないものか。また、さらに後日、過払い保険金の通知書と相続人口座指定書が届き、3種類の似た書類に記入し投函したが、一本化できないものかという内容でした。
 実は、私自身も同じ経験をいたしました。ことしの1月、義母が亡くなり、役所内を1階、2階、6階に移動し、諸手続を済ませましたが、後日、数カ月間に後期高齢者医療関係で4通、介護保険関係で2通、同じような書類に記入し届けました。家族が亡くなり、精神的につらい時期に行わなければならない諸手続は、特に簡素化を図るべきであると考えます。よって、ワンストップ型の総合窓口を整備するのであれば、あわせて諸手続の書類の簡素化、一本化も目指すべきと考えます。
 現在、区役所1階では、住民基本台帳と戸籍以外の国民健康保険、後期高齢者医療、介護保険、税などについてのデータを読み取ることができません。つまり、総合窓口を設置しても、このままではその業務を遂行する環境が整っていません。このままでは、総合窓口の裏で職員が右往左往する間、窓口で区民を長時間待たせることになってしまうのではないでしょうか。
 そこでお尋ねいたします。
 来年4月の開設を目指すワンストップ型総合窓口の整備方針と整備状況、整備に伴う経費についてお答えください。
 また、ホテルなどに配置されているコンシェルジュのような総合世話係の窓口配置などを含め、人的配置についてはどのようなお考えをお持ちなのか、お答えください。
 さらに諸手続の書類の簡素化、特に死亡に伴う手続書類の簡素化についての検討を求めます。お答えください。
 また、死亡届を提出すると、戸籍担当から「死亡届を出された方へ」という諸手続の案内が書かれている紙を渡されますが、いつまでに済ませなければならないのか、期日が記載されていません。それぞれの手続先の担当の電話番号が書かれており、それぞれに問い合わせをするよう戸籍担当に言われました。死亡してからの2週間以内に提出しなければならない書類から、2年以内のものまでさまざまです。
 期日を明記し、わかりやすい案内となるよう検討を求めます。お答えください。
 次に、(仮称)区民活動センターへの転換についてお尋ねいたします。
 8年前、2002年第3回定例会の決算特別委員会で、おやめになられた小沢議員の質疑に対して、田中区長は「地域センター・住区協議会構想は、参加の区政の仕組みとして地域住民に根付いており、今後とも推進をしていくべきものと考えています。また、地域の区長室としての機能についても果たしていきたいと思っています」と、明快に答弁されました。しかし、ほどなくお考えを変えられて、既に住区協議会はなくなり、地域センターも廃止されようとしており、区長の心変わりが残念でなりません。
 昨年7月に策定された「地域センターの(仮称)区民活動センターと(仮称)地域事務所への再編方針」によれば、(仮称)区民活動センターにおける「地域の自治活動や公共・公益活動の推進と、地域団体の連携の促進に関する業務については、運営委員会に委託します」と書かれています。
 そこで、運営委員会の活動は区からの受託業務に限られるのか、あるいは委託料以外からの支出であれば、受託業務以外の活動を行うことが可能なのか。もし可能だとするならば、その際、公共・公益性の担保をどのような基準でだれが判断をするのか、お答えください。
 また、運営委員会に委託する業務の具体的内容はどのようなものなのか、簡潔にお答えください。
 さらに、運営委員会が雇うスタッフ2名と区が配置する2名の職員との連携は、雇用主が違い命令系統も違う中で、どのように行うことができると考えているのか、また、運営委員会が指示命令できないとすれば、運営委員会と区職員との関係はどのようになると考えているのか、お答えください。
 次に、コンビニでの証明書自動交付について、個人情報の保護に不安を抱く区民もいらっしゃいます。中野区個人保護条例第21条では、「区の電子計算組織と区以外の電子計算組織とを通信回線その他の方法により結合してはならない。ただし、区議会の議決を得たときにはこの限りではない」と定められています。コンビニ交付のシステム開発後に議会の議決が求められるのでしょうか。順番が違うように思いますが、条例がどのように踏襲されるのか、お答えください。
 先日報告された「2011年度予算で検討中の主な取り組み(案)について」の中で、環境リサイクルプラザを環境事業者に貸し付ける方針が示されました。しかし、既に環境リサイクルプラザには運営委員会が設置されていますので、事業者と限定せず、(仮称)区民活動センターのような運営形態を検討してはいかがでしょうか、お答えください。
 最後に、高齢者施策の中の緊急通報システムについてお尋ねいたします。
 近年、高齢者の孤独死が社会問題化しております。たった一人でだれにもみとられず死を迎えることを想像すると、いたたまれないむなしさが込み上げてきます。中野区には4月1日現在、65歳以上の方が約6万人いらっしゃり、そのうちの一人世帯数は約2万世帯で、70歳以上は約1万世帯です。そのうちの身寄りのない世帯数については、区は調査をしておらず、把握していません。23区の中で品川区だけが、半径500メートル以内に二親等以内の親族がいないひとり暮らしの高齢者数を把握しています。
 親族に限らず、何かあったときに駆けつける人がいるのかいないのか、区として把握する必要があるのではないでしょうか。毎年、民生委員さんの協力を得て、ひとり暮らし高齢者の調査をしているようですが、調査項目に加えるよう検討を求めます。お答えください。
 ひとり暮らしの高齢者の方で特に身寄りのない方や、駆けつけてくれる人のいない方などは、電話口まで行けずに倒れたらどうしようなどと不安を抱えて生活しています。地域支えあいネットワークでは、緊急時にはなかなか対応できません。そこで急病などの緊急時に、胸にかけたペンダントを押すだけで、区が委託している民間受信センターへ通報され、救急車の出動を要請し、民間事業者が利用者宅に急行する緊急通報システムがあります。しかし対象者の要件が、心臓病など慢性疾患のあるひとり暮らし高齢者と、18歳以上のひとり暮らし重度障害者のみとなっています。
 慢性疾患がなくても、身寄りや駆けつけてくれる人のいないひとり暮らし高齢者なども対象となるよう、対象要件の緩和の検討を求めます。見解をお答えください。
 年をとっても安心して暮らせる中野区になるよう、誠実かつ簡単明瞭なる答弁を求めて、すべての質問を終わります。ありがとうございました。
    〔管理会計室長尾﨑孝登壇〕
○管理会計室長(尾﨑孝) むとう議員の、ワンストップ型の総合窓口の整備についてお答えいたします。
 転出入や結婚、出産等の届出に付随する関連の手続など、複数用件をワンストップで完了することができる総合窓口を本庁舎1階に整備することとしております。既に今年度からフロアマネジャーを含む総合案内業務の委託化とあわせ、1階の区民の声窓口に総合相談窓口を併設し、ワンストップの対応を開始したところでございます。来年度からは総合相談窓口の業務の拡大とあわせ、戸籍住民窓口でも取り扱い業務の拡大を図り、ワンストップ型総合窓口を推進していくこととしているところでございます。
 窓口整備の必要経費につきましては、現在、平成23年度予算編成の中で検討しているところでございます。
 総合窓口の人的配置につきましては、総合窓口担当職員が関連手続の相談・受け付けを行うこととなるため、一定の人的配置は必要と考えております。加えて当面は、用件により担当所管の職員が総合窓口に出向くなどの対応をすることを想定しておりますが、手続の種類や取り扱い件数に応じ、関連手続に精通した職員の育成に努め、配置することも考えていきたいと思っております。
 次に、手続の際の書類の簡素化について、死亡届に関連した御質問がございました。死亡に伴い、国民健康保険、後期高齢者医療制度、介護保険の保険料の過払い分の還付請求など、それぞれの制度ごとに手続をすることになっております。手続書類の統合化のあり方や、申請期限の明記など表記の改善について検討してまいりたいと考えております。
   〔区民生活部長鈴木由美子登壇〕
○区民生活部長(鈴木由美子) 私からは(仮称)区民活動センターの転換についてのお尋ねと、環境リサイクルプラザの運営についてお答えいたします。
 まず、(仮称)区民活動センターの運営委員会の活動内容と区との関係でございますけれども、運営委員会は自主自立の団体でありまして、区からの受託業務以外にも、地域におけるさまざまな活動を行うことができるというふうに考えてございます。委託以外の活動については、公益活動に限定されるものではないので、特段の判断をする必要はないというふうに考えております。
 また、区が運営委員会に委託を予定している業務の内容は、地域の課題についての地域での情報共有の機会や場の提供、地域住民への啓発、また地区町会連合会や地域防災会、青少年育成地区委員会といった地域のさまざまな地域団体がより発展的な活動を行えるよう、支援や団体間の調整を行うことでございます。
 運営委員会が雇う事務局スタッフと区のパイプ役との関係で指示命令系統はございません。パイプ役職員は地域と区が円滑に情報共有できるよう、あくまでもパイプ役としての役割を果たしていきたいというふうに考えてございます。
 また、コンビニエンスストアでの自動交付についてでございますけれども、このコンビニエンスストアでの自動交付システムが個人情報保護に十分配慮したものであることについて、今後、区報やホームページによる周知に加え、さまざまな場面で直接区民の方へ周知をしていきたいと思ってございます。また、個人情報保護に関する必要な手続につきましては、しかるべき時期に御提案させていただきたいというふうに考えてございます。
 環境リサイクルプラザの運営でございますが、御提案は環境リサイクルプラザ、消費者センター運営会議、こうした担い手を活用したらどうかということでございますが、この運営会議は施設の利用団体が施設の使用や運営について協議をする場でございます。10か年計画や目標体系見直しの方針案でお示しした、環境関連企業等の民間活力の活用を通じて環境リサイクルプラザの機能転換を図るとした、こうした趣旨の実現の担い手には全くならないのかなというふうに考えているところでございます。
 以上です。
    〔保健福祉部長田中政之登壇〕
○保健福祉部長(田中政之) 私からは、高齢者施策に関する2点の御質問にお答えをいたします。
 まず、身寄りのないひとり暮らし高齢者の把握についてお答えをいたします。身寄りがないという状況につきましては、現在のひとり暮らし高齢者確認調査で十分に把握できていると考えているところでございます。
 次に、緊急通報システムの要件緩和についてお答えをいたします。
 現在、24時間365日の見守り活動を充実していくため、緊急通報システムを含むさまざまな方策のあり方について検討しているところでございます。
 以上でございます。
○議長(伊藤正信) 以上でむとう有子議員の質問は終わります。

 中野区議会議員 近 藤 さえ子
 1 地域で高齢者を支える仕組みについて
 2 区民の安全・安心を守る取り組みについて
 3 その他

○議長(伊藤正信) 次に、近藤さえ子議員。
     〔近藤さえ子議員登壇〕
○18番(近藤さえ子) 無所属の近藤さえ子です。どうぞよろしくお願いいたします。
 私は毎回、区民の生活や命に向き合う質問をしてきました。今回は、1、地域で高齢者を支える仕組みについて、2、区民の安全・安心を守る取り組みについてを質問いたします。
 1、地域で高齢者を支える仕組みについて。
 11月22日発表された厚生労働省の調査により、高齢者への虐待件数は2009年度1万5,691件と前年度比5%増で、3年連続増加していることがわかりました。家庭内での虐待が圧倒的に多く、被害者と虐待者が同居しているケースが86%、世帯構成は「未婚の子と同居」が最多、加害者は息子が41%を占めています。被害者の77%が女性、80歳から84歳が最多で、被害者の少なくとも46%に認知症が認められたそうです。
 家庭内虐待は表に出ないことも多く、これは実態より少ない数字であるように思われます。また、虐待ではなくても、家族が介護を抱え込み、自分自身を追い込んでしまった結果、介護疲れから自殺してしまう、厳しい体調不良やうつ病にかかることもあります。
 高齢者介護が長期化する中、自宅で高齢者を介護している家族の方は、少なからずストレスを抱えています。特に、認知症の御家族を抱えての生活は大変厳しい状況です。介護保険だけでは手の届かない部分も多く、また、うまく介護保険システムを使えずに苦労されている御家庭も多くいます。家族以外に介護を支援するシステムが必要であり、介護する家族側にも時には支えが必要となります。
 中野区では高齢者の地域支えあいネットワークを構築しようとしていますが、「元気でねっと」の設立時から、支える側のネットワークの構成員をふやすことが難しく、長年にわたり大きな課題となっています。区が条例化して個人情報の名簿を町会・自治会に交付することなども考慮中ですが、町会・自治会だけを頼りにすることは無理があります。
 町会や自治会が地域コミュニティの大事な核であることは間違いはなく、その熱心な活動にいつも感謝していますが、町会全体の高齢化を考えても、もっと幅広い人々のネットワークを構築していくことが必要です。町会の方からは、「高齢者の支え合いを町会で。私たちが支えてほしいぐらいです」という悲鳴にも近い声が聞こえてきます。
 認知症の高齢者と介護者を支え、虐待などの悲しい状況をつくらないために、区民に認知症への理解を深め、高齢者の見守り活動を広げていくことが重要と考えますが、区の認知症対策の推進はどのような取り組みになるのでしょうか。
 また、高齢者の生活支援について商店街などの活用も必要だと考えます。高齢者、高齢者を抱える家族が地元の商店に足を運べなくなったとき、商店街はどのようになっていくのでしょうか。大変危惧するところです。
 私は昨年の第4回定例会で、武蔵村山市の商店街と高齢者を自転車タクシーで結ぶ取り組みを紹介しました。また、ことしの第1回定例会でも高齢者の見守り事業について質問をしました。それらの声が響いたのか、地元の商店街では、個人の商店が宅配サービスを行うようになってきました。区がなかなか動き出さないので、必要に迫られた商店から自発的に始まったサービスと見てよいでしょう。他の区では、区が率先して高齢者に優しい商店街づくりへの取り組みが大きく進んできています。区の商店街では、高齢者親切相談員の取り組みを平成18年から始めていると聞きますが、今後さらに高齢者に目を向けた取り組みを進めていくべきと思います。
 宅配サービス、ゆっくりレジ、親切相談員、高齢者親切商店シール等、取り組みはそれぞれの商店街の創意工夫によりますが、区が率先して進められれば効率的に稼働すると考えられます。
 認知症の高齢者と1対1で向き合う家族も、「まちを挙げて自分たちを応援してくれている」動きに救われることもあるでしょう。また、宅配システムが進めば、介護保険のヘルパーさんが買い物に出てしまう時間を減らし、他の家事援助で高齢者とともにいる時間に充てられ、小さな積み重ねでも介護保険料の削減にも結びつきます。
 中野区では商店街の活性化として、里・まち連携、中野逸品グランプリなどイベント性の事業を展開していますが、商店街の活性化につながっていないとの声も聞きます。イベント等にかける予算を少し削り、高齢者に優しい買い物環境づくりを商店街が進めていけるように、区として働きかけを行い、支援していくべきと考えますが、御見解をお聞かせください。
 2、区民の安全・安心を守る取り組みについて。
 平成22年版犯罪白書によれば、殺人、傷害致死など重大事件で服役した人のうち、出所後10年以内に31%が再犯に及んでいたことが判明しています。特に強姦と強盗は再犯率が4割に近くに達しています。白書では「出所後の生活基盤が確保されるようにすることが重要」としています。
 私は犯罪被害者の遺族となり初めて刑務所の中のこと、少年院のこと、保護観察制度などを知りました。そして、この国には、加害者を更生させるためとした制度は用意されていますが、犯罪者が起こしてしまった犯罪そのものと向き合う機会は皆無に近い状態であることを知り、愕然としました。
 刑務所を仮釈放になった人や少年院を仮退院した人間は、国家公務員である保護観察所の保護観察官や全国に5万人いる地域のボランティアの保護司の指導のもと、社会での立ち直りを目指します。無職者の再犯率は34.2%なのに対して、有職者の再犯率は7.4%であり、前歴にかかわらず積極的に雇用する協力雇用主など、多くの人々の協力で働くことができる仕組みがつくられています。しかし、仮釈放等が認められなかった満期出所の人は、だれからも観察を受けることもなく、仕事も金もないまま社会の中に戻ってくる仕組みです。つまり、どんな凶悪事件を起こした者も、刑期を全うすれば一般の人と全く同じに社会の中で生活していくことになります。
 近年になってやっと国や司法が被害者の視点を取り入れるようになってきましたが、まだまだ人間としての心を取り戻さないまま刑務所から出てきてしまう受刑者も多くいて、ここに再犯率31%という悲しい結果が出てきているのだと思います。
 11月23日、中野区役所の犯罪被害者週間行事で、「被害後の安心安全な暮らしのために」というテーマで被害者の方が御自分の被害について講演をされました。彼女Aさんは、記憶がなくなってしまうほどの暴力事件に遭った後も、加害者と近い地域で恐怖の中で暮らしています。被害者と加害者が事件後も同じ地域に住まざるを得ない状況は決して珍しいことではありません。しかし、警察は事件を解決するのが仕事であり、「事件」が発生しない限りほとんど動きません。Aさんが「加害者からメールが来て、不安で仕方がない」と警察に告げたときも、「御自分でガードマン等を雇ってください」と言われたそうです。
 Aさんは中野区の方ではありませんが、中野区にお住まいで犯罪被害に苦しむ方、刑事事件でなくても御近所間のトラブルや、嫌がらせともとれる被害に悩まされる方など、不安を抱えて生活されている方の話をいろいろなところで聞きます。個々の事案に対しては、周囲の人たちや警察がかかわることはできず、大きなトラブルに発展しないことをひたすら願うしかない状況です。
 中野区には危機管理の部門があり、警察庁のOBが9人、出向職員1人と頼もしい方が10人も勤務されています。区には今や立派な犯罪被害者の支援窓口もあり、被害に遭って区に助けを求めている人も把握できています。もし加害者と被害者が近くに住まざるを得ない場合、青色灯防犯パトカーが地域を回るだけでも、被害者はわずかな安心が得られると思います。犯罪被害におびえる区民の方や、犯罪やトラブルが発生している地域の方のために、青色灯防犯パトロールカーがもっと具体的に安全・安心のために有効活用できるとありがたいと思う区民は大勢いますが、いかがでしょうか。
 強姦、強盗の再犯率4割という状況や、区内でもさまざまな犯罪が発生している状況の中、区として、区民の安全な生活を守るためにどのような取り組みをしているのでしょうか。
 区民の不安が少しでも和らぐ危機管理対策がとられ、中野区が安心で安全な住みやすい区になることを切望して、私の質問は終わります。ありがとうございます。
    〔保健福祉部長田中政之登壇〕
○保健福祉部長(田中政之) 私からは、地域で高齢者を支える仕組みづくりに関する御質問のうち、区の認知症対策についてお答えをいたします。
 地域で暮らす人々が相互に支え合うことにより、認知症の高齢者であっても住みなれた地域で安心して暮らしていくことのできる地域社会を構築することが重要であると考えてございます。今後、高齢化の進展とともに、さらに認知症高齢者の増加が見込まれることから、区といたしましては、地域支えあいネットワークを活用するとともに、認知症サポーター養成講座などを活用し、広く区民一般に認知症の知識を身につけていただきたいと考えているところでございます。
 以上でございます。
   〔区民生活部長鈴木由美子登壇〕
○区民生活部長(鈴木由美子) 私からは、高齢者に優しい買い物環境づくりへの支援というお尋ねにお答えいたします。
 中野区の商店街連合会では、平成18年度から高齢者親切相談員の取り組みを始めています。そのほかにも高齢者などの休憩場所となるようなコミュニティスペースを商店街の中に確保するなど、そのような取り組みも行われてきているところというふうに認識してございます。消費者としての高齢者のニーズに、それぞれの個店がどのようにサービスを拡充できるのか、どのようなあり方がふさわしいのか、そうした視点で、区としても引き続き商店街連合会を通じて投げかけ、取り組みの促進を支援してまいりたいというふうに考えてございます。
 以上です。
     〔経営室長川崎亨登壇〕
○経営室長(川崎亨) 区民の安全・安心を守る取り組みについて、お答えをいたします。
 初めに、防犯パトロールカーの活用についてでございますが、防犯パトロールカーは平日と土曜日の日中、区内を南北に分け、2台体制で運行しております。パトロールに当たりましては、庁内各部からの防犯に関する情報のほかに、毎朝、中野と野方の両警察署に立ち寄り、ひったくりや不審者等の発生状況を確認しているところでございます。
 こうした情報を踏まえて、学校や児童館、区関係施設の周辺や危険箇所、犯罪の発生箇所等を中心に巡回し、地域における犯罪の抑止に取り組んでいるところでございます。こうした取り組みにつきましては、今後とも力を入れていきたいと考えておりますが、御提案のような特定の個人を対象とした取り組みは難しいものと考えております。
 次に、安全で安心な生活を守るための区の取り組みでございますが、区民の安全で安心な暮らしを守るため、防犯パトロールカーによる巡回のほか、警察や地域の防犯活動団体と連携し、さまざまな対策に取り組んでおるところでございます。具体的に申し上げますと、区民の皆様による自主的な防犯パトロール活動の支援、町会や商店会等の地域団体による防犯カメラ設置への助成、ひったくりや振り込め詐欺を防止するための防犯キャンペーンなども行っております。今後も引き続き防犯に関する区民の皆様の自主的な取り組みを支援しつつ、地域における犯罪の防止に努めることで、区民の皆様の安全で安心な暮らしを守れるよう取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(伊藤正信) 以上で近藤さえ子議員の質問は終わります。

 中野区議会議員 つぼい え み
 1 校務支援システムについて
 2 ホームページの内容の拡充について
 3 その他

○議長(伊藤正信) 次に、つぼいえみ議員。
     〔つぼいえみ議員登壇〕
○5番(つぼいえみ) 平成22年第4回定例会において一般質問をさせていただきますつぼいえみです。どうぞよろしくお願いいたします。
 一つ目の項目の校務支援システムについて質問させていただきます。
 まず初めに校務支援システムとは、校務全般を支援するシステムのことをいい、導入することによって学校の基本情報、つまり教務・学務・保健・情報管理・学習など学校業務全般をシステム化することをいいます。
 社会の情報化が急速に進展する中で、わかりやすい授業の実現、教職員の校務負担の軽減、児童・生徒の情報活用能力の向上などを図り、子どもたちに質の高い教育を提供するために、教育において情報通信技術を活用することは重要です。文部科学省の調査によれば、「教科書の内容に即した教材コンテンツ」、「無料または安価な教育用ソフトウエア」、「教員や児童・生徒が操作しやすい教育用ソフトウエア」をふやしてほしいと考える学校が8から9割に達しており、使いやすいデジタル教材などの提供・活用の促進が求められています。
 将来の情報社会を担う子どもたちのために、これから学校に求められる教育の情報化に向けた最も重要なことだと考えた主な四つの重要点を言います。
 一つ目、子どもたちの情報活用能力を育成する情報教育は、子どもたちが「生きる力」を身につける上で重要。
 二つ目、わかりやすい授業の実現と、子どもたちの興味・関心を高めるために教員のICT活用指導力の向上。
 三つ目、障害のある児童・生徒については、情報活用能力を育成するとともに、障害を補完し、学習を支援する補助手段として、情報通信技術などの活用を進めることが重要。
 四つ目、校務の情報化は、情報共有・発信による保護者や地域との連携にも役立つものと考えられます。
 二つ目のICT活用指導力のICTとは、Information and Communication Technologyの略で、情報や通信に関連する技術一般の総称のことをいい、一般的には「情報通信技術」と訳されていますが、文部科学省や教育の分野では「情報コミュニケーション技術」と訳されています。平成17年度から2年間にわたり、このICTについて文部科学省が実施した「ICTを活用した指導の効果に関する調査研究」では、情報通信技術を活用することにより、授業に対する子どもたちの興味・関心、満足度が高まることや学力の向上につながることに加えて、教員の指導面でも、授業の質の向上などに効果があることが示されています。
 中野区においても、小学校26校と中学校12校があります。情報化が進む社会の中で、児童・生徒の情報活用能力の育成が重要な課題となっています。各学校には大型テレビが設置され、それに伴うカメラや電子黒板などのデジタル機器が導入されました。また、教員一人ひとりにパソコンが配付されており、中野区においてICT教育の環境が整ってきたと言えます。
 ここでお伺いします。
 授業におけるICT機器の活用状況はいかがでしょうか。また、中野区の教員のICT活用レベルはどの程度でしょうか。
 わかりやすい授業、楽しい授業を展開するには、その事前の準備が重要です。しかし、教員は多くの仕事を抱えながら、時間に追われていると聞いています。多忙の中では、よい授業は行えません。授業の充実のためには、教員の負担を減らし、校務の効率化が重要であると考えます。また、よい授業の実践事例を他の教員、他の学校に広め、中野区全体のICT教育の質の向上も必要であると考えます。校務の効率化や学校情報の共有化のために、校務支援システムを導入している自治体も出てきており、新聞報道でも注目されています。
 そこでお伺いします。
 現在、中野区では校務支援システムの導入についてどのようにお考えでしょうか。また、今後導入する予定はありますでしょうか。
 校務支援システムについては、ぜひ今後検討していただきたいと考えております。このようなシステムなどが導入されると同時に、重要なことは、先ほど触れたように授業の充実です。一人ひとりの学力を保障するためには、教員1人だけでなく、複数で指導することが有効であると考えます。
 本区では、学力向上アシスタントが導入されたのは平成18年からで5年目になります。現在、中野区の学力向上アシスタントの概要として、勤務時間・日数等は小・中学校で1日6時間から7時間45分、週1日から5日間で教員免許取得者及び取得予定者を条件とした35名の方がきめ細かい指導を行っていると伺っております。教員の方をはじめ学生からも高い評価と評判で、成果を上げているお声も伺っております。もっと指導員をふやしてほしいとも聞いております。新学習指導要領に移行し、学習内容がふえれば、学力差がますます生じ、個人に応じた指導が重要となってきます。
 学校教育分野における外部評価の結果と区の対応について、学力向上アシスタントを全校に配置したことは、学力向上の面だけでなく、より子どもたちに目の行き届くことにもつながり、円滑な学級経営となっていくことも評価したいという報告もあり、さらなる成果評価につなげるためにも学力向上アシスタントを増員し、対応すべきだと考えます。
 この項の最後にお伺いします。
 学力向上のために、学力向上アシスタントの増員が必要であると考えますが、教育委員会の今後の計画をお伺いします。
 今後とも、一人ひとりの児童・生徒の学力向上のために、教員の支援、授業の支援を引き続きお願いいたします。
 次に、ホームページの内容の拡充について質問させていただきます。
 中野区のホームページも日を増すごとに見やすく、よりわかりやすくなり感謝しております。しかしながら、まだまだ改善していただきたい点が多々あります。今回は、主にキッズページについて質問させていただきたいと思います。
 キッズページとは、その名のとおり自然や文化、暮らしの様子、区政の情報などを子ども向けに紹介するページです。現在このキッズページは、参議院・衆議院をはじめ各省、首相官邸や多くの自治体がこのキッズページを作成しています。例えば外務省サイトでは、世界いろいろ雑学ランキングといったサミット博士のクイズに参加して認定証をもらうといったものや、世界の学校が見ることができます。造幣局サイトでは、日本の貨幣の由来であったり、防衛省・自衛隊のサイトでは用語の説明であったり、こども自衛隊ニュースといった霞が関見学ツアーのできる情報を知ることができます。
 また、各自治体のサイトで工夫されていておもしろいと感じたのは、香川県で学習帳のデザインをメーンに各項目のページをめくると、「入るお金と使うお金」といった県の予算を図解で説明されていて、工夫されていました。また、その他のホームページ評価会社のホームページ充実度ランキングで、1,778区市町村中2位の三鷹市の「みたかキッズ」では、地元のクラブ「FC東京」のイベント記事などを見ることができ親しみを持つことができ、教育委員会経由で寄せられた子どもたちの活躍が写真とともにアップされています。また、平成19年に全国広報コンクール総理大臣賞を受賞されている西東京市の「にしとうきょうキッズ!」でも、イベント情報盛りだくさんで、常に子どもの目を引くように工夫されています。
 とてもわかりやすいサイトもあれば、漢字に振り仮名を記しているだけで、キッズページになっていないように感じた自治体のキッズページもありました。しかし、本当にわかりやすいものでキャラクターや動画・クイズといったさまざまな工夫をしているだけあって、私も質問原稿をつくっているのか勉強しているのかわからなくなるぐらいおもしろく学ぶことができ、すばらしいと感じました。
 そこで、中野区のキッズページについて調べてみました。現在、中野区のキッズページと検索すると、ごみ減量分野のページしか表示されません。
 ここでお伺いします。
 中野区ではキッズページを作成する考えはありますでしょうか。また、すぐに作成が困難である場合は、キッズページというボタンを作成し、キッズページ各省庁のページ等が見ることができるよう工夫をすることから始めてみることはどうでしょうか。
 実際には各学校の授業に使われている自治体もあれば、一般の会社のホームページでもわかりやすい表現を心がけてホームページを作成されているようです。例えば「中野区逸品グランプリ」や、ごみレンジャーといったキャラクターや、うさごはんなど、さまざまな形で工夫されたサイトづくりが考えられると思います。
 また、以前に何度か質問をさせていただいておりますが、子育て支援のサイトに関しても多くの自治体が工夫を重ね、改良されてつくられております。単に子育て世代の大人向け情報提供という考えを超えて、大人も子どももわかるホームページの作成という視点で取り組むことが大切ではないかと思います。
 ここで最後の質問です。
 文章だけの表現でなく、地図や図表やキャラクターを盛り込み、わかりやすい・見やすいといったホームページにさらになるように工夫していただきたいと考えますが、どのようにお考えでしょうか。
 以上で私のすべての質問を終わらせていただきます。御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
      〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) つぼい議員の御質問にお答えいたします。
 キッズページに関連いたしまして、中野区ではまだ子ども専用のページをつくるということまでは考えておりませんけれども、ホームページ全体の中で子ども向けの情報発信などもあるわけでして、児童館や図書館などの子ども向け事業の情報をホームページで積極的に取り上げていったり、あるいは子どもたちが興味を持って必要な情報にアクセスできるように、まず工夫をしていきたいと考えております。
 国などのキッズページへのリンク集については、他の自治体を参考に検討いたします。
 画面展開の円滑さを保ちながら、画像データなども利用して、アクセシビリティやユニバーサルデザインなどにも配慮して、わかりやすく見やすいホームページを作成していくよう努めてまいります。
     〔教育長田辺裕子登壇〕
○教育長(田辺裕子) 校務支援システムほかの御質問にお答えをいたします。
 まず、ICT機器の活用状況でございますが、学校の授業では関連した資料や映像を大型テレビに映し出したり、書画カメラに大型テレビを接続し、児童・生徒のノートや作品を拡大したりしています。また、児童の理解や思考を深めるために電子黒板を活用してございます。各校訪問いたしますと、どこかの教室でICT機器を活用した授業が行われるなど、ICT機器を活用した授業がふえてきております。
 教員のICT活用能力につきましては、研修会を実施し、向上に努めてございます。アンケート調査によりますと、ICT機器を使い授業に必要な資料提示やプレゼンテーションソフトを活用できる教員は75%以上、児童の思考や理解を深めるために活用できる教員は55%以上という回答を得ており、おおむね全国平均を上回ってございます。
 次に、校務支援システムの導入でございますが、校務支援システムは、校務の効率化に寄与するものというふうに考えてございますが、使い勝手や価格の点で課題が多いというふうに聞いています。今後、商品開発が進み、それらの点で改善が見られることが予想されますので、十分研究をしてまいりたいというふうに考えています。
 最後に、学力向上アシスタントの今後の計画ということでした。学力向上アシスタントの配置は、少人数指導やティーム・ティーチングなど、個に応じた指導を進めるのに大変に有効であるというふうに考えてございます。新学習指導要領の内容の確かな定着と思考力や表現力の育成を図るために、今後も計画的な配置に向けて検討してまいります。
○議長(伊藤正信) 以上でつぼいえみ議員の質問は終わります。

 中野区議会議員 いながき じゅん子
 1 中央電算システムの再構築について
  (1)オープン化に伴い発生した障害について
  (2)今後の対応について
  (3)その他
 2 未収金対策について
 3 その他

○議長(伊藤正信) 次に、いながきじゅん子議員。
    〔いながきじゅん子議員登壇〕
○6番(いながきじゅん子) 無所属のいながきじゅん子でございます。
 国内外の経済状況になかなか明るい兆しが見えない中、区の財政状況も変わらず厳しい状況が続くことが確実なようです。財源がますます限られていく中、歳出の中身を徹底的に見直すことは必須ですが、中・長期的に見て必要な投資については、たとえ区民には見えづらいものであったとしても、勇気を持って断行すべきだと考えます。例えば情報システムへの投資はその典型ではないでしょうか。現金を配るとか、何か建物を建てるとかといったわかりやすい施策ではありませんが、今後の職員2,000人体制に向けて、一層の業務の効率化、迅速化が求められる中、それを支援する安定したシステムの開発や導入は欠かせません。費用対効果を考慮した上で、できるだけコスト削減していくというのは当然のことですが、その結果、安かろう、悪かろうで大きな問題が起きるようではもちろん意味がありません。
 さて、ことし9月、年間5億円の運用費のコストカットを主な目的として準備が進められてきた中央電算システムのオープン化が実現いたしましたが、さまざまな障害が何度も発生し、新聞ざたにもなってしまいました。一連の経緯を見てみますと、これは単にシステム自体の問題にとどまらず、区の危機管理意識の甘さが引き起こした人災とも言える部分も大きかったように思えます。
 まず、今回の障害事故ですが、9月21日の稼働日初日から今日まで、およそ2カ月ちょっとの間に全端末が停止したのが少なくとも10回、一部端末の停止を入れますと、さらに多くの頻度で来庁者や電話をかけてきた方々に御迷惑をおかけし、その対応や後処理に現場も苦労しました。また、住基ネットを通じて住民情報を誤送信してしまう事故も発生しました。システムへの負荷を恐れて昼間に業務処理できなかった分を夜間まで待って処理するなど、職員の多大な超過勤務も発生しています。
 職員の手によって数多くの修正が加えられ複雑化した中央電算システム自体、他の自治体には見られない独自のものです。住民情報系システムを全面的にリホストした自治体自体も圧倒的に少ない中、そのような複雑な中央電算システムを再構築するという今回の事業に当たっては、区自身がその計画や過程において、もっと慎重に事前調査などのリスク管理をすれば、今回の事故は防げたのではないでしょうか。
区はシステム会社のほかにコンサルティング会社にも、およそ3,500万円も払って今回のプロジェクトの進行と品質管理、そしてリスク管理をお願いしていたにもかかわらず、このような結果となってしまいました。本当にこの金額に見合った成果を得られたのでしょうか。そもそも今回、2度も納期の延長があった時点で、区はこのシステム自体の品質や提案内容について疑問を感じなかったのでしょうか。
 事前テストの際も、サーバー上でシミュレーションするだけではなく、全フロアテストを行うなど、もっと時間をかけ慎重に行うべきではなかったのでしょうか。9月21日の稼働日直前のテストもたった1日、実質2時間のみのテストしか行われなかったと聞いています。そのときのテスト結果はどうだったのでしょうか。本当に問題はなかったのでしょうか。システム稼働日後の障害状況を見ますと、正直、本当に正常稼働し、これなら大丈夫という安定した状態で稼働スタートさせたとは思えません。もともと契約ではことし1月から本格稼働させる予定でした。それが品質不十分ということで、9月まで納期と契約期間を2度も延長させたことで、これ以上引き延ばせないと問題を抱えたまま見切り発車させてしまったのではないですか。そもそも納品されたものは本当に仕様書上の要求に十分見合った完成品だったのでしょうか。今回は区独自のシステムをそのままオープン化するという、他の自治体では前例がない取り組みでもあり、もっと慎重を期すべきだったと思えてなりません。
 どんなに区民に迷惑をかける可能性があったとしても、結果的に余分な金銭的・人的コストが発生する可能性があったとしても、実際に問題が起こらなければ腰を上げない、上げる必要がないという役所の意識や発想が今回の事故を引き起こしてしまったと言えるのではないでしょうか。民間企業はみずからの資産や顧客、信用や企業ブランドを守るために必死です。そのために最悪のことを考え、常にリスクヘッジをしています。万が一事故や事件が起こった場合の対応も迅速です。例えば鉄道会社や金融機関の窓口で今回の中野区と同じように何度も端末がストップして、お客さんをそのたびに待たせるなんて事故は聞いたことがありません。それと比較いたしますと、同じ状況を何度も引き起こして、都度、区民に多大なる迷惑をかけた区のリスク管理には相当問題があると言わざるを得ません。ふだんからどの分野においても、リスクに対する予防策と万が一事件事故が起きてしまった場合の対応策、そして再発防止策を常に意識しながら業務に当たるべきだと思いますが、今回の事件を見る限り、中野区ではそのようなリスクマネジメントが適切になされていたとは思えません。区のリスクマネジメント機能の欠落が今回のシステム障害の一番大きな原因だと思いますが、それについて御答弁をお願いいたします。
 また、稼働初日から2カ月たっても全端末を停止せざるを得なくなっているこのシステム自体、これから本当に安心して使い続けられるものなのでしょうか。システム移行後、端末の反応速度がかなり落ち、業務効率も低下しているということを聞いております。今後、数年以内に行わなければならない在留外国人の住民基本台帳制度移行や後期高齢者医療制度の大幅改正に伴うシステム改修、ソフトのバージョンアップなどがこのシステムでスムーズに行えるのか、今の情報分野の職員体制で今後の運用管理を賄いきれるのか、地域情報プラットフォームへの移行も問題なくできるのか、先が見えません。このシステムをいつまで使い続けるのか、将来どのような姿にすることを考えているのか、明確な御答弁をお願いいたします。
 また、今回の障害が原因で、さきに述べた職員の超過勤務手当の発生、本来なら、ことし4月から利用開始できるはずだった税務分野の滞納整理支援システムの稼働延期、ホスト周辺機器の余分なレンタル費用の発生など、区は決して少なくない経済的損失を被っています。障害発生状況を正確に見える化し、直接被害を受けた区民自身の時間的経済的損失も含め、今回の数々の障害による影響をきちんと金額に換算して受託業者に提示して賠償金を請求すべきです。今回の受託業者には11月末の契約終了後も随意契約で運用支援や開発業務を委託し、継続的に契約料を払っていくことになるようですが、受託企業が今回の損失を回収すべく、区に不当に高額な契約料を請求することがないように注意していただきたいと思います。今後の区の方針をお示しください。
 次に、システムの件と関連して、区の未収金対策について伺います。
 これまでの議会でも再三指摘されているところですが、やはり税や国保、その他貸付金などを含めた未収金の累積額が、昨年度末でおよそ74億円にも上っていることは見過ごせません。また、毎年およそ14億円もの金額が時効などで回収不能として債権放棄されていることにも驚かされます。これだけの区に支払われるべき、また区が使えるはずのお金が入ってこないというのは、財政難の中野区において決して小さな数字ではありませんし、税負担の公平性の点からいっても大きな問題です。区は税や国保などの公債権と区営住宅家賃などの私債権を合わせた債権全体について、債権管理対策会議を開き対応しているとのことですが、いまだ手作業で多くの事務処理を行っている現状、データベースではなく紙ベースでの情報管理が基本で、引き継ぎにも時間がかかっている現状を早急に改善するべきではないでしょうか。そのためには、やはり使いやすい滞納整理支援システムを導入し、債権者情報の一元化と共有化はもちろん、分析や進行管理もデータ上でできるようにして業務の効率化を図ることが急務だと考えます。税のほうは滞納整理支援システムが既に導入されていますが、64歳までの介護保険料を含む国民健康保険料についてはまだです。国保は時効が5年の税に比べて2年と短く、未収額も大きいこともあり、税務分野と共有できるシステムを早急に導入すべきだと考えます。国保の滞納支援についてどのような対応を計画されているのか、お示しください。
 最後に、臨戸徴収につきましては、その事前準備に1カ月くらいかかっているという状況から考えましても、業務効率の点でかなり疑問を感じます。23区の中でも当該部署以外の正規職員が駆り出されて臨戸徴収を行っているのは中野区だけです。職員研修的な色合いも強いようですが、やるのであれば少しでも滞納額を減らすことに重きを置くべきだと思います。来年も実施が決定しているということですが、職員の方の力を借りるということであれば、頑張った方を表彰するなど、目標達成に向けて何かしらやる気を引き出す試みも必要なのではないでしょうか。
 以上で私の質問を終了いたします。ありがとうございました。
     〔政策室長竹内沖司登壇〕
○政策室長(竹内沖司) 中央電算システムの再構築についての御質問にお答えをいたします。
 まず、全体最適化推進管理業務についてでございますが、委託した業務内容は、再構築業務の進行管理などの支援に関する業務でございます。当初の納期での納品がおくれたことについては、再構築業務自体を請け負った開発事業者の基盤ソフトがその時点では十分な機能を有していなかったことによるものでございまして、管理業務を委託した業者については、その契約業務を適正に履行していたものと考えております。
 次に、事前のテストについてでございますが、出先も含めた全フロアテストや高負荷テストなど、事前のテストを実施してまいりました。しかし、かかわる職員が多数にわたる業務の中、想定し切れなかった要素もあり、移行時において幾つかの障害が発生してしまったものでございます。
 次に、移行後のシステムについてのお尋ねがございました。移行後の障害については、対策が完了し、オンラインもバッチ処理も順調に稼働しております。管理システムの制度改正やバージョンアップにも十分対応できているところでございます。将来的にも、地域情報プラットフォームが想定するデータ連携に対応できるものと考えております。
 それから、職員体制についての御質問がございました。今回の再構築作業では、不測の事態も生じたため、職員に負担がかかったものもございますが、現在は平常化しており、通常の作業となっております。今後、庁内のサーバーを集約するなど、システムに係る体制の変更を行うこととしており、新たな業務には十分準備して取り組んでいきたいと考えております。
 次に、損害賠償についてでございますが、再構築の遅延に伴い必要となったホストコンピュータの継続利用に係る経費は、受託業者の負担といたしました。今後、遅延による他の損害が判明した場合には、早急に損害額を確定し、区として契約に基づいて請求してまいります。
 次に、再構築後の運用支援についてでございます。運用支援につきましては、再構築業務に関する選定の際の内容を踏まえて、再構築の受託業者と今年度は契約をいたしました。来年度以降につきましては、業者選定の方法も含め、十分に内容を精査し、契約を行っていく考えでございます。
     〔経営室長川崎亨登壇〕
○経営室長(川崎亨) 区のリスクマネジメントについてお答えをいたします。
危機の発生を未然に防ぎ、もし危機が発生したとしても被害を最小限に食いとめるためには、平常 時の予防、危機発生時の対策、危機収束後の復旧に至るまで一貫したリスク管理が重要であると認識し、取り組んでいるところでございます。今後も絶えずリスク管理のチェック、改善を図りながら、迅速かつ的確な危機管理に努めていきたいと考えております。
    〔保健福祉部長田中政之登壇〕
○保健福祉部長(田中政之) 私からは、国民健康保険料の滞納整理支援システムについての御質問にお答えをいたします。
 国民健康保険の徴収率向上は重要な課題であると認識しておりまして、窓口開設時間の延長など徴収率の向上のための方策を実施しているところでございます。加えて国民健康保険料の滞納整理支援システムにつきましても、徴収率向上のために重要だと考えております。住民情報系システムを含む全体最適化を図る中で導入を検討していきたいと考えてございます。
 以上でございます。
    〔管理会計室長尾﨑孝登壇〕
○管理会計室長(尾﨑孝) 私からは、臨戸徴収における職員の士気高揚についてお答えいたします。
 歳入確保のための努力は区職員として当然の責務であると考えております。そうした意識を涵養していく上からも、実績に見合った評価、表彰等を考えていきたいと思っております。
○議長(伊藤正信) 以上でいながきじゅん子議員の質問は終わります。

 中野区議会議員 林 まさみ
 1 公務員宿舎等の公共施設の有効活用について
 2 公益活動の育成・支援及び区との協働について
 3 その他

○議長(伊藤正信) 次に、林まさみ議員。
      〔林まさみ議員登壇〕
○16番(林まさみ) 2010年第4回定例会において、市民自治を広げる立場で質問いたします。
 まず、公共施設の空きスペースの活用についてです。
 東京都のまとめた2010年度学校基本調査報告によると、「都内幼稚園の園児数は、5年連続して減少している」との報告がされています。また一方、対照的な報道では、保育所に入所できない待機児数は、3年連続して増加しているとしています。このような現状は、国や自治体の子ども施策が、子育て世帯の働き方の変化に追いついていないことが原因と考えられます。
 中野区でも3歳未満児の保育需要は段階的に増加すると予測しており、保育需要数に対応するために緊急的な対策として、新たな手法を活用した合理的かつスピード感のある対策をとると、子ども家庭部が作成した「今後の保育需要に対応する施設計画について」に示されています。しかし、子どもの人口は減少傾向にある中、インフラ投資は少子・高齢化に備えた計画的な施策展開とすべきと考えます。また、インフラ整備には時間がかかることから、スピード感ある対策とは言えません。そこで、インフラ投資が少なくスピード感のある対策として「家庭的保育事業」、いわゆる保育ママの拡充が必要だと考えますが、年2人保育ママをふやすという計画さえ実現できていない状況にあるのではないでしょうか。
 私は、中野区で保育ママを拡充するには二つの課題があると考えます。一つは、都市部における住宅事情です。保育ママを行うには自宅等に子ども1人に3.3平米のスペースを確保しなければならず、中野区の住宅事情からすると困難な状況にあると考えます。二つ目には、保育ママが休みをとるときの代替措置が整っていないことが挙げられます。このような中、国も国家公務員宿舎の空きスペースを地方公共団体へ貸し付け、都市部での保育ママ事業の拡充を後押ししています。
 財務省が2010年6月18日に公表した「新成長戦略における国有財産の有効活用」の一環から、地方公共団体における家庭的保育事業の実施場所として、宿舎の空きスペースの貸し付け等を行うこととしました。そして、このたび文京区からの要望を受け、宿舎の空きスペースを活用した家庭的保育事業が動き出しています。国と地方が連携したこのような事業は、保育所などの施設整備が不要となり、さらに敷金や礼金が発生しない宿舎を活用することで、地方公共団体のコスト負担を抑制し、待機児解消を図るメリットがあると考えます。
 そこで伺います。
 区内で対象となる国有地・公務員宿舎などはどの程度あるのでしょうか。また、中野区でもスピード感のある待機児対策として国と連携し、国有地・公務員宿舎の空きスペースを利用した文京区のような家庭的保育事業の充実を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。
 中野区には公務員宿舎以外にも区有施設などの空きスペースがありますが、区民サービスの向上のためにも、適時・的確な有効活用が必要だと考えます。
 その一つとして、南台三丁目にあるまちづくり事業住宅が考えられます。居室数は1DKから3DKまで全25戸あり、2010年11月末の入居率は40%となっています。特に事業住宅の12戸を占めている小世帯用1DKは、集合住宅の建てかえを想定したものでしたが、集合住宅が建てかえをした実績は今まで一度もありません。
 まちづくり事業住宅が建設されてから13年の間、1DK約40平米、使用料8万700円の小世帯住宅の入居率はどのようになっているのでしょうか、お聞きします。
 まちづくり事業住宅は、木造密集地域整備事業として国と都の補助金で建設されているため、対象者は不燃化促進事業等で助成を受けているなど、入居要件に一定の条件があることは承知しています。しかし、空き部屋が多い現状や待機児の多い地域であることから、入居要件の基準緩和措置など暫定的な活用を国・都に働きかけ、家庭的保育事業の拡充など地域福祉のために有効活用が図られるようにするべきと考えます。
 また、現在未利用となっている耐震診断Aランクの東中野教職員住宅の有効活用も考えるべきではないでしょうか。2DK21室と、50平米の集会所を含めた教職員住宅は、10か年計画では売却とありますが、小学校の運動場と一体となっている構造から、東中野小学校跡施設活用が決まるまで売却は困難と思われます。「売却の予定はあるが、有効活用をする計画はない」とのことですが、1室10万円の家賃としても、年2,520万円の不動産価値がある財産を全く活用しないことはコスト意識に欠け、問題と考えます。
 以上のことを踏まえて伺います。
 まちづくり事業住宅の目的外使用として、中野区から個人、「特に地域の福祉の向上に資するもの」へ、貸借の転換を行うことを考えるべきではないでしょうか。さらに東中野教職員住宅のように、売却の予定はあるが、有効活用をする計画はない区有施設については、家庭福祉員拡充など区民のために積極的に活用することを考えるべきだと思います。区の考えをお聞かせください。
 子ども1人当たり3.3平米が確保できないため、家庭福祉員の拡充が進まない中、40平米、50平米の公共施設が活用されていません。空き室を利用し、家庭福祉員の拡充が進めば、待機児対策だけではなく、地域に雇用も広がります。家庭福祉員が100人以上いる小平市では、家庭福祉員の収入で自立している方がたくさんいるそうです。
 また、公共施設の同じ建物の中で複数の家庭福祉員がグループをつくり、家庭福祉員同士でローテーションを組むことができれば、「休みがとれない」、「孤立化する」という問題も解決すると考えられます。待機児対策、雇用の創出のためにも、公共施設の有効活用を積極的に、そして早急に行うことを要望して、この項の質問を終わります。
 次に、公益活動に対しての区の方針について伺います。
 区長は、「小さな区役所の実現」と、新たなサービスを提供し、豊かな地域社会を実現するためには、「公益活動団体の育成が急務である」との考えから、「中野区区民公益活動の推進に関する条例」を2006年3月に制定しました。そして自立した団体、一定規模以上のNPOを中野で育てるために「経営相談の実施」、「NPO活動センターの開設」、「基金の創設と事業助成」など六つの事業を行ってきました。さらに「区民公益活動に関する政策助成」を開始するなど、さまざまな育成・支援の仕組みをつくったものの、区内のNPO法人は微増で、育成につながっているとは思えません。区民公益活動推進基金の寄附金に至っては、2010年7月時点で5万4,050円と、基金設立年度から激減しています。また、公募による「業務委託の提案制度」も、2006年から5年のうち2事業しか選定されていません。
 このような現状について、2010年9月3日付の区民生活部が作成した資料によれば、「そもそもこの業務委託提案制度は、制度として予算が計上されていないため、引き受け先に所管部との協議が毎回難航している状況であり、提案する団体の力量についても課題がある」としています。
 区長は、区民の公益活動を推進するためにさまざまな仕組みを持ちつつも、業務委託の提案制度選定基準に達する団体が育っていない現実についてどうお考えでしょうか。また、この課題を解決するためにどのような方策をお持ちでしょうか、伺います。
 そもそも公益活動団体を支援・育成・推進する目的は、公益活動の特徴を生かし、豊かで活力ある地域社会を築き、区民が多様なサービスを利用できることです。しかしながら、区の職員には2004年に示された「市民の行う公共・公益活動支援方針」について、理解が不足していることから、市民公益活動が豊かで活力ある地域社会を築くとの認識がされず、全庁的な推進とはなっていないように思われます。また、公益活動を推進すべき立場に立って考えているとは思えない業務委託の実態なども、参入しているNPOからは聞こえてきます。
 現在行われている各種業務委託を目的とした公募型事業提案制度などは、型どおりの入札制度の仕組みの一つであり、とても公益活動団体と行政が対等な立場で協働している仕組み、取り組みになっているとは言えず、そのため多様なサービスが区民に提供されていない状況です。
 豊かで活力ある地域社会を築き、区民が多様なサービスを利用できる社会とするために、今後の公益活動の推進と行政との対等な協働・連携について区のお考えをお聞きして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔子ども家庭部長長田久雄登壇〕
○子ども家庭部長(長田久雄) 林議員の御質問にお答えをいたします。
 私からは、公共施設の有効活用についての御質問のうち、公務員住宅を活用した家庭福祉員事業についてお答えをいたします。区は、保育園の待機対策として多様な保育ニーズにこたえるため、家庭福祉員の増員も方法の一つとして進めているところでございます。平成22年6月に国から国家公務員宿舎を家庭的保育事業に活用することについて照会があり、区として活用可能な施設の情報提供を受けたところでございます。確認したところ、家庭福祉員事業制度の活用の可能性がある物件があるということがわかってございます。事業を拡充するに当たって、一つの検討素材になると考えているところでございます。
 私から以上でございます。
  〔まちづくり推進室長遠藤由紀夫登壇〕
○まちづくり推進室長(遠藤由紀夫) 私から、まちづくり事業住宅の活用についてお答え申し上げます。
 まちづくり事業住宅につきましては、木造住宅密集地域整備促進事業や都市防災不燃化促進事業などに係る従前居住者を対象としてございます。まちづくり事業住宅の1DKの入居率につきましては、あまり高くございません。現在、地区計画道路の新設道路上にある共同住宅の移転交渉を行っているところでありまして、今後この1DKにつきましても活用を想定しているところでございます。
 以上です。
     〔経営室長川崎亨登壇〕
○経営室長(川崎亨) 東中野の旧教職員住宅の活用についてお答えをいたします。
 この旧教職員住宅につきましては、売却予定であるため、他の用途に活用する考えはございません。
   〔区民生活部長鈴木由美子登壇〕
○区民生活部長(鈴木由美子) 私からは、公益活動の育成・支援についての御質問にお答えいたします。
 業務委託提案がなかなか採択に至らないのではないかという御指摘でございますが、この業務提案制度の提案の委託化には当然のことながら、区の施策の方向が大きく関係するわけでございます。それを所管するところへの働きかけでありますとか、担当者との調整、そうしたことも十分行いながら、庁内でのこの制度の趣旨、そうしたものの徹底を図ってまいりたいというふうに考えてございます。
 また、今後の公益活動の推進についてでございますけれども、公益活動の推進や団体間の協働・連携につきましては、団体の運営力が高まるようなスキルアップのための講座、こうしたことも引き続き開催してまいりたいというふうに考えています。あわせて、団体同士の連携が深まるような機会の創出に努めることなどを積極的に行い、公益活動の諸団体への支援を進めていきたいというふうに考えてございます。
 以上です。
      〔林まさみ議員登壇〕
○16番(林まさみ) 2点、再質問させていただきます。
 まちづくり事業住宅、1DKは入居率を聞きましたので、多いか少ないかというお答えではちょっと困ります。
 あと、先ほどの公務員宿舎の空き室利用の徹底についてですが、情報を受けているということは承知しています。どの程度、何室ぐらい、どのように対応できるかということをお答えください。
   〔子ども家庭部長長田久雄登壇〕
○子ども家庭部長(長田久雄) 林議員の再質問にお答えをいたします。
 先ほども御答弁させていただきましたとおり、国から情報提供をいただきましたので、区のほうで所管のほうから現地に赴いてその状況を確認してございます。現在のところ、複数の物件が可能性がある物件ということで把握をしているということでございます。
 以上でございます。
  〔まちづくり推進室長遠藤由紀夫登壇〕
○まちづくり推進室長(遠藤由紀夫) 区のまちづくり事業住宅の1DKの入居率につきましては、これまでの平均で約3割となってございます。
○議長(伊藤正信) 以上で林まさみ議員の質問は終わります。
 以上をもって質問は終了いたしました。
 これより日程に入ります。
──────────────────────────────
 第65号議案 平成22年度中野区一般会計補正予算
  (委員会報告)

○議長(伊藤正信) 日程第1、第65号議案、平成22年度中野区一般会計補正予算を議題に供します。

平成22年(2010年)12月1日

中野区議会議長 殿

総務委員長 いでい 良輔
  (公印省略)
議案の審査結果について

本委員会に付託された下記議案は、審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので、中野区議会会議規則第78条の規定により報告します。


議案番号 件    名 決定月日  
第65号 平成22年度中野区一般会計補正予算 12月1日  

○議長(伊藤正信) お諮りいたします。上程中の議案に関する委員長報告は、会議規則第40条第3項の規定により省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊藤正信) 御異議ありませんので、委員長報告は省略いたします。
 本件については討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊藤正信) 御異議ありませんので、これより採決いたします。
 上程中の議案を委員会報告どおり可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊藤正信) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
──────────────────────────────
 第66号議案 中野区組織条例の一部を改正する条例
 第76号議案 中野区教育に関する事務の職務権限の特例に関する条例
 第77号議案 中央本線東中野駅西口連絡設備及び線路上空開発事業に伴う工事委託契約

○議長(伊藤正信) 日程第2、第66号議案、第76号議案及び第77号議案の計3件を一括上程いたします。
 理事者の説明を求めます。
      〔副区長金野晃登壇〕
○副区長(金野晃) ただいま上程されました第66号議案、第76号議案及び第77号議案の3議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。
 第66号議案、中野区組織条例の一部を改正する条例は、新しい中野をつくる10か年計画(第2次)を効率的かつ効果的に実現し、区の財政力に対応した区政経営を行うとともに、将来に向けた大規模プロジェクトの推進や、地域の最前線における機動的なワンストップサービスの取り組み、新生児から成人までのライフステージをトータルにとらえた積極的で効果的な子育て支援教育などを展開するため、組織の再編を行うもので、政策室及び経営室の事務分掌を改め、都市政策推進室、地域支えあい推進室、区民サービス管理部、子ども教育部、健康福祉部、環境部及び都市基盤部を設置し、それらの事務分掌を定めるとともに、管理会計室、区民生活部、子ども家庭部、保健福祉部、都市整備部及びまちづくり推進室を廃止するものです。この条例の施行時期は平成23年4月1日です。
 第76号議案、中野区教育に関する事務の職務権限の特例に関する条例は、教育に関する事務のうち、スポーツ及び文化に関する事務を区長が管理し執行する必要があるため、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第24条の2、第1項の規定に基づき、教育に関する事務の職務権限の特例を規定するものです。この条例の施行時期は平成23年4月1日です。
 第77号議案、中央本線東中野駅西口連絡設備及び線路上空開発事業に伴う工事委託契約は、東中野駅における西口連絡設備及び線路上空開発事業の実施に伴い、西口連絡通路の設備及び線路上空開発に係る工事を行うため契約を締結するに当たり、議会の議決をお願いするものです。契約の方法は随意契約、契約の金額は4億6,313万円、契約の相手方は東日本旅客鉄道株式会社東京工事事務所です。この工事の完了予定は平成25年3月です。
 以上3議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○議長(伊藤正信) この際申し上げます。第76号議案については、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第24条の2、第2項の規定に基づき、お手元に配付の文書のとおり、中野区教育委員会の意見を聴取いたしましたので、さよう御了承願います。
22中教教第1784号
   平成22(2010)年11月29日
中野区議会議長
   伊藤 正信 様
         中野区教育委員会
           委員長 飛鳥馬 健次
中野区教育に関する事務の職務権限の特例
に関する条例に係る意見について(回答)
 平成22年11月24日付、22中議第1331号により依頼のありました標記の件につきまして、下記のとおり意見を申し出ます。

中野区教育に関する事務の職務権限の特例に関する条例について同意します。

○議長(伊藤正信) 本件について御質疑ありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊藤正信) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
 上程中の議案は、会議規則に従い、総務委員会に付託いたします。
──────────────────────────────
 第67号議案 中野区消費生活センター条例

○議長(伊藤正信) 日程第3、第67号議案、中野区消費生活センター条例を上程いたします。
 理事者の説明を求めます。
      〔副区長金野晃登壇〕
○副区長(金野晃) ただいま上程されました第67号議案につきまして、提案理由の説明をいたします。
 第67号議案、中野区消費生活センター条例は、消費者安全法の制定により消費者からの苦情に係る相談、苦情の処理のためのあっせん等の事務が区の事務として位置付けられたこと、消費者センターを同法に基づく消費生活センターとして位置付けること及び消費者センターを区役所庁舎内に移転すること等に伴い、中野区消費者センター条例の全部を改正するものです。この条例の施行時期は平成23年3月22日です。
 本議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○議長(伊藤正信) 本件について御質疑ありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊藤正信) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
 上程中の議案は、会議規則に従い、区民委員会に付託いたします。
──────────────────────────────
 第68号議案 指定管理者の指定について
 第69号議案 指定管理者の指定について

○議長(伊藤正信) 日程第4、第68号議案及び第69号議案の計2件を一括上程いたします。
 理事者の説明を求めます。
      〔副区長金野晃登壇〕
○副区長(金野晃) ただいま上程されました第68号議案及び第69号議案の2議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。
 第68号議案、指定管理者の指定については、社会福祉会館の指定管理者を指定するに当たり、議会の議決をお願いするものです。指定管理者として選定した団体は、社会福祉法人中野区社会福祉協議会で、指定の期間は平成23年4月1日から平成28年3月31日までの5年間としています。
 第69号議案、指定管理者の指定については、仲町就労支援事業所の指定管理者を指定するに当たり、議会の議決をお願いするものです。指定管理者として選定した団体は、社会福祉法人東京コロニーで、指定の期間は平成23年4月1日から平成28年3月31日までの5年間としています。
 以上2議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○議長(伊藤正信) 本件について御質疑ありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊藤正信) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
 上程中の議案は、会議規則に従い、厚生委員会に付託いたします。
──────────────────────────────
 第70号議案 特別区道路線の認定について
 第71号議案 特別区道路線の認定について
 第72号議案 特別区道路線の廃止について

○議長(伊藤正信) 日程第5、第70号議案から第72号議案までの計3件を一括上程いたします。
 理事者の説明を求めます。
      〔副区長金野晃登壇〕
○副区長(金野晃) ただいま上程されました第70号議案から第72号議案までの3議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。
 第70号議案及び第71号議案の2議案は、いずれも特別区道の路線を認定するに当たり、道路法第8条の規定に基づき、議会の議決をお願いするものです。これらの2路線は、開発行為により区に帰属した私道を特別区道路線として認定するもので、区間はいずれも中野区上鷺宮二丁目325番1から同地番まで、延長は第70号議案の路線が118.11メートル、第71号議案の路線が103.94メートルです。
 第72号議案、特別区道路線の廃止については、特別区道の路線の一部を廃止するに当たり、道路法第10条第3項の規定に基づき、議会の議決をお願いするものです。この路線は、既にその一部が廃滅していること、隣接して別の特別区道路線及び区有通路が存在していることから廃止するもので、区間は中野区野方六丁目16番7先から12先まで、延長は35.70メートルです。
 以上3議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○議長(伊藤正信) 本件について御質疑ありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊藤正信) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
 上程中の議案は、会議規則に従い、建設委員会に付託いたします。
──────────────────────────────
 第73号議案 指定管理者の指定について
 第74号議案 指定管理者の指定について
 第75号議案 指定管理者の指定について

○議長(伊藤正信) 日程第6、第73号議案から第75号議案までの計3件を一括上程いたします。
 理事者の説明を求めます。
      〔副区長金野晃登壇〕
○副区長(金野晃) ただいま上程されました第73号議案から第75号議案までの3議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。
 第73号議案、指定管理者の指定については、中野上高田公園、哲学堂公園及び妙正寺川公園の指定管理者を指定するに当たり、議会の議決をお願いするものです。指定管理者として選定した団体は、日本体育施設グループ、日本体育施設、飛鳥、シティビルメン・やまてで、指定の期間は平成23年4月1日から平成28年3月31日までの5年間としています。
 第74号議案、指定管理者の指定については、中野体育館、鷺宮体育館及び鷺宮運動広場の指定管理者を指定するに当たり、議会の議決をお願いするものです。指定管理者として選定した団体は、三菱電機ビルテクノサービス、東京アスレティッククラブ、エクレ指定管理者共同事業体で、指定の期間は平成23年4月1日から平成28年3月31日までの5年間としております。
 第75号議案、指定管理者の指定については、もみじ山文化センター、野方区民ホール及びなかの芸能小劇場の指定管理者を指定するに当たり、議会の議決をお願いするものです。指定管理者として選定した団体は、JTBコミュニケーションズ、野村ビルマネジメント指定管理者共同事業体で、指定の期間は平成23年4月1日から平成28年3月31日までの5年間としております。
 以上3議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○議長(伊藤正信) 本件について御質疑ありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊藤正信) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
 上程中の議案は、会議規則に従い、子ども文教委員会に付託いたします。
──────────────────────────────
 議会の委任に基づく専決処分について

○議長(伊藤正信) 日程第7、議会の委任に基づく専決処分について報告いたします。
 本件については、地方自治法第180条第2項の規定に基づき、12月1日付をもって区長からお手元に配付の文書のとおり報告がありましたので、さよう御了承願います。

      22中経経第2021号
      平成22年(2010年)12月1日
 中野区議会議長 伊 藤 正 信 殿
         中野区長 田 中 大 輔
議会の委任に基づく専決処分について(報告)
 区を当事者とする和解及び損害賠償額の決定について、議会の委任に基づき次のとおり専決処分したので、地方自治法第180条第2項により報告します。
          記
1 和解(示談)当事者
 甲 豊島区民
 乙 中野区
 丙 中野区ソフトボール連盟
2 事故の表示
(1)事故発生日時 平成21年(2009年)1月18日午前9時50分頃
(2)事故発生場所 東京都中野区上高田五丁目6番1号 上高田運動施設内野球場
(3)事故発生状況 乙及び丙が共催した北京オリンピック参加選手指導ソフトボール教室に参加
した甲が、オリンピック選手の投球を参加者が打つ打撃練習を希望して打撃順番待ちの列に並んだところ、参加者が打ったファールボールを右に受け、右部打撲の傷害を負った。
3 和解(示談)条件
(1)甲は、本件事故により、治療費、通院慰謝料、通院交通費、診断書作成料の合計金1,32
7,780円の損害を被った。
(2)乙及び丙は、本件事故による上記損害額のうち、金800,000円について甲に対し賠償
する義務があることを認め、本件示談成立後に連帯して、契約締結の日から2か月以内に甲の指定する口座に振り込む方法で支払う。ただし、振込手数料は、乙及び丙の負担とする。
(3)以上のほか、本件事故に関し、甲と乙及び丙の間には、何らの債権債務がないことを確認す
る。
4 和解(示談)成立の日 平成22年(2010年)11月12日

○議長(伊藤正信) 次に、請願の特別委員会への付託についてお諮りいたします。
 お手元に配付の請願付託件名表(I)に記載の請願につきましては、記載のとおり、それぞれ所管の特別委員会に審査を付託いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊藤正信) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

      請願付託件名表(I)
《中野駅周辺・西武新宿線沿線まちづくり特別委員会付託》
 第3号請願 西武鉄道新宿線(中井駅~野方駅間)連続立体交差化の早期事業化について
 第4号請願 西武鉄道新宿線(中井駅~野方駅間)連続立体交差化の早期実現について

○議長(伊藤正信) 次に、請願・陳情の常任委員会への付託について申し上げます。
 お手元に配付の請願・陳情付託件名表(II)に記載の請願・陳情につきましては、記載のとおり、それぞれ所管の常任委員会に審査を付託いたします。

    請願・陳情付託件名表(II)
《総務委員会付託》
 第1号請願 固定資産税及び都市計画税の軽減措置の継続を求める意見書の提出について

《区民委員会付託》
 第16号陳情 中野区消費者センターと消費者団体との連携について

《建設委員会付託》
 第2号請願 中野駅南口発「南部高齢者会館行き路線バス」の増便を求めることについて
 第17号陳情 「中野区都市計画マスタープラン」を恣意的な運用にさせない仕組みにすることに
ついて

○議長(伊藤正信) 本日はこれをもって散会いたします。
      午後5時08分散会